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1984/06/20 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第12号
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1984/06/20 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第12号

#1
第102回国会 逓信委員会 第12号
昭和六十年六月二十日(木曜日)
   午前十時八分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     添田増太郎君     田代由紀男君
     片山 甚市君     和田 静夫君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     田代由紀男君     添田増太郎君
     岡野  裕君     徳永 正利君
     川原新次郎君     岩動 道行君
     和田 静夫君     片山 甚市君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     徳永 正利君     岡野  裕君
     佐藤 昭夫君     市川 正一君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     市川 正一君     佐藤 昭夫君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     川原新次郎君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     片山 甚市君     和田 静夫君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     和田 静夫君     片山 甚市君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     岡野  裕君     徳永 正利君
     大森  昭君     菅野 久光君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     徳永 正利君     岡野  裕君
     菅野 久光君     大森  昭君
     佐藤 昭夫君     宮本 顕治君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     宮本 頭治君     佐藤 昭夫君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     片山 甚市君     浜本 万三君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     浜本 万三君     片山 甚市君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松前 達郎君
    理 事
                成相 善十君
                長谷川 信君
                宮田  輝君
                片山 甚市君
    委 員
                岡野  裕君
                沖  外夫君
                長田 裕二君
                川原新次郎君
                志村 愛子君
                添田増太郎君
                西村 尚治君
                山内 一郎君
                大森  昭君
                服部 信吾君
                三木 忠雄君
                佐藤 昭夫君
                中村 鋭一君
                田  英夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  左藤  恵君
   政府委員
       郵政省通信政策
       局長       奥山 雄材君
       郵政省放送行政
       局長       徳田 修造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
   説明員
       科学技術庁研究
       調整局宇宙開発
       課長       鍵本  潔君
       会計検査院事務
       総局第五局長   秋本 勝彦君
   参考人
       宇宙開発事業団
       副理事長     園山 重道君
       宇宙開発事業団
       理事       岩崎  隆君
       宇宙開発事業団
       理事       船川 謙司君
       日本放送協会会
       長        川原 正人君
       日本放送協会副
       会長       田中 武志君
       日本放送協会技
       師長       矢橋 幸一君
       日本放送協会専
       務理事      渡辺 伸一君
       日本放送協会専
       務理事      川口 幹夫君
       日本放送協会理
       事        林  乙也君
       日本放送協会理
       事        松本 幸夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○日本放送協会昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書(第百一回国会内閣提出)
○電電公社制度改革に関する請願(第八号外二二九件)
○日本電信電話公社の株式会社化反対に関する請願(第二八二号外四件)
○有線音楽放送の正常化に関する請願(第七二八号)
○聴覚障害者が使用するミニファクスの使用料全額免除に関する請願(第一〇三七号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に片山甚市君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(松前達郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本放送協会昭和五十七年度財産目録、貸借対
照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の審査のため、本日の委員会に宇宙開発事業団副理事長園山重道君、同事業団理事岩崎隆君及び同船川謙司君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(松前達郎君) 次に、日本放送協会昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。左藤郵政大臣。
#7
○国務大臣(左藤恵君) ただいま議題となりました日本放送協会昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出につきまして、概略御説明申し上げます。
 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。
 日本放送協会から提出された昭和五十七年度の貸借対照表等によりますと、昭和五十八年三月三十一日現在における資産総額は二千五百二十四億一千五百万円で、前年度に比し百八十一億一千七百万円の増加となっております。
 これに対しまして、負債総額は一千四十八億一千六百万円で、前年度に比し百十億百万円の増加となっております。
 資本総額は一千四百七十五億九千九百万円で、前年度に比し七十一億一千六百万円の増加となっております。
 資産の内容を見ますと、流動資産七百二億三千八百万円、固定資産一千七百七億一千万円、特定資産百十億七千四百万円、繰延勘定三億九千三百万円であり、固定資産の内容は、建物五百九十二億八千百万円、機械四百二十六億八千百万円、土地二百五億一千九百万円、その他の固定資産四百八十二億二千九百万円となっております。
 また、負債の内容は、流動負債四百十億六千三百万円、固定負債六百三十七億五千三百万円、であり、固定負債の内容は、放送債券四百九億九千万円、長期借入金八十四億一千三百万円、退職手当引当金百四十三億五千万円となっております。
 資本の内容につきましては、資本七百五十億円、積立金六百五十四億八千三百万円、当期事業収支差金七十一億一千六百万円となっております。
 次に、損益について御説明申し上げます。
 経常事業収入は二千八百七十七億四千六百万円で、前年度に比し六十一億七千万円の増加となっております。
 これに対しまして、経常事業支出は二千八百六億二千八百万円で、前年度に比し百三十八億二千九百万円の増加となっております。
 この結果、経常事業収支差金は七十一億一千八百万円となっております。これに特別収入五億二千万円及び特別支出五億二千二百万円を含めまして、事業収入は二千八百八十二億六千六百万円、事業支出は二千八百十一億五千万円で、事業収支差金は七十一億一千六百万円となっております。
 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#8
○委員長(松前達郎君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。川原日本放送協会会長。
#9
○参考人(川原正人君) ただいま議題となっております日本放送協会の昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、財産目録、貸借対照表の当年度末現在の資産総額は二千五百二十四億一千五百万円で、この内訳は、流動資産七百二億三千八百万円、固定資産一千七百七億一千万円、特定資産百十億七千四百万円、繰延勘定三億九千三百万円で、このうち固定資産の内容は、建物五百九十二億八千百万円、土地二百五億一千九百万円、機械四百二十六億八千百万円、出資九億一千百万円、その他の固定資産四百七十三億一千八百万円でございます。
 当年度末資産総額を前年度末と比較しますと、百八十一億一千七百万円の増加となっておりますが、これは主として、当年度の建設計画に基づくテレビジョン放送網の建設、放送設備の整備等の実施及び通信・放送衛星機構に対する出資により固定資産が百十四億三千二百万円増加し、また、事業収支剰余金七十一億一千六百万円と、受信料前受金の増加十五億六千二百万円及び前年度からの繰越金の一部を当年度において債務償還に使用したことによる減少七十六億一千八百万円などにより流動資産が三十三億百万円増加したためでございます。
 一方、これに対する負債総額は一千四十八億一千六百万円で、この内訳は、流動負債四百十億六千三百万円、固定負債六百三十七億五千三百万円で、このうち固定負債の内容は、放送債券四百九億九千万円、長期借入金八十四億一千三百万円、退職手当引当金百四十三億五千万円でございます。
 当年度末負債総額を前年度末と比較しますと、百十億百万円の増加となっておりますが、これは放送債券の増加等により固定負債が八十五億二千七百万円増加し、また、受信料前受金の増加等により流動負債が二十四億七千四百万円増加したためでございます。
 また、資本総額は一千四百七十五億九千九百万円で、この内訳は、資本七百五十億円、積立金六百五十四億八千三百万円及び当期事業収支差金七十一億一千六百万円でございます。この資本総額は前年度末と比較し七十一億一千六百万円の増加となっております。
 次に、損益計算書により経常事業収支について見ますと、まず、受信料等の経常事業収入は二千八百七十七億四千六百万円で、前年度と比較し六十一億七千万円の増加となりました。
 これは主として受信料の増加によるもので、極力受信契約の維持、増加に努めた結果でございます。
 なお、有料受信契約者数は四十八万件増加し、当年度末には二千九百五十五万件となりました。
 次に、経常事業支出は二千八百六億二千八百万円で、この内訳は、給与九百七十八億九千五百万円、国内放送費七百四十億八千百万円、国際放送費十八億三千二百万円、営業費四百十六億八千七百万円、調査研究費三十億八千二百万円、管理費四百二億五千万円、減価償却費百八十三億八千万円、財務費三十四億二千百万円となっております。
 これは前年度と比較し百三十八億二千九百万円の増加となりましたが、主として放送番組内容の充実刷新、受信契約の維持、増加対策の推進及びこれらの事業遂行に伴う維持運用費等の増加によるものでございます。
 以上の結果、経常事業収支差金は七十一億一千八百万円となり、これに特別収入五億二千万円を加え、特別支出五億二千二百万円を差し引いた当期事業収支差金は七十一億一千六百万円となりました。
 なお、この当期事業収支差金七十一億一千六百万円は翌年度の財政安定のための財源に充てるものであります。
 これをもちまして、協会の昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書につきましての概要説明を終わらせていただきますが、今後の事業運営に当たりましても、公共放送としての使命と責務を銘記し、一層放送事業の発展に努力してまいる所存でございます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
#10
○委員長(松前達郎君) 次に、会計検査院から検査結果についての説明を聴取いたします。秋本会計検査院第五局長。
#11
○説明員(秋本勝彦君) 日本放送協会の昭和五十七年度決算につきまして検査いたしました結果を説明いたします。
 日本放送協会の昭和五十七年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明
書は、昭和五十八年八月十九日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年十二月六日内閣に配付いたしました。
 同協会の会計につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#12
○委員長(松前達郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#13
○大森昭君 放送法二十六条によりますと、NHKの「監事は、会長、副会長及び理事の行う業務を監査し、その監査の結果を経営委員会に報告する。」というように規定されております。
 そこで、五十七年度についてはどのような監査報告が行われ、またその業務執行面にどのようにNHKとしては監査報告を反映させたかということについて、まずその概要についてお聞きをしたいと思います。
#14
○参考人(川原正人君) 御指摘のとおり、NHKの監事は、会長、副会長及び理事の行う業務を監査し、その結果を経営委員会に報告することとされております。私ども執行機関としては経営委員会から五十七年度監査結果の内容を詳細承っており承知しておりますので、私からお答え申し上げることにしたいと思います。
 五十七年度の監査結果といたしましては、まず第一に放送関係につきまして国内放送においては、ニュース、報道番組の強化、生涯教育番組の充実、大型番組の積極的実施など公共放送にふさわしい質の高い放送番組が放送され、着実な成果を上げたという指摘でございます。そして、今後放送の果たす役割はさらに重要性を増すと考えられるので、正確、迅速で適切な情報の提供、豊かでかつよい放送番組の創造に努め、国民の負託にこたえていくことが重要である、こういう報告でございます。
 そして、国際放送については、遠隔地の受信状況が不安定で放送の効果を十分に上げ得ない状況にあるので、NHKとしては、政府及び関係機関と十分協力して早急に受信の改善を図るよう要望するという指摘を受けております。
 それから、技術関係につきましては、これは五十七年度の監査でございますが、五十九年二月に予定されている実用放送衛星の利用に当たっては、難視聴の解消のみならず、放送衛星の特質を生かした多角的な活用を図ることが望まれるということでございました。
 それから、営業関係につきましては、五十七年度の営業活動においては、収納の確保に努めるとともに、口座振替につき目標を大幅に上回る成果を上げたが、契約総数の増加については計画に達しなかった。三千万件を超えた受信契約者の管理は一層努力を要するが、営業体制の見直しを行い、さらに有効、適切な施策を推進して収入の確保に努める必要があるということでございました。
 それから、経営全般にわたりまして、財政面においては、五十五年度から三カ年の経営計画期間中、経営努力及び物価上昇の鎮静等によって次年度への財政安定化資金として約百四十五億円を繰り越すことができ、五十八年度もなお受信料額を据え置くこととしたと。しかし、今後は、衛星放送を初めとする新しいメディアの開発など経営の将来にかかわる重要な段階を迎えているので、一層業務の効率的運営の徹底に努めるとともに、新たな事業の展開に即した経営計画を早急に策定して、将来にわたり視聴者の多様な要望にこたえて、協会に課せられた社会的使命を果たしていくことが必要である、このような監査報告でございました。
 これに対しまして、私どもとしましては、この監査報告は業務全般にわたる基本的、大綱的なものとして、これを業務執行のあらゆる面に生かすよう努力いたしました。特に監事の指摘の趣旨も踏まえまして、BS二号aの打ち上げ、あるいは国際放送の受信改善、経営効率化の推進などに当たるとともに、特に五十九年度からの三カ年間の経営計画を策定して、現在その遂行に努めているところでございます。
#15
○大森昭君 今会長からお話がありましたように、大変重要な点が指摘されておりますので、単に単年度だけじゃなくて、引き続き将来に向けて御努力をしていただきたいと思います。
 今会計検査院から概略の報告がありましたけれども、毎回検査院としても重点項目を絞ってやられているのだと思いますので、特に五十七年重点施策で検査をしたということがあれば、お聞かせ願いたいと思います。
#16
○説明員(秋本勝彦君) お答えいたします。
 五十七年度についての検査は、私ども書面検査と実地検査を行っておりますが、計算書として毎月提出されます総合合計残高資産表十二冊及びその証拠書類八百九十二冊、一万九千九百四十一枚につきまして書面検査を行っております。またこのほか、十九名の人員をもちまして、日本放送協会本部ほか三十放送局及び研究所等四カ所につきまして三百三十・五人日で実地に検査を実施いたしました。
 検査に当たりましては、私どもは、収入につきましては、受信契約及び受信料の収納が的確かつ経済的に行われているか、それから支出につきましては、番組制作費、契約収納経費、放送設備の整備経費等々の各種経費の使用が合理的かつ効率的に行われているかに重点を置いて検査を実施いたしました。その結果、決算は適正かつ妥当に行われたと確認しておるわけでございます。したがいまして、先ほど御説明いたしましたとおり、違法または不当として検査報告に掲記したものはないわけでございます。
 以上でございます。
#17
○大森昭君 帳じりは正しかったということで、これは違っていたら大変なことになりますから、それはそれでいいんでありますが、ただ、前年に比べまして実地検査も大分大がかりにやられたようでありますから、特に、その面からいろんなことで改善をしなきゃならないということがNHKとしてありましたですか。
#18
○参考人(渡辺伸一君) 私ども、検査院の検査を待つまでもなく、受信料制度によって支えられておりますので、受信者の理解を得られるようにというところ一点に絞って財政運営をやってまいりました。その結果について、今検査院から御説明がありましたように詳細にわたって御検査いただきました。私どもの業務につきましては別に改善すべしという指摘がなかったわけでございますけれども、私どもは念には念を入れて今後も改善に努めていきたいということでございます。
#19
○大森昭君 さっきも言いましたように、監事も検査院も、とにかく、長い時間をかけてNHKをいかによくするかという視点でそれぞれ検査も行われておるようでありますから、指摘されたことについて十分ひとつ協会としても御努力をいただきたいと思うんです。
 そこで、五十七年度のこの決算の総括をするに当たりまして、報告があったような結果になっておりますが、少し分析をいたしますと、三カ年計画で大体NHK予算が大筋として執行されているわけでありますが、五十五年から五十七年というのは、結果的に一年間料金の値上げをしないで済んだわけでありますから、そのこと自体は協会が大変御努力をしたということになるんでありますが、そしてまた、当初見通した以上に黒字を出したということは経営上大変結構なことなんですが、ただ、各項目的に少し見てまいりますと、最も基本であります事業収入は、予算と比べますと減っておるわけですね。そして一方、事業支出は、かなり節減をしてこの三カ年計画をやってきたということになりますと、もちろん、これたびたび質問して、物価が安定しているからというようなことだとかいろんなことが言われるんでありますが、ただ、見方を少し変えますと、これは別に悪意で言っておるわけじゃないんでありますが、予算を策定したときに少し事業運営費の見積もりを多くして収支を合わせていくというような意味合
いで何かこの予算の執行がされているんじゃないだろうかというように見受けられるところもあるんでありますが、そうではないと、恐らくそういう見解がNHKの見解としてあるんだろうと思いますが、この総体の三カ年、これをまた四カ年にしてやってきたこの当初予算、そしてまた決算を見て、今私が言うようなことじゃなくて、NHKとしては別な角度で、こういう理由でなったんだという見解があればお聞かせ願いたいと思います。
#20
○参考人(渡辺伸一君) 三年計画につきましては、先生御存じのとおり、五十五年から五十七年の三年間で収支相均衡するように立てたわけでございます。三年間実施いたしました結果百四十五億の繰り越しをつくったわけでございますけれども、この理由を簡単に申し上げますと、実は、収入につきましては、残念ながら、受信契約者が当初考えました増加数を確保できませんで減収のやむなきに至ったわけでございますが、そのほかに、五十五年四月から新しい料金でと思っておりましたが、暫定予算を組まざるを得ない事情がございまして、一カ月、旧料金で実施をいたしました。四十四億の当初計画から比べますと見込み違いが生じたわけでございます。したがいまして、三年間通じますと、収入では九十八億の予定よりも減収になったという事情がございました。
 これに対して、支出の方は結果的には二百億、二%ちょっとのものを残したわけでございますけれども、何がその残った原因かということを見てまいりますと、一つには、この三年間、一番指標として重要視いたします物価指数でございますけれども、六%で推移すると当時見込むのが一番妥当な数字でございましたけれども、幸いなことに三年間通じますと五%を割った消費者物価の指数でございました。それからもう一つ、金利につきましても年々多少ずつ減少傾向にございました。それから、私どもやはり三年間の計画ではございますけれども、できるだけ業務を執行するに当たりましては効率的に実施しようと努力をしてまいりまして、結果的に節減ができました。これは当初七十億の節減を三年見込んだわけですが、これを四十六億上回るものができたというのがございます。それから、支出面でもう一つ予備費でございますが、これはどういうときにどういう災害が起きるかわからないということで、ある金額を持っているわけでございますが、幸いにして災害対策、大きなものを必要としなかったということで、六十億から残ったということでございます。
 一方、収入の方では、副次収入の増加につきましては、年々相手方と折衝する等努力いたしまして、かなりの金額を増加し得たわけでございます。今申し上げましたように私どもの絶えざる努力がございました。当時も考えたらいいではないかということでございますが、年々やはり事業計画を遂行する中で知恵も出てくるものがございますので、これは実行上やはり積み重ねていって成果が上がるというものでございますし、物価につきましてはやはり私どもに幸いに物価は値下がりになったという事情がございます。それから、副次収入等につきましても相手によって決まってまいりますので、これはやはり実行してみなければわからない要素がたくさんございます。
 以上のようなことでございまして、当時もやはりかなりきつく見込んだものでございましたが、結果として物価等の幸いな事情にも助けられて残ったということでございますので、計画作成が甘かったんではないかという御指摘でございますけれども、私どもできるだけ少ない料金でということでございますので、計画はそれなりに厳しく見たつもりでございます。
 以上でございます。
#21
○大森昭君 まあ予算は予算でありますから、予算と決算となかなかぴったりいかないことはやむを得ないんだろうと思うんですが、ただ今言われたようなことだけで果たして済むかどうかという点が実はあるわけですね。
 この間、何か五十九年度の決算についてもNHKの方から発表がありましたけれども、どうもこの基本となる受信料の契約の伸びが伸びてないということなんですね。ですから、ここに私は最大の問題があるんじゃないかと。同時に、前回もNHK予算でいろいろ議論いたしましたけれども、とにかく新しい時代を迎えてNHKもいろいろ工夫を凝らしてやっていくという考え方も述べられておるわけでありますから、そういうことになりますと、物価が安定したからどうということでいわゆる事業支出の方が削減されるということになりますと、勢い番組編成にも影響してくるという格好になってくるということになるんじゃないかと私は思うんです。
 ですから、今のその五十七年の予算と決算、三年間の五十五年から五十七年の予算と決算の回答としてはそういう回答だろうと思いますけれども、いわゆるこの受信料収入が目標から多少ずれるんならいいんですが、どうもこの五十九年度の決算見ますと大分大幅に減っているもんでありますから、この辺のことはもう私が言うまでもなく協会は十分知っているんだと思うんですが、こういう状態で、じゃどうあるべきかということについて、これはまた五十九年の決算でやればいいわ、あるいは六十一年の予算でやればいいわというわけにいきませんから、何か特段あればお聞かせ願いたいと思うんですがね。
#22
○参考人(松本幸夫君) お答えいたします。
 先生御指摘のように五十五―五十七につきましても、あるいは五十九年度の決算につきましても、受信料収入が予定を下回る成績に終わってしまったということは、私ども協会内で収入に携わる立場にある者としては大変厳しい気持ちでこの事実を受け取っているわけでございますが、具体的に私どもとしては新しい時代に即応した受信料収納体制というものをどういう形でとっていくのかということで、五十九年度、一つは口座料金の設定という形で料金体系の改定を含む料額の改定をお願いいたしているわけでございますが、この五十九年度の状況について申し上げますと、若干弁解がましくなりますけれども、受信料体系の変更に伴う説得でございますとか、あるいは口座料金の設定による大幅な口座の増というような形の事務が大変錯綜いたしまして、そういったようなことも若干の影響があったかと思いますけれども、八億からの収入減という形に今なったわけでございますが、そういった新しい料金あるいは新しい料金体系が五十九年度を通しまして何とか定着もできたというふうにも考えますので、さらに収納体制の強化、あるいは具体的な諸施策の徹底ということを通じまして収入の確保に努めてまいりたいと考えている次第でございます。これから先の社会状況の大変厳しい状況の中でございますので、より一層の努力が求められるというふうに考えております。
#23
○大森昭君 まあ厳しい注文をつけるわけじゃないんでありますが、収支とんとんでいいわというわけには実はいかない、私ども予算の審議をいたしまして収入が幾らで支出が幾らというそういう款項目についての審査を行っているわけでありますから、したがって総体帳じり合わせて――普通の企業ならそれでいいんですけれども、やっぱりそういうわけにいかないんで、今お話がありましたように努力をするということでありますから、難しいところで御努力をしているんだろうからそれで結構なんですけれども、どうかひとつ款項目の中でこれだけのやっぱり受信料を集めるという目標を立てたと、そしていい番組をつくるために番組総体としてこれだけ経費を使いたいというようなことがある程度決められていますからね。それに向かって努力をしていただきませんと、官庁会計と違って移流用が割合緩やかなんだろうと思うんですが、国会審議の私どもの責任ある立場とすると、少し問題があるんじゃないかというように考えられますので、どうかひとつそういう意味合いで、できる限りの御努力をいただいて、予算審議の際に設定したことについて御努力をお願いをしたいと思います。
 ちょっとこれ決算と少し離れますが、せんだって参議院選挙に立候補した候補者が、NHKの政
見放送の一部をカットしたということで公職選挙法に違反をするということでNHKに対して損害賠償を求めた裁判がありましたけれども、この判決によりますとおおむね原告側の主張を認めてNHKに損害賠償を命じる判決が言い渡されたようでありますが、この判決について恐らく今争っているわけでありましょうから、そう詳しい見解は述べられないと思いますが、これどういうぐあいになっておりますか。
#24
○参考人(川口幹夫君) 今回の判決は公選法第百五十条一項の「そのまま放送しなければならない。」という規定にもとるということで一審の判決が下ったというふうになっております。
 NHKが政見放送について長い歴史を有しておるわけでございますけれども、今回の経緯の中で私どもは、公選法百五十条一項にこういう規定がありますけれども、これは放送番組編集の自由の排除と免責を期待したものでありますけれども、おのずから制約があるべきではないかというふうな考え方を持っております。
 一つは、電波の公共性、あるいは影響力の大きさというふうな特質から、いわゆる刑罰に触れる内容、あるいは公序良俗に反する内容というものまでがそのまま放送されることには問題があるのではないか、あるいはその公序良俗違反行為の無効とか、あるいは権利乱用の禁止というものは法の基本的な原則ではなかろうか。それから百五十条の二の中で、政見放送における品位保持というものを規定してございますけれども、この規定は、昭和四十四年制定当時の国会での議論の経過から見ても、単なる候補者に対する訓示規定だけじゃなくて、候補者の言動を制約する効力を持つというふうなことも考えられます。このような立場からNHKとしては、公共放送としての国民の信頼を損わないことを前提にして行った正当防衛であるという考え方で候補者自身に説得を試みた上、同意が得られないので、所管官庁であります自治省に照会をし、法律に違反しないという回答を得て行ったものでございます。したがいまして、今回の判決が第一審ではあのように出ましたけれども、これを控訴をいたしまして、この問題についてはしばらく争うつもりでございます。
#25
○大森昭君 まあ係争中のものですから、とやかくこれ以上詰めることもいたしませんが、ただ今、川口さんの話を聞いていますと、ある意味では常識的には理解できるんですが、しかし、それはおのずと、品位がどう維持されているかなんというと、私なんかは余り参議院としては品位のいい方じゃないんですけれども、それぞれ見方によってこれ成り立っていきますと、このこと自体で問題が処理されるのかどういうことなのかということにも発展しますからね。とりわけ、ちょっと今、十分に私覚えておりませんが、あの政見放送する前にNHKは何か言いますね。この放送は候補者の何とかって、そのままを放送するんですという意味合いのことを多分言って放送するんじゃないかと思うんですね。そうなってきますと、何かその辺も、今、川口さんが言ったように、公共放送だからいろんな制約があるから、その枠の中でこの人は放送するんですよということになれば、ああそうかということになりますが、何かありのままとかなんとかという言葉でたしか前段があって政見放送というのはされるんじゃないかと思うんですね。たまたまあのときは何秒かぐらいだったようですけれども、私なんか、何か言いたいことを言ったら一分ぐらいこれは中断しちゃったなんというんじゃね、何だ、あの政見放送はどうなった、途中でひっかかっちゃって何もわからなかったなんということにもなるから――これ以上のことは言いませんが、川口さんの言われることも一つの考え方ではあると思います。しかし、必ずしも今のままで、いろいろ検討してこの裁判で勝つとか負けるとかいう問題じゃなくて、少し工夫が必要なんじゃないだろうかという意味合いでちょっと質問したんですけれども、よろしくこれはお願いしておきたい。
 それから、予算のときもいろいろ新番組について大変放送局長自信を持って御答弁いただいておりますが、三カ月たっているわけでありますが、この新しい放送について大変視聴者からの反響があるんじゃないかと思うんですが、どういうふうに掌握しておりますか。
#26
○参考人(川口幹夫君) ちょうど四月に新番組が始まりましてから三カ月近くなります。この間に、当然のことながら視聴者じかの反響が電話とかあるいは投書とかで寄せられております。そのほかに新聞・雑誌等によりまして、視聴者の反応といいますか、反響は十分把握しているつもりでございます。このほかにNHKとしては、既にもう三回にわたりまして視聴率等調査、あるいは意向調査というものを行いまして、新番組の反響を十分総括を今いたしているところでございますが、現在までのところでは、まだ一部に期待どおりの評価を得ていないものが残っておりますけれども、全般的には好意的な反響であるというふうに受けとめております。
 今好評を得た番組の中では、例えば朝の「にっぽん列島 朝いちばん」とか、連続テレビ小説の「澪つくし」、「サンデースポーツスペシャル」あるいは「ルーブル美術館」等の総合テレビの番組、それから教育テレビでは「ファミリージャーナル」という、これは御婦人の、朝ごらんになれない方々のために編成したというふうな意味合いがございますけれども、この番組とか、それからラジオ第二放送の「漢詩をよむ」あるいは「はなしことば講座」、こういうふうなものについては非常に高い反響を得ております。それから、これに反しまして、非常に不評をこうむったという番組も当然あるわけでございまして、例えば総合テレビでは「スタジオL」とか、あるいはFMではクラシックの番組についての批判でございます。これについては、私ども極めて率直に受けとめまして、番組の手直し等を今進めておるところでございまして、これらの番組が少なくとも夏の間に十分好評を得られるように努力を進めたいというふうに思っております。
#27
○大森昭君 担当者でありますし、また専門家が集まっていろいろ新しい番組をつくったわけでありますから、自信のほどはよくわかるわけでありますが、個々の番組について申し上げるわけじゃないんでありますが、いろいろ新しいものを計画してやったときに、いろんな意見があるわけでありますが、どうかひとつ十分、悪いところは悪いというところで、素直にまたその改革をしていくように御努力をしていただきたいと思います。
 次に放送衛星でありますが、たびたび委員会で議論があるところでありますが、本年度の夏季の打ち上げを延期するということが発表されておりますが、この打ち上げ延期に至った経過について、簡単でよろしゅうございますが、説明していただきたいと思います。
#28
○参考人(船川謙司君) 昨年度打ち上げました放送衛星BS2aにつきまして、三チャンネルのうち二チャンネルの中継器が故障いたしまして皆様に多大の御迷惑をかけたわけでありますが、故障の原因をその後いろいろ調べまして、中継器の中の進行波管の内部の温度が予想以上に上がっているというようなことがわかりまして、BS2b用の中継器につきましては、それの温度を下げるような対策を施しまして、本年一月から確認のための熱真空試験を実施してまいったわけでございます。途中、中継器の一系統に動作状態の不安定さが見られたというふうなことで進行波管を交換するというような作業があったわけでございますが、この進行波管の交換後、その後に中継器全体の機能試験に移るわけでございますが、四月、五月にかけまして慎重に品質確認の試験を行いまして、このために非常に時間を費やしたわけでございます。この試験は五月二十三日に終了いたしまして結果は良好でございましたけれども、その後に予定しております衛星全体のシステム試験と称します試験、それから射場でのいろいろな打ち上げの準備等のスケジュールを考慮いたしますと、BS2bの六十年度の夏季打ち上げは延期せざるを得ないというふうに我々は判断した次第でございます。このため、事業団としましては、六十年
度の冬季に打ち上げるべく、現在作業を進めているところでございます。
#29
○大森昭君 今の話をまた詰めていきますと時間がかかりますからあれですが、いずれにしても、私どもは委員会でいろいろ議論をいたしまして、川原会長からとにかく万全の対策を施した上で実施すべきである、打ち上げスケジュールを前提として見切り発車をするようなことはないという御答弁をいただいておるわけでありますが、今大体何かうまくいくんだけれども、慎重にというようにも受け取れるし、しかし、まだ完全にできていないから延期をしたんだというようにも受け取れるし、どうもよくわからないんでありますが、恐らくユーザーであるNHKとは相当な打ち合わせをしていると思いますので、今の御答弁でNHK側に何か御見解ありますか。
#30
○参考人(川原正人君) 途中の試験のやり方等については私どももいろいろ御協力申し上げております。ただ、最終的には事業団の方の判断で打ち上げを延ばそうというふうに御決心になったようでございます。
 今御指摘もありましたように、私としましては、この委員会でもかねて申し上げましたように、スケジュールを優先で見切り発車ということは絶対に避けたい、あくまでその放送衛星2aの事故を、あの経験を貴重な経験として今後に生かすためには、2bがもう間違いないという十分なテストの結果で打ち上げていただきたいものだということはこの席で申し上げてあったわけでございます。その意味で事業団の方が慎重に試験を重ねられて、予定しておりました試験期間をさらに延ばして精密な実験をする、その結果としましてどうしても打ち上げの時期をずらさざるを得ないという御決断だったようでございますから、その意味においては私ども時期が延びたことは残念でございますけれども、しかし、それだけ信頼性確保に全力を尽くしていただくという点では、やむを得ない妥当な措置であったのではないかというふうに思っております。
#31
○大森昭君 別に打ち上げを延期したからけしからぬという話を僕はしているんじゃないんですがね。慎重の上にも慎重だということでいいんですが、ただ、この六月十八日の新聞報道によりますと、BS2に引き続きましてBS3についても一年半ぐらい延期をするという方針を固めたというふうに報道されておるわけでありますが、これは事実かどうか私にはよくわかりませんが、こういうことになりますと、今まで計画してきたこの本格的な衛星放送の実施に大変支障が起きるんじゃないかというふうに判断するんでありますが、いわゆるBS2bに引き続いてBS3の関係、これはどういう関係になってきますでしょうかね。郵政省、NHK、科技庁、宇宙事業団、関係のところどちらからでもいいですから、ちょっと。
#32
○政府委員(奥山雄材君) BS3についてのお尋ねでございますが、BS3につきましては先般御指摘のような新聞報道がなされましたけれども、実は先週宇宙開発事業団の方から郵政省に対しましてBS3の打ち上げの延期方についての御説明がございました。これに対しまして郵政省といたしましては、BS3の持つ役割、つまりBS2の放送サービスの継続並びに新しい放送技術の開発、さらには増大かつ多様化する放送事業に対応しなければならないといったようなBS3の持っている非常に重大な役割にかんがみまして、かつまた関係する機関も非常にたくさんございますので、この問題はそう軽々に扱える問題ではないということで慎重に扱ってまいりたいということで、現在関係方面といろいろ協議をしている最中でございます。
#33
○参考人(船川謙司君) BS3の現在の宇宙開発計画にのっとりますスケジュールをどうやって確保するかということにつきましては、事業団の中でいろいろ開発の方法その他技術的な問題を検討してまいったわけでございますけれども、BS2aの経験を踏まえまして、やはりこういう実用の放送衛星に使うというものは信頼性のより一層の確保が必要である。そのためには開発試験を十分慎重に行う、したがってそのために長期間を要する。それからまたもう一つは、BS2aの故障からBS3計画全体の進展が若干おくれておりまして、まだ開発の着手に至っていないという現状でございます。
 これらの理由からBS3の打ち上げ時期は延期せざるを得ないのではないかというふうに事業団内部としては判断したわけでございますが、事業団ではこれで決めたということでは決してございませんで、一部の報道では決めたような報道になっておりますけれども、こういう状況を関係の各御方面に御説明いたしまして検討していただいているところでございます。
#34
○説明員(鍵本潔君) 我が国の宇宙開発計画につきましては、宇宙開発委員会において関係機関と調整を図りながら慎重に検討の上、策定されるものでございます。この宇宙開発計画につきましては、例年七、八月ごろ関係機関の要望を聞いて見直すことになってございます。
 御指摘のBS3の開発計画につきましては、現在、ただいま御説明ありましたように見直しという形ではまだ承っておりませんけれども、関係機関の間で調整が進んでおる状況でございます。
 また、いずれにいたしましても、今後ユーザー側、開発側等の意見を踏まえまして、宇宙開発委員会において専門家の意見を徴しつつ十分慎重に検討がなされる必要があると考えております。
#35
○大森昭君 いろいろ専門家が集まってやっているわけですから、私どもは専門家じゃありませんから機械のことはよくわかりませんが、ただ私はこの問題で何回か議論をしているのを聞きまして、私自身もそう思うんでありますが、いずれにしてもいつかはこれ決着つけなければいかぬわけですね、発車させなければいかぬわけですね。そういう段階が来るわけでありますが、とにかくこの責任が明確じゃないんですね。ですから、新しいことをやって、失敗も成功もあるなんていうことで、これは子供におもちゃを与えているんじゃないんでありまして、国民全体の受信料に影響するわけでありますから、少なくとも最後に決断を下すときには十分な責任の所在が明確になってやらなきゃならないと思うし、前奥田郵政大臣もそういう意味合いの答弁をされておるんですが、技術的な問題で延期だとかなんとかというそういうスケジュールの議論がありますが、そのいわゆる責任を明確にするという関係での関係機関においてはどのような検討がされておるんですか。
#36
○政府委員(奥山雄材君) BSに関係いたします関係機関の責任問題でございますが、御承知のとおり、NHKが通信・放送衛星機構を通じて宇宙開発事業団に衛星の設計、製作、打ち上げを委託し、また、事業団はメーカーにその衛星の製作を請け負わせるという関係になっております。その間の責任問題が大変複雑になってまいりますのは、そこに介在する機関が非常に多数にわたるということがあります。それぞれの機関相互間で決められました協定なりあるいは契約を見ますと、それぞれのパートパートでは責任は明確になっているわけですけれども、必ずしも全体が統一された考え方できれいに整理されていないのではないかというような御指摘もございまして、これまでさまざまな御議論をいただいたところでございます。
 したがいまして、これから先の打ち上げに関しましては、当委員会での御指摘をも十分考慮いたしますとともに、BS2における経験をも十分私どもしんしゃくいたしまして、関係者の責任が明確になるように当事者の間で鋭意協議が行われておりますので、郵政省といたしましても、できる限りそれらの関係者間の意見調整に努めてまいりたい、こういう考えでおります。
#37
○大森昭君 今の局長のお話も、ある面ではわかるような気がいたしますけれども、しかし、それではちょっと問題の解決にならないんですね。しかも、先ほど指摘しましたように、まだ新聞発表で決定していないのにという話もありますが、恐らくBS3も、これはある程度延期せざるを得ないという状況になってくるんだろうと思うんで
す。そうなってきますと、今の責任問題の御答弁もありましたけれども、技術的な問題もあるわけでありますが、我が国の衛星開発のあり方について基本的に見直す必要があるんじゃないかと思うのでありますが、大臣、会長、何か所見があったらお伺いしたいと思います。
#38
○国務大臣(左藤恵君) 御指摘のような衛星の問題につきましては、やはり積み上げといいますか、BS2の経験を十分生かして、そして打ち上げ後の衛星の状態によって、契約関係のいろんな問題もありますし、そういったことにつきまして影響するところは非常に大きいわけであります。そしてまた、今後の計画に対します見通しというような問題にも非常に影響するものでありますから、十分こういったことにつきましての責任体制というものも明らかにして、そして努力していかなければならない、このように考えておるところでございます。
#39
○参考人(川原正人君) 宇宙開発の問題というのは、NHKだけでとやかく物を言い、あるいは決定できる問題ではございませんで、これはまさに国の大きな施策にかかわることだと思います。その意味で今までいろんな議論が行われてきたわけでございますが、そうした議論の中で、一応こういうやり方で進めてきたわけでございます。
 しかし、たびたび各方面で御議論いただいておりますように、私どもの立場で言えば、そういう大きな宇宙開発施策の中で放送衛星を打ち上げるわけでございますけれども、最終的にNHKの経済負担ということは、すべての国民からちょうだいしております受信料の負担でこのリスクの大半を負わなければならないということであるとすると、そして、そこへ加えて、これが順調にいっていれば、それはそれで一つの妥当な計画だったと思うんですけれども、現実に、今2aの事故というものが起きて、さらに2b、3aの開発につきましても、なおその契約のあり方等についていろんな議論が行われております。その中では、大きな衛星の開発施策というものは、いろんな角度から、なお研究し、議論される余地があるのではないかと私は思っております。ただ、これ以上、今の私どもの立場として――大きな国の施策でございます、各方面に非公式にはいろんな意見を提案し、これからもしてまいりたい、そういう気持ちでおります。
#40
○大森昭君 会長のお言葉でありますから、そういう意味合いからいきますとそういうことになるんでしょうけれども、今度はまた、民間放送も加わりますしね。そういう意味からいきますと、これは何といってもユーザー保護という立場で責任が最大にあるわけでありますので、まさか宇宙開発全体についてNHKの意見で日本の政策が決まるとは思えませんが、しかし、相当頑張っていただきませんと、それは政府のやったことで我々はというわけにもいきませんから、そういうことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#41
○片山甚市君 昭和五十七年度の決算に見られる問題点については、同僚議員からも指摘されました。私は、放送法及びNHK設立の趣旨に基づき、NHKが今日まで果たしてきた役割、さらに今後のあり方を考える重要な節目としてとらえ、五十七年度決算以降の動向とも関連さして、若干の時間をいただいて質問したいと存じます。
   〔委員長退席、理事長谷川信君着席〕
 その第一番目は、五十七年度決算は、五十五年度に二四%の受信料引き上げを行い、五十五年度から五十七年度に至る経営三カ年計画の最終年度としての決算であります。
 資料によりますと、当初予算ではゼロであった事業収支差金は七十一億一千六百万円となり、債務償還の七十六億一千八百万円に充当した結果、収支不足額は五億二百万円にとどまり、五十五年、五十六年度からの繰越金は差し引き百四十五億二千六百万円となっており、これを五十八年度に繰り越した。
 この要因は、要員減を伴う日常経費の節減、自然災害減等による効率化施策の成果とされておりますが、一方、年度内新規増加目標五十万件は四十八万件と、二万件の未達成で、予算を十六億八千七百万円下回り、五十七年度末未収受信料も約百二億円となっております。これらの収入減を補うため、副次収入の増七億、特別収入の増三億円を図ったことなどが挙げられており、結果的に所期の成果をおさめたものと評価されております。
 これらを受けて、確かに五十八年度は受信料値上げをせず、五十九年度が六十一年度までの経営三カ年計画の初年度として、新料金すなわち受信料値上げ及び料金体系の改定に引き継がれたわけであります。
 私は、周期的な料金値上げについて、今日までその要因の分析と万全の対策で安易な値上げとならぬことを求めてまいりました。その結果として、五十七年度決算を含む五十五年度からの経営三カ年計画の意義は認めますものの、五十七年度決算で提起された問題点がその後の事業計画にどのように生かされてきたのかどうであります。
 五月三十日に、NHKの昭和五十九年度決算と業務報告書が郵政大臣あてに提出されて、その資料を見たものでありますが、五十九年度は六十一年度までの経営三カ年計画の初年度であり、今後のあり方を見極める上でも、その決算結果には重大な関心を払わなければなりません。
 この際、私は、受信料値上げの昭和五十九年度決算結果を通じて、問題点をただしたいと思います。
 まず、五十九年度収支状況の概況はどのようになっていますか。
#42
○参考人(渡辺伸一君) 五十九年度の決算につきましては、五月の末に郵政大臣に提出したばかりでございますので、今その事業収支につきまして概要を御説明いたしたいと思います。
 五十九年度は、今先生のお話もありましたように、五十九年から三年計画のスタートの年でございまして、財政的には百六億円の繰越金を生むという計画でございました。実行しました結果は、これを上回って七十億上積みをして繰り越しすることができたという結果でございますが、どうしてそうなったかということでございます。
 まず、受信料でございますけれども、受信料につきましては予定をしておりました数がそれに達しませんというような事情がございまして、約八億円の予定よりも減収になったという事情がございましたけれども、しかし資金の効率的な運用でありますとか、副次収入努力でありますとかいうようなことをやりまして、総体としましては五十九年度に予定しました収入を上回ること十八億円、これは比率にしますと〇・五%でございますが、その金額を上積みしてきたわけでございます。
 一方、支出でございますが、支出は五十一億、一・六%ほどの予算残となったわけでございますけれども、これは一つには物価が安定したというのはございますけれども、まず放送衛星の計画につきまして、御存じのとおり二波運営ということで考えておったわけでございますが、残念ながらこれ一波でしか運用できなかったという事情が一つ大きくございます。それから、この年度も効率化を予定しておったわけでございますけれども、その効率化をさらに一歩前進させたというのがございます。それから、予備費が、例年申し上げるようでございますが、この五十九年度も幸いに災害による復旧経費というのは多くを要しませんで、二十億からこれを残すことができたということでございます。それから、契約数が達しないということになりますと、契約費、収納費、全般的に金が余ってまいります。そんなことで五十一億円の金を残したわけでございます。収入で十八億円の増収を得て、残すこと五十一億ということでございますので、計画より七十億ほど残し得たわけでございます。しかし、今顧みますと、この事業支出を残し得た中には、事業計画を残念ながら実施できなかった衛星による経費というものがあることも十分承知して、この金額につきましては、今後の衛星の普及という面もあわせ考えて、大事に保留をしておくべきものと考えているわけ
でございます。
#43
○片山甚市君 今の説明で、事業支出五十一億円の節減ができて、収支差額は七十億円とのことでありますが、数字の上では昭和五十七年度決算と同じ収支差金を得ていることになっております。内容は決して楽観視することはできないようなものだと思うところです。事業収入の中核となる受信料収入は、お話しのように八億円の減収であり、事業支出も五十一億円の節減と言うけれども、予備費は、今おっしゃったように、二十一億の残。本来残るべき性質のものでありますから当然です。衛星放送関連の十億円の残も、一チャンネルしか使わなかったということであります、そして本格放送に必要な経費が節減された、また受信契約が目標未達成のために十億円残ったということになりますから、実質上な経費節減は十億円程度であって、お仕事が残ったからお金が節減ができたということでありますから、その点は間違いないだろうかと思うんです。
 今後、リスクの大きい衛星放送の本格的な実施に踏み切るんでありますから、文字多重放送の拡充などニューメディア関連の支出が増大することは明らかであります。したがって、五十九年度からの経営三カ年計画は、過去の財産を食いつぶすのみの極めて厳しい収支見通しとならざる得ないのではないかと心配するんですが、いかがでしょう。
   〔理事長谷川信退席、委員長着席〕
五十九年度決算を踏まえ、三年計画の収支見通しは、今後どのように予想されますか。
#44
○参考人(林乙也君) お答え申し上げます。
 ただいま説明がございましたように、五十九年度の決算におきましては、当初この収支差金百六億に対しまして、七十億を上回る業績を達成することができたわけでございます。確かに、御指摘のように、これがただ単なる経営努力のみによったものでないということもそのとおりではございますけれども、結果においてそういうふうな形になっておるわけでございまして、私どもといたしましては、五十九年から六十一年の三カ年計画をもって、五十九年度におきます受信料の料額改定を御承認いただいたわけでございますが、この五十九年度の決算結果というものを今後の三カ年計画の最低限の達成のためのベースにいたしまして、さらにこの実績を十分大切にいたしまして、できるだけ受信者の方々の今後の負担増というものに至らないように努力してまいりたいというふうに考えております。
#45
○片山甚市君 協会が非常に熱心に経営努力していることについて認めた上でも、放送衛星を通じての経費は非常に大きな経営圧迫を加えておる。これは何としても、先ほど同僚委員が言ったように、慎重の上の慎重を期しながら、国全体でカバーしてもらわなければ、協会だけでできない。そういう意味で、この決算を見ておると、やはりこれからの問題としては、放送衛星の取り扱い一つによって非常に困難なことになるだろうと思うんです。特にその点では経営主体としての協会が発言をちゅうちょすることなくやってもらわないと、泥をかぶっただけで何の報われることもない結果になるだろう。すべてがNHKが悪い、ほかの人は悪くない、こういうことになりかねない、主体が大きいですから。そういう意味で、決算を見ながら心配して質問しました。
 次に、NHK放送文化調査研究所が本年の三月、全国放送意向調査「日本人とテレビ一九八五年」を発表しましたが、その中で、NHKに関しての調査の結果はどうなっておりますか。この調査の結果を川原会長はどのように受けとめておられるか、お聞きしたいと思います。
#46
○参考人(川口幹夫君) 放送文化調査研究所で、「日本人とテレビ」という調査をいたしました。これで特徴的なところをちょっと拾ってみますと、一番私どもがこのことについて注目いたしましたのは、NHKの必要性というものを九割の方が認めていらっしゃるということでございました。特に報道、教養などにつきましては、NHKの評価は民放の評価をかなり上回っているというふうな結果がございまして、ますます責任の重大さを痛感しているところでございます。
 それから、テレビの見方が変わってきているなということを感じます。それは生活に溶け込んだテレビというものに多くの方がその効用を認めているというのがありますけれども、それも一言で言えば、あれば便利という程度のものという軽い感じの見方という方が大変ふえているという現実がございます。特に、見たい番組しか見ないという人がふえているというふうなことなどは注目すべき現象であろうかと思います。
 それからまた、テレビというものは中高年層にとっては、広い範囲の目的をカバーする貴重な道具だという認識があります。ところが、若年層にとりましては、目的に応じて利用する多数の中の一つだと、そのような認識をしていることがはっきりわかります。若年層のメディアの選択肢というのが非常に多うございまして、例えばレコード、テープという音声系のものとか、ビデオ、映画等の視覚のもの、あるいは週刊誌や本などたくさんございます。こういう若い層に対して私どもが何をしなければいけないかということが一番大きな問題ではなかろうかというふうに思っておりますが、この人たちの一番のテレビ離れの原因というのは、気持ちにぴったり合う番組が少ないということが出ておりますので、この辺が我々としては十分に考えていかなければいけないことじゃなかろうかと思っております。
#47
○片山甚市君 会長に御所見を伺おうと思ったけれども、理事の答弁で納得しました。NHKの存在の必要性とか番組に対する評価は依然として高いという評が出ておることについて感心しました。
 テレビ視聴時間の減少と相まって、NHKを見ないという傾向が今おっしゃったように女性や青年層を中心に増加しておるということを私は見たのでありますが、そこで、メディアの多様化の中でNHK離れの傾向はある程度やむを得ないと思います。単なる視聴率追随は番組制作に与える影響も大きいと考えるが、NHKを見ない層の増加ということは、近い将来受信料不払いを上昇させ、ひいてはNHKの受信料制度にも影響を与えかねない。視聴者・国民に対し、NHKの積極的な施策を示す必要がある。先ほど言ったように気分に沿うようなものといいますか、報道番組を含めて、NHKならこれは必ずやるという番組をつくって受信料の不払いが起こらないような状態をつくってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#48
○参考人(川原正人君) 全く御指摘のとおりだと思います。
 先ほど川口から申しましたけれども、この調査の結果につきましては私ども大きな関心を持っております。これは当然私どもわかっていたことでございますけれども、視聴者の方のテレビを見る見方が時代の変化とともに変わっているし、特に若い世代の方々の見方というのが非常にある意味でドライといいますか、変わってきている。それに対しては私ども十分にこたえていかなければいけない。しかし、その場合に、御指摘のとおり決して視聴率だけを得るために迎合的な姿勢で私ども番組を組んでいっては、これはむしろ道を間違うであろう。そうでなくて、NHKらしい、本当に視聴者の心を豊かにするような、あるいは必要とする情報を的確に迅速にお伝えするという形で、若い層の方々にも、もっとNHKに対する信頼感といいますか、あるいは親近感を持っていただくように努めてまいりたいと思っております。
#49
○片山甚市君 会長のお言葉のとおり、やはり最も信用のある放送として、公共放送としての努力をこれから若い人々に与えてもらいたい。それぞれ価値観が違いますから、若干の問題はありましても、将来につないで、日本の情報通信の中の放送の中で最も大きな役割を果たしてもらいたいと思います。
 受信料の契約、収納は今後一層厳しい環境となるという予測を持っているんですが、受信料負担の公平を期することは重要であります。視聴者、
国民へのキャンペーンは、同時にNHKの存在意義をアピールすることでもあろうと思います。不払い対策イコール受信料の支払い義務化などという短絡的発想は絶対にとるべきではないと思います。
 そこで、郵政省にお伺いします。
 五月十五日、郵政省はニューメディア時代における放送に関する懇談会で、略称は放送政策懇談会ですが、放送法制の抜本的見直しの検討を開始したそうでありますが、まさか受信料の支払い義務化などが検討項目に入っておらないと思うんですが、いかがですか。
#50
○国務大臣(左藤恵君) 放送を取り巻く環境が変化していく中で、NHKの運営財源のあり方につきましては、NHKの将来を左右する重要な問題であるというわけでございます。そうした意味で、受信料制度のあり方につきましてもいろいろな角度から多角的に検討していただいている、こういうことでございまして、この問題は放送政策懇談会の御意見を十分伺った上で我々は考えていきたい、このように考えておるところでございます。
#51
○片山甚市君 そうすると、義務化条項を検討しておるというんですか。
#52
○国務大臣(左藤恵君) そういった問題も含めてということを我々考えております。
 と申しますのは、受信料制度につきまして、その趣旨を一層明らかにし、そして受信者の公平な負担に資する、そういう立場から昭和五十五年の三月、九十一国会に現在の受信契約の締結義務を受信料の支払い義務に改める改正案を御提出申し上げました。国会の事情でこれは審議未了になったということがございました。その後、五十五年度の受信料の改定がありました以降五十九年の三月までの期間、また五十九年四月の受信料の改定以降の状況といったものを見ますと、受信料の収納状況は比較的順調に推移しておるわけでありますし、受信料の徴収につきましては、受信者の理解と信頼を得るためのNHKの努力が何よりも大切である。こういったことから、NHKの経営努力にも今後期待をいたしておりますので、現段階においては、こういった問題については我々は考えておりませんけれども、しかし、今申しましたニューメディア時代における放送に関する懇談会というところでは幅広い御検討をお願いしておる、こういうことでございます。
#53
○片山甚市君 日本放送協会に関する限りは、やはり国会で予算が審議される以上のことは、国家的な統制を加えること、これ以上に保護を加えることについては、番組がよければ金が集まってくるようにしなければ、法律でお金を取るということになれば、がんじがらめになって大変です。
 今でもNHKは国会に呼ばれていろいろ時間をとらなきゃならぬ。民放は好きなだけスポンサーをつけてやれる。金はどちらが持っておるのかといえば、NHKよりも民放の方がたくさん持っておる。こういうふうな状態でありますから、大臣にお願いしたいんですが、義務化法案をつくることは、政府・与党、政党政派が介入することになるので、私は社会党の一員としてかねてから反対していますから、懇談会においてもお呼びをくだされば参加して議論を吐きたいと思います、懇談会ということで適当につくられたら大変でありますから。これは私の意見で答弁は必要でありませんが、徹底的にこれは反対する、NHKの公共放送を守るためにはどうしても義務化法案は納得できない。お金が集まらなければ集まらないように、こんな危険な放送衛星を打ち上げさして金を払わすようなことをしなくて、ユーザーとしてどうぞお使いくださいと政府がやればいいんです。そういうことで、お金のことがありますから、特に私から意見を述べておきます。
 昭和五十七年の放送法一部改正でNHKの出資条項が緩和され、五十八年度に四社、五十九年度に四社、六十年度に三社の予定でありますが、出資していますが、出資会社の財務状況と今後の子会社新設の展望等について簡略にお述べ願いたいと思います。
#54
○参考人(田中武志君) お答えいたします。
 五十七年の法改正によりまして、私どもで出資をすることになった会社が七社ございます。そのうち、四社がその後新しく新設した会社でございますので、その方から簡単に申し上げます。
 そのうちの一つ、NHK放送情報サービス、五十八年の八月につくりました。これは、実質的には五十九年度が初年度というふうに考えられますが、この会社は、五十九年度の中では約五百万円の差し引き営業利益を上げて、一応順調にスタートしているというふうに思います。
 それから、五十九年度に設立した会社は、十月にNHKテクニカルサービス、これはNHKのいろいろ放送番組の技術的なものを請け負っているところでございますが、この会社につきましては、まだ五十九年度の決算につきましては、わずかでございまして、今のところその辺の営業収益、費用につきましては差し引きとんとんというところでございます。
 それから、五十九年度の一月、ことしの一月につくりましたNHKエンタープライズ、それからNHKコンピュータサービスという二つの会社がございますけれども、これは五十九年度の決算は、ほとんど数カ月でございますので、今のところ若干赤字を出しているところ、あるいは若干利益があるといった程度のところでございます。
 いずれにしても、いずれも創業間もない会社でございますので、私どもといたしましては、業務の受託体制の整備等々、経営基盤をしっかりさせるべく、これから努力さしていくつもりでございます。
 それから、そのほかに、既に五十七年度の法改正以前にございました会社に対しても、私どもこの法改正によって出資いたしました。これは日本放送出版協会、NHK美術センター、それから全日本テレビサービスという三社に対しまして、それぞれ一〇%内外の出資をいたしましたけれども、これらの会社につきましては、各社とも既に相当経営的にも長い間しっかりしてやっておりますので、順調な営業成績を上げているという状況でございます。
#55
○片山甚市君 私は、NHKの業務を切り売りすることについては反対する立場をとります。経営の合理化、効率化にはなるとおっしゃっていますが、例えば今お話のあったNHKエンタープライズには、NHKの使命でもある放送番組の制作を下請させるということでありますが、番組の質的低下、NHKへの信頼感の低下につながる。民放は、今まで番組を下請させておったのを直轄をするようになっておる。そのときに、NHKが財政的にも問題があるのかわかりませんが、このような番組制作についての外注化を拡大することに反対するんです。ほかの問題は、物売りはよろしいですけれども、番組の制作については外注を拡大することについては反対するという私の意見について、会長はどうお考えでございましょうか。
#56
○参考人(川原正人君) 私ども、むやみといろいろな番組、すべての番組を外注しようというようなことは考えておりません。ただ、逆に、それではすべての番組を全部企画の段階から最後までNHKの職員みずからの手でやらなければならないかというと、そこはもっといろいろと研究の余地があるであろうと。少なくとも番組の企画につきましては、これは絶対にNHK本体が十分な責任を持たなければいけませんけれども、一つの制作の過程の中である部分を外部のもっと効率的な事業のやり方で外部の力を借りる。あるいはある種の番組であれば、例えば、今でも、外部で制作されました外国の番組でも、あるいは国内の映画でも、これは調達という形で内容をよく点検の上で買って放送もしておりますので、同じような意味で、企画をNHK自身がしっかり握っておれば、外部の機関に一部の番組を委託すること自体は決して質の低下にはならないと。むしろ全体としてNHKの経営をより効率的にしていくためにはある種のものは部分的に、あるいはあるものは全部の過程を外部のそういうプロダクションと連携をしてやること自体は、私はやっぱりこれからのN
HKの経営をより効率的に運営していくためには必要なのではないかと。しかし、御指摘のように、あくまで番組の質の低下になってはならない、その点については十分に私どもも戒めて、それに対する必要な対策は講じつつ事を進めてまいりたいと考えております。
#57
○片山甚市君 今のお話ですと、番組制作についての中心的な基本的な根本的な問題についてはNHKが握って必要な部分について外注をするけれども、それはあくまでもチェックをしてきちんと責任体制をとるから余り心配しなくていい、無制限に外注する意思はないんだと。効率化を図るというような立場から、いい番組をつくるという意味から制作についてのいわゆる外注もあり得る、買い入れもあると、こういうお話だと承っておきます。
 そこで、NHK学園についてちょっとお聞きするんですが、私の先輩の新谷さんがここでNHK学園について何回かお話がありましたが、今度二億七千万円の助成が昭和六十年度予算で予定されておるんですが、今日まで多くの学齢期を過ぎた人々を含めた修了生を輩出してきた歴史と最近の生涯教育希望の高まりの中で、教育の機会を提供する貴重な場としての学園の意義を考えるとき、学園当事者の経営努力と同時に、助成金の増額など、その充実を図るべきだと思います。
 といいますのは、放送大学はできましたけれども、あれはあれの値打ちがありますけれども、NHK学園というのはもっと広く単発的にいろいろなものをやれるようになっておるので、これについてはやっぱり文化を育てるNHK、際物を売り出すNHKでありませずに文化を国民とともに創造していくという立場で言えば、NHK学園をもう少し助成をすべきだと思いますが、それについての御所見はいかがですか。
#58
○参考人(田中武志君) 私どもの放送協会の日本放送協会学園につきましては、先生御指摘のように、昭和五十四年度から四億七千五百万円の私ども毎年助成をしてまいりました。しかし、五十八年、五十九年と随時、今御指摘の中にありましたように、学園の中で社会通信教育の受講生を大変たくさんふやしまして、そこからのいろいろの利益も収入も上がってまいるようになりましたので、私ども、学園側と十分話し合いの上で協会の交付金を減らしてまいっておるところでございます。五十九年度では約八千五百万円、それから六十年度には約七千万円ほど減らしてまいっております。しかし、これは、今申し上げましたように、学園側の社会通信教育の伸びが、このところ皆さん方が、例えば習字だとか書道、英語、そういったものを含めまして大変多くなっておるのでそういったバランスがとれるようになったということでございまして、今後もその辺につきましては十分助成金の問題につきましては学園側と話し合いの上でやっていきたいというふうに思っております。
#59
○片山甚市君 大臣は今のNHKの姿勢についてどうお考えでしょうか。
#60
○国務大臣(左藤恵君) NHK学園の何といいますか、我が国の教育水準の向上とか、いろんなそういうことについての意味というものは私は評価をするものでございます。そして、このNHK学園の行う事業が放送の利用の促進に資するものであり、そしてそれに対してNHKが助成を行っておられるわけでありますが、今お話がありましたように、今後の助成のあり方につきましては、やはり公共放送の機関としてのNHKの役割なり、あるいは財政状況というものとの関連が当然あるわけでありますので、そういった点を十分考慮してNHKにおいても引き続いて検討していただきたい、このように考えております。
#61
○片山甚市君 いろいろと困難な財政状態の中でありますけれども、国民全体からいえばNHKに対する信頼感といいますか、依拠するところがあるような内容の放送を行うために、どうしてもNHK学園というものは引き続き困難であっても学園自体の努力をして、NHKの放送を通じても国民に親しまれるようにお願いをしておきたいと思います。
 最後に、今まで申し上げたようにさまざまな理由はありますが、NHKの財政逼迫に対し、経営努力を求める余り不適切な経営の合理化であっては、公共放送としての使命、すなわち放送の不偏不党、放送による表現の自由などが脅かされかねないと思います。
 ニューメディア時代とか情報の多様化などという言葉に踊らされて、例えば衛星放送の導入など難視聴対策をするということであったにかかわらず、拙速な放送事業がNHKの経営を危うくしたり、受信料値上げを通じて利用者のみにツケが回ってくるというようなことは認められません。すなわち、必要な助成金は削ることなく、あるいはみずからの事業を切り売りしたり、あぶく銭をもうけるために業務委託を、あるいは下請をするというようなことは今会長がないと言われたですが、そういうことは一切お断りしたいと思います。そういうことで公共放送としてのNHKの本来の事業が遂行できるよう視聴者国民の理解を求めることが最も大切なことではないか。国民から支持された場合、NHKは盤石の安きにあると思います。NHKは今視聴者・国民から何を求められているか、それにどうこたえていくのかによって世論からあなたたちは守られる。いろんな批判があっても国民から最も信頼すべき放送はNHKだと言ってもらえるように努力をしてもらう、そうしたならば経営上の困難も開かれる道があるだろうと思います。
 そういう意味で、最後に、公共放送としてのNHKの社会的使命を果たすために大臣から一言、会長から一言決意を述べていただいて質問を終わらしていただきます。御苦労さんでした。
#62
○国務大臣(左藤恵君) NHKは全国の受信者が負担する受信料を基盤として維持運営されております公共放送機関であるわけであります。その放送を通じて国民の文化水準の向上を図るといった、そうしたNHKの公共放送としての役割であるという点から今後ともそうした線で進んでもらわなければならない、このように考えております。
#63
○参考人(川原正人君) 御指摘のとおり、NHKは受信料という制度を通じまして、すべての国民の方々から支持をされ守られている企業だと思います。この使命を全うするには、何といいましても国民の方々が本当に必要としている情報あるいは国民の方々の心を豊かにできる番組を的確に放送して国民の支持を受けることだと思います。もちろん、今の協会の財政状況の中で安易な経営は許されることではございませんので、効率的な経営についても私どもいろんな手だてを講じてまいりたいとは思っておりますけれども、その基本のところは間違いないようにして使命を果たしてまいりたいと思っております。
#64
○宮田輝君 おととい夜からの豊田商事永野会長刺殺事件の報道について各社へいろいろ批判の電話がたくさんかかったということを承知しておりますが、NHKへの反響はどのくらいございまして、どういう内容でございましたか、お知らせください。
#65
○参考人(川口幹夫君) 事件が起こったのがおとといの夕方でございますけれども、それから五時から放送を開始しまして、当日からきのうにかけまして合わせて八百件以上の電話が寄せられております。
 この中身は大体大きく分けて二つでございまして、一つは、あれだけのたくさんの報道陣がいたのにあの犯行をとめられなかったのか、ただ取材をする、あるいは撮影をするということだけで傍観をしていたのじゃないか、それは報道人としてはどうだろうというふうな感じのものがほとんどでございます。それからもう一つは、あのようなショッキングな光景を茶の間に直接送り込むという、テレビの機能からして行き過ぎではなかったか、もう少し画面的な配慮とか、それから伝え方とかに工夫をすべきではなかったかというふうな御指摘でございます。大体その二つが主でございました。
#66
○宮田輝君 それに対してNHKとしては電話にどういう答えを出されたか、それからその後、職員に対して何かNHKとして話をするとかということはございましたか。
#67
○参考人(川口幹夫君) まず前段の、報道陣がとめられなかったかという件でございますけれども、これは当日の九時の「ニュースセンター9時」の中で、木村キャスターが直接その取材にタッチしておりましたカメラマンにそのときの状況を聞きました。とめられなかったかということに対しては、当日カメラマンは全くとっさのことで、あるいは凶器を持っているということがわからなかった。したがって、あのような展開になろうとは全く予想ができなくて現実的にはとめることができなかったんだというようなことを言っておりましたけれども、各紙の記者の話、各テレビ局の話などを聞いても、大体同様なことを言っております。
 あの場合に、私どもがいわゆる客観的な報道者として冷静に業務を遂行すればいいのか、あるいは身を挺してもあの場合に守るべきであったのか、犯行を防ぐべきであったのか。このことについては議論はございますけれども、少なくとも私どもが今考えなければいけないのは、そういう報道者の立場と、それからそういう犯罪が起こったときの一般的な国民としての、あるいは人としての立場ではなかろうかと思います。これについては、いわゆる安全の問題もありますけれども、どのような形で対処すべきか、部内で早速検討、協議を始めております。このことについてはまだ結論は当然出ませんけれども、真摯に検討を続けていきたいと思っております。
 それからもう一つ、番組がショッキングであっただけにどのような配慮をしたかということについては、「ニュースセンター9時」の場合は木村キャスターから、非常にショッキングな光景が出ますのでお子様は遠ざけてくださいというふうなことを言ったり、それから現実に撮ったものの中から、相当詳しくやりましたけれども、大変ショッキングなところはカットして出すというふうな配慮をいたしました。
#68
○宮田輝君 放送上で配慮があったということはよかったことだと思います。
 今、川口さんおっしゃいましたけれども、確かに報道人として、またNHKマンとしての立場以上に、人間としてという対応が当然考えられるわけでございます。
 今あそこでとめられなかったかというお話がございましたけれども、それ以外に私ども聞いた範囲では、あれが報道の皆さんが集まっていなかったとしたら恐らく近所のうちの人がもうパイプいすでドアをガンガンたたいた段階で一一〇番をしたであろう、そういうことが考えられるのにということも耳にしております。
 これは難しい問題でございますから、これから十分ひとつ御研究をいただきたいと思うんですが、川原会長は放送記者の大先輩でもいらっしゃいます。お感じになった点がございましたらお話しください。
#69
○参考人(川原正人君) 恐らくあの状況の中で、あの犯人の人が、おれは殺すんだということは言っていたように録音も入っていたと思います。しかし、あの場に居合わせた人間としては、まさかという気持ちの方が強いのと、やっぱり取材をする人間としてあくまでその状況を正確に把握したいというか、しようということの方に気をとられて、まさかということでそれ以上のことができなかったんだろうと思いますし、しかも時間的にも非常に短かったんだろうと思うんですけれども、しかしそれでもなおかつ、私の気持ちの中には、あそこにいた報道陣が何か手だてがなかったんだろうかという気持ちはやはり残ります。
 その意味では、これからのああいう取材、報道に当たりまして、まだまだ我々は反省しなければならない点がいっぱいあるんではないか。いろいろ教えられることもあるという点は痛感しております。反省もいたしております。
#70
○宮田輝君 だからといって真実の報道のために手を抜いてもいいということでは決してございませんで、取材はちゃんとやっていただかなければならないし、その上にという難しいことでございますが、ぜひひとつ御研究をいただきたいと思います。
 さて、五十七年度の決算でございますけれども、収入の確保、それから業務の合理化、効率的運営を図った結果、予算ではゼロとなっていた事業の収支差金が七十一億円となった。ただ、受信料収入は十六億八千七百万円の減で、これは新規増加目標数五十万件が四十八万件に終わったということなどによると、こういうふうになっているわけでございますけれども、カラー契約は目標より三万件も多かったんですね。これも営業担当者はぎりぎりの御努力をされた結果ではないかと思うんです。
 先ほどもちょっと話が出ましたけれども、契約収納関係の経費でございますけれども、受信料収入に対して五十七年度が一八・八%、五十八年度が一九・七%、六十年度予算では一八・四%になっております。
 ここで経費の問題を取り上げるつもりはないんですけれども、問題は、仮に四十万件ふえたという場合に、例えば年に三百四十万件ふえて、三百万件減って、差し引き四十万件ふえた、大体こういう数式ですね。この手間は大変だと思うんですよね。これが受信料が全部前払いということになれば一番いいんですけれども、せめて引っ越しのとき、転居のときぐらい必ず御連絡いただくということをもっともっと徹底できないものかと思うんですね。つまりこれは公平負担を確保する、そういう意味で現状とそれからこれからどうするかという点がございましたら聞かしていただきたい。
#71
○参考人(松本幸夫君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、受信契約総数の増というのは、これは契約の取次数からいわゆる減少数といいますか、これを差し引いたものが増という形になって残ってまいるわけでございます。御指摘のように、転居ということを中心にいたします減というところをどういうふうに効率的に抑えていくのかということは、増加の効率的な確保ということに当然つながってまいるわけでございますので、私どもも減少のチェックというものは特に厳しくやるべきであるということで、各種の対策も考え実施もしているわけでございますけれども、御指摘のように二百数十万の減が毎年出ているという状況はそのとおりでございます。これを転居のときにせめてということで先生御指摘になられましたけれども、なかなか転居なさる方から自発的にお届けいただけるというケースが少のうございますが、幸いなことに口座が五十九年度から新料金という体系にさしていただきましたので大変多くなっております。既に現実の時点で六二%程度が口座化されたということがございまして、この口座の受信者の方々ですと、比較的御自身が御転居なさるときにそういうお届けを自発的にしてくださるという傾向が強くなってきているということは私どもとしては大変ありがたいことだというふうに思っておりますが、一般の口座以外の方に――口座の方もかなりの方が通告したまま転居先を明示されないという状況もございますし、また口座でない方はそのまま転居されてしまうということがございます。
 私どもとしては、この転居をどういうふうに捕捉するといいますか、把握するかということで、当然集金途上での調査でございますとか、あるいは市町村の役場での転出入の調査でございますとか、あるいは特別に調査員を配置して調べるというような形もとりながら、できるだけ早い時期に転入なさった方々あるいは転出なさった方々を掌握したいというふうに考えて努力しているところでございます。いずれにいたしましても、減少の管理というものが大変難しい問題であるということは、先生御指摘のとおりでございます。
#72
○宮田輝君 確かに難しいことでございますけれども、たまにテレビジョンで拝見いたしますが、転居のときにはぜひ最寄りの放送局にお知らせく
ださいということももっともっとふやすとか、あるいはもっと突っ込んで公平負担の原則に反しない範囲でつないでずっと届けを出すというか、例えば転居届けを出してくれた人には何かのメリットを差し上げるというようなことなどはお考え願えないのかというのが私の気持ちでございます。これは御検討いただければ幸せでございます。
 それから放送でございますが、地域放送の充実、中でも交通情報とか天気予報とか、このごろ随分評判がいいんじゃないかと喜んでいる一人でございます。
 今交通情報は、警察だとか道路公団なども千六百二十キロヘルツですか、一番こっちの方で地域的にサービスをしております。ラジオの方もNHKと民放合わせると一日百回近い放送をしているようでございまして、交通情報を頼りにしているという運転者もかなり多いんじゃないかと思います。それから気象情報の放送でございますけれども、これが非常にこのごろ何か番組になってきたという感じを受けます。つまり、関係者の御努力が実ってきたのではないかと思うわけでございますけれども、特に、この間伺いましたら衛星放送によって初めて気象情報を受けられるようになった地域の人々の喜びは大変大きいということでございます。
 ところで、その気象用語、言葉でございますけれども、必ずしもわかりやすくはないんですね。気象庁に聞いてみましても、例えば曇り時々雨というのと曇り一時雨なんというのは私どもはそれほど厳しくは受けとらないのですけれども、時々雨というのは予報期間の二分の一未満が雨のときが時々なんだそうでして、それから一時雨というのは四分の一未満が雨のときに一時雨と、こういうふうに気象庁では言っておりました。難しいと思うんですね。
 NHKで大分前ですけれども、ちょっとこういう放送を聞いたのを今思い出すのです。東京二十三区には波浪注意報が出ていますと、仲間と一緒にそれを聞いていまして、はてな、神田川に波風でも立つのかなと、そんな冗談も出たのですけれども、これはちょっと難しいんじゃないかと思うんですよね。その難しい気象用語をNHKが仮にそのまま使っているとしたらちょっと親切心が足りないような気がいたしますが、いかがでございますか。
#73
○参考人(川口幹夫君) 気象用語というのは先生も御存じのように、気象業務法という法律で気象庁から出されました予報文に従ってアナウンスをしなければいけないということになっております。これは例えば災害などに結びつくような場合がありますので殊さらに慎重にやっていると、先ほど例を引いておっしゃいました時々とかいうときの分量は幾らというふうな決めでもってやっているところがございます。
 ただ、それではなかなか一般の方たちにわかりにくいというようなこともあり、実用に供すべき気象情報がさっぱり実用に供せられないということもありますので、NHKとしては、できるだけわかりやすく、かつ実用的な表現をしてもらうように気象庁にお願いもし、それから助言もしているという状況でございます。
 最近では多少その辺のところが実りまして、今降っている雨は昼前には上がりましょうとか、それから南部では夕方まで雨が残りましょうといった表現なども気象庁がやってくれておりますので、こういう点については今後とも十分協力をしながら改善をしていきたいと思っております。
#74
○宮田輝君 ぜひひとつこれも、少なくとも聞いている者、見ている者がわかるような表現をとっていただきたいと思います。
 さっき私が東京二十三区に波浪注意報が出ていると申し上げましたけれども、これよくよく調べてみましたら、東京地方というのは東京二十三区というのとそれから多摩東部と多摩西部とこの三つに分かれているんですね。東京二十三区に波浪注意報が出ていますというのは、世間で言うならば東京の東京湾沿岸部に波浪注意報が出ていると、こう解釈すべきことのようです。それが東京二十三区というと、新宿にも波浪注意報が出ているようにどうしたって受け取る方が自然ではないか。この辺はこれからもきっと黙っていたらあるんじゃないかと思いますので、ぜひ御注意をいただきたい。注意報を出しておきます。
 ところで、ラジオやテレビジョンのやれる範囲の中で、まだやれることがあるのかどうなのか。NHKでもトップはトップで、また若手は若手でプロジェクトをつくったりしまして研究されているようです。経営展開プロジェクトという話も聞いております。お客様のニーズの広がりあるいは環境の変化というようなことから、少なくともやりたいことはおありになると思うんですね。営業、放送、技術、それぞれの立場から一言ずつお話を伺いたいと思います。
#75
○参考人(林乙也君) 放送をめぐります社会環境が高度情報化へ向けまして大きく変わりつつあることは既に御案内のとおりでございます。NHKにおきましても従前から基本問題調査会あるいは長期ビジョン審議会というような形で、部外の有職者の方々からいろいろ御意見をいただいておるところでございますが、そこらあたりの問題点というのは主として公共放送のあり方ということであったろうかというふうに考えるわけであります。
 今後ニューメディアの実用化等の大きな流れの中でいろいろ問題になってまいろうかと思われますことは、公共放送という枠の中だけでなしに、いわゆる民間放送も含めました放送のあり方なり、あるいはパッケージ、あるいは有線等々のいろんな動きの中で考えていかなければならぬということもございまして、一つには会長のいわば私的な諮問機関として部外の有識者からいろいろ御意見をいただく中で、一方におきまして部内におきましてもそこらあたりの議論を強めていこうということで、ただいま先生からお話しのございました部内の職員でのいわゆる勉強会にプラスしたような形の経営展開プロジェクトというような形で、できるだけ若い職員の積極的な発想というものをいろいろまとめていこうというような形で、とりあえずといいますか、第一の段階といたしましてはNHKの業務のあり方というような形のテーマをスタートといたしまして、現在いろいろ勉強を進めておるところでございます。
#76
○参考人(川口幹夫君) 放送につきましても、編成のあり方、それから番組のつくり方、それから報道の仕方というふうなものがこれから大きく変わらなければいけない時代に来ていると思います。したがいまして、それの展開に対して、いかに効率的に、しかし重点的に進めるか、こういうことを話し合っております。
#77
○参考人(矢橋幸一君) 技術も最新の技術革新その他大変進歩が早うございまして、我々としても研究開発はもちろんでございますけれども、我々の放送技術だけではなしに、技術の融合と言っていまして、通信技術それから放送技術、あらゆる技術が、これからいわゆるメディアミックスという形でもあらわれてきますので、幅広い研究開発あるいは技術のそういった新しい開発をしていきたいというふうに思っております。
#78
○宮田輝君 郵政省も大臣の懇談会を設置されたようで、きのうも会が開かれたと伺っておりますけれども、これも決して受信料のことばかりじゃないんだと思います、ニューメディア時代における放送に関する懇談会という名称と聞いておりますので、例えば今何を御懇談いただいていますか、簡単に。
#79
○政府委員(徳田修造君) 放送政策懇談会は第一回の会合を五月十五日に開きまして、昨日第二回の会合を開催いたしてございます。
 第一回の会合におきましては、最初の会合でございましたので、我が国の有線放送の現状であるとか、あるいはこれからいろいろ到来することが予想されておりますニューメディアの概要等につきまして郵政省側から御説明を申し上げたような次第でございます。昨日の会合におきましては、この説明に対しまして質疑あるいは意見交換等が行われたところでございまして、まだ本格的な審
議にはこれからという状況でございます。現行の法制がどういう形で運用されておるかという実情等についての質疑であるとか、あるいは今後この懇談会でどういう形で検討していくかという取り組み方の問題でございます。
 郵政省側としては、一応考えられる問題点等いろいろ御説明申し上げてございますが、必ずしもその枠にとらわれずに幅広くいろいろ御意見を承りたい、そのように考えて今後進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
#80
○宮田輝君 いわゆるニューメディアにつきましてはこれからどんな選択が行われ、将来どんな形に落ちつくのか、予測は非常に難しいと思われます。また聞きますと、今アメリカではCATVがビデオカセットのおかげで今までのメディアの視聴率が上がっているということも聞いております。あすの放送、特にあすの公共放送の役割などについてNHK自身も勉強されているようでございますけれども、よくよく勉強を続けていただきたいと思うんです。
 今日NHKはお客様から大きな信用をいただいております。また、寄せられている期待も大きなものがあると思います。それだけにこの難しい時期にNHKのかじ取りをされている会長を初めNHK役職員の責任は重いと言わなければなりません。一層の御努力をお願いしたいと思います。会長それから大臣から、今の話し合いをお聞きになって所感がございましたら、一言お願いいたします。
#81
○国務大臣(左藤恵君) 今御指摘いただきました放送政策懇談会、こうしたところにおきまして各界の有識者の方々に、放送全般の問題について幅広い、またかつ多角的な御議論をいただきまして、その成果を受けて長期的な展望に立った新しい時代に対応する放送政策の策定に生かしていきたいと、このように考えております。
#82
○参考人(川原正人君) 私どもも、このニューメディアの展開と言われ、あるいは高度情報社会と言われる中で放送事業、特にNHKのような公共的使命を持った放送事業がどのようにして生きていくべきか、財政的な困難もさることながら新しい展開をいかにして図るかということについていろんな角度から部内でも真剣な議論をしております。また、今政府側においてもそういう放送制度全般についての幅広い検討をお始めになったと聞いておりますし、その会合にも私ども出席をさしていただいております。十分その辺の議論の展開も踏まえまして私どものこれからの生きる道を的確に求めてまいりたいとかように考えております。
#83
○委員長(松前達郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#84
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本放送協会昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#85
○服部信吾君 午前中も大森委員の方から指摘があったのですけれども、BS2bの打ち上げが延期になった、こういうことでありますので、事業団の方からその推移、並びに大臣からそれに対する対応がありましたらば、お考えをお伺いしたい。
#86
○参考人(船川謙司君) お答えいたします。
 BS2bの延期の経緯につきまして御説明いたします。
 現在軌道上にございますBS2aの故障の原因につきましては宇宙開発委員会の特別委員会を中心にいたしましていろいろ検討が行われておったわけでございますが、故障の原因としましては、進行波管内部に予期せざる温度上昇が起こったためというふうに考えられてまいりましたので、BS2b用の中継器にはそれに対応しまして温度上昇が起こらないような対策を施しております。そういう対策が効果があったかどうかというための確認試験を、本年の一月から熱真空試験を行いまして試験してまいったわけでございます。途中図らずも一系統少し動作不安定な進行波管があって交換するというようなことがございましたが、この進行波管を交換しました後、中継器全体の熱真空試験に入ったわけでございますが、ここでこの試験の計画を立てるに当たりまして、一層慎重に品質確認を行う必要があるだろうというようなことで、比較的長期の熱真空試験を含む確認試験を実施することにしたわけでございまして、これが約二カ月かかりまして五月二十三日に終了したということでございます。
 この試験の結果は良好でございまして、大体これで中継器につきましての対策はうまくいったんではないかというふうに我々考えておりますが、この後衛星全体のシステム試験、それから射場での打ち上げ準備作業等のスケジュールがございますので、システム試験に四カ月、それから射場でのいろいろな準備に二カ月というふうなことを考えますと、この夏の打ち上げは延期せざるを得ないというふうな判断をした次第でございます。したがいまして、事業団としましては次の六十年度の冬季に打ち上げることを目標にしまして現在作業を続けているところでございます。
#87
○国務大臣(左藤恵君) 今御説明がありましたように、このBS2bの試験の結果というのは良好であって、六月十九日の宇宙開発委員会は、放送衛星対策特別委員会より「放送衛星2号―b中継器に講じた対策及び確認試験結果の評価報告」という報告を受けてこれを了承し、BS2bの打ち上げ準備を進めることが妥当であるという判断を下されました。
 そうしたことに関連しまして郵政省といたしまして、今後は六十年度の冬季すなわち六十一年の一月―二月期です、このときに打ち上げをするという方向で遺漏なきを関係機関に指導していきたい。そして、BS2bの打ち上げ延期に伴う他の衛星計画等に対します影響につきましては、今後関係機関とも十分調整した上で対処していきたい、このように考えているところでございます。
#88
○服部信吾君 そこで昨日ですか、「放送衛生2号―b中継器に講じた対策及び確認試験結果の評価報告」、こういうものが出されたわけですね。そうしますと、これは来年冬の一月から二月に打ち上げられるBS2bの最終的な報告という形で考えていいわけですか。BS2bのあれに対しては五十九年十月にこういうようなものが指摘されて、それにあれしていろいろ研究されてきた。今回またこういう発表があったわけですけれども、これは最終的な報告で、このままもう経緯とかいろんなものがなくて、とにかく来年この報告のとおり一月―二月に打ち上げられる、こう考えていいわけですか。
#89
○政府委員(奥山雄材君) 科学技術庁がいらっしゃったならば科学技術庁から御答弁いただいた方が適当かと思いますけれども、私の方からひとまずお答えさしていただきたいと思います。
 服部委員御指摘のとおり、昨年十月十九日に出されました宇宙開発委員会の放送衛星対策特別委員会の報告を受けましての措置を講じた結果、その改善施策を今日まで宇宙開発委員会が中心になってフォローしてきたわけでございますけれども、昨日、六月十九日の宇宙開発委員会におきましてその結果が良好であるという認定が下されたわけでございます。したがいまして、BS2bにつきましてはBS2aの故障にかんがみての保護措置としてはこれをもって完了ということでございますので、あとは先ほど事業団の方からもお答えがございましたように、衛星全体における機能確認試験つまりシステム試験並びに射場におけるテスト等を行った上で、来年の一―二月期に打ち上げられるよう私どもとしては期待しているところでございます。
#90
○服部信吾君 それで、一つだけ確認しておきたいのですけれども、いろいろ試験をやってこられ
て、特に中継器ですけれども、中継器は2bの場合はあくまでもトムソン社のこれでやるのか、これだけちょっと確認しておきたい。
#91
○参考人(船川謙司君) お答えいたします。
 2bの進行波管は2aと同じくトムソン社製でございますが、先ほどお話しいたしましたように、2aの故障の原因となりました温度の上昇を防ぐような対策を講じまして十分熱真空試験も行っておりますので、我々はこの進行波管で大丈夫であるというふうに判断しております。
#92
○服部信吾君 ということは、トムソン社のその中継器でやるということですね。
#93
○参考人(船川謙司君) さようでございます。進行波管はトムソン社製でございます。
#94
○服部信吾君 それで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、特にこのBSa、b、この打ち上げについては大型放送衛星ということで世界に先駆けてと、こういう内容のもので今までやってきたわけですけれども、八五年から八六年にかけて西ドイツとフランスにおいて大型直接放送衛星、こういうような打ち上げの計画があると聞いておりますけれども、その計画について科学技術庁にお伺いしたいと思います。
#95
○参考人(船川謙司君) 事業団の方からちょっとお答えさしていただきます。
 西ドイツとフランスで共同で直接放送衛星のプロジェクトを行っておりまして、西独はTV・Sat、フランスはTDF1という名前の、これは名前だけ違いますけれども、本体はほとんど共同で開発したもので、同じようなものでございますが、直接放送衛星をそれぞれ打ち上げる計画を持っております。
 この放送衛星は、出力が二百三十ワットないし二百六十ワットという高出力のもので、衛星もBS2に比べまして非常に大型のものでございます。
 打ち上げ時期は、ドイツのTV・Satの方が八六年の五月、TDF1の方が八六年の七月というふうに聞いております。
#96
○服部信吾君 科学技術庁の方はいないの。――それで、その計画が延期になったとか聞いておりますが。
#97
○参考人(船川謙司君) この二つの衛星は、衛星本体は同じでございますが、それぞれ、ドイツ用、フランス用というふうに二つつくったわけでございます。若干違いますのは、その中の進行波管の積み方がちょっと違いまして、TDF1、フランスの方にはトムソン社製の進行波管とドイツのテレフンケン社製の進行波管とを混載する計画と聞いております。そのトムソン社製の進行波管の開発スケジュールに若干おくれを生じましたので、その打ち上げを八六年の七月に延期したというふうに聞いております。それからドイツの方のTV・Satにつきましては、これはテレフンケン社製の進行波管のみを搭載すると聞いております。これも八六年の五月に延期しておりますが、これはどうも進行波管のためではないようでございます。フランスの方でおくれましたのは、トムソン社製の進行波管の開発スケジュールにおくれが生じたことも一因と聞いておりますけれども、直接放送衛星は世界で最先端の技術を駆使しておりますので、その実現には各国とも苦労している状態でございます。
#98
○服部信吾君 どうも何かはっきりわからない。
 要するに、フランスのTDF1直接放送衛星、これは延期したと、これは事実ですね。それで、日本の国がトムソン社のところの中継器を買っているわけですよね。そのフランスの方で何か延期しているやつを日本が買ってきて、また世界で初のあれを打ち上げるというのもちょっとおかしな話じゃないかと思うんですけれども、その辺ちょっともう一回御説明していただきたいと思います。
#99
○参考人(船川謙司君) フランスの放送衛星用の進行波管は、先ほど申し上げましたように、非常に高出力のものでございまして、二百三十ワット程度のものをつくっておるわけでございますが、この開発のおくれは主として、この中で、我々SSO――スポンテニアス・スイッチ・オフと称しておりますが、大変失礼でございますが、進行波管の中で予期せざる放電が起こりましてそれでスイッチオフになり、ブレーカーが働く、そういう現象が多発して、いろいろそれの対策に時間をかけておったようでございます。
 それから、我々の方はむしろそちらの方よりも、先ほど申し上げましたように、進行波管の中で電子銃周りの温度が予期以上に上がりまして、そのために絶縁が低下するというふうな、そういう現象が主な故障の原因であろうと考えておりまして、我々の方で起こりました現象はフランスの方の二百三十ワットの球でも起こる可能性がありまして、我々の方の現象の結果を向こうは十分評価いたしましてそれに対する対策をやはりとっているようでございますが、初めに申し上げました二百三十ワットの球の放電現象みたいなことは我々の方でも若干起こりましたけれども、それは現在ほとんど支障を与えていないという状況でございますので、フランスの方がおくれたのでトムソン社製の進行波管に問題があるというふうには我々は思っておりませんで、このたびの放送衛星対策特別委員会の評価をいただきまして、この球で打ち上げ作業には進めるのではないかというふうに我々考えております。
#100
○服部信吾君 まあ、我々も単純に考えますと、フランスがそういう計画を持っていて、フランスがやはりトムソン社の中継器のいろんな問題で延期をしたんだと、こういう事実があるわけですから、その中で、じゃ日本がこれから世界に先駆けて打ち上げようとするBS2にしましてもそこから買っている中継器、こうなりますと何かまた非常に心配になるということは、これはまあ国民からすれば当然のことですね。向こうで打ち上げて、なるほどそうだと、こういうものであって、それを日本が買ってきてやるというんであれば、これはまた非常にいいと思いますけれども、向こうの方で打ち上げ延期しながら、その器械をまたこっちが買ってきて、それで一番重要な部分。こうなったら、非常に心配するのはこれは私は当然じゃないかと、こう思うわけですけれども、この問題に対して郵政大臣どのようにお考えですか、これ。
#101
○政府委員(奥山雄材君) 先ほど来お話が出ておりますように、日本におきましては宇宙開発委員会が、BS2aの経験にかんがみまして、再びこのような事故を再現することのないように非常に慎重に関係者が今日までその措置を講じてまいったところでございまして、昨日の宇宙開発委員会でこれまでの措置が良好であり、妥当であるという結論を得ておりますので、今後BS2bにおきましてBS2aの中継器と同様な事故を生ずる可能性はまずないというふうに私どもは確信しておりますので、今後宇宙開発事業団を中心とされましてBS2bの打ち上げに向かって諸準備を進めていただくことが至当であろうというふうに考えております。
#102
○服部信吾君 まあ、それはそれでいいですけれども、BS3ですけれども、先ごろ、いろいろ新聞等を読みますと、打ち上げを延期すると、こういうようなことであるようですけれども、当初、開発担当企業、こういうところとの契約なんかもことしの三月までには決定すると、こんなような予定であったんですけれども、この点はどのようになっておりますか。
 それから、企業との契約の中でも特に保険の問題ですけれども、この打ち上げ保険とか寿命保険、BS2bの場合なんかはどのようになっておるのか、この点について。
#103
○参考人(林乙也君) お答え申し上げます。
 BS2aの故障の発生以降、技術的にはその原因の究明と是正措置について関係者間で十分協議をいたしまして、その措置をいろいろ講じてまいったところでございますが、一方におきまして、その間に国会、各方面等から故障発生等に絡む責任等の問題についていろいろ御指摘をいただいたところでございまして、この点につきましても、NHK、通信・放送衛星機構、それからさらには
通信・放送衛星機構を通じて宇宙開発事業団との間にいろいろお話をいたしてまいりました。
 その中におきまして、一つには2aの異常の原因究明等の結果を反映させまして、協定に定める仕様及び性能を備えるよう最大限の努力をもって必要な是正措置を講じた上でこれを打ち上げるということを各当事者間で確認するとともに、是正措置の経費につきましてはNHKの負担とならないよう事業団に努力をお願いするということ。
 それから、損害賠償等の点につきましても、メーカーの故意または重大な過失による瑕疵であることが打ち上げ後においても判明した場合は、事業団におきまして損害賠償等の請求権を適切に行使いただいて、その上で事業団の受領した損害賠償金の六割につきましてはユーザーでございますNHKに支払うというようなこと。さらには、保険の付保等につきまして三者間で十分協議をし協力し合いまして、打ち上げ保険及び寿命保険等に万全を期していきたいというようなことで、それぞれ三者の間、直接的にはNHKといたしましては、機構との間でございますけれども、確認をいたしてまいったところでございます。
 また、BS3につきましても五十九年度中に極力その契約の関係にまで至りますよう努力してまいったところでございますけれども、やはり事故の発生ということになります影響はまことに重大でございますので、特に打ち上げの成功、不成功によりますところのいわゆるメーカー等に対する支払い金額を調整するというような条項の織り込み等につきまして、事業団におきまして鋭意御努力いただいておるところでございますし、また私どもも十分協議を重ねながら早期に決着を見るよう努力してまいりたいというように考えておるところでございます。
#104
○服部信吾君 この問題についてはやはり一番肝心なところを輸入に頼っておるということでいろいろ問題が起こると思うんですね。ですから、やはりBS3においては国産化ということがいろいろと言われておるわけでありますけれども、特にBS3の場合は今後この中継器等はこれは国産化する、こういう考え方で臨むべきと思いますけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
#105
○参考人(船川謙司君) お答えいたします。
 BS3の開発計画につきましては、BS2の経験を十分入れまして適正な計画でやりたいということで現在いろいろ詰めておるところでございますが、少なくとも中継器に関しましては、現在完全に国産でできるレベルにあると判断しておりますので、この次のBS3には国産の中継器ということになると思います。
#106
○服部信吾君 そこでちょっとNHKにお伺いしたいんですけれども、特にBS2bの延期によって、いろんな契約もされていたようでありますけれども、その契約なんかも大分おくれるんじゃないかと思うんですけれども、この点についてはこのBS2bの打ち上げのおくれとBS3の延期、こういうようなことを考えますと、今まで大分いろんなことを計画されているようでありますけれども、これに伴っていろんな計画がおくれると思うのですけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
#107
○参考人(林乙也君) 衛星放送の計画は、2及び3の場合、いずれもそうでございますけれども、本機と予備機を一体的にお互いに相互にバックアップできるような体制のもとに運用していくということを基本的な構想といたしておるところでございます。したがいまして、BS2bの延期ということになりますならば、現在既に2aの故障発生にかんがみまして一チャンネルのみでの放送を余儀なくされておる状況に対しまして、2bの打ち上げ以降は二チャンネルによりますところの本格的な放送といたしたいということを私ども期待し計画いたしております点につきましては、その早期の実現ができないということでの問題等が確かにあることはそのとおりでございます。
 しかし、やはり2aの故障発生にかんがみまして、あくまでもやはり信頼性の確保というものを第一義に考えていかなければならぬということもございますので、確かに影響するところは大きいわけではございますけれども、その点につきましては宇宙開発事業団におかれまして決定されました打ち上げ延期の決定ということも私どもとしてはやむを得ないものというふうに考えて、その点についての各方面、放送計画等々についての調整を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#108
○服部信吾君 今BS2aがたった一機だけ作動しているということで、二機はだめだということですけれども、こんなことはないと思いますけれども、万が一この一機に何かあったら大変じゃないかと思うのですけれども、これについて何か対策を考えておりますか。
 それからBS2bが打ち上げられたと、こうなりましたときに、現在BS2aが一機作動しておるということなんですけれども、その二つ、あととまっているといいますか、休止している。これに対してもしBS2bが打ち上げられた場合には何かその二つの中継器に対して対策を行うのか、この点について。
#109
○参考人(林乙也君) 若干重複するかもしれませんが、BS2bの打ち上げに当たりましては何よりも信頼性を確保した上で打ち上げていただくということが第一ではございますけれども、打ち上げた以降におきましても、現在2aの放送はいわゆる放送試験局としての免許にいたしております。本格的に放送ができるということになりました場合には、それは本放送局として運用していくということを将来のあれとしては考えていかなければならないものと思っておりますけれども、やはり打ち上げ後、地球の陰に隠れて衛星が二十四時間フル稼働できないという、いわゆる温度差も非常に激しい、食と申しますが、その期間等を十分見きわめまして、十分視聴者の期待にこたえ得る信頼性が確保できている衛星であるということを確認した上でいわゆる本放送局としての運用に入っていくよう、慎重にも慎重を期してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#110
○服部信吾君 時間がありませんのでこの問題については終わりたいと思いますけれども、どうかひとつ慎重にやっていただきたい、このように思います。
 それから、五十七年度決算に対して、会計検査院の実地検査において営業対策、特に滞納対策を重点検査事項として取り上げられておりますけれども、滞納対策を重点とした理由は何か、会計検査院より説明していただきたいと思います。
#111
○説明員(秋本勝彦君) お答えいたします。
 受信契約あるいは受信料の収納が的確かつ経済的に行われているかという検査のテーマは常に重要なテーマの一つであります。したがいまして、その関連におきまして受信料の滞納債権に関する検査というものを行っているわけでございまして、その重要性は変わりませんので、今後も引き続き十分な関心を持って検査を進めてまいる、そういう所存でございます。
#112
○服部信吾君 これに対して会長はどのようにお考えですか。
#113
○参考人(川原正人君) 何といいましても、一番経営を支えている基盤は、全国の受信者からちょうだいしておる受信料でございます。この受信料が円滑に、しかも間違いなく収納されていることが何よりも経営の大前提でございます。この問題についてはなかなか契約収納に当たりましては一〇〇%の収納というのはどうしても実現できないんでございますけれども、これにつきましては私どもあらゆる方途を講じまして、極力一〇〇%に近いところへ持っていく努力を続けてまいりたい。部内的にはいろいろ難しい問題もあるんですけれども、これがやはり経営の一番の根底をなす問題だと思いまして、今後ともさらに努力を続けてまいりたいと思います。
#114
○佐藤昭夫君 昨日、衆議院の逓信委員会で我が党の佐藤祐弘議員も取り上げましたいわゆるスパイ防止法、国家機密法案は、憲法に真っ向から挑戦をする極めて重大な問題であり、放送の今後に
もかかわる重大な問題であります。こうした点で、私も角度を変えて若干質問をいたしたいと思いますが、まず初めに川原会長にお尋ねします。
 NHKは大正十四年、一九二五年創立をされましたが、戦前の放送法制と戦後の放送法制との根本的な違い、特に民主主義の根幹である放送の自由、言論、表現の自由という点では戦前と戦後とどんな違いがあるんでしょうか。
#115
○参考人(川原正人君) 戦前の放送に対しましては、やはり放送制度あるいは放送に関する規則あるいは放送だけでなく、報道、言論というものに対します当時のいろいろな制度や法律、これらが必ずしも報道あるいは言論の自由を一〇〇%保障したものではなかったと思います。特にその報道の内容については、政府側からの監督といいますか、あるいは検閲、こういうものの中で報道が行われた。特に放送に対してはその影響力が大きいということも含めて厳しい制約があったと承知しております。
 それに対しまして、戦後、特に昭和二十五年の新しい放送法以後におきましては、あくまで放送における表現の自由、法律に基づく権限でなければ何人からも番組の編集は介入されることはないという規定のもとに自由な報道、言論が行われるようになりました。この点が一番違っていることかと思います。もちろん、そのほか放送協会の役員の人事等に対する政府による監督等についても、新しい経営委員会の制度のもとで自主独立という形のものが保障されていると思っております。
#116
○佐藤昭夫君 今答弁ありましたように、単に制限をされたという生易しい程度じゃなくて、戦前はいわば政府の全面的な管理統制のもとに置かれておった。国民の立場というよりは国策の宣伝機関に当時の日本放送協会なんかは置かれておった。しかし、これが戦後、憲法では第二十一条、ここで集会、結社の自由と並んで言論、表現の自由ということが明確に定められた。そして二十五年、放送法で今ありました第一条、放送による表現の自由、そして第三条、番組編集の自由、こういうものが明定をされてきたという経過をたどっているわけですね。
 そこで、そういう戦前の強い国家統制のもとにあっても、それが特に戦争政策のもとで一段とエスカレートをしていくわけでありまして、そのピークとして昭和十二年、一九三七年、日中戦争を契機に軍機保護法が改悪をされる、あるいは昭和十六年、一九四一年太平洋戦争を契機にして国防保安法が制定をされる。こういった時期、放送に対する統制は一段と強まってきたということだと思うんですけれども、どんな姿になったか、ごく要点をこれは郵政省の方から御説明してもらいましょうか。
#117
○政府委員(徳田修造君) 放送番組につきましては、昭和十五年の十二月に発足いたしました内閣情報局というところが統制に当たりまして、放送に対する指導、取り締まりが強化されてまいったところでございます。また、昭和十六年の太平洋戦争の開始と同時に電波管制がしかれまして、日本放送協会におきましても、これに応じて放送の管制を行い、この結果、第二放送の廃止であるとか、あるいは主要局の電力低減というようなことが実施された、そのように聞いております。
#118
○佐藤昭夫君 今言われましたことに少しつけ加えておくとすれば、今の昭和十六年十二月の国内放送非常体制要綱の中で首相官邸を情報局の放送室に兼ね合わせて指定をする、そこから直結をしていわゆる大本宮発表がやられていくというこういう姿になるわけですね。あるいは十六年同じ言論、出版、集会、結社等臨時取締法というのが登場をする。
 そこで、大臣も同じ御認識だと思いますけれども、このように放送の自由制限あるいは国家統制、この行き着く先が、NHKが戦争への国民総動員の推進機関となって日本国民と世界人民にはかり知れない被害をもたらしたということは明瞭だろうと思います。このNHKを通しての大本営発表、事実を隠したうその発表によって国民は、いわば日本は神の国だから負けるはずがない、こう信じ込まされて、三百十万人の日本国民、二千万の世界人民の命を奪うに至ったことは、これはお互いに今も忘れられない痛恨の歴史的事実だと思いますが、大臣、この点についての御認識はどうでしょうか。
#119
○国務大臣(左藤恵君) 今御指摘のように戦前の日本放送協会というのは、そういった意味で非常に厳しい統制下に置かれたわけでありますので、戦争の方にすべてを制限され、その統制下に屈したと申しますか、そうせざるを得なかった状態にあったということは御指摘のとおりだと思います。
 今日の放送制度というものがそうした非常に厳しい反省のもとで、日本国憲法の精神に基づいて放送法が昭和二十五年ですか、制定されて、そこでそういった点についての、二度とそういったことにならないような体制というものを確立するために放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによっての放送による表現の自由を確保するということが基本的な原則であるということを第一条に掲げ、さらに第三条には、放送事業者に対して放送番組の編集の自由を保障するということを明記しておる、そういった点で戦前と戦後に非常な大きな違いがある、このように私は認識いたしております。
#120
○佐藤昭夫君 それで、もう一つ大臣、戦前のことでお尋ねをしたいと思いますけれども、こうした厳しい国家統制、軍事統制のもとで戦前のある時期には天気図、天気予報、こういうものも一切禁止された時期があるということを御承知でしょうか。
#121
○国務大臣(左藤恵君) 古いことを私もよく覚えておりませんけれども、昭和十六年の太平洋戦争の勃発という以後は非常に厳しい電波管制が行われたということは記憶にもございます。そうした点について、気象の問題までどうだったかということについては私もよく覚えておりませんけれども、そういった点で厳しい電波管制が行われたということは事実だろうと思います。
#122
○佐藤昭夫君 事実そのように天気予報が一切禁止をされたという時期があるんですね。そのために例えばその直後、一九四二年、昭和十七年八月二十七日、西日本を襲いました猛台風、これが国民には一切知らされない。そのために死者、行方不明千百五十八人、建物の全半壊五千四百九十二戸という大災害をもたらすということで、本当に国民の命にかかわるここにまで実は、言論、表現の自由の抑圧がどういう結果をもたらすかということの一つの証明がこうした点にも出ておるんじゃないかと思うのであります。
 そこで、さっきも大臣から御答弁ありましたように、こういう戦前の深刻な反省の上に立って戦後、憲法の言論、表現の自由、放送法の放送の自由、この原則が確立され、我が国の放送制度は根本的な転換、再出発をいたしました。この憲法と放送法の基本原則を一層発展させて真に国民に開かれた放送制度を確立することこそが今求められておるというこのときに、事もあろうにこのたびこの放送の自由の原則を根本から否定する国家機密法が持ち出されたのであります。
 ところで先日、三月二十八日の当逓信委員会におきまして、あのとき私は六十年度予算案での放送のあり方を検討するための調査費計上、この問題について質問をいたしました。それに対して大臣は、放送の自由は堅持するというふうに明確にそのとき答えられてきたそういう大臣の立場に照らしてみますと、今回の国家機密法というものは明らかに対立をするものだというふうに私は思うのでありますが、この点についての大臣の御見解はどうでしょうか。
#123
○国務大臣(左藤恵君) スパイ行為等防止法といいますか、そういった法案が国会に提出されたことは私も承知いたしておりますが、この法案、議員立法で政府提案の法律案でもございませんし、今の段階で政府としてこの解釈とか、趣旨とかということについては言及申し上げることは差し控えたいし、今申し上げるべきでない、このように考えております。
#124
○佐藤昭夫君 私は政府を代表をしての郵政大臣の見解を今お聞きをしているということではあり
ません。ただ、私からあえて申し上げるまでもなく、自由民主党に属される政治家左藤さんでありますし、そうしてとりわけ放送の自由、言論、表現の自由ということに直接その所管の責任を負っておられる左藤さんでありますから、特にこの点についてただしたいということでお尋ねをしておるわけであります。きのうの質問通告の段階でも、議員立法で出た法案の内容、余りつぶさに知らないからということでお逃げになるんじゃないかと思いまして、そういうことをなさらないようにひとつよくよく目を通しておいていただきたいということを前もってお願いをしてきておるところであります。
 大臣、どうでしょうか、この法案によりますと、一つはさっき私が戦前の放送体制、一段と国家統制が強まるその節目になりました日中戦争の段階での軍機保護法、太平洋戦争開始の段階での国防保安法と非常によく法律の仕組みが似ているんであります。そして、内容について見ました場合に、例えば知り得た秘密を外国に通報すると死刑または無期懲役、これは通報の実行行為だけじゃなくて外国が知り得る状態に置く場合も同様だ、こういうふうに定めています。そして探知、収集も罪だ、すなわち放送記者がいろいろ調査をして取材をする、こうしたことを発表して、さっきの外国が知り得る状態にすれば、これはもちろんつい他人に漏らしても、漏らす罪というのが定められている。しかも予備、陰謀、こういうことも罪だ、すなわち放送記者が特だねなどをつかむために編集部として事前にあれこれ相談をする、こういうことも重大な犯罪になるという、こういう内容になっているということを大臣御存じでしょうか。
#125
○国務大臣(左藤恵君) 国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案という形で国会に提出されております法案につきまして、一通りお話しのように目を通したわけでありますけれども、これに対します解釈なりいろんなことにつきましてはいろいろ関連するところがありまして、今ここで私が軽々にいろいろ申し上げない方がいいんじゃないかとこのように思うわけであります。
 ということは、これはあくまでも、今申しましたように政府提案の法案でもございませんし、そしていろいろ問題点があろうと思います。そういう点につきましてここで具体的な関係につきまして解釈なり趣旨ということを、提出者あるいは賛成者というものの国会におきます提案理由の説明もまだ聴取をいたしておりませんし、そうした趣旨のことについて今申し上げるのは差し控えた方がいいんじゃないかと、このように思います。
#126
○佐藤昭夫君 そのようなことを繰り返しおっしゃいましても、私はそれでちょっと引き下がるわけにはいかぬのです。NHK、民間放送すべてを含めまして放送の自由をしっかり保障すべきそういう責務を持っておられる郵政大臣だと、郵政大臣の仕事とのかかわりで私は詳しく知らないとか、関知しないとかということで責任を回避することは許されない問題じゃないかというふうに思うんですね。しかも、この国家機密法第一次案から第三次案まで出されてきました。この第三次案をもって最終案ということで国会への提出手続がとられたわけです。第一次案は昭和五十五年の一月の段階、第二次案は昭和五十七年七月の段階、第三次案は五十九年八月の段階、それぞれ公表をされているものであります。そして、あなたは昭和五十九年の秋から郵政大臣に御就任になったんでありますから、そうするとちょうどいよいよ最終案とも言える第三次案が確定をした後ですね。この状況で郵政大臣に就任をされておるというわけでありますから、さっきから繰り返し言っています大臣ということの仕事上の責務、これに照らして、そんなことは議員立法で党の中のある人たちが決めたことで私はつぶさには知らないと、そういうことで済まされるという、そういう立場では――郵政大臣という立場としてそういう点であなたは放送の自由というものを厳守するというふうに今までも言ってこられた、また今もそういう考え方に当然おられなくちゃならぬはずだと思うんですけれども、その立場から党の方へ意見を出されたことはあるんでしょうか、お尋ねします。
#127
○国務大臣(左藤恵君) この法案が出た段階におきまして私はこういった党の動きにつきましては存じませんでしたし、国会へ出ましてからはそういうことで法律案として提出されたということでありますし、また、今お話しを申し上げましたように、提案理由の説明とかそういったものも聴取いたしておりませんし、政府の立場といいますか、というふうなこととしてこの法律案が国会で論議をされる段階におきまして我々の考え方をまとめていくべきだと、このように考えております。
#128
○佐藤昭夫君 国会に既に提出の手続がとられているんであります。その局面をもう既に迎えているんでありますから、くどいように言っておるわけですけれども、放送行政について、放送の自由を貫徹する、その点での責務を持っておられる郵政大臣としてどうか、さらにあえて言えば政治家左藤恵さんとしてどうかということでお尋ねをしているわけでありますけれども、それでもお答えを回避されるわけですか。
#129
○国務大臣(左藤恵君) これは政治家とか何とかということじゃなくて、私は今政府の立場としてどういうふうな態度をとっていくべきかということについて当然この問題の検討をしなければならないと思っておりますが、今の段階で、まだそうした法律案が提出されたばかりでありまして、今の国会におきます審議の段階におきまして我々は態度を明らかにしていかなければならない、このように考えております。
#130
○佐藤昭夫君 私は政府を代表してお尋ねをしているわけではない。それはしかるべき場において、政府を代表してお尋ねするときには中曽根総理にお聞きをするなり、あるいは法制上の問題であれば法務大臣に聞くなり、こういう場も当然念頭には浮かぶでしょう。しかし、今お尋ねをしているのは、政府を代表してあなたにお尋ねをしているわけではない、郵政大臣という局限をした、特定をしたこの責務に照らして一体どうお考えになりますかということを聞いているんですけれども、さらに言えば政治家左藤恵さんとしてはどうですかと聞いているんですが、お答えになりませんか。
#131
○国務大臣(左藤恵君) 政府としての考え方をまとめなければならないという段階に参りましたならば、こうした問題についての十分そうした提案者の意見も聞き、そして現行法のいろんな問題というような、放送法に照らしてどうだというふうな判断を我々はすべきである、このように考えております。
#132
○佐藤昭夫君 それではもう一遍念のためにお尋ねをします。
 さっき私が引用いたしました予算委嘱審議の段階だったと思いますけれども、三月二十八日の当委員会でのお尋ねとのかかわりで今後とも放送法は厳守するというふうに発言をされましたあの考え方、見解は今後とも引き続き堅持をされるわけですか。
#133
○国務大臣(左藤恵君) 堅持していかなければならないものだと考えております。放送法三条には「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」と規定しておって、表現の自由を保障している憲法二十一条の規定を受けてそうした規定があるわけでありまして、そういう意味で放送事業者について放送番組の編集の自由を保障している規定であるということ、この規定は私はどうした場合にも変わることがない問題である、このように考えております。
#134
○佐藤昭夫君 放送番組の自由、番組編集の自由、これは今後とも厳守をしていかなくちゃならぬというふうにおっしゃいますが、今月十七日NHKが放送しました「ぐるっと海道三万キロ」という番組がありました。この日本紀行の中で、広島呉港を放送したその中で自衛隊や米軍の弾薬庫、弾薬の搬入も放映をしておりましたが、これは恐らく国家機密法が制定されたらこれらの放映も私はできなくなるだろうというふうに思います。そして、このテレビの中で登場をした住民は旧軍港時代子供の海水浴も禁止をされ、やったら
憲兵に引っ張っていかれた。カメラや双眼鏡を持つことも禁止された。わら一本港に捨てると官憲に引っ張られていったということを証言しているんであります。
 念のために聞きますけれども、まさかこんな時代を大臣は歓迎をされるわけではないでしょうね。
#135
○国務大臣(左藤恵君) そういうことはあってはならないと私は思います。
#136
○佐藤昭夫君 もう一つ大臣に念のためにお尋ねします。
 この国家機密法案を促進するためにいわゆる勝共連合、この団体が各地で重要な一翼を果たしているわけでありますが、これも昨年の十一月八日、当院の決算委員会で私が取り上げました。あのときに、あなたは昭和五十九年の十月の一日、大阪城公園で行われました勝共連合の全国決起大会、この呼びかけ代表世話人を務めておられるというこの問題を私は取り上げたわけでありますけれども、こうした点であなたは、先ほど来私が何遍お聞きをしても答弁を避けられるということは、実は今放送の自由を厳守すべき郵政大臣という地位にある一方、その務めに反して今回のこの国家機密法案を積極的に制定したいというのがまさかあなたの本心ではないだろうというふうに思うんでありますけれども、この点、念のためにもう一遍お尋ねします。
#137
○国務大臣(左藤恵君) 勝共連合とも関係ございませんし、私はこのスパイ行為等防止法案というものについて国会へ提出する段階におきまして審議に参加したとかそういったこともございません。
#138
○佐藤昭夫君 私がお尋ねをしておりますのは、答弁を避けられるのは(「答弁避けてないじゃないか」と呼ぶ者あり)いや避けているんです。私は何遍も聞いているんですよ。私が聞いているのは、とにかく郵政大臣というこの務めに照らして見解をはっきりすべきじゃないかということを何回も聞いている。お答えないから、政治家個人としてはどうですかということまで聞いておっても、いや政府の統一見解はまだ決めてないから何とも言えないという、こういう言い方で答弁を逃げておられる、この点は何といったって。だから、そういう点で答弁を逃げられるということは、今回の国家機密法案、これを積極的に制定した方がいいというのがあなたの本心なのかどうか、本心だったら本心と答えていただきたいと、こう聞いているんです。
#139
○国務大臣(左藤恵君) 決してそんな本心でも何でもございません。そしてまた、私は今申しましたこの今の段階で政府としての解釈、趣旨について言及するのはまだ時期尚早であると、こういうふうに申し上げておるわけでありまして、決してこの法案に対してこれを賛成する立場とかそういうふうなことを言っているわけではもちろんございませんし、政府の立場を代表してこういった問題については今申し上げる段階でないということを申し上げたにすぎません。
#140
○佐藤昭夫君 本心は積極的推進制定の立場ではない、今までこの法案についてのこの賛成推進の相談に乗ってきたわけじゃないとも言われる。そうであるならば、本当に放送の自由を今後とも守っていくという立場に立って、この法案に対して、これは重大な問題を含んでいる、こういう意思を党側に正式に申し入れをすべきではないかというふうに私は思いますけれども、どうですか。
#141
○国務大臣(左藤恵君) しかるべき段階に来たならば、そうしたことにつきまして政府としての解釈、そういったものを十分まとめた上でこの法案に対する措置を当然考えるべきである、このように思います。
#142
○佐藤昭夫君 NHK会長、特にずっと聞いていただいておったわけでありますけれども、私はNHKの本来の仕事が、もし今度のこういう法案が制定をされるということになれば、むしろ大変な制約、抑圧、被害を受ける。こういうことでよく御認識をいただきたいと思うんでありますけれども、今もこの法案の持つ恐るべき内容の幾つかを提起をいたしました。この法案が、五月の二十八日、自民党の総務会が国会提出を決めまして以降、各新聞は社説でこぞって反対を表明しているのに比べますと、NHKも含めまして民間放送を初めとして放送分野の機関の対応が、国民からいろいろ疑問が出ているんじゃないかと思います。この今も言いましたNHKの本来の使命にかかわる重大問題として、その対応をよく考えてもらう必要があるということを私は強調したい。あえて私は答弁を求めません。しかし、会長、何か御所感がありましたら申していただいて、終わります。
#143
○参考人(川原正人君) 今御指摘の法律案につきましては、これはまさに現段階で国会等でいろんな政治的な立場での御議論があるところだと思いますし、この席でそのような問題について私が今の立場で意見を申し上げるのは差し控えたいと思います。
 ただ、一般論としまして、私は、先ほど冒頭の御質問にありましたように、自由な民主主義社会を守るには、やはり報道、言論というものはあくまでも自由でなければならない。これがやっぱり自由な社会を守る一番の根底であろう、そういう信念は常に持っております。それだけ申し上げておきたいと思います。
#144
○中村鋭一君 当委員会で筑波の科学博覧会へ視察に参りました。会長、もう今度の筑波の科学博は、映像ニューメディア博覧会と名前を変えてもいいぐらい、こういった新しい媒体についての関心が非常に高いということを実際に見て感じた次第でございます。
 一方、衛星放送、これは出足でつまずきましたが、しかし一波とはいいながら既に一年間経験を積まれたわけですね。そこで、この衛星放送の特性を生かしまして、さらなる番組の開発、あるいはこれは現地でも見せていただいたんですが、高精細度テレビ、NHKのおっしゃるハイテレビジョンですね、こういった新しい放送方式の技術の開発でありますとか、その実験等がこれからもさらに積極的に進められていく必要が大いにあろう、こう考えております。
 まず、放送衛星の打ち上げ計画が延期はされておりますけれども、これらのデベロプメントにつきましてどのような対応策、積極的にどういうふうにプロモートをしていかれるおつもりかお伺いをいたします。
#145
○参考人(川口幹夫君) 当初の計画が一チャンネルに変更せざるを得ないという事情が昨年の五月に起こりました。ことしの四月からは、その一チャンネルをうまく利用して、さらに新しいソフトの開発を進めようということで、定時の番組でも相当いろんなところにそのような番組の枠を設けました。
 例えば土曜、日曜は午前中、筑波からこんにちはという形で科学に関するものを放送いたします。それからお昼、長時間でございますけれども、衛星スペシャルといいまして、土曜、日曜とも大体時間にして三時間半、スポーツ中継あるいは劇場中継、それから長尺の劇映画、それからN響の演奏会、そのほかNHKが蓄えておりますソフトを生かしたアンコール番組等々で土日の衛星スペシャルを組みました。それからウィークデーは、午後の七時半のところ、これ木曜日でございますけれども、ふるさと登場というので、衛星におけるローカル放送という新しい試みをいたしております。それから金曜、土曜の夜、それから日曜の夜、ここには衛星スペシャルという形でもって、例えばPCM録音を使いました放送だとか、いわゆる衛星の魅力を生かすというような番組を組んでおります。日曜の夜などは、科学万博週間ダイジェストというようなことで、以上申し上げましたようなものをまとめるといったことで、いろいろソフトを、一チャンネルで大変難しゅうございますけれども、我々としては精いっぱいやっているつもりでございます。
#146
○中村鋭一君 これからですよ。これからどのようにさらに開発を研究を進めていくか、その御計画等々の決意といいますか、具体的なプランがあればお示しを願いたい、こうお尋をしているわけです。
#147
○参考人(川口幹夫君) 現在進めておりますBS
2aにおける一チャンネルの放送の中では今のようなことをやります。改めてBS2bが上がった段階で、二チャンネル放送の場合は、さらにこういうソフトの開発は喫緊のことになろうかと思います。そのときに魅力のあるものを幾つも出すような形ができるように今準備をしております。それからさらに将来の計画としては、ハイビジョンが相当可能性を豊かに示してくれるものであろうと思いますので、これのソフトも現在プロジェクトを組みまして積極的にやっているところでございます。
#148
○中村鋭一君 一波だけではありましたけれども、それなりの成果をお上げになったと思いますので、失敗に懲りずといいますか、これからも大いに頑張っていただきたいとお願い申し上げておきます。
 先日、大阪でBKが一日特別な編成をいたしました。ニュース中心にBK発の形でやりましたですね。こうしたローカル主体の番組編成をこの間おやりになったわけでございます。このねらいはどこにあったんでしょうかね。特に大阪中心の皆さん方の反響はどういうものでありましたでしょうか。
#149
○参考人(川口幹夫君) この六月一日に大阪放送局は開局六十周年を迎えました。この六十周年を記念いたしまして、略してテレソン、テレビのマラソンと言っておりますけれども、一日じゅうBKから放送するという形で実施いたしまして、ふだんでございますと、東京からの放送がメーンになって、通常は大体二〇%ぐらいのローカルも加えておりますけれども、この日は合計いたしますと、八二%という番組を全部大阪から出しました。その中身は、BKドラマシアター等BKの歩みを持つもの、あるいは連続キャンペーン、そのほか地域の人たちに対してサービスになるようなものをやりました。
 これに対して、六月一日までに、もう既に四百五十件の期待するという声が寄せられております。それから当日は四百六十三件ございまして、内容としては、地域の放送局としてぜひ頑張ってほしい、あるいはBKの力をぜひこれからも発揮してほしいというふうなものが大多数でございまして、新聞評そのほかを見ましても、この計画は大いに評価されているというふうに思っております。
#150
○中村鋭一君 私も大阪に住んでいる者の一人として、またいわゆるアナウンサーの後輩として、例えば島浦精二さんなんてすばらしい方がBKの顔として以前存在しておられました。ですから、こういったことは、今お伺いした反響一つ見ても皆さん本当に喜んでいらっしゃるわけですね。
 当委員会でも私いつもお尋ねしていることなんですけれども、放送そのものも地域社会に密着をしていく必要がある、いわゆる放送の地方分権化とでもいいますか、特にNHKのように巨大な組織をお持ちでございますから、これをもっともっと積極的に推進する、放送開始六十周年のアニバーサリーの行事としてではなく、こういう形でさらにおやりになることは、その地方局で、例えば県庁所在地の局で働いている職員の皆さんの活性化にもつながっていくと、こう思うんですけれども、今NHKとしては、こういった地方局の番組の開発、具体的に言えばそういった放送時間をふやしていく、その局発のプログラムをどんどん開発していくというようなことにつきましては、どのように具体化をお進めでございますか。
#151
○参考人(川口幹夫君) 今申し上げましたBK、大阪のテレソンというのは、これは実は全国的に見ますと四番目あるいは五番目でございます。と申しますのは、去年の十一月、視聴者月間というのがありますけれども、この中で、例えば札幌は一日札幌から放送する、先ほどの八〇%に近い番組をやっております。それから北陸三県ですね、金沢、福井、富山というところが三局を結んでのテレソンをやっております。それからさらに、福岡が一日福岡放送局からやるというふうなことで、そのような成果は、今申し上げましたように地方の方々からは大変歓迎されているという実績がございます。
 これを踏まえまして、定時の番組でも一週間の一日の地域放送の時間をふやしました。それから、特にことしから、木曜日の七時半からは地域放送の、三十分でございますけれども、さらにその後に四十五分間番組をつくりまして、これを地域スペシャルと称して月に一遍放送するような形をとっております。これを、例えば松山管内――四国でございますけれども、ここなどは毎週七十五分実施をするというふうなことで非常に積極的に地域のための放送を心がけるようになりまして、これが今地域の人たちに対して非常に大きなサービスになっているということは私から申し上げてよろしいかと思います。
#152
○中村鋭一君 さらにひとつ積極的に御努力をお願いしたいと思うんです。
 これは以前の委員会でも私申し上げましたけれども、私が記者をしておりましたときにも、例えばBKの皆さんは、中央のニュースがまずありますね、切りかえてBK発のローカルニュースになりますね。そうすると、きょうはうち発のニュースがこれだけの分量出るんだといって放送記者の人が本当に喜んで、これからも頑張るんだとおっしゃっていたことを覚えておりますんですがね。例えばニュースの時間帯の割り振りも、今よりもっと大胆に――東京発のニュースをローカルに切りかえますわね、その分量を、もっとローカルニュースを充実する意味で現行よりも思い切って一分か二分ふやしてみるとか、そういうニュース枠の設定等々にもきめの細かい配慮をしていただければ視聴者としては大変ありがたい、こう思うのでございます。そういったローカル放送を充実するためにも新しき皮袋といいますか、やっぱり住み心地のいい、働きがいのある場所があればそれにこしたことはないわけでございまして……。
 NHKでは、大阪放送局の新しい放送会館の建設を検討していらっしゃるようでございますが、その簡単な計画内容や建設用地の確保の見通しをお伺いいたします。
#153
○参考人(矢橋幸一君) 地方にある放送会館につきましては、地域情報文化の中心といたしまして地域の放送機能を果たす重要な役割を持っているというふうに考えております。特に老朽あるいは狭さが著しくなりまして業務の拡大あるいは業務の質的な変化に十分対応できないというような地方の放送会館につきましては機能整備を行うという考えでおります。その整備に当たりまして、やはり地方自治体の地域開発計画の進展状況というものを考慮いたしまして、現在管轄局中の放送会館の建てかえというものを検討しております。
 大阪の放送会館につきましても整備を行うことにしておりまして、先般大阪市の当局から、現在のNHKの放送会館を含む難波宮跡と、それから大阪城公園を一体化しまして全体を史跡公園として総合整備するためにNHKに建物の移転を要請していると聞いております。これに対しましてNHKは、市の難波宮史跡公園構想に基本的に協力するということにいたしまして、現在大阪市当局に対しまして具体的な移転先の用地の提示を要請しているという段階でございます。用地が確定次第新放送会館の建設に着手したいというように思っております。
#154
○中村鋭一君 大阪は、我々大阪人から言わせると、大阪こそが日本列島の中心であるという自負を持っておりましてね、そういうこともありますし、今難波宮跡という非常に歴史的にも意義のある場所でございますので、苦しいお台所ではございましょうけれども、ひとつ立派な会館をつくっていただきますよう、府民の期待も非常に大きゅうございますので、よろしく早期実現に向けて御努力をお願い申し上げておきます。
 次に、番組について一、二お伺いいたしますが、この間、私全米オープンゴルフの中継を見ておりましたら、NHKの専属解説者の星野仙一さん、あの方がアメリカからゴルフの解説をなさっておられましたね。こちらの局との対談の中で、きょうは中日ドラゴンズはどうなりましたかと、こういうようなゴルフとは関係のない質問を星野さん
がアメリカからしておられまして、こうこうだという答えに対して、そうですか、中日勝ってほしいですねと、こういうことをゴルフ解説者としての星野さんが答えておられました。そういう点に私は大変また親しみを持ったんですよ。どうも従来NHKは、アナウンサーの方も解説者の方も、例えば野球中継を例に取り上げましても、中立、公正、客観水のごとしというようなところがありました。これは今の時代の勢いに逆行していると私は思いますよ。今どきNHK以外のどこの民放を見たって、その所在地のステーションで行われておりますフランチャイズするところの野球中継というのは、もうはっきり偏った放送をしているわけでございまして、大阪で阪神タイガースの実況中継をやる場合に、タイガースの勝利を祈らないような実況中継をしていてはこれはもう絶対に聞いてもらえない。これは現実です。ですから、NHKも、そういう意味ではもっともっと、実況アナウンサーの方も解説の方もそういうふうなことを念頭に置きつつ情熱あふれる中継放送をなさればいいと、こう思うんですね。それがNHKだからできないというのであれば、これは第二音声もあることで、例えば大阪の読売テレビは、皆さん当然御存じのように、日本テレビ、読売テレビ、後楽園球場、読売新聞、ジャイアンツと、こうなっているわけですが、にもかかわらず、第二音声では一方的にタイガースを応援する放送をしていらっしゃるわけでございまして、そういう点の解説者の個性でありますとか、地域社会に密着したビビッドな情熱あふれる放送をこれからも開発していただきたい、こう思うんですが、その点についてどうお考えですか。
#155
○参考人(川口幹夫君) 余りかたい放送じゃなくて、ゆとりのある楽しい、おもしろい放送をというのは、まことにおっしゃるとおりでございます。我々もスポーツ中継のみならずいろんな番組でそのようなムードを生かしたいというふうに思います。そのあらわれが、この前の星野仙一さんのそういうやりとりの中にあらわれたのだろうと。私もこれは非常にいいと思っております。
 ただ、今おっしゃった特定の球団のひいきになるような放送、これは、私も実は民間放送の一部を聞いておりましておもしろいなあと思うんです。ただ、NHKがやりますと非常に影響が大きゅうございまして、特に先生ごひいきの阪神と巨人などはファン同士で刃傷ざたが起こるというふうなことまでありますので、NHKの場合は多少そういったところまで気をつけないとそのせいにされてしまうということもあるんじゃないか、いろんな影響などを考えながらやりたいと思っておりますので、決してかたくなにいこうとは思っておりません。
#156
○中村鋭一君 ひとつまた格段の御努力をお願いします。ですから、私が申し上げておりますのは、今十二球団ほどよくフランチャイズが日本各地に分散をしておりますから、だから広島発で広島対他のチームの放送をやるときにはやっぱり広島局のアナウンサーの方は多少広島に肩入れする放送をなさっても、これは視聴者の方お許しになると思うんですよ。そのかわり後楽園球場からやるときはジャイアンツ頑張れでいいわけでございますから。そういう意味で、私はバランスのとれた放送というのはNHKは決してできないわけじゃない、こう思うんです。
 最後に、海外のニュース番組紹介の拡充についてちょっとお伺いをいたします。
 十時半から「きょうのスポーツとニュース」をやっていらっしゃいますね。それが終わりまして、例えばアメリカ、ニューヨーク、ワシントンあるいはパリ、ロンドン、こういったところのニュースのヘッドラインを、その局の現地のもちろん外国人のアナウンサーの方がおやりになりますね。あれ聞いておりますと、ああアメリカ語と英語はこれだけ違うんだなあというようなことで非常に新鮮に興味深く拝見をしているわけでございますが、通訳の養成等も含めまして、こういった海外番組の紹介等々の拡充について今NHKのお考えをお伺いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
#157
○参考人(川口幹夫君) ニュースのみならずすべての点で、文化も芸術もあるいはスポーツも国際化の一途をたどっております。ですから、決して日本だけの放送をやるというふうなかたい考えでいくのはこれは間違っている、できるだけ外国の放送を取り入れるべきだというふうに思っております。現在十時半からの「きょうのスポーツとニュース」の中で取り上げておりますのは、アメリカABCの「ジスモーニング」という番組と、それからイギリスBBCの朝のニュース、それからフランスの「アンテーヌドゥ」、正午のニュースでございますけれども、そのほかにアジアのニュース等を取り入れてやっております。今言われたような意味で、外国の放送が生でどういうことを今出しているのか、これはやっぱり非常に興味がございますし、できるだけ対応していきたいと思います。現在外信関係、ニュースセンターの中の編集を含めて六十人ぐらいの者がこれに対応しておりまして、ほかに外部のいわゆる語学の非常に堪能な方も二、三応援をいただきまして万全を期そうというふうに思っておりますので、今後ともますます御声援をいただきたいと思います。
#158
○青島幸男君 NHKさんは常々経済基盤の拡充のために聴取料の集金に心を砕いておいでだということは今次の決算を見ても明らかなんですけれども、ちょっと変な例なんですけれども、聴取料のありようについてはまだまだいろいろ疑問に思っていらっしゃって、これは放送を受ける側の対価として払うのか、あるいは税金みたいなもので一律みんな払わなきゃいけないのかというような格好の疑問もありまして、受像機を置くと即座に契約をしなきゃならないんだ、こちらから受像機を電気屋さんから買ってきただけで自動的に契約しなきゃならないという責めを負うというのは納得ができないというようなことで、視聴者の方々の中にまだ御理解の行き届かない部分もまだあるわけですね。それで、こういう我々の納めた金で自主的に運営される放送局が我が国最大の放送事業者として存在している。そこが放送法にのっとって厳正中立な正しい報道をしてくれるということ、このシステムを守らなきゃならないから、率先払おう、協力しようとおっしゃってくれる方もたくさんおいでになることも確かです。そういう方々の御理解によって支えられているんで、これは大事にしなければならないことだと思うんですけれども、いまだに、いやそうでない、民放はただなのにNHK払うつもりはない、おれはNHKは見ないのだというような無理解でお支払いいただけないというような方もかなりおいでになる。
 そういう実情の中で、ここに一つの雑誌、これも六十万、七十万というようなオーダーで出ている雑誌で、それに載った記事なんですけれども、これは放送料については「私が値段をつけます」という記事なんですよ。集金の方がおいでになりますと、集金に参りましたと言われると、はいわかりましたと言って千円払うというのですね、そうすると、お金が足りないと言うと、ああこの人は初めてなんだなという認識を持って、いや家では従前からNHKさんの放送見ていて、よかったなと思うと千円払う、十分な満足がいかない場合は五百円しか払わないということを集金に来た方と一々交渉して私どもで勝手に決めて払っていますと、こう言うのですね。皆さんが一律にこういうことになればこれは新しい一つのやり方には違いないとも思うんですけれども、これは大変繁雑なことですし、それはなかなかできることじゃございません。しかし、そういうオーダーの雑誌にこういう見解を載せておられるわけですよね。
 そうするとだれが悪いのかという問題ですね。たまたまこの方はその都度、初めてでも料金を集金に来られた方に、私のところは気分で払いますからと、それは気分では困るんですと言って帰った方が、幾らぐらいならお払いいただけますか、八百円ならどうでしょう、八百円でもだめですな、じゃ千円で手を打ちましょうというようなことでその千円を徴収して帰られたという集金の方がおいでになったんですな。こういう事実をこの
雑誌の中でるる述べておられるわけです。
 やっぱりそれは一つの見解には違いありませんけれども、一律公平に皆さん方から応分のお金をお支払いいただいて放送事業が成り立っているNHKとしては、平等の立場、あるいは存立の基盤に基づいて考えますと、どういう指導をしていらっしゃるかわかりませんけれども、個人個人に対応して独自の判断でこういう料金体系を崩すようなやり方で徴収なさるということはやっぱり集金に伺った方の判断が誤りがあるんじゃないかというふうに私は思いますけれども、この記事のことを御存じでしょうか、あるいはそういう対応が事実あった場合はどう指導なされるのが一番適当だとお考えになられますか、その点をまずお尋ねします。
#159
○参考人(松本幸夫君) お答えいたします。
 今先生の御指摘の雑誌の記事、私も読んでおりますし、そういった記事が載ったということを当然承知しておるわけでございますが、これだけの発行部数を持っている雑誌が活字で伝えますと、それが全く事実であるというふうにとられてしまうという危険がございますので、私どもはこの事実がどうであったのかということを調べてみました。その結果は、結論を申し上げますと、この方は通常の受信料を通常にお支払いいただいている方でございます。発行社に対しましてもこういった記事を載せることを抗議もいたしました。当然私ども受信料を管理してまいります立場からそれぞれの判断で料金を徴収してくるというようなことがあっては、これはとても受信料の管理ということは成り立つわけがございませんので、当然定められた金額でなければ収納するということはできないわけでございます。したがいまして、こういったような事実はあろうはずはないということを私ども考えておったんでございますけれども、記事に載ったものでございますから直接御本人にもお目にかかり事実を確認いたしました。ただ、御本人のお話では、夢のプリズムということで、ある意味では一つの夢物語というか、あるいはカリカチュアというのですか、そういった意味でお書きになられたものであるという釈明がございました。
#160
○青島幸男君 私も長年逓信委員会におりまして末席を汚しておりまして、この問題についてはかなり皆さん方の御議論を拝聴してまいりましたし、私なりの勉強もしてきたつもりでおりますが、そういう人間も、記事になりますと今あなたがおっしゃられましたようにうかうか著者のと申しますか、書き手の冗談に乗せられまして、まさかこういうことはよもあるまいと思いながらも、こんなことがあってはならないという疑問を禁じ得ないわけですね。ですから、それなりの対応をきちんとしていただかなきゃなりませんし、この方がお書きになっているのが、これが冗談だ、夢だという書き方をしていらっしゃらないものですから、これはやっぱり誤解を招くことだということで、厳重にお申し込みになるなり注意を喚起するなりということが必要かと思います。いたずらな誤解で、今まだ御理解いただけない向きが大勢おいでになるのに、その上にいたずらな摩擦を生じせしめるような、冗談にしてはちょっとでき過ぎたというような記事は、大変NHKさんにとっても御迷惑だろうと思いますし、こういうことのないように御注意はありたいというふうに感じました。ただそれだけでございますけれども、よもやそういう御指導はなさってないと思いますけれども、きちんとした御指導で、納める方々との摩擦が極力避けられるように、重々御努力あると思いますけれども、重ねて御努力を要望します。
 それからもう一つ、これも雑誌の記事でして、この記事にどれだけの信憑性があるか、あるいは普遍性があるかということを私も正直申し上げてつぶさにしておりませんけれども、「NHKからCMが流れ、民間の下請会社製作の番組がNHKの画面に登場するようになったら、NHKは「受信料も頂く民放」になる。その日は、案外近そうである。実をいえば、「NHKの民放化」に向ってすでに”外濠”は埋められ、残るは”本丸”だけと見る放送関係者もいるのだ。」こう書いてあるんですけれどもね、先ほど申し上げましたように、どういう放送関係者がどのぐらいいるのかということは全く定かでありませんが、こういう見方をされるという根拠がやっぱり幾つかあると思うんですね。
 一つは、今度NHKエンタープライズという会社が発足しましたね。この会社が、民放の番組を下請制作するプロダクションが団結している組織、全日本テレビ番組製作会社連盟という団体の主催する会合にお出になられて、NHKの首脳が、これからは皆さんのお仲間に入れていただくわけですからよろしく、という趣旨のごあいさつをなさった。NHKさんが一〇〇%出資だといたしましても、NHKエンタープライズはNHKと離れて独自の番組を制作するために発足された会社ですね。ですから、そこへ行ってごあいさつなさるのは不思議なことはないわけですね。ただそれを、いよいよNHKが子会社を通じて番組をつくって民放局を荒らしにくるんではないかというような被害妄想と申しますか、そういう認識から、さっき私が読み上げましたような文章のニュアンスが生まれたんではなかろうかという気がするんですが、この辺のいきさつはどうなんですか。もう少し詳しく御説明いただけますか。
#161
○参考人(川口幹夫君) 今の団体はATPと略称をしておりますけれども、ここでそのような発言をしている首脳というのは私でございます。実はそこの一年に一回の総会がございまして、そして民放連の会長とそれからNHKからだれかということで祝辞を述べるというふうなところで、たまたまことしからNHKがつくりました関連団体のNHKエンタープライズというのがそこの団体に加盟したわけです。それで、まあ加盟しましたのでよろしくというふうに一通りのごあいさつをしたということでございます。そのATPというのはいわゆる番組制作プロダクションの連合でございまして、これがいい番組をつくるためにお互いに横の連絡をとりながら切瑳琢磨していこう、あるいは条件的なものを固めていこうというふうな組織でございますから、これは放送業界としては喜ぶべき現象じゃないかというふうに思っております。そこで民放連の会長とNHKからの代表が行って一応ごあいさつをする、こういうふうな形でございますね。で、エンタープライズは、組織するときに、NHKの委託の番組も受けますけれども、自社の独自の番組として、例えば放送大学、それから一般放送事業者もお使いになるような番組もつくるということを定款の中に入れておりますので、当然そういうところに加入をしてプロダクションとしての将来を考えるということもあっていいんじゃなかろうかということで加盟したものでございます。
#162
○青島幸男君 しかしNHKは、ほかの弱小プロダクションから見ますと、長年の技術的な積み重ねも伝統も持っておりますし、巨大な組織をバックにしておりますから、その弱小プロダクションがしのぎを削っているところへ、そういう大きな世帯をバックにした企業が入ってくるというのは脅威だという感じを持ったとしても、これはあながち責めるべきではないという気もしますし、現実の問題として、NHKの美術センターですか、NHK美センさんなどは、主にテレビ番組のスタジオの製作設計とか、大道具なんかを、美術なんかを営業の種目としていらっしゃいますね。これが、大きなNHKのシリーズ番組の製作を一手に引き受けていまして、その中で道具を回しておりますと、余力も出るし使い回しもきくということはありますね。ですから、ほかの大道具なんかの担当をしている弱小会社から見ると非常に巨大に見えるわけです、やっぱり。それで競争相手としては大変に強力なわけですね。ですから、NHK美センはNHKの番組だけを主に従来はやってたんでしょうけれども、このごろでは民間のスタジオの中に美術としてかなり進出しておいでになります。進出しておいでになることを責めるつもりはないんです。そういう御努力はあってしかるべきだと思いますけれども、それがほかの弱小プロ
ダクションあるいはそれに類似した競合会社にかなり圧力と畏怖を与えるということになりますと、何かぎくしゃくした感じになってこやしないか、その辺も御配慮いただきたいということが一つ。
 それからもう一つは、NHK特集の「ルーブル美術館」という番組がありますね。これのポスターに企業の広告が載っている。それから既にこういうアイデアは「シルクロード」などでも、幾つかの番組で試みられてきた。つまりは、タイアップと申しますか、宣伝費を軽減するためと申しますか、これも企業努力なんでしょうけれども、通常の企業と相乗りをして、広告スペースの中で番組をうたうというようなことは、現実としてあるんですかないんですか。
#163
○参考人(松本幸夫君) 特定の企業と連名といいますか、そういう形で番組を宣伝するというような形はございません。ただ、ある企業の提供によって特別の番組を広報するというケースはございます。
#164
○青島幸男君 その辺だと思うんですよね。宣伝費もお持ちなはずなんですけれども、そう潤沢にあるわけじゃございませんので、全国紙を通じて一回宣伝したらもうそれでおしまいになってしまうというようなもし宣伝費だったら、それを企業努力として、ほかの企業とタイアップをして、いい番組で自信があるから少しでも多くの方に見てもらいたいという意欲で、そういう提携風なことに踏み切ることもあるかもしれませんけれども、なまじそういうことをしますと、貧すれば鈍すると申しましょうか、ちびちびけちってつめに火をともすようなことをして、その火から火事が出て屋台骨も燃えてしまったというようなことになりますと、本末転倒といいますか、全く趣旨を取り違えますし、なまじそのぐらいのことをするんだったら、おやめになった方が誤解を招かなくていいんじゃないかという気がして申し上げているんですけれども、その私の考えについてはいかがお考えでしょうか。
#165
○参考人(松本幸夫君) 私どもの考え方を申し上げますが、当委員会でも何度か御指摘いただいたかと思うんですけれども、NHKの企業PRあるいは番組PRというものをできるだけ積極的に行うべきであるという御指摘はいろいろなところで受けているわけでございますが、私どもとしても独自の予算で独自のPRを、あるいは広報をやっていくということは、これは当然でございまして、しかし、貴重な受信料を広報費に回すという点で考えますと、どうしても限度ある形にならざるを得ないということは事実でございまして、そういったものをできるだけ効率的に使ってまいりたいと考えて努力しております。
 一方で、先生も御承知の最近の一般企業のPR作戦と申しますか、これは大変多様化しているといいますか、多岐になっていると申しますか、いろんなメディアを使っているんな形のPRをやっているわけでございます。そういった一連の動きの中でNHKの番組を広報するということでタイアップでやらないかというお申し出があるわけでございます。それは決して一、二の企業ではございませんで、かなりの企業でそういうお申し出がございます。私どもとしましてはそういったお申し出に対しまして部内的にも一つの基準をつくりまして、これは先ほど先生つめに火をともして云々というふうに御指摘になられましたけれども、私どもとしてはそういったお申し出がございますと、NHKの企業のイメージを傷つけたりあるいは特別の企業に番組がスポンサードされているというような誤解を招いたりあるいはNHKの本来のありように悪いイメージを与えるというようなことが絶対にないように考えまして、ある一定の条件をおのみいただけるならばそういったお申し出には応じようということで、今度の富士通の場合もそういった経緯を経た上でああいう形になったわけでございます。別に富士通だけにルーブルの番組をタイアップ広告するということではございませんで、ほかの企業とももちろんやっておりますし、ほかにまたお申し出があれば、私どもの申し上げる条件を受けていただけるならばお受けしたいというふうにも思っております。今までの経緯の中でも大変数多くの番組がそういった形でPRされておりまして、また同時に、幾つかのお申し出に対しては私どもの条件と合わないためにおりていただいたというケースも数多くございます。
#166
○青島幸男君 確かに明確な基準をお設けになって逐次対応なさっているというのはそれなりに評価をしますけれども、むしろそういう私企業との連携みたいなものが散見されてきますと、そういう形でつながって、やがてそこがスポンサーになってくるんじゃないかというような誤解を生むおそれもあるので、冒頭私申し上げましたような誤解を生むようなことになっては元も子もないということを重々お考えくださいまして――やっぱりNHKの存在というのは一般国民の間で大きいんですよ。例えば「NC9」なんかにスポンサーがついて一社で買い切りというようなことになったら、これもう大変な、莫大な金額になるでしょうし、また報道の中立性という意味でも大きな障害になるでしょうし、そういうことを懸念している方がかなり多いわけですしね。ですから、NHKは我々の受信料であがなわれているんだ、公正中立を貫き通して我々の信頼にこたえてくれるんだという、その相互の信頼があってこそNHKは存立していくわけですし、その方向で発展していかなきゃならないと思いますから、むだな誤解のないように、多少のことをけちったために誤解を生んで大きな損失をするというようなことが将来にあってもならないと思うものですから、私老婆心ながらこの辺のやり方については篤とお考えあっていただきたいという筋合いで申し上げたんですけれども、今までのやりとりをお聞きになっていて、会長どうお考えになられましたか。
#167
○参考人(川原正人君) 結論としまして、私ども貧した結果鈍しないようにくれぐれも気をつけてやりたいと思います。
 特に、今私自身が、非常に財政的に苦しいものですから、現場各方面に向かってもう徹底的に節約をしろということと、いろんな関連企業も動員をして少しでも協会の収入を助けるようないろんな方途を講じることを強く要請しておりますので、あれはうちの関係団体のサービスセンター――NHK直接はもちろんいたしません。サービスセンターというのがNHK番組の普及促進を図っている、その見地で、もちろんこの番組のところには一切企業名を入れてはいかぬ、全く別のところということでやったわけでございますけれども、先生のおっしゃることもよくわかります。節度を持って対処したいと思っております。
 余計なことですけれども一言申し上げますと、私どもいかなる場合でも番組そのものの中にそういう企業PRみたいなものが入ることは絶対に避けろ、これはうるさく言っております。むしろ最近のスポーツイベント等で主催者の方がそういう企業とタイアップしてやるもんですから、いやでも画面に入ってくる。私、大変苦々しく思っているんですけれども、しかし、これもある程度やむを得ざる事情もありますので、余計なことかもしれませんが、どんなことがあっても番組の中にそのようなことが間違っても入ることは厳に慎しんでまいりたい。また、外部のPRにつきましてもやはり一つの節度を持って慎重に対処してまいりたいと思っております。
#168
○青島幸男君 私、日ごろNHKさんのそういう態度には敬服しています部分がありますんでね。例えばニュースの一場面にしましても、なるべく企業の広告が入らないようにいろいろ絵に工夫をなすっているとか、そういうシビアな姿勢は承知しております。そういう姿勢があればこそ、つまらないことで誤解を受けるのは損だなあということから申し上げているわけでございます。
 時間も来たようですから最後に一言だけ要望申し上げますけれども、先ほども佐藤さんから出ました俗に言うところのスパイ防止法案ですけれども、私も、あれは民主主義に反抗するあるいは民主主義を壊すものだという認識を持って、かなりの憤りを持って見ているわけですけれども、ああ
いう法案が出てくるという危険な事態に今やなりつつあるんだという認識を深めておりましてね。その意味から申しましても、この時期郵政大臣におかれましても、NHK会長におかれましても、報道の自由と民主主義はどうしても守らなきゃならないんだという固い決意を常々お持ちになっていただいて事に臨んでいただきたいということを心から要望しますけれども、何かお感じになりましたことがありましたら、一言でも御発言いただきまして、質問を終わります。
#169
○国務大臣(左藤恵君) 今、青島先生御指摘の点につきましては、その精神を堅持していかなければならない、このように考えております。
#170
○参考人(川原正人君) 私としましては、自分の学生時代はちょうどあの戦争の末期でございます。そのときの経験も含めまして、やはり本当の自由な民主主義社会を守るには、どんなことがあっても報道、言論の自由がその前提になければだめだ、これが制限されるようなときには自由というものもまた民主主義社会というものも危うくなるということを体でもって感じております。そのつもりでこれからも対処してまいりたいと思います。
#171
○青島幸男君 ありがとうございました。
#172
○委員長(松前達郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 日本放送協会昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(松前達郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#177
○委員長(松前達郎君) 次に、請願の審査を行ないます。
 第八号電電公社制度改革に関する請願外二百三十六件を議題といたします。
 請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知を願いたいと存じます。
 これらの請願につきましては、理事会において慎重に検討いたしました結果、第七二八号有線音楽放送の正常化に関する請願は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第八号電電公社制度改革に関する請願外二百二十九件、第二八二号日本電信電話公社の株式会社化反対に関する請願外四件、第一〇三七号聴覚障害者が使用するミニファックスの使用料全額免除に関する請願、以上二百三十六件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#180
○委員長(松前達郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び提出の時期につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#183
○委員長(松前達郎君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、閉会中に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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