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1984/05/30 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第18号
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1984/05/30 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第18号

#1
第102回国会 商工委員会 第18号
昭和六十年五月三十日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     中村  哲君     福間 知之君
     柄谷 道一君     井上  計君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     伏見 康治君     高木健太郎君
     市川 正一君     佐藤 昭夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         降矢 敬義君
    理 事
                斎藤栄三郎君
                前田 勲男君
                梶原 敬義君
                市川 正一君
    委 員
                石井 一二君
                佐藤栄佐久君
                杉元 恒雄君
                松尾 官平君
                松岡満寿男君
                山本 富雄君
                福間 知之君
                田代富士男君
                伏見 康治君
                佐藤 昭夫君
                井上  計君
                木本平八郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   村田敬次郎君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       杉山  弘君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   児玉 幸治君
       通商産業省立地
       公害局長     平河喜美男君
       資源エネルギー
       庁長官      柴田 益男君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    高橋 達直君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       通商産業大臣官
       房参事官     高木 俊毅君
       労働省労働基準
       局補償課長    佐藤 正人君
       労働省労働基準
       局安全衛生部安
       全課長      長谷川 正君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱における災害に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○梶原敬義君 この関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し承認を求めるの件、これにつきまして大臣の提案理由を先般聞きました。
 その提案理由の主なポイントというのは、この提案理由の中に書いてありますが、「鉱山保安行政の効率的推進」と、効率的な推進というところにすべてのポイントがはまっているような感じを強く受けたんですが、一体この二つを一緒にして、そして東北を監督部にすると、これが一体どうして効率的になるのか。中身は、いろいろ調べてみても、どうもそう変わらぬような気がするんですが、そこについて局長の方からまず最初に答えていただきたいと思います。
#4
○政府委員(平河喜美男君) 両監督部を統合いたしまして一つの監督部をつくるメリットについてでございますが、まず最初に両保安監督部の統合につきましては、保安重視の立場を保ちながら、鉱山保安行政の合理化、簡素化の一層の推進を図るというのが理由でございますが、具体的な統合によるメリットといたしましては、現在両監督部の業務には、石油、天然ガス鉱山が日本の中で比較的多く存在するという事情がございます。こういう業務と、それから鉱害防止対策の必要な休廃止鉱山がやはり両部の統括下にあるのが非常に多くなっております。これらの関連性に関しまして、鉱務監督官、両方におりますけれども、これの機動的な動員体制がとれることによりまして広域的な保安行政が実施できるようになる。それから共通問題に対してより一体的、効率的な対処ができるというようなのが保安行政の効率的展開というふうに考えられております。
 なお、今回の統合はあくまでも保安重視の立場を保ちながら行うということでありますので、鉱山保安行政がおろそかになることのないよう万全の配慮をするということになっておる次第でございます。
#5
○梶原敬義君 それはどうも理屈をつければ理屈はつくわけでありまして、ただその東京と仙台に置いておっても、従前のような方式でも、今言われましたような石油の開発の問題でも、あるいは鉱害の対応でも、全くそう不自由はないような気がするんですが、どうもその理由の方が後から来たような気がしてならぬのですが、いかがでしょう。
#6
○政府委員(平河喜美男君) 全体の行政の効率化、簡素化を行革の理念に沿って行うということになっておりますので、その理念に沿いつつ両保安監督部の効率的行政の展開を図るというふうに考えております。
#7
○梶原敬義君 だから、どっちかといいますと、行革が先に来て、そしてそれに基づいて、それなら何かしなきゃいけないと、そこからいろいろ考えて、しかも、では何か経費が安くなるかといったら、経費は余り安くならないような、小さな政府にどこが一体どう寄与しているのかさっぱりわからないような、私は必ずしも今のような保安が問題のときに、そういうようなやり方がいいのかどうなのか、疑問が非常に残るんです。
 いずれにしても、行革の流れの中で通産省も何かやろうということで、まあしぶしぶやったんではないかと思うんですが、通産大臣、大臣の行革に対する考え方と、今頻繁に鉱山の保安問題あるいは災害が起き、しかも鉱山の鉱害問題についてもなかなか問題が多い時期でありまして、こういうような時期に、一体担当大臣としては、これはやるべきなのかどうなのかですね。行革との、担当大臣としての、現場を一番よく知っておられる大臣の立場で、ひとつこの問題についてお考えをお伺いをしたいと思います。
#8
○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。
 鉱山保安行政は、鉱山労働者に対する危害の防止、それから鉱山周辺の生活環境の保全の確保などを図るための極めて重要な行政でございます。他方、行政の合理化、簡素化を図ることも現下の情勢における重要な課題であると認識をいたしております。
 平河局長からお答えも申し上げたとおり、今回の機構改革は、保安重視の立場に立ちながら、鉱山保安行政の効率的推進を図るという観点から措置を講ずるものでございます。もちろん、委員御指摘の、鉱山保安行政は直接人命にかかわるものでございますので、その業務の遂行に支障のない体制を保持し、今後とも鉱山保安に万全を期してまいる所存でございます。
#9
○梶原敬義君 大臣のお考えはよくわかるんですが、立場もよくわかりますが、どうも実際に鉱山の保安行政やなんかやっている、とにかく高島にいたしましても、あるいは南大夕張にしても、事故が続発をしている。しかもその他、数には見えませんが、いろいろな各種の鉱山においても災害が非常に多い。そういう状況の中で、監督行政が、定期便みたいな形で、気がついたとき回っておる。もう本当に、七夕みたいに一回じゃないが、そういう人も足らない。起こったときに後から行って手を打つ、どっちかというとこういう傾向が非常に強いわけです。
 確かに、行革という物の考え方はわかりますが、行革の線に沿ってやったにしては、これは後から少し申し上げますが、石油保安課というのが東京で一つふえておったり、どうもやっていることがちぐはぐであります。そういう意味では、やはり保安というところに重点を置くなら、今急いでやらなきゃならない。だから、私はもう毎回毎回口汚く言うんですが、行革の方針がこう出た。出たから何かやろうと、形だけつくる。中身がなかなか実際伴わないようなやり方が、これは通産省だけじゃなくて、あっちこっちに出ていると思うんです。本当に我が国の悪いくせかもわかりませんが、どっかにそういう方向の流れが出ていくと、何かそれについて沿っていかなきゃ悪いような、こういうような傾向がやっぱり出てくる。
 しかし、現場を一番知っているのは局長でありますし、あるいは担当者であります。一体担当者がここでどういう判断をしたのか。こういうことがやりたいというんなら、何も行革の方針が出ぬでもやりゃいいわけですから、毎日毎日仕事にしているんですから。行革の方針が出たから後を追っかけていくような、どうも、現状は現状でわかるけれども、しかし上から大きな力が作用したからひとつくっつけてやろうか。こういうように中身はそう変わらない。むしろ保安の関係からすると、私は心配が非常に多くなるような感じを強く持っているんですけれども、この辺は当局としてはいかがでしょうかね。
#10
○政府委員(平河喜美男君) 先生のいろんな御疑問点について、私どもも常に考えながら、今後の保安行政全体に遺漏のないように効率的な運営を図っていきたい、かように考えております。
#11
○梶原敬義君 ちょっと中身の問題に入りますけれども、一つは、東京の鉱山保安監督部を格下げをして、仙台の、東北のあっちを部にして、こっちは支部にしているわけですが、そこのところも非常にこれはわかりづらいんですが、この点はいかがでしょうか。
#12
○政府委員(平河喜美男君) 東京と仙台をあわせて、どちらを本部にし、どちらを支部にするかということについて種々検討いたしましたけれども、まず、仙台の鉱山保安監督部の方が職員数、課数、予算額等から判断して、組織として少し大きかったということが一つでございます。
 それから、第二番目としまして、仙台の鉱山保安監督部管内の方が、相対的に危険度が高くて鉱害の発生しやすい大規模な金属鉱山が多い。こういうことから、稼行鉱山に対する監督指導、または休廃止鉱山の鉱害防止業務、そういったような仕事が多いこと。それから、仙台鉱山保安監督部管内の方が鉱山の労働者数も多く、また災害発生件数も多い。こういうことから、仙台の方を本部にいたしまして東京の方を支部と、こういうことにしたわけでございます。
#13
○梶原敬義君 ちょっと、仙台、東京両管内の鉱種別の鉱山数、また休廃止鉱山、これらの数字について、私も持っておりますが、あらまし今少し言われましたが、数の上でひとつ通産省の方から説明を聞きたいと思います。
#14
○政府委員(平河喜美男君) まず、東京鉱山保安監督部管内の鉱山数及び鉱業の実態等について簡単に御説明いたします。
 金属及び非金属につきましては、稼行鉱山数が五十九年末現在、私どもの調べによりますと百二十八でございます。主な生産品目は、珪石、セメントの原料となります石灰石等が中心になっておりまして、どちらかといいますと非金属鉱業が活発でございます。それから、石油に関する稼行鉱山数が六十九でございます。生産量は全国の七八%を産出しております。量は三十六万九千キロリッターでございます。天然ガスにつきましても、全国の九一%に当たる十九億三千一百万立米を生産いたしております。それから、石炭及び亜炭につきましては、三鉱山が稼行中でございますが、生産状況は非常に少なくて、亜炭だけでございます。
 それから、次に仙台の鉱山保安監督部管内の鉱山及び鉱業の実態について簡単に御説明いたしますと、金属及び非金属につきましては、稼行鉱山数が百四でございます。それから、昭和五十八年度におきます生産量は、銅が全国の八一%、鉛が全国の六四%、亜鉛が全国の四六%というふうに、金属鉱物を主体にしております。それから、石油に関する稼行鉱山数が二十六でございまして、原油につきましては全国の約二二%、天然ガスにつきましては全国の約九%を生産しております。それから、五十九年度末で、石炭鉱山は、亜炭鉱山が四鉱山稼行中でございます。
 以上が、両監督部管内におきます鉱山の数及び主要な鉱業の実態でございます。
#15
○梶原敬義君 通産省の事務局からいただきました昭和五十九年十二月末現在の鉱種別鉱山数、これを私の方でいただいておりますが、結論からいいますと、稼行中のものが、仙台が百三十五、東京が二百ですね。これは、数は東京の方がはるかに多いわけですね。それから休廃止鉱山が、仙台が百二十七、東京が九十六なんですね。それから見ますと、保安行政の立場に重点を置くなら、これは東京の方がはるかに多いわけなんですね。
 ですから、私は先ほど局長の、いや仙台にというお話はそれなりに理解をするんですが、何もこういうような状況で、仙台を上にして東京を支部にして、しかもそう中身は変わらないようなことを、先ほど言いましたように、今やっていることにつきましてどうも理解ができない。やっぱりこれは実務ですから、こういうことは、行革で方針が出たからやるんじゃなくて、必要ならやはりそのときそのとき、実態を考えてやるべきだと思う。何もこう、外から、わけのわからぬところから言われて、さあそんならやりましょうという形をつくるような、どうもこの数字からいってもなかなか納得ができません。
 それから、例えば北は青森の方から静岡の方まで、何か事故が起こったらまた走っていってやることになるんでしょうが、これまた大変ですね。果たして機動性がそこら辺で発揮をされるのかどうなのか、これはどうも理解ができないわけであります。
 いかがでしょうか、その仙台と東京の関係、先ほど言いましたように、実際に動いている数も随分違いますし、それから、これからどっちかといいますと、石油とかあるいは天然ガスとか、この辺との関係も少し深まっていくような状況の中で、あえてそこら辺をそうするという意味があるのかどうなのか、ひとつもう一度お答えをお願いをいたします。
#16
○政府委員(平河喜美男君) 先生御指摘のとおり、鉱山数等につきましては確かに東京管内の方が多くなっております。しかし、休廃止鉱山の数などは仙台が多くなっておりまして、この対応策、鉱害対策等が非常に重要な業務になっております。また、鉱山労働者数につきましては、仙台が七千五百三十、東京が六千二百九十五、災害発生件数につきましても、仙台の六十三に対して東京が三十五、こういうふうに業務の内容等を考えますと、やはり仙台の方が少し多いという判断に立ったわけでございます。
 それから、両方を機動的にやれるのかというお話でございますけれども、これは十分、本部と支部でございますので、機動的に運用できるというふうに思っております。
#17
○梶原敬義君 それでやると言うんですから、これはまあしようがないわけですがね。
 例えば、この行革の一連の動きの中で、福岡と札幌の鉱山保安監督局を、福岡、札幌の通産局にこれを附置するような逆な動きになっていますね。ですから、これも一連の行革絡みの動きの中で、それをやったから高島と南大夕張の事故があったということではないと思うんですが、どうもこんなところには非常に神経を使っておりますが、基本的な保安とか何かという問題については、やっぱりどうもいま一歩神経が行き届いていない。
 これはもう、保安監督局の責任というよりやっぱり通産大臣以下物の考え方に対して一本――保安を一体どう重視するのか、どう考えるのか。監督行政といいましても、私も高島に調査に行って、北海道はこの前行っていないんですが、三井の有明にも調査に行きましたけれども、どうも現地に行ってみて、十分に監督行政ができるような要員でもないし、あるいはそれが十分なされているような状況でもないように受けとめて帰ってきたわけですが、この一連の流れが、保安ということが、文字には出てきますが、しかし、一連の行政の方針と保安というのはどうも相矛盾するような、そういう流れが最近出てきているような気がします。
 ですから、要員の問題についても、保安監督官あたりの要員なんかはやっぱりきちっと確保して、そして十分に監督ができるように、そういう方向をもう少し強くとらないと、これはやっぱり事故が続いていく、こういう感じを強く持っておりまして、この法案をずっと私ども、衆議院で党の方も賛成をいたしまして――どうしてこれは賛成してきたのかなと今疑問を持っておるんですが、基本的には、最終的には賛成いたしますけれども、議論をするときには、やっぱり私は激しくこの議論はしておかなければいけないと、そう思っておりますが、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(村田敬次郎君) 平河局長からいろいろ御説明申し上げましたが、委員の御指摘ごもっともと思います。ただ、仙台鉱山保安監督部と東京鉱山保安監督部を統合し、東京支部を置くということによって、行政の機動性を発揮させたいということをいろいろ通産省の方でも検討いたしておりまして、この決定になったものでございます。
 特に鉱山事故が多発をしておりまして、それを御視察いただいた体験から御指摘をいただくことはまことにごもっともと思いますので、保安行政については格段の注意を払っていきたいと存じます。
#19
○梶原敬義君 通産大臣もなかなかそつがないわけでね、やっぱり答弁にもう少し味を盛っていただきたいと思います。
 わき道にそれますが、どうも、中曽根総理大臣が行革行革と、土光さんや財界の皆さんと一緒になって行革を唱えてきている、その行革の中には、いいものと悪いものがやっぱりある。しかし何かここのところの傾向といたしましては、いいものも悪いものも、何も行革の流れの中でどんどんどんどん、いいものまで巻き込んでいってやっている部分というのが非常に多い、それに行政も流されているということを非常に強く感ずるわけであります。
 大臣は、先般その辺のことを私が言いましたら、いや、中曽根総理大臣は立派でよくやっているということで高い評価をされていたようですが、どうなんでしょうか、私は、大臣の答弁ちょっとそつがないものですから、少しその辺の基本的な考え方について、中曽根さん流のやり方で物がよくなっていくのならば別ですが、必ずしもそういっていない部分が幾つか、きょうは挙げませんが、感じられてしようがないんですが、通産大臣としての基本的な物の考え方、基本姿勢みたいなものをもう一回お伺いしたい。味をつけてください。
#20
○国務大臣(村田敬次郎君) 一番いい比較は、ミッテラン大統領が就任をしたときに、ベルサイユに赤いバラが咲いたということで、若い人たちや、それからまたいろいろな社会的な大きな人気を呼んだのでございますが、ミッテランはそのときに、大きな政府をつくろうということで、日本の行政改革の理念とは全く相反する、例えば金融機関の国管だとかいろいろなことを考え、公務員の数をふやしたり、そしてまた予算の規模を大きくしたり、そういうことによって失業救済をしようという、いわゆる大きな政府をつくろうとしたわけでございます。四年前でございました。
 私は当時パリへ行きまして、いろいろミッテラン新大統領のやっていることを見て、果たしてこれが成功するんだろうか、日本の行政改革の理念と全く正反対だがという強い疑問を持って、当時パリでいろんな議論をしながら帰ってきた覚えがあるんでございますが、日本の鈴木内閣から中曽根内閣に、まさに行政合理化ということで、小さな政府を目指したわけでございます。その間に、いわゆる高度成長時代のツケを、低成長になれば当然支払うべきだという考え方から、機構を縮小し、予算を縮小するという方向、小さな政府をつくるという方向で大きく国全体が動いたわけでございまして、これに対しては国会でも、与野党を問わず、その理念自体は大変受け入れていただいたと思っております。
 そういった意味で、私は、小さな政府また行政合理化という考え方は、世界的に見て妥当する考え方だという前提があるわけで、それをいろんな機会に申し上げておるわけでございますが、ミッテランの政策は、大きな政府をつくろうとした、その割に失業率も決して減っていない。そしてまた、銀行の国管制度その他という問題については、例えばこの間ミッテラン以前に首相をやっておったバールがやってまいりまして、全く失敗であった、ミッテランは七年間政権を維持できるかどうかもわからないというような印象を言っておられました。私は四年前のことを思い出して、さもありなんという感じが実はしたのでございます。
 そういった他山の石を見てみますと、日本の行政機構改革というのは、非常に大筋としては成功しておるという認識を持っておりまして、その一つ一つが、例えばこういったきょうお願いをしております案件、いろいろなものに出ておるわけでございますが、総務庁をつくったのもそうでございますし、全体として随分行政合理化というものがいわゆる財政合理化にも非常にプラスしておりますし、国全体のそういった方向についても大方の国民に受け入れられているのではないかと思っておるのでございまして、一つ一つについて議論をしてまいりますと、先ほど来梶原委員が精緻な議論を展開していただいておるような問題点が確かにあるということはよくわかりますが、そういう全体方向としてはやはり行政合理化は成功してきておるのではないか、そしてこれからもやっていくべきじゃないか、このような認識をいたしておるわけでございます。
#21
○梶原敬義君 またちょっとそれますが、ミッテランのことは私も勉強不足でよくわかりませんが、少なくともあれはもう五、六年やっておりますよね。総理大臣、中曽根さんは今三年ですよね。中曽根総理大臣あとそれなら三年も五年もやれるかといったら、これは言うまでもないが、やっぱり内外に相当批判がありますし、特に財政経済政策につきましては内需拡大をめぐって非常に国論を今二分をしております。しかも中曽根総理大臣が行政管理庁長官で、財政が悪いということでいろいろ言い出したときには、多分約七十五兆円ぐらいの公債発行額だったのが、今まさに百三十三兆円、倍ぐらいにぐんぐんこれは膨らんでいっている。これは先般経済企画庁長官も、その辺については全くそうだと、こういうことは認めました、この席でですね。
 そういう状況なんですから、それなら中曽根さんがあと五年も六年もやって、日本の財政が果たして、今言われますように、これはもちろん行革のすべてのもとはやっぱり財政から来ておるだろうと思うんです。これはよくなるかといったら、あと三年も四年もやったらもう野たれ死にじゃないでしょうか、中曽根政策このまま展開していったら。私は、だからミッテランを云々する前に、まず見通しに立ったらもう行き着いておると思うんですよ。この点については、いろいろ私は私の考えとしてぜひ述べさしていただきまして御理解賜りたいと思います。
 それから、今度の法案にいたしましても、私は鉱山保安の今の現状から、個々の現場の人の数を減らすということには今反対であります。しかし、今度の法案にしても、よく見たらわかりますが、ただ右と左をいじって、一つを上げて一つを支部にしただけで、中身は変わっておらない、こういう状況。
 それから総務庁の設置のときに、私ども素朴な意見としまして、あるいは国民のほとんど大多数は、話をしておりますと、大臣が一人減るんだろうと、減るんじゃないかななんと言って、勉強不足で帰ってきましたが、そんなことを我々も言い切らぬのです。結果的には大臣は一人も減ってないわけですね。そして河本さんには無任所の何か特命大臣かなんか名前つけて、何の仕事をやるのかよくわかりませんが、ああいうような形でやっている行革の路線というのは、身の回りはうまくいかないから、結局は地方行政関係の地方自治体に思い切ってしわ寄せをやってみたり、あるいは電電や国鉄に持っていったり、自分の身の回りの一番難しいところはほったらかして、うまく何か形だけつくって、そして外回りをわあわあやっているようなやり方で、そこに世論を吸いつけていくようなやり方、どうも私はこれは本当に、もうあと五年も十年もたったら、一体あれは何だったのかと、下手な外科医が何でもちょっと切らせろということで、どんどん切って切りまくるのと同じような形に最後は評価されるようになるだろうと、私はこう見ておるんです。
 これは私も随分口が悪い、総理大臣を前に置かぬでこういうことを言うのは悪いんですけれども、今度はおるところでひとつ一緒にやりたいと思っておるんですが、私は、通産大臣から今お話がありましたことにつきましては、どうも丸々、はいそうですかということは言えませんので、ひとつ言わしていただいたわけであります。
 そこでもとに返りますが、東京支部に石油保安課を新設いたしましたが、その理由は一体何なのか、従来はどうしておったのか、この点について一点お伺いをいたします。
#22
○政府委員(平河喜美男君) 東京鉱山保安監督部管内には、全国の石油、天然ガス鉱山のうち、鉱山数で約六〇%が集中しております。なお生産量では、石油については全国の約八〇%、天然ガスにつきましては九五%以上を占めております。このように当該管内では今後も活発な石油、天然ガスの探鉱開発が予想されておりますし、石油、天然ガス鉱山の保安確保のための業務量が増大すると見込まれております。
 このため、当省といたしましては、このような行政需要に対しまして、東京支部に石油保安課を新設するということにした次第でございます。
#23
○梶原敬義君 ということは、従来よりもこれから仕事がどんどんふえるということになるわけですか。
#24
○政府委員(平河喜美男君) だんだん行政需要がふえてまいるというふうに理解しております。
#25
○梶原敬義君 それから、東京の支部の今まで監督部の管轄にありました鉱山の休廃止鉱山、これらの今後の傾向ですが、ふえるのか減るのか、この辺の見通しについて一点お伺いいたします。
#26
○政府委員(平河喜美男君) どちらかというと減少の方向に行くんじゃなかろうかと思っておりますが。
#27
○梶原敬義君 だから、トータルでいきますと石油の関係もふえるし、そして稼行中のやつも多い。それなら休廃止鉱の鉱害対策の必要なものもどうかと言ったら、これもふえるだろうと。そういうような状況で、一方、仙台と東京、部と支部と、それで中は何も変わっていない。どうもやっていることがわからない。だから私は、これはお役所仕事だと言われるんじゃないかと思うんですよ。もう一回わかりやすく言ってください、簡単に。
#28
○政府委員(平河喜美男君) 二つの監督部を一つにするためには、どちらかを本部でどちらかを支部にする、これはもう先生も御了承いただけると思いますが……
#29
○梶原敬義君 わかりました。
#30
○政府委員(平河喜美男君) 先ほど申し上げましたような業務量その他いろいろ配慮しまして、仙台を本部、東京を支部、こういうことに決定いたしました。
#31
○梶原敬義君 次に移ります。
 福岡鉱山保安監督局、この前私は高島の調査に行ったんですが、検査を年何回やっているかと言ったら、何回と、こう答えたんですが、南大夕張と高島との関係で、五十八年、五十九年、大体どのくらい行っているか、数字がありましたら……。
#32
○政府委員(平河喜美男君) 巡回検査の回数でございますが、延べの実施鉱山数で申し上げますと、五十八年度、最新の時点で千六百六十四回でございます。五十五年が千七百七十一、五十六年千六百七十六、五十七年千八百十一、大体千六百から七百ぐらいのところでございます。
#33
○梶原敬義君 私が今聞いたのは、三菱高島とそれから南大夕張ですね、それをちょっと聞いたんです。
#34
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の石炭鉱山におきましては、大体月に一回行っております。
#35
○梶原敬義君 高島につきましては、五十八年二十四回、五十九年二十五回というような数字をちょっと――これは違いますか。
#36
○政府委員(平河喜美男君) 巡回検査のほかに、時々特定の検査をいたしますので、それを含めますと先生のおっしゃったような数字になります。
#37
○梶原敬義君 私は、若いとき会社におりまして、ボイラーなんかの検査に通産省が来るというのが事前にわかるわけですね。それで、会社がどうしているかとじっと見ていると、前になって掃除をして、労働基準監督署、鉱山保安監督署も同じじゃないかと思うんですが、巡回のときにはもう相手側にちゃんといついつ行くからというので通知をしているわけですかね、定期の。これは石炭だけじゃないですよ、今言われました全体の。
#38
○説明員(高木俊毅君) ただいまの梶原先生の御質問でございますけれども、一般に巡回検査を実施する場合には、予告なしに行うというのが原則でございます。
 ただし、それぞれ鉱山によって事情が違っておりまして、例えば石炭鉱山等におきましては、運搬あるいは坑内に入ること自体におきまして、それぞれ企業の方の施設を使わなければいけないというような事態もありますので、まあ原則はそういうことでございますが、半日前あるいは数時間前には連絡をしているという状況でございます。
 それから、参りましてどこを検査するかにつきましては、その監督官の裁量に任しておるわけでございますけれども、その検査の区域につきましては、原則として鉱山側には知らせないというのが現状でございます。
#39
○梶原敬義君 きょうは午後、三菱の南大夕張の件につきましてまた質問しますから、ダブるところがありますから余りこれ以上今突っ込みませんが、どうも数も足らないし、これは石炭だけじゃないですよ、監督行政というのはやっぱり抜き打ちでやるだけの要員もない。本当を言うと、さあ来るぞと準備して、さあどうぞと、こういうような形でやるのも一つは意義あると思うんですが、それだけではなかなかうまくいかない。やるにしても、手は足らないだろうと思うんですが、一体これからの保安監督行政、これをやっていく上において一体どうすればいいのか。この点について少しお考えをお伺いしたいと思います。大臣には後でまた最後に聞きます。
#40
○政府委員(平河喜美男君) いろいろ先生に御指摘いただきましたし、私どももふだんから今御指摘いただきましたような、例えば検査の抜き打ち的な方法、あるいは検査の回数をいかにして確保するか、あるいはそれに必要な予算等をいかにして確保するかというのは、日夜腐心しているところでございまして、今後とも御意見等も踏まえまして努力してまいりたいと、かように考えております。
#41
○梶原敬義君 どうも一番気になるのは、この行革の流れの中で、やっぱり何もかもというか、みそもくそもというのですかね、一緒くたにして、人を一律にずうっと減らしていこうと、監督官も減らしていこうと、こういうような形がこれからもどんどん出てくるような気がしてならないんです。
 現場を持っております局長といたしましては、この保安監督行政をこれからやっぱりやっていく上において、監督官の数をきちっと確保するとか、あるいは実際にそういう状況の中で保安監督行政をきちっとやるとか、こういう点について、若干素直な立場で発言を、その点について一点お伺いをしたいと思います。
#42
○政府委員(平河喜美男君) 先生御指摘のような、全体としての行革あるいは定員削減等公務員にかかっておりますので、その中で我々はいかにして保安を確保するかというのが一つの課題でございます。
 私どもとしましては、全体としての流れの中でも、直接監督業務に携わります鉱務監督官等にしわ寄せを持っていかない一般的な事務、あるいはそれに準ずるようなところでなるべく対応してまいることにしまして、仕事に支障のないように、このように対処をしているところでございます。
#43
○梶原敬義君 大臣、最後にお伺いしますが、監督官は減らさない、事務を減らすと。こういうニュアンスもちょっと受けとめたのですが、まあ減らすなら大臣の数を一つ減らすとか、大きなところから、やっぱり問題のところから逐一やって、そしてやりにくい、難しい問題のあるところからやっていって、そしてこういう一番現場で、これは事務の関係もみんな監督にどんどんどんどん出ていって、そしてその後はどんどん資料整理なりやる人も、大事な仕事もやっぱりあるわけですから、僕は何か一律にずうっとやって、肝心なところはやっていないことに抵抗を最近感じてしようがないのです。
 ひとつそういう意味で、保安が非常に大事な時期であるだけに、この統合問題について、大臣はどうしてもやろうということなんでしょうが、どうしてもこれはやりたいというひとつ御決意をお伺いし、さらに今後の、こういうことになっても保安行政についてはきちっとやると、こういう立場に立った大臣の決意を聞いて、質問を終わりたいと思います。
#44
○国務大臣(村田敬次郎君) 梶原委員の、行政改革という名のもとで、余り実益のないような統合までやってしまう必要はないのではないかといういろいろな御指摘、これは御指摘の点は非常によくわかるわけでございまして、そういうことのないように、統合したからには行政合理化による実を上げる。そしてまた保安行政については、これは人命に関係の深いことでありますから、後退することが絶対にないようにしっかりと確保をしていく。また、定数削減、鉱務監督官数の削減などのないようにする。そういったいろいろな御注意はよく伺ったところでございまして、行政合理化の精神が本当にうまく貫かれますように、今後万全を期して対応していくつもりでございますので、よろしくお願い申し上げます。
#45
○市川正一君 ただいま議題になっております鉱山保安監督局、部、この組織変更の審議に当たって、私重要な問題は、この組織変更が、最近の三井三池有明鉱、高島炭鉱、さらに南大夕張炭鉱等々で、ますますそういう事故を通じて重要性が明らかになっております鉱山保安行政を後退させることになりはしないか。なかんずくその保安行政を体をもって支えているところの鉱務監督官や、その活動をバックアップしている事務系の職員の方々も含めた労働条件や労働環境を後退させることになりはしないかという点にあると思うんであります。
 そこで、こうした広い意味での保安対策の確保が図れるかどうかという立場から、以下御質問をさしていただきます。
 最初に、各鉱山保安監督局、部、支部のこの五年間の定員と監督官の旅費の状況を知りたいんでありますが、私は、実は八〇年十月二十三日の本委員会におきまして、ここにも会議録持ってまいりましたが、当時大阪及び四国の鉱山保安監督部の支部への格下げが行われました際に、人員などは減らさないということを、当時の松村立地公害局長から答弁をもらったんでありますが、実態は、その後かなり減っているというふうに私思うんですが、概況いかがでしょうか。
#46
○政府委員(平河喜美男君) 鉱山保安監督部、局の定員の推移について御説明いたします。
 現在、鉱山保安監督部、局につきましては札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、四国、福岡、那覇がございますけれども、昭和五十五年度は総定員三百七十七名でございます。それから、五十六年度三百七十三、五十七年度三百六十九、五十八年度三百六十五、五十九年度三百六十一、六十年度、これはまだ見込みでございますが、三百五十六名、かようになっております。
#47
○市川正一君 旅費の趨勢はどうでしょうか。
#48
○政府委員(平河喜美男君) 鉱山保安監督検査に必要な経費の中に含まれておりまして、五十六年度七千六百四十五万円、五十七年度七千七百六十五万九千円、五十八年度七千二百十八万円、五十九年度も七千二百十八万円、六十年度の見込みも七千二百十八万円でございます。
#49
○市川正一君 定数の方も、また旅費の方も趨勢として減っていますし、特に私があえて五年というふうに申し上げたのは、ちょうど臨調に基づく予算編成といいますか、これが具体化された以降の趨勢をあえて意味しているという意味で申し上げたんですが、そうしますと、こういうふうに定員が減り、予算が減るということによって、常識的に言いますと、稼働中の鉱山が若干減ったかもしれません。しかし、保安行政の対象になる鉱山は、それはなくなるわけではないんで、そうしますと、事実上巡回検査の回数を減らさざるを得ないということになってくるんですが、つまり監督官の個人的意思にかかわりなく、手抜きせざるを得ないという事態に至ると思うんですが、この点はどう見ていらっしゃいますか。
#50
○政府委員(平河喜美男君) 先生御指摘のような手抜き等にならないように、最大限の努力を払っているつもりでございます。
#51
○市川正一君 最大限の努力は結構なんですが、私は人間の努力というものにはそれなりの限界があるわけで、それを裏づけていくことを政治として、また政府としてはやっぱりやるべきだと思うんです。
 そこで伺いますが、鉱山の保安確保のための巡回検査は、鉱山の規模の大小、監督部、局からの距離、鉱山の危険度の違いなどにかかわりなく、各鉱山を平均的に巡回するものなのでしょうか。それとも、一定の基準で実施されているんでしょうか。どうなんですか。
#52
○政府委員(平河喜美男君) 巡回検査の基準は、検査を効率的、重点的に行うために、各鉱山の危険度等に応じましてつくることにしております。
#53
○市川正一君 そうすると、要するに一定の基準があるというふうに受けとめていいわけですね。
#54
○政府委員(平河喜美男君) そうでございます。
#55
○市川正一君 そこで、最近のその基準と、各局、部の計画とその実績ですね。先ほど同僚委員の質問に対して、回数で局長お答えいただきましたですね。五十八年度千六百数十回、五十九年度が千七百数十回でしたか。回数じゃなしに、達成率で結構ですから示していただきたい。計画に対する達成率ですね。それから基準。
#56
○政府委員(平河喜美男君) 昭和五十九年度の局、部別の巡回検査の計画と実績を申し上げます。
 札幌が計画二百八十二に対しまして二百五十三、仙台が二百十七に対しまして実績百八十七。以下、計画、実績、省略して申し上げますと、東京二百七十七に対して百五十三、中部近畿二百十六に対して二百、大阪支部百七十八に対して百二十七、中国四国二百十七に対し百九十九、四国支部九十四に対して九十二、福岡二百二十三に対して百九十一、那覇百三十七に対して百二十九、合計千八百四十一に対して千五百三十一、かようになっております。
#57
○市川正一君 かなりばらつきがあるようなんですね。今の達成率を見ましても、例えば六割にも満たないようなところもあります。私がいろいろ調べたところによると、悪いところでは、ある局、部では二〇%台のところもあるというふうに聞いておるんでありますが、全体としてやはりその点で計画が達成されていない。
 ここに私、巡回検査等実施状況という報告要旨をちょうだいして持ってまいりました。これによりますと、例えばこれは石炭関係ですが、巡回検査等実施状況ということで、一種、二種、三種、四種というふうに、それぞれに関して計画があり、そして実施率がここで報告されているようになっております。そうしますと、今局長から述べていただいた五十九年度の実績から言うても、いわば計画どおりやられていないという実情に残念ながらあるという事態をどういうふうに見ていらっしゃるんでしょうか。
#58
○政府委員(平河喜美男君) まず計画をつくります場合に、各監督部、局の担当官が最初にいろいろと考えまして、精いっぱいの計画をつくっておるのが実情でございまして、多少実行との差が出てくるということはやむを得ないことかなというふうに考えております。
#59
○市川正一君 やはり保安に万全を期すという答弁を局長からも再三にわたって承っておるわけですから、その計画は、単なる計画で、それはやってもやらぬでもいいんだということではないと思うんですね。局長、そうでしょう。
#60
○政府委員(平河喜美男君) はい。
#61
○市川正一君 聞いていますか。――それで、おたくの方から「鉱山保安の概要」というのをいただきました。五十五年からずっと歴年の数字があるんですが、「巡回検査回数(延べ実施鉱山数)」トータルが、五十五年が千七百七十一、五十六年が千六百七十六、五十七年が千八百十一、五十八年が千六百六十四というふうにアンバラがあるんですね、ばらつきが。これはどういう理由なんてしょうか。
#62
○政府委員(平河喜美男君) 私も細かいことはまだ調べておりませんけれども、例えば事故などがございますと、その後に集中して検査をするとか、そういういろんな事情によって多少のばらつきはあろうかと思います。
#63
○市川正一君 私も客観的に見てそうだと思います。その点は局長も正直に今、正直というか、リアリスティックにお答えになったんですが、そこでもう一つそれと関連してお聞きしたいのは、これ本当に鉱山労働者が生きるか死ぬかという問題なんですから、ほんまにやりとりも真剣に御検討願いたいんですが、例えばこの数字で読めば、八一年度は北炭夕張新鉱の事故があった年です。一九八一年というんですから昭和五十六年ということです。それから八三年度は三井三池の有明鉱の大事故があった年です。そうすると、今局長おっしゃったように、そこに集中するという事態が生まれてきますから、巡回回数の達成率が仮に一〇〇%であったとしても、それはそういう事故が全くない状況での計画なんですね。
 そうすると、こういう大事故が起こった場合にそこに集中する、そうすると、そのリアクションとしてほかの鉱山は手抜きにならざるを得ないという事態が、局長もおっしゃったように出てくるわけですね。私は言いかえると、そういうぎりぎりの線で今連行されている、ぎりぎりのいわば保安監督体制で綱渡りをやっておられる――決して責めているんじゃないですよ。本当にそういう際どい状況を保安監督行政というのはやらざるを得ない状況にあるというふうに、こういう客観的なデータは物語っていると思うんですが、いかがでしょうか。
#64
○政府委員(平河喜美男君) 三井三池とかあるいは今度の夕張みたいな大事故がありますと、その後一、二カ月の間にそこへ集中して力を投入しなければいけないということは事実でございます。
 ただ年間通して言いますと、年間に大体先ほど御説明しましたように、石炭鉱山でございますと二十数回行っておる、こういうようなところにつきましては、そのほかの月で何とかカバーするということで、毎年平均して行くように努力しているところでございます。
#65
○市川正一君 平均してつじつまが合うというんじゃなしに、事故は、午後も大夕張でやりとりがあると思うんですけれどもね、やっぱり定期的に巡回しなければいけない。先ほども、第一種について月一回以上ということを同僚委員の質問にお答えになりましたですね。定期的に検査しなければならぬわけですね。だから、その点ではやっぱり非常にぎりぎりの綱渡りの体制になっているという事態を私は指摘せざるを得ぬのです。
 もう一つの問題は、保安行政における定数の問題を今申し上げましたが、その人的構成の問題があると思うんです。私は、今回のこの承認案件の審議に当たって、現場の監督官の方々の意見も聞かしていただきました。その中でこういう意見を私非常に関心を持って聞いたんですが、八一年十月に北炭夕張で大事故が発生した、あの時期は、ちょうど札幌鉱山保安監督局の中で、ベテラン監督官が定年ということで大量にやめていった時期と一致するというんですね。また、最近炭鉱の大事故が起こっておりますが、こういう傾向は昭和三十年代の時期の状況に類似しているというんです。
 ここに私、立地公害局からいただいた「鉱炭山保安年報」がございます。これの一ページのところにずうっと一覧表があるんですね、事故の。そして、この一覧表を私なりにグラフに図式化してみました。これは全鉱山の稼動延べ百万人当たりの死亡率を年度ごとにグラフにしてみたんです。余りうまくないイラストですけれども、ちょっとそこからはお見えにくいと思うんですけれども、ちょうどこれが、昭和三十年代に非常にピークになったのと、それから最近のピークとがぐっとカーブとして酷似しております。ということは、昭和三十年代の事故の教訓から、その後一定の保安対策や技術開発も進みました。ところが、それが一つの限界といいますか、転機に来ていると思うんです。というのは、坑道が奥部化――だんだん奥深くなる、坑道がだんだん深くなる、深部化するという中で、保安技術の開発も必要になってきておりますが、同時に、実際に人間の目で確かめる、そういう監督官の役割が非常に重要だということをも、私、意味していると思うんですね。
 そこで大事なことは、監督官の定数を確保すると同時に、今私、札幌の例を申し上げましたが、ベテランの経験と蓄積をどういうふうに継承していくかという問題が実際にあると思うんですよ。政府はこの点で、定数制やあるいは退職勧奨などでベテランをやめさしていくような方向が今とられておるんですけれども、私は、本人の意思を尊重することを前提に、大臣にもぜひお考え願いたいんですが、再任用とかあるいは勤務延長などを考慮して、後進の指導に当たらせる、そういう保安問題での蓄積を厚くしていく必要があると思うんですが、この点ひとつ大臣の御所見も承りたいと思います。
#66
○国務大臣(村田敬次郎君) 多くの経験を積んだベテラン監督官の知識は貴重なものでございまして、その知識、経験の継承についてはこれまでも努力をしてきたところでございます。一方、組織の活性化を保つために、人員の若返りを図ることも重要でございまして、ベテラン監督官に蓄積されたノーハウについては、業務を遂行していく上で次の世代に受け継がれるよう、今後とも配慮をしてまいりたいと思います。なお、ベテラン監督官の知識の活用については検討をしてまいる所存でございます。
 今、市川委員の、いろいろ統計そしてまたいろいろな御見識を承りまして非常に参考とさしていただきたいと存じます。
#67
○市川正一君 今の大臣の御答弁が実際に生きてくるように、ひとつ重ねて要望もいたしますし、局長もその点てひとつ格段の御尽力をお願いしたいと思います。
 一点だけこの案件に関してお聞きしたいのは、札幌と福岡の局の各通産局への附置の問題と、東京の支部への格下げの問題の権限問題なんです。
 確認しておきたいのは、監督旅費の支出なんてすが、各通産局の会計課が所管するために制限されて保安監督指導に支障を来すようなことがないようにすべきだと思いますが、この点ひとつ確認を願いたいというのが一点。
 それからもう一つは、鉱山保安法のうち、局長、部長にかかわる権限の部分、例えば改善命令を出すとかいうふうなことでありますが、これがすべて支部長というふうに読みかえていいのかどうか。特に第二十四条の二、鉱業の停止命令権をも支部長が持つのかどうか、また第四十五条から第五十一条までに定める地方鉱山保安協議会のうち、支部になった地方の協議会の法的地位があいまいにならないようにこれはどう処理なさるのか、以上極めて実務的でありますが、大事な問題なのでお答えを賜りたいと思います。
#68
○政府委員(平河喜美男君) まず最初の会計事務でございますが、今回の附置によりまして会計業務を通商産業局において一括処理することになりますが、これは会計法上の各種事務手続等の一括処理を行うのが目的でございまして、各監督局に対する予算配分につきましては従来どおり独自に配分を行うということにしております。このため附置によって鉱山保安監督局の旅費等の予算が削られるということはないというふうに理解しております。
 それから、鉱山保安法で局、部長の権限をどういうふうに支部長に委譲するのかというお話でございますけれども、従来の東京鉱山保安監督部の管内につきましては、東京支部長にすべての保安法の部長権限を行使できるように委譲するつもりでございます。
 それから最後に、東京に置かれております地方鉱山保安協議会は今回の統合によりまして廃止されまして、統合後は、関東東北鉱山保安監督部に、新たに地方鉱山保安協議会を置くことにいたしております。その下に地区の部会を設置して実際の行政を処理していこうと、かように考えております。
 それから先ほどちょっと予算の説明のところで私数字を間違えておりますので修正させていただきます。鉱山保安監督検査等庁費の推移でございますが、五十六年度が三億四千七百万、五十七年度が三億五千九百万、五十八年度が三億四千百万、五十九年度三億四千二百万、六十年度三億三千七百万でございます。
#69
○市川正一君 終わります。
#70
○木本平八郎君 私は結論的に言いましてこの法案にも大賛成ですし、今後どんどんこういうものを進めていっていただきたいと思うわけです。やはり組織というのは、あるところで変更して、余り効果がなさそうに見えても、やっぱり変えることの方がビビッドになっていくし、活性化するんじゃないかということなんで、こういう効果があるとかないとかということをもちろん考えることは必要ですけれども、やっぱり同じならどんどん変えていくべきじゃないかというふうに思うわけです。
 それで、その次の問題なんですけれども、実はこういう数字を私は引っ張り出したのですけれども、この数字が合っているかどうか、多少は違うかもしれませんけれども、昭和三十年と昭和五十八年の通産省所管の仕事なんですけれども、これを一応一例として、鉱工業生産とそれから山の鉱業生産の数字を拾い出してみたわけです。そうしますと、昭和三十年に鉱工業の総生産が約六兆ぐらいあったと、ところが五十八年は二百四十兆になっているんですね。四十倍になっているわけですね。ところが山の方は三倍、二千四百億が六千七、八百億で、約三倍ぐらいにしかなっていないと。これはだれが考えても当然そうだろうという数字なんですね。これを比率的に言いますと、かつて山の生産というのは三・五%ぐらいあったのが、もう現在は〇・三%、十分の一に減っているということですね。それだけ日本の産業構造が変わってきている、これは当然のことだと思うんです。
 この間に、鉱山保安監督局、部の定員がどうなっているかというと、先ほどのあれとちょっと違うかもしれませんけれども、昭和三十年に三百六十三人だったのが昭和五十八年に三百六十二人と、一人しか減っていないということですね。この数字は多少あれかもしれませんが。しかし、それにしてもせいぜい五、六人、十人ぐらいの差じゃないかと思うんですけれども。これしか減っていないということは、いわゆる通産行政の中において、山の鉱山関係はどんどんどんどん減っている、ところが人間その他は全然減っていないと。これは確かに行政とか政治とかいうものは生産額と比例させるべき問題じゃない。
 例えば警察にしても消防にしても、あるいは通産行政の中でもかつての繊維だとか、そういうふうに斜陽産業になっていく、構造改善やらなきゃいかぬというところはどんどんウエートが下がっていても、行政のボリュームというのは減らない、あるいはむしろ手間がかかるかもしれませんね。しかしながら、国民の一般的な感じとしては、これだけウエートが下がっているのに全然人間が減っていないじゃないかという疑問がやっぱりあるんですね。この辺が政治も行政も知らない国民にとってみれば、やっぱり行政改革をやらなきゃいかぬというふうな感じにつながってくるんじゃないかという気がするわけです。
 この問題は直接私取り上げるつもりじゃないんですけれども、一般論として、行政として、やはり経済性という考え方を少しは導入していかなきゃいかぬじゃないかという気がするんですね、こういう時代になってくると。その辺がどうも、私、国会に来まして、国会というところは経済観念もなければ効率観念も全然ないと、そんなことは要らないのかもしれませんけれども、少しはもうそういうことを、観念を入れていかなきゃいかぬじゃないかと。それがやはり行政改革の根本的な精神じゃないかという気がするんですがね。その辺大臣どういうふうにお考えになりますか。
#71
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいまの木本委員の御指摘はまさにそういう方向だと思います。行政にも経済効率性というのは当然導入しなければいけないので、それが行政合理化の根本的な精神だと思うのでございまして、ただ、今お引きになりました、鉱工業生産指数とそれからマイニングの方の鉱業生産の比率が非常に全体としての割合が減っているのに、定員その他の面では効率化が行われていないのではないかという点も、おっしゃるとおりだと思います。なかなかその辺が経済性と行政との必ずしもマッチしない点であろうかと思いますが、木本委員御指摘の基本的な問題はおっしゃるとおりだと私も思います。
#72
○木本平八郎君 それで、例えば鉱山行政、保安行政を考えた場合、私二つの性格があるんじゃないかという気がするんですね。これは私実は、鉱山関係については、石炭の関係を今回の事故なんかで少し勉強した程度で、ほかは全然知らないのですけれども、一般的に考えますと、鉱害問題なんかがありますね。それから、同じマイニングといっても、もう非鉄金属から鉄鉱石から、こういう石炭からセメント、石灰石の採掘もいろいろあると思うんですね。業者もまちまちだと思います。したがって、相当保安行政もバラエティーに富んできめ細かくやっていかなきゃいかぬとは思うんですけれども、この石炭に関しての法案に関して、私こういう印象を持っているんですね。
 鉱害行政の面から考えますと、鉱山行政から考えると、監督しなきゃいかぬものとしなくてもいいものがあるんじゃないかという気がするんですね。逆に言えば業者の側、会社にとってやらなきゃ損をするというものと、やらなきゃ得するものがあると思うんですね。例えば鉱害の垂れ流しなんというのは、やらなきゃ会社の方は得するわけですね。ところが、この保安なんというのは、これはやらなきゃ会社側が一番損をすると思うんですよ、あるいは労働組合が一番損すると思うんですね。こういうものに対する考え方というのは、先ほどの鉱害の垂れ流しなんかとは違っていいんじゃないかという気がするんですね。
 私がいつも言っていますように、もっともっと当事者に任してもいいんじゃないか。ちゃんとしっかりやれよと言って、やらなきゃ一番損するのは本人たちでしょう。そういう面の監督も、いわゆる鉱害の垂れ流しと同じようにやっておられるんじゃないかという気がするんですがね、局長いかがでございますかね。
#73
○政府委員(平河喜美男君) 鉱山保安の本質どこにあるかというお話でございますけれども、今の法律の体系といたしましても、あくまでも保安の第一の責任主体は鉱業権者にあるということははっきりしております。
 ただ、私どもの方も、これを側面から指導、監督をするという立場でございまして、その辺の兼ね合いをどうするかというのは、やはり日本の現実の石炭山の事情なり鉱山の山の事情というものと、国民感情その他総合して考えざるを得ないというふうに認識しております。
#74
○木本平八郎君 確かに国民感情としてはそうだと思うんですけれども、こういうふうに行政改革あるいは定員削減というふうなことが非常に厳しく要求されてきて、時代がやっぱり変わってきているんで、少し行政のあり方、監督のあり方を変えてやっていく必要があるんじゃないかと思うんですね。
 それからもう一つ、今のに関連するんですけれども、政治も行政も、こういう時代になってきますと、私も毎度言っていることなんですけれども、性悪説から性善説にある程度変えていかないと、物すごくコストが高くついちゃうんじゃないか。これは余りいい例じゃないかもしれませんけれども、例えば交通の取り締まりとパトカーの問題で、性悪説に立ってくると、どんどんどんどんパトカーをふやしていかなきゃいかぬということになって、コストが追いつかなくなるという状況もあると思うんですね。これは前に、ほかのところで運輸省関係に言ったんですけれども、外国の場合は割合に性善説的なものを取り上げていまして、あなた、スピード出すと死ぬのはあなたですよというふうなことを言って、非常に教育的な効果を上げているという面があるんですね。
 そういうことで、それと同じなんで、私、南大夕張の件は午後なにしますけれども、非常に感じるのは、例えば事故調査ですね、事故調査で、確かにあれだけの方々が亡くなられているわけですから、これは警察としても大問題だと思うんですね。だから、警察が先頭に立ってやっていくということはわかるんです。それから監督官、どちらが主体か私ちょっとわかりませんけれどもね。それで会社とかなんとかちょっと来るな、事故調査が終わるまでちょっと入ってくるなというやり方ではないかと思うわけですね、現場保存のために、余りごちゃごちゃされちゃ困るから。
 しかしあの事故調査というのは、私もちょっと聞いたら、もう大変な点検やらなきゃいかぬそうですね。例えば電線、もう何十キロと坑内全部の点検する、扇風機も一々全部やる、ポンプから何からもう総点検で、とってもじゃない大変だ。今何人の警察官が入っているか知りませんけれども、ちょっとそれだけではやっぱり間に合わないんじゃないか、一カ月、二カ月かかるのは当たり前だと思うんですね。
 その場合に、私あの事故が、そんなに殺人事件とか計画的な犯罪だとは思えないんで、むしろ警察の指揮のもとに労組とか会社側にも協力してもらって、何班かにつくって、そうして本当にあの八片ですか、あそこのところは警察だけがやるということは必要かもしれぬけれども、ほかの点検はもっと会社側あるいは労組の協力を得て、そうして労組の中にも相当な保安の人たちがおるわけですな、そういう人たちを動員して、もっと迅速に調査をやれないか。
 ということは、あの現場で聞きますと、自然発火の可能性があるというわけですね。自然発火すると水入れちゃう。水入れたらもう山が全部だめで、閉山しなきゃいかぬ。そういう状況で、のんびりのんびりとは言いませんけれども、もう少し急ぐ必要があるんじゃないか。そういうことで、会社の連中を入れると証拠隠滅するとか、現場荒らすとか、そういう性悪説に立って警察ではやらざるを得ない。鉱務監督官の方もそういうことがあるかもしれないけれども。この辺は、むしろ会社とか労組を信じて事故調査を早くやる、それで早く再開するというふうなことに、私は性善説に切りかえていただきたいと思うんですよね、その辺局長いかがでございますか。
#75
○政府委員(平河喜美男君) 性善説、性悪説の方は、非常に哲学的な論争でございますのであれでございますけれども、事故原因の究明を早くやれ、自然発火等のおそれもあるじゃないかという御指摘、私どももなるべくこれは早くやらないといろんな面で問題があると思っておりますので、迅速にやりたいと思っております。
#76
○木本平八郎君 最後に、大臣にお願いかたがた御所見をお伺いしたいわけですけれども、こういうふうな、石炭に関しては非常に厳しい条件でやらなきゃいかぬという状況なものですから、保安監督なんかの関係も、考え方をやっぱりある程度フレキシブルに変えていただくということ、それから体制なんかも、いかぬと思ったらすぐビビットに反応していただいて、やはり積極的に組織変更その他を今後ともお進めいただく必要があるんじゃないかと思うんですが、その御所見承りまして、私の質問を終わります。
#77
○国務大臣(村田敬次郎君) 行政が時代の要請に応じて対応していかなければならないということは、まさにそのとおりだと思います。特に保安行政に関連をして、性善説、性悪説というおもしろい比喩をおとりになりましたが、調査その他は敏速にやらなければならないという点も全く同感でございます。適切な対応、そして行政として時代に即応をした方向に進んでいくということにつきましては、木本委員の御指摘をよく体してやらしていただきたいと思います。
#78
○委員長(降矢敬義君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。
 本件を承認することに賛成の諸君の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時二十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時六分開会
#82
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、伏見康治君、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として高木健太郎君、佐藤昭夫君が選任されました。
    ─────────────
#83
○委員長(降矢敬義君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱における災害について、まず派遣委員の報告を聴取いたします。木本君。
#84
○木本平八郎君 去る五月十七日に発生した三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱における災害の実情調査のため、五月二十六日、二十七日の両日にわたって行われました委員派遣について御報告いたします。
 派遣委員は、岩本委員、対馬委員、井上委員及び私の四名であり、またエネルギー対策特別委員会から田代委員長、菅野理事、工藤委員、藤原委員、小笠原委員が派遣され、両委員会の合同調査となりました。
 日程は、五月二十六日、札幌に赴き、翌二十七日、夕張に向かうバスの車中において、札幌通商産業局、札幌鉱山保安監督局及び北海道労働基準局から災害の概況等について説明を聴取し、質疑を行いました。現地では、まず南大夕張砿業所を訪問し、今回の災害で殉職された六十二名の霊に坑口で献花、合掌の後、炭鉱病院に入院中の負傷者を見舞いました。次いで夕張市のコミュニティーセンターにおいて会社から説明を聴取し、質疑を行い、地元の地方自治体、労働組合等の代表から要望を聞いた後、記者会見を行いました。
 今次災害の概況と当炭鉱の概要については、この後引き続き、政府からの報告が予定されておりますので、報告を省略いたします。
 事故の原因等については、現在、北海道警と札幌鉱山保安監督局による司法捜査並びに政府の依頼した学者等の専門家から成る事故調査委員会によって鋭意調査が進められております。詳細は、その結果を待たなければなりませんが、監督局及び会社の災害概況説明と我々との間の質疑応答を通じて、次のような説明が行われております。
 すなわち、調査の現段階において、災害発生箇所は一卸八片部内、災害の種類はほぼガス爆発と推定されている。したがって、爆発があった以上、どこからガスが出て、何が火源であったかが今後の調査の中心課題となる。
 ガスについては、当初はガス突出も考えられたが、顕著な形跡がないのでその可能性は薄く、現在ガスの噴出または異常湧出があったのではないかということで精査に入っており、八片連坑道のガス抜きボーリング座、密閉箇所からのガスの湧出、払いの跡ガスの可能性についても調査中である。
 火源についてはいろいろの可能性が考えられるが、現在、政府の事故調査委員会は、着火源として電気機器のショート、鉄等の金属摩擦、静電気による火花の三点に焦点を当てて調査中である。だが、現段階ではまだガス、火源とも特定するに至っていないとの説明でありました。
 また、死亡者に直轄鉱員が多く、負傷者に下請作業員が多かった理由。局部扇風機の位置及び状態。会社から監督局への事故報告の時刻が救護隊の招集時刻より三十分もおくれた理由。保安作業のおくれによる坑内条件悪化を防ぐため保安要員を増強することの必要性。その他多岐にわたる問題について熱心な質疑応答が行われましたが、これらの点は、本委員会において予定されている炭鉱災害集中審議の過程で取り上げられることと思われますので、ここでの報告はこの程度にとどめます。
 この後、北海道知事及び夕張市長が議長を務める産炭地対策夕張市民会議から、南大夕張炭鉱の早期復旧と生産再開、この災害が新石炭対策策定に影響を与えないような措置、地元中小企業に対する金融上の特別措置等についての要望があり、また労働組合、職員組合から、今次災害の徹底的な原因究明と保安対策の確立、遺家族の援護対策への配慮等についての要望がありました。
 最後に、このところ相次ぐ炭鉱の重大災害により、多くのとうとい人命が失われていることはまことに遺憾であります。遺族補償並びに今後の生活対策に最善を尽くすとともに、今次災害の原因を徹底的に究明の上、抜本的な保安対策を確立し、炭鉱災害の再発防止に万全を期するよう政府及び関係者に強く要請して、報告を終わります。
#85
○委員長(降矢敬義君) 次に、政府から報告を聴取いたします。平河立地公害局長。
#86
○政府委員(平河喜美男君) 今月十七日午後、三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱において大規模な災害が発生しました。事故の原因等については現在鋭意調査中でありますが、とりあえず事故の概要と政府の対応等について簡単に御説明申し上げます。
 まず、事故の概要を申し上げます。
 十七日午後三時三十五分ごろ、坑口より約四キロメートルほど入った一卸八片部内において、ガス爆発と見られる事故が発生したものであります。同時刻は、折から一番方、二番方交代時であったため、約千二百八十名が入坑していました。このうち、一卸八片の二つの採炭切り羽に就業していた方々等を中心として、六十二名が死亡し、重傷八名、軽傷十六名を出す事態に至ったものであります。
 事故発生の発見の端緒は、同時刻ごろ坑内において圧風が生じるとともに、集中監視センターにおいても異常を検出したことであります。その後直ちに、すなわち三時四十分から四十三分ごろにかけて全坑退避命令が発令されています。救護隊は三時五十分に招集され、五時から逐次入坑し、罹災者の救出に当たり、その結果、翌朝八時までに死亡者全員の坑口収容が完了しました。
 次に、政府の対応等について御説明申し上げます。
 まず、通商産業省としては、十七日、直ちに札幌鉱山保安監督局から鉱務監督官等を現地に急行させるとともに、同局に対策本部を設置し、さらに当日中に本省から保安担当参事官を急行させたところであります。
 また、災害が大規模であることにかんがみ、翌十八日朝、国土庁において災害対策関係省庁連絡会議が開催されるとともに、総合的な災害対策を速やかに実施するため、持ち回りの閣議決定によって通商産業大臣を本部長とする南大夕張炭鉱災害対策本部が設置されました。さらに同日、通商産業大臣を団長とし、私、立地公害局長を初めとして通商産業省、国土庁、労働省の職員から成る政府調査団が現場に赴き、関係者からの事情聴取等を行いました。同日夕刻には、その調査結果も踏まえ、第一回の災害対策本部会合が開催され、罹災者及び遺族について、医療対策、遺族援護対策等に遺漏なきを期すこと、原因の究明について、これを徹底的に行うため、通商産業省に設置した専門家による事故調査委員会を速やかに派遣することが決定されております。
 今後、この政府対策本部を中核とし、関係省庁間の密接な連携を図りつつ、所要の対策に万全を期すこととしています。
 さらに、五月二十七日から六月一日にわたり、両通商産業政務次官を派遣し、九州及び北海道の炭鉱の保安状況の視察に当たっているところであります。
 次に、事故の原因について御説明いたします。
 通商産業省は、五月十八日に房村早稲田大学教授を委員長とし、学識経験者等から成る南大夕張炭鉱事故調査委員会を設置していますが、同委員会は既に五月二十一日から二十三日にかけて現地調査を実施したところであります。
 委員長のとりあえずの報告によれば、災害の形態としてはガス爆発であると思われること、ガス突出の形跡は確認されていないこと、ガス源としては、ガス抜き座からの何らかのトラブルによるガス漏れ、亀裂等からのガス異常湧出等が考えられること、着火源としては電気工作物の故障によるスパーク、風管等に発生した静電気のスパーク、金属類の摩擦等による火花等が考えられること、爆心地として八片部内、特に八片連坑道に注目しているとのことでありました。
 以上、南大夕張炭鉱の事故の御報告を終わります。
#87
○委員長(降矢敬義君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#88
○梶原敬義君 私は、五月十七日の南大夕張炭鉱の災害で亡くなられました遺族の皆さんに心からお悔みを申し上げ、さらにけがをされた皆さんには、一刻も早い回復をお祈りしながら、さらにまた、事故発生と同時に速やかに対応いたしました通産大臣初め通産省関係各位の努力と対応に敬意を表しながら、以下質問を続けてまいりたいと思います。
 最初に通産大臣にお伺いをいたしますが、我が国の石炭政策をめぐりまして、たび重なる事故をめぐりまして、一体どうあるべきか等々の議論があれこれ国内でなされております。
 私は、この点につきましては、現在国内炭の生産量約二千万トン、これは我が国がいやしくも自立国家として生きていくためのエネルギー源、少ないエネルギー源をこれから維持していくためにも、そういう総合安全保障の観点から見ても非常に大事なことではないか。いわば食糧における我が国の米等最低守っていくという、こういう観点とまさに同じ観点に立ちまして、何としてもこの生産体制は、安全を確保しつつ、保安を確保しつつ維持をしていっていただきたい、こう考えるわけでありますが、大臣の所見をお伺いいたします。
#89
○国務大臣(村田敬次郎君) 今般、先般の高島炭鉱事故に引き続きまして南大夕張炭鉱の大規模な災害を発生いたしましたことはまことに遺憾でございます。
 先ほど報告にございましたように、災害が発生いたしました十七日、直ちに報告を受けまして、十八日早朝の飛行機で現地を視察をし、そしてまたいろいろな報告を伺い、さらにお見舞いを申し上げたところでございます。
 今梶原委員の御指摘になりました我が国の石炭政策についてでございますが、御承知のように、第七次石炭政策では国内炭二千万トン体制というものをとっておるわけでございます。これは昭和六十一年度末までの措置でございまして、政府としては保安の確保に最大の配慮を払いながら、当面、今委員御指摘になりました第七次石炭政策の展開を図っていく所存でございます。
 昭和六十二年度以降の石炭政策について、本年の夏ごろから、石炭鉱業審議会において一年程度をかけて検討される見込みでございますが、委員も御指摘になりましたように、国内炭というのは、非常に資源において乏しい日本にとっては大変大切な資源でございます。そしてまた、今産炭地におきましては、石炭産業の持っております地域における大きな比重、さらにまた雇用問題等における期待、いろいろな問題がございまして、私は今後も保安体制に万全を期しつつ、二千万トン体制はこれを続けていくべきであると考えておるわけでございますが、第八次政策につきましては、今後諮問、答申、それに従いましていろいろまた新たなる観点から検討をしていくということになりましょうが、国内炭重視の考え方自体は今後も引き続いて持ち続けていく所存でございます。
#90
○梶原敬義君 ぜひ、大臣のそうした姿勢を、きちっと根底に持ち続けていただきたいと思います。
 これから幾つかの点について質問を申し上げますが、我が党におきましては、本委員会の対馬委員が調査に一緒に行きましたものですから、日をかえまして、対馬委員からもう少し詳細な点について質問を続けさしていただきたいと思っておりますが、私は大ざっぱにひとつこれから聞いてまいりたいと思います。
 まず最初に、この南大夕張炭鉱災害について、原因が一体何であったのか、この点についてまだ捜査中であるし、はっきりしたことは言えないだろうと、こういうことは理解できるわけですが、政府の調査団も何回か新聞で発表しているようでありますので、これまでにわかりました点についてできるだけ、皆さん方が確信を得られている点についてお答えを願いたい。さらにまた、今後の調査あるいは捜査の進みぐあい、一体どういうようになるのか、速やかにやっていただきたいと思うんですが、この点についてもお伺いをいたします。
#91
○政府委員(平河喜美男君) 現在までに調査したところで、わかっている範囲でお答えいたしたいと思います。
 まず、ガス源についてはまだ特定できておりませんけれども、今度の事故によります通気路の破損、あるいは炭車の脱線、破損、こういったような状況から、かなりの圧風があったと思われるということによりまして、ガス爆発が中心であるということは間違いないんじゃないかと見られております。なお、このガス爆発に伴いまして、一部に炭じんが爆発に関与したと見られる形跡も見られております。それから、粉炭等の突出物が見当たらないということから、ガス突出の形跡は現在のところ確認されておりません。
 次に、着火源でございますけれども、着火源としては、電気工作物の故障、あるいは静電気、あるいは金属摩擦火花、この三つが考えられるわけですけれども、まだ特定できておりませんので、この点を重点的に今調査しているところでございます。
 なお爆心地は、坑内の状況から判断いたしまして八卸部内、特に八片連坑道あたりではなかろうかという推定が行われております。また、中央監視装置につきましては、事故発生直前まで連続してガス濃度を記録しておりましたけれども、事故直後計測不能となったということも確認されております。
 今後の調査ポイントといたしましては、これらの点を踏まえまして、ガス源としてのガス抜きボーリング座あるいは払い跡等々の調査、着火源としての電気工作物、静電気、金属摩擦の火花等の調査に重点を置いて行うことになろうかと思います。私どももなるべく早く原因の究明をいたしたいと思って現地の指導を行っておるところでございます。
#92
○梶原敬義君 通産省のこれからの例えば捜査等の状況とかあるいは生産再開の問題とか、ここら辺の問題についても若干お尋ねをしたいのであります。
#93
○政府委員(平河喜美男君) 私どもとしましては、まず原因の究明が第一でございまして、その原因がわかりましたら、それに対する保安対策をまず考える必要がございます。保安対策の見通しが立ったところで再開の議論が始まるんではなかろうかと思っております。
#94
○梶原敬義君 だから、原因の究明、これは聞くところによりますと、いつまでもあのまま現状でほうっておくと、火災の心配があるや何や意見を聞く場合もありますし、原因の究明に対するひとつの時間的な見通し、それから来る生産再開の問題、こういう一連の見通し等について若干言えるなら、もう少し具体的に言ってほしいんです。
#95
○政府委員(平河喜美男君) 時間的な見通し、今ちょっと確信を持ってお答えできる段階にございませんけれども、御指摘の、ほうっておいたなら自然発火等が起こるんじゃないかという御心配につきましては、そういう保安対策上必要な作業については適時行わせるというふうに対処してまいりたいと思っております。
#96
○梶原敬義君 そうしますと、これから十日とかあるいは一カ月とか一年とか、そういう単位で見るなら、一体どのぐらいのスピードでこれは進むものか、それはいかがでしょうか。
#97
○政府委員(平河喜美男君) 今次の災害はまだ原因がわかっておりませんので、ちょっとはっきりは申し上げられませんけれども、過去の例を申し上げますと、この前の高島炭鉱の場合につきましては、二週間ほどで大体対策が立てられる状況になっておりますが、その前の三井の場合には、一カ月半で部分再開、全体の再開は半年ほどかかっております。
#98
○梶原敬義君 私はまた決算委員会でもやるものですから、きょうはさらっといこうと思ったんですが、どうもそこまでなりますと、ちょっと見通しがわかりにくいんで、もう少し質問いたします。
 当初はガスが突出をしたんではないか、こういうことでありましたが、どうもそうじゃない。そうすると、一体ガスがどこに、何で、どうたまったかというのは、まあ相当のところまで今もう調査が進んでいるんではないかと思うんですが、そこらで、わかるところだけでいいですからお答えをいただきたいと思います。
#99
○政府委員(平河喜美男君) 私どもも、ガスの非常に多い山でございますから、最初事故の話を聞きましたときに、ガス突出じゃないかと思ったのは事実でございますが、その後の調査の結果によりまして、ガス突出ではないんじゃなかろうかと。そういたしますと、ではどこからガスが出てきたかということになりますが、先ほど御説明いたしましたように、払い跡あるいはガス抜きボーリング座等々の場所が考えられておりまして、その辺を今精査しているところでございます。
#100
○梶原敬義君 私は、新聞や何かで読んだぐらいしか、余り深い知識はないんですが、どうも爆発地点も、当初会社あたりが言っていた地域よりは少し違っていると。最後は八片連坑道の辺まで焦点が、今局長言われましたように場所がどうも絞られてきた。そこまでくればガスがどこからどういうようにどうたまったのか、相当程度、ある程度調査も追い込めたんではないかという気がしております。この点いかがでしょうか、重ねてお尋ねをいたします。
 それから、ガス検知器が、今局長から言われましたように、途中までは動いていたけれどもどうも作動していないということでありますが、これも先般、エネルギー対策特別委員会での質疑の中で、ある程度明らかになったんですが、メタンガスが非常に軽いのに、検知器の設置場所が目の高さの位置ぐらいだと。その辺について結局会社側の手落ち、あるいは通産省監督局の監督の不行き届き、こういうのがやっぱりあったんじゃないかと思うんですが、この点はいかがですかね。
#101
○政府委員(平河喜美男君) 先ほどとまったと申し上げましたのは、中央の集中管理装置でございまして、これが直前まで作動しておりましたけれども、事故時に作動を停止したということを申し上げております。
 それから、次は現場近くにおきますセンサーの取りつけの位置についての御質問でございますけれども、こういう自動警報器類は「可燃性ガスを効果的に監視することができるように設置しなければならない。」というふうに規則で規定しております。この「効果的に監視することができるように」具体的に可燃性ガスの自動警報器の取りつけ方法としまして、原則として、はり下または天盤より〇・三メーター付近の位置ということで運用指導をしてきているところでございます。
 ただ、この運用指導は原則でございますので、例えば十分な乱気流がある等の場合には、はり下〇・三メーターよりも低い位置であっても、可燃性ガスを効果的に監視することができると認められる場合もございます。そういう場合には、直ちに規則違反ということにはならないかと思いますけれども、この辺につきましては今後十分捜査をする必要があろうかと思っております。
#102
○梶原敬義君 私は三池の有明にも行きましたし、高島にも行って、大体操業再開あるいは原因等についてはもう少し、今の時点ではある程度見通しがついておったんですが、どうも今の局長のお話をずっと聞いていてもなかなかこれは見通しかつかない、こういう受けとめ方をしたんですが、そういうことでしょうかね。いいですかね。
#103
○政府委員(平河喜美男君) 高島炭鉱の場合が一番短期間に原因がわかったと思います。それから三井三池の場合も、ベルトコンベアの火事であるということから原因の究明が比較的楽ではなかったかという気がしております。
 今度の南大夕張の場合、ガス爆発でございますので、やはりそのガス源の究明並びに火源の究明については十分検討する必要があろうかと思っております。
#104
○梶原敬義君 ガス源の究明と火源の究明につきましては、これはきょうここでは、今一生懸命やっておりますから、言えないだろうと思うんですが、事故が起こったのが十七日ですから、もう随分たっておりまして、まあ大体、ここでは言えないでしょうが、少なくともある程度の見通しは持っているぐらいの、信証をつかんでいるぐらいは、局長ちょっと言ってもらわなければ、これから先どう議論を発展させていいか、これは引っ込みがつかなくなりますから、いかがでしょうか。
#105
○政府委員(平河喜美男君) 原因究明急いで進めてもらいたいというのは私も同様でございます。先生と同じように、現地からの事態の進展の報告を待っているというところでございまして、それはもう先生と同じでございます。
#106
○梶原敬義君 それじゃ、この段階で言えることは、原因の究明やなんか今やっていると思うんですが、現地で生々しい作業を一体どのように、どうやっているか、ひとつ報告をしていただいて、そうして私はまあ大体信用しましょう。
#107
○説明員(高木俊毅君) ただいま先生の御指摘の点、私どもも十分承知いたしておりまして、現在鋭意調査を進めているところでございます。
 これにつきましては、現地の調査の段階がいろんな段階があるわけでございまして、今回のケースの場合には、災害の及んだ範囲が非常に広範囲であったわけでございまして、先生御案内のとおり、南二卸の六片付近から被災者が出ているし、その上からも被災者が出ているという状況でございまして、そういうところから逐次調査をやってきておりまして、やっと先生御指摘のとおり八片部内の八片連卸坑道にその根源があるんじゃないかというところまで来たわけでございます。
 それで、これらはそれぞれ概査的な状況でございまして、現在その八片周辺につきまして精査に入ったという状況でございます。
 具体的に申し上げますと、どういうところにそのガス源があり得るかということで、先ほどから政府委員の方からも御説明申し上げておりますように、例えばガス源として考えられるものとしては、密閉箇所があるんではないか、あるいはガス抜きボーリング座で、何らかの原因でボーリング座の故障等があったんではなかろうか、そこからガスが噴出したんではなかろうか、あるいは払い――払いと申しますのは作業場跡でございますけれども、この跡からガスが湧出してきたんではなかろうか、そういう原因等を考えまして、いろいろな調査を行っているというのが現状でございます。
 それから発火源といたしましては、当該箇所につきましては電気工作物等があるわけでございますが、その電気工作物につきましては、一つは信号用の電気設備等あるいはそういう運搬機等々に使います電気の動力源が入っておるのと、それから払い内におきます、いわゆる作業場内におきます油圧設備を動かすポンプ類が置いてあるということ、それから同時に、ボーリング座は、これはまたちょっと別のあれでございますけれども、そういうものがございますし、それから静電気等につきましても、また考えなければいけない点でございますので、それら多岐にわたる調査を現在やっておるわけでございますが、それぞれガスの湧出場所の問題あるいは火源の問題等並行的に行っているような状況でございます。
 なお申し添えますけれども、これらの調査につきましては警察と合同調査を行っているということでございます。
#108
○梶原敬義君 着実に調査をやっている、だから結論は速やかに出るだろう、こう理解していいわけですね。その点について、もう一度くどいようですがお答えをしていただきたいと思う。
 それから、六十二名の死亡原因について、爆風の風圧によって外傷で亡くなったのか、やけどか、ガス中毒か、この辺についてはもうまとまっておると思うんですが、六十二名この内訳がわかれば。
#109
○説明員(高木俊毅君) 今手元に詳細な数字につきまして持っておりませんが、これは私どもの資料としては十分承知しておりますので、いつでもお出しできるものでございます。
 簡単に概要を御説明申し上げますと、非常にお気の毒でございますが、第一点は、やっぱり爆心地に近いところではいわゆる、何と申しますか、圧風等によるそういう犠牲が出られた方々がおる。それからまた熱等による、何と申しますか、熱傷的なものもございます。それから上の方と申しますか、坑内の上部地域になってまいりますと、いわゆる一酸化炭素中毒、あるいは箇所といたしましては、払いの八片と申し上げておりますけれども、八片よりも上部の地域につきましてはCO等による方々もいらっしゃるということでございます。それら総計いたしますと六十二名の方々が亡くなられたわけでございますけれども、大変皆様方に申し上げにくいわけでございますけれども、八片でお亡くなりになった方々は非常に傷もひどかったということを申し添えさせていただきます。
#110
○梶原敬義君 この辺につきましては質問通告しておりませんでしたけれどもね、ちょっと知りたいんですが、そのCO、一酸化炭素中毒、これは全体で大体推定しますとどのくらいいるんですか。――じゃ、後でいいです。
 続けますが、三菱石炭炭鉱側の保安管理体制に、私は先ほど一つ二つ言いましたが、幾つか問題がやっぱりあった、こう見ているんですが、この点いかがでしょうか。保安規則違反等、これはあるのかないのか、今時点でわかっている点についてお尋ねいたします。
#111
○政府委員(平河喜美男君) 炭鉱側の保安管理体制に問題があったかどうか、あるいは保安規則違反があったかどうか、ちょっと現在まだ詳しく申し上げる段階にございませんけれども、もう少し時間をいただきたいと思っております。しかし、これだけの大災害を起こしておりますので、その辺の問題については我々としても厳重に調査をしてまいりたいと思います。
#112
○梶原敬義君 そうすると、ガス検知器の高さについては、先ほどの局長の答弁では、これは問題はないと、大体それは会社側の過失とかあるいは問題がないというような受けとめ方をしたんですが、結局あれは、坑道の高さは三・五メートルでしたかね、三・五メートル。メタンガスは軽いから上へ上がると。そうすると、大体目の高さで果して一体役を果たせるのか、果たせないのか、この点について、一体どこにどう問題があるのか疑問が残るんですが、この辺について、これは余り調査中とかなんとか言わぬでも、今さっと結論が出ると思うんですが、いかがでしょうか。
#113
○政府委員(平河喜美男君) 可燃性ガスの測定を効果的にする必要がありますので、メタンガスが軽いという事情から、原則として上の方に取りつけるということにしておるわけでございますが、場所によりましては、非常に通気が多くて、あるいは乱気流等によりまして十分上下の空気が攪拌されている、そういう場所におきましては、多少低くても十分測定ができるというケースもあり得るということを申し上げました。
 現在問題になっている場所におきまして、具体的にどうなっているかということにつきましては、何分爆発によりましてかなり損傷がありますので、今後十分調べる必要があろうかと思っております。
#114
○梶原敬義君 検知器の設置場所とか高さ等については、事故前に鉱山保安監督局はそれはもう察知をしておったことなのかどうなのかですね、ちょっとその辺について。
#115
○政府委員(平河喜美男君) 事故前の巡回検査のとき等によりましては、はり下または天盤下〇・三メートルの位置に設置していないものもあったことを承知していたと聞いております。
 ただ、現場の実情を言いますと、坑道の掘進の状況、採炭の状況等によりまして警報器の取りつけ場所が日々変わるようでございますので、その当時どうだったかということは、今後十分に精査する必要があろうかと思っております。
#116
○梶原敬義君 今、これは昭和六十年五月十九日の読売新聞を持っております。この見出しによりますと、「警報鳴っても作業 元坑内員証言 避難指令はなかった」と。これは札幌発でありますが、この内容は多分皆さんも読まれたと思いますが、若干ここのポイントだけ読んでみますと、「警告のランプがつき、坑内のガス警報機が鳴っても作業を続けるのが普通。警報機の数も少なかった」と。この十八日に証言をした方は、札幌市中央区のAさん、二十六と。この方は高校卒業後三菱南大夕張砿の坑内員で働いておって、そして北炭夕張に移り、五十六年のガス突出、火災事故の直前に山を離れて、また三菱の南大夕張に戻って、一年ほど前まで電気関係の坑内員だったと、こういう方の証言が載っております。
 この証言の最後の方に書いてあるのは、「ガス濃度は通風管の具合や坑内の機械の位置などですぐ基準値に戻ってしまうケースが多く、このため、坑内にいて、しばしば警報機が作動するのを経験したが、避難が指令されたことは全くなかった。また、坑内員たちもガス濃度がすぐに変化するのを知っていて、警報が鳴っても平気で作業を続け、採炭が中止されることはなかった。Aさんは「初めは不安だったが、先輩たちがやめようといわないし、慣れてしまった。会社には作業のスケジュールがあるんだろうし、坑内員には「このくらい大丈夫」という気があった」という。」云々で、「さらに、証言は坑内のエアマントも不足していたのではないか」と、こういうことをずっと言っておりますが、この新聞について、こういう状況は一体どうなのか。通産省がこういう状況について察知している点があれば、これに関してまたお伺いをしたいと思います。
#117
○政府委員(平河喜美男君) 原則として警報が鳴っても退避しないというようなことでありますと、警報の意味がないわけでございますので、そういうことはあってはならないと私どもも考えておりますので、今後厳重に捜査をしてまいりたいと思っております。
#118
○梶原敬義君 ガス検知器の問題が、結局爆発と同時にとまったんだろうということのようですが、多分類推しますと、今の言われていることは。問題は、それより前に、早くそれを中央の管理センターに知らして、そして危ないぞと、これがガス検知器でありますが、どうも今まで、この新聞もそうなんてすけれども、経過から見ますと、うまく作動をしていないんじゃないか。これはなかなか難しい災害であります。
 東大の教授も書いておりますが、これは五月二十八日の朝日新聞の「論壇」というところに、東京大学教授資源開発工学、外尾善次郎さんですか、タイトルは「炭鉱保安は国家の責任で 採掘条件悪化で企業任せには限界」と、こういうことですが、中を読んでみますと、彼はやっぱり避けられると。ガス突出ならこれは難しいなという感じもちょっと受けるんですけれども、この災害の場合でも本当にいろいろな角度からずっと問題を絞っていっておれば避けられる災害ではなかったか。三井三池の有明、それから三菱の高島、この事故だって、これはもうやり方によっては避けられた事故ではないか、そういう感じを強く持ってなりません。
 そういう意味では、皆さんも難しい難しいと言うんじゃなくて、避けられるものは完全に避けていくような、どこに問題があるのか、この問題の究明と、やはり二度とそういうことを繰り返さないというここのところが、どうも私どもとしては少し、少しじゃない、たくさん心配があるんですね。この点についてはまた後で若干質問をいたします。
 監督局の巡回検査の指摘事項について、五月の七日に幾つか改善に関する指示をしております。それに対して会社は、そこは改善したという報告も通産局は受けているようですが、聞きましたら、これはどうも目で確認をしていないようでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
#119
○政府委員(平河喜美男君) 巡回検査等での指摘事項につきましては、巡回検査の日程中、一般に二、三日あるいは四、五日かかっておりますけれども、この日程中に改善状況を会社側から口頭または文書によって報告を受けております。特にこのうち、改善に長期を要するもの、あるいは重要なものについては別途鉱山保安監督局長あてに改善計画書及び改善報告書を提出させております。
 また、検査日程中はできるだけ広範囲の巡回監督を行うようにしているために、同一区域の巡回は行わず、異なった区域を巡回検査するのが通常でございますので、改善状況の確認は次回検査時に行うというのが実情でございます。
#120
○梶原敬義君 これは通告しておりませんが、十七日の決算委員会で私は局長とやりとりをいたしましたが、あのときに、生産の責任を持っております鉱山の所長が、保安の関係も一番トップで責任を持っていると。これはどうしてもうまくいかぬのじゃないかということで申し上げたんですが、この東大の外尾善次郎先生もやっぱりそれにちょっと近いようなことを言っているんですよ。
 私どもは常識から見まして、一方で生産を上げると、そして生産だけじゃないわけですね、どれだけ採算をよくするか。三菱で言うなら、高島の赤字を南大夕張でどう取り返すか、こういう大作戦を一方でやる、一方、同時に安全をやる。これは難しいことで、なかなかできない。いや、やっぱり局長はそれが一番いいと言う。そんなことを言ったらまた事故が起こるわと私が言って、これは一時から二時までちょうど質問をいたしまして、私はちょっと地元で日程が入っておりましたので、失礼をして帰って、その夜地元へ帰って私南大夕張の事故を聞きました。高島の事故だろうと言ったら、いや夕張ですよと言う。夕張といったってそれは二年前のことだと、こう言って、うちに帰って言ったら、いやそうじゃないと言うので、テレビを入れましたら、事故の状況がテレビに出まして、入っている五十何人が、とにかく何とか生還をしてほしいという願うような気持ちで、私はずっとテレビを、三十分置きに速報を見ておりましたが、結果的には非常に残念な結果になったんですが、この辺はまた、次々これは議論の残るところであります。
 そうかと言って、局長が今、それはというように考え方を変えはしないと思います。しかし私はずっとこれは主張し続けたいと、こう思っておりますし、もう少し何か、ただ機械とか何かに頼るんじゃなくて、大所ですね、人間の心というか、結局やっているのは人間がやっておるんですから、そこから大所をつかんでいかないと、どうしてもなくならぬのじゃないか。
 私は、どうにもならない不可抗力の事故ならこれは別ですけれども、どうも、調べてみればみるほど、これは何とかなる、こんな大事故にならぬでも済んだ問題じゃないか、こう確信を持ってしようがないわけですからね。その辺について、もし局長にお考えがあればお伺いをして、次に移りたいと思います。
#121
○政府委員(平河喜美男君) 鉱山保安を確保するために人が大事である、まして、その中の最高指導者が大事であるという点については、私も先生と意見は完全に一致しております。
 それに関しまして、外尾教授の新聞における見解でございますけれども、先生の御議論は、炭鉱保安の確保のためには、国が直接保安を確保するための体制に改めるべきではないかという見解だと理解しております。ただ、現在炭鉱経営は私企業体制で行っておりますし、保安体制を生産体制と分離したということにいたしますと、おのおのが主体性を主張してまいりまして、その連絡調整というのがまた大変な問題になるんじゃなかろうか。そこでそごを来しますと生産体制が無責任になる、あるいは保安についてもそごを来すというふうに考えております。
 そういうことから、現在の保安体制は、私企業体制のもとにおきまして自主保安体制が根本である、これに対して国としても必要な監督指導を行ってまいるということになろうかと思います。
 次に、現在の保安管理責任者が所長であるということについての御意見についてでございますけれども、現在におきます保安確保の実現は、保安の最終責任者である鉱業権者が適切な保安管理機構を整備し、鉱山労働者にも必要な保安教育を施して、鉱山全体といたしまして鉱山の保安を守るということが必要であろうかと思っております。
 このことを前提といたしまして、じゃ、実際の保安の責任者はどうあるべきかという点についていろいろ御議論があります。労使及び学識経験者等から成ります中央鉱山保安協議会での議論も踏まえまして、現在の制度は昭和三十九年に保安統括者制度を新設いたしまして、鉱業の実施を統括、整理する者、すなわち保安のみならず、資金、労務その他鉱業実施の全般の事項についての最高責任者と保安の責任者とするということにいたしております。それ以前は、砿業所長と鉱山保安最高責任者とは必ずしも一致しないという時期もあったようでございますけれども、その場合に、やはり、資金、労務等の責任者でないため保安確保上むしろ問題があったという場合も聞いております。
 なお、理想的な保安管理体制につきましては、先生の御指摘のとおり今後とも研究を必要とする課題だと我々も考えておりますので、今後引き続き検討いたしますけれども、現在のところでは従来の方法がまあベターではなかろうかと、一応の結論と理解しております。
#122
○梶原敬義君 それじゃ私の意見だけ申し上げまして、その点に関して次に移ります。
 この外尾教授が言っているのも、結局は、生産の大もと、責任者であります所長が保安をやっている、ここに問題があるということを指摘をしながら、その手段としては、国がもっと責任を持つべきじゃないかという、そういう形に論点がいっていると思うんですね。今、保安法が言っている、あるいは局長が今言いましたような、そういうポイントであるなら、所長じゃなくて社長が全責任を持って、たとえ東京におっても社長が刑事責任もぴしっと問われるように、そうしておれば、これまた現地に所長と同格の保安担当者を置いて、そしてそれが社長にぴしっと意見を言う。社長が結局刑事責任やなんかを問われるような形にしておれば、これはまた今言われておることがもっと具体的に進むんではないか、私は私なりにこういう現状を一体どうするか、こういうところからそういう発想になっているわけですから、ぜひ検討をしていただきたいと思います。
 次に、事故調査委員会の結論の取りまとめの見通しですね。これはある程度は皆さんも枠をはめてやっているんじゃないかと言えると思いますが、これはいかがでしょうか。
#123
○政府委員(平河喜美男君) 事故調査委員会の取りまとめは、現在まだ現地の調査が、最初に二十一日から二十三日にわたり一回やっておりまして、とりあえず第二回目を今、明日ぐらいに行うような段階でございます。その時点でございますので、いつというのは現在の時点でちょっとお答えできないので、申しわけないと思いますけれども。
#124
○梶原敬義君 そういうことになりますと、割合近々と、こういうことで中間発表になりますか、中間発表等の取りまとめについては近々という見通しを持っていいわけですね。
#125
○政府委員(平河喜美男君) 我々もなるべく急いで原因究明を進めたいと思っております。
#126
○梶原敬義君 わかりました。次に移ります。
 今後南大夕張炭鉱が保安の管理上、やっぱりきちっと皆さんから見て保安を確立をしなきゃならない、そういう要点といいますか、ポイントについて幾つか列挙をしていただきたいし、対策を早急にとっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#127
○政府委員(平河喜美男君) 当該炭鉱は他山に比較しましてガスの湧出量が多い山でございます。最新の掘進深度も、現在のマイナス七百二十メーターから今後さらに深くなる可能性がございます。
 これらの観点を踏まえまして重大災害防止をしていく必要がありますけれども、そういたしますと、ガス突出、ガス爆発あるいは山はね、自然発火、これらに基づきます坑内火災の防止、こういうものに重点的に取り組む必要があろうかと思われます。このためには、ガス突出、爆発、山はね、自然発火等の予知、防止技術の不断の向上を図ることはもちろんでございますけれども、既に現状の予知、防止対策の緩みのない確実な実施が最も重要ではないかと思っております。
#128
○梶原敬義君 わかりました。まあわからぬけれども、わかると言わにゃしようがないですね。
 幾つかポイントはあるだろうと思うんですが、これは早急に絞って、手落ちのないように、やっぱり再開するめどがつく前からもう早く準備をするべきだと思いますし、そういう指導を強くする必要があるであろうと思っております。
 関連いたしまして、ガスマスクの開発についていろいろこの前私何回か聞いてきたんですが、この災害のときにガスマスクは一体――CO中毒等もあるようで、これはどうだったのか。ちょっとわかれば教えていただきたい。
#129
○説明員(高木俊毅君) ただいま先生のガスマスクでございますけれども、これは鉱山保安法上、保安規則で携行、いわゆる携行と申しますのは、体に、身につけて行動する、こういうことでございますが、それをやっていただいておるところでございます。
 それで、先生御指摘の改良の点でございますけれども、現在その改良を行っているところでございまして、その配備につきましては、まだ現状においては十分というわけではございません。
#130
○梶原敬義君 熱の出るガスマスクですね、これを何人か今回の事故で使った形跡はあるんですか。
#131
○政府委員(平河喜美男君) 現在詳しく調べておりますけれども、余りどうも使った形跡はないというふうに聞いております。
#132
○梶原敬義君 そうしますと、CO、一酸化炭素中毒で亡くなった人もおりますし、今度現場から生還された方がおりますね。生還された方でガスマスクを使った人は、私現地へ行っていないでこんなことを聞くのもちょっと聞きづらいのですが、これはいないんですか。
#133
○政府委員(平河喜美男君) 現在まで報告受けておりません。
#134
○梶原敬義君 そうすると、ガスマスクの熱の出ない開発を幾つか検討しているということで、この前商工委員会で答弁いただいたんですが、ちょっとこれは通告していなかったんですが、それはどの辺まで今いって、見通しは一体どうなのかですね。
#135
○政府委員(平河喜美男君) ガスマスク二つございまして、COマスクがその一つでございます。これは今参事官説明しましたように、常時携行を義務づけているマスクでございますけれども、これにつきましては性能向上の改良を今やっているところでございます。
 それからもう一つは酸素マスクでございまして、ガス突出の際に窒息状況にならないように、そういう状況で使うために酸素マスクの開発を行っておりますけれども、一応の開発ができまして、今現地で実地の研究を行っている段階でございます。
#136
○梶原敬義君 だから、やっぱりこういうやつもどうせ金を使うんだからね、僕は国の予算の使い方の悪いところじゃないかと思うんですが、お金を毎年毎年ちょっとずつ使うんじゃなくて、そこは開発するときは早くばっと、これは戦争をやるときなんか、重点的にこういうところの開発なんかにはやっぱり早くやると思うんですよね。どうもだらだらしているんじゃないかという気がしますが、ぜひ急いでいただきたいと思います。
 それから労働省お見えですかね。
 これは鉱山保安法第五十四条ですか、「労働大臣は、鉱山における危害の防止に関し、通商産業大臣に勧告することができる。」と、二項では「労働基準法」によって云々と、こうなっておりますが、ここのところ高島あるいは夕張と続いておりますが、労働大臣の、労働省のとった対応をちょっとお伺いをします。
#137
○説明員(長谷川正君) 今先生の御指摘もございましたように、大変大きな災害でございますので、この勧告につきましては、現在事故調査委員会で調査を続けておるところでございますので、その結果をまちまして判断していきたいというふうに考えております。
#138
○梶原敬義君 まあ判断はいいんですが、労働省としても、こういう災害がどんどん起こっておるんだから、これはゆゆしき問題だと。どうすればいいのか、やっぱり通産省とか労働省とか言わぬで、やはり早く事故の起こらないように、なくなるように、やっぱり皆さんの専門ですから協力をして、そして大臣は大臣で対応するんなら、週休二日を云々大臣が言うのもいいけれども、こういう事故に対しても労働大臣として速やかにやはり対応するのが筋ではないか、こう思うんですが、ひとつそこは皆さんもしっかり大臣を支えて、事故のないように頑張っていただきたい。
 そして局長、地下であろうが地上であろうが、それぞれ、これは労働省の管轄であろうが通産省の管轄であろうが、絶えずやっぱり災害と隣り合わせでみんな仕事をしていると思うんですよ。あの化学工場でも、一発爆発すれば、ガスが流出すればインドでああなったように、大変な状況でみんな仕事をしているわけです。ですから、これは怖いから、危ないからもうやめてしまえとかそんなんじゃなくて、やはりもう少し、それは地上でもあるいは地下でも、非常に危険な中でそれぞれ仕事をしながら安全を確保して、克服してやっているわけですから、繰り返しますが、総合的に事故を起こさないようにするためには一体どうするのか、そのためには、一番よく知っているのは、やっぱり保安監督局の皆さんが現場のことは一番よく知っているわけです。
 何かあると、私は一番困るのは、審議会とかあるいは大学の先生とか、余り本当に炭鉱の中にも入ったことのないような士を動員して、いろいろああじゃないこうじゃない、どっちかといいますと、一番知っている人は一体どうなのかという、どうも責任を逃れるようなところが多いような気がしてなりません。皆さんがやる以上は、体を張ってこれがいいんだ、だからどうするんだというような、そういうような厚い対応がどうも何か少し感じられないような気がしてなりません。再開に当たりましては、本当に安全が確保されることが大事でありますので鋭意これから努力をしていただきたいと思います。
 次に、ガス突出の問題ですが、私は素人でこのガス突出の問題についてはよくわからないんですが、ガス突出、湧出、あるいは何か、三つぐらい挙げておりますが、ガス検知器を置いて、そして中央でセントラル管理をやって、そしてガス突出とかあるいは湧出とか、そういうような事故を、過去炭鉱で何回かやっぱりこういうことがあっただろうと思うんですが、事前にベルが鳴って防いだ経験、そういうのが幾つかあるだろうと思いますが、そういう事例を一、二聞いて参考にしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#139
○政府委員(平河喜美男君) ガス突出につきましては、地層中に存在するガスが、地層の一部の破砕されたものとともに坑内、坑道内に急激に噴出する現象でございます。それがまあ非常にゆっくり出てくれば湧出とか、噴出とかということになろうかと思います。我が国では主に沿層坑道で発生しておりますが、昭和二十四年の鉱山保安法施行以後、重大災害、死亡者三人以上または罹災者五人以上を重大災害と言っておりますけれども、この原因となりましたガス突出災害は三十八件ありまして、死亡者二百五十七名となっております。
 このうちに先生御指摘の、事前に予防し得たものがあるかというお話でございますけれども、ガス突出災害の中で罹災者なしという件数が五十五件、全体の三七%ほどございますし、重大災害となった件数が三十八件、二六%、こういうことで、災害に至らなかった件数もかなりございます。
#140
○梶原敬義君 私はそこがこれからの問題を考えるのに非常に重要だろうと思うんですが、わかれば、例えば検知器やガス警報機が働いてそういう事故を避け得たのか、あるいは、人がそこにおって、これは危ないぞといって避け得たのか、何かそこら辺の問題についてわかることを教えていただきたいと思います。
#141
○政府委員(平河喜美男君) その辺の細部についてなお私どもも調査して、また先生にも御説明いたしたいと思います。
 そういうガス突出対策の中で事前に予知できないかということで、今いろいろ勉強している例を一つ申し上げますと、微小破壊音測定という計測装置を導入いたしまして、突出前にどうも何か音がしているんじゃないかというのがいろいろ言われておりますので、その辺を定量的にあらかじめ計測できれば、かなり大きな予知対策になるんじゃなかろうかと思って研究しております。
#142
○梶原敬義君 だから、そういう未知のものもいいでしょう、しかし、過去に幾つかの件数の中で、やはり事前に察知をして避け得た、そういうものをもう少し分析して累積をしていって、それで、一体それは人間の目でやったのか、機械でやったのか、ガス検知器や何かそういう機械が作動して避け得たのか、人が早く察知をしてやったのか、この辺の問題。
 これは、今後これから日本の、我が国の少ない資源の、鉱山、石炭を掘る上において、事故は避けられぬものであったら、これは非常に重大な問題なんだ。しかし、避けられるとすれば、これはやっぱりだれがどう言ったって山はどんどん掘っていきましょう、こういうことになる。だから、非常に、右にするか左にするかの重要なポイントになるだろうと思う。だから、責任逃れで、いやもうガス突出で、これはもうだれのせいでもない、不可抗力だなんていう話をどんどんしていくようだったら、これはなかなか国民の世論だってそうは簡単にはいかない。だから、ここのところが私どもとしてはやっぱり判断をしにくいんです。その点でもう一度お伺いしますけれども、いかがでしょう。
#143
○政府委員(平河喜美男君) 非常に貴重な御指摘をいただきました。恐らく現地ではそういう点についていろいろ勉強しているかと思います。私も今後大いに勉強いたしまして対策の方の参考にいたしたいと思います。
#144
○梶原敬義君 ぜひ本当に速やかに、鋭くひとつ対応をしていただきたい。
 労働省もお見えですが、亡くなられました方の遺族の皆さんの雇用問題、あるいは労災保険あるいは弔慰金等について、直轄とかあるいは下請もおりますし、この辺の問題については差別なく、これは高島でもお願いをしたことですが、対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#145
○説明員(佐藤正人君) お答え申し上げます。
 今回の災害で不幸にして亡くなられた方々の御遺族あるいは被災者の方々に対します雇用確保の問題あるいは労災補償の問題というのは、大変重要な問題だというふうに私どもも認識し、現在までいろいろな施策を実行し、また今後実行していきたい、このように考えておりますけれども、具体的に申し上げますけれども、労災補償につきましては、まず事業主に対しまして保険請求の指導を行いますとともに、当面必要とされます資金の確保を行うというような体制づくりを行ったところでございます。
 なお企業内の上積み補償の問題でございますけれども、これは本来的には労使の問題でございますけれども、私ども、やはり元請・下請の差がないような形で行政指導を行いましたところ、近日中に上積み補償がなされるというふうにお聞きしております。
 それから雇用の問題でございますけれども、これにつきましても、大変重要な問題ということで私ども認識いたしておりますが、まず、労働省といたしましては、会社側に対しまして、自社への採用あるいは関連会社へのあっせん等、就職に必要な努力をされるように要請してまいりたい、このように考えますとともに、地元の安定所に臨時にこれらの方々に対します職業相談とか職業紹介を行うような窓口を設置したい、このように考えます。またさらには、地元の公共職業訓練校におきます職業訓練、あるいは採用予定の事業主の行う職場適応訓練、こういった訓練の受講を促進してまいりたい、このように考えまして、御遺族の方々の就職が円滑に進められるように今後努めてまいりたい、このように考えております。
#146
○梶原敬義君 ぜひ積極的に取り組みをしていただきたいと思います。
 もう最後になりますが、詳細の技術的な問題や何かにつきましては、対馬委員が後日やりますので、ここで私終わります。
 大臣、問題は、今保安を確保できるかどうか、これはやっぱり大きなポイントになってきているわけであります。これから第八次の石炭政策の見直しの時期でもありますし、やはりそういう時期に保安に関するあいまいな話になれば、そう無理してまでもという話になりかねないと思う。しかし、私は今まで起こった事故、大体話聞いておりまして、どうも手落ちがあるような気がしてなりませんし、今ロケットが月へ行くような時代だし、またSDIじゃないですけれども、何か光を発して向こうから来るミサイルをレーザーで落とすとかなんとかというようなそういう時代ですから、これはもっと本当に真剣になって、現場におる皆さんが毎日毎日頭を使ってやるし、あるいは一番詳しい保安監督官の皆さんが一緒になってやれば、これはそう難しいことじゃない、今までの事故を見ても、高島も有明も今度の問題もない。もう少し保安に自信を持てるように早く体制をとって、そして八次見直し政策についても、通産省としてはしっかりした自信を持って進めていただきますようにお願いを申し上げ、大臣のお考えをお伺いしまして終わりたいと思います。
#147
○国務大臣(村田敬次郎君) 梶原委員、先ほど来の質疑で、国内炭の重要性、そしてそれにつけても採炭の場合の保安の重要性ということを力説をしていただいたわけでございますが、全く同感でございます。
 御承知のように、稼働延べ百万人当たりの災害率という周知の統計がございますが、それで見てまいりますと、昭和二十五年時代には千三百九十七人、二十年たった四十五年には八百十七人、五十九年には九十三人ということで、関係者の方々の大変な努力によりまして災害率自体は大変に減ってきておるということでございますが、保安問題は極めて重要でありますから、この数字を限りなくゼロに近づかせるという目標を持って、保安をさらにしっかり、厳しく指導をし、監督をしてまいらなければならないと思います。そして保安を完璧な形にできるだけ持っていって、そしていわゆる二千万トン体制と申しますか、国内の重要な石炭資源を確保するということも今後検討していくべきであると思っておりまして、いずれにいたしましても保安行政は最も重点的な問題であると認識をいたしておりますので、一生懸命努力してまいりたいと存じます。
#148
○田代富士男君 このたび御承知のとおりに、三菱石炭鉱業南大夕張砿業所で五月十七日に発生したガス爆発事故によりまして、死者六十二名という大惨事になりまして、最初に、亡くなられたお方に対しお悔やみを申し上げますと同時に、御冥福を祈るものでございます。また、現在病院に入院していらっしゃる皆様方にもお見舞を申し上げる次第でございます。
 そこで、最初にお尋ねをいたしますが、石炭鉱業審議会が来る八月から第八次石炭政策の検討を開始するところでございますけれども、今回の事故をきっかけに我が国の石炭政策の根本的見直しにつきまして論議が及ぶのは必至ではないかと思うのでございます。
 そこで通産大臣に、現在の日本の石炭産業が置かれている現状と政府の石炭政策につきましてまず所見を伺いたいと思います。
#149
○国務大臣(村田敬次郎君) 現在政府といたしましては、六十一年度末まで第七次答申の基本的な考え方に沿った政策の展開をしておる。そして昭和六十二年度以降の石炭政策については、田代委員御指摘のように、本年の夏ごろから石炭鉱業審議会において一年程度をかけて検討をされる見込みでございます。
 基本的な考え方から申しますと、国内炭というものは資源の寡少である我が国に残された貴重な資源である、そして石油依存度を下げていくためにも、この国内炭を引き続いて取っていくという基本的な方え方というものは今までと変わっておらないわけでございます。したがいまして、昭和六十二年度以降の第八次の問題につきましては、石炭鉱業審議会の審議を待って今後の計画を立てていくわけでございますが、いずれにいたしましても、現在は第七次石炭政策の線に沿って二千万トン体制というものを前提としながら進んでまいる、こういうことでございますが、それにつけては産炭地の石炭鉱業にかけておる大きなウエート、そしてまた雇用の問題、そういう地域の問題というものも非常に重要な問題である、このように認識をしておるところでございます。
#150
○田代富士男君 もう既に大臣も御承知かと思いますけれども、この炭鉱事故が起きました直後の五月二十日に自民党の渡辺幹事長代理が記者会見をされております。
 三菱南大夕張炭鉱のガス爆発事故に関連いたしまして、再発防止とともに、政府・与党一致してここで石炭政策を再検討する必要がある、このように述べられまして、年間二千万トンの出炭量を目標としております通産省の国内炭保護育成策の見直しを求められているのでございまして、今私が現在の石炭政策に対してお尋ねを申し上げましたところ、村田通産大臣のお考えと幾分違った面があるのではないかと思いますけれども、もう一度この点を踏まえまして、政府・与党の幹事長代理の記者会見でありますし、どのようなお考えでございましょうか。
#151
○国務大臣(村田敬次郎君) 非常に重要な問題でございますからはっきりお答えをしておかなければならないと思います。
 五月十七日に災害が発生をいたしまして、私は直ちにその災害の情報を通産省でとりまして、十七日の夜にはもう十八日早朝現地を視察のために出発をするということを決定をいたしました。そして災害対策本部を設け、また調査委員会も設置をして、いろいろな記者会見等にも、先ほど申し上げましたような第七次石炭政策、二千万トン体制というものを言明をしておったわけでございますが、今委員御指摘のように、たしか渡辺幹事長代理は五月二十日の記者会見で、二千万トン体制についての石炭政策の見直しが必要ではないかということを言われたと記憶をしております。
 二十一日の朝渡辺幹事長代理と実はお会いをする機会がございまして、そのときに、渡辺先生は昨日ああいったことを言われておるが、私どもとしては二千万トン体制を現在は引き続き維持し、そして第八次政策については、これを答申をまって検討していくということを申し上げましたところ、渡辺代理は、それは通産大臣としてはそうであろうということを言っておられたことを覚えております。
 事実、国会議員の先生方の中には、相次ぐこういった炭鉱事故を見て、こうまでして石炭を国内炭に依存しないでもいいのではないかという意見が聞かれることも事実でございます。しかし、先ほども申し上げましたように、石油代替エネルギーである国内資源としての国内炭の有効利用を図る必要があるということ、それから産炭国ではストライキであるとかいろいろ出炭についての不安定要因を持っておる、そういう海外炭にただ一本依存をするという考え方には非常に不安定な点がある。それからまた第三に、先ほども申し上げました、我が国の産炭地に依存をしておる地域の経済事情あるいは雇用情勢というものを考えますと、私どもは現在とっておる国内炭依存政策というものは引き続いて前提としていくことが必要であると思っておるのでございまして、渡辺代行にも私から直接通産省の見解は申し述べておるところであります。
#152
○田代富士男君 今お互いに会って話をされたけれども、そこで結論が出たわけではなくて、平行線をたどっているということなんです、端的に申し上げますと。だから、渡辺自民党幹事長代理の話も進んでいるし、通産大臣としてはそうであろうという、それは一応受けらた形であります。これは平行線で現在は進んでいる、そういう立場から、通産大臣が今おっしゃるように、日本にエネルギー資源のない、石油の代替エネルギーとしても必要だという、こういうことも我々はわかります。
 しかし、通産大臣御存じのように、かつてこの石炭というのは黒ダイヤともてはやされまして、我が国の重要な国産エネルギーといたしまして今日の日本の近代化の原動力となりまして、戦後の産業復興に大きな役割を果たしてきた、この貢献度は大きかったことは事実でございます。認めざるを得ません。その貢献度が一番大きかったのは昭和三十五年ごろではないかと思うのでございます。このころが、御承知のとおりに五千万トンを大きく上回っていたのではないかと思いますが、現在は二千万トンにも届かないのが現状ではないかと思います。これは明確になっております。
 それと同時に、この炭鉱関係に従事する労働者数の激少ぶりは最も激しい現状であります。御承知のとおりに、昭和三十五年には二十三万人を超えていたのに、五十九年の現在ではわずか一万五千人、言うなれば十五分の一に減っているわけなんです。また、炭鉱の数も、昭和三十五年の一番最盛期のときには六百二十二カ所の炭鉱がありまして、現在は三十カ所へと、当時の二十分の一に減ってきている。現在三十カ所といいましても、厳密に見てみますと、これは中小含めての三十カ所でございまして、主な炭鉱は現在は十一しかないという、これが現状であります。これはもう十二分に承知なさっていらっしゃることだと思いますけれども、なぜ炭鉱のこの業界自身が、石炭産業界がこのようになったのか。
 通産大臣は最近通産大臣になられたところでございますけれども、通産大臣としてのお考えと、言うなれば石油に主力の座を奪われまして凋落の一途をたどっているこの石炭産業界の今後の見通し、ただいま私がことしの八月から行われます第八次石炭政策の審議が始まる、そのことに対しても質問いたしましたけれども、こういう短期でなくして、短期を含め、ある程度今から、最盛期が三十五年でありましたから、三十五年は一番ピークである。それから下がり始めている。言うなれば今から十年先、あるいは今から十五年、二十年先の二十一世紀近くになったときのこの石炭産業界は、どういう姿になっているのか。今日までと今後の見通しでございます。審議会とは関係なしに、そこらあたりをひとつお答えいただきたいと思います。
#153
○国務大臣(村田敬次郎君) 今田代委員御指摘の点は非常に重要でございます。昭和三十五年において生産量五千二百六十万トン、ピークが三十六年の五千五百四十一万トン、また常用実働労働者数は昭和三十五年の二十三万一千四人、そして昭和五十九年では、御指摘のように千六百八十三万トンの生産量で一万五千二百十九人という、実働労働者数もまた生産量も非常な激減をしておるというのが我が国の石炭産業の状態てあります。
 御案内のように、我が国の石炭の戦後の歴史を顧みますと、戦後の日本経済復興のための傾斜生産体制に始まりまして、朝鮮動乱後の深刻な不況を体験し、昭和三十年代に入りますと、いわゆるエネルギー流体化革命というものに直面をいたしました。競合エネルギーとの関係で、傾向的に石炭産業は生産縮小を余儀なくされ、先ほども申し上げたように昭和三十六年をピークとして漸減を続けてきたわけでございます。この間、石炭合理化政策としては、昭和三十年における石炭鉱業合理化臨時措置法の制定、昭和三十七年からの数次にわたる石炭対策の取りまとめ等によりまして、非能率炭鉱のスクラップと能率炭鉱のビルドといった生産体制の近代化のための対策の強力な推進、石炭対策特別会計の創設による対策財源の確保などを図ってきたところでございまして、これは田代委員から御指摘をいただいたとおりでございます。
 現在の状況は、そういったかつて黒ダイヤと言われたような石炭産業の本当にブームの時代から、現在の第七次対策というものに至っておるわけでございまして、その間、国としては所要の対策を実施してまいったところでございます。今後はさらに第七次対策、それに引き続く第八次対策ということでありますが、国内炭の重要性については先ほど来申し述べてきたとおりでありますが、エネルギー全体の事情から言えば、国内炭のシェアというものが、これ以後に現在以上に伸びるということは考えられない情勢でございまして、地域の事情、そしてまた国内産業の情勢等を踏まえて今後は対応してまいる、こういったことではないかと認識をいたしております。
#154
○田代富士男君 今後の問題については。
#155
○国務大臣(村田敬次郎君) 今後の問題につきましては、今も、何と申しますか、端緒的なことを申し上げたのでございますが、私は国内炭の重要性というものは変わることはない。ただ石炭産業全体の中で言えば、外国炭の方が値差も相当ございまして安いし、これはもう採炭の条件が違うんでありますから、日本の石炭産業が幾ら努力しても深部化、奥部化の情勢にある今の日本の炭鉱で、露天掘りなどのできる外国炭と値差を競争することは非常に困難でありますからやむを得ないわけでございますが、また国内炭のシェア自体が現在より上がることはないと、こういうふうに見ておりますが、第八次の答申を待ってこれを基礎にして判断をしてまいる、こういうところかと思います。
#156
○田代富士男君 エネルギー庁長官見えてますね、長官から。
#157
○政府委員(柴田益男君) ただいまの大臣のお話に尽きるわけでございますが、まず過去をちょっと振り返ってまいりまして、流体革命によって第一次答申から第五次答申まである意味で撤退作戦で来たわけでございますけれども、四十八年に石油ショックが起こりまして、第六次が発表された昭和五十年、この答申におきましては石炭の復活ということが叫ばれてきたわけでございまして、やはりエネルギー資源としての国内炭が見直されたわけでございます。
 それを受けまして第七次が五十六年度に答申され、五十七年度から実施されているわけでございますけれども、これはやはり石油に対して競争力を持ち得てきた。内外炭格差も当時からトン当たり三千円程度に縮小してきたという事態も踏まえまして、国内石炭産業が自立するということを大きな政策目標に掲げているわけでございます、現在の七次政策は。そのために石炭企業、それから政府、需要家と三者の協力によって石炭企業の自立を目指すべきだというわけでございまして、現在まで努力しているわけでございますが、先ほども大臣のお話ございましたように、内外炭格差が拡大してきているという厳しい状況にあるのは現実でございます。
 今後の見通しにつきましては、今大臣もお答えしたとおりでございまして、石炭そのもののウエートは、今後十年後、十五年後、長期需給見通しにおきましても一八%程度ということてウエートは変わってまいりませんけれども、国内炭のウエートは現在三%、エネルギーに占める割合は三%でございまして、これは相対的に小さくなってくる見通しでございます。ただその場合に、今後の石炭政策どうあるべきか、第八次以降の問題として議論されるわけでございますけれども、基本的にはエネルギー安定供給の立場から、国内炭は十分これを尊重していくというのが基本的な視点になるだろうと思います。
 その場合に、大臣も申し上げておりますように、海外炭開発の場合も技術を涵養するとか、あるいは海外炭だけに頼っている場合のストライキ等あるいは輸出停止というような政策変更による長期輸入停止というような不安定な要因もございますし、あるいは現在山元発電というような形で一般炭需要の半分弱はやはり国内炭に依存している現実もございます。あるいは海外炭の価格交渉をする場合のバーゲニングパワーとして国内炭を持っていた方がいいというようなメリットもございます。そういうメリットを片方で勘案しながら、他方やはり保安の確保というのは大前提でございまして、保安の確保を図り、内外炭格差という経済性の問題も十分考慮して八次問題が議論され、そこで方針を示されたところによって、我々としては政策決定をしていくということになろうかと思います。
#158
○田代富士男君 今お話を聞いておりますと、前途が開けているという、そういう話ではなくして、第一次から第五次までは撤退作戦をやっていたと。石油ショックによって復活をしたけれども、最近の事故も相なり、これはどうするかという、言うなれば、将来的に見た場合には一つの岐路に立ったことは間違いないのではないかと思います。しかし現実に対応していかなくちゃならないと。第八次の検討がされる場合にも、保安の確保を大前提にしていかなくちゃならないと。ただいま長官からもお話がございましたが、私は、やはり石炭産業界にとりましては、このことが一番大事じゃないかと思うんです。
 そういう意味から、これは炭鉱の地の底の世界というのは常に死の危険と隣り合わせであると、このように言われておりますし、元炭鉱労働者であった上野英信さんという人が書かれました「地の底の笑い話」という本の中には、「日本の石炭産業は想像を絶するほどのおびただしい犠牲者の血の海に築かれていると言っても絶対に過言ではない。」と、このように言われているわけでございますが、そこでこの石炭産業が続く限り、私は坑内でこのように亡くなった人々の鎮魂のためにも、いかにして人命を守りながら石炭を掘るかについて知恵を絞っていかねばならないと。今監督官庁と炭鉱の当事者と、それから需要者と、そういう知恵を出していかなくちゃならない意味のお話がありましたけれども、そのとおりじゃないかと思うわけでございます。
 御承知のとおりに、この南大夕張炭鉱のような地中の深くを掘り進む際、そういうような深い炭鉱ではガスは避けて通れない悲しい宿命と申しますか、そういうものがあることは間違いないし、これが業界の中でも指摘されているわけでございます。そういう意味から、今さっき同僚の委員もちょっと触れられておりましたけれども、これをやっていくためには、生産と保安を分離して、ただいま申されるとおりに、保安の確保が大前提であると言われるならば、国が保安の責任を持つ体制に変えていく以外に犠牲者をなくす方法はないのではないかと、こういう提言をしている人もあります。
 そうした場合には、そこまで国として乗り出していった場合には財政負担が問題になりますけれども、やはりそこまで第八次の検討がなされる今、やはりやるというからにはそのくらいの腹構えがなければ、小手先の政策になりまして、またこの炭鉱事故を繰り返していくばかりになるのではないかと思いますけれども、ここらあたり、通産大臣、いかがでございますか。
#159
○国務大臣(村田敬次郎君) 御指摘になられました考え方、例えばこれは典型的なものだと思いますが、東大の外尾善次郎教授が「炭鉱保安は国家の責任で」という主張をしておられる。これは私も読んでおりますが、この外尾論文は、相次ぐ炭鉱事故に対して人の命は山よりも重いという考え方から、保安は国が見るべきだという見解だろうと考えておりますが、しかし炭鉱経営は私企業体制で行っております。保安体制を生産体制と分離したといたしましても、おのおのが主体的な取り組みができない、その実効が上がるのかどうか。むしろ連絡調整等に関し両者でそごを来し、あるいは生産体制が保安について無責任になるなどの弊害も多いのではないかと、こういうふうに考えておりまして、現在まで自主保安体制を継続してきたものであるというふうに承知をしております。
 したがいまして、私どもといたしましては、炭鉱保安に関し引き続き私企業体制と、これに基づく自主保安体制を維持いたしまして、国としては必要な監督指導を行ってまいる、こういう考え方の方が実際的ではなかろうかと考えておるのでございまして、先ほど「地の底の笑い話」という本ですかをお引きになって田代先生が御指摘になった点は、本当に深刻な日本の産炭の問題であると存じますが、保安そのものの責任問題については、私どもは自由主義経済体制のもとでは現在のあり方というものを継続し、そして保安についてそれぞれしっかりと尽くしてまいるというのが筋ではないか、このように考えております。
#160
○田代富士男君 現実問題といたしまして、この一年半足らずの間に三井三池の有明鉱、それから三菱高島砿、三菱南大夕張砿と、三つの大災害が続発したわけでございまして、言うなれば、今さっき私申し上げましたとおりに、我が国の主要炭鉱は十一である。そのうちの実に四分の一が連鎖反応的に災害に見舞われたわけでございます。この三つの事故、私は三井三池も、高島も現地へ参りました。北海道はちょっと行けませんでしたけれども。この一年半の間に三つ起きた事故をずっと、私も炭鉱の専門家ではありませんけれども、真剣に考えてみました。
 そうした場合に共通点があるんです。その共通点はどういう共通点かといえば、一つは、いずれの炭鉱も最新鋭のいろいろな機器が設置されている、このように保安設備も折り紙をつけられた優良鉱であるという、そこでなおかつ災害が起きている、これが共通点です。
 それから第二番目が、採炭現場が深いところへどんどんと向かって採炭されているという現実でございます。これは、我々は素人でありますが、いろいろなものを読ましていただき、いろいろな学者先生からも意見を聞かしていただきました。その場合に、明治時代から掘られた部分、大正時代から掘られた部分、昭和に入ってから掘られた部分、区分して我々もいろいろ勉強させていただきました。こういうような深いところへとどんどん採炭現場が下がっていくということは非常に危険なことだな、これは一般論としても私の直感としてもそのように理解をいたしました。なぜなれば、こういうだんだん深いところに移行するにつれましてガスの量が増加し、そして地圧も高まってきて、ガスの圧力も強まる、これはどうすることもできない。今さっき私は、このガスは避けて通れない悲しい宿命であるということを申し上げましたけれども、そういうものがある。
 今回事故が起きました同じ夕張におきましては、御承知のとおりに五十六年に死亡者九十三名を出した事故が起きております。このときには約四千立方メーターの粉炭が一挙に噴出いたしまして、二キロ離れた坑内にいた坑内員がメタンガスの直撃を受けて窒息をしたことがございますけれども、こういうようなことが現実に起きているわけでございまして、この事故が起こるということは、現在の技術の水準をはるかに超えてしまっているんじゃなかろうか、このように思われてなりません。
 そういう意味から、今さっき私が渡辺自民党幹事長代理とのことについて質問したときに大臣が御答弁されておりましたけれども、それと同じようなことを申し上げますと、年間約一千二百億円を超える予算が投じられているわけでございまして、とうとい人命を代償にしてまで、日本のエネルギーにおいては三%程度であるというお話でございますけれども、言うなれば補助的エネルギー源にすぎない国内炭の生産をそこまで維持する必要があるかという、これはそういう声が一部にあることも事実でございます。これらのことを踏まえまして、通産大臣としていかがでございましょうか。
#161
○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員御指摘の真意を私は拝察することができるように思います。
 ただ、私自身の立場から、今回の災害に際しまして直ちに南大夕張炭鉱を調査に行ってまいりました。そして、あの場でも記者会見が行われて、閉山という可能性があると思うかとか、あるいは二千万トン体制についてどう考えるかという御質問がありましたときに、私はっきりお答え申し上げましたのは、この産炭地の石炭産業の非常に大きなウエート、そしてまたこの地域における雇用の事情、そして、日本自体の石炭産業の置かれておることから考えれば、現在閉山などということは考えられない。そして、現在の二千万トン体制はその考え方を維持すべきであるということをはっきりお答えをしたところでございます。
 この考え方は現在も全く同じてありまして、第八次計画はこれからのことでございますから、もちろん白紙に立っていろいろな判断をしていくところでございますが、保安をさらにさらに強化をしていくとともに、やはり国内炭に一部依存をするというエネルギー事情は変わらないものと、こういうふうに今思っております。
#162
○田代富士男君 今私が質問した趣旨がまだ伝わっていない面もありますからもう一度申し上げますと、今回の事故の原因は、今さっき御報告がありましたとおりに、はっきりした原因の解明はできておりませんけれども、ほぼガスの爆発と見られているわけでございますが、そうした場合に、ガス爆発となりますと、炭層や岩盤にたまっていたメタンガスが引き起こした事故であるということが明らかになるわけでございます。
 今申したとおりに、今、日本の国に十一の大きい炭鉱があるわけでございますけれども、その炭鉱の中でも、北海道の炭鉱は可燃性のガスの多いのが特徴ではないかと思います、これは御承知のとおりでございます。だから、特に北海道の場合は、石炭一トン当たり平均して約四十立方メーターのガスが含まれているのが普通だと言われておりますけれども、事故が起きましたこの三菱の夕張炭鉱は、北海道でもとりわけガスの発生量が多いと言われておる炭鉱で、一トン当たり約百立方メーターにも達すると言われておりまして、全国の平均値の二倍半、こういう数字が出されておるのは御承知のとおりと思います。
 今も申したとおりに、この炭鉱は地下数百メートルの地点で採炭を進めている。この部分の炭層で完全ガス抜きをするということは難しいのではなかろうか。採炭する深さというものがどんどん深くなるにつれましてガスはたまりやすく、抜きがたい構造になっておりますから、今の新鋭設備をそろえたといっても十分な対応はできずに、この一年半の間にも三回同じ事故を繰り返しているという、こういう意味から、国内の採炭条件が現在の技術水準を超えて急速に悪化しているんじゃなかろうかという問題提起をしているわけなんですけれども、今さっきの大臣の御答弁では、ここらあたりの問題に対してはお触れになっておりませんでしたから、この問題点にも触れて、どうするかということでございますが、どうでしょうか。
#163
○政府委員(平河喜美男君) 先生の御指摘は、我が国の炭鉱の最近の深部化、奥部化に伴う技術的困難性、特にガスの多発に対する対策はどうかという御指摘かと思います。
 三池の事故と高島の事故につきましては、正直に言いまして深部化、奥部化というものと直接関係したものではないのではないかという気もいたしておりますけれども、夕張については確かにその面がかなり関与している可能性はあろうかと思っております。
 それにいたしましても、最近の深部化、奥部化につきまして、その際のガスに関連する事故防止というのは最も重要な問題でございます。私どもも、単に機材を整備するというだけではございません、もちろん、その最新の機械を使いましてこれに対応するということも重要でございますけれども、この機械をいかにうまく使いこなすか。言うなれば、人と機器による相互のチェックを含めまして、あるいは経営者から坑内の作業夫に至りますまでの人の保安に対する取り組み方、こういうものを含めまして、総合的な対策が必要だろうというふうに考えております。
 そういう観点で私ども監督指導を行っておりますけれども、これ以外に、やはり保安技術の開発ということも、相手が難しくなるに従って重要でございますので、これに対しても意を注いでやっておるところでございます。
#164
○田代富士男君 村田通産大臣は、今後の石炭の見通しについて私申し上げたときに、石炭は必要であるということでございます。
 大臣もおっしゃるとおりに、石炭が必要ならば、やはりそれ相応に政府が乗り出さなくちゃならないと私は申し上げたわけでございまして、その場合に、長官もおっしゃった、保安の確保が大前提であると言われるためには、生産と保安を分離することをやるべきじゃないかと今私は質問いたしました。それに対しては、そういうことをやった場合に主体的に取り組むことはできない、連絡が相互になかなかとれなくてそごを来すおそれがあって、責任体制がとれないという意味の御答弁がございましたけれども、この外尾東大教授からの提言も出ているということを御答弁の中で大臣自身がおっしゃいました。
 その外尾東大教授は、もはや、生産と保安を分離して、国が保安の責任を持つ体制に変える以外に犠牲者をなくす方法はないということを言われている。しかし、通産省の皆さんは、外尾教授のこういうような発言に対しては冷ややかな考えを持っていらっしゃる。私は率直に申し上げまして、そういうような姿勢であってはならぬと思うんです。だから、保安なくして出炭なしというのが炭鉱経営の鉄則じゃないですか。これまで何回も言われてきた。言うなればこの石炭産業の原点というものは、保安なくして出炭なしということじゃないでしょうか。それであるならば、こういう問題は、いやそれでは責任体制がとれないと言うならば、現在の体制で責任体制がとれたんでしょうか。一年半の間に三回も同じことが繰り返されている。まして今回の場合は同じ会社が二回連続起こしている。私はそういうところを謙虚にこれを受けとめていかなければならないのです。
 そういう意味で、石炭対策として現在は、政府といたしまして年間約千二百億円の国費が注がれているわけなんですが、現場の保安対策費、それは千二百億円の中で昭和六十年度予算では九十八億円というわずかな数字であります。ほかにいろいろ使われていることも予算上私も調べさしていただきましたけれども、しかしこのような金額で果たしてこういう保安というものが大前提であると言われながら真剣に取り組んでいるんだろうか。安全を軽視した姿勢ではないかと思いますし、こういうところを抜本的に解決していかなくちゃならない問題点ではないかと思いますけれども、このことに対してはいかがでございますか。
#165
○政府委員(平河喜美男君) 六十年度の石炭保安対策費が九十八億円であるということは先生の御指摘のとおりでございます。私どもとしましては、昨今の厳しい財源の事情にもかかわらず、前年度に比べまして技術開発につきましては一六・二%の増、保安補助金については二・八%増という予算を確保したところでございます。
 その内容につきましては、先ほども申し上げましたような深部化、奥部化に伴う技術的な問題等々の解決のために、集中監視装置の保安専用機器の充実、あるいはガス抜きボーリング、充てん等の保安確保工事の着実な実施、こういうものに四分の三の高率の補助金を交付しているところでございます。また、技術開発につきましても石炭技術研究所を中心にしまして、ガス突出、山はね等の防止、これは先ほど御指摘いただきました深部化、奥部化に伴う災害の予防に連なる技術でございます。こういうものに重点的に投じているところでございます。
 今後とも炭鉱の自然条件ますます厳しくなると思いますけれども、予算の確保に努めてまいりたいと、かように考えております。
#166
○田代富士男君 私が重ねて申し上げているのは、どうしても石炭が国の施策として必要であると言われるならば、一貫して私が申し上げているとおりに、保安の確保が大前提と言われている中にあっては、この九十八億円の今年度の予算でありますし、補助金もついていると今説明がありましたけれども、こういうようなことで果たしてできるだろうか。そこまでやっているか。できなかったからこういう事故が起きておりますし、やはり私は人命は地球よりも重いと言われる、こういうようなことを考えるならば、もっとこれは、今は予算も厳しいときでありますけれども、こういうものに対しては強く通産大臣としても力を入れていくべきじゃないかと思うんです。
 今、局長の御答弁でありますけれども、これは一番大事なことでありますから通産大臣の決意です。来年度の予算の準備も始まっておりますし、私はこういうところを力を入れていくならば我々の力でも応援をしていきたいと思いますよ、商工委員の一人として。どうですか。
#167
○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員御指摘の、保安の確保というものを最重点的にすべきであるということについては全く同感でございまして、来年度の予算確保等についても全力を尽くしてまいりたいと思います。
#168
○田代富士男君 予算獲得に全力を尽くすと言いますけれども、その前にやらなくてはならない問題があります。これは予算を獲得すればできるという問題ではない。
 今さっき私は、三つの大きな炭鉱事故が起きたことに対しては共通点があるということを申し上げまして、一つ一つ申し上げてきました。もう一つの共通点は、この監督官庁である通産省、また会社側、この安全対策、保安体制に取り組む姿勢に共通点があるという問題です。この問題は、私は今までも一生懸命におやりになったかと思いますけれども、結果の上から見たならば、何をやっていたかということが言えるんです。その一つは、三池の炭鉱事故が起きたその直後の委員会におきましても、我々は総点検をやりなさいということをここで提唱いたしました。そして、せんだってのこの三菱高島砿の事故が終わりました直後にも、総点検をやりなさいということを、我々は何をやっているんだということで強く主張してまいりました。
 その総点検が指示されたと思いますけれども、その最中にまた同じ会社で同じような事故が起きているということは、何の総点検をやったのか。この事故が終わりましてから政務次官が東西に分かれて点検に行かれた。これはやらないよりもやるべきですけれども、事前にもっとそういうことをやるべきではなかったのか、事後対策じゃないかと。こういうような甘さ、総点検が出ていたにもかかわらず何をしていたのか。本当に同じ会社で同じ事故が起きているんですよ。こういう総点検をやっている最中に起きたということを一体何と説明するのか。
 今回調査の結果いろいろ言われていることは、まあ毎月一回坑内の総点検を行っている、会社と労組との協定によって結んでいる、今回は五月の十日にそれを実施したばかりであるということ、こういうことが報告されておりますし、そういうことから、一生懸命にやっておりましたというような立場からでありましょう、五月の十六日には、三菱の作業員三名が全国鉱山保安表彰を受けて、通産大臣の表彰を受けているわけなんです。その三人というのは、高島砿が二人で、南夕張砿が一人です。それで、事故があった日にも、鉱業労働災害防止協会の大会で表彰を受けている。総点検だとかそういうことをやっておりましたよ、よくやってきましたねというその結果として表彰をやっている。しかし、そういうものとは裏腹に、取り返しのつかない大きな事故が一年半の間に三回繰り返されています。これはどういうことですか。
 また、今同僚委員からも質問がございました。五月の七日から十日の四日間、札幌鉱山保安監督局がガス突出、ガス爆発の防止を重点に、月一回の点検を実施された。監督官五人が坑内に入られたということも報道されています。行ったことは事実でしょう。しかし、本気でやったのか。私はこういう姿勢を改めずして、予算獲得に応援しますよと言いましたけれども、根本的に通産省と会社側のこういう姿勢が変わらない限り事故は起きますよ。
 世間でこういうことが言われている、一事あれば三事ありと、世間で言われたとおりに、これ一年半に三回続いてしまった。交通信号でも、青から黄色に変わって赤になりますよ。言うなれば、私はこれは石炭産業界に対する黄色の信号じゃないかと思うんです。今この時期を、今までと同じような総点検、今までと同じような通産省、今までと同じような会社の姿勢であったならば、今度は大きな赤信号の取り返しのつかない事故が来ることは明白じゃないかと思うんです。こういう点に対しましてこの安全対策、保安体制に取り組む姿勢の問題はいかがでしょうか。
#169
○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員の、総点検事実やったのか、もしそういうことをやったとしたら、なぜこのような災害が起こったか。それからまた、現在までのような通産省そしてまた会社側の姿勢であれば、またこういった災害が起こるのではないか、根本からよく考えて出直すべきである。そういう御指摘は、まことにごもっともなことと存じます。
 もちろん、私どもが申しました来年度保安予算の確保ということも、そういう襟を正す心構えの上に立つべきことでございまして、御指摘の点はよくわかります。本当に委員御指摘のような気持ちで出直してまいりたいと思います。
#170
○田代富士男君 これは、私がここでどれだけ言いましても、実際にどう取り組んでもらうかという、それによって決まるかと思いますけれども、あえて申し上げておきます。
 その次に、もう一つは、今同僚委員からも質問が一部出されましたけれども、今度は、この炭鉱で働いている作業員の皆さんのなれの問題ではないかと思うんです。基本が守られていないということであります。この基本が守られてないという問題は、今も同僚委員の質問に対しまして局長からの答弁では、今後捜査をしていきたいという意味の御発言がありました。
 というのは、元坑内員の証言として述べられているのに、夕張地区の炭鉱はガスの湧出量が多く、採炭現場はかなり暑かった。中央管制室と直結したガス警報機は、採炭現場近くなどに設置されているけれども、数百メートル以上も間隔があるところもあり、必ずしも坑道にたまるガスをすべてチェックできるとは限らなかった。ガス警報機が異常を知らせても、ガス濃度はすぐに基準値に戻ってしまうケースも多いために、坑内員は、しばしば警報機が鳴ったが、それでも平気で作業を続けて、採炭の中止や避難指令はなかった。坑内員はこのくらい大丈夫という気があったということが報ぜられておりますけれども、これでは最新鋭の設備を備えたといってもまことにこれは役に立たないのではないか。そういう意味で今局長の答弁も、こういうようなことが、原則として警報機があってもこれは設置したことにならないという意味の答弁と、今からこれは調査をしてみますということでございますけれども、これは作業員のなれの問題じゃないかと思うんです。
 やはり基本というものは、何事においても忠実に守っていかなくちゃならない。基本を守らないというそのミスからすべての事故が起こるのではないでしょうか。この三井三池炭鉱の事故、高島炭鉱の事故、三井三池の炭鉱事故は報告書が出されました。これでは単純な事故であります。ベルトコンベヤーの摩擦、こういうことが言われておりますし、高島炭鉱の場合も、我々現地視察に参りましたら、扇風機がとまっていた、そういうことでガスのキャッチができなかったということが明らかでございます。今、夕張の場合はいろいろ言われておりますが、最終結論が出されていないわけなんですが、このような細かい注意と基本を徹底していくならば事故を未然に防ぐことができたのではないかと私は思います。
 それと同時に、なぜこれまでの教訓が生かされなかったのか。それは、なぜこれまでの教訓が生かされなかったかということは、基本が忠実に守られてなかったということではないでしょうか。また、これだけの保安設備がされていても事故を食いとめられなかったということも現実の事実であります。そういう意味から、今までの事故のたびごとに事故調査委員会とかそういうものを設置して取り組んでいるけれども、これすらも一つのなれになっております。今までと違った何か新しいそういう調査をやって、ここで根本的な対策をやるべきではないてしょうか。原因究明を徹底的にやらなくてはならないと思うし、不可抗力であったということはこれはナンセンスです。そういう意味においていかがですか。
#171
○政府委員(平河喜美男君) 保安の確保は基本が忠実に守られていなければならないという先生の御指摘、まことにそのとおりだと思いますし、それがなれによって守られないということであれば重大な問題でございますし、そういうことのないように今後、原因究明とともに、保安の教育その他万全を尽くすように努力してまいりたいと思っております。
#172
○田代富士男君 大臣いかがですか。
#173
○国務大臣(村田敬次郎君) おっしゃるとおりかと思います。十分注意をいたしまして、今後保安の万全を期してまいりたいと存じます。
#174
○田代富士男君 私が言いたいことは、今までの調査団だとかそういうものでなくして、一歩違った取り組みをしてもらいたいということを申し上げましたけれども、今までの答弁も、今までと、なれと同じです、それでは。違ったものを出してください。
#175
○国務大臣(村田敬次郎君) 南大夕張炭鉱の保安規程でございますとか、それから、災害後に現地を見た外尾善次郎東大教授の、ガス抜きが十分できないとか、いろいろなことも私どもも勉強さしていただいておりますが、私自身は専門家でございませんので、十分ひとつ専門家の言うことを聞きまして、新しい方策をとるべきものがあればぜひこれも採用してまいりたい。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のように、人命は本当に大地より重いのでございますから、その前提に立って努力をしてまいりたい、このように思っております。
#176
○田代富士男君 局長どうですか、具体的に。
#177
○政府委員(平河喜美男君) 私ども、事故が起こりますたびに、その事故の原因の特徴に触れた対策を考えておりますけれども、先生御指摘のように、なれにならないように、常に新しい観点も入れましてぜひ勉強してまいりたいと思います。
#178
○田代富士男君 私も、商工委員である限り、今おっしゃったことを見守っていきたいと思います、これ以上詰めてもこれは進まないと思いますけれども。
 それで、石炭を残す理由といたしまして一番最初に通産大臣が申されたことは、代替エネルギーの問題と同時に、地域との関係、地域との結びつき、雇用問題、そういうものを必要な上からこれは確保していかなくちゃならないと御答弁がありましたけれども、私もそのことに対しては理解をいたします。
 そこで私は、夕張の市民の立場から考えるならば、北炭夕張があの事故で閉山になりました。そうしますと、今回は同じ会社の事故である。単純な素朴な考えですけれども、市民の皆さんには、あるいはという心配があるのではなかろうかと私は思うんです。やはり、この市民の皆さんの不安感を取ってあげなくちゃならないと思うんです。確かにあの地域には、夕張には飲食店が三十五軒あるそうです、あの夕張市で。三十五軒がほとんど炭鉱の従事者によって経営が成り立っている地域ではないかと思うわけでございますが、やはり夕張の人にとりましては、市民全部がショックを受けられたことも事実ではないかと思うのでございます。
 そういう意味から、炭鉱を抱える地域が、炭鉱依存からの脱皮を図る施策も講じられているのも事実でございます。だから、今、夕張ではメロン栽培だとかメロンワインの製造、こういうものが地域振興策として政府の方針にのっとってなされているけれども、まず第一に市民の皆さんに、あるいはというような不安感があるのを取り除いてやらなくてはならないのではないかと私は思うのですけれども、この点に対しまして、現地に一番乗りされた大臣といたしましていかがでございましょう。
#179
○国務大臣(村田敬次郎君) 夕張市に参りまして感じましたことは、まさに石炭の町であるということであります。町自体の生産の五割も石炭産業によって占められておりますし、それからまた雇用その他の問題も石炭鉱業に依存をしている点が極めて大きいということでございました。
 政府といたしましては、従来から産炭地域の振興のために企業誘致、産業生活基盤の整備及び地方財政援助を対策の柱といたしまして、進出企業に対する税制、融資の特例、工業団地の造成、公共事業の促進、産炭地域市町村に対する財政援助など、各般の施策を講じておるところでございます。特に夕張市におきましては、今委員御指摘のように、石炭の歴史村を初めとする観光開発、メロンブランデーに代表される地場産業の育成、企業誘致による工業開発等により石炭鉱業に対する依存を弱め、多角的産業構造への実現を目指し、努力を行っておるところでございます。
 こうした方向に沿って夕張地域の振興を図るために、五十八年の九月、企業誘致、観光開発、農林業の振興などを柱とする振興対策を取りまとめ、現在実施中のところであります。今後ともこうした振興対策の遂行を中心に、関係各省とも連絡をとり、必要な支援をしてまいる所存でございます。
#180
○田代富士男君 そこで、今産炭地域の振興策をとっていくということでございますけれども、既に炭鉱が多く閉山しました筑豊地方の実情は大臣も御承知のことだと思いますけれども、筑豊地方は、生活保護は日本一という状況です。これは政策の一環としてもなされているかと思いますけれども、四人に一人が生活保護を受けているんです、あの田川市を考えた場合に。そこで、私もこれじゃ大変だと思うことは、果たして今のままでこれはよいだろうかと心配するんです。生活保護費が支給されるその日には、町で花火が上がるそうです。きょうは生活保護費が支給される。支給されるその前では、市が立つそうです。こういう様相に現在なっております。
 それで私が心配するのは、まじめに生活保護あるいは年金で生活をしていらっしゃる方もいらっしゃることは事実でございます。しかし、こういう何といいますか、指を落として保険金詐欺をやるというような、そういうようなことも新聞紙上に出ております。また、父親が子供に対して勉強しろよと、このように意見をしたところ、子供が言った言葉に私はショックを受けたのであります。子供は何と言ったか。両親から養ってもらっていないんだ、福祉事務所から養ってもらっているんだと、こういう言い方をしているんです。両親が生活保護費をもらってぶらぶらしている、その姿を見ている子供が、二世が大きくなった場合に、今言ったようなことを発言する子供が大きくなった場合にどうなるだろうか。
 このように産炭地域の振興策に力を入れている、しかし現実にはこういう問題が起きてきている。そして向こうの市長さんや所長さんが言っていることは、企業誘致しようとしてもなかなか来てくれないんです。そういう企業が育つような風土ではない、来てくれない。それと同時に、産炭地域振興策と同時に、忘れられたのは社会開発、教育だとか福祉だとか文化という問題に対して重点を置くことを忘れていたと、こういうことが言われております。やはりこういうことは、通産省といたしまして将来取り組まなくちゃならない問題ですけれども、産炭地域振興策の一環として、こういう実情が起きていることに対して、今後どのように解決しておいきになるのか、大臣のお考えをお聞きいたしまして私の質問を終わります。
#181
○国務大臣(村田敬次郎君) 産炭地域振興に関連をして、その地域の文化の問題あるいはその他いろいろな教育の対応等について非常な御配慮をいただいた御指摘でございます。
 もちろん通産省といたしましては、産炭地域の今後の振興という問題を図る上で、関係各省である自治省あるいは文部省等々と連絡をとりながら、健全な地域の発展のために努力をいたしてまいりたい、このように考えます。
#182
○佐藤昭夫君 最初に、私も三菱高島、南大夕張、この二つの災害による罹災者の方々に心から哀悼の意を捧げながら、以下幾つか質問いたします。
   〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕
 まず、高島事故についての問題でありますが、もし、石炭鉱山保安規則第百三条二号「局部扇風機は、特別の事由により保安のため必要がないときのほか、連続的に運転すること」、こういう規則どおり局部扇風機がとまっていなかったなら、この事故は防げたはずであります。また同時に、保安規則の第百四条三号、ここでは「電動局部扇風機が運転を停止したのち、運転を再開するときは、可燃性ガスの測定をし、危険のおそれがないときでなければ、運転を再開しないこと」と定めていますし、さらに同条四号「局部扇風機が運転を停止したのち運転を再開したときは、可燃性ガスの測定をし、危険のおそれかない場合でなければ、当該区域へ送電し、または鉱山労働者を就業させないこと」、こういうふうに定めているのでありますから、これらの規則のいずれかでも守られておればこうした大事故は防ぐことができただろう。ましてや死者が出るような重大災害にはならなかったことは当然であります。
 このように高島では、二重、三重に極めて初歩的といいますか、原則的というか、これらの保安規則が守られていないことから起こった事故だと。したがって、会社の保安管理体制に重大な問題があったということはもう明瞭でありますけれども、この夕張の問題を論ずるに先立って、高島からどういう教訓を引き出すかという点でのまず通産大臣の基本的所見をお尋ねします。
#183
○国務大臣(村田敬次郎君) 高島炭鉱の事故が発生をいたしまして、その後非常に短い期間に南大夕張の事故が発生をしたわけでございまして、しかもその間総点検をいたしましたにもかかわらず南大夕張の事故が発生をした、まことに意外であり、また残念と言うのほかはないわけでございます。
 最近の重大災害の原因といたしまして、保安確保に対するなれと過信があったのではないかということが考えられるのでございます。すなわち、これらの災害は、日ごろのベルトコンベヤー等の施設管理やガス管理といった最も基本的な点検が確実になされていなかったのではないかというふうに考えられるのであります。これらの点検はゆるがせにできない保安作業であり、ここに問題があったということは極めて残念でございます。このことは逆に言えば、これらの重大災害の防止は可能であるというふうに考えられるのでございまして、今後の保安の確保に最善を尽くしてまいりたい、このように考えるところでございます。
#184
○佐藤昭夫君 昨年の一月、例の三井三池有明鉱の事故が、災害が起こりましたときに、私も現地へ調査に行き、決算委員会などで質問をした経過がありますが、この有明災害といい高島の災害といい、石炭保安規則がしっかり守られておれば起こるはずのない事故が、これが発生をしておる。この災害の教訓が生かされないために、再びまたこの南大夕張で災害が続いているということはまことにこれは遺憾のきわみと言わなくちゃなりません。
 そこで、具体的な議論に入りますために、この南大夕張の場合ガス爆発による事故ということでありますが、爆発の地点はどこでしょうか。
#185
○政府委員(平河喜美男君) 最終的に確定しておりませんけれども、現在までの調査では八片の連坑道のあたりというふうに推定されております。
#186
○佐藤昭夫君 あれだけの大爆発につながるような異常なガス湧出、これは一般的には考えにくいわけでありまして、ですから、例えばまず最初に八片連坑道で爆発をして、その後六片盤下坑道で爆発が続く、こういった複数の爆発があってこれほどの大災害となったといったような見方もされておりますが。
   〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕
#187
○政府委員(平河喜美男君) その辺の詳細について今検討が進められているところでございますけれども、この前の政府の事故調査委員会の現地に参りましたときの中間的な報告を聞いておりますと、ガス爆発に関連しまして一部炭じんの爆発等も起きたのかもしれない、こういう報告を受けております。
#188
○佐藤昭夫君 そこで、中心的に爆発現場と考えられておる八片連坑道でありますが、ここは岩石坑道であって、一般的にはガスの発生する心配の本来少ないところ、ここにガスが発生するということは、ガス抜きボーリング座付近もしくはその誘導管のトラブル、これによる漏れという問題も考えられますが、特に払い跡に通ずる坑道の密閉箇所が問題と考えられると思うんであります。ここからガスがたまってくることは当然考慮しなければならないところでありますが、この密閉箇所の検査状況、これはどうなっておったんでしょうか。
#189
○政府委員(平河喜美男君) ガスがどこからたまったかということにつきましては、今先生がお挙げになりました三つの可能性について検討がなされております。密閉箇所からのガスがどういう状況であるかということについても現在いろいろ測定をしているところでございます。
#190
○佐藤昭夫君 高島炭鉱の災害が起こりました後、通産省の方の指示もあって、南大夕張炭鉱会社側が五月一日から四日にかけていわゆる総点検をやっております。密閉箇所やガス抜きボーリング箇所、ここらを中心にした総点検を行っているわけでありますが、どのような報告が出ているんでしょう。
#191
○政府委員(平河喜美男君) 高島炭鉱事故の後の総点検に際しましては、密閉箇所、ガス関連箇所について特に重点的に調べるということにしておりまして、当該箇所について特に問題があったという報告は受けておりません。
#192
○佐藤昭夫君 何らかの改善措置について報告は出ていませんか。
#193
○政府委員(平河喜美男君) 現在までのところ密閉箇所については特に聞いておりません。
#194
○佐藤昭夫君 正直に答えていただきたいと思うんですがね。会社側からは異常事態の監視体制が不十分なので、そこを強化をするためにガス自動警報機を九個増設をする、こういう報告が出ているんじゃないですか。
#195
○政府委員(平河喜美男君) 全体としまして、今先生がおっしゃったようなガス警報機の増設についての報告は聞いております。
#196
○佐藤昭夫君 それで、そういう報告が出て、実際にその警報機九個増設がきちっとやられたかどうかということを監督署の方は見届けていますか。
#197
○政府委員(平河喜美男君) まだ見届けておりませんでした。
#198
○佐藤昭夫君 なぜ見届けないんですか。会社がそういうことまで、どれだけの積極性があったのかどうか、それはともかくとして、報告をしておるんであれば、高島の事故も起こっておるんですから、一刻も早くそれを実行させるべく督励をするのが通産省の努めじゃないですか。
#199
○政府委員(平河喜美男君) 機械の購入、設置等に多少時間がかかるところもあろうかと思いまして、まだ最終的な段階に至っていなかったと聞いております。
#200
○佐藤昭夫君 通産省、監督局の指導責任は免れませんね。
 もう一つ別の問題でありますが、爆発現場と言われます八片連坑道、ここだけの爆発であれだけの大災害となるのであれば、相当大量のガス湧出を前提に考えなくちゃならない。にもかかわらず、なぜそれだけ大量のガス湧出を事前に感知できなかったのか。ということは、逆に言えば、保安管理体制上に重大な欠陥があったんじゃないかということが言えるんであります。
 そこで、それの一つのあかしになろうかと思うんでありますが、会社側からいただいております資料、問題の坑道の区域にどういうふうにガス警報センサー、これを配置をしているのかというのをプロットしたこういう図でありますけれども、これによりますと、この爆発現場のごく近所、周辺、ここにはセンサーはありません。あなた方が一つはそのことを確認をしておられるかどうかということと、この爆発現場に一番近いセンサーは、どれくらい離れた距離のところにあるんでしょうか、お答えください。
#201
○政府委員(平河喜美男君) 爆発現場の狭い範囲の特定がまだできておりませんので、それと警報機の関係は、細かいところはわかりませんけれども、八片連坑道及びその近辺の坑道にも警報機が取りつけられていたということは承知しております。
#202
○佐藤昭夫君 これは会社からもらった資料ですよ。それぞれ色分けをして、上から二つ目の白丸、これがガス警報センサーがこれに載っていない。それだけじゃない。この保安図ありますね。私もこの保安図をいろいろ見てみましたけれども、あなた方が大体ここが爆発現場じゃないかというふうに言っておる、その近所にはないんですよ、センサーが。本当に見たんですか、センサーありということではっきり。
#203
○政府委員(平河喜美男君) 巡回検査のときにどこに警報器が置いてあるかというのは、鉱務監督官は見ておると思います。
#204
○佐藤昭夫君 その巡回検査で見た結果が保安図に出てくるんでしょう。ところが、この保安図に、ここにガスセンサーありますということで記入がないじゃないですか。余りそういう言い逃れをしないで、私は勝手に言っておるわけじゃない、会社側提出資料とこの保安図をもとにして言っているんですから、責任を持った正確な答弁を別途行ってください。
 問題を進めましょう。
 さらにもう一つ、本日も議論に出ておりますセンサーの取りつけ位置というか、高さというか、この問題が重大であります。これはきのうの衆議院の石特委員会で我が党の小沢議員も質問をいたしまして、センサーの取りつけ位置が目の高さになっておるということはどうだということで、当局はそれが気がつかないわけではなかったと答弁しておる。私ども調査団が会社に対していろいろ聞きましたところ、低いところでも別に問題はありません、なぜなら、鉱山保安監督局の許可を得ているんですと、こういうふうに述べているんでありますから、そうすると、これは以前から低いところでも構わないと、こういう許可を与えてきたということになるわけですね。
 そこでそういう許可を与えてきたということになるんだったら、一遍数字的に明らかにしてもらいたいと思うんですけれども、センサーの総数が幾つあって、あなた方の通達では、この天盤から三十センチぐらい、ここを基準にしなさい、こういうことになっているんだけれども、その基準どおりに設置をされておる数、基準どおりでなくてうんと低いところになっている数、数的に分類をしたらどういうことになりますか、答えてください。
#205
○政府委員(平河喜美男君) きょうここに資料を持ち合わせておりませんので、詳細についてはお答えできないので申しわけないと思います。
#206
○佐藤昭夫君 答えることができないような、みずから通達を出しておりながら、炭鉱の保安上その通達どおりにきちっとやられているかどうかということを、本当に意を配って、余り点検をしてないということの私はあらわれじゃないかと思うんですよ。
 時間をかしてくださいというふうに言われますから、そうであれば、私がさっき言いましたセンサーの総数が幾つあると、通達どおりにやっているのが幾つで、通達から外れているのが幾つで、外れているものの場所はどういうふうに坑道に分布しているかと、この一覧表を資料として提示をしていただきたいと思いますが、よろしいか。
#207
○政府委員(平河喜美男君) センサーにつきましては、毎日場所によっては多少動いておるということもあるようでございますから、詳細の調査をしてからお答えいたしたいと思います。
#208
○佐藤昭夫君 日によって動いておるというふうに言ったって、あなた方月一回この巡回検査やるんでしょう。だから、その巡回検査をやった何月何日の段階では、私が特に求めたいのは、南大夕張のこの事故が起こった直前の巡回検査のその時点において数の割り振りがどうなっていたか、それからその配置位置がどうなっていたかと、この一覧表、時点を特定をしたらそれはきちっと出せますね、それを出してくださいね、資料として。
#209
○政府委員(平河喜美男君) 巡回検査の場合、必ずしも全炭鉱を見ているわけではございませんので、先生のおっしゃるような意味での配置がその時点で出るかどうかわかりませんけれども、なお調査してみたいと思っております。
#210
○佐藤昭夫君 とにかく可能な最大限のそういう資料を、私の求めております趣旨に沿ってのものをひとつ提出をしてください。
 とにかく私は、通産省として、炭鉱の保安上、センサーはどうしたって軽いガスがたまる天蓋に近い方、ここにつけた方がいいという指導をやりながら、しかしまあそれから外れるものがあってもいいだろうということで、原則としてそういうふうに天蓋につけなくちゃならぬと、三十センチにつけなくちゃならぬと。原則というのはイコール多数例ということですよ、言葉の意味は。原則が少数例だったら、そんなものは原則とは言わない。ところが、実際は相当多くがうんと下の方につけられている。なぜなら、上につけたら、どうしたって濃度が高く反応しますからね、そんなようなことは困るといういろいろな思惑が会社側で働いておるのでしょう。
 そういった点で、通産省みずからが出したこの通達、それが多くは守られてないということになれば、これは監督局自体がその自分の出した通達をみずからで壊していると、こういうことになるんでありますから、これは全く言語道断であります。
 大臣、ぜひこの点は大臣もよく目を配っていただいて、実際はどういう姿になっていたかという点をよく点検をしていただきたい、大臣にもお願いをしておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#211
○国務大臣(村田敬次郎君) 承りました。
#212
○佐藤昭夫君 この間の連続をした災害は、いずれも保安優良鉱と言われる炭鉱で起きたわけでありますが、機械にどんな新しいものが入っても、それを使う人の体制というか、労働の体制というか、ここが本当に整備をされていなければ何にもならぬということが、これらの災害によって露呈をしてきているわけであります。
 日本石炭協会は、六月三日を特別保安日として全国一斉に炭鉱の一日保安点検をするということを打ち出している模様でありますけれども、あなた方も言われますように、日によっていろいろ変わるということであれば、なおさら一日の点検で、それでもって大丈夫というふうに断言できるものではない。こうした点で本当に最大の教訓は何かということで、冒頭にも私強調しましたように、保安規則が本当にしっかり守られているかどうか、ここを監督官庁通産省として責任を持って見届ける、その徹底したひとつ総点検を、これを機会にぜひやってもらうということが必要だと思いますけれども、この点どうでしょう。
#213
○国務大臣(村田敬次郎君) 佐藤委員御指摘のように、昨日有吉日本石炭協会会長が私のところを訪れてこられまして、重大な炭鉱災害が相次いでいることにかんがみて、日本石炭協会として今後次のような対策を講ずるという旨の御報告がありました。その一つは、六月三日を特別保安日とし、全炭鉱一斉に生産作業を停止し、総点検、保安作業及び保安教育を実施をする。二つは、六月に重大災害撲滅基盤確立月間を実施し、従前の災害対策を徹底的に再検討し、重大災害を撲滅するための基盤を確立する。三つは、同月間終了後速やかに技術調査団を全炭鉱に派遣し、月間の成果と今後の対策の実施計画について検討する。四番目は、保安技術職員等の研修の強化を図るといった内容のものでございました。
 私どもといたしましては、各石炭会社が、昨今の極めて深刻な事態に対し、特別保安日の設定など保安確保のために一致して取り組まれることは、自主保安という見地からも大いに評価をしておるところでございます。現在、両政務次官を九州、北海道の炭鉱に派遣をいたしましてその保安状況の調査を行っているところであり、その結果も踏まえ、要すればアドバイス等も行いたいと考えておるところでございます。
#214
○佐藤昭夫君 そこで私、この段階で大臣並びに当局にぜひ要望をしたいと思います。
 この南大夕張では、事故前に鉱山保安監督局が、お話に出ています巡回検査をした結果から改善命令を出していたわけであります。ところが、労働者はどこに対してどういう改善命令が出ていたかということはだれも知らなかった、こういう状況でずっと働き続けてきて、今回のああいう大災害が起こったということでありますけれども、これでは労働者が異常を感じても、異常を発見しても機敏な対応がとれないということで、通産省として改善命令を出したならば、その内容を、繰り込み所といいますか坑口、ここにすべての労働者によく目に見えるように、よくわかるようにそういうものを掲示をして、全労働者に伝わる方策をぜひとってもらいたい。これが、危ないというときに労働者の諸君が機敏に対応するまず前提条件になるんではないかというふうに思うのでありまして、これは既にやった例もありまして、北炭新鉱ではこのことを実施をして大変労働者に喜ばれたと、こういう過去に実例もあるわけであります。こんなことに、張り出すあれにそんなにびっくりするようなお金がかかるわけではありませんね。でありますから、ぜひこのことをまずやってもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
#215
○政府委員(平河喜美男君) 監督指示書につきましては、その内容を保安委員会に通知するとともに、鉱山労働者へも周知徹底するようにという指導をしているところでございます。具体的な方法につきましては、炭鉱やあるいは保安委員会にゆだねらるべき問題だと考えておりますけれども、各炭鉱の労使が協議をいたしまして、なるべく周知徹底するよう今後とも指導してまいりたいと思っております。
#216
○佐藤昭夫君 保安委員会の判断に任せますということじゃなくて、現に北炭新鉱でそういう例があったんですから、それが喜ばれたんですから、そういう経験の上に立って、国としてのそういう積極性を私はぜひお願いをしたいと思いますが、大臣、どうですか。
#217
○国務大臣(村田敬次郎君) 周知徹底を図ってまいる所存でございます。
#218
○佐藤昭夫君 もう一つ要望いたします。同様の見地でありますが、労働者に坑内の保安情報を公開するという問題です。
 例えば、保安日誌を毎日つけておりまして、その結果について注意をすべき点、異常と思われるような点、そういった点をできる限りすべての労働者に知らせるということが大切であります。労働者が、自分が働く場所についてそういう情報をできる限り知っておく方が保安上も重要であると。そして、山は生きており、刻々変化をするわけでありますから、そういった点で通産省として、労働者が坑内に入る前に、保安日誌などにつけておるそういう諸データをできる限り労働者に公開をすると、こういう点でも積極的に検討してもらいたいというふうに思いますが、最後ですから、大臣、どうですか。
#219
○国務大臣(村田敬次郎君) 実は昨日、三菱石炭鉱業の社長また責任者等もおいでになって、いろいろ今回のことについてのお話をして帰られたわけでございますが、私どもは、保安体制というものを、企業家側でも労働組合側でも万全を期してもらいたいということを申し上げました。そしてまた、大夕張の現地を視察いたしました際も、労働組合の代表の方々五名が私のところにおいでになって、このたびの災害について非常に遺憾の意を表されたところでございます。
 経営者の側そしてまた労働組合の側も保安問題は一致して進めてもらわなければならないことでありますから、佐藤委員が今御指摘の点につきましても、今後よく周知徹底をしてまいりたいと存じます。
#220
○佐藤昭夫君 終わります。
#221
○委員長(降矢敬義君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#222
○委員長(降矢敬義君) 速記を起こしてください。
#223
○井上計君 相次いで痛ましい炭鉱事故が起きてまいりまして、先日院から派遣をされまして、二十七日に南大夕張三菱炭鉱の調査に行ってまいりました。現地で感じましたことは、改めて遺族の方々、もう大変お気の毒だと、このような感じに強く打たれたわけてあります。心から御冥福を祈ってまいりましたけれども、ただ単に我々が冥福を祈っただけでこの事故を等閑視するということはもちろんできないわけであります。
 また、先ほど来同僚委員からもいろんな問題等につきまして、かなり原因の究明、今後二度とこのような災害が起きないようにということについていろいろと質疑が行われておりますから、私からもう多くお伺いすることはないわけでありますが、しかし現地を調査してやはり感じますことは、事故の絶無というふうなことについてもっと我々もひとつ参画をしていかなくちゃいかぬ、こんな感じが強くいたしましたので、二、三重複する点はありますけれども、お伺いをいたしたいと思います。
 先ほど来やはりお話に出ておりますけれども、大臣は現地を調査されましていち早く、事故はあったけれども現在の二千万トン体制の石炭政策は維持していくというふうな声明を出しておられました。
 炭鉱事故がありますときに、やはり二千万トン体制の維持というものが果たして必要なのかどうかという論議があるわけてあります。五年前の例の北炭新鉱の事故のときにも、そういう論議が随分とあったわけでありますが、二千万トン体制を維持していくことについて私がとやかく言うことじゃありませんけれども、ただ二千万トン体制という一つの石炭政策の中心を置き、目標値を定めて、いわばエネルギー政策の重要な一環として、国が政策として進めておるわけであります。しかし、実際には千七百万トンそこそこしか採炭されていないということであるわけでありますが、この維持する理由と、千七百万トン程度の採炭しか維持されていないというその理由、そのギャップといいますかね、それらについてどういうふうな原因があるのか、それらをまず最初にお伺いしたい、こう思います。
#224
○政府委員(柴田益男君) 現在石炭政策の基本になっております第七次政策におきましては、確かに二千万トン程度の生産を一つのめどというようなことで掲げてございます。そのときの判断といたしましては、これを策定した当時、五十六年度におきましては千八百万程度を生産しておりました。その千八百万程度の生産というものをベースにしまして、将来需給状態がよくなるとか、あるいは経営効率がよくなる、そういうふうに好転していけば二千万トン体制もできるだろうという判断でございまして、当時つくりました五カ年計画の最終年度の六十一年度、これも当面千八百万トンであって、諸条件が整えば二千万と、そういう形になっております。
 そういうことで、五十六年度当時の生産現状の千八百万トンから出発したわけでございますが、現段階では、これはもう千七百万トンを若干切っているわけでございます。これは御案内のように夕張新鉱の事故がございまして、五十二年から五十四年にかけましての最盛期には百十万トンの生産を夕張新鉱はしてまいりましたが、これが閉山という不幸な事態になりまして、それで現在千七百万トンを若干切るという状態にあるわけでございます。
#225
○井上計君 今長官お答えの中にありましたように、経営効率等の問題からという大きな理由が一つあると、こう私ども感じております。
 それから、夕張新鉱が閉山をされて、なおかつやはり目標値といいますか、めど、目安といいますか、これが変わっていないということが、これは率直に申し上げて私は、できないものを掲げておいて、そこでできるだけそれに近づきなさい、そういう努力をしなさいというふうな政策であることが、もしそうであるなら、私は事故の直接原因とは言いませんけれども、そこに何らかのやはり事故の遠因となる要因が、企業側にそういうふうな感じがあるんではなかろうか、そういう気がするんですね。
 それは今度改めて現地で私自身そういう感じを強くしたのは、会社側からいろいろと事故当時の報告も聞きました。それから労働組合あるいは北海道庁あるいは特に市のいろいろな要望、陳情の中に、原因究明を早くしてくれと、早くすると同時に、早くひとつ作業を再開できるようにしてくれと。なお事故発生場所と違うところ、関係ないところはそれはひとつ作業を直ちに開始できるようにぜひしてくれと、こういうふうな要望が強く出されたわけですね。
 これは政治的な問題とか課題と違うということで同僚委員からも質問があり、お答えがあり、皆さんも了承されたようでありますけれども、そこに私、大変御無礼な察し方か知りませんけれども、事故はある程度やむを得ないんだと、だからそれよりもまず地元としても、あるいは働く人も、まず一日も早く働かなければ困るのだと、地元も経済的に困るのだというふうな、何かそんなお考えがあるんではなかろうかなあという感じが実は私受けたんですね、皆さん方の陳情の中から。それらのものとやはりいわば目標値といいますか、それらのものとの関係があるんではないかなあという感じがしましたので、改めてお伺いをしたということなんです。
 そのようなことでなければ大変幸いですけれども、どこかに事故が起きることは困る、しかしだれだってもちろん事故の起きることを明らかに予想しているわけじゃないでしょうけれども、あれだけの深いところで採炭をしておる。しかも、良質なものを掘ろうとすればガスが多いのは当然。だから、事故が起きても、これはもうある意味では運が悪いんだというふうな、何かどこかにそんなふうな考え方があるではないかなあという、そういう印象を、感じを強く持ったということであります。これは私の感じでありますからお答えを云々ということじゃありません。
 そこで、炭鉱に対する補助金の問題ですけれども、石炭鉱業合理化安定対策費が六十年度においても三百八十七億一千三百万円計上されております。これが坑内骨格構造整備拡充事業費補助金が百三十億八千万、石炭鉱業安定補給交付金が八十六億一千万円、それから鉱山保安確保事業費補助金が約九十億円、その他を含めて合計で三百八十七億一千三百万である。こういう数字をいただいて感じることは、端的に申し上げて、現在石炭産業従事者が約二万人強ですか、そうすると一人当たり百九十万、約二百万円の補助金が実は石炭の合理化安定対策のために支出をされておるということですね。私は、これから感じることは、三百八十億の中で九十億円が保安確保事業費補助金として出ておるということをもう一度考え直しをする。これをもっと増額をしていくこともひとつ考えたらどうであろうかという感じを受けるのですね。
 それは、坑内の骨格構造整備拡充事業補助金にしてもあるいは安定補給交付金にしても、ある意味では、他の産業ではこのような補助金は全くもらっていないわけですね。というのは、企業努力によって全部こういうことをやるわけですから。企業内の問題ですから。しかし、エネルギーの経済安全保障的な見地からしてこういうことが出るのはわかりますけれども、もっとやはり何か企業が完全だと思われるような、もう文字どおり事故の絶滅、万全を期すという対策について、何か先ほど来同僚委員からもお話しがありましたが、なれとかあるいはやむを得ぬとか、あるいはそういうふうな何かそこに緩みがあるというふうな、私はそんな気もしてならないんですけれども、これは長官あるいは局長か、どちらの所管かわかりませんが、何かそんなふうなことを監督官庁としてもお感じになる点はありませんか。
#226
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の中に、無理な生産目標が保安を危うくするのではないかというお考えがおありのようでございますけれども、一般論としてそういうことは十分理解できるところでございますけれども、私どもとしては、今後ともこのような事態を招かないように、保安第一主義という立場に立って監督指導をする以外にないと思っております。
#227
○井上計君 今後このようなことがないように監督指導していただくと同時に、また会社側もそのような対策を十二分に講じ、また改善をしていく、また働く人たちも常に自分たちの命に重大なかかわりのあることということで、作業とあわせて、働く人たちもそういう面に重大な関心を持っていただくことが必要でありますが、それで果たして一〇〇%の安全が確保できるのかどうかということになると、また問題があると思うんですね。
 ただ、現在我々の置かれておる社会環境からいって、一〇〇%身の安全が守れるということはなかなかこれは不可能だと思います。飛行機に乗ってもいつ事故が起きるかわかりません。あるいは万一、こうやって町中を車に乗っておってもこれまたどういう事故が起きるかわかりませんから、一〇〇%ということは不可能ではありますけれども、しかし、一〇〇%の安全を確保するそのための努力を怠ってはいかぬということになりますが、しかし、と考えていくと、先ほど来同僚委員もいろいろと指摘がありましたが、私は何かそこに、いわば企業効率の面から考えてどこかに無理があるというふうなことについては、やはり先ほども申し上げましたけれども、強く感じる点がある。
 その一点は、現地でも実は会社側にちょっとお尋ねをしたんでありますけれども、当日事故発生が、十五時三十五分ごろ圧風が発生して、直ちに十五時四十分から四十三分にかけて退避命令を発動した。それで救護隊が十五時五十分に招集されたということですね。これは非常に速やかな態勢づくりができた、こう思います。
 ところが、関係方面に通報を会社側がしたのは十六時二十分なんですね。そこに三十分の差があるんです。私は会社側にこの三十分の差というのは、これは何ですかと言って伺ったんですが、余り明らかな返事がありませんでした。というのは、従来、一応事故原因をある程度掌握し、ある程度の状況によって実は通報するということでありますから、会社側がちょっとした事故なら通報しないということも従来あったんではないか。その安易さがこういうことになったんではないかというふうに感じましたのでお伺いしたんですが、会社側にこれ以上ああいうふうな場所で、会社側は大変悲痛な状況におられるので、余りそこは突っ込んで聞かなかったんです。
 それらも、まあいわば会社側が保安設備まで完全にしていくことはますます経営効率が悪くなるというふうなところで、何かそんなふうな感じを常に持ち、また先ほどから申し上げているように、やはり目標の出炭量をどうしても出さなくちゃいかぬ。だから、事故が発生したとわかっていても、できるだけ、やはり外部に知らせてそのために作業の中止、停止等々が起きないようにしようというふうな、そんな気があったんではないか、こんな感じがしたわけですね。
 そこで、安全対策等いろいろありますけれども、一つ考えられることは、現在これだけ科学技術が進歩しているにかかわらず、もちろんいろんな探知機等々あるいは坑内の設備、今は十年、二十年前から見ると格段に合理化され、あるいは技術革新が導入されておるようでありますけれども、まだまだ古い、いわば機械設備ではないか、こんな感じがするんです。だから、仮にそのような危険場所等においてはロボットを使うとか、あるいはもっと技術革新を積極的に導入するとかというふうなことが必要であろうし、また可能であろう。ただ問題は、そこに経済的な問題があるということであろうと思いますが、先ほど伺ったように、また申し上げたように、これらの補助費をもっと、そういうふうな事故防止のための、採炭とかいろいろな坑内のそのような設備、いわば保安設備だけでなしに、そのようなやはり機械等の整備あるいは開発等に向けるような、そういうふうなひとつお考えはどうでしょう。
#228
○政府委員(柴田益男君) 保安関係に対する強化のための予算面の御質問でございますが、まず全般的なことを申し上げますと、ここ数年来、石炭対策費全体は減少してきております。御案内のように、千三百億台から、現在千二百億と年々減少しておるんですが、保安対策費は、先ほど立地公害局長の方から話がありましたように、年々増大しておりまして、六十年度では九十億ということで、これは逆に保安対策重視の予算は組んでございます。毎年ふやしてきておるわけでございまして、そのシェアは増大してきているということをまず御報告したいと思います。
 この予算につきましても、企業の自主保安体制ということで、経営と保安については企業が責任を持ってやっていくということではありますけれども、国としてもできる限りこれは支援するということで、補助率も現在七割から八割に達しているものもございます。ほとんど国が予算的にめんどうを見ているということで、あるいはこういうところの頭打ちについてもある程度これを広げるような努力もしております。そういう意味におきまして、新しい保安技術について、保安当局の方でこれはぜひやりたいというようなことであれば、我々も、少ない予算の枠の中ではありますけれども、従来一生懸命めんどう見てまいりましたので、そういう方向で予算の増大ということは十分検討されると思います。
#229
○井上計君 自主的な保安体制の整備、それに対して五分の四ですか、等々補助するというやり方では、私はやはり何か、本当に企業が事故の絶滅を期すために最大限の努力をなかなかしにくいんではないか。企業が悪いとか責任が云々とかということの前に、やはり企業経営からいくと、一面では、できるだけやはり経営効率をよくしたいということがあることは、これはまた企業の経営者としては当然なわけですからね。だから、むしろ保安設備等については監督官庁が、これこれはこのようにやれというふうな、もっともっと強い指導の中でやっていくというふうなことが必要ではないかということと、それからやはり、企業の自主性に任せておいたんでは、経費のかかる、あるいは設備費用のかかるような、さらに進んだ機械化ということはなかなかやらないんではないかな、現在の石炭業界の状況等からしましてね。
 ですから、もっと国がそういう面について積極的な助成と、また積極的な研究開発等々やらなければ、私は、現在の我が国の石炭産業のあり方からして、事故というものはやはりなくならないんではないかという感じが改めて強くしておるということなんですね。だから、特に安全対策等についての補助金のあり方というものをこの際もう一度検討する必要がありはしないであろうか、こんなふうに考えております。
 それともう一つは、東大の外尾教授の「論壇」、先ほど来また同僚委員からもいろいろとこれについて質問があったようでありますが、ここに外尾教授が書いておられますが、保安体制については国の責任として、国がそのような組織をつくったらどうだという論文でありますが、やはり保安と生産とを一緒に企業の責任にしておいたんではなかなか解決しないという感じも私もするわけでありますが、これらについて大臣、長官はどういうふうなお考えでありますか。
 若干時間がありますけれども、以上お伺いをして、私の質問を終わります。
#230
○国務大臣(村田敬次郎君) まず、国の補助金を保安対策にできるだけ使うような企業の指導をしたらどうかということについては、よく御趣旨はわかりますので、それに対応して保安対策にしっかり重点を入れるようにという指導をいたしたいと思います。
 それから、外尾教授の所論でございますが、私は外尾教授が、国が保安対策を見るということを強く言われたというそのお気持ちはよくわかるのであります。しかし、現在の情勢はいわゆる自由主義経済体制であって、私企業が炭鉱経営と同時に保安も行う、私企業の責任においてそれを行うという建前自体は、これは鉱山保安法で認められておることでございまして、やはりその前提の上に立ってやっていってもらいたい、そして国の場合はその監督ということを、特に保安について力を入れて今後強化をしていきたいという考え方自体は今後も継続をしていくべきものであろう、こういうふうに考えております。
 外尾教授の所論については、十分これはお書きになった気持ちというものは、炭鉱災害がこうして続発することについて本当に悲しい思いをしておるわけでございますからよく承知をするのでございますが、保安体制を国が全責任をとれということについては、私はこれは現在の体制のとおり、会社経営者が、保安そしてまた生産、そういったことについて一貫して責任を持ち、国がそれを指導監督するという建前が今後も妥当であろうか、このように考えております。
#231
○井上計君 終わります。
#232
○木本平八郎君 まず最初にお伺いしたいんですけれども、私は国会に来てから、石炭事故というのはこれで三遍目なんですね。それで、過去のことはよくわからないんですけれども、実は去年三井三池の事故があった後で私も調査に行きまして、それでこういう委員会でその問題の検討会が行われたわけですね。そのときと今回と、何か大分雰囲気が違っているという感じがするわけですね。
 それで、私実は先ほどもなにしたんですけれども、去年三井三池の事故があったときに、そこにおられる方ほとんどこのポジションにおられなかったんです、皆総がえになっていると思うんですね。だから、その委員会の雰囲気なんかよくおわかりにならないかもしれないんですけれども、あのときは私の印象は、あの時分は参議院の議事録、エネ特なんかのを見ましても、人災である、それで責任追及と犯人捜しというふうな雰囲気が非常に強かったわけですね。
 ところが、ことしの今回の件は、私はまだほかのを調べていませんけれども、どうもやっぱりこの事故は仕方がないんじゃないかというふうな、先ほど井上委員からもそういう話がありましたけれども、そういうのが現地にもあるし、それから労組にもあるし、それから会社側にはどうかわかりませんけれども、この委員会にもあるような感じがするんですね。それでやはりその辺が、世論もそういうふうに思っている。
 また例え話して恐縮ですけれども、今までは司法試験なら司法試験を受けたのに落っこった、勉強が足らないんだ、努力が足らないんだ、もっとしっかりやれ、おまえ夕べ居眠っていたじゃないか、こうさんざんやられたんですけれども、もう今になってみたら、やっぱり司法試験は無理なんじゃないかというふうな、いわゆるむなしさが出てきているんじゃないかと思うんですけれども、大臣初め通産の方々、衆議院だとかエネ特とかあっちこっちでいろいろ御答弁されていて、その辺の感触をまずお伺いしたいと思うんです。
#233
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は昨年の十一月一日に通産大臣に就任いたしたのでありますが、そのときから、実はこういう災害というものを一番心から心配をしておりまして、それが高島炭鉱、そしてまた今回の夕張の炭鉱事故ということで引き続きました点で、何とも言えない残念な悲しい思いをしておりまして、そういった点では、いかようにしても保安を強化して事故を少なくしていかなければならないという気持ちでいっぱいでございます。
 ただ、実際に災害に対応する関係者の方々の努力というものは、相当ここ二十年、三十年の間に積み重ねられておって、災害率というものは減っておる、これを限りなくゼロに近づかせなければならないということを考えておるわけでございますが、その際、御質問でよくいただきますのは、二千万トン体制をどういうふうに考えるか、それからまた、国の貴重な石炭資源というものをどういうふうに考えるか。そこで、二千万トン体制を縮小していくのかあるいはゼロにするのか、またあるいは現状維持ということで考えていくのかという論点でございまして、こういったことから私が認識をいたしておりますのは、国の貴重な資源である石炭資源というものを引き続いて確保しなければいけない。しかし、保安問題は、今回の事故でも、努力をすればもっともっと小さくて済んだのではないか、あるいは起きなくて済んだのではないかという反省を繰り返しいたしておるのでございまして、木本委員の御質問していただく趣旨はよくわかるのでございますが、そういった気持ちで対応をいたしております。
#234
○木本平八郎君 大臣の立場としてはそういう御答弁になると思いますけれども、ただ、私はやはり世論というか世間の考え方が、この一年半でうんと変わっているという感じがするんで、以下そういうスタンスに立って質問を進めていきたいと思うわけです。
 まず、私の基本的な考え方というのは、これは補助金持別委員会でも質問しまして、大分にやじられもしましたし、それから商工委員会でも申し上げているとおり、やはりもう日本の石炭産業というのはやめるべきじゃないかというのが、私の今も変わらない基本的な考え方なんです。
 しかしながら、例えば雇用問題、現地へ行きますと確かに皆さん必死な目つきですし、それから現地の地元の経済を考えると、そう簡単にやめるというわけにもいかない。しかしただ、これは繰り返しになりますけれども、現在石炭に前向きの補助金として年間三百億使っているわけですね。しかも、これ何遍も繰り返しますように、毎年五十人ずつの人命を犠牲にしてやっている。そこまでの犠牲を払ってこんなに大騒ぎして、まだやっぱり続けなきゃいかぬのかというこの疑問は、相変わらず去らないわけです。しかし、去らないんですけれども、もしも、それでもなおかつ続けなきゃいかぬということになりますと、やはり先ほどから同僚委員がやかましく何回も言っていて、政府の方も大分に御理解はいただいていると思いますけれども、繰り返し申し上げますと、やっぱりここで抜本的に考え直さなきゃいかぬのじゃないか。発想の転換をしてやらないと、従来の延長線上ではもう解決できないんじゃないかと思うんですけれども、その辺まず局長のお考えを承りたいんです。
#235
○政府委員(平河喜美男君) 先生の御指摘ごもっともな点多いんですけれども、私どもやっぱり与えられた職務の範囲内で、なるべく新しい意見も取り入れ、知恵を絞ってまいりたい、かように考えております。
#236
○木本平八郎君 少し不謹慎な質問をしたいんですけれども、このままこれはこの原因調査されて、それなりの対策を講じられると思うんですね。それで、今先ほどの六月の総点検ですか、そういったことが行われて、再スタートになっていくと思うんです。
 しかし、これは仮定の問題ですけれども、もう一度局長にお伺いしたい。今皮肉って聞くわけじゃないですけれども、万一ですよ、万一ことしの秋にもう一遍こういう事故があったら、これ世論はどうなるでしょうね。これは仮定ですから、答えにくい面があればお答えいただかなくても結構なんですけど、いかがでしょう。
#237
○政府委員(平河喜美男君) 大変難しい御質問で、ちょっと今急にお答えするあれがないんですけれども、勘弁していただきたいと思います。
#238
○木本平八郎君 私がかわりに答弁申し上げると、私、今度この秋にやりましたら、もうまず世論はやめてしまえということに必ずなると思うんですよ。これはだから、今までの事態とはちょっと違う、非常に重大なシリアスな事態だということを、これは政府だけじゃなくて、我々もみんなやっぱり認識して、その前提の上に立って対策を考えなきゃいかぬと思うんですね。先ほどから、田代委員だとか各委員がやかましく言っているのは、直感的にみんなそういうことを感じておるわけですよ。したがって、その辺をもう一度私からも繰り返して、ぜひそういうスタンスに立って物を考えていくべきじゃないかということを申し上げたいわけです。
 それで、その次に、またしつこいようなんですけれども、今後とも私は、やっぱり事故は避けられないという前提に立つことが必要なんじゃないかという気がするんですね、非常に乱暴な言い方なんですけれども。これはもう先ほど田代委員がやかましく言われましたように、やはり日本の炭層の条件が非常に悪い、しかも七百メーターから千メーター下を掘っているわけですね。そうすると、どんどんどんどん奥へ入っていく、深く入っていけば、地圧だって温度だってどんどん上がってくるし、ガスの突出、噴出あるいは湧出ですか、それから山はね、落盤、自然発火、坑内火災、それはもう先ほど御答弁あったとおりなんですね。これはもうどんどんどんどんふえることはあっても、自然条件としては絶対に減ることはないわけですね、中へ入っていくと。こういう条件のもとで、なおかつ石炭を掘っていかなきゃいかぬ、一応そういう前提があるわけですね。
 しかし、こうなると、私は先ほど言ったように、もう努力の限界があって、自然との闘いというのはもう勝てないんじゃないか。したがって、むしろ自然に頭を下げて、例えば病気したときに、よく病気と仲良くつき合っていくというふうな言い方をしますね。こういう自然条件ともう仲良くつき合っていくという謙虚な立場にならないと、自然と闘うとか、自然を克服するとか、そういう思い上がった気持ちじゃだめなんじゃないか。もっともっと我々が考えているよりも手ごわいという感じがするわけですね。
 その辺で、非常に皮肉な聞き方をすれば、これはけさほどからもるる覚悟のほどをいろいろと言われて、対策を講じるとおっしゃったけれども、本当に来年この事故が起こらないという確信がおありになるのかどうか、その辺ですね。それと、先、ほどの自然とのつき合い方というふうな点から、高木さんいかがですか、御一緒に現地を視察したんですがね。
#239
○説明員(高木俊毅君) 非常に先生御指摘の点は、私どもも同感するところ多々あるわけでございますけれども、先生御指摘のとおり、また二度とこういう事故を起こせば、石炭産業にとっては重大な岐路であるということ、私ども非常に現在時点におきましても痛切に感じておる次第でございまして、本当に、まことに遺憾な事故が連続して起こったと私どもも反省しておる次第でございます。将来こういうことがないよう、私どもも一体となりまして、ぜひこの災害の撲滅には努力したいと思っております。
 先生御指摘の自然と取り組む、いわゆる立ち向かうというのじゃなくて、一緒に仲良く友達となって、そういう自然を克服していったらどうかということにつきましてでございますけれども、これは、まさにこれからだんだんに石炭産業、深部化、奥部化していくわけでございますので、そういう自然条件の悪化等につきましては、私ども避けられないと思っておりますので、これらにつきましては研究開発等、あるいは現在の技術の改善等を行いながら対応を考えていくような行政をさしていただきたいと思っております。
#240
○木本平八郎君 自然とのつき合い方については、私の意見を後で申し上げたいと思うんですけれども。
 それで、先ほど来、要するに基本だとか教訓が生かされていないということがるる言われて、現実にこういう事故が起こるということは、それが生かされていないことは確かなんですね。ところが、通産省というのはすばらしい教師であるかもしれないけれども、私は今までのを見ていても、先生として相当徹底的に教育をなさっていたし、指示もなさっていた。ところが、生徒にも限界があるし、それから、やっぱり人間ですから、ほっと居眠りするときもあれば、ほっと気が抜けるときもあるんで、そういうことで、前提として、すべての人間のシステムというのはそういうふうに組まなきゃいけないんじゃないか。それを神様のように、あるいは機械のように、そういうことではちょっとやはり限界があるんじゃないか。
 先ほどもありましたけれども、坑内員のなれがあると、これは会社側の指導方針にもいろいろ悪いところがあると思うんですけれども、人間ですから、やっぱりなれも出てくるだろうし、今のガスの状況ならすぐおさまるよというふうな安心感もあるでしょうしね。こういうことが一つの前提としてやらざるを得ないじゃないか。
 これについては、先般商工委員会で、私は、これは神の脚本であるという言い方をしたわけですね。先ほどのように、こういう事故というのはもう不可避だということを、やっぱりこの際前提にせざるを得ないんじゃないか。先ほど井上委員から、現地でも、事故は仕方ないから、すぐ原因調査をやって、すぐ再開さしてくれというふうな雰囲気を感じられたと、私も同じように感じたわけですね。
 そこで、前の商工委員会で言ったことの繰り返しになりますけれども、私は、やっぱり神の脚本であって、その脚本の中に、年間五十人のいけにえを出せと言われていたら、これはやっぱり我々が役者になった場合、その脚本に基づいて芝居をするかどうか、これしかないんです。私は、芝居をすべきじゃない、もうこの芝居はやめた方がいい。こんな脚本じゃ、とってもじゃないが、芝居をして五十人の犠牲を今後とも出すべきじゃないというのが私の意見なんですけれども、しかしながら、どうしても芝居をやらなければいかぬということになれば、やはりそれなりの、それを前提にして、先ほど申し上げましたように、自然とつき合うというか、病気とつき合うというか、そういう考え方をそこに原点を戻してやるべきじゃないか。
 例えば、私は、これは後でもう一度申し上げますけれども、一つの考え方は、先ほど六十二人も犠牲者を出したと、年間五十人もの命を犠牲にしてという、「も」がついているわけですね。私は、むしろ五十人しか犠牲になっていない、六十二名で済んだというふうな考え方も必要なんじゃないかと思うんですね。けさほどもありましたように、かつては年間千人ぐらいの死亡者が出ていたわけですね、炭鉱の事業というのは。そのときの従業員が、先ほど二十三万とおっしゃったですかね、今二万三千人ですか、十分の一ですね。千人に対して十分の一なら百人でしょう。それが五十人ということは、やっぱりそれだけ事故率が減っているわけですね。これは相当労使、官民の努力と協力、研究の結果だと思うんですよ。世界のなにから見ても、これだけの悪い炭鉱の事情でありながら、これだけの犠牲で済んているということは、むしろ誇るべきじゃないかと思うんですけれどもね。
 こういう乱暴な考え方というのは余り世間では通用しないかもしれないけれども、どうもこういう事故が起こると、五十人も死んだと、「も」がついて、わっと新聞やなんかで騒ぎ立てられる。そうすると、いかにも――確かにそれだけの犠牲を出したというのは大変なことなんですけれども、大殺人鬼みたいな言われ方をする。そうなると、みんながどんどん、関係者がびびっちゃうわけですね。そこに一つの発想の転換の必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その辺いかがでしょう。
#241
○国務大臣(村田敬次郎君) 発想の転換という点で、ある意味では大局的な意見を提示されたわけでございます。
 事実、五百メーター、千メーターの深部で石炭を掘り、そしてまた、はるかに労働条件のいい外国炭と比較してみますと、値差が広がる一方である、そしてとうとい人命を犠牲にしておる。こういう日本の石炭企業の現状というのは、働く職場としては本当に厳し過ぎますし、それからまた、採算の上から言っても外国炭と競争ができるわけがない。そういうことについては、私も労働の効率とか、あるいは経済性とかいう問題から根本的に考えなければならない点があると思っております。ただしかし、現在日本の石炭企業の置かれておる立場や地元の事情やまた国内エネルギーの貴重さということを考えれば、私が繰り返して御答弁申し上げておるような現実的な対応にならざるを得ない、こういうことかと思います。
#242
○木本平八郎君 それで、私また同じことを繰り返しになるんですけれども、やはりこの際当事者の自決権というか、自決を尊重するという方向に変わらなきゃいけないんじゃないかという気がするわけです。
 それで、前にも申し上げましたように、こういう事故を一番怖がっているのは坑内に入っていく坑内夫の人たちであり、それから一番これで困るのはやっぱり会社なんです。あの人たちは一番事故を恐れているわけです。そういうことについて、先ほどセンサーをつけている位置が低いじゃないかというふうなこともあって、これは会社側が、余り鋭敏にそういう濃度に対する反応が出てくると困るから、少し低いところへつけているということはあると思うんですけれども、毎日毎日そこを通っている坑内夫の人たちは、あれでいいのかということを考えているはずだし、あるいはそれでいけなければ彼らがやっぱり問題にしなきゃいかぬと思うんです。それをおかしいなと思いながら、あれは会社のやっていることだからというのですっと素通りしているというのじゃ困るんで、彼らがやっぱり自分の命の問題だというふうに考えてもらわなきゃいけないのじゃないかという感じがするわけです。
 実は今度現地へ行きまして、労働組合だとか地元の陳情を聞いたわけですけれども、実は結論から申し上げて、私今まで石炭産業はやめるべきだ、やめた方がいいと思っていたんですけど、ちょっと心変わりしたのは、あの陳情の態度を聞いていて、いやこれは軽々にやめろなんということを言っちゃいかぬなと。もう一度これは我々も真剣になって考えなきゃいかぬなと思って、実は非常に心変わりしたわけです。
 それで私、一つは、先ほどからも事故の調査を急げということを、非常に皆さんの陳情もあるし、委員の方からもそういう意見があるんですけれども、やはり現場で聞いてみますと、あのままだと非常に自然発火の危険性がある、自然発火したら水没さして廃鉱にしてしまわなきゃしようがないということなんです。そういう危険性があるんなら、今後続けていくということであれば、これはいつごろどういうふうに自然発火するか私全然知りませんけれども、専門家の皆さんおられるわけだから、その危険性があればまずそれを救うというふうなことがないと、のんびりのんびりとは言いませんけれども、警察の事故調査だとかそういうものに時間がかかって発火したということになると、これはやっぱり取り返しがつかないという感じがするわけです。その辺高木さん、御一緒してどういうふうにごらんになっていますか。
#243
○説明員(高木俊毅君) 先生に御心配いただいて非常に私どももありがたいと思っております。ただ、本件の場合、原因が非常に難解でございますので、調査には若干手間取っていることは先生御指摘のとおりでございます。ただし、今先生御指摘のように、炭鉱というのは自然条件が非常に厳しいゆえに、ほうっておきますと先生御指摘のようなそういう事故がまた再発する可能性も含んでいるわけでございまして、特に私どもとして一番危惧いたしますのは、当該炭鉱におきましては自然発火というのが一番怖いわけでございます。したがいまして、これの対応につきましてはやはり労使一体、並びに監督局もそれには協力すべき立場にあろうかと私も思っておりますし、現地におきましてもそのような対応をしていると私確信いたしております。
#244
○木本平八郎君 それで、繰り返して申し上げますけれども、通産当局、行政当局が少し突っぱなして、彼らに自主的にやらして、これで自分たちで大丈夫だということになれば彼らに炭鉱に入らせるというぐらいの、少し勇気を持って対処していただく必要があるんじゃないか。余り干渉し過ぎて、通産省の顔色ばっかり見て、それでその要求をパスすることばっかり考えて、それでパスしたら、ああやれやれよかったな、おい一杯やろうかなんということになっちゃったらもうだめだと思うんですね。そういうことがないようにぜひやっていただきたい。
 それから、今度も非常に感じたんですけれども、何か労組も会社も、それから地元も、下手なことをやったら山をつぶされるという必死な気持ちがあるんです。去年の三井三池のときは余りそれを感じなかったんですよ。ただ、後で私が個人で現地調査へ行って切り羽まで行きましたとき、向こうで労組の人が実はというんで話してくれたのは、兄貴がこの事故で死んだ、そしたらその弟が大阪から帰ってきて、すぐ会社へ願書を出して、兄貴のかわりに採用してくれということを言ってきたというんです。結果的には、それで何かおじさんもその炭鉱で死んでいるらしいんです、昭和三十八年ですか。ところがやっぱり彼らに何か山の血が流れているというか、山が好きだと、事故であるいはまた自分も死ぬかもしれぬ、しかしそれでもいいからやってくれと言うんですね。そういう山の気質みたいなものが相当あるんでしょうね。
 したがって、私はこれはやはり石炭産業をやめるとなれば、彼らをいかに納得させるかというのが一番問題じゃないかという気がしたわけです。したがって、その辺を考えてなんですけれども、ただ、けさほどからいろいろ各委員から意見が出ていますように、もう普通のやり方ではやっぱりだめなんじゃないかということで、今までの政府の対応を見ていますと、国会で追及されるから何とか逃げなければいかぬ、時間もぎりぎりまで、うまいことさっとこう言って、それからとにかく世間から余り非難されないようにそこそこの施策をやって、形をまず整えて再開するというふうなことがどうも先に立っちゃったんじゃないか。むしろ私は通産省はやるだけのことをやっているんだということで開き直るということも必要なんじゃないか。おれはこういう信念に基づいてやっているんだということが必要なんじゃないか。そうでないと何回も何回も同じことをずっと繰り返していくという感じがするわけです。
 しかも、私は今度の非常に問題なのは、今三十万トンぐらい在庫があるようなんです。これを年間生産量百万トンだとすると約四カ月分ぐらいあるわけです。しかも、製鉄会社が今もう不況で、昔は製鉄会社が石炭産業ぐらいおれが全部面倒見てやるといって抱えていたんですけれども、もうとてもじゃないが見られないということを斎藤会長なんかがおっしゃっているんです。電力会社の方はまだ余裕があるから、一般炭の方はまだ抱えられると思いますけれども、もう粘結炭の方は非常に厳しいんじゃないか。したがって、これは炭鉱をうまく再開しても、やはり会社自身がおかしくなってきたらまたいや応なしに閉山ということにならざるを得ないというふうな、非常に厳しいところへ追い込められているというふうな感じがするわけです。
 したがって、私はこの今回の対策としては、具体的にはきょうはちょっと時間がないんで、六日にやりますけれども、保安とそれから採炭の採算というか、効率、コストダウンとか、そういったものも、やはりこっちに金をかければどうしてもそれはコストがかかっちゃうとか、非常にトレードオフの厳しい状況にあると思うんです。その辺で一体どういうふうにすればいいのかという点が厳しいわけです。
 それで、私、いろいろアイデアというか、提案みたいなものを用意しているんですが、きょうはちょっと時間がないものですから、ただ、ひとつこういう条件のもとに御指導いただきたい、再建策を御指導をいただきたいという要望をして、御所見があれば大臣の御所見を伺って、私の質問を終わります。
#245
○国務大臣(村田敬次郎君) 石炭産業全般について、また今回の災害について、非常にパラドキシカルな立場からの御提案をいただいたかと思います。おっしゃるような先生の立場も、いろいろ他の先生方からも個々にはいただいておりまして、今後いろいろそういった先生の御提案等も頭に入れながら対応いたしてまいりたいと思いますが、政府自体の立場は、現在述べておりますように第七次石炭政策の振興、そして第八次には新しい立場で、ひとつフレッシュな気持ちで対応してまいりたい、こういう考え方でございます。
#246
○委員長(降矢敬義君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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