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1984/06/11 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 文教委員会 第12号
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1984/06/11 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 文教委員会 第12号

#1
第102回国会 文教委員会 第12号
昭和六十年六月十一日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月八日
    辞任         補欠選任
     伏見 康治君     高桑 栄松君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                杉山 令肇君
                仲川 幸男君
                久保  亘君
                吉川 春子君
    委 員
                井上  裕君
                山東 昭子君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                林 健太郎君
                林  ゆう君
                柳川 覺治君
                粕谷 照美君
                中村  哲君
                安永 英雄君
                高木健太郎君
                高桑 栄松君
                関  嘉彦君
   国務大臣
       文 部 大 臣  松永  光君
   政府委員
       臨時教育審議会
       事務局次長    齋藤 諦淳君
       文部政務次官   鳩山 邦夫君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部大臣官房審
       議官       菱村 幸彦君
       文部省初等中等
       教育局長     高石 邦男君
       文部省高等教育
       局長       宮地 貫一君
       文部省高等教育
       局私学部長    國分 正明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    上野 浩靖君
       厚生省保険局保
       険課長      奥村 明雄君
       厚生省保険局医
       療課長      寺松  尚君
       労働省職業安定
       局雇用保険課長  佐藤 勝美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る八日、伏見康治君が委員を辞任され、その補欠として高桑栄松君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(真鍋賢二君) 次に、昭和四十四年度以後はおける私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○久保亘君 今度の改正案で平均アップ率を三・四%とされた、この数字の根拠を説明してください。
#5
○政府委員(菱村幸彦君) 今回の年金改定のアップ率につきましては、私立学校の共済組合の年金改定につきましては従来から国家公務員、地方公務員等の年金のアップと同一、それに準じまして行うことになっております。したがいまして、国家公務員、地方公務員と同一の率でやっておりますので、私学共済につきましてもそのような率によったということでございます。
#6
○久保亘君 それなら、準じた国家公務員の平均アップ率の三・四%というのはどういう根拠になっているのか。ただ向こうの平均アップ率をそのままやっただけだということでなくて、三・四の根拠がないと、私学共済法の中で決められている精神といいますか、それからこの改定される母法で年金の改定について決められているその考え方からいって、三・四%が妥当であるのかどうかという判断は私学共済自体が持たなければならぬ問題だと私は思いますので、三・四%の数字的根拠を聞いたわけです。
#7
○政府委員(菱村幸彦君) 三・四%の根拠ということでございますが、これは五十九年度の国家公務員の給与改定率、ベースアップ率によっているわけでございます。それによりまして国家公務員等の年金の改定が行われるわけでございますが、私学共済は教育基本法六条の規定によりまして従来から国家公務員は準じて行うということはなっておりますので、そのような方式をとっているということでございます。
#8
○久保亘君 国家公務員のアップ率に準じて三・四%、それとの関連で三・四%の平均アップ率を決めたということですが、五十九年度の公務員のベースアップ率は幾らですか。
#9
○政府委員(菱村幸彦君) 国家公務員の給与改定率は三・三七%と承知しております。
#10
○委員長(真鍋賢二君) 菱村審議官に申し上げます。
 答弁のときは、挙手を願います。
#11
○久保亘君 それでは、この私学共済の年金の改定に関する考え方の中には、社会保障制度としての機能を果たし、年金の実質価値を保証するという考え方があると私は思うんですが、四十四年に決められたときの考え方というのは、そういうふうに理解しておられますか。
#12
○政府委員(菱村幸彦君) 私学共済の年金改定は、国家公務員、地方公務員等の年金改定に準じて行うということでございまして、これはもちろんおっしゃいますように年金の価値を実質的に国家公務員、地方公務員に準じて上げていくということでございます。
#13
○久保亘君 すると、今度の改定の場合たはその三・四%というのは私学関係者の年金の実質価値を保全するに足る平均アップ率だという説明ができますか。
#14
○政府委員(菱村幸彦君) 私学共済の年金のアップにつきましては、繰り返し申しておりますように国家公務員等に準じて行っているわけでございますから、その国家公務員の三十九年度のベースアップに見合う年金改定を行っているというふうに考えております。
#15
○久保亘君 そうすると、私学共済自体の平均給与の実態であるとか私学共済の運営の状況であるとか財政の状況であるとか、そういうものを考えながら私学共済自体の一つの判断を持つということはおやりにならずに、ただ国家公務員の方が決まったら右へならえで、それで数字合わせをするというだけでおやりになるつもりでしょうか。
#16
○政府委員(菱村幸彦君) 私学共済年金の制度といいますものは、先生も御承知のとおり国家公務員の年金制度に準じて行うということでございまして、これは法律的にも国家公務員の共済組合法を準用しているわけでございまして、いろいろな算定方式におきまして私学の独自性も若干ございますが、国家公務員の制度にならってやっているわけでございますから、この給与改定につきましてもそれによって行うということは従来から行っているところでございます。
#17
○久保亘君 それならば私学共済については国家公務員の共済制度との間にもういかなる格差もない、すべてその水準ないしは水準以上に到達しているという理解をされておりますか。
#18
○政府委員(菱村幸彦君) 国家公務員の水準に準じているというふうに考えております。
#19
○久保亘君 準じておるということではなくて、もうその間に実質的な格差は一切存在しない、こういう理解でよろしゅうございますか。
#20
○政府委員(菱村幸彦君) もちろん国家公務員の場合と私学の場合では、勤務年数とか経験年数とか私学共済の発足の時点からの経過とか、いろいろございますから、全く同一というわけにはまいりませんが、もし条件が同じであれば、国家公務員と同一の年金が受けられるということでございます。
#21
○久保亘君 結局、私立学校共済組合の独自な判断というか、自主的な判断と言った方がいいでしょうかね。法律上もちろん国家公務員共済組合に準ずるということはございますが、準ずるということは独自の判断をすべてやってはいかぬということではないと私は思うのです。もし、そこに問題があれば、その問題をどういうふうに是正していくかというような努力をしなければならぬのであって、全く私学共済としての独自の判断が加えられないというか、そういう判断を停止してしまった状態で、数字をただ移行させるというだけでは問題があるのではないかと私は考えるのでお尋ねしたわけで、三・四%というのは、公租公課を引いたり、あるいは物価の上昇率を判断に入れたりすると、ほとんど年金生活者の年金の実質価値を保全できない、ましてや向上という点では全く配慮を加えていないアップ率だと言わなければならぬ、私はこう思っております。
 したがって、やっぱり私学共済自体としても最終的に横並びの率でおやりになるにしても、私学共済自体としてもどういう状況にあるのか、どのようなアップ率が望ましいのか等について判断をするという努力が必要なのではないか。そのことが、この横並びの前提にされている他の共済組合の年金の改定等に当たっても、一つの年金生活者の立場に立った力になるんだ、私はこう思うんで、そういう点の努力をお願いしておきたいと思うのであります。
 もう一つ、この法律に関係してお尋ねしたいのは、遺族年金のアップについて、旧法の部分でありますが、遺族年金のアップを四月と八月と二段階で調整されるのは、主たる理由は何でしょうか。
#22
○政府委員(菱村幸彦君) これは、厚生年金の最低保障がございますが、それに対しまして私学共済の遺族年金の最低保障は少し差がございます。そこで、厚生年金の方の最低保障に合わせるためと申しますか、ギャップを埋めるために、この二段階の措置によりまして埋めていくという方式をとっているわけでございます。
#23
○久保亘君 私が言っているのは、二段階にやらぬで、初めからやればいいのじゃないかということなんです。何で四月に少しやって八月に再調整をするという二段階の方法をおとりになるのかということを聞いておる。
#24
○政府委員(菱村幸彦君) これは財政的な理由によるわけでございますが、恩給の場合もそういう二段階の方式をとっておりますので、それに準じて私学共済も行うということでございます。
#25
○久保亘君 あなたの方で、すべて他の共済組合の制度に準じたのだと言われれば、ここで何を質問しても余り意味がないんです。私が言っているのは、そういう二段階にやらぬでも、四月に八月にやるものをやればいいじゃないか、そういうことで矛盾があるとお考えにならないかと聞いているんです。私は、できるかできぬかということは、これはいろいろ法的な規制もあって難しい点もあるかもしれないが、なぜ二段階にしなければならぬのか。こういうのは一段階でもよかったんじゃないか、初めから八月にやる金額に決めればよかったんじゃないかということなんで、それはもう一方の方がそうなっているのでそうなりましたということじゃ、余り聞いても意味がないんで、私が聞いている意図に答えてもらいたかったんですが、無理なようですから、いいです。
 それから、これは年金の額の改定に関する改正でありますが、もう一つ私学共済組合の年金制度の改革を図ろうとする改正案が衆議院の方に提出されておりますけれども、この改正案の成立の見通しは今国会においては全くないと思います。
 そこで、六十一年の四月実施を見込んで法律を提出された政府の側として、六十一年四月の実施を可能とする法改正のタイムリミットはどの辺でお考えになっておりますか。あなた方の実務面からどういうふうに見ておられますか。
#26
○政府委員(菱村幸彦君) 御指摘のように、六十一年四月から実施いたしますためにはいろいろなすべきことがございます。例えば、制度運用のための政令、省令を作成したり、さらにはコンピューターシステムの作業がございましたり、既裁定年金の裁定替えの作業がございましたり、いろいろございますので、法成立後、相当期間と申しますか、かなりの期間の準備期間が必要であるというふうに考えております。
#27
○久保亘君 だから、かなりの準備期間が必要だというのは、法律が成立してからどれくらいの期間が最小限必要だとあなた方の方ではお考えになっているのかということを聞いているわけです。
#28
○政府委員(菱村幸彦君) これはいろんな要素がございますので、一概にどれくらいの時間ということは申し上げにくいわけでございますが、相当の期間が必要でありますので、ぜひとも早期の成立をお願いしたい、こういうことでございます。
#29
○久保亘君 はっきりしたことをお聞きすれば、それじゃこの国会で成立しなかった場合には、六十一年の四月実施というのは事務的には非常に困難である、そういうふうにあなた方の方は受けとめておられますか。
#30
○政府委員(菱村幸彦君) 事務的には大変困難なことになろうかというふうに考えます。
#31
○久保亘君 次に、私学助成の問題についてお尋ねしたいんですが、文部大臣、最近、財界の方で私学経常費の助成については廃止すべきだという意見があちこちで述べられるようになっているんですが、私はこのような意見があることに対して大変驚きを感じておるんです。特に大学教育においては、学生数で言うならば八割を受け持っている私学に対して、国の財政措置というのはそれこそ逆の二割もないと思うんですね。もっと非常に少ない額です。
 そういう状況の中で、そういう意見が出てくることに非常に驚きを感じておりますが、最近は、私立大学の経営者からも廃止すべきだという意見が述べられておるのを見まして、非常に私は奇異な感じがいたしておるのでありますが、文部大臣は、この問題についてどうお考えになりますか。
#32
○国務大臣(松永光君) 私学助成はぜひとも必要であるというふうに考えております。
 ただ、先生御指摘の経済界とかあるいはその他の方面からいろんな意見も出されていることを承知しておりますけれども、私学助成そのものをやめろというよりは、やり方を少し考えるべきじゃないかという、私学助成のあり方についての改善意見というふうに私は受け取っておるわけでございます。納税者がよく納得しているような形でやってもらいたい。例えば私立学校等に対する助成を一律的なものじゃなくして、研究装置とか教育装置とかそういったものにウエートを置いた補助の仕方が望ましいのではないかとか、あるいは私立学校に通っておる学生、生徒の一定の資格、条件等を考えて、それに対する助成というふうな面を考えていくべきじゃないのか。要するに一律の機関補助というのが必ずしも適当でないという改善意見だというふうに私は受けとめているわけでありまして、私学助成そのものをやめてしまえというふうな意見とはとっていないわけであります。
 いずれにせょ私学助成は大事でありますので、そういった意見も踏まえて納税者の方々が十分賛意を表していただけるような形で私学助成は続けていかなければならぬというふうに考えているわけでございます。
#33
○久保亘君 文部大臣のお立場はよくわかりましたが、しかし必ずしも財界の意見というのはあなたがおっしゃったような立場ではないように思うんです。日経連の労働問題研究委員会の報告書には、憲法違反の疑いもあると、それで、私学助成は、やめるべきだという意見も述べられたこともございますし、それからここへ、代表的な意見と私は見ていいと思うんですが、私学の経営者でもある方が、私学助成金は廃止するべきこと。私と国とは、つまり私学と国立のことですね、私と国とは矛盾概念である。助成は甘やかしの原因と考える。資金が集まらぬとすればそのこと自体が存在意義なきことへの証明である。授業料に不満な学生は国公立へ行けばよい。こういう意見をお述べになっております。これは今文部大臣がおっしゃったようなこととは全然違う、私学助成金、これは全廃すべきだという御意見です。実業界の方でもありますし、また大学の経営をなさっている方でもあります。
 私ちょっと調べてみましたら、この大学については私学助成、経常費も助成金が交付されているように思いますけれども、そういう御意見をお持ちの方もございまして、それできのう文部省の方からいただきました私立大学等経常費補助金交付状況というのを見ましたら、大学、短期大学含めて二十校がもう全然申請をしない、補助金の。これは補助金の申請をしない大学というのにはそれぞれ理由があろうかと思うんですが、これらの大学の申請しない大きな理由というのはどういう点にあるでしょうか。
#34
○政府委員(國分正明君) 御指摘のとおり、五十八年度の経常費補助金の交付の状況でございますと二十校が経常費補助金の申請をしていないわけでございます。
 経常費補助金につきましては各学校法人からの申請に基づきまして、御案内の日本私学振興財団が審査の上交付しているわけでございまして、御指摘の二十校については申請が出ておりませんので確定的な理由を申し上げるわけにはいかないかと思いますが、一般的に申し上げましてそれぞれの学校の状況をざっと見てみますと、仮に交付申請を行いましても、例えば定員超過率が著しく高いとか、ちょっと管理運営上問題があるんではないだろうかとかということで仮に申請したとしても補助対象外になると思われる、そういうふうにみずから判断して交付申請しなかったものが多いのではないだろうか、こういうふうに推察いたしております。
#35
○久保亘君 それから大学の経営上いろいろな問題があって不交付校として停止されている大学がまだかなりございますが、従来、問題となってまいりました大学の管理運営上不適正なところについては、文部省としてはその改善についてその後もいろいろと努力をされていると思うんでありますが、これらの学校についてはまだ当分不交付校から解除される見通しはない、こういうふうに見てよろしゅうございますか。
#36
○政府委員(國分正明君) 管理運営に問題がある点で不交付になっている学校があるわけでございますが、その管理運営が不適切な状況というのもいろいろございまして、例えば私学振興財団からの借入金の償還でございますとか、あるいは公租公課等を一年以上長期にわたって滞納しているとかというのもございます。あるいは、いわゆる制裁措置、管理運営不適切ということで制裁措置を受けまして、原則として向こう五年間は不交付というふうになっているのもございます。あるいはまた水増し率、いわゆる定員超過率が高いために不交付になっているのがございますので、これらの事情が解消されますれば、例えば振興財団からの借り入れについてその後御工夫なさって返済するということになれば、現に五十八年度不交付でも五十九年度そういう観点から交付というふうになったものもございますので、事情によろうかと思うわけでございます。
#37
○久保亘君 きょうは時間がありませんから詳しい内容はお聞きいたしませんが、文部大臣、私立学校に不祥事がずっとここ数年続いておりましたが、これらの不祥事については文部省としては大体正常化された、問題は解決したという見方をなさっておりますか。
#38
○国務大臣(松永光君) 不祥事件が起こっているのは福岡が一番多いような感じがするんでありますけれども、その他の地区にも一、二あったようでありますが、これは大変遺憾なことでありまして、文部省としては大学関係者を呼んだりして厳しく指導しておりまして、順調にと言ったらちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、着実に改善措置が進んでおるというふうに受けとめておるわけでありますけれども、今後ともそういう大学等につきましては指導を厳しくやりまして、関係者の自主的な努力を期待しながら今後ともこの改善措置がなされるように努力をしていきたい、こう考えておるわけでございます。
#39
○久保亘君 わかりました。また機会を見て私は少し具体的なことでお尋ねをしたいと思っておりますが、文部省の考え方として一応今文部大臣の御見解を承っておきます。
 次に、これは私立学校だけの問題じゃございませんが、最近大きな社会問題となりました北九州病院グループの不正請求事件に関係をして、国立、私立七つの大学がこの北九州病院グループとの関係でかかわりを持っているという報道がございますが、文部省としてはこの北九州病院グループとの関係で大学にいろいろ問題があることについてどのような調査をなさっておりますでしょうか、文部省の調査の内容について御報告をいただきたいと思うんです。
#40
○政府委員(宮地貫一君) 新聞報道で、北九州病院グループの経営しております北九州病院が、看護婦を水増しをして福岡県などに報告をして看護料を不正に受け取ったということが報道をされまして、特にそのことにかかわって具体的には広島大学、長崎大学、九州大学等の医師の名義をかりて謝礼を払ったということが報道されたわけでございます。私ども具体的には広島大学からの報告を今日まで聞いたところによりますと、奨学寄附金として研究助成を目的として正規の手続を経て受け入れたということは聞いておるわけでございますけれども、なお現在詳細な調査を指示をしているところでございまして、例えば五十六年度から四年間にわたって二千四百万余りを北九州病院から受け入れたというような事柄は報告を受けております。なお、医師の名義がしの問題でございますけれども、広島大学の医員をしておりました者が辞職をしてから北九州病院等に就職をしているということは聞いておりますけれども、現在の時点までで広島大学医学部に現に在籍する者についての名義がしの事実はないというぐあいに聞いております。なお、このことについてはさらに詳細を私どもとしても調査をいたしたいということで対応をいたしているところでございます。
#41
○久保亘君 警察庁お見えになっておりますか。今度のこの事件について、一つは北九州病院グループの不正請求を容疑としておやりになっていると思うんですが、大学との関係で警察の側でいろいろ事情をお聞きになったり捜査をされたりしていることはございますか。
#42
○説明員(上野浩靖君) お答えいたします。
 御指摘の件につきましては、御承知のとおり、去る六月三日までに医療法人北九州病院の理事長外三名を基準看護料を加算計上するなどの方法により、福岡県国民健康保険団体連合会から診療報酬名下に、これは昭和五十九年の七月分と八月分でございますが、約三千万円を腕取した事実により逮捕いたしまして、現在捜査中のものでございます。
 ただいま御指摘のありましたことにつきましては、ただいま申し上げましたようにこの詐欺事件につきましてまだ一部につきまして現在捜査ということで、全体を解明しなきゃならないということもございまして、現在鋭意それに取り組んでいるのが実態でございまして、ただいまお話ありました各大学との関係等につきましてはまだ捜査中であるとの報告は受けていない状態でございます。
#43
○久保亘君 大学の場合に医師を病院に派遣をする、名義をかす、そういうことについて病院の側から代償として謝礼を受け取るということになれば一般的にこれは事件となるものなんでしょうかね、どうなんですか。
#44
○説明員(上野浩靖君) ただいま申し上げましたように、詐欺事件につきまして現在取り組んでいるところでございまして、今先生御指摘のことにつきましてはまだ実態等を把握していないということでございますので、今の段階でどういう犯罪が成立するかにつきましてはお答えを差し控えさしていただきたいと存じます。
#45
○久保亘君 それでは文部省にまたお尋ねしますが、この問題について報道機関からコメントを求められた広島大学の医学部長は、五十六年から四年間に約二千四百万円をもらったが、すべて奨学寄附金で個人の懐に入ったものはない、こういうことを言われておるんですね。長崎大学の医学部長は、五十八年からこれまでに七百万円を受け取ったが全額文部省の承認を得て国庫に入れ、研究費に使った、こういうことになっております。そういたしますと、文部省は企業である病院から医師を派遣したり、いろいろ病院に医学部の側から便宜を供与する代償として受け取る研究費というのは奨学寄附金であるということで、文部省も承認して大学の研究費に予算化する制度にしているのかどうか、それはどうなんでしょうか。
#46
○政府委員(宮地貫一君) 民間から奨学寄附金を受けて大学の経理に入れるということにつきましては、それぞれ奨学寄附金の委任経理について具体的な手続を私ども定めておりまして、正規の手続を経て受け入れたものについてはもちろん研究助成を目的とするというようなことで正規の手続を経て行われているわけでございます。御指摘の点は、広島大学なり長崎大学においてそれぞれ正規の手続を経て行われたものについて指しているかと思うわけでございまして、それらの取り扱いについてはもちろん私どもからも適正な取り扱いについては通知をし、それに即して対応をしているわけでございますけれども、通例これは相手方については例えば一般企業でございますとか、いろいろなケースが実際上はあり得るわけでございまして、この病院の場合についてもそういうことで奨学寄附金として受け入れたものというぐあいに理解をしているわけでございます。
#47
○久保亘君 そうすると、この寄附金は国庫に入ったんですから、当然文部省としては実態を全部掌握されているわけですね、国庫へ入ったんだから、そしてまた大学の口座へ戻ったんでしょう。そうすると、文部省はこのような北九州病院と各大学との間の金銭の授受に関しては全部文部省は経理上明らかにできる状況にあるんですね。
#48
○政府委員(宮地貫一君) 具体的な受け入れ、奨学寄附金を受け入れるかどうかの決定その他については各大学長に委任をしているわけでございまして、具体的な受け入れその他についてはそれぞれの大学長において判断をして実施をしているわけでございます。もちろんそれらの研究の、ただいま御指摘の奨学寄附金等が具体的にどう使われたかということについては各大学から報告を徴すればそれらについては当然報告をされるわけでございますけれども、個々の事務処理については規定上は学長に委任をしているということになっておりますので、その一々について事前に承知をしているというものではございません。
#49
○久保亘君 少なくとも大学が受け入れた寄附金が国庫に収納されて、そしてそれがまた大学の経理に戻されるということなら、これは私は文部省はいつでもその実態は報告できなきゃおかしいと思うんです。そういう制度をつくっておるから、おまえのところで適当に入れてそれは国庫に入ったことにして使えよと、そんなものじゃなかろうと思うんですよ。国庫に入った以上は国の予算として使われるんじゃないんですか。
#50
○政府委員(宮地貫一君) もちろん奨学寄附金として経理をされておりますものは民間から受け入れを行いまして、事柄としては国立学校特別会計に入るわけでございます。それを具体的に受託研究なり共同研究をどのように実施しているかというような内容について事前に私ども報告をとっている仕組みではないということを先ほど申し上げたわけでございまして、その寄附金によってどのような研究が行われているかということについては、案件によりまして私ども大学から当然に必要な場合、報告を求めるということはあり得るわけでございまして、それらの詳細については各大学に私どもとしても必要な限度で報告を求めるということで対応しているところでございます。
#51
○久保亘君 局長のかねてからすると大変歯切れが悪いですね。私は非常に不思議なことだと思うんですよ。今のようなことで、文部省は、それはわからぬ、大学に任してある、こういうことだと、今度のような北九州病院グループの不正事件に大学が巻き込まれる可能性を制度としてはつくっておるということになるんです。今度の場合は、結果的に言えば五十億円も不正請求をやって金を詐欺で集めた北九州病院グループが、札束に番号打ってあるわけじゃないから、一々書いてあるわけじゃないからそれは別の方のきれいな金ですと言えばそれまでだけれども、そうして集めた金の一部を大学側に研究費としてやっておるんだ。大学側は今度はそのかわりに名義貸しをやったり医師を派遣したりしておるんですよ。こういうことを文部省が、企業の側から大いに研究費などはもらってもそれが奨学寄附金として大学の中で処理されていさえすれば問題はないんですというやり方をとっているところに企業と大学との間の問題を発生させやすい原因があるんじゃないでしょうかね。文部大臣、どうですか。
#52
○国務大臣(松永光君) 詳細は私はまだ承知していないところでありますが、一般論として考えれば、民間の病院あるいは企業、それと大学との協力による研究というものをどうやっていくかという問題だろうと思うんでありますが、その研究の成果は民間の企業あるいは病院も結果的には受ける、そういうことがあるので、大学の研究に対して民間の病院あるいは企業が研究費に充てるために寄附をするということだろうと思うんでありまして、その寄附の取り扱いについては不正が起こらぬようにということでいろんな規定を設けて経理をやらしておる、こういうことであろうと思います。なお、大学でございますから文部省が一々その都度、そのたびごとにチェックするというのも実際問題としては言うはやすいができないということもあって、ある程度は大学の自主的な管理に任しておるというのが実情のようでありまして、しかし必要に応じて文部省としては報告を求める、その形でチェックをするというふうなことだと思うんであります。民間とそれから大学とが協力して研究活動を続けていくということは意味のあることでありますし、またその研究の成果を民間の方でも活用できるということ、これまた結構なことであると思うのでありますが、そのことにかかわる寄附の問題につきましては今後とも国民の不満あるいは不信を招かないように適切な経理がなされなきゃならぬというふうに思うわけであります。
#53
○久保亘君 どうもわかりにくいのだけれども、国の機関である大学が寄附金を、病院であっても企業ですね。その寄附金をもらって、そしてそれを大学が自主管理をするというふうにおっしゃいましても、それ文部省が一々そういう実態について報告を求めるのは、問題があれば別だけれども、大変困難であるとおっしゃいますと、私どもはなかなか納得できない。少なくとも大学が企業から受けた奨学寄附金については、その内容を、国庫に入れた以上国費であるから、全部文部省は知っておらなければいかぬと思いますよ。知っておらなければ、報告を求めなければいかぬと思います。私は高等学校の経験を持っておりますが、高等学校の場合には、農業高校などが学校の実習でつくり出した生産物の売り上げ代金といえども、これは全部県費に入ります。そういう点はきちんとされております。だから私は、大学だからなかなか言えないのだというようなことでなくて、やはり大学の側だって堂々と受け取った奨学寄附金、制度として認められている奨学寄附金なら、これこれをどこどこから受け取りました、こういう研究に使いましたということを天下に発表しても何にも問題がないことでしょう。そういうものがどうして文部省に報告されないのか、私はそれはよくわからぬのです。
#54
○政府委員(宮地貫一君) ただいま大臣からもお答えしたとおりでございますけれども、具体的にこの奨学寄附金の扱いについてもかねてその適正な取り扱いということについては注意を促しているわけでございまして、特に外部資金の受け入れに当たっては、適切な審査機関を設置して審査を行うとかあるいは教授会等に対し報告を行うなどして寄附者等との関係について社会の疑惑を招くことのないよう適切な措置を講ずるように学内規定の整備を行ってもらうよう各大学にも通知を発しているところでございます。
 なお、具体的な報告につきましては四半期ごとに報告を受け取っているということでございまして、たまたま現在報道されておりますあるいは広島大学、長崎大学等のケースについて具体的な個別の報告をまだ受け取っていないということで先ほど御答弁申し上げたわけでございますけれども、本件について特にいわゆる名義貸しといいますか、そういうようなことが背景にあるのかどうかというようなことなどが、社会の疑惑を招くような事態があるとすればまことに遺憾なことでございまして、私ども正規に経理をされております奨学寄附金の扱いについても早急に報告を求めたい、かように考えております。
#55
○久保亘君 警察庁の二課長お待ちいただきましたけれども、もう一つだけお尋ねしたいのです。
 今文部省が説明されましたように、奨学寄附金として制度に基づいて正規に受け入れられたものは別として、もしそのような手続によらない、例えば名義を貸したことによってその名義料として受け取る、あるいは手続外の金が動く、今報道されているものの中にそういうものがございますね。そういうものに対しては警察庁としても一応いろいろと事情をお調べになりますか。
#56
○説明員(上野浩靖君) 福岡県警察において現在捜査中でございまして、今御指摘のこと等につきましても今後事案解明の過程で当然明らかにしなければならないことかと考えておりますので、当然そのようになろうかと考えております。
#57
○久保亘君 それでこの問題で今のような制度が認められておって、それから北九州病院と広島大学との関係というのが何か指定研修病院というものになっているのだそうですが、こういうものが文部省の制度としてございますか。北九州総合病院は広島大学の指定研修病院ということになっておるのだそうですが、そういうのがございますか。
#58
○政府委員(宮地貫一君) 文部省としては指定研修病院というような事柄については関与いたしておりません。
#59
○久保亘君 しかし、大学がそういう民間の病院を指定研修病院として指定をし、そして共同研究をやったり医師を派遣したり研究費を受け取ったり、そういうことをやっていくということになれば、指定研修病院という制度を大学側が自主的につくるということでよいのかどうか。これはどうなんでしょうか。これは広島大学だけにあるような問題なんでしょうか。
#60
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、大学病院と個々の民間の病院との間で事実上医師を派遣いたしますとかいろんな形で実態上密接な関連にあるということは実際上あり得ることでございまして、これは広島大学に限らないかと思っております。しかしながら、文部省でそれら個々の病院について研修病院として指定をして運用上どう考えるかというような事柄を制度として文部省としては関与しているものではございません。
#61
○久保亘君 最後に文部省にこの問題でもう一つお聞きしたいのは、私が最初に申し上げました国立大学五大学、私立大学二大学が今度のこの北九州病院との関係でかかわりのある大学だという報道がございますが、七大学ということについて文部省は何か掌握されておりますか。このことで知っておられる大学というのはどことどこですか。
#62
○政府委員(宮地貫一君) 新聞報道で承知をしております限りで広島大学、長崎大学が言われておりますし、さらに九州大学、千葉大学及び島根医科大学等についても報道されておりますので、私どもとしては早急にそれらの事実、報道された事柄の事実の有無の確認その他について各大学に電話その他で照会をしているというのが現時点の状況でございまして、これらの全容については私どもとしても早急に事態を把握して社会の疑惑を招くことのないような対応を早急にとりたいと、かように考えております。
#63
○久保亘君 文部大臣、このような問題は一つは大学の特に実験等を要する部門の研究費が非常に不足しているということが原因の一つ。それからもう一つは、私が素人で聞いておりますことですから間違いがあるかもしれませんが、大学の医局には無給の医師がたくさんおられる。それは研究者だからと言えばそれまでですが、実際には診療にも当たるということになれば、生産的な仕事に携わり、また必要な研究をやっている人たちが無給で働いているというところに一つまた医師の名義貸しとか派遣とかいうものを誘導する原因があるんじゃないか、こういうふうに思うのですが、この研究費の問題と今の医局のあり方の問題について文部省として改善の余地があるとお考えになりませんか。
#64
○国務大臣(松永光君) 医師の養成、特に優秀な医学の学問を身につけ技術を身につけた医師の養成というのは大変重要なことだと思っておりますし、医師の資格を持ったからといってそれで人様のお役に立つ医師になり得るかどうか、非常に問題があろうかと思います。これは、別の分野で恐縮ですが、例えば弁護士などの場合も本当の弁護士らしい弁護士になるためには数年間の研修が要るような実態でありますが、医師の場合はもっとそれが厳しい研修というか勉強が必要じゃないか、こういうふうに思うわけでありまして、大学の医局にいらっしゃる医師の方はそういう方が多いんじゃなかろうかというふうに理解をしておるわけであります。また、そういう期間勉強をした人が本当に立派な医師になられるというふうに私は承知をしておりますが、それが無給であるという点は確かに問題かと思いますけれども、実態は勤務した日数とか仕事をした実態に応じて謝金は出ているようでありますけれども、その額が妥当かどうかという問題はあろうかと思います。
 もう一つは、私の承知しているところでは、医師が研究をする、あるいは医療の技術の向上を図る上ではいろんな患者さんが実際になきゃならぬわけでありまして、大学の附属病院だけではなかなか研究が十分でないということになってくれば他の病院との協力関係というのは、他の病院というのは民間の病院である場合でございますが、あり得ることだと。やはり協力し合って医療技術の向上を図っていくということは今後とも大事なことではなかろうか。問題は、不祥事件が起こらないように、国民の疑惑を招かないような、そういう厳しい自主的なチェックはもちろん、制度上もそういう制度をつくり上げて、そして適切な運用がなされるようにしなきゃならぬ問題であるというふうに思っているわけでございます。
#65
○久保亘君 今、弁護士の例をお挙げになりましたけれども、司法官というのは司法試験は通って司法修習生になりましたときからちゃんと給料をもらっておるんです。研修所におります間も少ないけれども一定の給料をもらっておるのです。だから、医師が医局に無給で研究に携わらにゃならぬと、きちんとした給与がないというところにも一つ問題があると、私はこう思っております。
 時間がありませんから最後に厚生省にお聞きしたいんだけれども、この史上空前とも言える看護婦、医師等の水増しによって不正に請求をしたこの事件について、厚生省としては監督官庁としてどういうふうに受けとめておられるのか。
 それから、当然、今までの事例からいたしますと、こんな大事件を起こしている病院については保険医療機関の指定は取り消されて当然だと思うんでありますが、これはどういうふうにお考えになっているのか。
 それから、県が特別監査を行ったと聞いておりますが、県の特別監査の結果を厚生省は報告を受けておられたら簡単に概要を御説明いただきたい。
#66
○説明員(寺松尚君) 今先生御指摘いただきました基準看護の承認についてでございますけれども、承認時には実地調査を行うほか、承認後におきましても適時実地調査を行うというふうに県等を指導しておるわけでございますが、今回の北九州老人病院につきましては長期にわたりましてこういう事実があったということで、それが判明しなかったということで、結果といたしまして見逃しましたことにつきましては非常に遺憾に存じます。相手方の方の二重帳簿とかいう問題がございますけれども、いずれにいたしましても大変重大な問題だと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 現在、新聞報道でも御承知と思いますが、基準看護にかかわります関係書類につきましては県警の方で押収されておるわけでございます。明確な事実関係につきましては私どもの方はまだ十分調査をする段階になっておりません。六月七日に北九州老人病院に対しまして県としましては一応立入調査を行いました。本年四月一日の基準看護承認時申請書に記載されました看護婦の名簿等を確認した結果、不適がおるというふうに事実が確認されておるわけでございます。
 そこで、厚生省といたしましては、今後事実関係の確認を県警当局等の御協力を得まして確認を急ぎたい、こういうふうに存じておりまして、これまでの不正請求額の返還という問題と、もう一つは先生今御指摘いただきました保険医療機関の取り消しも含めました厳正な対応を県当局に指示してまいるつもりでございます。
 福岡県につきましてはそうでございますけれども、本件が重大な問題だということから、私ども基準看護につきましては全国に基準看護病院というのは三千三百足らずございますけれども、その病院につきまして総点検を行いたい、こういうふうに考えまして現在その準備を進めておるところでございます。
 以上でございます。
#67
○安永英雄君 ただいまの北九州病院の不正事件の問題について、当初に質問をいたします。
 今、同僚議員の方からいろいろ質問がございましたが、広島大学、長崎大学、九州大学の国立三大学、それから福岡大、久留米大、きょうの新聞あたりでは千葉大も何か関係があるような報道もされております。ここに結局十二億の現金が流れておるというのが、今警察で押さえておるところでございます。先ほどから聞いておりますと、研究助成費、奨学寄附金、地元の新聞等を見ますと共同研究費あるいは研究委託費、さまざまな問題が出ておるようです。報道機関では、長崎大学あたりが言っておりますように研究助成費、奨学寄附金、これに限られておるようでありますけれども、私は決してそうではないような気がする。したがってこれは昨年あれだけ不正事件が起こったときに、直後にその対策として官房の会計課長の名前によって各大学にこれらの金の取り扱いについて、これは通知か通達か行っておると思うんであります。したがって、この問題については昨年あれだけいろんな問題が起こっておる、国立も私学も。これは名古屋大学だったと思いますが、これと全く同じような、お医者さんじゃありませんでしたけれども、関係の事件が起こっておったのを記憶しております。
 先ほどの話では、大体その後始末はできたというふうな大臣の答弁でありますが、また一年たって今まさに同じような事件が起こっておる。私は許されないと思うし、文部省の方でこれら事件の把握という問題については各大学に一任をしておる、したがって四半期ごとに報告が来る、したがって現在起こっておる問題についてはまだ掌握をしていないという話ですけれども、これは非常に大きな問題だし、ある面では文部省に対する司直の手が入るかもしれないと私は思うんです。先ほどの質問によりますと警察の方も、地元の福岡県警がやっておるけれども、これはそういう方面まで捜査を進める場合もあり得るという話が今ありましたけれども、まさにここをつかなければこの事件の解決にはならないというふうに私は思います。
 そこで、あのときの通知は、今私は持ってきていませんが、持っています。どういう通知が出されたか、なければ私は私の記憶しておるところで質問していきますが、ありますか。
#68
○政府委員(宮地貫一君) 昨年十二月官房会計課長名で各国立学校長あてに、奨学寄附金、受託研究経費等の適正な取り扱いについての通知を出したところでございまして、特に先ほど御答弁申し上げましたように、外部資金の受け入れに当たっては適切な審査機関を設置して審査を行うとか、教授会等に対し報告を行う等して、寄附者との関係について社会の疑惑を招くことのないよう適切な措置を構ずべく学内規程の整備を早急に行うことということを通知しているわけでございます。
#69
○安永英雄君 それは飾りのところでしょう。詳細なものが出ていますよ。今ごろになって文部省が、この共同研究に企業が出した金の使い方、あるいは研究委託費の使い方、研究助成費の使い方、奨学寄附金の使い方、これらについて詳細にしてありますよ。
 まずそれじゃ聞きますけれども、国立だけで結構です、この三大学の受け入れのときの機構はどうなっていますか。
   〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕
#70
○政府委員(宮地貫一君) 広島大学、九州大学及び長崎大学におきましては、教授会に対して報告する取り扱いとされているわけでございまして、奨学寄附金の具体的な取り扱いについてはそのような処理がなされているものというぐあいに承知をいたしております。
#71
○安永英雄君 これは私が予定しておった時間の質問外でありましたのであれですけれども、私は、二十日の日に委員会が開催されるそうでありますが、産学協同の問題について徹底的に質問をしたいと思う。それまでに今私が聞いた大学の受け入れの機構、それから通知か通達か知りませんが、その中に出ておったその金の使い方、この三大学がどういう規定をしておるか、文部省の通知によってそのとおりにやっておるかどうか、この調査を出していただきたいと思います。
 一言つけ加えておきますが、昨年の事件があった後、これについての通知を出したのですけれども、使い方についてはますますどうにも自由に使えるような使い方をしてもいいように規制が広げられておるということを私は言っておきますから。
 それから、この事件の進行ぐあい、これはきょうあたりはもうやはり国立大学に起こった問題についてはあなた方のところで今私が聞いておるようなこととか、あるいは久保君が聞いておるぐらいなことは持っておかなければうそですよ、これは。二十日までにひとつ今の久保君の質問の内容等も含めて詳細に、これは書類その他の問題もありましょうし、押収されておるかもしれませんし、とにかくやってください。
 あの通知の内容から見ますと、四半期が終わって後から出すような問題じゃないですよ。ちゃんと国庫に入ったとき本庁へ行きましょうが。そこのところの責任者まであれは明記してありますよ。だから、これは大体過去四年間の問題ですよ。四年間ですよ。ごく最近ばたばたと持っていった、金を送り込んだ問題じゃない。四年間にわたって、これは十二億程度の金額をつぎ込んでおるわけですから、文部省が知らなかったというわけにはいかないし、四半期ごとに上がってくる、こういうことになっているわけですから、何に使ったかはこれはわかるわけです。私は先ほどの答弁では不満足です。これは十分まだやってもらわなきゃならぬ。きょうはこの程度にとどめておきます。
 まあ、福岡県の方で盛んに起こりまして、大臣からもおしかりを受けました。私どもも地元でますます厳格にやっていくように頑張りたいと思います。
 それでは、たしか四月の二十五日だったと思いますが、本委員会に臨教審の会長とそれから会長代行をお呼びいたしましていろいろ質問をしたのでありますが、私はその中で一つ取り上げた、そして石川会長代行にいろいろお尋ねをした私学に関する質問があったわけでありますが、特に私学は今経営に非常に苦労をしておる、特に目前に迫っております十八歳人口の急増という問題、やがて来るであろう急減という問題を抱えて私学は非常に苦悩をしておる。したがって臨教審においての私学のこの苦しさというのはあなたが一番よく知っているはずだ。中間報告等を見ると、十八歳人口に対する臨教審の手だてというのも出ていないし、また経常経費を増してやらなければ毎年毎年切って捨てられておるという状況は、これはまことにあなたの責任ではないのか、こう厳しく私は聞いたんでございますけれども、代行の答弁は次のようでございました。
 国民の緊急的な課題と長期的視野に立った課題でこの問題は考えている、国民の緊急な課題についてもその問題を根源的に解決していこうということになると長期的な問題になっていく、したがって文部省の大学の設置審議会でやろうという計画をきちんと実施をやることを考えておる、十分とは思わないけれども、という言葉もありました。そういう意識は私は持っておるという非常に漠とした答弁でございましたけれども、要は臨教審の方では深遠な根源的に解決していかなきゃならぬという問題を審議しておるから、国民が、今自分の息子はいよいよ大学に入るがお粗末な大学に入りたくない、十八歳人口を抱えておる国民の気持ちというのは、文部省の方でおやりなさい、そういうふうに言っておると私はあのときにとったわけです。それで私も捨てぜりふみたいなことを言った。大学設置審議会の会長でしょう、石川さんは。そして私学の補助等については先頭に立って盛んに活躍をされておる人が、臨教審に入ったら、わしらの方は根源的な深遠な研究をやって長期間かかるので、当面の十八歳人口の問題とかあるいは経常経費の半分、二分の一まで国が持とうじゃないかというそういったものに対するこの要望、こういったものについては臨教審では一切こういうものは出さない。恐らく私はそれで近く出るであろう第一次答申の中にこの十八歳人口に対する対策の問題あるいはそれに伴う予算、あるいは私学補助、こういったものについてこのくらいは、とにかく二分の一ぐらいは持たなきゃならぬというふうなものが出ようとは私はちょっと想像しにくい。
 この点は、第一次答申の中に、十八歳人口の問題や私学振興の助成をするための方途、こういったものが出るとお思いになりますか。あるいは臨教審の代行が言ったように、文部省の方で当面の十八歳人口対策、それから私学の現在苦しい財政に対する援助、こういったものについては文部省がやれというふうな意向でございますか。どういうふうに予測をされ、そして臨教審の十八歳人口の急増、急減に対する問題と、それから私学の当面の助成といったものについて非常に熱意が薄いというふうに考えますが、こういった立場に立ったときの大臣のお考えなり、あるいはこれに対する施策というものをお伺いしておきたいと思います。
#72
○国務大臣(松永光君) 臨時教育審議会の方で、十八歳人口が昭和六十七年にピークになる、これから六十七年に向けて十八歳人口が急増する、それに対する対応策及び私学助成につきましては、これは臨時教育審議会の方で審議をしていただき、またその答申があるかどうか、これは別といたしまして、本来的に人口急増に伴う高等教育機関の整備充実を図っていくというのは文部省の務めだ、そう考えております。
   〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕
 臨時教育審議会で審議をなさるかどうか、あるいは答申があるかどうかにかかわりなく、文部省がその責務においてこの問題に対する対応策を樹立をし、実行していかにゃならぬ、こういうふうに思っておるわけであります。
 将来、臨教審の方でこの問題について論議をしていただくかどうかはわかりませんけれども、論議をしていただいて、いい提案をしていただければありがたいと思いますが、そのことにかかわりなく、我々の方としては英知を絞ってそして適切な対応策を樹立をし、その実行に向けて全力を挙げて取り組んでいくという決意でございます。
#73
○安永英雄君 そうであれば、全く臨教審の石川代行がおっしゃったとおりの考えと一致するわけです。
 それでは後でお聞きしますけれども、ここでお聞きしておきたいのは、この大学設置審議会の計画というものをやっていくというふうに大臣はおっしゃったんですか。
#74
○国務大臣(松永光君) 大学設置審議会で御議論をしていただきました高等教育の拡大増強計画、これを実施に向けて努力をしていきたいと考えておるわけでございます。
#75
○安永英雄君 それでは今の問題は大臣、今のお言葉は後でまた内容をお聞きします。
 まず、計画の初年度であります六十一年度の開設の私立大学、この設置認可申請の期限、これは慌ただしい日にちを切ったものですから私学関係者は非常に混乱をしておったわけでありますが、現在までの許認可申請の状況についてお聞きします。
#76
○政府委員(宮地貫一君) 昭和六十年度でございますけれども、六十年度に開設をいたしました私立大学の数でございますが、これは短期大学でございまして、短期大学のみで八校ございます。大学の新設はございません。大学というのは四年制大学のことでございます。
 なおそのほか学部を増設しましたものが三校、短期大学の学科を増設しましたものが五校、学部の学科を増設したものが七校ということになっておりまして、収容定員の増を含めますと、昭和六十年度の私立大学全体の入学定員の増加数は約八千八百という数字になっております。これは入学定員増としては九千五百七十名でございますが、見返りで減をしたものが七百八十名ございまして、差し引きでただいま申しましたような八千七百九十名という数字になっております。なお、六十一年度に開設を予定しまして、これは御案内のとおり、大学の新設等については二年審査ということで対応しておりまして、現にもう既に申請が出されまして六十一年度開設というものについては第二年目の審査に入っているわけでございますけれども、現在そういう審査中の私立大学の数は、大学三校、短期大学五校ということになっております。なお、そのほか学部を増設しようとするもの十校、短期大学の学科を増設しようとするもの十三校となっておりまして、いずれも審査中の問題でございます。
 六十一年度における私立大学全体の入学定員の増加数というのは、学部の学科増、収容定員増の申請が六月末でございますので、さらに期間を限った定員増の申請の締め切りは九月末ということはなっておりますので、ただいまのところ的確な数字では申し上げかねるわけでございますけれども、過去の状況等から勘案しまして、先ほど申し上げました六十年度の数は上回ることになるのではないかというぐあいに推定をいたしております。
#77
○安永英雄君 この申請を受ける際には、臨時定員増と恒常定員増について明確に分けて対応するはずであると私は思うんでありますが、その状況はどうですか。
#78
○政府委員(宮地貫一君) さっきちょっと申し上げたわけでございますけれども、収容定員増の申請は六月末が恒常的な定員の申請期限でございます。先生御指摘の臨時定員増というぐあいにおっしゃられましたが、期間を限った定員増の申請の期限は九月三十日が締め切りでございまして、扱いとしては別建てで扱っておるわけでございます。いずれも現在時点まだその期日が到来しておりませんので、六十一年度の定員増の数字については的確に申し上げられないわけでございます。
#79
○安永英雄君 この点非常に心配をしているわけですが、私大の定員増の見通し、この見通しですが、どうですか。
#80
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど六十年度の場合について御答弁申し上げましたが、全体で八千七百余りの増が結果として出ておりまして、六十一年度の見通しとしてもそれを下回ることはないのではないかと私ども想定をいたしておりますけれども、全体としてはしたがって相当の定員増が行われるものと考えております。もちろん期間を限った定員増については全く新しい事柄でございまして、具体的な対応の点については、これは新たな制度になるわけでございますから、過去の傾向ということで申し上げるわけにはいかないわけでございますが、全体の定員増で申せば今申し上げたようなことでございます。
#81
○安永英雄君 これはこの前も言ったかもしれませんけれども、現在この増員を引き受ける側の各私大、ここで今でもいろんな教授会等で問題になっておるんでありますけれども、教育条件が非常にしっかりしている、そして学生の収容にも確かにあそこはまだ余裕があるという大学の方が非常に教授会でけんけんごうごうやっておるわけで、消極的です。むしろ少しでも学生を、定員をふやすということによって財政的な潤いが来るんじゃないか、あるいは設置基準の弾力化、後でお聞きしますけれども、そういったものが出てくる。そうすると実員が定員化されて国庫補助の増額があるんじゃないか、こういう期待もありまして、教育条件その他が非常に現在でも苦しい、余りよくない、こういったところの方が引き受けましょう、こういった形で動いているような気配が非常に強いのでありますが、こういった問題は現在実際に実務に当たられておる文部省としてどんな感触ですか。
#82
○政府委員(宮地貫一君) 十八歳人口の急増に適切に対応していくというためには、先生御指摘のようないわば歴史の古い大学と申しますか、内容的にしっかりした大学、そういうところが相応の入学定員増を行っていただきたいというぐあいに私どもとしても希望をいたしておるわけでございます。現在までのところ明確な見通しということで申し上げられるところまで至っていないわけでございますけれども、実務的に窓口等に相談に見えておりますような状況から言いますと、そういうような大学においても積極的な定員増が行われるものと私どもも期待をしております。もちろん十八歳人口の増に対応して私立大学に相当定員増をお願いをしなければならない立場にあるわけでございまして、それらの点についてはぜひ積極的な対応でお願いをしたいと、かように考えております。
#83
○安永英雄君 約四万四千の臨時定員増、これを何とか実現をしなければならぬということで、大学、短大の設置基準の改正、大学設置審議会や私立大学審議会における審査基準の変更といった措置を講ぜられておるようでありますが、これらの具体的な内容、趣旨、運用に際して、教育研究条件の低下を防ぐためにはどういう配慮をされているか、ちょっと問題の内容が多いんでありますけれども説明していただきたい。
#84
○政府委員(宮地貫一君) 私立大学設置に関する取り扱い方針、それと設置認可の審査につきましては、先ほど来御指摘の六十一年度以降の計画的整備について示されました量的な整備のあり方と質的な整備の方向に沿った審査を行うということで、私立大学の設置等に関する取り扱い方針が決定をされておるわけでございます。この取り扱い方針におきましては、申請にかかわる地域において設置することが必要と認められるもの、医療技術者の養成あるいは社会的要請や教育研究上の要請に対応するもの、勤労者等を対象とする夜間学部、通信教育等、社会人、留学生、帰国生徒の受け入れに積極的に対応するもの、あるいは小規模な改組、拡充を必要とするもの、必要性の強いものについて新増設なり定員増を認めるということで対応をするわけでございます。実際にこの取り扱い方針につきまして、具体的には個々の判断を要するわけでございまして、今日までの傾向で若干申し上げますと、例えば経営学部とか工学部、看護学部というようなものがございますし、短期大学では経営学科、経営情報、生活学科というようなものが具体的には出てきております。なお、もちろん医師、歯科医師等あるいは教員なり船舶職員の養成というようなのは、おおむね必要とする整備が行われたので、拡充は予定しないというようなことで対応をしているわけでございます。
#85
○安永英雄君 ちょっと問題広く質問いたしましたので、内容的に聞いていきたいと思うんですが、文部省として私立大学の設置という問題については量的拡大を抑制して質的充実に向けていこうという、そしてかたがた十八歳人口の増高に適切に対処する、こういう立場ですが、総体的に言って私立学校をこれ以上ふやさないという方針を持っておられるのかどうかお聞きしたい。
#86
○政府委員(宮地貫一君) 全体的な状況については先ほど来お話のございます高等教育の計画的整備に即して対応しているわけでございまして、その基本的な流れ方といいますか、そこに盛られている基本的な考え方というのは、質的な充実といいますか、質的な充実向上を図るということが何よりも必要だということが言われているわけでございます。したがって、大きな流れから言えば、量的な拡大を図るよりはむしろ質的な向上を図るというのが基本的な考え方として言えるかと思います。
 ただし、当面の問題で申せば、六十七年度まで十八歳人口がこれからふえていく時期に差しかかつておるわけでございまして、それをどのようにこなすかということが先ほど来お話のございますような形で、恒常的な定員増と期間を限った定員増で対応していく、それは昭和七十五年度になればまた十八歳人口が百五十万人台に落ち込んでくるということを前提にしまして、期間を限った定員増というようなことで対応しているわけでございます。もちろんその際、基準の扱いとしては弾力的な扱いをしてまいりますけれども、内容的な教育条件は低下させないということをもちろん念頭に置いているわけでございまして、そのことは十分把握をした上で弾力的な対応ということも考えていかなければならない、かように考えております。
#87
○安永英雄君 弾力的に取り扱うということはありますけれども、今示されております取扱方針の中を見ますと相当やっぱり厳しい規制になっているようです。大体私の感じでは、私学を設置するという場合はこれは相当穏やかな規制でないと私学の本質的な発展は望めないのじゃないかというふうに私は基本的には考えるんです。しかし、現状を見られての結果だと思うんですけれども、余りに量ばっかりふえて質の方は一向に整っていない、そういう方針からある程度の規制をされて、その中で幾らか弾力的に取り扱うという立場が見えるようですけれども、この点は私はいろんなところでよく聞かれるんですよ。どうも大学の審議会あるいは設置基準の審議会、こういうところであって、それが結果が出ますと文部省の方でその方針に従ってどういう取り扱いをされるのか知りませんが、余り国民全般に今後の私学のあり方、それが具体的に出てくるのは設置基準その他の問題ですから、それは余り知らない、だからいろんな問い合わせが来ますから、これはやっぱりある程度知らせる必要があるのではないか。第一、設置基準の審議会の委員あたり名前は余り公表しないんじゃないんですか。あれは公表していますか。公表すると設置したい人が自宅に押しかけていくというのでこれは余り表に出さないというが、実は皆知っておるという、そういうこともありましょうが、私は、国立の問題はここで審議しますから割と国民にわかりやすい。ところが私学の問題はいつの間にか名前も余り公表しないような委員さんが集まりまして、それが決まりますとすっと文部省の方で省令か通知か、いろんなものを出されて、それが現実の姿となって法律以上の動きをしていくということで、なかなかわかりにくいというところでありますから、私はこの際少しお聞きしておきたいと思います。
 大学あるいは大学の学部、大学の学部の学科、短期大学、短期大学の学科等の設置の場合ということで厳しいものが出ておりますが、「申請に係る地域において、同種の学部、学科等が未設置であるかまたは社会的要請に比して著しく少なく、当該地域に設置することが必要と認められるもの」、わからぬことはないんでありますけれども、この規制でこれまで認可した実例は、このアの項で設置を認可した例が一つでも結構ですが、ありますか。
#88
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど設置の取り扱いの一般的な事柄について御説明を申し上げたわけでございます。
 今御指摘の点は「私立大学の設置等に関する取扱方針」に従って、これは設置審議会そのものが決めたものでございまして、それの項目のアの項目についてどういうようなものが設置をされたかということでございますが、直接具体的な資料を手元に持ち合わせておりませんが、一般的に申し上げますと、その地域に同種の学部、学科等がないというようなことで、かつ社会的要請が強い、例えば先ほど一般的な御答弁で申し上げた経営情報でございますとか、そういうようなものについて、社会的要請が強くて申請が出されて認可をされるということはこれは幾らもあるわけでございます。
 なお、どの地域のどれということで個別の御答弁はちょっとただいま手元に資料がございませんので御答弁できかねます。
#89
○安永英雄君 先ほど言いましたように、具体的に聞いておきたいと思います。
 これは原則だけが書いてあるわけで、しかし実際には申請していきますと、この項目に従ってやられるわけでありますから、審査されるわけでありますから、一つずつ聞いておきたいと予告はいたしておったわけですけれども、ないようですから次に進みます。
 これだけちょっと聞いておきたいと思うんですが、「地域による制限」ということで、工業等制限区域、その他の区域において設置を行おうとするものはということで欄が挙げてありまして、北九州、福岡市、いわゆる政令都市ですが、こういったところはなかなか厳しいんですね、こういうところには私学を設置しようといった場合にはなかなかできないんですか。例えば、これは注文しておったんですけれども、福岡市でも結構です、福岡市に現在私学がこれだけこれだけあって、そしてもうこれ以上は私学はここでつくっちゃならないという欄の中に入っておるようでありますが、この点はどうですか。
#90
○政府委員(宮地貫一君) 設置審議会が定めております「私立大学の設置等に関する取扱方針」では「地域による制限」を設けているわけでございまして、それによりますと、首都圏及び近畿圏の工業等制限区域並びに政令指定都市等においては、「収容定員の増加を伴わないもの」、「勤労者等を対象とするもの」、「社会人、留学生、帰国生徒の受入れに積極的に対応するもの」、「実員の増加を伴わず収容定員を増加するもの」、「特別の人材養成に係るもので特に必要と認められるもの」、「小規模な改組、拡充をするもので、当該専門分野の充実、社会的要請への対応または適正な経営規模の確保のために特に必要と認められるもの」、これらがこういう地域においても積極的に認められるケースとして言われているわけでございまして、これらを除きますと、原則的には設置を認めないということになっているわけでございます。ただし、期間を付した収容定員を増加する、いわゆる臨時定員増はいずれも地域の制限を外しているわけでございます。御指摘の福岡市の場合には、いわゆる「その他の区域」ということになっているわけでございまして、この取扱方針ではその点も「当該地域の実情に応じた弾力的な取扱いを考慮する」ということになっておるわけでございまして、したがって具体的に福岡市の方から具体的な申請が出てまいりました際に、それらの点は「実情に応じた弾力的な取扱い」ということで、その点は十分配慮をする対応になっているわけでございます。
#91
○安永英雄君 九州産業大学の問題もありますし、今度の病院の問題もありますのでなかなか難しかろうと思いますけれども、熱心なそして本当に地域の高等教育を興したいという人も随分いるようでありますので、この点あたりは弾力的な取り扱いという問題については、これ十分配慮をしてもらわなければならないというふうに思います。
 次に、問題の臨教審の方の考え方を先ほど申しましたが、急増対策は文部省に任せる、そして大学設置審議会というものの方針、施策というものを実施していこうと思うと、こういうふうなお答えで、また大臣もその方向で進みたいということですけれども、ここに大きな問題があるわけで、十分とは思わないけれどもという言葉も審議会の方からも出たんでありますが、そうは大臣も胸張ってこれでやっていくという内容じゃないようであります。
 そこで、「期間を付して収容定員を増加する場合に関する取扱方針」というものを見て私はちょっに驚いたのでありますが、これをちょっと概括的に説明してくれませんか。
#92
○政府委員(宮地貫一君) 昨年六月に大学設置審議会の計画分科会から、「六十一年度以降の高等教育の計画的整備について」、いわゆる先ほど来御議論のございます新高等教育計画が出されたわけでございまして、その中で十八歳人口の急増急減を考慮しました期間を限った定員増を措置するということが提言をされているわけでございます。
 この計画を受けまして、昨年八月、大学設置審議会において「私立大学の設置等に関する取扱方針」を決め、また期間を限った定員増に関しまして、大学設置基準及び短期大学設置基準の一部が改正をされたわけでございます。
 これらを受けまして、昨年九月、大学設置審議会において「期間を付して収容定員を増加する場合に関する取扱方針」を決めたわけでございます。
 以上がこの取扱方針を定めるに至った経緯でございますが、その具体的な内容でございますが、期間を限って措置する定員であるということから、校地、校舎及び教員組織の基準を弾力的に運用するということにいたしております。例えば、定員を増加することによりまして専任教員を増加することが必要になるわけでございますけれども、教育に支障のない限度におきましては兼任の教員でかえることができるということで、専任教員の制限について弾力的な取り扱いをするというようなことなどがございます。
 なお、校地面積につきましては、基準上は校地面積の増加を必要としないということで、これは期間を限った定員増ということの対応としては、そのために校地をふやすということまでは求めないというのが基本的な考え方でございます。
 そのほか認可する場合の条件、期間等について規定をしているわけでございます。これらは具体的には申請が出ましたものについて審議会に諮って、答申を得て実施をすることになるわけでございまして、先ほど来、先生の初めの方の御質問でもございましたように、もちろん歴史の古い立派な大学が積極的に対応してくれることを私どもも望んでいるわけでございますが、現実にはこのことによりまして教育水準の維持は図ると。教育水準の維持は図りながら弾力的な取り扱いをしていくということが基本的な考え方でございまして、それらの点については具体的に申請が出た段階で個別にそれぞれ審議会に御判断をいただくことになろうかと思います。
#93
○安永英雄君 項目ごとに聞いていきますが、「地域による制限について」という内容が出ている。先ほどお聞きいたしましたが、厳しい地域の制限があるわけでありますが、この十八歳人口の急増期間、「期間を付して収容定員を増加する場合については、」この「規定は、適用しないものとする。」ということであっさりと認めておるわけであります。前段聞きましたときには、なかなか福岡にも大学はできないようでありますけれども、弾力的にやるということでありますが、臨時にふえた分についてはこれはもう幾らでも引き受けてくれと、こういうことでありまして、これはちょっとびっくりするわけであります。これはしかし、私の趣旨としては、こういう際でありますから、この地域における制限は取っ払った方がいいというふうに思います。
 「教員組織、校地、校舎等について」というところでありますが、「期間を付して収容定員を増加する場合に係る教員組織、校地、校舎等の取扱いについて」ということで、「教員組織について」ということでありますが、「設置基準の定めるところにより、入学定員の増加に伴い必要とされる専任教員数が増加することとなるときは、当該増加することとなる専任教員数は、教育に支障のない限度において、兼任の教員をもって充てることができるものとする。」、これも少し「注」が入って、「教育に支障のない限度」、この取り扱いについての説明をあわせてやっていだたきたいと思うんですが、ちょっとこれは私はお粗末過ぎやしないか。先ほどもいわゆる北九州の病院の問題で問題になって、名貸しの問題が出ている。それから、昨年あたり私立大学の問題のときにはいつも兼任の教員を専任教員と偽って補助金をもらうときの水増しの操作にこの方法をしょっちゅう使っておるというのが出てきたわけです。これは質が落ちることはもう目に見えてるんじゃないですか。幾ら十八歳人口が急に六十一年からふえるとはいえ、教員組織、質、これを落とすというのは、これはしかも文部省なり大学設置審議会が窮余の一策とはいえ、これを認めるという、こうしなさいと、できるものとするというのは、いかに窮余の策とはいえ、これは大学教育の根幹にかかわる問題ではないですか。この点お考えをお聞きしたい。
#94
○政府委員(宮地貫一君) 基本的には、先生十分御承知の点でございますけれども、設置基準というのはいわば最低の基準といいますか、そういうことで規定をいたしているわけでございまして、現実の個々の大学においてはそれぞれ設置基準を上回ります専任教員を置いているケースが通例、ほとんどの大学ではそういうことで教員組織を充実して対応しているというのが現状の、大多数のところはそういうようなことで対応しているわけでございます。
 そこで問題は、教員組織の点について、「期間を付して収容定員を増加する場合に関する取扱方針」として審議会で御議論いただいてこういう取り扱いをお願いをしているわけでございますけれども、もちろん専任教員をその場合に配置できるところについては当然それは専任教員を配置するわけでございますが、ただ期間を付した収容定員でございますので、その入学定員については、将来、六十七年度以降において減員をするということは、それを前提にして対応するわけでございます。したがってその場合に、専任教員を通常の規定どおりに置くということは必ずしも考えないと。もちろん教育水準の低下を来さないということが基本的には前提になるわけでございますが、そういう考え方で兼任の教員をもって充てることがあり得るということで対応をするという取り扱いを決めているわけでございます。もちろんそこに注として書かれておりますように、「増加することとなる専任教員数の全部または一部について、兼任の教員をもって充てた場合において、期間を付して入学定員を増加しようとする学科・専攻における兼任の教員全員の担当する授業時間の合計数が、当該学科等の全授業時間数のおおむね二分の一を超えないことになる」という、いわば一つの歯どめといいますか、具体的な歯どめもかけた上で兼任教員を置いて対応し得るということを言っているわけでございますし、また小規模な学科等については、その割合により、授業時数の割合から見ますと小規模な学科等の場合については必ずしもそういかない場合もあると。それらについては弾力的な取り扱いをするということで、それは実際に申請が出されましたものについて個別に審議会で判断をするということになっているわけでございまして、先ほど来御説明をしておりますような期間を付した収容定員の増加に対する対応としての弾力的な取り扱いということで、こういうことを審議会で御議論いただいて決めていただいたわけでございます。内容的にそのことで教育水準を下げることのないようにということはもちろん基本的に踏まえているわけでございまして、個別に出されたものについてその点を慎重に判断をするということはもとよりのことでございます。
#95
○安永英雄君 これは後でまとめて申しますが、今の教員組織の問題で、ここまで質を落としておいて、質を落とさぬようにどこでできますか。専任教員、これはもう設置基準のとおりに、これ権威あるものですよ、設置基準というのは。そう簡単にぽんぽん変えられるものじゃないでしょう、これ。それを、質下げておいて、そしてまた質が落ちないようにというのはどういうことですか。私はどうもそこのところがわからない。明らかに教員組織については教員の質が落ちることは覚悟の上で臨時の措置としてやらなければならないという立場なら話としてはわかるけれども、これで決して――何か今の答弁では質が上がるような答弁だけれども、そんな答弁はいけませんよ。
 校地の問題については、これは前代未聞の表現ですな、これ。「期間を付して入学定員を増加しようとする場合の校地の面積の算定については、当該入学定員の増加はないものとして、設置基準の定めるところにより算定するものとする。」、ふざけたとにかく表現ですよ、これ。要するに、どんどん学生が入ってきても校地、校舎は今のとおりで結構ですということでしょう、これ。ここまでとにかく基準を下げなければ私学の方は引き受けませんか。どうですか、校地の問題。
#96
○政府委員(宮地貫一君) 校地の基準については、基準そのものについてただいまこれは設置審議会の基準分科会においてもいろいろ御議論をいただいているわけでございます。基本的な、原則的に申しますと、校舎面積の六倍の校地を要するということで、特に大都市等においては現実にそれだけの、六倍の校地を確保するということは現実問題として大変困難であるというようなことや、そういう今日社会情勢全体の変化に対応してその基準全体を基本的に見直しを要するのではないかという議論があるわけでございまして、それらの点はもちろん基本的な御検討をいただいているわけでございますが、期間を限った収容定員をふやすという場合には、先ほど来御説明をしておりますように、後においてその定員を減らすことになるわけでございますので、校地についてその定員に見合う校地の増を求めるということは、基本的にはそこまで求めることはいかがであろうかというような考え方に立って、校地の扱いについては入学定員の増に対して校地の増を求めることはしないという取り扱いを基本的に定めたものでございます。校舎についても基本的にはそのような考え方でございます。要は教育水準を落とさないという考え方の中に、先ほど来御議論のあります教員組織の点については、先生からそれでは十分じゃないではないかという御指摘もございましたが、その点については授業時数全体の面で押さえるということで十分配慮をしながら、専任教員でなくとも兼任教員で対応し得るということを弾力的な扱いとして対応をしているわけでございます。基準の弾力的な扱いをそこまでしなければ私学の協力が得られないのかというお尋ねでございますが、期間を付した定員増について私立大学側にも積極的に対応していただくために、弾力的な取り扱いとして必要なところは以上のような取り扱いをいたしているわけでございます。
#97
○安永英雄君 時間が参りましたので、この中で一つだけはっきりしておるのは、「当該大学について、教学面または管理運営面において適正を欠くと認められる事実があるときには、収容定員の増加は、認めないものとする。」、ここだけがまともなんですよ。これだけはひとつ守ってもらわぬといかぬ。弾力的な取り扱いをしてもらっちゃ困る。あとのところは全部、減のときを考えて、その間はいいころかげんにやっておって結構、だから定数を、増員分を引き受けてくれ、こういうやり方ですが、これはあなたが幾ら質は落とさないとこう言っても、ここまではっきり、これは前代未聞じゃないですか、文部省のこの考え方は。これはもう、ちょっと私は厳しい方向の方が、もうざるですよ、これ。設置基準もへったくれもありゃせぬです、これ。
 時間がありませんから最後に大臣にお聞きをしておきたいと思いますが、いずれにしましても、学生にとってこれは、条件は現状より悪くなる、この期間は、ということははっきりいたしておるわけです。そこで、前も申しましたように、高齢化社会を背負って立つ中心的な世代、二十一世紀の中心的な世代がこの時期、約五、六年の間、今の文部省の基準なり何なりによってお粗末な教育を受けるわけですよ。これを私は、臨教審の代行やら大臣がこの文部省の方針を進めていくと、こう言われておったんでございますけれども、いささか心配。そういうこっちゃないですよ。これは一過性というのはあなた方よく使う言葉でしょう。来年から入っていく学生というのは一生に一度しかない大学の貴重な期間を、――この規定に基づけば、教える教員もこれは質の低下は免れない。入っておる校舎、教育条件、そういったものは明らかに低下するんですよ、文部省公認ですわ。その期間を過ごすわけですから、私は許されないと思う。
 したがって、大臣に総括的にお願いをしておきたいと申しますのは、やっぱり審議会等で出ておるものは私は机上の計画が非常に多いと思うんですよ。文部省自身もやはり具体的にもう一回検討していただいて、明年度予算の概算要求の時期も近まってくるわけでありますから。ただ、十八歳人口のどうの云々という、それに要する費用というふうなことじゃなくて、私学がやっぱり苦しい。この私学の援助をしなきゃならぬ。私学教育の振興という問題については、当然やらなきゃならぬ仕事だとさっきおっしゃったんですけれども、大臣もひとつ格段の予算面の、私は御尽力を特にお願いをして、私の質問を終わります。
#98
○国務大臣(松永光君) 日本の大学教育はどうあるべきかという基本的な問題については、臨時教育審議会で恐らくこれから密度の濃い、また高い観点からの議論がなされるものと期待いたしております。
 十八歳人口の急増対策、これはもう差し迫った問題でございまして、もうことしもそうでございましたが、来年も、八万六千人もふやすということになってまいりますというと、毎年、一万以上になりましょうか、ふやしていくということを着実に進めていかなければ、十八歳人口のピークに対応できないという問題でありますので、そこで、大学設置審議会の方で議論をし、お決めをいただいたこの急増対策、これを進めていかなきゃならぬというのが私どもの立場であり、また責務であるというふうに考えております。
 その場合には、先生厳しく御指摘のとおり、教育水準を低下さしちゃならぬわけでありまして、その点には十分な配慮をしなきゃならぬと思っております。
 基準もへったくれもないというお話でございましたけれども、校地につきましては、先ほど局長から話がありましたように、校舎面積の六倍という基準があるわけでありまして、これは市街地等については厳し過ぎはせぬかという議論も実はあるわけでありまして、これはある程度の弾力化をする。しかし、校舎そのものはやはり基準に合う校舎ということであります。
 それからまた教員組織、これが教育水準を下げないための実は条件なんでありますけれども、これも数だけそろえばいいという問題ではないんでありまして、個々の先生がいかにいい研究をしていただき、いい講義をしていただくか、そこがポイントだろうと思うんでありまして、いい人材が確保されるようにやっていくことが大事だろうというふうに思います。
 いずれにいたしましても、この十八歳人口の急増対策というのは国だけではとても対応できぬわけでありまして、全国家的な、全国民的な課題であるから私学の方も、私学といえども公共性を持っておるのでありますから、教育基本法に書いてありますとおり。したがいまして応分の協力はしていただかなきゃならぬ。
 しかし、その場合にはやはり私学振興助成に関する国の経常費助成等がなければやれない問題でもあるわけでありますので、来年度以降の文部省の予算の中ではやはり私学に対する助成というのがその重要度からいえばトップクラスの重要度のある予算項目であるというふうに認識をいたしまして、ただしその配分その他につきましては、いろいろな御指摘もあることでありますので、そういう御指摘の意味も踏まえましてやらなけりゃならぬと思いますけれども、いずれにせょ私学助成のための予算の確保が極めて大事な私どもの責任であるという考え方で今後とも真剣に対処してまいりたい、こう考えているわけでございます。
#99
○委員長(真鍋賢二君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#100
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#101
○粕谷照美君 私学共済は非常に経済状況がいいというふうに言われておりますけれども、長期の経理の収支状況、それから他共済に比べてどういうふうになっているか、あわせまして短期はどうかということについて御報告いただきたいと思います。
#102
○政府委員(菱村幸彦君) 私学共済の長期経理についてまず申し上げますが、昭和五十八年度の長期経理におきます収入を見ますと、千五百三十四億円ございます。これに対しまして支出は三百八十六億円でございますので、その収支差が千百四十八億円ございますが、この千百四十八億円は将来の年金給付のために積み立てているわけでございます。今日その積み立ての累積額は七千八百六十七億円になっております。
 この私学共済の年金財政は他共済に比べてどうかという第二の御質問でございますが、他共済に比べますと、かなり安定していると言えるのではないかと思うわけでございます。まあこれは私学共済の歴史が新しいことや制度発足当時五万人程度でございましたけれども、だんだんその後私立学校等がふえまして、現在ではその組合員数が三十三万人を超えるというようにこの年金財政を支える基盤というのが大きくなってまいりました。そういうことで他共済に比べますとかなり健全であろうと思います。そのことは例えば成熟度というものを見てまいりますと一番明らかなわけでございますが、成熟度といいますのは要するにどれだけの組合員がどれだけの退職者を支えているかというその度合いでございますが、私学共済の場合は成熟度が四%というわけで大変低いわけでございます。これに対しまして公立学校の場合では二四・八%、国家公務員共済の場合は二九・四%というわけでかなり私学に比べますと成熟の度合いが高いということになっているわけでございまして、こうした比較を見てまいりますと、私学共済の場合は長期経理については比較的安定しているということが言えると思います。
 三番目に、短期経理の収支状況についての御質問でございますが、短期経理の収支状況について見てまいりますと、昭和四十五年まではこれは単年度収支で計算をするわけでございますが、単年度収支で赤字を計上してきたわけでございます。そこで昭和四十六年に掛金率を千分の五・七引き上げまして千分の七十三にしたわけでございますが、幸いなことにそれ以来ずっと毎年度黒字を計上してきているところでございます。ただ五十七年度は老人保健法の施行がございまして、それに拠出をするというような関係で二億六千七百万円ほどの赤字を計上いたしました。しかし、昭和五十八年度にはまた黒字になりまして七億三千百万円の黒字となっております。そういうことで短期経理の方も安定しているわけでございますが、これまでの累積の利益金を見ますと二百七億円ほどございますので、こちらの方も問題はないというふうに考えております。
#103
○粕谷照美君 長期も短期も非常に良好な収支であるということについては非常に喜ばしいことでありますけれども、その良好であるという理由は一体どこにあるというようにお考えになっておられますか。長期なんかについては成熟度四%なんというのはもう群を抜いていいわけですね。その理由は先ほど二点ほどおっしゃいましたけれども、もう少し分析をしていかれた方がいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。
#104
○政府委員(菱村幸彦君) 先ほども少し申し上げましたが、一言で言いますと、私学共済の場合は若いので成熟度もしたがって低いということが言えるんだろうと思います。私学共済が発足しました当時は組合員の数が五万人でございましたが、現在は三十三万人になっております。かなり支える基盤がふえているわけでございますので、この点国鉄などはどんどん支える基盤の方が減ってOBの方がふえているという状況でございます。そういうことから見ますと、私学共済は幸いにもこれまで私立学校の発展等によりましてその基盤が大きくなってきた。そして私立学校ができますが、そういうところは若い教師が多いわけでございますので、したがいまして年金を支払う該当者も少ないということになるわけでございます。そういう関係でその支える基盤が広がったと同時に、新しい学校等では教員構成とも若いということもございまして、年金として支払う分が少なくて済んでいるというようなことでございます。所要財源率の計算等にも将来の安全を見越していろいろ配慮をいたしておりますし、そういうようなことで他共済に比べまして健全な経営が行われているというふうに考えております。
#105
○粕谷照美君 最初の発足当時が五万人ぐらい、その次に学校が次々とできて現在三十四万人近い組合員がいる。したがって、支える基盤が非常に大きいから、歴史も浅いけれども、歴史が浅いということは年金をもらう人の数も少ないけれども、非常に安定した経営基盤であるというそのことはわかるんですけれども、私はもう一つ短期について言えば、若い組合員が多いということは病気にならない組合員が多いということですから、当然健全経営になるということは考えられますが、もう一つ私が非常に気にしておりますことが幾つかあるんですけれども、私学で最高の組合員の年齢というのは幾つぐらいなものですか、私学共済で。
#106
○政府委員(菱村幸彦君) ちょっと今とっさの御質問でございますので今調べますが、ただ私学の場合はかなり高年齢者が多いということが従来から言われております。それは、国立学校等を退職されまして私学に入られる方というのが片一方であるものですから、全体の年齢構成は若いんでございますが、組合員で高齢者の方は他の共済に比べると多いという指摘がされております。従来六十五歳以上でとりましても、他共済ではコンマ以下の率でございますが、私学共済の場合は四%近くあるというようなことがございます。何歳が最高かというお話でございますが、五十九年度の最高は百歳がお一人いらっしゃいます。
#107
○粕谷照美君 文部大臣にお伺いしたいと思うことは、確かに今御報告あったのを皆さんから笑い声が出ましたけれども、本当百歳いらっしゃるんです、お一人ね。九十九歳がお一人、九十五歳がお二人、九十四歳四名とかね。六十五歳以上の方方が多いということについては理解がいきます、今六十五歳定年いいじゃないかなんという時代なんですから。それから七十代ぐらいもわかるんですけれども、七十五歳以上も非常に多いんですね。八十歳以上の方もまた多いんですね。組合員ということは授業をしていらっしゃる方、あるいは事務をやっていらっしゃる方ということになろうかと思いますね。何にもしないで月給をいただきながら組合費を払っているということにはならないんだと思うんですけれども、この百歳とか九十何歳とかという方々がいらっしゃるということについて、非常に健康で結構だと、泉重千代さんみたいな方がいらっしゃって結構だと。私も、年配でありながら本当に先頭になって頑張っていらっしゃる方々のお姿を見るとなるほどなと思うのですけれども、テレビで拝見しましてもかくしゃくとしていらっしゃって、世界を相手に活躍していらっしゃる方なんかもいらっしゃるので、そのこと自体は否定するものではありませんけれども、ちょっと余計過ぎるような感じがするんですけれどもね、いかがなものでしょう。
#108
○国務大臣(松永光君) 高齢化社会と言わずにこれから長寿社会という言葉がはやってくるのだそうでありますけれども、日本人が非常に長寿、長く生きられるようになった。そして、お年を召してもなおかつその人が元気で仕事ができるという状態は望ましいことだと思います。そして、そういう人が私学の経営者、あるいは場合によっては教員としてでも仕事をなさるということはいいことだというふうに思うのでありまして、長い人生経験を持った人が私学の経営に関与される、あるいはさらに肉体条件が許すならば教育にも携わる、私は私学のいい点を発揮する上でよろしいことじゃないか、しかもそれが強制される状態ではなくて、やはり喜びを感じて、生きがいを感じながらそうなさるということはいいことだなというふうに思うわけであります。そういう人たちは、八十になっても九十になっても仕事をしながらそして掛金をかけていただいているということになるわけでありまして、いいことではないかなというふうに、私の感想としてはそういうところでございます。
#109
○粕谷照美君 経営者は組合員になれますか。
#110
○政府委員(菱村幸彦君) はい、組合員になれます。
#111
○粕谷照美君 給料をいただきながら組合費を払って、それで最終的には年金いただかないということもあり得るかなとこの年齢を見ながら私は思っているわけでありますが、しかし、やはり本気に仕事をしていらっしゃる方を見て私は賛成をいたしますけれども、ただ尊重しなければならないということだけでこのような地位を占める方々がふえるということについては非常に問題があるなという感じがいたします。
 この点はおきまして、長期について伺いますけれども、長期で女性が一番大勢加入をしているというところはどのくらいの年齢構成になっておりますか。
#112
○政府委員(菱村幸彦君) 年齢構成でいいますと二十二、二十三、二十四、二十五あたりが組合加入数としては多うございます。女性の場合でございます。
#113
○粕谷照美君 そういう年齢層が多いということは確かにそうなのですけれども、二十六歳を超えますと激減するのですね。結婚退職なのだと思うのですよね。瀬古選手の花嫁になられる方も結婚で退職をなさるようでありますね。結婚退職が多い。組合脱退者ということは、つまり退職をされる方が非常に多いのも二十四歳、五歳、六歳、七歳、いわゆるこういう時期に、結婚で退職をされるのか育児のために退職をされるのかその辺はわかりませんけれども、とにかく働き続けるという姿が余り数字の上では見られないと私は思っておりますが、しかしつい先日も私の主催しました婦人の集まりの中で私立学校に勤めていらっしゃる先生の中から、どうも結婚をしてこのまま学校に残るということが許されないような雰囲気がある、そういう状況だというお話を伺ったわけですけれども、文部大臣に私はお願いをしたいと思うのですが、今度雇用における均等法が通りました。あの中で結婚退職とか若年退職とか、こういう男女差をつけた退職を規定の中に盛り込むということについては禁止ということになっております。それで問題は、禁止という規定があろうとなかろうと、我が国の風潮として何となしにいられないというようなことがあるわけですね。そういう問題も含めまして、結婚によって退職をするということは絶対に強制をされるものではないということを明確にしていく必要があると思いますけれども、いかがでございましょう。
#114
○国務大臣(松永光君) 一般論ないしあるべき姿としては、結婚したから退職しなければならぬとか婦人であるから早く退職しなきゃならぬなどということが契約上もあってはならぬというふうに思います。問題は婦人がどれだけの指導力をお持ちかという能力の問題とかかわってくる面ももしあるとするなら、学校の経営者にしてもできるだけ優秀な人材をそろえていい教育がなされるというふうにしたいということはあるでしょうから、そういう面で指摘をされないようにきちっと自分自身の研修もされ、それからまた指導力も身につけられて、そしておやりになる以上は、いかなる意味でもおれないような雰囲気がつくられるなんていうことがあってはならぬというふうに思います。そういうことでありますので、制度、仕組みの上ではきちっとできたわけでありますから、次は婦人の側でも自分の能力の維持向上に努めていただく、これも大事なことであろうと思います。最近の話でありますが、日本のある程度の年齢になった婦人というのは非常に仕事がよくできて、そして信頼度が高いというふうな国際的な評価も出てきたという話も聞いておるわけでありまして、それをキャリアウーマンと言うんでしょうか、割と年齢の高い御婦人の人が非常にいい仕事ができるということで評価されつつあるという話も実は聞いておるわけでありまして、男女雇用平等法というのができた機会にますます有能な婦人が適切な職場で能力を発揮しながらお働きになるということは大変結構なことであるというふうに私は思います。
#115
○粕谷照美君 また逆の意味で途中でやめませんと年金財政なかなか窮屈になってくるんですね。その辺のところは、例えば公立学校共済組合でも関東近県のように若手がわっと集まってくるようなところは短期にしても黒字が多い。ところが高年齢者がずっとそろっているようなところについては非常に厳しい条件になってくると、これがあろうかというふうに思いますが、そういう展望を見渡していくということが一つ大事なことと同時に、午前中、久保理事の方から質問がありましたけれども、新たなる共済年金の統合について私学共済としては一体どういうことを考えているのか、ここが問題点だというふうに思います。
 これにつきまして文部省から法案は六十年の三月ごろに国会に提出しなければならない、この改革案について意見があれば早急に出すようにと、こう求められていて、私学共済自身でいろいろ検討会をつくって検討されていたようでありますね。私学の独自性ということが非常に強く出されているように思いますが、その答申というものの内容を御存じでしたら説明をしていただきたいと思います。
#116
○政府委員(菱村幸彦君) 今お話のありましたように、私学共済の中に理事長の諮問機関といたしまして年金制度研究委員会というものが設けられましてずっと御検討になっていたわけでございますが、三月にその検討がまとまりまして私の方に御要望がございました。
 その中身は四つあるわけでございますが、一つは六十五歳以上の組合員に年金を支給してほしいということが一つでございます。それから二番目には、その年金の計算の基礎となります給与をどうとらえるかという、その給与の捕捉につきまして公務員と同じような方式で計算してほしいということでございます。それから三番目が年金について所得によりまして制限があるわけでございますが、その制限を緩和してほしいということでございます。そして四番目に私学共済に都道府県が補助を従来いたしておりますが、それを確保するようにというこの四点でございます。
 概要だけ申し上げましたが、もし必要がありましたら詳しく申し上げてもよろしゅうございます。
#117
○粕谷照美君 六十五歳以上の人にも年金を支給してほしいという、年金改定の法律でありながら年金を支給してもらいたいと、こう簡単に説明をされてもちょっとわかりかねる部分があるのではないでしょうか。ですから、もう少し説明を詳しくしていただきたいと思います。
#118
○政府委員(菱村幸彦君) それではもう少し詳しく申し上げますと、ただいまの第一番目の六十五歳以上の者に年金を支給することといいますのは、厚生年金の場合には六十五歳以上の者には、働いていても働いていなくてもでございますが、年金を支給することになっているわけでございます。それに対しまして共済組合の場合には、これは国家公務員、地方公務員も同じでございますが、組合員である間には年金を支給しないということになっております。したがいまして、六十五歳を過ぎても勤めている人、要するに組合員となっている人には年金が出ないわけでございます。そこで、私学の場合には先ほど申し上げましたように、定年退職した後にまた私学に勤めて組合員となることがあるんだから、六十五歳以上の者については組合員であっても年金を支給するような方途をとられたいということが第一の御要望でございました。
 それから第二の給与の捕捉について公務員共済と同じようにするということは、年金額の算定の基礎となります給与につきましてはこれは厚生年金の場合と同様にその人が勤めてから退職するまでの全期間の平均の額を算定の基礎とするわけでございます。公務員共済の場合には、従来、過去の諸手当を含めた給与記録がないという、場合によっては欠けるところがあるというところから、新しい制度をとりますときにはその施行日、六十一年四月一日を予定しているわけでございますが、その施行日前の期間につきましては五カ年間だけ遡及いたしまして、そしてそれに一定の補正率を掛けて全期間の平均を出すという、まあ一種の仮定の方法をとっているわけでございます。私立学校の場合には当初から諸手当込みの給与をベースにしておりましたので給与記録等が一応はそろっているわけでございますが、しかし国家公務員と同じような方式で五カ年間だけ遡及してあとは一定率の補正でやってほしい、そうでないと私学の場合には不利益をこうむるおそれがあるからということなのでございます。
 それから三番目の所得制限の緩和につきましては、国公立学校の教職員が定年後勤めたとしても従来より給与がダウンするという場合が多いわけでございますが、一定以上の所得を取っておりますと年金が部分的に支給停止になるということがございます。いわゆる所得制限があるわけでございます。したがいまして、その所得制限をできるだけ緩和してほしいという御要望なのでございます。
 それから四番目の私立学校共済に対します都道府県補助と申しますのは、これは法律に基づきまして都道府県が従来から私学共済のために補助をやっているわけでございます。これは都道府県によりまして、ところによっては高校以下はやるけれども大学、短大はやらないなどというところが若干ございます。ございますが、いずれにしても私学共済法に補助規定がございまして補助をしてきている。ですから、今度新しい制度をとるに当たってもこの都道府県補助というのは私学共済の健全経営のために続けるように、その法文を残すようにという御要望でございました。
#119
○粕谷照美君 非常に問題がありますね。国立学校の先生をやめて私立に行った場合には年金もらえないんですね。ところが同じ私学同士で、例えば早稲田や日大のように厚生年金に入っていらっしゃるところの先生がおやめになって別の大学にいらっしゃれば、それは年金もらいながら給料をもらうことができるということになるわけですか。
 あわせて、民間の会社で厚生年金の該当者は民間をやめて私学に入ったというときは、厚年をもらいながら給料をちゃんともらっていけるというふうに、学校内で人事管理というのが非常に面倒になると、共済が統合されますとね、そういうことですか、今御説明いただいたのは。
#120
○政府委員(菱村幸彦君) 私立学校の場合も厚生年金を受けて私学共済に入っていない、いわゆる適用除外校はございますが、その話よりもむしろ私学共済には比較的高齢者が多い。その高齢者が組合員である以上は年金が出ないわけでございます。これは国家公務員も地方公務員も同じなんでございますが、出ない。それは今申し上げましたように国家公務員共済、地方公務員共済に準じて私学共済の制度ができているわけでございますので、国家公務員、地方公務員は出ないんだけれども、私学の共済の場合には出すということはこの制度の全体のバランスからいって難しいわけでございまして、これは新しい制度の話になりますので本日の御審議とは少し先に進むわけでございますが、私学共済の場合、その特例を設けるということは難しいというふうに考えているわけでございます。
#121
○粕谷照美君 いずれ年金の統一の法律が出てきたときに私はやりたいというふうに思っておりますから、これについて深く入る気持ちはないんですけれども、そういう検討があって、さらに松永文部大臣の名前でもって社会保障制度審議会の会長のところにこの共済組合法等の一部を改正する法律案について諮問があったという、こういう経過をたどっているわけですよね。そうしますと、答申というものは一体どういうふうに生きてきたのかなという一つ疑問が出てくるわけですし、そのような答申を受けて大臣諮問はどのような形はなって出されていくのかというようなこともありまして、いずれそれはこの次のところで審議をいたしますが、ともあれもう少しわかりやすいPRといいますか、そういうものが非常に必要になるのではないか。私学共済の広報を私は拝見いたしまして、非常によくわかりやすいといいますか、本当に一組合員の疑問に対して答えられるようになってはおりますが、これは直接今すぐ自分の年金にかかわる問題でない制度改革ですから、もっと具体的に本当に一人一人の組合員がああこれは大変だと、そういうような感じの広報のようなものが出されてしかるべきではないか。こんな意見を持っているものですから質問をしたわけであります。
 さて、それで国公立の学校共済の職員は国家公務員等共済組合法で、私学の教職員は私立学校教職員共済組合法で、各共済組合ともその法の目的を比較いたしますと、組合員の福利厚生を相互扶助で行うという点では一致をしております。しかしこの国公立共済と私学共済は違うところがあるんですよね。違うからこそ一緒になってないわけなんですから。それはどこが目的として違っているのですか。
#122
○政府委員(菱村幸彦君) 目的レベルで言いますと、公立共済の場合は公務の運営に資するということでございますが、私立学校共済の場合は私学の振興に資するというような違いはございます。
#123
○粕谷照美君 じゃ私学共済が私学、私立学校教育の振興に資するという具体的な措置というものはどういうふうになっておりますか。
#124
○政府委員(菱村幸彦君) これはいろんなことがあるわけでございますが、先ほど来御質問をいただいております年金、いわゆる長期の業務がございますし、長期給付がございますし、それから組合員の日常の健康等の維持のためには、これも先ほど御質問いただきました短期給付としていろいろな給付をしているわけでございます。さらには福祉事業としまして各種の会館を設立したり、宿泊所をつくったり、保養所をつくったり、医療施設を設けたりして組合員の健康の増進とか、福祉の増進ということに各種の事業を行っているということでございます。
#125
○粕谷照美君 前段の部分につきましては国公立共済も同じだというふうに思いますけれども、例えば昭和五十八年度の年度末で私学共済組合は日本私学振興財団に一千二百億円の資金を貸し付けておりますね。一方、私学振興財団は私学共済組合に三億七千万円の助成を行っておる、こういうのは国公立共済にはないんじゃないんですか。そういうことを説明しているのが私学共済の広報、八月号にあるんですけれども、私の理解は間違っておりますでしょうか。
#126
○政府委員(菱村幸彦君) 御指摘の点はそのとおりだと思います。
#127
○粕谷照美君 共済組合から私学振興財団に対して相当のお金を出している、また振興財団も共済にお金を出している、こういうことを考えてみますと、本当に私学の助成金などというものは大事にしていかなければならないというふうに考えるわけでありますね。ところが私学の中でやはり何といいますか、相も変わらず毎年毎年いろいろな事件が起きている。きょうも午前中にそういう話が出てきているわけですけれども、その中の二、三私は文部省の対応を伺っておきたいと思っておりますが、行管庁もこれは私学の補助金についての監査をずっと行って、勧告なども相当の冊子になりますけれども出されておりますが、特にその中で、行管庁が指摘しているわけではありませんが、ひとつ昭和大学の入試疑惑について報告をいただきたいと思うんです。
 お昼休みに法務省を呼んで聞いたんですけれども、法務省の方は三月に告発し起訴を一名やったんだと、それも所得税法違反だということが内容だというんですね。でも、その中で一番明らかになったのは、替え玉受験をしたということだろうというふうに思います。これは事実があったんですか、なかったんですか。文部省はどういう調査をなさっておりますか。
#128
○政府委員(國分正明君) 昭和大学のいわゆる替え玉受験問題でございますが、事件が新聞報道されまして、大学当局におきましても入試常任委員会あるいはその後調査委員会等を設けまして関係者の事情聴取等を続けておるわけでございますけれども、現在までの調査によりますと、元大学の事務局長、事件当時は大学の教務部長だったようでございますが、この方が昭和五十六年度、それから五十七年度の入学者選抜の際、いわゆる替え玉受験を成功させるために関係受験生の受験票を差しかえたということが判明いたしました。
 なお、この替え玉受験に関与した大学関係者はこの大学の元事務局長のみということになっておりまして、この元事務局長は替え玉受験により十一名の学生を入学させたということを認めたというふうに大学から報告を受けております。
#129
○粕谷照美君 試験は一つの会場でやられたのかどうかも私はわからないんですけれども、十一名の人を入学させたというのがそういう教務部長と言われる人のお一人の才覚でやれるようなことなんですか。何かいろいろな対策といいますか、ことがあったのではありませんか。
#130
○政府委員(國分正明君) 現在もまだ大学自体で調査を続けているわけでございますので、今後どのような事実関係が出てくるかはっきりいたしませんが、現在までのところ、大学内におきましてはこの元事務局長だけが関与したというふうに現在までの調査ではなっております。
#131
○粕谷照美君 文部省としては替え玉受験できるなんという条件あると、そういうことがあるんだったらうちでもやろうなんてそんな人はいないと思いますけれどもね。そういうことがやれるような条件の受験体制というのは一体どういうふうにお考えになっておりますか。
#132
○政府委員(國分正明君) 大学の入学試験というのは、申すまでもなく公正に行われなければならないわけでございまして、この公正を確保をいたしますために各大学ともそれぞれいろいろな工夫をしているところであろうかと思います。そういう中で、このようなケースが行われたということは大変遺憾に存ずるわけでございまして、特に医科大学という大変重要なと申しますか今後お医者さんとして育っていく学部、そういう人を育てる学部においてこういうことが行われた、まことに残念に思っているわけでございます。
 私どもといたしましても、当面大学に対してさらに調査を急ぐようにお願いしますとともに、厳正な措置をとるよう大学当局に求めているところでございます。
#133
○粕谷照美君 これは国税局が告発をしてわかったことなんですね。そしてそれが三月だというんですけれども、その前にあったわけなんでして、それ以後随分時間たっていますけれども、今の報告程度のことしか明らかになっていないということは大学の真相究明に対する姿勢がなまぬるいんではないか、こう思いますが、いかがですか。
#134
○政府委員(國分正明君) 現在まで判明しているところは以上でございますが、なお今後の問題として残っておりますのは、いわゆる替え玉受験し、入学した十一名がだれであるかということが一つあるわけでございます。このうち若干名につきましては不正入学を認めたということでございますが、それ以外のものにつきましては特定の具体の人のいわば何と申しますか、名誉と申しますかというようなことにもかかわるわけでございますので、大学当局としても慎重にいろいろな配慮を加えながら現在調査している、こういう段階でございます。
#135
○粕谷照美君 替え玉入学をして平気でいられるような人に医者になってもらって私どもは診ていただくなんというのはとてもじゃないですけれどももう耐えられないことです。お隣にお二人のお医者さんいらっしゃいますけれどもね。とてもじゃないけれども耐えられないことであります。こういうことはきちっとしていただくようにしなければなりません。あわせましてあと二つぐらいのことを報告していただきたいと思いますね。
 一つは前橋育英短大の話です。それからまた北九州なんですけれども福原学園の話ですね、御報告ください。
#136
○政府委員(國分正明君) まず前橋育英短大についてでございますが、前橋育英短大の英語科の設置をめぐりまして、またその教職課程の担当予定者の教員につきまして実際に就任していないのではないかという疑惑が生じました。私ども同短大の理事長ほか責任者においでいただきまして、事実関係を聞いたわけでございますが、報道されましたように、一部未就任の教員がいるなど、申請計画とそごを来たしている状況が判明したわけでございます。文部省といたしましては、認可した計画が完全に履行され、充実した教育が行われることを期待するわけでございますけれども、同短大の状況につきましては大変遺憾なことでございまして、本年の三月に理事長に対して厳重に注意をしますとともに、その是正計画を提出させたわけでございます。
 その後、この是正計画は予定どおり実施されているわけでございますが、文部省といたしましても今後充実した教育が同短大において行われますように適切に指導してまいりたいと、かように考えております。
 また、九州女子短大の件でございますが、これは学校法人福原学園が設置する短大でございますが、福原学園から文部省に報告されました九州女子短大の学生数に関しまして、どうも年度間につじつまが合わないということを私どもにおいて発見いたしまして、いろいろ事情を聴取したわけでございます。その結果、九州女子短大におきましては学生数の虚偽報告、現実に入っている学生数よりも少ない数を文部省に報告し、さらにそれをもとに私学振興財団の補助金を受けていた、いわば不正受給していた、こういうこと、さらに報告しなかった学生数にかかわります学生納付金につきましてはこれを学校法人会計に計上いたしませんで、いわゆる簿外で経理をする、こういうこと等が判明したわけでございます。
 私どもといたしましては、昨年の十二月に法人の責任者に来省していただきまして、厳重に注意を喚起いたしますとともに、運営体制の刷新等五項目について指導を加えたところでございます。また私学振興財団におきましては過去五年間にさかのぼりまして、五十八年度は申請がございませんでしたが、五十四年度以降の経常費補助金のところを加算金を付して返還させるということで、合計で約十五億ほどになるわけでございますが、これを返還させる、こういう措置を講じたわけでございます。
 その後、福原学園におきましては理事長以下全役員が辞任いたしまして、新しく理事長以下新しい理事体制が結成されまして、今日新しい理事体制のもとで、指導いたしました個々の問題についてはこれからの具体の改善を待たなければならないものがございますけれども、全体として改善されつつある段階でございまして、私どもその改善の状況を十分注意して見守りますとともに、必要に応じた指導も今後とも加えてまいりたい、かように考えているわけでございます。
#137
○粕谷照美君 この福原学園は非常に教職員給与が低いと言われておりますね。パーセンテージが非常に低い。そして預金が――よくのぞく人もいるものですけれども、百億円ぐらいあったんで、私学振興財団にお返しする、返すなんといったって加算金つこうとそんなのは大したことなかったということが新聞報道されております。そのおやめになった理事長は一億三千万円の退職金で、今八十五歳だけれども、お亡くなりになるまで毎月二百万円の給与が出されますということが決定された、それじゃおやめになってもよろしいと、こう御本人がお考えになったのかもしれませんけれども、私はもし自分の子供がそこの学校へ行っていたら、自分の納めるものがみんなそういうところへいくんじゃないかという感じを父母たちは持つのではないかと思うんですよね。本当に私は、理事さんはしっかりしてもらわなければならないというように思います。先ほどの前橋育英短大にしましても、学長さんは責任とって、これはみんな私の責任だと、辞任しますといって辞任したけれども、理事長にお残りになったわけでしょう。理事長というのはその学校の責任者じゃありませんか。そういうごまかしの、何というんですか、責任のとり方なんというものは私は許すわけにはいかないと思っております。そういうことについて、共済組合からお金がいっている、私学振興財団からさらにお金がいっているわけですからね。本当に文部省が福原学園の場合は発見したと、こうおっしゃいますから、文部省はきちっと私は監視の目を光らせていたんだと、監視というと悪いですね、指導の目を光らせていたんだというふうに思いますけれども、こういうことについて不交付、助成金を不交付という一律の中に入れておくのはおかしいというんですね。例えば今度トヨタが大学をつくりましたけれども、助成金をくださいと言わないわけでしょう。お金があるところで幾つもそういうところはありますよね。そういうところと、何か問題があって申請したってだめなんだなと、こう思う学校を同一に扱うのはおかしいじゃないかという意見を私は前に出したことがありました。それを受けてかどうか知りませんけれども、今度は制裁措置を強化する趣旨というのが出されまして、制裁措置を適用した事例は次のとおりであるというような学校名を出しておりますね。これは具体的にどういう差がありますか。今みたいに、お金を返しましたと、返したらそれで終わりだというような学校と、文部省が制裁措置を適用した事例は、例えば九州産業大学、九州造形短期大学、法人名で言えば中村産業大学、あるいは国士舘、三室戸学園、福田学園、こういうふうに具体的に挙げているものとの違いはどういうふうに私どもは考えたらよろしいですか。
#138
○政府委員(國分正明君) ちょっと質問の趣旨が十分私なりに理解できないわけでございますが、制裁措置を科しましたのはただいま先生から御指摘がございました五法人でございます。これは管理運営が不適功であるということで、最終的には私学振興財団が運営審議会にお諮りした上で私学振興財団が決定し、不交付と決定し、同時にいわばその結果といたしまして五年間は原則として交付しないという形のものでございます。これ以外に、例えば自分のところは自分なりに判断して管理運営が不適切だからもらえそうもない、あるいは御案内のように定員オーバーが著しい場合には申請しても交付されないというようなケースがございますので、それまた法人自体が判断してとても申請してももらえそうもないから辞退しておこう、あるいは申請しないでおこう、こういうことでございまして、不交付校、不交付という決定をいたしましたのは自動的に以後申請してももらえない、自分から辞退したものにつきましては、不適切な点を改めれば、次年度また出せばもらえる可能性がある、こういう差異はあろうかと思っております。
#139
○粕谷照美君 私の質問の仕方がまずかったんだということを今の御返事で痛感いたしました。内容に差があるということがわかりましたのでそれはいいですけれども。
 九州産業大学と国士舘ですね、制裁措置でやられておりますけれども、これは国会の中でもしばしば問題になったんですけれども、内容的にはこれはちゃんといい方向に改善されているんでしょうか。
#140
○政府委員(國分正明君) 九州産業大学を設置いたします中村産業学園、それから国士舘大学を設置します国士舘、ここ数年来いろいろと世間を騒がせたわけでございますが、現在、いずれも新しい理事体制になりまして、もちろん事柄によっては直ちに改善されるという、されにくいというものもございますが、私ども見ておりますところ全体としては改善する方向で現在いろいろな努力がなされておるというふうに承知いたしております。
#141
○粕谷照美君 全体としてはそういう方向に動いているやに見えるんですけれども、私は先日あそこの教職員の方々とお会いいたしまして、やっぱり問題は根深く浅っているという感じがしてなりません。それはもう明るい展望が見えたなんというものではないというふうに思うんです。もっともあれだけの事件を起こすようなところですから、一年たってすぐ直る、半年たったらこれだけの改善ができるなんというものではありませんけれども、新しく就任された役員の方々の御努力も私は多とする部分があります。それと同時にやっぱり教職員もしっかりしないとだめですね。本当にそういう感じがしてなりません。そういう努力があって初めて皆さんの納めたお金が有効に私立学校の教育の振興のために役立っていくんだというふうに考えているところでございます。
 ところで、この私立学校共済組合の教職員の福利厚生に合わせていく、この内容についてですけれども、年金の改定がどうも低いのではないかと、こういう指摘が午前中もございました。特に私学というのは非常に昔もう本当に劣悪な条件の中で私学を開設をし、そして教育を自分の手でという理想に燃えてやられた方々というのは本当に低い給料で働いていらっしゃったと思うんですね。そういう方々のこの年金というものが改定される、されるとは言いながら、相当のお年にもなっていらっしゃる割には改定なんという額に値しないのではないか、こういう指摘がありますけれども、それはこれで十分だとお考えになっていらっしゃいますか。十分でありませんという答えにはならぬと思うんですね、横並びの関係でありますから。最低の額というのは一体今どのぐらいになっておりますでしょうか。
#142
○政府委員(菱村幸彦君) 今回の年金改定の額が十分であるかどうかということはいろいろ御評価があろうかと思いますが、私どもは先ほど来から申し上げておりますように、公務員のベースアップに準じて国家公務員、地方公務員の年金の改定が行われたわけでございます。それに準じた形で私学共済もやるということが法律上の決まりでございますので、それに基づいて今回三・四%を基準にするアップを図るということでございます。今回の改定によりまして最低はどうなるかという御質問でございますが、最低額につきましては、この最低保障額というのがあるわけでございますが、従前八十万六千八百円でございましたのが今回改定いたしますと八十三万五千円になると、こういうことでございます。
#143
○粕谷照美君 時間が来ましたから終わります。
#144
○高桑栄松君 それでは最初に、私学共済が実施をしております保健医療事業についてまず質問させていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事杉山令肇君着席〕
 これは昨年の五月十日にやはり文教委員会で私が質問いたしまして、そのお返事が若干保留になっている面がありますので、それをきょう伺っておきたいと思うわけです。
 まず、私学共済が実施している無料健康相談でございますが、これは予防医学上大変私は重要である、私の専門分野でございますし、そう思っているわけですが、私学共済が行っている無料健康相談というのは私は大変ユニークな事業だと思っておりますが、これの提携している私立医科大学病院というのはどれくらいあるのか。それからその利用状況についてひとつ御報告いただきたいと思います。
#145
○政府委員(菱村幸彦君) 私学共済では五十一年以来私学共済加入の私立医科大学がございますので、その病院と提携いたしまして健康相談を実施いたしております。が、当初は都内の三病院と提携してスタートさせたわけでございますが、五十二年度から全国的な規模でこれをやろうということで現在は二十二の病院と提携してこの無料健康相談事業を実施しているわけでございます。
 事業の実施状況につきまして申し上げますと、これは相談者が組合員であることを必ずしも明らかにしないで聞いてくる場合もございますので、正確な組合員による相談件数というのは必ずしも把握できないわけでございますが、相談のありました件数だけを申し上げますと、昭和五十八年度で九百九十一件、五十九年度で千七十二件となっておりまして、年々ふえてきているということでございます。
 相談の内容は、食事とか、酒、たばこが健康に及ぼす影響はどうかというようなことから始まりまして、がんに対する不安とか、検診方法はどうするんですかとか、さらには脳卒中、狭心症等の病気についての質問とか、かなりいろいろバラエティーに富んでいるわけでございます。
#146
○高桑栄松君 それはそうすると組合員でない人にもやっぱり無料で行っているということですか。それともう一つは、この前のときのお答えの中に、改善すべき点があれば考えていきたいというお話があったんですが、何かそういう点でのお考えがございますか。
#147
○政府委員(菱村幸彦君) 組合員であるかないか、組合員が大多数なんでございますが、電話による照会等もございまして、そういう場合には面接でしたらいろいろあれなんですが、電話の場合ですと組合員なのかどうかよくわからないというようなことがあるわけでございます。しかし、数はそういうのは少ないと思います。
 それから、改善すべき点につきましては、年々事業の実施につきましては工夫を凝らしているわけでございますが、具体的にここをこうしたということはまだ私はちょっと承知しておりません。
#148
○高桑栄松君 今、電話というのがございましたけれども、これは皆さんに私の経験として申し上げるんですけれども、アメリカで私が留学しておったときに、私の友人が子供がぐあい悪いので電話で夜中に医者に相談をした、そうしたらほっておきなさい、あすで大丈夫ですよ、おかしかったらまた電話しなさい、医者が私行きますと言ったら、何ともないからほっておいた、そうしたらちゃんと初診料、電話診察料が来たというのですね。しかも私が行ったのは昭和二十九年ですから、今から三十年前に電話診察料が十ドルだったんです。だからアメリカの医者というのは随分やっぱり収入が高いというか信頼度が高いというか、大変なものだったと思いますが、日本ではこれは取れない。医者の実情をちょっと御紹介をさしていただきました。
 それでは、組合立病院のことを伺うんですが、この前伺ったときには、下谷に私学共済では一つだけ直営病院を持っている、そのほかの計画があるかどうか。
 それから今後、伺いますと総合的健康管理センターというふうな、仮称のようですが、設置の方向で検討しているように承っているんですが、これについて目的とか施設、内容等について承りたいと思います。
   〔理事杉山令肇君退席、委員長着席〕
#149
○政府委員(菱村幸彦君) 下谷病院は私学共済の経営する病院としてあるわけでございますが、それ以外に病院をつくる考えはあるかという御質問でございますが、正直に言いまして現在のところその考えはないわけでございます。
 それはいろいろ理由があるわけでございますけれども、一つは病院の経営には巨額の資金を要しますので、これを組合員、学校法人の掛金で賄うということについてはよく考えなきゃいけないと思っておりますし、また組合員の福祉事業といいますときにはやはり組合員全体に均てんしなければならないわけでございまして、病院をつくりましても、全国に散在している組合員の皆様が本当にひとしく利用できるかというと、これはやはり限度があるわけでございます。そういうことで、病院を今後新しくつくっていくということについては慎重にならざるを得ないということがございます。
 それからもう一つ、第二のお尋ねの総合的な健康管理センターの設立の計画はどうかということでございますが、これは御指摘のように私学共済組合でその専門の委員会で検討いたしまして、そういう計画を持っております。そして具体的な予算等の計上をしているわけでございますが、まず総合健康管理センターの目的といたしましては、組合員とその家族の心身の健康増進を図るということで、例えば個人に適合した運動機能をいろいろ検査をして、継続的な体系的な運動の指導をするというようなことがございますし、それからまたいろんな成人病については食制限等食生活が大変難しいわけでございますが、そういう成人病に関する正しい食生活を御夫婦とも講座を開いて指導するというようなこともねらいにしております。そのほか組合員相互の健康についての研修の場にするとか、さらには各学校法人が厚生福利担当者を設けておりますが、そういう厚生福利担当者を対象としました健康管理のリーダーとしての養成を行うとか、いろんな目的のために、要するに組合員と家族の心と体の健康をどうしたらうまくいくかという観点から、この総合健康管理センターを設けて推進していこうということなのでございます。
 昭和六十年度の私学共済組合の事業計画におきまして土地取得のための経費を計上しているわけでございますが、三カ年計画の初年度分として十四億円計上されております。現在適地の選定、施設の内容、規模等の検討を行っているところでございます。
#150
○高桑栄松君 次に、今健康管理のお話でございましたが、私はこれ先ほど来非常に重要だと思っておりますので、これに関連してもう一つ伺いますが、昭和五十八年に健康管理アンケート調査を行っておられるわけで、この前はまだ集計中とかというお話で承っていないんですが、この結果どんなふうな結果が出たか承りたいと思います。
#151
○政府委員(菱村幸彦君) 健康管理の実態調査につきましては、五十八年の九月に私学共済組合員と三十歳以上の被扶養者についての日常の健康管理の実態を調査したわけでございます。調査項目も大変多うございますし、回答対象者も四十六万人余に上っております。全部回答してきたわけではございませんが、相当膨大な調査になっておりますので、まだその最終結果はまとめていない、目下まとめ中ということでございます。
 調査結果から若干のことが、今日わかっているところ若干拾ってみますと、例えば疾病に関します調査で、今あなたはお医者さんの治療を受けていますかという質問に対しまして受けているという割合が、例えば千人比で申し上げますと、歯の治療が九十四・三人、それから高血圧が四十五・九、皮膚病が四十一・八、胃、十二指腸の病気が三十一・九、目の病気が三十一・八というように、かなりの数の方が今お医者さんの治療を受けていると。特に循環器系、呼吸器系、消化器系等の疾患が多いというようなことが明らかになっております。
 また、運動に関します調査、今回の調査は疾病に関する調査と運動に関する調査と栄養に関する調査の三つがあるわけでございますが、またそれぞれの質問は非常に多岐にわたっているわけでございますが、その一例だけを申し上げますと、運動に関する調査では、日課としてどういうスポーツをやっているかというようなことを、日課としてスポーツをどの程度やっているかということを聞いているわけでございますが、例えば男性で言いますと、十代では一六・二%、二十代では一三・〇%、三十代では一一・二%、四十代では一四・三%、五十代では一六・三%となるわけでございますが、六十、七十になりますとこれが少し高くなりまして、六十代では二二・九%、七十代では三二・三%というように、比較的年齢の高い方ほど健康維持には気を使っていらっしゃるというようなことが明らかになっております。
 また、栄養の状況につきましても、三度三度きっちり規則正しく食事をしているかというようなことを聞きましたのに、同居者は大体七割、八割は食事をされていらっしゃるんですが、単身者の場合ですと、例えば二十代で四五・五%、半分以上が規則正しい生活でないとか、三十代で五四・二%、四十、五十代になりますと七割、六十になりますと八割というふうに、かなり年齢が高くなるに従って食生活も規則正しいわけでございますが、どうも若い人はそうでないというようなことが明らかになっております。
 いずれにしましても、この調査結果を分析してまとめまして、ことしの十月ごろには健康白書をつくりまして、組合員の皆様にお配りしたいというふうに考えているようでございます。
#152
○高桑栄松君 今のいろいろ参考になりましたが、この前承ったときには回答率が二四%と言われていたと思うので、これは私が思っていたよりも関心度が低いのかなと思ったんですが、今のでわかったことの一つは、若い人は回答率が低かったんではないかなと思ったりしておりますけれども、それはよろしゅうございますけれども。
 前の第百一国会で私が、健康保険の改正のときに私が提案というか、申し上げて、そしてそれが健康保険改正法二十三条に盛り込まれたのに健康教育、健康相談、健康診査を行うということが、二十三条に、予防に関する事業が盛り込まれたわけです。私の専門領域のことで私が申し上げて、採用というか、盛り込まれたんで、私大変感激しているわけですけれども、これを受けて私学共済はどういうふうにこの事業を展開しようとしているか。何かありましたら伺いたいと思うんですが、私学共済法の二十六条にたしか入っているようですね。ちょっと伺いたいと思います。
#153
○政府委員(菱村幸彦君) 御指摘のように、健康保険法の一部が昨年改正されまして、健康教育、健康相談等が入ったわけでございます。それに準じまして私学共済法の二十六条でも同じく「健康教育、健康相談、健康診査その他の健康の保持増進のための必要な事業」というのを一項加えまして、こうした面の事業を推進しようとしているところでございます。
 私学共済組合の場合、これに関します事業を申し上げますと、まず組合員と被扶養者を対象といたしました人間ドックの事業を実施しております。人間ドックを組合員、被扶養者が利用する場合にはその利用料金の八割を限度として補助をするということでございます。
 それから、組合員とその家族の健康増進と健康管理思想の普及を図るということから、健康管理に関します小冊子を作成しまして配付する。先ほど御質問のございました健康管理の実態調査も、まとまりましたら健康管理に関する小冊子の作成配付事業として行っていきたいというふうに考えているのでございます。
 さらに、先ほどこれも御質問がございました組合員と被扶養者の健康上の不安とか疑問に対しまして相談に乗るという無料健康相談事業も実施しているところでございます。
 さらに、全国を七ブロックに分けまして、各ブロックの会館が中心となりまして、健康増進の施設の利用する場合の補助とか、ないしはいろんな健康思想の講座を開設いたしまして、地域保健事業を行っていくというようなこともやっているわけでございます。
 いずれにしましても、今後とも、ただいま御指摘のありました御趣旨に沿いまして、こうした事業を一層推進していきたいというふうに考えております。
#154
○高桑栄松君 今のお話伺って私大変よかったと思ったんですが、今まではドックなんかですと、私、額のことを今正確に覚えておりませんが、文部省共済、私そうでした。これはドックに入りますと、たしか半分くらいが本人だけ助成、補助される。家族は関係なかった。今お話伺いますと、家族を含めて八割限度というから、これはすばらしいことだと僕は思うんです。ですから、これは本当に私もやっぱり健康の予防給付のことを提案をした立場としては、すぐこういうふうに反映されたように僕は思うものですから、大変よかったと思うんです。ぜひこういうことについては、また指導的立場で文部省も、私学に対してはこれを進めていただきたい。やがてそれが文部省共済等にも同じように及ぼしていつてほしいなと今思っております。どうもありがとうございました。
 それではその次に、今度私学共済というんで私学に関係したことを少し幾つか質問させていただきたいなと思っているんですが、まず私学というのは、これは私の個人的な意見が主でございますから、例えば文部大臣も適当にお考えを個人的に述べていただければ結構だと僕は思ってます。
 建学の精神というのが私は私学のレーゾンデートルの第一だと思うんです。建学の精神を外した私学というのは本来意味がない。ところが、建学の精神というのが今や崩壊しつつあるというか、砂上の楼閣化しつつあるのじゃないかと。これは私だけじゃなくていろんな人がそう言うし、私もそういうふうに考えるようになっているわけですが、その理由として私挙げたいのは、学生数が非常に増大をした。つまり、建学の精神に合う人だけを入れるんではなくて、とにかくたくさん入れるということで、建学の精神そのものが薄められていくということが私はあるだろうと思うんです。ですから、したがって建学の精神の薄められた大学卒業者から出てきたものは、建学の精神に変わって大学の名前、つまり学歴社会というのがそこに私学を通しても出てきたのではないか。何何大学を出たんだということであって、建学の精神がどこかへ置きやられたのではないかと、こう思うんですが、文部大臣はどんなふうにお考えですか。
#155
○国務大臣(松永光君) 先生おっしゃいますように、私学の存在意義というのは、建学の精神があってその精神に基づく教育が着実になされる、そうしてまたその学校の卒業者がその精神を体して社会において活躍する、ここに私は私学の大きな存在意義があるように思います。
 で、最近はこの建学の精神がやや薄れてきたという御指摘でありますけれども、そういう感じはいたします。なぜそうなったんだろうかということを考えますと、結局、比較的歴史の古い、そして内容の充実したと言われる私立大学の場合には競争試験が激しくなってきたんじゃないだろうか、その結果として入学試験におけるペーパーテストの順位に基づいて上から採っていくという、まあこれが公平なことだとは思いますけれども、その結果として建学の精神がやや薄れてきたという感じを私は持っております。
 例えば私の母校である早稲田大学。野党精神と、こう言ったものなんでありますけれども、どうも野党精神じゃなくなってきたような感じがするわけでありまして、結局、常に権力に対して迎合しないで批判をしていく、民衆とともに歩んでいくと。私どもはその気持ちでやっているつもりでありますけれども、しかし最近、ややともすれば第二東大的な感じが出てきたような感じがするわけでありまして、私は寂しい思いでございます。
 で、これは、先生御指摘の学生数の増加というよりは、やはり競争試験が厳しいものですから、ペーパーテスト中心の選抜に結果的にはなっておると。かつては、ペーパーテストの点数もさることながら、校友会の推薦とか、そういった者は入学を認めるなどという非常に温かみのある配慮もかつてはあったんでありますけれども、今はそれがなくなったということなどの影響じゃなかろうかというふうは思うわけでありますが、しかし、それぞれの私学が建学の精神に基づいてその特色を発揮して教育がなされるということが望ましいことであると思いますので、できる限り建学の精神は保持しながら私学は活躍してもらいたいというふうに私は思うわけでございます。
#156
○高桑栄松君 じゃ、文部大臣のお考えよく承りましたが、文部大臣は建学の精神を体した代表選挙のお一人だろうと私思います。野党精神は与党だから中和されているように思いますけれども、私は個人的な意見――個人じゃないですね、委員会での意見のやりとりで私感ずるのは、やっぱり文部大臣は野党精神というものが若干あるんじゃないかと思うんですよね。必ずしも後ろにおられる官僚の方々の答弁のとおりでないのも時々出てくるような気がいたしますので、大いにひとつ時時脱線をしていただきたいと、こう思います。
   〔委員長退席、理事杉山令肇君着席〕
 それで、建学の精神に返れということをやはり教育改革の折から叫びたいと、こう思うので、そのために、今言われたこととちょうど関連して私が思っておりますのは、私学は特に入試を緩くして、緩いようにして、入り口を広くして、そして中で鍛えていくと。出るときははやっぱり建学の精神、精神と言ったって、やっぱり大学で何を修めたかということも要るわけですから、建学の精神と同時にしっかり鍛えて、卒業するときにはその人がどれだけ有用な人間として社会に出ていくかと。そういう意味で、出口はやはり厳しく資格を与えていくということが必要だと私は思っているんですが、いかがでしょう。
#157
○国務大臣(松永光君) 私は、私学のみならず大学が特にそうでありますけれども、それぞれのこれは単位を取得しなければ卒業できないわけでありますが、単位を認定するその試験は厳格にやって、本当に大学における教育を身につけたかどうかという判定を厳格にしてそして卒業させるのが望ましい姿だと思います。
 ただ、これをやっていく場合に問題が二つぐらいあるような感じがするわけでございまして、一つは、日本人の場合には、四年間で卒業しないで七年間で卒業した場合には、相当頭が悪いんじゃないかみたいな一般的な評価を受けるおそれがあります。実際は四年間よりも七年間念入りに勉強した方があるいは力はついておるのかもしれませんけれども、一般的には四年間で卒業した方が頭のいいやつだみたいな一般的な評価がなされる、そういう習慣があるような感じがするわけでありまして、その点が一つ問題点。
 もう一つは、私学の収容人員とのかかわりもありますし、卒業させないというといっぱいになっちゃって新しく採れないと。そういたしますというと入学金の問題その他があって私学の財政がやや苦しくなりゃせぬかなという問題もあろうかと思います。
 そういった点が克服できるならば、先生御指摘のように、大した勉強せぬでも大学卒業してしまうというのはいかがなものかなというふうに私は感じております。
#158
○高桑栄松君 今、私学経営の問題も出てきたようでありますが、その入れ物の大きさというふうなのはいろいろの考え方があるんで、投資をしてしまうと回収しなきゃならぬということがあるだろうと思うんですが、まあその場合に、仮に学生数が厳しくチェックをすることによって退学も出るとかいうことで減ってきた場合ということが私は念願にあって考えていたんですが、そうすると学生数が仮に上級にいくごとに減っていくとしますと――旧制の物理学校はそうだったですね、今の理科大学でございますけれども、これはやっぱり入学が定員の倍ぐらい採ったと言われておりまして、早く来ないと席がとれないというので、遅く来たのは廊下だとか窓の外で講義を聞く。卒業するときには半分になっていたということで、これはやっぱり大変考えようによってはすばらしい教育だったと思うんですが、その場合に専任教授はそうすると少し減らすことになるのかなと思うんですが、少なくとも私学の建学の精神ということはやっぱり立派な教師によって支えられていく。もっとも、私学だけじゃありません。これは大学は皆そうでございます。
 立派な教師ということになりますと、だれでもというわけにもいかぬかもしらぬし、したがいましてパートタイムの有力な人を招聘するということがあると思うんです。そうすると、私学助成の場合には学生数が積算の基礎になるでしょうし、それから専任教授がなるでしょうし、多分パートタイムはなってもいいんじゃないかと思うんですが、そのパートタイムを今後はまたある意味では手厚く助成の対象にしていく必要はないかと。今後の教育の中でパートタイムというのは非常に重要な役割を果たすと私は思っているものですから、その辺いかがお考えでしょうか。
#159
○政府委員(國分正明君) 私立大学におきますパートタイムと申しますか非常勤教員の助成の問題でございますが、御指摘がございましたが、昭和五十三年度までは確かに御指摘のとおり、非常勤教員の報酬というものにつきまして助成の対象になっておりませんでしたが、昭和五十四年度から経常費補助金の一項目として積算し、一定の要件に該当する非常勤教員に対しましては給与費を補助しているところでございまして、積算上あるいは執行上、所要経費の十分の四を補助するという仕組みに現在はなっております。
#160
○高桑栄松君 それから、私はアメリカに留学をして特に感じたことは、アメリカでは公立は第二流でございまして、一流が私学であると。これはやっぱり私学には寄附金が非常に優遇をされておって、どうせ寄附するなら大学に寄附しようと。これは利害関係を超越した非常に大事な投資――投資かな、やっぱり。いや、寄附ですよ、寄附なんですね。ですから、そういうことを我が国ではもう少しうまく文教関係の寄附に、何か今以上に優遇方法がないか。特に、私学はそういうことで支えられていって、私学が国の助成を例えば減らされてもいい、そのかわり我々は独立してやっていけるというような、やっぱりプライドを持ってやっていく必要があるんじゃないか。私はそれ、昔からそう思っておるんですが、どうでしょうね。
#161
○国務大臣(松永光君) 私学は対する寄附につきましては、大蔵大臣が指定した寄附金の場合には全額損金算入がなされるわけでありまして、慶応大学の、あれは百年記念でしたか、早稲田大学も中央大学もそれぞれ百年記念とか何十周年記念というわけで寄附金を募るわけでありますが、どうも最近は大学側で予定した金額を募金するのに大変な苦労をしているというのが実情のようでありますけれども、そういう税法上の措置はなされておるわけでございます。また、個人が寄附した場合にも、いわゆる指定寄附でなくても一定割合のもとでは所得控除がなされるということにはなっておるわけでありますけれども、不十分な点があればこれは検討しなきゃならぬと思いますけれども、制度、仕組みは一応あるわけであります。問題は昔ほど、昔よりは世知辛くなったせいかどうかしりませんけれども、大学等に対する寄附がそれほどないという状況のようであります。
 先生御指摘のように、私立大学というのはそういう篤志家といいましょうか、その大学に学んで、それがもとで成功をおさめたという実業家とか、あるいはこの大学は大変立派な人材を養成しておる、自分の会社に来て職員としてよくやってくれているという大学等に対して企業が寄附するとか、こういったのは大変すばらしいことであると思うんでありまして、そういうことが私学の財政の上で相当大きな役割を果たしてくれるような状態になることが望ましいというふうに私も思っております。
#162
○高桑栄松君 これ、私事にわたるんですけれども、私はやっぱり父が亡くなったときに、遺志に従って母校である慶応にほんのわずかですが寄附いたしました。そのときにわざわざ、このお金は図書館に使わしてもらいますと言って理事さんが僕を案内してくれまして、あれ、何か日本一みたいな立派な図書館が建築中でございまして、ああ、この中のわずかな部分にじゃあこれ入るんだなあと、私、大変気分よくて戻ったんですが、だから、そういうことを考えてみますと、私はどうも教育関係に長くいたせいか教育に対する寄附というのはほんとに気持ちがいいですよね。ですから、そういうことを助長してほしい。できればもう少しうまい、何か優遇策がないんかなあと。
 まあ、例えば私だって自分の、ささやかですけれども奨学金なんか持っているんですが、寄附というのは何も税金だけ寄附するんじゃありませんからね。やっぱり収入になるべき部分をひっくるめて寄附しているわけですから、収入がやっぱり減るわけですから、何かもう少しうまい方法がないかなと。そうするともっと寄附したくなるような、そういうことを考えてもらいたいということでございますが、まあ、これはそう考えていただければよろしいんで、その次、私学参加の共通テストというのに最近、きのう見た新聞ときょうのテレビとで変わるぐらい臨教審のこれに対する態度が変わっておりまして、これはもうだれかがテストされているんじゃないかと。文部大臣も多分うろうろしておられるんじゃないかと思うんですが、文部省は臨教審ではございませんので、今私は文部省と論争するというつもりじゃないんです。ただ、国民合意の形成という中に、やはり国会議員の意見というものが反映してもいい、そういう考えを私持っておりますので、ディスカッションのつもりで文部大臣、答えられる分は答えていただきたい、こう思っております。
 まず私大参加の共通テストでございますが、その前に、今まで行われてきた共通一次試験の目的というものが何であったか、これをちょっとまず伺いたいと思います。
#163
○政府委員(宮地貫一君) 共通一次試験の目的は何かというお尋ねでございますが、御案内のとおり高等学校における基礎的な学習の到達度を一般的に見るということが共通一次試験のねらいでございます。いわば従来難問奇問というようなことで入試が非常に過熱をした。それを受けまして共通一次試験の仕組みが取り入れられたわけでございまして、その一次試験と、各学部の特性を見るという意味での二次試験と、その二つの組み合わせで入試の改革を図っていこうということで取り上げられたものが共通一次でございます。
#164
○高桑栄松君 実はこの間文教委員会で共通一次の入試センターを視察をさせていただきました。そのときにパンフレットをいただきました。それを読みますと、その目的の最初に今局長が言われた、高等学校における学習の到達度を見ると。もう一つあるんですね。それは、大学教育に必要な基礎学力を見ると。この二つが挙げてあります。今の、難問奇問では困るということがあると思いますが、この二つでよろしいですね。
 それで、共通一次が施行されて五年、まあ六年目ですかになりまして、いろいろな評論を読んでいると、国立離れ私立志向の傾向があると。それだけ聞くと私立大学万歳のようにも聞こえますけれども、もう助成要らないんではないかなと思うぐらい志向をされているということでございますが、なぜ国立離れ私立志向傾向が共通一次が施行されてから起こったのだろうかということは、どんなふうにお考えでしょう。
#165
○国務大臣(松永光君) 正確なところは局長の方が詳しいと思いますが、私が感じで申し上げますと、一つは、東京にある歴史の古い有名な私立大学の社会的な評価が非常に高まってきた。そのことによってその私立大学を志向するという学生がふえてきたというのが一つあろうかと思います。
 もう一つは、これが共通一次と関係ありますけれども、私立大学の方は三教科、三科目ですか、したがって、例えば文科系に行きたい人は、理科の分野とかそういったものは勉強せぬでもよろしいと、はっきり言えば。少なくとも試験には出ない。そこで、例えば早稲田の法科に行きたい、政経に行きたい、商科に行きたいという人は、その三教科だけで、三科目だけで試験が受けられるからというわけで、もう国立は目指さずにはなから早稲田をねらう、あるいは慶応をねらう。まあたくさん名前出さぬとぐあい悪いですけれども、青山をねらう、上智をねらう、中央をねらう、こういったことで私学の方に志向する。これは共通一次の影響もあろうかと思います。その二つが国立離れを起こした原因じゃないかなと。
 それからもう一つ、強いて言えば地方の国立大学は、まあ授業料も安いわけでありますけれども、何となく東京とかそういう大都会で学生時代を送りたいという、そういう希望者もふえてきたんじゃなかろうか。
 この三つぐらいがいわゆる国立離れの原因かなあという感じでございます。
#166
○高桑栄松君 そこで、共通一次に対する批判というのが出てきているわけで、今までいろいろな議論の中で、大分前から言われておるのが偏差値輪切りですね。それからもう一つは大学の序列化これは国公私立を含めて偏差値輪切りということは序列化ということを意味しているわけですね。何点でどこの大学、そのプラスマイナスどれぐらいなら入れる、そしてそれの高い方から序列がつく。これは大学の序列化と、それから偏差値輪切りということ、それに対して受験産業が今度加わってくるとかいろんなことがあるわけで、受験生を持っている親としますとあれ大変頼りになったんです。偏差値輪切りは非難はされるけれども、あれでやっぱり子供の行方を決めるのに親としては大変いいんですよね。ですから、非難はされるけれども、私はすばらしい統計的方法論だったなあと思っているわけです。
 そういうことを考えてみますと、これからが今度私の意見、文部大臣と若干食い違った点でございますけれども、私は偏差値輪切りというのは、得点が加算されるからだという考えに立っているわけです。八百点取ればそれが半々で加わるから、二次試験と、だから偏差値輪切りになっているのであって、そのプラスマイナスこの範囲でないとお前はだめと。それはランクはっきりしてくるんですね。ですから、私は得点を加算をするからそうなると思う。それを私は既に三月の総括質問とそれから文教委員会の質問、二度文部大臣にお尋ねをしたところだったんですけれども、得点を加算をするからいけないのであって、得点を加算しないで、大学で必要な基礎学力、最初入試センターで私が拝見して、何だ私が言ってたのはこれなんだと思ったのはこれでございますけれども、大学就学に必要な基礎学力を備えているかどうかを見る、もう一つは高等学校の習熟度を見る、この二つが共通一次であるということがありました。それからいくと高等学校の習熟度を見るということと大学の就学の基礎学力を見るという意味では、私は高等学校の習熟度を見たいというのであれば科目が多いほどいいわけです。三科目ですと英、数、国だけでいい、あとはもう全部要らない。そうすると、その先生が大体スポイルされますね。ですから多いほどいいわけです。そして、学習に必要な基礎学力というとある一定の度合いが要るんですね。したがって、これは私は高等学校の卒業とは違うと思っているのはそこなんです。大体高等学校入ったらみんな出ているんですから、本人が中途退学しない限りまず全部出てます。そして特殊学校があるでしょう、工業とか商業。そうすると単位の取り方が違う。ですからそれは、ここの学校はこれでいい、ここの学校はこれでいい、しかし大学受けるときの基礎学力という意味で、私はやっぱり共通一次をその意味では必要だと思っている一人なんです。そして、そのためには得点を加算するなと、だから入学資格の試験を第一次でする。今平均点は、あそこへ行きましたら六割取れるのがアベレージかな、平均値で六割と言ってました。だから、六割超えるのが半分、六割以下のが半分、これはそういう出題をしていると入試センターで言っています。したがって五割しかそれを超えないわけです。仮に平均値プラスマイナス一の標準偏差をとりますと六八%が入りますからね、下へいきますと、だから一六%がドロップしまして、八四%が上、平均値マイナス一ですね、これは。標準偏差をマイナス一つとれば八四%が入るんです。ある意味で合理的だと思うんですよ、例えばですよ。ですから、そういう意味の資格審査にする。高等学校の五教科七科目をまんべんなく勉強するけれども、頑張る必要もないわけです。最低必要条件でいいわけです。そしてあとは、例えば早稲田は国語と英語だぞといったら、それだけ一生懸命やれば二次試験はそれでいいわけです。それは建学の精神に沿うようにやればいいわけだ。ですから、私は資格試験にした方がいいんじゃないかということを申し上げたんですけれども、あのときは文部大臣とは若干かみ合わなかったんですが、最近私の応援団が出たようでございまして、自民党の文教関係の有力な方々のお集まりで、大臣は現職だから入っておられたかどうか知りませんが、その中で、NHKのニュースとそれから新聞に載っています。例えば読売新聞に載っておりますが、入試法というものを昔お考えになったそうで、それを再検討せよと。つまり、私学も強制的に受けられるように再検討をすることも考慮せよというのかな、何か大変やわらかいようなかたいような表現がありましたけれども、新聞に載っていますからなんでしたらごらんいただきたいと思うんです。ところが一方では、きょうのNHKだったかなきのうだったかな、いやきのうときょうだな、共通一次にかえて共通テストをする、こういうのが報道されていますね。つまり、廃止を示唆している。共通一次の廃止を示唆している。一体どっちが本当といっても文部大臣困るでしょうが、これに対する文部大臣の批評家としてのお考えを承りたいと思うんです。
#167
○国務大臣(松永光君) 今先生御指摘の入試法というもの、これは何年ぐらい前でしょうか、要するに共通一次をやるかやらぬかという時代でしたから今からもう七、八年前でございましたでしょうか、西岡武夫先生が中心になって考えられた一つの案であったと私は記憶しております。しかし、現時点において考えますと、大学の入学試験というものは、その大学が自分の大学の入学者をどういうふうにして選抜するかという問題でありますから、これは大学の自治と深いかかわりも実はあるわけでありまして、これを法律で全部これでやれというふうにやるのはいかがなものかなというのが私の大ざっぱな考え方の基本でございます。したがって、ニュースには出ましたけれども、だれかが言葉の端でちょろっと言ったことじゃなかろうかなというふうに私はとったわけであります。
 それから、今共通テストの問題について、世論の支持があるとかないとかという問題でございますが、実は世論調査というのは質問の仕方をどうするかということによりまして数字は変わってまいりますから、どうも共通テストということについての支持者が少ないような数字が出たのは、私は「審議経過の概要(その2)」に書いてある共通テストというものの考え方を正確には把握しないでどう思いますかというふうに設問をした、そのことに対する支持率の低さになっているんじゃなかろうか。すなわち、現在の共通一次試験をただ名前を変えて、中身はそう変えないで、そして私学も参加するんだと、そういう形での共通テストだというふうな設問の仕方しましたから、そこで共通一次は適当でない、どちらかといえば適当でないというのが七〇%以上もあるわけでありますから、その人たちが、名前を変えて私学まで入れるというのは、これはおかしいじゃないかというわけで支持者がほんのわずかしかいなかったという結果になったんだというふうに私は分析をしてるわけであります。
 共通テストというもの、この「審議経過の概要(その2)」に公表されたのでありますから、記載されているところによりますというと、現在の共通一次については先生御指摘のような輪切りという問題がある、あるいは国立離れという現象も出てきておるということもあって、世論調査の結果を見ましても、どちらかといえば適当ではない、それから適当ではない、これ両方を合わせると七〇%ですね。そこで今度は、したがって七割の人が共通一次は適当じゃないというパーセントになります。その適当じゃないと答えた人に対して、そんならどうしたらいいのかという設問に対しては、これはやめたらいいというのがこれが七割からそれ以上の数字になっているようであります。やめたらいいと言った人に対して、それならば後はやめっ放しでいいのか、何らかの新しい措置をすべきかという設問に対しては、八割の人が新しい措置を何かすべきであるというふうに答えておるわけであります。したがいまして、共通一次は適当でないというのが七割、その七割の人の八割ぐらいがやめた方がいい、やめた方がいいという八割の人にまた聞けばやめっ放しじゃいかぬ、新たな措置をすべきだ、これがまた八割ぐらいある、こういう大体世論調査の結果になっているようであります。その共通テストというのはそういう世論の動向とは合っているというふうに私は分析しておるわけであります。
 「審議経過の概要(その二)」の記載によりますというと、この共通テストというのは今までの共通一次とは違うんだと、すなわちこの共通テストを利用するか否か、利用するとしてもどのように利用するか、これは各大学の自主的な判断による。もちろん私立も自主的な判断でこの共通テストを利用して結構でございます、どういう利用の仕方をするかもその私立大学の判断でお決め願って結構ですというふうな新たな提案というふうに私は受けとめております。したがって、これを本当に意味のあるものにできるかどうか、あるいは望ましい、国民の大部分が非常にこれは結構なことであるというふうなものにできるかどうかは、これからの対応いかんだというふうに私は思うわけであります。
 それから、先生のおっしゃいました現在の共通一次の問題、あるいは共通テストの場合も同じと思いますけれども、この共通一次の試験の点数を最終的な判断、総合判定の中へそのままの点数でもっていくのはやめなさいと。とにかく今先生は大学受験資格とおっしゃいましたけれども、厳密に言えば二次試験受験資格ですわな。二次試験受験資格というふうにしなさいという御発言でございました。これ一つの示唆に富んだお考えだと思います。この共通テストにおきましても、先ほど言ったようにどういうふうに利用するか各大学が自主的に判断をしてやっていただきたいということでございますから、例えば今先生の御指摘のように一定水準以上とっておればその点数自身は加算しませんよ、二次試験受験資格というふうな利用の仕方も実は共通テスト構想では可能なんでありまして、したがって先生のお考えも利用する方の利用の仕方では生かされるなというふうに思える点も実はあるわけであります。
 いずれにいたしましても、共通一次試験というものが大変不評判でありますから、思い切った改善措置はしなければならぬわけでありまして、その改善措置の考え方として実質上は廃止みたいなものですわな、この書き方から見れば。それで新たなものを構想する、その新たなものは今申したとおりどういうふうな方法で利用するか、これは各大学が自主的に判断をして私学も含めて利用していただきたい、こういう構想の提案なんでございます。まだいよいよ煮詰めの段階のようでありますので、最終的にこの答申が出ましたならば先生の先ほどの御意見等も十分参考にしてそしてよりよいものを実現できるように私どもは全力で対処してまいりたいというふうに考えるわけであります。
 なお、ちょっと言い忘れましたけれども、先生の御指摘のように高等学校における学習の到達度というのをまず一次的にテストをする、そして二次試験でその大学の学部、学課その他からいって自分の大学の学生として入学をして勉強をするにふさわしい人物であるかどうか、これを二次試験で判定するんだという基本的な考え方は私も個人としてはほぼ同じなんでございます。そして、また高等学校における学習の到達度というのを見るということであるならばそう科目を減らすのも問題があるような感じは確かにするわけであります。ただ、学生の側からすれば少ない方が喜ぶでしょうから、また余り科目が多いというと負担が過重だという意見もあるわけでありまして、なかなか研究をしなきゃならぬ問題だなというふうに考えております。
#168
○高桑栄松君 きょうは文部大臣と大分接近をしてまいりましたので、私も意見を申し上げるかいがあったと今思っておりますが、共通テストというのは毎日変わるぐらい揺れ動いているように私は思うんですね。共通テストの性格が大変あいまいで、あいまいだから意見を申し上げておく方が臨教審にもこの場を通しての意見が反映するだろうと、こう思って申し上げているんで、もし私立大学がアラカルト、自由に使えるんだ、国立が共通一次と同じように使う、そして国立大学協会の方としては五教科五科目でいくことを賛成していると、こういう案が出ておりますけれども、そうすると今までと何も変わりないですね、これは。私学は使おうと使うまいといいんだというんであれば、参加しないという人が七割以上あるんですから、これ今までとほとんど変わりがない。それから国立大学も自由に使いなさいという、きょうのNHKニュースで言っている――きのうときょうでしたよ、NHKニュースで言っているのをそのまま受け取るんだとしますと、共通一次以前に返る。じゃ入試センターは何するんだというと、標準的問題を作成して御希望に沿うように配付いたしますと。つまり受験産業の模擬試験を売っているのと変わりないんだな、あれ。模擬試験売っていましたからね、今までは。ちゃんと頼むと模擬試験を送ってきて、それを書いて出すとテストしてくれる。あれと変わりないんで、共通テストの性格が極めてあいまいなんじゃないかと僕は今思っているんです。つまり、私はそんなに勉強しているわけじゃないけれども、文教委員会に所属しまして、自分も大学の教官をしておりましたので、関心はほかの方よりも若干深くて若干関心を持って物事を読んでいる、その私がやっぱりよくわからないんだから困っちゃうんじゃないか。ほかの方がわからないのは当たり前みたいなのかもしらない。ですからこれはやっぱり、どうしたらいいのかな、私にもよくわからないんですがね。だから私が申し上げたのは、文部大臣に直していただいたように二次試験資格審査というのがやっぱり今の共通一次の目的に極めて沿って入試センターも生きてくるんじゃないか、こういう気がするんです。
 もう一つは、どんな場合でも一昔というのは十年なんだから、共通一次を五、六年でやめるなんというのはみっともないったらありゃしない。私はやっぱり文部省に少し味方しているつもりなんですけれども、もうみっともないですものね。朝令暮改というのはこういうことを言うんだと思うんです。大学を卒業するのにだって医学部は六年かかるんですから、だから六年かからないうちに入学試験が変わるなんという手はないと思うんですよね。ですから、やっぱり何かその辺はすべての要望をそれぞれ少しずつ満足するような方法をお考えになった方がいいんじゃないかなと、こんなふうに思っております。これはよろしいと思います。――ちょっとじゃどうぞお願いいたします。
#169
○国務大臣(松永光君) 共通テストという物の考え方は臨教審の「審議経過の概要(その二)」におおよその構想は出ておりますね。その考え方というものはいろいろな議論をされた結果としてもそれほど変わってはいない、最近まで、というふうに私は理解しております。ぐらちゃらぐらちゃらしているわけではないというふうに思っております。
 それから朝令暮改はよくない、そのとおりだと思います。思いますが、しかし実際問題としては、仮に現在の共通一次を改めて別のにするにしても、これは来年とか再来年という話じゃないわけでありまして、いろいろな準備も必要でありますし、それからまた二年ぐらいテストも必要でしょうし、それから何十万人を相手に、対象とする試験の実施でありますからテストも必要でしょうし、あるいは少なくとも二年ぐらい前にやり方を予告した上の本番というふうになるわけでありますから、何といいますか、来年とか再来年に実施できるという性質のものではないと思いまして、これからそうのんびりするわけにはまいりませんけれども、混乱が起こらぬようにある程度の時間はかけ、かつ関係者の意見も十分聞き、そしてまた高等学校の教育と深いかかわりのある問題でもありますから、そちらの方の混乱を巻き起こさないようにする配慮も必要でありますし、英知を結集して、そして望ましい大学入学試験制度のあり方を創出していきたいと、こういうように考えるわけでございます。
#170
○高桑栄松君 それではもう一つ、これは私学なんかでもう実施しておられるところがあるので関連ということでひとつ伺うんですが、中高一貫教育のことなんですが、私は昨年の八月一日の内閣、それから文教、社労の連合審査で医学的見地から見た高桑案というものを実は提案をしているんです。その中で中高一貫を私は主張したつもりなんです。それで、つまり中学から高等学校に入るあの十五歳というふうな、思春期の本当に精神的にも情緒不安定なときですから、そして精神だけじゃなくて、肉体的にも変化がそれぞれあるわけですから、だからあのときにまた受験というのは非常に少年を害するという意味で、私は中学から高校への入試をなくすべきだ、つまり中高一貫教育を私は言ったわけです。高校進学率がもう九四、五%以上になっておりますから、だから義務教育化、ほとんどそれに近いということを私は申し上げておったんで、それが臨教審の方の目玉に入ってきたというふうに書いてありますので、六年制中学ですね、だからこれはこれで私も主張しておったことだと思いますのでよろしいと思っていますが、そうするとやっぱり全日本中学校長会が五月二十七日に提言をしたというのが載っておりましたが、要するに小学校から中学校に入る入試はあってはならないということが出ておりました。例えば、くじ引きにするのかどうか、いろいろな方法があると思うんです。私は地域的に、あるテスト地域を設けて、公立の中学校と高等学校組み合わせでテストにやってみるという方法もあるだろうと思うんです。私学では大分やっておられるわけですから、ですから、そういうパイロットスクール方式というふうなのは、私はこの際すぐ一律にという官僚的な発想ではなかなかやっぱりやってみると隘路が出るかもしれませんし、教育というのは本当に影響が大きいので、慎重にする意味では若干保守的になっても、やっぱりパイロットスクール的な考え方で地域を指定して実験をやってみるということが私は必要だろうと思うんです。これについていかがでしょうか。
#171
○国務大臣(松永光君) 先生御指摘のとおり、六年制中等学校というものについては私立ではやっていらっしゃいまして、相当の成果を上げている学校が多々あると私は承知しております。しかし、その場合にも六年制連続というよりは、やっぱり何といいましょうか、やっぱり中学は中学、高等学校は高等学校という形で一応の区切りはつけて、しかしその中でいろんな配慮をしながらやっておられるというのが実態のようであります。ただ、一部の学校では、さらにそれをもう少し進んで、要するに中学と高校とのダブリをなくして、計画的にと言いましょうか、六年間の教育をしていくという相当な研究をして、そして実施をしていただいている中学校もあるようであります。そういうものを制度上もつくれるといいますか、存在する、一貫計画的に六年間、何といいますか、中身の濃い、しかも重複、ダブリを排除しながら、系統的な教育をやっていくというそういう仕組みを仕組みとして設けたらどうか、こういう提案だというふうに思いますので、これは意味のある提案だというふうに思います。それで、じゃ公立ではどうするかという問題でございますが、仕組みを設けた上、実際にそれを実施するかどうか、これは慎重な対処が必要だろうというふうに思います。
 なお、現在でも高等学校、地方によりましては、相当研究した新たな構想の高等学校も実はつくっておられます。
   〔理事杉山令肇君退席、委員長着席〕
自分の県のことを言って恐縮でございますが、埼玉県には総合選択制高等学校などというのができまして、大変な好評を得ております。これは非常に選択の範囲が広く設けておりまして、それからまた途中でまた選択したその人その人の特性に合うような選択のし直しもできる。こういったいろいろなことを研究した上での新しい形の高等学校を埼玉県ではつくられまして、現在二年生まで来たんですかな、あるいはまたもう一つは、総合選択制技術高等学校でしたかな、そういうのも新たにつくっておられまして、これは大変また関心が高うございまして、全国から、埼玉県の新座市というところにあるわけでありますけれども、見学者が後を絶たないというぐらいに注目を集めている高等学校もあります。これはいずれも設置者である県が研究をして、そして始められた高等学校なんでありまして、後期中等教育の多様化という観点からは大変意味のある試行だ、試みの実施だというふうに私は評価しておるわけであります。
#172
○高桑栄松君 それに関連して私の意見だけもう一つ申し上げますと、いろんな御意見の新聞やなんかに出ておるのを読んだりしておりますと、六年制中学ではカリキュラムは六カ年のものが重複している部分があるので、四年半ぐらいで済んでしまう、少なくとも五年で済むから一年残る。これは受験勉強に充てるみたいな話になっているようでありますので、私は思うんですが、我々のころは旧制中学は四年修了で、四修で旧制高校を受けることができましたから、平均的な教育のレベルアップというのも結構なんですが、まあ英才かどうかしりませんけれども、場合によれば、中学六年制であれば五年で大学が受験できる。つまり第二次受験資格を取る試験を受けて通れば受けられるというふうなことで、大学入学を一年早めるということもあり得るんじゃないか。というのは、やっぱり頭脳の発達は満二十歳ぐらいが一つのピークでございますから、大学教育を余り遅くまで引っ張っていたんでは、頭脳の飛躍的な創造性を期待するのはやっぱり難しいかもしれないですね。ですから、やっぱりある意味で若くなきゃだめだ。だから十七歳でもし大学へ入ると、現行制度で二十一歳で卒業です。医者ですと二十三歳になりますから、ですからひょっとしたら、数学の発見は二十歳前半ぐらいのことを言っていますから、やっぱりそういう教育も必要なのじゃないのか、これはディスカッションじゃございませんので。
 あともうちょっと時間をおかりしまして、きょうは朝から久保先生、安永先生、粕谷先生も医者のことばかり、医学教育ばかり言われて、私はと思っていたら、高木先生も何だか被告席に座らされているような気がして、同僚教授の弁解じゃありませんが、若干私の認識している範囲をこの問題にちょっとお話ししまして、御意見があれば、あればじゃないな、やっぱり文部省の考えも承りたいと思うわけです。
 一つは、私は今同僚教授、医学教育の教授方の弁解と申し上げましたが、前提があります。悪いことはだめ、これはもう前提でございます。その意味であと聞いていただきたいんで、悪いのもいいと言おうとなんか思っておりません。悪いことはだめ、これが前提でお話しさしていただきます。
 新聞によりますと、ある関連した大学の医学部長の言葉だったと思うんですが、新聞捜さしたんですが、出てこなかったんで、某と言っておきますが、私が読んだ中に載っていたんですが、このことはほかの大学でもやっていることだというふうに聞いているとかなんとかとおっしゃっているのを私は見て、やっぱりこれは聞き逃せないことだと僕は思ったわけです。というのは例の、赤信号みんなで渡れば恐くない、みんながやっているんじゃないですか、悪いことだって仕方がないみたいな必要悪的な表現が私酌み取れて甚だ不愉快な思いで新聞を読みました。そういう弁解をすべきものじゃないと僕は思ったんです。
 しかし、その赤信号みんなで渡れば恐くないということの中に、高度成長下で物価が上がり、月給が上がっているのに予算はマイナスシーリングだ、これがいけないと僕は言っているわけじゃないんですが、現実を今申し上げているんです。マイナスシーリングの中で何が減らされるかといえば講座費だとか学会出張費だとか、いや文部省の講座費は昔から何十年と変わりありませんから、現実的には減っているということになると思うんです、物価にスライドしておりませんから。そういった意味で学会出張費、こういうことももう一律に足切りだか頭切りだかになっておりまして、したがって、もうこれでは学会は一回も出れない、一回出れば終わりなんですね。私が教授時代に年間の学会出張旅費が十万ちょっとだったかと思いますから、そんなもう一回ないぐらい、一回で終わりと。ところが我々関連学会は私のようなものでも数カ所あるのに、臨床なら大変ですから、そういったもの。それから外国ですと研究費を取るとそれを堂々と人件費として人を雇える、これが我が国ではなかなか面倒であるというふうなこともありまして、やっぱりその赤信号というのはマイナスシーリングをどう埋めていくかというための必要手段として赤信号が合理的であるかのごとき表現をしたんだろうと僕はそう思ったわけです。
 しかし、だめなものは、悪いことはだめなんでありまして、だからといってこれを理由づけにはできない。そして、医の教育倫理とか医の倫理とか、その倫理観というものは哲学でございますから、個人的な認識には幅があると思います。しかし、正、不正の判断ではお金というのは極めて客観的に明白でございますから、お金に関しては教授会は大学の自治を侵しているのではないか。前に文部大臣とは大学の自治とは何かということで、もちろん御存じないというのじゃなくて確認の意味でお話をさしていただきました。教育と研究の自由が保障されているのが大学の自治である、お金の取り方や使い方の自由なんというのはない、刑事事件問題は関係ないんだということを明快にさしていただいたのでありまして、ですから今度の北九州病院グループの最もいけないのは、お金の取り扱いという明白な犯罪的行為に対して公私混同した。そして、それは教授会であればいいと思ったのではないかという教授会自治論に対して私は甚だ不満があるわけです。ですから、教授会というものが自分自身の個の確立がないんでないか。これは実は大学紛争の際に、私、医学部長として全共闘だとか民青だとかと言われる人たちの矢面に立って論争しましたときに、私は諸君は個の確立がない、全体主義で動いちゃいかぬ、個の確立が必要だということを私は自分の教育哲学の中でお話をしてきたんです。その個の確立が教授会にはあるのか。やっぱり全体主義的な意味で、赤信号みんなで渡れば恐くないという考え方というのが私は個の確立がないんだと思うんです。自分がしっかりしている、自分というものを見詰めて、自分が自分を評価して、自分の行動に責任をとる、それがなければいけないんだろうと私は思っているんです。ですから、そういう意味で私は教授会そのものがある意味の責任を負うべきことではないのか、一人ではなかったというようなことがありまして、甚だ同じ医学部が余り俎上に上がるものだから不愉快でありますから自分の考えを述べてみたわけです。
 それから奨学寄附金というものがありますね。これはやっぱり新聞に出ておったんですね、これは使途がうるさいから、だからその筋を通らないでイン・マイ・ポケットだというふうにたしか書いてあったんです。これも、私も経験しました。奨学寄附金は使途がもう明確に示されますので、それから会計検査院の検査を受けますから、それはもう厳しいですよ。厳しいというのは普通でございますけれども、これは厳しいわけだ、ある意味では。ですから奨学寄附金というのをイン・マイ・ポケットにするのはこの使途がうるさいからという理由づけは理由になっていない。これはもうそう思うんです。ですから、やっぱりここでもし犯罪を形成するとすれば、正規のルートをとった奨学寄附金で入れたかイン・マイ・ポケットかという、明白にお金の使い道はここで分かれるんですよ。もう私が言わなくったって大臣はもう百も千も御承知なはずだと思うんです。
 ですから、奨学寄附金で、私自分の方の経験を語りますと、ほんの数万円をルートを通さないで来たというの、僕部長時代ですよ、十数年前です。会計検査院に指摘されて、その教室が四苦八苦しましたよ、どうしたと。いや、これは私も部長として細か過ぎるじゃないかと思ったんですが、金銭というのは明白なんですね。それで私はそれ以来絶対にイン・マイ・ポケットはだめ、僕、学部長でしたから、全部奨学寄附金できっちり経理は事務でやらせる。経理、事務でございますから、だから事務官がルーズでない限り明白にその使途がはっきりします。これは会計検査院が毎年来ますから、だから見ているわけですね。ですからそういうことが今度の事件の中で問題があるとすれば私はそこだ、こう思っております。それから国立大学の医学部の無給研究員というお話が、久保さんかな、お話が出ておりましたけれども、もちろん御承知のように国立大学では無給は一人もいない、有給か、研修医も有給でございます。またはお金を出して、授業料を払って研究員になっている、この二つになっているわけです。無給は今ないです。しかし研究員というものは授業料と、大学授業料と同額払っていますので、これはアルバイトが必要だと思うんです。これはもう普通のことで、公務員じゃございませんからアルバイトしております。だから、本人たちがアルバイトすることに対しての異論は私はない。管理者としても当然僕はそう思っております。当時ですね、当時がそうでした。
 ただ問題は、そのときの親方が、つまり教授がこれをしたかどうかですよ。それが問題なんだ。高木先生もおられますが、我々基礎の研究室はやろうと思ったって下にそんなに医者がいませんので、出せないから幸か不幸かこれをするチャンスも何にもない。それ冗談でございますけれども……。だからやっぱり臨床はたくさんお医者さんがいられるから、ただそういったマイナスシーリングのしわ寄せをどこでカバーするかというところがあったと思うんですね。しかし、悪いことはだめなんです。これはだめだと思います。ですからその辺が一つありますが、大学だからまた命令に従って、例えば僻地医療に行くんですね。北九州病院というのは都会のようでありますから、それはないと思いますけれども、僻地なんかは、例えば北海道の僻地なんかは、大学の半径百キロとかその範囲は大学の行動圏内です。頼まれると仕方がないから交代で出すわけです。これは行ってこれるんです。ですからそういう意味の大学の存在というのもあるんですね。
 ただ、本人がアルバイトするということと教授がポケットに入れるということとは違う。それから奨学寄附金というのはきっちりした形で入れるべきであるということはありますね、あると思うんです。ですからこれが氷山の一角なのかということが一つあるんですが、文部省はこういう事件が引き続き出てきたことに対してどんなふうにお考えになっているかということが一つありますね。――そんなところかな、じゃそのことについて伺いたいと思います。
#173
○政府委員(宮地貫一君) 医学教育については、かねて国会でも御議論をいろいろいただいておりますし、また高桑先生からは、特に御専門の分野でございまして、御経験を踏まえました御提案なり御示唆をいろいろといただいているところでございます。医の倫理の問題についても、もちろん国会での論議も何度か行われ、また、私どもとしましてもその点について、医学教育の関係者に機会あるごとに、その問題については繰り返し、医学教育の質の向上という観点から取り組んでいただくように申し上げておるところでございます。私どもとしては、そのような対応をしておるわけでございますが、さらに具体的にと申しますか、医学教育の改善に関する会議というのをことし一月からであったかと思いますが、慈恵医大の学長の阿部先生を主査といたします医学教育の改善に関する調査研究会議というものを起こしまして、国公私立のそれぞれ医学の各分野を代表される方方にお入りをいただきまして、医学教育の今後のあり方ということについて御検討をいただいているわけでございます。社会的要請にこたえ得る医学教育のあり方とか、基礎医学の充実、振興、国際化への対応というような大きいテーマでやっているわけでございますが、社会的要請にこたえ得る医学教育のあり方ということで言えば、もちろん医の倫理の問題、入学者選抜のあり方あるいは教育方法等について具体的な御議論をお願いをしているわけでございます。
 私ども、関係者の英知を集めた結論に従って、医学教育の質の向上ということについて今後とも努力を重ねてまいりたいと、かように考えているわけでございます。
#174
○高桑栄松君 では、最後に一言申し上げて、文部大臣のお答えをいただいて終わりにしたいと思います。
 しばしば前国会、今国会を通じて私申し上げておりましたのは、今、局長言われた医学教育会議のことでございますけれども、学術会議が医学教育会議を勧告いたしまして、これは卒前卒後全部の教育と、国家試験やそれから専門技術の試験とか、医の倫理だとか、今は脳死の問題等々も今度は含まれて、臓器移植も含まれてまいりますので、大変医師に対する期待が大きいと思うんです。それから医師過剰問題は、医師、歯科医師、薬剤師、この医系三つは共通の一つの問題点になっているんですね。そういうことを踏まえて学術会議第七部会は医学教育会議というものを主張したわけです。これにはもちろん、学術会議の関連とか、あるいは医学部、歯学部、薬学部の教育関係者とか、あるいは学術研究団体としての日本医師会、歯科医師会、薬剤師会、そして行政担当としては文部、厚生、そのほかに一般学識経験者を入れて、長期展望と中期展望に立つ医学教育はいかにあるべきかということを恒久的に検討し続けていきたいということでございまして、これは科学技術会議に説明に参りまして、私が担当して行ったんですが、そのときの科学技術庁長官通達では、取扱官庁は文部、厚生両省とするということで言っております。
 今までは文部大臣、厚生大臣からは前向きに検討するというふうなお返事をいただいておりましたが、今度こういう問題が出るに際してはますますこの必要性を痛感しているわけでございますが、文部大臣の見解をいただいて終わりにしたいと思います。
#175
○国務大臣(松永光君) 医師というのは高度の技術を要する分野でありますし、同時にまた、その前提として高い倫理観を特に必要とする分野であると思います。そういう医師の養成というのは、大学における教育、医師としての資格を取る前の教育、それから医師として資格を取った後の教育あるいは訓練が非常に大事だというふうに思います。
 文部省でこの一月に、医学教育の改善に関する調査研究協力者会議というのを発足をさしたわけでありますが、それも、今申したような点、特に日本学術会議の先ほど先生御指摘になりました提言を踏まえまして、そして、将来の医学教育の改善に関する調査研究協力者会議の御議論をいただきまして、それを受けて、医学教育の一層の充実、倫理の面とそれから学術、学問と技術の面でより充実するように取り組んでまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#176
○吉川春子君 私学共済年金は、国公共済年金と連動して人勧スライド、物価スライドは事実上制度化しているにもかかわらず、臨調答申以後の四年間連続して引き上げ率の値切り、もしくは引き上げ時期の引き延ばしが行われてきました。この結果、年金生活者の生活が大変圧迫されてきたわけですが、この点についてどのようにお考えなのか、大臣の御所見を伺わせていただきたいと思います。
#177
○国務大臣(松永光君) 私学共済の関係は、これは先生も御承知と思いますが、国公立学校の教職員共済と整合性があるような形でこれに準じて改善されていくということになっておりますので、今回もその趣旨で改善措置のお願いをしておると、こういうことでございます。共済というのはやはり他の共済との整合性という問題もありますので、引き上げ率について低いという批判はあるかもしれませんが、制度の仕組みが、今申したとおり、国公立学校の教職員共済組合の処置に準じてこれを行うという建前に基づきまして今回の処置をお願いすることにしたわけでございます。
#178
○吉川春子君 人勧制度自体憲法二十八条に反するもので認められないわけですけれども、この人勧すら凍結、値切りするようなことを来年度以降も続けるのかという点ですけれども、来年以降はこういうことはやらないというふうに約束していただけるでしょうか。
#179
○国務大臣(松永光君) 人勧制度が憲法に反するとは私は思っておりません。
 人勧制度に基づく勧告についてはどういう対処をするかは、私の方の所管ではありませんので私の立場で現在答えることはできません。
#180
○吉川春子君 人勧制度のことについてはきょうは立ち入りませんが、憲法違反であるということは明白です。
 次に、私学共済組合員の資格の点について伺いたいんですが、私学の小・中・高校において共済組合加入者の数はどれくらいいるんでしょうか。
#181
○政府委員(菱村幸彦君) 組合員数を申し上げますと、小学校では三千三百五十八人、中学校では七千三百八十七人、高等学校では七万五千四百九十一人でございます。
#182
○吉川春子君 今の加入者の数は、一部兼任とか重複はあるはしても全体の七四%しか加入しておりませんけれども、その理由はどういうところにあるんでしょうか。
#183
○政府委員(菱村幸彦君) 例えば、小学校では教職員の数は三千五百九十一人で、そのほか兼務者が六百三十一人いらっしゃいます。それに対して組合員は三千三百五十八人でございますから、御指摘のように、若干教職員であって組合員でない方がいらっしゃいますし、中学校も同じく教職員の数が九千六百二十二人、兼務者が七千百二十人で、組合員は七千三百八十七人ですから、これも同じように教職員の中で組合員でない方がいらっしゃいます。高等学校も同じようなことが言えるわけでございますが、これは先生も御承知のように私学が全部共済組合に入っているわけではございませんので、一部大学、早稲田、慶応とか、そういう大学、それに附属します小・中・高等学校等、いわゆる私学共済の適用除外校がございます。したがいまして、これらは除外されておりますし、さらに兼務者のうちには複数の兼務校を持っておりまして、そのうちの主たる兼務校で保険の適用を受けているということで、必ずしも教職員の数と組合員とが数字の上でもともと一致しないものであるということでございます。したがいまして、教職員数と共済組合の組合員数とを正確に比較するということは大変難しい問題だと思います。
#184
○吉川春子君 私学共済の組合員になれる条件はどういうことですか。
#185
○政府委員(菱村幸彦君) 私学共済の場合は、組合員資格につきましては健康保険、厚生年金保険に倣いまして二カ月以上常時勤務に服する者を組合員の資格としているわけでございます。
#186
○吉川春子君 そして、この法十四条に当たる者は共済組合への強制加入ということになるわけですね。
#187
○政府委員(菱村幸彦君) 私立学校教職員共済組合法、法律の規定はちょっと違うわけでございますが、十四条では、私立学校に使用される者は組合員とするとございまして、「但し、左の各号に掲げる者は、この限りでない。」とありまして、「一 専任でない者 二 臨時に使用される者」という規定がございます。ただいま私が申し上げました二カ月以上常時勤務に服するという者は、この十四条一項二号に該当する「臨時に使用される者」の中に含めているので組合員とならないというわけでございますが、この私学共済に加入している学校につきましてはこの規定に該当するといいますか、十四条の本文の方に該当する者については組合員資格を取得するということになります。
#188
○吉川春子君 この文部省よりいただきました「私学共済事務の手引」によりますと、「勤務の対償として給与を受けるものは、すべて学校法人等代表者の報告に基づき組合員とします。」ということで、「事実上の使用者関係があり、一定の仕事を担当し、常時一定の勤務時間拘束を受けている者です。したがって、非常勤、日雇いのような名称で雇用されている者でも、その勤務実態が常時勤務で給与を受けているときは、その名称にかかわらず、組合員になれるので注意してください。」と書いてありますが、臨時採用の私学の教員の場合にも、二カ月以上の任用期間があれば共済組合の組合員になれる、こういうことですね。
#189
○政府委員(菱村幸彦君) そのとおりでございます。
#190
○吉川春子君 それに対しまして実態はかなりの教職員が共済組合員となっていないということがあります。さっきおっしゃられましたように、一部の私立大学の除外を除いてもかなり多いわけです。例えばある私立高校では、教員の三分の一が講師でありますけれども一人も共済組合には入っていないという報告があります。共済組合に加入できる条件について私学の事務取り扱い担当者に周知させ、条件がありながら組合員としての利益を受けていない者が出ないように指導すべきだと思うのですけれども、どういう指導をなさっておられるのでしょうか。
#191
○政府委員(菱村幸彦君) 私どもも私学共済の組合委員資格につきましては、研修会とか担当者会議等いろんな機会をとらえて徹底を図っているわけでございますが、今お待ちの「私学共済事務の手引」などにも組合員になれる者等が今御指摘のように書かれているわけでございまして、趣旨の徹底については努力しているつもりでございます。
#192
○吉川春子君 現状としてはかなりまだ組合員になっていない方が多いわけですから、その資格がありながらまだ組合員でない人々を加入させるように一層努力をしていただきたいと思います。
 続きまして、公立学校の臨時教職員の社会保険についてお伺いいたします。公立学校の臨時教職員の年金や健康保険はどのように適用されておりますでしょうか。
#193
○説明員(奥村明雄君) お答えを申し上げます。
 臨時に雇用される教職員等でございますが、使用期間が二カ月を超えまして就労形態がその学校で通常使用されている教員に準ずる者という場合には、健康保険、厚生年金保険が適用されることになっております。
#194
○吉川春子君 文部省にお伺いいたします。今と同じ質問なのですけれども、どうですか。
#195
○政府委員(菱村幸彦君) 公立学校の臨時的教員の問題でございますが、公立学校共済組合の組合員の資格は地方公務員等共済組合法に御承知のように定められているわけでございますが、その資格につきましては、継続的な雇用関係を前提とするということでございますので、常時勤務に服するものを組合員としているわけでございます。ただ、非常勤でございましても勤務形態が事実上常勤的な実態にある方々につきましては、勤務する日が引き続き十二カ月を超え、かつ超えた後も引き続いて同様の条件で勤務するという場合には、組合員資格を取得するということになっております。
#196
○吉川春子君 そうしますと、一年に満たない者については、現在臨時採用の教職員はどういうふうに保険が適用されていますか。文部省に伺います。
#197
○政府委員(菱村幸彦君) 公共学校の臨時的教員の雇用保険の問題でございますけれども、これは雇用保険法の規定によりまして一定……
#198
○吉川春子君 雇用保険じゃないですよ。国保と年金です。
#199
○政府委員(菱村幸彦君) 失礼しました。
 雇用期間が二カ月以内の公立の臨時教職員につきましては、国民健康保険ないし国民年金の適用がございます。
#200
○吉川春子君 使用期間が二カ月以内ですか。いいのですか。
#201
○政府委員(菱村幸彦君) それから二カ月以上一年末満の場合は健康保険と厚生年金保険が適用される、こういうことでございます。
#202
○吉川春子君 もうちょっときちっとお答えいただきたいんですけれども、もう一度伺いますが、そういたしますと、公立学校の臨時教職員については任用期間が二カ月を超え、一年末満の者については、健康保険というのは国保ですか、政府管掌の健保ですか、どちらが適用されているんですか。
#203
○政府委員(菱村幸彦君) 政府管掌でございます。
#204
○吉川春子君 年金はいかがでしょうか。国民年金ですか、厚生年金ですか。
#205
○政府委員(菱村幸彦君) 厚生年金でございます。
#206
○吉川春子君 そうしますと、ちょっとくどいようですけれどももう一度確認しますが、二カ月を超えて一年末満の人は政府管掌の健康保険とそして厚生年金が適用されている、こういうふうに文部省はおっしゃるわけですね。
#207
○政府委員(菱村幸彦君) そのとおりでございます。
#208
○吉川春子君 そうですか、思いがけない答弁ですね。しかし、実態がどうなっているか御存じですか。全国の臨時教職員の問題については、国保に加入している人が非常に多いし、そして何の社会保険にも入っていないという人も多いんですけれども、こういう実態を御存じですか。
#209
○政府委員(菱村幸彦君) 実態については承知しておりません。
#210
○吉川春子君 そうですか。今お答えにはなりましたけれども、全国の臨時採用の教職員が政府管掌の健康保険とか厚生年金に加入するためには大変な苦労が要るわけですよね。例えば、一例を申し上げますと、東京都では、都教委に社会保険加入の適用申請を出しまして、麹町社会保険事務所に対して資格確認を請求して却下処分になった、そして社会保険審査会に審査請求を出してようやくその一年後の八四年の五月十二日に都教委が遡及適用を全面的に認めて、八四年の十一月から八四年四月に遡及して該当者全員に適用する、こういうふうになったわけですし、埼玉県では八四年の九月の二十六日に県教委に適用申請をして拒否されまして、今こういう問題がまだ解決がつかずに進行中ということですし、愛知でも事業主である県教委はこれに抵抗したり、実施を引き延ばしたり、違法行為が目に余るものがあるんですけれども、そうしますと、こういう実情、実態は文部省にとっては非常に遺憾なことだというふうになるわけですね。
#211
○政府委員(菱村幸彦君) ただいま御指摘のありました事例についてはちょっと承知しておりませんので、どういう事実があったのかということにつきましてはコメントをすることができないわけでございます。
#212
○吉川春子君 そうしますと、臨時採用の教職員が社会保険の適用をすべて受けられるわけですから、これは全国的にはこういう個々の人がいろんなところを相手にして闘って、そしてようやく手に入れるということではなくて、当然にこの社会保険の適用はされなければならないというそういうお立場ですよね。
#213
○政府委員(菱村幸彦君) 私どもが所管しておりますのは私学共済でございまして、今の健康保険ないしは厚生年金等の問題につきましては、ちょっと制度の所管が違いますので私の方からそれについて云々するということはできない立場だと理解しております。
#214
○吉川春子君 委員長、質問通告してあるんですよ、答弁さしてください。そんな無責任なことってないですよ。
#215
○委員長(真鍋賢二君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#216
○委員長(真鍋賢二君) それじゃ速記を始めていただきます。
#217
○政府委員(菱村幸彦君) 臨時的教職員につきましては、その勤務の実態に即しまして、医療については健康保険または国民健康保険、年金については厚生年金または国民年金に加入して一般の国民と同様の社会保障の適用が図られているというふうに承知しております。
#218
○吉川春子君 一般国民と同様の権利の保障があるということですから、任用期間二カ月を超えて、そしてしかし一年末満で共済年金の適用がないという場合には政府管掌の健康保険とそして厚生年金の適用が受けられると、これは厚生省に伺いますが、そういう解釈でよろしゅうございますか。
#219
○説明員(奥村明雄君) 先ほども御答弁申し上げましたですが、臨時に使用される者で使用期間が二カ月を超える者、それから雇用形態が通常の勤務している形と同様な雇用形態である者、これは健康保険及び厚生年金が適用されることになっております。
#220
○吉川春子君 そういうわけでありますから、文部省としても、一年末満は共済の適用がないということで、国保とか国民年金ではなくて、政府管掌の健保あるいは厚生年金に加入させるように、臨時教職員についてもそういう立場で努力されるべきだと思いますが、いかがですか。
#221
○政府委員(菱村幸彦君) 制度の趣旨に沿っての対応があるべきだと思います。
#222
○吉川春子君 今、制度の趣旨に沿っての対応がなされていない都道府県が多いわけですから、そういうところについては、それでは今申し上げましたような立場で指導していただけますね。
#223
○政府委員(菱村幸彦君) 実態がよくわからないんですが、先ほどの御指摘のようなケースにつきまして、もし制度の趣旨に合わないことがあるならば、制度の趣旨に合うようにすべきであるというふうに考えております。
#224
○吉川春子君 私は個々の事例を挙げたんですけれども、それを何とかしてくれというよりは、全体的にそうなっていないんですよね、違法行為が行われている。そういうことで指導を強く要求したわけです。それに近いお答えがありましたので、混乱しているようですから、そのことを強く要望して雇用保険の問題に移りたいと思います。厚生省、どうも御苦労さまでした。
 臨時教職員は、その任用期間が切れれば、すぐに次の任用がない限り失業者となります。継続任用が六カ月以上の場合は条例に定める失業給付がある場合が多いのですけれども、六カ月未満では全く給付の保障がなく、大きな経済的な障害となっています。
 例えば、産休代替のみでは常に六カ月未満であり、継続的任用を繰り返しても、退職手当条例の適用職員でありながら退職手当が支給されずに、失業給付も認められません。このことは、雇用保険法第六条四号の原則に違反するんではありませんか。労働省に伺います。
#225
○説明員(佐藤勝美君) 都道府県の職員、現在の場合は、問題になっておりますのは教員でありますけれども、御承知のように、これが県の退職手当に関する条例、その内容が雇用保険の失業給付に匹敵するものが定められておることが前提でございますが、それの適用がある場合は雇用保険関係法令によりまして適用除外となっておりますが、その適用がない場合には雇用保険が適用になるというのが一般の原則でございます。
#226
○吉川春子君 そうしますと、六カ月に満たない勤務期間でもって退職手当条例で救済できない場合には雇用保険で救済されると、こういうふうに理解してよろしいんですね。
#227
○説明員(佐藤勝美君) ただいま適用されるというふうに申しましたが、それは被保険者になるということでございまして、離職して失業状態にある場合に失業給付が受けられるかどうかは、これはまたその要件がございますので、その要件に合えば給付が受けられると、こういうことでございます。
#228
○吉川春子君 ちょっと時間の関係で先を急ぎますけれども、今の労働省の回答でも明らかなように、退職手当条例あるいは雇用保険、どちらかで救済されるということが法の建前なんですけれども、このことについて文部省はどうお考えでしょうか。
#229
○政府委員(菱村幸彦君) 公立学校の臨時的教員の雇用保険の問題についてでございますが、これはただいまお話がありましたように、一定以上の給付内容の退職手当の支給対象職員となる場合は雇用保険の適用除外とされているのは、そのとおりでございます。多くの県では、一般的にはこの退職手当条例の対象となっておりますので、その場合六カ月という一応の条件がございますから、それに満たないときは退職手当の支給がないということはあろうかと思いますが、それを超すときには退職手当でそれを支給しているということでございます。
#230
○吉川春子君 六カ月未満の場合に雇用保険の適用があるわけですけれども、そういうふうにじゃ扱っていただけますね。
#231
○政府委員(菱村幸彦君) 退職手当でいくのか、それから雇用保険でいくのかは、それぞれの入口のところの問題でございますので、公立学校の臨時的教員のそうした問題につきまして、どういう措置をとるかというのは、各県の条例の決め方いかんということになろうかと思います。
#232
○吉川春子君 各県の条例は、六カ月以上というふうになっているところがほとんどだというふうに思いますが、それ以外のことについては雇用保険でフォローするということですので、そういう立場でやっていただけますかという質問なんです
#233
○政府委員(菱村幸彦君) これは各県の条例の決め方でございますので、臨時的教員の雇用保険の扱いについて入口の段階でどうするかというのは、これは県それぞれの対応であろうと思います。
#234
○吉川春子君 何となく混乱がきょうは多いですね。六カ月以上は退職条例でフォローしているわけですから、六カ月未満について雇用保険の適用か――雇用保険で救済すべきだということなんですけれども、その点についてどうですか。
#235
○政府委員(菱村幸彦君) 公立学校の臨時的教員の任用の期間自体があらかじめ何カ月であるかということは、一概にはあらかじめ決められないと思うわけでございますが、多くの県ではこの退職手当条例の適用対象とするということでございます。それはまあ、いわば臨時的任用につきましては六カ月を超えて任用するという場合が多いことを前提にしているんだと思いますけれども。
 ですから、県でそういう条例上の対応をしている限りでは、今度は雇用保険の問題は出てこない。雇用保険の適用除外になるということだと存じます。
#236
○吉川春子君 そうしますと、六カ月以上と定めてあれば、それ未満の人は救われないということですか。
#237
○政府委員(菱村幸彦君) 臨時的教員の任用に際しまして、あらかじめ何カ月をもってやるかということは、まあ一概には言えないかもしれませんけれども、普通は更新することによって六カ月を超えるという前提があると思います。それによりましてこの退職手当の適用対象ということでこの問題には対応しているというふうに考えております。
#238
○吉川春子君 ちょっと私、じゃこの次の委員会のときにもう少し聞きますから、もうちょっと答弁を整理してほしいんです。
 失業者が退職手当の支給を受けようとすると不当な圧力のかかる県があるんです。この手当の支給申請をすれば次の職場はあきらめた方がいいと、こんなおどしをかけて退職手当の支給をおくらせたり、いろいろこそくな手段をとっている県があるんですけれども、こういうことについては、やはり速やかに事務処理をして、いやしくも受給の機会を失うことのないようにきちんと指導していただきたいと思いますが、この点はどうですか。
#239
○政府委員(菱村幸彦君) いろいろな御指摘がございますので、事情をよく把握してみたいと思います。
#240
○吉川春子君 この質問の締めくくりで文部大臣に伺いますが、現在、出産、病気などの代替教員などとして全国の小中高等学校にはたくさんの臨時採用の教員がいます。埼玉で三千人、愛知で五千人というふうに臨時教員が働いているわけです。教育という崇高な仕事を支えていることについては、正式な採用であろうと、臨採の教職員であろうと変わりはないと思うわけですが、そして多くの臨採の教職員は同じように子供の人間性形成のために献身的に働いているわけです。こういう先生たちに対しての社会保険の適用、雇用保険の適用が今大臣もお聞きのようにいろいろ問題点もあり、不十分な点もありますが、臨時教員の健康生活等の労働条件の改善が必要だと思うんですけれども、この点についての御所見を伺いたいと思います。
#241
○国務大臣(松永光君) 臨時の教職は常勤の教職員が欠けている間、その役割を代替して校務を分担し、教育に携わる先生もいるわけでありますが、いずれにせよ学校運営の円滑化のために寄与していただいておる職員だというふうに理解しております。
 なお、具体の問題につきましては、先ほど担当者がお答えいたしましたように、実態の把握が十分でありませんので、実態の把握に努めて対応策は考えていきたい、こう考えております。
#242
○吉川春子君 質問を変えます。
 文部省は、去る四月の二十六日付の文書で、全国の公立小中高等学校すべてを対象として特別活動の実施状況の調査を行いました。この調査の目的は何でしょうか。また、昭和五十五年には三千校、一〇%の抽出調査であったものを、今回は悉皆調査としたのはなぜでしょうか、その点について伺います。
#243
○政府委員(高石邦男君) 特別活動は学校教育の場で極めて重要な役割を担っているものでございます。したがいまして、その実態を的確に把握をしていきたい。特に、最近はいじめ等の生徒の問題行動のいろんな問題が出ておりますので、この特活による指導の徹底が必要でございます。そこでその全般の調査をいたしまして今後の施策の参考に供するためやったわけでございます。
 なお、悉皆調査にしたのは、従前もございまして今回が初めてでございませんが、昭和四十五年にやはり特別教育活動に関する調査、公立小・中・高を対象にして悉皆調査をやったわけでございまして、今回はそれからいいますと二回目でございます。
#244
○吉川春子君 教育課程の改善をするための参考資料にするということですけれども、それ以外の目的にはもちろん使用されないわけですね。
#245
○政府委員(高石邦男君) 教育内容を改善充実していくための参考資料にするとともに、その内容の充実が図られる契機にしたいと思っております。
#246
○吉川春子君 行政指導にも使うという意味ですか。
#247
○政府委員(高石邦男君) 適当でない場合には行政指導に利用することもあり得ると思います。
#248
○吉川春子君 大変問題発言ですね。
 特別活動に関する調査票を文部省で作成して、学校名、校長名の記入欄まで設けているわけですが、文部省で学校名、校長名までつかむ必要があるんですか。なぜこういう用紙を作成しましたか。
#249
○政府委員(高石邦男君) それぞれ文部省は様式を示して、各県でまた印刷をして各学校に流せばいいわけですが、便宜上文部省、約四万近く学校がございますが、それについて一括して印刷をしてあげる、そうすると、やっぱりそれぞれの学校の名前が表示されなければならないということで、そういう処置をとったわけでございます。
#250
○吉川春子君 学校名、校長名の記入は学校側の任意に任せられていると思いますが、どうですか。
#251
○政府委員(高石邦男君) 管下の市町村教育委員会がそれぞれの学校から報告を求める際に、当然のこととして学校の名前があり、責任者の名前が教育委員会に報告されるのは当然であろうと思います。
 また、文部省といたしましては、個別の学校の内容を把握する必要はございませんので、全体的な県単位の集計の状況を報告してもらう、こういうふうに考えております。
#252
○吉川春子君 学校名、校長名の記入は強制的だとおっしゃるんですか。
#253
○政府委員(高石邦男君) 報告市町村教育委員会あてに報告を出す以上、学校長の名前、学校名が入るのは当然だと思っております。
#254
○吉川春子君 当然と、という非常にあいまいな言葉ですけれども、強制とは言えないんでしょうね、文部省は。特定の項目について答えあるいは答えないことは学校側の自由であると思いますが、その旨は明記されていないのはなぜですか。
#255
○政府委員(高石邦男君) 調査項目全体について報告を求めておりますので、勝手にこれは報告する、しないというようなことを考えておりません。
#256
○吉川春子君 大変強気の答弁ですね。文部省がこのような調査をする法的な根拠はどこにあるんですか。
#257
○政府委員(高石邦男君) 地教行法の五十四条でございます。
#258
○吉川春子君 学力テストに関する最高裁の判決で地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十三条、五十四条についての解釈の判断を出しておりますが、国の権限はそういうところまで及ばないとしているわけです。文部省は各都道府県教委に対してこの調査を行うとしても、個々の学校についてまでアンケート調査の回答を強制することはできないんじゃないかと思うんです。この最高裁の判決をどう考えておられますか。
#259
○政府委員(高石邦男君) 各学校に対していろんな必要な事項の報告を求める、その根拠は先ほど申し上げました地教行法五十四条にあるわけでございます。したがいまして、求められればそれについて報告をするという義務が発生するわけでございます。
 なお、学力調査は、学力調査のテストをやったそれらについては、合法的な措置であるというようなことで、最高裁の判断は、そういう文部省の報告事項を求めることは合法であるという判定をしていると思っております。
#260
○吉川春子君 さっき私が申しました法律の第五十三条、五十四条について最高裁は国の権限はそこまで及ばないとしている、その点についてはどうですか。
#261
○政府委員(高石邦男君) 判決の内容は最終的に総合的に何を述べているか、一つの一部分の文章をとらえてなかなか判断しにくいというふうに思いますが、少なくとも学力調査についてはああいう行為を文部省が報告を求めたことは合法であるという判定をしております。強いて言うならば、個々の教師のやるテスト活動、それを国がかわってやるということは適当でないという判断をしておるものと考えております。
#262
○吉川春子君 今度の文部省のこの悉皆調査はこういう権限が文部省にあるかどうか、都道府県に対してあるということであって、各小中学校に対してまでこういう権限はないと思うんですけれども、そこまであると言い切るんですか。
#263
○政府委員(高石邦男君) 「文部大臣は地方公共団体の長又は教育委員会に対し、」「必要な調査、統計その他の資料又は報告の提出を求めることができる。」というふうに書いてあるわけでございます。
 それで、都道府県教育委員会または市町村教育委員会は、報告を求められた内容について各学校の実態に基づいた内容の報告がなければ報告はできないとするならば、当然のこととして教育委員会は各学校にその具体的内容を求めて、そして集約した上で報告する、こういう義務があると考えております。
#264
○吉川春子君 今高石局長がお読みになりましたように文部省が直接市町村の小中学校に対して、あるいは高等学校に対してそういう権限がないということは今お述べになったところで明らかじゃないでしょうか。
 それで、この調査の十四項目目に日の丸、君が代について質問していますけれども、日の丸、君が代については基本的には各学校の自主性に任せられており、文部省や教育委員会が強制すべきものではありません。今回の調査によってその自主性が損なわれるおそれがあると思いますけれども、どうですか。
#265
○政府委員(高石邦男君) 国旗、国歌の取り扱いについてはいろいろな意見がございますが、文部省としては学校行事等において国旗、国歌を大切にするという教育を子供たちに身につけさせるという上からも国旗を掲揚し、国歌を斉唱するということを行うことが望ましい、こう指導しているわけでございます。したがいまして、それぞれの教育委員会、都道府県、市町村の教育委員会もそういう観点に立ってそれぞれの学校を指導していると思います。したがいまして、あくまでそういう線に沿って学校が学校行事等でこの取り扱いをすることが適当であるということでございまして、学校が国旗の取り扱いを勝手にするというような自由はないわけでございます。
#266
○吉川春子君 とんでもないことをおっしゃいますね。学校に自由がないなどということはおかしいじゃないですか。だって、学習指導要領はやはり一応の基準を示すものであって、あなたはここの委員会でも答弁されたけれども、指導要領というのは弾力的に各学校が運用するものだ、個々のいろんなことまで強制するものじゃないということを答弁なさっているでしょう、今の発言は非常によくない答弁だと思いますね。
 この学校名が記入されたアンケート用紙が提出されたとして、各地教委はこの学校名をつかむわけですね。その名前をやはり公表すべきではないと思うんです。文部省は今回のアンケート調査を、日の丸、君が代をさらに多くの学校で導入させるための事実上の行政指導をしようとして行ったということは今の答弁からも明らかなんですけれども、学校名の公表はやはりすべきじゃないと思いますけれども、どうですか。都道府県の教委に任せますか。
#267
○政府委員(高石邦男君) 都道府県教育委員会、市町村の教育委員会が具体的にそれぞれの学校でどういうような授業の展開が行われているか、特に最近国民的な関心である君が代、日の丸の問題についてどういう取り扱いをしているかをそれぞれの学校の個別について承知しておくことは当然であろうと思います。しかし、その段階を超えて文部省に報告される場合には個々の学校の名前を必要としない、計数的な報告を求めているわけでございます。そこで、それぞれの教育委員会がそれぞれの学校に対して今後有効適切な指導方法としてどういう対応をとるかというのは教育委員会の判断にゆだねるというふうになろうかと思います。したがいまして、文部省として画一的に名前を公表するなとか、名前を公表しろというようなことを言うつもりはありません。あくまでそれぞれの教育委員会の自主的な判断によって対応してもらいたいと思っております。
#268
○吉川春子君 画一主義の教育が臨教審の論議にもなっているようでありますし、臨教審の意図はさておくとして、日の丸や君が代を学校に押しつけることは個々の学校の自主的、創造的な教育課程の編成を妨げて画一教育を押しつけることになると思います。私は、今度のその文部省の調査が行政指導などには利用されないように、そしてまた学校名などは公表されないように、そして画一主義の教育ということを一方で批判しているわけですから、そういう画一的な日の丸、君が代の押しつけはやらないように、こういうことを強く要望して、もう答弁は要りません、私の質問を終わります。
#269
○関嘉彦君 本日の議題になっております私立学校教職員共済組合の年金の改定に関する法律案というのは、国家公務員の給与が引き上げられますとそれに連動してといいますか、横並びに年金を引き上げようという法案でございますので、今までもほとんど毎年のように繰り返されてきた問題だと思います。そのせいか質問もこの法案自体に関したものは少なかったように思うんですけれども、私は小西委員からなるたけ議案に即して質疑してくれるようにという依頼を受けましたので、ばか正直にきのう一夜漬けで勉強してまいりましたので質問したいと思いますが、ただし初めてでございますので、昨年まで議論されたことと重複するような点があるかもしれませんし、あるいはわかり切ったことを聞くかもしれませんけれども御了承願いたいと思います。なお、文部大臣はずっとさっきから続けてお座りになって大変だろうと思って御同情申し上げておりますけれども、私の最初の二、三問は政府委員の方で結構でございますので、生理的な要求でもございましたならば、どうぞ私の方は構いませんですから自由に行っていただきたいと思います。
 まず最初に、民間の年金は厚生年金ということになっているわけですけれども、私学に勤務している教職員を国家公務員や地方公務員と同じように、農林漁業者団体職員も共済組合になっていますけれども、公務員と同じように共済年金に含めてある、共済年金制度を採用している理由はどこにございますか。
#270
○政府委員(菱村幸彦君) 私立学校につきましては、この現在の共済制度が設立される以前はいろんな制度がございまして、例えば財団法人の私学恩給財団に入っている人とか、厚生年金に入っている人とか、ないしは私学教職員共済会などに入っている人とか、いろいろな諸制度が混在していたわけでございますが、給付の種類とか内容とかという点で、ないしは財政的な基盤という面でも大変不十分でございましたので、私立学校の全教職員を集めまして国公立学校の教職員の共済制度と均衡が保たれるようなものにすべきだということで、昭和二十八年に私立学校職員共済組合法を制定していただいたわけでございます。
 この私立学校共済組合につきまして国立学校や国家公務員や地方公務員の共済と同一にした趣旨は、教育基本法六条に、すべての学校の職員というのは公共の仕事をしているものでございますから、その教員の扱いについては同一の対応をすべきであるという趣旨の規定がございますので、その精神を踏まえまして私学共済については国家公務員共済、地方公務員共済と同一の制度とするということになっているわけでございます。
#271
○関嘉彦君 それはつまり、やはり私学であろうと教員の生活をできるだけ優遇しよう、そういう趣旨だと思いますけれども、それに間違いないですか。
#272
○政府委員(菱村幸彦君) そのとおりでございます。
#273
○関嘉彦君 私立学校の大学で共済組合に入ってない大学なんかも若干あるように聞いているのですけれども、それはどういう理由に基づくものですか。
#274
○政府委員(菱村幸彦君) 二十八年に法律ができましてこの制度が発足したわけでございますが、それ以前に既に厚生年金等に入っていたところで私学共済には参加しないという大学等があったわけでございます。それで、そういう大学は適用除外校ということで発足したわけでございますが、昭和四十八年にもう一度、議員立法でございますけれども、そういう適用除外校もなるべく入るべきじゃないかということで、加入のいわばチャンスを与えることがあったわけでございますが、そのときにもなおかつ、今までどおりでいいからということで、お入りにならなかったところがある。まあ、それはそれで一つの行き方ではないかというふうに考えております。
#275
○関嘉彦君 今回の法律改正による年金改定が、私学共済の年金財政に対してどういう影響を及ぼすか。
 それから、改定に伴うところの国庫補助金の額はどうなるのか、そのことをお答え願いたいと思います。
#276
○政府委員(菱村幸彦君) 今回の年金改定は、もちろん費用が伴うわけでございますが、いろいろ中身はございますが、全部を含めて考えてみますと、昭和六十年度で十一億八千万円費用が増加するわけでございます。これを平年度化いたしますと、十四億三千百万円でございます。これに伴います国庫補助を見ますと、昭和六十年度で一億五千九百万円、平年度に直しまして一億九千三百万円という額になっております。
 費用が増加するわけでございますけれども、年金財政への影響としましては、財源率にしまして千分の〇・六程度ということでございます。国庫補助もございますので、その国庫補助を引きますと、千分の〇・四九程度でございますので、この程度の増加分は、いろいろ資金運用面の工夫によりまして十分埋め合わせがつくというふうに考えております。
#277
○関嘉彦君 今度の補助金一括削減法によって行革関連特例法の適用期限が一年間延長されて、結局四年間――五十七からだと思いますから四年間ですね、この間の国庫補助金の減額分は、利子を含めて全部で幾らになりますか。
#278
○政府委員(菱村幸彦君) 財政状況の厳しい折から、行革関連特例法が一年延長になったわけでございますが、私学共済に対します国庫補助の額は、これまで、御指摘のように、四年間の累積がございます。減額額は、予算べースで総額七十六億円になります。これはまた同時に運用しておりますので、運用収益分があるわけでございますが、仮に年利五・五%で運用をいたしますとしますと、その四カ年間の累積は八億円でございます。したがいまして、両方合わせますと、この四カ年間で八十四億円に達するということになります。
#279
○関嘉彦君 先ほどの御説明で、私学の共済年金、財政的にはほかのものに比べて非常に良好な状態にあるということは伺いましたけれども、これはやはりずっと計算によってこんなふうになっているわけですから、将来になってくると支出はふえてくるわけです。そういった減額分は、やはりいつか補償しなくちゃいけないだろうと思うんですけれども、それをいつ、どのようにして補償する見通しか、大臣にお答え願えればありがたいと思います。
#280
○国務大臣(松永光君) 今、話の減額分の補てんにつきましては、特例適用期間経過後において、利子分も含めて年金財政の安定が損われることのないよう、国の財政状況を勘案しつつ、できる限り速やかに返済がなされるものと承知しておるわけでございますが、具体的な返済時期等につきましては、今後財政当局と十分協議してまいりたいというふうに考えております。
#281
○関嘉彦君 ぜひその努力をしてもらいたいと思います。
 それから、長期給付の掛金に対する都道府県の補助、それはどういうふうになってますか、それをまずお伺いしたい。
 それから、都道府県によってはその補助が大学校舎なんかについて行われてないところがあるように伺っているんですけれども、それはどのくらいの県に上るのか、その理由はどういうところにあるのか、それもあわせてお伺いしたいと思います。
#282
○政府委員(菱村幸彦君) 私立学校共済組合に対しましては都道府県が補助をしているわけでございますが、これは昭和二十九年の私学共済が発足以来ずっとやっておりまして、長期給付の掛金の千分の八相当を補助するということになっているわけでございます。ただ、実際の補助の状況を見てまいりますと、県によって若干不十分なのでございますが、例えば五十八年度の補助状況で申し上げますと、小学校、中学校、高等学校、大学というようにすべての学校の種別にわたりまして千分の八相当を補助しているという県は二十九県でございます。
 それから、高等学校以下、小・中・高には満額補助しているんですが、大学と短期大学には補助がないというものが五県ほどございます。
 それから、高等学校以下はやはり同じく満額補助でございますけれども、大学、短大については補助はするけれども、その補助の期間を短縮しましたり、補助率を若干引き下げたりしているものが六県ほどございます。
 それから、高等学校以下は同じく満額補助でございますが、大学、短大は組合員の方にのみ補助しまして、学校法人の方には補助をしないという形態がございまして、そういうような形で補助をしているものが五県ございます。
 さらに、すべての学校種別にわたりまして組合員のみに補助をし、学校法人側には補助をしないというようなところが二県ほどございます。
 五十八年度の都道府県の補助の総額は、そういうことで五十二億六千四百万円になっております。
#283
○関嘉彦君 将来、さらに地方財政の行革なんかが行われる見通しがあるように思うんですけれども、その場合に、こういう補助してない都道府県がふえてくるというふうなことは心配されませんですか。
#284
○政府委員(菱村幸彦君) 御指摘のように、都道府県も財政事情が大変逼迫しておりますので、今後都道府県の補助につきましてはかなり厳しい状況になるということが予想されるわけでございます。
 ただ、私どもとしましては、私学共済組合法が制定のときから国会の附帯決議等もございますし、また、この学校法人や組合員の掛金負担の軽減を図ることによりまして、私学共済の健全経営も図ると同時に、私学の組合員につきましていろいろこれまでの配慮を続けていきたいというふうに考えております。したがいまして、今後とも都道府県に対しましては、いろいろな形でこの補助金の継続、充実につきまして要請をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#285
○関嘉彦君 共済年金制度にも基礎年金を導入しようというふうな、いわゆる制度改正の法案が国会にも提出されたわけですけれども、新しい制度のもとにおいても、都道府県の補助は継続されるものと考えてよろしいですか。
#286
○国務大臣(松永光君) 今御指摘の長期給付に対する掛金についての都道府県の援助措置でございますが、これは今担当者も話しましたように都道府県における私学振興の観点から行われておるものでありまして、社会保障制度上の観点からなされておる国庫補助とはその性格を異にするというふうに私どもは理解しております。したがって、基礎年金の導入によって私学共済年金に対する国庫補助の方法が変更される場合においてもこの都道府県の補助の考え方は維持すべきものであるというふうに考えておりますので、文部省としては今後とも都道府県補助については十分自治省、都道府県にその補助を続けるよう要請してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#287
○関嘉彦君 この議案についての質問はそれだけで、私がまた早く質問をやめることを内心期待しておられる方もあるようでございますけれども、せっかくの機会でめったにこの文教委員会は出席する機会はございませんので、本日の議案に直接の関係はございませんけれども、この機会にちょっとお伺いしておきたいことがございます。
 それは、臨教審の内外におきまして教育を市場原理で考えるべきである、つまり需要と供給で自由に競争さしておいて、ちょうど市場において財貨の需要と供給が一定の価格で一致したところで取引が行われる、それと同じような市場原理を取り入れるべきであるというふうな考え方を説いている人がございます。
 私はある意味で教育において競争が行われるべきであるということは認めております。やはり研究者が少しでも同僚よりもいい研究論文を発表する、あるいは少しでも優秀な学生を教育する、それをお互いに切磋琢磨して競争をする、名声を追って競争するということは私は結構だと思うんですけれども、いわゆる経済財と同じように教育を考えて、経済におけると同じような自由競争原理を働かせるということは、これは結局は、経済の場合は成功したかどうかということは利潤を上げたかどうかということで決まるわけで、教育を、ただでさえ先ほど御指摘があったように金もうけ主義の私立学校なんかもあるわけであって、そういう金もうけ主義の考え方を教育界に広めるべきではないというふうに考えております。確かにほかよりも抜きん出ようという、いろいろな教育の本来の目的において抜きん出ようというそういう競争は私は大いに奨励すべきだと思うんですけれども、経済の原理を取り入れるべきではないというふうに考えるんですけれども、文部大臣いかがでございますか。
#288
○国務大臣(松永光君) 教育の場においても公正な競争というのは存在するし、また公正な競争がなされることの方が効果が上がるという場合もしばしばあると思います。
 ただ、先生御指摘のように経済活動とは根本的に違う点が幾つかあると思うのでありまして、その一つは、経済活動の場合にはまず経費の節減をやりましてそしていかにして最大限の利益を上げるかという観点があるわけでありますが、教育の場合にはそういう経済的な利益などというふうに計算できる問題ではありません。
 のみならず、現在は極めて役に立たぬような分野であっても長期的な観点からすれば大事な分野が実はあるわけであります。自然科学の系統でもあるいは人文科学の方でも同じでありますけれども、基礎研究などというのはまさしく経済原理だけでは考えることのできない本当の基礎となる研究なのでありまして、しかも、その分野に相当な資金を必要とする場合であっても、将来の学問あるいは科学技術の進歩発展ということを考えればやるべき投資というものはやらなきゃならぬというものがあります。そこらは経済の分野とは異なるというふうに思われます。
 さらにまた、経済の分野はどちらかと言うと、その効果が比較的短時間のうちに判定できるわけでありますけれども、教育というのは十年、二十年あるいは五十年の長期的な時の経過によってその効果が出てくるという分野が多いわけなのでありまして、そういう意味で経済活動の分野と同じようなレベルで競争原理ということを考えることは私は適当ではないというふうに思います。
 しかし、だからといって公正な競争そのものを頭から否定するわけにはいかぬと思います。やはり教育という、サービスという言葉は適当でないと思いますけれども教育を提供する側が、よりよい教育をしていこうという意欲を持ってそして努力を続けていくという意味においての公正な競争意欲というものは認められなきゃならぬというふうに思うわけでございます。
#289
○関嘉彦君 つまり競争と言っても、いろんな意味の競争があって、教育と経済とは違うんだ、競争という言葉は同じですけれども中身は違うんだということを十分強調していただきたいと思います。
 私は私学が日本の教育に果たしている重要性というのを高く評価しているのですけれども、ともすると今申しました金もうけ主義に走る学校が少なくない。特に昨年はそういったふうな不祥事がしばしば起こりましたので、文部省の方で昨年十月ですか、新聞の報道によりますと、学校法人運営調査委員制度というのを発足させて学校の経営なんかについての改善を指導する方針であるということが報道されましたけれども、この委員制度というのはうまく機能しているかどうか、私学の方からの反発というふうなものはないのかどうか、成果は上がっているかどうか、そのことをお尋ねいたします。
#290
○政府委員(國分正明君) 学校法人運営調査委員制度についてでございますが、御指摘ございましたように近年補助金の不正受領あるいは経理の不適正等々学校法人が管理運営上適正を欠くという事例が見られたわけでございまして、その不祥事についてはそれなりに私ども改善指導をしているわけでございますが、何より大事なのはこれが未然に防止されるということがより重要であろうということから、御指摘のように五十九年度から学校法人運営調査委員制度を発足させたわけでございます。
 この制度は私学関係者だけでなくて、いわゆる学識経験者として弁護士さんあるいは公認会計士の方あるいは経営学者等々に委員になっていただきまして、学校法人の管理運営の状況あるいは財務状況等々を実地に視察していただきまして、その結果をまた会議の席で議論し合って、必要な改善事項があれば文部省の方に御報告いただいて、文部省の方でさらにそれをそれぞれの個々の私学に指導と申しますか要望という形でお伝えする、こういう仕組みでございます。
 まだ五十九年度は第一回目として二十二法人について実施したわけで、第一回だけでございますので現時点でその成果が上がっているかどうかということまで言いにくいわけでございますが、五十九年度について見ましても、一部学校法人において例えば理事や評議員に欠員があるとか、私学の場合に理事、評議員にそれぞれ選出の区分というのが寄附行為等で定められておりますが、その選任区分どおりに行っていないとか、あるいは決算等が法令で定まっている期日までに行われていないとかというような事例等も見られたわけでございまして、それらにつきましては文書ないし口頭で指導しているというのが現在の状況でございます。
#291
○関嘉彦君 それそれ発足されてから今までは何校検査されて、そしてその中で不適切と認められる学校は何校ぐらいありますか。
#292
○政府委員(國分正明君) 学校数でございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、五十九年度におきましては二十二法人について実施したわけでございます。全体としてはおおむね適正に法人運営等がなされておったわけでございますが、文書等で指導を行いましたものが七法人でございます。また、比較的軽微で形式的であるというようなことで口頭で指導するというふうにいたしましたのが七法人という形になっております。
#293
○関嘉彦君 最後に、私学補助の問題について質問したいと思うんですけれども、学校に対する運営費なんかの補助、人件費を含めまして、そういった補助によって授業料の高騰を抑えて、それによって保護者の負担を軽減していく、そういう方法が私学補助の方法だろうと思うんですけれども、しかしもし保護者の負担を軽減させることが目的であるならば、私学なんかに子供を通わせているその保護者、その保護者の教育費に相当するものを免税にするとか、そういう方法によって私学、学校に直接に補助するにかわる方法があると思うんです。そういう減税というふうな方法による補助の方法を大臣どういうふうに評価されておられますか。
#294
○国務大臣(松永光君) 先生も既によく御承知と思いますが、かつては一方においては、歳出面で私学に対する経常費助成、一方においては、保護者の学校納付金等につきまして、それを所得から控除するという形での減税、その両方をやるべく何年も努力したことがございました。これはなかなか財政当局が言うことを聞いてくれなかったわけです。なぜかというと、各人の個別的な事情を所得税等の控除対象にすることはなかなか難しい、必ずしも公平でない場合もある、こういったことで、なかなか歳入面での税制での応援というのは実はどうしても認めてもらえないで、また結果的には、両方やれば両方ともだめになりゃしないかな、むしろ歳出面で補助の方に重点を置いた形で予算を獲得した方が現実的であるということで、私学振興助成法に基づく経常費助成に重点を置いて今日まで至ったと、こういうことでございます。ただ、最近に至りまして、公党間でこの問題については協議をするというふうになされておると聞いておりますので、公党間の協議が整いましたならば、文部省としては、それに応じて適切な対応をして、大蔵省とかけ合わなきゃならぬというふうに思っているわけでございます。
#295
○関嘉彦君 この問題、野党の方でも非常に熱心にやっておりますので、技術的な問題、解決すべき問題あるかとも思いますけれども、その問題をぜひ検討していただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#296
○委員長(真鍋賢二君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#297
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#298
○吉川春子君 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 私学共済年金は、公務員給与、国公共済年金と連動して、人勧スライド、物価スライドが事実上制度化されてきました。ところが、臨調答申以降四年間、人勧の凍結、値切りが続き今年度の平均改定率三・四%は、昭和五十九年度の人勧六・四%はもとより、積み残しを含めた物価上昇率四・八%にも及ばない低いものです。これではただでさえ苦しい年金生活者の暮らしは一層窮地に追い込まれることでしょう。
 公務員給与に対する政府の見解を見ても値切り分が補てんされる見込みはありません。人勧を無視したこうしたやり方について、給与担当大臣である総務庁長官は、昭和六十一年度限り、と言明されているようですけれども、残念ながらその保証は何もありません。もとより、人勧制度と引きかえの公務員の労働基本権の剥奪は憲法違反であり、その人勧制度さえ踏みにじるというのは、二重の憲法違反と言わなければなりません。この法案は二重の憲法違反行為に連動したものであります。
 また、法令上からいっても、公務員給与に連動させ、四年間も改定額を抑えるということは根拠がありません。私立学校教職員組合共済法第一条の二では、改定額の取り決め方について「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合」「すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」と定めているのであり、たとえ公務員の給与が人勧どおり引き上げられなくても、物価が上昇し、国民の生活水準も上がっているのですから、きちんと年金額の改定を図るべきだと思います。
 この法案を速やかに撤回し、少なくとも昭和五十九年度人勧どおりに六・四%の改定を行うよう強く要求して、私の討論を終わります。
#299
○委員長(真鍋賢二君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#300
○委員長(真鍋賢二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#301
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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