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1984/04/25 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 文教委員会 第8号
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1984/04/25 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 文教委員会 第8号

#1
第102回国会 文教委員会 第8号
昭和六十年四月二十五日(木曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     粕谷 照美君     和田 静夫君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     小西 博行君     栗林 卓司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                杉山 令肇君
                仲川 幸男君
                久保  亘君
                吉川 春子君
    委 員
                井上  裕君
                山東 昭子君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                林 健太郎君
                林  ゆう君
                柳川 覺豊治
                中村  哲君
                安永 英雄君
                和田 静夫君
                高木健太郎君
                高桑 栄松君
                栗林 卓司君
                小西 博行君
   国務大臣
       文 部 大 臣  松永  光君
   政府委員
       臨時教育審議会
       事務局次長    齋藤 諦淳君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部大臣官房会
       計課長      坂元 弘直君
       文部省高等教育
       局長       宮地 貫一君
       文部省学術国際
       局長       大崎  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
   説明員
       文部大臣官房人
       事課長      横瀬 庄次君
   参考人
       臨時教育審議会
       会長       岡本 道雄君
       臨時教育審議会
       会長代理     石川 忠雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (臨時教育審議会における審議状況に関する件)
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十四日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(真鍋賢二君) 教育教育、文化及び学術に関する調査のうち、臨時教育審議会における審議状況に関する件を議題といたします。
 本日は、参考人として臨時教育審議会会長岡本道雄君及び会長代理石川忠雄君の御出席を願っております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 両参考人には、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。
 本日の議事につきましては、最初に委員会を代表して私から若干の質問をさしていただき、その後各委員から順次質疑が行われます。どうぞ忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。
 それでは、まず私から質問をさしていただきます。
 第一に、臨教審に審議が期待されている事項は極めて多岐にわたっていますが、臨教審の設置期間は三年と定められていますので、任期の終わる昭和六十二年八月二十日までに予定されている審議事項や答申の仕方、時期等について、今後の見通しをまずお伺いしたいと思います。
 第二に、臨教審の答申が国民の支持を得て実現されるためには、広く国民や教育関係者の意見を聞くことが望ましいと考えます。今日までの臨教審のこの点についての努力を評価するものでありますが、その状況と成果についてお伺いしたいと思います。また、今後の計画があれば、それもあわせてお伺いをいたします。
 第三に、臨教審の委員や専門委員が臨教審の外で個人的な見解を発表されるに当たっては、国民の間に混乱が生じないよう慎重に行うよう配慮されたいと考えますが、いかがなものでございましょうか。
 第四に、各部会で検討中の改革構想があたかも決定したかのように伝えられ、国民の間に誤解を生ぜしめることのないよう、審議状況の発表に当たっては一層の御配慮をお願いしたいと考えていますが、いかがなものでございましょうか。
 第五に、今日の財政事情や教育改革の複雑性、困難性等にかんがみ、答申においては、教育改革の内容だけでなく、それを実現する方法、手順、経費等についても触れることが望ましいと考えますが、いかがなものでございましょうか。
 第六に、国民や教育関係者から最も注目を浴びている教育の自由化ないし個性主義の理念、構想については、国民の間に無用な混乱を生ぜしめないため、できるだけ早急に臨教審の見解を明確にされることが望ましいと思いますが、この点について今後の見通しをお伺いして、私の質問といたします。
 よろしくお願いいたします。
#4
○参考人(岡本道雄君) 私が臨時教育審議会の会長の岡本でございます。
 ただいまの委員長の御質問に対しましてお答えさしていただきます。
 まず第一に、臨時教育審議会の設置期間三年間にわたる審議事項やそれから答申の仕方、時期等についてということでございますが、審議事項は社会、文化の進展に応じて、二十一世紀に向かって長期的な展望を持った教育計画というものでございますが、これと同時に、現在この審議会設置の強い動機にもなりました国民の強い教育に対する改革の要請と、こういう二つの課題があると思っております。
 それで、今後の答申の仕方でございますけれども、このたび、「審議経過の概要(その2)」を昨日決定いたしたわけでございますが、これは基本的には部会におけるこれまでの実際の審議を整理したものでありますので、今後総会を中心に、この中から答申に盛り込むべき事項及びその内容について審議を進めまして、合意が得られたもの
を、既に答申につきましては逐次答申をしようということを決めておりますので、その方針に従いまして、六月の末を目途として第一次の答申を出したい、そういうふうに考えております。それで、第一次答申後も、基本的問題さらに国民的要請の強い課題につきまして各界各層の意見を求めながら引き続き審議を進めまして、総会で合意が得られたものから逐次答申をしていく、そういう形態で今後とも進みたいというふうに思っております。
 それからその次の御質問は、広く国民や教育関係者の意見を聞くためにどのような努力を行っておるかということでございますが、教育というものがどの国民も大変、すべて関心の強い事項でございますので、この審議会の初めから広く社会各層の意見を聞くと同時に、審議の内容をできるだけ公表しながら進もうというようなことを申し合わせておりますので、そういうつもりで本審議会におきましては、できる限り広く国民の意見を審議に反映させるということで、各方面から御意見を聞くために公聴会ということを過去四回行っております。そのほか、各関係団体等から教育改革提案ヒアリングというのを六十団体近くから承っております。それからまた論文を募集いたしまして、その内容について検討いたしておりますし、必要な学校を頻繁に訪問しまして現地の視察を行うと。それからまた各部会におきましても、それぞれの審議事項につきまして、学識者、関係団体、関係行政機関からの意見を聞くというふうに、できるだけ広く御意見を承るように努めております。
 それで、これらの機会に出されました貴重な御意見などは、総会及び部会の審議におきまして十分参考にするように、審議に反映させるように努力しておる次第でございます。それで、今後ともにこの方法を続けてまいりますが、さしあたりは、審議概要を出しました後、五月に東京と大阪で公聴会をいたしますほか、今後とも全国各地でそういうことをやりたいというふうに思っております。
 第三に、臨教審の委員や専門委員の臨教審の外における個人的な見解の発表がいろいろ国民の間に混乱を生じておると、こういうことはよく注意せよというお話でございますが、最前申しましたように、最初からできるだけ開かれたと申しますか、広く国民の間に審議会が定着するといいますか、信頼を得るように私自身も努めて、皆率直な御意見をお述べになることはいいというふうに申してまいったものですから、委員の方が方々でいろいろお話になることが一遍決まったことのような誤解を受けまして御迷惑をかけておるようでございますが、これはどこまでもこのことにつきましては、しかしいずれにしてもあくまで個人の見識と責任において行いなさいというようなことを申しておるのですが、結果におきましてはそれが少し御迷惑をおかけしておるということに気がつきまして、大変これは申しわけないことだと思いましたので、過日も総会でこういうことについてはよく良識を持ってお互いに注意しようというようなことを申しておるわけでございます。
 それとまた、これと同じようなことでございますが、各部会で検討中の課題をあたかも決定した改革のように誤解が生じるということも起こっておるわけでございまして、これも審議事項ということで各部会長が部会の後に記者会見いたしますのが、そのままそういうふうな誤解を生んでおるのでございますが、この審議会の決定はどこまでも総会でございまして、部会は審議を深めるためのものであるということは皆承知いたしておりますのですが、これもやはり教育が国民の大変関心事であります関係上、誤解や混乱を与えておるということにつきましては十分今後注意していかんならぬ、そういうふうに思っております。そんなことで、こういう御注意につきましては今後十分注意して、誤解のないように努めたいと思っております。
 第五に、答申においては、教育改革の内容だけでなく、それを実現する方法、手順、経費等についても触れることが望ましいとのお考えをいただいたわけでございますが、このことにつきましては、やはり一つの改革を計画いたしますというと当然それに対する方法とか手順、また経費についても考慮するという過程は実際はあるわけでございますが、今後具体的な問題についてはそういうことも十分注意してまいりたいと思っております。しかしながら、この審議会の基本的な仕事としましては二十一世紀の社会を展望して教育改革の基本方策というものをしっかり深めて審議するというところに焦点があるというふうに理解しておるわけでございます。
 それから、教育の自由化ないし個性主義の理念、構想について国民の間に無用の混乱が生じておる、できるだけ早急に臨教審の意見を明確にすることが望ましいということでございますが、いわゆる自由化論争と言われて、大変臨教審自身の中でも揺れ動いておるような印象を与えておりますことはまことに恐縮いたしておるわけでございますが、これは実際につきましては第一部会は自由化というようなことについてヒアリングをしたりしましたが、まだ十分それについて議論をしておるわけでもございません。ただ現実として、自由化という言葉が教育は何でも自由にしていいような印象を与えまして、この点大変不安を巻き起こしておると思います。これにつきましては、私自身も大変議論を起こしたという意味ではこの自由化という考え方は大いに意味があったと思いますけれども、やはりそういう誤解、混乱を与えるということは注意せんならぬと思いまして絶えずこれの限界というようなものも申しておるわけでございますが、第一部会におきましてはやはり自由化論というもののそれが具体的になればいろいろ問題点もございますことも認識しまして、誤解を与えるのではいけないというので、本来自由化論の本旨はおのおの各人がそれぞれの能力に応じて伸び伸びと個性が伸ばせることにあるんだ、そういうふうな原点に立ちまして、画一主義から個性主義への改革というふうな言葉を使っておるわけでございます。それで、いずれにしましてもこの論議は第一部会では理念の論議として論じられるわけでございますけれども、その具体策ということになりますと、これは第二、第三、第四、特に第三、第四というものが具体的な事実を審議いたしますので、そのときは最前申しました総会で二十五人の者が良識を持ってこれを見守っておるわけでございますから、私はこれについては具体的なものが論議されるときにおのずからおさまるべきところにおさまるものであるというふうに考えておりまして、外で言われておるほど会長自体はそう不安は感じておらないというのが実態でございますけれども、いずれにしましても、大変不安を与えておるという意味におきまして、この点は十分注意して機会のあるたびに私の考えもまた述べさしていただきたいと、そういうふうに考えております。
 以上、大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。今後よく注意して進めていくつもりでございますから、どうぞよろしくお願いいたします。
#5
○委員長(真鍋賢二君) ありがとうございました。
 それでは、これより委員の質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○久保亘君 昨日の衆議院に引き続いて御出席をいただきまして大変御苦労さまでございます。
 私は、参議院の予算委員会の審議中に臨教審の会長としての岡本先生の御出席をお願いをいたしたのでございますけれども、その機会を得ることができませんでした。私どもが先生に出席をお願いをいたしておりますのは、臨教審で教育改革の方針をお決めになりました場合、そのことに従ってのいろいろな制度の改革や予算等を決定する責任は国会にございます。また、教育改革を実施していきます責任は文部省を中心とする政府にございます。
 そういうような関係からいたしますと、臨教審が方針をおまとめになります段階で私どもとして
はぜひ臨教審の審議の内容あるいは臨教審の運営等についてお尋ねをしたり意見を申し上げたりしなければならない立法府の責任があると考えたのでございます。そのような私どもの立場ということについて臨教審の側からは十分に御理解をいただいておると思うのでございますけれども、会長の御見解を最初に承っておきたいと思います。
#7
○参考人(岡本道雄君) 今御親切なお話をいただきましたわけでございますけれども、私も先生のおっしゃいますように理解をいたしておりますが、御承知のようにきのう審議経過の概要というものを出しましたが、これは主に部会の審議内容をそのまま伝えたものであって、これからこの中から何を取り上げてそして第一次答申に盛るかということは総会において決めるのであって、どの問題を取り上げるかということもまだ決まっておらない段階でございます。したがって私としましては、一応概要も出たり答申の内容も決まったような段階にはそういうお話をお聞きする機会も得んならぬと思っておりましたけれども、まだ部会だけの審議段階ではそのどれを出すということも決まっておりませんので、その段階でないというふうに思っておりました。しかし今も委員長さんからお話しのように、この審議会が部会も発表し、総会も発表するものですからいろいろ決まりそう、決まったようなことのようにとられまして、こういうことを決めるのになぜ相談に来ないんだというような御心配もあったと思いますけれども、そんなことでまだ部会の審議を深めておるという段階でございますので、この点ひとつどうぞ御了解いただきたいと思っております。
#8
○久保亘君 よく会長のお立場も理解できるのでございますが、これからいよいよ最初の答申をおまとめになります過程で、このような会が望ましいのか、あるいはもっと自由に皆さんと私どもがいろいろ意見を交換したりする場が望ましいのか、それはいろいろ工夫をしなければならないと思っておりますが、もし私どもの方からお願いを申し上げました場合には、そのようなことに快く応じていろいろと御意見もお聞かせいただいたり、また私どもの意見も聞いていただいたりしていただけるものでございましょうか。
#9
○参考人(岡本道雄君) 最前のような気持ちでおりますので、いよいよというときには、今後ともいろいろ御意見を承らしていただく機会があればありがたいと思っております。何分なれぬことでございますので、こういうところへ出てくるということはなかなか大変なことなんでございますが、いろんな機会、それからまた国会の方でそういうふうにお決めいただいたときには出てまいりますということでございます。
#10
○久保亘君 それでは少し今回お示しいただきました「審議経過の概要」の内容等についてお尋ねをしてまいりたいと思いますが、まず最初にお尋ねしたいのは、やはり臨教審が教育改革に取り組まれる場合に最初にこの認識が一致しておかなければならないのは、一体教育改革を何のために、何を目指してやるか、こういうことであろうと思うんでありますが、その改革の理念というものをどこで一致させておられるのか、なかなか私どもわかりにくい点がございますが、今回のこの概要によりますと、教育基本法に明示された「教育の目的と諸原則」に基づくということが書かれておりますので、この点は臨教審の皆さんの認識は完全に一致されておるのでございましょうか。
#11
○参考人(岡本道雄君) この点につきましては、私どもこの審議会の委員に任命、委嘱を受けましたときから、この審議会が「教育基本法の精神にのっとり」というものであることをよく銘記しております。それとともに、昨年国会で委員の就任を承認されましたときに、私が総会で改めてそのことを申しました。「教育基本法の精神にのっとり」審議するのだということも明言して確認しております。
#12
○久保亘君 なお、今の御意見もありますし、それから今度の概要を詳しく読ましていただきますと、教育基本法そのものを変えるというような立場はおとりにならない、こういうことはよく理解ができましたが、それならば、その教育基本法に明示された諸原則というものについて具体的に承っておきたいんでありますが、一つは教育の機会均等、基本法第三条に定める教育の機会均等ということについてはこれはどうなのであるか。それから義務教育を九年と定めた第四条、それから男女共学を定めた第五条、それから公教育における学校教育の法定主義を定めております第六条、これらの問題は基本法の定める、明示した諸原則、こういうことで臨教審の審議はこれを原則に据えて進められるものと理解をすればよろしいんでございますか。
#13
○参考人(岡本道雄君) 今の諸原則でございますが、どれもこれは教育基本法の内容に明示されておることでございまして、教育基本法を改正しないと、その精神にのっとってやるという意味でこれはそのまま守っていくということでございます。ただ、義務年限のことにつきましては、大臣の御答弁なんかにもございますように、教育基本法の精神に沿っておればというような話もありますけれども、しかし、それ自体もまた基本法の内容を変えるということになりますから、もしかあればそういうことには我々は決定できない、国会の問題であると、そういうふうに理解しております
#14
○久保亘君 わかりました。ただいまのことをお尋ねいたしましたのは、経済諸団体等の教育に関する改革の意見等の中に義務教育の短縮もしくは廃止を主張する意見、あるいは男女共学の見直しを主張する意見等が最近多くなっておりましたので、これらのことがやはり臨教審の審議に影響を与えるのであろうかどうかということを少し懸念をいたしましたのでお尋ねいたしましたが、ただいま会長のお答えをいただきまして大変はっきりしたように思います。
 なお、このことに関連しながら画一主義と個性主義ということが対置する、対立する概念のように臨教審の論議をかいま見る限りでは言われているわけでございます。しかも画一主義と個性主義というのは、確かに画一、個性という概念をもってすれば対立する言葉でございます。しかし、教育の改革を論ずる際に、何をもって画一主義、何をもって個性主義と言われておるかということを検討してまいりますと、自由と平等、機会均等と能力主義、こういうような言葉につながっていくようであります。私は、本来機会均等と能力主義、自由と平等というのは対立する概念ではないと思っております。今日、自由化論とか個性主義論とかいうものが論議されます場合に、従来の教育を画一主義と規定してこれを否定する立場から論議をされているのではないかと思われることがしばしばございますが、私が今申し上げましたような理解は間違いでございましょうか。従来言われてきた教育における自由、教育における平等というのはこれ対立する概念であるか、あるいは相互に支え合うことによって自由と平等が教育の民主主義を前進させるために必要なものとしてこの両者は協力し合う概念であるか、それはいかがなものでございましょうか。
#15
○参考人(岡本道雄君) 今のお話でございますが、平等という概念は多く教育の機会均等というところに焦点が置かれておるわけでございます。いずれにしましても、自由、平等というのは特に対立しておらないので、自由とそれから規制とかこの対立するような概念がございますけれども、私自身は今先生がおっしゃいましたように、相相応するというか現実を生きる上には二者択一でなくて、やはりそれがよく相共存する状況というものを見出していくのが大事だというふうに思っております。
#16
○久保亘君 けさ第一部会長のテレビのインタビューを見せていただきました。この第一部会長の天谷さんは松下幸之助さんの京都座会のメンバーでも筆頭に名を連ねておられる方でございますが、その中で私が大変気になりましたことは、これまでの日本の教育は個性を殺す教育であった、個性を伸ばす点において工夫が足りなかったとかいう言葉ではなくて、これまでの日本の教育
は個性を殺す教育であった、こういう言葉がございまして、そしてゆえにこれからは教育の自由化、個性主義というのが重要なのであるという趣旨の御発言でございましたが、戦後の我が国の教育の評価と批判について臨教審は論議をなさったように聞いておりますが、どのように戦後教育の評価や批判をまとめられておりましょうか。
#17
○参考人(岡本道雄君) 戦後教育の功罪でございますが、御承知のように第一の教育改革を明治、第二を終戦後というようにいたしますと、かつて本当に国、富国強兵というものであったのが個人の人権というものを重んじた教育になったということで、大変大きな変化であって、これは大きな進歩であると思っております。そういうことで十分に個人が尊重されて機会の均等が拡大したということは大変大きなことでございます。
 ただ、どちらかというとやはり第一次、第二次改革、日本にはどうしても画一的なものが残って、その点でやはり落ちこぼれや何かの、もう少し一人一人にきめの細かい教育がということは皆が望んでおることでございますので、その点が恐らく個性を殺すというような表現だったと思いますけれども、私は義務教育や何かのことを考えましてある程度の均一性、画一というものもこれも十分意味があったと考えておりますので、その点は今後の審議にも十分考えていかなければならぬなと思っております。これが戦後の教育のなんでございますけれども、同時にやはりいろいろなひずみが大変出てまいりまして、学歴偏重の気風もまだ強く国民の中にありますために偏差値偏重とか非行、校内暴力、家庭、社会の機能低下、教育機能の低下とかいろいろな問題が起こっておりますので、こういう点についてはこれが戦後の教育の実態、功も最前申したとおりありますけれども、この点の教育の実態としては今問題点が多い、そういうふうに認識しておるわけでございます。
#18
○久保亘君 先般、私、予算委員会の際に、小学校課程から戦後の教育を受けた大臣が二人おられますので、この方々に体験的戦後教育の評価をお尋ねしたことがございます。その答えは、山口労働大臣は「我々自由で民主的な教育環境のもとで学ぶことができたことを大変幸せに存じておる」、それから加藤防衛庁長官は「私たちは戦後の新憲法に基づく民主主義の教育というものにはごく自然に入りましたし、したがって今それは私たちの発想の根源になっている。そういうことで、戦後の教育というものに余り抵抗なく育っている世代でございまして、私は評価いたしております。」、こういう戦後に小学校課程からの教育を受けられたお二人の閣僚の意見がございます。御参考までに申し上げたんでございますけれども、どうも今度の「臨教審だより」第四号の表紙の裏に書かれております言葉を見ましても私気になるんです。どうしてこんなものがここへ出てくるんだろうと思う。モンテーニュの言葉を引用されておるんですが、「曲がった棒を真っ直ぐにするには反対方向に強く曲げなければならない。」これはなぜ「臨教審だより」で国民にこういうことが言われなければならないのかなと、非常に不思議に思うことでございます。それで、戦後教育はどうも曲がり過ぎているから、これを真っすぐ伸ばすには反対方向にうんと曲げるんだ、こういうことを臨教審がお考えになっておやりになっているとすると、何か私たちはどうも素直に受け取れないような気持ちになるのでございます。ここに引用された意味は、恐らく自由化論というのは激しくやらなければ今の画一主義や文部省のような非常に硬直した行政を打ち破ることはできぬ、そういう意味でおっしゃったんだと思うんです。しかも、非常に念入りに今度はその後には「何事も過ぎたるは及ばざるに劣る。」こう書いて、これをまた打ち消しておられるんですね。こういうやり方を臨教審がおやりになるのは余り私はよくないんじゃないかなという気持ちがいたしまして、国民に対してすっと正面から語りかけるやり方をしていただきたいなと思っております。
 そこで私が今度お尋ねしたいのは、国民の求める教育改革というのは、臨教審をつくるに至ったその原点というのは何であったんだろうか、これが今いよいよ一次答申の素材となるものをお示しをいただいた段階で改めて私どもは思うことでございますが、臨教審としては国民の求めた教育改革の原点は何であったとお考えになっているんでしょうか。
#19
○参考人(岡本道雄君) この原点、このたびの審議会が生まれた理由は何であるかということでございますが、私はこれを第三の教育改革と言うか言わぬかは別にいたしまして、これは大変大事なときに立っておる。と申しますのは、やはり今お話もございましたように、いろいろ戦後の教育というものは大きなメリットを持っておる。にもかかわらず今いろいろ教育の荒廃といわれる問題が起こって、国民が渇くような気持ちで改革を望んでおるというのは極めて直接的な国民の大きな要請、これが大きいと思いますが、それと同時に私は、この教育問題というのが単に我が国だけではなく、また教育の世界だけでもなく、これは調べてみますと世界じゅう先進国は今教育の改革をやっている。そうしますと、これにはやはり現代の文明というものが大きな曲がり角に来ておるんでないか、そういうことを私は強く感じております。その意味におきまして、原点と言われますと、国民の渇くような教育改革への熱望というものと、それから広く深くはこの現代の文明が差しかかっておる時点における問題、これが二十一世紀を迎えるに当たって今後どうあるべきかというような問題、そういうものを二つ並べてこのたびの審議会の原点であるというふうに考えております。
#20
○久保亘君 もし今会長がおっしゃったようなことからいたしますと、二十一世紀の教育ということの高邁な議論も必要なことでございます。そして逐次答申ということで、話のまとまったものから答申をしていくというお考えもよくわかりますが、少なくとも一次答申、わざわざ六月に時期を設定して出されようとしております答申は、国民が期待した教育改革の当面する問題、その原点にこたえるものでなければならないのではないか、こういう気がするのであります。そのために臨教審がやっていただきたかったのは、教育荒廃の原因は一体どこにあるのか、この原因を克服するには何が必要なのか、このことをやっていただけば内閣に臨教審が設置されたことについて我々もある種の意義を認めることができると思う。というのは、そのことに対して行革審等の拘束を受けることなく政府がその実行の責任を持ってもらえると思うからであります。しかし、どうも今回出されましたこの概要を見てまいりますと、二十一世紀教育論的なものに向かっての議論はたくさん行われておりますけれども、教育の荒廃の原因を探り、それを克服する手段等については、臨教審は余りこの答申に向けての素材を提出されていないのではないか、こういう感じがいたすのであります。
 臨教審が御論議になっておりますその一方で、国は財政上の理由をもって義務教育費国庫負担法の改正をやっておるのであります。これを今国会で審議をされております。そして教材や教職員の旅費を、国がこれまで負担しました部分を法律からカットしようとしている、あるいは四十人学級の実施に対してもこれを非常におくらせてきておる、行革審はこのようなことを凍結しろと言っておるのであります。大規模校の分離の問題とか、あるいは教育費の負担にかかわる私学助成の問題などについて今財政的な攻撃を受けて教育が非常に犠牲を受けようとしているときに、臨教審はこれらの問題に対して国民の期待にこたえる明快な考え方をぜひ示していただきたかった、それが、私はまず一次答申の中で、教育の荒廃を救うもろもろの問題の中の緊急の重要なこととして取り上げられるのではないかと思っておったんでありますが、どうも今回出てまいりましたものを見ますと、それとはちょっと次元の違ったものではないかなという感じがいたしております。
 ちなみに先般、後ほど御質問を申し上げます安永議員が文教委員会でも指摘いたしておるのであ
りますけれども、この臨教審の設置に当たって主務大臣として責任を持たれた森前文部大臣は、福岡に行かれて、教育改革の目指すものというテーマで講演をなさいました。その講演の中で、今必要な、当面のこの教育荒廃からどうやって子供たちを救うかということに目を向けずに、自由化など難しい論議を続ければ国民の期待を裏切ることになる、こういう講演をなさっているというのが新聞で報道されております。私は、やっぱり総理と一緒に諮問された文部大臣のこの考え方というのは正しいと思うんであります。こういう点について会長のお考えをぜひ、今度出される答申は国民の求めた教育改革の原点にこたえるものとなるのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
#21
○参考人(岡本道雄君) 最前申しましたように、この臨時教育審議会の原点というものは大きくそういう二つの部分にあるわけでございますが、私は、かつてがんの十カ年対策というものを立てましたときに、がんの遺伝子が見つかったから、これを基本的に治すということは大事だけれども、同時に、現在病んでおる人、病んでおる患者を持っておる家族のことを考えると、やはり早くそれにこたえるものも同時に大事であるというようなことを申してまいったんですが、このたびも念頭に絶えずその問題がございまして、総会でも常に私は申しておりますが、国民の皆さんが渇くようなものをというようなことは申してまいったんでございますけれども、ただこの審議会が、文部省があり中教審もございますので、対策、ごく直接的に特効薬、即効薬というようなものではそれは何も中教審でなくてもいいじゃないかという議論も出てまいるわけであります。それで、私は絶えずそういう現在的な問題にも十分注意はいたしておりますけれども、その際にも、それに対するできるだけ基本的なものからしっかりそれを考えていきたいと思っておりますので、このたびの概要に出ておりますあの幾つかの項目でございますけれども、これもやはりよく審議過程を読んでいただきますと、そういう現在的な問題の背後にあるといいますか、基礎にある、そういう意味で私は一次答申として出し得たもの、それでその次にはまだ六カ月という期間のことも考えますと、従来、十分審議されて実行だけがおくれておったものとか、また予算を考えて、そういう予算の時期にとかいろいろ考えまして、一次答申に盛るものを今から、総会であの中から決めていこうというふうに考えておるわけでございます。
#22
○久保亘君 ぜひそういう点で、国民の求めていた教育改革というものにこたえられるような答申が出てまいりますことを期待をいたしております。
 なお、今度の概要の中で、多分答申の中にも合意事項として出てくるのではないかなと予想される課題は既に新聞等でも随分詳細に分析されておりますが、その一つに六年制中等学校の問題がございます。この六年制中等学校というのは、臨教審のお考えとしては六・三・三制の持っている欠陥を改革するために六・六の教育制度とすべきものという立場で議論をされているのか、あるいは六・三・三制に問題はないが多様化の一つの考え方として六・六もあってよいではないかという議論なのか、六・三・三の持っている欠陥を是正するには六・六の方が、中高一貫の教育の方が望ましいという立場で議論をされているのか、これはどちらでございましょうか。
#23
○参考人(岡本道雄君) 今御指摘いただきました中で、六・三・三制にもいろいろ問題があることは従来言われておるとおりでございますが、今先生がおっしゃいましたように、この際六・三・三というもの以外に六・六というものもあっていいのじゃないかというようなことで、もしここに挙げてありますような考え方でこれがまことに適当である、自分の市町村ではこの内容の中高一貫の教育を持つことはまことにいいというような自発的ななにがあればこういうものもやってよいという、その自由度を公認することはいいのではないか、そういう考え方でこれを提唱しておるわけでございます。
#24
○久保亘君 既に全国の私立の学校におきましては、全国に高等学校約千三百校近くございますが、そのうち中高併設となっておりますある種の一貫校ですね、これが五百三十五校全国にはございます。既に私立の学校におきましては半分近くが中高は併設され一貫教育となっておるわけでありますが、この私学における中高併設の実情等についてもいろいろ分析をされたのでございましょうか。
 それから、今度六年制中等学校をつくってまいります場合には、これは公立の学校を含めてお考えになっておりますでしょうか。
#25
○参考人(岡本道雄君) これにつきましては、こういう一つの改革案というか提案をまとめるにつきましては、第三部会というのはそれぞれにプロジェクトチームをつくりまして現状を極めて詳細に分析して、そしてその上に立っておるわけでございます。それで今度はそういうものを公立と申しますか、そういう中身も適当であるとみずから認めたものを、そういうものをつくってよろしいということでございます。
#26
○久保亘君 公立で六年制の中等学校をつくります場合に、三部会で言われておりますような趣旨での高等学校でありますと、今日存在いたしております高等学校と中学校をくっつけるという形ではこの六年制中等学校はその趣旨に沿わないと私は思うのであります。そうすると、これは完全に新たな学校をつくらにゃなりません。新たな学校をつくる場合にその多様化の線として子供たちの要請にこたえるためにはかなりな数をつくらにゃならぬと思うのでありますが、今この六年制中等学校を一校つくります場合に平均的にどれぐらいの経費がかかるということ等については臨教審としては検討されたんでございましょうか。
#27
○参考人(岡本道雄君) 現在の時点でそれほど詳細に経費を計算しておるという段階ではございませんですけれども、これは単に経費だけでございませんので、入試といいますか、そこへ入るところの選択なんかにもなかなか慎重を要するものがございまして、今後随分検討せんならぬものもございます。その点で、しかしまた、経費のことにつきましてもどういう計画にしましてもそれがとんでもないということについては十分注意をせんならぬということも考えておりまして、やはりまあ部会における審議でよく言われますのは、やはり行革審と臨教審は違いますから、何も安う上がるということばっかりございませんので、十分背伸びをすると、中には飛び上がってでもやらんならぬものがあればやるというようなつもりでおりますが、この問題について経費の点を詳細にまだ検討はいたしておりません。
#28
○久保亘君 わかりました。
 多分私は臨教審がいろいろと具体的な提言をなさいます場合に、国家財政の立場からは行革審、臨調以来現在の行革審の責任者の一人でもあります瀬島さんも運営委員でいらっしゃるんですし、臨調にかかわられた方も随分何名かいらっしゃるようでございますから、十分それらも念頭に置かれた上出されてくるものと考えておりますから、私どもも合意できるような問題についてはひとつ積極的に支援も申し上げたいと思っておりますので、頑張っていただきたいと思うのであります。
 それから今度出されるものの中に、当面の課題にこたえるものと思われるのでは、大学の入試制度にかかわる問題が報告されております。この問題で共通一次が共通テストに変わる、そして大学の受験機会を複数化するということは、これは昭和五十四年に従来ありました複数の制度を単一化して共通一次に改めて、新たな制度で出発して今やっと七年、七回目をやったところでございますね。この共通一次や大学受験を一回制にしたこの成果と欠陥について相当な論議を尽くさなければ、なぜあの段階で変えたのか、それでもうこれがそもそも大学入試の欠陥であるという形で今これをまた根本的に改めるということになれば、五十四年段階における大学入試制度の改革は一体何であったのか、こういうことに相なろうかと思う
のでございますが、これらの問題は今度の六月答申の中で十分な論議を尽くされて出される課題となるんでございましょうか。これは特に大学の受験のために今一生懸命やっております生徒たち、これを指導しております高校の教師たちにとってはこの問題が答申に盛られるであろうという状況が出ているだけでも非常に大きな問題なんでございまして、これはこの六月答申に確実に入れられるテーマなのかどうか伺っておきたいと思うんです。
#29
○参考人(岡本道雄君) 「審議経過の概要」を出しまして、それからこれを国民各界各層の御意見をちょうだいして、それから総会で審議して第一次答申の中に盛る柱を決めるという原則でございますので、私がここでこのものを一次答申に盛るということをはっきり申せませんのですけれども、先生もお考えのように、これはもう大変よく審議しておるというような意味でそういう可能性が大変大きいもんだと思っております。
 ただ、御承知のように私は共通一次を実はつくったと申しますか、そのときの責任を持っておった者でございますのでその間の事情も知り尽くしておるわけでございますが、ああいうものに踏み切りましたのには今申されました一回、一発勝負ということも含めまして、十分いろいろな根拠があってやったものでございますので、その点このたびこれをどう変化さすということについてはそういうことも十分考えてまいっております。
 しかし、御承知のように入試の改革というものは、現在も共通一次が諸悪の根源のように言われておりますけれども、実はあれを従来のものから改革しますときには従来のものが諸悪の根源と言われたんです。それをこうして改革しますと、七年後にはこういうことになるわけなんでございますが、しかし教育の改革というものは、教育の道というのは本当にもう改革に改革を重ねて、それは国民の要請というものが絶えずあるものですから、それにやはり応じるということでいろいろな改革が試みられるわけでございますので、しかしその改革がやはり本質に即していいものに変えるというためには本格的な研究が要ると思うんです。それで、あの入試センターには研究部というものが置いてあるんでございますが、これは実は日本が初めて本格的に国として入試にコンスタントに取り組むという制度で、私は実は共通一次というものもさることながら、あの入試センターが事業部と研究部を持っておるということにつきまして十分な期待を持って、今後世の要請にこたえて本質にのっとってしっかり検討するようにというのであの研究部をつけておるわけでございます。そんな意味でこのたびの改革につきましても、第四部会の全員は入試センターに行きまして十分な話を聞き、このたびあの共通一次が生まれましたことは、大学も見ておりますけれども、同時に高校の教育というものも両方考えて、そしてまた受験生の気持ち、一期校、二期校あったときのあのときの気持ちも考えたりいろいろしまして、単に世の何にこびるということではなしに、本当に教育として、入試としてこうあるべきなんだという観点に立って改革を進めておるというふうに私は信頼いたしておる次第でございます。
#30
○久保亘君 時間がなくなりましたので、もう少しいろいろお尋ねしたいこともございましたけれども、最後に臨教審の組織と運営にかかわって、政治と教育との関係というものを今後私どもむしろ臨教審の主管をいたしております政府に対していろいろ今後尋ねていかにゃならぬことがございますので経過を伺っておきたいと思うんでございますが、一つは専門委員の任命に関しては臨教審の会長の意見を文部大臣が聞いて、それを文部大臣が取りまとめた上で総理に意見を具申した、こういうふうに私どもは聞いておりますが、臨教審の会長の意見と専門委員の実際に任命された状態とは完全に一致したものでございましたでしょうか。それが一つと、もう一つは、臨教審の側が政党からの要請にこたえる形で、国会への御出席は非常に困難でありましたけれども、自民党の文教の関係者とは事前にお会いになったというのは、これはどういう関係であったのか、これらの点を、組織と運営上の問題として伺っておきたいことがございます。
 それから、もう一つの問題は、今後答申をお出しになりました段階では、私どもがその答申を受けとめて国会で立法府としての責任を果たしてまいりますためには、どのような論議の上でそのような結論が出てまいったのかを十分に知らなければならないと考えております。したがいまして、答申をお出しになりました段階では、議事録を公開をしていただきたいと思うのでございますが、速記録による議事録の公開というのはできないものでございましょうか。
 以上、組織と運営に関して伺っておきたいと思います。
#31
○参考人(岡本道雄君) まず専門委員の選任でございますけれども、これは仰せのとおり文部大臣は、私会長に先生の御希望をということでございましたので、私はまた部会が審議を深めておりますので、そこでも総会でもそういうことを申しまして申し出を受けております。そのときに、共通的な申し合わせとしては、専門委員は専門事項に見識を持つと同時に、バランスのとれて専門以外のことにも広く視野を持った人が望ましいというようなことを申してきております。
 特に、第一、第二部会などは審議の事項上、特定の専門よりも教育と社会との関係について幅広い見識、経験を持った人。それから委員の任命のときに、やはり分野によっては足らぬじゃないかといわれたようなものを補ってもらいたいということ。それから、いずれにしても責任をとるのは、この専門委員が選ばれておるわけですから、余り本委員が、専門委員はそう数は多くは要らないというようなことを、そういうことを、原則的なことを申し上げて、そして何がしかの候補者も挙げてお願いしたいというのが実情でございます。
 それで、私その後も記者会見などで申しておりますけれども、各部会が四、五人が配付になりましたときに、大体部会によりましては五人の中四人とか、五人の中三人とか、ほぼこちらの要請した方が入っておったという意味で、私は我々のそういう要求がほぼかなえられておるんじゃないかというふうな見解を持っております。
 それから、その次、実は自民党員である文部大臣経験者、実はこのことにつきましては、私はこの立場に立ちました直後からやはり随分――私は大学におりましたので今まで文部大臣にはいろいろ御経験、御見識を聞いてまいりました関係上、一度よくお聞きしたいという希望も持っておりましたわけでございますので、そういう希望を持っておりまして、ある機会に前文部大臣の御配慮によりましてそういう機会を持たしていただいたということでございまして、私の意図から出たものでございますが、その点は全く今まで大学におりました経験上、文部大臣などについてはしっかりお聞きしたい、そんなことを思っておりましたことからで、他意はございませんわけです。
 それから、最後は、議事録ということでございますが、実は、これにつきましては審議会で決議もいたしておりまして、できるだけ自由に伸び伸び検討ができるように審議会は公開しないというようなことになっておりますので、そのときに公開いたしますものは、まあ会長が総会が済んだ後、それから部会長がその後、そういうときに必ず記者会見をしてそのときの話をする、それから議事経過の概要、そういうものを発表するということを決めておりますので、その線でいかしていただきたい、そう思っております。
#32
○久保亘君 一つは、今歴代文部大臣とお会いになったということを聞きましても、私どうもやっぱり納得がいかない点が一つございますのは、それならば、なぜ共通一次をつくられた文部大臣である永井さんにはお会いにならなかったんだろうか、そのときにどうして自民党の幹部をしておられる文部大臣だけとお会いになったのか、これも私がちょっと疑問の残るところでございます。
 それから、やはり私は自由な論議ということはわかりますけれども、臨教審の委員をお引き受け
いただいているような方々でございますから、そういう議事録の公開によって自由の論議ができないというような問題ではない、こう思っております。議事録を見せていただいて、私どもは誤りのない制度改革や予算の決定などについて論議を尽くしたいと思っているのでございまして、ぜひ御考慮を今後賜りたいと思います。
 時間が参りましたので、私の質問これで終わりますが、どうも長い時間ありがとうございました。
#33
○安永英雄君 岡本、石川両参考人につきましては本当に御苦労さんでございます。
 時間がありませんから、早速質問をさしていただきます。
 今回、経過の概要について発表されましたが、その中の第一部会の一つの合意事項として、臨教審が文部省でなく総理府に置かれたことを根底に踏まえて、なぜ中教審でなく臨教審か、これを考えなければならない。特に、戦後教育というものを洗い直す場合にはこの問題をよく検討しなければならないということがあります。私は確かにそうだと思うんです。私の、特に第一部会ということじゃなくって、会長以下臨教審全員の、私はこの文部省の中教審ではなくって、総理直轄の総理府に置かれたこの臨教審、なぜかというこの問題は、やはり相当委員の合意といいますか、共通のとらえ方というのがなければ、これは大きくやっぱり今後の審議に影響してまいりますので、久保委員もこの点については多少触れられましたけれども、そういった意味で私はまず会長に、そういった認識を会長はどう持たれておるのか、中教審じゃなくて臨教審、総理直轄、このことについての会長の認識をお伺いいたします。
#34
○参考人(岡本道雄君) 臨教審が中教審とは違うんだということにつきましては、第一回目の総会から十分審議されまして、それについては十分私も認識しておるつもりでございます。
 中教審の場合は、やはり文部省直轄でございますので、文部省所管のことだけということになりますんですけれども、このたびのは政府全体としてということでございますので、また教育の改革というものが大変、最前申しましたように複雑な状況でございますので、単に文部省だけでなく、各省いろいろなところに関係がございますので、総合してやるという意味で、これが臨教審であること、大変私はその点の意義は認めております。また同時に、実行いたします場合に、これは実行されないと意味がないんでございますが、やはり文部省だけの力よりも各省全部合わしてこのたびの審議会の結果に対して協力していただけるというふうに解釈しておりますので、この点大変力強く中教審とは違うんだと思っております。また同時に、国民の各様なものにこたえるというときも、必ずしも対策的にでなしに基本的に考えてという態度を持するときも、中教審でない、やはり臨教審のレベルでというようなことも常々申したりいたしております。そういうふうな意味でいろいろこの相違だけは考えながら進んでおります。
#35
○安永英雄君 ちょうど今ごろは臨教審、今私が聞いたことをめぐって大論争がこの国会で行われておったということで、その内容も私は委員の各位、十分承知をしていただきたいと思うんであります。はっきり言えば、臨教審をつくるということについて反対をしておる立場のものの意見というものも十分考えて進められなければならぬものだというふうに思っております。
 そういった意味でありますけれども、この文言がこの報告書の中に出たのは第一部会、しかも第一部会の審議の中で戦後教育というものはどうあったかというこのことを中心にした論議の中で出てきておるということであります。今、会長からいろいろ理由は承知しておるということでありますけれども、要は戦後の教育というものの私は否定に立っておるのではないか、否定しているのではないか。今もちょっと言葉が出ましたけれども、文部省一つではとてもできないというんだから、こちらの方に、私どもの臨教審にその問題が、教育改革が来たんだということで、文部省の今日までとってきた教育行政なりあるいは教育という問題についても否定の立場に立って我々臨教審は今から審議を進めていくんだという相当気負い立った気持ちがあるのではないか、その点はどうですか。
#36
○参考人(岡本道雄君) 戦後教育というものを考えるということでございますけれども、今申しましたように戦後教育には大きな功とそれとまた反面、現在の大きなひずみから起こる教育の荒廃もあるということでございますので、何もすべてが悪いと申しておるんではございません。それから教育の画一から個性化と申しましても、その画一性の原因というものは何も文部省だけでもございませんし、いろいろなものにあるんですから、その点を今、単に戦後教育の否定からというような意識はございません。
#37
○安永英雄君 先ほどから久保委員に答弁されておりました中でも、全面的に否定という立場に立ってはいないということでありますけれども、やはり中教審が臨教審へと、こう変わった、そのことはやっぱり戦後教育を今日までやってきた文部省を中心とした現在の教育というものを否定したという立場から私どもがやるんだという、これは気負いじゃなくて、やられる方向じゃないかというふうに思います。例えば今答弁されましたが、実行について文部省に任しておったら文部省だけの力じゃできぬのじゃないかということも会長今おっしゃった。これは後で私は触れてまいりますけれども、これは主として実行面という問題について、文部省任せではとても教育改革はできない、我々がやるんだというふうなことも、これは今の答弁を裏返せばそういう気持ちに私は受け取ります。もう一遍聞きましょうか、どうですかその点、私が言ったのは。
#38
○参考人(岡本道雄君) 我々がということは、これは諮問機関でございますから全く力はございませんので、専ら国会でおやり願うことでございますけれども、その際、これが文部省だけの審議会でないという意味では多くの御賛同を得て実行に移されやすいのでないかというふうに考えております。
#39
○安永英雄君 この前当委員会におきまして文部省に質問をいたしましたら、中教審は生きているという答弁でございます。だから、あるいは臨教審の方で決定なされて結論が出た、こういった場合も、ある場合にはまた中教審にお諮りをしてという機会もあるんだという答弁をいただきました。中教審は生きている、この中教審というものと臨教審というものの違いというのをもう一遍言ってください。
#40
○参考人(岡本道雄君) 最前申しましたように、臨教審は、単に文部省だけじゃなしに、文部省も含みますけれども、もっと高い立場で、広い立場でといいますか、やるということでございますが、最前もお答えしたと思いますけれども、一番最初のときに、やはり諮問機関で案を立てましても、その具体的な実行となりますと担当行政の、文部行政につきましてはやっぱり文部省が担当行政機関でございますから、その詳細についてはもう一遍検討してその実行可能な道を探るということもあるわけですから、私は、中教審は今休止しておる、休んでおると申しますか、ように承っておりますけれども、まだそれで改めてその可能性について探られるということもあり得るかと、そういうふうに考えております。
#41
○安永英雄君 そうであれば、臨教審と文部省、この関係のことについてちょっとお聞きしたいと思うんですが、あなたがおっしゃったように、いわゆる政府一体となって教育の問題を扱わなければならないという立場ですが、事教育の問題ですから文部大臣が所管大臣になっておりますね。この所管大臣に臨教審としては何を望みますか、どういうことをやってもらいたいと望みますか。
#42
○参考人(岡本道雄君) 私は、文部大臣は臨教審の所管大臣だと承っておりますが、それで、このことは、国会と申しますか、政府に対して、この審議会の内容などについてよく連絡をとっていただいてそして運営が円滑にいくようにしていただ
く担当の大臣である、そういうふうに承知いたしております。
#43
○安永英雄君 時間がありませんから、もう少しはっきりさしたいところでありますが、それでは、臨教審の方で審議の遂行上、あるいは答申が出た後という問題は、これは大きく文部省の行政とのかかわりが非常に出てくるというふうに思います。
 そこで、一月の二十二、三日じゃなかったかと思うんでありますけれども、第一部会だったかと思いますが、文部省の高等局長と初中局長を呼んで、そこで文部省の改革についての考え方というものをお聞きになったことがございます。私の記憶では文部省のどういう方向で改革をしたいかという意見を聞く機会としてはそこだけじゃなかったかと思う。今もちょっとお聞きしましたが、所管大臣というのがあるそうでございますがと言わんばかりで、余り文部大臣と臨教審とは関係なさそうな気がいたします。次官も事務局長に出ておりますけれども、これは余り文部省という立場から発言をするような職務ではないというふうに私も承っておりますが、それでは戦後教育を背負ってきた文部省、これに対して全面的な否定はしない、否定はしないけれども、文部省のそれでは教育改革に対する考え方というのはどのような形でお聞きになるんですか。何とか団体の代表、いろいろヒアリングされましたが、そのヒアリングの一つとして文部省出てこい、初中局長、大学局長出てこい、そこであなたたちの意見言ってみなさい、こういう形で文部省とのつながりはあるんでしょうか、どうでしょう。
#44
○参考人(岡本道雄君) 文部省が教育の担当行政機関であるということにつきまして、当然、子細の事項については文部省は大きな役割を果たすことになると思います。現在やはり教育というものは継続性もございますので、その点文部省が現在どういうふうにやっておるかというようなことにつきましては、御承知の一月二十何日のヒアリングという意味で来てもらったことがございます。それ以外に、実際各部会ですね、これは現在文部省が、例えば幼保の問題にしても、教員の採用についても、あらゆるものについてどういうふうにやっておるかということは頻回にヒアリングはやっておりまして、その点は現状認識という意味で十分ヒアリングをやりながら進めております。
#45
○安永英雄君 先ほど会長の方から、二十一世紀に向けての社会の変化及び文化の発展に対応する教育の実現を我々は期していきたい、必要な改革を図るための基本的方策を求めて、長期的視野に立って検討していく、そして、また同時に、今日国民的要請の強い課題、これも考慮していきたいというふうに方向を示されました。
 そこで、先ほどお話しがあった森前文部大臣じゃありませんけれども、国民の今のこの率直な臨教審に要請をする真意というのは、現在の試験地獄をこの臨教審ができたら解消できるんじゃないか、あるいはいじめとか非行とか、こういった問題や家庭内暴力いろんなこの現在の父母が、あるいは生徒、児童自身が持っているいろんな緊急な問題、これを、早くも解消してもらいたい。別に難しい自由化論や二十一世紀についての共通理解の必要性を論じたり、あるいは近代西洋科学技術文明の批判、こういう深遠なところはこらえてくれ、私はこれが率直な現在の国民の、庶民の私は臨教審に望む態度じゃないかと思うんです。先ほど言いました、今日国民的要請の強い課題というのはどういうふうに臨教審としては把握されておりますか。
#46
○参考人(岡本道雄君) 最初に申しましたように、この臨教審の原点と申しますか、そういうものはやはり国民の渇くような現在の教育の現状に対する救済を願う気持ちというものを十分そこに根を据えている、また同時に、先生、国民は一般に二十一世紀とか、西洋科学技術文明に対する批判は何してないとおっしゃいますんですけれども、やはりこの長期的展望に立った教育の施策ということを考えますと、これはもう大変重要なことだと認識しておりまして、やはりこれを抜きにしてということは私はあり得ないと思っておるんです。
 それで、このことの重要さにつきましては、石川参考人高い見識もお持ちですから、もしお許しが得られれば石川先生からも申していただきたいと思っておりますが。
#47
○安永英雄君 深遠な基本的な問題、これは必要でないと私は言っているんじゃない。しかし、余りに、この報告の中で、六月には第一次答申が出ようかというその内容も含んでいますということになれば、この問題については余りにさわっていないではないかというふうなことを私は含めて言ったわけです。特に、これは時間がありませんから、石川先生にひとつお話を聞きたいと思うんですけれども、石川先生、今日まで私学の問題につきましてはいろんな活躍をされておるし、私学の痛いところも苦しいところも現状はよく知り尽くされておると思うんです。私は、一昨日もこの委員会でこの問題を取り扱いました。期待しておったんです。代行になられて、あれだけ私学の問題に活躍されておっていますが、目前に、十八歳人口が来年から六十七年まで急激にふえていくという、このことについて国立大学も、特に私学は文部省から押しつけられて、金は出さない、一切出さないんですよ。そして、今の既設の施設を使え、そして何人おまえのところに配当するから、増加した分については受け合え、受け合いかねますと、そうやれば学校の教育条件の質の低下を来しますと言っても、抑えつけて、ある期間じゃないか、この間持て。泣いていますよ、私学は皆。それが来年から起こるんですよ。そのために必死になって今、私学に対して金は出さない、しかし私学で受け持て、こう言って、悠々今交渉して、私学の先生方は連日のように来ていますよ。あなたの組織されておる、あなたが責任者になっておられる方々も。何とか国の方でこれがやっていけるように、私学の援助をしてもらわなければ、とてもじゃないが受け合えない、請け負えない。私は、今度の第一次答申の中で、石川さんを中心にして、当面これぐらい課題がないですよ。この期間の間、教育低下を来すことは間違いない。しかも、十八歳人口、十八歳の学生諸君が二十一世紀の中心的な人物になるんです、あと十五年たてば。十五年たてば、二十一世紀を論じておられますけれども、二十一世紀のときの今からのあの十八歳に十五年足してごらんなさい。私はゆゆしい問題だと思う。教育改革の私は最たるものであるし、緊急度合いでは一番緊急な問題だと思う。これについての石川先生の、第一次答申の中に出るかどうか、自信のほどを伺いたいと思います。
#48
○参考人(石川忠雄君) 先ほど来、国民の緊急的な課題と、それから長期的視野に立った問題ということが出ておりますが、国民の緊急的な課題についても、実はその問題を根源的に解決していこうということになると、どうしてもそこのところで長期的な問題につながってくると、こういうことがあると思います。
 そこで、私学の問題についてお尋ねでございますけれども、確かに十八歳人口が六十七年まで急増してくる、これは事実でありまして、これをとにかく国民のそういった要求にこたえるためには、文部省の大学設置審議会で御承知のように八万六千人、これは正規の定員増と臨時定員増でありますけれども、それをやろうということであります。そのことにつきましては、審議経過の中に実はそういった、ちょうどこれは第四部会のところに書いてございますけれども、こういった定員増の問題について、その実現のためにきちんとした施策をやらないと、実際に入学試験その他大変になるということが書かれていると思います。これで十分であるとは思いませんけれども、しかしそういう意識は持っておるということを申し上げておきたい、そう思います。
#49
○安永英雄君 それでは、今から私学関係の方々が来られたら、石川先生は、臨教審の立場から、これはとにかく基本的な相当の問題があるんで、六十一年から文部省が言っておるようなあれでや
りなさい、こう言っとるんですよと言っていいですな。そんなことじゃあなたの仕事は務まらぬですよ。大学教育の問題、二十一世紀どうなるかというようなあれよりも、来年から六十七年までどうするかといった問題が大きく今後の教育にあれなんですよ。私は、これは大学全体の今の一番あせっているし、苦しんでいるところじゃないですか。先ほどの会長の言葉じゃないですけれども、文部省に任せておったってその遂行については力がないので私のところへ来ただろうというふうなことをおっしゃっておる。幸いあなたは今臨教審の会長代理ですよ。その力を発揮してもらわなきゃならぬと私は思います。
 時間もありませんが、先ほども触れられましたけれども、行政改革と臨教審との関係について少し承りたいと思います。
 これは、臨教審が設置される間の激しい私どもの昨年度の論議の中で明らかになった点でありますが、中曽根総理は、はっきりと、行革、これと教育改革とは別だということを申しました。だから、必要なものについては、予算上の問題については、これは考えるということを申しました。横におりました大蔵大臣、今でも方針変えていませんが、臨教審の答申の結果としてこれを推進していく場合に、必要なものは考えるけれども、必ずしも必要経費というものは改革によってふえるのでなくて、むしろこれは現在よりも減ってくるのではないかという観測も持っておるということを言った。要するに皆さん方の方では、そう金はかからない、理論ばかりを書いたペーパープランが出てくるだろう、金の要るような計画は出てこないだろうと、したがって、そう行革に影響するような答申は出ないだろうということを言っておるのであります。そして、会長は、この当時はまだ岡本さんとは決まってない時期で、会長になる人がこのあたりはよく考えてくれるであろうと。その時期が来たわけでありますが、そう言っておる。文部大臣は、先ほどの私は委員会で質問いたしましたら、臨教審から出てくる答申の結果というのは実施不可能なものはないというふうに思って期待をいたしておりますと、こういう話でありました。非常に行革という問題と臨教審が、二十一世紀へ向かって、あるいは当面の問題を解決した場合には必ず必要経費は出てくるわけです。中教審が出しましたときでも、二兆円ぐらいの必要経費をあのときに提示したと思います。
 そこで、私は、会長にお聞きするんでありますが、国の現在の財政事情というものを考え、いわゆる行革というものを考えながら、答申に付して出てくる諸経費というものを出されるか。臨教審本来の任務に基づいて、現在の国の財政というものとは別に、二十一世紀へ向けての改革はかくあるべきであるし、これだけの金が必要なんだと、あくまでもそれで押していかれるか。先ほどちょっとこれは答弁があったようで、その真ん中のようなことをおっしゃったような気がするんですけれども、臨教審の会長としてはどういう行政改革の現状と――時間がありませんから詳しくは申しません、特に教育面に関する行革の締めつけ、これを先ほどおっしゃったように、文部省ではとてもそれはできぬので、その力はないので、臨教審がやるという意味で臨教審はできたんじゃなかろうかと思うというあなたの意見もありましたが、会長にまずこれは聞きましょう。
 第一次答申が六月に出たときには、例えば、今のような中高一貫の中等学校をつくろうと、こうなれば必ず臨教審としては、その裏づけになる諸経費というものはぴしっとその答申の中に出てくるはず。今、検討しておられるということでありましたけれども、三年後でも同じであります。これは、そういう立場にあるといたしまして私は質問をいたしておるわけでありますが、出しっ放しじゃなかろうと思う。紙に書いて、こういう考え方を持っています、改革案はこうでございますと言えば、これは印刷費だけで済みます。思想とか、考え方だけをばあっと並べて、あとはどうぞということでは、これは臨教審をつくった意味がないというふうに私は思うんです。
 そこで、もう時間も参りましたが、最後に、会長の行革審と臨教審との、そういったものの考え方、関係というものを明確にひとつこの際お示し願いたいと思います。
#50
○参考人(岡本道雄君) 臨教審は、これはどこまでも人材をつくるという教育の基本に立って論議するものでございまして、これが行革審の我が国行財政の組織運営等の合理化、効率化を図るという、こういう問題とは本質的に全く私は別のものだと思っております、この点は。ただ、臨教審の内部で、それに関連して言われておる発言をそのまま正直に申しますと、最前申したように、背伸びして飛び上がってもやるべきものはやらなければならぬ、そういうことを申しておるというようなことでございます。
#51
○安永英雄君 先ほど久保委員からも要望がありましたが、例えばこの委員会におきまして、ここで小中教育、高等学校の教育について文教委員会でいろいろ論議を――今でもやっています、論議をするときに、第三部会長の有田氏あたりはここに一緒に並んでやっておった同僚でありますが、有田君をここに呼んで、そして臨教審の第三部会は今どういうふうなところに話が進んでいるんだと、聞きたいですよ。私は、会長が来られても、なかなかそこら辺難しいんじゃないかと思うんですよ、小中学校とか何とか言えば。第三部会長あたりを文教委員会の参考人に来てもらいたいと言ったときには、これはやっぱり出されたがいいんじゃないかと思うし、私ども要望しますがね。これが一つです。できませんか、そういうことは。会長の後ろに、私どもはきょう四部会長並んで、お話をもう少し細部について聞きたかったんだけれども、会長に負担をかけちゃならぬと思って、きょうは質問しておりますがね。この次に会長来られたら、小さいところをずっとやりますよ。参議院は衆議院と違いまして、次々に一問一答でずっと詳しく聞いていくときには、その後ろに部会長がおらなければ、とてもじゃないが答弁できませんよ。そういうことで私はぜひとも出してもらいたい。
 最後にもう一つ、各界の国民の要請というものを聞きたいということで、今後運営の面としても各層の意見を聞いていくということでございました。私は、現場の教育というものの実践の中から新しい教育改革というものが出てこなければうそだと私は思う。
 そういった意味で、現場教師の最大の集団であります日教組、ここでもやっぱりみずからの自己批判というものをやりながら、現場の経験の中から、教育はこう改革さるべきであるという熱心な研究が進められておる。先ほども臨教審の方からも代表を呼んでその考え方をお聞きになった。私は非常にいい機会だと思ったし、この前の日教組の改革案をお聞きになって、あるいはどうお考えになったか。そして、やっぱり今後、こういった機会は十分、何回でもつくって、先ほどじゃありませんが、教育経験の少ない人たちが専門の委員に入ってきておって、机の上だけでいろんなことを論議したって出てくるものじゃないんでありましてね。また、先ほどのように公聴会を何回かやるとか、ヒヤリングちょいちょいやって十分聞いたということじゃなくて、私は現場教師のこの改革についての情熱なりあるいはその内容なりこういったものをたびたび私は聞く必要がある、そういった意味で、まずこの前聞かれたときの感想といいますか、あの意見についての会長のお考えなりあるいは今後の日教組に対する教育改革を聞こうという態度について最後にお伺いをして私の質問を終わります。
#52
○委員長(真鍋賢二君) 時間が大分オーバーいたしましたので簡単に答弁を願います。
#53
○参考人(岡本道雄君) 過般、日教組からも意見をお聞きいたしまして、あのときも新聞にも報道されましたように、私は田中委員長が大変みずからの反省も含めて誠心誠意お話しいただいたということに対しまして大変強い感銘を受けておりまして、教育をよくしようというようなその基本的な観点に立ってはやはり同じお気持ちだというよ
うに認識しております。そして今後ともにどの団体もできるだけ広く意見を聞くというつもりでおりますので、どうぞその点はもう少し……
#54
○仲川幸男君 岡本、石川両参考人大変長い間御苦労をかけておりますことをまずお礼を申し上げたいと思いますし、今後かなり長い期間続いて大変であろうと思います。期待をいたしておりますのでお願いを申し上げておきたいと思うわけであります。
 限られた時間でございますから、ごく分類をしてお聞きをいたしたい。きのうの発表を見てもろもろの問題を思いますので、先ほどからの各委員からの質問もございました。重複をなるべく避けましてお尋ねを申し上げたい。
 一つは、今臨教審の中で審議がいささか薄いのではないかと思う大事な点をこれからひとつお願いを申し上げたい。
 第二点は、きのう発表をせられましたものと六月の第一次臨教審との関連について、ちょっと重要な点を考えますので、これをお尋ねをし、私の御意見を申し上げたい。
 最後に、よきパートナーとしての石川参考人のこれからの御活動範囲内についてお聞きをいたしておきたい、この三点であります。
 評論や学説であってはならない。先ほどからもお話がございますように、いろいろ発表の中で思いますことは、実際にその手法が、先ほど久保委員からの御質問にもありましたが、手法が十分示されておらないものだから私たちが読んでもなかなかわかりにくいのだが、一般国民の人がこれわかるであろうかということであります。どう申しますか、みんな適齢期を抱えております父兄にとりましては、日々の新聞、実は一喜一憂でございます。このごろは一憂一憂でございます。大変でありますので、そのあたりの問題を少し掘り下げてお伺いをしたいのですが、先ほど久保委員が中学六年制の問題についてお話しございましたから、これを掘り下げて申し上げた方が、いいと思いますが、これは需要供給の関係が教育界といえどもございまして、それが必要なれば実は私学が、私学の大家がおいでになっておって申しわけないことですが、私学学園が今までやっておるわけなんです。五百、六百の今学校があるわけなんです。
 これをよく読んでみると公立か教育学校法人かでやったらどうですかと書いてある。学校法人の方はもうのけておいてよろしいと、公立でやるということになりますと全然手法が示されておらないんです。これはごくごくたくさんの中の一例を、かえってここへ焦点を絞って申し上げておるわけであります。手法が示されておらぬものですから、
   〔委員長退席、理事杉山令肇君着席〕
きょうの毎日新聞に出ておりますようにこれをやるかどうかといって都道府県へ聞いたら東京がやってもよろしいと言ったきりであったと、十九道府県はそれは反対だと、あとは考える――考えるというのは大体やらないという分に属するのですよ。このあたりも担当をいたしておりまする都道府県の教育委員会というものは私はよく見ていると思うんです。これは小学校を卒業した生徒、父兄が一生の方針を決めていくだのいうことはなかなか難しい、中学を卒業して高等学校へ行って、さらに大学へ、なかなかどこかということが決まらないのが、十人おったら八人まで決まらない形の中から「でもしようか、しかない」ということで、ここに「でもしか」が生まれてくるわけでありますが、そのことが小学校を卒業した者を、バイパスとして一つのものを、ここに中学六年制を生み出すだのいうものは私はなかなか難しい問題ではないかと思うわけであります。一例でございますから掘り下げてひとつやっていただきたい。もしそれが実業学校ならまだしも、普通科にしたら私はやはり、灘高や鹿児島ラ・サールや、私の県にもあります愛光の六年制と同じものが起きてきて、それが公立でできるということになって大変なことになると思うんであります。この問題はこれにとどめておきます。
 それからいろいろ各地へ出られて公聴会もしておられるようでありますし、そこにもあなたらの責任ではないでしょうけれども、トラブルもあったりして、私はこのトラブルは、静岡県のトラブルというものについては大変残念に思う、残念に。というのは、そういうことがないために教育改革を今行おうとしておる臨教審の場で問題が起きた。機動隊を導入したと書いておる新聞もあるわけであります。出ていかれるのも結構でございますけれども、やはり私はここで臨教審の皆さんにもう一度このあたりも振り返って確認を願いたい。
 あなたたちが――大変失礼なことをこれから申し上げますけれども、短い時間に真髄に触れたいと思いますので失礼なことを申し上げますが、お許しをいただきたいと思いますが、ずっと発表しておる問題で、今まで我々がまた歴代の長い文教族、族とここで申し上げておきたいと思いますが、国会の、また国会にかかるわる文教族、文部省も含めてこの問題を議題にしなかった時代はないんですよ。全部の問題が今まで議題になってきて削ったり足したりしながら現在の文教政策というものが打ち立てられておるんです。このことを基本に考えないと、先ほど申し上げた評論や学説になりがちであるということをひとつ御認識をいただきたいと思います。
 ということは、反対に言いますと、文部省は向こうの方へちょっと寄っておってくれ、おまえらは既成概念があるから寄っておってくれという話では物事はなかなか進まない。また、ちょっとこれは久保委員との意見は違いますけれども、私は、歴代の大臣あたりを呼んできたり、行ったりして長い間やってきたので、削ったり足したりした責任者がおるわけですから、牽引者がおるわけですから、あのときどうだったですかと、この問題が十三年前に起こりましたと、中学六年制の場合も高等専門学校と同じようなコースをたどっておるわけですから、そのときはどうでございましたかと言って聞くということがやはり私はいいのではないか。聞く機会をどんどん、これは与野党通じて経験者に聞いていくべきである。それは北海道もいいでしょう、九州もいいでしょうけれども、私はこの周辺にいっぱいいると思うんですよ。
 このことについて、今後の運営のことも含めまして、ひとつ会長の御意見を聞かしていただきたい。
#55
○参考人(岡本道雄君) 三つほど御質問があったと思いますのですが、まず六年制一貫の中等学校の教育でございますけれども、これは手だてといいますか、実現に向かってのプロセスでございますけれども、これは結局、具体的なものになりますと、文部省に教育課程審議会というものもございますし、そういうところで指導要領というようなものを決めてやるということでございますので、やはり具体的なものはそういうところで一体になって実現を期することになると思います。
 それから、この審議会をできるだけ国民とともにと申しますか、議論を起こしながらということと、実際関心をお持ちの方が一喜一憂されるということにつきましては本当に大変難しい問題だと思っておるのでございますけれども、これはやはり、決定のプロセスとしては総会でということにきちっと決まっておるのでございますが、現実としては、本当に父兄に御心配をかけておるということには十分注意していかなければいかぬなと思っておる次第でございます。しかしこの点、共通一次なんかにしましても、本当に改正するということになりますと、それまでの年数は、きちっと迷惑をかけないような年数の前に、全体を決めてでないとそういうものは実施されないのでございますから、その点は臨教審のいろいろな改革についても、現場というものを十分注意しながら施行されるということになる、そういう理解をいたしております。
 それから静岡のこと、大変私も残念でございます。やはり最前申しましたように、教育をよくしようという一念では一致しておるわけでございま
すから、やはり寛容な態度で、あのときの内部における審議の内容はまことに斉一なものでございまして、私はこの点、全体を見渡しましてああいうことは起こらないようにこいねがっておる次第でございます。
 それから、先生方の御見識につきましては、本当に昨日もきょうもいろいろ貴重な御意見をいただいておりますので、今後も十分御意見を承りたいと、そういうふうに念願いたしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#56
○仲川幸男君 それでは第二の、今後の問題であります。もちろん、審議をしておられる過程も承知をいたしておりますが、横から見ますと、少し焦点がそこへは行きにくいんじゃないかと思う点を二、三点挙げておきたいと思います。
 それは、後ほど石川先生に対するお尋ねの中にも出てまいるわけでございますけれども、何といっても、教職員の問題をもう少し掘り下げないとならないのではないかという点でございます。これから申し上げるのはお答えは要りません、このことに焦点を合わせてみてくれませんかということであります。
 それは養成の問題であります、現場の問題であります。ひいては、先ほどお話のございました日教組との問題も外へ置いておいてはどうしても前向いて進まない話でございますから、教職員問題についての掘り下げをしていただきたいし、このあたりが私たちが臨教審に最もお願いいたしたかった一つであるということを御認識をいただいておきたいと思います。
 もう一点は道徳教育であります。もろもろの根源が必ずしも道徳教育の欠如にあるとは思いませんけれども、道徳教育の問題にもお力を入れていただきたいと思います。
 加えて、スポーツの問題がなかなか見当らぬようでありますが、これは、今の教育の円の中で大変重要だと私たちは認識をいたしております。
 その次には、一番教育の谷間にある障害者の教育とか、また学校、先生でなく、周辺におります者の問題についても言及をしていただかなければならないのではないか、そういうふうに思っておりますので御認識をいただきたいと思うわけであります。
 以上、今後御審議を十分尽くしていただきたいものとして希望を申し上げておきます。
 第三に、昨日出されました経過報告と、六月末に出されようとしております第一次答申との関係でありますが、肩の力をちょっと抜いて、かたくなにならないようにとまず申し上げておきたいのは、この報告と第一次答申とが少々の違いがあっても私はその方がよろしいと。きのうからの報告で、全国的に教育に関心のある、教育に関心のあるというよりも、今一億総教育評論家でありますから、この報告でかなり大きな議論を呼ぶと思うんです。議論を呼んだことは、今報告をしたところと、今の中学六年制問題も私は第一次の答申の中からはや消えていくんではないかというほど議論を呼ぶと思うんです。かたくなにならないように答申をしていただきたいとお願いをいたしておきたいと思います。
 もう一つ、これは第一次答申の議事でないんですが、会長、会長代理の両先生にお願いをいたしておきたい。
 今、あなたたちがこれから出していただく答申については、政府はできる限りその方向にいたしましょうということで、取捨選択をしてどうするということではございません、言うなれば、答申を出すときに、よほど気をつけていただかないと審議会の権威にもかかわりましょうし、日本の教育の実行の手法にも誤差を来すと思います。こう申し上げたので十分おわかりであろうと思います。併記でも連記でも答申はよろしいと、こういうふうに私は思っておりますので、そのことを申しておきたいと思います。
 この点について、連記でも併記でもよろしいがというこのことについて、会長から御意見があれば一言……。
#57
○参考人(岡本道雄君) 今御親切なお指図でございますけれども、審議会としては、審議を尽くして一致が得られるように努力するということにしておりますので、その意味では、多方面の意見を聞いて、できるだけ審議を尽くして一致に努力するということに今現在はしておりますので、その点は御報告申し上げられると思います。
#58
○仲川幸男君 それでは石川参考人にお尋ねをいたしたいと思います。
 十月の十五日であったと思いますが、あなたの一時間に及ぶ教育理論的なお話を承りまして、
   〔理事杉山令肇君退席、委員長着席〕
私は、ちょうどそれが臨教審が始まろうといたしておるときでございましたので、大変意を強うしたことがございます。記憶に残っておりますことを少々、間違っておればお許しをいただきたいと思うのでございますが、まず不易なものと時代に即応するものとをよく見きわめなければならないぞというお話であったと思うんです。もう一つは、未来の構想、未来の構図がかけないでこれからの教育論議は行えないという、未来から、未来社会からの呼びかけというお言葉であったと思うのですが、そういうことでお話がございました。最後に、先ほどから申し上げておりますように、どういう制度に変えても、教師の問題を片づけないと、教師の問題が片づけばおおよそ教育の問題の大部分が片づくと言及をされました。同感であって、大変意を強くし、この方が臨教審の会長代理とするということで大変に意を強うしたわけでございますが、それからずっと臨教審審議の状態の中を見ますと、必ず私たちが思っておりますことと別な発言がどんどん出てまいったわけであります。会長、会長代行の意図することとはまた違ったのかもしれませんが、このことについてはこれから終盤に近づくに従って問題はなかなか解決をしない問題の発言があってくるのではないかと思うわけであります。お人柄からして石川先生にこう私が申し上げるのは大変酷な話でございますけれども、今度の臨教審のこの改革の問題は、教育史に長く残る岡本審議会でありますし、またパートナーとしての石川先生であります。私のまことに雑駁な物の言い方からしますと、少々、石川先生、泥をかぶってくださいよと申し上げておきたいと思います。これは恐らく私が言ったようなことがこれから起こってくると思います。少し横から見よりますと、遠慮がちで、それぞれの部会へ物を申しておらない、申す立場でないと、こうおっしゃったら、私はそれは物が違うと思います。全体責任の中でやっておられるこの臨教審、その会長代理でございますから、ひとつさらなる努力をお願いをいたしまして、先生のひとつ御意見のほどを承って、私の質問を終わりたいと思います。
#59
○参考人(石川忠雄君) ただいま私の講演のことについて言及されましたけれども、それはそのとおりであると思います。
 それで私は、教員の問題、養成の問題、研修の問題、いい先生がつくられなければならないという問題は非常に大きな問題だということは、今日でも私は変わっていないわけでありまして、その問題は近く臨教審の中でも議論されるということになると思います。
 それで、ひとつ頑張ってくれというお話でございますけれども、私は今の臨教審の審議が、これは甚だ失礼でありますけれども、私がいろいろ考えていることとそんなにひどくそごして動いているというふうには思っておりません。それは、細かく申せと言われれば細かく申し上げますけれども、時間が余りございませんからそれは申し上げませんけれども、そういうふうに感じております。
 また、まとめる立場だから、したがって各部会でもって余り口を挟むのはどうかというようなこともこれは考えてはおりませんで、今後とも必要に応じてそういうようなことを、言うべきことはやはり委員の一人でありますからそういうことで申してまいりたい。大変御親切な御注意をいただいてありがたいと思っております。
#60
○高木健太郎君 今度のこの要旨を読ましていた
だきましたので、二、三私の意見を申し上げ、またその中からお尋ねをしていきたいと思います。
 教育は非常に長い間にその効果が見られるものでありまして、しかも試行錯誤的にやるということが許されない、一たん決まったものはかなり長い間でなければその功罪がわからないという、非常に面倒なしかも広範な問題でございます。そういうことを委員の方々がおやりになっているということは大変御苦労なことと存じます。これ読ましていただきまして、私大筋におきましてはこの内容について高く評価するものでございます。こうやってでき上がったものを批判することは易しいことでございますけれども、こういうものをつくり上げるということは大変難しい仕事であろうと思います。そこで、この全体を私見てみますと――それからまたいろんな多様な個性的なお考えの方がお集まりでございまして、これをまとめていくということも大変お骨が折れることだと思います。
 そこでちょっとお聞きしますが、そういういろいろの考えをまとめていくときに、その最大公約数的なものをお出しになるのか、あるいは多様な考えをそのまま提示されるのか、そういうまとめということにはどういうふうにおやりになっていくのか、その場合に会長あるいは副会長のイニシアチブはどのようにそこで働くのか、そういうことをまずお伺いしたいと思います。
#61
○参考人(岡本道雄君) 最前もお答えしたわけでございますけれども、教育の問題ですから審議を尽くして一致するところまでやろうということでございますけれども、現在決めておるのはそんなことでございますけれども、やはり教育の問題というのは意見の多いものでございますから、どうしてもこれもというようなものがあれば頭出しというんですか、何かそういうものを付記するということも考えんならぬかと思っておりますけれども、今のところは全員一致に向かったものだけを持っていこうと、そんなことも考えておる次第でございます。
#62
○高木健太郎君 先生はどのようにイニシアチブをおとりになるわけでしょうか。先生の御意見そのものはどういうふうに反映をされていかれますか。
#63
○参考人(岡本道雄君) 私は現在総会ではできるだけ、余り自分の主張を出さないように注意しておりますんですけれども、ただ部会に出ますときは一委員として出るんだと申しておりますので、そこではもう相当自分の意見をどんどん述べております。そんなことで、総会におきましてはできるだけ全体を見渡してというふうに現在考えております。そういう行き方でいきたいと思っておるわけでございます。
#64
○高木健太郎君 私の意見でございますけれども、せっかく長年の教育者として経験を積んでこられましたので、会長、副会長からもぜひ自分の意見をどしどし出していただいて全体の取りまとめをしていただきたい、こういうふうに希望をまずしておきます。
 第二番目は、これを拝見いたしますと、教育のシステムづくりと、いわゆる枠づくりということが何か主体になっているようでございます。私は枠づくりも非常に大切なことではあると思いますけれども、その枠の内容、例えば今のように教員の資質というようなものが私は非常に大事であると思いますが、これには余りたくさんは書いてございませんが、今後はこれを検討されていくおつもりでございましょうか。
#65
○参考人(石川忠雄君) 教育の問題はもちろん制度の問題もございますけれども、内容が正しく整除されて、そしてそれが教育の中で伝わっていきませんと効果が出てこない。これは最近の義務教育においてもやはり同じことでありまして、内容の問題というのは非常に重要なものとして考えなければならないということは恐らく臨教審の全員がそう思っていると思います。したがって、この問題今のところ制度の枠づくりの問題が出ておりますけれども、当然教育内容の問題に入っていくということであろうと思います。
#66
○高木健太郎君 私も、そういうふうに思っております。これまでの文部省も大変いろいろ骨折りを願っておりますが、どうしても文部省ということになりますと枠づくりだとかあるいは指導要領等にありますように一定の枠を決めるということは非常に上手なわけでございます。それをどういうように運用していくかということについては、これは現場の人でなければわからないところが非常に多いわけでございますので、その点をいろいろな参考人をお呼びいただいてその意見を取り入れて内容の方をもっとこれからはやっていただければありがたいと、こう思います。
 次にお伺いいたしますのは、今までも大分お話が出たわけでございますけれども、戦後教育といいますか、その教育の現状の分析をされているわけでございます。その結果はいわゆる教育の荒廃と一言にまとめられておるようでございますが、何か欠点があると、そういうふうにお考えになってこれに取り組まれたと思うわけですが、何を基準にしてそれが欠点であるというふうにお考えになるのか、あるいは国際的に見てそれが日本だけ特徴のある欠点であるのか、あるいは基本法に基づいてそれが欠点があるとお考えになるのか。御存じのように外国では日本の教育は非常に高く評価されておりまして、現在の科学技術の発展あるいは経済の発展は日本の教育の効果であるというふうに評価している人が多いわけでございます。それにもかかわらず、かかわらずと言えば少し言い過ぎでございますけれども、なお教育の荒廃があると、あるいは教育はよくないというふうにもしお考えになるとしたらば、基本法なりあるいは何かを基準にされたと思うんですが、どういう基準によってまず現状を分析されて欠点があるとお考えになったのか、その点をお伺いしたいと思います。
#67
○参考人(岡本道雄君) 戦後教育の功罪につきましては繰り返し申しておるとおりでございますが、それがそのものとして大きな功のあったことは十分認めるわけでございますが、また時代の推移に従ってひずみが出ておるといいますか、いわゆる教育の荒廃と言われるものが標準は何かということを離れてもこれが大変国民の重大関心事になっておるわけですね。それで私どもが今後の教育をどうしようというときには、やはり答申にもございますように教育基本法の精神にのっとってどれもこれもしっかりやられておったかということはやっぱりしっかり審議せにゃいかぬなと思っております。それから、先生おっしゃいましたように現在の教育の実態というもの、いわゆる荒廃と言われる内容を子細に見ましてこれを外国と比較するときに、必ずしも日本固有のものでは全部がないということはよく認識しておりまして、これが私が一番最初のときからこれを必ずしも教育だけの問題ではない、また我が国だけの問題ではない、そういうことを考えると、やはりこれは近代文明というかそういうものにもしっかり目を注がにゃいかぬと言ったゆえんでございまして、この点外国における日本の教育の評価もよく知っておりますので、いいものはしっかり保存して伸ばすということ、悪い問題のものはしっかりみんなでやる。そのとき何といっても大きな基準になりますのは教育基本法というものがあると、そういうことを感じております。
#68
○高木健太郎君 ただ私がちょっと気になりましたのは、こちらの方の「審議経過の概要」の中にもございますし、こちらの要旨の二ページ目にもございますが、その中に、二十六ページにありますが、「教育荒廃は、画一主義と硬直化がもたらした病理現象であることを認識し、」と、こう書いてあるんです。これは私の読み方が少し悪いのかもしれませんけれども、「校内暴力、青少年非行などにみられる教育荒廃は、画一主義と硬直化がもたらした病理現象である」と、こういうふうに考えておられるようですね。もちろんそれもあるだろうと思いますが、何か余りにその分析が短絡的なような気がするわけです。だから今岡本先生言われるように、やはり日本だけに起こっている現象ではないわけでございますからして、これは近代
文明とかその他の原因の複雑に絡み合って起こったものだと分析をしておかないと、これだけに、元凶はここだというふうに決めてしまわれることは、大変今度改革していかれる上で危険ではないかというふうに思います。というのは、米国なんかは日本よりもはるかに自由な教育をしているようでございますけれども、それでも日本よりもはるかに暴力は多いわけでございますから、何かここに書いてあるのはちょっと私にはのみ込めないわけですが、これはどういうふうに読めばよろしいんでしょうか。
#69
○参考人(岡本道雄君) この部分に関しましては、私も先生と以たような感想を持っておりまして、直ちにこれが画一性が原因であろうと、それの病理現象だということ、それ以外にいろいろなものがあるので、この点は総会で審議するときにしっかり審議してまいりたいと思っておりますけれども、まずこの際、教育が多様性を欠いておって個人個人どの子にも、その子が伸び伸び自由に勉強できたり学校が好きになったり、そういうことができておらなかったことが現在荒廃をもたらしているんだというふうな中の部分がなしに、突然画一性がとこう出ておるものですから、私も先生と同じような気持ちを持っておりますが、これはもう少し親切にしっかり書かなきゃいかぬなと、そういうふうに思っております。
#70
○高木健太郎君 この中でちょっと私の感じましたことを申し上げたいと思うんですけれども、二十一世紀に向けて、あるいは未来に向けてと言いかえても大きな間違いではないと思いますが、未来社会というものを想定をしておられるわけです。そういう想定をした社会に対してそれに適応する人間をつくろうとされているのか、あるいはまたそういう適応するということになれば今までの戦後のこれまでの教育というのはかなりうまくいったと思うんですね。要するに画一的なあるいは物量的な人間をつくったと、これが現代の日本の工業を盛んにして輸出をふやして経済を豊かにしたという功績は大きかったんだと思うわけです。ところが、二十一世紀なり未来の社会というものを描いておられる場合に、そういうところに適応していこうという人間をやっぱりつくろうという、適応するというふうに考えるか、何か画一的な教育の方がいいのじゃないかと、今までのようなあるいは少し程度の変わった画一的教育をした方がいいんじゃないか。いわゆる非常に適応性にすぐれた人間をつくる方がいいんじゃないかというふうにも思うんですけれども、そこのところと個人主義的な教育をするというところでちょっと違うんじゃないかという気がするんです。どういう未来社会を大体想像しておられますか。
#71
○参考人(岡本道雄君) 私は、専門上、科学技術の進歩というようなもの、二十一世紀というか、これからの世の中がどういうふうになるかという予想でございますけれども、これはいろいろな観点から予想を立てることができますけれども、総じて、これはまた今石川さんからも補足していただきますが、大変難しいことではございますんですが、この適応という言葉がそういうものに適応するということ、アダプトしていくということだけではございませんので、そういうものが予想できるならば、それに対して教育の基本的なものを失わないようにしっかり教育は立てるのだというふうに私は考えております。ですけれども、予想が大変難しい時代だ、石川さんがよくおっしゃる不透明な時代だということなんですが、そのときに、やはり個性を育てるというか、どんな環境に対してもみずから判断して処することができる、そういう基本的なものを育てるということが大事だ、そういうふうに私はこの適応という言葉を解しておりますんですけれども、これについては石川さんがまたお考えがありますから、どうぞひとつ、もしよろしければ……。
#72
○高木健太郎君 はい、どうぞ、それじゃ。
#73
○参考人(石川忠雄君) 未来の社会を予測するということは大変難しいことでありますけれども、少なくとも今日言えますことは、一つにはこれからの時代というのは極めて複雑で流動的で不透明な時代ということになろうかと思います。これはやはり科学技術の進歩に伴う工業化の進展によって、それだけではありませんけれども、主として生み出されてきた時代である。そういうことになりますと、今まで一つには日本は近代化で、先進国民が何を考え何をやってきたかということを知ることに非常に力点があった時代から、そういう不透明な時代というのはむしろ今までの経験になかったような新しい現象が後から後から起こる時代でありますから、当然それに対して対応できる人間の知的能力というのは物を考える力を強くするということ以外にはない。そういうことになりますと、今まで知ることを中心にしていた教育から考える力を強くする教育に移らなきゃならない。ですから、先ほど戦後教育の否定の問題がありましたけれども、戦後教育の効果を別に否定するわけではなくて、やはり時代が変わっていくためにそれに対応した新しい内容の教育というのが非常に大事になる、そういうことではないかと思います。科学技術が進歩いたしますと、当然それは人間社会に影響を持ってくるわけでありますから、その影響に対応するとか、適応という言葉がちょっと、多少誤解を招くのかもしれませんが、そういう意味で申し上げているというふうに御理解いただきたいと思います。
#74
○高木健太郎君 全く同感でございまして、私もそう申し上げようと思ったんです。しかし、この中を見ますと、適応という言葉があるわけでして、適応というのは相手に対して自分がそれになじんでいくという、そういうふうにアダプトというのは使われる。そうではなくて、自由に対応できる人間を、しかも対応の幅の広い人間、いわばみずから考え、判断し、選別し、努力して、処理する能力をはぐくむ、こういうふうにどこかにここへ出ておれば私はそれでよかったんですが、どうもそれに適応する人間というふうに書いてありますと、誤解を招くんじゃないかと私は思います。今のお考え、私、大変賛成でございます。
 もう一つは、そういう未来社会を描く場合に、未来社会というものはひとりでにできていくというのではなくて、未来社会を若者たちがつくっていくという、そういう能力も私は大事だと思うので、今石川先生がおっしゃったことは私は非常に大事なことであって、この二本の柱はどうしてもつくっておいていただかなければならない問題である。いわゆる未来の社会に対応する人間ということと同時に、未来社会を築き上げていく人間、こういうふうにしていただくと大変私はぴったりするのではないかと思います。
 もう一つ、時間がなくなってきましたので、お伺いいたしたいと思いますが、日本の閉鎖性、これから国際性が要求される時代に閉鎖性というものがございますが、日本はどうも閉鎖性である、これはいろんなところで指摘されております。これは教育であるという部分もあろうと思いますが、もう一つは、どうも長い歴史の間、あるいは風土によって培われた一つの日本人の素質というものもあるのではないかと思います。例えば人並み意識であるとか、集団志向意識であるとか、あるいは身内意識であるとか、あるいは非論理的な情緒的なあるいは右の脳的な思考性、こういうところが日本人の素質として言われております。これはぜひ改めていかなきゃならぬと思いますけれども、教育ではどうやってこれを直していこうと、これから論議されることかもしれませんが、どういうふうにしたらそれが直っていくであろうか、より開放的になるというふうにお考えか、そのお考えがございましたらひとつ。
#75
○参考人(岡本道雄君) この閉鎖性ということにつきましては、いろいろ各段階において各所において日本人の閉鎖性ということがございますんですが、特に私が最近大変強く感じましたのは、帰国子女の問題ですね。あれが大学でなくて、低学年の生徒が帰ってまいりますと大変なじみにくいといいますか、仲間外れにされるそうなんでね。このことはまさに日本人の閉鎖性というか、仲間意識というか、そういうものが大いにあると思いまして、このことは重大だと思っておりま
す。
 それで私主に大学などのことをこれまで携わってきたわけでございますけれども、何といってもいままでの日本の地勢といいますか、島国であったということが本当に大きな原因だと思うんです、閉鎖性の。したがって、今までは外国へ出かけていって外国というものは見たわけですけれども、これからは何といっても日本の国内へ外人が流入するという方向をしっかりとらんならぬと思います。これにはしかし相手のあることでございますから、学問の世界で言いますとある程度のやはりレベルがないと学者というものは来ないわけですから、やはり国内がよくそれを整備する、レベルが高くなるということが大事であるというふうに思っております。
 それから私がいつも思いますのは、本当に外国へ行きましたり、また外国人にしても、外国におる人間というものは、切り花と申しますか、本当の人間の価値というか、親しみというものはその土地に生えておる人間を見ることが一番大事なものですから、私は何といっても外国人がたくさん来て日本人を見てくれること、そういうこと、それになれていって徐々に国際性というものができるというふうに、そんなことを考えております。
#76
○高木健太郎君 高桑君の方から五分いただきますのでよろしくお願いいたします。
 もう一つは、幼児教育は、幼保ということも先ほど岡本先生言われましたけれども、いわゆる生まれてから六歳までの幼児の教育、ここには道徳教育のところは小学校のところが書いてございますけれども、実際は岡本先生は脳の研究者でいらっしゃいますからよく御存じのことだと思いますが、いわゆるしつけというようなものは私は抑制だと思うのです、抑制力だと思うのですよ。そういうしつけというものはもっと早くやっておかなきゃいかぬ。いわゆる世の中の倫理、社会的倫理というものは、これは遅くなってもできますけれども、あるいはある程度自我と他我というものの区別ができてからでなければそういう教育はできないかもしれませんが、しつけというものはもっと早くすべきじゃないかと思いますけれども、幼児教育についてはどういうふうにされるのか。それについては私は母親というのが非常に重要な任務を持っていると思います。ところが、その母親が余りそういうしつけを受けてない母親が現在多いんじゃないか、母親の教育というものもひとつお考え願いたいと思うんですけれども、どういうふうにお考えでございましょうか。ここにはないようでございますが。
#77
○参考人(岡本道雄君) これは先生も御承知のとおり私が一番関心を持っておることでございまして、この問題につきましては第二部会に小林登委員がおる。これは小児科のお医者さんで脳のことから詳しくこの問題を検討しておりまして、絶えず論議に上がって、この答申の中にはまだ本格的に入っておらないようでございますけれども、特に先生のおっしゃいますしつけの問題などに関しましては、本当に脳の発育段階としつけをすべき段階というものがあるわけですから、おっしゃいますように、まさにもっと早いときに基本的なものとしてしっかり教育すべきである。それができましてやはり後、あるべき状態というものが創造性にも関係があるという意味で、先生のお説のとおりだと思っております。
#78
○高木健太郎君 最後にちょっと大学のことをお伺いいたします。これは二人とも非常によく御経験のあることでございますが、大学へ入った学生の教育というのはこれからおやりになるんでしょう、余り詳しくは書いてございません。ただ、私いつでも問題になるのは、中教審のときもそうでございましたけれども、今度一番問題になるのは、小学校、中学校というのはある程度指導とかいうことができるわけですけれども、大学というのは大学自体の自治というものが非常に強く言われます。また、講座の独立ということも言われます。こういう意味で臨教審が大学の改革という場合にかなり抵抗があるんじゃないか。この点についてはどのようにしていけば、抵抗はあるんでしょうが、抵抗なしにというわけにはこれいかぬかもしれませんけれども、どういうふうにして大学というものの改革を今後やっていくか。特に創造性であるとか国際性であるとか、そういうことを言われているときに、十年一日のごとき講義をやっている人もある、こういうことでは非常に困るんで、大学の荒廃という言葉を使って私は大学で怒られますけれども、荒廃ではなくて、大学が少し沈滞といってもいいかもしれませんが、そういう点もある大学では見えると思うんですね。こういうものに対する改善というようなものは臨教審としてはどういう方法で今後おやりになるおつもりか。その点だけをお聞きしまして私質問を終わりたいと思います。
#79
○参考人(岡本道雄君) これは第四部会が高等教育というものを取り扱っておりますので、さしあたり高等学校から高等教育への道で入試というものを取り扱っておりますけれども、やはり今後の課題として大学の一般教育、さらに学術研究と大学の機能、そういうものを挙げておりますので今後の検討だと思います。ただおっしゃいましたように、お互いに大学紛争を経験した者でございまして、大学というところは本当に改革が難しいんでございますけれども、これがやはり、私自身は大学に長くおりましたけれども、大学を出て今全般的な立場で大学をながめることができるようになりまして、この点大学に対しては十分な意見を持っております。これをいかにして大学の人が自覚してみずから立ち上がるかということでございますけれども、これは昔から言われておる自分の座布団は持ち上げにくいということがありまして、この問題については十分検討してまいらんならぬ課題でございますが、やはりこれも最前申しました世界的視野に立って現在の大学、日本の大学の状態というものをしっかり自覚されることが第一歩でないかと思っております。
 先生もおっしゃいましたように、日本の教育、特に初等、中等教育、初等教育なんというのは大変世界的に評価されておりますけれども、大学を除いてというふうに言われておるくらいこの点には問題があるわけですから、しっかり大学人が自覚をされることから始まる、そういうふうに思っております。
#80
○高木健太郎君 どうぞひとつ力を合わせて、勇気を持って言い出していただきたい。言い出してもめても言い出しただけの私は価値はあると、こういうふうに思いますので、ぜひ勇気を持って当たっていただきたいとお願いをして私の質問終わります。ありがとうございました。
#81
○高桑栄松君 先生方、もうたびたびいろんなところでお会いしていますんで、恐縮でございますが、質問さしていただきたいと思います。
 まず、今まで委員長からも御質問がございましたけれども、いろんな各部会内での意見の何といいますか、相違ですね、あるいはまた部会間の意見の相違というものが報告を、今まで私たちも目に触れているわけですが、私はこれ大変いいことだと思っているんです。そういう意見の対立ないしは相違、そういったものがディスカッションされているということが公になるということは、私たちにとってもこれに対して意見を言う機会が与えられるという意味で私はこれを大変逆に評価しているわけで、そうでなければなるまいと思うんです。ただ、教育改革というものは世界の趨勢であって、我が国だけの現状ではない。つまり、第二次大戦後急速に発達した情報化社会の中で価値観が多様化してきた、これに今までの教育では対応できなくなってきたといったことがあろうかと思うんです。その価値観の多様化ということはそれぞれがどう価値を位置づけていくかということがあるわけで、非常にたくさんの意見が出るのが当たり前なわけです。ですから、私が一番大事に思うのは、教育は国家百年の計とよく言われますが、今やグローバルな意味での人類百年の計ということになるのではないかと思うんで、少なくとも国民の間に合意の形成がなければならないと、こう思うんです。先ほどお話ございました資料にも載っておりますが、今まで公聴会が四回、それ
から提案ヒアリング五十六団体と書いてございますが日数で見ると三日間なんですね。それから論文が八百六十九通と、こうなっているわけで、私が気にしますのは、数字の上ではもっともに見えるんですけれども、それがフィードバックされていかないんじゃないか、もらうけれども出さないんじゃないか、フィードバックがなければ合意の形成というものは私はあり得ないと、こんなふうに思っているんです。こういう意味で国民合意の形成に対してこれからどのような努力をされるのかということを伺いたいと思います。岡本先生。
#82
○参考人(岡本道雄君) おっしゃっていただきましたように、広く意見を聞くということにつきましては、公聴会をいたしましたり、概要を発表しましたり、「臨教審だより」を出したり、それからたくさんのヒアリングをやったり論文を募集したり、いろんなことをやっておるわけですが、このフィードバックということにつきましては、これは随分多くの人からの手紙もいただいたりしておりまして、それを事務局できれいに整理して、そして私どもがそれを読むようにきちっと整理してくれております。それで、またそれの重要なものにつきましてはお互いに部会でそれを取り上げて論ずるというようなこともございますわけですが、その点十分いただいたものは尊重してこれを生かすように努力はいたしております。その点くらいのことより申し上げることはないわけですけれども、この点に対して十分な努力をしておるということでございます。
#83
○高桑栄松君 まあ、時間の制限もございましてきっと大変なんだろうと思うんですが、フィードバックの努力ということがないと国民合意の形成は一方交通になるのではないかと思いますので、今後ともひとつそういう御努力をお願いしたいと思います。
 次に、私はやっぱり大学入試に関心があるものですからこの御質問さしていただきます。大体これで私の質問終わる時間になるかと思いますが、個性主義の推進というところに、二十七ページを拝見いたしますと、これに十の具体的な項目が挙げてありまして、画一主義から個性主義へという十の項目を見ますと、義務教育に関するのが八番目の項目だけみたいに見えるんですね。あとは九番目が生涯教育で、七番目が中高一貫教育ということで、その上の方、一、二、三、四のあたりを見ますとほとんど大学関係でございまして、私は、大学における個性主義というような点にウエートが置かれているようにここでは私は拝見したんですが、先ほど高木先生からも御質問がありましたけれども、大学というところは、既に大学の自治、研究の自由等々がありまして、まさに自由主義なわけです。したがって、大学で個性化を進めるというのはどういうことになるのかなというのが一つございます。
 それからこの中で、四番目の共通一次試験というのが非常に私はやっぱり重要だと思うんですが、先ほど共通テストという新提案があるということでございました。共通一次試験も七年目になると、「七年目の浮気」とかという映画がございますから、七年目ぐらいになると少しあちらこちらかゆいところが出てくるというのが七年目の浮気ということのようでありますが、浮気ではなくてお考えいただくとすれば、共通テストというのは一体何なのか。ここを見ますと、九十七ページを見ますと、良質試験問題の確保というふうに書いてあるんで、ははあ、これ標準問題をつくってその中から採用しなさいと、こんなふうに言っているのかなと、こんなふうに思うんです。
 私は、共通一次が偏差値輪切りと言われている理由は、これは入試に加算をするから、だから加算をするからには何点取るか、何点取るかというからには、その水準、レベルと標準偏差プラスマイナスが出てくるという意味で、加算をしなければもう共通一次というものは十分別な形で生かされるんじゃないか。加算をするのが問題じゃないかというふうに実は思っておる一人なんですが、私が今お伺いしたいのは、共通テストというものの性格がどうもよくわからない。これですと自由に採用しろと言っているんですからしなくてもいい。それなら前と同じことになるのではないかというふうに思うんです。
 それからもう一つ、これは石川先生にお伺いしたいんですが、この前参考人でおいでになりましたときに、私は大学は入り口を広くして出口は厳しくしたらどうかと、すると石川先生は、いや実はもうやっていますという、そんなような御返事だったと思うんですが、これは大学改革の中で大きなウエートを占めていいのではないか。私はアメリカの大学院で、大変試験が厳しくて、入るのはむしろスペシャルスチューデントで入れてくれて、四分の一学期過ぎてからレジストレーションやってもらって、ようやく正規の学生になって、厳しく落第させますから。それが日本にないから、あとは学歴社会みたいなものになっていくんで、一つ一つの単位、つまり資格に十分な力を入れて、そして落第もがっちりやる、そういう厳しい出口がなければいけないんじゃないかということで、今の共通テストと入り口、出口問題で、これ石川先生にちょっとお願いいたします。
#84
○参考人(石川忠雄君) ただいまの御質問の中でまず第一のものは、大学の個性化というのは一体どういうことかというようなお話でしたけれども、これは別に大学自治とか教授会自治とかいうことがあることに直接の関係を持っている話ではないんでありまして、大学の設置基準というものがありますし、許認可のいろいろな条件がある。実際にそれをどういうふうに適用しているかというような問題もある。そういうようなところから、どこに大学ができても同じような性格の大学ができてしまう。そういうような画一的な行き方はやめて、おのおの特色のある大学が自由につくれるような形のものにできるだけしていきたい。そういうことで大学の個性化ということを言っているわけであります。
 それからその次の共通テストの問題は、やはり個性化の問題から出発しているというふうに理解すると一番いいんじゃないかと私は思います。つまり、個性的な大学、必ずしもそういうものばかりではございませんけれども、しかしそれを図っていくためにはやはり個性的な入学試験ができるだけできるようでなければならない。つまり、学力成績だけで入学が決定されるというような形のものは避けられなければならない。それぞれの大学が自分のところに欲しいと思う学生をとれるような形のものでなければならない。自分のところは学力だけでやるんだというんならそれでもよろしいんでありますけれども、そうではなくてもっともっと学生の選抜の仕方が多様化できるようなことが大事である。そのためには、そういうことのできるような条件を用意するということが非常に大事である。そういう今の例えば私立大学の試験なんかを見ますと、何万人と来る学生を一週間か十日で選抜せよと言われたら、これは学力による以外には方法はないんですね、実際には。だけれども、例えば学力試験でも、これは一つの例でありますが、ある大学は三科目をやる、そのうちの二科目は共通テストにゆだねてもいい、一科目は自分のところでどうしても必要だからこれは見たいというようなことになりますと、出題、試験その他から見ても余裕ができます。そういう余裕を利用してもっと個性的な試験を行うことが考えられるならば考えられるようにしたいというようなことで、大学の試験をより個性的にするための条件といいますか、サービスといいますか、そういうものを共通テストによって提供しようと、こういう考え方であります。
 それから第三番目の問題はちょっと……
#85
○高桑栄松君 入り口を広く……。
#86
○参考人(石川忠雄君) これは確かにそういう考え方はございます。日本の中でなかなかそれが十分に行われていないというところはもうおっしゃるとおりでありまして、この前、参考人としてここに出席いたしましたときは、実はその入り口の多様化の問題を実は申し上げたんであって、入り口を例えば一万人にして出るときを千人にするというような、そういう形のことが行われていると
いうことを申し上げたわけではないんでございますけれども、私もそれ、今先生の言われたことは一つの重大な示唆であろうというふうに思っております。
#87
○高桑栄松君 ありがとうございました。
#88
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子でございますが、岡本、石川両参考人にはきのうに引き続いてまた本日参議院ということで、大変御苦労さまでございます。時間も大変限られていますので、御答弁は簡潔明瞭にお願いしたいと思います。
 まず第一に、画一主義の問題について伺いますけれども、概要の中には「過度の学歴社会意識や偏差値偏重の受験競争、校内暴力、青少年非行などの教育荒廃は、画一主義と硬直化がもたらした病理現象である」としておりますけれども、私はこういう現象をもたらした原因は、教育委員の任命制の導入、学習指導要領の法的拘束力、五段階相対評価、主任手当の導入などにあると考えています。
 会長も言われました個人の尊重など、戦後民主教育の目的の達成を阻み、画一主義に陥った原因について、臨教審では具体的にどんな論議がなされたんでしょうか。
#89
○参考人(岡本道雄君) この画一主義というものは、何も戦後に限らぬことでございまして、明治の学校制度そのものも大変画一的なことから起こっておりますし、その後も戦後の教育もややもすれば画一的なもの、特に戦後急速な経済成長で大量の人材の供給というようなところで画一的にならざるを得なかったと、それからまた、日本人の性格そのものもそういう方向に助長したものもあると思います。いずれにしましても、極めて公式的には教育の機会均等をというところから教育の画一性が出たと申しますが、いろいろな原因があって極めて画一的に進行しておると。
 具体的には審議会の中で特に指摘されましたのは、今、最前にもお話がありましたように、この大学の設置基準とかそれから共通一次試験というものも画一の中に挙げられるわけでございますけれども、そういうもの。それから教育制度等いろいろなところに画一性があるので、これが教育の荒廃という病理現象の原因だという言葉の言い方には、最前、高木さんに御説明申しましたように、親切にやはり一人一人の教育、能力が伸ばせるような点において欠点があったからというふうに議論いたしております。
#90
○吉川春子君 教育の機会均等の実現を目指す余りに平等概念が強調され過ぎて個性の尊重が軽視された嫌いがあるとおっしゃるわけですけれども、憲法、教育基本法の基本理念である教育の機会均等というのをどうお考えなのか、それが個性の尊重ということと矛盾するのでしょうか。
#91
○参考人(岡本道雄君) 機会の均等ということを強調する余り個性の尊重ということがないがしろにされたという反省をしておるわけでございまして、したがって、教育の機会均等も大事だけれどもやはり個性を尊重していくことが大事である。その点、従来は必ずしも十分でなかったので教育基本法にも明示されておるとおり、その点の反省をひとつ個性主義というものでいこうと、そういう認識でございます。
#92
○吉川春子君 教育の機会均等が強調され過ぎてとおっしゃるけれども、しかし、教育の機会均等もまだ十分に行き渡っていないんじゃないかという感じがするわけです。
 ちょっと時間の関係で次の問題に移りたいと思いますけれども、各団体からのヒアリングをどう生かしておられるのかという点について伺います。
 九十一団体から教育改革について意見を聴取しておられ、公聴会も四カ所でやっておりますけれども、そのほか投書、論文などたくさんの声が寄せられていると思いますけれども、これが概要の中に全然出てこないのはどういうわけなんでしょうか。
 私が各団体からのヒアリングの意見をつぶさに読んでみますと、いろんな意見が要求として出てきているわけですね。
 例えば、幼稚園教育の振興については、現行の四十名以下を三歳児十五名、それから四、五歳児を三十名以下と設置基準を改定すべきであると、こういう意見もあります。それからまた、日本私立幼稚園連合会では、教育条件の改善について幼稚園教育の質向上を図るために学級定数を再検討し、また、設置基準を見直す必要があると、こういうことも要求として出されています。
 また、私立幼稚園が当面する財政上の問題については、私学振興助成法に定められた二分の一の公費助成の実現とか、三歳児も対象とする補助対象の拡大、父母負担の公私間の格差の是正の早期実現、教育経費に対する公費助成の幼保間格差の早期是正、こういう問題ですとか、あるいは私立学校振興助成法が制定されて十年を経過し、その効果は上がってきているものの経常的経費の二分の一の助成にほど遠い、父母の負担軽減にまで到達できない現状にある。それどころか、私立学校はその多くが効率のよい教育環境の整備を図るため校舎の建てかえなど改めて設備の投資を考えなければならない時期に来ていると、大半は自己財源で担う以外に手はなく、現実には父母の負担を重くしている原因となっていると、こういうような意見も寄せられています。
 さらに、教員の定数の問題とか、それから研修旅費等の条件整備を図る必要あるいは教授組織と指導体制の充実を図るために、小学校においては全科担任制を原則としながらも、音楽、図画、工作等については専科教員を配置する必要があるとか、いろいろとこういうヒアリングの中で意見が出されているわけですけれども、この概要に盛られているのは団体名だけなんですね。この今読み上げました条件整備は切実な国民の声になっています。なぜこういうものを教育改革の第一に上げないのですか。長期的展望に立つということでこの実現をかなたに追いやっているというのはどういう意味なんでしょうか。
#93
○参考人(岡本道雄君) 今先生の御指摘いただきました各種団体からのヒアリングなどにつきまして、審議経過の概要の中で団体名だけを上げるのでは十分でないではないかということは臨教審の内部でもそういう声が出まして、そのことについて実際可能かどうかということも検討いたしました。ところが、各種団体のサマリーというものを上げるにいたしましても、なかなかこれは慎重を要する大変なことだというようなことで実行ができなくてこういう状態になっておりますけれども、ただ、最前高桑先生からも御指摘がありましたように、いろいろ聞いたものをいかにフィードバックしていくかということは大変重要なことでございますが、最前お答えした程度でございますけれども、そういう各資料をあのときにいただいておりますので、それは全部新聞社の方に出しまして、自由に使ってもらうようにいたしております。それから、各部会の審議でそういうものは大変重要な資料なんです。部会は審議を深める部分でございますから、そのときには各部会はそういう資料を大変大切にして使用さしていただいておると、そういう状況でございます。
#94
○吉川春子君 教育条件整備が非常に国民の切実な要望であるにもかかわらず、臨教審の中ではどうもこの点の論議が弱いというのが私の率直な印象です。
 今国民の要求の強い問題として、学級定数の是正、適正化の問題があります。昨日、衆議院において岡本先生が四十人学級、三十五人学級についても第三部会で論議しているから、いずれ答申に盛り込まれるであろうというふうにおっしゃいましたけれども、なぜ今回の概要にこの問題が出てこなかったんでしょうか。四十人学級はことしから再びスタートを切っておりますし、三十五人学級もすぐにもう目前の課題として要求が強まっています。六月の答申にはぜひこの問題についても盛り込んでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#95
○参考人(岡本道雄君) これは第三部会で取り扱っておるんでございますけれども、私の出席して聞いております範囲では、この一学級の定数の
問題というものは大変初めのころから大きく取り上げられておりまして、やがてこれが必ず結論になってまいると思いますけれども、いろいろな多方面に関連のある問題でございますから、今回はこの審議経過の概要に、実は審議経過の概要の中には八十ページの第六の「教育条件」というところに定数についてもこれは検討がなされるべきであるという意見が、そのまま議論されたことがここに出ておりまして、やがてそういう時期になるというふうに私自身は考えております。
#96
○吉川春子君 先ほど岡本先生も落ちこぼれの問題に触れて、一人一人にやっぱり行き届いた教育をしなきゃならないと再三おっしゃっていただいておりますので、ひとつぜひこの学級定員の是正の問題を六月の答申に盛り込んでいただきたいということを重ねて要求申し上げておきます。
 それから、教育研修の問題についてですが、中曽根総理は昨年七月十三日、本会議における私の質問に答えて、新たな官製の教育憲章を設ける考えはないと述べておられます。また、ことしの三月三十日の参議院の予算委員会で、やはり私の質問に答えて文部大臣は、答申が出ても教育憲章はつくらないと、このようにお答えになっておられます。で、教育基本法の枠を越えることはないと会長も再三おっしゃっておりますので、それが本意なら会長としても教育憲章をつくるという答申はやらないということを言明していただきたいんですが、いかがですか。
#97
○参考人(岡本道雄君) これはきのうも繰り返し出ました審議でございますけれども、これは、教育基本法に対してこれは大変これでいいというものと、まだ誤解といいますか、十分本意が理解されない部分もあるからというような、両論があるというようなことを申しまして、それを補うためにそういうものが必要でないかという意見もございましたけれども、これに対して、それをそのまま書いてございますので、これを、教育憲章をつくるということに、方向にあるわけではございませんけれども、きのうもお聞きし、きょうも先生からもお聞きしまして、私としてはそういう方向に向かって努力はいたすつもりでございます。
#98
○吉川春子君 続きまして、ことしの三月に日本経済調査協議会が「二十一世紀に向けて教育を考える」という分厚いものを発表されました。この中には岡本会長、石川会長代理、石井委員、木田専門委員などが名前を連ねておられますが、これはどういうわけでしょうか。この中には「教育基本法は金科玉条か」、教育勅語を「時代錯誤のアナクロニズムだと一顧だにしない態度はいかがなものだろうか。」、臨教審は教育基本法の再検討の余地を残している、こういうようなことが、もっとたくさんいろいろありますけれども、書かれているわけですけれども、こういう内容にも賛成なさって名前を連ねられたんでしょうか。
#99
○参考人(岡本道雄君) 私は、自分がはっきり読みました部分は前文と申しますか、総論のところでございまして、本当にそういうことまでが中に書いてあることは正直申しまして存じなかったわけでございますけれども、総論のところは私も読んでおりますので、その点の責任はあると思っております。
#100
○吉川春子君 総論の中にもいろいろ問題点はあるんですけれども、しかしこれ全部一体のものとしてこういうふうに公表されておりまして、岡本先生も石川先生も賛成して、これを出す立場ですよということがやっぱり国民は受け取ると思うんですよね。だから、もし今申し上げましたようなことが先生のお考えと違うとすれば、やはり何か名前を消すとか、こういうものは好ましくなかったとか、そういう態度を明確にされませんと、何か臨教審の審議内容と重なって、ダブって国民は受け取るんじゃないんでしょうか。
#101
○参考人(岡本道雄君) 今申しましたのが正直な実態でございますけれども、現在教育審議会の会長といたしましては、今、先生がおっしゃいましたような内容は考えておらないということで御勘弁願いたいと思います。
#102
○吉川春子君 私も余りとことん詰めるというつもりはないんですけれども、臨教審というのは非常に国民的な注目を集め、また期待を担われて今行われているし、ここには、前文には個人の資格で参加というような断り書きもあるんですけれども、しかし実際には臨教審の会長あるいは会長代理という肩書で名前を連ねられておるということは、私はやっぱりこれは非常に好ましくないことではないかということを指摘しておきたいと思います。
 最後に、本日はもうちょっといろんなことをお話を伺いたいわけですけれども、午後は御予定がおありということで、また衆議院の時間と比べても参議院の時間は少ないわけですけれども、その点非常に残念です。私は日を改めてこの文教委員会の一般質問その他で、先生を初め各部会長やら、あるいは委員の方の御出席をお願いして、そしてそこでまた具体的にもっといろんな問題についてお話を伺いたいと思うんですけれども、そういうときは心よく御出席くださいますかどうか、端的にお返事をお願いしたいんですが。
#103
○参考人(岡本道雄君) これは国会の要請で今日も参っておるわけでございますが、要請があればやはり出てまいりまして、お話を承るということになると思います。
#104
○吉川春子君 教育条件の整備の問題で、臨調行革との関係についてきょうもいろいろ先生からお話がありました。この臨調行革の中では、教育費が大幅に削られたり四十人学級が棚上げされたり、さまざまな国民の願いに相反するようなことも行われたわけですけれども、臨調行革に対して岡本先生はどのようなお考えをお持ちなのか、最後にお聞かせいただきたいと思います。
#105
○参考人(岡本道雄君) 臨調行革、まあ大きな国債抱えてということで、そういうことなんでしょうけれども、私の、臨時教育審議会についてはそれとは無関係であって、いいものは、あるべきものを主張してまいると、そういう、私の立場としてはそういう臨調に対しては関係なく、いいものを、教育臨調のいいものを主張していくと、そういうことでございます。
#106
○吉川春子君 教育改革を本当に実効あるものにするためには、やはり予算の裏づけというものが必要なわけでございまして、二十一世紀の日本を支える子供たちをつくるための教育改革を本気でやるというなれば、やはり思い切った予算措置も必要かと思います。そういう意味で、やはり積極的に教育条件の整備等についても答申に盛り込んで、やっぱりやっていただきたいということを最後に要求を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#107
○委員長(真鍋賢二君) 以上で参考人に対する質疑は終わります。
 両参考人には、早朝より御出席を願い、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。
 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十二分開会
#108
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小西博行君が委員を辞任され、その補欠として栗林卓司君が選任されました。
    ─────────────
#109
○委員長(真鍋賢二君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#110
○高木健太郎君 国立学校、鹿児島の方に医療短期大学ができるということでございますが、これで国立のこの方面の短期大学は幾つで、全体で定員がどれくらいで、それから需要と供給はどうなっているか、その点をお伺いします。
#111
○政府委員(宮地貫一君) 国立大学の医学部附属看護学校等の改組転換によりまして、昭和四十二
年度から五十九年度までに十七の医療技術短期大学部を設置してきたところでございます。六十年度予算においては、提案申し上げているとおり、鹿児島大学にこの医療技術短期大学部を創設するわけでございます。
 全体の、今日までの設置に伴います入学定員でございますけれども、看護学科が千三百三十名、衛生技術学科が六百四十名、診療放射線学科が三百六十名、理学療法科百八十名、作業療法科百八十名、ほかに助産婦の専攻科が二百二十名でございまして、全体の入学定員としては二千九百十名ということになっております。なお、鹿児島は学生受け入れは六十一年度からでございますので、これには含まれておりません。
#112
○高木健太郎君 何名でございますか、鹿児島は。
#113
○政府委員(宮地貫一君) 鹿児島は、看護学科八十名、理学、作業療法、それぞれ二十名ずつでございます。
#114
○高木健太郎君 看護婦さんの方は、休んでおられる人、あるいはお子様で休職しておられる方、いろいろあるでしょうから、これ全体が働いておられるとは考えられませんけれども、聞くところによると、このリハビリテーションの方はそろそろ飽和してくるんじゃないかという話も聞いておりますが、そのお見通しはいかがですか。
#115
○政府委員(宮地貫一君) 全体の需給の見通しについてのお尋ねでございますが、厚生省においてその検討がなされているところでございますけれども、私どもは、看護婦、理学療法士、作業療法士等、それぞれ現状においてはなお地域的に供給不足があるというぐあいに承知をしているわけでございます。例えば五十九年三月の国立医療技術短期大学の卒業生約二千二百名でございますが、求人数が全体で延べ三万三千人ということで、延べの求人倍率では約十五倍というような状況でございます。この点から見れば、なお医療技術短期大学の卒業生についての社会的要請は大変強いということが言えるかと思うわけでございまして、今後とも、地域の需給状況も十分勘案しながら検討をしてまいらなければならないところかと思っております。
 なお、看護婦養成については、厚生省において、全体の需給の見通しについて現在の計画を見直しをこれから行うところというぐあいに承知をしております。
#116
○高木健太郎君 このたび鹿児島につくられたっていうんですけれども、九州そのものの分布はどのようになっていますか。というのは、今のように、地域的にいろいろばらつきがあるということでございますが、今度鹿児島に特に許可されたという、審議会でそういうことを審議されたんだと思いますが、鹿児島に置かれたそういう理由としてはどういうことをお考えになっていますか。
#117
○政府委員(宮地貫一君) 九州地区には、九州大学、長崎大学、熊本大学にそれぞれ置かれてきておるわけでございまして、鹿児島については、既に五十八年以来、設置準備調査あるいは設置調査ということで準備状況を積み重ねてきておりましたものでございますから、その準備状況の進捗状況に応じまして、今回の国立学校設置法で御提案を申し上げ、なお、学生受け入れは実際には六十一年四月から受け入れるという形で進めているわけでございます。これらについては、いずれも従来から、この鹿児島以降をどういう形で進めるかという点に関連をするわけでございますが、例えば岡山大学に設置準備調査にかかわる経費を計上いたしておりますとか、あるいは徳島大学に設置調査にかかわる経費をそれぞれ計上いたしておりまして、それらについては、準備状況の整い次第と申しますか、なお全体の国の財政状況もあるわけでございますが、そういう点を見ながら引き続き順次短期大学に改組転換をするという形で設置を検討してまいりたい、かように考えております。
#118
○高木健太郎君 この前も医師の過剰についてお尋ねを申し上げましたけれども、こういうことは、ぜひ将来計画を十分お立てになって、過不足のないようにひとつやっていただきたい、こういう意味で、地域分布ということも頭の中に入れて、ただ地元大学から要求があったからつくるということではないようにしていただきたいと思います。
 もう一つお聞きしたいのは、今後老齢化、いわゆる高齢化社会に入ってまいりますと、単にこれからは病院で治療するという人よりも、家庭で老後を送るという人もかなり多くなる、こう思うんです。その場合に、今までのような看護婦の業務ではなくって、業務のあり方が少し変わってくるというふうにも考えられます。また、リハビリの方の方も、いわゆる老後の医療ですね、マッサージその他ございますから、そういうリハビリのことに関係があると思います。そういう意味では、今後のリハビリとか看護婦養成のカリキュラムの中にも、プライマリーケアとかあるいはリハビリとか、こういうホームケア、いわゆるキュアの方でなくてケアの方に適するような、そういう、私、科目も必要になるんじゃないかと思いますが、何かそのカリキュラムについてお考えお持ちだったらひとつお知らせ願いたいと思います。
#119
○政府委員(宮地貫一君) 従来専修学校でございましたものを短期大学ということで切りかえることになるわけでございますが、具体的には、それぞれ基準といたしましては専修学校設置基準、短期大学の場合には短期大学設置基準によってカリキュラムその他の構成を考えていくわけでございますけれども、特に短期大学に切りかえるに当たりましては、一般教育科目を重視するというようなこととともに、より高度な医学、医療に対応できる看護婦養成ということで、専門教育科目の講義時間数等についても、従来の専修学校よりは多くするというようなことで対応しております。
 なお、御指摘のような点でございますが、例えば鹿児島大学医療技術短期大学部で申し上げますと、老年医学とか救急医学、心身医学と、いわば先生御指摘のような専門教育科目も新たに授業科目として設けるというようなことで対応しておるわけでございまして、具体的には専門教育科目の担当の専任教員数についても、短期大学にすることによりまして相当充実を図るというようなことで、内容面ではカリキュラムの面でそういうことを配慮をいたしておるわけでございます。
 今後、なお専修学校から短期大学に切りかえるに当たりまして、先生御指摘のような観点からのカリキュラム構成を考えていくということは、これからの医療技術者の養成にとってはぜひとも必要なことであると考えておりまして、十分それらの点も配慮を加えてまいりたいと、かように考えます。
#120
○高木健太郎君 大変結構なことだと思いますが、ぜひそうしていただきたい。ほかにもまだ、今までやられておった短期大学もあるわけでございますから、そういうもののカリキュラムも十分それに対応できるように改革を加えていかなければいけない。特に、老人では理屈というよりも精神とそれから実地が大事なわけですから、そういうものの訓練も入れるように、もしもそれが大学設置基準にないならば、大学設置基準も改良していく、改革していくというような心構えが私非常に重要だと思いますが、その点は何か今計画をしておられますか。
#121
○政府委員(宮地貫一君) 一般的な医学教育全体については、かねて御説明を申し上げておりますように、医学教育の改善会議というようなことで、御専門の方々にお集まりをいただきまして、特に医学教育の質の向上といいますか、そういう観点から御検討をいただいているところでございます。
 そのほか、設置審議会の専門委員でございますとか、そういうところで先生御指摘のような質の向上につながる医学教育あるいは医療技術者の教育の面でもそういうことは不断に必要なわけでございまして、私どもとしても現にそういう専門家の方々をお願いをしているところでございますが、御指摘のような点は十分そういう場で御検討をいただくようにお願いをしたいと、かように考
えております。
#122
○高木健太郎君 医療が非常に高度化してくるといろいろの器械も変わってくる、そういう意味に対応するような看護婦さん、あるいはそういうリハビリの人たちと同時に、老人を取り扱うということになりますと、これまでとまた違ったひとつ実技が要るわけですから、そういうものも十分に教育の科目の中に入れていくということをぜひお願いをしておきたいと。多分その要求が非常に急増していくのではないかと、こう思いますので、ひとつ十分に御配慮を願いたいと思います。
 次に、時間が少し許されておりますので、大学設置法の方はこのくらいにしまして、この前からお尋ねできなかった件をきょうお尋ねしたいと思います。
 一つは、簡単な方からいきますというと、現在、日本は世界から見ますと非常に金持ちになったと、裕福であると。そうすると、企業の方にはかなり黒字のところもあるかもしれませんが、政府も赤字であれば、一般サラリーマンというのはそう余裕がある生活ではない。ところが、外からこれを見ますというと非常に裕福なように見える。どこにでも財力があるように見られる。こういうことで、最近国際の学会あるいは国際のシンポジウムというものが日本で開催されることが非常に多くなりました。これは財力があるからばかりではなしに、確かに日本の学術水準が非常に高くなった、こういう意味でその方の専門家が多い、ぜひ日本で開いてくれという要求が多いわけでございます。
 ところが、一年間に開かれる学会に対応するだけの文部省は予算がない。学術振興会とか、そういうところでシンポジウムの経費も持っていただいておるわけですけれども、他の多くのものが実は個人負担になっている。会費を幾ら取りましても、そうべらぼうな会費を取るわけにはいきませんので、その会を引き受けた会長あるいは役員は、シンポジウムあるいは学会開催のために大変苦労をされている。で、私の方までその金を集めて募金をしてくれるように方々で顧問を頼まれる。顧問というのは実は募金の顧問でございまして、募金係であるというような形になっております。
 こういう意味で、国際シンポジウム、学会の増加、現在文部省ではつかまれておらぬかもしれませんが、例えば免税措置であるとか、それくらいならできるかもしれません。文部省では予算はどういうふうに取っておられるか、その点をお聞きしたいんです。
#123
○政府委員(大崎仁君) 先生の御指摘のとおり、年々日本において学会を開きたいという要望が増加をいたしておるわけでございます。私どもといたしましては、一つは募金に対する免税措置という点で、学術振興会というものが募金のお世話をいたしますとこれは免税になるというような仕組みもございますので、学術振興会の方でそういうようなお世話をできるだけ申し上げるとかいうようなことで募金のお手伝いはいたしてはおるわけでございます。
 また、文部省の直接の措置といたしましては、各大学が一応主人役になって開きます国際シンポジウムというようなものにつきまして、昭和六十年度では六千八百万ほどでございますが、計上をいたしまして各大学からの御要請にこたえておる。それから、あわせまして日本学術振興会におきましても、比較的小規模の国際研究集会の開催経費等を、毎年これは約十七件ほどでございますが、措置をしておるというのが現状でございます。
#124
○高木健太郎君 この点、困っている人が大変たくさんございますので、この方面の予算を実態をよくお調べいただいて、中には余り補助してやることの必要のないようなものもあるかと思いますが、中には非常に重要なものもございます。そういうものを十分情報をお集めいただいて、そして余り研究者に大きな負担がかからないように、あるいはしょっちゅう企業にもらいに行くというようなことのないように、恥ずかしくない学会開かせていただくように、ひとつ文部省の方でお調べいただき、援助の方をお願いいたしたいと、こう思います。特に免税という措置は、結局もらって歩くということになるんで、これ余り気持ちのいいものではないわけですけれども、やむを得ない場合は免税という措置もとっていただければ幸せだと思います。
 で、同じような意味で、留学生が非常に多いと思いますが、現在、海外から来ている留学生は文部省で把握されているのはどれぐらいでございますか。
#125
○政府委員(大崎仁君) 大体、日本国内で国費、私費を含めまして五十九年度で勉学をしておられる方々は約一万二千程度でございます。
#126
○高木健太郎君 外国から来ておられるのはどれぐらいでございますか。
#127
○政府委員(大崎仁君) 外国から来ておられる方が約一万二千でございます。日本から外国に出ております者は、手元にちょっと数字がございませんが、これを上回る数が海外で勉学をしておるというふうに考えております。
#128
○高木健太郎君 この一万二千人というものの中には、これは日本の方で経費を持っておられる海外留学生であると、こういうことですね。
#129
○政府委員(大崎仁君) 外国から日本に来ていただく者につきましては、日本のいわゆる国費留学生も、それから御自分の経費負担で来ておられる私費留学生、あるいはそれぞれの国の政府が派遣される政府派遣の留学生、全部含めた数字が一万二千ということでございます。
#130
○高木健太郎君 これ、いろいろ外務省を通じたりいろんなものが来ておられるんだと思います。二つだけ注文があるわけなんですけれども、中国から随分大勢の海外留学生の方がおいでになる。実はその方々がお金がなくておいでになる方もあるわけです。あるいは国費留学生でおいでになる方もおいでです。で、お金がないという場合にはあらかじめわかっておりますから、こちらの方でもその期間とそれからそれの補助という意味では用意はできるわけです。ところが、国費留学生で中国からの国費留学生としておいでになった方は、日本においでになると宿舎が高い、それから生活費が非常に高いですね。向こうからはごくわずかな国費しか出ないわけですね。そのために、お引き受けになった研究所あるいは大学の教室、あるいは研究所の研究室、そういうものが非常に大きな負担を強いられるということになります。こういう点は中国だけではないと思うんですね。ほかの途上国の方がおいでになった場合にも、日本の生活費の高いこと、そういうことで大変お困りになっておると思いますが、その点はどういうふうに措置をされておりますか。
#131
○政府委員(大崎仁君) 御指摘のとおり、留学生の受け入れの一つの大きい問題が宿舎の問題でございます。それで、これにつきましては、一つは、国立大学でございますが、各大学で留学生宿舎を整備をするという方向で逐年予算措置を講じておりまして、本年度は大体四大学ほどが建設に着手できるのではないかという見通しにあるわけでございます。また、国費留学生が中心でございますが、日本国際教育協会という留学生をお世話申し上げる中心的団体がございまして、ここで新しい留学生会館をつくりたいという計画がかねてあったわけでございますが、本年度の予算でその基本設計費というものを措置をいたしておるわけでございます。
 ただ、留学生の増大ということを考えますと、やはり国が直接手当てをするということだけでは限りがございますので、やはり民間あるいはその他の公共的な諸団体のお力によらなければならないというふうに考えておりまして、幸い、本年度の税制改正におきまして、留学生宿舎の設置を目的とする法人が留学生宿舎をつくる場合には不動産取得税を免除するというような税制上の手当ても講じられておりますし、留学生受け入れの援助をしようという動きが高まりつつございますので、私どもといたしましてもぜひそういう御関係の向きと連携を図りながら受け入れ態勢の整備充
実を期してまいりたいと思っておるわけでございます。
#132
○高木健太郎君 大変結構な話であると思います。ぜひもっと宿舎をふやしていただきたいということが一つですね。それから外国ではよく個人のお家に下宿をさせてくれるということがあるわけです。日本ではどうも生活様式が違うのか、あるいは家の建て方というものが違うのか、なかなか下宿をさせてもらうというわけにはいかないわけですから、これはどうしても公共団体なり政府なりがその面倒を見ていただかないと、引き受ける方は非常に迷惑であるし、また来られた方も非常に不愉快である、せっかく留学生として来ていただくなら感じよく帰っていただきたいと、こういうふうに思うんです。それから物価が、非常に生活費が高いわけですから、この点は何か考えないと、みんながポケットマネーを出してその人を生活さして上げる、援助して上げるというようなこともみんなやっているわけです。国際親善と言われますけれども、そういうところで日本が外国から理解されないというようなことが起こってきているんじゃないかとも思うので、ひとつ御注文を申し上げます。
 パリには御存じのようにシテユニベルシテールというのがあります。立派なものがあって、そこに行ってもちっとも不自由しないわけですが、東京にもございますけれども、そういうものをさらに拡大されて受け入れ態勢を考えていただきたいと思います。
 もう一つは、文部省で外人宿舎をたくさんつくっておられるということは私存じておりまして、非常にいいことでございますけれども、一つ考えなきゃならぬことは、外人だけの宿舎をおつくりになるというよりも全体として宿舎をおつくりになって、外人と日本人が一緒に入っているというようなことは考えられないか。それの方が私は、向こうは日本になじむし、日本もまた向こうの方になじむと、こういうこともありますので、将来大学なり研究所にそういう宿舎をおつくりになる場合はこの点もひとつ考慮されたらいかがであろうかと思います。
 さらにもう一つ御注文申し上げるのは、大学によっては非常に大勢の留学生を引き受けている。ところが事務員はふえないというわけですね。これは一人十人なら十人の留学生を受けますと、事務量が非常に大きくなるわけです。この点は何かお考えになったことがございますか。
#133
○政府委員(大崎仁君) 留学生受け入れということに、日本の大学が大量の受け入れということには必ずしもなれていないという実情もございまして、受け入れに伴ういろいろの事務あるいは生活指導等の仕事がふえるという話は私どももよく関係者からお聞きをいたしておりまして、私どもといたしましては留学生担当の教職員というものの充実ということを従来から努力をしておるわけでございますが、特に六十年度におきましては、いわゆる二十一世紀を目指す受け入れ拡充ということも踏まえまして、正確な数字もこれ手元にちょっとございませんが、前年度に比べましてほぼ倍増程度の人数というものは措置をさせていただいたわけでございます。
#134
○高木健太郎君 ぜひこの点根本的に見直して実態をつかまえて、どれほどみんなが困っているか、また向こうの人はどれだけ困っているかという実情を十分把握してそれに対応するように予算増をひとつ請求されたらどうかなと私は思います。
 もう一つ、きょうは外務省の人がお見えになりませんけれども、結局、海外の留学生が行ったり来たりする場合には外務省を通してやっておられるわけです。先般、私、ネパールへ行ってまいりましたけれども、これはJICAの金で三十一億ぐらいのお金を出されまして、そして立派な病院が建っているわけです。これはカトマンズのトリブバンというところに建っている。これは立派な病院でございまして、ティーチングスクールとして、ティーチングホスピタルとして建てて、御存じだと思います。ところが、そこへ行く、そこで日本が教育すると言っているんですが、なかなか大学からそこへ行ってくれないという、あるいは技士の方もなかなか行けない。で、向こうのネパールの学生さんはカナダへ行って勉強しているんですよね。日本は、入れ物はつくったけれども、こちらでそういうソフトウエア、いわゆる人的資源が向こうに行かないものですから、さっぱりそれが動かない。で、入れ物だけは日本がつくったというので、これでは私困ると思うんです。
 その一つの、私、原因は、ああいう外国へ行って公務員なり、あるいは国家公務員でも、お医者さんあるいはその他の技士が働く場合に、一年なら一年というものは休職措置を講じてやれるんですが、非常に熱心に向こうの事業に、これは教育事業もありますし、あるいは医療事業もあるし、その他の事業もあると思うんですが、そこへ一年以上行っているとこちらのポストがなくなってしまう、帰ってきてものけものにされてしまうというわけです。そうすると、学位も取れないし研究業績も上がらない、そうするとダウンしてしまいますね、もとよりも。そのために、長くはとてもおれないというので、落ちつかない向こうで生活をするということになるので、これは人事関係になりますから面倒な問題かもしれませんけれども、私は海外援助なり、あるいは国際的の交流をやる場合は、何か帰ってきてもその人が不利益にならないように、そういう措置を講ずる必要があると、この間行きましてつくづく思ったわけでございます。その点については何かお考えお聞きになったことございますか。
#135
○政府委員(大崎仁君) 我が国の発展途上国に対します協力援助の中で、医療関係の援助事業もいろいろJICAにおいて行われておるというふうに承知をいたしておりまして、文部省といたしましてもその関係のプロジェクトについて、JICAの要請に応じまして国立大学の先生方等の専門家の派遣に御協力をいたしておるわけでございます。それで、長期の派遣ということになりますと、国家公務員の場合にはいわゆる派遣法というようなものも一応できておるわけでございますが、ただ一番やはり問題となりますのは、先生御指摘のように、派遣法で休職で身分をつないでまいりましても、今度、送り出した方の大学がその間そのポストを空けておかなければならないということがどうしても障害になりまして、いま一つは、それぞれの大学、教育研究の本来の仕事がそれぞれ忙しいということもございまして、必ずしもそのJICAの御要請には常に対応できるという状況には残念ながら今なっていないというのが現状でございます。
#136
○高木健太郎君 甚だ残念ながらでございまして、そのカトマンズから百キロか離れました山の中にスイスの人が来ているわけですよ。それで汚い小屋に住みまして、そこの住民と一緒になって働き、そこに病院をつくり、あるいは牧場をつくりというふうに指導する。それで二年なら二年おりますと、また次の人がきちっとそこに来ていて、一緒になって開発に協力している。
 そういう姿を見たときに、日本の方は泥まみれになって向こうの人と一緒に働くという、そういう人も確かにときどき新聞なんかでは拝見いたしますけれども、大学というのか、そういう公務員になっていますと、そうむきになって向こうで働けない。一生懸命になって働くと自分の首が危ない。いわゆる生活が今度は危なくなってくる。こういうことでは私よくないんじゃないかというふうに思うんですね。だから、これは大学人自体の意識を変えなければならぬことかもしれませんけれども、文部省としても、何か定員の余裕があって、それを回してやる。そうでないと、日本人はせっかく指導に来てくれても、よく言葉も通じないうちに帰ってしまったとか、そういうことになるわけです。ネパールぐらいは英語が通じますけれども、しかし向こうの言葉もわからない、こっちの言うことはわからない、そういうことでは本気になってやるわけにはいかないと。大体、あそこに結核研究所もございますが、そこに行った人の話なんか聞きますというと、大体やっぱり三年
くらいかかるのですね、向こうへ行って。言葉がわかって、向こうとつき合って、その事情がよくわかるというのには三年ぐらいはかかるわけです。だから一年ぽっきり行って、次は早く交代しておれは早く仕事でもして、いい病院に赴任しようなんという心がけでは、とてもこれはやっていけない。そういうように思いますので、これは基本的にひとつ外務省、各省会議というのがあるそうですけれども、厚生省、外務省、文部省あたりで十分ひとつ御相談をされて、どうしたらそういうボランティアあるいは立派な人を不利益な立場に立たせないようにできるのか、それをひとつお考え願わないと、せっかくの国際交流、協力というものがこれはふいになる。金を幾ら使ってもうまくいかない、こういうことになるのではないかなと思いますので、ぜひこの点、御考慮を文部大臣にもひとつお願いしておきたいと思います。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次は科学研究費でございますが、ことしの例の予算額の主要事項という別表がここにございまして、それの五十五ページのところに科学研究費補助金というのがございます。ここで私、ちょっと気がつきましたのは、去年ないやつで、あるのが一つございまして、それは「独創的、先端的な研究の振興」というのがあるわけです。これは今まではなかったんでしょう。これをお持ちじゃないでしょうか。
#137
○政府委員(大崎仁君) わかります。
#138
○高木健太郎君 これ、こういう項目が入ったんです。私ちょっと驚きまして、独創的、先端的な研究振興というので、かなりのお金がここへついているわけです。
 そこでお尋ねしたいんですが、科学研究費全体にこれはまたがることでございますけれども、一体、科学研究費を配分するという場合に、どういう基準で配分しておられるのか。ここに特別にこういう項目を挙げられましたが、独創的、先端的な研究というのをどうやってこれは判断されるのかということをお聞きしたいんです。
#139
○政府委員(大崎仁君) 先生御承知のところでございますので、私も非常にどう答弁していいか迷うわけでございますが、一般的に申しまして科学研究費補助金がすべて、いわば独創的、先端的、あるいは非常にすぐれた研究というものを申請の中から厳選をして交付をするというのが全体を通ずる基本であるわけでございます。そのために学術審議会の中に科学研究費分科会を設け、一千名程度の専門委員というものを委嘱しまして、各専門分野ごとに非常に厳正な審査を行って配分をしておるわけでございますが、そこで、その上に重ねて、なぜこういう項目にしたかというお尋ねであろうかと存じます。
 これは、実はここ数年、非常に予算の状況の厳しい中で、科学研究費補助金につきましては増額を図ってまいっておるわけでございますが、その際にやはり、ある項目を重点に伸ばしてまいったという事情がございます。具体的に申しますと、先生お手元、お手持ちのところに書かれておると思いますが、一つはすぐれた若手研究者の育成ということで、若手を重視をしようと。具体的に申しますと、これは種目として奨励研究という種目がございまして、その種目の経費を重点的に伸ばしてまいったわけでございます。
 それから、海外における学術研究が重要であるということで、海外学術研究の推進というようなことでございますとか、あるいは民間等との共同研究の推進というような、試験研究的なものとかということで、この二、三年、充実を図ってまいったわけでございますが、ただ、やはりその本来の科研費の基本である「独創的、先端的な研究の振興」ということになりますと、どうしても広範な研究者を対象といたしました一般研究、特にそのうち比較的むしろ研究の一件当たりの金額が少ない一般研究の、私どもCと称しておるわけでございますが、その部分にいわば将来の未知のものを探求するための芽なり萌芽的研究というのが数多く含まれているではないかということで、六十年度特に従来いわば抑えて、現状維持でおりましたものをそこで増額をしたということをこういうことで表現をさしていただいたというのが状況でございます。
#140
○高木健太郎君 私は悪いと言っているんじゃなくて、これはおもしろい題目をおつけになったなと、これはいいことだなと、こう思っておったわけです。
 ただ、これを今までのような配分の仕方でおやりになってもうまく独創的とかなんとかいうことがより分ける、選別ができないんじゃないか。私も長いことその研究費のお世話になったものですからいろいろ知っておりますけれども、どうも家元制度というのがあるんですね、日本は。だから、何かボスがおってそのボスの配下の研究してないというとうまく取れない。だから、若手といってもそのボスの子分は取れるけれども、本当の独創的なものはなかなかそこからよりにくいというようなところがあるんじゃないかと、私はこれを学者の中では家元制度と、こう言っておるわけですが、そういうこともある。だから、最近もう大崎さんもごらんになったと思いますが、前の助成課長が書かれた、原現吉さんですか、の本がございますが、それの中に若手独創的の研究者を探す方法というのがある。ごらんになりましたか。
#141
○政府委員(大崎仁君) 故原現吉先生が書かれました本は非常に興味深く読ましていただきましたが、先生御指摘のところはちょっと今残念ながら記憶にございません。
#142
○高木健太郎君 これですね、いろんなことが書いてございますが、私非常におもしろい本だと思いますし、その衝に当たっておられた方が現役を退いてここでお書きになったので参考になると思うんです。これはオーバ医大のT・サバ氏という人が書いた「若手独創性のある研究者を探す方法」、ちょうどこれにぴったりなんですね。ひとつこれをお読みいただいてそしてひとつ配分を公平にしかも非常にいい人にお金が行くようにしていただきたい、これが私の注文でございます。
 終わります。
#143
○吉川春子君 四月の十八日に東京天文台野辺山宇宙電波観測所へ当委員会で視察に参りました。ここでは世界一の宇宙電波望遠鏡を持ち、次々に成果を上げております。私も新聞の記事ではたびたび読みましたけれども現地を見たのは初めてで非常に勉強になりました。
 この野辺山宇宙電波観測所は三十名の職員と十六名のパートの職員によって支えられています。同じ規模の海外の電波天文台が数百人の職員で支えられていることを思えば、ことし五名の増員が認められたとしてもまだまだ不十分だということは明らかだと思います。その結果、月に百時間を超える超過勤務者も出るほどであり大変な負担が職員にかかっているわけです。この定員不足を解決するために文部省としても全力を挙げていただきたいことと。同時に、パートの職員の生活保障というのが非常に不十分なわけで、こういう点でも努力していただいて実質的にも世界一の宇宙電波観測所になるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#144
○政府委員(大崎仁君) 野辺山宇宙電波観測所は、この分野におきましては一応世界最高水準の機能を備えておるというふうに専門家で評価されておる立派な観測所であるわけでございます。
 この観測所を設置するに当たりましては一応文部省といたしまして、当初全体で教官二十名その他職員二十名という四十名の定員整備計画を立てました上で着手をいたしたわけでございます。電波観測所の施設設備の整備状況ということと並行しながら、逐年職員の充実も図ってまいりまして、昭和六十年度に五名の増員措置を講じましたので、現在合計三十七名ということになっておりまして、あと三名を補充いたしますと当初の四十名ということで計画を完成できるというふうに私どもとしては考えておるところでございます。
#145
○吉川春子君 まあ定員削減という大きな情勢の流れがある中で、なかなか困難とは思うんですけれども、とにかくすばらしい観測をやっておりまして、世界的にも高く評価されているんですけれ
ども、その内実が今御答弁なさったとおりなんですけれども、ぜひ大臣からもこの世界的な、世界随一の望遠鏡があるんですけれども、そういうものを支えている職員体制といいますか、その充実のためにもぜひお力添えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#146
○政府委員(大崎仁君) 先生御承知のように、現在の非常に厳しい財政事情あるいは定員状況のもとにおきましては、私どもとしましてはこれは非常に大事な施設であるということで、いわば重点的に定員の整備充実を図っておるわけでございまして、まず全体計画を無事完成さしたいというのが現在の念願であるという状況にございます。
#147
○吉川春子君 じゃ引き続き定員の確保のためには努力していただくと、こういうふうに理解してよろしいですか。
#148
○政府委員(大崎仁君) 先ほど申し上げましたように、設置当初の計画がございまして、まだ計画には達しておりませんので、設置当初の計画に達するように努力をしてまいりたいと、こういうことでございます。
#149
○吉川春子君 その計画はいつ達するんですか。
#150
○政府委員(大崎仁君) 先ほど申し上げましたように、当初四十名の予定というのが本年度で三十七名ということでございまして、あと三名の増員が図れれば計画達成ということになるわけでございますので、できるだけ早い機会に達成をしたいというふうに考えております。
#151
○吉川春子君 当初の計画が達成されればそれでよしというわけではなくて、さらにいろんな観測とか、仕事の中身も広がっているわけですからその後も引き続いて充実させていくということですね。
#152
○政府委員(大崎仁君) 文部省といたしましては、自然科学だけをとりましても非常に広範な分野の研究のお世話をさしていただいておるわけでございまして、それぞれの分野の研究者、あるいはそれぞれの研究所、研究施設、いずれも重要な課題を抱えてその充実を図っておられるわけでございますので、それらの全体の状況を踏まえまして専門の先生方の御意見も十分伺いながら全体的に対処してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#153
○吉川春子君 東京天文台の埼玉県堂平の観測所では食事の面倒を見ていた用務員が、そして三鷹の観測所では観測環境の手入れ係の用務員がそれぞれ定年退職をいたしましたけれども補充されておりませんので、教育研究に重大な支障を来していると聞いておりますが、この点はいかがですか。
#154
○政府委員(大崎仁君) 私としてはただいま初めてお伺いをしましたので実情を把握しておりません。
#155
○吉川春子君 そういう重大な支障を来しているのでぜひそういうことのないように努めていただきたいと思うんです。
 東京天文台ではこの十年ほど採用者がほとんどいないので、技術者は三十歳を越しているということです。今後の教育、それから研究の上でもこれは支障を来すのではないかと思うんですけれども、こういう国立学校の特殊性等を十分考えてぜひ対処していただきたいと思うんですけれども、この点は大臣から御答弁いただけますか。
#156
○政府委員(大崎仁君) 一般的に申しまして、職員の高齢化という問題につきましては、私どもの方に寄せられる声というのは、研究者の高齢化の問題に比べますと少ないのではないかというふうに考えておりまして、私どもとしてはまず、若手研究者、次世代を担う研究者の育成をどう図るかということがまず重要な課題であろうかということで、昭和六十年度予算におきまして新しいフェローシップの制度というようなことも発足をさせていただいたわけでございます。いずれにしましても、年齢構成のひずみということが現状としてはある程度避けられないかと存じますが、各大学あるいはそれぞれの研究所の御努力というものもまた御期待申し上げたいと思っておる次第でございます。
#157
○吉川春子君 野辺山は標高千三百五十メートルで、冬は真冬日が続いて、私たちが行きました四月十八日も、前の日に雪が降り、まだそれが残っておりました。気象条件は北海道の旭川並みというふうに言われております。そういう野辺山において寒冷地の手当の加算額が五級地、甲地の北海道と野辺山では大きな差があるわけですけれども、気象条件に応じて北海道並みの支給を行うべきではないかと思うんですけれども、この点はどうお考えでしょうか。
#158
○政府委員(大崎仁君) ただいま担当の人事課長が調べまして、お答えを申し上げます。
#159
○吉川春子君 それでは時間がもったいないので、その間にもう一つ質問いたしますが、野辺山高原の周辺には職員のためのアパートとか貸し家というのは皆無です。当初、職員相当数の宿舎が十六軒建てられたわけですけれども、その後の増員に見合う増築が行われておらず、現在は農家の廃屋を借りたり、あるいは宿舎に同居させてもらったり、冬は一時間もかけて危険な道を通勤したりしているということを聞いておりますけれども、公務員の宿舎を急いで建設すべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
#160
○政府委員(大崎仁君) 野辺山の電波観測所の宿舎につきましては、昭和五十七年度までに十六戸の宿舎を一応整備をいたしたわけでございますが、その後大学からの御要求がないというようなこともございまして着手をいたしませんでしたが、先ほど申し上げましたように、六十年度には新規の増員もございましたし、立地条件から申しまして職員宿舎が必要な場所でもございますので、今後増設をしなければならないと考えている箇所の一つでございます。
#161
○吉川春子君 さっきのわかりますか。
#162
○説明員(横瀬庄次君) 寒冷地手当の御質問でございますが、野辺山では現在五級地ということで、お話のように五級地が支給されているわけでございますが、北海道も同じように五級地でございます。それに北海道と違う点は、その基準となるパーセントのほかに加算額が、北海道と野辺山との間には差額があるようでございます。この点は人事院と実態、その地域の寒冷の度合いとかそういう実態について十分検討の上で決められたものというふうに聞いておりますが、私としては実情がわかりませんので、もう少し検討した上でお答えしたいと思います。
#163
○吉川春子君 公務員宿舎を至急に建てたいというところの一つだという御答弁をいただきまして、ぜひこれは急いで建設をしていただきたいというふうに思うわけです。同時に、共同利用機関としてこの観測所が世界各地から外国人の方もたくさんやってまいりまして、一カ月ぐらいは少なくともそこに滞在するわけですけれども、外人も使用できるようなベッド、バスつきの宿泊施設もどうしても必要だという声が強いんですけれども、やはり公務員宿舎同様こういうものも建設すべきではないでしょうか。
#164
○政府委員(大崎仁君) 予想を上回る国際的な来訪者あるいは研究上の関心が寄せられているというふうに聞いておりまして、大学からの要求を待って検討したいという状況に今あるわけでございます。
#165
○吉川春子君 そうすると、大学側の要求があれば可能性としてはあるということですか。
#166
○政府委員(大崎仁君) これは先ほど申し上げましたように、非常に数多くの大学、数多くの研究施設がいろいろと御計画をお持ちでございますので、その中での緊急性の判断というものをやはり全体を見ながらさしていただくと、こういうことになろうかと思います。
   〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕
#167
○吉川春子君 いろいろ困難な条件の中でも、世界的な研究観測をやっているこの野辺山についても、ぜひ文部省としても積極的に対応していただきたいというふうに思います。各地でそういう問題あるんでしょうけれども、たまたま野辺山に行きましたのでこの問題を中心にきょうは質問させていただいたわけです。
 さて、続きまして、今回の国立学校設置法施行令の改正に伴って横浜国立大、新潟大、金沢大、名古屋工業大、岡山、熊本大に博士課程の大学院が設置されましたが、次にこの点をお伺いします。
 四月一日付の官報告示の設置法施行規則を改正する省令を見ますと、名古屋工業大学に副学長を一人置くということになっています。この省令改正は重大な問題を含んでおりますが、まず最初にお聞きしたいのは、この副学長は専任の副学長なのでしょうか。教授の併任の副学長なのでしょうか。
#168
○政府委員(宮地貫一君) 専任の副学長として置いているものでございます。
#169
○吉川春子君 専任であるということはどこでお決めになったんでしょうか。名工大の方からそういう要求が出されたのでしょうか。
#170
○政府委員(宮地貫一君) 副学長を置くことにつきましては、大学の管理運営組織のあり方の検討をされた後、いろいろ議論の経過はあったようでございますけれども、副学長について設置要求をすることが教授会の決定を経て文部省に提出されたものでございます。それを受けまして私どもとしては概算要求をいたしたものでございます。
#171
○吉川春子君 名工大から出された副学長の設置要求は、これは専任の副学長を置いてくれというような要求だったんでしょうか。
#172
○政府委員(宮地貫一君) 副学長の置き方としては、先生御指摘のように国立学校設置法施行規則にそれぞれ置いているものでございまして、考え方としては専任の副学長を置くものでございます。ただし、その置かれます副学長が教授を兼ねるということはあり得ることかと思います。
#173
○吉川春子君 名工大はどちらの方を要求してきたんでしょうか。
#174
○政府委員(宮地貫一君) 定数の要求としては専任要求で出されたものでございます。
#175
○吉川春子君 これは非常に重大な背信が行われているということになると思います。名古屋工業大学の教授会の正式な決定は、昨年の八月三日の臨時教授会で新構想大学とは異なる学長として本学の自主性を損うことのないように配慮した、教授会で選出された教授の併任によるものであるとして設置案の各条項が満たされない場合には原点に沿って審議し直すということで、経理部長からわざわざ文部省の特別の事情のある場合と考えざるを得ない旨の説明までして、投票にかけているわけです。文部省の説明によるとこのことを真っ向から踏みにじるものじゃないですか。
#176
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど御答弁申し上げましたように、六十年度の概算要求に当たりまして、学内での経緯はあったかと思いますけれども、私どもとしては定員を要求する以上は、それは専任の副学長を要求をしているものと理解をいたしておるわけでございまして、ただその副学長が教授を兼ねるということはそれぞれの大学の実態から見てあり得ることかと思います。
#177
○吉川春子君 名工大に置かれる副学長はそうしますと教授を兼ねるということですか、今の御答弁だと。
#178
○政府委員(宮地貫一君) それは大学の運営の実態としてどういう形が望ましいかということは大学自体で御議論があることかと思いますけれども、しかし考え方としては副学長一名を置くということは専任の定数の要求をするものでございまして、私どもとしては必要なものという判断に立って要求をしてその定数をつけたわけでございます。考え方としては専任の副学長として置かれておるものでございます。ただし、大学の実態全体から見てその者が教授を兼ねることはあり得ることかと思いますし、それはそれぞれの大学の運営の面から見て学内全体の合意の上で行われることかと思います。
#179
○吉川春子君 省令改正はされましたけれども、それは名工大の教授会の意思とは全く違うわけで、大学の自治を尊重するという立場からですと、白紙に戻して審議をし直すか、あるいは大学の意思に従って省令改正をするか、文部省としてはどういうふうにお考えでしょう。
#180
○政府委員(宮地貫一君) 私どもとしては大学から正式の要求を受けて概算要求をし決定したものでございますので、ただいまのところ国立学校設置法施行規則についてそれを今御指摘の点について改正をする考え方はとっておりません。
#181
○吉川春子君 御答弁の中には大学の意思によるものだということなんですけれども、もともと大学院設置に当たって五十八年の調査費の示達とともに文部省から提示された内容は、博士課程構想とともに教育研究体制の見直し、再編成として挙げられたのは、学部の改変、整備、そして一部、二部のあり方の検討、附属施設の見直しだったのではありませんか。
   〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕
 昨年の五月ににわかに副学長問題が出されますが、六月に教授会でこれを否定しているわけです。文部省との概算要求、ヒアリングが終わると途端に持ち出されてきたわけで、文部省の財政誘導によるものではないかという疑いがあるわけですけれども、どうですか。
#182
○政府委員(宮地貫一君) 先ほども御説明をいたしておりますように、大学の学内での検討の経緯はそれぞれあろうかと思います。しかしながら、私どもとしては大学から正式に要求されたものを受けて設置をしているものでございますし、このことは博士課程設置の云々というような形で置いているものではございません。管理運営組織のあり方そのものを検討した結論としてそういう要求が出されたものというぐあいに受けとめているわけでございます。
#183
○吉川春子君 そういたしますと、大学院の設置をえさに副学長を設置させるというこういうやり方は文部省はやらないということですね。
#184
○政府委員(宮地貫一君) 私ども文教の府にあるものとしてそういうようなことをすべきでない、かように考えております。
#185
○吉川春子君 今回、名工大以外にも博士課程大学院が設けられましたけれども、副学長設置問題が起きているのは名工大だけです。文部省としても博士課程を設置することと副学長設置問題とは全く別問題だ、このことを明確に答弁していただきたいと思います。
#186
○政府委員(宮地貫一君) その件は先ほど来御答弁申し上げていることで明白であろうかと思っております。大学の管理運営組織がどうあるべきかということは、これはいろいろな機会に、いろいろなところで指摘もされているところでございまして、それぞれ大学が自主的に検討して管理運営組織のあり方についてこれもやはり不断に改善を図ることは当然のことでございまして、先生御指摘のような大学院の設置をえさにしてというような考え方で毛頭対応しているものではございません。
#187
○吉川春子君 博士課程の設置をえさにそういうことはやらないということですので、もちろんそういう原則に立って今後ともやっていただきたいと思います。
 さて、三番目の問題に移りたいと思いますが、国立学校施設整備費、それから教官等積算校費及び学生等積算校費の予算額、教官・学生等積算校費の単価、これはこの数年来どういう推移を示しているでしょう。
#188
○政府委員(坂元弘直君) 国立学校施設整備費につきまして私の方から御説明申し上げますが、昭和五十四年に二千六十六億六千万円でございましたが、その後ちょっと減ってまいりまして、昭和六十年度本年度は千四百四十八億五千六百万円でございます。昭和五十四年度から比較いたしますと六百十八億の減になっております。
 これは主として、この間先生御案内のように新設医科大学がちょうど整備をされてきて、そのピークが昭和五十四年、五十五年等に当たっておったわけでございますが、その新設医科大学の整備が徐々に終わってきたということもあって若干、それともう一つは、国の財政状況が大変厳しいということもございまして、こういうふうな状況になっているところでございます。
#189
○吉川春子君 教官とか学生とかそっちの方の予算はどうですか、わかりますか。
#190
○政府委員(宮地貫一君) 教官当たり、学生当たり積算校費の単価でございますけれども、五十八年度は補正後単価で据え置きになりまして、五十九年度、六十年度、いずれも単価としては前年同額という対応で来ております。
#191
○吉川春子君 時間の関係で次へ進みますけれども、この間五十四年度から今年度との比較、五十七年と今年度の比較をずっと見ますと、国立大学関係の予算、それから大学の教育研究予算の低下によってこういう条件が非常に困難を来しているということが明らかです。
 例えば高知大学では従来すべての教室で暖房が入っていたのが、五十七年度から大教室では真冬でも暖房が入らないようになりました。奈良教育大では五十九年度冬教室への暖房が入るのが例年よりかなりおくれた。静岡大学農学部では五十八年から教室に暖房を入れていない。廊下の照明も節約して真っ暗だ。金沢大学ではサークル等の使用時間が短くなった。こういう形で予算が削減された影響が出てきているわけですけれども、こういう事態を放置しておいては大学としての機能は低下するばかりではないでしょうか。
#192
○政府委員(宮地貫一君) 私ども国立学校のいわば一番基礎的な経費でございます教官当たり積算校費、学生当たり積算校費というものが非常に重要なものであるという認識は私どもも十分持っているわけでございます。従来それらの充実について努力を払ってまいったわけでございますが、全体的に大変厳しい現下の財政状況を受けまして、基本的に予算としてはマイナスシーリングというような形で対応しなければならないような現在の時点に立ち至っておりまして、御案内のとおりそれぞれの単価については前年同額にとどまらざるを得ない現状は私どもも大変将来の教育研究のためには憂慮すべき事態ではないかと、かように考えております。補完的な経費を若干は計上はいたしておりますが、もちろんそれですべてが賄えるものとは考えていないわけでございまして、もちろん各大学のそれぞれの実態に応じて冗費の節約ということには極力努めていただくわけでございますが、そのこと自身で教育研究そのものまでが萎縮することのないように私どもとしても配慮をしてまいらなければならない、かように考えております。
#193
○吉川春子君 教育研究自体がやっぱり萎縮しないように文部省としてはぜひ配慮していただきたいというふうに思うわけです。このほかにも例えばスキー教室がなくなったとか、やれサークル室が閉鎖になったとか、いろんな学生からの要望も私どものところに寄せられておりますので、予算の削減ということをやることが非常に学生たちの教育条件を低下しているということについて私は強く指摘し、来年度以降もそういうことがないように最大の配慮を文部大臣以下していただきたいというふうに思うわけです。
 それから、十八歳人口の増加対策として、文部省は現状の進学率を維持するために六十七年度までに大学、短大の入学定員を八万六千人ふやすことを決めました。うち期限を限った四万四千人については国立で対応するということにし、相応の対応、八千人程度の対応をすることとして今年度長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学、東京工業大学など臨時増に当たって教官を各大学に一人ずつ増員されたわけです。この教官の身分について伺いたいわけですけれども、学生の定員が減れば教官の定員も減らすということでは教官の権利にもかかわるし、学問の継続性という点からも非常に問題があると考えられます。学生の臨時増に伴って配置された教官の身分は保障されるんでしょうか。学生の定員が減っても教官については無理な定員削減はしないというふうにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#194
○政府委員(宮地貫一君) 臨時増募に伴いまして措置される予定の定員については、全体計画といいますか、全体の姿から申し上げますと、六十八年度以降は順次臨時増募の学生定員が廃止されますればそれに伴い解消されることになるわけでございます。もちろん新たな教育研究上の要請に基づく各大学の計画についてはその時点で検討されるべきものでございまして、直接のかかわりはないわけでございます。
 なお、臨時増募に伴い任用される教員については、その者について、個々人について申せば期間を限った任用が行われるわけではございません。各大学ではいわば長期的な人事計画によりまして支障の生ずることのないように対応をしていただくということになろうかと思います。
#195
○吉川春子君 学生の増募が減ったから教官も減らす、そういうことのないようにぜひしていただきたいと思います。
 大臣もお聞きのように文教予算の削減によっていろんな分野でいろんな困難を来しているわけですけれども、やはり学術研究というのは非常に国の将来にとっても大切なことだし、学生の勉学条件を保障するということでも大切なことだと思うんです。こういう予算の削減の問題と教育条件をやっぱり維持していく、向上させていくという関係について一言御決意なり御感想なり伺いたいんですけれども。
#196
○国務大臣(松永光君) 国の財政の厳しい状況ではありますが、真に必要な教育環境の予算につきましてはそれなりの努力をして確保しておるところでありますけれども、今後とも我が国の学術水準の低下を招かない、向上が図れるように努力をしていくことは当然の責務であると考えておるわけでありまして、そういう方向で努力をしてまいります。
#197
○吉川春子君 残されたわずかな時間で有利子奨学金の募集定員割れの問題について伺います。
 昨年、文教委員会でも最大の焦点であった育英奨学金への有利子制の導入ということがやられまして、有利子奨学金、第二種奨学金の五十九年度の応募状況についてどうでしょうか、また従来の無利子奨学金、第一種奨学金の応募状況はどうでしょうか。
#198
○政府委員(宮地貫一君) 前国会で日本育英会法の全面改正が行われまして、五十九年度から新法に基づく奨学生の募集が行われたわけでございますが、募集事務手続の開始が例年に比べて相当大幅におくれたことなどのために第一種、第二種の奨学金を合わせまして応募者数が例年に比べて三割程度減少しているという状況になっております。第一種の奨学金、無利子の奨学金についてはほぼ予定どおりの採用が行われましたが、第二種奨学金については新たに創設されたものでもございますし、また募集時期が年度途中ということもございまして十分趣旨の徹底が図れなかったということもございますので、奨学生の採用数としては採用予定数の約六割程度というぐあいに承知をいたしております。
 六十年度についてはもちろん通例どおりの新年度早々から募集をしておるわけでございますし、また第二種奨学金の周知徹底も一層図ることを考えまして、これについては当初から例年並みの応募者が見込まれるものと私どもとしては考えております。
#199
○吉川春子君 有利子奨学金の応募状況は五六・七%、無利子の奨学金の応募は一〇〇%というのが実際の数字ですね。有利子奨学金については、育英会は各大学を通して学生に対して再三にわたってPRして募集も数次にわたって行っているけれども、それでも枠が埋まらない、こういう状態です。無利子奨学金を申請して不採用になった学生が大学当局に有利子奨学金を勧められたら、何と言ったかといいますと、面倒な手続をするよりも同じローンなら銀行ローンを借りた方がましだと、こういうふうに断ったという話も聞いております。育英会は今年度は何が何でも有利子奨学金の枠を埋めようといろんなチラシやポスターをつくってPRに努めているわけですけれども、もしことしも定員割れしたら文部省としてはどういうふうに責任をおとりになるつもりですか。
#200
○政府委員(宮地貫一君) 新たに設けた制度でございますので、その趣旨を十分正しく理解をして
いただくために必要な、先生御指摘のような形で十分周知徹底を図る措置は講じているわけでございます。私どもとしては当初の計画どおりこれが実行されることを期待をしているわけでございまして、それらの推移は制度創設早々のことでもございますので、なお定着に日時を要するということもあろうかと思いますけれども、育英会法審議の際に申し上げたように、私どもとしては第一種の奨学金を制度の根幹として持っておるわけでございまして、いわば補完的な措置としてこの第二種奨学金、有利子の奨学金を設けたわけでございます。採用人員等の数から申してもその点は明白でございますけれども、私どもとしては積極的にこれが理解されまして当初計画どおり遂行されることを期待をしているわけでございまして、今からその責任をどうかと言われても、その点についてはお答えのしようがないわけでございます。
#201
○吉川春子君 有利子奨学金の制度というものは欧米先進国と比べて非常に日本の後進性といいますか、奨学金制度に対するおくれを物語るものだと思います。補完的なものだということで導入したけれども、結果としては非常に学生に人気が悪かったと。こういうチラシを何遍つくったり、ポスターをつくったりしても埋まらなかったと。じゃ、ことしはいっぱいになる可能性があるかというと、今の御答弁聞いていると、なかなかそういう確信もないような、そういう印象を受けました。私はこれは明らかに政府の政策の破綻がこういう形であらわれているのではないかというふうに思うわけです。ぜひやはり本当に学生にとって役に立つ、喜ばれる無利子の奨学金制度に戻すべきだと、そういうことを私としては強く御要望申し上げたいわけですけれども、これは政策決定の根幹に触れる問題ですので、一言文部大臣の奨学金制度に対するお考えあるいは今後の文部省としてのとるべき方向なども含めてお聞かせいただきたいと思います。
#202
○国務大臣(松永光君) 先ほどから局長が答弁しておりますように、この無利子の奨学資金という制度は維持しておるわけでありまして、これは財政のことを考えれば、大部分の人は御理解願えると思いますけれども、結局無利子の場合には利子相当額全額、有利子の場合でも在学中無利子で卒業後三%ということでありますから、そうしますと、財投利子との差額は、当然のことながら国の負担、すなわち働いている人の負担になると、こういうことなんでありまして、全般的に奨学制度を拡充していく場合にはこの種の新たな手法というものも当然考えられてしかるべきだと、こういうふうに思われるわけであります。大体本来的なやり方としてはいわゆる育英ということであったんでありますけれども、最近は育英ということを余り強く言いますというといかがかということもありますので、真に勉強したい人については一応の審査はいたしますけれども、できる限り勉強ができるようにしようというふうな施策でこの新たなやり方が始まったわけでありまして、それなりに私は意味のある制度であり仕組みであるというふうに考えるわけであります。
#203
○吉川春子君 不十分ですけれども、私としては時間ですので、これで終わります。
#204
○委員長(真鍋賢二君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#206
○委員長(真鍋賢二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#207
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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