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1984/05/30 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第12号
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1984/05/30 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第12号

#1
第102回国会 運輸委員会 第12号
昭和六十年五月三十日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     出口 廣光君     安田 隆明君
     粕谷 照美君     小柳  勇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴岡  洋君
    理 事
                大木  浩君
                梶原  清君
                瀬谷 英行君
                矢原 秀男君
    委 員
                江島  淳君
                高平 公友君
                内藤  健君
                藤田  栄君
                山崎 竜男君
                吉村 真事君
                小柳  勇君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                伊藤 郁男君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  山下 徳夫君
   政府委員
       日本国有鉄道再
       建監理委員会事
       務局次長     林  淳司君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   仲田豊一郎君
       運輸省国際運
       輸・観光局観光
       部長       丹羽  晟君
       運輸省航空局長  西村 康雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部公害課長   上野 治男君
       防衛庁教育訓練
       局訓練課長    上田 秀明君
       外務大臣官房外
       務参事官     宮本 信生君
       運輸省航空局管
       制保安部管制課
       長        小山 昌夫君
       日本国有鉄道総
       裁        仁杉  巖君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事      須田  寛君
   参考人
       国際観光振興会
       会長       梶本 保邦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○国際観光振興会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、九州運輸局福岡陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際観光振興会法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、国際観光振興会の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(鶴岡洋君) それでは、国際観光振興会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○安恒良一君 既に提案説明で今回の法改正についての趣旨はお聞きをしましたが、私は結論的に言って、なぜこんな改正をしなきゃならぬかというのがどうしてもわからないんです。ですからその点にある程度絞りながら聞きたいんですが、まず数字的に少し正確に把握しておきたいと思います。
 ここ数年間の観光、特に今回の場合は日本人が海外に行く場合の問題でありますから、日本人の海外観光の数、これが一つです。それからいま一つは、一回行かれる方と二回、三回と行かれる方の内訳、これをひとつ聞かせてください。それから三つ目には、振興会に関する相談の内容についてですが、今回は、旅行の安全に関する情報の提供のみをやる、こうされていますが、相談の中身について、一般業務と旅行の安全に関する業務、こういうふうにあえて分けて、どういう件数になっているのか、どんな取り扱いをしているのかという点についてひとつお聞かせを願いたいと思います。
#6
○政府委員(丹羽晟君) お答え申し上げます。
 まず、日本の方で海外へ旅行される方の数でございますが、五十九年度で四百六十六万人という数字になっております。それから、いわゆるリピーターという、何回も海外へ出られる方、ちょっとそれは後で申し上げますが、第三番目の御質問の相談件数の中身といいましょうか、そういう問題につきましては、相談案内の件数は五十九年度で一万五千五百四十四件でございます。
 実数を申し上げる前に大体のシェアを申し上げますけれども、五十三年までは、初めて行った方、つまりリピーターの反対でございますけれども、その方のシェアが、毎日新聞の調査でございますが、三割、そのくらいでございます。それが五十八年度には二割、その程度に落ちているわけでございます。逆に言いますと、何回も行かれた方が、最初のときは、五十三年度では七割、それが今度は八割になった、こういう数字でございます。
 ちょっと実数は、今取り出しましてからまた御説明いたします。
#7
○安恒良一君 僕が聞いたのは、業務量の中で、一般情報と言われるものと旅行の安全に関する情報というものが件数でどのくらいあって構成比はどうなっているのか、それは前年度比でここ数年ふえているのかどうか。
 というのは、御承知のように、この国際振興法の一部改正に関する法律改正で、昭和五十四年の四月に衆参とも、これは参議院であったら四月二十六日に附帯決議をつけているわけです。それは、「国際観光振興会の海外事務所における要員配置の適正化及びその日本人海外旅行者対策業務
の拡充を図ること。」こういう附帯決議をつけて、その当時大臣は、この附帯決議の趣旨を体しましてと、こういうことになっているわけですよ。それからまだ六年しかたっていないのに、私どもの調べた限りにおいては、旅行者はどんどんふえている、相談件数もふえているというにもかかわらず今回のこの改正になっていますから、まずその正確な実態を数字的につかんだ上でお互いが論争しなきゃいかぬと思ってその数字を聞いているわけですから、私の聞いたところの数字をきちっと言うてください。
#8
○政府委員(丹羽晟君) どうも失礼いたしました。
 今のその相談案内の件数の内容で申し上げますと、国際観光振興会の統計によりますと、相談を受けた案内の内容を大体四種類ぐらいに分けております。一般旅行に関する案内照会というのと、それから現地のいろいろな事情についての案内の話と、それから旅行トラブル相談の話、その他と、こんなようなことでございますが、この法律改正に関連します旅行の安全に関する情報という考え方と、そうでないものと大ざっぱに分けさせていただきましたが、これは必ずしも今の分け方と国際振興会の統計とはうまくすり合っておりませんけれども、大ざっぱに申し上げますと、少なくとも旅行に関する案内照会というのが一般的な話であろうと私ども思っておりますので、それを、先ほど申し上げました五十九年度の一万五千五百四十四件の中では、そのシェアとしましては六八・一%でございます。その他が全部旅行の安全に関するという形に必ずしもなるとは思いませんが、大ざっぱな話としてその他のところが割と旅行の安全に関する問題に近いという形になるかと思います。
 それで、なおさかのぼりまして五十五年度で今のシェアを申し上げますと、五十五年度は全体の件数が六千六百八十三件でございますが、そのうちの、今の分け方で申し上げますと、七五・四%が一般、その他が残りの約二五%ぐらい、こんな感じでございます。
#9
○安恒良一君 ですから、去年の状況で見ると約一万六千件ぐらいある、その中で一般情報といわれるものが一万一千件で、構成比で見ると約七〇%、それから旅行の安全情報といわれるものが三千七百件ちょっとで、大体二三%程度ある。そして今おっしゃったように、ここ数年来外国に行く方はどんどんふえていますから、そしてこの附帯決議をつけたときとそう中身はやっぱり変わっていない、こういうふうに数字的に把握していいと思うんです。
 そこで、いま一つ聞いたことは、四百六十万なら四百六十万の中で、初めて外国に行く人と、それから二度、三度外国へ行く人の比率はどうなっていますか、数はどうなっていますかということも聞いたんです。それはどうなっておりますか。これも前回の法律改正の時点と今回の場合、もうはるかにふえているはずです。ただ、二回、三回と行く人の数がどの程度ふえているのか、構成比がどう変わっていっているのかというのを聞いているわけです。
#10
○政府委員(丹羽晟君) ちょっと申しわけございません。絶対数の数がまだ資料が出ておりませんので、シェアのことで先ほど申し上げましたが、そのシェアの話は五十三年と五十九年というのが出てございますが、五十三年が、何回も繰り返して行かれた方が七〇%弱、それから五十九年が、何回も繰り返して行かれた方が八〇%弱、こういうことでございます。
#11
○安恒良一君 じゃ細かい数字は後でいただくことにしまして、大臣、お互いに論争するに当たってのまず認識を以上のようなことで統一をしておきたいと思います。
 そこで、その上に当たって、五十四年の四月二十六日にこの法律改正に当たって参議院が附帯決議をしておって、ちょっと私日にちはわかりませんが、衆議院もほぼ同じ中身の附帯決議をしているんですよね。にもかかわらずに、今回、このやるべき業務の中で、安全に関する業務だけはここでやる、一般業務はもう民活ということで一般の航空会社その他にこの際移譲をしようということの法律改正を出された趣旨がわからないんですよ。
 それはまあ臨調から言われたからだということだろうが、臨調が言ったからといって、無理なことは無理ですからね。実情に合わないことは合わないと思うんですが、なぜこういうあえて法律改正を、もちろん業務だけでなくて、役員の任期を三年を二年にするとか、任命権を会長に渡すとか、そういう一部改正もありますが、私は、今後ここで取り扱う業務については、いわゆる旅行の安全業務だけはここでやる、あとはやらぬというこの法律改正を出された意味ですね。国会の附帯決議を何と心得られているのか。これは当時の議事録を読まれれば、附帯決議の趣旨を尊重してと当時の大臣は言っておられているのに、ちょっと臨調から言われたらといってこういうことをされる趣旨がわからないんですが、その本音をひとつ聞かせてもらいたい、何でこういうことになるのかということを。
#12
○国務大臣(山下徳夫君) 今海外旅行者が何に不安を持つかというと、やっぱり私は安全性だと思います。
 そこで、今担当部長からお答えしましたように、リピーター、すなわち二回以上繰り返し旅行する者の比率もだんだん高くなってくる。したがって、旅行者自体が多くなっていますから、その人たちの数からいうと級数的に多くなってきています。この人たちは、いわゆるマナーといいますか、そういった安全性以外の面におきましてはかなりもう慣熟してきている。言って聞かせなくても、いろんなPRとかということによって大方もう行き渡ってきている。ですから、私も最初に団長で行ったころは、総入れ歯をレストランで御飯を食べ終わってからがちゃがちゃ洗っちゃいけないよとか、つまようじを使いなさんなとか、腹巻きから財布を出しちゃいけないよとか、あるいはホテルの廊下で浴衣やスリッパで歩いちゃいけないよとか、細かなことまで指導しておりましたが、もはやその必要はなくなった。同時に、この振興会の性格からすると、そこまで踏み込んでお世話することということはいかがなものであるか、そこらあたりを臨調が指摘していると私は理解をいたしておるわけでございます。
 しかし、それが何回行こうと、安全性だけは何回行ってもこれはやっぱり大切な問題であるということで、ひとつ絞って、振興会が行うべき業務をもうちょっと絞って、臨調の趣旨等も勘案しながらやるべきではないか、基本的にはそういう考え方に立っておる、このように御理解いただいたらいいんじゃないかと思います。
#13
○安恒良一君 いや、相変わらずわからないんです。というのは、安全性だけを強調されるなら、安全性の本来の仕事は外務省の仕事です。私はきょう外務省にも出席を求めているんですが、在外公館が本来安全性をおやりになるべきだと私は思う。ところが、問題になるのは、この法律を出すに当たって運輸省と外務省でどういう調整をされたのかわかりませんが、私も去年外国を党の仕事で数カ国回ったんですが、旅行者がふえるものですからその相談が大変だというんですね。パスポートはなくしたわ、金は取られたわ、何だかんだでもう在外公館は頭を痛めています、パリとかロンドンへ行ったら。ですから、そういう意味からいうと、これは外務省だけではやれぬということで、国際振興会の方が一緒になってやられているんだろうと思うんです。まあそんなことを受けて、五十四年には、ますますこれから外国旅行者がふえるから、国会の中でも、人の面からも業務の面からもこの国際振興会の方にきちっとしなさいというのを決議したわけですね。
 そして、なぜわからぬかというと、今も申し上げたように、旅行相談件数の一万六千件なら一万六千件、その中の安全に関するのが二十何%で、あとが一般業務に関する相談が多いわけですよね、約七〇%近くある。
 今度はそれじゃこういうことになるんですか。
一般利用者が振興会の出先のところへ行ったら、いやここは安全性だけしかもう受け付けないんです、ほかのことは航空会社へ行ってください、旅行代理店に行ってください、そんなことを窓口で言えるんですか。私は言えないと思うんですね。日本の人がアメリカならアメリカへ行って、振興会の窓口を訪ねて相談に行ったときに、業務の中身を今度は安全だけしか扱わぬというんですから、一般の相談を受けたときに窓口で追い返しますか。私は追い返しはできないと思うんですね。やっぱり依然として七〇%からの一般業務も振興会の出先はやらざるを得ないと思うんですよ。にもかかわらずに、臨調が言ったから一般業務はもうこれは民活だということで航空会社その他にするなんて、そんなことできないですよ。窓口に座っていて、相談にお見えになったときに、いやこれはうちと違います、これは航空会社へ行きなさい、そんなことが言えますか。
 というのは、外国ではやっぱり心細いですからね。在外公館の大使館、公使館、領事館に行くか振興会のところに行くか、場合によれば航空会社の窓口へ行く人もあるでしょう。振興会の方にも年間に、ここで申し上げたように、一万数千件の相談があるわけでしょう。そのときに、いやそんなことを言ったって、ここは今度は法律が変わりましたから一般業務はだめなんです、安全のことはお答えできます、そんな機械的なことができますか。私はできないと思う。それなのにあえて分けられるというのがわからない。だから、私はこれしかないと思う。やらぬならもうすべてやらぬ。外国へ行くのはもう在外公館でやる。そのかわり在外公館の人手を相当ふやさなきゃいかぬと思いますよ、今でも外交官手いっぱいでかなわぬと言っているわけですから。我々がずっと見たら、あれだけどんどん旅行者が来られていろんなトラブルを持ち込まれちゃって、本来の外交的な仕事にまで支障を来すと言っているわけです。それで要員をふやさなきゃならぬと思う。
 ですから、そこのところを運輸省と外務省ではどう相談をされたのかを運輸省側からもひとつ答えてもらいたいし、外務省側からも答えてもらいたい。そこのところを今回どういうふうに整理されたのか、これは関係があることですから。日本の人が外国へ行ったときの旅行の安全、生命の安全その他は、パスポートを見てもちゃんと、まず責任は日本政府が持って、在外公館が持って、それぞれの相手国との間に、旅行の生命安全保障というのは在外公館の仕事なんですよ、本来的には。ですからそことこれがダブっているわけです。だからどういうふうに今度は整理されるんでしょうか、一般の人が問い合わせに来たときに。そこのところを聞かしてください。
#14
○政府委員(丹羽晟君) まず附帯決議との関係から御説明いたしたいと思います。
 先生の御指摘のとおり、五十四年に衆参の両議院の附帯決議がございまして、この問題につきましては、「日本人海外旅行者対策業務の拡充を図る」という内容で附帯決議をいただいております。五十四年のことでございますから、それからほぼ六年ぐらいたっているわけでございますけれども、その間にいろいろな事情の変化があったということでございますが、先ほど大臣御説明申し上げましたように、当時国際観光振興会法を改正するときの背景といいましょうか、そういうことに若干触れさせていただきますと、五十年代に入って海外へいらっしゃる日本の方が大変ふえたわけですけれども、いろんな現地の情報不足ということもありまして、海外へ出られてトラブルに遭われたりいろいろな批判を招くというような問題があって、結局、旅行のマナーの話それから旅行の安全の問題、そういうことにつきまして情報提供をしていくということの必要性が強くなりましたものですから、国会にお願いいたしまして法律改正を現行法の形でやらせていただいたわけでございます。
 それで、その後の事情の変化は大臣の御説明のとおりでございますが、今のマナーの話に関しましては、五十七年だったと記憶しておりますが、旅行業法の改正というのがございまして、その旅行業法改正の中で、海外での不健全旅行に旅行業者が関与することについては禁止規定が入ったというような形が業界の方の規制としてはあらわれたということ、それから、先ほどから話に出ておりますリピーターの増加というんでしょうか、そういう日本の方で海外へ出られる方の慣熟度が高まっているというようなお話とか、あるいは一般の旅行業あるいはエアライン、そういったところの支店その他のところでも、そういったマナーその他の情報につきましては、もともと旅行に出発するときからいろいろと手厚く情報提供が行われておるとか、そういうような事情がございました。
 一方の安全の方の問題に関しましては、日本は幸い非常に安全な国でございますけれども、海外の状態は、先進国と言われているところでも犯罪の増加件数みたいなのが割と上がっているという事情がございますものですから、こちらの方につきましては特に問題が改善されているということではない、こんな判断が最近の事情としてあるわけでございます。
 それで、たまたま御指摘のような臨調の答申という機会がございまして、それで臨調の御指摘は、今の先生のお話しのとおり、日本人の旅行者に対する業務を全部削除する、こういうお話であったわけでございますが、私どもそれを受けとめまして、今のような実態の検討をいたしましたところ、御説明したとおりのところでございますので、安全の問題につきましての情報提供というのはやはり必要性が高いのではないか。それからまた、こういう安全の問題というのは、コマーシャルベースでお仕事をされておる民間の旅行業関係の方からはどちらかといえば情報が出にくいという性質のものでございますから、そういうことに関しましては依然として情報を提供をしていく必要があるのではないか。こんなことを考えまして、そうしますと今現在行われております国際観光振興会の予算規模とか、それから人数、定員の関係の仕事量、そういったものの枠を変えないで、その中で問題を安全情報提供ということに絞るということを考えますと、間口は狭くなるけれども奥行きは深くなるという、こんな形の問題の対応ができるのではないか、こんなふうに考えたわけでございます。そういう意味では、日本人の海外旅行者に対します対策は、御指摘いただきました附帯決議の趣旨にも反しないやり方ではなかろうか、こんなことを考えたわけでございまして、それで結局今御提案しているようなことをお願いしているわけでございます。
 外務省との関係は、これは五十四年の改正のときから考え方は変わっておりませんで、私どもの方の法律の関係は、旅行の業務の円滑化ということ、旅行の円滑化を推進するというところにポイントがあるわけでございまして、その延長線の中で間口を狭めた、こんな考えでございますので、外務省のもともとの邦人の保護という考え方でおやりいただいているお仕事と、私どもの国際観光振興会の業務の話とはそういう意味では前の整備と同じだ、こういう考えでございます。
#15
○説明員(宮本信生君) 先ほどから既に御議論がございますように、海外への邦人の旅行者数は近年非常に増加しております。他方、海外における治安情勢は、先ほどからこれまた御議論がございますように、必ずしも本邦におけるような安心し切れる、そういう地域のみとは限らないわけでございます。したがいまして、必要に応じて、より多くの邦人旅行者に対しまして治安、安全にかかわる情報をより正確により早く伝達する必要というのはこれは否みがたい現実でございます。
 片や、先ほどからつとに御指摘がございますように、在外公館の領事事務の窓口というのは極度に錯綜しておるのが現状でございまして、この趨勢は近い将来変化がなく、かえって悪化するのではないかと思われるわけでございます。したがいまして、海外におきまして安全、治安にかかわる情報を邦人により早くより正確に伝達するためには、在外公館と国際観光振興会の在外事務所とが
一致協力していく意義は極めて大だ、そういうふうに了解しております。
#16
○安恒良一君 もう一遍聞きますが、今言ったように年間に一万六千件もいろんな相談があるんですが、その場合に実務的に、一万六千件の中の一万一千件が一般情報ということになっているんですが、安全は約三千七百件ぐらいだということになると、今度は、窓口にお見えになったときに、一般情報を求められたときに振興会はやらないんですか、やるんですか。窓口で聞かれたときに、いやこれは私のところの縄張りじゃありません、それは民間会社、航空会社でやるんですということにするんですか、しないんですか。そこをはっきり聞かせてください。私はそれをさっきから聞いているんですよ。
#17
○政府委員(丹羽晟君) 失礼いたしました。私そこのところを御答弁申し上げるのをしていなかったものですから、御説明申し上げます。
 今の私どもの海外の日本人の観光客に対します業務は二つございまして、一つは、先生が先ほどから御指摘になっています、国際観光振興会の出先の事務所の窓口でのそういった電話とかあるいはお人がおいでになって直接お聞きになるという、そういう照会に対する対応でございます。もう一つは、パンフレット類といいましょうか、そういった印刷物を何十万部とつくって、それを日本から御出発になるときに海外へ出られる方にエアラインとか旅行業者を通じましてお渡しするという、そういう業務があるわけでございます。それで、後から申し上げたパンフレット類の話につきましては、その内容は、印刷物の内容を充実する、旅行の安全ということに絞るという、そういうことでその内容を変えていくという形になっていって、それでその内容を充実し、それからできれば増刷するとか、そういったような形で対応していくということを考えているわけでございます。
 それで、今の法律改正の私どもお願いしています考え方は、国際観光振興会の業務としてそういうことを行うかどうかということの線引きでございますので、業務として旅行の安全に関する情報提供に絞るということでございますから、今のパンフレット類の話になりますと、当然その内容がそういう形ではっきり出てくるわけでございます。
 それから窓口の話になりましても、業務上の話としては、当然今度の旅行の安全に関する業務という形になってくるということは、そういう理論的な整備になるかと思います。ただ、実態の話としまして、具体的に日本の方が窓口においでになったときに、その対応する人がたまたま一般情報でも知っているという事態というのは当然あるわけでございまして、そういうことに関しましては、個人ベースではその対応は親切にするというようなことはいろいろ考えられると思います。また、やり方としましては、先生のお話の中にもございましたが、一般情報につきましてはもう少し詳しく知っている、そういう旅行業者とかエアラインとか、そういうのがございますから、そちらの方に電話で照会して、そちらでちょっと電話で聞いていただくとか、そんなようなことも当然可能なことだと考えております。
#18
○安恒良一君 どうも相変わらずわからぬ。というのは、旅行の安全ということについては、これは出先機関があるところは知れていますから、それ以外のところは全部在外公館がやっているんですよ、日本人があちこち行くんですから。いただいている、おたくの出先というのはこれだけしかないんです。それ以外のところは全部在外公館が責任を持ってやっているわけです。しかも、治安は今おっしゃったとおり、私も世界じゅう歩き回りましたが、日本が一番いい、あとはカナダ、それ以外のところは大変このごろ残念ながら治安がよくないですね。日本とカナダが一番今いいんじゃないでしょうか。ですから、これから旅行の安全業務のことについてふえていくことは事実なんですよ。だから、私はそのことをやめるとか、やってはいけぬと言っているんじゃないんですよ。しかも在外公館が手が回らぬところもあるから一致協力してやろうとおっしゃっているんですから、それは縄張りの問題もそこで片づいている。それなら一般業務もおやりになったらどうですかと言っている。なぜかと言うと、人を減らすわけでもなければ予算が減るわけでもないんです、これを見ておったら、いろいろもらいましたけれどもね。
 ただ、臨調が最初は、国際振興会については日本人の海外旅行のための業務にかかわる規定を全部削除せいと、こうきたわけです。これならこれで全部削除したら、そのかわり出てくるものは何かというと、在外公館の人手をふやすということになるんですよ。ところがそれを言われたものだから、すったもんだして、臨調の顔も立てなきゃいかぬからしようがないな、それじゃここは一般業務はもうやらぬことにしよう、旅行業者にやってもらおう、そして安全にかかわることだけやろうというこの法律改正を出してくるところが、大臣、私から言うと及び腰だというんです。そんなわけのわからぬことを臨調が言ったって、だめなことはだめと言えばいいんですよ。実際上やらざるを得ないんですね。
 例えば今言ったように、年間一万六千件の中の約七〇%は一般業務に対する問い合わせなんですよ。今後もこの機構を維持していく限り、一般業務の問い合わせがあったら、窓口の人であろうと電話の応待であろうと、そんな冷たくぽんと、これはうちやっていませんということにならぬのです。応じなきゃなりませんよ、それは。もしくは、今言われたように、ここに行ってくださいという紹介までしなきゃならぬのでしょう。そうすると実態は私は変わらぬと思う、やろうとしている仕事。ただ、出すそのパンフレットの重点の置きどころがちょっと変わるだけで、業務は変わらぬじゃないか。にもかかわらずに、臨調が言ったからといって、そこをわざと削って、しかし実際は、現場で働く人間にしてもまたこちら側のサービスを受ける国民側からも同じことを、国民の要望としては、一般情報についてもせっかくこの機構があるなら情報を提供してもらいたい、安全についても提供してもらいたいと、利用する国民側はそう思うわけですね。
 ですから、何もマナーのことだけじゃないんですよ、一般情報というのは。マナーがよくなった、みんなもう行儀がよくなったから、その方は要らぬじゃないかと大臣おっしゃいますけれども、マナーのことだけじゃないんです、ここの果たしている役割は。
 ですから、私はきょうはあえて強調しておきたいことは、臨調というのは枢密院でもなんでもないんですからね。国会を上回る権限を持っている機関でも何でもない。しかしそこから言われると、何とかつじつま合わせに文字面だけ合わせる。しかし実際にやることは今までどおりのことをやらざるを得ないんですよ、実態として。それなのにそこだけは削って、じゃ削ったからといって、私は、説明に来たとき、国の出す予算がどれだけ減るかと言ったら、いや余り、それはみんな協力してもらっているとか、人員が減るかと言ったら、人員も減らぬわけでしょう。人員も減らなきゃ予算も大して減らない。しかし業務の上だけは、何となく臨調から言われたからしょうがない、臨調の顔を立ててここだけ削っておくかと。役員の任期とかあれは別ですよ、任免権は別です。業務の中身について何となく、言われたからしょうがないな、臨調から言われたからどこか一つ削っておかなきゃいかぬということで文字面を削った。そうすると私はそこで働いている人は本当にやりにくくなると思うんです。
 何か今観光部長の話を聞くと、個人の好意でやるような話になるわけでしょう。そんなばかなことありますか、人を使っておって。しかも、海外で情報提供という国民からの切実な要望があるときに個人の好意でやってたまりますか。それはやっぱり業務の中身としてやるなら何も臨調に遠慮することなく堂々として、そんなにたくさんの外国に行った国民から情報提供を求められたら情報
提供します、何が悪いんですか、臨調、あなた何を言っていますかといって、大臣が臨調の方を諭してあげなきゃいかぬ、素人は余りわからぬことにくちばしを突っ込むなと言わなきゃいかぬと私は思うんです。現実に今私とのやりとりを聞かれて、実際の業務といつのは私は変わらないと思いますよ。また国民はそういうニーズを持っているんですから、それはむだ遣いでも何でもないんです。また、第一線で相談業務に応じる人も責任を持ってやっぱりやらなきゃいかぬです。それなのに、いや今度はおれたちは法律にないことをやっているんだ、おれのサービスだと、そんなばかなことありますか。どうでしょう、そこのところちょっと答えてください。
#19
○国務大臣(山下徳夫君) さっきも申し上げましたとおり、海外に渡航する人の数はずっと級数的にふえていく、しかも海外における安全性の確認、犯罪等もふえていく、したがって、従来どおりの業務をやっていくならば当然人もふやさなきゃならないんですね。そこでどうしてもふやすことができなければ窓口の業務はある程度絞る以外にない。幸い、さっき申し上げたマナーその他についてはもう完熟して、そこまでお世話することはないだろうということで、業務の内容を整理しながらひとつ合理化していこうというのが趣旨でございます。
 私はよく言うのでございますけれども、大使館あたりに一部屋を貸してでも、例えばJTBなんかの職員を置いていろんなことをやってくれれば、ただで貸したって国家的にはその方が安いだろうと私もしばしば言うことがございます。やはり外交官というのは特別の訓練を受けた国家の大切な仕事をやるのですから、それにそういうことをやらせること自体国家の私は損失だと思いますから、そういうふうに持ち分持ち分をきちんとしていくということでございます。
 そこで、こういうふうに改正をすると、窓口業務としてはやっぱり飛び込んでくればやらざるを得ないじゃないか。それは試行錯誤というのは、私は必ず制度の改正、業務の内容が変わればしばらくの間若干あると思います。それはまたそのとき対応していかなきゃなりませんが、先ほど部長が申し上げましたように、みんなやっぱり旅行するときは事前にいろいろとレクを受けたりやって行くわけでございますから、パンフレット等に、これからこの振興会というのはこういうことだよということをやっていけば、だんだん私はわかってくるのではないかと思います。当初はもうきちっと、法の施行によって何月何日からだめだよと、そんなには言えないと私も思いますし、だんだん日にちがたつにつれてみんながそこらあたりを理解しながら本来の業務に専念することができる、かように私は理解しておるわけでございます。
#20
○安恒良一君 これは幾らやりとりしたって水かけ論になり、ほかのことも質問したいから、私は、どうせこんな中途半端な法律については改正反対なんですから、反対を明確にしておきます。
 私はやはり方法は二つしかないと思うんです。一つは、やはりやめるならば、臨調が言ったように、日本人の海外旅行に関する情報提供は安全を含めて一切やらぬ、そのかわり在外公館の人手をふやして、在外公館、外務省が一手に引き受ける、これが一つの方法だ。そうでなければ、現在の方法で、やはり求められる情報については、安全はもちろんのことでありますが、それ以外もやっぱりやる。それで、大臣がおっしゃるように振興会の方に人手が足らぬというなら、ふやすならふやすというのが、今の国民が外国に行って求めているニーズにこたえることではないでしょうか。臨調で言う行財政改革というのは、国民のニーズにどうこたえながらいわゆる人の削減や経費の削減ができるかということでありますから、国民のニーズをこっちへ置いておいてやったって意味ないんですよ。
 そこのところを間違えぬようにこれからも、これは与党であろうと野党であろうと、行政改革というのをやっていかなきゃいけないんですからね。そこのところがどうも今回は非常にあいまいだから私は執拗にこのことを強調する。ですから中途半端なことはやめた方がいいじゃないでしょうかというのが私の意見です。しかし、大臣は、法律を出しておって、はいわかりました、安恒さんのおっしゃるとおりとは言えないからあなた突っぱねられておると思います。それからいま一つは、やはりこの振興会で働いておる諸君が責任を持ってやりやすいようにしてあげなきゃいけませんね。その場合のこともありますから、そういう意味からいって、明確に今回の改正についてはもう反対だ、そしてやり方が中途半端だということだけは意見として申し上げておきます。
 次のことについて少し聞きますが、実は国際定期便の問題についてちょっと一、二点お聞きしたいんですが、今我が国は日本航空が国際路線を独占をしている。そして国内はそれぞれ数社でやられているという状況ですが、この問題について、近く航空憲法を見直そうというようなことが、四十五年の閣議了解、四十七年の運輸大臣通達、航空憲法を見直し、調整、こういうことがでかでかと報道されたわけです。このことについてちょっとお聞きしておきたいんです。
 私いろいろ旅行してみまして、日本航空が、国際便で見る限り非常にきめ細かなサービスをやっておられて、諸外国の航空にもいろんなのに乗ってみましたが、日本航空はいいなという感じを私は持っている。ところが国内旅行してみますと、今度は日本航空と全日空と東亜国内航空を比べますと、どうも日本航空がやっぱりサービスよくないです。やや官僚的なにおいがしますね、率直なことを言って。全日空の方が非常にサービスがいい、これはざっくばらんな話、私が自分でもう一カ月に三回も四回も乗っておりますから。ですから、その限りから考えてまいりますと、私はやはり国際線についても、むちゃくちゃな競合は困ると思いますが、今の一社独占でいいのかどうかという感じを私は持っています。ただし、一方新聞を見ますと、これ大変だから太平洋線の運賃値上げを七月から一〇%しなきゃならぬというのもまた新聞に報道されていますからね。ですから余りむちゃくちゃな競合も国際的には、ただ単に国内的な日本航空と全日空だけじゃなくて、外国線がたくさん乗り入れているわけですから、できない。しかし、私は今のようにいわゆる日本航空だけが独占をしていくということについてやはり検討すべき時期に来ていやしないかなという感じを持っています。
 そういうときにたまたま、どうも四十五年の閣議了解、四十七年の運輸大臣通達を含めて見直し、調整、結論を出す必要がある、こういうことが報道されておりますから、ここらの問題について、所管大臣として国際線のあり方の問題等についてどのようなお考えをお持ちなのかひとつお聞かせを願いたい。というのは、たまたま振興会法と関係しまして、外国に行く人がたくさんふえているから、そういう意味できょうお聞きをしたい。
#21
○国務大臣(山下徳夫君) 先生のおっしゃるとおり、少なくとも国際線の複数制ということを検討する時期が来ておることは間違いないと思います。
 ただ、NCAが今度アメリカより免許をもらいまして今月の八日に一便を飛ばしました。このためのアメリカとの協定につきましていろいろやりとりがあって、もう先生御承知のとおり、いろいろと難航し苦労もいたしましたが、このNCAのアメリカ乗り入れの機会に日米航空協定の見直しをやり、その中に双方さらに、いわゆる拡大均衡ということが入っておるわけでございます。具体的には申し上げません。したがって、それを機会に当然我が方も、第二、第三の我が国の旗をつけた飛行機がアメリカにどんどん行ける権利は確保したわけでございますが、この権利を確保したということと、直ちに第二、第三の会社がここで飛ぶかということは、これはまた別問題でございます。権利を確保し、その我が方が確保した権利に基づいて日本航空以外の第二、第三の会社がそれ
を求めるか、希望するかという問題がございます。あわせまた、希望した場合に、それが国益に沿うものであるか、あるいは国民の利便に沿うものであるかとか、そういった検討もあわせてしなければならないし、それらの問題はこれから検討すべき問題である、そしてそれらは第二、第三の会社が希望を申し出た時点において考えるべき問題である、かように理解しておりますが、先生冒頭におっしゃったように、これを機会にそういう時点に立っておるということは私も同感でございます。
#22
○安恒良一君 わかりました。
 私は、特に日本とアメリカの対等、平等の相互乗り入れということを考えないと、今までは我が方一社ですから、この前の貨物を持っていくだけでも大変だったわけですね。アメリカからはもう数社こっちへ来ているわけですからね。やはりこの際一遍航空憲章について見直しをする、もしくは全世界的に複数にするのか、地域を限定して複数にするのか、そういうことも含めて私はもう検討される時期に国際線のあり方は来ておると思いますから、私は私なりの意見を申し上げておきます。
 そこで、その次に運賃の問題でちょっとお聞きをしたいんですが、私も、国際線の運賃はファーストクラスとエコノミークラスしかないと思っているんですが、エグゼクティブというのがありますね。当初はこのエグゼクティブに乗るためには若干の特別料金を取っておったようですが、最近は取らないんです。取らないんですが、エグゼクティブに乗せるお客というのを選別をするんですね。どうも中身を探ってみると、エコノミークラスの料金一人分を正常に払った人は乗せる。ところが団体で行きますと、旅行社がパッケージで、いわゆるホテル代から運賃から全部セットで、例えばハワイ一週間何十万円と、こうくるわけですね。そうすると旅行者の方は、航空運賃が割引になっているのか、ホテル代が割引になっているのか、観光ガイドが割引になっているのかわからないんですよ、一週間なら一週間幾らという契約で行くわけですからね。それで、たまたま乗ったら、パッケージで行くやつはもうぎゅうぎゅう詰めになっている、エグゼクティブはすいている、乗せてくれぬかと言ったら、だめだと、こうなるんですね。だめだというなら私は運賃は三段階にすべきだと。そうでなけりゃ、国民に対して、エグゼクティブクラスに乗る人はこういう制度ですよというのを告知しなきゃいかぬと思う。それは一つもしないんです。それで宣伝を見ると、どんどんとエグゼクティブの席をふやして、安全で快適で行けますよと宣伝だけはしよる。実態とかけ離れておる。
 だから、私は、いつの間にやら運輸省が知らないのに運賃が三ランクになっているのかわからぬ。ところが今回の更新のあれを見ても、ファーストクラスとエコノミークラスの値上げとしてあって、エグゼクティブというのは全然書いてない。ここらのことはどういうふうになっているんですか、どういうふうに今後御指導されるつもりなんですか。
#23
○政府委員(西村康雄君) 今先生お話しのように、飛行機の等級につきましては、当初ファーストとエコノミーということで出発しておりましたが、その後、エコノミーの中で団体と個人、こういうことで、特に団体が普及してまいりまして、個人のエコノミーと団体のエコノミーで実際には非常な運賃負担の格差がある。その格差のままでありますと、個人の方の旅客の利益がかなり害されている。同じようないすで非常に運賃の負担が違うということで、実際には、今後エグゼクティブクラスというのを設けて個人の客を遇するような方向に来ているわけで、その点確かに先生の言われるように、エグゼクティブというのが実際に高い運賃負担をしている個人のためにつくっているんだという制度の趣旨をもう少しよく一般に理解していただくような努力がないと、運賃と利用のサービスの内容というのはこれは対価関係でありますし、皆さんにそれはそうだということの納得をいただかないとなかなか社会的に安定していかないので、今お話しのようなことでございますと、やっぱりなかなか納得しない方がいるような事態はいけないので、実際に団体の場合と個人で旅行される場合とこんなふうにあるんだということは、もう少し必要な向きには、航空会社から特に団体旅行等については十分御説明をするというようなことを必要に応じてさせていきたいというふうに思います。
#24
○安恒良一君 いや私は初耳です。個人のエコノミーと団体のエコノミーというのの料金があるというのは初めて聞きましたよ。運賃制度というのはエコノミーとファーストクラスしかないんじゃないですか。認可料金で、個人料金、団体料金の認可をしていますか。今回の申請でもそういう申請は出ていますか。出ていないじゃないですか。そんならそれで、あなたたちが個人のエコノミー、団体のエコノミー料金というのがあるというなら、それは国民に告知しなきゃいけません。航空会社だけじゃありませんよ、運輸省がやらなきゃならぬことじゃないですか。今のところ、現行はいわゆる個人のエコノミーとか団体のエコノミーなんという、そんな料金があると聞いていない。
 ただ、団体の場合に、航空会社なり旅行業者との間の契約関係で割引制度というのは認めていますね。しかし、個人のエコノミークラスと団体のエコノミークラスの料金があるというのは聞いたことがない。割引制度というのは知っていますよ。国内においても何人以上乗る場合は幾らとか、国外においても何人以上乗るときは幾らという割引制度は知っていますけれども、料金としてはファーストクラスとエコノミークラスしかないんじゃないですか。そうすると、それならそれのように、あなたがおっしゃったようなことをするなら、航空会社はもちろんのこと、運輸省としてもきちっとしなきゃいけませんよ。個人のエコノミークラスの場合にはエグゼクティブに乗れますと、団体で割引料金された人は乗れませんということを明確に国民みんなに周知徹底するようにしなけりゃわからぬですよ。パッケージで行くときは、航空運賃が幾らでホテル代が幾らと、そんなことにならないんですから。一週間中国に行く場合は込みで幾らということになっているんです。宣伝を見ても皆そうでしょう。内訳書いてありますか。何も書いてないじゃないですか。ハワイ一週間幾らとかヨーロッパ一周幾らということで、それには食事がついているかついていないかとか、そんなことしか書いてないんです。飛行機運賃がどうなっているとかホテル代がどうなっているとかはわからぬですよ。
 ですから、そういう意味からいうと、もうちょっときちっとしなきゃいかぬのじゃないですか。旅行者の方がわけのわからぬことを言っているんじゃないんですよ。あなたからいうと旅行者の方が無理言っているような話になるけれども、この前日本航空を呼んでもそんな生意気なことを言ったから、一遍国会へ出てこいと私は言っておるわけです。そんなばかなことがあるかと。旅行者はわからぬのですからね。そうでしょう、旅行業者と航空会社の間で契約をされているわけでしょう。そこのところを国民にわかるようにきちっとしてもらわなければたまったものじゃないんです。あなたも何か日本航空の先棒担いだような答弁をしておるけれども、どういうことなんです、それは。
#25
○政府委員(西村康雄君) 今先生お話しのように、確かに運賃の制度はファーストとエコノミーでございます。そして、そのエコノミーを実際に個人が通常払う場合、これを基礎にして、団体の場合には、それぞれの団体の大きさによって割引率は違いますが、割引をしている。
 それで、先ほど先生のお話のありました、個人の方をエグゼクティブとしておりまして、そのほかの団体が非常に数が多いものですから、これを俗に従来どおりエコノミーと呼んでいるわけでございます。したがいまして、実際に団体割引についてサービスの内容が違うということを先生のお
話しのように利用客にもっとわからせる努力、そういうことが前提でこういうサービス、割引をしていますということであれば、それをもっとはっきりするような努力というのは、御理解いただいていないお客様も数あればそれをよくわかるようにしていくべきだと思いますので、今の御趣旨を体しまして、航空会社にさらによく申しておきたいと思います。
#26
○安恒良一君 大臣、これはひとつよく聞いて大臣の方も指導してください。混乱が起きている。たまたまあいてなきゃいいけれども、片一方の方はあいている、エグゼクティブは。そうすると乗っている方はエコノミー料金を払っていると思っているんだからね。ただ団体で割引になっていて、それはホテル代を値切っているのかどこを値切っているのかわからないから困るわけなんだ。だから、そうでなければ私は料金制度を明確にしたらいいと思う。ファーストクラス、エグゼクティブクラス、それからエコノミー、これをもうはっきり料金制度を三ランクにする。そうでなければ、団体割引で乗った人についてはここは利用できないんだ、あくまでもエコノミーの料金を払った人だけならだけだということを堂々と私は国民全部にわかるような指導をしなきゃいけません。
 しかも、今や団体で、旅行会社はもう目の色を変えて団体でどんどん人を募集しているんですからね、そして連れていこうとするわけですから。その意味からいうと迷惑します。私はやっぱりそういうことは正々堂々と国民に告知をする、旅行会社としても告知をする、運輸省としても国民にわかるような手段をきちっと講ずる、こういうことについて大臣どうですか。私は決して無理なことを言っていると思わない。
#27
○国務大臣(山下徳夫君) 今航空局長から答弁しましたとおり、基本的な制度はそうなっておりますが、確かに今三段階になっていることも事実でございます。ただ、先生御案内のとおりIATAという協定がございますが、これによって、エコノミーの場合は手荷物は二十キロまでただだとか、ウイスキー一杯飲んでも実費はいただくよとか、そういう規定がございますが、したがって、エコノミーは規定より下げたのではございません。むしろエグゼクティブの方は規定よりもっと上げておりますよと、特にサービスして、いすの幅ももっとエコノミーの従来の規定よりよくしておりますよということでございますから、そのことによって航空会社が不当にもうけているということではないことは私から申し上げておきたいと思います。
 ただ、先生のおっしゃるとおり、それならそれできちんともっとPRしろよということは、先生のおっしゃるとおりでございますから、この点は航空会社にも私から特に申しつけておきたいと思います。
#28
○瀬谷英行君 私は、きょうの法案が観光振興会法の一部を改正する法律案というふうになっておりますが、問題の根本である観光政策の面から取り上げたい問題がございます。
 先般、当委員会といたしましても、上野―東京間の新幹線の工事現場並びに東京駅における新幹線の諸業務等について視察をしてまいりました。その視察の結果わかりましたことは、上野―東京間は、今まで約三・五キロのうちかなりの部分が工事が終わっており、かなりの部分が現在工事を行っている、こういう状況にあります。図で見ますと、工事の完了区域と工事中の区域を除きますと、残っているのは上野と御徒町の間の約五百メートル、それから秋葉原と神田の駅の間の約四百メートル、これしかないわけです。したがって、工事中の分を含めますともう三キロ近くができ上がろうとしておるわけです。しかもその用地買収の方は取得率が九二%になっております。高架下の移転も進捗率が七三%になっております。着工率は工事の完成を含めて五四%になっております。
 要するに、もう半分以上の工事ができ上がっており、かつでき上がろうとしておるわけです。にもかかわらず、先般新幹線は大宮から上野まで延びましたけれども、上野―東京間というのはいつでき上がるのか、開業時期についての目途が立っていないというふうにこの間もらった資料には書いてあります。一体これはどういうことなのか。しかも、その資料によれば、東海道・山陽新幹線の一日平均の利用人員が約四十五万、それから東北新幹線、上越新幹線を合わせますと五十九・八万人、約六十万ですね、一日平均約六十万の人が東海道・山陽、東北・上越新幹線を利用している。内訳は、東京駅から先の方が四十五万で上野から先の方が十五万になっておるわけです。だからこの新幹線の利用者のかなりの部分の人が上野―東京間を乗り継いでいるということになるわけですね。
 これは非常にわずかな区間ではあるけれども、余分な時間がかかっておるわけですよ。国鉄として一体この状況をどのようにお考えになっているのか。これは総裁から、こういう状態やむを得ないということなのか、もともと考えていなかったことなのか、一体どういうことなのか、そういうこともあわせてお答えを願いたいと思います。総裁からひとつその点……。
#29
○説明員(仁杉巖君) 東京―上野間の工事につきましては、今先生から御指摘がございましたとおり、最近仕事のペースを非常に落として、やっております仕事は、部外協議上必要なこと、それから安全対策上やむを得ない工事というようなものに限っております。このままでまいりますと確かに完成時期が明確でないという先生の御指摘のとおりでございます。
 もともとこの計画を始めましたときは、東京からというようなことでございまして、国鉄といたしましてはその線に沿って工事を進めたわけでございますが、その後五十八年の八月に国鉄再建監理委員会からの設備投資抑制の御提言、これはもう先生御承知のとおり法律に基づいた御提言になるわけでございますが、その中において、東北新幹線の上野乗り入れ及び通勤新線については特殊な事情があるから工事の継続もやむを得ないが、そのほかのものについては、老朽設備取りかえ、安全対策及び環境保全のための投資のうち特に緊急度の高いものを除き原則としてこれを停止するという御提言がございます。それで、こういう御提言を我々も受けまして、運輸省ともいろいろ御相談いたしたのでございますが、その中において、やはり上野―東京間については工事を抑制すべきであるという御指示もございまして、現在、今私が申し上げましたように、年間やむを得ざる工事だけをやっているというような格好になっているわけでございます。
 この工事につきまして、私どもといたしましては、やはり経済性の問題あるいはお客様の利便の問題等を考えながらあれだけ、今先生の御指摘のあったとおり五五%ぐらい着工しているというような事態もございますので、できればやりたいという希望はございます。ございますが、今申し上げましたように国としてのいろいろな御提言、御示唆等がございますので、現在はこのような状況で推移をしているということでございます。
#30
○瀬谷英行君 神田までの間なんというのは四百メートルしか残っていないんですね。御徒町の方だって五百メートル。しかも、その間の地上から地下四階へ入っていくトンネルはあらかたでき上がっているんですよ。トンネルなんてものは中途半端なところにでき上がったって何にもならないんですよ。全部通らなきゃトンネルと橋は使えないんですから、昔から。それを中途半端にして、あとわずか残しているだけなんです。何でこんなことをやるのか私は不思議でならない。やりかけの小便に待ったをかけるようなものですよ。一体これは政策の面で正しいと思うかどうか、大臣の見解をお聞きしたいと思うんです。
#31
○国務大臣(山下徳夫君) まことに適切な表現でございます。
 実は私もあの現場をつぶさに見まして、本当にもったいないな、第一みっともないなという感じがするのでございますよ、ちょん切れて、風雨にさらされて。しかしながら、国鉄全般からいえば、
やっぱり第一次緊急提言も私どもわからないではございません。先生に前からおしかりをいただきました、青函トンネル等どうだという点等もあわせ考えましても、後でまた御質問あれば青函トンネルについても、ちょっとここで私は余計なことですから申し上げませんが、いずれにいたしましても、効率的と申しましょうか、採算面から申し上げても青函トンネルとかなり違った面がある、国土上の問題もちろんでございますが。
 私のところにも、佐賀県に呼子線というのがございまして、九五%でき上がっている。あと五%で使えるのにそれがストップされている。こんなのが全国あちこちあると思います。したがって、そういう面から見まするというと、一つこれを認めれば全般的に及ぼす。現在の国鉄の財政からすればどこかでやっぱり線を引かなきゃならぬ、その線を引く意味からやはりそういう措置をとられておるのかなというふうに私は思っておる次第でございます。
 上野駅までの乗り入れは、私は東北から東京の都内まで入ってくるという意味において非常にこれはまた深い意味があると思いますが、上野から東京まで三・五キロですか、これはまた違った意味でもちろんそれは意味もありますけれども、その重要性の軽重という面から見るならば、これを後回しにするのもやむを得ないかなと、私自身はそんな感じがしておるわけでございます。
#32
○瀬谷英行君 後回しにしてもやむを得ないなんて思われちゃ大きに迷惑なんで、大臣の方は東京駅から向こうの方に選挙区がありますからね。だけれども、上野から北の方は、関東、東北、上信越の人間は上野駅を使っているわけですよね。ところが、上野まで来て、地下四階からコンコースまで上がれば、地上三階までエスカレーターに四回も乗らなきゃいけないんです。だから、この乗りかえに約十二、三分を見ておいてくださいという車内放送をやっている車掌もいました。どんなに急いでもエスカレーターに四回、先に人が詰まっていれば追い越していくわけにいかないんですからね。特に団体客なんかの場合はいいかげん時間がかかりますよ。
 そうすると、電車が山手線の上野―東京間は三つ停車をしていっても七、八分で行っちゃうんです。新幹線は途中でとまる駅がないんだから、もしでき上がれば恐らく四分か五分で行っちゃうでしょう、上野―東京間は。そうすると、でき上がるかでき上がらないかの違いは大変なものですよ。もしでき上がっていれば、乗りかえホームまで行かないうちに東京駅まで行っちゃうんですからね。しかも、片方は地下四階だけれども、東京駅へ行けば地上の高架線に入るわけですからこれはえらい違いです。しかも、この区間の利用者が通勤時だと通勤客と一緒になるわけですよ、上野―東京間で。最もあれは乗車効率の高いところですよ。
 国際観光あるいは国内観光両方の面から考えてみても新幹線は大きな役割を果たしていると私は思います。その乗りかえ客に何で上野―東京間の最も混雑の激しい区間で通勤地獄を味わわせなきゃならないのか。はるばる来た外国のお客さんにも、日本の通勤地獄というのはこういうものだということを味わってもらうのがサービスの一環だというふうにお考えになっているなら話は別ですよ。しかしそんなものじゃないと思いますよね。これは全く経費の節約からすると無意味で、ばかばかしい話だと私は思わざるを得ないんです。もし経費の節約でもってここをしばらく待てというならば青函トンネルの方を私は凍結すべきだと思うんです、あれは使い道が決まっていないんだから。使い道の決まっていない方の金は抑えないで、使い道のはっきりしている、しかも残るところは、特に真ん中辺は四百メートルしか残っていないんですよ。四百メートルというと、陸上のトラック一周するのが四百メートルですね、速い人は一分で走ってしまうんです。これだけしか残っていない。これを残しておいて何で経費節約の意味があるのか。どのくらいの人間がこのために迷惑をこうむるかということを考えるべきだと思う。
 だから、ここの区間をやめるというふうに抑えた人の考え方を私は聞いてみたいと思う。監理委員会が一体どういう考え方でもってこれを抑えているのか、監理委員長の出席を求めたいんだけれども、きょうはお見えにならないから、監理委員会の考え方があったら聞かしてもらいたいと思います。
#33
○政府委員(林淳司君) 一昨年の夏に緊急提言を出したわけでございますが、その緊急提言のときは、特に東京乗り入れという工事について、個別にその工事をどうこうするということについては述べていないところでございますが、この緊急提言で、現在の国鉄財政の状況から見て工事費全体を極力抑制する必要がある、そういうことで提言をお出しいたしました。後、政府の方あるいは国鉄の方の御判断で、緊急度の高いものから考えていった場合に、結局、上野の工事は、緊急度からいって、当面は最低限必要な工事に絞るというふうな御判断をされたというふうに理解しておるわけでございます。
 この問題については、監理委員会の考え方でございますが、先ほど申しましたように、明文で緊急提言に書いてはございませんが、考え方といたしましては、東京乗り入れの工事というのは収益性が非常に低いということでございまして、このまま工事を続ければ債務が非常に増大していく、全体として国鉄経営を圧迫する一つの要因になっていくということでございまして、少なくとも国鉄の再建策というものを今策定しつつあるこの現時点におきましては、やはりこういう工事は慎重に対応するのが至当ではなかろうかというふうな考え方を持っておるということでございます。
#34
○瀬谷英行君 経費の節減をするなら、だから青函トンネルの方をやめた方がいいと私は言うんですよ。あっちの方がかかりがでかいし、区間も長いし、しかも使い道も決まっていないんだから、度合いからいうと向こうの方を先に抑えなきゃならぬ。こっちの方は、さっきも述べたように区間はわずか三キロ半だ、しかもそのうち残すところはわずかしかない、御徒町から五百メートル、神田まで四百メートルしかない。神田川から先神田駅までですよ、四百メートルというのは。これしか残っていないんです。何だかんだといって文句言うものじゃないですね。こういう愚にもつかないところでけちってみたところで私は意味ないと思うんですね。これは、初めから決まっていた仕事に対して事情を知らない者が横合いからくちばしを差し挟んだというような印象を私は受けるんですよ。
 大臣は監理委員会の立場を弁護しようと思っているのかどうかわかりませんが、だれが見たって、この間もらった資料では、ほとんどでき上がっていて残っているのはわずかだ。にもかかわらずここをわざととめる。これは東京と上野の間に国境線でも引いて交流をやめるというなら別ですよ。南朝鮮と北朝鮮みたいに、ああいうふうにぴたっと押さえてしまうというんならこれはしようがない。しかしそうなることはないわけだし、そうなっていないんだから。相互の交流というのは、一日にこの六十万のうちどのくらいのパーセントの人が使っているかわからないけれども、その多くの人が迷惑をこうむっていることだけは事実ですよ。あと残るところ五百億だ、五百億使っちゃった。やめたからといって今まで使った五百億が戻ってくるわけじゃないでしょう。やりかけのトンネルが役に立つわけじゃないでしょう。やりかけの橋梁が役に立つわけじゃないでしょう。
 そうすると、こういうものをほうっておくなんということはいかにも見識のないことだというんですよね、だれが考えてみても。もしこれが天下に発表しても何ら指弾を受けることはないという自信があるんなら私は聞いてみたいと思うんですよ。そういう自信を持ってこの区間を凍結をしたということであるならば、私は、監理委員長以下、どなたがこれをとめろということを主張されたかわかりませんが、監理委員会のメンバー全部に出てもらってその見解を明らかにしてもらいたい、
こう思います。大臣だって、それを知っているかどうかわからぬけれども、大臣は遠回しに監理委員会の立場を、まあしょうがねえんだろうという程度ですからね。大臣が、あるいは国鉄総裁がこれはやった方がいいと思うという以上はこれはやるべきだと私は思うんですよ。それを素人の何にも知らないのがここでもって銭の節約をしろなんて、こういう差し出がましいことを言って、こんな大事なことを変に抑えるということは私は許しがたいと思います。これは重ねて大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(山下徳夫君) 私はここで先生と議論しようとは思っておりませんけれども、決して私は監理委員会をやたらと弁護しようと思っておりません。ただ、内閣といたしましては、監理委員会の作業にこれは協力しなきゃならぬという閣議の決定がございますし、そういう立場からは十分理解してあげなきゃならぬ、そういう前提に私は立っております。そしてまた、そういう前提に立ってみた場合に、なるほど先生のおっしゃるように、先ほど申し上げたとおり、あの姿を見ると、五百億とおっしゃいましたが、あるいは六百億なのか、大体そんなものだろうと思いますけれども、これはつくり上げて早く銭になるようにしたらよかろうなという気持ちもしますが、また、今次長からお話がありましたように、これから六百億かけて、投資効果という面から見るならば、採算性からいえば大したことないということになれば、やはり今の国鉄の現状からすれば、他の場所と同様に凍結しなきゃならぬかなというふうに私は理解するものでございます。
 同時にまた、青函トンネルとの比較でございますけれども、これは国土の一体化と申しましょうか、あるいは、要するに全国を地ならしするという意味においても、やはり遠いところに対してある程度政治の恩恵を垂れるという、そんなことからしますというと、ただ部分的には採算性だけではいけないのかな、そしてまた、洞爺丸の事故等遠くさかのぼって考えた場合に、気象に左右されずにおかでもって日本の狭い国土を結ぶという一つの意義、そこらあたりから考えると、先生さっきおっしゃった、決まっていないものなんだとおっしゃいますけれども、当然これはこれから早急に決めて、そしてトンネルができ上がるまでには並行してレールも敷いて、早く有効的な利用をしなきゃならぬということは当然でございますから、そこらあたりとの比較を考えますというとやはりどこかで、先ほど申し上げました、これ一つ認めれば、全国的にそれに類似するものはたくさんあるという立場から、どこかで線を引くという意味においてはやむを得ないかなと、そういう気持ちで申し上げたつもりでございます。
#36
○瀬谷英行君 東北新幹線と上越新幹線の三月十四日から一カ月間の営業概況報告を見ると、対前年に比べて東北新幹線で一二八%、上越新幹線で一四四%というふうにふえているわけですね。このふえている利用者のかなりの数が上野―東京間を利用して、さらに東海道新幹線に流れているというふうに見られます。その数字は推定でわかりますか。これは国鉄に聞いてみたいと思います。
#37
○説明員(須田寛君) やや前に実態調査をいたしました数字で案分して申し上げるわけでございますが、今先生がおっしゃいましたように、上野に入って参りますお客様が今大体一日十万ぐらい両新幹線でございます。実態調査によりますと、そのうちの約五六%ぐらいの方が東京以南に流れる方でございます。しかも、なおそのうちの、つまり五六%のうちの約八%は東北、高崎方面の上野以遠の方から国鉄の静岡管理局管内以西、つまり三島以西になると思いますが、こちらの方に流れる方々であろうかと存じます。したがいまして、そういった上野に入ってまいりますお客様のうちの約五六%は東京以南、そのうちのさらに八%の方が静岡管理局以西を御利用いただくかと、このように考えております。
 前半の方の東京以南になる方は国電の御利用等で御用は足りると思いますが、後の方の方々は、これは確かに東京へ入ってまいりました場合、新幹線とのスルー等ができますれば大変御便利になる、大体こんなふうな推定になろうかと存じます。
#38
○瀬谷英行君 今の報告を聞いても、かなりの人が相互交流をやっておるわけですよ、分断国家じゃないんですからね。そうすると、その人たちに不便な思いをさせているというのが現実の姿ですね。青函トンネルの方はまだ使い道が決まっていない。私は青函トンネルだってほうっておいていいとは思いませんよ。あれはちゃんと使い道を考えるべきです。東北新幹線が盛岡どまりということ自体が私は不自然だと思うんですよ。これは北海道なり青森県は新幹線の恩恵には浴さなくともいいという考え方は私は間違っていると思うんですよ。きょうは青森県の出身の方もいらっしゃるから、多分同感だろうと私は思っているんだけどね。九州は博多まで行っている。このわずかの区間が貫通すれば盛岡、新潟から博多までの直通電車だって動かせるし、博多からあるいは逆に仙台、新潟までの電車だって動かせるんですよね。青函トンネルと比べてみたら、とてもその利用価値というのは違いますね。ここまで来てなおかっこのわずかな区間を抑えているということは、いかにも見識のない話だ。私は、監理委員会としてはまさに愚策の典型的なものだ、こういうふうに指摘したいと思います。
 だから、この問題についてもし言い分があるならば監理委員長以下全員の意見を聞かせてもらいたい。そして我々の見解もまた聞いてもらいたいと思います。それから学者の参考人も近い機会に呼んでいろいろ見解を聞いてみたいというふうに思います。やはりそれぞれの利用者あるいは委員会あるいは学者、それらの意見というものを十分に聞かなければ、分割民営なんというような大事業を軽率にやられちゃ迷惑なんですよ。そう私は思うんですが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#39
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから申し上げますように、私は先生に逆らうつもりは決してありませんが、国鉄の今日の事態を招いた諸原因の中でも、いわゆる鉄道の特性ということがよく言われますが、今日やはり時間価値をたっとぶ時代になってまいりまして、さらに飛行場も今の七十七からさらに百以上に整備していく、いわゆる航空網というのはさらにこれから年々日本の空をずっと網の目のようになっていくという時代を考えますというと、鉄道の特性からすれば私はやはり新幹線といえどもせいぜい四時間ぐらいではないかと思います。
 したがって、青森から鹿児島まで新幹線、例えば上野から東京までできたからといって乗る人がどの程度いるのか。さっき国鉄当局から数字的な説明がございました。ある程度のやはり区間、短距離と申しましょうか、そういうものだろうと思いますから、私が素人のくせに余計なことを言う必要はありませんけれども、いわゆるそろばん勘定、採算性、そういう面からいった場合に、この区間にあと六百億投資してもとてもそれはだめだよという点で、再建監理委員会としてはそういう提言をなすっておるものと私は思っております。
 なお、青函トンネルにつきましても、これは全く決まっていないんじゃなくて、在来線でやるという基本方針は既に決まっておるわけでございますから、その線に沿ってこの工事はさらに進められるということは間違いないことでございます。
#40
○瀬谷英行君 私は、鹿児島から北海道の間を新幹線を通した方がいいというふうには思っておりません、いや、その間利用者がいるだろうとは思っておりません。しかし、関東あるいは新潟、仙台から熱海とか伊東方面に行くというような人はかなりいるわけです。あるいはまたその逆もかなりいると思うわけです。だからその意味からいうと、この四、五百メートルの区間というものを残してあとを放置しておくということの意味は全然ないと思います。まことに投資のむだだと思うんです。私は新幹線のこういう地下を通すというやり方については余り賛成できなかったんです。しかし、できた以上はしょうがない、一刻も早くこ
れは通すべきだと思うんです。
 それから、成田空港もこの間ちょっと質問しましたけれども、あそこのアクセスは極めて不十分です。ああいう空港と都市を結ぶという点に新幹線網を利用するということは極めて大事なことだと思うんです。アクセスの問題あるいはこういう都心の連絡の問題、大臣は上野―東京間の国電でもって乗り継ぎをするという経験がないだろうから余り実感としてはわからないだろうと思いますけれども、私らはもう経験者ですから、この間をやはりほっておくというのはまことに国費のむだだというふうに思いますから、その点をあわせて強調したいというふうに思っております。
 時間が参りましたから、以上で私の質問は終わります。
#41
○説明員(岡田宏君) 差し出がましいことでございますが、先ほどちょっと先生から御指摘ございました数値でございますけれども、念のために申し上げておきますが、上野―東京間総延長三・五キロございますうち、現在何らかの形で着工いたしております延長区間は一・九キロ、着工率は五四%、未着工区間は一・六キロということでございますので、ちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
#42
○大木浩君 本日は、この委員会の議題が国際観光振興会法の一部改正に関する法案でございますので、まず振興会について、ちょうど会長もおいでいただいておりますので御質問したいと思うんです。
   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
 先ほどから伺っておりますと、今回の改正の要するにポイントというのは、日本から海外へ出る旅客の業務について、振興会は何でもするということじゃなくて、今度は安全に関する情報の供与ということに限定をするんだ、こういうお話でございます。その安全に関する業務とそうでないのとの線引きというのはなかなか難しいんで、先ほども安恒委員からいろいろ御質問があったんですが、仮にその線引きの問題は、建前上はできないこともないでしょうからそれはそういう方針だということで理解するといたしましても、最近物すごく海外へ出る旅行客も多いわけでございますから、要するに在外にいる日本人の安全に関する業務というのは物すごく多岐多様だと思うんですけれども、この振興会と、それから先ほどもちょっとお話がありましたけれども、例えば在外公館あるいはほかの民間の諸団体あるいは航空会社、そういったようなものとどういうふうにしてこれから在外の邦人の安全というものを確保していくのかということについて、せっかくでございますので振興会の会長さん、今までの御経験から、現在の状況が非常に満足にいっているのかどうか、あるいはこういうことをもう少しする必要があるのかどうかというその辺のまず現状認識から伺いたいと思います。
#43
○参考人(梶本保邦君) 国際観光振興会の会長をいたしております梶本でございます。
 ただいま先生から御指摘のように、最近における海外での旅行者のトラブルの件数というものは非常にふえております。このふえ方をちょっと例にして申し上げますと、日本人の海外旅行者が四百万人の大台に乗りましたのが昭和五十四年でございます。昨年一年間が四百六十五万人でございますから、五年間に一五%海外への日本人の出国者はふえております。
   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
 それで、一体私どもの十六の海外事務所へいろいろの問題につきまして御相談においでになった件数はどうなっておるかと申しますと、昭和五十四年には四千三百十二件でございましたが、昨年一年間には一万五千五百七十一件、三・六倍になっております。出かけていった人数はわずか一五%の増であって、件数は三・六倍になっておるそれだけ海外でのトラブルがふえているという実情でございます。
 その実情の内容を申し上げますと、これは時間に限りのあることでございますけれども、本当にいろいろのことがございまして、日常茶飯事の、財布を落としたとかパスポートをどうしたとかというふうな問題から、向こうですりにひっかかったとか、あるいはまたいろいろのトラブルを起こして傷害事件に巻き込まれたというふうな事例もございまして、それがどういうわけか全部、事旅行者に関しては私どもの振興会の事務所の方へ参るわけでございます。
 実はごく最近の例なんでございますけれども、アメリカのダラスで日本人の女性団体四十人のツアーがございました。これはある保険会社が報賞旅行にお連れになった団体ツアーだったんでございますけれども、ショッピングに出かけたわけです。そうすると我先にと、よく日本でもそういう姿を見るんですけれども、バーゲンセールのときに、こう飛び込んで人を押しのけてそこへ飛んでいくという風がございますけれども、そういう状況を呈して、それはそれとして、しまいにスカートをまくり上げて下着の中から金を出して払った。それの苦情がダラスの事務所へやってまいりまして、ダラスの事務所長は顔から火が出るほど恥ずかしくてどうにもしようがなかったという報告を私どものところへよこしております。こういうこともございました。いろいろのことがございます。東南アジア地域におきましては、かつて自分が日本へ留学しておったことがあるというふうなことを口実に、片言の日本語で話しかけて、ついうっかり気を許していると、かばんをとられるとか写真機をかっぱらわれるとかいうふうな事例、こういう事例を申し上げますと枚挙にいとまないくらいでございます。
 この問題につきまして、実は五十三年の十二月十二日でございましたか、観光政策審議会で内閣総理大臣に提言をいたしたわけでございます。それは観光政策審議会の中に国際観光部会が設けられまして、たまたま私がその国際観光部会長を仰せつかりまして、約一年間かかって各委員さんの御意見を取りまとめたわけでございますけれども、そのときに海外日本旅行人対策をどうするかということが非常に大きな問題になりまして、正直申し上げますと甲論乙駁でございました、委員会の経緯を申し上げますと。
 それはどういうことかと申しますと、企業自体が責任を持って処理すべきじゃないか、いかなる企業にも社会的責務があるから、切符さえ売って金もうけすればいいというものではなかろう、やはりそういうことは最後までアフターケアをして、十分事前に旅行知識というものを申し上げ、そして後々までアフターケアするのがそれが企業としての責任じゃないだろうかという意見、それからまた、いやそうじゃない、このままほっておいたら日本人の恥さらしだ、これはいけない、これは現地において十分そういうふうな相談にも応じ、そしてそういった事故があった場合には中に入って処理すべきじゃないかというふうな議論、いろいろの議論がございました。それを結局取りまとめまして、その中間の意見をとって答申を出したわけです。その答申に基づいて五十四年度の国際観光振興会法の改正が行われ、政府から五千万の御出資をいただいて日本人対策がスタートした、こういう経緯がございました。
 その後いろいろな経緯がございまして、このたび安全ということに限ってやろう、こういうふうないろいろの経緯の末なったようでございますけれども、それじゃどこまでが安全であって、ここから先は安全じゃないということの区別ができないと思います。今あなたの御相談に応じていらっしゃるのは、これは安全じゃありませんよ、法律にはそんなこと書いてありませんよというわけには私は実際問題としていかないと思います。やはりこれは現地の事務所において良識で判断をし、日本人が気持ちよく旅行していただけるように御相談に応ずるというふうなことに実際はなっていくと、このように私は考えております。
#44
○大木浩君 今も、大変外へ出る旅行客が多いということでいろいろ御苦労のお話を伺ったんですが、確かにそうだと思うんです。しかし、海外へ行く旅行客の安全だけに絞りましても、安全について一体だれが面倒を見るんだということ、私は
なかなか完全に行われていないんだろうという感じがいたします。相手国政府とかけ合って何か解決しなきゃならぬという問題になれば当然外務省が出てくる、在外公館が出てくるということになるけれども、今おっしゃったように、別に相手の政府じゃない、全く個人的な問題。
 例えば、私前にジュネーブにおったことがあるんですけれども、たしか観光協会の店もあったと思いますが、あそこへ、やたら夏になりますと山に登る人が多いわけですけれども、毎年何人かは必ずと言っていいほど山へ登って転げ落ちますね。モンブランなんというのは、あれはいろんな国のちょうど国境でございますから、風の吹きぐあいによってイタリアに落ちたりフランスに落ちたりいろいろ問題が起きるわけですけれども、そういった問題だって実際にはやっぱり全部面倒を見切れないんで、何となくいろんな関係者がばば抜きみたいな状態になってしまうということで、結局本当には日本人の安全についての対策が十分にはとられていないというような感じがいたします。これは観光振興会だけの仕事じゃございませんけれども、これはひとつ外務省、さっき帰ってしまいましたけれども、外務省もあるいは運輸省も、観光を大いに振興するんだ、あるいは国際交流、人的交流も大いにふやすんだと言うけれども、それに伴った措置というものはやっぱり全体としてしっかりしたものでないといかぬじゃないかというふうに感じますので、ぜひともお願いしたいと思います。
 そういうことで、振興会の方も今度はいろんな業務を少し整理してむしろ安全に絞るということでございますが、会長、これは具体的に業務の内容も、線引きはいろいろ難しいということはよくわかるんですが、特に安全について今まで以上に強化されるというような点はあるんでございましょうか。
#45
○参考人(梶本保邦君) その点については、現地の方に、現地雇員というよりも、現地の事務所に五名の、主なそういうトラブルの多い、比較的多いような場所に五名の職員を配置をいたしておりまして、できるだけいろいろの問題について御相談に応ずるようにしたい。結局、余り日本人が出かけていって、日本の国の恥さらしにならないようにしたい、気持ちよく旅行して、それが観光していただくことが国際親善の増進に役立つようにしていただきたいという念願を持っておりますので、そういう観点からこの問題を処理していきたい、かように考えております。
#46
○大木浩君 ちょっと振興会と離れますけれども、先ほどからのお話で、非常に海外へ行ったりあるいはこちらへ来たりする旅客が多い。その主たる手段は結局国際航空ということになりますね。年間四百何十万という人が日本から外へ出て、二百何十万ですか来るということで、その九九%は航空旅客であるというように伺っております。ただ、そういう状況が生じておるのに、一体それじゃそれに対する航空関係の設備が十分あるか、あるいはこれからの見通しについても十分対策が立っておるかということになると、どうも少しおくれているんじゃないかというような感じが私はするわけでございます。
 ちょうどきょうのサンケイ新聞にも出ておりますけれども、運輸省の先輩でもあって、航空局長、運輸次官、そしてその後に成田の公団の総裁ですか、そして今は航空会社の社長でもある中村大造さんのインタビューの記事が出ていますが、ここでも振り返っていろいろ言っておられるわけです。西村さんの先輩に当たるわけだから、あなたが五年か六年したらこういうことになるのかしりませんけれども、非常に旅客がどんどんふえておる、しかしそういった見通しがやはり非常に何というか、はっきり言えば見通しを少し小さく見積もり過ぎたんじゃないか、これは旅客に限らず貨物についてもそうのようですけれども、中村さんが言っていますのは、例えば貨物につきましては、現在成田でまたいろいろな新しい工事の計画がありますけれども、これができてもまだ十分には処理し切れない、こういうような話です。ですから、旅客といわずあるいは貨物といわず、私は今後の国際航空というものが、あるいは国内航空も含めてですけれども、航空輸送というものがものすごくふえてくるんじゃないかという感じを持つわけでございます。
 ですから、今空港整備五カ年計画につきましては、今度五次ですか、そういうようなものがあるわけですけれども、やはり将来の対策を立てる場合に、仮に全然使いもしないような空港をつくったとすれば、それはやはり航空行政の失敗ということになりますが、逆に、本当に需要がどんどん出てきて国全体としてもどうしても空港が必要だというときに、いや考えてみたらこれはとても今からじゃできませんというようなことでは、これはまた大きな私は航空行政の失態だと思うんです。
 そういうことで、ひとつ大臣にこれはぜひとも政治家のお立場からお願いしたいんですけれども、今後の空港、これから第五次、第六次、どんどんいくと思いますけれども、そういったものをお考えいただく場合に、慎重という言葉も必要ですけれども、同時に、将来に向かってのやっぱり国際的な航空輸送というものはどんどん大きく広がっていくわけですから、それに向かって積極的にむしろ取り組むというお考えで中長期的な対策を立てていただきたい。この点についてひとつ大臣のお考えを伺いたいと思います。
#47
○国務大臣(山下徳夫君) 航空の今後の見通しについてのお尋ねだと理解いたしましたが、先ほどもちょっと申し上げましたように、今七十七ございます。そこで、これらのうちで三十七がジェット化されておりまして、またジェット化されていないものの方が数は多うございまして、滑走路の延長あるいは移転に伴うジェット機の導入とか、あるいはさらに空港の新設であるとか、いろんな陳情、要請がたくさん出ております。
 先生御指摘のように、まず効率的に使うという面から見ますというと、手狭でどうにもならない、もうぎりぎりいっぱいのところまで来ているという国際空港、つまりそれは成田でありそれから関西新空港であり、あわせてまた三大プロジェクトの一つに数えられております羽田沖の展開ということでございまして、したがってこれらに集中的に精力的に予算も計上して出していくとすると、一つの枠の中で地方空港にしわ寄せがいくことは当然でございますけれども、そういう中にあっても、今申し上げたような点から地方空港も大切である。同時に、ただ、今の貨物を含めた利用率だけではなくて、やはり空港のない県が企業の誘致等にも取り残されて、そしてだんだん格差がついてきている、そういう面から見ると、国土の均衡的発展からいうと、将来にわたっての見通しをつけながら空港というものも整備していかなきゃならないという点を十分考慮してやるべきだと思う次第でございます。
#48
○大木浩君 今私国際航空ということを言いましたけれども、何と申しますか、航空運輸というのは必ずしも国際ばかりでなくて、むしろ国際と国内と両方を上手につないで効率的な運用をしなきゃいかぬと思います。先ほど瀬谷委員のお話でも、何かいろいろと国際空港と、それから国内のまた航空あるいはまた鉄道といったようなもの、いろんなものを有機的につないで全体としての立派な輸送体制ができるということが望ましいと思うわけでございまして、これからの空港の整備計画につきましてもぜひ、国際も大事だけれども、国内も大事だ、両者を適当に有効につなぎ合わせていただくという見地から、ひとついろいろの御施策を御検討いただきたいと思うわけであります。
 それからもう一つ、国際観光との関係で、飛行機の能力というのは一番まず正面に来るわけですけれども、現実にこれから国際観光を大いに振興させようと。国際人的交流というのは、やはり商売だけでなくて、日本の基本的な政策として大いに進めなきゃいかぬわけですけれども、飛行機のほかに、私は、日本でそういった外国人旅客を収容するホテル等の設備というものが必ずしも十分
に整っていないところもあるのではないかというような感じがいたします。そういったものを整備することについて、運輸省としては、現状はどうなっているのか、それから、これからはどういう考えで進められるのか、ちょっとその辺についてお伺いいたしたいと思います。
#49
○政府委員(丹羽晟君) お答え申し上げます。
 国際観光関係のホテルにつきましては、国際観光ホテル整備法という法律に基づきますいわゆる政府登録ホテル、それと政府登録旅館というのがございますが、この登録要件に合ったホテル、旅館につきましては、国の方のいろいろな財投とか税制の優遇措置とか、そういったことを講じまして、ホテルの施設の整備を促進するような方策を今講じているところでございます。若干現状の占有率というんでしょうか、そういうものを見てみますと、大都市につきましては割と高い数字が出ております。その辺につきましてはなお一層の促進方を図るという問題があるいはあるかと思っております。
 それからもう一つの問題といたしましては、最近の外客の意向調査みたいなことをいたしますと、少し前と違いまして、いわゆる底廉な旅行ということを志向する方がふえてまいりまして、当然、泊まるところにしましても、あるいは同時にレストラン、そういったような問題もあるんだと思いますが、安い、しかし外客向きな施設の必要性というのが出てまいっております。これにつきまして、国際観光振興会の中に、ペンションとか、外客が泊まれて、なお料金としてはリーズナブルであるという、そういうところのリストを全国から今集めておりまして、それにつきまして、海外においても国際観光振興会を通じて宣伝をしていくというようなことをやろうということで今検討を進めている最中でございます。
#50
○大木浩君 先ほどから申し上げましたように、国際的な人的交流というのは、単に観光という言葉だけで理解されるものだけじゃなくて、やはりこれから大変にふえてくるというふうに思います。そしてまたそれが日本の、国際国家と言っているわけですから、そういった大きな立場からひとついろいろと御検討願いたいということで、ぜひ運輸省におきましても、単に運輸行政ということだけでなくて、関係省庁ともぜひひとつ十分連絡、協議をされまして、この点におきまして将来に向かって遺憾なきを期していただきたいと思います。
 以上をもって、私の質問を終わります。
#51
○矢原秀男君 本題の前に一件だけ質問を申し上げたいと思います。
 既に報道で御承知のとおりでございますけれども、五月二十八日午前十一時十四分ごろ、那覇空港におきまして、全日空機と防衛庁の航空自衛隊機の接触事故があったわけでございますけれども、その被害の概要、わかる範囲で結構でございますけれども、まず御説明をお願いしたいと思います。
#52
○政府委員(西村康雄君) 五月二十八日に那覇空港の滑走路上で全日空機と自衛隊機が接触事故を起こしましたが、その概要を申し上げますと、全日本空輸の八一便、ボーイング747型、JA八一五六機が、これは乗組員が十八名、乗客二百四名でございますが、これが東京国際空港から那覇空港に向かいまして、那覇空港の滑走路十八側、これは北側から着陸をし、減速をしておりましたときに、十一時十四分ごろ、誘導路のE2から離陸を予定していた航空自衛隊の那覇救難隊所属のMU2型機、これは機長外三名が搭乗しておりましたが、滑走路に進入してまいりまして、これを発見した全日空機は回避操作を行いましたが、同機の左側の主翼第一エンジンの下部と自衛隊機の右主翼の翼端部が接触いたしました。この接触事故によりまして、全日空機はエンジンの下部を損傷し、また自衛隊機は右主翼の端部を損傷いたしましたが、両機とも負傷者はございませんでした。
 現在、事故の原因につきましては運輸省の事故調査委員会が調査しているところでございますが、私ども、この事故の大きな問題は、着陸中の滑走路に自衛隊機が非常に不用意に入っていったという点で、非常に大きな航空法上のいろいろな原則を守るという点について遺憾な問題点があったんじゃないかというふうに考えております。今後、この問題につきましては、さらに詳細な調査が事故調査委員会で当事者について行われ、その結果が明らかにされることになると思いますが、私どもからはとりあえず那覇の航空自衛隊に対しまして、こういう運航上の注意をしないことについて、再度こういう事故がないように安全に十分注意するような申し入れをいたしました。また、これからは、関係者に対しまして、航空に関する諸ルールの原則をしっかりと守るように強く要請してまいりたいと思っております。
#53
○矢原秀男君 これは、運輸省関係の管制塔の指示の問題と航空自衛隊の方のパイロットの問題というものが取りざたをされているわけでございますけれども、管制塔からの指示は、一つは飛行計画の承認の許可、それからスポットからの移動許可、その次には滑走路指定の許可、侵入許可、出発許可、こういうことが出てくると思うんですけれども、この管制関係の航空法九十七条の立場からは、有視界の変更については間違いはなかったわけでございますか。
#54
○説明員(小山昌夫君) お答え申し上げます。
 当初、自衛隊機はVFRで出る予定にしていたと思いますが、恐らく天候が悪くなっているというような関係から、スペシャルVFRを要求して出る予定にいたしておりました。これにつきましては、当然そのような場合に要求して、許可があれば出るということになっております。
#55
○矢原秀男君 簡略に質問いたします。
 想定でございますけれども、この図面を見ておりますと、全日空と自衛隊機の接触の場面でございますけれども、これがもし数秒おくれた場合に、想定する搭乗旅客の人たちの災害というものが、これは自衛隊機から爆発をするか、その方が早いと思うんですね、こういう接触でもし数秒おくれてもっと中心で接触しておりますと、そうなった場合、専門的な立場から見て、もしこれが一秒でもおくれてさらに深く接触をした場合にどれだけの人命の被害というものが出ることが想定されるのか伺いたいと思います。
#56
○政府委員(西村康雄君) 今当日の接触の状況について調査中でございますので、実際に接触時の両機の関係は、今のところ想像でするしかない段階ではございますが、おっしゃるように、自衛隊機の方が時速二、三十キロぐらいで入ってくるとしますと、やはり一秒間で大体五、六メートルというような形で動いてまいりますので、そういう場合にもう少し滑走路の中へ入ってくるといいますと、恐らくこの場合には、非常にこの自衛隊機が小さいものですから、自衛隊機の尾翼の一番高いところもジャンボの主翼のはるか下に入っております。そういう意味ではエンジンと接触という事態が想定されまして、自衛隊機が転覆あるいは全日空機のエンジンが破壊され、非常に悪い事態では炎上というようなことが予想されるわけですが、いずれにしましてもこれは単に想像でございますので、実際にあと数秒早ければどうだったかというのは、なかなか再現することは困難かと思いますが、一応そういう、もう少し大きな事故が起きた可能性は十分あったと思います。
#57
○矢原秀男君 航空機というものは一〇〇%の安全をもってよしとすることであって、そういう立場からは、やはり過去のいろんな危険な状況を速やかに対策を講じていくということはこれは論をまたないわけでございます。
 そういう観点から、那覇空港の民間と陸海空の軍民共用の歴史的な変遷をちょっと見ておりましても、非常に心配になってまいりますのは、やはり一つは、年間に離着陸が八万数千に及ぶのではないかなと考えられますし、二番目には、一本の滑走路を使用していることが非常に過密の中で大変だなという問題も起きます。三番目には、三〇%前後が自衛隊機が使用していることも、軍事優先という知らない間に人間的な感覚の中でそういうふうに作用されると大変なことになる懸念、四
番目には、民間機が東京からの大型ジェット機、そして離島便の小型機、また台湾に対する国際線の問題、そういうものの絡み、五番目には、自衛隊基地としての使用という一面、そして六番目には、航空自衛隊の南西航空混成団、そして海上自衛隊、まあ陸海空ですね、ヘリコプター、対潜哨戒機、それからスクランブルや哨戒出動訓練、こういう現況を見ておりますと、これはもう大変な状況が、今までにもやはり注意をしていかなくちゃいけない、こういうふうな論点が浮き上がってくるわけでございます。
 ここで、自衛隊関係に対しまして、防衛庁としては、事故が起きてからどうこうではなしに、こういうふうな那覇空港の過去の事故が復帰後八件起き、そして今回で九件になるわけでございます。また、昨年の五十八年の六月には練習機が炎上して乗員の二名が死傷いたしている。こういう観点の中で、安全確保と事故防止に対して常々これは自衛隊パイロットに対してまず徹底をしていかなければいけない、こういうふうに思うわけでございます。
 そういう意味で、さらに今回の事故を含めて、防衛庁として、本当は長官に来ていただいて再発防止に対しての首脳の考えをまず伺いたいわけでございますけれども、あなたからその見解をまず伺いをするものでございます。
#58
○説明員(上田秀明君) 今回の接触事故につきましては、航空局長の方から概要御説明があったとおりでございまして、事故の原因の調査は航空事故調査委員会の調査を待たないと断定はできませんが、航空自衛隊の方としては、航空自衛隊のパイロットがあるいは管制の指示を取り違えた可能性があるのではないかというような観点から極めて重大視しておるところでございます。
 申すまでもなく、事故の防止、安全対策につきましては、航空自衛隊のみならず、海上自衛隊、陸上自衛隊におきましても日ごろより教育課程の重要な一部として徹底しておったわけでございますけれども、またこのような事態に至りましたので、今回の接触の事故の後、直ちに次のような措置をとったところでございます。
 航空自衛隊では、なかんずくこの接触した機が航空救難団の所属のものでございましたので、救難団隷下の各救難隊、那覇のみならず各地におりますが、指導教育の徹底を図るという観点から、管制基準等の関係例規の教育、再発防止についての検討会、それから基地の管制隊や管制官とのミーティング、教育、それから確実な復唱、リードバックでございますが、の指導、非常に当たり前のことでございますけれども、改めましてこういう点について徹底を図ったところでございます。
 また、那覇には戦闘機部隊としての南西航空混成団が所在しておりますので、この部隊に対しましても、管制指示、許可等に対するリードバック確認、それから基本動作の徹底等につきまして操縦者教育、それから隊長等による訓示を行ったところでございます。
 また、陸上自衛隊と海上自衛隊のそれぞれの航空部隊、それから航空自衛隊のその他の全国の部隊に対しましても、事故防止対策の徹底を図るということでそれぞれ通達等を出しまして徹底を図ったところでございます。
 なお、事故原因の究明は、先ほど申し上げましたように航空事故調査委員会の御調査を待つわけでございますが、航空自衛隊の方でも、部内の航空事故調査委員会を発足せしめまして原因の究明にも当たっております。
#59
○矢原秀男君 どうか人命安全の立場から強力に、今御答弁いただいた事態について実施をしていただきたいと思います。
 運輸大臣に質問いたしますけれども、先ほど、公明党沖縄県本部長の衆議院の玉城議員と私が、自衛隊機の民間航空機への接触事故に関する抗議並びに軍民共用飛行場の廃止要求に関する申し入れをしたところでございます。これは復帰のときに民間専用を公約したいきさつがございます。そして軍民共用の危険性を再三指摘をされ、その改善を提言してきたところでございます。
 そういうふうな中で、先ほどは運輸大臣に四点にわたりまして申し入れをいたしましたけれども、できましたら御答弁をお願いしたいわけでございますが、一つは、今回の事故を含めて過去九回の事故の全貌を究明した内容を沖縄県民の前に明らかにすること。二番目には、原因が明らかにされ、その対応策がきちっとされるまでは自衛隊機の演習は中止をしてほしいこと。三番目には、航空管制のルールが守られていない面があり、先ほども防衛庁からお話を伺いましたので安心しておりますけれども、今後徹底した綱紀の粛正を図っていただきたい。最後の一点は、このままの姿で放置いたしておりますと、事故は再び起こる可能性が非常に濃いわけでございます。大惨事が起こります。そういう点から、その根っことなる軍民共用は廃止をすべきである。復帰時の政府の公約を守っていただきたい。この四点でございますけれども、御答弁をできる面がございましたらその点だけ明確にいただきたいと思います。
#60
○国務大臣(山下徳夫君) 今もお話ございましたように、先ほど私は、先生初め関係各位から陳情、要請を受けたばかりでございます。そのときも申し上げたのでございますけれども、今回の事故、私はかねがね、大臣になりましてから、やはり航空事故というものは陸上の事故と違って死亡に結びつく率が非常に高いということから、とにかく航空機の運航は安全が何よりも優先し、ずば抜けてこれは大切であるということは私も認識し、また関係者も十分わかっておるところでございます。
 したがいまして、ルールを守らなければこれはいたし方ないことでございますが、現在の那覇空港は、たしかキャパシティーからすると十一、二万回可能だと思いますが、現在七、八万回程度ここで離着陸をやっていると思います。したがって、そういう面から見ますとまだかなり余力があるということでございます。ですから、どんなに余力があっても、とにかくルールを守らない、コントロールタワーの指示を誤認したかと今お話が自衛隊の方からございましたけれども、そういうことがあったり、あるいはまたルールを規則どおりに守らなかったり、これは道路交通の法規を守らないで事故が起きるのと同じでございますから、そういうことでもって事故が起こるとするならば、これは飛行場を幾つつくっても私は同じだと思いますし、まずやっぱりルールを守ることが大切でございます。
 しかしながら、先生の御意見はまた御意として大変当然のことだと思いますが、非常に沖縄は国土自体が狭い。したがって、別に求めてそういう飛行場の適地があるかどうかという問題、これも考えてみなきゃならぬし、あるいは、先ほど申し上げました、今後の我が国の飛行場の整備計画も限られた予算で三大プロジェクトを優先的にやらなきゃならぬ。地方空港をどの程度、まあ一生懸命やらなきゃなりませんけれども、そんなような国の予算等と考え合わせた場合に、これを非常に可及的速やかにやれというもしも御意見であるとするならば、私個人の意見でございますけれども、見通しとしてはそう簡単なものではないと思いますが、御意見としては十分承っておきたいと思います。
#61
○矢原秀男君 大臣、那覇空港については最後の質問にいたしますけれども、軍民共用を那覇の場合廃止すべき問題として、米軍基地に併用していくか、そうして二番目には、現在の那覇空港のなだらかな沖合展開する中で、もう一本の滑走路をつくっていって別に分けていくか、これは航空管制の問題、また大臣言われておるルールの問題がございますから、どんなにしたってルールを守らなければ、現在相当余裕があるとも言っておられますけれども、いずれにいたしましてもルールを徹底的に守っていく。しかし、これは人間の操縦することでございますから、非常にまた煩雑、疲労、いろんなそういう人間的な条件の中で、もしこのままで事故が起きれば、これはトップクラスの総責任という形になってくるわけでございますけれども、軍用機を分離するための三つの点を今
申し上げているわけでございますけれども、その点が、試案でも結構でございますけれども、どの方向がいいのかというお考えが大臣にございましたら、もう一回明確にお答えをしていただきたいと思います。
#62
○国務大臣(山下徳夫君) なかなか難しい問題で、私的確にはとても答弁できないと思いますが、何か事故があったときに、自衛隊の飛行機はどっかへ行け、こういう簡単なことで私は処理し切れない。やっぱり自衛隊も国土の防衛という非常に大切な任務を持っておるわけでございますから、したがって、民間と自衛隊と併用している場合に、今申し上げたように、何かあった場合にまず自衛隊がどっかへ行くんだという御意見、そのとおり先生おっしゃっているんじゃないと思いますけれども、例えばアメリカの空港と一緒にどうかという御意見がございましたから、それに関連して実は私も意見として申し上げるわけでございます。
 どれがいいかという、確かに那覇の空港の現状からしますと、羽田沖みたいにもう一本埋め立ててやることも一つの方法でございますが、何分大変な銭金を伴う問題でございますので、理想としては大変結構だと思いますけれども、そこらあたりよく検討してみなければいけないんじゃないか。それよりも、さっき申し上げた、かなりまだ余力があるという点で、さらに管制をどうするかということもあわせて考えるべきではないかと思います。
#63
○矢原秀男君 善処をよろしくお願いをしたいと思います。
 このまた那覇空港との関連でございますけれども、ちょっと全国的に見るわけでございますが、大臣が言われている国防、これも当然で、私、事故が起きたから自衛隊あっちに行きなさいとかそういうあれでなしに、国防も大事ですが、人命安全という立場もこれまた平時においても大事でございますから老婆心ながら言っていることでございます。これは全国的に見まして、過去の事故の一例でございますけれども、これは報道もされておりまして皆知っていることでございますけれども、併用空港でございますけれども、名古屋空港では三十五年三月に戦闘機と全日空機の滑走路での衝突で三人が死亡して八人が負傷しているわけです。
 今私も調べておりまして、軍用機、いわゆる自衛隊機ですね、それと民間機の共用の空港の実態が、もし間違いであればまた指摘をしていただきたいのでございますけれども、まず一つは、民間所管の空港で自衛隊機の乗り入れているところが八カ所あるわけですね。一つは新潟、二番目には名古屋、三番目は八尾、四番目には福岡、五番目は長崎、六番目は熊本、七番目が那覇、八番目が山形、これは回数の序列は別個でございますけれども、八カ所あるわけです。また、防衛庁所管で民間機が乗り入れているところが五カ所。一つが千歳、二番目に札幌、三番目が小松、四番目が島根の美保、五番目が徳島。それから、大臣、私が米軍のところを使わしていただいたらと言うのは、事例が何もないのではないんです。米軍所有基地で民間機が乗り入れをさせていただいているところが一カ所、三沢が東亜国内航空ですか。日本の国内の中に民間優先空港、防衛庁優先空港、そうして米軍所有の基地ですね、これだけの箇所があるんですけれども、これは間違いないですか。
#64
○政府委員(西村康雄君) 今共同使用飛行場の現況につきましては、お話しのとおりでございます。
#65
○矢原秀男君 そこで、那覇空港のように過密で危険性があるな、そういうふうに感じていらっしゃるところは何点ぐらいございますか。局長、今申し上げたところでニアミスがあったところ、それだけでもいいですから言ってください。
#66
○政府委員(西村康雄君) ただいまお話しの飛行場での事故なりニアミス等の関係の資料がちょっと手元にないんですが、今お話しの飛行場の中で比較的交通量の多いのは那覇空港のほか、名古屋空港、福岡空港というところでございますし、また防衛庁の設置している千歳飛行場というものが主な飛行場だろうと思います。
#67
○矢原秀男君 運輸大臣、そういうふうに那覇だけでなしに非常に多くの事例があるわけでございます。そういう意味で、人命安全の立場から、安全確保、事故防止、またこれは自衛隊の陸海空の教育訓練の再検討、再徹底ももちろんですし、また管制指示のさらなる、今回は間違いございませんでしたけれども、名古屋では管制の関係がちょっと悪かったんではないかというふうなこともあったようでございますけれども、管制指示のさらなる明確化、お互いが人間でやっているわけですから、そういうことに対して運輸大臣の確たる御所見を伺いたいと思います。
#68
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほど申し上げましたとおり、今度の沖縄の問題につきましても、コントロールタワーの問題についてさっきお答え申し上げましたとおりでございまして、技術のことは実は私もよくわかりませんが、この間成田に行きましたときも、管制真については非常な訓練が日常行われて、まず世界でも冠たる我が国の管制の技術であることを伺いまして、私も所管大臣としてほっとしたわけでございますし、あるいはコントロールタワーがいかなる妨害があっても完全であるという、そういう施設の健全性というものもまた今後考えていかなければならぬと思うのです。そういう点では十分配慮してまいりたいと思います。
#69
○矢原秀男君 ひとつよろしくお願いいたします。
 では本題に入りまして、国際観光振興会法の一部を改正する法律案について数点質問したいと思います。
 この提案の経緯、そういう点を見ておりますと、そのうちの一番大事な問題点は、先ほども同僚議員のお話がございましたが、我が国をめぐる国際観光、こういう中で組織、経営の活性化、効率化を図っていきたい、そういう中で、本法律案は、臨時行政調査会の答申等を踏まえて、役員の任命方法及び任期の変更、それから二番目には、日本人海外観光旅客に関する業務の整理合理化等の措置を講ずる中で、振興会の効率化、活性化を図っていきたい、こういうことでございます。そういう中で、法案の趣旨の中には、旅行の安全に関する情報の提供、こういうことが論議をされているわけでございます。この点について重複を避けながら質問をしたいと思います。
 まず、日本人海外観光旅客の安全でございますけれども、私も昨年ちょっと現地でいろいろと担当の人々とお話をする機会がございました。三百五十万人という海外観光旅行者の中で振興会にどういうふうな点で多くの方が相談に来るのか、こういうことでいろいろと四カ所ぐらい現地の方々と向こうでお話を承ったわけでございます。
 これは先ほど同僚議員から御質問があったとおりでございまして、一番困った問題がやはり相談に見えているようでございます。海外での一番ひどいのは、お金も何もないから何とかしてくれとか、あなたはどこから来ているのか、いや行く先がわからない、来たところもわからないという、非常にその担当の事務官の人も困り果てているような状況もございました。だから事故、災害等については、自動車事故が五十九年六十四件でございますが、それから遊泳の事故、それから殺人に関係する事故、それから暴行された事故とか、違法行為については、麻薬関係でいろいろとかかわり合いが出てきた。関税法の問題とか、いろいろと本当にややこしい問題だけが来ているようでございます。そのほか自殺に関係する問題であるとか、病気の関係、そして精神異常の問題、盗難の問題、本当に大変な状況で御苦労だなと感じてまいったところでございます。
 そういうふうな中で、やはり私は、新しく法律改正になった場合に、現状の海外における一年間の予算の中で対応ができるかどうか、向こうで頑張っていらっしゃる職員の立場から見て、過労と予算的なものを非常に心配をするわけでございま
す。そういうような点、こちらの本部としてはどういうふうな細心の配慮というものが、今後これが法律改正になった場合に、いきなり仕事の量が、相談の量が減るとは考えられない。そういう中で大変御苦労になるわけでございますけれども、そういうような点の配慮はどういうふうに感じていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#70
○政府委員(丹羽晟君) ただいま先生のお話しの対応といたしましては、国際観光振興会に対しましては、国の補助金という形で九〇%とか八〇%とかそれぞれの割合がいろいろございまして援助をしておりますが、御存じのような厳しい財政事情のもとでございますので、そういうことが直ちにふえるということは期待できない、それが同時に定員増とかそういったことにも直ちにつながらない、こんな事態かと考えております。
 それで、しかし一方、国際観光振興会につきましては、国の補助金だけではございませんで、民間の関係の旅行業界、エアラインあるいは地方公共団体、そういったところから賛助金という形で資金を入れていただきまして、それで関係の深い仕事をさせていただいておるという面もございます。それで、今後その辺のところにつきまして関係の団体の御理解を深めるようなことを国際観光振興会も私ども運輸省の方も努めてまいりたいと考えております。
#71
○矢原秀男君 その点ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 最後の一点でございますが、アジア太平洋時代と観光政策というものをさらに強力なものに見直しをしていかなくてはいけない、政策の充実というものが考えられると思うわけでございます。州別の訪日外国人の推移を見ておりましても、向こうでいろいろと活躍をされますから、日本の紹介等でふえてくるわけでございますが、アジア州が五〇%近くで非常にふえてきている。北アメリカ州が二七%ぐらいですか、ヨーロッパ州の方からは一七%。また主要な国籍のデータを見ておりましても、訪日の外国人数というのは、アメリカが一番でございますけれども、その次が台湾、韓国、イギリス、こういうふうにずっと並んでおりますし、また外人の方々の日本の観光に対する魅力というものも見ておりますと、第一位が日本人とその生活、二番目が近代性というもの、三番目が神社仏閣、四番目が自然、五番目が買い物、こういうふうに日本に対しての非常な興味も示しているわけでございます。
 そういう中で、やはりアジア関係から非常に日本へ多くの人々が見えております。そういうわけで、これはアジア太平洋時代を迎えての観光政策の充実という面もさらに考えなくちゃいけないと思っておりますけれども、この点について運輸大臣から一言御答弁をお伺いしたいと思います。
#72
○国務大臣(山下徳夫君) 最近よく大西洋から太平洋の時代へと言われておりますとおり、やはり太平洋を中心あるいはASEAN地域を含めた近隣諸国との往来が非常に多くなってきておることはおっしゃるとおりでございます。ついこの間まで台湾は旅行ビザを発行しておらなかったのが、今や一番ですか、最も日本に来る観光客として、そういう比重を占めておるということでございます。ですから、成田はもう既に千百万人、ターミナルビルを早速改築しなきゃならぬ。よくそれを分析してみると、やっぱりアジア地域からの激増が一番の原因でございますから、私はこれは非常にいいことだと思っております。
 一つには、やはり何といったって日本と同じ東洋人で相似通った点が多いということであり、今後も、旅行に要する経費という面から見ても、近いところですからだんだん比重はさらに大きくなって、割に平易に旅行できるという面から見ても私はふえてくると思いますから、それに対応する我が国のアジア、こういう国々に対する観光政策はもっともっと重点を置いていかなきゃならぬ。今度観光協会の海外事務所、ホノルルから一つはソウルに移したということも、私どもはそういうふうにこの地域に重点を置きかえているという一つの証左であろうと思いますが、さらに向こうからいろんな人々を呼び寄せてもっと深く理解してもらう、我が方からもまた大いにひとつ出向いて日本のよさというものをわかっていただくというふうにさらに力点を置いて、日本の認識、そしてまたたくさん来ていただくように、何といっても人と人との交流が一番役立つと思いますから、おっしゃるとおりだと私も同感でございますし、力を入れてまいりたいと思います。
#73
○小笠原貞子君 今回の法改正の内容の一つといたしまして、第一条の目的というものが改められて、安全に関する情報の提供に限る、こういうふうになっているわけでございます。本来的には在外邦人の安全保護という問題は外務省が責任を持ってやるべきである、それ以外の情報の提供サービスは振興会が行うというのが筋だと考えているわけでございます。しかし、衆議院段階、そして先ほどからのお話を伺っておりまして、窓口で安全以外の問題は話ししないよというのではなくて、やっぱり今までどおりの内容で十分なサービスもしたいというふうなことであったと思います。それでは本来的に内容がここで変わるというものではないというふうに認識していいと思うんです。
 その点と、それから、安全対策に絞ることになったから、この前の改正のときに五人ふやしていただいたわけですけれども、今度絞るんだからということであるいは人数が減らされるのではないかというような心配もちょっと伺いました。そんな心配は私はない、当然必要な人員は確保されて減らすということはないというふうに思うんですけれども、この二つの点について簡単にお答えをいただきたいと思います。
#74
○政府委員(丹羽晟君) お答え申し上げます。
 第一点の安全に関する情報の提供という問題でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、これは国際観光振興会の業務の範囲の線引きでございまして、そういうところで業務としては行わない、こういう形に法改正後はさせていただくことになるかと思います。それで、先ほど来国際観光振興会の会長も、私も、それだけのことではございませんで、現地の実際の窓口の対応の問題につきましては、法改正後直ちに右から左に、きのうときょうの違いというような形がしにくいという問題も実際問題としてはあるやに思っておりますので、その辺の対応につきましては、業務ということではないにしろ、柔軟な対応をしたいというようなことで考えております。
 それから第二点の人数の問題でございますが、先生御指摘のように、五十四年の法改正をお認めいただきました結果、これは定員ではございませんが、現地で採用する、この仕事を担当する方として五人という人数が出てきております。この問題に関しましては、先ほど私がこの業務をどういうふうに考えていくかということの御説明を申し上げた際に申し上げましたように、間口は狭めて奥行きを深める、そういう意味での効率化を図るということがまず第一の考え方でございますので、当面は予算にしろ人員にしろ今の枠の中の話として考えていき、その結果、提供する情報の内容の充実とかそういったような形での効率化が図られるということを考えておりますので、当面は今の現状を考えておりますが、一般的な話としまして、今後の業務の推移とかそういったようなことに関しまして実態がいろいろと変更するということは当然考え得る話でございますので、その際にはそのようなことで対応せざるを得ない、こんなようなところでございます。
#75
○小笠原貞子君 それでは具体的に問題を伺っていきたいと思います。
 通訳案内業者、この前の改正のときにも伺ったわけでございますが、通訳案内業者という方々は大変厳しい試験を受けておられる。そして、まさに今日本の具体的な姿を知ってもらうという、紹介する民間外交官だというふうな評価もされていると思うわけです。ところがその待遇がどうなのかといいますと、非常に長時間労働でもあり、収入は低い、年間三百万ないし四百万と、だからなかなか若い後継者が育たないということで、私五
十七年にも質問いたしまして、待遇の改善をお願いいたしました。それから大分経過をしておりますので、今回この法案についてまた一体どうなっているだろうと伺ってみたところ、よくなっているとは言いがたい、むしろ厳しくなっているというふうな実情であるということを伺ったわけなんです。
 そこで、本当に具体的な民間外交官としての役目を果たしていらっしゃる方々に対して、やっぱりどういう待遇をしてどういう効果を上げるかということが大事な問題点なので、具体的にどういう対策をこの前お願いをいたしましてお立ていただいたか、ざっとお答えをいただきたいと思います。
#76
○政府委員(丹羽晟君) ただいまのガイドのお話でございますが、先生の御指摘のように、ガイド試験という大変難しい試験を合格されて、それで都道府県知事の免許を取られて業務を開始したという形になっている方々が、国際観光の現場では大変力を発揮されていただいているというふうに理解しております。このガイドの関係のことにつきましては、二つほど団体がございますけれども、その団体それぞれがいろいろとガイドの研修とかそういったようなことに力を注いでおりますし、私どもも、そのうちの公益法人の団体につきましては船舶振興会の補助金がそれに対して出せるような、そういったあっせんをしております。
 それで、現実のガイドの方の報酬の伸びみたいなことを私どもの方で調べたものがあるわけでございますが、ほかの民間の方々の報酬の伸びよりも若干上回った形で最近は伸びているというふうな形で理解しております。今後ともいろいろとそのガイドの方々の対応につきましては、私どもの方としても実情を把握しながら適切な対応をしていきたいと考えております。
#77
○小笠原貞子君 いろいろとおっしゃいましたけれども、保護、助成、育成のための政策というのは具体的に余り成果を上げられてきていない、やってくださっているつもりでいらっしゃろうけれども。
 ということで、具体的に伺っていきたいんですけれども、一つには、国家試験の新規合格者ですね、合格なすった方々に新人研修の実習というものを私はぜひしていただきたい。一般に社会的にその重要性を認められた職業、例えば、難しい試験だと前申し上げましたけれども、弁護士試験だとか医師試験だとか大変難しい。競争倍率によれば、この通訳の方々の試験も大変難しい。そして通訳というのは、単に物をしゃべればいいというんではなくて、時々刻々進歩発展していく日本の現状を正しく紹介するということになれば、当然ここのところでいろいろ勉強、研究しなければならないということなんですね。そこで、そういう方々に対して国の費用で教育をしてもらいたいということが要望ですし、私は、国を紹介するんだから、それくらいしっかりした教育、高い教養を持って当たってもらいたい、そう思うわけなんです。
 通訳協会の方で新人研修というようなものが行われているというふうに伺いましたけれども、日数は五日間だ、こうおっしゃっていましたし、その協会に任せるというんじゃなくて、日本の民間外交だというふうに位置づけしてくだされば、当然政府の立場でやっていただきたいなと思うのが第一点です。
 私の時間が四十四分までしかございませんので、ちょっと質問をくっつけていきたいと思いますが、その方々のために、今言ったようなしっかりした教育というものを国の責任でやってもらいたい。それについてのお考えをまず伺いたいと思います。
#78
○政府委員(丹羽晟君) ガイドの方々に対します研修の問題につきましては、先ほどの答弁の中で若干触れましたけれども、試験の内容は何も外国語だけではございませんで、日本の歴史とか地理とか現在の経済状況のような問題まで含めた形で試験を合格されておりますので、そういう意味では極めて高いレベルの方々が集まっていらっしゃるのかと思いますが、それ以降の問題につきましては、まずは、合格された、そして免許を取られた方々に対しましてのいわゆる新人研修と申すのでしょうか、こういうことにつきましては、先ほど申し上げました二つの団体とも行っているわけでございます。その一つの団体の方につきましては別途公益法人の方からの補助金が出るというような形で、私どもの方としてもいろいろとあっせんその他のことを考えているわけでございます。
 それから、いわゆるブラッシュアップというんでしょうか、一たんガイドになられてから何年もたたれてきますと、若干現状との乖離が出るという問題がこれはこれであるのかと思います。この問題につきましても、公益法人の方の団体のその方々につきましては、相当前からそういうブラッシュアップの研修も続けられているということになって、今の段階におきましては、こういう厳しい財政事情のところでございますので、私ども国の方として直ちに補助金を出すとか、そういったようなことはとり得ない形になるかと思いますが、こういう団体の研修、両方の団体ともでございますが、私どもとしてできるいろいろな、私どもの職員がその研修の場に行っていろいろと情報を提供するとか、そういったような助言とかという話につきまして、できる限りの手を打っていきたいというように考えております。
#79
○小笠原貞子君 確かに、いろいろと試験の科目があって、そしてそれにパスされたんだから相当な高いレベルであろうということは私もそのとおりだと思います。新規の場合にはそれで、今度今までやっていた方というのは、もう日進月歩の世の中だから、私が言いたいことは、だからそういう今までやっていらっしゃった方についても、新しい今日本に、ただ富士山を見たいというような人だけじゃなくて、やっぱりビデオとかコンピューターとか、日本の今を知りたいというような方のためには、今までガイドについていらっしゃった方に対してもその実態がわかるように、今それをわからなきゃならないから一生懸命勉強していらっしやる。その費用が大変で、やっぱり全部個人持ちで勉強なさっていらっしゃるというのは、収入がさっき言ったように大変低い中ですから御苦労かけているわけでございますので、この辺は大臣もお聞きいただいて、新規の方、そして今までやっていらっしゃった方、そして本当に日本の実情を正しく紹介するというその大事な役目をしょっていらっしゃる方なんですから、それについての御配慮をお願いしたい。
 大臣としてはそういう問題についてどういうふうにお考えになるか、大臣から再度お答えをいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりでございまして、十分その点は配慮してまいりたいと思います。
#81
○小笠原貞子君 それからもう一つガイドの問題で、この前もやったんだけれども、無免許ガイドというのがありまして、結局こういうガイドになる方たちは、本来ならば、さっき言った難しい試験を受ける、そして都道府県知事の免許証というものを持って、そしてそういう高いレベルのガイドでなければならないのに、具体的には無免許営業というのがいっぱいあるということ、この前も指摘をいたしました。罰則規定があってもこの規定が適用されたことは一度もない。これはなぜかというと、なかなか現認をして捕まえる、聞くということが難しい。確かにそういうことだろうと思います。しかし、ガイドの役目というのは非常に大事な役目でありますので、ただしゃべれる、その辺ちょっと通訳できるなんということで日本を正しく私は紹介できないと思うんです。
 そういう意味で、具体的に伺ってみますと、いろいろと目に余るところがあるというので、ただそれだけではわからない、どういう問題でどういうところが問題なんだというふうに具体的に伺いました。それは三つの組織があるわけですね。オルビス・インターナショナルスペイン語センターというのと、サミット・サービスというのと、エコール四谷国際ツアーコンダクターという三つの
組織の中で、非常に無免許の通訳さんをたくさん使っているというようなことで大変困っているということを伺いましたので、この点について、具体的に私三つ名前を挙げましたので、警察庁、そして運輸省として、これについて一体どうなっているんだということをお調べもいただきたいし、行政的に御指導もいただきたい、そう思います。いかがでございましょうか。
#82
○説明員(上野治男君) お答えいたします。
 私ども、この業界の実態を必ずしも十分承知しておるわけではございませんけれども、おっしゃるような無免許の通訳がたくさんいるだろうということは想像にかたくないところでございます。
 従来から私ども、この種の通訳案内業のような特別法の場合につきまして、前々から、この法令に違反するから直ちに警察が取り締まりをする、捜査をするということは通常はいたさず、むしろ、それぞれの主管の省庁がございますので、それぞれの省庁でいろいろお考えいただき、そこの御判断あるいは行政措置をもっては対応できないようなもの、一般的にありますのは、非常に悪質性が高い、反社会性が強くて公共の秩序を害する、あるいは一般市民の権利を侵す、そういったものを重点的に取り締まるということを従来やってきましたし、今後も同じような取り締まりの方法でもってやっていきたいと思っておる次第でございます。
#83
○政府委員(丹羽晟君) 無免許ガイドの問題につきましては、私どももいろいろなことをやってきております。外国の方を日本の国内で御案内するときに、旅行業者がいろいろと手配するというようなことが当然考えられるわけでございますが、まずは、その旅行業界に対しまして、無免許のガイドを使うようなことがないように、そういうようなことを指導いたしておりますし、その団体が、日本旅行業協会というのがございますが、そこのいろいろなそういう対策を行っております委員会とか、そういったような場においても、私どもの担当官が出向いてそのようなことを指示いたしております。
 それで、最近ガイド試験を国際観光振興会が試験実施事務をとることとなったわけでございますが、その際に、現在の法律上の免許権者でございます都道府県の知事さんの方にも私どもの方から書面の連絡をいたしまして、今後ともガイドの実態把握、そして無免許のような事態が起こらないように十分注意していただくようにお願いしているような次第でございます。
#84
○小笠原貞子君 今三つ具体的に挙げました。それは私どもがずっと調べて、相当悪質ではないか。それは一回や二回じゃなくてそういうものをずっとやっているということは、やっぱりこれは相当厳しく行政指導をしていただかなければならないと思うんです。
 私がこう言いますのは、通訳さんだけの立場に立ってこういうのを抑えてくれというんじゃなくて、やっぱり一番大事なことは、正しい日本を紹介しなきゃならない人たちなんですね。だから、通訳さんの要求であると同時に、国としてそこに対する厳しいきちっとした姿勢でもってやっていただきたい、そう思うわけなので、きょうは具体的に名前を挙げました。ですから、具体的にお調べいただいて、しかるべき措置というものをやっていただきたいと思います。大臣、当然のことだと思うんですけれども、いかがですか。
#85
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりでございまして、港に入るときの水先案内みたいなもので、大変大切だと思っております。十分御趣旨を尊重してまいりたいと思っております。
#86
○小笠原貞子君 もう時間がなくなりましたので、最後に伺いたいと思います。
 この組織を考えますときに、この役員人事が、いわゆる騒がれております天下り、出向が非常に多い、一向に改善されないで続いている。関係者の間では運輸省の天下り先だと呼ばれている。そういうことなので、私具体的に役員の名簿など役職をずっと調べさせていただいたわけです。そうしますと、国際観光振興会の役員、会長以下七人のうち六人までが天下りになっております。ただ単にその年に天下りになったというだけではなくて、会長のポストは例えば運輸省、それから今度理事の中では大蔵省だとか自治省だとかというように、七つのうち六つのポストが天下りで、そのポストが非常に世襲的になっているということで私はちょっとびっくりいたしました。お考えいただかなければならない、そう思いました。それから今度次長というのがございます。この次長は十四人中八人なんです。それから部長というのは六人中四人までが天下りである、運輸省とか大蔵省とか。こういうことなんです。
 そして、今度は各省からの職員というものを調べてみました。そうしますと、先ほどから話が出ておりました海外事務所というんですか、その海外事務所が十六ございました。この十六ございました中で、所長十六名中四名が運輸省なんですね。所員十八名中八名が運輸省、大蔵省、それから自治省と、こうなっているわけなんです。非常に占める割合が多い、こういうことが一つの問題点なんですね。それから、出向していらっしゃる方というのは、これは例えば運輸省とか大蔵、自治、国鉄というところから出向して、大体二、三年で出向だからお帰りになる。二、三年こういうところへ出向して海外に行くというのは一体何なんだと。そうすると、海外の事情を知って、そして語学堪能になるためには一番出向がいいと。こんなことをやられたら本当に振興会としてはちょっと問題だと思うんですね。国鉄にしても運輸省にしても、必要な海外事情やそれから語学堪能というのは自分のところの役所で金を出してやればいいことで、国際振興会から金を出してもらって、ついでに出向して勉強してこい、これはちょっと虫がよ過ぎるんじゃないかということを私考えざるを得なかったわけなんです。
 そういうふうに、役員の七人中六人だという、いろいろ今挙げました例を見ますと、民間活力でみんな職員頑張れなんて言ったって、上の方がみんな天下りで押さえられまして、そして先ほどの梶本さん、なるほどなと思って見たんだけれども、月給は九十一万九千円なんて、これ全部出ているわけです。そうすると、大事な役員や何かが上から入ってきて、そして月給をたくさんもらって、下の方に民間活力で頑張れなんて言ったって、これはちょっと私は無理ではないか。こういう点については、今まで天下り問題が方々の各省庁で言われておりますけれども、この振興会に関してもこれと同じ、いやもっとひどい例だというふうに伺いましたので、これについて大臣の御所見、そしてどういうふうにお考えになってどうなさろうとするか、それを最後に伺って終わりたいと思います。
#87
○国務大臣(山下徳夫君) 今初めてそういう実数については私もわかったわけでございまして、何ともお答え申しようがございませんが、よく私自身も知った上でひとつ善処しなければならぬと思いますので、少し勉強してみたいと存じます。
#88
○政府委員(丹羽晟君) 若干大臣の御説明を補足させていただきます。
 国際観光振興会は、御存じのような、我々インバウンドと言っておりますが、外国の方を日本の実情をよく見ていただくために誘致する、こういうことを主力の仕事としておりますので、そういう仕事に合う適材適所の配置をするということが必要かと思っているわけです。
 それで、役職員の選任に関しましても基本的にはそう考えておりますが、その際に、今の運輸省なりその他の役所あるいは国鉄、そういったあたりからの出向の方々ということが現在御指摘のようにございますが、そういう場合でも、国際観光振興会プロパーの方々の活躍の場を狭めるというふうなことができるだけないように配慮しながら考えておるわけでございます。例えば、海外の事務所の職員に関しましては、この振興会法が三十九年に成立しました以降の話でございますが、四十二年ぐらいの段階では、その当時は各省からの出向の方が大体二十三人いらしたんですが、今の時点ではそれがその約半分ぐらいになっておりま
す。そんなようなことで、私どもの方としても、先ほど申し上げたような、プロパーの方々の働く場を一概に国なり何なりの関係で占めるというようなことを考えているわけではございませんので、御了承いただきたいと思っております。
#89
○小笠原貞子君 前よりよくなったなんて言ったって、今の問題としたってよくないんだから、大臣のおっしゃったみたいに、しっかり具体的にお調べになって対処していただきたいと思いますよ。
#90
○伊藤郁男君 振興会の果たしてきた役割、これから果たすべき役割の重要性を認識しておるわけですが、今までの議論を通じまして少し気がかりな点をまず最初に御質問を申し上げるわけです。
 特に外国に出ていく日本の旅行者がこの十年間に相当多くなっております。間もなく五百万人にも達しようということになっておるわけです。そこで、振興会として、安全な楽しい旅のためにということで十一種のパンフレットをつくられている。今度は業務が、安全を中心にということになりますので、パンフレットの中身も恐らく変わってくるとは思います。思いますが、先ほどの大臣の発言でちょっと気がかりになりましたのは、外国に出ていく日本人観光客のマナーです。特に、スープを音立ててすすってはならぬとか、そんなようなことについて、何も政府が金を出しながら政府のパンフレットの中でそんなところまで今さら書かなくてもよろしいというような発言もございました。
 私は特に心配なのは、最近東南アジアに行く日本人が多いわけですね。その日本人の行動を見て東南アジアの人々の日本人観ができ上がってくると思うんですね。そういうことを考えますと、東南アジアはそれぞれの国によって宗教も違うし習慣も違う、それからさまざまな宗教を通じての迷信もあるということですから、例えば日本人が日ごろ何げなく日常の中でやっている習慣も、向こうに行けばそれが大きな問題になることもあるわけです。例えば子供の頭をなでると、何だか大変不浄な手でなでられたということで大変反発を感ずるとか、あるいは左手で握手してはならぬとか、いろいろな習慣、迷信その他がたくさんあります。そういうことに対して、やはり日本人の観光客に対して、その国の習慣あるいは迷信に基づくさまざまな日常の事柄、そういうものをしっかりやっぱりパンフレットなどに掲載をしてやっていかないと、いたずらな間違った日本人観ができ上がってしまう、それが日本の外交面にも大きな影響を与えてくると思います。
 したがって、私はマナーという表現で言うことはどうかと思いますが、そういうことが極めて重要だと思っているわけです。特に、東南アジアの日本人観というものはどんなものだろうか。私は余り行ったことがありませんので本その他を見て判断する以外ありませんが、実はこれは「正論」に載りました、これはサンケイ新聞の、八年くらい東南アジア各地に住んだ人の書いたものがありますが、東南アジアの日本人観というのは我々が考えているようなものなんじゃありませんですね。結論的に言えば、ここにいろいろなことを事例を挙げて書かれておりますが、東南アジアの特に上流階級というか、エリート階層の日本人観というのは大変悪いですね、日本人に対して。こう書いてあるんですよ。「日本人は世のマナーもわきまえぬいなか者であり、群れなければ何もできぬ子供である」「そのあたりが東南アジア地域の人々の対日本人観の本音とみてまちがいなさそうである。」こう書いてある。
 今、シンガポールやマレーシアは東方政策ということで、日本を見習えというようなことを政府自身が主張をしておりますけれども、日本を見習えなんと言われますと日本人はすぐ自尊心をくすぐられますけれども、しかし、そういうようにマレーシア、シンガポールの政府が幾ら日本を見習えと、こういうようにかけ声をかけましても、優秀な青年たちは、あんな日本人を見習えるかということで、全部優秀な人間は欧米に留学していってしまう、そういうことも書いてあるわけですね。だから、先ほども言いましたように、マナーというのですか、国の習慣、そういうものを熟知しながら日本人観光客が対応しませんと国益を損することになる。したがって、そういう面の、これがまた直接的な安全につながってくるわけですね。我々が何げなくやっていることが向こうでは大変な重大な問題だと受け取られる、そこから殺人が起こったりけんかが起こったりするわけですから。これも直接安全に私はつながってくると思いますので、そういう面にもっと力点を置いて宣伝パンフなどを作成していただきたい、こういうことが第一点でございますが、その点についてのお考えをいただきたいと思います。
#91
○国務大臣(山下徳夫君) 私、マナーについて一、二例をとって今御指摘いただいたのでございますけれども、おっしゃるとおりだと思います。
 ただ、共通したテーブルマナー等は簡単でございますけれども、例えば表現、今おっしゃった指の動かし方一つによっても、私自身が、私も今日まで七十三カ国回っているんですよ、それで方々でこっそり注意を受ける。そんな指の使い方をすると非常にエッチにとられますよとか、いろいろあるんですね。ですからそういうことを全部テキストとしてやると大変なことだと思いますが、おっしゃるとおり、おおよそのことはやっぱり認識してもらう必要がある。そのために、この振興会が持つ任務もまたそれはあろうかと思いますけれども、振興会の限られた予算の中で、限られた人員でいかに効率的にやるかという面から御検討いただいておるわけでございまして、先生のおっしゃるとおり、私はもう人一倍各国に行きまして、特に経済援助で行ったから、日本の国会議員で初めてですよという国にたくさん行っているんですが、そんなところに入っていけばいくほど全くもういろいろ恥をかいたりするわけでございまして、この点はひとつよく承っておき、また今後のことに資したいと思います。
#92
○伊藤郁男君 その点ひとつぜひ、極めて重要な課題だと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それから、これは国内の問題ですけれども、最近、アメリカから来る人にかわりましてアジア州から来る人が大分この七、八年ふえてきているわけですね。だからそういう意味で、国際観光政策というんですか、それも当然変わってきていると思うんですが、アジア州から来る人がだんだんふえてきているという状況の中で、どのように政策を変えてきたのか。例えばパンフレット一つをとりましても、英語中心の案内パンフじゃなくて、中国語だとか韓国語だとか、こういうところも大分つくってこられているようでありますけれども、もっと多角的に案内パンフみたいなものがつくれないのかどうかということも含めまして、そういう状況に対応しながら政策をどういうように変えてきたのか、今後の対応はどうなのか、その点をお伺いします。
#93
○政府委員(丹羽晟君) ただいま先生の御指摘のとおり、日本へおいでになります外客の方々は、今は大体年間に二百十一万人ぐらいお見えになっているわけですけれども、そのうちアジア州のシェアというのは、まだ半分は超していませんがほぼ半分、こんな感じになってきておるわけでございます。ちょっとさかのぼりますと、四十年代の特に前半の方はアメリカ州が中心であったということでございまして、そちらが半分というような感じだったわけですが、それが近年は逆転してきたという形になろうかと思います。
 それで、当然私どもの方といたしましても、そういう時勢にミートするように国際観光振興会の指導をしておるわけでございますけれども、今先生のお話のように、宣伝の一つの大きな武器でございます、年間二百万部をつくっておりますそういうパンフレット類の中に、アジアの言語というのをできるだけ入れていくということを今現にやっておるわけでございます。それで、これからもそういう事態につきまして、新しい言葉を入れられる余地が出てまいりましたらばそういう方向の対応をいたしたいと思っておりますし、それか
ら、アジアの事務所は今現在は香港とそれからバンコクと、この二つでございますけれども、ことしの暮れにはソウルの方に事務所を開くとか、アジアからおいでになる外国の方のそういう趨勢に対応することを今までやってきておりますが、これからもそういうことを強化していきたい、こんなふうに考えております。
#94
○伊藤郁男君 次に、今は外国から来られる人たちの総合案内的な事務所というのは京都と東京とそれから成田と三カ所ですね。ところが、日本に来られる人々は、最近は、東京だとか大阪だとか京都中心から、できるだけ地方をもっと見たいという希望もかなりあるようです。だから、問題は地方の受け入れ態勢をかなり範囲を広げて充実していかなきゃならぬ、そういう趨勢になっていくと思うんですが、この点についてはいかがでしょう、対策。
#95
○政府委員(丹羽晟君) 先生御指摘のとおり、国際観光振興会の調査によりますと、今の日本においでになる外国の方の御希望を聞いてみますと、日本に次に来たときは地方へ行きたい。現状はまだ東京とか京都とか大阪とかというところのいわゆるゴールデンルートが中心になっているわけでございますけれども、次に来るときはという話をお聞きしますと、北海道とかそういった別の地方の話が相当大きなウエートで出てまいっております。
 それで、当然こういう志向に対しましての対応を考えていかなければならないわけでございますけれども、今の情報提供の話につきまして、国際観光振興会は現在振興会自身の旅行案内所は三カ所しかございませんけれども、これを、地方の国際化を目指すそういう都市の地方公共団体といろいろとお話しして、地方それぞれの場所の観光案内所、これは地方公共団体それ自身と、それから公益法人である地方の観光協会と両方あるわけでございますが、そういうあたりに外国のお客さんが見えても、一応の外国語で応対できるようなそういう旅行案内所みたいなのをつくってもらうことを振興会自身はやっておりまして、これを「i」システムと言っておりますけれども、インフォメーションの「i」をとっているわけです。それで、先ほどの国際観光振興会の三カ所の事務所とネットワークをとりまして情報提供をやっていくとか、あるいはいろんな低廉な宿泊施設の関係というのも地方へ行けばいろいろ出てくる形になるのかと思いますが、
   〔委員長退席、理事梶原清君着席〕
そういうところの宿泊とかレストランとかいう関係の管理者の方とか従業員の方々に対しまして、振興会の方も講習会を開いて、簡単なことであれば対応ができるようなそういうような講習をやっていくとか、あるいは今これは観光政策審議会で御議論いただいておりますけれども、去年の三月に提言がございまして、国際観光モデル地区というのをいろんな地方に考えていって、そこでモデル的な外客接遇ができるような地区をつくっていく、こんなような考え方が出ておりますが、それを受けまして、同じ審議会の中でもう少し具体化についての御検討をいただいております。そのほか、国際会議場に関します地方との連係プレーとか、いろいろできることはやっておるというのが今の段階かと思っております。
#96
○伊藤郁男君 外国人を積極的に誘致するには、今言われたように情報の提供、それから施設、それから人だと思うんですね、結局は言語の問題がありますから、そういうことの育成について御努力を願っていることは今のお話でわかりました。
 それから、国際観光モデル地区というものもつくっていこう、このようにここで検討されているようでございますが、この国際観光モデル地区、この指定条件とか、あるいは候補地、そういうものをどのように定めていこうと今の段階で考えられておりますか。大まかなところで結構でございますが、もしお答えができますればその点もちょっとお伺いをしておきたいと思います。
#97
○政府委員(丹羽晟君) 国際観光モデル地区につきましては、先ほど簡単に申し上げましたように、モデル的にいろいろな地方の方が参考にできるようなそういうやり方を、外客の誘致あるいはその接遇につきまして受け入れ態勢をつくっていくということが発想の基本でございますけれども、そのためには、そういう地区につきましては個性豊かな観光資源があるとか、それから、そこでいろいろな事業をする地方公共団体なり民間の方々が、外客接遇といいましょうか、そういう地方の国際化につきまして大変意欲を持っていらっしゃる、現にそういうことを一部やっていただいている、そんなような地区につきましてモデル的な地区指定を行っていくようにというのが基本的な観光政策審議会の考え方であったわけでございます。
   〔理事梶原清君退席、委員長着席〕
それをもう少し具体的な基準でどういうふうにあらわしていくかというのが今現在の問題かと思っておりますので、観光政策審議会の中に国際観光モデル地区構想検討小委員会というのをつくっていただきまして、専門委員の方も加わっていただきまして、少しブレークダウンの議論を今進めているところでございます。できますれば六月なり七月ぐらいの段階で一応の御結論をいただき、それを今度は私どもの方が受けて、具体的な調査を本年度いっぱいぐらいで終えて、それで来年度ぐらいには地区指定というような段取りに進みたい、こんなふうに今考えております。
#98
○伊藤郁男君 それから、最後になりますが、これは労働省の管轄だとは思いますが、最近非常に余暇がふえてきた、余暇の過ごし方も大分変わってきておるわけですが、そういう意味では国内の観光政策というものはこれからも大変重要になってくると思うんですね。一カ所に休日のときにたくさんの人が行って混雑するだけだということではなしに、もっと広範囲な観光地政策というものが当然なされていかなきゃなりませんが、それとこの国際観光政策との絡みももちろんあると思いますが、そこでやはり運輸省だけに余暇対策を任せるのではなしに、運輸省並びに国際観光局としても、労働省と全般的な総合的な観光政策の樹立について私は随時協議をしていかなきゃならない、そういう必要性が生じてきている段階だと思うんですが、この点についてどのようなお考えか。私は積極的にひとつ労働省と話し合っていただきたいと、こう思っておるわけでありますが、その点についての御見解をお伺いして終わります。
#99
○政府委員(丹羽晟君) ただいま先生の御指摘のとおり、労働時間の短縮の方向で考え、それが余暇時間の長期増大というような形につながっていく、あるいは余暇時間につきましても連続していくとか、今後いろいろと余暇の時間のあり方ということにつきましては工夫をしていかなきゃならない問題があると思います。それが観光の振興に大変密接な関係が出てくる話だと私ども受けとめております。
 御指摘のように、労働省といろいろと意思疎通を図っていくということは大変大事なものと考えておりますが、具体的には今後労働省ともよく検討していきたい、こんなふうに考えております。
#100
○山田耕三郎君 改正法案に対する審議がおおむね尽くされましたように思われます。委員会の最終の質問者といたしまして、もう一度振り返ってみたいと思います。
 焦点となっております国際観光振興会は、当初は外国人観光客を誘致をするために必要な業務を行うということで設立をされました。その後におきまして、日本人観光客の増加に対応して一部法改正が行われて、今までの外国人観光客誘致に加えまして日本人観光客の旅行の円滑化に必要な業務をあわせ行う、こういうようになりました。そのようになって今日までの国際観光の振興に大きな足跡を残してこられました。しかし、近年我が国をめぐります国際観光は、来日なさいます外国人観光者、出国をなさる日本人観光者ともに量がふえていきますのに合わせまして、質的にもまたそのニーズが多様化をしてまいる。これらに対応するために、臨時行政調査会の答申をも踏まえ
て、役員の任命でありますとか任期でございますとか、あるいは日本人海外観光旅客に対する業務の整理合理化等の措置を講ずることによって振興会の効率化、活性化を図るためにこの改正案を提出をした、こういうようにお答えをしておられますと思いますのですけれども、そう理解をしてよろしゅうございますか。
#101
○政府委員(丹羽晟君) 先生の御指摘のとおりでございます。
#102
○山田耕三郎君 しかし、この改正案は帰するところ行革の特殊法人の整理合理化から出ておるものであって、おっしゃるとおり、この改正によって国際観光業務のより活性化や効率化を図るような効果が直接生まれるものとは考えられません。
 例えば改正の要点を見てみましても、一つは、業務内容については、日本人海外旅行者のための業務を削除して旅行の安全に関する情報提供に限定をしておられます。もう一つの問題は、役員の任命及び解任につきましては、今までは運輸大臣の行うところとなっておりましたものを、今回は運輸大臣の認可を得て会長が行うということになり、さらに理事の任期も三年から二年へと一年短縮されただけであって、それはそんなに大きな改革とは思われません。さらに三つ目は、経営内容を公開をするということで、これは至極当然のことでありますけれども、以上のようなことによって事業の効率化や活性化が際立って期待をできるものとは受けとめがたいのでございます。少なくとも百名を超す役職員を抱えておいでになります国際観光振興会の事業の効率化と活性化を図られるための施策としては、その思想の単純性を指摘をせざるを得ませんのですが、実際問題として、この法改正によって国際観光振興会の事業の効率化や活性化はどういうようにして図っていこうと考えておられますのか。さらに、これを行うことによって、行革絡みとはいいながら人員が減るわけでもない旨の御答弁がありました。そのように理解をしてよろしいのか、あわせて再確認をさせていただきます。
#103
○政府委員(丹羽晟君) この改正に連動いたしまして直ちに予算、人員というのが減るということではないということは、先ほど私御答弁申し上げました。特に日本人の海外に行かれている方に対する対策の問題といたしましては、間口を狭めて奥行きを深める、こういうところでございますので、今の先生の御指摘のように、予算も人数も当面直ちには減らない、こういう形にはなるかと思います。
 ただ、国際観光振興会は全体の事業規模といたしまして二十三、四億の事業規模を持っておりますけれども、今の法律改正で御検討いただいております日本人の海外旅行をされておる方に対する対策の部分といいますのは、そのうちの一%程度の二千七百万程度の事業費で行っている分でございます。ですからまともに取り組む話といたしましては、外国の方を日本に来ていただく、そのための観光宣伝なり日本側での受け入れ対策なり、そういった事業が中心の事業になっているわけでございまして、そのやり方につきまして現在の時流に合った、先ほどから申し上げていますように、日本へおいでになる外国の方の出国地がアジアがだんだんと重点化してきたというようなことに対する対応とか、そういうやり方を効率的にやっていくという話が中心かと思っておりますが、その限られた一局面がこの法律改正の形としてあらわれているのではないかというような感じでおります。
#104
○山田耕三郎君 私は、この法改正が行革絡みの問題もさることながら、貴重な国費を投じていくのですから、もう少し業務内容の本質的な変革をお考えになってはいかがかと存じます。しかしながら、先ほどまでの審議の中での御答弁を聞いておりますと、特に相談業務等におきましては極めて複雑なものがあり、極めて多岐にわたるものがあるようでございまして、その御苦労のほどが察せられます。私自身の考え方も直してみなければならない面もありますとは思います。しかし素人の私見として一つだけ申し上げさせていただきたいと思います。
 その内容は、外国の観光客誘致の問題でございますけれども、今日までの経過はどうしても大都市志向的の発想の固定化を来しておると思います。例えば、海外宣伝事務所は十六カ所にそれを構えておいでになりますけれども、それらは主としてヨーロッパ圏、アメリカ圏、さらには東南アジア、こういったところにございます。その地域は経済力も大きくございますし、住んでおります人間もたくさんおいでになります。そういう状況、及び日本人旅行者も比較的集中するところからその選択も当然かとは思われますけれども、この事業が発足をいたしましてから既に相当年数を経過をいたしておりますことから見ますと、宣伝もかなり浸透をしておるのではないか。
 さらにまた、この地域には在外公館もありまして、旅行客に対する安全でありますとか情報の収集とかの機会は非常に恵まれておるところであります。その上、日本企業の海外事業所もあり、そういったことから在留邦人もまたおいでになるところであります。けれども、今申し上げましたように、経済的にもあるいは人口の密度からいきましても、あるいは日本人旅行者の志向からいきましても、ここを度外視することはできませんけれども、ここだけでなしにまた別の面へも配慮をしていただいたらどうか、このように思っております。
 私は先年、インド洋に浮かびますセイシェル共和国というところとの友好を求めて、日本セイシェル協会をつくり上げ、その国を訪れました。そのときにもたくさんの観光客が見えておりましたが、この国は二百年前にはフランスが占有をし、その後イギリスが宗主国となって、十年前に独立をいたしました。総人口わずかに七万弱という小国であります。けれども、誘致をします客は人口の二倍を超えておりますというところであり、主としてヨーロッパ圏からの来客でありますけれども、アフリカ圏に住む白人でありますとか、その当時は北欧からの観光客も非常にたくさん見えております。そして、これらの人々はいずれも日本に対しまして深い関心と大きな期待を私にさえ示しておりましたのでございますけれども、この国がたまたま地球上の要衝にありますということから、当時は、アメリカはもちろんのこと、ソ連でありますとか中国でありますとかはここに大使館を置き、ノルウェーでさえが総領事館を置いておったように記憶をいたしておりますのでございます。
 もちろん日本との国交はございます。そして外務省は、中近東アフリカ局アフリカ第二課がこれを担当をしておいでになります。我が国の成田空港からは週一便ではありますけれども、BA、ブリティッシュエアウエーズが航空路を持っておりまして、現地には日本の旅行社であります株式会社ヴィーヴルが駐在員を一人置いております。この人が唯一の在住日本人でございました。こういったところへ参ります日本人は直接セイシェルへの目的の人が一つと、もう一つは、アフリカのサファリの観光を兼ねて、その帰り道に、地球上最後の楽園というキャッチフレーズに引かれて訪れられる方々でありましたけれども、この二手の観光客がありますようでございます。私のような立場の者でさえが、滞在中はアメリカ大使館の代理大使が接触をしてこられたような事実からいたしまして、いろいろ複雑な問題があるようには思いますけれども、観光の地としてはこれは非常によいところであります。海に入りましても、ノーシャークといってフカはおりません。陸にはノースネークといって蛇はおらないということであります。
 そんなときに私は思いましたのですけれども、日本人の観光客が顕著にふえている中で、これらの安全を図っていき、さらには諸外国が情報収集のために多額の経費を投じて在外公館を置いておる。たった一つでもこういうところに何らかの公的機関あるいは準公的機関等の設置があったら観光客も心強いであろうし、その他の面にも裨益をするところがあるのではないか、こういったこと
を考えたことがございます。
 今は一例を申し上げましただけで別にこのセイシェルに特定をするわけではありません。確かに大都市を志向していただくのも結構なことでありますけれども、国民的ニーズが多様化してきたということを提案にも強調をしておいでになります。そういう観点からいたしましたら、そのニーズにこたえた施策も当然必要になってまいります。そういったことを今後の振興会の運営の方針にまた生かしていただければというようなことを、素人としてではありますけれども思いついております。それらに対しての御見解をお願いいたします。
#105
○国務大臣(山下徳夫君) 先生のうんちくを傾けての御意見を私も傾聴いたしておりました。
 セイシェルは同じインド洋に浮かぶモルジブ共和国とともに私の非常に行ってみたい、まだ二つとも行っておりませんが、非常に興味のある国でございます。そのような国は南太平洋にもニューカレドニアとかバヌアツとかフィジーとかたくさんございまして、私たくさん行っておりますが、問題はやっぱり投資効果と申しましょうか、簡単にそういう言葉で言ってかえってまたどうかと思いますけれども、そこに駐在員を置くことによって日本人がどれだけの方が来ていただくかという、そういう面からもやっぱり判断しなきゃならぬのじゃないかと思います。限られた定員でございますからそういう面も考慮しなければなりません。しかし、例えば南太平洋地域であるとか、あるいはインド洋地域であるとか、そういうところのどっかを選んで将来はそういうところにまた配置するということも当然考えるべきだと思っております。
#106
○山田耕三郎君 大臣から御答弁をいただきましたが、最後にまとめてもう一度お願いをいたします。
 私はただいまのとおり申し上げてまいりましたが、国際観光振興会にいたしましても、現下の社会情勢から考えて人をふやすことも難しいと思います。といって減らしては需要に応じることができない。けれども、提案理由の中で強調しておられますように、事業の活性化は必要であります。効率化は何よりも必要であります。だとすれば、現有勢力をもってしてもこれが最大限に能力を発揮をしていただくことであります。だとすれば、マンネリ化は避けていかなければなりません。ただいまも御質問にもありましたように、低賃金がありとすれば、その不満は避けていかなければなりません。あるいはまた、処遇に対する格差が大き過ぎることによっての不満がありとすれば、これはまた是正をしていかなければうっせきをいたします。
 そういうことを含めて、今何よりも必要なこの事業の進展のために、これからもさらに一層御配慮をいただきたいことをお願いを申し上げさせていただき、大臣としての御所信をお願いをいたします。
#107
○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおり、日本は貿易立国の国でございます。いろんな国々と貿易をしながら日本という国を維持しなければ資源を持たない国でございます。そういう意味からしますというと、大小の区別なくそれぞれの国々を大切にするということが一番私は大事なことだと思っております。先生のおっしゃるとおりでございまして、これからもひとつ、小国と言わず、ただ単に効率化だけではなくて、広いそういう観点からこの観光政策は進めるべきである、かように理解するところでございます。
#108
○山田耕三郎君 終わります。
#109
○委員長(鶴岡洋君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国際観光振興会法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#111
○委員長(鶴岡洋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#113
○委員長(鶴岡洋君) 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、九州運輸局福岡陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山下運輸大臣。
#114
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、九州運輸局福岡陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この案件は、福岡県の筑豊地域における自動車の検査及び登録に関する事務の円滑化を図り、あわせて当該地域の住民の利便を増進するため、福岡県嘉穂郡庄内町に、九州運輸局福岡陸運支局の下部組織として、筑豊自動車検査登録事務所を設置しようとするものであります。
 自動車の検査及び登録に関する事務につきましては、従前は都道府県の組織であります陸運事務所並びに陸運事務所の支所及び出張所において行われてまいりましたが、昨年八月に成立いたしました道路運送法等の一部を改正する法律が本年四月一日から施行されたことに伴いまして、これらの組織は、それぞれ運輸省の地方支分部局である地方運輸局の陸運支局及び陸運支局の自動車検査登録事務所に衣がえし、事務もそのまま引き継がれております。
 このため、本年四月一日以降新たに設置される自動車検査登録事務所等につきましては、その設置について国会の御承認をいただく必要が生じてまいったわけであります。
 以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、九州運輸局福岡陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し国会の御承認を求める次第であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
#115
○委員長(鶴岡洋君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。――別に御発言もないようですから、討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、九州運輸局福岡陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件について採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(鶴岡洋君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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