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1984/03/28 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第4号
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1984/03/28 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第4号

#1
第102回国会 運輸委員会 第4号
昭和六十年三月二十八日(木曜日)
   午後一時八分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     下田 京子君     小笠原貞子君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     下田 京子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                大木  浩君
                梶原  清君
                瀬谷 英行君
                矢原 秀男君
    委 員
                高平 公友君
                藤田  栄君
                森田 重郎君
                山崎 竜男君
                吉村 真事君
                小柳  勇君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                伊藤 郁男君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       日本国有鉄道再
       建監理委員会事
       務局次長     林  淳司君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   仲田豊一郎君
       運輸省貨物流通
       局長       栗林 貞一君
       運輸省航空局長  西村 康雄君
       気象庁長官    末廣 重二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       気象庁予報部長  内田 英治君
       労働省職業安定
       局雇用政策課長  齋藤 邦彦君
       日本国有鉄道総
       裁        仁杉  巖君
       日本国有鉄道技
       師長       半谷 哲夫君
       日本国有鉄道常
       務理事      坂田 浩一君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事      太田 知行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
○日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 前回に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○矢原秀男君 私は、まず、国鉄再建監理委員会の進めていらっしゃる一つ一つに簡単にお伺いをしたいと思います。
 振り返ってみますと、五十七年の七月三十日に国鉄関係の臨調の基本答申というものが出てまいりました。この中には、経営悪化の原因、二番目には、新形態移行までにとるべき措置、赤字増加の食いとめ、債務増加の抑制、三番目には、経営形態、地域分割を基本、各分割地域内において機能分離等、四番目には、新形態移行に際して解決すべき問題点、それからその中には五番目として改革の手順等々が出てまいったわけでございます。そういう形の中で、国鉄再建監理委員会緊急提言として五十八年八月二日、この概要を見ておりますと、一つは、経営管理の適正化、二番目には、事業分野の整理、三番目には、営業収支の改善及び債務増大の抑制、こういうふうな大きく絞った中でいろいろと今日まで来ているわけでございます。
 きょうは林さんに来ていただきましたけれども、簡単にまとめながらお伺いをしてみたいと思います。
 まず経営形態の件でございますけれども、委員会は昨年の八月に発表した第二次緊急提言で、基本的には分割民営化の方向を念頭に置いて今後その具体的な内容を十分検討したい、こういうふうに述べていらっしゃるわけでございます。今日までテレビだ新聞だ、いろいろと活字に、また報道になっているわけでございますけれども、分割民営化の方針を明らかにし、目下その具体案づくりに取り組んでおられるわけでございますけれども、仄聞いたしますと、七分割とか八分割とかそういう各案が試案となって新聞紙上やニュース等で報じられておるわけでございます。現在の作業の状況はどのようになっているのか。既にある程度分割の内容に立ち入った論議が先般の衆議院でも進められておりますけれども、具体的な案を作成するまでに至っているのかどうか、作業の進行状況を報告していただきたいと思います。
#4
○政府委員(林淳司君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、昨年の八月に第二次緊急提言を出しました。国鉄の経営体制についてのいわば基本認識というものをまず明らかにしたわけでございます。それ以後その基本認識の線に沿いまして具体化の作業を現在まで続けております。
 内容としましては、効率的な経営形態のあり方、それからさらには長期債務等のいわゆる財政負担の問題、それから効率化に伴いまして発生する余剰人員の対策、この三つを大きな柱といたしまして、それらを総合的に勘案しながら具体案を今練っておる最中でございます。それで、新聞紙上その他でいろいろ報ぜられておりますけれども、まだそういう内容について確定したものは一つもございませんで、いずれも相互に密接に関連する問題を総合的に今練っておるということで、まだ具体案を作成する段階には至っていない。これから鋭意検討を進めまして、七月に予定しておりますが、七月の最終答申までに最終的な具体案を練り上げていきたい、このように考えているわけでございます。
#5
○矢原秀男君 今進行状況を大体伺ったわけでございますが、先般の衆議院での委員長の答弁を私も伺っているわけでございますけれども、昨年の秋に参議院の委員会に出席されました亀井委員長は、本年七月の答申に至るまでの間にある程度具体案がまとまれば二月か三月ごろにも中間的に発表をして国民各層の御意見をお聞きいたし、そして夏に出す答申に反映をしていきたい旨述べられておられます。私は本委員会で委員長からじかに伺ったわけでございますので、この中間的な案というものをいつごろ発表されて各層の御意見を聞かれるのかな、こういうふうに期待を今日までしていたわけでございますけれども、衆議院の御答弁を伺っておりますと、そういうことも一切しないと急遽お考えが変わっていらっしゃるようにもお見受けするわけでございますけれども、この点はいかがでございましょうか。
#6
○政府委員(林淳司君) 私どもの亀井委員長が国会でいろいろ御答弁を申し上げているわけでございますが、今私ども監理委員会としまして、最終的には先ほど申しましたように七月に答申を出すということでございますが、それ以前の段階でどういう手順を踏むかということについては、いろんな情勢を見ながら考えていかなければいかぬだろうということでございまして、昨年あるいは一昨年のいわゆる中間答申といいますか、中間報告と申しますか、そういう正式のものをお出しするという考え方は少なくとも現段階では持っていないわけでございます。
 ただ、七月に最終答申を一発でお出しするということがいいのか、あるいはそれ以前のあるしかるべき時期に骨格的なものについていわゆる世論の御批判とかお考えを何らかの形でお聞きするというのがいいのか、その辺のところについてはいろいろ問題もございまして現在のところまだ確定をしておらないということでございます。少なくとも正式のいわゆる中間報告と申しますか、中間答申と申しますか、そういうものをお出しするということは現在のところはスケジュールとしては考えていない、こういうことでございます。
#7
○矢原秀男君 これは非常に重大な日本の将来を決定する大事なことでございますから、私も、参議院での委員長の御発言と先般の衆議院での社会党の先生の質問に対する答弁を見ますと、ちょうどあなたが今おっしゃられたとおりのことを言われていらっしゃいますので、議事録を見ながら非常にびっくりしたわけでございますけれども、やはり重大な事項については、一発でこの答申を出すという考え方ではなしに、やはり紆余曲折があっても広く意見を伺いながら参考にしていく、私はこういうふうな姿勢が大事であろうと思うわけでございます。そういう意味で、中間的な案を出して国民各層の御意見を聞く考えがあるのかないのか、こういうことをもう一度伺いたいと思います。
#8
○政府委員(林淳司君) 先ほど申し上げましたように、そういう形をとるかどうかということについて、これからよく委員会の中で対応についての検討をしてまいりたいと思います。ただいま先生から御指摘を受けました御意見は貴重な御意見として拝聴さしていただいて、その上でよく監理委員会で相談をしてまいりたい、このように考えております。
#9
○矢原秀男君 私は、先ほど申し上げましたが、重大な案件でございますので、非常に不満でございますけれども、次へ進めてまいりたいと思います。
 次は、分割後の採算問題でございますけれども、おたくの方で考えていらっしゃる中で、この具体的な分割案の作成に当たっては、分割後の企業体の採算の期待が大前提となり、そのためには、去る二月十七日NHKニュースで報じられたように、北海道、四国、九州の島別の分割のほかに、本州を四つの新幹線をおのおのに配置するような分割案が検討されているようでございますが、本州については分割後の経営主体の採算がとれるとの見通しがついていらっしゃるのかどうか、まずこれを伺いたいと思います。
#10
○政府委員(林淳司君) 分割の仕方につきましてはこれも具体的な検討の中身の一つでございまして、現在鋭意検討中でございますが、確定的な分割案というのはまだ持っていないわけでございます。
 分割案をつくる場合の視点といたしましては、いわゆる旅客流動というものがあるわけでございますから、この旅客流動にうまく適合しているかどうかという視点、それからいわゆる管理規模としてある程度適正なものであるかどうかという点、それからさらには今先生御指摘の収益性という問題、これについてうまくいくかどうか、その辺のいろんな視点があると思いますが、その辺のところを全部含めまして、今本州あるいは北海道、四国、九州という全体についてどう一体分けたらうまくいくのかというのを検討しておる最中でございます。ただ、何と申しますか、大まかな感触といたしましては、本州は非常に採算性が全体として見ればいい、しかしこれも分割の仕方によってはでこぼこが出てくる可能性がございますが、全体として見れば本州はかなり採算性がいい、それに対して三島の方は採算性が著しく悪いということは一般論としては言えるわけでございます。
#11
○矢原秀男君 今の点をもう一回確かめますけれども、北海道、四国、九州、この島別の分割、本州を四つの新幹線おのおのに配置するような分割案というのは、NHKが報道する限りはこれは非常にしっかりした最高のニュスソースのところでございますから、委員会の方から情報がこういうことに分割をするんだというふうに流されたのかどうか、まずこれを確かめたいと思います。
#12
○政府委員(林淳司君) NHKを初めとしまして最近他の新聞でもいろんな案が出ておりますけれども、よくごらんいただきますとかなり違った内容になっております。私どもとしては今まだ具体的な作業をしている最中で、全然まだそういう案というものを固めたわけではございませんので、監理委員会として一切そういうものを外部に漏らしているということはございません。それははっきりと申し上げておきたいと思います。
#13
○矢原秀男君 じゃ、まあ一応その御答弁を受けておこうと思います。
 採算の問題でございますけれども、民営化をすれば各種の税制上の優遇措置も廃止されるし、従業員の退職手当引当金等新たな負担も増加をいたします。こういうふうになると、民間企業と同様の経理を行っても十分採算がとれるとの見通しがあるんだろうか、どうなのかなと非常に不安を覚えるわけでございますけれども、こういう具体的な事項に対してはどういうお考えでございますか。
#14
○政府委員(林淳司君) 分割する場合の採算の問題でございますが、御指摘のように、民営化をいたしますといろんな諸税その他負担もございますし、現在の国鉄の財務構造とはかなり変わってくるだろうと思います。そういう負担もあるという前提で、一体その分割体がいわゆる財務体質として健全なものになり得るかどうか、逆にまた言いますと、健全なものにするにはどういう措置を講じたらいいか。これは例えば、事業体もかなりの借金をしょうわけでございますが、その場合に、徹底的な効率化をした上でなおかつ健全に経営していける限度というのは一体どうなのかというふうなことで、そういう観点からあくまで新しくでき上がる事業体は健全に経営がしていける、こういうものを目指して今具体案をつくっておるということでございます。
#15
○矢原秀男君 私も採算がとれるかどうか非常に心配でございます。
 次に、北海道、九州、四国等への補てん措置についてでございますけれども、国鉄再建監理委員会では、分割した後も採算がとれない北海道、九州、四国の会社についてはどのような補てん措置をとろうとしておられるのか、こういう問題でございますけれども、二月四日の日経新聞等を見ておりますと、分割後の会社の赤字補てん財源として一兆円程度の基金の創設が検討されているように報じております。具体的に検討されたことがあるのか、またその実現性の見通しはあるのかどうか、まずそういう点について討議をされたのか伺ってみたいと思います。
#16
○政府委員(林淳司君) 御指摘のように、北海道、四国、九州は特に採算が厳しいことはこれはもう事実でございます。そこで、本州の各分割体と財務条件においてできるだけ不均衡がないように、そういう財務的な措置というのは一体どういう措置があり得るのか。これが非常に分割案をつくる場合の大きなポイントでございまして、その辺のところが今我々が検討している一番のポイントでございます。
 北海道について、今御指摘ありましたように、基金構想というふうなことが新聞紙上流されたわけでございますが、それも一つの方法だと思いますけれども、私どもとしてはそれに決めたとかいうことではなくて、全体として債務の負担を一体どの程度にすればうまくいくのか、それから債務負担が、例えば北海道、四国、九州の場合、債務負担を仮にゼロにしてもなお欠損が出るわけでございますから、その欠損というものについて一体どういう措置を講ずるのかということを今具体的に検討しているわけでありまして、基金構想というのも一つの考え方ではあるけれども、まだそれに決めたとかいう段階には至っていないということでございます。
#17
○矢原秀男君 私は、例えば委員会で考えていらっしゃる北海道、九州、四国の各会社について幾ら合理化を行っても採算がとれないことはもう明白ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。そうなってくると、毎年の赤字をどう処理していくのか、これは極めて重要な問題でございます。そういうわけでございますから、簡単に再建基金の問題等が出ておりますけれども、もう少し深く、監理委員会ではこういう問題について深くどういう検討状況がなされているのか、もう一度伺いたいと思います。
#18
○政府委員(林淳司君) 先ほど申しましたように、債務負担というものをどうしていくかというのが一つの問題でございます。それから、債務負担で調整し切れない場合の赤字というものをどうするかということについて何らかのやはり措置がなされないと、いわゆる独立の企業体とはなり得ないわけでございますから、これについてはまさに今いろんな角度から検討を加えているところでございます。ただ、具体的にどういう考え方があるかということについてはもうしばらく議論を続けた上でいろいろ御意見を伺う、御批判を仰ぐということになろうかと思いますので、現段階ではそういうことで詰めた非常に徹底した検討を今続けておる最中ということでひとつ御勘弁いただきたいと存じます。
#19
○矢原秀男君 私は、監理委員会が、分割民営化をすればすべて赤字は解決するような文字が、活字がどんどん出てくるわけでございますけれども、そういう簡単なものではない、こういうふうに現状分析の中でも感じております。そういう意味でやはり慎重な検討をしていただかなければいけないと思います。
 次に、長期債務の件でございますけれども、臨調の答申においても、国鉄の経営形態変更に当たり政府が処理すべき事項として国鉄の長期債務の処理が挙げられております。監理委員会においても検討中であると聞きます。最近、六十二年に新しい経営形態に移行するに当たり整理しなければならない債務の総額は、従来言われていた長期債務二十五兆円のほかに退職金や年金負担等の特定人件費負担、また青函トンネル、本四架橋等の資本費負担を合わせまして三十五兆円に上ると見込まれていると報じられております。現時点で、新しい経営形態移行に際し整理すべき債務の額をどのぐらいと見込んでいらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#20
○政府委員(林淳司君) いわゆる、今先生御指摘ございましたように、顕在化しておる債務は現在のところは約二十二兆でございますが、これが昭和六十二年の時点では二十五、六兆円になろうかと思います。
 そのほかに、今御指摘ありましたように年金の超過負担問題、それからさらには退職金、これは国鉄の場合退職給与引当金というのは現在ございませんので、新形態移行になると引当金相当のものがやはり潜在的な債務として発生してくる。これは国鉄期間中の方に退職金をお支払いしなきゃいかぬわけですから、そういう意味での潜在債務がある。そのほかに本四あるいは青函の資本費、それの発生源であるいわゆる投資額というものがあるということで、私どもの亀井委員長が国会でも三十五、六兆というふうに申し上げておりますが、具体的な正確な数値については目下まだ作業中でございますが、大まかな感じでは大体そんな額になろうかというふうに考えております。
#21
○矢原秀男君 そういうふうな処理方針、長期債務についての検討、こういうようなことを伺ったわけでございますが、ここで国民負担の問題も出てきているわけですけれども、国鉄再建監理委員会が長期債務の処理について昨年八月の第二次緊急提言で、「最終的には何らかの形で国民に負担を求めざるを得ない」と述べております。整理すべき長期債務のうち国民に負担を求めなければならない額はどのぐらいと見込んでいるのか。そして国民に負担を求める具体的な方法としてどのような財源対策を検討しているのか、そういうようなことを伺いたいと思います。
#22
○政府委員(林淳司君) 昨年の第二次緊急提言で、こういう債務について、全体として見た場合に、そのうちの一部は新事業体が徹底した効率化を行った上でなおしょえる限度で新企業体にしょってもらう。これはしかし新しい企業体が健全に経営していけるような限度でなければならぬわけでございますが、そういう意味での新事業体の負担が一部はある。それからさらには、現在国鉄で遊休地を初めとして非事業用の資産があるわけでございますが、こういう資産の売却等によりまして充当していただく部分がある。そういういわば事業体側の徹底した自己努力というものを限界までやった上でなおかつ処理し切れないというものについては、最終的には何らかの形での国民負担が避けられないところでございますと、こういうふうに昨年の緊急提言で申し上げたわけでございます。
 具体的にそれじゃ今の新事業体がどこまでしょえるかというのは、まさに先ほどの北海道、四国、九州のいろんな財務条件の改善ということも含めてどういう具体的な措置をとるかということによって決まってくるわけでございまして、まだその辺の額についても今検討を続けておる最中でございます。
 それから土地の処分についても、これは国鉄の基本方策では約三兆円というふうに出ているわけでございますが、果たしてそれでいいのかどうかということについて目下さらに検討を深めておるという段階でございまして、したがって、最終的に一体どの程度国民に負担をお願いしなきゃならぬかということについてはまだ額は確定できない段階でございます。ただしかし、相当の額について国民負担をお願いしなきゃならぬだろうというふうには私どもとしては大まかには考えておりまして、その場合どういう方法がいいのか、それは最終的には、国民がまあ不満足ながらもこういう方法ならしょうがないだろうというある程度の御納得がいただけるようなそういう方法でなければいかぬわけでございまして、なかなかこれは難しい問題でございますが、これは相当時間をかけて最終答申までに詰めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#23
○矢原秀男君 もう一回伺いますけれども、報道によりますと、例えば三十兆の債務にいたしますと、おたくの方でおっしゃっているのかどうかわかりませんけれども、分割民営化後の新会社が十兆円負担、土地売却益で十兆円、国民に負担してもらう分十兆円、こういうような報道がありますけれども、こうなると三十兆を三分の一、三分の一、三分の一と、こういうふうなあれで均等割に負担をしてもらうんだというふうなことになって、これは報道ですけれども、そういう意味なんですか、これは。国民にも平均に均等割で見てもらうというお考えなのかどうか。その点検討されておられればちょっと詳しく伺いたい。
#24
○政府委員(林淳司君) いろいろ報ぜられておりますけれども、三十五、六兆のうち現在政府の方で措置をしている五兆三千億というのがある。残りが約三十兆ということになるわけでございますが、これについて、先ほど申しましたように、負担のある意味での区分として、新しい事業体がしょうもの、それから資産処分で充当するもの、それからさらには国民負担にお願いするものという、考え方として三つの区分があるわけでございますが、そういう三つのパターンでこの三十兆というのを処理していきたいということでありまして、具体的にそれを三等分して十兆、十兆、十兆ということではないわけでございます。これは考え方としてその三つのパターンで処理をしていかざるを得ないだろうということで、具体的に一体どのパターンでどれぐらいの処理ができるかというのはこれからの数字的な作業の結果でございまして、十兆、十兆、十兆というような形での三分法ということでは決してないわけでございます。
#25
○矢原秀男君 次に、新規事業凍結要請の件でございますが、監理委員会では、長期債務の処理との関連において、当面国鉄が用地を活用して行う新規事業を凍結するように国鉄当局に要請をしたと報じられておりますが、事実はどうなのか、また要請した真意は何なのか、こういうふうな問題を伺いたいと思います。
#26
○政府委員(林淳司君) 土地の処分、活用の問題につきましては、昨年八月の緊急提言で御提言を申し上げたわけでございますが、先ほども申しましたように、国鉄のいわゆる非事業用の用地というものにつきましては債務整理との関係が非常に深いわけでございます。したがって、その債務を全体として一体どういう負担でどういうふうに整理するのかという最終的な計画が固まらないその前の段階でただ無計画に土地を使ってしまう、これ使ってしまうともうあとはどうしようもなくなってしまうわけでございますので、そういうことはできるだけひとつこの際は慎重にしていただきたい。したがってその辺の計画との絡みでしばらく、これは新規事業を決して否定しているわけではございません。民営化をする以上は当然関連事業でいろいろな活性化を図っていくことは当然必要でございます。しかし、今無計画にやるんじゃなくて、その辺の計画、最終的な再建の方策というものがきちっと決まった段階でやっていただきたいということで、当面そういう意味で保留をしていただきたいということを昨年の緊急提言で要請したわけでございまして、そういう考え方で現在も折あるごとにお願いをしておるということでございます。
#27
○矢原秀男君 時間がないので次に参りますけれども、余剰人員の問題についてのことで伺います。
 これは非常に大きな問題でございますけれども、国鉄の余剰人員問題は、業務の合理化が進む中で今後とも余剰人員の増加が予測をされます。政府全体として取り組まなければならない問題となっておりますけれども、監理委員会としては、昭和六十二年に新しい会社に移行する人員をどの程度と見込んでいるのか、また、その際発生する余剰人員の救済策として具体的にどのような対策を検討されていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#28
○政府委員(林淳司君) 新会社に移行するいわゆる所要員でございますが、この人数につきましては、経営形態あるいはいろんな問題との絡みで総合的に今数字的な詰めをやっている最中でございまして、まだ確定的な人数というものははじき出していないわけであります。ただしかし、常識的に考えて相当の余剰人員が発生するんじゃないかということで、去年の緊急提言では、現在顕在化しておる二万四千五百人、これに数倍する人数になるであろうということを述べたわけでございまして、相当大量の余剰人員が発生することは避けられないのではないかというふうに考えております。
 それで、この余剰人員の対策というのが、先ほど申しましたように、経営形態の問題それから長期債務等の問題と並んで非常に、あるいはそれ以上の非常に大きな柱でございまして、問題はこの余剰人員が、私どもの亀井委員長がしばしば言っておりますように、路頭に迷うということはこれは絶対に避けなければならないということでありまして、雇用の場の確保、雇用対策ということが非常に重要な問題になろうかということで、私どもとしてはその辺についてのしっかりした討議をして、しっかりした方針を出さなきゃいけないというふうに考えております。
 これはもう現段階から既に余剰人員が発生しているわけでございますから、当面早急に国鉄におきまして、まずみずからどういう対策をしていくのかということを十分ひとつ御検討の上実行に移されることが必要だと思います。同時にまた、政府におきましても、そういう国鉄の努力というものを支援するという立場から十分な対策を早急にひとつ考えていただくということが必要であろう。私ども監理委員会としても、その問題については十分討議をして、はっきりした方針を出したいというふうに考えております。
#29
○矢原秀男君 今この問題は国鉄再建監理委員会でいろいろと審議をされていらっしゃいますので、その過程をお伺いしたわけでございますが、私の希望といたしましては、委員長以下各委員の方々が時間を極力割いて、そうしてまず衆参の当該委員会にも多く時間をとっていただき、各委員の方々から専門的な御意見を忌憚なく伺いながらやはり最善のものを考えていただかなくちゃいけないと思います。そういう意味で、最初に申し上げたように、やはり当該委員会で中間報告を必ずして、そうして皆さんの御意見を伺いたい、こういうふうにおっしゃったわけでございますので、ぜひこのお話をもう一度お伝えをしていただきたいと思います。
 次の第二問に移ります。
 リニアモーターカーの問題でございますけれども、国鉄が昭和三十七年以来技術開発に努めてきた浮上式鉄道が、五十四年十二月に宮崎の実験線において時速五百十七キロメートルの記録を出し、現在は三両編成による有人走行の実験が重ねられております。これら一連の実験で実用化のめどがついたのかどうか。技術開発の現状を説明されたいと思います。
#30
○説明員(半谷哲夫君) 浮上式鉄道の開発の現状でございますが、今先生御説明がございましたように、三十七年以来続けてまいりまして、おかげさまでほぼ計画どおりの開発工程になっていると申し上げられると思います。現在有人走行に移りまして、理論と実際との整合性というものは、もう既に五百十七キロというものを出した時点でほぼ確認いたしたわけでございますが、実用化ということになりますと、単に走れるというだけじゃなくて、もろもろの周辺技術を整備していく必要があるわけでありまして、現在は開発の進捗段階を私どもは約八〇%ぐらい進んだと見ております。
 あと残されているのは何かといいますと、今申し上げましたように、実用、営業化するために必要な周辺技術的なものと、それからなお、この浮上式鉄道の最もキーポイントであります超電導磁石あるいは車上機器等の信頼性、操作性、あるいは車内で使います電源システムの問題等含めましてさらに精度を高めるといいますか、実用化へ向かっての確信を得るものを求めたいということで実施しているわけでございます。あと数年以内にはほぼこれが完成するのではないかというふうに見ているわけでございます。
#31
○矢原秀男君 浮上式鉄道の開発の経緯をちょっと見させていただきますと、五十七年の十一月に二百二十キロで三両編成、こうなって、六十二年に三百五十キロで三両という予定になっておりますけれども、大量輸送、安全営業化という問題から見ると、これは大体完成したときには何両ぐらいが本当に理想なのか。その点伺いたいと思います。
#32
○説明員(半谷哲夫君) 今私ども三両編成までの浮上実験に成功いたしました。実は私ども、単車で浮上走行させた場合と編成で連結して走行した
場合とどういうような運動特性が出てくるだろうか。一両一両のものはわかりましても、それをつなげた場合にどういう効果となってあらわれるかというのはやはり疑問点の一つであったわけでありますが、おかげさまで、三両編成で走行させましても、速度は三百キロ前後でございますが、予想以上に安定した形で走行いたしておりますし、現在二両編成で有人走行を続けておりまして、この編成走行というものについて基本的に大丈夫だという確信を得ております。
 したがいまして、これを実用化する場合にはやはり輸送需要、フリクエンシー等の問題がございますから、そちらから一列車が運ぶ輸送量というものが出て、そこでまた一編成の両数というものは決まってくるかと思いますが、恐らく、今までの見通しでいきますと、実用上技術的な問題でこの編成を制限しなきゃいけないというものは余りないのではないかというのが現在の見通しでございます。
#33
○矢原秀男君 五十九年からは五カ年計画を進められているわけですけれども、開発計画の目標と今後に残されている技術開発、今も伺ったわけでございますけれども、重ねて伺いますと、六十四年ごろには技術的に営業運転が可能となる、ちょっと早いかなと思うけれども、可能となる段階にまで達するのか、こういう理解をしていいのかどうかですね。スケジュールを今いろいろ見させていただいているわけなんですが、いかがでございますか。
#34
○説明員(半谷哲夫君) 現在まで順調に進めてきておりますが、今後の残されたもので、実際試験をやりました結果がどう出るかということが、今後この試験を完成させるといいますか、実用になって大丈夫だという自信を得るまでにはそういうような問題の繰り返しがいろいろ出てくるわけでございます。
 したがいまして、今私どもは数年という目標を置いておりますけれども、技術的に見るとそういう問題があるのと、もう一つは、やはりこのように厳しい財政事情の中で現在開発の資金を入れているわけでございますけれども、これも今後、私どもとしては世界に先駆けて、第三の地上交通機関といいますか、環境問題も少ないそういった新しい交通機関を生み出すわけでありますから、なるべくこの日本の技術で早く完成させたいという気持ちがありますから、できるだけこの予算についても配慮して、技術段階に応じて予算を入れまして開発を進めていくように努力したいと思っております。したがいまして、今の段階で何年かということはちょっとまだはっきり確定的なことを申し上げられない状況でございます。
#35
○矢原秀男君 国鉄は、昭和三十七年から五十八年度までの間にこの浮上式鉄道の技術開発に約三百億円ですね、うち政府の助成が二十六億、こういうふうに投入をしております。六十四年に一応実用化のめどをつけようとする現在の計画を達成するためには、六十年以降毎年どのぐらいの開発経費が必要なのか、これを伺いたいことと、ここ一、二年浮上式鉄道の開発経費が削減をされておりますが、これは非常に国家的なプロジェクトと位置づけても過言ではないと思うわけでございます。そういう意味では必要な予算を確保していくべきではないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、これは運輸省と国鉄両当事者の答弁を求めたいと思うわけでございます。
#36
○説明員(半谷哲夫君) 六十年度以降の私どもが見込んでおります開発所要費というのは五十数億かと思います。大体そのぐらいのものを今めどにしているわけでございます。現在実施しておりますこの宮崎実験線に要します五十九年度の予算ということで申し上げますと、約十億でございます。そのうち国から三億の補助金をいただいているという状況でございます。
#37
○政府委員(棚橋泰君) 先生御指摘のように、この磁気浮上式鉄道というのは非常に画期的な鉄道でもございますし、我が国の技術というものの水準を上げるという意味でも非常に効果のあるものであるというふうには考えております。
 ただ、一つは、国鉄は御承知のような非常に厳しい財政事情でもございます。それからまた、この磁気浮上式鉄道自体が現在まだ開発段階でございまして、実用化の具体的な計画というものがあるという段階ではございません。そういうようなことから考えまして、現在の開発に支障のない程度は財政的な助成を行い、しかるべき予算は考えてまいりたいというふうに思っておりますけれども、これについていわば何年までに開発するというようなことで大きな予算を組んでいくということは、現状では適当でないと考えております。
#38
○矢原秀男君 今国鉄が進めている浮上式鉄道の研究開発は、超電導方式と言われる世界の最先端を行く技術開発でございます。私も先般カナダ、アメリカ、メキシコ等へ参りましたときに、やはり日本航空と国鉄のこの研究が世界的に非常に話題になっておりました。まあフランス等も同レベル、ちょっと上に行き出したなということを外国の専門家が言っておりましたけれども、こういう技術的な波及効果は極めて私も大きいと思うわけでございます。だからこれは国家的なプロジェクトとして取り上げるにふさわしい、そういうものであると思います。それが、いろんな事情がございますけれども、わずか三百億円程度の開発費しか投入されていないというところが非常に残念に思うわけでございます。
 データを見ておりますと、性質は違うと思いますけれども、電電公社は毎年一千億円近い研究開発費を投入して今日の隆盛を迎えております。国鉄も将来性の高い浮上式鉄道の技術開発のためには重点的な研究開発費を投入すべきであると思いますし、これは今は監理委員会でいろんな問題が出ておりますけれども、そういうものを乗り越えた、やはり日本の国として将来世界に向かって考えたときに、全面的に助成をすべきではないかと考えるわけでございます。
 こういう意味で、運輸大臣、もちろん監理委員会のいろんな問題がありますけれども、きちっとしたものはきちっとしてやり遂げていく、こういう意味から見て、これらの問題に対する助成というものをもっともっと国としてやるべきではないか。こういうことで運輸大臣の御所見を伺いたいと思います。
#39
○国務大臣(山下徳夫君) この浮上式の鉄道は、まず第一番に、非常なスピード、ハイスピードであるということ、しかも、浮上式でございますから振動とか騒音とかないということで、当然私どもは将来の実用化された暁における新しい交通手段として非常に期待できるものだと思っております。したがいまして、今日まで私どもは適宜この予算の面でも補助を行ってきた次第でございまして、五十四年からずっと開発費を補助してきておりますけれども、今後もできる限りのことは継続してまいりたいと思います。そういう観点からも、一日も早くこれが実用化されることに対しては私は非常な期待を持っておる次第でございます。
#40
○矢原秀男君 運輸大臣、国鉄の技術陣というものが世界に冠たるすばらしいものであるということをやっぱり率直に評価をしていかなくちゃいけないと思うんです。
   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
例えば、もう時間がないので申し上げませんけれども、国鉄からもいろんな将来に対する意見が出ますとみんな寄ってたかってたたいてしまう。そういうことでなしに、やはりいいものはいいとして、いろいろと審議している過程の中に全部率直に組み入れていく、そういうように評価をすべきものはきちっとしていかなくちゃいけないと思います。
 今この技術開発が進んでいるのは西ドイツと日本でございますけれども、ちょっとフランスも出ておるような現状でございます。最近西ドイツでは企業化の調査が持ち上がっております。米国のロスからラスベガス、シカゴからミルウォーキー、そしてフロリダ等々の計画に参加するために、実用化のための技術開発に極めて熱心に積極的に取り組んでいると言われております。これも、九月に私現地へ参りましたときに、国鉄や日本航空の技術が最初は評価をされておりましたけれども、西ドイツやフランス系のものがちょっと評価をされる高さに来ております。私は、やはり国が国鉄だけに任せていろいろとやっているんではなしにもっともっと力を入れておれば、これは九月の時点の評価もさらに違っていると思うんですけれども、いずれにしても、そういう実用化のための技術開発に極めて熱心に積極的に取り組んでいるのが現在の西ドイツでございます。我が国も西ドイツやフランスにおくれをとらないためにも実用化計画を前倒ししていく必要があるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。そういう意味では、西ドイツ等に負けることなく、我が国としても世界に誇る国鉄の浮上式鉄道技術の海外輸出を真剣に検討すべき時期に来ているのではないかと思うわけでございます。
 この点についてはいかがでございますか。
#41
○国務大臣(山下徳夫君) さっきも申し上げましたように、既に総額においては、研究開発費が三百億ぐらい投入されているかと思います。その中で、財政の実情からして政府の補助は一部かもしれませんけれども、しかし総体的な開発費としてはこの種のものでは私は非常に大きなものである、大きなプロジェクトであるというふうに理解をいたしております。
 したがって、先ほども申し上げましたように、それだけの開発費を投じてきたこの成果について私はもちろん非常に大きな期待をしているわけでございまして、これが実用化されるのが一日も早いことを私どもは念願をいたしておるということでございますが、ただいまお話がございましたように、これを繰り上げてということになりますと、これは国鉄自身で決定される問題であって、国鉄の御意向等も十分聞きながらまた私どもも対処してまいりたいと思います。
#42
○説明員(仁杉巖君) 浮上式鉄道の実態につきましては私もいろいろと検討をいたしております。その中で、来年度十億八千ぐらいの金が入っております。これで来年どういうことをするかということも見ておりますが、やはり基本になりますのは、冷凍装置を小さくして動く車上でうまく動かしていき、それが耐久性を持っていかなければいけないという問題点がございます。さっき技師長が御答弁いたしましたように、動くということにつきましてはもう自信が十二分にあるわけでございますが、これを実用化していくためには、今言ったようなエンジン関係と申しますか、そういうところでもう少し詰めていかなければならないということでございます。来年度の予算の例えば十億八千というようなのが十分であるとは申しかねるかもしれませんが、これらを開発していく計画としてはまあまあやっていけるかなというふうに考えておるわけでございます。
 さっき技師長も発言をいたしましたが、この浮上式につきましては、今後実用化のテストということの段階にだんだん入ってまいりまして、これらをどうやっていくかということを今もう一度練り直しておるような段階でございますが、関係者一同努力をいたしまして、一日も早くこの実現に向かって努力を重ねているというような事態でございます。今後の研究費につきましても、また六十一年、六十二年というふうにどういうふうにしていくかということも、六十年度の実験経過等も見ながらお願いをするところはお願いをし、補助を要請するところは補助を要請するというような形にしてまいりたいと思っております。我々も一生懸命に頑張りますので、よろしく御後援を願います。
#43
○矢原秀男君 現在国鉄が進めている浮上式鉄道の実用化のめど、これは技師長もお話ございましたけれども、六十四、五年はちょっとどうかなと私も今御答弁を伺いながらふらふらしておりますけれども、いずれにしても、国鉄の経営形態が今国鉄再建監理委員会の答申の中でいろいろと検討されていると思うんですけれども、運輸大臣、分割民営化されるようなことになりますと、この浮上式鉄道の研究開発はどこが担当するようになるのか、伺いたいと思います。
#44
○政府委員(棚橋泰君) 先ほど再建監理委員会の次長から御答弁申し上げましたように、現在再建監理委員会ではいろいろな面の御検討を行っておられますけれども、具体的な、最終的な分割民営化の形が出てきておるということではないというふうに承っております。したがいまして、ただいま先生御質問のリニアモーターカーとかそういう研究開発の部分をどこが引き継ぐかということは、その具体的な分割案の形がはっきりいたしませんと明確なことは申し上げられないという感じがいたします。
 ただ、いずれにいたしましても、国鉄の持っております技術開発、いろいろな技術というようなものは何らかの形でこれを将来に有効に生かすような形での承継というものが必要だと思います。ただ、具体案については監理委員会の御検討の最終の形の中で判断をさせていただきたいと思っております。
   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
#45
○矢原秀男君 運輸大臣、各国におけるリニアモーターカー、浮上式鉄道の開発状況を見ておりますと、開発体制が、日本を除いて西ドイツ、カナダ、アメリカ、イギリス、ソビエト、すべて国が直接担当しているんです。国が国家的な事業としてやっているわけでございます。
 だから、こういう立場を考えますと、日本の国では国鉄が今まで一生懸命頑張ってきて世界の技術水準のハイレベルにあった。しかしよそが後からだんだん追い越していく中で、なぜなのかといえば、そういう資金もすべても国が直接どんどん全力を挙げてやっている。こういうふうなことを考えておりますと、先ほどもお話を交互にいたしましたけれども、研究開発の主体、これはやはり国が相当力を入れて考えていかなくちゃいけないことだと思うんですけれども、運輸大臣、この点重ねてお伺いをしたいと思います。
#46
○国務大臣(山下徳夫君) 西ドイツその他において浮上式が研究をされているということは私も承知いたしておりますが、それがどういう形態でもって、どこが中心になってやっているかということは、ただいま先生からお聞きして初めて知ったようなわけでございます。
 ただ、我が国におきましては、国鉄自体が公社という特殊な形態でございますので、これに政府がある程度の裏打ちをしながらやるということは、ある意味においては国がやっている、それに近いものではないかと私は理解をいたしております。したがいまして、この公社という形態が民営分割等の形によってまた新しい形態になる場合においては、今審議官が申し上げましたように、やはりある程度国もこの面倒を見なきゃなりませんでしょうし、新しく今度は再建監理委員会によって答申をいただいた上で、私どもがせっかく投資した、言うなれば国民の投資と同じような投資でございますから、これを継続して一日も早く完成させるような手だてを十分考えていかなければならぬ、こう理解をしております。
#47
○矢原秀男君 時間もございませんので、最後に二点だけ伺いますので簡単に御答弁をお願いしたいと思います。
 我が国で浮上式鉄道を実用化し、また企業化していくためには、わずか七キロの宮崎の実験線では限度がございます。より長距離の実験線の建設や企業化のための調査が必要となると思いますけれども、近い将来このような企業化を兼ねた長距離の実験線を建設する構想があるかどうか。
 それからもう一点は、第二東海道新幹線のようなものを設けて浮上式との意見もあります。
 こういうふうな点について運輸大臣の御所見を伺い、質問を終わりたいと思います。
#48
○政府委員(棚橋泰君) 磁気浮上鉄道の実験線の現状につきましては、先ほど技師長の方からお答えがございましたけれども、現在のところ、国鉄の方、私どもの方でも、この実験線をさらに別途の長距離実験線にするという構想は現在のところでは持っておりません。現在線での開発を進めていくという考えでございます。
 それから、これを第二東海道等に活用するというお話でございますけれども、その前提となります開発上の技術の問題もまだ残っておりますし、また、現在東海道新幹線そのものについてさらにこれに第二の新幹線ないしは中央新幹線というようなものを建設するということにつきましては、中央新幹線につきましては計画線としてはございますけれども、整備線のランクに挙がってきておるという段階ではございませんので、将来の問題としてそういう事態が起こりましたときに、それと磁気浮上式鉄道との関係につきましては具体的な対応を考えていくべきだというふうに考えております。
#49
○小笠原貞子君 余剰人員対策の三本柱の一つである派遣の問題について具体的にお伺いしたいと思います。
 まず、いすず自動車工場にどれくらいの人数が派遣される予定か、それから業務内容はどういう内容か、それの給料に対しての企業側の負担はどういうふうになっているか、お答えいただきたいと思います。
#50
○説明員(太田知行君) ただいま発令済みが十八人でございます。そして四月一日に発令を予定している者が百五十五名でございます。これはさしあたりの第一陣でございまして、第二陣以降については模様を見ながらまた相談を進めていく、こういうことでございます。
 それから業務内容は、三つの工場でトラックの組み立てにかかわる、ライン作業と言っているのでございますが、ライン作業及び事務、こういう内容でございます。
 それから給与の問題でございますけれども、これは、いすず自動車の側におきまして今申し上げましたような業務内容を実施するに当たりまして、それに相応の賃金水準というものを設けているわけでございますから、いすず側のそういう賃金水準と、こちらから派遣される職員の現に国鉄で受けている給与、ちなみにこれは申し上げますと、比較的若い層が行っているのでございますが、そういったところを勘案いたしまして国鉄といすず自動車の間で契約を締結して実施する、こういうことでございます。個々の一人一人によりまして違ってまいりますけれども、通常の水準かと存ずる次第でございます。
#51
○小笠原貞子君 通常の水準とおっしゃいましたけれども、私が伺っているのは、国鉄の職員として派遣されるわけですね、国鉄の職員としての給料、こうなりますよね。そうしますとその給料の分担ですね、国鉄といすずの、その分担の割合はどういうふうになっているのか。もう既に発令もなすった、三月十八日、そして四月一日にも発令されるんだから、もうその辺のところはお決まりになっていらっしゃると思うので、割合です、企業と国鉄との。
#52
○説明員(太田知行君) これは国鉄と今申しましたようにいすずとの間の契約でございますので、契約内容についての詳細はお許しいただきたいと存ずるのでございますが、それから、いすず側で負担するのは、基本的な給料のほかに夜勤手当でございますとか超勤手当とか、いろいろなものが入ってくるわけでございますが、少なくともいすず側の負担は年間で見まして二百万を下ることはないであろう、こういうふうに見ている次第でございます。
#53
○小笠原貞子君 次に、国鉄工事の受注会社である大手の建設会社に派遣されるというその場合、会社はどういう会社で何社、そして何人、今賃金伺いましたが、その賃金の割合もどれくらいになっているか伺いたいと思います。
#54
○説明員(太田知行君) いろいろただいま検討し、個々に各社と打診をしているところでございますが、四月一日を目途に五十名程度派遣可能かと現時点では見ております。今その内容の給与そのものについては詰めの段階でございますので、確たることはきょうは申し上げるのはお許しいただきたいと存じますが、業務の内容につきましては、土木関係の計画設計等の業務あるいはその当該建設会社においてこちらから派遣された者が技術力を習得することが可能だといったような業務を選定して今話を詰めている次第でございます。
#55
○小笠原貞子君 全部の会社はわからなくても、もう既に四月一日で準備されているわけでしょう。だから、どこの建設会社という名前を挙げていただきたいんです、今のところわかっているところ。
#56
○説明員(岡田宏君) 建設会社の総数は約三十社に対しまして今お願いをしているところでございます。で、四月一日の時点を目途に約五十名ということを申し上げたわけでございますが、現在折衝中の段階でございますので、具体的な社名等については今日の段階ではお許しをいただければというふうに考えております。
#57
○小笠原貞子君 答えになってないのよ、今の。なぜお許ししなきゃならないんですか。いすずも一つの企業でしょう。いすずという一つの企業はちゃんと出ていて、建設の場合は会社の名前を出せないというのは、許してくれといったって許せないわね。理由は何ですか。
#58
○説明員(岡田宏君) 今申し上げました建設会社三十社については、三月現在、ただいま現在ではまだ契約が成立をいたしておりません。四月一日を目途に派遣可能となるように今相手方と折衝中の段階でございます。したがいまして、今約三十社と申し上げましたけれども、その三十社の個々と契約が成立をいたしておりませんので、そういった意味で御容赦を願いたい、こういうことを申し上げたわけでございます。
#59
○小笠原貞子君 こればかりに時間をとっていられませんけれども、私の方で調べました。大林組五名、熊谷組八名、それから鴻池二人、奥村が四人、佐藤工業が四人、住友建設六人、鉄建が五人。もうわかってるんですよね。これ調べればすぐわかる。四月一日に契約するといったって、今何日ですか、三月のきょうは二十八日でしょう、四月一日に契約するのにまだわかってないはずないじゃないですか。それをお許しいただきたいなんて、そんな逃げ方だめです。
 でも、こういうふうにわかって、大手業者のところに行くというのが具体的に出ております。賃金もさっきと同じ答えですか。
#60
○説明員(岡田宏君) 賃金等につきましては、先ほど太田常務からお答えをしたとおりでございます。
#61
○小笠原貞子君 さっき太田さんは二百万を下がらないとおっしゃったね、具体的に数字。建設の方はどうなんですか。
#62
○説明員(岡田宏君) 同様でございます。
#63
○小笠原貞子君 次に、電気関係会社、どうなっていますか。
#64
○説明員(坂田浩一君) 電気関係、大手工事会社で十一名、それから信号メーカーで二十二名で、合計三十三名が派遣される予定になっております。四月一日時点ではさらに百名程度が派遣可能かと、かように考えているところでございます。
 業務内容につきましては、先ほど太田常務から御説明したとおりでございまして、電気の技術力を使いました企画計画担当に主として従事するということでございます。
 給与等の負担につきましても、基本的には先ほど太田常務が御答弁したとおりでございまして、若干職種によって上回るかなというような感じでございます。
#65
○小笠原貞子君 会社名は。
#66
○説明員(坂田浩一君) 会社名につきましては、電気関係は日本電設、新生電業、千歳電気、保安工業の四社でございます。
#67
○小笠原貞子君 もうちゃんと会社も言うところがあるのね。言うところがあるということは言えるということですよ。私、ごまかしてそういうこと言ったのけしからぬと思う。
 それで、今電気関係の方の賃金はどうなっていますかと……
#68
○説明員(坂田浩一君) 今の電気関係については既に三十三名が派遣されることで決まっております。四月一日のはこれからでございますので、契約が済んでいるということではございません。
#69
○小笠原貞子君 賃金の問題なんですけれども、さっきもおっしゃったように、契約するわけですね、相手方と。そうすると、おたくの、電気関係の企業と契約したという契約書というものを私は持っているんです。これを見ますと、企業側は二百五十五万円です、技術職のAというのは。それからBの方は二百三十五万円と、ちゃんともう決まって出ておりますね、おたくの契約書。大体そういうところだと思います。
 次に、そういうわけですから二百五十五万とか二百三十五万とかその程度、二百万と、こうおっしゃったわけですけれども、それだけしか払わないで企業側は優秀な技術を持った国鉄の職員を、労働者を雇うことができる、こういうわけですね、不足分は国鉄がお払いになるんだから。そうしますと、例えばいすずの人を考えてみますと、私たち調べたのは大体四割くらいしかいすずは持たないというふうな話が入っています。これで四百万円の給与をもらっている人は、いすずは百六十万円の負担をすればいいわけなんです。こうなりますと、ボーナスを除いて一カ月約十万円程度出せばいい、こういうことになるわけですよね。パート労働者よりも安い賃金でこの人たちは働くことになる。こういうふうに物すごい安い賃金しか企業は払わないで優秀な労働者をどんどん派遣してもらっていくということは、労働市場に非常に大きな混乱を起こすし、労働市場を破壊するものだというふうに言えると思うんです。
 労働省来ていらっしゃいますか。――じゃ労働省。大変安い賃金で労働者がどんどんこういう大きな企業に派遣されていくということは、今言ったように、労働市場を混乱させる、破壊に導く、おかしいと思いますが、簡単に御見解を伺いたいと思います。
#70
○説明員(齋藤邦彦君) 今お話がございました、国鉄のいわゆる出向と呼ばれるような形態のものだと思いますが、国鉄の余剰人員対策の一環としていろいろ行われているというふうに承知しておるわけでございます。
 ただ、私ども承知しております限りにおきましては、実際にこのような派遣を行います場合には、派遣先との間で十分話し合いをされた上で行われておるというふうに承知しておるわけでございまして、いわば派遣先の実態なりあるいはそういうような面での労働の状況、そういうようなものの実態を非常に無視した形で行われているというようには思っておらないのでございまして、その辺は十分配慮した上で派遣先と十分お話し合いができているというふうに承知しておるわけでございます。
#71
○小笠原貞子君 十分配慮するもしないも、大体五百万もらっているのに企業の方で二百五十万しか持たないといったら半分の値段じゃないですか。だから労働市場というのは混乱、破壊される、もうこれは討論することはない、当然のことなんだというふうに御理解を、大臣も聞いておいてください、後で質問しますから。
 次に、建設会社や電気会社に行って国鉄が発注する工事を担当するという形になりますね、国鉄の職員が派遣されるということは。
#72
○説明員(岡田宏君) 建設関係あるいは電気関係の工事会社、特に派遣される職員の担当する業務の内容につきましては、電力会社の発注工事でありますとか民鉄の発注会社の工事でありますとか、あるいは道路工事、下水道工事、住宅建設工事、技術開発研究など極めて多岐にわたるというふうに考えておりますが、一部国鉄の発注する業務を担当することもあり得ると考えております。
#73
○小笠原貞子君 それじゃ、国鉄の服務規程というものがございますが、国鉄から派遣されたその人たちは当然国鉄の身分ということですから、服務規程はそのまま適用されるというふうに考えてよろしゅうございますか。
#74
○説明員(太田知行君) 派遣・出向の特色は、国鉄職員の身分を保持しながら当該会社に出向いてそこでの仕事をするというのはいわば二重性がございます。したがいまして、服務上の問題につきましても両方の就業規則に服するということになるのでございますが、そこのところの実際の区分けといたしましては、身分上の問題あるいは服務の基本的な問題については実家である国鉄の就業規則により、現実にそこへ行って身柄があって仕事をするわけでございますから、日常の業務遂行にかかわる就業規則については当該会社の就業規則に従う、こういうことに相なります。
#75
○小笠原貞子君 国鉄工事を発注して、監督する側の立場の者が身分は国鉄のままで今度行くところは利潤を追求する受注企業に行く。その企業の指示に基づいて、今度は全く逆の立場ですね、国鉄の発注とは逆の立場で仕事を受けてもうけなきゃならないという、そういう仕事を担当する。こういう、まことに難しいですね。これ人間わざじゃちょっとできないと思うんですけれども、そういう仕事をさせられるということなんです。そして先ほど、その工事は、いろいろほかの工事もありますから、だから一部そういう国鉄の工事あると、こうおっしゃいましたけれども、八二年度の受注額を見ますと、建設――土木・建築というのは七千億発注していますね。そういう会社が受注しています。電気で言えば一千六百億円の受注額になるわけです。上位二十社の会社名ずっと書いて、そして大体発注額を調べた結果なんですけれども。そうしますと工事の見積もり、それから積算の方法、価格、これすべてわかっているわけですね、国鉄の立場とすれば。そして今度企業にとってみると全部わかっているから非常に役に立ちます、国鉄の職員を派遣してもらうということは。
 この関係の中で私は非常に疑惑の問題が出てくると思うんですね。一つは国鉄で、そして発注する、こっちはその発注を受けて、こっちはもうけなきゃならない。神わざ的にどう処理するかというのをいろいろ私も考えてみたんだけれども、先ほども職員の服務規程は当然身分は、実家は国鉄だからとおっしゃいました。その服務規程を見ましたら、例えば「なんらの名義にかかわらず、」お金なんかもらっちゃいけない、利益を受けてはいけない、こう書いてある。じゃ、その「なんらの名義にかかわらず、」というのは何だといったら、お中元もお歳暮も香典もせんべつも出産祝い、入学祝い、ざあっとこうあるわけですよね。そうすると、今度例えば大林組なら大林組へ行った、そしてそこの職員からお中元をもらったとか、それからだれかが死んだ、お香典をもらったなんというのも、これもらっちゃいけないよという服務規程なんですね。
 それからまた、見てみましたら、こういうように一緒にだんだん業者と親しくなってはいけませんと。どういうところで親しくなるかといったら、喫茶店へ行った、小料理屋へ行った、マージャンやった、ゴルフやった、魚釣りに行った、レジャーもろもろだと。そうすると、そこへ行った国鉄の職員は何かもらったらこれ返さなきゃならないと書いてあるんですね。その返送費は国鉄が払うんだと。一緒にお茶を飲もうや、おごってやるよ、いやいや、私は実家が国鉄でございますからそれはだめでございます。本当に神わざ的なものですね、これをやろうと思ったら。なぜそういう無理がくるかといったら、国鉄の職員が発注する仕事を受けるそこに行くからだ。
 だからこの関係というのは、相反する利害関係の中に派遣して、身分は国鉄だと。当然疑惑が起こるのは当たり前だというふうに私は考えるし、みんなもそれを心配していると思います。大臣いかがですか、これについて。
#76
○国務大臣(山下徳夫君) なかなか、先生のおっしゃっておることは私も一言聞き漏らさないつもりで聞いておりますけれども、非常にもうこれは神わざでなければむしろ私が理解できないぐらいの御質問でございます。
 ただ、申し上げたいのは、やっぱりルールというのはありますから、見積もり合わせもありましょうし、あるいは競争入札という制度もきちんとあってやることでございますから。ただ人を派遣した、もらったというだけでもって直ちにそこにいわゆる不合理、不正が行われるというふうにお考えになるのはちょっと早計じゃございませんでしょうか。あるいはまた、今おっしゃった神わざ云々ということがございます。私は、そこでお茶を飲むぐらいがいいか悪いかというのは一般社会通念によって決められるべきであって、その他のことについて一般社会通念上おかしいと思うことは当然これはやっちゃいけないことであって、そんなにお考えになる必要があるんだろうかと、実は私はそんな気がするのでございますが。
#77
○小笠原貞子君 私が言ったのは勝手に言ったんじゃなくて、服務規程にみんな書いてあるんですよね。だからそれを言ったわけで、それは大変困難なことですよと。そういうことが起こるということが、そういうつながりの中で大変働く者も苦労しなければならぬ、そしてはたから疑惑も持たれる。だからこういう疑惑を持たれるような派遣はおやめになったらいかがですかと、私はそういう考えを持っているんです。そういうことですから、大臣また……。
#78
○国務大臣(山下徳夫君) 私は、法律というものは道徳や一般常識の最大公約数だ、一つの公約数だと思っております。したがってそういう立場からお答えしたのでございますが、服務規律となりますと、これは国鉄御当局が答弁なすった方が妥当かと存じます。
#79
○説明員(太田知行君) 二点お答え申し上げたいと存じます。
 服務規程をいろいろ御引用なさいましたのですが、やはり服務規程は全体としてこれを総合的に判断すべきものでございますし、また、その後のいろいろな状況に応じましてそれを補完し、またつけ加えていくことも必要でございます。まさに国鉄の置かれました現状は、派遣・出向というものを避けて通れないという状況のもとに、悲壮な決意のもとにこれを実施しているのでございますが、もし仮にこの派遣・出向というものを新たなルールを設けないで現行の服務規程でやったとすればそれはいろいろ問題でございますが、まさにそこの問題点を明示して、行く者が疑惑を持たれたりあるいは後ろめたい思いをしないで済むようにという配慮のもとに、新しい出向にかかわる規定もいろいろつくっているところでございますし、またそれにかかわる労働条件については組合側の意見も聞いている、こういうところでございます。
 それから第二点について申し上げたいのは、この派遣・出向の必要性でございまして、くどくど申し上げるまでもなく、私どもただいま二万四千五百名の五十九年度初における余剰人員を抱え、これは決して一過性ではなくて今後増加する傾向にあるわけでございまして、この余剰人員を放置するということはもう大問題でございます。いろんな意味で大問題でございますので、そこで活用策を講じ、調整策を講じ、必死になってこの対策に努力している。労働組合の方も、いろいろ対応は難しい中で懸命の努力をしている状況でございます。その調整の一環として、これだけじゃありませんけれども、非常に有力な方法として派遣・出向を進めている。こういう次第でございまして、二千五百名を予定しておりますが、ただいま五百名弱実施しております。四月一日の節目には、ぜひ二千五百名に近い状態でこれを実施すべく今詰めをやっております。
 それからまた、当方が用意した受け皿のほかに、おかげさまで国鉄職員が懸命の努力をしているという評価をしていただきまして、その後どんどん引き合いが来ております。いすずなんかも当初我々が予定していなかったのを会社側から引き合いが来ていますし、ほかにもたくさん引き合いが来ていますので、これはぜひ、いろいろな問題はもちろんあろうかと存じますけれども、事の本質に即して温かくこの出向問題については御支援いただきたいとお願いをする次第でございます。
#80
○小笠原貞子君 いろいろおっしゃいましたけれども、おたくの立場からの出向の必要性をおっしゃったわけね。温かく見守ってほしいとすれば、私は、働く労働者が今どんなに苦しんでいるか、そこにこそ温かく目を向けるべきではないか。あと今おっしゃった問題については、この次具体的にまたやります。
 次に、一昼夜交代勤務の労働時間短縮に関する協定で、一交代勤務の予定・確定について、「勤務予定表は毎月二十五日までに翌一カ月分を作成、公表するものとする。」そして「勤務は四日前に確定する」となっております。そのとおりと首を振っていらっしゃるから、そのとおりです。
 池袋電車区の勤務予定表というものを私見てみました。四月の勤務、ですから当然三月二十五日までに公表しなければならない。ところが、これは検修担当とそれから運転関係ですけれども、検修担当の三人、運転関係の四人の人は空白になっているんですね。ここのところが空白になっています。こっちもそうなんです、こっちは運転関係。空白になっている。二十五日までに次の月のを公表をしなくてはならないとちゃんと協定で言われているにもかかわらず空白になっている。いろいろ伺ってみたら、東京北鉄道管理局では、要するに勤務の四日前に確定すればよいのだ、こういうふうに答えているわけですよね。確かに四日前に確定すればいいというけれども、ちゃんと一交代勤務の予定・確定についての協定があるのに、その協定に違反するというのは、やっぱり労働省、おかしいんじゃないか、そう思うんですよね。聞いておいてください。それでぜひ是正してもらいたいと思うんですね。やっぱり約束したんだから、労働者には何だかんだと言われるんなら、自分の方も、二十五日までに出すと言ったら二十五日までに出してほしい。そして、その二十五日になって、いや私は法事でこの日を休みたいよという調整をいたしまして、確定は四日前だという、それをきちっとやっぱり守ってもらいたい、そういうふうに是正してもらいたいと思うんです。
 それで、この運転関係で四人、それから検修担当の三人というのを調べてみました。そうしたら年齢がこれ全部五十五歳以上になっているんですね。これを私がいろいろ調べてみたら、けさもここへ出るときも電話かかってきました。横浜からかかってきたり、もう私の部屋は国鉄一一〇番みたいなものですよ。全部からどうだどうだ、こう言ってくるわけね。そうしますと、これは今たまたま池袋の例を出しましたけれども、みんな五十五齢以上にこういう人たちが今さらされているということなんです。私はこれはやめてもらいたい。やめなければならない。なぜなら、労働基準法第三条に「賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」こう書かれている。まさに、五十五歳以上に対しては勤務の点呼簿を全然もう白紙にしてある。これは初めから白紙じゃなくて、ちゃんと出ていたのを労働者見ているんですね。それが後でこれ消して白紙にしちゃった。だから消した跡がちゃんと残っているわけです。そういうふうにして五十五歳以上の人たちをやめざるを得ないようなところに追い詰めていっているのではないか。
 だから、温かくと、太田さんそうおっしゃったけれども、温かくと言われるんだったら、こういう五十五歳以上のこの差別的な待遇というものはやめていただきたい。当然のことだと思います。いかがですか。
#81
○説明員(太田知行君) 池袋電車区の具体的な事例を私承知しておりませんので、多少一般化した話になるのはお許しいただきたいと思いますけれども、今先生お話しなさった中で幾つかポイントがあるのでございます。
 五十五歳以上の職員ということから申し上げますと、三月三十一日までが退職勧奨ができる、逆に言えば、本人がやめる意思表示をした場合には特別退職の対象になる、こういうことでございまして、ぎりぎりのところまで勧奨する側も努力を続け、本人もまたいろいろ生活設計その他を検討する、こういう状況がございます。そういう状況の中で四月の勤務表をつくり上げなきゃいかぬわけでございますので、この人は、勤務表をつくる側からいけば、五十五歳以上に達する人はやめてくれるかなという見通しがあれば、そこは外しておくという判断が働くのは普通であろうかと思います。私どもも幾つか地方に勤務していたときにはそういう事例に遭ったものでございます。そうするとやっぱりそれで外しておいて、急にやめられますと今度は仕事の方に穴があきますから、安全サイドにとっておくというのはこれは一つの配慮でございます。ぎりぎりまでお互いに検討もし努力をした上で残るという判断が出た場合には、またそれ相応の体制をとる、こういうことになろうかと存じます。
 それから、勤務の予定・確定の問題がここでかかわってくるわけでございますが、たまたまその勤務表の策定が三十一日であればすべていいのでございますけれども、そういうルールがありまして二十五日ということですから、そこのつなぎの渡り方を今のようなことにせざるを得ない、そういうことではないかと私存ずる次第でございます。
#82
○小笠原貞子君 もう時間がありませんからこれで終わりますけれども、やめてくれそうだ、だから外しておくんだ、こういうふうにおっしゃいましたよね。本人はやめたくないという意思があるかないかわからない中で、やめてくれそうだからといって白紙にしちゃうということは一方的ですよね、それは。だから、何回か話し合いをして、どうもやめてくれそうだなというときであれば、また話はあなたのおっしゃることがわかるかもしれないけれども、全然そんな話もない、本人はやめたくないんだ、働こうと思って行ったら白紙になっていたよなんというのは、温かいどころかまさに冷酷な、まさに首切ればいい、五十五歳はもうどうしてもやめてもらおうという嫌がらせみたいなものじゃないですか、大臣。本当に働く人たちの立場で、感情で考えたら、勤務表に一言ちゃんとつけておく。そして、やめてもらいたいならやめてもらおうとおたく話しするのは勝手だけれども、本人がやめる気がないのに、勤務表を一月前に出さなきゃならないのに白紙にしておくというのは、これはやっぱりちょっと人情なさ過ぎるんじゃないですか。
 大臣は人情に厚い方だとお見受けするんだけれども、やっぱりそういう態度はやめてもらいたいと私は思うんです。白紙のままでさらしものにする、勤務は具体的に決まってない、余され者にするような差別的な問題はやめてもらいたい。いかがですか。労働省もその点についていかがお考えになりますか。
 私もう時間ないから、最後に大臣に、人間として私の話がわかってもらえるんじゃないかと思うんですけれどもね。
#83
○国務大臣(山下徳夫君) とにかく今国鉄においてこの問題は真剣に取り組んでおられる進捗の段階でございますから、その段階において私が一々御批判申し上げることはどうかと思いますし、これは基本的にはやっぱり労使の問題だと思いますので、もうしばらく私は国鉄の今おやりになっていることを見守ってまいりたいと思っております。
#84
○説明員(太田知行君) これは毎年の年度末のことでございますが、本当に一日一日で状態が変わるのでございまして、三十一日までお互いに努力、検討は続けているわけでございます。さっき申しましたように、余剰人員の問題はいろいろな方面から対策を講ずる必要のもとにあるわけでございます。私どもは、五十六歳以上の職員についてはやはり後進に道を譲っていただきたい、それから本年度五十五歳に到達する職員についてもぜひ後進に道を譲っていただいて、非常に厳しい状況にありますが、全体としての雇用を確保できるように努力していただきたいと呼びかけておりまして、全体的に去年よりもはるかに高い率で今推移しつつあります。
 そういう状況でございますから、個別具体的にも、やはり管理者側としますればぜひやめてもらいたいという気持ちを持って最後まで努力をしている、こういう状況であることはひとつ御理解いただきたいと思います。
#85
○小笠原貞子君 労働省、三条違反だと思うんだけれども、どうか。差別待遇、差別的な措置だと思うんですけれども、どうですか、こういう一方的なやり方。
#86
○説明員(齋藤邦彦君) 私ども、国鉄におきます余剰人員問題は非常に大事な問題だというふうに理解しておるわけでございまして、現在国鉄の当局あるいは労働組合の方々がこの問題について一生懸命真剣に対処しておられるのではないかというふうに承知しているわけでございます。いずれにいたしましても、こういう問題は労使の間で十分お話し合いをされた上で協力してやっていただくというのが非常に大事なことではないかというふうに考えておる次第でございます。
#87
○伊藤郁男君 きょうは航空行政につきまして数点お伺いをしておきたいと思います。
 第一点は、日本貨物航空の米国乗り入れ問題でございますが、きょうからですか、伝えられるところによりますとまたワシントンで交渉が再開された、こういうように聞いておるわけでありますが、大分この問題は難航しているようでございます。二月の時点では、一応四月一日乗り入れということで基本的合意ができたと、こう伝えられたんですが、今月に入ってこれがまたおかしくなって難航し、かつ中断というようなことも言われているわけでありますが、この四月一日まであと三日しかありませんですが、一体この日米交渉の見通しはどういうものなのか、問題点はどこにあるのか、一応御報告をいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおり、日本貨物航空の乗り入れ問題を中心といたします日米の航空交渉は二月二十五日から三月二日までと、三月十二日から三月十五日までワシントンということで開催されてまいったわけでございまして、一時中断して、そして今御指摘のとおり三月二十八日ということになっております。日本と時差がございますから、三月二十八日と申しますのは日本時間で申しますとあしたの朝から再開するということになりますので、大変小刻みなあれでございますが、まだ若干の時間的な余裕はありますし、精力的に残された時間をやる、しかも最善を尽くすという意味におきまして事務次官もきのう一緒に派遣させまして、なるたけ現地においてひとつ責任者をやって決着をつけるというつもりでやっておるわけでございます。しかも、四月一日を目途といたしておりますから、ぎりぎりのときにはお互いに口頭でもって了解し合ってそして運航できるというぐらいの気持ちで、私どもはベストを尽くしてまいりたい、かように思っておる次第でございます。
 なお、内容につきましては、双方交渉の途中段階におきましては公表しないということになっておりますので、逐次申し上げることはできないのでございますけれども、今度の最終的な、一応最終的と思っておりますが、交渉においては私は非常にいい方向に向かってくれるものであるというふうに理解いたしております。
 ただ問題は、日米間における貿易全般について非常にあちらの空気が悪いときでございますから、そういう意味におきましては、私どもの方から派遣しております全権委員と申しますか、その人たちが大変に苦労しておるということでございますけれども、誠意を持って当たれば何とかひとつ相手にもわかってもらえるのではないか、そのように私は推測をいたしておる次第でございます。
#89
○伊藤郁男君 この問題、大変複雑のようでもございますし、アメリカの要求もかなり強いようでございますが、四月一日ぎりぎりのところまでさらに一層の御努力を要請をしておきたいと思います。
 それから第二番目にお伺いをいたしますが、航空局の中に航空行政政策研究会ですか、こういうのが設けられて、ここで規制緩和につきましてかなり突っ込んだ検討が行われている、こういうことを聞いておるわけでありますが、その中で、当面のものと将来のものとに分けて検討が行われているようですが、これにつきましては私も予算委員会の席上で航空局長から御答弁をいただいたのですが、時間が不足しておりまして十分にお聞きをすることができなかったものですから、これについて少し具体的にもう一度お聞きをしたいわけです。
 その第一は、機長路線資格制度、これについてはどのような方向で今検討が続けられているのかどうか。この中で例えば実機テスト、これは外国ではほとんどやっていないというようにこれは新聞報道で私は見たわけですが、この実機テストなるものは古くさいんだ、今の時代にこんなことをやっているのはないんじゃないか、こういうような報道もされているわけですが、この実機テストについても将来の課題として私は見直しが必要ではないか、こういうように思っておるわけでありますが、この辺のところの検討の状況をお話をいただければありがたいと思うんですが、よろしくお願いします。
#90
○政府委員(西村康雄君) 今お話しの機長の路線資格の問題でございますが、先ほどお話がございましたように、航空局の中でも航空行政政策研究会で規制の問題を研究しておりますし、運輸省全体としましても、事業規制その他の規制のあり方に関する検討委員会と全省的な取り組みをしている次第でございます。
 ただいまの機長の路線資格の問題につきましては、近く結論をしっかり決めまして具体的な措置に入りたいというふうに考えているわけでございますが、具体的に今どんなことかと申しますと、機長路線資格制度の現状から申しますと、新聞では実機テストをやっていると、確かに実機テストをやっている部分ございますけれども、全般にはかなり規制緩和を進めてきております。それは機長の路線資格の認定、これは最初にまず資格を決めるとき、それから、自後、年に一回定期の審査をいたします。その審査におきましては、各航空事業者の、定期の航空事業者の中に非常に優秀な査察操縦士という方を置いて、その査察操縦士の方が実際に社内の新しく認定を受けあるいは審査を受ける方と同乗して、その方にお任せして職務をやらせるという制度をとっております。
 実際に飛行機を飛ぶ場合は、既に路線が開設されておりまして、その路線で機長をとるというときは、普通は副操縦士として乗っていって機長資格を取るということをしていますので、ことさらにいわゆる実機テストというのをやることはございません。ただ、新しく路線を開設するというときでございますと、実際に地形とかその他その空港の交通状況ということでございますと、実際に一度も経験のないところへ飛び込んでいくということでは非常に不安があるわけでございます。そういう意味で、実際に会社におきましても、日本の飛行場ですとその飛行場を大体みんな知っていますから特別問題ないんですけれども、海外の飛行場で新しく路線開設するということになりますと、それはやはり機長の路線資格の認定に先立ちまして、会社自身としても飛行機を実際に飛ばす、慣熟飛行をやってそして自信をつけるということをやるわけでございます。で、私どもの方は、その会社の慣熟飛行の中に一回同乗して路線資格の認定をするということをやっておりまして、こういう意味では実機テストをやっていると言えばやっているわけでございます。
 ただ、今申し上げましたように、そうでない空港につきましては、同じような新しい、例えばこれは機長の路線資格は飛行機の型式ごとに決めるということになっていますが、大体同じような大型の型式で経験があればもうそれは新しい機長路線資格としても認めるとか、そういうことも考えておりますし、また場合によりますと、先ほど申しました実地の審査の方は、特に飛行機の技能テストというような問題はシミュレーターなども活用するようなことで、大いに実機の問題というのは緩和していきたい、また機長の路線資格での実際の飛行の経験というようなものも、今回の省令改正では要件を緩和していきたいというように考えて近く措置するつもりでございます。
#91
○伊藤郁男君 次に、成田の第二期工事ですけれども、地元市町村の受け入れ態勢も順次整ってきた、こういうことが報ぜられているわけでありますが、この成田第二期工事に関係いたしまして、第一は、今後どのような具体的計画に基づいてこれを推進をしていこうと考えておりますか。その具体的な方策、さまざま困難な問題がまだ横たわっていると私は思っておるんですが、それをどのような形で片づけながら第二期工事の完成に向かっていくのか。その辺のところの見通しがまだわかりませんので、どのような方向で進めていこうと考えておられますか、この点についてお伺いいたします。
#92
○国務大臣(山下徳夫君) 総括的に申し上げて、不十分な点はまた局長から御答弁申し上げますが、新東京国際空港が開港してやがて七年を経過しようとしております。今日までの空港の運用はほぼ順調に推移してきたと申し上げてよろしかろうと思います。ただ、今後、非常に増大しております航空の需要に対処しまして、当初の計画に従ってなるたけ早くこの計画を実行しなきゃならぬ、空港の完成をさせる必要があるということでございます。一昨年から昨年の夏にかけまして、地元の市町村議会等から空港の早期完成の促進方についての決議等もちょうだいをいたしておりますし、地元の全面的な協力のもとに残された工事に着手ができる状況にだんだんなってきておる、このように申し上げて差し支えないと思っております。
 なお、現在残されました最大の課題は未買収用地の取得でございまして、このことにつきましても地元の市長さんたちの協力を得ながら話し合いによる取得、こういう方向でもって鋭意努力を続けるとともに、本格的な工事のためにその事前になさなきゃならぬ諸準備等をまず整えていくということでこれから進んでまいりたいと思っております。
#93
○伊藤郁男君 まだ滑走路予定地の買収がはっきりしない、そういうものと十分な話し合いをしていくということですが、その辺の市町村の協力体制あるいは現状、それが実際その可能性が十分に開けておるのかどうか、その進捗状況がもしおわかりでしたら具体的にお話しをいただきたい。
#94
○政府委員(西村康雄君) 成田のこれから工事を進めていく場合の最大の課題は、やはり土地の取得についての話し合いを進めていくということでございます。話し合いは敷地内の十二戸に対しましていろんな形でやっております。ただ、残念ながら一部の部分につきましてはなかなか直接の話し合いも難しいという事情もございますが、かなりの戸数につきましては連絡もでき、そして具体的にそこからお移りいただく代替地、それについても実際にこれを検分して、ここならどうだとかというお話し合いも内々やるというようなこともしております。そういう点から、なかなか時間のかかることではございますけれども、話し合いも逐次進んでいくだろうという期待をしております。
 幸い、大臣から申し上げましたように、地元の関係市町村非常に皆ぜひ成田の完全空港化をやるべきだという機運が盛り上がってまいりまして、千葉県政の最大の課題というような意識も県民の中で広まってきております。そういう中で、特に地元の成田市長には煩わせまして、そういう話し合い、説得というものを側面からも非常にお骨折りをいただいているということでございますので、そう大きな期待を簡単にするわけにいかないかもしれませんが、かなり話は進んでいくのではないかという希望を持っている次第でございます。
#95
○伊藤郁男君 もう一つ、現実的な問題として、第一ターミナルが大変狭隘化して混雑しているという現状ですけれども、この第一ターミナルの現状を打開するための何か具体的な計画をお持ちかどうか、その点をお伺いをいたします。
#96
○政府委員(西村康雄君) 今おっしゃるように、成田の第一ターミナルは非常な混雑で、特に夏などのピーク時にはごった返して、特に乗り継ぎのお客様には長時間あそこにいていただくということには非常苦しい状態を強いているわけで、そういう点は大変申しわけなく思っているわけでございます。そこで、その乗り継ぎ客のための増築ということを今やろうとしておりまして、現在サテライトが四つございますが、その四つのサテライトの上に乗り継ぎ客のための待合室というのを増設していこうということでございます。この増設をいたしますとサテライトのスペースは一倍半ぐらいふえるということになりますので、ある程度の緩和ができるんじゃないかなという期待をしているわけでございます。これは新年度からやっていく予定でございます。それからあとは、やや細かいことですが、混雑してまいりますとバスで駐機しているところへお連れするということになるわけですが、そのバスのゲートも増設するとか、いろんなことを今工夫をしている次第でございます。
 そんなことはしておりますが、抜本的には、やはり早く第二旅客ターミナルというものをつくりませんとこれから増大するお客様には大変御不便をかけるということになろうと思います。
#97
○伊藤郁男君 局長、その第二旅客ターミナルですね、あの周辺はもう土地の買収の問題が残っているところはないわけでしょう、第二旅客ターミナル周辺のところは。そうすると、この第二旅客ターミナルをいつごろまでに完成をしていこうと考えておられるのか、考えがありましたらお答えをいただきたいと思います。
#98
○政府委員(西村康雄君) おっしゃるように、第二旅客ターミナルの付近は公団側が用地を持っているところでございますので、あそこら辺の整地をしてやっていくということは可能でございますが、現実にはなかなか、過激派の妨害等出入りもございますので、全体として混雑をしない範囲で逐次第二ターミナルの整備を進めるという姿勢でございます。実際にはいろんなことをやっていかないと円滑な工事ができないということでございますが、ここはひとつ公団と知恵を出し合って何とか早く進めていきたいというふうに考えております。
#99
○伊藤郁男君 そこで、成田の第二期工事が計画どおり進まないというような場合、これは仮の話ですが、今やっております羽田の沖合展開、これは六十八年に完成させるという計画で進められているわけでございますが、これを拡大いたしまして、羽田に国際線の一部を移すということを真剣に今から考えておくべきではないか、私はこういうように思いますが、この点についてのお考えがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
#100
○政府委員(西村康雄君) 確かに、成田が進みませんで状態がこのまま続きますとやはり国際空港としては非常に心配な事態になりますし、羽田の方はまあまあ順調に工事が進んでいくというふうに見込んでおりますので、おっしゃるように、羽田が完成したときにどうもまだ成田の方は動いていないという状態で、成田パンクという事態が出てくるおそれがあるわけですが、そういう事態が仮にあるとしましても、羽田の方も沖合展開をいたしましたときにすぐもう国内の需要の方が手いっぱいになります。非常に国内の需要を今抑えに抑えてきております。各地方の東京への乗り入れをしたいという熱望をみんなお断りしておりますし、また地方の空港の整備も、羽田が受け入れられないものですからやれないというようなことになっておりまして、全国的な期待が羽田に注がれておる状況でございます。
 そういう点から申しますと、実際のところを言って、仮に国際線が手いっぱいになっても羽田はこれに振り向けられないという状況になろうかと思っています。さらに、先を申しますと、その場合一体どうするのだということは非常につらいことでございますけれども、その他の関係の空港を国際化することで補完していけるかどうかということをこれから検討していきたいと考えている次第でございます。
#101
○伊藤郁男君 そういう現状ですから、今後の航空需要などを考えますとさまざまな困難な問題に直面をしてくると思うんですが、そういう面でさらに一層の知恵を出し合って考えていただきたい、こういうことを要望しておきます。
 次に、最後でございますけれども、一時間で空港に行けない地域、これは首都圏と近畿圏に集中をしているわけでございますが、首都圏には御承知のように三千万人の人が住んでいるわけで、大変そういう面では不便を感じているわけですが、この航空空白地域と言われる地域、これをどういうようにして解消していこうと考えておるのか。小型航空機による地域間の輸送ということも考えてはおられるようでありますが、いずれにいたしましても、その航空空白地帯というところには飛行場もないというところも多いわけでございまして、その辺のところの空白地帯解消のための具体的な考えをまとめておられるのか、今後どのような方法をもってこういうような地域の解消に努めていくのか、その点のお考えをお聞きして、私の質問を終わります。
#102
○政府委員(西村康雄君) 先月航空審議会に対しまして、「今後の空港及び航空保安施設の整備に関する方策について」諮問をさせていただいたところですが、この諮問は、まず一つは、第五次空港整備五カ年計画というものを具体的にどうするかということでございますが、もう一つは、二十一世紀を迎えてどういうふうに長期の空港整備政策を考えていくかということの諮問でございます。
 これから御審議いただくわけでございますが、私ども事務当局といたしますと、空港の空白地域は、六十分圏の一応その外を空港空白区域として考えてみますと、かなり全国に展開しております。これらの区域については、高速交通の恩恵に浴さないという問題があるわけでございますが、ただ、この区域について今後どうするかということは、一つは、それぞれの区域のポテンシャルに応じた開発ということを考えていくわけでございますので、実際に空港をつくったときの開発効果というものを一つ踏まえながらやっていく必要があるだろう。そういう点で、まだ必要な空港はどれだけあるかということを考えていく、それから既存の空港をできるだけ活用するということで、これは六十分圏の圏域がさらに広がるということを期待しているわけでございます。
 それで、東京なり大阪なりの首都圏、近畿圏以外の地域は、両圏に対しまして高速交通の恩恵を受けさせるということが主たることになろうかと思うわけですが、そういう地域のあり方は、大量交通が期待できるところはローカルの空港として、そのようなものが期待できない、しかしある程度の負担には耐えられる、割高の運賃に耐えられるというところはコミューター空港というもので培養していくというような方策が考えられるわけでございます。
 ところで、今もう一つ先生御指摘のありました近畿圏あるいは首都圏内の部分につきましては、これはどちらかと申しますと、陸上の交通が東京なり大阪なりとの関係で非常に密接に発達している。そのために特別な空港というものを必要としなかったわけですが、しかし、逆にそれらの地域におきましても、例えば首都圏の各県が北海道とつなぐという場合には非常なやはりハンディがあるわけでございます。そういう意味では、先ほどの地域開発とは違った意味で、なおそういう首都圏の各県とその他の府県とのつながりというのはもう一つまた必要性が次の段階で出てきているわけですから、それらはできるだけ東京なり大阪なりの主要空港とコミューターで結ぶという要請が出てきても不思議はないというふうには考えているわけです。
 ただ、羽田あるいは伊丹、あるいは今度つくります関西国際空港というところはコミューターの受け入れがどう可能かということになるわけですが、実際に羽田空港に別の滑走路を設けてコミューター専門の滑走路をつくる余地が現実にはない。それから、大型機と一緒にコミューターの小型機を入れるような余裕というのは能力的に非常にない。大型機の後に小型機を入れるというのは非常に危険を伴います。非常に間隔をあけないとそれができないということで、飛行場全体の能力
を落としてしまうわけで、これもまた難しいというようなことでございます。ただ、それぞれの空港につきましては、ヘリコプター等もこれはさらに補完するものとして考えられますので、いろんな形で考えていきたい。それからまた、羽田でなくてもコミューターとしての役割を果たすものができれば、それはそれなりに評価していきたいということで、そういう方の研究もこれからしていきたいというふうに考えている次第でございます。
#103
○山田耕三郎君 私は、主として、地方気象台及び測候所の観測施設の整備こそ緊急の課題でありますという立場から質問を申し上げます。
 御承知くださいますとおり、ことしの甲子園における高校野球は開会日から連続して二日間順延になりました。高校野球史上初めてと言われております。さらにまた、応援団の責任者は、一日延びれば一千万円の負担が増加をいたしますと。父兄の一人は、もうこうなったらどっしりと腰を据えますというように焦燥感をあらわに出しておられます。このことが決して気象庁の責任だということで物を言おうとはいたしておりません。やっぱり天気予報が的確であり社会もこれを信頼をして、もろもろの行事等が計画、実施されるようになっておれば、このようなむだやいら立ちは排除されたのだと私は素人ながらにも思っております一人です。
 今さら申すまでもありませんが、気象庁のお仕事は、自然災害の防止と軽減、交通安全の確保、さらには産業の振興、それらのことによって公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象業務に関する国際的協力を推進するということを目的としておられます。したがって、この目的を達成をするために、全国に展開をされた観測施設を活用をして、特に一九七七年からは静止気象衛星「ひまわり」まで打ち上げられまして、最新式の施設によって信頼をされる天気予報の作成に努力をしておられ、特に、テレビ映像で放映をされます「ひまわり」の写真は、茶の間に至りますまで大変な親しみを国民に与えておいでになります功績は大きい、このように思っております。
 けれども、そのような努力をされておるにもかかわりませず、ここ数年にわたりまして、例えば長崎ですとかあるいは山陰における集中豪雨による痛ましい犠牲を伴う災害が毎年のように続いております。さらに、各所に所を選ばずに発生する雷雨による被害も黙視することはできません。私たちは子供のころに、雷さんにおへそを取られるという言葉で裸になっておるのを戒められた気憶を持っております。しかし、現実に雷にへそを取られて命を失ったという実態は余り承知をいたしませんでした。しかし、最近は、野小屋に避難をした農家の方々や、さらにはまた、腰にかまを差した、そういったところを雷に直撃をされて命を失われるという事例はよく耳にいたします。
 そういうことからいたしまして、もっとこれを広く見てみますと、例えば北陸豪雪にいたしましてもそのとおりですし、あるいは昨年の秋からことしの春に続いて各地で起こりました異常渇水等も、中長期的予報がもう少し適切にいかないものかな、このように思っておりますが、そのようなことからいたしまして、国民の皆さんの天気予報への期待や願いはますます大きくなってきております。これに反して、今言いましたようなことで国民の皆さんの期待を裏切られるようなこともなしといたしません。だからこういったことについてはどうしたらよろしいのか。例えば災害が出ますと後で必ずその原因の探求がなされます。いろいろ原因があります中で、必ずと言っていいほど次の一項が加えられております。一つは集中豪雨が原因をした、あるいはまた異例な局地豪雨であったと。こういうことは、それがわかっておったとしたら、そのことを予報をし災害を排除するか、もしくは軽減をすることができて痛ましい犠牲はこれらをもっと抑止をすることができたのではないか。
 そのように思ってまいりますと、今その業務を担当していただいております気象庁のお仕事にやっぱり難しいとはいっても我々は期待を寄せたくなるのはまた当然かと思います。そういうことからいたしまして、よく調べてみますと、中央では「ひまわり」等も打ち上げ、コンピューター等も導入をされて大変華やかな場面も多々あります。ところが逆に地方へいきますと、直接国民と接する、直接利用者と接するところにもう少しやっぱり配慮をしていただかないといけないのではないか、このように思うことがたくさんございます。そういうことからいたしまして、現状の、例えば集中豪雨でございますとか、あるいは雷雨による被害でございますとか、あるいはまた中長期の予報に基づきます異常渇水だとか、そういうようなことの抑止はできないのかどうか。大まかなところで結構でございますので、御所見をお願いをいたします。
#104
○政府委員(末廣重二君) お答え申し上げます。
 いろいろお励ましの言葉をいただきましてありがとうございます。
 私どもの任務は、先生冒頭に御指摘のとおり、まず自然災害から国民を守るということでございますが、やはりそのためには的確な予報並びに注意報、警報等を十分な時間的余裕を持って防災関係者及び一般国民の方に差し上げまして、そして予防的な措置を講じていただくということによって自然災害の防止、軽減につながりますわけでございまして、私どもの技術では現在自然現象として起こる気象現象そのものを変えるというところまでは到底至っておりませんので、やはり観測網を充実し、的確な解析をし、的確な予警報を出して防災にお役に立つということが現在私どもの努力すべきことであろうと思っております。
#105
○山田耕三郎君 文献によりますと、例えば集中豪雨あるいは北陸豪雪、さらには雷雨等の気象は、メソ低気圧、すなわち通常の天気図にはあらわれてこない小規模な低気圧のようでありますが、これの動きに大変影響をされる、このように書いておりました。ところが、これらの現象は通常の気象観測網の観測に基づく天気図にはあらわれてきませんので予報が困難であります。こういうことでございますようでございます。
 ところが、そういうものでありましても気象レーダー網の設置によってこれらを的確に捕捉できるようになってまいりました。ところが今日の実態は、管区気象台にこそレーダーは設置をされておりますけれども、それ以下のところでは特別のところを除いてほかは設置をされておりません。だといたしますと、普通観測網でだけしか捕捉をすることができませんから、そのような局地的な特異の気象状況を把握することは困難だ、こういうことになると思います。したがって、私は一度にはいきませんと思いますけれども、レーダーが必要であったとすれば、それが配置をされてあったら事前に予報ができた、そういうことになれば犠牲が最小限に食いとめられた、このようなことになることを考えてみれば、幾ら財政再建のときであっても国民負託にこたえるという立場からすれば、やっぱり段階的にでも設置をしていかれるのが政府のお立場ではないか、このように思いますが、その辺の御所見を。
#106
○政府委員(末廣重二君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、集中豪雨であるとかあるいは雷雨であるとかといったものは大変小規模な地域性の高い現象でございまして、一般の人間の張りついております全国に約百五十カ所ございます気象官署ではなかなか捕捉が難しいのは事実でございます。これに対処いたしますために私どもは、大分もう年数たちますが、地域気象観測網というのを全国に千三百カ所設けまして、これは無人の自動的な気象観測点と御理解いただけばいいかと思いますが、これは十七キロごとに観測点が日本全国を覆うことになっております。これで毎時の観測をいたします。
 それから一方、これも先生御指摘のレーダーは全国に二十カ所ございまして、お互いにカバーし合って日本全土を覆っておりまして、空中にまだある雨の状態を把握しております。これらを全部中央に集めましてそれでデータの解析をいたしまして、それで第一線の予報官の方がお使いになりやすいような形に解析をいたしました結果を、私どもの最近整備させていただきました自動資料編集装置というのがございますが、それで直ちに地方の気象台に還元をしておりますので、例えば滋賀県を例にとりますと、彦根気象台等には非常に豊富な材料が集まっておりまして、有人の観測点で補い切れない小規模な気象異変を現在ではほとんど把握できるというところまでいっております。
#107
○山田耕三郎君 組織的にはただいまお答えをいただいたようになっておるのだと思います。例えば「ひまわり」がキャッチしてきたその雲の図面は大部分の気象台では直接キャッチができません。おたくの方で解析をされて図形化されたのが一日四回送られるそうでありますけれども、それぞれの気象台に到達をいたしますのには四時間くらいのおくれがあります。こういうお話は大体一致するようであります。だからして予報官はNHKの天気図を見たり民放の天気図を見ましたり、あるいは消防署へ電話をしてそちらの方の積雪は幾らですかというような大変な苦労もいたしております。同じ政府機関であっても、例えば建設省の観測所からは、もう気象状況はこういう状態になっておるから警報は解除されたらよいのではありませんかとさえ相手方から資料をいただくというようなことで、専門の気象台がなぜそのようにできないのだろうかということを残念に思うことさえあります。そういうこともありました。
 さらにまた、管区の気象台へ行きますとそれぞれレーダー網は持っております。そこから局地気象については通報がされますようです。けれども、雷雨にいたしましても霧にいたしましても、これらはそれぞれ寿命の短い気象現象でありますので、通報を受けたころには消えてしまっておるというようなこともあり、そういったことは常に状況が出てから予報をするしかほかに方法がないというのが現状だということさえ承ったのでございますけれども、それらをまたよく検討しておいてやっていただいて、実質的に国民生活に迷惑がかからないような配慮をお願いをいたしたいと思います。
 三つ目の問題は、異常渇水と気象の中期予報についてお尋ねをいたします。
 先ほども申し上げましたように、昨年の秋からこの春にかけましては日本の各地で大変な異常渇水が起こりました。淀川水系におきましては高次元の渇水統制まで行わなければならないようになり、その貯水池であります琵琶湖の水位はマイナス九十センチを前後いたしました。今は琵琶湖総合開発事業が行われておるときでありますから、規制の上では琵琶湖の水位はマイナス三十センチ以下に下げないことで規定をされております時期でしたから九十そこそこで済みましたけれども、将来は新しい法に移行をするようなことになれば、マイナス一メートル五十までが限度になりますから、その上からの九十だということになりますと、これは大変なことになります。
 予測さえされれば毎日の放流量を減らしていけばそんなに大きく水位が下がることは防げたと思いますのですけれども、日本のような特異な地形を持った島国で、しかもアジアモンスーン地帯にありますところからして大変困難だと思います。けれども、やっぱり御専門の皆さんの方でやっていただかなかったらこれはとてもできません。だからこういうことは、常に琵琶湖のそばにいて、すなわち水源地の現状をよく見れる地域にある皆さんの諸官署がやっぱりそういったことにも取り組めるような組織を考えておいてやっていただかないと、中央からの指令だけでは大変難しいのではないか、このように思いますが、この点ひとつお答えをいただきたいと思います。
#108
○説明員(内田英治君) ただいまの先生のお話にお答えしたいと思います。
 昨年の夏以来の琵琶湖の異常渇水につきましては、非常に大きな異常のことでございまして私たちも非常にそれについては心配をしておりましたけれども、例えば八月あるいは九月あるいは十月に、大阪管区気象台が実はあそこの管轄でございますけれども、近畿地方の異常に降水量の少ないこと、渇水でございますね、これについて予測を発表して、また報道機関にいろいろ情報を流しました。例えば台風が去年は一個も日本に近寄らないという記録的なことになってしまいました。そういうこととか、あるいは夏以降の各地の非常に月降水量が少なかったこと、それから秋雨前線がふだんですと非常に水位を稼ぐのでございますけれども、去年はまた非常にそれも異常でございまして極端に不活発であった、こういうような情報を管区から発表いたしまして注意を促した次第でございます。
 先生が今御指摘になりましたように、中期予報というようなお話が出ましたけれども、私たちはいわゆる一週間先の週間予報をやっております。それから長期予報でございますね、これは一カ月、三カ月、それから向こう半年というのをやっているのでございますけれども、きっとこのことに該当するのじゃないかと思いますけれども、これが相当精度よく発表できますと、例えば渇水というような非常に大きなスケールのところで雨が降らないというようなことがかなりよく予知できるのじゃないだろうか。そういうことで私たちはこの面にも相当力を入れておりまして、特に、一番初め先生がお話しになったコンピューターの大型ので何とかして定量的にもっとあるいは早目に量的なものが予想できないだろうかと中央では随分苦労しておりますし、それから現地の方からでもすぐ実況をいただき、また現地では現地でいろいろ研究会もやられておりますが、そういうことで対処している次第でございます。
 それで、後に申し上げました長期予報につきましては、特に渇水であるとか干ばつ、それから水の問題その他につきまして非常に最近ニーズが強くなっておりまして、何とかもう少し量的にならないか、確度のいいものにならないかということで、私たちそれをお聞きしまして、非常にこれには実は時間がかかります。
 と申しますのは、従来のようないわゆる経験的な方法ではやはりどこかに限度があるのじゃないだろうか。そうなりますと、大型コンピューターでもっとしっかりしたモデルを数値的に計算しましてこれで予測ができるようになったらば、例えば先生の御指摘の渇水問題、例えば西日本が干ばつになりそうだとかなんとかというような問題についてももっとはっきりとしたある程度確度の高いものができるのじゃないかということで、最近もう一回これは私たち手綱を引き締め始めまして、例えば今度は研究所にこの秋におかげさまで大型のコンピューターがリプレースされるようになる予定なのでございますが、そういうものを利用して数値予報の開発により努力しようじゃないかとか、それから人間の面、あるいはほかの機関との協力体制、内部はもちろんでございますが、あるいは大学あるいはほかの研究機関、研究者とのコンタクトをもっともっと積極的にやって予報体制をしっかりしていけば、時間はかかるかもしれませんけれども、だんだんとそういうような渇水問題の大規模なスケールの予測、こういうものがしっかりできるのじゃないかと思って、今そういうふうに取り組みつつある段階でございます。
 以上でございます。
#109
○山田耕三郎君 ちょっと地元の問題になりますけれども、琵琶湖の異常気象とその対応についてお尋ねをいたします。
 既に明治の時代に、皆様方の先輩でおいでになります前田末廣さんという、当時は彦根測候所と言いましたが、その所長さんが「琵琶湖」という本をあらわしておいでになります。その中で「琵琶湖へ水の集まる区域の気象の特徴」という一項を設けておいでになりますのですが、その中で、私はよくわかりませんが、ボラ(Bora)風という名称をつけた風がありますことを指摘しておいでになります。それは、冬から春にかけまして周辺の山の上に積雪が残ります。そうしますとそこの空気は大変に冷却されますから密度が濃くなります。一方湖上は暖かいですから空気が軽くなります。だから、標高差に基づく気候の変化以外に、琵琶湖という湖の温度と積雪のある山頂の冷気、これが温度差が非常に大きくなって大変な強風が吹き荒れるということを指摘しておいでになります。けれども下の方の町や村ではそのことはわかりません。だから、その昔第四高等学校のボート部の選手の諸君がこぎ入れまして、そして湖の中央で屈強な若者であるスポーツマンが全員遭難死されたという痛ましい事故があります。
 そんな過去にさかのぼらないまでも、現在でも、水を我が家としておるような湖上の漁師が転覆をしてそして兄弟が水死をしてしまったというようなことがあります。今日の漁船はプラスチック製だから復元力が弱いのではないか、こんな意見もないことはありませんけれども、問題はやはり私は異常気象だと思います。
 そういうことからして、気象庁とされましては「強風注意報 琵琶湖」という新たな注意報をこのごろおつくりになりました。そのことは適切な措置だと思いますけれども、それはつくられたのですけれども、あの広い琵琶湖の中に観測点がたった一つも設けられておりません。そうしますと周りの陸地から推測をするより方法はありませんのですが、周りの陸地から推測ができたら第四高等学校の悲劇はありませんでした。さらには漁師さんの悲劇も起こらなかっただろう。これが湖上の気象の特異性だと私は思いますし、前田さんという測候所の所長さんが書いておられるのもそこにあるように思うのでございます。
 さらにまた、新幹線を利用なさいます方が常にいら立ちを覚えられたり不安をお持ちになるのは冬季、降雪あるいは積雪時の関ケ原から米原間のことだと思います。これも伊吹山の北側は日本海性の植物が生えておる、南側は太平洋性の植物が生えておるというように、大変大陸の影響を受けた日本海型気候に災いされる地域であります。だから、やはり湖上に観測点を設けたり、あるいは新幹線で忙しいビジネスをこなしていかれる人たちがいら立ちを覚えたりすることのないように何らかの対策は考えてあげていただく必要があるようにも思いますのですが、将来の問題として何かのお考えがありましたら御表明いただきたいと思います。
#110
○政府委員(末廣重二君) お答え申し上げます。
 琵琶湖の占める面積は滋賀県全県の約六分の一以上でございますか、大変大きな水があそこにあるわけでございまして、気象学的に非常に大きな影響を与えておるということ、また滋賀県民の皆様が琵琶湖の存在には大変いろいろな面で深いかかわりをお持ちで御関心を払っていらっしゃるということは私どもよく存じ上げております。
 今先生御指摘の、琵琶湖湖上にこそ観測点は現在ございませんけれども、琵琶湖周辺を取り囲みまして今津、虎姫、北小松、大津に先ほど御紹介申し上げました雨や風を自動的にはかります地域気象観測点がございますし、また大阪、福井、名古屋各レーダーがすべて琵琶湖周辺を覆っておりますので、現在琵琶湖の湖上での気象状態がどうであるかということはもう相当程度まで把握ができてるいると存じます。これに基づきまして、御発言いただきましたように、特に琵琶湖の湖上で波浪予報こそしておりませんけれども、琵琶湖湖上の風が強くなりますよという注意報などは現在差し上げられるようになっております。
 また、新幹線が大変関ケ原で雪のために行き悩むということも、国鉄の方といろいろ御相談いたしまして、これは米子、これ日本海岸でございますが、米子、それから能登半島の輪島、これの上空五千メーター程度のところの気象と申しますか、ここへ寒い空気が入ってきますとある期間、間を置いて関ケ原に雪が降るということが解明されておりますので、私どもは特に国鉄の方へ米子と輪島の高層の気象のデータを差し上げることによって関ケ原の雪の予報ということには格別の措置を講じております。今後とも研究調査を一生懸命進めていきたいと思っております。
#111
○山田耕三郎君 時間の関係で、最後に大臣に御要望だけ申し上げさしていただきます。
 例えば「ひまわり」による気象観測はマクロには的確にとらえられると思います。けれども、集中豪雨でございますとかあるいは雷雨でございますとか、あるいは豪雪でございますとか、こういったものはやっぱり局地の気象状況が的確にとらえられないと対応ができない、このように思います。せっかく局地局地に地方気象台や測候所が配置をされてありますのでございますから、必要なところからだけでもよろしいと思いますが、そこいらに観測でき得るような機能強化を今後の問題として御配慮いただければ大変ありがたいと思います。
 以上を御要望申し上げて、私の質問を終わります。
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#112
○委員長(鶴岡洋君) 次に、日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。山下運輸大臣。
#113
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま議題となりました日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 日本自動車ターミナル株式会社は、民間資金のみによる建設が困難な大都市におけるトラックターミナルの建設を担う特殊法人として、昭和四十年七月に政府の出資を受けて設立されて以来、東京都の市街地の周辺部におけるトラックターミナルの整備及び運営により、トラック輸送の合理化及び道路交通の円滑化に大きく貢献してまいりました。
 しかしながら、既に同社によるトラックターミナルの整備は相当の進捗を見、また、同社の経理状態も安定的に推移する状況となってまいりましたことから、特殊法人としての同社の設立目的はおおむね達成されたと見られるに至りました。このような経緯にかんがみ、政府といたしましては、近年の行政改革の中で、特殊法人の整理合理化の一環として、昨年、同社を民営移行するとの閣議決定を行った次第であります。
 一方、我が国の物流についても、近年、その小口化、高頻度化、さらには宅配に代表される消費者物流の進展など、大きく変化している状況にあり、同社は、公共性の極めて高いトラックターミナル事業の安定的継続を図りつつ、このような変化に対応して、民間の活力を生かした経済性のより高い、かつ、地域物流施設としての性格を強めた施設経営へと重点を移していくべき時期に来ているものと考えられ、このような観点からも、同社を民営移行することは妥当なものと思われます。
 以上のような状況を踏まえ、政府といたしましては、日本自動車ターミナル株式会社法を廃止するとともに、政府所有株式を処分することにより、同社を民営化し、同時に同社の健全な経営の確保を図るために必要な措置として、政府出資金相当額を同社に対する無利子貸付金に切りかえることとして、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、日本自動車ターミナル株式会社法を廃止することといたしております。
 第二に、政府は、日本自動車ターミナル株式会社が商法に基づく所要の手続きより資本の減少を行う場合であって、株式を一定の条件で買い入れ消却することとしたときは、これに応ずるものとし、その売買価格相当額は、政府が同社に対し無利子で貸し付けたものとすることといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#114
○委員長(鶴岡洋君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する自後の審査は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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