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1984/04/11 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第7号
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1984/04/11 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第7号

#1
第102回国会 運輸委員会 第7号
昭和六十年四月十一日(木曜日)
   午後零時三十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月四日
    辞任         補欠選任
     吉村 直事君     中西 一郎君
     安武 洋子君     小笠原貞子君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     中西 一郎君     吉村 真事君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     安恒 良一君     糸久八重子君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     糸久八重子君     安恒 良一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                大木  浩君
                梶原  清君
                瀬谷 英行君
                矢原 秀男君
    委 員
                高平 公友君
                内藤  健君
                藤田  栄君
                森田 重郎君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                吉村 真事君
                小柳  勇君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                伊藤 郁男君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       日本国有鉄道再
       建監理委員会事
       務局次長     林  淳司君
       運輸大臣官房長  永光 洋一君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   仲田豊一郎君
       運輸省地域交通
       局長       服部 経治君
       運輸省貨物流通
       局長       栗林 貞一君
       運輸省航空局長  西村 康雄君
       労働大臣官房審
       議官       白井晋太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       労働省労働基準
       局監督課長    菊地 好司君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事      須田  寛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (国鉄問題に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○安恒良一君 私は、まず冒頭に、近年の行政改革の中の一つとして特殊法人の整理統合、それからいま一つは民活、民営の活力を生かす、こんな趣旨で日本自動車ターミナル株式会社を廃止する、そして民営に移行するということで、前回いろいろ提案理由を聞きました。それからまた諸資料もいただきましたが、大臣、どうも私はすとんと落ちないんですよね。
 なぜすとんと落ちないかということの理由を申し上げますと、そもそもこれができてもうかれこれ二十年近くなるんですが、これはいわゆる公団でやったらどうかという議論も当初あったわけですね、膨大な資金を要しますから。運輸省側は大体そんな気持ちが強かったようです。ところが大蔵省側が、それはいかぬ、民間も金を出せということで特殊法人にこれはなったわけであります。そして今日まで運営をされてきたわけですが、例えばその間の収支状況を見ましても、やっといわゆる赤字がなくなってきつつあるのは、このいただいた自動車ターミナル株式会社収支決算を見ても、五十二年からというような状況で、一方累積赤字というのが、次期繰越赤字というのが五十二年までずっと続いておるわけですから、そういうときに、少なくともこれを廃止する以上、次のようなメリットがあるのかどうかということ。
 まず一つは、民営にすることによってより経営の中身が安定をしてくる、しかもこれは公共性の極めて高いトラックターミナル事業ですから、何でもかんでももうければいいという式じゃないわけですから、少なくともここを利用するところのトラック業者にも大きなプラスになる、またそこで働いている労働者のためにもなる、またひいては、物流というのは国民の日常生活に極めて必要なニーズでありますから、国民生活にも大きな寄与ができる、こういう角度から少し具体的に、今までよりも今回民営にした方が、今私が言ったような点についてより立派にやっていけるんだということがないと、単なる数合わせに終わるんじゃないか、こういう感じがしてなりません。
 そこで、この提案説明を見る限り、また今まで事前にいただいた資料を見る限りは、どうも私はそこのところがさっぱりわからぬわけです。それから、国の財政を節約するとか国の財政に寄与するという点も、これも続いて質問しておきますが、これもなさそうなんですね。いわゆる出資金、今度は株式を減資をいたしまして、それと相当額の金をこの会社に貸し付ける。これは利子を取るわけじゃないんですね。しかも、いつ返してくれるかというのはこれもはっきりしていないんですね。相当な長期間貸すと書いてあるんですから、ですから国家の財政にこれが寄与するなんというのは全然これまた考えられないです、この法律を見る限り。ですから、各省一つずつ特殊法人を整理せい、こう言われたものですからやむを得ず、運輸省で一番被害が少ないのはどこかということを考えて、数合わせにこれがやり玉に上がったんじゃないかな、こんな印象を私は受けてならないわけです。
 ですから、もう一遍、これをこういうふうに民営にすることが本当に行政改革の趣旨に沿うんだし、民間の活力を大きく高揚することになるし、今私が申し上げたような角度からメリットがあるんだと。というのは、これから物流というのは、
提案説明の中にもありますように、消費者物流は大きく変化している、いわゆる小口化、高度頻繁化、さらに宅配等々、消費者物流はずっと変わってきていますから、そういうものにも今までの方式でやるとやっぱり対応できないんだ、むしろ今度民営にした方がより対応できるんだという証明が何一つどうもないんですよね。書いてあることは抽象的に、「一方、我が国の」云々と書いてありますけれどもね。そういう点についてひとつ説明をしていただきたい。
#4
○国務大臣(山下徳夫君) すべてにお詳しい先生のことでございますから、ざっくばらんに申し上げて、これは関西新空港との取り合わせがないと言ったらうそになってしまいますし、それが何より証拠に、五十九年一月の閣議決定でそのようになされておるわけでございますから、そのために若干予定を繰り上げて実施をしたということは何よりの事実でございます。ただ、整備が相当進捗しておったということ、あるいはこの内容自体が非常に安定しておって、これならば民営化してもいいよという時点に来ておったこともまた事実でございます。
 今後のメリットというんでしょうか、問題は、今中曽根内閣自身が非常に力を入れているし、担当大臣も置いておりますように、いわゆる官僚統制というものをだんだん外していって、民間活力を逐次ひとつ肉づけといいますか、導入していくということは今の内閣の一つの命題でもございますので、そういう趣旨にまず基本的には沿っているということ、しかも、事業範囲の制限がなくなるということで、事業範囲が非常に拡大されて伸び伸びと仕事ができるという点もございましょう。あるいは、民間の創意とか工夫を十分これに取り入れていくとか、あるいは新規事業で今後いろんな研究課題等が活発に行われて、要するに、何か硬直化した官僚統制みたいなものよりもこの方がむしろ伸び伸びと民活を導入していけるよ、そういう面もあわせて踏み切ったというふうに御了解いただければ大変幸いと思う次第でございます。
#5
○安恒良一君 一般論で言葉の上でそういうふうに言われても、大臣わからないんです。なぜかというと、今大臣がおっしゃったようなことを今までの日本自動車ターミナル株式会社法だったらできないんだろうかといったら、私はできると思うんですね。それから、御承知のように、こういうときになるとえらい官僚へりくだられますが、日本の官僚というのは、日本はどっちかというといわば官僚国家的なところで、フランスの官僚と日本の官僚は非常に優秀なんですよね。ですから、その優秀な頭脳をお持ちのお方が今大臣がおっしゃったようなことをやれないはずは私は全然ない。
 そこで、これは抽象論を言うてもしようがありませんから、例えばいろんな新規事業ができるといっても、これは自動車ターミナル会社ですから、何でもかんでもできるわけじゃないんですよ。新しい会社ができ上がっても、株式会社になるとそれは定款でやります事業というのを決めますから、自動車ターミナル会社がとんでもないことを、もうけ主義でいうなら例えばパチンコ屋をやればいいかといったら、そんなわけにいかないわけですからね、これは。おのずから自動車ターミナル株式会社というのはやれる事業の範囲というのは私は限られていると思うんですね。
 その意味からいうと、例えば今大臣がおっしゃったように、これを民営にすることによってこういう事業分野が広がっていくんだ、そしてそのことがここの会社なら会社の経営にはこれだけプラスをして、これだけの、例えば私の手元のこれには五十八年度の自動車ターミナル会社の収支の推移が出ておりますが、こういう事業をやるから、その結果収益はこれだけふえるんだ、そして累積赤字についてもこういうふうにしてやっていけるんだ等々、そういうような具体的な仕事の中身、それから、経営というのは同時に数字ですから、数字で、このように民営にすることによって会社の経営も安全になっていくということについて少し中身を具体的に説明してみてください、具体的な数字で。
#6
○国務大臣(山下徳夫君) 数字は政府委員から答弁させますが、確かに日本の官僚優秀、お褒めいただいて大変ありがたいことでございますけれども、例えば関西新空港の問題にいたしましても、なぜもっと民間活力を導入という立場から入れないかというおしかりも一方においては受けることもございますし、そこらあたりは私ども十分心得ながらやっていくつもりでございます。
 なお、事業範囲の拡大につきましても、おっしゃるとおり、とてもそれはパチンコなんてできるわけじゃございません。ただ、先生方にもいろいろとおしかりもいただき、御議論もいただいております国鉄の問題にいたしましても、やっぱり公社経営から今度は民間にやるという場合の複合経営につきましても、先生十分御承知のとおりでございまして、ある程度の事業範囲の拡大ということは、今後活力を導入してそしてさらにこの会社を発展させる意味において私はやはり不可欠の問題ではないか、そういうふうに理解しておる次第でございます。
 数字的な、具体的な先生の御質問に対しては政府委員からお答えいたします。
#7
○政府委員(栗林貞一君) ただいま先生の御質問の中で、まず具体的に民営化によってどういうメリットが出てくるのかという点につきまして、制度的な面から申しますと、今までは実は日本自動車ターミナル株式会社法によりまして特別の監督規定がございました。つまり、特殊法人である、あるいは政府が出資しているということのゆえに特別の監督規定がございましたが、これは一切なくなって、今までございますほかのトラックターミナル会社と同じような立場になるわけでございますし、また、日本自動車ターミナル株式会社法では実は事業の範囲というものをはっきりと法律で決めておったわけでございます。それでは、トラックターミナル事業とそれに附帯する事業ということで、それ以外はできないような仕組みになっておったわけでございますが、それもなくなりますので、自己の経営判断によって事業の範囲を拡大するということができるようになります。
 ただ、先生おっしゃいますように、何をやってもいいというのは、これはやはり社会的な常識というものもあると思いますし、本来的な、やはり仕事の核になるものがこれはトラックターミナル事業になると思いますので、そういった公共的な性格の強い事業を中心にしつつも経営を多角化していくということだろうと思います。ただ、実際には、トラックターミナルがありますところは、流通業務市街地の整備に関する法律によりまして一定の制約を受けております。したがいまして、どんな種類の仕事を新しく始めてもいいというわけには実はまいりません。やはり流通団地という一つの制約があって、その例外としては特別の知事の許可とかということが必要になってまいりますので、恐らくはやはり物流関係中心というところをまずねらっていくことになるんだろうと思います。
 そういたしますと、これは実は民間の創意工夫、活力ということで、新しい会社の経営陣が真剣に考えて具体的な案を出すべき性格の問題ではございますけれども、私どもとして考えてみましても、先ほど先生もおっしゃいました、非常に物流の変化が激しい最近でございますが、そういったものに合わせて、例えば荷さばきのホームに自動仕分け機を設備をしてそれを一つの収入源にするとか、あるいは場所柄を考えましてトランクルーム事業をやるとか、あるいはトラックターミナルは貨物それから情報が集積する場所でもございますので、そういったことも考えながら情報関係の仕事を考えてみるとか、そういった研究課題はたくさんあるんじゃないかというふうに思っておりまして、これがこれから会社においても十分研究していただくべき問題だろうと思っております。
 それから、数字的に今後の見通しをというお話でございますが、これにつきましてはなかなか難
しゅうございまして、特に、今申し上げました研究課題のような新しい課題についてどういう収支採算になるかということは、正直言って現在の段階でははじくわけにはまいりません。それはこれからの話といたしまして、それ以外の現在やっております事業についてどうか、それが非常に不安定な状況になるようでは困るという、最低限のところを押さえるという意味におきまして私ども幾つかはじいてみた試算がございますけれども、これも実はいろんな前提条件を置く必要がございます。
 例えば使用料金をどうするのかという話になりますと、これも公共的な性格を持っておりますのでそうむやみに上げるというわけにはまいりません。ある程度の段階的な改定というものはあろうかと思いますし、一方、極力経費の節減に努めるということもございます。それから、政府からの貸付金の償還期間、償還方法、これは政令で決めるわけですが、それをどれくらいにするかということを一応想定いたしまして計算をいたしてみますと、例えば費用におきましては、人件費、物件費、それから固定資産税というものはある程度増加していくであろう。一方では減価償却費及び支払い利息というものは順次減少していくであろう。そういったことを総合的に考えてみますと、一定の利益が安定的に生ずるであろう。五年、十年先をこんなことではじいてみましても、大体会社の経理状態あるいは資金繰りもうまくいくだろう、そんな計算をしておるわけでございます。
#8
○安恒良一君 言葉でべらべらしゃべられたってわからないんだよ。だから、きのう私は、新規にやる事業はこれとこれとこれをやる、その項目を挙げて、そしてそれに伴って、例えば当面何年かの収支決算書の中で、これはもう過去の実績ですからね、これがどういうふうになるのかということについて、それは具体的数字で示してもらわぬと、うまくいくであろう、あろうの話じゃだめなんだよ、国会の審議というのは。しかも、もう衆議院で議論して参議院に来ているんだからね。その段階に来れば、やはり少なくともあなたが今言われたようなことを具体的な表なら表にきちっと出して、その中で、安恒先生、こうなっていますよ、新しい事業はこういうふうにやる、これに対する収入はこういうふうにふえますよ、しかしそれにかかる経費はこれだけかかりますよと。何も百年先のことを言えと言っているわけじゃないんですから、これから何年かを見通すと、やはりやっていけるならやっていけるとか、こういうメリットがありますよということを数字で言ってもらわぬと。
 だから私はあえて数字と言う。数字で言うから大臣も、数字は官僚に答弁させますと言ったんですね。あなた、大臣と同じようなことを言ったらいかぬ、大臣と同じようなこと、ほとんど似たようなことを。あなたは具体的に、例えばこれは五十八年度まで出ていますが、この法律施行後一、二年の経営については、当面例えば営業収入なら営業収入はこういうふうになります、それから新規に始める事業から来るところの営業収入はこれぐらい、今までの事業の営業収入はこれだけあります、営業費用についてはこれはこういうふうにかかります、この中で節減できるものはこうなりますということで、当面一年や二年先ぐらいのことは示して言うてもらわぬとね。ただ抽象的に、いやうまくいきます、うまくいきます、もしくはそれも、あろうあろうという話がよく後ろについているわけだけれども、あろうというのは希望、願望だ、これは。希望、願望じゃ困るわけだ。
 具体的に、これが民間会社になって大変困っちゃったというんじゃ、何のために民営化したかわからぬわけですから。だからその意味からいうと、ちょっとそこのところ具体的な資料をください。数字を見せてください。数字で言ってください。例えば今私に渡すのがなければ、あなたが持っておるなら、営業収入は昭和六十年度はどういうふうになる、営業外はどうなると、ずっと項目なら項目に従って、そしてこの項目だけでも結構ですよ。自動車ターミナルの収支推移表がありますね、この項目ならこの項目に応じて、昭和六十年度はどうなります、六十一年はどうなりますということをちょっと言ってみてください。
#9
○政府委員(栗林貞一君) ただいま先生おっしゃいました中で、従来のトラックターミナル事業を続けていくというその事業内容と、それから新しく何をやろうかというものと両方あるわけでございますが、大変恐縮でございますが、新しく何をやろうかというのは先ほど申し上げましたように研究課題ということで、これはむしろ会社の方が中心になってこれから研究し、採算というものも十分考慮した上で何をやるかということを決定する性格の問題だと思いますので、その点について私ども数字というわけにはまいらないわけでございまして、その点は御了承いただきたいと思いますが、従来の事業が少なくとも安定的に継続していかなければいけないというようなこともございまして、私ども確かにいろいろ試算はやってみたわけでございます。
 前提条件がございますので、その前提条件の問題もあるわけでございますが、例えば五十八年度の収入が九十六億程度でございますけれども、この収入は、今後若干は使用料金の改定ということもございますし、ある程度ずつ伸びていく。例えば私ども試算をしてみますと、これから五年先、十年先ということで申し上げますと、六十五年ぐらいには百十億程度、七十年ぐらいには百二十億程度ぐらいになるんじゃないかというような試算を実はしております。それに対しまして支出の方は、例えば固定資産税で申しますと、五十八年度は五億九千万程度の固定資産税を払っておるわけでございますが、これがやはり相当ふえてまいります。これの試算の仕方がまた難しいわけですが、一応今までの例などを見まして毎年六%ぐらいずつアップしていくというふうに考えてみますと、六十五年度には十億四千万ぐらい、七十年度には十四億ぐらいというふうにこれは相当ふえていく要素でございます。それから一方、減価償却費といいますと、これは五十八年度は十四億ぐらいですが、これは順次減ってまいります。
#10
○安恒良一君 数字があるならくださいよ。一々しゃべられたら時間がかなわぬから。その一覧表ください。一覧表を見ながら話しましょう。一々しゃべられたんじゃかなわぬ。数字をください。あなたがおっしゃるように六十年度はどういうふうになる、六十五年度はどうなるとか、それで例えば営業収入だったら営業収入は年率何%で伸びるからこうなると、これと同じような数字ください。でないと、私一々それしゃべられておったんじゃかないません。資料ください、具体的に。時間ないんだから。
#11
○委員長(鶴岡洋君) 栗林局長に申し上げますけれども、これは数字で出してもらえますか。
#12
○政府委員(栗林貞一君) はい。簡単なものでございますけれども、お出しいたします。
#13
○安恒良一君 それじゃそういうものは、僕はきのうも言っておったように、将来営業がうまくやっていけるのかどうなのかを具体的な数字でちゃんと説明してもらいますよというのは言ってあるんだから、やっぱりちゃんと資料を用意しておいてもらわなきゃならぬ。きょうなければ後で持ってきてください。
 それからいま一つ私お聞きしたいことは、東京にはこういうふうな自動車ターミナルができていますが、その他例えば大阪とか名古屋とかいろいろ十大政令都市といいますか、そんなところにも今日の物流の関係からいうとこういうものがやっぱり必要だというようなことがずっと前から議論されておるわけですね。そこで、この会社というのはたまたま今から二十年前に政府も出資をしてこういうのができ上がったんですが、これが今度民間になったら、また今度はよそがつくるときは初めからこれは民間でつくるということになるんだろうと思いますが、果たして必要な自動車ターミナル的なものが、今申し上げたように大阪であるとか名古屋であるとかそういうような都市の周辺にできるんだろうかどうか。今回の場合はたまたま国が出資をしてずっと今日までいろいろな角
度から保護しながらやってきてぼつぼつここでひとり歩きさせようというふうにあなたたちはおっしゃっているんですが、そこの関係はどうなりますか。
#14
○政府委員(栗林貞一君) 昭和三十年代の後半といいますのは、非常にトラック輸送が発展はいたしましたが、一方、高速道路も整備されて急速に長距離輸送分野にトラックが進出したといったこともありまして、道路交通のふくそうとかいろいろな問題がたくさん出てきた時期でございまして、そういった時期に、トラック輸送の合理化を図り、あわせて道路交通の円滑化に資する施設ということで、大都市の周辺にということで実は日本自動車ターミナル株式会社もできたわけでございますけれども、何といいましても東京における大規模な一般トラックターミナルの緊急性というものは非常に高かった。一方、この東京周辺は特に土地がなかなかございませんし、ありましても非常に地価が高いということもございまして、なかなか整備をしようというところまでいきませんでした。
 そういう中で、とても放置しておけないということで、東京でまずパイロット事業的な意味も含めてこのトラックターミナルの整備に乗り出したわけでございますけれども、一方、もちろん当初は大阪とか名古屋はどうか、それについても考えてはおったわけでございますけれども、大阪は実は大阪府都市開発株式会社という会社、これは国は出資はいたしておりませんけれども、ほかの事業も行いながら、あるいはまたある部分について土地を割合安く入手できたというようないろんな要素もございまして、会社として成り立って実は相当大きな規模のトラックターミナルが既に整備されてきております。一方、名古屋においても、専用のトラックターミナルですが、それもできてきておりまして、そういった、日本自動車ターミナル株式会社がリードしながら全国的に一般トラックターミナルあるいは専用トラックターミナルが相当整備をされてきておりますので、こういった時点で、日本自動車ターミナルの経営状態なども見まして、今後は同じような姿で民間の事業としてやっていくということにしたわけでございまして、ほかの地域、大都市周辺などもそれぞれの事情を踏まえて整備が進んできておるということでございます。
#15
○安恒良一君 結論を申し上げますと、私はなかなかそうは、なるほど東京ほど土地は高くないけれども、やはりターミナル的な需要があるときに果たしてうまくいくだろうかと思います。これは意見です。
 それから、これは結論からいいますと、大臣、いろいろ今聞きましたけれども、新規事業については研究課題でこれは新しい会社が考えることだ、こういうことで逃げちゃうわけですね。それから、恐らく経営資料を持ってきたって、私が今聞いた限りは、時間があればその資料をもらって二束三文にやっつける自信がありますけれども、今資料がないからできませんからね。
 結論だけ言っておきますと、私はこの法案反対なんですが、どうも数合わせをやったらいかぬということなんですよ。特殊法人を一省一つやりなさいといったら、どういうことをやるんだろうと見ておったら、役人というのはその点では頭がいいと同時に悪知恵が働いていると思うんですが、一番被害の少ないところをやる。そうすると被害というのは何かというと、自分たちの天下り先の減らないようなところ。例えば一つの例を挙げますと、厚生省がこの前特殊法人を廃止するといって何を廃止したかといったら、横浜にあるところのいわゆる児童公園ですね、児童公園をやったわけです、特殊法人からやった。児童の遊技場ですね。そうすると、児童遊技場をやると、資本が民間になりますと営利が入ってくるんですよね。例えばあんな後楽園の遊園地のようにですね。そのときも私も大反対をしたんです。あんなところは、後楽園の児童の遊園地は民営にすべきじゃないということをやったんです。
 どうも運輸省も特殊法人一つどれかやり玉に上げなきゃいかぬということになったから、何がいいかと思って一生懸命みんなで探したと思うんですよね。探すと、まあここなら余り自分たちも被害をこうむらぬわいということで、どうも今説明を聞く限りにおいてはこれがやり玉に上がったんじゃないかという印象を強く今のやりとりを聞いても思います。ですから、このことは答弁要りませんから、私はやっぱり行革とか民活というのはそんなものじゃないんじゃないだろうかということの疑問を強く提起をしておきます。
 そこで、物流に係る貨物自動車関係について、これはターミナル問題ですから関連で少しお聞きをしておきたいんですが、御承知のように、「貨物自動車に係る道路運送秩序の確立に関する決議」を本委員会で全会一致決議をしましてちょうどもう丸二年を迎えようとしています。これまでの間に、この決議事項の具体化を措置するために幾多の通達が出されました。また指導もされました。その経過については、私はその努力を多といたしますが、果たして実効が具体的に上がっているかどうかということになると、残念ながら大変疑問があるわけであります。
 そこでその一、二点について聞いてみたいと思いますが、例えば道路運送法違反行為が相変わらず横行しております。いわゆる過積違反ですね。それから交通事故がふえております。特に残念なことには営業用トラックの違反事故がふえている。これは私は大変ゆゆしい問題だと実は考えます。そこで監督官庁である運輸省として、これらの実態についてどういう認識をされ、今後どのように対処されるのか、考え方を明確にしてもらいたいと思います。また、決議以降指導した事項の結果と状況、これをどのように検証し、さらにこれを実効あるものにするために具体的にどう対処されるのか、考え方を示していただきたいと思います。
#16
○政府委員(栗林貞一君) 五十八年の四月に当運輸委員会におかれまして、「貨物自動車に係る道路運送秩序の確立に関する決議」というものをしていただきました。私ども運輸省といたしましても、道路運送の安全確保を図るという観点から、トラック運転者の労働時間の改善など、こういった輸送秩序の問題は非常に大きな問題だという認識をいたしております。
 そういったことで、その後この各項目に基づきまして、運輸省といたしましてもできるだけ積極的に取り組んできたわけでございますが、例えば、この決議の内容に沿いまして、これは実は前からやっておったことでございますけれども、監査を適時にやる、計画的な監査、あるいは何か問題がございましたら特別監査もやるということで、厳正な監査を実施する。あるいは荷主との懇談会というものを充実して、できるだけ運送秩序の確立を要請し、努めるということ。あるいは地区物流政策懇談会という、これは役所、労使入った懇談会でございますけれども、こういったものを設置して、回数を多く会議を開きまして、輸送秩序の確立のために諸施設を実施しておるところでございまして、ちょうど昨年、運輸省も機構改革をいたしまして、新しい政策の確立に取り組んでおるわけでございますが、この輸送秩序の確立問題はトラック運送事業の健全な発展のために極めて重要な事柄であるという認識のもとに今後とも強力に施策を進めていきたいというふうに考えております。
#17
○安恒良一君 私の時間は一時十分までですから、そこで具体的にひとつまとめて聞きますから、まとめて答えてほしいんですが、一つは、やはり一番大きい問題は、今申し上げましたように、自動車運転者の労働時間の改善基準の厳守の徹底を図ることだと思います。これに関連しまして、運輸省、労働省は現状をどう認識されているか、これが一つであります。
 それからいま一つは、その上に立って、貨物流通局長は、衆議院の運輸委員会の審議を見ますと、トラックの運転者の労働時間の問題は非常に大きな問題だと受けとめている、もしくは二七通達の厳守問題についても、労働省と密接な連携を
とりながら今後法制化あるいはILO条約の批准問題についても対処していくという積極姿勢を示されておりますが、この点については変わりがないのかどうかということ。この点についてまず運輸省側の考え聞かしてください。
 そして、運輸省側の答弁が終わったら、労働省は、ILO条約の批准それから二七通達の法制化等についてどういう考え方を持っているのか、これを聞かせてください。
#18
○政府委員(栗林貞一君) 私どもこのトラック運転者の労働条件の問題については非常に大きな問題だというふうに受けとめております。労働省で決められました二七通達の違背状況を労働省でお調べになったものを見ましても、対象になりました事業所の半分強がやはり違背が見つかるというような状況であるということは、こういった例えば二七通達が、私どもの方の、あるいは道交法の規定で決められております過労運転の防止といったようなことのいわば事実上の一つの基準になっているわけでございますから、私どもはそれをできるだけ守らすように努力を傾けていきたいというふうに考えております。
 それから、この二七通達の法制化とかあるいはILO条約の問題についてのことは、これは労働省の方からお答えがあるかと思いますが、私どもは労働省と緊密に連絡をとりながら相談をして取り組んでいきたいというふうに考えております。
#19
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。
 トラックの安全問題につきましては、労働基準行政としましても重要な問題として取り上げて強力に監督指導を実施いたしているわけでございまして、不十分な点はございますが、自動車運送事業に対する監督実施状況を見ましても、全産業五%程度しか実施できないわけでございますが、道路貨物運送業につきましては一四%を実施するとともに、改善基準の違反率につきましても五十五年に比べますと五十八年は約一〇%減少している。それから司法処分におきましても、道路貨物運送業、五十八年に三十七件。できる限りの努力をいたしているつもりでございます。しかし、まだ万全の状況ではないということで今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 それからなお、批准の問題でございますが、この条約の趣旨とするところはおおむね妥当なものと考えられまして、二七通達には、この内容に沿ったものといたしておるわけでございますが、しかし、基準法の適用対象は、賃金のために雇用される者、すなわち労働者に限っているのに対しまして、この条約は、一人親方や、それから賃金のために雇用されないその家族等にまで適用対象が広げられていることや、我が国独特の労働態様、隔日勤務等が条約上どう解釈されるのかというような問題もございまして、現行法の建前から直ちに批准することには相当問題があるというふうに考えております。
 なお、法制化の問題につきましても、この自動車運転者の労働時間等の改善基準は、二七通達は拘束時間、運転時間、休息時間等労働基準法で規制されていない事項を主たる内容といたしておりますので、自動車運転者という特定職種につきまして基準法にないこれらの拘束時間等を取り入れて法令化するのもまたいろいろ問題があるということでございます。なお、今後十分検討を進めさせていただきたいと思います。
#20
○安恒良一君 もう時間が来ますから最後になりますが、大臣ひとつ御答弁願いたいのは、運輸省側は、今もおっしゃったようにトラック運転手の労働時間は非常に大きい問題だと受けとめている、そしてこの二七通達が完全に守れるように労働省と密接な連携をとりながら今後の法制化、あるいはILO条約の批准問題についても対処していきたい、こう局長は答弁をしているわけですね。ところが肝心の労働省は、今大臣がお聞きのとおり非常に消極的なんですね。これは大体逆さまにならなきゃいかぬのです、労働省と。
 そこで私が提案をしたいことは、これは早急に一遍運輸大臣と労働大臣がお話し合いをくださって、両省の中で、これを批准をするためにはどういうことをすればいいのか、二七通達が完全に守られ、それを立法化するためにはどういうことをすればいいのかということの両省の連絡機構をきちっとされて、そこで少し議論を進めてほしいと思うんですよ。
 それはなぜかというと、貿易摩擦問題では中曽根総理はパネルまで使って一生懸命やられて、日本人は一億何ぼおろから、一人何ぼか外国製品買えば貿易がうまくいくように言っているけれども、そんなことじゃないんですよね。今の四つの課題を全部自由化しても対米との赤字解消にはなかなかならないんです。それは何かというと、どうしても僕は内需の拡大だと思うんですよ。個人消費の拡大だと思う。それと同時にいま一つ貿易戦争で問題になるのは、長時間労働なんですよ。それがアンフェアだということになるわけですからね。ですから、その意味からいうと、やはり根本的なことをしないと、せっかく中曽根総理が張り切って、パネルまで使って国民に言われたって何にも解決できないと私は実は思うわけです。
 その意味からいうと、この問題も私は非常に重要な問題だと思いますから、ぜひ大臣の御努力で、まあ労働大臣もかなり今度山口さんはユニークな人だと聞いていますから、両大臣でまずお話をくださって、両省間に連絡機構、連絡委員会を設けて、どうしたら早急にILO条約の批准ができるのか、どうしたら二七通達の法制化ができるのかと意欲的に取り組んでいただきたいと思いますが、そのお約束をぜひお願いしたいと思います。
#21
○国務大臣(山下徳夫君) 今お話しのとおり、労働大臣は非常にエネルギッシュで、次々に新しい発想を打ち出される方でございますし、御趣旨を踏まえて早速よく話し合ってみたいと思います。
#22
○安恒良一君 終わります。
#23
○目黒今朝次郎君 個人的な事情がありまして、安恒先生と事前の打ち合わせをしなかったわけでありますから、トラックターミナル法案の問題についてダブっておったら回答済みというふうに言ってもらえば時間の短縮になりますから、あらかじめそういうふうにお願いをしておきます。
 まず第一に、今回のターミナル法案は四十年の七月二十八日に設立されたわけでありますが、当時は、政府が五千万の一六%、民間が二億五千三百万の八四%、計三億三百万で発足したわけでありますが、今回政府側からもらった資料によりますと、五十九年十二月三十日、政府が五十七億七千九百万、三四%、民間が五十九億四千万、三四・九%、東京都が五十二億九千万円、三一・一%、こういうように設立当時と増資あるいは出資の機関が大幅に変わっておるんですが、これは設立当時こういうことを想定して設立したのかどうか。途中からどんどんターミナル助成という政府の方針が変わっちゃって、こういう現在の格好になったのか。設立当時と現状の違いが余りにも甚しいんで、この経過の要点を話してもらいたい、こう思うんです。
#24
○政府委員(栗林貞一君) 日本自動車ターミナルの設立に当たりましては、その公共性のゆえに、国とそれから地方公共団体と民間とで出資をいたしまして、それで資本金を構成して事業を進めていこうということで、最初からそういう話がございました。ただ、やはりそれぞれの事情ございますので、三分の一ずつなんですが、三分の一ずつ時期的にきちっと合っているわけではございません。考え方といたしましては、事業費の三分の一程度を出資金で賄い、かつその出資金について政府と地方公共団体と民間とが三分の一程度ずつひとつ分担して進めていこうという考え方でやってきたわけでございます。
#25
○目黒今朝次郎君 当時の議事録を読んでみても、当時の議事録のやりとりと、現在の五十七億、五十九億、五十二億になったその過程がわからないんだよ、遺憾ながら。だから、その場限りでぽんぽんやってしまったかと、その場限りその場限りで。国鉄の貨物はじゃんじゃんたたく。トラック関係は政府が無制限に資金を投じてどんどんやってやる、国鉄ははたく。そういう歴史的な経過がこの出資の経過にあらわれているんじゃないか
ということを私は心配して調べたんですが、遺憾ながら今の局長の答弁では出てこない。だから、あなたが幾ら答弁しても、こういう経過があるということだけ指摘しておきます。
 これはなぜかというと、関西新空港の問題について、あれほど議論した関西新空港が今後五年、十年、十五年たった段階でこれと同じような道を歩んだら大変なことになりかねないという点で、私は問題点を指摘するということで回答は要りません。私は幾ら議事録を読んでも、あなたの答弁を聞いても納得できないということだけ表明して、回答は要りません。
 二つ目。こういう莫大な増資の過程で、俗に言う、新聞でよく言われる役人の天下り、あるいはたらい回しという点はトラックターミナルにはなかったか、あったか、その点だけ確認の意味を含めて政府側の答弁を求めます。
#26
○政府委員(栗林貞一君) 日本自動車ターミナルに対しまして公務員の経験のある者が再就職するという場合には、これは先生御承知のように、国家公務員法、人事院規則によりまして人事院等が業務内容をチェックしてやるということになっているわけでございますが、そういった手続を経まして若干の国家公務員から就任した者がおるということは事実でございます。
#27
○目黒今朝次郎君 局長、たちい回しはしていませんな。
#28
○政府委員(栗林貞一君) 先生おっしゃいますのは、例えば特殊法人から特殊法人にという人事異動のことだと思いますが、私が承知している限りではないと思います。
#29
○目黒今朝次郎君 ないという確認で、後ほどまた調べて追及します。
 三番目。今回の法人をやめるというのは、経営状態が五十二年から黒字基調に変わった、こういうふうに経営が上向きになったという点と、関西新空港の問題でちょん、こういうことですが、経営が黒字基調に変わった、こういうことと、配当が今日まであったのかどうか、この点についてお答え願いたい。
#30
○政府委員(栗林貞一君) 日本自動車ターミナルは、四十年にできまして以降、やはり事業の性格からいいまして赤字を実は続けてまいりました。それで四十五年から若干の黒字といいますか、ほぼとんとん程度でございますけれども、若干の黒字を四十五年から四十九年まで続けたわけでございますけれども、ターミナルの整備の関係で五十年、五十一年とさらにまた赤字になり、五十二年度から、これは足立のターミナルがオープンした時点でございますが、それからは、とても配当というところまではまいらないわけでございますけれども、少しずつ利益が出ておりまして、当期利益が安定的に出るような状況になってきておりますが、配当は全くできておりません。
#31
○目黒今朝次郎君 調査室から「日本自動車ターミナル株式会社の収支の推移」という表をもらったわけでありますが、この表を見ておって納得できないのが、疑問が解消できないのが二つ三つあるんです。これはレクチャーのときあなたの方に言ってあるからこの表は見ていると思うんですが、私は、四十五年、五十年、五十四年、五十八年の、五十九年はまだもらっておりませんが、この表を分析してみますと、営業収益対営業費用ですね、収益対費用、この流れをパーセンテージを見てみますと、四十五年は営業収益に対して費用が五九%、五十年が営業収益対費用が六九%、五十四年になりますと収益対費用が七〇%、ずっと七〇%を超えていって、五十八年になりますと収益が九十四億千二百万、経費が七十一億七千二百万、その比率が七六%。収入対支出がどんどん年数に従って経費が余計かかっていく。こういうことは一体どういう経営をやっておったんだろうか。
 私は、四十三年の京浜の開業、四十五年の板橋の開業、五十二年の足立の開業、五十八年の葛西の開業と、開業の前後で関係があったのかなと思っていろいろ指数を見てみたわけでありますが、なかなか納得できる指数が出てまいりません。収入が順調になったから支出の方も大ざっぱにばんばん金を使ったのではないか、俗に言うとむだ金を使ったのではないか、こういう気がいたします。政府から三四、五%の助成を仰いでおって、会社の経営がよくなったからといって金の方をじゃんじゃん使うというのは、どうも国から助成をもらっておる企業としては放漫経営じゃないか、こういう気がするんです。
 したがって、四十五年に板橋のターミナルが開業したとき五九%であった支出が、五十八年では七六%、実に一七%もふえている、約二割近く。二割近く経常費がふえているというのは一体どういうことなのか。放漫経営ではなかったのか。むだ金を使っているのではないか。いわゆる国の助成企業としてはこれはけしからぬ。私も決算をやっていますから、決算の点から見ますと、国の助成をもらっておる企業としてはけしからぬ、こういうふうになるのでありますが、この収入対支出がいわゆる大幅に、一七%もふえたという経営の実態は何が原因なのか、教えてもらいたい。
#32
○政府委員(栗林貞一君) 営業収益の方は、先生おっしゃいますように、大体ある一つのターミナルがオープンいたしますとその面からぽんと上がってまいります。
 それで営業費用の方の問題でございますが、これにつきましては、主として固定資産税の問題、それから減価償却費、修繕費、商品売上原価などございますが、施設ができますと、ある時期においては定額償却、それからある一定の時期から定率償却でやってきておるということで、減価償却費が年によって大分変わってまいります。それから固定資産税は年数%の伸びで伸びてまいります。そういったようなことで年によって若干パーセンテージが違うということはあろうかと思いますが、放漫経営とかそういうことは全くない、非常に厳しい経営姿勢でやってきているということは承知しております。
#33
○目黒今朝次郎君 それは納得できません。ですから、発足当時五〇%台、中間から六〇%台、五十四年から七〇%台。あなたがそんな抽象論で、固定資産税がどうの減価償却がどうのなんて言ってもしようがありませんから、具体的に何が原因になったのかということを後ほどでいいから具体的な指数で、金額とパーセンテージで資料を出してもらいたい。要求しますが、いかがですか。
#34
○政府委員(栗林貞一君) わかりやすい資料をつくりましてお出しいたします。
#35
○目黒今朝次郎君 では確認します。
 それから二つ目は、営業外収益が例えば五十八年で一億九千万、ところが営業外経費が十九億三千万。収入が一億九千万で使った金が十九億、約十倍だ。こんな営業外収益と営業外費用の会社のやりくりがあるんですか。これはいわゆる使途不明金じゃありませんか。これは何に使っているんですか。計上の仕方が悪いのか説明が悪いのか知りませんが、私が見る限りではこの数字はどうしても納得できません。営業外収益と費用がなぜこんなに違うんですか。
#36
○政府委員(栗林貞一君) この点につきましては、この事業が非常に膨大な土地を購入し施設を整備して事業を行うわけでございますが、そのための資金は、実は全体の事業費の半分程度を開発銀行から、それから六分の一程度を市中銀行からというようなことでやってきておりますので、支払い利息が非常に大きなものになります。開発銀行及び市中銀行から借り入れている金が膨大なものでございますので、それに対する支払い利息が非常に大きなものになります。それがここに書いております営業外費用の大部分でございます。
#37
○目黒今朝次郎君 そんなもの決算屋としては承服できません。後ほどその収益と費用を具体的に年次別に出してください。いいですか。
#38
○政府委員(栗林貞一君) 先生おっしゃいますような資料をつくって見ていただきたいと思います。
#39
○目黒今朝次郎君 それから、昭和五十五年度、税引き前損益がプラスの七億五千四百万、それから当期損益がプラスの三億二千七百万。そうする
と、この計算でいくと税金その他に四億二千七百万払ったことになっていますが、その前後、五十四年度は二億台、それから五十六年度は三億台、五十七年度は二億台、五十八年度も二億台、前後が二億、三億台なのになぜ五十五年度だけが四億二千七百万もかかっているのか、これもどうも腑に落ちない。何をやったのかわからない。ここが悪いのか、前後がごまかしているのか、どっちかごまかしているんです。この四億二千七百万という飛び抜けているやつは何が理由だったんですか。
#40
○政府委員(栗林貞一君) この支出のところで、施設管理費の一部といたしまして修繕引当金繰入額というあたりをどういうふうに見るかということで、税法上の問題でこの辺は若干数字が変わっているようでございます。
#41
○目黒今朝次郎君 まあ会社のやりくりということでわからないではありませんが、私はこれが純然たる私企業ならいろいろなやりくりについては何も言いません。ところが、少なくとも国民の税金を借りて、国から三分の一、東京都から三分の一、三分の二は国民と東京都民の税金を借りてやっている経営ですから、ちょっと我々素人が見てもわかるようなごまかしは、ごまかしとは言わぬけれども、まあやりくりでしょう、やりくりとごまかしは紙一重だと言うけれども、こういうことについては私は、今修繕費引当とかいうことで、言葉としてはもやもやっとしてわかりませんが、これも具体的に解明できる資料を提出してください。いかがですか。
#42
○政府委員(栗林貞一君) お出しいたします。
#43
○目黒今朝次郎君 あと三つ四つあるんですが、政府の方は相当数字をつかんでおられるようでありますから、少なくともこれは調査室が出した数字だから、この数字にかかわる疑惑ぐらいはぱっぱっと答弁できるようにやっぱり解明しておいてもらいたいということを要望して、とにかく今言った三つの数字を出してください。それから引き続いて運輸か決算でやります。
 それから次は、五十七億何ぼの相当額を当該株の値段で売買してそれを全額無利子で貸し付けるというのが今回の法案の骨格のようですが、この出資金の相当額を額面で買い入れてその同額を無利子で貸し付ける、こういう措置は、私は不勉強でわかりませんから、法律的にどういう法律があって、その法律を適用してしかじかするんだと、その根拠法律の名前を教えてもらいたい。根拠法律の第何条によってこうやるんだと、根拠法律と適用条項を教えてもらいたいと思います。
#44
○政府委員(栗林貞一君) 政府が保有しております株式を売却することによって無利子貸し付けに切りかえるということにつきましては、これは類似した例はあるわけでございますけれども、この今回やるものについて何が根拠法であるかというお話でありましたら、現在提出させていただいております法律の附則によってそれができる、こういうことでございます。
#45
○目黒今朝次郎君 国民の金を、国民の税金を無利子で貸し付けるという以上は、何らかの大蔵省関係か何か関係の根拠法律があって、その根拠法律の第何条によってやるんだと、そうやらないと特定の会社に国民の税金を無利子で貸すなんて、そんなことできないでしょう。国鉄だって、があがあ言って八分も六分も取って、そして三分は純利益を納める、あと足らないところは利子補給でやっている。国鉄にはぎりぎりやって、片一方ではこの法律によって無利子で貸し付ける。冗談じゃないですよ。だから根拠法律は何か。大蔵省の法律の第何条第何項、こういう法律名で第何条に従ってこうやるんだと、こういう根拠法律を示さなければこの法案の審議はできない。
#46
○政府委員(栗林貞一君) 先ほどの私の答弁が舌足らずのところがあったかと思いますが、直接的にはこの法律でございますが、その前に申し上げますと、財政法の第九条という規定がございまして、こういう規定がございます。「国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」という規定があるわけでございますが、そういった規定に由来いたしましてこの法律で具体的には決めた、こういうことでございます。
#47
○目黒今朝次郎君 そうすると、現在の法体系は、大蔵省財投の貸し付けを含めて、無利子で貸し付けるという制度はないわけですね。この法律で初めてつくるということなんですか。
#48
○政府委員(栗林貞一君) 私申し上げましたのは、今度の日本自動車ターミナルについての問題はこの法律ということでございますが、同じようにといいますか、類似の格好で無利子貸し付けということをやっている例は相当多くございます。
#49
○目黒今朝次郎君 では、無利子で貸し付けをしている場合があるというなら、今あなたの言った、財政法第九条のこの条項を適用して無利子で貸し付けを行っている問題はその他に幾つかあるということは、ではどういう場合があるんですか。具体的に教えてください。
#50
○政府委員(栗林貞一君) 例えば非常に似たような例というところで、特殊法人の関係で非常に似たような例をまず一つ申し上げますと、例えば五十六年に外質埠頭公団が解散されまして、その業務を承継した地方埠頭公社に国の出資金相当額を無利子貸し付けに切りかえたというふうな例がございますし、そのほか無利子貸し付けの制度というのは幾つかある、こういうことでございます。
#51
○目黒今朝次郎君 今あなたが言ったのはごちゃごちゃしてわかりませんから、私がレクチャーのときに、こういう制度があるのか、法的根拠、他に例があるかということを、今あなたがべちゃべちゃと言ったことを後ほど、現在この法律を制定するときの法的根拠を文書でもう一回書いてもらって、この条項を適用して現在これこれの状態がありますということを資料として出してもらえますか。
#52
○政府委員(栗林貞一君) 提出いたします。
#53
○目黒今朝次郎君 じゃ、お願いします。
 それからもう一つは、片方は経営が順調にいって五十二年から黒字になった。黒字になりながら出資の同額を無利子で貸すという点は、余りにも私は手前みそじゃないか。仮に移行時なら移行時五十七億円で貸し付けるとしても、三年か五年かの期限を切って漸減して五十七億を四十億にするとかあるいは三十億にするとかというようにずっと減らして、そして政府出資が撤退してその事業が自分で自立できるようにしていくのが私は政府の方針、いわゆる自由化の方針じゃないか。このターミナルに限って無制限に五十七億円を無利子で貸し付けるということは余りにも手盛り法案ではないか。したがって、経営状態の好転に比例して貸付金を漸次減らしていくというようなことが当然国民の税金を公正に運用する道ではないのか。その辺の考えはどうなんですか。
#54
○政府委員(栗林貞一君) 実は、政府所有株式を処分いたします方法としていろんなことを考えました。そのうちの一つといたしまして、例えばそれをほかの株主に売る、どういうふうにどの程度順次売っていくというやり方、それから、ある程度持っておりまして、それで先生おっしゃいますように経営が好転したらそれをその場で売ろうというやり方といろいろ考えたわけでございますけれども、ほかの人に買ってくれといっても、経営は好転しておっても配当はまだ当分ちょっとできそうに実はありません。そういう状態でなかなか買う人がありません。
 それから、政府が持とうと思って考えてみたわけですけれども、経過的に持つということになりますと、それはやっぱり相当長期に持たなければいけないというようなこともございまして、そうなりますと、民営化するという趣旨にももとるということで、いろいろ考えた末に、経営の安定を考えながら民営、民間活力も発揮できるような姿として今のような貸付制度にし、かつ、恐らくは来年度から均等年賦で返してもらうというやり方が一番いいのではないかということでこういう案になったわけでございます。
#55
○目黒今朝次郎君 この決算書では、五十八年は
十二億九千二百万、五十九年決算どうなるかしりませんが、約十四、五億の累積黒字があるわけですね。この黒字がどの程度になったときに配当を始めるのか。あるいはこの黒字がどの程度になった際に、あなたが言うその貸し付けの均等返還を始めるということを言っているんですが、配当と均等返還はこの累積黒字がどの辺になった時点で、会社に移行した後、いや二十億ぐらいになったとかあるいは十五億になれば配当を始めるとか、あるいは貸し付けの償還を始めるのか。配当を始める際に、貸し付けをした国には配当相当額の還付があるのかどうか。この辺の経営の見通しと貸付金と配当の関係はどうなるんですか。
#56
○政府委員(栗林貞一君) まず貸付金の返還の話でございますが、これは国としては確定債権に切りかえるわけでございますので、今考えておりますのは、例えば均等年賦ということで来年からでも順次返してもらうということになるだろうと思います。
 それから配当の方は、これは幾らの利益が出たら配当ができるかというのは、実は資本金の額との関係もございます。今度の場合は、百七十億の資本金が政府分が減るということで実現いたしましたら百十億ちょっとになるわけでございますが、その資本金との見合いにおいていつごろから配当ができるかという話になるんだろうと思いますけれども、現実の問題としては、国が無利子で貸し付けをしておるということでございますので、そういったことともバランスをとって考えてみますと、恐らく無利子貸し付けの国の金が償還し終わったころから配当というような姿が私ども一応描けるんじゃないかというふうに考えております。
#57
○目黒今朝次郎君 それから、この会社は民間に移行しても五十七億の貸し付けを受けているわけでありますが、いわゆる今回の会計検査院の行政指導の一部改正に伴う会計検査院の監査対象の民間企業になるのかならないのか、その辺の認識はどういう認識をしていますか。この前次官通達で、北海道東北開発公庫などから融資を受けている。この会社も、この資料によりますと事業費の二分の一を開発銀行から融資を受けているわけですね。したがって、この会社は民間に移行になっても会計検査院の監査対象の企業として確認していいかどうか。どういう認識を持っていますか。
#58
○政府委員(栗林貞一君) 民間会社になりますけれども、国からの貸し付けを受けておりますので、会計検査院の検査の対象になると思います。
#59
○目黒今朝次郎君 じゃ今の資料をもらった後で、会計検査院の関係で後で質問します。きょうはその関係はその程度にします。
 それから、時間がありませんから国鉄にお伺いしますが、これもターミナル関係と若干関係があるフレートライナー。このフレートライナーは四十四年四月二十一日に発足して、このターミナルよりも四年ほど後に出たわけでありますが、資本金一億円で、国鉄が五千万、日通と全国通運が二千五百万、こういうふうになっておるわけでありますが、これは五九・二あるいは六〇・三ダイヤ改正の後を受けて、コンテナ輸送に、何といいますか、現状を一口に言うとどういう現状ですか。
#60
○説明員(須田寛君) 日本フレートライナー株式会社は、国鉄がフレートライナー、コンテナ専用列車を運行するに当たりまして、コンテナの積みおろし作業の受託と、それから新規のトラック業者からのコンテナの扱いということを中心にしてまいったのでございます。その後コンテナ扱いがどんどんふえまして、最盛期は百五十万トンばかり扱ったことがあるのでございますが、その後輸送が低迷をいたしておったわけでございます。
 今、先生がおっしゃいましたように、五十九年の二月の改正を機といたしまして、コンテナの増送、またはこれを貨物の中核に位置づけるということで増送をやってまいりまして、逐次輸送実績が増送に転じてまいりまして、現在約年間百万トンの輸送をやるという状況に到達いたしております。なお、私どもといたしましてもこれからもさらにコンテナの増送を図りたいと考えておりますので、この会社に、フォワーダーといいますか、運送取扱会社としての機能の一層の充実を期待いたしておる、こういった状況でございます。
#61
○目黒今朝次郎君 もらった資料によりますと、九十三万七千トン、約百万トンになっているわけでありますが、この問題が、この前の交通新聞という業界紙を見ていますと、このフレートライナーについては、もうこれだけではだめだ、やはり営業中心の販売会社に脱皮する、こういう見出しで業界紙に上がっているんですが、これは具体的に、今常務が言った現状からどういうふうに脱皮しようとしているのか。あるいは資本金なりの問題も含めてどういう形でどのような方面に脱皮しようとしているのか。
 この資料を見ますと、私の田舎である盛岡とか仙台とか、あるいは熊本、大分あたりには、全然この資料を見ましても営業所も支店もない。関西周辺に偏っている。偏っていると言うと変でありますが、東北は荷物がないからそこへ行かないんだ、おまえのところもっと荷物をつくれと、東北の貧困さを物語る裏書きになるかもしれませんが、どっちにしても東北と熊本、大分方面には全然営業所がない。そういうものを含めてどういうふうに脱皮しようと考えていらっしゃるのか、おわかりであればお答え願いたい、こう思います。
#62
○説明員(須田寛君) 会社の方でいろいろ今そういったことについても検討してまいっているわけでございますが、私どもの方の考え方といたしましても、従来どちらかといえば積みおろし作業の受託ということを中心にいたしました労務請負的な性格がかなり強かったと考えております。今御指摘がございましたように、これからやはり販売中心、セールス活動を中心といたしまして、国鉄にもっとコンテナを集めてもらおう、こういった機能を期待したいわけでございますので、私どもといたしましてはやはりできるだけ全国にネットを広げてほしい。同時に、その各営業所と申しますか、ターミナルにおきましてできるだけ多くの行為能力を持って既存の会社とも十分協調して仕事をやってもらいたい。そして、荷主の利便を図りますと同時に国鉄にも増送を図れるように機能してもらいたい、このような期待を持っている次第でございます。
#63
○目黒今朝次郎君 この資料によりますと、現在従業員が四百四十一名、そのうち国鉄のOBが百八十一名、四割弱OBが入っておるわけでありますが、国鉄の余剰人員対策を含めて、国鉄はこういうフレートライナー会社については、今言ったような脱皮の問題と国鉄の余剰人員対策というものを含めて、やっぱり強力なてこ入れをして荷物市場に進出していく必要がある、こう思うんですが、この辺の考え方は余剰人員対策も含めてどんな考えでしょうか。
#64
○説明員(須田寛君) この四月から国鉄の余剰人員をかなり多数引き受けていただいておりまして、その意味では余剰人員対策にもかなり寄与してもらっているわけでございますし、これからもそのように機能してもらいたい、かように思っております。したがいまして、先生おっしゃいましたように、その問題も含めまして、国鉄全体の営業の増進にもより大きく機能してもらうことを期待してこれからも発展をしてもらいたい、かように念じております。
#65
○目黒今朝次郎君 それで、この前私は社会党の関連産業対策の窓口としていろいろ聞いたわけですが、聞いておりますと、フレートライナーの事業免許が限定免許であって、いろいろ荷物を集める、あるいはお客さんを開拓するといっても、路線免許の制限があってなかなかいけないという話を聞いているんですが、これは間違いありませんか。
#66
○説明員(須田寛君) やはりほかの通運会社に比べまして後発の会社でございますので、そういった既存の会社との利害の調整という問題がございますので、確かに先生御指摘のように限定免許が中心になっていることは事実でございます。しかし、その中で極力その範囲を広げてまいったということも事実でございますし、これからもそのよ
うにしてまいりたい、かように思っております。
#67
○目黒今朝次郎君 もう一つ、出たついでに鉄道荷物の問題について若干五、六分お伺いします。
 国鉄には鉄道荷物協会がありまして、加盟会社二十一社、従業員約八千名、このうち国鉄OBが約三五、六%前後、資本別には最高一億の東京から八千万、五千万、四千万、三千万、二千万は各一社、一千万が十社、一千万以下が三社と、極めて東京の一億を除いては中小零細企業になっておるわけでありますが、この荷物関係が、亀井委員会の提案、八三年八月の提案で、一部利用運送を残して六十二年に荷物営業制度を廃止するという提言が出ておるわけであります。
 おたくがことしの一月に出した基本計画、この部門別の荷物部門のところに、「徹底した効率化と販売施策の推進により、昭和六十年度において荷物部門固有経費で収支均衡を達成するとともに、昭和六十二年度までに需要の集中する幹線上の拠点駅間を高速直行ロット輸送で結ぶ利用運送への転換を図る。」と、こういう言葉を使っているんですが、前段の表現はいいんですが、この利用運送への転換ということは具体的に何をやろうとするのか、御見解を聞かしてもらいたい。
#68
○説明員(須田寛君) 利用運送と申しますのは、現在国鉄の荷物営業は国鉄でフロントを経営いたします。つまりお客様から直接そこで引き受けまして、積みおろし、輸送、全部国鉄の責任によって一貫して営業をいたしておるわけでございますが、今回利用運送ということになりますと、レール上の輸送だけを国鉄が引き受ける、フロント等は民間の会社、関係の業界にやっていただきまして、それを国鉄が輸送力をその会社に対しまして発売をするという格好に転換をすることを利用運送と申しております。
 監理委員会の一昨年の提言がございましたので、その線に沿いまして六十二年からそういう方向に移行すべく今準備をいたしておるところでございまして、逐次そういう体制を整えてまいりたい、かように思っております。
#69
○目黒今朝次郎君 これは私も荷物会社の労使を呼んでいろいろ話をしたんですが、いろいろ心配したり、あるいは体質改善も必要だなと、従業員ももっともっと民間のクロネコとかペリカンのことを学びながらやる必要があるなということで、労使とも張り切っておるわけであります、なくなっちゃ困りますから。それで一番心配しているのは、この表現を使っている、昭和六十年度荷物営業収支の均衡、固有経費の達成が前提条件と、こういうふうに非常に厳しく受け取っているんですが、この問題については会社側に十分に説明をしているのかどうか、その辺どうですか。
#70
○説明員(須田寛君) 六十年度固有経費で収支均衡と申しますのは、昭和五十五年からやっております現在の国鉄の長期計画の一つの目標でもございますので、その目標を策定いたしますときにも荷物会社に説明をいたしましたし、毎年荷物会社は実は会議を持っておりますので、その席上に私ども参りまして、そういった荷物の今後の方向につきましては十分御説明を申し上げておるつもりでございます。
#71
○目黒今朝次郎君 それで労使がいろいろ考えておりますのは、この利用運送の際の輸送力、運賃をどう考えていくのか。あるいは物流業者に脱皮をするというために努力をしておるわけでありますから、国鉄側としてどういう助成をしていくのか、その点が二点。それからもう一つは、これは岡田常務の方に関係があるんでありますが、そういう際にいわゆる跡地利用について、営業所、これなどについて十分な配慮をしてほしいという問題。
 最後に運輸省に、時間がありませんから後で一覧表をやりますが、これは運輸省にやりますが、この会社もやっぱり限定免許で苦しんでおるわけですね、限定免許で。ですから、利用運送で仕事やれ仕事やれといっても、こういうふうに限定免許の申請中と、自動車事務所別に申請しても免許をくれないという一覧表があるんです。この国鉄関連が立ち直るために事業免許を欲しいという場合には内容を十分考えて雇用問題も含めて運輸省側に事業免許の認可について特段の配慮をしてもらいたい。
 以上四点を申し上げまして、私の質問を終わります。おのおの回答してください。
#72
○説明員(須田寛君) 今御指摘がございましたように、やはり単純な労務請負会社から荷物会社につきましても総合物流業者に脱皮をしていただかなければいけませんので、幸い一部の会社が最近逐次運輸省の御理解を得まして集配免許もいただいておりますので、そういうものをきっかけにいたしました一つの運送業者に脱皮をしていただくように私どもいろんな面で御支援を申し上げていきたいと思っておりますし、また運輸省にもいろいろこれからも御理解をいただいて御指導を賜ってまいりたい、このように考えております。
#73
○説明員(岡田宏君) 今先生からお話しございました、荷物会社が今まで使っておりました用地、国鉄の駅にございますフロントの用地につきましては、長期債務の処理の問題、それから鉄道の本来事業への活用あるいは収入の確保、余剰人員の問題という観点からの関連事業への活用、そういった観点を十分勘案をしながら処理をしてまいりたいというふうに考えております。
#74
○政府委員(栗林貞一君) 運輸省の関係で通運の免許の関係でございますが、確かにコンテナとかその他につきましていろいろな限定が付されているということは事実でございます。その点につきましては、申請に応じまして、関係者との調整もあるとは思いますけれども、そういった調整も図りながら、国鉄貨物の増数を図るという観点から会社の意向も十分考慮して必要な処分をしていきたいと思っております。
#75
○目黒今朝次郎君 終わります。
#76
○矢原秀男君 大臣が途中で退席されるようでございますので、法案審議の前に緊急課題として数点ちょっとお伺いをしたいと思います。
 一つは、日本貨物航空の四月から米国乗り入れをめぐる日米航空交渉の件でございますけれども、三月の二十八日からワシントンで開かれた協議も不調に終わり、交渉再開の見通しも立っていないのでございます。運輸大臣は、十三日に訪米する安倍外務大臣に、早期に交渉を再開し最終合意に至るように働きかけることを依頼すると報道されているわけでございますけれども、今後の見通しについて伺いたいと思います。
#77
○国務大臣(山下徳夫君) 基本的な私どもの態度といたしましては、NCAはアメリカ交渉以前にもう二年前に日本政府として認めている会社でございますから、それが営業活動を開始するまでには政府の責任がある、このような態度でアメリカに強く交渉を迫ってまいったわけでございます。これが基本的な態度でございます。
 同時に、基本的な心情と申しましょうか、あくまで筋を通して、いろんな他の要素に介入されない、つまり、例えば日米の貿易問題、そういうものに巻き込まれないということ、それから、従来から、互恵条約でございますから、御案内のとおり日本とアメリカの航空協定というものはサンフランシスコ条約の直後に締結されたものであり、当時の両国間の力関係においてやむを得ず格差ができておることは事実でございますから、その格差をこれ以上広げない、むしろ縮小する方向でやる。こういった基本的な幾つかの問題を掲げて精力的に交渉を進めてまいり、特にことしに入ってからかなり日程的にも詰めてまいりましたが、先生御案内のとおり、最終段階において、煮詰まる一歩手前と申しましょうか、そして今無期延期とおっしゃいましたけれども、これはいつになるかわからないという意味の無期延期ではなくて、しばらくちょっと待ってくれという意味の無期延期に今なっておるわけでございます。
 ただ、いましばらくということを申し上げたのは、御案内のとおり復活祭ですか、キリストのいわゆるイースターというんですか、それでアメリカは今お休みでございますけれども、アメリカの関係の人たちは休みを返上して今日なお作業を進めておるということを私ども伺っておるわけでご
ざいまして、ただ単にいつになるかわからないよというようなことではなくて、ちょっと待ってくれという格好で今連絡待ちというところでございます。
 さっき申し上げましたように、私どもは基本的な原則というものは、いわゆる日米航空条約の中にございます条文に従って当然私どもが主張すべき権利を主張し、その他のいろんな要素にとらわれないということでございますから、この基本的な態度だけは私どもは貫きたい。そしてさらに、なるたけ近い時期における再開を私どもは期待をし、さらに強力に推進してまいりたいと思っております。
#78
○矢原秀男君 最終段階で交渉が非常にまとまっていないこの最大の理由の一つの中で、二月の東京における協議で非公式に合意を見ていた日本貨物航空の乗り入れの見返りとして、新たに米国三社の日本乗り入れを認めるとの案に追加をして、米国側が小口の貨物専門のフェデラル・エクスプレス社の日本乗り入れを要求してきた、これにも大きな要因があるのではないか。こういう追加要求に対して我が国としてはどう対応していくのか。具体的な問題でございますけれども、この面についてはどういうような見解でございますか。
#79
○国務大臣(山下徳夫君) 今お話がございましたフェデラルの問題も交渉の中で出ていることは私も承知をいたしておりますが、まことに申しわけございませんけれども、両国間の約束で、交渉が妥結するまでは中間的な発表とか内容については公表しないということになっておりますので差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、今先生からせっかくお話がございましたので、繰り返しフェデラルの問題もその中に、交渉の過程において名前も出てきておることは事実でございます。
#80
○矢原秀男君 もう一つ、日米間の航空交渉が最近大きな緊急課題になっておりますけれども、貿易不均衡の問題、貿易摩擦ですね、これに絡ませてきているのではないか。これは私も思うし皆さん方もそうだと思うんですけれども、こういう通信機器とか市場開放問題と絡ませて意識的にアメリカもやっているのではないか、こう思うわけでございますが、総理大臣が九日あれだけの熱弁を国民に訴えられたわけなんですけれども、こういう意味で、この問題は非常に明るい見通しができたんだと、こういうふうに解釈していいのかどうか。余り私は期待もしておりませんけれども、その点大臣からいかがですか。
#81
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほども申し上げましたように、基本的には日米航空条約の条文に照らして当然要求すべきものは要求するよということで私どもはやっているわけでございますが、しかし、先生御案内のとおり、アメリカの今日の各マスコミの報道等は口をきわめて不平等に対して不満を訴えている。非常にアメリカは日本に対して今険悪な空気であるということは御承知のとおりと思います。そういう時期にこの問題の最終の詰めをやらなければならぬというのは、暴風雨の中に私は船をこぎ出すようなものだと申し上げておるのでございまして、全く関係がないということは率直に申し上げて言えないと思います。つまり、先方も主張はよくわかる、日本側のNCAに対する主張はよくわかるけれども、一般的なアメリカのこういう状態の中で、非常に詰めて、これだけ抜いて一日も早くということだけはちょっと待ってほしい、もうちょっと時間が欲しいというのが率直な気持ちのようでございます。
 そこで、総理が四つの問題についても一応はっきりした態度で記者会見でおっしゃったとおりでございますが、それがそのままアメリカにおいてこれで十分だよという反応が出てくるのか、これは外務大臣がきのうお立ちになったのでございますし、これからの交渉次第でございますが、私は期待をいたしております。同時に、きのう外務大臣は夜九時の飛行機でお立ちになりました、成田発で。私は成田に着かれる十分前まで外務大臣の自動車の電話にこちらからかけまして、外務大臣、どうかひとつこの問題だけはお忘れなく、これを真っ先に解決するというお気持ちでお願いしますよということは、私は成田に着かれるまで自動車の電話でもくれぐれも申し上げておった次第でございます。
#82
○矢原秀男君 じゃ最後の点でございますけれども、報道によりますと、昨日高木日本航空社長を呼ばれていろいろの点を協力要請されていらっしゃいますけれども、その真意というものを伺いたいことと、もう一つは、六月の役員改選を控えて社長人事が絡んでいるのではないか、こういうことも喧伝されているわけですけれども、この点は大臣いかがでございますか。
#83
○国務大臣(山下徳夫君) 今申し上げましたように、外務大臣がお立ちになる前に、私は日本航空の社長に一言申し上げたいことがあったのでございますけれども、ですからお呼びした。それは何かというと、これから最終的な詰めをやらなきゃならないが、アメリカと日本の交渉はいろいろな問題がふくそうしている、そういう中で日米の航空交渉は非常に難しい面がある、そういう時期に不協和音ともとられるような声が国内からあっては困る。それはそのNCAによって日本航空がとばっちりを受けるというんでしょうか、ダメージを受けるとかそんなこと、一社の利益よりも国益ということを考えてしばらくひとつ黙っていてほしいというんでしょうか、我々政府にお任せいただきたいということをまず私は申し上げたかったのが一つであります。
 また同時に、今先生からおっしゃったように、大体時が時でございますから、おまえそれじゃそれ以外のことは何も言わなかったかということでございますけれども、こういう時期でございますから率直に申し上げまして、役員の人事その他には全く触れておりませんけれども、やがてそういう時期が来るわけでございます、近いうちに。ですから、これから日本航空というのはナショナル・フラッグ・キャリアとして日本の代表的会社としてさらに海外に雄飛をしてもらいたい。そのためには、いろんな難しい問題があるから一致結束して社内の結束をさらに強化して業務の進展に当たってもらいたい。やがていろいろ人事の問題が取りざたされるだろうけれども、だれがどういう役員になろうとこのことだけはお願いしたいということは、今申し上げましたNCAとの関連におけるきのうの会談に付随して若干触れたことは事実でございます。
#84
○矢原秀男君 じゃ、日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案についての質疑をしてまいります。
 質問の第一点ですけれども、一般トラックターミナル機能の政策根幹として二、三点伺いたいのでございますけれども、都市間の幹線輸送と都市内の集配輸送の結節機能について、現況の分析と今後の対応はどうなっていくのか、これをまず伺いたいと思います。
#85
○政府委員(栗林貞一君) 先生おっしゃいましたように、日本自動車ターミナル株式会社は、昭和三十年代の後半にトラック輸送が著しく発展した時期に、そしてまたそれなりにいろいろと大都市、特に大都市部におきまして輸送の合理化問題あるいは道路交通の混雑問題が激化しておりました時期に、トラック輸送の合理化、道路交通の円滑化に資する施設としてつくられたものでございますが、その後、まず東京がとりわけこの問題が重要であるということで一般トラックターミナルとして整備がなされたわけでございまして、それ以来東京におきまして四カ所のトラックターミナルの整備が行われたわけでございますけれども、それによりましていろいろの効果が上がってきておるというふうに認識いたしております。
 例えば、具体的に申しますと、東京都内に路線トラックが入ったり出たりしておりますけれども、そういった路線トラックによる貨物の、東京都内に流出入いたします貨物の約半数近くが日本自動車ターミナルの四カ所のトラックターミナルを通って出入りしているということ、非常に都民の生活物資の輸送などにもかかわりの深い仕事をしておると思います。そしてまた、それによりま
して都心部の交通混雑というものが緩和されて、周辺部のトラックターミナルでございますので、都心部の交通混雑も緩和され、それとともに、騒音とか排気ガスとか振動とかいった環境問題の緩和にも大いに貢献してきておると思いますし、これからもそういった面でそれなりの効果を上げていってくれるものというふうに考えております。
#86
○矢原秀男君 そこで、消費者物流の登場の背景としての問題でございますけれども、経済環境の変化に伴う輸送量の鈍化と入港貨物量の停滞というものがいろいろと論議されているわけでございますけれども、これらに対する今日の現状分析、対策をどうしていくのか、こういう点はいかがでございますか。
#87
○政府委員(栗林貞一君) 最近、特に二回のオイルショックを経まして国内の貨物輸送の動向が非常に変化をしてきております。
 まず産業構造が非常に変化してまいりました。いわゆる経済のサービス化とか、工業製品のいわゆる軽薄短小という傾向とかございまして、貨物の輸送というものはもはや今までのような量的な拡大が期待できないような状況になってまいりました。
   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
高度成長期には、経済の伸びとそれから国内貨物輸送量の伸びというものが大体相関した格好で伸びておったわけでございますけれども、最近の二、三年はどうもそういう関係がだんだんなくなってまいったような次第でございます。
 他方、荷主企業におけるコスト削減の要請が非常に強い、あるいはまた国民生活の変化に伴いまして物流に対するニーズが非常に高度化してまいりました。その一つとして、一般消費者の物流、いわゆる消費者物流というものが非常に顕著に発展しつつあるわけでございます。その具体的なあらわれといたしまして、輸送物資が非常に小口化してまいりました。しかも多品種のもの、しかも高頻度の輸送が要請されるというような事態が非常に著しくあらわれてまいったのでございます。
 そこで私どもといたしましても、従来のいわゆる物量ベースといいますか、そういった物流政策から、サービスの質の向上に重点を移した小口、高頻度化対策、あるいは消費者物流対策、消費者物流といいますと一番よく言われますのは宅配便でございますが、そのほかトランクルームサービスでございますとか、あるいはまた引っ越し輸送というのが非常に伸びておりますけれども、そういったもの、あるいはそういうものにいろいろ関連いたしまして物流情報システムの整備とか、高度化、多様化する産業界あるいは消費者のニーズに対応した効率的で総合的な政策を展開していく必要があるというふうに考えまして、私ども昨年以来いろいろ勉強もさせていただき、新しい貨物流通政策を固めていこうということで鋭意努力をしている最中でございます。
#88
○矢原秀男君 今度別の面でございますが、私は非常に懸念をしておりますけれども、例えば物流事業者の対応の方策としての一環でございますが、私は懸念をしておりますけれども、運輸省としては非常に希望的に掲げられていらっしゃるわけでございますが、例えば将来潜在的な市場開拓の可能性ありというふうな分析をしていらっしゃるようなんでございますけれども、具体的にはそういう希望、可能性というのがどういうふうなものなのか、その点伺いたいと思います。
#89
○政府委員(栗林貞一君) 先ほど申し上げましたように、貨物輸送の状況が単に量的にどんどん伸びるという時代ではどうもなくなってきたわけでございますし、経済そのものが安定成長、それに伴って安定成長のその成長率よりもうんと低い貨物輸送の伸びというような傾向でございますので、実は物流環境は非常に厳しいという認識をまずいたしております。厳しいだけにまた質の高い輸送サービスというものをそれぞれの物流事業者が提供しようということで非常に創意工夫を凝らしているというのが現状だと思います。
 そこで、これからの行き方といたしまして、従来のいわば需要追随型といいますか、需要に従っていくというような経営ではございませんで、むしろそういった需要者、荷主あるいは消費者の非常に質的に高度の物流ニーズに積極的に対応していくということが一つ。これは例えば荷主の場合でも、単に一つの輸送機関を使って、それだけである場所からある場所まで運ぶということではなくて、いろんな輸送機関をどういうふうに組み合わせたら本当に物流コストが一番安くできるか、そういうことを荷主も要望しておりますし、また物流事業者も真剣に考えてそういう方向に進みつつある。
 いわゆる総合物流的な考え方、あるいは流通の過程で単に、例えば倉庫で保管する場合でございましても、単に保管しているということではなくて、荷主の仕事に食い込んでいろいろ流通加工といいますか、いろいろ仕分けをしたり値札をつけたり、こん包して送るというふうないろんな作業を一緒にやりまして、流通加工もあわせてやっていくというような新しい仕事のやり方、そういった積極的な対応をするとともに、もう一つは、方向としては需要を新しく開拓していく、物流事業者サイドで創意工夫を凝らしまして物流の需要を開拓していくということが必要であり、かつ現実に行われつつある。それは先ほど申し上げました宅配便でございますとかトランクルームサービスでございますとか、そういったものが非常に顕著に伸びておるわけでございます。
 そのほかにどういうアイデアがあるかという、そしてまた潜在的にある需要を掘り起こすことができるか、そういう問題はこれからでございますけれども、そういった意味で積極的需要開拓型の経営に転換していくということも非常に重要なことであろうと思いまして、私ども行政の立場でもそういった、これもいわば民間の方々の創意工夫が中心になるだろうとは思いますけれども、それに対して積極的に応援していこうというふうに考えております。
#90
○矢原秀男君 質問の第二点に移ります。
 トラックターミナルを見ておりますと、四社あるわけでございますが、葛西、足立、板橋、京浜、このバース利用の会社数を見ておりますと、葛西で三十二社ですね、全国の路線事業者。足立が二十五社、板橋が三十三社、京浜が四十社。それから連絡運輸等で提携している会社数が葛西で二百社、足立二百社、板橋二百社、京浜が三百社。恐らく加盟をされていらっしゃる会社は大半がこの四社に重複されていると思うわけなんですね。一社大体平均貨物取扱量が一日五千六百十五トン、出入りの車両台数が三千七百二十七台、構内就労者数千三百人。これが一つの会社、大体平均的に四社でそれぞれこういうふうな構成に、上下はありますけれども、こういうふうな形なんですね。
   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
 そういう中で、自動車ターミナル法の第十一条を見ておりますと、使用料金というものがここには明記をされているわけなんですね。恐らくこの法律が検討される課題の中で、関係の方々には大きな議題になった焦点の一つであろうかと思うわけでございます。それはやはり公共の場合に、政府主導の場合から民間活力という形に変わる場合でも、必ず公共性という立場から見ると非常に物流、人的にでももちろん、全国的にいろんな関係そうでございますけれども、国鉄の例もいつも出ておりますけれども、公共性の場合は非常に安くそして国民も安心をしていけるということがあるわけですけれども、民間に移行する場合にはどうしても経営が主体になりますから、この使用料金の十一条も当然使用料金の改定値上げをいつの時期にどのぐらいにするのかということは恐らく出てくる問題だと思うんです。
 これには認可基準とか利用者の負担能力というものを考えながら、最終的には運輸大臣の認可ということになっておりますから、あなたのところでそれは公正的な評価というものは出てくると思うんですけれども、この使用料金の流れについてこれが移行された場合にどういうふうな形になっていくのか、そういう点を伺いたいと思います。
#91
○政府委員(栗林貞一君) 先生おっしゃいますように、確かに利用しておりますトラック事業者にとりましては使用料金がどうなるかという点は非常に大きな関心事でございます。
 そこで、お話にございましたように、自動車ターミナル法十一条では使用料金についての規定があるわけでございまして、運輸大臣の認可を受けなければならないということになっております。そしてその場合の認可の基準につきましては、まず第一号として「使用者が当該一般自動車ターミナルを使用することを著しく困難にするおそれがないものであること。」ということで、使用者サイドの負担力といいますか、こういったものを十分考慮して使用料金を決めるという考え方がはっきりと出ておるわけでございます。しかしながら、これから経営を行っていきます場合に、人件費でございますとか、その他やはり増加する支出の要素もございますし、このところこの会社は使用料金を低く抑えてきておるわけですけれども、今後の問題として考えてみますと、段階的にある程度、余り大幅ではなくてある程度の使用料金アップということはそれは避けられないんじゃないかと思っておりますが、ただ、大幅な値上げを避けるということはどうしてもやらなければいけません。
 実は、私どもが今度の政府所有株をどういう格好で処分するかということに関連いたしまして非常に大きく考慮いたしました一つの点はそこでございます。安定的な経営を続けられるということと、そしてその背景には、大幅な値上げはできるだけ避けるという条件を踏まえながらそういった経営ができるということを考慮しながらやっておるわけでございます。そういった実態的な面からいいましても、あるいは自動車ターミナル法の規定の精神からいいましても、私どもとしては、今後の使用料金の値上げというものはもちろん軽々に行うべきものではございませんし、また大幅な値上げも行わないという線でやっていけるのではないかと思いますし、私どももできるだけそういう線で指導していきたいというふうに考えております。
#92
○矢原秀男君 私が今この使用料金の問題を取り上げておりますのは、局長が今言われたことが一つ。それでもう一つ私が懸念をしてやっておりますことは、路線トラックによる東京都内流出入貨物の主な品目でございますけれども、日用品が四二・六%、そして食料品が一六・二%、そのほかに製造工業品が一〇・九、繊維工業品が一〇・七、機械が一九・六、これすべて一千万から一千百万人いらっしゃる東京都民の生活、消費者、これに皆影響してくるんですね。この日用品の四二・六%の中でも、衣服、書籍、文具、家電製品、薬品、そういうふうなことで、都民の生活安定、東京都がやはりこういうふうに物価が高くなってきますと、これはひいては日本の国民の、特に大きな都市を中心としての消費者家庭に波及的な効果が非常に大きいわけでございます。
 だから、東京都民の生活に関係する物価安定という前提の中から今使用料金という問題も私はお願いをしているわけでございますが、この点はぜひ局長、もちろん民間で経営をされる業者の方々も仕事が今大変な競争の中ですから、ある程度の料金の値上げというものは今後出てくるでしょう。そうして、やっぱり経営が成り立つためには当然必要かと思いますが、その後には私が今申し上げたような東京都民の生活が皆かかっている。今大変な生活状況でございますから、そういう意味合いからも、使用料金の値上げの上限という問題については、運輸大臣の裁定にはなりますけれども、そういう実務は運輸省で、あなたのところできちっとやっていらっしゃるわけですから、これはもう都民生活即国民生活の物価安定に絡んでくるということで、もう一回その点をよくよく肝に命じていただきたい。
 だから、今私が申し上げた一点は、ここに関係する事業経営、もちろん経営者の方もいらっしゃいますけれども、働いていらっしゃる方が一つの部門で千三百人からいらっしゃるわけですから、この人たちの生活というものも大事でございますから、会社そのものが成り立つようにならなくちゃいけない。そのために十一条の使用料金という問題は大きく話題になるでしょう。しかし、その背後にまた都民の一千百万人の人たち、そういう方の家庭生活の物価安定というものを願っている、そういう観点からもやはりきちっと考えていかなくちゃいけない。それがひいては日本全国の物流を通しての国民生活の安定、そういう重要な大きな問題点でございますので、重ねて局長の、大臣にかわってひとつ御決意、抱負をお願いしたいと思います。
#93
○政府委員(栗林貞一君) ただいま先生おっしゃいましたように、日本自動車ターミナル株式会社としての経営の問題というものもございますが、それと同時に都民の生活物資の物価にかかわる問題であるということも十分承知しておるつもりでございます。この使用料金を上げるということは、トラック運賃にはね返るという問題が出てまいります。それは都民の生活物資の物価というものにまたはね返ってくるということが容易に考えられますので、その点は私どもとしても十分留意してやっていきたいと思います。
 そもそもこのトラックターミナルは、流通機能の向上、トラック輸送の合理化、物流の合理化、そしてもちろんコストの低減ということを大きなねらいとしているわけでございますが、本来の目的から考えましても、先生がおっしゃるとおり、その点は十分私どもも肝に命じてこれから行政を進めていきたいというふうに考えております。
#94
○矢原秀男君 じゃ質問の第三点に移りますが、時間の関係がございますので、質問の第三点と第四点をまとめてお伺いをしますので、時間内で簡略に御答弁を願いたいと思います。
 質問の第三点は、関連でございますけれども、東京都が最近、自動車公害防止のためにトラックの都内走行量一割削減の目標を掲げて関係業界に協力を要請しております。その具体的な内容を見ておりますと、東京都の自動車使用合理化等検討会の報告に基づいて自動車使用合理化指導標準を定めております。具体的な指導標準としては、一つ、共同輸送、共同配送の推進、二番目は、鉄道、船舶を利用した協同一貫輸送の推進、三番目は、メタノール車の利用促進、四は、VAN中心とする情報ネットワークの活用、付加価値通信網でございますね。五番目は、自家用トラックから営業用トラックへの転換などを掲げて指導、協力要請の方針でございます。これらに対して運輸省としてはもちろん手を打っていらっしゃると思いますけれども、どう対応されている現況であるのか、関係の問題だけで結構でございますが、伺いたいと思います。
 もう一点、あわせて質問の第四点の項目でございますけれども、五十九年の一月から十二月までの一年間のトラック業界の倒産が、民間信用調査機関が調査したところによりますと、負債額一千万円以上の倒産件数が二百六十社、負債総額が三百二十六億七千二百万円、このように報告をしております。また、年々一件当たりの負債額が大型化しております。五十五年は一件当たりの平均負債額八千七百万円、五十九年は一億二千六百万円とあります。また、具体例では、従業員が百五十人、負債額二十五億円など、中堅のトラック業者の倒産が相次いでおります。このような倒産傾向に対して運輸省がどういうふうな対策を講じていらっしゃるのか伺いたいと思います。この原因の一部は、業績の不振、放漫経営、経営計画の失敗、過当競争などによる収益率の低下、こういうふうなことが論評されているわけでございますけれども、この二点をお伺いしたいと思います。
#95
○政府委員(栗林貞一君) 最初の都内の貨物自動車の走行量の一割削減の問題でございますが、これにつきましては、先般東京都が自動車公害の低減に寄与することを目的といたしまして、自動車使用合理化指導標準というものを定めました。運輸省といたしましては、具体的には、東京都と連携をとりながら、自家用車から営業車への転換、共同輸送の推進でございますとか、あるいはメタ
ノール自動車の利用促進などについて十分業界を指導していきたいと考えております。
 さらに、実際に行いましたものとして、先日関東運輸局から東京都トラック協会に対しまして、対策委員会の設置等の体制整備でございますとか、メタノールトラックの市内走行テストへの協力などについて通達を発したところでございまして、今後その点については十分意を用いて指導をしてまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一つ、トラック事業者の倒産の問題でございますが、確かに民間調査機関が調査して発表しておりますところでは、先生がおっしゃいましたように、非常に倒産が目立っておりますし、また中堅企業の倒産も目立っておるようでございます。その原因につきましても、先生今おっしゃいましたように、業績の不振とか放漫経営ということが言われておるようでございますが、私ども対策といたしまして、中小企業が非常に多いトラック業界でございますので、その構造改善を進めていくということがまず基本的に重要であろう。もちろん、堅実な経営を行うということで経営者が自覚してやることは当然でございますけれども、さらに、業界全体として構造改善対策を進めていくということでいろいろの共同事業、共同化あるいは人材の育成あるいは情報化を進めるといったような総合的な構造改善対策を今進めつつございまして、そういったことで経営基盤を強化しつつ輸送秩序の確立も図っていくということでこういった事態に対処していきたいというふうに考えております。
#96
○矢原秀男君 大臣お見えになったので、時間ちょっと、まだあと二分ほどいただいておりますので。
 大臣、今最後申し上げたトラック業者の倒産が非常に多くなっているという問題なんですが、これに対して、やはり会社、そしてまたそこに働いていらっしゃる従業員の方もいらっしゃいますので、それらに対する大臣としての対応、見解ですね、簡単で結構でございますから伺いたいと思います。
#97
○国務大臣(山下徳夫君) 実は私も交通関係の幾つかの団体に大臣になる前関係してまいりまして、大臣になると同時にそういうものは一切一応やめておりますけれども、長い間のそういう私の体験からしましても、トラック運送業というのは中小企業というよりはむしろ零細企業が多いんですね。したがって、これらの育成指導というのは一番運輸省の行政面からいっても厄介と言っちゃ大変失礼ですが、私が身をもって自分でタッチしてきたからそんな言葉を平気で使うのでございますけれども、骨の折れる仕事でございます。息長くやらなきゃならないと思っておりますし、今後あらゆる面からその点についてはひとつ努力をしてまいりたいと思っております。
#98
○小笠原貞子君 日本自動車ターミナル株式会社というこの会社が五十二年から黒字を出している。そして資産はどれぐらいあるんだといろいろ聞いてみますと、土地で二百二十億からある、これから民営化されても利益というのは確実に出るだろう、こういう会社に対して五十八億近い巨費を無利子で長期で貸し付ける。民間活力、民間活力と言われるけれども、余りにもこれは甘過ぎるのではないか。
 それは我々国民の立場から見ているわけです。国民の立場からすれば、今財政は大変だ、だから臨調行革だといろいろなしわ寄せを受けているものからしてみれば、まことにこれは民間活力という名のもとに甘やかし過ぎるのではないか。だから、十五年均等返還なんというのじゃなくて、もうかり次第早く返してもらう、そして利益が上がったら当然利子も国に出してもらう、そういう姿勢で私は臨んでいただかなければならないと思うわけです。その点についてきちっと、そういう国民の立場を考えて、この会社の財政経理も見ながら早く返せるように、そして利子も利益が上がったら取れるようにということについてのお考え、御決意のほどを伺いたいと思います。
#99
○政府委員(栗林貞一君) 確かにこの会社は五十二年度から若干の利益は出てきておるわけでございますが、資本金が百七十億ということもございましてとても配当するような状態にはなっておりません。そこで、そうはいいましても、安定的な姿になってきておりますから、ここでひとつ新しい物流の変化にも応ぜられるような姿にした方がむしろいいんじゃないかという判断もございまして、民間活力を大いに発揮してもらうということも考慮して今回こういった措置を行うことになったわけでございます。
 その際に、やはりトラックターミナル事業そのものの公共性というものは一向変わらないわけでございますので、それをまず安定的に継続して進めていくということがやはり必要である。しかも、この会社は配当が実はいろいろ計算してみましてもなかなかそう簡単にはできません。ほかの株主のことも考えてみますと、なお無配当のまま相当期間続けなければいけない。そういったものとのバランス、それから国の立場、いろいろ考えてみた上でこういった無利子貸し付けへの切りかえということになったわけでございますが、そういったことによってこそようやく株主その他関係者の理解も得られて、最初に申し上げました安定的な事業の継続ということも確保できるということで踏み切ったわけでございますが、なかなかそう簡単に大きな利益は出ませんけれども、もしも相当な利益が出るという事態でありましたら、それは返還の条件というものをどうするか、そこは考えてみたいというふうに思っております。
#100
○小笠原貞子君 私の質問にお答えになったのは最後の二十秒くらいなものです。どうか御協力いただきたいと思います。私が聞いたそのことについてお答えいただければ結構でございますので。
 次に、トラック運送事業というのは、見ていましていろいろ問題がございまして、私も大変だなと思っていましたんですけれども、運輸白書を見せていただきまして、本当に大変だと認めていらっしゃるなと、そう思ったわけなんです。「約三万五千に上るトラック運送事業者はそのほとんどが経営基盤の脆弱な中小企業であり、」云々と書いてありまして、「このため、運賃ダンピング、過積載、過労運転、違法白トラ等のいわゆる輸送秩序の乱れが生じ、問題となっている。」こういうふうに書かれているようにこれは大変な問題、今さらのように私は何とかしなきゃならないと、そう思ったわけです。
 七五年から八三年の間にこのトラック労働者の総労働時間というのが実に二百時間ふえた。そして合計いたしますと二千六百二十二時間、ほかの産業に比べると五百時間も多いというふうに言われているわけですから、これはもう大変なことだ。先ほどもありましたけれども、二七通達というのがございますけれども、事実上これが本当に作用しているか、効力があるかというと、まだまだそんなものではないということで、これが本当にきちっと指導されてこういう労働強化だとか過積みだとかなんかなくなるようにしていかなければならない。
 衆議院の議事録をずっと見せていただきましたら、うちの小沢議員の質問に対しまして、自動車運転の労働時間管理につきましては最重点として強力に行政するつもりでおります、こういうふうにお答えになって、当然そうだろうと思うんですけれども、その最重点で強力にということは具体的にどういう問題を考えておられるか。いろいろあるだろうと思いますけれども、考えていらっしゃる一つでも二つでも具体的に伺わせていただきたいと思います。
#101
○説明員(菊地好司君) 労働省といたしましては、労働基準法、安全衛生法、全業種、全業態に適用になるのですけれども、各県各地域の実情に応じて問題特性を整理しまして行政指導を展開しておりますが、お話しの自動車運転者の労働時間につきましては、全監督署を挙げて取り組んでいるという意味で最重点の取り組み方をしているということでございます。具体的には、春、秋の交通安全運動の実施を中心にいたしまして集中的に監督指導するほか、関係機関との通報制度の活
用、申告情報による随時管理、そのようなことを展開しておるわけでございます。
#102
○小笠原貞子君 具体的にやっぱり進めていただきたいものだから押して具体的にと、こう申し上げたわけでございますので、本当に二七通達が効力あるものになるようにお願いをしたいと思います。
 次に、交通事故について伺いたいと思うんですけれども、全体としては横ばい、微増傾向という中で営業用トラックの死亡事故だけは八二年、前年比で二%、八三年四%増、八四年は一一・六%と非常に急増しております。注目しなければならないのは、車両一万台当たり死亡事故発生率でございますが、全体で平均一・三件であるのに営業用トラックの場合は何と八倍近い九・九件もあるというのが交通白書の中で、私はこれは大変なことだと思いました。そこでこういう問題について、営業用トラックのこの大変な事故について具体的にそれこそ運輸省としてはどのような指導を考えていらっしゃるか、答えを簡潔にお願いします。
#103
○政府委員(栗林貞一君) 確かに昨年あたりの状況を見ますと、重大事故につきまして営業用トラックの、例えば対前年度に対しますふえ方が大きい。特に大型のトラックが問題であるということで、実は先般も全日本トラック協会の総会がございましたので参りまして、そういった事態はまことにゆゆしき事態である、業界も我々も一丸となってそういった事態を改善しなければいけないということを強く申し述べてきたような次第でございます。もちろん、一般の自家用のトラックとそれから営業用のトラックはその使い方といいますか、それが全く違いますので一概に比較というものはできませんけれども、それにしても営業用のトラックは特に輸送のプロでございますから事故は本当に少なくする必要があるということで、まず基本的にはそういう考えでやっております。
 具体的な施策といたしましては、もちろん監査の際には、例えばその原因となるような過労運転というようなものはないか、その他原因となるようなものをいろいろとチェックしておりますし、現在制度として設けられております運行管理者、これに対する研修などを行うとか、そういう指導などに徹底を期するとともに、またその環境をやはり整備していかなければなりませんので、いわゆるトラックステーションという仮眠施設、宿泊休憩施設といったようなものの整備についてもこれは運輸事業振興助成交付金というものを使ってやっておるわけでございますが、既に全国で十四カ所できておりますが、さらにこれを進めていく。
 そういった環境づくりを進めながら、労働省から出ております二七通達の遵守には労働省と相互通報制度を設けるとかいうことで、具体的に通報し合い必要なものは処分をするということも含めてやっておりますし、さらに、基本的にはやはり経営の問題として構造改善対策というものをしっかり進めていくということだろうと思っております。
#104
○小笠原貞子君 次に、大臣に伺いたいと思いますので聞いていていただきたいんですけれども、貨物運送事業における用車と申しますか、代車といいますか、その下請化の実態というものについて伺いたいんです。
 下請比率の拡大について、業界外でも問題で、この間からいろいろと調べてみたんですけれども、有価証券報告書を詳しく分析してみましてそこで一つの問題だと思いましたのは、例えば西濃運輸とか福山通運、ヤマト、名鉄運輸というような有価証券報告書の中身を見てみますと、その用車の伸びといいますか収入の伸びが非常にふえているわけですね。最初から用車によって二、三〇%は考えているというふうなことになっているわけです。ヤマトの場合は実に四〇%もその用車代として見積もっているということだったわけなんですね。トラック運転手さんの組合で運輸一般というようなところがありまして、いろいろ伺ってみると、最近は下請の重層化、二、三次、四次、五次というようなのが激しくなって下払い運賃は認可運賃が全く守られていない状態だというようなことをおっしゃっていました。
 運輸省としては当然そういう実態御承知だと思いますけれども、法律から見ても恒常的に用車、代車を前提に営業を行うというようなことは、港湾運送事業法では二次下請については禁止されているというのに比べますと、道路運送法の趣旨にも反するのではないか、こう考えるわけですね。だから、その点についてしっかり指導監督をしていただきたいというのが大臣に対する私の問題提起とお願いでございます。
#105
○国務大臣(山下徳夫君) 御指摘のとおり用車がかなり多いと思います。まあこれは建設業の下請も全く同じでございまして、下請、孫請に行くに従って労働条件が非常に厳しくなることは私も想像にかたくございません。また現実に見て私ども知っておる面もございます。これは一つには、やっぱり中小企業の業態は各業態で最近非常に過当競争、競争が厳しいというところからこういうことになっておると思います。
 そこで、今の法律でこれをどうやって取り締まるか、あるいは行政指導をやるかというとなかなか難しい面がございますので、私どもとしては、会社の業務監査、事業監査と申しますか、そういう面を今後回数をふやしたり厳格にやる以外にないと思っております。当面そういうことで安全性をさらに増すようなひとつ指導をしてまいりたいと思います。
#106
○小笠原貞子君 先ほど名前挙げましたね、西濃とか福山、ヤマト、特にヤマトなんていうのは大きな会社ですよね。預けて安心クロネコヤマトなんて私も随分使いますけれども、やっぱり大きいところでそういうことをやられると大変なことになりますからね。だからその点のところは、今大臣もおっしゃってくださいましたけれども、しっかりと押さえていただきたい。そうしないとさっき言った労働過重で事故につながっていくということになりますし、問題が解決できませんのでよろしくお願いをしたいと思います。
 それで次に、もう一つだけ問題提起、お伺いしたいと思いますが、実は帯広通運というところがございまして、私そこに何回か行きました。一月の二十一日に不渡り手形を出しまして、破産申し立てを申請して倒産いたしました。その倒産の原因は何かというと、いろいろありますけれども、片山商店という大きなのが倒産して、そして貨物引きかえ券の空券を発行してこれが倒産したというようなことでございまして、私もそこで初めていろいろ調べさせてもらって、空券発行というのは通運業者としては常識的には考えられないということで、私もこんなことがと思ってびっくりしたわけなんですね。だから、こういうことが事前になぜ監督してチェックできなかったのかなと。こんな考えられないことが起こったということなんですね。
 だから、一つの質問は、この事前のチェックがなぜできなかったのかというのが私の質問の一つ。
 それからもう一つ続けますと、ここには従業員が八十四人いるんです。年末手当の半額と一カ月分の賃金、それに退職金等、労働債務というのが二億以上未払いのままでそれで解雇という形になっているわけですね。私はその問題があってそのときにちょうど行ったわけなんです。だけれども、そこの八十四人の人たちがみんな組合中心となりまして自分たちの力で仕事をやろうじゃないか、新しい会社を設立して業務を続けようというので、債権者初め関係機関に協力を要請をして努力をしております。それでもう非常にまじめに一生懸命に再建を考えていまして、帯広市長もその姿を見ていますから、資金だとか仕事の確保はできる限り援助すると審議会でも発言してくださいましたし、また管財人の承認のもとで事業そのものは今再開されているわけですね。
 この四月二十四日の債権者会議での合意と管財人のもとで、車両それから車庫、業務開始に必要なものの譲渡と新会社設立の再建計画が出てくる
ということが考えられるわけなんです。その場合、再建計画が出てくるといった場合、一般区域のトラック業と通運事業の二つの事業があるわけですね。この二つが譲渡、譲受という対象になるだろうと私は思うんですけれども、当然なるのでしょうか。その辺のところのお答えをいただきたい。二十四日に話し合いができて私はうまく新しく出発していただきたいと思いますので、一般区域トラック業、通運事業の譲渡、譲受の対象になるかという二つの問題についてお答えをいただきたいと思います。
#107
○政府委員(栗林貞一君) 帯広通運は、今お話しございましたように、ことしの一月に破産申請を行いまして三月一日に破産宣告を受けた。これは昨年十月から二カ月間の割合短期間に役員の一人が発行した貨物の裏づけのない、いわゆる空の貨物引きかえ証、それが明るみに出たということでございますが、監査などでこれは見つけられなかったのかということでございますけれども、運送事業者の監査につきましては、定期的にやっておりますのと、問題があると思われる場合はこれは特別にその都度実施するわけでございますけれども、同社は五十八年度におきましては全事業の経常損益におきまして約二百万円の利益を計上しておる。どうも見たところ比較的堅実な事業者であったようでございます。それが割合短期の間に一人の役員がそういう不心得なことをしたということで、実は監査といったようなことで事前にそういった行為を発見し、事前に防止、あるいはもっと小さい状態でとどめることができなかった。大変残念でございますが実情はそういうことでございます。
 それで、倒産後のいわば再建問題、その方の問題でございますけれども、一般論として、通運事業者、あるいは区域の事業者が破産をいたしました場合に、破産財団の換価処分の一つとして営業の譲渡が考えられるわけでございまして、免許を有する事業でございましても事業法上の譲渡、譲受の基準に合致する限りその対象になる。もちろん申請を受けた上で基準に照らして判断する、こういうことでございます。
#108
○伊藤郁男君 私は、本法案に直接関係はありませんけれども、トラック事業等にかかわる基本的な問題、認識につきましてお伺いをしておきたいと思います。
 まず第一は、事業規制に関する基本的認識の問題ですが、トラックを初め自動車運送事業はもともと競争が過度になりやすい、そういう性格を持っておるわけでございます。したがいまして、自由な競争にゆだねますと公共性が確保できない、こういうことから競争制限的な構造規制を目的として事業規制が設けられているものと私は認識をしているわけです。すなわち事業規制の本来の趣旨は、適正な競争をいかにして確保するか、こういうことであると考えているわけでありますが、この基本的認識についてどのような見解をお持ちかお伺いをしておきたいと思います。
#109
○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおり、各省の中で運輸省が一番許認可事項の多いところでございます。したがって、許認可から政策官庁へという合い言葉のもとに機構も改革しましたし、私どもチェックしながら一つ一つ洗い直しをやっておるわけでございますけれども、それぞれやっぱり原点にさかのぼってみますと、社会秩序の維持、交通秩序の維持ということからそれぞれの制度が発足しているということでございます。その基本はやっぱり安全で良質な輸送サービスを提供するということでございますので、今申し上げました安全で良質の輸送サービスを提供するということを私どもはモットーとして、そこからすべての輸送行政というのは出発しなければならぬ、こういうことで今後とも指導してまいりたいと思っております。
#110
○伊藤郁男君 次に、トラックにおける事業規制の実態についてでございますが、今日の実態を見ますと、この業界において、事業規制の本来の趣旨である適正な競争が確保されているということはほとんど考えられない。一言で言えば、現在のトラックの市場秩序はめちゃくちゃだと、こういうように認識しているわけですが、このことはトラックにおける事業規制、つまり現行道路運送法は事業規制の本来の趣旨からかけ離れ全く役立たずになっているのではないか。適正な競争確保という本来の趣旨に対して道路運送法が果たしている役割についてどのように御認識されておりますか。この点をお伺いをしておきます。
#111
○政府委員(栗林貞一君) 道路運送法の目的にも書いてございますように、先生おっしゃいました適正な競争確保ということは法律の目的でもございますし、私どもも最も留意して行政を行わなければならないことだと思っております。
 ところが現実の姿といたしまして、確かに市場秩序といいますか、輸送秩序と申しますか、そういった問題が大きくクローズアップされていることも事実でございます。私ども、道路運送法の規制はいろいろな面からの規制がございますけれども、そういった点をできるだけ道路運送法の目的たる適正な競争確保といったところに近づけるべく努力をしておるわけでございますが、やはり私どもといたしましては、一昨年この委員会でも決議をいただきました輸送秩序の確保といったその決議に沿いまして厳正な監査を実施するとか、あるいは荷主懇談会を充実するとか、地区の物流政策懇談会を設置して積極的にこれを進めるといったようなことで、法律本来の目的が達成できるように諸施策を進めておるところでございます。これからもそのような線でできるだけ輸送秩序を確立しながら、いわば一つの土俵の上で適正な競争を行うという線で努力をしていきたいというふうに思っております。
#112
○伊藤郁男君 次に、規制緩和の動きが、これはトラック事業の規制緩和の問題ですけれども、特に今行革審や経団連などの動きが強まっているわけでありますが、トラックにおける事業規制につきましては、規制緩和ということよりも、形骸化した現在の事業規制、つまり道路運送法を適正な競争を確保するという本来の趣旨に沿って大改革すべきではないか、それが規制緩和そのものの本旨ではないか、こういうように私は思うんです。
 しかし、もちろん余りにも煩雑な許認可の手続事項については可能な限りこれを簡素化すべきであろう、こういうように思います。しかし、参入、運賃、安全、これに関する規制については無定見な緩和を行うべきではない、このように私は考えているわけでありますが、この規制緩和という動きに対して、本旨を外れた対応をせぬように望んでおきたいわけでありますが、この辺に対する基本的な運輸省当局としての対処方針をお伺いをしておきたいと思います。
#113
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほども申し上げましたとおり、良質にして安全な輸送を提供するという立場からするならば、おのずとやっぱり一つの枠というものが必要であろうかと思っております。先般来いろいろと御審議をいただきました例の京都におけるタクシーの料金の問題においてもしかりでございまして、何か安かろう悪かろうということになることを私ども一番心配しているわけでございまして、したがって、そういう見地から私どもは一つの秩序を維持するという意味における規制は当然必要であると思っております。
 同時にまた、臨調にも指摘されておりますように、やっぱり行政事務の簡素化等についてはこれはもう積極的にやらなきゃならぬということで、書類あるいは手続等につきましては何回も何回も洗い直しながら、さらにこれより簡素化できないかという点まで一つ一つをチェックしてまいらなけりゃならぬ、かように思っておる次第でございます。
#114
○伊藤郁男君 次に、道路運送の具体的問題について若干お伺いをしておきたいんですが、我が国におきまして自動車は自家用と営業用に大別される。そこで質問をいたしますが、自家用とは、あるいは営業用とは法律的にどういうことなのか、その定義について明らかにしていただきたい、こう思うわけです。
 さらに、その定義でありますけれども、現在の
いろいろな形態で所有され運用されている実態に対して基本的に運輸省当局としては問題はないと考えられておるのか。自家用と営業用との境界に問題点はないと考えておられるのか。この点についてもお伺いをしておきます。
#115
○政府委員(栗林貞一君) 道路運送法上、貨物の運送といいますのは、有償または無償で他人の需要に応じて受託貨物を車両に搭載し、一定の場所的移動をさせることによって当該貨物を荷送り人から荷受け人に手渡すというサービスを提供することであるというふうに言われておりますが、こういったことがいわば営業用と自家用輸送を判定する基準となっておるわけでございます。
 実際問題といたしまして、営業用と自家用の境界上の問題というものは、例えばダンプカーによる土砂の輸送などの場合、あるいはまた鮮魚輸送などにおいて問題となるケースが多いわけでございますけれども、これらにつきましても、道路運送法上の営業行為に当たるか否か、これは具体的にどういう契約を結んでその行為をやっているかというあたりが一つのポイントでございますので、そういった契約とか、あるいは常識的に考えた実態というものがございます。そういったものを総合的に検討した上で、ただいま申し上げました基準に照らして個別に判断をするということだろうと思っております。
 この営業用と自家用輸送の境界につきましては、道路運送法におきまして、自家用自動車の有償運送の許可とか、それから有償貸し渡しの許可といったような規定もございまして、運輸省といたしましては、これらの諸制度の厳正な運用に努めるということで今後とも遺憾なきを期していきたいというふうに考えております。
#116
○伊藤郁男君 このトラックの一般運送事業は路線と区域に区分されているわけですね。この区分に基本的に問題はないのかどうか。本来法律ではあるべきはずのない区域積み合わせという形態が現在は普通になっている、常態化しているわけですね。こういう現実と法の関係は一体どうなっているのか。また、区域の限定と特定の違いは法律としてどうなのか。この点をお伺いをしておきます。
#117
○政府委員(栗林貞一君) 先生おっしゃいますように、トラックの運送事業は、路線トラック事業と区域のトラック事業に大別されております。路線トラック事業の方は、いわば定時定路線といいますか、を設定いたしまして、多数荷主から発生する小口の貨物を積み合わせで輸送するトラック事業ということでございますが、一方区域トラック事業の方は、一定の事業区域を設定いたしまして、その区域内から他の場所に運ぶ、あるいは他の場所からその区域内に運んでくるといったような形態でございまして、一社貸し切りによる貨物輸送を行う事業、こういうことになっておるわけでございます。
 それで、これはまあいろんな種類の、多種多様な輸送ニーズがあるわけでございますけれども、全般的に輸送の効率化を図るといったことから大きくこういった事業区分を設けましてやってきておるわけでございまして、基本的には輸送需要の内容にかなった制度であろうというふうに考えておりますが、ただ、先生おっしゃいました区域の積み合わせという問題は、これはいわば路線トラックとそれから区域トラックの中間といいますか、業際にある輸送ニーズに対応するというたぐいの問題であろうかと思います。これにつきましては、道路運送法上は許可は必要であるということになっております。貨物の性質でございますとか運送区間等につきまして、路線トラックによることが困難な場合か否かということを審査いたしまして許可をするというような運営を行っておりますし、また、最近の物流事情からいいましてそういった点が相当多いということも事実でございますが、法律の趣旨にのっとりながら、実態に合うように運用をいたしていきたいというふうに考えております。
 また、もう一つの、限定事業と特定事業の話がございましたが、限定の区域事業でございますけれども、これは荷主を限定するとか品目を限定するとか、その他限定、いろいろ限定の仕方があるわけでございますけれども、そういった業務範囲が限定されるトラック事業というものがございます。これは区域の事業の中での業務範囲の限定ということでございますが、これはかなり幅が認められております。そういうトラック事業でありますのに対しまして、特定事業の方は、荷主が特定一社の場合がほとんどすべてであるトラック事業でございます。したがって、両者の間には、一般の貨物輸送のマーケットに影響を及ぼす大きさの度合いに大きな相違がございまして、制度的にも、限定の方は免許制、特定事業の場合は許可制ということになっておるような次第でございます。
#118
○伊藤郁男君 私が今まで質問をしてきましたのは、現在の法律と現実との間にさまざまな面でもう大きな乖離が生じてきている、こういう意味で御質問を申し上げてきたわけですが、余りはっきりしたどうも対応策その他が聞かれないわけです。
 最後に、この自動車運送取扱事業についてでございますが、中間マージンの取得のみを目的としたものや、あるいは取扱手数料を運賃ダンピングの道具に利用するなど、さまざまな問題が発生していることは御承知のところだと思うんですが、したがって、そういう面でも法そのものの不備が問題視されているわけです。
 そこで、この事業区分と定義、事業者資格、規制のあり方などの適正な位置づけが必要と考えられているわけでありますが、この点に関しましては運輸省当局も検討をされていると聞いておりますので、問題点の認識や位置づけの方向などについて御説明をいただきたいと思います。なお、あわせて、複合一貫輸送についても検討中と聞いておりますけれども、同様に御説明をいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#119
○政府委員(栗林貞一君) ただいま先生から自動車運送取扱事業のお話がございましたが、この問題につきましては、御指摘のように、いろいろ問題があるという話は確かに聞いております。運輸省におきましては、この自動車運送取扱業の登録に際しまして、取扱手数料などについて届け出をさせまして、過大な取扱手数料等については必要な指導を行っているところでございますけれども、この自動車運送取扱事業をめぐるこれらの問題につきましては、運送取扱事業及び運送事業を通じた貨物の流通の合理化といったようなことをいかに進めていくかということにも関連する重要な問題だというふうに考えております。したがいまして、直接的に自動車運送事業、自動車運送取扱事業から発生するような具体的な問題をできるだけ指導その他によりまして抑えていくと同時に、ほかの運送事業、運送取扱事業を通じた問題としてとらえていかなければいけないというような問題意識を持っております。
 運輸省では、昨年来いろいろ事業規制のあり方についても検討を行っておりますが、特に今申し上げました問題は、規制をすぐどうするかという問題よりは、今後の物流政策のあり方の問題であるという認識を持ちまして取り組んでいこうというふうに考えておりますし、また、事業区分のお話もございましたが、これは現在のところそれなりの合理性は持っていると思いますけれども、長期的な課題として、やはり問題も指摘されている点もございますので、私どもは十分勉強していかなければいけないというふうに考えております。
 また、もう一つお話ございました複合一貫輸送の問題は、これは陸海空にわたる輸送手段をうまく組み合わせまして、戸口から戸口まで一貫した責任と運賃で運送するというような新しい考え方といいますか、実際上は相当前からそれぞれあったと思いますけれども、本当に一貫した姿ですっきりと輸送するということをこれから円滑に進めていくというところは、これは私どものやはり新しい貨物流通行政の一つの課題であるというふうに考えておりますので、これも一つの新しい貨物
流通政策の検討課題としてこれから鋭意検討を深めていきたいというふうに考えております。
#120
○山田耕三郎君 特殊法人の日本自動車ターミナル株式会社の設立につきましては、この審議を通じましていろいろと問題が提起をされておりますが、そのことはおくといたしまして、審議の過程で運輸省が答弁されましたそれらをまとめてみますと、大体次のようなことが一つは言えるのではないか、このように思っております。
 すなわち、貨物自動車がこの自動車ターミナル施設を利用することによって大都市へのトラック輸送の合理化を図り、あわせて都市交通の円滑化に資する目的を持って、まず最初は、日本の物流の中心であり、とりわけ地価が高く建設も困難が予測をされます東京におきまして整備を進めるということで今日の状況を見ておいでになりますことと思います。東京以外の大都市においても当然のこととして公共的意味のトラックターミナルでありますとかまたは大型の専用ターミナルで対応し、それぞれ機能しておるようでありますが、東京のように政府の資本参加による施設はほかにはございません。また、東京におきましても百三十二社が乗り入れております中で五十社がこのターミナルを利用しており、それは全体の約四〇%、このようにもお答えしておられます。もちろん利用には大手が多い関係もありますが、四〇%の利用ではありますけれども流入物量の五〇%近い貨物が入っておる、こういうようにも申しておられました。しかし、専用ターミナルの使用をしております会社は別といたしましても、この残りの五〇%の中にはやはりターミナルを使いたいという希望を持った企業もおいでになります。
 そういうようなことでありますので、経済の高度成長期におきます物流の激増時におきましてはそれなりの対応の必要がありましたことから、この施設には国家資本が参加をされましたことと思いますけれども、今この施設から、行政改革の関係もありますと思いますが、撤退をしようとしております今日の状況から考えてみますと、やはり公平の原則を大きく損なっておられると言っても過言ではないのではないか、こういうようにも思われます。ましてや、今日は運輸に対する行政的な背景は規制の緩和によってどちらかといえば自由競争の時代に入らんとしておる、こういうときでもあります。
 そうしますと、そのような時代背景のもとで、片や国家資本の手厚い庇護を受ける、片や受けないのが共存をしておる、こういうことになりますと、適正な競争は出発点からして差別がされてしまっておるというように私は考えるのでございますけれども、過去の経緯は別として今日の実態を見てみますと、確かに国家資本の恩恵を受けるその受け方に違いがあり、このことは自由競争への大きなやっぱり支障になりかねない、このように理解をしてよいと思っておりますが、運輸省のお考え方を承りたい。
#121
○国務大臣(山下徳夫君) 陸海空の複合化時代の貨物輸送につきまして、トラック輸送が全国的に見て一つの大きな大動脈である、これは御指摘のとおりでありますが、特に高速道路の発達によりまして長距離の輸送、その結果東京等の大都市に非常に方々から一どきに入ってくるということでございますから、そこに必然的に相当のスペースを持ったこういったターミナルが必要であることは容易に私ども理解できるわけでございますが、何分相当のスペース、広場、それから建物、こういうものを必要としますし、半ば公共性を帯びているということからそう高い料金も取れないということでございますから、これは一つの公益事業として国なりが出資するのはむしろ当然だと、私はそう思っております。
 そこで、そういう公益性ならば、これを利用するについても公平にやれという先生の御指摘かと思いますが、従来におきまして、これは希望をとって、ヤードをお使いになりたい方はどうぞお使いくださいということでやってまいりまして、大方御希望の向きにはそのヤードのスペースは提供してそう御不便な思いはかけていないというのが従来の実績だと私は思っております。したがって、そういう意味においては公平性を欠いてはおらないんじゃないかと思っておりますが、先生、これ以外にこの点だという御指摘がございますれば、またお聞かせいただければ政府委員からも答弁させたいと思います。
#122
○山田耕三郎君 ただいま大臣からお答えをいただきましたけれども、現実の問題として、やっぱり三分の一から資本参加しておる施設と、ほかはどこもそれがない、これはもう明らかに違ってくると思います。けれども、今日までの経過ではそれなりにそのことの必要であったことは私は理解できる。けれども、これからの問題としては、今資本が撤退をしようとしておられますときですから、民営化に移行するに当たってはその辺の問題点を整理をすることも一つの要素として考えていただかなければならない。だからその一つは、今言いましたようにやっぱり格差がありますのですから、それらの格差ができるだけ縮まって、そして今日大変苦しいトラック輸送事業が円滑に全体的に進むような配慮をしていかなければならないということが一つ必要だ。
 それからもう一つの問題は、せっかくこのように国民の税を使って資本参加してまで育成をしてきました。だから、この事業が政府が撤退することによって今後円滑な運営が阻害をされる、こういうことであってはならないと思いますから、そのことも考えていく必要がある。
 もう一つは、これも答弁に言うておられますように、もうこの事業については所期の目的をおおむね達しましたと言うておられます。そのために国が大金を出資をしてきました。いわばこれは国民の税金でありますから、この国民の大切な財産もやっぱり保全をされていかなければなりませんし、その出資によって得た会社の成果もひとしく国民にも均てんをされなければならない、このように私は思います。
 けれども、今提案をしておられるのを見ますと、そんな効果を発揮したお金でありますのに、株式は額面で評価をする、そしてその全額は貸し付けをして無利子でやる、しかもいつまでどのようにするかということは国民の手の届かない政令にゆだねられる、こういうことから考えますとやっぱり私は適当ではないのではないか、このように思いますのでございますけれども、その点もう少し国民の納得のいくような移行に対する施策をぜひ考えていただかないと国民的共感が得られない、このように思いますが、ここら辺にお答えを願います。
#123
○政府委員(栗林貞一君) まず、先生の御指摘の中で一つ公平性の問題がございますが、最初のいきさつについては、先生のお話にもございましたように、トラック輸送の合理化、道路交通の円滑化というふうなことを進めるに当たりまして、特に大都市で非常に阻害要因があったということで、まず東京周辺で国が出資をしてその事業を進めていこうということを行ってきたということは、再々御説明させていただいておるところでございます。
 そこで、そういう意味では、ほかの都市との関係においては、まず国がそういったことでパイロット的な事業を行って、それである程度のところまで進捗してきまして、いわば特殊法人としての目的を大体達成できたのではないかという今の時点におきまして、これをほかのトラックターミナル会社あるいはトラックターミナル事業のあり万と同じような姿に置くというあたりで、やはり全国のトラックターミナル会社をリードするという立場と、それから、これから新しい時代に即応してほかのトラックターミナル会社と並んで事業を進めていくというあたりで私どもは公平が欠けているということはないんじゃないかと思いますし、また実際の利用につきましても、実は私前にバースの利用について希望者があるという話もいたしましたが、今そこに全然入っていない事業者が全く新しくそのバースを借りたいというようなことは実はないようでございまして、今入ってどれだけかのバースの専用貸しを受けておる事業者
が、もう少し欲しいというような希望は若干はあるようでございます。したがいまして、ほかの事業者が確かに専用ターミナルをつくって自分でやっておられる方もありますし、そういう意味で特別に、ほかに現在のところ要望が強くていかにも不公平であるというような実態はないように考えております。
 それから、国の財産としての扱いあるいは会社との関係において、額面で政府所有株式を無利子貸し付けに切りかえるという問題でございますが、その点につきましても、今まで確かに二十年にわたりまして国も出資してまいりました。しかし、その会社は安定的な経営に移行しつつはございますけれども、やはりまだ配当ということになるとめどが立たないというような、試算はしてみてもまだ大分先というようなそういった状態でございます。しかし、国の財産をどういうふうに扱っていくか、リーズナブルなやり方でこれを保全していくということでありますと、ある程度の期間を考えまして順次返してもらう。そうすれば公共的なこの事業も安定的に継続していけるという、いろいろな意味での両立が可能であり、かつ関係者の理解も得られるということでこの方法に決定をさせていただいたわけでございます。
 また、貸付金の償還については政令で決めることになっておるではないかというお話でございますが、これはほかの立法例などいろいろ見まして、こういった具体的な償還条件などの問題は政令にゆだねているのが例であるようでございますが、この点につきましては、しかし全くどういうことになるかわからないという意味ではございませんで、運輸省としては十五年程度を希望しておりますし、そういった姿であれば会社の経営もやっていけるのではないかというふうに考え、また経営の多角化ということも可能になってまいりますので、会社のためにもプラスの面がいろいろ出てくるだろうというふうな考えでおりますので、御理解いただきたいと思うのでございます。
#124
○山田耕三郎君 最後に大臣にお尋ねをいたしておきます。
 ただいまのように、額面で評価をいたしまして、一切の権利が消滅をしてしまいますと、今日までの出資金は単なる無利子の貸付金であった、これと同じことになってしまいます。また将来の問題として、無利息で貸し与えるわけでございますから、それはその時点で、大蔵省がちゃんと財産の評価の基準は示しておりますのですから、上場しておらない株であってもそれに基づいて評価をして、しかしその企業に経営が不安定になる特別な要素があったとするなればそれをどう救済をしていくのか、その上で判断をすべき問題だ、私といたしましてはこのように思っております。そしてまた、この問題は、みなし規定によって処理をされてお金は予算面には計上をされないという手法をとっておいでになります。最近、こういった手法が目立ってきております。役所の予算というものはある意味では私は大福帳だと思っております。しかし、そこに計上されますお金はとうとい国民の税金であります。だからその動きは可能な限り明確にされておらなければならないと思いますのですけれども、やっぱり余りこういう方法を安易に使われない方がよろしい、私はこのように考えます。
 以上を申し述べまして、簡単で結構です、見解をいただいて終わらせていただきます。
#125
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから先生の御質問に答弁申し上げましたように、極めて公共性の高いものであるというまず観点に私ども立っております。
 それは、今の陸海空の中の貨物の一つの動脈として全国に走り回っている、そのまたメッカである大東京にあるということでございますし、それに相当の資本を要するということでございますからそういう措置をとりました。
 なお、民活導入その他の一つの時代の流れもございまして、ここらあたりかなということで今度こういう措置をとっておるわけでございますから、現時点におきましても当分まだ配当できるような情勢ではございませんので、そこらあたりだんだん実力がついてまいりますならば、適宜また手を抜くと申しましょうか、国民の税金による国の金でございますから、それは年限を縮小したりあるいは引き揚げたり、それは今後の推移を見ながら適宜ひとつ先生の御指摘のとおり国民的サイドに立って私は善処すべきであろう、かように考えております。
#126
○委員長(鶴岡洋君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について小笠原君より発言を求められておりますので、この際これを許します。小笠原君。
#128
○小笠原貞子君 私は、本案に対し、日本共産党を代表して修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これよりその趣旨について御説明申し上げます。
 政府原案は、日本自動車ターミナル株式会社の民営移行に当たって、政府持ち株分を額面金額で無利子長期貸し付けするとなっているが、これを今までの国の貢献度や資本金の減額に伴う配当の可能性を十分考慮して、株価を額面を上回るものにするなどが主な内容です。
 すなわち、修正は、附則第二条第一項三号中「額面金額」を「額面金額を上回る金額」に改め、同項第四号及び第五号を削り、同条第二項及び第三項を削るものです。
 次に、その理由を申し上げます。
 政府案では、日本自動車ターミナル株式会社を廃止して民営化する際、政府出資金相当額を同社に対する長期無利子貸付金に切りかえることになっております。しかし、出資金を貸付金に切りかえることは、民営移行後もなお事実上国が資金的援助を続けることであり、民営化への移行などといっても何らこれまでの性格を変えるものとなっていないのです。深刻な財政危機を理由に補助金のカットや福祉の切り捨てなどで国民に大きな犠牲を強いながら、約五十八億もの国民の税金を、しかも長期無利子で貸し付けるなどということは全く不合理そのものであり、真の行政改革とは無縁のものだと言わざるを得ません。
 また、本法案によって、日本自動車ターミナル株式会社は、出資金を三分の一以上減額し、民営移行後は将来十分配当が期待できるにもかかわらず、国が引き続き援助を続けることは国民の納得するところではありません。
 以上が修正案を提出する理由でございます。各委員の御賛同をお願いして終わりにしたいと思います。
#129
○委員長(鶴岡洋君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 日本自動車ターミナル株式会社法を廃止する法律案について採決を行います。
 まず、小笠原君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(鶴岡洋君) 少数と認めます。よって、小笠原君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#131
○委員長(鶴岡洋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう
決定いたします。
    ─────────────
#133
○委員長(鶴岡洋君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のうち、国鉄問題に関する件のため、来る四月十六日の委員会に、日本国有鉄道再建監理委員会委員長亀井正夫君、早稲田大学商学部客員教授角本良平君、東京大学経済学部教授兵藤サ君、明治大学政治経済学部教授吉田忠雄君及び信州大学経済学部教授高梨昌君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#135
○委員長(鶴岡洋君) 次に、運輸事情等に関する調査のうち、国鉄問題に関する件を議題といたします。
 当委員会といたしましては、かねてより国鉄問題について調査を続けておるところでありますが、調査の一環として、後日参考人として国鉄再建監理委員会委員長亀井正夫君に出席を願うことといたしております。
 亀井参考人に対する質疑に関しましては、限られた時間内で実効ある調査を行いたいと存じますので、この際、当委員会としてあらかじめ質疑事項の一部をお知らせすることとし、後日参考人として出席の際に、質疑事項について一括して御答弁を願いたいと存じますので、林政府委員におかれましては、この点亀井国鉄再建監理委員長にお伝えいただきたいと存じます。
 それではこれより質疑事項について申し述べます。七点ございます。
 一、この夏に予定されている最終答申前に中間的な報告を出すことになるか。また、答申前に中央、地方にわたって国民各層の意見を聞く機会を設ける用意があるか。
 二、新しい経営形態に移行するに当たり、整理しなければならない長期債務が約三十五兆円に上ると言われているが、長期債務の内訳、その発生原因と責任の所在についてどう考えているか。また、処理の具体案は、どの程度まで固まったか。分割後の会社に引き継ぐ額、国鉄資産の売却で充当する額、国民の負担で処理する額はどの程度と見込んでいるか。さらに、その財源をどこに求めるか。
 三、昨年八月の第二次提言において、監理委員会は分割民営化の方向を明らかにしているが、分割民営化を結論づけた根拠はどこにあるか。また、北海道、九州、四国の分離案や本州の四分割案等が報じられているが、監理委員会における分割の具体案づくりはどの程度まで進んでいるか。分割後の会社の収支見通しはどうなるか。北海道等の赤字分割会社に対する国の補助はどのような方法で行うか。青函トンネル、本四連絡鉄道橋の所属はどうなるか。分割後の運賃制度はどうなるか。
 四、最近、貨物、自動車、工場、病院等の部門別分離案が報じられているが、浮上式鉄道の研究、開発部門を含めて、どのような分離案が検討されているのか。またその際、分離独立後の採算について、どのような見通しを持っているか。
 五、亀井委員長は、国鉄が分離対象線としている地方交通線について、存続させたい旨の答弁を行っているが、従来の方針を変更するという意味か。また活性化を図ると言っているが、どういう方法を考えているか。
 さらに、整備新幹線についても、国鉄再建の枠外の問題として考えていきたい旨の答弁を行っているが、その真意はどこにあるか。
 六、監理委員会は、私鉄並みの経営を目指しているが、その具体的内容は何か。私鉄並みというならばスト権を付与する等民間労働組合並みの取り扱いとすることになるか。
 七、監理委員会は、分割後、会社の要員数をどの程度と見込んでいるか。また、その際余剰となる人員について、どのような対策を検討しているか、職域の拡大を含めた総合的な雇用対策の特別立法についてはどうか。
 以上であります。
#136
○政府委員(林淳司君) ただいま委員長からお述べいただきました点につきましては、御意向を体しまして、亀井再建監理委員長に確実にお伝えをいたしたいと存じます。
#137
○委員長(鶴岡洋君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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