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1984/04/19 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 社会労働委員会,内閣委員会,地方行政委員会,大蔵委員会,文教委員会,農林水産委員会,運輸委員会
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1984/04/19 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 社会労働委員会,内閣委員会,地方行政委員会,大蔵委員会,文教委員会,農林水産委員会,運輸委員会

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第102回国会 社会労働委員会,内閣委員会,地方行政委員会,大蔵委員会,文教委員会,農林水産委員会,運輸委員会連合審査会 第1号
昭和六十年四月十九日(金曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   社会労働委員会
    委員長        遠藤 政夫君
    理 事
               佐々木 満君
               関口 恵造君
               高杉 廸忠君
               中野 鉄造君
    委 員
               石井 道子君
               大浜 方栄君
               曽根田郁夫君
               田代由紀男君
               田中 正巳君
               前島英三郎君
               糸久八重子君
               浜本 万三君
               和田 静夫君
               中西 珠子君
               安武 洋子君
               藤井 恒男君
               下村  泰君
   内閣委員会
    委員長        大島 友治君
    理 事
               亀長 友義君
               坂野 重信君
               穐山  篤君
               原田  立君
    委 員
               板垣  正君
               岡田  広君
               沢田 一精君
               林  寛子君
               小野  明君
               野田  哲君
               矢田部 理君
               太田 淳夫君
               内藤  功君
               柄谷 道一君
   地方行政委員会
    委員長        金丸 三郎君
    理 事
               岩上 二郎君
    委 員
               井上  孝君
               上田  稔君
              大河原太一郎君
               加藤 武徳君
               上條 勝久君
               古賀雷四郎君
               吉川 芳男君
               佐藤 三吾君
               丸谷 金保君
               中野  明君
   大蔵委員会
    委員長        藤井 裕久君
    理 事
               伊江 朝雄君
               大坪健一郎君
               藤井 孝男君
               竹田 四郎君
               桑名 義治君
    委 員
               岩動 道行君
               倉田 寛之君
               福岡日出麿君
               藤野 賢二君
               宮島  滉君
               矢野俊比古君
               吉川  博君
               赤桐  操君
               大木 正吾君
               鈴木 和美君
               鈴木 一弘君
               近藤 忠孝君
               青木  茂君
               野末 陳平君
   文教委員会
    委員長        真鍋 賢二君
    理 事
               杉山 令肇君
               仲川 幸男君
               久保  亘君
               吉川 春子君
    委 員
               井上  裕君
               山東 昭子君
               林 健太郎君
               柳川 覺治君
               粕谷 照美君
               高木健太郎君
               高桑 栄松君
   農林水産委員会
    委員長        北  修二君
    理 事
               高木 正明君
               谷川 寛三君
               最上  進君
               村沢  牧君
    委 員
               大城 眞順君
               岡部 三郎君
               熊谷太三郎君
               小林 国司君
               坂元 親男君
               竹山  裕君
               初村滝一郎君
               星  長治君
               水谷  力君
               稲村 稔夫君
               菅野 久光君
               山田  譲君
               刈田 貞子君
               塩出 啓典君
               下田 京子君
               喜屋武眞榮君
  運輸委員会
   委員長         鶴岡  洋君
   理 事
               大木  浩君
               梶原  清君
               瀬谷 英行君
               矢原 秀男君
   委員
               高平 公文君
               森田 重郎君
               山崎 竜男君
               吉村 真事君
               安恒 良一君
               小笠原貞子君
               山田耕三郎君
  国務大臣
      大 蔵 大 臣  竹下  登君
      文 部 大 臣  松永  光君
      厚 生 大 臣  増岡 博之君
      農林水産大臣   佐藤 守良君
      運 輸 大 臣  山下 徳夫君
      自 治 大 臣  古屋  亨君
      国 務 大 臣  後藤田正晴君
      (総務庁長官)
  政府委員
      内閣官房内閣審
      議室長      吉居 時哉君
      兼内閣総理大臣
      官房審議室長
      総務庁恩給局長  藤江 弘一君
      総務庁統計局長  時田 政之君
      大蔵大臣官房総  北村 恭二君
      務審議官
      大蔵大臣官房審  門田  實君
      議官
      兼内閣審議官
      大蔵大臣官房審  大山 綱明君
      議官
      大蔵省主計局次  保田  博君
      長
      文部大臣官房審  菱村 幸彦君
      議官
      厚生大臣官房長  下村  健君
      厚生大臣官房総  北郷 勲夫君
      務審議官
      厚生大臣官房審
      議官       古賀 章介君
      兼内閣審議官
      厚生省保険局長  幸田 正孝君
      厚生省年金局長  吉原 健二君
      厚生省援護局長  入江  慧君
      社会保険庁医療  坂本 龍彦君
      保険部長
      社会保険庁年金
      保険部長     長尾 立子君
      兼内閣審議官
      農林水産省経済  後藤 康夫君
      局長
      農林水産省構造  井上 喜一君
      改善局長
      運輸大臣官房国
      有鉄道再建総括  棚橋  泰君
      審議官
      労働省職業安定
      局高齢者対策部  小野 進一君
      長
      自治大臣官房審  土田 栄作君
      議官
      自治省行政局公  中島 忠能君
      務員部長
   事務局側
      常任委員会専門  林  利雄君
      員
      常任委員会専門  高池 忠和君
      員
      常任委員会専門  河内  裕君
      員
      常任委員会専門  佐々木定典君
      員
      常任委員会専門  此村 友一君
      員
      常任委員会専門  安達  正君
      員
      常任委員会専門  多田  稔君
      員
   説明員
      厚生省年金局年  山口 剛彦君
      金課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国民年金法等の一部を改正する法律案(第百一
 回国会内閣提出、第百二回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
   〔社会労働委員長遠藤政夫君委員長席に着
   く〕
#2
○委員長(遠藤政夫君) ただいまから社会労働委員会、内閣委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、文教委員会、農林水産委員会、運輸委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私社会労働委員長が本連合審査会の会議を主宰いたします。
 国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明はお手元に配付いたしました資料のとおりでございますので、その聴取は省略いたし、これより直ちに質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○穐山篤君 厚生大臣に伺いますが、基礎年金構想というのが提案をされております。そこで少なくとも一定の資格要件あるいは年齢に到達をすれば国民共通の生活、ミニマムとして定額の年金を保障する、これが政治だというふうに思うんです。ところが今審査されておりますものを見ますと、月五万円の支給でかつ四十年間掛金を掛けた者が受ける給付金になっているわけです。これが最高の額です。最高限度という考え方に立っているわけですが、少なくともこれでは生活の保障というのはできないと思うんです。五万円にしろ六万円にしろ、それは最低の金額にしなかった理由は何でしょうか。ごく簡単に答弁をいただきたいと思います。
#4
○国務大臣(増岡博之君) 私ども年金につきましては社会保険方式をとってまいりたいということでございます。なおかつ五万円につきましては老後の生活の基本的な部分を賄うものに相当する額という考え方のもとに、社会保険方式におきましてのとれる相当額というふうに考えております。
#5
○穐山篤君 納得するわけにはいきませんが、二つ目を伺います。
 制度審の基本年金構想によりますと、財源の問題につきまして特別な注文がついております。言いかえてみますと、財源は金額国庫負担でいくようにしなさい、こういう提案があるわけです。ここだけはつまみ食いをしていないのですね、ほかのところはかなりの部分を取り入れていますけれども。この財源の問題について全額国庫負担にしない、こういう考え方はどういう根拠でしょうか。
#6
○政府委員(吉原健二君) 今御質問にございましたように、社会保障制度審議会の基本年金構想というのは、基本年金部分につきましては所得型の付加価値税を創設をしてその付加価値税をもって基本年金の財源に充てる、こういう御意見であったわけでございます。私どもはそういった考え方を十分参考にし検討をさしていただきましたけれども、そういった考え方をとらずに、私どもの案で言う基礎年金、これはあくまでも社会保険方式、保険料を主たる財源として基礎年金を支給する、こういう仕組みをとったわけでございます。
 その理由でございますけれども、一つは従来の我が国の制度が社会保険方式、保険料を拠出して年金を出すという仕組みをとる形で出発をいたしまして既に三十年、四十年という長い歴史なり沿革を持っている。それが既に定着をしているということが一つございます。それから、仮に新しく付加価値税といったような新税を設けるということについて、現在の時点で果たして国民的な合意が得られるだろうか、新しい説あるいは当然その基本年金を全額税金でもって賄うということにいたしますと大変な増税ということになるわけでございます。そういったことについて国民的な合意が得られるかどうかというようなことで、私ども現在の制度とのつながり、それからそういった新しい税金を求めることについての国民的な合意が得られないのではないかというようなことから、現在のような保険方式による基礎年金構想というものを御提案したわけでございます。
#7
○穐山篤君 これは行政の問題でなくて政治の問題です。
 厚生大臣にもう一度伺いますが、政府側の提案によりますと、国民年金あるいは厚生年金の二階建て構想によりますと膨大な政府節約が行われるわけですね。政府に本来かかります財政上の負担が非常に少なくなる、その分だけ国民全体に負担がかかる、そういう仕組みになっているわけであります。六十歳ないしは六十五歳以上のすべての方に年金を支給する国民皆年金ということになれば、当然政治的な問題としてその財源は一般会計予算の中で保障をしていく。少なくともこの年金というのは国民の生活を安定する大きな役割を持つわけですね。したがって、財源というのは当然政府の出資を含めて全額国庫負担、あるいは税金という、税の取り方についてもいろんな工夫がありますよ。しかし、税で全額を負担をして老後のミニマム、最低のものは保障をしていく、これが政治だと思うんです。その点もう一度厚生大臣と大蔵大臣にお伺いをしておきます。
#8
○国務大臣(増岡博之君) 税で年金を賄うということも一つの考え方であろうかと思います。しかし、我が国におきましては長らく保険制度として定着をいたしております。それから、今回改正いたしますのは、現行法では将来の安定的運営が危惧されるということでございますので、将来の支給の適正化を図ることによりまして保険料の負担率が幾分がふえていくわけでありますけれども、現行法よりか緩和することにいたしておるわけでございます。支給の適正化によりまして現行法よりか今回の改正案の方が国費の負担が将来にわたって減るということは事実でありますけれども、しかし現在の実額よりもやはりピーク時には倍以上の国費負担がかかるということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(竹下登君) 今、厚生大臣からお答えがありましたように、まさに保険制度が定着しておるというふうな理解の上に基本的には立っております。ただ、種々議論がありますように、たしかいわゆる所得賦課で目的税とすべしたと、こういう答申をいただいたこともありますし、またちまたの論議では間接税をいわゆる目的税として基礎年金部分はそれでやるべきではないか、こういうような、これはまだちまたの議論と申す表現が適切でありますかどうか、そういう意見もあるところでございます。それらの意見そのものは、私は一つの物の考え方ではあるというふうに思っておりますが、基本的には今厚生大臣からお答えになったとおりでありますし、また我が国の急激に訪れた社会状態の年齢構成等から見まして、将来にわたって安定した制度ということを考えてみますならば、負担と給付の問題についてはいろいろお願いしておることが現状適切ではなかろうかというふうに考えるものであります。
#10
○穐山篤君 まことに不満な答弁です。
 さて、総務庁長官にお伺いしますが、審議会から公的年金制度とのバランスの面で恩給の問題が指摘をされております。現に恩給につきましては共済年金の給付水準よりも高い状況にあるわけです。したがって、見直しを提起されておりますが、その点についてどう認識をされて、見直しを具体的に検討されておりますか、お伺いします。
#11
○国務大臣(後藤田正晴君) 今月十日に社会保障制度審議会から御質問のような御意見が出ておることは承知をいたしております。ただ、恩給制度と他の公的年金制度とは私は基本的な性格が違っておるのではないか、だから公的年金制度の統合一元化に当たりましても、恩給制度はその対象になっておらぬわけでございます。したがって、恩給制度の基本的な枠組みを変えるということは私は考えてはおりません。しかし、恩給と年金の果たしておる機能の面を見ますと、これはやはり類似をしている面がございます。臨調の答申等を見ましても、やはりバランスということはこれは考慮して見直しを行うことが適当ではないか、こういう答申もございます。
 そこで、見直しに際しましては恩給と公的年金の違い、つまり恩給は既裁定者ばかりであって新規参入がございません。それから受給者はほとんど大部分が旧軍人という特別な職務に服した人であって、しかも、今日ほとんどの方が老齢化の時代に入っておる、あるいはその遺族である。同時にまた、公的年金の方は保険数理といいますかそれによって拠出なり給付なりが決まっておる。こういったことがございますので、そういった前提、これを考えながらバランスの点について検討を慎重に進めていきたい、かように考えているわけでございます。
#12
○穐山篤君 国家公務員の共済組合の立場から、年金担当大臣であります厚生大臣にお伺いをしますが、国家公務員等共済組合といいましても四つのグループが一つの枠の中に入っているわけです。当面、昭和六十四年度までの財政調整、その他若干のものにつきましては既に発足をしているわけですが、現在の状況でいきますと、おおむね六十四年以降についてはなかなか見通しが困難である、こういうふうに言われているわけです。さて、そこで国鉄共済組合の将来だとかあるいは専売公社、たばこの株式会社も要員が非常に小さくなって二万数千人というふうに小さいグループになっているわけです。こういうものについて年金担当大臣としてこれからどうされようとしているのか、その点をお伺いします。
#13
○国務大臣(増岡博之君) 政府といたしましては、来年から基礎年金の導入によって厚生年金、国民年金と各種共済年金との共通項をつくることといたしておるわけでございまして、その後十年をめどに一元化ということを考えておるわけでございまして、まずその十年後のことでございますけれども、それを達成するためにはやはり各制度間の共通のものをつくっていかなければならないというのが今回の基礎年金の構想であろうと思うわけでございまして、したがいまして、今御指摘のことにつきましては、六十四年までの方針が決定をいたしておりますので、ただいま申し上げました構想の中でどうやっていくかということは今後の検討課題であろうと思います。
#14
○穐山篤君 十年後すべての公的年金制度を一元化、統一化しようと、それは閣議で決まっているということはよく承知をしています。しかし、国民の総意、国会の総意というものはまだその点をすべて確認をしてないわけです。これが例えば年金特別委員会というものが設置をされて、すべての七つの公的年金制度について将来はこうしましょうと一定の方向が出て、それぞれの分野で審議をされるならばこれは整合性があると思う。ところが、現に話が進んでおりますのは国民年金と厚生年金の問題だけですね。ですから十年後どうなるかということはよくわがらないのです。そこでお伺いをいたしますが、最終的に政府の方針としては十年後に七つの公的年金制度を統一すればいいのでしょう。十年後に統一ができればいいのでしょう。その点どうですか。
#15
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように、この問題はやはり国会とも御相談を申し上げながらやらなければならぬ問題でございますことはもちろんでございまして、私どももそういう観点から今後十年間をめどに一元化ということを図ってまいりたいと考えておるわけでございます。
#16
○穐山篤君 正確に答弁をしてもらいたいのですが、それでは別な角度からお伺いします。
 十年後のスタイルについてまだどういうイメージか我々にはよくわからないんです。あるいは公的年金制度とその他類似のものとのバランスあるいは調整というものがどういうふうに行われるかもよくわからない。そういう状況の中で厚生と国民年金だけの議論がされているわけですね。さてそこで年金担当大臣に伺いますが、またそれ以外の各種共済年金等につきましては審議もされていない状況にあるわけです。それぞれの共済組合は自主的な運用を今行っているわけです。ですから、こういうことがあり得ますね。極端なことを言いますと、厚生年金、国民年金の方の基礎年金あるいは二階建て構想というものは片方の委員会で決まったと、ところが各種共済組合の方は審議も行われていないし、あるいは審議をしたとしても変わったものができるかもしれない。あるいは基礎年金の問題について国民年金の方では五万円だけれども共済組合の方では六万円ということが決まったと仮定します、理屈上あり得るわけです。そういうことを考えてみますと、厚生と国民年金以外の各種公的年金制度につきましては私が今くどく申し上げておりますように、自主的な方法で決めるかもしれませんね。そうなった場合に政府としては整合性という意味ではお困りになるんでしょうけれども、統合一元化というのは十年後というお話でありますから、十年間はいろんな形の年金制度が起きるかもしらぬ、そういうふうに私は考えますが、統一見解を示してもらいたいと思います。
#17
○国務大臣(増岡博之君) 十年間かかって制度間の格差の是正も図ってまいりたいというのが私の考え方でございます。したがいまして、各種年金制度はそれぞれの所管大臣がおられるわけでございますけれども、まずその統合の第一歩として基礎年金の導入を図っていただきたいというお願いを申し上げ、そのような法案のスタイルになってこようかと思っておるわけでございまして、これが統合へ向けての、一元化へ向けての第一歩でございますので、私どもといたしましてはぜひこのスタイルでよろしくお願いを申し上げたいと思っておる次第でございます。
#18
○穐山篤君 答弁になっていませんね。今のはお願いでありまして、結果的に各委員会が自主的な考え方で、例えば私学にしろ農林漁業であろうが、あるいは地方公務員であろうが国家公務員であろうが、違った場面が起きることもこれは想定をしなきゃならぬし、またその可能性もあるわけです。それでもいいでしょうか、担当大臣、どうですか、もう一度。
#19
○国務大臣(増岡博之君) 少なくとも基礎年金という部分につきましては同一歩調をとっていただきませんと、十年後の一元化ということは大変難しい問題になると思いますので、その点はよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#20
○穐山篤君 非常に重要な課題です。そこでお願いということだけでこの問題を始末されたのでは大変だと思うのです。今それぞれの残り五つの年金はそれぞれが自主的にやっているわけです。資金の運用の問題についてもしかり、あるいは計算方式につきましてもみんな違うわけですね。それはよって立つ歴史があるからです。それを逐次手直しをして十年後に統一をしようとするならば、お願いと違った筋が出る可能性もあるし、またそういうことも十分予測をされるわけです。ですから私は違ったことがあってもいいでしょうなと聞いているわけです。いや、お願いはよくわかりましたよ。審議をした結果、違った結論が出てもいいでしょうなと私は聞いているわけです。
#21
○国務大臣(増岡博之君) 今回の基礎年金の考え方は、これが各種制度間の負担と給付の公平化を図る端緒となるわけでございますので、この基礎年金の導入というものは一連の制度の改正の不可欠の前提となっておると思うわけでございます。
#22
○穐山篤君 そういう精神というのはわかりますよ。気持ちもわかるし、お願いの気持ちもよくわかる。しかし現実に各委員会でばらばらにこれは受け持っているわけです。したがって、結果的にまだその他の公的年金につきましては審議にも入っていないわけですね。皆さんは六十一年四月からそういう構想に入ってもらいたいと言ってみても、法案が成立するかしないかもよくわからないでしょう。私は各会派の理事の皆さんに引き取ってもらって、これについての統一見解を出してもらうまでは質問をちょっと留保します。
#23
○丸谷金保君 私も実は今の問題、制度審の答申が四月の十日に出ているというふうなことを踏まえればとてもじゃないけれども法案が直ちに出せるような状態ではないという問題をやろうと思ったんですが、これは今穐山議員がその話をいたしましたので、私もこの問題は留保しておきます。
 それで、五十七年、五十八年の国民年金歳出歳入予算及び決算及び厚生年金、船員年金の予算と決算の資料をいただいたのですが、大体国民年金だけ見ても五十七年、五十八年、約一割近い二千億前後の予算と決算に誤差があるのです。これは大蔵大臣もしばしば一%くらいの誤差はやむを得ないと言っているのですが大体一割近いのです。五十七年の決算が二兆三千億です。それから五十八年が二兆一千億です。約一割近いのです。普通の予算と違って年金の予算を立てるときに現況でも給付者それから拠出者、そういう者の数というのは大体確定できるのです、前年度くらいには。どうしてこんなに違うのですか。
#24
○政府委員(長尾立子君) お答えを申し上げます。
 先生お示しの国民年金の歳入歳出の違いでございますが、昭和五十七年度の予算と決算の違いは、先生御指摘のとおり歳入分につきましては千七百二十九億減が立っておりまして、予算に対しまして決算の比率は九三・二%でございます。歳出面につきましては予算と決算との差が二千四百十二億でございまして九〇%の差になっておるわけでございます。この差の理由ということでございますが、歳入面につきましては、被保険者数の見込みにつきまして私どもの従来、過去のトレンドによりまして被保険者数を推計いたしておるわけでございますが、この点の過去のトレンドよりも以上に被保険者数の減があったということが歳入面の違いにあらわれてきたわけでございます。先生御指摘のように、確かに私ども予算を組みます場合に歳入歳出面におきましてできる限り実績に沿うように努力をしなくちゃならないわけでございますが、こういった点の見込み違いがあったわけでございます。
#25
○丸谷金保君 五十八年は二千億超えていますね。というふうに、とにかく五十七年、五十八年の予算と決算を見ても随分誤差が出るのです。したがって私は、これからいきますといわゆる今厚生省がいろんなシミュレーションの中で百年後までの計算を出しています。こんなもの全然、それは一つの計算方式に基づいて出しているか知らぬけれども、恐らくこのようなことになるかならないかということは全くわからないでしょう。ついことし、来年くらいのことでさえもこんなに違うのですからね。十年先、二十年先、五十年先、百年先のいろんな数字をいただいていますけれども、こんなもの何の参考にもならぬと思うんですよ、どうですか。
#26
○政府委員(吉原健二君) 年金制度といいますのは大変長期的な制度でございますので、現在の制度の仕組みにいたしますと将来の年金受給者がどうなるか、それから年金給付がどうなるか、あるいは保険料の水準がどうなるか、そういった見通しのもとに制度の設計なり運営をしていかなければならないわけでございます。将来の年金制度の上で一番考えなければならないというのは人口の高齢化が大変急ピッチで進むということでございまして、高齢化が進むと同時に年金の受給者が大変な勢いでふえてまいります。そういった場合に将来の年金給付費がどうなるかというのは四十年先あるいは五十年先までおおよその推定はできるわけでございます。そういった見込みの上に将来にわたって年金制度というものが健全で、しかも確実な安定した運営ができるようにというようなことで今回の改正案を将来の財政見通しをもとにお願いをさせていただいているわけでございます。
#27
○丸谷金保君 今回の改正案が、今御答弁のあったように、将来の財政見通しの上に立って提案をしている、私はここに問題があると思うんです。今指摘しましたように一年か二年前の見通しでさえも一割近く狂う、こういう計算の中で将来の見通しが立ちますか。例えば大体積立金の利回り七%というふうなこと、経済成長率五%というふうなことを基礎にしてやっていますね。しかし学者の中には、五十六年のとき私が質問しておりますけれども、これはある経済成長の過程と人口動態を前提として厚生省の年金財政再計算がある。ただし、この計算過程は我々部外者にも把握しがたいというふうなことを言っているぐらい難解で当たったためしがないと。大臣、よく今の局長の言うそういう長いそろばんで将来の見通しを立てて、それで出している基礎になる将来数字というものが年金の場合これだけ長い形でやってもそれはそんなふうにはならない。要するに改正案の基礎が全然できてないんです。
 もっと具体的な例を挙げます。私は昭和四十八年に池田町で年金のスライド制を町の職員にだけ実施しました。そのとき厚生省の局長さんは、国家公務員や地方公務員に波及したら大変だと、こう言ったんです。呼ばれて怒られました。しかし、食えない年金では年金法の精神にも違反するじゃないかということで実行しました。結局一、二年おくれて国家公務員や地方公務員も年金のスライドを実施したのです。そのとき、そんなことをしたら二十年もたないでパンクすると厚生省は言ったのです。今になったら何と言っていますか。また二十年でしょう。もう七年たてば、給料スライド制にしていけば国家公務員や地方公務員の年金制度はパンクするはずなんですよ。昭和四十三年に北海道市町村職員共済組合の長期給付の原資は三百億だったのです。きょう電話で聞いたのです。今千三百億あるというのですよ。給料のスライド側をやって二十年でパンクするといったものが、十余年たって三百億が千三百億になったんです。こんな数字によって将来的に計画を立てて、それで改正案出す、こんな改正案が正しいものでありますか。私は自分の実際の体験の中からそういう数字を押さえていて、当時も私たちはミクロの小さな北海道という立場あるいは町村という立場の中で、ミクロの一人一人の、それから年金支給額三十年間の計算をやってみました。その結果、そんなことにならないといって頑張ったのです。ところが、厚生省はマクロの立場からそうなるのだと育ったがならなかったでしょう。そうすれば、これからだってなる保障はありますか。厚生大臣、どう思いますか、今の話を聞いていて。
#28
○政府委員(吉原健二君) 将来の経済がどうなるか、あるいは産業構造の変化がどうなるか、おっしゃいますように大変不確定な要素がございます。特に、五年、十年先ならともかく、年金制度の場合には四十年、五十年先まである程度とういう姿になるかということを揃いておかなければなりませんので、不確定な要素があることは事実でございます。ただ、だからといってそういった将来の見通しなしに年金制度を運営していっていいかということになりますと、それは大変な間違いではないかと思うわけでございまして、私ども将来のいろんな予想を、これといった一つだけではございませんで、経済成長が伸びる場合、それほど高く伸びない場合、いろんな要素を考えながら将来の経済なり社会の姿というものを想定をして、その中で年金制度が現在の制度のままにしておきますとどういうことになっていくのだろうか、そういう予想のもとにこれからの年金制度の運営をしていかなければならないわけでございます。仮に行き当たりばったりのようなことをしてまいりますと、そのときになって年金の支給というものが非常に危なくなってくるというようなことも予想されるわけでございますので、いろんな想定をして、将来の見通しの上に年金制度というものを長期的に安全で安定して確実なものにしていく、これは私ども国の責任だろうと思っているわけでございます。
#29
○丸谷金保君 いや、わかっております。それはわかっているんだ。その日暮らしでやれと言っているのじゃないんだよ。積立方式に固執している限りこういう間違いをしょっちゅう起こして、単年度の予算でさえもこんなに食い違う、こういう予測の立たない状況で三十年、五十年先をそうした一応の計算方式でやって、こうなりますというふうなことをもっともらしく何ぼ出してきてもそうはならないので、これは積立方式をやっていく限りそういうことになるんです。それで、こういう不確定なことで国会論議をしながら、合わない、パンクするといったものが十数年たって逆に四倍も積立金がふえるようなこういう状態もあるのだから、厚生大臣、賦課方式に切りかえていくというそういう政府が方針を持たなければ、いつまでたってもこういうでたらめな数字で、あえてでたらめと言います、論議しなきゃならないんです、砂上の楼閣の上に法案審議を。賦課方式に切りかえていく、こういうことの方針について厚生大臣どう考えますか。
#30
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように数十年先の数字を正確に把握するということは非常に困難であろうと思いますけれども、しかし、現在考えられるあらゆる要素を総合して一応計算をすることはあながち間違いでもないと思いますし、私も今後のことを考えますと、これから高齢化社会になるわけでございますから、働く期間は当然今までよりか長くなるということになりますと、年金の給付水準というものも相当なものになるであろうということが現行法上では心配になるわけでございますので、そういう基本的な考え方からも言えると思うわけでございます。御指摘の積立方式、賦課方式につきましてはいろいろここ十年来御議論のあったことでございまして、世界じゅうのいろんなやり方をなさっておりますけれども、両方とも純粋に積立方式、純粋な賦課方式というものはなかなか理論としてはできますけれども、実現は困難であろうというふうに思います。私もたしかそれは積立方式から賦課方式という物の考え方というものは、今後はやはり検討をしていかなければならないというふうに思って為ります。
#31
○丸谷金保君 もう国民年金などは実際にはほとんど賦課方式みたいなものでしょう。だから理論的にもできないわけがないんです。それで厚生大臣、こういう我々は極めて不確定な、来年のことさえも一割も違うようなそういう数値を相手にして将来の改正案をやらなきゃならない、このこと自体も極めて遺憾だということをまず申し上げておきます。
 それから厚生大臣の提案理由の説明の中で、すべての国民に基礎年金を支給する土台の年金制度と位置づけていると、こういうふうに大臣はおっしゃっているわけです。それで、今度の改正案がそんなことになっているかどうか、この点具体的な例でもってお答えを願います。昭和八年の三月二日生まれの日雇健保適用の季節労働者、五十九年十月の健保改正によって行政指導もあって、行政指導ですよ、日雇特例被保険者ではなく一般被保険者として扱われ、六十年の雇用期間は厚生年金の適用を受けざるを得ない。予定標準報酬月額は四十一万円のため保険料は二万一千七百三十円となる。しかし、改正法は第九条によって、六十五歳を超える者については法改定目以後の厚生年金加入を認めていないので、六十一年は適用除外になり、厚生年金加入期間は十二カ月未満のために年金受給に結びつかないと、これは本人の意思によってでなくて、そういう行政指導を受けてそういうふうにやっていくことによって老齢年金の不利益扱いを受ける、法による適用除外と、こういうことにこの人はなるんですか、事務局の方から。
#32
○政府委員(吉原健二君) 今回の改正案が適用になりますのは、法施行日におきまして六十歳未満の方でございまして、そういった方については適用の対象にならないわけでございます。
#33
○丸谷金保君 もう一つ。これは大正十四年一月二十八日生まれで、国民年金法第七十六条によると、通算老齢年金を受けられるためには、通算対象期間の合計が十九年必要でありながら、空期間を加えて十七年九カ月であるから一年三カ月不足している。ために通算老齢年金の繰り上げ受給はできない。改正法では無年金者対策として六十五歳までの国民年金の任意加入を認めているが、そのことよりも改正法適用者と同様に、これは三十六年四月以降の脱退手当金受給対象期間について通算対象期間として認めれば救われるのであるけれども、これも今回の改正法でそういう方法はとられますか。とられるかとられないかだけ言ってください。
#34
○政府委員(吉原健二君) 先ほど申し上げましたように六十歳以上の方につきましてはそういった措置はとられません。
#35
○丸谷金保君 まだたくさんこういう例があるのですが、厚生大臣、これを一々読み上げていると時間がなくなりますから二例だけにしておきますけれども、これは稚内と上士幌の例なんです。私たちは地域でこういう年金相談を受けますと、こういう具体的に今度の改正法で救われるかと思ったけれどもちっとも救われない。厚生大臣がすべての国民に基礎年金をと言ってもなかなかそこまで行き着くのには大変な老齢者も出ているのです。こういうものについては今後、提案理由でおっしゃったように、全体が公平に当たるような、そういう落ちこぼれのないようにこれからも努力していただけますか、どうです。こういう例はたくさんありますよ。――大臣から。今の例を聞いていたらわかるでしょう、ならない例はたくさんあるのですから。こんなもの挙げれば、きょう一日やりますよ、大臣が答弁しないなら。
#36
○政府委員(吉原健二君) 今お願いしております新しい制度は長い期間、私ども二十年から四十年かけまして徐々に新しい制度に移行させていく、こういうような措置をとっているわけでございまして、現在の時点ですぐに完全な姿になるということにはなっておりませんけれども、今度の制度におきましてもできるだけ無年金の方が少なくなるような措置なり配慮はしておるつもりでございます。今後ともそういったことで進めてまいりたいというふうに。思っております。
#37
○丸谷金保君 委員長、今のは時間から抜いてくださいよ。だめだよ、そんなことで時間とらしたら。同じことでも大臣が言うのと局長が言うのは違うんだから。実例を挙げて後は大臣の答弁を要求しているのに何ですか、今のは。委員長、なぜ注意しないの。当然あなたが注意しなきゃならないでしょう。どうなんですか。
#38
○国務大臣(増岡博之君) 今回の改正がまず基本的に社会保険方式をとっておりますことを御理解いただきたいと思うわけでございます。したがいまして、掛金をお掛けになった、ならないということがある意味で結果を大きく左右することになるわけでございます。私どもはなるべく今回の改正におきましてももちろん救済できるようにいたしたいと思いますし、これから先は少なくとも無年金者がなくなるような行政的な努力をいたさなければならないと思いますけれども、最終的には先ほど申し上げました社会保険方式であることは御理解をいただきたいと思います。
#39
○丸谷金保君 どうも年金が頭に来ているものだからつい……。
 今、穐山委員も聞いたのですが、大蔵大臣、これは自治大臣の方へ聞けば、それは国家公務員との並びだという答弁が返ってくると思いますので、時間の関係で大蔵大臣に直接お伺いしますが、閣議決定し、諮問に対する答申も出てきているのですが、この会期中に一体国家公務員の年金の制度改正の法案は出てくるのですか。
#40
○国務大臣(竹下登君) いろいろお願いして答申もちょうだいいたしまして、そして十六日の閣議で決定しておりますので、事務的手続が終わり次第可及的速やかに国会へ提出をして御審議を賜りたいと、こういうふうに考えております。
#41
○丸谷金保君 大蔵大臣の御答弁は大変上手で、前置詞「事務的手続が終わり次第」と、私の聞いているのは事務的手続が終わる終わらないということを踏まえて、今会期中に提案できるのかどうかを聞いておるのです。
#42
○国務大臣(竹下登君) ぜひ提案をして、御審議を賜りたいと考えております。
#43
○丸谷金保君 そこで実は、この共済年金の問題についても、これは国民年金、厚生年金と並びで問題が出てきている大きな年金改正ですが、特に公務員の場合職務百念義務とか守秘義務とか、いろいろほかの職種にはない義務を負っているのです}だから年金権におきましてもそういう義務に対する権利、これは旧恩給からの問題等もあります。しかし今旧恩給の問題を言っても仕方がない。それからそういう点では既得権を侵害しないで新たな発生者からということでございましょうけれども、ただそういう一つの違い、こういうものについてはこの答申の中でもやはり十分考えていけというふうな御答申が出ております、国家公務員処遇その他を通じて画一的に取り扱わないようにというふうなことで。これらについては大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#44
○政府委員(門田實君) 国家公務員の共済年金につきましてはまさに先生御指摘のとおりでございまして、社会保障制度の一環という側面と公務員制度の一環という側面とがまさにあるわけでございます。
 したがいまして、私どももこれを受けまして国家公務員の年金を設計する場合には、いわば基礎年金の導入ということも当然ございますが、さらに報酬比例の年金を設計する場合にはそこに公務の特殊性を反映した何らかの年金給付というものを設計する必要があると、かように考えております。
#45
○丸谷金保君 地方公務員にも関連するのですが、自治大臣いかがですか、その点について。
#46
○国務大臣(古屋亨君) この問題は御承知のとおり年金制度の問題と公務員的な性格と二つの間の均衡を図らなければならないという問題がございます。私の方は国家公務員の方がどういうふうに扱われるかということを勘案しまして、地方公務員の共済制度につきましては国の制度との間に均衡を失わないよう適当な考慮が払われなければならないという規定に基づきまして、若干は違っておりますが、大綱については国家公務員の共済組合と大体同じように考えております。
#47
○丸谷金保君 それでまた冒頭の問題に戻るのですが、数字の関係で、いろいろ数字はもらうのですが、冒頭申し上げましたようにほとんど合ったためしがないし、これからもこういうふうにはならないだろうしと思うんです。ただし、根拠になった点についてさらにこれから年金の問題を深めていく意味で資料要求をこの際しておきたいと思います。
 六十年度の財政再建計画の基礎となった計算方式及びその項目、それからシミュレーションのとり方等についての資料、これを後刻私のところまで届けていただきたいのですが、いかがですか。
#48
○政府委員(吉原健二君) そのようにさせていただきます。
#49
○丸谷金保君 非常に国民生活全体にわたって大きな影響を及ぼしますし、しかも、例えば厚生年金の場合昭和百年には百七十兆からの、この改正案にいくと、今御提案いただいている数字を見ても膨大な積立金ができていくことになります。一方国民年金の方はもう現在でもほとんど賦課方式に変わらないような、入ってきただけ出していっているというふうな状態でアンバランス。ただこれを各委員も今までお話し申し上げたかと思いますけれども、いわゆる俸給生活者の方の原資を当てにして、国が本来的に面倒を見なきゃならない基礎年金、特に国民年金部分に大きく持ち込むというふうなことについては非常に問題がある。今後このことについてはもっと突っ込んでいかなきゃならない。しかもこんなわずかずつの時間に区切ってこういう連合審査が求められることについては極めて遺憾だということを申し上げて質問を終わりといたします。
#50
○大木正吾君 最初に、二月三日に出されました五十八年度の国民生活の実態につきましての報告について二、三伺っておきたいわけであります。
 その中でもって高齢者の所得の実態がじりじり下がり始めているようですが、どういうふうになっていますか、これについて担当者から答えてください。
#51
○政府委員(吉原健二君) 厚生省の五十九年の国民生活実態調査によりますと、高齢者世帯の一世帯当たりの平均所得金額でございますが、五十八年では二百十万八千円ということになっております。それから所得の種類別の金額の構成割合を見てみますと、稼働所得、年金、恩給その他の社会保障給付金、財産所得その他と分けて見てみますと、稼働所得が高齢者の所得の三五%を占めている。その次に年金、恩給は五〇・四%を占めているというような状況になっております。
#52
○大木正吾君 随分御親切に答えてもらったけれども、まだそこまで聞いていないんだが、五十八年と五十九年を比べると約八万円弱ですか、七万と六千円ぐらい所得が減っていますね。それは認めるでしょう。
 その次に伺いますのは、高齢者の貯蓄状態ですが、よく九百万円までは税金免税という話もありまして、年とった方には気の毒だからシルバー型の減税、特別措置をという話もよく出るのだけれども、三百万円以下の貯蓄を持っている高齢者の方は何%いますか、ちょっと答えてください。
#53
○政府委員(吉原健二君) 手元に二百万円未満の貯蓄のある方の割合の数字がございますけれども、高齢者世帯の約半数、全く貯蓄のない方も含めまして五二・四%の世帯が貯蓄二百万円未満の方であるということになっております。
#54
○大木正吾君 これは前に大蔵委員会で竹下さんにも伺ったのですが、三百万円以下が五九%を超えて六〇%に近づいているわけでね、シルバー預金に対して云々なんて考えても金がないわけです。何%か、一%か二%の金持ちはいるかもしれませんけれども、一般にはほとんど関係ない、こういうことははっきりしていますね。
 それから次に伺いたいことは、総所得に占める年金の依存割合について答えてください。
#55
○政府委員(吉原健二君) 高齢者の所得の中で年金、恩給の占める割合でございますが、年を追って少しずつそのウエートが高くなってきておりまして、五十七年は四五・八%でございましたが、五十八年は五〇・四%という率になっております。
#56
○大木正吾君 いずれにしても五十四年が二四・八%から始まって、私の手元の資料ですと五十八年までしかないのですが、これが約五年目に至りまして四〇・四%超えていますね。要するに受給者総数が千二百万以上の中で八割方サラリーマンだという感じなんです。とするとやっぱりサラリーマンのいわば老後の賃金とも言うべきところの年金に対して、生活の基本に置く方々がぐんぐんふえていることは間違いがない、こう考えていいでしょうね。
 そこで大臣、こういった資料をお目通しになったと思いますが、要するに高齢者所得の実態とか高齢者の貯蓄の実情とか、年金依存の状態について増岡大臣はどういうふうにお考えですか。
#57
○国務大臣(増岡博之君) 所得が伸び悩み、あるいは五十八年にはダウンをしておるという実情でございまして、その中でも年金の占めるパーセンテージが上がっておるわけでございますので、したがいまして高齢者の方々の生活というものは年金によって支えられる率がうんとふえてきた、そういうふうに感じております。
#58
○大木正吾君 どうも質問に余りぴんときていませんが、ここはいいでしょう。いいとしておいて、あなたは知っていますかね、五十九年の税調答申の中で年金に対する課税問題の部分は読まれていますか、増岡大臣どうですか。
#59
○国務大臣(増岡博之君) 読んだことはございます。
#60
○大木正吾君 ちょっと要旨を述べてください。――大臣が見てなければだめなんだよ、ここは大事なことなんだから。
#61
○政府委員(大山綱明君) お答え申し上げます。
 昭和六十年度の税制改正に関する答申でございますが、かように年金課税について述べております。
  現行の公的老齢年金に対する課税について
 は、掛金段階での所得控除、支払段階での老年
 者年金特別控除・給与所得控除等のあり方につ
 いて抜本的な見直しを行う必要がある旨中期答
 中で指摘したところであるが、現在進められて
 いる各種年金制度の統合化、受給単位の個人化
 等公的年金制度自体の改正の動向を踏まえて、
 早急に検討を行うべきであると考える。
  この場合、我が国における今後の年全体系全
 体との関連において、公的年金のほか私的年金
 たる企業年金、任意年金を含め、検討を行うこ
 とが必要である。
 以上でございます。
#62
○大木正吾君 私は厚生大臣に聞いておるので、大蔵省の関係者等から聞いているわけじゃない。答弁の方は出過ぎないでもらいたいんです。やっぱりこういったことは各省庁が統合していることなんだからね。これも大蔵委員会でもちょっと伺って、時間がなかったのですけれども、六十年度の答申にはこういうふうに響いてありますね。「現行の公的老齢年金に対する課税については、掛金段階での所得控除、支払段階での老年者年金特別控除・給与所得控除等のあり方について抜本的な見直しを行う必要がある旨」でありまして、早急に検討すべき課題と考える。こう書いてありますが、本国会にはこのことは税制改正の中でも出てきていなかったわけでございますが、その背景について増岡厚生大臣と竹下大蔵大臣の両大臣に伺いたいのです。
#63
○国務大臣(増岡博之君) 年金に対しましての課税のお尋ねでございますけれども、この年金に対しましての特別控除につきましては、先生御承知のとおり、二年間の延長の法律を成立させていただいたわけでございますが、先ほど申しましたように、高齢者の方々の間にこの年金税制は既に長年定着いたしておるわけでございますので、今後もその趣旨や役割を踏まえまして、これらの方々に大きな不安を与えることのないよう受給者の立場に立って対処してまいりたいと思います。
#64
○国務大臣(竹下登君) 今御指摘なさいましたのが、六十年度税制のあり方についてという五十九年十二月十九日の答申でございます。御案内のように、いわゆる五十八年の十一月出ました中期答申、この中に年金課税について詳しく指摘があっておるわけでございますので、これの背景というものは、私は最近各種審議会に出ましても、特にそれを感じますのは、いわゆる世代間バランスの角度からの議論がやっぱり一番背景にあっての議論の展開ではないかなと、こういうふうに私どもは理解をいたしております。したがいまして、そういう意味における公的年金また私的年金を通じての整合性のとれた税制の整備ということは、やはり将来の検討課題だというふうな事実認識をいたしております。
#65
○大木正吾君 質問の順序が若干前後するかもしれませんが、本問題について両大臣は税調答申どおり実行されるおつもりですか、それとももっと長時間時間をかけて総合的に検討するお考えですか、どうですか。
#66
○国務大臣(竹下登君) この問題も、今も申しましたように将来の検討課題というふうな言葉を選んでお答えしておりますのは、まあいわばまさに今日的な緊急課題だという認識とは若干差異があるという意味で、そういう言葉を選んでお答えしたわけでありますが、何分課税最低限がこの年金受給者の方、また年齢に応じて課税最低限そのものが上がってまいりますので、やっぱり一番背景にあるのは世代間バランスの問題だなというふうに私は思っております。したがって、やはり将来の検討課題だという認識には立っていなきゃならぬと思っております。
#67
○大木正吾君 厚生大臣はどうですか。
#68
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど申し上げましたように、年金受給者の立場に立って今後も対処してまいりたいと考えております。
#69
○大木正吾君 そういう答弁じゃ、ちょっときょうは、時間が切られても引き下がるわけにいかないのです。もっと明確に答えてもらいたいのだけれども、ここにちょっとたまたま新聞の切り抜きを持ってきてみたのですが、一月十二日の各紙は、三月にも出ていますか、とにかく六十一年度改定という意味合いで大蔵省は検討を始めている、こういう記事があり。四月八日の新聞ですと、これは朝日新聞ですか、六十一年度は課税強化見送りと、こう書いてありますね、公的年金について。これは当然厚生省所管の課題でございますから大蔵と協議する課題でしょうから両者が相談したと思うんですが、その相談の経緯について少しく話してもらえませんか。
#70
○政府委員(大山綱明君) 大蔵省といたしましては、政府税調の答申をいただきまして今後の検討事項であるとは考えておりますが、公的年金制度自体の完成が現在進行中でございますので、それを見きわめた上ということで、現在まだ検討作業には入っておりません。したがいまして、昨年この老年者特別控除制度を二年間延長いたします段階では厚生省ともよく協議をさしていただきまして、二年間の延長という措置をとらしていただいて御審議をいただいたわけでございますが、それ以降につきましては今後のあり方について厚生省と具体的な検討と申しますか、打ち合わせをいたしている段階にはまだございません。
#71
○大木正吾君 厚生省どうですか。
#72
○政府委員(吉原健二君) 労齢年金に対する老年者年金特別控除という制度がございますが、それにつきましては六十二年の末まで二年延長するということが決まりまして、もう法制化されたわけでございますけれども、その点につきましては大蔵省と協議をいたしましたが、その後の年金課税を基本的にどうするかということにつきましては大蔵省との協議はまだ進めておりません。
#73
○大木正吾君 二年延長ということを決めたのはそれはいつですか、いつまでということですか。
#74
○政府委員(大山綱明君) 本年の税制改正におきまして二年でございますので、六十二年まででございます。
#75
○大木正吾君 竹下大蔵大臣、先ほど世代間公平ということをおっしゃったのですが、これは垂直的なものでしょうけれども、実は私たちずっと見ておりましてやっぱり新しいまた問題の扱い方を間違いますと、大変な社会的不公平か不公正か、どちらかを結果的には引き起こしてしまう、こういう心配があるのです。現在の年金の恐らくいえば共済年金等を中心とし、厚生年金も入りました俗に言うサラリーマンの方々の受給者が圧倒的に多いわけですが、実はこの層は物すごくこの問題について関心を持っておりまして、私のところなんか、余り年金の専門家じゃないんですけれども、安恒さんとか、あるいは社労の理事をやっている高杉さんは専門家なんだけれども、年金を知らない僕のところにも電報とか陳情がたくさん来るわけですよ。その原因ということを調べていきますと、やっぱり六十五蔵定年でいった場合に再就職はなかなかできない、六十歳定年はもちろん若干ありましても。そうすると、結果的には年金だけに頼る生活になっちゃっておるのです。一方では、例えば私が仮にあなたと同じように酒屋をやっておったと仮定しますれば、あなたのところの酒を島根から取り寄せて販売店をやったとしますれば、そこで六十五になったって酒の販売店でもってやれるし、みなし法人なんかでもって格好よく続けていけば、年金五万円ぐらいは先行き何十年かもらったにしましてもこれは小遣い同然のものですね、そこでもらう月給の方がはるかに多いのだから。そういった問題等々考えていきますと、公平の観点というものについて私は税調の答申というものは学問的には理屈はあるでしょう。しかし税調答申のここの部分についてはやっぱりお返しをして再検討してもらいたい、こういう気持ちが強いのです。ですから、増岡さんも年金の方は専門家じゃないようですけれども、しかしあなた厚生大臣なんだから、竹下さんと取っ組み合いをやったって本当は守ってもらわぬといかぬのだ、いずれにしたって。その辺について新しい不公平の拡大の心配等はありませんか、どうですか。
#76
○国務大臣(竹下登君) 大木さんと議論しておって、私も初めて本当は気がついたことは、一つは年金受給者の貯蓄が、私が思っておりましたよりも意外と少なかったと、こういうことは感じました。しかし、あの税調のやっぱり答申の背景というのは、私は世代間バランスの問題だなというふうな問題意識でこれを受けとめております。というのは、最近審議会等に出ますと、十万円のいわば初任給の方が言ってみれば七千円ぐらい掛金を払うと、リタイアしている我々級ですね、大木さんと私と大体同じようなものですから。その年齢の者がまあ平均して二十二万ぐらい受けておると、そうすると、何であのおっつあん――まあおっつあんは取り消しますが、あのおじさんに、おれは七千円払ってあのおじさんはおれの倍以上ももらっているというようなのが、最近の審議会出てみますと、世代間バランスというのはそんな感じから出てきたのかなと、で、あるいは例としては悪い例でございますけれども、まあ国鉄共済を論ずるときから余計そういう議論が出るようになったかという感じがしております。
 そこで、税制問題、荒っぽい論議としては、いずれにしても、年金はある種の年齢が来てからもらうのだから、年金だけは初めから税の対象にすべきでないという議論も一方にありますよね。しかし、一方に税の公平の議論から言うと、やっぱり課税最低限というのは、年金受給者が恵まれておるわけですから、そこのところやっぱり税の公正ということかう言うと検討をすべき課題という指摘はそれなりにちょうだいできるなと思います。しかしそれは大木さんはああして政府税調にいらっしゃいましたからわかるように、恐らく本格議論すると部会か何かでもつくって議論するような課題だろうと私もそういう問題意識は持っておりますが、税の公正という立場から、全くこれは税調さんのおっしゃるのは誤りですよというような判断には私としては立つわけにはいかぬなと、こういう感じでございます、率直に申し上げまして。
#77
○大木正吾君 大蔵大臣、ここでもって税調が間違っていると言ったら、あんた今度大型付加価値税を検討してもらうときにけっちん食うからなかなか言えぬだろうと思いますよ。しかし、やっぱり二年間の延長というところの形については、私は世代間不公平、公平の問題ということだけで議論するというのはそれは一つの筋かも、一つは問題の対象かもしれません。
 しかし、実際問題としてこういうことを実はにわか勉強的にやってみたのですが、例えば、今後夫婦二人でもって五万円ずつの基礎年金が仮にもらえますと。そのときに、今民間の金融機関、特に保険会社等を見てますと、個人年金、企業年金に物すごいいわゆる勧め方というか、推奨運動というか、始まっています、取り合いがですね。私がもし仮に四十歳とした場合に、これ仮定計算をしてみたのですが、一万三千円でもって、計算してみますと、二十年間掛けまして七百十何万になっていきますから、いえば今度のこの年金よりもはるかに率がいいわけです。四十年掛けてという話になっているわけですからね。だから、もし仮に四十歳の方の奥さんが、いえば恣意的にというか、あるいはある意味では自分の生活が本当に苦しいのか、公的年金ではもうつまらぬよ、お父さん。私の分一万三千円掛けるのは免除してもらいたい、その分に少し上積みして二万円でもって私的個人年金に持っていった方が得ですよと、こう言ったときに一体これはどうされるかということも出てくるわけです。サラリーマンだって、あんたたまったものじゃないですよ。六十五になって、おやじさんが定年六十歳過ぎてきましてね、これっぽっちの年金では生活ができるはずがないのですからね。何らかの生活の先行きを、六十蔵、六十五歳のときのことを考えた場合には、今もう要するに物から金に移っている、ずうっと世の中の経済動向等を考えますと私は起こり得る問題と考えるのです。
 ですから、増岡さん、そういったこと等を考えて、私はこの問題については、あなたはまだ大臣になったばかりで、これからどれぐらいやるかわからぬけれども、竹下さんがどこにいるかわかりません、六十歳過ぎてぼちぼちねらっているわけだ、ねらっているわけだけれども、そこのところは取っ組み合いしてでも、やっぱりあんたはこの年金制度についての公平の問題については、例えば税金におけるクロヨンという話がありますね。捕捉率の違いが明確に大島裁判で指摘をされましたね。自営業者の脱税も相当にあります。みなし法人などでもって逃げる手もありますよ。同時に六十歳以上で働けるという問題のところと六十五歳で働けるという問題、これはもう大変な価値観の違いになってきますからね。そういったことを含めて私は誤まったとは言ってもらいたくないですね。税調としてもっと深く検討すべき要素がたくさんあるのだということでもって、この問題についてはいえば相当長期に寝かしておいてもらって、新しい問題でもって、今七十八万の控除問題のところあたりについて、あるいはさらに強化する問題について、いえば全くその不公平が他の自営業者などと起きない形でもって検討すべきと、こう思って確信を持って申し上げているわけです。それについて増岡さん、どうお考えです。
#78
○国務大臣(増岡博之君) 私の立場は、税理論と申しますよりも、お年寄りの方々の生活の実態ということから判断をして行動を起こさなければならないというふうに思います。したがいまして、先ほど申し上げましたように、年金受給者の方々がかなり所得の面でも、あるいは貯蓄の面でも落ち込んでおられるという、そういう観点から私どもも対処して頑張らなければならないと思っております。
#79
○大木正吾君 どうも頼りない答弁が返ってくるのでこれは困るのだけれども、竹下さんね、誤まりだとはおっしゃらなくて結構なんですが、ただ所管省が違うと言いながらも、私も実はびっくりしたのです、貯金三百万円以下の方が六〇%を超えてるのです、実際言ったらね。そういう人はシルバー貯金なんというものをつくったって、これは全くその余地が結局はないんです。しかも六十歳、六十五歳以降になったらもう仕事がなくなっちゃうのですよ。そういうようなことについて税調が検討しない、あくまで税理論だけでもっていくというのだったら、何で擬制説という基本問題についてもっと検討を耐えないかということを、私は言いたい問題がたくさんあります。そういったことを含めて、私は世代間の問題に加えた業種別の、あるいは横の意味合いでの水平問題についても、不公平問題についても答申を大蔵省は求めることは、いえばこういったことを調査してくりゃできますね。間違ったと言わなくて結構でございますから、だからそういったことを含めて、再検討というと言葉はきついかもしれませんが、検討をしてもらいたい、こういうことはできますか。
#80
○国務大臣(竹下登君) まあ政府税調の経験者としての経験を踏まえてのお話でございますが、私は恐らく今の議論は正確に税調へ報告するわけですから、そうすると、まあ予測してはいけませんけれども、私は本当に検討にかかるというときにはそれこそやっぱり特別部会みたいなものでも設けなきゃいかぬぐらいな議論を詰めなきゃいかぬ課題だとは思います。だが、世代間公平謝から言うと、その見直し検討もこれは否定する問題ではなかろうというふうに思います。いずれにしても、今度税調で税制審議をやるということになりますと、まあ総理の言葉をかりれば、公平、公正、簡素、選択、活力ですか、五つ言うことが好きでございますから、五つおっしゃっておりますが、その公平の点から言うと、垂直的公平と水平的公平、まあ水平的公平の中で今御指摘なさいました他の業種との所得捕捉の違いからくる議論というものも出てくる議論だと私は思います。したがって、大変重要に扱わなきゃいかぬ課題だという問題意識は持っておりますが、おっしゃいましたとおり、やっぱり世代間バランスからして否定する立場にはないのじゃないかなと、まあこういう感じです。
#81
○大木正吾君 世代間バランスのことばっかりおっしゃるとまた賦課方式問題の議論に入らざるを得なくなるんですが、きょうは私の持ち前が違いますからあれですが、ただ竹下さんの方からある程度いえば水平的な問題、老後の生活問題について今後も税調にそういったことを含めて御議論願う場所としては特別都会などが必要かもしれぬ、こういう御答弁がありましたわけです。私は、ここで申し上げていますことは単に自分個人がここでしゃべりたいとかなんとかということじゃないんですよ、本当に。さっき申し上げたとおり、六割の人が三百万以下しかないんだということと、年金依存生活者がぐんぐんふえているということを考えたときにとか、皆さんがっくろうとしている、私はもちろん反対だけれども、こういう新しい年金制度との関係等を考えたときに、一体昭和六十五年、七十年、その当時のサラリーマンなり、こういういわゆる大蔵省の幹部の方、厚生の幹部の方、どこかまたぐるぐる回るかもしれぬけれども、下っ端になって働いている方々は一体どうするのですか。そういったことを真剣に考えるから私はあえて問題の提起をしているわけなんであります。大臣の立場といたしまして、恐らく税調に余り厳しいことを国会でもって答弁したら税調はもう知らぬと言うかもしれませんから言えないかもしれませんが、相当程度のきょうは御意見の中では特別部会問題とか水平的な公平の問題の観点とかお話があったのですからこのことは篤と慎重に扱ってもらいたい。そうしなければ我々は税金のクロヨン等々含めて結果的に反税闘争をやらなきゃならぬ、こういうことにならざるを得ないということなんであります。そのことを特にお願いいたしまして終わります。
#82
○粕谷照美君 先ほど穐山委員の方から、国家公務員の共済組合と今政府提案されている法律案による年金との統合問題について質問がありました。私は文教という立場で私学共済を抱えておりますので、最初にその私学共済について質問をいたします。昨年の文教委員会で、逗子の開成高校の先生が生徒を連れて山に登っていった、そこでお気の毒なことに遭難死をされたわけであります。たまたまその行為が公務であるのか私的なものであるのかということが問題になりまして、奥様に対する遺族年金が三年間にわたって支給をされなかったという事実があります。これはまた制度の上でそのようになっているわけでありますが、この問題について文部省は善処方を約束をされたと思いますけれども、どういうふうになっておりますか。
#83
○政府委員(菱村幸彦君) 共済組合の遺族年金につきましては、その支給事由となります死亡が職務上であるか職務外であるかによって年金額の計算が異なってくるということは先生もう既に御承知のことと存じますが、請求手続といたしまして、この遺族年金を受けようとする場合には死亡事由を明らかにして請求するということになっております。
 御指摘の逗子開成高校の場合につきましては、当初申請があったわけでございますが、職務上か職務外であるかという点が不明でございましたので、組合の方で書類を返送いたしまして、そしてその死亡原因が職務に起因するものであるか職務外のものであるかという結論の出るのを待っていたわけでございますが、この結論が出ますのに労働基準監督署等の決定があるわけでございますが、今御指摘になりましたように大変時間がかかりまして、組合に再提出されるのが遅くなったわけでございます。大変お気の毒なことをしたわけでございますが、結果的には職務上ということで遺族年金を決定いたしまして給付をいたしております。
 ただ、御指摘になりましたように、この最終決定になるまでに時間がかかるではないか。するとその間御遺族の方は給付が受けられないということではいろいろ生活上の問題もございましょうし、私の方としては考えなければいけない。ですからとりあえず職務外でお支払いをして、そして職務上であるか外であるかということが決定いたしましてから、もう一度もし職務上であればそれに基づいた金額をお支払いをするというようなことがやはりあるべきではないかというふうに考えております。これは初めてのケースでございましたので、当初は御指摘になりましたように大変御迷惑をかけたわけでございますが、これからはとりあえず職務外でお支払いをして、最終決定がありましてから再度また再計算してお支払いをするということにしてまいりたいというふうに考えております。
#84
○粕谷照美君 今答弁を聞きますと、したいという言葉ですね。そういう制度をつくりましたではないのですね。
 大臣にお伺いいたしますけれども、遺族年金の性格というものは一体どういうためにあるのでしょうか。それで今の文部省がまだそういうことを実施していないということについて、遺族年金を支給するという精神の上からいってどういう御感想をお持ちですか。
#85
○国務大臣(増岡博之君) 遺族年金につきましては、できるだけ早く措置をすることが必要だと思います。
#86
○粕谷照美君 大臣のおっしゃるとおりだと思います。厚生省は一体こういう場合にはどのような支給状況を行っていますか。
#87
○政府委員(吉原健二君) 厚生年金の遺族年金の場合でございますが、業務上の理由によるかあるいは業務外の理由によるか、そういったことにかかわりなく、被保険者が死亡された場合にその遺族に支給することにしておりますので、死亡という事故が起きましたら一日も早く遺族年金が支給されることになっております。
#88
○粕谷照美君 そういうふうにやるのが当然のことだというふうに思うわけですが、私学共済はその面では大変問題がある。たまたまそういうことがあった、たった一つの例だという意味の御返答でありましたけれども、しかしお金がもらえなければ大変だから、例えばこの逗子開成高校の先生の奥様はまだお若い。子供さんもいらっしゃる。三年もの間年金がもらえなかったら、もし高校生であったならば退学をしなければならないかもしれなかった。高校入学や大学入学あるいは大学生であった場合には一体どうなるのであろうかと思いますと、非常に胸の痛む思いがするわけであります。ぜひ早急にその制度をとっていただきたい、このことを文部省に要請し、あわせてこういう私学共済に該当するいわゆる先生方あるいは職員の方の奥様は今回のような強制加入には該当しないわけですから、これからもまた何かがあった場合には大変だという感を私は持っているわけでありますが、そういう立場で考えてみますと、早く共済年金どこの年金が一緒になった方がいいのではないかという口実に使われては大変だと思うのですね。
 というのは、この年金の政府案そのものが非常に問題がある。政府が出しております、厚生省年金局が出しておりますこのパンフレットなんかを見ましても、ああいいなと思うのですね。サラリーマンの奥さんはみんなお金を出さないでも年金がもらえますよと、五万円のお金がもらえるのじゃないだろうかということを考えさせるような内容であります。しかし、一つ一つ考えていってみますと非常に問題点が多い。そういう立場に立ってこれから質問をいたします。
 まず、私は文教委員として連合に出ておりますのでやはり学生の問題が大きいです。この学生は任意加入になっておりますか。その理由はどういうことですか。
#89
○政府委員(吉原健二君) 国民年金の被保険者は二十歳以上六十歳未満の方すべてが強制適用、当然加入ということが原則になっているわけでございますが、二十歳以上でありましても学生さんにつきまして強制適用にするのはいかがなものだろうか、一般的に所得のない方でございますので、当然にその学生さんまでも含めて強制適用にすることについてはいろいろ問題がございますので、従来も任意加入ということにしておったわけでございますけれども、この新しい制度におきましても任意加入ということにいたしているわけでございます。
#90
○粕谷照美君 大学生協東京事業連合の調査によりますと、東京の大学生の一カ月の生活費は、自宅から通学すみ生徒で五万二千円余り、それから下宿生で十一万五千円余り。ことしはまた私大の七割が授業料を上げております。そのほかにも物価の高騰、教育費の高騰は学生の生活、特に親の生活にもずっしりと重くのしかかってきているわけであります。したがって、任意加入となっていることは解理できますが、スポーツあるいは車あるいは病気その他のことで障害者も具体的に学生の中から出ているわけであります。これで二十歳未満の障害者には基礎年金が出ていくということになりますが、二十歳を超える学生などの任意加入の対象者で米加入者が障害者になったというときはこれは大問題なんですね。衆議院の修正案の中でも出ておりますが、「国民年金制度における学生の取扱いについては、学生の保険料負担能力等を考慮して、今後検討が加えられ、必要な措置が講ぜられるものとする。」こと。一体どういうようなことが考えられますか、この内容については。
#91
○政府委員(吉原健二君) 学生さんの取り扱いにつきましては今申し上げましたように任意加入ということで、仮に任意加入されていなかった場合に障害等の事故が起きますと年金に結びつかない、年金が受けられないということが確かにあるわけでございます。だからといって学生をすべて強制加入にすることにつきましては先ほど申し上げましたような問題がございますし、障害が起きた場合に二十歳未満の方と同じように直ちに障害基礎年金を支給するということについても、いろいろ社会保険方式、保険料の納付を要件として年金を出すというその基本的な仕組みに触れる問題でございますので、それもなかなか今直ちにはいろいろ御議論があるところでございます。そういったことを踏まえまして衆議院で今後の検討課題、いわば宿題にされたわけでございまして、私どもいろいろな関係者の御意見も伺いました上でできるだけ早い機会に結論を出したいと思っておるわけでございます。
#92
○粕谷照美君 私は、これは無拠出でも強制加入あるいは空期間として救済するというようなことも当然検討していただいていいのではないか、こういう考え方を持っているわけであります。あわせまして、今一番問題になっているのは二十歳から六十歳まで四十年掛ければ国民年金をもらえますよと、こう言いますけれども、大学卒は二十二歳なんですね、四年であるいは大学院を卒業していくとこの四十年の期間というのは非常に短くなってくるわけです。そうしますと年金がもらえないのではないか、不利になるのではないか、こういう不安というものもあります。そうしますと、一番いいことは何か。やっぱり年金制度に学生も入ろうというこの教育だというふうに思うんですけれども、学校がこういうことをやるというのもおかしいですね。文部省としてはどのような教育体系というものをお考えになっていらっしゃいますか。
   〔委員長退席、社会労働委員会理事関口恵
   造君着席〕
#93
○政府委員(菱村幸彦君) 年金につきましては社会保障制度の一環として、小学校の社会科、中学校で言いますと公民的分野、高校では現代社会等で扱っておりますが、その年金制度の個々具体的な詳細についてまで学校教育でこれを体系的に教えるということは無理だと思います。ただ、年金制度というものが社会保障制度として重要であると、その一環として重要なものであるということはやはり子供たちにはこれからの社会を考えますと教えなければならない、またそういう指導体制をとっているということでございます。
#94
○粕谷照美君 妻の年金権について政府案は、サラリーマンの夫は無業の妻の基礎年金部分は保険料を特別に払うことなく、二人込みで支払うということになっております。ここの問題なんですけれども、妻は自分自身で払うことがない、それで自分名義の年金をもらう、大変いいことのように思います。このパンフレットの中にもそういうことが非常に強くうたわれているわけでありますが、しかしまた逆に考えてみますと、共働きの妻はどんな感じを持つのであろうか。共働きの場合は夫も妻の分、二人込みで支払うわけですね。妻はまた配偶者の分ということになりましょうか、この分二人込みでお金を払うわけです。独身者もまたそうですね。そうしますと何か、おうちにいらっしゃって、働かないでうちのことをやっていらっしゃるサラリーマンの奥さんに対して自分たちがお金を払っているのではないか、こういう感じでいっぱいなわけです。
 総理府の出しております「婦人の現状と施策」、このことしの報告書を見ました。この年金に関して幾つか載っているわけですが、その中に「妻が国民年金に任意加入している世帯、又は夫婦共稼ぎの世帯では、妻の分までカバーしている夫の被用者年金のほかに妻自身の国民年金又は被用者年金が支給され、結果的に世帯としての過剰給付を招くという問題も生じている。」、人から見れば、あそこのうちは過剰に給付をされていると、こういうふうに思うということが強調されております。「このほか、厚生年金保険においては、単身世帯と夫婦世帯との年金額には、あまり違いがなく、単身世帯の年金水準が結果的には過剰であるという問題も指摘されている。」、これは一方の側から見ればそういうことになるかもしれませんけれども、しかし逆に言って、このような政府案で払っていく共働きの夫や妻あるいは独身者はこの逆の考え方を持つというのは当然のことだというふうに思いますけれども、厚生省はその点はどのようにお考えですか。
   〔委員長代理関口恵造君退席、委員長着席〕
#95
○政府委員(吉原健二君) 共働きの女性の方あるいは独身の方でもいいのですけれども、働いて勤めておられる方の女性の方の保険料の負担とそれから無業で家庭におられる方、これは御主人の保険料の中でカバーをされて保険料が自動的に支払われる、こういうことになるわけでございますが、その点だけを見るとおかしいではないかという御議論あるいは考え方もあろうかと思いますけれども、現在の制度におきましても奥様が家庭におられる方につきましては、同じ保険料の取り方でありますけれども、一万五千円という配偶者加給というのがあるわけでございまして、奥様がいらっしゃる、そういう配偶者加給の対象となる方がおられる場合とおられない場合とで保険料の取り方に違いがあるわけではございません。
 それから年金ではございませんで、健康保険の場合におきましても、一人の方の健康保険料の納付のやり方とそれから夫婦、家庭に奥さんがおられる場合の健康保険の保険料というのは同じでございまして、あくまでも自分の月給なり給与に応じて一定の率の保険料を納めていただく、独身であろうと世帯持ちであろうと同じ保険料を納めていただく、こういうことになっているわけでございまして、社会保障といいますか、社会保険ではあくまでも能力に応じて保険料を払っていただく。それで必要な方に必要な給付をしていくという考え方が社会保険、社会保障では実は基本になっているわけでございます。そういったことで、今度の年金制度におきましても独身の方あるいは世帯持ちの方を問わずに同じような賃金に一定率の保険料を負担していただいて、給付の方は必要な方に必要な給付をするという仕組みをとったわけでございます。
#96
○粕谷照美君 そこのところが問題なんですね。例えば病気になるとああこれは大変だ。私自身は扶養者が一人もいないけれども、しかしどなたかの御家庭で大変な病気になった場合のためのという、そういう感じの保険料の納め方とこの年金問題はまた違うというふうに思うんですね。そのことを全然理解をしてもらえないということについて共働きの妻たちは怒っている。それと同時に、妻自身の名前で、自分の手でお金を納めないで一人分で二人分の基礎年金部分を取るということについての妻自身の年金に対する意識というものが非常に高まっていかないのではないか。その問題点を強く指摘しているわけでありまして、不公平感は厚生省が何を言おうとやっぱりなくすることはできないというふうに思います。したがって、この点については十分な今後の討議をやっぱりやっていただきたいと思います。
 次に、この保険料率の男子並み引き上げの問題について伺います。男子は一応一二・四%、女子が一一・三%、ともに労使折半、これを女子については引き続き男子の保険料率との格差是正を図るということでありますが、確かに保険金を受け取る場合には支払った額でもらうわけですから、当然男子との差をなくするということは私はあり得ること、またしなければ女子は取り分が少なくなるというふうに思いますから、そのことはいいと思います。しかしその前提が問題なんです。それでは一体女子の賃金はどのような状況になっているのだろうか。女子の働く条件は一体どういうふうになっているのだろうか。ここのところを忘れて安易に男子並みの保険料率を早く出しなさいということ自体は問題だというふうに思います。一体女子の働いている条件というものをどのように今認識をされておりますか。
#97
○政府委員(吉原健二君) 平均標準報酬で見ますと男子の場合に比べて女子の場合はかなり低い水準にあるということは承知をいたしております。
#98
○粕谷照美君 総理府のことしの四月に出しました報告書を見ますと、「婦人の現状と施策」であります。女子労働者の現状はどうか。賃金の格差については報告してないんですね。私たちは、この男女の賃金格差というのは欧米に比してはるかに大きく、女子は低いというふうに認識をしております。
 また、この報告書は定年退職についてこういうことを言っております。男女差のある企業についての定年退職の問題ですが、昭和五十一年に二三・五%であったものが昭和五十九年には一六・七%に減った、こういう数字が挙げられております。また、五十五歳未満は六八・六%が四六%に減りました、四十五歳から五十四歳、こういうところは大体四二%でありますと、このような報告書を出しておりますけれども、またその中にも特に妊娠、結婚、出産などについては昭和五十二年に七・四%であったものが五十六年には二・〇%と減りました、女子の労働条件は大変よくなりましたという報告書になっておりますが、しかしなおかつこのような数字の男女差があるということを私どもは認識しないわけにはまいりません。女性の低賃金、女性が定年までなかなか勤められない、男女差のある定年で職場を追われている、このようなときに保険料率を男子並みに上げるということについては大変な問題があると思いますので、これは激変を緩和していくということが重要だと思いますが、厚生大臣いかがでしょうか。
#99
○国務大臣(増岡博之君) 私どもといたしましてはできるだけの経過措置をとったつもりでございますけれども、社労委員会におきましてもいろいろ御議論をいただいておるところでございますので、今後とも十分御審議をいただきたいと思います。
#100
○粕谷照美君 厚生大臣が十分御審議をいただきたいと、こうおっしゃいましたので大変うれしいことだと思います。ぜひ簡単に結論を出すことなく、まだまだ社労委員会において年金問題については十分な御審議をやっていただきたいということを要望いたします。
 あわせまして、このような問題点が一体年金の審議をやるときにどの程度問題になったのだろうかということを考えますときに、私は年金審議会にいるメンバーを見ないわけにはまいりません。年金問題については確かに専門家で本当にすばらしい方々が大勢出席をされているわけですけれども、この中に本当に女の痛みがわかる人、遺族年金なんかを、しかも子供を抱えて生きていかなければならない妻の立場が本当にわかるような人たちが何人いるのだろうか。男性でもわかるよというお答えがあるかもしれません。でも、国連婦人の十年に当たって、このような審議会には女性をもうたくさん入れるのだということが申し合わされているわけでありますので、今一体この籍議会のメンバーの中に女性の代表はどのくらいいらっしゃるか、お伺いいたします。
#101
○政府委員(吉原健二君) 現在の国民年金籍議会の中に女性の方が一人、代表として委員として入っていただいております。この新しい法律が実施をされますと、既存の年金関係の審議会、統合されて新しい一本の審議会になることになっております。従来の国民年金審議会、それから従来の社会保険審議会の中で年金問題についての審議がされてきたわけでございますが、年金関係の部会、それが統合されまして新しい年金審議会ということになるわけでございます。
#102
○粕谷照美君 たった一人だけ入っているということがわかりました。今度新しく統合再編成される年金審議会は、厚生大臣といたしましては任命されるわけですね、委嘱されるのだと思いますけれども、女性の審議委員をふやそうという積極的なお考え方があるかどうかということを伺いたいと思います。と申しますのは、私は社会保険事務所の窓口にいらっしゃる方々にいろいろな話を聞きました。年金問題はもうその人の人生がずらっとわかるようなシステムになっていますね。その家の家庭の、人には知られたくないような状況までお話をしなければ年金が受給できないような条件もいろいろあるわけですね。同居をしている内縁関係の人だとか、あるいは別居をしているだとかあるいは離婚をしたとか夫が蒸発してどうしてもいろんなことがとれないとか、そういう内容のことについて胸を痛めながら窓口の人たちは頑張っていらっしゃるのです。そういうことが制度の上でやっぱりきちんと討議をされ、そして、なるほどそういう事情でこういうふうになっているのかということが国民の目の前にわかるようにするためにも、審議会の中に女性のメンバーをふやしていくということは重大だと思いますが、大臣のお考えを伺って質問を終わります。
#103
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど年金局長から御説明いたしましたように、今回の改正に伴いまして審議会を再編成することになっておりますので、その際、婦人の適任者の登用につきましてはできるだけ配慮をしてまいりたいと思います。
#104
○安恒良一君 私は今国会に提出され、連合審査されておりますこの国民年金法等の一部改正に関する法律案は、所管庁である厚生省年金局、社会保険庁船員保険課が担当して立案したものであります。しかし、その法律の内容と構想は、共済年金それから恩給それから議員互助年金等々に影響をもたらす内容を含んでいるものだと思います。
 しかしながら、今同僚に対する御答弁をお聞きしますと、大蔵大臣は国家公務員共済年金についてはこの国会に提出したいのだと、こういうことを言われていますが、その他たくさん関係するところの共済年金関係はどういうふうにされるか全然定かではないわけであります。そして、そういう中でただ単に国民年金と厚生年金の中身が、政府の皆さんは改正と言われますが改悪をされ、その改悪の主たるものは国庫負担が大幅に減るということ、それから給付水準が二〇%から三〇%下がる。こういうことで今やまさに先行しようとしているのであります。こういう中で開かれた連合審査でありますから、本来ならば全法案についての関係を聞きたいのですが、持ち時間が三十分しかありませんので、主として厚生年金と国家公務員共済年金の関係について少しお聞きをしておきたいと思います。
 そこで、まず一つ実例をちょっと挙げてみたいと思いますが、今回政府の厚生年金改正案では、六十五歳になりますと厚生年金から脱退をさせまして、年金を全額支給することになっています。ところが共済年金の改正案はまだ出てきておりませんからはっきりわかりませんが、一つの例を挙げますと、共済年金改正法案の中には六十五歳になっても在職中は共済組合員である限り年金は支給しない、これは退職年金の原則であります。それから、共済年金の受給者が他の被用者年金の被保険者となった場合、政令で定める額、現在で言いますと大体国家公務員の平均賃金四百五十万程度以上の給与所得がある場合は政令で定めるということで、いわゆるこれは割合で支給停止条項があるわけであります。
 私は何も厚生年金側をこれに改めると言っているわけじゃありませんが、これはわかりやすい例として一つの例を挙げたのですが、かように共済年金と厚生年金の間には、例えば俗に言われる官民格差であるとか、今度は共済間で言うと官官格差であるとか、いろんなことがあるわけです。今まではこれは別個で、それはそれなりであったのですが、今回はどうも共済年金の方は、とりあえず基礎年金だけはやはり導入をしようという方向に進んでいるように、私は聞いているわけです。
 そこで、基礎年金を導入したときに財政調整がどうなるかということで、私は資料を厚生省に要求しました。私の手元に資料が来ていますが、例えば共済年金の場合は一定の年齢がたちますとやはり基礎年金給付費と基礎年金拠出金では基礎年金給付費の方が上回るという事例が出てきているわけです。これは二千億。この年齢で言いますと、七十年になりますと二千億ですね、いわゆる共済年金は基礎年金拠出金を給付費の方が上回ると、こういう現象が出てくるわけです。ですから、いわばこの前も論争しましたが、国民年金、厚生年金、そして共済年金との間におけるところの財政プールといいますか財政調整がある程度行われる、もちろんこのほかに国庫負担があります。それから同じ厚生年金の中でも船員保険が今度は厚生年金会計と一緒になるわけですが、これを見ますと、これも明らかに基礎年金給付費と基礎年金拠出金では、昭和六十一年から昭和百年近くまで、毎年毎年これは二百億ずつぐらいのいわゆるマイナスだと、こういうことで、これまた財政調整にこれはなっているわけです。
 ですから、私は財政調整のことについて、けしくるとかけしからぬとか、こういうことを言っているわけじゃありませんが、こういう状態の中において大蔵大臣、共済年金改正案のときに厚生大臣との間にどこをどう調整されようとするか。厚生大臣、今私が挙げた事例のときにはどうされるのですか。逆に厚生年金の方が条件的に悪いところも別にあるわけですから、こういうものを調整しないまま基礎年金財政だけは一本にして、お互いにやったり取ったりする、これでは私は被保険者は納得しないと思うんです。ですから、これは両大臣に、政策の問題ですから事務当局の問題じゃありません。両大臣に、今言ったような点ほどのようにして、あなたたちは七十年には全体の年金の統合をやりたいと、こうおっしゃっていますから、そこはどういうふうにしていこうというお考えなのか。その点を大蔵大臣と厚生大臣にお聞きをしたいのであります。
#105
○国務大臣(竹下登君) 段階的に申し上げますと、ああして国家公務員とそれから国鉄、電電、専売等々との、国家公務員等共済ということでまずは第一段階をやらしていただいて、そして今度我々の側からお願いするのは第二段階のお願いをするわけでありますが、そのときに際しましては、今安恒さんが御指摘なさいましたように、俗称官民格差というような点に視点を当てておることは事実でございます。今具体例で非常にわかりやすい二つの例をお出しになりましたとおりで今日になっておりますので、これは考えてみますと厚年と共済年金の制度間の差というものは、やっぱり歴史的沿革から申しまして、あるいは制度の特殊性、そういうことから異なった取り扱いの部分もまだございます。したがって、基本的に整合性を持たせるようにしたいという考え方で取り組みました。またさらに将来調整を図っていかなければならない点はもとよりございます。
 今度の我が方のお願いするでありましょう問題は、まず、いわゆる六十五歳未満の被用者、これは厚生年金でございますが、我が方で今度お願いいたしますのは、やっぱりこの点は職員である間と、こういうことは今度もそのとおりになっておりますが、今後は現役であっても所得の低いものに限って厚年と同様な年金給付をすることとしたいというふうに考えております。
 それから一部支給停止の問題でございますが、これは共済年金は現役と年金受給者との間の均衡を図る観点から、民間企業に再就職した場合には、給与所得による一部支給停止制度を御指摘のとおり採用しておるところでございます。この問題は厚生年金においても今後一部支給停止について検討をされるものと考えておりますので、それを踏まえて共済年金についてもさらにこれは調整していかなきゃならぬ問題だというふうに考えております。審議会等でいろんな御議論をいただきまして、言ってみれば我が方の共済で見ますと一階が基礎年金、二階が厚生年金、三階の部分が公務員の特殊性とでも申しますか、そういう形で図柄を描いておるわけでございます。ただ、いわゆる算定基礎給与の問題等は、現行では退職一年間の平均本俸、それがやはり全期間平均標準報酬月額というようなことに変えていくことによりまして、いわゆる俗称官民格差と申しますか、そうした問題が逐次調整されておるという、そういう整合性というものを基礎に仕組んだわけでございます。しかし今後なお調整すべきものが残っておることも御指摘のとおりだと思っております。
#106
○安恒良一君 ちょっと厚生大臣答えられる前に。
 全般のことをきょう三十分で言ってもらう必要はない。私が今聞いたところだけ答えていただきたいのですが、厚生大臣、認識が全く違ってますね。厚生年金は今までやはり六十五歳以上も問題があったのですが、今回はもう六十五歳以上になったら厚生年金から脱退をさして、一部支給停止は全然ないんですよ。逆に、共済年金は六十歳から六十五歳に一部支給停止があるわけです。おたくの制度は一部支給停止制度があるから、厚生年金側にも一部支給停止制度を今度やってもらうのだとあなたはおっしゃいますが、今度の改正は逆に、六十五蔵以上になったら厚生年金から脱退さして、年金額は全額支給しますということで今法案を審議しているわけです。そう簡単に大蔵大臣が厚生大臣にああしてくれと言ったって、今出している法律、今審議している法律とはまるっきり逆なことを言っておられます。どうですか、厚生大臣、そこをあなたたちは調整されたのですか。まるっきり大蔵大臣は反対のことを言っているのですよ。
#107
○国務大臣(増岡博之君) 私どもは、今回の改正で基礎年金を導入することによってまず第一歩を踏み出すことを考えておるわけでございます。したがいましてまだ制度間の公平でありますとか、整合性につきましてはもっとやらなきゃならぬ仕事も残っておるわけでございまして、これは今までの沿革、歴史、特殊性等から調整ができなかった面もあるわけでございますけれども、しかし少なくとも私どもの目途といたしております昭和七十年度まではその制度間の整合性を確立して、公的年金制度の一元化へ向けて進んで努力をしてまいりたいと思っております。
#108
○安恒良一君 大蔵大臣、今のどうですか。あなたが言われたこととはまるっきり反対ですね。今回の改正は六十五歳以上になったら一切一部停止はないんですよ。それで、今厚生年金の原案が社労委員会で議論されているのですが、あなたは、いや共済年金の方に一部停止があるのだから、今度は厚生年金側にも六十五歳以上であってもやはり一部停止について考えてもらわなきゃならぬ、そういう方向にいっていると言われましたが、その認識はどうなんですか、まるっきり違っておりませんですか、大臣。
#109
○国務大臣(竹下登君) 今はそのとおりでございます。したがって、いわゆる一部支給停止制度は、我が方はこれを採用しておるわけでございますが、今後の課題として検討されるのじゃないか、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#110
○安恒良一君 大蔵大臣の何か一人の希望のようですけれども、私はきょうは時間がありません。連合審査のときにはそのことは質問通告しておきましたから、両大臣でよく調整をして出てきてもらいたいなと思いますが、時間がありません。
 そこで大蔵大臣、私は厚生大臣との間にかなりやりとりをしたのは、今回の改正の中で国民年金会計の中に厚生年金会計から持ち込むところの基礎年金も一緒に入れてしまう。それからいずれ共済年金からも持ち出しがありますね、それも一緒に入れてしまうということになったから、私はそれはいけない。それはなぜかというと、国民年金は国民年金独自のやはり支払いがあるわけですね。それから共済と厚生年金も違うわけです。しかしながら基礎年金だけは別につくる、こういうことなんですから、そうすると基礎年金のための会計を別に設けるべきじゃないか。いわゆる国民年金から持ち出し分、厚生年金から持ち出し分、共済年金から持ち出し分、それに見合う国庫負担、それが一つのいわゆる基礎年金特別会計ということにされて、その収支が国会に明らかにされる、これは極めて必要だ。でないと、お互いにやったり取ったりするわけですから、そういうことについて、この前、厚生大臣との議論では、国民年金特別会計に基礎年金のための勘定を設け経理区分をする。ここまでは答えが出てきておるわけですね、この前の私とのやりとりで。
 しかし私はそれではやはり不十分だ。なぜかというと、共済年金からも、私の手元にきている資料によると、基礎年金のための拠出金が、例えば厚生年金だったら三兆四千億、共済年金だったらまず初年度拠出金が八千億、それから昭和六十五年になると、一兆一千億これは出てくるわけです。そうしますと、私はやはり、これはお金がかかることじゃないんですから、基礎年金のためのいわゆる基礎年金特別会計というのをきちっと設けて、それぞれの制度から持ち出したものについて収支を明らかにしておく。この方が私は、財政全体の責任は大蔵大臣なんですから、そういう意味からいって、国民年金特別会計に基礎年金のための勘定を設けて区分整理するというのも、私の質問によって一歩前向きに出られたのですが、さらに一歩踏み出して、きちっとした勘定を設けた方がいいのじゃないか。その方が非常に明瞭になる。後ろで官僚がいろいろ入れ知恵しておりますが、これは政策の間道ですから、大臣明確に答弁をしてもらいたい。私はやはりその方が、国民年金加入者も共済年金加入者も、それから厚生年金加入者もみんながお互いに納得し合うと思いますが、これは厚生大臣には聞きません。この前厚生大臣に聞いたら、私一存ではいきません、いろんな諸官庁との関係もございます、こういうことでしたから、こういう会計全体をつかさどっておられる竹下大蔵大臣にこの点について御質問いたします。お考えを聞かせてください。
#111
○国務大臣(竹下登君) 一つには、いわゆる特別会計を設けるということは、行政改革の折、場合によってどうにも必要なのは、ことしで言いますと、あへん特会をつぶして登記特会をお願いすることになるわけでございますが、非常に特別会計を設けるということそのものに対しての行政改革の立場からは厳しい姿勢をとってきておることはこれは事実であります。したがって、安恒さんの御質疑に対して政府が統一して答えておりますように、いわゆる国民年金特別会計に基礎年金のための勘定を設けて基礎年金に係る経理を明確に区分をして行うということの方向で検討しますというふうにお答えしておるわけでございますので、今安恒さんのおっしゃった区分を明確にするための実態さえ整えば、特会をもう一つつくるということにつきましてはこれは勉強させてはいただきますが、私としてはやはり明確な区分をして実態として御趣旨に沿うことができるならば、もう一つ特会を設けなくてもいいじゃないか、こういうふうな感じです。感じを申し述べます。
#112
○安恒良一君 きょうあえてあなたに問いたのは、この前のときはいわゆる厚生大臣だけしかおいでにならなかったのです。そして、これはほかの大臣との関係もあるからということでありますから、後ろの方で事務当局が、この前一人出ておったからごちゃごちゃ言っていますけれども、私はあえて連合審査のときにこれは大臣に――というのは、行政改革だから特別会計を設けたら何か行管庁から怒られるということじゃないんですよ。やはりこのように国民年金勘定からも持ち出しがある、厚生年金勘定からも持ち出しがある、それからいわゆる共済からも持ち出しがある。その場合に持ち出しと支払いがいわゆるイコールなら問題ないんですよ。お互いに助けたり助けられたりになるわけですから、そういう場合に特別会計を設けることは決しておかしなことじゃないんですよ。それによって何か人が余計要って経費が余計要るわけでも何でもないんです。そうすると、厚生年金に入っている人も共済年金に入っている人も国民年金に入っている人も、なるほどおれが出した金が幾ら返ってきたのだなあ、国が幾ら出して収支がどうなっているのだなあと。こういう少なくとも年金の財政調整をするときには、基本的に必要なことは公平な財政統合のための条件の整備、それから公平な財政調整のための条件の整備が要るのです。
 しかし、これはまだこれから十年かかるわけですね。皆さんの考えでも、厚生年金と共済年金だけでも昭和七十年まで十年かかるわけです。しかし、十年かかる間においても基礎年金だけはもうすぐやっていこうということなんですから、お互いにやっていこうということですから、そうするとその分について、私はきょう後藤田さんに質問通告をしておけばよかったのですが、後藤田さんからこれはおまえ行革に反するぞ――そんなことにならぬと思うんですよ。特別会計を設けてガラス張りにしてみんながお互いにはっきりし合う、国も基礎年金に必要な金の三分の一は国庫負担で出すと、こう言っておるわけですから。しかも、竹下さん承知の上で言われていると思いますが、今回の改正で私は厚生大臣とやりとりしたのは、国の負担分というのはだんだん減っていくのですから、物すごく、国庫支出はどんどん減っていくのですから、例えば昭和百年ごろになると、今のまま改正しなかったものの半分になっちゃうのです。それだけ国の負担は減っていく。せめて会計ぐらい明朗にぴちっとしてくれという被保険者側からの声に対して、そう竹下さん余り慎重になることはないんじゃないですか、決して無理なこと言っているわけじゃないんです。
 少し意欲的に、それは厚生大臣はよう言わぬですよ、この前はあなたおらぬのだから、厚生大臣の答弁というのは今さっき私が言ったところまで。しかし、きょう大蔵大臣がお見えになって、しかもあなたは共済全体の責任者でもあるし、それから国のそういう年金全体の責任を、厚生年金の積立金にしても国民年金の積立金にしても、みんなおたくのところで握られているじゃないですか。そういう場合において、私は明朗にするためにそこはどうだと、もう一遍重ねて大臣に聞きます。
#113
○国務大臣(竹下登君) 経理区分がきちんとすれば特会を設ける必要はないじゃないかなあという、私も実はだれに相談したわけでもございませんが、そんな印象を実は今持っておりますので、その問題は確かにおっしゃいますように人が余計要るわけでもございませんし、予算書の中で一ページぐらい特別会計というのが加わってくるのかなあと、こういう感じでございます。したがって、きょう私がお答えする限界としては実質上なればいいじゃございませんか、がしかし、その提案でございますから、勉強さしてくださいというところが限界がなあと、こんな感じでございます。
#114
○安恒良一君 この問題は社労委員会の理事会にも預けてありますから、重ねて今大蔵大臣の答弁がございましたので、後刻の理事協議の中でひとつ十分御相談を願いたいと思います。
 それじゃ次に参ります。年金の積み立ての管理運用について、厚生年金、国民年金と共済年金の積み立ての管理運用の差とその理由。こういうふうに運用の差があります、その理由はこういう理由でこのようにあります、このことを説明してください。
#115
○政府委員(吉原健二君) 厚生年金、国民年金の積立金につきましては、資金運用部資金法第二条第二項の規定によりまして全額資金運用部資金として預託をされて運用をされているわけでございます。
 共済組合につきましては、これは政府資金でないということで、原則共済組合で自主運用がされていると聞いております。
#116
○安恒良一君 大蔵大臣、これももう厚生大臣との間のやりとりではいつも片づくけれども、大蔵大臣のところに行くと握りつぶされるわけですね。共済年金と同じようなせめて取り扱いがされていいのじゃないか。労使が掛金を掛けている。胴も負担金がありますけれども今度国はうんと下げる、こういうことですから、せめて共済年金と同様な、本当は厚生年金というのは労使公益の三者構成が出てそこで有利な運用したいのです。しかし、そこまで一遍にはいかないのだと、財投のお金が一遍でなくなっちゃう、こういうことになりますから、財投資金の大部分を占めていますね。まあ郵便貯金や簡易保険もありますけれども、それならせめて共済がやっている程度のことをこの際やらせるということについて、これは厚生大臣に聞いたらもう全く賛成と言うのですよ、審議会もそういうことになっていますが。ところが厚生大臣から大蔵大臣のところに行くと、大蔵省で大臣が握りつぶすのか官僚が掘りつぶすのかどうか知りませんが、これはもう何回も年金の改正のたびに附帯決議をつけたりいろんなことをしたり、審議会も満場一致答申をしていますが、断固としてこれは通らないんです。竹下大蔵大臣、この点せめて厚生年金の積立金についても共済年金並みの取り扱いをさせる、こういう考えを大蔵大臣お持ちになりませんか。これは厚生大臣に聞きません、あなたは私と同じ意見なんだから。
#117
○国務大臣(竹下登君) これは大変古くて新しい問題でありますし、新しくて古い問題でもあるわけでございますが、この問題は国の信用において集めたものは一元的に有利、安全、確実の原則に基づいて運用するという立場を今日までもとり続けておるわけでございます。したがって、私はこの一元化運用というものは、別に臨調からそういう指摘があるということを申し上げようと思って引例するわけじゃございませんが、やはり長い間の伝統からいたしまして一元化運用というのが妥当ではないかと、いつでも議論をするとそういう結論に到達しております。特に審議会からは、厚年の味方と言ってはいけませんが、やはり情愛も移ってきますし、それから有利運用ということについての提言はいつもなされる問題だと。その意味においてエンドレスな議論でもあるような感じをいつも持っておりますが、私の立場から、財投の有力な原資であるということも事実でございますが、やはり国の信用において集めたものに対してはいわゆる運用の一元化ということが一番正当じゃないか、こういう感じを持っております。
#118
○安恒良一君 いや、共済年金については一部分、共済年金の中である程度自主逆用を認めているでしょう。それで厚生年金だけ何で認めないんですかと聞いているのです。私は丸々すべてこれを労使公益三者構成による年金積み立ての審議の委員会をつくるということを希望していますが、一遍にいかぬから、せめて共済がやっている程度のことを厚生年金についてもやらしたらどうですかと、それを言うと竹下さんの答弁は答弁にならないんですよ。共済はいいけれども国民年金や厚生年金はだめだと何でなるんですか。一元的運用と言ったら全部同じように公平に扱わなきゃいけないんじゃないですか。ある程度片方には自主運用を認めているんですよ。だから、せめて共済並みに厚年のグループについても一部分は自主運用を認めるような方向でしたらどうかということを竹下さんにお聞きしています。
 それから厚生大臣、時間がありませんが、年金運用で運営されているところの団体に年金福祉事業団というのがある、それから厚生団とあります。これは現在の役員はだれかと聞いたら、理事長、理事、監事、厚生省から三名、大蔵省から一人、警察庁から一人監事が出ています。それから厚生団は全部厚生官僚出身の人々が出ています。資料があります。これもちょっとおかしなことじゃないか。保険料を出している労使の代表が何で役員に入らぬのか。例えば、年金福祉事業団だったらこれは参与会というのがございますが、年に二回だった開くだけです。それから厚生団には理事が入っていますが、これも非常勤理事ですね。特に年金福祉事業団に保険料を拠出をしている、国はわずかしか持ってないんですから、国はわずかで、それもまた今度下げるのですから。それなのに労使の代表、労使の役員を私は入れてしかるべきだ。これも大分前から何回も何回も、その都度前向きに検討するとかなんとかかんとか言っていますけれども、一つも実ったことがない。これももう何年もこのことを主張していますが、厚生大臣、年金福祉事業団に私は少なくとも参与ということで年に二回ぐらい呼ぶのじゃなくして、やはりしかるべき労使の代表を入れて、そしてこの年金積み立て、そして運用をやっている年金福祉事業団がきちっと運営される、こういうふうにしてもらいたいと思いますが、どうですか。
 以上、二つのことにお答えをいただいて、私の時間がありませんので終わります。
#119
○国務大臣(竹下登君) たしか五十九年から資金運用部預託率を厚年との均衡を保つために三〇%を三四というふうに引き上げたところでございます。それでもう一つの理由といたしましては、御案内のように、国とそれから公企体の場合は、国自身があるいは公企体自身が民間企業と異なって各種の福祉事業を使用者側である国、公企体みずからが行うということには法律上、予算上の制約がある。したがって、福祉事業を共済組合が積立金を活用してそれに代行的に行っておるというのが独自運用が必要であるという理由であって、しかし、いわば厚年とのバランスをとったものは資金運用部へ提供しておるということで均衡をとっておるということに承知をいたしております。
#120
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のことでございますけれども、年金福祉事業団には参与会がございます。また厚生団には評議員会その他がありますが、その運用につきましての御意見でございますので、今後御趣旨を体して御期待に沿うようにゃってまいりたいと思います。
#121
○安恒良一君 今言っているのは厚生大臣、常勤役員のことを言っていますからひとつ検討していただきたいし、このことも後から理事会で年金の積み立ての管理運営と、それからそれぞれの事業団に労使の代表を入れることについてはひとつぜひ御協議願っておきたい。
 そこで、最後に申し上げておきますが、いずれにいたしましても厚生年金の改正についてさらにこれから議論されるときに、私はやはり横並びのほかの年金との整合性というところについてはお互いが慎重な議論をしておかないと、一部財政だけは調整する、しかし制度間の格差はそのままでそして給付の切り下げと国庫の積み立てが減っていく、こういうことではいけませんので、きょうはもう時間がございませんので、今後厚生年金のそういう点における慎重審議を強く要望いたしまして終わりといたします。
#122
○委員長(遠藤政夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十一分開会
   〔社会労働委員長遠藤政夫君委員長席に着
   く〕
#123
○委員長(遠藤政夫君) ただいまから社会労働委員会、内閣委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、文教委員会、農林水産委員会、運輸委員会連合審査会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#124
○稲村稔夫君 私は農林水産委員会に所属をしておりますので、私自身のこれからの委員会での審査にも重大な影響を持つと思われます今回の国民年金並びに厚生年金、その改正がどのようなことになるかということで重大な関心を持っているわけであります。
 そこで私は、これからの農林漁業団体あるいは農民とのかかわりで、今後社会保障制度の一番基礎とも言うべきこうした年金、共済の問題、少なくとも現状よりも後退をするということがあってはならない、特に強い要望が農林漁業関係団体職員あるいは農民の中からございます。そうした観点からこれからの、将来とのかかわりをいろいろとお聞きをしていきたい、このように思っている次第でございます。
 それにいたしましても、午前中の審議で安恒委員の質問に大蔵大臣がいろいろとお答えになっておりました中で、官民格差の是正というようなお話も中にございましたけれども、私はここで農林水産というか農林漁業団体の職員の場合について言いますと、こうした共済年金、大蔵大臣のような認識では、どうもとらえてもらっては困るなというふうに思いながら伺いました。それは、いわばこの農林漁業団体の職員の給与水準というのは決して民の方でそう高い方だとかなんとかというわけではないわけでありまして、官民格差の是正という言葉を使うならば、同じ年金の中にも、共済年金の中にもまさに官民格差の是正がなきゃならぬと、こういうことにもなるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、この点は順序といたしまして後ほどまた大蔵大臣の方に伺いたいと思うわけであります。
 まず最初に、先日、今回のこの両年金の改定を前提にいたしまして各種の共済年金の改正の具体的な方向が閣議決定をされたそうであります。その決定というものの内容はこれからそれぞれの関係委員会で審議をされるということになるんでありましょうが、それにいたしましても私は、過ぐる四月十日に答申をされました社会保障制度審議会の答申、これとのかかわりで今回のこの改正というのが一体どういう意味を持つのであろうか、こんなことを大変気にしているわけであります。
 その答申の中では、ずっといろいろとありますけれども、例えばいろいろとこれから、今度の改正が通れば「長期給付を厚生年金に見合う部分といわゆる職域年金部分とで構成する報酬比例年金とするのが内容である。これは、公的年金制度の一元化を進める道筋に沿う限りにおいて一つの選択であろう。」と、こんなふうに、「一つの選択」などというふうに書かれておりますし、あるいはその改正案が既裁定年金のスライド停止をする等年金制度に対する信頼を裏切りかねないということで、関係者の理解を得ることがとりわけ必要であろうというようなことがいろいろと書かれているわけであります。こういう内容を持つものであるとするならば、一体今回の改正というのはどんなものなんであろうか。各種年金の一元化というような方向がずっと打ち出されているわけでありますけれども、こうした基本的な考え方というものは、こうした今社会保障制度審議会の出されている答申との絡みの中では一体どのように理解をしておられるのか。これは農林関係の、共済年金ということではなくて、全体の問題としてどのように考えておられるかということをまずお伺いしたいと思います。
#125
○国務大臣(増岡博之君) 将来の年金の制度全体として長期的に安定するということと整合性のある発展を図るまず第一歩といたしまして、今回基礎年金を共済組合にも導入されることになったわけでございます。これは今後の各種年金の北ほど申し上げましたように長期的安定と整合性のある発展を図ることになっておるわけでございまして、現在考えられます唯一の第一歩の着手であると考えております。
#126
○稲村稔夫君 どうもよくわからないんでありますが、基本的な考え方ということでの大臣のお話でありますが、そうすると、今まで社労委員会でいろいろと審議をしてこられたのでありましょうが、具体的にそうすると給付水準というのは一体どのようになるのでありましょうか、共済年金については。どういうふうに想定をされますか。
#127
○政府委員(門田實君) 共済グループの年金につきましては、今考えられておりますところの改正案は、いわば一階の基礎年金部分、これは基礎年金として同じようなものを導入する、二階の部分は報酬比例年金でございますが、これはほぼ厚生年金と同じような形になる、その上に若干共済の職域部分といいますか、そういったものが加味されていく、大体こういった形で体系を考え、給付の水準を考えておると、こういうことでございます。
#128
○稲村稔夫君 今、一階、二階、三階、三階建てまでの話がありましたけれども、やはり給付を受ける側から見ますと、建物の構造がどうなっているかということもさることながら、その建物の高さがどうだというのがこれは一番肝心な関心事になるわけでありまして、専門的な審議の立場に私はありませんから、非常に端的な伺い方をするのですけれども、そうすると各種年金というのは現在よりも実際はもう少し減りますよ、あるいは同水準ですよ、あるいは高くなるんですよ、どの高さになりますか。
#129
○政府委員(吉原健二君) 厚生年金、サラリーマンについて申し上げますと、現在サラリーマンのモデル年金、標準的な年金の額、私ども平均標準報酬と言っておりますが、いわゆる平均賃金の大体六八%、七割弱でございますが、今度の新しい改正案におきましてもおおむねその水準は維持していく、厳密に言いますと六九%程度の水準は今後とも維持していくということでございます。一階部分、二階部分がそういった水準でございまして、共済年金につきましては職域年金部分としてさらに若干の上乗せの給付が行われる。それから一階部分の基礎年金の水準でございますが、これは現在の価額で単身の場合五万円、夫婦の場合十万円という水準を設定をしているわけでございます。
#130
○稲村稔夫君 どうも高さの話の方になるとなかなかはっきりと簡単に私どもにわからないような感じがいたしますけれども、二階までのことは今のお話として、そうすると三階目分というのは若干上積みと言われましたけれども、今度ここでは各種年金はそれぞれ現状水準を維持するのですか。
#131
○政府委員(門田實君) 二十年かけましてだんだん経過的に調整をしていくという問題がございまして、なかなか非常に明確な形では言いにくいのですが、モデル的なものを考えますと、共済年金の場合にはただいまの一階、二階、その部分に対してプラスアルファーがある。これは全体の八%強、この程度上積みがある、こう理解していただければいいかと思います。
#132
○稲村稔夫君 私は、どうもなかなか納得し切れないのですけれども、短い時間の中で納得する御答弁をいただくのはなかなか難しいと思います。いずれにいたしましても、そうした共済年金の改正ということが連動してくるということになりますと、その制度的なことはこれからまたいろいろと今度はそれぞれの担当のところで議論するということになりますから、この程度にさしていただきます。
 そうすると、各共済年金にはいわゆる行革絡みで四分の一カットという国庫補助の分の、それがあったわけであります。これは五十七年から五十九年までという約束になっておりまして、これが今度また一年延びるのかなということなんでありますけれども、それにいたしましても特別に行われた措置につきましては、後でまた返すのだというふうに理解をしてまいりましたけれども、これは今度年金会計にとって極めて重大な問題でありますので、これはお返しいただけるのでありましょうか。
#133
○国務大臣(竹下登君) この問題は基本的な考えは変わっていない、お返しする、こういうことでございますが、いわゆる五十九年に赤字公債からの脱却をしよう、これで一つの行革特例法の大体基本的な考え方があったわけでございますが、その後いわば五十六年、五十七年が一番いい例でございましょうけれども、世界同時不況になって、とにかくギブアップしなきゃならぬようになった。したがって新たに六十五年という目標を定めて赤字公債からの脱却をしよう、こういうことになったわけでありますが、今回いわゆる一括法でお願いしておるのは、その五十九年を一年だけ延ばしてください。一年先はどうするか、こういうことになりますと、いわゆる年金自身の仕組みが先ほど来の御議論のように変わってきますので、したがって六十一年度予算編成までにきちんと決めなきゃならぬことですけれども、その辺のぐあいをどうするかということは、単純に延長するということではないじゃないかな、こういう気がいたしますので、それは六十一年度予算までにはきちんとした適切な措置をとらしていただきましょう。が、返すの問題はこれは一貫して考え方は変わっておりません。
#134
○稲村稔夫君 この問題は、私は農林年金については特に重要な関心事なんであります。といいますのは、掛金は厚生年金よりも若干高い掛金率を掛けて、そして給付水準を何とか維持しようという努力をしてきているのが農林漁業団体の年金なわけであります。そういう苦労をしておりますだけに、財政から負担をしている部分が返ってくるのが早く返ってくれないと大変なことなんでありまして、そういう観点も十分に踏まえていただきまして、ぜひ今度はもうちょっと延ばしてくれなどという話がないようにしてもらいたい。特にそういうことを農林年金関係については念頭に置いてひとつ対処していただきたいと思います。これは要望申し上げるしか方法がありませんので、そんな形で御要望申し上げておきます。
 それから次に、それでは、これからこの二つの年金が変わっていくということになりますと、農林水産関係には影響が出てくる年金が二種類あるわけですね。農林漁業団体の職員の年金とそれから農業者年金といういわゆる農民の年金どこの二つのものがあるわけでありますが、最初にそれでは農業者年金について、これが今度の改定とのかかわりではどういうふうになろうとするのでありましょうか。この辺は将来の問題でありますけれども極めて大事でありますから、まずどんなふうに持っていきたいと思っているかをお聞きしたいと思います。
#135
○国務大臣(佐藤守良君) 稲村先生にお答えいたします。
 農業者年金制度というのは、経営移譲の促進を通じまして四つの大きな役割があると思っています。その一つは農業経営の細分化防止、その次には経営の規模拡大、それから農業経営主の若返りの促進に寄与するとともに農業者の老後保障の役割を果たしております。この四つの大きな役割を果たしておるわけでございます。
 そんなことでございますが、しかしながら農村社会におきます人口の高齢化、兼業化の進展等農業者年金を取り巻く状況は非常に厳しいものがございます。このために、農業者年金制度につきましては長期にわたる安定的な運営を確保するために制度の安定を確保することと、もう一つは農業構造の改善を一層促進するための措置を講ずる必要があると思います。それで実は制度の安定を確保するためには基本的にその使命をよりよく達成できるよう給付と負担の適正化を図ることが大切と、このように考えておるわけです。そんなことでございまして、所要の改正案を本国会に提出しているところでございます。
#136
○稲村稔夫君 今、農林水産大臣から御答弁をいただいたわけでありますが、今いろいろと言われましたことのほかにもう一つ、いわゆる農業者年金といいますのは、政策誘導によって構造政策を推進するために経営移譲年金という制度を設けています。この経営移譲年金というのは、個人の財産をそれは親子であるか兄弟であるか他人であるかということを別にいたしまして、とにかく個人の財産を政策誘導で手放させる、こういうものなわけでありますから、これをいわゆる老後保障ということを中心にしたこれらの、今改正が議論をされている年金と質的な違いがあると思うんですけれども、その辺はいかがですか。
#137
○政府委員(井上喜一君) お答えいたします。
 先生御案内のとおり、農業者年金は政策年金でございまして、単に老後の生活保障ということだけではありませんで、ただいま大臣から御答弁いたしましたように、農地の細分化防止あるいはひいては規模拡大、それに経営者の若返り、こういった政策目的を持っているわけでございまして、一般の公的年金制度とはその点で非常に違っている点がございます。
#138
○稲村稔夫君 そこで大臣、やはりこれは政策を進めていくという上での重大な意味を持つものなわけでありますから、これはいわゆる老後保障の年金と性格が異なる、そのかわり政府は政策誘導で進めるのでありますから、これについてはいろいろと今審議をされています中に、私どもも給付水準についてのいろんな不安がありますけれども、こういう不安を絶対に与えてはならない性格のものである、こう思うんですけれども、それは政治的責任として大臣いかがですか。どのように考えておられますか。農水大臣に政治的責任ということで伺っています。
#139
○政府委員(井上喜一君) 私の方からお答えいたします。
 先生の御指摘のように、農業者の老後の生活に非常に大きなかかわりがあるものでございますので、私どもといたしましては制度が長期的に安定しますように今後の制度運営について十分注意をしていく必要がある、このように考える次第でございます。
#140
○稲村稔夫君 大臣がお立ちにならないで局長がお答えになったということはどうも私には解せないんでありまして、私は正直なところはこういういい機会なんでありまして、大蔵大臣と厚生大臣とが同席しておられるのでありますから、今後この年金改定ということに絡んで農業者年金の方にいろいろとまた給付水準が下げられるとかなんとかということが起こらないようにということをちゃんと確認をしておきたい、そう思っていろいろと伺っておりますのに、何か局長が答弁に立たされたということでありますと大臣もそんなお考えがどこかにあるのですか。
#141
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えします。
 先ほどの答弁に尽きておると実は思っておったものですから。私は先ほど言いましたように、農業者年金制度につきましては長期にわたる安定的な運用を確保するためやはり体制、制度の安定を確保する、そのためにはやはりその使命をよりよく達成するためには給付と負担の適正化を図る、こういうことをひとつ答弁したものですから、それに尽きておると思ったわけでして、よろしく御理解をお願いをしたいと思うわけでございます。
#142
○稲村稔夫君 どうも再度答弁させて済みませんでしたけれども、大蔵大臣と厚生大臣、お願いでありますが、年金問題というのをすべて一括して常にひっくくって考えないで、いろいろな特徴というものを見ながら一元化というのも、そういう特徴をどういうふうに生かしていくか、このことを十分に配慮をしながらのことでなければいけないと思いますので、それは財政的な観点からも制度的な観点からも今後ともひとつ十分に配慮をしていただきたいというふうに思うわけであります。
 そこで次に、これもまた農林漁業団体の年金の将来の問題、恐縮なんでありますけれども、この農林年金といいますのは、今まで平均標準報酬月額というものの算定があるわけでありますけれども、これによって給付額が決まってくるわけでありますが、この平均月額報酬というのはこれは今後はどうなろうとしていますか。
#143
○政府委員(後藤康夫君) お答えを申し上げます。
 これまでは過去一年間の平均標準給与をとっておりましたが、今回の農林年金の改正案におきましては、年金額の算定の基礎給与をこれは厚生年金と同じように全期間の平均標準給与というふうにいたすつもりでございます。
#144
○稲村稔夫君 そうするとこれはかなり重大な変更になるということになりますが、農林漁業団体の年金につきましては給与水準が平均をされるということは、過去にさかのぼって平均をされるということは、結局全体的には現在よりも報酬算定のあれにしてはかなり不利になると、こういうことになると思いますが、そうすると、今の審議をされております厚生年金との並びでの考え方で報酬比例部分、ここに重大な影響が出るのではないかというふうに思われますが、その辺はどうなんでしょうか。
#145
○政府委員(後藤康夫君) 全期間平均標準給与をとります場合にも、長い過去の時期になりますとその間にインフレが進行しているというようなこともございますので、過去の給与を再評価をして算定をするということになりますが、こういった再評価の上で算定をいたしましても、基準給与の水準だけから見ますと、現行の退職前一年間の平均標準給与に比較しますと三〇%前後低下するものと考えております。しかし、この改正後の退職共済年金の額につきましては定額部分とそれから給与比例部分、この給与比例部分の方に基礎となる給与の水準が影響してくるということになるわけでございますが、この両方を合わせて算定をするということになっておりますし、また現行制度では適用をしておりません加給年金制度を設ける、さらには給与の乗率等につきまして二十年の経過措置を設けるというようなことがございますので、これなかなか退職者の給与の高低でございますとか、組合員期間の長短あるいは施行日現在におきます年齢といったようなものによってさまざまにちょっと異なるわけでございますが、平均的給与で私ども試算をいたしてみますと、当面おおむね一〇%程度の減額になるものというふうに考えております。
#146
○稲村稔夫君 一〇%程度減額になるということなんでありますが、これはなかなか大変なことでありまして、先ほど年金全体として給付の水準はどうなるかということを私は伺ったわけであります。その中で厚生年金は大体現水準を何とか維持したいというようなお話もございましたけれども、私はこの農林漁業者団体の年金の水準は決して厚生年金よりもそう高かったとは思っていないわけであります。むしろ常に厚生年金をにらみながら調整をしてきたような形のものであった。しかも掛金分が若干高かったはずであります、厚生年金よりも。掛金の率ですね、率が高かったはずであります。そうすると、これは今度の改正によってそういうふうに今度は農林年金に連動してくるということになると、農林年金関係というのは特に不利な状況に置かれるのじゃないかと思うのですけれども、どうなんですか。
#147
○政府委員(後藤康夫君) 厚生年金との比較につきましては、財政再計算の時期というものがございまして、その時点のとり方によりまして違ってまいりますけれども、先ほど申し上げましたような給付の水準と申しますのは、やはり厚生年金と同じように現役組の平均給与のおおむね七割程度をカバーするという水準になっておるわけでございます。
#148
○稲村稔夫君 具体的に厚生年金と比べてどうなるかというのは、これからそれこそ具体的な法案が提示をされまして、そこでまたいろいろと比較をしながら検討しなければならない、こういうことだと思うわけでありまして、その点についてはまだこれからの議論でありますけれども、私はとにかく今回の全体の流れをうかがっておりましても、どうもその国の財政事情の方が先にずっと先行しておりまして、表面に出てきたものが年金の大体一体化、一元化という形で言われます。私もそのことについては賛成であります。だが、そのために財政事情の方が先行して、理屈としてそれが後からついてきたということではならないというふうに思うわけでありまして、その辺は非常に私は今の全体の流れの中でどうもそう疑わざるを得ない、こんなことなんであります。そういう中で、特に私は先ほど大蔵大臣にも冒頭にもちょっと言いましたけれども、今の農林年金というのは農林水産省の答弁によっても水準が余り高くないことはわかっておられると思いますので、官民格差の是正という問題は共済年金対厚生年金のような形では比較をしてもらいたくない、この点はぜひ改めてもらいたいと思いますけれども、最後に大蔵大臣の御見解を伺って終わりたいと思います。
#149
○国務大臣(竹下登君) いろんなことをやりますと、理屈は後から貨車で来る、こういう言葉がよくありますけれども、この際のものは断じてそういうものじゃございません。本当に高齢化社会、二十一世紀を展望して今から整備をしておこう、こういうことでございますから。それから先生おっしゃいました官民格差あるいは官官格差というのもございまして、それらの点については十分財政当局でも注目しておりますので、その点は御心配なさらないでいただきたい。昭和七十年、かなり先の話になりますけれども、そういう基本的な認識は持っていなきゃならぬと思っております。
#150
○穐山篤君 再質問を行いたいと思いますが、もう既に指摘をしましたとおり、国民年金、厚生年金、共済年金など七つの公的年金制度の統合一元化計画の基本については、閣議は決定しておりますけれども、国会の意思として合意が現在なされていません。特に共通しておりかつ重要問題であります基礎年金制度あるいは給付水準、給付金額、女性の年金権、さらにはスライドの方式、内容、無年金者対策、さらには資金運用などについてもこれまた合意を見ていません。それからけさも申し上げましたが、各共済年金についての改正法案も現に提出をされていない段階であります。したがって、厚生大臣が言いますように、無条件に基本年金にそろえてほしいと、こういう気持ちはわからないわけではありませんけれども、越権ではないかというふうに思います。したがって、各共済年金とすれば、今後政府の出方あるいは提案というものを十分に吟味をしまして慎重審議をする、こういう形をとらざるを得ないと思うんです。その審議の結果というのは、それぞれの委員会によりましていろいろなものが出ると思いますけれども、当然それは尊重すべきである、こういうふうに考えますが、以上に対して年金担当大臣の統一見解を伺いたいと思うんです。
#151
○国務大臣(増岡博之君) 今回の公的年金制度の改正は、公的年金制度全体の長期安定のため各制度の一元化を目標とし、その第一段階として全制度を通じる基礎年金の導入等の改正を行うこととしたものであります。国会においては、各制度それぞれの特殊性等もあることから各法ごとに御審議をお願いすることとしております。したがって、御指摘のような問題は確かにあります。しかし、公的年金制度の一元化につきましてはさきに閣議決定されているところでありますので、他の公的年金制度において、国民年金、厚生年金一元化の内客を基本的な食い違いが生ずることのないように努めてまいりたいと考えております。
#152
○穐山篤君 政府の意向はわかりました。私の指摘をした部分についても認められた部分もあるやに理解をいたします。したがいまして、今後共済組合法が提案をいずれはされることになるだろうと思いますので、改めてその際に具体的な意見を申し上げるということにして質問を終わります。
#153
○矢原秀男君 今回の政府案は、無年金者をなくし、国民がひとしく老後において健康で文化的な最低生活が営める恒久の年金制度を確立するという基礎年金導入の理念は十分に発揮されていないと、こういうふうに甚だ遺憾に思うものでございます。そういうようなところで問題点を列挙して見ておりますと、基礎年金の額五万円は最低生活も維持できない水準でもございます。また、老齢福祉年金受給者に基礎年金導入のメリットを全く与えていないことも問題でございます。また、従前の国民年金からの脱落者に対する救済措置が講じられてもおりません。そして国庫負担が従前の制度に比して低額に過ぎること、また基礎年金の定額保険料が高額過ぎて国民の負担に耐え得ないこと等、非常に多くの課題を残しているものでございます。私も今申し上げましたけれども、順次具体的な質問に入ってまいりたいと思います。
 まず、大蔵省、厚生省でも結構でございますけれども、私が今から申し上げるような方々が大体何世帯ぐらいいらっしゃるか数字を出していただきたいと思います。私は、家計の実態の一つをまず具体的に申し上げてみたいと思います。この方は国民年金の保険料は掛けておられません。七年前からお母さんと子供さんが二人で生活をしていらっしゃる方でございます。もちろん国民年金保険料の免除を申請されていらっしゃいますので法的にはかなっているわけでございますが、収入が月に十五万六千五百円です。その内訳は、パートで月の平均が六万七千五百円、アルバイトが三万九千円、児童扶養手当が月の平均五万円でございます。合計先ほど申し上げた十五万六千五百円でございます。支出が十四万六百十三円となっております。そのうちの食料費が四万四千九百六十五円。内訳は、主食が九千八百二十二円、副食が二万四千二百四十二円、嗜好品が一万九百一円。住居に関係する家賃や共同費が一万六千百四十二円、光熱費が八千百六円、被服代が一万七千四十九円、保健衛生が一万三千二百二十七円、教育が八千二百六十七円、教養娯楽が六千二百八十二円、通信が三千円、交際費が一万三千二百七十五円、雑費が六千七百十七円、国民健康保険三千五百八十三円、貯蓄・保険が七千四百五十七円、学校の貯金二千円、生命保険五千四百五十七円。まあ収入十五万六千五百円で一生懸命社会生活を営んでいらっしゃるわけでございます。幸いにも国民年金保険料の免除を申請しておられたからよいわけでございますけれども、これは国民年金の保険料は入っておりません。出されないような家庭でございますね。これがもしそういう手続をしなければ無年金者になってしまわれるかもわかりません。このクラスの御生活の方々というのは全国で何世帯ぐちいいらっしゃるのか、もしおわかりでございましたら、約で結構でございますので、教えていただきたい。
#154
○政府委員(北郷勲夫君) ただいまの月収十五万でございますから、年間所得約二百万弱になるかと存じますが、四分位階層で申しますと大分下の方になりますので、ちょっと正確な数字を私今ちょっと調べておるのでございますが、四分位階層のかなり下になりますのですが、相当の人数がいると思われます。
#155
○矢原秀男君 ざっとの数字ぐらいは。
#156
○政府委員(北郷勲夫君) ちょっと今見てみないとわかりません。
#157
○矢原秀男君 約としておいていただければ何も問題ないから。
#158
○政府委員(北郷勲夫君) ちょっと今記憶で申しますと、私のこれも正確な記憶でございませんで申しわけございませんが、恐らく二、三百万はいらっしゃると存じますが。
#159
○矢原秀男君 三百万ぐらい。
#160
○政府委員(北郷勲夫君) 二、三百万はいらっしゃると存じますが。
#161
○矢原秀男君 こういう数字は大蔵大臣が非常に強いわけでございまして、急なことなので申しわけないと思います。大臣、数字はよくいつも演説でしゃべっていらっしゃるから、大体で結構ですから。
#162
○国務大臣(竹下登君) 年額にして百八十八万円として、生活保護が約百五十万。そうすると、生活保護よりはちょっと上というところでございますから、生活保護は四人世帯で月十四万八千円ですか、だからそれよりちょっと上ということになりますと、これはまあ今厚生省の専門家がおっしゃったその倍ぐらいかなという感じでございますが、私が数字で大きな間違いをしますと未来にわたって恥をさらしますので、あらかじめ今のは確実性は非常に低い数字だというふうに御理解をいただきたいと思います。
#163
○矢原秀男君 日本が自由主義の国でGNP第二位でございますけれども、資源の非常に少ない日本の国の実態という、生活感というものはやはり大変なものがございます。そういう意味で、この保険料というものが庶民階層の方々の大きな負担になっていることは現実の許されない事実でございます。そういう意味で私は今具体例を挙げたわけでございますけれども、私が手元に持っておりますグラフを見ておりましても、国民年金保険料と免除率、未納率の推移を見ておりましても、保険料のアップにつれて保険料の免除率がふえていることは既に皆様も御承知のとおりでございます。数字的には、五十年度末には八%だった免除率が五十八年度末には一六・七%と倍増をしているわけでございます。ここにも生活の大変な様相が国民の階層の中に、言葉には出されませんけれども如実にはっきりとするわけでございます。
 国民年金の保険料は、昨年度一人月額六千二百二十円でございました。現行法では四月から五百二十円アップの六千七百四十円になったわけでございます。この保険料は、被保険者がどんな高所得者であっても、また逆に職業を持たない主婦であっても、低額の収入の方々の場合、これも一律定額制となるわけでございます。ですから、この定額保険料は大きな問題点をはらんでいるということは、今私が申し上げた一つにおいてもやはり非常に懸念をされるところでございます。これについて、この定額保険料というものがベターなのかどうなのか、そういうことについて厚生省の方でひとつよろしく。もし異論がございましたらお聞かせを願いたいと思います。これは厚生大臣どうですか、定額保険料について。
#164
○国務大臣(増岡博之君) 国民年金につきましては、定額保険料のことを含めまして、所得に応じた給付のことまでいろいろ御意見があるわけでございますけれども、私どももそのお気持ちはわからないでもございませんけれども、何分その階層の方々の所得の把握が非常に困難である、大変事務的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、そういうところから定額としてスタートをせざるを得ないという実情でございます。
#165
○矢原秀男君 御承知のように保険料の免除には二種類ございます。生活扶助受給者等、自動的に保険料免除となる法定免除、今申し上げたことですね。で、住民税非課税者とそれに準ずる低所得者が市町村に申請する、そして免除されます申請免除がございます。この中で数字的に私も非常に心配をしておりますことは、法定免除者は五十年度末の七十万人から五十八年度末の八十七万人へと十七万人増ですね。これは徐々になっているわけです。ところが申請免除者は、五十年度末九十一万人が五十四年度末には百二十九万人、五十八年度末には二百二十二万人へと急上昇してきております。この現象の分析は、保険料が高くなり負担し切れない人々が次々に申請免除に転じていることをあらわしているものでございます。そういうことでございますので、これがやはり連動していくときには加入期間、そういういろいろの問題等を含めて無年金者になるおそれというものが出てくる可能性もあるわけでございます。この未納者につきましても、五十八年度末の未納率五・四%から推測いたしますと百二十万人から百三十万人にも上がっているという現実が明らかになっております。こういうふうな問題についてもう一度定額制というものがどうなのか、こういうことをもう一回厚生大臣に。お伺いしたいと思います。
#166
○国務大臣(増岡博之君) この問題につきましては、先ほど当座はこういう格好でスタートせざるを得ないと申し上げましたけれども、将来にわたっては今後の検討課題であることは間違いございませんので、そのような姿勢で臨んでまいりたいと思います。
#167
○矢原秀男君 厚生大臣、私が今申し上げた五十八年度末保険料が月額五千八百三十円の時点でさえも国民年金強制加入者の六人に一人、三百九万人が免除、百数十万人が未納という状態があるわけでございます。これが基礎年金になり定額制のまま月額一万三千円になるまで毎年保険料引き上げがずっと続いていけばやはり一体これはどうなっていくのかなという心配も私は感じるわけでございます。ましてもう一つの問題点につきましては、定額の保険料というものが相対的に低所得層に負担の重い逆進性を持つという重大なことでございます。厚生年金など被用者年金はすべて定率の保険料でございます。所得の一定比率を保険料として納付をしております。したがって、厚生年金では給付額に差があるとはいえある程度所得再配分効果があるわけでございます。これに対して、国民年金ではこれが全くない、こういうことになるわけでございます。だから、今私が申し上げております保険料の定額制にはこうした不合理があるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。だから、この点についても保険料の半分は均等割、そうして低所得層にも他の半分を所得割にしていく、そうなれば低所得層の方々にもさほど無理なく保険料というものの支払いがいけるのではないか、こういうふうに考えるのですけれども、これは大蔵大臣いかがでございますか。
#168
○政府委員(吉原健二君) 国民年金につきましても、所得に応じた保険料を払っていただいて、年金給付にそれを反映さしていくという仕組みといいますか、やり方がとれればその方が望ましいという考え方は持っているわけでございます。
 先ほど大臣からもお答えいたしましたように、ただ国民年金の適用対象者というものは非常に種種雑多である、所得の面から見ましても全く所得のない方も一応適用対象に入っていただいておりますし、それから同時に、職業のある方ない方、その職業の種類も全くさまざまでございますし、所得の把握は非常に難しい。やはりその所得に応じて保険料を払っていただくということにしますと、その根っこの所得の把握というものが公平適正に行われませんとなかなかその保険料に違った保険料を払っていただくということが難しいわけでございます。同時にそれをまた年金額に反映させていくのかいかないのか、同じ年金額でいいのかということもあるわけでございます。そういったことで実は国民年金における所得比例の問題というのは制度ができました昭和三十六年のときからいろいろ議論があったわけでございますけれども、今回も大変難しい問題だということで従来の考え方を踏襲しております。しかしながら、今後の一つの課題としてそういった国民年金における所得比例保険料のあり方、あるいは所得比例給付のあり方、そういったものにつきましては真剣に検討していきたいということにしているわけでございます。
#169
○矢原秀男君 もう一度厚生大臣に保険料のことで最後の質問をいたしますけれども、給付や負担の水準の面で大きな隔たり、こういうことは国民年金の保険料の一端であろうと私は思うわけでございますけれども、それは負担増はある程度はこういう現実でございますからやむを得ない現況であろうかと思いますけれども、定額制が低所得者に過剰負担となっていく、こういうことは今申し上げたとおりでございます。そうなればやはり協力をしていこうという人々もどうしても生活のために年金からの脱落者を出すことも懸念をされるわけでございます。そういうようなことの中で、日本の中でも社会保険では国民健康保険料が均等割と所得割を合わせた方式で行われていると思われるわけなんですけれども、同じとは言えませんけれども、年金制度においても所得比例保険料の導入というものが不可能ではないんではないかと思うんですけれども、この点厚生大臣、いかがでございますか。
#170
○政府委員(吉原健二君) 確かに医療保険といいますか、国民健康保険におきましては所得割の保険料あるいは均等割の保険料、そういった所得に応じた保険料の取り方をしているわけでございます。ただ、国民健康保険と国民年金、さらに大きく医療保険制度と年金制度の違いでございますけれども、国民健康保険の場合は市町村が保険者になっておりまして市町村の中で公平な保険料の支払い方というものであればよろしいわけですけれども、国民年金となりますと全国民の間で公平というものが保たれなければならないという非常に難しい、医療保険とは違った難しい要素がございますし、同時にやはり医療保険のような短期保険と違いまして国民年金の場合には長期にわたって一定の保険料を納めていただいて、また長期にわたってその年金給付を受ける、こういう仕組みになっているわけでございますので、国民健康保険の場合のやり方をそのままその年金制度の中に取り入れることができるかどうか、その辺は大変議論があるところでございまして、私どもも考え方としては十分わかるわけでございますけれども、慎重にやらなければならないという気持ちを持っておるわけでございます。
#171
○矢原秀男君 次に、基礎年金の額の引き上げですね、私、いつも憲法二十五条、本当にこれは政府が、いつも憲法問題が論じられますと、いやあれは努力目標というふうなことの御答弁がいろんな問題で返ってくるわけでございますけれども、やはり若人世帯の最低生活に必要な年金額を確保するためには五万円ではなしに、せめて五万五千円ぐらいはアップしていかなくちゃいけない、そしてまた障害基礎年金及び遺族基礎年金もこれに準じて引き上げていったらどうか、こういうふうに思うわけでございますけれども、この点は厚生大臣、いかがでございますか。
#172
○国務大臣(増岡博之君) 今回の基礎年金五万円というのは、老後の生活の基本的な部分を保障し充当する水準として考えたわけでございます。これをさらに引き上げるということになりますと、将来の保険料負担との関連でありますとか今日における極めて厳しい財政状況を考えれば困難と申し上げなければならないというふうに思います。
#173
○矢原秀男君 じゃ、次に移ります。次は、雇用と年金の連動についてでございます。
 厚生省の昭和五十八年簡易生命表によりますと、二十一世紀の人口動向の高齢化の進展という中で、一九八三年の平均寿命は男が七十四・二歳、女性が七十九・八歳、我が国は世界の最長寿国の一つとなっている、こういう厚生省の推計でございます。そして脳血管疾患とか心疾患等々の三大死因が克服されたならば、男は約七・〇歳、女性は約六・五歳平均寿命が延びるとも明示をされております。
 こういう私も論評を拝察をしながら感じておりますことは、「人口減少が経済社会に与える影響」というグラフの中で、プラスの影響が強いものとしては、高齢者の就業環境というものをいかにするかというのが大きな課題になっている。マイナスの影響の強いものについては、高齢者の福祉対策はどうするのかという問題が如実に出ているわけでございます。そういう中で我が国は常に、皆さんがおっしゃっておりますように、この世界的な「老年人口比率の国際比較」を見ましても、スウェーデンや西ドイツを参考にされながら導入されたそういう政策の歴史的なものがございますけれども、非常にこの老年人口比率というものがケース一で見ますと日本の場合はもう急激に上がってきている。そういう中で、これはちょっと私も本当に憤りを感じておるわけでございますが、雇用と年金の連動、支給開始の年齢が専門委員会で常に課題になりながら、もう社労委員会の方々がきょうの質問を聞きましても一千時間も既に討議をされていらっしゃる。それからもうずっとこういう問題が何年も続いている。しかしながら、雇用と年金の連動というものが、労働省、厚生省、縦割りやいろんなものはできているけれども、定年制の延長についても、最終年六十歳の定年一般化というものが約でいいから答えてくださいと言ったら、実施率は五〇%だという。そういう中で六十五歳に年金支給がアップされている。が、定年延長は六十五歳までやるのかどうか、五年間の空白はどうするのか、日本の生活は本当に豊かになっているのか。
 私は市会、県会からずっとこの二十年やってきておりますけれども、大蔵大臣もそうです、県会をやっていらっしゃいますが、今まで建った市営住宅のあの老朽化を見てください。そして経済はアメリカからは、経済摩擦でアメリカに、ぺこぺこぺこぺこしている。日本の国民階層の衣食住は本当に安定をしているのかどうか。住宅だけ見ても大変でございます。そういう中で、縦割り行政の中でこの大きな欠陥、これは横の連帯はどうするのですか。去年の暮れ、ことしの初めからやっと労働省と厚生省の中で連絡協議会というものができたようにも聞いているわけでございますが、この点、厚生大臣いかがでございますか。
#174
○国務大臣(増岡博之君) 私も思想的には元気な間は長く働こうと、そういうことから、労働大臣に呼びかけまして、昨年から今御指摘の協議会がスタートいたしたわけでございます。しかし、今まだ先生御指摘のように定年六十歳というのは半数をやっと超すところであろうかと思います。したがいまして、今回法案の中に六十五歳ということを掲げておりますけれども、現実にはそれを実行しないで、当分六十歳からということで、将来の雇用関係の変動がなければ私は当分このままでいくべきだというふうに考えております。
#175
○矢原秀男君 ちょっと、雇用と年金の連動の支給開始年齢、このギャップについてのスケジュールがございましたら、当局でもいいです。事務レベルで折衝されているようでございますけれども、明確にこういう計画でこの差を縮めていくんだと。――ちょっと一つ言っておきますけれども、私は高齢化社会を恐れてはいけないと思うんです。長寿になるんですから喜ばなくてはいけない。そういう喜びの中で政策をきちっとすればいいのです。何か高齢者社会がやってきたら大変だ。そういうことはございません。ちょっと真剣にやってもらわないと困ります。だから計画的にきちっとこういうようになりますと、はっきりしてください。
#176
○政府委員(吉原健二君) 現在、厚生年金の支給開始年齢は男子六十歳でございますけれども、この支給開始年齢の問題は、将来はこれを引き上げることについては避けて通れない問題であるという認識は持っておりますけれども、現在の定年の動向、それから高齢者の雇用実態、そういったことに着目をいたしますと、現在の時点で支給開始年齢を引き上げることは時期尚早であるというふうに考えているわけでございます。
 社会保険審議会等におきましてもこの問題についていろいろ御議論をいただきましたけれども、現時点において支給開始年齢を引き上げることは、先ほど申し上げましたように、まだ早いという御意見をちょうだいいたしましたので、私どももそういった考え方に沿って、今回の改正案におきましては従来どおり支給開始年齢は六十歳のままにしているわけでございます。これをいつ六十五歳に引き上げていくか、そういった具体的な計画は現在の時点では持っておらないわけでございます。
#177
○矢原秀男君 時間がございませんので次に移りますけれども、これは厚生大臣に要望しておきますけれども、やはり計画的にきちっと進めていただきたいと思います。
 では、私は運輸委員会に所属をいたしておりますので国鉄問題を少しやらしていただきます。国鉄再建監理委の五十九年八月の第二次提言では「長期債務や年金負担等のうち、新しい企業体による最大限の効率的経営を前提としてなお事業の遂行上過重な負担となるものについては、適切な方法によって処理をする必要がある。」としております。国鉄共済年金の扱い方は今後どうなるのか。いろいろと資料等は出ておりますけれども、重ねて説明をお願いしたいと思います。
#178
○政府委員(門田實君) お答えいたします。
 国鉄共済組合の年金財政につきましては、現在既に破綻の状況、率直に言ってそういう状況にございまして、六十年度から六十四年度までの五年間につきましては長期給付の財政調整五カ年計画というものを設けまして、国家公務員等の共済組合連合会、それからたばこ産業共済、電信電話共済、この三者がこれを助けていく、こういうことになっておりまして、この五年間につきましては年間平均約四百五十億円というものをこういった共済が拠出をしていく、こういうことになっております。しかしながら、ただいまお話ございましたように、さらにその先の五年間、六十五年度以降の五年間につきまして試算いたしますと、単年度約三千億円の不足を生ずる、こういった予想も成り立っておるわけでございまして、到底今のような体制では援助していけない、こういうことでございます。したがいまして、今後は公的年金制度全体での負担の調整ということを検討していく必要があるであろう、率直に言ってこう考えます。
#179
○矢原秀男君 最後に厚生大臣と大蔵大臣に。
 今の問題でございますけれども、国家公務員等共済組合審議会の会長から大蔵大臣竹下登殿という形で財政調整五カ年計画についての答申が出たわけでございます。今も御答弁がございましたけれども、この三点の中で、「財政調整五箇年計画は、国鉄共済年金の財政状況等を勘案すれば、公的年金制度全体の信頼を確保するために、対処」の問題。二番目には、「この財政調整五箇年計画には、国鉄再建問題等、不確定な要素があり、計画の見直しが必要となる場合も考えられる。」こういうことで「自助努力等により対処」ということの問題が出ております。三番目には、「国家公務員・電電・専売の三共済による」云々とございますけれども、国鉄年金財源の悪化をトップに、この各財政状況は非常に悪いと思います。しかし国鉄再建が行われ、多くのやはり国鉄の人々が年金を支えるために今後頑張っていただく、こういうことも非常に重要なことでございます。そういう意味で、短期的なことでなしに、もう一度、長期的に国鉄年金を支えていくためには、保険料、そして税の負担、こういう問題はこのようになるんですと、大体の目安でいいから御答弁をお願いしたいと思います。
#180
○国務大臣(竹下登君) 国家公務員等共済組合は私の所管でございますので、私の方からまずお答えをいたします。
 国鉄共済問題というのは私も大変感激しましたのは、非常に難しい問題でございましたのに、いわば国共審におきまして、労働者連帯、簡単に一口で言うと労働者連帯という形で、とにかく電電さんも専売さんも国家公務員共済もよかろうというので、五年間の措置はしていただけることになったわけでありますが、さてその将来の問題と、これは今御指摘なさいましたことしの二月十三日に答申をいただきました国共審から見ましても、一、二、三とありまして、二番目は、この国鉄再建問題等不確定な要素があるが、場合によっては見直しのことも出てくるだろう、いわば計算上今二十五万の分までは計算していますけれども、もっと減るのじゃないかとか、いろいろな議論がございますので、したがって、それは可能な限り国鉄共済の自助努力でやりなさい。それから三番目は、いわゆる拠出側の組合員の負担から見れば今回の計画が限度であって、もう先は国共済の中で処理することはこれはだめですという答申になっておるわけです。したがって、五年後のやつは、結局各種年金制度全体の中で私は解決しなきゃならぬ問題だという問題意識は十分持っております。したがって、これから年金審議等の推移を見、そして逐次この制度が改まってまいります全体の中でどういうふうにしてやっていくかという問題は、適切な結論を出さなきゃいかぬ課題だという問題意識を持っております。
 なお、この機会をかりまして、四人世帯で十四万八千八百円と僕が言いましたのは、生活保護ですが、あれは五十八年の数字でございまして、十五万七千三百九十六円でございましたから、それは訂正させていただきます。
#181
○国務大臣(増岡博之君) ただいま大蔵大臣からもお答えがございましたけれども、昨年二月の閣議決定によりまして、公的年金制度全体の改革を進めていくことになっております。その際、国鉄共済の問題も、御指摘のようなことでございますので、念頭に置きつつ調整を図ってまいりたいと考えております。
#182
○矢原秀男君 終わります。
#183
○中野明君 最初に大蔵大臣にお伺いをします。
 平均寿命が延びまして老齢化時代に入ってきたわけでなんですが、我が国の国民の貯蓄率が高いという中には老後に備える、あるいは教育費に金がかかるとか、いろいろ理由があるのですが、その一つの大きな理由として老後に備えるということが言われております。たまたま貿易摩擦に関連をいたしまして、アメリカのシュルツ国務長官が日本の貯蓄率が高い、貯蓄が多いということが外需に向いて、そして貿易摩擦の原因になっていると言わんばかりの話が出ているのですが、最初にこれについて大蔵大臣の考え方を。私はそれなりの論拠を持って彼なりに話をしていると思うんですが、大蔵大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#184
○国務大臣(竹下登君) 確かに個人貯蓄率を見ますと、アメリカが最近のところではまだ六%、日本が一七・三ぐらいですからまあ三分の一でございます、アメリカは。で、何で高いかと言われますと、本当はいろんな理由がありますが、基本的には国民性じゃないかと思います。我々子供のころからやっぱり勤倹貯蓄なんていうのが、私なりにそんなことが体質についているのかなというふうに思います。質素倹約というようなのが美徳とされておるということがあろうかと思います。それから、今中野さんも御指摘なさいました老後に備えた貯蓄、これもあろうど思っております。それから住宅取得とか子女教育とかいうことももとよりございますが、基本的には国民性。それと二番目には、私がつけた順番でございますので余り権威はないんですけれども、二番目はやっぱり高度成長期の所得が非常に上昇しましたから、あのときに、それが趨勢的な傾向としてあるのじゃないか。それから三番目が、実際問題、国民負担率で見ますように、公的負担率がほかの先進国よりは確かに低うございますので、それもあるでございましょう。それから最近、手前みそで四番目というのをつくりまして、これは何かといいますと、例えばアメリカは一万四千五百銀行がございますから、しょっちゅう――しょっちゅうじゃございませんけれども倒れたりしますが、日本は百五十六でございますから、それでまあ銀行とは倒れないものである、こういうことが一つはやっぱり貯蓄が高い理由かなという気がしております。
 話が長くなって申しわけありません。その次、シュルツさんの持論というのはISバランス論といいまして、インベストメントとセーブ、すなわち投資と貯蓄はバランスがとれていなきゃならぬ。そうすると、貯蓄はどこへ投資するか、貸し先ほどこかといえば、個人か企業か、あるいは国か地方団体か、あるいは外国か、これしかないわけですから、したがって日本の国内で投資先がたくさんあれば、そうすれば外国へ出かけない。外国へ出かけますとそれが円安につながる、こういう議論はございますが、この間正確にあの人の論文を読んでみますと、必ずしもISバランス論ではないようです。だからとりようによっては、貯蓄優遇税制というのはほかの国にはございません、日本にはマル優だの郵便貯金だのありますから、そういう貯蓄優遇政策をとっておるから貯蓄が高いと見ておるのかなという気もせぬでもございません。しかし今日はたくさんアメリカヘ流れておりますのは、結果としては向こうの財政赤字が大きくて、それによって貯蓄率は低いわけですから、それによって金利が高いわけですから、その金利差を追って流れておるというふうに私どもは見ておりますので、あれがもし流れなかったらアメリカさんの方ではもっと高い金利でお困りになるんじゃないかということを国際会議などでは、さしの話ではそういう話をしておりますけれども、あれは大学のスピーチでやっていらっしゃる演説でございますが、やはりあの人の考え方としては、より日本国内で貯蓄が消化できるような施策が考えられないかということをおっしゃっておるのじゃないかな。ですから、余り警鐘を乱打したとか日本に政策転換を求めたとかいうような感じではどうもあの演説はございませんようです。
#185
○中野明君 きょうはこれは本題でありませんので、これ以上議論しようとは思いませんが、結局日本では貯蓄に見合う内需がないという、この点ではやはり先方なりの考え方があるのじゃないかと私なりにも受け取っておりますが、いずれにしてもきょう私が申し上げたいのは、お年寄り、年寄って今の年金でいいかということ、やはりその不安があるから貯蓄もある意味ではふえる。
 それで、先ほど御答弁いただきましたが、貯蓄率が高いのはやはり四十代から五十代、我々の年代が非常に高いですけれども、若い人はそうでもないようです。ですからこれから先ほどう変わってくるか、我々なかなか予知は難しいですが、そういう状況から見て今回のこの年金法の改正を見ましても、果たしてこれでいいのかという疑問を我々も持つわけでして、きょうは特にその中で厚生省にもお尋ねをしたいわけですが、国民年金の保険料の納入免除者、これが非常にふえてきているということで非常に気になるところなんですが、低所得のための免除申請者の数、これが年々ふえてきているということですが、これについて厚生省としてはどう見ておられますか。
#186
○政府委員(長尾立子君) お答えを申し上げます。
 国民年金の保険料の免除者の状況でございますが、ただいま先生からお話がございましたように、最近昭和五十年代に入りまして上昇傾向が見られます。この中で、法免、いわば法定免除に該当する方々の、これは絶対的な数はふえておりますが、比率的に見ますとこれはそれほどの上昇を見ておりませんが、申請免除に該当する方の率が上昇をいたしております。昭和五十年度を申し上げますと法定免除の該当者が七十万四千百八十二人、免除率にいたしまして三・五%でございましたが、申請免除が九十万八千二百十九人で四・五%、全体合わせまして八・〇であったわけでございますが、五十八年の実績のところで見まして、法定免除者は八十七万三千八百九十一人、つまり四・七%。それから申請免除の方が二百二十一万八千九百三十八人ということで、一二・〇%ということでございますので、合計いたしまして一六・七%というような数字になっておるわけでございます。
 これらの状況についての我々の判断でございますが、制度が始まりまして以来の免除率の動向を見ますと、制度発足当時はやや免除率が高かったのでございますが、中期に至りましてこれが非常に下がりまして、それが最近に至りましてまた上昇に転じた、こういう傾向を示しておるように思います。この原因といたしましては、景気等の大変よくないことから国民年金の被保険者層自体の経済状況が大変よくないということもございましょうし、また、五十年代中ごろから保険料水準がある程度上がってまいりましたこともございまして、この点が国民年金の保険料の免除申請を多くなさるという事態になったのではないかと思っております。
#187
○中野明君 大蔵大臣も聞いておいていただきたいのですが、非常に急激な申請免除ですね。それほど国民の生活というものが苦しいという一つのあらわれなんですが、特に高率の県を見てみますと、沖縄県が四三・三%ですか、福岡県が二四・八、青森、北海道、長崎、高知と、こう続いておるようですが、二三%、二四%、沖縄がずば抜けて四三・三%、こういうことになっているわけです。そこで今回この免除制度の見直しが必要と、こういうふうに判断をされておるようですが、判断された理由はどこにあるのでしょうか。これは厚生省ですか。
#188
○政府委員(長尾立子君) 現在の申請免除のやり方でございますが、これは御本人、それから御本人の世帯主、配偶者の方が所得税を納めておられますとこれは免除になりません。それから御本人またはその配偶者、世帯主の方がいずれも市町村民税を課税されておられないという方につきましてはこれは免除をするという仕組みをとっております。問題は、この中間にある方々につきましてはある一定の指標を用いまして点数制をもちましてその免除に該当するかどうかということを判断をいたしておるわけでございますが、今先生沖縄県の四三・三%を挙げられまして地域的に免除率に非常に差があるというような御指摘をいただいたわけでございますが、今申しました中間にある方々についての判定について十分市町村が申請をされます方に御説明をし、免除申請をしていただきますと、今後の年金額の上で年金額が下がるという事態になるわけでございますが、そういったことを十分お話をした上で免除申請を受け付けているのかどうかという点については若干地域的な差があるところから、私どもも危惧を持ちましてこの点についての指導を、これは従前からもいたしてきたわけでございますが、具体的な内容を列記いたしまして指導を強化しているということでございます。具体的な免除基準そのものでございますが、今私が申し上げました基準そのものを現在直ちに改めるということを考えているわけではございません。
#189
○中野明君 何か生活が苦しいから免除をしてもらいたいというのを締め出すのではないかという不安もあるものですからお尋ねをしておるわけです。
 それでもう一点、自治省に答えていただきたいのですが、現在、掛金、これがまだ上がるということになると、まだまだこれはふえるのじゃないか、免除申請者が。そういう心配が一つございます。そうなりますと、こんなに免除の申請が出てきたらこれで年金が成り立つのだろうかという心配ですね。それと自治省には、窓口で地方公共団体がやっているわけなんですが、これは厚生省から当然委任されて仕事をしておられるということになるわけですが、この要するに機関委任事務としていただく費用といいますか、それが名目は交付金ということになっているようですが、非常に少ないということで各地方公共団体でも不満があるということも事実ですし、もう一つ私が言いたいのは、現在保険に入っている人に対しての交付金ですから、免除申請が来て免除になったらこれは一切関係ないわけですね。そうすると窓口で手数は何倍もかかる、それでいて免除になっているということになりますと、事務的な手数だけがかかってそして交付金は全然ない、こういうことで窓口では困っているということもあるので、その点について自治省としては大体どういう考えを持っているか、両方からお答えいただきたい。
#190
○政府委員(長尾立子君) まず第一点のこういった形で免除者がふえてくる場合に国民年金の財政上大きな問題点となるのではないか、それについての対策という問題でございますが、現在国民年金の保険料は三カ月をまとめまして納付をしていただくというような形を原則的にはとっております。それから、御本人が市町村からの納付案内書が到着いたしましたものをお持ちになりまして、金融機関に御自分がお出かけいただくという形をとっているところが多うございます。こういったことが実際保険料を納めていただく上にいろいろな意味の差しさわりといいますか、納めにくくなっているという要素もあるのではないかと思います。現在御審議いただいておりますこの法案におきましては、今回のこういった三カ月納付というのを改めまして毎月納付ということを将来の問題として、三年ほどの猶予をいただくわけでございますが、実施をいたしたいと思っておりますことと、それから口座振替、税金等でも口座振替の仕組みがあるようでございますが、こういった口座振替というのは現在二割ぐらいの実施をしておりますけれども、こういったものを推進するというような保険料を納めやすくするという環境づくりというものに努力をさせていただきたいというふうに思っております。それからもう一つ、市町村の事務費の交付金、これが非常に少ないのではないか、それから免除申請者が多い場合にそれに対応した措置がされていないのではないかという点でございますが、確かに予算上の国民年金の事務取扱交付金というものは一応被保険者の数というものを勘案いたしまして積算をいたしておるわけでございますが、具体的な配分に当たりましては、いわばそういうような被保険者の実質の数に応じます部分と今先生お話しのそこの地域の特殊事情、いろいろな仕事がかかるといったような特殊事情を勘案いたしまして、両方の要素を勘案いたしました形で配分をいたすというふうに考えておるわけでございます。
 それから、具体的に市町村の国民年金の仕事のために使っていただいております費用に対して相当交付率が悪いのではないかという点でございますが、これは自治省からも御答弁があると思いますけれども、今回御承知のように国民年金の事務処理体制も非常に変わる、やり方が適用関係も変わりますので事務の内容が変わってくるということでございますので、この改正を実現いたしました後で具体的にはこういった超過負担問題がどれくらいあるのかということについては具体的な調査なり、それから内容の検討ということをさせていただきたいと思っております。
#191
○政府委員(土田栄作君) ただいまの御答弁でほとんど尽きているわけでございますが、若干敷衍して申し上げますと、地方財政法の第十条の四という規定がございまして、国民年金に関する仕事につきましては地方公共団体はその経費を負担する義務を負わないということになっております。したがいまして、年金そのものにつきまして地方団体の負担は全くないし、今後もないわけでございますが、委員御指摘の問題は、市町村の国民年金の事務取扱につきまして国の交付金の額が実態に合わないんじゃないか、足りないんじゃないか、それから超過負担があるのじゃないか、こういう御指摘であろうと思います。こちらの方につきましては、昭和四十九年度に厚生省とそれから大蔵省と私どもと実態調査いたしまして、その結果に基づきまして昭和五十年度予算におきましてその解消措置をとったところでございます。また逐年この単価というものを上げてまいっておりまして、昭和五十九年度から昭和六十年度にかけて申しましても、私どもの算定いたしましたところによりますと、拠出年金の被保険者一人当たりの単価というものを三・二%上げるというふうな措置が講じられております。ただ、これで本当に足りているのかどうか、さらには今回大変大きな制度改正がございますので、そういうふうな制度改正に伴いまして市町村の事務の内容が変わってまいる、そういうことに対しましてどういう財政措置をするかという問題がございますが、こういうふうな問題につきましては速やかに厚生省におきまして実態調査と実情に即した予算措置が図られるべきだというふうに考えておりまして、そのような方向で厚生省に対し働きかけてまいりたいと存じております。
#192
○中野明君 先ほど厚生省からも答弁をいただきましたが、確かに机の上ではそういう考えがある程度出てくるのじゃないかと思いますが、現場では、やはりこの三月で払えない人は一カ月になったからといって払えるという、そういうことはちょっと私考えにくいのじゃないかということ、それから振替といいますけれども、とても生活の苦しい人はそんな銀行か郵便局か何か知りませんけれども、そういうところへ振りかえるだけいつも貯金をしておるような状態じゃないから免除申請になっているのじゃないかということで、恐らくそういう処置をとられても免除申請者が急激に減るというようなことは実情として私は考えにくいのじゃないか、こういう考えを持っております。ですから、その上今度掛金が上がるのですから、まだふえる可能性があるということで、これはよほど周知徹底をしてPRをされないと大変なことになるんじゃないか、こう思っております。
 それから、自治省に僕が言いたいのは、数字の上だけでやるというのじゃなしに、実際に県民所得が低いからそういう低いところは免除申請者が多い、そういうところに限って地方公共団体は財政が苦しい、そこに免除申請の手数というものは目に見えないけれども、表に出てこないけれども大変な事務量ですね。それに対して全然現在のシステムでは配慮がないわけです。ですから、同じ仕事一つにしても財政の規模の小さいところほど負担が大きくなって大変なのですから、すべてに傾斜配分というのですかね、そういう考え方を持たないとこのままでは持たぬと思うんです。そういう点を自治大臣にも僕は考えてもらいたいし、大蔵大臣も、いろいろの面でこれは疎過地域といいますか、そこは同じように公平じゃないかといって一律に公平にと言われるのですけれども、中身は逆に公平の名のもとに苦しい、均等割なんかがいい例ですけれども、そういうことになるわけでして、何かにつけてそういうことを頭の中に入れておいてもらいたい、こういうふうにきょうは特に要望しておきます。
 それで、時間が限られておりますので最後に一点だけ。この年金の問題とはちょっとかけ離れておるようですが、先日来私も各委員会で問題にいたしましたが、いわゆる国民健康保険の退職者の医療制度の問題で、昨日ですか、全国町村会が調査をした結果を発表しておりますが、すごいことになっております。これは自治大臣と厚生大臣のお耳に入っているのじゃないかと思いますが、保険税を三五%以上値上げをしたというところが十八町村に及んでおります。それがみな過疎地です。特に三一・五%というような値上げ、これ全然迷惑をかけないと言っておられたのがこんなことになってきて、もうそれこそ加入者はたまったものじゃありません。沖縄県の大宜味村なんて一〇六%の値上げをしております。あの行革で有名な福岡県の久山町というのですか、あそこもとうとう辛抱し切れずに四四%の値上げをして結局二万円のアップですね。ですから、三人家族としたら二十一万円になるんですよ。現在七万円ぐらいになっているのです、五万円が七万円。こんなことに相なって、法案審議のときには絶対迷惑をかけないと、こういうふうにおっしゃっておったのですが、これからますます出てまいります。最初のいわゆる退職者がこれだけあるだろうという見込みがもう完全に外れております。見込み違いじゃなかったかと私は思うんですが、国庫補助だけ切られてしまって。これじゃ国保はもちません。これ以上値上げをされたらどうしようもないということになっております。これについて厚生大臣どうされますか。最後にお答えいただきたいと思います。
#193
○国務大臣(増岡博之君) ただいままでのところ退職者医療制度の加入者の把握が当初見込みを相当下回っておることは事実でありまして、そのことが財政負担になっておることもそのとおりであろうと思います。ただ、国保全体を見ました場合には、国保の会計はその被保険者の高齢化の度合い、あるいは受診状況、あるいは高額医療の発生状況等によりましてそれぞれ差があるわけでございます。現在の市町村国保の財政負担増加の要因はすべて退職者医療制度の影響によるものとすることは不適当であろうかと思います。御指摘の町村会の調査の結果につきましても、このような観点からその内容を分析をいたしまして、また退職者医療制度そのものの財政影響についても精査してみる必要があると考えておるところでございます。いずれにいたしましても、厚生省といたしましては現在すべての市町村につきまして退職者医療制度による財政影響を調査中でありますので、その結果を踏まえまして市町村国保の安定的な運営に支障が生じないような方策を検討してまいる所存でございます。
#194
○中野明君 厚生大臣ね、自治大臣もそうなんです、自治省も調べているようですが、この町村会が一割の町村を摘出してやってきのう出てきたようですが、これを見ても大変なことです。それで掘り起こしと言われても、田舎の方へ行ったらだれが退職者かということはもう二百人ぐらいの加入者だったら顔を見たらわかる。もう掘り起こしなんてありません。大都会におきましては今度は退職者が再就職したりして入ってくると思ったのが入ってこぬ。あるいは子供さんの扶養家族になっているという面もあります。そういうことで完全にこれは見込み違いなんですから、それで減らすものだけは自分の思うとおりぱっと減らしておいて、見込み違いになったらぐだぐだぐだぐだ言ってなかなか手当てをせぬ。これでは市町村はたまりませんし、自治省の方も早急に調査をしていただいてぜひこれは善処をしていただかないと、もう半年たちましたね。今年の予算でまたその倍でしょう。で、来年と、こうなってくるとこれはもうどうしようもありません。これ以上上げたらそれこそ払えぬ人がいっぱい出てきます。そういう点で、自治省としてもいつこの調査の結論が出るのか、その見通しと、厚生省もいっ調査の結論が出るのか、両方お答えいただいて終わりにします。
#195
○政府委員(幸田正孝君) ただいま大臣からお答えを申し上げましたとおり、この四月から五月にかけて調査を実施している最中でございます。私どもといたしましては六月中にもその調査結果の取りまとめを終わりたい、かように考えているところでございます。
 なお、先ほど御指摘のございました沖縄県の大宜味村でございますが、私どもが調査をいたしましたところでは昭和五十七年に一六%の保険料の減、それから昨年五十九年も四・八%の保険料引き下げを行っているわけでございまして、過去三年間保険料の引き下げを行っている村でございますので、全体として退職者医療の財政影響がそのまま今回の保険料引き上げにあらわれているというふうには私どもは判断しにくいのではないか、かように考えているものでございます。
#196
○政府委員(土田栄作君) 政府として二つの調査をするということはできませんので、政府としての公式な調査は厚生省の調査ということになろうと思います。ただ、それにつきましては非常に時間がかかる、また実態がわからないという面がございますので、私どもはどうなっているかという状況を知りたいということから全国市長会あるいは町村会と共同いたしまして一〇%抽出でどういう状態になっているかということを調べている次第でございます。そういうことでございまして、ただいまのところはこの国保税のアップ率だけ町村会でわかったようでございますけれども、逐次町村会でデータを分析されまして状況を説明されるというふうに承知いたしております。
 私どもといたしましてはそういうふうな町村会あるいは市長会のデータというものをベースにいたしまして現状というものに対して的確に認識し所要の措置というものを関係省庁に対して強く働きかけてまいるということにしたいと思っております。
#197
○中野明君 ぜひ適切な処置をとってくださいよ。お願いしておきます。
#198
○原田立君 いろいろ順序立てて質問をしたいと思ったんですが、総務長官は時間がないようでございますので、冒頭にお聞きしたいと思います。
 昭和七十年を目途に公的年金制度の一元化を図ろうとしているわけでありますが、これとの関係で今後恩給をどのように扱おうとしているか。第二臨調の基本答申でも「年金制度とのバランスをとるために必要な見直しを行う。」、こう述べているわけでありますけれども、このバランスというのを政府はどのようにとらえているのか、まずこの点をお聞きしておきます。
#199
○国務大臣(後藤田正晴君) けさほど御質問がございましてお答えをしたのですけれども、第二臨調からそういう御答申があるし、社会保障制度審議会の御意見等も承知をしておるわけですが、ただ恩給と公的年金というのは一応別建て、というのは基本的な物の考え方が、性格が別でございますから。ただしかし、機能面を見ますと、やはり退職した人あるいは遺族、その他の生活の支えになるという機能面はこれは類似をいたしておりますから、そういう観点でバランスをとる必要はあるだろう、こういう考え方でございます。性格が違うということから、御承知のように公的年金制度は七十年までに二元化する、こうなっておりますけれども、恩給制度がその中に入っておりません。そこで今、これは従来から沿革を見れば物価スライドという時期も恩給にもあったことは事実ですけれども、四十八年からは公務員の給与にスライドさせていく、こういうことになっておるのですが、ここをどう考えていくかなと、こう今考えているのです。ただ、これをやりますと、今は公務員給与にスライドするということになっておりますから、恩給の方は上薄下厚になっているのです。上が薄く下が厚く、こういうことになっているのですね。これは物価ということになりますと、これは同じあれになりまして、格差が開いてくるという問題が出てくるのです。ここらは先行きの検討課題だなとかように考えて、これは慎重に勉強しなきゃならぬと、かように考えているわけでございます。
#200
○原田立君 まさに今長官が言われているとおりでありますが、国民年金あるいは厚生年金、共済年金は、年金額の引き上げを自動的に物価スライドで上げる。恩給の場合には、恩給法第二条ノ二に「年金タル恩給ノ額ニ付テハ国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情二著シギ変動ガ生シタル場合二於テハ変動後ノ諸事情ヲ総合勘案シ速二改定ノ措置ヲ講ズル」、こう違うわけですね。このスライド制に対する見直しをやるのかどうか、政府のお考えをお聞きしたいと思います。
#201
○国務大臣(後藤田正晴君) これはやっぱりスライドは、恩給もこれはやらなきゃならぬと思います。問題は物価スライドになるのか、公務員の給与にスライドさせるのかということが課題になるわけですが、ただいま申し上げましたように、上下の格差が開いてくるおそれがあるという心配があるものですから、そこらはよほどこれは慎重に考えなきゃならぬなと。だから、今この時点で公的年金制度を物価スライドにするから、恩給も直ちに公務員の給与スライドから物価スライドに直すということをここでちょっと申し上げるのは、今しばらく勉強させていただきたい、かように思います。
#202
○原田立君 総務庁、もう結構です。
 第三次の臨調の基本答申の中に「年金制度の改革等高齢化社会への対応」について述べておりまして、年金制度については「全国民を基礎とする統一的制度により、基礎的年金を公平に国民に保障」すべきだとし、さらには「将来の一元化を展望をしながら、給付体系、給付条件等について、制度間の不均衡の解消、各制度ごとの合理化」や「給付水準の適正化」等を図ることにしておりますが、今回の年金制度の改革どこの臨調答申との関連は一体どうなのか、厚生大臣の御所見をお伺いします。
#203
○国務大臣(増岡博之君) 公的年金の二元化につきましての一応のスケジュールを申し上げますと、今後厚生年金、国民年金の本法案に引き続きまして、厚生年金についても基礎年金の導入等同趣旨の改正を行っていただきたいということでございます。そういたしますと、昭和六十一年度にこれらの改革を実際に実施をいたしまして、六十一年度以降に、給付と負担の両面における制度間調整等を進めてまいりまして、十年後の昭和七十年を目途に全体の一元化を完了させることが予定でございますけれども、なおこの際、これからお出しになります共済年金の改正法案によりまして、公的年金制度の一元化を大きく前進するわけでございますので、今後ともその方針に従って全力を傾ける所存でございます。
#204
○原田立君 第三次の臨調答申が出た後、行革大綱を閣議決定し、さらに第五次の臨調最終答申が出た後で新行革大綱を閣議決定し、それぞれ行革実施の方針を決めておりますが、さらに五十九年二月二十四日には公的年金制度の改革についても閣議決定して、公的年金の一元化のスケジュールを決めておりますが、これに基づく改革の手順、いかがですか。
#205
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど申し上げたことと大分重複するわけでございますけれども、まず公的年金制度全体を一元化するためには、それぞれの制度にわたりまして基礎的部分を一元化する、これが基礎年金の構想になるわけでございまして、それから先はいわば二階部分といいます報酬比例の部分につきましても、共済年金もできるだけ厚生年金にそろえていただくようにするわけでございます。この双方が六十一年四月に新しく発足するわけでございまして、その後におきましても、まだ未調整の部分の制度間のいろいろな問題がございますので、その調整を進めながら具体的内容、方法について今後進めてまいらなければならないわけでございます。いずれにいたしましても、昭和七十年を目途に、公的年金制度全体として給付と負担の公平性が確保され、整合性のとれたものとなるよう最大限これからずっと努力をしてまいらなければならないと思っております。
#206
○原田立君 いわゆる年金は七つございますね。国民年金、厚生年金、船員保険、国家公務員共済、地方公務員共済、私立学校教職員共済、農林漁業団体職員共済、七つある。このいわゆる公的年金の一元化というのは、具体的に年金制度を一本化するというのか、あるいはまたこれらの年金制度はそのまま存置しておいて、給付内容や給付条件等を同一にするというのか、どっちですか。
#207
○政府委員(吉原健二君) 一元化という言葉の内容に実は両方の意味が込められているわけでございまして、完全な制度の統合、それも一元化の一つの形態でございますし、制度はそのまま分立をしておくけれども、その制度の内容といいますか、仕組み、給付の面、負担の面、それをできるだけ同一的なものにしていく、あるいは共通的なものにしていく、それも一つの一元化の形態であろうと思います。そのいずれかということを六十一年度以降さらに検討を進めていきたい、こういう考え方でございます。
#208
○原田立君 そうすると、まだこれから検討するのであって、どちらともまだ決まっていない、こういうことが正式な政府の見解ですか。
#209
○政府委員(吉原健二君) 政府といたしましては、昭和七十年をめどに統合一元化を進める。その第一段階として各制度共通の基礎年金というものを厚生年金、国民年金にまず導入をする。それに見合ったそれと同趣旨の改正を共済の各制度にも行うということで、現在厚生年金、国民、いわば統合一元化の第一段階として、現在の基礎年金の導入を柱としたこの法律の改正案を御審議をお願いしているわけでございます。
#210
○原田立君 ですから、七つのものは存続しておいて、その内容を変えていく、同一にしていくのか、あるいは七つを一本にしちゃってやっていくのか、大筋はまだこれから検討するということではっきり決まっていないということですか。
#211
○政府委員(吉原健二君) 今の時点でお願いしておりますのは各制度をそのままにしておきますけれども、各制度共通の給付として基礎年金という制度を設ける。その基礎年金につきましては給付はもちろん同一でございますし、負担の面においても各制度が共通に一定の尺度で拠出金を持ち寄って負担をする、その意味におきましては基礎年金部分につきまして各年金制度の統合一元化ができたということが言えるだろうと思います。
 第二段階といたしまして、いわば二階建て部分といいますか、報酬比例部分をどうするか、さらに三階の部分をどうするか、それは具体的には六十一年度以降の問題というふうに考えているわけでございます。
#212
○原田立君 最初からそう答えればいいのに、回りくどい話で。
 大蔵大臣、現在共済年金制度における国庫負担は給付費の一五・八五%、これが年金制度の改革案では基礎年金に三分の一の国庫負担を出すだけであって、いわゆる二階建ての部分や三階建ての部分については、国は公務員の使用者としての負担はするけれども、公経済の主体としてのいわゆる国庫負担はしない、このようなことを聞いておりますが、この点についての改正の方向は一体どうなっており、なぜ国庫負担はしないのか、いかがですか。
#213
○国務大臣(竹下登君) 共済年金につきましては近く提出するわけでございますけれども、現在その費用の一部について国庫負担が行われておりますが、改正後におきましては厚生年金と同様いわゆる二階部分についての国庫負担は行われないで、国庫負担は基礎年金に要する費用に対して集中して行われる。と申しますのは、国庫負担を全国民共通の基礎年金に集中するということで公平性を確保しようという基本的な考え方であります。
#214
○原田立君 国家公務員共済年金制度における国庫負担の現状と将来の見通し、いかがですか。
#215
○政府委員(門田實君) お話しのように、国家公務員共済につきましては、現在の国庫負担率、これは一五・八五%、こういうことになっておるわけでございまして、その結果六十年度の国庫負担額は四百九十五億円ということでございます。
 今後の見込みにつきましては、実は昨年の十月に財政再計算というものを五年ごとに行うのでございますが、それをやっておりまして、その時点では連合会、一般組合員につきまして五十九年度価格でもって計算しまして、六十一年度五百九十億円、あるいは六十五年度八百三十億円といったような計数が出ておるわけでございます。今後この制度改正等が行われた場合当然変動が生ずるわけでございますが、それにつきましてはまだ計算を十分行っていない段階でございます。
   〔委員長退席、社会労働委員会理事関口恵
   造君着席〕
#216
○原田立君 年金制度における国庫負担のあり方について、これは厚生大臣と大蔵大臣の見解を聞きたいのでありますけれども、年金制度の給付水準を一定のところにもっていき、それに物価の上昇に伴うスライドをして年金の実質的価値を維持するということになると、それに応じた国庫負担なり掛金をしなければならないことは言うまでもないのでありますが、年金制度における国庫負担のあり方については厚生大臣の基本的な見解をお伺いすると同時に、大蔵大臣の見解もあわせてお聞きしたい。
#217
○政府委員(吉原健二君) 年金制度に対する国庫負担の基本的な考え方につきましては、先ほど大蔵大臣からもお答えがございましたように、現在の制度におきましては制度ごとにばらばらの国庫負担がされているわけでございます。この新しい制度におきましては全国民共通の基礎年金部分にもう国庫負担を集中をする、基礎年金部分の三分の一について原則として国が負担する。経過的にその他若干一部の国庫負担が残りますけれども、制度としては原則的に基礎年金部分に集中をすることによって国民共通の公平な国庫負担にするということでございます。
   〔委員長代理関口恵造君退席、社会労働委員会理事佐々木満君着席〕
将来その給付水準の引き上げとの関連でございますけれども、給付水準を物価等にスライドして上げていきますと、当然その基礎年金部分も上げていく、こういうことになるわけでございますけれども、その部分についての国庫負担もそれに伴って増加をしていく、こういうことになるわけでございます。
#218
○国務大臣(竹下登君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、我が国の公的年金制度は保険料と国庫負担による社会保険方式、これで運営されております。これは国民が拠出とそれから給付の両面にかかわり合いを持っておるものとして我が国社会にまあまあ定着をしてきておる、だから引き続きその方式は続けていこうということがまず大前提にあります。
 そこで今回はと、こういうことになりますと、社会保険方式のもとで国庫負担はいわば老後の保障の基本部分に当たるものであるから一般財源によって負担することが必要性が高い、報酬比例部分を国庫負担を行いますと結局余計もらう者ほど国庫負担を余計もらう、こういうことになりますので、そういう批判がございます。それから今御指摘があっておりましたように制度間でばらばらになっております国庫負担率については公平性の確保という観点から是正が求められておる、そういうようなことから基礎年金に集中してやろう、こういう考え方であります。
#219
○原田立君 現在国家公務員や地方公務員には共済年金制度が適用されておりまして、今国会にこれら共済年金制度についても改革を実施するための法案が既に閣議決定されていると報道されておりますが、共済年金制度についてはかねてからいわゆる官民格差の問題があって、公務員の方が民間に比べて給付水準が高いのではないか、こう言われていますが、実態はどうなっていますか。
#220
○政府委員(門田實君) 共済年金と厚生年金との年金額の比較でございますが、これは給与のとり方でありますとか年金額の計算方式でありますとかいろいろ相違がございますので、一概に比較するということは非常に困難でございますが、お話のございましたモデル年金、昭和五十六年のモデル年金額、これによって比較いたしますと、勤続期間三十二年ないし三十三年くらいまでは厚生年金の方が年金額が高い、それ以上の勤続期間になりますと共済年金の方が高い、こういう数字が出ておったわけでございます。
#221
○原田立君 年金制度の改革の方向について見ますと、公務員にも今後は基礎年金を導入し、その上に二階建ての退職共済年金と、またさらにその上に三階建ての職域部分を上積みするというようになっているようでありますが、各種年金制度をこのように改革する必要性は一体何だったのか、大蔵大臣。
#222
○国務大臣(竹下登君) 今御指摘もございましたように基礎年金は導入しょうと、これまた考え方としては一元化と、こういうことでございますが、その上の二階建てというのは、今原田さん御指摘のとおり、これは給付水準を厚生年金に合わせる、それから今度は、公務員の特殊性の分が三階建てと、こういうことになるわけであります。したがって、御指摘のような公務員等につきましては、身分上の制約等があることを考慮して、職域部分として厚生年金の二割増しの水準を設定しております。この基礎年金部分を含めた全体の国共済の年金水準は、厚年の被保険者に比べて、したがって約八%強の高い水準になります。
#223
○原田立君 臨調の第三次の基本答申では、現在分立している年金行政組織の一元化についても指摘しております。「年金制度の統合、一元化を推進していく等のため、現在分立している年金行政組織を一元化する。」、これが一つです。「このため、まず年金に係る現業業務の処理を社会保険庁に一元化し、」、これが二つです。二つの点を指摘しているわけなんでありますけれども、「公的年金制度の改革について」という閣議決定の部分は、四の項目のところに、「これらの進展に対応して年金現業業務の一元比等の整備を推進するものとし、昭和七十年を目途に公的年金制度全体の一元化を完了させる。」と、こうなっておるわけでありますが、行政組織の一元化は、この「公的年金制度の改革について」という閣議決定では言っていないのです。厚生大臣の御見解はどうですか。
#224
○国務大臣(増岡博之君) お答え申し上げます。
 今後の年金につきましての行政組織のあり方につきましては、将来の年金制度のあり方と密接に関連する問題でございますので、昭和七十年を目途といたしまして年金制度全体の一元化の具体的検討とあわせて今後検討していくことといたしておるわけでございます。
#225
○原田立君 基礎年金についてお聞きしますけれども、その基礎年金の性格、公的年金制度における基礎年金の位置づけ、これは一体どういうふうなことなのか。ないしは加入期間四十年で、五十九年度価格で月額五万円、夫婦で十万円になっておりますけれども、このいわゆる五万円ということになった金額の根拠は何なのか、また、その五万円の給付を受けるのに四十年間の加入を必要とするとした理由は一体何なのか、厚生大臣。
#226
○政府委員(吉原健二君) まず、基礎年金の基本的な考え方でございますけれども、今度基礎年金が全体の年金給付の基礎的部分、一番下の共通的な一階建ての部分が基礎年金に当たるわけでございます。その基礎年金の水準として考えました基本的な考え方は、老後の生活の基礎的な部分、老後生活にはさまざまな消費支出が必要となるわけでございますけれども、衣食住あるいは光熱費等を中心としたいわゆる老後生活の基礎的な支出を賄うに足りるものを基礎年金として支給をしようという考え方に立っているわけでございます。
 具体的にどの程度の水準、金額にすればよいのかということでございますけれども、一つの参考にいたしましたのが、総理府が五年ごとに行っております全国消費実態調査でございまして、これをもとに推計をいたしますと、六十五歳以上の単身者の場合の、先ほど申し上げました衣食住を中心にした基礎的支出が、現在五十九年度の価格で大体四万七千円ぐらいの金額になるわけでございます。夫婦二人の場合にどのくらいになるかといいますと大体八万三千円ぐらいの金額になるわけでございます。そういったことをもとにいたしまして基礎年金の水準を単身の場合に五万円、夫婦二人の場合に十万円ということにしたわけでございます。
 それから、加入期間を四十年とした理由でございますけれども、これは現在の国民年金が、サラリーマン等に適用が拡大をされまして全国民がこの基礎年金の対象者となるわけでございますけれども、国民年金が、従来二十歳から六十歳までを加入期間、被保険者期間として構成をされておりますので、その四十年という加入期間に対応した金額として五万円というものを考えたわけでございます。この基礎年金に要する費用の負担につきましては、これを各制度が共通の一定の物差しで公平に負担をする、こういう考え方、具体的に言いかえますと、全国民が公平に負担をするという考え方に立って基礎年金の財源というものを、国民年金、厚生年金、各共済組合からそれぞれ一定の計算の方法によって持ち寄って負担をしていく、こういう仕組みを取り入れたわけでございます。
#227
○原田立君 五万円というのは、厚生大臣、少し少ないのじゃないですか。この議論は先ほど矢原委員からもありましたけれども、将来の社会経済情勢を踏まえた給付水準を一体どのように考えているのか、また、基礎年金部分にかかわる掛金は将来どのように推移していくのか、この二点について。
#228
○政府委員(吉原健二君) 年金の給付水準の考え方はいろいろあるわけでございますし、年金を受ける方の立場からいいますとできるだけ高い方が望ましいということが言えるわけでございますけれども、その年金の給付を賄うに必要な財源はこれはまた国民一人一人が負担をしなければならないわけでございますから、そういった基礎年金の給付を賄うに必要な保険料負担とのバランスを考えながら給付の年金額を設定しなければならない、こういうことがあるわけでございます。五万円を支給するのに必要な保険料負担が、制度発足当初は約六千八百円でございますが、いずれこれは現在の価格で一万三千円程度に引き上げていかなければならないわけでございます。先ほど来、この保険料負担についてのいろいろ御指摘なり御質疑があったわけでございますけれども、決して私ども、率直に言いまして、今申し上げましたような保険料負担というものが軽いものだとは思っておりません。そういったことで、基礎年金の水準を考えます場合にも保険料負担との関係、そういったものを考えながら設定をいたしたわけでございます。
#229
○原田立君 ちょっとそれますけれども、厚生大臣、生活保護世帯の支給額、これは月額幾らぐらいになりますか。それとこの五万円と比較して一体どうなんですか。
#230
○政府委員(吉原健二君) 生活保護の場合には、単身者であるか夫婦であるか、それから年齢構成それから級地別によっていろいろ生活扶助の基準額が違うわけでございますけれども、六十五歳以上の男女の平均、二級地の場合を申し上げますと、五十九年度におきましては五万三千三百六十九円という金額になっているわけでございます。夫婦の場合、夫六十八歳、妻六十五蔵、夫婦の場合の生活扶助の基準額、これも二級地で申し上げますと一人当たりで四万一千八百七十円と、こういう金額になっております。
#231
○原田立君 これ内閣委員会との関係ではちょっとそれますけれども、我が党は五万五千円の月額支給をしろということを年来主張しております。
 これはこれとして、五万円の基礎年金受給資格期間は四十年でしょう。それで六十五蔵から支給するのでしょう。公務員の場合六十歳定年制でしょう。そうすると五年間ブランクになりますね。ないし、実際の問題でいきますと、大学卒業者は二十二、三歳で就職して勤続は三十七、八年で終わり、要するに六十歳定年で終わり、こうなってくる。受給資格期間が四十年となると二、三年足らないわけです。しかもまだこの六十五蔵まであと五年間年金がないわけです。穴があいているわけだ。これはちょっと制度としては不完全な制度じゃないだろうか、こう思うんです。
 この問題についての、これから先現実に出てくる問題ですから、厚生大臣、大蔵大臣の御見解をお伺いしたい。――大臣に聞いている。
#232
○政府委員(吉原健二君) 大学卒のお話がございましたけれども、通常は厚生年金の適用を受けられる場合が多いと思いますけれども、その方につきましては基礎年金は確かに六十五歳から支給でございますけれども、現在厚生年金は六十歳から支給をされるということになっておりまして、六十歳から六十五歳までの間は現在の仕組みの厚生年金が厚生年金の独自給付として定額部分、報酬比例部分として支給をされるということになっているわけでございまして、六十歳から六十五蔵までの五年間穴があくという格好にはなっていないわけでございます。
#233
○国務大臣(竹下登君) これはこれから御審議いただく共済年金も厚生年金と同じように本則上は六十五歳支給と定めておりますが、実際には附則において六十歳の支給開始年齢ということになっておるわけであります。
#234
○原田立君 もう時間が来たのでここで終わりにしたいと思うんでありますが、そうすると、厚生大臣、大蔵大臣、穴はあかないんだと、心剤ないよと、こういうことですね。そういうふうに受け取ってよろしいですね。ただし五万円よりも少なくなるでしょう、六十歳からですと。そのお話をなさらないからね、まあいいでしょう。
 厚生大臣に聞きますけれども、年金審議会というのが今度はできるそうですね。そういう方向にあるようなことでありますけれども、公務員側の意見反映あるいはまたいわゆる受給者の意見反映というのは一体どういうふうになりますか。
#235
○政府委員(吉原健二君) この法律が成立をいたしますと、従来の年金関係の審議会、厚生省の所管で国民年金審議会と社会保険審議会の厚生年金保険部会という部会があるわけでございますけれども、これが統合をされまして新たに年金審議会という一つの新しい審議会が発足をするわけでございます。従来の審議会の構成、そういったものを十分引き継ぐような形で新審議会というものを発足をさせ、保険料の拠出者、それから年金の受給者、学識経験者、関係者の御意見がよくこの審議会の上で反映されるような委員構成にさしていただきたいというふうに思っております。
#236
○原田立君 大蔵大臣、さっきの六十歳からの。
#237
○国務大臣(竹下登君) 今御指摘のように、基礎年金五万円のフル年金の給付、原田さん御指摘の。これは御指摘のように四十年が必要であるわけでございます。したがって国民年金に学生時代から勧めて入っていただくということが可能でございますので、そういうことを勧める必要はあると思っております。
#238
○原田立君 これで私は終わりますのでもちょっと今の最後の大蔵大臣の答弁はいただけません。理解しがたいけれども、時間が来ましたのでこれでやめます。
#239
○小笠原貞子君 私は、今回の年金改正法の重要な柱と言われております婦人の年金権を確立するという婦人の問題から質問をしたいと思います。
 政府は、今回の年金法の改正によってすべての婦人に独自の基礎年金を支給することによって婦人の年金権の確立を実現するように言われておりますが、本当に婦人の年金権が確立すると言えるような内容になっておりますでしょうか、まず最初に概括的に伺いたいと思います。
#240
○政府委員(吉原健二君) 今まで御婦人の年金権、年金保障の面で一番問題があった点、あるいは不安定な点、不確かな点が、何といいましてもサラリーマンの奥様の場合の年金であったわけでございます。既に厚生年金の適用事業所で勤めておられる方につきましては、男子の場合と同じように厚生年金の適用を受けて保険料を払い、年金を受けられる。国民年金の場合ですと、自営業の場合の方ですと国民年金に強制適用になりますから、原則として保険料を納めていただいて年金に結びつくという仕組みになっていたわけでございます。一番問題はサラリーマンの奥さんの場合でございまして、こういった方々はある面では夫の厚生年金の中でカバーをされていたということが言えるわけでございますけれども、自分自身の年金は受けられない。ただ、国民年金に任意加入をいたしますと、任意加入された方だけは御自身の老齢年金がつく。任意加入しなかった場合には自分は年金がない。仮に離婚をされますと自分の年金はない。障害者になっても障害年金が受けられない、こういうことが一番問題であったわけでございます。今度の改正案におきましては、サラリーマンの奥さんの方々も当然国民年金に加入をされまして年金が受けられる。ただしその場合には、保険料は今までのように自分自身で納めるということを必要とせずに、御主人の保険料の中から国民年金会計に払い込まれる。そのことによって老後自分自身の名義の年金が受けられるということになるわけでございます。
#241
○小笠原貞子君 基本的な問題なので大臣にちょっとお伺いしたいのですけれども、年金権の確立といいますのは、今おっしゃったように加入する権利がある加入権、受ける権利がある受給権、そしてまたその年金によって生活できるという、この三つがそろって本当に年金権の確立という概念が生まれるのだ、私はそう考えておるのでございますけれども、大臣の御所見はいかがでございますか。
#242
○国務大臣(増岡博之君) 我が国の保険は従来から社会保険制度を採用いたしておりますから、その制度の定めるところによりまして年限と保険料をお払いいただきました方にはそのとおりの年金を差し上げるという姓前になっておるわけでございます。またその際、金額の問題でありますけれども、今回の基礎年金につきましては生活の基本的な部分という考え方でございまして、それの計算によりまして定めさせていただいておるところでございます。
#243
○小笠原貞子君 今度の政府の制度改革のねらいとして、今の制度の仕組みをずっと続けていくと年金額が大変高くなる、そこで、このような制度の肥満体質を改善し、将来にわたってぜい肉落としをしていかなければなりません、こういうふうに書いて、そして年金水準の将来を描いていらっしゃいます。民間のごく普通のサラリーマン夫婦の年金額は、ここの三十一ページの表を見ますと月額約二十一万円になりますとモデル年金が図解で示されております。
 そこで伺いたいのですけれども、これだけではございません、後もございますけれども、これは婦人も含めての表であり、数字であるのかどうか、いかがでございますか。
#244
○政府委員(吉原健二君) この二十一万一千円の金額の水準でございますけれども、これは現在の厚生年金の標準年金というのが夫が厚生年金に加入をして六十歳になって配偶者がおられる場合の。標準的な年金額でございまして、現在十七万三千円程度の水準でございますけれども、これが四十年加入の場合、将来約二十一万一千円という金額になる、こういうことでございます。
#245
○小笠原貞子君 私の質問をちゃんと固いていてくださいね。私が聞いたのはこの表だとか、この額というのは女も含めてのものでございますかと問いたのだから、そこのところを答えてください。
#246
○政府委員(吉原健二君) 配偶者である奥様がおられる場合の男子の標準的な年金額でございます。
#247
○小笠原貞子君 今回の年金制度の改悪の大きな特徴と申しますのは、今までの世帯単位だったそれを個人単位の年金制度に変えることである、こういうふうにいろいろパンフレットやなんかでもおっしゃっているし強調なさっていらっしゃいます。
 そこで、私が一生懸命これを見たのだけれども、妻はちょっと出てくるのですね。だけれど女子は全然ないのです。どこかに女子のがありますか。私は一生懸命探したのだけれども女子なし、女抜きなんですね。だから私は、今度世帯単位から個人単位にしたといったら当然男もいれば女もいる、女子の場合はどうだ、そういうものがあってしかるべきである、そう思うんですよ。大臣、どうですか、そうお思いになるでしょう。
#248
○政府委員(吉原健二君) もちろん年金受給者にはお一人の場合、それからただいま申し上げましたような夫婦二人の場合、男子の場合、女子の場合、いろいろあるわけでございますけれども、最も標準的な通常の場合が御夫婦の場合を想定いたしをして、夫婦二人で年金を受ける場合の楳準年金額を先ほど申し上げましたような形でお示しをさせていただいたわけでございます。
#249
○小笠原貞子君 だから女はないんですよね。だんなさんがあって妻がある、それを標準と見ていらっしゃる。女子は標準に入らない、こういうこと、あなたの答えでいけば。
 そこで私は申し上げたいのだけれども、社会保険庁からいただきました事業年報、厚生年金被保険者、五十七年度末の女子は何ぼだとここに数字が出ているわけですね。そうしますと、五十七年度末で女子の被保険者数というのは八百二十九万二千三百三十一人です。五十七年度だから今は当然ふえてますね、働く人がふえている。そしたら、八百三十万以上の女子を無視して標準的なのは夫と妻でございますなんというのがおかしいと私は言うのです。大臣、おかしいでしょう。そこまでいったら大臣は感想を一つ言わなくちゃだめです。
#250
○国務大臣(増岡博之君) 標準的な考え方という言葉でございますけれども、確かに御指摘のように、男子の場合はこう、女子の場合はこうと書く方が親切であったかもしれないというふうに思います。ただ、年金というのは非常に複雑でございますので、パンフレットをつくる際に非常にその全容を明らかにするということにつきまして苦労をいたすわけでございますから、そういう面での多少の手抜きはあったかなという考えを持っております。
#251
○小笠原貞子君 大臣、前段でとめておけばよかったの。後が出てきたから問題なので、複雑だから書けませんと言ったら、複雑だから女は無視するということにつながっちゃう。複雑だから、ややこしいからなんて言ったら、女子と小人養いがだしという頭でいらっしゃるということを言わざるを得ないわけなんです。だからその辺ちょっと訂正しなきゃだめですね。複雑なんていうので切り捨てられたら女として私は黙っていられないということでございます。私の言うことそうでしょう、どうですか。
#252
○国務大臣(増岡博之君) ですから、先ほど手抜きをしたような感じがいたしますと申し上げたわけでございます。
#253
○小笠原貞子君 八百三十万以上いる女子というものを抜きにして、複雑であるからと言うけれども、その女子を抜きにしちゃっている。そして次に私が言いたいのは、男子だけの年金を取り上げて三十二年加入で十七万三千八百円、それが四十年になりますと二十一万一千円になります。女抜きだから高くなるわけですよね。まさに女抜き誇大広告だと私は言わざるを得ないわけでございます。まさにこの誇大広告によってぜい肉を落とそうなんていうことがここから出てくるのです。女の場合考えればぜい肉どころじゃない、スマートなものですよ。そういうことで、全く示されていないというのは不公平だということ。女子を抜かしといて、大事な女子ですよ、今の日本の経済の下を支えている。これを抜きにしておいてそして年金を審議しろというのも、これまた私本当に女性侮辱だと思うし愚弄だと思うんですね。その辺のところを頭にしっかり入れておいていただきたいと思います。
 次に、そういうことを頭に入れながらこれからの私の質問に答えてください。女の賃金は男性賃金を一〇〇とした場合どれくらいになっていますか、そして最近の傾向はどうか、その辺はいかがですか。
#254
○政府委員(吉原健二君) 平均標準報酬月額で申し上げますと、男子の場合が二十四万八千円に対しまして女子の場合には十三万七千円ということになっております。五十九年三月末現在でございます。
#255
○小笠原貞子君 大体女子の賃金というのが、これは労働省婦人少年局からお出しになりました「婦人労働の実情」というのをずっと見てみましても、七八年までは相当差が縮まってきて、ああこの傾向はいいなと思ったら七八年を境にいたしましてどんどんどんどん下がってまいりましたね。そして今のこれで見ますと、五二・八%にしかすぎないということです。今もおっしゃったけれども、男子に比べて約半分くらいの賃金である。この差が開いてくるということは、これは女子にとっては非常に大きな問題だと言わざるを得ないと思います。
 それからまた女子が結婚いたします、出産をいたします、育児の期間がかかります。これは女が自分の子供を産むんだなんて、男性が女の子供だなんて思ったら大間違いですよ。今度の婦人均等法だとかあらゆる形態の差別撤廃条約においても、女が子供を産むというのは社会的な大きな、次代の国家を担うのですからね。そういうことで、女が出産、育児、四十年働くというのは非常にこれは困難なことですよ。結婚もしないで子供も産まないで働けと言われればそれまでだけれども、やっぱり次代の国民を産み育てるという女の役割、社会的な役割というものを考えると、これは四十年勤めるということは大変なことだなと言わざるを得ないと思うんです。定年制の問題をまたもう一つ考えてみましても、女子の場合に五十五歳定年制というのを実施している事業所はどれくらいあるというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。ざっとの数でどれくらい五十五歳の定年制というのがあると。大臣、どれくらいだとお思いになりますか。いや、正確に、数字が違うなんてやっつけるわけじゃないから。
#256
○政府委員(吉原健二君) 女子の場合の五十五歳定年は、五十九年度におきまして四三・四%でございます。
#257
○小笠原貞子君 五十五歳まで勤められるというところが半分以下でございますね、全体の事業所のね。だから賃金は半分くらいだ、出産、育児で四十年勤めるということは非常に困難である、そして勤めたいと幾ら努力をしても定年制というようなことで勤められないというような、こう幾つも幾つも悪条件が重なってきているわけでございますね。だから婦人の年金というのは男子に比べまして半分くらいになっちゃうというのはこれは当然のことで、数字としては出てくると思うんです。そこで、先ほど年金がこのままいけば肥満体質だから将来にわたってぜい肉を落とさなきゃならないと。これは女じゃぜい肉の落としょうがないけれども、どうなんですかね。
#258
○政府委員(吉原健二君) 年金制度を別に、男子あるいは女子、それぞれ別個に考えるわけにはまいりませんで、やはり年金制度全体として今のままで将来とも大丈夫かどうか、肥満体質になっていないかどうか、そういうことから考えていかなければならないわけでございます。女子の方につきましては、おっしゃいますように平均標準報酬が男子に比べてかなり差がございますけれども、年金はやはり従前の働いているときのいわば老後の保障、退職後の保障ということでございますので、どうしても働いている期間の賃金なり平均標準報酬月額が低ければそれだけ低くなる、そういうことはこれはやむを得ない面があろうかと思うわけでございます。やはり全体としての年金の制度の仕組み、支給開始年齢にいたしましても給付水準の決め方、給付の設計の仕方、そういったものが男女を通じてこれからの高齢化社会の中で十分やっていけるものかどうかという判断から判断をしなければならないのではないかと思うわけでございます。
#259
○小笠原貞子君 つまり、ここに書いてある、ぜい肉を落とさなきゃならない肥満体質になったというのも、男を対象にしているからこういう言葉が出てくるのです。
   〔委員長代理佐々木渦君退席、委員長着席〕
女は、今言ったようないろいろな条件の悪さを考えて低水準ということを考えれば、女は全くスマートだと認めざるを得ないと思うんです。
 それで、次の問題に移りますけれども、今度の政府案の特徴というのは、具体的には定額部分の現行一カ月二千四百円、これを千二百五十円と引き下げましたね。この引き下げ率というのは四七・九%になりますね、二千四百円から千二句五十円。また、報酬比例の年金額を計算いたします乗率も二五%引き下げられたと、こういうことになりますと、これは賃金の高い者と低い者と比べてどっちが影響受けることになりますか。定価部分が四八%も引き下げられたということはどういうふうにごらんになりますか。
#260
○政府委員(吉原健二君) 率といたしましては、定額部分の適正化といいますか、低減率の方が高いわけでございます。
#261
○小笠原貞子君 どうもそらしちゃうのね。どっちが影響を受けるかと言ったのです。定額部分ががくっと減ったら、もうわかっていて答えたくないと思うから私が言いますと、やっぱり低賃金の収入の人には、定額部分の二千四百円が千二百五十円になる、これが大きく影響して低めていくということにこれは数字で見ればならざるを得ないですよ。そういうことでしょう。そして、その定額は、低賃金の人たちというのは、先ほど言ったように女が多いということになりますと、女にとってこの定額部分の比重は非常に大きな打撃になるというのは、これは当然のことだと言えると思います。それは当然ですよね。簡単にひとつ。そうなりますでしょう。
#262
○政府委員(吉原健二君) 女性にとってというよりか、むしろ単身者にとってでです……
#263
○小笠原貞子君 低賃金。
#264
○政府委員(吉原健二君) それは男子とか女子とかいうことではございませんで、男女を通じて単身者にとっての給付の適正化というものがより強く、より大きく行われているということは確かでございます。
#265
○小笠原貞子君 はい、今おっしゃったように単身者、女子もそうですね、低賃金の部分が非常に打撃を受けます。そしてまた三十三ページのこの表を見ますと、これで六十一年度の標準年金額というのが十七万三千百円となって、そして成熟時の標準年金額は十七万六千二百円になる、こういうのが出ております。これも夫――妻がちょっとくっついておりますね。女子の場合には、今の六十一年度の標準年金額が、試算してみればどういう数字になって出てまいりますか、お知らせください。
#266
○政府委員(吉原健二君) 現在の女子の平均標準報酬は約十三万八千円でございますので、加入期間を二十五年ということで計算をいたしますと、現行のモデル的な年金額は九万四千五百円ということになります。
#267
○小笠原貞子君 その九万四千五百円が六十一年度標準だと。これがここに書いてありますように、これは四十年が書いてある、四十年加入、成熟時と、こう書いてあります。
 先ほど言いましたように、女は四十年、子供も産まずなんというのはなかなか無理なことです。そうすると、女として一生懸命働いて、最高働いて、例えば二十五年働いた場合には年金額はどういうふうになりますでしょうか。
#268
○政府委員(吉原健二君) 標準報酬を先ほどと同じという前提で申し上げますと、二十五年の場合に七万五千九百円という金額になります。
#269
○小笠原貞子君 今度の年金の中でおっしゃっていることは四十年の成熟時でも今の現行を維持しましょうということを言っているわけですよね。今の標準を下げるのじゃなくて維持しましょうというわけで、ここの表も現在十七万三千百円。これが十七万六千二百円、今の標準を維持しているという形がここに示されているわけですね。これは男なんです、さっき言ったように。そこで女の場合を伺ったわけなんです。女の場合は今の六十一年度標準年金額でいくと九万四千五百円でございます。そして二十五年頑張って勤めました。七万五千九百円でございます。そうすると、現行に比べて差し引き一万八千六百円ですね、二〇%減る、こういうわけでございますね。今度の表をおたくからいただきましたからこれで見ますと、現行と三十年勤めて比較いたしますと一万三千四百円減ります。一四%ここでも値下がりになってしまうわけです。
 そこで、女の人たちがどれぐらい働いているかという勤続年数、これを考えてみますと、これは総理府統計局の五十八年度の調べ、農林水産自営業を除いた全体の雇用者は一千四百七十五万人でございます。そうしますと、四十歳から四十四歳までの人、二十年ないし二十四年、百八十九万人、それから五十歳から五十五歳というのを見ますと百三十四万人なんです。そして五十五歳以上六十四歳、これは勤続三十五年以上の人たち、これは八十二万人でわずかに五・六%、こういう数になります。そこで私が言いたいのは、男子の場合には四十年、成熟時には今の標準と変わりなく維持しますということが言えると思うんです。ところが婦人の場合、例えば四十年婦人の場合をとってみますと九万一千四百円、おたくからいただいた数字です。四十年勤めると年金額は九万一千四百円。現在の標準がさっきおっしゃった九万四千五百円だから、ここも男の人は三千円ちょっとふえているけれども、女の方は三千円ちょっと少ない。ちょっとじゃないかと言われるけれども、女が四十年働かなければならないというここのところ、ここが私が今申し上げましたように三十五年から四十四年働く人というのは全体の五・六%ですよ。たった五・六%の三十五年以上勤められるという数字を対象にしてもしも変わりませんなんと言われたら、とんでもないごまかしたと私は言わざるを得ない。さっき言ったように勤めているというのは平均してせいぜい頑張って大体二十年、二十五年。そうするとがくんと下がってきているではないか。だから、こういうのを出すとぐあいが悪いから出さなかったというのがここに何にも女子を書いてない理由じゃないですか、どうなんですか、大臣。出したら都合が悪い、だから出してない。
#270
○政府委員(吉原健二君) そういうことではございませんで、先ほどから申し上げましたように、女子に限らず単身者の場合の給付水準が今のままですと将来非常に問題がある、そういうことでそれを適正化しようということでございまして、それ以上のあるいはそれ以外の意図が特にあったわけではございません。
#271
○小笠原貞子君 意図がないのなら大至急女はこうなりますよ、単身者はこうなりますよと大宣伝してくださいよ。さっきおっしゃったように婦人の独自名義の基礎年金がございます、五万円がもらえまして、みんなこうだなんて誇大広告だから私は怒っているわけです。別に意図がなかったら、こんな立派な法令の中に一ページぐらいなんで女と単身のために使えないんですか。全然頭がなかったからでしょう。それか意図的だったかどっちか、今からでも遅くないですよ、単身の場合、女子の場合、そんなたくさん書かなくたっていいですよ。簡単に今おっしゃった数字を出したらできるのだから、ぜひその本当のところを大至急、遅れたのだから宣伝してください。いいですか。それは大臣でなきゃだめです。宣伝するなんて局長の一存ではいかないもの。大臣、努力する、つくる、するくらいしなきゃだめです。
#272
○国務大臣(増岡博之君) 国会を通じて御審議いただいておりますことも一つのPRであると思いますけれども、行政は行政サイドとしてできるだけ正確に伝わるように努力してまいりたいと思います。
#273
○小笠原貞子君 手おくれしたのですからぜひ努力を早急にお願いしたいと思います。
 そこで、今度は先ほどもちょっと出しました定年制です。五十五歳定年というのだって事業所の半分ないですよ。まして六十歳まで、四十年間働こうとしたら六十歳ですよ。六十歳の定年制なんていうのは、現実に女が六十歳まで働けるというのがどれくらいあるというふうにごらんになりますか。
#274
○政府委員(吉原健二君) 現在の女子の定年が六十歳になっております企業は三・一%程度、現時点ではそういった非常に少ない数字でございます。
#275
○小笠原貞子君 だから四十年女が働くというのは大変なことなんです、さっき言ったようにね。それも私の子供じゃなくて日本の将来を担う子供を育てる、そういう立場から考えて六十歳定年がわずかに企業の三・一%しかない。そうすると働きたいと言ったって働けないというそういう問題が出てきます。定年だというと。十五年後六十歳の定年というのがどの程度の保障があるのですか。
#276
○政府委員(吉原健二君) 将来の定年制が男女を通じてどういうふうに推移していくかなかなか予測が難しいわけでございますけれども、一般的にはだんだんと男女を通じまして六十歳定年というものが一般化しつつあるわけでございます。労働省の現在の調べによりますと既に半分を超えているというようなことも聞いているわけでございます。
 それから年金との関係で申し上げますと、確かに女子の方の場合に二十歳から六十歳までお勤めになるケースは将来も必ずしも多いというふうには考えておりませんが、年金制度の面では勤めておられる期間だけが年金に反映をされる、年金の対象になるということではございませんで、勤めておられない場合にも当然国民年金の対象になるわけでございますから、その期間は年金に結びつく、こういうことになっているわけでございます。
#277
○小笠原貞子君 それは期間としては結びつくけれども、中身が結びついてないでしょう。六十歳の定年にまで延ばしたい、私もそう思いますよ、私だってまだまだ働けるのだから当然延ばさなきゃならない。だけれどそれは願望ですよね。できるかできないかというのはいろいろな情勢の中から決まってくることだ。そうすると六十歳定年という保障がないままで六十歳支給という、六十歳でなければ出しませんよということになれば、五十五歳でやめて六十歳の五年間がすみを食って生きているわけにはいかないのだから、だから六十歳支給ということを実施されるならば、六十歳定年が一般化したときにそのときに初めて実施するということがなければ、その間大変な苦労になりますよ。その辺のところをやっぱり考えるべきではないかと思います。いかがですか。
#278
○政府委員(吉原健二君) 年金の支給開始年齢を考えます場合に、定年年齢でありますとか、あるいは雇用の状況、そういったものとの関連といいますか、連係というものを当然頭に置いておかなければならないわけでございますけれども、もう一つ年金制度の面から言いますと、既に共済年金なんかは男女の支給開始年齢に差がないわけでございまして、現在これを男女とも六十歳に引き上げるという計画が進められているわけでございます。それからもう一つ、年金の受給という面から見ますと、はるかに女子の方が年金の受給期間が長いわけでございます。もうこれはくどくど申し上げる必要もないと思いますけれども、女子の場合の五十五歳以降の平均余命というのは三十年に近い平均余命があるわけでございますから、原則として五十五歳で年金を受け始められますと三十年近い期間を年金として受け取られる、こういうことになるわけでございます。男子の場合はそれよりか五年程度短いわけでございます。そういった年金の受給期間、そういったこととの関連も考えまして男女の年金の支給開始年齢は一体どうあるべきか、今のような五歳の差というものをそのまま将来とも残していいかどうか、そういうことが一つ大きな問題であろうと思います。
#279
○小笠原貞子君 女が長く生きてたら悪いみたいなことになっちゃいますね。やっぱり喜ぶべきことですよ。だから、その喜ぶべき長寿、これに対してさっき言ったように、加入権と受給権と、生きていけるという最低の保障ができるような、経済大国日本でしょう、アメリカ、ソビエトに次ぐ世界第三の経済国の日本が社会保障考える場合に、今みたいにちょっと長く生きているからたくさん結局はもらうんだから、何か生きているのが申しわけないみたいな、そういう変な逆行の考え方はやめていただきたいと切に、担当される局長もまだお若いのですから、頭を切りかえてそれくらいやっていただきたいと思います。
 それじゃ次に遺族年金の問題についてお伺いしたいと思います。先ほどから繰り返し言っておりますけれども、婦人の年金権の確立という場合に、その年金というものが男子の年金と同様に扱われるものでなければならない。そこで、年金受給者である婦人が死亡した場合、遺族としての夫の遺族年金はどういうことに今度なるのでしょうか。今までどうで、今度とういうふうになるのでしょうか、遺族年金。
#280
○政府委員(吉原健二君) 生計中心者である夫が死亡された場合には、遺族年金が妻に対しまして年齢要件がなしに、子供がおられるかどうかということはございますけれども、支給対象になるわけでございますが、逆に奥様が亡くなられた場合に夫に対する遺族年金は六十歳以上でないと支給されないということになっております。
#281
○小笠原貞子君 五十五歳に修正になったのじゃないですか。
#282
○政府委員(吉原健二君) 失礼をいたしました。
 現在そういうことになっているわけでございますが、衆議院における修正によりまして、死亡された時点で五十五歳以上の場合に六十歳から支給される、こういうことになっているわけでございます。
#283
○小笠原貞子君 婦人の職場進出というのが御承知のように年々増加しております。また、男女の家庭での役割分担というのも今までと違って、男は外女は内なんという考え方はこれは間違いだというふうになって、その役割分担も大きく変わってきて、現実に妻が家計の主体となっている例は少なくございません。その妻が死んじゃったときには、五十五歳未満だったらその亭主は全く遺族年金を与えられないことになりますね、これでいきますと。そうすると、私のところにもいろいろ訴えや何かが来たのですけれども、妻がけなげに働いているというのは、本当にだんな様が弱かったり病身だったりという中で奥さんが主になって頑張っている。その奥さんが病弱な夫のことを考えると、もし私が死んだ後、夫は生きていけないのではないかというふうに切実に訴えてきておられるわけです。ここでやっぱり夫も五十五歳未満だったらもうそれは働けと。働ければ心配ない。働けないような病弱だとかいろいろな条件を抱えているから女が働いている、家計の主たる柱になっているというようなこともありますから、年金権についても妻の年金権を、夫への遺族年金という問題についてもやっぱり配慮すべきだというのが私の考え方。六十歳だったのが五十五歳に修正されたのは、これはいいことだと思いますけれども、家族手当にしても最近岩手県の地裁で家族手当は家族の主たる柱である婦人であれば婦人につけるべきだというふうな考え方にもなってきておりますから、その辺の動きというのを考えて御検討を十分していただきたいとお願いをする次第です。ぜひそのことについて十分な温かいお気持ちでお願いをしたいと思います。
 厚生省は今度の改正で基礎年金五万円支給と述べていらっしゃいます。そして昭和百年までいろいろトータルを出していらっしゃるわけです。国民年金受給者の平均給付額を私は聞きたいのです。それは、今まで衆議院からいろいろな議事録がありましてそれ読ませていただきました。そうしますと、一号国民年金、この受給者は六百十七万、そのうち五万円受給者が四百六十三万、免除者、未納者、五万円以下が百五十四万、こういうふうに出されているわけです。二号被保険者、厚生年金千二百七十八万人、これは全員五万円の受給者、厚生年金三号被保険者は五百二万人で、全員これも五万円受給、こういうふうに数字が国会の中の答弁で出てきているわけでございます。そして、この一号、二号、三号みんなを合わせると、今度の基礎年金五万円と言われているけれども、四万五千七百七十八町という数字が昭和八十年の平均受給額だ、こういう数字も出ているわけです。そうしますと、この中から厚生年金二号、三号、これを抜かしました国民年金だけの受給額というものの平均が出てくるわけです、出てくるはずなんです。これ数字ができる人なら出てくるはず。おたくも当然出せると思うんですが、何ぼとお出しになりましたか。
#284
○政府委員(吉原健二君) 三万三千五百九十九円でございます。
#285
○小笠原貞子君 だから、ここでも約三万三千六百円、五万円もらえるのだなというふうに思っている人はやっぱりそうじゃないんだよと、三万三千六百円しかもらえないと。ここにもやっぱり、二十から一生懸命働いて四十年というふうにやっていれば五万円だけれども、平均で見れば今三万三千六百円とおっしゃいましたか、にしかならないということだと思います。
 もう時間が一分ですから、最後の問題をちょっと伺いたいと思います。最後の問題と申しますのは、きのううちの衆議院の小沢議員がお伺いしたと思いますけれども、中岡孤児の方の問題です。孤児なんといってももうしらがが見えるような年齢におなりになりました、四十歳ないし五十歳とだんだん老齢化していっています。しかし、この方たちは年金がもらえません。きのう我が党の小沢議員の質問に対し、今までの期間については空期間として見るが、年金額にはつながらない、無理がある、そこまでは無理なんだよ、こうおっしゃった。なぜなら社会保険方式だからというふうにお答えになりましたね。
 そこで私はこれはちょっと考えていただきたいのです。なぜならば、怠けてて払わなかったというのじゃなくて、好きで行った人たちじゃないですね。国が満蒙の天地にと言って開拓団を出して、それで戦争に負けてみんな引き揚げた、軍隊が先に逃げて帰っちゃって、親はもう混乱の中で御承知のとおりの中国孤児が誕生したわけですよ。誕生したこの中国孤児の方たちに年金というのが、期間については空期間は見るけれども年金額としては無理があるというのでは、私は余りにもこの方たちに申しわけないと思うんです。かわいそうねなんというもんじゃない、私は申しわけない、そう思うんですね。本人の責任では全くないんですからね。だから、こういうことは例がない、例がないのだから今までの例で適用しようといったって無理だと思うんです。だからこそ特例として、空期間として見るということをおっしゃったわけでしょう。空期間として特別に見るということは、じゃ期間でなくて実も特別に見られるという何ら矛盾はないはずではないか。私はこの方たちに何とか救済の道を考えていただきたい。繰り返し言うようだけれども、大臣、本当に好きで行った人たちじゃないです。いまだに苦労しているそのことを考えて、今すぐ何ぼ出せということは私は言わないけれども、大きな今後の問題として御検討をいただきたいということを切にお願いして、質問を終わらせていただきたいと思います。大臣のそれに対する御見解をお漏らしいただきたいと思います。
#286
○国務大臣(増岡博之君) 私どもは孤児に対しましてはなるべく早く帰ってきていただいて、日本に定着をして自立をしていただきたいという当面のことに熱中をいたしておるわけでございます。しかし御指摘のように、将来の問題につきましては現行制度ではそのようなことになるわけでございますから、今後将来の課題として研究をさせていただきたいと思います。
#287
○小笠原貞子君 ぜひよろしくお願いします。
#288
○柄谷道一君 私が今さら申すまでもなく、二十一世紀に向けて我が国は急速に高齢化社会の道を歩むことになります。そして平均寿今も二十一世紀には人生八十年時代が定着するものと思われます。こうした人生八十年時代を展望して、これに対応した新しい、しかも質の高い福祉政策の確立が必要であることは多くを諮る必要はございません。私は本件について厚生大臣の所見を求めるつもりでございましたが、社労委員会で最後に総理が出席されるやに承知いたしておりますので、この件については同僚議員から社労の場において質問をしていただきたいと思います。
 そこで具体的質問に入ります。老後生活を支える経済的基盤は個々人の自助努力も必要でありますが、何といっても公的年金がその柱であります。私は早くから、現在それぞれ歴史的沿革があるとはいえ八つに分かれております年金制度を基礎年金構想を中核として統合一元化する必要があることを主張してまいりました。その第一段階として本案が位置づけられていることについて評価するものでありますが、率直にお伺いいたします。もともと基礎年金構想とは、加入期間の長短や保険料の多寡に関係なく国民にひとしく最低限の年金を保障するいわゆるナショナルミニマムの発想が出発点になっていると私は理解しておりますが、いかがでございますか。
#289
○政府委員(吉原健二君) そういう考え方も一つございます。社会保障制度審議会の基本年金構想といいますのは今お話しのございましたような考え方に立っているわけでございますけれども、私どもの今御審議をいただいております改正案はナショナルミニマムといいますか、保険料の拠出期間に関係なしに基礎年金を支給するということではございませんで、あくまでも社会保険方式、一定の保険料を一定期間納めた方に年金を出す、基礎年金部分についてもそういった社会保険方式、拠出年金方式というものをとっているわけでございます。
#290
○柄谷道一君 本案が完全にナショナルミニマムの発想を具現してないことは私も承知いたしております。しかし、総理の諮問機関である社会保障制度審議会が将来のあるべき姿としてナショナルミニマムを基本とした答申を行っていることは紛れもない事実でございます。逐次その方向に近づいていくのが答申に忠実なゆえんではないかとこう私は思うわけです。ところが、本法案によりますと老齢福祉年金等の経過年金につきまして多くの問題を抱えているのではないかと思います。
 老齢福祉年金は現行月二万五千六百円、これを二万六千五百円に改正しようといたしておりますが、この金額はとても年金という名に値するものではございません。他の先進国でこのような低い水準の年金制度が存在するのか。また、老齢福祉年金の受給者は今後逐年減少し将来はゼロになると思われますが、その将来数値についてどう考えておられるのか、御質問します。
#291
○政府委員(吉原健二君) 老齢福祉年金のようないわば低い水準の年金がほかの先進国であるかという御質問でございますが、我が国の老齢福祉年金は国民年金が発足をいたしましたときに既に高齢であった方に支給される無拠出の年金でございますが、社会保険方式をとっている場合におきましてはこのような無拠出の年金は西ドイツにいたしましても、イギリス、アメリカなどの例を見ましても一般に支給されていないというふうに聞いております。フランスにおきましては、年金の一般制度発足時に既に高齢であった方に配慮をいたしまして老齢被用者手当、ABTSと言うのだそうでございますが、そういった無拠出給付の制度がございますけれども、その年金額は日本よりも厳しい所得制限をとっておりまして、一九八四年現在で一人月額約二万七千円というふうなことになっております。
 それから、老齢福祉年金の将来の受給者の推移でございますが、現在昭和六十年度の受給者数は約二百十万人でございますが、昭和六十一年度には百七十九万人、昭和六十五年度には百二万人、漸次減ってまいりまして、減少をいたしまして、昭和七十年度には三十九万人、七十五年度には十万人、八十年度には二万人、八十五年度には一千人程度に減少する見込みでございます。
#292
○柄谷道一君 受給者数は逐年減少して、やがてこれはゼロになるべきものでございます。しかもその減少は、加速度的に減少していくと私は思うのでございます。
 一方社会保障制度審議会は、ナショナルミニマムの発想が社会保障の理念であると答申いたしております。財政が極めて困難な事情でありますけれども、受給者数の減少というものを考慮に入れて、年次計画的に単なる物価スライドではなくて、この支給金額を引き上げ、数年後には基礎年金構想の中に組み入れていく、これが社会保障制度審議会の答申に忠実なゆえんではないかと私は思いますが、いかがですか。
#293
○政府委員(吉原健二君) 仮に基礎年金制度というものを全額無拠出、つまり税を財源として実施をするということでございますと、現在の老齢福祉年金の制度をこの基礎年金の制度の中に漸次吸収をしていくという考え方は、私はとり得ると思いますけれども、今私どもがお願いをしております改正案というのはそうじゃございませんで、最初に申し上げましたように、あくまでも拠出方式、現在の拠出制の国民年金というものを全国民に適用拡大していくという拠出主義の基礎年金方式をとっておりますので、なかなか現在の老齢福祉年金制度というものをこの基礎年金の中に取り込んでいくということが制度の上でもなかなか難しいわけでございます。同時に、その老齢福祉年金の受給者がだんだん減ってまいりまして、それに必要な財源といいますか、国の税負担も減っていくことは事実でございますけれども、それ以上に、その基礎年金に対する国庫負担、拠出制年金に対する国庫負担が大変な勢いでふえてまいりますので、財源の面でもなかなか、老齢福祉年金を受給者が減るからといって金額の引き上げというのは実際問題としてなかなか難しい面を持っているわけでございます。
#294
○柄谷道一君 私は今直ちにと言っているのじゃなくて、これは大臣にお伺いするのですが、制度審の答申があるのですね。今この老齢福祉年金の受給対象者というのは、戦中戦後非常に苦労し、我が国の今日の繁栄というものに大きく寄与した人々なんですね。したがって、私は将来構想として今の問題ではなくてあすの問題として、この点に対してやはり真剣に、いかにすれば制度審の理念を生かし得るか、このことに対して検討するというのが私は為政者たる者の姿勢ではないか、こう思うんです。大臣、いかがですか。
#295
○国務大臣(増岡博之君) ただいま御指摘のような、いわば国家に対する功労者という意味合いもあろうかと思います。また社会に対する功績もあるわけでございますので、できるだけその引き上げを行いたいという気持ちは持っておるわけでございますけれども、現在の制度では経過年金とかその他の関係もございまして、急に大幅な引き上げをするということはその費用の点から極めて困難と考えますけれども、しかし今後とも物価の動向等を見きわめながら努力をしてまいりたいと思います。
#296
○柄谷道一君 私に与えられた時間は短いものですから、これ以上の議論は避けますけれども、単に物価スライドだけしておれば事足りるという問題ではない、このことだけは強調して、今後大臣及び厚生省の真剣な検討を要望いたしておきたいと思います。
 次に、我々民社党は五十一年十月に、国民年金にも二階建て年金制度を創設する必要があるのではないかと提唱いたしました。すなわち、定額年金額に加えて付加年金額は任意加入制度を強制加入方式に改め、五段階程度の保険料のランクを設け、本人の選択によって付加保険料を納めた者に対しては付加年金縦を支給する、このことによって国民年金の水準を厚生年金のトータルたる年金額に近づけていくことが必要ではないかというのがその内容でございます。今後の問題でございますが、このような保険料比例の付加年金制度を創設することについて、どのような見解を持っておられるのかお伺いします。
#297
○政府委員(吉原健二君) 年金制度といたしましては、より高い保険料を納付をして、より高い年金給付を受ける、こういう仕組みがあればさらに魅力的なものになることは確かでございます。ただ、今すぐなかなか国民年金につきましてそういった仕組みを取り入れることが難しいということで、従来どおりの定額保険料、定額給付の考え方をとっておりますけれども、そういった国民年金についての二階建て構想につきましては、私どもも今後真剣に検討してまいりたい。何か実施可能なうまい方法があればそういうものを導入したいというふうに思っております。
#298
○柄谷道一君 本案の修正問題につきましては、現在社労委員会で真剣な検討が行われていると承知しておりますので、私はそのことには触れません。
 ただ一点お伺いしたいことは、三級障害年金についてであります。標準報酬月額が十万円の者の三級障害年金額は、現行制度で月額五万一千円であります。それが改正案では、衆議院で修正されたとはいえ最低保障額三万七千五百円が適用されることになります。現行に比べて一万三千五百円という大幅な給付水準の低下になるわけでございます。これも基礎年金の原点を踏まえるならば、さらにこのことに対する見直しが必要ではないか。私は私見として申し上げますならば、少なくとも現行金額を大幅に下回らないという視点から、基礎年金額五万円程度の最低保障が必要ではなかろうか、こう思いますが、いかがでございますか。
#299
○政府委員(吉原健二君) 今回の改正案におきましては、障害者に対する年金というものを全体としては大幅に、充実改善をしたつもりでございます。ただ御質問の三級の障害厚生年金につきましては、実は率直に言いまして従来よりも水準が低下をするということがあるわけでございますけれども、この障害年金全体につきまして、一級、二級の方について大幅な給付改善を図る、三級の方につきましては比較的いろいろ実態をお伺いしてみますと、率直に申し上げまして障害の程度も一、二級の方に比べまして軽度である、また実際に働いて収入のある方も多いというようなことがございますので、従来よりも御遠慮いただくということにしたわけでございますけれども、それにいたしましても、今までに比べまして余りにも低くなるというケースが出てまいりますので、衆議院の段階におきましていわば三万七千五百円という最低保障、下支えの金額というものが衆議院の修正で行われたわけでございますので、私どもとしてはこれで十分と言うと語弊があるかもしれませんけれども、適切な修正が行われたものというふうに考えております。
#300
○柄谷道一君 私がこの場で質問をして、さらに修正するということは当局の立場からは言い得ないと思います。しかし現に、現行に比べて一万三千五百円のダウンというのは、これは大幅ダウンですよ。果たして衆議院修正が最低保障額として適切な修正であったのかどうか、この点につきましては、ひとつ社労委員会の場でいろいろ与野党で御協議を願いたい、こう思います。
 次に、企業年金についてお伺いいたしますが、企業年金資金は年率二〇%以上のペースでふえ続けておりまして、十年後には大体五十兆ないし六十兆円の規模になると私は推計いたしております。
 そこで、第一生命が四月に企業年金制度に関する企業アンケート調査を行ったと報道されております。その報道によりますと、五四・六%もの企業が、アメリカに多いプロフィットシェアリング、いわゆる利潤分配制度を認めるべきである、いわゆる五年に一回しか改められない現行制度を、利潤が多かったときは掛金額を自由にふやせる、こういう弾力化を求める方式を採用してはどうか。また六八・一%が、企業が倒産したとき従業員に対する年金支給に支障を与えないように再保険を掛けて、不足額を充足するという支払い保障制度の必要があると指摘いたしております。
 今、直ちにの問題ではございませんが、圧倒的多数の事業者が要望しているこの二点について、厚生省は真剣に検討する必要があると思うのでございますが、その用意はございますか。
#301
○政府委員(吉原健二君) 私どもが所管をしております厚生年金基金の現在の仕組みは、あらかじめ給付なり給付の決め方、そういったものを特定しておきまして、それを決めて、それに必要な数理的な保険料、掛金というものを出していただくという、給付を決めて、それに見合った掛金をいただくというような仕組みにしているわけでございます。
 先ほど御質問の中にございましたプロフィットシェアリング方式というのは、そうではございませんで、給付を決めておかずに掛金を特定しておきまして、掛金の積立額及びその運用収益によって給付が後から決まってくる、こういう仕組みの企業年金でございまして、我が国では、厚生年金基金、それから適格年金を通じまして、そういった仕組みは現在のところ認めていないわけでございます。しかしながら、これからの企業年金の仕組みとしては、一つの考え方として十分あり得るのではないかというふうに思っておりまして、今後の企業年金の形態の一つのあり方として、よくアメリカの実情等も踏まえながら検討さしていただきたいというふうに思っております。
 それからその次の、企業が倒産した場合の支払い保障の制度でございますけれども、これも企業が倒産した場合、厚生年金の代行部分につきましては、厚生年金制度、国が本体を承継をいたしまして、その基金加入者に対して厚生年金の給付というものが保障されるという仕組みがとられているわけでございますけれども、その厚生年金の本体部分以上の上乗せ給付分につきましては、場合によっては積み立て不足というものがある場合があるわけでございます。そういった場合を考えまして、再保険制度、これもアメリカではかなり普及をしておるようでございますので、我が国の場合におきましても、関係者と十分協議、相談をしながら、そういった仕組み、制度の導入ができるかできないか、やるとすればどういうふうなやり方がいいのかということを、ひとつこれからの研究課題として取り組んでまいりたいと思います。
#302
○柄谷道一君 ただいま私が指摘しました二つの問題、さらに厚生年金基金連合会が強く要望いたしております受託機関の拡大、有利運用の問題、これを含めて、この三点は今後の企業年金のあり方というものについて極めて重要なテーマであると私は思います。したがって、この三つの問題について、ただいま局長も申されましたけれども、厚生大臣、ひとつ真剣に関係労使の意見も体して十分聴取されて、前向きの検討をしていただきたい、こう思いますが、お約束いただけますでしょうか。
#303
○国務大臣(増岡博之君) それぞれのものを育成する立場から、極力対処してまいりたいと思います。
#304
○柄谷道一君 次に、大蔵大臣にお伺いいたします。
 午前中、たしか大木委員の質問に対しまして、大蔵大臣は、年金課税問題について世代間のバランスというものを強調されまして、今後、税調に部会等を設けて論議すべき議題ではなかろうかな、こういう御答弁をされたと私は聞いておったわけでございます。
 最近、新聞紙上に年金課税の強化、見直しが報道されまして、年金受給者、さらに今後間もなく受給者となる人に大きな不安を与えております。現行税法では、年金は所得税法上給与所得と分類され、給与所得に適用される給与所得控除のほかに、四十八年創設された老年者年金特別控除制度がございます。私は、この制度は、当時の趣旨説明等を読んでみますと、老年者に対する年金特に公的年金は、その制度の趣旨が国民の老後の生活安定を公的に支援しようとするものであることから、税制においてもこれに対して特別の措置を講ずることが適当であると考えられ、老人対策の一環として一定額まで非課税とする制度が創設された、こう私は理解いたしております。私の理解は間違いございましょうか。
#305
○国務大臣(竹下登君) いわゆる老年者年金特別控除、これができたときは老人の福祉対策の一環として設けられた特別措置ということであるという認識は一緒であります。
#306
○柄谷道一君 そこで、この老年者年金特別控除制度は、本年の租税特別措置法の一部改正によりまして適用期限が昭和六十二年十二月三十一日まで延長されているところであります。その適用期間の途中でこれを手離しするということは、法の安定性からいって問題があるのではないか、こう思いますが、いかがです。
#307
○国務大臣(竹下登君) ちょっと答弁を落としましたが、特別部会というようなことを言いましたのは、大木さんが政府税調の経験者でございますから、例えばこの問題が議論されるようなときには特別部会でもつくられるほど重要な問題だという意味において、私が想像して申し上げたのでありまして、税調に特別部会をつくってこれを検討してくれとか、そんな意味で言ったわけじゃございませんので、誤解を与えるといけませんので、これだけはあらかじめ申し上げておきます。
 それで、御案内のとおり、この間通していただきました、適用期限を昭和六十二年十二月三十一日まで二年延長ということで御承認をいただいたわけです。この問題は、所得税制全般の見直しとの関連において、この公的年金及び私的年金を通じた整合性のとれた税制の整備を図る中で検討をしていくべき課題であるというふうに思っております。だから、公的安定性という意味におきましては、その議論はいただける議論であると私も思っております。だから、これは相当な問題でございますから、所得税制全般のあり方の中でこの問題は外してくださいとも言えません。また、特にこれをやってくださいとも、これは税調に対して言えない問題ですが、そういう問題意識を重大に考えておるということをあえて申し上げるために、大木さんにもお答えをしたわけであります。
#308
○柄谷道一君 私の耳は正確かどうかわかりませんので、これは速記録等を見ましてまた改めて議論をさせていただきたいと思います。
 私は、年金受給者の年金所得を給与とみなす以上給与所得控除の適用に差を設けることは全く合理性を欠くと思います。同時に、給与の稼得方法によって差を設けることも問題があると思うのでございます。新聞に課税強化という報道が出たり、見送りと出たり、これは大変国民は盛っているわけですね。
 今大蔵大臣は法の安定性ということを強調されました。それは余り大きな見解の差がないようでございますから、私はもちろん非課税が原則だと思うんでございますけれども、今の大蔵大臣の御答弁からしますと、昭和六十二年の十二月末、すなわち現行の特別措置法の有効期間内においては見送る、こう理解してよろしゅうございますか。
#309
○国務大臣(竹下登君) 税調からいろいろ指摘があっております。今柄谷さんがおっしゃいましたとおり、いわゆるそのまま給与所得控除を適用するのには問題があるという指摘も確かにございます。したがいまして、やっぱり税調にフリーハンドがあるわけでございますから、これは私の方が今の段階でその途中においては検討をしませんというべき問題でもなかろうと。したがって、やっぱり所得税制全般について恐らく議論が始まるでございましょうから、その中でいろんな議論が出てくることを妨げる立場にはないと思っておりますが、いわゆる柄谷さんのおっしゃった二年という法的安定性から言えばそれまでに二年が一年に短縮されるというようなことはないだろうという意味においては私も法的安定性が大事だというお答えはできますが、検討は始まるわけでございますので、そこへ余り注文はつけられないなと思ってはおります。
#310
○柄谷道一君 厚生大臣にお伺いしますが、大臣の諮問機関である社会保険審議会の答申、また毎年の年金法成立に当たっての委員会の附帯決議、これはいずれも老齢年金は本来非課税とすべきであるが当面は老年者年金特別控除制度の控除限度額の引き上げと対象年齢の引き下げを図るべきである、これが院の意思でございますね。私はこういう考え方は社会保障給付のあり方として原則的な考えではないか、こう思うのでございます。そこで、今後この問題については、私の述べました院の意思を踏まえてこの制度を守っていくという姿勢で今後大蔵当局に臨む決意を持っておられる、こう理解したいのでございますが、いかがでございましょう。
#311
○国務大臣(増岡博之君) この特別措置は長らく定着したものでございまして、また院の御意思もそういうことでございますので、その趣旨を踏まえて対処してまいりたいと思います。
#312
○柄谷道一君 これはぜひ厚生大臣の奮闘に期待をいたしておきたいと思います。
 次に、在外邦人に対する年金保障、いわゆる国際年金通猟問題について若干お伺いをいたします。現行制度では日本国内に住所がなければ、たとえ日本人であっても国民年金の適用除外とされておりますが、今回の改正では外国に居住していても任意加入ができるようになり、また任意加入をしなかった場合も資格期間いわゆる空期間に猟人されるようになるなど、従来の無年金者となるとか、国内にいて加入していた期間がむだになるとかいう部分が手直しされている点は、私は在外邦人に対する年金所得の充実という面から評価したいと思うのでございます。しかし、日本企業の海外進出の増加に伴って日本と外国との年金制度への二重加入の問題が生じてまいります。我が国のサラリーマンは厚生年金に強制加入が建前でございます。国民の皆年金制をとっている外国に長期滞在しますと、その国の年金制度にも加入を義務づけられて保険料を二重に支払わなければならなくなる場合がある。これは駐在経験のある人から私が聞いた話でございます。
 そこで、時間の関係でその国とか実態というものはお聞かせすることを省略いたしますけれども、私は、特に現地法人などに出向した場合は相手国の年金だけに加入することになるために帰国後、厚生年金に再加入してもその分給付水準がダウンし、相手国に支払った保険料はむだになる場合がございます。私は、こういった問題を解消するためには二国間の年金協定が必要であり、しかもその内容は互いの年金への加入期間を通算し、どちらの年金に入っていても給付が水準低下をしないような協定を結ぶ必要があると思うわけでございます。厚生大臣いかがでございましょう。
#313
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のような場合に、外国においでになりましたことによって合理的でない不利益を受けることは避けるべきだと思いますし、そのようなことのためにはその協定を結んでおく必要がございますので、ただいま西独との交渉を行っておるわけでございますが、そのような御趣旨を踏まえて対処してまいりたいと思います。
#314
○柄谷道一君 私ははるか日本を離れて海外で働く人々に保険料の二重負担をかけるということは大きなマイナスだろうと思うのでございます。ただいま大臣の決意の御表明もございましたけれども、私は、ぜひ大臣が在任中に一国でも二国でもこの通算方式を含めた二国間協定というものの締結が進むように期待をいたしておきたいと思います。せいぜい頑張ってください。
 次に、国鉄共済問題についてお伺いいたします。この国鉄共済に対する財政調整は本年度よりスタートするわけでございますが、法案審議の際予想されておりました数字、例えば六十年から六十四年度の給付額不足財源、その内訳等は国鉄部内の退職者の増加などで変わってきていると思うのでございますが、いかがです。
#315
○政府委員(門田實君) お話の点は、この国鉄財調五カ年計画をつくります場合に当事者が皆大変頭を悩ました点でございます。非常に国鉄本体が今検討のさなかにあるわけでございますから、いろんな前提条件の数字が非常に変動的であると。そこで非常に苦慮したと思いますが、やはりいかなる前提を置くかということに決め手はございませんので、組合員数三十二万人というものを前提にいたしまして計画をつくりまして毎年度国鉄共済に対して四百五十億円というものを国家公務員共済等が応援していく、こういう計画を策定したわけでございます。
#316
○柄谷道一君 運輸省にお伺いいたしますが、前提条件は三十二万人ですね。ところが、私の手元にある資料では実人員は六十年度で三十万五千人。国鉄の自主再建案、このとおりいくかどうかは別ですが、自主再建案によりますと、逐年これが減少しまして昭和六十四年には二十万九千人になる、これは国鉄当局みずからが再建案の中でうたっている人員でございます。そこで、今何名がいいのかということを議論する気はございませんけれども、運輸大臣、この前提条件である三十二万体制は到底不可能ですね。
#317
○国務大臣(山下徳夫君) 国鉄職員の将来の見通しにつきましてはただいま再建監理委員会で御審議中でございますので、正確にはこの答申を待って私ども対処しなければならないことでございます。ただ、これから国鉄が将来にわたって健全な事業をやっていくということからいたしまするというと、やはり民鉄並みの経営、民鉄並みの一つの人員の配置ということが当然要求されてくるということでございますので、そういう意味からいたしますと、先ほど先生数字はいいとおっしゃいましたし、私もあえて申し上げませんし、また私も手元に数字はございませんが、いずれにいたしましても相当の人員の縮減は必要であろうと、かように理解をいたしておる次第でございます。
#318
○柄谷道一君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、六十年度から五年間、前提となっておった三十二万人で計算した前提はもう既に崩れ、また崩さざるを得ない。とすれば、私どもは正確な数字ははじいてみたことはございませんが、大体五年間で、当初予測した財政に比べて一千億見当の穴が出ると私は推定するのでございます。大蔵大臣、もう前提はこれからまさに崩れるわけです。本年度が財政調整のスタートの年次でございます。不足財源が出た場合、一体どう処理されるのですか。
#319
○国務大臣(竹下登君) 二十五万人でありますと、大体年二百億でございますから、今おっしゃっている一千億、数字は大体いいと思います。私どもも同じような見方をしておりますが、これはいわゆる国共審のこの答申でいきますと、この問題は国鉄共済の自助努力等によって対処すべきであるというふうに答申はちょうだいをした。もちろん六十五年以後の問題は、これはとても我々では抱え切れませんと、こういう答申になっておるわけですからこれは基本的に考えなきゃなりませんが、今の問題についてはこれから再建委員会でいろいろなことがあるでございましょうが、今私どもとしては、国共審の答申でそれは自助努力というのが今お答えする限界ではないかな、こういうふうに思っております。
#320
○柄谷道一君 六十五年以降のことはまた別に聞きましょう。
 運輸大臣、一千億あるいはそれより多くなるかもしれません、それは自助努力でやれますかね、いかがですか。
#321
○国務大臣(山下徳夫君) 国鉄の再建に際しましての年金問題ということは、これはもう重要というよりも私は重大な問題だと心得ております。今先生から御意見、御指摘等ございましたけれども、私がいろいろ答えるよりも今大蔵大臣がおっしゃったことで尽きていると私は思うんです。したがって、大蔵大臣を初め関係省庁と力を合わせて、私はこの問題はもう真剣に、もう本当に真剣にこれは取り組んでいかなきゃならぬ、かように思っておる次第でございます。
#322
○柄谷道一君 六十四年まででも、まあ実際はどうなるかわかりませんが約一千億円ぐらいの財源が不足する、六十五年以降全くどうしていいかまだめども立っていない。大蔵大臣、六十五年以降、大体、細かなことはないことはわかっていますが、基本的に一体どうして六十五年以降国鉄共済年金を払っていくというふうにお考えなのですか。
#323
○国務大臣(竹下登君) 振り返ってみますと、本院でもいろいろ議論していただきましたが、公務員、専売さん、電電さん、それで一応の形ができた、これは労働者連帯の思想以外の何物でもないなと私思いました。審議会等の意見を聞いておっても、まあよくぞあそこまで踏み切ってもらえた。そこまで来た、そこで六十四年まではまずまず。が、これは世代間の話をすることもいかがかと思いますが、私はやっぱり六十五年以降は、その中で消化することは不可能だと思います、率直に言って。そうなると、いわば全体の中で解決しなきゃいかぬということになりますので、まあこれは非常に大ざっぱな話をしますが、今の場合こうしますということは言えませんけれども、本当にこれはじっくり重大な問題として問題意識を持っておってやらなきゃならぬ課題だという考え方は私にも十分ございます。今具体的に思いつきででも何か言えとおっしゃっても、そこまで私も勉強不足と、こういうことであります。
#324
○柄谷道一君 私は前回の法案審議にも参加したわけでございますが、その前提が崩れてきておる。不足財源を一体どうするのか。確かに国共審の答申はございます。しかしこれも究極するところ、果たしてそれが抱え切れるのかどうか、これももっと技術的に詰めなければなりません。六十五年以降の問題もさらに深刻でございます。この問題について私の質問の残された時間も短うございますので、これは改めての機会にひとつ私としても提言を交えながら審議に参加をいたしたい、こう思います。
 そこで最後に一点だけ質問しておきますが、国鉄民営以降の問題でございますが、従来の電電、専売と同様に、経営形態は民営化されたとしても国家公務員共済組合法の中に取り入れ対応していく、これは電電、専売と同じ扱いをする考えであると、こう理解してよろしゅうございますか。
#325
○政府委員(門田實君) 各共済制度にそれぞれ沿革、歴史、経緯がございまして、本年専売あるいは電電の民営化があったわけでございますが、共済制度の中にとどまっていただいておるというのが状況でございます。国鉄につきましても、今後の動向につきましては予断をもって言うわけにはいきませんが、仮に民営化になりましたとしましても当面は共済の中に残るであろう、こういうふうに思われます。ただもっとその先になりますと、そこをどういうふうにやっていくかというのはやはり今後の年金一元化の過程の中で十分考えていくべき問題である、かように考えております。
#326
○柄谷道一君 私は限られた時間で意を尽くしませんでしたけれども、本法案に関する今日的問題、さらに年金制度の将来を展望したあすの問題、それぞれについて提言を含めて御意向を承りました。私の意のあるところを参酌していただきまして、厚生当局が高齢化社会の到来に向けてなお充実した年金制度の創設に向かって全力を注がれることを強く希望して、私の質問を終わります。
#327
○喜屋武眞榮君 私は基本的な問題に対して二、三お尋ねいたしたいと思います。まずその前に、質問をする姿勢といたしまして、およそ文化国家というものは、憲法二十五条、二十六条に明記されておるまでもなく、どのようにその国に年金あるいは社会保障制度が確立しておるかということが文化国家のバロメーターであると思います。こういった観点から二、三質問をいたしたいと思います。
 まず第一点は、国民年金法改正の本当の趣旨は一体何であるのか、こういう点から厚生大臣にお尋ねしたいと思うのであります。この提案理由の説明にも明記されておるわけでありますが、一応はしょって申し上げたいと思うのですが、全国民を対象に高齢化のピークを迎える二十一世紀においても年金制度を健全かつ安定的に運営していくための年金制度の確立となっておるとされておるわけなんです。しかしながら、一連の年金改革が実現されますと国庫負担が大幅に軽減されることになっておるのではないか、明らかではないか、こう思うんです。そこで、端的にお聞きいたしますが、この法の改正の真の目的は当然増が伴う年金関係予算の縮減にあると見てよいのか、言いかえれば、政府の肝いりで発足された国民年金の成熟度が高くなってきたために、そのことに伴い当然果たさねばならない国の責任は回避している、そのツケを厚生年金に回そうとすることにあるのではないかと思わざるを得ません。厚生大臣いかがでしょうか。
#328
○国務大臣(増岡博之君) 今回の改正につきましては、いよいよ迎えます本格的な高齢化社会でも安定をしており、かつまた公平である年金制度を確立しようとするのが本旨でございます。そのためにまず基礎年金を導入いたしまして、全国民を通じて公平な制度を目指すことにいたすとともに、将来の安定に向けて給付水準を適正化して、その結果、これに対応して保険料負担、国庫負担も軽減しようとするものでございまして、したがって、今回の改正は国庫負担のみを削減しようとするものではございません。むしろ全国民的な規模で公平で安定した制度の確立を目指したものでありまして、特定の制度にだけ負担のツケ回しを行おうとするものでもございません。
#329
○喜屋武眞榮君 数字が物語っておりますように、この四兆二千億円の減になっておるということを示しておりますね。私は、福祉というものは一たん実現したら前進はあっても後退があってはいけない。百歩譲るならば、足踏みはときにあるかもしらないが、断じて後退はあってはいけない、こう思うからであります。そういう点から、朝からの政府当局の御答弁はどうも頼りないな、すっきりしないな、こういう感じを持っておったわけでありますが、そういうこととも思い合わせて、複雑多岐である、こういった感想を率直に申し上げたいと思います。
 第二点に、これはまだ未提出、農水委員の立場でありますので、その点からかかわりが出てくるごとは必然でありますので、お尋ねしたいのでありますが、この共済年金グループの中でも財政調整がなされておる。将来は、この基礎年金を前提とした年金制度の一元化が予定されておるようであります。ところで、この共済グループの財政調整について見ましても、戦後における引揚者への対応、あるいは国鉄経営の合理化など国の政策上の必要性から、その成熟度が極めて高くなった国鉄共済の救済を将来見通しもしないままに国家公務員共済等の共済グループにゆだねて、国の責任を放棄しようとしているように思われてなりません。それは掛金は上がる、国の負担額は減る、これで尽きると思うのでありますが、大蔵大臣にこのことはお聞きしたい。
#330
○国務大臣(竹下登君) まず、基本的にこの共済制度というのはこれは社会保険体制のもとに組み立てられた制度であります。そこで、国鉄共済は大変だというので、法律を御審議いただいて通していただいた。それは歴史的沿革が似た者同士とでも申しますか、そこで国家公務員と専売さんと電電さんにお願いをしてこれを抱えていこう。この基礎にあったものは、私は審議会を通じて、まさにいわゆる労働者連帯とはこのことだなと、こんな感じが率直に言ってしました。だから将来はやっぱり全体の一元化の中で公的年金全体で支えるということを当然これは考えなきゃならぬというふうに考えます。したがって、いわばこの政府の失政のツケをそういうところへ回したということではなく、あくまでも社会保険の思想の上に立って、労働者連帯の中でこれが昇華されたというふうに私はこれは理解をしていただきたい、こういうふうに考えております。
#331
○喜屋武眞榮君 大変気になりますことは、この一元化の前提において、現状はうまくいっているところとうまくいっていないところとあるわけです。それを抱き合わすということになりますと、共食い、共倒れという言葉もありますが、結局結果的には、ということになるわけであります。そういうときにこそ、国が責任を持ってその使命を自覚していただいて、再認識していただいて、そしてそれをさらに膨らましていくという、前進さしていくという、こういうことでなければ、責任を回避して、あなた方でやれといったような、まさかそういうことではないとは思いながらも、そう言わざるを得ない不安が私には感じられてなりません。そういうことで、一元化する以上は、ともに共存共栄のそのためにはどうしても国がもっと力を入れてもらわなければいけないんじゃないか、こう思われてならないから、そう率直に申し上げたわけでございます。
 次に、さらに予測されますことは、共済グループの中でも農林共済、あるいは私学共済、これは全くの民間であります。そういった独自の制度を持って自主的に努力を続けてきて今日に至っておるわけなんです。そこで国鉄共済の救済を国家公務員共済等地の共済にゆだねること自体も問題であると思いますが、その再建が困難であると見てとって共済グループにもこの法改正による基礎年金を導入して、しかも一元化して帳じりを合わせることによって給付に関しては給付水準や支給開始年齢が改悪されておるのではないか、こう思われるんです。例えば給付額の問題とか、あるいは給付開始年齢を五十五から六十に、さらに将来は六十五、こういうためどを持っておるやにも聞いております。一体このようなことが保険制度の性格から許されていいものであるかどうかということを私は思わざるを得ません。その点これは農水大臣にお願いしたい。
#332
○国務大臣(佐藤守良君) 喜墜武先生にお答えいたします。
 先生御存じかと思いますが、今回の農林年金制度の改革というのは、例えば高齢化社会の到来と、社会、経済情勢の変化に対応しまして公的年金制度の長期的安定と整合性ある発展を図るため公的年金制度全体の改革の一環として行うものでございます。その具体的な内容といたしましては基礎年金の適用を農林年金の組合員等にも拡大し、全国民共通の基礎年金の上乗せの給付として農林年金の給付を行うものでございまして、他の共済組合制度と共通の措置でございます。また農林年金制度自体につきましても、実は本制度の一層の発展を期するためには二つの要素があると思います。その一つは年金受給者と現役組合員の給付と負担の均衡、あるいは所得の均衡を図ることが大切だと、そんなことで今回の改正はこの点から早急に実現させたいと考えております。なお、今回の改正に際しましては、本制度の発足の経緯や農林漁業固体の職員の相互扶助事業を通じて、これらの固体の事業の円滑な運営に資するという性格にも十分配慮し、職域年金部分の設定等、その独自性が保たれるよう措置しております。
#333
○喜屋武眞榮君 転ばぬ先のつえということもありますので、どうかひとつ改正してよかった、こういう結果になりますように御配慮願います。
 時間が来ましたので、最後になりますが次のことを厚生大臣と大蔵大臣にコメントを求めて私の質問を終わりたいと思います。
 それは基本的な問題として、年金制度は社会保険であり将来当然受け取るべき年金額等を前提に掛金を納めてきたわけであります。したがいまして、その年金が減額するとか、あるいはその支給開始年齢が引き上げられるということでは、国の財政事情によってその既得権はもぎ取られた、無視された、こういうことになるわけであります。そうなると、これは既にその目的に逸脱しておる政策であるわけでありますので、こういった観点から私は率直なコメントを厚生大臣、そして大蔵大臣に求めて終わります。
#334
○国務大臣(増岡博之君) 今回の改正におきましても、御指摘のような既得権でありますとかあるいは期待権につきましてはそれを尊重することとしておるわけでございます。したがいまして、既に老齢年金を受給しておる世代の方、すなわち施行日において六十歳以上の方については従前どおりといたしたわけでございます。また施行日において六十歳未満でありましても、六十歳に近い方ほどその御期待が強いわけでございますので、生年月日別に長い期間をかけて経過的に水準の適正化措置を講じてまいるのでございます。そういうことでございまして、今回の改正案でも支給開始年齢についても現行どおりとしておる次第でございます。
#335
○国務大臣(竹下登君) これは喜屋武先生、私いつも思うんですが、私が国会に出ましたとき男性六十三歳、女性六十九歳でございました。昨年の統計を見ますと、男性七十四・二〇歳、女性七十九・七八歳と十一歳延びております。そして昭和四十年代に成人式に行ってみますと、大体二百四十万人ぐらい成人者がおりました。それが今百五、六十万。そういうことになりますと、二十一世紀以後の人口を展望してみましたときに、私はどうしてもこの辺で、我々はそのころはもうあの世へ行ってしまうかもしれませんけれども、やっぱり安定した給付とその負担というものを今からやっておかぬと、これは本当に年金財政のみならず、それはむちゃくちゃなことになってしまうという意味においては、私は、この既得権は今おっしゃったように尊重しようと、そしてあと段階的にやはりこの給付開始年齢の繰り延べとか、あるいは給付の適正化ということは、これは避けて通れない問題だ。で、それを全部それではその際何とかなるようにというので租税負担でもってやるかということになりますと、今度は国民の租税負担そのものがたえられなくなる。したがってこの際は、私が憎まれるわけじゃ別にございませんけれども、やはり本当に今の若い諸君のことを考えたら、今こそこれをやっておかなきゃならぬ。そしてその段階を追って七十年にはやっぱり本当の一元化ができるように、そういうことで我々が今汗をかかなきゃいかぬときだなというのが私の偽らざる心境であります。
#336
○喜屋武眞榮君 厳しいですけれども、全知全能を絞って頑張ってください。
 終わります。
#337
○青木茂君 基礎年金五万円、これに絞って御質問申し上げます。
 非常に大きな改正で基礎年金というのがすべてのまさに基礎的な考え方になっているのですけれども、五万円という計算をいたしました根拠、一体どういう計算で五万円ということになったのか、まずそこから伺いたいのです。
#338
○政府委員(吉原健二君) 基礎年金の五万円の根拠でございますが、まず考え方といたしまして、先ほども申し上げましたけれども、老齢者の生活賛の中で基礎的な支出の部分を賄うに足りるような額、水準というものを考えたわけでございます。具体的にそれがどの程度の金額になるのかということでございますが、私どもがもとにいたしました資料が、総理府の統計局でやっております全国消費実態調査というものがございますけれども、それによりますと、六十五歳以上の単身者の月額の消費支出の額が総額で八万四千円程度でございます。そのうちいわゆる雑費を除く基礎的な支出の額、衣食住、光熱費、被服費ももちろん入っておりますが、そういった衣食住と光熱費などの、雑費を除いた基礎的な支出の額が四万七千円程度、若干その当時の調査のときからの物価の上昇分を見込んでおりますけれども、四万七千円ぐらいになるわけでございます。そういったことを踏まえまして単身の場合には五万円という枠を考えたわけでございますし、夫婦の場合には消費支出全体が十五万五千円でございまして、そのうちの雑費を除いた基礎的な消費支出の額が約八万三千円になっております。そういったことで、それよりも若干上回る夫婦で十万円という基礎的な基礎年金の額を設定をいたしたわけでございます。
#339
○青木茂君 私は与えられた時間が十分だけですから、できるだけ手短にお願いしたいのですけれども、今の数字は消費実態調査ですから、五十四年ですね、あれは五年置きの調査で、五十九年はまだ出ていないんだから、五十四年を基盤に出されるのはおかしいし、それから雑費をぼんと削るとおっしゃいましたけれども、憲法二十五条で「健康で文化的な最低限度の生活」、こういう文言があるのですよ。「健康で文化的な最低限度」というのは当然雑費に入るのです、計算の中に。ですから私は、五十四年の今おっしゃいました六十五歳以上、単身者、無職ということになると七万二千五百円ということでもって基礎年金の計算基準を求めるべきだ。五万円というのは余りにも低い。
 もう一つ、数字を比較してみれば、生活保護基準はどうなっていますか。
#340
○政府委員(吉原健二君) 生活扶助基準の額でございますけれども、これは生活保護を受ける人の年齢でございますとか、あるいは級地でございますね、住んでおられるところの級地によってかなり違いがあるわけでございますけれども、六十五歳以上の単身の方の生活扶助基準、二級地で申し上げますと、五十九年では五万三千三百六十九円という金額になっておりますし、夫婦の場合で申し上げますと一人当たり四万一千八百七十円という扶助基準になっております。
#341
○青木茂君 今の生活の扶助を七十歳男子、五十九年、二級地、それで考えて一番低く計算して生活扶助だけで五万三千九百四、それに冬季加算抜いて、老齢加算入れて、住宅扶助入れたら七万六千八百五十、こういう数字が出ておるわけですね。そういう、前の消費実態調査からいって七万二千円、それから今の生活扶助二級地で考えてみて七万六千円。そうしますとどうしても五万円というのが、くどいようですが、憲法二十五条の規定と照らし合わして低いのですよ。
 そこで、今度は厚生大臣にお伺いいたしますけれども、この五万円というのを今のやりとりをお聞きになっておりまして、いやこれで十分だ、やっぱり低いや、低いけれども仕方がないんだと、この三つのうちどれでしょうか。
#342
○国務大臣(増岡博之君) この五万円というのがもちろん生活費の全部を見るという考え方ではございませんで、基本的な分だということで御理解をいただきたいと思います。そういう意味からいきますと、先ほど年金局長から説明いたしましたようなことでほぼ妥当な線ではないかというふうに思うわけでございます。
#343
○青木茂君 私は今、これはちょうど大日本帝国憲法が日本国憲法になったような大改正なんですよ。そうなりますと、過去より物をつくる場合に計算の根拠というのか、その裏にある価値観、哲学、そういうものが入ってこなきゃうそなんですよ。そうすると、どうしても私は、この基礎年金五万円をつくる場合には憲法二十五条が入ってこなきゃいけないんだと、物の考え方の中に。その憲法二十五条ということを考えますと、五万円が妥当という線は絶対に出てこないのです。だから、どうですか大臣、低いのだが、現状のあれで仕方がないんだぐらいの答弁はできないんですかね。
#344
○国務大臣(増岡博之君) 保険制度をとっておりますからには、やはり保険料の負担という問題あるいは国の財政状況というものを考えますと、私は現在の程度が妥当である、ある意味ではやむを得ないかもしれませんけれども、妥当であると思っております。
#345
○青木茂君 まあ妥当という言葉の解釈論争をやっていたら、とにかく与えられた時間が十分なんだから、これはどうしようもないんです。
 しかも、この基礎年金額は最低保障額じゃないんです。四十年かけて最高保障額に近いんですよ。それが「健康で文化的な最低限度の生活」という憲法二十五条に比べてぐっと低いということを我々は言っているのです。それを妥当と言われたのでは、これはもう我々としては、一体何だ今度の年金法の改正はというふうに言わざるを得ないと思うわけでございます。時間が来てしまいましたからあれですけれども、どちらにしても、今度のこの新しい年金法というのは、実質的に言うならば、保険料が上がって給付水準が下がるのだ、それを国民にお願いしているわけなんですよ。こういうことを言っていいのかどうかわからないが、あえて天に向かってつばを吐くとするならば、私のところの年金、国庫補助で優遇をされておってちょっと心が痛むのだけれども、それは厚生省とは違うのだ、管轄が違うのだと言われてしまえばそれまでだけれども、国会議員や何かの年金に比べて今度の年金法改正、一体我々は心が痛むのか痛まないのか、最後にそれを厚生大臣に伺って終わります。
#346
○国務大臣(増岡博之君) 互助年金につきましては国会でお決めになることでございますけれども、私も衆議院の議運の筆頭をやっておりまして、互助年金の制度改革に手をかけたことがございます。そういう部署で、かなりいろいろなほかの年金との整合性を持つように工夫を加えられておるように思います。
#347
○青木茂君 まあしょうがない。
 終わります。
#348
○野末陳平君 通告をしていたテーマとは別の質問をやろうと思います。
 改正案については、大体大筋は僕は理解したのですが、何しろ年金は総論でなくて各論なものでして、いろいろな質問とか相談が来まして、そのたびに答えるのですけれども、答えにくいのが何通もありまして、時間の関係で二通持ってきましたけれども、それについて専門家に答えていただこうと思います。
 これはサラリーマンの妻なんですが、名古屋から来たのですが、よく聞いていてくださいね。昭和十年生まれで昭和三十六年四月の初めから加入しているサラリーマンの妻だと、五十歳でしょうね。加入年数が三十六年の四月から六十一年の三月で二十五年ですから、これで満額――満額というのは、これ言葉がちょっと変ですけれども、要するに二十五年ですから資格ができます。そして、今の制度だったらば、仮にここでやめたとしても五万円ばかり来ると。ところが、改正になりますと、この五万円をもらおうとするならば、加入可能年数が三十三年ですから、この人は少なくともあと十年ぐらいは必要であると。たまたま夫が来年でやめるので、これからはサラリーマンの妻でなくなるから自分で掛金を払っていかなきゃならぬ。だから夫のもらう年金の中からあと十年ぐらい、つまり自分が六十になるまで掛けないと五万円にならない。こうなるとこの十年間、まるでむだをしているということになるというわけですよ、この人は。ですから、ここまでが正しいかどうか、この人が感違いしてたらまずいからね。ちょっと答えてください。
#349
○説明員(山口剛彦君) ただいま御指摘のケースにつきましては、基本的に生年月日別に年金の単価を徐々に下げていくという改正が今度の年金の水準改正のやり方でございますので、御指摘のとおりでございます。
#350
○野末陳平君 そこで、つまり年金法が改正にならなければこのサラリーマンの妻は二十五年で資格ができたからやめようと思ってたんだ。つまり安サラリーの中から営々と払い続けてきて来年の春が来たらやっともう自分は掛けなくても済むから、五万円という今のベースでもらってもいいから夫の定年まで何とかこれで間に合った、こういうふうに思ったわけです。ところがとんでもない話で、変わっちゃったらあと十年やれと、あと十年頑張って掛けても五万円は五万円、ということになるとこの十年はもう私にとって裏切られた、こういうわけですよ。ですから、まずこの計算が事実だと、当然なんですが、さてそこでこの方が言うので、ここから先は僕は答えられないわけ、財政赤字になったからこういうふうになるのかどうか私にはわかりませんがと、ここから、少なくとも任意加入の妻で立法当初の昭和三十六年から加入して休まずに払い込みを続けた人数というのは一体どのくらいいるのか政府はわかっていますかと、何しろ初めはずっと悪評で加入者が少なかったはずなんですが、そういう最初の悪評のときから頑張った私たちのような人間に対して最初の契約どおりちゃんと実行してくれるのが国家としての最低のモラルだと考えますと、こういう文面なんです。これはいわば期待権の裏切りですね。しかしこの期待権の裏切りだが、総論から言うと要するに負担の引き上げと給付の切り下げでこれはわかるのですよ、安定的にこれから運営していくためにわかるけれども、各論でこういうふうにおまえこれ答えろとこう言われると、実に答えに窮しまして返事が書けない。これはどういうふうに返事を書いたらいいのですか、教えてください。
#351
○政府委員(吉原健二君) 今度の改正案の基本的な考え方は、現在の受給者については現在の額をそのまま保障するということにしておりますが、現在、年金をまだ受けておられない、つまり六十歳以下のいわば若い方につきましてはだんだんと今、制度の上で、法律の上で保障している、約束をしております年金額ということではなしに、私ども給付水準の適正化と言っておりますけれども、まあ将来に向けて年金額を保険料負担との関係で適正な水準にした額ということで、年齢に応じてだんだんと、率直に言いまして給付水準というものがダウンするような格好になっておりますので、そういうことになったわけでございますけれども、将来の年金制度というものを確実なものにするために、あるいは制度それ自体を安定的なものにするために、いわば私どもとしてはやむを得ないということで御理解をいただきたいと思っておるわけでございます。
#352
○野末陳平君 僕もそういうふうに返事を書こうかと思っているわけです。だけれども、しかしこの方が最後に、これから年金法改正いいと、私に言わせれば改悪だけれどもまだいいと、だけれども夫がこれからもらう年金の中から私のお金を払い続けてもまたまたもらうころに、六十五歳ごろに減。額だの受給年齢の延期だのと言われかねないという疑念がわいてきて、これまでのようにばか正直に払う気持ちは全くなくなったと、年金法改悪で老後の設計をずたずたにされて怒り狂っているばか正直な熟女よりと、こう書いてあるわけです。だから僕は年金法は総論ではわかる、だけれども、各論でこういうことを一々聞かれた場合に的確に納得する説明ができないので、これについての答えを教えてくれとお願いしているわけで、厚生大臣によろしく。
#353
○国務大臣(増岡博之君) 今度の改正は大改正でございますので、一人一年金でございますとか、給付水準の適正化でありますとか、そういう原則を打ち立てておるわけでございます。こういう大改正のときに、やはり原則というものを守っていかなければなかなか達成ができないというところにそのようなひずみもできておることと思いますけれども、御指摘のように、今後またそういうようなことは絶対いたさないつもりでおります。
#354
○野末陳平君 何しろ、ひずみですね、まさに。それから、運が悪いと言えば運が悪いのかもしれないし、いろんな言い方ができますが、要するに、制度の安定のために我慢してもらわなければならない人はたくさん出ますね。でも、こういうふうに一番典型的に運が悪いというか、ひずみが出てくる人たちに対してはちょっと返事のしょうがないので、今は説得させても、これから先のことも信用できない、国家の最低のモラルぐらいはちゃんと果たしてほしいと言われると非常に困る。
 もう一問あるのですが、そこでこれも、今の任意加入であるというと自営業の人も同じことになるんですけれども、少なくも任意加入のサラリーマンの妻で、三十六年から欠かさず休まずに払い込みを続けたという人数はどのくらいか、それはわかるのですか。わかるのだったら、ちょっと。正確にわからなくてもわかるかどうか。もしわかれば後からまたいろいろ聞きたいこともあるし。
#355
○政府委員(長尾立子君) 昭和三十六年制度発足のときに、女子の方で任意加入をなさいました方の数が百九十四万七千人ということでございますから、先生のお話しの方は、この方が現在までもし全部加入しておられると、これは何%かの方が途中でお年が来られたかと思いますが、この方の大体半数ぐらいがある意味では全期間を加入しておられたということは言えるのではないかと思います。
#356
○野末陳平君 またそれについては後で考えてみます。
 次に行きます。もう一つ、早く返事を書かないと困るので、僕のところには、請う大至急開封とか、簡易書留とか、そういうので来ますから返事を急ぐのですよ。
 これは障害者ですけれども、国民年金に任意加入して六十歳まで十年間だけですが掛金を完了した。今これを受けるとすれば月額二万八千円ですが、旧軍人以外は年金の併給が認められないということで、私は障害年金だけ受けていますと、ここまではいいですね。そこで、けさの新聞の報道によれば、国会で議論になっているのは、障害者が払った保険料を返済するか、任意加入期間分を特例の老齢年金として将来支給すべきだ、どちらかにするという声が新聞に出ていたと、国会でこういうことが議論になっていたというのですよ。そこで、障害年金を受ける障害者の立場からいって、この二つのどちらになるのか非常に気になる、大臣はどういうふうにしてくれるのでしょうと。これはつまり、障害年金を受けている人が国民年金にこれから入るわけですが、その場合に将来併給はされないわけですね。その辺を言っているのだと思うんですよ。これについてどういう返事になりますか、これは二つのうちどっちかにしてくれと言っているのですけれども。
#357
○政府委員(吉原健二君) その点につきましては、今参議院の社労委員会で御審議をいただいていることでございます。
#358
○野末陳平君 社労のテーマだと思いますが、大臣に再度聞きますが、いわゆるこの問題についてはやはりいろいろ問題点があると、大臣の意向としては、これをできる限り再検討したいというようなところなのかどうか、それだけ最後に聞いて終わりにしましょう。
#359
○国務大臣(増岡博之君) その点につきましては社労委員会でいろいろ御議論があり、御協議もいただいておるようでございますけれども、私どもといたしましても、どのような方法がとり得るのか、あるいはその前提としてどのぐらいの方がいらっしゃるのかという数字も把握をして対処をしてまいりたいと研究をいたしておるところでございます。
#360
○野末陳平君 終わります。
#361
○委員長(遠藤政夫君) 以上をもちまして本連合審査会は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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