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1984/03/07 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第2号
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1984/03/07 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第2号

#1
第102回国会 運輸委員会 第2号
昭和六十年三月七日(木曜日)
   午後零時四十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月十日
    辞任         補欠選任
     内藤  健君     志村 愛子君
     小笠原貞子君     立木  洋君
 十二月十一日
    辞任         補欠選任
     志村 愛子君     内藤  健君
 十二月十三日
    辞任         補欠選任
     立木  洋君     小笠原貞子君
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     桑名 義治君     鶴岡  洋君
 二月十二日
    辞任         補欠選任
     藤田  栄君     志村 哲良君
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     志村 哲良君     藤田  栄君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     安田 隆明君     水谷  力君
     山崎 竜男君     福田 宏一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                大木  浩君
                梶原  清君
                瀬谷 英行君
                矢原 秀男君
    委 員
                江島  淳君
                高平 公友君
                福田 宏一君
                藤田  栄君
                水谷  力君
                森田 重郎君
                山崎 竜男君
                吉村 真事君
                小柳  勇君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                伊藤 郁男君
                山田耕三郎君
       発  議  者  梶原  清君
   委員以外の議員
       発  議  者  伊江 朝雄君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局経済部長  厚谷 襄児君
       沖縄開発庁振興
       局長       小林 悦夫君
       運輸政務次官   小里 貞利君
       運輸大臣官房長  永光 洋一君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省運輸政策
       局長       山本  長君
       運輸省地域交通
       局長       服部 経治君
       運輸省地域交通
       局次長      熊代  健君
       労働大臣官房審
       議官       白井晋太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       警察庁交通局交
       通指導課長    山崎  毅君
       労働省職業安定
       局業務指導課長  鹿野  茂君
       日本国有鉄道総
       裁        仁杉  巖君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
 (昭和六十年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関する件)
○道路運送法の一部を改正する法律案(梶原清君外二名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 昨年十二月二十一日の本会議におきまして運輸委員長に選任され、その重責を痛感している次第でございます。
 本委員会の運営に当たりましては、委員各位の御協力のもとに、円滑公正に行ってまいりたいと存じます。いずれにいたしましても、非常に微力でございますので、今後とも御指導、御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
 矢原前委員長から発言を求められておりますので、これを許します。矢原秀男君。
#3
○矢原秀男君 一言お礼のごあいさつを申し上げます。
 私、一昨年七月運輸委員長に就任して以来、昨年末までその職にございましたが、この間大過なくその職責を果たし得ましたことは、ひとえに皆様方の温かい御協力のたまものと衷心より感謝いたしております。特に、昨年の関西国際空港株式会社法案審査に当たりましては、委員の皆様の真摯かつ熱心な御審議と特段の御高配は、私の議員生活中はもとより、終生忘れ得ぬ思い出として深く感銘をいたしております。
 私は、運輸委員長を退きました後も引き続き委員として本委員会に残りますので、今後ともよろしく御交誼のほどをお願い申し上げます。
 重ねて皆様方の御厚情に厚く御礼を申し上げますとともに、一層の御活躍を御祈念いたしまして、御礼の言葉といたします。どうもありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#4
○委員長(鶴岡洋君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 桑名義治君の委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に矢原秀男君を指名いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(鶴岡洋君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 まず、運輸行政の基本施策に関し、運輸大臣か
ら所信を聴取いたします。山下運輸大臣。
#7
○国務大臣(山下徳夫君) 第百二回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し、所信を述べ、各位の御理解を賜りたいと存じます。
 今日、我が国経済社会は大きな転換期にあります。昭和五十年代において急速に進展した産業構造の変化、技術革新、高度情報化、国際化等さまざまな変化が、六十年代にはさらに本格化し、経済社会の各般の分野に浸透していくものと考えられます。運輸は経済社会活動を支える基盤としての役割を担うものであり、こうした時代の大きな変化に対応し、時代の求める新しい輸送需要に適合した輸送サービスを供給し得るよう交通施設の整備を進めるとともに、運輸産業全般にわたってその活性化を図ることが極めて重要な課題となっております。運輸省が、昨年七月に中央地方を通じた大幅な組織改革を行いましたのも、運輸行政に対する要請の変化に効率的、総合的に対応し得るような体制づくりを目指したものであり、私は、この新しい体制のもとで、二十一世紀に向けて時代の動きに即応した運輸行政の展開に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 もとより、運輸行政の要諦は安全の確保であり、また、国民の皆様の求める良質な輸送サービスを将来にわたって安定的に確保することが基本的課題であると考えております。このような考え方にのっとり、当面する諸問題につきましては、次のとおり所要の施策を積極的に推進してまいる所存であります。
 まず、第一に、国鉄事業の再建の問題であります。
 日本国有鉄道の効率的な経営形態の確立、長期債務の処理等の抜本的対策につきましては、現在、日本国有鉄道再建監理委員会において、鋭意検討が進められており、本年半ばごろに意見が提出される予定となっております。運輸省といたしましても、同委員会の審議に積極的に協力し、適切な結論が得られるよう努力するとともに、その結論を尊重して所要の対策の推進を図っていく所存であります。さらに、国鉄の厳しい経営状況にかんがみ、要員合理化、地方交通線の整理の促進等各般にわたる緊急対策を引き続き積極的に推進する必要があると考えております。
 六十年度におきましては、大幅な要員縮減や工事規模の圧縮による経費節減等に一層努力するとともに、運賃改定等により収入の確保に努めることといたしております。
 申すまでもなく、国鉄事業の再建は、国政上の最重要課題の一つであり、総力を結集してこれに取り組んでまいる決意であります。
 第二に、運輸関係社会資本の整備であります。
 運輸関係社会資本の整備は、活力ある産業活動及び国民生活の基盤形成のための不可欠の条件であり、今後とも計画的かつ着実にその整備を図る所存であります。
 まず、港湾につきましては、多様化する海上輸送需要への対応、エネルギーの安定供給の確保、地域振興、海岸保全等の観点から流通拠点港湾、エネルギー港湾、地方、離島の港湾等の整備を引き続き促進するとともに、海岸事業の推進に努めてまいる所存であります。
 次に、空港につきましては、将来の航空輸送需要に適切に対応し、均衡のとれた航空輸送網を整備していく必要があります。このため、関西国際空港及び新東京国際空港の整備事業並びに東京国際空港の沖合展開事業の推進を図るとともに、地方空港についてもジェット化等の整備を進めてまいります。
 整備新幹線につきましては、北陸及び東北新幹線の建設に着手することとしておりますが、着手に当たっては、国及び地域負担等事業実施方式のあり方、国鉄再建監理委員会の答申との関連等について調整を進め、その結論をまってこれを行うこととしております。また、九州新幹線の二ルートにつきましては、それぞれ、建設に向けて着工準備作業所における着工のための準備作業、環境影響評価調査等の所要の作業または調査を進めることといたしております。
 第三に、国際運輸と観光に関する政策の推進であります。
 我が国経済社会の国際化の進展、国際的相互依存関係の深化という時代潮流の中で貿易物資の安定輸送を確保し、国際的な人的交流を促進する国際運輸と観光の果たす役割は極めて大きく、国際環境の変化に対応した政策を総合的に推進していく必要があります。
 外航海運につきましては、海運造船合理化審議会の昨年八月の中間答申を踏まえ、日本船の乗組員の少数精鋭化を促進し、近代化船を増強して商船隊の中核とすることなどにより、我が国商船隊の国際競争力の確保に努めるとともに、海運企業経営の活性化、経営基盤の確立を図ってまいります。また、国際航空につきましては、現在、日米間の航空権益の総合的均衡を目指して協議を続けているところであり、その他の国との航空関係につきましても我が国をめぐる国際航空需要に対応した路線の充実に努めてまいります。
 次に、国際協力につきましては、発展途上国の鉄道、港湾、空港等の整備等に関する経済技術協力、第二パナマ運河建設構想等の国際的大プロジェクトへの協力を積極的に推進する所存であります。
 さらに、国際間の相互理解の増進等のため国際観光の振興を図るとともに、国民の健全な余暇活動に資するため観光レクリエーション地区の整備を推進してまいります。
 また、昭和六十一年にカナダ・バンクーバー市において開催される国際交通博覧会に我が国も公式参加することとし、このための諸準備を関係省庁等の協力を得つつ進めてまいります。
 第四に、地域交通政策の推進であります。
 地域交通は、新しい地域社会づくりの基盤でありますが、都市においては、鉄道の混雑、路面交通の渋滞等が問題となっている一方、地方においては、過疎化とマイカー普及によって公共交通機関の維持が困難になっております。このような問題を解決するためには、地域における交通のあり方について長期的な展望を踏まえた計画を策定し、この計画に基づき、地方公共団体と連携しながら効率的で質の高い交通体系の形成を図っていくことが必要であります。
 都市交通の分野におきましては、都市高速鉄道、都市バス等の整備改善を進め、特に緊要度の高い東京圏につきましては、現在運輸政策審議会において審議をお願いしておりますが、その答申を踏まえながら、鉄道等の整備を計画的に進めてまいります。また、地方交通の分野におきましては、地方バス、中小民鉄、離島航路に対する助成、国鉄の特定地方交通線の代替輸送対策の推進等を行い、住民の生活基盤として不可欠な公共輸送の確保に努めてまいる所存であります。
 第五に、貨物流通政策の充実であります。
 産業構造の変化と利用者ニーズの高度化、多様化に対応して、陸海空にわたる効率的な貨物流通体系の形成を図ることが必要であります。このため、物流に対するニーズ等について広範な調査を実施し、新しい貨物流通政策を確立するとともに、消費者物流の健全な発達の促進、物流の結節点における貨物流通施設の整備、内航船舶の近代化等による物流産業の合理化施策の推進を図ってまいる所存であります。そのほか、業界の実情に応じ、運送に関する秩序の確立、不況対策及び構造改善対策の推進に努めるとともに、特殊法人たる日本自動車ターミナル株式会社を民営移行するための所要の措置を講じてまいる所存であります。
 第六に、造船不況対策と船員対策の充実であります。
 造船業は需要の低迷等から経営が悪化しており、第三造船諸国の台頭が今後とも続くことが予想されるため、当面の対策として、造船設備の新設拡張を抑制することを基調として各般の経営安定化措置を講ずるとともに、長期的な対策として、技術革新を積極的に推進するほか、造船業の活性化を図るための方策について検討を進めてまいる所存であります。
 船員対策につきましては、船舶の技術革新に対応した新しい船内職務体制を確立する等、船員制度の近代化を一層推進するとともに、船員の教育訓練体制の整備に努めてまいります。また、依然として厳しい船員の雇用情勢にかんがみ、船員雇用対策を今後とも積極的に推進してまいる所存であります。
 第七に、運輸に係る安全、防災対策及び環境対策の推進であります。
 先ほど述べましたように、安全の確保は運輸行政の要諦であります。輸送機器及び宿泊施設の安全性の確保、交通安全施設の整備、輸送従事者の健康管理体制の充実等により事故防止に万全を期すとともに、交通事故被害者の救済対策の充実にも努めてまいります。また、全世界的な海上捜索救助体制の創設を目指す千九百七十九年の海上における捜索及び救助に関する国際条約が本年六月に発効いたしますが、貿易立国であり水産国である我が国も同条約への早期加入に向け所要の準備を進めるとともに、海上における広域哨戒体制の計画的な整備等による海上保安体制の強化を積極的に行っていく所存であります。
 昨年は、豪雪、豪雨、地震等により多くの災害が発生いたしました。防災対策につきましては、異常な自然現象の早期、的確な把握と、その予警報が重要であり、静止気象衛星業務の推進を初めとする気象業務体制の一層の充実強化を図るとともに、大規模地震対策、海上防災対策の充実についても遺漏なきを期してまいります。
 環境対策としては、発生源対策や周辺対策等所要の交通公害防止対策、海洋汚染の防止に関する監視、取り締まり体制の強化、環境整備事業等の各種施策を一層推進するとともに、公害の未然防止の観点から環境影響評価制度の充実を図ってまいる所存であります。なお、これまで大阪国際空港及び福岡空港の空港周辺において空港周辺環境対策事業を実施してきた大阪国際空港周辺整備機構と福岡空港周辺整備機構について、その対策の後退をもたらさないよう十分配慮した上で統合を図り、同事業の効率的な実施体制を整備する所存であります。
 第八に、新海洋秩序への対応及び海洋の開発利用の推進であります。
 海洋問題につきましては、国連において海洋法条約が採択され、船舶の航行、経済水域等に関する新海洋秩序が世界的に形成されつつあり、運輸省としても、このような動向に対応して、所要の準備を積極的に進めてまいります。また、資源と国土空間とに恵まれない我が国にとって、沿岸城を含めた海洋の開発利用は重要な課題であり、今後とも一層その推進に努めてまいります。
 第九に、運輸における情報化の推進であります。
 運輸部門は、かねてより、情報化に取り組んできたところでありますが、我が国経済社会が高度情報社会へ移行しようとしている現在、運輸における情報化の課題に、従来以上に積極的に取り組む必要が出てきております。
 このため、昨年十月に運輸政策審議会に対し、「運輸における情報化を円滑かつ適切に推進するための基本的方策について」諮問を行ったところでありますが、その審議結果を踏まえ、運輸における情報化施策を積極的かつ総合的に推進していく所存であります。
 このほか、運輸関係技術の開発、運輸部門における利用者保護対策、エネルギー対策、身体障害者対策等の推進を図ってまいります。
 さらに、昨年の運輸省の組織改革の理念を踏まえ、時代の変化に対応した事業規制を初めとする許認可等のあり方について検討してまいりたいと考えております。
 以上、運輸行政の当面する諸問題につき述べましたが、これらは申すまでもなく、委員各位の深い御理解を必要とする問題ばかりでございます。
 終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第でございます。
 以上、所信を申し述べましたが、この際、一言申し上げたいと存じます。
 最近バスの事故が相次いでおります。まことに遺憾に存ずる次第であります。とりわけ、去る一月二十八日、長野市において発生しました貸し切りバス転落事故におきましては、二十五名という多数のとうとい人命が失われ、八名の方々が負傷されました。事故を起こしました三重交通株式会社に対しましては特別保安監査を実施し、その結果に基づいて、道路運送法に基づく輸送の安全確保命令等の処分を行ったところであり、全国のバス事業者に対しましても安全の確保に万全を期するように指示したところであります。
 また、きのう発生いたしましたバスの事故につきましても、現在鋭意調査に当たっているところでありますが、重ねての事故の発生であり、まことに残念に思う次第であります。
 私は、先ほど所信の中でも申し述べましたとおり、運輸行政の最大の使命は安全輸送にあると確信いたしております。輸送の安全確保につきましては全力を挙げて取り組んでまいる所存でありますので、何とぞ御支援、御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
#8
○委員長(鶴岡洋君) 次に、昭和六十年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関し説明を聴取いたします。小里運輸政務次官。
#9
○政府委員(小里貞利君) 運輸政務次官の小里でございます。よろしくお願い申し上げます。
 早速でございますが、昭和六十年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。
 まず一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は、四十二億九千百二十六万五千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分一千百六十六億五百九十三万四千円を含め一兆四千一億二千三十八万七千円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、比率で四・六%の減少になっております。
 次に、特別会計について申し上げます。
 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆六千八百五十八億七百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額三千六百二十四億一千百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額三百八十四億九千万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千六百三十八億二千三百万円余をそれぞれ計上いたしております。
 また、昭和六十年度財政投融資計画中には、当省関係の公社公団等分として一兆七千三百八億円が予定されております。
 運輸省といたしましては、以上の予算によりまして以下の事項を重点に施策の推進を図ることといたしております。
 まず第一に、日本国有鉄道の事業の再建を推進することといたしております。
 国鉄の再建につきましては、五十七年九月の閣議決定及び昨年八月の日本国有鉄道再建監理委員会の緊急提言等の趣旨を踏まえ、引き続き、職場規律の確立、新規採用の原則停止、設備投資の抑制、地方交通線の整理促進等の緊急対策の推進に努めているところであります。
 六十年度におきましては、予算人員三万人の縮減を初め、工事規模の大幅な圧縮等経費の節減に一層の努力を傾注するとともに、所要の運賃等の改定による増収額一千五十億円を見込み、総額六千二十五億円の助成を行うことといたしております。
 第二に、交通基盤施設等の整備を促進し、国民生活の安定向上を図るため、港湾、海岸及び空港の各部門について、五カ年計画に基づいて、それぞれの事業の計画的かつ着実な推進を図ることといたしております。
 また、鉄道につきましては、都市高速鉄道の整備等を推進することとし、整備新幹線につきましては、北陸及び東北新幹線の建設に着手することとしておりますが、着手に当たっては、国及び地域負担等事業実施方式のあり方、国鉄再建監理委員会の答申との関連等について調整を進め、その結論を待ってこれを行うこととしております。
 第三に、外航海運対策といたしまして、貿易物
資の安定輸送を確保するため、財政資金により、近代化船への代替建造を中心とする外航船舶の整備を促進することといたしております。
 また、観光対策といたしまして、海外観光宣伝事業等を推進するとともに、国民の観光レクリエーション活動のための施設を整備していくことといたしております。
 第四に、経営改善に努力している地方バス、中小民鉄、離島航路等に対し、地方公共団体と協力して助成を行い、国民の日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持、確保に努めてまいります。
 第五に、国際貨物の流動の変化に対する総合的な対応策を検討するとともに、物流拠点における貨物流通施設の整備を促進するなど貨物流通対策の推進を図ることといたしております。
 第六に、造船対策といたしまして、造船業の経営安定化のため、船舶輸出の確保を図るほか、過剰施設の処理に関する助成を行うことといたしております。
 また、船員対策といたしまして、船員雇用対策及び船員教育体制の整備を推進することといたしております。
 第七に、北西太平洋海域等における船舶の航行安全体制を確立するとともに、広大な海域における我が国の権益を確保する等のため、巡視船艇及び航空機の整備を推進するとともに、海洋情報システムの整備を進めるほか、海洋調査の充実強化を図るため中型測量船の建造等を行うことといたしております。
 第八に、広域的な気象観測に重要な役割を果たす静止気象衛星業務を引き続き推進し、また、海洋気象観測船の建造を行う等気象観測、予報体制の充実を図るとともに、地震、津波、火山対策等の防災対策の強化を図ることといたしております。
 第九に、安全、環境保全対策といたしましては、交通安全対策、空港周辺対策等の充実を図ることといたしております。
 なお、運輸省関係予算の部門別の重要施策の概要につきましては、お手元に配付しております「昭和六十年度運輸省予算の説明」及び「昭和六十年度日本国有鉄道予算の説明」によりまして御承知願いたいと存じます。
 以上をもちまして、昭和六十年度の運輸省関係の予算についての説明を終わります。
#10
○委員長(鶴岡洋君) 以上で、運輸行政の基本施策に関する運輸大臣の所信並びに昭和六十年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関する説明の聴取は終わりました。
    ─────────────
#11
○委員長(鶴岡洋君) 次に、道路運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者梶原清君から趣旨説明を聴取いたします。梶原君。
#12
○梶原清君 ただいま議題となりました道路運送法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
 最近、軽自動車を使用して貨物を運送する軽車両等運送事業者が、その業務の範囲を超えて有償で旅客を運送する行為を行い、これが道路運送に関する秩序の確立を困難にし、人命の安全の確保等の観点からも看過できない事態を一部は生じさせております。
 このような状況等に対応し、自動車による貨物の運送を業務とする者による有償で旅客を運送する行為の防止を図るとともに、軽車両等運送事業者に対し監督を強化することにより道路運送事業の適正な運営及び道路運送に関する秩序を確立しようとするものであります。
 次に、本案の内容について申し上げます。
 第一に、貨物の運送に係る自動車運送事業者は、災害のため緊急を要するとき等の場合を除き、有償で旅客の運送をしてはならないこととしております。
 第二に、軽自動車を使用して貨物を運送する軽車両等運送事業者に対し、同様の禁止措置を講ずるとともに、運輸大臣は、当該事業者がこの法律またはこの法律ほ基づく命令等に違反したときは、事業の停止等を命ずることができることとする等所要の規定を整備することとしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#13
○委員長(鶴岡洋君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#14
○目黒今朝次郎君 私は、この問題に入る前に、大臣は帰ったわけでありますが、政務次官がおりますから、今大臣の所信表明を聞いておっても、政務次官の予算説明を聞いておっても、この文章の中に陸海空の交通関係で出てこない言葉が二つあります。
 一つは、国鉄並びにバス輸送量の五〇%のシェアを担っておると言われておるタクシーの問題というのが一言も出てこない、この施政方針の中に。それから、昨年の運輸委員会でちゃんちゃんばらばらやったいわゆる港湾運送事業という問題についても一言も出てこない。観光事業がどうのとか、レクリエーションがどうのとかということは、それは悪いとは言いません。しかし、運輸省の基本政策がハイヤー、タクシーの健全化の問題と港湾問題についてはずばり言って熱意がない、こういうふうに私は受けとめざるを得ないのでありますが、きょうは大臣への質問をやるわけじゃありませんけれども、極めて社会党としては遺憾の意を表す、もってのほかだ。こういうことで、ハイヤー、タクシーに対する認識、港湾運送事業に対する国際一貫輸送なども含めた認識などについて、答弁は要りませんから、運輸政務次官、きちっと受けとめて今後の運輸行政に疎漏のないようにお願いしたい。
 それはなぜかというと、今から発議者が言った問題についてここで質疑をすることは結構でありますが、運輸委員会で終わってしまうと、実行面について運輸当局は熱意がない。ハイヤー、タクシー、この場限り、これに連動する警察の方もこの場限りとなってしまっては、せっかく苦労をして出す、今から審議しようとするものが有名無実に終わってしまう。そういうことを非常に憂えるがゆえに、私は、ハイヤー、タクシーの問題と港湾の問題については特段の注意を喚起しておくということを社会党の立場としてまず冒頭申し上げておきます。
 それで、最初に沖縄開発庁にお伺いいたします。
 私は、この軽貨物問題、私も随分沖縄に行っておりますし、奄美大島にも二回ほど行きましたから問題点の所在は十分心得て、どういうつながりがあるか、どういう政党がどういう関係があるか、我が党も含めて、表も裏も知っておるつもりであります。この問題の発端は、やっぱり沖縄の皆さんいろいろな問題を抱えているということでありますから、それは奄美大島にも連動しております。ですから、私は、沖縄及び北方問題に関する特別委員会の委員として、去年の四月二十七日、随分つまびらかに沖特委員会でこの問題について問題を提起したわけであります。
 例えば軽タクの問題については、四十八年には五千五百台あった、それが五十五年には五百九十七台になった、その努力は多とする。しかしまたいろんな問題が最近起きてきている。だから沖縄開発庁は十分にこの事態をとらえ、特に徳之島あるいは奄美大島についても同じ問題が起きている。しかしこのままでは通りませんぞ、したがっていつかの時点には交通整理をしなければならない事態が来る、あるいはこれに便乗して本州関係にも蔓延してくる、そういう現状認識を踏まえて沖縄開発庁としてはきちっとすべきではないか。特に私は、潜りと言っては語弊がありますが、そういう方々も含めて皆さんが新しい生業であるタクシー営業に配転あるいは転職するか、その場合の助成の問題、正常なルートでハイヤー、タクシー業につく場合の関係方面の一層の指導と助言、助力、財政面を含めて、この面については最大限
の努力を沖縄開発庁はやるべきではないかという問題提起を私はしておりました。
 それで、政府委員の振興局長は、「大変申しわけないんですが、私どもちょっと今、資料が手元にございませんで、目黒先生のお示しなされた数字から見まして、また事態が悪化しているというぐあいに考えております。関係方面と早速連絡をしたい、かように考えます。」と言って答弁して以来、きょうは昭和六十年三月七日、何十日たっているですかね。ああでもない、こうでもない、鉄砲弾を撃ったきり全然我々に連絡もなしになっている。一体沖縄開発庁というところは、国会でその場限りで逃げておって、あとはナシのつぶてと、そんなのなら私は行革段階で沖縄開発庁なんて要らないですよ。もったいない。一体この問題に対してあなた方はどういう取り組みをして、どういう対応をして、私の問題提起に対して今日までどういう具体的なことを中央地方並びに関係団体について行ってきたのか、具体的に、抽象論ではなくてお答え願いたい。やらないならやらない、やったけれども反応がなかった、あるいは沖縄開発庁の権限がない、あるいは運輸省に頼んだけれども運輸省はちっとも言うことを聞いてくれない、警察も言うことを聞いてくれない、そういうことなのかどうか。
 まず沖縄開発庁の――振興局長というのは今次官をやっているそうでありますが、まあ引き継ぎがあったと思いますから、引き継ぎの問題を含めて、一体、問題の一番根っこの出発の沖縄と奄美大島を抱えている沖縄開発庁は、どういうふうに私の問題提起に誠意を持ってこたえたのかどうか、お答え願いたい。
#15
○政府委員(小林悦夫君) 昨年の四月二十七日に先生から問題提起がありまして、そのことは私は藤仲事務次官とも十分連絡といいますか、引き継ぎを受けてございます。そこで私の方も総合事務局の方といろいろ連絡をとりまして、従来相当数ありました軽貨物というものが現在約六百台になっておる、これにつきましては運輸省、警察において違反行為について取り締まりを行っておる、こういう状況は把握しておるところでございます。
 ただ、若干御説明をさせていただきますと、総合事務局というものがあるわけでございますけれども、それぞれ陸運行政につきましては直接の所管は運輸省、そういうことで指揮監督がなされておるわけでございますけれども、事が、先生いろいろ関与していただいておりますバス問題と同様に沖縄開発に関する極めて重要な問題でございますし、また、ただいま先生おっしゃいましたように、今後の生業資金、こういうもの等については沖縄公庫で対応する、こういうような制度もございますし、そういう点を含めて今後とも関係省庁と連絡を密にしてまいりたいと考えておるところでございます。
#16
○目黒今朝次郎君 私はそんな抽象論でなく、まず第一に、私が示した全体の数、傾向、那覇市、徳之島、奄美大島、この私が提示した数字は間違いないですか。確認しましたか。
#17
○政府委員(小林悦夫君) 総合事務局に聞きましたところ、軽貨物については大体六百台、こういうことでございますが、違反者については必ずしも確実に把握をしておらない、このような状況に承っております。
#18
○目黒今朝次郎君 私が言っているのは、軽貨物自動車が五十五年時点では五百九十七台と七台まで言っているんですからね、私は細かく。何も今違反のことは言っていない。この私が提示する台数について、那覇市あるいは沖縄全体、徳之島、奄美大島、この私が指摘した台数についてはチェックしましたかというんですよ。チェックしていないんでしょう。どうですか。チェックしましたか、しませんか。
#19
○政府委員(小林悦夫君) 私の方が沖縄県の陸運事務所に聞きましたところでは、いわゆる軽貨物に該当するものが五十九年度で六百十台、このように承っております。
 そのほか、先ほどちょっと質問を取り違えたわけでありますが、いわゆる黄ナンバー等の車については実態を明確には把握しておらない、このように承っておるところでございます。
#20
○目黒今朝次郎君 行政の怠慢のあなたに何遍言ってもしようがないです。我々がこれだけの数字をつかむためには、暇や道楽でやっているんじゃないですよ。四万も五万も旅費を使って行って、それで夜も寝ないで実態調査をやっているんですよ。沖縄開発庁はこの軽貨物の実態を把握しなくて何が対策出てくるんですか。そう思いませんか。どういうところにどういう潜りがあってどういう実態だ、したがってこの点は運輸省は、この点は警察庁に、この点は業界に、この点は沖縄県民全般に、この点はハイタク業界にと、こういう格好で実態の中から対策が出てくるんじゃありませんか。これは間違いでしょうか。実態をつかまないで対策というのは机上の空論じゃないでしょうか。これは沖縄として何人いるんですか、人間は。私も何回も行っていますけれども。あの人間がこの実態の把握を、いや目黒の言うことはあれだけれども、私の方の実態ではこれはこうだ、これはこうだ、これはこうだ、したがってあなたの認識と我々の認識は違う、だから対策も違ってくる、こういうのが普通の道筋で常識じゃありませんか。
 きょうはもうあなたに言ってもしようがありませんから、この私の提示に対して数字で実態を報告してください。どうですか、約束できますか。
#21
○政府委員(小林悦夫君) 運輸省と十分連絡をとりましてお返事を申し上げたいと思います。
#22
○目黒今朝次郎君 運輸省じゃないよ。あなた沖縄開発庁でしょう。そんなら運輸省出して運輸省沖縄事務所でもしなさいよ。問題がいくとぽっと逃げる、問題がいくと通産省、問題がいくと文部省、あなたの問題を攻めていくとみんな他官庁に逃げていくんですか、全部片寄せて。そんなのなら沖縄開発庁の総合事務局は要りませんよ。あなたの責任でやってください。いかがですか。運輸省なんて言わないで。
#23
○政府委員(小林悦夫君) 先ほどから申し上げておりますとおり、この陸運行政の所管は運輸省でございまして、調査をするにいたしましても運輸省に来ていただかなければできないわけでございまして、その点先ほど申し上げましたとおりの答弁をさせていただいたわけでございます。
#24
○目黒今朝次郎君 官僚というのはそんなものですから言ったってしょうがありませんが、とにかく数字をもって回答してください。
 それから、生業につくということについて提起をしているんですが、生業につくことについて沖縄開発庁は総体的に検討したのかしないのか。検討したとすればどういうことを検討して、現在どういう進行形なのか。私は生業につくという問題提起をしているんですから、沖縄開発庁全体でこの点について検討したのかどうか。したならばどういう点で、現在進行形はどうか。これは後の附帯決議にも関係することですから厳密に答弁してください。
#25
○政府委員(小林悦夫君) 先ほど申し上げましたように、まだ具体的にどれがどうなるという話にはなっておらないわけでございますが、開発庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、沖縄公庫の生業資金、こういう制度で対応することができるわけでございますので、今後とも各省と連絡を密にしていきたい、こういうことでございます。
#26
○目黒今朝次郎君 国際通りじゃありませんが、那覇空港から国際通りを通って一足市場に入ればいろんな問題がごたごたごたとあるでしょう。暴力団は絡んでいる。一台三百円、四百円のいわゆる手数料まで暴力団に取られている。そういう現状を抱えている沖縄の皆さんのタクシーの実態もわからない。生業の問題を提起をしても全然いまだに手をつけていない。一体毎日毎日三百六十五日高い給料もらって何やっているのかね。少なくとも生業についてはこういうことをやってみました、こういうプロジェクトをつくりました、だけれども、ここに壁があって、ここにこういう壁が
あってなかなかうまくいきませんから、こういう点については政府なり関係者の助言と指導をお願いしたいものだと、そういうぐらい出てくるのが当たり前じゃないですか。一年間もほっておいて何もやっていませんというのはこれは後からやる附帯決議にどうも自信持てないね。したがってそういう怠慢はやめてもらいたい。
 国会で我々が提起したならば提起したことに真剣に取り組んでもらいたい。去年の四月二十七日のこの問題をもう一同熟読玩味して、これに対応する積極姿勢を沖縄開発庁はとりますか。現地の事務局に指導しますか。どうですか、姿勢について。抽象論で申しわけないけれども。生業について、車の台数の問題についていかがですか。
#27
○政府委員(小林悦夫君) 総合事務局と早速調整をしていきたいと存じます。
#28
○目黒今朝次郎君 沖縄のこの軽貨物の問題はおたくの方がやっぱり震源地ですから、あなたのところがよほどしっかりしてもらわないと波及効果が大きいんですよ。ですからこれは、首を曲げているけれども、頼みますよ。
 それから次に運輸省。
 このときに豊田課長が、違法行為を行っている軽貨物事業者というものがかなり多いということが指摘されておりますし、私どももこれを問題視し、関係機関と協力して取り締まりを強化いたしますということを答弁しているんですね。これもその場限りの答弁じゃなかったでしょうね。今日まで一体、沖縄のこれらの問題について、もう沖縄に限定します、これは沖特の委員会でしたから。沖縄の問題でどういう現地指導なりやってきたのか。特は私は警察との連携などについても指摘しておるわけでありますが、今日までどういう取り組みをやってきたのか、どういう成果があったのか、それについて運輸省のこの答弁の裏づけをひとつお願いします。
#29
○政府委員(服部経治君) 軽貨物運送事業者によりますタクシー営業行為の取り締まりにつきましては、いろいろな問題点もございまして必ずしも円滑な取り締まりの実施が図られているというふうに申し上げられないのは残念でございますけれども、しかし、私どもは沖縄県につきましても悪質な軽貨物運送事業者によりますタクシー運送、タクシー営業行為につきましてはできる限りの取り締まりの努力を続けてまいってきておるところでございます。
 たまたま手元にございます資料によりまして若干の数字を申し上げさせていただきますと、昭和五十九年の数字でございますが、自家用、事業用を合わせまして計五十五人の人たちを対象にして取り調べを行いまして、その大半の者に対しまして車両の使用停止処分を含みます行政処分を行っているところでございます。
#30
○目黒今朝次郎君 五十五ですか。
#31
○政府委員(服部経治君) ちょっと待ってください。済みません、五十四でございます。
#32
○目黒今朝次郎君 五十四の取り調べを五十九年に行ったということですか。
#33
○政府委員(服部経治君) はい、そうです。
#34
○目黒今朝次郎君 そして、五十九年でそういうことがわかっているんなら、一番新しい状況で沖縄はどういう分布状態なんですか。軽貨物自動車で協同組合に登記した、登記と言ったら変だけれども、今まで協同組合に登録した方々が何台、それからアウトサイダー、いわゆるやみだね、やみのやみ、これは一体どのくらいおるというようにあなた方は把握しておるんですか、一番新しい台数で。
#35
○政府委員(服部経治君) 沖縄県におきます軽貨物車両でありましてタクシー営業行為を行っているという可能性の極めて強い車両数は、私どもの把握しているところでは六百十両でございます。このうち、先生が今御指摘になりました四つの事業協同組合に属する車両数というのは、これはぴっちりした数字はちょっと把握しかねておりますが、四百両余であるというふうに考えております。
#36
○目黒今朝次郎君 そうすると、取り締まりを強化、指導しますということで五十四だけやった、こういう実績報告ですが、今の数字を逆算すると、六百十を対象にやった結果とりあえず五十四を摘発した、こういうことになるのか、四百を対象にしてやった結果五十四になるのか。あなた方の認識で、協同組合に登録する方といわゆるやみのやみという段階でどこに取り締まりの重点を置いているんですか。
#37
○政府委員(服部経治君) 今目黒先生御指摘のように、タクシー営業行為を行っている疑いの極めて強い車両数の中には協同組合に属しているものとそのアウトサイダーというものがあるわけでございますが、取り締まりは両方を平等に対象にしてやってきております。ただ、現実の行政処分に際しましては若干のニュアンスの差をつけておるということはあるようでございます。
#38
○目黒今朝次郎君 私は一月十三日に新栄通りと丸国マーケット前を見てきました。え四一―三四、か六一―〇九、か一九―二五、か四一―四四、か三〇―三一、か二一―〇三、う六一―七五、これは新栄通り。それから開南通りも見てきました。この晩にはお客さんのふりして三台に乗りました。非常に明確にハイタク類似行為も徹底している。
 ですからそういう点で、私はこの沖縄の問題については、こちらの方は答弁はいいですが、よって来る経過というものについては、歴史的な経過があるということについては我々も承知しております。だけれども、私も四十九年に国会に来て、国会の実態調査を含めて、これは長続きしないなと。だからやっぱり本土の道路運送法に伴ってきちっと交通整理をして、財政面あるいは車両の面、業務の面、そういうものを相当、五年か十年かかるだろうけれども長期的に軌道修正をして、皆さんが間違いのないように、政府と沖縄開発庁と、それから金もかかることであるから沖縄開発金融公庫の融資の部面などについて総体的にやることが必要だと言って提言して、そしてずっと成果を上げてきたわけですね。これは私は皆さんの努力、十年間の努力は多とするんですよ。ただ最近になってまたぐうっと出てきた。それを本州関係が悪用したということですから、私はその罪を現に残っている皆さんにかぶせるというのも、行政の怠慢ということで、皆さんにも気の毒だと思うんですよ。そうは言っても、全体が悪い方にいくということを我々交通運輸を預かる者として見逃すわけにはいかぬというところに非常に問題のジレンマと現実性があるんですよ。
 ですから、この問題について、もうどんなきれいごとを言ったって現実にこういう実態になっているんですから、やはり取り締まりは取り締まり、指導は指導、助成は助成、それで生業にきちっとつける。あるいは赤帽ですね、国鉄がパアになって、赤帽さんが我々OBも含めてやっているんですが、ああいう赤帽さんがやっていることについては何ら抵触しないんですよ。だからそういう面、あるいは日通のペリカン、あるいはクロネコ、いろいろあるんですよ。そういう問題についてはそれはそれなりにきちっとやる。どうしても消化できないのなら、ハイタク業をやりたいのなら、ハイタク業をやるために駐留軍の皆さんを吸収するために我々一定の特例をやったんですよ。そういうことをやりながら全体が一つの流れの中に吸収できるということをすべきだ、こう思って口を酸っぱくして言っているわけなんですよ。
 ですから、この六百十という現状から見ると、ゼロよりはいいけれども一%弱ですね、この五十四というのは。そういう面ではまだ行政の取り組みが手ぬるいのではないか。こういうことについてひとつ注意を喚起しながら、今後の取り組みについて局長の考え方をまず聞かしてもらいたいと思うのです。
#39
○政府委員(服部経治君) まず、沖縄に限定してのお話でございますのでそのようにお答えしなければいけませんのですが、沖縄につきましてもこういった行為が現実に現在も続いて見られるということは遺憾と言うほかはないわけでございまして、私ども従来から可能な範囲でのその指導、取
り締まりに当たってまいりました。一方、昭和五十八年からは県当局の御協力も得まして、こういった軽貨物運送事業者が本来の軽貨物運送事業の中で生きる道を探していけるように及ばずながらの努力もしてまいったところでございまして、今後ともそういった方針でもって沖縄地区につきましても臨んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#40
○目黒今朝次郎君 沖縄ばかりやっていられませんから、それじゃ前に進みます。
 これも服部局長ですが、十月二十三日の本運輸委員会で、ハイタク問題の締めくくりみたいな問題で、党の衆参両院のハイタク特別委員会、七十四名の衆参議員が参加した特別委員会があるわけですが、私は走り使いをやっているわけでありますが、そこでまとめた問題についてこの委員会で私は申し上げた。私自身も長崎を初め熊本、大分、福岡、鹿児島、長野、秋田、福島、岩手、宮城、富山、群馬、京都、四国、そして沖縄、北海道と、これだけ歩いた結論として、やっぱり本州のハイタク問題については何といっても代行運転、軽自動車、アルバイト、二七通達、この四つが盲点だ、これを行政できちっとやってくれと。
 私は、運輸省が中心になって警察あるいは労働省、これでプロジェクトを組んで運輸局別に実態調査をして、そしてこれはいい、これは悪い、これはこうすべきだということをきちっと交通整理をしてぜひ御提示願いたいということをあなたに申し上げたら、あなたはこう言っている。そんなところで首振らないで。もう一回読んでみると、「タクシー営業類似行為がはびこっておりますことにつきましては、私ども、先生の御指摘をまつまでもなくまことに遺憾だというふうに思っておりまして、ただいまの先生の御指摘の方向に沿いまして鋭意、実態の把握と問題点の究明と今後に対する対処方針の確定」となかなか立派なことを言っております。確定ですよ、こう言っておったんですから私はそれに期待をかけてじっと見ておったわけでありますが、いろんな事情もあったでありましょうけれども、なかなかこの問題点と今後に対する確定が出てこない。それで悩み悩みおるわけなんですよ。ですから、これも国会答弁用はわからないわけではありませんが、私らは責任を追及するわけではありませんが、やっぱり言った以上は言った方向についてきちっとメモで出すなり、あるいはここに問題点があるとかというこを指摘するなり、言いっ放し、やりっ放しでは私は困ると思う。
 そういう点から見ますと、これらの問題についてなぜ今日段階でできなかったのか、あるいはできておっても確定方針まで行かなかったのか。そうしますと、私は何も、梶原先生に後で申し上げますが、我々議員提案なんて苦労しなくて、あなたの方から、この行き着くところ、今日の事態になっておる軽貨物自動車に対する対応策が当然政府提案としてここに出てくる、そういう道筋をちゃんと私らがレールを敷いてやっているにかかわらず、何でそのレールを走らないんですか。レールを走っておれば、伊江先生と梶原先生などに御苦労をかけなくてもあなたの方から提案が出てくるんじゃないですか。これをサボっておったと言っては語弊がありますが、なぜできなかったのか、問題の指摘に対して。どこに問題があったのか、それと今後の問題でどういうふうに絡んでくるのか、この辺を聞かないと質問に入れませんので、これもひとつ経過を聞かせてもらいたいと思うんです。
#41
○政府委員(服部経治君) ただいま目黒先生から、昨年の十月二十三日のこの委員会におきます私の答弁につきまして大変厳しい御指摘をいただいたところでございまして、そういった御指摘を受けるというようなこと自体大変私恥ずかしく思っております。
 若干弁解めくかもしれませんが、今の私のこの問題に対する考え方と申しますか、把握の状況を御説明してみたいというふうに思うわけでございますが、まず軽貨物運送事業者によりますタクシー営業行為の問題でございますが、この問題につきましては、私がただいまの職につきまして以来警察当局と綿密な検討、議論を重ねてまいりまして、ようやく昨年の暮れ近くになりましてその取り締まり方針につきまして基本的な合意に達しまして、その合意を踏まえまして、大変時間のかかりましたことでございますけれども、悪質な違反行為をやっております業者につきましてひそかに内偵を進めまして、先生も御承知と思いますけれども、先般の二月の二十日に広島、高知、大分の三県におきまして警察当局によります強制捜査を実施するというところまでようやく立ち至ることができたわけでございます。そういう意味におきまして、本土におきますこういった悪質なタクシー営業行為をやっております軽貨物運送事業者に対します取り締まりの基本的な取り組み姿勢というものは確定し得たというふうに御報告申し上げても差し支えないのではないかというふうに思っております。
 それから次に運転代行の問題でございますが、この問題につきましても、軽貨物自動車の問題とあわせまして現在警察との間に設けております対策連絡会議におきまして鋭意その対応のあり方を議論し検討しているところでございます。まだ途中過程にあるということは残念でございますけれども、そういう状況でございます。
 それから白ハイヤーの問題でございますけれども、この点につきましても先般の委員会でも若干御答弁申し上げたことでございますが、先生からの御指摘もございまして、私ども幾つかの会社を選びまして実態の細査に乗り出しているところでございまして、現在もなお間断的ではございますけれどもその調査を継続いたしておるということでございます。ただ、この問題につきましては、大変残念でございますが、現在の段階では私ども違法な行為が行われているというふうなところまでの事実把握ができておりません。
 それから二七通達の問題でございますけれども、これは先生からの御指摘もございましたし、また先般来のバス事故もございまして、私ども改めましてこの二七通達の遵守の問題につきましては各地方運輸局を通じまして関係の事業者を厳しく指導をしているところでございます。
#42
○目黒今朝次郎君 私の指摘に対して、例えばこれは沖縄と違いまして、沖縄は全然鉄砲弾なんですが、これは苦労している課長さんのために、今局長が答弁されたことの中で、運輸省の永井自動車業務課長さん、それから警察庁の交通指導課長さんの山崎さん、中間でいろいろ御苦労なさっておるその努力、あるいはこういう点で悩んでおるんだ、ひとついい知恵がありませんか、そういうことなどについてしょっちゅう私の事務所にいらっしゃって中間の報告をしながら、ともにそのいい点がないか、いい策がないかということについて、非常に再三再四私どもの事務所に来て努力されたということについてはやっぱり敬意を表しておきたい。と同時に、今局長が言った二月二十日の広崎、愛媛、高知、長崎、それで最近の仙台の取り締まりは、こういう問題提起をあなた方が真剣ほ取り組んで、その延長線上にこういう努力をされているんだというふうに受けとめたいと思うんですが、これでいいですか。
#43
○政府委員(服部経治君) ただいま目黒先生おっしゃったとおりというふうに私どもも考えております。
#44
○目黒今朝次郎君 そうしますと、この法案の改正もかかわりがありますが、やはりこういう体制は一層今後強化していってもらいたいということを要望いたしますが、関連して当時警察庁の方にもお願いしたんですが、今局長の答弁を補足する意味で警察庁の考えがあったら聞かせてもらいたいと思います。
#45
○説明員(山崎毅君) 警察といたしましては、従来から違法行為は看過しないということで取り組んできておるつもりでおりますが、ただ、この種の問題というのは、基本的には所管行政庁の行政措置というのがとられる必要があるだろうというぐあいに考えております。しかし、そうした中で特に悪質なもの、そして違反の事実というものが
しっかりと把握できたものについては厳正な対応を行うということでおるわけでありますが、先生からかねての御指導その他もございまして、今回、先ほど御披露のありましたような措置を講じたわけでございます。今後につきましても従来と同様に厳正な措置をとってまいりたいというぐあいに考えております。
#46
○目黒今朝次郎君 これは我々地方に行きますと、いろいろタクシーの運転手の皆さんとか、それからハイタク業界の皆さんとか、あるいは関心を持っておる交通関係の労働者の皆さんが、あの車が何月何日どこでこういうことがあったということをメモを持っていっても、警察に行くと、運輸省の方針がなかなかぱっとしない、軽貨物の荷物の規模とか、あるいは反復、継続するとかという問題はなかなか立証が難しい、あるいはお金もないので増務給もないと、こう出てくる。お巡りさんの方へ行くと、本件は主管庁である運輸省なり自動車事務所が明確なことを示さないものですから、警察としては人権にかかわる問題であるからなかなか取り締まりにくい、あるいは増務給のお金もない、こう返ってくるんです。やっぱり私はこの問題では運輸省が主体になって警察庁と連係プレーを十分にやって、そして一般市民の皆さんの御協力も願う、そういう三位一体でないと私は実効が上がらないということを嫌というほど警察庁交渉なり現場の立ち会いでなめて知っていますから、その点については特段の配慮をお願いをしておきたいし、今後とも運輸、警察の対応の強化について要請をしておきたいと思っております。
 それで私は、こういう二月二十日の摘発ということがありましたけれども、何としてもこの問題についてはいろいろ沖縄、奄美大島の皆さんなりが苦労してきたけれども、やっぱり本法改正しかないという結論に社会党のハイヤー・タクシー対策特別委員会が決断をしまして、一月以降小委員会を設けて、いわゆる実態の調査並びに参議院からやろうという話がありましたから、参議院の法制局の第五部の部長さんなり課長さん、あるいは先ほど言った警察庁、運輸省の関係の皆さん、いろいろ議論してくると、法律が必要でありますから、やはり自民党さんが前回出した法案、これを軸に現状に合わせて手直しを加える、それしかないという結論に達して、社会党としても鋭意この法案作成に努力をしてきたわけであります。
 そういう面で、今回提案された法案については百点満点とは言いませんが、社会党の意向が相当程度入っているし、あるいは調整の段階で法制局の皆さんの助言でなるほどなといって勉強させられて取り下げたという点もあるし、しかし何といっても罰則の強化という点が足らぬということで重点にやりました。同時に、沖縄、奄美大島の問題を一体どうするかというところに一番頭を悩ませたところであります。そういう意味では、我々も自民党の皆さんと共同提案になろうかというところまで党内では意思統一をしたんですが、諸般の情勢があって自民党提案でさらに詰めていくということで我々も最大限努力してきたわけであります。したがって、この法律の内容そのものについては、そういう意味から言うと、共同でやってきたという点から見ると、それほどこれがこう、あれがああということはなかなかないわけでありますが、しかし、この法案を制定された以降、具体的に運輸省なり警察当局なり沖縄の皆さんがどういうふうにとっていくのかという点、やっぱり今までの私の前段の質問との関連で実効あるものにしたいという点で、提案者である梶原先生並びに運輸省の方に二、三御質問いたしておきます。
 一つは、今までの問題、四条違反という問題なかなか大変だったんですが、最高裁の判例にもあるように、反復、継続という立証が難しいということがあったんですが、今回の法改正はずばり従来と違って、一回でも現認されればこの問題の対象になるというふうに私は理解するわけですが、この点梶原先生いかがでしょうか。
#47
○梶原清君 目黒委員のおっしゃるとおりでございまして、社会党さんでこの法案につきまして御検討を進めておられるということも十分承知をいたしておったわけでございます。またその御意向も十分承知をいたしておりまして、今回の自民党提案の内容にも反映させていただいておるわけでございます。
 御指摘のとおり、反復、継続をいたしまして免許を受けないでタクシー営業類似行為をしますことにつきましては、現行の道路運送法の四条で禁止されており、それに対する所要の罰則の規定もあるわけでございます。これに対する行政処分の規定、即効的な効果のあります行政処分の規定がなかった。それから、一回ぽっきりと先生がおっしゃいました有償でお客さんを運ぶ行為、これを今回の改正案でもちまして禁止規定を設ける、それに対する刑罰規定、また行政処分の規定を設けたい、こういうことで法案を用意させていただいたわけでございます。前回の衆議院で提案させていただきましたものに対しまして、罰則の強化と施行期日の短縮を図っておるわけでございます。その点の御説明を申し上げます。
#48
○目黒今朝次郎君 今梶原発議者からあったとおりでありますので、確認をしたいと存じます。
 したがって、この法律が成立いたしますと、やっはり二つ三つ今後の問題で運輸省なり警察庁に聞いておくべき問題があると思っております。
 それは、全国と言った方がいいでしょう、一番新しいのが私の生まれ故郷の仙台の関係でありますが、いろいろのPR用のパンフレット、庶民の足であるとか、あるいはきょう持ってきませんでしたが、まあ皆わかっているから。封筒一枚でもこれが荷物であって、この運賃で軽貨物が動いておるとか、そういうPR用、庶民の足とかということも含めて、いろいろタクシー類似行為に匹敵するようなパンフが全国にまかれておるわけでありますが、この法律が通ればこのパンフはやはり見直すべきだ、取り締まるべきだ、こう思いますから、こういう点は行政指導できちっとしてもらいたい、同時に警察の連携をきちっとしてもらいたいと思いますが、これは運輸省いかがでしょうか。
#49
○政府委員(服部経治君) そういったパンフレットを出すという行為自体をつかまえて道路運送法で直接どうこうということには問題があるのではないかと思いますけれども、そういう行為を端緒にいたしまして私どもの取り締まりができるようになるというふうに私は考えております。
#50
○目黒今朝次郎君 いや、それは苦しいから遠回しに言っていることわからないわけじゃありませんが、袋一枚で輸送しますということなんですが、法制局見解で客観的な立証並びに最高裁判例から見ると、そんなことは通らないでしょう。こういうものはもう通らない。しかし、取り締まるということはできませんから、行政指導で、そういうことについてはこの法伴の制定と何時にそれはできませんよという行政指導はきちっとすべきだし、その件については警察にも十分連絡して善処を要請するというのが行政のサービスじゃありませんか。
#51
○政府委員(服部経治君) 先生おっしゃるとおりだと思います。そういうものを発行しないように私ども行政指導を強めてまいりたいというふうに考えます。
#52
○目黒今朝次郎君 当然だと思います。
 それから二番目には、一番問題になるのは、これは沖縄、奄美大島では直接そこまでいかないと思うんですが、あるいは類似行為があるかもしれませんが、一般的に言われているのは、軽貨物の車検をとった後に車体を改造する。これが一番行われておる。
 私はこの前の十月二十四日、長崎の佐世保でおとり乗車しました。り五六七、もう一回、り五六七、二十三時三十分、二十三時三十五分、り五五四、零時二十分、り五二一、それから、り五五六、これに乗ってみますと、我々商売だから、車検を見ますと、検査した後に改造しているんですよ。一番簡単なのはトランクの座席、四人か五人座れるように座席をつくる、あるいはカーテンを閉める、タコメーターをつけている、あるいは上のラ
ンプがついたり、ちょっと見るとぱっとくるんですよ。こういうのはやっぱりタクシー類似行為を誘発するものだ。したがって、車両法からいっても、あるいは現在タクシー近代化法がありますね、あの四十五条二項、いわゆるタクシーと類似の表示をしてはならないということが乗客に対するサービスとしてあるわけですね。そういう点から見ますと、これも紛らわしいことでありますからやはり運輸省において指導を強化すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#53
○政府委員(服部経治君) 車検を受けました後に、そういったタクシー営業を行うために必要なと申しますか、都合がいいように車体を改造するということはまことにけしからぬことでございまして、法令の規定に照らしまして今後適正に対応してまいりたいというふうに考えます。
#54
○目黒今朝次郎君 やっぱり場合によっては車両の臨検も必要だと思うんですよ。ですからそういうことも含めてきちっとしてもらいたいと思います。
 三点目は、タクシーの乗降場、タクシー待合所、これは警察だと思いますが、警察が、流れは別にして、タクシーの待合所を決めているんですが、そこに割り込むと言っては語弊がありますが、その近くにおったり、客の奪い合いをする。この前長崎、佐世保へ行ってみると、私は抽象的に言いません、京町通りには市場があります。この市場の跨線橋のところがタクシーのたまり場、いわゆる客待ち場でありますが、そこのところの前後に夜な夜な十九時、二十時ごろになりますと軽貨物が入ってくる。大体二十三時を過ぎると出てきて、そこでちゃんちゃんばらばらまでいかなくてもちょっとトラブルめいたものが起きる、こういうことを繰り返しておるわけであります。これは一例です。
 ですから、タクシーのたまり場、客待ち場、この場所をやはりきちっと明確にする必要があるんじゃないか。簡単に言えば、この辺には五十メートルとか百メートルとかという一定の場所を決めて、そういう類似行為をするような車については駐車禁止にする、乗り入れを制限するというぐらいの強制的な指導が必要じゃないかと思うんですが、これは運輸省じゃなくて警察庁ですから、警察庁いかがでしょうか。この法案が成立したという前提に立った場合にそういう行政指導が必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#55
○説明員(山崎毅君) 現在でも、タクシーの乗り場が道路上に設けられておる場合、先生御指摘の今の具体的な場所はちょっと存じ上げないのですけれども、全般的に言いますと、通常はその付近はタクシー以外の車両の駐車禁止規制というものがかけられておるわけであります。
   〔委員長退席、理事矢原秀男君着席〕
ただ、駐車場とかあるいはその他道交法上の道路でない場所の乗り場につきましては私どもの規制が及びませんので、それは警察のらち外でございますけれども、道路上のタクシー乗り場についてそのような措置がとられておるところでございます。
#56
○目黒今朝次郎君 例えば沖縄の開南通りに行ってみますと、タクシー業界の指導配車が隣におる、それから道を隔ててそっちの方には協同組合の車がいる、道路の向こうにはアウトサイダーの車がいる、そのちょっと裏通りへ行くともう何々組という組が支配しておりまして、そこに入っていくと一台二百円ないし三百円単位で取られる。夕方とか朝とか日曜日とかという段階で歩いてみますと、ちょっと間違えば客の奪い合いになって一触即発の事件がある、こういう場をちょいちょい私は見てきているんですよ。
 これは運輸省が取り締まるのか、沖縄開発庁が取り締まるのか、あるいは警察が取り締まるのか、私は判断に困ります。判断に困りますが、同じ路地のところに三者三様で、そして一番後ろに元気のいいお兄ちゃんが控えている。こうなりますとやっぱり私は今回の法改正に当たってほっておけない事態だと理解いたします。どういうふうにするかということはちょっと今、警察庁のあれがありますが、私も名案が浮かびませんが、少なくとも配車の問題で、車に乗ろうという国民、不特定多数の皆さんが危険を感ずるような状態において車の行政と警察行政が行われておるということは好ましいことではない、そう私は思うんです。
 ですから、これはここで即答は要りませんが、現地を見てもらうとわかりますけれども、現地を一回見てもらって善後策を考える。やはりハイヤー、タクシーの業者がきちっと優先でお客さんの乗り降りができるということを前提に善後策を考えてもらったらどうかという点で、これは懸案事項ということで申し上げます。
#57
○政府委員(服部経治君) ただいま目黒先生御指摘の点は、私ども大変その御趣旨はよくわかります。この問題につきましては今後警察当局と十分協議を重ねて対応を考えてまいりたいというふうに考えます。
#58
○目黒今朝次郎君 よろしくお願いします。
 それから四つ目は、これは警察と運輸省に考えてもらいたいんですが、今回の法改正は、一回でもやるということになりました、通れば。しかし、私は今までの経験からしますと、連続、反復という点があった関係かもしれませんが、例えば私はこう言っているんです。ハイヤー、タクシーの皆さんなり業界の皆さんなりはそういうハイヤー、タクシー類似行為があったならばメモしておきなさい、手帳を持って歩いて。私みたいにこうすればわかるんです。何月何日、ナンバー何号、何時何分、どこで。私の手帳を見ますと、り五六七、二十三時三十分、女二人を乗せた。私は聞いた。聞いたら、何も持っていないけれども、あの方は佐世保の駅に荷物が置いてあるから、荷物を取りに行くから乗せてくれと言われたので乗せたんであって、駅に着いたら荷物があるから違法ではありません、こういう極めて明快な回答を私にしているわけであります。
 例えばこういうふうにメモをとって、何月何日にどの車がこういうことがありましたよということを警察に通報する、あるいは陸運事務所に通報する。通報を受けたならばその受けた通報をないがしろにしないで、受けた通報については警察と陸運事務所がチェックする、そして追跡調査をする、追跡調査を義務づける。そして的確な措置をして交通秩序を確保する。こういう通報制度と追跡調査の義務化、これがないと、この問題でお巡りさんとか陸運事務所の皆さんが、先ほど申し上げたとおり十分な予算があるわけじゃありませんから、サービス精神で日曜日ぐらいぶらっと行ってみようかなんという方はなかなかおりませんから、そういう制度、運用面でこの法律を生かす。だから通報制度の確保と追跡調査の義務化ということについて真剣に考えてほしい。むしろこれがなければこの法案はざる法になってしまうということを私は心配するわけであります。
 この問題について警察庁と運輸省にどういう考えがあるか、あるいは今後検討するかどうかを含めて、やはり実効あるための対応ということについて両方からお考えを聞かせてもらいたいと思うんです。
   〔理事矢原秀男君退席、委員長着席〕
#59
○政府委員(服部経治君) 従前は、反復、継続して有償で旅客を運送したという事実を確実に把握した上でありませんと次の行動に移れなかったということがございまして、先生御指摘のような単なるメモというものに基づいてどうこうするということは非常に難しゅうございましたが、ただいま御審議をいただいておりますこの改正法が成立施行されました暁には、今おっしゃったとおりでございまして、そういうメモが有効な、何と申しましょうか、私どものその後の行動の端緒になるわけでございます。そういうものの制度化というお話がございましたが、私どもそういった心でもって対応してまいりたいというふうに考えております。
#60
○説明員(山崎毅君) ただいまの御提案につきましては、運輸当局と十分協議をしてまいりたいと思います。
#61
○目黒今朝次郎君 ぜひ実効のある方法を運輸省と警察庁で考えてもらって、関係者を指導してもらいたい、こう要請しておきます。
 それから五つ目に、私はこの問題で、特に罰則の問題について百二十八条の三について、一年ということはちょっと長いという意見を持っておりまして、六カ月だというふうに主張したわけでありますが、諸般の情勢で一年になりました。それはまあ最後の場合は私は了承しております。ただ、一年になったから一年間は何をやってもいいんだという逆反語でやられますと、これまた有名無実になってしまうと思いますから、他の運輸省関係は一カ月で効力が発効するわけでありますから、一年になったとはいいながら、この過程における指導強化、行政指導の強化ということがやっぱりこれを空洞化しないために必要じゃなかろうか。
 例えば、警察でこの車を見つけた、あなたの車はことしの暮れになればもう効力がなくなるので、直ちに逮捕その他の問題になりますぞ、ですから注意した方がいいですよという行政指導、そういうこともやっぱり警察の皆さんは親切に間違っておる方については教えてやるし、あるいは今後のことについて早目に問題を提起してやる。ぎりぎりになってから捕まっちゃったなんというのは、これは本当に本人にも不幸でありますし警察も不幸でありますから、そういう意味では、そういういい意味の取り締まりも含めて行政指導を強化して、そして一年後を迎えるということも必要ではないかと思うのでありますから、附帯決議にはそこまで書くとぎらぎらになるという自民党さんの御意向でありますから、それは私は引っ込めます。引っ込めますが、考え方、取り決めとしては私はそうあってほしいと思うのですが、局長いかがでしょうか。いや、局長よりも提案者だね、提案者の方いかがでしょうか。
#62
○梶原清君 目黒委員のおっしゃるとおりでございまして、一日も早く違法状態のないように行政指導なり取り締まりを徹底していくべきだと考えておるわけでございます。
#63
○目黒今朝次郎君 じゃ、附帯決議もそういう精神で我々も賛成したいと思います。
 それからもう一つ。附帯決議でどうにも気になりますのは、沖縄、奄美大島の問題については先ほど申し上げましたから、沖縄の振興局長のような中途半端な答弁でなくて、実のある、実効のある生業対策について政府も自治体も皆協力していいものをつくり上げるというために努力してほしい。こういうことは沖縄、奄美大島のためにも我我も努力しますし、また皆さんと積極的に話し合いをすべきだと私は思っています、私自身もあるいは社会党自身も。必ずしも社会党の沖縄の皆さんなり奄美大島の皆さんがもろ手を上げて賛成という態度はとっておりません。したがって、沖縄社会党なり奄美大島の社会党の皆さんも大変事態収拾には苦労されると思うんです。私も行ってともに苦労したいと思っています。
 でありますが、この附帯決議の中に指導期間というのがありまして、それはそれなりに私は認めました。ただ、漫然と指導期間を置いてしまうと取り組みにも熱がなくなるし取り組む方も熱がさめる、こう思って、私は社会党の案としては六カ月を限度という提案をしたいと思っておったんですが、なかなか各政党の皆さんの御意向もありまして、まあ指導期間については任せてくれという話でありますから、それはそれなりに僕はやむを得ないなと思っておりますが、しかし、やはり当面の目標は六カ月という目標を置いて最大の努力をしてみる。それで第一ラウンドを終わって若干こぼれもあるかと、こぼれと言っては語弊がありますが、こぼれる方も出てくるでしょう。そういうこぼれが出てきた方たちも、この百二十八条の三の発動する一年後にはそういう問題についてはきれいさっぱりと、転換される方も残る方も含めてやはりきれいさっぱりに身を軽くして新しい代に入っていく。
 そういうふうに沖縄とか奄美大島の方々についても我々も努力するし、必要な金は竹下さんにお願いして財政を少し考えてやるとか何とかを含めて、やっぱりここで政府を含めて総ぐるみでやってやらないと、沖縄県の皆さんとかは、沖縄県はうちの宮城県と同じ貧乏県でね、うちの宮城県も貧乏県ですよ、そういう貧乏県の皆さんに負担せいとか開発庁にやってくれと言っても無理ですから、みんなが政府一体となって沖縄と奄美大島の皆さんの対応策を考えてやる。それにはやはり当面は六カ月は目標、ぎりぎりでも一年ぐらいにはさっぱりなりますよという構え、取り組み方ということについては、私は特にこれは提案者とそれから自治体の指導に当たる運輸省の皆さんに心構えとして、取り組みの姿勢としてお願いしておきたい。ずるずるになって底抜けがあってはならないということを危惧するがゆえに私はそういうふうにきちっとしてほしい、政府ぐるみでやってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
#64
○政府委員(服部経治君) 沖縄及び奄美の両地区につきましては、過去の長い経緯と特殊な現実の状況があるわけでございますので、私どもそういった事実を踏まえまして、本法の改正ができました暁には、その適用関係につきまして適切な指導期間を置くということが必要だというふうに思っております。この適切な指導期間は、当然のことでございますけれども、私どもがこれから取り組まなければなりません生業対策と裏腹の関係にあるわけでございますので、私どもこの期間を漫然と過ごすつもりは毛頭ございませんで、本当に汗してこの問題に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#65
○目黒今朝次郎君 そういうことで、今私が言った六カ月と一年の関係などについても十分配慮して対応してもらいたいということを重ねて要望しておきます。
 それからもう一つ。法案関係はそれで私は終わりたいと思いますが、ここに全国キャブ連合会、仙台にも乗り込んできて仙台を東北の拠点にする、それで仙台に乗り込んできたんですが、この全国キャブ連合会という方々が、加盟契約書というんですが、これは私にくれた皆さんのために人権尊重でここは字は消しましたが、現にこういうのを結んでいるんです。そして大体金額は二百万から六百万。入会金と称して、軽貨物自動車でタクシー営業できるとして入会金四十万から六十万、それから保証金として中には二百万、こういうのを取って、軽貨物自動車のハイタク類似行為の全国組織をつくって今に全国を制覇しよう、東北の拠点は仙台であると、こういうふうに言って契約金を取りながら大々的に運動をやっているのですが、これは一つ問題ではありませんか。
 それから警察に、これは法務省呼ばなかったね、警察に要望しますが、こういう行為は詐欺行為になるのじゃないか、詐欺の疑いがあるのじゃないかという見解を持っているわけでありますが、こういう実態について運輸省は情報を入手していますか。
#66
○政府委員(服部経治君) 先生御指摘の全国キャブ連合というものがあることは私どもよく承知しております。その実態につきましては必ずしも明確に把握しているとは言いがたい状況でございますけれども、私どもが承知しております限りにおきまして、この全国キャブ連合をやっております行為というのは甚だ、けしからぬという言葉が適当かどうかわかりませんけれども、非常に問題があるやり方でございまして、まことに残念なことだというふうに考えております。
#67
○目黒今朝次郎君 これはこの法が成立するとイの一番にぶつかってくる全国組織ですから、ひとつ責任を持って調査をしてもらいたい。こういう契約書があるわけですから、契約書についても、何十人か何百人かの方が契約金を取られているわけでありますから、この実態についてもキャブ連合について運輸省は警察と共同して適正な調査をしてもらいたい。その調査の過程で運輸委員会なり決算委員会なり、必要な委員会で私は再びお伺いしますから、ぜひ調査をしてもらいたい。
 それからもう一つは、これは局長に一回要請しておきましたが、大新東問題は、この前は、若干
接触してみたけれどもどうも目黒さん余りないよという委員会外の局長の中間情報がありましたけれども、どうしても私はああそうですかと言って引っ込むわけにはまいりません。したがって、新たなハイタク行為、新たな白タク行為の一部だ、こう私は思って、私たちも調査をします。ですからあなたの方でももう一度警察などとも連携しながら大新東のからくり、あえて言えばからくりですよ、やっぱり運輸族の名誉にかけてこのからくりを暴かない限り白タクは横行する、こう言っても私は過言でない。したがって、大新東の問題について警察その他関係方面を通じてもう一回十分な調査をお願いしたい。
 同時に、労働省も、新しい張り切っている山口労働大臣になったとき、社会党のハイタク委員長という立場で私は、全自交の皆さんとそれから全自交顧問の衆議院の富塚さんと新しい労働大臣にお会いした際に、これは大変悪質なものだ、当時の言葉を使えば、悪質なものでありますから、労働大臣は責任を持ってこの真相を究明しますということを私に公約したわけでありますから、この公約についてどうなっていますか、調査が進展していますかどうですか。新大臣が見えを切ったわけでありますから、新大臣のその後の経過をひとつ、運輸省の方はわかりましたから、労働省の方ちょっと中間報告してください。
#68
○説明員(鹿野茂君) ただいま先生から御指摘ございました運転代行業務と職業安定法違反の問題についてでございますが、私ども、運転代行を行う事業者とそれから若干のユーザーについて、不十分ではございますが実情把握のため調査を行いました。
 まず、運転代行を行っております事業者につきましては、先生御承知かと思いますけれども、ユーザーの所有する自家用車であるとかあるいは通勤用のバスであるとか、そういう車両の運行それから整備、それから事故車両などの運行管理業務というものを請け負って、業者が雇用している車両管理者を発注者のもとへ派遣するという形式をとっておるわけでございます。この業務のやり方の中には、職業安定法に関係いたします、発注者から運転手、運転をする方が直接指揮命令を受けるかどうかというところに私ども一番の関心を持って調査をさせていただいたわけでございますが、事業者からの調査では、一応その契約の中でそういう指揮命令を受けないというような形になっているところでございます。
 それからユーザーについても私ども直接調査をさせていただきましたが、まず請負契約にはあらかじめ定められたスケジュールが定められておりまして、そのスケジュールに従って自動車の運転が委託されるということで、ユーザーから直接運転する方に指揮命令をする形にはなっていないところでございます。
 私ども労働省としましては、これからもこれらの調査をもう少し継続しながら、またこの結果を踏まえながら、請負事業としてこの業務が適正に行われるような指導を運輸省とも協力しながらやってまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#69
○目黒今朝次郎君 今のことは会社から言われたことをそのまま御通告になるところでありまして、それなら何も問題はない。その裏に隠れているからくりを究明するのが問題点ですから、新労働大臣もあれだけたんかを切ったんですから、もう一段、二段ぐらい水面下のからくりをひとつ見てもらいたいと要望します。我々も水面下のからくりについては鋭意からくりの実態について東京と大阪で今調べていますから、真相をつかめれば改めてこの委員会でやるということで、警察、労働省あるいは運輸省のさらなる強力な捜査を要請して、時間が参りましたから私の質問を終わります。ありがとうございました。
#70
○瀬谷英行君 最初に、大臣のかわりに政務次官がお見えになっておりますので、運輸省側の立場を代表するということでお答えをいただきたいと思うのでありますが、今回のこの問題は輸送体制の乱れに対する交通整理といったような必要から出てきた問題だと思うのです。したがって、本来ならばこれは監督官庁である運輸省が責任を持って立法措置を講じ、指導に自信を持って当たるというようにしなければならないところだと思うのでありますが、議員提案という形でもって提案をされました。これはやはり不自然だという気がするんです。本来ならば運輸省が責任を持つべきであるにもかかわらずこういう形をとったということは、運輸省自体に何かためらいがあるんじゃないか、今まで黙認の形をとっていたんだが、仕方なく議員立法でもって取り締まりをやらざるを得なくなった、何か後ろめたさのような、自信のなさというものを運輸省から感ずるわけです。
 したがって、運輸省自体の考え方というものが果たしてどういうものか、なぜ運輸省自体がみずから立法措置を考えるということをしなかったのか、その点をお答えをいただきたいと思うのであります。
#71
○政府委員(服部経治君) 運輸省が腰が引けておるからではないかという御趣旨の御指摘でございますけれども、決してそのようなことはございません。先生も、もう申し上げるまでもなく経緯につきましては御承知と思いますけれども、昭和五十七年の九十六国会にこの今回の法案と全くほぼ同趣旨の法案が議員立法という形で提案されたわけでございますが、それが遺憾ながら百国会で廃案になってしまったという後を受けましての今回の議員立法の措置でございます。
 今回これを議員立法という形で進めざるを得なかったと申しますか、そういう選択が最終的に行われたという理由でございますけれども、これも先生御承知のとおりでございますけれども、こういった軽貨物運送事業者によりますタクシー営業行為が本当に急速な勢いで全国に拡大しつつある状況というのがございますので、何とかそれを食いとめる手だてとして一日も早くこういった法律上の手当てが必要だという実態に基づいて議員立法という形がとられたものであるというふうに私は理解しておるところでございまして、何ら運輸省がこの問題に腰が引けた姿勢を持っておるとかというようなことではございませんので、御理解を賜りたいというふうに考えるものでございます。
#72
○瀬谷英行君 その必要があるならばなおさら運輸省自体が手早く提案をするという準備をしていいと思うんですよ。それを議員立法という形にするのは何か責任を回避しているような感じを受けるんです。急ぐならば急ぐように、議員立法ならばすぐできるけれども、政府提案じゃ急ぎの間に合わないなんていうんじゃ話の筋が違うと思うんです。その点を私は言っているんです。だから次官にもその点のちょっと見解をお伺いしたいと思ってお聞きしたわけなんです。
#73
○政府委員(小里貞利君) 瀬谷先生は、今回の議員立法の法案に関連して、ただいま、これは本来本質的に大変重要な問題を提起しておるいきさつを持っておるんだから、この際その主管管庁である運輸省がもっと自発的に、しかも主体的に諸般の準備を整えてかかる審議の措置をとるべきではなかったかというお話でございますが、先ほど局長の方から答弁申し上げましたように、また先生も御指摘のとおり、極めて重要な問題でございますだけに、決して言葉を返すわけではございませんが、運輸省におきましてもその対応策を厳粛にかつ慎重に対応をしてまいった、そういう一つのいきさつも先ほどの議論でも御了承いただけるかと思う次第でございます。
 基本的には、局長申し上げましたとおり、決してこのような措置をためらっておるわけではございませんでして、幸いにいたしまして今次このような立法措置をおとりいただきましたので、十分各位の御意見なり、あるいはまた、これが国会を通過いたしまして法の成案化を得ましたときには尊重して厳格にこれを施行する気持ちでございまして、御了承いただきたいと思います。
#74
○瀬谷英行君 提案者は、本来ならば運輸省がやるべきことを自民党の提案という形でおやりになっているんですからまことに御苦労な話だ。火事
のときに消防署が来る前に素人が水をかけるような役割を何か果たしておられるみたいなんですね。泥棒が出てきたら警察官よりも先に助っ人に飛んでいく、こういうふうな感じを受けるんですよ。本来の仕事はやはり運輸省なんですよ、これは。間違えちゃいけないと思うんです。それを議員提案にしておいて、いや運輸省だって深甚な関心を払っているんだと言ったってこれは理屈としては通らないですよ。その点を私は言ったわけなんです。
 それで、もう今日まで我々もいろんな事例を聞きました。まことに目に余るような事実がいろいろと出てきているというわけですね。しかし、今回のこの提案と、それから、この委員会も実はきょう委員会をやることになると思ってなかったものですから、話が急なんですよ。これほど急がなければならないというせっぱ詰まった取り締まり上の問題点は具体的にどのように把握をしているか、警察関係ですね。
 これはなぜこのことを私が聞くかというと、一般の世論というものは必ずしもこの問題についてよく知っているわけじゃないんですから、安くお客を運んでくれるんならばいいじゃないかといったような意見が出てこないとも限りませんよ。お客にしてみれば、乗用車であろうとあるいはライトバン形式のものであろうと、軽トラックであろうと何であろうと、安く安全に運んでもらえればそれでいい、こういう気持ちを持つんですから。だから筋道をはっきりさせないと、提案者自体が利害に絡んで何かやっているんじゃないかというふうに勘ぐられてもつまらないですからね。だからそういう点を相当これからPRをする必要もあると思うんです。具体的事例というものをある程度つかんで、こういう弊害を除去するんだということをはっきりさせる必要があると思うんですが、その点はどうでしょうか。
#75
○梶原清君 議員提案なり、また審議の問題につきまして大変御無理なお願いをいたしておりますことにつきましておわびを申し上げるわけでございますが、軽貨タクシー問題が非常に全国的に爆発的にふえてまいりました中には、言葉が適切でないかと思いますけれども、暴力団的な、治安的な問題というものも発生をいたしておるわけでございます。運賃が安ければいいというわけにはまいらない、安かろう悪かろうという言葉もございますので。やはり旅客の安全で確実で快適な輸送を確保しなければいけない、これをねらって現在の道路運送法の規制が行われておるわけでございます。今日の軽貨タクシーの現実というものは、こうしたものに遠く離れた、これを絶対に認めてはならない実態というのが非常に蔓延しつつあります今日、早急に、一日も早くこれを規制する措置を講じなければならない、こういうことで御提案を申し上げた次第でございます。
 格段の御理解と御支援を賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。
#76
○瀬谷英行君 今目黒さんから質問がございましたけれども、全国キャブ連合といったようなものが出てくる。これは一言で言うとやみ業者による詐欺的行為、こういうことになってくるわけですよね。うまい話を持ちかけて金を取って、そして胴元みたいなことをやる。どうもやり口がもうやくざ的なんですね。実態を把握をしないで取り締まれと言ったってなかなかこれは難しいでしょう。こういうものの実態をちゃんと把握をして、だからこういうやみ業者の存在を認めるわけにはいかないんだ、具体的にはこんなことをやっておるじゃないか、被害者としてはこれでもってこれだけ金を取られた人間がいるといったようなことが明るみに出ないと、今回我々が審議しているこの内容についてもなかなか理解が得られないということもあり得ると思うんです。その点やはりもっと明確にしてほしいと思うのでありますが、どうですか。
#77
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘の全国キャブ連合の実態でございますが、私ども残念ながら、その実態がかくかくしかじかであるというところまで御説明できるほどの実態把握をなし得ておりませんことは申しわけないことだと思っております。ただしかし、今回のと申しますか、ごく最近におきます本土におけるこういった違法行為を行います軽貨物運送事業者の蔓延ということの根っこには明らかにこの全国キャブ連合なるものの存在があるわけでございまして、私ども運輸省だけでこの問題に対応するというわけにはまいらぬ問題だと思いますけれども、今後警察当局ともよく連絡をとり御協力をいただいてその問題の解明にも並行的に努力してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#78
○瀬谷英行君 警察関係ではどの程度に全国的なこの種の業者あるいは行為というものを把握しておられるのか、その点お伺いしたいと思うのであります。
#79
○説明員(山崎毅君) いわゆる軽貨物タクシー行為を行っておる業者の人は、ごく最近で申しますと、十三県でその容疑のある行為が行われておるというぐあいに把握をいたしております。
 さらに、先ほど御指摘の全国組織の問題につきましては私どもまだ十分情報を得ておりませんので、運輸省の方の実態把握をお聞かせいただきながらいろいろと検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#80
○瀬谷英行君 例えば全国キャブ連合会というのは東京都新宿区西新宿七丁目十五番十号というふうになって、名前もはっきりして組織もはっきりしてやり口もはっきりしているわけでしょう。こういうことを警察が把握しておりませんというのではこれから取り締まりをやる場合に迫力がないんですよ。大丈夫かなというふうに我々も心配してしまうんです。今聞くとちょっと頼りないんですね。取り締まりをやる方が何にも知らないというんならどうやって取り締まるんですか、これは。
 それで、運輸省というのはこれは監督官庁だけれども、いわゆる捕まえる方の役じゃないでしょう。捕まえる方の役と認可をしたり行政指導をしたりする役割は違うんですからね。やはり十手捕り縄を持っている方が実態をよく承知していないとこれはまずいんじゃないかという気がするんですよ。どっちが実態をよく把握しているのか。運輸省の方は知っているけれども警察庁の方は知らないというんじゃまずいでしょう。その間の連絡というのはどうなんですか。まだ今までは不十分だったと、こうおっしゃるんですか。
#81
○政府委員(服部経治君) 私どもの立場と申しますのは、自動車というものを使用して旅客なり貨物なりというものを営業として運ぶ、そういった行為に関しまして必要な社会的な規制を加えたり指導を行ったり良質なサービスの提供が図れるような努力をするという立場にあるわけでございまして、ただいま御指摘の全国キャブ連合なるものは、名前はいかにも自分でもって小型の軽貨物自動車を使っている組織のように思われがちでございますが、私どもが現在承知しております範囲の知識では、その全国キャブ連合というのは、みずから車を持つのではなくて、軽貨物車両を使用して旅客を運べるんですよ、そのノーハウを私が教えてあげますよと、で、一人についてといいますか、一口について三十万円とか四十万円とかという、何というんでしょうか、お金を、料金を徴収する、そういう組織のようでございます。したがって、どうも私ども運輸省の立場としては直接その全国キャブ連合に手を伸ばしていくというのはなかなかに難しいことだというふうに思っておりますので、最前御答弁申し上げましたように、今後警察当局のお力をかり、お知恵もかりましてこの問題、実態の解明に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 山崎さんが、余り今御存じないという御答弁をされたわけでございますが、この点につきまして私どもの連絡が不十分であったというふうに申し上げざるを得ないというふうに思っております。今後連携を強めることはぜひそういうことでやらせていただきたいというふうに思っております。
#82
○瀬谷英行君 この間奄美大島の軽貨物タクシーの関係の人たちが陳情に来て、本州の方では大分
暴力団、やくざまがいの人がやっているようだが我々のところはそうじゃない、我々のところはそういうやくざや右翼とは関係ないんだということを強調しておられたんです。私らが顔を見ただけじゃわかるものじゃないです、こういうものは。非常に難しいですよ、背後関係が。
 そこで、まじめに伝統的にそういう仕事をやってこられた人が法律規制によって一気に職業を失うというようなことはやはり考えなきゃならぬことだけれども、そのために附帯決議というのも用意しているわけですよ。附帯決議というのはとかく看板倒れになるおそれがあったんだけれども、効き目がないという点があったけれども、今度は効き目があるようにしようというので各党でもって相談をしているわけですよ。だから、そういうまじめに今までやってきた業者に対しても指導の適切な図るというためには、運輸省自体が何もかも承知してなきゃならぬということになるわけですね。
 それと同時に、既存のハイヤー、タクシー業者にしても、こういうやみ業者に食い込まれてどうしていいのかわからぬというような状態があるとやはりこれは輸送体制そのものが乱れてくるということになると思うんです。そこのところのけじめをどうやってつけるかということは、これは運輸省自体がかなり真剣に取り組まなきゃならない課題だと思うんですよ。ここで決議をする、ここで附帯決議が決まる、しかしその行政指導なり実際の監督なりというものは一にかかって運輸省自体がどうやっていくかということになってきますね。これ難しい問題だと思うんです。その点でやはり何か責任回避をするんじゃないかなという感じを持ったのは、これ議員立法に逃げたからなんですよ。逃げたんじゃないんだというふうに強調しておられたんだけれども、その点についても十分な自信を持ってこうやりますということを言ってもらえないかどうか、その点をお伺いしたいと思うんです。
#83
○政府委員(服部経治君) ただいまの瀬谷先生のお尋ねの趣旨でございますが、今後この法律の改正法の成立を契機としてこういった違法行為の絶滅を図るようしっかりやれという意味でございますれば、私どもまさにそのとおり、新しくできます法律に基づきましてしかるべき適正な、適切な対応を図ってまいることはもとよりでございます。
 それから、沖縄につきましてこれまでの長い経緯があるということ、沖縄、奄美につきましてこれまでの長い経緯がある、そしてまたその結果として現実に特殊な実情がある、そういう事態を十分踏まえて、その点にも配慮して適正な対応を図るべきであるという御趣旨でありますれば、また私どもまさにそのとおりに考えておるところでございまして、大変これは難しい問題がこれから多多前に横たわっているとは思いますけれども、生業対策に取り組むことを中心に問題の解決を図ってまいるよう努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#84
○瀬谷英行君 最後に私は、これからのハイヤー、タクンー等の問題についても考えてもらいたいということが一つあるわけです。
 それは車両の構造なんです。乗用車のようなタイプ、今までの乗用車タイプでなければならぬというものじゃないんですね。これはやっぱり乗る方にとってみれば便利な方がいいわけです。例えば我々タクシーに乗ろうと思うと、前の方から乗ろうとすると扉がこう開く、そうすると道の狭いところじゃ乗りにくいわけですよ。だから、日本のように道路の狭いところでは引き戸のような仕掛けになっていると非常に乗りやすいという点があるんですね。だから、軽トラックにもひとつの盲点といいますか、うまいところをついているんですよね、乗りやすいとか、荷物を置きやすいとか。こういう点はハイヤー、タクシーの方でも乗りやすくするとか、あるいは荷物を置きやすくするという車両の構造上の工夫があってしかるべきではないか。そういう点は、これは通産省とも関係するかもしれないけれども、やっぱり監督官庁としていろいろと考慮をする必要があるんじゃないか。
 それから、一人か二人しか乗らない場合に何も大型車に乗る必要もないわけだし、だから小型と大型との区別があってもいいし、そういう点を考えて今後のタクシー業界の指導に当たってみるのも必要ではないかという気がいたしますが、その点についての考え方をお聞きをしたいと思います。
#85
○政府委員(服部経治君) ただいまの瀬谷先生の御指摘はまことにごもっともでございまして、そのとおりでございます。
 今回私どもの前に提起されております軽貨物タクシー問題というのは、既存のタクシー事業者のこれまでのあり方に対する一つの大きな意味を持った警鐘であるというふうに受けとめるべき問題だというふうに考えておるところでございます。現実にそういった軽貨物自動車を志向するような需要の実態があるという点に目を向けまして、またそれとのかかわり合いにおきまして、これまでのタクシー事業のあり方というものが、もっと端的に言えばタクシーサービスのあり方というものがそれでよかったかという反省を込めまして、ただいま先生御指摘になられましたような方向での取り組みにも私ども今後力を注いでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#86
○矢原秀男君 質問の第一点ですが、最近軽自動車を利用して旅客を運送するタクシー類似行為が全国各地で目立っております。先般も悪質な業者について警察当局による取り締まりが実施されたところでございますが、運輸省として、重複するかもわかりませんが、軽自動車を使用したいわゆるタクシー類似行為の実態、どの程度把握されているのか、また営業車、自家用車別の数、地域的な分布等についてもまず報告をしていただきたいと思います。
#87
○政府委員(服部経治君) お答え申し上げます。
 現在私どもが把握しておるところでは、軽貨物運送事業者によるタクシー営業行為が行われている可能性が強いというふうに思われます軽貨物自動車の車両数は全国で約千六百両強というふうに考えております。
 その地域的な分布の状況でございますが、ごく最近までは沖縄及び奄美の両地区に限られておりましたものが、五十八年の秋に長崎県の佐世保市にそういった違法行為が見られるようになりまして、また、その後昨年の五十九年の夏から本年の二月にかけましての極めてわずかな期間に、それが九州を初めといたしまして中国地方、四国地方、近畿、中部、関東といった各県に急速な勢いで拡大してまいりまして、現在では沖縄、奄美を含めまして十八都県に及んでおります。およその車両数でございますが、沖縄と奄美はそれぞれ各六百両強でございます。それから奄美を除きまして残りの九州七県でざっと三百四十両、それからそれ以外の十部県におきまして約九十両、こういう数字の適法行為を行っている疑いの強い軽貨物車両が走っているというふうに考えております。
 それから次に、自家用軽自動車という格好でタクシー営業行為を行っておるという事例は、私どもが承知している限りでは沖縄以外にはどうもないようだということでございます。
 それから、その沖縄につきましての自家用の軽貨物自動車によるタクシー営業行為を行っておる車両というものの数については、大変申しわけないことでございますが、その数を把握しかねております。
#88
○矢原秀男君 質問の第二点は、従来沖縄、奄美の地域に限られていた問題が、ここに来て九州を中心に全国的に波及してきたということでございます。地域の特殊性と長い経緯を持つ沖縄、奄美両地区の軽貨物運送事業者と、ここ一、二年全国的に広がってきているものとはそれなりに区別をして対策を講ずる必要もあるのではないかなと考えているわけでございますけれども、これまでに運輸省がとってきた対策の概要、いかがでございますか。
#89
○政府委員(服部経治君) お答えいたします。
 沖縄、奄美につきましては、軽貨物運送事業者によります違反行為というものが発生いたしましたその直後といいますか、その当時の四十七、八年から警察の協力を得まして違反行為の防止、指導、取り締まりに努めてきたところでありますが、その後昭和四十九年に福岡高裁那覇支部の判決が出まして、こういった軽貨物自動車によりますタクシー営業行為につきまして、道路運送法百一条、これは自家用自動車によります有償運送行為の禁止を規定した条項でございますが、この百一条を根拠とする取り締まりということができなくなったというような事情が生じましたことから十分な指導が行われないまま今日に至っておるところでございます。
 私どもといたしましては、このような経緯にかんがみまして、特に沖縄におきましては五十八年から、こうした指導と並行しまして、県当局の協力を得ながら荷主のあっせん等の適正化対策を講じてきているところでございます。なお、奄美の地区につきましても同じような試みが企図されたわけでございますが、現地の情勢もございまして現実のものとはならなかったという経緯もございます。
 一方、本土でございますが、私どもは、軽貨物運送事業の届け出を受理する際に、こうした行為が行われることを防止するために、その届け出を持ってまいりました者に対しましてきつく違反行為を行わないように注意を喚起し、指導を行っておるところでございます。また他方、違反行為を行った者に対しましては、まず注意、警告を繰り返して行うということを前置いたしまして、それにもかかわらず違反行為を繰り返して行うという者につきましては、警察の御協力を得まして厳重な姿勢でもって取り締まるという方針で臨んでおるところでございます。先般二月二十日に、大分、広島それから高知の三県におきまして陸運事務所の告発を受けまして警察が強制捜査を行ったことは先生御承知のことでございます。
#90
○矢原秀男君 質問の第三点でございますけれども、軽自動車を使用するタクシー類似行為が今日のように全国的に広がる、免許を受けて旅客運送業を営む人々やタクシー運転労働者の生活を脅かすようになった一因というものは、私が考えますに、昭和四十六年に許認可整理法で、一般小型貨物自動車運送事業として免許が必要であった軽自動車を使用する貨物運送事業を免許対象から外して自由に営業できるようにしたことにあると私は思われます。
 四十六年の法改正の時点で今日の事態を予想することができなかったのか。また、免許制度から外した理由は何だったのか、お伺いしたいと思います。
#91
○梶原清君 矢原委員が御指摘になりました昭和四十六年の許可認可等の整理に関する法律を制定されました当時、運輸省の自動車局総務課長としてこれに若干関与をいたしておりましたので、私から答弁をさせていただきたいと存じます。
 たしか昭和四十二、三年ごろと記憶をいたしておりますが、運輸省が許認可行政から誘導行政に転換するということで、許認可事務につきまして幅広い検討をいたしたことがございます。それの成果を昭和四十六年の許可認可等の整理に関する法律に盛り込んでいただきまして、今日御審議を賜っております軽貨物自動車運送事業を免許制から外した、こういう経緯があるわけでございます。
 その当時、四十三年ぐらいから四十六年当時、高度経済成長期にございまして、トラックといいますのは大口長距離の輸送、これが主体でございました。小口輸送というのはそれこそ小さなウエートを占めておったわけでございます。軽貨物自動車による貨物輸送というのはそれほど大きなウエートを占めませんので、これを免許制から外しましてもそれによる問題というのは余り起きない、こういうような観点から外したと私は記憶をしておるわけでございます。
 ところが、今御指摘のような大変な問題が起きてまいりまして、軽貨物自動車運送事業の車が旅客を運送する。ハンドバッグという名の荷物を運ぶ。御婦人はそれの付添人だと、このような強弁をして旅客運送行為をやる。それがだんだんと、適法行為がさらに新しい別の違法行為まで生んでくるというような事態になっておるわけでございます。立案をいたしました当時、私どもはそういうようなことがもう全く起こらないだろうと、もう夢想だにしなかったわけでございます。今日、御案内のとおり、全国的に活躍をされております赤帽運送組合というのがございますが、トラック型の車で秩序正しい輸送をやっておられる、そういうことを念頭に置いて法改正をやった。ところが残念ながら今のような事態になってまいっておるわけでございます。不敏を恥じるといいましょうか、全くそこまで予想しなかったことを残念に存じておるわけでございます。同時に、交通業につきましては、運送サービスというものの性格から、許認可制度を考えなければいけないということをしみじみと痛感をいたしております今日でございます。
 以上をもちまして御説明にさせていただきます。
#92
○矢原秀男君 第四点でございますけれども、沖縄県においては四十七年以前の米軍統治時代から農連市場等を中心に生鮮野菜等の荷物と人とを一緒に運ぶ社会的な要請があり、琉球政府の免許を受けた一般小型貨物運送事業としてそのような運送行為が行われてきたという経緯もございます。
 このような状況の中で、四十七年の本土復帰とともに何らの経過措置が講じられないまま本土法が適用されることとなったことでございます。これが一部の今日の混乱の要因となっているとも考えられるわけでございます。沖縄の本土復帰に当たり沖縄の特殊事情を考慮した経過措置をどうしてとらなかったのかと、私もその当時を回顧しながら思うわけでございますけれども、先ほどの御答弁と重複するかもわかりませんけれども、当時の経緯について御説明をしていただきたいと思います。
#93
○政府委員(服部経治君) 矢原先生も既に御承知のとおりでございますけれども、本土復帰前におきます沖縄に適用されておりました道路運送法というのは、私どものと申しますか、本土におきます四十六年の改正があったその前の道路運送法とほとんどといいますか、全く同内容のものでございましたので、沖縄の本土復帰に伴いまして新しく本土の法律が適用されることになりましてもその規制内容は変わらないという意味で特段の経過措置は不要であるというふうに判断したものだというふうに承知しておるところでございます。しかしながら、沖細の本土復帰後軽貨物運送事業者によります旅客運送行為がふえましたことについては、他の幾つかの要因があったにもせよ、先生ただいま御指摘のような事情があったことは否めないところでございまして、今回の法改正後の措置につきましては、ただいま御指摘のようなそういった経緯も十分踏まえまして適切な対応を図っていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
#94
○矢原秀男君 第五点でございますけれども、軽車両等運送事業を事業免許の対象から外した四十六年の道路運送法改正当時は軽自動車の定義が三百六十cc以下となっていたため軽貨物運送事業を免許対象から外しました。運輸省は、五十年の九月に軽自動車の定義を五百五十cc以下の自動車とするとの改正を行い、軽自動車の性能アップを認めております。このときに道路運送法の改正を行い、軽車両等運送事業から軽自動車を使用する運送事業を除き一般自動車運送事業の中に入れておくべきではなかったのかな、こういうふうに考えるわけでございますけれども、この点をお伺いしたいと思います。
#95
○政府委員(服部経治君) 昭和五十年に行いました軽自動車の定義の変更を問題にされた御質問でございますが、この定義改正は公害対策という観点もございまして、軽自動車の排気量につきまして、従来の三百六十cc以下というものを五百五十cc以下というふうに改めたものでございます。
 もっとわかりやすく申しますと、私どもが業務の一環として取り組んでおります排ガス規制の問題に絡みまして、五十年当時、COとかNOxとかの排出規制を強化する必要に迫られたわけでございますが、その際三百六十ccという小排気量のエンジンのままでは、所要の出力を確保しつつ、今申しましたような排ガス規制の強化に見合ったようなエンジンに改良していくということが全く困難であったという事情がございまして、ただいまのような三百六十ccを五百五十ccに引き上げるという定義改正を行ったわけでございます。しかしながら、そのときにも軽自動車の最大積載量というものにつきましては、従前のとおり三百五十キログラムまでということで区切り、仕切りをしたわけでございます。したがいまして、今申しましたこの定義の変更によりましても軽自動車としての輸送力には変更がないわけでございますので、そういうことから軽貨物運送事業の位置づけをめぐる道路運送法上の取り扱いというものを変更する必要はないというふうに当時判断したものだというふうに承知しておるところでございます。
#96
○矢原秀男君 質問の第六点でございますが、沖縄県において軽貨物運送事業者とタクシー業界とのトラブルが社会問題になるに及んで、沖縄総合事務局運輸部では五十五年の七月に軽貨物によるタクシー営業類似行為の取り締まりについての通達を出し、軽貨物に荷主が添乗できる貨物の範囲を明示し、取り締まりの重点を明らかにしております。貨物自動車に貨物と一緒に荷主が添乗できる範囲が不明確なままにされていたことが軽貨物によるタクシー営業類似行為が全国的に広がっている一部の原因とも考えられるわけでございます。
 運輸省は、五十年の福岡高裁の判決等を参考に具体的な判断基準を明確にして関係者に対する指導を徹底させることが重要であると考えます。今回の改正を磯に改めて貨物に添乗できる荷主等の範囲を明確にする通達を出すお考えはないのかどうか、伺いたいと思います。
#97
○政府委員(服部経治君) ただいまの矢原先生の御指摘は大変重要な意味を含んだ御指摘でございます。
   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
 御説明申し上げたいと思いますが、まず私どもの考える基本的な考えでございますが、貨物の運送に付随して荷主等の旅客を同乗させる行為というものがどういう範囲なのか、どういうことなのかということでございますが、私どもは、現金輸送車によります多額の現金輸送の際の貨物の警備のために、あるいは危険物などの貨物を輸送する際の監視、そういったことのために人間が貨物に同乗するということが客観的に見まして社会通念上やむを得ないというふうに認められる場合以外は、こういった貨物の運送に付随して荷主が同乗する行為というのはすべて旅客運送行為に当たると解するべきであるというふうに考えておるところでございます。
 それからもう一点補足的に申し上げますと、こういった軽貨物運送事業者によります貨物運送事業というものは、その事業の性格等からいたしまして、今申しました荷主等を同乗させることが客観的に見て社会通念上やむを得ないというふうに認められるというようなケースは極めてまれであるというふうに基本的に考えております。
 ところで、先生の御指摘は、この社会通念上やむを得ないと認められる場合ということを個別、具体的に明確な形で規定すべきであるという点が一つ、それからそういった明文の規定化ないしは規定化の努力を怠ったことが今回の問題の原因の一つになっているという御指摘であるわけでございますが、率直に申し上げまして、あらゆるケースを網羅的にとらえてのそうした明文による規定化というものが現実問題として極めて困難であるという事情があるわけではございますけれども、とは申しましても、そのことが今回の混乱の原因の一つになっているという点は遺憾ながら御指摘のとおり否めないところでございますので、私ども今回の法律改正を機に改めて取り締まりの重点というものを明らかにしていくための通達を出すことにつきまして、今後早急に検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#98
○矢原秀男君 今局長のお話の中にも少し出ておりましたけれども、重ねて重複する面があろうかと思いますが、ちょっと伺います。
 質問の第七点でございますけれども、軽貨物だけでなく、一般貨物運送事業用の貨物自動車を使用した有償の旅客輸送を一律に禁止することは将来に問題を残す点もあるのではないかなという不安もあるわけでございますが、御答弁をお願いしたいと思います。
 また、卑近な例でございますけれども、人の輸送というのは、プロのタクシー、これは人命尊重、安全という面もあるわけで、許認可の問題あるわけでございますが、別な話になりますけれども、例えば霊柩自動車とか引っ越し用の貨物自動車の中に貨物と人がまた一緒に輸送されている場合等もございます。先ほど申し上げました安全という立場の中でこれらの営業形態、改正後はどう判断をしたらいいのか、これは大体常識でわかるわけでございますけれども、やはり気づいた点伺っておきたいと思います。
#99
○梶原清君 先ほどの局長の答弁と重複するかとも存じますけれども、道路運送法の趣旨から申しまして、貨物に付随してお客さんを同乗させる行為につきましては、同乗の目的が客観的に見て社会通念上やむを得ないと認められる場合に限り旅客運送行為には該当しない、このように考えるわけであります。
 この意味におきまして、矢原委員御指摘の霊柩自動車に遺族が同乗する場合は旅客運送行為には該当しないものと解釈すべきではないだろうか。
   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
また、引っ越し用の貨物自動車による輸送に当たり荷主が同乗する場合につきましても、基本的には個々のケースによって判断さるべきでございまして、一概にどうこうというわけにはまいりませんけれども、一般的には社会通念上やむを得ないと認められ、旅客運送行為に該当しない場合が多いのではないだろうか、このように考える次第でございます。
#100
○政府委員(服部経治君) 梶原先生にはちょっと失礼な感じになるのでございますが、ただいまの最後のところに関連いたしましてちょっとだけ補足の御説明をさせていただきたいと思います。
 ただいま梶原先生から引っ越し荷物への添乗については一概に申せない、ケース・バイ・ケースで判断すべきだという御説明があったわけでございますが、そこのところをもうちょっとおわかりいただけるように御説明をしてみたいというふうに思っております。と申しますのはこういうことでございます。
 引っ越し荷物に家族の人が添乗するという実態が非常に普遍的にといいますか、一般的にあることは事実でございますけれども、私どもといたしましては、そういった引っ越し荷物への家族の添乗ということが、何と申しましょうか、もともとの引っ越し荷物が運送料金の中で行われているという事態はこれは問題がない。しかし、引っ越し荷物への添乗ではありますけれども家族が乗る場合には別料金をいただきますというようなことがございますとそれは道路運送法違反の行為である、こういうふうに考えておるわけでございますので、大変失礼でございましたが、ちょっと補足して説明をさせていただきました。
#101
○矢原秀男君 質問の第八点でございます。
 沖縄県や奄美地区から出されております陳情書を通して痛感することでございますけれども、両地区とも離島で鉄道がなく、また道路事情が悪く島民の所得水準も低く、那覇市内では公設市場を中心に買い出しに来る人が、また奄美では名瀬港で大きな荷物を抱えて乗下船する人が利用する等、軽貨物運送事業が島民の足として利用されてきたという特殊事情もございます。これを本土と同様に取り扱うことになりますと、地域住民に不便をかけたり、また長年にわたって軽貨物運送で
生計を立ててきた人々の生活権を奪うことにもなりかねないわけでございますけれども、これらの問題にどう対処していかれるのか、伺いたいと思います。
#102
○政府委員(服部経治君) 奄美あるいは沖縄地区におきます軽貨物運送事業者によります旅客運送行為というものも違法であるという点では、本土におきますそういった行為と全く変わらないわけでございまして、違法は違法でございます。とは申しましても、しかしこれまでの長い経緯の中で地域住民の足としてそういったものが機能してきた面もあることは否めないところでございますし、また実質上そういった旅客運送行為によりまして生計の主要な部分を得ている事業者もいる状況であるというふうに考えておりますことから、私どもといたしましてはそういった利用者のニーズにもっとよりよく対応していけるようなタクシーサービスの提供、充実ということにつきましてタクシー事業者を今後より強力に指導してまいりたいというふうに考えております。
 また一方、今回の法律の施行に伴いまして実質的に大きな影響を受けることになりますそういった人たちにつきましては、まず本来の軽貨物運送事業者として生きていけるような適正な事業の運営の確保が図られるような措置とか、あるいは円滑なほかの仕事への転換といったようなことも含めまして、その生業対策につきまして関係の地方公共団体の御協力も得ながら早急に適切な措置を講ずるような方向で最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#103
○矢原秀男君 質問の第九点でございますが、奄美地区では軽貨物運送事業者の車両がタクシー台数よりも多く、違反行為を直ちに取り締まることは住民の足を奪うことにもなりかねず、五十七年の九月でございますか、名瀬市議会でも道路運送法の一部改正に関する意見書を採択し、地域の実情に合った交通機関の存続を求めております。軽貨物運送事業を正常化するためには地域の実情に合った交通機関の整備が不可欠であると考えておりますけれども、この点を運輸省はどうお考えでございますか。
#104
○政府委員(服部経治君) 先ほどの答弁と若干重複するかもしれませんが、私どもは、奄美地区におきまして現在軽貨物事業者によります旅客運送行為というものが現実に住民の足として利用されている面もあることは否定できないところでございますので、生業対策と並行しまして、そういった現在の軽貨物事業者による旅客運送行為というものの実態もさらに十分に把握いたしまして、そのことを踏まえまして地域の実情に合った住民の足というものが確保されるように適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#105
○矢原秀男君 最後の質問になりますけれども、第十点目は、沖縄、奄美地区で従来から軽貨物運送事業を経営してきた人たちについては、当該軽貨物自動車による旅客運送行為が住民の足として利用されている面もあること、また生計の主要部分を当該行為に依存しているという事情もあるなど、これまでの経緯を踏まえて事業の適正化等を含む生業対策を強力に進めていく必要があると考えます。この点について運輸省のお考えをお聞きしたいこと。また、特に沖縄については事業協同組合の認可も受け、これまでも国、県、当該事業協同組合との三者で構成される軽車両等運送事業適正化対策懇談会を設けて事業の適正化のために努力が払われていると聞いております。これらの特別の事情を踏まえつつ対策を講ずるべきであると考えますけれどもいかがでございましょうか。
 特に生業対策が非常に今後重要になってくるわけでございます。それを進めていく間における車両の代替等についてはどのような取り扱いをされるのかお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
#106
○政府委員(服部経治君) 沖縄及び奄美の両地区につきましては、従来からの長い経緯もございますし、その結果といたしましての特殊な現実の状況というものがございますので、従前から軽貨物運送事業を経営しておられる人につきましては、今回の改正法の適用に当たりましても適切な指導期間を置くことが必要であるというふうに考えておりますし、同時に、その間におきまして関係の地方公共団体の御協力も得まして適切な生業対策というものを早急に推進していく必要があるというふうに考えておるものでございます。
 具体的な生業対策いかんというお尋ねでございますけれども、この改正法律が施行されました場合には、私ども速やかに、例えば軽貨物運送事業生業対策懇談会といったような場を設けまして、政府それから関係の地方公共団体、また既存の事業協同組合等の人たちが同じテーブルに着いて率直にかつ真剣に意見の交換を重ねまして、実現性のある各種の生業方策というものを見出す努力をいたし、かつそれを強力に実施していきたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、最後に御指摘のと申しますかお尋ねの指導期間中における車両の代替の問題でございますが、これは本当に大変難しい問題をはらんだ事柄だというふうに認識しております。現在における基本的な考え方を申し上げますと、本来の軽貨物運送事業というものをこれから行っていくという人につきましては、この指導期間中におきましても車両の代替を認めるということは無論当然のことでございますけれども、やはり依然として旅客運送行為によってといいますか、そういった行為を続けょうとしている人の場合につきましてはなお慎重に対応していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
#107
○小笠原貞子君 まじめなタクシー業界や労働者が一生懸命に今苦労している中で、悪質な軽貨物自動車がタクシー類似行為をやって輸送秩序を乱していくというのはもう本当に許されないことだ、早くこれを取り締まって正常化しなきゃならないと言いながら、この問題というのは去年始まったわけじゃなくて、もう何年も前から非常に気にしながらなかなか具体化しなかったという問題がございます。
 そこでまず私は、なぜそういう事情になったかというと、やっぱり沖縄とか奄美とかいうような特殊な問題があったからだと。その沖縄の問題一つ考えても、戦後ずっとまじめにやっていたのと、また今になって入ってきたというような、その沖縄の中にも二つの軽貨物自動車の中にも種類がある。だから本当に複雑に入り組んでいますから、これをみんなきちっと整理するためにはもう本腰を入れてやらなきゃならないし、慎重な配慮も要るということなんですね。
 そういう立場から、まず最初に、沖縄と奄美においてこういう軽貨物の事業というようなものがどういう状態の中でどういう背景のもとに生まれたかという、そこのところをきちっと押さえておきたい。提案者にまずそれをお伺いしたいと思います。
#108
○梶原清君 いわゆる軽貨タクシーが発生をいたしましたのはもちろん沖縄、奄美が一等最初でございますが、同地域の特殊事情等もございますでしょうけれども、爆発的にふえてまいりまして、軽貨物車で旅客を運送する行為が行われた、しかし、それがだんだんと違法行為がまた新しい違法行為を生むというようなことになりまして、今先生御指摘のような状態になっておるわけでございます。
 基本的には違法行為であることには間違いございませんけれども、違法行為といいますのは、反復、継続してお客さんを運ぶタクシー営業類似行為を行うこと、これ自身は違法行為でございますけれども、昨今のいわゆる軽貨タクシーということになりますと、どちらかというと治安上問題になるような、そういう事態まで発生をいたしておるわけでございます。何といいましょうか、対象が非常に複雑になってきておるということは先生御承知のとおりでございます。一日も早く正常化をしなければいけない、また生業対策も強力に進めていかなければならない、こういう基本認識に立っておるわけでございます。
#109
○政府委員(服部経治君) ただいま先生お尋ねの後半の問題についてちょっと御説明をさせていた
だきたいと思います。
 沖縄におきまして軽貨物運送事業者によるタクシー営業行為というのが発生いたしましたのは、これはもう先生御承知のとおり四十七年の沖縄の本土復帰直後のことでございますけれども、その背景の事情につきましては、まず一つには、沖縄の本土復帰が成る前の時点で、一部農連市場関係者について、貨物運送事業者が貨物と一緒に旅客を運送する行為というのが事実上容認されていたという事実があること、それから二つ日の事情としましては、復帰当時、大変残念なことでございますけれども、軽貨物運送事業の届け出をすれば貨物と一緒に旅客も、その両方を運送できるんだという誤解が生じるがごとき流説があったということ、それから三つ目には、復帰に伴う失業者の増加といった特殊な事情が重なってあったということによるものだというふうに私ども理解しておるところでございます。
#110
○小笠原貞子君 今おっしゃいましたように、歴史的な経過があるということと、事実上容認されていた、そして沖縄で復帰に際して失業者が多かった、そしてまた安くて便利でという住民のニーズというものもあったというその背景の中から生まれたものであるというところをきちっと押さえておきますと、そうすると、今やっている、おまえたちだけが悪いんだと言うのではなくて、そういう背景のもとに必然的に誕生したんだと。そして十何年というその長い間放置され容認されてきたというのは、やっぱり放置してきた運輸省に責任があるという立場にきちっと立って今後の問題を考えなければならないと思うので、その問題を初めに押さえさせていただいたわけなんです。
 そのような状態の中で、しかももう定着してきたという中で、また長いことやっていらっしゃるから中高年齢の方も非常に多い。一家の生活の中心的な存在になっているというようなことになっております。そうすると、これらの点に慎重に配慮した対策ということについて、その慎重な対策という問題について具体的にどういうふうなことを考えていらっしゃるのか、その点簡単にお答えいただきたいと思います。
#111
○政府委員(服部経治君) ただいまも御答弁申し上げましたとおり、沖縄及び奄美の両地区におきましては、今申し上げましたような長い経緯と、その結果といたしましての特殊な現実の状況というものがあるわけでございまして、そういった点を踏まえましての対策というものが必要なことはもう御指摘のとおりというふうに考えております。したがいまして、私どもといたしましては、従前から軽貨物運送事業というものを運営している人たち、これはもちろん沖縄、奄美のことでございますけれども、そういう人たちにつきましては、当然のことながら、一定の適切な指導期間を置いて十分指導するということがまず必要でございますし、同時に、そのこととあわせまして、そういった人たちに対する生業対策というものを早急に推進していくことが必要であるというふうな基本的な理解を持っております。
#112
○小笠原貞子君 そういう立場でやっていただきたいので、本当に難しくて、こっち立てればこっち立たずというようなことがあっては私たちの本旨にもとりますのでお考えいただきたい。
 そこで、法案には盛り込めないだろうと、だけれども附帯決議の中ではぜひこういうものを入れてもらいたいというようなことで、私たち共産党としても考えたことは、今おっしゃったように生業対策ですよね。これが正しくスムーズにいくかどうかというところが大きな問題になる。そうすると、一つは、さっき言ったように中高齢者だとかいろいろな条件の特殊性というものにかんがみて対策を立ててほしいというそのことを考えれば、一律的な適用でやるということは、ここのところ一律的な適用で押すというようなことは配慮していただきたい。
 それから、実効ある生業対策ということになるといろいろと問題出てくると思うんですね。例えば財政的な、金融資金を低利でというようなこともあるだろう、そういうもろもろを含めて本当に実のある生業対策、実効を上げられるような生業対策を立ててもらいたい。そしてそのためには、やっぱり当事者のいろいろな意見が反映できるような、それらの人たちを尊重できるような立場に立っての措置をしていただきたいというのを附帯決議の中にぜひ入れてほしいというのが私たち共産党としての考え方だったわけなんです。
 先ほどから局長の答弁も非常に慎重な御答弁なので、大分考えていらっしゃるんだなと思いましたけれども、そこで、私もこの問題で一番難しいなと思ったのは、軽貨物自動車の添乗の、先ほどもおっしゃいました添乗行為の具体的な規定なんですよね。先ほどもおっしゃったように、現金輸送とか危険物とか、そういうのは当然許される。それから霊柩車だとか、引っ越しなんか、私そんなの知らないから引っ越しいつでも乗ってましたよ、大きな顔して、違法行為だと思っていなかったものですから。だって乗っていなかったら荷物行ったときにどうだと。だから、そういうような問題もいろいろありまして、一つ一つのメニューを具体的に考えるとなかなか難しいんですよね。さっきの答えもなかなか難しい答えなんだ、非常にこう微妙な言い方で。
 私は余り頭がよくないから具体的に伺うんだけれども、やっぱり沖縄で軽貨物タクシーというのが非常に出てきたというのは農連市場ですよね、御承知のように。そうすると、土のついた野菜なんかをどっと市場に持っていくというようなときにあれが利用されていたと、こうなりますよね。そうすると社会通念上それは許される行為だと。今まで通達もおたくの方で出していらっしゃいましたよね。取り締まりに当たってはこういうものを配慮せいという、五十五年の七月三十日の沖縄陸運事務所あてで出されていましたけれども、それを見ると、お魚だとか、においのするものだとか、泥のついたものだとかというようなものはこの取り締まりから排除しなさい、こういうことだった。やっぱり必要はそこから出てきて沖縄で始まったんだということになると、わかりやすく言うと、この法律が動きましても、こういう社会通念上必要なこの人たちは今までと同じように利用してもいいというふうに考えていいんでしょうと、私はそう思うんです。
#113
○政府委員(服部経治君) ちょっと済みません、少し正確に御説明をさせていただきたいと思いますが、霊柩自動車に遺族が乗る、引っ越し荷物に家族が添乗する、そういうふうに貨物の輸送にある特定の人が同乗することが必要ないしは当然というふうに多くの人が見るケース、これは私は除外されることは当然だと思います。
 それから、そういう問題と、今先生御指摘になりました泥のついた大量の野菜でありますとか、臭気を発する魚介類ですか、そういうものに人が乗ることがどうというのは、ちょっと次元がといいますか、とらえ方の角度が違っておるわけでございまして、泥のついた大壇の野菜とか魚介類というのは、それに人が同乗することが社会通念上当然とか合理的とかという問題ではなくて、別な意味で、そういったものは私ども通常利用しますあのタクシーの中に持ち込むことが不適当と、そういう性質の貨物でございます。ちょっととらえ方の角度が違う問題だと思います。
 したがって、この後者の問題につきましては、そういうものを運ぶからといってそれに人が同乗することが当然に違法性が阻却されるということであるのかどうか、これは非常に難しい問題をはらんでおります。ただ、明確に申せますことは、取り締まりの重点的な対象からはそういうものは外すべきであろうというところまでは申し上げられるわけでございます。
#114
○小笠原貞子君 大量の野菜だとか何だとかだったらトラックでいいわけよね。だけれども、沖縄の農連市場なんて、大量なのをトラックで持っていってというのではなくて、おばさんたちが持っていってというようなものなんだから、だからやっぱり今の軽貨物トラックというのは非常にそこで生きた役割を果たしてきたから今まで沖縄で生きてきたわけですよね。そういう事情も、先ほど
おっしゃったようにいろいろな特殊的な事情があるから、だから一律にぱっと規制というのではなくて、今最後におっしゃいました、当然配慮して、取り締まりの対象だといってぴしっとやるというようなことではなくて、配慮するという立場を通していただければいいわけなんで、よろしくお願いをいたします。
 それから、生業対策を進めるに当たりまして一番心配するのは、この法律ができればはっきりした、今までやっていた、おまえたちは違法行為をやっていたんだぞという立場に立って話し合いを続けていくというのはなかなかこれは難しいことですよね。個人の責任で今までやっていたと言えばそれっきりだけれども、歴史的な経過、さっき言ったような容認されていた経過を考えれば、おまえたちは違法者だという立場で強権的な指導、強権的なやり方でやるということは一番のネックになると思いますので、そういう強権的な立場で今後やらない、十分な理解も得てそして協力できるような立場に立ってやっていただきたいというのが私の言いたいことなんで、それについて大丈夫だとおっしゃるならおっしゃっていただきたい。
#115
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘の点は私非常によく理解できるところでございまして、したがいまして、あなたたちは違法行為をやっているんだからということで決めつけるようなことはもちろんするつもりはございません。
 ただしかし、今回の議員立法の趣旨の重大な一部に、現在そういった行為をやっている人たちに、今やっていることが違法であるという意識を強く持ってもらうというねらいがあることは申し上げるまでもないことでございまして、そういう意味で、私どもといたしましては、この法律改正を機に、そういった今やっていることが適法な行為ではなくて社会的には本当は間違った違法な行為なんだという認識といいますか、意識を持っていただくことを期待したいというふうに思っております。
#116
○小笠原貞子君 それは理解してもらうという立場でなさればいいことであって、そういうことでやっていただきたいと思います。
 それで、時間がなくなってきましたが、具体的にそれでは実効ある生業対策というものは何であるかといえば、これからの問題ですよね。これからお話し合いなさるということになろうかと思いますけれども、例えばその中で、軽貨物トラックで今までみたいなタクシー類似行為はできない。そうすると、私はタクシー業に転業しますよといった場合それは個人タクシーになるということも考えられるわけですよね。そうすると、個人タクシーへ転業したいという希望があったときに、現在の個人タクシーの免許取得の条件というものがありますね、これが適用できなくなってくると思うんですよね。経験が何年というようなのがあるわけでしょう。そうすると、今の個人タクシーの免許取得の条件というものから考えてどういうふうになりますかね。
#117
○政府委員(服部経治君) まず申し上げたいことは、どのような具体的な生業対策というものを私どもこれから考えていかなければならないかというその点は、実は私ども今からあらかじめいろんなメニューを用意するということではなくて、現実にそういった軽貨物事業者の方々と同じテーブルに着きまして生業問題について真剣に率直な意見の交換を行う中から、その人たちが現実に何を本当に望んでいるのかということを把握した上での話だというふうに思っているということをまず申し上げたいわけでございます。
 そういった話し合いの中で一つ考えられますことは、まさに今先生御指摘のとおりの、既存のタクシー業界への参入という形での生業化といいますか、転業の問題が出てくることがかなりの高い確率でもって予想されるわけでございます。この問題は非常に微妙な幾つかの問題をはらんでいると思いますので、まずその点につきましての私どものスタンスといいますか、物の考え方を今後話し合いと並行してきっちり決めていく必要があると思うわけでございます。
 そういう前提に立ちましてお答え申し上げたいわけでありまして、もし仮に個人タクシーなら個人タクシーという格好で既成のタクシー業界の中に取り込んでいくということが合意されました場合には、その次にもまた難しい問題がこの両地区についてはあるわけでございます。非常にタクシー車両数が現実にも多い、需要は少ないという実態がありますことから、その辺の具体的な対応につきましては大変知恵の要る問題ではございますけれども、実態を踏まえ、話し合いを十分に繰り返す中でしかるべき解決策を見出すように精いっぱいの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#118
○小笠原貞子君 需給関係の中で難しいけれども配慮するというのはそれでいいわけです。だけど、個人タクシーの資格としては営業経歴十年というようなのがありますよね。そうすると、この人たちが今までは軽貨物でやっていた、だがタクシーとしての十年の経験はないということになるわけでしょう。そのときにもその資格についても弾力的に配慮して、そして個人タクシーできるような配慮をいたします、そして需給関係を見てこれの入れるか入れないかということも考えなければなりませんと、二つの問題があると思うんですね。だからその二つの問題について話し合いの中で十分配慮していきましょうと、こういうことですね。
#119
○政府委員(服部経治君) 私、申しわけございませんが、そこまで明快に申し上げたつもりではございませんで、非常にそういった問題は微妙な問題を幾つかはらんでいることでもございますので、沖縄、奄美両地区の実態も踏まえ、同じテーブルに着いて話し合いの相手になりますそういった人たちの本当の意向というものも十分間きながら、今後しかるべき解決策が見出せるように精いっぱいの努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、今この時点、この段階で明確、明快にそういたしますと言うことはなかなかお答え申しづらいのでございます。申しわけございません。
#120
○小笠原貞子君 物すごくあいまいなのよね。
 大体、今この問題になって一番大事なのは何だといったら、実効ある生業対策を立ててほしいということでしょう。そうすると、その生業対策の一つの大きな道としては個人タクシーになるという希望があるだろうということは認めているわけだよね、そういう希望があるだろうと。それは当然のことだよね。そうすればそれがどう配慮されるのかといったら、そこまでは考えていませんなんて言ったら、言葉では生業対策を真剣に考えますなんて言っても具体的に考えられていないじゃないかということですよ。だから、個人タクシーに転業したいといった場合にはいろいろの制約がある、交通事情の制約もあるだろうし、免許資格にもあるだろう、だけれどもそれも含めて本気になって考えますよというくらいのことは言ってもらわなきゃ、言葉だけで逃げちゃうということになるわよ。だから、そこくらいまでは真剣に考えてもらわないと困るんですよ。
#121
○政府委員(服部経治君) 私は、この生業対策の問題というのは私どもとして本当にまじめに取り組むべき問題であるというふうにまず認識しておりますし、それから本当にそれが実行に移されることが必要だというふうに考えておるわけでございまして、今の段階でもってあらかじめこういうことができます、やりますということを無責任に申し上げることは差し控えさせていただきたいという気持ちを込めまして最前のような御答弁を申し上げたわけでございますので、ぜひとも御理解を賜りたいと思います。
#122
○小笠原貞子君 あなたの責任でやります、できますなんというのは今言えないだろうけれども、今言ったような趣旨なんですから、それを十分配慮して、本当に生業対策と言えるようなものをつくっていただきたい、きちっと。本当に考えてくださいよ。抜けたら、もうこれ済んだら終わりなんというものじゃないんだから。
 それで、そういうことを考えますと本当にいろいろ具体的には難しいということがたくさん出てくると思うのだけれども、沖縄でこの四年間に増車申請というものが何件、何台というものが申請されて認可されたか、ちょっとそれを教えてください。
#123
○政府委員(服部経治君) 手元にございます資料は五十四年から五十八年までの数字でございますが、まず沖縄でございますが、新規免許につきましては申請が各年ともゼロでございます。それから増車でございますが、五十五年に八十五両の申請がございまして八十五両、同数の認可を行っております。それから、飛びまして五十八年に千四両の増車申請がございまして、うち二百六十五両を認可いたしております。
 それから次に奄美でございます。同じ五十四年から五十八年までの数字でございますが、五十四年に新規免許の申請が三件出ておりますが、いずれも却下でございます。それから五十六年に一件の免許申請が出ておりますが、これも却下でございます。それから増車でございますが、これはちょっと申請の数がわかりません。結果だけはわかっておりますが、五十四年に七両、それから五十五、五十六とゼロで、五十七年に三両、五十八年に十二両、こういう増車の実績に相なっております。
#124
○小笠原貞子君 もう時間がなくなりましたので終わりますけれども、個人タクシーに移りたいといった場合に、さっき言った需給バランスということを考えなければなりませんよね。そうすると、この軽貨物自動車の問題が出てきてから非常に増車の申請がされた、そして増車が認可されたということになると、今度転業するときに入りにくくなる条件ができてきているわけですよね。そこのところが、この問題が起きたのは、国会へ出てからもう大分になりますから、その問題が起きて、いずれは軽貨物の数が抑えられてしまうだろう、これが取り締まられる。そうすると、それらが入り込んでこないように営業車をふやそうというような形で増車を申請して、そして増車が認められたという条件になってくると、さっき配慮しましょうと言っても、需給バランスというもので生業に転換するというときに困難になりますよね。だから私はこれを聞いてちょっと問題だなと思いましたよね、増車を認可したということについて。やっぱり増車を申請したというのは、見通しして増車をやっているんではないかというふうに考えさせられるわけよね。そうすると、運輸省としてもこれの問題についてやっぱり責任があるのではないか、そう思うわけですよ、需給バランスを入りにくくしているんだからね。
 だから、そういうことから考えても、これからの問題として、本当にそれぞれ細かく配慮して生かされるような本当の生業対策というものにしっかり取り組んでもらわなければならない。その辺のところを具体的にどの程度まで自信がおありになるのか。さっきの答弁を聞いていても、何だか余り裏づけないよね。やっぱり運輸省だけでは解決つかない問題が出てくるでしょうし労働省も関係してくるだろう。沖縄の県民所得は低いし、失業率は本州の倍くらいあるしというような条件を考えれば、一生懸命配慮しますと言っても、なかなか具体的には困難な問題だと思うんですょね。そうすると、運輸省だけではなくて、労働省から厚生省から、いろいろな各省庁との協力、強い力での力を合わせる協力ということが必要になってくる。だからその辺のところも含めて、本当にこの問題一生懸命やりますという姿勢で私はやってもらいたいということを要望して終わりたいと思います。
#125
○政府委員(服部経治君) 生業対策という問題が易しい問題であるというふうには決して思っておりません。これはもう大変に難しい問題であるというふうに考えております。もちろん運輸省一省で対応できる問題でもございませんし、関係各省のお力もかりなければなりませんし、地元公共団体のお力もかりなければなりません。そういったお力をかりましてもなおかつ容易な問題でないことは私十分覚悟いたしております。しかし、こういう事態でございますので精いっぱいの努力をしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
 それから、大変に先生恐縮でございますけれども、最前の先生の御質問で、泥のついた大量の野菜、それから臭気のある魚介類の話が出まして、そのとき私が答弁いたしました趣旨は、そういったものが当然に違法性が阻却されるものではないというふうに申し上げたつもりでございまして、ただ、五十五年の通達の中にありますように、その当時として、当面取り締まりの重点的な対象からはそれは除外するよということを言ったわけでございまして、農連市場でございますか、公設市場、そこへ出入りするものを適用対象外にするという意味で申し上げたのでは決してございませんので、ちょっとその点、もし誤解がありますと……
#126
○小笠原貞子君 農連市場に特定したわけではないのよ。
#127
○政府委員(服部経治君) そうです。一般論としてそういう貨物の性格に即して御説明したつもりでございますので、よろしく御理解賜りたいと思います。
#128
○伊藤郁男君 最初に基本的な問題についてお伺いをしておきたいんですが、運輸省は官庁の中では一番許認可事項の多い、まあ横綱官庁だということだと思うんですが、陸海空の幅広い行政を担当するという立場から数の多いのは当然だとは思いますが、そこで社会の変転とそして国民のニーズに基づいて、がんじがらめの規制というものをできるだけ外していこうということで、許認可官庁から政策官庁への脱皮ということで旗印を掲げて、今さまざまな分野において規制緩和の方向で検討が続けられていると思うんですが、今回のこの法改正そのものが、そのような運輸省の基本的な態度と逆行することはないだろうか。これがまたきっかけになりまして、むしろ規制緩和じゃなくて規制を強化する方向に物が進んでいくということになると、臨調の答申する精神とも反するのではないか、私はこう思いますので、その辺の疑点についてまずお伺いをしておきたいと思います。
#129
○政府委員(服部経治君) ただいま伊藤先生御指摘のとおり、私どもは、昨年七月の機構改革を契機といたしまして、省内に各種の委員会を設けるなどいたしまして、時代の変化に対応した行政を行うべく、許認可行政と申しますか、許認可事務の見直しという問題に鋭意取り組んでいるところでございます。
 ところで、先生御指摘の点でございますが、今回の道路運送法の一部改正という問題は、法に照らせば違法であるにもかかわらず現行法上は行政処分がかけられないといったような、そういった種類の違法行為につきましての対応を改善するということによりまして、今全国に大変急速な勢いで拡大し蔓延しつつあります軽貨物自動車によります旅客運送行為という違法行為に的確に対応し得るような状況をつくり出すための措置でございまして、事の緊急性と重要性からいたしましてこういった措置はぜひとも必要な措置だというふうに考えておるところでございます。
 やや言葉が過ぎるかもしれませんが、私どもといたしましては、緩和すべき規制は当然緩和すべきでありますし、簡素化すべき手続は当然簡素化を図るべきであります。しかし同時に、必要である規制、実態に照らして新しく必要になった規制というものはまたそれ自体として必要でございますので、そういう方向での措置をとるということは、決して私どもが今取り組んでおります行政の簡素化、事務の合理化という方向に逆行するというような観点からとらえられるべきものではないのではないかというふうに考えておるところでございます。
#130
○伊藤郁男君 局長の御答弁はそれなりに理解をするんですが、四十六年に道路運送法を改正をして、軽貨物自動車は届け出にした、これもやはり事務の簡素化という目的で行われたと思うんです
ね。その事務の簡素化を行った際に、今日のような違法行為、しかも悪質な違法行為、特に本土の中における、こういうものが、四十六年の法改正、規制緩和といいますか、事務の簡素化といいますか、そういう法改正を行った際に今のような状況が予見できなかったものだろうかという疑問もあるんですが、この点はどのようにお答えになりましょう。
#131
○政府委員(服部経治君) ただいま御指摘の点は、結果的に見ればまさに不明を恥ずるほかはないわけでございますけれども、ちょっとさかのぼってお考えいただきたいのでございますが、この軽貨物運送事業の開始を免許から届け出というふうに大きく規制緩和いたしましたのは昭和四十六年のことでございます。これは沖縄の本土復帰以前のことでございまして、本土はもちろんでございますが、沖縄にさえそういった軽貨物自動車によります人の運送行為というものはなかった。したがいまして、私どもといたしまして、そういう貨物自動車で人を運ぶという行為が常態化するというようなことは残念ながら想定し得なかったというふうに申し上げるほかないと思います。
#132
○伊藤郁男君 それに関連しまして、先ほど局長は、沖縄の本土復帰の際に沖縄に急速に軽貨物自動車のこれが出てきた、そのときの原因として、旅客運送もできるんだという一つの流説といいますか、流説ということは結局そういう説を流した者がいるということだと思うんですが、そういう者がいて、そのために急速に沖縄ではこういう違法行為が公然と行われるようになったと。しかし、流説は流説であっても、行政のよろしきを得ればその時点で鎮静化させることもできたと私は思うんですよね。
 だから、その点で、一体法律そのものに欠陥があってそのような流説といいますか、自由にできるんだという誤解が生じたのか。それとも意識的に何者かが流説を流したのか。その辺の、何というんですか、両方あるような気もするんですが、局長のこの観点はどのようになりましょうか。
#133
○政府委員(服部経治君) 私どもといたしましては、後者であるというふうに認識しているところでございます。
#134
○伊藤郁男君 そこで、最初は六千台ぐらいあったんですか、三千台ですか。六千台ぐらいですか。
#135
○政府委員(服部経治君) 最盛期は四十八年で五千八百余両でございます。
#136
○伊藤郁男君 六千台ぐらいあったわけですね。それが十数年を経て現在は沖縄六百台、奄美も六百台、こういうことにほぼ十分の一に減ったというように、したがってそれを減らしてまいりました行政の努力は高く評価をしたいと思うんですが、この減った方々が生業に、自動車を使った貨物業に転業していったのか、あるいはほかのところに廃業していったのか。さまざまな形態があると思うんですけれども、六千人も参加をしていた人たちがその後六百台に減った、十分の一に減ったわけですが、それらの方々がその後どのような状況にあるのか。おわかりでございましたら、簡単で結構ですけれども実情を御説明いただきたい。
#137
○政府委員(服部経治君) 弁解がましいことを申し上げざるを得ないわけでございますが、先生御指摘のように、沖縄におきます軽貨物運送事業の最盛期というのは昭和四十八年でございまして、この時点で五千八百両を上回る車両の数がございました。それが二年後の五十年には半減いたしまして、さらにその二年後の五十二年には千両を割り込むというところまできたわけでございます。
 その当時なぜそういうふうに急速に車が減ったか、そういったものが減ったかといいますと、これは当時の関係者、運輸省関係者及び警察関係者が鋭意そういった違法行為の取り締まり、指導に当たったからであるというふうに申し上げたいわけでございまして、私が申し上げたいのは、そういった取り締まりを強化して台数を減らそうということに一生懸命に取り組んでいたその期間にあらかたが減ってしまったわけでございまして、以後は余り現状と差のない状況が続いておるわけでございます。
 その当時の減った車両数の行方と申しますか、それをやっておられた方々が、その後どうやっておられるかということにつきましては、大変申しわけないことでございますが、フォローができておりません。
#138
○伊藤郁男君 フォローができていないわけですけれども、今後重大な問題、生業対策ですね。私が転廃業その他の形でこの事業から離れていった人たちがどのような経路をたどっているかということを聞きたかったのは、生業対策の面で大いに参考になるものがありゃしないかと思ったわけでございます。だからできれば、これは要望でございますが、四十八年以降の減っていった方々の状態、そういうものをできるだけ調べていただいて、そして、これから法律成立後の一年間本格的にやらなきゃいかぬわけですから、そういうものの参考にしていただきたい、こういうように思います。
 それから、今局長からもお話がございましたが、結局行政と取り締まりの努力によって減らすことができた。要するに現行法規の中でもそういうことは可能であるわけですね。可能であるわけですが、今回はむしろ条文の中にはっきりと違法行為をしてはならないということをつけ加えて、罰則も強化されたわけでございますが、そういうものを新たにつけ加えた。つけ加えることによって、今本土などで特に行われている悪質な行為が果たして絶滅できる可能性があるのか、その自信がおありなのか、その辺のところをお伺いをしておきたいと思います。
#139
○政府委員(服部経治君) ただいまの伊藤先生の御質問は二点の点を含んでおったように思うわけでございますが、まず一点目は、現行法令のもとでも厳しい取り締まりは可能なのではないかということと、もう一点は、今回の法改正によって絶滅が期せるか、こういう点だと思います。
 まず前の点でございますが、実は私ども沖縄におきます四十七年、八年、九年といった当時の軽貨物自動車によります違法行為が大変たくさん行われていたという状況を踏まえまして、それの絶滅を期するべくどういうことをやったかと申しますと、確かに軽貨物運送事業者の車はいわゆる青ナンバー、営業車でございますけれども、それは貨物営業という意味での面では青ナンバーであって、それが旅客を有償で運ぶということになりますと、明らかにもう白ナンバーと同じ位置づけだという認識に立ちまして、道路運送法百一条の違反行為だということで、一回限り違反をやってもこれはだめということで、行政処分もかけましたし、それから裁判にも持ち込むというような措置をとって対応してきたわけでございますが、大変残念なことにこれが裁判ざたになりまして、昭和四十九年の大変遅い時期でございますが、福岡高裁の那覇支部の判決が出まして、青ナンバーはやはり青ナンバーである、したがって青ナンバーの車に百一条、すなわち自家用車による旅客運送行為の禁止の規定を適用することは法適用の誤りであるという判決が出ました。それ以後はこの軽貨物運送事業者に対しまして百一条を適用することができなくなりました。
 そうなりますと、どういうことかと申しますと、我々の残された対応といたしましては、彼らが反復し継続して旅客を有償で運んでいるという実態をがっちりつかみまして、その事実に基づいて告発して裁判に持ち込むということしか手がなくなったということで、有効適切な取り締まりの手段を今欠いているというのが現実でございます。
 今回の改正法は、その点を補強いたしまして、自家用車とほとんど同じ仕組みの中にこの軽貨物自動車を位置づけようというものでございますから、この改正法律が成立いたしますと、今後は、そういった青ナンバーの軽貨物運送事業者の車が仮に一回でも旅客を有償で運んでいるという事実をつかんだ場合には行政処分の対象にもなりますし、それから罰則の適用の対象にもなし得るとい
うことで、非常に私ども有力な武器を与えていただくことになります。
 もう一つ今回の法律のねらいは、そういう現在はいろんな理屈をつけましてこれが違法でないというような説が流れておるわけでございますが、これが違法だということを天下に宣明することにもなりますし、今それをやっている人、あるいはやろうとしている人たちに対します一つの大きな警鐘にもなるという効果も期待できるというふうに考えております。
#140
○伊藤郁男君 今のお話に関連して提案者の梶原先生にお伺いするんですが、これは五十七年にも同じように法案が提出されまして、これがいろいろな事情で流れて今日に至ったわけですが、今提案者が、非常に急いで、とにかく急いでこれを成立させなきゃならぬ、こういうように考えられている理由を御説明いただければありがたいと思うんです。
#141
○梶原清君 五十七年八月に衆議院におきまして議員提案されました。それが今日の状態になっておるわけでございますが、当時は御案内のとおり奄美と沖縄だけに軽貨タクシーの違反行為がございました。それの取り締まり立法をするということになりますと、生業対策ということが問題になりまして御案内のとおり今日の状況になっておるわけでございますが、それ以後全国的にこうした違法行為が、さらに悪質な違法行為が全国的に蔓延しつつあるという状況にございます。一日延ばせば延ばすほどこうしたものが蔓延いたしますので、ぜひ一日も早くこれを規制しなければいけない、取り締まらなければいけない、そういう立場からこの法律案をお願いをしておるわけでございます。
#142
○伊藤郁男君 大臣の来られる時間が大分早まっておるようでございますので、議事に協力する意味でこれを最後の質問にいたします。
 結局は生業対策、今までの議論の中でいろいろなことが具体的に提起をされ、あるいは局長は慎重な言葉を選びながらできないものはできないというようにお答えになっていたように思いますが、問題は沖縄、奄美という特殊な事情から発生をした地域の問題は大変やっぱり重要だと思いますし、この生業対策には運輸省だけではなしにそれぞれの関係官庁との協力も必要だと思いますし、そういう意味でこの一年かけて本当に本格的な協力体制、そして、このことによって職を奪われて路頭に迷うようなことのないようなそういう対策をぜひ強力に行っていただきますことをお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
#143
○山田耕三郎君 最後でございますのでなるべく重複を避けてお尋ねをいたします。
 まず第一点は、それぞれの委員が御質問をなさいましたこと、お答えをいただいたこと、さらには双方の陳情を承りました中のこと等をまとめてみまして、まず軽貨物自動車の沿革についてお尋ねをいたしたいと思います。
 発祥の地は沖縄でございます。そこでは米軍の統治の時代から既に軽貨物自動車による運送が自然発生的に出てきておりました。その時代は民需にこたえますためのタクシー事業はまだ認可をされておりませんでしたが、その後復帰前の沖縄行政庁の認可を得てタクシー事業が発足をされました。それまでは主としてオート三輪によります人と物との混載によりますものが地域の住民の足を守っておられたというのが実態のようで、当然のこととして両者のトラブルが起こってまいりました。
 その後行政庁は、先ほど矢原議員が質問の中で申されたように法的な措置をおとりになりまして、それ以来というものが、いわゆるこの軽貨物自動車による運送事業をやっておられます方々が人と物とを混載するそのことが地域の住民に認知をされるようになったと言っておられます原因なのではないか、このように思っております。先ほどそういう経緯をお尋ねになりましたことに対しまして、提案者は、それらの事情よりも今問題になっておるというのはやっぱり治安に根差します問題が一番大きいものでありますとおっしゃったのでありますが、そうしたらなぜそこまで増幅をしてきたのか。そして、そこまで増幅をしてきた結果まじめな人たちまでが巻き添えを食わなければならない。こういうことはやっぱり為政者としては大変重要な問題であり、きちっと対応してやらなかったら、国民負託にこたえる、こういうことは困難だと私は思います。
 そういう点からいたしまして、先ほどそれぞれお答えになられました。すなわち、沖縄や奄美の土地においてはこれらの事業者は既に長年の間その大部分を支える生業として続けておいでになりましたのですから、その道を閉ざされたらこれはどうして生きていくのかという問題が出ます。それに対して熱心にお答えをいただきました。けれども、私はいずれの手法を見てみましてもそう簡単にできるものではない、このように思います。そういったときに、困難だからといって時間切れになって何も措置されないままにこれらの人たちが路頭に迷われるようなことは絶対しませんとおっしゃるのかどうか。それが第一点。
 二つ目の問題は、今度は、この運送機関、この交通機関を日常生活に利用をしておいでになりました利用者の側に立ってでありますけれども、今日これらの地域においては既に交通機関の一つとして組み入れられておる実態も存在をいたします。なくなれば当然のこととして地域住民の足は守れません。そういった場合に、増車をしますとかということで仮に対応ができるといたしましても、その増車を認可をいたします基準等を決定していくのは大変難しい問題でありますと思いますし、ただでさえ経済条件が悪いと言われる地域の人たちの日常の生活に経済的負担を負わすのがもう如実に現実の問題として出てまいりますけれども、それらはどのようにお考えになりますか。
 三点目は、そのように生活ですとか雇用ですとか大変人間生活の各般の面にかかわります問題です。ですから、私はさきにも申し上げましたように、これは全体の行政を見通すことのできる政府の提案として対応すべきだ、このように申し上げましたのですけれども、それらも既にお答えになりました。行政次官は重要な問題として受けとめておる旨の御答弁がありました。けれども、また承りますところによりますと、政府部内で合意を得ることが大変難しいのだ、こういうような意見も聞かないでもございません。時間がかかるということです。だとすれば、もしこの法案が成立をした暁にこれを行政機関が実際に適用していかれます場合に政府部内だけでもぎくしゃくするようなことになりはしませんのかという心配が出ます。
 これらについてお答えをいただきたいのが第一点でございます。
#144
○政府委員(服部経治君) まず第一点の問題でございますが、私ども、繰り返し御答弁申し上げておりますように、この生業対策が容易なことというふうには決して思っていないところでありまして、大変難しい問題であるということは十分認識しておりますが、しかし、それにもかかわらず私どもはそれをやらなければならない立場にありまして、それをやる覚悟でございます。先生御指摘のように、今回の措置によって路頭に迷うような人を出すというようなことは決してあってはならないというふうに思っております。
 それから、事のよしあしは別としまして、現実に地域住民の足として機能している面というのは御指摘のとおり否定できないところまできておるわけでございますけれども、そういった問題も踏まえまして、私ども今後奄美及び沖縄両地区におきますそういった住民の足の確保の問題につきまして生業対策とも絡めながら十分検討を深めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、政府提案の形で出なかったことの理由としまして、時間がかかるというような説があるという御指摘でございますが、まさにそういうことではないかというふうに思うわけでございますが、そのことと、それから、今回の新法を踏まえまして、本土については取り締まりの強化を早速図っていく、沖縄については生業化対策を図っ
ていくというようなことの差しさわりがある、その面でぎくしゃくをするというふうに私決して考えておりません。
#145
○山田耕三郎君 ただいまの同じお尋ねに対して提案者からお答えをいただきたいと思います。
#146
○梶原清君 沖縄、奄美につきまして従来の経緯なり特殊な事情があるということは十分承知をいたしておるわけでございます。しかし違法行為は違法行為でございまして、これを正常化をしていかなければならない、そして従来ともこれを生計の手段としてやってこられた方々に対しましては血の通った、そして総合的な施策をやっていかなければいけない、強力に進めていかなければならない、このように考えておる次第でございます。
 議員提案をさせていただきましたことにつきましては、御案内のとおり五十七年八月に衆議院でさせていただきました。それの延長として今度こちらで議員提案をさせていただいたわけでございます。一日も早い成立を心から期待をしておる次第でございます。
 山田委員がおっしゃったことはごもっともでございますので、今後政府・与党として誠意をもって取り組んでまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#147
○山田耕三郎君 第二点のお尋ねは、今日の運輸行政の流れというものは、行革の関係もありまして規制緩和の方向に向かっておるように私は理解をいたしております。
 例えば、その理由といたしまして、運政審の答申を見てみましても、競争原理の導入が随所に見られております。さらにまた、京都におけるMKタクシーの訴訟に対する判決におきましても、利用者側の選択権を奪う今日の運輸行政のあり方を深く戒めておいでになるようにも見受けられます。この件はさらに法廷で争われることになると存じます。
 しかし、先ほども提案者がおっしゃってくださったように、この改正法案の中身といたしましてはやはり規制強化であるということでございますが、そういたしますと今日の運輸行政の流れに逆行をするもののように思います。規制の強化だけで今日のこの混乱を抑止し秩序を確立することができるのかどうかを私は危惧するものでございますと同時に、近い将来、こういう規制強化の法律をつくったことによってみずからがほぞをかむようなことがないのかどうかの心配もないではありません。運輸行政の抜本的な改革による対応が必要な時期に来ておるように考えるのでございますけれども、提案者としてはそれらの点についてはどのようにお考えになっておいでになるのか、御意見を承りたいと思います。
#148
○梶原清君 昨今、小さな政府の実現のためにあるいは民間活力の利用促進という立場から規制緩和の動きがございますことは十分承知をいたしておるわけでございますが、ただ、運送サービスの特性からまいりますところのあるべき姿の規制、これは絶対に外してはならないと私は確信をいたしております。
 今日の提案をさせていただいておりますこの道路運送法の一部改正につきましては、規制強化といいますよりも、秩序を保つための、国民の安全で快適でそして良質な旅客サービスを確保するための絶対必要な秩序維持のための法案である、私はこのように考えておるわけでございます。将来規制緩和という立場から許認可事務の見直しが行われるかもしれませんけども、今回のこの法律案というのはやはりどうしても御理解と御支持をちょうだいしなければならない案件ではなかろうか、このように確信をいたしておるところでございます。どうぞよろしく御理解と御支援をお願い申し上げます。
#149
○山田耕三郎君 第三点のお尋ねをいたします。
 今日のこの軽貨物自動車問題が未解決のままで長期間を経過いたしました結果、やっぱり本件に対する世論も大きく変化をしてきておるように思いますのは私だけではないと思います。もう先ごろのように、この軽貨物自動車問題を罪悪視するだけではどうも済まされないような事態が生まれてきておると思います。
 例えば、先日もある有力紙に次のような意味の論説が出ておりました。タクシー行政で基本的に必要なことが二つある。そのうちの一つは、利用者の要求にこたえるということである。軽貨物タクシーをいたずらに退けることなく、むしろそれを一般タクシー活性化への刺激剤として活用することだろう。産業秩序の維持を口実に利用者の利益を損なうようなことがあってはならない。以上のような意味のことが述べられております。私は説得力のある意見だと思います。
 運輸省として今後のタクシー行政はどうあるべきだと考えておいでになりますのか。さらに、その考え方と提案の一部改正法案とはどこかで関連性がありますのか。それとも、今回のところはこの軽貨物自動車に対する問題を抑止をすることが先決である、そういったことから、ただいま提案者からお答えをいただきましたような精神で踏み切らざるを得ない、こういうことと理解をしてよろしいのか。その辺の御見解をお願いをいたします。
#150
○政府委員(服部経治君) 私ども、タクシー行政の基本は次のように申し上げることが適切ではないかと思うのであります。
 まず、事業者間の公正な競争を確保しながら、利用者のニーズに的確に対応した安全でかつ良質なサービスというものが安定的に継続して提供されるような状況をつくり出し、かつそれを維持することにある、こういうふうに申し上げていいのではないかと思っております。私どもといたしましては、これまでも、今申し述べましたような考え方を基本にいたしましてタクシー行政に臨んでいるところでございまして、今後とも利用者のニーズの多様化あるいは高度化という問題に対応しまして、安全で良質なタクシーサービスというものが安定的に提供されますよう、そのために必要な適切な措置を講じてまいることが必要だというふうに考えるものでございます。
 そういった、今申しましたような物の考え方と今回の立法との関係でございますが、これは全然違背するものでも何でもございませんで、当然のことながら両立すると申しますか、むしろ、さらに言えば、今回の改正法はそういったタクシー市場におきます秩序というものを混乱させる行為を排除しようというものでございますから、今私が申しましたようなタクシー行政の基本の姿勢というものにむしろ沿った方向であるというふうに申し上げて何ら差し支えないというふうに考えておるところでございます。
#151
○山田耕三郎君 以上で質問を終わります。
#152
○委員長(鶴岡洋君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 道路運送法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#154
○委員長(鶴岡洋君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、瀬谷君から発言を求められておりますので、これを許します。瀬谷君。
#155
○瀬谷英行君 私は、ただいま可決されました道路運送法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    道路運送法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、その周知徹底に努めるとともに、次の事項につき適切な措置を
講ずべきである。
 一、本法の緊要性にかんがみ、軽貨物自動車による違法行為を排除し、輸送秩序を確立するため、行政指導及び取締りに最大限の努力をすること。
 二、沖縄県及び鹿児島県奄美地区において従前より軽車両等運送事業を経営している者に対しては、適切な指導期間を設けるとともに、関係地方公共団体等の協力を得て、早急に実効ある生業対策を推進すること。
 三、公共の福祉の増進を図るため、適切な旅客輸送体制を整備し、タクシーサービスの向上に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 皆様の御賛同をお願いいたします。
#156
○委員長(鶴岡洋君) ただいま瀬谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#157
○委員長(鶴岡洋君) 全会一致と認めます。よって、瀬谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山下運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山下運輸大臣。
#158
○国務大臣(山下徳夫君) 政府といたしましては、本委員会における御審議及び附帯決議の趣旨を十分に尊重し、所要の措置を講ずるとともに、特に、沖縄県及び鹿児島県奄美地区において従前より軽車両等運送事業を経営している者に対しては、適切な指導期間を置き、生業対策の推進に最大限の努力をしてまいる所存であります。
#159
○委員長(鶴岡洋君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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