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1984/05/15 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 商工委員会,逓信委員会連合審査会 第1号
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1984/05/15 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 商工委員会,逓信委員会連合審査会 第1号

#1
第102回国会 商工委員会,逓信委員会連合審査会 第1号
昭和六十年五月十五日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   商工委員会
    委員長        降矢 敬義君
    理 事
               斎藤栄三郎君
               前田 勲男君
               梶原 敬義君
               市川 正一君
    委 員
               石井 一二君
               岩本 政光君
               杉元 恒雄君
               松尾 官平君
               松岡満寿男君
               福間 知之君
               伏見 康治君
               井上  計君
               木本平八郎君
   逓信委員会
    委員長        松前 達郎君
    理 事
               成相 善十君
               長谷川 信君
               宮田  輝君
               片山 甚市君
    委 員
               岡野  裕君
               沖  外夫君
               長田 裕二君
               川原新次郎君
               添田増太郎君
               大森  昭君
               服部 信吾君
               佐藤 昭夫君
               中村 鋭一君
               田  英夫君
               青島 幸男君
    国務大臣
       通商産業大臣  村田敬次郎君
       郵 政 大 臣 左藤  恵君
    政府委員
       通商産業省産業 福川 伸次君
       政策局長
       通商産業省機械 木下 博生君
       情報産業局長
       通商産業省機械 棚橋 祐治君
       情報産業局次長
       工業技術院長  等々力 達君
       工業技術院総務 荒尾 保一君
       部長
       郵政省通信政策 奥山 雄材君
       局長
    事務局側
       常任委員会専門 野村 静二君
       員
       常任委員会専門 酒井 繁次君
       員
    説明員
       科学技術庁長官 三浦  信君
       官房審議官
       外務省北米局安 沼田 貞昭君
       全保障課長
       大蔵省理財局資 寺村 信行君
       金第一課長
    参考人
       日本電信電話株
       式会社取締役・ 村上  治君
       技術企画本部長
       国際電信電話株
       式会社常務取締 中込 雪男君
       役
       日本放送協会技 矢橋 幸一君
       師長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○基盤技術研究円滑化法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
   〔商工委員長降矢敬義君委員長席に着く〕
#2
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会、逓信委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 基盤技術研究円滑化法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料のとおりでございますので、御了承のほどお願いいたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○大森昭君 提案理由を読ましていただきましたけれども、大変立派な提案理由でありますが、しかし、この提案理由のように果たしていくのかどうなのかという問題がありますし、なお私ども実は電電の三法を審議した際にいろんな実は意見がありまして、最終的に中曽根総理が出てまいりまして、いずれにいたしましても「電気通信に関する研究あるいは情報化社会への対応というようなものは非常に重要であると心得ております。」という意味合いで、電電の民営化に当たりましていわゆる株の売却益といいますか、売却で得たものと、さらにはその配当の支出のことについては、十分ひとつ国会の審議の経過を踏まえて政府は対処しますと、こういうように総理が言われているわけでありますが、しかしまだ本法が通っておりませんが、国債整理基金に三分の二の株の売買金が行くようでありますし、産投会計には三分の一の配当金だということでありますが、電電法案を審議をしてきた経過、あるいは総理みずからがそういうような、先ほど言ったような意味合いの言い方をしたわけでありますが、国会が終わって法案が通るとこうも変わっちゃうものかと思うんですが、一体その辺、郵政省はどのようにお考えですか。
#4
○政府委員(奥山雄材君) ただいま御指摘がございましたように、電電改革三法の審議の過程で、参議院逓信委員会の席上、五十九年十二月十三日、中曽根総理が、「電電株式の処分及びその収入の使途につきましては、国会における審議の経過等を踏まえ政府内において詰めさせることにいたしたい」という発言をされたところでございます。
 郵政省では、かねて新電電の株式につきましては、電電公社の資産形成の経緯等にかんがみまして、その一部は我が国の電気通信技術に関する研究開発の促進等に充てるべきであるという考え方から、六十年度の予算の編成過程におきまして概算要求段階から、株式の現物出資によりまして電気通信振興機構といったようなものを設立する構想を持っていたところでございます。
 他方、予算の編成過程におきまして、総理が申されましたように、この問題を最終的に政府原案として固める段階でどういうようにすべきかということが電電改革三法案の大詰めの審議と併行して協議がなされたわけでございます。ちょうど電電改革三法が成立いたしました十二月二十日の翌日というタイミングになってしまったわけでございますけれども、政府の予算原案を策定する時期が切迫してきたということで、十二月二十一日に政府・与党の連絡会議が持たれまして、その中で政府内の意思決定といたしまして、電電株式の現物出資により設立を予定しておりました電気通信振興機構と通商産業省の方から予算要求の出てお
りました産業技術センターと両法人にかえまして、今日の法案に盛り込まれておりますような基盤技術研究促進センターというものが生まれることになったわけでございます。
 先生の御質問の逓信委員会における審議の経過、あるいは総理の発言と今回の法律との関係はいかがかということでございますが、私どもの考え方といたしましては、当初確かに電気通信振興機構を考えましたその構想と今日の基盤技術研究促進センターとがある意味において異なった面があることは事実でございますけれども、電気通信のこれからの基盤技術を振興する上においては、本来の目的を全うする上に適当であるし、むしろこれは本来の趣旨に沿うものであるというふうに考えたわけでございます。
 なお、このことは、電電改革三法の審議とその直後の政府の決定でありましたためにいろいろな御叱正を賜ったことも事実でございますが、既に予算の政府原案を策定する時期が最終段階に至っていたということで、郵政、通産、大蔵大臣といった関係大臣のみならず、総務庁長官あるいは官房長官といったような政府全体を総合調整する大臣等も加わられましてこのような結果となったものでございます。私どもは今日の法案に盛り込まれております基盤技術研究促進センターが、当初私どもが予定いたしました電気通信のこれからの基盤技術の研究開発に十分貢献していけるものだというふうに考えているところでございます。
#5
○大森昭君 電電が経営形態の変更をしたことについてはいろんな理由があるわけでありますが、しかしいずれにいたしましても、いわゆるこれからの情報化社会を展望してのいわゆる電気通信の振興を図るということはこれは第一目標でありまして、そういう意味合いからいきますと、この委員会とは直接関係ないんですが、国債整理基金の中に入れてみたり、あるいは産業投資の会計に入れること自身は私は反対いたしませんが、しかし問題は三分の一の配当金だけでいわゆる電電三法を議論したときの趣旨合いに合致をしているかどうかということになると、今局長の話だとこれで十分だという見解が述べられましたけれども、ちょっと大蔵省に聞きますが、六十一年度からこの配当金は幾らくらい産投会計に入るんですか。
#6
○説明員(寺村信行君) 来年度以降の問題でございますけれども、これは新会社の経営状況いかんによって左右されるものでございますので、現在の段階では何とも申し上げられないのでございますが、産業投資特別会計に帰属いたします電電株式会社の資本金は二千六百億円でございますから、仮に一〇%の一割配当が行われれば二百六十億円の配当収入、それから五%の場合は百三十億円の収入が見込まれると、こういうことになります。
#7
○大森昭君 今の大蔵省の答弁でもまだ不確定要素でありますが、仮に一〇%でも二百六十億という話がありましたけれども、もともとこれから開発銀行が幾ら入れるか、民間が幾ら入ってくるか、先のことはこれも十分じゃありませんが、しかし恐らくそうたくさんのお金がセンターに入るというふうにはちょっと想定できないんですね。そうすると、主たる原資というのはいわゆるこの二百六十億か、あるいは五%にして百三十億かということになるんだろうと思うんですね。そうすると、まるまるこれ電気通信の基礎技術に全部いくわけですか。課長の今の答弁だと、十分これで郵政省が考えておる基礎技術の研究に対応できるという答弁はどういう意味ですか。
#8
○政府委員(奥山雄材君) 原資的には、ただいまもお話がございましたように、当初私どもが電気通信振興機構を構想いたしました段階の原資に比べましてわずかに縮小されたものであることは否定できないところでございます。その意味におきましては、これからの高度情報社会における電気通信技術の開発を展望した場合、技術開発プロジェクトは数限りなくあるわけでございますので、金があり余るということはあり得ないと考えております。その意味におきましては、限られた原資でございますので、有効かっ適切に重点的にこれを使用していかなければならないと思っております。
 ただ、これを全部電気通信の技術開発に投入できるのかどうかということでございますけれども、国全体の政策判断といたしまして、きょう御審議いただいておりますような法案の中で鉱工業の技術とあわせまして電気通信技術の開発を図っていくということでございますので、その中で、与えられました枠の中で電気通信分野におきましても最大限に当初の趣旨が生かされるようにするのが私どもの務めであると思っておりますし、現時点の与えられた環境下ではこの解決策というものがベストではないかもしれませんけれども、ベターであり、また有効な解決策であり得るというふうに考えている次第でございます。
#9
○大森昭君 あり余るとかあり余らないとか、そんな議論しているんじゃないのでありまして、問題は、そういう答弁をされるところのゆえんは、法案でも電気通信業だとか放送業、電波の利用に関する基礎技術を定義をしていますが、これは実際問題として漠然としておりまして明確になっておらないからそういう答弁になるんですよね。このセンターができたら一体電気通信業というのは何をやるのか、放送業というのは一体何をやるのか、電波の利用に関する問題についての基礎研究は何をやるのか、こういう郵政省としていわゆる二十一世紀に向けて電気通信関係の基礎技術のうち何をどのようにして優先さしてやっていくかということがないから今のような――あるならあるで、ちょっとガイドライン示してもらいたいんですが。
#10
○政府委員(奥山雄材君) 法文上は電気通信業、放送業、電波の利用に関する基盤技術ということになっておりますが、私どもが限られた原資を有効に活用するためには、もちろんその大前提といたしまして民間の活力を最大限に発揮するということを当然の条件といたしまして、官民の力を合わせて電気通信の技術開発を進めていくつもりでございます。いかんせん、原資に限りがあることを念頭に置きますと、先生御指摘のとおり、技術開発の重点項目につきましては一種のガイドライン的なものを指針というような形で策定する必要があるんではないかというふうに思っております。散漫な技術開発はかえって効果を損なうことになると思われますので、私どもが考えておりますのは、例えば電気通信技術審議会といったような権威のあるところでこれからの基盤技術の研究の指針といったようなものも御議論していただいて、そうしたものをガイドラインにしてこれからの研究開発を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#11
○大森昭君 電気通信技術はいわゆる産業横断的なものなんですね。そういう意味合いからいきますと、電気通信の技術開発が社会に与える影響は極めて重要と私ども考えておるわけです。そういう意味合いで電電三法の議論もいたしましたし、電気通信の今後のあるべき姿ということについても多くの議論をしたわけですが、今のような答弁ではちょっと私余り納得できないのですが、とにかく電気通信の社会評価あるいは技術評価ということについてどのように郵政省は進めていく考え方なのか、もう一回答弁してもらいたいと思うのです。
#12
○政府委員(奥山雄材君) 電気通信の社会的な基盤、いわゆるインフラストラクチャーとしての機能につきましては、逓信委員会でもたびたび御議論をいただいたところでございますし、私どももその重要性については十分認識をしているつもりでございます。今般基盤技術研究促進センターを通じて電気通信の技術開発を行う際には、当然のことながら電気通信の持つそうした機能に着目をして、御指摘の社会評価なり技術評価というものを進めていかなければならないと思っております。これまでは電電公社が一元的に電気通信事業を運営しておりましたために、公社の評価が即国の評価であり、政府の評価であり得たわけですけれども、公社の民営化に伴いまして公社も一民間企業になりますので、政府全体としての社会評価、
つまり開発段階における社会的な受けとめ方、重要性とでもいいましょうか、そういったものの評価を初めといたしまして、技術評価につきましてはその評価の基準なり評価の方法なり評価の体制というものを十分確立していくつもりでございます。
#13
○大森昭君 私が個人的にこの法案に反対している理由は、簡単に申し上げますと、役所の方というのは何かこういうセンターをつくりまして、とりわけ初年度のありようが引き続いてお役所的に流れていくことを心配するわけです。恐らく私どもが反対しても数の上ではこれは通るのだろうと思うのですが、問題は、今後このセンターのありようについて、今はこうだけれどもこれから先はこうあるべきだということの見解が述べられれば、それで−いつも国会では答弁されてもそのとおり余り十分にやられたことがないのですが、しかし通産には今の答弁求めていませんが、どうも正直申し上げまして、ここでできてしまって後ずるずると適当に何か基礎技術の研究をやっていけばいいやというところに、私は実は大変な危惧を持っているのです。これは答弁要りませんがね。ですから、いずれにしても先ほどから言っていますように、提案理由にもあるように大変重要な問題としてとらえているわけですから、したがってもう少しこの基礎技術の研究については基本的な姿勢を確立して法案を提案してもらいたいというのが実は私の真意なのです。
 これは新聞の発表ですからよくわかりませんが、郵政大臣は民間の共同出資で電気通信基礎技術研究所を関西方面につくると、検討中ですか、新聞発表されていますが、仮にこういうようなものをつくるとすれば、これは相当膨大な資金が要るのじゃないかと思うのですが、この辺はどうなのですか。
#14
○国務大臣(左藤恵君) 電気通信基礎技術研究所、これは仮称でございますが、これにつきまして関西経済連合会が中心となってことしの三月に設立準備研究会が設けられまして、研究内容、それから規模、資金計画等具体的な構想策定に向けて今検討が進められております。郵政省といたしましてこうした研究所のプロジェクトは民間におきます電気通信の基盤技術研究促進にとっても重要な問題だ、こう考えておりますので、そうした設立準備研究会ということで御検討いただいていることも、こうした検討の結果も十分考えてこの問題を進めていきたい、こういう現段階でございまして、今これを必ずここにつくるということではなくて、今そうした準備研究会が一方であるということをここでお答え申し上げたいと思います。
#15
○大森昭君 いずれにいたしましても、欧米先進諸国に比べて基礎研究のおくれがもうしばしば指摘されているわけであります。そういう意味からいきますと、まあ格好だけというと大変おしかり受けますが、形式的にセンターをつくってというようなことでは、私はもうまさに日本のあるべき姿としては、逆にこういう中途半端なものをつくるとどうあるべきかという本質的なものが見失われるようなことにもなるんじゃないかというふうに考えています。したがって、いろいろ御答弁ありますが、電気通信関係の基礎的研究をより充実させるためにどうあるべきかということを十分ひとつ検討していただいて、提案理由にあるこの内容が名実ともにできるように要望いたしまして、私の質問を終わります。
#16
○片山甚市君 今、大森君から第一陣としての質疑がありましたから、私から引き続き、中心は通産省になりましょうが、御質問をさしていただきたいと思います。
 本法案に基づいて設立される特別認可法人基盤技術研究促進センターは、通産大臣及び郵政大臣の認可を必要とすることになっておりますが、それは当然両省の所管分野にまたがる業務を行うものであるからだろうと思います。また、センター運営は、産投出資が二分の一を占める基本財産と産投出資及び産投融資の事業資金によるものであるが、産投の財源そのものは、産投特別会計に政府が保有することになる電電株式の配当金を繰り入れ、それを充てるということであります。しかし、当てにしている産投会計の法改正そのものは大蔵委員会における審議もまだこれからであります。本来ならば、商工、逓信両委員会における連合審査に加え、大蔵委員会における法案審議とどう連動させるか、あるいは本法案の将来的意義から考えて、予算委員会規模で関連法案を慎重に審議すべきものだと私は考えます。
 今日まで、衆参両院の商工委員会における審議を通じ、また本日の連合審査を通じて同僚からも多くの意見が出されると思いますけれども、私も今回のいわゆる円滑化法案が泥縄式で便宜的な関係省庁の予算、縄張り確保のために提案されたとしか考えられない。しかも大蔵省に至っては、電電三法成立に至る審議経過から見て、特に電電株式の処分等について国民的合意を得る慎重な取り組みがなされていないにかかわらず、郵政、通産などの要求を口実に、いわば円滑化法案をでっち上げ、最も重要な課題、すなわち電電株式の勝手な処分を正当化するといったくらみがあったとすれば、断じて納得するわけにいかないのであります。いわゆる円滑化法案が提案されるに至る背景や問題点が今日までに解明されたとは到底言えないし、通産、郵政共管の本法案のみに焦点を当てて質疑をしたところで、すべてが解明されることにならない。本法案をあえて拙速に処理することが、単に情報通信産業のみならず、我が国の産業技術開発政策のあり方についても、その将来に禍根を残すと言わざるを得ない。
 私はこの立場から、冒頭まず本法案については慎重の上にも慎重に審議を尽くすべきであることを申し述べ、幾つかの点について関係当局にお聞きをしたい。
 具体的に言いますと、技術開発の現状と政策の展開の問題でありますが、我が国の経済発展は、外国からの技術を導入し、その改良と生産点術の開発に負うところが大きいと言われております。しかし同時に、開発研究段階の技術水準は高いものの、基礎研究段階については欧米先進国に大きく引き離されているということであります。既に欧米諸国でも二十一世紀に向けて国を挙げて技術開発政策の強化を図っているところでありますが、我が国が輸出大国であるといっても、その実態は一刻の猶予も許されない状況にあるのではないかと私は心配します。欧米先進諸国の技術開発政策の現状はどうなのか、日本の国の基礎研究を含めた技術開発の問題は諸外国と比較してどのような状態にあるのか、我が国の現状と政策についてまず御説明を賜りたいと思います。
#17
○政府委員(福川伸次君) 今、委員御指摘のとおりに、我が国が従来の発展の過程において、基礎研究あるいは応用研究、この辺におくれをとっていたことは私どもとしても率直に認めるところでございます。現に私どもが昨年アンケート調査いたしましたところによりますと、基礎研究において日本が欧米諸国に比べて優位に立っておるというふうな認識を持っております企業は〇・八%でございまして、むしろ劣後と考えておるのが八六・八%ということでございます。これをもって見ても、これから基礎研究あるいは開発までいきます途中の段階の応用研究、ここには大いに力を入れていかなければならない、かように考えておるわけであります。
 欧米諸国におきましても、今御指摘のように、二十一世紀に向けて、新しい技術革新期に備えまして、基礎研究、応用研究に大変力を入れておるところでございます。アメリカにおきましては、例えば八六会計年度におきまして五百九十七億ドル、約十四兆円の技術予算を投入いたして、特に新素材、マイクロエレクトロニクス等に重点を置いてやっております。ヨーロッパにおきましても、ヨーロッパ経済が停滞しているというようなことを言われてはおりますけれども、ECレベルでも情報関連技術のためのエスプリ計画、西ドイツにおきましても情報関連技術のために約二十九・六億ドイツマルクの補助金を出すなど大変な力を入れております。イギリスもマイクロエレクトロニ
クス産業の助成策を講じておりますし、フランスもバイオテクノロジーといったようなものについても力を入れているところでございます。
 私どもといたしましても、この基礎研究の技術開発に今後大いに力を入れていくべく、一つには政府として果たすべき役割を大いに果たす。さらに、日本の場合は約七割が民間によって研究開発が行われているということにかんがみまして、民間からもこの基礎研究あるいは応用研究の段階にその活力を振り向けていく誘導策を講ずる必要があると考えております。
#18
○片山甚市君 日本の技術開発につきましては、御承知のように、製品に使う商用的な開発技術でありまして、それが約七割でありますから、民間がたくさんやっておるといいましても基礎研究については非常にお粗末である。そういう意味で、次の質問をいたしたいと思います。
 基礎研究を推進していくには国の果たす役割の重要性は言うまでもございませんが、我が国全体の技術開発費に占める政府負担の割合は、欧米諸国の四〇%ないし五〇%に比べ、日本の国の場合は二五%と低水準であります。しかも、産業技術開発予算の推移が減少傾向にあることは、基礎技術研究の確保が我が国の将来にわたる発展に必要であることと矛盾しています。今日までの政策の不十分さを円滑化法案で到底カバーできるようなものでないと私は考えます。特に基礎研究の重要性について格段の努力が必要であるとすれば、今お話にありましたように、まず大学、政府の研究機関の充実強化こそが緊急課題である。まず国の政策として、最も大きな資金、技術者を割り当てなきゃならぬと思いますが、それについてのお答えを願いたい。
#19
○政府委員(等々力達君) ただいま委員の方から御指摘がありましたように、研究費の国による負担、これは大変日本が少ないという現状でございます。それで、通産省といたしましては、国の研究開発費、こういうものを重点的にふやすということを考えておりまして、昭和六十年度におきましては前年度比一二%増ということで約千九百億円の予算を計上いたしております。この関係によりまして、国の研究機関の充実強化というようなことも今後とも一層図っていきたいと思っております。
 先ほど御指摘のありましたように、民間企業の研究開発活動が従来製造技術、そういうものに重点が置かれていたということは事実でございますが、研究者の数から言いましても日本の三十七万あるいは三十六万人の研究者の約三分の二は民間の人たちが占めておるわけでございますので、今後日本全体のこの基礎関係の技術のレベルを上げていくためにはぜひ民間においても基礎寄りの仕事をこれから充実していってもらわないと困ると、そういうようなことで本法案を提出いたしまして将来の日本の基礎関係の技術レベルを上げたいと、そういう趣旨でございます。
#20
○片山甚市君 先ほど申しましたように、技術開発に占める政府負担の割合が外国では大体四〇%、五〇%ですが、日本の国は二五%程度で少ないではないかということについては、大臣、これについて御答弁願えますか。
#21
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のように、八三年度を例にとりますと、日本の研究開発費におきます政府負担の割合は二四%でございまして、アメリカあるいはヨーロッパは大体四〇%台、国によっては五〇%ということになっております。私どもも国として果たすべき役割はこれからも大きいと思ってはおりますけれども、私どももむしろ今のこの財政の厳しい状況の中では、ひとつ政府と民間の適切な協調関係のもとに基礎研究、応用研究に大いに効率的に、この厳しい予算を使いながら効率的に上げていく、そういう意味で民間の活力も大いに発揮させる、政府の乏しい予算の中でも、これを何とかそれに振り向けてひとつ有効的に、効率的にやっていきたいというのが私どもの考えであります。
#22
○片山甚市君 基本的に納得できませんが、それにかかわっていますとあとの審議ができませんので納得できないことを言っておきます。
 基本的に日本の国の産業の死命を制するような基礎研究、応用研究等については、何をさておいても、借金してでもやるというのが国を守る安全保障だと思う。それを言わぬで、効率とかなんとか寝言ばかり言っているが、だれでも、小学校の生徒でも言うんです。金があるとかないとかいうのは、金を生み出す力量でありまして、それも一年か二年じゃなくて十年も先、ひょっとしたら五十年先であってもつくるというのが基礎研究でありますが、そういう根性が通産省にないことだけわかったから、その次へ移ります。
 民間で行われる基盤技術に関する試験研究に必要な施設は、高価な割に使用頻度が低いのと、民間が単独で維持することは困難などの理由で、国有試験研究機関の保有する施設に対する民間のニーズが高まっているとのことでありますが、法案では廉価で施設利用を認めることとしておりますが、使用対価はどの程度に低く抑えることにしておるのか、具体的に簡単にお答え願いたい。
#23
○政府委員(福川伸次君) 私どもとしては、国が保有しております試験研究施設を研究業務に支障のない範囲で廉価に使用させて認めていこうということでございますが、これまでにも一、二例がございますが、その例に大体倣いまして、今大体考えておりますのは廉価にいたしますのを五割以内程度と考えております。
#24
○片山甚市君 民間活力の最大限発揮の必要性は否定しませんけれども、基礎技術開発の立ちおくれは、我が国の政策が今日まで利潤追求と経営効率が最優先する民間企業をいわばもうからない仕事はやらないでよいことで育成、助長してきた結果ではないかと思います。民間活力の発揮を基調とすることについて、基礎技術の研究開発における官民の役割分担をどのように明確にしておるのか、また国としてどのような積極的施策をとるのか。
 内容として、民間によることが難しい分野、民間のみでは実施が困難な分野とはどういうものか。また、官民共同研究について民間の研究者を受け入れる具体的な構想はどのようなものか。産官学連携でどのような研究体制がつくれるのか。具体的に三つ。初めの方の官民の役割分担についての話をまず説明してください。
#25
○政府委員(荒尾保一君) 一番最初の民間活力の発揮の場合の官民の役割分担の問題でございますが、ただいま先生御指摘にもありましたとおり、国として役割分担をすべき技術開発というのは、やはり民間では開発を行うことができないような分野ということであろうかと思います。すなわち、その技術開発が非常にリスクが高いとか、あるいは時間が非常にかかるとか、あるいは技術開発の規模が大きくて投資負担額が極めて大きいといったようなケースであろうかと思います。こういったケースにつきましては非常に長い将来の我が国の発展ということを考えながら国においてその分野を負担していくということが大事ではないかと思うわけでございます。そのときに私ども、国の基礎研究の分野での負担の重要性ということから、今後ともその増大のために努力を続けてまいりたいと考えるわけでございます。
 第二番目の官民共同研究の考え方でございますが、これは昭和六十年度から私どもスタートをしようとしておるわけでございますが、筑波等の研究所の施設が相当整ってまいっておりまして、こういった施設を持っておりますものを利用いたしまして、民間の方々もおいでをいただいて、まさに国と民間とが共同研究をしよう。従来、ただいま先生からお話ございましたように、どちらかといいますと分担研究にとどまっていた面がかなりあったかと思いますが、六十年度からはそれを本当の意味で官民の共同研究ができるように一緒に研究をしようという構想でスタートをしようとするものでございます。
 それから第三番目の産学官連携の強化の問題でございますが、この産学官連携の強化の重要性はかねがね指摘をされておるわけでございますけれども、またただいま御指摘にもございましたよう
に、実際問題としてなかなかこれが実は上がっていないというのもまた事実であろうかと思います。そういう点から、今申しましたこの官民連帯共同研究制度、これはこの産学官連携の強化の一つの手段であろうかと思いますし、また御審議をお願いいたしておりますこの基盤技術研究促進センターにおける共同研究等も含めまして、徐々にではございますけれども関係者が協力をしてその実を上げていくということが今後重要であろうかと思います。そのために私どもとしても努力をいたしたいと存じます。
 以上でございます。
#26
○片山甚市君 産官学の問題についてはやはりあっせん業に終わらないように具体的に進めてもらいたい。私の方は技術者でありませんし、担当者でありませんからわかりませんけれども、書物を読んだり研究論文を読んだりしてみますと、産官学の連携というのは非常に難しい。あっせん業に終わるということになりかねない。これについて注意をしてもらいたいと思うのです。
 そこで、情報化社会と言われる現状から、「情報を制する者は世界を制する」とまで言われております。その情報化社会を支える技術の研究開発については、五十九年版の科学技術白書でも、基礎研究の割合が数%と極端に低い、今後自主技術の開発をさらに進めていくためには基礎研究のウエートを高める必要があるとされておりますが、国が主導的役割を果たしていくべき技術開発というのは具体的にどういうものがあるのかについて説明を願いたいと思います。
#27
○政府委員(荒尾保一君) ただいま片山先生から御指摘ございましたように、情報産業関連における基礎研究は非常に低いわけでございまして、科学技術白書でただいま御指摘ございましたが、全産業における基礎研究が五・五%であるのに対しまして、情報産業に非常に関連ございます通信、電子、電気計測器工業の基礎研究費の割合は三・四%ということで、おっしゃいますとおり低い状況にあるわけでございます。これにつきましては、特に今後の非常に長い情報化社会の発展を考えますと、国も主導的な役割を果たす必要があるということは御指摘のとおりであろうかと思います。
 こういう観点から例を申し上げますと、例えば通産省におきましては、第五世代のコンピューターの開発でございますとか、あるいは私どものところでやっております次世代産業基盤技術研究開発制度におきまして、新機能素子の開発等を行っておるわけでございます。さらに、それよりももう少し基礎的なところにつきましては、私どもの筑波にございます電子技術総合研究所におきまして、かなり原理的なところから研究を行っておる次第でございます。
 しかしながら、これらにつきましての予算の状況が必ずしも十分でないのは、今の財政状況のもので必ずしも十分でないことは事実でございまして、今後とも厳しい状況の中でできるだけそういった面での努力を進めてまいりたいと考えております。
#28
○片山甚市君 通産省の方の御説明はそうでございますが、マン・マシン・インターフェース、端末基礎技術を改善するための技術、光通信技術、衛星通信技術等の通信インフラストラクチャー整備のための技術開発、システムの安全性、信頼性を保障するための技術開発、総合的なデータベースシステムを実現するための技術開発、データを保護するための技術開発などが今言われたものの上に積み重ねられるものと思います。十分にそれが達成できるようにしてもらいたい。
 第五世代のコンピューターの問題について反対をしたのでありませんで、むしろ私は、通信情報関係の研究としては具体的にそういう問題が俎上に上っておる、それで基礎研究としてやってもらわなきゃならぬと思っていますから、逓信委員会のメンバーの一人からそういう発言があったことを記憶にとどめてもらいたいと思います。
 センター設置と具体的な基盤技術の向上のことについてですが、民間企業が基盤技術分野の開発に向けてその活力を最大限に発揮し得るよう環境条件の整備を図ることになっておりますが、抽象的なものでは果たして基礎研究や応用研究の充実強化にどのようにつながるのかについて疑問があります。
 そこで、センター設立によって具体的に基盤技術の向上がどのように図られるのか。まず通産省からお答え願い、後、郵政省から補足してもらいたいと思います。
#29
○政府委員(荒尾保一君) 民間における技術開発の担当割合、先ほどから七割ぐらいであるということを御説明申し上げておるわけでございますが、その中で基礎研究の割合が低い。基礎、応用部門に民間もやはりだんだんとシフトをしていただく必要があるということで、そういったシフトが行われるような環境条件の整備を図ろうということをこのセンターの一つの重要な役割として考えて御提案申し上げておるわけでございます。その際に、民間におきます基礎、応用等を進めていくための一つのネックとなっておるポイントというのが三点ほどあろうかと思います。
 一つは、非常に基礎的な研究でございますので、その研究開発に必要なリスクマネーをどう提供していくかという問題でございます。
 それから第二番目は、先ほど来御指摘もございますような産と官と学との連携と申しますか、それをコーディネートするような機能というのが諸外国の場合はあるんだけれども日本には欠けておるという面でございます。
 それから第三点目は、情報データの提供システムがなかなか整っていないという点でございます。
 そのほか問題点もございますけれども、大きく言ってその三つが、我が国の場合一つのネックになっておるんではないかと思われるわけでございます。
 そのために、第一番目といたしまして、法案の中でこのセンターの業務といたしております出資事業または融資事業ということで、民間におきます技術開発の中で基礎的な分野、応用的な分野へのリスクマネーの提供をしようというのが第一の業務でございます。
 それから第二番目は、受託によります共同研究でございますとか、先ほど申し上げました官民連帯共同研究についてあっせんをするというようなことで、官と産と学と、この三者のコーディネートをする機能を充実していこうというのが第二の点でございます。
 それから第三番目は、この中でも考えておりますが、特に今必要となっておりますデータベースの中でファクトデータベースと言われているような、文献情報よりももう少し実際の数値等を提供し得るようなファクトデータベースの提供機能をこのセンターとして分担をしようと、こういうことを考えておる次第でございます。
#30
○片山甚市君 本日この連合審査に、本年四月一日から民営化されましたNTT及びKDD、NHKの関係者に特に御出席を願い、今日までの公共性の高い事業として、それぞれの立場で研究開発に取り組んでこられて、特に成果を上げられてきた経緯と今後の課題について建設的な御発言を賜りたいと思うので、ぜひ御協力を賜りたいと思います。
 まず第一にNTTにお聞きしますが、本法案が成立し、センターが設立されることによってどのような基盤技術開発にメリットがあり、NTTとしても歓迎するのか。これが一つです。
 二つ目には、センターと民間の共同出資による電気通信基礎技術研究所を関西で財界がつくろうとしておるようでありますが、それは郵政省の肝いりですが、これは左藤大臣の一番発案だと思うが、検討されておりますが、それに協力するとすればどんな協力をすることができるか。
 三つ目に、テレトピア構想等についてNTTはどのように協力をすることができるか。
 まず冒頭にお聞きします。
#31
○参考人(村上治君) お答えいたします。
 本法案が成立いたしまして基盤技術研究促進センターが設立される場合のNTTのメリットとい
うお尋ねかと思います。
 私ども、研究開発が事業発展の原動力であるというふうな認識を持ちまして、基礎研究あるいは実用化研究に積極的に取り組んでまいりたいと、こう考えておりますが、基礎研究の分野というのは大変幅が広うございますし、すそ野の広いものでございますので、私どもの研究所のみではカバーできない分野がたくさんあろうかと思っております。そういう意味で、本センターの設立によりまして基礎研究が充実されることを私どもとしては期待いたしておるわけでございます。
 それから二番目のお尋ねでございますけれども、二番目は、民間との共同出資によります関西方面の研究所設立の考え方があるわけですけれども、これについてのNTTの協力のあり方というお尋ねかと思いますが、確かに研究所設立の構想を御検討中ということで伺っておるわけでございますけれども、現段階ではその中身といいますか構想が明らかでございませんので、そういった点が明らかになった時点で私どもの協力のあり方につきまして検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから、三番目のお尋ねは、テレトピア構想の推進に対してNTTがどのような協力を考えておるかというふうなことかと思いますが、NTTといたしましては、利用者の御要望に応じましてINSを早期に全国的に展開してまいりたいというふうに考えておりまして、地方都市の情報通信機能を高めまして、中央なりあるいは地方、緊密な連携を保っていけるようにしていきたいというふうに考えておるわけでございますけれども、そういった意味で郵政省のテレトピア構想というのは、INSの需要を早期に喚起するものではないだろうかというふうに受けとめております。したがいまして、INSを基盤に実現されるものにつきましては、これはコマーシャルベースということが前提になりますけれども、私どもとしても積極的にこの構想の実現に御協力申し上げたいというふうに考えております。
#32
○片山甚市君 電気通信分野においては、従来から企業性追求のもとに、応用技術主体のメーカー等反間の研究開発が強力に進められてきたことは御承知のとおりです。先端的、基礎的研究開発は電電公社の電気通信研究所に負うところが大きかったと思います。公社、メーカー両者による共同研究開発体制も構築されておりましたが、特に電電公社における超LSI、光ファイバー、新世代コンピューター等の研究については、世界のトップレベルにあると思います。このような研究開発体制はまさに国家的財産だと私は考えます。
 新しく経営形態を民営株式会社に変えたNTTとしては、NTTの技術開発体制とその技術公開については、会社法第二条の「責務」の趣旨からいっても、内外から大きな関心を持たれておるところであります。
 NTTとしては、電気通信技術の開発について、従来よりさらに充実した取り組みをされるのか。具体的にこの場合、もはや従来と比べ基礎研究は余りやりたくない、開発研究を中心としたい、基礎研究は国にお願いしたいと思っておるのかどうか、心底をお聞かせ願いたいと思う。
#33
○参考人(村上治君) お答えいたします。
 先ほど私申しましたように、研究開発の推進というのは事業発展の基盤であると考えております。新しい電気通信秩序の中で、ほかの事業者との競争状態の中で技術先導性を確保しつつ事業の発展を期するということが非常に大事だと考えております。そして、先導性の高い技術を開発するためには、今後ますます、すそ野の広い基礎研究にも重点を置いた研究開発を進める必要があると考えております。
 したがいまして、経営形態は変わりましても一層基礎研究にも意を用いてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、先生御指摘のように、会社法の二条にございますように、「実用化研究及び基礎的研究の推進並びにその成果の普及」というのが私どもの責務だと考えておりますので、これまで以上に研究開発に重点を置きまして、先端技術あるいは基礎技術分野の研究開発を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
#34
○片山甚市君 株式会社になって金もうけだけして配当さえすれば済むと思っていないということを聞いて、まあほっといたしました。
 NTTは、国益に沿う立場からも、会社存立のためにも、今後とも基礎研究に力を入ていきたいということでございまして、非常に喜ばしいことです。NTTと国との共同研究について今後どのように考えておられるのか。私が申し上げるのは、ATTは研究開発費五千七百二十九億円使っておるというデータがあります。NTTとしても一千二百六十億円使っておるんですが、研究開発に充てる財源を優先的に確保して、これからもふやしていく努力をしていくのかどうか。
 ちなみに私の手元にある資料を見ると、アメリカのコンピューター会社IBM八千二百三十九億円、ATTが五千七百二十九億円でありまして、NTTは千二百六十億円程度、KDDが百億円前後、郵政省が四十七億円程度でありますから、何といっても日本の国の技術開発をしていくためにはNTTが本気でATTの皆さんやIBMの皆さんと肩を並べてやるとすれば、予算的にも技術的にも研究者もそろえなきゃならぬと思いますが、それについてお考えを聞きたいんです。
#35
○参考人(村上治君) 私どもの研究開発費は、先生御指摘のように、昭和五十九年度では一千二百六十六億が研究開発費に投じられた費用でございます。そして先ほど私の申しましたような取り組みをしてまいりますと、これからさらにこういった研究開発費につきましては一層強化をしていかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、先生御指摘のように、NTT、これの研究開発費と、それから全体の収入の割合から言いますと、しばらく前は二%台であったかと思いますけれども、五十九年度には総収入の二・八%の千二百六十六億ということで、だんだんそういった比重を高めておるわけでございまして、今後もできるだけこういったことの強化をしてまいりたいというように考えておる次第でございます。
 それから、確かにATTの場合には五千数百億でしょうか、そういった数、私も記憶いたしておりますけれども、ただあの場合には製造部門もございますので、若干私どもの企業と性格が違う点だけ申し上げておきたいと思います。
#36
○片山甚市君 KDDは収入に対して五%程度の研究費を組んで、百億円を超える金を使っておる。電電は今言うように二・八%になったということでありますから、お金の使い方としてはKDDの方が使いっぷりがいい、努力しておる、こういうことになります。私、お金で比較しておるんじゃありません。だから負けないように、小さい会社の方が頑張っておるのに大きい会社の方がぼおっとしておるということのないようにやってもらいたい。
 我が国電気通信の技術開発を展望したとき、NTTの役割が放棄されれば我が国の基礎的研究の基盤がなくなると断言して私ははばかりません。
 先ほどの話にもありましたけれども、基礎技術の研究開発などというものは、あちらでこそこそ、こちらでちょこっと、ちゃちな研究体制でわずかな研究費をばらまいてみてもできるものではないし、民間に期待するといってもしょせんメーカーはメーカーであり、研究システムではあり得ない。皮肉に言えば、ブリキ缶を幾ら集めてみてもミサイルにはならないのであります。この際、センターは一大研究施設を有する国家的研究機関にまとめ上げて、機能できるものにすべきではないかと思います。
 これについて郵政大臣、通産大臣にお聞きしますが、大体、電電株式の配当金を財源としてどれだけのものが確保できるのか。先ほど大森委員のことについて大蔵省が答えていたようですが、それはだめです。大蔵省は当てにならない。郵政省と通産省が答えてください。
 NTTが激しい競争関係の中にあって、バナナ
のたたき売りのように料金値下げをさせる、郵政大臣もそういうことを言っていますが、経営が苦しくなり減配などがあったらどうするのか。どのようにお金を維持し強化していくのか。そしてさらに、NTTの研究開発体制に期待するものがあるとすれば、その経済的負担についてはどのように対処するのか。これについて、後の分は郵政大臣が、前の分は通産大臣がお答え願いたいと思います。
#37
○政府委員(福川伸次君) ただいま御質疑にもございましたが、NTTの配当をどのくらい見込んでおるかということでございましたが、先ほども御答弁ございましたように、現在産業投資特別会計に帰属が予定されておるのはその三分の一の二千六百億円でございます。それについて配当率を掛けました額がこの産投会計に入ってくるわけでございます。
 私どもといたしましては、この今回御提案申し上げています基盤技術研究促進センターは、これは日本の研究開発費の七割を占める民間の基盤技術研究を促進しよう、こういうところにねらいがあるわけでございまして、もちろん国家的な研究機関というのはそれぞれの立場立場においてそれぞれの予算をまた確保してやっているわけでございまして、従来政策的にこの基礎研究が比較的おくれている民間に誘導策を講じたいということが今回のねらいでございまして、私どもといたしましては、このセンターがみずから大きな施設を持つ研究機関になるというのではなくて、民間の助成ということに徹すべきではないか、かように考えております。
#38
○片山甚市君 政策上の違いですからここで論争しませんが、ブリキ缶を幾ら集めてもミサイルをつくる制度になることはない。もともと金をもうけようと思ってやっている人間が世の中のためにやるか。経済同友会の諸君でも、初めは企業は公器なりと言いおったけれども、このごろはそう言わなくなってしまった。私が尊敬している人もおるけれども、修正資本主義だったんでしょうが。
 ですから、通産省がそういうようなことだということでわかればいいんで、大したことない法案をさも立派そうにつくり上げて宣伝しておると私は思います。私は思うんで、あなた思わなくていいですよ、通産大臣。こんなつまらぬ法案で何がよくなるかと思いますが、物は好き好きです。国民は見ておるんですから。
 次に、KDDにお聞きします。KDDは今日までNTTとどのような関係で国際電気通信事業を遂行してきたのか、これが一つです。二つ目に、研究費はどの程度充てておられるのか。その次に、KDDにおける必要な基礎研究というものはどのようなものがあるのか。国際通信のオーソリティーとしてのKDDに今何が必要なのか。本法案の審議に際して何を最も期待するのかについてとりあえずお答え願いたいと思います。
#39
○参考人(中込雪男君) お答えさせていただきます。
 NTTとの共同研究についてでございますが、私ども国際通信の施設を導入しますときには、しばしばNTTで開発されました交換設備あるいは伝送設備などを、NTTの研究成果でございますが、これを利用させていただいております。海底ケーブルに関しましてもNTTとの間に海底ケーブルに関する技術協定というのを締結させていただいておりまして、技術提供あるいは共同研究あるいは委託研究等ができる体制に現在なっております。これまでこの協定によりまして技術提供をいただいたり、あるいは委託研究をさせていただいたりしておりますが、まだ共同研究に対しましては具体的事例は今のところございません。今後は両社において必要がありますれば共同研究も行ってまいりたいと私ども考えておるところでございます。
 二番目の研究費でございますが、研究開発費としましては、先ほど御指摘ございましたように、五十九年度の実績見込みとしまして約百億円を使っております。これは営業収益に占める割合としまして約五%になっております。
 次に、私どもが行っております基礎研究でございますけれども、私どもの会社では研究開発の項目を基本研究、応用研究、実用化研究、それから技術開発と、この四つに分類しておりますが、この基本研究といいますのは基礎研究にほぼ相当するものでございますけれども、項目の中には応用研究に近いものも入っておりますが、そういう意味で基本研究と呼んでおりますが、この基本研究の中で大きな重要な項目としましては、低損失赤外ファイバーの研究及び機械翻訳の研究等を行っております。基本研究の研究費が研究開発費用に占める割合としましては、五十九年度見込みで約一八%になっております。
 最後の、私ども法案に期待するものとしましては、私どもの電気通信事業にとりまして今後ますます重要となると考えられる基礎研究の分野の研究がこの法案によりましてますます促進されることを期待しております。
 その基礎研究の例といいますか、ものとしましては、将来性は高いけれどもリスクが、負担が大きいというような基礎研究、あるいは必要性は高いけれども必ずしも利潤が期待できないような共通技術などの研究を例として挙げることができると思います。
 国際通信に特に関係あるものとしまして、その一つとしまして私ども自動翻訳電話システム、これは国際通信にはこういうものが開発されると便利になると思いますが、こういうものの研究が考えられると思います。このシステムの実現のためには昔声認識あるいは言語理解とかあるいは機械翻訳等に関します高度の基礎技術の確立が必要でございまして、この法案が有効に生かされるものと期待しているところでございます。また、国際電気通信連合におきます電気通信技術の標準化に対しても、我が国全体としてもこれに対して貢献するための研究が実施されることも期待しているところでございます。
#40
○片山甚市君 先ほど郵政省にお聞きしたNTTの研究開発体制に期待するものがあるとすれば、なければいいんですよ、その経済的負担についてどのように対処するかということをお伺いできなかったのは、考えてないというのか、考えておるんだったら言ってください。よう答えなかったらよう答えなかった、思ってないなら思ってないと。
 引き続いてKDDについて聞きます。
 KDDに求められる研究開発、特に基礎研究に要する研究体制、研究費用等は、今後ともNTT等に依存するのみでなく、相当のものが必要となるのではないか。そのような視点から、本法案による基盤技術の研究開発体制では全く不十分であるとしか言えないのですが、NTT、KDDについては大体今度の法案について満足されているのかどうか、まずお伺いします。初めに郵政省から、気がついたら言ってください。
#41
○国務大臣(左藤恵君) NTTは我が国を代表します基幹的電気通信事業体ということで、我が国全体の電気通信の発展のだ灯には、その技術力というものを発展向上さしていくことは重要な責務であると、このように理解をいたしております。そうした立場でNTTが適正な競争のもとで第一種電気通信事業者として良質なサービスを提供する、そういう責務があるわけでありますが、その上で必要な研究開発費をみずからの経営努力の中で生み出していくということが私は最も適当であると、このように考えております。
#42
○参考人(村上治君) NTTといたしましては、ただいま大臣からお答えいただきましたように、私どもの経営努力の中から必要な研究開発の費用を捻出して今後一層その研究開発を積極的にやってまいりたいというのが先ほどから申し上げた点でございます。
 なお、この法案が成立いたしまして私どものカバーし切れない基礎的な分野で成果が出ることを私どもとしては期待いたしております。
#43
○参考人(中込雪男君) 私どもKDDといたしましても、経営努力によりまして研究費を使用してまいりたいと思いますが、絶対的には額は少のうございますけれども、私どもの研究の課題は国際
通信に特に関係あるテーマについて研究開発を進めておりまして、一般的な電気通信技術に関しましては、NTTさん初めメーカーさんその他で行われている成果も利用していきたいと、そのように考えております。
#44
○片山甚市君 それでは、放送関係の技術開発について、特にNHKの高品位テレビ、衛星放送等の技術開発は世界の最高水準にあると言われておりますが、今日までの技術開発に対する評価と今後のあり方、経済的負担等についてNHKの所見をまず聞きたいと思います。
#45
○参考人(矢橋幸一君) お答えいたします。
 NHKは、放送法にも規定されておりますけれども、放送及び受信の進歩発達というものに資するために、いわゆるNHKの本来の使命として放送技術にかかわる研究開発を推進しておるわけでございます。その成果はもちろんNHKの放送番組その他放送そのものにも利用されますけれども、一般にも広く公開いたしまして我が国の放送の発展向上に大きく寄与してきたと確信しております。また、我々NHKの研究開発につきましては内外から高い評価を得ているというふうに考えております。
 NHKが行っております研究開発は、研究そのものがやはり我々NHKの仕事の性格、番組をつくって放送するという放送の特質から言いまして、放送というシステムが、最終的には受信者の耳で聞く、あるいは目で見て番組を楽しんでいただくという意味がち言いまして、視聴覚の研究、それからその他電子デバイス用の材料、そういった基礎分野の研究から、そのほか番組制作あるいは報道取材あるいは電波のサービス、これは電波伝搬も含みますいろいろな研究、あるいは受信に関する研究、そういったいわゆる応用分野まで一貫した形で行われているわけでございます。また放送衛星とかあるいはハイビジョンといったニューメディアの開発につきましては、大変長い期間にわたりまして計画的かつ継続的に技術の蓄積を図りながら研究開発を推進しているという状況でございます。
 NHKといたしましては、今後とも我々の公共的使命というものの一環として国民の多様な要望にこたえ、また放送事業の一層の発展を促進するために新しい放送技術の開発を先導的に推進してその成果を国民に還元するという考え方で技術開発を行っていきたいと思っております。
#46
○片山甚市君 重ねてNHKに聞きますが、本法案が成立したときにセンターに対して何を求められますか。特に放送衛星の不安定要因を取り除くために、我が国の研究開発体制というのは、どのようなことをNHKとして望まれますか。
#47
○参考人(矢橋幸一君) 放送衛星のBS2aにつきましては、これは内外の宇宙技術の開発状況あるいは各国の放送衛星計画、そういったものを多角的に検討いたしまして打ち上げられたものだと考えております。BS2aは御承知のように不幸にして一系統の中継器が故障いたしました。現在原因究明が行われておりまして、また今年度打ち上げ予定になっておりますBS2bの中継器に対しましても改善対策というものが行われまして、現在その対策が終わりまして、中継器の総合的な機能確認試験を実施しております。私は十分な信頼性の確保ができるのではないかというふうに聞いております。
 BS3の放送中継器につきましては、これはNHKの要望に沿った形で国産化されるというふうに聞いております。放送衛星用中継器の進行波管の基本技術に対するNHKの技術研究所の長年にわたる研究、あるいはメーカーに対します技術指導、あるいはこれまでの我が国の宇宙開発計画に携わった国内メーカーの技術力というものの向上によりまして、BS3に関しましては信頼性の高い放送衛星の開発が実施できるのではないかというふうに期待しているものであります。NHKといたしましては、今後ともこの研究とメーカーに対する技術指導というものを強力に推進していきたいというふうに考えております。
#48
○片山甚市君 NHKとしてこの法案が通ればセンターにどのようなことを期待するかということを聞いていますから、後で答えてください。
 そこで、私はこれまでの質疑を通じて、NTT、KDD、NHK等の技術開発体制の重要性を再認識することができたと思います。これにこたえ得るのが本法案の趣旨であるべきだと思うのですが、法案そのものについてはそれにこたえ得るようになっておらないことについて非常に残念に思いますが、共管する両大臣はこれを受けとめて今後の施策についてどのように反映されるか、御答弁をそれぞれお願いしたいと思います。
#49
○国務大臣(村田敬次郎君) 今NTT、KDD、NHK等についての先生の御質疑をいただいたわけでございますが、我が国におきましては、民間企業が我が国全体の技術開発費の約七割を支出しておるという現状があることから、我が国の技術開発の推進に当たっては民間の活力を最大限に発揮し得るようにその環境条件の整備を図ることが必要である、このように考えております。
 そして、御指摘のNTT、KDD、NHKの技術開発の重要性については十分に認識をしておるところでございますが、広く民間において行われる基盤技術に関する試験研究を円滑化し、我が国みずからの創造性に富む技術力を充実強化していくためには本法案の制定が不可欠である、こういう理解をしておるわけでございます。
 一方、民間のみにゆだねておいたのでは円滑な推進が期待できないものにつきましては、国みずからが積極的に技術開発を推進することが不可欠である。こういった観点から、通産省の関係の技術開発予算について申し上げますと、新年度において対前年度比一二%増の千九百三十二億円と、重点配分に努めたところでございます。当省といたしましては、こうした認識のもとで官民の適正な役割分担を図りながら技術開発施策を積極的に展開してまいりたい。技術開発、情報化社会、こういった当面の一番重要な施策についての展開を図りたい、このように考えておるところでございます。
#50
○国務大臣(左藤恵君) 電気通信技術は、高度情報社会の円滑な実現に向けて、社会経済の発展、それから国民生活の向上を支える重要な役割を果たすものである。資源の乏しい我が国といたしまして、国際社会の中で生き残っていくためにも、どうしても不可欠な私は知識集約技術である、このように認識いたしております。
 そういう大切な電気通信技術ですが、特にこうしたものは典型的なハイテク技術であるということで、その発展のためには御指摘のNTT、それからKDD、NHKそれぞれが、あるいはまた民間の役割も極めて重要なことであることは申すまでもございませんが、郵政省といたしましても、今回の法案の策定の目的が民間において行われる基盤技術の試験研究を促進するための環境条件の整備を図っていくということであることにかんがみまして、センターと有機的な連携を図りながらそれぞれNTT、KDD、NHKがそのお持ちになっておられる技術力を我が国全体の電気通信分野の基盤技術の向上のために生かしてもらうことが重要である、このように考えております。
#51
○参考人(矢橋幸一君) NHKといたしましては、今回基盤技術の研究促進センターが設立されまして放送分野を含む電気通信分野の大型研究開発プロジェクトあるいは共通基盤技術に対する出資・融資の道が開かれるということによりまして放送技術に関連する分野の研究開発のすそ野が実質的に広がるということになりまして、放送技術の開発はより一層促進されるだろうというふうに思っております。NHKといたしましても、これらの研究開発の成果というものを利用しながら、今後とも放送技術にかかわる技術研究活動をより効果的に推進していきたいというふうに思っております。
#52
○片山甚市君 NTT、KDD、NHKともどもに、この法案が通ればそれについての基礎研究についての活用をしていきたいという御意見があったし、協力したいということがありました。それでもなおかつ私は次のような意見を持ちます。
 臨調答申以来、どの省庁も民間活力の導入をうたい文句に施策を進めておりますが、本法案によるセンター設立も民間活力を期待するということになっておりますが、政府の言う民間活力の導入とは、結局のところ、財政難の折から、建前はともかく、民間から金を、知恵を出させるということになる。しかし、そうだとすれば民間は出した分だけもうけさしてもらいまっさということになる。ということは、基盤技術開発を口実にして利権あさりの手口をふやすだけにならないか、それについての御答弁を賜りたい。
#53
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、もとより先ほど民間の基礎研究を行います上での問題点、特にリスクマネーの供給とか、技術情報サービスといったようなところに重点を置いてやっていくわけでございます。もとより、企業は最終的には営利を目的とするわけでありますが、諸外国の例を見ましても基礎的な研究というのは大いに力を入れているわけでございます。私どもといたしましても、このセンターにおきましてこの運用が公平かつ効率的に行われますような運用を図ってまいるわけで、今お話しのように、いやしくも利権あさりになったりすることのないように慎重な対応をいたしたいと考えております。
#54
○片山甚市君 本法案における民間活力の最大限発揮という大目標については、先ほどの質疑でも明らかなとおり、極めて難しいことだと思います。官民の共同研究とはいっても実態は官民の分担研究にしかすぎないと言われておりますし、産官学の共同研究は建前だけになるのではないか。国公立の研究機関での協力体制こそ本命であると思いますが、これらは今後どのように進められ、改善されていくのか、具体的ないわゆる構想について、あればお示しを願いたいと思います。
#55
○政府委員(荒尾保一君) 先端的なあるいは基礎的分野におきます基礎的な研究開発を推進していくために工業技術院に蓄積されております基礎的な研究開発ポテンシャルを最大限に活用しよう、これと、民間企業の人的あるいは資金的ポテンシャルとを有機的に連係した形で共同研究を実施したいというのが今回の考え方でございます。
 こういう点から今回官民連帯共同研究制度というのを六十年度から発足することとしておるわけでございますが、この制度の特色といたしましては、工業技術院傘下の試験研究所へ民間研究者を直接受け入れるということを考えておりまして、その場が国立の研究所であるということでございます。
 それから、国有の設備を共同使用いたしますとともに、逆に民間かもも研究設備の持ち込みをしていただきたい、こういう形で非常に基礎的なあるいはその効果が波及効果の大きい技術開発につきましては名実ともに効果的な共同研究が行えるようにしたいというふうに考えておる次第でございます。
#56
○片山甚市君 政府が言う本法案の目的、大目標であるところのセンターの事業規模ですが、六十年度予算でセンターの出資金が百二十億円、センターからの出資・融資四十億円。六十一年度からは、新電電株式の配当金収入を当てにしても年間二百億円から三百億円程度だということであります。これで十分であるかどうかということになると、基盤技術研究のためには資金が少な過ぎるという考えに立ちます。その資金的拡充と効果的使途について将来を展望した施策は必要であるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
#57
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のとおりに、今回はセンターの基本財産は百二十億円、事業資金四十億円で、これは十月の設立を予定をいたしておりますので半年の予算で四十億の事業を行う、こういうことを予定をいたしておるわけでございます。六十一年度以降も私どもとしてはこれからこういった部門の資金ニーズが高まってくるものと期待をいたしておりますが、今後私どもとしても、この研究開発が非常に重要であるということから、もちろんこれからの財政事情という点は十分考慮をいたさねばなりませんけれども、なるべくセンターの自主性を尊重いたしながら所要の予算の確保に努力したいと思っております。
#58
○片山甚市君 本法案で対象となる両省所管の基盤技術は、情報化社会の進展の中で電気通信と情報処理の融合が一層深まっておると思います。しかし、それだけに今日までの通産、郵政両省間の情報通信産業に対する縄張り争いは目に余るとの報道も再三であります。センター運営の自主性を確保する具体的な配慮はどうなされているのか。
 両省における縦割り行政の弊害をセンター事業に与えないため、人事運営面での配慮として、会長、評議員に基盤技術に熟知した実務家を充てるべきなどの意見もあるが、自主性確保のための方策としてどのように受けとめておるか。
 その次、センター業務の一つに、通産省関係のニューメディアコミュニティー推進法人、郵政省関係のテレトピア推進法人への出資ができることになっておりますが、法案第三条にある、民間において行われる基盤技術に関する試験研究に必要な資金の出資条項との関係はどうなのか。
 もう一つ、通産省のニューメディアコミュニティー構想と郵政省のテレトピア構想がどのように有機的に推進されるのか大きな関心があるところでありますが、例えば両構想のモデル指定地域札三地域で重複しておりますが、こうした地域の推進法人に二重出資をされた場合、公的資金の効率的利用から見て問題はないか。両構想のモデル地域指定に当たってどのような配慮がなされてきたのか。幾つか言いましたけれども、お答え願いたいと思います。
#59
○政府委員(福川伸次君) まず第一点、両省の縄張り争いは目に余るということで、どのようにセンターへの自主性を配慮するかというお尋ねでございます。
 私どもとしても、民間の活力を最大限に発揮させるということから、できる限り民間の意見が反映され、センターの自主性が発揮されるということが必要であるというふうに思います。法律案の三十三条にもそのようなことが明示されて、自主性の尊重ということが書かれております。例えば、私どもとしても出資、融資業務の対象案件の選定等については、センターができる限りその自主性が発揮し得るような運用を期すべきものと考えております。
 また、人事の点についてのお尋ねでございますが、これはもとよりこの基盤技術を民間の活力を発揮しながらやっていこうということでございますので、もちろんこの人事は公平でなおかつ専門的な運用ができる、効率的な運用ができる必要があると思っておるわけであります。特に評議員につきましては、基盤技術に関する学識経験のある者を選定するということでございます。会長は、また当然のことながらこのセンターを代表する者でございます。今後、人選は御指摘のとおりに公平にやらなければならないと思いますが、御指摘のような点は十分踏まえて対応をいたしたいと考えております。
 第三点のニューメディアコミュニティーあるいはテレトピアは三十一条第一号で読めるのかというお尋ねでございますが、このセンターの出融資事業のうちの出資事業については、二条の企業等が行う基盤技術に関する試験研究であって、技術開発要素に富む基盤的、先導的プロジェクトで、公共性を有し、収益の懐妊期間が長いものというものを対象にしようということで、郵政省あるいは財政当局とも御相談をいたしておるわけでございまして、私どもとしては出資の対象になり得ると考えております。
 なお、ニューメディアコミュニティーそれからテレトピアの有機的な連携が重要であるがというお尋ねにつきましては、担当部局の方からお答えさしていただきます。
#60
○政府委員(木下博生君) 通産省の方でニューメディアコミュニティーのモデル地区を昨年度八地域指定いたしておりますし、郵政省の方ではテレトピア地域を二十地域指定されたというふうに伺っております。アプローチの仕方が少し違っておりまして、通産省のニューメディアコミュニ
ティーといいますのは、具体的なその地域のいろいろなニーズに応じた情報システムをつくり上げるための構想をいろいろ進めていこうということでございますし、どちらかというと、そういう意味でソフト的なアプローチでございますし、郵政省の方では通信インフラストラクチャーの整備という面をお考えになった、ややハード的、インフラストラクチャー整備的なアプローチの仕方をされているというふうに伺っております。
 ただ、いずれにいたしましても、両者の構想は地域の情報化を進めるという目的において一致しておりますので、今後十分郵政省の方とも御相談して、連携をして進めさしていただきたいと考えております。
 それで、指定された地域の中で三地域だけダブっている地域がございますけれども、ただ、今申し上げましたように、それぞれの構想の中身が違いますので、内容的にはダブっているわけではございません。したがいまして、それぞれの地域においてそういう推進法人をつくって事業を進めようということになれば、これはセンターからの出資等によってそれを助成していくということになると思いますが、それによって事業がダブってむだが起こるということはないと我々は考えております。
#61
○片山甚市君 時間が来ましたから、今まで話したことをまとめてお聞きをします。両大臣からお答えを願いたいと思う。
 まず、基盤技術研究促進センターの出資・融資事業の対象は、既存の技術開発制度と明確に一線を画して、電気通信や情報関係のハイテク振興を主体にしてもらいたい。といいますのは、電電の株を当てにしてつくったものでありますから、余り勝手なことをせぬようにしてもらいたい。これはもうこれ以上議論をしたくないんで……。よく御承知のとおり、開銀を中心に通産省は考えてきたのであって、何もよその金を当てにしたものではないんだから、すかっと男らしくお答え願いたい。
 二つ目に、電気通信法制の改正に伴い高度情報社会に向けての新規事業の参入機会を円滑に促進するため、中小企業者の技術力向上に資するよう、本法の運用には万全を期してもらいたい。先ほどNHKあるいはKDD、NTTに聞けば、頑張りますよ、協力します、こう言っておるんだから、むしろ関係する周辺の人たちが、民間の人が協力できるようにしてもらいたい、これが二つ目です。
 三つ目に、情報通信機能の過度な中央集中を回避し、国民経済、国民生活の均衡ある発展を図るため、地方の情報通信機能の強化に資するよう、地域の特性に合った基盤技術の試験研究の促進を図ること。というのは、ニューメディアコミュニティーの問題、テレトピアの問題等を考えれば、通産省も郵政省も同じように地域振興を図っておるのですから、その開発をするときに、基礎研究をするときにも、でき得れば地域的発展ができるように努力してもらいたい。大きな会社は大きな会社で基礎研究をしてもらえばいいんですが、小さいところの知恵が出るようにしてもらいたい、これを申し上げておきたい。
 特許権の問題とか株の配当の問題で少し嫌な質問をしようと思ったんだけれども、時間を神様が与えてくれませんでした。時間があと二、三分ですから、しっかり答えてください。
#62
○国務大臣(村田敬次郎君) 片山先生の御見識、先ほど来承ったところでございます。まさに私は、これからの新しい時代というのは情報化社会、それからまたハイテク時代ということになるんだろうと思っておりまして、ちょうど世界的な産業革命が二、三世紀前に起こったのと同じような大きな第三の波と申しますか、そういうものが訪れようとしておるということだと思います。したがって、この法律案でそういった新しい事態すべてに対処し得るということではありませんが、私どもは、郵政大臣そして私、大いに協力をし合いまして、今の時代の要請にこたえるような国家行政としての対応をしてまいりたい。予算はもちろん当初不十分でございますが、着実にこれを充実してまいりまして、ニーズにこたえてまいるようにしたい、このように思っておるのでございまして、それが大筋でありまして、先生が先ほど来要望せられましたこと、あるいは御注意をされましたこと非常によく私どもは感得することができたと思いますので、誠意をもって努力してまいりたいと存じます。
#63
○国務大臣(左藤恵君) 郵政省といたしましても、今いろいろ先生御指摘のような諸問題につきまして、今回のこの法案の策定の経緯も十分考えまして、民間活力をそうしたところに活用していくというそういう円滑化法案の仕組みの中で、電気通信関係のプロジェクトヘの出融資事業等を通じまして、中小企業対策、あるいはまた今のことにつきまして、また地方のそうした公共団体を初めとします。そういう地域のそうした電気通信分野におきます技術開発という問題につきまして、十分の配慮ができるように努力をしていかなければならないと、このように考えておるところでございます。新しい電気通信制度に対応して電気通信への新規参入を促進しているところでもありますので、こうした多様な電気通信サービスというものが提供されるためには、やはり今、中小電気通信事業の育成も重要なことでもございますし、それを支えます技術開発プロジェクトに対してこの基盤技術研究促進センターの仕事を通じまして支援してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#64
○片山甚市君 もう一度念を押しておきますが、私が言った三点については両大臣とも反対ではないと、よく承ったと、よろしゅうございますね。――ほっとしました。
 最後に、今回特許の取り扱いについて、外国政府や地方自治体などの共同研究の場合に限り改善されることになったが、それ以外の官民共同研究、政府の委託研究については国有財産法や財政法で依然として制限されておりますが、これから民間活力の導入ということは、民間の側の自主的貢献度によっては特別に配慮するということかどうか。先ほども述べたように、政府の配慮により、官民共同の研究について、何とか制限を解除し改善してもらいたいと思いますが、これで最後の質問ですが、御答弁賜りたい。
#65
○政府委員(荒尾保一君) 官民共同研究の場合の特許権の取り扱いにつきましては、ただいま検討いたしておるところでございますけれども、民間における研究開発促進という意義ができるだけ機能いたしますように、共有の形に持っていきたいということで今検討いたしておるところでございます。こういう形によりまして民間の側も特許権の一部を共有することができるということで促進されると考えております。
 一方、国から委託をいたしました際の特許権の取り扱い、これが実は今まで問題でございまして、国の側が一〇〇%取得をするということになっておるわけでございます。これは、国から一〇〇%委託なものでございますので、制度的にはそういう形になるわけでございますが、この場合に参加をいたしました民間側の研究意欲の促進という点から、一度国のものになりましたものを国際的なクロスライセンス等の必要性がありますような場合におきましてこれを共有化するように、その権利の一部を譲渡するということを今関係機関と協議をいたしておるところでございまして、早急に詰めてまいりたいと考えております。
#66
○片山甚市君 どうもありがとうございました。
#67
○服部信吾君 通産大臣、大分他の委員会お忙しいようですので、四十五分になったら退出して結構ですから。
 まず初めに、二十一世紀は高度情報化社会ということでハイテク、ニューメディア、こういうものがその中心となっていくということはこれは明らかだと思うわけでありまして、今回の法案がそういう基礎研究などを円滑にするための法案だと、こういうことでありますので、まず最初に基盤技術研究促進センター等が今回の法案の中に盛り込まれているわけでありますけれども、当初は郵政省としては電電の株式の現物出資と、こういうようなことで電気通信振興機構の設立、あるい
は通産省側としては日本開発銀行出資あるいは一般会計出資補助金等の産業技術センターの設立と、こういうようなことであったようでありますけれども、六十年度予算の編成査定においてはこれ両方とも認められなかった。それがいろいろな経緯を経て、今回認められてこういう形になったわけでありますけれども、その経緯について両省からお伺いしたい。
#68
○政府委員(奥山雄材君) まず郵政省の方から経緯を申し上げたいと思います。
 昨年の八月の概算要求段階におきまして、既に電電改革三法は国会の御審議に付されておりました。その後御審議の中で、電電の資産の形成過程にかんがみて、電電の民営化に伴う株式の一部をもって将来の電気通信の技術開発の振興に貸すべきであるという御意見が各方面から出されたところでございます。そのような御意向を受けまして、私どもは八月の概算要求段階以降、電気通信振興機構といった特殊法人を設立する構想を持って臨んだところでございます。これは株式の現物出資をするということで考えたわけでございますので、売却益なり配当金の収入の相当の額を念頭に置いたところでございます。
 一方、電電の株式の処理をめぐりましては、衆参両院の逓信委員会あるいは本会議等におきまして、国会初め各方面からさまざまな御議論がありましたが、最終的に国会の附帯決議あるいは総理発言等を踏まえて、法案が国会において成立いたしました昨年の十二月二十日の翌日、政府・与党の間で最終的なその決着を図るための会議が持たれたところでございます。その中で、郵政省が要求しておりました電気通信振興機構と通産省の方から要求しておられました産業技術センターとの両法人の設立にかえて、今回の法案に盛り込まれておりますような基盤技術研究促進センターというものが生まれることになったのでございます。
 その意味からいきますと、当初私どもが考えました構想からいたしますと、若干形を変えあるいは性格の変わった面があることは否定できません。また、予定いたしました予算規模にいたしましても、かなり縮小されたことになっていることも事実でございます。しかし、その意図いたしますところは、電気通信のこれからの基盤技術を促進しさらにそれを推進していくための法人として、私どもの当初予定いたしました電気通信振興機構と軌を一にするものであるという判断に立ちまして、最終的に私どもは政府・与党の連絡会議の決定を子としたわけでございます。予算の最終段階におきましてこれが六十年度予算に織り込まれ、また今日御審議いただいております法案並びにその他の関係法案となって、現在に至っているわけでございます。
#69
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、昨年の春から産業構造審議会の総合部会の企画小委員会及び産業技術審議会で、今後の技術開発政策のあり方を検討いたしました。で、その研究の御報告のラインに沿いまして、私どもとしては開発銀行の出資によりまして産業技術センターをつくるという要求を出した次第でございます。
 その後、財政当局といろいろ折衝を重ねておった次第でございますが、十二月の予算編成の最終段階にいきまして、財政当局の方から開発銀行の出資は一部にとどめ、あと産業投資特別会計の方からの出資または融資によってこの事業をすると、こういうお考えがあり、それが政府・与党首脳会議に出された次第でございます。私どもといたしましては、それも一つの政策目的を達する手段であるということでございまして、それに従って対処することにいたした次第でございます。その際、今郵政省からもお話がございましたように、郵政関係の事業、研究開発についても同様の性格のものについて同じような手法でやるということの御提案もあり、政府・与党首脳会議でもそれを子とされたということでございますので、以後私どもとしては郵政省と緊密な連絡をとりながら予算の最後の固め、あるいは法案の提出に協調をして対応してまいった次第でございます。
#70
○服部信吾君 昨年の十二月二十一日の政府・与党の連絡会議において電気通信振興機構あるいはこの産業技術センターとが一本化で決着を見たと、こういうことに対して、その後に新法人については郵政大臣は、機構は見送られたが、名を捨てて実を取ったと評価しておる。村田通産大臣も、当省が主導的役割を果たしつつこの構想が電気通信分野を包括したより大きな形で実現するのが喜ばしい、このように評価をしているわけですけれども、まあしかし、運営方法において何かかなり違っていたような点があるわけでありますけれども、特に郵政省側としては新電電の配当金は電気通信関連業務の財源として特定とすると、お金には色がついていると主張しているようなことも言われていると。特にこの新法人はバイオテクノロジーには使うべきじゃないんじゃないかと。また、通産省の見解としては、産業投資特別会計に帰属するこの資金は無色の金とも理解していると、当然この電気通信以外の産業開発にも使えるはずだと、こういうようなあれがあったようでありますけれども、こういう点についてどのように決着されたのか、大臣にお伺いしておきます。
#71
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、服部委員からいろいろ経緯についての御指摘あり、また両省の政府委員からも経緯をお答え申し上げたところでございますが、実は左藤郵政大臣ここにおられますが、私とは極めて親しい間柄でありまして、この両省の事業の配分、そういったことについて私どもが論争をしたことは一度もありません。こうして法案の形でまとまりましたら情報化社会という新しい時代に向かってひとつしっかりと助け合っていこうやということで完全に一致しておりまして、私は、これからいわゆる情報化時代、ハイテク時代ということになりますと、現在の縦割り行政の中では郵政省、科学技術庁、通産省というようなところは一番二十一世紀に向けて協力をし合わなければならない官庁であると思っております。その意味で郵政省の非常に優秀なスタッフ、通産省の持っております優秀なスタッフの間には一分のすきもないようにひとつセンターの運営その他についてやってまいるつもりでございますので、何とぞよろしく御指導を賜りたいと存じます。
#72
○国務大臣(左藤恵君) 今通産大臣からお答えがございましたように、我々はとにかく日本の立場といたしまして技術立国ということで進めていかなければならないわけでありまして、そうした意味のハイテク時代に非常に重要な、まあ我々の立場から申せば、電気通信技術の問題につきまして、基礎技術につきまして通産省とそういったことによって十分連絡をとってすきのない形でやっていかなければならないと、そういう大切なセンターであると、このような認識でもって十分これからも連絡をとってやらしていただきたいと、このように念願をいたしておるところでございます。
#73
○服部信吾君 両省で大変緊密なあれで連絡とってやっていくと、そういうことでありますけれども、それはそれとして、もう一つ通産大臣にお伺いしたいんですけれども、当初センターの組織について郵政省としては技術開発と電気通信の担当部局を分けると、この技術開発は通産省からの出向あるいは電気通信は郵政省からの出向者が担当する、こういうことを主張して、通産省はこの融資事業あるいはこの出資事業、共同研究事業など事業別組織にして、部員は両省から出向する形を求めたと言われている。こういうことでいろいろな話し合いがあったようでありますけれども、これについてはどのようになったのかお伺いいたします。
#74
○政府委員(福川伸次君) 先ほども御質疑がございましたが、私どもとしてはこのセンターの自主性をできる限り尊重していく、また、両省が縄張り争いにならないようにという御指摘をしばしばいただいておるわけでございまして、私どもといたしましては、この今回のセンターの運用に当たっては大きく縄張り争いにならないような効率的な運用、自主的な運用ということを考えていくべきであろうと思っておるわけであります。特にこの基盤技術というのは大変すそ野の広い技術で、電気通信関係においても各業種横断的に使わ
れますし、また産業の基盤技術においても大変横断的に大きく対象となるところでございまして、そういう意味では特定の分野に偏る、あるいは特定の地域に偏るということのないような効率的な公平な運用ということが非常に必要になってまいりますので、私どもとしては縄張り争いになるようなことにならないような運用、自主的な運用ということに努力をいたしたいというふうに考えております。
 内部の組織につきましては、今後法案が通りました暁で、設立委員等が決めました段階でその辺の内部の機構がより具体的になっていくものと考えております。
#75
○服部信吾君 次に、ちょっと郵政省にお伺いしたいんですけれども、この基盤技術研究促進センターの設立によって、当初の電気通信機構において考えられていた電気通信の基礎技術研究等のこの目的が果たして十分達成されるかどうか、こういうことなんですけれども、特に当初の電気通信振興機構というのは、電電の株式の三分の一をこれに充てるとか、大変大きな物すごい契約だったわけですね。それが今回このように小さくコンパクトにされた、こういうようにもあるわけですけれども、やはり当初の目的を達成できるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#76
○政府委員(奥山雄材君) 確かに当初予定いたしました電気通信振興機構の構想の中ではより大きな額の財源を予定したわけでございますが、政府全体としての政策決定段階で、先ほど来お話が出ておりますように、今回のような形になったところでございます。その意味では結果的に金額的にはかなり圧縮されたものになりましたけれども、その過程で現下の財政事情及び先ほど来お話が出ておりますように現在日本の技術開発は七〇%が民間で行われておるという現実的な実態を直視いたしまして、民間の活力を最大限に引き出すならば、当初私どもが考えておりましたような非常に大きな額のものを国が丸抱えで支弁しなくても本来の目的が達せられるであろうという結論に達したわけでございまして、その意味で民間活力の導入を最大限に図りながら、当初の意図どおり私どもはこの電気通信分野における基盤技術の研究開発に努力をしてまいりたいということでございます。もちろん、あり余るお金ではございませんので、十分に精選をし、かつまた重点的、効率的にこれを投入していくことはこれからの私どもの課題であろうというふうに考えております。
#77
○服部信吾君 言うまでもなく、この電気通信事業、これは技術先端性の非常に強い部分だ。長期的な高度化を促進するに当たっては基礎的、先端的な研究開発が不可欠であると。郵政省ではこの分野における我が国の研究開発体制がまだまだ不十分である、このような考えがあって今国会に電気通信の高度化基盤整備法案の提出をする予定であったようでありますけれども、いろいろと通産省さんとの調整がおくれて今回見送った、こういう経緯があるようでありますけれども、それの理由、またそのことによって民間における電気通信の基礎的、先端的な研究開発に問題を生じないのか、この点についてお伺いしたい。
#78
○政府委員(奥山雄材君) 今国会に提出を予定しておりました電気通信の高度化基盤整備法の取り扱いでございますが、先ほど御指摘がございましたように、最終的に今国会への提出は断念したところでございます。
 それで、その中に盛り込むべき要素として考えておりましたものは、中央並びに地方における電気通信の高度化のための指針を策定し、あるいは電気通信事業法施行後における電気通信の安全体制を確立するための措置等から成り立っていたわけでございます。
 これらにつきまして、政府部内で関係各省庁と精力的な折衝を行ったわけでございますけれども、単に通産省だけということではございませんで、関係各省庁との間で、今国会におきましては調整がつくに至らなかったということでございます。
 しかしながら、この中に織り込まれております安全対策といったような問題につきましては、その必要性、重要性についてだれしも否定する者はございませんので、先般内閣官房において総合調整をしたいということで、通産、郵政を初め約十省庁の関係官を集められまして、これから電気通信の高度化あるいはコンピューターにおける安全性といったようなものの対策を政府全体としてどのように取り組んでいくかという協議の場が設けられたところでございます。
 なお、これに伴ってどういう影響が出てくるかということでございますが、既に着手しておりますテレトピア並びに電気通信事業法施行後における競争原理の導入等につきましては、現行の枠内におきまして行政措置として最大限の措置を講じて、遺憾なきを期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#79
○服部信吾君 郵政省としては、昨年の八月に電気通信政策大綱を決めているわけですね。その中で先端技術の充実強化に触れている。「電気通信分野における技術開発体制、重点技術開発項目、新技術の導入等の検討を踏まえての技術開発政策の確立。」「ニューメディアの通信方式の標準化の推進。」「各種ニューメディアの導入についての技術開発、その普及促進のための規格の統一、技術基準の確立。」、いろいろ述べられておるわけでありますけれども、このような政策大綱を受けでどのような政策を今まで具体的に行ってきたのか、この点について佃います。
#80
○政府委員(奥山雄材君) 電気通信政策大綱を策定いたしましたのは、六十年度に既に予定されておりました新しい電気通信事業体制を展望いたしまして、それを先取りする形で、五十九年度の段階から準備を始めようということで、これからの進むべき行政の大枠を設定したわけでございます。
 中身といたしまして三点ございまして、一つは事業法施行後における適正かつ公正な競争の確保ということでございます。二点目が今委員御指摘の技術開発政策の確立ということでございます。第三点が国際関係。その中には国際協力も含みますし、あるいは経済摩擦のような問題も含みますけれども、国際関係でございます。
 その第二点目の技術開発政策についての取り組みでございますが、私どもは予算の最重要事項といたしまして、ニューメディア技術等の振興開発というものを掲げまして、六十年度予算の中におきましても最大の、私どもとしてはマイナスシーリングの時代ではありましたけれども、これからの技術開発行政を進めるに必要なかつ十分な――十分と言えるかどうかわかりませんが、必要な予算が確保できたと思っております。
 それから第二点といたしまして、これまでのように公社、KDDが日本の技術開発政策を一元的に独占していた時代とは変わってまいりますので、新しい電気通信体制における技術開発政策のあり方というものを、郵政大臣の諮問機関といたしまして技術開発政策懇談会というものを設けまして、大来座長のもとで現在取りまとめを行っていただいているところでございます。中間報告で既にいろいろ出されておりますけれども、そこで提言されておりますようなものを含めて、私どもはこれからの行政に反映させてまいりたいと思います。
 それから第三点といたしまして、ただいま御審議をいただいております基盤技術研究促進センター、こういった民間の活力を導入しながら電気通信分野における技術開発の促進を図ってまいりたいというはうな構想で、六十年度におきましては以上三点を具体的な構想として進めているところでございます。
#81
○服部信吾君 次に、法案の内容についてちょっとお伺いしたいんですけれども、その内容の中で、我が国は欧米諸国に比べ、基礎、応用段階の技術開発の取り組みが必ずしも十分ではなかったのが現状である、このように述べられておりますけれども、我が国の技術水準、特に基礎、応用研究について、欧米諸国に比べでどのような状況になっておるのか、この点についてお伺いしておきます。
#82
○政府委員(福川伸次君) 一般的に申しますと、私どもも日本の基礎研究は欧米諸国に比べて一般的に立ちおくれているのではないだろうかという懸念を持っておるわけであります。例えば五十八年に実施いたしました調査によりますと、欧米と比べて日本の基礎研究段階の水準が優位に立っているかどうかのアンケート調査によりますと、むしろ優位に立っているというのは極めてわずかでございまして、〇・八%、八六・八%は劣後にあるということを言っておるわけでございます。
 従来日本は、どちらかと言えば外国の技術を導入をして、それを加工をいたしましたり工夫を加えましたりして、生産段階の技術、商品化技術に大変力を入れておったわけでありまして、そういう意味で言えば、研究費自身の投入割合も基礎研究への投入は一〇%台ということで低うございまして、そういう意味で基礎研究は欧米諸国に比べるとかなり劣っておると、こういうふうに思うわけであります。特に最近では、欧米では二十一世紀を目指しましてハイテク革命と言われるほど大変力を入れておりまして、政府もそれぞれ大きな力を加えて支援をしているわけでありまして、今一般的に申しますと、今も劣っておりますし、将来も政策的な努力は大変欧米が進んでいるというのが現状でございます。
#83
○服部信吾君 今後どのような産業が伸びていくか、そういうようなことを調べるには、特許の出願件数等を見ればどのような産業が伸びていくかというバロメーターになると、こういうようになると思いますけれども、郵政、通産関係の所轄でどのくらいあるのか、また各分野での割合はどのぐらいなのか、この点についてわかればお伺いしておきます。
 それから基礎研究費総額のうち、政府負担の割合を見ると、先ほど話がありましたけれども、米国は約七〇%、西ドイツは八〇%、フランスは約九〇%、イギリスは八〇%、これに対して我が国はその半分の五〇%、大変欧米諸国に比べて低くなっておりますけれども、今後我が国が技術立国として進んでいくには、民間活力を最大限に発揮し得るような環境条件の整備を図るだけではなくて、政府の研究開発費をもっと大幅に拡大していく必要があると思うんですけれども、この点についてお伺いしておきます。
#84
○政府委員(荒尾保一君) 第一点の特許の中で通産、郵政両省関係、どのくらいの比率であるかということでございますが、非常にたくさんのウエートを占めておりまして、九十数%、九〇%以上ということでございます。
 それから第二番目に基礎研究につきましての負担割合。今先生お話しのとおりでございまして、基礎研究の中で政府がどれぐらい負担しておるかという比率を見ますと、圧倒的に我が国は小さいわけでございます。諸外国に比べましてその面における立ちおくれがあるということは事実として認めざるを得ないのではないかと思います。もちろん財政状況、非常に厳しいわけでございますので、科学技術研究費といえども、今マイナスシーリングの中で予算が組まれていくわけでございますが、しかしこの重要性にかんがみまして、この拡充強化に努めなければならないという点は御指摘のとおりでございます。
 そういうことから、私ども通産省におきましても、昭和六十年度の科学技術関係予算、いろいろな工夫をいたしまして、対前年度比一三%増、千九百三十二億円を計上いたしておるわけでございます。今後ともできるだけの努力を続けてまいりたいと考えておる次第でございます。
#85
○服部信吾君 この法案で、基盤技術とは鉱工業あるいは電気通信業、放送業の技術その他電気通信に係る電波の利用技術のうち、通産省または郵政省の所掌に係るものであって、国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するものとしているわけでありますけれども、この基盤技術の対象を郵政、通産両所管技術に限定した、この理由はどういうことですか。
 それから、このあれを決めるに当たって、運輸省とか農水省あるいは建設、厚生、この四省からいろいろと申し出があった、まあ抗議文まで出たというようなことまで報道されているわけでありますけれども、ひとつこの辺の経緯はどのようになっていらっしゃいますか。
#86
○政府委員(福川伸次君) まず第一点でございますが、条文にも御引用いただきましたような形で、この基盤技術の定義が政府全体として決まったわけでございます。
 そのように決まりました背景でございますが、先ほど来からも御質疑がございますように、これはむしろ民間における基盤技術に関する基礎研究あるいは応用研究を促進していこうということが目的であるわけでございます。現在そういった民間でやっております研究開発の中で、できる限り基礎研究、応用研究にその活力を振り向けていこう、そのための誘導措置を講じようということであったわけでございます。そういう意味では、そういった基礎技術という範囲と、それからもう一つは、この民間が主体となっている技術分野を今回の法律の対象として誘導を図っていこうということで、民間が主体となっている技術分野を対象にしようという制約もあわせ考えた次第でございます。もちろん、基礎的な技術というのは厚生省、農水省等にも所管されるものがあろうかとは思いますが、現在のところ各省庁はそれぞれその研究開発を進めるに当たりましては、その省、その業種業態に応じまして一番ふさわしい助成手段を講じ、予算措置を講じておられるわけでございます。例えば農業関係で申しますれば、これはむしろ国立の農業試験場が中心になって進めておられるし、また医療関係でもその多くは、もちろん民間の協力はあると思いますけれども、国立病院とか衛生研究所とかが推進になっておられる、こういうわけでございます。私どもも、その将来の問題は別といたしまして、当面、今回このような出資または融資というような形でこの基盤技術の基礎研究等を進めていく、民間にそういうようなインセンティブを与えていくという手段をかみ合わせますと、通産省、郵政省ということの所管で、今特許の御質問ございましたように、もう九十数%カバーできるということでございまして、それぞれ各省庁がふさわしい研究開発の促進体制をつくっていくということから考えますと、郵政、通産両省でやるということが適切ではないか、かように考えたわけでございます。
 立法の過程で他省庁からいろいろの意見があったはずだがというお尋ねでございまして、調整の過程でいろいろ各省庁とも御相談をさしていただいたわけでございます。最終的にはもちろん内閣全体でもいろいろ御議論をいただきました次第でありますが、もちろん当面はこのような格好でいこう、しかしもちろん各省庁は今後ともそれぞれのお立場で研究開発を進めていくわけでございまして、それぞれ将来の問題としていろいろな方法をお考えになっていくであろう、それについてこの法律は、それについては各省庁の今後の検討については何ら制約を加えるものではない、こういうことでございまして、将来の点についてはもちろん各省庁のこれからの御検討の次第でございますが、最終的には両者が所管するということについて政府全体として意見の一致を見た次第でございます。
#87
○服部信吾君 この基盤技術の対象を郵政、通産両省に限定したというのは、先ほど話がありましたけれども、電気通信振興機構あるいは通産省の産業技術センター、こういう要求を一本化したもの、私は経緯に大変の理由があると思うのですね。法案における第二章の「(国有施設の使用)」あるいは「(国際共同研究に係る特許発明等の実施)」あるいは「一政府の責務)」については、郵政、通産両省技術に限定する必要は、私はないのではないか。今の御答弁で今後は他省庁も含める、こういうことでよろしいわけですか。
#88
○政府委員(福川伸次君) 例えば国有財産の例外の規定というのも、従来これは大変政策的に重要度のあるものということでそういう例外を設けてまいっておるわけであります。そういう意味でいえば、今回はそういった第二章に規定されており
ます趣旨も、そういった民間の活力を振り向ける政策手段の一環として位置づけられておるわけで、両省の範囲に限定をされておるわけであります。
 将来の問題、これはいろいろ各省庁が今はそれぞれの業種業態に応じた最もふさわしい助成手段をとっておられますので、将来それぞれの省庁が、あるいはここに書いてあるような手段が好ましいということを政策的に御判断になり、財政当局等との折衝がありますれば、そういうことが将来においては起こり得ると思いますけれども、現段階におきましては両省の関係でこの体系をつくり上げるということが最も適切であるというのが今回の政府の意向であります。
#89
○服部信吾君 次に移りたいと思うんですけれども、民間のこの技術開発を促進するためにセンターを設立したと。そのほかに、国有試験研究施設の廉価使用及び国際研究協力から生じた特許権等の取り扱いについて所要の措置を講じることになっているわけでありますけれども、その概要について御説明していただきたいと思います。
#90
○政府委員(荒尾保一君) 御提案申し上げております法律の中で、二つの特例措置を講じようということでございます。
 第一は、第三条の関係でございますが、国の試験研究所が持っております研究施設を民間に利用していただきます場合に、その使用の対価を時価よりも低く定めることができるということにしておる点でございます。民間における基盤技術研究を促進するという点から、かなり最近の技術開発の規模が投資規模等におきましても非常に大きくなっておるわけでございますが、研究内容を具体的に進めていくに当たりまして相当大規模な試験研究施設を使用することが必要になる場合があるわけでございます。一方、国の側におきましても、国立研究所等でそれらの施設を持っておるわけでございますが、これを使用いたします場合に、その使用の対価が相当高額になるというケースがございます。そういった場合に、財政法の特例によりましてその対価を時価よりも安くするというような規定を設けることによりまして、民間の基盤技術研究を促進しようということでございます。
 第二番目の点は、第四条の関係でございますが、国際共同研究をいたしました際に、その国際共同研究の結果として生じます成果である特許権あるいは実用新案権の取り扱いの問題でございます。国際的にはこういった場合に、相互に研究の相手方であるパートナーに無償または廉価で通常実施権の使用を認め合う、一種のクロスライセンス的な考え方でそういった取り決めを行う例が多いわけでございますが、我が国の場合におきましては、国が持ちます国有の特許権あるいは実用新案権につきまして、これを無償または廉価にすることができないということになっておるわけでございます。その結果、国際共同研究が進まないケースが間々あるわけでございますが、こういった場合に特例を設けまして、相手方とレシプロカルにクロスライセンスができる、無償または廉価でできるというような規定を置こうというものでございます。これが第四条の関係でございます。
 以上、二点でございます。
#91
○服部信吾君 今回のセンターですけれども、大変大きな目標を掲げているわけでありますけれども、その割にこの事業規模予算が本年あたり非常に少ない。そういうことで、その効果的な使用方法が望まれるわけでありますけれども、どっちかというと余り薄く広くじゃなくて、やっぱりいいプロジェクトを厳選して、そして資金の重点配分が必要じゃないか、このように思いますけれども、どのような基準で出資・融資を行っていくのか、一件例えば数億円とか、いろいろ何かそういう基準があればお答え願いたいじ、また郵政省及び通産省ではこのセンターの出資・融資対象の基盤技術としては今どのようなものがあると考えておるのか、この辺についてお伺いしておきます。
#92
○政府委員(福川伸次君) まず予算の規模は、一応今センターの設立をことし十月と予定しておりますので、半年の予算で、事業規模は四十億円ということでございます。
 大変財政事情が厳しいことはあえて申すものではございませんが、来年度以降につきましては、今後そのセンターの業務の準備状況等にもよるわけでありますが、私どもとしてはかなり民間のニーズが高いものと考えております。今後センターの中でこの業務の見通しを立てまして、必要な予算は確保できるように努力をしてまいりたいと考えております。
 また、一件当たりどのくらいになるかという点につきましては、これは今後もう少し具体的な案件を煮詰めていかないと平均幾らぐらいになるかということはなかなか想定いたしかねますけれども、当面、予算が限られているということでございます。もちろん、その予算の配分につきましては、細かくばらまくことでないようにといっただいま御指摘をいただきました。もちろん、この基盤技術、大変すそ野が広いわけでございますけれども、この出融資を採択するに当たりましては、もちろん特定の分野に偏るということでなくて、そのプロジェクトの重要度、熟度に応じまして優先的に配分をして重点的な配分をしてまいりたいと、かように考えておるわけであります。その辺のプロジェクトの選定は十分このセンターの自主性を発揮すべきものと考えております。
 一件幾らになるかというのは、特に今のところ基準を設けておりませんけれども、大ざっぱに言うと恐らく一千万円の台から一億の台、数億ぐらいの間になるかと思いますが、これはもう少しそのプロジェクトが出てきた段階で、具体的にどの程度が一番適切であるかという点はセンターが順次決めていくことになると思います。
#93
○服部信吾君 こういう基盤的な、基礎的なこういうものを研究するには、海の物とも山の物ともわからないと、大変リスクの大きい事業になると思うんですね、いわゆるベンチャービジネスというんですかね。そういうことを考えまして融資の貸付条件、例えば融資期間十五年を限度に据置期間五年以内は無利子で、開発に成功した場合の返済は当面七・一%の金利を考えている、こういうことでありますけれども、基礎研究段階から企業化までの期間が長いことを考えますと、据置期間や金利についてももう少し改善をする必要があると思うけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
 それから、この研究なりこのあれが失敗した場合、これは無利子になると、こういうことですけれども、こういう基礎研究ですから何が失敗か成功がなかなかわからないと思うんですけれども、その辺の基準ですね、判断があったらお伺いしたい。
 それから、技術研究等においてこのリスクの大きさも勘案して、例えば技術開発の失敗時においての融資額の返済に当たってどのような配慮を考えておられるのか、この辺についてお伺いしておきます。
#94
○政府委員(福川伸次君) 今のところ、この出融資事業のうちの融資事業につきましては、基礎、応用それから開発と三つの研究開発のステージの中では融資というのはその応用研究の段階から入っていくようなものを大体考えておるわけでございます。そういう意味でいきますと、出資という形態をとりますものよりはややリスクは少ないようなものと、こういうものを融資という形で採択をしていこうと、こういうことでございます。
 もちろん、民間企業もそれが事業化になっていく場合にはそれなりの収益を生むということでございますので、民間にもそれなりの負担を求めるという意味で、融資に関しまして、今お話がございましたように、成功したときには利子をいただくが失敗したときには無利子にすると、こういうことで考えましたのは、応用研究から入るプロジェクトを融資対象にするということから出たわけでございます。したがいまして、私どもとしては今のところ大体今お尋ねになったような融資条件で対応できるのではないだろうかと、かように考えております。
 また、失敗、成功の判定基準はどういうことに
なるのかということでございますが、この成功不成功の評価は大変難しい技術的な判断を要するわけでございます。
 センターにおいては、試験研究の終了時点において、採択したときに立てました技術開発目標を達成したかどうか、あるいはその時点での経済諸情勢、将来の事業化の見込み等々も考えて総合的に判定をしていくと、こういうことになるわけでございます。しかし、なかなかこれが難しい判定でございますので、センターの中に専門の評価の委員会のようなものを設けまして、公平にこれを判定をしていくと、かように考えておる次第でございます。
 一応、失敗したときについては、その元本の返済等について何か便法等を講ずることはないかという点でございますが、私どもとしては、今のところ、先ほど第一点で申し上げましたような段階から取り上げているということでございますので、今決めております方法で対処をいたしたいと、かように考えております。
#95
○服部信吾君 このセンターの財源については、昭和六十年度は、基本財産として産業投資特別会計から六十億円、日本開発銀行から三十億円、民間から三十億円の合計百二十億円。それから事業資金としては、産業投資特別会計より融資二十億円、出資二十億円の合計四十億円が予定されておりますけれども、大変事業規模としては小さい。六十年度以降これをどのように拡大していくのか。この辺についてお伺いしておきます。
 それから、これらの研究開発をより円滑にさせるために、減税をしておりますね。この試験研究促進のための措置として基盤技術の研究開発資産についての減税を行う、あるいは中小企業等の試験研究に対しての減税を行う。大変財政の厳しいときに大変思い切った措置をとっているわけでありますけれども、この目的、理由はどこにあるのか。また、これは三カ年の措置だそうでありますけれども、大体減税額というのはどのくらいなのか。この辺についてお伺いしておきます。
#96
○政府委員(福川伸次君) 六十一年度以降の予算についてのお尋ねでございますが、六十一年度以降は、今後またそのセンターができて、今後のニーズを見てということでございます。
 六十一年度どのくらいの予算を要求するかという点はまだ私どもとしても明確になっておりませんが、今後センターが順次設立にいくに当たりまして、民間からも大変関心を深くしておりますことでありますので、私どもとしても、その民間のニーズにできる限り沿うべく、厳しい財政状態ではありますが、できる限りの予算措置を講じてまいりたいと考えております。その点は郵政省とも十分連絡の上対処してまいる所存でございます。
 第二点が技術開発関係の税制についてのお尋ねでございます。
 従来、技術開発と申しましょうか、研究開発につきましての減税措置として増加試験研究費の税額控除制度というのがございました。これは、過去の試験研究費の支出を上回った部分について二〇%の税額控除をするというのが基本の仕組みになっておるわけでありますが、最近、ハイテク関係の研究開発を進める上ではこの研究設備が大変高価なものになっておると、精緻化しておるというようなことから、この研究設備をなるべく導入させるという点にインセンティブをつけることが、ハイテク関係の、特に基礎的な研究を進める一つのインセンティブになろうと、かような考え方から、この基盤技術研究開発促進税制という略称をつけまして、研究設備を取得した場合にその取得した設備の六%の税額控除を行うと、こういう制度を増加試験研究費の税額控除制度に付加して今年度法律改正をお願いして成立いたした次第であります。
 他方、中小企業についてもお触れになられましたが、従来から、これまでにございます増加試験研究費の税額控除制度、これがなかなか中小企業としては使いにくい。使いにくいと申しますのは、過去の研究費を上回って支出するというのがなかなか難しいことになります。そういうことでありますので、中小企業につきましては研究開発費そのものを税額控除の対象にして、しかし控除率は七%にすると、こういうことで、これも増加試験研究費の一つの特例としてこれを付加して、選択適用によって認めることにいたした次第でございます。
 減税額のお尋ねでありましたが、今申しましたハイテクの関係の研究設備についての税額控除は、初年度百三十億円、平年度で百六十億円、それから中小企業関連につきましては、初年度百億円、平年度百四十億円の減税額ということになっております。
#97
○服部信吾君 また、このセンターですけれども、これは特別認可法人ということになるわけでありますけれども、この法人の出資者に配当を支払うことができるということになっておりますけれども、特別認可法人で配当を支払うというのはちょっと珍しいケースじゃないかと思うんですけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
 また、この法人がどの程度の財政状態になったら配当を払うのか、この点についてお伺いしたい。
#98
○政府委員(福川伸次君) センターは、今御指摘のように、損益計算において利益が生じたときにはまず欠損繰越金に充当する、なお残余があるときには、財務の基盤を強化するために、政令で定める額を乗じて得た金額を内部に積み立てておく、それでもなお残余があるときに、この出資額に応じて配分をすると、こういう立て方になっておるわけでございます。もちろん出資あるいは融資という事業を行うわけでありますから、配当が生じ得る仕組みに相なっておるのでこのような規定があるわけではございますけれども、当面、短期的には収益を上げることはまず大変難しいというふうに思うわけであります。特に、このセンターが収益を上げるということを目的としているわけではなくて、結果的に収益が出たときの対応策がそこに書いているわけでございますけれども、そういうわけで、今申したようなことで、残余があるときに出資額に応じて分配するという規定が用意をされておるわけであります。しかし、配当が行われるということは、当面は大変考えにくいものと思っております。
#99
○服部信吾君 通産大臣戻られましたので、今非常にこのセンターについていろいろ国民の間でも注目されておる、こういうことでありますけれども、その中で特に人事ですね、会長、理事長、監事、こういう任命については大変注目されているところなんですけれども、これを通産大臣が郵政大臣と協議しながら所管すると、こうなっておりますけれども、何となく通産大臣に傾いたものになっている、こういうようにもあれがあるわけでありますけれども、この点についてどのように考えておられるのか。
 また、大臣はこの役員大事について郵政大臣と協議するようになっていますけれども、例えばこの協議を欠いた場合、また協議不成立の場合はどうなるのか。
 それから、この法案では、政府はセンターの事業に関し自主性を尊重することがうたわれている。通産大臣は、センターの自主性を担保する意味からも、役員大事についてどのような方針で臨まれるのか、この辺についてお伺いしておきます。
#100
○国務大臣(村田敬次郎君) このセンターは、民間活力を最大限に活用しながら民間の基盤技術に関する試験研究を促進するために設立される法人でございます。国としてはセンターの業務が自主的かつ円滑に実施されるよう十分な配慮を行ってまいる、これが建前でございまして、本法律案の立案に当たって、通産省及び郵政省は緊密な連携をとりながら共同で作業を行ってきており、人事を初めとしたセンターの運営に当たってもその円滑な運営が確保されるよう十分配慮をする所存でございまして、民間の自主運営を基本としつつ、人事面等については郵政大臣と緊密な連絡をとって運営をしてまいる決意でございます。
#101
○服部信吾君 最後に、先ほど来いろいろ御意見を聞いているわけでありますけれども、このセンターの創設のいきさつを見ますと、いろいろと皆
さん心配する面があるということで、郵政省の電気通信振興機構、また民間活力を主体とする通産省の産業技術センター構想等々、ある人から言うと足して二で割った妥協案だと、こんなようにもいろいろ言われているところもあるわけでありますから、この両省の共国運営、これが大変重要になると思います。そこで、両大臣に御決意をお伺いいたしまして質問を終わります。
#102
○国務大臣(村田敬次郎君) まあ、いわゆる技術革新の胎動期ということが現在だろうと思います。したがって、これからの行政を進めていくためには、新素材、マイクロエレクトロニクス、電気通信などの基盤技術分野における技術開発というものが国民経済や国民生活の基盤の強化に大きく寄与をすると、こういった観点からこの関係の行政を進めていかなければならないと思っております。この法律案制定までにはいろいろ関係各省御相談を申し上げながら苦労をし、まとめたわけでございますが、基礎、応用研究を中心に官民の力を糾合していくということがこの行政の推進のために必要でありまして、国はその果たすべき役割に万全を期することはもちろん、民間においても基礎、応用研究に格段の努力を払っていく必要があると認識をしております。こういった意味で、この法律案を可決していただきますれば、その運用に当たって、郵政省そしてまた内閣として、全体を調和のある行政の方向に持っていくべく最善の努力をしていかなければならない、このように認識をいたしております。
#103
○国務大臣(左藤恵君) ただいま通産大臣から御決意の表明がございましたが、郵政大臣といたしましても、所管大臣といたしまして、今通産大臣がお述べになったと同じ考え方でこの円滑な運用に努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#104
○佐藤昭夫君 本法案は、通産省、郵政省共管の法案として提出されていますけれども、まず通産大臣に代表して、法案自体の問題について冒頭お尋ねをしたいと思います。
 今回の法案では、言うところの基盤技術研究について、それを平和目的に限るとする明文化した根拠が、そういう定めがありません。そこで、法律上のどういう定めをするかという問題は次の問題として聞くとして、そもそもこの基盤技術研究は平和目的に限るべきだと、こういうふうに考えるのか考えないのか、まずこの点をお尋ねします。
#105
○国務大臣(村田敬次郎君) 平和目的に限ると思っております。
#106
○佐藤昭夫君 そこで、原子力研究の場合です。
 原子力の研究開発については、原子力基本法で明確な定めをしています。また、宇宙の開発利用については宇宙開発事業団法で、こういうふうにそれぞれ平和目的に限ることを明文化しているので、なぜ今回基盤技術研究、これについてはそうした平和目的に限るということを法律上明記しなかったのか、その理由は何ですか。
#107
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、今回はいわゆる基礎研究、民間のいろいろと各産業に横断的に使われることとなるような基礎的な基盤技術につきまして、それの基礎研究をやる、しかも、それも民間の研究を応用するための環境条件の整備と、こういうことを考えておるわけでございまして、当然の趣旨として軍事目的は入らないというふうに考えておる次第でございます。
#108
○佐藤昭夫君 当然の趣旨として平和目的に限るということは言うまでもなかろうけれども、しかし今回の法案には、それは今挙げられた理由で明記をしなかったと、こういうことでありますけれども、しかしそれならば、いわゆるこの基礎研究といいますか、基盤研究といいますか、この基盤研究なるものがその後ずっと進んでいって、利用の段階というか応用の段階へ進んでいったその局面でそれが軍事目的に使われないと、こういうことをきっぱりと定める何か法的な歯どめは今日あるんでしょうか。
#109
○政府委員(福川伸次君) この法律では、先ほども申しましたように民間において行われる基盤技術に関する試験研究を円滑化する、こういうことで民間の基盤技術の向上を図ることの措置を講ずるということが目的になっておるわけであります。
 今お話がございますように、技術というのは確かにいろいろの広がり、関連があることは事実でございますが、もしそこで開発されましたその技術がさらに発展していって、これが果たしてどういうふうに使われていくかということになりますと、例えばこれがどのような格好で海外に出ていくかどうかということになりますと、それぞれ武器輸出あるいは武器技術輸出につきましての政府の全体の方針があるわけでございまして、それはまたそういう段階に転化していった段階での措置を講ずるということでございまして、ここでは民間の基盤技術での研究開発を促進するということでございますので、先ほど申しましたように趣旨として平和目的に限られるというふうに考えております。
#110
○佐藤昭夫君 いろいろおっしゃいましたけれども、一つは、この法律自体に基盤技術研究なるものを平和目的に限るという明確な定めはしていないと。この基盤技術研究が今後どんどん進んでいって、利用の段階、応用の段階、こういう段階へ来たときには例えばという言い方をされましたけれども、この武器技術供与に関する政府方針というものがあると。しかし、この政府方針なるものが、もう繰り返しませんけれども、予算委員会などでもたびたび私の方から言及をしてきたように、非常にもうざる法的なラフな、何の縛りにもならないようなそういう方針に今日形骸化をしてきている。こういう状況のもとで、少なくとも今あなたのおっしゃるようなことでは、別途手段によって法的歯どめが明確にありますということにはなっていないというふうに言わざるを得ないわけですね。こうした点で、通産大臣、冒頭に平和目的に限るべきだという精神を確認はされましたけれども、それはそれでよしとしても、本当にそのことが全うされていくような法的な定めが、どう見ても極めて危険を感ぜざるを得ないようは法体系の姿になっているということを私はまず指摘をしておきたいと思うわけであります。
 そこで、次の問題に入りますが、昭和四十四年、我が国における宇宙の開発及び利用については平和目的に限る、こういう国会決議がなされてきているわけでありますけれども、これは我が国の宇宙開発と利用の基本原則を定めたものであって、政府もこれを守らなくちゃならぬと、言うまでもないことかと思いますが、まずこの点について、これは基本問題ですから、まあ衛星には郵政大臣の方が関係深いから郵政大臣答えてください。
#111
○国務大臣(左藤恵君) 宇宙の平和利用という問題につきまして国会で御決議になっておられるということは十分私も承知いたしております。そして、この平和利用というものについての解釈と申しますかというものについては国会におきます解釈に私は従うべきである、このように考えておるところでございます。
#112
○佐藤昭夫君 科技庁にお尋ねします。――おられますね。
 これまでの宇宙の開発利用、これは国が一元的に実行をしてきたところでありますけれども、今後民間で開発し打ち上げる、こういう衛星についても、今申しておりますこの四十四年国会決議、これは適用をされるんでしょうか。
#113
○説明員(三浦信君) お答え申し上げます。
 国会決議の有権解釈は国会においてなされるべきものと承知しておりますけれども、御指摘の民間衛星の利用につきましては、これを政府機関が利用する場合には当該政府機関が国会決議との関係について責任を持って判断すべきものと考えております。いずれにしても、具体的な事例に即して判断されるべきものと考えております。
#114
○佐藤昭夫君 民間事業体が利用する場合はどうなんでしょうか。
#115
○説明員(三浦信君) 再々申し上げますけれども、国会決議の有権解釈は国会がなさるべきものと承知しておりますけれども、民間機関が民間独
自で利用される場合については特にそれが及ぶものではないのではないかというふうに考えております。
#116
○佐藤昭夫君 ところで、郵政省はさきに全国で二十の地域についてテレトピアモデル地域というものを指定いたしました。これには税制上の優遇措置が適用され、今回の法案でセンターを通して融資も行っていく、こういうことになるわけであります。これは通産省が指定をするニューメディアコミュニティーについても同様でありますが、こうした点でテレトピアとかニューメディアコミュニティーの具体的な計画については税制上の優遇もする、出資もする、こういうことでありますから、国の金がそういうふうにして流れていくわけでありますから、事業主体任せではなく、国としてよく指導監督をして公正、民主的な運営推進が図られるようよく見ていくということを言うまでもなく必要かと思いますけれども、この点、郵政大臣確認するまでもありませんね。
#117
○政府委員(奥山雄材君) 去る三月五日にモデル都市として指定いたしましたテレトピア二十地域につきましては、ただいま御指摘ございましたように、税制上の優遇措置あるいは財投さらにはテレトピア推進法人に対する基盤技術研究促進センターからの出資といったような支援措置がございます。したがいまして、これらの措置につきましては、国が財投あるいはセンターからの出資につきましてそれぞれ他の機関に対して行うべきと同様の関与並びに審査を当然行うつもりでございます。
#118
○佐藤昭夫君 そこで、大事な問題でありますので両大臣にお尋ねをします。
 もしもこのテレトピアないしはニューメディアコミュニティー計画の中に軍事的に利用されるような内容を含んでいるようなときはモデル地域指定は行わないというのが国の態度だ、方針だというふうに確認をしてよろしいでしょうね。通産大臣と郵政大臣、御両名。
#119
○国務大臣(村田敬次郎君) ニューメディアコミュニティー構想というのは、我が国における高度情報化社会の円滑な実現を図るために地域コミュニティーの産業、社会、生活の各分野におけるニーズに即応した各種情報システムの開発普及を行うことを目的とした、そういった新しい制度でございます。
 具体的には、佐藤委員御指摘のように、モデル地域の指定を行い、各地域で構築を計画している情報システムについてのニーズの調査、概念検討を行うとともに、その後の情報システムの構築について各種の支援を行うということにしておるのでございまして、ニューメディアコミュニティー構想は地域コミュニティーのニーズに即した情報システムの開発普及を目的としているというところから、御指摘のような軍事目的に使われる事業について地域から計画が提出されるような事態は全く考えられない、このように認識をしております。
#120
○国務大臣(左藤恵君) テレトピア構想におきましては、軍事目的のためのシステム構築というのは想定をいたしておりません。したがって、そうした軍事目的のためのシステムというのが、もし基本計画に含まれておるとすればそうしたものは指定はいたしません。そうした態度で今郵政省は進めておるわけでございます。
#121
○佐藤昭夫君 そこで、横浜市のテレトピア計画の問題であります。
 その事業の第一に、多目的国際情報ネットワークシステム、こういうものを構築するのだということになっておりまして、それが全事業計画の四〇%を占めるというのでありますが、一つはそのシステムの内容、概要、これをごくポイント部分を御説明いただきたいことと、その多目的国際情報システムの運営主体、それから通信事業者、これはどうなるのか、郵政省御説明ください。
#122
○政府委員(奥山雄材君) 横浜市から提出されましたテレトピア計画の中に多目的国際情報というものを目的としたネットワークシステムがございます。その概要でございますが、これは対象地域の企業と東京の都心部、それから対象地域の企業とあるいは国際通信の地上局、それからまた、対象地域の企業相互間といったようなものの専用の回線で結ぶことによって形成される情報通信システムを想定しております。つまり、国内の企業相互間あるいは国内並びに国際との回線設定といったようなものが内容でございまして、その事業主体につきましては、まだ現在計画の段階でございまして実現するに至っておりません。あるいはまた、そこにおける事業主体についても同様でございます。
#123
○佐藤昭夫君 そこで、事業主体が決まっていないということですけれども、それは民間が中心になるということは、これはもうこのテレトピアなりニューメディアコミュニティー構想の民間活力導入という根本趣旨に照らして言うまでもないことなんですね。
 そこで、横浜市のテレトピア構想地域、私も資料をいただいて、(資料を示す)こういう地図、グリーンで囲んでいるここの地域がと思いますけれども、この中に米軍の施設が含まれておることは、郵政省は審査なさったから御存じでしょうね。
#124
○政府委員(奥山雄材君) 私どもが審査の対象にいたしておりますのは、当該テレトピア構想のシステムが考えております。その業務内容についてございまして、たとえその中に米軍の施設がありましょうとも、それが当該システム構築の対象になっていない限り、私どもの審査の対象としては考えておりません。
#125
○佐藤昭夫君 とにかくこの地域の中に米軍施設があるということは、これはもう今の答弁でも否定のできないことですね。
 ところで、アメリカの空軍通信電子協会、ここの出しております機関誌「シグナル」という雑誌の一九八四年の二月号で、アメリカの空軍大佐ウェサビー氏という人が、日本にある指揮管制通信システムについての論文を書いています。この人は、在日米軍司令部指揮管制通信システム担当参謀長補佐官ということで、しばしばこの種軍事問題の議論のときに登場してくる著名な人物でありますけれども、この論文の中で、全世界軍事指揮管制システム、いわゆるWWMCCS、これについて述べた項目の中で、論文の実物ペーパーでいきますと四十三ページの一段目の二十行目から二段目の一行目にかけて次のように書いているわけであります。
 日本の防衛が重要性が増すにつれて日本における全世界軍事指揮管制システム、いわゆるさっきのWWMCCSの指揮管制に関する自動データの処理支援能力に大きく注目が寄せられるようになってきた。その結果、上記のほかの在日米軍機関のそれぞれの計画立案努力を促進している。多くの実施計画が進行中である。すなわち、軍事海輸軍団、ミリタリー・シーリフト・コマンドのための端末拠点が横浜に計画されており、軍事交通管理軍団、ミリタリー・トラフィック・マネジメント・コマンドは、横浜と沖縄の那覇に端末拠点を求めており、以下云々というふうにここに出てくるわけです。
 外務省おいでを願っておりますがこれを調べておいていただきたいと、この論文をお願いしておきましたけれども、事実ですね。
#126
○説明員(沼田貞昭君) ただいま先生から御指摘のございました雑誌の中に今御指摘のような記述があることは事実でございます。
#127
○佐藤昭夫君 そこで、現在米軍は横浜の埠頭、ノースドックに、DCAすなわちアメリカの防衛通信庁、この回線と無人サイトを置いておりますが、これに加えて、今私が指摘をいたしましたこのウェサビー論文に示されるような米軍の端末拠点整備計画を進めていく、こういうわけであります。
 そこで、審査をされた郵政省にもう一遍聞きます。このウェサビー論文で示しておるようなこういう計画、これと横浜市テレトピアの多目的国際情報ネットワークはどういう関係にあるということでしょうか。
#128
○政府委員(奥山雄材君) 横浜のテレトピア構想
は、横浜市を将来国際的な情報通信の発信拠点にしたい、こういう構想でございまして、先ほども申し上げました多目的国際情報ネットワークシステムの中で考えられておりますのは、みなとみらい21地区の各企業相互間あるいは東京都心あるいは海外の企業等といったようなものの専用回線によって結んで、テレビ会議とかあるいはデータ伝送を行うといったようなビジネス情報を主体とした送受信のやりとりでございますので、御指摘になりましたようなものとは関係のない構想であるというふうに承知をしております。
#129
○佐藤昭夫君 もう少し具体的にお聞きします。
 このテレトピア計画といいますか、横浜の場合のみなとみらい21計画、この中にノースピアに直接衛星を利用する米軍またはKDDの地球局を置く、こういう計画はあるのかないのか。あるいは港湾情報センターがノースピアの米軍ターミナルサイトに接続し、情報サービスを行うという計画があるのかないのか。わからなければわからないでいいですけれども、どうですか。
#130
○政府委員(奥山雄材君) ただいま私具体的な詳細な内容は持っておりませんが、いずれにいたしましても、衛星を使う構想はあったと思いますけれども、それは現在一般的に通信衛星が使われているような利用形態であったというふうに記憶をしております。
#131
○佐藤昭夫君 ちょっと今、はしなくも衛星を使うような計画はあったかのように思うというふうにおっしゃいましたが、実は私は軍事目的に使われていくんではないかという危惧が消えないのは、昨年の十二月の十四日、横浜市の市民団体連絡会、ここに対しまして、横浜市当局のみなとみらい21計画、すなわちテレトピア計画主幹廣瀬良一さんという方から、「衛星の軍事利用は考えられるが、そこまでは横浜市としてはチェックができない。」、こういう答弁をしておられるからであります。
 とにかく幾つかの事例を挙げました。総合をして考えてみた場合に、このテレトピア計画の中には米軍施設のノースピアの陸揚げ機能、これを強化するという目的も含んだ港湾の再開発計画という側面があるんじゃないか、またテレトピア計画自体がウェサビー氏が言うようなノースピアの全世界軍事指揮管制システム、WWMCCSこれの増強計画、これに組み込まれていく危険性を含んでいやしないか、こういう心配が大いにあるからであります。
 そこで、ひとつ両大臣にお願いをするということでどちらにお答えいただいてもいいんですけれども、よく実情をお調べを願いたいと、幾つか私具体的な事例を引用いたしました。よく実情を調べていただいて、それに基づいての監督官庁としての必要な判断をひとつ示していただきたいというふうに思いますが、余りもう時間ありませんので、基本的態度ですから、大臣、お答えいただけますか。
#132
○国務大臣(左藤恵君) テレトピアの実際の仕事を進めていきます段階におきまして、そうした点につきまして、十分軍事目的というふうなものに利用されることのないようなことについて配慮をしていかなければならない、このように考えております。
#133
○佐藤昭夫君 そこで、そういうよく実情を調べて念入りに注意をしていくというそういう基本態度で、もしも軍事的利用が含まれるような内容が部分的にある、こういうことが明確になったようなときには、そういう計画はこれはきっぱりやめる、そうしてモデルテレトピアあるいはニューメディアコミュニティーとしての指定は取り消す、再検討する、こういうことで対処をされてしかるべきではないかというふうに思いますが、今度は通産大臣にお聞きしましょう。
#134
○国務大臣(村田敬次郎君) そういう事態はないと思いますが、万一そういうことが起こった場合は、御指摘のような方向で検討いたします。
#135
○佐藤昭夫君 最後にもう一点お尋ねをしておきます。
 私きのう郵政省の担当者の方に来ていただきまして、基本計画なるもの、本当は相当分厚い、これくらいの分厚さのこれに資料がついているんです。それをひとつ見せていただきたいということで繰り返し言ったんですけれども、それは見せられません、こういうことですわ。一方、提出をした横浜市の方にそれをひとつほしいと言ってもそれをもらえない、これだけの薄さのものしかもらえない。こういうことで、しかも聞くところによりますと、市議会議員にも詳細報告というのが拒否をされる。こういう姿でどんどん進んでいくという、それに私は何か秘密にしなくちゃならぬような内容、危惧をしていますような軍事的な内容、これがあるんじゃないかという疑惑がその面からもまずます強い。その点はよく調べていただくということになったわけですけれども、とにかくこの種二十一世紀に向けての肝いりの事業としてこのテレトピアとかニューメディアコミュニティー構想とか、こういうものを進めていこうというのでありますから、本当にこれがよく国民に理解をされ、国民の支持のもとに民主的に、よくいわゆる住民参加という言葉がありますけれども、いわんや地方議会の、該当するそこの議会の意見はよく組み入れて誤りなきものをつくり上げていくということでなくちゃならぬと思うんです。こうした点でひとつ事の進め方についても、よく両大臣、意を配っていただきまして、これが公正、民主的に推進をされていくようにひとつ御指導のほどをお願いをしたいというふうに思いますが、どうでしょうか。どちらでも結構でございます。
#136
○国務大臣(左藤恵君) テレトピア構想の問題についてお答えを申し上げましても、各地域がやっぱり特殊性といいますか、それぞれの持っ創意工夫といったものを十分発揮して、その地域の主体性というものを、自律性というものを生かしてやっぱりやっていただかなければ本当の生きたモデル都市にはならないんじゃないか、このように思います。そういった意味におきまして、導入いたしますニューメディアシステムの内容というものにつきましてそれぞれの地域の住民の皆さんに十分御理解を得た、またその地域の住民の御意思を反映したものにして初めてその成果が上がるもの、このように考えておりますので、そういった点について十分配意をしてやっていただきたいし、また我々の方もそれを期待していく、こういう形で進めさしていただきたいと思います。
#137
○佐藤昭夫君 時間ですから終わります。
#138
○中村鋭一君 民社党は本法律案に賛成の立場でございます。その立場から重複はすると思いますけれども一、二質問をさせていただきます。
 電電の株式会社化に伴いまして株式の売却益、また配当の使用目的としては、その見返りとなります資産形成過程の特殊性にかんがみてと、これは電電三法を審議をいたしておりますときから大いに問題となりました。特にこの資産形成の経緯にかんがみという点につきまして論議が分かれたところでございますけれども、電気通信事業の研究、開発、振興にいかようの経緯がありましても最も重点を置くべきである、このように考えるんですが、まず郵政大臣からその点につきましてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#139
○国務大臣(左藤恵君) NTTの資産は先生御指摘のように国民利用者の電話の設備等の負担によって形成されたもの、このように考えます。こうした経緯にかんがみまして、郵政省といたしましてもNTTの株式売却の一部を御指摘のような電気通信技術のそうした研究、開発、利用というふうなものに活用いたしたい、こういうことを願ったわけでありますが、先ほど未御説明申し上げたような経緯がございまして、今回の基盤技術研究センターを通じて電気通信の関係の振興を図っていくということは資産形成の特殊性から見ても極めて重要なことであろう、このように認識するところでございます。
#140
○中村鋭一君 通産大臣いかがでございますか。
#141
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、従来私ども産業技術センターということでこういった基盤技術、特に産業の横断的に使われる影響度と波及性の高い基盤技術を民間の活力を進めてやっていこう、こういうことでございます。私どもとしては、予算編成の過程がございまして、今回その趣旨を法案に生かしておるわけでありますが、鉱工業、電気通信業の技術のうち両省に係るもの、それから国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの、こういうものを今回取り上げておるわけでございます。
   〔委員長退席、商工委員会理事斎藤栄三郎君着席〕
もちろんこのNTTの資産の形成の過程というものは私どもとしても十分承知をいたしておるわけでありますが、いろいろな予算編成等の過程を経まして、今回このような法案をお出しをしたわけであります。
 基盤技術、これはもう国民全体、今後の二十一世紀にかけての非常に重要なものでございますので、私どもとしては、この基盤技術の形成を、特に特定の分野に限るということではなくて、ここの法律にあります定義に即しまして、それぞれ重要度あるいはプロジェクトの成熟度に応じまして、公平かつ効率的な運用をいたしていくべきものであろうというふうに思います。もちろん来六十一年度以降入ってまいります新電電の配当収入、これも財源の一部として予定されておりますけれども、これは電信電話の利用者たる国民などの関係者の努力によって生まれたものである、国民共有の財産というわけで、もちろん大切に使用していかなければならないものであると思ってはいます。
#142
○中村鋭一君 重ねてお伺いいたしますが、これは郵政、通産両省がお考えになりましたところの新法人は、郵政の電気通信振興機構とそれからいわゆる産業技術センターの両構想をまとめておつくりになったものでございますが、今お尋ねしたいわゆる電気通信事業の研究開発振興の趣旨が今回の新法人でどのように生かされているか、その点について郵政、通産両省に重ねてお伺いをいたします。
#143
○政府委員(奥山雄材君) 御指摘のとおり、予算の概算要求段階では電気通信振興機構といったような特殊法人の要求をしたわけでございますが、その中では国でなければやれない技術開発に的を絞って要求をしていたところでございます。しかしながら、昨今の技術開発の状況をつらつら見ましたところ、技術開発関係の七〇%は民間がやっているといったような実情があるということ、並びに現下の国家財政の事情等にかんがみまして、電気通信振興機構にかえて今回御提案申し上げておりますような基盤技術研究促進センターという、民間活力を最大限に尊重して、その民間活力の導入を生かしながら電気通信技術開発を進めていくというのも、現在時点ではとり得る一番いい案ではないかというふうに考えたわけでございます。その意味におきましては当初の構想と若干変わった面はございますけれども、これからの二十一世紀に向けての高度情報社会における電気通信技術開発を促進する上においては、振興機構の場合と同様に今回のセンターがその役目を果たしてくれるものというふうに期待をしているところでございます。
#144
○政府委員(福川伸次君) 今もお話がございますように、郵政省は電気通信振興機構、私どもは産業技術センターの設立の要求をいたしまして、昨年の十二月の二十一日に政府・与党の連絡会議の場において一本化が図られたわけでございます。私どもといたしましては、先ほど申しましたように、その後郵政省と緊密な連絡のもとに最終的な予算の取りまとめをし、また今回提出いたしました法案の準備をいたしたわけでございます。その法案の共同の作業の結果が今御提案申し上げておるようなことで、両省の技術についてのいわゆる国民基盤技術、これを出資または融資等の形で助成をしていこう、こういうことに相なった次第でございます。
 私どもといたしましては、これからセンターの自主性を尊重しながら運営がなされてまいりますが、それぞれ出てまいりますプロジェクトに応じまして、そのプロジェクトの重要性と成熟度等に応じましてセンターが順次これを取り上げていくというわけでございまして、特に特定の分野に偏るということではなくて、プロジェクトの成熟度と重要度でセンターが考えていくということに相なるわけでありまして、このセンター自身の運用につきましては、もちろん郵政省と十分連絡をとりながらやってまいるわけでございますので、今後電気通信業のものにつきましても、この法律の範囲に入りますものについては、これは当然センターとしても対象と考えるわけであろうと思いますが、いずれにいたしましても具体的な運用は郵政省と十分連絡、協調を図りながら取り進めるわけでありますので、円滑に運用が行われるようになるものと十分留意してまいります。
#145
○中村鋭一君 盛んに郵政省と緊密な連絡をとりつつということを繰り返しておられますが、これ勘ぐりかもわかりませんが、余り郵政省と仲よくとか、余り緊密な連絡をとりつつとおっしゃいますと、その真意は実は余り緊密な連絡をとりたくないというふうに勘ぐって考える人もあるかもしれませんので、その辺はもう文字どおり建前も本昔もその点に留意してお運びをお願い申し上げたいと思います。
 大蔵省にお尋ねいたしますが、この新電電の株式のうちのノーアビリティーといいますか、この売却不能部分は産業投資特別会計に帰属するわけでございますが、毎年のその中で利用可能な益金ですね、これはこれまでもお尋ね何回もあったと思いますが、念のためにどれぐらいなのか、毎年についてお示しをお願い申し上げたいと思います。
#146
○説明員(寺村信行君) 電電株式会社の株式配当金収入の毎年の見込みというお尋ねだと存じますが、新会社の今後の経営状況いかんによって左右されてまいりますので、何とも現段階で申し上げることはできないわけでございますが、産業投資特別会計に帰属いたします資本金の額が二千六百億円でございますから、仮に一割配当、一〇%配当でございますと二百六十億円の配当収入が見込まれますし、五%の場合でございますと百三十億円の配当収入が見込まれる、こういうことになってまいります。
#147
○中村鋭一君 そうしますと、仮にその一〇%あるいは仮に五%ということは、今のところ大蔵省は仮定の問題であるから具体的な金額は答えようがない、こういうわけでございますか。
#148
○説明員(寺村信行君) そのとおりでございます。
#149
○中村鋭一君 といいますと、せっかくこうやって法律案を審議しておりましても、その根本になる金が幾ら利用可能かわからないというのはちょっと不安な感じがいたしますがね。その点につきまして通産省はどういうふうに考えていらっしゃるか、ちょっとお聞かせ願えますか。
#150
○政府委員(福川伸次君) 配当収入がどのくらいあるかという点は、ただいま大蔵省からお答えがあったとおりでございます。
   〔委員長代理斎藤栄三郎君退席、委員長着
   席〕
 私どもといたしましては、もちろん産業投資特別会計の歳入のあり方という点については大きな関心を持っておるわけでございますが、これは最終的にはもちろん大蔵省で御判断になられる問題でございます。新電電の配当というのも他の財源とともにこの産業投資特別会計の重要な部分を占めるわけでございます。私どもとしてもそれなりの配当があるということを期待をいたしておるわけでありますが、今後は六十一年度の予算編成の過程でそれがどのように相なっていくかが明らかになっていくと思いますし、私どもとしてはその産業投資特別会計の枠内で今後の技術開発に必要な予算という点については大変厳しいものがあろうかとは思いますが、大変ニーズの高い、重要度の高い事業でございますので、その点について財政当局と十分御相談をして所要の資金の確保に努力をいたしたいと考えております。
#151
○中村鋭一君 大変ニーズの高いとおっしゃいましたが、私はこの配当益金の使い方は、繰り返し
ますが、NTTの新会社のこれまでの資産形成の経緯にかんがみ、また、電電三法の審議の経過においてこの参議院の逓信委員会で論議となりました点からいたしましても、これすべて電気通信事業の振興に使わるべきである、このように考えておりますが、まず大蔵省、その点についてどのようにお考えか、お教え願います。
#152
○説明員(寺村信行君) 六十年度予算の編成過程におきまして政府と与党の間で調整を図りました経緯が、政府保有が義務づけられております電電の株式につきましては産業投資特別会計に帰属させ、その配当金収入を技術開発等に活用する、こういうことで調整がついたわけでございまして、こういった編成過程の経緯にかんがみまして、今後産業投資特別会計に帰属します電電の株式の配当金は、この会計におきまして電気通信を含む技術開発等に活用するというのが基本である、このように考えております。
#153
○中村鋭一君 技術開発か電気通信技術か、電気をつけるかつけないか、郵政省としてはその点について、私はすべて電気通信技術に使うべきだ、こう考えて質問をしているつもりでございますが、郵政省のお考えはどうですか。
#154
○政府委員(奥山雄材君) ただいま大蔵省の方から御答弁がございましたように、電電改革三法が成立いたしました後、政府・与党の間で申し合わせがなされまして先ほどの御答弁のような結論になったわけでございます。したがいまして、予算の編成並びに現在御審議中の法案におきましては、そのような政府全体としての意思決定がなされたという客観的な事実を考慮する必要があろうかと存じます。その中でも、本法案が郵政省並びに通産省の関係の技術開発に限定されているということはやはりそこに一つの、先生が御指摘になりました電気通信というものの占めている位置というものが大きくクローズアップされているものだどいうふうにとっておりますし、また、基盤技術研究促進センターを通じまして電気通信関係の振興というものが大きなウエートを持って進められていくであろうということを私どもとしては期待しているところでございます。
#155
○中村鋭一君 通産省はその点について。
#156
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、関係大臣等がお集まりになられまして決まった法律が、産業投資特別会計に帰属させましたその配当金収入を技術開発等に活用をする、ただし六十一年度以降にその配当金がなるので、六十年度は同特別会計の固有の財源から支出する、こういうことになっておりまして、そして要求の出ております産業技術センター、それから電気通信振興機構にかえて新しいものをつくる、これが今回御提案申し上げているわけでありますが、民間活力を最大限に活用した技術開発等を促進する、こういうことに相なったわけでありまして、そしてその法人につきましては、通商産業省の所管の一法人を廃止することによって新しい法人をつくるわけでありますが、新しい法人は法律に基づく特別認可法人ということにいたしまして、それぞれの業務についてはそれぞれの所管が行い、細部については政府部内で調整しよう、こういうのが政府の結果であったわけでございまして、私どもとしては、この産業投資特別会計に保有されました配当金収入は技術開発等に活用をするというふうに考えております。
#157
○中村鋭一君 今の答弁は私には少しわかりにくい答弁であったように思いますな。私がお尋ねしているのは、この金の使い道を電気通信技術にもっともっと重点を置いて、いやむしろすべてそれに使ったらどうかというのが私の意見で、私の意見をあなたがどのように考えていらっしゃるかを評価してもらいたい、こういう意味でございまして、それはどうなんですか、もう一遍御答弁願えますか。
#158
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、基盤技術の研究開発の促進の必要性にかんがみまして電気通信事業だけの技術のみに限定をするというふうに考えて今回提案しているわけではございませんで、基盤技術についてはこれを特定の分野に偏ることなく、それぞれのプロジェクトの熟度、重要度に応じて広く活用すべきものであると考えております。
#159
○中村鋭一君 非常に明快な御答弁です。ありがとうございました。明快な御答弁というのはあなたの答弁が明快であって、私はあなたの答弁にコミットするものではございませんので、念のために。
 郵政省、この中で言われております電気通信というのはどのように位置づけられておるか。具体的には電気通信技術の研究というものはどういうふうにお考えでございますか。
#160
○政府委員(奥山雄材君) 法案の中では、鉱工業と並んで電気通信業、放送業――CATV業を含みますけれども、並びに電波にかかわる技術ということになっておりますので、文字どおり鉱工業とパラレルな形で位置づけられているというふうに考えております。
#161
○中村鋭一君 このセンターの対象事業は、産業技術と、今取り上げましたけれども、この電気通信技術についてそれぞれの事業量は決定しないで、申請のあったものについてそのいずれに属するかを問わず内容によって採否を決定する、そのように言われておりますが、その際政策的に電気通信分野への重点的な配慮をなすべきではないかとこのように考えますが、まず郵政省、その考え方についてどのようにお考えですか。
#162
○政府委員(奥山雄材君) センターの原資には限りがございますし、そう潤沢に期待できるわけではございませんので、薄く広くこれをばらまいて効果を失することがあってはいけないと思っております。その意味で対象技術なりあるいはプロジェクトを絞る必要があると思っております。センターの設立の経緯から見ましても、先ほど来お話がございますように、電気通信事業を中心としたハイテク振興というものも十分重視されるべきであろうというふうに考えておりますので、既存制度との重複といったようなものは避けて行われることが肝要であろうというふうに考えております。
#163
○中村鋭一君 通産大臣一言だけ、この点につきまして重点的に政策的配慮をしていただきたいという私の質問でございますが、どのようにお考えか、お教え願います。
#164
○国務大臣(村田敬次郎君) センターにおきましては、出資事業、融資事業、共同研究促進事業等を民間の創意と工夫を生かして行うこととしておりまして、その対象案件もセンターが民間における基盤技術に関する試験研究を促進することを目的として自主的に選定をするということになっております。その際に、国民経済や国民生活の基盤の形成をより効率的に進めていくという観点から、基礎技術の要件に該当する技術を幅広く対象とするとともに、案件の内容に即してその選定を行うことが適当である、こういうふうに考えるのでございまして、中村委員が御指摘になった電気通信は極めて重要だからという御趣旨はよくわかります。ただ私は、先ほど来の政府委員の答弁を聞いておりまして、余り頭がよ過ぎるのでニュアンスが大変微妙になり過ぎておると思うのでございまして、もし私と郵政大臣に答えさせればあんな答えにならない、全体一致してひとつみんぐるまんぐるでやりましょうと、こういうことだと思います。
#165
○中村鋭一君 最後に郵政大臣、電気通信技術の分野で特に重点的に大臣がお考えになっていらっしゃる研究のフィールドでございますね、これはどういうものがあるか、お教えを願います。
#166
○国務大臣(左藤恵君) 電気通信技術の開発というものは高度情報社会の建設のために非常に大切な知識集約的な技術だと、こういうふうに考えております。そうしたことにつきまして電気通信技術審議会、ここでいろんな学識経験者によりました調査、御審議をいただいて、そして電気通信に関します基盤技術研究指針といいますか、そういう一つの方向を明示して、そのガイドラインに従ってこうした点について効率的な、資金がたくさんあるわけではございませんので、研究者もそ
うたくさんの方にやっていただくわけにもいかないかもわかりませんので、そうした点について十分成果が上がるような方法を考えていきたいとこのように考えております。
#167
○中村鋭一君 ありがとうございました。
 ひとつこの円滑化法案、本日のこの連合審査でも、これまでに再三両大臣が指摘をなさいましたように、まず何よりも国民が何を要求しているか、国民の利益にとって何が一番大切かというところに重点を置いて、せっかくいい法律ができましても、これの運用に当たってぎくしゃくしたものが出たら、結果的には何にもならないわけでございますから、初めに法律ができて、予算がついて、ついたからその金を何とか使おうじゃないかというのじゃなくて、使わねばならぬ金である。それは国民の利益に合致する方向でやるんだと。そのためには、通産大臣が今言ってくださいましたように、頭のいい官僚がいろいろとテクニカルタームを駆使して、あれこれ技術的にこの委員会で答弁をするのじゃなくて、まさに百尺竿頭一歩を進めて、国民のために何がいいかであれば、それは片々たる省庁の縄張り争いでありますとか、どちらが上だとか下だとか、そういうことじゃなくて、ひとつ大いにチームワークをよく、通産、郵政両省が、文字どおり民間の活性化のためにこの法律を活性化させていただき、十二分に運用の妙を発揮してくださることをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#168
○田英夫君 先ほど、ちょっと委員会を離れまして、表へ出ましたところが、きょうは国会周辺は大変車が込んでおりました。その原因の一つは、ソ連の副首相が来日をしておられて、これに対する右翼の嫌がらせがあるというのが一つと、もう一つは、例の外国人登録法の指紋押捺の問題に反対をして、在日朝鮮人の組織の皆さんが大きなデモをやっておられて、交通が渋滞をしている。
 東京にこうやっておりましても、国際社会の中の日本といいましょうか、そういう状況が肌で感じられるわけでありまして、いわんや我々の住んでいるこの日本が生きていくということになれば、資源がない、しかし高度の技術を持っているという状況の中で、国際社会の中にお役に立つ役割を果たさなければいけないということになるわけでありまして、私は、御質問というよりも、やや意見を交えまして、この法案がつくられている背景といいましょうか、その辺のところで御意見を伺い、私も意見を申し上げてみたいと思うわけです。
 きょう、ちょうどお昼の時間に通産大臣もお見えになりまして、日米議員連盟が主催をいたしまして、アメリカの州政府の駐日代表を呼びまして、意見交換の場がありました。通産大臣、外務大臣もおいでいただきました。ちょうど大臣がおいでになったときに、マンスフィールド大使があいさつをして、最近のマンスフィールド大使のあいさつの中でも、最も内容の濃い、非常に明快ないいあいさつをしてくださったと私は感じたのでありますが、その中で、一つ印象に残りましたのは、話は当然のこととして、日米経済摩擦の問題に大部分を割いておられましたが、つい最近、ワシントンに帰られたときに、ブロック通商代表、今は労働長官でありますが、このブロックさんの話で、これはテレビを通じてアメリカ国民に報道されたそうでありますけれども、その話の中に、今の日米経済摩擦の原因の三分の二ないし四分の三はアメリカ側にあると私は思っていると、こういう話がありました。ということで、日本ではマスコミを初めいろいろ言われておりますけれども、にもかかわらず、やはりアメリカの側も非常に自分の方の問題だということを考え始めている。一時は議会で相当激しい決議が行われるというようなことで心配をいたしましたが、ややアメリカの側にも自分の方を振り返るという空気が出てきたということで、そういうことをマンスフィールドさんも言いたかったんだろうと思います。
 しかし、考えてみますと、これはアメリカの方がそうなってくれたことは多とすると同時に、我々の方も大いに日本の方の原因というものを、この際改めて冷静に考えてみる必要があるんじゃないだろうか。
 特に今、通産、郵政ときょうおそろいでありますから、あえてこのことを申し上げるわけでありますが、まさに今の四つの問題についても、これは両省にまたがっていることは一あと農水でしょうけれども、そういう関係の深い両省でございますから、ぜひこのことを取り上げたかったわけでありまして、これは振り返って我が方を考えたときに、こういうところが問題じゃないかということを、きょう実は私の方から申し上げたいわけであります。
 最初に、型どおり御質問という意味で、今度の基盤技術研究円滑化法案という名前のこの法案が今出てきている。これはお互いに、郵政省も含めまして通産省がこういうものをつくるということはまことに今の時点で時宜を得たものであり、むしろ遅きに失したんじゃないだろうかというお考えだろうと思います。これは私も理解できるんでありますけれども、そこで、はたと、国際社会の中の日本と、今の日本を取り巻く、今申し上げたような状況ということを考えたときに、アメリカならアメリカの側、ECの側から見たら、こういう法律を日本がつくるということをどういうふうに受け取るであろうかということが一つの重要な問題点なんじゃないだろうかという気がいたします。
 この点については、実は事前に私は通産省の関係者の方に伺いまして、国際的な問題ということも十分配慮したというお言葉をいただいたんでありますけれども、ひとつ大臣あるいは担当の方から、通産省としてこの法案をおつくりになるに当たってどういう配慮をされたのかということを一言伺っておきたいと思います。
#169
○政府委員(福川伸次君) 研究開発、技術開発の重要性に関しましては、ベルサイユ・サミット以来最近数年、しばしば世界的に首脳の間で確認をされている重要な政策課題であり、これが世界経済の活性化をもたらす原動力であるという認識でございます。
 従来、日本ということになりますと、むしろ諸外国が開発をいたしました基礎的な研究の成果を導入して商品化するということでございまして、日本もその国力に合った形で、その創造的な技術開発にもっと力をむしろ入れてはどうか、こういう認識があるわけでございまして、そういう意味では基盤技術の基礎研究を進めていくということにつきましては、諸外国の考え方にも沿うものであると、かように考えております。
 私どもも、この法律を考えますに当たりまして、産業構造審議会の企画小委員会での検討の際に、アメリカあるいはヨーロッパの日本にいらっしゃいます商工会議所の代表の方からもいろいろ御意見をお伺いいたしました。諸外国の皆様方も、むしろこういった基盤的な研究に力を入れていく、広くこういう基盤技術に力を入れていくという点については基本的に賛成である、こういうような御意見でございました。しかし、もちろんその場合にも、外国の合弁会社と申しますか、いわゆる内外で差別するというようなことの運用にならないようにという条件の御意見の御開示をなさった方もいらっしゃいますが、基本的には皆さん賛成だ、こういうような御意見でございまして、そういう意味で言えば、こういう基盤技術研究を進めていくという点は国際社会のニーズにも沿ったものと考えております。
#170
○国務大臣(村田敬次郎君) 田委員の先ほどお述べになりましたことを、ちょうどマンスフィールドさんのお話の途中に私が入ってまいりましたが、御指摘になった点よく御質問の趣旨がわかると思うんです。というのは、ブロック、今度の労務長官でございますが、USTRの代表と私は二月においでになったときにたびたび話しました。そしてブロックさんが三分の二ないし四分の三はアメリカ側に原因があると言われたことは、今伺って大変実はブロックさんのお気持ちがわかるような気がするんです。あの人は非常に日本の立場を
よくお考えになっておられた方でございまして、先般の日米貿易摩擦の問題では経緯としては非常にアメリカ側が日本側を責めるという段階がありまして、ここにおいでになる郵政大臣もあの四分野の一つのことについて実に英断をもって進められまして、その結果貿易摩擦の考え方は非常にアメリカでは鎮静をしたんです。一時すごいことを言っておりましたダンフォースさんも非常に軟化をされたという印象を受け、そして私は、ボン・サミットでは、レーガン大統領のもとでいわば総理大臣のような仕事をしておるリーガン大統領首席補佐官とさして話をしてみました。そのときに、日本はよく努力をしておる、四月九日の中曽根総理の決定を非常に高く評価するという言葉がありまして、そしてボン・サミットでは先生御承知のように、「成長及び雇用」の中で「インフレなき成長及び雇用の拡大を維持するため、われわれは次のことを行うことで合意した。」として、「経済の変化と技術の進歩によりもたらされる繁栄」、こういうことを言っているんですね。だから、この法律案の考え方とまさにそのものずばりでございまして、今や世界が非常に狭くなったと申しますか、インディメイトになってまいりましたから、そういう日米関係あるいは技術開発というような問題について共通の基礎というものが非常に耕されつつある。その意味ではこの法律は対米関係あるいは対自由主義経済社会に十分配慮をした法律である、このような認識を持っておるところでございます。
#171
○田英夫君 今のお答えで、特に法案をつくられる過程で外国の方の意見も聞かれたという話も聞きまして、これは非常にいいことだなと思ったわけです。
 アメリカで一番経済摩擦の燃え盛っているさなかに言われましたことは、アメリカでは法律をつくろうという場合、大体議員立法が多いわけでありますけれども、そういう場合には必ず公聴会を開いて一般の関係者の意見、全くの一般の方の意見、いろいろ聞いていくんだと。日本の場合はお役所で密室の中で何かつくられて、郵政大臣おられますけれども、例のNTTの電電民営化ということに伴って政省令というものがさっぱりできてこない、わからない。しかも知りたくても、我々の方、アメリカの側ですね、アメリカの側にはさっぱりわからない。ところが、そこの中に重要な部分が隠されているのじゃないかという、そういう疑惑を向こうで、三月に行きましたときにもうずばり言っておりましたね。ちょうどそのころは小山事務次官が向こうに最初に行かれて交渉されて結論が出ないで帰ってこられたという、向こう側にいら立ちのある時期でありましたからなおさらであったかと思いますけれども、そういう気持ちを向こうは持っていると、こういうことがありますから、その意味で今度の法案をつくられるのに外国の側の意見を聞かれたということは非常に評価いたします。
 例えばちょっと余談のようになりますけれども、通信機器の問題が今一つの大きなテーマですが、これに関連をしてアメリカの人がこういう話をしたんですね。いわゆる端末機器というんですから電話機のことですね、一般の言葉で言えば電話機。これをアメリカの側は売りたい。ところが日本の郵政省の側は非常に厳しい基準を課してきている。例えば音質というようなところに、非常にいい音質でなければ許可しないというような一つのラインを引いている。これは我々の、アメリカの側からすると非常に不思議なんだ。自分の方でもいい材料を使って技術を投入していい音質をつくろうと思えばつくれる。しかしそれだけ高くなる。例えば日本のお金で言えば、そういういい音質の日本の基準を通るようなものなら一万円で売らなければならない。しかしそんなにいい音質でなくてもいいじゃないかということでもし二千円で売れるものをつくったとすると、アメリカ人の感覚で言えばその両方とも市場に出して自由に競争さしてみる。そうしたら、やっぱり余り音質がひどいからこれはやめたと消費者が言って買わなければ、それは負けて引き下がらざるを得ないんだ。だから、どうしてあんな基準を設けるんでしょうかと言うんですね。
 しかしやっぱり電話機というのは余りひどい音質じゃ困るんじゃないのかと私の方で言いましたら、いや、例えが倉庫に置く電話というのはそんなにいい音質でなくたっていいじゃありませんか、安いものをたくさんあっちこっちに置いた方が便利じゃありませんかという考え方もできるでしょう。そうしたら電話機に音質の基準を設けるということ自体我々アメリカ人の発想からしてはないんだ。そして、自由に競争さしておいて、消費があればそれでちゃんと成立する、これが自由経済じゃないでしょうか、日本は社会主義経済じゃないでしょうと、こういう皮肉まで言われたんであります。
 この辺のところが、民族性といいましょうか、あるいは文化の違いといいましょうか、そういうこともあるかもしれません。しかし考えさせられるんですね。通産省や郵政省の方々は今やっていらっしゃることに何の不思議も感じておられないだろうと思うんですね、当たり前のこととして、行政というものの責任を果たすためには基準を設けたり許認可というものを必要とするんだと、こういう哲学でやってこられましたから。しかし、アメリカの人から見るとそれは全く不思議なことに見えるというところあたりに非常に問題があるんじゃないかと思いますが、大変抽象的な話をいたしましたけれども、私の申し上げたことに御感想を伺いたいと思います。
#172
○国務大臣(左藤恵君) 確かに今先生御指摘のようなことで、特に技術基準の問題につきましてそうした折衝があったことは事実でございます。また政省令を決定する段階におきましても同じような、今御指摘のような問題があったことも事実でございます。
 ただ、今まで公衆電気通信法ということで独占という形でやっておりまして、そして国内におきましては電電公社が、そしてまた国際的にはKDDが独占的に電気通信事業を行っておったというようなことから来ます問題が一つあります。それからもう一つは、やはり日本の国の国民性といたしまして、そうした今先生御指摘のようなことにつきまして、音質が悪い、あるいは雑音が入るというような電話機を認めるということについての政府の責任といいますか、やっぱり国民が何かそういうふうなものについて政府は一体そういうものを認めておるのかと、こういうような感覚というものを国民の皆さんもお持ちになるというようなことも私はあるのじゃなかろうかと思います。
 そういった意味におきまして、売れないようなもの、適当でないものは消費者が買わなければいいんだというような、そういうことで全く自由にするということにつきまして、日本の国民性というような点から見ても、まだそういった点で完全にアメリカの人たちと同じような形のものにはなかなかいかないというふうなことから、技術基準の問題につきまして最終的なまだ今話し合いをしておるというようなことでございます。
 なお、まだ電気通信の問題、有線関係につきましては一応のアメリカの方の御理解を得て、またそして政省令の整備につきましても一応一段落しておりますけれども、電波の関係につきましてなおまたこれから話し合わなければならない問題が出てくるのじゃなかろうかと、このように思っております。
#173
○田英夫君 そういう意味で、お互いにだんだん認識が深まってくるということの中で解決の道が開けるのじゃないかと思いますが、今度のこの法案でも、いわゆる産学官というそれが一体になるということは、我々からすればむしろ今までなさ過ぎた、これはまことに結構なことだという一語に尽きるんでしょうけれども、このままの表現でアメリカの人や西側ヨーロッパの人が聞けば、これは、おっ、日本株式会社じゃないかというふうに曲がって受け取られてしまうおそれがあるという、そういう配慮をこっちが持ちながらやっていけば、これまたうんと違ってくるんだろうと思いますので、そういう意味でこれは通産大臣にはこ
の前予算委員会でちょっと触れさせていただいた例のライオンズ石油の問題というのがありまして、これも余談のようになりますけれども、ちょっとこの際お耳にもう少し詳しく入れておきたいと思いますのは、これも三月にアメリカに行きましたときに、アメリカてこの問題が出てきまして、こっちもびっくりいたしましたが、問題は実は通産大臣のお立場からすれば小さなことであるかもしれません。一中小企業が、シンガポールから三千キロリットルの精製ガソリンを輸入しようとしたという問題であります。
 ちょうど私の手元に実は村田通産大臣のお名前でライオンズ石油株式会社佐藤代表取締役あての「石油輸入計画の変更勧告について」という文書の写しがここにありますけれども、予算委員会でもお答えがありましたけれども、これは石油業法に基づいているという措置だと、こういうことで、ここにも第十二条ですか、に基づいて提出があったものを、ここでその同条第三項で準用するということに基づいてこれこれこういう措置をとるんだという法律の根拠も書いてありますから、それなりに我々はわかります。我々はわかりますけれども、アメリカで言われましたのは、日本にはガソリンを輸入してはいけないという法律はないはずだと。にもかかわらず、通産大臣の名前で勧告をすると、それがまかり通ってガソリンが輸入できなかったそうじゃないかと、こういうふうにぱっと受け取っているわけですね。これが、つまり貿易における日本の政府の介入であり、行政指導という名のもとにおいていわゆる一種の非関税障壁がつくられているじゃないかと、こういう話に受け取られているわけですね。話は小さい問題であるにもかかわらず、日米経済摩擦という大問題の中にこれが持ち出されてくるということになってしまって、これは不幸なことだったと思いますけれども、しかし翻って考えてみますと、今回のこのガソリンの問題についての措置というのは、通産省は通産省で一つの当然の根拠があっておやりになったこととは思いますけれども、私も専門ではありませんのでわかりませんが、いわゆる消費地精製方式という考え方自体、近い将来には産油国で今精製の設備が、これも日本が協力してやった部分も大分あるようでございますけれども、着々と進んでくると、近い将来には精製したものを抱き合わせといいましょうか、原油と一緒に買ってくれというような事態が起こってくるのではないかということも想定をされるとなれば、消費地精製方式ということ自体が崩れてくるかもしれない。これを固執して、ガソリンは入れちゃいけませんといって、日米経済摩擦の方に極めて大きな悪い影響が出てくるということになれば、日本の方は、よかれと思って政府がおやりになったことが非常に悪い結果だけ大きく残ってしまうということにもなりかねない。
 冒頭申し上げたように、世界の中の日本といいましょうか、人類というスケールで物を考えなければいけないというふうに言ってもいいと思いますが、そういう時代になってきている中での日本の行政ということを我々あらゆる場面で、特に現在は通産とか郵政とか農水とかというところの皆さんはお考えをいただきたいと、こういう気持ちが非常にするわけでありまして、最後にこの点について通産大臣の御意見を伺っておきたいと思います。
#174
○国務大臣(村田敬次郎君) 田委員が予算委員会で御質問いただきましたときに、実はゆっくりとお話をさしていただきたかったんでございますが、時間が非常に足りなかったので、きょうはいい機会に御指摘をいただきました。
 問題二点あると思います。私は例の石油業法に基づく通産大臣の勧告につきましては、非常に正しい措置であったというふうに信じておりますし、今御指摘になったいわゆる消費地精製方式というもとで、日本の置かれておる厳しいエネルギー事情、石油事情から言えば、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油というふうに出てきます連産品の関係について、ああいった措置をとるのが正しい。ただ、田委員御指摘のように、中長期的に見れば、今後ガソリン需給の関係もいろいろございましょうし、また日本の石油業界の今後ということも考えまして、中長期的なビジョンというものはひとつしっかりと議論してつくってくださいということで、今石油審議会にお諮りし、審議をしていただいておるところでございます。これが第一点。
 それから第二点は、今回の貿易摩擦について、いろいろ国会議員として思いをいたされ、御意見を述べていただいたこと、本当に私はありがたいことだと思います。例え話でお答えするのがいいと思うんですが、例えば法規裁量、自由裁量という言葉がございます。いわゆる行政というのは法規裁量の部分が非常にどうしても多くなるんじゃないか。したがって、先ほども郵政大臣が御苦労のところをお述べになりましたように、いろいろ具体的に法規を適用していくということになると、国際社会のいろいろな具体的な情勢に適応するのには時間がかかることがある。政治というものは、やはりそういう法規裁量を飛び越えて自由裁量の余地を相当広くしてしかるべきであるという意味で、サミットやあるいは日米のトップ交渉等々においていろいろ中曽根総理、また関係閣僚が苦労をしておりますことが一つ一つやはり課題の解決になっていくんだろうと思います。少なくともボン・サミットにおきましては、ああいった三月、四月の苦しい試練を経まして、アメリカの対日感情というものは非常に和らいだかと思います。しかし、貿易摩擦を起こす要因は次々あるわけでございまして、例えばサッチャー首相が非常に厳しいことを言われたというような事情がもう次に起こっておりますから、そういう次々の対応について、政治あるいは世界全体を見て貿易をしていくというような観点から今、田委員が御指摘になられました心を体してやっていくことが適当であろうと、このように思料しております。
#175
○田英夫君 ありがとうございました。
#176
○青島幸男君 毎度のことでございますけれども、私ども小会派は最後になりまして、愚痴めいたことを言うつもりはないんですけれども、かなり綿密、詳細に質疑が行われておりまして、私があえて御質問申し上げるようなことは少なくなっているんですが、まずお尋ねしますのは、字句の解釈についてあげつらって揚げ足を取ろうという気は全くないんですけれども、何回か質疑を伺っておりましても、衆議院の議事録なんかを拝見しましても、どうも基盤技術研究の基盤ということの実態と、基礎と基盤ということの意味合いみたいなものがもう一つ明確にのみ込めないんですが、その辺のところをまず御説明いただきたいと思います。
#177
○政府委員(福川伸次君) 基盤技術と、それから基礎研究という二つの関係がどうかということでございますが、この基盤技術という言葉は、今回この法案で定義をした新しい言葉でございます。
 基礎研究と申しますのは、従来研究のステージを、研究の段階を基礎研究、応用研究、開発研究ということで、学術師な研究から、物をつくるといいましょうか、商品化の段階に至ります研究の過程を科学技術研究調査規則ということで総理府令で昭和五十年に決めた分類がございますが、基礎的な学術、学理的な研究から応用研究、その学術を応用して新しい方法を探求する、新しいものをつくるということの可能性を探究する応用研究と、それから開発研究という三つの研究の段階が進んでいくステージの分類の一つとして基礎研究ということが言われておるわけでございます。
 基盤技術という方の基盤と申しますのは、むしろその技術の種類に関する分類でございまして、今回のこの基盤技術は、この法律案によりますと、一つは鉱工業、電気通信業の技術のうち通商産業省及び郵政省の所管に係るというものと、もう一つの定義が「国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの」という二つでございまして、それで大変これがおわかりにくくて恐縮でございますが、そういった技術の種類で考えております。いわゆる産業技術と電気通信技術、その中で非常にその全体の各産業に使われるいわゆる
波及性とか影響度とかが非常に大きいものと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 具体的な例を申してみますと、例えば今新素材というのがいろいろ出てまいります。いろいろな種類の新素材が出てまいりますが、例えば化学工業で分離工程に利用されるので高性能高効率分子分離膜というのがあります。従来化学の成分を分離いたしますのに高分子の膜を使うという技術でございますが、それをいたしますことによると、例えば酸素と窒素を膜で分けるということが可能になります。酸素付加膜なんというようなことでよく使われるわけでありますが、そういった混合いたしました物体を膜で分けるというような技術がございます。そういったようなものは化学工業にも使われますし、いずれまた医薬、医学方面にも使われるわけで、非常に大変なところに使われる波及度の大きい、しかも革新的な技術と、こういうことになります。その高効率分子分離膜をつくりますときに、まず学術的にそういうことが可能であるかという研究をいたしますのが基礎研究でありまして、基礎的な学理的なものがわかったと、それを、じゃどうやって応用できるかというのが応用研究になり、それを、じゃどうやってうまくつくっていけばいいかということが開発研究と、こういうことになるわけでございまして、大変おわかりにくくて恐縮でございますが、基礎研究というのは研究の発展していきますステージの分類であり、基盤技術と申しますのは今回この法律で定義をいたしました技術の種類で、非常に各産業に大きく使われていくことになる革新的な技術と、こういうことの意味合いでございます。
#178
○青島幸男君 そういうふうに具体的におっしゃっていただけると一応わかるんですけれどもね。文章には「国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するものをいう。」というような言い方になりますと、これまさに抽象的でありまして、字句をおつくりになる前にこの定義で相当お考えになって、どうやったら簡略に、しかも事の中心を突くわかりやすい表現ができるかと、随分お考えになったことだと思うんですけれども、少なくとも一般国民がこの文章を読んでこの定義で即座にそこまで理解が及ぶかどうかということになりますと大変難しいという気がいたしますんで、御苦労はわかるんですけれども、もうちょっと何とかわかりやすい表現の方法がなかったかということを、ただ文章上のことで申し上げるだけですけれどもね、ただ気になったので申し上げるわけです。
 我が国は、欧米に比べまして基礎研究とか、いわゆるそういう基礎的な分野、でき上がったものを即座にコピーしたり、まねしたり、あるいは応用開発をすることにかけては他の民族に先駆けて大変上手だと。しかし、基礎的な原理研究みたいなものはどうも外国に依存する部分が多いのじゃないか。だからこそ、その部分で海のものとも山のものともつかぬものに莫大な金をかけて研究に励んでいくことがやがて大きな飛躍につながる基礎的なものをつくるんだということで、そのためにこの法案を作成されているという趣旨もわかるんですけれどもね。しかし、だからこそこの国立大学とか、政府研究機関の基礎研究に金をつぎ込むべきだと。今まで行われていなかったのがむしろ遅きに失するということで、そうなりますと、そこに直接金を、補助金という格好でしょうかどうでしょうか、直接そこに充当すればよろしいんではないかと。どの辺にこの基盤技術研究促進センターの意味があるのかという気がしないでもないんですが、その辺を明確にひとつしていただきたいと思います。
#179
○政府委員(荒尾保一君) 我が国の基礎研究が欧米等に比べましてそのウエートあるいは内容がかなり低いものであるということにつきましては、ただいま先生から御指摘のとおりであろうかと思います。研究費の支出等を見ましても、若干国によって差はございますけれども、やはり日本の場合は開発研究の程度が多くて基礎・応用関係は低いということであろうかと思います。そういう点から、この基礎研究のウエートを高めるべきであるということは当然のことでございますし、私ども今回いろいろな技術開発の施策を考えました際にも、その点に重点を置こうということで考えた次第でございます。
 その一つといたしまして、今御指摘がございましたように、国立大学は文部省の所管でございますが、私どものところにおきましても十六の国立の研究機関を所管いたしておりまして、こういった試験研究所における研究の質的拡充を図っていくということにつきましても努力をしなければならないということもございまして、工業技術院を中心にいたしまして通産省全体におきましては国としてやります研究開発の資金の増加に努めまして、対前年比一二%の増で予算を今年度、六十年度分が決定をしたわけでございます。
 こういった形で国におきます研究を促進するのは当然でございますが、しかし一方日本全体の技術開発の状況を見てみますと、約七割は民間が負担をしておるわけでございますので、民間におきます研究開発の中心はどういたしましても商品開発に近いような開発段階に偏るのは当然でございます。しかし、全体として七割を占めております民間の技術開発を、徐々にではございますけれども、基礎的なもの、応用的なものにシフトをしていただく必要があるということでございます。この両々相まちまして日本の技術開発を従来の開発中心から基礎の方にシフトをしていこうというのがねらいでございます。
 そういう点から、民間におきます基礎・応用段階における技術開発を促進するための環境条件の整備を図ろうということで、今御提案申し上げておりますセンターを通じまして、この特に中心になりますリスクマネーの提供を図ろうというのが今回の趣旨でございます。そういうことから、民間企業が共同して実施いたします基礎段階からのRアンドDにつきまして出資事業を行うとか、あるいは応用段階から企業が行います研究開発について条件つきの無利子融資を行うというようなことによりまして、この民間における基礎研究を促進しようというのが今回のねらいでございます。
#180
○青島幸男君 私もその要綱などを拝見いたしまして大変によくできていると思っておりましてね、この格好で推進されることはむしろ当然だという気はしないわけではないんですが、翻って考えてみますと、ここに至るまでの過程ですね、もともとエレクトロニクスの急速な発展に伴いまして日常生活にもその影響が大変出てまいりますし、新たなニーズもわいてまいりますし、興味も関心もわいてまいりまして、通産省ではニューメディアコミュニティー構想ですか、同時に郵政省はテレトピア構想というような格好で今後の新しい通信機構に対応するべく二十一世紀に向かって何か研究していかなきゃならないんじゃないかと、双方が同時に考え方を基礎にして何かを進めてられるというのは非常に結構なことだと思うんです。それが今度はNTTの株式売買益が出る、その一部を何とかしようじゃないかという格好になって、郵政省側は電気通信振興機構ですか、それを発足させようとなさるし、通産側は産業技術センターですか、これを発足させようとなさっておると。これがいつしか縄張り争いというような格好になって、とるのとらないの、権益を侵すの侵さないのということになって、いろいろ世間の批判を浴びるようになった。そうこうしているうちに、二つの考え方を突き詰めてひとつ基盤技術研究促進センターみたいなものをつくって、うまいぐあいに三者の考え方を突き合わせていけば、御都合主義でうまくいくんじゃないかと。つきましては、先々のことで、両省からの天下り機関の増設にもなると。結局は、なあなあに、押せ押せに、御都合主義に流れて、時間の経過に伴って双方の権益がうまくすり合ってここまで来たと。こういう経過を踏まえて、このやり方を突き進めていくようなことが果たして、合法的で合理的で、だれにも納得いくものなんだろうか、そこには理想も哲学もないじゃないかというような批判があると思うんですよね。そういうお考えを持って、どうも素直に受け入れないという方々がおいでになると思いますので、そういう考え方にどう対処
し、そういう方々をどう理解させ納得させていけるかということの通産大臣の抱負といいますか、御決意といいますか、それを明確に承っておきたいと思います。
#181
○国務大臣(村田敬次郎君) 非常に青島委員うまく御表現をいただきまして、押せ押せがまあまあになった、そういう経緯が確かに第三者から見るとあったかもしれないと思うんです。だから、私は、この法律案をこうしてお諮りし、そしてもし通過をさせていただくことができれば、考えなきゃならないのは、そういう経緯というものではなくて、むしろグローバルに物事を理解をする、縄張り争いとか縄張り意識というものをしっかり捨ててかかるということだろうと実は思っているんです。
 というのは、技術開発とか情報化社会とかということは、これから二十一世紀に向かう一番中心的なファクターなんですね。言うならば、二、三百年前に世界を覆った産業革命以来の大きな世界を狭くするような、あるいは宇宙時代と言われるような新しい時代がやってこようとしておる。そのときに、何々省何々省というような縄張りはこっけいでしかないわけでありまして、したがって、そういった意味で、全体的に世の中がどういうふうに進むのがいいのか、国民生活そしてまた生産がどういうふうに進んのがいいかというグローバルな観点で考えるべきだし、またこの法律案ができたその成り立ちというものもそういう大きな目的に沿ったものであると思います。非常に熱心な余りにいろいろな縄張り争いというようなものが一部に起きてきたという事情はわかりますけれども、私や郵政大臣の間では、そのことはもう完全に二人が理解をし合っておるつもりでございまして、国民生活、国民生産というものの上に立ってこの法律を役立てる、そういうことだと思っております。
#182
○青島幸男君 残余の問題は重複いたしますので、これで終わります。
 ありがとうございました。
#183
○委員長(降矢敬義君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後五時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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