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1984/03/26 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第3号
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1984/03/26 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第3号

#1
第102回国会 運輸委員会 第3号
昭和六十年三月二十六日(火曜日)
   午後二時四十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月八日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君     山崎 竜男君
     水谷  力君     安田 隆明君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     下田 京子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                大木  浩君
                梶原  清君
                瀬谷 英行君
                矢原 秀男君
    委 員
                高平 公友君
                内藤  健君
                森田 重郎君
                安田 隆明君
                吉村 真事君
                小柳  勇君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   仲田豊一郎君
       運輸省地域交通
       局長       服部 経治君
       運輸省航空局長  西村 康雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        仁杉  巖君
       日本国有鉄道常
       務理事      太田 知行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 運輸事情等に関する調査を議題とし、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小柳勇君 では運輸大臣に質問いたします。
 運輸大臣には二問です。第一は国鉄再建について、第二問は日米航空協定と日本貨物航空との問題、この二問であります。三十分ぐらいしか時間がありませんから、根本的なものはまた予算の委嘱審査のときに質問いたします。
 第一は、国鉄再建対策を考える一番背景には、日本の総合交通体系をどういうふうにつくってまいるか、こういうものを背景にぴしゃっと据えて、その中で国鉄の受け持つ旅客輸送、貨物輸送の役割を位置づけた上で国鉄再建対策を論ずるのが正しい論じ方だと私は考えます。幸い、昨年の七月一日から運輸省が機構を改正いたしまして総合交通政策を樹立しておられると思う。したがって、運輸省がその総合交通体系の中で国鉄をどのように位置づけておられるのか、まずそういうことをお聞きするわけであります。
 特に、ただ、二十二兆円の累積債務があるとか、また一部の職員が入浴時間が早いとか、飲酒運転があったとか、そのようなのがすべて国鉄を改革しなければならぬというような短絡した思想に今ある。これは非常に誤ったことでありまして、我々は、今列車が東京駅を定時に出て定時に博多に着いておるこの列車を見て、国鉄再建というのは一体どういうことかと。汽車は完全に動いている。したがって、運輸省が言う総合交通体系の中における国鉄再建、それはどういうふうに考えておられるのか質問いたします。
#4
○国務大臣(山下徳夫君) 交通機関が利用者の自由な選択によりそれぞれその特性を発揮できるような体系が望ましい総合的な交通体系である、かように考えておる次第でございます。そのような見地から、鉄道は、新幹線や主要都市間の輸送など中長距離やあるいはまた都市交通における大量輸送に特性があると考えられますし、鉄道がそのような特性を発揮できるように対応することが望ましい総合交通政策である、かように考えておる次第でございます。
#5
○小柳勇君 運輸大臣は、運輸省自体も国鉄再建対策を考える、そうこの国会で言明しておられます。幸い、先般国鉄自身が国鉄再建の基本方策を世間に問いました。また、今監理委員会が鋭意答申を検討中でありますが、運輸省は国鉄再建方策について現在どのようなものを持っておられるか、いつ発表されるか、お聞きいたします。
#6
○国務大臣(山下徳夫君) 運輸省といたしましては、現在までのところ、具体的な再建案の前提となる基礎的条件について国鉄再建監理委員会と事務的に連絡調整を行っておる段階でございます。今後は国鉄再建監理委員会における検討が一段と深められていくこととなりますので、これに対応して積極的に意見の交換を図り、共通の認識に立った適切な再建案がまとめられるように努力をしてまいりたいと思っております。
 具体的な再建案につきましては、現在国鉄再建監理委員会におきまして、昨年八月の第二次緊急提言で示されました分割民営化、この方向を念頭に置きながら鋭意検討が進められているところでございまして、本年中ごろには基本答申が提出されるという予定に相なっておるわけでございます。運輸省といたしましては、基本的には第二次緊急提言とその認識を同じくするものでございますが、現時点におきましては国鉄再建監理委員会としての成案が得られたということは承知しておりません。
 以上でございます。
#7
○小柳勇君 基本的なもの、あるいはこれから監理委員会の答申が出た後運輸省がこれをどのように判断し処理していくかということについては専門的な知識も必要でありましょうし、今日まで大臣は直接この運輸行政には携わっておられない。したがって私は、きょうただ議事録をつくるだけでなくて、運輸省の本当の腹を聞いておかなければなりませんので、大臣でどうしても自信がないところは官僚の方に答弁してもらっても結構です。でないと論議がかみ合いません。私どもも近く国鉄再建の方策を世間に問おうとしておりますから、ただ単に議事録上の討論に終わりたくない。あらかじめお願いしておきます。
 そこで、国鉄は全国ネットワーク、民営化の方向を基本方策として出しました。これに対して運輸省は監理委員会と一緒になって厳しく批判しておられる。運輸省で何も方策を持たないで、国鉄が出しました基本方策を批判することができるであろうか。我々はこう考えるということの対策を出して、その上で国鉄の方策を批判するのが私は世間様に対する当然の措置ではないかと思いま
す。したがって、近い将来発表されるかどうかわかりませんが、現在監理委員会ができまして一年有半になります。臨調の答申が出ましても二年有余です。その間、担当の一番中心である役所が全然無為無策で来たと思わない。もし無為無策で来られたとするならば運輸省の官僚はやめてもらいたい。したがって、この世間の民営分割などに対してどのように討議をされ、受け取っておられるか、お聞きいたします。
#8
○国務大臣(山下徳夫君) 今日国鉄がこのような窮地に追い込まれたのは一体原因は何であるか、それを理解しながら私どもは国鉄の再建に乗り出していかなければならぬわけでございますが、このことにつきましては、私どももしばしば申し上げてまいりましたように、やはり公社制度と一元的運営であるということが今日の国鉄を窮地に陥れた最大の原因であるというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。
 したがいまして、こういう原因を振り返りながら再建監理委員会あるいはさかのぼって臨調におきましても分割民営ということを打ち出しておられるのは、私が今申し上げたような見地からであろうと私も思っておりますし、そういう趣旨で打ち出された臨調の方針、そしてそれを引き継がれた再建監理委員会も同じでございますし、したがって、そういう理由からであるとするならば我々は当然これを尊重しなきゃならぬということで、閣議においても監理委員会の提言は尊重するということを私どもは再確認をいたしてきておるわけでございまして、根拠がないわけでなく、よって来るゆえん、そしてまた再建監理委員会、さかのぼってまた臨調の精神等を酌みながら、私どもは再建監理委員会と大体基本方針を同じにしながら事務的に今日までずっと協力をしてきた、こういういきさつでございます。
#9
○小柳勇君 それでは、再建しなければならぬ国鉄の現状、何が一番弱さといいましょうか、病人であるならばどこが病気しておるのか。再建するというのは倒れたから再建しなければなりません。あるいはもう破産状態にあるから起こさなければなりませんね。何が一番その破産の原因だと認めておりますか。
#10
○政府委員(棚橋泰君) 先生の、国鉄を病気に例えたお話で申し上げますと、現在あらわれている症状と、その病気が起こった原因と二つの問題があろうかと思います。大臣が先ほどから申し上げております、全国一元運用、それから公社制度というこの二つの問題は、そのような病気があらわれる根本的な体質の問題であろうというふうに思っております。
 しからば、先生おっしゃるように、現在の国鉄の状態というものは何が一番危機的状態というふうに考えておるかという点につきましては、御承知のように国鉄が二十兆を超える膨大な債務を抱え、そしてさらに年々一兆数千億という赤字が出る、そういう形になっておる、これを何とか建て直していかなければならないということが第一であろうというふうに考えております。
 そのほか、国鉄の現在の労使間の職場規律の問題とか、いろいろ具体的に指摘をされている問題がございますし、そのようないろいろな個々の問題につきましては緊急提言等に既に示されておりまして、それらについてはそれなりの対応というのが必要であろうというふうに思っておりますが、基本的には、先ほど来大臣がお答え申し上げておるような体質を国鉄が持って、そのあらわれた結果が現在の国鉄の財政状態になっておる、そういうことではないかというふうに考えております。
#11
○小柳勇君 今体質をおっしゃいましたけれども、一つは二十二兆円に及ぶ累積債務、これはしかし国鉄の官僚、国鉄の労働者がつくった債務ではないのです。私がここで言うまでもありません、大臣も御存じと思う。これは例えば高度成長時代に幹線に投資したり、あるいはローカル線をつくったり、その他新幹線を建設したりなど、またこれには特定人件費もあります、特定退職手当もございますが、それは政治的な欠陥、政治的な政策の累積赤字。体質ではないです、これは。
 第二に、労使間の問題も公労法という矛盾した法律があります。団結権、団体交渉権はあるけれども、労働基本権がない。したがってどうしても耐えられぬで実力行使すると、今度は処分が出る。処分に反対をしなければならぬ。その悪循環が四十年に及んでいる。これが根本的な体質。言うならば公労法の矛盾である。そのような、借金の方は政治的な、政策的な借金。労使間の矛盾というのは、ただ現在管理者と労働者がいろいろ団体交渉がうまくいかぬ、このような末梢的な、特に私が言いたいのは、先般、十五分間機関区でふろに入った、こんなものを自民党の議員が見て、そしてこれを新聞に出している。あたかもこのようなものが国鉄全部の、現在の二十二兆円の借金であるかのごとく、それは国鉄の体質ではございませんです。
 さっき申し上げたように、運転系統の諸君はA駅から定時に出てB駅に定時に着けば百点です。保線区の諸君は列車が完全に走っていけば百点です。信号掛の諸君は信号が完全に動けば百点です。あとはお客が乗らないので赤字になっている。お客が乗らないということは総合交通政策の失敗です、これは。乗るようにしない。ただの自由競争だ。規制緩和、そしてもう野放しに空と自動車と鉄道と海と競争さしている。鉄道では、土地を買ってその上に路盤をつくって線路を敷いて、車を買って運転をして、自動車の方は、国が道路をつくって自動車が走って、それで運賃が一緒であれば鉄道は赤字になりますよ。そのようなものを、全部国鉄が廃れてしまったと。ちっとも廃れていません、国鉄は。完全に列車は今走っています、定められたダイヤで。あとは政治、政策。そして、特に言いたいのは、自民党の政治が不当に鉄道運営の方にまで介入している。言うなら、管理者は、職場管理よりも自民党や内閣の方、あるいは運輸省の方をしょっちゅう見ておらぬというと生活ができないような姿。したがって我々はそういうような体質、姿というものを変えなきゃならぬと思っておるけれども、運輸大臣の見解を聞いておきます。
#12
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほど申し上げましたように、よって来るゆえんは公社制度、そして一元的運営と申し上げたのでございますが、これらの中に、やはり公社制度あるいは一元的運営なるがゆえに、複数化と申しましょうか複合的な交通体系、今御指摘のとおり、飛行機ありあるいはその他陸上交通いろいろございますが、そういった今日の交通体系の中で、いわゆる鉄道特性を生かせるような対応ができなかったという点に私は大きな原因があると思います。
 御指摘のとおり確かに走っております。走っておりますけれども、なぜ利用率がこんなに悪いかということは、鉄道本来の特性が公社制度、一元的運営のために生かされなかったということでございますから、この点について私どもは今後改革しなきゃならぬ、かように思っておる次第でございます。
#13
○小柳勇君 運輸大臣、それでは分割すればお客さんが余計乗るでしょうか、あるいは貨物が余計運搬できるでしょうか。その点どうですか。
#14
○国務大臣(山下徳夫君) 具体的にどのような分割をするかということは、ただいま再建監理委員会において鋭意御検討をいただいているわけでございまして、現段階において私どもがどのような分割をすればよいかということはまだ申し上げられる段階ではないかと思います。
#15
○小柳勇君 運輸大臣というのは運輸行政全般の責任者です。大臣の就任あいさつのときに、私は鉄道の方は素人だと率直におっしゃっている。だから責めませんけれども、運輸大臣というのは運輸交通の元締め、管理の責任者です。私は今具体的に質問しています。列車は完全に定時に走っています、しかしお客が乗らない、それじゃ分割したらお客も余計乗るし、貨物も余計乗るでしょうかと。これはもう小学校でも中学校でもできる質問ですが、それに対して大臣はどういう御見解ですか。それは大臣の見解を聞いておきましょう。
これは本当にもう基礎的な、しかも本当に初歩的な質問です。
#16
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから申し上げましたように、公社制度、一元的運営というひとつの大きな過去における原因を私はここで申し上げ、そして、今先生から御指摘がございました点について一つの例示として私はお答えをしたつもりでございまして、具体的なたくさんの問題につきましては今私から申し上げるべきではない、このような意味で申し上げたのでございますから、そのように御理解いただきたい。それらの問題については今再建監理委員会で鋭意御審議をいただいている。そしてこの答申が大体八月ごろまでには出ますので、その出た段階において私どもは適当な立法措置等をしてまいりたい、かように思っておる次第でございます。
#17
○小柳勇君 再建監理委員会法ができますときに私は特に質問いたしました。そのときに、臨調答申で民営分割という言葉が書いてあるが、初めから臨調答申は民営分割と出したんじゃないんでしょうと、それも一つの案だと。現在の国鉄の累積債務の処理なりあるいは労使間の円滑化なりいろいろあるから、だからどうしたらいいか、その中の一つの案だと。そして監理委員会ができた。したがって、監理委員会の緊急提言の中で、この間の予算委員会の穐山君の質問でも、亀井委員長が、我々は民営分割を初めから念頭に入れて検討していますと。私はこれは行き過ぎだと思います。例えば教育臨調にいたしましても、これからの行政改革にいたしましても、初めから民営分割などということを五人の委員でやることは越権です。私どもが初めて監理委員会法を論議するときに私は質問しています、それは。初めからもう民営分割ですよというのは、それはあと運輸省あるいは国鉄専門屋が民営分割どうしたらいいかで論議したらいい。民営分割して、例えば今の国鉄というのを、百年ぐらい前から九州鉄道とか北海道鉄道、それが統一いたしました。もうこの民営か分割かは百年間論議されている。そして結論的には、利潤追求の私鉄ではなくて国鉄、そして全国ネットワークで地域的な落差を起こさないように全国一本化がされています。
 そこで、今の問題をもう一回言いますけれども、分割すればお客さんが乗るか、貨物が余計運搬されるかと同時に、もう一つ大事なことは、この日本の四つの島で分割すれば地域的な落差が発生すると私は思いますが、この点については大臣どうお考えになりますか。
#18
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから重ねて申し上げておりますように、国鉄の今日を招いたのは公社制度と基本的には一元的運営である。そうであるとするならば、これをどうするかということについて、臨調としてもそれはもう分割民営以外にはないという答申をいただいておる。その臨調の方針に従って再建監理委員会ができ、再建監理委員会もその趣旨に沿って分割民営ということで作業をなさっておる。この再建監理委員会に対して内閣としてはそれを尊重すると閣議において決定をいたしておりますから、私どもとしてはその線に沿って、それを基本として御協力を申し上げるという、そういう方針であるということをるる申し上げている、それが私どもの方針でございますから。
#19
○小柳勇君 もう一つ、特に速記録に残しておいていただいて、あと監理委員会にも大臣から伝えてもらいたいのは、先般予算委員会の質問の中で亀井委員長は電力九分割の例をお引きになったようだ。電力というのは、初め電灯会社から出発して、発電したものを民家に供給してその民家から電力料金を取ればいいのですから、九分割でも十分割でもその電力会社がやっていけばいいわけですけれども、国鉄の場合あるいは電電公社の場合は、もう特に現在のように情報が発達した時代には分割するということはそこに大きく壁をつくるということであります。流通なりあるいはスムーズに問題がいくのをわざわざ壁を一つずつつくることであります。電力会社の九分割と国鉄のこれから七分割を永遠にてんびんにかけて論ずるようなことは、これはもう全然子供の遊びだと私は思う。そんなことがあってはならぬと思います。
 それは私が言うまでもないことでありますが、今国鉄当局も国鉄の職員も、国鉄の分割はやるべきじゃない、民営化の方向には、今の制度ではよくないということは大体わかっているけれども、分割だけはすべきじゃないといって全国ネットワークの方針を世間に示して訴えています。もしも今度は監理委員会が分割を出して内閣がこれを支持した場合は、一体だれがやりましょうか、仕事をだれがするでしょうか。国鉄当局も国鉄の職員の組合も分割は反対ですと言っている。三十二万の職員を全部かえるというわけにまいりません。その点については、運輸大臣はこれから管理する責任者としてどういうふうにお考えになりますか。これはもう七月に答申出ますといや応なしにぶつかる問題ですが、どういうふうにお考えになっておりますか。
#20
○国務大臣(山下徳夫君) 分割につきましては先ほどからしばしばお答え申し上げたとおりでございますが、ただいま先生からお話がございました、九電力をなぜ参考にするかということでございますけれども、再建監理委員会としましては、百二十年の伝統で今日まで運営されたこの国鉄を抜本的に改正しようという大変な大きな作業でございますから、各方面の御意見を参考にされるのは私は当然かと存じております。そしてその中で、やはり全国組織を分割した一つの大きな例としてこの九電力を参考にされているということでございまして、ただ、これをどのように今度の再建案の中に盛り込まれるかということは、これは再建監理委員会独自で御判断、また作業なさるべきことであって、私どもはとやかく申し上げるべきでございませんが、それを参考にされるといういきさつは今申し上げたとおりであるかと理解をいたしております。
#21
○小柳勇君 審議官、運輸省としても分割の方針を支持しておられるんですか、現在。
#22
○政府委員(棚橋泰君) 御承知のように、昨年の八月に再建監理委員会から第二次緊急提言というのがございました。その緊急提言は大きく言って二つに分かれておりまして、一つは基本的姿勢であり、もう一つは当面緊急に講ずべき措置でございまして、その前の方の基本的考え方というところは、いわば本年の夏に予定されております最終提言の基本思想を述べたものでございまして、その中に明確に、分割民営化を念頭に置いて今後作業を進めていくということが明記されております。その緊急提言が出ました直後に運輸省といたしましては監理委員会に参りまして、この再建監理委員会の第二次緊急提言の基本的物の考え方につきましては運輸省も基本的に認識を同じくするものであるということを公式に表明をいたしておるわけでございます。
#23
○小柳勇君 審議官の方では、監理委員会の答申を受けて、直接担当は運輸省ですが、特にあなたの部局ですけれども、民営分割に対してメリットなりデメリットをいろいろ検討しておられると思うけれども、私が今申し上げているような、分割して地域的な格差を一体どうしますかとか、あるいはお客や貨物がどういうふうにスムーズに運べますか。あるいは今例えば六十二年に三十五、六兆になる累積債務の問題につきましても、三者三分といいますと、一体、分割して民営化して、その民営をやろうという人がいるであろうか。運輸省としてはそれを検討しておりますか。
#24
○政府委員(棚橋泰君) 先生御指摘のように、民営分割にはメリットとデメリットと両方があろうかと思います。
 メリットにつきましては、先ほど来大臣から申し上げておりますように、やはり分割をしないとこれは基本的な国鉄の体質的な改善ができないという意味でいろいろなメリットがあると思います。その反面、当然のことでございますけれども、先生今の御指摘のように、今全国一本であるものが分かれるわけでございますから、例えば運転上の技術の問題とか、それから運賃の調整の問題とか、その他いろいろ解決しなければならない
問題があるのは御指摘のとおりでございます。それから、これも先生御指摘のように、分割した会社が今後健全な会社として成り立っていかなければならない、こういうことがございます。
 そのような点につきましては、現在再建監理委員会において鋭意御検討がなされておりまして、私どもは再建監理委員会と、例えば分割後の想定される需要とか採算の問題とか、そういう問題の基礎的資料、計算、そういうようなものについて資料を交換したり協力をしたりして現在作業を進めておるところでございまして、そういう意味では監理委員会と一体になって今先生の御指摘のような点について検討を進めておる段階であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#25
○小柳勇君 分割すれば管理がしやすいというようなこともいろいろ論議の中で衆議院、参議院で答弁がありました。もう私が言うまでもないことでありますけれども、運転士にいたしましてもあるいは信号掛にいたしましても保線にいたしましても、自分の職場は自分が全部責任を持っています。駅長さんはおりますけれども、駅長さんがついていて管理しているんじゃないですね。鉄道の仕事は、もう言うまでもない、私が言わぬでも皆さん御存じですけれども、全部みずからが管理して完全に汽車が動いているわけです。汽車が完全に動いていればおのおのの職場は満点ですね。管理というのは一体どういうことでしょうか。分割して管理がよくなると。三十二万じゃ多過ぎるから管理ができない。何のこともないですよ。鉄道輸送というのは、飛行機もそうでありましょうが、飛行機は飛行場から向こうへお客さんが完全に安心して着けばそれで航空事業としては百点でしょう。
 だから私は、例えばそれじゃ日本航空が、世界のあの航空会社全部ばらばらに分割していかなければ管理できぬか。そうじゃありませんですね。例えば分離いたしましても管理機構を置かなきゃ調整できないと監理委員長おっしゃっています。言うなら今の機構と同じじゃないか。ただ、本社機構をもっと総局とか局に権限を委譲して、そこでがちっといろいろのダイヤでも何でも完全にやりさえすれば。汽車が動かないで赤字になったなら私は再建の方法を考えなければならぬと思いますよ。汽車が動いておってもお客が乗らないから赤字になっているんですね。全然私は監理委員会が言っておられる管理能力とか何とかいうのはわからぬのです。鉄道はみんな一人一人が職場を守っています。一人一人が管理者です。私はその管理能力とか何とかいうのを、それは我々も軍隊で班とか小隊とか中隊とか、その中隊長の掌握能力なんか全部訓練されてきています。きていますが、それと鉄道の事業というのは違うのです。だからそういうところを私は分割に反対するし、同時に国鉄の基本方策の全国ネットワークの線を高く評価しています。
 あと、民営化の方法をどうするのか。ただローカル線をもうあの三次まで切って捨てることは反対です。今の地方都市に行きますと朝晩交通渋滞でマイカーは役に立ちません。だからもっと駅の間にたくさんの駅をつくって、一両、二両簡単にレールバスでもいいから走らして、家からそこの一番近いところまで行って、そこの駐車場に車を置いて、そして快速電車で都心部まで行く。そういう体制を近くつくらないと私は本当にマイカーでの県庁や市役所の通勤はできぬと考えている。そういう時期にローカル線を廃止するなんていうことは私は反対でありますが、その他の線は国鉄当局の基本方策賛成です。国鉄当局と労働組合の団体が全国ネットワークでいかなければなりませんと言っているときに、五人の監理委員会の先生方が密室で分割を、それだけを検討しておられることについては異議がありますから、大臣も十分にお伝えを願いたい。私どもの資料も先般届けておきました。考えを届けておきました。非常に私は日本の将来にとって大事だと考えています。
 もう五年しましたらマイカーの通勤通学はできぬのではないか。そのときに、もちろんそれはバスもいいですよ。そして一時間ぐらいの住宅団地から快速電車で来て、そこからバスで行くとか、それが運輸省の総合交通政策のお仕事だと思う、棚橋さんのお仕事だと思う、私は。そういうことをわかっておりながら、本土を四つに分割してどうやって調整しましょうか。調整するだけでも大変な費用です、これは。
 したがいまして、もう時間がありませんから、私はきょうこの国鉄再建対策の分割に対しては反対であるということを運輸大臣にわかってもらいたい。そのことを監理委員会に影響させてもらいたい、棚橋さんの方から。そのつもりで質問いたしましたから理解しておいてください。
 もう一遍、意見があったら棚橋さんの方から聞いておきましょう。
#26
○政府委員(棚橋泰君) 先生の御意向につきましては、十分監理委員会の方とも連絡をとりまして、さきにいただきました御意見等も既にに監理委員会は入手しておると思いますので、さらに、国鉄労使がどのような意見を持っておるかということにつきましては、これは私ども以上に監理委員会は神経をとがらせて検討しておるということだと思います。
 ただ、一言、二言言わせていただきますと、先生の先ほどの監理能力の問題ということにつきましては、これは管理能力にもいろいろな考え方があると思いますけれども、やはり巨大な管理組織のもとでの労務管理というのは非常に大変なことであるということについては、これは異論がないのではないかというふうに考えております。
 国鉄が、おっしゃるように、全国一元のネットワークで現在の体制のまま再建できないかということについては、過去において、御承知のように既に四回の再建計画を現行の全国一元の体制のもとでできないかということで試みてきたわけでございますけれども、結果は残念ながら思わしい結果を生んでいなくて、むしろ債務はふえてきておる。その原因は何かということから検討をいたしましたのが臨調であり、再建監理委員会の意向ではなかったかと思っております。その中には、今のような一元的な考え方による管理能力の限界というような点が指摘をされておるわけでございます。
 また、亀井委員長がさきに調整機構ということを参議院の予算委員会においてお答えになりましたが、私どもが承っております亀井委員長の御意向というのは、先生おっしゃるように本社のような機構をつくるということではなくて、会社が分かれた場合には、運賃相互間の精算とか、それから運転についての相互の調整とか、そういう意味の調整が必要であろう、そういうことを技術的に行うために何らかの形での調整機構が要るのではないかという趣旨でお答えになったというふうに私聞いております。
 いずれにいたしましても、先生のただいまの御意向につきましては、私どももいろいろ教えられるところがございますので、監理委員会の方にはよく先生の御趣旨を伝えたい、かように思っております。
#27
○小柳勇君 今の審議官の答弁に関連して二つ言っておきます。
 一つは、労使間の問題はやっぱり労働法、公労法が矛盾です。だから、例えば私鉄の場合は一般労働組合法を適用して、国鉄の場合は公労法です。同じ鉄道輸送産業ですね、同じ並行して走っている線路で、片や一般労働組合法、片や公労法でしょう。例えば春闘などで、ストライキをやっちゃなりませんが、ストライキをやったとすると、私鉄の方は、ああ御苦労でしたといって、お客様は御苦労御苦労ですぐ乗ります。こっちの方は、駅長さんがたたかれ車掌がたたかれる。そして後は処分する。処分反対闘争。これが四十年、国鉄労働者の一番悲惨な、私自身もその惨めさを味わっております。これを今までの自民党の政府が変えてない。したがって、今度再建するときは、まずこの公労法を撤廃して、一般労働組合、私鉄と同じに適用する、このことをひとつ監理委員長に言ってもらいたい。これが第一。
 それから第二は、経営改善計画が五回出まし
た。全部失敗している。皆さんだれも責任をとってないじゃないか。閣議決定しているんですよ。まず内閣が責任をとるべきだ、それは。国鉄も責任をとるべきですよ。五回も経営改善計画を出して、そうして失敗していてだれも責任をとってない。そういうところに現在の国鉄の危機があるんですから、そういうことがないように官僚的な管理体制を打破しなきゃならぬ。そういう面は賛成します、私も。十分にやってください、大臣がこれから。
 その二点だけは言っておきます。
 いろいろありますけれども、二日か三日に予算の委嘱審査があるそうですから、きょうは時間がありませんから次の問題に入りますが、今のは大事な問題ですから亀井委員会の方にもお伝え願いたいと思います。
 それから、日米航空交渉があとこの一週間ぐらいが最後の山だそうでありますが、日米航空協定を今日までやってきましたけれども、最近になりまして、日本貨物航空をてこにしてアメリカが貿易摩擦の解消にまでこれを使おうとして強引にやっている。これは許せないことですね。これはこれ、それはそれでいきませんと、日本貨物航空の乗り入れがもう四月一日から乗り入れになっていたのが、今日なおまだ解決しないということは一体どういうことであろうか。特に、日米航空協定にこれをひっかけまして強引にアメリカが横車を押そうとしている。日本の政府としては、運輸省としては腹を決めて断固としてこの解決を図ってもらわなきゃならぬと思うが、いかがですか。
#28
○国務大臣(山下徳夫君) 簡単にいきさつを御説明申し上げますと、日本貨物航空のアメリカに対する乗り入れが今回の日米航空交渉の大体主なる問題でございますが、二月二十五日から三月二日まで東京において交渉が行われました。さらに三月十二日から三月十五日までワシントンにおいて行われましたが、まだ意見の一致を見ることができずに現在中断をされておる段階でございますが、御指摘のとおり、私どもといたしましては四月一日からというめどを向こうに、めどというよりも四月一日から運航したいということを強く先方にも申し込んでおりますし、そのことは向こうも承知をいたしております。
 私どもは、今御指摘のとおり、今、日米間の貿易摩擦でいろいろな問題が起きている。アメリカの日本に対する感情というものはかなり悪化しておるとか、いろんなことも聞いておりますが、それはそれ、これはこれとして、日米航空交渉に関する限り日米航空条約の中において処理すべきである。つまり、筋を通して、それらの問題に左右されずにやるべきであるという一貫した考え方でもって私どもは全権を派遣いたしまして交渉をしてきたのでございますが、何せやっぱり相手のあることでございまして、筋はこうであるということを強く主張しながらも、今日まで相手の主張等がかなり食い違っておりまして、妥結に至らず、四月一日が目前に控えておるということで、私ども非常に憂慮をいたしておりますけれども、あくまで、まだ日にちも若干は残っておりますから、今後とも精力的に、しかも筋を通して私どもの主張をひとつ強く主張して妥結に持ち込みたい、かように考えておる次第でございます。
#29
○小柳勇君 いろいろ細部の点ありますけれども、時間がございませんから、今大臣おっしゃったように、四月一日から貨物航空が乗り入れることを前提として準備しておられる。また、日米航空協定の方も押されっ放しでは日本の航空会社はやっていけません。したがいまして、ひとつ腹を据えて、貿易摩擦、貿易の問題、そっちの方の交渉とひっ絡めないようにして、これはこれとして解決していただきたいとお願いいたします。
 それから、国鉄総裁に質問いたします。
 先般日本社会党は、門司鉄道管理局内における処分の問題などありまして、労使関係がどうもうまくいっていないというようなことで、現地の県本部からの要請がありまして調査団を編成いたして調査いたしました。多賀谷代議士が団長で参りまして、あさって総裁には申し入れをいたすことにお約束がなっておるようでありますが、きょう私が参議院運輸委員会に立ちますので質問をするようにという団からの要請でありますから、大事な点だけを質問しておきたい。
 第一は余剰人員の問題でありますが、余剰人員の調整策に関しては先般衆議院の予算委員会でもいろいろありました。総裁が是正措置をとるということを答弁しておられるけれども、現地では、現地というのは門司鉄道管理局でありますが、派遣希望の調査を行っておる。三月いっぱいは自粛するというようなことを我々は期待しておったけれども、それが中央の、国会の話し合いとは無関係に調査が進んでおる、そういう事実がございました。この点については本社の方でも承知しておられるのかどうか。早急に所要の措置をとってもらいたい、これが第一点であります。
#30
○説明員(太田知行君) 先生御指摘のとおり、衆議院の予算委員会においてもいろいろこの余剰人員の問題につきまして、かつそれに関連しました就業規則の問題について御審議いただいたのでございます。その際総裁から、就業規則の手続違反の問題につきまして遺憾の意を申し上げ、かつまたそれの原因をなしておりますところのいわゆる別紙二、三、派遣、休職の問題についての早期解決に向けての努力のお約束、そして就業規則の手続違反の是正措置についてのお約束を申し上げたところでございます。御指摘のとおりでございます。それを受けまして、またそれ以前から労使の間でもいろいろ協議していたところでございますので、私どもといたしましては、まずさしあたり就業規則の手続の問題につきましては、これは大変量質ともに膨大な仕事でございましたのですが、ただいま年度末を控えましてほぼ目鼻がついたところでございまして、なるべく早い機会に是正の措置をとりたいと存じておる次第でございます。
 それから、この出向・派遣の実際の進め方の問題につきましては、三月一日に国鉄労働組合が、この問題だけではございませんけれども、その他もろもろの労使間の懸案事項の解決を迫ると称してストライキを構えて交渉するというような事態がございまして、何回も徹夜交渉をして協議いたしました結果、もろもろの事案について即決というわけにまいりませんでしたので、引き続き誠意を持って協議をするということになりました。なかんずく一番大きな問題であります派遣と休職の問題については、もちろん解決に向けて努力するのでございますが、実際の進め方については強制、強要にわたらないこととして自粛して対処する、こういう当方のスタンスを表明した次第でございます。それを受けまして三月二日、土曜日でございましたけれども、急遽全国の総務部長を招集いたしましてその旨を伝え、特に募集の進め方についての注意、強制、強要にわたらないよう十分に留意し配慮して進めるように申し伝え、指導した次第でございます。
 門司の局におきましては、既に二月末の時点で門司局が予定しておりましたところの派遣の受け皿について募集を開始しておりましたのでございますので、示されている具体的な受け皿にどう希望者を当てはめていくかという問題になるわけでございますが、十分に注意をして強制、強要にわたらないように進めさせているところでございます。その後三月に入りまして何件か新たな引き合いがございまして、これについての具体的な内容も職員には示しておるのでございます。これは現在進行中、こんなことでございます。
 要すれば、一連の御指導、一連の労使の協議に基づきまして、十分に配慮しながら進めている次第でございます。
#31
○小柳勇君 次は、基本的なものですけれども、余剰人員が南電車区の二階で文鎮をつくったり、あるいは竹細工をやっていた、三十二名。それは各機関区で、あるいは各駅でそうやっていると思うんです。そこに行って激励したところが、その人が、私は十三年になります、私は検修掛ですが、その仕事を今下請の人がここでやっています、先生、私はその仕事をやりたいと言ってこぼ
されて、非常に胸を打たれました。それはそこだけではなく全国にそういうことがあるのではないか。例えば工場で仕事をしていて、片一方は職員が十人ぐらい、下請の人がまた十人ぐらいで同じ職場でやっている。もちろんそれは人件費と物件費との差があります。また下請の人は単価が安いと思う。
 鉄道の仕事というものは、これは運輸大臣に聞いておいてもらいたいのですけれども、やっぱり頭数がおらなきゃ動かないところがあるわけですね。だから、それが例えば十日間は十人要らないけれども、七日か八日はどうしても要る。したがってこの余剰人員なるものが計算で今出ているんじゃないかと思うんですが、実際、十三年になる技術者が竹細工して、それを売っても高くないだろうと思うが、自分の仕事を本当に十三年一生懸命やっている技術者がそんな仕事をして、そして下請の人にやらしているというのが方々で起こっておるんじゃないかと思うんですが、門鉄局長に話したら、もう私どもの手に及びません、本社の問題ですと言っているわけです。
 したがって、三十二万を十九万なり二十万に減らそうというのが再建計画ではないと私は思うんですよ。やっぱり鉄道という、人の命を預って精密な機械を動かす、そして人を運ぶ輸送事業というものがただ頭数だけで合理化、これで採算がとれますなどという、そういう考えは私はこれは誤りではないかと思うんです。それは私の考えですからいいですが、実際余剰人員として、例えば喫茶店で働いたりあるいは花を売ったりしているような人で優秀な技術者が、その自分の職場では下請の人がやっているようなことが方々にあるのではないか、そう思いました。
 もう一つは、無人駅というのがありますから、もしその余剰人員の人がおるなら、そこの無人駅にその人を置いてそして切符を売るとか、あるいは駐車場で駐車料金を取るとかすればそれは余剰人員でなくなるのではないか、そういう話を聞きました。こういう点について根本的に、しかもそれは早急に、出向とか派遣を検討する前にもう一回それを検討してもらえないであろうかというのが質問です。これは総裁から答弁してもらいましょう。
#32
○説明員(仁杉巖君) 余剰人員が発生しているという中で下請がかなりあるという現実は、先生の御指摘のような状態があると思います。
 この下請が今仕事をしているといういきさつを見ておりますと、今先生も御指摘がありましたが、単価が安いとか合理化ができるとかいろんなことでこの下請という組織が導入されてきたということでございます。その下請の会社そのものも、OBもおりますしそれから新規に採用したのもおるわけでございますが、それなりに現在では経営をしている。かなり今も、先生御承知だと思いますが、決して楽な状態ではございませんけれども、しているというような状態が一方にあるわけでございます。その中で余剰人員が発生してきたので、現状といたしましては、電気施設等におきましてはもう既に、何と申しますか、外注すべきだというふうに我々が考えておった仕事を、余剰人員を充てるというようなことによりまして下請を減らすという方向で今作業をしているというような状態でございます。
 ただ、営業とかあるいは車両検修の面におきましては、そういう会社ができてしまったということがあるものですから、今それを少しずつふやさないような方向で指導はいたしておりますが、それを全部解消してしまうということにつきましても、OBの問題その他がございまして、非常に難しいということもございます。しかし、一方に先生の御指摘のような問題点もございますので、我々といたしましても、この下請問題というものを今後うまくバランスをさせながら運営をしていくといいますか、業務をやっていくということを考えてまいりたいというふうに考えております。先生のおっしゃるように全部を一遍にというわけにまいらないと思いますけれども、逐次考えてまいりたいというふうに考えております。
#33
○小柳勇君 次の問題ですが、これはここの機関区だけではないと思います。全国にあると思いますから、ずっと三項目を読み上げますが、答弁は長く要りません。こういうのがあったということを申し上げておきます。
 一つは、懲戒処分される場合に、助役さんの場合と係員の場合は重さが違うという、そういう例がございました。例えば助役さんが自動車の運転の勉強に行って懲戒を受けたのは訓告で済むけれども、一般職員の場合はこれが減給になったりするというような差別がありました。それから、診断書を出しまして年休または病気欠勤を申し出たが、その診断書を受け付けないで賃金カットをされました。それからもう一つは、ささいなことを理由に二、三分の勤務否認を行い、これを積算した賃金カット、さらには懲戒処分、二重罰が乱発されています。
 こういう三つの事実がございました。だから、ここだけではないと思いますので、これは注意をしていただきたい。後で総裁のところには文書が行きますから、もう答弁は要りません。こんな事実がありましたからひとつ注意をしていただきたい。
 いま一つは、過員センターというのがございまして、余剰人員のセンターがありますが、例えば、ネクタイをやっておらない職員に、君はネクタイなんかしておらぬと過員センターにやるぞとか、あるいは団体交渉でちょっと厳しい言葉を使うと過員センターにやるとかというふうな、過員センターを世間は刑務所みたいに、そういう恐ろしいところ、まあ本人たちは嫌なところでありますが、そういうことで言われる。こういうことを慎んでもらいたい。
 それから、昭和五十九年度末の特別退職について、これは本部・本社間の交渉でやっているそうでありまするが、五十五歳以上が一人でも残るようなことが絶対にあってはならないと文書で職場を指導したことは、労使間の協定にも違反し極めて問題であり、直ちに撤回してもらいたい。これは太田理事から答弁いただきましょうか。昭和五十九年度末特別退職について、これは労使間の協定があるんだが、にもかかわらず五十五歳以上が一人でも残るようなことが絶対にあってはならないと文書で現場を指導しておる。これを直ちに注意してもらいたいということであります。
#34
○説明員(太田知行君) 御指摘になりましたような話を聞きましたので私ども調べましたところ、門司局におきまして、年度末の特別退職の進め方について現場を指導する会を開きまして、その席で参考資料として、特別退職の制度の運用に取り組む考え方、スタンスというものを示す文書の中に、五十五歳に到達した職員を一人も残らないような形で進めてほしいというような記述があったのは事実でございます。
 ただ、御承知のように、国鉄における特別退職制度は長い沿革がございまして成熟した制度になっておりまして、労使の間で協約を結び運用をしておるわけでございます。その協約の中に、強制、強要にわたらないように勧奨する、いわば勧奨退職制度でございます。その制度のもとで、毎年五十五歳に到達した人のかなりの部分、多い年には八〇%以上が特別退職をしていく制度になっておるわけでございますが、余剰人員を抱えた昨今の状況から見まして、特に五十九年度、本年度につきましては、私どもも、五十六歳以上の職員についてはできるだけ多くの、可能なら全員が後進に道を譲るようにひとつ決心をしてもらいたいし、また五十五歳に新たに到達する職員についてもなるべく多くやはり退職に応じてもらいたい、そのことによって余剰人員の問題の解決、調整策の進展を図りたい、こういうことを言っている次第でございます。ですから、協定の精神に基づいて強制、強要にわたらず勧奨するということと、現下の状況にかんがみた進め方と、両方を勘案しました上で、気持ちとしては今申しましたような格好で進めてもらいたいということを指導したという報告を受けている次第でございます。
 その後、いろいろな機会に、強制、強要にわた
らないようにということは門司局も再三再四追加的に重ねて指導しているという報告を聞いている次第でございます。
#35
○小柳勇君 もう二問ですから、一括質問いたします。
 第一は昇職試験、例えば学園に入所するとか昇給昇格など、所属する組合によって差別をされておる。現実的に数字で、いやそれはやってないと言っておりましたけれども、数字の上で差別がされておりますから、直ちに是正の措置をとってもらいたいというのが一つ。
 もう一つは、民営分割反対という小さいきれいなワッペンを胸につけて仕事をしておる。そうすると現場長が一人一人呼びつけて、数時間かけてこれを取り外しなさいと強要する。その間作業指示をしない。そして全員待機させるという取り扱いを行っており、このような非常識なやり方は直ちにやめてもらいたい。例えば全日空などでも、腕章して要求貫徹などとやっておりまして、お客の扱いをする人すら春季闘争などのときにはやっておる。国鉄の職場の電車区で、だれもお客にも触れないような作業場で小さいワッペン、民営分割反対、これは国鉄当局は分割反対ですから、そのワッペンをつけて仕事をしているのに、現場長が一人一人呼んでこれを外せと数時間強要する。その間作業の指示をしないで全員を休ませている。こういうことはちょっと非常識ではないか。
 この二問です。いろいろ小さく職場の実態を私も見てきたから、もっとやりとうございますが時間がございません。
 いずれにいたしましても、さっき運輸大臣も労使間の問題と言われましたけれども、このようなことはお互いの労使間の信頼関係。私は若い電車区長に申し上げた。例えば二つの組合があったら、その二つの組合の幹部と一晩酒でも飲んで、おい、一緒に仲よくしようじゃないか、今国鉄再建に大事な時期だよ、あなたは二年になるが、一回でもやったことがあるかと言うと、その区長さんは、いやありませんと。それでは本当に職場がよくなるはずがないと思う。だからこの際、国鉄の職場の中で労使がささいなことで、ワッペンを外す外さぬという、そんなことで数時間仕事を休むなんということは私は許せぬと思う。だから、いろいろ労働運動に対するけしからぬという意見もあるとは思うけれども、そういうものについては我々も十分に注意しなければならぬと思います。
 したがいまして、今国鉄再建を世間がどうするかと見ておられる一番大事な時期でありますから、このようなことは総裁に二十七日、あした申し入れますから、どうぞひとつもう一回これを総裁もぜひお読みくださいまして、早急に措置をしていただきたいと思います。
 時間が超過いたしましたから、もう答弁は要りませんから、総裁にお願いして、私の質問を終わります。
#36
○瀬谷英行君 今の小柳委員の質問に関連をいたしますけれども、今国鉄が直面をしている問題は、国鉄が分割民営という形でもって解体をされるかどうか、こういう瀬戸際にあるわけですね。監理委員会の答申の出方によっては国鉄というのはなくなってしまうわけです。幾つかの民間会社になってしまうわけです。そうなった場合に一体自分たちの運命はどうなるのか、先行き保証があるのかないのか、こういう不安を働いている人が持つのは私は当然だと思うんです。したがって、こういう場合には一番人の和が大事だと私は思うんですね。特に、鉄道のような仕事は人の和がきちんとしていないとうまくいかないと思うんです。したがって、人の和を破壊をするような管理者の行為というものは戒めなきゃならぬと思う。
 その意味で、今お聞きしたワッペンをつけるとかつけないとかというということで管理者と組合とがいざこざをやって、それでもって後々に尾を引くなどということはばかばかしい限りだと思うんですよ。分割民営反対なら、それも一つの意思表示だ。そういうワッペンをつけたからといって仕事に支障があるかというと、私はないと思う。私自身毎日のように国鉄を利用している。で、改札の人がそういうワッペンをつけたからといって、改札の仕事に支障はないし、車掌さんがそういうワッペンをつけたからといって、ちゃんと検札をやって金の受け取り、おつり銭の支払い等に問題がなければワッペンは関係ないわけですよ。だから、そういう枝葉末節のことでいざこざを起こすというようなことのないように、まず何よりも人の和を大事にするということを考えて指導をすべきときではないかという気がいたしますので、その点まず総裁の考え方をお伺いしたいと思います。
#37
○説明員(仁杉巖君) 今瀬谷先生御指摘のとおり、国鉄が百余年の歴史の中で今一番大変なときに当たっているというふうに私は認識しております。そういうときに、管理者あるいは経営者と申しますか、我々級から管理者を含めまして、それと一般職員と申しますか、労組と申しますか、そういう人たちの間でどうも関係がぎすぎすしているというようなことは、我々が運営するという立場から見ましても非常に好ましいことでないということは言うまでもございませんが、同時に、国民の目から見て、そういう姿というものは、やはり国鉄がまだ十分職場規律その他がきちっとしていないなというような御批判を受ける一つの問題点であるというふうに考えております。
 例えば、今先生御指摘のワッペンの問題でございますが、これは就業規則の中の服装の中でそういうものをつけるということは禁じられているというふうに私は解釈をいたしております。したがいまして、私どもの立場から申しますと、労組の組合員であると同時に、職員として就業規則にきちっと合った仕事をしていくということ、これはやはり職員としての立場ではきちっとしてほしいということが我々の願いでございます。もちろん、ワッペをしていたから車掌ができないとか、あるいは改札ができないということがないということは先生の御指摘のとおりだと思いますけれども、しかし、一般のお客様から見て、きちっとした服装をし名札をつけるということによってきちっとした職務が行われているということを示すということは、非常に国民に対して大事なことであるというふうに私は考えております。
 そうした意味におきまして、この問題がいつも問題になるわけでございますが、私どももいろいろと考えてみますけれども、職員と申しますか、労組方面の方々もひとつそういう面をお取り上げ願いまして、十分今置かれている国鉄の立場というものを考えて、やはりお客様である国民の方々から、なるほどきちっとしたという格好にとられるような行為をしてほしいということを私は常に念願しております。いろいろ考え方の違いその他ございますと思いますけれども、私どもとしましては、一たび国鉄という業務に入る以上、きちっとした格好でお互いに心のこもった仕事をし、お客様を大切にしていくということが大事であるというふうに理解をしているわけでございます。
#38
○瀬谷英行君 仕事をちゃんとやるということがまず第一だと私は思うんです。その仕事をちゃんとやっているということがはっきりすれば、ワッペンをつけるとかつけないとかというのは第二義的な問題である。そういう問題がいざこざの種になるということは職場における信頼感が欠けている証拠だと思うんですよ。上司がやはり信頼されていない。不信感がそこにある。それに対する抵抗の姿勢がワッペンになってあらわれると思う。だから結局は、そういうことでいざこざを起こすということはやはりその上司の人格そのものにも問題がある、こういうことになってくるんです。だから職場における人間関係、信頼関係というものがちゃんとしていれば、つまらぬことでごたごたするということはないというふうに私が思うから、そこでまず人の和を大事にするように、まずその点から総裁は指導すべきであるというふうに私は言っているわけです。
 今小柳さんから幾多の問題について指摘がございました。これらの問題の背景になっているのは結局信頼関係がないということであり、人の和が
全然欠けているということから出発しているんですよ。だからそういう大もとを正していくということをやらなければ、それは今後どういう形でもってそれが爆発するかわからない。その点を私はきちんとすべきだということを総裁に対して言っているわけです。その点の指導を、やはり総裁自身が人間的な温かみを持って自分たちの部下の人たちに接する、末端の人たちにまでその温かみが伝わるようにするということが必要ではないかと思うので、その点を申し上げたわけです。総裁の答弁をもう一度願います。
#39
○説明員(仁杉巖君) 今瀬谷先生の御指摘のとおりだと思っております。
 私はいつも現場に参りまして管理者の人たちによく会いますが、そういう場合に、やはり温かい気持ちで職員に接するということが第一であるということを申しております。もう一つ私が申しておりますのは、役職等の職務上の地位が違っておりましても、人間一人一人は同じ人間であるということで、やはり職員の人たち一人一人を尊敬するという気持ちが必要であるということをいつも言っております。これは私は、人を管理するとかしないとかという言葉がいいか悪いかは別といたしまして、職制上指揮をするということはあるわけでございますが、そういう場合でもやはりその人の人格を尊重するということが基本になければならないし、またそうしたことによって温かい気持ちでその人たちを世話し、あるいは指導していくということが第一であるというふうに、私は先生と同じような考え方を持っております。
 そういう点につきまして私が見ておりますところ、決して現在の管理者全部が満点であるというふうには私も考えておりません。したがいまして、教育を初めといたしましていろいろな面で管理者が管理者らしい形になるという努力を今までもいたしておりますし、これからも努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#40
○瀬谷英行君 大事なのは私はやはり幹部の姿勢だと思うんですよ。幾らサービスをよくしろと言ったって、改札掛や車掌や機関士、運転士という人は自分の与えられた仕事をきちんとする以外にないんです。ところがどんなに一生懸命にサービスをよくしようと思っても、肝心かなめのダイヤが極めて不便にできておって、乗りたくても一時間も電車が来ないという状態があったり、あるいは乗りかえをしようと思っても極めて不便にできておったり、そういうことはこれは幹部の方の心構えの問題なんですね。そういう点でうまくなければ、幾ら末端の職員がサービスをよくして笑顔で対応したって何にもならぬわけですよ。したがって、私は今日の国鉄のサービスの問題については幹部に責任がある、こういうふうに思います。したがって、幹部の心構えも、現場の者のせいにしないで、やはり幹部自身が心構えをきちんとするということを特に指摘をしたいと思います。
 それから分割民営の問題なんですけれども、これは大臣にお伺いしたいと思うんですが、今までのお話を聞いておりますと、分割民営が前提となっておる、そして監理委員会の答申を待つというだけなんです。総理大臣もそうなんですよ。こういうことでは政治家として一体どういう考え方を持っているのかという点がはっきりしないんですね。監理委員会の考え方が絶対に正しいかどうかということは、大臣のような立場にある人は十分に監視をして、そしてこれはよくないと自分が思ったならば、監理委員長であろうと監理委員のメンバーであろうと一喝をする、あるいは問題点を指摘をする、そういう心構えがあって私はしかるべきだと思うんです。その点監理委員会任せだったらこれは運輸省なんか要らないですよ、正直言って。これはもう監理委員会にすべてを任してしまえばいい。あとは開店休業だということになる。やはり政治の姿勢としては、分割がいいのか悪いのかという大もとから考えなきゃいかぬでしょう。もし分割がいいんだということであれば、分割をすればこういうふうに具体的によくなるんだというプランを提示をする必要があると思うんです。今まで分割民営と言いながら、じゃこういうふうに分割をすればこういうふうにうまくいくじゃないかという考え方が一度でも出たことがありますか。全然ないでしょう。その点は、分割というものは必ずしもうまい構想となっていない証拠なんですよ。
 ところが、NHKだとか東京新聞だとかサンケイ新聞だとか若干の新聞に、監理委員会はこういう方針だという、七分割あるいは八分割といったようなプランが出てきました。こういうプランは新聞社が勝手に想像したわけじゃないと思うんです。やっぱり監理委員会でそのような案が検討されて、それを聞いてきた新聞社がすっぱ抜いたんだろうと思う。だからそういう問題があるならば、ないしょでもって泥棒猫みたいにこそこそしないで、ちゃんと原案を、こういう案もあるんだということを発表して世に問うという姿勢がなければいかぬと思うんですが、その点どう思いますか。
#41
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどからるるお答え申し上げておりますように、今日国鉄をこのような事態に追い込んだのは公社制度、一元的運営ということであり、しかも、そのことによって危殆に瀕するようになったとすれば、これに基本的にメスを入れなきゃならぬということでいわゆる民営分割という線が出てきた。これは第二臨調でも指摘をされ、その命を受けて監理委員会というものができて、そしてその線で作業をなさっている。これに対して内閣は閣議においてこれを裏打ちをしている、協力するということでやっているということが基本的な姿勢でございます。
 したがいまして、私どもはその監理委員会の作業に対して協力するのは当然でありまして、今日まで事務的な段階におきましてそれぞれ監理委員会と打ち合わせをしながらやってきておるわけでございまして、これが運輸省の案だよということはやらないで、監理委員会と密接な連絡をとりながらすり合わせをやっていくということでまいりましたし、監理委員会も八月の答申、ぎりぎり八月でございましょうか、その答申に対してだんだん日にちも迫ってまいりますので、作業がさらに密になってまいりますから、私どももさらに連絡を密にしながら御協力申し上げるということでございます。
 なお、今お話がございました、発表すればいいじゃないかということでございますけれども、作業の段階でございますから、きょうはこのようになった、あしたはこのようになるというようなことを一々申し上げることがいいか悪いか、私はやはり作業の段階はそのようなことをとらない方が作業としては適当ではなかろうかと思っておるわけでございます。
 新聞等がいろいろ書いていらっしゃる。第二臨調におきましても一応分割を具体的に示しておられますので、そういう前提に立つならば、毎日毎日ニュースを追っていかれる新聞社としてはおおよそのことは、まあここらあたりかなという判断をつけられるのもそれは職業意識として当然かと思いますし、それはどこでそういうニュースソースは求められているか私も知る由もございませんが、ただ、私どもとしてはそのことには関知しておらないということだけは申し上げておきたい。
#42
○瀬谷英行君 関知していないと言われますけれども、それじゃ分割の具体案についてこういうメリットがあるんだということを少なくとも運輸省は出してみたらいいと思うんですよ、出せるものならばですよ。
 今七分割だ八分割だというのがあります。ということは一人の国鉄総裁が七人の社長、八人の社長になるわけですよ、分割案によれば。そういう格好になるわけですよ。そうすると、その分割をされた会社がそれぞれやっていくためには運賃も格差運賃というものがそこにできてくるということを考えなきゃならぬというふうに思うんですけれども、格差運賃を前提とするから分割案というものがここに出てくるんだろうと思うんです。そうでなければ分割案を出す必要はないわけです。格差運賃というものが前提になるのかどうか、これを大臣自身もお認めになるのかどうか。
 具体的に言うと、大臣出身の九州や、北海道、四国はまず島別に分けるとすれば一番分けやすい。その場合には九州は現在の本州よりも何割か割高な運賃になる、こういう形が当然これは予想されるわけです。そういう割高運賃を大臣自分の出身の九州地区においてもこれは監理委員会の答申であるからやむを得ない、喜んでお受けをする、こういうふうにおっしゃるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんです。
#43
○政府委員(棚橋泰君) 大臣がお答え申し上げておりますように、最終的に再建監理委員会がどのような分割案を結論として御提言になるかということについてはまだ明確なものを私ども存じておりません。したがいまして、先生の御指摘のように九州と云々というような具体的な問題についてお答えできる立場にはございませんけれども、一般的な問題といたしまして、国鉄の問題点の一つに全国一元的運営というものが挙げられておりますし、その一元的運営の問題点の中には、例えて言えば山手線と北海道の線とが同じような賃率で運営されるという一律運賃制というものが問題点の一つとして挙げられております。したがいまして、緊急措置においても全国一律運賃を改めるようにという御提言をいただいておりまして、本年の運賃改定では若干の格差をつけた運賃改定をお願いをしたといういきさつがございます。
 そういうようなことから、やはり現状において全国が全く同一の賃率の運賃であるということで鉄道を運営するということには問題があるという意識は持っておりますので、どのような分割案が御提言になるかわかりませんけれども、一般的には、将来的にそれぞれの分割会社がそれぞれの地域に合った運賃体系をとっていくということは当然考えられることだというふうに考えております。
#44
○瀬谷英行君 私は大臣に質問したんですけれども、今の答弁によると、分割のねらいは違った運賃を設けることだということなんですよね。山手線と北海道の運賃と同じじゃいけない。もっとわかりやすく言えば、山手線は安くして北海道は高くしろ、こういうことになるわけですよ。九州も高くしろということになるんですよ。四国も同様だということになるんですよ。分割をして、もうかるところは安くして、もうからないところは割高にしろと、具体的にはこうなるんですよ。そうすると、例えば九州なんかの場合は割高運賃ということを覚悟しなきゃならぬということになります、筋道から言うと。そういうことを大臣としては、これは監理委員会の答申とあればこれまたやむを得ない、九州が割高でも満足します、こういうふうにおっしゃるつもりなのかどうなのか、これは大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(山下徳夫君) 今事務当局からお答えいたしましたように、一元的運営の欠陥の中に確かにそういう問題があるということは、私もまた先ほど御答弁申し上げたとおりでございますから、そういう意味におきましては格差運賃が出るかもしれません。どのような形で出るのか、そこらあたりはまだ私ども承知いたしておりませんが、ただ、従来のような採算性がそのまま新しい会社に行った場合に当てはまるかどうかは別問題でございまして、これから分割の過程において合理化をされる。合理的運営はどうしたらいいかということが論議され、そして委員会において結論を出していただくということになっておりますので、そのとおりになるかどうかというのはまた別問題であろうかと思いますが、基本的には、山手線と北海道は一つの例として審議官が申し上げましたけれども、この例でわかるように、そういう点は当然考慮されるべきであるというふうに私も理解をいたしております。
#46
○瀬谷英行君 今の御答弁を要約をすれば、分割の考え方というのは格差運賃を設定することであると。山手線と九州、北海道とを同じ運賃にするということは不合理であるから、山手線は安くするかわりに遠隔地は割高にする、こういう思想がここにある、監理委員会の考え方も同様である、こういうふうに理解せざるを得ないんですが、どうですか。
#47
○国務大臣(山下徳夫君) 分割イコール格差運賃というふうには私ども理解をいたしておりません。従来の一元的運営でそういう悪い面が出てきておる、したがってそれを是正しなきゃならぬ、その結果格差運賃があるいは出るかもしれないけれども、従来の一つのパターンでもって、そのままイコールでもって出てくるとは思えない。それはこれからいわゆる分割による合理的運営ということが当然審議されるということを私は申し上げているわけでございます。
#48
○瀬谷英行君 あるいは出てくるかもではありませんよ、人口密度によって違うんですから。東京が黒字である、山手線が黒字である、これはもうはっきりしていますよね。山手線並びに首都圏の場合は営業係数はかなり黒字だろうと思うんです。総裁、この点はどのくらいですか。例えば山手線を中心にした首都圏の営業係数はどんなものですか。どのくらいの黒字になっていますか。大ざっぱでいいですから。
#49
○説明員(仁杉巖君) はっきりした数字を今手元に持っておりませんが、首都圏全体でいうと、今利子等いろんなものがございますから、大体とんとんぐらいになっているのではないかというふうに思っております。
#50
○瀬谷英行君 この間国鉄の資料を見るというと、山手線の営業係数は四五ということですよね。そうすると運賃の半分以上もうかっている。平たく言えばそういうことでしょう。だから、もし分割をする場合に、山手線というものを抱えているその地域は助かるわけですよ。しかし抱えていないところはどうかというと、大臣は格差運賃になるかもしれないと言ったけれども、かもしれないじゃなくて、完全に格差運賃ができてしまいますよ、これは理屈から言うと。九州や北海道が本州と同じ運賃でもって、補助金もなくてやっていけるというようなことにはならぬ、常識的に考えて。そういうことでしょう。そうじゃありませんか。
#51
○国務大臣(山下徳夫君) 私がイコールではないと申し上げたのは、合理的な今後の改革ということが一つでございますが、あるいは今から申し上げることは、果たしてどのように監理委員会がなさるか私は全くわかりませんが、ただ、格差運賃格差運賃とおっしゃいますけれども、これらを調整する、コントロールする一つの機能があるいはまた出てくるかもしれないという点もまだ、今私があらかじめお断り申し上げたように、そのような案が出てくるかどうかわかりませんが、ただ、今あります運賃格差だけをとらえてこれは非常に不合理ではないかということにはならないのではなかろうかと、このように理解しております。
#52
○瀬谷英行君 合理的だとか不合理だとか言っているんじゃないんですよ。事の成り行き上そうならざるを得ないだろうということを私は言っているわけです。じゃ、山手線が黒字である、だから山手線と東北線とを一緒にして一つの会社にする、あるいは、新聞にも出ておりますけれども、その場合に上越線、中央線はどうなるか、山陰線、山陽線はどうなるか、この新幹線は途中でぶった切らなければならない。こういうふうな切り方をして、それで会社によってはやっていけるところとやっていけないところと当然出てきますね、そんなことをすれば。ドル箱の東京周辺、大阪周辺を押さえているところはいいかもしれない。そうでないところはこれはどうにもならなくなるでしょう。特に青函トンネルだとか本四架橋だとか、こんなものを抱えたところはどうなりますか。これは赤字にさらに輪をかけるということにしかならぬでしょう。
 それでは青函トンネルの問題に触れますけれども、青函トンネルについては、もし従来どおりの方式でいけば年間九百億ぐらい払っていかなきゃならぬということになりますね。これを分割をした場合にどこが引き受けるんですか。これは自前で引き受ける民間会社が出てくれば別でありますけれども、そういう会社が出てこなければ青函トンネルというものは自前じゃやっていけないとい
うことになると思うし、それをしょい込んだ会社はえらい負担になるというふうに思わざるを得ないんでありますが、その点どうですか。
#53
○政府委員(棚橋泰君) 青函トンネルと本四架橋につきましては、先生ただいま御指摘のように、この資本費は、青函トンネルの場合を例にとりますと、若干工期が延びた関係もございまして、従来八百億と申しておりましたが、現在の試算では八百九十億ぐらいの借料を払わないとならない、こういう計算になっております。したがいまして、このようなものを現在の国鉄ないしはその後の経営形態変更後の国鉄というものが支払うということは、これはおっしゃるように非常に困難な問題だというふうに考えております。
 この点につきましては、臨調答申におきましても既にその点の御指摘がございまして、何らかの形で分割会社、すなわち臨調答申でいいますところの分割会社、すなわち経営形態変更後の国鉄の負担とならないように「措置(財源措置を含む。)する。」と、こういうふうに御提言がなされております。この答申を受けまして、再建監理委員会におきましても、本四と青函トンネルの資本費の負担については、これを何らかの形で国鉄のその他の長期債務の問題と一括して別途処理するというふうな形での御検討がなされるというふうに期待をしておるわけでございます。
#54
○瀬谷英行君 青函トンネルのような費用は別途処理をするという考え方は、こういう投資は国家的投資であるということになるんじゃないかと思うんですよ。新幹線にしても同様ですよね。国鉄の累積債務、いわゆる俗に言う赤字の内容は、ほとんどがこういう国家的投資を国鉄という企業がしょい込んだためにだんだんふえてきている赤字だというふうに私は見るんです。そういう見方は間違っておりますか。間違っていないと思うんですが、総裁どうですか。
#55
○説明員(仁杉巖君) ある面で、先生の御指摘のように、投資が必ずしも増収に結びついていないという面があると思います。しかし、もう一つ私は大きいと思いますのは、出てくる赤字を借金で埋めているという問題点がございます。これが実は現在、六十年度の予算でも利子、取扱費含めまして一兆三千億ぐらいの負担になっております。もう一つ大きいのは年金負担の問題、この辺のところがやっぱり大きい問題であるというふうに考えております。過去の投資も確かに物によって有効に働いていないという面があるということは御指摘のとおりだと思います。
 それから、さっき先生からちょっと御指摘がございました東京圏でございますが、小田原とか佐倉、蘇我、それから水戸とか高崎、高尾とか、この辺を大きくとっておりますが、首都圏では大体九四%ぐらいの営業係数になっております。
#56
○瀬谷英行君 要するに、借金でもってこういう投資の埋め合わせをするということをやってきておるわけですね。だから、もうからない仕事を借金でやるという形をとっておるわけでしょう。個人で言うと、サラ金から金を借りて慈善事業に寄附するようなものですよね。だれがやったってこれで赤字が出なかったら不思議なんですよ。当然赤字が出るような仕組みになっている。その仕組みを今日までほっておいた政府の責任というものについて何も触れないというのは私は遺憾だと思うんですね。これはやはり政府自身が責任を負うべきことだと思います。当然政府の責任においてこれらの赤字は処理をすべき性格のものだと思う。それを国鉄という企業におっかぶせようとすることは、これは逆に言うと国鉄に対する甘えになってしまうんです。
 その点大臣も、赤字の問題は一元的公社制度ということだけをおっしゃっているけれども、そんなものじゃない。今総裁は借金でもって赤字を埋めるということを言っているわけなんですね。だとすれば、これは今までのやり方に問題があるんじゃないですか。公社だからということじゃないでしょう。毎年の国鉄の予算というのは、政府の予算として国会に示されて、そしてこれを政府原案として我々は処理をしてきたわけですね。その点考えるとこれは明らかに政治責任じゃないかと私は思う。特定人件費にしても同じですよね。これは公務員として、あるいは昔は官吏という格好でもって入ってきた人。当然そういう身分が継続をすると思ったら今はそうでなくなったということから、今さらおれは知らぬというわけにはいかないんですから、これも当然国家的責任において処理をしなきゃならぬことでしょう。だとすると、これらの赤字責任というものは政府において考えるというのが極めて当然だというふうに私は思うんですが、その点政府の立場から大臣はどのようにお考えになりますか。
#57
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから何回か申し上げましたように、今日国鉄をこのような事態に追い込んだのは公社制度と一元的運営である。これは大きな一つの今日まで指摘された欠陥であり、幾たびかこれを是正しようとしながらできなかった。その結果たくさんの赤字を生み、その結果この累積赤字から生ずるところの利息の支払いその他が出てきておるわけでございますから、青函トンネル、これから開業しようとするものと全くこれは別の形態でございまして、これを比較するのはどうかと私は思うわけでございます。そしてその赤字の処理についてはこれからは再建監理委員会で適当なる御決定を願うということでございますから、私どもは監理委員会の答申を待ってこの問題に対処してまいりたいと思っております。
#58
○瀬谷英行君 大臣の答弁もう少し、余り型にはまらないように、だれかに書いてもらったやつを何回も読むから、さっきも申し上げたとおりと言うんだ。私が言っているのは同じことを聞いているんじゃないんですよね。だから余りメモに頼らないで答弁してもらいたいんです。
 それで、青函トンネルとは違うとおっしゃるけれども、国鉄が今までしょい込んできた累積債務の内容を見ると、国家的投資に該当するものが多いんじゃないかということを言っているんですよ。青函トンネルだってそうでしょう。民間であんなばかな投資する会社なんかありはしませんよね。土光さんだって青函トンネル引き受けてくれと言ったら困るでしょう。うんと言わないと思うんですよ。そうすると、国家的投資というものは国家が責任を負うというのが原則だと思うのですよ、どこの国でも。日本だけが企業体である国鉄にしょわせるということを今までやってきた。これは一種の責任回避ですよ。こういうやり方は私は間違っていると思う。
 さらに、この間監理委員長も言っていたし、今までも言っておりましたが、管理能力の限界を超えている、人数が多過ぎるということを言っているんです。じゃ電電はどうだというんですよね。電電は三十二万でもって、そして地域は国鉄より広いですよ。沖縄まで区域に入っているんですからね。国鉄は沖縄まで走っていないですから。そうすると、はるかに大きな区域で、しかも人数も多い電電が一社制でもってやっていけるのに、国鉄はどういうわけで管理能力の限界を超えているから分割しなきゃならぬという理屈になるのですか。これは理屈として合わないと思うのですがね。その点どうですか。
#59
○国務大臣(山下徳夫君) 私が青函トンネルと国鉄の問題、全体的な赤字の処理の問題は別だと申し上げているのは、今もお話がございましたように、それが国家投資であるかという点でございます。つまり、再建監理委員会、まだ開業に至っておらない、既に相当の投資をして、どんなそろばん勘定でもこれは別途国民の何らかの形において負担になるような処理の仕方でなければならぬということを申し上げておるのでありまして、片方の国鉄は、今日まで長い間適用してきたその経営のあり方に問題があったのであって、これは国家投資だけではないということを申し上げているわけでありまして、私は何もメモに頼っているわけではなくて、私の考えを先ほどから申し上げている次第でございます。不足の点はまた審議官が御答弁申し上げます。
#60
○瀬谷英行君 いいですよ、審議官に言ってもら
わなくても。
 この間の青函トンネルの貫通式で大臣は、青函トンネルについては新幹線を通すということも考えていいようなことを発表されたようです。青函トンネルの使用目的というのは元来どういうところにあったのかということですよね。ここを今もてあましているというのはこれは極めて遺憾だと思うんですね。中途半端な使い道をすべきじゃないと私は思うんですよ。国家投資をするなら国家投資でもって徹底をしてそしてこの青函トンネルを生かすようにしないと、これは宝の持ちぐされになると思うんですね。その点大臣どのようにお考えになりますか。
#61
○国務大臣(山下徳夫君) あのとき私が申し上げたことも、七千億円という莫大な投資をやっている。したがって、なるたけこれは国民のお役に立ち、国民が納得できる使い方をしなきゃならぬ。そのことで、従来から計画されてきたとおり、まず在来線として工事を進め、そのような形でもって運営する。同時にまた、カートレーンにつきましても、これは青函トンネル問題懇談会で一応の答えを出していただいております三つの案がございます。これも十分検討に値する。あわせてまた将来にわたっては新幹線ということも当然考えられる、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#62
○瀬谷英行君 カートレーンなんていう結論は苦し紛れの結論だと思うんですよね。あそこだけカートレーンを走らせたってしようがないでしょう。それよりカーフェリーの方がよほど気がきいているということになるんですよね。トンネルをくぐるか船に載せるかの違いですよ。カートレーンだって列車に車を載っけるんですからね。船に自動車を載せるよりもはるかに手間かかりますよ。細長い格好の車両を編成しなきゃならぬのですからね。しかも、トンネルくぐるだけでそれでわざわざ物好きがカートレーンのために車をそこに載せるかどうか。所要時間その他を考えてみるとカートレーンが十分に採算の合う方法だというふうには思われません、これは。そこで、そうかといってまだこの問題もどれが一番いいかという名案が出ていないんですね。
 そこで、私もひとつこの機会にお伺いしたいんですが、リニアモーターカーというのを国鉄で今研究機関としてやっていますね。このリニアモーターカーというのはやはり将来目的があるから実験をしているんでしょう。目的がないのなら何も実験する必要ないと思う。それならばこのリニアモーターカーの使用目的はどこにあるのか。どういうところに使用しようとしているのか。何でまた日本航空と国鉄と別々にこのリニアモーターカーを研究しているのか。
 筑波の科学万博では日本航空のリニアモーターカーが展示されているようでありますけれども、それぞれやはり使用目的があり、将来計画があってのことだと思うんですが、こういうものを青函トンネルなんかに使ってみるというような構想はないのかどうか。もし、在来線がいいのか広軌がいいのか、使い道がわからないくらいだったならば、リニアモーターカーの実験線か何かに使った方が私はよっぽど気がきいているんじゃないかと思ったんですが、このリニアモーターカーの使用目的、あるいはまたその考え方がこういう新しいトンネルをつくった場合に考えられないのかどうか、その点大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#63
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほども触れましたけれども、日本の国内における一つの複合的な交通体系を将来にわたって考えてみた場合にいろいろな問題が出てくると思うのでございますが、陸海空すべてを総合的に考えてみた場合。同じ陸でも自動車あるいは鉄道とかその他いろいろございましょうが、そういう中にあって、これから考えられる一つの交通体系としてのリニアモーターカーの開発ということでございましょう。そしてそれは、一定の地域、一定の頻度と申しましょうか、利用の度数等に応じてリニアモーターカーというのは今後使用する一つの可能性が出てきておるから実験をやっておるわけでございますが、現段階におきましてこれが直ちに青函に適当であるかどうかということは私も全く存じません。また、斎藤さんを会長とする懇談会の答申にもリニアモーターカーの問題は触れられておりませんが、先生の御意見として承っておきたいと思います。
#64
○瀬谷英行君 私は、いろいろ実験をしたりなんかして金をかけているものはむだにしちゃいかぬと思うんですよ。青函トンネルだって中途半端にすることはよくないと思うんですよね。例えば今東北新幹線というのは盛岡どまりですわな。それで、青函トンネルの中だけ一メートル四十三センチ半の新幹線と同じ軌条を引くということをやれば、盛岡どまりの東北新幹線は青函トンネルくぐれないわけですよね。そこまで行かれないわけでしょう。そうするとこんなことは随分むだなことだと思わざるを得ないんですよね。東北新幹線についてもいろいろと問題はあると思いますけれども、東北本線が青森どまりなのに東北新幹線が盛岡どまりというのはこれはどういうわけなのか。これも中途半端だと思うんですよ。だからこれは地元の人のいら立ちは無理もないと思うんです。モーニングを着てズボンだけひざまでしかないというような、こういう格好なんですね、東北新幹線は。こういう中途半端な状態をほっといていいのかどうかということですね。
 この点は大臣どう思いますか。
#65
○政府委員(棚橋泰君) 先生御承知のように、盛岡まで新幹線ございまして、それから先は整備新幹線ということで、ことしの予算におきましてはとりあえず五十億と調査費十四億ということで、本年度から着工を行うために八月までに条件を整える、こういうことになっておるわけでございます。
 それから、青函トンネルは、先生御指摘のように、新幹線が通り得る規格につくってございますけれども、これは北海道新幹線という中に分類される新幹線が将来通り得るような形でつくってあるということでございまして、これはトンネルをつくります際に、将来の交通全体の体系から見て手戻りになることがないように、新幹線を通し得るような規格でつくってある。この点は本四架橋の坂出ルートも同様な形になっておるわけでございます。ただ、この上に現実に新幹線を通すか通さないかというのは、新幹線全体計画として順次これを行っていくという形で行われておるわけでございます。
 基本的には、御指摘のように、つくったものは有効に使うということにつきましてはまさに御指摘のとおりであろうというふうに思いますので、極力将来的にはそういうものを活用していくということを考えるべきだと思いますが、財政状態その他の兼ね合いで決められていくべき問題だというふうに考えております。
#66
○瀬谷英行君 財政的に考えた場合に、国鉄が借金でもって建設をしなきゃならないというスタイルを今までとってきたわけだけれども、そういうスタイルを今後も続けていくならば、これは整備新幹線なんかできっこないですよ。あきらめちゃった方がいい。それから青函トントルだって、もしそういう方式をとるならばこれはやれないと思う。そうでなくて国家的投資でもってやろうということであれば、中途半端なことをしないで、北海道新幹線という最もすっきりした格好でやった方がいいし、カートレーンにしたところで、青森―函館間だけを、トンネルくぐらせるときだけ汽車に載っけてということじゃこれは恐らく利用者がないと思うから、もしカートレーンをもっと大々的に広げていこうということであれば、北海道から東京までカートレーンを走らせるという構想を立てなければだれも寄ってこないと思うんですよ。その点中途半端なことをやるべきでないということを私は特に指摘したいし、そういうことをやる構想に立てば、本州、北海道、さらに本州を幾つかに分割をするというようなやり方ではこれはどうにもならぬだろうという気がするんですよ。
 第一、その接点はどうするのか。東京が一番収
益を上げているからといって、じゃ東北とくっつけるか、上信越とくっつけるか。みんな東京のもうけを折半をするような格好にして東海道と上信越、中央線、東北線というふうにくっつけたんじゃ、これはヤマタノオロチみたいな格好になってしまってどうにもならぬわけですよ。第一、山手線を分割をするといったって、これは言ってみれば一枚のお皿みたいなもので、あれは一枚の皿だから役に立つんで、落っことして二枚か三枚に割ってしまったらこれは皿としての役目を果たさないことになるわけですよ。だから、そういう無理な理屈をつけて分割案を練るということは愚の骨頂だと私は思うんですよ。
 だから、そういう点から考えると、この分割案というものは、もし自信があるんならば、こういうふうに分割をすればどこの会社もみんなうまくやっていけます、便利になります、格差運賃は設けません、こういう原案を出してみる必要があると思うんです。そういう原案を運輸省が出せない。監理委員会じゃなお出せませんよ、素人の集まりなんだから。ともかくも運輸省の場合はああいう素人の集まりじゃなくてプロの集まりなんですからね。プロの集まりにいい知恵が出ないものが素人の集まりにいい知恵が出るわけないんですよ。そこのところは監理委員会にお任せしますなんていういいかげんなことを言わないで、できることはできる、できないことはできないとけじめをつけてやる方が彼らにとっても親切なことになるんじゃないかと私は思うんですよ。だから、分割民営ということを至上命令にするということは私はこれは利口じゃないというふうに思います。
 しかし、それは内閣の方針だからとおっしゃるならば、ひとつ具体案を幾つか示して、それで、少なくともこの問題は立法府では衆参の運輸委員会が専門の役目なんですから、運輸委員会にそれを示して検討させるぐらいのことをやるべきだと思うんですよ。我々に何にも話をしないで、どこかこそこそと人に隠れたところで作業をして監理委員会の答えを出そうなんていうことは、私はとういう重要な問題の進め方として間違っているというふうに思うんですが、大臣はその点はどう思いますか。
#67
○国務大臣(山下徳夫君) 運輸省だけが玄人のようでございますが、大変な権威者でございまして、夜となく昼となく、数百回でしょうか、今日までずっと審議を重ねてこられました再建監理委員会の五名の方々は、お一人お一人が今日においては大変な権威者になっておられると私は思っております。したがって、この五人でもって御審議いただいておる再建案というものの答申は、私は大変立派なものが出てくるものと期待をいたしておるわけでございます。
 なお、皆様方に御審議いただくのは、再建監理委員会から出てまいりましたものを立法化した段階におきまして、相当の莫大な範囲内におけるこれは法律の改正が必要かと思われますが、その段階において立法府である先生方に十分御審議をいただきたいと思っております。
#68
○瀬谷英行君 数百回も審議していてまだ具体的なプランが出てないというのは、これは何にもわかっていない証拠なんです。権威者じゃないという証拠なんですよ。権威者だったならば、数百回も小田原評定やらなくたって二、三回やれば大概うまいプランが出てくるものなんで、それが出てこないというところに問題がある。しかし、このことを論争してみても始まりませんから、きょうはこの点についてはこれ以上触れませんけれども、国鉄に対して特に要望したいことがあるんです。
 さっき小柳さんも言ったんですけれども、過員対策として、例えば文鎮をつくるとか竹細工をつくるとか、そんなことをやらせたり、あるいは上野の駅でコーヒーを売らせたり、そんなことをやって二十二兆の累積債務を処理できるというものじゃないと思うんですよ。それよりももっと広範に仕事をさせるということを考えるべきじゃないですか。私鉄並みにということを言われているんです。それならば私鉄並みに広範に国鉄の用地を使って、施設を使ってどんどん仕事をさせることを考えたらいいんじゃないですか、そういうけちなことはさせないで。これは文鎮だの竹細工だのということはちょっと悲しい話になると思うんですね。
 それから、運賃の改定について私もちょっと感じたんですけれども、きょうも新幹線を利用しました、私が。それで新幹線で電話かけられる。大変にあの上越新幹線便利になりましたよ。だけれども、その際にグリーン車を通ったら一人もお客がいないんですよ。一人もお客がいないグリーン車で幾ら高い運賃を取ったってこれは一銭の収入にもならぬでしょう。もっと私は安い料金でたくさんの人間を乗せることを根本的に考えるべきだと思うんです。グリーン車を通って、本当にこんなところに座れないと思いましたよ。追いはぎが出てくるおそれがある。もっと安い料金でたくさん乗せる、これが国鉄の使命じゃないかと思うんです。
 国鉄というのは大体雑貨商的な性格を持っているんですよね。にもかかわらず宝石商のように高いものを売りつけて、たまに商売すればいい、こういう根性があるんですよね。これは間違っちゃいませんか。これはやはり運賃、料金の際に考えるべきだと思うんです。特に指定席なんというのはいっぱいあります。半分以上が、三分の二が指定席、それで自由席はわずかしかない。自由席にいっぱい人は乗っているけれども、指定席の方はがらがらだ。こういういいかげんな状態でもって毎日運行しているというのは、私は、少なくとも総裁は、あなた自身は私鉄の仕事に携わってきたんだからこんなむだなことをやっていたんじゃいけないというふうな自覚がなきゃいけないと思いますよ。一度乗ってみてごらんなさいよ。グリーン車なんというのは本当に怖くて乗っていられませんよ。
 こういうことを考えた場合には、少なくとも運賃と料金とのバランスをもっと考えるべきだと思うんです。運賃をはるかに上回るような特急料金、急行料金を取って、みんな利用者が敬遠をする、こういうことを今は続けています。しかし、それよりももっと安い料金にしてたくさんの人間を乗せるということの方が国鉄の使命にかなうというふうに私は思うんですが、私の考え方に対して総裁並びに大臣の見解をお伺いしたい。さらに、私の考え方が間違っているなら間違っているでいい。間違っていないならば直ちにそれを実行に移すということを約束してもらいたいと思うんですが、どうですか。
#69
○国務大臣(山下徳夫君) グリーン車に追いはぎが出るんじゃこれは大変なことでございますが、問題は、国立病院の差額ベッドと似た問題があると思うのでございますが、それぞれ国が経営しておるという立場で、一つの社会的なニーズ、それからやっぱり公共性という面を考慮しながら私はその料金というものはおのずから決められていくと思うのでございます。お一人しか乗っておられなかったというのでございますけれども……
#70
○瀬谷英行君 いや、一人も乗ってなかったよ。
#71
○国務大臣(山下徳夫君) 常にそういう状態であればこれは大変な問題であろうと思いますが、指数等については国鉄当局がお詳しいと思います。基本的には私はやはりそういう点から決められるべきであると思っております。
#72
○説明員(仁杉巖君) 先生御承知のとおり、先生のお乗りになったのは上越新幹線ではないかと思いますが、上越新幹線も六割ぐらい実は増発を今度いたしております。前々から東北と上越を比較いたしますと上越の方が非常に乗りが悪いという問題がございます。そうした中で、私も実は、安定した中であきが相当あるのではないかということを心配いたしております。これらにつきましては、すぐに今ここでお約束するというわけにもまいらないと思いますが、どういうふうな対策を考えるかというようなことにつきまして、もう少しお客様の動向等を見ながら処理を考えてまいりたいというふうに考えております。
 先生の御示唆も一つの御示唆として、貴重な御
意見として拝聴しておく次第でございます。今後もう少し検討してまいりたいと思っております。
#73
○大木浩君 運輸省の受け持ちというのは陸海空にわたっているわけでございますが、時間が余りございませんので、二、三の問題に限って大臣並びに事務方の御意見をいただきたいと思います。
 まず、もう先ほどから非常に問題になっております国鉄でありますけれども、現在の国鉄が抱えているいろいろな大問題というのが、国鉄の体質に由来するかどうかというようなことはいろいろ議論があるところだと思いますけれども、もう既に先ほどからお話があるように、当事者であります運輸省及び国鉄がそれぞれ非常に違った立場を今とっておられる。先ほどから再々大臣がお話しのように、運輸省としては民営分割ということを基本方針として、それに沿った答申というものがいずれ再建委員会から出てくるだろう、こういうことを述べておられる。
 ところが当事者の国鉄の方は、もうこれ労使を含めて、国鉄の案ということで、今の分割には反対だという非常に明確な意見がここに出ておるわけでございます。国民の目から見れば運輸省であろうが国鉄であろうが言うなれば当事者でありますけれども、その当事者である両者が、片っ方は賛成、片っ方は反対ということで全く二つに分かれておる。片っ方は源氏の白旗で片っ方は平家の赤旗だと。二つが対峙したままでにらみ合って、そのままで一体監理委員会の意見が出てくるまでお待ちになるのか、それとも、その当事者である国鉄及び運輸省の間で、その間におきましてもいろいろなお話が行われるのか、その点について御意見をいただきたいと思います。
#74
○政府委員(棚橋泰君) 先生ただいま御指摘のように、再建監理委員会の昨年の緊急提言を受けまして、国鉄の方からことしの一日十日に、民営化ではあるけれども基本的には全国一元的の運営という形の基本方策というのが出てまいったわけでございます。これに対しましては、運輸省といたしましては、再建監理委員会と基本的に認識を同じくする立場でございますので、国鉄自身がこういう改革案を出したということにつきましては評価すべき点もございますけれども、その内容については不十分な点が多い、こういう立場をとっておるわけでございます。
 ただ、国鉄の方は、この方策を出しますときに同時に総裁声明というものを出しておりまして、現在の段階において国鉄はこのような方策がよいと思うということでこのような案を出すけれども、さらに昭和六十五年度においてその後の経営のあり方を再検討すべきであるということを言っておるし、また、監理委員会、政府において最終的な案が出た場合には、これを受けて全力を挙げてその実現に努めるという意味の総裁からの声明が出ております。
 したがいまして、私どもといたしましては、大臣が国鉄総裁を呼びまして、国鉄の出しました再建方策については一応の評価はするけれども、基本的には再建監理委員会の審議に協力して立派な最終的な提言が出るようにということを指示をいたしておりまして、総裁もそれを受けまして、全面的に協力をして、審議にいい結論が出るように協力をしたい、こういう発言があったわけでございます。その意味におきましては、先生がおっしゃるように、運輸省と国鉄が源氏と平家の白旗と赤旗のように対立しているということではなく、それぞれ自分たちとしての意見は言い合うけれども、最終的には監理委員会の提言を受けて、政府として立派な再建ができるようなことに協力し合っていくということになっておるというふうに理解をいたしております。
#75
○大木浩君 その今の評価というのは私はよくわからないんですが、そういたしますと、いろいろ細かい点については意見が合っているところもある、あるいはなるほどと思うところもあるけれども、分割民営の点については、運輸省としては依然としてそういう基本方針について、時期の点は多少ありますけれども、やっぱり国鉄もそれに沿って一生懸命やれよと、その点は譲っていない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#76
○政府委員(棚橋泰君) 再建監理委員会は昨年の秋の緊急提言で明確に、分割民営化を念頭において最終案の検討に入る、こうおっしゃっておりますし、私どもも基本的にそれに対する認識を同じくしておるというふうに考えております。一方国鉄の方は先ほど申し上げましたようなことでございまして、当面は全国一元的な会社で運営していきたい、こういうことでございます。したがいまして、その点につきましては運輸省としては国鉄の案は明確にこれは不十分なものであるというふうに考えております。
#77
○大木浩君 ちょっと別の問題に移りますけれども、現在そういうことで国鉄の再建についてはこれは相当長期にわたる問題だと思います。
 ところで、現在国鉄が抱えているいろいろな問題の中には、必ずしも長期にゆっくりやればいいというような問題でなくて、すぐに解決を迫られているような問題もいろいろあるわけであります。特に地方公共団体との関係というようなことにつきましては、長年にわたっていろいろ交渉していてもなかなか解決がつかないような問題が多い。ただ、そういった問題が出てまいりましても、いや国鉄も大問題を抱えているのでなかなかそう急にお答えが出ませんというようなことが多いように私は感じております。
 ちょっと一例を申し上げて恐縮ですけれども、私の愛知県の春日井市に勝川という駅がございます。この駅は中央線ですけれども、瀬戸線という新しい線が入ってくる、そういう話がありまして、都市計画とも絡んでいろいろな計画が議論されているわけですけれども、要するに、これは随分長い間計画がありまして、だから市の方からいいますと、今いろいろな状況があるものですから、瀬戸線を一体どういうふうに入れるか、いつ入れるか、どういうふうに入れるかというような細かい問題は別といたしまして、市の都市計画との関連でいえば、早く基本的なところは決めてもらいたいというような話が出ております。
 これは私も国鉄なりあるいは鉄建公団といろいろ話をしているんですけれども、要するに、細かい点は別にして、市としては、どういう仮に線が入ってくるか、それから面積はどういうことになるか、あるいは勝川の駅が新しい乗り入れに関連いたしましてどういうことになるかというごく概略だけを早く決めてもらいたい、こういうことを言っているわけです。私もいろいろ議論を聞いていますと、その概略を決めることはできるんじゃないかという感じを非常に強く持っておりますが、どうも国鉄さんの反応は、いやいやまだいろいろと不確定要素が多いということで、これは本当に十年を超える議論を行っておられるように私は理解しております。
 きょうは総裁帰られましたけれども、やっぱりこういう問題がいろいろあるのは、これから国鉄の再建という場合には、やはりそれぞれの地元のいろいろな市町村と協力関係ということを強めていかなければなかなか解決できるものではないということからいいますと、もう少しそれぞれの地域に応じた解決というものを図っていただきたいということを、これは私の要望でございますが、そういうことについてひとつ運輸省の方からも強力な御指導をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#78
○政府委員(棚橋泰君) 国鉄関連の工事につきましては、御承知のように、国鉄の厳しい財政状況ということでございまして、五十七年の九月に閣議決定、さらに五十八年の八月の国鉄再建監理委員会からの緊急提言というようなものを踏まえまして、工事については安全の関係のものを除きまして原則としてこれを停止するということで対応しておるわけでございます。
 先生御指摘の瀬戸線は、鉄道建設公団によって建設されておりますけれども、これも同様に原則として停止をするということで、所々方々でつくっております建設線も工事を凍結している部分が多いわけでございます。
 瀬戸線は、御承知のように、岡多線から瀬戸線に入りまして高蔵寺まで、これが間もなく完成をいたしますが、高蔵寺から勝川の間は中央線を活用するということで、これは工事を凍結いたしております。それから勝川から枇杷島につきましては、相当工事が進んでおりますけれども、この線はもともと貨物線として設計されましたものを、途中から何か都市交通に使えないかという形で、枇杷島のところの取りつけを変更して都市交通線にしようということで建設を進めているものでございまして、そういう意味で完成後も採算が非常に悪い、また名古屋方向に行く方向としては中央線の方が距離的にも近いというようなこともございまして、この工事については原則として停止をするという形で対応しておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、地元の都市計画とか、ないしは他の例えば地下鉄の乗り入れとか、そういうようなものとの関連工事でやむを得ない部分につきましてのみ工事を実施をしておるという段階でございます。
 そこで、御指摘の勝川駅の都市計画との関連での設計の問題でございますけれども、以上のようなことで、国鉄当局及び鉄道建設公団も基本的に現在の段階で明確にこういう形で乗り入れの設計をいたしますということはお答えできない立場ではないかと思います。ただ、御指摘のように地元にはまた都市計画という急がなければならない問題もあるわけでございますので、そういう問題につきましては許す範囲においてケース・バイ・ケースで弾力的に対応をすべきだというふうに考えておりますので、再度事情を十分調査をいたしまして、公団、国鉄に対してできる限りケース・バイ・ケースとしての柔軟な対応をするように指導をしてまいりたい、かように考えております。
#79
○大木浩君 重ねて申し上げますけれども、私が申し上げておりますのは、瀬戸線の乗り入れを早くやれとかということじゃなくて、都市計画との関連で駅の要するに用地の面積ですね、それを早く確定してくれということです。これは別に分けて考え得るだろうと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 時間がございませんので、今度国際航空に移らしていただきますけれども、先ほどもお話がございました日米航空交渉が中断状況にありますが、これはいずれ近いうちに再開されると理解してよろしゅうございますか。
#80
○国務大臣(山下徳夫君) 再開される予定になっております。
#81
○大木浩君 そこで、交渉がこれから行われるわけでございますので、その内容については余り立ち入って聞くことは差し控えたいと思いますけれども、日米航空交渉が行われるたびに、不平等条約じゃないかというような議論がよくありまして、もっと強い立場で議論しろというようなことがあるんですけれども、一体不平等というのは何が不平等なんだということについて、これは一般論でいいんですけれども、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
#82
○政府委員(仲田豊一郎君) 基本的に日米航空協定が不平等ということでございますが、はっきりしている点は二つあると思います。
 一つは路線の権利の問題でございまして、今の航空協定の仕組みで申しますと、国内はどこからどこの地点を使ってもいい、相手の国の地点だけを特定する、そういう仕組みになっているわけです。そういたしますと、アメリカの方からは、アメリカのあの広い国土、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ダラス、ニューヨーク、どこからでも東京という地点が書いてあれば来れる。ところが、東京からさてダラスへ行こうと思うと、それは向こうの方に書いてないということで、同じような輸送という観点から見ますと、一つの例えば東京―ダラスというマーケットを考えてみますときに、現在の航空協定では、アメリカの方はダラスから自由に来れるけれども、日本の方からは行けない、そういう仕組みになっているわけです。こういう路線権の不平等というのが一つあるわけでございます。
 それからもう一つの点は以遠権の不平等でございまして、これはアメリカの企業は、東京または大阪から以遠の地点、東南アジアだろうが中国だろうが、どこでも行けるという形になっております。日本の企業は、サンフランシスコ、ニューヨークからヨーロッパへという以遠権、これはまだ現在は使っておりませんが、それから、ロサンゼルス以遠、ブラジルへの二便、そういうようなものに限られて、日本の方の以遠権は非常に限られております。
 この二点が一番大きな両国間の航空権益の不平等の典型的なものではないかと思っております。
#83
○大木浩君 いろいろあると思うんですけれども、日本のようにこういう細い国では、乗り入れ地点といっても、外国から見て興味のある地点というのはほとんど東京に集中してきてしまっている。あちらのアメリカだとかほかの大きな国はいろんな乗り入れ地点がありますから、一つ一つもらっていくたびに交渉しなければならぬ、こういうことになりますね。だから私は、日本の、これも一般論ですけれども、外国から見ても非常に興味のある乗り入れ地点というのをもっと分散といいますか、追加といいますか、つくることが一つの交渉力を強めるゆえんじゃないかと思うんです。そういうことで、現在大阪の新空港の議論もございますし、私の方の中部地方も中部新空港というようなことを言っておりますが、それがなかなかできないということは、非常に我々としても、国内的な問題からいっても早く整備してもらいたいということがあるわけですけれども、国際的な観点からいってももっと整備したらいいんじゃないかと思うんです。
 関西新空港につきましては、これは既に動いているんですが、一体いつごろできていつごろから現実に使えるようになる状況でございますか。
#84
○国務大臣(山下徳夫君) これは六十七年度中に一番機を飛ばすという予定になっております。
#85
○大木浩君 そこで、一生懸命やっても大阪がやっと六十七年から使えるということになりますと、現在私どもの方の地域で議論になっております中部国際空港をどこか伊勢湾につくろう、こういう話なんですが、これも仮に今からすぐやり出しても相当時間がたつということになるわけでありますから、これはよほど今から将来に向かって手を打っていかないといかぬのじゃないかという考え方があると思います、当然に。先般来運輸省に対してもいろいろと申し上げているわけですけれども、これは将来に向かって早く手を打たなきゃいかぬという議論を展開しておるわけです。
 御存じのように、中部と申しますか、名古屋周辺でいいますと小牧空港がある、現実に。小牧空港は運輸省の方のお考え方からいうとまだ一〇〇%十分使ってないじゃないか、こういう議論になって、だから新空港といってもという話になるわけですけれども、やはり大阪空港でさえ六十七年。仮にこれから中部つくるとすればずっとまだ先になります。ですからよほど今から、むしろもう今からでも遅いぐらいの気持ちで取りかからないといかぬのじゃないか。現在の小牧空港をどうするかという問題ももちろんあります。これはいろいろ理由があって十分に使い切れないという問題があるわけですけれども、これを使ってないから、一〇〇%使うようになるまで新しい話はだめだということではなくて、将来に向かってこれは必ず私は需要が出てくると思います。そういうことで、これはひとつそういった前向きな見地から御検討を願いたいと思いますが、いかがでございますか。
#86
○政府委員(西村康雄君) 今、中部の国際空港についての問題を御提起いただいたわけですが、私どもも、中部圏というものの将来のポテンシャルを考えますと、やはりここは本格的な国際空港というのがいずれ必要になってくるというふうな認識はしておるわけですが、ただ、今お話がございましたように、小牧の空港というのがまだまだ使いでがある。そういう点から申しますと、今の航空の利用状況から申しますと、どうもまだ十年やそこらは十分もつ空港だという理解をしているわ
けです。実際にこれから新しい名古屋の国際空港をやるということになりますと、今お話しのように、やはりいろいろと時間もかかるということですから、今からいろいろと考えて遅くないじゃないかというのは御指摘のとおりでございます。私ども、こういう大きな空港をつくっていくためにはいろいろ準備が要りますが、特にそのうち一番重要なのは地元の合意でございます。成田の国際空港の場合もそうでございました。そして関西国際空港の建設がおくれましたのも、やはり地元の合意というものが十分にできなかったということでございました。
 ところで、先般超党派で中部の国際空港をやろうということで動き出されているのは非常にいいことだと思っているわけですが、地元の合意、特にどこにどういうふうに飛行場をつくるかというためには十分地元で御検討いただかないといけない。この調査検討はまず地元でひとつお取り上げて進めていただきたい。そういうことを待ちましてこれからやっていこう、私どもも対応して考えていきたいということでございます。将来に向かって中部の地域では何かこれやっていかなきゃいかぬというような基本的認識は私どもも同様に持っております。
#87
○大木浩君 小牧をできるだけ利用しろというお話もわかるんですが、もういろいろな制約もありまして、少なくとも十年ぐらいは使えるよというお話ではなくて、将来に向かってはむしろ別個のものとして検討をしていただきたいというのが我々の率直な感じであります。
 そこで、新空港についてもやはりこれは地元の積極的な何というか意思がなきゃだめだと、それは十分よくわかるわけでございます。そういうことで、今もお話がございましたけれども、地元での期成同盟会ないしは議員連盟などもつくりましてやっているわけですけれども、そういうことになりますといろいろな調査ということをまず始めなきゃならぬ。調査につきましては、もちろん地元もやりますけれども、これはやはりいろんな専門的な知識も要るし、それだけの何と申しますか方法も必要なわけでございますから、地元の方でも、これは国土庁であったと思いますが、二十一世紀の中部圏全体の、これは航空に限らないけれども、開発計画というようなものの中で調査を進めようということで既に話を始めております。それからまた地元での期成同盟もいろいろと関連の調査を進めておるということでございますので、これはぜひ大臣、こういうものについて運輸省としても可能な限りひとつ御協力いただくという御意思を御表明いただきたい。
#88
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから局長が申し上げましたとおり、私ども、二十一世紀に向かってのビジョンとして中部経済連がお決めになった御趣旨はもう十分わかるわけでございまして、その線に向かって努力をしてまいりたいと思います。
#89
○大木浩君 陸と空に続きまして、ちょっと海のことを質問させていただきますけれども、先般、あれは二月十八日でしたか、クウェート国籍船に乗り組みの日本人の船員が中東で空襲に遭って死亡した、こういう事実がございましたけれども、その後あの地域におきまして、これはたまたま日本国籍船じゃないんですけれども、日本国籍船ないしは日本の船員の安全対策ということについてはどういうふうに運輸省としては措置をしておられますか。
#90
○政府委員(仲田豊一郎君) 先日アルマナク号が被弾いたしまして、不幸にして一人の犠牲者が出たわけでございますが、その後鋭意労使間、また政府も一緒になりまして対策を検討したわけでございますが、具体的には次の対策がとられております。
 一つは、新たに航行中止海域というものを設けまして、これはアルマナク号が被弾したあたりでございますが、ここには入らないという航行中止海域をつくりました。それから、現在まで危険海域というのも設定してあったわけでございますが、これを大幅にホルムズ海峡に近づけまして、ほとんどホルムズ海峡の地点、東経五十六度三十二分でございますが、ここから中を新危険海域といたしまして、ここで一船一船安全性を確認して入るという措置をとっております。さらにまた、夜間航行区域というものがございましたが、これをうんと南の方に広げまして、ここは夜間しか航行しない。夜間は今までも経験上ほとんど攻撃を受けていないわけでございます。夜間だけ航行するという意味で航行区域を広げた、こういうような一つの一般的な対策をとりました。
 同時に、アルマナク号の非常に不幸であったというんですか、特徴は、これは日本船ではなくて外国船であったわけです。外国船でございますと、その運航責任は外国の船社が持つ。外国船のオペレーターであったわけで、運航責任は外国のクウェートの船会社が持っておるわけでございますが、このような場合にも、さらに、今日本が取り決めましたような航行の安全対策というものを外国船に契約でもって義務づけるということを行政指導いたしまして、その結果、このユナイテッド・アラブ・シッピング・カンパニーと大阪商船三井船舶の間では、日本側が実施する安全対策はすべてやる、今の区域の航行の方法だけではなくて、いろいろ細かいことがございます、いろいろ細かい注意がございますが、これをすべて実施するということを約束させたわけでございます。今後こういうような労提船については、労提船と申しておりますが、こういうような形で会社同士の契約ということを通じて日本船と日本人船員の安全を確保しようということを考えております。
 それから、この事件でもう一つ反省すべき点は、三つの通信手段があったわけです。一つは、人工衛星のインマルサットを使うような極めて近代的なものだったんですが、ある一点のブリッジに集中していたために、そこがやられて全部通信不能になってしまったという状態でございますので、これに対してはVHFの無線電話を複数搭載する、違う場所に搭載する。これはもちろん日本とは通信できませんが、沿岸諸国とは通信ができますので、こういうようなことも指示いたしまして、現在こういう対策がとられつつあります。
 現在も同じようにこの海域には三十二隻の日本船がおりまして、戦争が激化しておりますけれども、日本人船員がまだ五百六十四人もこの中にいる。
 大体これが状態でございます。万全の策をこれからもその都度ケース・バイ・ケースでとっていきたいと考えております。
#91
○大木浩君 日本は、輸出にしろ輸入にしろ非常に大きな有数な貿易依存国なわけですけれども、物を運ぶという大事な商船隊、これはやはり日本としても適度なものを持っていなきゃいかぬと思うんですけれども、現実には今のように日本の船員が外国船に乗っているというような状態もあるわけでありまして、日本自体の商船隊、あるいは日本の会社が外国船を用船する、あるいは外国船自体を使う、いろいろあると思うんですが、その辺は、現在あるいはこれからどういうその辺のバランスを考えながら日本の商船隊の維持と申しますか、あるいは日本の貿易との関連における輸送力の確保というものを考えておられるか、簡単に御説明していただきたいと思います。
#92
○政府委員(仲田豊一郎君) 先生御指摘のとおり、四十年度の後半から、船員費が上昇したとか為替の問題とかで非常に国際競争力が落ちてまいりまして、外国船員が乗り組む外国用船、日本商船隊というのは、私どもの分類、考え方では、純粋の日本船とそれから外国から引っ張ってくる外国用船とその二つを指しているわけです。そのうちの外国用船の比率が非常に高くなっておりまして、四十五年の二五%から四五%というふうに高くなっております。また、日本船だけの積み取り比率を見ましてもこれは低下していまして、四十五年の四四%から三四%というふうに低下して、日本船、外国用船、外国船の比率というのは積み取り比率で見まして大体三分の一ずつという形になっているのが現在の状態でございます。
 これからこれをどうしていくかというのは非常
に難しい問題でございますが、実は昨年の八月に海運造船合理化審議会の答申をいただきまして、これを踏まえて、これからの日本船の乗組員の少数定員化を促進して近代化船を増強する、これを日本商船隊の中核とする、これ以外に日本の海運の将来はあり得ないという認識のもとに、種々の対策を講じて国際競争力の確保に努め、それから安定海上輸送力の確保を図っていきたいと考えておる次第でございます。これと同時に、海運企業の経営につきましても、企業の活力を最大限に発揮する方向というものを考えまして、今までいろいろな面の規制がございましたが、これを極力緩和して活性化を生み出すという方向で考えるべきではないかと思っている次第でございます。
 ちなみに、海運造船合理化審議会で考えております将来の日本の船腹量は、現在の三千四百十万総トンに対しまして、現在と申しますのは昭和五十八年のことでございますが、六十五年には二千九百万総トンに減少するであろう、しかしながら、このうちの、先ほど申しました優秀な日本船員を乗せた競争力のある近代化船というのは現在の六十五隻から三百五十隻になり、これが日本船の中核をなすことを期待したいという考え方を持っている次第であります。
#93
○大木浩君 時間もなくなりましたので、最後に大臣に一つ。
 運輸省は、昨年の七月ですか、運輸省始まって以来の機構改革というのをされて、総合的な交通政策の何といいますか発展ということを志しておられると思うのですけれども、この機構改革イコール運輸省の仕事をどういうふうに評価しておられるか、ひとつ大臣のお考えを伺いたいと思います。
#94
○国務大臣(山下徳夫君) 私が就任しましてまず感づきましたことは、省の幹部を初め打って一丸となって、許認可官庁から指導官庁へと脱皮するという非常にそういう新しい熱意に燃えて取り組んでおるという姿でございます。
 御案内のとおり、政府が持っております許認可約一万件の中で運輸省所管が二千二百もございまして、大変に許認可の多いところでございます。そこで私も中間的に報告を受けたりしまして一つ一つチェックをさせておりますが、かなり成果が上がっておるようでございます。かなりの件数が既にチェックが終わっておるようでございます。かなりの件数、私も具体的にまだよく聞いておりませんが、ただこの程度かなと思うのでございますけれども、それぞれの理由を聞いてみますというと、それぞれ一つの許認可制度ができたということをその原点にさかのぼっていろいろ聞いてみますと、社会の秩序を維持するためにそれぞれそういう制度ができているということでございますので、そこらあたりを勘案しながら、特に国民生活に密着している、許認可が多いということは国民生活に密着している部面が多いということでございますから、そこらあたりを大いに意識しながら政策官庁へと脱皮し、さらに国民に奉仕するという気持ちを今後とも持っていきたいと思っておる次第でございます。
#95
○委員長(鶴岡洋君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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