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1984/03/27 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 農林水産委員会 第6号
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1984/03/27 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 農林水産委員会 第6号

#1
第102回国会 農林水産委員会 第6号
昭和六十年三月二十七日(水曜日)
   午後一時三分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北  修二君
    理 事
                高木 正明君
                谷川 寛三君
                最上  進君
                村沢  牧君
                藤原 房雄君
    委 員
                岩崎 純三君
                浦田  勝君
                大城 眞順君
                岡部 三郎君
                熊谷太三郎君
                小林 国司君
                坂元 親男君
                竹山  裕君
                初村滝一郎君
                星  長治君
                水谷  力君
                稲村 稔夫君
                菅野 久光君
                山田  譲君
                刈田 貞子君
                塩出 啓典君
                小笠原貞子君
                喜屋武眞榮君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        安達  正君
   参考人
       全国農業協同組
       合中央会農協青
       果対策中央本部
       長        中村 嘉一君
       日本園芸農業協
       同組合連合会会
       長        後藤松太郎君
       全国果樹研究連
       合会会長     中川  求君
       日本蜜柑缶詰工
       業組合理事長   竹内 雅明君
       香川大学教授   北川 博敏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○果樹農業振興特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(北修二君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 果樹農業振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案につきまして、お手元の名簿にございます参考人の方々から御意見を拝聴いたしたいと存じます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。
 本日は、果樹農業振興特別措置法の一部を改正する法律案につきましてそれぞれの立場から忌憚のない御意見をお伺いいたしまして、今後の委員会の審査の参考にさせていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、これより御意見をお述べいただきますが、あらかじめ議事の進め方について申し上げます。
 御意見をお述べ願う時間は議事の都合上お一人十五分以内とし、その順序は、中村参考人、後藤参考人、中川参考人、竹内参考人、北川参考人といたします。参考人の御意見の開陳が一応済みました後で、委員からの質問にお答えをいただきたいと存じます。
 それでは、中村参考人からお願いいたします。中村参考人。
#3
○参考人(中村嘉一君) まず参考人として、本日の御提案いただいており今国会に提出してあるこの法案に対する見解の結論から、私の方でまず申し上げさせていただきます。
 まず、本案は私どもが日ごろ念願をし、また要望しておりましたそのことがほとんど盛られておるように承り、関係者の各位にまずもって改めて敬意とお礼を申し上げます。
 さて、そう申してしまえばそれでいいんでございますが、御案内のようにこの法案を考えるそのときには、去る昨年の四月、山村農林水産大臣がアメリカへ参りまして、農畜産物の貿易の自由化、枠の拡大、そういうことで御協議を煩わし、オレンジが向こう四年間の中に一万一千トンずつ枠をふやして輸入する、そういう問題を踏まえてこの法案の審議をお願いをする経過がございます。この法案の中身を拝見いたしますと、その一部だけ、輸入果実に対する問題が何ら触れられておらないのが現状でございます。そこで、どうか御列席の先生方に、この法案の御審議の中で何とかしてこの輸入果実の調整措置の御討議をまずお願いをいたしたいと思います。
 さて、私どもの今日までの経過の一端を申し上げます。
 私たち農業団体は、全国に農水関係団体十九ございますが、それぞれの団体が相寄りまして、この農畜産物の貿易の自由化、そのことを踏まえて農産物の輸入の自由化、枠の拡大阻止という対策本部を中央に設けました。そしてそのことに処してまいりましたが、前段で申し上げますように、昨年の四月おおむね決着を見ました。その決着を見ますと、御案内のようにオレンジの輸入を踏まえ日本の果樹生産者がどのようになるか、そこに思いをいたしましたので、その対策本部の中に、なおかつ果樹振興法を一部法改正をお願いしてこれに対応するようにと、そういう委員会をつくりましてこのことに措置してまいりました。
 御案内のように、日本の農産物は、米麦を初め肉類あるいは鶏卵あるいは蔬菜、ほとんどの重要農産物が需給調整あるいは保証価格制度、そういう制度がそれぞれの品目にございますが、この果物だけは、御案内のように振興方策としての法律はございますが、それをカバーし需要供給のバランスをしくものがなく、なおかつ保証制度そのものがございませんので、この機会にその法案の御訂正を願い、そして他の農産物と同じように保証制度あるいは需給のバランスがしけるような法案にいたしたい、そう考えておりましたところ、幸いにも農水省におかれましても果樹対策の研究会を設けられまして、私ども委員会の代表がその中へ参りましてるる御意見を申し上げ、きょうのこの法案の内容になった次第でございますので、この点も改めてお礼を申し上げる次第でございます。
 さて、私どもがそのように申し上げましても、果物の現状を見てまいりますと、温州ミカンを初めとして、あるいは晩かん類、あるいはキウイフルーツ、こうしたものがややもすると需要は減退にもかかわらず収量は増量して、価格も暴落、低迷を来している、そんな現状でございますので、そのことをどうするか。かてて加えて、ブドウや桃あるいはナシ、リンゴ等、そのものもまたそれに引きずられて価格の低迷をいたしておる現状でございますので、そのことを踏まえてみると、どうしてもこの保護制度をお願いする、そういう結果になった次第でございます。
 そこで、私どもとしては、本案の需給調整のこの基本構想、それを示していただきますと、全く限りない感謝を申し上げるのが本来でございますが、冒頭申し上げましたように、私どもの中で一番の問題が、この引き金となったのがオレンジの輸入問題でございますので、どうかしてこの輸入果実の問題を先生方のお力で原案にないところをやっていただきたい、こんなふうに考えておる次第でございます。
 さて、もう一点お願いをする問題がございます。先ほども申し上げましたように、何らかの形で価格の低迷をいたした場合、その価格保証制度、それを何とかしていただきたいのでございます。旧来、需給調整のバランスを生産者みずからが、乏しい力ではございますが、温州ミカンにおいても、それぞれの品目においてそれぞれが需要と供給のバランスの中で処理はいたしておるのですが、それとてみずからの意思で、法的な根拠もございませんので、なかなかうまくいかない。わずかばかりの金を出して、若干生産を調整する人たちにお手伝いをしてみてもなかなかうまくいきません。それを何とかして政府のお力で他の農産物と同じようにそのことをしていただきたい、そう願っておりましたところ、幸いにも本法案でそのことがおおむね日の目を見そうでございますので、改めて先生方に本法案が一日も早く成立するよう、このこともお願いをいたしたいと思います。
 そしてまたもう一点、生産調整の問題でございますが、私ども旧来、みずからの力で生産調整をし、そしてまた努力もしましたが、なかなか私どもの力だけではそのことが及びません。今回、法案の内容を見せていただきますと、農林水産大臣あるいは都道府県の知事さんがその状況に合わして勧告をして、需要と供給のバランスに合わせるようにしていただける、そういうふうなことを考えていただいたので、これもあわせて何とか実現をしていただいて、私ども果樹農民が乏しい力で今日までやってきたことに力を添えていただきたい、かように思っておる次第でございます。
 その次にまた申し上げるんでございますが、果汁の問題でございます。御案内のように、アメリカや欧州へ参りますと、まず食前になりますと、レストランでジュースは何にいたしますか、そんなふうにしてジュースは食料としてほとんど外国では使われておる。だが、どうも日本という国は変なもので、食料ではなく嗜好品に近いような考え方をややもすると持っておる。そういう中で、日本のジュースがどんなように生産されるか。アメリカのフロリダあたりに参りますと、四百万トンから五百万トンぐらいとれるオレンジが、すべてそのままジュースとして生産され食ぜんに供されている。だが、日本の果実というのはそうでなく、テーブルフルーツとしてつくられておる果物という先入感がございますから、市況の中へテーブルフルーツとして消費に回しておる。そのテーブルフルーツの価格が下落したり若干多過ぎますと、それを調整弁としてややもするとジュースにつくられる傾向がある。
 かてて加えて、近時、生産量が多いものですから、テーブルフルーツの価格がどうしても思うようにまいりませんので、それがすべてジュースに回っておる現状を踏まえてみますと、先ほど申しましたように、毎日毎日食ぜんに供するジュースであればコンスタントにこのものが消費されますものですから、価格の低迷も在庫の心配もございませんが、どうも日本人というのは食料でありながら、どうしてもそれを嗜好品の域を脱しないので、そういう場合には在庫等が大分積み増ししてきておる、あるいは価格が低迷してしまう。そのことも今日まで等閑視されておったんですが、今回の法案で何とかこのことも日の目を見せていただきたい。そうしていただかなければ、果樹産業そのものが根本からおかしくなるんじゃなかろうか、そんな考えを持っておる次第でございます。
 また、いま一遍振り返ってみますと、足腰の強い果樹農業、そういうものもしなきゃならぬですが、御案内のように、日本の果樹農業というのはもうほとんど老齢化して、若い後継者にかなり困難をきわめている。かてて加えて、前段で申し上げましたような生産状況、消費状況あるいは経済動向、そうなりますと、ミカン園は草ぼうぼうの廃園になってしまう、あるいは桃畑も草だらけになってしまう。そういうものを何とか近代社会の農業を取り入れて資金を投入して生産ができるような方途を考えていただきたい、そういうふうに念願をしておりました。幸いにも、今回、農林漁業金融公庫のお金等が総合資金として使えるようなお手配を法案の中でしていただける、そのことを考えますと、何とかしてこれこそ本当にそのまま実現していただいて、荒廃する老齢園のないような、そんなことをできるようにお願い申し上げたい、かように考えておる次第でございます。
 重ねて申し上げますが、本法案は貿易の自由化、枠の拡大、そこに因を発してオレンジの問題からこの法案の作成を私どももお願いを申し、農水省自身も研究会をお開きになって、本日ここに御提案をいただいたので、どうか国内だけの問題でなく、その引き金となった輸入果実の問題、それを重ねて本委員会の先生方に十分御審議をいただいて条項にお入れいただければ私どもとしては限りない幸せだと、かように念願をしている次第でございます。
 よろしく右御賢察を賜りまして、私の参考人としての陳述を終わらしていただきます。
 ありがとうございました。
#4
○委員長(北修二君) ありがとうございました。
 次に、後藤参考人にお願いいたします。後藤参考人。
#5
○参考人(後藤松太郎君) 果樹農業の振興につきまして非常な御配慮をいただいておりますことを、厚くお礼を申し上げます。
 果実類の消費の傾向は、最近におきましては多品目を少量ずつ買う、そういう傾向でございます。いろいろのものを少しずつ買う、そして総体的には消費は減っております。そういう状況に対しまして生産者の方ではいろいろと対応策を講じておりまして、新しい果実、例えばキウイのようなものをつくるとか、あるいはまた品種の更新であるとか、リンゴにつきましても従来は紅玉、国光というようなものが大部分でございましたが、品種の更新をやって現在は「ふじ」が非常によく売れているといったようなぐあいでございます。また、栽培の形の変化も研究をいたしております。例えばハウスの栽培が最近は非常にふえております。ミカンにつきましてもブドウにつきましても、いろいろな果実につきましてハウス栽培が進んでおります。ハウス栽培によりまして供給の期間を延ばす、たくさん食べてもらう時期を延ばすということもあり、またうまいものを供給をする、そうしてたくさん消費をしてもらおうという考えもございます。
 そういうふうにいろいろな苦労をしておりますのですが、しかし消費はだんだんと停滞をいたしておる。いろいろな果物が全部そういう傾向にございますが、そのうちでも一番困っておりますのはミカンでございます。何分ミカンは、果実全体の生産量のうちの約半分がミカンでございます。大ざっぱな計算をいたしますと、果実全体で六百万トンございますが、ミカンが大体三百万トンですから、大体半分ぐらいがミカンでございます。したがって、果実の消費の減退による苦労というものは、一番代表的にミカンがその苦労をしているといったような状況でございます。
 このミカンの生産の過剰に対しまして対策としましては、昭和五十四年から五年間、これは政府の予算的な応援も指導も得まして、当時十五万ヘクタールのものをその二割、三万ヘクタールを減らすという計画を立てましてそういう実行をいたしてまいりまして、現在十二万ヘクタール以下になっております。
 これはどういうふうに減らすかと申しますと、まずミカンを伐採をして減らすということも一つでございますが、ほかの果実に転換をするということでございます。ほかの果実に転換をするといたしましても、やはり気象条件もあり、また多く傾斜地でございます。そういったような地形の関係もあり、やはりミカンを減らしましてもミカンの仲間であるかんきつ類に、主にそういう方面に転換をされております。例えばアマナツミカンであるとか、伊予カンであるとか、ハッサクであるとか、ネーブルであるとか、そういったようなミカンの仲間のうちでもってそういう転換を図っておる、これが大きいのでございます。したがいまして、その転換先でありますいわゆる中晩かん類も生産過剰になる心配がある、警戒警報を出しているような次第でございます。
 こうしてミカンは減反をやっておりますが、依然としてその心配は解消をいたしておりません。そのために、生産者の中には生産意欲を失ってしまって放任をする放任園、あるいは捨てづくりをするといったような状況のものも見え始めております。そういうところはとかく病虫害の巣となりますのでもって、付近の果樹園に対して非常な迷惑を及ぼしているといったような状態でございます。
 そして、そういうような状況になりますと、したがって地力が減退をいたします。木が弱ってまいりますので、干ばつであるとか寒さ暑さの影響も受けますので、したがって表年、裏年、こういう隔年結果の傾向が強くなってまいりまして非常に不安定な経営になる。生産者も不安定でありますし、その出荷を受けて商売をいたします市場にいたしましても、またそれを原料にいたしまして加工をいたします加工の関係、すべてが非常に不安定な状態にございます。
 現在、果実に対しましては、昭和三十六年に制定された果樹農業振興特別措置法というのがございます。それは当時、大いに果樹を植えようじゃないか、ふやそうじゃないかという状況のもとでつくっていただきました法律でございます。したがって、ただいま申し上げましたような現在の状況には合致いたしません。現在その法律はございますが、現在の状況に対して役に立っていないといったような状況でございます。したがって、今回その改正をしていただくということは非常にありがたいことでございます。
 また、果実類につきましては価格保証制度がございません。ほとんど重要な農産物についてはすべて価格保証制度がございますが、果実類についてはその制度がございません。したがって、生産と需給のバランスを図る、そういうことによって価格が維持される。適正な価格は、生産と需給のバランスを図るということ以外に適正な価格を維持するという方法がございません。
 今回の法律改正によりましては、法律によって長期の見通しを立てる、権威のある見通しを立てる、そうしてそれに従って出荷なり栽培なりの方針を指示するということでございます。それによりまして生産も安定をいたしますし、需給のバランスがとれるということで、したがって果実の価格もそれによって保証されてくるということに相なろうと思います。この需給のバランスを図るということが、非常に重要な問題でございます。
 なお、ただいま申し上げました長期の見通し、果樹は永年作物でございますから非常に長期の見通しが必要でございますが、そのほかに単年度の、一年一年の需給の調整も必要でございます。私どもの方では生産出荷安定協議会というのをつくりまして、その協議会において需給の計画を立てております。非常に多いと思われます年にはそれを減らすような工夫、そうしてその減らしたものを合理的に、生で市場に幾ら出すか、あるいは加工にどうするか、輸出には幾らを回すかというような計画を立てるのでございます。そういたしまして、そういうような工夫によって価格を維持いたしてまいるわけでございます。
 ただ、そういう生産出荷安定協議会というのは、現在生産者の団体、主として農協の生産者の団体でもってこの協議会を開いております。ですから、この協議会で決めました方針は生産者の団体においてはこれは実行はしてまいりますが、すべて生産者によって出荷をされているわけではございません。商人系統の出荷もございます。したがいまして、安定協議会で立てました計画もやや不徹底なところがございます。私たちから見ればいわゆるアウトサイダーと申しますか、それが相当ございます。それが、いつも安定協議会で計画を立てましたときの実行に問題になるのでございます。
 今回の改正案にありましては、そういうすべての生産、出荷の者を含めてそういう相談をしていく、そうしてそういう相談のできたものについては必ず実行させるように、そういう責任の団体として指定法人を指定をする、責任を持つ団体がある、そうしてそれを実行しないようなところに対しては法律によって勧告をするということでございますので、したがって私は生産出荷安定協議会におきます計画というものは確実に実行される、したがって価格は適正に維持されるものである、こういうふうに考えております。
 この需給の計画を立てる、生産出荷の指導をする、その方針を決めるということは非常に重要なものでございます。そういうことを法律に盛り込んでございますので、私はこの法律が一日も早く成立をすることを望む次第でございますが、なおこの生産出荷につきまして、いわば外国から入る物、外国の出荷者は自分たちの計画によって出荷をいたします。私から見れば、先ほど申し上げましたアウトサイダーに準ずるものではないであろうかというふうに考えます。私たちがいかに国内の生産出荷を計画的に進めましても、外国の影響によりましてこれが乱されるようなことがあるならば、せっかくのこの生産出荷計画も無に帰する、この法律も効力が薄くなるというような点を心配をいたしておるのでございます。したがいまして、そういう問題につきましても格段の御配慮をいただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
 この法案が一日も早く可決されまして、私たちは非常な光明としてこれを望んでおりますので、一日も早い可決成立を希望いたしまして、私の陳述を終わります。
 ありがとうございました。
#6
○委員長(北修二君) ありがとうございました。
 次に、中川参考人にお願いいたします。中川参考人。
#7
○参考人(中川求君) 私は、日本一の銘柄と言われます熊本県のマル白ミカンの産地で親子三代にわたりましてミカンづくりをしておる、現在では三ヘクタールの経営をしている専業農家の一人でございます。
 また、現在、私は日本の果樹農業を担う果樹中核農家が主力となっております組織でございますが、全国果樹研究連合会の会長を務めさせていただいております。本日は、全国八十万農家の代表として意見を開陳させていただく機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 私は、親から譲られた一ヘクタールに四十年に山林を二ヘクタール買いまして開墾をいたしまして、三ヘクタールのミカンをつくってきたわけでございます。全国的に三十六年の果振法に合わせまして大変なミカンブームで、千葉県から鹿児島県までミカンが植わったような次第でございます。そういうことがありまして、四十七年には三百万トンの生産量が出まして大暴落をいたしました。それから、五十四年度の三百六十六万トンまで温州ミカンが膨れ上がってまいりましたので大変な安値になりまして、私たちの生産費はキロ当たり七十円かかるわけでございますけれども、農家手取りはいい産地で六十円、安い産地は三十円という非常な惨たんたるミカンの暴落になったわけでございます。
 また、加工原料といたしましては、五十四年度には百万トンに上る果樹をつぶしまして、農家手取りは二十円ということでございます。こういうことから、我々、国と団体と一緒になりまして、十六万ヘクタール近くありました温州ミカンをどうにか減らそうではないかということで、我が子よりかわいいあのミカン園を伐採をしたり、またほかの品目に改植をいたしまして、そうしていろいろと需給調整に合わせて昨年までやってきたわけでございます。面積的には十一万ヘクタールぐらいの畑まで減らしてまいったわけでございます。
 しかし、現在でもそのとき植えました木が成園ということでございますので、十五年から三十年ごろの木が一番青年期でございます。そういうこともありまして、今もって収量が多いことから、潜在生産量はまだまだ過剰の傾向にあるわけでございます。私の園でも一ヘクタールの園を減らすことになりまして、ネーブル、伊予カン、アマナツなどの中晩かんに改植をしましたけれども、中晩かんは温州ミカンより栽培技術が大変難しゅうございまして、単収が思うように上がらず、農家経営は今もって大変な圧迫を来しておる状態でございます。我が国の果樹農家すべて、私と同じ傾向にあると思います。
 このような産地の実情から、現在では大変後継者が不足な状態でありまして、深刻な問題を抱えております。私の部落でも、いい産地でございますけれども、この問題に関しては最近大分多くなってきておる状態でございます。昨年の果樹農家の後継者はどうしても二万人は必要だと聞いておりますけれども、とどまった数字は千九百人という十分の一にも満たない減りようだということを記憶しております。
 価格低下につながった生産意欲の減退は、果樹園の手抜き、それから廃園、そういったものとあわせまして大変地力が落ちてきております。そういうことから自然災害にも、大変落葉いたしまして、表年、裏年の格差が大きくなってきております。このような産地の実情を打破するためにも、やはりやる気がある中核農家の育成がぜひ必要と思います。そのためには、我々全果連の組織は日園連を中心に県連並びに農協とともに各品目ごとに研修、研究会を頻繁に重ねまして、海外の果樹の視察も行っております。今後もこれらのことは続けていきたいと思います。こういうことが、やがて国際化に対応できる果樹農家の育成、つくることとつながっていくことと確信をしておりますが、今後も青年たちが喜んで跡を継いでくれるような果樹産業にするため努力してまいります。
 さて、政府がこのたび提案されました果振法の一部を改正する法案は、一部を改正することとしておりますが、その内容は、我々がこれまでお願いしてまいりました国内の需給調整措置に関する限りおおむね満たしており、その意味では全く新しい法律であると申しても過言ではありません。しかし、この法案に関連して、一言私どもが懸念していることを申し上げたいと思います。と申しますのは、年々増加傾向にある外国産果実につきまして心配であります。私のようなミカン農家では、先般来の諸外国からの輸入果実の増加によって、将来に対する不安が大変高まっております。経営に対する意欲も減少させる一つの原因になっております。また、法律のことはよくわかりませんが、この法律につきまして説明を聞きましても、外国産果実に対する歯どめが書かれていないようであり、大変不安に思う次第であります。
 私は、果樹農業としてその現状や苦労している点を申し述べましたが、果樹農業に生活をかける全国の農業者は皆同様の状況にあると思います。我々が安心して経営を営んでいけますように御配慮をいただきますようよろしくお願いを申し上げたく、この場をかりまして最後に強調いたしまして、私の意見開陳を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#8
○委員長(北修二君) ありがとうございました。
 次に、竹内参考人にお願いいたします。竹内参考人。
#9
○参考人(竹内雅明君) ただいま御指名をいただきました日本蜜柑缶詰工業組合の理事長をいたしております竹内でございます。
 今回の果樹振興法の一部改正に当たりまして、ミカン缶詰製造業者の立場から、若干の御意見を申し述べさしていただきたいと思います。
 まず最初に、日本蜜柑缶詰工業組合の沿革と事業の概要について御説明をさしていただきます。
 当組合は、昭和三十一年に中小企業安定法、現在のいわゆる略称中小企業団体法、これに基づきまして輸出向けのミカン缶詰の調整を主たる事業として発足してまいりまして、今日まで三十年にわたって我が国のミカン缶詰製造業者の全国団体として業界の発展と安定のための事業を行ってきております。現在、組合員数は百二名でございますが、そのうち中小企業者が七五%を占めており、農協系の組合員が一八%、その他七%という構成になっております。
 それで、最初にかんきつ産業におけるミカン缶詰産業の概略を申し上げますと、ミカン缶詰は輸出向けと内販向けとによって構成されておりまして、その工場の七五%が先ほども申し上げましたように中小企業者でございます。戦後は輸出主導で発展してきたのでございますけれども、競合国の台頭と昭和四十六年の円の為替変動相場制移行を一つの境といたしまして、為替面等でなかなか輸出が困難な状態になってまいりまして、その後は内販主導型へ転換を図って今日に及んでおります。現在では輸出が大体二〇%、内販が八〇%というような生産の内容になっております。
 次に、最近の缶詰の製造とそれから使用しておる原料について御報告さしていただきます。ちょうど五年前の五十五年、これはミカンの収穫が二百九十万トンの収穫があった年でございますが、そのとき缶詰は約九百二十万箱、これは一箱四十八缶入っておりますが、九百二十万箱の生産が行われまして、輸出が約二百万、内販が七百二十万というような生産が行われました。これに使用されました原料が約三十万トンでございます。このときの平均の原料価格はキロ三十四円というようになっております。昨年五十八年、このミカンの缶詰が約一千万箱生産をされました。ミカンの二百八十六万トンの収穫が発表になっております。これも約二〇%の二百万箱が輸出で内販が八百万箱と、このように生産されまして、このときに使われました原料が二十七万トンでございます。このときの原料価格が二十八円でございます。五十九年度はまだ集計が出ておりませんし、ことしの収穫予想は大体二百万トンというように言われております。この状態から現在の生産状態を推察いたしまして、大体前年対比五五%、約五百五十万箱程度の生産にことしは終わるものと予想しております。輸出は約百十万箱、内販が四百四十万箱というような数字になるような予想を立てております。それから原料でございますけれども、大体十七万トンが使用されるものと見ております。この原料の価格が非常に高騰をいたしまして、前年の約三倍、八十五円ぐらいに本年の場合はなっております。
 次に、ミカン産業におけるミカン缶詰の位置づけということでございますけれども、ミカン缶詰に使用されておる原料は、先ほど申しましたように、大体二十五万トンから三十万トンというものが使用されておりますし、比率で申しますと、収穫量の大体九%から一〇%で安定的なミカンの需要また底支えをしてきておるわけでございます。その意味で、果汁とともにミカン産業の発展と安定のために、かんきつ産業への貢献というものは非常にミカン缶詰は大きいというように我々は自負しておるものでございます。
 これは参考まででございますけれども、同じ加工面におきましても、果汁は大体農業団体系でございますし、缶詰は専業のメーカーでございます。それに使われる原料の使用量でございますけれども、果汁は大体五十万トンを中心にして使用されておる。缶詰が大体二十七万トンから三十万トンの間で使用されておる。数量的には差がございますけれども、金額的には双方とも約八十億から百億という金額でこの原料が使用されておるわけでございます。
 行政指導の目標が生産者に向けられるのは、やはり国情からしてもやむを得ないとも思います。しかし、加工面における貢献度というものは余り大きな差がないということを、ひとつ御了承をお願いしたいと思うわけでございます。
 以上をもって缶詰の沿革と概況について御説明を終わりまして、次は、今回の振興法の改正に対する蜜柑缶詰工業組合としての見解を述べさしていただきます。
 今回の法律改正の趣旨につきましては承知いたしております。内容的にはいろいろあると思いますけれども、果実の生産及び出荷の安定を図るための措置という目的で需要の変動に即応体制をとるということは、まことに時期を得た措置と考えております。我々ミカン加工業としましては、ある年は増収である、またある年は減収であるといった繰り返しは安定した生産ができないばかりでなくして、消費の拡大を阻害することにもなりますし、加工原料の安定供給は絶対必要でございます。今回の法の改正には、そういった意味で全く異議はございません。しかし、需給均衡ということでミカンの生産全体が縮小されることに対しまして、原料の安定的供給という点についていささか一抹の不安を感じ得ません。
 この法の改正について、そういった点で二、三問題点を申し述べさしていただきたいと思います。
 ミカン缶詰の製造業は、この原料ミカンの供給なくしては企業は存立しないのであります。従来、とかく行政とその施策にはミカン生産者対策に重点が置かれまして、加工原料に対する施策が十分にとられているとはいえない点があります。出荷の安定を図るに際しまして、ミカン産業における加工原料の必要かつ重要性を認識していただきまして、この点について何らかの施策を講じて加工業の振興が図られるよう、本法律の運用に当たり十分の御配慮をいただきたいと思う次第でございます。
 それから、二番目といたしましては、加工原料に対する生産者の補給金というものがうたってございます。従来からこの加工原料の果実価格安定制度というものが施行されておりまして、需給バランスが崩れて一定の価格以下になった場合には、補給金が生産者に補給される仕組みになっております。しかし、本年のように不足した場合には、価格は高騰いたしまして、安定的な操業に支障を来しております。高騰時においてもこの加工原料が安定的に供給されるように、この制度の趣旨に沿って強力なひとつ運用をお願いをいたしたい、このように考える次第でございます。
 それから三番目に、果実及び果実製品の需要の増進事業についてでございますけれども、果実と果実製品の需要の増進は当然として、今後も積極的に行うようにお願いをいたしたいと思います。しかし、輸出された生果が輸入国においてミカン缶詰に加工され、それが輸出されて我が国の製品と第三国の市場で競合しておる現実があるわけでございます。このようなことが促進されますと、我々加工業にとっても重要な影響がありますし、年間二十五万トンから三十万トンを加工原料として使用しておる我々ミカン缶詰業にとって、かんきつ産業の一員としての貢献にひびが入ることになるわけでございまして、まことに残念であると思います。それで、輸出の拡大は非常に結構でございますけれども、生果輸出ということに限定をして、生果輸出の規格を統一する等の何らかの歯どめ策をとっていただきたい、このように深く考える次第でございます。
 以上の三点をもって、この果振法に対する意見とさしていただきます。
 ミカン缶詰製造業の概要と振興法に対する意見として申し述べさしていただきました。この改正法に対しては賛成をいたしますけれども、問題点として申し上げました三点につきましては、運用面において十分御配慮をいただきまして、加工原料の安定的供給がなされるよう意見として申し述べまして、終わりといたします。
 ありがとうございました。
#10
○委員長(北修二君) ありがとうございました。
 次に、北川参考人にお願いいたします。北川参考人。
#11
○参考人(北川博敏君) 農産物の価格変動を端的にあらわす言葉といたしましてピッグサイクルという言葉があります。これは、豚が高ければ農家がたくさん豚を飼う、それが大きくなりましてたくさん出荷されますと安くなる、だから安値が続きますと豚はやめる、そういうサイクルなんですが、需要と供給と農民心理を端的にあらわしていると思います。
 このピッグサイクルは、果樹農業にも当てはまります。昨年まで過剰で暴落しておりました温州ミカンは、昭和三十年あるいは四十年代の前半の好景気のときに大増殖された結果であります。昭和四十年代の前半に安値が続いたリンゴが、四十三年の百十四万トンをピークにして減少になっておりましたが、再び百万トン台に入ってきております。海外でも同様であります。現在、カリフォルニアではレモンの過剰生産で安値が続いております。これは、一九六四年に日本が自由化いたしまして景気がよくなって、そのとき増植したものが原因になっております。果樹は永年作物でありまして、このサイクルの幅が非常に広く、十年あるいは二十年になります。一たび過剰生産時代になり価格の低落が始まりますと、農家の困窮は非常に長いものになります。果樹農業では、長期の需要に見合った生産誘導が何よりも重要だと思います。
 すべての農産物は天候その他による豊凶があります。果樹は豊凶の差が著しいという宿命を持っております。一年生の作物ですと、その年に終わりますが、果樹の場合は何年も続きます。したがって、長期の生産誘導に加えまして短期の需給調整が必要になります。短期の需給の調整をするものとしましては、アメリカのマーケティングオーダーというものが有名です。これは、農務長官が任命しました生産者、出荷業者から成る委員会で生食用の出荷量を決めますと、全生産者、全出荷業者に対する農務長官の命令となるものであります。命令でありますから、違反すると処罰されます。我が国でも、ミカンが暴落しましたとき、日園連などが中心になりまして出荷制限をたびたび試みましたが、商系の人たちに対する規制がないもので実効が上がりませんでした。このアメリカのマーケティングオーダーも同じようなことがありまして、全生産者、全出荷業者を規制するように構成されたものであります。しかし、現在このマーケティングオーダーを我が国に設けるのは種々の困難があり実際的ではないと思います。
 まず、現在アメリカでも非常に消費者からの反対が問題になっております。アメリカは、さきに申しましたとおりレモンが過剰生産なのですが、スーパーなどへ行きますと非常に高く売られております。一例を申し上げますと、八一年、八二年度にカリフォルニアのレモンは八十五万五千トンの生産がありましたが、その四三%の三十六万四千トンだけを生食用に出荷しております。五七%の四十九万トンは加工用に回ったわけです。マーケティングオーダーは生食用だけしか出荷を認めないわけです。ですから、加工用に回らざるを得なかった。このとき、アメリカの場合は樹上価格、果樹園の上の価格で果樹の価格をよくあらわすのですが、加工用の場合は一キロ五十三円ぐらいになっております。ところが、加工用にしたものは木の上の価格でマイナス二十二円、つまりそれをとりましてジュース工場へ持っていくだけで赤字になっておるわけです。そういう状態なんです。それを消費者が知りますと、我々は高いレモンを無理やりに買わされているということになります。そういうふうに問題になりまして、それが続きますかどうか、いろいろ今もめております。そういうことがありますので、それよりも出荷協議会や安定基金協会を強化し、商系の人たちも含めて出荷調節ができるようなそういう工夫が要るだろうと思います。
 昨年の十二月と本年の一月に、フロリダ、テキサスを大寒波が襲いまして、かんきつはここ数年は原料不足ぎみでございます。私、昨年の夏フロリダに行ってみましたが、約四万ヘクタールが枯れ木園になっております。その一部枯れ木園がこの一日の寒波で再び枯れまして、恐らく四万ヘクタールは枯死すると思います。しかし、ブラジルなどの中南米の大増植で、長期的には過剰生産ぎみであります。
 昨年七月、国際柑橘学会がブラジルでありまして私も出席いたしました。そこでかんきつの経済についてのシンポジウムがあったんですが、将来の過剰生産が非常に心配されております。その過剰生産のときどうするか。オレンジのジュースその他、オレンジを食べてない国はたくさんあるけれども、そのような国は大抵金がない。現在、オレンジを比較的食べなくて果汁も余り飲んでない日本、ここには金がある。そういうわけで、日本に消費増を非常に期待しております。加えて、ミバエの防除に対する技術の進歩が進みまして、日本に対する海外の果実の輸出攻勢は強まる一方でございます。日本の果樹園、特にリンゴあたりは、植物防疫法でコドリンガという害虫が外国のリンゴの産地におるものですから、そういう法で守られているところもあるわけですが、防除法の技術が進みますとそれができなくなります。そういうことがありますので、需給の調整には輸入果実も加えることが必要で、何らかの国境調整が望ましいとは思いますが、この点につきましては、国内外の諸情勢を踏まえて、広い視野に立つ政治的判断によるべきであろうと思います。
 一方、需要と供給を安定させますことは、果樹農業の活力を失わせ、小さくまとめてしまうという危険性があります。果樹農業を発展させるためには、消費の拡大を図らねばなりません。現在、果樹農業停滞の最大原因は果物の消費の減少であります。
 昭和四十年代の好景気によりまして日本人の果物の消費はどんどん伸びまして、昭和四十八年、一人当たりの年間購入量は五十四・六キログラムまで伸びました。ところが、四十八年の後急落しまして、五十六年三十八・七キロ、実に一人当たり十五・九キロこの八年間に減っております。幸い、五十七年、五十八年は横ばいになっております。この十五・九キロに日本人の人口を掛けますと、百九十万トンにもなります。一方、この十年間、日本人の消費支出が二・三倍になっております。このうち食料の支出は二・〇倍、つまりエンゲル係数は減少の傾向にあります。これはいたし方ないと思います。しかし、果物への消費支出は一・六倍です。わずか一・六倍にしかなっておりません。しかし、お菓子は二・二倍になっております。これは菓子業界がどんどん新製品をつくりましてじゃんじゃんテレビで宣伝をして、それに果物が負けてしまったことによるものだろうと思います。
 この結果、砂糖の過剰摂取をもたらし、国民、特に子供の健康は著しく損われていると思います。菓子も果物も糖を含みます。しかし菓子は酸性食品です。体内でカルシウムを消費します。最近、子供の骨が簡単に折れると言いますが、これはその一つの原因じゃないかと思います。私はその方の専門家ではありませんから余りはっきりしたことは言えませんが、その結果、子供の情緒が不安定になって、校内暴力あたりも菓子のとり過ぎだと言う人もあります。果物はカルシウム、カリを多量に含みまして、これはアルカリ性食品であります。血管を補強する高血圧に有効な成分もあります。最近、最も恐れられているがんを予防する成分もたくさん含んでおります。そういうことで、果物の消費を伸ばすことは国民の福祉の上からも非常に望ましいことであります。
 日本農業の弱点はたくさんあります。しかし、強いところはただ一つ、品質がよければ高い金を出して買ってくれるという一億二千万人の人口、それをすぐ横に持っている、そういうことだと思います。今後の日本農業は、その強みを伸ばす方向に進むべきであります。果樹園芸の発展は、まさにその方向でございます。
 日本人ほど果物を楽しむ国民はありません。結果といたしまして、日本人ほど果物を高い金を払って買う国民もありません。果物屋さんというのがあるのも日本だけです。一流の商店街に果物屋があるのは日本だけです。日本人の果物観というのは独特です。さきにも申しましたように、お菓子と果物を同一視しています。嗜好品と思っているわけです。贈答品にも使います。果物を贈答に使うのは日本人ぐらいです。大体、外国人が日本にやってきましてホテルに泊まりまして、立派な果物屋があって高く売っている。これはうちの裏に生えているオレンジも日本へ持ってきて売れば高く売れるんじゃないかと、そういうふうに思うんですけれども、非常に独特です。しかし、この狭い傾斜地で高い人件費をかけまして果樹産業が成り立っているのは、消費者が高い金を出して買って、喜んでいるわけです。それを楽しむんですね、そういう日本人がいるからだろうと思います。日本の果樹農業の発展には、そういうすぐれた果物をたくさんつくる、そういう一つの文化だろうと私は思うんですね。日本人の果物に対する文化だと思うんです。そういうものを育てるということも大事です。
 しかし一方、これだけでは日本人の果物の消費量は大きくはふえません。果物の消費量を増大するためには、欧米型の果物観の導入が必要です。欧米では果物は生活必需品です。現在、一番たくさん果物を食べますのは地中海諸国の国です。そこは大体水質が悪い、水が飲めない、それで果物をかじるわけです。非常に乾燥しております。大体日本人の四倍ぐらいは食べているんですね。今、世界で果物の生産が一番多いのはブドウです。これはほとんどブドウ酒にされます。あれも、ブドウの水をかめの中に置いておいたら発酵して酒になった、そういうところからできております。
 それと、もう一つはやはり栄養です。カリフォルニアは、御存じのようにオレンジとかレモンの大きな産地です。しかし、これはもともとカリフォルニアに砂金目当て、金鉱目当てに採掘にやってきまして、御存じのとおりカリフォルニアの夏は半沙漠です。そういうところをパンぐらい持って走り回っておりますから、ばたばた死んだんですね。これは壊血病です。しかし、それがたまたま、オレンジあるいはレモンを持っていってそれをかじったら死ななかった。そういうことから、もちろんそのころは壊血病がビタミンCによるということがわからなかったんですけれども、そういうことから、レモンあるいはオレンジが一個一ドルの金貨と交換になったというんです。そういうことでばあっと植わったわけで、栄養ということを外国人は非常に重要視しています。
 こういう欧米型の果物観の導入には、果物が健康によいという教育とともに、安く供給できる努力が必要であります。日本型の果物観に加えて欧米型の果物観を持つようになりまして、我が国の果樹園芸は大きく発展すると思います。
 海外の人たちは日本人ほど高価な果物は買いませんので、果物の輸出は容易ではありません。日本の自動車はアメリカでは結構高いんですけれども、すぐれているから買うわけです。ところが、外国人は、果物の場合は立派だからといってそう買いません。ですから容易ではありません。しかし、日本の果樹農家も、輸入攻勢におびえるだけでなく、輸出によって需要を伸ばすということも考えるべきであります。
 日本人に次いで果物を喜ぶ、あるいは高い金を出して買いますのは東南アジアの人たちであります。東南アジアの人たちはお金持ちもたくさんおります。こういう人たちは、落葉果樹を非常に喜びます。特にナシですね。暑いときのナシは非常にいいものですね。こういう努力をすべきだろうと思います。
 また、近年、アメリカでも品質のよいものはかなり高く売れる傾向があります。実は私、去年の夏カリフォルニアのサンキストに行きました、ちょっと話してくれと言うので。これでアメリカは十回目になるけれども、毎年来てみると、だんだんいい果物は高い値段がついているじゃないかと言いましたら、サンキストもそのとおりだ、その傾向があるということを言っておりましたけれども、そういうことがありますので、アメリカへの輸出も不可能ではありませんし、伸びると思います。そのためには、植防上の交渉あるいは調整、輸送の研究も必要であります。
 この法律で需給を安定させることは、日本の果樹農業として非常に重要なことだろうと思います。しかし、その前提といたしまして消費の拡大が必要なことを、特に強調したいと思います。
 以上です。
#12
○委員長(北修二君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳を終わります。
 それでは、これより参考人の方々に対し質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#13
○村沢牧君 私は社会党の村沢牧でございます。
 参考人の皆さん方には、きょうお忙しいところ御出席をいただきまして、ただいままで貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
   〔委員長退席、理事谷川寛三君着席〕
これからの法律案審議に大いに参考にさせてもらいたいというふうに思っておるところでございます。
 そこで、最初にお伺いしたいんでありますが、この法律案を出す背景、それについては、昨年の日米農産物協議の結果、何とかして輸入対策を講じなければならない、そういうことが大きな原因であったというふうに私も思っておるところであります。したがって、この輸入問題については、きょう御世席の参考人の皆さんそれぞれ御意見を持っており、特に全中の中村本部長さん、あるいはまた日本園芸農業協同組合連合会会長の後藤さん、あるいはまた果樹研究連合会の中川さん、それぞれお述べになったところでありますが、特にその中で私は、輸入問題に関してまず後藤さんにお伺いしたいんです。
 温州ミカンが晩かんに転換をして、そして晩かんがずっと伸びてきたわけです。しかも、四年か五年たつと、さらにこれが最藤盛期になる。そのころは、昨年の日米農産物協議で合意をしたオレンジの輸入の枠が最大限になる。したがって、晩かんも大変大きな問題になってくるんではないかと思いますが、この輸入問題に対して、どうすべきか、国家に対してどういうことを要請されるのか、そのことをお伺いしたいわけなんです。
 それから竹内参考人にお伺いいたしますが、今まで温州ミカンの過剰の調整弁としてミカン果汁が大きな役割を果たしてきたというふうに思うんであります。それに対して、今度オレンジの輸入の枠の拡大は、これまた皆さん方の企業あるいはまた仕事にも大きな影響を及ぼすのではないかというふうに思いますが、この輸入についてどのようにお感じになっているのか、あるいはまたそれに対して政府として、国会としてどういうふうに対応すべきであるのか、そのことをひとつ御意見をお聞かせ願いたいと思います。
 それから、北川参考人にお伺いいたしますけれども、いろいろと外国の、特にアメリカの果樹問題等について御高説を拝聴いたしましたが、ブラジルがオレンジの大増収というか、大きくやっておるわけですね。これがもう日本に与える影響は極めて大きいというふうに思いますけれども、ブラジルだけでなくてアメリカの圧力はさらに強まってきますが、先生はこの輸入問題について国内の調整措置も難しい面もあるというようなお話があったんですけれども、今後どういうふうに日本の政府としては対応したらいいのか。以上三点について、三点というか御三人の方々にまずお聞きをしたいというふうに思います。
#14
○参考人(後藤松太郎君) ただいまの村沢先生の御質問でございますが、輸入がだんだんとふえてまいります。これは昨年の四月に日米間でもって決定をいたした数字でございますが、私どもはこれは大変残念なことである、日本の果樹産業に対して非常に大きな影響を与えるものであって残念であるとは思いましたが、しかし決定してしまったものですから、私たちがいかに反対いたしましてもこれは入ってくる。入ってきますが、これは現在のところ売り手市場になっておりまして向こうの考え方でもって左右される、もっと買い手市場として日本の方が、買い手が強くなって、そして価格にしろ数量にいたしましても、数量は年間は決まっておりますが、向こうの都合のいいときに持ってくるのじゃなくて、こちらの端境期があれば端境期に入れるといったようなこと。先ほど温州ミカンの市場調整について申し上げましたが、非常に緊急な場合に、ミカンがたくさん出てくるような場合に臨時に出荷をとめたようなこともございます。そういうような苦労をしているときにもし向こうが入ってくるようなことになれば、これは全く我々の努力は無になってしまう。したがって、そういうような緊急事態に対しては、その年の全体の数量は決まっていましても、緊急事態に対してはやはり何かの処置を講じていただきたいと思います。
 それともう一つ、先ほど北川先生からもお話しございました、向こうが非常な干ばつ等でもって品質の悪いものが出ております。それからマーケティングオーダーでもっていいものを向こうへ、市場へ出している。くずは加工か日本へ出すというようなことになりますというと、くずものの投げ売り市場になってしまうというようなこと。ですから、全体の数量といたしますと決まったものでやむを得ないといたしましても、なおかつそこに買い手市場として日本側がもっと強く悪いものは悪いような値段で買う、悪いものは要らない場合には要らないと言えるような立場をとる必要があろうと思います。そういうような緊急の事態に対してやはり法律的に何かをお考えいただきたい、こういうふうなお願いを申し上げた次第でございます。
#15
○参考人(竹内雅明君) ただいまの村沢先生の御質問でございますが、輸入が増加すればやはりそのバランスをとるためにある程度の調整が行われるかもしれぬということについては、我々も一抹の不安を感じます。そのためには消費拡大策をとっていただきたいとは思いますけれども、我々としては全体がその生産の調整で少なくなるということに対しては、やはり加工原料もそれに伴って少なくなっていくというような状態が予測されます。この点につきましては、安定的な供給というこの法の運用によって十分支障のないような方向でひとつ運用をしていただきたいというように考えます。
#16
○参考人(北川博敏君) ブラジルのことでありますが、ブラジルはここ一、二年ほど前から、アメリカを抜きまして世界第一のかんきつの産地になっております。これはほとんどオレンジでして、九五%がオレンジ、五%が残りです。
 まず、規模が大きいんです。昨年の七月、国際柑橘学会がありまして、ブラジルの政府の人からブラジルの話があったんですけれども、ブラジルにも小農が多くて困るというような話がありました。一体、小農というと幾らぐらいかと聞いてみますと、六十ヘクタール以下は小農だと言うんですね。非常に大きいんです。私どもが学会で見学に行きました農家は三千三百ヘクタールです。それを一戸でやっているわけですね。約千五百人の人を雇っておるんです。その品質も非常にいいのでびっくりしたんですけれども、非常に大規模ですね。去年はちょっと干ばつぎみでありましたけれども、自然条件は非常に恵まれております。
 それから、現在果汁を中心に栽培している産地はフロリダとブラジルです。カリフォルニアもアリゾナも、あるいはテキサスあたりも生食用をつくっておるわけです。日本も生食用が主体ですね。ブラジルとフロリダは果汁を中心にやっております、オレンジの場合。ブラジルではその七五%を果汁に搾っております。それを世界に輸出しているわけです。これは多分にフロリダのオレンジのやり方のまねをしたわけですけれども、ブラジルにとりましてよかったことは、過剰生産になりまして在庫がいっぱいになったとき、いつもフロリダに寒波が襲いましてフロリダは需給のバランスが崩れるわけですね。大体ブラジルがもう過剰生産でつぶれるようになったころ神風が吹いたと、そんな格好で三遍ほどそういうことがありまして世界一になったんですが、先ほども申しましたように、一昨年の十二月、ことしの一月、フロリダは寒波がありましたし、そういうことでまたどんどん植わっているようですね。
 国際柑橘学会でもそれが非常に心配になりまして、将来非常に過剰生産になるんじゃないかと。ブラジルは遠いものですから、生果の輸出は南アメリカあるいはヨーロッパにはやっておりますけれども、世界に広くはないんですが、果汁の方の輸出ですね、もう恐らく日本の九五%以上もそのブラジルの果汁が来ております。日本の産業にとりまして、果汁は一番弱いと思います。まず輸送が、ああいう搾って五分の一濃縮で持ってまいりますから非常にコストが安い。腐ることもない。ブラジルの方で、今どんどんタンクローリーでブラジルの果汁を輸送することを始めております。それでタンカーをつくっています。専用のタンクローリーで港まで運び、それから専用のタンカーでヨーロッパ、アメリカに持っていっております。そういう状況で、どんどん輸送コストを低くしております。日本の多いのは温州ミカン、晩かんなんですけれども、これは果汁としてはやはりオレンジに負けると思います。
 そういう意味で、非常に品質の面からも、品質は温州ミカンは生食用には世界一のかんきつなんです。マンダリンタイプとしましては世界一のものだとは思いますけれども、果汁にはそんなに向いておりません。缶詰は非常に立派なものができます。私が初めてアメリカへ行きましたのは昭和三十三年だったんですけれども、あのころは日本からいろんなものを輸出しておりましたけれども、日本の輸出製品の中で一番すぐれたものはミカン缶詰だったんです。そういう状態ですが、いいものができますけれども、果汁の方はオレンジの方より品質が劣ると思います。そういうことで、将来非常にブラジルの影響は大きいと思います。
 以上です。
#17
○村沢牧君 それぞれ御答弁をいただきましたが、それではまた、それぞれの参考人に個別の問題についてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。
 まず中村さんにお伺いいたしますが、輸入国境調整措置をとれ、とってもらいたいという強い御要請をいただきました。私もそのことは承知をいたしておるつもりであります。
 そこでお伺いしたいことは、日本の果樹あるいはこの法律を見ても、ややもすればミカンに重点を置いた法律ではないか、こう言われる向きもあるんです。中村さんは全中の全国的な果樹を対象にしている方でございますので、そこで落葉果樹について生産安定あるいは保管だとか消費拡大、いろいろあるでしょう。気になるでしょう。これについてどのようにお考えになっていらっしゃるのかということ、これが第一点。
 それから、この果樹の法律による振興方針には十二の種類を指定をしておるわけですね、現在。これ以外のものはこの基本方針にも載らないし、果振法の適用にもならない。従来の経過を見ますると、何回かこの指定をふやしてきたんですけれども、今後どういうふうにしたらいいんだというようなお考えを持っていらっしゃるか。あるいはその中で、こういうものはやはり基本方針の中に入れるべきだというようなものがあったら、お聞かせを願いたいと思います。
 それからもう一点は、やはり法律によって特定果実を指定をして、そして経営が苦しくなった場合には生産調整だとか、最後は補給金を出すということになっていますが、これは特定果実は省令によって決めることになるというふうに思いますが、全中としては現在の状況の中で、どんなものがやっぱり特定果実に指定すべきものというお考えがあったらお示しをいただきたいと思います。
 もう一点でございますが、この特定果実については、同時に後藤参考人にもお伺いしたいというふうに思います。
 それから、次は輸出の問題ですけれども、消費拡大をするためには日本の果樹の輸出ということも考えなければいけない。全中でも、あるいは日園連でも取り組んでおられるというふうに思いますが、これについてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるし、また今後ともどういう対策をとっていらっしゃるのか、これは後藤さんからもお伺いをしたいと思います。
 以上四点について、大変恐縮でございますが、私の持ち時間も決まっておるものですから、簡潔にひとつ御答弁いただきたいと思います。
#18
○参考人(中村嘉一君) 第一点からお答えを申し上げます。
 まず、落葉果樹についてどのように考えるか。その前に、私は肉でもそうだが魚でもそうだが、サケがあればサケを食べるが、イワシがあってもそれは別に食べるというわけにはいきませんもんですから、魚を食べるときは全体のバランスの中で食べると思うんです。サケも腹いっぱい食べてイワシがあればまた別に食べられるもんじゃない、こう思っておりますもんですから、今ミカンが偏ることはわかりますが、全体の果物のバランスの中でまずこのことを考えなければならない。こう思って、落葉果樹もそのような中で、先ほど後藤さんからミカンの端境期にオレンジを入れたらどうか、その意見もございましたが、私が見るところでは、落葉果樹が一般的に入ったらそれも同じことになってしまうので、全体のバランスの中で物を考えなきゃいけないし、そういうふうに落葉果樹は取り扱ってまいりたいと私は思っております。全体のバランスの上で物を考える、まずそういう一点に絞らせていただきます。
 それから品目は、特定品目と申されましたが、私自身は今後の中に、まず入っているもの、今特定品目と言われている以外にもキウイフルーツあるいはその他の問題も若干もう即刻考慮しなきゃならぬのじゃないかな、こういうふうに考えておるわけなんです。あわせてまた、今後全体の生産の中からその品目を順次状態に合わしてふやしていかなければならぬのではないかなと、こういう見解を持っております。
 それから次に、輸出の問題でございますが、私自身昨年アメリカへ参りまして、ちょうど鳥取の二十世紀が出ておりました。アメリカへ参りましてジャパンフェアに参りましたら予想外な人気を博しておりましたので、その面を踏まえて私どもはもう一遍洗い直して、果物を輸入するどころか、日本の果物をもっと輸出する方向に全力をかけて考えるべきだと、こう思っております。
   〔理事谷川寛三君退席、委員長着席〕
特に二十世紀などは非常な好評があったことも、この機会に申し添えたいと思っております。
 以上、三点について御答弁いたしました。
#19
○村沢牧君 今、御意見をいただきましたが、お話がありましたように、果樹のこの法律による振興方針によって十二の種類が今決められている、それをふやしていく、またいかなければいけないというお話でわかりました。
 もう一つ、私はこの法律で果実の生産及び出荷の安定に関する措置、つまり補給金も出すと、それを特定の果実として指定をしてやるんだということですね。現在の状況でこの特定果実に指定をすべきものだと思われるものが、お考えがあったらひとつお聞かせ願いたいと思います。
#20
○参考人(中村嘉一君) まず、中晩かん類なんというものはすぐやらなければいけないんじゃないかなと、こう思っております。また、リンゴ等についてもそんなふうに考えております。
 以上です。
#21
○参考人(後藤松太郎君) 特定果実でございますが、この改正される法律のうちで早速取り上げていただくのはミカンであろうと思います。ミカンが先ほど申し上げました事情にございますものですから、ミカンを早速取り上げていただく。あとはたくさんの品目がございますが、落葉果樹におきましても必要なものは順次取り上げていっていただきたいと思っております。
 それから、輸出につきましての考え方でございますが、輸出につきましても、やはり何と申しますか統制的な秩序ある輸出が必要であらうかと思います。これはもう競争でもってばらばら輸出をしようといたしますと、オファーがこちらから向こうへ、買い手の方へオファーが乱れ飛びますと、いずれが本当の価格であるかと向こうが迷いを生じまして、せっかく発注したものも、先のものは高いからやめようじゃないかというように取り消したりするような状況になると思います。それとまた、生果物は輸出の時期が短く限られておりますので、一たん海外の市場を崩してしまいますというと、ほかのものと違って市場が立ち直る余地がございません。そのシーズンはだめである、そのシーズンがだめであるというだけじゃなくて、その品目はもう危険であるというふうに思われますと、輸出がもうそれでだめになってしまいます。したがいまして、輸出につきましても秩序のある輸出が必要であろうかと思います。
 それから輸入につきましても、先ほど申しましたように秩序のある輸入でございませんと、同じ数量が入りましてもそれはもう混乱をいたすようでは困ると思います。輸出入とも秩序のある貿易である必要があろうかと思います。
#22
○村沢牧君 ありがとうございました。
 重ねて後藤さんにお伺いいたしますが、先ほど御意見の中で、やっぱり需給の長期見通し、あるいは単年度見通しも立てなければならないというお話があったんです。
 そこでお伺いをするんですが、この果樹振興基本方針は六十五年度を見通した長期計画を立てているんですね。それによりますと、ミカンは六十五年度で三百五十三万九千トンという生産目標を立てている。しかし、御承知のようにそんなにできても消化ができません。最近は三百万トン割っているわけですね。この生産量というのは、今後オレンジ果汁の輸入枠を拡大するなんということを考えると、さらに生産が下回るのじゃないか。したがって、私は六十五年度を見通したこの政府の長期計画というのはこれは今じゃだめだ、変えなければいけないと、私はそういう見解を持っていますが、参考人はどのような御意見を持っていらっしゃるでしょうか。
 それからもう一つです。いろいろとお話がありましたようにハウスミカン、こういうのもだんだん生産が上がってまいりましたが、これなどまた全国各地でやるようになると大変なことになりますが、長期見通しというか、これらに対するお考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。
#23
○参考人(後藤松太郎君) ミカンの長期の見通しでございますが、六十五年には三百五十四万トンであろうというかつてそういう見通しが出たことがございますが、お話のとおりこれは非常に多過ぎると私たちも考えておりまして、現在、果樹審議会で見通しの問題を取り上げていろいろと審議をいたしております。やがてその見通しも発表されるのではあるまいか、それを期待をいたしております。
 それから、ハウスミカンの見通しでございますが、現在のところは非常に好調でございますが、しかしこれが好調だからといってやたらにふやせば、これは相当投資も必要でございますので、やはり綿密に市場を調査しながら慎重にふやしていくべきであろう、こういうふうに考えております。
#24
○村沢牧君 ありがとうございました。
 大変恐縮ですが、もう一点だけ後藤さんにお伺いしたいんです。温洲ミカンが転換して晩かんがふえてきた。そこで、そのことはいいというように思うんですが、ところが市場なんかを見ますると、必ずしも昨年度はよくなかったということですね。そうすると、やっぱり晩かんなんかもやがて何か過剰になってくるような兆しが出てくるのではないかと思いますが、市場の価格等を見てどういうふうにお考えになるでしょうか。
#25
○参考人(後藤松太郎君) 中晩かんの問題については御指摘のとおりでございまして、今までは非常に好調に歩いてまいりましたが、そろそろこれは警戒警報が出ております。慎重にこれも見通しを立てて対処すべきものと思っております。楽観は禁物というふうに考えております。
#26
○村沢牧君 ありがとうございました。
 次は、中川参考人にお伺いいたしますが、大変立派な経営をされておって心から敬意を表するところでございます。ぜひ頑張ってもらいたいというふうに思います。
 そこで、参考人もお話がありましたし、参考人は随分大きな面積をやっていらっしゃるんですけれども、この法律の目標の中にも中核農家を育成をしていくんだということが言われていまして、私もそのことの必要性は認めますけれども、しかし日本の果樹生産を見ると〇・三ヘクタール未満のものが六〇%もおるわけですね。一体この小さな農家というのを、兼業農家ですね、今後どういうふうに考えていったらよろしいのか、規模拡大は一方ならないことと思いますが、この間のことについて御自分の経験も踏まえて御意見をいただきたい。
 それから、やはり消費を拡大していくためには消費者のニーズにこたえていく、そのためには品質の向上も必要でありましょうし、また安全対策というか、そういうことも必要であろうというふうに思いますが、生産者としてはこの消費の拡大、消費者のニーズにこたえていく、そういう面でどのような御配慮をなさっていらっしゃるか、そのことが二点です。
 もう一つは、農業災害補償法がございますね。果樹も入っているんですが、なかなか全国的に言うと加入率が非常に低いわけなんです。そして、果樹の災害補償についてはいろいろな意見もあるわけですけれども、生産者としてこの果樹の農災についてどのような御意見を持っていらっしゃるのか、またはどういうふうに改正すべきだという御意見があったらお聞かせを願いたいというふうに思うんです。
 以上、三点についてお伺いします。
#27
○参考人(中川求君) 第一点の小規模経営の方々の動きでございますけれども、〇・三ヘクタール未満なんかでは到底果樹だけでは食べていけない状態でございまして、この人たちは何かやはりほかから農外収入をもって生活をしておる状態でございます。それで、今そういう人たちの中に非常に廃園が多く見受けられてきたというのも実情ですし、条件的にいい条件を持った果樹園は、経営面積の大きい方々が国の資金を借りて購入をしておるというのが実情でございます。それで、今後ははっきり小面積の方々はやはりミカン経営をやめていかれる方向に向かわれるのではないかということを私たちは考えております。
 それから、二番目の消費者のニーズにこたえる果物づくりでございますけれども、これは全くいろいろな最近の工業製品とあわせまして果樹も新しいものでないと売れないような時代になっております。そういうことから国の試験場並びに県の試験場あたりも非常に品種の改良にはお力添えをいただいておりますけれども、農家個人でも枝変わりやら、そういった種をまいて自分でうまいミカンやらリンゴをつくるように努力をしておりますけれども、やはり消費の量を伸ばす意味におきまして、我々がつくる生産量が多くなってもそれだけのものがはくということでございますから、非常に改植事業におきましては、温州ミカンにおきまして、最近青島温州やら大津四号、そういったコクのある、一個食べたらまた必ずそれを食べたくなるようなものに農家は改植をしておる状態でございます。それで、ここ四、五年いたしますと、今の十一キロが少なくとも十三キロぐらいまでは上がるように国内のミカンをひとつ持っていこうではないかというのが、我々農家の努力しておるところでございます。
 三番目の災害の問題でございますけれども、最近非常に干ばつだとか、それから冬になりますと異常寒波が参りまして、南の国でも昨年は大変な雪害でハウスが押し倒されまして、ようやく金を借りて建てましたミカンのハウスが一晩のうちにぺしゃんこになりまして、十アール当たり三百万ぐらい皆無になったということがいっぱいあるわけでございます。それとあわせて、露地物にいたしましても、マイナス五度以下に下がってまいりますと大変な不作に見舞われるような状態でございます。そういうことから、ぜひ我々農家といたしましてもこの果樹災害を健全なものにしていただきまして、そういう災害が来ても安心して果樹がつくれるような方向に、ぜひこの災害につきましてもお願いを申し上げたいと思います。
#28
○村沢牧君 ありがとうございました。
 大変恐縮ですが、果樹災害の加入について、これは全中さんにお聞きしたいんですが、皆さんにも御指導いただいているところでありますが、何とかやっぱり加入率を高めていくことも、この災害制度を維持していくためにも、実際災害に遭った皆さんを救済するためにも必要だと思うんです。今度災害の改正法案も出るんですけれども、全中としてはどういう御指導をなさっているのか、どういうふうにお考えになっているのか、御意見あったらお聞かせ願いたいと思います。
#29
○参考人(中村嘉一君) まず制度ですが、米や麦は強制加入をさしていきますからこれは問題ないんですが、果物に関するときには任意加入として制度をつくってある。だからもう一点経験がなかったのか、最初は若干うまくいかなかったのかしらぬが加入率が非常に悪い。私ども自分の県へ帰りましても、なかなか農家の皆さんに理解をしていただけない点が多々ある。それは制度そのものにも若干の疑問がありますが、旧来、どうしてもあの制度というのはどこかで強制力でもないと加入しないという考え方が多いんですね。だからどうしてもうまくいかない。だから私は、何か法律を改正して、政府である程度金を出してもいいから、さしあたり強制加入でもする方途を選んでいかなかったら、なかなか私どもが一生懸命指導してもうまくいってないのが現状であります。今後とも、せっかくつくったものですから活用の方向へは持っていきたいと思うんですが、現状を踏まえてみると、何らかの強制制度がなけりゃこれ以上なかなかうまくいかないんじゃないか、そのように考えております。
#30
○村沢牧君 ありがとうございました。
 次に、北川参考人にお伺いしたいんですが、先ほど御意見の中で果樹の消費についてお話があったんですが、お話がありましたように日本の果樹の消費は欧米諸国に比べて低いわけなんです。その中で、日本の食生活の欧米化が進行してきたので果樹はもっと伸びるよという人と、いやそうじゃない、このくらいが限度だという人があるんですけれども、先生はどのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。そのことが一つ。
 もう一つ、家計費の調査で見ますると、所得の低い階層で生鮮果実の購入量が少ない。これはいろいろの調査で出ているわけですね。所得の多いほどやっぱりこういう果物を食べる層が多い。このことをどういうふうにお考えになるでしょうか。私は、つまり家計における可処分所得の伸びが低いところに原因があるんだ、果実だけだとは申し上げませんが、やっぱり個人消費をふやすような国としても経済政策、経済運営をしていかなければ、ただ果実だけの問題ではありませんけれども、すべての農産物なんかについても言えることではないかというふうに思いますが、先生はどのようにお考えになっていらっしゃるのか。二点について御意見をお聞きしたいと思います。
#31
○参考人(北川博敏君) 昭和四十八年から果実の消費量が減ってきましたのですが、一番大きく減っているのは温州ミカンあるいはバナナなんですね。あるいはスイカあたりも減っております。比較的安い果実が消費が減っております。案外伸びておりますのは高い果実なんですね。そういう意味で、日本人の果実観というものは、やはりまだ、日本は野菜が非常に豊富にあります。日本人は野菜の消費量はもう世界一ぐらい多いですし、野菜が豊富にありますし、四季が、冬もそんなに寒くなくて十分入ります。それからいろんな栽培にも努められていますし、そういう意味で果実の栄養その他に関する関心が低いんだろうと思います。欧米では、むしろ野菜よりも果実の方が手軽に入るわけですね。特にヨーロッパあたりは寒いところが多いものですから、冬は野菜が手に入らない、果物だったらある程度貯蔵できる、そういうところからもありまして、やっぱり果実観が大分違う。そこが大きく影響しているんだと思います。
 もちろん、二番目におっしゃいました、所得が多いほどそれは高いもの、現在あたり高い果物を食べて喜ぶ、そういうものが日本の果物観になっておりますから伸びますが、やはり一つは、結構お菓子も伸びておりますし、子供のおやつのお菓子が非常に多いんですけれども、それを果物に変えるというようなことは果物にとってもいいことですし、教育なりPRなり、そういうことをすれば私はもっともっと伸びると思います。
#32
○菅野久光君 きょうは、本当にお忙しいところを大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 日本の果樹農業は、いえば生産と需給のバランスの関係でいつも大変な状況に置かれて、生産が過大になると需給の関係でもうだめだということで、せっかく皆さん方が育てたものを切って今度は別なものに転換していかなきゃならないということで、しかし、別なものに転換しても実際に実がなるまでには何年かかかるわけですね。そういう意味で、常に脅かされてきたのが果樹農業ではないかというふうに思うわけです。
 先ほどから村沢委員の質問にもございましたけれども、昨年の農畜産物の交渉で、何だかんだ言ってもオレンジの輸入の枠の拡大というものが決まってしまった。そういう中で、日本の果樹農業を守っていくということは、これは大変なことになっていくというふうに私は思うんです。いよいよこれは現実的になってきているわけでありますから、それだけに、これからの日本の果樹農業を守っていくためにということで、今度の果振法の一部を改正する法律案ということになったわけでありますけれども、私はこれとても、本当になかなか大変なことではないかなというふうに思うんですが、今までの日本の農業の方向を考えたときに、一般的にはEC並みとかなんとかいうことをいろいろ言われておりますけれども、やっぱり、国際競争力をいかにつけるかということがどうなんだということで、常に経済界などから言われているわけですね。我々も枠拡大、この委員会でも反対をいたしました。やったけれども、結局外圧に負けて輸入の枠を拡大するような結果になったわけで、そういう意味で今後の日本の果樹農業を守っていくためには、もっと何か抜本的な方策というものを講じていかなきゃならぬのではないかなというふうに私は思うんですけれども、率直にひとつ、きょうおいでになった皆さん方お一人お一人がどのように考えておられるのか、その辺を、非常にこれはマクロな話になるかもしれませんけれども、お伺いいたしたいなというふうに思うわけです。
#33
○参考人(中村嘉一君) まず、先生のお尋ねですが、日本の果樹農業をいかにして守るか。もちろん、今、先生から御発言がございましたように、日本ばかりでなく、外国も生産が向上すればまた外圧が来るかもしれない。それならもっと困るんで、第一番に、外圧が来るのをこの法律の中で、これ以上来ないような制度を何とかつくっていただきたいというのが、まず第一番のお願いでございます。理由のいかんを問わずに、この法律の中でこれ以上来ないようにまとめてもらわぬとまず困ります。これが第一前提でございます。
 ただ、その言ってしまって、よそから聞かれたとき、うちがどうなるんだと言われますと、私どもとして、今の日本の農業構造を何とかして改善をし、もちろん公庫の金等の総合資金も出していただいて農業構造の改善をするんですが、いま一歩進んで、水田と違いまして、ミカンにしてもまさに耕して天に至るような、あの段々畑でつくらなきゃミカンがとれないというその現状もございますから、その農業構造を、私は専門家じゃないからそれ以上わかりませんが、何とか農業構造を改善して、この社会構造の中で果樹産業ができるような方途を農水省みずからでもつくっていただかない限りこれは守っていけない、この二点を考えております。
 以上です。
#34
○参考人(後藤松太郎君) 国際競争力の問題でございますが、これは現在、オレンジ等については数量の制限、いわゆるIQという制度でやっております。これはぜひとも今後とも続けていただきたいと思います。IQを続けるということは堅持していただきたい。しかし、IQを堅持いたしましても、なおかつ先ほど申し上げましたような向こうの売り手市場でございますから、向こうから殴り込んでくる場合がございます。そういう緊急な事態に対処する方法を考えていただきたい。これはもう今回の法律改正のときに、ぜひともそういう点もお考えいただきたいと思うわけでございます。
 それから、それぞれの向こうの特徴があるフルーツが参りますんで、多品目少量買いの傾向というのが、やはりこれはその傾向は崩せないと思いますが、我々もそれに対抗していいものをつくっていく、いい品種を見つける、なおまた、いい品種でいいときにそれを採集していい状況で消費者の口まで持っていく。ですから、採集から消費まで、輸送、保存というような点まで私どもは研究をして、うまいものをうまい状態でもって食べさせるということまで検討、研究をして、目下その努力中でございます。
#35
○参考人(中川求君) 昨年の今ごろは我々農家も大変心配をしておったわけでございますけれども、四月あのような結果になりまして数カ月を過ぎたわけですが、何か農家では、昨年までのあの騒ぎがちょっと沈滞したような感じでございますけれども、心の中では非常にまだ残っておるのが実情であります。それで、国際的に勝つように、我々は大変品種改良なり、それからいろんな経費を落とすなり、生産経費を落とすなり、そういったこともやるわけでございますけれども、やはり三年後この問題が出てまいりますと、本当に農業の壊滅につながる、果樹農業の壊滅につながるような気がいたしますから、やはり今度のこの機会にぜひ歯どめ策をお願いを申し上げたいと思います。そして、やはり安定してつくれるような日本の果樹産業の方向を導いていただきたいと思います。
#36
○参考人(竹内雅明君) 我々は原料のミカンがなくては企業が成り立ちませんので、輸入が拡大をされて日本のミカン産業というものが弱くなってまいりますと、これはもう加工業としては非常に大きな打撃を受けるわけでございます。それで、もうこれ以上やはり輸入によって果実生産が減らないような方法を、ひとつこれは考えていただきたいと思います。
 それから、我々自身としてはこれにどういうふうに対応するかということですけれども、やはり製品の消費拡大ということを考えざるを得ないと思います。従来は缶詰はやはりインドア商品でございますけれども、これをアウトドア商品に転換を現在図っております。果実缶では、今日本では大体二千三百万箱ぐらいのものが生産されておりまして、そのうちの約半分がミカン缶詰でございます。
 そういった意味で、消費の問題で大いに消費宣伝を行いまして消費の拡大を図る、啓蒙を行う。今までおやつで使用されていたものを料理の面に使用していただくとか、そういった面での啓蒙を現在続けて、これに対応しようとしておるわけでございます。
 以上でございます。
#37
○参考人(北川博敏君) 先ほど、私は日本農業の強いところがあると申しましたが、一億二千万人という、非常にいい品質のものなれば高い金を払ってくれる消費者をすぐ近くに持っていること、それが日本の強みだろうと思います。
 そういう意味で、それに合いましたようなものを生産する必要があると思います。結局、鮮度保持の難しいものの方が輸入に耐えるわけです。ですから、果物よりも野菜の方が強い。野菜といいましてもタマネギとか、最近はカボチャあたりも輸入されておりますが、比較的輸送ができるものですから、そういうものは比較的弱い。ですから、すぐ近くということは、加工品になりますと、輸送の途中の品質変化がありません。オレンジでも太平洋を越えて持ってくるんですから、八千キロあるんですね。八千キロの間に腐ることもありますし、品質の低下もあります。そういう方向に進むべきだろうと思います。
 それから、やはり日本の消費者の喜ぶもの。ですから、余り欧米型の果物観が入ってしまって、もうどんなものでもいいんだということになりますと、かえって外国のものに弱くなる、そういう傾向がありまして、やはり消費者が喜ぶ、せっかく高い果物を買ってくれるんですから、そういう方向にも進むべきだろうと思います。
 それから、やはり日本の自然条件によく合いまして世界的に見て品質のよいもの、そういうものの生産に努めるべきだろうと思います。温州ミカンは今は過剰生産が言われておりますけれども、これはもう世界で最もすぐれたものでありまして、私の知り合いあたりでも、アメリカから来るときに、ミカンを食べられるのが楽しみだと言っている友達はたくさんおります。ナシでもそうです。日本のナシ、和ナシ、外国のは洋ナシなんですけれども、日本の和ナシを食べた外国人が、特に暑いとき、夏の日本のナシは非常に喜びます。
 これは、温州ミカンもナシもカリフォルニアにもあります。しかし、それは品質が全然問題になりません。温州ミカンは、最近地中海の沿岸の国でたくさんつくっております。私はそのシーズンに行ったことはないのでよく知らないんですけれども、国際柑橘学会が日本でありましたときに専門家が来まして、日本の温州ミカンを見て、温州ミカンはサツママンダリンと英語で言うんですけれども、なるほどこれが本場のサツママンダリンか、これはすばらしい、我々がつくっているようなミカンと全然違うということを口をきわめて言っておりましたけれども、そういうものをつくるべきだろうと思います。
 以上です。
#38
○菅野久光君 私も、日本の果物というのはすばらしく、味がよくて、本当においしいと思うんですね。外国なんかへ行っても、食べてみて、本当に日本の果物のすばらしさというものを感ずるわけなんです。これだけすばらしい果物ができるのにさっぱり消費が伸びないという、このことがやっぱり不思議なんですね。それを何とか消費拡大に持っていかなきゃならない。また、そのことが、日本人の健康を守るという意味でも非常に重要なやっぱり意味を持っている。その果樹産業がつぶれるようなことになれば、これは大変なことになるなという思いをしながら、私も今度のこの法案の審議に当たっていきたいというふうに思っているわけですけれども、北川参考人にまたちょっとお伺いをいたしたいと思いますが、国内の消費拡大を図ると同時に、やっぱり果樹産業を発展させていくという意味からいえば、先ほど先生のお話にもありましたが、輸出ということを考えていかなきゃならぬじゃないかというようなお話もあったというふうに思うんですけれども、そういう輸出の方向にも持っていくということにかかわれば、今の日本の果樹産業の中でどういう点に留意をしてそういう方向に持っていったらいいというふうにお考えか、その辺をちょっとお伺いいたしたいと思います。
#39
○参考人(北川博敏君) やはり日本で外国に比べて、私がさっき申し上げましたようなものは、品質的に外国にあっても十分競争ができます。日本は、こういう自然条件でつくりますからどうしても価格が高くなります。しかし、さっきも申しましたように、高いものでもだんだん外国人も買ってくれております。そういう意味で、そういうものをつくって輸出すべきだと思います。
 これは後藤参考人の方から秩序ある輸出と言われましたけれども、今アメリカからいろいろなかんきつが来ておりますが、極めて無秩序に入ってきております。一方、ニュージーランドあたりからキウイが入ってきておりますけれども、これは極めて秩序ある輸出の仕方をしておりまして、僕はよくニュージーランドはもうかっていると思いますけれども、そういうやり方がありますね。やはり後藤参考人がおっしゃっていましたように、海外の市場への秩序ある輸出というものが大事だと思います。
 以上です。
#40
○委員長(北修二君) 菅野君、よろしいですか。
#41
○菅野久光君 どうもありがとうございました。
#42
○竹山裕君 私、静岡選挙区から出ております竹山裕でございます。
 きょうは参考人の皆さん方、お忙しいところを、また遠路御苦労さまでございました。有益なお話を数多く聞かしていただいております。
 私も静岡でございますので、地元温州ミカン、昨年は裏年に加えて冬季の干寒害の影響で全国でも二百二万トン、大変な大幅な減収になったわけでございますが、幸い夏から秋にかけての気候に恵まれまして品質的には大変すぐれて、市場価格も二月末の平均でキロ当たり二百二十六円、前年比で一六〇%、実質でいえば二割アップぐらい。大変こういう意味では農家に意欲を与えたということは言えょうかと思いますが、しかし、四十七年以降の生産過剰基調の中で、今後も大きな悩みを抱えながら、この間の不況によって農家による管理の手抜きが見られるなど、農家の階層分化あるいは産地格差の拡大など、構造的な変化がさらに進行するということも懸念されるわけでありますが、県としては、団体ともどもに、このような流動的な情勢下での自立経営農家の育成、これを中心にした活力ある産地づくりに向けて効率的な指導、誘導を静岡県、特に独自の優良品種であります青島温州などの更新ということで努力し、諸施策をあわせて実施しているわけでございますが、今回の農振法、法律設立当時の拡大ポリシーとは大きく反転した現状でございます。
 こういう中で法律ができましても、実際の運用面での問題が、きょうはそれぞれのお立場でおいでいただいた皆さん方でございますので、具体的な展開といいますか、運用面での御示唆をいただければありがたいと思いますが、それぞれにお願いいたします。
#43
○参考人(中村嘉一君) 本法案が、先生御発言のとおり、果振法をつくったそのときには、まず果物の振興をするためにつくったと言っても過言でないような法律でございますね。それが星移り時変わって今日にまいりますと、そのときはそれでよかったが、先生が御承知のように、今はそのものが消費もそれほど生産に合わせて伸びていかない。だから、どうしても果振法を変えざるを得ない。もう一つは、貿易の問題があるからなおさら変えなければならなかった。
 そこで、この運用の面で一番問題になるのは、私はどうあっても消費と供給の面、そのことがバランスが引けるような勧告措置がかなり強固なものであってほしい。そうでなければ、先ほど後藤参考人が申されましたように、私ども農業団体だけが一生懸命やってみても、商人の人たちがそれを守らない、勧告だけでもって済んでしまったら結果がどうにもならぬので、勧告すると一緒に、そのことが守られるような制度をこの法律の中へつくっていただきたい、こう思っております。
 以上でございます。
#44
○参考人(後藤松太郎君) 昨年の秋からことしにかけましては、先生のお話のとおり、非常に不作のためにかなりの値段を取りましたが、その前の年はこれまた当初三百六万トンぐらいの農水省の見通しがございました。私どもの方では二百七十一万トンあればいいということでございます。そういたしますというと、三十何万トン、四十万トン近いものを減らさないと大変な問題になってしまうというわけで、市場へ出すものから一キロについて一円ずつ供出をさせました。一円ずつ供出をさせました金をもって生産調整の方へ使いました。そういうような苦労をして生産を一生懸命に減らしたような次第でございますが、それでもなおかつ減らし切れない。減らし切れないためにその分は一体どうするかということになりますと、これは加工に回す。加工はジュースの方が多いわけでございます。缶詰よりもジュースの方がはるかに多い。生産調整のためにジュースに搾りますというと、それが毎年そういうような大きな数字を繰り返しますと、今度はジュース製品の過剰になってしまう、ジュースのストックが多くなってしまうということになります。従来はそれに対しまして金利、倉敷の補助を若干いただきましてそれぞれが持っておりましたが、製品の過剰分を市場から隔離をする必要がある、こういうふうに考えました。そういうことによってジュースの価格も正常に保つ。それによってジュース工場も経営が成り立つ。ジュース工場の経営が成り立つようであれば需給調整の役目も果たす。需給調整の役目のほかに、ジュースなり缶詰にいたしますと、年間を通じて消費をしてもらうということでもって消費の拡大にも直接つながってまいりますので、生で市場へ出して消費者に食べてもらうものと同様に、やはり加工事業についても私たちはこれは育成強化をしていく必要があらうと思っております。
 そして、ただいま申し上げましたように、キロ一円ずつ集めましたのが十何億円ですかなりましたんですが、それをもって生産調整といいますと、実がなってしまえばこれは摘果をする、実をもぐとか、あるいはその前の時点におきましてはこれは剪定、枝を切るとか、そういう剪定をするというようなことでもって生産を減らす、そういうような奨励の費用等にそういうものを使ってあるんでございます。しかし、私ども生産者の団体としますとそういうことはやれますが、先ほどの話に戻りますが、生産者以外の者もやはりミカンを扱っております。そういう人たちにもそういうことに協力をしてもらいませんと成績が上がりませんので、今回の法律でそういうものについてもいろいろ御配慮をいただいておりますので、大変幸せだと思っております。ありがとうございました。
#45
○参考人(中川求君) このたびの法案の中でぜひお願いを申し上げたいと思いますのは、やはり日本の需給を考えて、そして計画生産を余らないように指導していただきたいと思います。それとあわせまして計画生産と計画出荷をぴしっとやっていただきまして、そうして農家の経営が安定してくることが一番いいんじゃないかと思うわけでございますけれども、今非常に農家は嫁不足でございます。そういうことから後継者がとどまりにくい傾向にあるわけですけれども、その点につきましては、今の果樹の状態ではやはり負債が大分あるわけでございます。そういうことから、もう少し安定してまいりますと嫁も来ますし、そうして安心してつくれるような法律をつくっていただきたいと思います。
#46
○参考人(竹内雅明君) その年々によって、ことしは増産ということになりますと、これはもう製品は非常に増産されまして製品価格は暴落をしてまいります。また、減収のときは原料価格が上がって製品が非常に高騰するというようなことで、繰り返していきますと消費にも非常に大きな影響を及ぼしますので、やはり我々としては安定した原料の供給ということが一番眼目でございます。
 今度の法律では、その点を非常に運用面で調整がとれるというように我々は解釈いたしておりますので、ぜひともそういった面でひとつ運用面を十分配慮していただきたいと思っております。
#47
○参考人(北川博敏君) さっきも申しましたように、果樹は永年作物でありまして、これの豊凶の差が非常に大きい、そういう宿命を持っております。ですから、今ある程度の需給の調整、これはもう果樹農業にとってはやむを得ないものだろうと思います。アメリカのマーケティングオーダーあたりもそういうことでやっておりますし、私も余り詳しくは知りませんけれども、ほかの国でもいろいろ配慮をしているようでございます。
 私がこの法案に一番期待したいのは、消費の拡大です。友人あたりが菓子業界に勤めているのもいるんですけれども、その人たちは、もう菓子はだめになる、もう菓子はだめになると言いながら今まで伸びてきたんですが、去年から世間を騒がせているようなああいうことで、日本人はお菓子を食べなくても余り不自由せぬように思ってきた向きもあるものですから、私はこれで少しは流れが変わってくるんじゃないかと思いますが、それに加えて、この法律の消費の増大の方に、そういう面に非常に期待したいと思います。
#48
○竹山裕君 ありがとうございました。
 今回の法案の内容は、生産者団体の意向を踏まえたものでありまして、お話のとおり国内の需給安定、こういう面を大きく意を体しているわけですが、一方、牛肉、オレンジ以来の輸入問題についての措置については特に規定がないわけでありますので、その辺を不十分と考えられておられると思いますが、後藤会長ひとつお考えを何かお聞かせいただきたい。
#49
○参考人(後藤松太郎君) 輸入につきましては、これはあくまでもIQ制度を堅持していただくということのほかに、やはり緊急事態が起きる可能性もあると思います。ただいまでもビニールの袋へ入れて一ダース幾らといったような安売り、たたき売りのオレンジも出ている、そういうようなのがもう本当に市場価格を乱す原因になっております。これを何とか規制をしていく方法はないであろうか、その緊急事態に対して何らかの処置をとっていただきたい、こういうふうに強く希望いたします。
#50
○竹山裕君 同じテーマで、全中中央本部長としての中村参考人にお願いします。
#51
○参考人(中村嘉一君) まず、私どもとして一番考えられるのは、本来であればもっと入るものにそれぞれ条件をつけて、完全な国境調整措置をしておいていただくのが一番いいと思うんです。でも今の社会情勢は、農水省としてはやってくれるかもしらぬが、外務省や通産省の問題を考えればなかなか難しい問題が出ると思うんです。でも、そう言ってしまったらおしまいなので、先生方にここで頭を下げて、何とかこの法案の中で先生方に国境調整措置ができるように重ねてお願いを申し上げます。
#52
○竹山裕君 それでは、中川参考人にお伺いしたいと思うんですが、大変お若くしてすばらしい実績をお上げになっているとかねがね承っておりますし、特にただいま農家でのお嫁さんの話が出ましたんですが、果樹振興と直接は関係ないかと思いますが、口を開けば若者に魅力ある足腰の強い農業ということを申しますが、その若さでそれだけの実績、バイタリティー、影響力をお持ちになる、若干哲学的なことになるかと思いますが、その辺の心意気などをお聞かせいただければと思います。
#53
○参考人(中川求君) やはりこれから残る産地と残らない産地があると思いますけれども、それだけ活力があって残れる産地は、相当な出資をして、金を使って経営をやっておるわけですけれども、そこらにどうしてもついていけないところがあるわけであります。弱肉強食のような国内の果樹の今の状態でございますけれども、残っていく希望のある産地に対して、この法案の中で十分うたってあるわけでございますけれども、私は一人でも多くの果樹農家が落後しないように、できれば残っていただきたいと心理的には願うわけでございます。それで、今の状態では、非常にここ単年度で二極化がはっきり出てくるという状態でございます。弱い者も救ってつくり上げていただきたいと願う心でございますけれども、ひとつぜひ公平な法制度になりますようお願いを申し上げたいと思います。
#54
○竹山裕君 同じようなテーマでございますが、北川教授に大学の教えの場として、その辺の若者養成の点で御意見を伺いたいと思います。
#55
○参考人(北川博敏君) 私は、割合アメリカの果樹その他を調査しているものですから、農業経済とよく間違われるんですけれども、私の専門は園芸利用学と申しまして、果物、野菜、花などそういうものを流通したり貯蔵したり加工したり、そっちの方の専門であります。技術屋でございます。園芸利用学というのは、もともと缶詰から出発したんですが、最近は缶詰、そういう加工の方は工学部その他でもやっておりますから、むしろ流通問題、鮮度保持の問題、そっちの方が主になっておりまして、私は余り、どういいますか、世界をひっくり返すような大きな研究はしておりませんけれども、日本の園芸業界には相当の貢献をしていると自分でも自負はしているんですけれども、ミカンの着色促進とか、アマナツ、ハッサクの貯蔵とか、そのほかいろんな包装とか、フィルム包装あたりでもほとんどうちで始めたものです。
 そういうことをやっているんですが、最近私の大学へ来る、田舎の農学部です、私の大学の特徴は田舎にあるということが特徴でして、香川県なら四国ですね。そういうことから産地の大学ということで、産地と密着した産業を支える、そういう研究をしようということをモットーにしてやっているんですけれども、そういう大学に入ってくる学生が、香川大学農学部の園芸学科を目指してくるのもおりますけれども、これは極めて少数でありまして、共通一次がこれぐらいだったらあそこへ行けというようなので入ってくるのが多いのが実情です。しかし、そういうことで入ってきてもいいと思います。入ってきても、そのうち教育していますとよくやります。全部がやるとは言わないんですけれども、よくやります。伸びる者はよく伸びますね。
 そういう意味でもいいんですけれども、しかしおもしろいのは、私のところは毎年入ってきた学生に、なぜここの大学の園芸学科を受けたかということを一人二、三分ずつしゃべらすんですけれども、最近ぼつぼつふえてきたのは、私は農学部へ入りましたのは、今私は田舎出身なんだけれども、みんなどんどん離農している、こういうときに農学部へ行っといたら将来一番いいだろうと思って入ってきたというのが、ここ二、三年前からぽつぽつ出かかっているんです。ですから、そういう意味で、やはりこれも一つのサイクルですか、そのバランスの問題なんですね。そういう声もぽつぽつ出始めている。後継者なり産地の人づくりが非常に言われておりますけれども、そういう声もぽつぽつ出てきている、そういうことだと思います。
 以上です。
#56
○塩出啓典君 本日は、参考人の皆さんには遠路お越しいただきまして大変有益なお話をありがとうございました。私も生まれが愛媛県で現在は広島に住んでおりまして、そういう意味で、特に温州ミカンにつきましてはいろいろなことを聞かしていただいておるわけでありますが、きょうは公明党を代表いたしまして、二、三参考人の方にお尋ねをしたいと思います。
 まず最初に、中村参考人にお尋ねをいたしますが、きょうおしなべて皆様の今回の法案に対する御要望というものは、最近のいわゆる自由化対策という、そういう点に大きなねらいがある、このようにお聞きしたわけでありますが、しかし法律の内容は、実は輸入対策ではなしにいわゆる需給対策というか、そういう意味では非常に皆さんの要望と法案の内容が違うんじゃないか。ある意味で考えれば、国内の減反をし需給調整をしてそこに輸入する、悪く勘ぐれば輸入条件をつくるんじゃないかという、そういうような意見もあるやに承っておるんですが、そういう心配は感じている人はいないんでしょうか。
   〔委員長退席、理事谷川寛三君着席〕
#57
○参考人(中村嘉一君) 確かに御指摘のように、法案の精神と流れている文字から見れば先生もおっしゃるとおりだと私も思います。でも、国内だけで需給調整ができれば本当にそれで結構だと思うのです。そこが御案内のように、相手の国から入ってくることによって国内の需給調整もまた違ってくるという現実も御理解をちょうだいいたしたいと、まずこういうふうに思います。それも、先ほど後藤参考人から、一定の期日を決め一定のルールによってその都度その都度入ってくればこれは問題ないんですが、相手方もそうはまいりません。向こうの都合で参る。そのときたまたま日本も都合が悪かったとすれば困るんで、そういう需給調整をこの法律で国内だけでやってもうまくいかない、そういう心配があるので、前段で申し上げたことは御容赦願いたいと思うんです。
 私どもも決してこの法律が不十分だと申しておるわけではございません。まず、ありがとうございました、需給調整の問題としてここまでやっていただいて、これはもう感謝する以外ない。しかし、今御心配のような問題があるので重ねてお願いを申し上げたと、さよう御理解をちょうだいいたしたいと思います。
 以上でございます。
#58
○塩出啓典君 そこで、これはもう一点中村参考人にお尋ねをいたします。それで、その問題は中川参考人にもお答えをいただきたいと思うんでありますが、今までいわゆる果実生産出荷安定基金というもので自主的に生産農家がそういう出荷調整あるいは生産調整をやってきておる。それで、広島県の場合も二十一農協ですから半分ぐらいでございますか、入っているのは半分ぐらいなんですね。農協の中でも半分ぐらい。まずその一つの農協でも、じゃそれ全部入っているかといえば、そうではないのじゃないかと思うんですけれどもね。
 今回は、それが指定法人になるということでありますが、しかしこれには大臣の勧告はあるけれども何ら強制はないわけですね。先ほどの同僚委員の質問に対して中村参考人は、いわゆる果樹共済の場合でも、やっぱりある程度強制しないとなかなか入らないというわけですね。そういう点で生産、出荷を調整をしていくということは、ある程度みんなが入ってくれないと、アウトサイダーが多かったんでは効果がないわけですね。私たちは勧告ではちょっと弱いんじゃないかなというそういうような心配があるわけでありますが、中村参考人、そしてまた現地でミカンをつくっていらっしゃる中川参考人の感触をお伺いしたいと思うんです。
#59
○参考人(中村嘉一君) まず第一点で申し上げますが、こういう共済制度に近いものは大数の法則で物が成り立つものなんです。だから、わずかな人たちがわずかにやるのでは、災害がそこに皆来てしまえばどうにもならない問題があります。例えば人間の生命でもそうなんですが、一カ所の災害だけ、そこのところだけ皆出てしまったらそれは保険金まで払えない。日本全国で全部入って、払いに大数の法則を準用する。一部の地域でわずかながらのものを出し合ってやるということは、なかなか実際問題としてうまくいかない。だから、できる限り国全体、生産者全体がこれに御参加願い資金も集めてその制度を活用する、そういうことに認識を改めたい、こう思ってこの点には感謝しておるわけなんです。
 もう一点御質問のございました基金の問題について、私どもは別な面で考え方を持っていまして、勧告だけでできるのかなという心配もないわけでないんです。しかし、余り要望してしまうと先生方も、そんなこと言ったらできぬじゃないかお前なんて言われちゃ困るので、ここまでありがとうございました、できれば先生方のお力でもっと完全なものにつくっていただきたいというのですが、余りここで注文しますと、お前何を言っていると言われちゃいかぬので、この辺で。
#60
○参考人(中川求君) 私どものところの熊本の例でございますけれども、基金協会は大変活躍しておりまして、やはり最近の品種改良の大苗づくりや、それからいろんな利子補給の問題等に関しましても一般の農協なり農家に大変な恩恵を与えてくれておりますから、大分この安定基金協会のよさを農家が知ってきたというのも事実でございます。こういうものはやはり末端農家まで徹底的に納得するまで指導していきますならば、今日のような不安定な価格の中での操作でございますから、私は多くの方々がその中に入ってこられるという自信はあります。
 以上でございます。
#61
○塩出啓典君 それから次に後藤参考人にお尋ねをしたいと思いますが、果物の消費が非常に多品種少量になった、それで全体的に消費が減少をしてきておる、こういうようなお話でありますが、これはあと北川参考人にもお尋ねしたいと思うんですが、やはりお菓子はどんどん伸びておる。健康に本当にいい果物がなかなか伸びない。そういう原因が後藤参考人としてはどういう点にあるとお考えであるか。
 私は北川参考人のお話を聞きまして、消費者というのはテレビでぱっぱっとやると、そういうものの影響というものは非常に多いように聞いているわけですが、そういう意味ではお菓子というのはいろんな品物をつくっていろいろ目先を変えてテレビで宣伝をする。果物の場合は、余りミカンを目先を変えるわけにもいかないし、そういうような点も影響があるのかなというそんな気もするんですけれども、そういう点、消費が減ってきたという理由はどうお考えになるのか。それと、今後の消費拡大の対策等はどういうふうにお考えになるんでしょうか。
#62
○参考人(後藤松太郎君) 一般的に、どうもちょいちょいと目先の変わった物に飛びつくといったようなのが社会的な風潮じゃあるまいかというふうにも思いますが、先生が今お話のとおり、菓子のようにちょいと甘味を余計にしようとか、あるいは甘味を少なくしようとか、あるいは形をこうしようとかというのは人工的に手先でどうにでもすぐなりますが、果実の場合は品種を見つけ出す、交配をする、それで実がなる。それを今度本当に何年かたって消費に定着するか、それまでよく見届けますには相当年数がかかる。数年前に、リンゴの「ふじ」の発見の三十周年というのを大分前にやったんですが、こういうものも本当にいい品種ができましても、市場に定着して売れるということになって、生産者が自信を持ってそれを栽培できるような状態になるまでに相当な年数がかかります。
 そんな関係で、大変身動きが鈍いという点は御指摘のとおりでございますが、私どもの方では保健体育といったような関係、栄養の点あるいはまたリンゴにいたしましても整腸剤として非常に効果があるというようなこと、そういうようなものは本当にこれは自然が人間界に与えてくれた恵みであるというふうに考えておりますもので、今後も大いに消費拡大、栄養の点も強調して、つい先日もそういう会合を相当やりました。料理としてどういうような料理をすればさらに需要がふえるであろうか。
   〔理事谷川寛三君退席、委員長着席〕
いろいろな形でもって消費者に親しんでもらうというような消費の使い道のいろいろの研究もしているような次第でございます。何分、それが実を結んで本当に成果が出るまでには相当日数がかかるという点、なかなかその点はまだるっこしく思っておりますが、努力を続けてまいりたいと思っております。
#63
○塩出啓典君 それからもう一つ後藤参考人に、後藤参考人はやはり権威のある見通しを立てて需給のバランスをとる、権威ある需給バランスというその言葉は私はもっともだとお聞きしたわけです。というのは、今までの政府の需給見通し、今日まで何回か需給見通しをつくり生産目標を立ててきておりますが、その政府の需給見通しというものは全く過大であって、これは実はもう昭和四十五年に、資源調査所ですか、科学技術庁の資源調査所がミカンは過剰になるということをもう十数年前にはっきり、それほど消費は伸びないということを発表していて、私は十数年前にこの委員会で問題にしたことがあるんですけれども、政府のそういう誤った過大な見通しというものが一つは大きな農政の混乱の因ではないかという、こういう気がするわけですが、後藤参考人は政府のこういう需給見通しについてどのような御意見を持っておるのか。また、こういうように需給見通しを立てるべきだという、今のお話では果樹審議会で検討しておるというようなお話でありますが、そういうような今の検討でよろしいのかどうか。その点、御意見を承りたいと思います。
#64
○参考人(後藤松太郎君) 今回の法律によって、農水大臣がその見通しを発表し生産出荷の指針を示すということ。法律によって生産出荷の指針を示すということは、非常に権威があるものであろうというふうに思っております。従来の、今までの見通しがどうも外れてしまったということは大変私どもも残念に思っておりますが、これも一つの経験として、今後そういう間違いのないことを期待しております。それぞれの権威が集まっての御研究と思っておりますので、それに期待をいたしております。
#65
○塩出啓典君 それから次に竹内参考人にお尋ねをしたいと思いますが、私は今回のこの法案の内容を見まして、いわゆるコストダウンというか、あるいは共同で進めるということよりも、共同じゃなくて一人でもいいんだという、こういうようなことは、ある意味ではコストダウンという方向のニュアンスが弱くなったんじゃないか。そうすると、缶詰をつくるという場合にはミカンの原料価格というものがより安く安定をしなければならないわけで、そういうような点で竹内さんの業界にとっては、運用によっては余り好ましくない方向に行く内容ではないかなという、そういうような感じもするんですが、率直な御意見はどうでしょうか。
#66
○参考人(竹内雅明君) おっしゃるとおりに、非常にその点では一抹の不安を持っております、はっきり言って。しかし、これが非常に先ほども申しましたように不安定な供給が続きますと、我々製造をする者にとっても非常にこれは阻害要因になりますので、やはりこういう法案でもってある程度の安定した供給を立てていただくということが一番大きい点ではないかと思います。
 それで、十年ぐらい前は、我々の組合員も二百社程度あったわけです。それが現在百社になっておる。そうして生産量そのものは徐々にはふえておりますけれども、そう大きな変化がないということは、やはり各工場で生産合理化に努めておるわけです。そして、一つ当たりの工場の生産量が上がってきておるということになろうかと思います。そのためには、やはり安定した原料の供給というものがないとその合理化ができないということでございますので、その点は今度の法案でひとつ御配慮いただきたい。
 そして、今までも申しましたように、どうも加工原料といいますと、これは果汁の方は先ほど申しましたように、農協系の団体が主力として生産されておりますから、一つの器の中での問題のように解釈されるようでございますけれども、我々はいわゆる専業メーカーでございます。そういった点では、この原料の価格いかんが非常に問題になってくるということがございますので、その点は今度の運用に当たりましても生産者志向に重点を置かれないように、ひとつこの缶詰の加工原料というものについても十分配慮して運用していただきたいと、こういうように希望いたしておるわけでございます。
#67
○塩出啓典君 それから竹内参考人から、原料がほかの国へ輸出をされて、そこで製品をつくってそれで第三国で日本と競合すると、こういうようなお話をされたのでございますが、差し支えなければ具体的に、私ちょっと不勉強でそういうのを知らないんでありますが、どこでそうなっておるのか。
 それと、今のお話では輸出が大体二割ぐらいというお話ですが、ミカンの缶詰の輸出の歴史というのはかなり古いように伺っておるわけでありますが、今後国際競争力を持ってそれに打ち勝って輸出を拡大していける見通しはどうなのか。あるいはそのための条件というか、こういうようになればいけるんだという、そういう点のお考えをお伺いしたいと思います。
#68
○参考人(竹内雅明君) 生果が輸出されて、それが缶詰に加工されて第三国で我々の商品と競合しておるということの御質問でございますけれども、具体的に申し上げますと、これは韓国でございます。それで、我々は一番心配いたしておりますことは、十何年前に輸出は五百万箱の輸出をやっておったんです。これはいわゆるヨーロッパ市場、英国市場、そういうものであったわけですけれども、日本の温州ミカンの苗木がスペインに輸出されまして、スペインは御承知のようにかんきつの国でございます。そこでいわゆるサツマオレンジという名前で栽培されまして、日本の商社がこれに技術指導をいたしまして、共同開発でミカンの缶詰を製造しておる。それがやはり地理的条件それから低開発であるというようないろいろな好条件によって欧州市場を全部スペインにとられて、現在ほぼとんど壊滅的な状態になって輸出が二割に減っておると、こういう実情でございます。
 それで、韓国におきましても、御承知のように日本のミカンの苗木が済州島に行っておりまして、現在三十五万トンから四十万トンのものが生産されておるわけです。これは韓国の国内に生果として使用されておって、一部飲料に使用されておるということでございますけれども、韓国という国は一切その製品の輸入は禁止しておる国でございます。日本からは生果として出ますけれども、これは保税品として韓国にそのまま肩がわりして入っていって、それが缶詰に生産されてアメリカの方それからカナダの方、ヨーロッパの方、こういうふうに輸出されておるわけでございます。それでやはりそういった面で、たしか五十七年度は五千トンばかりであったかと思いますが、五十八年度は日本も非常に豊作でもあったわけでございますが、約一万トンのものが韓国に出ております。本年はこういう状態ですから、二千七、八百トンということになっておりますけれども、これが製品として同じ市場で競合するということはいわゆる価格競争になっていくわけです。我々は価格競争の渦中に入るということは、これはもう原料価格に直接影響してくるわけでございます。やはりある程度までの価格維持というものも考えていかなければならない、市場維持ということも考えていかなければなりませんのでそういった対応策をとっておりますけれども、韓国の場合は自分で勝手につくって自由に輸出するというようなこと、それからアメリカ資本が入っておるというような関係もありまして、やはりそこで競争する上において非常に大きな問題になっておる。そして将来に向かって、済州島のミカンがまた進んでまいりますと、スペインの二の舞の形になりはしないかという懸念を深く持っておりますので、輸出についてひとつ秩序ある輸出ということ、それが加工に回らないようにしてもらいたいということを申し上げておるわけです。
 それから、将来の輸出に対する考え方ですけれども、やはり我々の場合は国内だけでこれを維持していくということについては多少無理があります。それで輸出というものも一部そこに入って、これを一つの柱として輸出と内需とのバランスをとりながら生産を行っておるというのが現状でございます。なかなか為替の問題が非常に大きく今影響してまいっておりますけれども、ただ日本の場合は品質的に非常にすぐれておるという点がございますので、日本のミカン缶詰の市場というものはある程度まで持っておるわけでございます。だから、そういうものの維持を続けていきたいということで現在おりますけれども、輸出に対しては為替の面が非常に大きな隘路になっておるということは事実でございます。
 以上でございます。
#69
○塩出啓典君 それから北川参考人にお尋ねをいたしますが、先ほどの消費拡大の問題ですね。十数年前から日本は非常に生食が多い、アメリカは逆に七、八割は加工品だと、だから生食であれば期間が限られるけれども、加工品であれば年じゅう食べれるから、だから加工をふやすことが需要拡大になるという、こういうように言われておったわけでありますが、しかしジュースもなかなかもう必ずしも伸びていない。そういう点から、やっぱり消費拡大等については先ほど北川先生のお話を聞いて私は、もっとジュースにしてもいろいろなものと混ぜてつくるとか何か新しい製品をつくる、あるいはそういう意味で宣伝もやる、こういう努力をしていかにゃいけないんではないか、そんな感じがしたわけですが、消費拡大についての北川参考人の御意見を承りたいと思います。
#70
○参考人(北川博敏君) ただいまアメリカの加工のお話をされましたが、これはアメリカでも産地によりましてかなり様子が違いまして、もともとアメリカの大きなかんきつの産地はフロリダとカリフォルニアだったんですが、どちらも生食用で競争していたわけです。どうしてもフロリダのものは外観がよくないものですから、ニューヨークへ持っていきましてもカリフォルニアに負ける、そう言っていたんです。それが第二次大戦中にすばらしい冷凍濃縮オレンジジュースを開発いたしまして、それがちょうど、さっきも言いましたように、アメリカ人は欧米型の果物観を持っているものですから、今まで水がわりにやっていたということは、おいしいジュースがあればこれは飲んだ方がよっぽど早いわけです。もちろんアメリカ人は余りリンゴみたいにむいたりしませんけれども、かじるんです。むくのが下手でようむきませんけれども、それよりもがぶっと飲む方が早い、そういうことから非常に消費が伸びまして、大体昭和二十年がピークで、生食用のかんきつはもう激減しております。
 そのまともに影響を受けたのがカリフォルニアでして、カリフォルニアはみんな生食に売りたいわけです。しかし、生食の市場は大きく減少してしまった。そしてフロリダの方はどんどん伸びてきていたんです。ですから、最近カリフォルニアで三割ないし四割の、年によって違いますが、オレンジをジュースに回していますけれども、これもマーケティングオーダーで生食に出せないから加工に回しているわけです。これはネーブルですと、さっきレモンの例を言いましたが、そんな赤字じゃありませんけれども、ネーブルだったら木の上でやはり赤字になっております。バレンシアは割合ジュースに向くものですから多少の利益はあります。ですから、カリフォルニアが日本にオレンジの輸出を望みましたのは、カリフォルニアの生食用のオレンジが余って困る、それを日本に買ってくれんかというのがもともとの日本に対する輸出攻勢の始まりだったんです。ところがフロリダは、最近はブラジルにどんどん巨大なオレンジ産業が育ちまして競争できない。
 一昨年、私はフロリダの柑橘局長に会って、フロリダのオレンジ産業の将来はどうだと言いましたら、いやもう税金あるのみだ、もう全然競争できない、税金があるだけだ、そういう格好で、フロリダは非常に困っているわけです。ただ短期的には、去年とことしの寒波で非常に原料が不足で高くなっておりますけれども、将来的にはフロリダは非常に困るわけです。
 日本の消費の方なんですけれども、これはもうおっしゃるとおりだと思うんです。私、まだ小学校に行っておる小さい娘がおるんですけれども、それに聞いてみますと、やはりクラスの子でもみんなおまけが欲しくてお菓子を買っているんだと、どんどんテレビでおまけが出るので、あの辺にとられているんです。ですから、これは日本でも果物の消費宣伝をすれば売れるということは、これはフロリダあたりがグレープフルーツでいろんな試みをやっております。日本でフロリダのグレープフルーツの消費宣伝をすれば伸びるかというのを調査しておりますけれども、やはり伸びております。これはやはりPRすれば日本の果物もまだ売れるように思います。日本の業界の方も私はひとつ反省が要ると思うんですけれども、日本の業界の方も宣伝しておられるんです。しかし、大抵産地の宣伝になるわけです。これはお互いの足の引っ張り合いでして、私はやはりお菓子を買うお金を果物の方に回すような宣伝をしなければ意味がないと思います。そういう宣伝をしていただきたいと思います。それと、やはり果物が体にいいということ、これを徹底すれば、それはお菓子の方は減るんじゃないかと思います。
 これは余り極端なことを言うとよくないんですけれども、香川県の方でも、今菓子業界が困っているから少し県の方でも買ってやらんといかぬじゃないかというようなことが出ていましたから、ちょっと委員会で、それはかえって香川県民の健康を損ねるじゃないかということを言ったんですけれども、まだまだ日本人のそういう方面の関心が非常に少ないように思います。それが伸びましたら、これは果物は相当伸びてくると思います。
#71
○塩出啓典君 それと輸出でございますが、先ほどのお話で、アメリカも多少高くても買うという傾向がある、特に温州ミカンは大変簡単に食べられるからいいのじゃないかというんですけれども、今まで問題になっているのは、検査が非常に私たち考えても不必要というか余りにもちょっと厳しいんじゃないだろうか、そういう点考えて、私はそれほどまでにいわゆる潰瘍病対策というものはしなくてもいいと思うんですけれども、そういう点はアメリカに対して今後やっぱり交渉の余地はあるというような、もっと努力をすべきだというそういう感じを持っているんですけれども、そういう点についての先生の御意見。
 それと、いわゆるアメリカに伸びる可能性はどうなのか。値段はどうしても高くなると思うんですけれども、もっと解禁州がふえれば可能性はあるんでしょうか。
#72
○参考人(北川博敏君) まず潰瘍病の話ですが、私はその方の専門家じゃないのでよく知りませんけれども、潰瘍病はバクテリオファージテストというような非常にすぐれたテストがありまして、潰瘍病の病菌が輸出されないように厳重に検査されているんです。そういうことがありますから、私もそれほど、温州ミカンは非常にまた潰瘍病に強いですし、今ほど厳重な検疫ですか、産地のバッファーゾーン、そういうものは必要ないんじゃないかと思います。
 ただ、そういうことをよくアメリカの向こうの生産出荷団体なり私の友達あたりとも話すんですけれども、かなり日本の温州ミカンが輸入されてもいいんじゃないかというような気分もあったと思うんですけれども、昨年フロリダに潰瘍病がはやりましてとても大騒ぎになった。カルフォルニアは非常に乾燥地ですから潰瘍病が入ってもそんなに問題にならないと思うんですけれども、フロリダは非常に湿度が高くて温度が高い、つくっているのはオレンジとかグレープフルーツで、非常に潰瘍病に弱いんです。これはある苗木屋に入っていまして、それが気がついたんですけれども、これはどこから入ったか、日本から入ったんじゃないことは確かですが、どこから入ったか、どうなったかが全然わからなくてミステリーと言われているんですけれども、これをこの一年間、何万本でしたか、六つぐらいの苗木屋に調べてみるとあったんですけれども、それを全部追跡調査しまして、その周囲半径三十メートルだったですか、全部火炎放射機で焼いてしまった。そういう大きな被害がありまして、それでアメリカの解禁州の拡大の公聴会が吹っ飛んでしまったんですけれども、そういうことがありますものですから、今アメリカの生産者なり業界は潰瘍病に対して非常に心配しておりまして、ですから非常に難しいと思います。今の時期にそれを持ち出して伸ばすのは難しいと思います。
 ただしかし、北部の諸州に伸びますと、それは輸出はふえると思うんですよ。今大体六つの州ほどに行っていますけれども、これは人口の少ないところでして、そんなに人間がいないところなんです。ですから何もカリフォルニア、フロリダみたいなかんきつの産地じゃなくても、ニューヨークとかオハイオとかミシガン、あの辺の寒い人口の多いところへ出せるようになりますと相当伸びると思います。
 ただ、温州ミカンは、オレンジやグレープフルーツと違いまして輸送が難しいんです。外国人が日本に来まして、三月、四月まで温州ミカンを貯蔵しているのを見てびっくりします。これは大体ああいうものはマンダリンとかタンジェリンタイプなんです。これはもう全然貯蔵ができないものなんですね。それを日本は三月、四月まで貯蔵している、どうしているんだ。これは一種の日本人の篤農家の名人技術で、名人芸で貯蔵しているんですけれども、非常に難しい。ですから、輸出するのも非常に難しいんです。輸送中の腐敗の問題があります。その辺の研究、技術開発、そういうことも必要だろうと思います。
#73
○塩出啓典君 それでは最後に、これも北川先生にお尋ねいたしますが、北川参考人は日本人は高い物を買ってくれる、ヨーロッパに比べてこういうところがあると言う。確かに私もそのように思うわけでありますが、余りそれに安住をしておってはいけないんじゃないか。最近しょうちゅうが非常にブームになっているというふうに、若い世代が出てきますとやっぱり本当にいい物を、うまくて高い物は売れると思うんですけれども、そういう意味で一番いいのはやっぱり安くてうまいやつが一番いいわけだから、日本人は高いのを買うからといって安住をしておると、一部の果物には随分高いやつがあるわけだけれども、僕はああいうものは余り長続きしないんじゃないか。やっぱり安くてうまい物に努力をすべきじゃないか、そのように私は思うんですが、その点はどうでしょうか、将来の方向としてですね。
#74
○参考人(北川博敏君) 外国人で日本の果物あたりを調査して詳しい人は、日本の果物農家というのはうらやましいと言うんですね。うんと手を入れて芸術品をつくれば、それに見合う金で買ってくれる消費者がおる。我々そんなことをしてもだれも買ってくれないと言うんですけれども、確かにおっしゃるとおり、それに安住している傾向がありまして、まして今消費が減っておりまして、何とか売れているのはそういういい物ばかりが売れているわけですね。しかし、やはりそれは限界があります。もちろん果物が、立派な果物に高い金を出すんですけれども、考え方も違いまして、食べ方も違うんですね。
 ヨーロッパあたりに行かれた人が、向こうのリンゴはもう小さいのばかりで全然大きいのがないんじゃないかと言われますけれども、結構大きいのもあるんです。それは皆ジュース工場へ行っているわけです。売れないからジュース工場へ行っているわけですな。それは食べ方が違うんです。リンゴはバスケットにばさっと買ってきまして、地下室とか台所へ置いておきまして、のどが渇いた人が行ってかじるんですね。日本の大きなリンゴを半分かじって置いといたら黒くなります。一遍にかじり切れないんですね。ですから大きいのは全然売れないんです。
 今イギリスで日本の青森県の試験場がつくりました陸奥という品種が、クリスピンという名前がつきまして非常に伸びているんです。味もいいし豊酸性である、貯蔵性もいい。非常にいいんだけれども、困ることが一つある、すぐ大きくなると言うんですね。あんな大きいのは全然売れない。私の子供がイギリスでも学校へ行っていたんですが、帰ってきて、父さん、イギリスの子供はみんなポケットにリンゴを入れてきているわ、それでのどが渇くとかじっているわと言うが、水筒がわりにリンゴを持っている。ですからこんな小さいリンゴです。それを売っているわけですね。その辺がもう随分違います。
 だけれども、ちょっと余談になりましたけれども、やはり立派な物、高い果物屋さんが一流の商店街にある、大体果物屋さんなんてあるのは日本だけです。ブラジルがありますが、これは日本人がやっていますからありますけれども、あと外国はもう屋台ですね。ローマあたりの観光地へ行きましても屋台で来ます。あんなところでサクランボを買っても、日本人だったら水がなかったら洗わないで食べる気がしませんけれども、向こうの人はそのまま食べていますね、水がわりなんですけれども。ですから随分考え方が違うんですけれども、日本の方も高級志向には安住できなくて、やはりさっきおっしゃいましたように消費を伸ばすためにはおいしい物、安い物、そういう物をつくる必要があると思います。
 以上です。
#75
○小笠原貞子君 お忙しいところおいでいただきまして、いろいろ貴重な御意見を伺わせていただきましてありがとうございました。
 私、共産党でございます。北海道でございますので、おリンゴは食べるけれども、ミカンはできません。だけれども、リンゴをむくのが、それこそ今の話じゃないけれども難しくなってきた。おミカンというのはもうすぐに食べられるし、まあこんなにおいしくていいおミカンをつくっている農家がいじめられている今のオレンジの問題というのは大変だなと、北にいてもそれなりに皆さんの深刻さというのは伺っていたわけですけれども、きょういろいろ伺いまして、本当に大変だと思いました。
 それで、まず中村参考人にお伺いしたいと思いますが、今度の法改正には、皆さん一番要求していらっしゃいました国境調整措置というものが盛り込まれておりませんですね。それで、皆さんが自由化を一応抑えてくれという御希望というのは、それはそれなりに皆さんの運動と消費者の理解というのがなければなりませんが、同時に、政府として毅然とした構えを、こんなすばらしい日本の皆さんの御努力を考えて守るという毅然とした姿勢をまず持ってもらいたいというのが、いつも私なんかが考えていることなんです。
 そこでお伺いしたいんですけれども、今度国境調整措置を要求されたという理由には、去年の日米農産物交渉というのがあって、そこからの教訓といいましょうか経験から、こういうような要求というのが非常に強く出てきたんではないかと、そう思うわけなんで、きょう皆さんにおいでいただいたのは、先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、これ以上言うのは申しわけないみたいなことをおっしゃったけれども、そうじゃなくて本当に率直なことを伺いたいんですよね。私たちそれを取り上げるか取り上げないかというのはこれからの国会の審議でございますから、遠慮しないでもっとこうやってほしいというようなそういう立場で伺いたいと、そういう意味で、去年の日米農産物交渉からの教訓というか、経験から痛感されたというような中身の率直な御見解というものを伺わせていただけたらなと思いますので、どうぞよろしく。
#76
○委員長(北修二君) 参考人の方々にまことに失礼でございますが、お答えは簡潔にお願いいたします。時間が十五分なので、そういうことで、それじゃ中村参考人。
#77
○参考人(中村嘉一君) 今、御発言がございまして、率直に私の方で申し上げますが、日本の農業がここまで来、海産業がここまで来まして、本来であれば国内消費でほとんど間に合うと思うんです。にもかかわらず、日本の情勢も世界情勢も若干の輸入をし輸出もすると、そういうことになるわけで、本来の農業というのは自給自足するのが一番いいと思うんです。そのことの本旨を考えれば、一つも買ってもらわないことが一番いいと思います。極めてこれは明快なんですが、そうばかりも言っておれぬことは私もわかります。
 そこで、旧来、オレンジを例にしますと、八万四千トンぐらい五十八年まで入っていました、大平さんがサミットで決めまして。それが今度は年に一万一千トン、十二万六千トン六十二年まで入ってしまう。これほど入られたら恐らく困るんじゃないかと思う。だからここが最後で、これ以上は絶対困るというのが私の願いでございます。
 以上でございます。
#78
○小笠原貞子君 それじゃ後藤参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、今度ミカンの需給調整に行政が初めて関与して、アウトサイダーについての規制措置というのが入りました。先ほどもちょっと言われたけれども、これが勧告だけで罰則もないというようなことになりまして、非常にやる気になったらやれるけれどもというところで、何かこうなまぬるいような、これで一体やれるのかなというようなことで、これでどれくらい期待できるかなというようなこともひとつ考えましたし、また運用いかんによっては自主的な取り組みを否定するというような結果になりかねない。一番いいことは、生産者である農家間の話し合いで調整していけるということになれば一番いいと、そう思うんですけれども、これからのミカンの生産調整のあり方について一体どうあるべきかというふうなことについて、御見解を伺いたいと思います。
#79
○参考人(後藤松太郎君) 果樹農業は、従来私どもは自前農業ということを誇りにいたしておりましたんです。だんだん状況が自前農業なんと言っていられなくなりまして、何とか法律的な援助が必要であるというふうな状況になってしまったのは残念に思っておりますが、勧告だけでは不十分であるということは、確かにこれは命令でもってぴたりと抑えていただけば、罰則でもつけばなおいいんですが、しかし我々の言うアウトサイダーであっても、その人たちもやはりこれと一緒に需給調整をやることが利益がある、その人たちにとりましても利益がある。ですから、よく事情を説明すれば、そのときには協力をすると今までも言っておるんです。ですから、ここでもって勧告のような制度ができれば、なおさらそういう気持ちは助長されると思いますので、大いにその点を私は期待をいたしております。
#80
○小笠原貞子君 それが期待されていると。農家自身で本当に需給調整がうまくできるというのが一番望ましいと思うんだけれども、それは私が素人の立場で言っていることで、そういう農家自身が自主的に需給調整するというようなことをするためにはどういうことができるだろうか、それはとてもじゃないけれどもやりにくいことなのかどうか、その辺のところはいかがでございますか。
#81
○参考人(後藤松太郎君) 農家自身にそれだけの余裕がなくなってきた。従来ですと、自前でもっていくという気概がありましたんですが、だんだんと苦しくなってきたために、それだけの余裕がなくなってきたために、やはり外部の援助が必要になってきた、こういうふうに考えております。
#82
○小笠原貞子君 ありがとうございました。
 それじゃ中川参考人にお伺いしたいと思うんです。
 きょうは、唯一の生産者でいらっしゃるということでいろいろ具体的にお伺いしたいと思うんですけれども、北海道ですと、米作も借金で、畑作もいよいよ多くの借金農家が出てきた。酪農に至ってはまた大変な借金だというような、負債の問題が非常に大きな問題になっているというのが一つの苦しみなんですけれども、先ほどもちょっと負債の問題おっしゃいました。私全くミカンの方は素人でございますので、そのミカンなんかでも、例えばおたくの場合なんというのは失礼かもしれません。どなたでも、大体平均でもいいんだけれども、負債というのは一体どれぐらいの負債になっているのか、そしてその負債は年々少なくなって重荷が減ってきているのか、それともだんだんふえてきているのか、その負債対策をするためにはどういう具体的な措置、金融面、融資面にしてもどういうものが必要だというふうにお考えになっていらっしゃるかというようなことを伺えたらと思います。
#83
○参考人(中川求君) ただいまの御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、四十七年から非常に農家手取りと生産経費のアンバランスでその積み上げが流れてきておりますし、五十四年から改植事業で相当のミカン園が減ってきております。それで各農家の収量というものも減ってきておりますし、ミカンというのは永年作物でございますから、ことし接いでことし生産に結びつくというわけではございませんで、やはり接いだやつが三年ないし五年ぐらいしてどうにか自分の自前を補っていくようなことが実情でございます。そういうことから私の熊本県の園芸連で調査をしておりますけれども、主産地の大きい産地ほどそういうものが多い。それで、大体の推計では中核農家、専業農家で二千万ぐらい長期資金と短期資金であるんではないかというような気がいたします。それで、できますならば、このたびの中にあります無利子の資金だとか、そういったものを活用させていただきまして、やはり果樹産業がもう一回浮上したいと願うのが、我々農家の気持ちでございます。
#84
○小笠原貞子君 中川さんに伺います。
 オレンジ輸入の拡大は、直接的には晩かんと競合してくるというふうに伺ったんですけれども、その競合の場合、生産者としてはどういうふうに考えられているのでしょうか。
#85
○参考人(中川求君) 私も五年前にフロリダ、カリフォルニアを見て回ったわけでございますけれども、やはりアメリカのオレンジは年明けてから日本に入ってくる数量が多いわけでありまして、日本の方でもやはり中晩かんは二月以降に出るわけであります。それで、せっかく温州ミカンの多いのを減らしまして中晩かんに移行したわけでございますけれども、中晩かんがことしは不作で七十万トンぐらいでございましたが、もう恐らく六十年度には百万トンの中晩かんが生産予想がなっておるわけでございます。そういうこととあわせまして、アメリカのオレンジ、グレープと日本の中晩かんが二月以降に競合するというのは事実でございますから、非常な脅威を感じておるわけでございます。
#86
○小笠原貞子君 それじゃ、最後に北川参考人にお伺いしたいと思います。
 先生がお出しになりました「果実日本」の去年の二月号でしたでしょうか、「危機に直面している日本の果樹園芸への提言」というのを読ませていただきまして、きょうの話を伺いまして、大変おもしろいなと言ったら失礼だけれども、今までの盲点をついているなと。日本人の果実観がお菓子と果実とを同一視している、果実は自然食品であるという点ですね、そういうふうなことを認識させることが大切だというふうに書いてありまして、私もなかなかおもしろい点をお考えになったなと思いました。先ほどから伺いまして大体わかりましたけれども、時間の関係があったから、もっとおっしゃりたいことがあったら、大変私も興味を持っていますのでお伺いしたい。
 それからもう一点は、先生おっしゃったとおりなんですね。私なんかは母親の立場で子供を見ますと、もう世間のお母さんというのは子供が欲しいと言ってないのにソフトクリームを食べさせたり、子供が欲しいと言ってないのに親がみんな食べさせちゃって、子供の教育の前に今母親教育をしなきゃならないなと、つくづくそう思っているんですよね。
 そうすると、もっと本当に消費拡大するという意味にも、健康のためにも、やっぱりこれを本格的に教育の中でもそういう課題というものを入れる必要があるんじゃないか。テレビなんかを利用するといっても、これはお金がかかりますけれども、やっぱりさっきおっしゃったように、各生産団体ごとではなくってというのも、大変私いい御意見だと思ったんです。そういうミカンの問題について、どう消費を拡大するかという立場に立って、みんなで具体的に私は問題提起して考えてもらいたいと思う。みんなに宣伝するのにはどうだと、母親教育し直すのにはどういうふうに教育の場で訴えたらいいかとか、私なりにこれを読ませていただいて、こうやったらいいなと思ったんですけれども、先生が具体的に御意見をどういうふうに発展させていくというふうにお考えになっていらっしゃるか。その辺のところを伺わせていただきたいと思います。
#87
○参考人(北川博敏君) 私そういう話を生産者の講演会その他でよくするんですけれども、先生、それをテレビでしゃべってください、新聞に書いてくださいとか、そういう意見が多いんです。私もできるだけそういうふうに努めているんですけれども、マスコミは何か大きな事件がありましたらそういうことには一生懸命になってくれますけれども、なかなか私のそういう話に飛びついてくれません。やはり生産者が一人一人の努力が必要だと思うんです。私はよく言っているんですけれども、日本の果物の生産者は果物屋さんに持っていくべきじゃないかと。スーパーとか八百屋は果物も売っていますけれども、ほかの物も売っているんですね。果物、それは売れたらいいんです。ほかの物もあるんです。果物屋は果物専業で、これはもう生産者の利益と全く一致するわけですね。
 そういう意味で、果物屋の組合、私でできることは結局しゃべるか書くかということだと思いまして、毎月「果物月報」という果物屋さんの組合の雑誌があるんですけれども、この間原稿を書いて、ちょうど百回になったんです。これはもう初めから原稿料は一切もらいませんということで、「果実日本」からはいただきましたけれども、そっちの方は無料で書いているんです。やはりそういうところをやって、口コミでですね、もちろんやっぱりお金が一番大事です。お金をかけてテレビで宣伝すれば、それはうんと伸びると思いますけれども、まあできない。そういうことを、こういう法律ができた機会に、果物に関係している全部が集まりまして、よく相談して、どうやったらいいかということをやって伸ばしていったら、それは結局国民の健康のためにもなるのだろうと思います。
#88
○喜屋武眞榮君 最後でございます。それぞれの権威あられるお立場からの御見解を承りまして、大変いい勉強になりました。ありがとうございました。
 それで、御礼の気持ちを込めて、まず進め方でございますが、五名の方に最初に私がお聞きしたい問題を提示いたしたいと思います、その方が時間の関係からも大変よろしいかと私判断いたしておりますので。
 それで、まず中村参考人に対してお尋ねしたいことは、冒頭に今度のこの改正法案は我々の要望が盛られておる、大変うれしいことであると、こう強調されましたね。その要望はたくさんあられると思いますが、一番どの内容をうれしいと思っていらっしゃいますか。その点一つ。
 次に、もう一点ですね、季節と果樹の問題という立場から、このごろ花卉園芸も、私沖縄でございますが、菊とかユリというのはもう季節感がなくなっているんですね。年じゅう花がある。そのことを考えた場合に、果物もこの季節をずらすことによって、いわゆる需給の調整がいくのではないかということも私考えるわけであります。そういった点からの御見解、また実際にやっておられるかどうかですね。この二点。
 次に、後藤参考人に対しては、お話の中で地力が大変減退しておるというお話がございましたですね。では、その減退した地力を増進するためにはどうすればよろしいか、どのようなことを考えていらっしゃるかということが第一点。
 第二点は、生産と需給のバランスを図るという、このことはどなたも強調しておられた一つでありますが、その生産と需給のバランスを図るにはどうすればよろしいのであろうかという御見解を、もう一遍お聞きしたいと思います。
 次に、中川参考人に対しては、こういうことを述べておられます。ある時期には非常に過剰制限をするためにミカンの木を切り倒した、あるいは減反をしたと、こういうお話がございましたね。その話と関連されて、減反をしてほかの品目に切りかえざるを得なかったというお話がございました。そのほかの品目というのは、どういうものに切りかえられたのであろうか。そして、切りかえられたその品目は今どのようになっておるであろうか。その点、お聞きしたいと思います。
 次に、竹内参考人に対しては、缶詰のミカンの果汁のお話がございましたが、そのミカン缶詰の中で果汁と粒々がございますね、粒々缶詰。そのミカン缶詰と粒缶詰と二つを比べた場合に、このメリットとデメリットについてお聞きしたいんです。
 次に、北川参考人に対してお聞きしたいことは、病害虫と薬品公害の点で、これはどなたも触れてくださらなかったんですが、病害虫と薬品公害の問題ですね。ミカンの場合、あるいはリンゴも含めても結構でありますが、農薬その他の病害虫駆除に関連して公害との関係ですね。それはどうあるだろうかという点であります。
 そして、これは私の希望でありますが、北川参考人に対してでありますが、お話の中で果物を嗜好品から生活必需品へというお言葉がございました。これはどなたかも触れておられたんですが、それで私その点からぜひひとつ、今国を挙げて日本型食事の定着ということが大きなスローガンになっておりますが、そういう大きなスローガンに向けて、この果物を嗜好品からいかにして生活必需品に結びつけていくかということが非常に大事なことであると思います。そのことについて、今さっき小笠原委員からも触れられましたが、ぜひひとつこれを実らせる方向に今後力を入れていただきたい、私も全力を挙げてまた学びたいと思っておりますので。
 以上、申し上げまして、それぞれの皆さんのお答えをお願いいたしたいと思います。
#89
○委員長(北修二君) 各参考人にお願いをいたします。
 時間がもう十分以内ですから、お一人二分以内でひとつお答えを願います。
#90
○参考人(中村嘉一君) 再々申しておりますが、過去の果振法が物を進める、起こす、そこだけに焦点が絞られておった。でも今日まで来ますと、生産調整、需給のバランス、そのことが最重要になってまいりました。そこに思いをいたして、この法案をつくっていただいた、そこに限りない感謝をしている、こういうふうに御理解をちょうだいいたしたいと思います。
 さて、季節のしゅんの果物の問題ですが、現行の中で消費は一定の時期にはなかなか消費し切れませんものですから、かなり期間を早めております。ブドウを例にしますと、おおむね八月から十月までがブドウのしゅんでございますが、今はほとんど五月から出荷が始まるようにして消費を調整しておるという現状でございます。
 以上でございます。
#91
○参考人(後藤松太郎君) 地力の回復でございますが、これについては土づくり運動というのを現在やっております。とかく化学肥料だけでもって上げますと、これは地力が失われる。そこで、やはり有機質肥料をたくさんやるという必要、それには相当の労力が必要になります。やはりミカンの果実の生産という仕事が安定した職業であるというふうにいたしますれば、それぞれの生産者も一生懸命にそれに労力をつぎ込むであろうと思います。したがって、果樹農業というのは安定がまず第一に必要であろうと思っております。
 それから需給のバランスでございますが、計画が正確であれば、それに信頼を置いて皆が生産をし需給も安定するものであろうと思います。したがって、学者も大勢動員してことしの需給の今予測をやってもらっておりますが、それの成果に期待をいたしておる次第でございます。
#92
○参考人(中川求君) 減反品目の中で中晩かんでございますけれども、主にネーブル、伊予カン、清見、こういったものが多く改植の中に入ってきておりますけれども、アマナツ、ハッサクはもう五十四年度までに相当の作付がありましたからこの改植事業の中ではわずかでございます。それで、やはりオレンジ系の赤いものが高く売れるということで農家ではそういうものに接いでおりますけれども、最近ではマーコット、アンコールという品種がハウスの中でつくられつつありますけれども、非常に高級果物として高く販売がされているのも実情でございます。
 以上でございます。
#93
○参考人(竹内雅明君) 缶詰とさのうとの関係でございますけれども、缶詰の場合は現在、今まで申し上げました数字は全部いわゆるホール品といいますか、ファンシーといいますか、形の整ったいわゆるJASの規格に合格したもの、輸出検査に合格をしたものを言っているわけでございます。そしてそれをつくる場合に、いわゆる一つの粒の半分欠けたものとか、そういったような形がちょっと崩れているものなどは、全部これはブロークンという形で今までは製品に詰めておったわけです。それを今の飲料缶、さのうの場合は飲料缶の材料になっておりますけれども、それを飲料缶の原料であるさのうの方に現在回しておるということで、非常に缶詰の多様化ということが今できておりますので、その点では非常にプラスになっております。大体五十八年度はさのうに使われた原料が約六万トンございます。それから本年の場合は約五万トンぐらいさのうに使われております。そういった関係でございます。
 以上でございます。
#94
○参考人(北川博敏君) 日本は雨がたくさんあるものですから、どうしても虫や病気が多くて農薬がある程度要るのですが、その農薬もいろんな分析技術がどんどん発達しておりますし、これはやはり専門家であります厚生省の方にそういう判断を仰がねばならないと思うのです。ただ、私は一つはマスコミが騒ぎ過ぎることにも影響されているのじゃないかと思うのです。例えば野菜の方は皮をむいて食べないわけです。ですから、農薬がついていたら野菜の方がむしろ直接入るのですけれども、消費者は果物とすぐ農薬を結びつける。それは一つは、マスコミのそういう騒ぎ過ぎがすぐ果物に結びつける。それが消費の減退の一因でもあるのじゃないかと思います。そして、ただもう一つ、やはり農村が混住化しているものですから、農薬を散布しますとほかの家のことが問題になるのですね。そういう意味でも農薬も非常にだんだん厳しくなっておりますし、これはどんどんそういう方向に向かうべきだと思います。
 それと、消費の増大の方はおっしゃるとおりで、私はやはり母親に対する教育、それが一番大事だろうと思います。
 以上です。
#95
○委員長(北修二君) 以上をもちまして参考人の方々に対する質疑を終わります。
 参考人の方々に一言御礼を申し上げます。
 本日は、皆様におかれましては御多忙中にもかかわりませず当委員会に御出席をいただきまして、大変貴重な御意見を述べていただきましてまことにありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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