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1984/04/09 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 農林水産委員会 第10号
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1984/04/09 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 農林水産委員会 第10号

#1
第102回国会 農林水産委員会 第10号
昭和六十年四月九日(火曜日)
   午前十時十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月四日
    辞任         補欠選任
     水谷  力君     中山 太郎君
     松本 英一君     山田  譲君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     中山 太郎君     水谷  力君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北  修二君
    理 事
                高木 正明君
                谷川 寛三君
                最上  進君
                村沢  牧君
                藤原 房雄君
    委 員
                岩崎 純三君
                浦田  勝君
                大城 眞順君
                岡部 三郎君
                熊谷太三郎君
                小林 国司君
                坂元 親男君
                竹山  裕君
                初村滝一郎君
                星  長治君
                水谷  力君
                稲村 稔夫君
                菅野 久光君
                山田  譲君
                刈田 貞子君
                塩出 啓典君
                下田 京子君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       農林水産大臣   佐藤 守良君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       田中 宏尚君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     関谷 俊作君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        安達  正君
   説明員
       通商産業省生活
       産業局通商課長  新関 勝郎君
       通商産業省生活
       産業局繊維製品
       課長       渡辺 光夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(北修二君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(北修二君) 繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○山田譲君 法案の中身に入る前に、私はしばらく法案をつくるに至ったその背景というか、周辺の問題点をまずいろいろとお伺いしていきたいというふうに思います。その後で具体的な法案の中身に入っていきたい、かように考えていますので、よろしくお願いをいたします。
 最初に大臣にお伺いしたいのですが、この養蚕業、蚕糸業といいますか、これの現状をどういうふうに理解し、そしてまた今後どういうふうに持っていこうとなさるか、まずその大方針を何としてもお伺いしてからというふうに思っているわけです。
 私の考えでは、この養蚕業、蚕糸業というのは、確かに現在、量的な面では非常に少なくなってきておりますけれども、試みに調べてみましたら、養蚕業を全くやっていない都道府県というのは北海道と大阪だけでして、ほかのところは量的に少なくても、とにかくだれかが必ずやっているというふうな状態になっておりますから、やはり蚕糸業なり養蚕業というものは、質的には農業の中での非常に基幹的な地位を占めているということであって、単なる伝統産業というふうな位置づけではいけないんではないか。今の農業の中にも脈々としてやっぱり生きているという、そういう気がしてならないわけです。現に、私も一週間くらい前にテレビを見ていましたら、宮中でも皇后陛下が養蚕をやっていらっしゃるところを見ましたけれど、ああいうところから見ても、やっぱり養蚕というのは日本の農業に切っても切れないものではないか、こういうふうに考えているわけです。
 そういう意味からいっても、これに対する対策というものは相当適切にやっていく必要もあるし、今後もこれを振興させていく、こういうふうな方向でぜひ農林水産行政も頑張っていっていただきたいというふうに思うわけですけれども、その辺まず大臣の御所信をお伺いしたい、かように思います。よろしくお願いします。
#5
○国務大臣(佐藤守良君) 山田先生にお答えします。
 私は、養蚕業につきましては、実は戦前に比べてウエートは低下しておりますけれども、農山村等の畑作地帯における重要な作目として定着しておるということ、また製糸業は伝統的な産業として地域経済の中で重要な地位を占めている、こういう認識を持っております。
 そんなことで、じゃなぜそうなったかといいますと、現在、蚕糸業をめぐる情勢は非常に厳しい状況でございますが、これは絹需要の減退を背景とする生糸需給の不均衡、また蚕糸砂糖類価格安定事業団における大量の生糸在庫の累積、事業団の財政の極度の悪化等により非常に厳しいものとなっておりますが、このことはいわゆる制度不安の基本的要因ともなっており、また実は生糸価格の安定を著しく阻害するところとなっております。そういうことで、私は四つの施策を行い、今後蚕糸業の健全な発展に努めたい、こう考えております。
 その四つを簡単に申しますと、一つは、現行の中間安定措置をもととした新たな繭糸価格安定措置のもとで繭及び生糸の価格の安定を図るということでございます。
 第二番目には、各種需要増進対策の実施、輸入の調整等により需給の改善を図るということでございます。
 その次には、事業団における特別勘定の設置等により膨大な在庫生糸の適切な処理及び損失の補てんを図るということでございます。
 最後に、養蚕主産地の形成及び中核的養蚕農家の育成等による足腰の強い低コスト養蚕の実現を図る。
 こんな施策を図りまして、蚕糸業の健全な発展
を図りたいと、このように考えております。
#6
○山田譲君 非常に力強い大臣のお言葉で安心をしたわけでありますが、今の四つの問題点、これは非常に重要な問題で、私どもこれからいろいろとお尋ねをしていきたいというふうに思っております。単なる伝統産業的な特殊な産業というふうに思ってはだめでございまして、やはり現在の農業における基幹的な産業であるというふうな位置づけは私はやはりしていかなければいけない、かように考えております。
 特に群馬あたりで見ますと、ほとんど農民の三分の一はこれをやっていらっしゃる。農業所得の面からいっても非常に重要な地位を占めているというふうなことから、群馬あたりでは特にこの養蚕業というのは非常に農業の中でも重要な問題になっているわけです。ですから、私の考えとしては、こういう養蚕をやっているような人たちに対してやはり勇気づけて奮い立たせるようなことで養蚕業を発展さしていくということがどうしても必要になってくるというふうに思うわけですが、この辺は局長、どんなふうにお考えでしょうか。
#7
○政府委員(関谷俊作君) 今、大臣のお答えにございましたとおり、特に養蚕の地域的な状況を見ますと、農山村等の地域では非常に作目としてのウエートも高いわけでございますので、そういう一つの地域産業あるいは地域の農業としての位置づけということから見ますと、この養蚕対策につきましては私どもは二つの点を重視して考えなければいけないというふうに考えております。
 一つは、やはりその地域の養蚕の中心になるようなある程度の規模を持ちました養蚕農家をいわば中心の担い手として育成するということ。
 それからもう一つは、やはり養蚕の場合にはそれだけで農家の所得を全部賄うということは到底できませんので、個別経営として見れば複合化あるいは地域として見れば地域の共同的な態勢によりまして養蚕を地域農業として確立していくということが大事でございますので、個別農家の中心的な農家等の育成とあわせて、地域に一つの養蚕が集中的に営まれますような地域を形成しまして、そこで例えば稚蚕の共同飼育とか、そういうような集団的な活動を通じまして養蚕農家、養蚕業を定着さしていく。
 こういうような二つの面に配慮しながら、御質問にございましたような例えば群馬県等に見られますような非常に養蚕のウエートの高い地域での農業の確立ということで考えていくべきものと存じております。
#8
○山田譲君 今、局長が言われた主産地と中核農家、こういう問題も非常に重大な問題ですから、後でいろいろと伺っていきたいと思うわけであります。
 そこで、今後の展望でありますけれども、先ほど大臣のお話にもちょっとありましたが、それをどう考えるかということをお伺いしていきたいと思うわけです。
 五年前でしたか、農政審の長期見通しというふうなものを試みに見てみますと、生糸の点についてはこういうふうな言い方をしている。御承知のとおりでありますが、生糸の需要は基準年、これは三十九万俵ということを言っておりますが、これが微増程度ではないかというふうなことを言っております。現にそういう考え方に基づいて見通しの数字も出ているけれども、それによると三十九万俵が六十五年度には四十万俵くらいになっていくであろうと、こういうふうな見通しを立てております。恐らく農水省もこの方針に基づいていろんな施策を講じておられると思うけれども、そういう点で現状を見ますると、必ずしもこの農政審の考えているような方向へ行っていない、そのとおりになっていないということを考えざるを得ませんけれども、その辺はどういうふうなお考えですか。
#9
○政府委員(関谷俊作君) 御質問にございました「農産物の需要と生産の長期見通し」は、五十三年を基準としまして六十五年を見通したわけでございます。この場合には生糸の需要量ということで、いわゆる絹織物として外国から入ってくるもの、こういうものは除外しておりますが、そういう生糸としての需要として見ました場合に、五十三年、三十九万俵に対しまして、六十五年見通しでは四十万俵というふうに見通したわけでございます。一方、その間の需要の足取りは大変減少いたしまして、このはかり方で申しますと、この三十九万俵なり四十万俵に当たるものが、五十九年暦年で二十二万二千俵ぐらいに継続的に落ちてきておるわけでございます。
 この関係の原因につきましてはいろいろ考えられますけれども、一つは、やはり着物需要がこの需要の中の九割ぐらいを占めておるわけでございますが、この中が大変一種の見込み違いがあったわけでございます。振りそでその他いわゆるフォーマルな絹織物は、特に和服関係についてほかなり需要が固定的に推移したのでございますけれども、カジュアル着物と我々が言っております小紋、お召し、つむぎというような、こういう関係の着物につきましては相当需要の減退がございまして、これがやはり非常な生活様式の変化に伴います需要の減少と、こういうことで長期見通しとの乖離が非常に大きいものが出てきたというふうに私ども考えている次第でございます。
#10
○山田譲君 そうすると、この見通しどおりに現状はなってないということになりますと、新しいそういう現状をもととして別な見通しみたいなものに修正されるかどうか、そこのところはどうですか。
#11
○政府委員(関谷俊作君) これは長期見通し全体について申し上げますと、この養蚕関係と、それからこれも私どもの所管でございますがミカン、こういうようなものが大変六十五年見通しとその後の実績の足取りが変わりまして、需要が非常に減退したものの大きなものでございます。もちろん長期見通し全体につきましては、これは農業全体あるいは農産物全体の取り扱いとの関係で、いずれまたこの見直しという事態になろうかと思いますが、養蚕それ自体にとってみますと、私どもとしては現実的にこの長期見通しの線はやはり見通しとしては無理であった。現在の足取りに即してこれからどういうふうに見通しとして考えられるか、こういうことになりますと、これは和服中心の今の消費形態で申しますと、和服関係についてはもう少しやはり需要が減少するというふうに考えざるを得ないのじゃないか。
 一方、洋装関係は、現在非常に先ほど申し上げましたように、一割程度でウエートが少ないわけでございますが、これはこれからの需要増進の努力も含めまして、かなり増加に期待をかけるわけでございますが、いずれにしても全体としてはかなり慎重な需要の見通しをもって対処せざるを得ない状況に来ていると考えております。
#12
○山田譲君 現状なり将来の見通しというふうなものについて大体お話を伺ったわけでありますが、その次に、私は輸入の問題に触れていきたいというふうに思っております。
 そういう需要が減退していく中で、もちろん供給の方も生産調整その他をやって大分減らしているわけでありますけれども、そういう一方で輸入の方が少しは減ってきておりますが、全体としてなかなか減っていないというふうな状況が、私には非常に奇異に感じられるということであります。輸入の現状を私なりに調べてみますと、繭なり生糸あるいは絹織物といったようなものが、結構こういう需要が減った減ったという中で相当輸入をしているという状態があります。これについてどういうふうに考えられるか聞いておきたいのですけれども、しかも繭の輸入あるいは生糸の輸入などを見ますると、非常に多くの国から相当量の輸入をしている。この表で見ますと、例えば繭なんかも中国であるとか、あるいは北朝鮮、それから台湾、韓国あるいはパラグアイとかブルガリアとか、あるいはまたコロンビアというふうなところから、五十八年度の統計ですけれども、相当量を輸入している。
 考えてみますと、去年あたりは御承知のように二割五分あるいは二割というふうな非常な減産をやったり、あるいは期中改定をやって糸価を下げていくというふうな国内情勢でありながら、輸入
の方は一方ではどんどん繭を初めとして生糸も大体同じようなものですが、相当輸入をしている。こういう状態を正確にひとつこの際説明してもらいたいわけでありますけれども、その点、局長いかがですか。
#13
○政府委員(関谷俊作君) 輸入につきましては、これを幾つかの分類に分けて考えるべき状態になっております。
 一つは生糸でございますが、これは現在事業団の一元輸入制度になっておりまして、同時に中国、韓国との間で二国間協議により対応しておるわけでございますが、これらにつきましては相手国の御理解も得て、現実にはかなり輸入数量についてはこの四、五年来相当制限というか、減少する傾向になっております。
 それから、第二分類として絹糸、絹織物関係あるいは二次製品関係、これは通産省の所管物資でございますが、これにつきましても中国、韓国等との二国間協議の中で総体の数量としては、四、五年来の傾向を見ますと、やはりこれも相手国方の理解を得ながらある程度抑制をしてきているような状況ではなかろうかと考えております。
 それから繭の関係については、いわゆる普通の正規の繭でございますが、これは輸入の確認制度というのをとりまして、事前確認制によりまして実需と結びつけながらいわば輸入数量の調整をしておるわけですが、これにつきましては大体このところ一千トンぐらいの推移で来ておりまして、国内生産の繭との対応で申しましても大体三%ぐらいのところのそう大きな数字ではございません。いずれにしても、この辺はこういうような対応をしなければいけないと思います。
 なお、あるいは繭と別にくず繭についても御指摘があったかと思いますが、これにつきましてはこの前五十八年四月に関税局の分類をかなり厳しくしまして、その結果もございましてこのところ大体二千トンぐらいの数字でおさまっておる、こういうような状況でございまして、いずれにしても、生糸、絹製品、繭全体を通じまして、建前、原則はこれは全部自由化物資になっておるわけでございますが、今申し上げましたような制度の運用を適切にいたしまして、国内生産あるいは国内需要との関係で、できるだけ抑制をしていくという対応をしたいと考えております。
#14
○山田譲君 量的な問題は別として、質的に考えてみますと、とにかく二割というふうな減産を国内では農民に強いている。そして基準糸価を下げ、さらには二十六年ぶりとかいうのですけれども、期中改定までやっているような状態の中で外国から、量は少ないとしてもどんどんいろんな国から輸入をするということは、どうしてもそれは農民の人も納得しないのは当然でありますし、私どもにもよくわからないわけです。貿易のことですから、それは相手があるんだから、こっちのわがままばかり言えないかもしれないけれども、それにしても、国内事情がそういうときにどうしてこんな国からいろいろの、しかも繭なんかまで輸入しなきゃならないか。
 今、二国間協定という話を聞いたんですけれども、韓国と中国は二国間協定でやる、その他の国は二国間協定でないとすると、これはどういうことで輸入をしているわけですか、その辺は。
#15
○政府委員(関谷俊作君) 二国間協議は生糸、それから絹織物、絹糸、そういう関係について実施をされているわけでございますが、生糸について申し上げますと、我が国の場合には中国と韓国が輸入の大宗を占めております。そういうような関係で、これは建前は事業団の一元輸入制、それから輸入制度としては自由化物資になっておるわけでございますので、結局、二国間協議の場では両国の理解を求めて、実際上輸入の数量をいわば調整をしていただいているわけでございまして、その中では、今御質問にもございましたような我が国の国内の価格、需給、特に昨年の期中改定に至りますような大変苦しい事態、こういうものは十分説明をして理解、協力を得ているわけでございます。
 そのほかの国はどうかということにつきましては、これは結局輸入そのものは自由になっておるわけでございますが、事業団の一元輸入ということが生糸についてはございますので、いわば事業団の輸入の発注という行為を通じて生糸についてはコントロールされている、こういうことになるわけでございます。
#16
○山田譲君 さっき言ったように、国内で減産をやらせ、あるいは期中改定をやって糸価を下げているというふうな状態の中で、事業団がどうして二国間協定以外の国、具体的には北朝鮮とブラジルが生糸で、繭に至ってはさっき言ったようにいろんな国から輸入をしているわけです。その事情は事業団が勝手にやっているのか、そしてまた通産省なり、あるいは繭でありますから農水省かもしれないけれども、それは余りタッチしないというふうなことなのか、そこら辺はどうですか。
#17
○政府委員(関谷俊作君) 生糸の場合と繭の場合で事情は異なるわけでございまして、生糸は事業団の一元輸入でございますから、二国間協議対象のほかの国、御指摘のようなブラジルにつきましては事業団からの発注ということで対応しているわけでございます。これはやはり世界の生糸の貿易というのが、もちろん今中国のものが一番大宗を占めているわけでございますが、同時に、ブラジルというような国も実際に世界市場におきまして取引をされております。こういうことからしまして、二国以外の国についても全く門戸を閉ざすというわけにはまいりませんので、全体の需給なり繭の品質なり見ながら、二国以外の国についても、具体的にはブラジルについても対応しているというようなことでございます。
 繭につきましては、これは事業団の今輸入物資ではございませんで民間取引でございますが、これも経緯を御説明申し上げますと、非常に一次輸入が急増しまして、生糸等の需給に大変影響もございました。そういうことから、五十五年の五月に輸入貿易管理令に基づきます事前確認制というのをとりまして、これは簡単に申しますと、農林水産省、通産省両省協議、協力の上で、実際に繭を輸入する実需との結びつき、これを確認をしまして輸入をしているということで、言ってみれば実需といわば結びついた輸入にしておるわけでございます。これにつきましても、もともと繭というのも一つの自由流通貿易物資でございますので、これはやはり輸入抑制、輸入制限というような制度になっておりませんので、実際の需要に応じて適切な数量の範囲内ではやはり輸入を認めることが相当であるという判断のもとに対応しているわけでございます。
#18
○山田譲君 確かに繭と生糸は大分違うと思うんですけれども、それにしても、農民から、やっている人から考えれば、繭は実際の農家でもってつくる繭です。その繭を二割も減らせと農水省が言った。それにもかかわらず、ほかの国から、量的には大したことないし自由貿易であるから仕方ないとはいうものの、それに対して何にも農水省が、何というんですか、これを抑制しようというそういう姿勢にならないとしたら、これは非常におかしな話ですね。だから、そこら辺について農水省は全く考慮に入れないで、自由貿易だからしょうがないんだと言っているのか。あるいは今後の問題として、こういうのはどんどんもっと減らしていくというふうな考えがおありなのか、その考えのもとにどういうことをやろうとなさっているか、そこら辺はどうですか。
#19
○政府委員(関谷俊作君) これは繭の輸入に係る制度の特徴としまして、本来が自由化物資であるということの前提でございますので、その秩序づけをするために今申し上げました事前確認制を採用したわけでございますが、その運用の中で、繰り返しになりまして恐縮でございますが、実需者方面、具体的には製糸業者あるいは真綿業者、そういうものに数量を割り当てまして、その中で契約を結び、それを確認の上で輸入を認める、こういうようなことでございますので、結局そういう事前確認制のいわば趣旨からしまして、実需に応じた必要最小限の数量の輸入は認める、こういうことで対応しているわけでございまして、現実に
も、先ほど申し上げましたように、国内生産と対応しますと三%程度の数量でございますし、この数年来輸入数量は一千トンを下回る程度に推移をさせておりますし、こういうような需給関係を考えながら必要最小限度認めていく、こういうような対応が現在とり得るいわば限度であるというふうに考えておりますので、この制度の適切な運用によりまして、国内の繭生産にも悪影響のないような対応をしてまいりたいと考えております。
#20
○山田譲君 繭についてでありますが、その事前確認制というのは、事前に実需者と通産省あるいは農水省が一緒になって相談をして、そしてことしはこれだけやりましょうというふうなことを決めるわけですか。そうすると、つまり私が聞きたいのは、輸入の向こうからの圧力というよりも、国内的なそういう状況の方を中心に置いて輸入枠を決めていく、こういうふうなことなのか、その辺はどうですか。
#21
○政府委員(関谷俊作君) 事前確認制の運用の仕方についてまず申し上げますと、これは農林水産省が通産省と協議をいたしまして、輸入ガイドラインというものを決めます。それに基づきましてやっておるわけですが、実需者、具体的には製糸業者、真綿業者に輸入数量を割り当てまして、その範囲内で個別の業者への団体の中での割り当てがありまして、それから実需者団体の方から実施計画書を農林水産省へ出しまして、そういうものに基づきまして実需者と輸入業者との契約をし、その契約の内容に基づきまして輸入業者が農林水産省で輸入申請内容のチェックを受ける、と同時に輸入業者の方が通産省へ事前確認を申請して通産省の事前確認を受ける、こういうことで、その後実際の輸入が行われるわけでございます。
 この全体の運用は、言ってみれば、実需者側にそういう需要があるということを国の方でも確認しつつ、同時に全体の数量についてはやはり一種のコントロールをしているというようなことでございまして、国内需要と同時に海外からの繭の輸出の動向についてももちろん考慮があるわけでございますけれども、主体的にはやはり国内需要との調整ということが主眼となって運用をしているわけでございます。
#22
○山田譲君 その輸入の割り当てなり、あるいはまたコントロールの仕方ですけれども、そのときに国内で、何回も言って恐縮ですが、そういう減反を強いて農民は血の出るような思いで減産している、そういうふうな実情を当然、まさか考えていないとは思いませんけれども、考えて、そして輸入の数量を割り当てていくということのようですけれども、こういう国内の情勢の中で、その割り当てる基準ですね、あるいはそれはあくまでも実需者は安い方がいいというふうなことかとも思うんですけれども、どうしても実需者は輸入の方を望む、それに対して農水省は一体どういう姿勢でもって今まで対処してこられたか、あるいは今後それをどういうふうに考えておられるか、そこのところをもう一遍言ってください。
#23
○政府委員(関谷俊作君) これは外国繭に対する需要というのは、やはり一つは、多少価格面でも国内繭ょりも安いわけでございますし、それからこういう外国繭を求める場合に、外国繭の品質というのがどちらかというとややすそ物的な方向で、そういうものを需要する業者、比較的小規模の製糸業者あるいは真綿業者、そういう方面に外国産繭に対する需要があるわけでございます。もちろん大きい規模の製糸業者にもございますけれども、ややそういう傾向がございます。
 したがいまして、そういう固定需要があるというところまで考えているわけではございませんけれども、そういう現実の国内需要というものがある場合に、やはりそれに応ずるということはひとつ考えなければなりませんし、同時に繰り返し御指摘がありますような現在の国内の繭の減産等しております需給関係、こういう面にも配慮をいたしまして、先ほど申し上げました最初のこのガイドラインに基づきます数量、実需者団体に対する数量割り当て、これにつきましてはその両面を配慮しながら慎重に対応していくということで、実際的には先ほど来申し上げましたように、大体千トンを超えない、特に五十八年は一千三十四トンという輸入数量でございますが、五十九年につきましては六百十三トン、乾繭でこういう数量になっておりまして、この辺のところに我々のいわば特に五十九年のような事態に対する配慮を加えながら、一方、需要も考えながら対応していくと、こういうような姿勢でまいっております。
 今後とも、この辺のところは大変重要な問題でございますので、数量的には余り大きくない数量でございますが、国内需給を見ながら慎重にこの制度を運用してまいりたいと考えております。
#24
○山田譲君 同じことを繰り返して言っていても仕方ありませんから、これ以上この問題はやりません。しかし、繭について今のような事前確認制というふうなことでやっていると言うんですけれども、それにしても国内事情をよくよく考えていただきたいということと、本当に血を吐く思いで減産を強いられている農民の気持ちを考えたときに、自分たちのことを守ってくれるはずの農水省が何でそういう状態の中で繭の輸入をしなきゃならないのだ、こういう疑問を持つのはこれは当然な話ですから、そこのところをよくよく考えていただいて、何とかしてこの輸入の繭をやめていく、こういう方向で御努力をいただきたいと思うのです。
 その次に生糸でありますけれども、生糸は二国間協定ということで、中国と韓国との間でもって決めていくという話ですけれども、二国間協定をやらない国、ブラジル、その他イタリアあたりからも少し来ている、あるいは北朝鮮あたりからも量は少ないけれどもやっぱり来ているということ、これは一体どういう事情ですか。
#25
○政府委員(関谷俊作君) 中国、韓国以外の国につきましては、全体的にはブラジルそれから北鮮、イタリア、ブルガリア等があるわけでございます。これらは、やはり生糸全体が世界的な一つの貿易がございまして、その中で日本といういわば最大の絹需要国がどう対応するかという問題でございまして、これが日本の場合には一元輸入という制度によってかなり門戸を制限をしているわけでございます。
 そういうようなことでございますので、やはり全体の流通から見ますと、中国、韓国だけを認める、こういうわけにもまいらないわけでございまして、やはり全体の需要も、全体の貿易状況も見ながら日本への輸出というようなこと、あるいは日本から見た世界貿易に対応した輸入ということを考えなければなじらないような現実にある国については、今申し上げましたような最近のところではその四国でございますが、その辺について、数量は極めてわずかでございますけれども、事業団からの一元輸入という場合には対応するということで、簡単に申しますと、国別に二国間協議に応じている国だけに制限するわけにいかない、こういうような事情にあるわけでございます。
#26
○山田譲君 それは貿易ですから、鎖国みたいなことを言っているわけにもいかないと思うのですけれども、逆に聞きたいんですが、じゃなぜ中国と韓国だけは二国間協定にしているんですか。
#27
○政府委員(関谷俊作君) 生糸の輸入につきましてはもともと自由でございましたが、具体的には繭糸価格安定法の改正によりましてこの一元輸入の根拠規定ができまして、四十九年九月から発動ということになったわけでございます。ただ、こういうことであると同時に、世界の中でも中国及び韓国についてはこれは生糸、絹製品、こういうものの輸出圧力というか輸出の希望が大変強うございまして、そういうことであればやはり日本の国としては計画的に秩序ある輸入を行う必要があるということで、両国に対して外交ルートを通じて協議した結果、五十一年度から二国間取り決めが行われるということになったわけであります。
 ですから、この二国間協議の性格というのは、輸出圧力の強い、あるいは輸出の希望の強い特に中心でございます両側に対して日本からむしろ協力を求めて、向こうの方がそれに理解を示して、では話し合いをしましょうというようなことにな
ったわけでございまして、性格的に言えば、この二国間協議の性格は両国の一種の自主規制、輸出の自主規制について我が国も相談の上で数量を協議して決めると、こういうような性格のものでございますので、あくまでも制度上の建前としては自由物資である、しかし一方、事業団の一元輸入がある、こういう中で両国だけは特に協力を得ている、こういうような性格でございます。
#28
○山田譲君 二国間の協定を結ぶのはいつですか。また、そこに出る、交渉に出る人というのは一体、農水省はもちろん出ると思いますけれども、それ以外に通産省だとか外務省も一緒にやるわけですか。そこのところをまず聞かせてください。
#29
○政府委員(関谷俊作君) 二国間協議は、これは対象が生糸、それから絹糸、それから絹織物でございまして、これに参加する役所は外務省、農林水産省、それから通産省、三省でございます。この性格は、あくまでも行政ベースでの協議でございますので、それぞれの三省の担当官が出まして協議をしているわけでございますが、協議結果については、いわゆる取り決め協定的な文書にした数量ではございませんで、あくまでも協議の場で数量的に話し合いがついた、こういうようなことをいわば話し合いの結果として両国の間で、二国と我が国、それぞれの国と我が国との間で確認というか、するわけでございます。
 なお、その協議のスケジュールにつきましてはこれは具体的に何月とか、いつ、毎年何回とかいうふうには決まっておりませんで、最近の経過を見ますと、これは非公式の協議も含めまして、大体数カ月おきに相手国とそれから日本の国と交代に場所を行ったり来たりしましてやっておるわけで、この次いつやるかということについては、両国の話し合いがついたところで決めておるというような実情でございます。
#30
○山田譲君 ことしになってからもやっていますか。
#31
○政府委員(関谷俊作君) ことしになってからはございません。一番最近ございましたのは、昨年の十二月に東京で中国と行っております。韓国も十二月に行っております。十二月の半ばから下旬にかけてでございます。これが今までの最近のものでございます。
#32
○山田譲君 そのときに、六十年の輸入というふうなものについて話し合いはもちろんしたんだろうけれども、数量はどのくらいになっていますか。
#33
○政府委員(関谷俊作君) これは二国間協議でございますので、生糸、絹織物、それから絹糸について行っているわけでございますので、私どもの所管でございます生糸について申し上げますと、この十二月の協議では、五十九年分について協議枠、協議数量を決めたいという要望が大変強かったわけでございますが、これについては協議がまとまりませんで、五十九年協議数量は決まっておりません。
 それから、このときの主題は、五十七年あるいは五十八年、そういうものについて既に協議して決めておった数量がいわゆる未実行ということで入っておりませんでした。その入っていないものについて、簡単に申しますと相手国からは早く協議数量を実行せよ、こういう当然の要求でございますがございまして、私どももそれはもちろん早くやりたい気持ちはあるけれども、現在のこういう状況であるということで、その未実行数量を早く実行せよと、こういう問題について大変向こうの強い要望を受け、我々としてもこれに対してできるだけ早くやりたいがということですが、どういうテンポでやるかということについての話し合いは、この席ではまとまっておらないという状況でございます。
#34
○山田譲君 そうするとあれですか、まだ五十七年と五十八年については、その話し合いによってはもっと入ってくるということはあり得るわけですか。
#35
○政府委員(関谷俊作君) これは十二月の話の始まる前までの状態から申し上げますと、五十七年それから五十八年、この両年度について中国につきましては協議数量の残がまだ実行してないものがあったわけでございます。それから韓国については、五十六年度分から協議数量の未実行分がございました。それらにつきまして早く実行せよということで大変強い要望がございまして、もちろんこれは既に決まった数量まで輸入をせよと、こういう折衝でございますので、この決まりました数量をオーバーしてさらに入れろと、こういうようなことではないわけでございます。そういうようなことで、両国につきましてもいずれにしても五十七年、五十八年度分について従来決まっておりました数量の範囲内でこれを早く速いテンポで履行してくれと、こういうような折衝がなされたわけでございます。
#36
○山田譲君 決まった数量をその分だけこっちは入れない、向こうは決まったものですからその分当然その約束を果たしてくれと、これは当たり前だと思うんですけれども、その五十六年、七年、八年と決まった分だけをこっちが輸入しなかったというのはどういう事情ですか。
#37
○政府委員(関谷俊作君) これは五十七年なり五十八年の数量、韓国については五十六年でございますが、決めたにもかかわらず、その後の日本の国内のまさに需給及び価格状況が、非常に生糸価格が低迷をいたしまして、特に私ども昨年の折衝の中では繰り返し両国に訴えたわけでございますが、五十九年度に至るとさらに状況が厳しくなって、期中改定というようなところまで来た。こういうような状況からしますと、確かに協議数量ではあるけれども実行ができない、こういうような言ってみれば事情の変化を訴えたわけでございますが、相手国としますと、もちろんそういう日本の国内の事情の変化に対して全くそれを聞く耳を持たないということではございませんけれども、やはり約束したものは入れてもらうのが当然ではないか、こういうような主張になるわけでございまして、その辺のところで、このいわゆる未実行数量についても昨年十二月の両国との交渉では、その実施のテンポについて話し合いがまとまらなかったという状況でございます。
#38
○山田譲君 その協議というのは一体だれがいらっしゃるんですか、日本側からは。
#39
○政府委員(関谷俊作君) 具体的には私の局とそれから外務省のアジア局、それから通商産業省の所管局でございます生活産業局それぞれの局から参加をするわけでございますが、従来は大体それぞれの局の審議官クラス及び担当課長のクラスで対応をいたしております。
#40
○山田譲君 それは審議官が軽くてだめだと私は言わないけれども、こういう重大な問題になってきているわけですから、ひとつ局長あたりが出て、やっぱり日本の事情というものをもっともっと強力に訴えるべきじゃないかというふうに思います。局長も今いろいろ質問していると、どうもよくわからないところもあるようだから、私にとっては何か局長、余り熱心じゃないんじゃないかという心配を持たざるを得ないんですが、その辺どうですか。
#41
○政府委員(関谷俊作君) 交渉のレベルというのはこれは相手国がどのくらいの人が出てくるかによるわけでございまして、こちらがうんと上の人が出ていけば向こうも上の人が出てくるだろうと思いますが、現在のところでは両国の大体対応するレベルのところでやっておるということでございます。
 なお、私のお答えがあるいははっきりしなかったのは、やはり交渉でございましてなかなか微妙な点もございますので、いささか明快を欠いたかもしれませんけれども、全体としまして私ども非常に大変苦しい状態にあるわけでございます。一方において協議はした、けれども実行はしていない、しかし国内的には大変苦しい状態である。この中でとにかく相手国の理解を求めるということで一生懸命対応しているわけでございまして、交渉自体については私も含めまして大変心配をしながら対応している。
 なお、ついでに申し上げますと、昨年十二月、先ほど来申し上げましたような協議があったわけ
でございますが、両国から、特に中国が強うございますけれども、早く今年の協議をしてほしい。それから今申し上げましたように、協議数量で入っていないものもございますけれども、同時に五十九年度分は協議数量を全く決めていないわけでございます。こういうのも異常ではないか、この辺を早くしたいということで、早く二国間協議を開こうということが向こうから言われております。ただ、私どもとしてはこういう法案審議をお願いしておるし、こういう状況でございますので、今すぐに協議を開くというわけにはまいりませんので、いずれにしましても大変向こうから迫られている問題でもございますし、私どもは私どもで、私どもの立場がございますので、この点は今御指摘にございましたように今後とも真剣に対応しなければいけない。また、輸入制度の運営という面で、大変苦しい事態の中で日本の需給事情を訴えながら対応していくという考えでございます。
#42
○山田譲君 交渉の中身はデリケートな問題ですからなかなか言いにくい面もあろうかと思うけれども、私がさっき聞いたことは、どこの局が、どの省が行っていますかなんという程度のことを局長よく御存じないから、これは大変だと思ったわけです。ですから、やっぱり特に事柄が非常に重要な問題だけに、審議官あるいは課長に任しておくというふうなことじゃなくて、しかも今までとにかく約束したものさえ実行しないというふうな事態ですから、これはやっぱり局長あたりが出かけていって、そしてぜひとも日本の実情を話しその国に対しても協力を求めるということを、なお一層積極的にやっていただきたいというふうに思うわけです。局長が出ていけば向こうも局長クラスが出てくるので、だからやっぱりそのくらいのレベルでもって話し合っていかなければなかなか解決できない問題じゃないかというふうに思いますから、強く要望をしておきます。
 それについてまた伺いたいのは、審議官クラスの方が行っていろいろ協議をするでしょうけれども、その輸入量を見ますとどうも統一性がない、しかも今盛んに五十七年、五十八年というふうなことをおっしゃるけれども、日本の需給がこれだけ不均衡になってきたのは何も最近の五十七、八年だけの状況じゃないわけでありまして、それからまた事業団の在庫の状況というふうなものを見れば、これはおのずから相当の在庫がどんどんたまっていっているということはわかるわけですから、そういうことを考えながら輸入の量というものを決めたのかどうか、その決めるに当たっての基準というか、どういう考え方で大体この数量を決めていったのか、そこら辺を教えてもらいたいと思うんです。
#43
○政府委員(関谷俊作君) この協議につきまして私どもどういう対応方針をとるか、大変毎回協議ごとに局内等で慎重な検討をして臨んでいるわけでございます。全体の私どもの考え方だけを申しますならば、国内の繭生産減産を指導しておる、それから実際に昨年のような大変幅の大きな期中改定をやった、こういう事情からすれば輸入協議数量というのは、あるいはまた実行も含めましてかなり制限をしていかなければいけない、こういうふうに考えるわけでございます。単純に申し上げますと、国内の需要規模が小さくなっていくのに応じてやはり外国の輸入の方もそれなりに抑制をしてもらいたい、こういうことになるわけでございますが、しかし、その辺について十分理解を得る、こういうことについてはやはり協議の場で繰り返し繰り返し相手方の理解を求めるということに尽きるかと考えております。
#44
○山田譲君 需要はどんどん減っていくし逆に事業団の在庫はどんどんふえていく、今十七万八千俵くらいですか事業団の在庫があるようですけれども、それは何も急にたまったものじゃなくて徐々にたまってきているわけです。だから事業団の在庫状況あるいは国内の需要というふうなものを考えれば、私はやっぱり最近数年の状況を見ただけでも、この輸入量は一体どういう考え方で決めていったか理解に苦しむわけです。こういう輸入をしたって需要がないんだから在庫がたまるのは当たり前だ、多少はたまったって構わないというふうな考え方で輸入量を決めていったのかどうか、その辺はどうですか。
#45
○政府委員(関谷俊作君) 今の十七万俵水準にかけまして在庫がふえていった過程の問題でありますけれども、やはり五十三年ごろから今ごろにかけましての需要の減少テンポが非常に激しいわけであります。これはやはり当時から見ますと、なかなかこれだけの急激な需要テンポを見通し得なかったという状況がございまして、私ども行政当局として率直に反省すべきこととしては、これは国内生産に対する方針もそうでございますけれども、輸入につきましてもやはりそういう厳しい需給状態に進んでいくということがなかなか十分に見通せなかったということがあるのではないか、そういうことで、現実にも現在の十七万俵の在庫の中にも当時輸入したものがまだ残っておるわけでございます。
 そういうようなことで、やはり一つの需要減に対する対応というのは非常にこれは難しいわけで、別にそう楽観をしていたわけではないにしても、これほどまでに急テンポに需要が減るということが見通せなかったということがありまして、事業団一元輸入の運営として、生糸の輸入面ではやはりブレーキのかけ方をもっと急速にやるべきだったということはあろうかと思います。
 同時に、やはり相手国がございますので、相手国に対してもそう急テンポにブレーキをかける、こういうわけにいかないというような事情もございましたし、ただ一方、国際的な信義の面ではその間決めました五十六年、五十七年あるいは五十八年の協議数量を二年、三年間も実施をしないというふうな大変な不義理というか、そういうことをしても輸入の抑制には極力努めるということで対応したわけでございますが、確かに輸入の抑え方については、これは国際交渉の問題もありますが、同時に非常に厳しい対応ということをとるタイミングが少しずれていたという感じは、率直に反省をしている次第でございます。
#46
○山田譲君 これは過ぎちゃったことを言っても仕方ないけれども、変な約束をして守らないということになれば、これはまさしく国際信義の問題ですよね。だから、約束を結ぶときに、やっぱりそのぐらいは考えてやらなければいけないんじゃないかと思うんです。しかも、事業団の在庫なんというものは厳然たる事実としてそこにあるわけですから、当然そういうことを考えれば、多くを輸入するなんという約束を結ぶこと自体が、これはもう非常に大きな責任になるのじゃないかというふうに思うんです。しかも、今度の法改正というようなこれだけの問題を起こすのも、やはり事業団の在庫がやたらにふえたというところが一つの原因になっているわけですから、そこら辺は非常に見通しが私は悪かった。普通の農民の方も言うのは、事業団の在庫がどんどんたまってきているのがわかりながら、なおかつ輸入をしようという政府の気持ちがわからない、こういうことを言うのは当たり前だと思うし、私もそう思いますが、そこら辺は十分注意をしていただいて対処をしていっていただきたいというふうに思うんです。
 ただ一つ、私はここでずっと数字を見ていまして気がつくことは、五十六年に輸入量が極端に少ないわけですね。極端に少ない。これだけずば抜けて少なくなって、それから五十七年からまた多くなるわけですけれども、この少なくなったのは交渉を非常にうまくやったのか、頑張ったのか、局長の英断がよかったのかどうか、それは知りませんが、この少ないのはどういう事情ですか、これは。
#47
○政府委員(関谷俊作君) まず、全体の協議数量の方、前の御質問とちょっと関連するわけですが、輸入に対するブレーキのかけ方という点でございますけれども、これは協議の方もそう甘くやっていたというわけではございませんで、二国間の生糸の協議は、五十二年、五十三年、これ
は両年とも六万四千三十俵という大変大きな数字の協議をしておりました。最近、五十六、五十七、五十八年、三年を平均しますと大体一万五、六千俵で、二万俵を切るような水準でございます。中国については五十八年が一万俵と、こういうようなことになっておりまして、こういうテンポに見られますように、厳しく協議数量を制限をしているという、こういう経過はひとつ御理解いただきたいと思います。
 そこで、五十六年の問題でございますが、これは当時確かに在庫が相当、五十五年度末で十四万三千俵、五十六年九月には十六万俵に達しております。一方、このときに初めて赤字、損失の発生が見込まれた、こういうようなことで、これは簡単に申しますと、事業団のいわば運営経過から見ますと大変衝撃的な事態でもございまして、これに対応しまして五十六年に輸入をとめた、こういうようなことがあるわけでございます。ただ、これは当然のことでございますが、輸入遅延期間が相当長期になりましたので、両国が外交ルートを通じまして早期履行を数次にわたり要請する、大変抗議行動が激しかったわけでございまして、こういうことから、五十七年一月に至りまして履行を再開する、こういうようなふうに至ったところでございます。
 いずれにしましても、全体の協議数量の抑制と同時に、協議数量の履行を一時抑えるところまでせざるを得なかったというような事態があったわけでございます。
#48
○山田譲君 これで見ると、もう中国ももちろんがた落ちに少ないんですけれども、韓国あたりが十俵というふうな数字になっているんです。これは本当ですかな。
#49
○政府委員(関谷俊作君) 今お挙げになりました数字は、五十六会計年度につきましては、この事業団の一元輸入の方はゼロでございます。恐らく十俵というふうにお挙げになりましたのは、あるいは保税の方かと思いますが、私ども持っております五十六会計年度の数字では、韓国については輸入数量、事業団の一元輸入の方の数字は挙がっておりません。
#50
○山田譲君 私はここに資料、農蚕園芸局というやつを言っているわけです。この中で韓国は十俵。十俵ばかりというのはどういうことかな。ゼロならわかるけれども十俵、どういうことなのかなと気になるんだけれども、それは間違いないですかな。これは農蚕園芸局の資料ということになっているんですよ。よくわからなければ、それは後で見ておいてください。十俵ぐらいのことでここで長時間議論するつもりもないんだけれども、要するに非常に少なくなっている。だから、これを見ると、やっぱり頑張ればできるんじゃないかというふうに我々も考えるし、読む人はそう見るんだけれども、そこはどうですか。
#51
○政府委員(関谷俊作君) 農蚕園芸局の資料で十俵とございますのは、これは保税生糸でございます。事業団の一元輸入生糸ではない数字でございます。
#52
○山田譲君 保税ですか。そこのところはっきりさせておいてください。
 いずれにしても、こういう十俵だかゼロだか知らないけれども、そういうことさえ交渉すりゃできるんじゃないかというふうに我々は思うんだけれども、その点はどうですかね。
#53
○政府委員(関谷俊作君) 五十六年の両国の輸入抑制は、先ほど申し上げましたように、協議数量があるにもかかわらずその履行を行わない。簡単に言えば、履行遅延というようなことで実施をしたことでございまして、これはもちろん両国からの抗議もございましたが、やはり協議数量を決めました状況からすれば非常に異常事態ということでございますし、国際信義の関係からも限度があるわけでございます。
 なお、五十九年も一時的に両国からの輸入をいわばとめる、しないような状態にいたしたわけでございますが、これについても、先ほど来申し上げましたような日本の中の異常事態ということで、もちろん大変な抗議があるわけでございますけれども、我々としては何とか我慢してほしいということで、一時五十九年につきましても両国からの輸入を、一元輸入の方でございますが、しないというようなこともいたしております。
#54
○山田譲君 輸入問題についてはいろいろ聞かなきゃならないところがあるんですけれども、私はやっぱりこの協議の過程での農水省の失敗というか見通しの甘さというか、そういうものがあったことは間違いないと思うんですよね。さっき局長も素直に反省しておられたからそれ以上言いませんけれども、いずれにしてもこれだけの大問題、しかも異常事態と言うけれども、去年なんか私は一番大きな異常事態ということが言えると思うんですね。糸価は下がるし期中改定はする、しかも生産制限はするというふうなことになりゃ、農民にとって踏んだりけったりという状態の中で、なおかつ外国から生糸を輸入するなんということになれば、それは農民が怒るのは当たり前だと思います。私も変な話だと思わざるを得ない。
 しかも、五十六年を見ますと極端に減っているというのは、やっぱり交渉してそのくらいの成果が上がったと私は見ざるを得ないので、頑張ればそれじゃやっぱりもっともっと輸入量を減らすこともできるんじゃないかというふうに思います。もちろんそれは国際信義もありましょうから、あるいは貿易という問題があれば、こっちだけのわがままを言っているわけにいかないと思うし、今までのいきさつもあるわけですけれども、とにかく思い切った削減措置を、抑制措置を輸入についてはやっていただくように、特に要望をしておきたいと思います。
 次に、今のは生糸ですけれども、絹織物の関係で、これは通産省ということですが、通産省の方は見えていますよね。――今農水省の方からのをいろいろお聞きになって、大体通産省も同じかと思いますけれども、私が特に通産省にお伺いしたいのは、この前の繭のところでもってお話がありましたが、外圧というよりはむしろ内需の方でもって、実需の方でぜひ外国からの繭を欲しいというふうな人もあるということも加味せせざるを得なかったというふうに聞いたんですが、絹織物についてはそういうことはあるのかどう他か。
 それと、絹織物の輸入枠を決めるに当たっての通産省としての立場は一体どういうことなのか。その二つをお伺いしたいと思うんですが、よろしくお願いします。
#55
○説明員(新関勝郎君) 絹織物の二国間協議に当たりましては、日本の国内需給の厳しい状況を十分我々も把握をいたしまして、それからそういう厳しい国内需給の状況に及ぼす影響をとにかく最小限に食いとめる、こういうことで私ども相手方に対しまして日本の置かれました、先生もいろいろ言われております蚕糸繭業の直面する困難な状況をるる実は説明をいたしておりまして、とにかく相手国の理解と協力を得ることに最大限の力を尽くしておりまして、そして今まで最大限の譲歩を得ることを基本方針としてやってきた次第でございます。
#56
○山田譲君 そんな話じゃなくて、基本方針はわかりましたけれども、具体的に外国といろいろ話し合いをするについて、数量を決めるのにどういう具体的な基準というか考え方で決めたかという問題が一つ。
 もう一つは、さっきの繭の話じゃないけれども、単なる外からの圧力だけじゃなくて、国内的にもそういうものがありますかどうかという、そういう話を聞いているわけですよ。
#57
○説明員(新関勝郎君) やや繰り返しになって恐縮でございますけれども、絹織物につきましては私どももちろん相手国の非常に供給圧力が強うございます。そういうことで、相手方がもうこれ以上削減するのは勘弁してくれということでいろいろ言ってきてはおりますけれども、先ほどから申し上げておりますように、日本の厳しい需給の状況をるる説明をいたしまして、とにかく需要がこれだけ減っているし非常に厳しいんだ、養蚕農家の方々なり絹業者も相当厳しいんだということを
るる相手方の理解を得べく最大限の努力を実はやっておる次第でございまして、そういうことで、長期間と申しますか、相当交渉を厳しくやった結果といたしましてこういうものが出てくるわけでございまして、具体的にあれでございますが、五十年度と比べまして五十八年度は約半分の水準にまで結果として織物を減らしておると、こういう努力をしているわけでございます。
#58
○山田譲君 聞いて、わかっていても返事しないのかどうかわからないけれども、僕はもう一つ聞いているわけですよね。国内的に安い絹織物を買いなさいという力があるのかないのかということを、そのことでいいですから教えてもらいたいと思うんです。
#59
○説明員(新関勝郎君) 私どもは、具体的に国内的に輸入のものをどうしろとかこうしろとか、そういうことについては全くどうこうという立場ではございませんで、先ほどまさにお話し申しましたように、国内の需要動向、それから例えば織物のいろんな需要の動向、それからそれの産地からのいろんな供給の状況、その前提となっている糸の手当ての状況、そういうものをいろいろ総合的に勘案いたしまして、結果として厳しい状況を説明して相手とのネゴで決まってくる話でございます。
#60
○山田譲君 全然答えになってないわけです。そんなことを言えば、繭の方は受注者がいて云々という話があったけれども、そのときは総合的に勘案してないかどうかという話になっちゃいますよ。そんなことじゃなくて、やっぱり外圧もあるし内需もある。それを加味しながらもやっているんだというのならわかるけれども、全然僕の言ったことに答えてないのは、答えたくないのかどうか、そこのところをもう一遍言ってください。
#61
○説明員(新関勝郎君) 恐縮でございますが、相手国の中国、韓国あたりはもうこれ以上の削減は勘弁してくれ、彼らの絹製品の輸出の計画、それからそういう国内生産の動向、そういうものについてるる説明がございまして、それで日本側の方は日本側の方で、例えば織物の減産率とかそれから繭なんかの削減率、そういうものをるる説明をしております。それから需要が相当落ちている状況、それから先ほど先生がおっしゃいました在庫が非常にたまっている状況、そういうものを全力を挙げて説明をしておりまして、そういう関係で私ども最大限の削減をしてくれということの結果として五十年度に対して五十八年度は約半分になると、こういうことで数字が決まってきたわけでございます。
#62
○山田譲君 頭のいい人だから、恐らくわからないことはない、わかっていてそういう返事をしているんだろうと考えざるを得ないんです。ということは、勘ぐればやっぱり業界からのかなりの圧力もありますということを通産省の立場で言って後でまた怒られたら困るということがあって、一生懸命やってるる、るると言っているんだろうけれども、私はそんな話はるる聞きたくないわけですよね。まあいい、これ以上もう言いません。いずれにしても、通産省としても今後頑張ってやってもらいたい。
 それで、その交渉のときも、通産省はどなたが出るか知りませんけれども、さっきの農水省の話じゃないけれども、やっぱりもっと、何というかな、上の人がちゃんと行って、そしてるる説明していただきたいというふうに思います。これは鯨の話だって水産庁長官がすぐ飛んでいくんですから、アメリカにね。それを考えれば、やっぱりそれは単なる課長任せというふうな交渉でやられたんじゃこの重大問題は困るということだけ要望しておきたいと思うんです。
 輸入問題で大分時間をとっちゃったから、あと大事な法案の中身にも少し触れていきたいというふうに思います。
 法案でいろいろ聞きたいところもあるんですけれども、一番問題は、何といっても異常変動防止措置を廃止した、こういうことであろうかというふうに思います。この問題についていろいろ聞いていきますけれども、まずこの措置をやめた理由ですね、それを話してもらいたいと思うんです。
#63
○政府委員(関谷俊作君) 異常変動防止措置の廃止でございますが、繭糸価格安定制度の経緯から申しますと、この制度はもともと異常変動防止措置と今日言われているものからスタートしたわけでございますが、その後、昭和四十一年に中間安定措置が設けられたわけでございます。当時の状況は、異常変動防止措置では非常に価格安定帯の幅が広過ぎるので、生産者方面あるいは製糸業者それから需要者である絹業者等から見ましてももっと狭い幅のところ、いわゆる中間安定で安定させてほしいという要望が非常に強い。これの方が養蚕、製糸、それから絹業も含めた需給安定に効果があるということで設けられたわけでございます。その後、大体二十年近く経過したわけでございますが、そのこと自体を見ますと、まさにその幅の広い異常変動防止措置の方は全く働きませんで、専ら中間安定で対応し、その中間安定によりまして価格安定も図ると同時に、こういうふうな生産の面ではかなり需給の緩和に対して買い入れ増ということで対応してきたわけでございます。
 そういう状況から見ますと、やはり異常変動防止措置は現実的に作用してないということから、制度の簡素化を図るということでこれを廃止をすることにしたわけでございますが、同時に、一つの心理効果としまして、異常変動防止措置の幅広い、特に下限価格がございますと、その中間安定を割り込んで下限の方に引き寄せられていくような効果がございまして、二重底はいいようですけれども、反面、下の方の底に価格がいわば引き寄せられていくような効果、これは昨年秋に現実に見られたわけでございます。こういうことを考えますと、むしろ一重の中間安定措置一本にしましてそれをしっかり守る、こういう制度に切りかえた方がむしろ簡明ではなかろうか、こういうようなことで今回廃止を御提案をしている次第でございます。
#64
○山田譲君 そういう回答を聞きますと、何となく四十一年以来ずっとこれが発動されたことはないんだからそれはもうやめるんだ、大したことはないと言わんばかりのふうに聞こえるわけですけれども、私はこの改正法をよく見まして、これは単なるその程度の問題じゃなくて、もっと重要な質的な問題を含んでいるというふうに考えざるを得ないんです。それでまた、この重要な防止措置が、今まではなかったかもしれないけれども、これからはむしろこれが、こういう事態ですから、非常にこういうものが必要になってくるというふうな事態が出てくるんじゃないかということも考えられるんですけれども、まずそこのところはどうですか。そんなことはあり得ないというふうに考えられるか、それがあればかえって有害無益だというふうに考えるか、そこら辺はどんなものですか。
#65
○政府委員(関谷俊作君) これはただいまも申し上げましたが、中間安定措置ができました以後、特に最近に至りますとますますでございますが、こういう需給が緩和してまいりますと、製糸業、養蚕業、関係の方の御要望はまさに中間安定の下限である従来の基準糸価堅持、基準糸価を守ってくれと、こういう非常に強い要求がございまして、その下の価格については、そこまで落ちては大変だ、むしろそこまで落ちないようにやってもらいたいという、そういうお考えになっているわけでございます。
 そういう事態がずっと続いてまいりましたので、私どもとしましては、やはり中間安定措置というものをしっかり、これが繭糸価格安定制度なんだと、こういう一般の御理解にむしろこたえる意味でこれに一元化をする方がいいし、現在ありますような安定下位価格、つまり異常変動の下の価格に落ちるようなことはやはり考えるべきではない、そこに落ちないように中間安定でしっかり守る、こういうことに徹すべきだという考え方をとっている次第でございます。
#66
○山田譲君 考え方の問題として、それは今あなたのおっしゃったようなことでいけばそれはいいだろうけれども、法律、一つの立法論として考え
た場合に、この措置をやめるということはどういう意味があるかということですけれども、私はこの法律の全体を見てすぐ思うことは、生産費という考え方、これが旧法では一番重要な地位を占めていたわけでありますが、これが全くなくなってしまっている。そして、そのかわりに出てきた言葉が生産条件という言葉、これは旧法でも若干ありますけれども、旧法では、何といっても繭なり生糸なりの生産費というものを非常に重要視して至るところに出てくるわけですね。ところがそれが全く影を潜めて、生産条件というような言葉になってしまっている。
 そうなりますと、要するに生産費というものは一種の下支えになっていたということは、旧法では私は言えると思うんです。それを取っ払って、今度新しく生産条件とかその他の経済情勢とか需給情勢とか、そういうものを考えてやるということになると、一体農民なり、あるいは製糸業者の生産費というものはどうなるんだと、こういうことの心配をまず持たざるを得ないんだけれども、その点はどうですか。
#67
○政府委員(関谷俊作君) 現行制度と改正後の制度の対比でございますが、現行制度の異常変動の方には、確かに生産費基準ということがございますが、これは法律上やはり異常変動でございますので、異常変動の下限価格である従来の安定下位価格につきましては、生産費の八五%を下らないように、特別の場合には六割を下らないようにということで、生産費一〇〇%カバーということではなくて、一定の異常変動と見られるようなぎりぎりのところをカバーするというふうに、今の八五%、六〇%という割合が決まっておったわけでございます。そういう意味で、従来確かに生産費基準ではございますが、まさにやはり性格は異常変動であったという意味で、幅が広い、下限価格の考え方も割合下の方にあるわけでございます。
 一方、今回の御提案しておりますものは、生産条件という言葉の中に生産費ももちろん含まれるわけでございまして、いずれにしても供給側、これは養蚕も製糸も含めましてそういう供給側の要因というものが、生産費それから供給能力、こういうものも含めて要素として入ってくる。こういうことはこの改正後の条文に即しましても読めるわけでございまして、生産費と申しますが、改正前と改正後でもって、改正前の生産費が、今申し上げましたような意味で全額をカバーするというような思想で生産費基準ということにはなっておらなかったということがあるわけでございます。
#68
○山田譲君 異常に対して正常という言葉があると思うんですが、まさしくそうならないことが望ましいという正常な状態では、いろんな経済情勢とか需給というふうなものを勘案して決めていくということは当然あり得ると思う。しかし、異常な事態の話ですよ、これは。ですから、そのときにどこまで落ちていくかわからないというときに下から支えがあって、生産費そのものでないにしても、それの八〇%か六〇%か、そういうものがあって、それ以下は絶対落としませんということになると思うんです。それが旧法の思想であったと思うんだけれども、それがなくなってしまって、生産条件とか需給関係とか経済情勢というふうなことだけを考えてやろうとしても、これからのことを考えますと、そういう不安が非常につきまとうわけです。それじゃ、生産費というものを全然考えないでどこまで落ちていくかわからないというふうな事態になるんじゃないか。そのときにどうしますかということが、今度の法律改正によっては保証されていないというところが我々が心配する点なんですが、どうですか。
#69
○政府委員(関谷俊作君) 従来の異常変動の考えが、ある状態での考え方、先ほども申し上げましたように、生産者方面の希望として、異常変動の安定下位価格を保証してくれ、下限があるからいいんだという気持ちは生産者団体の方の意識の中には余りないんではないか。いつも問題になるのは基準糸価でございまして、基準糸価ということで二十年間まいったわけでございまして、こう申しますとちょっとまた逆の差しさわりがあるかもしれませんけれども、基準糸価、つまり中間安定の方で買いまして十七万俵の在庫と。もちろん輸入糸も一部ございますが、そういうようなことでまいったわけでございまして、そういう意味で考えますと、従来の需給関係が緩和する状態で、中間安定措置というのはかなり強い価格安定効果を持ってきたという実態があるわけでございます。
 そういうことでございますので、私どもはやはりこの従来の中間安定措置というものを今後もずっと堅持していく。これこそ生産者団体の方に、価格安定の御要望にこたえる道ではないかということで、やはり生産費基準というものではございますけれども、従来の安定下位価格、現実には非常に低いところにございますし、去年の秋のような事態で申しますと、中間安定を割り込んでさらに安定下位価格の方へ下がっていく、こういうような状態になったりいたしますので、先ほども申し上げましたように、みんなの一番関心のある中間安定措置ということで価格安定制度を一元化するということが、やはり一番簡明かつ価格安定上も望ましいというふうに考えた次第でございます。
#70
○山田譲君 私は、中間安定の考えをやめろなんて言っているわけじゃないんです。当然、それは大事にしなきゃならないでしょう。だけれどもそれと同時に、やっぱり何といっても生産費というものを基礎に置いて、それから糸価なり繭の値段を決めていくということがこれは本当の行き方だと僕は思うんですよね。だから、どうも生産費ということをやめたという裏には、これは勘ぐれば切りがないと思うけれども、やはり生産費は余り問題にしない。生産条件という言葉にあえてしちゃって、そこをぼかしているんだというふうに思わざるを得ませんけれども、中間安定が非常にいいということは私は何も否定しているわけでないけれども、生産費をなくしてしまったというところがちょっと気になるわけです。そこのところはどうですか。
#71
○政府委員(関谷俊作君) これは生産費基準と言う場合のとり方が、先ほど率で申し上げました八五%あるいは六割というふうに決まっておる趣旨は、やはり繭糸価格安定制度の性格が事業団の買い入れということで運営されておりまして、いわゆる生産費を一〇〇%保証するという価格の保証、価格を一〇〇%保証するという考え方に立っておらない制度でございます。やはり一定限度以上価格が落ちたときに、それをどこで事業団が買い入れるか、それで価格がそれ以上下がるのを抑えるか、こういうふうな制度でございますので、仮に生産費基準ということをとりましても、先ほど申し上げましたような、その一定部分以下に落ちるものを防止するというふうに従来なっておるわけでございます。
 そこがやはり制度の性格でございますので、我々としてはそういう繭糸価格安定制度の性格から申しますと、全体として需給の均衡を図っていくという、そういうことが基本でございますので、その場合には需要面の要因もございますけれども、供給面の要因として、日本の養蚕業が需要の動向に応じて供給が継続できるような水準の幅の中に価格を安定させていくということでございますので、当然、生産条件の中に生産費も勘案されるわけでございますけれども、生産費そのものをカバーするという思想がなくなったからといって、繭糸価格安定制度の運営ないし安定面で不安が出てくるというふうには考えておりません。
#72
○山田譲君 そんなことを言うけれども、何といったって実際生産している人にとっては、生産費がなくなっちゃったということは物すごいそれは心配の種でありますし、それからまた特に繭の値段を決めるについても同じようなことが言えるんだけれども、やっぱり生産費を考えない、生産条件という言葉になっている。しかも気になるのは、さらに糸価の方を「参酌して」ということがある。そうすると、肝心の繭をつくる人、養蚕農家ですが、その人にとっては生産費も考えてもらえない。生産条件というなら、かえって逆に今度
は糸価の方から逆算をして繭の値段が決められるというそのシステムですね、それはどう考えても私は納得できないわけです。あくまでも繭が決まってそれから糸価が決まっていくことが当然なんです。それが上の方の糸価を決めちゃって、その糸価だってそういう生産費を別にして、生産条件という言葉があるけれども、それを一たん決めて逆算をしていくわけです、「参酌して」という言葉だからね。そうすると、一体農民の再生産に要する費用なんというものはどこで計算されるんだと、こういうことになります。私、時間がないからこれでやめますけれども、関連質問する方もありますから、簡単に答えてください。
#73
○政府委員(関谷俊作君) 繭の値段の制度上の基準繭価あるいは最低繭価の決め方は、糸価を参酌してということと、それから繭自体の生産条件とを勘案するという両方の要素がございまして、「参酌して」という意味は、糸価と繭価が両方バランスがとれている、こういうような意味合いでございまして、専らそれは今度の法律でも同時決定ということにいたしております。繭価の方と糸価の方が同時決定になっておりまして、両方がバランスがとれているという意味合いでございまして、糸価の方から一方的に繭価だけをいわば算出していくという考え方をとっているわけでございません。
#74
○村沢牧君 次回の審議に必要だというふうに思いますので、山田委員の質問の時間の範囲内で資料要求を二つしておきます。
 一つは、この法律を改正することによって蚕糸業の安定を図っていくんだ、そのために需要の拡大及び輸入抑制もしていくんだ、養蚕の振興もしていくんだということでありますから、関係者に安心をさせるために、六十五年度を見通して、今農水省が考えている内需、それから生糸の生産、輸入、繭の生産、これは閣議決定を変更しろということじゃありませんが、いずれ求めていきますが、現在法律を出すについて考えている資料を次回の委員会までに出してください。
 もう一つは、五十九年度の繭の生産費調査もできていると思いますが、この資料。二つを要求しておきます。
#75
○政府委員(関谷俊作君) まず、後者の五十九年の生産費は、まだまとまっておりません。
 それから、前者の方は、実は私どもも六十五年ということになりますと、いろいろ推定が入りますので、現在は率直に申しましてまだ作成しておらない状況でございます。
#76
○村沢牧君 推計が入ってもいいけれども出してください。だって、五十九年度繭の生産は、三月末に繭糸価格を決めるとするならばもう出ているわけですね。今まで出ているんだから、出ていなきゃおかしいと思うんですよ、いつも三月末に出るんだから。いいですよ、この次質問でやりますから。
#77
○政府委員(関谷俊作君) 生産費の方につきましては、統計情報部ともう一度調査をしてみますが、現実にはまだ私どもまとまっていないというふうに承知しております。
#78
○最上進君 まず、佐藤大臣にお伺いをいたします。
 養蚕が大変厳しい状態に直面をしているということは、ただいま前者の質疑のやりとりの中で明らかなところでございまして、私は将来を考えますと、この養蚕の将来というものは明るい光は何もないんではないか、そういうことを感じている一人でございます。特に、昭和五十年には二十四万八千戸ございました養蚕農家が、現在では半分以下の十一万四千戸になっております。特に、毎年二%から三%も面積におきましても戸数におきましても減少しているというのが実態でございまして、この機会に大臣にひとつお聞かせをいただきたいことは,こうした現実をどのようにとらえて、また、国際化を迫られております我が国農業の危機に直面いたしまして、養蚕もまた将来よくて現状維持、場合によればじりじりと減少、消滅の方向に進まざるを得ないというふうにでもお考えになっておられるのではないか。その辺を含めまして、年々縮小の一途をたどっております養蚕業の我が国農政における位置づけにつきまして、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
#79
○国務大臣(佐藤守良君) 最上先生にお答えいたします。
 私は、先生からいろいろ御指摘ございましたけれども、やり方によっては養蚕はかなり将来明るい見通しを持ち得る産業、こう思っております。そんなことで、実は私は養蚕業の認識につきましては、先生御指摘がありましたけれども、いわゆる農業全体の中のウエートというのは低下しておりますけれども、農山村等の畑作地帯における農業経営上の重要な作目と認識しております。
 そんなことで、一番大きな問題は、最近における絹需要の大幅な減退等に起因いたします生糸需給の不均衡、それからもう一つは、蚕糸砂糖類価格安定事業団における膨大な生糸在庫の累積と事業団の財政の極度の悪化等、極めて厳しい状況にあるのは先生御存じのとおりでございますが、このため今後におきましては、需給動向に即した繭の生産等する必要があると考えております。また、現下の厳しい蚕糸情勢のもとでは、養蚕主産地の形成及び中核的養蚕農家の育成等により足腰の強い低コスト養蚕の実現を図っていくことが大事だと考えております。このため、各種生産対策を、高能率な養蚕の展開が可能な地域において重点的、集中的に実施することとし、厳しい状況のもとでありますが養蚕業の安定を図ってまいりたいと考えております。
#80
○最上進君 昨年の期中改定あるいはまた繭の二割減産など、私は養蚕農家の人々と接しております中で、どのくらい彼らが政府に対する不信感を持っておられるかということを大変痛切に感じているわけでございます。農水省の皆さんには御理解をいただけないと思うほど、大変言語に絶するような不信感を一般の養蚕農家の方々は持っておられるというのが現実でございます。
 特に、私どものおります群馬県におきましては、大変地味に恵まれないいわゆる中山間地帯の傾斜地で、ほかに作目転換ができないというような、そういう傾斜地に地をはうようにして養蚕だとか、あるいはこんにゃくだというふうにまじめに農業に取り組んでおられる人々がたくさんおられるわけでございます。こういう養蚕家の人々の努力があって今日まで蚕糸関連の産業が、いわゆる製糸だとか絹織物業、こういうものが地方で発展をして、そして地域の中核都市を形成をしてきたという歴史があるわけでございます。したがいまして、私は今後もこうした歴史を踏まえて、伝統のある養蚕業を我が国農業の重要な部門として一層ひとつ振興に努めていただきたいというのが私の願いでございます。
 特に、今回法改正によりまして中核農家を養成をするという、これは一つの大きなポイントになっております。従来、複合経営の花形などというふうに養蚕はもてはやされてまいったわけでありますけれども、現実にはやはり年間収入の大部分をこの養蚕に頼っているという、そういう大変零細、小規模な養蚕農家というものがまだまだ全国的に多いわけでございます。したがいまして、ここでいういわゆる中核養蚕農家というものが一体どういう規模のものを指しておられるのか。先ほどお話が出ましたけれども、やはり基幹産業として養蚕をとらえていくのか、あるいはまた関谷局長からお話がありました地域産業としてこれからこれを確立をしていくんだという、どうも何か説明を聞いておりますと、その辺の食い違いを感ずるわけでございますけれども、こうした点につきましてどのようなお考えを持っておられるのか、また主産地形成ということが一つの大きな柱でございますけれども、主産地形成対策としてどういう施策を具体的に持っておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
#81
○政府委員(関谷俊作君) 養蚕業対策の問題についてのお尋ねでございますが、一つは、養蚕農家の問題については、御指摘のように小規模経営もかなり多いわけでございます。我々としましては、先ほども申し上げましたように中核的な養蚕
農家の育成ということで、これは一つの規模を想定するならば我々としては収繭量で一トン程度の規模、この辺が一つのめどになるのではないか、こう考えております。しかし、こういう農家におきましても、またそれ以下の規模の農家におきましても、やはり一つの養蚕部門だけで所得をカバーするということもできませんし、またその農家の持っている土地の利用という面から見ても、複合経営的なあり方というのはどうしても必要でございます。
 したがいまして、私どもは農家という立場で考えますと、やはり中心的な養蚕農家を育成すると同時に、小規模養蚕農家も含めました地域的な、複合的な形態というものを考えなければならない、こういうふうなことでございます。
 なお、一つのそういう複合的な意味での農家の育成の手段としましては、農業改良資金のうちに五十九年度から桑園育蚕施設高度利用技術導入資金、県の特認資金でございますが、そういうものも設けまして、例えば桑園のあぜの間を高度利用して野菜を栽培する技術とか、あるいは育蚕施設を高度に利用してナメコ等の栽培を考えるとか、こういうようなことで主産県でも少し既に貸し付けの実行がなされているというふうに承知しております。
 こんなことも含めまして、養蚕農家の一つの複合的な形態も含めた経営安定を図っていくと同時に、主産地形成の問題につきましては、従来から高能率養蚕地域というものを指定しましてそこに関係施策を集中しておりますが、こういう養蚕の事情でございますので、この高能率養蚕地域については指定基準で従来三十ヘクタール以上の桑園があるというようなことを考えておりましたが、これを六十ヘクタールというようなことで引き上げまして、さらに集約的な主産地の形成を図りたいということで、ここに桑園整備等の基盤整備、それから省力化の機械の導入、それから稚蚕共同飼育施設とか、そういうような地域で共同利用する施設の整備、こういう面に対して融資、補助措置を集中的に実施をするということで、中核的な農家も含めた農家の育成と主産地形成と両々相まって養蚕業の安定を図ってまいりたいと考えております。
#82
○最上進君 中核養蚕農家というのは年間一トン以上であるというようなお話でございますけれども、実際には、規模別に見てまいりますと、年間で十箱、八百キロ以下、これが大体六割近くという養蚕業の実態でございます。最近では農山村、特に山間部での養蚕業に携わる人たちというのは、複合経営といっても農業のほかの作目との複合経営でなくて、公共事業費をつけてもらって、いわゆる農山村での土木事業に出ていく金とこの養蚕に頼って生活をしているという方々が大変多いわけでございまして、ぜひその辺の実態等をお忘れなく、今回の法改正が、大変小規模、零細な養蚕農家を切り捨てるようなことにつながらないような御配慮をひとついただきたいというふうに考えております。
 次に、異常変動防止措置の廃止の問題でいろいろお話がございましたけれども、私どもやはり一番心配しておりますのは、先ほど来お話の出ております生産費を抜きでこの問題を処理していかれるんではないか。特に今回の措置というのは、需給関係とか経済条件とか生産条件というような言葉で、生産費という言葉を外しておるわけでございますけれども、今度とられる需給実勢方式というものでまいりますと、やはりかなり低落の可能性というものを秘めているんではないか、そんなことを大変養蚕関係者の間で危惧、懸念されているわけでございますけれども、この辺につきましてどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
#83
○政府委員(関谷俊作君) 生産費の問題につきましては、改正法案におきましては繭の生産条件ということが規定してございまして、これは生産条件の中には生産費そのものというよりは生産に関する諸条件をその動向も含めまして包含するということで、もちろん生産費も一つの要素ではございますが、より包括的に生産に関する諸条件、こういう意味でとらえた概念であると承知しております。
 改正後の価格安定の決定の考え方については、私ども基本的に、従来中間安定の基準糸価についてとっております価格決定方式をそのまま採用するということにしてはどうかと考えておりますが、その場合に、これは一定の期間の生糸の実勢価格、その実勢価格に生産費の変化を示します生産費指数を乗じ、また需給調整係数を掛けるというようなことで、簡単に申しますと、その価格決定する年度の需給のいわば安定を図っていくという意味で、需要面については先ほど申し上げました生産費も含みます生産条件を十分考慮しながら決めていく、こういうようなことで御指摘のような不安のないように、また、従来中間安定措置ということでこの安定制度に寄せられておりました生産者の期待、これを不安のないように価格決定をしてまいりたい、こう考えております。
#84
○最上進君 五十八年の繭の試算でまいりますと、平均で千二百三十七円ですか、こういう数字が出てくると思うんでございますが、こういう中で農水省では、今の生産費の問題に関連をしてお伺いをしたいのでございますけれども、農家の所得として実際にこれが一キロ当たりどのくらい利益が出てくるという御判断に立っておられるのか、その辺ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#85
○政府委員(関谷俊作君) 現在の生産費、五十八年で見ますと、基準繭価千七百五十五円の場合に、生産費の方の中の物財、雇用労働費が千二百三十七円でございますので、その関係のもので申しますと、大体一キロ当たりとしては、いわゆる手取りとしては五百十八円、これが大体所得に相当する、こういうようなことでございます。
 なお、お尋ねの生産費、養蚕の収益性、こういうような観点で申しますと、ちょっと一キロ当たりの数字が今手元にございませんけれども、繭の場合、桑園面積十アール当たりの所得が、五十八年六万八千六百四十六円でございます。それから、一日当たり家族労働報酬が五十八年千九百七十二円、こういうようなことでございまして、大体これがそれぞれ所得に当たる、こういうふうに考えております。
#86
○最上進君 ただいまの数字で、大体手取り五百十八円と考えていいんじゃないかというお話がございました。物財、雇用労賃あるいは償却費、こういう数値が算定の基礎になっていると思うんでございますけれども、特に家族労働、家内労働的な養蚕というものがまだ体質的に非常に残っているわけでございまして、この辺の家族労働費、今の一日当たり千九百七十二円というのは一家族というお話でございますか。千九百七十二円というのは、一日一家族という意味ですか。
#87
○政府委員(関谷俊作君) 一人八時間という意味でございます。
#88
○最上進君 一人当たりということですね。
#89
○政府委員(関谷俊作君) はい。
#90
○最上進君 そういうことで家族労働費の計算からいたしますと、これはまだまだやはり大変低い数値ではないかという感じが強くするわけでございます。そういう中で、五百十八円の手取りで利益が出ているようなお話でございますが、現実の農家での生産費を考えてまいりますと、これは実際は生産費を割っているという実態にほかならないと私どもは実は感じているわけでございます。したがいまして、今回の異常変動防止措置が廃止されますけれども、ぜひひとつ現実の生産費を十分しんしゃくをして安定基準価格を御決定いただくように、強く要望しておきたいというふうに考えております。
 そこで、今回の法改正によりまして、現在一万二千円という基準価格をそのまま安定基準価格につないで、この価格レベルを当然六十生糸年度でも維持していくという御決意のほどを、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#91
○政府委員(関谷俊作君) これは六十生糸年度の価格算定につきましては、本法案を御審議いただ
いて成立いたしました状態におきましては早急に決定したいと存じておりますけれども、この場合には価格算定の基礎についてはその時点での数値に基づきましていろいろ決定するわけでございますが、全体の方針としましては、昨年十一月に基準糸価一万四千円から一万二千円という大変大きな期中改定により引き下げをいたしておりまして、その後時期も経過しておりませんし、六十生糸年度については、そういう状態のもとでどうするかということになりますと、やはり我々としましては、この一万二千円という水準を維持するという考え方に立ちまして価格決定をするということが相当であるというふうに考えております。
#92
○最上進君 局長の答弁で理解できましたけれども、少なくとも六十生糸年度だけはということでなくて、あくまでも決定した安定基準価格というものは、今後あらゆるそこに政策を集中をさせてこの線を断固守り抜いていただきたい。政府に対する養蚕農家の信頼をこれ以上踏みにじるようなことのないように、ぜひひとつお願いをしたいというふうに要望をしておきたいと思います。
 また、事業団在庫の問題でございますが、先ほどお話がございましたけれども、これも繭と生糸の需給の中長期の見通し、できますれば、やはり単年度の需給関係見通しをしっかり立ててひとつ運営をしていただきたいというふうに考えております。定時定量という機械的な放出でなくて、法改正の中にも出てまいりますように、糸価に悪影響のない放出、特に価格、数量、放出時期については慎重なひとつ御配慮をお願いをしておきたいというふうに考えております。
 次に、絹需要の問題、通産省の方お見えでございますけれども、一点お伺いをしておきたいんでございますが、これは今日の着物離れの原因というものが、単なるオイルショック後の各家庭の家計が苦しくなったとか、あるいはまた国民の生活様式が多様化して変化をしてきたという、そういう理由だけでこの着物離れというものの問題の扱いを済ませてよろしいものかどうか。私は、この現象の陰には、もっと深い分析すべき要因があるのではないか、そういうふうに考えておりますけれども、その点につきましてはどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#93
○説明員(渡辺光夫君) 今、先生からお話のございました絹需要の動向につきまして、私ども省内に一昨年来、絹問題研究会という研究会を設けまして、いろいろ関係者の御意見も伺いながら考え方あるいは実態といったようなものをまとめたわけでございますが、そこで整理されましたポイントについて申し上げますと、オイルショック後この十年間に大幅に需要が減退したということの基本的な要因としては、やはり構造的な問題というのが基本にある。この構造的な要因といたしましては、今、先生も御指摘ございましたように、人口構成の変化でございますとか、あるいは国民の生活様式の変化といったようなものでございますとか、さらには所得の構造の変化でございますとか、そういったものが主要な要因として分析されておるわけでございます。しかし、それのみならず、和装関係の業界の中にいろいろ需要の減退を食いとめる上での努力が足りなかったのではないかというような点もあわせて指摘されておるわけでございます。
 その中で、特によく言われておりますように、流通業界のあり方にも問題があるのではないか、こういう指摘も出されておりまして、確かに和装業界、古い業界でありますだけに、いろいろと取引関係でございますとか、あるいは商品企画という面で伝統性といいますか保守性といいますか、そういった問題が残されているということで、そういうことがやはり需要の減退を加速化するといいますか、そういうことになったのではないか。
 したがって、今後の改善の方向といたしましては、商品企画の面では消費者の需要構造、ニーズに合った方向でもっと新しい観点から、いわば洋装のアパレル業界でやっておりますようなマーケティングという観点を取り入れた方向で努力していく必要があるだろう。特に、需要が落ちましたかなりの部分がカジュアルな着物の分野で見られているということからいたしましても、マーケティングの重要性ということが強く指摘されているわけでございます。それとあわせまして、流通取引関係のやはり近代化と申しますか、そういうふうなことも必要だろうということでございます。
 したがいまして、私どもとしては、そういった方向に向けて今後とも努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#94
○最上進君 通産省の皆さんも大変御努力をいただいているわけでございますけれども、数年前に青竹の問題、事件がございまして、大変私どもも心を痛めたわけでございますが、第三国を経由したり、あるいはまた第三国で加工して我が国に入ってくる、貿易管理令でいろいろチェックをしているわけでございますけれども、ひとつやはり私どもこの点だけは強化しておいていただきたいと思いますのは、従来の面積ベース、織物にいたしましても生糸にいたしましても、面積ベースの規制だけでなくて、厚さだとか、あるいはまた重さを規制していくという、そういう大変業界からも要望が強く出されているわけでございますけれども、この点につきましてもぜひひとつ御一考、御強化をお願いしておきたいというふうに考えております。
 また、乾繭の輸入問題でございます。先ほど来いろいろお話がございましたけれども、やはり国内で需要が落ちて、しかも生産削減をさせられながら、いわゆる外からこうした繭にしても生糸にしても絹織物にしても入ってくるというこういう実態に対して、養蚕農家は何としても理解できないというのがこれは偽らざる心情でございまして、ぜひひとつこの乾繭、繭の輸入の問題は、最近原料不足ということで大変高値で、一部業界からこれを輸入すべしという声も上がっているようでございますが、この点に対するお考え、またあくまでもやはり国内産原料繭を我が国の製糸業はこれを使うという原則を、ぜひひとつ今後も御指導をいただきたいというふうに考えているわけでございますけれども、この点につきましてひとつ確固たる御答弁をいただきたいと思います。
#95
○政府委員(関谷俊作君) まず、乾繭の輸入につきましては、先ほど来の御議論にもございましたように、私ども事前確認制というものによりまして、いわゆる需要と結びついた形での輸入を、しかも全体の需要動向から見て必要最小限のものを認めるということで対応してまいりまして、現在は今お尋ねにございましたように、現在の繭の取引値段から申しますと非常に難しい状態にございますが、いずれにしても全体非常に厳しい蚕糸情勢でございますので、日本の蚕糸業の健全な発展に支障のないよう、需給事情等見きわめまして適切に対応するということでまいりたいと考えております。
 なお、この繭の使用につきましては、御承知のように、国産繭につきましては我が国ではこれは当然一〇〇%消費をされているわけでございまして、我々としましては製糸業者の方々に対しては、これからこういう日本の国産繭を使ってくれと、こういう御要望を申し上げるような筋ではございませんけれども、やはり繭生産者の方でも品質改善等につきまして十分努力をし、また製糸業者の方々にも日本の繭を使っていい糸をっくっていただく、こういうふうな意味で、いわゆる蚕糸業一体となって、こういう大変難しい事態に対応していただきたいと考えております。
#96
○最上進君 これで終わりますけれども、最後に大臣並びに農水省の皆様にお願いをしておきたいと思うんでございますが、養蚕振興、今回の法改正で先ほどお話ししました中核農家の育成あるいは主産地形成、能率の高い養蚕地域づくり、これも大変すばらしい私は政策だと思います。しかしながら、先ほど来主張してまいりましたとおりに、とにかく十箱未満の養蚕農家、零細小規模な農家が六割近くであるというひとつ現状を忘れないで、大きいものだけを育てて小さいものをこの機会に切り捨てるというような政策だけはおやめをいただきたいというふうにお願いをしておきた
いと考えております。
 以上で質問を終わります。
#97
○国務大臣(佐藤守良君) 今、最上先生から御指摘あったわけでございますが、先ほど私が養蚕業の認識について申し上げたとおりでございます。そんなことでございまして、よく御指摘の趣旨を踏まえまして最大限の努力をいたしたい。特に一番大切なことは、需要の拡大をどうするかということでございます。
 そんなことで、実は私はいつも申しておりますけれども、養蚕県の方々が逆に絹について冷たいんじゃないか。また農林水産の関係の方も冷たい。こんなことで、絹に温かい目を持っていただきたいというようなことで、ぜひ需要の拡大に御理解と御協力を賜りますことを、心からお願いする次第でございます。
#98
○藤原房雄君 最初に、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案の審議に入るわけでございますが、過日発表になりました農業白書なんかを見ますと、農業白書の中で養蚕業についても一部触れているところがございます。
 今、同僚委員からもいろいろお話ございましたように、しかも与党の先生からも厳しい御指摘がございまして、養蚕関係の厳しい現状についてはるるお話があったとおりでありますが、この白書の中で養蚕業の生産規模の縮小というのは避けられないだろうという、こういうところについてのお考えがいろいろ述べられているようでありますが、先ほどのお話にもございましたが、今後の養蚕業というのは、日本の農業の中でどういう位置づけの上に立ってこれから育成をしていこうとするのか。先ほど来も部分的にはお話がございましたが、しかし今日まで八十年代農政の基本方向とか長期見通しとか、こういうものもあるわけでありますけれども、そういうものと時代の推移の中で非常に苦境に立たされている養蚕業、ここに対して農水省としては、長期見通しというものについては確かにもう当初の計画から大きく乖離するものが出てきたのではないかと思うんでありますけれども、計画は計画としてあくまでも予測ということでありましょう。しかし、国の施策としてやはりこれはある程度の整合性というものもなきゃならないわけでありますが、ここ数年の非常に厳しい養蚕業の現状の中で今後どのように養蚕業というものを見ていこうとしているのか、まず基本的なこの辺のお考えについて、大臣からお伺いしておきたいと思います。
#99
○国務大臣(佐藤守良君) 先ほどもちょっと申し上げたわけですが、私の養蚕業に対する認識と考え方を申し述べたいと思います。
 私は、養蚕業というのは、農業生産全体に占めるウエートは戦前に比べて非常に低下してきておりますけれども、農山村等の畑作地帯における重要な作目として定着しておる、また製糸業は伝統的な産業として地域経済の中で重要な地位を占めているものと考えております。そんなことでございますが、蚕糸業をめぐる情勢は、予期せざる絹需要の減退を背景とする生糸需給の不均衡、蚕糸砂糖類価格安定事業団における大量の生糸在庫の累積、事業団財政の極度の悪化等、非常に厳しいものとなっています。また、このことはいわゆる制度不安の基本的要因となっておりまして、生糸価格の安定を著しく阻害しているところだと思っております。
 そんなことで、私は今後四つの施策を中心に蚕糸業、養蚕業の安定を図りたい、このように考えております。
 一つは、現行の中間安定措置をもととした新たな繭糸価格安定措置のもとで、繭及び生糸の価格の安定を図ることでございます。
 次に、各種需要増進対策の実施、輸入の調整等により需給の改善を図ることでございます。
 その次に、事業団における特別勘定の設置等によりまして、膨大な在庫生糸の適切な処理及び損失の補てんを図ることでございます。
 最後に、養蚕主産地の形成及び中核的養蚕農家の育成等による足腰の強い低コスト養蚕の実現を図ること等によりまして、今後蚕糸業の健全な発展を図っていきたいと考えております。
#100
○藤原房雄君 過日の大臣の提案理由の説明の中にも「我が国養蚕業は、農山村・畑作地帯において農業経営上重要な作目の一つとして定着しており、製糸業も伝統的な地場産業として地域経済において重要な地位を占めております。」、こうあります。
 確かに、地域経済に及ぼす影響というのは、非常に大きなウエートを占めていると私は思うんです。今、福島県を中心としまして関係のところを見てもまいりましたし、いままでもいろいろお話し合いもしておりますが、養蚕業を副業的にやっている方々が非常に多いということ、また規模もそう大きくない、そしてまた長い歴史を持つ、また立地条件もほかの作目にはなかなか転換し得ない、こういうところで養蚕なさっている方々は、それなりに長い歴史の中で養蚕をやる以外にないというようなことでなさっているわけですね。これがまた縮小、減産の傾向に後退しなければならないということになりますと、地域経済に及ぼす影響というものは非常に大きい。ほかにかわるものがない。また、これは畑作ですから、ほかのものに転作しますと、ほかの畑作物を主産地とするところと競合するという、こういう非常に難しい問題を抱えております。
 大臣はこの趣旨説明の中で、地域産業に非常に大きな地位を占めているんだというお話ですが、まことにそのとおりなんです。しかるがゆえに、日本全体でどれだけの生産高でどれだけの使用量で需給がどうでという論議は簡単なんだけれど、地域経済ということを考えますと、これは非常にきめ細かな施策というのが必要だと、私は非常にそこのところを痛感するんですが、提案理由の説明の中にも地域経済に及ぼす影響が大きい、こう大臣がおっしゃるからにはそれなりの御認識があってのことだと思うんですが、その辺のことについて大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
#101
○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。
 先ほど申したとおりでございまして、一番大切なことは需要の拡大をどうして図るかということだと思います。そんなことで、実は率直に言いますと、生糸は高いんですね。よく私は洋服を着て、これは三割の混紡でございますが、値段は六万七千円でございます。これは特に安いんで、普通は十万円ぐらいするんですね、ぶら下がりが。私はこの前もデパート等をせがれと一緒に歩きましたところが、実は十万円出すとすばらしい洋服がありますということ、そんなことでございまして、専門家などにいろいろ聞きますと、実は仮にこの洋服を出す場合、四万円だそうです。原価四万円ならば七万ぐらいで売れて、採算が合うということでございました。そうすると、四万にはなりにくい、そんなことでございまして、私は、地域経済で重要な役割を果たしていくためにはやはりどうして需要の拡大を図るか、そういう形の中に地域経済の安定を図る必要がある、こんな認識を持っていわゆる需要の拡大に取り組み、そういう形の中に地域経済の使命を果たしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#102
○藤原房雄君 需要拡大がどんどん進めば、何もこんな、こんななんということはないが大騒ぎすることはないんでありまして、今日までも手をこまねいてきたわけでもない。やはり農水省、通産省、それぞれの立場でいろいろ業界を初めとしましてやってきたんだろうと思うんですよね。ここに至ってそういうものが急に拡大するという見通し、今、大臣いろいろ価格のことや何かもお話ありましたけれども、そういう面で何か成算でもおありでしょうか。
#103
○国務大臣(佐藤守良君) 私はあると思っております。
 それは第一番に、実は率直に言いますと絹は高いわけですが、安いものもございます。そういう形の中でやはり私は、絹の長所と短所がございますが、かなり短所はカバーできる道ができたと思います。そんなことで、下着類もかなり普及して
きたわけですが、そういう中に、やはり例えば下着類は高いですが、けれどもレインコートとか洋服というのは、かなり絹の特性を生かせるのじゃないかと思います。
 そういう形の中に、実は私が思いますのは、やはり農林水産関係者二千五百万人の人が、お互いに自分の、日本の農業を守る立場で絹をどう扱うかということ、そういう絹に対して温かさを持つこと、これが私は需要の拡大につながる、こう思っております。そんなことで、私はやっぱり足腰の強い養蚕農家をつくりますとともに、コストを下げ、そういう販売に努力するということをすれば、かなり絹は売れるんじゃないか、こういう感じがしております。
#104
○藤原房雄君 という感じがしますという感じでこういう国会の論議をされても困るんですけれども、業界の方々にお聞きしますと、やはり最近、大臣のおっしゃるように、絹製品で背広をつくるという、こういうことなんかで何万着か売れたとか、そういう方向、そういう芽が出たというか、需要拡大の一つの方向性みたいなものはあるようです。
 しかし、今、危機的状況にあるものが打開する、そういう方途というのは、これは相当力を入れませんと、価格政策ですべてを決められれば一番養蚕農家としてもいいわけでしょうけれども、価格政策だけではならぬ。また、国内だけの問題ではなくて、輸入という外からのものもありまして、内外ともに非常に厳しい中でのことですから、これは今度の法律改正は法律の目的を変えようということですから大変な改正ですね。法律の思想というか考え方、目的を根本的に変えるという、この法律を変えて新しい時代に即応した法律にしよう、こういう取り組みですから、農水省としましても、それなりの覚悟というか決意というものを持ってこのような取り組みをなされたんだろうと思います。
 今日までありました輸出増進というのを今度は削りまして、蚕糸業の経営の安定とか、また生産条件とか需給状況等によって適正な水準に価格を決めるというこの価格の決定の仕方、これはまた後からいろいろ聞きたいと思いますが、生糸の需要の増進に寄与するという、こういうこと等を考えますと、これは大臣もひとつ絹の鉢巻きを締めていただいて大いに需要拡大に頑張っていただかなきゃならぬ。これは今度法律にきちっと「生糸の需要の増進に寄与する」、こう法律の目的にはっきりうたったわけですから、その点についてはこれは農水省だけでできることじゃないだろうと思いますけれども、業界一体となってこの法律の目的が達成できるようにひとつ総力を挙げて頑張っていただきたい。また、きめ細かないろんな問題があろうかと思います。大臣からはその精神は十分に聞きましたが、局長にひとつ、今この法律にのっとって需要拡大のために考えていること、きめ細かないろんな問題、部内での御検討、こういうことについてもう少しひとつ詳しくお聞きしておきたいと思いますが。
#105
○政府委員(関谷俊作君) 新しい法律の目的規定の中で「需要増進」ということ、従来は「輸出の増進」でございましたが、今度の「需要増進」というのは、大変大事な位置づけを占めているわけでございます。一方、その需要の内容でございますが、大変難しい問題がございまして、これは国会へお配りしてあります参考資料にもございますが、大体生糸需要の九割が和装であります。その中で、しかもいわゆる白生地が六割近くでございまして帯地が一五%ぐらい、こういうふうなことになっていますと、やはり非常に和装というものが中心になっておる。内需洋装用が四%前後、こういうように現在の構成においては非常に和装に傾斜をしているわけでございます。
 その和装の中が、これも資料でお配りしてございますが、カジュアル着物というものが大変減少しておるわけでございまして、こういう動向の中で需要の増進をどうやって図るかというのが大変難しいわけでございまして、従来これは通産省でもやっておいでですけれども、私ども絹製品の需要増進の重点としましては、一つは、対策としては、蚕糸砂糖類価格安定事業団から新規用途売り渡しということで新規用途向けに売り渡すということと、それから蚕糸業振興資金を通じます需要増進活動、こういう二つの手段で私どもの役所としましても取り組んでいるわけでございます。
 これはいずれも今度の制度改正におきましても、今の新規用途売り渡しなり、それから蚕糸業振興資金については、さらに拡充実施をするということにいたしておるわけでございますが、その重点としては、従来の和装系統については新規用途売り渡しでも少し考えておりますけれども、ひとりだち着物等を掲げておりますが、できるだけ広い、しかもこれから着物を着る世代に入ってきますような若い婦人層等に着物に簡単に親しんでもらうということが、需要増進のPRの面の重点ではなかろうかということで、そういうふうな着物に親しむというような感じの需要増進活動が必要であろうかと考えております。
 それから、非常に期待のかけられます洋装部門でございますが、これも現在の比率が、先ほど申し上げましたように洋装それ自体四%前後でございまして、我々素人なりに考えますと、主体としてはスーツ、背広とかコートのようなそういう男の人が中心に着るようなものが一つと、それからもう一つは、やはり御婦人の方々の割合高級な洋装品なり下着なり、こういうような傾向、この二つが重点になるのではなかろうかと考えております。これは、いずれにしてもそういう新しい絹製品に関心を持っていただくことと同時に、我々非常に大事なことと考えておりますのは、要するに絹製品を使うそういう洋装系統のものをつくるメーカーなり、あるいはその販売業者なり、そういう方たちの要するにシルクを使うという、そこを促進することが大事であります。
 そういうことで、我々としましては先ほど申し上げました新規用途売り渡しなり需要増進事業なり、その両面では洋装シルク製品に対する関心を強める意味で展示会等々実施をしておりますが、これもさらに、今大臣のお話にもありましたように、もっと広く東京だけではなくて地方段階でもやっていくということと、実際の関係業者にシルク製品をもっと使ってもらうようなそういう利用促進活動、この両面がやはり今後の需要増進として私ども重点的に取り組むべきことではなかろうかと考えております。
#106
○藤原房雄君 過日、筑波の研究学園で農水省の研究所を見ましたが、ここでも一生懸命研究しておりました。こういう研究機関では、それぞれ絹の需要ということを基本にして基礎的な研究等なさっているわけですし、何といっても業界の方々はそういう面については非常に熱心にやっているだろうと思います。そういうところからしますと、官もまた産業界も研究機関も一体となってそういうものに取り組んでいくようにしませんと、今までみたいなことですと、やはりなかなか需要というのは変わってこないのではないか。
 先ほど同僚委員からも話がございましたから一々避けますけれども、オイルショック以降、所得減退、停滞、こういうことの中で、五十三年、四年、五年、ここらあたりからなかなか、ほかのものについては一時低迷状態がありましたけれどもそれが浮上するという傾向はありましたが、今、局長からもお話しございましたカジュアル製品のようなものについては、需要は停滞したままである。これは一部には景気上昇とかいろんなことも言われている今日でさえも、これがなかなか浮上してこないということになると、やはり生活様式とか物の考え方とか、そういう点では着物に対する考え方が非常に変わってきたのであると思います。
 そういうことと、先ほど来お話しございましたように、やはり流通の問題、これも細かくいろんなことをお話ししたいこともあるんですが、そのことは皆さんの方がよく御存じでしょう。とにかくこの消費拡大のためにはそれぞれの担当の方々が、それぞれの関係者が産業界やまた官界ともに一緒になってこれは知恵を絞っていきませんと、
総体的な拡大傾向というのは出てこないのだろうと思います。今度は法律にうたってやろうということでありますから、やはりそういうひとつ推進のためのまた大きな働きかけといいますか、そういうものが当然必要になる。役所は役所としての指導とか何かということだけじゃなくて全体、絹、養蚕を初めとします関係者の方々とのいろんなお話し合いの中から、この需要拡大というものについての方向性というのと真剣に取り組んでいかなきゃならない、こういうことだろうと私は思うんですね。そういう点で、役所としまして何でも機構をつくるとか、また協議会みたいなものをつくるとかということで推進できるかどうかは別にしまして、そういう法の裏づけとしてこれを推進する母体といいますか話し合いの場というか、そういうものについてもいろいろなお考えがあるんだろうと思いますが、どうでしょう。
#107
○政府委員(関谷俊作君) お尋ねの中にございましたが、今は生糸の需要開発という点では、例えば一つの問題としては蚕糸試験場でも伸縮性のあるような、従来の絹の欠点をカバーしたようなそういう新製品を開発するとか、今取り組んでおりますのは化繊の糸に生糸を簡単に言えば巻きつけるというような形での新しい繊維の開発とか、そういうことをやっておるわけですが、従来からの非常に悩みは、そういう例えば新しいものをつくりましてもそれを使う業者の方がなかなかいないという、こういう点が問題になったりしております。それをカバーするのが、恐らくお尋ねになったような民間活力の活用ということも含めた業者活動というか、いわば促進ということであろうかと思います。
 新しい機構というような御指摘もございましたが、こういう意味で現在私どもこれから一番中心的に活動しなければならないと思っておりますのは、一つは事業団それ自身でございまして、事業団それ自身が、先ほど申し上げましたような新規用途売り渡しということで新規用途の開拓をやっておりますし、それから蚕糸業振興資金によりまして各種の絹製品の需要増進活動に対する助成をやっておりますので、ここが中心になることが一つ。それからもう一つは、日本絹業協会に置かれています有楽町にございますシルクセンターでございまして、ここがいわゆる展示的な活動だけではなくて、自分の企画によりましていろいろな催し事をやる。それから、事業団ではできないようなシルク製品の利用促進について業界への呼びかけもやっていく。こういうようなことで、我々としましてはその二つの機関を中心にしてこれから需要増進に取り組んでいきたい。その場合には、いわゆる産・官・学というような産業方面それから研究陣、そういう面が十分一緒に、一体になりましたような需要増進組織への取り組みも必要であろうかと思っております。
 なお、蚕糸業振興審議会にも、価格問題だけではなくて需要増進関係にも取り組んでいただくために、関係の方の委員も随分入っていただいておりますので、いずれ蚕糸業振興審議会の場でもこういう問題について、また関係の方々の御議論を大いに活発にやっていただいて、いろいろ一致協力し、知恵を出し合いながら需要増進に取り組んでまいりたいと思っております。
#108
○藤原房雄君 その第一条の前段の価格の問題ですけれども、この価格異常変動防止措置というのは、今日までこれは発動されたことがないということですから、それはそれなりのことなんですが、しかし、これは輸出、輸入盛んなときにはそういうことも考えておかなきゃならぬということで、二十六年ですか、この法律ができたときには、そしてまた、今日まで八回ぐらい法改正があったわけですけれども、そういう中ではそれなりの意味はあったんだろうと思いますが、ここへまいりますと、私どもも取り除くことについて、廃止することについての意味はわからないわけじゃないんですが、お聞きしたいのは、養蚕農家にとりましては価格政策がすべてではありません。やっぱり養蚕農家として努力しなきゃならないことは多々あるし、厳しい中で努力しているのが現実だろうと思うんでありますが、しかし、この価格決定というのは、何といっても農家経済にとりましては非常に重要な位置を占めることは論を待たないと思います。それが「生産条件、需給事情等からみて適正な水準における安定を図る」ということでありますが、今日までの施行令では第六条に、生産費の八割五分を下らない範囲という、こういう明記がございましたですね。今度のこの新しい法律になりまして、施行令では第六条のこういう文言というのはどういうふうになるのか、その辺はどうでしょう。
#109
○政府委員(関谷俊作君) 改正後の法案におきましては、この施行令第六条というのは異常変動防止措置を受けている規定でございますので、法律の方で異常変動防止措置がなくなりますので、この「八割五分に相当する額」ということが書いてあります第六条の規定は施行令から削除すると、こういうことになるわけでございます。
#110
○藤原房雄君 これは異常変動防止措置の関連ではそういうことでしょう。しかし、価格決定に当たりましては、今度は「生産条件、需給事情」云々ということですから、この六条にかわるものとして、六条というか六条は価格の異常変動防止ということですが、価格決定に対しまして政令でお取り決めになるあれはないんですか。
#111
○政府委員(関谷俊作君) 先ほど第六条と申し上げましたが、第六条ともう一つ標準生糸の安定下位価格及び最低繭価の算定についての繭糸価格安定法施行令の臨時特例に関する政令というのがございまして、これは六割を下らない範囲内で定めるということを決めておる臨時特例政令でございます。これも両方削除というか、臨時特例政令の方は廃止するわけでございますが、そういうことになりますのは、繭糸価格安定法の方で「政令で定めるところにより、」生産費を基準としてという「政令で定める」ということが引用してございますので、こういう規定がついておりまして、その法律がなくなるので政令も不必要になると、こういうことでございます。
 一方、新しい制度の部分については、「政令で定めるところにより、」という引用がございません。これは専ら法律の規定によりまして算定をするわけでございまして、この関係の政令は従来の中間安定についてもございませんし、新しい制度のもとでもこの政令を定めるということにはならないわけでございます。
#112
○藤原房雄君 法律を受けての政令ですから、当然そういうことだろうと思うんですが、そうしますと、この価格決定に当たりましては法律の条文ということになるんですが、これは法の目的、そしてまた条文からしまして、非常に文言の少ない中で、そういう中での価格決定ということですから、それを受けてその問題についてどうするということじゃないだけに、これからの価格決定に当たりましてはどういう価格決定をする、根本的に価格決定に当たりましての考え方といいますか非常に流動的な物の考え方、幅の広い物の考え方がこれは出てくるんではないか。
 生産者にとりましては非常にこの点危惧するところでありまして、これはやはり農産物すべてに共通するところは、再生産可能なというのが一つの原則になっておるわけですが、しかし、それを明確に法律でうたっているものとそうでないものといろいろございますけれども、先ほど大臣からお話ありましたように、地域経済に大きな影響を及ぼすそういう主産地、それからまた中核農家、そういうものについて見ていこうということのようでありますけれども、そういうことになりますと、先ほど具体的に一トンとかいろいろなお話がございましたけれども、農水省として現在望もうとする、価格決定に当たりましてどういう物の考え方の上に立って何を基準として価格決定に当たるのか。法文上は生産条件、需給事情、こういうことですけれども、適正な水準でということですが、これでは具体的なものを決定するに当たりましての物差しにはならぬ。基本的な一つの理念的な物の考え方と、さらにまたその年度に当たりましてのいろいろな勘案する条項等について、この
質疑の中で明確にしておかなければならぬと思うんですが、ここら辺についてはどうでしょう。
#113
○政府委員(関谷俊作君) 新しい法律によります価格決定の方式につきましては、私どもとしましては従来の中間安定措置の基準糸価の決定について用いておりました方式なり考え方を継承したいというふうに考えております。これは大体中間安定措置の価格決定、基準糸価の関係条文と今回の安定基準価格の決定条文は、大体同じ規定の仕方をしているわけでございます。
 その場合の決定方式はどういうことかということでございますが、我々としては従来の基準糸価について、いわゆる需給実勢方式というものを用いておりまして、これは一定期間の糸価の平均的な動向を見まして、それを基準としましてそれに生産費の変化率を乗じ、さらに需給事情をあらわします需給調整係数を乗じる、こういうような方式で算定をする、これを基準として用いてはいかがと考えておる次第でございます。
#114
○藤原房雄君 次の機会もありますから、この問題についてはまた質問さしていただくことにしまして、一番初めの話に戻るんですが、現在農家戸数がどんどん減っております。その反面では一戸当たりの耕作面積、桑園面積がややふえておるというような、数字上そういうことが出ておるわけであります。価格政策で物事が決まればそれは一番いいわけですが、しかし国内状況やまた外からの輸入圧力等、こういうことを考えますと、そういう単純な図式ではいかない非常にそこに難しさがあるわけで、私はお聞きしたいのは、中核農家というものについて先ほど一トン程度の生産規模というお話もございましたが、立地条件の非常に難しい、水稲なんかで規模拡大する土地の集約化なんということとは違って、養蚕農家の場合はそんなことじゃなくて、自分の限られた田畑の中でそういう桑園にしかできないようなところでなさっている、そういうことですから、人に貸してなんてというわけにもいかない。こういう中でコストを引き下げるということにつきましても、非常にほかの作物とは違った難しさがある。規模の拡大についても非常に難しさがある。
 さっき一トン程度というお話ですが、これは今までの政府の資料なんかでいろいろ試算しましても、家内労働力、こういうもの等加味しましても、年間百万にも満たないような所得ではないかというふうに思うのですね。しかし、養蚕専業というのは非常に最近は少ない。指で数えるぐらいしか各町村へ参りましてもいらっしゃらない現状のようでありますが、しかし、やはりそれなりに情熱を持って一生懸命やっている方もいらっしゃる。こういう中で、今後どんどんどんどん減り続ける養蚕農家、そしてまた、今需要拡大といいましても、そう急に需要の拡大する見通しがすぐ出てくるわけでもない。
 そういう中で、当初申し上げました農業白書、また今日までの八十年代の農政の基本方向とか長期計画の中でいろいろなことを言ってきているのですけれども、これから養蚕農家というのはどういう方向に進むことが好ましいというふうにお考えになっていらっしゃるのか。規模拡大とかコスト引き下げとかという、こういうことを実際養蚕農家の方々が単純にほかの作物のように転作や何かできるのか、また規模拡大ができるのか、農水省としては、いろんな事業の計画をお持ちになっていらっしゃるけれども、現場へ参りましてそういうものが本当に養蚕農家に活力を与えることになるのかどうか、こういう点については非常に私どもは危惧をするのですが、農水省としましてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、その点お伺いしておきます。
#115
○政府委員(関谷俊作君) 養蚕農家の一種の将来像というか、そういう問題でございます。私ども一トン程度と申し上げておりますのは、そういう一種の経営の姿として見ますと、かなり小さいというか一種の複合型の経営でございまして、我々の試算で申しますと、大体桑園面積が〇・八、八十アール程度でありまして、夫婦二人の労力でやっていく、こういうことで、ある程度簡易な機械を導入する、そういうことでございます。
 ここで将来の単一経営として見ますと、もっと意欲的な見通しもあるわけでございますけれども、一つの養蚕農家としてまあまあやっていける、こういうふうな姿としては、この一トン程度というのが一つのめどになるんではないか。もっと大きな規模を想定しますと、さらに生産関係の所得も高まるわけでございますが、この関係の我々の試算では、一トン程度ですと七十八万五千円ぐらい、こういうような一戸当たりの所得の試算ができるわけでございまして、もちろんこの所得でやっていけるわけではございませんから、一つの複合経営としてのタイプであろう、こう考えております。
 我々としましては、そういう意味で、一方においてこの辺をいわば最低限にしてモデル的な経営を考えていく、これはかなり乗用型トラクターを使いましたり条桑刈り取り機を使うとか、壮蚕期飼育は自動飼育装置を使う、その他そういう機械の利用なり、それから桑園管理をさらに濃密にやりまして桑園十アール当たりの収繭量を高めていくとが、こういうようないわばモデル的な経営の指標を一方において持ちまして指導すると同時に、こういう先ほどの複合農家も含めまして稚蚕共同飼育とか、それから集団的な桑園の整備とか、こういうような地域的な活動によって小規模農家もやはり一つの共同的な地域集団的な養蚕の中でいわば育成していく、こういうふうな地域的な対応と両面を考えていってはどうかというのが、我々のいわば養蚕生産農家に対する今後の方向として頭にあることでございます。
 しかし、いずれにしましても、こういう一方において個別経営として能率を上げていくということと、それから地域単位で物を考えて、ある程度小規模農家も複合経営としてやっていく、こういう両面をうまくかみ合わせることが大変大事だというふうに考えておりますので、こういう点につきましては、今後とも各県あるいは団体におります養蚕技術指導員、こういう方たちにも大いに勉強していただき私どもも指導いたしまして、何とか相当低コストにも耐えるような養蚕農家あるいは養蚕地帯、そういうものの形成に努力してまいりたいと考えております。
#116
○藤原房雄君 先ほど同僚委員からも、小さい養蚕農家を犠牲にすることのないようにというお話がありましたが、機械化ができる、機械を使えるところというのは、私ども見て現在イメージの中で本当にどれだけあるだろうかというような感じもするんですが、しかし、これはまた主産地形成等につきましても、主産地は現在二十九か三十ぐらいあるんだろうと思いますが、そういうところを中心にして力を入れていこうということのようでありますけれども、現地の状況等よくお聞き取りになって、よくこれはお話し合いの中から物事をきめ細かに進めていかなければならない非常に重要な問題だということを痛感しますので、その点ひとつ強く要望いたしておきます。
 それから安定帯価格の決定時期ですね、現行三月だったのが今度五月ということです。いろんな理由があっただろうと思うんですが、やはり養蚕農家にとりましては、早くにこの価格決定というものがあって、一年の自分のところの複合の経営形態といいますか、こういう計画を立てるということが重要であるということも私どもはよく聞いておるんです。さっきいろんなお話しておりましたけれども、早くにできないのかどうか、五月でなければならないことなのかどうか、この点ひとつお伺いしておきたいと思います。
 時間もありませんからもう一つまとめて申し上げますが、事業団の在庫売り渡し、これは価格に非常に大きな影響力を持っておるわけですけれども、いつまでも在庫があってはならぬし、また在庫している製品もやはり長年月置くわけにはいきませんから、当然これはいつの時期か放出しなければならぬのは当然だと思うんですが、現在まで農水省として考えていらっしゃる、現在もう満杯状態の中にあるわけでありますから、そういう中で、この放出時期というのはどういうふうに考え
ていらっしゃるのか。この二点、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#117
○政府委員(関谷俊作君) まず、第一点の価格決定時期でございますが、これは今回の法律で五月末といたしましたのは、ほかの立法例等でも、その決定の年度に近いところまでに決めるということになっているのが一般でございまして、そうどうしてもという、後に引っ張るというような気持ちではございませんし、実際問題としても、養蚕の状況等から見ますと、五月にずれ込みましても実際問題としてはそう影響がないというふうな判断をいたしてはおりますが、ただお尋ねのような問題というか、農家の方の御懸念もございますので、我々としましては、従来三月で決定してまいりましたので、そういう原則も踏まえまして、養蚕農家の方々の不安のないような時期に設定をしていくということで対応してまいりたいと考えております。
 それから、第二の在庫につきましては、やはりこれは余り急ぎまして、何年間に一定のテンポでやっていくというようなことではいかぬと思いますが、反面、価格安定制度の中でできるだけ円滑にということになりますと、やはりある一定、毎月一定の数量を売るというようなことを原則にして対応しまして、もし非常に需給の変動によりまして状態が変わる場合にはこの数量に調整を加えていくというようなことで、一口に申しますと、需給の動き、取引の動きの中にできるだけうまくはまり込んでいくようなそういう売り方で円滑に処理していければと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#118
○委員長(北修二君) 本案に対する質疑は本日はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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