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1984/06/21 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第20号
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1984/06/21 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第20号

#1
第102回国会 商工委員会 第20号
昭和六十年六月二十一日(金曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     佐藤栄佐久君     田中 正巳君
     木本平八郎君     青木  茂君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     田中 正巳君     佐藤栄佐久君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     高桑 栄松君     伏見 康治君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     松岡満寿男君     安井  謙君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     安井  謙君     松岡満寿男君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     松岡満寿男君     倉田 寛之君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     倉田 寛之君     松岡満寿男君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     松岡満寿男君     宮島  滉君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     佐藤栄佐久君     安孫子藤吉君
     宮島  滉君     松岡満寿男君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     安孫子藤吉君     中西 一郎君
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     中西 一郎君     佐藤栄佐久君
     山本 富雄君     岩動 道行君
     青木  茂君     木本平八郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         降矢 敬義君
    理 事
                斎藤栄三郎君
                前田 勲男君
                梶原 敬義君
                市川 正一君
    委 員
                石井 一二君
                岩本 政光君
                佐藤栄佐久君
                杉元 恒雄君
                鈴木 省吾君
                松尾 官平君
                松岡満寿男君
                対馬 孝且君
                田代富士男君
                伏見 康治君
                井上  計君
                木本平八郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   村田敬次郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       金子 一平君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     横溝 雅夫君
       法務政務次官   村上 茂利君
       通商産業省産業
       政策局長     福川 伸次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   清島 伝生君
       法務省民事局第
       四課長      宇佐見隆男君
       国税庁直税部所
       得税課長     岡本 吉司君
       国税庁調査査察
       部調査課長    友浦 栄二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
○いわき産炭地域の指定存続に関する請願(第一一七〇号)
○変革期に対応しうる中小企業の育成に関する請願(第三〇六八号)
○消費者行政の後退反対等に関する請願(第七二五四号外一件)
○生協に対する小売商業調整特別措置法等の適用反対等に関する請願(第七八九〇号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○梶原敬義君 豊田商事グループの悪徳犯罪商法について質問をいたします。
 大臣途中でちょっと退席されるようでありますので、先に大臣に質問いたします。
 何といいましても、今事件が起こって、そして被害者が多数出ております。そして、なけなしの金をはたいて非常に悲嘆の毎日を送っておるわけでありますが、今、国あるいは国会が当面急がなければならないのは、こういう被害を受けた人たちに対しまして、どれだけできるかは別といたしまして、全力を挙げて何とか救済をする措置、すなわち豊田商事グループの資産等を早く押さえて、そしてそれを被害者に返す、こういう作業が最も急がれなければならない課題だと考えておりますが、きのうの衆議院での質疑の中でも、古屋自治大臣もそのようなことをちょっと答えておりましたが、その点について通産大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(村田敬次郎君) 梶原委員にお答え申し上げます。
 豊田商事グループの今後の動向につきましては、通産省としても被契約者にどのような影響を与えることになるのかという観点から注視してまいらなければならない、またこのいろいろな事態について徹底的な究明を行って、それに対する対応を急がなければならない、こういうふうに考えております。
 被害者の中には、同情すべきケースも多いと承知をしておりますが、債権者の請求権の処理につきましては、ただいまの御質問にもありましたように、民事の手続によることと理解をしておりまして、当省として直接被害者に対する特段の措置は有しておりません。これは当然のことだと思いますが、民事の手続によるものと理解をしております。個々の被害者からの相談に対しましては、通産省関係その他相談窓口におきまして適切に助言をしてまいりたい、このように考えておるところでございまして、まず原因、そしてまた事態を
徹底的に究明をし、これに的確な対応をいたしたいと、このように考えているところでございます。
#5
○梶原敬義君 通産大臣、事態の究明、これはもう当然のことであります。ただ、被害者に対する救済については、どうも大臣の答弁は、やはり逃げといいますか、これは民事に頭らなきゃならない、裁判所の判断すること、こういう感じを強く受けるわけであります。
 私は、なぜ国に責任があるかということは後から申し上げますけれども、やはり最終的には、結論は民事に頼るといたしましても、国が今豊田商事グループが持っている残存資産、これは一体どこにどれだけあるのか、そういうのについては、通産省も経済企画庁もあるいは警察庁も、一緒になって早く調査をして、そこに一定程度の資産があるならそれを早く押さえて、そしてそれを返していく。こういう作業に対して、通産省はもっと積極的な姿勢というか、一歩踏み込んだ姿勢をとるべきだと思うんですが、その点について、いま一度前に入った答弁をぜひお願いしたいと思います。
#6
○国務大臣(村田敬次郎君) 梶原委員が被害者の立場をお考えになって、できるだけこれに積極的な親切な対応をするようにという御趣旨はよく理解をいたしております。こちらに、消費者保護の立場で終始いろいろ対応していただいております金子経済企画庁長官もおいでになりますし、それからまた関係六省庁の会議がございまして、そういったところで今梶原委員の御指摘になりました点もよく相談をしてまいりたいと思っております。
#7
○梶原敬義君 金子経済企画庁長官、今、村田通産大臣から相談をしてと、そして関係省庁連絡会議は経済企画庁にあるわけでありますが、要するに私は、警察庁に全部資産や何かの調査を任せるとか何かじゃなくて、関係省庁連絡会議の中で、もう一刻も早く国内にある資産あるいは国外に恐らく出ていると思われるような資産、これは流動資産か固定資産かわかりませんが、その辺の調査を早くして、そしてそれを早く押さえる。押さえるためにはやっぱり国も努力すると。どういう方法か幾つかあると思いますが、そのために今早く手を打たないと、もうだんだんだんだん時期を失するような気がしてなりませんが、その点についていかがでしょうか。
#8
○国務大臣(金子一平君) ただいま警察で豊田商事に対する取り調べが続いておりますので、私どもとしては、やはり一刻も早く財産の全貌を確認してもらいたいという気持ちでいろいろお願いを申し上げ、また御連絡を申し上げておるような次第でございます。
 今お話しの被害者救済につきましては、これはもう私どもとしても大変苦しい立場に立たれる御老人もあれば、身寄りのない御婦人もあるわけでございますので、そういった方々に対しましては、国で行政措置として認められる限りの救済措置は考えてまいるつもりでおります。
 今お話しの財産全体は幾らになるかというようなことは、これは警察の手が入っておりますから、やはり警察にお願いをして調査を進めてもらう、こういうことであろうと思っております。
#9
○梶原敬義君 警察庁お見えですか。
 今、両大臣から言われました財産の全貌をつかむのは警察の仕事だと、こういうお話ですが、実際問題としてそういうことでできるんですか、今のような捜査のやり方で、財産の全貌をつかむことが。そこは関係連絡会議の中で相当打ち合わせされてのことだと思うんですが、いかがですか、警察庁。
#10
○説明員(清島伝生君) 私どもの方は、犯罪を捜査する、違法行為を立証していくということが務めでございますが、その過程で、会社の資産状況について把握する必要がある場合があるわけでございますが、犯罪を立証するために必要なそういう資料というのは、今後とも収集していかなきゃいかぬということでございます。
#11
○梶原敬義君 だから、いいですか、今、金子大臣が言われました財産の全貌を急いで確認をする、その方法とすれば、もう警察庁にやってもらうしかないというような結論のお話です。
 ところが、今、警察庁の保安課長の話では、犯罪を立証するのが警察の仕事だと、ニュアンスが違う。その過程で、その二次的なところで財産の全貌を立証するために必要ならば調査をするというようなことですから、どうもそこは食い違いが感じられるわけですよ。この点について金子大臣、一体いかがでしょうか。ちょっと大臣の答弁と、今警察庁の言っていることとちぐはぐですよね。これでは財産の全貌はつかめませんよ。
 私は私なりにやろうと思って、今一生懸命やっておるんですけれども、一つわかったんです。例えば東京の支店や何かを調べてみますと、大変いいところのビルに店を出しているんですよ。ここは、大体いいところのビルというのは、二十五カ月分ぐらいの敷金を今払っているんです、敷金を。だから支店を出しているところだけ全部洗ったって、敷金だけでも相当なものになっているはずなんですよ。だから私は、きのう通産やあるいは経済企画庁の事務局の皆さんに、その全貌をつかむために一体何を今してきたのか、何をするのかということで随分聞いたんですが、今両大臣から言われるような内容で、遅々として進まない。だから、私も一生懸命私なりにやって、いいビルでは敷金を二十五カ月やっぱり出している。こういうことが一つある。
 そうして、皆さんの責任があるわけですから、国民生活センター、消費生活センターには、やはり各県から次々に緊急情報という形で行っている。行っているにもかかわらず、やっぱり野放しにしてどうにも手の打ちようがなかった。こういう状況というのは、やっぱり国の責任があるわけですから、だから財産の全貌を早くつかんで、そして一体裁判の手続をとるのか、あるいは何をとるか知らぬけれども、結局幾つかの方法の中で一番いい方法で、とにかく資産を押さえて被害者に返していく、この作業が今一番急がなきゃならないことじゃないですか。
 そして同時に、さらに将来の問題としては、立法措置や何かで、こういうまがい商法にひっかからないようにこれはやっぱりやらなきゃならないけれども、今緊急にやらなきゃならないことは、被害者に対してどう財産を押さえるなり何なりして救済するかということ。どうもきのうの衆議院の答弁の内容にしても、きょうの両大臣のお話を聞いても、そこの肝心なところが、緊急の課題がやっぱり欠けている、こう思うんですが、とにかくいま一歩踏み込んでいただきたいと思うのです。通産大臣いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(村田敬次郎君) 豊田商事のペーパー証券商法が社会的な問題となっておる、そしてまた消費者保護の観点からゆゆしいことである、こういうことは非常に認識をしておりまして、そして、それにできるだけ緊急に対応しなければならないということで、新規の募集を停止させる措置についていろいろ当省としてはやっておるところでございますが、また当然梶原委員の御指摘になったように、豊田商事の資産内容等について大きな関心を持っておりますが、法律的に率直に申し上げますと、同社に対する報告徴収の権限とか、立入調査等の強制力のある手段というのは、法律的にはないんです。
 したがって、そういった強制立入調査権等がなくても、実態調査をするとすれば一体どういう方法があるかということで、実は関係省庁ともよく相談をしておりますが、先ほど来申し上げておりますように、警察当局の捜査の進展といったようなものが事態解明に資する大きなものになるんじゃないか、こういうふうに期待をして、これに注視をし、そして省庁間の連絡を緊密に取り合っておるということでございまして、当省として対応し得ることはいかようにでも対応をしたい、このように考えておるわけでございます。
#13
○梶原敬義君 重ねて質問を要請したいと思うのですが、金子大臣、警察庁は犯罪を立証するためというのが第一義ですね。その次の資産や何かの
全貌をつかむのは、それはうちの仕事じゃないというようなニュアンスのお話ですが、しかしこれは国として、国は一つですから、やはり連絡会議の中でこの資産の全貌を一体どう把握するのか、そのためにそれぞれが役割をやはりつくり合って、そうして全貌の把握を早急にしていただきたいと思います。そういう指導をぜひやっていただきたいと思います。
 それから、大蔵省もお見えだと思うのですが、私はやっぱり税務調査あたりを、本当に大蔵省がやる際において、恐らく前年は税務調査はやっておった、こういうことをちょっと聞いておりますが、その中で、税務調査をする過程の中で実態というのはもっと把握をすべきだったと思うのですが、大蔵省はその税務調査をやりながら、一体なぜこういう問題が事前にわからなかったか、実態のない商法というものをつかめなかったか。大蔵省おられますか、答弁を……。
#14
○説明員(友浦栄二君) ただいま先生のお話でございますが、基本的に税務調査は、適正な申告がなされているかどうかということを確認するためのものでございまして、この範囲において資産等の内容につきましても、また取引の内容についても検討を行っております。本件につきましても、そういった適正な課税という観点から、ただいま申し上げたような方針で調査を行ってきているところでございます。
#15
○梶原敬義君 大蔵省に重ねて聞きますが、これは永野さんが殺害をされた後というのは、なかなか真相を究明しにくいと思うのですが、しかしこの会社には必ず税理士、国家試験を通った税理士がおるし、あるいは当然資本金は二億五千万以上で、それから負債総額四百億ですか、公認会計士もつけておらなきゃならない企業だと思うのですが、この点はどう把握しておりますか。ここが実態というものをある程度知っていると思うのだが、どこら辺まで大蔵省としてはその状況をつかんでおるかどうか。
#16
○説明員(友浦栄二君) 公認会計士が関与していたかどうか、私どもの方では把握しておりませんが、調査に際しましては、若干名の顧問税理士が立ち会っているようでございます。
 ただ、顧問税理士といいましても、税理士がその会社にどの程度関与しているか、単なる申告書の作成のみを行っているのか、あるいは経理内容まで了知した上で申告書の作成を行っているのか、その辺につきましては、本件についてちょっと詳しい事情を承知しておりません。
#17
○梶原敬義君 だからそんなことは、もう国は一本ですから、みんなが一緒になってあらゆる手を尽くして、実態把握に対して緊急にやっぱり手を打たなきゃいかぬ。ところが、うちはこれだけ、うちの持ち分はこれ、うちはこれこれ。一体どういうことですか。国民は期待をしておるんですよ、国に対して。どうも今の答弁を聞いていて――税金取るだけですか、大蔵省は。
#18
○説明員(友浦栄二君) 先ほども申し上げましたように、税務調査上の権限といいますのは、各税法で定められております。その税法の規定は、例えば法人税ですと、法人税の申告が適正であるかどうかということが調査の目的となっております。
#19
○梶原敬義君 公認会計士を置いていたんですか、置いていなかったんですか、この企業は。
#20
○説明員(友浦栄二君) その点については、ちょっと確認がとれておりません。
#21
○梶原敬義君 私はきのう準備の段階から、時間がないからその辺は早くしてほしいと随分言ったんですが、何もまだわからないんですか。
#22
○説明員(友浦栄二君) 昨日、先生からお電話がありましたから、直ちに、本件は大阪が所在でございまして、大阪国税局の所管でございますので、照会をいたしましたが、そのような事実は、大阪国税局でも把握していないということでございました。
#23
○梶原敬義君 もう時間ありませんから。私は国に責任はないと言わせませんよ。
 私は、ちょっと地元の大分県の状況を調べたんですがね。五十九年の七月に、大分に支店ができているんですよ。そして、すぐいろいろと苦情処理が来ておりまして、それは各県同じだと思うんですが、国の国民生活センターに緊急情報ということで上げているんですよ、次々に。だから、これは五十九年の七月ですから、各県で、もっと早くできたところはもっと早くから上げているはずですよ。これは、一方で対応がおくれておって、事件が起こったら、いや、それはどうにもなりません。そして、それに対して緊急に手を打たなきゃならぬところもなかなか打たない。警察庁の関係については、後から質問があると思いますのでやりませんが、非常につかみどころがないんですよ。
 大分県の状況を言いますと、非常にお年寄りや婦人の弱い層に、だまかされて事件が多く出ております。五十九年の七月からの数字を見ますと百二十二件、六月十四日まで。性別で言いますと、男が三十三人の二七%、女が八十八人の七二%、物すごい、七二%ですよ。それから年齢別で見ますと、二十歳から九十三歳まで。五四%の人が六十歳以上。職業別で見ますと、無職が五十人の四三%、主婦が四十八人の四一%。三千万円以上二人引っかかっているんですよ。合計でいきますと、六十年度の六月十四日までの締めで二億九千万。毎日ごとやっぱり県の消費生活センターにどんどん今苦情が殺到しているんですよ。
 やはり、緊急情報ということで国にずっと入れてきているんですから、それは通産省もあるいは経済企画庁も、国全体は、何回も国会でも質問が出ているんだから、手の打ちようが――そのときに大蔵省も一緒になって状況把握をしておれば、もっと被害を最小限に食いとめ得たんだ。にもかかわらず、やはり今緊急課題は、被害者をどう救済するかを急いで、後のことは後のことですよ。それをどうするかということに対して、あっちやこっちや話がいって、これは国民は失望しますよ。責任がないとは言わせませんよ。どうなんですか。
 最後に、もう時間来ましたから、いろいろともっとあと聞きたいこと用意しておったんですが、金子大臣にひとつ前向きに取り組む姿勢をお聞きしまして終わります。
#24
○国務大臣(金子一平君) 御指摘の対策につきましては、とにかく被害者救済は、財産の全貌をとりあえずどうなっておるか調べることが先決だと思っておるわけでございますが、それは警察の手が入っておりますから、警察捜査の段階においてある程度はっきりしてまいります。それ等をにらみながら、いろいろな政策を進めてまいりたいと考えておるわけでございまして、消費生活センターなり国民生活センターでは、被害者について一々弁護士会へ連絡したり、それなりの対策は講じておるわけでございますけれども、私どもは気の毒な生活の方の救済に、今後も六省庁の会合をフルに活用して総合的な施策を進めたいと、こういうふうに考えておることを申し上げておきます。
#25
○梶原敬義君 警察庁、今そういう内容の形で、企画庁長官言われた線で、やはり事件の立証だけじゃなくて、その辺のことを前向きにやっぱり一緒に仕事をすると、そういうことは強く受けとめてやってくださいよ、いいですか。答弁要りません。
#26
○対馬孝且君 今、豊田商事の事件に関しまして、私も時間が限られておりますから、簡潔にひとつお答えを願いたいと、こう思います。
 私は、この問題につきまして、マルチ商法という問題がございまして、昭和五十年三月二十四日、参議院予算委員会におきまして、当時の福田一国家公安委員長、それから福田副総理、当時の河本通産大臣、こういうことで実は質問いたしております。十年前でありますけれども、これ私も読んで確認をいたしてまいりましたが、そこで第一の問題は、私はやっぱり特徴を申し上げなきゃならぬと思うんです。この事件も訪問販売ということでございましたけれども、今回ではもっと悪質である、私の判断としましては。それはしかも
弱者であり、あるいは身体不自由者、そして中国からの帰国者の孤児までこれは対象になっている。
 これは、私はきのう北海道に帰りまして、北海道の道庁に参りましたら、このことが明らかになってまいりました。現在北海道では、北海道庁が五月三十一日現在で集約しておりますが、これは額にしまして九億二千四百七十八万円、約十億も実は豊田商事で犠牲になっているわけであります。件数としましては四百三十六件、そのうち既に問題提起、いわゆる苦情処理に当たっているものは三百四十五件、こういう件数になっております。
 しかも北海道の場合には、全く唖然としたのは、ここに北海道新聞が出した紙面がございますけれども、(資料を示す)八十二歳のおばあちゃんが八千万円。これだけ大きくこれは社会面をにぎわしましたが、八千万円です。これは夫と十三年間苦労してためた金を、実はこの今回の商法によってやられた。しかも子供がいない、養子である。しかも、毎日夜は眠れなくて、仏壇の前で亡き夫に対してわびている、死ぬ思いであるということを訴えられております。
 いま一つは、千二百五十万円の退職金をもらって、これまた息子さんが脳血栓で倒れて脳手術をしている。その間に退職金を全部つぎ込んでしまった。もうまさに、今どうしたらいいか、路頭に迷っている、お先真っ暗であるという訴えが実は出ておるわけであります。
 そこで、端的に私は申し上げるんだが、こういう今回の豊田事件の行為というのは、私は、完全に詐欺行為である。このことを率直に、詐欺の疑いを非常に私は怒りをもって訴えざるを得ません。
 これは、なぜ私これを引き合いに出すかというと、昭和五十年三月二十四日の、時のマルチ商法に対して明快に、当時の福田国家公安委員長、それから河本通産大臣、時の福田副総理、これは兼経済企画庁長官が答えておりますがね。やっぱり私はこれ、詐欺的疑いを持った完全な行為である、まさに人道上許さるべき行為ではないと、こういう考え方を持っているんでありますが、この点について、両大臣の基本的なこの事件の扱いに対して、それから事件の本質についてどういうふうに理解をしているか。この点まず冒頭確認をしておきたいと思います。
#27
○国務大臣(金子一平君) 法律的な問題といたしましては、通産省所管の訪問販売法あるいは大蔵省所管の出資法、どこにひっかけられるか、随分いろいろ今まで研究をしてもらってまいっておるわけでございますが、結論的に言いますと、商法のやり方は、全くおっしゃるような詐欺的な行為と結論づけざるを得ないんでありますが、その立証を今警察庁でしっかりやっていただいておる、そういう段階だというふうに御理解いただければありがたいと思います。
#28
○対馬孝且君 今長官から、まさに私の認識、私はこれ完全に詐欺であり、まさにこれは本当に極めて悪質な事件である、こういう認識でありますから、今それを立証するための裏づけをしている、こういう認識でありますが、通産大臣、考え方どうですか。
#29
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員にお答え申し上げます。
 例えばこのペーパー商法の場合、いわゆる金の現物まがい商法に対する対策としては、当省としては従来から特に二つの点にポイントを置いて対策を進めてきております。まず第一に、消費者が現金と引きかえに安心して金地金を購入することができるような体制をつくることが大切だと。このために、金地金の流通機構の中核的な機関として、昭和五十四年十二月、社団法人日本金地金流通協会の設立を許可いたしまして、同協会内に登録店制度を設けて信用ある売買店舗網の拡充に努めてまいりました。第二に、金について御指摘のような悪質な取引があることを一般消費者に十分認識してもらうために、ポスター、テレビ、新聞等によるPRに鋭意努力をしております。
 通産省としては、現在この大きな社会的問題を起こしております豊田商事に対しましては、これ以上の新規契約による被害者の発生を防止するという見地から、当面新規の勧誘を見合わせるべき旨の指導文書を一昨日配達証明つきで発出をいたしました。これによって会社側の適切な対応を期待しておるところでございます。当省としては、今申し上げましたように、従来から対策を講じてきておりますし、こうした努力にもかかわらず、社会的に大きな問題が発生したことについて、消費者保護の観点からゆゆしいことである、このように認識をいたしております。
 本件は関連する省庁も多く、さらに最近においては、このようないわゆるペーパー証券商法は、金地金だけでなく、ゴルフ会員権とかいろいろ考えられるわけでございまして、こうした商法に対しては、ひとつ幅広い観点に立って対応しなきゃならぬということで、経済企画庁、大蔵省、警察庁、法務省、公正取引委員会等関係機関が相寄りまして、鋭意これに対する対応を急いでおる、また対応しつつあるというところでございます。
#30
○対馬孝且君 そこで、私は具体的に、今、対応いたしてまいりましたという通産大臣のお答えですから、新規勧誘の停止文書を、通達を出したと、その効果がどういうふうに出てくるかということは一つ問題だと思います。
 先ほども同僚の梶原委員からありましたように、今一番大事なことは、やっぱりまさに詐欺的商法である、こういう基本を踏まえまして対応することが一つだと思うんです。そうだとするならば、私は通産省の対応が、これ今対応してきたと言いますけれども、さかのぼって私は国会の会議録を読ましていただきましたが、五十六年の秋、それから五十七年の国会で、これは当時の安倍通産大臣、河本経済企画庁長官、これは衆議院でもやっております。参議院でもやっておりますが、予算委員会の分科会で我が党の同僚委員が指摘しているんです。これはもはやマルチ商法の第二の問題にならないか、早急に対応する必要がある、こういう指摘を受けましたときに、安倍通産大臣、河本経済企画庁長官は、まさに大騒動になってはならないので、この問題を抜本的に対策をしなければならない、こういう答弁に立っているんですよ。五十七年ですからもう三年になるわけでしょう。
 これだけの事件が発生をして、通産省管轄で、私が調べてみますと、一年間で千四百件、被害額四十億円という相当数に上っているということが出ているわけです、これ豊田商事だけで。そうしますと、私は、いま一歩政府としての対応がなかったと、もう一歩やっぱり積極的な姿勢をとるべきであったのではないか。国会でこれだけ、三年間の議論が交わされて、私も五十年に予算委員会でこれだけのことをやって、二度とこういうことをやってはならないという対応を、行政も政府もやりますと、こうなっているんだ、後で申し上げますけれども。そのことについては立法化をするということで、今日の訪問販売というのは立法化になったんです、五十年に。そういう経緯を私は自分でやっているだけに、憤りを感ずるのであります。
 そういう点について、それでは具体的に私申し上げますと、何といっても、きのうも北海道で被害者の方とお会いしましたが、とにかく全額返ってこなくてもいいから、早急に国の責任でとにかく政治の場で返してもらいたいと、この声が今切実な訴えですよ、やっぱりこれ。そうしますと、私は今大事なことは、豊田商事の会社、豊田商事の財産、これを一体どういうふうに政府として掌握をし、調査を進め、また警察当局とも協力をしながら、永野会長の当時のいわゆる資産、それから豊田商事株式会社それ自体の財産というものをどう掌握し、管理をしていくか。六省庁会議とか言っているんだけれども、このことをもう一歩具体的に私はやる必要があるんじゃないか。この点どういうふうにお考えですか。
#31
○国務大臣(村田敬次郎君) 率直に申し上げて、強制捜査権がないわけでございます。おっしゃる
意味は非常によく理解できますし、消費者保護という立場から言えば、いかなる手も打ちたいのはやまやまなんでございますが、逆に言うと自由主義経済体制、民主主義の体制というのは、そういう私人に官権がやたらと手を出せないというところに民主主義の保障があるわけでございまして、したがって、その点はただいまの対馬先生の御質問、また先ほどは梶原先生の御質問も、豊田商事の資産をしっかりと早く把握をして対応をせよということよくわかるわけでございまして、民事上の問題でございますから、当然そういう対応になろうかと思いますが、現在のところは、警察捜査を手がかりにして、そして財産状況等も調べたい、こういうことを思っております。
 伝えられるところによれば、きょう豊田商事の関係者が通産省に出頭するといううわさは聞いておるのでございますが、実は豊田商事からまだ具体的な連絡がありません。もしそうして出てきてもらえれば、いろいろな状況も聞くことができようし、できるだけのことはしてみたい、実は心ひそかにそう思っておりますが、こういう公式の場で、ではどうこうということを申し上げるのは適切でないかと思っておりまして、御答弁を控えておる面もあるわけでございます。できるだけのことはしたいと思います。
#32
○対馬孝且君 マルチ商法のときも、これ会議録に載っていますけれども、当時通産省は全部呼び出したのですよ、出頭命令を出して。それはもちろん警察権があるわけじゃないが、やっぱり呼び出してきちっとこれを取り扱って、個々の問題として決着をしていくと、こういう積極的な行政発動を私はぜひやってもらいたい。これはひとつ強く申し上げておきます。
 時間がありませんから、そういう対策を今とることが緊急の課題であると、それは手をこまねくのじゃなくて、みずから乗り出していくという、そして積極的に、後ほど申し上げますが、警察の方も積極的な警察権発動による実態把握、いわゆる取り押さえをすると、こういう対応を今とらなければ全く政治不信ですよ。これは警察――行政もなければまさに司法もない、政治不在ではないか。これが素朴な声ですから、これにやっぱり対応してもらいたい。その点もう一回確認します。
#33
○政府委員(福川伸次君) 先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、私どもも、これまで消費者相談室に寄せられました苦情等をもとに、会社に対しましてその資産の状況、企業経営の状況等をいろいろただしておるわけですけれども、企業としては、これは企業上の秘密であるということで対応しないわけであります。したがいまして、もちろん今大臣が御答弁申し上げましたように、私ども二十五日までにこの新規の勧誘の停止等の措置を講じつつも、なお二十五日までにその対応を持ってこいということを内容証明つきで言っております。果たして出てくるかどうかわかりませんけれども、一部新聞報道には、出てくるのではないかというようなことがあり、その場合には、今大臣御答弁申し上げたような対応をいたしたいと思っております。しかし、なかなかこれ行政上に制約がありますので、御指摘のように、関係省庁全体の問題として、今後とも私どもとしても対応してまいりたいと思います。
#34
○対馬孝且君 これ今、福川局長からありましたから。いずれにしても、これ見ますと、きょうの新聞報道では、もはや幹部社員が次々に蒸発しているでしょう、行方をくらましておるんですよ、これははっきり申し上げて。しかも一方、香港あたりに、既にこれを察知して、事前にこれを輸送して、倉庫に隠しておるというような状況も、隠匿しておるというような状況も出てきておる。だから、間髪入れず手を打たないと、これは後手後手になっていきますよ。その点を私強く申し上げて、今その対応をぜひ促進をしてもらいたい。大臣いいですね。
#35
○国務大臣(村田敬次郎君) 実はいろいろなことを、私衆議院の委員会で井上一成議員にお答えしてから、もちろん答弁した責任がございますから、直ちに豊田商事にいろいろ連絡をとっているんです。ところが、先ほどおっしゃったように、返事がないし、また電話に出ないとか、そのためにもやはりある程度の期間は置かないと、きょう電話して出なかったからすぐ出かけるというわけにいかないので、一週間待ったわけでございます。それで、これはもう待てないということで、配達証明つきで送りまして、実はきょう閣議でもこのことを私申し上げました。そして極力どういう対応の方法があるかということで、今検討しておるところでございます。
#36
○対馬孝且君 ぜひひとつ行動をもって対応をしてもらいたいということを申し上げます。
 そこで、警察庁に一つ申し上げますが、もう時間もありませんから、今申し上げましたように、外為法違反容疑あるいは会社ぐるみの詐欺、出資法違反、こういうことで捜査に入ったわけでございますが、今日の段階で、もはやかなり幹部社員が次々に蒸発をしていくというような状況が出てきている。私はやっぱりこういう問題については、警察当局として対応が非常に遅過ぎるんじゃないか。しかも五十六年四月ですよ、これはっきり私申し上げますが。豊田商事の場合には、五十六年四月以降今日まで対応したということについては、外為法違反では一昨年、これはことしにかけてありました。やっぱり一年前に手を打ったということなんだけれども、この事件というのは、さっき言ったように、梶原君も言っているように、北海道の調査によりますと、消費者協会とか、そういう団体から、緊急情報でもって五十七年から逐一報告しているというんですよ。
 こういう問題を考えると、警察当局の対応は全くなまぬるい。どういう対応を今しているのか。また今言ったように、こういう被害者に対してどれだけのことを対応しなきゃならないか。もちろん政府の対応も大事でありますけれども、警察の対応は今一歩強固に対応してもらいたい、これは率直な被害者の言葉です。この点どういうふうにお考えですか、現状の対策について。
#37
○説明員(清島伝生君) 警察としては、捜査をする場合、犯罪の容疑情報を得る。そこで捜査に入るわけでございますが、これまで国会において何度も申し上げてきたわけでありますが、現在実態解明、会社の運営状況、あるいは違法行為があるかどうかを含めた実態解明をこれまでやってきた、今後もやっていくつもりでありますが、その中で当面、外為法違反がある程度立証できる見通しがついたということで、先般着手したわけであります。
 そのほか、いろいろ先生御指摘の法律違反等も考えられないわけじゃないわけでありますので、その辺で違法行為があるのかないのか、今後とも実態解明に努力するということでございます。
#38
○対馬孝且君 それと、具体的に私申し上げますけれども、同グループのベルギーダイヤモンド株式会社、宝石販売を装ってネズミ講の金銭配当組織になっています。私もこの問題随分手がけていますからね。当局は、これは無限連鎖護防止法、つまりネズミ講禁止法、こういう捜査対象は、これはもうおのずから私は、この問題はうわさされたときに問題にしたんですけれども、これは訪問販売法そのものとネズミ講禁止法のたぐいに当然入る問題じゃないですか。これもまた五十七年なんだよ。警察当局として、どうして一体こういう捜査の手を入れることができなかったのか。私は、法の谷間をくぐったやり方というのは、むしろ捜査当局が目を光らしていないところに重要な今の問題があるんじゃないか、こう思うんですが、こういう具体的な例に対して、どのような認識で対応できなかったのか、ちょっとお伺いします。
#39
○説明員(清島伝生君) 御指摘のベルギーダイヤモンドの関係でございますが、考え方によれば、無限連鎖講防止法違反、いわゆるネズミ講という考え方もあろうかと思いますが、また一方では、これに対しては物品販売組織であるという抗弁も出てこようかと思います。そういうことで、金銭配当組織であるかどうか、これについてはもう少し実態を見てみないとわからないということでご
ざいます。そういうものも含めて検討してまいりたいと思います。
#40
○対馬孝且君 これ実態の問題って、マルチ商法のときに、これ自体に、これは会議録で、当時の荒木という保安部長が私の質問に答えていますけれども、やはり事実行為というのを、情報その他をキャッチしたら、直ちに当局としては行動を起こす、これは当然なことですよ。このときも随分厳しく僕は言っているんだ。時間がないから会議録は読みませんけれども。そういう面では、この問題については五十七年から既にネズミ講的なやり方であるということだけは、これは明確に、週刊誌も出したし、国会でも取り上げられておるんですよ、実際問題として。
 そういう点を踏まえれば、私はやはり今ここで、時間もありませんから、今一歩警察当局の対応はなまぬるい。素朴な指摘です。これはやっぱりもう少し、警察当局は積極的に被害者の立場に立って、ひとつ強力に捜査体制をしいて、今被害者に幾分でも返してやる、あるいはこたえてやる、これは政治の道ですから、そういう意味で警察当局として対応してもらいたい、この点について特に申し上げておきます。どうですか、この点について。
#41
○説明員(清島伝生君) 捜査あるいは検挙するという場合には、やはり犯罪の容疑がある、これについてある程度の立証ができるということで初めて検挙に着手するわけでありまして、法律的なそういう判断をしないで検挙するわけにはいきませんので、そういう意味で、法律判断その他、まず実態を見るということで、実態調査ということでございます。
#42
○委員長(降矢敬義君) 対馬君、時間が参りました。
#43
○対馬孝且君 実態を見ると同時に、ひとつ捜査をもう一歩強固にしてもらいたい。これはあなた、幹部だとかみんな蒸発していなくなってから捜査したってしようがないじゃない。なおさらわからなくなるでしょう、その時分で。それだけにやっぱりスピードアップをしてもらいたい、そういう捜査の進め方もひとつぜひやってもらいたい、この点どうですか。
#44
○説明員(清島伝生君) ただいま御指摘の、特定の商法について私どもは捜査する、しないということは言えないわけでございます。実態解明に努力するということで御勘弁をいただきたいと思います。
#45
○対馬孝且君 とにかく積極的な努力をひとつ強く要求しておきます。
 そこで時間も迫っておりますので、この問題につきまして、私は新たな立法措置もしくは対応を考える必要があるんじゃないか、こういう認識が一段と深まってきたんです。なぜかというと、今の答弁を聞いてみてわかるでしょう。警察は、原因だとか、その問題点だとか、事件のあれだとかと言っているんだよ。これは訪問販売のときと同じです、マルチ商法のときの。APOジャパンのときと同じ、このやりとりを聞いてみると。やっぱり警察当局はそのための法律をつくって――立法措置がないんだと、どうも立法措置が明確でないからこれは対応できないんだと、こう言うんだから、これはマルチ商法のときも同じことを言っているよ、これは。
 そこで私はお伺いしたいんでありますが、少なくとも現行法では訪問販売法がある。この問題では適用できなかった。これは事実ですね、はっきりお認めになると思うんです。それから出資法の問題がある。大蔵呼んでいますけれども時間がありませんから――出資法の問題がある。これも実際に、それじゃ捜査当局として出資法がどうして発動できなかったのか。これは法律的に商法上で言うんならこれは問題がないんだ、私に言わせれば。これはやはり対応がおくれたということについては、私は法律的な論拠を実は挙げたいと思ったんですが、これは時間もありませんから申し上げません。
 そこで私は、当面問題と立法措置の問題、二つだけ申し上げたいんです。これは大臣、経済企画庁長官でいいですが、六省庁会議が持たれていますが、今現実に北海道で、私帰って訴えられたことは二つあります。もうびた一文なしだ、お先真っ暗だ、何が一番心配かといったら、自殺の道をたどる以外にない、それをとらないためには生活保護と医療保護です。これは道からも、道の行政からも言われました。当面緊急な問題は医療保護と生活保護、これを何とか国の段階で手だてをしてもらいたい。まさしく緊急避難であります。緊急避難の扱いとして生活保護と医療保護の対策をぜひとってもらいたい。僕は抽象的なことは言わない。今当面大事なことは、この豊田事件の被害者にとっては、これ全国同じです。しかも圧倒的にもう七〇%以上老人ですから、その手だてをぜひとってもらいたい、六省庁会議でひとつ積極的な対応をしてもらいたい、これが一つ。
 それから、これからの問題としては、国家損害賠償、それと税の免除、これは大蔵省も来ておりますけれども、それらを含めて今後の問題として検討してもらいたい、これが二つ目。当面問題とこれからの問題。
 それから、立法措置の問題では、現行法でどうしてもこれが難しいとするならば、現行法でもって改正、強化を必要とするか、あるいは新法も含めて検討するか、こういう段階に来ている。現に、何ぼ今さら言ったってこれだけの対応ができないんだから。法律があれば取り締まれるが、法律がなかったらできない、現にこう言っているんだ。その対応は私は必要だと思いますが、この三点について総括的にお伺いします。
#46
○国務大臣(金子一平君) 第一点の生活援護の問題、医療保障の問題につきましては、個々の被害者の実態に即した必要な行政措置を講じてまいりたいと考えております。
 それから、第二点の国家補償をしろという点は、これはなかなか難しいと思うんです、率直に申し上げまして。やはり民事上の救済措置による以外には手がないんで、そのカバーをする意味において、先ほど申し上げましたような医療保障なり生活援護の問題が出てくるわけでございます。これはひとつ難しいとお考えいただきたいと思います。
 それから、第三点の新しい立法の問題につきましては、どうも関係六省庁の話し合いの場では、訪問販売法にひっかけるのはなかなか難しいようでございまするけれども、出資法違反の疑いにつきましては、私どもも十分な疑問を持っております。
 それで、とにかく悪知恵のたけた諸君ですから、法の網をくぐっていろいろ行動しておりまするので、現行法で措置できないというようなことになりましたなら、これは今警察に一生懸命詰めていただいておる最中でございますが、必要な立法措置に踏み切りたい。大きな立場でこういう詐欺的な行為が、商法がまかり通らないような立法をぜひ実現しなきゃいかぬなという気持ちで、今打ち合わせをしておる最中であることを申し上げておきます。
#47
○委員長(降矢敬義君) これで終わりにしてください、随分超えていますから。
#48
○対馬孝且君 今、長官から明快なお答えが出ましたから、当面問題としては、医療保護、それから生活保護の問題は緊急に対応していただく、こういうお答えをいただきました。第二の問題はこれからの問題ですから、国家賠償を含めて検討すべきものである。第三については、これは今申しましたように、現行法で改正ができなければ、やっぱり新たな立法も検討してもらいたい、こういうことでございます。
 幸い、きょう法務省から政務次官が参っておりますので、ひとつ政務次官の見解をこの機会にお伺いしたいと思います。それをもって終わります。
#49
○政府委員(村上茂利君) 今の点につきましては、経済企画庁長官から的確なお答えがございました。同様の趣旨に私どもも解したいと存じます。
#50
○対馬孝且君 終わります。
#51
○田代富士男君 引き続いて質問をいたします。
 最初に、報道によりますと、豊田商事関連の被害総額は二千億円、このように言われておりますけれども、現時点において、経済企画庁あるいは通産省として、この金取引の苦情相談件数、そういう金額等について把握していらっしゃる状況を両省からお答えいただきたいと思います。
#52
○政府委員(横溝雅夫君) お答え申し上げます。
 私どもが関係しております国民生活センター及び全国の都道府県の消費生活センター、あるいは政令指定都市の消費生活センター、全体合計百四十カ所でございますけれども、これについて寄せられた豊田商事及び鹿島商事に関する苦情相談を最近まとめましたが、昭和五十九年の四月からことしの五月まで、したがって、五十九年度と今年度の四月と五月と二カ月分でありますが、合計の苦情相談件数四千三百五件でございます。
 それから契約時の支払い金額が明らかになっている苦情は、四千三百五件のうち三千七十九件が金額が明らかになってございますが、総額百九億四千九百万円でございまして、一件当たり大体三百五十六万円ということになってございます。
#53
○政府委員(福川伸次君) 通商産業省消費者相談室へ五十九年度中に寄せられました消費者相談は、九千四百九十六件でございますが、このうち、国内の金取引に係るものは千三百七十八件でございます。恐らくこの相当数が金の現物まがい取引に関するものというふうに考えております。
 五十九年度の国内の金取引に係る相談のうち、金額が把握可能なものについて集計をしてみますと、相談金額合計は約三十九億七千五百万円という数字に相なっております。
 また、六十年度に入りまして、四月及び五月に、私どもの本省の消費者相談室に寄せられました国内の金取引に係る相談件数は、四月が十九件、金額にして五千八百万円、五月三十六件、一億八千万円ということになっております。
#54
○田代富士男君 六月の十二日の衆議院の決算委員会で、村田通産大臣が、これは会社に乗り込むことを含めて強い決心で臨む決意だという、こういう発言をされておるわけなんですが、その後具体的に、通産省といたしましては、内容証明を送られたようでございますけれども、その内容と、内容証明によりましてどのような効果を期待されているのか、相手からの反応はどうなのか、どのように掌握していらっしゃるのか。
 それと同時に、このような内容証明を出されたことは努力として認めるわけなんですが、大臣自身が会社に乗り込むというような決意を述べていらっしゃるし、今も同僚委員に行動でもって示していきますとおっしゃった。これは、会社へ乗り込むとおっしゃった以上は、内容証明で送ったということと余りにも違いがあり過ぎますけれども、そこらあたりはどうでございますか。
#55
○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員に申し上げます。
 通産省としては、この問題について、これ以上の新規契約による被害者の発生を防止するという見地から、新規の勧誘及び契約締結を停止すべき旨の指導文書を、一昨日発送いたしました。これは内容証明で、豊田商事株式会社あてに、通商産業省としては、これまで数度にわたり貴社の責任者に電話により連絡をとろうとしたところであるが、貴社からは何らの回答もなかった。このため、本書により、左記のとおり通商産業省の考え方を通知し、これに沿った貴社の対応を求める。ついては、本書を踏まえた貴社の対応を、今月二十五日までに、貴社の責任者が出頭の上回答ありたい。こういう文書でございます。
 そして先般の答弁では、私が乗り込むというのではなくて、通産省の担当官にそういった実質の指導も行わせたい、このように答えたのでございまして、まず文書により通知し、そしてきょう豊田商事株式会社からあるいは出頭してくるというようなうわさもございますが、そういった豊田商事側の対応を見まして今後の対策を決めてまいりたい、このように思っております。
#56
○田代富士男君 今大臣が、きょう豊田商事関係者が出頭してくるという、こういう出頭してくることに期待感を持っていらっしゃる。もしここできょう出頭してこなかった場合の対応はどうされますか、明確に。
#57
○政府委員(福川伸次君) 私ども新聞報道によれば、二十一日あるいは二十五日に豊田商事株式会社の責任者が出頭するという報道を見ておりますが、まだ会社側からは正式の応答はございません。
 私どもとしては二十五日までに責任者が出頭の上回答しろ、こういうことを言っております。私どもとしては、会社側が二十五日までに、そのようなことで適切な対応をすることを期待しておるところでございます。
#58
○田代富士男君 次に、金子長官にお尋ねをいたしますが、報道によりますと、衆議院の物特委におきまして、長官が新規立法の必要性に言及されておるわけでございますし、また関係省庁の政務次官会議におきましても、新規立法についてこの現物まがい商法を規制すべきだという論議があったようでございますけれども、今も同僚委員からも質疑されておりますとおりに、刑法あるいは出資法、訪問販売法などの現行法規では不十分である、こういうところから当然ではないかと思うのでございますけれども。
 そこで私は具体的に、現行法のどこでこの問題が処理できないのか、いろいろ検討されているけれども問題があるのか、またどういう法の網をかぶせようとされているのか、簡潔にそこらあたりまでお答えをいただきたいと思います。今までの犯罪を処罰するには現行法でしかできないわけなんですが、新たな被害者を防止するためには、新しい立法措置をしなくちゃなりませんから、そこらあたりも考え合わせて、長官からお答えをいただきたいと思います。
#59
○国務大臣(金子一平君) ただいま警察において、現行法、特に出資法違反になるかならないか、どこがひっかかり、どこが無理だろうかというような点についての御検討をいただいておる最中でございます。その結果を見ながら、もし現行法でだめな場合には、全体として網をかぶせるような新しい立法をぜひやりたい、こういうことで、今せっかく検討していただいておる最中でございますので、どこがよくてどこがだめだということは、ちょっとこの際、言明は差し控えさしていただきたいと思います。
#60
○田代富士男君 長官、それはわかりますけれども、長官として、やはり消費者を守るところは何かといえば、こういうときに一番困るのは、警察で今調査中でございますからと、こうなったら物が言えない。しかし、現実に法があるんですから、この法で任せてありますからと。では、経企庁はノータッチということなんですか。警察に任してあるけれども、私の、長官としての立場においては、こういうところがこういう問題がありますと、そのぐらいの発言ができなくて、この問題に対処していますということは言えませんよ。これは長官と大臣と両方に、もう一度重ねてお尋ねいたします。
#61
○政府委員(横溝雅夫君) 大臣御答弁ありましたように、現在関係六省庁で、この豊田商法をいかなる法律を適用して取り締まれるかということを検討しておるわけでございます。
 一つは、今お話ございましたような出資法の問題がありますが、これは御存じのとおり、要するに許可がない形で預かり金をして営業してはいけないという規定があるわけでございますけれども、豊田商事が金を最初に売って、それで今度はその金(きん)を預かって運用するという格好で、実際には金を渡さないでお金を受け取って、それを運用しているという格好になっているわけでございますけれども、これが預金的なものなのか、それとも金(きん)を運用してもらっているのか、この辺につきましては、実際に勧誘行為なりあるいはその契約をした契約者の意識なり、その実態をきわめないと、金を預けたのかお金を預けたのかというところがはっきりいたしませんので、その辺を捜査当局が検討しているということかと存じます。
 それから、もちろん詐欺罪という可能性もあるわけでありまして、しかし、これも契約の書面に書いてあるのを、最初からそのとおり実行しないつもりでやっていれば詐欺罪になるわけですけれども、最初からそのつもりであったのかなかったのかというところは、やはり実態をきわめなければいけないということでいろいろ調査しておる段階でございまして、今、にわかに現行法が当たらない、あるいは当たると、ちょっと言えない段階でございます。早急にその実態を詰めているところでございます。
#62
○政府委員(福川伸次君) 私どもの方の所管で申しますと、訪問販売法でこれが適用できないかということであろうと思いますが、現在この訪問販売法は政令でその対象の商品を指定をいたしておりますが、現在のところこの金は対象になっておりません。政令指定の要件は、御承知のように第二条第三項で「主として日常生活の用に供される物品」ということに相なっておりまして、現物まがい商法の対象となっているような投機性のあります金といったような商品については、この要件に該当いたしませんので、政令でこれを指定するというのは困難であろうかというふうに考えておるわけでございます。
 しからば、そこをどうするかということでございますけれども、この法律の趣旨が、一般消費者が日常の消費生活を営む上で生ずるトラブルの防止ということにあろうかというふうに考えられるわけでありますので、このような商品についての取引は、この法律の適用対象にするのがなじむのかどうかという点については、私どもとしても問題があるのではなかろうかと思っております。したがいまして、今経済企画庁の方から御答弁ございましたように、出資法の問題あるいは刑法上の問題、そのほかいろいろ法律上の問題は六省庁で十分検討いたしました上で、この悪徳商法、これがどういうやり方をしておるかという点を十分解明をいたしまして、どういうような法律体系で取り締まるような根拠を設けるのがいいかというような問題につきましては、関係六省庁との協議の場で、私どもとしても検討をいたしてまいりたいと思っております。
#63
○田代富士男君 今、同僚委員も全部そうだと思っていらっしゃいますけれども、こういう何といいますか、余りにも緩慢な対応といいますか、この対応が今日のこのような大きな問題に至ったと言っても過言でないと思います。この悪徳商法に対して、このような緩慢な態度のために被害者をいたずらにふやす結果になりまして、そして今回のこの異常な事件の背景を形づくった行政サイドにおいても問題があることは、見逃すことができないということを私は指摘しておきます。
 例えば、そういう行政サイドの甘さというのを一つ申し上げますと、豊田商法というのは五十七年ぐらいから社会問題といたしまして苦情が出て、国会でも問題出ております。公明党といたしましてもこれは何度も取り上げてまいりました。こういうような悪徳商法取り締まりの強化、あるいは制度改正という、消費者保護の立場からということを主張してきたそういう立場から、御存じの割賦販売法の改正審議がありましたけれども、そのときに公明党ではクーリングオフの対象商品といたしまして、会員券なども盛り込むべきだということを主張したけれども、政府はこれを拒否してきました。御存じのとおりです。
 このように、行政が積極的な消費者保護を示さなかったことを、改めて私は指摘をしておきたいのです。こういうような一貫したあいまいな態度というものが今日のこの事態を引き起こした。そういう意味におきまして、被害が出始めた五十七年ごろに、今関係省庁の皆さん方が集まって会議をやっている、このような連絡会議というものを、五十七年度の段階においてこれをやっていたならば、このような大きな被害は出ていないと私は指摘いたしますけれども、これに対しまして両大臣、いかがでございますか。
#64
○政府委員(横溝雅夫君) ちょっと言いわけじみた話になるかと思いますが、私どもが何をやっていたかということの事実の一端を先に御紹介させていただきたいと思います。
 確かに豊田商事、五十六年から始めたわけでございますけれども、やはりこういういわゆる悪徳商法に消費者がひっかからないように啓発する、消費者に情報を提供するというのは非常に重要なことでございまして、実は私どもの情報提供活動の中で、具体的な事例を申し上げますと、国民生活センターで、テレビ番組におきまして、例えば五十七年の十一月二十日ごろには「訪問販売あの手この手」とか、十一月五日に「巧妙な訪販セールスに御用心」とかいうようなテーマで、テレビで放送いたしましたり、あるいはラジオ番組で、「くらしの話題」というような番組がございますが、ここで五十七年の六月から「金市場に新手の悪徳商法」というテーマで特集を、一週間にわたっていろいろ悪徳商法についての概要とか、被害の実態例とかを放送したりいたしまして、このころから啓発活動に鋭意努力をしておったことを一応御理解いただきたいと思います。
#65
○田代富士男君 私が言っているのは、そういうことをやっていたことじゃないんです。今各省庁の人が集まって新しい立法措置を講じようというような会議をやっているでしょう、この真剣な対処ですよ。これをやっていたならば、この問題はもっと被害をとどめておくことができたじゃないかということを聞いているんですから、両大臣から。
#66
○国務大臣(金子一平君) 御指摘のとおり、これはもっと早く立法措置をやっぱり講じきゃやいかぬと思うのであります。消費者啓発運動だけに終始するとか、個々の法律だけの運用で片づけようというと、やはり手おくれ手おくれになりますので、各関係省庁が一本になって早く手を打つべきであったという御指摘は、私もまさに素直に承って、今その努力をやっておる最中でございますので、よろしくお願いします。
#67
○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員にお答え申し上げます。
 まさに、こうして田代委員、そして関係の先生方から真剣な問題点の指摘があり、私どもとしても本当に一生懸命でお答えをしておるつもりでございますが、こういう不幸な事件が起こり、そしてそれがいろいろ真剣な討議の場を持つということによって国民の認識も増していただけるでありましょうし、そしてまたそのこと自体が、こういった悪徳商法に対する一般消費者の自覚を増すことにもなると思います。
 関係省庁といたしましては、もちろん今まで消費者の方々にそれを認識をしていただくために、文書あるいはテレビその他いろいろな各般の手段を講じてきたところでありますが、御指摘のように、現在六省庁の真剣な相談が続いておるところでございまして、委員の御指摘はまことにごもっともとしてお受けとめいたします。
#68
○田代富士男君 それじゃ納得しかねますけれども、時間の関係がありますから先に進みます。
 先ほども御説明いただきましたけれども、この通産省、経企庁の消費者相談で受け付けられました金(きん)に関する苦情相談ですけれども、最近急激にこの相談件数がふえておるわけなんですが、その相談を受けられた件数で、豊田商事に関係するものと、それ以外の会社の関係するものと、どのくらいの数字になっておりますか。時間もありませんから簡単で結構です。
#69
○政府委員(福川伸次君) 私どもの方でお答え申し上げましたものは、品目別に分類集計をいたしておりまして、事業所ごとの集計は行っておりませんが、金に関する相談のうちの相当部分は、この豊田商事にかかわる商法によるものではないかと考えております。
#70
○田代富士男君 その他の会社はどのくらいありますか。
#71
○政府委員(横溝雅夫君) 先ほど私御説明申し上げましたのは、豊田商事及び鹿島商事の五十九年度及び今年度の四月、五月の件数でございますが、これは国民生活センターだけではなくて、都道府県のセンター分も含んでいる数を申し上げま
した。しかし、豊田商事以外のものは、そのベースでは調べておりませんので、ちょっとベースが異なりますが、国民生活センター分だけについて申し上げますと、五十九年度におきまして、国民生活センターに寄せられた消費者の苦情総件数は五千九百三十三件でございますが、その中で金商法に関する苦情件数は百二十一件でございます。百二十一件のうち豊田商事分が九十八件でございますので、百二十一件のうち大部分が豊田商事関連であったと理解しております。
#72
○田代富士男君 今数字的な概略をつかみますと、百二十一件中百件が豊田商事関係であるという、この数字は一つの参考ですけれども、約一割五分から二割は他の会社のそういうような苦情も出ているという、これは事実が確認されたわけなんですが、そこで報道にも述べられておりますが、三和信託という会社によりまして第二の豊田商事事件が既に起きておるわけなんです。東京地裁において仮差し押さえも執行されているようでありますけれども、こういう類似事件が既に起きてきている、この問題をどうするのか。
   〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕
 もう時間もありませんから、あわせて質問いたします。今、この委員会では豊田商事の問題を審議しておりますけれども、今掌握されていない、要するに社会の中には、新たな第二、第三の豊田商事事件が起きているとみなさなくちゃならない、もう既に第二の豊田商事事件が起きている。
 それならば私は、これは両大臣がいらっしゃいますから提唱いたしますけれども、この豊田商事に対しましては内容証明まで出した、今度呼び出しをするようにしている、言うなれば、私企業に対してそれだけ通産省としても取り組んでいる。相手は私企業であるけれども、介入はできないにしましても、これを今さっき私は、五十七年ごろに早くこういうような対策をやっておれば被害を少なくすることができたじゃないか、両大臣ともそのとおりだとお認めになった。今第二の豊田商事事件が既に起きている。私の手元には、首都圏、関西圏で豊田商事まがいの会社が十社くらいあるということも聞いております、現実に起きている。
 それならば、そういうものが表面に出てからでなくして、現時点において、少なくともそういう相談センターへ持ち込まれた会社に対しましては、私企業ではあるけれども、豊田商事に対してやったと同じくらいのそういう行政指導をやるべきではないか、そうして消費者保護の立場から、未然にこの問題が第二、第三の豊田商事にならないように手を打つべきだと思いますけれども、これは私は厳重に提言したいと思いますが、どうですか、両大臣から。時間もありませんから簡潔にお願いします。
   〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕
#73
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいまの田代委員の御提言に対しましてはよく承りまして、関係省庁相談してみたいと思います。
#74
○国務大臣(金子一平君) 通産大臣から話がございましたけれども、やはり打つべき手は早急に打っていかなきゃいかぬと考えております。実態を調査して早急に手配いたします。
#75
○田代富士男君 実態を掌握して早急に手配しますと、それでは緩慢な態度で遅いから、それで早急に手配して対処しますということで、豊田商事もずっと延ばしてきて被害者をふやした、そういうことをさせないために、私は早急に、今豊田商事の問題を検討している六省庁ですかの会合がありますけれども、その中に大きな一項目として、第二、第三の豊田商事を出さないように、現在センターに上がってきている相談の会社の名前、すぐわかるわけなんですから、それを断固やるべきじゃないんですか。調査してじゃなくして、そのくらいはできるじゃないですか。
#76
○国務大臣(金子一平君) 最大の努力をいたします。
#77
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、委員の御指摘になった関連の会社等についても、十社ぐらいというふうに感じておるわけでございまして、その具体的な実態を見て対応いたしたい、このように考えております。具体的な名前はここでは挙げませんけれども、よくわかりました。
#78
○田代富士男君 具体的な名前は挙げないけれども掌握しているということでございますから、それはもう早急にやっていただきたいと思います。
 それと同時に、今私が質問したときに、五十七年から何もやっていないじゃないかと言ったときに、テレビやラジオでやっているという御答弁がございましたけれども、私はこういう意味において、まだまだ消費者の皆さん方のそういうようなところまで徹底されていなかったということを深く反省していかなくちゃならないと思うんです。そういう意味におきまして、政府といたしまして、このような消費者行政をどのように消費者保護の立場からやるのか。こういうようなまがい商法にひっかからないようにやる、今までやってきたからいいじゃなくて、今までのことで徹底されなかったから洗いざらいやる必要があるんじゃないかと思います。
 それと同時に、今回の事件を通じて私つくづく思いますことは、この大衆投資家に多大な被害を与えましたこの中江会長と永野会長のこの事件でございますけれども、私は、投資ジャーナルと豊田商事のこの二つの事件というのは共通したものがあると思うんです。それは、日本の高度成長の世の中で、中江、永野、両人ともに子供、青年時代を送ったわけなんです。金さえあるならばという世相をみずから体現したこの未熟な若者によって引き起こされたのではないかと、私はこのように見ております。
 しかもそうした若者が、拝金主義にしろ豊かな経済の恩恵を受けることができるようになるまでには、この日本の敗戦の廃墟の中から今日を築き上げるまで、大変な苦労を重ねてこられました多くのお年寄りの方がいらっしゃるわけなんです。これを我々は忘れるわけにはいきません。そういう人たちに対しては、せめて老後はゆっくり安心して生活していただくことができるようにしてあげるのが当然我々の配慮ではないかと思うんです。敬意を払っていかねばなりません。しかし、これらの若者が不知恩にもそのお年寄りたちを食い物にした、まことに許しがたい、こういうようなことは許すことができない。こういう風潮と若者の生き方について、これも考えていかなくちゃなりませんけれども、最後に、私は両大臣にお考えを、所見をお聞きして終わりたいと思います。
#79
○国務大臣(金子一平君) 田代さんの御意見に全く私も同感でございます。特にああいう世代に生きた諸君の物の考え方が、大きく今度のあの事件の原動力になっていることを考えなきゃいけませんが、また最近の核家族、お年寄りが特に孤独で暮らしておられるような傾向がふえていることが、また事件を大きく広げたんじゃなかろうかという感じがいたします。
 私どもは、今長寿化社会をどうするかという問題で、この問題にも取り組んでおるわけでございますが、私どもとしてこういう点も十分真剣に考えていきたいと存じております。
#80
○国務大臣(村田敬次郎君) 高度成長というものが非常に多くのいろいろな現象を生み出して、そして低成長の時代になってツケが回ってくるという例はいろいろあると思いますが、田代委員御指摘のように、まさにこの事案もひとつそういった問題を投げかけておると思います。
 戦後四十年、日本はここまで来たわけでございますが、非常に安定した社会にふさわしいモラルの確立、それはもう教育、文化の問題にも及ぶ非常に広範な問題だと思います。この事件を契機としてよく研究をさせていただきたいと思います。
#81
○田代富士男君 終わります。
#82
○市川正一君 今日の豊田商事の問題について、実は四年前に、私は大阪通産局に行政指導を申し入れました。また三年前、昭和五十七年の四月、第九十六国会において、本委員会で、ここに持ってまいりました「先物金取引被害の実態と対策」、これはその被害者の救済に当たっております弁護士の方々がまとめたものでありますが、これをも
引用して、私は政府がこの種の詐欺まがいの悪徳商法に対する取り締まり措置を講ずべきである、このことを取り上げて、そして通産当局は、当時答弁に当たったのは植田守昭審議官でありましたが、調査と改善を約束されました。会議録はここにあります。しかし、ついに今日の事態にまで立ち至りました。政府通産省あるいは経企庁がもし積極的な対策をその当時からとっておれば、今日のような悲惨な事態は起こり得なかった。私はまずそのことをここに明らかにし、政府の責任を糾弾いたしたい、そういう心情であります。しかしきょうは私、時間が全くありませんので、具体論に入っていきたいんであります。
 この間に、通産省としては、こういうやり方は出資法違反ないしは詐欺罪として取り締まるべきであるという見解を持たれたと伺っておるんですが、事実の経過はどうであったのか、明らかにしていただきたい。
#83
○政府委員(福川伸次君) 今、出資法あるいは刑法のお尋ねでございます。
 確かに、金の現物まがい商法、これが出資法に当たるかどうかという点については、大蔵省の方の御所管の法律でありますので、そこで検討をいただいておるということであります。また、詐欺罪の点については、先ほども警察庁の方からもお答えがございましたが、これは刑法上の問題ということで、それぞれ構成要件に当たるかどうかということを御検討をいただいておるところであります。
#84
○市川正一君 私は主体的に、通産省としては、例えば出資法違反の問題でありますが、これに該当する、適用できるという見解に立ったというふうに承知しておりますが、そうでないんですか。
#85
○政府委員(福川伸次君) 今出資法の対象になるかどうかという点につきましては、六省庁の検討の中でも一つの問題点になっておりますが、私どもとしては、これは大蔵省の方でそれを御検討を願う、こういう立場にございます。
#86
○市川正一君 無責任きわまりないじゃないですか。私が聞いているのは今の時点じゃないんですよ。少なくとも私が本委員会で三年前に――ここに議事録あるんですよ、そのときにそういう問題も含めて検討すると、そしてその後の私が承知しているところでは、これは金銭類似の問題として、この出資法違反の問題についてあなた方が積極的立場に立つということも聞いておったんです。ところが今の答弁は、今六省庁がやっているからというお話で、そしてまた大蔵省がこう言っていると。真相はこういうことじゃないですか、大蔵省の方がこの豊田商事問題を出資法違反で適用するとなると、サラ金業界あるいはクレジット業界、いわば豊田まがいのすれすれのやり方をやっている企業にまで波及する、だからこれに反対した、抵抗したというようなことが真相ですよ。
 通産大臣、あなたが大臣に御就任以前のことでありますけれども、そういう経過をこの機会に、少なくとも三年前、少なくとも二年前、その当時の議論をもう一度洗い直していただきたい。そして法の改正を待つまでもなく、そういう立場でひとつ検討するという立場に立っていただきたいのですが、いかがでしょうか。
#87
○国務大臣(村田敬次郎君) そういった立場に立つことはわかります。
 ただ、根本的に申し上げますと、これはもうお釈迦様に説法でございますが、民主主義、そしてまた自由主義経済体制というものでは、一人一人の個人の権限を最大限尊重するという建前がございまして、こういった例えば訪問販売法等にいたしましても、非常に、言うなれば、悪意を持って人を欺こうとして訪れておる人が善意の老人等に対応した場合に、その悪意であるということを見きわめるのにいろいろな方法が要ることは、市川委員も御承知のとおりでございます。
 したがって、そういった意味で金子長官ともたびたび相談をしておるのでございますが、例えば強制捜査権であるとか、そういったいろいろな強制立法が持てないであろうかということもいろいろ検討しております。もし、そういうものを持つことができれば、こういったときには有効に作動すると思いますけれども、例えば、通産大臣が調べますと言い切ってすぐに強制捜査ができないところに、今の民主主義のいいところがあるわけでございまして、強制捜査はできない。したがって、一体どういうふうにしてこの法の谷間を埋めたらいいかというのが、我々に課せられた大きなまず前提であると思います。
 しかし、これによって消費者の被害が拡大をするという事態を看過するわけにはいきませんから、豊田商事のこういった事例、こういう時期にひとつ具体的に法適用の問題を含め、既往にさかのぼっていろいろ検討さしていただきたいと思います。
#88
○市川正一君 私が聞いていることは、この問題は出資法違反として適用できるのかどうかということを洗い直してほしいということなんです。もういいです、後でまたもう一度聞きますから。
 そこで、現在の問題でありますが、関係六省庁でいろいろ対策を協議していることになっていますが、さしあたって私は、すぐにできること、それについて一つ提案をしたいんですが、今度の豊田商事による被害者、または類似事件の被害者の相談に応じるところの窓口ですね、例えば豊田商事被害一一〇番というふうなものを、全国の通産局、さらには各都道府県にあります消費者センターを含めて、そこに設置するということなんですが。
 今度の被害者は、全国で恐らく十万人以上になろうと言われておりますが、その大半が相談相手のないお年寄りであります。このままでは自殺者も出かねない。私は、こうした窓口をつくって、親身になって相談に乗ってあげる。このことは、政府が実態をつかむ上からも必要なことだと思うんですが、大臣いかがですか。
#89
○政府委員(福川伸次君) 企画庁の方は、また別途企画庁の方から御答弁があろうかと思いますが、私どもの方の消費者相談室、本省と通産局にございます。今、これもいろいろ本件については相談をずっと鋭意私どもとして受けております。今後とも今御指摘のような点も考えまして、消費者の相談に適切に対応するように考えてみます。
#90
○政府委員(横溝雅夫君) 経済企画庁関係といたしましても、直接所管しております国民生活センター、それから都道府県の消費生活センターを動員いたしまして、現在も鋭意この苦情相談に応じているところでございますけれども、これからも大いに力を入れて対応していきたいと思っております。
#91
○市川正一君 やはり積極的に能動的に、こちらの側から窓口を設置する、仮称でありますが、そういう一一〇番ですね。
 実は京都市では、既に弁護士会とも協力して、京都被害者一一〇番というのを設置いたしました。京都では毎日十件相談が来ているというんですね。大阪市では、二日間で六百件を超える相談が来ているというんですよ。これは金もかからぬのですよ。私は、国レベルでもすぐにこういう一一〇番を設置するということをやっていただきたいと思うんですが、村田大臣いかがですか。
#92
○国務大臣(村田敬次郎君) 結構だと思います。前向きで対処いたします。
#93
○市川正一君 第二に、これに次ぐ対策として私提案したいのは、先ほど大臣もお触れになった、例えば訪問販売法の改正の問題、これも私はすぐできることだと思うんです、もちろん国会の方があと四日で終わりますけれども。私は、豊田商事などの販売行為そのものは、訪問販売の形態で行われており、現行法が万全とは思いませんけれども、その対象にし得るものだと思うんです。
 大臣先ほどおっしゃったように、善意の訪問販売、そういう販売活動をしている限り、これは即法違反にはならぬのでありますから、したがってこういう過剰適用になるというような懸念は全くないんです。ですから、私は、こういう悪徳商法の抜け道をやっぱり押さえるという点では、訪問販売法の改正、またその適用、これを真剣に今考えるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(村田敬次郎君) 例えば第一条関係の別表の問題でございますが、金は「主として日常生活の用に供される物品」ということにはどうも該当しないとか、いろいろな問題がありますが、市川委員の御指摘になるのがどういう点であるか、よくまたお伺いいたしまして検討してみたいと思います。
#95
○市川正一君 とにかく、訪問販売法を、言うならば一つの消費者保護の法律として運用していくという立場で御検討を賜るというふうに理解してよろしゅうございますか。
#96
○国務大臣(村田敬次郎君) 御趣旨承りました。検討いたします。
#97
○市川正一君 よろしくお願いいたします。
 さて、豊田商事の永野会長が刺殺されたことから、一部には真相究明に消極的と受け取られるような見解が伝えられております。これはまことに遺憾であります。しかし、この事件は、個人の犯罪ではなくて組織的犯罪であり、また、真相究明は可能であると確信いたします。
 豊田商事がお年寄りから集めた二千億円とも言われる資金をめぐっては、その一部が政治献金として政治家に流れたとも伝えられております。私も複数の有力政治家の名前を耳にいたしております。また、児玉系右翼の名前も挙がっております。暴力団の資金源になっているとも言われております。この点、私、警察庁にも徹底捜査を申し入れております。
 同時に、村田大臣にお伺いしたいのでありますが、豊田商事と政治家とのかかわり合いについて、大臣は何も聞いていらっしゃらないのかどうか。また、その種の疑惑について、ちゅうちょすることなく真相の究明に当たられるべきだと思うんですが、所見を承りたい。
#98
○国務大臣(村田敬次郎君) そのことについては、実は私も、それから金子長官も、何も聞いておりません。専ら警察マターが多いかと思いますが、通産省で対応できる部分はもちろん対応いたします。
#99
○市川正一君 私は、通産省というよりも、閣僚として、大臣として、政治家として、この種の問題については特にかかわり合いのある行政との関連において、徹底的にこの問題については明らかにするという所見を承りたいんですが、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(村田敬次郎君) 御趣旨はよくわかるんです。ただ、そういった対応の問題について、御承知のように、捜査権その他は通産省には当然のことながらありません。これは結構なことだと私は思っておりますが、民主主義を守るという意味で。
 したがって、通産省の事務の範囲内において、消費者を保護する、あるいは高齢化社会になってお年寄りの方々をぜひ守らなきゃならないという、そういった国民的な課題の対応であれば、もちろん誠意をもって対応いたします。
#101
○市川正一君 私は、決してあいまいなことを申し上げているんではありません。
 実は、先ほども触れました三年前の第九十六国会での四月の本委員会における質問において、豊田商事ではありませんけれども、金の先物のブラックマーケットの一員であった雪印商事から、当時の安倍晋太郎通産大臣、今の外務大臣でありますが、安倍大臣が四百万円の政治献金を受け取っていたということを本人とのやりとりの中で明らかにし、また安倍大臣もそのことを認められました。ここにその議事録があります。そういう経過もあるんです。ブラックマーケットが生き延びるために、金、プラチナ、そういう先物買いをこれを公認させるためにいろんな政治的対応をしたということは隠れもない事実であります。
 そこで、私は事件の背後関係を含めて徹底的な調査を要求するとともに、委員長にお願いいたしたいんでありますが、永野会長は死去いたしましたが、石川洋社長はまだ健在であります。豊田商事グループの頂点に立つ株式会社銀河計画の北本幸弘社長も健在であります。したがって、本委員会として、この両名、石川洋社長、北本幸弘社長、これを証人として招致することを、閉会中審査も含めまして実現されるよう理事会でお諮りくださることを要請いたしまして、私の質問を終わります。
#102
○委員長(降矢敬義君) 今の市川委員の要請につきましては、後刻理事会で相談させていただきます。
#103
○井上計君 先ほど来同僚委員の大変真剣な質問、また両大臣初め政府委員のかなり突っ込んだいわば誠意のある答弁を聞いておりまして、私自身は現在の起きておる問題の処理、過去の経緯の反省等もちろん大事でありますが、重複を避けまして、むしろこれからどうすべきか、このようなことが起きないようにするためにはどうすべきかということを幾つか提言をして、特に法務省それから大蔵省のお答えをいただきながら、また大臣の御見解があればお聞きをいたしたい、こう思います。
 その前に、これはどなたをということじゃありませんが、私が特に感じておりますことを一つ申し上げます。
 それは、永野会長の殺害、刺殺事件に関連することであります。テレビも見ました。テレビドラマでもあのようなことはなかなかなかろうと思うような、言えば悲惨な、あるいは大変残酷なというふうな、生々しい報道がされておりますけれども、あのように大勢報道陣がおられたところで、あの二人があのような行動に出て永野会長を殺害をしたということを、実はとめることができなかったのであろうか。もちろん、そのような事態が発生するということを確実に予期した方はないかもしれませんけれども、やはり私は、罪を憎んで人を憎まずということわざもありますけれども、同時に人命尊重、あるいはこの大きな事件の今後の糾明処理等々考えるときに、あの現場に居合わせたマスコミの人たちは、何らかの措置、方法があったんではなかろうか。ある面で余りにもプロ意識に徹し過ぎて、やはりまず取材、報道ということに重点を置かれたとすると、大変そこに私は残念であるというふうな気がいたしてなりません。
 きょうはマスコミの方が大勢お見えでありますから、私は、これは法律で云々ということじゃありませんけれども、やはりマスコミの一つの取材ルールといいますか、そういう面についても、お互いがこれから考えていく必要があるんではなかろうかということを痛切に感じたということです。これは私個人の考えだけじゃありませんで、昨日以降、随分いろんな人からそれについての意見、批判を聞いております。こういうことについてもお互いが考えていくということがぜひ必要であろう。
 同時に、そのようなルールをやっぱりある程度お互いがつくる、守っていくというふうなことがなければ、この豊田商事のような問題も、いわば商法としてのルールを全く考えない人がふえてきておるところに、やはりこういう問題の発生の一つの原因がある、こんなふうにも私感じましたので、あえてこれは私の意見として、どなたにということじゃありませんが、まず冒頭に申し上げておきます。
 そこで、今後の問題でありますが、先ほど来お話ありますけれども、やはり現在の法律ではすき間がある。いわば法の網の目をくぐって、それでももうければいいんだというふうな人間が、残念でありますけれどもふえておることは事実でありますから、そういう人たちに対するやはり取り締まりの方法は、法律は先取りでなくてはいかぬ。サラ金問題でも、随分大きな問題が起きて、悲惨な社会問題になってからサラ金法が改正されたということもありますが、やはり法律は、善意の人ばかりであるなら最終的な規制ということでいいわけでありますけれども、こういうふうなことをいろいろ考えますときには、どういうことが起きるかわからぬということを想定をして、やはり泥縄式でなしに、先取りの法律というものが必要であろうというふうに思います。立法措置等については難しい問題がたくさんありますから、簡単に
云々ということは言えませんし、またお答えもできないかと思いますけれども、やはりそういうふうな被害を起こさないためにどうするかということで、そういうふうな法律の先取りが必要であろう、制定の先取りが必要であろうと思います。
 もう一つは、やはりだまされないように指導する、啓蒙するというふうな手段がもっともっとなければいけない、こう思います。ただしかし、テレビも見ない、新聞も見ないというふうな、言えば、非常にそういうふうな社会常識に疎くなっておるお年寄りの方々に対してどうするかというふうな問題、難しい問題がありますが、これらの問題等についても、やはり言えば政府の責任として、先ほど来同僚委員から御指摘がありましたが、こういうこともさらに考えていかなくてはいけないと、こう思います。
 そこで幾つか提案であります。お聞きしたいと思いますが、まず大蔵省にお聞きをいたしますけれども、先ほども話が出ておりますが、あるいはまた新聞報道にありますけれども、豊田商事系の幾つかの会社が、既にこの数年来集めた金は約二千億円だという報道がされております。それから、一説にはセールスマンといいますか、あるいはセールスウーマン等々の外交員が全部歩合給である、三〇%の歩合だという報道もあります。事実とすると、二千億円集めた三〇%ですから、六百億円が、言えば外交員、どの範囲の社員か知りませんが、要するに社員の収入になっておるわけですから、中には一年間に何千万というのもあったそうでありますが、それらは当然やっぱり所得税の対象になるわけでありますが、そのような者等についてどういうふうな把握をしておられるのか。今後それらの者についてはどのような方法をおとりになるのか、これをまずひとつお伺いをいたします。お答え簡単で結構です、時間がありませんから。
#104
○説明員(岡本吉司君) まずこういった方々の課税の方式でございますが、どういった形で課税が行われるかといいますと、一つはやはり会社との間に雇用関係のある人もあろうかと思います。そうしますと、当然サラリーマンということでございまして給与所得ということになります。そうしますと、通常源泉徴収が行われておりまして、基本的には確定申告不要、源泉徴収で全部清算されるということでございます。ただし、給与収入にいたしましても、一千五百万円を超えますと確定申告の必要がございますし、あるいは給与所得以外に、ほかの所得で二十万円を超える所得がございますと確定申告の必要がある、こういうことでございます。
 それから、こういった雇用関係のない独立した形でやっておられる外務員の方、この方につきましては、給与所得ではなくて事業所得ということになりまして、ただし、この事業所得につきましてもやはり源泉徴収をされることになっております。一般的にこういった外務員の報酬につきましては、同一人に対しましてその一月中に支払われました金額から十二万円を差し引きまして、(「質問に答えんか。聞いていることに答えろ」と呼ぶ者あり)こういう金額につきまして一〇%の税率でやっております。
#105
○井上計君 それはもうわかっております。簡単で結構です。今後どうするかということだけでいいんです。
#106
○説明員(岡本吉司君) それで、我々こういった者の把握につきましては、通常給与につきましてはそれで済んでおりますし、外務員の報酬につきましては支払調書という形で出てまいりますので、税務署の方で把握ができる形になっております。
 なお、今後申告しなくてはいけない人が申告が漏れていたとか、あるいは源泉徴収の方に漏れがあった場合には、調査指導等を通じまして適切に是正してまいりたい、こう考えております。
#107
○井上計君 時間がないから、その細かいやり方はもうわかっておりますからお聞きしなくてもよかったんです。
 ただ、私が申し上げるのは、恐らくほとんどが申告されていないであろうと、そういうふうに想定しますので、それらの者について、やはり大蔵省の立場で徴税をどうするか、言えばあぶく銭、悪銭を得ているわけですから、そういうふうな悪銭を吸い上げる。それは悪銭身につかずということで、そういう人たちもやはり反省をするような方法をぜひとっていただく。同時にそれが、先ほど被害者救済についてのいろいろな御提言や御質問がありましたが、それは大分その理由は違うかしれませんけれども、被害者救済のために必要な、形は違いますが、財源というふうなものにもそれらのものを考えていくべきだという提言であります。だから、よくまた今後のことについては、十分これは対応策をお考えをいただきたい。
 それからその次に、これは法務省にお伺いしたいのでありますが、一つは、先ほどお話がありましたが、豊田商事関係以外にも随分といろんなこういう、言えば悪徳商法をやっておる、またやりつつあるところがたくさんあるわけです。そのほとんどを見ますと、名称の問題ですね、この豊田商事という名称は明らかに意図してつけておるわけですね。要するに大企業と紛らわしい名前をつけて、そうしていろんな人たちをだましたということですね。この豊田商事の名古屋支社は、名古屋駅前にあります大きなビル、御承知のトヨタ系の豊田通商のあるビルと同じ番地ですよね。だから、もう知らぬ人はみんな豊田通商だと思い込んでる人がたくさんある。事実、豊田通商本社に、もう数年前から、特に最近じゃんじゃん抗議の電話がかかってくるそうです。社長の自宅にも抗議の電話がかかってきて大変だと、豊田通商の社員が大変恥ずかしい思いをしておる、こういうことも聞きました。
 鹿島商事というのも、当然鹿島建設の類似であろうと思いますが、よく町中で見ますけれども、三井商事だとか、あるいは三菱物産だとか、住友なんとかという名称がたくさんありますよね。現在の商法ではそれは取り締まりはできぬわけですが、言えば、人をだますために、意図的にそういう名称を使っておるのが明らかにあるわけですから、それについても法務省はお考えをいただく、商法改正等についてはやはり考えるということが一つ。
 それからもう一つ、これは商標登録と関係するかしれませんが、豊田商事のマークにしても、豊田通商と非常に似ているんですね。こういうようなこともありますから、やはりそういうふうな商標登録についても関係があると思います。これらのことも今後の立法措置の中でやはり考えていく必要があると、こう思います。
 それからもう一つ、これは質問通告しておりませんが、これについては法務省もお考えいただきたいのは、今度の豊田商事のいろいろとずっと新聞報道を見ますと、専門家の弁護士が顧問弁護士として相当入っていますね。当然ここにあるいは経理士、税理士も相当顧問として入っておったと思う。そうでなければ、若い、幾ら悪才にたけておると言ってもまだ三十そこそこの青年が、あれだけのことはとてもできぬであろう。相当な専門家がスタッフでいたに決まっているんですね。ということは、弁護士だとかあるいは経理士、税理士というふうな資格を持つ立場の人が、悪に加担をしたということになるわけです。当然私は、これらのことがはっきりすれば、そういう弁護士だとか税理士等々の資格の取り消しあるいは一定期間の職務停止というものが行われる、それぐらいのことも考えていかないと、必ずしも弁護士の中に、あるいは税理士の人たちも全部が善良な人たちだけとは限りませんから、そういうふうなこともやはり立法措置、法改正の中で考えていく必要があるのではなかろうかというふうに思います。私の持ち時間は五十七分までですから、法務省に簡単にお答えいただいて、時間があれば最後に大臣から御所見を承れば結構です。以上で私の質問を終わります。
#108
○説明員(宇佐見隆男君) 類似商号の問題でございます。
 豊田商事と豊田通商というのが紛らわしい商号
であるかどうか、これは判断に微妙な点があるかと存じます。御指摘のように、商法の十九条あるいは商業登記法の二十七条によりまして、類似商号の登記ということはできないということになっているわけでございますけれども、これはあくまでも同一市町村内で類似商号登記を……
#109
○井上計君 それはもうわかっていますから、そういうふうなものを今後検討するかどうかということだけでいいんです。
#110
○説明員(宇佐見隆男君) そういう類似商号につきましては、ほかに例えばその類似商号が使われて、現に迷惑をしている会社……
#111
○井上計君 現実に迷惑が起きているんだから。
#112
○説明員(宇佐見隆男君) 会社の方から差しとめを求める、こういうことは民事的に可能だろうと思います。もしも豊田通商の方が迷惑をこうむっているということであれば、豊田通商の方から差しとめを求める、こういうことになろうかと思います。
#113
○井上計君 わかっています、それは。私が言うのは、しかし今のなにで、民事によって豊田通商側から差しとめを求める、そんなふうなことが事実上できないからやっていないわけです、商法上。だから事前にそういうことはわかっているわけです、要するに、惑わすためにそういう商号を使っているということはやはり意図的なんですから、それらをさっき申し上げた事前に、法律の先取りという意味でそういうことを御検討してくださいという提言ですから、するかしないかだけおっしゃってくださればそれでいいんですよ。
#114
○説明員(宇佐見隆男君) お答えいたします。
 登記のレベルから言いますと、同一市町村ではないという場合に、その登記を拒否するということはなかなか技術的に困難ではないかというふうに考えます。
#115
○井上計君 答弁にならぬじゃないですか。
 私が言うのは、現在の法律ではできないことは百も承知なんです。しかし、だからそういうふうな裏をくぐってこういうことがあるんだから、今後それを検討するかしないかということだけ答えてくださいということを言っているんですよ。
#116
○説明員(宇佐見隆男君) お答えいたします。
 研究はしてまいりたいと存じますが、なかなか立法的には難しいのではないかというふうに考えます。
#117
○国務大臣(村田敬次郎君) 井上委員の御指摘、非常に参考になります。実は捜査権の問題では、最初に立入検査等ができましたのは外為法ですね。だから、大蔵省関係、税務関係、警察関係というのは、立入調査権が比較的広範に与えられておる。したがって大蔵大臣とも外為法でやられたことについては実は承知をいたしておったわけでありますが……
#118
○委員長(降矢敬義君) お静かに願います。
#119
○国務大臣(村田敬次郎君) そういった意味で、御指摘の点は非常に適切な御指摘をいただいておるかと思います。示唆に富むものだと思います。
 それから、今法務当局から御答弁がありました。これはもう法務省のまじめなお役人としては、私は立派な答弁だと思っておりますが、私の方で、ひとつ消費者の意識を向上させるという意味で、今井上委員の御指摘になった点をPRその他の面でいろいろ活用さしていただきたいと思います。私は豊田商事という言葉は、まさに御指摘のような点を感じておったのでございます。
#120
○井上計君 終わります。
#121
○木本平八郎君 先ほどからの議論でもう全部言い尽くされてしまったと思うんです。私も全部それは大賛成ですが、あれほどホットなディスカッションが行われたわけですから、少し肩の力を抜いていただいて、フリーディスカッション的にやりたいと思うんです。実は夕べも、このきょうのことで雑談していたんですけれども、どうせ我々のところへ質問が来る時分になったら全部言い尽くされてしまって、何にももう、ちゃんこなべの汁も残ってないだろうから、その辺は少し頭をフレキシブルにして対応しようじゃないですかという話をしていたわけです。それで、実はきょうの質問通告も、それを予想したわけでもないんですけれども、質問通告をほとんどしていないので、フリーにディスカッションしたいと思うんです。
 それで、私まず村田大臣に、ことしおつき合いして、炭鉱事故といい、こういう事故といい、非常についてない大臣だなと思うわけですけれども、それはどうしてついてないかといいますと、実はこういう事故というのは、石炭のときも申し上げましたけれども、これは絶対に今後こういうことはあっちゃいかぬとみんなが思っているわけですね。ところがやっぱり来年起こるだろうということなんですね、これと同じようなことが。それはやっぱり人間が住んでいて世の中がこういう仕組みになっていれば、だますやつもおるし、だまされるやつもおるし、悪いやつもおるし、殺しに行くやつもおるし、いろいろなやつがおると思うんですね。これをやっぱりなくしていかなきゃいかぬことは確かなんですね。しかし非常に対処が難しいのじゃないかということで、実は先ほどから大臣の答弁を聞いていまして、非常に私ありがたかったのは、やっぱりあくまで民主主義を守るんだ、自由主義を守るんだということを非常に強調されているわけですね。これだけはぜひ守っていただきたいと思うんです。
 それで、ちょっと話をずらしまして、ついこの間、「エホバの証人」ですか、何か聖マリアンナ医大病院で子供が出血多量で、そのときに親が輸血を断って子供が死んじゃったという問題があるわけですね。あれはもうとんでもない、医者は絶対に強制的でも輸血をやるべきだという議論が非常に多いわけですね。私も確かにそうは思うんですけれども、ただやっぱり、「エホバの証人」がいいか悪いかは別にして、信教の自由というのが憲法でまずあるわけですね。これを絶対に侵しちゃいかぬと思うんですよ。キリスト教の受難史なんかでよく聞くのは、踏み絵なら踏み絵がある、ところがおふくろが子供にも踏み絵を踏まさずに子供が張りつけになっていったということがあるんですね。私はこれは宗教だと思うんですよ。だから、この信教の自由というのを絶対に踏まえた上で子供の命を助けるかどうかということなんですね。まさかあれを厚生省が強制的に輸血できるなんという立法措置をとるとは思いませんけれども、それと同じようなことが、こういうことがありまして、こういうことがあると、これはもう絶対に厳重に規制をやるべきだという議論がすぐ出てくるわけですね。それは確かにそうなんですけれども、そのためにかえって正常なる取引まで縛られちゃったらどうしようもない。例えば、先ほどもありましたような、マルチとかおかしな悪徳商法もあるんですけれども、訪問販売とかセールスだとか割賦販売だとか、非常に進んだものが、正常なものがあるわけですね。そっちにどんどん影響を及ぼしちゃ困るというふうに私はまず考えるわけです。したがって、例えばこれを政府としてこういう悪徳商法をゼロにするというのは、これは簡単にできると思うんですよ。本当に法律でぴしっとやってしまえばそれはゼロになるんです。ところが、ゼロにはなるけれども、その弊害の方が大きくなってしまって、角を矯めて牛を殺すようなことになってしまうんじゃないかという気がするわけですね。したがって、まだまだ日本の消費者運動というか、消費者活動というのがアメリカに比べて非常におくれていますので、ついついそういう悪徳商法がはびこりやすいわけですね。その辺をぜひ全般を見て対策を講じていただかなきゃいかぬじゃないかというふうに私は感じるんですが、これ大臣先ほどからそういうふうに答弁されていますので、今さら改めて確認を求めることもないんですけれども、もう一度大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。
#122
○国務大臣(村田敬次郎君) 実は、きょう各委員の御質問を承っておりまして、そういった基本的なルールについてのコンセンサスが、何も言わないけれどもお互いにあるんだなということを感じて、実は私は非常にその点はありがたく思っております。例えば国家補償の問題等につきまして
も、これは民事上の問題である、したがって豊田商事の財産を保全してそれに対する請求権を行使させるべきだという前提に立っての御質問を先ほど来していただいておりますし、それからまた、いろいろこういった問題についての捜査権というものがどこまで及ぶかということもお考えになりながら質問をしていただいておるということで、非常に私は実はありがたいと思っております。
 やはり民主主義の基本的なルール、また自由主義経済の基本的なルールは守った上でのことでなければなりませんから、今木本委員が御指摘になった、豊田商事の悪徳商法が異常なケースであって、これによって強制立法が余りに行き過ぎてしまえば、これは民主主義自体の危機になるという危機感を私も持っておるところでございます。この点は木本委員の御指摘もそうでありますし、各委員の御質問の背後にもそのコンセンサスがあると承知をいたしております。
#123
○木本平八郎君 私、実は申し上げたいのは、交通事故なんかでもそうなんですね。毎年一万二千人ずつ死んでいると。それで、交通事故というのは減らさなきゃいかぬということもわいわい言うわけですね。確かにそのとおりなんです。そのとおりなんですけれども、交通事故を今度絶滅しようと思うとコストがうんとかかるということですね。あるいは乱暴な話、全部自動車の使用を禁止してしまえば、それは交通事故はゼロになるわけです。ところが、やっぱりそうはいかないということ。それから一億二千万の人間がおって、一万二千人だというこのパーセンテージの問題ですね。韓国なんかは、人口は日本の半分ですけれども、これはちょっと大分前の統計ですから、きょう現在はわかりませんけれども、彼らは二十万人ぐらいの死者なんですね。彼らは交通信号とかいろいろなものをコストをかけられないので、死亡者が多くてもやむを得ないということを私に説明していましたけれども、今は変わっているかもしれませんよ、朴大統領の時代ですけれども。そういうふうなやっぱりトレードオフという問題があると思うんですね。その辺が、これはもちろん行政の方としてもお考えいただいていると思うんですけれども、先ほどの強制捜査権をやるという問題と、民主主義を守るという問題と、それから老人がだまされていくというその福祉の関係の問題と、この三つのトレードオフがあると思うんですね。どこでやるかということですね。
 それで、日本人の議論で、よくアメリカ人なんかから指摘されるんですけれども、要するに日本人というのは、快刀乱麻というか、ウルトラCを非常に求めるんですね。この理想主義というのは、非常にある意味じゃ経済成長なんかでもうんとよくなりますから、これはいいところもあるんですけれども、こういう問題については、一つの法律というか、一つの措置で快刀乱麻ということはもうちょっと考えられないんですね。したがって、これは国会の議論をずっと、私はまだ二年しかならないんですけれども、こう伺っていまして、非常に問題は議論が極端な方に走っちゃうと、絶対にこれはもうなくすべきだという議論がわっと出るわけですね。一見これはもう非常にアピールするんですけれども、ところが実際は不可能なことなんですね。例えば交通事故をもう一切なくすべきだということをぎゃんぎゃん言う。ところがこれは不可能なんだ。不可能なことだから結果的にはフォローされないんですね。したがって、その一万二千人を一万一千人にする方法ですね、ちょっと改善する方法はないかという議論だと、今度は行政の方も非常にフォローしやすいわけですね。ところが、もう交通事故をなくすべきだと、こう言われると、確かに議論としてはそのとおりなんです。もうおっしゃるとおりなんだけれども、実はだめだと。これは石炭の問題なんかでも申し上げたんですけれども。したがって、やはりちょっと改善するということですね。そういうことをぜひ進めていただきたいと思うんです。例えば、大臣が先日出されました内容証明なんかも確かにあのとおりだと思うんですね。ところが現実の問題、例えば去年の今ごろ通産省がそれをやろうとすると、これはやっぱり相当問題がいろいろ出てくると思うんですね、結果的にはそれができない。ところが、去年の今ごろじゃなくても、ことしの初めぐらいにそれがやれれば、また大分被害が違ったかもしれない。そこに一番責任追及の問題があると思うんですね。これは役人の方がおられますけれども、役人に責任をとれといったってとれないと思うんですね。やっぱりこれは政治家がとるか、国会がやるか。そういう点で、もっと昭和五十七年にこういう手を打っておけばよかったということは理想なんですけれども、それは無理なんで、二カ月前でも三カ月前でもやれないか。・
 そこでこういう問題になりますと、だれだって通産大臣の打った手は文句言わないんですね。ところが、うまくいかなかったときに責任追及されるわけですよ。片一方で責任を追及されるというおそれがありながらこれをやらなきゃいかぬという、真ん中で行政というのは動いているわけですね。その辺を少し責任を追及されないようなことを、我々立法府から言えば、そういう範囲の立法措置を考えられないかと思うんですね。私はそういう専門家じゃないものですから、今すぐ思いつかないんですけれども、そういう点で、今後とも少しよくするということで対処をしていただいた方が実質的じゃないかという気がするんですが、福川さんいかがですか。
#124
○政府委員(福川伸次君) この悪徳商法というやり方、これは実はいろんな形態が恐らくありましょうし、また仮に法の網をかけてもまたそれをくぐるとか、いろんなことがきっと恐らく出てくる可能性なしとしない分野の問題であろうと思います。したがいまして、私どもとしては、今、警察庁を含めまして悪徳商法の態様、やり方等々を解明をいたしておる段階にございますが、それについてどのようなことをするのが一番いいのか、あるいは消費者の対応あるいは法律的な対応、いろんなやり方で組み合わせてやっていく。そして今委員の御指摘のようなことで、効果ある、お年寄りが本当に困らないようなことにしていく方法を見出さなければならない、かように考えております。したがいまして、もちろんいろいろな仕組みをつくるときには、それを運用するに当たってのコストがかかります。また、そのほかに、その制度を変えた場合にそれがもたらします弊害というのがまた別途出てくるおそれもなしとしないわけでありますので、そういった今の悪徳商法のやり方、これを解明しながら、今の現行法、これは詐欺罪、それから出資法、あるいは訪問販売法、いろいろな法律の中でどういうふうにやっていくのが一番いいのか、十分その法律的な検討もいたしてみたいと思いますし、またそれがいかなる弊害がもたらされるおそれがあるか、ないかという点も含めまして、先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、私どもとしても法律的な手段を含めまして、関係省庁と鋭意検討いたしたいと思います。
#125
○木本平八郎君 最後に、私はやはり今回の――実は私の親戚に、これが一人ひっかかりかけたのがあるんですけれども、おばあさんがひっかかりかけたところへ娘がひょっと来て、そしてちょっと待ったということで防げたというケースがあるんですけれども、やはり孤独で一人だというのが非常に危険なんですね。周りに息子だとか娘がおれば、こういう問題というのは非常に発生しにくいというふうなことがあるんで、そういう点で同居の問題なんか、基本的に日本社会が抱える問題がやっぱりそこにはあるというふうな感じがするわけですね。
 そういったところを踏まえていただきまして、ぜひ大臣、各大臣とも打ち合わせいただいて、これ今後少しずつベターになっていくように御努力いただきたいと思うわけです。最後に何か御所見がありましたら伺って、終わります。
#126
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど田代委員にお答え申し上げましたときに、こういった問題は、高度成長から低成長に移る一つのそういった社会的な事象であるということで、田代先生と私のコンセンサスが合ったように思うんですが、要は、
こういった社会的な事象というのは、即文化面あるいは政治面、経済面、そういうものを反映しているんですね。だからこういった契機に、木本委員御指摘のように、いろいろこういった法制度、それからどういうことができるか、どういうことをしてはならないかということをよく検討することが大事だと思いますし、先ほど来の先生方の御質疑の中にある、非常に消費者に対する温かい対応というものを求めていらっしゃることはよくわかりますので、誠意を持って対応したいと思います。
#127
○委員長(降矢敬義君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#128
○委員長(降矢敬義君) これより請願の審査を行います。
 第三〇六八号変革期に対応しうる中小企業の育成に関する請願外四件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議いたしました結果、いずれも保留することに意見が一致いたしました。
 以上理事会の申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#130
○委員長(降矢敬義君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#133
○委員長(降矢敬義君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査のため、閉会中に委員派遣を行うこととし、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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