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1984/04/03 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第9号
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1984/04/03 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第9号

#1
第102回国会 逓信委員会 第9号
昭和六十年四月三日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
    目黒今朝次郎君     片山 甚市君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松前 達郎君
    理 事
                成相 善十君
                長谷川 信君
                宮田  輝君
                片山 甚市君
    委 員
                岡野  裕君
                沖  外夫君
                長田 裕二君
                川原新次郎君
                添田増太郎君
                西村 尚治君
                山内 一郎君
                大森  昭君
               目黒今朝次郎君
                服部 信吾君
                佐藤 昭夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  左藤  恵君
   政府委員
       郵政大臣官房経
       理部長      高橋 幸男君
       郵政省郵務局長  塩谷  稔君
       郵政省貯金局長  奥田 量三君
       郵政省電気通信
       局長       澤田 茂生君
       郵政省放送行政
       局長       徳田 修造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    濱本 英輔君
       国税庁直税部法
       人税課長     加藤 泰彦君
   参考人
       国際電信電話株
       式会社副社長   石井多加三君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        児島 光雄君
       国際電信電話株
       式会社取締役   池田 茂樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和六十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (郵政省所管)
○理事補欠選任の件
    ─────────────
#2
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算、昭和六十年度政府関係機関予算のうち、郵政省所管を議題といたします。
    ─────────────
#3
○委員長(松前達郎君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日の委員会に国際電信電話株式会社副社長石井多加三君、同会社常務取締役児島光雄君及び同会社取締役池田茂樹君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(松前達郎君) これより、昨日に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○目黒今朝次郎君 私は日本で一番技術の進歩をしておると言われるKDDなりあるいは電電の皆さんには私も国鉄の一人として敬意を表するわけでありますが、どうも地元の仙台で発生した若干の料金請求にかかわる案件について、どうしても信頼しておったKDDの技術陣に対してはちょっと首をかしげざるを得ない、こういう気がいたしまして、若干の問題について具体的な事実を提示しながら御見解なりあるいは対策を求めたいなと、こう思うわけであります。
 事の始まりは去年の十二月の二十一日地元の新聞が報じておるわけでありますが、Aさんという言葉を使っておりますが、本人の了解を得まして小林さんというふうにはっきりしたいと存じます。仙台市小松島四の二十の三十一、コバヤシエツロウさん。(資料を示す)これがおたくから届いておる具体的な請求書であります。この請求書の中で六月十七日台湾にかけた十五秒七百五円とその翌月請求のあった中で、二枚目がありますが、七月八日となっておりますが、同じく台湾十四秒六百五十八円。これは確かに小林さんは台湾に友達がおるんで何回かかけておる。しかしこの日は相手方に電話をかけたら、不在かどうか知らぬけれども呼び出しの信号はあったけれども話はできなかった。そういうことでありまして、これはちょっとおかしいではないかと言っておたくの方に訂正方、取り消し方を要求した。ところがなかなか仙台の事務所の皆さんは、天下のKDDを信頼しないのかと言って大分圧力をかけたらしいのですが、圧力をかけられればかけられるほど私の方には間違いないと言って仙台の現地でやりとりがありまして、結局はおたくの方が負けて、五十九年の八月三十日に、ここに「料金返還のお知らせ」、〇二二二―七五―一二三七、やはり小林さん方請求番号〇〇〇六七三四二、千三百六十三円は私の方の間違いでありましたと言って正式に来ておるわけであります。
 天下のKDDが、利用者に言われて圧力をかけるのもちょっと私は言語道断だと思うんですが、最終的に認めたわけですね。これは一体どこに間違いがあったんでしょうか。その出発点でありますから、この件についておたくの方からまず解明を願いたい。こう思うんです。
#7
○参考人(石井多加三君) 国際電信電話株式会社の副社長の石井でございます。平素国際電気通信につきましては絶えず御理解をいただき、また御指導を賜っておりますことを厚く御礼を申し上げます。
 さて、ただいま目黒先生から御質疑のございました点につきまして最初に私から概略を申し上げまして、なお関係の担当役員から補足して説明を申し上げることにいたしたいと思います。
 まず、事実関係につきましてはただいま先生がお話しになりましたことで大体尽きておるわけでございますが、昨年の六月、七月の二回にわたりまして仙台在住の小林さんという方が台湾の方に国際自動ダイヤル通話をなされました。その際、相手が留守であったために通話が実際は成立しな
かったわけでありますけれども、私の方からその両日分も含めまして料金の請求書が御本人に行きまして、御本人はそれを支払われた後、御不審のことをお申し出いただきまして、私の方もいろいろ調査いたしました結果、御本人のおっしゃることが正しいことでございます、私の方のミスであったことがわかりましたので、料金の返還を申し上げますとともに、本社から仙台の御本人のお宅まで参りましておわびを申し上げたような次第でございます。
 こういった問題がどうして起こったかということについてのお尋ねでございますが、国際電気通信と申しますと、申し上げるまでもなく我が国と外国との共同事業で成り立っておるわけでございまして、この分野では絶えず国際協力というものが毎日行われているということが言えるわけでございます。
 ただ、何と申しましても国際通信となりますと非常に国際通信回線も遠距離を回ってくることになっております。また、その間に多くの電話の交換機を、しかもそれは多種類の交換機を経過してまいりますし、回線もそれぞれの国で品質の違ったものを使っておるようなこともございまして、そういったものを通じて接続されますために、時として、本当にまれなることでございますが、ただいま御指摘になりましたような事故が起こるわけでございまして、私たちの方の採用いたしております電子交換機は世界的にも高い水準の国産の機械でございまして、その性能につきましては世界的にも高い評価を得ているわけでございますけれども、今のような相手国との関係がございまするために、我々の方の設備がいかに充実整備されましても、こういったことも、相手国との機械の連絡ミスと申しますか、今のような信号の流れが時に異状を来すようなことがあるわけでございます。もちろんこういったことはあってはならないことでございまして、我々の方もこれに対応する措置はいろいろ現在検討いたしております。既にやっておることもございますけれども、いずれにいたしましても大変申しわけないことでございまして、深くおわび申し上げる次第でございます。
 ただ、弁明になりまするけれども、実は、電気通信がだんだん発展いたしまして、自動ダイヤル通話で世界じゅうかけられるようになりましたために、最近は大変その需要もふえておりますけれども、何せ電話の交換手を通じた通話と違いまして全部機械で処理いたしまするので、電気通信の信号が、流れがすべてを決定するというわけでございます。
 このような機械のミスによる事故というものは私どもKDDのみならず、アメリカのATTあるいはイギリスのBT、あるいはフランスのPTT等の電気通信におきましては世界的には先進国と見られておる国々の場合でも同じようなことが間間起こっておるようでございます。特に相手国の事情によりまして、一般的には発展途上国と言われておるような国々の電気通信との間の場合にそういったケースが間々あるということを私たちも承知いたしております。各国ともこの問題につきましては大変悩んでおると申しますか、対策をいろいろ考えあぐねておる。したがいまして、このように御本人から御申告をいただいて初めて我々もわかるというふうなことが偽らない現状でございます。
#8
○目黒今朝次郎君 今質問の答えで十分ですよ。総裁だから私は敬意を表して黙って聞いておったんですが、私は三十分の持ち合わせですから全部一緒に言います。全部言いますから一緒に答えてください、時間の関係上。
 今の件で、この仙台の小林さんの問題については、地元の新聞の報ずるところによりますと、おたくの近藤明広報課長さんの記者会見による弁明によりますと、小林さんの問題は、相手方、台湾の器具が悪かったんだと、あるいは回線が悪かったんであって日本側のミスではないという釈明をされました。その釈明に基づいて地元新聞は十二月の二十七日、中華民国国際電信局の施倫さんという方に直接インタビューしました。このインタビューについては、台湾の言明は、何を言っているか、おまえたちのミスを台湾の我々に押しつけるとは何事だといって即座に反論しております。したがってこれを受けて、今度は郵政省は、これらの問題については国際的な苦情処理委員会に提訴して全体の調整を図ろうということを地元の新聞に談話を発表しております。したがって、この台湾の反応と国際的な調停機関にかけるという郵政省の方針は――(資料を示す)ここに原文があります。郵政省はどうなっているか、ナシのつぶてでありますから、それをひとつきちっとしてもらいたいと思います。
 それからもう一つ、小林さんはかけないのに請求が来た。今度は逆にかけているのに請求が来ない。これもおもしろいことだね。これは六十年一月十日発行の請求書であります。この請求分は当然十二月になるわけでありますが、十二月の二十三日十時二十四分十三秒から五十三秒、約四十秒かけておると。これが請求書に載ってない。同じく、同じ請求書で、やはり十時三十一分十四秒から二十六秒まで十二秒かけておるのにこれも請求書に載ってない。前の方はかけないのに料金取られるんですよ、後の方はかけておるのに料金に入ってない、これはどういうことなんですかな。
 それから、時間がないから皆言います。仙台市のフジイソウイチロウさん。これは十一月十八日、千九百八十円の請求書が参りました。この請求書についていろいろお話ししたところ、地元の公社の説明では、たまにはコンピューターを使わないところもありまして、大手町の交換室はコンピューターが入ってない、たまたまおたくの請求というのは大手町のコンピューターの入ってないところを通ってやった通話なので、扱った交換手あるいは請求を受けた事務の方々、その人為的な誤りでありますからお許しのほどをと言って仙台市のフジイソウイチロウさんに謝ってきたわけであります。一体KDDというのは、こういうコンピューターで世界一だと誇っているにもかかわらず、大手町の交換室にまだ手動でやっているというところがあるとは私も唖然としました。したがって、これが本当ならば、一体全国的にこういうところはどのくらいあるのか、これがいつ改善されるのかということについて対応を明らかにしてもらいたい。
 それから三つ目。これは泉市の方。五十九年の六月十日の請求書であります。(資料を示す)これは請求書の原本です。これによりますと、これもイギリスに八秒、八千三百円の請求が来ております。これは、私はKDDに弱いから個人名だけは消してくれと言われて個人名は消しました、私は人権を尊重します。これはおたくから来た本物です、八千三百円。これについては随分圧力をかけたそうです。天下のKDDを信頼しないのか、いや私は絶対かけてない、信頼してないのかと、大分やりとりあったらしいです。もうこれでかんかんになりまして、それだったらもう警察でもどこでも訴えるぞと言ったらやっと引っ込みまして、結局これも最終的にミスを認めまして、八千三百円はお払いする必要はありません、これも御勘弁のほどをお願いしますと。これは五十九年六月十日。
 次は、もっとひどいのは四番目。これは石巻市木工業Aさんとありましたが、自分の名前を言っても結構ですと言ってきました。この人は石巻市泉町三の六の二十七、ナカザトシゲルさん、大工さんです。この人にも十二月十日付でカナダに三秒で三千三百円の請求が来ております。この人は純粋の東北の土地っ子の大工だから、英語もしゃべれないものが何でカナダに友達いるんだ、おれらの一家、親類全部調べてもそんなのないといって調べたら、何かカナダの方から受取人支払いで来たことらしいんです。これもいろいろ調べたら、五十九年十二月二十四日、やっぱり間違いでしたといって三千三百円は払う必要はありませんと言ってきました。
 その後一月十二日にもう一回同じものが来たんです、十二月八日、カナダ、三秒、三千三百円は間違いでしたと言って。二回も同じことを繰り返
すというのはどういうことなんだ。
 あと二、三ありますが、そのほか持っていますが、時間がありません。仙台市じゅうで約三カ月かそこらで八件あるというのは、仙台は特定区域だから、北の国の広瀬川だから八件あるとは思わないですよ、機械は平等ですから。KDD関係で一体こういうケースは国内的にあるんじゃないか。ただ、仙台の小林さんという方が非常に細かなメモをとっておって、非常にきめ細かい方でありますから、そこからたまたま大きくなったと。それを地元新聞紙が発表した、そしたらおれのところにもある、おれのところにもあるといってこれは皆出てきたんです、小林さんのものが火つけで。だから、仙台にわずか三カ月のうちに八件あるということは、一体全国的に相当あるんじゃないか。ただ、問題を提起されますとKDD側が脅迫したり――脅迫と言うと語弊がありますが、KDDを信頼せい、何言うかと、あるいは今晩ちょっと一杯飲まないかとかなんとかかんとかということで、あの手この手でいわゆるもみ消しにかかっておる。もみ消しにかかっておるから表面に出てこない。ところが仙台の小林さんはその手には乗らなかった。しかも全部きめ細かい自分のノートを持っておった、文句あったら調べなさいと。おたくの方では何か現地に行ったらしいね。現地に行って小林さんの周到さにはおたくの本社から出向された方もびっくりしたそうです、このきめ細かいのには。だから、やっぱり潜在的にこういうことがあると見て私は間違いないと思う。ないとは絶対言わさぬ、仙台で八件あるんですから。だから、こういうことは全国的にあるのかないのか、仙台だけの特殊事項か、まずその辺をひとつ技術の専門屋さんに、あるのかどうか。それから、大手町の手動でやっていることなんてことは、現代にそういうことが一体あり得るのかどうかということを含めて、時間がありませんから技術的な立場からひとつ台湾の問題も含めて御答弁願いたい、こう思うんです。
#9
○参考人(児島光雄君) お答え申し上げます。
 最初に、仙台それから石巻等、事件の起こるたびに何かKDDが圧力をかけたというようなお話もございまして、私どもの方はそういうことは行わないと信じておりますけれども、応接に大変至らないところがあったことと察しましてまことに申しわけないことと思います。おわび申し上げます。
 最初に副社長からもお話も出ましたように、現在は自動ダイヤル通話というのが全体の七三%ぐらいを占めております。これらの通話におきましては加入者相互がいきなり話ができるということでございますから、非常に歓迎されてはおるんでございますが、それだけに人が入りませんので、機械あるいは電気的信号によってすべてが操作されるという状態にございます。
 それで、この電気的信号が雑音とかあるいはいわゆる疑似信号と言いますが、本来の信号以外の電気的な信号が疑似信号として紛れ入ってきますと、それが本当の信号のように扱われてしまって機械が作動してしまうということが起こりますために、先ほどもお話の出ましたように、各国とも自国ではコントロールできないような問題のために間違って課金をする、料金を請求するというようなケースが起こっております。これは全体的には九九%以上がトラブルなしにいっておるんでございますが、残りの〇・数%といいましても件数としますとかなり多くなるかと存じますけれども、そのようなものが今のような原因によりましてトラブルを起こすようになってきております。
 それで、これは自国で解決できるという問題ではございませんので各国協力しなければならないということで、実は先ほどお話の出ました台湾につきましても、私どもの方も台湾に人が参りまして、いろいろ御相談しまして共同して研究しようということで話し合いをいたしましたし、また台湾の方もこれにつきまして問題の存在を認識しておりまして、ともにこういう問題を解決したいということでグループをつくって打ち合わせをやろうという姿勢を示しております。無論台湾に限りません。決して台湾が特に悪いわけでもございませんが、ほかの東南アジア諸国、そしてまた開発途上国だけに限りませんで、先進国でも数こそ少なくともそういうケースは起こっておる状態でございます。
 それでございますから、今後ともこれを話し合って解決するということで、それぞれの国に人を派遣いたしましてこの数カ月話をしておりますし、またインドあたりも来月あたり出かけて話をするという話になっております。そればかりでは解決できませんので、ITUのCCITTと言いまして、これは各国が共通の問題を共同して研究しましてルールを共同でつくり上げるという機関でございますが、そこで問題を持ち出しまして、お客様からの苦情だけを頼りにして問題の所在を研究するということも非常に有意義であるということで日本からこのことを提案いたしまして、お客様からの苦情も重要な要素として今後の問題として取り組むということで進めております。
 それから、先ほど自国だけではこの問題は解決できないというお話をしたんでございますけれども、そういうことで放置できないので、KDDとしましても、何とかしまして自国限りでもこの問題を解決できないかということで技術陣におきましても研究を重ねてまいりました。最近におきまして正常な信号と、それから雑音とかあるいは疑似信号等、識別する機能を持つ装置を開発するということでようやくめどがつきまして、既に設計段階も終了いたしまして、できるだけ近いうちにこれを製品化しまして使用しよう、そういうことが実現いたしますと、この精度は九八%以上ということを期待しておりますので、相手国側に原因があった場合においてもなおかつKDD側でこれを選別いたしまして、正常な信号だけについていろいろな装置類が作動するというようなことになることを期待いたしておるわけでございます。そういうことを全部あわせて、このような数少ないとはいえ、非常に御迷惑をかける問題でございますので、これを解決すべくKDDとしては努力を重ねてまいる次第でございます。
 今の個々のお話にございました点につきましては、それぞれKDDとして至らなかった点が多かったと存じますので、ここに深くおわび申し上げたいと思います。
#10
○目黒今朝次郎君 私も個々の問題については、ここで時間もありませんから、読み上げたし、あるいはレクチャーの際に政府委員の方に言ってありますから、それらに対応してもらえばいいと思いますし、今国際的、国内的な努力についてはそれなりに評価いたします。
 ただ、私もおたくの人たちに比べてはあるいは技術力が低いかもしれませんが、新幹線の運転関係をやっておる者でありますから、運転の場合には〇・〇一秒の誤差があっても脱線転覆という事態の中で、我々もまあおたくほどには力がありませんが、人命を預っている点では私も随分関心を持っている男でありますから、その努力は多とします。特に識別云々なんていうことについては本当に敬意を表したいと思います。ぜひ実用化してもらいたい。
 それで一、二点お願いですがね、この小林さんに聞きますとこの事故があってから小林さんは〇〇一でつなぐということで事故があったらしいんですけれども、余り事故が多かったものですから、小林さん、今度は〇〇二を使って活用してください、こういう話がありまして、〇〇二を使ってからは事故がほとんどない。〇〇二はどうなんだと聞くと、何か仙台の事務所の話では、これは一般に公開しない特殊なもんだ、ここにもメモがありますが、そういうふうな御説明を小林さんにした。私は〇〇二で事故がないならばやっぱり〇〇二を一般に公開して事故防止のためにやっぱり再検討してもらいたいなと。きょう時間がありませんから答えは要りませんが、そういうことを私は技術的に事故の起きない〇〇二のルートがあるならばそれを一般に公開してもらいたい、こういう気がします。
 二つ目には、たまたま今常務も言っていました
が、九九・八%であってもあるいは〇・六%であっても異常があるとすれば、やっぱり泣き寝入りさせるというのは余りよくない。四月一日から国内の電電も民営化したことでありますから、これは大臣にお願いしたいんですが、郵政省とそれから国際電電と発足する民間の従来の電通、この三者の皆さんで何か苦情処理委員会的なものを各局別かブロック別かわかりませんが、やはりつくりまして、その苦情処理委員会にこれらの問題について苦情があったら申告をしてもらう。会社と利用者が直接取引するというのは、やっぱり民衆は弱いものですから余りよろしくない。できれば第三者が一番いいんですがね。利用者代表とかそれから学識経験者とか、そういう方々を含めて苦情処理機関をつくって、そこを窓口にして国民のニーズにこたえる、あるいは問題があればそれを受けとめて業務の改善なりあるいは技術の改善に皆さんが努力していく、こういう機構が必要ではないか、こういうことを考えましたので、この点については、ぜひ大臣の方からひとつ最後の締めくくりとして御答弁を願いたいなと、こう思うんですが、大臣いかがでしょうか。
#11
○国務大臣(左藤恵君) 電気通信事業法の施行によりまして、そうした今先生お話のような皆民間会社という立場でKDDでも、それからこれからは新電電もやっていかなければなりませんが、特に電気通信が社会経済活動の非常に大きな役割を果たすという意味におきまして、郵政省としては郵政省の中にそういった仕組みのものを考えまして、そうして大切なことはやはり安全性と信頼性ということじゃなかろうかと思いますので、そういうことに国民の皆さんの期待におこたえできるようなことを考えていきたい、このように思います。
#12
○目黒今朝次郎君 KDD、〇〇二の関係をちょっと。
#13
○参考人(児島光雄君) ただいまお話の出ました〇〇二ということでございますが、〇〇一が通常自動ダイヤルで直接加入者から加入者に通話を申し込む場合の番号でございます。〇〇二というのは今お話の出ましたように一般に周知いたしておりません。どうしてかと申しますと、これはむしろ特別にホテルとか、その他仕事の上でお客様が利用された後どのくらい料金がかかったかというようなことを調査する必要があるというような向きのために準備されたものでございまして、料金即知とか社内では申しておりますけれども、通話が終わりました後にただいまの通話はどのくらいかかりましたということを御通知するようになっております。それだけの機能でございまして、〇〇一で質が悪かったものが〇〇二を通じたらばよかったと、そういうことは起こらないはずなんでございますけれども、そういう趣旨でございますので、一般には容量的にも余り大きくなかったので周知しないという態度で今日まで参っております。
#14
○目黒今朝次郎君 使った人の感じから言うと〇〇二の方が非常に信頼感を持ってお客さんが使っておるということだけ伝えて、できれば〇〇一についても〇〇二と違っているところを改善可能であれば、やっぱりお客さんが安心するということは信頼することですから、そういうことについても御検討だけ要請しておきます。以上です。
#15
○服部信吾君 初めに電気通信の市場開放についてお伺いしたいと思います。
 日米経済摩擦については大変な問題だと、このようにも言われているわけでありますけれども、何か自民党さんの中でも中曽根総理の日米経済摩擦に対する方法、やり方についていろいろな異論があるようでありますけれども、まず初めにお伺いしたいのですけれども、電気通信の市場開放という中で、三月二十八日の日に小山次官からオルマー次官あてにこれは手紙という形で回答している。三十一日の日に中曽根総理また左藤大臣もシグール米大統領特別補佐官やオルマーさんとも会談しておる。四月一日にまた小山次官からオルマー次官あてに手紙、こういうものが送られているようでありますけれども、この辺の経過についてちょっと大臣にお伺いしておきます。
#16
○国務大臣(左藤恵君) 小山次官が三月の二十五日から三十一日までにかけましてアメリカに参りまして我が国の考え方の詳細を説明いたしました。日米の次官級協議ということでしたわけでございます。そのときに今の三月二十八日付の書簡というふうなものを出したという、これは一つの向こうに対します説明をまとめたものだと、こういうふうに御理解いただいていいと思います。そして三月三十一日に今お話しのようにシグール大統領特別補佐官が来日いたしまして、オルマー次官とともに、中曽根総理大臣とそれから安倍外務大臣と私と個別的に会談をいたしました。その会談のことにつきましては、なお小山次官との折衝のことにつきまして、アメリカとしてはまだ十分理解、納得できない問題が若干あるということですけれども、大筋についてはそれまでの交渉の経過について日本側が提言したことを多とすると、こういう話であったわけであります。
 そして、四月一日の小山次官からの書簡を出したということでございますけれども、これは今までそうしたことで向こうで交渉した結果、そしてさらにその後日本へ来て我々と話をしましたことにつきましてのことをまとめたことでありまして、これは特に公式的なものではなくて、あくまでも交渉途中の問題を一つの書簡という形で議事を記録したと、こういうふうに申し上げていいのじゃないかと思いますが、そういう性格のものであって、内容を公表する段階でも、そういった性格のものでもないと、このように私は考えておりますが、一応そういったものをまとめて向こうへ渡した、こういうことであろうかと、こう思います。
#17
○服部信吾君 二十八日のその回答ですか手紙に対しては、米側としては新聞報道によりますと大変納得してない。ところが四月一日の、これはまとめたものというようでありますけれども、これに対しては米側としてはある程度これをのめるというようなことでありますけれども、その中で非常に単純な考え方として、何か対米譲歩というんですかね、何かアメリカにさんざん交渉されてもう無理やりに何となく譲歩したというような報道等もなされているわけでありますけれども、まあそんなに違わないといっても、二十八日の回答と一日の回答の違い等がありましたならば大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#18
○政府委員(澤田茂生君) この二十八日付とそれから一日付のもの、このものがそのまま正確であるかどうかというような議論も一つございますけれども、大筋においてこういうような内容のものを話をしているということになろうかと思うわけでありますが、基本的に大きな違いがあるというふうに私どもは実は理解をいたしておりません。アメリカの方にとりましても、小山次官がアメリカに参りましていろいろ話をしたと。それまでの間も、長い間、日本の方に向こうの関係者も参りまして議論をいたした結果というものを踏まえて、政府都内としては一つの取りまとめをアメリカなりにしているのだろうと思うわけでありますけれども、いずれにいたしましてもそれをアメリカ議会の方向に報告をしなければならないということになっているようでありまして、あるいはきょうあたりがその日なのかもしれませんが、アメリカの議会筋の動きというようなことをこの間シグール大統領特別補佐官あるいはオルマー次官が来られていろいろ話をしておられたのの内容といたしましても、実はアメリカの上院におきましても対日報復措置という決議を九十二対ゼロという形で採択をした、そしてきょうの新聞等にも出ておりますけれども、対日報復法案というものを上院に提出をしてこれは可決されたというような状況にもあるようでございまして、こういった議会の保護貿易主義的な傾向ということに対してやはりアメリカとしても日本と手を携えて自由貿易という原則を守っていく、それが世界の経済の発展、平和のためにもプラスになるという認識が強いようでございまして、その点についての日本の基本的な考え方ということの話し合いを主としてこられたように私ども実は承知をいたしている
わけでありまして、内容等につきましては、既に今まで事務的な内容は、非常に技術的な話になりますが、最後残っておると言われておりますのが端末の接続の技術基準の問題でございますが、これ自身は非常に専門的な話でございますので、まあ上の方でお互い話し合っても正直言ってわからないようなものがございますので、お互い日米の専門家で技術的にひとつその辺のところは話をしようじゃないかということで、実はいろいろ話としては両政府間では行っているというような内容でございます。その辺のところをできるだけ早くひとつ作業を始めようじゃないかというようなことをさらに念を押したという形のものが一日の書簡というふうに御理解をいただければというふうに思っておるところでございます。
#19
○服部信吾君 よくわかりましたけれども、その中で一点だけですけれども、特に電気通信の技術基準なんという非常に難しい問題があるようでありますけれども、当初は六十日以内、二カ月以内に完了させる、このように言われておったわけですけれども、これを六十日待たずにもっと早くやるんだと。これが一つタイムリミットの問題といいますか、特にこれがうたわれている。こういうことで、中曽根総理もボン・サミットに五月二日に行くと。そういうことで、その前までには決着をつけるんじゃないかというような気もするわけですけれども、このタイムリミットの問題についてだけお伺いしておきます。
#20
○政府委員(澤田茂生君) 非常に専門的な話でございますので、これは話をしてみないとなかなかどういう結論になるかということがございます。ただ、気持ちとしては、これはいつまでにどうこうするというターゲットでなくて、話がつくならば、それはできるだけ早い方がいいという気持ちは私ども持っておりますし、その辺の気持ちはこういう形で伝えておるかと思います。
#21
○服部信吾君 特に、この中で、いろいろ交渉されておって大変こじれた原因というのは、アメリカ側の考え方とそれから我が国の行政のあり方の違いというようなものがあるようだと言われておるわけでありますけれども、アメリカとしては、とにかくできるだけ電気通信機器を売るために、余り規制やら何やらつくるな、売りやすくしてくれと、こういうようなことだろうと思いますけれども、我が国としては、売った後ユーザーがこれを使ってどうだこうだというような問題も出てきて、なかなか行政的にかみ合わない面があるというようなこともあると思いますし、こういう問題はやはり簡単にはいかないと思いますし、余り向こうの言いなりになってもいかぬし、やはり通信主権というような問題から考えて、譲るべきところは譲ってもやはり守るべきところは守ると、こういう態度でひとつ、大変な交渉にはなろうかと思いますし、日米経済摩擦も何となくこれがターゲットにされているみたいな気もしますし、タイムリミットもあるようでありますので、今後ひとつすばらしい――すばらしいと言っちゃおかしいんですけれども、納得のいくような交渉をやっていただきたい、このようにお願いをしておきます。
 そこで、電気通信摩擦の中で、電電公社は今度NTTになったわけでありますけれども、その資材調達についてもかなり米側としては要求をされておるわけであります。その中で、これが三年間の猶予つきというようなことで、六十一年度にはこの期限が切れると、こういうことでありますけれども、その場合に現行協定をどのように改めるのか、この点についてお伺いしたい。
#22
○政府委員(澤田茂生君) 電電公社の資材調達の問題でございますけれども、電電公社が今度、四月一日から民営になったということで、これに伴いましてガットの政府調達協定、それから日米政府間の取り決めの取り扱いというのが実はいろいろ問題になっていることは事実でございまして、私どもといたしましては、結論的に申し上げますと、現行の有効期限に至る昭和六十一年末までは現状のとおりにしていきたいという考えでございます。
 この考え方でございますけれども、政府調達協定の対象期間ということにつきましては、現在ございますのは公社、これは大変全体の中での実績は高いウエートを持っているわけでございますが、公社から民営会社になったとは申しますけれども、特殊法人としての性格を持っているという点もございます。また同時に、実はこの電電の資材調達の問題につきましては、以前、要するに内外無差別の資材調達ということでいろいろ問題になったところでございます。国会でもいろいろ御議論をいただいたところでございます。そして、その後電電自体といたしましても、こういう内外無差別で調達をして、よいものを、より安いものを世界の各国から調達していくという姿勢というものは、これが民営になったからといって切りかえるものではない、その姿勢というのは今後とも続けていくということは公社時代から表明をいたしておるところでもございますし、政府といたしましても、電電公社が今までの持っていた資材政府調達の中における実績というもの、そしてこのガット協定の中の仕組みといたしまして、それをある期間を除きましたならば、それに相当するものが、政府調達が確保できるような何か代替措置を見つけるということが、一つの話の中でそういう約束ごとになっている部分もございます。そういったことを踏まえまして、私どもといたしましては、この期限の切れる六十一年末までは今までのものを踏襲していこうということで対処をしてまいりたい。しかし、民営になったということでできるだけ自由な形での経済活動ということが望ましいわけでありますので、今後の状況等を踏まえて、私どもといたしましても、政府といたしましても、これをどうするかということは今後の検討課題として続けてまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
#23
○服部信吾君 六十一年の末、現行協定のタイムリミットが来たときには、今後の課題と、こういうことになろうかと思いますけれども、そこで、一応NTTが発足した以上、これは原則としては民間ですから、余り介入すべき筋のものじゃない、このようにも考えるわけです。
 そこで、例えば郵政省として、NTTの発足そして現行協定を例えば維持し、またそういうことをするためには、新電電についてどのような法的根拠というんですか、例えば、するとすれば指導していくのか、この点についてお伺いしておきます。
#24
○政府委員(澤田茂生君) 私どもも、こういった今後の資材調達のあり方等について電電公社時代からいろいろ話もしてまいりました。そして、結論的にはただいま申し上げたような形で、両者ともそういう方向で進もうということになっているわけでありまして、私どもといたしましては、法的根拠というものを何に置いてどういう指導をするとかいうことではなくして、資材調達協定そのものについての新電電自体がそれに対応していくという形の中で対処していけるものだというふうに思っておりますが、なお個別の、もちろんその資材調達について政府がどうこうしろというような介入というふうなことの根拠は毛頭ございませんし、そういうことをやるつもりもございません。新電電におきましても、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、引き続いて良質で安価な製品というものを内外広くから調達をするという基本精神というものは、このガット協定の精神というものとは相反するものではないし、その限りにおいては、政府全体としての対外政策という観点からの協力ということはやっていくという姿勢でもございますので、私どもといたしましても、それを踏まえて、国民によりよい電気通信サービスが還元され、提供されるということを踏まえた形での電電の調達ということに期待をいたしたいと思っているところでございます。
#25
○服部信吾君 そこでちょっと一つお伺いしたいんですけれども、昨年電電公社がノーザン・テレコム社製の電話機を六万台購入したと。購入したというよりも、これは何か買わされたという感じがするわけなんですけれども、しかし、これがな
かなか売れないというような事実があるようでありますけれども、こういう経済摩擦の中から、米国側から電話機を買ってくれと、こういうことで、押しつけじゃないんでしょうけれども、これを買ったはいいけれども全く売れなくて困っていると、こういう事実があるようですけれども、この点についてはどのように把握しておりますか。
#26
○政府委員(澤田茂生君) お話のように、電電が昨年八月から十月にかけましてノーザン・テレコム社製の電話機を六万台購入いたしました。そして、昨年の十一月上旬から中旬にかけまして、東京、関東、近畿それから東海の管内に限って売り出しを開始したということのようでございます。そして、本年二月までの間に約四千七百台を販売したということでございまして、おっしゃられますように、六万台に対して四千七百台というのが格段のいい成績かどうかという点はあろうかと思いますが、ただ問題は今までそういう電話機を売るという商売をやったことのない電電公社が新たにそういうことに取り組んだ。また、本格的な取り組みはもとよりこの四月からの開放という問題になるわけでございますが、そういった中での取り組みであるということで、私ども今後の売れ行きというものに期待をしておるところでございます。
#27
○服部信吾君 いろいろと米国側からあれ買え、これ買えというようなことで、通信衛星を買えとかいろいろな圧力みたいなのがあるようです。また、GTE社というのがあって、四万台をまた買うようなことで決定を見ておる、こういうこと、この事実ありますか。
#28
○政府委員(澤田茂生君) ちょっと私まだそういう事実を承知いたしておりません。
#29
○服部信吾君 いずれにしても、いろいろな形で経済摩擦ということで電気通信摩擦、こういう分野でそういうふうなアメリカ側の要請で買わざるを得ないというようなそういう御指摘があるようですけれども、そういう点もよく郵政省としては見て御指導していただきたい、このように思います。
 この問題で最後に、アメリカ側の摩擦の中で、対米摩擦の要求の中で、政府調達ということで余りにも随契が多過ぎる、そういう形でもう少し競争入札をしろ、その中でも郵政省関係は大変随契が多くて競争入札が少ない、公開入札が少ないというようなことで要求があったようでありますけれども、これに対して郵政省としては何か対応されたんですか。
#30
○政府委員(高橋幸男君) 政府調達協定の対象になっております契約、郵政省関係、五十八年の実態を御説明申し上げますと、御存じのとおり一般会計、特別会計、郵政省にあるわけでございますが、両方合わせまして五十八年の実績三百四十五件、五百五十二億一千万という数字になっております。内訳は、競争契約によるものが三十二件、全体の中での九・三%、金額にいたしまして二十五億四千三百万ということで、四・六%というものが競争契約によるものでございまして、その他は随意契約ということで三百十三件、九〇・七%、金額にいたしまして五百二十六億六千七百万ということで九五%というふうなことになっております。
 ただ、この随意契約三百十三件、五百二十六億六千七百万の中には、一たん競争といいますか、入札をやりまして落札がないということで随契に回したというものが二百十四件、二百十六億五千九百万という数字になっております。ほかは特許権であるとか、あるいは互換性と申しますか、そのシステムの中の一部であってそのものでなければ使えないというふうなものがあるわけでございます。そういうことで、数字の上からいきますと金額にして九五%というふうな大きな数字になっております。
 今後国際化の社会というふうなものを考え、また米国に限らず対外的な日本の役割、立場というものを考えた場合に、私ども関係の向きと協議しながらこの随契と申しますか、適正な契約の方法によって調達していきたいというふうに考えているところでございます。
#31
○服部信吾君 かなり細かくアメリカ側もそんなことまで言ってきているわけですから、向こうにそんなに何もかも沿う必要はないと思いますけれども、そういう批判があることですので、できる限りやれる範囲で競争入札をふやしていただく、そういう方向で進めていただきたいと思います。
 それから、緊急警報放送システムの実用化、こういうことで、大規模地震等災害に対しての緊急警報放送システムの実用化、こういうことでいろいろと報道されているわけでありますけれども、まず初めにこれを運営するために制度面で警察庁あるいは気象庁、それから消防庁、国土庁等々いろいろと各省庁で実施方法を検討していたわけでありますけれども、その概要が決まったようでありますので、それについて、特に技術的な側面も含めてわかりやすく説明していただきたいと思います。
#32
○政府委員(徳田修造君) お答え申し上げます。
 災害情報の伝達手段といたしまして放送というのは非常にすぐれた機能を有しておるわけでございますけれども、実際に深夜におきまして放送を視聴していないときにはラジオとかテレビのスイッチが切られておるわけでございます。そういうときに放送局側から災害情報を流しても聞こえないという問題があるわけでございます。こういう問題を解決するために災害に関する放送を一層確実に受信できるようなそういうシステムを導入したいということで今検討しておりますのが緊急警報放送システムでございます。
 具体的に申し上げますと、放送局の方から災害情報を放送する際に特別の信号を先に前置して送ると、この特別の信号というのは緊急警報信号と私ども呼んでおるわけでございますが、この信号が送られますと受信者の側ではこういう信号を受信できるそういう機能を持った受信機をお買いいただいてあらかじめセットしておいていただきますと、スイッチが切られておっても災害情報の放送が始まりますと自動的にそういう緊急の警報放送が始まるということを知らせるといいますか、そういうブザーのようなものが鳴ると、そういうような方式でございます。受信機によってはブザーが鳴った後自動的にこの放送も聞こえるというようなものでございます。こういうシステムの早期実用化を図りたいということで去る三月三十日に関係省令の改正等を行うために電波監理審議会に諮問いたしたわけでございます。
 このシステムの実用の時期でございますが、こういう制度面の整備のほかに、放送局側でこういう放送をするための警報の信号を送るための設備の整備等が必要でございます。それから、受信者の側ではこういう警報信号が受かる受信機をお求めいただかなければならないというようなことがございますので、実際に実用になるのはこの秋ごろになるんではないかというふうに考えておるところでございます。
 それで、このシステムの運用の問題でございます。かなり前から早くこういうものを実用化すべきではないかという御意見を承っておるわけでございますけれども、実際にこの放送をする場合に警報信号をどういう種類の信号を送るべきかとか、どういう範囲に信号を送るべきかとか、それから受信機の機能が信頼できるものでないと、実際に受かるつもりでいたのが受からなくて、何か災害が起きてしまったということになっても問題でございますので、そういう送る方法等のソフトウエアといいますか、その辺が非常に難しい問題がございまして、それでその辺の中身を固めるのにかなり時間がかかったようなわけでございますが、現在の考え方といたしましては、大規模地震の警戒宣言が発せられた場合、あるいは津波警報が発せられた場合、それから災害対策基本法の規定によりまして都道府県知事等からこの災害に関する放送の要請があった場合、こういう場合に限って緊急警報放送を行うようにしたいと、そのように考えております。
 それで、このシステムを実用化する場合には、当然全国どこでも放送局側でこういうシステムの
採用ができる形にもっていきたいと思っておりますが、実際にこの放送をする場合は、例えば県域であるとか、あるいはその地域、関東圏内とか、そういう地域的なもの、あるいは全国一斉にやるとか、こういうようないろいろな使い方ができるように考えてございます。
 それから、実際にこういうものを使う手段でございますが、ラジオ、テレビいずれもできるようにしたい、ラジオは中波の放送、FM放送いずれでもできるようにしたいと、そのように考えておる次第でございます。
#33
○服部信吾君 国民の生活生命を守るために大変すばらしいこれはシステムだと思うんですね。そういうことで、できるだけ早く実用化していただきたいと思います。その中で一つだけ、まあ国民側とすればそういう警戒が出てきた時点において受信機の受け皿をつくらなければいかぬということで結構高い買い物をしないとこれはできないのか、今のままのテレビでそういう信号かなんかを送ったときにそれで受けられないのかどうか、この点だけお伺いしておきます。
#34
○政府委員(徳田修造君) 今の受信機ではスイッチを切った状態では受からないわけでございます。もちろんスイッチが入っておりますと警報信号のピロピロという音が聞こえますので、もちろん受かるわけでございますが、一日じゅうスイッチをずっと入れっぱなしというわけにもまいりませんので、やはりこの緊急警報を受信されたい方はそれが受かる装置を買っていただく必要があろうかと思っておる次第でございます。
 それで問題は、受信機のコストの問題が絡むわけでございますが、このコストを下げるためにはやはり受信機を普及させる必要がございますので、この緊急警報放送システムをできるだけ全国でやるように指導してまいりたい、それによってまた生産台数もふえ、大量生産によってコストダウンが図れるということになろうかと思っておる次第でございます。あわせまして、国民に対するこういうシステムの周知が大事ではないかと私ども考えておりますので、防災関係機関、放送事業者、日本電子機械工業会等の関係者と一緒になりまして、このシステムの普及のための周知活動を積極的に実施してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#35
○服部信吾君 時間がありませんので簡単にちょっとグリーンカード制についてお伺いしておきます。
 この制度についてはもうかなり議論がされたところでありまして、ちょっとその後の経過についてお伺いしておきますけれども、大蔵省としては限度額管理を強化しなきゃならない、このように言っておるわけでありますけれども、この辺についてどのようなお考えですか。
#36
○説明員(濱本英輔君) 既に御承知おきをいただいておるかと存じますけれども、政府税制調査会におきましても、現在の非課税貯蓄残高といいますものが個人貯蓄残高の六割に達しておると、あるいはその限度管理の状況というのが放置し得ない状況にあるという問題を指摘されまして、こういった考え方を受けまして、六十年度税制改正におきましては、この非課税貯蓄の限度管理の適正化、特に本人確認の厳正化ということを中心にした改正措置を講じさせていただきたいと考えたわけでございます。
 具体的な中身といたしましては、公的書類によりまして本人確認を行う、そしてその確認されたことにつきましては証印を通帳等に押すことによりましてその事績を明らかにしていただく。さらにこういった証印のないものにつきましてはこれを課税対象とみなす。それから、そのほかにも例えば郵便貯金の場合でございますと、所定の限度を超えて預入されました場合に、その超えた部分につきましては課税対象とするということといたしておりまして、これらにつきまして課税利子の所在を郵政官署から税務官署の方に通知をしていただくといったような規定を盛り込んだ法案を既に大蔵委員会で御審議いただき、過日参議院で成立を見たわけでございます。その上は、この具体的な実施に向けまして現在、政省令事項に属します細目の詰めを急いでおるところでございます。
#37
○服部信吾君 具体的には政省令については今検討しておると、こういうことでありますけれども、あと、新聞報道によりますと、金融機関から本人確認の場合、磁気テープによる資料を提出さして、それをコンピューターに入れ限度額管理を行う、このように言っているわけでありますけれども、これが民間側とちょっといろいろなあれがあるようですけれども、この辺についてはどのように考えていますか。
#38
○説明員(加藤泰彦君) 少額貯蓄非課税制度の適正な運用を確保するためには、本人確認義務の徹底と名寄せの実施が必須の条件であると考えております。今回の改正によりまして本人確認の強化措置が講じられているので、今後は個々の貯蓄者が利用しております全部の金融機関を通じ三百万円の非課税枠が守られているのかどうか、そういう確認をすることが極めて重要なことになると考えます。この場合、手作業によって悉皆的に非課税貯蓄申告書の名寄せを行って限度額のチェックを行うことが事務量等の面から事実上困難であるので、当庁といたしましては限度額チェックのための効率的で効果的なシステムについて、ADP利用による方法等を中心に実効のある具体的な案を関係当局とも協議しながら検討していくこととしております。この場合、報道されておりますような限度管理に必要なデータを金融機関から磁気テープで提出していただきまして、当庁でコンピューター処理をするということも一つの案として考えられますが、そのほかOCRの利用等、効率的かつ効果的な方式について幅広く、またコストベネフィットの観点も考慮いたしまして検討を進めてまいりたいと考えております。
 なお、当面は、同一金融機関の店舗間及び異なる金融機関相互間の限度超過預金の把握のための名寄せにつきまして、人員や予算に制約がございますけれども、創意工夫を凝らしまして従来以上に充実するとともに、金融機関の営業所等に臨場して調査、指導を行うというふうなことも通じまして、マル優制度の運用の適正化に努めてまいりたいと考えております。
#39
○服部信吾君 じゃ最後に、大臣に一点だけお伺いして終わりたいと思います。
 この問題について郵政省としても本人確認についても今検討しておる、と同時に限度管理については特に郵政省の場合は全国オンライン化が大変進んでおるし、完成している。そういう面からいってかなり具体的な方法でやっていけると思うんですけれども、いずれにしてもこの問題について大臣のお考えがあれば最後にお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(左藤恵君) オンラインが実施される以前の郵便貯金の名寄せは、貯金事務センターで名寄せ証票をつくって手作業で預金者の区分を、預金者別の振り分け集計を行ってきたということで、大変時間もかかり労力も要していたわけでありますけれども、今先生御指摘のようなオンライン化を五十三年以降逐次実施してきまして、そしてこの場合は郵便局の窓口からオンラインで自動的に貯金の原簿ファイルが作成されるということで、名寄せのテープを作成するということができるようになりました。そうしたことで、名寄せのテープを預金者の住居地を管轄する計算センターに集中して全国一本で名寄せをやろうということができるわけでありまして、五十九年三月のオンライン化完成ということもございますので、これから従来に比べて迅速に効率的に名寄せが行えるということになりました。したがって、こういった問題につきまして、さらにソフトウェアの開発というものに努力いたしまして、こういったことについて限度管理を厳正にやっていくという努力をしていきたいと、このように考えております。
    ─────────────
#41
○委員長(松前達郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、目黒今朝次郎君が委員を辞任され、その
補欠として片山甚市君が選任されました。
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#42
○青島幸男君 ここ数日来、熱心な質疑が行われまして、私も政府委員を通じて幾つかの質問の通告は出してあるんですけれども、詳細かつ熱心に質疑が行われまして一応御意見も承りましたし、重ねてお伺いしても見解はお変わりにならないでしょうし、御答弁について不満の点もありますけれども、重複を避けまして、重ねてお尋ねはいたしません。しかし、せっかくの機会でございますので、直接予算には関係ありませんけれども、ふだんから疑問に思っていることを若干お尋ねしてみたいと、こう思っているわけです。
 私自身、身の周りについて見てみますと、電気機器とかそういうものがやたらに発達しましても、便利なことが果たして幸せなことかということを考えますと、どうなんでしょうね、今の世の中というのは可能性をただ追求して、それを具現化すればそれでいいという方向に進んでいるようですけれども、それで果たして誤りがないのかどうかということを大変に私は疑問に思うんですけれどもね。例えば核爆弾なんというのは、我が国で技術的な水準からいえばつくることは可能ですね。しかし、あえてつくらない、持たないというのは、私はやっぱり日本の国民の良識だと思うんですね。
 それから、医学の分野にいたしましても、クローン人間だの、やれ臓器の交換だのということ、あるいは発生のバイオなんとかという学問が進んで、遺伝子をどう組みかえたりなんかするということも、やっぱり神の摂理に反することで、できてもやらない方がいいんじゃないかと思うんですね。
 それに、私自身は、郵政省さんも通産省さんも、テレトピア構想だとかニューメディアコミュニティーなんということで、双方向通信ができるとか、やれホームバンキングだとか、あるいは在宅で仕事ができるとかということを、できるからといって推し進めるということが何か幸せには通じないような気がしているんですけれども。大体人間というのは、人間だれしも二十四時間しかありませんし、そのうち大体六時間から八時間は寝たいと思いますし、男性だったらそれなりに社会的な責任も果たしていかなきゃならない、あるじとして一家を養っていかなきゃならない。奥さん方は奥さん方で、主婦としての立場、責任もおありでしょうし、子供さんだって、このごろは受験勉強したり塾へ行ったり、そんなにテレビとかそういうものにかじりついてばっかりはいられないと思うんですよ。そういう格好でいる今の世の中で、果たしてその方向に突っ走っていいのかどうかということを甚だ疑問に感じているんですが、こういう話は、この委員会のような場所じゃなくて、懇親会のようなところで、水割りでも片手にお伺いした方が実は合っているんじゃないかと思いますけれども、しかし、参議院の逓信委員会というこの場で、そういう話し合いをすることも、何か将来に向けて電気通信のありようの根源を模索するということで一助になるんではないかという気がいたしまして、ちょっとお尋ねするんですけれども、実感として大臣どうお考えになりますか。
#43
○国務大臣(左藤恵君) 今お話しのような、そういうニューメディアの普及、発達というふうなことでいろんなことが、例えば在宅勤務でやれるとか、老齢者、身障者が就業の機会が拡大されるとか、そういうふうな非常なメリットというのかプラスの面というのは、またいろんな面で出てくるだろうと思います。しかし、また反面、プライバシーの保護の問題とか、それから人と余り接触しないということについての、そういう孤立性というのでしょうか、それからもう一つは、大量の情報にいろいろ国民が、そういうことで短時間の間にテレビを通じ、いろんなものを通じて与えられ過ぎまして、そういうことで判断をしなければならないといいますか、そういう情報を受けとめる側から見ましての、逆にそういうことで精神的な負担といいますか、ストレスといいますか不安というふうなものも生ずるのではないか。そういう意味での今の情緒面とかいうふうなことに対します一つのニューメディアによります圧迫というふうなものも当然考えられるのではないかと思います。
 そういう意味におきまして、やはり今の技術的な面、あるいはまた単なる経済的な需要予測だとかいうふうなものだけを検討するのではなくて、そうしたニューメディアによります人間性をどういうふうにして損なわれないで、文明、文化の進歩に貢献することができるのかというような面も、私は十分検討する必要があるのではないか、そういうことをして初めて、本当に国民としての豊かな文化をそういう形で享受していただかなければ、せっかくのニューメディアも生かしていくことができないんじゃないか。かえってデメリットな面が出てきたときには、一つの国民の間にぎすぎすした感情とか、あるいはまたそういった不安とかいうふうなものだけが増幅されるんじゃないか、このように考えるわけであります。
#44
○青島幸男君 私もそのように考えるんです。だから、これ基本的に文化を損なってしまうんじゃないか。文化と文明というのは明らかにまた別に考えなければならないと思いますね。文明というのは大変普遍的なもので、新しい技術に対する志向だとか具現化だとかということで、これはどこに行っても、だれにでも享受できるもんだと思うんです。しかし、文化というのは、それぞれの国がよって来る民族の歴史の上にはぐくまれたもので、それぞれ固有の地域もしくは固有の民族によって保持され、享受されなければいけないものだと思いますね。ですから、やっぱりふすまをあけたてするときに、一応ひざをついてふすまをあけて、あいさつをして、中に入って座って、閉めるというようなことは、大変不合理なことではあるわけですね。アメリカの御婦人のように、足でぼんと冷蔵庫の戸でも何でも閉めれば、それはそれでいいと思うんですけれども、それなりに効率的ではあるわけですけれども、そこら辺が文化と文明の違いかと思いますけれどもね。
 ですから、私などは古い人間なんでしょうか、例えばニューメディアコミュニティーの中に入れていただいて、端末機を家に入れて、そこで何かしようという気は余りしないですね。局長、どう思われますか。御自宅なりそこにあって、奥さんや子供さんが便利に使っておいでになる。局長、お宅へ仕事終わって帰られて、またそれで本の注文でも何でもしようという気におなりになりますか、どうですか。
 これからの御質問は、御発言になったことを議事録を証拠にどうのこうのということは絶対に申し上げませんから、気楽にお答えいただきたいと思うんです。そういうことじゃないと、話が進まないと思いますんで、いかがなもんでしょう。
#45
○政府委員(澤田茂生君) 個人的な話で恐縮でございますが、私、役所でいろいろ仕事を終えて帰りましたら、そういうかた苦しいものではなくて、もう少しソフトなものでくつろぎたいなという気持ちは持っているわけであります。
 ただ、先生おっしゃられましたように、ニューメディアというものの押しつけということは、やはり考えなければいけないなと思います。これは利用者、国民がやはり国民の持ってきた文化、文明というものを背景にして、どういうものを選択するか。ただ選択肢ができるだけ多いほどがよかろう、そしてまた、それが使いやすい形、利用されやすい形でどうするかということを私ども考えていかなければいけないなと思うわけでありまして、ある意味では、既に地方都市でほとんどの生活をして、そこでいろいろ仕事をしておられる。しかし、中央とのパイプというものを、電気通信システムというものを介して情報の伝達をやりとりしておられる。こういうような生活も、ある意味では一面都市の雑多の中でおるよりも、そういう自然豊かなところで生活ができ、しかも情報格差がないような形で生活できるというのも、一つの今後のあり方としてはうらやましいあり方かなというようなことも思ったりもいたします。産業
革命以来の今日までの経済発展というものが、確かに地方と都市とのいろんな格差というものを生み出したことも事実であろうと思います。そういった格差を負った地域あるいは個人的に、肉体的に格差を持った人たちが全人的に行えるようなことが、電気通信というものを通じて行うことができるならば、それはそれでやはり続いていかなければいけないだろうというような気もするわけであります。
 確かに、いろいろ科学技術が進歩すれば、それですべてということじゃなくて、絶えず先生おっしゃられましたように、今まではぐくんできた文化、文明というものを踏まえて、年寄りも中年層も若い人も、いろいろな形でそういう人間性というものを踏まえた形でのあり方ということを絶えず見直していくというふうな機会というものは持っていなければいけないんじゃないのか。特に二十一世紀というものを迎えてみて、二十世紀は何であったのか、そして二十一世紀に残すべきものは何なのかというような議論というのをいろんな分野でやる時期に来ているんじゃないか。まさに電気通信というのは、新たに花咲こうとしているだけに、そういったことについての必要性というものも、私自身十分痛感をしているわけでありますけれども、自分自身ではどうにも始末のつかない大問題であるなということも実感でございます。
 勝手なことを申し上げさせていただいたような感じがいたしますが、お許しいただきたいと思います。
#46
○青島幸男君 いや、勝手なことを御発言いただきたいと思って質問申し上げているわけで、確かにおっしゃるとおり、身障者の方に雇用の機会をとか、あるいはさまざまな利便は与えまして開発しまして、今局長言われたように田舎の別荘にでもいて、その光ファイバーででもつないでうちで仕事ができて、鳥のさえずりを聞き、花をめでながらうちにいて仕事ができればいいなという気はしないでもありませんけれどもね。しかし反面、昔から「亭主は丈夫で留守がいい」というようなことを言いまして、女房と年中顔を突き合わしているのも何かともめごとのもとですよ、これは。やっぱりそういうことになりますと、私のように小説なんて書いておりますと、居職と申しますか、昔風に言いますと、うちにいて原稿用紙の升目を鉛筆なめなめいじましく埋めているような仕事をしておりますと、やっぱり女房の方も何となく気が重くて、たまには出ていかないのというようなことを言って追ん出されることもありますし、そういう意味では、ただうちにいて何でも手を伸ばしてタッチすれば事が足りるということが、果たして幸せを呼ぶとも思えませんしね。例えばテレビが四六時中こういう格好で、昔で言えば一番重要な部屋は仏間、御先祖を祭ってあるところという格好だったんですけれども、今一番重要なところはテレビということになっているわけでしょう。たまたま人が訪ねていっても、その御一家が連続物のテレビなんかをごらんになっていると、こんにちはと言ってすぐまたテレビの方をごらんになっちゃうと、何のために訪ねていったのかわからないということになって、だから、食事の時間なんかにきょう一日の出来事を親子で話し合ったりするのが家庭の中の融和を保つことであったりする。それがないから家庭内暴力が起こるんじゃないか。だから、食事の時間、少なくとも六時から八時までは一切テレビの電波を休みにしたらどうかというようなことを極論として申された方もおいでになりますけれども、またその反論として、冗談じゃないと、テレビがなかったらうちはなおもめてしようがない、テレビがあるから何となく一緒にうちにいられるんだなんていうこともあるんですよね。ですから、これからは全く選ぶ時代になって、できること何でも片隅からやっていけばいいということじゃないと思うんですけれども。実感から申し上げて大変恐縮なんですが、私はやっぱりああいうパソコンみたいなものは操作できなきゃだめだという生活になったら、まず第一に落ちこぼれる人間だと思っていますけれどもね。私は、私事で恐縮ですが、割合新しものですし、むしろそういうものに接することに非常に好奇心持ってる方なんですよ。ですから、あのパソコンというやつもやってみたんです。何十万もするものですからいきなり買ったわけじゃないんですけれども、このごろ便利でして、そういう方もおいでになるでしょうというのであれを貸してくれるんですね。私もよくアメリカの作家なんかへミングウェーでも何でもプールサイドにタイプライターを持ち込んでパタパタパタパタと小説なんか書いていると、うらやましいなと思うんですね。こっちは夜中にこたつでもってこんなになって鉛筆なめなめ原稿用紙の升目を埋めているのは何となく惨めくさいんで、こういうコンピューターみたいなものをたあっと打って、いきなりそれが印刷物になって出てくると、私の生来の悪筆と漢字知らずが非常に助かるわけですね。コマーシャルで見ていますと、仮名で打っておいて後で漢字をこう操作して選ぶとぼんとそこへ出てくるという話ですから、私も借りましたら、妙齢な二十三、四の御婦人がインストラクターとして来てくださいまして教えてくれるんです。それはそれなりに楽しかったんですけれども、私はだめでしたね。例えば新たに書くんじゃなくて、四百字詰めの原稿用紙一枚をただ写すというだけの操作のために三時間も四時間もかかるようなことになっちゃって、あれやはり半年ぐらいは一生懸命修練しないとだめだということでしてね、結局あきらめました。あれからもうああいうもの見るのも嫌になりましたね。ですから、これからはオフィスコンピューターみたいなものがどんどん発達していって、実際にオフィスで保険会社でも、図書館でもみんなそうだそうですけれども、実際に事務所であの機械とあのブラウン管の頭をにらんでこう操作をして、うちに帰ってまたそれをやらなきゃならないということになりますと、むしろ悲劇的なことになるのじゃないかと思いますね。
 ですから、それがむしろ新しい需要を喚起してそれが景気浮揚につながったりすると産業の進展に寄与するということは確かにあるかもしれませんけれども、だからといって人々の一人一人の幸せが根底から損われるというようなことがあってはならないという気がしますので、本当にあれで何か注文して、例えば本なんか本屋に行ってたくさんある中からどれを選ぼうという、あれはあれでまた楽しみなものですよね。それをカタログだけこうやってずっと見ていて、あれとあれといって注文して、即座にそれが送られてきた本は果たして私は積んどくだけで読むんじゃないんじゃないかと思いますね。私などはうちへ帰ってくつろげば、気に入ればふろに入ってテレビの野球ゲームでも見ながらビールをやり、それであとはうどん食って寝ちまうというのが最高に幸せだと思っていますから、そういう生活を強いられるようになったら、これはちょっと考え直さないかぬなという不安を持っておりますので、くだらないことを申し上げて恐縮ですけれども、その辺のこともこれからは考慮していかなきゃならないということだけ申し上げまして、もし御見解があれば承りまして終わります。
#47
○国務大臣(左藤恵君) 今先生のいろいろお話ございました人間生活に与えます情報化時代のいろいろな影響というものがまだ十分研究も行き届いていないというような点も確かにあろうと思います。ところで、そういうこともございまして技術的にはいろいろなことがどんどん進んでまいるわけでありますから、そういうことに対応しまして、郵政省としては、昨年の十月から各界の有識者にお集まりをいただきまして、人間と高度情報社会を考える懇談会――ヒューマンウェア懇談会と、そういうふうに略称しておりますが、それを設置いたしまして情報化が人間に与える影響についての御意見をいただこうと、こういう勉強会を開かしていただいております。こうしたところの御意見も十分伺って、法律改正とか、いろいろな問題をする場合にもそういった点を十分配慮したことをしていかなければならないと、このように
考えておるところでございます。
#48
○青島幸男君 ありがとうございました。
#49
○委員長(松前達郎君) 他に御発言もなければ、これをもちまして昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算、昭和六十年度政府関係機関予算のうち、郵政省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#51
○委員長(松前達郎君) この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に片山甚市君を指名いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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