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1984/04/02 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 文教委員会 第4号
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1984/04/02 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 文教委員会 第4号

#1
第102回国会 文教委員会 第4号
昭和六十年四月二日(火曜日)
   午後一時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
四月一日
    辞任         補欠選任
     中村  哲君     八百板 正君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                杉山 令肇君
                仲川 幸男君
                久保  亘君
                吉川 春子君
    委 員
                井上  裕君
                山東 昭子君
                世耕 政隆君
                林 健太郎君
                林  ゆう君
                柳川 覺治君
                粕谷 照美君
                安永 英雄君
                高木健太郎君
                高桑 栄松君
                小西 博行君
   国務大臣
       文 部 大 臣  松永  光君
   政府委員
       人事院事務総局
       任用局長     仙田 明雄君
       臨時教育審議会
       事務局次長    齋藤 諦淳君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部大臣官房審
       議官       菱村 幸彦君
       文部大臣官房会
       計課長      坂元 弘直君
       文部省初等中等
       教育局長     高石 邦男君
       文部省教育助成
       局長       阿部 充夫君
       文部省高等教育
       局長       宮地 貫一君
       文部省高等教育
       局私学部長    國分 正明君
       文部省学術国際
       局長       大崎  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
   説明員
       文部大臣官房審
       議官       倉地 克次君
       厚生省児童家庭
       局母子福祉課長  木本 忠男君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
○昭和六十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度特別会計予算(内閣提出衆議院送付)、昭和六十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (文部省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨一日、中村哲君が委員を辞任され、その補欠として八百板正君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(真鍋賢二君) 去る三月二十九日、予算委員会から本日午後一時より明三日の午後三時までの間、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○久保亘君 私は最初に文部大臣に、予算委員会に対して臨教審の会長が御出席いただきませんでしたので、この際文部大臣にお尋ねをしておきたいと思うんでありますが、現在、臨教審においては、いわゆる教育の自由化に関する論争は決着したのかどうか、個性主義という表現に改められたという過程を私どもは御報告を受けておりますけれども、自由化という考え方はもう個性主義という言葉に置きかえられて決着をしたのかどうか、それから個性主義という考え方の中には、いわゆる教育基本法とも触れていくような教育制度の自由化は含まれていないと解していいのかどうか、この点について現在文部大臣がどのように理解をされているか、お尋ねしたいと思います。
#5
○国務大臣(松永光君) 今、先生御指摘の問題でございますが、いわゆる自由化という議論は、前にも御答弁申し上げたと思いますが、現在の教育の画一性あるいは硬直性を打破するインパクトとするために議論が展開されたというふうに私は承知しておるんでありますが、そしてその議論がいろいろ深められて、去る二月十一日の日に実は第一部会の先生方が婦人教育会館に合宿をされて、そして集中的な審議をされ、その結果合宿集中審議メモというものが公表されたわけでありますけれども、その中に出てきたのが個性主義という考え方であったと思います。したがいまして、具体的にどういう教育改革の基本方向としての結論が出てくるかまだ私ども承知しておりませんけれども、大体の方向としては、今申し上げました二月十一日の合宿による集中審議、あのメモに基づいて今次教育改革の基本方向としての考え方はまとめられるんじゃなかろうかと、こういうふうに私は見ております。
#6
○久保亘君 そういたしますと、ここに私、第一部会の合宿集中審議メモをいただいておりますが、この審議メモを見ますと、確かに最初に出されましたその一の審議経過の概要からいたしますと、自由化に関する議論の幅は非常に狭くなっております。なぜならば、最初の段階では審議経過の概要には義務教育の見直し、学校の民営化など学校制度の自由化を図り、選択の自由の拡大と競争原理の導入を図ることが必要であること、これが論点として出されております。しかし、その後自由化に関する論争の上、この合宿集中審議メモでは、「義務教育段階においても、過度の画一化を戒め、少なくとも学校選択について配慮する。」こと、こうなっております。このことはやはり最初、制度上の自由化の問題点とされました設立の自由、それから学区制、学年制、こういう三つの制度上の自由が論議をされて、このことに対して各界からいろいろな意見もございました。臨教審の内部でも論争が行われたと聞いております。そして、この第一部会の合宿集中審議メモでまとまりましたものの中に、しかし、やはり学校選択について配慮するという問題点が残っているわけであります。これは明らかに学区制を指すもの、つまり子供の側からの学校選択の自由を認めるべき点について配慮するようにということがこの審議メモの中には入っているんじゃないでしょうか。この点については、これはやっぱり制度の自由化に関する問題と私は受け取るんですが、この点は大臣はどう受けとめておられますか。
#7
○国務大臣(松永光君) 先生よく御承知のとおり、現在義務教育段階では教育委員会でその子供の通学すべき学校を指定するわけですね。そしてその後、肉体的な事由でしたか、あるいは親の転勤、そういったやむを得ない事情がある場合に指定がえというのが制度上ございますが、しかし、そのほかにも教育的な配慮から指定がえといいましょうか、学校を変えることができるかどうか、そういった点についての配慮だというふうに私は思います。
 実は、衆議院でしたか参議院でしたか、委員会でも議論になったことがございますが、少年院等の施設に行って出てきた人の場合に、現在では親の居住するところの学校が指定されるのが今の仕組みのようでありますけれども、そこらなどはやはり教育的な配慮からすれば別の学校に行かした方があるいはいいのかもしれない、そういったことで弾力化という範疇に属する程度の配慮じゃなかろうかなと、具体的に出てみなければわかりませんけれども、この集中審議メモを私見た段階では「配慮する」というのはその程度のことかなと、いずれにせよ、具体的には答申が出されてはっきりするわけでありますけれども、その程度の受けとめ方を私はしておるわけでありまして、その意味で現在の法制、特に教育基本法等の精神に反するものではないというふうに私は見ておるわけでございます。
#8
○久保亘君 そういたしますと、最初自由化論争が盛んになりましたころに、みんながこの自由化とは何であるかということを考えました。その段階で大体しぼられたものは制度上の自由化というのは、先ほど私が申しました学校の設立の自由ですね、それから学区制の自由、それから学年進行の自由、つまり飛び級ですね、そういうものを制度の自由化として念頭に置いた自由化論が言われてきたようですが、これらの点は今度の臨教審に対して政府が教育基本法の精神を大事にして教育改革に当たることとしていますと、こういうふうに臨教審に述べられていることから考えますと、今申し上げました三つの制度の自由化というのは、今度の教育改革に対して政府が諮問している範疇では考えられないことである、こういうふうに理解をすればよろしゅうございますか。
#9
○国務大臣(松永光君) 何回も申し上げておりますように、今次の教育改革は教育基本法の精神にのっとって実施していくわけでありまして、教育基本法に学校教育というものは公の性質を持つものである、あるいは学校というものは国または公共団体のほかには法律に定める法人でなければこれを設置することができない、こういうふうに明記されておるわけでありまして、その規定の枠内での設立でなきゃならぬ、こういうふうに思うわけでありまして、いずれにせよ教育基本法の精神を逸脱するような自由というものは議論としてはあるとしても、実際には出てくるものではないというふうに考えております。
#10
○久保亘君 自由な論議は保障されなければなりませんから、私は臨教審の委員の意見としていろいろな意見が述べられることはあり得ても、これらの問題は答申としてまとまってくる段階においては、論点はきちんと整理をされて、今大臣が申されたような立場に立ってまとめられるもの、こういうふうに考えればよろしゅうございますね。
#11
○国務大臣(松永光君) そのように考えます。
#12
○久保亘君 また、この問題につきましては臨教審の会長がいずれ本委員会にも御出席いただけるものと考えておりますので、その際臨教審そのもののお立場を詳しく伺いたいと思っておりますが、今大臣が申されたような方向で今後答申がまとめられるということでありましょうから、一応そういうことで理解をいたしておきたいと思います。
 その次に、私お尋ねを申し上げたいのは、この臨教審の答申に盛り込まれる問題点というのが、既に各部会長の部会のメモといいますか、記者会見等を通じて次々に明らかにされてまいっております。そして、もう今や六年制中等学校の設置に関する答申は既定の事実のように国民の間には考えられ始めておりますが、私はこの六年制中学校の問題を、政府が尊重すべき答申の問題点としてお立てになるということであるならば、文部省も十分に六年制中学校の問題については理解されておらなければならないものだと思うのでございます。一つは、この六年制中学校というのは、これは今の六・三・三制の問題を是正するために、六・三・三制の持っている教育上の欠陥を是正するためにつくられようとしているのであるか、それとも中学校段階における、つまり後期の義務教育段階における多様化を目指そうとするものであるか、それは文部省はどういうふうにとらえておられますか。
#13
○国務大臣(松永光君) いわゆる第三部会の合宿集中審議の部会長メモというものでございますが、このメモによりますと、いわゆる六年制中等学校というのは現在の中学校、高等学校と併列する学校として検討されておるようでありますけれども、じゃそれが現在の学校体系との関係はどうなのかという問題が実はあるわけでありますが、私どもとしては今後さらにこの問題については臨教審の総会その他でも議論がなされるわけでありまして、そうした議論の展開を見守りながら判断をし、対応を考えていかなきゃならぬ、こういうふうに思っておるわけでございます。
#14
○久保亘君 これらの審議を行われるときは文部省も参加しているんですか、その臨教審の会議には。だれも出ていないのか、あるいは文部省出身の事務局員は出席しでいるのか、これはどうなんですか。
#15
○政府委員(齋藤諦淳君) 事務局員は出席しておりますが、文部省は説明を求められたときに来ていただいております。
#16
○久保亘君 そうすると、文部省出身の事務局員、特に事務局長は文部次官でもありますが、この臨教審の中で、将来、文部省にとって重大な問題となってくる課題が論議されたときには、省内でもその問題を議論されることがございますか。
#17
○政府委員(菱村幸彦君) 省内には臨教審のための協力関係もございまして、また、教育改革に関しますいろんな課題を検討するものといたしまして、教育改革のための省内の連絡会を設けております。そういうところで必要に応じましていろいろ議論することはございます。
#18
○久保亘君 それならこの六年制の中等学校を考えると、つまり中高一貫の学校の制度を新たにつくるということは、これは六・三・三の行き詰まりからきているのか、それはどうなんですか。僕がこれを聞いている理由は、中、高は一貫教育でいくのが今後望ましい、つまり本線のコースになるべきだという立場なのか、それとも六・三・三が本線であるが、そのバイパスとして三・三をつないだ六年制の中等学校というのもまたおもしろいと、こういうことなのか、それはどっちなんですか。
#19
○政府委員(高石邦男君) これはまだ臨教審での論議が最終的に結論としてまとめて出されておりませんので、第三部会で種々の角度から議論されている段階でございますから、今御指摘の点のどちらが本流でありどちらが支流であるかということまで論議がまだ詰まってないということだと思います。ただ、予想されるのは、現在の六・三制度を全部改めて六年制の中等学校に全部しちゃうという発想ではないように受けとっております。
#20
○久保亘君 そうすると、バイパスとしてこの制度が非常に有効で必要なものだということになれば、しかしある程度つくらないけませんね。そうすると、それは六・三・三の本線を通っていくものと六年制中等学校のバイパスを通っていくものと、これがどれぐらいの比率ならば最も望ましい状況だと文部省は考えておられるんですか。これは臨教審で今始まった問題じゃないんです。ずっと前から、中教審の時代から、その前からある問題です。だから、文部省としても相当な研究をされておらなければならぬ問題でしょう。文部省としてはどう考えておられますか。
#21
○政府委員(高石邦男君) そこまでの比率まで含めての検討は加えておりません。
#22
○久保亘君 それじゃ、この問題はまたこれから引き続き議論せなならぬ問題でしょうから、この六年制の中等学校を一校つくる場合に、平均的にどれぐらい費用がかかりますか。
#23
○政府委員(高石邦男君) まだそういう経費の問題も具体的に検討しておりませんので、土地代まで含め、具体的な何クラスぐらいの学校にするかによって校舎の面積も違いますし、そこまでの検討は加えておりません。
#24
○久保亘君 高等学校一校今幾ら、大体どれぐらいの見当をつけますか、高等学校一校つくる場合に、県庁所在地に。
#25
○政府委員(阿部充夫君) ただいま高等学校についての数字というのを持っておりませんけれども、御参考までに中学校について申しますと、土地と建物合わせまして十七、八億ぐらいが平均的な金額であろうかと思っております。これは全国的な平均でございますので、安いところへつくるケース、高いところへつくるケースございます。したがいまして、都会地の県庁所在地などにつくるとすれば土地代はもっとぐんとかかるだろうと思っておりますが、いずれにいたしましても、そういうことでございますから先ほどお尋ねの高等学校と中学校つながった一貫制の学校というようなことになりますと数十億のけたは必ずかかるであろうと思っております。
#26
○久保亘君 そういたしますと、まあ、私は数十億というのはどうかなという気がいたします。というのは、六年制の中等学校を一切完成させるまでにかかる費用というのは、やはり百億見当のものにしておかないとできないと思うんですね、規模によりますけれども。しかし、本当の単なる試験管で実験するような格好のものをつくったってそんなの意味はないんだから、ある程度、これは実験段階ではないものとしてつくられるとなれば、百億の見当をつけるということになれば、各県一校つくるときに四千七百億円ということでございますね。そして、将来にわたってこういう学校をずっと広げていくということになればかなり大きな費用を要することになります。もしこれを本線化するということになれば、これはもう想像を絶するものになってくるだろうと思っておりますが、その辺は文部省としては、今は、この前安永委員も御質問になっておりましたが、もう全く念頭になく、ただ臨教審の答申待ち、こういうことで涼しくしていらっしゃいますか。
#27
○政府委員(高石邦男君) 当然最終的な答申として出されていく場合において、まずこれは学校教育法の改正を国会に御審議いただかなきゃならないというところから始まるわけでございます。そして、それとの関連で予算の対応をどうしていくかという問題も派生してくるであろうと思います。したがいまして、具体的な答申が出された後、事務的にそういう内容を具体化していくための作業は進めていかなきゃならないと思っております。
#28
○久保亘君 そして、やっぱりこの制度を持ち込むということになれば、これは私学に任せるということではなくて、当然公立の学校にもこの制度は持ち込まれるものと考えておいてよろしゅうございますね。
#29
○政府委員(高石邦男君) 第三部会の部会長メモによりますと「地方公共団体、学校法人等」というようなことになっておりますので、私学だけに任せるという発想でないようでございます。
#30
○久保亘君 その場合には、先ほど私が申し上げましたように非常に大きな資金を要する、こういうことになるだろう、こう思うんです。これがましてや各ブロックごとに子供たちに六年制の中等学校を選択させる機会を均等に保証するということで、それぞれの地域につくられるということになれば、とても文部省ではもう及ばないような膨大な経費を要することになってきませんか。
#31
○政府委員(高石邦男君) これ、そこまで詰めておりませんが、まず現実的に申し上げますと、高等学校につきましては都道府県の財政負担で学校を設置すると、そして運営していくという原則でございますので、それから、一方、中学校におきますと市町村の設置でございますが、国が施設等について二分の一とか、そういうものの負担をするというような仕掛けになっておりますので、そういう問題も含めて検討した上で財源上の対応というのは考えていかなければならないだろうと思います。
#32
○久保亘君 そうすると、結局、六年制の中等学校というのはまだ非常に細いバイパスとして通されるのであって、本線は文部省としては六・三・三の制度を崩すものではない、非常に特例的にバイパスが、多様化、弾力化というか、選択の対象としてつくられてくる、もう非常に特別な学校になると、こういうことになりましょうかね。
#33
○政府委員(高石邦男君) そこまで予測するのは非常に難しいわけでございまして、この部会長メモによりましても、地方公共団体の判断により設置するというふうに、府県の判断にかなりゆだねているわけでございます。したがいまして、体制としてこういう制度に切りかえていくというよりも、バイパス的なものとしてそれを想定しているということになりますので、一気に大量にたくさんつくるというようなことをしなくて、徐々にというような発想ではなかろうかと、こういうふうに推測いたします。
#34
○久保亘君 そうすると、今度はこの六年制の中等学校というのは六年間を通して教育課程が組まれることになりましょうかね。そうすると、義務教育の部分の扱いというのは、いろいろこうすると、義務教育の教育課程のあり方とか単位の取り方とか、そういうものも全部変わってまいりますか。
#35
○政府委員(高石邦男君) これもあくまで検討した上でのお答えではございませんが、当然六年制という一貫教育を実施する以上は、カリキュラムもその六年制の単位で考えたカリキュラム構成にしていかなきゃならないだろうというふうに思います。したがいまして、現行の中学校、高等学校のそのままを横すべりさして当てはめてやるというわけにいかないだろうというふうに思います。それから、義務教育の関係でいきますと、九カ年という義務教育の制度は、基本法に書いてありますので、これを堅持するということになりますので、仮に六年制の中等学校に進学した人は前半の四年までが義務であって、後半は義務でないと。これは諸外国にもかなりこういう例があるわけでございます。
#36
○久保亘君 四年まで義務……
#37
○政府委員(高石邦男君) 三年までと、後半の三年。
#38
○久保亘君 そうすると、六・三・三制の本線を行っている子供が六・三で修める義務教育の課程と、六・六のバイパスへ行った子供がその三年でやめる場合に義務教育が完了できるかどうかという問題、これは違った中身になりますか。バイパスへ行った者は終点の六のところまで、六を終わらなければおりられない、これは高速道でおりられないと、こういうことになりますか。
#39
○政府委員(高石邦男君) そこまでのことはまだ詳細に詰めてないわけでございますが、もちろん前期の三年を修了した段階でほかのコースに転学するというか、ほかの学校、高等学校に転出するということも当然予想されると思います。したがいまして、その付近は弾力的に対応していくという仕掛けにしないと、多様化、弾力化という角度から、ある意味でのかえって六年間缶詰にするということで画一的な制度になるのではなかろうかと思います。
#40
○久保亘君 そうすると、この問題は臨教審の答申に六年制中等学校案が出されてもですね、文部省としてはかなり具体的な内容などについて検討してみなければ、これを制度として取り上げるというのはそう簡単なことではなさそうに思いますがね。あるいは、臨教審が答申にまとめていくまでの段階で、文部省もその辺のところをもうずっとこう詰めていって、答申が出たら受け入れられるような準備を整えられるんでしょうか。
#41
○国務大臣(松永光君) 第三部会の部会長メモの中に、「六年制中等学校の構想を提案することとした。」と、こういうふうに出ておるわけでありますから、これは文部省としても前向きに真剣に検討を始めなけりゃならぬと、こういうふうに思うわけであります。考え方としては、先生よく御承知のとおり、中学、高等学校、この段階は十三歳から十八歳、少年期から青年期という人間の成長段階で非常に大事な、そしてまた肉体的にも精神的にも成長盛りの段階でございまして、その段階の教育がどうあるべきかと。現在のように三・三と区切ると実際問題として入学試験というこの問題がありますし、また現在はそれが相当過熱化しているという問題もあります。
 で、この十三歳から十八歳までの間を区切らずに入学試験ということなしにして、六年間みっちり教育をするというのは、非常に教育的な効果もあるんじゃないかというふうに思われますし、しかし、また一方においては三年して新たな気持ちでまた新たな学校に入れば、さらに意欲を燃やして勉強に励む、あるいはスポーツに励むということもあるかもしれません。いずれにせよ、非常に教育上まあ関心を高めて議論すべき問題だと思います。で、こういう構想の提案がなされた以上、前向きにかつ真剣に文部省としては検討をして、対応を考えていかにゃならぬ問題だというふうに思っております。
#42
○久保亘君 まあ、それじゃ文部省も積極的にこれ取り組んでいかれるというような方向なんで、また時間がありますときにこの問題は、一遍こういうバイパスの路線を通しますと、これはもうそう簡単にまた戻すということはできませんから、だから私たちもいろいろ意見を申し上げて、できていく場合には問題の起こらない最良のものでやらなけりゃいけないと思っております。また文部省も十分準備をしていただきたい、議論の準備をしていただきたいと思っております。
 それから、今度は人事院にもおいでいただいておりますが、この前学歴偏重の問題で指定校制度や官公庁の採用の問題などについてテレビで対談がございましてね、あなたも御出席になっておりました。その中で日本の官公庁の採用に関して、人事院の今の試験制度には学歴とかそういうものはもう一切問題でない、非常に民主的な機会均等主義がとられておりますと、こういう話を局長が再三にわたってなさっておりました。私も、なるほど言われてみれば制度の条文の上ではそうだなと、こう思いながらお聞きいたしておりました。
 しかし、現実には日本の官庁というのはやはり学歴主義というのが非常に強いという印象を国民の間に与えております。であればこそ、臨教審もここに一部会の集中審議メモの検討さるべき諸点というのが例示されました一番に、「官公庁・企業の採用基準の抜本的見直し。学歴・官学偏重の是正」、これが第一部会の集中審議メモの検討すべき諸課題の一番です。そうすると、人事院としてはこういうことを臨教審がおっしゃることは非常に不本意でございますか。
#43
○政府委員(仙田明雄君) 公務員の採用試験から採用に至るまでの制度、先生はよく御存じのように、また私もテレビでも申し上げたんですが、もう原則的に学歴を問わない、年齢の幅だけを受験資格に定めて行っておりまして、あとは本人一人一人がみずからどの程度の学力を有し、どのレベルの試験を受けられるかということで受験する試験を選択をして試験を受けられる。その結果、合格すれば各省で面接等行って採用していく、こういう形になっているわけでございます。
 私は、テレビの中でも申し上げたんですけれども、官公庁がなぜ学歴社会だといって非難をされるのか、その趣旨とするところが必ずしもよくわからない。臨教審でその種の議論があるということは、私も新聞等で承知しておるわけでございますけれども、どのような官公庁の状況をとらえて学歴社会だというふうにおっしゃっているのかについての具体的な御説明もないものですから、しかもこれから大いに議論をされるということを伺っておりますので、そういう議論も伺いながら私自身も勉強してみたいというふうには思っております。
#44
○久保亘君 その辺のところは、国民が受け取っている感じと人事院の担当者であるあなたが考えておられることとの間には、非常にやっぱり距離があるような感じが私はどうしても消えぬのですよね。なぜそうなるか。だれでも受験できますぞというのと、どんな試験をして採用しているかというのは違うんじゃないでしょうか。
 それが一つと、それから今度は入った後、どういうふうになっていくかということでも問題があるんじゃないでしょうか。その証拠に、例えば各省の事務次官や局長に、ノンキャリアの人が局長になったりあるいは地方大学の人が事務次官になったりするとニュースになるんだな。そういうことに一つ問題がありはしないか。
 また私は、地方官庁も地方議会の議員として見てまいりましたけれども、中央官庁からお見えになる方は二十代で課長になって来るんですね。そうすると、同じ上級職でも地方官庁で採用になった人が課長になるといったら、これは四十代の後半。だから、本省から独身の二十代の課長がお見えになると、自分のお父さんのような課長補佐がおる。どちらも地方で入ったか中央で入ったかの差があるだけで、上級職の資格で入ってきたことには変わりはない。こういうところに、やっぱり今の日本の官庁の中に学歴主義とか中央中心主義とか官僚主義と言われるような、そういうようなものがあるんじゃないかなというふうに思いますが、そういうのはもう人事院では、そういうのは実力の差だよ、この社会においては実力が物を言うんだ、我々は一切の差別をせず民主的に官庁の中の人事は行われている、こういうふうに信じておられますか。
#45
○政府委員(仙田明雄君) まず採用試験の関係でございますが、確かに受験資格を幅広く開放しているということと、どういう試験の内容であるかということは別だよと、御指摘のとおりでございますが、しかし私どもは、今日、高学歴社会の中で学歴と学力がかなり乖離しているというのは事実でございます。そういった状況も踏まえながら、学歴は問わないけれども学力はこれは問題にしなければならない。学力は試験を通じて明らかにされなければならないだろうというふうに考えておりまして、したがって、例えば上級試験というものについては、大学程度の試験という位置づけをして、かなり高いレベルでの出題をしている。受験資格として学歴を問うてないわけですから、実力のある方は受けにいらっしゃいと、こういう態勢をとっておるわけでございまして、私はその点は特段問題はないんじゃないだろうかというふうに考えておりますし、それから昇進の問題も、先生御指摘のように、確かに私学出身の方が次官になる、あるいはノンキャリアの方が局長になると新聞に載るというような事情がございますけれども、基本的には私はそれぞれの方々がその職務において実績を上げられて、それが評価された結果、昇任されてきておるんで、それはキャリアである、ノンキャリアである、官学である、私学であるということはかかわりないんではないかというふうに考えております。
#46
○久保亘君 まあ、いいですわ、あなたの方でいろいろ今の人事院の採用の仕方に問題がありますということをなかなか言えない立場だと思うんで、それはまあ……。しかし私は、人事院としても、臨教審がなぜそれじゃ官公庁の採用のあり方をこの際議論すべきだといって取り上げているのか。今あなたのおっしゃるようなことだと、臨教審でそんなこと問題にする必要はないわけだ、全然。それが臨教審の検討課題の一番に取り上げてくるというところに非常に問題があるんじゃないでしょうか。だから、その点はお互いにまた研究してみましょう。きょうはそのことで何かあなたにこう言いなさいというわけでもありませんから、人事院の見解をお聞かせいただいたということにしておきましょう。結構です。
 このことに関連して、最近新聞で、文部省はきのう付で採用になったキャリア組十六人で、ことし初めて東大法科卒の採用がゼロであったという報道がありますが、官房長、そのとおりですか。
#47
○政府委員(西崎清久君) ただいま久保先生から御指摘の官公庁における採用のあり方につきましては、特に学歴社会ということも文部省いろいろとその是正に努力をしている立場でございまして、採用に当たりましては、特定大学に集中しないようにということを一つの原則に立てております。
 本年度の状況を申し上げますと、十六人の採用につきまして十大学にわたっておるわけでございます。過去におきましては特定大学が三分の二以上を占めるというふうな時代もございましたが、昨年、本という形で申しますと、昨年は七大学で十六人、本年度は今申し上げましたように十大学で十六人。端的な先生の御指摘の東大法学部はゼロであったかという点につきましては、東京大学から四人は採っております。しかし、これは法学部ではないというふうな結果でございます。
#48
○久保亘君 それで、このことに関して、マスコミの分析は大変おもしろいんですね。これはほかの省庁が就職協定、つまり選考開始の日付を守らずに、ほかの省庁が早くから手をつけてしまった、文部省は青田刈りをやらせない、その監督の責任にある省庁なものだから、じっと我慢の子でいたら、どうもこういう結果になったというようなことが書かれてある。私は、今度文部省に入る方がそうだというんじゃありませんよ。しかし、そういうような印象の記事をこの間見まして、これでひとつ聞いてみたいと思っておるのは、大学の卒業生に対して政府諸官庁が取り決めに違反して面接をやっているんですか。
#49
○政府委員(西崎清久君) 官公庁の採用につきましては、五十九年の三月でございますか、昨年の三月に各省庁の人事担当課長会議の申し合わせがございます。その申し合わせの内容といたしましては、十月一日以降が官庁訪問における各関係者への説明の日付と、それから十一月一日から採用試験と、こういうふうな申し合わせでございまして、各省庁これを厳格に守ろうと、こういうふうなことになっております。したがいまして、私どもはもちろんでございますが、関係各省においても、その申し合わせを守るという努力をいたしておるというのが現状でございます。
#50
○久保亘君 しかし、ここに書かれておりますのは、民間企業も大変なんですね。その協定を最初に破るのが官庁、そして国の上級職試験が終了して間もない八月下旬には大蔵省、通産省、日銀などが面接を始め、九月中にはほとんどの官庁が事実上の内定を与えていたという。だから、民間もとってもそんなの待っておれない、こういうことになっているんだということなんです。私もちょっといろいろ参考までに調べてみますとどうもそれらしいのですね。文部省は、大変官房長がまじめな方だから、この申し合わせをまじめに守っておいでになったんであろうと思うんですが、こういうことは、この指摘されているようなことは、これは全く事実と違いますか。
#51
○政府委員(西崎清久君) 先生御指摘の点は、私どもの採用の手順、方法につきましては、各省庁人事課長の申し合わせに基づいてやっておるわけでございまして、ただいま御指摘の新聞記事にございます関係各省のやり方につきまして、それを一々具体に私どもが照会をし確かめておるわけではございませんが、考え方としましては、各省庁で申し合わせた線に沿ってやっておられるというふうに思うわけでございますが、具体の事実関係については詳細承知していないのが現状でございます。
#52
○久保亘君 それじゃもう時間がなくなりましたので、ちょっと予算に関連して二つほどお尋ねしておきたいと思います。
 一つは、今度、中曽根さんが自分の施政方針の中の教育上の非常に重要な柱として自然教育というふうにおっしゃっているんですね。中曽根さんの言葉で言うと放牧教育というのですね。私たちは人間の子供だから放牧教育というのは余りよくないと思っているんですが、この自然教育の予算というのは今度の文部省の六十年度の予算の中に出されておりますが、非常にこれは中曽根さんの太鼓の音が高い割にはこの自然教育の予算というのは余りにも小さ過ぎるものではないかという感じがいたしますが、こういう自然教育というものはもっと日本の残された自然というものをその地域の乱開発などをやめさせてそういう自然教育の場として有効に生かすということで、文部省はもっと積極的に踏み込んでいく、そうすれば予算なども、中曽根さんも、せっかく放牧教育などと大きなスローガンを掲げておやりになるんですから、文部省としても予算が今要求しやすいときじゃないですか。それで、そういう地方自治体などとも協力をしながら、子供にその自然を開放し、自然を教育の場に与えるということで積極的におやりになるべきだと思うんだけれども、六十年度の予算というのは、これはそういう壮大な文教行政のロマンがない。これはどういうふうに思っておられますか。
#53
○政府委員(高石邦男君) 「自然教室」という形で五十九年度から実施しているわけでございます。これにつきましては従来グリーンスクールと言って、公害関係の都会の子供たちを田舎に連れていって健全な体づくりをやるという予算がありまして、それをスクラップいたしまして新たな発展的な観点から学校教育の一環として「自然教室」という事業を推進していこうということで、当時はその元金の二倍近い金を突っ込んで五十九年度四億一千七百万でスタートしたわけでございます。六十年度は一七%程度予算を伸ばしてもらいまして、千校を千百七十校というふうに伸ばしておりますので、現下の財政状況から見れば、かなり思い切った予算の伸びを認めてもらっていると思いますけれども、もっともっとふやせという御指摘については十分御意見を拝聴しながら頑張ってまいりたいと思います。
#54
○久保亘君 四億幾らというのは、今日本の小中学生というのはどれだけおるんですか、一人で割って幾らになりますか。私は、こんなことを言うのは、それはいろいろほかに財源処置をしたと言われているけれども、それは地方自治体の強い反発を受けてそうしたのであって、学校の教材費の国の負担分だって百三十数億のものをカットしたでしょう、カットしようとしているんです。予算の上ではカットされている。今そのカットする法律の改正を衆議院でほかのものと丸めてやっている。それから、文部大臣がこれはもう文部省としては死守せなければならない問題だと言われたので、私も文部大臣のそういう決意に深く敬意を表しておるんですが、例えば義務教育費国庫負担法を大蔵省あたりはさらに事務職員や栄養職員の人件費にまでカットを広げていこうというような考えを持っておりますね。その百何十億の教材費を削っておいてそして四億、そして去年よりも一七%ふえたと言われるから相当ふえたんだろうと思ったら元が四億しかないんです。そういうもので自然教育を高らかにうたうなんていっても、これはどうも私は夢のない話だ。余り二十一世紀の教育なんということを言わない方がいいんじゃないかと思うぐらいなんです。日本にはまだ自然教育の場に使おうとすれば、特に企業の乱開発につぶされてしまう前に、今そういう自然教育の場として確保しておけば必ず二十一世紀に今の文部行政が感謝をされるそういう場所が幾らもあります。何なら私の県にお連れしましょう、幾らでもございます。そういうようなところを文部省が積極的に今自然教育の場所として確保する、こういう努力をやらなきゃいけないと思うんです。国庫負担法は切られるわ、そして宣伝だけはいっているけれども、中身がついていっていないというようなそういう今度の文教予算ではないかと思うので、私は大変この予算に対して不満を持っております。そのことをいま一つ象徴的に申し上げたのであります。
 もう一つの問題は文部大臣にぜひお聞きしたい。教育減税が各党間で政策減税として今後詰めるということで衆議院で合意いたしておりますが、まず事務局に数字から聞きましょう。
 教育減税で例えば高等学校の入学金と授業料を控除の対象にする場合に、その総額は、私学と公立に分けてどれぐらいになりましょうか。
#55
○政府委員(西崎清久君) 教育減税の問題につきましては過去十数年の間、私どもといたしましては、先生御承知のように、減税の問題であるよりは歳出予算の拡充、例えば私学助成とか育英奨学の拡充という方向で政策努力をしてきた経緯があるわけでございます。そういう意味におきまして、減税の問題につきましては、文部省としての取り組みをいたしていないわけでございますし、しかも減税についての今回の予算委員会でのお取り扱いの経緯におきましても、まず与野党の政策審議会長、書記長会談でいろいろ問題を詰めていく。その上で、その結果を見て政府が対応する、こういうふうな経緯があるものでございますから、文部省として減税問題に関する計算は現在行っていないというのが現状でございます。
#56
○久保亘君 いや私、税額の計算じゃなくて、今、高等学校の私学の入学金の総額ですね、全国の。それから、公立高等学校の入学金の総額と授業料の総額がどれぐらいになりましょうか。資料がなければいいですが、大体勘でこれぐらいじゃないかということでもわかればちょっと教えてください。
#57
○政府委員(西崎清久君) 正確な資料はちょっとあれしておりませんが、大体私立の高等学校で申しますと授業料、入学金、それから施設の負担金が入学時にございます。これを三分の一に割りますと、年間でございますが、四十四、五万円というのが一人当たりぐらいになるというのが現状であろうかと思います。それに大体五百万人ぐらいの高等学校のうちの私学が大体四割ぐらいでございましょうか、その計算をいたしますれば総額が出るわけでございますが、大体そんな見当の感じでございます。
#58
○久保亘君 この前統計で、幼稚園から高等学校まで、一人の子供が幼稚園から全部私学を行った場合には教育費が七百数十万、それから公立をずっと行った場合には百二、三十万という統計を見たような感じがいたしますが、縦で見た場合にはそんなものになりますか。
#59
○政府委員(西崎清久君) この点は私の記憶におきましても、先生おっしゃいますように私学でずっと走りました場合には一千万円ぐらいになる。それから、公立、公立それから公立、国立の大学と行った場合には七百万見当と、このような御指摘のような数字であろうかと承知しております。
#60
○久保亘君 時間が来ましたので私の質問はこれだけにしておきますが、臨教審の主務大臣、主管大臣であります文部大臣にぜひお願いをいたしておきますが、予算委員会におきましても臨教審の会長が、今月二十四日の審議概要のその二を発表した後は国会に出席して意見を述べるようにと、こういうようなことで予算委員会でも各党の合意を得ております。主管大臣として、ぜひこの点については臨教審の側にも協力されるよう意見を述べていただきたい、こう思っておりますがよろしゅうございますでしょうか。
   〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕
#61
○国務大臣(松永光君) 国会でお決めになったことにつきましては、誠心誠意協力するのが私の立場でございます。
#62
○安永英雄君 初めに、きのう発足しました放送大学の問題について少し詳しくただしてみたいと思います。
 これはもう国会で廃案になること四回、それから与野党でも相当これは激論を交わしたことでもありますし、それから文部省と大蔵省、文部省と郵政省、この間でもやっぱり鋭い対立があったのでありますけれども、特にNHK、民放等とのあつれきも激しかったわけであります。これはひが目で見るのかもしれませんが、きのう一日テレビを見ていますと、どうもやっぱりNHKの放送あたりでは、たばこ会社、それから電電の株式会社の発足は盛んに終日流しましたけれども、放送大学は、あのときの恨みがあるのかなんかしりませんが、ちょっと出しただけであったわけでありますが、そういう非常に厳しいやりとりの中で、この着想が行われてから約二十年ぐらいたっておると思うのですが、五十六年にこれが法案が通過をした、こういう歴史があるわけです。それから以降の、私どももこれは責任があるんですけれども、どうもきのう発足した放送大学、ひとり歩きをしておるという感じがしてならない。そういった点で今からただしてみたいと思うのであります。
 まず予算の中で、文部省予算の中で放送大学に対する予算が組まれております。これは特殊法人でありますけれども、一〇〇%政府出資ですよ、これは。言いかえますと、国営の放送局です、これ。ちょっとこれは西欧関係にはない。こういう形態をとっておるわけであります。予算の問題について少し聞きたいと思いますが、もう時間がありませんから、放送大学学園の出資金、放送大学学園の施設、設備、この点だけちょっとお聞きしますが、どれだけ組んでどういう内容になっているか。
#63
○政府委員(宮地貫一君) 放送大学学園の予算についてのお尋ねでございますが、先生御指摘のように具体的には五十年度以降調査研究費が計上されまして、具体的にはその後放送教育開発センターとして準備を進めてまいりまして、五十六年度以降放送大学学園としての予算が計上されてまいったものでございます。五十六年度の予算に放送大学学園の出資金として一億円が計上をされております。
 それ以降、五十七年度以降は具体的に放送大学学園の国庫補助金並びに放送大学学園の施設整備ということで計上されてまいっておりまして、五十六年度以降の国庫補助金を、五十六年、七年、八年、九年の累計で申しますと、六十三億余り、施設整備につきましては、同じく五十六年、七年、八年、九年度の累計で六十九億余りという状況になっております。
#64
○安永英雄君 放送大学には、放送大学とそれから学園という、この使い分けがよく行われて、予算の中でもありますが、学園というのは放送大学と放送教育開発センターが一緒になった、それが学園ですか。
#65
○政府委員(宮地貫一君) 放送大学学園は、いわば放送大学の設置主体として設けられました特殊法人でございます。
 それから、先生御指摘の、ただいまちょっと正確にお聞き取りしなかったかもしれませんが、放送教育開発センターというのは、これは国立学校の共同利用機関として設けられているものでございます。
#66
○安永英雄君 その点は多少後でお聞きします。
 時間がありませんから、教育方法についてお聞きします。
 これは単位は、一般大学と同様の百二十四単位、これを取れば大体卒業できるということですね。これは在籍十年という形をとっていると思いますから、十年の間に卒業できるというんでこれは非常にいいと思いますが、その教育方法について、どういう方法をとられておるかお聞きしたいんです。
#67
○政府委員(宮地貫一君) 放送大学の教育方法についてのお尋ねでございますが、放送大学は御案内のとおり教養学部を置いておるわけでございまして、生活科学、産業社会及び人文自然の三コースにそれぞれ二専攻置きまして、いわば幅広い学問領域を総合的に教育するための教育課程を編成しているものでございます。
   〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕
 具体的な開設授業科目でございますけれども、六十年四月――本年度でございますけれども、百五科目、単位で二百四十二単位を開設をいたしておりまして、以後、年次計画で増設をし、学年進行完成年次であります六十三年度には二百七十一科目を開設するということにいたしております。
 具体的にさらにその教育でございますが、テレビ、ラジオによります放送授業、それから印刷教材による学習及び学習センターにおける面接授業との組み合わせということで行われるものでございます。
 それから、先生御指摘のように、卒業の資格を取得するためには四年以上在学して百二十四単位を修得するということになるわけでございまして、その点は一般の大学と全く同様でございます。なお、面接授業については、そのうち二十単位について面接授業で修得をするということになっております。
 なお、ちなみに放送大学の卒業を目指しますいわゆる全科履修生でございますけれども、全科履修生の場合には四年間で卒業する場合に要する一週当たりの標準的な学習量、これは法案審議の際にもいろいろ御議論ございまして御説明もいたしたわけでございますが、放送授業の視聴として四十五分番組を五回程度、それから印刷教材での学習を三十ないし四十ページ、これは教材によって多少違う点もございますけれども。それから面接授業の受講としては一回、おおむね二時間十五分程度というようなカリキュラムで考えれば、おおむね四年間で具体的な卒業の修得ができるというような形になっております。
#68
○安永英雄君 そうすると、具体的に放送授業の方ですが、テレビ、ラジオともに何時から何時までやって、時間はどれぐらいになりますか。
#69
○政府委員(宮地貫一君) 具体的なテレビの場合の放送の時間でございますが、午前六時から十二時まで放送をいたしておりましても、もちろん、これは内容的には繰り返しになっている部分があるわけでございます。
#70
○安永英雄君 授業時間は四十五分ですね。通信教育の場合、これは各科目とも一回、第八週目の放送の際に出された課題についての回答を求めてこれに添削すると、こういうふうにおぼろげながら聞いておるのですけれども、この通信指導はどんなふうにされますか。
#71
○政府委員(宮地貫一君) 通信教育の指導については、先生御指摘になりましたような形でおおむね八回聞いた後で通信添削の指導を一回行うというような形で実施をするということです。
#72
○安永英雄君 面接の場合、今ちょっとお話がありましたけれども、これは一単位取るのに大体どのくらい出ればいいんですか。
#73
○政府委員(宮地貫一君) 面接の授業は科目によってそれぞれ具体的には異なるわけでございますが、面接授業を要する者については、おおむね十回を出席すれば単位が取れるという形になっております。
#74
○安永英雄君 それでは、大体これ十年の在籍期間がありますけれども、四年で取ってしまおうと思えば大体各週どのくらいやればいいんです。これはえらいことですよ、今の説明聞きますと。
#75
○政府委員(宮地貫一君) 先ほどおおむね四年間で卒業する場合のカリキュラムのことについては御説明を申し上げたわけでございますけれども、実際に放送授業を視聴いたしますものが四十五分番組を五回程度、それから印刷教材などの学習としては、これは教材によって違いますけれども、三十ないし四十ページ程度の印刷教材の学習、それと面接授業の受講としては一週間に一回、二時間十五分程度を視聴するというような形で履習をいたしますれば四年間で卒業をする学習量と、標準的な学習量としてはそういうような内容になろうかと思います。
#76
○安永英雄君 しかし、その後は結局単位認定試験、卒論と、こういう形になるわけですね。これもやっぱり今の既存の大学と同じような形で行われる、こういうふうに確認してよろしいですか。
#77
○政府委員(宮地貫一君) その点は既存の大学と同様の形で認定をするわけでございます。
#78
○安永英雄君 大体わかりましたけれども、これはやっぱり大変な、毎日テレビにかじりついて、そしてテキストを読みながら、一週間に一遍は学習センターに出向いていったり、そして単位、卒論となってくると、これは相当な内容になってくるわけで、果たして、私は働いて単位を四年ぐらいで取りたいという者についてはちょっと無理かたという気がするんで、これはテレビにほとんどかじりついておかねばいけませんね。そして、これは別に答えは要りません、何も今始まったことですから、もう少し実績を見なければわかりませんけれども、実際は相当な内容だし、働きにいっている人という――いわゆる二十年前の構想ですね、全部だれでも与えていこうという機会均等の線は、あの構想はちょっと今は重荷だというふうに私は感じます。むしろ、生涯教育という観点が大きく今後の問題として生まれてくるんじゃないかというふうな感じがするものですからそう聞いてみたわけです。これは並み大抵のことではないと思います。
 問題になりますのは、やはり何といっても放送教育の開発センターの問題ですが、今もおっしゃったように、これは五十三年にもう既にオープンをしておって、そして国の共同利用機関という形で独立しているというふうな形ですけれども、私ども文教委員会で、時間はありませんでしたけれども去年現地に行きまして、大学という説明がありましたけれども、大学の方の中に入りましてもだれもいないわけですが、開発センターの方はなかなか活発にやられておるわけで、私は開発センターの方が大学かと思っておったわけです。
 ここでお聞きしますが、カリキュラムあるいはテキスト、これは問題なんですが、これは大学の方でつくっていくのですか、そして、この番組の作成というのはこの放送開発センターで行れるわけですか、そこらはどうなんですか。
#79
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、放送大学学園が発足する以前におきまして放送教育開発センターでいわばその準備状況として放送大学のための仕事を相当やっておったことは事実でございます。ただ、放送大学学園が発足をいたしまして、番組についてはすべてこれはもちろん放送大学自体で制作をいたしております。
 放送教育開発センターの業務でございますけれども、現在、放送教育開発センター、これは国立大学の共同利用機関として置かれているものでございますが、具体的な項目で申し上げますと、大学放送の教育の実験番組の制作、それから研究開発番組の制作、それから放送利用の大学公開講座、これは五十九年度の場合で申しますと、既存の北海道大学、東北大学、その他の大学を含めて七大学でございますけれども、年間テレビ八講座、ラジオ六講座をそれぞれの地域で大学の公開講座として実施するものについて開発センターが協力するというような形のものでございます。それから、学習指導方法の研究開発ということで、私立大学の通信教育の研究開発に寄与するというような形で実施をいたしておるわけでございまして、研究開発の方にウエートを置いた形でこのセンターの仕事は実施をしておるわけでございます。
 具体的には、センターの方にはそれぞれ第一から第七までの研究開発部が置かれておりまして、そこでそういうような内容を、むしろ実験的な事柄でございますとか、あるいは開発にかかわるような仕事について従事をしているというのが現在の状況でございます。
#80
○安永英雄君 この放送教育開発センターで今取り扱う内容をお聞きしましたが、この中に、大学間の単位互換というふうなこともここで研究を取り扱っておるというふうに聞きましたが、そうですか。
#81
○政府委員(宮地貫一君) 単位互換そのものについては、これは制度としてはもう既に仕組みはつくられておるわけでございまして、具体的にそれぞれの大学がどのような形で単位互換について取り組むかということは、これは現実に放送大学の場合ももちろんそうでございますけれども、既存の大学との間で単位の互換をするということについては制度はできておりまして、具体的にどう扱うかということは、それぞれの大学間で協議をするなりというような形で行われるわけでございます。
 開発センターで具体的な研究といいますか、研究開発を行っていることについて具体のことで申しますと、例えば教育学部における教科教育の問題などについて、これはそれぞれ既存の教育学部の先生方の協力を得ながら、教科教育の番組のつくり方について具体的な研究を行っているということは私ども話を聞いておりますが、先生御指摘のような単位互換についての研究というような形では、ちょっと一般論としては私ども伺っていないわけでございます。
#82
○安永英雄君 私もそうじゃないかと思ったんですけれども、どうもあそこの放送教育開発センターで相当乗り気で、互換の問題もこの放送大学の関係から相当突っ込んだ立場に今あるというふうなことを聞きましたのでちょっと聞いたんです。今局長がおっしゃるとおりの互換の問題は取り扱いが正しいと思います。もしもあるとすれば、これは注意をしておかなければならぬと。ここで取り扱うような筋合いのものじゃないんです。
 そこでついでに、大臣がこの前、三月の五日に放送大学の利用という形で単位互換の促進を意欲的に発表されたということですが、その構想について大臣からお伺いしたい。
#83
○国務大臣(松永光君) 放送大学で取得した単位とそれから既存の大学で取得した単位との互換の問題、これは制度的には今局長がお答えいたしましたようにあるわけでありますが、私は、何としてでもこの放送大学を成功させたいという気持ちでいっぱいなんです。先ほど先生もおっしゃいましたように、勤労者の皆さん、あるいはちょうど大学に行く年齢のときに、十八歳になったときに家庭の事情その他で大学に行けなかったと、現在では社会人として活躍をしておる、多少の時間もある、しかし、高学歴社会でございますから、やはり大学卒の資格はとりたいと、こういう方々のための私は大学だと、そういう方々のために非常に役に立つといいますか、ユニークな大学だというふうに思っておりまして、何としてでもこれを成功させたいという気持ちが私はいっぱいでございます。
 先ほど先生、テレビにかじりついていなきゃいかぬなというふうな話でございましたが、要するに一週間に五回、一回が四十五分テレビを見てください、あるいは放送を聞いてください、それから一週間に三十ページないし四十ページの教材を読んでもらいたい、それから一週間に一遍二時間十五分ですか、スクーリングに行ってくださいと、これが一週間のことでございまして、まあ家族の協力等も得られればビデオで撮っておいてもらって、後で仕事が終わってから見るなどということもできるでしょうし、何としても成功させたいわけでありますが、同時にまた、私も大学を見せていただきまして、放送するわけですから、テレビで、一般の大変知識のある人も見ておるわけですね。その人たちが見てもなるほどすばらしい放送をしなきゃならぬということで関係者も大変な努力をしていらっしゃいますから、内容の充実した私はいい教育をしていただけるというふうに思っております。
 そう考えますと、せっかくそういう内容のあるいい教育が放送大学を通じてなされ、そこで単位が得られたならば、それは既存の大学の方と互換ができると、こうなってくればますます放送大学が活用されることになりますから、これは極めてすばらしいことだということに考えまして、私としてはそういう単位互換などということがもっともっと発展するようになればありがたいと、こう思った次第です。なお、具体的には大学と既存の大学との話し合いで互換はなされるわけでありますけれども、ぜひそういう話し合いが数多くなされ、かつスムーズに話し合いがまとまることが望ましいと、こういうふうに思った次第なんでございます。
#84
○安永英雄君 大臣の考えはわかりますけれども、あれは案外コメントをされて相当注意深く、非常に反響が大きいんです。これはもう放送大学を発展させ充実させていこうというそういう気持ちにあることはわかりますけれども、これは私は次の委員会等でお聞きしたいと思うんですけれども、今十八歳人口の問題が起こっておるし、文部省としては私学や国立の大学にこれだけの学生を引き受けろというふうな真っ最中なんで、私学も音を上げておるところがあるわけで、したがって、大臣のこのコメントというのは、要するに今から急増していく、特に財政的にも苦しい私学あたりがこれに飛びつきつつある。しかし、私はおかしいじゃないかと思うんですよ。これは関東一円だけの問題でして、今のところ、しかし、それについてもやっぱり注意を払っているというのは、今のところあらゆるところで出てきますが、一般教養というふうなものは放送大学のあれで取ったらいいじゃないか、今急増する学生を引き受けたら、施設その他の問題で大変なんだと、だから、教養というふうなところの単位はこの通信教育なり、あるいは今の放送大学の、大臣も言っている単位というものとうちの学校と互換すれば、そう施設、教員充実等も要らぬじゃないかという検討を始めておるというふうに聞きます。これは私は種のないことじゃないと思うんですが、これは名前は言いませんけれども、放送大学の管理部長、これあたりもこれはおいおいもう全部一般教養課程はすべて放送大学で受け持つんだなんというようなことを公言しているわけですよ。それに加えて大臣のこのコメントがあったものですから、これはやっぱり相当大きな問題に発展するんですよ。それでなくても今のところ、高等学校から行って、大学に入って一般教養課程なんというのはもう要らぬじゃないかという廃止論もたくさんある、またぜひ置かにゃならぬという主張も非常に強い、こういった中でやっぱりこういった問題がぴんと耳をはじくわけです。だから、この点については新聞等もそういった見方をしているところもあるようでありますけれども、大臣の、単位互換という問題は放送大学だけという形にとらわれずに、根本的に文部省としても検討する必要があるのじゃないかと思います。この点どうでしょうか。
#85
○国務大臣(松永光君) 先生のおっしゃるように、単位互換という問題は放送大学と既存の大学、放送大学とどこの大学、放送大学と既存の大学だけの問題でなくて、いろんな大学相互間の実は問題なんでありまして、単位互換を積極的に推進すべきであるという議論をなさる人も実はいらっしゃるわけでありますが、いずれにせよ大学対大学の協議によって実は決まることなんでございまして、何といいますか大学当局じゃない私どもが影響力を行使したりする、そういうものではございません。しかし、制度がありますし、単位互換ということが進むことは私は望ましいことだと、こういうふうに思っておりますが、しかし大学にはそれぞれの特色も実はあるわけでありまして、その特色はお互いに尊重し合いながら、かつ大学同士の話し合いでなさるべき事柄であるというふうに思っておるわけでございます。
#86
○安永英雄君 これはつけ加えておきますけれども、私あたりのところに話がありまして、大臣がああ言っているけれども、互換ということになれば、うちの大学に在籍をさしておいて、通信教育で一般教養課程の単位を取らせるということになるのか、そうすると納入金その他はどうなるんだろうというふうなことまでも話が私どもに聞かれるわけですから、この点あたりは慎重にやらないと、今十八歳人口対策が表に出ておるときですから私は申し上げたわけです。
 今後の問題が一番問題になると思うんですけれども、これはもう一期計画が終わって四月一日から発足ですが、関東の首都圏と群馬県を含んだところくらいで、一番放送大学として必要なのはむしろ四国とか中国とか九州とか東北とか北海道とか、こういった地域の方が切実感があるわけで、東京中心にいろんな機会が勉強しようと思えばむしろ多い地域なんですから、今後の計画、全体規模というのはどういうふうに進められるのか、概括的にどういうふうな形で進められていくんですか。
#87
○国務大臣(松永光君) まず第一には、四月一日授業開始、スタートしたばかりでございますから、これが四年の間に積み上げられていくわけですね、これをまず着実にかつ成功する形で進めていくというのが第一の目標でございます。
 同時にまた、今先生御指摘のように、関東地区の中で栃木と茨城を除いた東京、千葉、埼玉、神奈川の七割ぐらいですか、群馬県が八割ぐらいがカバーされているという状態なんでございまして、今先生御指摘のように九州とか四国とか北海道とか、そういういわゆる僻地という言葉は適当かどうか知りませんが、そういう地区こそむしろこういうものがあってしかるべきだという御意見、私も同感でございます。しかし本体をまず成功させる、それとあわせてそれぞれの地区で放送大学を活用した大学をということであるならばこれは大いに検討してそして早く放送大学の利用のできない地域も新たに利用できる地域になるようにしていくことも大切なことだというふうに私思います。そのためには放送衛星の問題が一つありますが、これは大変難しい問題があるようであります。放送衛星だけが他の地域にも放送大学の放送を伝達する唯一の手段ではございませんから、ほかにもやりようによってはやり方があろうかと思うんでございます。例えばビデオを全部つくってありますから、そのビデオを活用して別の地域から放送を始めるということも考え得る問題なんでございまして、いずれにせよ、本体をまず成功させるということを着実に進めながら、同時に、それが終わってからというんじゃございません、並行的にでもほかの地域でもこの放送の利用をしながらの新たな大学というものを構想される面があるならば、これは積極的に私どもは対応していきたい、こう考えておるわけでございます。
#88
○安永英雄君 これはしかし二十年も前からの構想でしてね。第一期、第二期とそれぞれのときに総予算どれだけという論議を重ねてきておって四月で第一期が発足したということで、今大臣のは大ざっぱに言われたんだろうと思うけれども。
#89
○国務大臣(松永光君) そうです。
#90
○安永英雄君 大ざっぱなものではちょっといかぬのじゃないか、もう少し詳しく私は聞きたいと思うんですけれども。これ年次計画でどのくらいのところで全国に全部のネットワークがいって、全部が、この放送大学の完成ができるというのはどういう計画を持っていますか、五年計画ですか十年計画ですか。大体これはもう決めておかなきゃならぬ問題でしょう。
#91
○政府委員(宮地貫一君) ただいま基本的な線は大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、その点は法案の御審議の際にもいろいろ御議論をいただいた点でもございます。
 それで、私ども法案御審議の際にも御答弁申し上げた点でございますが、当面は第一期の計画の完成にまず全力を挙げてまいるということが当面のまず私どものなすべきことでございまして、その後の拡大計画については関東地域での実施状況や諸般の状況を勘案しながら検討してまいるということで御説明も申し上げてきたわけでございます。
 ただ法案御審議の段階で、一体いつまでに広げていくのかというところ、それだけでは、もう少し具体的に示せというようなお話などもございまして、法案審議の段階でも、昭和七十二年ぐらいにはというようなことを法案御審議の際にも申し上げたことがあらうかと思いますが、いずれにいたしましてもその点は今後第一期計画をまずそれを十分なものとして仕上げてまいりまして、その上で全国的な規模に広げていくということを考えなければならないかと思っております。ただいま大臣の御答弁にもございましたようにそれは第一期計画完成後から考えることではなくって、第一期計画の中においてもそれぞれの地方なり地域において実験的なことを何かやりたいというようなところを、地方から申し出があればそれらについて実験的な形でどういう取り組みができるかというようなことなども含めまして私どもとしては今後積極的な形で検討してまいりたい、かように考えております。
#92
○安永英雄君 臨教審のこの前の答弁じゃないけれども、局長、そういうものじゃなかったでしょう。第一期の関東一円をやってみてそれからというようなのんびりした話じゃなかったんですよ、これ。そうじゃなければ四回もこれが廃案になるはずがないですよ。すべてのとにかく生涯教育あるいは機会均等ということで計画的にやっていきますというのでやっと一期が終わって二期目にかかってみたときには、まあ、一期目はやってみて、そして地方の方から要請でもあればそこのところ試験的にやらしてみてというふうな答弁じゃこれは全く違うですよ。またこれはそういうことであればNHKが出さぬはずですよ。これはあなた、計画を立てて、例えば六十三年の第二世代の通信衛星打ち上げるぞというのをもう虎視たんたんとねらっておかなきゃならぬ問題じゃないですか。さあ、どうしましょうかという話じゃないですよ、これ、この法案ができたときには。金がないのなら金がないとおっしゃってくださいよ。だから今みたいな形しか遅々として進みませんと言うのならまた私もある程度わかるけれども、あれだけのかねや太鼓でたたいておいて、そして今でも全国皆がとにかく生涯教育もこれで勉強できるというふうなことを言っておいて、今になってどれぐらいかと言われてまだ言えない、完成が。六十三年の衛星を使うということであれば、もうはっきり予算関係その他考えておかなきゃならぬ時期ですよ、これ。それが、今どうも大臣のあれではカセットみたいなもので、あれやってみようかとか、金持っている地方の方でそういった放送施設でも地元で持ってくれればそれでいってもいいがというふうな、そんな意気込みじゃなかったわけでしょうが。私は、これは随分変わった文部省の取り組みだと思うんですよ。しかもこれはあなた、金全額国の方から出資するんですよ、これ。これ以上聞いたっておっしゃらぬでしょうし、私は、もう局長あたりはこの六十三年の、今、外国から入れるのか、国産でいくのか、いろんな問題があって、それにどれぐらいのとにかく金を要するのか、それに文部省としてはどう対処するのかというふうなお答えがきょうあるだろうと思っておったんですが、これはもう言ったってむだということであればやめます。
 最後に私は、この放送大学で与野党の激突があったりいろんなことがありましたけれども、一番やっぱり問題は、理事長、監事及び学長の人事、これがすべて文部大臣の権限に集中しておる、まさに今もそのとおりであります。文部大臣がこれは握っておられる。理事についても、理事長が文部大臣の許可を得て任命をするということになっておる。あくまでも文部大臣というところからいっておるわけです。教員の人事権は、学長、副学長と、六人か、今は何人か知りませんが、十二名の幅があったと思うんですけれども、教授によって構成される評議会であるけれども、その評議会も学長の申し出によって理事長が任命をする。一般の大学では教授会に人事権があって大学の自治というものを守っておる。これはもう大学の自治の根源でありますが、ここにはないんです。教員は五年の任期制、こういうことになって文部省に管理された大学だというところで、私どもとしてはこれはやっぱり大学の形態をなしていない、文部大臣の恣意によってこの大学が左右される、はっきり言って国家権力が全国ネットワーク化すればこれは非常に危険だというふうなことまで論議をされていったわけです。電波を出して、全国民にこれが伝達できる、これは学生だけじゃない、だれだってチャンネルひねっていけば見えるわけですね。勉強することができるわけです。いわばこの電波というのは国民全部が見るという機会がある。
 そこで、大臣の考え方、こういったもので政治的な中立というのが果たしてここで守れるかどうか。教育基本法にのっとった教育というものが電波を通じて全国民に流れていくわけですが、そういった場合に非常に疑義があるというところが大体一番焦点であったわけです。私どもは最後までその点についてこれは追及をしていったところでありますが、これは強行採決をされたわけです。したがって、これが私は今後の放送大学というものについてのやっぱり心配は残る。今の大臣がそうというわけには私は言ってはおりませんけれども、いずれにいたしましても私は、今から注意をしておかなきゃならぬのは、いわゆるカリキュラム、テキスト、こういったものについて私はよほど気をつけて、先ほど言ったような政治的な中立が守られておるかどうか、あるいはまた教育基本法にきちっとのっとった範囲でやられておるかどうかというふうなことも、これは大臣の掌中にあるわけです。
 私はこの前、去年、放送大学に行っていろんな書類もらいました。現在のいわゆる教授あたりの、もう既にメンバーがずらり並んで、その人がテキストつくっておる。私はその後帰って、ああ、この人がなという教授を見つけて、ずっとやっぱり調べてみた。本人の著書その他も見たけれども、非常に、私は名前は言わないけれども、やっぱり心配な教授が入っている。この人がカリキュラムをつくりテキストをつくり、そしてこれが全国に流されていくとなれば、これはあの人の考え方がむき出しに出たら大変なことだというふうに感じました。そういった意味で大学の教育の基本というものは大臣しっかりつかんでおいていただかなきゃならぬ、こういった私の心配に対して大臣の御答弁を願いたいと思います。
#93
○国務大臣(松永光君) 放送大学につきましては、今先生御指摘のように、放送大学学園法第二十三条の規定に基づきまして放送大学の運営に関する重要事項を審議し、及びこの法律の規定によりその権限に属された事項の審議を行うために評議会が置かれているわけでありますが、その評議会の決定に基づいて学長、副学長及びすべての教授で組織する教授会も置かれておりまして、面接、授業科目、学生の定員、入学、卒業、試験その他、教育研究に関する重要な事項を審議することに実はなっておるわけであります。そして、実際教授会というものも頻繁に開催をされておりまして、五十九年度においては三十回開催されておる。大体月二回程度の教授会の開催がなされておるわけでございまして、したがいまして放送大学も大学でございますから、他の大学と同じように大学の自治を尊重し、教員人事、教育内容等に関する事項については大学の自主的な判断に基づいた運営が行われておるわけでありまして、将来ともそういう大学の自治の尊重される大学として発展していくことを私は期待をしておるわけであります。
#94
○安永英雄君 当然大学の自治ということは大事なことでありますし、それにしても私は心配があると。だから、私どもの心配で、例えば教育基本法を忠実にこの範囲でやっていくとか、あるいは政治的な中立というふうなこともはっきり心配のないように大臣として今後運営をしていくというふうなことを私は確かめたわけです。
#95
○国務大臣(松永光君) そのとおりでございまして、またそうやってまいりたいと考えております。
#96
○安永英雄君 時間が余りありませんが、この前の続きをやります。
 この前請求しておりましたが、昨日もらいましたので、いわゆる文部省の、臨教審と文部省との関係、その問題について、いわゆる文部省の固有の事務という形でどういうものが大体、臨教審が行われておっても、審議されておっても、文部省独自でやっていくのはこういうものだというふうにして、一応項目だけをもらいましたので、これはちょっと中身をもう少し検討しなきゃならぬと思いますけれども、そのことについて少しお聞きしたいと思います。
 まず一つは、中央教育審議会――中教審、これは臨教審がずっと行われる間はこれは閉店状態に置くというふうなことは、前、昨年の国会の中で聞いておりましたが、正式にお聞きしますけれども、中教審というのはなくなってしまったんですか、開店休業をやっておるんですか。
#97
○国務大臣(松永光君) 中教審というのは、審議していただく事項が臨教審の審議事項と非常に深い関係があるもんですから、現在、中教審の発足は見合わされておるわけでありますけれども、先生御承知のとおり、ことしの六月ですか、臨教審から一回目の答申が出される、あるいは意見が出されるというふうに予想されておるわけでありまして、場合によってはそれを具体化するための方策等については中教審に審議をお願いするという場合もあり得るというふうに考えておるわけでございます。
#98
○安永英雄君 そうすると、臨教審いわゆるあと二年しかありませんがね、その間にも必要なときには中教審はどっこい生きているわけですね、そうおっしゃったから僕もわかりますけれども。これはどういう場合に、例えば臨教審が審議をしているときに中教審が起き上がってくるというのはどういう時期ですか。
#99
○国務大臣(松永光君) 先生御承知のように、既に家庭科教育のあり方につきまして意見をちょうだいいたしましたね、あの検討会議から。あれを、今のは撤回いたします。今のは、あれは教育課程審議会でございました。中教審の場合には、今も申し上げましたとおり臨教審の方から、臨時教育審議会の方から答申または意見の申し出があった場合におきまして、その内容を見た上でありますけれども、それを具体化するための方策を決める必要上、中教審に審議を依頼しなきゃならぬ、そのために中教審を発足させにゃならぬという事態もあり得るというふうに考えておるわけでございます。
#100
○安永英雄君 これまた重大なことをおっしゃるわけですが、後でその関係について聞いていきます。
 この前の委員会で、私はこの臨教審で審議してもらうもの、文部省独自で進めていくものというふうに分けていきますというふうにおっしゃったわけですが、高校入試改善検討会議、幼稚園教育要領調査研究協力会議、小学校低学年教育問題懇談会、こういうのが文部省内にあるわけですがね。これらと臨教審における検討は並行して行われるものかどうか。今大臣が言いかかっておられたことと、あれだと思うんですけれども、明らかにしていただきたい。
#101
○政府委員(高石邦男君) そのとおりでございまして、文部省の行政執行上、一日も早く対応すべきものは対応していくということでそういう仕事を進めているわけでございます。
#102
○安永英雄君 もう一つ聞きますが、教育課程審議会、この設置についてお聞きしますが、次期の教育課程改定のための教育課程審議会の作業はいつごろから始まりますか。
#103
○政府委員(高石邦男君) この教育課程審議会は、先ほど、この前も大臣から答弁申し上げましたが、臨時教育審議会における審議の動向を見た上で、そして発足さしたいということを考えているわけでございます。
#104
○安永英雄君 これはそれで、審議会、臨教審の方に預けて、その結果を見てそして文部省の方は対処していくというふうなことで、臨教審の動向を見てという、今ちょっとお話がありました。そういうことですか。
#105
○政府委員(高石邦男君) 臨教審は三年間という期限が定められて設置されているわけでございますが、教育課程審議会は、場合によったら、その三年の間にも並行的に発足さして審議をしていくということが当然予想されるわけでございます。
#106
○安永英雄君 今ありますこの教育課程は、この審議会が四十八年、これから三年ばかりかけてやって答申しておるわけですが、既に前回の作業開始から十二年近くたっておるわけです。臨教審がそういった審議をしている、いわば臨教審の動向待ちといいますか、結論を出していくのを見ておる、こういうことで教育課程改善に今のところ手がつけられない。これはいろんな分野で支障があるのじゃないですか。今、時期の、期間のいつごろからという期間は明示はなかったけれども、例えばその二年の間でもという話ですけれども、これは支障はないですか、それを待ちながらやっていくということは。
#107
○政府委員(高石邦男君) 特に支障があるとは考えておりませんので、臨教審では、教育内容の細部にわたって論議をして方向を出すということは到底無理だと思います。どうしても教育内容の専門的なことになりますと、教育課程審議会に審議をしていただいて内容を固めていくということが当然必要になってくると思います。したがいまして、その内容を審議してもらう教育課程審議会をいつ発足させるかというような場合にも、それかといって臨教審と全く無縁ではございませんので、臨教審の大まかな方向なり動向ということを勘案しながら、三年の間、ここの一、二年の間に発足ということを予想するわけでございます。
#108
○安永英雄君 明年度予算の六十年度予算、これを見まして、個人差に応じた学習指導に関する特別研究、それから高等学校教育課程実施状況等に関する総合的調査研究、こういった新しい新規の予算が上程されておりますが、これも教育課程改善へ向けてのやっぱり準備作業じゃないかというふうに思いますが、それはどうですか。
#109
○政府委員(高石邦男君) そういう内容も含まれながら、具体的に文部省としてはあらゆるデー夕、調査研究を進めるということでやっているわけでございます。
#110
○安永英雄君 そうしますと、先ほど久保委員の方からもいろいろ中、高の関係等についての教育課程の問題まで多少入った質問があっておったわけですが、臨教審の方もこれは真剣にやると思いますよ。この前大臣に質問しましたけれども、予算までつくと思います、これは実施したいと、こう思っているわけですから。地方自治体の関係もそれはありますけれども、これは文部省が考えているようなことじゃなくて、ぴしっと予算がついてくると私は思います。そういった内容ですから、教育課程というのは真剣に相当なものが出てくると思います。その結果を見てということでありますけれども、今おっしゃったように、文部省としても調査をやってみたり、こうやっていくということですから、これはやっぱり重複になってくるおそれが非常にあると私は思うんですが、この点臨教審の教育課程の審議、研究、文部省の方の研究、これはどんなふうな形で今から進んでいきますか。並行的にという形にはいかぬのじゃないですか。
#111
○政府委員(高石邦男君) 六年制の中等学校が仮に第一次の答申で六月の時点で出されるというふうに想定した場合には、それを受けまして、それを具体的に行政の立場から実現していくためにどうこなしていくべきかということを考えていかなきゃならないわけでございます。一つは、法律改正の問題が出てくるでございましょうし、それから一つは、財源的な対応をどう考えるかの検討を重ねていかなければなりませんし、もう一つは、教育の内容についての検討を重ねていかなければならないということになろうかと思います。したがいまして、そういう事態の際に、仮に教育内容についての審議を固めていかなければならないということになれば、教育課程審議会をできるだけ早くスタートさせて、そういう内容に対応できるようにしていくということを考えるわけでございます。
#112
○安永英雄君 その時期になりましたら私もいろんな意見申しますが、ちょっとまだ文部省の方の準備が遅いんじゃないか、こういう気がするんで、先ほども教育課程の問題は当面そう差しさわりはありませんしという言葉もありましたけれども、私はそんなものじゃないような気がします。
 そこで大臣にお聞きしますが、文部省における検討を文部省がやるというのはいただきました。これ見まして一つ一つ私もちょっと考えてみたんでありますけれども、臨教審で検討されていますけれども、文部省も検討している、こういうことでこれは多かれ少なかれ関係がすべてあるわけですよ。そこをはっきり分類ができないと思うし、よくもまあこんなふうに抜き書きができたものだというふうに――これ一つ一つ言ったら大変ですよ。今の答弁を皆一つ一つしなきゃならぬような形になっていくぐらいに網羅しておるんですよ。それは初めから臨教審の方は教育全般についてやってくれと言っておるんですから、何が出てくるかわからぬわけですが、これだけは文部省はやりますといっても、これは臨教審と関係がなくやれるような問題じゃないようですし、特に予算の問題等は非常にこれは重要な問題があると思いますが、大臣、やっぱりそういった形で文部省、多少あのような臨教審で審議しようと何しようと、文部省は文部省の我が道を行く、そして結論が出たってこのとおりにやるんだからと開き直っておるんでしょうかな。関連がなし、臨教審と文部省の固有の事務という二つでやっていくというのはある程度わからぬことはないけれども、そんなにはっきり割り切れるものでしょうかね、大臣、どうでしょうか。
#113
○国務大臣(松永光君) 臨時教育審議会の方には教育全般にわたる検討をお願いしておるわけでありますから、したがいまして、関係がないというわけにはまいりません。しかし、文部省は教育に関するいろいろな施策を進める実施官庁としての責任があるわけでありますから、したがいまして、臨教審の方の審議を横ににらみににらみながら進めていかなければならぬ施策は進めていく、こういう姿勢なんでございます。
 例えば高校入試の改善などというのはいろんな問題も大体わかっておるわけでありまして、そこで、改善につきまして都道府県教育委員会に通達を出して改善措置をお願いしたとか、あるいは四十人学級の実施などというのはもう既に進行途中なんでありますので、これは着実に進めていく、あるいは放送大学、先ほど議論になりました、これも整備充実の施策を進めていかにゃならぬ等等、やるべきことは着実にやっていく、ただし、臨教審はお願いしておる審議会でございますから、そちらの審議状況も横にらみににらみつつ進めていく、こういうことでございます。
#114
○安永英雄君 教育改革の推進に関する省内連絡会議というのが、臨教審が設置されて文部省内にも直ちにこれは設置されたわけですが、この設置された目的といいますか、この会議の仕事、これは大臣、この前ちょっとお聞きしましたけれども、ここらが一番大事ですから、どういう任務を持っているんですか。
#115
○政府委員(菱村幸彦君) 教育改革の推進に関します省内連絡会議は、昭和五十九年九月に文部省内に設置したわけでございますが、目的ないし任務につきましては、今後におきます教育改革の推進に関しまして必要な諸施策について検討を行うということと同時に、臨時教育審議会との間におきます必要な協力体制を整えるということをねらいといたしまして設けたものでございます。
 構成は、事務次官を中心にいたしまして関係局長等で構成しておりますが、そのほかに、連絡会議の円滑な運営に資するために、連絡会議に幹事会等を設けてその運営に当たっているわけでございます。
#116
○安永英雄君 これは教育改革の推進に関して諸施策を検討するということと、臨教審との間に協力体制を整えるという、ここらあたりが非常に難しいところで、この前から盛んに聞いていますが、ここは臨教審の方から資料、参考意見、これを出してください、こういった場合に、この窓口になるというふうに機能していくのか、臨教審による教育改革の検討に対して文部省としての意見、姿勢、積極的にこれを伝えていく、反映させる、こういう機能を持っている会議なんですか、どこまでいくんですか、これ。
#117
○政府委員(菱村幸彦君) 教育改革に関しましていろんな問題が出てくるわけでございますが、まず第一は、省内の関係事務につきまして必要な連絡調整を行うということがございます。それから、臨教審との間で資料要求等がございますときに、この連絡会議で一応まとめまして、それに協力するというようなこともございます。それから、ないしは臨教審でいろいろ議論されておりますことに対しまして、文部省側としてもそれについての検討を進めてみるというようないろんなねらい、機能を持って運営しているところでございます。
#118
○安永英雄君 今おっしゃったのでありますけれども、私の聞いているのは、いわゆる省内で、この会議で決まったこと、これをやっぱり積極的に臨教審の中に持ち込んでいくという任務をここは持っているんですか、私が聞いているのはそこです。
#119
○政府委員(菱村幸彦君) 現在のところは、臨教審の方から文部省に対しまして説明を求められるとか、資料を求められるということに対しまして、それに応じていくということでございます。
#120
○安永英雄君 そうすると、この前初中局長と高等教育局長が第一部会に出向いていって、主としてあの内容は自由化の問題についての考え方というのが一番大きく出ておる、あれはこの会議で決まったものを持っていかれた、ああいうことですか。
#121
○政府委員(菱村幸彦君) 必ずしも自由化だけではありませんが、初中教育ないしは高等教育の全体につきまして、文部省のこれまでとってまいりました施策ないしは考え方というものを臨教審で求めに応じまして御説明をするということでございます。その御説明に伺います前には、もちろんこうした会議でも一応検討を加えた上で出ていっているわけでございます。
#122
○安永英雄君 両局長の考え方ということじゃなくて、局の会議じゃなくて、省としての、とにかくまとまったこの機関で検討された結果を向こうから言われたから持っていったということですね。
#123
○政府委員(菱村幸彦君) 初等中等教育局ないし高等教育局は、それぞれ専門の分野の責任ある担当局でございますから、もちろんその担当局の御意見でございますが、それは全省的な調整の上に立っての御意見であるということでございます。
#124
○安永英雄君 連絡会議ができて二つの省内の組織が廃止された。いわゆる教育改革推進本部、それと児童生徒等の急増急減対策等に関する連絡会議、この二つが同時になくなったわけですが、これはどういう理由でなくなったんですか。
#125
○政府委員(菱村幸彦君) 初めに御指摘のございました教育改革推進本部は、昭和四十六年の六月でございますが、四十六年の中央教育審議会におきます今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策という答申に基づきまして、それに対応しまして、我が国の教育改革の総合的な推進を図ろうということで省内の教育改革推進本部を設けたわけでございます。その間、それからずっといろいろ会議を行いましてその推進に当たってきたわけでございますが、今回、臨教審の関連で教育改革の推進のための省内連絡会を設けましたので、そこに吸収をしたということでございます。
 それから、もう一つ御指摘のございました児童生徒の急増急減の対策本部でございますが、これは昭和五十八年の七月に省内に設けられたものでございますが、幼稚園から小・中・高等学校、大学におきます子供たち、児童生徒の急増急減の動向がございます。それは広く学校教育のあり方に関します諸問題と密接な関係を持っておりますので、そうした問題点の整理とか対応策の検討を進めていくということで設けられて、活動、運営を図ってきたわけでございますが、これも今回の教育改革推進のための省内連絡会と趣旨等を同じくするところがございますので、そちらの方に吸収していったということでございます。
#126
○安永英雄君 余りここにはこだわりませんけれども、先ほど大臣もおっしゃったように、中教審というのは脈々として生きておる。臨教審ができたから文部省内の改革推進本部、これを解散するとは何事です。あるいはまた、今も後段におっしゃったこの急増急減という問題は、このごろつくっておいて、臨教審ができたからこれを解散するとは何事ですか。私は意味がわからないですよ。全く、臨教審がいろんなことを全部あそこでやってくれるから、うちの方はじっとしておろうというのならともかく、これはまさに主体性を放棄するというふうな状態じゃないのですか。これ、消えてなくなるような性格のものじゃないような気がする。どうですか。
#127
○政府委員(菱村幸彦君) 先ほど申し上げましたように、省内連絡会、今回の教育改革推進のための省内連絡会に統合したわけでございまして、前のを廃止というよりか、その仕事を引き継いで、引き続きやっているということでございます。
#128
○安永英雄君 それでは、ちょっと話がもとに戻りますけれども、省内における、先ほど言いました教育改革の推進に関する省内連絡会議というのが、かつてあったこの推進本部というふうなものと性格――吸収した、こういうふうに今言いますけれども、これはずっとやるんですか。この省内会議でやっていく、今から。児童生徒の急増急減、ほかのところはいろいろ固有の仕事として、これはずうっと残しておって、これは文部省が固有のやらなければならぬ仕事なんじゃないかと私は思うんだけれども、これが臨教審ができたから姿を消すというのは解せない。もう一回言ってください。
#129
○政府委員(菱村幸彦君) 繰り返しになりますが、教育改革推進本部ないしは児童生徒の急増急減に対します連絡会議等は、その五十九年の九月に定めました私どもの取り決めでも、その所掌事項は連絡会議に引き継ぐという形で決めておりまして、今回の教育改革推進に関します省内連絡会議において従来の仕事を引き継いで、そしてそれをより深めていくということでございます。
#130
○安永英雄君 もう私は意見は述べませんけれども、省内の連絡会議で取り扱う問題じゃないじゃないですか、生徒の急増急減というのは。ほかのところがいろいろな審議会やら会議やら置いておいて、あれだけが消えてなくなるというのは私は不満です。吸収されたなんて性格のものじゃないでしょう。
 次に、例えば共通一次テストの改善という問題が今大きく出ておりまして、これも現実的には第一次の答申の中に出てくるというふうな、非常に熱を入れた臨教審の検討でございますが、片や国大協あたりは独自の改革案、こういったものを持っておる。私大参加の問題が出ていますけれども、私大側は、これは非常に消極的である。まあ私大の責任者も臨教審の中に入っておられますから、中でまとめられるとは思いますけれども、今の私の感覚ではまとまらない。臨教審は臨教審としての立場を出してくるだろうと、こう思うのです。大学入試というのは、これはあくまでも大学側が自主的に判断していくものでありますが、究極には臨教審答申は大学に対して強制力というのは私はないような気がする。これは文部大臣、どんなふうにお考えですか。これは、ただ単に、私は今テストだけの問題を言いましたけれども、テストに例をとってお答え願いたいと思うのです。臨教審の方で答申が出る。そしてそれを尊重する。それが実行される。そのときには受け付けない。国大協も私学も、あるいは都道府県の関係も出てくるかもしれません、そういうようなものが受け付けない、私はこういった場合もあり得ると思うのですが、大臣どう思われますか。
#131
○国務大臣(松永光君) 先生が今おっしゃいましたように、どういう人を自分の大学に入学を許可して教育を施していくかというのは、まさしくそれぞれの大学で自主的に決められるべき事柄なんでございます。その意味で国立大学の入学試験のあり方等は国大協で議論をしていただいておるわけでありますが、同時にまた、国大協の中のその部分を担当する方が臨教審の委員をしていただいておりますので、実際上は意見のすり合わせがなされるものと私は期待いたしておるわけでございます。
 私学の場合は、これまた国大協の場合、あるいはある意味ではより以上に大学の自主性というものが尊重されなければならぬ分野なんでございまして、臨教審が、何といいましょうか、私大側の意見と関係なしにいろんな意見がまとまるとは思われないわけでございます。
#132
○安永英雄君 私は、しかし、大臣この前から大変これ楽観されておるようでありますけれども、臨教審というものの結論が出たときには実施不可能なようなものは出てこないというふうな感じで答弁されました。その間に、それじゃ文部省の方でいろいろ積極的に臨教審とのすり合わせ等もやるかといえばそうでもないような今の答弁でございます。そうすると、答申が出てきた場合に、必ず文部省としては今みたいな状態がくるのがわかっておりながら、これをセレクトを強力に出てきた時点でやるとすれば、これは文部大臣、非常にあなた自身は非難をこうむりますよ。審議会の答申以前にいろんな問題が、例えば文部省側との意見の調整とか、あるいは私大関係とか、あるいは国大協とか、いろんなものとの意見がうまくいって、そして出てきたものはもうそれは実施可能だと、不可能なものはないというふうな状態に持っていけばいいんですけれども、そうはいかない。今のテストのような問題も私は出てくる。答申が出てきて、慌ててそこでセレクトしてみたり、予算がないからそれはできませんと、こういうふうな争いになれば、文部大臣はそれは国民のひんしゅくを買うんですよ。非常に民主的にという今の臨教審の大臣から直接任命されたあの人たちかつくったものに対して、文部省は出たところで反対をするとか、予算がないから実施しませんとか、そういった形になると、私は一番まずいと思う。自信はありますか。それ以前に、予算の問題もいろんな問題も。その点をお聞きします、もう一回大臣に。
#133
○国務大臣(松永光君) この臨時教育審議会というのは、今までよくある審議会とはこの運営その他が大分変わっておるわけでございまして、今までの審議会は、ややともすれば、役所の方でおおよその下敷きみたいな原案、草案みたいなものをつくって、それに基づいて審議がなされて、そして結論が出るという傾向のものが多かったように思いますが、この臨時教育審議会は、自主的に検討課題も決め、それで自由濶達な論議をした上で、教育改革に関する意見をまとめて、そして答申をする、こういう仕組みになっておるのでございます。したがいまして、今先生御指摘のように、とてつもない実現不可能なものが出てきはせぬかという御心配の向きもあることはごもっともだと思います。しかし、臨時教育審議会の委員の先生方も良識のある方でありますし、実現不可能なものを答申なさるとは私には思えないわけであります。それにまた、審議概要(その2)ですか、それが取りまとめられて発表になって、そしてそれがある意味では各方面のそれに対する意見等が議論がなされて、それを踏まえた上で第一次答申というふうになる順序のようでございます。さすれば、審議経過の概要(その2)が発表になってから一次答申が取りまとめられるまでの間には、私はいろいろ実施官庁である文部省の側で意見を述べる機会は必ずあるものと思いますので、その間でいろいろ意見を述べた上での最終的な審議会の一次答申と、こういうふうになろうかと思います。でありますから、改革でありますから、現状をそのまま維持していこうとするならば、ある程度の何といいますか、改革でございますから変化、あるいは場合によっては大変な仕事があるかもしれませんけれども、それは改革というものの性格上そういうものだと思いますが、実現可能なものが出てくるに相違ないというふうに私は思っておるわけでございます。
#134
○安永英雄君 私は、大臣として本当にそういう気持ちで待っておられるというふうに思いますけれども、きょうは持ってこなかったんですけれども、この前持ってきておったけれども、西日本で、私は福岡ですが、福岡の財界が前の森文部大臣を呼んでそして教育講演会を頼んだ。その詳細は新聞にも出ましたが、私は見てみますと、それはもう大臣じゃないから自由なことが言えるかもしれないけれども、今の臨教審はなっておらぬ、とにかく目の前の子供の教育の荒廃あるいは落ちこぼれ、入学試験がどうなるか、こういう三月を目の前にして国民は皆教育の改革はそういう面でやるだろうと思っておったところが、教育の何といいますか自由化論、何ともわからない自由化論を彼らはやって、これは国民の意思じゃない、私の意思でもない、とこういうのが新聞に出て私も噴き出しそうになったんですが、あの人はこの委員会で、そうじゃない、とにかく何もかにも教育一般について何が出てもよろしい、臨教審でやってもらうんだ、という答弁を終始ここでされた。文部省がどういう答申を望んでおるかというのは幾ら聞いても一切言わないで、何が出てくるか、とにかく大いにやらせてみたいと言っておいてもう半年ばかりたったところが、自分の意に反した教育自由化論出ますよ、教育自由化論の人間を入れているんですから。そういうことはわかっておいて今ごろ悔やんだ一節を私は読んだんですけれども、今もおっしゃったように、その当時は文部省得意の審議会のときには下敷きをびっちりつくっている、あなたの言葉じゃないけれども。あの免許法のごときは何ですか、あれ。たった二、三カ所あの審議委員は変えればよくて、あとは全部文部省が出したまま法律になる。下敷きで今までやっておったけれども、そうはいかないことになったんでしょう。それを種に反撃しているわけですから、だからあなたが、おっしゃったように、それはもう変わったものですよ。事務局なんというのは何するんだ、文部省の意向なんて言うことはない、いわゆる事務をやっておればよろしいというような形で臨教審の中には入れないんじゃないですか。今さっきの話じゃないけれども、呼ばれたときに局長が二人行って話すのが一回だけ、ちょっとあなたのおっしゃるように今度の審議会というのは今までの審議会とこれは違いますよ。だから何が出るかわからない。したがって、それについての対応というものは文部省も十分考えておかなきゃならぬし、あるいは文部省自身でも臨教審の答申について各方面のいろいろな意見を聞いて、本当に国民が皆納得するような教育改革に持っていかなければならぬ、というふうに思います。
 その点は、もう時間がありませんが、また再度文部大臣にお願いをしまして私のあれを終わります。何かあれば一つ。
#135
○国務大臣(松永光君) 貴重な御意見や御注意を賜りまして、ありがとうございました。
#136
○粕谷照美君 文部省が出しました昭和六十年度予算額(案)主要事項別表というものを私は見ました。その中で五ページに義務教育諸学校教職員の定数改善等という題目のもとに幾つかの説明事項があります。その最後のところですけれども、国庫負担対象品目のうち旅費については、「昭和六十年度から国庫負担対象から除外し、地方の一般財源措置に移行することとしている。」教材費、「昭和六十年度から義務教育費国庫負担の対象から除外し、地方の一般財源措置に移行することとしている。」というさりげない説明が入っております。次のページを開いてみますと、教材費一般財源化して百三十二億四千九百万円をこれゼロにしているわけですね。教職員旅費、これについては約二百二十億円だということですが、数字の説明もない、これは簡単な説明でありますけれども、非常に大事なことでして、義務教育費国庫負担金は義務教育の機会均等と教育水準の維持向上を目的としたものであって、文教行政の私はかなめではないかというふうに考えております。にもかかわらず、教育的見地というものをさておいて、一方的に財政的な見地からのみ教材費が除外をされている、しかも補助金一括法案という形で提案されている、そのことは義務教育費の負担のあり方について根本的に検討をすることなしに大蔵省に義務教育負担法そのものを考え直す橋頭堡をつくらせてしまったというふうに私は思っております。安易にこのような形で改悪が行われる暴挙は許しがたいものでありますが、これについて文部大臣は大蔵省に対して当然頑張っていただいたものというふうに思いますけれども、その経緯について御報告いただきたいと思いますし、また当初大蔵省は学校事務職員や、あるいは学校栄養職員の給与に至るまで義務教育費国庫負担法からの除外を考えたと、こういうふうに言われておりますけれども、両者とも教育活動の上でなくてはならない基本職員だというふうに私ども考えておりますので、この点については先ほど久保理事の方から文部大臣はこれは死守するんだというふうに答弁をされたという発言がありましたので、これ頼もしいことだというふうに思いますけれども、これもまた来年になって何が出てくるかわからぬわけですけれども、その辺の見通しと決意についてお伺いをしたいと思います。
#137
○国務大臣(松永光君) 義務教育費国庫負担制度というのは先生よく御承知のとおり義務教育に関して全国的なレベルで教育の機会均等、教育水準の維持向上を図るために必要な教育費を国が負担すると、これをすることによって新潟県であろうと鹿児島県であろうと東京であろうと埼玉県であろうと教育水準が保たれるというようなことで大変大切な法律であると思っておりますし、制度であると思っております。その場合の義務教育費ということでございますが、沿革的に言っても実体的から言っても、教職員の給与費がその中核をなすものであると考えております。
 教材費あるいは旅費等につきましては、地方の財政事情等の見地から昭和二十八年から教材費につきましては義務教育費国庫負担の対象として導入されて今日に至っておるわけでございます。
 ところで、教材費につきましては二十八年ごろまでは公費負担というものが余りなされないで、結果的にはPTAの給付金の割り当て等によりまして父兄負担が相当に上っておったと、最近におきましては父兄負担というものがほとんどなくなりまして公費で支出するという、そういう慣行が定着してまいりました。一方、国の財政は極めて厳しいということがありますし、また国庫負担から外しますけれども、地方財政計画の中で財源措置がきちっとなされるということになりましたので、結果的には教材費につきましては父兄負担はなく、市町村においてきちっとなされるということになりましたので、国の厳しい財政事情を考えますと、この措置もやむを得ない、こういうことで教材費及び旅費というものが国庫負担の対象から外されることになったわけであります。一方、今先生の御指摘になりました事務職員及び栄養職員の給与費の問題でございますが、事務職員、栄養職員も、先ほど申しました教職員の一部に当たりますし、言うなれば義務教育費国庫負担の中核をなすものでもありますから、これについて義務教育費国庫負担の対象から外すということは極めて問題であり困難なことであると私も考えておりますので、今後ともそういう事態にならないように最大限の努力をしていく決心でございます。
#138
○粕谷照美君 最大限の努力をしていくというその決意はよろしいのですけれども、大蔵省がこの教材費で一つの突破口を開いていった。だから事務職員、栄養職員、ここにもまたこの次突破口が開かれるんではないかという、この心配はないと理解してよろしゅうございますか。
#139
○国務大臣(松永光君) はなからやられることは、これは予想してないわけでありまして、全力を挙げてそういう事態が起こった場合には頑張りますというふうに申し上げておるわけでございます。
#140
○粕谷照美君 大臣の御決意を伺いまして私は非常に意を強くするわけですけれども、ぜひ頑張り抜いていただきたいと思います。
 きょうは先ほどから大臣のおっしゃいました教材費が教育水準の向上のために非常に大きな力を発揮をしたということを中心にしながら質問をしていきます。
 第二次の教材整備十カ年計画は四十二年度からの第一次十カ年計画と対比して目標は一体どこに置いているのか。何か違うところがあるわけですね、第一次と第二次。それは文部省としてはどのように考えておられましたでしょうか。
#141
○説明員(倉地克次君) 今先生御指摘のありましたように、第一次の教材整備計画は、四十二年度からスタートしたわけでございますけれども、そのときには学校において基礎的に必要とされる教材を整備するということで計画を進めた次第でございます。第二次の教材計画は五十二年に教育課程の改定がございましたので、それに伴いまして教材基準を改正するとともに、その第二次の計画をスタートした次第でございますけれども、このときには学校において標準的に必要とされる教材を掲げ、それを整備しようということでスタートした次第でございます。
#142
○粕谷照美君 私は前の議事録を読んでみましたら、その前には理想とする高い水準を決めて完備を図ると、こういうふうに御答弁があったように思いましたが、間違っていましたでしょうか。
#143
○説明員(倉地克次君) 大変恐縮ですが、その議事録私存じておりませんけれども、標準的に必要とされるということは、今先生御指摘のように相当高い理想的な水準であるというふうにも考えられるのではないかと、このように考える次第でございます。
#144
○粕谷照美君 その標準的に必要とされるという水準ですね、それを目標にして立てられた五十三年度からの国庫負担の実績を御報告いただきたいと思います。
#145
○説明員(倉地克次君) 国庫負担の実績でございますけれども、五十三年度から五十六年度までは順調にその計画どおり予算の伸びを図ってきた次第でございます。ただ、五十七年度からは国の財政事情が非常に厳しい状況になりまして、年々予算が減少した次第でございまして、五十九年度の状況におきましては、その教材基準の達成率は約五〇%ということになっておる次第でございます。
#146
○粕谷照美君 数字はお持ちでございませんか。
#147
○説明員(倉地克次君) 五十三年度から五十九年度までの合計でございますけれども、千百三十三億七千万円ということになっておる次第でございます。これは国庫負担額による次第でございますけれども。
#148
○粕谷照美君 それでは、十カ年計画があったと思いますけれども、その十カ年計画の総額はどのくらいだったでしょうか。
#149
○説明員(倉地克次君) 国庫負担ベースで申し上げますと、総額二千三百四十億円ということになっておる次第でございます。
#150
○粕谷照美君 それでわかりました。数字的にやっていけば五〇・三%というのが出てくるわけですね。
 私は、この十カ年計画でここまで長い年月かけて五〇・三%しか伸びていないという、こういう達成率というのは教育水準向上のためには極めて低い数字だというふうに思いますけれども、その伸びなかった理由は単に財政予算措置が足りなかったから、財政が非常に逼迫したからというように理解をしてよろしいですか。
#151
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘のとおり、五十三年度から始めましたものが五十七年度から、何と申しますか、国家財政の状況から抑制状態になりまして、五十七、五十八、五十九、この三年間はいずれも前年度に比べまして若干減額せざるを得ないというような状況であったわけでございます。
#152
○粕谷照美君 若干なんてものじゃないですよね。五十六年から五十七年なんていうのは約二十億近くでしょう。大変な額ですよ。一〇%ずつというのはあったとしても、非常に大きな額が削減をされているわけです。ただそれだけなんでしょうかね。財政措置だけでそういうふうになったと理解をしていらっしゃるんでしょうか。これをさっきから聞いているんです。
#153
○政府委員(阿部充夫君) 当初立てました十カ年計画におきましては、十年間に大体毎年この程度ということで、いわば後追いに増額をしていくという計画を立てておったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、財政再建の期間に入りまして以降この伸びがとまり、前年度比一〇%程度の削減というような状況になったわけでございますので、私どもほかの要因によって削ったということではないと考えております。
#154
○粕谷照美君 伸びていくという予想のもとに計画を立てた、それが減らされたから非常に達成率が低くなった、こういう理解でよろしいわけですね。これ非常に残念なことでありますけれども、そういう計画途上で、極めて低いしかも達成率で、この教材費を義務教育費国庫負担金の対象から除外するというのは、私は非常な暴挙であって納得できません。
 それで、削減した分は地方交付税で措置をします、こういうことを言っても、教材費あるいは旅費を含めて一般財源化による地方の財政負担は増加をしていくのではないか。そして地方財政のしわ寄せがあるというふうに思いますが、その辺の計算はどんなふうに見ていらっしゃいますか。
#155
○政府委員(阿部充夫君) これまでも半額国庫負担でございましたので、残りの半額分については交付税上の措置ということになっておったわけでございますが、今回それが全額交付税上の措置ということになるわけでございますし、また、この転換に当たりまして交付税の単価、これはもちろん従来国庫負担の単価に合わせてあったわけでございますけれども、この交付税単価につきましては、国の財政状況によるマイナスの傾向とは別に、今回は切りかえに伴いまして数%上回る単価にしていただくというような措置も講じましたので、地方にとってこれが特に新しい負担になるというようなことにはならないと考えておるわけでございます。
#156
○粕谷照美君 いろいろな私も資料を読んでみたのですが、どなたが言ったというわけでもありませんけれども、文部省の方ではこういう見方をしている人もいるという言葉が載っておりました。それは一般交付税としておりていくことで、逆を言えばプラスの面もあるのだ。こんな見方ができるんでしょうか。その理由はどういうことかと言えば、教材費は五十六年度は百八十七億ですか、五十七、八年度が各一〇%カット、五十九年度が百三十二億ですね、これ。どんどん落ち込んでいる。それで六十年度が打ち切りになっていく。このままでいくと教材費というのは衰弱をしていくんじゃないか。そういう意味で一般財源化してかえって底上げをしてもらう。そして文部省は新たにパソコンなどという新教育機器に力を入れるということでプラスの面もあるのだ、こういうことを言っていらっしゃる方もある。確かに今お話がありましたように、単価が今回は数%上積みになっていて落ち込みなどということはない、地方財政に対するマイナス要因にはならないという条件はあったとしても、どうもその辺のところが私にはよくわからない。逆に言うとプラスの効果があったから文部省としては泣かざるを得なかったというふうに判断をしているのかどうか、そこです。私はそのことよりも義務教育費国庫負担法からこれが外されたということは非常に大事なことだというふうに思っているものですから、それはどうですか。
#157
○国務大臣(松永光君) 先ほど申し上げましたように、過去においては教材費について市町村が負担して出すというふうなことは必ずしも定着していないで、父兄負担に転嫁されるなどというものがあったりしておったわけでありますが、最近におきましては公費負担で教材は整備するという慣行が定着してまいりました。
 一方、先ほど先生御指摘のように、昭和五十七年は一〇%マイナス、五十八年も一〇%マイナス、五十九年は一五%マイナス、マイナスになりますというと、それと合わせて交付税も実は減ってくるわけでありまして、交付税による交付も減ってくるわけでありまして、そうすると全体として教材費関係で地方に行く金は減ってくる。今回の措置は心情的には国庫負担法から外れたわけでありますけれども、内容的には数%総額においては上回る財源が市町村に交付されるわけでありますから、そして将来とも我々は地方財政当局に対してこの分の財源措置を減らさないように、ふやすように一生懸命これからも働きかけてまいる、こういうことでございますので、私は教材が不足して教育水準が低下するなどということはないというふうに考えておるわけでございます。
#158
○粕谷照美君 文部大臣がおっしゃるとおりだと非常に明るい展望が出てきたというふうに考えられますが、このお金はひもつきではないんですよね。ひもつきではないのですから、地方自治体の首長のさじかげんで、何というのですかね、しわ寄せをされるというおそれがないでしょうか。よく予算委員会で前の渡辺美智雄大蔵大臣が補助金問題で答弁されたときに首長によってはもう道路に一生懸命お金をつける人もいるし、福祉にお金をうんとかける人もあるし、その辺のところがあって大変難しいのだというような答弁をよくされておりましたけれども、そういう意味で私は現場に混乱が起きるようなことが出なければいいがな。計画に従ってずっとやってきて七年目で打ち切られたわけですから、そういう意味で非常に心配をするんですけれども、それはないというふうに見ていらっしゃいましょうか。
#159
○国務大臣(松永光君) 私は全国の市町村長さんたち、皆教育に熱心な方だと思っておりますし、たくさんの父兄がちゃんと見ていることでもありますから、したがいまして、教材費として積算された交付税交付金を他の用途に使っちまうなどということはあり得ないと。
   〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕
しかも、先ほど申し上げましたとおり、公費負担という慣行はきっちり定着をしてきておる今日でありますので、さようなことも考えあわせまして、私は交付税措置をきちっとやりさえすれば教材費の整備が不足するなどということはないというふうに考えておるわけでございます。
#160
○粕谷照美君 定着をしているというふうにおっしゃいますけれども、地方自治体の財力によってアンバランスが生ずるんではないだろうか。このおそれは私はどうしても消し去ることはできません。それでは、この水準維持に具体的にどういうような措置をとっていったらよろしいか。いかがですか。
#161
○政府委員(阿部充夫君) 教材費のこのたびの一般財源化によりまして、これまであった教材基準というものの扱いということがあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、この教材基準を今後各市町村で整備をしていただくための参考基準として使っていただくという方向で、それを踏まえながら各市町村における適切な教材の整備、必要な予算の計上が行われるように、現在御審議をいただいております予算あるいは法律についての御結論が出ました暁には指導等を行ってまいりたいと思っております。また、地方財政当局に対しましても、必要に応じ財源措置についての御要望等やっていきたいということで、ただいま大臣が申し上げましたように、従来を著しく下回るようなたぐいの状況になることはないというふうに判断をしておるわけでございます。
#162
○粕谷照美君 私は、そういうことはないとおっしゃって、ああそうですかというわけにはいかないんですけれども、そんなことを、じゃこれからとにかく点検をしていかなければならないというふうに思うわけですね。それで、そういう点検をしていくためには、当該の市町村レベルでの教育費基準財政需要額というものを一つはきちんと見ていく必要があるのではないか。それから、その積算基礎になる児童生徒一人当たりの単位費用の中に教材費を積算をさせていくということが重要になってくるんではないだろうか。また、そういうことをなしに、教材費が教育費の基準財政需要額に積算されていないのに一般財源で保障せよというのは無理ではないだろうか。こう考えているんですけれども、これは間違いでしょうか。
#163
○政府委員(阿部充夫君) これは地方財政当局、自治省の所管にかかわることでございますけれども、先ほど申し上げましたような、一般財源化に伴いまして単位費用の中にその必要な金額を先ほど申し上げた程度の単価で積算をしていただく、こういうことを予定をしておるわけでございます。
#164
○粕谷照美君 その積算をしていくということは、今回は十分にとれたと、今後もそのことを維持をしていくという御決意でいらっしゃると思いますけれども、大臣いかがですか。
#165
○国務大臣(松永光君) そのとおりでございます。
#166
○粕谷照美君 文部省にお願いをしたいのは、ことしのこの六十年度の地方自治体の予算編成で教育費減額の心配が私はあるというふうに思っておりますけれども、後で調査をして出していただけますでしょうか、教材費。
#167
○政府委員(阿部充夫君) 全国三千幾つという市町村でもございますし、それからまた個々の市町村の予算の組み方も、これまでは国の補助金との対応ですので、それに合わせてすべて教材費という格好で組みましたけれども、いろいろな事業費ごとに分けて別々に積算するとか、いろいろな仕組みが出てくる可能性があると思っております。そういう意味で大変な調査になるわけでございますので、これはにわかに直ちに調査をするとお約束いたしかねるわけでございますが、私どもも都道府県を通じまして、先ほど申し上げましたような指導を行うと同時に、問題の有無についてはできるだけアンテナを高く張りまして状況を聞き、必要によってはまた個別の指導等も行うということで対応さしていただきたいと思うわけでございます。(「そういうふうになることが問題なんだよ」と呼ぶ者あり)
#168
○粕谷照美君 今、声がありましたけれども、そういうことになりますと文部省としては、これは教材費は十分に保障されているはずだという前提で、今後の対処が行われていくのではないかというふうに思うわけです。三千幾つの地方自治体を全部調査をするのは大変かもしれませんけれども、ピックアップして調査をしていくということはこれはできるというふうに思うんですね。そしてその傾向をつかむということはできると思います。私どももまた私どもの組織を通じてきちんと年々の比較などというものを取り上げて、そしてまた文教委員会の席で議論もしていきたいというふうに思いますが、そのことはやっていただけますか。
#169
○政府委員(阿部充夫君) 完全にというわけにはまいらないかもしれませんけれども、できるだけ必要な資料は整えるように私どもも調べてみたいと思います。
#170
○粕谷照美君 最後に、この義務教育国庫負担法の中の教材費が除外されたものが補助金一括法案という形で提案をされているわけですね。文教委員会の中で本格的な義務教育国庫負担法についての議論もないままに変更されていくということについて文部大臣はどのようにお考えになりますか。
#171
○国務大臣(松永光君) 提案された法律案がどの委員会に付託されて、どういう審議がなされるかというのはまさに国会のことなんでございまして、行政側の私どもがいろいろコメントする立場にないわけでございます。しかし、きょうは実は衆議院の大蔵委員会で、この教材費の問題、あるいは補助金一括の補助率の引き下げの問題等につきまして私質問にお答えして、答弁してきたところでございます。
#172
○粕谷照美君 それでは義務教育の水準を落とさないために、今後も教材費の充実について努力をしていただくということを要請をいたしまして、次に幼稚園問題に触れていきたいと思います。
 文部大臣、随分幼稚園も見学されたり、経営者やお母さん方とお会いしたりして、何かいろいろなお話を心にとどめていらっしゃるということを私ども耳にするわけなんですけれども、幼稚園教育についてどのような御見解をお持ちなんでしょうか。
#173
○国務大臣(松永光君) 実は私どものときには、私は田舎で育ったものですから、幼稚園なるものは私の近所にはございませんでした、私の村にも、隣の村にも、その隣にも。しかし、戦後、幼児教育の重要性をお母さん方も認識されてでしょう、また教育に熱心な方も自覚をされてでしょう、たくさん幼稚園ができまして、その幼稚園で幼児期の必要な教育がなされており、相当な成果を上げておるというふうに思っております。現に、私も子供を二人――一人は県立の高等学校の附属幼稚園、一人は学校法人立幼稚園に通わせましたが、いい教育を受けることができてよかったというふうに思っております。
#174
○粕谷照美君 私どもが、予算の問題で文部大臣に、お部屋に伺ったときに大臣はこういうことをおっしゃいましたね。幼稚園の先生方が今の子供たちは小人数しかいない家庭に育っている、それも一人だとか二人だとか、そういう意味で家庭における教育機能というものは非常に兄弟で切磋琢磨していくというのか、そういうものが落ちている。したがって、幼稚園教育というのは非常に重大なんだということを伺ったという、そのことが心に残っていらっしゃるような感じがいたしまして、これはまあぜひ幼稚園教育、重要な問題として取り上げていただける大臣だなと心強く思ったんですけれども、その幼稚園がほとんど私立で幼児を保育をしている、公立が非常に少ないという部分がありまして、その私立幼稚園の果たしてきた役割というのは大変大きいわけですね。大学と同じだと思います、私立大学がもうほとんど八割で国公立が非常に少ないという意味で。その私立幼稚園の中にいろいろと問題がありまして、とにかく学校法人化して立派な幼稚園をつくって、そしていい教育条件をつくっていこうではないかという、そういう制度のもとに発足をいたしたあの学法化の問題について伺うわけですけれども、昭和五十一年度から学校法人認可基準を緩和しておりますね。そして、学法化を進めよう、そして五年以内に、経常費補助を出すから学法化した場合にはそのままずっとやっていくというあの制度ですけれども、これは大変大きな役割を果たしたというふうに思っているわけです。あのときの認可基準の緩和措置ですけれども、当時の文部省の答弁では、もうこれで、五十一年十二月に緩和をしたそれ以後の緩和はもう考えないのだというふうにおっしゃっておりますけれども、今でもそうお考えでしょうか。
#175
○政府委員(國分正明君) ただいま御指摘のとおり、昭和五十年に個人立等幼稚園に対します助成が行われ、同時に学校法人化の措置義務が課せられたわけでございます。この際文部省といたしまして、学校法人の認可基準につきまして、例えば校地、校舎等につきましては、
   〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕
基本的には学校法人でございますから、原則として自己所有という建前になっておりましたのを、基準を弾力化いたしまして、細かい細部にはわたりますけれども、半分は借用でよろしい、残り半分につきましても、例えば国有地を借りるとか、あるいは継続的な借用契約等があって教育上支障が生じないというようなものについては、これも認めてよろしいというような指導、通達をしたわけでございます。
 また、五十七年にこの措置が延長されました際にも重ねて都道府県の実情を勘案しながら運用の弾力化に努めるようにという指導も重ねてしたわけでございまして、学校法人化の要請というものとそれから学校法人のあり方というものとの調和をとって指導しているところでございまして、ぎりぎりの緩和措置というふうに考えております。
#176
○粕谷照美君 それほどの条件整備をして学校法人化をしてもらいたい、こう願っていたわけですけれども、昭和五十一年度に志向園になりまして、五年たって志向園になることができなくて、さらに三年延長してもらって、まだ志向園になれない園もあるというふうに思います。そういうものの数字というもの、昭和五十一年度の志向園の数を基準にして御報告いただけますでしょうか。
#177
○政府委員(國分正明君) 五十一年度にいわゆる経常費補助を受けまして志向園になった園数でございますが、これが千九十五園ございます。それが五十七年三月末日、いわゆる五十六年度末最初の期限が来た時点でございますが、この時点での学法化が五百五十二園、率にいたしますと五〇・四%という状況でございます。また若干の廃園、辞退園等もございますが、それ以外に未学法化の状況にございました幼稚園が四百八十園、率にいたしまして四三・八%、こういう状況でございます。
#178
○粕谷照美君 五十二年、五十三年にも三百幾つぐらいありましたね。それも詳しく報告していただきたい。
#179
○政府委員(國分正明君) ただいまお答え申し上げましたのは、五十一年度に経常費助成を受けたものでございますが、五十二年度から経常費助成を受けましたものが三百三十六園でございます。このうち期限到来がいたしました五十七年度末、五十八年の三月末日現在で学法化しましたのが百四十園、四一・七%。それから未学法化園が百七十園、五〇・六%という状況でございます。
 また、五十三年度から経常費助成を受けました幼稚園が三百二十六園、これの期限到来の五十八年度末、五十九年の三月末日現在で学法化しましたのが百七十八園、率で五四・六%、それから学法化できなかったものが百七園、率で三二・八%という状況でございます。
#180
○粕谷照美君 三年延長の法律はその後も補助金が出ますよという園もあるわけですね。三年延長の法律は五十一、五十二、五十三、五十四だけに限られて、その後志向園になったものは五年間は出しますよと、こういうふうに理解してよろしいわけですか。
#181
○政府委員(國分正明君) 三年延長のいわゆる恩典を受けましたものが、五十一年に志向園になったものは三年間恩恵を受けたわけでございます。それから、五十二年に志向園になりましたものは二年間、それから、五十三年に志向園になりましたものが一年間の恩恵を受ける。
 なお、五十四年度以降志向園になりましたものについてはいわゆる延長の恩典は受けられない、こういう仕組みになっております。
#182
○粕谷照美君 延長の恩典は受けないけれども、五年間の何というんですか、学法志向園のその恩典はあるわけですね。
#183
○政府委員(國分正明君) 五十四年度以降補助金を受けましたものについては五年以内に学法化の措置をとるということでございまして、当然その五年間は経常費助成は受けられるという仕組みになっております。
#184
○粕谷照美君 そうすると、ことしの三月三十一日で三年、二年、一年の延長の恩典は打ち切られる。四月一日からはそれはもうなくなったと。なくなったということはそれを受けてなおかつ学法にならなかった園にしてみれば、非常に大きな収入という意味では影響があるわけでね、それが子供たちの保育料にはね返ってくるんではないか。これはどういうふうに見ていらっしゃいますか。
#185
○政府委員(國分正明君) 御指摘のように、五十一年度、五十二年度、五十三年度、それから五十四年度から経常費助成を受けましたものについての学法化の期限が到来するのが先ほど五十一、五十二、五十三と申し上げましたが、五十四まで通して申し上げますと、志向園が千九百七園でございます。このうち年々学法化が進みまして、本年の二月二十八日現在の調査でございますと、学法化に向けましてなお努力中の幼稚園が三百三十四園という状況になっております。
 これにつきましては、ただいま御審議いただいております六十年度の予算におきましても、私ども私学振興助成法の趣旨にかんがみまして、六十年度以降は期間補助ができないわけでございますので、これについては助成をしないという形で予算を計上し、審議をお願いしているところでございます。
#186
○粕谷照美君 もう助成をしないということでありますが、私が伺ったのは、保育料にはね返ってくるんじゃないかと。その辺はもう文部省はことしでもう終わりですよ、終わりですよという指導をしてきているわけなんですから、情勢なんかもつかんでいるというふうに思いますのでさっき質問をしたんです。はね返っているのかいないのか。
#187
○政府委員(國分正明君) 具体的に六十年度の例えば保育料にどういうはね返りをするかというのは数字的に現時点ではちょっと押さえにくいわけでございますが、一般論として申し上げますと、現在学校法人の保育料を一〇〇といたしますと、志向園の保育料が一〇六、それから今まで補助金をもらったことのない幼稚園、表現が適当かどうかわかりませんが私ども俗に純粋一〇二条園と、こういうふうに呼んでおりますが、これが一一五という状況でございます。したがいまして、補助金をもらっているかどうかによりまして、それだけでもって保育料が決まるというわけではございませんし、いろんな要因はあろうかと思いますが、もらっているものともらっていないものにおきまして保育料に差があるという統計数字はございますので、今後何らかの形での影響ということは十分予想されるところかと思います。
#188
○粕谷照美君 大臣にお伺いしたいと思いますが、八年間、七年間、六年間なり志向園として経常費補助をもらっている、もらってきた。そして期限が切れてもなおかつこの四月一日で法人化をしなかったという園があるわけですけれども、最初から法人化になることをあきらめて、条件的にうちは難しいなと思ってあきらめている幼稚園ですね、なりますよ、なりますよと言ってどれだけの努力をしたかわからないわけですけれども、ならなかった幼稚園。国から出た経常費補助というのは非常に大きなものがあるというふうに思いますが、この今まで出したお金というのは、ならなかった園からは返していただくということでなければおかしいと思いますけれども、どうでしょうか。
#189
○国務大臣(松永光君) この私立学校振興助成法の附則第二条というのはやはり教育基本法第六条に法律で定める学校は、国公立または法律に定める法人のみがこれが設置できるという大原則が一つありますし、それに幼稚園といえども継続性、安定性、こういったものは当然必要でありますし、また国民の税金をもって補助をするわけでありますから財政当局としては学校法人でないものには支出しがたい等々の事情があって附則第二条はできたものと私は理解をいたしております。
 そこで、この法律に基づく経常費助成を受ける幼稚園の中で、先ほど先生おっしゃいました自分はあくまでも個人でやっていくんだということでしっかりやっていらっしゃる個人立幼稚園を私は幾つか知っております。今先生のおっしゃったように、なに補助金もらえるならば手を挙げて志向園になって補助金をもらっておこうと、余り努力もしないで、そして結局は学法にならず、もらいっぱなしというのは心情的に言えば不公平という感じがいたします。また、そういう最初からなる意思がなかったと仮定するならば、教育の場にそういうずるさがまかり通るのはいかがなものだろうかというふうに私は心情的には思います。
 しかし、また一面、毎年交付された補助金というのはその幼稚園の人件費あるいは教材費等として有効に使用されたというふうに考えられますので、結果的に返還を求めるということはどうもなじまないのじゃないかというふうに考えざるを得ないわけでございます。
#190
○粕谷照美君 これ、初めから文教委員会でも随分議論のあったところでございまして、もらえるものはもらっておけばいいじゃないかというような園があったとするならば非常に問題であるというふるに考えるわけです。したがいまして、経常費、経費に使ってしまってもう給与費になっちゃってないんですとか、それはよくわかるんですよ。だけれども何も返さなくてもいいなどというのはおかしいんであるというふうに私は思うわけですが、本当になれなかったのか、いろいろな条件があるわけですね。その条件を、私は国がお金を出しているのですから徹底的に調査をする必要があるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#191
○政府委員(國分正明君) 経常費補助金の幼稚園に対します執行は都道府県が行っているわけでございまして、国の補助金はいわばそれの財源補てんという性格を持っておるわけでございますが、各都道府県におきましては補助金を交付するに際しましては、具体的に学校法人化にどういう努力をしているのかということを書類等でとりまして、その状況を把握した上で補助金を執行すると、こういうことをやっているわけでございまして、どういう努力をしているかということの判断につきましては幼稚園の所轄庁であり、またその個々の実情を十分承知しております都道府県に私どもとしてはゆだねているところでございますので、個々の実態について現在のところ改めて調査するという考えはございません。
 ただ、昨年度末に一応の締め切りが行われたわけでございますので、その数であるとか、あるいはどういうことで学法化が困難であったかというような調査は現在しているところでございます。
#192
○粕谷照美君 その都道府県なんですけれども、随分文部省としては基準をもうこれ以上緩和しないと、こういうふうにおっしゃっているけれども、もう都道府県独自でいろいろな設置条件を緩和しておりますね。どんなことをつかんでおられますか。
#193
○政府委員(國分正明君) 私どもの一般的な指導につきましては、先ほど御説明申し上げたところでございますけれども、これを受けまして各県におきましてはそれぞれの県の置かれました状況あるいは幼稚園の状況あるいは関係団体等の意見等踏まえまして、多少のばらつきはございます。文部省が指導しているとおりに基準の弾力化を図ったところ、あるいはやはり学校法人であるからそこまで弾力化するのはいかがであろうかということで、文部省が示したものよりもややきついと申しますか、厳しい認可基準で対応しているところ、いろいろございます。これにつきましては私どもとしてやはり個々の自治体がそれぞれ責任を持って判断したところでございますので、それは各県の御判断に任すより仕方がないという考え方で今日まで対応いたしております。
#194
○粕谷照美君 そうしますと、先ほどからお話がありましたように、純粋一〇二条園ですね、これは今後も残っていくということになろうかというふうに思いますね。この一〇二条園は将来は教育基本法六条とか学校教育法、私立学校法のこういう趣旨に沿うような形で学校法人化していくのが望ましいという基本を持っていらっしゃるのか。あすこには「当分の間」というのがありますね。「当分の間」というのは一体どのくらいのことをいうんでしょうかね。当分の間、事務職員を置かないことができるとかなんか言うと、もうそれが三十年も四十年も長くなったりいたしますので、この一〇二条園についての基本的な考え方は文部大臣はどんなふうにお考えですか。
#195
○国務大臣(松永光君) これは大変難しい問題でございまして、幼稚園というのは小規模の、小学校、中学校等の学校教育の場合と比較しますというと小規模の幼稚園が実は多いわけでありまして、その場合に、学法でなくともほかの法人あるいは個人がそれぞれ特色を発揮していい教育をしていらっしゃるものがございます。それを何といいましょうか、補助金といったような国民の税金を使って応援する対象とするかどうかという場合じゃなくして、園そのものの存立を否定するというのも、これは大変な問題だなというふうにも思いますので、これはいろんな方面の意見を聞いてそして対処していかなならぬ問題だと。当分の間というのも相当やっぱり考えていかなならぬのではなかろうかというふうに思うわけでございます。
#196
○粕谷照美君 それでは今度は、幼稚園教育だけじゃなくて、幼稚園と保育園の問題についてお伺いをしたいと思います。
 九十六国会で、私立学校振興助成法の一部を改正する法案を審議のときに、いわゆる三年延長ですね、そのときに、提案者の西岡武夫さんが、この延長する三年間に我が国の幼児教育のあり方について再検討を行い、幼児教育についての行政全体の問題について基本的な施策の確立を図りたいと、こういうふうにおっしゃっているわけですね。幼稚園じゃないんです、幼児です。だから、すべての幼児の教育をどのようにするかということを考えていきたいと。もう三年間たっているんですけれどもね、出てこないわけですね。この間、臨教審を設立をさせる、その設立、なぜ文部省に置かないで各省庁にまたがってやらなきゃならないのかという説明のときに、中曽根総理みずからが本会議場あたりでも、保育園の問題と幼稚園の問題がありますと、こういうことは文部省だけ、厚生省だけじゃだめなんで、やっぱり他省庁にわたって臨教審みたいなものが必要なんだという意味の御発言をされました。私も文教委員会で質問をするたんびに、文部省の枠は幼稚園だけなんですと、こういうふうな答弁しか返ってきませんから絶望感に襲われるわけですよね。子供の立場から見れば、文部省の枠だから幼稚園の子供だ、厚生省の枠のところに入っているから保育所の子供だということはおかしいわけで、ぜひ同じような立場に立って保育をしてもらいたいと、こういうふうに思っていると思うんです。
 この幼稚園と保育園の一元化というのは、何もこういうふうにしなければ一元化になりませんよというまだ理念というものは必ずしもまとまっていないと思いますけれども、この幼稚園、保育園の一元化の問題は古くて新しい課題だというふうに思いますけれども、これについて森文部大臣は大変意欲的な発言をされた。その意欲的な発言をされた途端に保育園側から、文部大臣はどうも幼稚園の方に向いているのじゃないかとしかられたということを言っていらっしゃるわけですが、渡辺厚生大臣は、やっぱりこれは目的がもう全然違うんだから一元化すれば混乱して害が多いと、こういうことをおっしゃっているわけですね。
 兵庫県の北須磨、私はここの保育園へ行ってみましたけれども、同じ敷地の中に幼稚園と保育園がありまして、そして幼稚園が終わった後に残らなきゃならない、保育に欠ける子供は、同じ敷地の中にある、登録は別ですけれども、保育園の方に行くわけですね。そして、今新しく東京の千代田区、ここでもなるべく保育と幼稚園教育を一緒にさせたいということで新しい構想が検討されていますね、地下一階、地上何階かの。それから東京でも日野市がありますね。それから秋田の飯田川は町長さんが積極的でこういうことに取り組んでいらっしゃる。岐阜でもそんな動きがあるということが報道されておりますけれども、文部省はそういうことをどのような形でつかんでおられますか。
#197
○政府委員(高石邦男君) 全国的にそういう具体的な内容を調査しておりませんので、断片的な、今お話しのあるようなお話をお伺いすることはございますけれども、全国的にこうなっておりますという実態までつかんでいないわけでございます。
 ただ、保育所と幼稚園の問題は、その目的、機能が異なるんで、これを一本化することは非常に難しいという実態がありますし、特に保育所はゼロ歳から対象になるわけでございますので、今例を挙げられたように幼児教育の対象になっている三歳児から六歳児までの子供については、おのずからそういう調整をしながらやれるという道は開けると思うんです。ところが、やっぱり地域によってはゼロ歳から三歳の子供も収容していかなければならない保育所も必要である。そういう絡みの中でこの問題が存在するものですから非常に難しい課題であるわけでございます。
 そこで、今回臨教審の中でも第三部会で幼児教育についてのプロジェクトチームもできまして、その件を含めて大局的な検討を進められていくというふうに思っておりますので、その審議の動向等も考えながら引き続き文部省としての十分な研究を積んでいかなきゃならないと思っております。
#198
○粕谷照美君 臨教審は三十一世紀の教育を考える、こういうことになっているわけです。ぜひその中に、できましたプロジェクトの中に、文部省も余り幼稚園、幼稚園というような枠をはめた形ではなくて、二十一世紀の子供たちの保育について――あるいは保育という言葉はただお守りをするという言葉ではないと思うんです。保育という言葉の中に教育そのものが含まれているというふうに思いますから、それについて十分保育園との調整というものを取り上げていただきたいと思っております。
 特に、今一番問題になるのは、補助金がもし幼稚園とならされてしまったら保育園の方がうんと減るんではないだろうかというこういうおそれが保育所関係の人たちにあると、こう伺っておりますけれども、保育所関係の補助金というのは一体どのくらいで、文部省ではどのくらいの額になりますか、おわかりでしょうか。
#199
○政府委員(高石邦男君) ちょっと厚生省でやっておりますのでここでお答えできませんが、幼稚園と保育所の場合に、かなり国の財政措置その他について差があるということは承知しております。
#200
○粕谷照美君 私の調査では、大体保育園には二万二千カ所で百八十五万人の子供たちが入っているわけですけれども、三千億円で、文部省は約その八分の一だというんですね。そういうところから、予算そのものから非常な警戒心を抱くというところがあるんじゃないかと思いますけれども、私はそういう問題じゃなくて、子供たちの保育をどうやっていくか、教育をどのように保障していくかということで予算というものを考えていくという姿勢が大事なんではないかと考えますけれども、最後にこのことに関する大臣の御所見を伺いたいと思います。
#201
○国務大臣(松永光君) 幼稚園と保育所は制度的には目的と機能を異にしておるわけでありまして、その面ではにわかに一元化ということができる状況にはないわけでありますけれども、実態的には今先生御指摘のように混同的に運用されているという点も実はあるわけであります。だから、制度から言えば目的と機能は異なる、実際の運用面では混同してなされているというところもあると。制度と実際の運用との食い違い、これが一つ問題だと思いますが、同時にまた補助、助成の仕組みや金額が相当に異なるということもございますので、関係者間に大変な意見の相違があるということなんでございます。そこで、まあ臨時教育審議会でも、実は幼時教育全体のあり方について検討がなされると承っておるわけでありますけれども、私どもとしても関係方面の意見を十分お聞きしながら引き続き検討していかにゃならぬ課題だというふうに思っておるわけでありますが、大変難しい、しかし大事な問題であるというふうに認識いたしております。
#202
○粕谷照美君 では次に、専修学校の問題に関連して伺います。
 臨教審の審議の中で、高等専修学校の修了者に大学入学資格を与えるようにしたり、専修学校の専門課程を高等教育機関として位置づけるべきだなどという考え方が出されているようであります、結論が出たというわけではありませんけれども。で、専修学校の教育実態というのは、昭和五十五年の行管庁の厳しい指摘もあるわけですけれども、高等教育機関として位置づけることについて私は若干問題があるんではないだろうか、現状ではね。その辺の文部大臣のお考えを伺いたいと思います。
#203
○政府委員(國分正明君) 御案内のように、専修学校につきましては、高等学校卒業程度を対象といたします専門課程、一般に専門学校と呼ばれております。それと中学校卒業段階を対象といたします専修学校、高等専修学校と呼ばれておるわけでございます。それといわば入学資格を問わない一般課程、三つがあるわけでございます。私ども専修学校につきましては、いわゆる一条学校のように、一条学校は幼稚園から大学まで、それぞれの段階に応じた人間形成の根幹の教育を行うということで、全体として一つの体系をなしているわけでございますが、専修学校はそういう枠組みにとらわれませんで、実際的なあるいは実践的な知識、技術を修得するための教育を行うということで、社会の多様なニーズにこたえて、しかも弾力的、柔軟に教育活動を展開するというところに特色があるというふうに考えております。
 したがいまして、いわゆる一条学校と専修学校とはその目的あるいは教育内容等も違うわけでございまして、それぞれがそれぞれの機能を発掘して全体として充実した教育が行われるということを期待しているわけでございます。ただ、俗に後期中等教育の一貫として、あるいは高等教育機関の一環としてと言われますのは、例えば専門学校を高等教育機関そのものにする、あるいは高等専修学校を後期中等教育、現在行われている高等学校と同じようにするという意味合いではございませんで、広義の高等教育機関あるいは広義の後期中等教育をつかさどるという位置づけを実態的に果たしているというふうに認識しているわけでございます。
#204
○粕谷照美君 時間の関係で、それについては後でまた文教委員会のときに詰めることにいたしまして、具体的な問題についてちょっと考え方を伺っておきたいと思います。
 今、専修学校だとか各種学校が整理統合をされているわけですね。各種学校や専修学校の運命かもしれませんけれども、生徒がいなくなればそれが廃校になっていくとかね。とにかくいなくなった教科はやめてまた新しい教科を設定するとか、そこはまあ確かに専修学校としての特徴であろうというふうに思います。そういう柔軟性を持ったということが、専修学校の専修学校たるゆえんだと思いますけれども、そのことによって犠牲になる教職員というのが出るんですね。まあ臨教審のメンバーの中には、教師は労働者だなんていうようなところから教育の崩壊が始まったなんていうようなことをおっしゃる方もいらっしゃるけれども、しかし、教師の身分が私は安定しないでどうしていい教育ができるか、こういう考え方を持っているんです。で、今そういう各種学校だとかあるいは専修学校に働いていらっしゃる方々が、非常に自分の身分上のことに不安を感じて、総評の全国一般という労働組合に結集する、その数が大変ふえているんですね。まあ組合の立場から言えば、労働組合に結集する人がふえるということはいいことなんですけれども、逆言えばそういうふうな状況の中に教師が置かれているということに、私は大変な不安を感じているわけであります。
 それで、例えばこの間も幾つかの問題点が具体的に挙がったんですけれども、彰栄学園、彰栄保育専門学校というのがあります、東京の中に。そこにいらっしゃる先生がこういうことを言ってきたわけですね。私は昭和五十一年に採用されたと。で、五十六年のときに専任の講師にしますよという辞令をいただいたと。ところが、ことしになってあなたは専任の講師をやめて助手になりなさい、しかしお給料は今までと同じですよ、仕事の内容も同じですよ、こういうふうに言われたと言うんですね。この助手と専任講師というのは、やる仕事というのは全然違うわけですよね。そういうふうに一年一年先生の辞令を出すというようなこと、任用するというようなことは一体どういうことなんですか。望ましいことだというふうに文部省は考えていらっしゃるんですか。
#205
○説明員(國分正明君) 専修学校のほとんどが私立であるわけでございまして、この私立の専修学校で教鞭をとっておられる先生の身分につきましては、制度といたしましては、私立のいわゆる大学から幼稚園までの一条校と同じように、労働基準法その他の労働関係法令で律せられているわけでございます。さらに具体的には、個々の学校の就業規則等で定まっているわけでございます。ただ、御指摘にございましたように、いわゆる一条学校と異なって、専修学校あるいは各種学校は、その制度自体が時代のいろいろな多様なニーズに弾力的に対応しているという性格を持っておりますがために、ある意味ではいろんな転換等も素早くやるというようなことが、その学校の性格自体から出てくる。そこから、ただいま御指摘のような問題も出てこようかと思っております。個々の問題になりますと個別の学校と先生との雇用関係の問題でございまして、いろいろ問題が生ずれば個々の学校で基本的には場合によっては労使問題として御解決いただくよりないわけでございますが、一般論で申し上げれば、やはり先生方が安定した雇用条件のもとで充実した教育活動ができるということが望ましいことであろうかと思っております。
#206
○粕谷照美君 私はその先生の辞令をこう見たんですけどね、担当学科というのがあるんですよ、器楽、音楽U、賛美歌。そして報酬月額十五万七千三百円。期間は五十六年四月一日から七年の三日三十一日までなんです。そして毎週の授業時間数というところだけがなぜか数字が入っていないんですね。そういういいかげんな辞令を出すということはどうしても考えられないわけですね。今おっしゃられたように、確かに雇用関係ということについては労基法にきちんと示されていますよと、そして就業規則もありますよと言うけれども、就業規則なんというのは一方だけでつくっちゃだめなんですよね、これは。――うなずいていらっしゃるからそのとおりだと思うんですけれども。必ず従業員、働く者の代表と使用する者との間でこの就業規則というのは私はつくらなきゃいけないと思うんですけれども、こういうようなところに退職規程も給与規程もないんですね。ところがどうでしょう、この学校に対して、教員を養成する学校だからということで、国立の大学から指導教官が行っているわけですね。年間二度ぐらい行くということになっています。ちっともそういうところには目を通してこられないんですね。何か問題があった場合には指導にわざわざ国立学校から行くんですから、文部省に直接責任はないですけれども、それはそれぞれの都道府県に対してやっぱり言っていかなきゃならないというふうに思いますが、文部省としてはその辺どう考えておられますか。
#207
○政府委員(國分正明君) 御指摘のとおり個々の専修学校あるいは各種学校につきましては都道府県が所轄庁という立場にあるわけでございます。したがいまして、具体の指導につきましては都道府県にお願いせざるを得ないわけでございますが、私どもといたしまして例えば全国の主管課長会議等の席におきましては――先生も御案内のとおり専修学校も創設されて十年の運用経験を経まして量的に大変拡大をしてまいりました。そして何時に、その果たしている役割も全体としては社会的な評価を得つつあるというふうに考えておりますが、また一方、ある意味では多様なゆえにと申しますか弾力的であるがゆえにと申しますか、個々にいろいろな、ただいまは雇用問題で御指摘ございましたけれども、それ以外の問題でもいろんな問題を起こす事例等を私ども耳にするわけでございます。こういう観点から、今日では量的拡大ということがかえって専修学校等の公共性を高揚するということがより重要になってきているのではないだろうかという観点から、教育内容の充実それから教育諸条件の整備と相まちまして、専修学校、各種学校の公共性を高めるというところにウエートを置いて各県を指導しているという実情でございます。
#208
○粕谷照美君 その観点に立ちましての今回の予算提案だというふうに思いますが、昭和六十八年をピークにして十八歳人口問題、先ほど安永委員からもありましたけれども、出てくる。なかなか国公立の大学がふえない、私学でもそうそうふやすことはできない、そうすると専修学校の受け入れ態勢というものが非常に期待をされているわけでございまして、その内容というものが進路指導をやられる先生方にとって明確になるような条件整備なんというのは非常に必要だというふうに思っているんですね。それで、文部省の高等教育局私学行政課監修なんという、こんなものが大変参考になると思うんですね。でも、これだけじゃやっぱりだめなんで、内容で授業時間数はどうだとかあるいは教職員の組織はこうだとかというようなものがきちんと出るような何というのですか学校側の要覧、要項表、パンフレットというようなものを出していただきたいと思っているのですけれども、これなんか見てみますと建設大臣指定校なんというのがあるんですね。どうして、そんな専修学校に建設大臣指定校があるんだろう。文部大臣指定校なんというのもあるんだろうかと思ったり、ちょっと誇大宣伝的なところもありますね。そんなものを黙ってまた伸び伸びと出していらっしゃるということにも御指導いただけたらいいのではないかなというふうなことも考えるんですが、しかし教職員の問題については、専修学校の設置基準、これきちっと守られているかどうかというようなことは各部道府県、自治体で調査をしていただけるような御指導がなされる、さっきの御答弁はそういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#209
○政府委員(國分正明君) ただいま御指摘にございましたように、専修学校につきましては全体としてはともかくも一部にいろいろな事例があることは私ども耳にするわけでございます。ただいま御指摘の例えば生徒募集の関係、恐らくただいま御引用のありました建設大臣指定というのは建設省の所管でございます測量法というのがございますが、その測量法に基づいて建設大臣は特定の養成施設を指定して、そこを卒業した者については測量士補の資格を与えるというような仕組みもございますので、恐らく建設大臣のその指定校、こういう意味合いであろうかと思いますが、いずれにいたしましても個別には生徒募集をめぐりまして一般に誇大広告ではないだろうかと言われるようなケースも耳にするわけでございます。私ども、この点につきましては、先ほど申し上げました主管課長会議等のほか団体に対しましても適正な御指導方をお願いしているわけでございますが、さらに、ただいま御審議いただいております六十年度予算案の中に、これは事務費でございまして、約八百万弱でございますけれども、専修学校に関します調査研究費を計上さしていただきました。私ども行政サイドあるいは各県の担当者あるいは団体関係者、それに例えば高等学校、中学校の進路指導担当者等々に集まっていただきまして、ただいまの問題も含めまして専修学校が今日抱えている課題について調査研究していただく機会を本年度から持ちたい、かように考えているわけでございます。
#210
○粕谷照美君 先ほど話をしました彰栄学園の労働組合の人たちが自分のところの問題を文部省交渉に来た、ところが文部省としては直接の指導ではないから私どもとしては一般的なことしかお話が、回答ができません、それは当然だというふうに思うんですね。それでこの人たちは最終的に困まってしまってどうしたらいいだろうといって相談に来る、私の方では、学校が東京都なんですから、あなたは東京都の方へ行きなさい、こういうふうに言うわけですよ。東京都のところへ行ったけれども、もう全然話にもなんない、そんなことをやっている暇ありません。東京都は専修学校のためにたった三人の職員しかいないんですから、そんな一つ一つのことをやっていたら、とても手が回りませんということを言っているのですね。私は専修学校に対する助成措置が各都道府県でどんなに行われているかというのを見たんですね。東京都は一億二千七百万円ですね。神奈川は三億二千九百万円なんです。静岡なんか余り大きくないんですけれども東京都にほぼ匹敵するように一億一千万円、愛知県に至ってはもう八億三千八百万円と記録的な数字の助成が行われているわけです。神奈川県の長洲知事なんかは大変教育問題に熱心に取り組んでいらっしゃって、もうとにかく百家争鳴だと、いろんなところで教育論議をやってくれと、こういうふうにおっしゃっているわけですけれども、三億二千九百万円からの専修学校に対する助成措置を出している。ところが助成措置をそれだけしっかりやっているからには、成助するためにはきちんとした学校でなくては困る、こういう立場に立って設置基準がなかなか厳しいんですね。非常に厳しい指導をしていらっしゃる、こういう、金も出しますが口も出しますということに対する反論も大きいかもしれませんけれども、しかし、その中で教育を受ける人たちは、やっぱりきちんと教育をしてもらわなきゃいけない、働く人たちはちゃんと自分たちの身分も安定をさせてもらわなければならない、そして経営者にしてみれば経営も安定しなければならない、こういういろいろな問題を含めながら、この助成に対する期待というのは非常に大きいと思いますけれども、文部大臣、この辺のところは、これからどのように展開をされていこうとなさいますでしょうか。
#211
○国務大臣(松永光君) 先ほど私学部長から話がありましたように、専修学校というのはいろいろなのがございまして、したがいまして、一般的に経常費助成といったようなものの対象にはなじまないと。やはり時代の推移に素早く対応しながら、その時代その時代のニーズにこたえる教育をしていくという特色が実はあるわけであります。その意味で、今申したようなわけで一律に経常費、応援するための経常費助成、これにはなじまない。しかし、実際上社会の要請にこたえて実のある教育をしてくれておる専修学校もあることにかんがみまして、そこで一つにはこの専修学校に装置する大型の教育装置について補助をするという形の応援あるいは専修学校の教員の資質を向上するための事業に対する応援、これをやっておるわけでありますが、そういう応援をすると同時に、先ほど御指摘のような問題等が起こらないように、各県の人を通じていい専修学校になるような指導もしていかにゃならぬと、こういうふうに考えているわけでございます。
#212
○粕谷照美君 教育の自由化に関連して学校設立の自由化ですね、これと私非常に関連が深いような感じがして、臨教審の学校設立の自由化というものを注意をしているわけなんです。それとあわせまして、この高等課程を卒業した子供たちに大学入試の資格を与えなさいということは、専修学校の高等課程を高校と同じようにみなさせたい、つまり一条校にしていきたい、補助金も出してもらえるようにしていきたいという願望があるのではないかというふうに思いますが、文部省はどんなふうに理解しておられますか。
#213
○政府委員(國分正明君) 冒頭にお答え申し上げましたように、いわゆる一条校と専修学校は目的あるいは教育内容等が異なるわけでございまして、それぞれがそれぞれの特色を発揮して我が国の教育の充実に期するようにということを期待しているわけでございまして、今専修学校をいわゆる一条学校にいわば取り込む形と申しますか、一条学校化というようなことは私どもとしては考えてないわけでございますし、また、臨教審におきます議論というのは、私どももつぶさに承知する立場にはございませんけれども、そういう観点からの御議論がなされているというふうには承知いたしておりません。ただ、現在、問題となって議論にされておりますのは、高等専修学校の卒業生に大学入学資格を与えるのが適当かどうかということ、学校制度は別としながら、その大学の入学資格の点についてどうするかという議論がなされておるわけでございまして、現在、高等専修学校で修業年限三年以上のものが三百三十八校、そこで学んでいる生徒が約三万人いるわけでございます。この点につきまして、かねてから専修学校関係者からの要望もございますし、先般の理科教育及び産業教育審議会の答申におきましても、この大学入試資格問題については検討すべき課題であるという提言がございますので、臨教審での御議論も踏まえながら、私どもとしては教育計画、教育改革全体の中での検討で積極的に取り組んでいく必要がある課題ではないか、こういうふうに認識しているわけでございます。
#214
○粕谷照美君 終わります。
#215
○杉山令肇君 まず初めに、道徳教育の充実について若干のお尋ねをさせていただきたいと思います。
 大臣の所信表明の中に、
  初等中等教育につきましては、児童生徒の豊かな人間形成を図ることを基本とし、個性、能力に応じた教育を一層推進してまいります。
  特に、道徳教育の充実に加えて、しつけなどの基本的生活習慣を確実に身につけさせ、他人を思いやる心、国、郷土、家族を愛する心を育てることなどを重視した心の教育を推進すべく努力してまいります。
と言われておりますが、また一方、国民の世論の中にも教育の改善の柱として道徳教育を重視をしていただきたい、このような高い世論のあることも事実であります。
 それに関連いたしまして、まず文部省として道徳教育の充実にどのような施策を推進しておられるのか、具体的に御説明をいただきたいと思います。
#216
○国務大臣(松永光君) 道徳教育というのは、いつの時代でも学校教育の中で大変大切な事柄であると思っておりますが、我が国の経済社会の変化によりまして、子供たちの育つ環境が随分変わってきたというふうに私は思います。かつては一個の家庭の中におじいちゃん、おばあちゃんがおる、そして兄弟が何人もおるという環境下で育つ子供が多かったと思います。そういう場合には、その家庭の中で基本的な生活慣習あるいはしつけ、こういったものがおのずからその家庭の中で指導を受け、その子は身につける、あるいは兄弟たちの間でもまれながら切磋琢磨されて、おのずからいろんなことも身につける、こういう状況があったと思うんでありますが、最近は一軒の家庭の中でおじいちゃん、おばあちゃんがいる家は非常に少なくなってきたと。兄弟の数も少なくなってきたと。その結果、おじいちゃん、おばあちゃんからのしつけ教育、その他はなくなってきた。兄弟が少ないから兄弟間で切磋琢磨するという機会もなくなってきた。そういう意味で家庭の教育的な機能が昔とは変わってきておる。あるいは、もっとひどく言えば低下してきているという面もあろうかと思います。それだけに、いわゆる道徳教育の範疇に入ると思うんでありますけれども、基本的な生活慣習、よい生活習慣、それからしつけ、こういったものが家庭の中だけでは不足しがちである。そこで、小中学校等でそういった分野の教育をより一層充実していく必要があると、こういうふうに思うわけであります。そして、そうした教育というものは学校だけではうまくいかぬわけでありまして、学校と家庭とが相互に連携を保ちながら進めていく必要があると、こういうことでございまして、そういう観点から学校と家庭の連携を進めるそういう授業、あるいはまた道徳教育を進める上での指導資料の作成、こういったこと等を通じて、今申したような道徳教育充実の必要性にかんがみ、もろもろの施策を展開していこうと、こういうふうにしているところでございます。
#217
○杉山令肇君 週一時間、道徳の時間というのが設けられておりますが、これについての実施状況等々について現況報告をお聞かせいただきたいと思います。
#218
○政府委員(高石邦男君) 道徳教育は学校活動全体を通じて行うことが必要でございます。それを補充し、深め、統合するという観点で道徳の時間を設けて指導しているわけでございます。一昨年の五月に実施いたしました道徳教育の実施状況の調査結果によりますと、年間大体三十五時間指導することになっておりますが、小学校で平均いたしまして三十三時間、若干、三十五時間からいいますと足りないわけでございます。中学校で平均三十時間というようなことで、時間の面でも必ずしも十分でない。それから、問題はその道徳の時間がうまく展開されたかどうかというのが問題でございまして、そういう観点で言いますと、小学校ではうまくいったと、うまく指導していると言って回答しているのが約八〇%、中学校では六五%という状況でございます。
#219
○杉山令肇君 文部省として道徳に関する参考書を相当数配付していらっしゃるようでありますが、学校現場からの意見や反応というものはどんなふうでございましょうか。
#220
○政府委員(高石邦男君) 文部省では、昭和三十九年以来小中学校で利用されるいろんな参考書を指導資料として作成しております。現在まで小中それぞれ九巻の指導資料を作成しておるわけでございます。各小中学校に配付をして、その活用についての指導をしているわけでございます。かなり使われていると思いますが、学校によってはたなざらしにされている学校もあるということでございまして、文部省配付の教材の使用頻度を、これは民間の財団法人の中央教育研究所が調査したのがありますが、それによりますと、小学校では文部省配付の資料が約七割、中学校では三割程度主たる教材として使用されているという状況でございます。
#221
○杉山令肇君 私は、外国での道徳教育や愛国心への教育の基本について調べてみました。特に、ソ連におきまして、教科書における訓育に関する内容について言えば、要点を紹介いたしますと、次のようなことに重点が置かれております。
 第一ないし第三学年の第一項に、熱心に勉強しなさい、注意深く先生の説明を聞き、先生から与えられた課題は一生懸命やり遂げ云々とあります。第三項では、学校その他公共財産、自分のものや友達のものを大切にしましょう。第八項では、父母、兄姉の言うことを聞き、家事を手伝いましょう。友達と仲よくし、小さな子供の面倒を見ましょう。第四ないし第八学年の第九項では、父母を敬い、家事を手伝おう。第十項では、教師その他学校の職員の命令や生徒自治機関の決議をすべて良心的にやり遂げようとあります。また、第九ないし第十学年の第五項では、体育、スポーツを体系的に行い、みずからを鍛錬し、ソビエトと祖国防衛に備えよう。また、第十一項では、教師の労働に敬意を払おう。師の要求、生教徒、自治機関の決議を遂行し、積極的に支持しよう。また、愛国心に関しましては、二年生の国語読本の中に、我々にとって祖国はすべてである。祖国は我々に生活を与え、祖国のために我々は生きる。我々は自分の存在のすべてをかけ、祖国を愛するとしてあります。要するに、家庭にあっては父母の言うことを聞き、父母を敬い、家事を手伝う。学校にあっては、教師に敬意を表し、一生懸命勉強し、スポーツを通じて身体を鍛え、祖国防衛に備えようと、学校生活のあり方、学校教育の訓育的目標を明確に示して家庭及び学校生活におけるモラルを教えているのであります。
 さて、ここでお尋ねを申し上げたいわけでありますが、現在臨教審におきましていろいろと教育論議がなされております。その中で、教育改革の最重点に据えるべき教育の内容、教科書の内容の問題は余りにも声が少ないように思うのであります。もちろん、教育の制度の問題とか、教育条件等も大事だと思いますけれども、もっと教科書を中心とする、教える内容について論議をすべきであろうと思いますが、大臣のお考え方を承りたいと思います。
#222
○国務大臣(松永光君) 今先生からソ連の話を承ったわけでありますが、家庭において、あるいは学校においての子供たちに対する指導のあり方、あるいは子供たちのとるべき態度等々につきましては、政治や社会の体制が全く異なっておっても同じようなことになっているのかなという感じがいたしました。それから、一番最後の、祖国の防衛に云々というようなことは、私は言葉をやわらかく言えば、自分の国を大事にし、自分の国の発展のためにそれなりに自分の置かれた立場立場で努力するということは、そういう教え方をすることは日本の学校でもなすべきことであると思いますけれども、今先生が直接表現されたような、祖国防衛云々のようなことを今の学校教育の中でやることは、なかなか異論もあったりして、大変じゃなかろうかなという感じがするわけであります。
 なお、現在の臨教審における審議の問題でございますが、先生も既に御承知のとおり、臨教審の第三部会におきましては、その検討課題例として、初等中等教育の教育内容、それから方法、これらについての教科書を含む基本的なあり方、ということが検討課題例として挙げられておりますので、いずれそうしたことにつきましても審議がなされるものと思いますけれども、現在までのところはなされていないようであります。これからの審議を見守ってまいりたいというのが現在の私の立場でございます。
#223
○杉山令肇君 私は、道徳に関する指導内容というのがございます。指導内容に目を通して見ますと、大変すばらしいことがたくさん書いてございます。小学校二十八カ条、中学校十六カ条にわたりまして、特に家庭においてはお父さんやお母さんを大切にする、あるいは学校においても先生を尊敬し、公共物も大切にしよう、国を愛する気持ちも考えよう、古い歴史と文化も大切にしよう等ということで、大変すばらしいことが書いてございます。このようなことをもっと国民への理解と協力を得る手段につきまして、また現場の先生方への実践面への指導強化ということにつきまして積極的にもっと文部省として努力すべきではないかと思いますが、御所見を承りたいと思います。
#224
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のとおりでございまして、各種の世論調査等にもあらわれておりますように、もう少し子供のしつけ、道徳教育をしっかりやってほしいという希望は非常に高いわけでございます。それで、教科の面で、学校においては道徳という時間を設けて教育をしているわけでございますが、学校で教える道徳教育だけではなかなか本物にならないというようなことで、学校を中心にいたしまして、家庭、それから地域社会の協力、連携のもとにこういう内容が定着していくように努力をしていかなきゃならないというふうに考えているわけでございます。そういう角度から、先ほど大臣も申し上げましたように、学校、家庭の連携事業を道徳の面で研究していく。そのほか、来年度は、幼稚園段階においてそういう面の事業を展開したいということを真剣に積極的にやってまいりたいと思っております。
#225
○杉山令肇君 次に、家庭との連携事業ということで、新規に六千万円を幼稚園の普及、充実に計上されておりますが、具体的にどのような考え方で今後進められるのか、ひとつ承りたいと思います。
#226
○政府委員(高石邦男君) まず子供のしつけ、基本的な生活習慣、態度、そういうものを身につけさせるのには、どうしても早ければ早いほどいいということを考えるわけでございます。したがいまして、大部分の子供が既に幼児教育を受ける段階に来ておりますので、そういう時期から子供たちのそういう面のしつけ、道徳的な態度の涵養、こういうことを進めていかなければならないと思うわけでございます。ところが、残念ながら、現在の若いお母さん方は、どういうようにしつけしたらいいのか、何が基本的生活習慣として必要なのかということ、それについての非常に不安感があるわけでございます。したがいまして、この幼稚園の事業は、まず幼稚園の先生と親がともに学習する、そして幼稚園の先生と親がともに実践をする、そしてまたともに評価をしていくというような形での事業を展開していきたい。ややもすると、従来の研究指定校は学校での場だけに終わって家庭までの浸透ということが得られなかったということで、今回こうした発想の研究委嘱事業をお願いしたわけでございます。
 構想といたしましては、各部道府県にそのための連絡推進研究会議をつくりまして、そして、そこでどういうテーマについてどういう計画でやるかということを練っていただきたい、そして、その下に五園程度の幼稚園を指定いたしまして、そこに委嘱をし、実際上の研究、実践を進めてもらいたい、県下、そしてまた全国的なレベルでその内容の非常に成果の上がったものを集約いたしまして、大きく国民の中に幼児期から子供たちのしつけ等の教育を実践していくような積極的な施策を展開したい、こういう考え方で六千万円の予算を計上したわけでございます。
#227
○杉山令肇君 次は、私学助成について若干お尋ねをいたします。
 御承知のとおり、私学は建学の精神に基づいた特色のある教育研究を行うことにより、我が国の学校教育の普及と発展に多大の貢献をしてきたと思っております。大学助成につきまして、昭和五十八年度、五十九年度は残念ながら前年度対比減額、ようやく今年度は前年度並みという状況にございますが、以下、若干の御質問をさせていただきます。
 まず、国立大学の学校数と学生総数、それに対する国庫支出金の総額、また一方、私立大学の学校数と学生総数、それに対する補助金総額をお聞かせいただきたいと思います。
#228
○政府委員(國分正明君) 国立と私立の学校数、生徒数、それに対する国の支出でございますが、五十九年の五月一日現在で申し上げますと、国立の大学数は四年制大学が九十五校、短大が三十六校、高専が五十四校、高等教育機関としましては計百八十五校というふうになっております。また学生総数でございますが、四年制大学が四十二万一千十一人、それから短大が一万七千百人、それから高等専門学校が四万九十三人、合わせて四十七万八千二百四人というのが国立の状況でございます。
 それから私立大学でございますが、四年制大学が三百三十一校、それから短期大学が四百四十八校、高等専門学校が四校、高等教育機関全体で七百八十三校というふうになっております。それから学生総数でございますが、四年制大学が百三十三万一千九百三十三人、それから短大が三十四万一千百八十二人、それから高専が三千三百五十二人、合わせまして百六十七万六千四百六十七人という状況でございます。
 なお、国の支出でございますが、国立大学等にかかわります国庫支出金につきましては、国立学校特別会計におきまして、学部、大学院、附属病院あるいは研究所等々ございますし、また学術研究経費等も含めまして一体として措置されておりますので、これを抜き出すというのはなかなか難しいわけでございますが、便宜、昭和六十年度の一般会計から国立学校特別会計への繰入額を申し上げますと、約一兆六百二十七億円というふうになっておりまして、これは国立学校全体の教育研究等に必要な経費の六六・二%というふうになっております。
 一方、私立大学に対します昭和六十年度の補助金総額でございますが、基本となるのが私立大学等経常費補助金でございまして、これが二千四百三十八億五千万円、それから私立大学等の研究装置等の整備に対する補助金が五十六億二千万円、合わせて二千四百九十四億七千万円というふうになっております。
#229
○杉山令肇君 特に大臣におかれましては、今御説明をいただきましたように、八〇%に近い大学教育を担当している私学でありますのに二千四百三十九億円の今年度の予算、片や国立の方は一兆円有余ということでございまして、特に頭の中に入れておいていただきたいと思うのであります。
 つきましては、来年度から、いよいよ大学生の急増期というようなこともございまして、文部省におかれましては臨時定員というのを設定をされまして対処するということでございますが、具体的にどのような内容でありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#230
○政府委員(宮地貫一君) 今後十八歳人口が、六十一年度の百八十五万から六十七年度の二百五万人をピークとしてふえてまいり、さらにまたその後は減少していくという状況になるわけでございます。こういう急増、急減というような事態に対応する方策といたしまして、十八歳人口がピークを迎えます昭和六十七年度におきましても現状程度の進学率を維持するということを前提といたしまして、大学、短期大学等におきまして八万六千人程度の定員増が必要であるというぐあいに算定をいたしております。六十八年度以降の十八歳人口が減ってまいりますことを、一応全体の計画の中ではその点を見込みまして、この八万六千人のうち四万四千人程度は期間を限った定員増ということで対応することにしておるわけでございます。
 この定員増につきましては、そのような臨時的な性格にかんがみまして、教員組織、校地及び校害等の基準を弾力的に対応するというようなことを考えております。これにつきましては初めてのケースでございますので、現時点での明確な見通しというものは持てないわけでございますけれども、五十九年八月に大学設置基準及び短期大学設置基準の一部を改正をいたしまして、増加すべき専任教員については、教育に支障のない限度におきまして兼任教員で代替し得るということ、それから校地面積は、この場合に限っては増加を必要としないこと等の措置を講じたところでございまして、公私立大学における臨時定員増についての積極的な対応を私どもとしても期待をしておるところでございます。
 そして、また国公私別の入学定員の増員割合については、最近の設置者別の入学定員の割合及びその拡充の動向等を勘案しながら整備を進めるということで、国立大学については、それらから見れば約八千人程度の臨時増募が必要となるというぐあいに見込まれるわけでございます。国立大学に対する既存の校舎等でどれだけ対応し得るかというようなことなどについても、各大学側の意向も伺っておるわけでございますが、ほぼこの数字に近いものが受け入れ可能というような結果にもなっておりますので、今後とも各大学側とも十分協議をしながら目標達成に努めてまいりたい、かように考えております。
 なお、六十年度予算においては、この計画期間の前でございますけれども、国立大学においても三大学において臨時増募を行うこととなっておりまして、それらについても教員措置等について予算措置を講じたところでございます。
#231
○杉山令肇君 いずれにいたしましても、私学側とすればそれ相当の負担増になるわけでありますから、先刻も御指摘がございましたように、ひとつ積極的に、また細部にわたって御配慮がいただけますよう御高配にあずかりたいと思います。
 さて、次は補助金の配分の方法につきまして若干のお願いを申し上げ、お尋ねをいたしたい。
 現在、私立大学の経常費補助金につきましては、御承知のとおり、専任教員の給与費、専任の職員の給与費また非常勤の教員の給与費、教職員の福祉厚生費、教育研究経常費、厚生補導費、研究旅費及び特別補助金に分離をされまして、特別補助金は二十一種類に分けられて傾斜配分を考慮して積算をされております。ところが、その中で特に第二部、第三部教育に対する配慮が十分でないと思うのであります。御承知のように、二部、三部というのは勤労学生の受け入れ部ということでございまして、働く学生ということになるわけであります。したがいまして二部の場合も、三部という制度もございますが、三部の制度の学生にとりましても、各大学におきましては、努めて勤労学生という条件を考慮して校納金等々、入学金のなるべく減額をいたしまして、軽い金額で大学に入っていただくという努力をしているのが実情だと思います。このことにつきまして、昭和五十九年度における学生一人当たりの、要は二部、三部の学生一人当たりの特別補助金は、年額七千円が基準になっております。いかにもこれでは少額過ぎるのではないかと思いますので、ぜひともひとつ実情を調査の上、大幅増額をしていただくようなお願いをいたしたいと思いますが、御所信を承りたいと思います。
#232
○政府委員(國分正明君) 私大等経常費補助金の配分の問題でございますが、従来から勤労青少年に対します教育の重要性にかんがみまして、夜間学部等につきましては、ただいま御指摘がございましたように、学生一人当たりの経費につきまして、一般補助に付加いたしまして特別補助を行ってきているところでございます。特別補助の目的でございます社会的要請の高い教育研究や特色ある教育研究の推進を図るという観点から、今後とも必要に応じて検討してまいりたいと存じますが、その際、ただいま御指摘がありました点につきましても、全体の予算額との関係もございますけれども十分留意してまいりたい、かように考えております。
#233
○杉山令肇君 次に、私立高校につきましても、公立との父兄負担の格差が大変大きいわけでありまして、しかも高校につきましては数年後には激変期がやってくるということでございまして、いろいろと大きな問題を抱えております。参考に、五十八年度の統計によりますと、公立の保護者負担が二十一万三千六百七十六円、私立が四十八万五千七百四十六円と、統計では示しておるわけであります。また私立幼稚園につきましても、出生率が低下をいたしまして、園児の減少ということでいろいろと問題点が起きております。
 いずれにいたしましても私学全体を眺めてみまして、大変苦しい、険しい状況の中で努力をしているわけでありますので、ひとつこの現状を御認識をいただきまして、一層の補助金拡大について御努力をいただきたいと思います。
 さて、先ほど幼稚園の一〇二条園の法人化問題についていろいろと粕谷議員から御質問がございました。承っておりましていろいろとわかったのでありますけれども、ただここで、なじまないから補助金を返させるのはどうかという文部大臣の答弁については、いささか疑問がございます。
 と申しますのは、この八年間にわたりまして法人化促進に対する行政指導というのは大変積極的でありました。そして、しかも法人化をすべく計画書も出させ、誓約もさせ、そしてこれを実施をしなさい。もしも今からやれないという人は補助金の辞退をする。また将来、計画が狂った場合は補助金の返金もあり得るよというような強い行政指導の中でやってこられた法人化問題であります。
 中には、近年のように園児の減少という苦しい状況でないときもありましたので、大変法人化するということにつきましては難しいことがありまして、個人の財産を法人に寄附するわけでありますから、関係者の心痛は大変なものであります。御承知のようは、法人が解散をするときには、やはりその財産は個人に戻ってこない。国または地方公共団体または他の学校法人に寄附しなければならぬというのは常識であります。そういうふうな決断をして文部省の指導行政に一生懸命順応してやってきた園があります。また一方では、とても自分の園としては将来の展望が暗いというので、正直に自分の園は補助金を辞退して、悲しいことには既に脱落をしていった園もあります。
 そういう経過をたどっておりますのに、今のお話を承っておりますと、何か表現が悪いのでありますけれども、食い逃げをした者が得をするような答弁につながるわけでございまして、私はある程度これはけじめをつけなかったら、せっかくの文部省の不信につながる。文教行政は教育の大事な、大切な省でありまして、そういうところが不信感を伴うような行政をするということは適当でないと思います。そうかといって、現実に人件費等々で消費した経過もありますので、極端なことということにはどうかと思いますけれども、一応の何らかの慎重なけじめは必要ではないか。そうしませんと、今非常に一生懸命、法人化した園の中で苦しんでいる施設長がたくさんございます。園児の減少ということから先はどうなるのか、廃園になるのではないかということで心配をしておる施設長が多々ございまして、こんなことなら法人化をやめて、個人立として努力して、しかもあかなければ廃園をした方がよかったのではないか、自分の財産は取られなかったなんという一つの背景にもなるわけでありますが、そういうふうな状況もございまして、先ほどの粕谷議員への答弁は、どうも私としては納得ができかねるということを思いまして、あえてこの件だけを申し上げたわけであります。どうか、この件につきまして慎重な対処方を文部大臣にお願いをしたいわけでありますが、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
#234
○国務大臣(松永光君) 私も心情的には先生のおっしゃったことと同じなんでございます。今話がありましたように、自分は学校法人にはならない。であるから、正直に志向園にならずに、個人立のまま歯を食いしばって努力をしてこられた個人立幼稚園があることを私は幾つも承知しております。そしてまた、将来園児数が減るということが目に見えておるわけでありますから、そういう段階で学校法人になって、すなわち自分の持っておる個人財産を法人に寄附をして、それで学校化したという幼稚園が大部分なんでありまして、であるのに、あらゆる努力をしたが基準に合わない等々の場合なら別として、特に、もらわなきゃ損だというわけで、その意思があればなれる幼稚園、あるいはある程度の努力をすればなれたものが、ならないままにおって、そしてもらい得というふうなことが許されてはならないというふうに、私は心情的には、思います。
 しかし、交付された補助金はやはり幼稚園の先生の給料あるいは教材費等に使われたというふうに考えますと、直ちに全部返還だというのもなかなか言いにくうございますので、そこで、まあ、なぜならなかったんだろうかと、なれなかったんだろうかと、こういった点を所轄の、所轄といいますか、監督しておる都道府県を通じてよく調べてもらった上で慎重なこれは対処をしなきゃならぬと。まあ、先ほども粕谷先生にお答えしたわけでありますが、実際に教員の給料、教材費等で使われてしまったという点を考えると難しい問題もあるかなと。しかし、教育の場でうそをついたとかずるい人が得をしたとか、こういったものがまかり通ることは甚だ遺憾なことでありますので、よく実情を調べて慎重な対処をしなければならぬというふうに思うわけでございます。
#235
○杉山令肇君 厚生省いらっしゃいますか。――私は無認可幼稚園、無認可保育所の問題でお尋ねをいたしたいと思います。
 まあ定義がございませんのでどれが無認可幼稚園か、どれが無認可保育園かという境目が見にくいものですから御足労をかけておりますが、心身ともに発達段階が著しい幼児期でもございますし、特に乳幼児というのは人格形成の素地をつくるという大変大事な年齢期でもあります。そういうときに対しまして、残念ながら認可を取っていない、要は幼稚園、保育園の類似行為をするところがございます。これにつきまして、まず厚生省恐縮ですが、無認可保育所と思われる数はどのくらいおありでしょうか。
#236
○説明員(木本忠男君) いわゆる無認可保育施設につきましては、この開設あるいは廃止というものは規制の対象になっておりません。なっておりませんのでその数は正確には把握しておりません。が、そのうちでベビーホテル、いわゆるベビーホテルにつきましては調査を行っております。その結果を申し上げますと、五十九年三月末現在で四百四十八カ所でございます。
#237
○杉山令肇君 私は、特に都市部におきまして家庭防衛のために、生活防衛のためにお母さんが夜お働きに行かれる、これも理解をしなければいけないと思います。そうかといって無政府状態ということも、これまた適当でないと思うのであります。まあ、そういう意味におきまして保育所の行政の中で、もっと積極的に対応する方法がないのであろうか。もちろん現在の措置費という予算の枠組みの中で事務費、事業費、給食費等々で、要は行政が経理の指導をしていらっしゃるわけでありますが、そういう中で延長保育の問題、保母の保育単価の中での取り組みの問題、いろいろとややこしい問題もございまして、なかなか順応ができないと思っておりますが、しかし、どこかにひとつ検討をいただきまして、特に公立、私立を問わず昼夜間保育所がもっと活動的であるべきではないかと、それにはそのような内容の検討も必要であろうと思いますし、もう一つの簡便法としては、夜間保育所というのはそれなりの一つの別なものがありますから、やはり認可基準を別な方向で設定をされてひとつ対応する方法がないのであろうか。要はもっと、過去に死亡事故も起きてもおりますし、やはりもっと法の中で施設の改善も図る、例えば保育者であっても資格のない人がおってもいけませんし、そのような管理体制の充実をするためにはまず法的条件が要りますから、そのような条件整備をひとつする意思はないのかというお尋ねをしたいわけであります。
 また、幼稚園の問題につきまして、これは文部省側でありますが、私の知っておりますところでも、堂々と、堂々とと言うとちょっと語弊がありますが、同じような幼稚園の時間にスクールバスを出して、何々幼稚園とはそこの場合は書いてありませんが、何々幼稚園、聞いたような見たような名前でバスが走っておりますが、まあ確かに保育時間というものが延長してそこに魅力があるということはわからぬでもありませんが、しかし、やはり乳幼児時代の教育条件を整備するということも重要課題でありますので、この際、無許可のこの類似行為の問題につきましては、厚生省、文部省が連携をされまして積極的に対応をしていただく必要があると、こう思っております。
 時間がありませんので簡潔で結構でありますが、両省の御見解、御意見を伺いたいと思います。
#238
○説明員(木本忠男君) ただいま申し上げましたベビーホテルにつきましては、定期的な立ち入り検査、おおむね年一回程度でございますが、そのような立ち入り検査を行いまして、指導基準に適合するように指導を行っているところであります。
 それから、正規の保育所で保育されるにこしたことはございません。で、お話しございましたように、延長保育の特別対策というのもやっております。昨年度から東京都も実施するようになりましたので、着実にその実施箇所は伸びております。また、モデル的に夜間保育所ということもやっているわけでございます。このようなことで無認可保育所で預かられる子供さんがなるべく少なくなるようにというふうには考えております。
#239
○政府委員(高石邦男君) 先生おっしゃるとおりでございまして、幼稚園の設置基準ないしは教育課程の基準に適合しないものは幼稚園として法制上は認められないわけでございます。したがいまして、法制上認められないにもかかわらず幼稚園の類似の教育をやっているというのがまさに無認可幼稚園というようなことかと思います。
 したがいまして、こういう問題については、行管の勧告もございますし、各府県でその団体を的確に把握いたしまして、その解消に努めていかなきゃならないと思っております。
#240
○杉山令肇君 次に、青少年問題でお尋ねをいたしたいと思います。
 校内暴力事件はやや鎮静傾向にあると承っております。この問題につきます原因、背景は複雑でありまして、依然として予断を許さない状況にあると思っておりますが、このためには社会、学校、家庭が相互に連携をいたしまして、一体となって取り組んでいくことが肝心であると思います。
 既に久保議員からの御質問もございましたので、自然教室推進事業につきましては質問を省きまして、林間教育につきまして御質問をさせていただきます。
 先般、新聞に、国民森林会議が教育森林を設置しようという提言を総会で採択したと発表されています。子供は本来自然の中で情操や創造性が育てられていきますが、現在の子供は自然に接する機会が少なく心の潤いを失っているように思うのであります。文部省の自然教育推進事業を拡大するか、また新しい事業にするかは別といたしましても、国有林、公有林、民間の山を活用して関係省庁と横連絡をとりながら林間教育を推進するお考え方はいかがかとお尋ねをいたしたいわけであります。
#241
○政府委員(高石邦男君) 先回、柳川先生からも御指摘がございましたが、子供たちを自然との触れ合いを深めさせる、これは非常に重要なことでございまして、その一つとして、実は僻地等で廃校になった学校を改修いたしまして、その施設を利用しながら自然教室の拠点として利用したいということで、それの整備に要する経費も補助金を新たにお願いいたしまして、六十年度から実施するようにしているわけでございます。
 そのほか、今御指摘のございましたように、各種の林間、山林を利用いたしました、そういう面の利用というのを積極的に考えていかなければなりませんので、各府県、市町村でそういう面での積極的な総合的な取り組みが進められるよう指導してまいりたいと思います。
#242
○杉山令肇君 高校の中途退学者についてお尋ねをいたします。
 五十八年度の調査によりますと、全日制公立で四万四千百四十二人、私立が四万三十三人、定時制で公立が二万一千百七十二人、私立で六百九十四人、総合計いたしますと十万六千四十一人という多数の中途退学者が出ておるわけであります。これも文教行政として大変大事な問題ではないかと思うんでありますが、これについて原因とか退学者の追跡調査あるいは対策等々につきまして、文部省としてはどう考えていらっしゃるのかお尋ねを申し上げます。
#243
○政府委員(高石邦男君) 中途退学していく子供たちの要因を分析いたしますと幾つかございますが、まず一番多いのが学校生活、学業不適応。要するに高等学校の生活になじまないというのが一番パーセンテージが高くて全体で二三%を占めております。それから次に多いのが進路変更。これはどうも高等学校に行っても十分な成果は上げられないということで専修学校、各種学校等へ進路を変更していく、これが二一・八%でございます。それから学校の勉強についていけない、学業不振というのが一四・八%でございまして、これが三番目でございます。従来言われていました経済的な理由、それから病気、けがというのは五%台でございまして、その他家庭の事情でいろんなこと、これが一一%程度あるわけでございます。
 したがいまして、問題は、中学校における進路指導を行う際に、その子供たちの適性能力、それから将来の希望、そういうことを考えて適正な進路指導が行われたかどうかというのが第一の問題でございます。
 そういう意味では、中学校における進路指導をより適正に行っていく。ただ見かけ倒しで、みんな高等学校に行くから自分も高等学校に行くというような形でない、地についた進路指導がまず必要でございます。
 それから、途中で専修学校、各種学校等へ進路を変えていく者はそれなりの目的意識を持って変えていくわけでございますので、そういう子供たちが進路変更する際には本物のものを身につけるような形で将来生きていくような指導が必要であろうと思います。
 それからあと、問題行動、非行の問題というのは非常にこれは難しい対応をしなければなりませんが、学校、家庭、地域社会を含めてこの非行問題というものは取り組んでいかなければならないのでございます。今までも努力をしてまいっておりますけれども、今後なお一層この三者の連携を強化いたしまして非行防止に全力を挙げながらこの問題の減少を図っていかなければならないと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても十万人以上の子供たちが中途で学業をやめていくわけでございますので非常に大きな問題と考えておりますし、この対策については総合的に各種の施策を講じて対応していかなければならないと思っております。
#244
○杉山令肇君 新聞報道によりますと、中高一貫教育の実施や大学等の九月入学など、教育改革のさまざまな課題について着々と改革が進められているような印象が与えられております。
 臨教審は、総会中心で審議が進められていると聞く一方で、臨教審の委員や専門委員の方々が新聞雑誌に自己の教育改革に関する考え方を発表し、読者をして、あたかも臨教審として権威ある意見のごとき印象を与えているものすら見受けられるのであります。もとより臨教審の審議には国民の多くが注目しております。また深い関心と期待を抱いているところでありますので、そういう意味で臨教審の審議状況が国民に明らかにされることは勧迎すべきことでありますが、他方、これらの審議途中の意見や見解が不用意に示されることは、国民や学校現場に必要以上の幻想や不安を与え、ひいては今時教育改革の推進の上でも大きなマイナスとなることを心配をいたしております。臨教審といたしましてもこれらの点に十分慎重な配慮を行い、自制ある対応を図るべきと思いますが、所管大臣としての文相の所見を承りたいと思います。
#245
○国務大臣(松永光君) 先生、御承知のとおり、臨教審ではその審議状況をできる限り国民の皆さん方にも明らかにしていきたいということを基本方針としておるのでございます。
 それで、総会や部会のたびごとに部会長さんあるいは会長さん、また会長代理の方がその審議状況を明らかにするために記者会見をしておられるわけでございます。よく問題になるのは、部会の審議がなされておると、その場合の記者会見の結果それが新聞記事等となってあたかもそのことが決められたというふうにとられかねまじき報道になっておるというのが実情なんでありまして、部会はあくまでも審議を深める場でありまして、審議会としての結論は部会での審議を踏まえて総会で審議をし、そして決定するというそういう臨教審の運営の基本方針となっておるわけなんでございまして、議論がなされたということ、あるいはどういう問題が検討されたかということの記者会見を実はしているわけなんでありますが、どうもこれはどこでそういうことになってしまうのか、決められたかのごときとられるような記事になってしまっているということは甚だ残念なことだというふうに思っております。
 また、臨教審の人が個人的に発言をなさる。これについて発言の自由を私どもの方で禁止することはできませんけれども、さようなわけで個人の発言は個人の発言であって審議会で決まったわけじゃない。部会で審議された事項は、議論がされた、審議の対象となったということなんでございまして、審議会として決まったわけではない。審議会としての決まったことはあくまでも総会で決定をして、そうして外に出たときが始めて審議会の決まりなんだと、こういうことになっておるということを御承知おき願いたいわけでございます。
#246
○委員長(真鍋賢二君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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