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1984/04/03 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 外務委員会 第4号
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1984/04/03 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 外務委員会 第4号

#1
第102回国会 外務委員会 第4号
昭和六十年四月三日(水曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     藤井 恒男君     抜山 映子君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     中村  哲君     八百板 正君
     秋山 長造君     寺田 熊雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平井 卓志君
    理 事
                鳩山威一郎君
                宮澤  弘君
                久保田真苗君
                抜山 映子君
    委 員
                大鷹 淑子君
                後藤 正夫君
                夏目 忠雄君
                原 文兵衛君
                寺田 熊雄君
                黒柳  明君
                和田 教美君
                立木  洋君
                関  嘉彦君
                秦   豊君
   国務大臣
       外 務 大 臣  安倍晋太郎君
   政府委員
       外務大臣官房長  北村  汎君
       外務大臣官房外
       務報道官     波多野敬雄君
       外務大臣官房会
       計課長      林  貞行君
       外務大臣官房領
       事移住部長    谷田 正躬君
       外務省アジア局
       長        後藤 利雄君
       外務省北米局長  栗山 尚一君
       外務省欧亜局長  西山 健彦君
       外務省経済局次
       長        恩田  宗君
       外務省経済協力
       局長       藤田 公郎君
       外務省条約局長  小和田 恒君
       外務省国際連合
       局長       山田 中正君
       外務省情報調査
       局長       渡辺 幸治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山本 義彰君
   説明員
       警察庁警備局審
       議官       鳴海 国博君
       科学技術庁研究
       調整局宇宙企画
       課長       石井 敏弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○昭和六十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、昭和六十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (外務省所管)
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(平井卓志君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として抜山映子君が選任されました。
 また、本日、中村哲君が委員を辞任され、その補欠として八百板正君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(平井卓志君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に抜山映子君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(平井卓志君) 昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○宮澤弘君 新聞報道によりますと、アメリカの上院の財政委員会で先般のダンフォース決議ですね、これを法律案として可決した、こういうことのようでありますけれども、これが法律として成立する見通しというか、可能性及びこれに対する対策について政府はどうお考えでしょうか。
#7
○国務大臣(安倍晋太郎君) まず、今御質問がございました、昨日上院財政委員会を通過した法案に対する日本としての見解を申し上げさせていただきますが、これは日本に対する差別であるのみならず、自由貿易自体に対する脅威でもありまして、その成り行きを極めて憂慮いたしております。日米両国関係と世界貿易のためにこれが法律として成立をしないことを強く希望いたしておるわけです。今、委員会で可決されたわけでありますが、これから本会議という舞台もあります。その間における米国議会の良識を強く求めたいと思います。
 我が国としましては、電気通信市場の開放に全力を傾けてきました結果、四月一日より米国市場と対比できるところまで開放されるに至りました。これは米国において過去十年にわたって行われてきた自由化を三年程度でなし遂げんとするものでありまして、米国に次いで世界で第二番目に導入された抜本的な自由化であります。政府としましては、内外無差別、簡素、透明を旨としまして法律の運用に万全を期することとしておるわけでございます。このような努力と成果がまだ米国議会で理解されていないことは極めて遺憾であります。
 もとより我が国としましては、日米間の今日のごとき極端な貿易不均衡は望むところではありません。日米双方の努力を通じましてその縮小に努める必要があると考えており、我が国としましても、四分野を初めとして各般の市場開放を続けていく考えでございます。
#8
○宮澤弘君 日本市場で公正な競争が行われますように我が国も市場開放を十二分に行う、今政府が努力をしておられる、これはもう徹底をしていただかなければいけないと思いますが、同時にやはり自由貿易の大原則というものは高く掲げて、言うべきことは言うという立場も堅持をしていただきたいと思います。
 次に、イラン・イラク戦争関係について伺いたいと思います。
 過日、イラクの外務大臣が日本に来られました。ちょうど都市攻撃が双方で繰り返されておりまして、多事多端なときに日本にやってきたということは、やはり何か期するところがあって見えたと思うんですけれども、外務大臣、イラクの外務大臣が日本に来られた目的といいますか、これは一体どのようなところにあったんでありましょうか。
#9
○国務大臣(安倍晋太郎君) タリク・アジズイラク外相につきましては、かねてから日本政府としましても招待をいたしております。これにこたえて見えたわけでありますが、タリク・アジズ外相としましても、まさに戦火の中を日本を訪問したわけでありますから、おっしゃるように、それだけに期するところがあったと私も思っておるわけです。
 二度にわたりまして会見を行いました。タリクイラク外相は、都市に対する今相互の攻撃が繰り返されている等の緊張状態が続いておる、このイラン・イラク紛争の現状とイラク側の立場につき詳細な説明がありました。そして、我が国に対する理解を求められたわけでございます。さらにまた、日本、イラク二国間の友好関係をさらに促進したいと、こういうことも求めたわけでございます。我々としましてはこうした会談を通じまして日本のイラン・イラク戦争の平和環境をつくるために日本が努力してきましたその日本の誠意と日本の提案、それと問題点等を繰り返して説明をいたしました。日本がこの両国の戦争に対して非常に憂慮している、日本は何ら政治的な野心も持たないし、純粋に両国の平和回復を求めておるんだということも主張しまして、日本の三提案に対して、さらに都市相互の不攻撃あるいは首都に対する攻撃はやめるよう要望をいたした次第でございます。
 アジズ外相は、これに対しまして、日本のこれまでの努力というものは非常に高く評価する、同時にまたこれからの平和努力もひとつぜひとも続けていただきたいという強い期待の表明がありましたが、現在は、今の戦争の進行状況の中で、イラク側としてはなかなかこうした部分停戦的なものを直ちにのむというわけにいかない。包括的な和平を我々は求めておるんだ。しかし、包括停戦もすぐはできないかもしれない。この部分停戦というものがタイムテーブルとして包括的な和平につながっていくというものでなければならないと思っておる。その点に対して、このイラン側の提案については十分我々も尊重しておるけれども、イランの真意というものが明らかでない点がある。ただ、日本側の提案を受け入れただけで果たしてこれが包括的な最終的な平和解決へ向かってのタイムテーブルになるかどうかということを自分たちはこれまでのイランとの間の紛争の中でどうしてもその辺が納得できないんだと、大変イランに対する不信感、これはお互いに戦争し合っているわけですから当然でしょうが、要するに、段階的な停戦はこれは認めるけれども、しかし、最終的にこれが全面的な和平につながるものでなければならぬということを強調しまして、我が国の提案に対しましては消極的な姿勢を示したわけでありますが、しかし引き続いて我が国の努力を要請しましたので、私たちもなかなかこうした問題は右から左に解決するわけではないと思いますし、これまでも、それなりの日本の役割というものはイラン、イラク両国に評価もされており、期待もさらにされておるわけですから、腰を据えて今後ともひとつ努力を重ねていきたい、こういうふうに思っております。
#10
○宮澤弘君 安倍大臣はかねて創造的外交ということを唱えておられて、恐らくイラン、イラク問題に大変積極的に仲介というのでございますか、努力をされたのは、この創造的外交の一環だと思います。今回も総理も会われたし、大臣も二度も会われた。しかし、残念ながら、これまで大臣が提案をされた案というのはそのままの形では受け入れられなかった。今おっしゃいましたように、イランの方はいわゆる和平三条件に固執をし、イラクの方は包括的和平というのでございますか、主張がなかなかかみ合わないということで、今お話しのとおりだと思います。しかし、イランもイラクも今お話しのように、日本を大変信頼していてということは、これは紛れもない事実でございます。今おっしゃいましたように、ひとつ今後も辛抱強く御努力を願いたい、こういうふうにお願いをいたしておきたいと思います。
 それから、イラン・イラク戦争に関して少し具体的な、イランからの邦人の脱出の問題でございますね、これについて伺いたいと思います。
 御承知のように、イラクのイラン上空の封鎖宣言というのですか、あれは十何日ですか、以降イランの上空を飛ぶ飛行機はイラクの攻撃の対象になるというような封鎖宣言がされて、報道によりますと、数百人の邦人がテヘランの飛行場に切符を求めて殺到して一種のパニック状態になったというような報道がされているわけですが、そして結局、日航機は救援に結果としては行かなかったということになったわけでありますけれども、まずその辺の事情について全般的に承りたいと思います。
#11
○政府委員(谷田正躬君) 概略、テヘランにおける状況を御説明申し上げます。
#12
○宮澤弘君 簡単で結構です。
#13
○政府委員(谷田正躬君) イラン、テヘランに対する爆撃が三月の十二、十四日と行われまして、その時点で大使館といたしましても、できるだけ邦人の引き揚げをすることを勧奨いたしまして、十六日に大使館と日本人会との間の会合におきましてその旨が伝えられたわけでございます。ただ、その当時におきましては、まだ各国からテヘランに乗り入れている民間航空会社は全部動いておりまして、かつ、三月の二十一日からイランのお正月が始まるということで、邦人の方のかなりの数が既に休暇ということでこういった航空会社の切符を予約しておられる方が相当ございました。そういうことで、この時点におきましてはまだ事態は平静であったわけでございます。ところが、十七日、今御指摘のように、イランの空域を閉鎖するというイラク側の警告が発せられまして、ただこの時点におきましてもまだ十八、十九日と二日間あるからということで、まだ平静であったわけですが、ただ予期されませんでしたことは、十八日になりますと、今まで乗り入れていた各国の定期便の会社が一斉に便を取りやめるということが十八日に既に起こってしまったわけなんですね。空域閉鎖は始まりますのが二十日の夜の八時からということだったわけですので、皆さん一応十八、十九とまだ二日間の余裕があると思っておられたわけなんですが、それが実は予期しない状況に立ち至って、そこで一種のパニック状況というものが起こってまいったという状況がございました。
 それで、政府といたしましては、実は十六日ぐらいの段階からもう既にいろいろな方策を検討しておりまして、そのための方策といたしましては、まず既に乗り入れている各国の定期便を使用するということ、それからそういった国からのチャーター便も派遣できないかということも検討するというのが第一点。それから、イラン航空機をさらに増便ないしはチャーターするということ。それから、日航機の特別機を派遣するということも一つございましたし、それから最後の場合には陸路を伝って脱出する。こういったいろいろな方策を検討しておったわけでございます。したがいまして、各国の航空機が十八日全部一応取りやめになったという段階におきましては、我々といたしましても、早急にこの日航機派遣という状況も踏まえて、日航側との連絡も行ってまいりましたし、現地での状況というものもその辺を踏まえて検討するようにという指令は出してあったわけでございます。
 ところが、十九日になりまして、またこの各国の航空機からそれぞれ救援機というような形で再び便が復活いたしまして、その中でも特にトルコ航空が我が方からの要請を受けて特別に一台大型
機を増便するという形になりまして、これに日本人を優先的に乗せるという話が出てまいりました。結局十九日の午後になりまして、これは先ほどのイラクの警告のぎりぎりの時間でございましたけれども、二機がアンカラから参りまして、これに邦人が脱出希望者はほとんどすべて乗れるという形になりましたので、そういう状況がこちらでもすぐわかりましたものですから、日航機の緊急派遣という必要はなくなったというふうに判断されたわけでございます。
#14
○国務大臣(安倍晋太郎君) ちょっと申し上げますが、日航機は派遣の準備は全部整っておりましたし、最終的にはイラン、イラク両国の領空の安全についても、両国政府からこれを保障するという連絡があって、いつでも飛び出せるという形になっておったわけですが、結局その必要がなかったわけでありまして、私は宮澤さんにもたまには日本の外交も褒めていただきたいと思うのですが、これは日本の外交の一つの大きなこれまでの積み重ねの成果であったと思うんですよ。というのは、トルコが特別機を出したということですね。今回のテヘランのああした脱出事件で、これは日本だけじゃなくて、各国とも在留の人たちは脱出していったんですが、特別機を出したというのは、それも日本のために出したというのはトルコ航空だけでありまして、これはやはりトルコと日本のこれまで積み重ねた外交の成果であったと思いますね。
 トルコに対するこれまでの日本の援助あるいはまた伝統的な日本とトルコとの友好関係、そういうものを背景にいたしまして、現地における野村大使とトルコの大使との間で非常に親密な友情関係がありまして、そういういろいろの要素が重なりまして日本側の要請に快くこたえて、ああした困難な情勢の中でトルコは自分の国の人たちよりも日本の在留邦人を最優先して特別機に乗せていち早く脱出させてくれたということであって、まさにこれはこれまでの日本の外交が、そうした努力を積み重ねてきた現地の大使等の非常な涙ぐましい努力、そういうことに基づくものであって、私としてはこれはよかったというふうに大変喜んでおるわけであります。
#15
○宮澤弘君 私が最後に申し上げようと思ったことを大臣が先におっしゃって、確かに結論的にはトルコがああいう措置をしてくれて事なきを得たわけですけれども、きょう伺いたいのは、その経過について多少伺いたい。結論はもう大臣がおっしゃったとおりだと思います。
 そこで外務省は、昨年ですか、情報文化局を情報調査局にされて情報の収集あるいは解析というようなことに重点を置かれるような改組をされたわけですけれども、今回のことを通じて、外務省の情報収集、分析、判断というものに多少甘さがあったんじゃないか、こういう議論がありますけれども、これはいかがでしょうか。
 ちょっと大筋申しますと、これは本当かうそか知りませんが、イラクがイランの上空閉鎖の宣言をしましたね、その情報は、外務省より先に日航のバハレーンか何かの事務所の方が先に情報をとって、日航は日航でそれに対する対策を始めていたという情報もありますけれども、そういうことを前提に私申し上げている。
#16
○政府委員(谷田正躬君) 外務省といたしましては、今般の紛争激化に際しましては、むしろ他国に先駆けまして現地の我が方大使を通じて両国間に都市攻撃自制ということを働きかけてきたわけでございますが、この際、この紛争拡大に対する両国の立場とかあるいは今後の出方について直接に両国政府の考え方をただすというふうに情報収集に努めてまいりますとともに、その他現地の外交団あるいは武官団の見方と西欧主要政府の見方等についても情報収集を行って、その分析に努めてまいったわけでございます。
 その結果、今回はイラン、イラク双方の立場の懸隔が非常に大きい、かつ双方とも本腰を入れて取り組んでいるというところから、戦火は容易におさまらないであろう可能性が強いということ、それから、特に文民区域の相互不攻撃の約束というのは、一たん破られますとこれが報復が報復を生むというような形で悪循環になる可能性が非常に大きい、そういった判断をしておったわけでございます。それでその旨を大使館の方からは在留邦人の方々に対しましても説明はしておった次第でございます。
 そういった状況判断に基づきまして実は三月十六日、これは警告が出る前の日でございますが、在イランの大使館が邦人に対する出国勧奨というものを行っておるわけでございますが、十七日になりますとイラクによるイラン上空の空域封鎖という警告が発表されたわけでございまして、出国を希望する邦人のための航空機の確保というものは十六日の段階から既に大使館も協力して行っておりまして、結果といたしまして、十九日までに大体出国希望者というのがほとんど無事出国することができた、こういった状況であったと私ども考えております。
#17
○宮澤弘君 私は状況を承っているんではなくして、今後もこういうことはあるかもしれませんから、外務省の情報収集能力あるいは分析の点で少し甘さがあったんじゃないか、そういう批判が世の中にありますけれどもどうですか、こう承ったんですけれども、それについてはあなたの方は、そういうことは一切ない、そういうお答えだと受け取ってよろしいですか。
#18
○政府委員(谷田正躬君) 私どもといたしましては、情報収集、分析につきましては万全を期したというふうに考えております。
#19
○宮澤弘君 それからもう一つ、こういう問題はいつ飛行機を飛ばすか飛ばさないか大変決断が難しいわけですね。その決断の点においても、今回の一連の事件を通じて外務省としては、あのときはああすればよかったなと思われるようなことはありませんでしたか。これもそれについてのお答えだけで結構です。
#20
○政府委員(谷田正躬君) 日航救援機の派遣の点につきましては、確かに準備は我々としては万々怠りなく東京におきましては日航側と協議してやっておったわけでございますが、これをいつ、どの時期で派遣するかという問題は、確かに非常に微妙な問題であったと思います。特に日航機の場合には既に今度のイラン・イラク戦争発生八〇年の時点から定期便の乗り入れを取りやめておりまして、現地に全然日航の駐在員がおらないわけでございます。それで、新たにこういった事態の中で日航機が飛ぶということになりますと、安全保障の問題もありますし、それからイラン空港の施設の使用というような点につきましても、あらかじめイラン側とこれを了解に達しておかなければ問題が起こるということもございまして、我々としては確かにその点につきまして大使館側とは十分にその辺の時点の判断を誤らないようにということは打ち合わせてはあったわけでございますけれども、現実の問題としてテヘランの方から、先ほど申しましたパニック状況が起きてやはり日航機を派遣してくれと言ってまいりましたのが十八日の夜中近くなってからでございまして、その点、それからイラン、イラク側に実際の安全保障の取りつけについて働きかけを行うということを始めた関係で、若干その発動がおくれたかなという感じは持っております。
 結果といたしまして、先ほどからのお話のように、トルコ航空がチャーター機を出したということで無事脱出できたわけでございますけれども、我々としてはその点ちょっとワンポイント立ちおくれたかなというような感じを率直なところ持っております。
#21
○国務大臣(安倍晋太郎君) ちょっと私の感想を述べさせていただきますと、こういうふうな非常に緊急を要する事件というのは、まさに瞬時にして決断をしなきゃならぬ場合も多いと思いますが、今回においては情報収集あるいはまた現地の大使館の対処というものは非常に適切であったと思いますし、また外務省の対応も私は間違ってなかったと思っております。揚げ足取りをする人たちは別にしまして、全体的には非常にそういう面ではうまくいったんじゃないか、ちょっと間違う
と大変なことになったわけですから、そういうふうに私は思っておるわけですが、あえて欲を言わせていただきますと、やはり日航機を飛び立たせるということについて、手続とか時間的なロスがどうしても出てきますので、ああした状況を我々見ておりまして、刻一刻在留邦人の動き等が伝えられるに当たりまして、こういう際に政府専用機でもあってぱっと飛び出すことができれば、これは全くこういう際にはいいがなということは、私はその際に非常に痛感をいたしたわけです。
#22
○宮澤弘君 最後にもう一度大臣に承りたいと思いますが、その前にもう時間も余りありませんけれども二つばかり伺いますが、一つは日航との連絡ですね。これは今回の事件を通じて、何か日航に対してもっと注文をしたかったなとか、日航がもっと動いてくれたらよかったなというように思われたことはありませんか。時間がありませんから、余り具体的ことじゃなくて、それについてのお答えをひとついただきたいと思います。
#23
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日航としましてもそれなりに、我々が要請しましてから最大限の努力をしたと私は思います。ただ戦火の中へ飛び込んでいくわけですし、今ルートがないわけですから、そういう点でいろいろと日航内部の調整等もあったし、あるいは現地の領空の空域の保障といった問題等もあって、これは日航としても私はなかなか大変な決断であったと思いますが、全体的には全面的協力という線を打ち出してもらったことは大変日航側に感謝をいたしております。
 しかし、こういう問題はただ日航と政府とでがたがた交渉するということじゃなくて、先ほどから申し上げました、政府が政府の決断でぱっと行けるというふうな、そういう態勢をやはりこうした非常事態にはとれることが、今の日本で、これだけ海外に日本人が活動しておられる状況では非常に大事なことじゃないか、こういうふうに思っております。
#24
○宮澤弘君 事務的にもう一つ伺いますけれども、これは週刊誌に書いてありましたので本当かうそかだけ承りたいんですが、何か直接イランに飛ばないで、周辺の国、パキスタンとかトルコとか、そこに一度飛んで待機していて、入れるようになったら行ったらいいという案があったけれども、それがもし待機をして結局お客を乗せないで返してくるとお金だけかかって、外務省はそれに対しての予算がないからそういうことができなかったんだ、そういう書き方がしてありましたけれども、これはうそでしょうね。どうですか。
#25
○政府委員(谷田正躬君) イランの救援機派遣につきましては、今回はテヘランに直接乗り入れるということを我々としてはあくまで考えておりまして、周辺の国に派遣する、そこで待機するというようなことは我々としては考えておりませんでした。
#26
○宮澤弘君 もう大臣からお考えをお述べになりましたので、あえて伺う必要はないんですけれども、今回のことは、大臣も判断としては間違っていなかった、私はそれを承って大変結構だと思います。こういう問題はいろいろ後から外から言わせると、あのときああしたらよかったとかこうしたらよかったとか、いろいろ議論がありますけれども、全体としては判断が間違っていなかった。しかもさっきおっしゃったように、日本外交のこれまでの一つの成果としてトルコが救援の手を差し伸べてくれたということも大変結構だったと思います。しかし、いずれにしてもこういうことが今後世界で起こらないとは限りませんので、一種の危機管理でもないかもしれませんが、こういうことについてやはり、かなりこれから考えておかれなければならないと思います。
 そういう在外邦人の安全に関する危機管理の問題、態勢として外務省、今後どういうふうにお考えになるか、それだけ承って質問を終わりたいと思います。
#27
○国務大臣(安倍晋太郎君) これからもこういうふうな事態というものは今世界でどこで起こるかもわからない、またいつでも起こっても不思議じゃないような状況にもあると思います。したがって、政府としましてもこれに対する対策は十分考えておかなきゃならぬ。外務省は外務省なりにこれまでの経験に照らして、そうした危機管理対策は一応立てておるわけでありますが、しかし、これは外務省だけでこうした問題に対応できないわけですから、やはり政府全体としてこういう問題に真剣に取り組んでいくという姿勢が大事だと思いますし、こうした対策を検討していくということが非常にこれから必要になってきておるということを私は痛感をいたしておりまして、政府の関係閣僚等にもそういうことは言っておるわけであります。
#28
○黒柳明君 いろいろきのうからきょうにかけて外交問題がありますが、冒頭、日米経済摩擦につきまして外務大臣から非常にすっきりした制裁法案に対しての御答弁がありました。昨日も御答弁の中に、米国側の高金利等が批判された。当然私たちもそういう罪は日本側だけではない、いじめられ役になる必要はない、こういうことを基本に、この貿易摩擦というものについての対応の仕方というものは考えているつもりであります。
 しかしながら、シグール補佐官が訪日して帰って、大統領に報告して、アメリカ政府、行政当局としては日本の姿勢を評価する、そう言った直後に制裁法案が通過した。こういう行政と議会筋とは非常に違った方向にあるわけでありますが、なかんずく国内のこの市場開放の努力は進められつつあるわけでありますが、あくまでも外務大臣としては外交の窓口としまして、この日米貿易摩擦、単なる国内の市場開放努力にまつ。そして保護主義を嫌う大統領が当然拒否権を発動するのではなかろうか、それを期待する、こういうことだけで、外交ルートとして当面やることはない。こういう待ちの姿勢でこのアメリカ議会筋の強硬姿勢をただ単に批判する、失礼ですが、こういう姿勢なんでしょうか。
#29
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほどからまた新しいニュースも入りまして、米国議会の下院の本会議で、現地の二日夜八時過ぎに、ちょうど日本時間で三日朝十時過ぎですが、本会議で対日決議案、これは上院と同じような趣旨のものですね、これが三百九十四対十九と圧倒的な多数で可決をしたということで、こうした議会の動きというのはまさに上下両院を通じてもう大変な空気になっておる、こういうふうに言わざるを得ないわけでございまして、日本政府としては今回の問題については少なくとも四分野に限っては、特に米国政府が非常に注目しているテレコムの分野についてはほとんどもう米国と等しいだけの市場の開放を持っていったわけで、ECも行わないようなことをやってきているわけですから、アメリカ政府も、これに対してはきょうも実は関係閣僚会議でステートメントが発表をされまして、この日本の決定を歓迎いたしておるわけで、政府間においては日本の努力というものは十分これを認められておる。
 同時にまたアメリカ政府としても日本に求めてきておるわけですが、しかし議会の方は全く我々と違った次元で、それも何か対日赤字というものがすべて日本の責任であるというような、そういう一つの我々からすると理解できないような筋合いの中で決められているということは全く遺憾で、先ほど私が言いましたように、これは日本に対する差別だと、あるいは自由貿易全体に対する脅威だというふうに言わざるを得ないわけでありまして、これは議会ですから、日本政府としては議会の良識を求めていく。これからそういう決議案が法案として成立しないように良識を求めていくということを、これからも強く訴えてまいりたいと思いますが、しかし、それはそれとして、日本政府は日本政府として、アメリカ政府との間でこれからも密接な話し合いを続けてまいりまして、この問題が日米両国を基本的に悪くするということがないように私も努力をしてまいりたい。議会の動きに対しましては、これは政府もそれなりに現地の大使館のスタッフ等も通じまして、議員の皆さんにも直接働きかけて理解を求めていきたい。これは積極的にやっていきたいと思うわけ
ですが、私は、議会は議会で日本の議会もやはりアメリカの議会に対して議会人同士でひとつ働きかけていただくということも必要じゃないか。やはり議会人同士というのは、我々も議員ですけれども、またそれなりのお互いの共感というものがあるわけですけれども、黒柳さんもそういう意味では非常にアメリカ側の議員にも友人が多いし、できればもう一回ぐらい行ってもらって、こうした筋の通らないといいますか、そういうことに対してはやはり反駁して、同時にまた、日本の努力というものも彼らに率直に伝えてもらいたいものだと、こういうふうに思っております。
#30
○黒柳明君 十三、十四、OECDの帰りにアメリカに寄られる、ワシントン、そしてシュルツさんと話し合う。そこまでに、きょうが三日ですから、土、日挟みますと一週間ぐらい。これ議会筋においてはますます、ちょうど外務大臣が行かれるころには一番ピークに達している可能性もあるいはあるのか。非常に急ピッチですね、上院の財務委員会から今度は本会議に決議から法案、さらに今外務大臣がきょうは下院でと、急ピッチで議会をどんどんいっている。これは何か、一九八〇年の第一次レーガン政権誕生、そして三月に私たち初めてアメリカへ行って自動車問題のときに直面したときとは全く感覚が、先日予算委員会で総理と話し合ったんですが、違うわけでありますが、十三、十四日までに果たして政府同士が本当の理解をされたならば、アメリカ議会だって、そんなただ単にダンフォース議員を中心にして数名の反日と言えるかどうか、失礼な言葉かわかりませんが、アメリカはそういう感情的な議員に振り回されるだけのそんなもろい民主主義じゃないと思う。ですけれども、今回の場合には異常なわけであります。ですから、外務大臣行かれる前までにあと一週間、本当に今のこの市場開放の努力だけで、あるいは外務大臣の今おっしゃったことが残念ながらアメリカの議会筋には伝わらないわけであります。向こうの報道というものはすぐ日本の国会に、日本の行政府に通ずる、国民の耳目に達する。ところが、外務大臣がそういう本当に正論を述べても、向こうの国民はおろか、行政にもあるいは議会筋なんか全く通じない。ですから、向こうから特使が来る、こちらからせめてそれに対応してはワシントンの外交官ぐらいが関の山ですね、こことの接触が。この際、松永大使あたり訓令をして、行政府を通じて議会筋に対してひとつ説得する、こういうようなことも必要じゃなかろうかなと。実はアメリカ側からシグールが行ったのに、日本側から何も来ない。本当ならば日本側がやはりいじめられ役だから、シグールが来たらそれに対処してすぐ追っかけ来るのが当たり前だなんてきのうの夜起こされて、これは全く行政とも何も関係ない一議会筋からあった話でありますが、行く行かないは私たち野党が決定するものではありません。総理も外務大臣もじかに話し合ったわけであります。それで納得して、行政府は、大統領は前向きであると評価したわけであります。ですけれども、こういう議会筋については、どういう関係かわからないけれども、全く通じていないどころかますます強硬になる。であるならば、出先の外交筋がいるわけでありますから、その外交ルートを通じて、外務大臣のそういう正論を向こうの方に伝えるという行動を起こさなければならないのではなかろうかというふうに感ずるんですが、いかがでしょうか。
#31
○国務大臣(安倍晋太郎君) 全くおっしゃるとおりだと思います。アメリカの議会も、今この決議案それから法律案が委員会とか本会議を通ったんですが、これからイースターがありまして休みに入りまして、大体十五日明けぐらいが本格的な勝負どころになるんじゃないか。その間に日本としましても、九日に日本の政府としての対外政策を重ねてさらに発表することになっております。これは、対外経済対策閣僚会議を開きまして、そこで包括した形で対外経済対策を、貿易対策を発表する。これはアメリカ政府も非常に注目をいたしております。アメリカの議会も注目をしておると思います。私は、それを受けて十三日に参りましてシュルツ長官との間で、あるいは経済閣僚との間で日本の努力、さらに日本の立場を率直に伝えて、アメリカの善処を求めていきたい。また、日本としてアメリカに注文をつけるところはつけなければならない、こういうふうに思っているわけでございますが、その間イースターに入りますけれども、それまでの間にアメリカの各議員に対する働きかけは、これは今すぐこちらで出かけるという状況にもないんですけれども、おっしゃるように、アメリカの在ワシントン松永大使等を通じましてやらなければならない。ただ、今、松永大使も二日に信任状の奉呈が終わらないと動きがつかない。日本の状況を一番知っておる松永大使もしょっちゅういらいらしておりましたけれども、そうした信任状の奉呈が終わった段階では、正式な大使として積極的な働きかけができるようになりましたので今精力的に動いておる。こういうふうに思っておりますが、さらに日本としましても訓令も出して活発なアメリカの世論対策、議会対策そういうものを進めてまいりたい、こういうふうに思います。
#32
○黒柳明君 十三、十四、アメリカにいらっしゃる外務大臣として、また、ある意味では特使的な役目も兼ねて行く。これ以上の適格者は当然日本国内では、政府ではいないわけでありますから。ただ問題は、そこで政府もシュルツさんも外交官としてそんなばかなことはしないとは思いますが、また議会筋の反発なんか食いますと、その後特使が行ったところで、これはどう手を打ったところでもうどうしようもないわけでありまして、私はその十三、十四日の外務大臣のシュルツ国務長官との出会いが今の貿易摩擦に対してこれはもう最大の時点だと思うんです。ですから、総理が変な約束だけしてしまって外務大臣がそのしりぬぐいをしに行かなければならない。非常に私は同情心を持ちながら、外務大臣しっかり頑張れ、と腹では応援をさせていただくような心境にいるんですけれども、これは冗談じゃなくしまして議会筋も説得できるようなひとつ九日にはまとめをつくっていただくことを、外務大臣が積極的に大来さんあたり各省庁を説得して総理とタイアップしてこれはやらなければならない。ということは、二階堂副総裁あたりも、これはこの前も言いましたように、アメリカに行って、行ったからどうこうということはありませんけれども、あそこで袋だたきに遭った人と遭わない人は感覚が全く違うんですから、二階堂さんも四月に向こうに行くと言ったら今どきだめだということで延期したということですけれども、副総裁あたりが、総理大臣、党内の調整が欠けているぞ、なんというような発言をするというのは、これは自民党のことでありますから、余り公明党は自民党の悪口を言えないような立場になりつつありますものですからあれですけれども、やはりそういうことは向こうにさっと行ってしまうんです。ああ日本の国内は何かこうぎくしゃくしているなと。二階堂さんといったらホワイトハウスでは一番受けがいいわけです、年がら年じゅう行っていますからね。外務大臣が二番目、その次が宮澤さん、それから等々となっていくわけですけれども、その二階堂さんがそういう中曽根さんに対しての反発、こんなことはちょっと、私は政府の予算じゃなくて自腹切って行って、自分の関係の中でせっかくアメリカに行ってこの貿易摩擦で野党的な外交を一生懸命やっているつもりですけれども、一番大物がああいう発言をするぐらいなら自民党内がやはり調整できていないのかな、中曽根さん先行型でこれは外務大臣も困っているのかな、こんなことも感じざるを得ません。自民党内に対して私たちは云々する資格はないし、これは他党のことでありますけれども、こういうことがやはり日本の行政府と議会とがタイアップして対米貿易摩擦に当たっていないという一つの証左を向こうに与えることになるので非常にうまくない、こう思うのですが、しかもそれは堂々と報道されてもう向こうにも出ている。こういうことは速いですよ、外務大臣。すぐ取り寄せてくださいよ、出ているんです、こういう記事が。これはもうワシントン・ポストだっ
てニューヨーク・タイムズだってやはり今向こうに肩を持たざるを得ない雰囲気ですから、外務大臣の今の強硬姿勢というものは載らない。やはりこちらの亀裂というのは向こうにすぐ報道される。こういうことなんですから、自民党内のことですけれども、ひとつ政府・与党一体になってやらなければならない時期に、どうなるものかなと、私こう思うんです。いかがでしょうか。
#33
○国務大臣(安倍晋太郎君) 大変御心配をいただきましてありがとうございました。確かに我々政府・与党、まず一番責任があるわけですから、十分調整をとって一本化して、こういう非常事態ですからまさに結束してアメリカに当たらなきゃならないと、こういうふうに思っております。私も微力をこれからも尽くしてまいりたいと思います。
#34
○黒柳明君 ちょっと貿易摩擦はまた時間があったら繰り返したいと思うんですが、昨日のワインバーガーのソ連の軍事力、これはどうですか、今までのパターン、一回、二回、三回、四回と変わりないといったら変わりないんですけれども、外務大臣ごらんいただきまして、対ソ日本近郊、なかんずく中国と日本、なかんずくベトナムのカムラン湾の軍事化等、さらにレーザー光線のSDI関連の一章等々外務大臣ごらんになってどういう感じをまずお持ちになったでしょうか。一回教えていただけますか。
#35
○国務大臣(安倍晋太郎君) 御指摘の資料は米国防省のソ連の軍事力に関する第四版公表資料でありまして、昨年四月の第三版に引き続いて公表されたものであります。本件資料は必ずしも米国の対ソ戦略に直接言及しているものではなく、ソ連の軍事力の現状等につきまして、できるだけ広くこれを明らかにしていくとの考慮によりまして作成されたもの、こういうふうに承知をいたしておりますが、今回の資料は内容面においては昨年公表された第三版を基本的に踏襲したものとなっているが、陸海空各軍それぞれの章を設けその兵力、装備等につき従来より詳しく説明していること、また戦略防衛及び宇宙プログラムを独立の章として整理していること、さらにソ連の軍事力増強に対する米国の対応につき一つの章を設け、従来より詳しく記述していること等構成面で工夫がなされておる、こういうふうに全体的に見ております。
#36
○黒柳明君 そのとおりの内容なんですけれども、これをごらんになりまして、一、二、三と大局的に立ってそんなに変わらないと、私はこう思うんですが、一応外務大臣としてどういう御見解をお持ちでしょうか。
#37
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今申し上げましたような従来よりも詳しくいろいろ述べておりますが、基本的にはこれまで従前の姿勢とそう変わっておるようには思いません。
#38
○黒柳明君 なかんずく第一章を設けてSDI関連というんですか、レーザー光線のこと、これは今のときにワインバーガーが外務大臣に対してきのうもいろいろ論議がありましたように六十日以内、これは西ドイツでもやっておりますけれども、こういう関連に非常にマッチした六十年代からレーザー光線の技術を開発して、早ければ九十年初期にも地上設置ということは前提です、あるいは誤差は多いだろうということが前提ですけれども、配置されるのではなかろうか、そうするとあとすぐですね、二十一世紀どころじゃありません、もうあと五、六年ということです。ですからどうなんでしょう、SDIというのは案外長期的、長期的という見解に立って私たちも来ましたけれども、当然米ソの宇宙戦争というものは私たち知らない分野で進んできたし進んでいる。ABMについてもこれは当然今まで話し合いがあったわけですけれども、ということはワインバーガーの発表のソ連のSDI関連の技術開発、これと当然競争し合った形でアメリカのSDIの研究というものが進められていくと、こう見ざるを得ないと思うんですが、そうなりますと、ソ連に対してそんな高くレーザー光線について評価はしておりません。ただし、そんな二十年も三十年も長期的なSDI研究じゃなくて、まあどんなに長くいっても十年ぐらいの一つのスタンスで考えざるを得ないんではないか、このソ連との対抗ということを見て。これは当然核だって宇宙だって全部米ソ対抗ですから、競争ですから、こんな感じがしますのですが、アメリカのSDIというものはいかがでしょうか。
#39
○政府委員(栗山尚一君) 委員御指摘のように、今度のソ連の軍事力についての資料でございますが、確かに御指摘のように一章を設けてソ連の宇宙兵器関連の研究開発状況というものについてアメリカなりに把握しているところを相当詳しく述べておる、そのとおりであろうと思います。私もまだ非常に詳しく読んだわけじゃございませんけれども、一般的な認識としては、従来からアメリカはいろんな公表資料等におきましてソ連がかなり膨大な金を使って宇宙兵器の開発、研究をやっておるということを言ってきておりまして、そういう面で現行のABM条約のもとでの米ソ間の規制というものをソ連が崩してくるんではないかということについて、かなり強い危機感を持っておるということは事実でございます。したがいまして、今度のこのソ連の軍事力の資料も、基本的には背後にはそういうアメリカの危機感というものがあるということは争えない事実だろうと思います。
 しかし、他方これは累次アメリカ側の関係者、例えばニッツェ顧問のような人も、やはりSDIの研究そのものは非常に長期的なものにならざるを得ない。それから、先般の講演もございましたが、その中でも少なくとも現行のいわゆる相互確証破壊と申しますか、そういう攻撃兵器による抑止の態勢というものは、少なくとも今後十年ぐらいは続けざるを得ないということで、いかに研究が進んでも防御兵器というものについて、これは御承知のようにソ連との交渉がまず前提でございますが、防御兵器というものにある程度抑止力の依存を移行していくというためには、今後十年ぐらいは少なくともかかる。それから本格的な防御兵器の配備、本格的な防御兵器への抑止力の依存というものに切りかえていくためには相当長期な期間がかかるということを申しておりますので、SDI構想そのものが二十一世紀にかけての非常に長期的な構想であるということの本質自体は変わってないのではないかというふうに見ております。
#40
○黒柳明君 これはおっしゃるとおりなんです。核が実用化されてから四十年、さらにまだ核の開発というのは、これはもうエンドレスで続く可能性がありますからね、米ソ間の相互関係のものですから。ですからそうじゃなくて、私たちも今までの国防総省のいろんな話し合いの中で、やはり一つのスタンスを持っているんじゃないかという感じもしたわけです。長期的にこの開発は続けていく、さらに向上しなければならない、米ソ間の競争ですから。ただ今のソ連の軍事力を見た中で、やはり九〇年ということを一つの年度として配置されるのではなかろうか。いろんな条件はあるにせよ、それを越えてアメリカは行かなければならない。そのための開発ですから。そうなりますと今の研究というのは、もう私はここも聞きたいんですけれども、外務大臣、研究といったって学術的研究は基本的にはもうできている、こう私たちは承知しているのですが、それも当然、まあいろんなパイプで聞いているわけでありますので、そうなりますとどんどん向上させていく研究、これはもう実戦配置されてもさらに改良、改善ということはあるのですから、それはエンドレスですよ。そうじゃなくて、ソ連に対抗して、越えていくということについて九〇年代初期というものは当然想定していなければならない、こういうふうな感触を得るのです、この軍事力のワインバーガーの発表を見て。そういう意味でやはり長期という中において九〇年代初期のある程度の実験研究というものを具体化して、ソ連に越えた配置というものは当然やらなければならないという考え方はあるなと、こういうふうに考えるのですけれども、外務大臣、一つの当面の短期的なスタ
ンスと、それから今おっしゃったように、必ずしも研究と言ったって一から研究するというふうに私思っていません。基本的な学術的なものはできている、それを今度はさらにベターにし、さらにどういうふうに改良していくか、実戦配置までどういくかという、この間の研究だと私たち理解しているんですが、その点はどうですか。
#41
○国務大臣(安倍晋太郎君) まさにその辺がわからないわけですね。これは一兆ドルかかると言われたり、あるいはまた我々としても各方面からのSDIに関する情報は入っておりますけれども、少なくともアメリカ政府の公式な我が国に対する説明は、SDIは非常に長期的なものであって、まさに今研究の端緒についたばかりであるということでありまして、正式にはそれのみと言っても過言でない程度ですね。ですから、今おっしゃるようなことであるかどうかということについては、アメリカから説明を受けなきゃ日本政府として公式にお話ができないわけで、SDIの問題が非常に世界的にクローズアップされておる段階においては、そして日本も理解を示しているという立場からは、我々としても重要な関心を払っておりますし、したがって今月中にでもアメリカの専門家からSDIについての説明を具体的に聞こう、こういう段取りを今進めようといたしておりまして、その辺の説明を受けてでないと軽々に私の口からお話ができる、コメントができるという状況にないので、私自身もそれが言えるような何らの資料とか、あるいはまたそうした自信を持っておらないということであります。
#42
○黒柳明君 年頭行かれて首脳会談、あるいは外務大臣も同席されて、そこでSDIの構想が出た。それに対して、研究に対して、非核、それから防御、それから核全廃、こういう三つ、あるいはもう一つあるんですよ、対ソ用だということ、この四原則に対して理解を示したという、理解の材料がないで理解を示しちゃったんじゃないのでしょうか、その時点において。どうも私はそこらあたり理解を示してしまったから、だから今さらその研究に対して理解を示さないんだなんて言うわけにいかないので、後退するわけにいかないので、両巨頭が乗り込んでいって理解を示しちゃったわけですから。だから、その時点においては理解を示すための材料が全くないで理解をしちゃったんだ、こう私は思うんですけれども、どうなんですか。
#43
○国務大臣(安倍晋太郎君) 理解の具体的な材料がなくて理解を示したことは事実です。SDIの構想の基本的な考え方というものについて、これは大統領から非常に情熱を持って、まさに大統領の道徳的な情熱で取り組んでいるというふうな言葉までありまして、これは非核兵器である、あくまでも防御兵器である、弾道ミサイルを無力化するものである、したがって最終的にはこのSDIというものは核廃絶につながっていく構想である、そしてこれはただアメリカ自身のためでなくて世界のために使っていかなきゃならぬ、こういうふうな説明がありまして、こういう説明に対しましてそれがそのとおりなら我々としても理解を示しましょう。しかし、まだ何もこれがどういうふうに進んでいくかということについては我々としても何ら知識がないわけだから、時に応じて研究が進む、あるいは開発する状況になる、そういう状況において情報もいただかなきゃこれは日本としても判断のしようがないし、あるいは協議もしなけりゃならぬ場合もあるからということを中曽根総理から話を出しまして、アメリカ側もこれに合意をした。こういういきさつがあるわけで、それ以前にSDIについてはいろいろと研究等があったことは事実ですが、しかし、日本政府として公式にアメリカから聞いたのはそれだけなんでございまして、それ以上のものではない、こういうことです。
#44
○黒柳明君 そうすると、年頭の会談の前に事務的な何の接触も話し合いもなくて、その後何にも説明もない。それでついせんだってワインバーガーさんから外務大臣に参加するかどうか出せなんて、私はやはり何か一連の、一月、二月、三月から四月初めを見ると、全くアメリカ側が、あれだけ合理的な国が非常に何か非合理的なアプローチの仕方だなと思えるんですね。
 それから、当然年頭のときにはそれだけがテーマじゃありませんから、貿易摩擦あたり相当話し合ったと思うんです。その大統領の説明というのは何分ぐらいかかったんですか、SDIについて。
#45
○国務大臣(安倍晋太郎君) アメリカが合理的な国かどうかは、合理的な面もあるし、そうでないようなところもあるような気がしますが、いずれにしてもSDIの説明は、その前にシュルツさんから私にありまして、それから私も入りました首脳会談で大統領から全く同じような趣旨の説明があったわけですね。これは議題の中のワン・ノブ・ゼムでしたけれども、しかし、大統領の発言の中では最も大きなやはりウエートを占めておったと私はそういうふうに見たわけでありまして、アメリカがこのSDIに対して特に大統領がいかに強い熱意を持っているかということを非常に感じたわけです。感じたわけでございますが、それ以上の説明はありませんでした。
#46
○黒柳明君 そうするとレーガンさんの熱意に負けて何となくイエスと言わざるを得なかったわけですね。ただ今までの国会で、冒頭から、衆議院の予算からこの問題が熱を吹いたわけですから、ワシントンの出先の人は一生懸命やはり国防総省か何かからいろいろな意見を聞いているし、報告は当然あっているかと思うのですけれども、外務省の人からもいろいろな党としてもレクチャーを聞いておりますし、ただ正式にこれから、きのう事務次官が総理のところに行って説明を求めるためにアメリカから派遣してもらう、こういう要請をした。こういうことですが、正式に要請して説明を聞く。その中で一つ忘れてはならないのは、やはり材料が持ち合わせがなかったけれども、研究に対しては理解をした。レーガンさんの情熱に対してはある意味では理解した。ですけれども、三項目じゃなくて、四項目ですよ。対ソということが入っているわけです。これはもう米ソの宇宙核競争の何物でもないわけなんです。ソ連からの核に対してアメリカがどういう構想であるか、どういう考え方であるか、それを撃ち落とす、こういうことですから、この研究についてコミットしたことについては当然冒頭ソ連からクレームのつくことは間違いないのでありまして、ですからこんなことは釈迦に説法ですけれども、研究に参加するという理解を示しただけでもやはりあれだけソ連から反発があってせっかくこれから日ソ間というものはうまくいきたい、うまくいかせよう、これは外務大臣がもう先頭切ってこれからやるわけです、やらなければならぬわけです。説明を聞く、この説明といったって今外務大臣の感触で私は判断すると全くアメリカだって長期的なもので、そんな具体論は持っていなかろう。その説明を受けるということだってソ連から反発の声が入っております、大使館あたりからは。それについてどういうアクションを起こすかあるいはそれを聞いてからワインバーガーのあの参加要請に対して答えを出す、こういうことは、外務大臣けさの新聞報道で出ておりましたけれども、これはもう本当に慎重にしませんと、アメリカの核抑止力の中に日本はいる、あるいは巻き込まれる、こういう論議が今までさんざんあるし、今も消えないわけです。ところが今度は対ソ核戦略の中に、アメリカの戦略の中に完全に日本は民間企業であろうとそれに参加するということになるわけです、これに理解を示せば。だからあれほど核を人質にとっておる西ドイツだってワインバーガーさんからじかに要請を受けてもちょっと待ってくれ、こういうことで保留の態度をとらざるを得ないわけでありますから、まして日本はアメリカの核戦略の中に組み込まれているということは現実であっても、そんなことはない、抑止はあるんだけれども、そんな組み込まれてはいない。こういうふうにはっきりと正式の場では拒否しているわけでありますから、今度は研究に理解を示し、さらに説明を聞く、説明を聞いてこれに何らかの理解を示す、
あるいはこれに参加するとなったら、ソ連と米日と、あるいはそれに理解を示した西側諸国と完全に核では競争し合っていく。こういうことに常識的にはなるのでありまして、だから私たちは慎重にしなければならない。参加は反対だよと言わざるを得ない。こういうことなんですが、ひとつ向こうからの説明人の派遣を要請した。この時点については政府として今外務大臣のおっしゃったようにそれは決まった。じゃあこれから来る、それから後ともかく聞いてみなきゃわからない。聞いてみるといっても非常に漠たるものであろうということは今から想像できるんです。シュルツさんに聞いた、大統領に聞いた、そういったって、長期的に漠たるものが、一説明員が来たといったって、今までの雑誌やなんかで皆さん方がとっているその情報以上のものを、まず私は報告するはずはないと、こういうふうに思うんです。ですから、今現在とほとんどニアイコールじゃないかという感触も私たちは国防総省のいろんな人から聞いて得ているわけです。そうなると、やっぱり説明を受けて正式に日本は聞いちゃう、この時点から後は返答を待つだけなんですね。返答をしなきゃならない、こういう迫られた立場になるわけです。それまではわからないわからないですけれども、その後さてどうするかということについて、これは非常に日ソ間について重大局面に発展するという可能性があるんですけれども、これは外務大臣、外交当局はこんなことはもう百も考慮して、説明員を呼ぶ、こういう正式な要請をしているんだと思うんですが。済みません、変な話を長くしましたが、外務大臣いかがでしょう。
#47
○国務大臣(安倍晋太郎君) このSDIがまさに防御兵器である、攻撃兵器じゃないんだと。攻撃的な構想じゃないんだ、防御構想であるということですね。それから非核である、そういうことを非常に強調されまして、そういうことが重なっていって、結局核のいわゆる全廃、核廃絶につながっていくんだ、こういうことですから、これはまさに日本としても核の廃絶を終局的に求めておるわけでございますし、また非核であるということについては、これはそれなりに我々としても理解をするのは当然じゃないか。こういうことで、今の構想、SDIというものに対するそういう基本的な考え方、これを聞いてまさに理解をしたわけでございまして、しかし、これから専門家がやってきまして、その内容というものはどういうものか、果たして非核であるのか、あるいはまた防御的なものであるかどうか、そして、それが最終的にやはり核の廃絶につながっていくものであろうかどうかということを見きわめなきゃならぬわけですね。ですから、私はそういう意味では専門家の意見を聞くというのは極めて日本の態度を決める上において重要であろう、こういうふうに思っております。
 日本としましては、そういうものを聞いた上で、日本のこれまでの基本的な立場というものも踏まえながら、これはもう自主的に、それから慎重にこの点について判断を下していかなきゃならぬ、そういうふうに考えております。聞かなければ判断の材料がないわけですからまず聞こうと、こういうことになったわけです。
#48
○黒柳明君 当然だと思いますね。むしろ、今までの年頭の大統領やあるいは国務長官からの説明、出会い、そしてその間三月間、ワインバーガーの先ほど申しました外務大臣に対する書簡、ここらあたりの一環のプロセスが何かおかしい、こういう感じがするんであって、当然先行して事務当局から聞かなきゃならないという時点がもう前になきゃならなかった。それからもう一つ、きょうですか、マッカラム博士がまた昨年に続いて来る。これは防衛庁オンリーのことなんですか。これはもう私の聞くところによると、国防省の次官補の研究室の中で、この八名はミリ波、光電子だけ今回視察するというんですが、これが今言った専門家そのものであると私たちは理解しているんですが、また外務省は外務省としてのお考えがあって、それから政府間の当然の要請に応じて向こうから正式な説明員に来て説明してもらう、これについてまた何もマイナスなりクレームつけるものじゃありませんけれども、きょうから三日間専門家中の専門家が来るというふうに私認識しているんですが、この点いかがでしょうか。
#49
○政府委員(栗山尚一君) 今御指摘の国防省の一行の来日につきましては、これは御承知のように去年の七月に一度来まして、防衛庁、それから先方の関心のある関係企業等を視察しまして、それで今回そのフォローアップということで、防衛庁、それから政府関係者、これはまあ主として通産省になろうと思いますが、意見交換を行うために来日するというふうに私どもも防衛庁の方から連絡を受けて承知しております。
 関心の技術分野というのが、今おっしゃられたように、一つはミリ波、いわゆるミリ波技術であり、他方が光工学の分野であるというふうに承知しておりますが、これがSDIと直接関係があるかどうかということになりますと、はっきりいたしませんが、従来からの経緯から見ますると必ずしもSDIそのものを念頭に置いていろいろ調査をしておるということではないんではないかというふうに私ども聞いております。いずれにしても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたSDIそのものについて専門家の説明を聞くという問題とは全く別個の話であるというふうに承知をしております。
#50
○黒柳明君 ちょっと時間もありませんので話題が変わりますが、米ソ首脳会談の何か返事がゴルバチョフ書記長からきていたとワシントンポストの会見で大統領が発表した。日ソ問題に非常に意欲的に取り組んでいる外務大臣として国際的な、なかんずく米ソの緊張援和、なかんずく両首脳会談というのはやはり日ソ関係にいい影響を及ぼす、これは間違いないと思うんですが、先般も外務次官クラスの接触からいろいろな構想を教えていただきまして、外務大臣として米ソの首脳会談、まあ実現するかどうかわかりませんけれども、十月の秋、ゴルバチョフさんが国連に行ってそこでと、こういううわさもありますが、ゴルバチョフも非常に積極的であるということ、レーガンさんからはっきり出たわけでありますが、秋に向けてということか、日ソ改善に向けて取り組んでいる外務大臣として、この米ソ首脳会談についての前向きな情報というものをどう受けとめていらっしゃいますか。
#51
○国務大臣(安倍晋太郎君) ゴルバチョフ書記長のレーガン大統領に対するいわば返書といいますか、回答という形で首脳会談を肯定的に進めるということを示した、意思表示をしたということは、これは米ソ関係の前進だけでなくてやはり東西関係の緊張緩和、さらにまた日ソ関係にも、こうした動きが具体化するということは非常にいい影響を与えてくるんじゃないか、ぜひとも日本としてもそうした首脳会談が行われるように期待をし、また米ソ首脳会談の実現を歓迎するものであります。
#52
○黒柳明君 総理大臣のボン・サミット後の日程というのは決まったんですか、フランス訪問というのは。まだこれははっきりしてないのかな。
#53
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは国会その他の関係等もありまして、まだはっきりしてないように聞いております。
#54
○黒柳明君 これは皆さん方御存じのように、総理がフランスへ行く、行くと一回ならず二回ともキャンセルした。これは国内事情でいたし方ないにしても、アメリカだけが貿易摩擦じゃない。ヨーロッパ、なかんずくEC問題、それから東南アジアに対しても、藤尾政調会長が五月に行かれる。世界各国やはり事あるならば日本を、なかんずく経済問題、それに関連してやっつけよう、クレームつけようと、こういうことである。総理大臣が行けないなら発言しない、行ける見通しがつかないならやはり行くなんという意思表示をしない。これは当然困るのは外務当局の出先だと思うんですけれども、今回も何か今まで行けなかったのが行く、行くなんということが活字には若干出てますけれども、これはちょっとECあるいはヨーロッパ、なかんずくフランスは何か総理大臣の
訪仏というものについて相当感情的に今までの経緯でなっている、私はこういうふうに思うんで、これは国会との関係もありますけれども、あくまでも行けないのだったら、わからないのだったら全然口にしない、こういう姿勢でやらないと一度ならず二度ならずともということで、何かの折にこれが俎上にのって、くだらないことでまた対日批判のもとになる一つの原因をつくる、こういうふうに思いますので、ぜひこれも慎重にしていただきたい。
#55
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは今おっしゃるように、フランスもこれまで総理の訪仏ということについて非常に期待もしておったわけですし、今後とも期待をしておるわけでありますが、これは約束したら今度は実行してもらわなければ困るわけですから、いろいろと言われたような問題も起こりかねないわけですから、約束した以上は実行してもらいたいと思います。
 まだ今総理の段階では行きたいということを、依然としてその意思は変わっておりませんということを表明したわけでありまして、具体的にいつにするかということは外交チャンネルを通じまして慎重に今話し合っておるわけでございまして、私としましてもぜひともこれは実現をしてもらいたいものだと。ただ、向こうの都合もありますし、こちらの都合もありますから、そしてまた首脳の訪問というのはそれだけに準備も大変ですから、慎重にこの点は準備を進めて、今度は間違いのないような時期を選んで行いたい、こういうことであります。
#56
○黒柳明君 最後に、捕鯨の問題ですけれども、これはもう二十八、九日からきのうまで、しかもきのうも自民党の内部でもこの捕鯨の問題で中曽根さんに対して突き上げがあった、こう報道されておりますけれども、これは昨年の十一月にボルドリッジの裁定といいますか仲裁といいますか、いわゆる米連邦高裁の判決時までにこちらがIWCに対しての異議申し立てを却下する、それからトン数ごとに今度はこれを話し合う、これが全く撤回された、こういうことなんですが、こういうことはやはり外交的に信義を重んじないということで自民党の関係議員から反発があった。私は自民党の中ではありません。利害も得失も何もないわけでありますが、一連の経過から見るとやはりアメリカ側の首尾が終始一貫してないじゃないかというような感じはしますね。そうなると、何か自民党の中で総理を突き上げるということじゃなくて、外交チャンネルを通じてこれは何かアメリカに対して物を申すべきじゃなかろうか、した方がいいんじゃなかろうかというような感じがしますが、これはいかがでしょうか。
#57
○国務大臣(安倍晋太郎君) この捕鯨問題は、なかなか難しい問題でして、国際捕鯨委員会では、IWCでは非常に強いモラトリアムの姿勢が出ておりまして、日本はむしろそういう中で捕鯨国とともに孤立しているという状況で、まさに流れはそういう方向へ進んでおります。そういう中にあって、今までの捕鯨をささやかであってもいかにして存続するかということが日本にとっては極めて重要な問題でありまして、したがって日米間につきましてもそうした見地から交渉を続けてきております。基本的にはアメリカの考え方と日本の考え方では大きないわばもう哲学的な差があると言っても過言でないので、アメリカはいわば動物愛護といったような点から全廃を主張しておりますし、環境団体等々の非常に強い突き上げがございます。日本はむしろ資源という点から鯨の資源を守らなければならぬ。しかし日本は日本の長い歴史的、伝統的な捕鯨を進めてきたという立場がありますから、これは資源保護という立場でなら協力するけれども、ただ動物愛護というようなことで全部一掃してしまうということについては基本的には日本としては納得ができない、そういうことで異議申し立て等もいろいろやってきておるわけでございますが、何とかこの日本の主張とアメリカの考え方の間の接点を見出せないものかと、今水産庁長官も実はワシントンに参りまして、日米間で協議をいたしております。
 まだどういう結論がついておるかということについて我々も承知しておりませんが、異議申し立て撤回の問題等が大きな問題としてクローズアップしてきておりますし、こうした問題等については国内の主張もあります。アメリカ側の今裁判の行われておるという状況もあります。そういうものをそれぞれ判断をしながら政府としても態度を決めていかなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
#58
○抜山映子君 まず、本年度の予算の関係でお伺いいたしますが、外務省予算は先進サミット国と比較して格段に低いことを、まあ昨年この外務委員会でも御指摘申し上げたようなことでございました。これについては、大臣も改善に取り組むと、このように言われましたけれども、本年度この外務本省が三千二百九十四億余り、在外公館が七百十六億三千万余り、これの獲得に当たってどのような取り組み方をされたのか、ちょっと明らかにしてください。
#59
○政府委員(北村汎君) 昭和六十年度の予算の獲得におきまして、私どもは幾つかの重点事項を立てまして、特にその中でも定員などの増強、それから在外勤務環境の整備、情報機能の強化あるいはODAの強化、それから文化交流、海外啓発の強化、さらに最後に海外子女教育の充実、こういう重点事項に従いまして強力に予算折衝いたしました。大臣が最後にいろいろその重点事項の点で折衝してくださいまして、結局、私ども今回四千十一億円の予算の原案を獲得したわけでございます。これは前年度に比べまして五・九%の増加ということになっております。
#60
○抜山映子君 今回、この一般会計歳出予算の明細書、これを見ますと、住居手当、在外公館の人に出す住居手当ですね。この手当の額なんですけれども、これで満足だとお考えでしょうか。
#61
○政府委員(北村汎君) 在外職員の住居手当につきましては、従来からこの在外職員の住む住居というものが、やはりそれは外交の場であるということから、その現地において十分体面を保ち、そしていろいろ外交活動ができるような家に住まなきゃならないということで、私どももいろいろ関係当局の御理解を得まして、できるだけ現実の住居環境に即応するような住居手当を支給したいということで努力をしてまいりました。
 今回もこういう考え方に立ちまして、六十年度予算におきましては六十一公館について平均一六・六%の引き上げを図ることになっております。
 今、委員が御指摘になりましたように、住居手当と申しますのは、これはどうしてもある一定の手当を出しまして、そこで実際に現実に住んでみてその家賃がどうしても手当の額を超過するというようなところに対してまたその現実に合うように増額を図るということをしておりますので、多少後追い的な措置になる嫌いはございますけれども、しかし、できるだけ現実の住居環境に合うように努力をいたしておるところでございます。
#62
○抜山映子君 それでは実際に住居手当では足らないで本俸から補充している人たちを捕捉していますか。
#63
○政府委員(北村汎君) 住居手当は一応の限度額がございますので、その限度を超える場合には、これは住居手当以外の基本手当から補っておるということでございます。ただ、そういう報告を私どもは逐次それを受けまして、そしてそういう超過の、住居環境が実際の住居手当を上回っておる、そういうような場所に対してはその次の年度において住居手当の引き上げという措置をとってきております。
#64
○抜山映子君 ただいま、報告を受けましてという御発言がございましたが、これは受動的なものなんですか、それとも積極的に外務省として調査した、そして報告を受けた、こういうことですか、どちらですか。
#65
○政府委員(北村汎君) これは積極的に現実を把握するということで定期的にその調査を本省から命じまして、そしてその結果を財務当局の方にも提出して御理解を賜る、こういうことをしており
ます。
#66
○抜山映子君 それじゃ、実際に基本手当から補充している方は何%いるんですか。
#67
○政府委員(北村汎君) 昨年の末の調べによりますと、住居手当を超過して支払っておる者が二一%ございました。そういう調査に基づきまして、六十年度においてできるだけ現実に合うような住居手当にしたいということで、先ほど申し上げましたような六十一公館に対して一六・六%という値上げをいたすようにいたしたわけでございます。
#68
○抜山映子君 先ほど住居手当が後追いになっていると率直におっしゃっていただけました。私の聞いておる範囲では、大使は別としまして、公使以下の方は同レベルの外国の人たち、例えば公使同士の住居あるいは一等書記官同士の住居を比較いたしますと、住居が非常に日本の場合は貧相である。しかも住んでいるところが、外国の場合は高級住宅地に住んでおりながら、日本の方は二流、三流の住宅地に住んでいる。したがって、先ほど外交の場である、体面を保つ必要があると、このように言われましたけれども、そのような公使以下の方はホームパーティーをするにも恥ずかしくて招待することができない、こういうことを大変に不満に思っておられるわけです。情報収集はホームパーティーなんかが基本的なことになるわけですから、ひとつこのあたりをもっともっと考慮していただきたい。
 またさらに、これは一般的なこととして聞いておりますけれども、最近の外務省の方は霞が関にくっついていたい、海外に派遣されるとぞっとする、こういうことをおっしゃるわけです。なぜかと申しますと、この住居手当を基本手当の方から五万近くも出さなくてはいけない国がたくさんある。しかも向こうで一年分まとめて家賃というものは払わされる。その間立てかえなくちゃいけませんから、日本から出る場合には二百万ぐらいは持って出なくちゃいけない、こういうことで、海外に赴任することが大変に負担になっているということを聞いておりますので、今後ともこの点を考慮して、やはり外交官は花の外交官であり、優秀な人材を今後とも集めていくためにこの点をぜひ配慮していただきたいと切望するものでございます。
#69
○国務大臣(安倍晋太郎君) 外交官で外へ出るとぞっとするというような人はやめてもらいたいと思います。やはり外へ出て働く、日本のために働くために入ったわけですから、非常に厳しい環境ではありますけれども日本のために頑張ってもらわなきゃならぬと思いますが、今おっしゃるように、環境は我々が出てみましても大変厳しいわけで、おっしゃるような大使公邸の方は曲がりなりにも整いつつありますが、それ以下の公使だとか参事官とかそういう職員の館員の住居は非常にまだ諸外国に比べるとお粗末でありまして、いまおっしゃるようなホームパーティーもできない。外国ではやはり自分の家へ呼ぶというのが一番いい外交になるわけで、そういうことができないということを我々も十分承知しておりまして、私も責任者として何とかそういう関係をふやしたいということでこれまで三年努力しておりますが、何分にも財政の状況が非常に厳しい。そういう中でありまして非常に難しい面がございますが、しかし少しずつではありますが皆さん方の御理解も得ながら進んでおるということでありますから、今さらにこれは努力しなきゃならぬ課題、外交基盤の強化という意味で最大の我々の努力しなきゃならぬ課題であると、こういうふうに思っております。
#70
○抜山映子君 やめる人はやめてほしいという、大変乱暴な御発言がございましたけれども、実際には食べるためにやめたくてもやめられないということは指摘するまでもないと思います。
 私はそれより心配するのは、今後優秀な日本の外交の人材が、若い人たちを引きつけられないのではないかという観点から申し上げておることを御認識いただきたいと思います。
 それから、在外公館の情報収集のためオフィスのコンピューター化なんかは進んでいるのでしょうかということをさる人に質問したら、いやそれどころではありません、要するに在外公館の必要最低限の人数は館長、政務、通信、文化、広報、警備、最低八名要るのだけれども、実際には在外公館の多くが七名以下四、五名というところが多い。だからコンピューターなんか入れてもそれをインプットする人材がいないんですよと、こういうことを伺ったわけです。そういうわけで昨年も指摘しましたが、外務省の定員の充実ということについてもひとつ心がけていただきたいと思いますが、外務大臣のこれからの取り組み方、ちょっと御披瀝ください。
#71
○政府委員(渡辺幸治君) 外務省、特に在外公館の職務の非常に大きな分野であります情報収集、分析に関連いたしまして、在外公館においてコンピューターを活用しておるかどうかという御質問でございますけれども、先生御指摘のとおり、現状において在外公館においてコンピューターを活用する、それで情報分析を行っているという例は遺憾ながらございません。
 他方、外務本省においては、我が国の国際的な地位の向上あるいは国際的相互依存関係の深まりということで、今申しました情報の収集、分析判断に重点的に力を入れさしていただいておりまして、その一環としてコンピューターの活用についても鋭意努力しているわけでございます。情報管理、情報収集の外務省としての大宗は、あくまで在外公館による情報収集でございまして、昨年一年で十七万本ほどの電報が在外公館から入っておりまして、そのうちの六万本ぐらいが情報電報ということで、それをコンピューターにインプットいたしまして、インデックスをつけて分析をするという作業に着手しております。その他各種のデータベースの利用等のコンピューターの利用についても鋭意努力させていただいているというのが現状でございます。
#72
○国務大臣(安倍晋太郎君) これまでおっしゃいましたことは、まさに外交というのは大事であるという観点から外務省の外交活動の基盤をつくるべきであるという大変ありがたいお言葉でありまして、私もそれは痛切に感じております。
 大変な今外交関係がふえてまいりまして、事務量も膨大になっておりますが、基本的にはやはり財政の問題がありますけれども、もっと予算もそういう点でふやしていかなきやならない。あるいはまた定員につきましても、これは外務省に対して特別に国会の御配慮あるいは財政当局等の協力によりまして八十八名、六十年度予算もふやしていただいたわけでありますが、まだまだふえても三千八百八十三名という五千人体制にはほど遠い状況でございますので、情報の収集等もそうした人員不足というのがやはり響いてきておるわけでございます。我々はこうした点についてはこれから御協力いただかなきゃなりませんが、しかし今の与えられた予算と人員の中で全力を尽くしていかなければなりませんので、それはそれなりに今一生懸命頑張っておるということでございますが、全体的にはもう少し配慮していただけないものかなという気持ちは非常に切なるものがあります。
#73
○抜山映子君 では次に、イ・イ戦争の拡大によって、首都テヘランに爆撃が行われて、イラン国内の在留邦人がトルコ航空によって救出された、この件についてお伺いいたします。
 この件について、トルコが特別機を出してくれた、しかもトルコ人を優先させずに日本人とトルコ人と同時に乗せた、さらにもう一機出してくれた、このことについて、当然トルコ側に謝意を述べられたと思いますが、どのような配慮をなさいましたか。
#74
○国務大臣(安倍晋太郎君) このテヘランの日本人の救出につきましては、まさにトルコ政府が特別な配慮をしてくれまして、大変感謝をいたしております。これは、やはり長い間の日本とトルコとのつき合い、伝統的な友好関係、外交の努力、そういうものが結実したものであろうと思っておるわけでございます。我々は、このトルコ政府に
対しまして深く感謝をささげる、そういう趣旨の、早速私からトルコの外務大臣に対しての謝意の電報を発出をいたしましたし、また現地におきましても、トルコの大使からトルコ政府に対しまして丁重に感謝の意を伝えた次第であります。
#75
○抜山映子君 外務大臣の方から日本の駐日トルコ大使館の方にお出向きになってごあいさつはなさいませんでしたか。
#76
○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろん外務省として日本政府を代表いたしまして、トルコのこちらの大使にも謝意は伝えておりますけれど、私が出向いて謝意を表明したということはいたしておりませんが、私自身はカウンターパートでありますところのトルコの外務大臣に対しまして電報を発出いたしまして、日本の感謝の気持ちをお伝えした次第です。
#77
○抜山映子君 国際的な儀礼として、大臣は大臣同士というような国際慣行があることは私もよく存じておりますけれど、今回の場合は在留邦人が危機をおかげさまで脱出できた、もう本当にトルコ航空が出なかったらどういうことになったんだろうという、非常に人道的な見地からやっていただけたと思うんですが、やはりそういう場合には、余りに大臣は大臣同士ということでなくて、日本人として感謝の気持ちをあらわされることの方が、また一歩トルコと日本との関係を促進することになると思いますので、どうかこの点ひとつお心にとどめておいていただきたいと思います。
 それから、この問題なんですが、先ほど来私聞いておりまして、大変に大臣の発言について残念に思いましたのは、日本のトルコに対する経済援助が効いたんだ、こういうような趣旨の発言をされました。しかし、このことについては、たしか朝日でありましたか、その趣旨のような記事を載せまして、これに対してトルコ大使の方から投書欄に、そのような記事が新聞に載ったということは大変に残念である、そういうような経済的な問題を離れて、まさしく人道的な見地から我々は行動したんだと、そのことについて朝日にクレームをつけた記事が載っておりました。したがいまして、外務大臣として、日本の経済援助、そしてこれまでの友好関係が効いたんだという自画自賛は心の内にとどめておかれて、やはり人道的な配慮からしていただいたんだという感謝の気持ちを先行させねばいけないと思いますが、いかがですか。
#78
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは誤解がありますといろいろと日本とトルコとの今後の関係にも響いてまいりますから率直に申し上げたいと思いますが、私が申し上げたのは、トルコに対して心から感謝しているということであり、もしトルコの特別機が出なかったら日航をあの戦火のちまたへ飛ばしていかなきゃならぬ。これは日本政府として当然の責務でしょうが、飛ばしていかなきゃならぬ。それも時間的にやはりおくれるということもあり得たわけでありまして、その点について私はあの在留邦人の気持ちを思うときに、あのような機敏な措置がとられたのはまさにトルコ政府の人道的な御好意に基づくものである。この点は一番感謝しているわけです。もし出なかったら後どうなったろうかと思うと、それなりに大変ありがたいということがもう大前提でありまして、ただそうした、トルコがそれだけ日本の在留邦人に対して特別な配慮をしていただいたわけです、特別機を出すという。この背景はどういうものであったかと言えば、これは日本とトルコの伝統的なやはり長い友好関係というものが結実といいますか、そういう人道的な、何といいますか特別機の救援というところに結びついたんじゃないか。何も素地のないところに突然として、人道的であるからといって、それぞれの国の外交関係から見て、国家間の関係から見てそう期待できるものではないわけですね。ですから、それはやはりそうした伝統的なものが積み重なった、そういう中にあって、日本もそれはそれなりにトルコとの協力関係を維持するために努力してきましたし、援助もその一環であるということを申し上げておるわけであって、何も援助が効いたなどというそんなことを言った覚えはありません。また、そういうふうにとられたらこれは日本とトルコ関係に大変な不信感を与えますから、それはこの場をかりまして私の真意を十分説明しておきますから、援助が効いたなどと外務大臣が言ったなんというようなことはこれはもうおっしゃらないでいただきたい。
 今申し上げましたのが私のすべての、今回のトルコ航空派遣についての基本的な感じでございます。まず、やはりトルコに心から感謝しているということはもちろん大前提であります。
#79
○抜山映子君 この救済に当たって、ドイツを含む各国の航空機はいち早くテヘランに乗り入れておるわけですけれども、どことどこの国の航空機が乗り入れたか明らかにしてください。
#80
○政府委員(谷田正躬君) この引き揚げのころに乗り入れておりましたのは七カ国ございまして、西欧からはフランス、ドイツ、イタリア、これは通常の定期便が当時乗り入れておったわけでございますが、西欧の五カ国とソ連のアエロフロート、それからトルコのトルコ航空、この七つの会社でございましたけれども、これらはこの事件の起こる前から通常の定期便を飛ばしておった。これがイラクの警告によりまして通常のフライトを一たんキャンセルしましたけれども、十九日になって再びこれを復活したという形で運航されておりました。
#81
○抜山映子君 定期便があったないにかかわらず、日本の日本航空が、これだけの経済大国でありながらいち早く飛べなかったのはやはり何らかの落ち度があったと言わざるを得ないと思うわけです。
 十八日に日本航空の方では会社から飛行機スタンバイの指示が出たということなんですが、外務省のゴーサインが出なかったと、こういうように言われておりますけれど、その間の説明をしてください。
#82
○政府委員(谷田正躬君) 十六日から十八日にかけての段階におきましては、外務省といたしましては幾つかの救済、救援措置というものを並行的に進めておったわけでございまして、その一つは、既に乗り入れている各国の航空会社に対してチャーター便なりあるいは増便を要請するということが一つあったわけですが、そのほかイラン航空、これは東京とイランとの間の定期便を飛ばしておりましたが、これの増便あるいは大型化を要請するということ、それからもちろん日航機の派遣ということもその措置の一つとして検討していたわけでございます。それで、十七日に警告が出まして、十九日の夕方で空域を閉鎖するという段階のときには、警告が出た時期におきましては実際にまだ先ほど申し上げました七カ国の航空便は飛んでおったわけでございますので、現地としてはやはりそういう現実に飛んでおるフライトをできるだけ優先しながらやるということを考えておりました。もちろん日航機の派遣につきましても既に十五日の段階から我々としては準備をいたしておりましたし、十八日に至りましてもいよいよ実際に救援機に飛んでもらうことがある事態になってきたということは、日航との間で十分に連絡しておったわけでございます。
 ただ実際に現地から、各国の航空機が次第にキャンセルされてきている、これではとても脱出が難しくなってきたので、日航機の派遣を要請する措置を具体的に講じてくれと言ってまいりましたのが十八日の実は夜、夜半ぐらいでございまして、それから我々といたしましては直ちにイラン、イラク両国政府に対して飛行の安全、それからテヘラン空港の使用というような点について、早速に申し入れを具体的にしたわけでございます。これは東京と現地と両方においていたしました。ただその段階におきまして、先ほど来のお話のトルコ航空による増便というものが実現する、それから日本人も優先的に搭乗を認めてくれるということで、脱出希望者のほぼ全員がこれで脱出可能であるという見通しが立ちましたので、日航機の実際の派遣は取りやめられたと、こういうことでございます。
#83
○抜山映子君 今、十七日にイラク政府が十九日には閉鎖する、二十日にはすべての飛行機はイラク空軍の攻撃の対象となると、こういう発表が既に十七日になされているわけなんですね。ですから、何時までに日本の空港を出なくちゃいけないかはもう非常にタイムリミットははっきりしておるのに、安全性の確認に手間取って出発のタイミングを逸してしまった、こういう結論にならざるを得ないと思うんですね。自分たちの安全確認、危機感だけを主張して外務省と日本航空はけしからぬじゃないかという趣旨の、脱出した在留邦人の投書もあるわけでございます。まあ先ほど最初の発言でワンポイントおくれたというような率直な御発言もございましたので、今後こういうような場合にはタイミングを失せずに、在留邦人、しかも現地で汗を流して日本の外貨稼ぎのために頑張っておられる人たちの安全を確保していただきたいと心から切望するものでございます。
 次に、非常に古くて新しい問題なのでございますが、北朝鮮の日本人妻の問題をお聞きいたしたいと思います。
 昨年五月もこの問題を取り上げまして、民社党訪中団、あるいは総理、安倍外務大臣、中国を通して北朝鮮に日本人妻の里帰りの早期実現を打診してくださったのを、非常に感謝いたしております。五十九年の四月、朝鮮赤十字社を通じて日本赤十字社に日本人妻十二人の手紙が託された。その後五十九年の七月十七日に、秦豊議員が日本の北朝鮮への対応次第では北朝鮮は来年にでも日本人妻の問題に前向きに取り組む考えであると、こういうような一連の動きが昨年あったわけでございます。
 ことしに入りまして、一月一日ラングーン事件による制裁措置は解除された。また、昨年、これは民間レベルでありますが、民間漁業協定が再締結されたという明るい材料もあるわけでございます。さらに、ことし大変北朝鮮との交流が活発になりまして、三月二十一日にはサッカーの世界選手権、ワールドカップ・アジア一次予選チームが来日いたしておりますし、さらに北朝鮮から高鶴林という北朝鮮の映画監督が、本年三月から四月三日までだと思いますけれども、神戸市を中心にして映画のロケに来ている。この人は、一九五九年十二月十四日、新潟港から出航した第一次帰還船で帰った人なのですね。さらに今度、これは四月の十八日と新聞に出ておりましたけど、北朝鮮の機関紙である労働新聞の主筆である金己男という人が社会党の招待で来日するとか、さらには日朝友好議員連盟ですか、その招聘によって朝日友好促進親善協会会長を含む訪日代表団が来ると、こういう一連の活発な動きがあるわけです。
 そこで、こういう人たちの、まあ要人になると思いますが、この来日を認めるときに、日本人妻の里帰りをひとつ条件と言ってはおかしいですけど、そういうことも打診して来日を認めるということはできないものでしょうか。
#84
○政府委員(後藤利雄君) ただいま先生から日朝交流の最近の動きについて細かくお話しいただきました。私ども、それなりに把握しております。それから、昨年も本委員会で先生からいわゆる日本人妻の問題につきましていろいろ御照会あるいは有益な御指示を得たことは、大変ありがたく思っております。
 ただいまの御質問のございました例えば北朝鮮の労働新聞の主筆でありますところの金己男氏が来日するとか、その他の最近の動きがございます。
   〔委員長退席、理事宮澤弘君着席〕こういう問題につきましては、私どもとしてはケース・バイ・ケースに、制裁措置を解除したという現実を踏まえまして、しかるべく政府部内で検討し、それなりに対応していきたいと思っておりますけれども、まあこの日本人妻の問題は、もう先生御指摘のように、あるいは御承知のとおり、いろいろと事情がございます。私どもとしては、極めて大変な人道問題でございますので、あちらにおられる関係者の方、それからこちらにおられる留守家族の方の御意向をまず第一に尊重いたしまして、私どもとしては従来からいろいろな努力を続けてきているわけでございます。今こういうような北朝鮮から来られる方の入国との関連について、日本人妻の問題解決の条件あるいは直接関連づける考えはないかという御指摘でございますけれども、私どもといたしましてはこの日本人妻の問題はそれなりの問題として、人道上の問題として解決するというのが本筋であろう、こう考えておりまして、今後ともそのラインで努力してまいりたいと思っております。
 ただ、私の個人的な見解も入りますけれども、今御指摘のようないろいろな機会に日本人妻のあちらの消息等が聞かれれば大変参考になるし、またありがたいことだなと考えております。
#85
○抜山映子君 先ほど申し上げました朝日友好促進親善協会会長を含む訪日代表団と議員連盟との東京会談では、相互の貿易代表部の設置それから記者交換それから航空路の開設、これを話し合うことになろうと、こういうようなことが言われておるわけですけれども、この会談の中に日本人妻の里帰りもテーマにするように外務省としてお願いする意思はありませんか。
   〔理事宮澤弘君退席、委員長着席〕
#86
○政府委員(後藤利雄君) 今御指摘の朝日友好議員連盟の方たちの入国の問題につきましては、私どもとしては法務省へ日本の申請の方からそういう訪日されるという正式な申請はまだないと承知しております。したがいまして、もし仮に訪日され、かつ私どもとして入国を差し支えないということになりました場合でも、日本の中において日朝議員連盟の方たちとどういうお話をされるかということは当然のことながら私どもは承知しておりません。が、今の日本人妻の問題について政府が云々ということでございますけれども、私どもとしてはこれまで日本人妻の問題は主として日本赤十字社を通じてきておりますし、先方は主として北朝鮮赤十字社を通じて本件が話し合われているということでもございます。そういう事実をよく念頭に踏まえまして、そういう機会にどういうことが可能か、また十分検討してまいりたいと思っております。
#87
○抜山映子君 日朝友好議員連盟は自民党の先生をも含めて超党派にできておるものですから、政府としても、これは大きな日本としての窓口でございますから、それがどのような話をするか今のところ関知しておらないなどというそういう冷たいことを言わずに、既に故国を離れて二十五年、見送った両親も既にもう七十歳から九十歳と非常に老齢化しておるわけです。一目会いたい、一目元気な姿を見たい、こういう切々たる心情、これをおくみいただきまして、せっかくある日本の議員団の窓口ですから政府としてこういうことも聞いてくれないか、また実際に議員連盟の人も大変に窓口だということで気負ってこられたわけですから、そういうことをお願いすること自体が議員連盟のあり方とか意義とか、非常に意味があると思うんですけれども、いかがですか。
#88
○政府委員(後藤利雄君) 全く先生の御指摘のとおりでございます。このような人道上の問題というのは政府だけで問題が解決するわけでもございません。議員の先生方の御尽力あるいはその他の御尽力を得て少しでもこの問題を解決していきたいというのが私どもの衷心の願いでございます。その点また先生の御尽力も得たいと思っております。私は、今検討をしてまいりたいというのは、決して検討という言葉が冷たいわけではございません。そういう先生の今の御示唆を踏まえまして、何か前向きに解決できる手段の一つとしてそういうものが利用可能かどうかということを踏まえまして考えてまいりたいということで、決して冷たいあれではございませんので御理解いただきたいと思います。
#89
○抜山映子君 えてしてこれは、私も含めてでございますが、当事者でない者は家族の切々たる気持ちというものはなかなかわからないものでございます。そういう意味におきまして、要人が来日した折に彼らと、例えば日赤の代表あるいは日本人妻の家族代表との面会を取り計らって実際に日
本人妻の家族がどういう心情でいるかその要人に訴えるということは非常に意味があると思うんですが、この面会をひとつ取り計らっていただきたいわけなんです。これは決してとっぴなことじゃございませんで、一九八〇年九月、自民党のA・A研訪朝団とそれから同行した記者団に対して金日成主席自身が平壌在住の五名の日本人妻との会見をセットしておるわけです。ですから同じようなことを日本でできないわけはないと思うんですが、政府の姿勢はいかがですか。
#90
○政府委員(後藤利雄君) 確かに五十五年九月に訪朝されました自民党のA・A研議員が金日成主席とこの里帰りの問題についてお話をされたということも承知しておりますし、その一年前、昭和五十四年には自民党の大鷹参議院議員がやはり金日成氏にもお会いしてこの問題についていろいろお話をされているということを私ども承知しております。今先生のお話がありましたように、そういう方たちが来られましたときに日本人のいわゆる留守家族の方との面会についてという問題でございますが、大変いい御示唆でございます、日本赤十字等ともよく話をしまして検討をさしていただきたいと考えております。
#91
○抜山映子君 誠意ある御回答ありがとうございます。
 一九八〇年九月、金日成主席自身が発言されたことなんですが、日本人妻の里帰りと日本にいるその家族の訪朝を歓迎する、事務的問題は朝鮮労働党、対外文化連絡協会と話を進めてほしいというように金日成自身も発言されておられるということもございます。またさらに、これは五十九年の十一月二十三日の話なんですが、戦時中サハリンに渡って現地で朝鮮の方と結婚して無国籍になっておる女性なんですが、サハリンの残留同胞援護会というルートを通じて一時帰国した、こういうケースも過去にあるわけでございますので、ひとつ要人来日の際に彼らと日本人妻の家族代表をぜひ会わしていただけるようにお願いしたい、そういうことで一歩日本人妻の里帰り問題へのステップにしていただきたい、こういうように切望するわけでございます。
 ところで、この日本人妻の家族、これが完全に把握しておらないわけなんですけれども、その家族捜しを外務省として取り組んでいただけないでしょうか。
#92
○政府委員(後藤利雄君) 先ほど私最初に申し上げたわけでございますけれども、この日本人妻の問題は非常に人道的な問題でございます。そして私どもの基本的な立場は、これはぜひ先生御理解いただきたいと思いますけれども、やはりあちらにおられる関係者あるいは日本におられる留守家族の御意向と御希望というものを十分に踏まえた上で本件を調査する、といいますのは、やはりそれぞれにいろいろな事柄の性質上事情がおありになると私は承知しておりますので、その点を私どもとしては本件を取り組むに当たっては一番念頭に置く必要があろうかと思っております。この点は先生にも御理解いただけると思っております。
 さて今、日本人妻の家族の名簿は整っているかということでございますけれども、今みたいな事柄の性格上、法務省の調べによりますと、昭和三十四年第一次新潟からの北朝鮮帰国船以来、北朝鮮へ帰られたいわゆる日本人妻の方というのは千八百三十一人というのが法務省の調べにございますけれども、その方たちの日本人の留守家族のすべての名簿というものは、正直整っておりません。作製しておりませんけれども、少なくても自後、外務省あるいは日本赤十字に対して留守家族の方から安否をぜひ調査してほしいというような御要望のありました家族につきましては、その都度名簿を作製してコンピューターに入れておりまして、ただいま私どもが把握しておりますそのような御家族は二百七十七という数字がコンピューターに載っております。
#93
○抜山映子君 二百七十七というようなわずかな数字であるはずがないわけでございまして、先ほど留守家族の希望も入れて考えるというような御発言でしたが、全国の家族からの請願文が届けられておることは御存じのとおりだと思います。言うまでもなく留守家族は、それぞれの留守家族と連帯して里帰りを実現させたいというのが留守家族の言うまでもなく希望でございますので、ひとつその家族捜しということも、個別に要望があったときには捜してやろうということではなくて、二十五年前、これは日本政府も協力して送り出したんですから、その責任も踏まえて、ひとつ家族捜しに取り組んでいただきたいと思いますが、簡単にそれについて回答をしてください。
#94
○政府委員(後藤利雄君) 先生のただいまの御指摘、よく踏まえました。さらに留守家族の御要望等を踏まえまして、私どもとしては可能な限り本件については努力を続けてまいりたい、かように思っております。
#95
○抜山映子君 もう時間もございませんので、最後に要望だけいたしておきます。
 在日朝鮮人が北鮮を訪問してさらに日本に再入国しているという数が年々ふえております。ここ数年では四千人ないし五千人もの人が往来しておるわけでございまして、これは国際社会では相互主義というのが一つのルールになっておると思います。このことを踏まえましたら、日本人妻の里帰りはそんなにびりびり神経質にならずに、このような実績があるんですから、相互主義のもとにもうちょっと正々堂々と、政府としてもあらゆるルートを通じて北朝鮮に渡った日本人妻の里帰りを実現するべく熱意を持って取り組んでいただくよう、心からお願い申し上げる次第でございます。
#96
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今、日本人妻の里帰りについて広範また詳細な御質問がありました。これに対しまして局長も誠意を持ってお答えをしたわけでございますが、まさに人道的な問題でございまして、我々としましても何とかこれは順次実現をしていきたいという熱意を非常に強く持っております。ただ、いろいろな制約がありまして、日本は残念ながら北朝鮮と国交を持っていないというこの点はまさに大きな制約でありまして、なかなか北朝鮮政府と率直に折衝できないという点があるわけで、その点が何か靴の裏からかいているような感じがいたしてならないわけでございますが、しかしそうした状況の中にあって、今、朝鮮半島の情勢も漸次緊張緩和の方向へ向かっておりますし、南北の対話等も進むという状況にあります。また、北朝鮮と日本との関係も、ことしに入りましていろいろな人的往来等を通じまして、漸次民間交流が進んできておる、こういうことでございます。この日本人妻の問題については日赤がこちらの窓口としてこれまで努力もしてまいってきておりますが、我々としても、日赤とも十分ひとつ連絡をとりながら、今御指摘の諸問題についてこれを解決していくべくさらにひとつ努力を重ねてまいりたい、こういうふうに思います。
#97
○委員長(平井卓志君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時五分開会
#98
○委員長(平井卓志君) ただいまから外務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、秋山長造君が委員を辞任され、その補欠として寺田熊雄君が選任されました。
    ─────────────
#99
○委員長(平井卓志君) 休憩前に引き続き、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#100
○立木洋君 きょうはSDIの問題についてちょっとお伺いしたいと思うんですが、大臣が、先月の二十六日、衆議院の外務委員会で、このSDIの問題がボンのサミットで討議されるということは疑問だという、事実上討議されることは適切ではないというようなことを示唆された発言がなさ
れているわけですが、その後アメリカの方からは積極的にこれの支持、協力を要請するということが相次いで来ているわけですね。このSDIの問題というのは、それは私と大臣の間では考え方はもちろん違うでしょうし、いろいろありますけれども、しかし、いずれにしろ多くの人々がこれがさらにまた軍拡に続くんではないかという不安を持っているし、またこれによって軍拡が続けばさらに莫大な予算、お金がこれに投じられる、いろいろな不安や疑問やあるいは問題を感じている人は少なくないと思うんです。そういう状況にあるので、この問題をはっきり日本政府としての態度を知る必要があるのではないか。そういう意味で、二十六日に述べられたボンのサミットでこういうことが討議されるのは疑問である、不適切だという見解は、今日でも大臣お変わりないのかどうか。これが一つ。
 その後いろいろサミットでやはり政治声明まで出すべきだという要望がアメリカの方にあるようですけれども、そういうふうな場合にはどういう対応をされるのか。その基本的な点と二点まず最初にお伺いしておきたいと思います。
#101
○国務大臣(安倍晋太郎君) ボン・サミットでどういう議題について議論が行われるかということについては、今個人代表が詰めておるわけです。経済問題については相当詰めが進んでいますが、政治問題についてまだほとんど残っておるということで、大体サミットではそうした個人代表が各国を代表して課題の整理をして、合意に達したものから始まる、こういうことになっていますけれども、しかし、まあお互いに最高首脳同士ですから、昼食会のときとか首脳だけの会合のときとかにはいろいろな問題が出てくる可能性もあるし、またそういうことが出たこともあります。ですから今非常に世界的に注目を集めておるSDIが出ないとも言えないし、また出るとも言えない。これは個人代表の意見の交換もあるでしょうし、またそのときの状況にもよると思いますが、今のところはこれは私も予測ができないというふうに考えていますが、しかしSDIの問題についてはアメリカも積極的に動いておる、各国についてもいろいろと動きが出ておる。しかし今のところはいわゆる自由主義国家間でこの問題について議論が進んで、そしてまた一致している、こういうことではありません。ですから、これは予断は許されないわけですけれども、そこで結論めいた話になるというふうにはちょっと私思えないような感じがするわけです。特に日本の場合は理解ということでとどめておりますし、恐らくサミットに行く前に日本もアメリカの説明を聞くということになるわけでしょうが、しかしそれでもって最終判断ができるかどうかというのはこれは説明を聞いてからのことだと思います。今、軽々に何も言える立場にありませんから、全体的に見ると、今のお答えのように極めて茫漠としておりますから、まさに状況はそうした混沌としておる状況そのものである、ですからはっきりした見通しということを述べる段階にはない、こういうことであります。
#102
○立木洋君 そうすると、衆議院で大臣が言われた、先月の二十六日に述べられた見解は大臣としてはお変わりないというふうに受けとめてよろしいわけですね。
#103
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは基本的には変わっておりません。
#104
○立木洋君 確かに今言われましたように、ヨーロッパ諸国でもいろいろな反応が出てきますですよね。当初イギリスにしろあるいは西ドイツにしろ支持をするような表明がなされた。その後いろいろと事態が明らかになるにつれてというか、いろいろ問題が出されてくるにつれて、例えばカナダなんかの場合でもクラーク外相は参加しないというふうな発言がなされていますし、あるいはイギリスのハウ外相の場合でも核軍縮に損害をもたらすおそれがあるのではないかというふうな懸念が表明されたりあるいは西ドイツのゲンシャー外相についてもこの問題については消極的な態度が表明される。若干トーンがダウンしているような感じがするんですよね。だから、先ほど午前中の討論の中で、最初理解をするということを表明したものの十分に判断する材料がないままにそういう態度を表明したということを外相も認められたわけだけれども、そういう状況が徐々にわかってくると、いわゆる同盟国と言われている中でもこういういろんな異論が起こってくる。こういうふうな状態が起こってきているということが、どういうところからそういうふうになってきているのか。大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
#105
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはSDIそのものというのはまだすっかり全貌が明らかにされていないというところに各国の対応もいろいろと戸惑いがあるし、反応の違いがあるんじゃないだろうか、こういうふうに思いますですね。ですから、これがだんだんと明らかになってくるにつれまして各国の対応というものが自然に明らかになってくるんじゃないか。日本の場合は理解ということですが、しかし、これからいろいろと専門家から話を聞くということを重ねる中で、やはり日本の判断というものを詰めていかなきゃならない、こういうふうに思っております。
#106
○立木洋君 そういうヨーロッパ等々の動きが変わってきているという状況の中で、言うならばアメリカとして焦りが出てきているんじゃないか、このSDIの問題で。だからこの間述べたように六十日以内に回答が欲しいというふうな要請が出される。それが出された直後に引き続いてワインバーガーは一日にこれについて重ねて、スターウオーズ研究プログラムに参加することができるよう早く意思表明をしてほしいと述べるし、二日の日も重ねて参加を期待するというふうなことが要求されるし、相次いでそういうことが出されてきているという状況というのは実態がそういうふうに大変国際的な不安や問題が提起される状況の中で、アメリカとしては何としてでもサミットまでにある程度の目安をつけたいというふうに相当強引な姿勢が感じられるのですけれども、その点はどうです。
#107
○国務大臣(安倍晋太郎君) これが合意に至るかどうか。それはそれぞれ見方によると思います。日本なんかも六十日期限ということで、期限つきで回答を求めるというのも、ちょっと私としてもそのまま受けとめるという気持ちよりは、むしろどういうことかなという疑問が先に立つんですが、これはヨーロッパ諸国に対してもそういうことを文書でワインバーガーが示しておりますから、これは一面においては何かヨーロッパ各国がSDIへの技術参加について非常に期待感を持っている、そういう面も確かにあることはあるわけで、そうしたヨーロッパ諸国の問い合わせ等に答えて、アメリカがワインバーガーの文書ということで行ったのではないだろうか、こういう分析もありますし、一概に強引であるとかあるいは強引でないとかそういうことはなかなか言えないんじゃないかと思っております。
#108
○立木洋君 これらのアメリカの政府高官のSDIに関する問題提起と関連して、特にやはり日本に対して期待が強く述べられている。昨日も申しましたけれども、前回ジョージ・キーワース氏が述べた内容からしても、あるいはきのう発言されたワインバーガー、これは新聞の報道によりますと、SDIへの同盟国参加を呼びかけたが日本政府と日本企業がアメリカの招請に応じ参加してくれることを強く希望する、日本は高い水準の技術を持っており、日本のSDI参加は世界の安全に大きく貢献する、こういう極めて強い調子で日本に対する期待が寄せられているというような報道があるわけですけれども、これはどういうふうに受けとめていますか。
#109
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはそれなりにアメリカとして日本に対する率直な期待の表明じゃないかと思います。日本のハイテクの水準の高さというものを前提にした期待だろう、こういうふうに思っております。
#110
○立木洋君 私はそれだけに日本政府がとる態度というのは極めて重要な意味を持つだろうと思うんですよ。これは一応午前中の討論の中でも理解
をするということを既に表明してしまっているから、それ以下に後退することはできないのではないかという話もちょっとありましたけれども、いずれにしても大臣が先月の二十九日参議院予算委員会の中で我が党の上田議員の質問に答えて、アメリカのSDIに対する我が国の対応の基本的な考え方という点について、総理は、憲法と非核三原則と国会決議に基づいて判断する、こういうふうに述べられているわけですが、これはもちろん大臣としてもお変わりはないでしょうね。
#111
○国務大臣(安倍晋太郎君) 変わりありません。
#112
○立木洋君 ではちょっと話は変わりますけれども、栗山さんにお尋ねするのがいいのかな、何回か予算委員会でお答えいただいているからですけれども、SDIというつまり戦略防衛構想ですね、これはどういう兵器体系、宇宙とのどういうかかわりを持つような兵器体系なのか。そこらあたりは既に一月の段階でレーガン大統領のあれも発表されていますからお読みになっていると思うんですけれども、どういうふうなものだというようにお考えですか。
#113
○政府委員(栗山尚一君) 委員御指摘のアメリカ側の公表資料、一月三日付の米国政府の資料それからその他いろいろな機会に出ておりますアメリカの資料等によれば、ごく簡単に申し上げますと、相手方が発射した弾道ミサイルを発射直後の段階から最後に弾頭が目標に到着するまでの間、数段階に分けてそれぞれの段階においてミサイルもしくはそのミサイルから分離した弾頭というものを捕捉してこれを破壊する。その直接破壊するための手段、それからそのために必要な一連の周辺のシステム、追跡捕捉のために必要な各種のシステム、そういうものを含んだ兵器体系というものを研究開発するための研究構想、そういうものを総称して戦略防衛構想というふうに呼んでおるというふうに理解しております。
#114
○立木洋君 つまり相手方がICBMを発射するとそれを幾つかの段階に分けて捕捉するというか、つまりレーザー光線などを利用した要撃装置をいろいろな形で宇宙空間をも利用して、そして配備をして相手のICBMを事前に破壊する。そういう全体の兵器体系が戦略防衛構想、つまりSDIと言われるものだというわけですよね。よろしいですか。
#115
○政府委員(栗山尚一君) そのようなものだということで結構だと思います。
#116
○立木洋君 日本の国会決議には、宇宙に対する宇宙利用の問題というのが決議されていますが、ここで言われている、「平和目的に限る」ということは非軍事的なものであって、つまり軍事的な利用ということは我が国としては認めないということが国会決議の精神であるということは科技庁としても繰り返し今回の長官も発言されておられるわけですが、これは間違いないわけですね。
#117
○説明員(石井敏弘君) お答えいたします。
 ただいまの国会決議の「平和の目的」につきましては、非軍事と理解するという趣旨の答弁がなされておるということにつきましては承知いたしております。もとより国会決議の有権解釈は国会においてなされるものというふうに承知しておりますが、政府としての理解につきましては、既にさきの衆議院予算委員会におきまして政府見解として示されたところであります。そのように理解しております。
#118
○立木洋君 これは国会の意思ということについて言うならば、既に六九年の段階で国会では非核、非軍事を趣旨としてということが明確に国会の委員会でも決議されておりますし、それも政府としてもそういう立場であるということが確認されているわけです。そうすると、今言うように要撃装置であり、あるいは防御的なのだといういろいろな評価がなされることが仮にあったとしても、これは宇宙空間を軍事的に利用するという兵器体系であるということには間違いないと思うのです。これは核であるか核でないか、攻撃的なのか防御的なのか、いろいろ議論があるから言いません。しかし、兵器体系そのものが、宇宙での軍事的ないわゆる兵器体系、つまり宇宙における軍事的な利用であるということは私は間違いないと思うんで、そういう見地からするならば大臣、このSDIの構想に対してかりそめにも日本政府が協力するなどということはこの国会決議の精神から見ても私はやはり許されないと思う。これはいわゆる決議と憲法と非核三原則、この見地から日本の政府の対応が決められる。その国会決議で非軍事ということが明確にされている限り、宇宙を軍事的に利用するという兵器体系、これに対しては日本政府は協力するということは国会の決議の精神から見て、私は当然できないことであると思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
#119
○国務大臣(安倍晋太郎君) この点について今科学技術庁からの答弁がありましたように、やはりあくまでも国会の決議については、国会で審議が行われるものですから、最終的な有権的解釈というのは国会にあるわけですね。政府はそうした中で、これまでしばしば答弁し見解も述べておりますように、我が国における宇宙の開発利用は平和の目的に限る、こういうふうな趣旨に解しておりますから、そういう点でとらえていきたい、こういうふうに思います。
#120
○立木洋君 いろいろ述べ方はあるかもしれませんけれども、中曽根総理もやはりこの点は明確に、先ほど私引用しましたように、予算の委員会の席上で憲法と非核三原則と国会決議に基づいてどういう対応をするかを判断するということになっているわけですし、憲法や非核三原則の問題はもう既に言うまでもなく、いずれにしろこれは宇宙を軍事的に利用する兵器体系であるという見地からするならば、国会決議から見ても、私は当然協力できない。少なくとも今大臣が、今から協力できないなんというふうに言ってしまうと後々差しさわりがあると思って慎重な言葉を選んでいるかもしれませんけれども、しかし少なくとも国会決議の精神からするならば、大臣でもこれは極めてやはり難しい問題だというふうなことぐらいはお感じになりませんか、今の段階でも。
#121
○国務大臣(安倍晋太郎君) まだ、いずれにしましても、SDIというものが果たしてどういうものであるかということが、我々には十分理解されていないわけです。SDIの基本的な考え方といいますか、大筋については、これはレーガン大統領から直接聞いておりますから、それに対して理解を示したわけです。これがどういう形になっていくのか、これからの長期構想ですから、SDIとの関連で、今政府が軽々にこれに対してどうだ、こうだということを言うのは、私はちょっと早計じゃないか、こういうふうに思っております。基本的には先ほど国会決議の解釈については私が申し上げたとおりです。
#122
○立木洋君 少なくとも細部的にはどういうものであるかということがわからないにしても、今北米局長、栗山さんの言われたように、宇宙空間を軍事的に利用した兵器体系なんだということは、これは間違いなくアメリカ側の、レーガン大統領の説明によっても明らかにされているわけですから、私はその原則はやはりきちっと踏まえて対応していただきたいということを重ねて述べておきたいと思うんです。
 それからもう一つ、これは御承知の宇宙空間における軍備競争の防止というのが、三十八回国連総会で採択されておりますが、この中には明確に、主要な宇宙能力を持つ国が、宇宙空間の平和的利用を目的に積極的に貢献し、宇宙空間における軍備競争の防止のための当面の措置をとることを要求するという内容が盛られた決議ですね、国連総会の。これについて、日本政府がどういう態度をとったのか。それから反対したのはどこの政府なのか。
#123
○政府委員(山田中正君) 今先生御指摘ございました一昨年の総会での決議でございますが、我が国は賛成いたしております。賛成百四十七票でございます。反対いたしましたのはアメリカ、棄権いたしましたのがイギリスでございます。
#124
○立木洋君 この宇宙空間における軍備競争の防止という、国連で採択された決議自身に日本政府は賛成しているわけですね。やはり宇宙における
軍備競争はやるべきではない。これは私は正しい対応だと思うんです。同時に、先ほど言いました国会の決議の内容から見ても、当然宇宙の軍事的な利用に対しては、日本政府というのは、これは協力すべき立場にないということは、国会の決議に照らしても私は明確だと思うんです。そして、総理あるいは外相も言明されていますように、そうした憲法や非核三原則や決議に関して、それらに基づいて判断をするという対応をしているわけですから、少なくとも今国際的に大変な問題になっているこのSDIの問題について、またアメリカの同盟諸国と言われている国々の中でもいろいろな異論が出されておるという状況の中で、私は、かりそめにも今度のボンのサミットの中で、日本政府が率先してアメリカの肩を持って、この支持を取りつけるようなことはやるべきではないし、そうした立場から、SDIの問題については理解をすると言ったから、それ以上後退はできないという立場ではなくて、やはり明確に疑問を呈して、日本政府が、これまで国際的にも示してきた立場や国会での決議に照らして、きちんとした対応をするように、最後に私は重ねて要求しておきたいと思うんです。大臣の所感を述べていただきたい。
#125
○国務大臣(安倍晋太郎君) 立木委員は大分先入観がおありになるようでして、私たちはあくまでもSDIに対しては、理解はしているということですが、それ以上のものじゃありませんし、今のその姿勢は今後とも貫いていく。しかし、今後いろいろと技術面についての専門家の意見も聞いて、そうして判断をしていくということで、最終判断というのを言っておるわけじゃないし、今そういうことが言えるような時期といいますか、状況といいますか、SDIそのものがそうしたまだ進んでいる時代ではない、こういうふうに思っておりますので、これは日本にとりましても重大な問題ですから、慎重にこの点については先ほどから申し上げました日本の基本的な立場というものを踏まえて対処をしていきたい、こういうふうに思っております。
#126
○立木洋君 ちょっと一言だけ。先入観があるというふうに言われたので、一言申し述べておかないといけないので。私は決して先入観があるんではなくて、ウィリアムズバーグ・サミットのときに中曽根さんが行かれて、それで結局ヨーロッパにおいて核を配備するのは積極的に進めるべきだというふうなことを主張された。それは大臣は違うかもしれませんよ。しかし、中曽根さんが先立って日米経済摩擦の問題だって述べたからだと言って大変なことが自民党内で起こっているということも午前中問題になっているわけですよ。私はそういう経過があるからこそ慎重にも慎重を、とりわけ大臣であるあなたに見きわめていただきたいということを要望したんです。だから、これは決して先入観ではないということをあえて述べて私の質問を終わります。
#127
○寺田熊雄君 日ソ漁業条約の締結に伴いまして、塩釜港がソ連漁船の寄港地となりましたね。ところが、全国の右翼が結集してソ連の漁船員は埠頭のかごの鳥のようになったと言われるんです。ソ連の抗議もあったそうですけれども、せっかく日ソの対話の機運が出てきたときにこういうようなことがあったということは決して望ましいことではないと思うんですが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
#128
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も全くおっしゃるような同じ考え方でして、せっかく日ソで円満に妥結した協定を実行するわけですから、日本も誠実にこれを守っていく義務があるわけです。そこで日本としても港を指定しまして、政府のみじゃなくて自治体にも御協力をお願いしておるわけですが、残念ながらこれに対して一部妨害が行われている、そして、ソ連から抗議を受ける、こういうことは非常に残念に思っておりまして、何とかこういう事態がこれからも続いて起こらないように政府としてもひとつ努力を重ねていかなきゃならぬ、事態の改善に努めてまいらなければならぬ、こういうふうに思っております。
#129
○寺田熊雄君 私も、ソ連の人々に来てもらいまして、岡山のデパートでソ連の物産展などを催したことがあるんですが、そのときはまだ右翼に対する予備知識が十分でありませんで、その会場に右翼が入り込んでガーガー言って、ソ連のせっかく来てくれたお客さんにも大変迷惑をかけてしまったことがあります。今度、社会党の結党四十周年のレセプションを岡山で催したのですが、そのときは懲りて今度こそはもう彼らにばっこさせないようにということで、警察の警備当局によくお願いをして、準備をしてもらった。警察も本腰を入れてくれたためか、右翼がもう手も足も出ないという状態でやったわけであります。だから、警察が本腰を入れれば右翼などというものは完全に制圧できると私は考えるんですが、警察庁の方はもうちょっとそういう場合に右翼に対して厳しい取り締まりをしていただきたいと思うんだけれども、どうでしょうか、その点。
#130
○説明員(鳴海国博君) 塩釜港における右翼の行動についての取り締まりでございますが、警察としましては大変力を入れて取り組んでいるわけでございまして、一日当たり最大千五百人の警察官を動員いたして、違法行為は看過しないという方針のもとに厳正に右翼の取り締まりを行っておるところでございます。その結果と申しますか、これまでに二十件、二十三人を検挙いたしております。警察は今後ともこの基本方針のもとに厳正に対処してまいる所存でございます。
#131
○寺田熊雄君 不法行為を、犯罪を犯した人間を即時検挙してしまうということは大変結構なことで、そうなくてはならぬけれども、なるべく右翼を肝心かなめの場所に近寄らせないようにそういう方面の努力をもう一踏ん張りしていただきたいと思うんだけれども、その点もどうでしょうかね。
#132
○説明員(鳴海国博君) 私どもといたしましては、法令の適用し得る限りこれを厳正に適用し、あらゆる事態を想定して最大の知恵を絞ってまいり、処置をいたしてまいりたい、かように考えております。
#133
○寺田熊雄君 何しろ他人の民主的な権利を妨害するためだけの行動というのでありますから、これは彼らのなすところはすべていわゆる基本的人権の乱用にわたることは明らかなので、警察当局の果断な行動を期待して、それでこの問題を終わりますから、御苦労さんでした。
 次に、たびたび質問に出たようでありますが、SDIの問題についてお尋ねをしたいと思います。このSDIの計画はジュネーブの軍縮交渉での米ソの共同コミュニケその他を見てみますと、今や米ソの軍縮交渉の中心課題になってきておると思うんですが、やはり外務当局におかれてもそういう御理解でしょうか。
#134
○政府委員(栗山尚一君) 御承知のように米ソの軍縮交渉におきましては核兵器の削減の問題に加えまして、宇宙兵器の問題もその重要な分野の一つ、特に御承知のように三つのグループに分けて交渉する、その一つは宇宙兵器ということでございますので、米ソの軍縮交渉の中での非常に大きな位置を占めているということは言えるかと思います。
#135
○寺田熊雄君 これは第二次大戦以降四十年間にわたりまして、従来世界平和維持の基礎とせられておりました抑止と均衡の理論ですか、バランス・オブ・パワーといいますか、これを根本的に変更する可能性を秘めているように思うんですけれども、そういうふうには認識しておられませんか。
#136
○政府委員(栗山尚一君) 御質問の趣旨必ずしも私正確に理解したかどうかわかりませんが、戦後核兵器というものが出現して以来、抑止というものが、核兵器の恐るべき破壊力というものによってもたらされる抑止力というものに、基本的に侵略に対する抑止というものが依存してきているというのが現実の姿だろうというふうに考えるわけでございますが、アメリカの提唱しているSDIというものが、そういう専ら攻撃兵器でありますところの核兵器の破壊力に抑止力を依存するというものから、そういう核兵器というものを無力化
する防御兵器に移行する可能性を探求するものである、そういう意味におきまして、従来の相互確証破壊とかいろんな名前で呼ばれておりますが、核兵器の破壊力というものに専ら依存した抑止体系というものからの変化という可能性を秘めたものであるというふうには申し上げられるかと思います。
#137
○寺田熊雄君 レーガン大統領の二年前の声明を読みますというと、その意図を一言で言ってしまいますと、結局ソ連の発射するICBMを完全に撃ち落としてしまう、無力化してしまう、それがアメリカの安全と同盟国の安全に絶対的に寄与する、こういうことでしょう。
#138
○政府委員(栗山尚一君) 究極的な目標としては、今委員のおっしゃったことであろうと思います。
#139
○寺田熊雄君 そうすると、アメリカがこれをいつ実戦的に配備し得る段階に到達するかどうかということ、これは今容易に予測はできないけれども、アメリカとしては八〇年代のうちにめどをつけるという計画のようですが、もしそういう状態に立ち至りますと米ソの核戦力のバランスというものは実際上根本から崩れてくる。一方的にアメリカの軍事的な優越性というものが確立されることになりはしませんか。
#140
○政府委員(栗山尚一君) 今おっしゃられる点については、基本的に従来アメリカ政府が種々の機会に明らかにしておる点を申し上げたいと思うんでございますが、アメリカは繰り返しこのSDIの問題との関連でアメリカが一方的にソ連に対して優位を追求しようとしているものではないということは繰り返し明言しておるところでございます。
 それから第二点を申し上げますと、そのような考え方に立って当然のことながら配備、開発の問題についてはソ連とこれは交渉をしなければならない問題である。もちろん委員御承知のように、現在この種の兵器体系というものを配備することは米ソ間のABM条約において禁止されておりますから、当然のことながら一方的な配備というものはできない、条約上できない状況にあるわけでございます。
 そういうこともございますので、アメリカとしてはまさに委員御指摘のように、一方の国が一方的に、これがアメリカであろうとソ連であろうとそのようなシステムというものを一方的に配備しようとすれば、これは非常に不安定な状況になるということは、これははっきりしておりますので、そういう状況を避けるためにも、これは将来の配備、開発の問題は当然ソ連と交渉をして、米ソの合意のもとで行う。仮にそういうものが研究の結果可能であるという事態になった場合においても、あくまでもそれはソ連との話し合いによるものであるということは、これは累次アメリカ政府の公式の立場として明らかにされているところでございます。
#141
○寺田熊雄君 レーガン大統領がこのSDIがミリタリーシュペリオリティーを、軍事的な優越性を意図したものではないということを言っておることは私も知っておるんですよ。ただそれは、やはり反対を緩和するための弁明にすぎないと私は感じたわけで、事実これがもう実戦配備し得る段階に到達すれば、これは軍事的な優越性を持つことは結果的には明らかなんだし、ソ連に対する無言の圧力というか、決定的な圧力になることはもう明らかなんですね。だからまたレーガン大統領は、核戦力の均衡が平和を維持する基礎になるということを言ってきておる。恐らく外務大臣もそういうような御答弁を今までなさってきておられるから同じだと思うんですけれども、それが崩れてしまえば世界の平和というものは非常に不安定にならざるを得ないんじゃないでしょうか。
#142
○政府委員(栗山尚一君) 先ほどの私から御答弁申し上げたことの若干繰り返しになりますが、委員は、レーガン大統領が言っていることは単なるレトリック的なものではないかという御趣旨のことを言われたと思いますが、私どもは必ずしもそういうことではないであろう。それはまさに一方的な、それは米ソいずれによるものであろうにせよ、一方的な配備というものが東西間の戦略的な不均衡をもたらすものであるということは、これはレーガン大統領のみならず、アメリカの核軍縮交渉の関係者、例えばニッツェ代表顧問のような人も累次公式の発言、講演等において行っておりますし、そういう認識はアメリカ側は当然持っているというふうに考えるのが素直な受け取り方ではないか。それから、先ほども申し上げましたように、現にABM条約でそのような一方的な配備は禁止されておるわけでございますから、いずれにしてもアメリカは現行のABM条約で許されている範囲内でしか当面研究は行わないということ、これも累次明言しておるとおりで、それから将来配備、開発の段階に進もう、仮にそういうことが可能であるということになった場合には、これはあくまでソ連との話し合いのもとでやるんだということも累次言っておりますので、そこら辺のアメリカの考え方はそれなりに真剣なものであるというふうに私どもは理解をしております。
#143
○寺田熊雄君 ABM条約に違反するということは私も承知しておるけれども、ABM条約は廃棄の手続はどういうことでしたか。
#144
○政府委員(栗山尚一君) ABM条約の十五条で一応条約の期限は無期限とした上で、「各締約国は、この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認めるときは、その主権の行使として、この条約から脱退する権利を有する。」ということで、六カ月前に脱退通告をして脱退ができるということに一応なっております。
#145
○寺田熊雄君 ソ連も従来このABM条約を脱退するんではないかというようなことが取りざたされたことがありますね。だからアメリカも六カ月の期間を守りながら、これから脱退することが可能なわけですから、ABM条約があるから勝手な配備はできないと一概に言い切れないわけでしょう。すべてあなた方はレーガン大統領の言われることを金科玉条にしておられるけれども、国際関係はそんなに簡単にレーガンが言ったから安全であるというように一概に言い切れないでしょう。したがって、やはりこれはどうしても米ソの核戦力のバランスを決定的に変える可能性を持つ、その意味において大変世界の平和と安定を脅かすものと言わざるを得ないと私は考えるんですが、これは大臣の御認識を。
#146
○国務大臣(安倍晋太郎君) まだ私どももSDIの全貌というものについて全く承知していないわけですね。ただ、レーガン大統領から我々が聞いたのは、SDIというのが弾道ミサイルを無力化する兵器構想で、そしてこれはあくまでも防御兵器である、非核兵器である、そしてこうした構想を実現することによって最終的には核兵器の廃絶にこれはつながっていくんだと、こういう話を聞いて、これに対して理解を示したわけでありまして、これの構想そのものがまた非常に長期的なものであるということも聞いたわけでありますから、日本としましてはそういうSDI全体の考え方には理解を示した。ただ、これからどうなっていくかということについてはもっと情報も欲しい、それを知らせてもらわなきゃ困る、あるいはまた、そうした研究が進む段階において協議というものも場合によってはしてもらわなければならぬ、そうしない限りにおいて日本として判断ができない、こういうことを言っておるわけですね。したがって、基本的には今のSDIというものがどうなっていくのであろうかということは、まだまだ情報とか専門家の意見をこれから政府として聞かなければ責任を持った対応ができかねる、こういうことでございます。
#147
○寺田熊雄君 今、大臣の御答弁の中で、SDIが非核兵器である、防御的である、核ミサイルに対する防衛的なものという御発言がありましたけれども、そういたしますと、ソ連のABMシステムも非核兵器であり得るわけですね、防御的でもあるわけで、アメリカの核ミサイルを撃ち落とすという防御的なものであるわけで、そうすると、やはりソ連のABMシステムに対しても首相も外
務大臣も理解を示さざるを得ないという結論になりますね。これはそういう理解ができましょう。
#148
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは米ソで条約をつくっておるわけですから、米ソ両国間が認め合っている、こういうことであろうと思います。日本自身がこれに関連したものじゃないですけれど米ソ両国間でお互いに認め合って条約化しておると。
#149
○寺田熊雄君 防御的ということをおっしゃるわけですがね、国会の論議を聞いていますと防御兵器即攻撃兵器であるというような論議が今までなされておるようでありますが、軍事戦略上から言いますと防御的なものも攻撃兵器といささかも異なるところがない、バランスを崩し得るだけの威力というものを持っておるということは認めざるを得ないでしょう。どうでしょうか。
#150
○政府委員(栗山尚一君) 一般論として申し上げればそれは防御的な兵器であっても、何と申しますか、先ほども申し上げましたが、基本的には防御的な兵器であっても、これが例えば一方の国によって一方的に配備が進められた場合に、全体の戦略的なバランスというものが不均衡化する、あるいは不安定化するというような好ましくない状況が生じ得るということは一般論としては申し上げられるだろうと思います。
#151
○寺田熊雄君 確かにそう思うんですね。ですから、ABM条約でも地域的な制限をしたりそのシステムがどういう個数でなければいけないとか厳しく制限しておるのはそこに原因があるわけでしょう。ですから、レーガン大統領が防御的なものであるというようなことを言ったからといってすぐにやはり理解を示すというのは軽率な行為であって、それが軍事戦略上非常に攻撃的な性格を持ち得る、バランスを崩してしまうんだと、そういうような見地を忘れてしまっては困るわけですよ。ところが、やや中曽根さんの場合は、ただレーガンが防御的であると言った、核兵器を撃ち落とすという、核兵器を絶滅するものだと言ったということだけで、そういう戦略上の攻撃兵器といささかも劣らない軍事的な効果を持つ、それがバランスを決定的に崩し得る可能性を秘めている、そういうようなこともいささかも思い至らない軽率な行為であったと思わざるを得ないわけですね。北米局長にこれをとやかく云々するわけにはいかないですね。だけど外務大臣は、やはりこれは総理の外交問題に関してはもう何といってもあなたの発言の方が重きをなすお立場とも言えるくらい重要な立場ですからね、そういう点はもうちょっとやはり総理を、まあ指導するわけにはいかぬでしょうけれども、補佐する責任がおありだと思いますよ。いかがでしょう。
#152
○国務大臣(安倍晋太郎君) やはりこうした問題はまさに国の基本に、また国の運命というものにも関することですから、あくまでも日本の基本的な理念、考え方というものに従って判断をしていかなきゃならぬと私は思います。そういう立場から総理を補佐しておるわけでありますが、そういうことの中で、今のSDIというものについては、私も総理も首脳会談においてアメリカ大統領の発言というものを踏まえて、これが非核兵器である、防御兵器である、さらに我々にとって日本民族の理想とも言うべき核廃絶につながるシステムであると、そういう点に着目をして理解を示したということなんです。ただしかしこれはまだ長期構想でまだまだ序の口ですから、これからやはり情報をいただかなきゃ最終的な判断はできないというのが我が国の態度で、いわば留保をつけておる、留保をつけて理解を示したと、こういうことであります。
#153
○寺田熊雄君 それから、もう既にきょう新聞各紙で発表されましたアメリカの国防総省の出した「ソ連の軍事力」というレポートを見ますというと、もう既に宇宙空間も利用しての戦略防衛構想、その実戦配備を目指す競争というもの、軍拡競争のスパイラルというもの、これがもう既に起こりつつあるというふうな感じを持たざるを得ないわけですが、もう既にそういう段階に入っているのではないでしょうか。
#154
○政府委員(栗山尚一君) 研究段階につきましては、従来から今度のアメリカの「ソ連の軍事力」という資料に特に新たに一章を設けるというようなことで、かなり力を割いて説明をしているというようなことがあろうかと思いますが、従来から一般的には種々の機会にソ連自体が相当な資金をつぎ込んでいろんな研究を行っておるということを言ってきております。我が国として、直接そういう情報収集手段を持ち合わせているわけではありませんが、一般的なこととしてはそういうことが言われておりますので、確かにそういう宇宙の兵器体系の開発という面での米ソのある種の競争現象というものが生じておって、そういう意味での東西間の軍拡競争という危険が存在しておるということは申し上げられると思います。
 ただ、他方におきまして、今回の米ソ間で始まりました軍縮交渉におきましては、まさにそういう事態も踏まえて、核兵器の削減と同時に宇宙における軍備競争の防止ということを交渉の一つの重要な目標として米ソが合意をしているということでございますから、我が国といたしましても、ぜひそういう面でも米ソ間の交渉が進展をして、そういう軍備競争というものの宇宙に拡大していくということが防止されるということが重要であるというふうに考えております。
#155
○寺田熊雄君 私もあなたが今おっしゃったことと全く同じことを考えておった。つまり日本の立場としてはSDIに協力するなんということよりも、むしろ米ソの軍拡競争にストップをかける、その軍縮交渉の成功のためにこそ貢献すべきなので、それが平和国家としての日本の最も大切な役割であると思わざるを得ないわけですよ。だから、何かSDIに協力することが日本の安全であるとか、そういうような発想に立たずして、何とかしてこういう軍拡のスパイラルを阻止するために日本が一定の役割を果たそう、そういうことに使命感を持って、やはり外務大臣が当たってくださるように希望せざるを得ないわけですが、どうでしょうか。
#156
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も、まさに今の核軍拡の傾向というのは、これは世界にとって非常に憂慮すべきことだと思っております。何としても核の軍拡から核の軍縮へというものにつないでいって、最終的には核廃絶という理想にいかなければ、人類の真の平和というのは望まれない。日本もああした広島、長崎という経験を得たわけですから、そういう原点に立って核軍縮が成功するように日本としても全力を挙げるべきじゃないか、こういうふうにも思っておりますし、そういう立場から米ソの今の交渉が成功することを祈っておりますし、そういう観点での米ソの例えば首脳会談というものが実現することも非常に歓迎をいたしておるわけであります。
 ただ問題は、やはりあれだけ米ソが対立して交渉が壊れてしまったということで非常に憂慮しておったんですが、ここにソ連が再びテーブルに着いたということについては、これはいろいろの見方があるわけですけれども、それは一つの見方としては、例えばアメリカのSDI構想というのが浮上したということもソ連をしてテーブルに着かせる一つの要因ではなかったろうかと思っておりますが、しかしそういうことはそれなりの一つの理由として挙げられるでしょうが、やはり軍縮交渉というものが何とか進んでいくということを念願しておりますし、今の私は米ソの状況から見まして、この軍縮交渉というものは、今米ソの考え方に相当大きな開きがありますが、これはもう進んでいくんじゃないか、前進するんじゃないかというふうに思っております。
#157
○寺田熊雄君 なお、今立木委員から宇宙の平和利用に関する国会決議の問題が提起されましたが、私は俗に言う宇宙条約ですね、これが各条文の文言に、なるほどぴたっとくるものはないけれども、やはりこういう防御的なものとはいえ宇宙にこのような兵器を持ち込むこと、配備すること、これは疑いもなく宇宙条約の精神に反すると思わざるを得ないんですが、これはどういうふうにお考えですか。
#158
○政府委員(小和田恒君) 寺田委員御承知のよう
に、宇宙条約は第四条で核兵器及び他の種類の大量破壊兵器を運ぶ物体を宇宙空間に配置しないということを決めているわけです。したがって、そういうものに関しましては、地球を回る軌道に乗せないとか、あるいは天体に設置しない、あるいはその他いかなる方法でも宇宙空間に配置しないということを定めておりますけれども、それ以外の兵器の問題については第四条の対象外になっているわけでございます。
 したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、SDIというものが具体的にどういう内容のものを含むかというようなことにつきましてはまだこれから研究を進める問題でございますので、そういうことにつきましては非常に具体的にどうだこうだということを申し上げるわけにまいりませんけれども、今アメリカが説明しておりますようなSDIの構想から考えますと、それからまたアメリカ自身が、アメリカが当事国になっている既存の条約の範囲内においてその条約に違反しないような形でSDIの構想を進めるんだということを言っておりますので、その見地から言えば宇宙条約に抵触するという問題は生じないという立場からアメリカはこの研究を進めようとしているというふうに私どもは理解をしております。
#159
○寺田熊雄君 私もその第四条の一、二項の規定というものを十分検討してみたわけだけれども、逃げ道があるということは認めざるを得ないですね。認めざるを得ないけれども、この宇宙条約そのものの精神というものはやはり宇宙空間を平和的に利用するんだという一片の趣旨からでき上がって、そしてその目的を実現するために個々の規定というものを置いているわけで、その根本の精神というものは宇宙空間の平和利用だからね、平和的利用なんだから、軍事的利用を目指した条約ではないんだから、そこのところをやはりとらうべきなので、そういう面から言えば望ましいことではないということは明らかじゃないでしょうか。
#160
○政府委員(小和田恒君) この宇宙条約が成立するに至りました経緯、その背景になっております国連における討議等から考えますと、究極的な理想と申しますか、目標と申しますか、そういうものに関して申しますならば、宇宙空間を平和的な方向で利用するように持っていこうというのが理想であるということは、それはおっしゃるとおりであろうと思います。
 ただ、実際問題としてこの条約をつくる過程においていろいろな議論がございまして、
   〔委員長退席、理事鳩山威一郎君着席〕
その結果としてこの条約は宇宙空間全体を平和的目的のためにのみ用いるようにするという、そういう国際約束には実はなっていないわけでございます。したがいまして、この条約の核になる、その平和利用との関係において核になります規定は、先ほど申し上げました第四条の規定でありまして、それ以外の活動については宇宙条約上は実定法の問題としては禁止されていないというのがこの条約の解釈であろうと思います。
#161
○寺田熊雄君 それ以外のものを禁止されていない、抜け道があるという点に重きを置けばあなたの言うようなことになるんだけれども、やはり世界平和を目指す外務官僚としてはこの条約の一片の趣旨はどこにあるかということを端的にとらえなければいかぬわね。抜け道を強調して、この軍事的利用も必ずしも禁じておりませんというようなことを強調するようではちょっと困る。
 大臣もやはり平和的な利用というものにその理想を達成するように御努力願いたいと思いますよ、いかがでしょう。
#162
○国務大臣(安倍晋太郎君) アメリカも条約を初め国際的な取り決めはちゃんと守っていくということを言っておるわけでございますから、この宇宙条約もアメリカは賛成しているという立場からこの条約、趣旨をやはり守らなきゃならぬことはアメリカの責任でもあろうと思っております。そういう範囲内でのSDIの研究であるということをアメリカ自身も強調しておるわけでございまして、今条約局長が言っておるのは、そういう趣旨からアメリカの考え方というものを説明したのではないか、こういうふうに思っております。
 日本自身としてはやはり最終的には核の廃絶につながるということについては、日本としてはこれほど理想的な形というものはないわけですから、具体的にこれがどういうふうになっていくかということはこれから見定めなければ日本の判断は下せませんけれども、日本にとって大変な価値というものを見出しているのは、核廃絶につながっていく防御システムだというところに我々も非常な魅力といいますか、価値を見出しておるわけです。しかし、いずれにしてもこれからどうなるかということは極めて重要ですし、その点については十分専門家から意見を聞かなければ日本として正確な判断はできない、こういうことであります。
#163
○寺田熊雄君 なお、たまたま八五年二月一日付のロサンゼルス・タイムズ、これがアメリカ国民の世論調査の結果を発表しておるんですが、米国民の五五%がSDIの研究開発に反対しているという報道がなされております。その五五%が反対をしておる理由としては、先ほど私がお話ししましたような核戦略バランスが崩れると見る人、それから今お話しした宇宙兵器の使用に反対する意見、これがいずれも二対一の割合で多数を占めておる、マジョリティーであるということのようであります。このことは大臣御存じでしょうか。
#164
○国務大臣(安倍晋太郎君) 記事そのものについてはどっかで聞いたことがあると思いますが、アメリカでも民主党の有力者等も反対しておりますし、アメリカの世論もさまざまだろうと思うんですね。これはおっしゃるような、アメリカでも非常に議論のある構想である、そういうふうに私も承知しております。
#165
○寺田熊雄君 まあそういうふうにアメリカ国民自身がこのSDIに対して懐疑的であるということと、国際的にもSDI構想に否定的な見解、懐疑的な見解を漏らした国というものはたくさんあります。これは西側陣営の中にもある。フランスしかりデンマークしかり、それからオーストラリア、ニュージーランドしかりカナダしかりというようなことでありますので、やはり大臣のおっしゃるようにそのSDI構想なるものの実態を十分これから御研究になると同時に、
   〔理事鳩山威一郎君退席、委員長着席〕
こういうアメリカ国民の動向、世界の西側陣営内部の動向というようなものを十分御検討くださるように希望したいんですが。
#166
○国務大臣(安倍晋太郎君) 全くそのとおりだと思います。
 アメリカも意見が分かれておりますし、西側陣営の中でもさまざまな意見があるわけですから、やはり慎重にこの問題には対応していくべきだと私も思います。
#167
○寺田熊雄君 次に、核の冬という科学者の提唱いたしました問題がありますね。
 これについては、五十九年十二月十七日に、国連本会議でメキシコ、インドなどの共同提案で決議が可決されたようでありますが、その票数はどんなふうなものでしたでしょうか。
#168
○政府委員(山田中正君) 先生御指摘の決議、これは賛成が百三十、我が国を含んでおります、反対がゼロ、棄権十一、欠席十七で採択されております。
#169
○寺田熊雄君 日本はこの決議に賛成をなさいましたので、外務大臣としても当然全面的な核戦争になれば核の冬という気象学的な事態が発生して人類はもう一度氷河時代のように死滅するという点の御認識はお持ちになるわけですね。
#170
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本としましても、また私としましても、核戦争が全面的に起こればそうした地球に対して非常な気象的な影響も出てくるであろうという点については今の決議というものを踏まえて認識をしていくべきじゃないか、こういうふうに思います。
#171
○寺田熊雄君 次はベトナムの問題をお尋ねしたいわけでありますが、カンボジアのポル・ポト政権下の状態というのは当時全世界の注目の的であ
ったわけであります。で、私どもベトナムに行きましてベトナムの外務省の次官その他にお会いをする、そしてそのお話を伺うと、ポル・ポトというのは自己の国民を三百万人も虐殺した犯罪人で到底許しがたい存在であるという認識を持っておるようであります。この点は今まで外務委員会に質問が出たかどうか知りませんが、外務省としてはどういうふうに認識しておられるでしょうか。
#172
○政府委員(後藤利雄君) 今、先生の御指摘のポル・ポトでございますけれども、日本としては民主カンボジア政府を承認している、その中にいわゆるポル・ポト、クメール・ルージュが入っておるわけでございます。カンボジア問題自体は、いわゆる関係者の話し合いにおいて平和的に解決されるべきであると考えておりますが、ポル・ポトの存在につきましては今、先生の御指摘のような過去に問題があったということは承知しております。しかし、いずれにしましても、私どもとしてはカンボジアの問題はすべての当事者の話し合いにおいて解決されるべきである、その中においてポル・ポト派の処遇というものもカンボジア人のみずからの判断において決められるべきである、こういうように考えております。
#173
○寺田熊雄君 これはそれぞれの国の外交のキャラクターによって扱い方が違ってくるんだと思うんですが、カーター政権などは非常に人権というものを重視してポル・ポト政権の行動に対して大変厳しい批判を浴びせました。それで、今、三派連合政府の一翼を占めるシアヌーク殿下ですか、この方でさえも、あれはいつでしたか、八〇年の四月でありますが、北京で、ヘン・サムリン政権下のカンボジア人民はクメール・ルージュ時代に比べればまだ幸せと言える、私を支持するカンボジア人の多数が許すなら、私はへン・サムリン支配下のカンボジアでも帰国したいと思うというふうなことを日本、アメリカ、西欧各国記者団との会見で言われたことがあります。それから、これは五十四年の一月十四日、カンボジア問題を討議している国連安保理事会でシアヌーク殿下が、カーター大統領はポル・ポト政権は最悪の人権侵害を行っていると述べた、確かにそのとおりだと演説したようでありますが、こういう人権を全く無視するような政権というようなものを民主カンボジアというような表現で言うことの矛盾を思わざるを得ないわけでありますが、今度、三派連合政府の一翼を占めているといっても、今ASEANの国家の中でもポル・ポトに対して快く思わない、できればこれを除きたいと考えておる国々もあるようでありますが、この点は大臣も御認識になっていらっしゃいますか。
#174
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今おっしゃっているようなことはそのまま正確ではないかと思います。シアヌーク殿下もポル・ポト政権を非常に批判をしておるということも事実でありまして、かつてのポル・ポト政権の犯したことについては大変な批判を持っておられることは事実だと思いますが、ただ、今三派政権の中でシアヌーク殿下が大統領になっておりますし、その政権の一翼を今のクメール・ルージュといいますか、ポル・ポト政権、ポル・ポト派も占めておるということはシアヌーク殿下もそれなりにそれは認めておるという現実の姿であろうと思いますし、またASEANの諸国の中でもポル・ポト派の犯したことに対しては許しがたいという気持ちも持っておる人たちも随分あるように思います。私も随分聞きました。しかし、今三派という体制をやはりカンボジアの自主独立のために支持していかなければならないということで、一応いろいろの議論あるいは批判はあるとしても、ASEAN全体としてはこの三派連合の政権を支持しておる、こういうことでして、日本の場合も、確かにおっしゃるように、かつてのことを考えればいろいろと問題は含んでいると思いますけれども、我々は、今局長も答弁いたしましたように、あくまでも日本の外交の姿勢としては紛争の平和的処理、平和的解決というものが日本の外交のまさにキャラクターでありますし、そしてこのカンボジア人民によるところの自主独立あるいは中立といった政体が話し合いによって生まれるということに日本は一つの焦点を当てておる。今のようにこの三派の中でのそういうポル・ポトのこれまでの姿というものに対しては批判もありますけれども、また一面において、カンボジアを侵しているベトナムの軍隊、これはまた日本政府としても到底承認ができない。その国はその国の人民によってその国の政権というものはおのずから決せられなければならないというのが日本の基本的な考えでございます。
#175
○寺田熊雄君 そういう自国民を三百万人も虐殺する、そうして医師であるとかあるいは教員であるとか、カンボジアにおけるいわゆるインテリゲンチアをことごとく抹殺してしまう、プノンペンを無人の都にしてしまう、そういう悪政が行われておるときに、ベトナムの確かに援助を受けたへン・サムリン政権というものが生まれて、カンボジアを支配しておるわけですね。これに対して、今おっしゃった三派連合政府というようなものは、あれはバッタンバンというんでしょうか、タイ国境に接しておる一州に辛うじて取りすがっておるという状態であります。で、山の中にこもってゲリラ活動を行うという程度の影響力しか持っていない。今それ以外のカンボジア全土というものはやはりへン・サムリン政権が実効的な支配をしておる、そういう事実はもう事実として認めざるを得ないんじゃないでしょうか。それはいかがでしょう。
#176
○政府委員(後藤利雄君) 去年の十一月、乾季が参りましてから例年になくベトナム・カンボジア・タイの国境におけるベトナム軍の攻勢が激しかった、大規模であったということが伝えられまして、ことしになりましてからいわゆる民主カンボジア三派のそれぞれの拠点が制圧され、したがいまして現在はこのような三派が各カンボジアの内部においてゲリラ戦を継続中であるという事実があるわけでございます。この点につきまして、今先生からへン・サムリンがベトナムにおいて実効的な支配をしておるのではないだろうか、こういうことでございます。確かにカンボジアのある部分、相当部分か、非常に確認がしにくいところでございますけれども、ヘン・サムリンの政権というものがそこで支配をしている、あるいは占拠をしているということは事実であろうかと思います。しかし、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたように、一部ではありますけれども依然として民主カンボジア三派がゲリラ戦ではございますけれどもカンボジアの中においてそれなりの支配をしておるという事実、他方、今大臣も申されましたように、ヘン・サムリン政権は依然としてその存立をベトナム軍に全面的に依存しているというまた事実もある。私どもとしてはそういう考え方をとっているわけでございます。したがいまして、どちらかがカンボジア全体を実効的支配をしているということにつきましては、私どもとしてはそういう考え方は現時点においてはまだとれないということでございます。
#177
○寺田熊雄君 確かにへン・サムリン政権がベトナムから支援されておるという事実はこれは否定できないと思います。ただ、ベトナムが支援をしておるというのは、現地へ行ってみますと、決して軍事的支援にとどまらない。例えば食糧を援助する、衣類を援助する、日常生活でカンボジアの従来の疲弊のゆえにカンボジア国民が生活上大変な苦難の状態にあった、それをベトナムが、ベトナム自身がまた非常に苦しい経済状態にあるにもかかわらずカンボジアに支援の手を差し伸べている、そういう状態も同時に見ておるわけですね。ですから、何か軍事的支援だけのように考えるとそれは非常な間違いなんで、また、そういう民生面における支援のゆえにへン・サムリン政権というものが次第に民心を把握し、実効的な支配を持つに至ったというふうな現実があるように思うんです。ですから、外務省におかれても、今まで三派連合政府、その前はポル・ポト、これを支援してきたという過去の今までの因縁、情実というか、そういうものにとかくとらわれやすいということはやむを得ないかもしれませんけれども、現実というものを把握するその努力を怠ってはい
けない、そして、それを把握したらやはりそこで決断をしなきゃいかぬと私は思うんですが、その点どうでしょう。
#178
○政府委員(後藤利雄君) 先生のそういうお見方はお見方として拝聴いたしました。非常に逆説的な言い方を言わさせていただきたいと思いますけれども、要するにカンボジアの人民が最終的にへン・サムリンをとるのかとらないのか、三派をとるのか、ポル・ポトを捨てるのか捨てないかという問題に尽きるんだろうと思います。だからこそ私どもは、カンボジアに一日も早い平和が到来して、ベトナム軍も撤退し、カンボジア人自身が民族的の自決というものを柱として平和的に問題を解決する。そうすれば、そこにおのずからカンボジア人自身がみずからの手で自分たちの政権としてだれを選ぶか、どの政権を選ぶかというようなことになるんだろう、こういうように考えます。いささか逆説的なあれでございます。私はかように思いまして、だからこそベトナム軍の撤退とかいうものについては、私どもはASEANの主張というものを強く支持している、こういうことでございます。
#179
○寺田熊雄君 ベトナム軍の撤退を外務省が主張なさるのはそれなりの理由がないわけではありません。ただ、ポル・ポトを初め三派連合政府も御承知のように中国であるとかタイであるとかアメリカのCIAであるとか、やはり外国の軍事的な援助を受けておることはこれは否定すべくもないわけですね。ですから、一方の軍事的な支援を打ち切ると言う以上は、やはり片方の軍事的支援の打ち切りも同時に御主張にならないと説得力を持てないわけでしょう。その点は、到底ベトナムにしろカンボジアのへン・サムリン政権にしろ納得しませんわな。その点はどういうようにお考えでしょう。
#180
○政府委員(後藤利雄君) 先ほど来から軍事的な最近の動きというものをとらえながら、頭に入れながら御返答をいたしてきたわけでございますけれども、他方、先生も御案内のとおり、いわゆる関係国の周辺の国、例えば一月には国連事務総長がベトナム、ASEANを訪問するとか、三月にはへイドンオーストラリア外務大臣がベトナムを訪問するとか、あるいはつい先日はインドネシアのモフタール外務大臣がベトナムに行かれましていろいろな話をしてきているということでございます。それからやがて四月、今月のうちには、いわゆる乾季も終わって雨季に入ってまいりましょう。そうなりますと、やはりこれからは一つの軍事的な動きというものが鈍って、それだけ外交的に問題を考えようという動きが活発になってくるんだろうと私どもは考えております。そういう中において、いろいろな関係国が最近今申し上げましたような動きもあるわけでございますので、そういう中でこの問題が解決の何か一つの曙光が出てこないだろうかというように私どもは考えておるわけでございます。
 それから、ベトナム軍はカンボジアに駐留して制圧しておるわけでございますけれども、民主カンボジアにはないわけで、外国軍の撤退というものについては、これはすべての外国軍の撤退というものをいわゆる関係者たちは要求しているわけでございまして、このカンボジア問題の解決というものはあらゆる外国軍の撤退ということを意味しているというように御理解いただきたいと思います。
#181
○寺田熊雄君 大臣はやはりベトナム軍がカンボジアに駐留する限りはベトナム援助というものはしたくないという御見解でしょうか。やはりインドシナ半島の歴史を見てみますというと、随分ベトナムは一千年の長きにわたって中国といろいろと争ってまいっておりますね。そして、ポル・ポト政権が生まれたときにはポル・ポト政権の方がむしろベトナムの方に侵入してベトナムとしょっちゅう国境紛争を起こしておったという事実もあるわけであります。そして、やはりインドシナ半島に関する限りは、ちょうどラテンアメリカや南アメリカに対するアメリカの影響力というものを全く無視することができない。東ヨーロッパにおけるソビエトの影響力も無視し得ないというのと同じように、インドシナ半島においてベトナムの影響力を無視しては到底解決ができないいろいろな事情がありますので、このカンボジア問題の根本的な解決が得られなくてもベトナムに対する援助というものは長い目で見てこれを行うことが日本の国益にかなうと私は考えるんですが、その点いかがでしょう。
#182
○国務大臣(安倍晋太郎君) 我が国としましては、今のようなカンボジアの情勢、すなわちベトナム軍が侵入しておる、そういう情勢の中でベトナムに援助を行うということは考えておりません。ただしかし、ベトナムとの間に日本は外交関係もちゃんと持っておるわけでありますし、これから将来に向けてインドシナ半島に平和がよみがえってくる、特にカンボジアに民族自決の機運がぐっと出てくるということになった段階におきましては、これは日本としてもベトナム政策を含めていろいろと考えていきたい。これは私自身が実は昨年のASEAN拡大外相会議におきまして日本の提案として三項目を含んだ提案というものを打ち出しておりまして、それに従って日本としては今後カンボジア問題の解決、ベトナムとのこれからの関係というものをまた進めていきたいというふうに基本的に考えておるわけです。
#183
○寺田熊雄君 まだほかにありますが、時間が来ましたので、これで終わります。
#184
○委員長(平井卓志君) これをもって昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#186
○委員長(平井卓志君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。安倍外務大臣。
#187
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明いたします。
 改正の第一は、在外公館の設置関係であります。今回新たに設置しようとするのは、総領事館一館で、中国の瀋陽に設置するものであります。これは、実際に事務所を開設するものであります。瀋陽は中国東北部の中心地で政治的、経済的に重要な地域であるばかりでなく、我が国と歴史的に深い関係にある地域でもあります。
 改正点の第二点は、同総領事館に勤務する在外職員の在勤基本手当の基準額を決めるものであります。
 改正点の第三は、子女教育手当に関するものであります。現行制度のもとでは、年少子女一人につき月額一万八千円の定額支給のほか、特定の在外公館に勤務する職員に対してのみ、一定の範囲の教育費につき一万八千円を限度として加算が認められております。今回の改正は、現地における外国人学校の授業料等が高額であり、多額の教育費負担を余儀なくされておる在外職員が少なくないので、それに伴う負担の軽減を図るため、加算対象職員の範囲を拡大し、かつ、在外職員の年少子女が特別な事情により当該職員の在勤地及び本邦以外の地において就学している場合にも加算が認められるようにするとともに、その加算限度額を三万六千円に引き上げようとするものであります。
 最後の改正点は、昨年八月の上ヴォルタ国の国名変更に伴い、同国にある日本国大使館の名称を在ブルキナ・ファソ日本国大使館と変更するものであります。
 なお、本法律案は昭和六十年四月一日に施行さ
れることを想定しておりましたが、これが実施されませんでしたので、所要の調整を行うため、四月二日衆議院においてその附則の一部が修正されましたので、申し添えます。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#188
○委員長(平井卓志君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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