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1984/06/06 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第19号
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1984/06/06 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第19号

#1
第102回国会 商工委員会 第19号
昭和六十年六月六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     高木健太郎君     伏見 康治君
     佐藤 昭夫君     市川 正一君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     佐藤栄佐久君     志村 哲良君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     志村 哲良君     佐藤栄佐久君
     伏見 康治君     高桑 栄松君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         降矢 敬義君
    理 事
                斎藤栄三郎君
                前田 勲男君
                梶原 敬義君
                市川 正一君
    委 員
                石井 一二君
                岩本 政光君
                佐藤栄佐久君
                鈴木 省吾君
                松尾 官平君
                松岡満寿男君
                対馬 孝且君
                福間 知之君
                田代富士男君
                高桑 栄松君
                井上  計君
                木本平八郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   村田敬次郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       金子 一平君
   政府委員
       経済企画庁調整
       局審議官     丸茂 明則君
       通商産業大臣官
       房審議官     矢橋 有彦君
       通商産業省通商
       政策局次長    鈴木 直道君
       通商産業省立地
       公害局長     平河喜美男君
       資源エネルギー
       庁長官      柴田 益男君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        逢坂 国一君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    高橋 達直君
       中小企業庁長官  石井 賢吾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       通商産業大臣官
       房参事官     高木 俊毅君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (炭鉱災害に関する件)
 (貿易摩擦に関する件)
 (内需拡大に関する件)
 (地場産業に関する件)
 (レアメタルに関する件)
 (原子力発電所に関する件)
 (大規模小売店舗に関する件)
 (石炭対策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 市川正一君が一時委員を異動されたことに伴い、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に市川正一君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(降矢敬義君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○対馬孝且君 先般、二十七日の日に、商工委員会といたしまして大夕張炭鉱の現地状況視察をいたしてまいりました。私も、商工委員の一員としまして現地へ行っておりますので、まず、大夕張災害を中心にしまして、今後の石炭政策の基本的な第八次答申に臨む政府の考え方を、問題提起をしながら、結論を出せるような方向で進めてまいりたい、こう思います。
 まず、きのうも私は、エネルギー対策特別委員会で政府の見解をただしていますが、なお重複をしますけれども、一応経過を申し上げます。これは商工委員会としての任務を負って行っておりますし、同僚委員も現地へ行かれておりますので。
 実は私は、六月三日、大夕張炭鉱の坑内に入坑いたしまして、坑口から四千六百メーター、連坑道八片の最奥部まで入坑いたしてまいりました。現場で、この目でやっぱり確かめることが重要でありますので。現場の状況は非常に荒れておりましたが、状況報告を申し上げながら、問題点をただしてまいりたい、こう思うわけであります。
 問題は、当初、現場へ行った時点でも私が指摘をいたしておきましたが、この災害はガス突出ではない、したがってガス爆発である、こういうことを前提にいたしまして、立花札幌鉱山保安監督局長に対しまして、私が問題点として入坑する前に指摘をいたしましたのは、一つは八片連坑道の密閉箇所が二カ所ございまして、この密閉坑道がやっぱり発火源ではないかということを私なりに判断をいたしました。
 それはどういう理由かと申しますと、今までの災害発生をずっと見てまいりますと、高島の場合もそうでありますけれども、あれはやっぱり仮密閉、本密閉の坑道から一定のガスが流出をして、それが何かの火源で着火をして爆発した。これは高島の例はほぼ断定していいと私は思います。それから、前の北海道の幾つかの炭鉱災害をずっと見てまいりまして、そのケースがかなりあるわけであります。なぜかといいますと、やっぱり採炭現場の近くにあるということと、それから、入気、排気の関係によっては、どうしても密閉の坑道というのはガスが滞留しやすい条件に置かれている、こういう状況判断をいたしまして、第一はやっぱり密閉によるガスの流出によって爆発したのではないか。この説を札幌保安監督局長に申し上げました。これに対して保安監督局長は、一つの考え方としては、我々もその点を問題点として実はとらえていると、そういうことを中心に調査しているということを申しておりました。
 第二は、これから申し上げることでございますが、つまり七片、八片の採炭の現場の出戸というのでありますが、まあ出口でありますが、三目抜きあるいは四目抜きのあたりに、ちょうど十二座、十三座というガスボーリング座がございまして、そのボーリング座が、やっぱり問題点として考えられることは、これがちょうど採炭現場の入り口ですから、目抜きのちょうど入り口にあるわけでございまして、これが非常に問題点だなと思いましたのは、一つは、あの周辺で亡くなっている方々の遺体の損傷が、非常に熱焼的な損傷になっているということが第一であります。
 それからもう一つは、御案内のとおり、この辺は鉄枠で覆っているわけでありますが、この鉄枠への粉じんの吹きつけが、ちょうど十二座、十三座のボーリング座の方向に向けて粉じんがぱっと吹きつけて、今でもコンクリートのように固まっているのが、私が入坑した現段階でも、それがきちっと、実は異常な粉じんの鉄枠に付着している状況が残っています。ただし十二座、十三座の方向に向けて全部吹きつけておりまして、それは逆から見ると一つもないわけです。そこらあたりが、やっぱりちょうどボーリング座のすぐ上に向かって粉じんが爆発をしてずっと吹きつけていっている。見てまいりましたが、大体鉄枠の六合目あたりまでずっと、ほとんど吹きつけでコンクリート状態になって固まっている、こういう状況でございました。これが第二の実は理由でございます。
 したがって、あの状況から見てまいりますと、やっぱり総合的判断としまして、八片連坑道の十二ないし十三座というのが一つの災害の発火場所であるということを、私なりに判断をいたしたわけであります。
 したがって、この問題につきましても、現地でちょうどこれを裏づけるものがございまして、私は、人車で坑口からずっと千メーター入っていきまして、そこで下りて、また切りかえて下りて、千六百メーター入っていきます。そしてまた千メーター八片に向けて入っていく。それからまた私、徒歩で千メーター現場をずっと歩いてみましたが、そういうところから見まして、池本というさお取り員のお話を聞きますと、当時新聞にも出ておりましたが、やっぱりかなりの炭じんがぐっと下から舞い上がってきた、そのときに衝動を感じておるということを池本というさお取り員が言っているわけであります。
 したがって、その点を裏づけますと、大体合いますね。一つは、遺体が熱焼的な状況にあった。それから、さっき言った、ちょうどボーリング座の前からの鉄枠に異常な粉じんが吹きつけている。それから池本さお取り員の証言。
 それからもう一つは、十二座、十三座からガスを抜いているわけであります。十六日現在までの総量でございますけれども、これ資料を持っておると思いますが、これを見ますと、きのうも確認しましたが、十二座でガスボーリングは四十四本打っておりまして、十六日現在では、端数を捨てますと、五十一万七千立米、十三座が二十二万五千立米。それで一孔当たり、一本の穴当たりを見ますと〇・〇五、〇・〇二と、異常なガスを実は抜いているわけです。これは間違ってもらうと困るので、引いているということは炭鉱用語で、一般論で言うとガスを抜いているということでございますから、それだけガス量が多く十二座、十三座に滞留しておったということを裏づける資料になるわけでありまして、そういう点から言いますと、大体今言った四つの条件が、この資料を総合的に見まして、やっぱりこれが八片連坑道区域が発火場所である。
 その中でも、密閉説と、もう一つの今言ったガスボーリング座の問題、発火場所ということ、二つを選定してみますと、やっぱり入ってみてわかったのは、密閉箇所はないと、まあ、ないと断定はできませんけれども、ほぼないというのがわかったのは、ちょうど入気の入り口でございまして、入気の入り口に密閉箇所がございまして、やっぱり通気が非常にうまく回転をしている。だから吸い込まれるような感じでありまして、その意味からいくと、むしろ中に吸い込まれても、ガスが出てくるという状況はなかなかない、この密閉箇所を見た場合には。そういう判断を私はいたしました。だから、ウエートとしてはむしろ第二説の十二座、十三座のガスボーリング座、何かの衝動によってそれが爆発をしたと、こういう判断は非常にやっぱり考えられる。この点に重点を置いて、私は一つの考え方を今実は絞っているわけであります。
 それは何かと申しますと、それじゃ何で爆発したかと、衝動なりそういうものが一体あったのか、なかったのかというあたりが、これは大事なところでございまして、それがなければこれやっぱり裏打ちになりませんから。そこで問題になるのが、私持っております資料を見ますと、南大夕張炭鉱が実はAE器を設置をしていますが、これは端的に申しますと、略称音響測定器とこう言っているんですが、単に音だけをキャッチするんじゃなくて、震動ですね、つまり地震と同じように震動をキャッチをする、そういう二つの役割を持った器械でございますが、AE器とこう言っているわけでございます。
 実は五十四年にも山鳴りがあって、炭車がひっくり返っているんですね。これは札幌監督局もそれを認めておりますし、会社側もこれを認めています。だから、五十四年に炭車がひっくり返るような山鳴り現象があったということは事実でございます。それをこうずっと分析をいたしてまいりますと、今持っております資料によりますと、ちょうど十二日から実はAE測定器のカウントの状況がずっと細かく出されているわけです。五月十二日現在から十七日までこれずっと測定されているんでありますが、ほぼ大体三十カウントぐらい、一番多かったのは五月十四日にこれ七十ぐらいまでカウントがいっているんです。これがやっぱり一つの予告であったかどうかという見方はありますけれども、これは十四日には七十ぐらいのカウントが、実は数字が出されている。
 そこで問題は、この災害の当日五月十七日です。これは百三十七まで行っているんですよ。通常大体三十前後でずっと推移しているのが、この十七日の災害の三時三十四分のAE器の測定器に入ったあれによりますと、百三十七カウントまで実は上がったわけです。ここにこれございますから。(資料を示す)したがって、これが先ほど言った第十二座、十三座あたりのボーリング座の衝動があって、衝動があったことにおいてこの現象が起きたのではないかということが裏打ちをされることになるわけです。
 ただ、それが現場の実態なんですが、池本さんは三十四分から――時計を見たわけじゃないけれども、池本さんは、実は下から粉じんが舞い上がって、そして彼は無線で連絡しておるんですね。それが二、三分たったという彼の判断、時計見たわけじゃないですから。それで坑外の方に無線でもって通報しているわけです。この時間帯が同時刻であるのか、同時にこれが行ったものか。いわゆる爆発によってそういうAE器が測定したか、カウントが示されたか、あるいは前かという問題がもちろんありますけれども、この時間帯からいうと二、三分はあったと、こう言うんだね、池本さんに聞くと。あなた、どのぐらいの感じかと、もっとも時計を見たわけじゃないですから。対応するのに敏感にやったことは、経験者ですから敏感にやったようですが、やっぱり三、四分はかかっているんじゃないかということを言っておりました。
 しかし、災害は三十五分と、こうなっているわけですから、その差一分ということになるわけでありますけれども、そこらあたりがこれ問題点として実は考えられるところである。したがって、今までのこの音響測定器、AE器のあれを見ますと、これは通常のカウントのやっぱり十分の一秒間で一定の測量が出てくるようになっているんですね、これ見ますと。震動回数をあらわす単位がずっと出ているんでありますが、周波数、サイクルを見ますと、一分間で一般の地震の衝動の場合
は二十サイクルだそうですよ。ところが、炭鉱の山鳴りの通常というのは、一般でも三百サイクルぐらい周波が入ってきている。三百というのは大体通常のあれであるというのが、この測定器の数字から見ましてそうなっております。
 そこで、ちょうど十七日の三時三十四分の、さっき言った百三十七をカウントしたときのサイクルというのは八百を超えているわけですよ。これがやっぱり一つの衝動、衝撃になって、先ほど私申しました十二座、十三座の一定のガス量が出たのではないか。それが何かの火源で着火して爆発をした、こういう想定が実は立つんじゃないか。その前、もちろんガスボーリング座ですから、吸引ホースが入ってガス抜いているわけですから、その場合のめくらふたといってガス管のふたがあるわけですけれども、私が行ったら、黄色いビニールの、ナイロン系の糸でもって縛っておりましたけれども、そこらあたりから、吸引ホースのめくらふたが抜けてメタンガスが押し出した、こういう状況が一つ考えられるのではないか。こういう判断を私なりに、今までの炭鉱災害幾つか経験をしてみまして、大体これが一つの有力なこれからの原因調査の問題点として、重点的に調査をすべきである、こういう判断に実は立っているわけであります。
 したがって、それじゃ一体火源が何であったかということも、きのうも立地公害局長とのやりとり、高木参事官ともやりとりしましたが、現地、現場を見まして、やっぱり電気系統がかなりここへ入っております。高圧線も入っているし、それからケーブルも入っておりますし、それから電気の関係は随分ここにありますけれども、電気ポンプ、電気局扇、ベルトコンベヤー、電動のHCあるいは高圧線、それから乾式の変圧器なども、これ全部入っているわけです。しかし、常識的に言って、裸火であったかどうかということはちょっと考えられないんじゃないか。裸火って御案内のとおりでありまして、キャップランプであるとか、いろいろなことを考えられるわけでありますけれども、恐らく裸火ということは考えられない。自然発火でもない。これはそのとおりですね、突出でないですから、自然発火もしてない。
 そうすると絞られる点は、ちょうど私が先ほど申しました図面があるんでありますが、(資料を示す)この前に、ちょうど四目抜き、三目抜きのこの入り口に十二座、十三座というガス抜きボーリング座があるんでありますが、ここに電気系統で入っているものは、電気ポンプが六カ所入っているんですね。局部扇風機がこれでいきますと、二カ所、ここに実はあるわけであります。ちょうどガス抜きボーリング座の手前のところであります。そうすると、大体火源として考えられるとすれば、やっぱり電気局扇あるいは電気ポンプ等、この現場の位置から考えまして大体それが想定される。
 そこで、問題としては、これに対して特に問題なのは、静電気が一つはやっぱり考えられる、摩擦を生じて火が生ずるということがありますから。したがって実は私なりに火源として考えられるのは、ケーブルのスパークあるいは電気機器の異常、局部扇風機、今言った局扇、扇風機の場合、静電気、迷走電流、こういうものが一つの火源として考えられることである、大体こういう結論を実は私なりに、もちろんこれは方向性として結論づけたわけでありますが、この点ひとつきのうもやりとりしておりますから、私は商工委員会として調査に行っておりますので、きょうはこの点をひとつ当委員会に対する義務としてこれをきちっと整理をしなきゃならぬと思いますので、この点まず整理して言いますと、一つは発火場所がやっぱり八片連坑道であるというふうに私は第一考えます。
 第二は、二説をとってまいりましたが、密閉説と、それから先ほど申しましたようなガスボーリング座、ここらあたりが重要な災害原因ではないか。つまりそれは山鳴り、衝動によって、衝撃による何らかの影響があってガス爆発に至った、こういう考え方を、後者の方に実は絞って考えているところでありまして、この点を再確認の意味ですが、政府側としてどう認識をされ、これからどういう点に重点を絞って調査を進めようとしているのか、この点を第二としてお聞かせ願いたい。
 それから第三の問題としては、これははっきりしておきますけれども、いわゆる火源としてどういう問題点が考えられるのか。この三点を一応確認したい、こう思いますが、お伺いしたいと思います。
#6
○政府委員(平河喜美男君) いろいろ先生から御指摘いただきましたけれども、私どもの方で現在調査している段階を概略申し上げます。
 事故調査委員会スタートいたしまして、直ちに先月の二十一、二十三日に現地調査を実施しておりまして、その後三十一日にまた一部委員が入坑して、現場の入坑調査を行っております。これに加えまして、今週末にはまた現場入坑調査及び検討会の開催等を予定しておりまして、精力的に取り組んでいるところでございます。
 現在までの調査の結果によりますと、爆心地としましては、先ほど先生のお話にもございましたように、八片連坑道に着目して、その細部を現在詰めておるところでございます。
 ガス源につきましては、各種の要因が考えられますけれども、先ほどお話のございました八片連坑道北側の密閉跡につきましては、その辺のガスの圧力の調査等々を行っておりまして、現在の段階では比較的ガスが出た可能性は少ないというふうに考えております。その他の密閉箇所あるいはガス抜きボーリング座、抜い跡等ガス源を特定するには至っておりませんけれども、ガス抜きボーリング座跡につきましても今精密に調査をしているところでございます。
 なお、着火源につきましては、御指摘の電気工作物、静電気、金属摩擦火花等いろいろございますけれども、まだ特定しておりません。ただ、今後電気工作物につきましては、局扇ケーブル、エアファン、いろいろございます。こういうものと静電気に関します各種ビニール製品等を坑外に上げまして、これらの精密なる調査及び各種試験等を行うということにしております。
 今いろいろ先生から御指摘をいただいておりますので、これらも参考にいたしまして鋭意今後の原因究明に取り組む所存でございます。
#7
○対馬孝且君 その点はきのうも確認しておりますから、そこをひとつ重要な点として、今後の調査をそこに力点を置いてもらいたい、こう考えますが、いかがでしょうか。
#8
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の点も踏まえ、十分検討してまいりたいと思っております。
#9
○対馬孝且君 そこで、先ほど私、山鳴り現象の実態を挙げましたが、この点についての見解を、どういうふうにお考えになっておるか、お伺いします。
#10
○政府委員(平河喜美男君) AE計が大体事故の時刻等に異常な数値を示していることは私どもも承知しております。
#11
○対馬孝且君 異常な数字、状況を示していることは認めているということは、おおむねこの数字は間違いないということですね、このデータは大体。いわゆる百三十七ぐらい行っているということ、これは間違いないですか。
#12
○政府委員(平河喜美男君) そのとおりでございます。数値等は先生の御指摘のとおりだと承知しております。今その解析を急いでいるところでございます。
#13
○対馬孝且君 そこが問題なんで、やっぱりこれを裏づけるものとしてこれが出てきているわけですから、この点はひとつ重点に絞ってもらいたいという意味で先ほども申し上げたわけであります。
 そこで問題は、きのうもエネルギー委員会でありましたから、ちょっとお伺いするんでありますが、政府の考え方を聞いておきたいんですが、いわゆる通気の遮断があったという指摘がありましたね。これは政府としてそういう掌握をされているのかどうか、きのう答弁はこれを否定をされているんでありますけれども、この点はどういう実
態だということをちょっとこの機会に伺っておきたい。
#14
○説明員(高木俊毅君) 先生の御指摘の点はいわゆる三片、三部区域内、三卸区域内と一卸区域内の中間にございます通気戸門のことを指しておられるんじゃないかと思いますけれども、この事実につきましては会社側は当調査団が参りました際にその戸門を閉めた旨の説明は行っております。
 それから、現在そういうこの戸門を閉めたことについての調査等は私どもも調査しておりますけれども、これを閉めたことに伴う効果につきましては、現在調査中でございますけれども、会社側の説明等を総合いたしますと、おおむね当時の判断としては正しかったものではないかというふうに考えております。
#15
○対馬孝且君 きのうその考え方については今のお答えどおり政府は否定されているわけですが、否定した答弁になっているわけですが、私も炭鉱経験をしておって、これは一般論ですけれども、大夕張の実態はどうだったかは別にして、二次災害を起こしてはならぬというのはこれは常識でしょう、救護隊が入るわけですから。そうすると、今回の災害を現場へ行って見ましたのは、六片ちょっとおりる戸門が三つ飛ばされている、私も見てきましたから。あの戸門のいわゆる下がったところで一応消火をして、きのうも高木参事官が勇気を持ってよく消火に当たってもらったということを言っていますね、全くそのとおりだと思う。だから結局あの時点でやっぱり消火を、どういうふうに拡大させないか、むしろ一刻も早く消滅をさせるという任務が、私は炭鉱管理者としては当然考えなきゃならぬところだと思うんです、私の判断としてね。
 そうだとすれば、問題点は何かというと、やっぱり次に確認することは通気でしょう。通気の入気、排気の関係がどうなっているかということを確認しなければならぬので、その場合二次災害を起こしてはならないから、救護隊も入る、現場に素面で入る場合もある。救護隊だって何もガス防毒面だけつけているわけじゃないんですから、場合によってはある程度測定が安定してくれば、これは素面で入らなければならぬ。こういう場合は当然逆流する場合も多いわけですよ。現に幌内炭鉱のときも、ガスの通気を逆流しまして、そして食いとめたという例があるわけでありまして、それがそのままの状態だったとして、もし遮断をしなければ、むしろ逆に私は第二次災害を起こしたんじゃないか。つまり第二次、第三次で入っていった者が、またこの前の五十四年に三菱大夕張でやったように、救護隊が入っていって、あのとき十一名亡くなったわけでしょう。
 だから私は恐らくそういう対応が、会社側としてはそういう管理体制のもとに、通気をかえるための逆流をするという場合がありますね、これやっぱり。それは先ほど言ったように、目的はあくまでも二次災害を起こさない、前に起こしていますから。そういうことでもって一時通気を遮断をして、通気の逆流を入れかえるということは、一般論だけれども、これは当然炭鉱としてはやらなければならぬことであって、その点がきのう局長も高木参事官も、そういう会社側の考え方をどういうわけでこうなっているか、否定をされているんでありますが、私も炭鉱マンですから、素人じゃないんで、坑内まで行って見ているわけですから。だからそういう現象というのは、むしろ第二次災害を発生させないための処置として、まず消火をして火を食いとめる、火を食いとめたらやっぱり通気をどういうふうに確保していくか、通気を確保しなければこれは第二次災害起きるわけですから、そういう対応の判断としてなされたものではないか。
 これは私大夕張の火事は、その時点で消えたかどうかは聞いたわけじゃありませんからわかりませんが、一般論的には、今までの山の災害状況から言うならば、幌内炭鉱の場合でも、それから夕張新鉱の場合でも、第二次災害だけは絶対に起こしてはならないと。その場合の通気は、坑内でもってどう通気体制が管理できるか、ここに重点を絞るというのは保安管理者の仕事でもありまして、責任もあると思うんですよ。一般論ですけれども、こういう認識について政府はどういうふうにお考えになっているのか。私はそういう考え方を持っているんです。
#16
○政府委員(平河喜美男君) 今の御指摘の点についてでございますが、これまでの会社側からの説明を前提といたしますと、現場復旧や救護のための手順につきましては、現段階において特に問題はないというふうに考えております。
 なお、これらのタイミングの適否等につきましては、当時の坑内状況、消火活動の状況等、詳細に把握しないと判断できない面もあるかと思いますので、今後十分調査をしてまいりたいと思っております。
#17
○対馬孝且君 私もそうだと思うんですよ。今の私が言ったようなことが、炭鉱の管理者であればそういう対応を当然とられるべきものだという、今も局長からもありましたし、きのうもありましたけれども、私は、そういう意味では、一般論的に言うと、やっぱりこの問題についてはちょっと考えられないことだなということを率直に申し上げておきたいと思います。これは今も御答弁がございましたから……。
 そこで問題点は、これからの事後処理を一体どうしていくかということを、きのうも大臣にも局長にも申し上げているわけでありますが、現場の状況というのは、私が行ってみて、私が入ったときには、きのうも申し上げましたけれども、風管の取りかえであるとかあるいは消火施設の取りかえ、機械の移動、管理、こういうものはやっておりました。当然保安要員もふやしてやっているようであります。私は、これからの対応としては、きのうもちょっと時間がなくて省略しましたけれども、通気の関係と坑道維持、この関係に相当数の保安要員を出してやった方がいいんじゃないか、そうしないと――僕が行った段階では、ちょうどきょう、実は保安監督局から確認をされましたということで、保安要員をふやしたと、それはさっき言ったことですね。風管の取りかえであるとか、あるいは消火設備の取りかえあるいは確認、あるいは機械の移動その他の取り分け作業ということもかなりやっておりました。
 だから、これから以降は、私はむしろ通気、今も言ったように、どういう通気体制でこの山を管理していくかということで一番当面重要な段階だし、坑道維持が重要な段階なんですから、通気通行に最重点を置いた保安要員の増員、保安体制というものをとった方がいいんではないか、こういう考え方を持っているんですが、この点ひとつ政府側の考え方をぜひこの機会に聞いておきたいと思います。
#18
○政府委員(平河喜美男君) 坑内を長期間放置しておきますと、保安上の問題が生ずるおそれがあるというのはよく承知しております。
 それで、災害発生箇所につきましても、実況見分の実施に支障が生じない範囲で必要な保安作業を認めております。それから、災害発生箇所の本格的な保安作業の実施につきましては、会社側から具体的な計画を聞きましてこれを十分チェックし、特に災害原因にかかわる可能性のある機器の保存等を前提にした上で判断することとしておりますけれども、とりあえず、一卸八片払い関係、電気設備の復旧等保安対策に必要なものにつきましては、既に六月三日に実施する旨了承しているところでございます。
#19
○対馬孝且君 今後の進め方、一定の方向というか……。
#20
○政府委員(平河喜美男君) 今後につきましても、保安作業につきましては必要な範囲におきまして随時認めてまいる所存であります。
#21
○対馬孝且君 そこで、きのうも申し上げましたように、今もあったように、このままでいくと自然発火するおそれもあるし、あるいは崩落状況も出てくるというふうなこともございますので段階論ということを私今申し上げました。
 まず今一番大事なことは、何回も申し上げますように、現地はとにかく人心が動揺しておりまし
て、保安要員でない者は一日も早く稼がしてくれと言うし、それからまた、夕張新鉱の隣ですから、また夕張新鉱の二の舞にもあるいはなるんではないか、やがて閉山になりはしないかというような懸念、こういうこともありまして、夕張市長を先頭に、また自治体また商工会議所その他からのかなり強い要請が来ておることも事実です。実は、きのうも私のところにも来ておりますし、あす、また現地から上がってくるということも受けています。
 いずれにしましても、そういう状況ですけれども、大事なことは、災害の原因の一日も早い方向性を政府としては出すことが基本的前提ですから、その上に立って、生産というよりも保安再開をむしろ確保していくべきである、そういうふうに考えておりますので、段階的に、保安を確かめながらそして再開をしていく。いずれ、一番早いところは上部だと思いますけれども、幸い、上部の場合は、御案内のとおり通気が独立をした体制になっておりますので、これを機械的に扱うわけには現にいきませんから、十分点検をして、段階的にそういう方向にいくべきものであると。こういう考え方について、いま一度政府側の考え方を確認しておきたいと思います。
#22
○政府委員(平河喜美男君) 上部の問題につきましては、御指摘のとおり通気はほぼ独立していることも事実でございます。そういうことも考えながら、保安を確保しつつ原因究明等を考え、またその対策を考えながら再開のことも考えてまいりたいと思っております。
#23
○対馬孝且君 ぜひひとつそういう方向で、保安を大前提にした山の管理体制の確立を進めてもらいたいというふうに考えます。
 ここで大臣に、それらを総合的に含めて見解をお聞かせ願いたいと思います。
#24
○国務大臣(村田敬次郎君) 南大夕張炭鉱の再開の問題でございますが、早期再開についての地元の要望につきましては私がよく承知をいたしております。しかしながら、現時点では、今回の災害の原因すら具体的に云々できる段階ではなく、生産再開の見通しを今述べることは困難と存じます。
 私どもといたしましては、本日対馬委員からいろいろと御指摘をいただきましたが、こうした対馬委員の御意見を参考としながら原因究明に鋭意取り組むとともに、生産再開に至る間の坑内の保安確保にも遺漏なきよう十分配慮してまいりたいと存じます。
#25
○対馬孝且君 今大臣のお答えどおり、ぜひそういう基本姿勢で対応してもらいたいということを申し上げておきます。
 それで、今後の対策なんでありますが、きのうも申し上げておりますので、時間もあと二十分足らずよりありませんからあれですが、一つは、何といっても保安上の問題を最優先をさせるということで、きのうも申しましたように、現場の試験炭鉱というものを、当委員会で私は三年来しゃべり続けてきているんでありますが、一番理想的なことを申し上げれば、この前も申し上げましたけれども、一つの、閉山した炭鉱を再開せよということはなかなか難しいけれども、今幸いにして既存炭鉱があるわけですから、当面それを、例えば空知炭鉱、三井上砂川炭鉱というようなものを1カ所指定しまして、そこを試験炭鉱として位置づけると。
 それに、何といっても大事なことは、山はねですよ。炭鉱災害というのは、大臣一番大事なことなんです。山はねというのはこれはどうやっても救いようがない。これを通称不可抗力と、こう言っているわけです。山はね、それからガス突出、それから自然発火、これはもちろん対応の仕方もあるんだけれども、基本的にはなかなかこの対応というのは難しいわけでありましてね。
 一番今何が問題かといいますと、大体、幌内で今千百メートル入ってしまったんですよ。千百ということはどういうことかというと、まず温度が非常に高まる、そうすると、温度が高まるということと並列してガスが非常に発生しやすい条件になるということですよ。それから、深くなることによってガス抜きが非常に難しくなってくるということです。問題はそこなんですよ。だから、そういう奥部、深部化に対応していくためにどうしたらいいかというためには、今幾つか私挙げましたが、山はねあるいは自然発火、ガス突出、もちろん落盤あるいは運搬事故、発破事故、そういうのがありますよ。ありますが、やっぱりこういうものはある程度二度と繰り返さないためにと、言葉ではみんな言うんだけれども、それを裏打ちするための体制は一体どうあるべきなのか、ここが大事なんだ。
 そこで、きのう申し上げましたように、幸い炭鉱技術センターがあるわけですから、技研でひとついま一歩――これは僕も聞いてみたけれども、今やるにしてもなかなか予算が伴わないと言うのですよ、正直に申し上げて。本来私は独立せいという考え方なんです、基本的に。西ドイツの方では独立していますからね、はっきり申し上げて。国が独立をして、もちろん日本も保安機構というのは独立はしているけれども、それと違って、権限を持って、警察のように全く権限を発動することができるという独立権限を持ってドイツの場合やっているわけですよ。本来ならばその姿に変えるべきだ。これは後ほど八次政策でぼくは提言しようと思っていますけれどもね。当面今それ言っても間に合わないんだから、あしたからの災害を食いとめなきゃならぬわけですから、とりあえず炭鉱技術センターを拡大強化をして、今私が挙げたこういう災害と思われる原因についての試験を強化拡大をすべきであるということが急務だ、当面問題として。中長期は改めて申しません。
 第二は、やっぱり各現場に、各山ごとの試験切り羽、試験現場というものを位置づけて、それに保安補助金なり坑内骨格構造補助金というものを裏づけて、そして保安上の防備をしてやる。今ちょうど上砂川の水力採炭をやっているでしょう。それからやっぱり問題はホーベル採炭でしょう、今の南大夕張では。あとは日本は大体自走枠になっているんですよね、これ御存じのとおり。
 もう一つ技術関係で申し上げなければならぬことは、ロボット化という問題出ているんですよ。炭鉱のロボット化、採炭現場だけロボット化したらどうか。これは私は流れ作業であって、そこはとてもじゃないけれども、こんなことをしたら災害をますますふやすだけですよ。ロボットにすることを悪いと言っているんじゃなくて、いわゆる一般に言う産業用ロボットではなくて、例えば自走枠だとか自動機だとか、こういうものは結構やっていいんだけれども、それは産業用ロボットのようなものを採炭場にぶち込んだって、これは応用動作が必要なんだから、例えば今回の場合だってそうでしょう。たまたま池本という人車の運転手が、ぱっと発作的に、その途端にやっぱり勘が働いて、直ちに無線で通報したという、こういうことがロボットじゃできないんですよ、これは正直言って。
 炭鉱というのは切り離しているわけではないんだから、採炭と掘進、あるいは仕繰りあるいは運搬坑道とつないでいるわけですから、だから何か端的にすぐロボット化して、産業用ロボットみたいにやって対応できるみたいなことを言うけれども、そういうことにはならぬわけであって、最大限やるとすれば、今言ったように現在使われている自走枠なりあるいは自動操作というものはどういうときに可能なのか、こういう技術研究はこれから大いにしていくべきものである、こう思っておりますので、ここらあたりぜひひとつ含めて検討をしてもらいたい。
 それから二つ目は、さっき言ったように、試験切り羽、試験現場に一定の保安上の措置を講ずるべきではないか、この二つをひとつお伺いしておきたいと思います。
#26
○政府委員(平河喜美男君) 最近の石炭鉱山におきます深部化、奥部化に伴いまして、いろいろ難しい技術開発が必要になっておることは我々も重々承知しておりまして、これを最重点にやっているところでございます。
 特に、先生御指摘いただきましたように、ガス突出あるいは山はね、あるいは自然発火といったような重大災害につながるような、こういうものの防止技術の開発が最も重要ではなかろうかと思っております。特にこういう技術開発につきましては現場の適用開発研究が大変である、大事であるということはよくわかっておりまして、操業中の炭鉱現場を活用しながらガス突出対策、応力解放技術総合実証試験、あるいは先ほども御指摘ございましたけれども、AE地震計によりますガス突出、山はねの予知技術の開発、小型携帯用酸素マスクの開発等を実施しておるところでございます。実際の実施の方法としましては、石炭技術研究所を中心にしまして、関係機関の有機的連携のもとに総力を挙げて実用化を図っているところでございます。
 今後ともこういうものの拡充強化あるいは新しい技術開発につきまして一層の、技術開発のための予算を含めまして拡充強化を考えていきたいと思っております。
#27
○対馬孝且君 今、今後の保安対策強化という問題で立地公害局長から答えがございましたが、大臣、今の答弁を踏まえて、大臣として保安対策強化体制のために全力を挙げてもらいたい、こう思いますが、大臣の一言をひとつ。
#28
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員の炭鉱視察をいただいて、そして具体的な御指摘をいろいろいただいたわけでございまして、非常に専門的なすぐれた御高見を拝聴いたしました。
 保安問題は一番大切でございます。しかも日本の炭鉱労働というのは最も苦しい労働でありますし、そして労働条件としては非常に悪い条件の中で働いていただくわけでありますから、ひとつぜひ保安問題を万全を期して対応をしていかなければならないということを、この際決意を新たにするわけでございまして、御指摘の点も十分参考としながら進ましていただきたいと思います。
#29
○対馬孝且君 ぜひそういう決意で、また決意だけでなくて裏打ちある政策を、実効ある措置をひとつぜひとってもらいたい、これを強く申し上げます。
 そこで、きのうも今後の石炭政策の基本認識について、それから対応についての大臣の臨む姿勢を問いただしました。あくまでも第八次政策は第七次政策の二千万トン体制ということを基本に、柱にいたしまして、特に国内炭の確保、それから地域社会を守ること、そして雇用を確保することということを基本に据えて、八次政策に取り組んでまいりたいという力強い大臣の基本姿勢がございました。この点はそのとおり確認してよろしゅうございますか。
#30
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員御指摘のとおりでございます。
#31
○対馬孝且君 そこで、これから私は石炭鉱業審議会で第八次答申する段取りに実は入っていくと思います。そこで、どういう検討がまず、初歩的なことなのだけれども、八月ころから検討会が開催されるわけでありますが、もちろん石炭部長を中心に事務局がなると思うのでありますけれども、この入り方なのですね、大事なことは。入り方の考え方をちょっとこの機会にひとつ明らかにしておきたいのでありますけれども、つまりいつも大蔵省とか素人が言うのは、石炭というのはこれだけ災害起こしてこんな危険なことはやめた方がいいじゃないか、しかも石炭特別会計千二百六十億があるのだから、そんな税金のむだ遣いやめた方がいいじゃないか、安い石炭で、海外炭でやった方がいいじゃないかというようなことが出るわけですよ。
 そこで八次政策の場合大事なことは、この入り方なのですよ、私がちょっと政府に聞きたいことは。つまり今ある、私が知っておる限りでは、石炭合理化臨時措置法がありますね、今現行法では、石炭八次政策に関連する法案としては。これは六十二年三月で失効するわけですよ。これ間違いであれば指摘してもらいたいと思うのですけれども、私も法案に参加した一人ですから。それから鉱害法が六十七年の七月三十一日でこれは期限が切れる。産炭地振興法が六十六年十一月で切れる。これは第八次政策に極めて関係のある法律でございます、これは間違いであれば指摘してもらいたい、こう思いますが。
 そこで、恐らくこの八月ころから石炭鉱業審議会事務局が発足をして委員会構成されると思います。その場合の入り方としてお伺いしておきたいことは、つまり基本的に従来のパターンで入っていくのか、あるいは従来のパターンを基本的に総洗いをしてみる、白紙に返して基本的に充実していくという姿勢に立つのか、ここが非常に大事なところなんですよ。具体的に申し上げなければならぬと思いますが、時間もありませんから。
 いわゆる現在の石炭特別会計、いつもしばしば私も言うことでございますけれども、実際千二百六十億といったって、これは柴田エネルギー庁長官も鋭意努力していただいてこの予算を確保、石炭予算も確保していただいてはいますけれども、実際の千二百六十億の前向きに使えるものというのは、パーセンテージで言うと、ことしは三〇・七五%でありますよ。石炭政策として、前向きに本当に石炭開発に使えるものは三〇・七五%であります。昨年は、石炭合理化安定費は三一・五%です、私の調べによると。ことしは三〇・七五%。鉱害費は、昨年は四〇%、ことしは四〇・八四%。それから産炭地域振興費が六・六一%、去年ですよ、ことしは六・五九%。これは通産省関係。それから、労働省は御案内のとおり、緊急就労、開発就労というのがございまして、これは炭鉱閉山のときに一応炭鉱労働者をどういうふうに雇用開発をしていくかということでできたのが緊急就労、開発就労でございます。これは去年は一四・一六%、ことしは一四・二六%とこうなっておるわけです。あとは国債整理基金で予備費を含めて大体一〇〇%と、こういう組み立てになっていますね。
 そこで、これを見ると、この間も言ったんですけど、よく僕は大蔵省に言うんだ。毎年度私は予算折衝に行っておりますから、主計局次長に当たるときに言うんだけれども、石炭予算が千二百六十億というとえらい大変なあれだなあと言うんだけれども、実際中身を分析してみると――私がなぜこれを聞くかというと、入り方が問題だと言うのはそこを言っているんですよ。もう既定の事実として鉱害費が四〇%でしょう、産炭地振興費が六・五九、あるいはさっき言った労働省の関係の緊急、開発就労が一四・二と、こうなってくるともう限られてるわけですよね、これははっきり申し上げると。そういう八次政策でいったんではまた同じことを繰り返すのではないか。
 率直に申し上げると、私は言葉は悪いんだけれども、南高北低だと、いつも北海道の産炭地振興の知事さん方が、自治体が言うんだよ、南が高くて北が低いと。そういうことになるわけで、鉱害費なんてびた一文北海道に扱われてないんですよ。今、実際に鉱害あるんですよ。夕張のあの平和鉱の跡地、今はズリ山になってあそこは川が流れておって、もし二百ミリ以上の雨が降った場合にこれは鉱害になりますよ。言うんだけれどもなかなかそれ適用にならぬ、はっきり申し上げて。これだって問題なんだよ。
 ところが、現実には九州に五百億、四〇%以上も鉱害費として使われておるんだよ。こういう問題になってくると、実際に石炭前向き予算というのは一体何なんだと。九州に比べて北海道が悪いという、私はそんなことを言っているんじゃない。石炭を前向きに使うためには、どういうふうにあり方を絞っていくべきなのかということを考えると、大蔵ベースなり一般の人は、千二百六十億もなどと言うけれども、実際に石炭に使えるものは五百億足らずなんだよ。五百億そこそこじゃないでしょうか。北海道的に物を言うならば、石炭の開発のために使っておる金というのは五百億足らずですよ。私は、そのパターンで七次から延長して八次政策にいくという考え方に立つとするならば基本的に変わらないんじゃないか。同じ第七次政策のただ延長という形だけより残らないんじゃないか。そこらあたりを、いやそうでないん
だ、この際抜本的に石炭政策を見直すんだから、あえて私が法律を出したというのはそういう意味で言っているんですよ。
 こういう一切の現行の石炭合理化臨時措置法、それから鉱害法あるいは産炭地振興法全体を、もちろん法律はあるが、この際第八次政策を組み立てる基本としては、入り口に入る基本姿勢としては、ここらあたりで一回全体的に見直してみる。総洗い方式でもって、基本姿勢でひとつ臨む、こういう姿勢に立つのか立たないのか、これはやっぱり聞いておかないと、ここが大事なところなんですよ。ただ、今言ったように、そういうものが従来パターンで予算措置がいくというのであれば、何も大したことやりようがないんで、五百億の中身をどうやっていじくるかだけの話であって、それこそ画期的な政策にはなりませんよ。これだけはまずお伺いしておきたいと思います、どうですか。
#32
○国務大臣(村田敬次郎君) 第八次石炭政策につきましては、もちろん基本的な立場から根本的に突っ込んだ検討をする、こういう考え方でございます。
 内外炭価格差の拡大を初めとした近年の国内炭をめぐる情勢の変化、こういったものを踏まえた上で、先ほど来御議論に出ておりました保安の確保というのを大前提としながら、国内炭の石油代替エネルギーとしての重要性、地域経済に占める石炭産業の役割、雇用の確保などにも留意をしながら、今後の石炭政策のあり方について突っ込んだ検討が行われることとなると思います。もちろん、これから諮問をし、答申をいただくわけでありますから、現時点におきましては、その方向は未定でございます。
#33
○対馬孝且君 大臣の考え方は一応わかりました。
 それじゃ、今総洗いをしてみるというふうに理解していいですか。むしろこの機会に、私が今出しましたこの特別会計をも含めて会計全体も総洗いをして、これから石炭政策の充実をしていく、八次政策を立てるんだと、こう理解していいですか。
#34
○政府委員(柴田益男君) この八月ごろから一応予想されます第八次政策の検討におきましては、ただいま対馬先生の御指摘のような予算のあり方、財源問題も含めましてやはり検討の対象にはなろうかと予想しております。
#35
○対馬孝且君 今、柴田長官並びに大臣からございましたので、そういう視点に立たないと一般の国民にも誤解を招く、はっきり申し上げて。実際問題として、前向き予算というのは全くさっき言ったように総体予算の四〇%弱ですから、そういう問題はぜひ国民にはっきり示していかないと――やっていることが悪いと言っているんじゃないんですよ、私言っているのは。そのことは政策上必要なんだけれども、会計の立て方を一回見直してみる必要があるんではないか。
 私は、いまだに記憶しておるんですけれども、第七次政策のときに、会議録にあると思いますが、この緊就、開就の場合も、本来特別会計で見ていくということは問題があるんじゃないか、炭鉱にまつわったことであるということだけれども。そうでなくて、労働省一般予算として、一遍に切りかえることはなかなかできないでしょう、今のようなマイナスシーリング予算やっておるわけですから、よくわかるので。当面やっぱり十カ年なり五カ年計画を立てて、徐々に緊就、開就というものは労働省予算に移していく。そうしたら、その分だけ石炭に前向きに使えるわけですよ。そうでしょう、これは素人でもわかることだ。だから何も一遍にぼくはやれと言っているんじゃないんですよ。やっぱりそういう計画を、五カ年計画でも立てながら労働省予算に移していくとか、鉱害問題だって精査していけばいろいろあるでしょう。
 こういうこと言いたくないけれども、現に、一昨年九州で、我々の血税を鉱害という名のもとに、暴力団まがいのあれだけのことをやって新聞ざたになったでしょう。その原因は何であるか。これは私は今後の改善対策は必要だとは思うんだけれども、イコールではないと思うけれども、これだって、やっぱり鉱害対策という一般論でなしに、鉱害の中の、私、物を言わしてもらえば、これやっぱり完全な産炭地振興にまつわることでしょう、はっきり申し上げまして。産炭地に直結し、産炭地を原因とする鉱害対策。ある程度言うならば一般公害ですね。一般というのは、別な面で見る公害との区別があっていいんじゃないか。私の感想ですよ。
 ただ、やっている政策がだめなんじゃなくて、やり方の手法について、特別会計、政府の会計なんだから、いま一度会計全体の中でやっぱり検討してみるということが必要ではないか、こういう意味で言っているわけでありまして、そこは誤解のないようにしてもらいたいんですが、柴田長官からも明快なお答えがございましたから、大臣もひとつそういう考えでやってもらいたい。
 時間が参りましたので、あと一つだけ申し上げておきますが、何回もこれまで言っておりますけれども、この機会に基本的なやっぱりボーリング調査をぜひやってもらいたい。やるということで、今、年次計画を立ててやっていますけれども、はっきり言いまして北海道というのはこれからの開発の町ですよ。こんなこと言っては失礼だけれども、全国の総面積の二二%が北海道ですから、あと開発地として残されたのは北海道だと私は自負しているわけですよ。そうすれば、これからの新鉱開発、これは現行炭鉱を持続するというだけじゃなくて、新鉱やるとしたらもう決まっているんです、釧路西部。今宗谷炭田というのは、鉱区所有は三井、三菱ですけれども、約二億トンの埋蔵量があるんですから、こういうものをやっぱりどういうふうに開発をしていくか。もちろん二十一世紀に向けて火力発電所を中心にどうしていくかと、こういう問題もあるので、日本全体の炭量調査というものをきちっとやるべきだと思うんですよ。
 ところが、何回も言うけれども、ソフレミン調査団以来、日本が本格的に、日本の炭量は通称で、通産省は十億トンとこう言うんだ。これは理論炭量ですよ。理論炭量と可採炭量違いますからね。理論炭量というのは、あくまでも地層の分布を調べてみて、大体層別にずっといって、私も炭鉱マンですから、それを見て大体理論的に言ったら十億トンあると。それからいろいろなものをずっと割り引いてみて、実際可能な可採炭量というのは何ぼかということになると、大きくこれまた変わってきます。
 したがって、私はいつも口酸っぱくなるほどここで叫んでいるわけですが、幸い三年ぐらい前だね、ボーリング調査を始めたのが。三年前から、地層調査の一部としてボーリング調査を開始しました。それは多とするんですけれども、もっとこれ、年限をひとつ切って、五カ年なら五カ年計画で、あるいは三カ年計画で、日本全体の炭鉱の地質調査を全部完了するというぐらいのことをやって、それで二十一世紀の国内炭の位置はどうあるべきなのか、埋蔵量はこれだけある、これに向けてどういう開発をすることがいいのか、どういう採炭の炭鉱開発をすることが正しいのか、またそれが可能性があるのかないのか、こういう問題を含めてやるために、私はこの炭鉱の基本調査、地質基本調査をぜひひとつ促進をして、現在やっていますけれども、促進をするとともにある程度めどを立ててもらいたい。これを特に申し上げておきたいと思います。
 この点、政府側、あればひとつお聞かせを願いたい。
#36
○政府委員(高橋達直君) 御指摘のボーリング調査につきましては、八次の石炭政策の検討の対象になるものと私ども承知しております。
#37
○対馬孝且君 大臣、今私の話を聞いておわかりだと思いますけれども、ぜひ八次政策の一つの重要な位置づけとしてこの点を考えてもらいたい。そのことを申し上げておきます。
 大臣から一言答弁をいただいて、終わりたいと思います。
#38
○国務大臣(村田敬次郎君) 第八次石炭政策を立案するのに当たっての基本的な心構えについての御意見でございまして、もちろん全般的に検討するという立場で進めてまいりたいと思います。
#39
○対馬孝且君 今答えがございましたから、いずれこれ八次政策の段階の以前に、また委員会でひとつ篤と私も八次政策に臨むに際しての政策提言を出して政府に求めたいと思いますので、全般にわたる八次政策の問題点を別の機会に政府側に提案したいと思います。
 これでもって終わります。
#40
○委員長(降矢敬義君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#41
○委員長(降矢敬義君) じゃ、速記を起こしてください。
#42
○梶原敬義君 経済企画庁にお尋ねいたしますが、五十九年度の我が国の経済成長率、実質経済成長率でいいんですが、もうわかったと思うんですが、幾らでしょうか。
#43
○政府委員(丸茂明則君) 五十九年度につきましては、まだ一―三月の数字、最終段階でございますけれども、目下集計中でございますのでまだわかりません。わかっておりますのは昨年十―十二月までの数字でございます。近くわかるわけでございますが、昨年、暦年の成長率は前年に対しまして五・八%でございました。五十九年度の政府の見通しによります実績見込みは、御案内のように五・三%でございます。
 したがいまして、機械的に計算をいたしますと、十―十二月と横ばいでも、五・三%はある程度上回ることになりますが、最近の景気市況等を見まして現在集計中でございますので、実績が果たしてどのくらいになるかということは、申しわけございませんが、現在の段階ではまだわかっておりません。
#44
○梶原敬義君 きょうは六月の六日ですよ。三月からもう二カ月過ぎていますよ、二カ月と六日。この見通しも五・三ぐらいだろうというこの五・三というのは、たしか去年の十月ごろ修正した数字なんですね。そのころ五・三あたりの見込みが立って、今正確な数字は出ないにしても、大体見通しが五・三なのかあるいは五・三を少し多く超えるのか、非常に限りなく五・三に近いのか、そんなことぐらいはわかるでしょう。もう何回も言っておるんですが、この点はどうも経済企画庁に対して不信感になってきましたね、いかがですか。
#45
○政府委員(丸茂明則君) 先ほど申し上げました五十九年度五・三%という実績見込みの数字は、昨年十二月に計算をいたしたものでございますが、確かに御指摘のように、もう現在六月になっているので、いまだに一―三月がわからないのはおかしいではないかという御批判はごもっともでございますけれども、統計作成上の技術的な問題でございますので、間もなくわかりますけれども、現在のところ正確に何%ということは申し上げられないわけでございます。
#46
○梶原敬義君 間もなくというのはいつですか。
#47
○政府委員(丸茂明則君) まだはっきり決まっておりませんが、今月の二十日ぐらいまでにはまとまると思います。
#48
○梶原敬義君 そうしますと、大体五・三が五・五とか五・八に近づくとか、五・三に非常に近い、こういう感触も全然わかりませんか。
#49
○政府委員(丸茂明則君) 繰り返して恐縮でございますが、統計でございますので出てみないとわからない面がございますが、いろいろな状況を考えますと、ある程度上回る可能性が強いというふうに考えております。
#50
○梶原敬義君 じゃその辺で次に移りましょう。
 内需と外需の見方ですが、政府が当初こういうことでいこうという数字がありましたね。それから比較しますと、どういうことになるんですか、見通しとしては。
#51
○政府委員(丸茂明則君) ほぼ現在の政府の実績見込みでは、五・三%の中で、外需が一・三ポイントぐらい、内需が四ポイントというふうに見込んでおります。これが五・三を若干上回る場合に、内需の方が上回るのか、外需の方が上回るのかという点は現在のところよくわかりません。と申しますのは、通関統計等で見ますと、ことし一―三月は輸出がかなり前期に比べますと減少をしておりますので、そういう点を考えますと、具体的な数字がどうなるかという点はちょっとまだ判断しかねるところでございます。
#52
○梶原敬義君 どうも理解できませんね。もう少し見通しではっきり言えるんじゃないですか。これは対米貿易摩擦の関係があって、余り早く言うべきじゃないという思惑が走っているんではないかという感じをしております。答弁要りませんが。
 次にお尋ねしますが、五十九年度の対米貿易黒字は、最終的にはどのくらいになるんですか。
#53
○政府委員(丸茂明則君) 五十九年度の対米貿易黒字は通関統計でございますが、三百三十八億ドルでございます。
#54
○梶原敬義君 三百六十とか七十とか、こう言っておりましたが、それとは、ずっと減ってきたということですか。
#55
○政府委員(丸茂明則君) 三百六十あるいは七十という数字は、日米貿易の収支でございますが、アメリカ側の統計でございまして、それも今三百六十八億ドルというのが五十九暦年のアメリカ側の統計でございます。
 御参考までに、暦年の我が国の通関統計によります対米貿易黒字は三百三十一億ドルでございます。これはアメリカ側と日本側で計上時点が違うということや、FOB、CIFとの関係等もございまして、数字は必ずしも一致しないのが従来から続いております。
#56
○梶原敬義君 そうすると、見通しとすれば三百三十八億ドル、約四百億ドルぐらい恐らく五十九年度は対米貿易黒字はなるだろう、そういう見通しでいいんですか。
#57
○政府委員(丸茂明則君) 五十九年度は、三百三十八億ドルが日本の統計で見ました実績でございます。
#58
○梶原敬義君 それでは、六十年度の見通しは大体どういうように立っておりますか。
#59
○政府委員(丸茂明則君) 私ども経済見通しをつくりますときに、国別あるいは地域別、商品別等の積み上げ的に詳しくやっておりませんので、政府の見通しで何億ドルということは作成しておりません。
 ただ、最近の状況を見ますと、先ほどもちょっと申し上げましたとおりに、輸出がやや鈍化といいますか、四半期で見ますと多少減っているというふうなこともございまして、五十九年度の実績は今申し上げましたように三百三十八億ドルでございますが、最近数カ月の対米収支の黒字を見ますと、一―三月で八十億ドルを切っておりまして、単純に四倍いたしますと、それをやや下回っておりますという状況でございます。
#60
○梶原敬義君 次に、今の我が国の経済動向ですね、景気動向、この辺について一体どうなっているのか、また先行き見通しはどうなるのか、簡単に御説明をお願いいたします。
#61
○政府委員(丸茂明則君) 最近の経済の動向でございますが、先ほど申しましたように、輸出は昨年の秋ごろからほぼ横ばいぎみでございまして、一―三月には多少の減少をいたしました。ただ、これはやや一時的な要因が多いと思われますので、今後減り続けるというふうなことは考えておりません。恐らく緩やかに拡大するのではないか。四月の数字を見ますと、一カ月だけでございますが、ややふえております。この輸出の面を反映いたしまして、鉱工業生産指数も一―三月はやや伸び悩みとなりましたが、これも一時的というふうに考えております。需要別に見ますと、民間設備投資は昨年実質で一一%の高い伸びをいたしまして、今年度も相当の伸びが期待されるところでございます。
 それから、個人消費につきましては、昨年は必ずしも活発な伸びを見せなかったわけでございますが、今年に入りましてから百貨店売り上げあるいは日銀券の発行増発率等から見ますと、やや伸
びが高まっているのではないだろうかというふうに考えております。したがいまして、経済全体あるいは景気全体といたしましては拡大傾向が持続をしているというふうに判断をしております。
#62
○梶原敬義君 そこで、対米貿易摩擦の関係ですが、これから緩やかにまた輸出も拡大をしていく、こういうことのようで、一方アメリカではなかなか景気が厳しくなってきている。これは、このままいくとさらに貿易摩擦が厳しくなってきて対日感情やなんかもまた厳しくなるのではないか、こういう見通しに立つわけですが、その点はいかがでしょうか。
#63
○政府委員(丸茂明則君) 御指摘のとおり、アメリカの景気の拡大テンポというものが昨年の秋ぐらいからかなり顕著に鈍化をいたしまして、特にことしの一―三月の成長率は年率で〇・七%と、非常に低いものになったわけでございますが、私どもこの〇・七という数字が最近のアメリカの実勢であるというふうには考えておりません。最終需要の動向等を見ますと、アメリカの経済も今年は緩やかながら拡大を続けていくというふうに考えております。しかしながら、同時に日米間の問題というのは、大幅なアメリカの経常収支の赤字あるいは日米間の貿易の不均衡ということから、依然として厳しい状態が続くというふうに考えざるを得ないと思っております。
#64
○梶原敬義君 アメリカの八五年の第一・四半期の実質成長率が〇・七、年率に直しまして。私、野村週報を持っておりますけれども、これはその中の記事ですが、速報値によりますと、年率一・三という数字が出ておるんですが、これは〇・七の方が正しいんですか。
#65
○政府委員(丸茂明則君) アメリカのGNP、国民所得統計は大変早く発表されます。これは先ほど、私どもは六月になっても三月の数字がわからないのかというおしかりを受けましたけれども、そういう意味ではアメリカは非常に早うございます。非常に早いかわりに非常に頻繁に改定をいたします。一・三%という数字は約一カ月前に出した数字でございまして、先月の二十日ごろに修正しました数字が〇・七%でございます。
#66
○梶原敬義君 そこで、アメリカの景気も緩やかに回復するだろうということでありますが、しかし我々が肌に感じているのは、そう簡単に貿易摩擦はなかなか解消できないだろうと見ておるんですが、政府といたしましては、中曽根総理大臣が本部長になってやっておりますが、期限も切られておるようでありますし、いろいろと努力をしておるようでありますが、どういうようにこれからやろうとしているのか、その点について大臣あるいは通産大臣の方から説明をお願いしたいと思います。
#67
○政府委員(丸茂明則君) 御指摘のように、厳しい情勢が続いておりますので、私どもといたしましては、政府といたしましては、先般四月の十九日に中曽根総理を長といたしまして政府・与党対外経済対策推進本部を設けまして、七月中にアクションプログラム、行動計画の骨格をつくるということで、その中で関税の問題あるいは基準・認証の問題、輸入制限の問題、金融の自由化の問題等々の分野につきまして、関係省庁、二十二省庁だったと記憶いたしますが、現在七月中の骨格作成に向かって鋭意努力をしているところでございます。
#68
○梶原敬義君 そこで、最近中曽根総理大臣が、これは新聞ですが、なかなか具体的に進まぬので大分頭にきてハッパをかけたと、こういうようなニュアンスの記事もどこかで見たんですが、私はこの前予算委員会へちょっと行って質問しましたが、例えば紙で言いますと、段ボール原紙とかあるいはライナーなんというものは非常に不況業種でありまして、これの関税引き下げとかあるいは合板企業、これも非常に厳しいんです。
 私は、更生会社になったのが地元にありまして、今再建途上で労使一生懸命頑張っておるんですけれども、なかなか今厳しいということを毎日訴えられておるんですが、非常に地域経済やあるいは雇用の面からも――それだけではないんですが、農家の皆さんからはとにかく政府が農畜産物のさらに輸入枠の拡大の動きをするんではないか、これに反対をしてくださいというはがきや、あるいは地方自治体の議会決議やなんかをどんどん送ってきております、これは超党派的に。私はこれに対して、食糧問題についてはフランスのミッテラン大統領がサミットで、やはり国内の農業を守る立場に立って頑張った、日本の中曽根総理大臣がそういうことはできないはずがない、こういうことで、今ずっと手紙書いて返しておるんですがね。そういう方向で私どもも国会で頑張ろうと、こういうことで手紙出しておるんです。
 今、総理大臣を中心に進めております政府・与党の対外経済対策本部のやる方向が、さらに厳しい農業の従事者にしわ寄せしたり、あるいは一生懸命頑張っている中小企業やあるいは不況産業を、もう徹底的に追い込むようなことはよもやないでしょうね。このことをきょうは経済企画庁長官や通産大臣にぜひお伺いをして、決意をお聞きをしたいと思います。
#69
○国務大臣(金子一平君) 今の御質問でございますが、私どもも食糧の安全保障その他環境の保全のための必要なものにつきましては、これをむやみに開放しようというような気持ちは毛頭ございませんので、おのずからそこに限界があろうかと思うのでございます。ただ従来から関税障壁、非関税障壁、いろいろ細かく見ますと、まだこんなものが残っておったかというようなものがあるわけでございますし、特に非関税障壁の面につきましては、日本の役人社会、なかなか熱心な方があるもんですから、案外手続が厄介になっておる。それが各国に対してアンフェアな、不透明な扱いを受けておるという誤解を与え、悪印象を与えている面が多いのでございます。そういうものにつきましては、この際一斉に見直しをやろうということで、アクションプログラムで取り上げることになるかと思うのでございます。
 今の段取りでは、六月の二十五日に一応中間報告を聞きまして、これはASEANの閣僚会議が東京で月末に開かれるものですから、大体そこら辺を目途に一応の目安をつけ、さらに七月末までに実行計画を立てたいと、こういうことで今詰めておるのが実情でございます。
#70
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま金子経済企画庁長官からお答えのあったとおりでございますが、特に私ボン・サミットに出ましたときに、梶原委員も御承知のように、ボン・サミットでは、日本が非常に対外黒字が多過ぎるということで、袋だたきになるのではないかという心配が非常にございました。そのために、梶原委員御指摘のように、四月九日対外経済対策を決定をしてそれを推進をするということを決め、推進をすることになったわけでございますが、これに対しては非常にボン・サミット参加国の評価が高く、したがって日本は袋だたきに遭うことはなくて、むしろ今後は市場アクセスの推進であるとか、自由開放体制の推進であるとかということに努力をするということを、総理自身の口から説明をされるという形になったわけでございまして、その意味では、ボン・サミットは非常に成功であったと言われております。
 ただ、貿易立国である我が国としては、自由貿易体制の推進に貢献をするということは国際的な義務でありますし、そのために保護主義の抑止、それから貿易の拡大均衡を目指して内需中心の持続的成長を図るという意味で、我が国の市場の一層の開放、輸入の促進などに努めることは重要でございます。
 その中で、特に通産省としては、中小企業に非常なしわ寄せが来るようなことのないようにという御配慮でございまして、これは大変ありがたい御指摘だと思います。当然中小企業は最も守らなければならない産業でございますから、そういった市場アクセスの改善やあるいは自由開放体制を推進する際に、中小企業にしわ寄せのないようにということはきめ細かく配慮をしてまいるつもりであります。
#71
○梶原敬義君 そこで、内需拡大の問題ですが、
今通産大臣から内需中心の持続的成長云々というお話がありました。これについてお伺いをしたいと思うんですが、その前に、個人消費が比較的拡大傾向にあるという経済企画庁のお話でありました。ただ、ことし若干ベースアップもありましたけれども、比較してみますと、やはり日の当たる産業がある程度はよかったんですが、一般的には、特に労働組合のない組織、特に中小企業の場合は、政府の数字で言いましても約六百万、そこで従事している数が三千七百五十万ともあるいは四千万とも言われておりますが、この大半というのは労働組合がないわけでありまして、やはりここら辺というのはベースアップもなかなか難しい、労働組合もないところがほとんどでありまして、私どもが周りで感じている雰囲気の中では、そう所得も伸びて、さあ物を買うかと、こういう気持ちになるような状況ではないと実感ではつかんでおるんですよ。
 私は紀尾井町の宿舎におりますから、よく赤坂の、そこの下のラーメン屋へ行って、一週間に二回ぐらい夜はラーメンを食べるんですが、ラーメン屋に、景気いいかと言って聞いたら、いや悪いと言うわけですよね。それで、しにせのどこか小さいラーメン屋が買収されたんです、おいしくてよかったところが。だから、もうずっと朝から晩までやっているラーメン屋のお兄さんが言うには、政府が言っているようなことではないですよと、こう言うんです。なぜかといったら、ラーメン屋に来るお客でも、やっぱり夜遊ぶ人が少ないから、その流れから来る人が少ないんだろうと、こう言うんですね。どうなんでしょうかね、その辺は。
#72
○政府委員(丸茂明則君) 確かに日本経済全体としては拡大をしておりますし、消費も、先ほど申し上げましたように、昨年のテンポに比べますと、ことしに入ってからかなり高まっているというふうに見ておりますけれども、もちろん産業によりまして、あるいは地域によりまして、今おっしゃったお言葉によらせていただけば日の当たらない産業というのもございますので、そういう点があることはもちろんでございますけれども、全体として見ますと、消費の方も少しずつ拡大テンポといいますか、伸びが高まっているのではないか。またことしの春闘も、ある見方からすれば決して高いものではないかもわかりませんけれども、去年に比べますと、〇・五%ポイントでございますけれども高いということで、私どもとしては決してすべてが明るいというふうに見ているわけではございませんけれども、全体として見ますと、消費も拡大テンポを高めているのではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
#73
○梶原敬義君 やっぱり社会保険料が料率が上がったり、それから年金が先行き不安で改悪の傾向にある、こういう状況がさらに重なっておりまして、それは若干上がったくらいで金を使う気になるような、なかなかそういう雰囲気には、一般勤労国民の立場になりますと、そういう状況ではないというのは、ぜひもう一回やっぱり現地へ飛び込んで、実感をつかんでひとつ政策当局はやっていただきたいと思います。
 それから、内需拡大の対策についてでありますが、そういう状況ですから、私はやっぱり所得税の減税については、最近いろいろな流動的な議論が政府の中でされて、新聞にも発表されておりますし、国会でもいろいろ答弁があっておりますが、これはやっぱり思い切って緊急にひとつ、きょうは経済閣僚、大臣も二人おりますからひとつこれを進めていただきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
 それからもう一つは、公共投資の関係ですが、私もあっちこっち今帰って回るんですが、田舎の都市ではもうほとんど下水道なんというのは普及率が非常に低くて、とにかく見かけはいいんですが、奥へ入ってトイレへ行ったら昔なりのであったり、あるいは簡易式のやつであったり、本当にもう非常におくれております。そういうことは、いつかは抜本的にやらなきゃならないわけですから、先へいってやると、十年先にやれば倍ぐらい経費はかかるでしょうね、恐らく十年先になりますと倍ぐらいのやっぱり工事費がかかる。だから今のような内需拡大の観点からすると、今やるのがいいのか、十年先にやるのがいいのか、これは金があるときやるなんと言ったって、今度は工事費が高くなりますから、これは追っかけごっこで、もう少しこの辺についてしっかり考えていただきたいと思います。
 それからいつも言うのですが、住宅政策の関係です。経済企画庁長官も随分あっちこっちで努力されて、今新聞でも住宅減税の問題をちょっと見せていただいておりますが、私は住宅対策については、取得減税と同時に、やっぱり火つけ役としましたら、住宅金融公庫あたりの持ち家制度の貸出金額をもう少し、あれを十万とか二十万単位で金をふやすのじゃなくて、百万か二百万単位でふやす。ここで五百万ぐらいの金ができるかどうかで、最後はよしそれじゃ思い切って民間の金融機関にも行って金を借りて住宅に取りかかるかと、そこのもうちょっとのところが非常にやっぱり困っているようでありますから、住宅取得減税というのは、どつちかというとなかなかわかりにくいんです。しかし住宅金融公庫が貸出金額をちょっとふやしたとなれば、これはもう非常に宣伝効果があるし、非常にムードも変わってきます。そういう何といいますか、両面からの誘導というか、これをやってもらいたい。
 とにかく今政府も金がないと、そういう状況で、一番手っ取り早いのは、住宅金融公庫百万円仮にふやしても、一・六%の利子補給ぐらいで済むわけですから、そうすると、一軒家つくっても三千万ぐらいな大変な波及効果で、その中に今度はインテリアとかあるいは家財道具とか全部結びついてきますから、これはやっぱりここのところを両面からひとつやっていただきたいと思うんです。この点はいかがでしょうか。余り時間がなくなりましたから今の三つの点について。
#74
○国務大臣(金子一平君) 第一点の所得税の減税につきましては、これはこれからの問題でございまするけれども、政府としては、この際ぜひとも累進度の見直しをやって、所得税の減税を実現したいと。ただ見返り財源をどうするかという問題が一つひっかかっているわけでございまして、政府税調でも十分検討していただきまして、今住宅ローンや教育費やその他もろもろの支出で、国民の中堅層は大変な負担をしょうことになっておりますから、そこら辺の負担の軽減を図っていくことが政治として大変大事なことではなかろうか、これは全く私も同じ考え方でございます。
 それから第二点の公共事業の問題ですが、ことしは三・七%ばかりでございまするけれども、少し工夫を凝らして、去年に比べて一般公共事業の事業費を増額したわけでございますが、実際問題として御指摘のとおり、例えば東京のど真ん中でも、まだ下水道の整備されていない住宅地域がたくさんあるんです。そういう身近なところからどんどんこれを進める必要がございますので、公共投資の扱いにつきましてもこれから政府部内でいろいろ議論があろうかと思うんでございますが、私どもとしては、環境整備をしっかりやることが今後の日本の発展のために、あるいはまた内需振興のために必要なことであると考えて、努力してまいりたいと考えております。
 それから住宅政策の問題につきましては、一番手っ取り早い内需振興の一つの方策ではなかろうかと考えて、ない知恵を絞りながらいろいろ御意見を承って構想を進めておるわけでございますが、今お話しの住宅金融公庫の問題等につきましても、担当の建設省とも十分連絡をとりまして、御期待にこたえられるように努力してまいるつもりでございます。
#75
○梶原敬義君 私は先般の商工委員会で多分言ったと思うんですが、木材の輸入なんかを見てみますと、昭和五十四年に輸入材が七千六百万立米、これが五十九年は五千九百万立米に落ち込んでいる。七七・七%なんです、非常に落ち込んでいるわけです。だから政府が言うのか、中曽根総理大
臣が言うのか、大蔵大臣が言うのかよくわかりませんが、いろんな人が言っておりますが、内需を拡大してもそんなに輸入はふえないぞ、こういうことをよく言うんですが、しかし木材で見る限りはやはり相当落ち込んでおりますね。だからそういう意味では、そこがもう少し昭和五十四年並みになれば随分変わってきますよね。だからその点で一律に物を言われることにはどうも理解できないんですが、指摘をさせていただきたいと思います。
 それから中曽根総理大臣が言うのかだれが言うのか、よく見ますと総理大臣がよく言うので、私はどうもぴんとこないんですが、規制を緩和をしてそして民活を取り入れる、そして国の持っているささやかな公有地やなんかを売却をする。売却の仕方もいろいろ疑惑を持たれるような随契でやってみたり、いろいろな問題を次々に呼び起こしております。そういうような国有地とかあるいは公有地を処分することによって、そして民活を導入して、そして内需を拡大するというような手法が一本基本にぱっと出ておるんです。しかし裏を返すと中身が大した問題じゃない。ささやかな財産を持って、これから先のいざというときはもう何もなくなるわけですから、売り食いみたいな。そういうようなやり方がいいのかどうなのか、疑問でしようがありません。
 私はここに二つの本を持っておりますが、一つは、松下幸之助さんが何年か前に書きました「日本をひらく 新国土創成論」という本です。これを読んでみましたら、日本の可住面積はこれからずっと二十一世紀にかけまして非常に狭くなる、食糧をつくる土地もなくなる、住む土地もなくなる。過去を振り返ってみますと、日本の可住面積をふやしたのは大阪を広くした豊臣秀吉、そして江戸をもっと広くした徳川家康であった、あとはみんな何をしたのかと、人間が住むことに関してはですね。臨海産業とか何かは別ですよ。可住面積についてはそういう指摘をこれでしている。だから、もっと発想を変えなければならぬのじゃないかというのを、これ二年ぐらい前に読んだ。今思い出したから持ってきました。
 それから日本経済新聞の神戸支社がまとめております「六甲海へ翔ぶ ポートアイランド誕生記」というのを今読んでおって、非常におもしろいんですが、ポートアイランドは非常にいろんな問題があったが、二人の市長が中心になって、これは原口という市長と宮崎という現市長とがそれぞれ持ち味を出して、ポートアイランドが四百三十六ヘクタール、甲子園球場の約百倍ですね。それから六甲アイランドは六十五年に工事ができ上がる予定ですが、五百八十万ヘクタール、大変規模が大きいわけです。総理大臣がどこかの土地をちょこちょこ売ってやるような、国が持っているわずかな、ささやかな公園とかあるいは何か使わにゃならぬのをどこかに売ってしまって、後で要ると言ったってどうにもならぬようなやり方じゃなくて、少しその辺の発想を私はもっと見習ったらどうかと思います。ただ自然を壊す、海を埋めるのか、山を削ってやるのがいいのか、それはよくわかりませんが、そういう構想の規模が僕は貧困だと思うんです。
 それで、六甲アイランド、ポートアイランドあたりは、私は行ったことがないんですが、六甲の奥の山を切って、そして埋め立てた。埋め立てたところは、いろいろなところで人も住むし、港もできるし、そして土をとったところは大きな団地になっている。この前、船に乗って帰るのに、あそこでタクシーに乗っていったら、タクシーの運転手がえらい宣伝をしておりましたですよ。やりますよと、神戸はよくなりましたと。しかし、何言うのか、山口組と一和会がもめているじゃないか――とは、僕は言いたかったけれども、そこは言わなかったけれども、非常に誇りを持ってタクシーの運転手さんも説明をしておりましたから、私は非常に関心を呼んだんです。
 しかもこれは民間がやったんじゃないんです。何でも民間民間、民間民間と最近言っておるんですが、私は抵抗を持ちます。これは官主導といいますか、市が主導で、まあ別会社をつくったんですが、やっておるわけですよ。だから、何でも民間でやれば事が済むような中曽根総理大臣の今のやり方が、それでうまくいくんならいいけれども、いかない。同時に、官でやってもうまくいっているじゃないですか、こういうふうに、しかも採算もとれて。そしてさんずいへんがないというわけです。この本に書いてありますが、利権とか汚職がない。工事も安くやらしているというわけです。お金はどこかといったら、ドイツのマルクと、どこかから外債でやっているわけなんです。
 だから、内需拡大とかなんとかいう、どこかの土地を分けて、そして民活が基本になるような内需拡大の論理の進め方なんというのはもう発想が貧困で、今、日本のトップに立つ人がそういうようなことを国民の前に言うような内容じゃない。しかも百ドル買えと、四人家族で四百ドル、そんな話をしたって買いますかね、買わないでしょう。金もそういう余裕がない。今一村一品なんかでどんどんどんどんやれやれと言って奨励をしておりますが、これも売れなくなりますよ。日本全体どうしますかね。だから、もっとやっぱりそこら辺の発想の転換をぜひするように、きょうはもう時間ありませんから、両大臣からその辺について、御異論が多分あるだろうと思いますが、しかし前向きにひとつ、閣僚会議十五分じゃなくて三十分、一時間とってやっていただくようにお願いを申し上げて、御意見を賜りたいと思います。
#76
○国務大臣(村田敬次郎君) この問題、お答えを申し上げます。
 これは、通産大臣としてより、あるいは政治家としての御答弁になるかもしれませんが、松下幸之助さんの「新国土創成論」、私見ました。それから、今御指摘になった神戸のポートアイランドの開発、これはもう大変おもしろいアイデアなので、昭和三十年代から、いわゆる高度成長期、ずっと根強くある思想でございまして、土地と水とエネルギーと港を整備すれば大規模装置工業ができるし、そしてまた日本の国土は三十六万平方キロしかないのでありますから、それをふやすということになれば、海を埋め立てるというのは大変有効な方法であると。京阪神だとか東京湾だとか、あるいは伊勢湾についてもそれが応用をされて、これは国土論として非常に重要なものだと思うんです。
 ただ、中曽根総理の言っておられるデレギュレーションあるいは民間活力の活用といった問題で、東京都内でいろいろな具体的な計画を立て、進めておられるのは、これはぜひ御理解がいただきたいんでありますが、概念としては決して狭苦しい概念じゃなくて、自由開放体制につながる大切な概念でありますし、また国有地をそういった意味で利用をするというアイデア自体は、私は非常にすぐれておると思っておるのでございます。
 また、貿易問題について、製品輸入拡大問題につきましては、もう政府としては切り札として推進をしておるわけでございまして、梶原委員の御指摘になるいろいろな問題点というのはよくわかりますけれども、松下さんの言うような「新国土創成論」、あるいは神戸港の開発、そういうことも重要であるし、デレギュレーションであるとか、あるいは民間活力の活用といった問題も、同時に並行してダイナミックに進めていくということが大変重要である、このように考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
#77
○国務大臣(金子一平君) 私もあのポートアイランドですか、行って見てまいりまして、あの構想、さすが神戸の市長の考えただけのことはあったなと思って、大変啓発されるところが多かったわけでございます。これは主として地方団体の金をつぎ込んだわけでございまするけれども、民間資金の導入につきましては、大阪の国際空港はもちろんでございまするけれども、例えば、京都、奈良、大阪のあの三府県下にまたがる地域に今学園都市をどんどん進めておりまして、これも地方都市がどんどん金をつぎ込んでおるわけでございますが、ああいった構想をひとつこれからも思い切って進めていただくことが必要じゃないかというふ
うに考えておる次第でございます。
 それから規制の緩和、デレギュレーションは、これはとにかく私ども、例えば先ほど御指摘のありました住宅の建設の問題につきましても、建設省、自治省、農林省が住宅についての規制を少しかけ過ぎておる面がございますんですが、思い切ったそういう点の緩和もやってもらったらどうかというふうな感じがいたしますし、これは十分これからも検討に値すると考えておる次第でございます。
 なお、国有地の問題その他については、十分御指摘の点を考慮しながらやっていかなきゃならぬと思うんでございますが、例えば東京都の環状線の内側のこれからの都市構造につきましては、あるいはもう日照権というような問題をある程度無視――全然無視するわけにいきませんけれども、無視しても、もっと高層ビルをどんどんつくらせるようなことを考えないと、本当にそれこそ東京都自体の将来が大変なことになるぞというような感じもいたすものですから、都市再開発についてこれからどういう方向に持っていくか、こういう点につきましても十分検討を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 以上、簡単にお答えいたします。
#78
○梶原敬義君 ちょっと勘違いをされている。通産大臣退席されましたが、私はそういう土木工事をどんどんやるという意味を必ずしも言ったんではないんです、通産大臣に、ちょっとそういう受けとめ方をされたんですが。
 例えばの話ですが、東京ではもう、あなたどこから来ているかと言ったら、一時間ぐらい電車に乗ってくるというわけです。乗るまでどうするのかと言ったら、それまで何分かかかるというわけですよね。そんな話をみんなからよく聞いて、えらいことだな、これ一生行き来に平均四時間とか、これは金にしたら大変なことだろうと思うんです。だけど都心に住めない。まして住宅持つったって地価が高い。だから、そういうようなのを考えた場合には、私は、場合によっては自然を破壊するかもわからぬけれども、どこかその辺の海岸をもっと埋め立てて、そこに本当に快適な、高層住宅の安くて広い、もう通勤も三十分ぐらいで来れるでしょう、そういうようなのをこれからは考えるとか、そんな高いところをごそごそいじくったってこれは手がつきませんからね、そこに公営の住宅をずっとつくってやるとか。人間の労働力なんかは、それは金目にはなっておりませんけれども、やはり四時間なら四時間を、本当に金目でその人間の価値を換算したら大変なことになる。
 そういうようなことも、実際にその気持ちになって考えれば、私は次々と、やはり神戸じゃないが、松下さんの考えじゃないが、私はもっと中曽根さんみたいなちょっとしたような、そのときを繕ろうようなことじゃなくて、抜本的な発想が出てくる。それがまた国民一人一人にとって幸せになる、そういう方向に結びついてくる、こういうことが考えられるだろう、それを内需拡大に結びつけてひとつ大臣に考えていただきたい。釈迦に説法みたいなことを言って大変申しわけありませんでした。
#79
○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三分開会
#80
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○田代富士男君 最近、地域経済の活性化ということが盛んに言われておりますし、当委員会でもこの問題に取り組んだところでございますけれども、その背景には、先端技術産業化またソフト化、国際化、情報化、こういうような外部環境の変化によりまして地域経済の発展が大都市に比べおくれる可能性が強まったことが一つ言えるんじゃないかと思いますし、またそれと同時に、御承知のとおりに消費者ニーズの量的、質的変化などの急激な変化に対応できない産業の衰退というものが目立ってきているのも事実じゃないかと思います。これらの産業に依存してきた地域経済が、今日ではみずから活性化を図る必要性が増してきたことなどの事情があるのではないかと思いまして、最初に、通産省がこの地域経済活性化に取り組んでおいでになりましたけれども、どういうお考えであるか、改めてお尋ねしたいと思います。
#82
○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。
 地場産業は地域経済の振興、雇用の創出、生活水準の向上など、地域の振興にとって極めて重要な役割を果たしてきておりますが、近年の地場産業を取り巻く環境は、需要面では国際化の進展に伴う貿易構造の急速な変化、製品の多様化や高級化の進展、技術面ではマイクロエレクトロニクス、新素材といった技術革新、さらにはニューメディアを中心とする高度情報化の進展など、御指摘のように目まぐるしく変化をしております。これらの環境変化の中で地場産業が発展を遂げていくためには、技術力の一層の向上や市場開拓力の強化、情報化による体質改善が求められているところでありまして、既に各地域において組合、企業などがそうした努力を行ってきていると認識をしております。
 通産省といたしましても、こうした地域の中小企業組合などの積極的な取り組みを今後とも支援をし、地域経済の再活性化に努めてまいる所存でございます。
#83
○田代富士男君 地域の活性化に関しましては、そこに占める地場産業の位置というものは大きなものがあるわけなんですけれども、今も大臣も御答弁になりましたけれども、この地場産業のあり方、役割についてどのようにお考えであるのか、これについてお答えいただきたいと思います。
#84
○政府委員(石井賢吾君) ただいま大臣からお答え申し上げましたように、地場産業はある意味におきまして地域経済の中核的な担い手でございます。しかも、環境の変化が非常に厳しいという中で、これへの対応を怠りますと、地域全体の沈滞と申しますか、そういう原因にもなりかねないわけでございます。その意味で各地域におきまして、旧来からございます地場産業の再活性化、これに非常に意欲的に取り組むと同時に、新たな地場産業の形成、これはもちろんその地域の社会、文化あるいは資源、そういったあらゆる諸要素と融合した形でつくられる必要があるわけでございますが、そういった新地場産業の集積形成を促進しようというような動きが非常に大きく見られるわけでございます。
 したがいまして、こういった機運をできるだけ政策的に支援し、地場産業が環境変化に対応して再活性化される、これによって地域経済社会の活性化を推進していこうということで、私どもとしましては六十年度から新地場産業集積圏構想という新たな対応策、あるいは地場組合に対しますデザイン技術の高度化事業の支援といったような措置を創設いたしまして、こういう環境の著しい変化に地場産業が的確に対応できるように支援をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#85
○田代富士男君 先般、この商工委員会におきまして審議いたしました中小企業技術開発促進臨時措置法も、この地域活性化対策といたしまして位置づけることができると思うのでございますけれども、この地域活性化のために、技術開発促進法の運用に際しましていかなる配慮を払っていくのか。聞くところによりますと、今その指針といいますか、それを作成中であるということを承っておりますけれども、その考え方をお聞かせいただければと思うのでございます。
#86
○政府委員(石井賢吾君) 先般御審議を賜りました中小企業技術開発促進臨時措置法につきまして、現在その施行の準備を急いでおるところでございますが、これはもう先生十分御承知のように、先端技術産業、その技術革新の進展のスピー
ドの速さ、これに十分中小企業がキャッチアップし、みずから技術革新に参画し、あるいは技術革新成果を積極的に取り入れまして、市場構造の変化に中小企業が対応できるように支援をしたいということのために設けられました特別の助成措置でございますが、当然のことながら、この支援措置を検討するに際しまして、効率的な研究開発の推進ということで、産地組合等の、言うならば中小企業の共同体による技術開発の推進も十分に私ども念頭に置いたわけでございます。
 産地組合が、その組合員の共通技術課題を技術開発促進法にのっとりまして解決をしていただくというのは、私どもの大変大きな期待でございまして、そういう過程におきまして、地場産業の技術開発への参画、あるいは成果の取り入れ、こういったものに大きく貢献するものというふうに私ども考えておるところでございます。
#87
○田代富士男君 それと同時に、中小企業庁が六十年度の主要な新政策の一つといたしまして、新地場産業集積圏構想を打ち出していらっしゃいますけれども、その目的とするところは何であるのか。それと同時に、この事業の概要についてお聞かせいただきたいと思います。
#88
○政府委員(石井賢吾君) 地場産業を取り巻く環境の変化、あるいはその地域社会における重要性ということについては大臣からお答えしたとおりでございますが、そういった時代の変化に対応して、地場産業が将来ともに地域の中核、経済の中核的な担い手として発展していくためには、基本的には技術力の一層の向上、あるいは市場開拓力の強化、こういったことが望まれるわけでございまして、既に各地域におきまして、こういった地域特性を踏まえた新たな地場産業の集積の努力、こういうものの取り組みが見られておるところでございます。
 今御指摘の集積圏構想は、まさにこういった機運を助長してまいりたいということに発した構想でございまして、地域特性に応じました、旧来からございます伝統的な地場産業の再活性化、あるいは新地場産業の集積形成、こういったものを構築するためのマスタープランの作成、これがまず基本に必要ではないかということで、このマスタープランの作成を都道府県にお願いをしたい、それを国からも支援をしてまいりたいということで、この集積圏構想という事業が六十年度からスタートすることになったわけでございます。
#89
○田代富士男君 六十年度に推進すべき九つの類型として、北海道の室蘭地域を初めといたしまして、九つの地域を指定してありますけれども、その選定の基準は何であるのか、また他に立候補していた都道府県本部はなかったのか、それと同時に本年度以降九つの地域以外にも指定されるのかどうか、まずそこのところをお聞かせいただきたいと思います。
#90
○政府委員(石井賢吾君) 当初中小企業庁が、この集積圏構想を持ちまして各市町村と協議をいたしたわけでございますが、その段階では、約七十の地域がこの集積圏構想にのっとって、新地場産業集積構築のためのマスタープラン作成の意欲を示されたわけでございます。しかし、予算編成の過程におきまして、このマスタープラン作成の当事者を都道府県にお願いをするということになりました結果、各都道府県での検討の結果としまして、六十年度におきましては、十五地域について都道府県から正式に申請があったわけでございます。
 それで、この十五地域の申請を、予算の必要から九地域に絞らなくてはいけないわけでございますので、まず第一に心がけましたのは、その地域におきます構想の熟度、これがどうであったかということでございます。それからもう一つ、この地域といいますのは、そもそもがモデル地域として構想されておるわけでございますので、できるだけ、同じパターンの地域を多く指定したんではそのモデル性に乏しくなります。そういう意味で、幾つかのパターン、例えば私ども、学者先生方を非公式にお招きした研究会を開きまして検討もしてみたわけでございますが、大ざっぱに十二、三のパターンが描けるんではなかろうかというふうに考えたわけでございまして、各地域からの申請、構想をそういったパターンに当てはめるとどうなるかという検討もしてみたわけでございます。
 そういう意味におきまして、今回最終的に九つの地域に絞ったわけでございますが、私どもは、先ほども申し上げましたように十二、三のパターンといいますのは、例えば大都市再開発型というようなパターンあるいはファッションタウンというようなパターンあるいはマイコンシティー、こういうような特性を持った一つの集積も望ましいものではなかろうか。また各地域においてそういった志向が見られるわけでございますので、そういったパターンのところも採用いたしたいと思ったわけでございますが、今回十五の地域の中には、そういったパターンに該当するものはございませんでした。
 そういう意味におきまして九つに絞ったわけでございまして、今後できましたら、各都道府県からのそれぞれ自発的なマスタープランの作成の意欲をお伺いいたしまして、六十一年度におきましてもさらに追加をして指定をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#91
○田代富士男君 ただいまお答えいただきましたとおりに、これはあくまでもモデル地域としてこの九カ所の地域でなされたということは理解をいたしました。
 それで、指定に基づきましてこのマスタープランを策定した都道府県本部に対しまして、来年度以降具体的にどのような助成を考えられておるのかお答えいただきたいと思いますし、今お話がありましたこの九つの地域にそれぞれのプランが出されておりますけれども、新たに大都市再開発その他のことを今例を引いて申されましたけれども、そこらあたりのお考えをもうちょっと詳しく聞かせていただきましょうか。
#92
○政府委員(石井賢吾君) この新地場産業集積圏構想と申しますのは、単にマスタープランをつくるというだけでなしに、それに基づきまして、新たな地場産業の集積を構築していきたいというところに目的があるわけでございますので、お尋ねの、言うならば六十一年度以降マスタープランを描けた後において、その実現のための支援策はどうかということが肝心な問題かと思います。
 もちろん、この集積圏構想に基づきまして地域社会ぐるみの改善を進めていきたいということでございますので、すべてが中小企業対策という範疇において処理できるものではございません。その意味におきましては例えば建設省で御検討なさったテクノパーク構想とか、自治省で検討しております広域的な自治体をひっくるめました産業集積を図ろうという見解もございます。そういったものとの融合を図りまして、それぞれの連携に基づきまして幅広い支援策を考えてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 しかし中小企業対策の範疇では、例えば中小企業高度化事業の活用あるいは政府関係金融機関の融資制度の活用、こういうことによりまして、できるだけこのマスタープランに描かれました産業集積を現実化できるように支援をしてまいりたいというふうに考えておりますが、六十年度中のマスタープランの作成状況を見まして、今後現実的な支援措置を検討してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
 それから、私ども学者先生方の非公式な研究会で幾つかのパターンとして描きました中に、例えばファッションシティーというのがございます。栃木県のある市におきましてまさにそういう構想があったわけでございますし、そういうものをできるだけ現実的なマスタープランにもっていきたいという、私どももそれを支援していきたいという希望があったわけでございますが、いろいろな事情がございまして、今回申請に至らなかった経緯がございます。
 大都市再開発型というものにおきましても、例えば墨田区における中小工場の再活性化という考え方があるようでございまして、これなどもどう
いうふうに今後具体的な、まずその地域におけるコンセンサスの形成、それからどういう具体的なマスタープランづくりをするかといった一つのアイデアのまとめ、こういったものが必要でございますが、そういったものを御検討を願えれば、私どもとしてはこの集積圏構想というものがより幅広いモデルを形成するという意味において適切なものになっていくのではないかというふうに期待をしているわけでございます。
#93
○田代富士男君 もう一つお尋ねいたしますと、中小企業庁が、昭和五十六年度より地域の中小企業のこの振興対策の重点施策の一環といたしまして、御承知のとおりに地場産業振興センターの建設助成を行っておりますけれども、この施策の概要と今までの実績といいますか、そういうものを御説明いただきたいと思います。
#94
○政府委員(石井賢吾君) 地場産業振興センター、御指摘のように五十六年度からスタートいたしたわけでございますが、これは地方公共団体等が出資をいたします公益法人が、都道府県が描きます地場産業振興ビジョン、これは府県におきましては、大体一府県を三地域ぐらいに分割いたしまして、広域的な市町村を包含した振興ビジョンをつくっておるわけでございますが、それにのっとりまして中小企業の振興のための中核的機関として地場産業振興センターを建設するという場合には、これを予算措置、あるいは中小企業事業団による高度化事業融資という形におきまして支援をしていくというのが、この地場産業振興センターの制度でございます。
 これまで、五十六年度から五十九年度までに既に二十六カ所が完成を見、あるいは建設の途上にございます。六十年度におきましては、さらに五カ所建設することを予算計上いたしておるわけでございます。各センターは、おおむね二年間で完成を見るという計画で進めておりまして、完成いたしましたセンターにおきましては、新商品、あるいは新技術の開発、言うならば技術開発センター的な機能、あるいは後継者、技能者の養成といった人材育成センター的な機能、あるいは地場産業の展示等いわば展示センター的機能、各種の機能を営んでいただきたいということで、現在そういう支援措置をとっておるところでございます。
#95
○田代富士男君 この新集積圏構想の推進に当たりましては、各都道府県の地場産業振興ビジョンとの整合性というものについてはお考えになられたのか、また都道府県がこの構想の指定地域内に、さっきもお尋ねいたしました振興センターの設置を申請してくる場合も考えられますけれども、これについてどうお考えになっているのか。このように、従来さまざまなレベルで存在いたします施策との関係で見てみますと、私が今さっき一、二御質問連続してやったのはそのためでございますけれども、こういうものが屋上屋を重ねるようなことになりはしないだろうか、こういう考え方を私は持っておりますけれども、これに対しましてどのようにお考えであるか、お聞かせいただきたいと思います。
#96
○政府委員(石井賢吾君) 地場産業振興ビジョンは、五十六及び五十七の二カ年間にわたりまして、各地域、一言で申せば、東京と神奈川県を除きましたすべての全県におきまして作成されたわけでございます。全体百九十三地域でございますが、この百九十三地域という比較的広域な地域におきます地場産業の今後の発展の方向といいますか、一つのビジョンを定めたわけでございます。もちろんその中には、地場産業振興センターの創設といったような具体的な手段も織り込まれておりますが、概して中長期的な発展方向を示すというビジョンでございました。このビジョンだけでは、現実的な支援あるいはこれを実現するための具体的手段というものを欠くわけでございます。
 その意味におきまして、今回の新地場産業集積圏構想と申しますのは、一つは、面的に言えば地場産業ビジョンよりむしろ小さ目の、言うならば、有機的一体性を持てるような地域に縮減をいたしまして、そこで具体的な地場産業の集積構築を推進する具体策をつくり上げていくというものでございます。したがいまして一つは、面的にはむしろ地場産業ビジョンの地域の部分を形成するということでございますし、それから手段あるいは方策という面では、中長期的な方向を示すビジョンに対しまして、今回は企業、産業の具体的な集積を進めていくための具体策を練り上げていく、そういう意味で、手段的にはより中長期というよりか、今日からスタートして徐々に構築を進めていくための具体的手段を設定していくということではなかろうかと思うわけでございます。その意味では、地場産業振興ビジョンの、ある意味において部分的な具体化のための方策が今回の新地場産業集積圏構想だというふうに御理解をいただいてもよろしいんではないかと思うわけでございます。
#97
○田代富士男君 この地場産業振興センターは、地域経済活性化のための拠点づくりを目指すというのが今日までその目的を達成していくためでございますけれども、この振興センターの現場の声を二、三じかに尋ねてみました。いろいろな意見がありましたけれども、共通的なこれは現場の声でございます。
 一つ取り上げるのは、経理内容が厳しく、そして借入金の返済等施設の管理運営に追われて、本来の目的であります新製品の開発や異業種交流にまで手が回らない、こういうような声が出てまいりました。これはある程度共通しております。それと同時に、国の助成も目的がきちっとしていないと出ないんだと、だからもう少し柔軟な助成ができないか、こういう声が出ているんですが、今長官の御答弁を聞いておりますと、スムーズにこれが地域のためになっているように思うんですけれども、こういうような、これは生の意見でございます。やはりこういう意見を承知していらっしゃるかと思いますけれども、じかに聞きましたものですから、これについてどう受けとめておられるのか、またこういうことに対してどう対処されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#98
○政府委員(石井賢吾君) 具体的には人件費を中心とした運営管理費、さらに光熱、水道費等についての運営管理費的なものについての支援措置を望むという声が二、三聞かれたことは事実でございます。
 ただ、これは本来的には、公益法人としてスタートいたす段階におきまして、そういった運営管理費は基本財産の果実をもって支弁するという基本姿勢で対応していただくのが本筋でございますので、私どもとしましては、振興センターが先ほど申し上げました幾つかのセンター的機能がございますが、そういったセンター機能を実施する場合にその事業に対して助成をするということで、これまで助成措置を講じておるわけでございます。御指摘のように、余り画一的だという御批判があるのかもしれませんが、より的確に各種事業を推進していただきたいという観点から、特定目的に限定をいたしました補助のみを行っているというのが実態でございます。
 実はこの問題について、出てまいりますときに少し検討してみました。二年ぐらい前は、確かに運営費をあわせて出してくれという声が非常に強かったことは事実でございますが、むしろ最近では、事業充実のための、と申しますのは、各先行いたしましたセンターの経験から、後発組というのは比較的そういった運営管理費面についての配慮を十分行って、言うならば建設構想をつくられております。そういう意味においては、むしろ行う事業について弾力的な予算支援をしてもらいたいという声の方が大きくなったわけでございます。私ども、できるだけそれにこたえるべく、今後も振興支援措置の充実を図っていくということで取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#99
○田代富士男君 大蔵省のこの委託研究の報告書の中で、地場産業発展の可能性についてまとめたものがございます。御承知になっていらっしゃると思いますけれども、その中で地域産業のイノベーション成功例を三つの主なタイプに分類して載
せてあります。
 一つは製品の多様化に成功しているケースでございます。例えば新潟県の燕市の金属洋食器産地の例でございます。二つ目には製品の高級化、ファッション化に成功したケース、例えば広島県の府中の家具産地の例であります。三つ目には、技術高度化、先端技術化したケース、これは例えば愛知県瀬戸の陶磁器または広島のやすり産地などで、このニューセラミックのような新素材の開発に取り組んでいる例でございますけれども、このような地場産業のイノベーションの動向には極めて学ぶべき点が多いのではないかと思いますけれども、こういう点についてどのように認識なさっていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
#100
○政府委員(石井賢吾君) 私どもこういった産地の意欲的な技術開発あるいは新製品開発への取り組みにつきましては、従来からも各種の支援措置をもって対応してきたわけでございます。
 まさに先生御指摘のような各産地でも、その生存をかけた技術開発に意欲的に取り組んでおるわけでございますので、今後、先般御審議を賜りました中小企業技術開発促進臨時措置法等の支援措置を強化することによりまして、さらに支援の施策を充実していきたいというふうに思っております。
#101
○田代富士男君 今さっきから御答弁いただいておりましたこの新構想の指定の九つの地域のそれぞれに、当該地域の特性に応じた望ましい産業集積の類型を挙げていらっしゃいますけれども、これは今のような地域産業のイノベーションの動向をイメージさせてのことであると思うのでありますけれども、その中で、企業城下町再開発型、これは室蘭の方でございますね、とか、一・五次産業型などはどのような姿を想定されているのか、はっきりしない面もありますけれども、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
#102
○政府委員(石井賢吾君) 企業城下町再活性化型というのは、今先生御指摘の北海道室蘭市においてマスタープランをつくっていただくことにいたしたわけでございます。御承知のように、鉄鋼あるいは造船関連の産業、こういったものが疲弊をいたしまして、室蘭市の産業が非常に活発性を失いつつあるわけでございます。その意味で、この地域には一つは新たに技術集約型産業の導入が必要であろうということが一つでございます。
 現実の構想といたしましては、神奈川県から電子関連の企業を数社誘致をしまして、これと既存産業のポテンシャルを生かした連携を図っていく、また既存産業の再活性化を図るということで、言うならば疲弊しております企業城下町を再活性化しようというための新産業の集積構想でございます。
 それから一・五次産業型というのは、名前は正しい名前ではないかと思いますが、主としまして当該地域の、言うならば豊富な一次資源、これを活用していただくという産業を描いておるわけでございます。具体的に申しますと、岩手県の久慈市あるいは大野村の地域を念頭に置いておりますが、久慈あるいは大野村では、北三陸のクラフトランドの形成ということで、豊富に産しますブナ、ナラ等を活用いたしましたニュークラフト産業を形成しようというものでございますので、一応名称は余り実体に適しておりませんが、一・五次産業型というふうにしたわけでございます。
#103
○田代富士男君 今後、この都道府県に対しましてこのような類型化したイメージを示すというのは、これからマスタープランを策定しようというときに、かえって活力に満ちたプランづくりを阻害する心配があるのではないかと、これは私の考えでありますけれども、なきにしもあらずじゃないかと心配をしておりますけれども、この地域活性化のイメージづくりにどう対処されるのか。
 今も時間があれば、これ九つのいろいろな自然資源利用型だとか、ソフト産業創設型だとか、いろいろありますのをお尋ねしたいと思ったんですが、時間もありませんので……。こういうことがプラスの面もあるけれども、マイナスにいく面があるのじゃないかとちょっと心配な面がありますけれども、そこらあたりどうでしょうか。
#104
○政府委員(石井賢吾君) ちょっと誤解を招くようなお答えの仕方をしたかと思いますが、私どもこの類型化を一ついたしましたゆえんは、あくまでも各地域の独自の発想を拘束しようというものではなくて、一定の地域数に選択を求められておるわけでございますので、むしろモデルとしての地域を幅広く選んでいくというためには、同じタイプのものを余り多く重複しても意味ないという意味において、まず類型を描き、その類型に従って各地域を配分してみたわけでございます。
 その意味では、私どもこの類型によって各地域のマスタープランの方法を拘束しようというつもりは全くございません。たまたま地域選定の一つのメルクマールとしてこのパターンを利用しただけでございますので、今先生御懸念のような、言うならば私どもも、そもそもが当該地域の社会、文化、あるいは伝統と融合した新地場産業の形成をねらいといたしておるわけでございますので、このパターンによってそれぞれの独立性を拘束をするというつもりは全くございません。
 むしろ、まあこういう名前をつけなくてもよかったわけでございますが、逆にこういった構想を、同じような条件にある地域がその意識を持ち、あるいは地域のコンセンサスを得て新たな地場産業の育成を図ろうとする場合に、こういうパターンであれば、この地域を学べばいいんではないかという便宜のためにこういう命名をしたものでございますので、趣旨は全く拘束をするつもりはございません。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
#105
○田代富士男君 この地域産業の振興に関しましては、昭和五十四年に施行されました御承知の、産地中小企業対策臨時措置法に基づく事業合理化計画があるわけでございますけれども、今日までこの産地法による効果をどのように評価していらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
#106
○政府委員(石井賢吾君) 五十四年から施行いたしまして、全体で百九十八の産地を指定をいたしまして、それぞれの地域におきます新商品開発あるいは新市場開拓に対する支援あるいは新商品の普及、確立、こういった事業に対する助成を行ってきたわけでございます。非常に率直にいえば、中小企業金融公庫のこの種対策におきまして最も活用されたのではなかろうかと思っておるわけでございますが、具体的に申し上げれば、従来輸出に特化しておりました手袋の産地が内需型に転換し、輸出依存は一〇%に落とす、あるいは従来のそういった手袋縫製という技術を革とドッキングさせることによりまして小物をつくるというような事業に転換をするとか、これまで欧米の先進地域へ直接売り込んでおりました西脇の先染め織物のような場合には、その製品の流れをむしろ香港、その他縫製地に直接市場を求めることによってより幅を広げるというようなそれぞれの成果を上げておるわけでございます。
 現在は、もう既に振興事業につきましては、百五十九の産地がこれを終了しておりまして、現時点で振興事業を行っておりますのは三十九の産地に限られてしまっておるのが実情でございます。
#107
○田代富士男君 今お答えいただきましたとおりに、五十四年から施行されまして、この産地法は七年間の時限立法でございますから、来年の七月にはこれは失効することになっているわけなんですけれども、この法律の目的は、本来「円相場の高騰その他の最近における経済的事情の著しい変化に対処して」と、こういう必要な諸施策を講ずるためであったのでございますけれども、この五十四年当時から進みましたこの施策、現在その前提条件に対する認識はどうなっているのか。例えば円高はなくなったというような認識を持たねばならないし、さりとて、産地にとりましては、この「経済的事情の著しい変化」はいまだに変化はしていないのではないかと、こういうその前提条件に対する認識というものを改める時期ではないかと思います。
 あわせて、この産地法は、この際広く地場産業
振興をカバーしようといういろいろな施策も我々は当委員会でも審議してまいったところでありますし、そういうことから検討していくならば、これは延長を考えたらどうだろうかと。これはもう私の私案でありますけれども、お考えをお聞かせいただけたらと思うのでございます。
#108
○政府委員(石井賢吾君) 先生御指摘のように、産地法の一番大きな円高というような事情が変わってまいりましたことは事実でございます。ただ、今回中小企業庁で提案いたしました各種法律におきましても、やはり中小企業を取り巻く環境の厳しさという意味においては、その環境の変化と、またそれに対応する中小企業の苦労というものが非常に大変であることは御指摘のとおりでございます。
 ただ、円高ということを主たる要因といたしました産地法の体系で申し上げれば、指定する産地は主として輸出に依存の高い産地が指定をされる、あるいは円高以外に原材料入手難とか、そういったような要件もございますが、したがって、そういうものに絞られた産地に限定をされるといいますか、傾斜をして産地が指定されたことは事実でございます。したがいまして、そういう意味におきます産地法というものを、かつこれは振興事業、御承知のように五カ年間の区切りがございまして、既に相当数はもう卒業したという格好になっておるわけでございますから、三十九の産地のみに現在の産地法はワークをしておるのが現状でございます。
 そういう意味におきましては、産地法を現行法のままで延長すべきかということに対しては、私消極的にならざるを得ないんではなかろうかと思いますが、先ほど来お答え申し上げております新地場産業の育成を図るために諸支援措置を考えていきますが、それの実効を上げるに法律が要るか要らないかという、いわば新たな産地育成のための立法の要否の検討という問題になるんではなかろうかと思うわけでございまして、その意味においてはいまだ結論は出していないのが実態でございます。六十一年七月でございますので、そのタイミングに合うように私ども今後検討をしていきたいというふうに考えております。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
#109
○田代富士男君 この中小企業庁の産地組合活動実態調査では、産地を取り巻く環境変化につきまして、現状の需要の鈍化現象や価格の伸び悩み、こういうことから、今後需要の多様化や人材不足、技術水準のおくれなどの問題に直面していくと予想されておるのでございますが、これに関しては、前回の当委員会におきましても指摘してまいりましたとおりに、技術、人材への対応は、中小企業、特に産地にとりましては極めて厳しい環境にあるのではないかと思います。そういう意味から、この点、再度通産省の強力な取り組み、前回の当委員会でもお聞きいたしましたけれども、お聞かせいただけたらと思います。
#110
○政府委員(石井賢吾君) やはり産地におきます人材の問題、特に技術者の問題あるいは言うならば技術革新の流れへのキャッチアップ、これに非常に制約があるという問題、こういったいろいろな問題を解決するためにこれまでも各種の施策を行ってきたわけでございますが、やはり産地の場合には、共通の技術課題を解決するための一番いい方法は、先ほど申し上げました産地組合ぐるみでの技術開発の推進にあるのではなかろうか。
 そういう意味で、それを支援するために、ある意味において今回中小企業技術開発促進臨時措置法を制定していただいたわけでございますが、そういった諸措置とあわせまして、主として産地組合を中心としてその結束によっての諸問題の解決、一つは技術開発でありますし、一つは人材養成、これは先ほどお尋ねの地場産業振興センターもまさにその役割を営むわけでございますが、そういった各種の支援措置の組み合わせによりまして、強力に支援をしてまいりたいというふうに思っております。
#111
○田代富士男君 この中小製造業の中で、事業所数で二七%、従業員数、生産額で一四%を占めるこの産地産業の振興策を今後いかに考えていくのか、またあわせてこの産地産業を含む地場産業育成の中で、この産地法それから新地場産業集積圏構想をどう位置づけ、施策をいかに展開していくのか、今いろいろな立場からお尋ねをしてまいりましたけれども、まとめて大臣のお考えをお聞かせいただけたらと思うのでございます。
#112
○国務大臣(村田敬次郎君) いろいろ産地法の関係等々、広範に御質問いただきましてありがとうございます。
 地域経済の主要な担い手でございます産地は、御指摘のように中小製造業の事業所数のうちの約二七%、それから従業員数の約一四%、生産額の約一四%を占めておる位置にございまして、産地の振興は極めて重要である。田代委員と同様に認識をいたしておるつもりでございます。
 昭和五十四年の七月に、円相場の高騰などの経済的事情の著しい変化によって影響を受けました産地中小企業に対して、新たな経済環境に迅速に対応するために産地中小企業臨時措置法を制定いたしまして、百九十八の産地を指定してきたところでありますが、産地中小企業をめぐる環境は円安状態が継続するなど、同法制定当時とは著しく環境変化を来しております。また、産地法の所期の目的も十分達成してきたというふうに考えておるわけでございます。
 今後の産地を含む地場産業振興策として、六十年度に地域経済の振興に寄与する新しい産業集積の構築を推進するための新地場産業集積圏構想、地場の中小企業のデザイン開発力の向上をねらいといたしました地場産業デザイン高度化特定事業を創設したほか、産地中小企業を含む中小企業の技術力、特に技術開発力の涵養を図る観点から、中小企業技術開発促進臨時措置法を新たに制定をしたわけでございます。これらの六十年度の新しい施策と、従来から行ってきております地場産業振興センターの建設への支援を初めとするもろもろの施策を、地域の中小企業者組合が積極的に活用していくことを期待をいたしておるところでございます。
#113
○田代富士男君 次に、種々の産業及び国民生活に不可欠な鉱物資源、特に最近、御承知のとおりにハイテク産業分野で欠かすことのできないレアメタルの安定供給確保につきまして、経済安全保障などの観点より伺ってまいりたいと思います。
 資源小国かつ大消費国の我が国にとって、エネルギーと同様に鉱物資源、特にレアメタルの確保は重大な問題であると思うのでございますが、そこでまず、このレアメタルを含む主要非鉄鉱物資源の生産状況及び我が国の海外依存状況について御説明いただきたいと思います。
#114
○政府委員(柴田益男君) 我が国の主要非鉄鉱物のうちで、まず、銅、鉛、亜鉛等のベースメタルにつきましては、先生御案内のように、従来から大半を海外からの輸入に仰いでおります。例えば、銅の場合は九七%を輸入に仰いでおりますし、鉛が八三%、亜鉛が六二%、ただし、その輸入先がカナダとかオーストラリアとか割合に安定した地域であることがこのベースメタルの場合の特色でございます。
 他方、レアメタルでございますが、これは世界的に見まして地理的に偏在がございます。その大宗が特定の少数の国に集中しておりまして、例えば、クロム、マンガンは南アフリカ、ソ連に全世界の約六割が集中しておりますし、コバルトはザイールに約五割が集中しております。
 一方、我が国の輸入状況につきましては、一部のレアメタルは我が国でも生産されておりますが、その自給率は低く、輸入依存度は、コバルトが一〇〇%、クロム、モリブデンが九九%、マンガンが九五%というように、非常に輸入依存度が高くなっております。また、生産が特定の少数の国に偏っている状況等からいたしまして、輸入先も特定国に限定されているというような状況に相なっております。
#115
○田代富士男君 鉱物資源のうち、レアメタルの生産は極めて少数の国に偏っている、今お答えいただいたとおりでございますけれども、従来か
ら、そういうために供給の不安定性が指摘されてまいりまして、現に供給障害が起こっているようであります。こうした供給障害に対し、どのような対策を講じているのか。あわせて、レアメタルの備蓄システム及び備蓄の現状を御説明いただきたいと思います。
#116
○政府委員(柴田益男君) レアメタルは、先端産業あるいは基礎素材産業等に必要不可欠な資源でありますが、先ほどお答えいたしましたように、大部分が輸入に依存しておりますし、その輸入先も、政情不安な国を含めまして非常に少数の国に限られておる状況にございます。このために、従来しばしば資源保有国間の紛争があったり、あるいは東西関係の緊張、あるいはまた南北間の問題、そういうことによりまして非常に需給が影響されておるわけでございます。例を申しますと、一九七八年にザイールで勃発したいわゆる第二次シャバ紛争、そのときにはこのザイールからのコバルトの輸出が二カ月間停止されておりまして、そのためにコバルトの価格が約六倍に急騰いたしました。そういうような供給障害が過去に起こったわけでございます。
 そういうことで、このような供給障害が発生した場合に生ずる混乱を回避するために必要不可欠な対策は備蓄でございまして、我々は、経済安全保障の観点から、一昨年、五十八年度から備蓄を実施しております。対象鉱種は七鉱種でございまして、ニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデン、マンガン、パラジウム、この七鉱種のレアメタルにつきまして、六十二年度末までに六十日を目標に備蓄の推進を図っておるところでございます。六十年度中、今年度中には二一・六日分の備蓄を実施する計画でございます。
#117
○田代富士男君 今の御答弁では、この備蓄のスケジュールがおくれているようでございますけれども、六十二年度末の目標は今六十日程度というお答えでございますけれども、達成できるのか、ちょっと心配であるわけなんですが、この点についてどうなのか。
 また、最近ハイテク産業の関連で、さまざまなレアメタルが利用されておりますけれども、備蓄鉱種は、ただいま御答弁になりました七鉱種ということでございますけれども、この七鉱種だけで大丈夫なのか、追加の検討はしないのか、この点についてもお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#118
○政府委員(柴田益男君) 確かに、備蓄のスケジュールについては、御指摘のとおりおくれぎみということは否定し得ないと思います。先ほどお答え申しましたように、六十二年度末で六十日ということでございますが、五十八年から始めまして、五十八、五十九、六十年度の三カ年で、やっと二十一日ということでございますので、まだ四十日近くを、来年、再来年に期待せざるを得ないということではございますが、我々としては、もう精いっぱいの努力をいたしておるわけでございます。
 この備蓄予算は、一般会計の中で組んでおりますが、五十八年度の予算は七億円でございましたけれども、五十九年度は約倍増の十一億円、六十年度は十四億円と、一般会計減少の中でやりくりいたしまして、この備蓄の予算は大幅に伸ばしているわけでございます。そういうことで、六十年度末で二十一・六日分ということにいたしたわけでございますけれども、我々としては、六十二年度末までに六十日をやりたいという所期の目標を達成するという努力は、最大限してまいりたいと考えております。
 それから、御質問の第二点の、レアメタルの対象鉱種を広げる必要があるんじゃないかというような御指摘でございます。
 この七鉱種を選定するにつきましては、産業構造審議会の経済安全保障問題特別小委員会でいろいろ御検討いただきまして、四つの観点からこの七鉱種を当時選んだわけでございます。
 経緯を申しますと、四つの観点がありまして、一つは、我が国で需要量が多いか少ないかというような判断が一つ、それから、当然の判断でございますが、供給国の状況、それから、レアメタルの相互間の代替性がいかん、四番目に財政状況、こういう四点から、通常対象となります三十一鉱種のレアメタルの中から七鉱種を絞って、五十八年度から実施してきたわけでございます。
 先ほど来申し上げていますように、まだ制度を実施して間もないことでもあるし、当面、その六十日備蓄もまだそこまでいっていないというような状況でございますので、今はこの七鉱種の備蓄をとりあえず拡充したいと考えておりますが、今後、経済情勢等が著しく変化した場合には、必要に応じ制度の見直しを含めて、鉱種の拡大を検討してまいりたいと考えております。
#119
○田代富士男君 レアメタルの安定供給確保対策で忘れてならないことは、今お尋ねをいたしました備蓄のみならず、この脆弱な供給構造そのものを改善していくことではないかと思うわけなんです。その一環として御承知のとおりに探鉱開発を積極的に行い、調達する等を強化をすることが重要であると私は思うのでございますけれども、政府の取り組みの現状はどうなっているのか御説明いただきたいと思います。
#120
○政府委員(柴田益男君) まさに御指摘のとおりでございまして、レアメタルの供給安定を確保するためには、備蓄だけではなくて、供給構造そのものの脆弱性を克服していかなければならないというわけでございます。
 そういう意味におきまして、レアメタルの内外における探鉱開発並びに技術開発を現在鋭意進めているところでございまして、六十年度からは内外の探鉱開発を促進するため、レアメタル国内賦存状況調査、それからレアメタル海外探鉱成功払い融資を新たに実施いたしまして、また技術開発面におきましては、レアメタル探査技術、レアメタル高度分離・精製技術等の技術を図ることといたしまして所要の予算を計上したところでございます。
#121
○田代富士男君 このレアメタルのほかにも、銅あるいは鉛、亜鉛等のいわゆるベースメタルについても安定供給は依然重要でありますけれども、従来から政府は、金属鉱業事業団等によりまして、広域、精密調査等の三段階方式等で日本の国内あるいは国外の探鉱促進を図っていると聞いておりますけれども、その概要と最近の成果はどうなっているのかお答えいただきたいと思います。
#122
○政府委員(柴田益男君) 銅、鉛、亜鉛等のベースメタルは我が国の経済活動にとりまして必要不可欠の物質でありまして、その安定供給の確保は極めて重要であります。このため、お話しございましたように、政府といたしましては、金属鉱業事業団等を通じまして、広域、精密調査等の三段階方式による国内探鉱の促進を行っております。政府の費用によりまして広域調査をし、一部事業者負担によりましてさらに精密調査をする。企業化の段階になりますと、中小企業鉱山の補助金をつけるというような形での三段階方式で国内探鉱を促進しているわけでございます。海外につきましては、海外における地質構造調査、企業化探鉱に対する出融資等による海外探鉱の促進を講じてきているところでございます。着実な成果を上げてきたと確信しております。
 最近の例といたしましては、これは秋田県でございますが、北鹿北地域温川地区におきまして、有望な黒鉱鉱床の発見が行われました。カナダ、ペルー等における高品位鉱床の発見等、内外において顕著な成果を上げている次第でございます。
#123
○田代富士男君 今御答弁でもありましたとおりに、日本の国内でも秋田県に新たな鉱床が発見されたようでありますけれども、我が国は御承知のとおりに火山国でありまして、こういう鉱物資源埋蔵の可能性は大きいのではないかと私は思うのでございます。国内の鉱山が最も安定的な供給源であるし、また、今さっきから論議してまいりました地域経済にも寄与できることでありましょうし、鉱山技術の蓄積にとりましてもこれは重要なことじゃないかと思います。
 しかしながら、財政難など諸般の事情によりまして三段階予算が減少してきておりますし、政府
はこの探鉱開発の促進強化をいかに考えておるのか。私もここに三段階方式の概要と予算の関係をちょっと見さしていただきましたが、これでよいだろうかと思いますけれども、できればこれちょっと詳しく御説明をいただけますでしょうか。
#124
○政府委員(柴田益男君) 今先生御指摘ございましたように、国内鉱山は最も安定的な供給源であるということだけではなくて、地域経済の中核、鉱山技術の蓄積の場としても重要でありまして、国内探鉱開発には積極的に取り組む必要があるわけでございます。そのため、国内鉱業関係予算につきましては、従来から、厳しい財政事情の中ではございますが、鋭意その確保に努力しているわけでございまして、今後ともその予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
 最近の予算の推移でございますが、先生御指摘のように若干減少でございます。六十年度のこの三段階調査は、全体で二十八億円でございまして、前年度比九四%ということで若干減っております。最近の予算要求のときには、補助金等の一割カットという大枠がかぶせられますので、なかなか増額は難しいわけでございまして、五十七年度以降、四年間続けて数%ずつマイナスしているのが現実でございます。しかしながら、全体の補助金のカットに比べれば、相当程度頑張って取ってきているわけでございます。
 その中で広域調査、これは国の費用で行うものでございますけれども、七億円計上してございます。それから精密調査、これは先ほどちょっと申しましたように、一部鉱業権者の負担が十五分の三ほど入りますが、全体の十五分の十が国の費用であり、十五分の二が地方自治体の費用で、残りの十五分の三が鉱業権者の負担でありますが、これが精密調査八億円ということでございます。
 それからまた、補助金関係といたしましては、五十八年度から中小鉱山の振興指導対策ということに着目いたしまして、六十年度では十二億円の補助金をつけておりまして、これは二分の一の補助で行っているところでございます。
 こういうような一般会計のほかに、財投といたしまして、探鉱融資六十年度二十二億円、安定化融資百二十五億円を計上しております。
#125
○田代富士男君 この政府の探鉱開発ばかりでなくして、企業による探鉱も重要と思うのでございますけれども、近年の金属鉱物の市況の低迷で、企業の経営基盤といいますか、これは脆弱なものになってきているのが現状ではないかと思うのでございますが、この資源というのは、御承知のとおりに減耗性であり、その確保には間断ない探鉱が必要であると思うのでございます。こうした探鉱に対しまして、現在減耗控除制度がありますけれども、これは六十年度までで期限切れとなっております。そういたしますと、探鉱促進のため本制度の延長を考えていかなければならないのではないかと思うのでございますけれども、ここらあたりに対するお考えはいかがでございますか。
#126
○政府委員(柴田益男君) 確かに先生御指摘のとおり、鉱業の場合には、一般産業に比しまして鉱床の減耗性、市況の変動性、探鉱のリスク性といった特殊性を有しておるわけでございます。そういう意味におきまして、租税特別措置法における減耗控除制度は非常に有用な制度でございます。
 御指摘のとおり、この制度は六十年度末に期限が切れるわけでございますけれども、当省といたしましては、本制度の重要性にかんがみまして、六十一年度税制改正に向けて、その延長を図るよう努力する所存でございます。
#127
○田代富士男君 最後の問題ですが、これは大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、今このレアメタルの問題を中心に質問してまいりましたけれども、この鉱物資源、特にレアメタルの問題は、七〇年代の石油資源のように重要な問題となる可能性は極めて強いわけでございまして、このレアメタル供給というものが政治問題となるおそれすらあると私は思っております。そういう立場から、レアメタル対策というのはまだ緒についたばかりではないかと思いますし、今後一層の拡充が必要であって、それには予算を要すると予想されます。
 そういう意味から、今私は予算のことをちょっと詳しくお尋ねをしたわけでございますけれども、そういう意味で、食糧やあるいは石油などのように、特別会計を設置するなど抜本的な財政措置を講ずることも一つの案ではないかと思いますけれども、今後、このレアメタルの安定供給確保にいかに取り組んでいかれるのか、大臣のお考えをお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#128
○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員にお答え申し上げます。
 先ほど来の御質疑、そしてまた答弁にありましたように、レアメタルは非常に重要でございまして、鉄鋼業、機械工業、電子工業など、我が国の産業にとって必須の重要資源であると考えます。また、今後先端技術の発展に伴いましてますますその重要性が高まるものであり、その安定供給は経済安全保障の観点からも極めて重要な課題であります。
 しかも我が国にこれらのレアメタルが賦存をする度合いが非常に低いのでありまして、しかも供給国が非常に偏っておる、こういったいろいろ供給のために難しい条件があるわけでございます。したがいまして、従来からこの備蓄に努めてきておるところでございまして、また今後も探鉱開発などを含めた幅の広い観点から安定供給対策を実施していく所存でございます。
 今後とも、通商産業省といたしましては、レアメタル等の安定供給対策の一層の推進を図るため、御指摘のございました所要の財源の確保などにつきましても、最大限の努力を行ってまいる所存でございます。
#129
○市川正一君 本日は、通産行政全般にかかわる問題について若干幾つかお伺いいたしたいんでありますが、最初に午前中にも問題になりました三菱南大夕張砿の大事故についてであります。
 これまでの調査やあるいは審議の中で、ガス爆発の発生箇所は八片連坑道の疑いが強いと言われておりますが、もしここでガスが出てくるとすれば、どこから出てくることが想定されるんでしょうか、まずお伺いいたします。
#130
○政府委員(平河喜美男君) ガスの発生源について目下いろいろ調査しているところでございますけれども、近くにございます密閉跡あるいはガスボーリングをいたしました跡等々が考えられると思います。
#131
○市川正一君 その等々なんですが、八片連坑道は、これまでも通産省の説明では岩石坑道と、こう言われてきておりました。ところが、我が党の調査では、それは単純な岩石坑道ではなしに、一部に炭層、石炭層ですね、これを露出させている沿層坑道的な部分もあることがわかったんでありますが、事実はどうでしょうか。
#132
○政府委員(平河喜美男君) 八片連坑道の冠には、稼行対象とはなっておりませんが、炭丈約〇・九メーターの炭層が存在していると承知しております。
#133
○市川正一君 そうすると、その炭層の厚さは今〇・九メーターとおっしゃいましたが、私どもの調査でも一・二メートルから一・三メートルぐらいというふうに承知しておりますが、坑道の最も大きいところの断面幅で約一メーター七十ぐらい、これは坑道幅ですが、今局長のおっしゃった冠のところです、食い込んでいるはずでありますが、どうでしょうか。
#134
○説明員(高木俊毅君) ただいま先生御指摘の八片連坑道の炭層の出方の状況につきましては、ただいま政府委員から御説明申し上げたとおりでございますが、これが一部何らかの崩落を意味しているんじゃないかと、先生の意味はそういうふうにとらしていただければと思いますが、そういう一部岩石部分が崩落した部分はございます。したがいまして、その部分がまた一部炭層が露出した部分がございます。
#135
○市川正一君 炭層の露出した部分が出てきているわけですね。そうすると、従来の説明は、そしてまたきょうも平河局長の答弁では、ガス発生箇
所が密閉箇所あるいはガス抜きボーリング座、これは午前中も同僚委員がやりとりあったところでありますが、単純な岩石坑道ではなくて沿層坑道的な部分もあり、そしてガスの発生箇所が、その炭層から直接八片連坑道内に湧出した可能性も当然出てくるんですが、この点は調査の対象としてお調べになっていますか。
#136
○政府委員(平河喜美男君) この炭層から湧出ガスがあるかどうか、また本災害のガス源となり得るかどうかについても現在調査中でございます。
#137
○市川正一君 局長お得意の目下調査中がまた出たんでありますが、だとすると、八片連坑道に接する炭層のガス抜きが十分やられていたのかどうかという点が問題になってきます。これが一つです。
 同時に、炭層は坑道上部にかかっているわけでありますから、冠に、ガスは当然上部に湧出してまいります。もしセンサーが低い位置に設置されていたとすれば、それはキャッチできないことになります。
 さらに、岩石坑道という当初の説明であれば、当然センサーがついていなかったという可能性も出てくるわけでありますが、こういう三つの点についてはどうなんでしょうか。
#138
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の点につきましては、災害原因との兼ね合いでございますので、捜査の一環として評価すべきだと思っております。
 ただ一般論で申し上げますと、当該区域の通気系統から見まして、八片連坑道でガスが比較的徐々に出てまいりました場合であれば、風下側に設置されておりますセンサーが異常をキャッチした可能性はあったんじゃないかと、現段階ではそう考えております。
#139
○市川正一君 大臣にお答え願いたいのですが、私はこれまでもたびたびこの問題を本委員会でも取り上げてまいりました。遺憾ながら通産省の担当者のこれまでの説明、答弁というものは極めて不誠実な部分が少なくないんです。例えばセンサーの設置の問題、その位置とか高さ、これについても私に対する答弁と、衆議院の石特あるいは参議院のエネ特での答弁との食い違いが出ております。
 私はこの問題について、きょうは新しい問題を提起いたしました。今言った冠に炭層が露出していたという実態を今通産省もお認めになったわけですから、そこからガスが湧出してきた可能性も大いにあり得るわけでありますから、それに対して一体どういう対応がなされていたのかということなどについては、引き続き本委員会で私は取り上げたいと思いますが、大臣としてもこういう問題について、もちろんまだ調査中のことについて推測で物を言えと、こういうことを私が強要しているわけじゃないんですけれども、どうか誠実な答弁を今後ともなさるように指導監督をよろしくお願いいたしたいんでございますが、いかがでございますか。
#140
○国務大臣(村田敬次郎君) 市川委員の御指摘は非常にごもっともなことだと思います。そのように指導監督いたします。
#141
○市川正一君 立地石炭関係の平河局長、お引き取り願って結構でございます。今度はひとつきっぱりお願いします。
 次に、私従来から本委員会において、中小小売業者の方々の営業を守る、そういう立場から一部スーパー業界の横暴なやり方について取り上げてまいりました。本日は富山市における富山北の森ショッピングプラザの出店問題についてお伺いしたいんであります。
 この問題は従来からの経緯もあります。またその都度名古屋通産局を初め、本省にも要請をしておりますので御存じだと思います。しかし、念のため簡潔に事実経過を確認したいんです。
 この北の森の出店に当たって、出店者であるクローバー興産は、大店法第三条に基づく申請にかかわる商調協の過程で、富山県当局の指導もあって、北の森の建設敷地内の一部を地元業者の共同店舗の出店用地として賃貸する意向を示しました。そこで地元の業者の方々はこれを了承して、本件を審議した商調協での結審に同意いたしたものでありますが、以上の経過は通産省も確認できると思いますが、いかがでしょうか。
#142
○政府委員(矢橋有彦君) ただいま先生がお述べになりました内容は、話の大筋といたしましてはそのとおり私どもも承知しております。
#143
○市川正一君 だとしますと、この商調協での約束を果たした上で、大店法第五条に基づく申請書を提出するのでありますが、お互いに協議し、お互いに確認し合った当事者のいわば約束、これを守ることは当然のあるいは最低限の誠意だと思うんであります。
 まず私は、一般論としてお聞きいたしたいんでありますが、三条結審の際に、両当事者間で約束したことが一方によって守られない、そういう場合に、その両当事者が約束をした約束事を、五条審査の際に当然考慮されることになると思うんですが、一般論としてどうでしょうか。
#144
○政府委員(矢橋有彦君) なかなか難しい御質問でございますけれども、あえて大ざっぱに一般論として申し上げれば、途中の過程において約束をしたという事実がありますれば、それが以後の審査の審議の中でも、そういった過去の事実ということを踏まえた話の進行になるというのが、一般論としてはそのとおりかと考えております。
#145
○市川正一君 重ねて矢橋さんに一般論としてお伺いしますが、両当事者間の約束を果たさないで、法的に申しますと最長八カ月、四カ月プラス四カ月で八カ月たてば出店できるとして不調実な態度をとっているというような場合、五条に基づく商調協でそういう立場をとっている者に対しては、これはただされてしかるべきだと思うんですが、一般論としていかがでしょうか。
#146
○政府委員(矢橋有彦君) ちょっとその前に、まことに恐れ入りますけれども、先ほど先生が簡単にお述べになりました過去の主だった経緯につきまして……
#147
○市川正一君 まず一般論として。具体論にこの次すぐ入りますから、そのときに言うておくんなはれ。
#148
○政府委員(矢橋有彦君) 一般論として申し上げれば、先ほど申し上げましたように、途中の段階での約束ということは大きく物を言うということは言えると思いますけれども、しかし、この件は具体的な件でございますので……
#149
○市川正一君 それは聞きますから。
 そこで、今度は具体論に戻りますが、事実経過からも明らかなように、地元業者が北の森の出店を三条申請に基づく商調協で結審に同意したのは、共同店舗用地の貸与というのが前提なんですね。そのことは通産省も御承知だと思います。
 ここに私持ってきたのが、北の森に関する商調協の審議、結審に至る説明書であります。これは富山市の商工会議所が作成をいたしました公文書でありますが、ここでも明記されております。また、ここに私、富山県の商工労働部の経営指導課長布谷三郎氏の公文書もございます。また、ここに持ってまいりましたのは富山市商工労働部長竹林五郎氏の公文書であります。判を押しています。いずれもこの問題は、県の指導のもとになされたものであって、そしてこの問題を「五条審査が開始される以前において解決する」ように指導するというのが、これは県の用語です。あるいは「働きかける」、これは市の用語であります。と明記されております。こういう実態の上に立って、こういう経過の上に立って、私はクローバー興産が地元業者との協議のテーブルに着くこと、そして同時に従来からの約束を履行するように、ぜひこの際通産省としては、監督官庁として最大の指導的努力をなさる責任をお持ちだと思うんでありますが、この点、今度は具体論ですから、ひとつ生きのいいところをよろしくお願いいたします。
#150
○政府委員(矢橋有彦君) この件にかかわります事前商調協の審議の過程等から見まして、その土地問題をも含めまして地元商業者による共同店舗計画が、いわゆる前提条件とまでは言えないかと
は思いますが、事前商調協の結審の際の一つの判断材料であったことは、先生御指摘のとおりであろうと考えるわけでございます。
 したがいまして、このような観点から、土地問題の早期解決を図るため、富山県を中心といたしまして関係者が協力して、話し合いのための環境づくりが行われているところでございます。そして、現在までに五回話し合いが行われておりまして、しかもすべて県が立ち会っておるわけでございます。私どもといたしましても、その県の指導による当事者間の話し合いが、一日も早く円満にまとまることを期待するものでございます。
#151
○市川正一君 今お述べになったそういう立場ということは、私なりに翻訳さしていただくと、これは事前商調協を通すために地元業者をごまかしたり、県や市までこけにするようなそういうやり方をやって、後は八カ月間何とかやれよと、タコつぼに入っておればそれでええんやというようなやり方は、それは放置できませんよというような意味合いに私解釈したんですが、そういうふうに精神を理解してよろしゅうございますか。
#152
○政府委員(矢橋有彦君) なかなか難しいニュアンスのある御質問でございますけれども、事前商調協の過程で当該企業が表明をしたということについては、その方向で努力するという一つの約束事になっているように受け取るわけでございます。
 いずれにいたしましても、その問題が北の森ショッピングプラザの商調協審議の前提であるとかそういったことでなく、とにかく全体続いた話の中の過去における重要な一つの出来事であるという意味において、当該企業は誠意を持って地元小売業者との話し合いをしていただきたいというふうに念願しておるところでございます。
#153
○市川正一君 先ほどは期待する、今は念願するとおっしゃったんですが、これは監督官庁としてやっぱり行政上の必要な適切な指導的措置を、これこそ私の方が期待し、念願いたしておりますから、今のお答えを踏まえてよろしくお願いしたいと思うんです。
 大臣、お聞き及びのようなことでございまして、仮に現状のまま北の森の出店が認められるというふうなことになりますと、クローバー興産の詐欺的出店方法に富山県も富山市も手をかしたことになってしまう。そしてまた、通産省の代表もこの商調協に参加していらっしゃるわけでありますから、これを認めてしまったということにならざるを得ない問題であります。私は、こういうやり方というのは、大店法の趣旨も踏みにじるものである、こういう不正は認めない。
 村田大臣は、最近詩集をお出しになったようでありますけれども、ポエムといいますか、詩人はやはり弱い者に対して正義感を持つ、それが私詩人の心情だと思うのでありますが、そういう点で、政治家かつ正義の詩人村田大臣の決意をお伺いいたしたいと存じます。
#154
○国務大臣(村田敬次郎君) 市川委員にお答え申し上げます。
 大型店の出店調整につきましては、消費者の利益の保護に配慮をしながら、周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保するように努めてまいる所存でございます。特に、周辺中小小売業等の関係者の意見を十分に聴取をいたしまして、適正かつ円滑な調整を図ることが必要であると認識をしております。
 本件につきましては、委員もお述べになられましたように、いろいろ複雑な経緯があると同時に、土地賃貸借をめぐる難しい問題でもございまして、関係者がこの問題解決のために鋭意努力をしておると理解をしております。今後当事者間での話し合いがさらに促進されるよう、引き続き一層努力をしてまいる所存でございます。
#155
○市川正一君 やや散文的でございましたけれども、意のあるところを私も酌み取り、そしてまた通産省としても積極的な解決のための御尽力、御努力を重ねて期待いたします。矢橋さんどうもありがとうございました。
 次に私取り上げたいのは、最近社会党の一部国会議員の方々が見学に行かれたことで話題に相なりました中部電力浜岡原発の問題でありますが、その三号炉増設に関する安全審査について伺います。
 この浜岡原発の安全問題については、今までも本委員会で私たびたび取り上げてまいりましたが、三号炉増設補正申請書、ここに持ってまいりましたが、「浜岡付近の地震被害歴」として宝永地震、安政東海地震などを挙げて、震度五以上の地震は歴史的な事実として十個あるとしておりますが、これは事実に反するんではないでしょうか。
#156
○政府委員(逢坂国一君) 東海関係の地震の記録その他につきましては、その申請書の中に一覧ございまして、「十個」というのは、震度五以上のものを集めたものということでございます。
#157
○市川正一君 そうしますと震度五以上のもの、ここに私理科年表を持ってまいりましたが、一四九八年の明応地震はマグニチュード八・六の最大級の地震でありますが、これを歴史的事実としても、またこのデータの基礎資料としてもリストアップしなかったのはどうしてですか。
#158
○政府委員(逢坂国一君) 明応の地震につきましては、当然これは大きな地震ということで審査の対象にしておりますし、検討の対象になっております。
#159
○市川正一君 いや「十個」だと言っているんですね。「浜岡地点に震度V以上の影響を与えたと推定される地震は十個であり、それらの被害状況を以下に示す。」ということで、個別的に十個挙げられているんです。その中に明応地震が入っていないということを私は言うている。あなた、入っているのか入ってないのか。しかもその理科年表でマグニチュード八・六というこの明応地震を、どうして入れないのかということを僕はお聞きしているんですよ。
#160
○政府委員(逢坂国一君) 先生の御指摘の、どういう地震があったかということ、対象としたかという御質問だと思いましたので、当然検討しているということをお答え申し上げました。
 まず、どういう地震が歴史的に起こって、それがどういう程度であるかということは、全部附属資料でございますが、書いてございまして、その分類に基づいた評価を、第一節で全体のことを書いておりまして、第二節でそのうちの十個を述べまして、さらに明応については、第四節で特に取り上げて詳しく検討したということを記述しているわけでございます。
 したがいまして、この地震を検討しているか、していないかと言われますと、そこは第四節の方に記述がございますので、当然入っております。こういうことでございます。
#161
○市川正一君 安政東海地震で代表させるというお考え方なんですよ、あなた方は。しかしマグニチュード八・四と八・六、〇・二の違いは、これは地震のエネルギーでいえばはるかに大きい違いなんですね。そのことはまあ常識的に言ってもあなた御存じだと思う。
 もし四大地震、これをもって代表させるということであるならば、なぜこの明応地震だけは省いて、私が言っているのは個別評価をやっているわけですから、この第二節で。そうすると、これをなぜ外しているのかというのは、非常に私は異例な取り扱いであり、理解に苦しむということを重ねて指摘しなければならぬわけで、その点何かありますか。
#162
○政府委員(逢坂国一君) 五・一章には、地震についての全体の記述でございまして、五・一章全体が地震に対する考え方のものでございます。御指摘のは、五・一章の分類の中で、五・一・二に書いてないではないか、こういうことでございますが、五・一・四に当然明応について記載がございますので、全体として見れば当然申請は十分なものである、こういうことでございます。私どもの方から見ますと、明応の地震につきましては、当時からそういう指摘がございまして、専門家の御意見を聴取する過程でも、十分にその辺の議論をいたしました。
 それで、明応の地震をどう評価するかというこ
とでございますが、地震の被害あるいは津波、海域の地震と津波の関係というのは非常に深い関係がございますので、津波の被害状況もずっと調べまして、それで、安政東海の地震で明応の地震を代表させるということで十分であるという審査結果を得ているわけでございます。
#163
○市川正一君 そんなアバウトなお答えないですよ。この申請書は、規模についての定量的な評価は困難なので、被害について「安政東海地震と同程度と考えられる」ので、これで代表させるということになったのだと。それは「同程度」と言うけれども、先ほど言ったように、〇・二のマグニチュードの違いがあるのですよ。これはやっぱり大きいのですよ、この違いは。
 それで、聞きますけれども、耐震設計指針で言う設計用最強地震ですね、これを想定した基準地震動S1というのがありますが、結果としてこれを過小評価したことにつながらぬですか。
#164
○政府委員(逢坂国一君) 設計用地震S1を審査する場合には、安政東海ばかりじゃなくて、いろんな想定される、当時問題となっておりますが、想定東海地震ということも検討いたしました。その中で一番厳しいものということで、設計用地震を選定しているわけでございまして、ですから、おっしゃるような、甘く評価したのではないかということにはならないわけでございます。
#165
○市川正一君 ならない、ならないと言ったって、なっとるじゃないですか。
 私、ここに、申請書に添付されている第五・五―五図、「S1地震動対象地震の応答スペクトル」ですね、これを持ってまいりました。あなたもお持ちでしょう。ここでは、明応地震よりもエネルギーの小さい地震のスペクトルは書いてあります。しかし、最大級の明応地震のスペクトルはないんですよ。ということは、あなたはさっき津波の話に話をそらしたけれども、そういうふうに津波で逃げられぬのですよ、これは。「定量的な評価は困難」なので、「同程度と考えられる」と言うて、いわば横並びにずれているんですよ。このことは、もし明応地震をこの表に書くと、このS1を超えてしまうことになりますよ。つまりS1をもっと大きくして、耐震設計でもっと厳しくせぬといかぬので――わかるでしょう。それで、このS1を、中電の意図というか、容認できる範囲におさめるために、あえて明応地震を安政東海地震に代表させるという、そういうメソッドをおとりになったとしかうかがえぬのです。この点どうですか。
#166
○政府委員(逢坂国一君) 明応の地震を安政東海で代表させるということは、そういう安易な比較をやったということではございませんで、確かに明応の地震というのは大分古い地震でございますし、戦国時代のことでもございまして、資料はほかのものに比べると少ないわけでございますが、しかし、かなりあります。
 それで、そういう明応の地震の被害歴、津波も含めまして被害歴をいろいろな文書から集めまして、それと安政東海とを比較し、専門家の御意見を伺って、これは安政東海の地震で代表させていいんだ、こういう結論を得ているわけでございまして、その結果、安政東海のものを一応代表さしてS1を決めているということでございますので、私どもとしては十分な対策をとっているというふうに判断しているわけでございます。
#167
○市川正一君 資料が乏しい、それはそうでしょう。しかし、当時の記述から見て、それがどういう規模の、またどういう震度のものであったということは、およそ科学的に推定はできるわけです。先ほど私言いましたように、この点では、これは東京天文台の編集したものですが、あなたの言われているマグニチュードの比較から言えば、〇・二の、より強度なものとしての想定があり得るわけなんです。
 それはあなた、戦国時代の話をなさったけれども、大事なのは、浜岡は、盛んにこの間テレビでも映りましたけれども、予想される東海大地震の震源地のいわば直上、真上にあるんですよ。戦国時代の話じゃなしに、現代の話なんでね。だとすれば、過去最高の、あるいは最大のそういうものを想定して安全性をまじめに考慮されるならば、それに対して評価をしていく、安全審査を行うというのが当然の前提だと思うんですが、私はいまだどうしてもやっぱりその点解せぬのです。
#168
○政府委員(逢坂国一君) 再度繰り返して大変恐縮ですが、私どもの安全審査をやりましたときには、当然想定東海地震というものも入っておりまして、それも全部ひっくるめて検討した結果、設計用地震動というのを決めておるわけでございます。
 今、明応についてどうかということで、私お答えしたわけでございますが、明応の問題もその中に入れまして、(市川正一君「入ってない」と述ぶ)いや、それは入っておるわけです。申請書をよくごらん願いますとわかりますが、五・一・四というところに「明応地震」という項目がございまして、そこでどうして安政東海の地震で代表さしたかということを記述してあるわけでございまして、そのほか、私どもの審査書あるいは安全委員会でのダブルチェックのときの報告書にもその辺の記述はあります。したがいまして、私どもとしては、いろいろな地震を全部考えた上でこの設計値が決まっているんだということでございます。
#169
○市川正一君 私、ここにスペクトル等も持っております。あなたのおっしゃった五・一・四の明応の記述があるというくだりも承知しております。しかし、これの結論は、「定量的な評価は困難であるが、その地震災害としては、安政東海地震と同程度と考えられる」からということで、そして冒頭に言った、地震は十回だという初めのところへ戻るわけですから、私はあえてこの問題を取り上げるのは、やはり東海大地震の震源城の直上にあるというこの浜岡原子炉が、一層万全を期していくという立場から見ると、こういう点ではやはり重大な瑕疵があるのではないかという問題提起をいたしているわけです。
 大臣、時間が参りましたので、まあ急に申し上げたので、すぐにどうしろ、こうしろということをここで答弁を強要するつもりはありませんけれども、今までもこの浜岡原発に関して、本委員会で一号、二号炉関係の地盤の液状化の危険性について指摘いたしました。また三号炉についても、地震の評価について質問をいたしました。そのほか、今後まだ解明されていない問題として、間隙水圧の問題とかH断層とか、あるいはなおただすべき疑問点が残っておるんです。
 それで、この原発の安全性の確保という問題は、私は、自主、民主、公開の原則にのっとって関連データを公表する、そして広く検証を求めてこそ確保されるのだと、こう考えております。そしてまた、そうでなければ国民的な合意も得られないというふうに思うんでありますが、引き続き私機会を得ましてこの浜岡原発の安全性の問題については、たまたまある野党の方がそこに行かれたからというふうな意味でなしに、十分本委員会としても研究をしたいと思いますが、こういう問題に関して大臣の御所見を承って、私の質問を終わります。
#170
○政府委員(柴田益男君) 原子力発電所につきましては、安全性を確保すべきであるという御指摘はまことに同感でございます。今先生、種々地震問題等について御指摘ございましたのも、先ほど来逢坂審議官、安全審査課長として当時この炉にもタッチしておりました。安全審査課長としての経験を踏まえての答弁を、今現在は審議官をしておりますけれども、当時の専門家であります原子力発電技術顧問会の意見を聞いたり、あるいは原子力安全委員会でダブルチェックをいたしてこれは認可をして、今工事中でございます。我々としては、この浜岡原子炉三号機についての安全性につきましては問題ないという判断でございまして、その辺につきましてはそういう方向で取り進めていきたいというふうに考えております。
#171
○市川正一君 何もこれについて言うているのやなしに、もっと総論的な姿勢をお伺いしたかったわけですけれども、もう結構でございます。いずれまた改めて。
#172
○委員長(降矢敬義君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#173
○委員長(降矢敬義君) 速記を起こしてください。
#174
○井上計君 先般の南大夕張炭鉱の事故、あるいはまた四月の高島炭鉱の事故等につきましては、当委員会で再三にわたってそれぞれの立場で質疑が行われております。したがって、事故の究明については、さらに通産省としても鋭意御努力をいただきまして、究明が終わり、さらに今後の災害予防等について万全を期して、早く山が再開をされるように私も期待をいたしております。
 そこで私は、石炭問題全く素人でありますし、対馬委員のような大変な専門家もおられます。既にそういう論議はされておりますから、むしろ私は事故という問題じゃなくて、今後我が国の石炭産業をどのように維持していくのか、そのために雇用をどうやって守るのかというふうな観点から、素人の質問ではありますけれども、幾つかお伺いをいたしたいと、こう思います。
 昨年の十一月でありますけれども、石炭産業で働く全炭鉱の組合からも要望書、提案が出ておるというように伺っておりますが、その中に石炭の付加価値を高める方策あるいは鉱山全体の付加価値を高める方策等々についてのいろいろと提言があったと、こう伺っております。それらのものを考えていくことが第八次の石炭政策を策定する上においてさらに重要だと、こう考えておりますが、このような提言等に対して、通産省としてはその後どのような御検討、あるいは今後第八次石炭政策策定に当たってどういうお考えであるのか、ひとつお伺いをまずしたいと思います。
#175
○政府委員(高橋達直君) 石炭の付加価値を高める、あるいは石炭鉱山の生産の付加価値を高めるという先生の御指摘は、まさに私どももそのように考えておるわけでございまして、種々の観点から、研究開発あるいはそういったものについての設備を設置します場合の融資の面で支援をしているところでございます。
#176
○井上計君 専門的にいろんな研究されておると思いますが、ただ、端的に申し上げまして、私、先般も当委員会として事故の調査に参りました。そのときに感じたことでありますし、またその後二、三の方々のお話を聞いておっても、まず採炭とそのための安全対策ということについては、鋭意今まで会社側もあるいは通産省としても御努力になっていることについては、これはもう十分理解をします。ところが、石炭に付随する問題の付加価値を高めるということについては余り考えられていないんではないか、あるいは考えられておっても、それがなかなか表面化していない。一般には石炭そのものに対するいろんな認識は、そこまで危険があるもの、またそんな問題があるのをいつまで持続していくのか、保持していくのかということについてのやはりそういう声があることも事実なんですね。ですから、やはり石炭というふうなエネルギー源、必要なエネルギー源であるが、同時にそれがさらにこのようなことによって付加価値が高まってきているというふうなことが、やはり一般にも理解されるようなことが必要であろうと、こう思うんです。
 そこで素人の発想ですが、南大夕張においては、発生するガスを一部利用していることは聞いております。しかし、ガスというのが、本当はないことが一番いい、しかしあるから仕方がない。またそのガスを抜かなければ事故の発生の災害の原因になる。しかし、仕方がないからガスを抜いておる、そうとは言いませんが、そういうふうな考え方があって、だけど、手抜きではないけれども、やはりそこに経営の重点というか、そういうふうな面でややおろそかになっておるというふうな面がありはせぬであろうかという感じも実はしたわけですね。
 で、最近、御承知でありましょうが、いろいろな企業においても、あるいは各産業界においても産業廃棄物の有効利用というものが大変研究されておるんですね。いわば従来経営の中で産業廃棄物、これがもう大変なやはりコスト高になっておる。そこでそれらのものをできるだけコストを減らすために、同時にいわば邪魔になるものを生かす方法はないであろうかという大変な研究がされておるわけです。
 私、先ほどからちょっと思い出しておるんですが、部長はこういうことを御存じかどうか。若干話は横にそれますけれども、ある鉛筆メーカーが、鉛筆を製造するにおいて、実際は約倍以上の木くずが出るわけですね。その木くずを従来は、ずっと以前はこれをただだからと言って喜んでもらっていく工場や家庭がたくさんあった。それがそのうちだんだんだんだんいわばボイラーの改善等によって必要としなくなった。そこでそのメーカーは木くずを捨てるために大変な経費がかかっていく。大体トラック一台で約二、三万円、月に百五十万円程度の、いわば一つの工場で捨てるためだけの費用がかかっていたと。それが大変経営を圧迫しているというので、木くずの有効利用を随分と研究したようですね。なかなか思うようにならなかった。
 ところが、ある従業員、素人の発想で、その木くずが、シダーという例の材木を使っていますから非常に無数の穴がある。そこで何か使えるであろうということで考えたのが廃油を含んだ水を中へ入れると、それが非常に油だけ吸収していく、だから残った水はそのまま下水に直に流せるというようなことで、一石二鳥という成果が上がって、最近では今まで金をかけて捨てなきゃいけなかったその木くずが、そういうふうなことに利用されるということで、別のパッケージをつくってそれを販売しているという、こういうケースがあるんですね。私も現物見ておりませんけれども、そのようないわば廃棄物利用というふうなことを、部長お聞きになったことありますか、今のこと。
#177
○政府委員(高橋達直君) ただいま先生からお話ございました鉛筆メーカーの木くずの問題については、寡聞にして聞いておりませんが、石炭の場合でも、いろいろな形で付加価値を高めるための、単なる石炭の生産だけでなくて、付随的なものについての工夫もしているというふうに聞いております。
#178
○井上計君 私は今これ思い出して申し上げたのは、全く邪魔で困ると、これさえなけりやもっと収益が上がるというふうに思われておったものが、そういうふうに逆に商品化されたというふうな例があるんですね。私は調べればそういう例随分あると思うんです。しかし、それは国の補助がない、いろいろな形で保護がない、そういうふうな企業、業界は真剣になってそういうふうな廃棄物の利用方法、再生方法を本当に研究しておるということです。それを考えると、私はないとは言いませんけれども、この石炭については、会社側も、あるいは失礼だけれども監督官庁である通産省においても、まだそこまでの研究努力がなされていないんじゃないかという感じがするんですよ。
 私ども本で読んだことでありますけれども、日本のセメント業界の開拓者である浅野総一郎さんが、一番最初あの横浜の野毛に捨てられておった、コークスを取った後のいわゆる石炭の山、あれに目をつけて、あれをただでもらってセメントを始めたのが我が国のセメントの始まりだと、こういうふうな話も聞いておりますけれども、その陰で、まだまだ石炭山から出る廃物あるいは採炭するために起きるそのようないわばガスを初めとする厄介なもの、そのようなものも、もっともっと利用価値があるんではないか。ただ、それがそこまで追い詰められたというふうな緊迫感がないのか、あるいはあってもコストの面でだめなのか、どうもそんなふうな、どこか何かありはせぬであろうかという、大変素人のはかない疑問ですけれどもね。だから、もっとそういう面に留意することによって、私は石炭産業の維持、雇用の安定というふうなことにいささかでも寄与できる面があるんではなかろうかと、こう考えるのですね。
 そこで、じゃ、具体的にお伺いしますけれども、南大夕張の先般の事故のあった三菱では、現在ガ
ス等についてはどの程度の利用をしておるのですか、ちょっとお伺いをいたします。
#179
○政府委員(高橋達直君) 南大夕張の炭鉱におきましては、ガスの湧出量がトン当たり立米ということで出炭一トン当たり六十六立米程度あるわけでございまして、これをもとに年産で四千八百万立米程度のガスの生産を行っておりますが、これを自家発電あるいは自家消費、その他一部隣接の炭鉱等にも売却しているということで、有効利用をしておる状況にございます。
#180
○井上計君 じゃ、この四千八百万立米、これを全部自家消費あるいは近隣への売却ということで消化できているのですか。
#181
○政府委員(高橋達直君) 季節によりまして、非常に需要の強いときあるいは冬場のような需要の少ないとき、そういった需給調整のために一部安全率というものを掛けまして、その分がいわばロスになっておりますけれども、これは状況から見てやむを得ないということで、全国平均で割りますと、おおむね一六%程度のロスがあるというふうに聞いております。
#182
○井上計君 私は細かいデータを持っていませんし、またそれ以上突っ込んでお聞きするつもりはありませんけれども、ただ、これが仮に炭鉱から発生するガスが商品としてもっと売れるということになれば、あるいは今のようにやむを得ずということでなくて、素人の言い方ですが、ガス抜きをもっともっと積極的に行うと。要するに、今まではもう抜かなければ仕方がないというふうないわば発想でやっているのと、これはもう抜くことによってもっと商品として売れるんだ、利益があるんだということになってくると、そこにやはりかなり違ってくるという面があると思うんですね。
 それらを考えると、従来付加価値を高めるためのいろいろな研究開発されたかどうかわかりませんけれども、具体的に全炭鉱からの提言を見ますと、随分いろいろなことがやっぱり提言されていますね。そのものが全部検討されておるのか、あるいは一部検討されておるのか、あるいは検討された結果がどういう理由でだめなのか、あるいは今後どういうふうな可能性があるのか、まあ大ざっぱでいいですけれども、ちょっとお聞かせいただけませんか。
#183
○政府委員(高橋達直君) 石炭の付加価値を高める問題につきましては、その山自体の付加価値を高めるほかに、石炭そのものの商品としての、何と申しますか、需要の拡大その他付加価値を高める問題がございまして、通産省におきましては、従来から石炭化学につきましてサンシャイン計画の一環として石炭のガス化技術あるいは液化技術、それからいわゆるC1化学、これはエチレン、グリコール等を取る技術でございますが、そういったものを積極的に推進してきているところでございます。
 また石炭灰でございますけれども、石炭灰もこれを有効に利用する必要があるんじゃないかということで、そこに入っております有価物を回収することにつきまして、五十九年度から通産省におきまして研究開発に着手したところでございます。
#184
○井上計君 どうも部長、専門的なことで、また抽象的な御答弁でよく私わからないんですが、私はたびたび申し上げているように、もっともっと私は何か踏み込んだ形で研究をされておるのかなという気がしたんですよね。どうも伺っておると、何かそれほど――石炭液化ガスあるいは石炭ガス云々というのは、これはもう従来から知っています。しかし、現実にそのようなものが、山に行ってみてもそういうふうなものについて一向表面的に何もされていないということはだめだから、あるいはコストの面で現状だめだからされていないのか、あるいは現在でも継続してやっておられるのか、あるいは近くそのようなものが実現するのかということ等についてはどういうふうなお考えですか。
#185
○政府委員(高橋達直君) 石炭の付加価値を高めること、あるいは需要拡大の研究についてはいわばまだ緒についたばかりでございまして、その成果はこれからというところでございます。例えば石炭灰から有価物を回収することにつきましても、五十九年度にいわゆるフィージビリティースタディーを行ったところでございまして、今後五年間にパイロット試験を行っていくということで、その後に具体的な成果が出てくるというような状況になっております。
#186
○井上計君 伺うと、どうもまだ大分先のような感じがしますね。それでは、私は本当の石炭政策というものから考えていかがであろうかというふうな感じがしてならぬわけですよ。
 同時に南夕張市においてもそうですけれども、山だけに依存をしているそのような地域は、もっとやはり積極的にその地域全体のために役立つような、山全体といいますか、石炭の付加価値を高めることより地域全体のことをもっと考えていかないと、南夕張においてもメロンだとかあるいは石炭資料館だとかというふうなことで、観光客云々と言われますが、そんなことじゃとてもあの地域は生きていけるはずがない。依然として未来永劫石炭に依然する以外に方法がない。とするならば、ただ単に、石炭といういわば狭い燃料ということだけでなしに、それを中心として、またそれに付随する大きな問題、もっとそのようなことで、国の産業政策としてさらに拡大された石炭政策というものが必要ではないかというふうに、今回改めて実は感じを強くしておるということで、こんなことを申し上げておるわけなんですね。
 だからよくわかりませんけれども、従来は商品にならなかったような低コストのもの、捨てられておるようなものをどのように開発をしていくかとか、あるいはそのほか、先ほど申し上げているガスについても、ただ単に自家使用ということだけでなしに、もっと電力会社に売電できるような、そういうふうな方法がとれないのか、いろんなやはりもっとなにがあると思うんですね、もっともっと積極的に進めていけば。そういう点について、石炭政策の中にもっと大きな柱としてお考えをいただく必要があるのではなかろうかと、こう思うんです。
 それから、半島振興法が今国会に議員立法で提出されると聞いておりますけれども、半島振興の中で、あるいは離島振興等を考えると、地域の小規模の発電所等々を考えると、それらのものと石炭というふうなものを結びつけることができないのであろうか。私もっと広範囲に、いわば従来の石炭という限られたものの発想でなくて、もっと大きな発想でいくと、先ほど申し上げた鉛筆の木くずの利用ではありませんけれども、そういうふうなものがもっとあるんではないかなあという気が、たびたび申し上げますけれども、素人考えですが、素人だけに起きるんですね。私そういうことで余り長く質問をするつもりありませんでしたが、きょうはむしろ質問というよりも、そういう意味でお考えをいただきたいという提言のつもりで申し上げたんですが、まだ時間は大分ありますけれども、皆さんお疲れですからこれでやめますけれども、大臣、長官、何かお考えがあればお伺いをして、私の質問を終わります。
#187
○政府委員(柴田益男君) ただいまの井上先生の石炭の利用の拡大のための技術開発、あるいは坑内ガスの一層の利用の促進、御指摘がございました。まことにごもっともだと思います。
 坑内ガスにつきましては、もう相当程度利用されているということを石炭部長から答弁申し上げましたけれども、固体として取り出すんじゃなくて、坑内の中でガス化して利用したらどうかというのは、前々からそういう提言がございます。なかなか技術的にそこは難しいようでございまして、採算にも乗らないというようなことでございますが、ガスの利用だけじゃなくて、石炭を多目的に利用し、かつ産炭地の振興にも仕向けていく、考え方としてはまことに我々も同感でございまして、今後の石炭政策を推進する上に十分その辺も留意してやってまいりたいと考えております。
#188
○国務大臣(村田敬次郎君) 井上先生から、いろ
いろ広範な見地に立って石炭産業の将来を考えてみたらというお話、大変参考にさしていただいたわけでございます。
 やはり専門家でいらっしゃる対馬先生からも、これからの石炭産業についてのあり方というような御質問があり、その折もお答えを申し上げたんですが、石炭産業は、御指摘のように、石炭だけ取り出してあるわけではないわけでございまして、まさに南大夕張であれば夕張市という市にある、あるいは高島炭鉱であれば島の中にあって、その島あるいはその市のあらゆる市民生活、住民生活に関連をしておるわけであります。したがって行政という意味で言えば、例えば自治省でやっておりますいろいろな交付税でございますとか、補助金でございますとか、そういう施策の対象にもなりましょうし、それからまた、例えば離島振興法だとか、あるいは今推進をされております半島振興法だとか、そういう特別立法の対象としても当然考えなきゃならぬと思います。
 産炭地振興その他いろいろなあらゆる社会的な面、石炭鉱業の置かれておる実態というものに、国の重要な一部として目を向けなきゃならないと思います。したがって、今御指摘になられました観点は、総合的な意味からぜひとるべきであるという意味では全く同感でございますし、今後よく勉強させていただいて、石炭鉱業のあり方についての一助といたしたいと存じます。
#189
○木本平八郎君 私も前回に引き続きまして、その南大夕張炭鉱の問題について、質問というよりも、やはり提言といいますか、私のアイデアを申し上げてひとつ参考にしていただきたいと思うわけです。
 まあ石炭の問題につきましては、これはもうあらゆる委員会で、相当皆さんエキスパートの方がいろいろな点から問題を解明されておりますので、私のような素人があんまりここでごちゃごちゃ言う筋合いのものじゃないと思うんですけれども、それでただ、まだやはり井上委員のように、素人なりにやっぱり思いつく点もございますので、そういった点を、参考になるかどうか申し上げたいと思うわけです。
 その前に、前回この委員会で申し上げましたけれども、この一応前提になっているところ、しつこいようですけれども、少し復習さしていただきますと、要するに日本の炭層の条件が非常に悪い、したがって普通にやっていたんじゃやはりこういう事故というのは不可避じゃないかと我々素人は思うわけですね。これは対馬先生も言いましたように、また来年起こるんじゃないかというふうな感じはぬぐい切れないわけです。
 したがって、私の観点としては、普通のこと、人為というんですか、人間がやっていること、この炭層相手に取り組んでいてもやはり限度がある、したがって前に私申し上げましたように、これは神の脚本であるというか、そういうことを前提にして取り組まなければしようがないんじゃないかと思うわけですね。したがって私の率直な感じを申し上げますと、今までと同じように、今後こういうことを繰り返さないようにということで、一生懸命に対策を講じましてもやっぱり起こるだろうと、そしてあと二、三回起こったら、やはりもう炭鉱をやめてしまった方がいいという世論が出てくるんじゃないか。
 私は、非常に象徴的な言い方ですけれども、今までのようなやり方をやると、昭和七十年には日本の石炭産業はつぶれちゃうと思うんですね。したがって、これは本当にもう今現在でも、この前も申し上げましたけれども、もう一回、万々一ことしもう一回やったら、もう一遍にわっとやめてしまえという世論が出てくるに違いないわけですね。したがいまして、私自身も前にも申し上げましたように、三百億も使って、人命を毎年毎年五十人ずつ犠牲にしてまでやる必要があるのかということは基本的には疑っておりますけれども、ただどうしてもやっぱり石炭産業いろいろな関係でやめられないというんなら、やっぱりこの辺で少し抜本的な、本当に抜本的なやり方を考える必要があるんじゃないかと思うわけですね。
 したがって、それで私が、今の観点として一番大きなのは、炭鉱自身の安全、これはもちろん必要なんです、保安の問題非常に大事なんですけれども、今石炭業界というか、官民あわせて一番大事なことは世論対策じゃないかと思うんですね。これもう大丈夫なんだということを国民に納得させることがまず大事だと思うんですね。ある意味じゃ、今までは炭鉱内部の問題を皆さん一生懸命にやってきたわけですけれども、この辺になってきてそういう世論対策に力を、重点を移すべきじゃないかと考えるわけです。
 したがって、そこで一つの私の提言なんですけれども、この期間がいいかどうかは別にして、一応三年なら三年というタームを切りまして、この間に労使、官民もあわせて、これどこの機関が適当かわかりませんけれども、石炭技術研究所がございますね、そこでもってこの炭鉱のガス抜きから、そういう安全操業の技術開発を必死になってやってみたらどうだろうと。これはある専門家に聞きますと、三年間で、今のところ一番問題はやっぱり金だと、百億円ぐらいをつぎ込んで民間の技術者も集めて、そして石炭技術研究所が先頭に立って必死にやれば三年間でできますという自信のある意見もあるんですが、私はやっぱりそれをやるべきだと思うんですがね。まず、その辺から御意見をお伺いしたいんです。
#190
○政府委員(平河喜美男君) 事故防止のために技術開発を抜本的にやれという御指摘でございます。今私ども、石炭技術研究所を中核にしていろいろ技術開発をやっております。また、今度の事故を契機としまして、なお一層新しい技術開発が必要な部分については予算等も拡充してまいりたいと思っております。
 具体的な、先生のその三年間百億という点につきましては、関係者とよく相談して検討してみたいと思います。
#191
○木本平八郎君 この百億円というのは私の思いつきで、それで三年間がいいのか、五年間必要なのか、それはもうわかりませんけれども、やはり一つの目標を決めて、この間にやりますということをやらないと、最大の努力をいたしますということで、十年かかるか二十年かかるかわかりませんということじゃ、やっぱり皆納得できないんじゃないかというふうに思うわけです。したがって、もうこういう状況に追い詰められてきているわけですから、国民をやっぱり納得させるには三年間だけ待ってくれと、その間にこれでやりますということでやはりやる必要があるんじゃない
 それから百億と言いましたのは、やはりもうそれだけをかけても、通産省も、政府も、官民も必死になって取り組むんだという姿勢を見せないと、ちょっと説得力がないんじゃないかと思うから百億と言ったわけです。この百億でさてどうかということですけれども、財政が非常に厳しいですから、それを簡単に出しても大蔵省がなかなかオーケーしないということがあるんですけれども、この辺はひとつ大臣にお願いして、今石炭関係の特別会計から補助金が全部で千三百億ぐらい出ていますね、それを何とか通産省でやりくりするからひとつ、何というのですか、私よくわかりませんけれども、使途の転用というか、その辺を、そこでぜひともこの技術開発に百億なら百億をつぎ込むと、したがってこれを三年間なら三年間認めてくれという非常にハイレベルの折衝をしていただいて、何とかこれ捻出していただけぬだろうかと思うんです。その辺私もよく事情わからないんですけれども、相当難しいとは思いますけれども、いかがでございましょう。
#192
○国務大臣(村田敬次郎君) 木本委員がいろいろアイデアを提案していただいておるわけでございまして、大変参考にさしていただいております。
 先ほど平河局長からお答えを申し上げましたように、保安問題については、もう幾ら注意をしてもし過ぎるということはないのでありますし、また事実、国民に対して、石炭鉱業は安心であるということを理解していただくということも非常に重要なことだと思います。ただ御提案の百億云々
という問題は、今御提案になった問題でございますから、検討さしていただきたいと思います。
#193
○木本平八郎君 専門家にちょっと聞きかじったところによりますと、もしもこういうふうな安全対策の技術が開発できれば、世界だって坑内掘りというのはもうたくさんある。日本ほど炭質は悪くないにしても、やっぱりみんなガスの問題を抱えているので、もしもそれができたら相当の技術輸出できるだろうと。それで、今後どんどんそういうニーズが高まってきている、例えば中国なんかでも高まってきているということなんですね。
 私、口を開いたらまた輸出、輸出と言うものだからいけないんですけれども、しかし、こういうのはやっぱり世界的にも貢献度が大きいから、開発できれば輸出できると、輸出できれば元が取れるんじゃないかという気もするんですね。したがって、ぜひその辺は検討していただいて、この際この事故を逆に利用して技術開発に向かうというふうな御指導をいただきたいと思うわけです。
 私やはり、これは大臣の立場を想像申し上げるんですけれども、例えば今、今後いろいろ点検をして、こういう事故がないようにいたしますということを一生懸命おっしゃっている。事実そうだろうと思うんですね。しかしながら、はっきり言って大臣、これで事故が絶滅するというふうな自信は余りお持ちになれないと思うんですね。むしろ私は技術開発の方が自信をお持ちになれるんじゃないかと思うんですね。日本の現在のこういう科学あるいは技術の水準、それから、日本人は目標を決められますと必死になってやりますので、必ず達成するというふうなことで、むしろ技術開発の方が自信をお持ちになれるんじゃないかというふうに私は考えるわけです。
 その辺で、先ほども井上委員からありましたように、率直に申し上げまして、私もやはり石炭業界自身が今まで補助金とそれから行政の指導に甘えちゃって、何かもう追い詰められる――もともとはもっともっと追い詰められていなきゃいかぬわけですね。したがって、当然いろんな工夫があって、そしてちゃんともうペイしていなきゃいかぬと思うんですけれども、そういうところがなかっただけに、やはりこの際、前々から申し上げておりますように、ある意味ではやっぱり厳しく、スパルタ的に指導していただくことが必要なんじゃないか。甘やかすと言ったらおかしいんですけれども、余り干渉し過ぎないように彼らのやはり自決というか、自分でリスクテイキングをして、自分でやっていくということをやっていただくとともに、こういう方向でぜひ御指導をいただく必要があるんじゃないか。
 最後に申し上げたいのは、やっぱり国民に対して、この際どういうふうに宣言していただくかだと思うんですよね。なるほどそうかと、それじゃもう三年間待とうという納得ができましたら、仮に来年もう一回あっても、まあいいや、もう三年間は黙っていよう、とにかくあっちがもう三年間待てと言うのだからというコンセンサスが得られるんじゃないかという気がするんですね。その辺の総括的な御意見を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
#194
○政府委員(平河喜美男君) 技術開発を含めまして保安問題の対策、私ども極めて重要と思っておりますが、それに関連しまして、多少PRとも関係してくるかと思いますけれども、今度の事故の後、直ちに政務次官を北海道及び九州に派遣しておりまして、現地での保安状況の視察とともに、現地で経営者及び労働者を呼びまして、保安問題に対する注意喚起を行うと同時に、その人たちからのいろんな意見も聞いております。
 こういうものを踏まえまして、さらに本日の午前中に日本石炭協会の会長を初め、主要炭鉱の全社長に集まっていただきまして、保安確保に関する懇談会を開催しております。こういうところを含めまして企業の意見等もよく聴取しまして、先生御指摘のような今後の技術対策等、鋭意努力してまいりたいと思っております。
#195
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、平河立地公害局長からお答え申し上げたとおりでございますが、時代を追って石炭鉱業の操業のあり方というのを見てみますと、一つの形が浮き彫りにされるんですね。例えば昭和三十五年には生産量が五千二百六十万トンであって、二十三万余人の人が従事をしておったと。そしてその能率は、一月当たり・一人当たり・トンということで表示をしますと十八トンであったわけです。ところが、一番最近の統計で、昭和五十九年で見てみますと、生産量は千六百八十三万トンでありますから、昭和三十五年に比べれば三分の一以下になっております。そして常用実働労働者数は、かつて二十三万人であったのが、もう一万四千人強になっておる。大変な縮小でございます。そして能率自体は九十二トン・パー人・パー月と、こういうことになっておりまして、非常に縮小し、そしてまた常用労働者の数も減り、そして一人当たりの能率は、三十五年に比べれば約五倍ぐらいにふえておるわけでございますね。
 したがって、これから目標としていかなければならないのは、委員御指摘のように災害の防除ということで、今石炭業界を挙げての努力、そしてまた通産省としても、現実に両政務次官が北海道と九州に飛んで、現地で具体的な指導に当たってくれておる。立地公害局を挙げてこの問題に取り組んでおるわけでございますが、委員の御指摘の点は非常に長期的視野に立った石炭鉱業のあり方をサゼストしておられると思いますので、よく検討さしていただきたいと思います。
#196
○委員長(降矢敬義君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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