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1984/05/28 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 法務委員会 第13号
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1984/05/28 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 法務委員会 第13号

#1
第102回国会 法務委員会 第13号
昭和六十年五月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     石井 道子君     石本  茂君
     小野  明君     小山 一平君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     宮本 顕治君     近藤 忠孝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大川 清幸君
    理 事
                海江田鶴造君
                小島 静馬君
                寺田 熊雄君
                飯田 忠雄君
    委 員
                土屋 義彦君
                名尾 良孝君
                秦野  章君
                小山 一平君
                近藤 忠孝君
                橋本  敦君
                柳澤 錬造君
                中山 千夏君
   国務大臣
       法 務 大 臣  嶋崎  均君
   政府委員
       法務大臣官房長  岡村 泰孝君
       法務省民事局長  枇杷田泰助君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥村 俊光君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大川清幸君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月二十四日、小野明君及び石井道子君が委員を辞任され、その補欠として小山一平君及び石本茂君が選任されました。
 また、昨二十七日、宮本顕治君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大川清幸君) 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明につきましては、去る五月二十一日の委員会においてこれを聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○寺田熊雄君 まず、現在の司法書士及び土地家屋調査士の数ですが、これはどのぐらいいるか、ちょっとお聞きしたいんです。衆議院でこれ数は出ておりますが、一応参議院でも会議録に載せたいと思いますのでお願いします。
#5
○政府委員(枇杷田泰助君) 昭和五十九年十二月末日現在でございますけれども、司法書士の総数が一万五千七百八十人、それからその中で司法書士の会に入っております者が一万五千百四十三名でございます。土地家屋調査士の方は総数が一万九千三百五人で、そのうち入会をいたしております者が一万八千二百八人でございます。
#6
○寺田熊雄君 弁護士の場合でもこれは国際的にいろいろと比較をされておるわけでありますが、結局司法書士に対する国民的な需要というものがどのぐらいあるのか、それから土地家屋調査士に対しても国民的な需要が一体どれぐらいあるのか。それがその今の数字が需要を満たすに足るものかどうか。もし需要を満たし切れないものであるならば、それをどういうふうに処置していくかというふうな問題があるわけですね。
 まず全体の登記申請件数といいますか、これは公共嘱託も含めて、これがどのぐらいあるのか。司法書士と土地家屋調査士の二つに分けて御説明いただければ幸いですが。
#7
○政府委員(枇杷田泰助君) 登記の総件数は大体ここ二、三年横ばいでございまして、二千二百万から二千三百万件という数字になっております。そのうち司法書士が取り扱っております事件、調査士が取り扱っております事件というのが、必ずしも正確な数字ではございませんけれども、大体申し上げますと、司法書士が四五・三%取り扱っておりまして、調査士が一一・七%という事件を取り扱っておるということになっております。
#8
○寺田熊雄君 今の十一・何というのは、だれが扱っているとおっしゃったですか。
#9
○政府委員(枇杷田泰助君) 土地家屋調査士が総件数のうちの一一・七%でございます。
#10
○寺田熊雄君 そうしますと、かなりな数が司法書士以外の者が扱っておるということになりますね。これは申請者本人が取り扱っているという意味でしょうか。
#11
○政府委員(枇杷田泰助君) ただいま申しました数字から申しますと、司法書士、調査士が関与しない事件数というのが四二、三%あるということになりますが、その中の大半のものはいわゆる公共嘱託事件というふうに言われるものでございまして、官公署が官公署の名前で嘱託をするという事件、そのほかに本人が自分で申請をするという事件もあるわけでございますが、本人が何%かというのは私どもの方の統計上出てまいりませんので、ちょっとはっきりしたことは申し上げられませんけれども、若干のものが一般の私人が本人申請で出しておるということは間違いないところだと思います。
#12
○寺田熊雄君 司法書士と比較しますと、土地家屋調査士の扱う事件というのは全体の数の極めてわずかなものだということになりますね。これはやはり今局長の御説明にありましたように、官庁が独自でやるというのが大部分だというふうに受け取ることができますか。
#13
○政府委員(枇杷田泰助君) 土地家屋調査士が扱います事件は、登記事件の中のいわゆる表示に関する登記を対象にいたすわけでございます。表示に関する登記が、先ほど申し上げました総件数の二千二、三百万件のうち八百万件程度でございます。その八百万件に対しましては調査士が扱う事件数というのは三分の一弱の割合になるわけでございます。その残りの三分の二は、これは比較的本人申請というのは少のうございまして、おおむね公共事業に伴う嘱託事件というふうに考えてもいいのではないかと思っております。
#14
○寺田熊雄君 なるほど。私ちょっと誤解しておりましたが、これは二千二百万から二千三百万というのは土地家屋調査士の扱う表示登記も含めてですね。なるほど。
 それで、今司法書士法の改正の目玉である民法三十四条の法人を設立するという問題とも関連をしてくるわけですが、事ほどさように官公署の扱う公共嘱託登記の数が多い。それがしはしば手続になれないものであるので、法務局と本人との間を書類が往復するという説明が衆議院でもされておるようでありますけれども、そうすると、もしこれが官公署の手を離れて司法書士に全部ゆだねられるということになりますと、とても現在の司法書士の人数ではその仕事を賄い切れないということになるんでしょうか。その点いかがでしょう。
#15
○政府委員(枇杷田泰助君) これは予測の問題でございますけれども、もし現在、官公署が嘱託でしております事件を一挙に全部司法書士、調査士の方に嘱託をするということになりますと、これは地域的にはちょっと人数が足りないという地域が出てくるかもしれませんけれども、それほど一遍に全部の事件が司法書士、調査士の方に行くということにはならないだろうと思いますので、両連合会の方とも話しておりますけれども、急激に、何といいますか、担い手の方の司法書士、調査士の方がむしろ担い切れないというふうな状況には直ちにはならないだろうというふうに考えております。
#16
○寺田熊雄君 将来もなかなかそうはならないといいますと、現在では大体法務局の扱う登記に関する件数と司法書士、土地家屋調査士の人員とは、需要と供給がほぼ見合っているというふうに把握しておられるわけですか。その点いかがでしょう。
#17
○政府委員(枇杷田泰助君) これも地域によりまして若干の違いはあろうかと思いますけれども、全体的に申し上げますと、現在の登記需要に対して司法書士、調査士の数は見合っている、あるいは少しまだ司法書士、調査士の方に余力があるといいましょうか、そういう状況だろうと思います。
#18
○寺田熊雄君 土地家屋調査士法も大体同じ条文になっておるようでありますが、司法書士法の三条一号によりますと、司法書士の資格の取得は試験による者と、それから法務局その他のOBですか、そういう者で法務大臣が認定した者、この二つの資格取得の手続があるようでありますが、一号による試験による合格者、それから二号による認定資格取得者、これは一体どのぐらいの数になっておりますか。これは四十六年に改正されておりますので、その改正の前も含めて説明をしていただきたいと思います。
#19
○政府委員(枇杷田泰助君) 司法書士法が改正されまして国家試験制度が導入をされましたのが五十三年でございますが、それ以降の状況で申しますと、試験合格者が大体三百七十名から八十名でございます。一方、二号の方、私どもは特認と言っておりますけれども、その二号の資格認定者が二百人から二百三、四十名という数字になっております。大体の比率が六対四ぐらいになろうかと思います。
 その国家試験制度が入ります前は、これは全部認可によってなされておるものでございまして、厳密的には国家試験という問題にはなりませんけれども、官にあった者とそうでない者との比率も、大体官にあった者が三割近くで、当時試験という形で来た方が七割というふうな数字になっておったと思います。
#20
○寺田熊雄君 第三条の二号による者については、試験を受けて資格を取得した者からかなり批判なり抵抗があるように私どもとしては把握しておるんですが、しかし、それは法務当局の強腕によるのか、一応無事におさまって、そういう比率になっておるわけであります。これは法務局のOBが大部分なんでしょう。私どもが知っている裁判所の諸君であるとか、あるいは検察庁の事務局長であるとか、そういう諸君が資格を取得しようとしてもなかなかどうも資格を取得できないようでありますが、大部分はやっぱり法務局のOBなんでしょうね。それが大体希望すれば通っておるのが大部分なんでしょうか。
#21
○政府委員(枇杷田泰助君) この三条二号の規定によりまして資格を取得する者の大ざっぱに申しまして八〇%ぐらいは法務局の出身者だということが言えようと思います。それ以外が裁判所、検察庁その他ということになろうかと思いますが、法務局の場合でも希望者が全部資格が認められるわけではございませんで、かなりの内部的な基準と申しましょうか、考え方を持ちまして、少なくとも二十年以上は登記事務を中心とした仕事についていなければいけないとか、相当な年齢に達していなければならないとかという一般的なもののほかに、力量的にも十分だという認定をする、そのために内部的に試験をいたしまして、その受かった者にこの資格を付与するというやり方をとっております。裁判所、検察庁等から希望の方も、これは司法書士の業務は御承知のとおり大半は登記の事件でございますので、登記の関係についてはふなれな方が多いわけでございます。そういう意味で、ちょっとすぐに開業して司法書士をやるとしても自信がないということで、法務局に比べますと希望者自体が少のうございます。
 そして、その資格の認定の申し出がありました場合に、登記の関係についてかなりの内容の試験をいたしております。登記ばかりじゃございませんけれども、登記を中心とした試験をいたしております。それがやはり裁判所、検察庁の方にとってみれば若干苦手だというふうなことがありまして、法務局のOBに比べればこの資格が認められる人の割合が少ないという結果になっておる次第でございます。
#22
○寺田熊雄君 今局長から試験のお話が出ましたね。それで、私どもしばしば司法書士の諸君から要望を受けるのは、この司法書士の試験に学科として憲法を必須科目にしてもらえないだろうかという要請を受けるわけであります。これは必須科目になっていない理由は、司法書士の業務に憲法が必ずしも必要とは言えないのじゃないかという法務当局のお考えがあるのじゃないか、こう思うんでありますが、一方、司法書士の方では、司法書士の法律的素養といいますか、それを大切に考えて、法律的素養があれば自然と尊敬も受けるし地位も上がる、したがって、まず基本法である憲法については一応司法書士はこれを会得しておるべきであるというような考え方があるんじゃないか、こう私は推測しておるんだけれども、これは法務省としてはどういうふうにお考えですか。
#23
○政府委員(枇杷田泰助君) 試験科目に憲法を入れるかどうかという点につきましては、ただいま寺田委員おっしゃいましたように、司法書士会の中の一部の方は、ただいまの御指摘のようなそういう考え方から憲法の科目を入れるべきであるという声がございます。私どもとしても、それはもちろん憲法について十分な知識を持っておられるということは、これはむしろ望ましいことではあると思いますけれども、国家試験でやります場合に、司法書士が扱っております仕事自体でもかなりの範囲の仕事がございます。それに伴う関係法規というものは多うございまして、そういう科目について試験を現在実施いたしておるわけでございますが、そのほかに憲法というものを加えますと、かなり受験者の方の負担が重くなるだろうという考え方がございます。そこへもってまいりまして、憲法という科目自体が司法書士の業務に直接にというふうなものではございません。まさに非常に実務的な法律実務を処理をするというのが仕事でございますので、むしろ試験科目とすればそういう実務に直結するような科目について十分な試験をしてみたい、それ以上にいろいろ多くの科目をするというのはかえって受験者の負担になるだろうというふうな全体的な判断から憲法については入れないという扱いにいたしておるわけでございます。
#24
○寺田熊雄君 今の局長の言われる点は私もよくわかるんですね。確かに司法書士の実務の上では余り憲法は必要ないだろうということは理解できるんだけれども、ただ、やっぱり局長がそういうふうに考えられるのには、司法書士は登記の仕事を取り扱ういわば職人である、職人に憲法なんか要るかというような、多少軽く見る心理が動いてはいないか。そうでないと、甚だ失礼であるけれども、そういうふうな見方もできないではない。というのは、やっぱりこの法全体を弁護士法などと比較してみると、その間の自主性その他に非常な開きがありますから、そういうふうな見方もできないではない。
 それから、局長の言われた受験者の勉強の負担を軽くしてやろうという思いやりもわからぬではないんだけれども、しかし事法律の世界に足を踏み入れた以上は、国家の基本法である憲法についての理解というものは、これは一応何人もやっぱり持っていてほしいものであると私は考えるわけですね。これは局長にもお考えをいただかなければいけないけれども、やはり法務大臣におかれてもこれについては一応お考えをいただくべき案件かもしれませんね。私そう思いますが、大臣いかがでしょうか。どうお考えになりますか。
#25
○国務大臣(嶋崎均君) ただいま民事局長から御説明があったように、司法書士あるいは土地家屋調査士の皆さん方の仕事の立て方ということから考えまして、この部面につきましては、とりわけある程度官庁その他の社会的な経験というものも積んでおられる方についてのことでございます。そういう意味でそういう憲法の考え方なり基本なりというようなことについては、およそ了解をいただいておるものであるというふうに我々は考えておるわけでございまして、そういう上に試験の科目というものをいろいろ考えてみますと、話が脱線ぎみになるのかもしれませんが、第一次の共通試験をやっても試験科目が多いのでそちらを回避しようというような気持ちも世の中に出るわけでございまして、やっぱり受験をされる人の状態というものをよく考えて、選択をして今日に及んできておるのだろうというふうに思っておるわけでございまして、御指摘の第一番目に、これを軽視しているからこれは省いてもいいというような感覚で事柄を処理してきておるわけではないと私は思っておるわけでございます。そういう御意見があることはかねて私も聞いておりますけれども、さて実際の問題として今後もそれを取り入れるかどうかということについては、相当気持ちの上では疑問に思っておるというのが実態でございます。
#26
○寺田熊雄君 大臣が司法書士の場合憲法程度はもう理解しておられるだろう、あえて試験の必要はないだろうというふうに思われておるとしますと、司法書士を比較的高く評価しておるというふうに考えられないでもないわけで、それなりの理由はありますけれども、ただ、一応法律を修めようとする者は憲法ぐらいは勉強をしてもそう負担にはなりませんよ。余り深く立ち入った理論について試験をするというのではなくして、憲法の基本原則である平和主義であるとか、基本的人権の尊重であるとか、あるいは民主主義であるとか、そういう憲法の最も基本的な事項について試験問題を選択すれば、それはそう受験生にとって負担にはならない。司法書士の皆さん、比較的法律的な問題について関心を持ち勉強もしておられますので、私は憲法を試験科目にしたからといって特段に受験生の負担になるとか、何かの不都合が生ずるとかいうのはちょっと考えにくいのじゃないか。そうとすると、会員なり会の切なる要望といいますか、それにやや耳を傾けてやってもいいのじゃないかと考えるんですね。もう一度、余りかたくなにならずに再考願いたいと思うんですが、これはどうですか、局長。
#27
○政府委員(枇杷田泰助君) 憲法の問題に限りませず、司法書士の試験をする場合に、私どもは将来といいますか、これからの司法書士制度を担っていく人たちをどういうふうにして選抜をしていくのが適当かという観点から問題を考えております。そういう意味で、科目もどうするか、あるいは出題の仕方をどうするか、もともと知識を試そうとするのか、あるいは能力とか素質を試そうとするのかというふうな観点からもしょっちゅう検討を加えております。そういう意味で、先生のおっしゃった点も私どもも決して間違いだと申しておるわけではございませんので、そういう面も常に念頭に置きながら将来の試験制度全体のあり方をどうするかという中で検討をさせていただきたいと思います。
#28
○寺田熊雄君 司法書士法には土地家屋調査士法十条のような規定は見受けられないわけで、これは私どもにもやはり共通する問題でありますが、これは担当の参事官に来てもらいまして説明をしてもらいますと、司法書士法施行規則ですか、この中にはあるのだということであります。なるほどその二十六条を見てみすまと「司法書士は、連合会の定める様式により事件簿を調製しなければならない。事件簿は、その閉鎖後五年間保存しなければならない。」という規定が確かにあるのですが、土地家屋調査士法に規定を置いて、司法書士法に規定を置かなかったのは何か特段の事情があるのでしょうか。
#29
○政府委員(枇杷田泰助君) この司法書士法と調査士法はほぼ同じころにできた法律でございますけれども、両方とも議員立法でございまして、したがって政府提案のように両方完全に合わせて出すというふうなことがされなかった、その結果、片方の方では法律の中に書こう、片方の方では法律に書くまでのこともないので一般的な省令委任の条項で賄えるというふうな考え方で、そこら辺が統一されなかったのではないかというふうに考えております。しかしながら、この調査士法の十条の規定のようなものはこれは当然要るわけでございます。ただ、法律で書くほどのことであるかどうかということについてはちょっと問題かと思いますが、したがいまして、調査士法の十条に基づいてできました規則の条文は、同じようなものがただいま寺田委員御指摘のように司法書士法の方にも置かれておるということで実質的にはそろえておるわけでございますが、いきさつとしては特に調査士だからこういうのを法律の条文として掲げなければいけないという特段の事由があるかどうかについて私はちょっと説明すべき根拠は持ち合わせておりません。
#30
○寺田熊雄君 ひとつ司法書士の自主性を高めるという問題でいつも話題に上るのは懲戒権をだれが持つかという問題であります。司法書士法の十二条にこの懲戒の規定があります。これは法務局または地方法務局の長が司法書士に対して懲戒をする。これはまず戒告、二年以内の業務の停止、登録の取り消し。この登録の取り消しの問題で今度は改正がなされておるようでありますが、一体この懲戒規定によって懲戒を受けた者というのはどのぐらいあるんだろうかという疑問が起きるわけであります。最近十年間の懲戒を受けた者の数、これを司法書士と土地家屋調査士とに分けてちょっと御説明いただけますか。
#31
○政府委員(枇杷田泰助君) 最近の数字しか持ち合わせておりませんけれども、この懲戒処分につきましては、戒告、業務停止、登録の取り消しという三種類があるわけでございますが、昭和五十九年におきましてはこの三つを合わせまして司法書士が八名、それから調査士が七名でございます。大体各年その程度でございまして、十名前後ぐらいの者がこの懲戒処分を受けておるという数字になっております。
#32
○寺田熊雄君 じゃ、最も重き登録の取り消しの数はどんなものでしょう。
#33
○政府委員(枇杷田泰助君) 懲戒処分として登録の取り消しを受けましたのが、司法書士につきましては昭和五十七年に二名、それから五十八年に二名、五十九年に二名でございます。調査士の方が五十八年に一名、五十九年に二名ということになっておりますが、このうち五十八年と五十九年につきましては司法書士と調査士の両方の兼務をしております者が両方の資格について懲戒により取り消しを受けておるということでございますので、実人員はこれよりも二名少ないということでございます。
#34
○寺田熊雄君 「司法書士は、その業務の範囲を越えて他人間の訴訟その他の事件に関与してはならない。」という第十条の規定がありますね。これは二十二条で違反者には罰則の規定があり、かなり厳しい戒律の一つであるようでありますが、これはどの程度守られているのか、また違反者はどの程度あるのか。しばしばこの問題について批判を受ける司法書士もありますし、その半面、弁護士のいない田舎では司法書士がかなり国民の法律的なトラブルについて相談相手になる、あるいは時には調停者の役割さえも担うというようなこともあり、それ相当のやはりそこに理由がないではないわけで、あるいはその任務を公認したらどうかというような議論も時にはないわけではないのでありますが、まずこの十条の規定というものがどの程度守られ、どの程度破られ、そしてその結果がどうなのかということをもし把握しておられれば御説明いただきたい。
#35
○政府委員(枇杷田泰助君) 十条違反の点につきまして、懲戒事案として挙がってきておりますものはここ最近はございません。かつてこれがむしろ刑事罰として刑事訴訟の中で司法書士の職務範囲を越えているものであるかどうかというようなことで議論になった裁判例というものはあるようでございますけれども、最近懲戒事案としては、先ほど申しましたように私どもは把握いたしておりません。
 現実問題といたしますと、ただいま寺田委員御指摘のように、司法書士の業務に絡みましていろいろ事件の相談にあずかったり、またそれに対して忠告をするといいますか助言をするとかいうふうなことが実際には行われているのではなかろうかと想像いたしております。これにつきまして、どこがいわば警戒線になるか、要するにその線引きの問題については、実際上非常に難しい問題があると思います。理論的な問題と、それから弁護士の実際の地域的な配置の問題というところから、弁護士会の方でも余りぎくしゃくしたことを言ったのでは国民全体が困ることになりはしないかというふうな点も考えている向きもあるようでございますので、そういう点で具体的には非常に難しい問題があると思いますが、事実上、事件といいますか、問題になったケースとして私どもの方の耳にまで聞こえてくるということは最近はないように思っております。
#36
○寺田熊雄君 私個人の経験ではかなり難しい事件、例えば県会議員であるとか市会議員であるとかいう者が深入りした事件、あるいは司法書士がある程度タッチして、それから弁護士のところに持ってきた事件、どうもこれはストレートに私どものところへ持ってきた事件を処理するよりは厄介な結果になるという、そういう経験がかなりあるんですね。だから条文の解釈程度のやさしいことであれば、どんどん弁護士のいないところでは司法書士の皆さんがやっていても差し支えないのじゃないか。しかし、それが法律的なかなり難しい判断を必要とする、それがかなりの経験も必要とする、そして右すべきか左すべきかかなり練達の弁護士でも迷うようなことに司法書士が余り深入りしていろいろいじっていると、その後で持ってこられた場合には非常にやりにくくなるという経験があるわけであります。だから、確かに局長の言われるように、その線をどこで引くかということはかなり難しい問題で、法律的常識なり条文の解釈程度で賄えるものであれば、それは弁護士のいないところでは大いにやっていただいていいのだろう、しかしそこは限界を踏み外さないでほしいということを私どもは自分の経験から考えるわけであります。
 そうすると、民事局長も、この十条でどの程度司法書士が国民の法律的なトラブルなり相談にあずかってそれなりの処理をするということ、その限界というのは極めて難しい、一概には言えませんということに帰着するわけでしょうか。
#37
○政府委員(枇杷田泰助君) おっしゃるとおりケース・バイ・ケースの問題だと思います。それは扱います事件も考慮のうちに入れなければなりませんでしょうし、それからその地域においてどのような弁護士の配置状況になっているかというようなことも問題になろうかと思いますが、何と申しましょうか、司法書士のところへ一応登記等を中心とした事件についての相談に来て、それについて法律的な見解を述べたりするというところは、これは司法書士がやっていいことだろうと思います。
 この関与するという関係につきましては、むしろ依頼者との関係よりも、争いの相手方のところへいわば依頼者の代理人のような形で交渉するとか、それから片方を呼び出してそこであっせん、仲介みたいなことをやるとか、そういうような紛争の相手方と接触をするというような形になったときには、これはこの十条の問題になろうかと思いますが、ただ非常に問題を抱えて困っておられる方について、登記の問題であるとか、あるいは訴訟を起こす場合の手続の問題とか、そういう関係について相談を受けて、それに対して助言をするという限りにおいてはこの十条の違反にはならない、そういうようなことではないかというふうには一応の考え方は持っております。
#38
○寺田熊雄君 今局長の御説明の中に相手方を呼んでという問題がありましたね。これは登記の申請手続をする場合に登記の前提となる私権の設定なり譲渡なり、そういう問題の権利関係に関する証書というものが当然前提になりますね。その実体的な権利関係についての証書の作成、これは司法書士の業務に入るんでしょうね。というのは、行政書士会の方から、そういう権利関係に関する設定であるとか変更であるとかいう、そういう証書をつくることはおれの職分である、だから司法書士にそういう職務を与えるというのは適当ではないという陳情を受けたことがある。その点は局長どういうようにお考えになりますか。
#39
○政府委員(枇杷田泰助君) 登記のもとになりますいわば登記原因としての物権変動に絡む契約書をつくるということ自体は、これはむしろ行政書士というのは私ちょっと今まで聞いたことなかったのでございますけれども、弁護士のやるべき仕事ではないかというようなことから、そこまでやるのはどうかというふうな意見は聞いたことがございます。
 現在司法書士が取り扱っておりますのは登記をいたします場合の登記原因証書、これは将来登記済証になるものでございますけれども、その原因証書を登記の添付書類としてつくっていくというような形での書類作成は、これは登記申請に付随する業務であるということで、これは余り問題視されたことはないと思いますけれども、そういうことを離れて、まさにこれから新しい法律関係に入ろうとする当事者の中に立って、そして契約条項を整理をして契約書それ自体をつくるということになりますと、これはほかの業法から少しクレームが出てくる可能性がある分野ではないかと思います。
#40
○寺田熊雄君 実際問題としては司法書士のところに契約の当事者が集まって、局長の言われる原因証書ですか、権利関係等の設定、変更等に関する申請書をつくるというのが極めて一般的な登記申請に伴う手続のようですね。しかしそれは当然差し支えないんでしょうね。つまり相手方も呼ぶ、自己の依頼者も呼ぶ、そこで既に合意のできておる法律関係について証書をつくってそして登記申請をする。これは差し支えないんでしょうね。
#41
○政府委員(枇杷田泰助君) ただいま御指摘のように、もう既に話ができておるもの、実体的には契約が成立しているものを登記原因証書として、それを紙の上にあらわしていくということでございますと、これは十条の問題にはならないのではないかと思います。
#42
○寺田熊雄君 そうすると、限界は既に当事者間に話し合いがついているかどうかという問題なんですね。それをついていないのに両方当事者を呼び出して、あっせんして話し合いをつける、つけさせるということになると一歩踏み出したことになる、こういう趣旨でしょう、あなたのおっしゃるのは。
#43
○政府委員(枇杷田泰助君) 大ざっぱに申しますと、要するに両当事者に接触をして、そして新たな法律関係をつくっていくというような形で関与することがこの十条で禁止しているところの原則的な事柄だろうと思います。
#44
○寺田熊雄君 それではその程度にいたしまして、今回、法第十二条、土地家屋調査士法の十三条の登録の取り消しを業務の禁止に改めた理由、これを一応まず説明していただきますか。
#45
○政府委員(枇杷田泰助君) 現行法では懲戒処分の一番重いものが登録の取り消しでございます。この登録の取り消しと申しますのは形をあらわしているものでございまして、法務局長または地方法務局長のところでしております登録を消してしまえば、そこで司法書士でなくなるということになるわけでございます。それは要するに司法書士の仕事をしてはいけないという、させないという、そういう意味内容を持つ、そういう懲戒処分でございます。
 ところが、今度登録の移譲が行われまして、連合会の方で登録事務を行うということになります。懲戒権は法務局長、地方法務局長が現行法どおりその行使をするということになりますと、法務局長、地方法務局長の懲戒処分の一番重いその登録の取り消しに当たるものを自分のところで登録を持っておるわけではございませんので、登録を取り消しという形でやるということが不可能になります。そこで実質的な意味をとらえまして、その業務の禁止という、そういう今一番重い、要するに司法書士あるいは調査士の仕事をしてはいけないということを、そういう形の懲戒処分にいたしまして、それに今度は付随をして、そういう懲戒処分があった場合には連合会の方で登録を取り消していくという二段構えにするという、そういう形にいたしたわけでございます。これは実質的に懲戒処分の内容を変えたものではございませんで、登録移譲によって法務局長、地方法務局長が登録事務を行っていないということから生じた改正事項というふうになると思います。
#46
○寺田熊雄君 これは地方法務局長なり法務局長の行う処分ということになっておりますので、当然行政不服審査法に基づく法務大臣に対する審査請求というのは許されるということなんでしょうね。
#47
○政府委員(枇杷田泰助君) これは現行法と全く同じでございまして、法務局長、地方法務局長に対するその懲戒処分につきましては行政不服審査法による不服審査の申し立てが当然できることになります。
#48
○寺田熊雄君 そうして、法務大臣がもしも法務局長なり地方法務局長のなしたる業務の禁止の処分を取り消したとしますね。それで既になされた連合会の登録の取り消し処分は同時並行的に撤回されるわけですか。
#49
○政府委員(枇杷田泰助君) これはまず先に業務の禁止の処分を法務局段階でいたしますと、それが連合会の方に通知が行きまして登録を消されることになりますが、その後法務大臣等上級官庁のところでその懲戒処分が取り消されるということになりますと、登録の取り消し処分の根拠を失うことになりますので、それをまた連合会の方に通知して登録をもとへ戻すというふうなことが当然行われることになると思いますが、なおそれでも登録がそのままであった、消されたというふうなままである場合には、それ自体を今度はまた行政不服審査で争うという道も当然あるわけでございます。
#50
○寺田熊雄君 それ自体を行政不服審査で争うというのはどういうことでしょう。つまり法務大臣はもう審査請求に基づいてその業務禁止の処分を取り消した、だから当然司法書士連合会の方で、それに基づいてした登録の取り消し処分を取り消すということになるわけで、取り消さなかった場合に審査請求するというのは、どういうことを局長言われたんですか。
#51
○政府委員(枇杷田泰助君) 少し余分なことを申し上げたかもしれないのですが、懲戒処分の方が取り消されますと、当然連合会の方ではその登録の取り消しをまた取り消して、もとの状態に復するということは当然すべきことでございます。ですから実際には一〇〇%そのように行われるわけでございますけれども、もし何かのかげんで法務局の方から連合会の方に連絡が行かなかったとか、いろいろなことがございまして、連合会の方でもし登録を消したままにしてあるというふうなことが万一あった場合には、そのこと自体も争えるということで、少し先のことまで申し上げたので、かえっておわかりにくかったかと思いますけれども、そういうことで、実際上は懲戒処分としての業務禁止が取り消しになれば、それによって連合会の方でも登録をまた復活することになるわけでございますけれども、その復活自体がもし万が一何かのことで怠ったといいますか、そういう場合には、それ自体も争える道はあるのだということでございます。
#52
○寺田熊雄君 なかなかやっぱり法律家だから先の先までお考えになるんで、それは結局連絡が行かなければ連絡行かせればいいのだから、司法書士会連合会がいわば法務大臣の言うことを聞かなかったような場合があり得るという、それを考えていらっしゃるんでしょうね。それに対して審査請求をなし得るというのはどういう条文に基づいて言われますか。
#53
○政府委員(枇杷田泰助君) これは司法書士法の関係で申しますと六条の十でございます。司法書士法の六条の十で、六条の五の規定を準用いたしております。これは登録関係では不服審査の申し立てができますのは、新規に登録をしようとした場合に拒否された場合に行政不服の審査の申し立てができるわけです。それから、今度は登録を取り消された場合もその規定を準用して行政不服審査の申し立てができる、これが六条の十でございます。入り口で拒否した場合と、それから取り消した場合と、両方とも行政不服審査による不服審査の申し立てができることになっておるわけであります。
#54
○寺田熊雄君 ちょっとしかしそれは準用の幅が広過ぎやしませんか。それは登録を拒否した場合と取り消した場合には行政不服審査法による審査請求ができるという規定だから、法務大臣の言うことを聞かずに取り消すべきものを取り消さない、それについても法務大臣に審査請求ができるというのは、ちょっと解釈による準用の幅が広過ぎやしないか。どうですか。
#55
○政府委員(枇杷田泰助君) どうも少し瑣末なところに私が話を持っていきましたのでおわかりにくいかもしれませんけれども、先ほどの例で申しますと、法務局長が懲戒処分として業務禁止の処分をいたします。そうしますと、一応公定力がございますので連合会の方に通知があって登録が消されます。それを、懲戒処分の方を法務大臣の方に不服審査を申し立てて、法務大臣がそれは間違いだというので、その懲戒処分を取り消しますと登録の取り消し事由がなくなるわけです。したがいまして、さきにしました連合会の登録の取り消しは根拠を失ったことになりますから、その登録の取り消しを争うことがこの六条の十でできることになるということで御説明申し上げたつもりでおります。
#56
○寺田熊雄君 それはわかるけれども、法務大臣がもとになる処分を取り消して処分がなかったことになるのだから、当然連合会は取り消しの取り消しを行えばそれで足るので、あなた方の監督権をもってすればそれができない道理はないので、それができないからまた法務大臣に審査請求をすると、法務大臣が取り消しを取り消せということを命ずるということになる。もし法務大臣の言うことを聞かなければ、初めのことも聞かなければ後の言うことも聞かないということがあり得るわけで、どうもそういうことを想定するのはどうだろうか。それはやはり法務大臣の監督権で当然やらせればいいので、審査請求の件まで認める必要はないと思いますよ。
#57
○政府委員(枇杷田泰助君) 先ほど来申し上げておりますが、私もそういうところまで話を持っていったのが誤りだったと思いますが、実質的には先生のおっしゃるとおり、事柄はそう混乱なく処理をされるのでございますけれども、最終的な法律的な道としてはそういう道もなくはないという意味で御説明申し上げたので、そういうようなことがあろうとは私ども思いません。通常、法務局あるいは法務省と連合会との関係というものは、そこはお互いの連絡できちんとそれで一体となって処理をするということでございますから、法律的になおこういう道もあるというようなことは、私余計なことを申し上げたことになりますので、むしろそれは事実上ないことだということで撤回させていただいても結構でございます。
#58
○寺田熊雄君 問題は法律問題だから、実際はそんなことはないだろうと思うけれども、私、局長が言われたから法律問題として考えたわけです。
 逆にこういうことはあるでしょう。法務大臣が法務局長なり地方法務局長のした業務の禁止処分というものを取り消さない、ああ当然である、こう言って法務局長の処分を是認した場合、それに対しては当然行政事件訴訟法による行政訴訟の提起はこれは許されるでしょう。
#59
○政府委員(枇杷田泰助君) それは当然に許されることになります。
#60
○寺田熊雄君 それから、これはさっきと同じような問題なんだけれども、法律の問題だからあえて私もお尋ねをするわけだけれども、十七条の七第二項に「協会は、その業務に係る第二条第一項各号に掲げる事務を、司法書士会に入会している司法書士でない者に取り扱わせてはならない。」、それから十九条の第一項、「司法書士会に入会している司法書士でない者は、第二条に規定する業務を行つてはならない。」という規定がありますね。ここで「司法書士会に入会している司法書士でない者」と、大体局長の御説明ですとわかるけれども、一応「司法書士会に入会している司法書士でない者」というのを御説明いただけますか。
#61
○政府委員(枇杷田泰助君) 大ざっぱに申しますと、司法書士でない者は二条で掲げられております司法書士の業務を行ってはいけない、これは業法の中心になるべき事柄でございますが、そこにもう一つつけ加えまして、司法書士であっても司法書士会に入会をしてない者はこの業務を行ってはいけないということがプラスされるわけでございます。そのプラスされている理由は、申し上げるまでもないかもしれませんけれども、司法書士会というのは会員の指導、連絡を行う、そういうことを使命としているものでございます。要するにそういう会に入会をしておるということによって会の指導、連絡を受けるという、そういう立場にある者、そういうものでなければ個人として司法書士の資格があっても業務を行わしてはいけないというふうに従来からこの司法書士法は取り扱っておるわけです。
 と申しますのは、古い時代のように裁判所とかあるいは法務局長とかが司法書士を監督をするというようなことは今の制度ではないわけでございますので、したがいまして会の自主的な自主監督と申しましょうか、指導、監督の内容の中に入っているものでなければ業務を取り扱わせないということによって司法書士制度を維持しようという考え方から、司法書士の資格があっても会に入会していない者は司法書士の業務をしてはいけないというふうにしているわけで、そのことを表現するのに「司法書士会に入会している司法書士でない者」、すなわち司法書士でない者は当然だし、それから司法書士であっても入会してない者もだめだと、そういうことを一口で言うためにこういう表現になっておるわけでございます。
#62
○寺田熊雄君 局長の従来からの御説明だと、つまりみずからもう業務ができない、老齢のために業務ができないということで司法書士会を任意に退会した者、あるいは会費を納めないというようなことで会から追放された者、そういう諸君を言うというふうに理解していいわけでしょう。
#63
○政府委員(枇杷田泰助君) 先ほど冒頭の御質問にお答えしましたように、司法書士の総数の中に会員でない者がかなりおるわけでございます。この人たちはもう廃業するという意味で会に脱会届を出しておられるけれども登録だけは手続がおくれているという方、それからまた会の中で会費を半年以上ですか、納めていないという方については脱会したものとみなすというふうな会則の規定がございまして、それによって会員でなくなるという人がいるわけです。そういう人たちは、司法書士ではありますけれども、この十九条の規定によって司法書士の業務を行うことはできないということにされる対象になるわけでございます。
#64
○寺田熊雄君 これは入会していなければ業務を行うことができないという、そういう規定が十九条にあるといたしますと、この十七条の七の第二項の「司法書士会に入会している」というのは不要にはなりませんか。つまり業務をとることができないのだから、業務をとることができない者に委任するなんということはあり得ないことであるのに、殊さらになぜ司法書士会に入会している司法書士でなければ業務を取り扱わしてはいけない、本来取り扱うことができない者に取り扱いすることがあるなんということは考えられないことで、仮に委任したってできないのだから、だからここの場合はこういう修飾語は不必要であると思いますが、その点いかがでしょう。
#65
○政府委員(枇杷田泰助君) あるいは解釈からいたしますと寺田委員のおっしゃったようなことになるのかもしれませんけれども、協会の業務を実際にだれにやらせるか、協会自体はもちろん法人でございますから、自分で具体的な業務を行うことができないわけで、自然人が結局その業務を行うことになります。その行う自然人というのを規制を加える必要があるだろう、そうしなければ司法書士法の中でこの協会というものに司法書士と同じような立場を認めていくということはできないだろうということがあるわけです。そういうことが十七条の七の二項でその旨を規定をいたしておるわけでございます。
 したがって、繰り返しのようなことになりますけれども、要するに十九条の方で言っているそういう会に入会している司法書士でない者に取り扱わしてはいけないのだということは、逆に協会の業務はすべて十九条で禁止されていない本当の司法書士がやるんだということがここで明確化される。それによってその協会に司法書士の業務をさせるということが容認される根拠が出てくるというふうに考えるわけでございます。
 したがいまして、確かにおっしゃるとおり、これ何にも書きません場合に、具体的に取り扱う者が司法書士でなくてもいいのか、あるいは入会していない司法書士でもいいのかというふうな議論が出た場合には、解釈としては十九条の規定があるのだから、司法書士会に入会していない者は取り扱ってはいけないのだという解釈が導き出される余地は私は十分にあると思いますけれども、ただ協会の性格をここでむしろ明確に積極的に表現するという必要があるのじゃないかということから、同じようなことをここで十九条にあわせて書き込んだということになろうかと思います。
#66
○寺田熊雄君 大した問題じゃないから、余りこういう問題で時間をとるのは不経済なことだけれども、これは今局長の言われたように、司法書士でない者に協会の業務を取り扱わしてはいかぬという趣旨であるならば、もうそれでもって足るので、十九条で入会していなければ業務ができないんだということをうたっている以上は、たとえ条文が前にあろうと「入会している」という入会している司法書士じゃない者のところまで言う必要は全くなかったと私は思いますね。だけれども、局長が言われるものが理解できないわけではないし、小さな問題だから、これでもう主張はしませんけれども、ちょっとやっぱり考え過ぎというか親切過ぎる条文であると言わざるを得ないと思いますね。
 この改正法案の提案理由の中に「現行法のもとでは種々の隘路があり」、したがって今回協会の制度を設けたという御説明が大臣からありましたね。この種々の隘路が現行法上あるんだという点をちょっと詳しく説明していただけますか。
#67
○政府委員(枇杷田泰助君) この公共嘱託登記事件を司法書士、調査士が受けてやるようにしようということで、公共嘱託委員会というのを各府県単位に設けまして、従来から活動してきたところでございますけれども、その場合になかなか発注者側の方で、実質的には非常に頼みたいのだけれどもちゅうちょするというような面が出てまいりました。それは受注者側の方で法人格がないから発注しにくいのだというふうなことであります。
 それはなぜ法人格がなければ受注しにくいのかと申しますと、これは実際上の会計の扱い方だと思いますけれども、かなりまとまった金額の契約をする際に、自然人相手ではちょっと会計法規的にやりにくいというような面があります。そして、またいろいろな具体的な問題が将来生じた場合に、例えば損害賠償の問題が生じたというような場合に、自然人が相手ではうまく処理ができないのではないかというような観点から、法人格がないために発注者側の方がちゅうちょするというようなケースが多く見られたわけであります。
 そういうことから両連合会の方でもこの受託組織の法人化ということを強く求められるようになったわけでありまして、私どもの方もそういう点の隘路は除くということによって公共事件の嘱託が司法書士、調査士の方を通して行われるというようなことになる必要があるだろうということから、この法人格を付与するというものを今度の法案に盛り込んで御審議をいただいておる次第でございます。
#68
○寺田熊雄君 確かに私どもの経験で申しましても、素人が登記の申請をしますと附せんをつけて返される。附せんが五つも六つもつくというようなことがありますので、難しい登記はたとえ官庁の職員がやっても同じようなことだろうというふうには考えておりますけれども、ただ、局長が会計法規のことをおっしゃっておられるので、これは衆議院で会計法規の点からもなかなかこういうことをしないと困難だという説明をしていらっしゃるんですね。ところが、私も会計法規を一生懸命調べたんだが、法規的には法人でなければ契約をなし得ないということはないようなんですね。だから会計法規上そういう問題があるということは言えないんじゃないでしょうか。その点どうでしょう。
#69
○政府委員(枇杷田泰助君) 会計法規という言葉を使ったのは若干軽率であったかもしれません。明文の規定としてこういう場合には法人でなければ発注できないというふうな規定は確かに存在しないように私どもも思います。ただ、発注者側でそういう言い方をするということがしばしばだというふうに聞いておりましたので、あるいはそういう会計法規があるのか、あるいは少なくとも会計法規という言葉で呼ばれておりますけれども内規的なそういうものがあるのではないかというふうには考えておりますが、何か県あるいは市町村の担当者の裁量ではどうもいけない、そういう何かの縛りがあるというようなことはしきりに言われておりますので、そういう意味で広く会計法規上の問題があるというふうに申し上げた次第でございます。
#70
○寺田熊雄君 エンサイクロペディストの局長にしては、ちょっとあれはミスだね。
 確かに何か内規はこれはちょっと私どもにはわかりません。それからまた裁量ということはこれは肯定できますので、余り深追いはしませんけれども、ただ、現実には個人で公共嘱託を受注している司法書士もあるんじゃないでしょうか。どうでしょう。
#71
○政府委員(枇杷田泰助君) 個人で受注をしている者もかなりあるようでございます。そのほかに、先ほどちょっと申し上げましたけれども、公共嘱託の委員会を設けて県なり市町村なりと折衝して受注をしておるのも形の上では個人が受けておるわけで、委員会が受けているわけではございませんので、そういうものを合わせますと年間で大体三十万件ぐらいあるようでございます。それぐらいのものは個人で受けておるわけでございまして、そういう意味でも何か本当の禁止規定があればそういうこともできないわけでございますので、何かやっぱりやりにくいという形での何かがあるのではないかというふうに思う次第でございます。
#72
○寺田熊雄君 それから、局長はこういう協会設立の必要性を説明された中に、個人で受注した場合に、何かしくじった場合損害賠償を請求されたら困るのじゃないかという御説明があったが、これはちょっと余りぴたっとこないのは、個人の司法書士で我々が例えば及びもつかないような財産を形成しておられる人がある反面に、この協会なんというものが一体資産があるのかどうか。無資産の場合もあり得るわけでしょう。そうしたら、むしろ法人である協会の方が損害賠償の能力がないということになる。その点どういうふうに考えられますか。
#73
○政府委員(枇杷田泰助君) まず最初に、その損害賠償などの点について自然人では発注しにくいのではないかと申し上げましたのは一般的な感覚の問題で申し上げたわけでございます。世間一般で自然人よりは法人の方が何か信頼性がおけるというふうな形で動いておる。そのために小規模な会社がたくさんできて商法の改正で問題になるわけでございますが、そういう面で申し上げたのでございますが、実際には自然人の方がそれは財力がある方もあって法人の方が全然財産がないというものもあるわけでございますので、この協会に限って申し上げますと、この協会は出発当初はもちろん財産はございません。ただ、これからの運用の方法といたしますと、逐次資産を積み立てまして、ある程度の損害賠償などに応じられるようなそういう体制はつくっておく、そういう意味での信頼性を高めておく必要はあるだろうと思います。連合会の方でもそういう形で協会を指導したいというふうに言っておられるわけであります。
 ただ、そうは申しましても当初はそんなに資産ができるわけのものではございませんので、したがって全国の協会が集まって、そこで若干の基金を持ち寄って、いわば内部で協会相互の間で総合保険的なようなことの仕組みをするとか、あるいは保険会社の方にそういう事故があった場合の保険をかけるとかいうような形で損害賠償の場合に応ずるという体制をつくっておく、それによって発注者側の信頼を得るというふうにしなければならないと思っておる次第でございます。
#74
○寺田熊雄君 世上一般の感覚論で言えばというような説明が民事局長からあるとは予想しなかった。まあ確かにそういうこともないではないでしょうね。それは個人よりは法人の方が資産もある、弁済能力もある。一般的感覚論として言い得るというのだから、余り法律的ではないように思うけれども、そうすると、結局局長としては連合会とよくタイアップして、またあるいは連合会を指導して協会が損害賠償の能力があるように育成していく、そういうことを前提にして損害賠償の問題を考えた、そういうことでしょう。
#75
○政府委員(枇杷田泰助君) そのとおりでございます。
#76
○寺田熊雄君 結局なぜ公益法人たる協会を設立するに至ったか、その縁由について、これがもう衆議院でも必要性が果たしてあるのかどうかというようなことにまで議論がありまして、局長が大変大わらわになって説明していらっしゃる。それはつぶさに会議録で私も拝見したんだけれども、一口で言うと、どういうことになるんだろう。これはやはり法務省として官庁の方から不十分な不完全な書類を持ってきて一々附せんをつけて突っ返す、そんなことを往復しておったのじゃ事務上支障がある、困りものだということなのか。あるいは業界の方がやはり公共嘱託登記を受注したい、それが司法書士の職域を広げるんだ、繁栄にもつながるんだという業界の要望を受け入れた、そこに最大の原因があるのか。公共事業の円滑な推進なんという大変立派なうたい文句は別として、この本当の動機というのはどこにあるんですか。
#77
○政府委員(枇杷田泰助君) この問題を見る場合に、立場によって少しずつニュアンスが違うと思いますが、私どもの立場と申しますか、法務局の登記所の立場から申しますと、公共嘱託事件の大量のものがどかっと出てくるわけでございますけれども、それが内容を見ますと問題がかなり多い。専門家ならば当然気がつくであろうというふうな点について見落としがあって書類がどうも十分でないというケースが多いわけでございます。そのことで登記所全体の事務の円滑な処理に支障が生じておるので、何とかこの公共嘱託の登記が専門家の手によって整理をされて出てきてほしいという気持ちを持ちます。そういう面では登記の円滑化ということが主題になるわけです。
 司法書士、土地家屋調査士の側から見ますと、先ほどの数字でも申し上げましたように、登記事件の四〇%以上の事件が司法書士、調査士の手を経ないで出ておるわけでございます。こういう関係についても、両制度が関与していくというふうなことによって司法書士制度、調査士制度というものの根を広げていく、それが同時に職域を拡大し全体としての収入がふえていくという面もあるだろう、そういう面からその中に入っていくべきだというふうな面が主力になるだろうと思います。
 それから、これは発注官庁側の方から直接私どもの方に言ってきておられるわけではございませんけれども、最近特に言われておりますように、民間活力というふうな言葉で言われておりますけれども、従前からなるべく民間に任せるような仕事は民間に任せたいというようなことが、中央並びに地方の官庁でもみんなそういうふうなことを考えるようになっているわけでございます。したがいまして、発注者側の方でも、司法書士、調査士側の方で何か発注しやすいような条件ができれば、それが回ってくることによって地方公共団体もあるいは喜ぶかもしれないというようなことも考えたわけでございます。
 したがいまして、この公共嘱託の関係について司法書士、調査士が円滑に受けて入るようなことになればすべてうまくいくのじゃないか。ひいては登記が早く完結をして、きちんと間違いないようになれば、その公共事業の関係の一般国民の方の権利も早期に安定をするということになるわけでございますので、そういういろいろな面からこの公共嘱託登記を司法書士、調査士が受けるということは大変いいことだということで実は昭和四十七年、これまたコンピューターの研究を始めた年と同じでございますけれども、四十七年からそういうことを私どもの方からも提唱をし、それから両連合会の方からもそういうことでやろうということで、ずっといろいろなやり方を試みてきたわけでございます。その結果、先ほどの法人格の問題で少し隘路が生じておるというので、そこを何とか乗り切ろうというのが今度の法人化の問題ということになるわけでございます。
#78
○寺田熊雄君 法務局の方も業界の方も、恐らくは官公署の方もみんなこれによって満足する結果が生ずるという、そういうすべての利害がここで一致したということのようですね。
 そこで、公共登記の嘱託というものが、局長が先ほど説明されたように、そんなにしかくたくさんあるものだとは私ども知らなかった。公共事業には土地の取得を伴う。あるいは住宅建設などいろいろ皆抵当権の設定もある。所有権の移転もある。賃借権の設定も時にはあるでしょう。そういう登記を伴うということは理解しておったけれども、そんなにもたくさん公共登記嘱託というものがあるとは知らなかった。不動産登記法を調べてみると、なるほど公共嘱託登記というものは二十九条から三十一条にもある。三十四条にもある。百六条の二項にもある。実にたくさんの規定はあるけれども、これは不動産登記法だけじゃないんでしょう。いろいろの単行法にも恐らくあるのだろうと思うんですが、それをもう事細かに説明されたのじゃ時間がかかるけれども、重立ったものについて説明していただけますか。
#79
○政府委員(枇杷田泰助君) 公共事業関係の登記につきましては不動産登記法だけで賄われるものもございます。ただ、そうではなくて、いろいろな行政処分が絡まりながら進められていくというものもあるわけでございまして、それにつきましては特殊な登記令というものがございます。土地改良登記令とか土地区画整理の登記令とかというふうな特別な登記手続というものも設けてやっておるものもかなりあるわけでございます。そういうようなことでございますけれども、公共事業を扱っておりますものはいわゆる官公署と言われているもの、それも普通の市町村とかいうものばかりでなくて、住宅公団とか国有鉄道とか、そういうものも入りますが、そのほかにいろいろな法律で決まっておりますもの、例えば新住宅市街地開発法による不動産登記に関する政令であるとか、都市再開発法による不動産登記に関する政令であるとかというふうなことで決められておりますいろいろな業者があるわけであります。そういうようなものがこの協会が取り扱うそういう事業の対象ということになってこようかと思います。
#80
○寺田熊雄君 法令により国または地方公共団体とみなされる諸団体というのは、これは法務省から届けていただいた書類によりますと実にたくさんあるわけですね。それから今言われましたいろいろな政令が不動産登記に関して出されておる。その政令というのは、今局長のおっしゃった新住宅市街地開発法による不動産登記に関する政令外四件と見ていいのでしょうか。まだほかにもありますか。
#81
○政府委員(枇杷田泰助君) 現在重立ったものとしては、ただいまお読み上げになりましたもののほか全部で六件ぐらい考えておりますけれども、このほかにもまだ若干出てくるのじゃないか、もう一遍この法律が成立いたしましてその施行令をつくります際には精査をしてみたいと思いますが、一つ二つはふえていくのではないかと思っております。
#82
○寺田熊雄君 問題はやはりこれが公益法人とされた点なんですね。財団法人でも営利事業を行えるということがあるので、営利事業を行うこと自体が公益法人性を否定するものではない。問題は営利を行う事業によってその得た収益を桐成員に分配するかどうか、そこにメルクマールを置くべきだというようなことを盛んに局長が衆議院で説明をしておられるわけであります。そういうことは確かに言い得ることではあるけれども、一口で言うと、これは営利を目的とする法人ではない、だからうんともうけるかと思って仕事はしない。仕事は社員である司法書士に全部ゆだねてしまうということではあるのですが、一口で言うとトンネル機関ということになりますね。つまり自分でやることは、法律上はできるけれども連合会も法務省も予想していない。現実の登記業務というものはすべて社員である司法書士に任すのだということになると、簡単にその性格を説明するとトンネル機関であると見ていいですか。
#83
○政府委員(枇杷田泰助君) 仕事並びに報酬が発注者から末端の事務取り扱い者に行くという、その関係で見ますと、その中間にあるトンネルだということはおっしゃるとおりだと思います。
#84
○寺田熊雄君 時間が来ましたので、あとはあさってにいたします。
#85
○小島静馬君 公嘱協会関係について数点御質問申し上げます。
 いただきました資料で、法務局は八つ、それから地方法務局は四十二あるわけでありますが、この法施行後に公嘱協会というのは大体幾つぐらいできるかというふうに御想定なさっておられますか。
#86
○政府委員(枇杷田泰助君) この法律が成立、施行になりますと、司法書士会、調査士会の方ではこの協会の設立に向かって動き出すと思いますけれども、各会あるいは各地域の準備の問題もありますので、直ちに五十ずつできるということにはならないかと思いますけれども、一応一局に対応して一つの協会をつくるということでの動きが活発になっていくだろうと思います。
#87
○小島静馬君 それでは将来は五十、法務局の数で一法務局、地方法務局に一協会ということでございますね。この法案の内容を見てみますと、これは一法務局一つということは明定はしてないわけですが、二つつくってもよろしいということにも理解できるわけですが、将来これが一地方法務局の中で二つできるとか三つできるとか、そういう事態の心配は全くございませんか。また許可申請が出ればやっぱりおろさざるを得ないというようなことになるという心配はありませんか。
#88
○政府委員(枇杷田泰助君) 私どもは現在の司法書士会、土地家屋調査士会、あるいは公共嘱託事件の動向の実態から見ますと、各府県単位と申しましょうか、法務局単位に一個ずつというのが相当だというふうに思っております。したがいまして、恐らく複数の協会ができるということはないだろうと思いますが、法律的には複数の協会をつくることを禁止しているわけではございません。
 なお、この協会が非常に活動が充実をしてまいりまして、発注官庁側の方もそういうものはどんどん協会の方にやらせるようにしようというふうなことになりますと、あるいは地域によっては一つの協会よりは二つの協会にした方がいい、地域割りにすると申しましょうか、そういうことが出てこないとも限らないと思います。そういう場合には、むしろ協会よりは司法書士会あるいは調査士会の方からそういうふうなことにすべきだというふうな意見が私どもの方に来るのではないか。それに応じて複数の協会の設立認可の申請が出てくるだろうと思います。その際には要するに連合会の方と十分意見調整をした上で認可をするという運びにいたしたいと思っておる次第でございますが、当面そういう複数の協会を設立するのが合理的だという事情が生ずるということは予測されないところでございます。
#89
○小島静馬君 当面は一法務局管内一協会ということであるけれども、将来については保証はない、だろうというふうなことは伺ったわけでありますが、ただ、法律というものはやっぱり条文の規定というものに相当拘束されて、こういうふうに読めるという読み方の方向へえてしていくものでございますから、現時点でこうだからこうだろうということでなくて、やっぱり将来を類推した場合において、仕事がうんとふえて、そのときに自主的に申請があった場合には相談に乗るというふうなことであっては、そのスタートの時点から非常に心配な面があろうかと思うんですね。これはだから原則一つだということは全く明確にはされておらないわけですね。その点はいかがでしょうか。
#90
○政府委員(枇杷田泰助君) 法文の上では一つだということはうたっておらないわけでございます。
 実はこの法律の上で一つに限るということを明定すべきかどうかについては議論があったわけでございます。先ほど申し上げましたように実質的には一つであるのが望ましいという状況だと思いますけれども、法律の上で一個に限るというふうにしなければならないそういう理由というものはないのじゃないか。要するに先ほど申しましたように何か事情の変更で二個あった方がいいという状態が生じた場合に、なお法律的に一個に縛りつけておかなければならぬという事情はないのではないか。
 一個が相当だということは、一つの司法書士会、調査士会に対応して協会が二つも三つにもなりますと、何かそこで競争といいますか、そういうことから内部分裂が生ずるというふうなことがあっては会が大変だというようなこと等が一個制を相当とするという論拠になっておるわけでございますが、ところが、この協会と申しますのは、この法律の上で全部その会に入っている司法書士が社員になる、その社員になるべき者が設立の認可申請を出すわけでございます。したがいまして、会の方が自主的に自律性があれば不合理な形での複数協会ができるということはこれは考えられないわけでございます。
 したがいまして、むしろ法務省といたしましては、言葉は悪うございますけれども、いわば分派活動的な意味での協会をつくって何かひっかき回そうというような協会が設立になった場合には、これは会が支持しないそういう複数会でございますので、そういうものは合理的な協会とは言えないという意味で、認可の際にチェックできるのじゃないか。そういうふうな事実上の運営の処理の問題であって、法律的に一個に縛っておかなければならないという根拠はちょっと見出しがたいということから、明文の規定の上で一個ということを規定いたさなかった次第でございますが、一個であるというのが現時点においては相当だということは先ほど申し上げたとおり考えておるところでございます。
#91
○小島静馬君 一個であることが相当であると、ここに強く力点が置かれているというふうに理解してよろしいわけですね。
 そこで、この協会の設立の認可というものはどなたが、法務大臣ですか。
#92
○政府委員(枇杷田泰助君) 主務大臣は法務大臣でございます。
#93
○小島静馬君 ということは、そういう一法務局一協会という、これは少なくとも原則と考えられますね。そのことにおいて何か内部争いのような形で二つできるなんということは法務大臣として絶対させないと。大臣いかがですか。
#94
○国務大臣(嶋崎均君) 今民事局長から御説明のとおり、この協会をつくるにつきましては会員が挙げてこれつくられるというような姿になっていくのだろうと思います。したがいまして、そういう背景の中で実態的にも複数的なものが早急に出てくるというようなことはないと思うし、将来も私は少ないのではないかというふうに思っておるわけでございます。御承知のように民法三十四条の法人でございますので、その設立指揮監督権は法務大臣が持っておるわけでございまして、そういう意味でも実態をよく見てこの問題の処理を図っていかなければならぬというふうに思っております。御心配のようなことはそうないのではないかというふうに思うし、またそういうときには十分配慮して判断をしなければならぬというふうに思っております。
#95
○小島静馬君 わかりました。
 次に、第十七条の六の一項でございますが、ずっとございまして「不動産の権利に関する登記の嘱託又は申請」ということになっておりますが、嘱託と申請の違いをまことに素朴な質問でありますが、教えていただきたいと思います。局長、お願いします。
#96
○政府委員(枇杷田泰助君) これは何と申しましょうか、登記所に対しまして登記をしてくれという意味では全く同じものでございますけれども、官公署あるいはそれに準ずるものがやる場合には嘱託ということで、いわば単独申請の形になるものでございます。申請の場合には、これは共同してやるというふうな形のものが多うございます。そういう場合でも一概に全部使い分けしているかどうかはちょっと問題があるのでございますけれども、要するに登記の申請をしてくれという内容のものを官公署等が官公署の責任で間違いがないからということで単独でやってくるものが嘱託であり、それから共同でやってくるもの、登記権利者、義務者が共同でやってくるもの、あるいは官公署からちょっと外れるようなものが、先ほど申しましたような形でやってくるものが申請ということで使い分けをいたしておりますが、はっきりした使い分けで全部の規定が表現できているかどうかについては自信はございません。
#97
○小島静馬君 そうしますと、官公署が単独でやるものを嘱託という、官公署にプラス民間的な性格のもの、そういうものが絡んで官公署が中心になってやるものを申請という、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#98
○政府委員(枇杷田泰助君) 大体そういうことでございますが、申請の場合には、官公署というふうなものは、はっきりしているものはほぼ嘱託という形で処理されておると思います。
#99
○小島静馬君 その前に「官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者」と、こういうふうに規定してございますね。「不動産の権利に関する登記の嘱託」と言いますと非常に明確になりますね。官庁がやることだ。申請というものが含まれまして、「公共の利益となる事業を行う者」というものが無制限に広げられていく心配はないだろうか。これは非常に実は心配になる点でございますね。この点と、それから今寺田先生のお話に関連しまして官公署の名前を随分挙げられたわけですが、これに例えば住宅金融公庫、ずばりこれは含まれるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#100
○政府委員(枇杷田泰助君) この公共事業を行う者というものの範囲を余り広げるというのは問題であることは、私どもそのとおりに考えております。したがいまして、本来ならばこの法律の中でその事業者を規定するということが一番望ましいのだろうと思いますけれども、このような事業はしばしば法律が改正をされまして新しいものができ、前のものがなくなっていくというふうな性格のものでございますので、これを法律で定めるということはいかがかということで政令で定めることにさしていただいたわけでございますが、趣旨としてはそのようなことで、余り広げるというつもりはないわけでございます。
 殊に、この司法書士の場合には不動産の権利に関する登記でございますので、その不動産というものに限定が加わっておるわけでございまして、そういうようなことからいたしますと、先ほど御質問がありました住宅金融公庫については、これは結果としては住宅を建てたりあるいはその建てた住宅に金融した債権を担保するための抵当権の設定ということにつながっていくのかもしれませんけれども、住宅金融そのものは不動産の権利の関係の公共事業というわけにはまいりません。したがいまして、そのようなものはこの対象には入らない、全く予定にいたしておりません。
#101
○小島静馬君 わかりました。
 次に、第十七条の六の二項の、先ほどもちょっと寺田委員のお触れになった問題にも関連があるわけでありますが、ここでは協会の社員はその「管轄区域内に事務所を有する司法書士でなければならない。」、こうなっておりますが、「事務所を有する司法書士」、ごく当たり前のように感ずるのですが、これはどういうことでございますか。
#102
○政府委員(枇杷田泰助君) これは実質的にはその法務局または地方法務局の管轄区域内で仕事をしている司法書士ということをあらわすために「事務所を有する」というふうに言ったわけでございます。司法書士は事務所を一個設けるということになっておりますので、そこで特定ができる。言いかえますと、その法務局、地方法務局に対応するその地域で仕事をしておられる司法書士の人が集まって協会をつくっていくのだということをあらわしたつもりでおります。
#103
○小島静馬君 御趣旨はわかりましたし、そうなければいけないと思うんですが、そうしまして今度は十七条の七の二項ですね。さっきの「司法書士会に入会している司法書士」というもの、これの違いは、じゃ、どういうふうにお考えですか。
#104
○政府委員(枇杷田泰助君) これも実質的には同じでございます。だと思いますけれども、若干表現が違いますのは、一つにはこの十七条の六の二項では会に入会しているという表現をしておりません。これは協会の法人法の面からとらえました場合には会に入会しているかどうかという制限は必ずしも必要でないということで外しております。それから十七条の七の二項の方は業務そのものでありますから、十九条との関係で先ほど寺田委員の御質問にお答えしたように入会している司法書士でなければいけないということでの表現で押さえております。
 それからもう一つの違いは、この十七条の七の方は事務所の場所のことを言っておりません。したがいまして、東京の司法書士の人が神奈川でできた協会の仕事も形の上では十七条の七ではできることになります。そういう点で法文の上では違いがございますけれども、実質的には同じことをねらっておるということが言えようかと思います。
#105
○小島静馬君 違いというのは、そうすると司法書士の資格は持っているけれども協会に入会しておらない、これも社員になれる、こういうことでございますか。
#106
○政府委員(枇杷田泰助君) 法文の上ではそういうことでございます。
#107
○小島静馬君 法文の上でなくては何かありますか、法文の上でそうなら。
#108
○政府委員(枇杷田泰助君) 実質的には会に入会しておらない方というのは事実上は司法書士の活動をされる方ではありませんので、協会の社員になるというふうなことの希望を出されるというふうなことはまずないだろうという意味で、実質上外れるというつもりで申し上げたわけでございます。
#109
○小島静馬君 じゃ、実質仕事をしない人を入れるような仕組みにしておく必要はなかったんじゃないでしょうか。
#110
○政府委員(枇杷田泰助君) そういう面はございますけれども、ただ、これは理論的な問題で、協会の社員というのは先ほど申しましたように法人法の領域でこの二項は書いているわけでございます。そういう場合に、業務ができるかできないか、入会しているかどうかというふうなことは、それは言わなくてもいいのではないかということで、いわば条文を簡潔にするためにつけなかったものでございます。
 要するに、法人の性格といいますか、法人法の考え方からすれば、会に入会しているということまでも要件にするという根拠が出てこないというだけのことでございまして、実質的にはおっしゃるとおり会に入会している者でなければ、この協会の社員にだけなって、何といいますか、公益法人に自分も一役買おうというふうなことはないだろうと思いますから、外れるということは結果として外れることにはなろうと思いますが、明文の上でそういったことを表現する必要はないということで書かなかったものでございます。
#111
○小島静馬君 ちょっとわからないんですけれども、まあよく勉強してみます。ただ、そういうふうに法律をつくる上で、そういうふうな体系的に何か必要があるのかな、そんな感じが今したわけでありますが、この点はよく研究さしてもらいましょう。
 それは実は後の問題と関連をしてくるわけですが、そのときにまた触れることにしまして、今度は協会の業務の問題、十七条の七の一項でございますが、協会は「各号に掲げる事務を行うことをその業務とする。」ということになっております。そこで、協会の名前で代理がそのままずばりできるかどうかということでございますが、いかがでしょうか。
#112
○政府委員(枇杷田泰助君) おっしゃるとおりでございまして、十七条の七の第一項は、本来司法書士あるいは調査士でなければできないことを協会という法人にもさせようということでございますから、協会の名前で登記の申請書を代理人として出したりするということができるということになります。
#113
○小島静馬君 つまりそのものずばり法人司法書士というふうに理解してよろしいわけですね。
 そうしますと、法人司法書士でございますので、司法書士の従来の当然の考え方でありますけれども、これは一身専属制であるというふうに言われておったわけですが、今度は法人の名前で代理ができるわけでございますから、その公嘱協会はそこで使っている人間、これに実質的な仕事はできるというふうに理解ができるわけですが、先刻の答弁とはちょっと違ってくるのじゃないだろうか、そういう気がするんですが、いかがでしょうか。
#114
○政府委員(枇杷田泰助君) 十七条の七の一項から申しますと、法人の名前で法人ができるわけでございますから、したがって法人の職員その他の者がだれであろうとできるということに、一項の限りではそうなるわけです。それでは、司法書士法、調査士法の建前と実質的に違ったことになってしまっては問題でございますので、そこで十七条の七の二項で実際の仕事をさせるのは司法書士会に入会している司法書士でなければいけないということで内容的に押さえているわけでございます。
#115
○小島静馬君 したがいまして、一項と二項と連結をさせてくると全体の趣旨がよく理解できるということであって、したがいまして、資格は持っているけれども社員になったって仕事は何にもないということであって、先ほどの問題、現実には仕事は何にもできない。同時に法人司法書士ではあっても現実の仕事は第十七条の二項において制約を受けるので、司法書士の資格のない人が実際の仕事をするということはあり得ない、こういうふうに理解をしてよろしいわけでございますね。
#116
○政府委員(枇杷田泰助君) そのとおりでございます。
#117
○小島静馬君 よくわかりました。さっきの問題もわかりました。
 次に、続きまして、そうしますと、今度は協会がいろいろな代理の仕事をもらいますね。もらうというか、受託を受けますね。そうすると、今度協会はいろいろ仕事を配分していきますね。これはそれぞれの社員である司法書士さんにそれぞれ仕事を配分していく、こういうふうな作業になりますか。それとも社員以外の人にも仕事を頼むことができるのかどうか。この点はいかがでしょうか。
#118
○政府委員(枇杷田泰助君) 実際は社員である司法書士、調査士に配分するということになると思いますけれども、法律の上ではそれを制限はいたしておりません。したがいまして、社員以外の司法書士、調査士に配分するということも認めておるわけであります。しかも、先ほどもちょっと申し上げましたように、隣の県の司法書士、調査士に頼むこともできる、形の上ではそうなっておるわけでございます。そういう配分の仕方につきましては、どういうふうにするかということは配分のルールを各協会で当然つくられることになると思います。その際に、ただいま申し上げましたような問題をどういうふうにするのが合理的かということを判断されてお決めになることだと思いますので、私どもは法律的に決めることではなくて、協会内でその社員の方が全部お集まりになって決めるべき事柄だろうというふうに考えておる次第でございます。
#119
○小島静馬君 御趣旨は大体理解できるつもりであります。ですから、実際には社員以外には仕事やることはないけれども、社員以外にやればやってもいいんだ、あるいはまた具体的にそういう事例があるかもしれませんね。手が回らないなんという場合も、あるいはあるかもしれない。しかしそこまでは縛らないで自主的に協会ごとに決めていくということでございますか。そうすると、その決めていくということは定款とかそういうものになるんでしょうか。
#120
○政府委員(枇杷田泰助君) それはどういう形で決められるかということはよくわかりませんけれども、定款で余り細部までのものを決めるというのはどうかと思いますが、定款でもある程度の大ざっぱな大筋は決めて、細部はまた規則的なもので決めていくというふうな形も考えられると思います。何にいたしましても社員の総意でもって決めるという形のそういう規定になることが望ましいというふうに思っております。
#121
○小島静馬君 ですから、この点はそこにつくられる協会がいわゆる自治的な、自主的なそういう方向で決めていくことであるので、そこまでは関与しないけれども、よその人が仕事をとったり資格のない社員以外の人が仕事をとったりということはまず心配ない、そういう方向で理解してよろしゅうございますね、その心配はないと。
 その次に、今度は前に戻りますが、十七条の六の三項でございます。ここで「協会の理事の定数の過半数は、社員でなければならない。」、こういうふうに決めてございます。この点で、例えば理事が十人選ばれるとしますが、過半数というのは六でございますね。六人はこれは社員でなければいけないということになりますが、あとの四人は社員でなくてもよろしいわけですか。どうですか。
#122
○政府委員(枇杷田泰助君) この法律による限りは四人は社員以外の者でも差し支えないわけでございます。
 なお、少し先走ったお答えになるかもしれませんけれども、この過半数というのも、さらに厳格にする定款を協会でおつくりになることも可能でございます。したがいまして、ある協会では理事の定数の三分の二以上は社員でなければならないというふうにお決めになればそれも有効ですし、全員社員でなければならぬとお決めになればそれも有効だということになろうかと思います。
#123
○小島静馬君 それでは、司法書士の仕事に全く関係のない小島静馬でも理事になれますか。
#124
○政府委員(枇杷田泰助君) この法律並びに定款で完全に全員という制限を設けていない場合で、社員の方々が役員になっていただきたいという希望であれば、それは当然理事におなりになることが可能でございます。
#125
○小島静馬君 私も政治家の端くれでございますので、官庁方面に私をセールスにやらせれば結構有効にきくのじゃないかと思うんですが、そうしますと、天下り云々という問題が今度の改正の問題点として常に議論され続けてまいりましたが、じゃ、十人の理事を選ぶのなら六人は社員にしよう、あとの四人は建設省からも一人持ってきて、運輸省から一人持ってきて、法務省からも一人来てもらおうか、こういうことにならぬでしょうか。
#126
○政府委員(枇杷田泰助君) 実際どういうふうなことになるかは予測の限りではございませんが、要するに社員以外の者が理事になれるというふうに決める協会においては、そういう方に来てもらった方が協会の運営が非常にうまくいくということからそういうふうにお決めになるだろうと思います。したがいまして、その際に官庁に勤められた人が協会の仕事のために非常に有能にできるというような場合には、そういう方を理事に迎えるということもあるだろうと思いますが、ただ、俗に言う天下りということだけをねらってといいますか、そういうことで社員以外の理事を決めるというふうなことはないのではないかと思います。
#127
○小島静馬君 この問題はなかなか微妙な問題でありますので、しかし、これもまた自主的に協会の方の定款とか、そういうものできちっと自分の姿勢を正していく、そのことの中で自主的に決めていってほしいというのがむしろこの改正の趣旨というか、その辺にねらいがあるんだというふうに理解していてよろしいでしょうか。
#128
○政府委員(枇杷田泰助君) そのとおりでございまして、法律で全員社員でなければいけないというふうに決めることは、かえって協会の運営を妨げることになるかもしれない。したがって、過半数というところまで法律で決めておいて、それ以上強い縛りをかけるか、あるいは具体的な社員総会においてだれを選ぶかということはまさに自主性、自律性の問題である、そこに任しておけばいいのではないかというつもりで、このような規定になっているわけでございます。
#129
○小島静馬君 大体お伺いしたい点は伺いましたので、時間が少し余りましたけれども、終わります。
#130
○委員長(大川清幸君) 本案に対する質疑は午前はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開会
#131
○委員長(大川清幸君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#132
○飯田忠雄君 私が以前申し上げておきました質問事項につきましてもう既に論ぜられたことが多うございますので、そうしたものを省きまして質問をさしていただきます。それで、追加をした部分が少しあるわけですが、これは司法書士の方が心配しておられる点を私のところへ申し出ておられますので、その問題について御質問を申し上げたいと思います。
 まず最初に、これは法律の規定の内容のことに関するものですが、処罰のところに業務の禁止についての規定がございます。この業務を禁止するという処罰ですが、これについて期間が定められていないわけですが、期間を定めないで一定の業務につくことを禁止するということは、憲法の二十二条一項の職業選択の自由の保障との関係で問題になるのではないかと思われますが、この点について御答弁をお願いします。
#133
○政府委員(枇杷田泰助君) 業務の禁止の懲戒処分がなされました場合には、司法書士、調査士はその業務を行うことができないわけでございますけれども、司法書士法で申しますと第四条の六号で、懲戒処分により業務の禁止をされた者は処分の日から三年を経過しない場合には司法書士である「資格を有しない。」という規定がございます。したがいまして、この裏の解釈になるわけでございますけれども、処分の日から三年を経過いたしますと司法書士となる資格がまた復活をする、したがってまた登録をすれば司法書士となる、あるいは調査士となるということができるわけでございます。そういう意味で、ただいま御指摘がありましたような無制限の期間ということにはならないわけでございます。そういう面からもただいま御質問のような事態は生じないだろうというふうに思います。
#134
○飯田忠雄君 法案の十七条の五に登録審査会の規定がございますが、この規定によりますと委員の委嘱ということがございまして、それには法務大臣の承認を受けることというのが必要条件として掲げてございます。このような法務大臣の承認を必要条件とした理由ですが、元来、これは司法書士会とかあるいは調査士会というものが委員を委嘱するのですから、それにこうした行政官庁が介入をすることを必要条件とするというその意味でございますが、いかなることでございますか。
#135
○政府委員(枇杷田泰助君) 登録に関する事務はもともと国がすべき行政的な仕事でございます。殊に登録に関しましても、登録の拒否とかあるいは登録の取り消しとかという案件につきましては重要な内容を持つものでございます。したがいまして、そういう事務を行う場合には非常に慎重に行わなければならないということから、登録審査会というものを設けまして、そこの議を経た上で会長が行うということになるわけでございます。そういう登録審査会というのは非常に重要な仕事についての公正な結果を担保するということで設けられたものでございます。
 したがいまして、その審査会を構成する委員というのは非常に厳選されなければいけない。実質上、公正な立場から判断をすべき人でなければならないということは言うまでもありませんけれども、また一方、それが外部の目から見ましても公正らしさといいますか、そういうものが担保されるということによって制度の信頼を得ることになるであろうということから、法務大臣の承認を得るということによってその公正さを客観的に裏づけをしようということで、法務大臣の承認にかからせていることになるわけでございます。このようなことはこの司法書士法、調査士法だけで考えられていることではございませんで、ほかの業法におきましてもそういうような形のものがとられているのが多うございます。そういう意味で法務大臣の承認制度というものをここに決めたという次第でございます。
#136
○飯田忠雄君 そうしますと、登録審査会というのは、これは私的な機関ではなくて、国が必要性を感じて特に設立を認めたものだと、このように理解をするわけでございましょうか。
#137
○政府委員(枇杷田泰助君) 結論的にはそのとおりでございます。もちろんこういう規定がなくても、司法書士会あるいは調査士会連合会におきましてそういう内部的な機関を設けることも可能でございますけれども、むしろそういう内部的な決め方で定めるべきものではなくて、法律上きちんとこういう制度を設けなければ公正が担保できないということで設けられたものというふうに思います。
#138
○飯田忠雄君 それでは、この規定の中で、法務省の職員とかあるいは学識経験者に委嘱する、こうなっておりますが、この法務省の職員というのはどういう種類の、どの程度の階級の、どのような条件を持った職員であるのでしょうか。また、学識経験者の学識の範囲ですね。学識とは一体何の学識なのか、経験というのは一体何の経験なのかということがどうもはっきりいたさないのですが、どのようになっておりますか。
#139
○政府委員(枇杷田泰助君) まず法務省の職員でございますけれども、この審査会の性格からいたしまして、司法書士制度あるいは調査士制度並びにその両者の業務の内容、そういうものを職務上担当しているとか、あるいは担当したことがある者というようなことが一番望ましいことになろうかと思います。これは民事局で申しますと民事局の第三課長が所管課長でございます。したがいまして、第三課長とかあるいは第三課長の経験をした者というものが一応ふさわしいものじゃなかろうかというふうに考えております。しかしこれはそういうような観点からどのような方に委嘱をしたいということの意思決定をまず連合会の方でしていただきまして、それでこちらの方と打ち合わせをするということが実際の運びになろうかと思います。
 それから、次に学識経験者でございますけれども、この学識と申しますのも、ただいま法務省の職員のところで申し上げましたように、司法書士、調査士の登録審査会の委員でございますから、司法書士制度、土地家屋調査士制度、あるいは司法書士、調査士が扱っております業務について学識がある方、それから経験と申しますと一番広い意味では人生経験と申しましょうか、総合的な登録の拒否とか取り消しとかというふうなことの判断をされるのに十分な人生経験、あるいはいろいろな社会での御経験を積んでおられる方という意味でございまして、先ほど申しました意味の学識と経験を備えた方ということで、まず連合会の方で人選をされるということになろうかと思います。
#140
○飯田忠雄君 経験というのは一般的な人生経験だというふうにおっしゃったと思いますが、この経験というのは登録審査業務をするにふさわしい経験ということじゃないでしょうか。それからまた学識につきましても、これは一体司法書士法だとかあるいは調査士法という法律を大学で講義しておったといったような学識なのか。それともそうではなくて、そういう業務に従事をしておってそれを学問的に研究したそういう人なのか。その辺のところはどうですか。
#141
○政府委員(枇杷田泰助君) 先ほどは学識と経験とを分割して御説明申し上げたわけでございますけれども、常識的には学識経験者というのは一口で言われるようなことでございまして、こういう審査会の仕事を自主的に十分におやりいただけるような学識並びに人生経験を含めたいろいろな広い視野での判断のできる方というような意味合いだろうと思います。そして具体的にはただいま先生がお挙げになりましたような、学問的に司法書士法、土地家屋調査士法その他のことを御研究になっておられる方、あるいはその業務に関する登記とかいうようなことについて御研究になっておられる方というものも当然入るわけでございます。ただ、そういうふうなことを学校といいますか大学あたりでやっておられる方に限られるわけではございませんけれども、おおむねほかの弁護士会その他の例を見ましても、そういうような方が選ばれるというふうなことが多い、そういう結果にはなろうかと思います。
#142
○飯田忠雄君 実はこうした御質問を申し上げましたのは、一部こういう法案が法律になりますと、実質的には司法書士に対する法務省の支配強化につながることにならないか、こういう御批判がございますので、そういう批判に対して、そういうおそれはないならない、あってもこういう防護策があるといったようないろいろの御見解があると思いますが、どのような御見解でございますか。
#143
○政府委員(枇杷田泰助君) 現在はこのような登録審査会というものはございませんで、法務局の長、あるいは地方法務局の長が登録すべき事由がないと思えば拒否をし、取り消す事由があると思えば取り消すということで、あとは行政不服審査法による不服申し立てということによって手続が設けられるという形になっておるわけでございます。これが連合会の方に登録の事務が移譲されるわけでございまして、したがいまして、連合会の方でまず自主的に登録の事務をお扱いになる。その場合に、その事務を公正に取り扱わせるということの担保のために登録審査会が設けられるわけでございますが、その審査会の会長は連合会の会長である。しかもその委員は法務大臣の承認は得るにしても連合会の方で人選をされるわけでございます。しかもその会員の中から委員が選ばれるということもあるわけでございます。
 したがいまして、現在のように法務局の長限りで決定をされることが連合会で決定をされる、そして連合会で自主的に選んだ委員による登録審査会で審議がされるということでございますから、現行法と比べますと、これは全く官の方の権限がほとんどなくなってしまって、そして会の方でそれを自主的におやりになるという形でございますので、強化をされるというふうな批判がどこから出てくるのか、実は私はその点については理解しがたいと思っております。
#144
○飯田忠雄君 この御批判の出てきたのは、結局法務大臣が審査会というものの実質を握っておられるで、法務省の所存いかんによって左右できるではないか、こういうところから出てきた御批判でございまして、司法書士の方々の中における御批判であるわけでございます。それでお尋ねをしたわけですが、どうかこの点については、その御批判に対してそのような批判されるようなことにならないような御措置をお願いいたしておきます。
 それから次に、改正法の十七条の六で「政令で定める公共の利益となる事業を行う者」、こういうことが書いてございますが、この公共の利益となる事業を行う者を政令で決めるということになりますと、その範囲は法律で決めた場合と違いまして、行政の都合によって拡大が自由である、こういうことになるので、そうなりますと、いわゆる公共嘱託登記をする場というものが大変広げられる、こういう御心配が司法書士の方々の中であるわけでございます。それで、これを絞って法律事項にできないか。法律事項にするとどのような不都合があるのか、こういう御質問が私の方に参っておりますが、法務省におかれての御研究はどうなっておりましょうか。
#145
○政府委員(枇杷田泰助君) 私どもの考え方といたしましても、この十七条の六の第一項で言いますところの「公共の利益となる事業を行う者」というのは、無制限に拡大して解釈すべきものではないということは基本的にただいま御指摘と同じ考え方でございます。したがいまして、そういう意味からいたしますと、ここでこの法律の中にそういう公共の利益となる事業を行う者を列挙するということが一番望ましいという形になりますが、そのようなことをいたさなかった理由が二点ございます。
 一つは、先ほども午前中の御質問にお答えをした点でございますけれども、このような事業の関係が非常に新しい事業が法定されてくる、そして前のものが変わるというふうなことで常時動く可能性があります。それを一々法律で改正をしていかなければならないということになりますと、時期におくれるといいましょうか、弾力的な運用ができないという面が一つございます。それからもう一つは、この「事業を行う者」というのが、実は政令段階ではっきりした形で表示されるということがあるわけでございます。その政令段階で表示をされるものを法律の上で表現するというのはちょっと法令の体裁からいってぐあいが悪いという面がございます。
 そういうことを勘案いたしまして、ここでは政令にゆだねることにいたしておりますけれども、先ほど来申し上げましたように、この「事業を行う者」をやたらに拡大するということは適当でないというふうに思っております。現実に政令の改正を行うという場合には両連合会の方にも十分に御意見を伺って、その上で司法書士あるいは調査士の領域全体の上での調和といいましょうか、そういうものを勘案しながら決めていくべきだろうという心構えでこれから運営してまいりたいと思っております。
#146
○飯田忠雄君 ちょっとほかの方に質問を変えますが、法案の十七条の七に関連する問題でございます。これにつきまして民事局長が衆議院で御答弁になった答弁の中に、これは協会についてですが、司法書士である理事が協会の業務執行を理事としてみずから補助者を使って行うことは理論的に可能であるという趣旨の御答弁をなさっておるということでございますが、それに関連しての御質問を申し上げたいと思います。
 まず協会の業務につきまして、その協会の業務は司法書士法二条一項各号の事務でございますので、そうしますと、司法書士の業務と協会の業務は同じ性質のものではないかというふうに思われますが、この点はいかがでございますか。
#147
○政府委員(枇杷田泰助君) 司法書士の業務と協会の業務とは、公共事業に関する登記に関します限りにおいては全く同一でございます。
#148
○飯田忠雄君 そうしますと、公共登記について特別に協会を設けまして、その協会に司法書士の資格を与えて事務を行わせる。先ほどの午前中の御答弁で、司法書士の資格を協会に与えたんだと、こういう御答弁があったのですが、まあそれはそうだろうと思いますが、そうしますと、個々の司法書士ではとても多量の事務を扱い得ないので、したがって司法書士の団体をつくって、それを協会としてそれに仕事を任せる、こういうお話のように受け取れるわけでございます。
 そこで、もし個々の司法書士一人や二人ではとてもだめだということであれば、それじゃ、司法書士が団体を組めばいいのかという考え方が出てくるわけでありまして、司法書士会に所属する一つの法務局なりあるいは地方法務局なりにおるところの司法書士が全部合同で仕事をもらい受けるということをすれば協会は要らないのではないかという、これもまた司法書士の方の御批判でございますが、あるわけなんです。こういう点につきまして、どうも午前中の御説明を承りましても決め手がはっきりわからないのですが、もう一度御説明を願います。
#149
○政府委員(枇杷田泰助君) この公共嘱託登記の関係につきましては、非常に大量の事件がまとまって出てくるということがあるわけでございます。これを処理するためには一人の司法書士あるいは調査士では処理し切れないという問題があります。したがいまして、そのような大量な事件を受ける場合には実質上数人がまとまって受けざるを得ないわけでございます。現在のところはそれを受託団と言っておりますけれども、司法書士あるいは調査士が一緒になりまして数人の者が一つの受託団という団体をこしらえます。そして発注官庁の方から仕事を受けまして、そこで処理をしてやっておるわけなんです。そういう面ではある程度そのやり方で成功いたしておる面がございます。
 しかしながら、その場合でありましても、契約の当事者はその受託団を構成しております数人の司法書士または調査士が契約の当事者で、いわば共同受注という形になってしまうわけであります。そういう形でございますと、発注官庁の方ではいろいろな面からどうも発注がしにくい、何とか法人格のあるものにしてもらえないだろうか、そうすれば大変発注がしやすいのだがという声が大きいわけでございます。そういうふうなことがございまして、その受託団方式によります現在のやり方というものが一つの壁にぶつかっておるというのが現状でございます。その壁をぶち被るためにどうしても法人格が得られるようにしたいというのが両連合会からの強い御要望でございます。その御要望を受けて今度のように法人格を付与するという方向に踏み切ったという経緯になるわけでございます。
#150
○飯田忠雄君 その協会につきましてですが、協会はこれは協会の資格で委託を受けて司法書士の仕事ができる、こういうことのように承っておりますが、それでその協会については、協会は必ず事務所をつくらねばならぬという事務所設置義務を法定したということもそれでわかるわけですけれども、そうしますと、この協会というもので仕事をする場合に、理事とその理事のもとで働く職員とでその司法書士の仕事を行うということにならざるを得ないと思います。理事は協会の業務、これは法人としての協会の業務を行うと同時に司法書士としての仕事も行うということになることであろうと思います。
 そこで問題になりますのは、司法書士の仕事をする場合にいろいろの文書をつくるわけですが、この場合に協会の名前で文書ができることであろうと思いますが、それとも協会に属しておる司法書士の名前で文書をつくるのでしょうか。申請書などどうなりますか。
#151
○政府委員(枇杷田泰助君) 発注官庁の方からその嘱託を受けるのは協会それ自体でございます。法人としての協会が受けるわけでございますので、したがいまして、その発注の内容によって、いわば登記の嘱託であり、申請代理というような代理権まで付与して嘱託を受けます場合には協会が代理人となって登記所の方に申請書を出すということは、これはあり得るわけです。ただ書類の作成だけの依頼を受けますれば、これは書類を作成して官公署の名前で嘱託ないしは申請をするということになります。いずれにいたしましても協会はその書類上あるいは申請行為の中で名前が出てくるということがあるわけでございますけれども、それから協会からさらに十七条の七の第二項の規定による事務の取り扱いを委託された司法書士の名前が外に出ていくということはない関係に立つものと思います。
#152
○飯田忠雄君 協会が仕事を行う場合に、書類をつくる名義人は協会だといたしました場合、その書類を実際に書くのは一体理事が書くのでしょうか。それとも司法書士の資格のある職員が書くのでしょうか。あるいはそういう資格は無関係に書類は書いて、それを協会の名前で出せばいいのでしょうか。その点いかがですか。
#153
○政府委員(枇杷田泰助君) あるいは御質問に真正面からお答えしたことにならぬかもしれませんけれども、協会が仕事を受けますので、その協会はその仕事をこなすためにこの十七条の七の第二項の規定で司法書士にその仕事を取り扱わせるということになる場合には、その取り扱いを命じられた司法書士が書類を作成するということになります。それからまた、これは例外的ですけれども、理事が、もちろんそれは司法書士の資格がなければいけませんけれども、その理事が直接やるというふうなことも可能でございます。いずれにいたしましても、その書類作成ということ自体は司法書士が本来やるべき業務でありますから、協会内部で処理をする場合でもこの十七条の七第二項の規定に従って司法書士の資格がある者、入会している司法書士でなければつくれないということになるわけでございます。
 それから、先ほどの御質問についてちょっと言い落としましたけれども、協会からさらに復代理という形で司法書士が名前を出して申請等行うということも、これは理論的にはなくはないということをちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
#154
○飯田忠雄君 私、実はまだわからない点ですが、協会が仕事を受けて協会が司法書士の仕事をする、この場合に協会は司法書士の資格があるというふうにお考えになってのことでしょうか。
#155
○政府委員(枇杷田泰助君) 実質的な意味では協会に司法書士の資格があるというふうな感じでこの法案がつくられておりますけれども、形式的な意味では協会は司法書士ではございませんし、司法書士の資格云々ということはないわけでございます。このような法律で決められました協会の場合には、司法書士でないけれども司法書士の仕事をしてもいい、そういうものだというふうな形で法案はつくられております。実質的にはいわば司法書士の資格を与えたといってもいい内容でございますけれども、形式的には司法書士でないけれども司法書士の業務に関する仕事をさせるというふうに構成しているというようにお考えいただいた方が正しいのではないかと思います。
#156
○飯田忠雄君 協会の理事の中には司法書士の資格を持った理事がおられるわけで、その司法書士の資格を持っておるから司法書士の仕事ができるというそういう意味なのか。あるいは協会自体が司法書士の仕事を行うことができるという意味、つまり理事が仕事をするということは協会が仕事をするということですから、それは司法書士としての資格で仕事をするのではなしに、なるほど司法書士の資格を持っておるけれども理事の資格で仕事をするのかという点でございますが、理事の資格でやるということであれば協会が仕事をするということになると私は思います。その辺のところをひとつ明確に御答弁願いたいんです。
#157
○政府委員(枇杷田泰助君) 純粋に法律関係から申しますと、受注官庁である官公署と協会との関係では、まさに協会が司法書士の業務そのものを行うという形で出てまいります。しかしながら協会は法人でございまして、司法書士である資格を持ち得べくもないものでございます。それなのに司法書士の業務を行わせる、行うことができるというふうにするためには実質的な裏づけというものが必要である。そういうことから、協会が現実に仕事をする場合には理事が直接協会の業務執行としてやる場合がまずあるだろう。その場合には、その業務執行としてやる理事は司法書士でなければいけませんよと。それからもう一つは、協会の理事が直接の業務執行としてやるのではなくて、これを下請と言うと語弊がございますけれども、協会外の者にまたさらに委託をしてやるという形で処理することもあるだろう。その場合には、さらに委託を受けて実際上の仕事をする人は入会している司法書士でなければいけませんよということを十七条の七で決めまして、そういう実質的な裏づけがあるから、したがって協会という法人に司法書士でないけれども一定範囲内において司法書士の業務に属する仕事をさせることにした、こういうことになるわけでございます。
#158
○飯田忠雄君 ちょっと違った観点から御質問申しますが、書類をつくるに当たりましてタイプを打ちますね。あるいはワープロでも構いませんが、そういう作業は司法書士の資格を持った者がみずからやらねばいけないのか、あるいはそうでないのか。その点はいかがでございますか。
#159
○政府委員(枇杷田泰助君) タイプを打つとかいうような機械的な仕事そのものは、これは司法書士の補助者、調査士の補助者がやってもいい仕事というふうに考えられております。ただし機械的なことじゃなくて、その文案を考えながらやるとかというふうなことになりますと、これは単なる機械的な補助的な仕事ではございませんので、したがいまして司法書士あるいは調査士が本来やるべき事柄だというふうに思います。
#160
○飯田忠雄君 それでは、司法書士の資格を持った職員なり理事なりが口頭でもって言いまして、それを実際に文書に書くのは資格のない人が書くということはいかがでございますか。
#161
○政府委員(枇杷田泰助君) それは差し支えないわけでございます。現在、個々の司法書士あるいは調査士の事務所におきましても資格のないそういう方を補助者として使って、そして現実には物理的な意味での書類作成は行っておるところでございます。
#162
○飯田忠雄君 その指示する仕方の問題、範囲の問題ですが、簡単にこれこれの書類をつくっておけ、こういう指示でやった場合には違反になりますか。
#163
○政府委員(枇杷田泰助君) それは大変難しい問題でございまして、長年その補助者としてといいましょうか、その事務所で経験を積んでおられる人の場合には、もう何か個々の一字一句の文案を指示しなくても、大体のところで言えば、ああ、あの決まった文案であるとか、この前やったのと同じ文案であるとかということがわかる。そういう状態における指示に基づいてやる場合には、これは機械的な仕事というふうな評価ができようかと思います。
#164
○飯田忠雄君 多くの場合、要式行為になっておりますね。ですから、様式はもう印刷してあるんですから、簡単に題目だけこれこれのことをやれ、こう命じてやってもできるわけですね。別に司法書士の資格がなければできないというような難しい仕事じゃないわけです。そうしますと、そういうことができるということになりますと、協会に司法書士の資格を持った者が一、二名おれば、あと莫大な仕事は全部補助者でもってできる、こういうことにならないでしょうか。
#165
○政府委員(枇杷田泰助君) その補助的な事務というのを具体的な公共嘱託登記につきましてどこら辺で線を引くかという問題にもかかわりますけれども、あるいは今おっしゃったようなことも全く物理的には不可能ではないということも、それはあろうかと思います。
#166
○飯田忠雄君 実は司法書士の方が御心配になっている点はこのことに関する問題であろうと私は推察しておるわけですが、地方法務局なりあるいは法務局の単位で協会をつくりまして、そこへ公共嘱託登記を全部依頼するということになりますと、司法書士の数はそれほど多くはなくても、少数の司法書士を協会に置けば、あとは司法書士の資格のない人を雇えば十分仕事ができる、しかもそれは法律上違法でない。こういうことになると考えられますが、これは法律上は違法でないという問題と、実際上政府がどういうふうに御指示なさって行政か行われるかという問題は私は違うと思いますよ。が、少なくとも法律上はそれが可能ではないかと考えられますが、この点についての御見解はいかがでしょうか。
#167
○政府委員(枇杷田泰助君) 法律的には、ただいまの御設例のような場合に、司法書士でない者に扱わせる仕事というのが十七条の七の第二項で言っている事務の取り扱い方になるかならないかという判断は残ります。したがいまして、ただ名板貸し的に数人の司法書士がいて、あと資格のない者が大勢いて司法書士がやったという格好をつけるというふうな場合には、これは実質的には十七条の七の二項に反することでございますから、それは当然禁止されるということになります。ただ、先ほど来申し上げておりますように、その補助的な業務というのがどこで線を引くべき事柄であるかということについては実際上難しい問題はありますけれども、理論的にはそういう形さえつくれば何でも違法にはならないんだということにはならないということになろうかと思います。
#168
○飯田忠雄君 別の問題に移りますが、協会の理事とか職員となられた司法書士の方、こういう方の仕事の場というのはその協会の事務所ではないかと思われますが、司法書士法によりますと、司法書士は事務所を置かねばならぬとなっていますけれども、数が書いてないですね。何カ所置いてもいいとか一カ所に限るとか、そういうことは書いてない。そこで解釈の問題が起こるわけなんですけれども、司法書士が事務所を移動させるときは届け直せ、こうなっている。そうしますと、司法書士が一個の事務所しかない場合は移動するために届けることになりますが、二個持っている場合に、例えば協会の事務所と自己固有の事務所、こうございました場合に、どちらの方の事務所がその司法書士の事務所として認定を受けることになるのかという問題がございますが、この点はいかがですか。
#169
○政府委員(枇杷田泰助君) 司法書士の場合には規則で事務所は一個というふうに定められております。いずれにいたしましても、ただいまの御質問の点で申しますと、司法書士の個人としての事務所と、それから協会の事務所というものが二つあり得るわけでございます。もちろん個人の仕事につきましては本来の個人の事務所でやるのが普通でございますけれども、協会の仕事をやります場合に、そのやり方といたしまして、この十七条の七の第二項で当該司法書士がまた委嘱を受けてやるという場合には、自分の事務所でやることもこれは当然いいわけでございます。
 ただ、大勢の共同作業でやるというふうな必要がある場合には、どこかで集まってやらなければいかぬというふうなことが実際上生じます。そういう場は恐らく協会の方で提供するということになろうと思います。協会の事務室等にそういうスペースがある場合にはそこでやるということもあるかもしれませんし、あるいはグループを組んだだれかの事務所のところに集まってやるということもあるのかもしれません。しかしながら、いずれにいたしましても、そういう協会の関係での仕事については自分の事務所でやってもいいけれども、その他合理的な決められた、まあ決められたといいますか、合理的な場所に集まってやるということも妨げられるものではないと思います。そういう意味では、何と申しましょうか、比較的協会の仕事をやる場合には一般の司法書士とは違う類型の事務処理がなされるということにはなってまいろうかと思います。
#170
○飯田忠雄君 司法書士の事務所は単一でなければならぬというふうに規則で決めてあると、こういうお話でございましたが、現在、このたびの改正法では司法書士の事務所のほかに協会の事務所も持つことになっておりますので、それで私は法律に決めてないからここで持つことができることにしたのかと、こうとったわけでございますが、もちろん規則は改めてもらわねばならぬですけれどもね。
 そこで、協会の理事という人あるいは職員となっておる人が司法書士である場合に、その人は協会でだけしか仕事ができないというふうに限定されることになるのか。あるいはそうでなしに、協会とは別に自己の事務所も持つことができるのかという問題があるわけなんでございます。自己の事務所を持っておる人が理事になった場合は実質上事務所が二つあることになるわけです。それで、一体この二つの複数の事務所の設置を認めるのか、あるいは理事となった場合には自己固有の事務所は閉鎖して協会でのみ仕事を行うのか、こういう問題があるわけです。これは職員の場合も同じなんですが、いかがでございますか。
#171
○政府委員(枇杷田泰助君) 司法書士は事務所を設けなければなりませんので当然事務所を持っているわけでございますが、その司法書士の人が協会の理事になったという場合には当然に個人の事務所を閉鎖するなんというような関係に立つものではございません。それは司法書士である以上は自分の司法書士の業務を行う事務所を持っていなければならないわけでございます。協会にも事務所がございますが、これはあくまでも協会の事務所でございまして、司法書士法あるいはその規則で言っている司法書士の事務所ではないわけでございます。したがいまして、その理事になられた方は協会の仕事をする場合には協会の事務所でお仕事もなさるでございましょうが、司法書士として仕事をする場合には、これは本来は自分の司法書士の事務所、個人の事務所でされるのが原則ということになるわけでございまして、そこら辺は業務の内容によるわけでございます。
 一番はっきりしておりますのは、理事さんが協会の庶務的な仕事をされるという場合には、これは協会の事務所でおやりになるのが当然だろうと思います。しかし全く協会とは関係がない個人としての依頼者からの嘱託を受けた司法書士の業務をやる場合には自分の事務所でおやりになるのが、これが原則になるべきものでございましょう。ただ、協会の仕事として司法書士の業務に関するような仕事をもしやるという場合には、これは個人の司法書士の面をとらえますと個人の事務所でやるのが原則になりますけれども、協会の仕事としてやるという場合には協会の事務所でやってもこれは特に違法だというわけにはいかないだろうという関係が生ずる問題だろうと思っております。
#172
○飯田忠雄君 ここで非常に疑問がわいてくるのですが、協会は司法書士業務をする力があるわけですね。そういうことを許されておる。しかも協会の仕事をするといったって法人という目に見えぬ団体が仕事ができるはずがないので、法人を構成しておる自然人である司法書士の資格を持った人が行うわけでございますね。そうすると、自然人である司法書士の資格を持った人が司法書士の仕事を行う、協会において協会の仕事としてその司法書士の仕事を行うということは、協会が行い得る司法書士の仕事を行うのではないか。そうであるならば、個人の司法書士というものから離れて協会を構成する職員なり協会を構成する理事というもの、協会構成という言葉は悪いんですが、協会において働いておる理事なり職員というものが協会の司法事務を行うことになるのではないか。
 その場合に職員なり理事なりの司法書士という資格は、これは協会の司法書士の資格なんですね。協会が持っておる、協会が自分の仕事をやるための道具であるわけです。そういうものが協会においては必要で、それを切り離して協会の司法事務処理ということはできないはずなんでございますが、それを認めますと、その協会の職員となった人あるいは理事、これは協会の名前において一つの事務所を持ち、自己の名前において別の事務所を持つというわけでございまして、同一の自然人である司法書士なんです。同一の自然人である司法書士が協会の名前において事務所を持ち、自己の名前において事務所を持つ。これは複数の事務所を持つことに実際上はなりますね。そういうことになりますというと、やはり複数設置禁止といったようなことは実質的には崩れておるのではないかと、こう思われますが、その点いかがですか。
#173
○政府委員(枇杷田泰助君) 司法書士である理事の場合には若干複雑なわかりにくい関係に立つかもしれませんけれども、私どもの考え方は十七条の七の二項で書いてございますけれども、協会が発注官署から受けた事務、これを司法書士に配分をしまして、そこで実際上の仕事をさせるというのが原則だというふうに考えております。したがいまして、協会内部では定款かあるいはその定款規定に基づく規則かなんかで配分のルールというものをきちんと決められるものだというふうに思っておりますが、その配分ルールに従って配分を受けて仕事をする司法書士というものを原形として考えておるわけでございます。
 その配分を受ける司法書士の中にたまたま理事である者が入ってはいけないという理屈はございませんから、理事もまた配分を受ける司法書士としてその仕事を受けるということもあり得るわけであります。この場合には理事として受けるのではなくて、いわば配分ルールに従って受ける個人の司法書士という資格で受けるわけでございますから、その場合にはその個人の司法書士の事件受託と同じ関係に立つわけでございますので、自分の事務所で仕事をするのが本則になると思います。
 ただ、配分ルールで決めましても、最後にだれも事件の受け手がいない、そういうことはまずないと思いますが、みんな手いっぱいで受け手がない、しかし協会としてはどうしてもその仕事をやらなければ発注官庁との間の契約違反になるという場合には、まさに業務執行権としてその仕事をこなしていかなければならぬという場合で理事が仕事をするということも理論的には皆無ではないと思います。そういう場合の理事は、個人として配分を受けた、要するに協会から委嘱を受けた立場ではなくて、協会の業務執行としてやる場合でございますから、これはその協会の事務所でやるということがむしろ原則になろうかと思います。
 しかし、そういうふうな理事が業務執行そのものとしてやるというケースは、先ほど申し上げました配分の規則の中では極めて例外中の例外としてしか扱われない。むしろ実際上はあり得ないことだと思いますので、ただいま御心配のことは現実問題としては余り生じないのではないかというふうに思っております。
#174
○飯田忠雄君 協会が法人の業務執行機関として登録事務を行うということは余り起こり得ない、こういうお話でございましたが、実は司法書士の方が一番心配しているのは、そういうことが起こり得るのではないかという御心配であるように思われます。理事がみずから仕事を行っていった場合に、これは理事一人でもって補助者を多く使えば、大抵全部の公共嘱託登記はできるということになってきますと、結局一般の方へ仕事が回らないようになるのではないか、こういうことが今日司法書士の方の中で真剣に考えられて心配をされておることであります。
 それで、きょう民事局長のお話で、そういうことは余りないんだというお話でございました。これは法務省としてはそうないであろうことを望むという、こういう御意見であろうと私は拝聴いたしましたが、司法書士会が果たして法務省の御見解どおり動くであろうかという点が心配だというのが個々の司法書士の方の心配されておる点でございますので、この点につきまして法務省としての将来の監督権ですね。どのように監督をなさって間違いのないようになさるおつもりであるのか、伺いたいと思います。
#175
○政府委員(枇杷田泰助君) 一般的に申しまして、公益法人でございますから、その業務の執行につきましてその主務官庁としての監督権からいろいろなことを申し上げるということはあり得ると思います。ただ、この協会の内部のことにつきましては一から十まで監督による命令で動かそうというつもりは実は私どもないわけでございます。よほどのことでなければそういう監督権は発動すべきものではないというふうに考えております。
 先ほど御心配になられましたような事情というのは、理事が要するに社員であるとか、あるいは司法書士の多くの方々の意向に反して自分が仕事をまとめてとってしまうというふうなことの心配だろうと思います。しかしながら、理事は社員総会によって選任されるものであります。したがって、全く不都合なことをする理事の場合には社員総会でそれを解任することも可能であるわけであります。しかもまた、先ほど申しましたように、配分のルールというものを規則で恐らく決めると思います。その規則も社員の総意で決めるべき事柄でございます。そういうふうなことを無視してするという者がある場合のその排除、是正の仕方というのは、まさに司法書士会の方でかねがね言っており、またこの法律が目指しております自主性の尊重、自律性の尊重という面からいたしますと、みずからが律して始末ができる事柄ではないかと思います。また、仮に協会の方がそういうことでうまくいかないという場合には、会の方から今度は助言をするというふうなこともできるようにいたしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、その社員であるとかあるいはその業務に携わる者は、みんな同じ会の司法書士会員でございます。そういう者の集まりが協会をつくり、そしてまた会という立場で側面から助言をするという仕組みになっておりますので、むしろ非常に自主性を尊重して、自分たちの立場を尊重してくれということを声高らかにおっしゃっておる司法書士の皆さん方が、自分たちで自律できないから心配だ心配だと言われるのはむしろ私はどうかなと思っておる次第でございまして、必ずやうまくいくであろうと思います。万一うまくいかなかった場合には公益法人に対する主務官庁の監督権を発動するということは、余地は十分にあろうと思いますが、第一番目にはまず自主的におやりいただきたいというつもりでおります。
#176
○飯田忠雄君 それでは、これは非常に小さな問題で恐縮ですが、実は司法書士の方からお尋ねがあったので、私に理解ができないので御質問申し上げますが、司法書士法の第二条に掲げておりますところの司法書士の業務は不特定多数の人により嘱託を受けて登記事務をすることだ、こうなっておるのですが、協会の仕事の方は法人の業務執行機関として登記事務を行うのであるということになりますと、これは不特定多数のじゃなくて特定の法人の業務執行機関として登記を行うのですから、司法書士法に書いてある司法書士の業務とは性質が異なるのではないか、こういう疑問なんでございますが、この点はいかがでしょう。
#177
○政府委員(枇杷田泰助君) 私もそういう疑問の真意というのはよくわからないのでありますけれども、なるほど司法書士の業務というのは特定の人のために門戸を開くものではなくて、だれからでも受託を受けなければならないというふうになっております。正当な事由がなければ嘱託を拒むことができないという制度になっておる。そういう意味では広くだれからでもということになるわけでございますが、したがいまして官公署等からの嘱託も拒んではいけないという原則があるわけです。ただし、その一定の範囲内の事業に係るものについては、これは司法書士としても受けられるけれども、その一定範囲のものについてはその協会が仕事が受けられるというふうにしただけのことでございまして、司法書士の本来あるべき姿というものを一つも変更したものではない。先ほど来申し上げておりますように、司法書士でない協会に司法書士の業務をさせることができるようにするというために一定の制限を加えただけでございまして、司法書士制度の本来の性格を変更したものにはならないというふうに考えます。
#178
○飯田忠雄君 この質問は、実は協会の職員がいろいろ司法書士の仕事に類することをやったとしても、それは司法書士法に言う司法書士の仕事じゃないんだから違法ではないじゃないか、ですから、そこの協会の理事がおられて、そこへたくさんの非司法書士の人、司法書士でない人を雇いまして仕事をすることも一向差し支えないではないか、司法書士でない人がその仕事をしたとしても、それは元来司法書士法に言う司法書士の仕事をしたのじゃないんだから差し支えないではないかという、こういう意味での質問であったわけですね。
 そこで、関連しての質問ですが、業務執行を手伝わした補助者の身分でございますが、これは協会との関係でいいますと職員なんでしょうか、職員じゃないんでしょうか。例えば協会が引き受けた仕事をほかの司法書士にやっていただくために配分いたしますね。その場合に、それは補助者として認め得るのではないか、補助者ではないか、こういう見解なんです。補助者であれば、協会との関係でその司法書士は職員となるのか、あるいは職員でないのか、こういう意味ですが、いかがでしょう。
#179
○政府委員(枇杷田泰助君) この協会の内部におきます職員というのが実質的には個人の司法書士の事務所の中で同じことをやっていたとすれば、補助者の仕事だという評価を受けるような仕事があるいはあるかもしれません。しかし、あくまでもそれは協会の事務としてやっている限りにおいては、これは司法書士の補助者ということにはなりようがないわけであります。なぜならば協会は司法書士ではございませんから、司法書士の補助者ということにはならない。ただし、その職員の仕事が協会の庶務的な仕事というものを離れまして、かなり実質的に司法書士の仕事そのものをやるという関係に立つ場合には、これは先ほどの御質問との絡みになろうかと思いますけれども、これは司法書士法違反になるということになるわけでございまして、どうもただいまの御質問もどういう観点から先生の方に問題を提起したのか、ちょっと真意を解しがたい面もありますけれども、性格論的に申しますと、協会の職員は協会の補助者ということはあり得ないということだけは明確に申し上げることができようかと思います。
#180
○飯田忠雄君 ちょっと私の質問の仕方が悪かったかもしれませんが、協会でいろいろ仕事を受けまして、それを協会でない、外の、協会の会員ではあるけれども職員じゃない司法書士、それに仕事を請け負わしたという場合に、協会がやるべき仕事を請け負わしたんですから、これは協会の補助者ではないか、普通の司法書士は補助者ではないか、その補助者は広い意味では協会の職員ということにならないか、こういう質問なんです。
#181
○政府委員(枇杷田泰助君) それは誤解をいたしまして失礼いたしました。
 協会が、先ほど例外的に理事が業務執行として実質的な仕事をする場合もあると申し上げましたけれども、それは全く例外でありまして、原則的には司法書士にその仕事をまたさらに委嘱するわけでございます。その委嘱関係におきましては、協会と司法書士との関係は通常の場合の一般市民の方々が自分の登記事件について司法書士に委嘱する関係と同じでございまして、そこは別にその司法書士が協会の職員になるわけではない。例えば、ある商事会社が自分の商業登記に関係する事件を処理することを司法書士に頼んだ場合に、その委託を受けた司法書士が委託者である会社の社員にならないというのと全く同じ関係に立つものだと思います。
#182
○飯田忠雄君 このたびの改正法の文字を素直に読んだ場合に協会自身が司法書士の業務を行うというふうに読めるものですから、これが原則であって、下請に出すのはこれは二の次だというふうに読める規定になっているものですから、それでそういう疑問が生じてきたんだと思います。
 そこで、もう時間がありませんので、一つ最後に罰則の点ですが、協会にも司法書士に課した嘱託拒否禁止が義務づけられております。協会の義務違反行為につきまして協会の理事または職員を罰するものとしておりますが、この規定は義務のない者に義務違反を認め、権能のない者に法が禁止する事務、いわゆる司法書士の無資格事務を強制するものであると思われますが、どうでしょうか。つまり罰則の対象とされるものは司法書士の資格を有する理事または司法書士の資格を有する職員だというふうにしないで、単に「理事又は職員」と、こう書いてありますので、司法書士の資格云々を離れて罰せられることになるのですが、それはどういうことでしょうかと、こういう質問でございます。
#183
○政府委員(枇杷田泰助君) この協会は自主的に司法書士ということに扱うわけでございます。したがいまして、官公署の方が協会にこういう公共事業の関係の仕事を受けてくれといったときに拒否をするようではこういう協会をつくった意味が成り立ちません。したがいまして、正当な事由がなければ協会はその嘱託を受けるべきでありまして、協会は受けるという義務は当然に負うわけであります。ところが、その拒否をするという場合に、協会は自然人ではございませんので、実際に拒否行為を行うというものは、これは自然人、協会内部における自然人でございます。多くの場合には業務執行権を理事が持っておりますから理事が拒否をするだろうとは思いますけれども、内部関係から申しますと、例えば会社の場合には取締役でない部長とか課長とかが交渉権限を持ってやるという例もあるように、協会でもそういう業務執行権を持っていない職員が事実上交渉権を持ってやるということもあるだろうと思います。そういう自然人が拒否をして、その結果受託が成り立たないという場合には、これは資格の問題ではなくて協会の業務のあり方の問題になります。
 したがいまして、そういう拒否をした場合には協会を罰すると同時に、事実上その拒否行為をした理事あるいは職員を処罰すべきだということになるわけでございまして、それは司法書士の資格を持っている理事とか資格を持っている職員とかということには論理的に結びつかない問題でございますので、したがいまして、そういう資格の制限はこの規定の上では置いておらない次第でございます。
#184
○橋本敦君 じゃ、引き続きまして、私の方からも法案に即して質問をさしていただきます。
 まず、基本的な問題でありますけれども、今回の改正は、一つには司法書士会と土地家屋調査士会、いわゆる両士会でありますが、この両士会における自主性の向上や自治機能の強化、こういった方向で非常に重要な第一歩を開くものだというようにとらえることができると思うのであります。それが一つは登録事務がそれぞれの会に移譲されるということになってあらわれているわけであります。しかし、これは両士会の多年の要求また念願に基づくものではありますが、果たしてこれだけで十分かということになりますと、今後とも両士会の社会的地位の向上や、法律実務専門職としての資格の確立や、それと合わせてさらに自治機能の強化に向かっていくのが私は大事な課題だろうと、こう思っているわけであります。
 そういう意味で、この法案は両士会の自主性の確保あるいは自治機能の強化についてはこれだけで終わるのではなくて、新たな第一歩を開いて、今後ともそういう方向に向かって法務当局としても指導なり助言なりを深めていく、こういう立場で見ていただかなくてはならぬ問題だと、こう思っておりますが、その点についての基本的なお考えはいかがでありますか。
#185
○政府委員(枇杷田泰助君) 司法書士法、調査士法ともに会の制度を設けておりまして、強制加入の措置がとられておるわけでございます。そういうのは、会がといいますのは、その会員がお互いに戒め合い励まし合い、切磋琢磨して、そして自律的に自主的に司法書士会あるいは調査士会の会員の資質を向上し、そしてその両制度の目的とするところを十分に実現してもらうということをねらっているから会制度ができ、強制加入制度ができておるわけであります。したがいまして、会がますます自律性を高め、自主性を高めていくということは、これは本来司法書士法、調査士法のねらっておるところでございます。そういう方向にいくことについては、私どもも大いに期待をいたしておるところでございます。現にこの両制度ができましてから今日まで、そういう面では、言葉は適当でないかもしれませんけれども、両会とも相当な私は成長をしてきたということを感じておる次第でございます。したがいまして、方向としてはますますそういうことで会の自主性が高まっていくということは望ましいことだというふうに考えております。
#186
○橋本敦君 そこで、まず問題になる登録事務の移譲に関して若干の質問をしたいと思うのですが、これは法案によりますと、登録は当該範囲の会を通じて連合会に行う、そして連合会がその登録を行うというように第六条第二項で決められておるわけですね。そこで、この連合会のどこの機関が登録を受理し承認するというように法務当局は考えていらっしゃるのか。これが一つの問題点。
 それからもう一つは、単位会を通じて申請をするという手続になっておりまして、私はこれは当然だと思うのですが、それに加えて登録を受理するか否か、あるいは登録の取り消しに関してもそうですが、現場において最も密接な関係を持ち、また最も具体的に判断しやすいのは連合会よりもむしろ当該単位会であろうと思うんです。したがって、登録の受理に関して単に手続的に申達するだけではなくて、単位会としてその登録に関連して意見を連合会に言うことができるし、連合会もその意見を徴するという手続をとることは決して私はマイナスではない、いい方法だというように考えておりますが、局長の御意見はいかがですか、お伺いいたします。
#187
○政府委員(枇杷田泰助君) ただいまのお話の連合会と単位会の関係でございますけれども、単に機械的に書面の送達機関というふうなことで単位会を位置づけるべきではなくて、むしろ連合会の方で判断する資料を単位会の方では積極的に取りまとめ、そして意見があれば意見を述べるという関係にしなければならないと思います。そういう関係につきましてはまさに会内部の仕事のやり方の問題でございますので、連合会の会則でその辺は明記をすることが私ども望ましいとかねがね思っておりますし、連合会の方でも大体そのようなことで処理をされるように聞いております。
#188
○橋本敦君 私もその点は同感でありまして、十七条の二によりまして、それぞれの会がこの登録事務に関連をして規則を制定するということになっておりますから、当然その中でその問題も解決されるであろうというように考えておるわけであります。したがって、この第十七条の二で、会の登録に関する規定を会則として連合会も設けなくてはならぬ、こうなりますし、単位会もそれに照応した規則を定めることが当然みずからの権限として出てくるわけですね。
 そこで、そういうように自主的に登録の手続に関して決めていくわけですけれども、客観的には登録を拒否してはならない場合、それは一定の要件があれば当然受理されるということが期待されているもの、それから今度は受理してはならない場合が恣意的にならないように、法で特定の場合には受理できないということは客観的に決められている。こういうことで恣意に流れないように法制度も当然できているわけですね。それはそれでいいんです。それはそれでいいんですが、今度はそれと関連をして、登録審査会というのが片一方でまた設けられてくるわけですね。そこで、これらの有機的な関係をどのように会の自主性と民主的な自治という観点から、整合性あるように解釈していくかという問題について、若干私はこの登録審査会の問題について疑問を持つ点がありますので、これをただしたいと思うのであります。
 つまりその第一点は、登録を取り消す場合、この登録審査会の議を経なくてはならない、こうなっていますね。そのこと自体は登録の取り消しを慎重かつ公正にやるという趣旨でこの規定を置かれたのかと解釈するのですが、それはどうでしょうか。そしてまた登録を受理するときは、これはさっき局長がおっしゃったように、こういう審査会を通じないで、連合会が連合会の理事会なり適当な委員会なりで自主的に決めればよいわけですが、登録を受理しない場合はやっぱりこの審査会の議を経るということになってくるのかどうか。そこらの整合性ある解釈はどうなのか、まずこれを伺いたいのであります。
#189
○政府委員(枇杷田泰助君) 登録の申請がありました場合には、これは連合会の方で具体的にどういう機関を設けるかというのは最終的に決まっているように私は伺っておりませんけれども、何かただいまおっしゃったように、理事会でやるか、あるいは既存の委員会でやるかということで処理をされると思いますけれども、そういう機関で問題ないと思えばそれはもう受理をするわけでございます。そこで拒否事由があるのではないかということを判断された場合に審査会にかけるわけでございます。その審査会にかける前に、場合によってはその御本人に弁明の機会みたいなものを与えるとかというふうな手続をとることも考えられるわけでございますけれども、一応受理が実際問題としても原則になりますから、そこでオーケーならば審査会のところには何にも置かないでその受理をしてしまうという形で動くものと思っております。
#190
○橋本敦君 そこで、登録審査会が設けられているのは、一つは理念的に言えば会の自治機能に資するということもありますが、不当に取り消されない、不当に登録を拒否されない、こういう個別的な権利を客観的にやっぱり公正に守らなくてはならぬという要請もあるわけでしょう。そういう面からこれを見てみますと、これは連合会の請求によってこの登録審査会が審査を開始するわけですが、その場合に会長はこれは連合会長になる。そしてその他の委員は法務省の職員、司法書士あるいは土地家屋調査士あるいは学識経験者ですが、いずれも法務大臣の承認を得て会長が任命する、こうなりますね。そうなりますと、法務大臣の承認ということで、ここでは突然、登録の受理の手続の中で自主的にやっているそういう組織の中で、ここで法務大臣の人事権あるいは監督権が委員の承認という形で出てくるんです。
 そこで私は、もう一つの疑問は、そういうようにして登録が取り消された場合、あるいは登録が受理されなかった場合はこの六条の五の規定によりまして、これは行政不服審査法に基づいて法務大臣に審査の申し立てができますね。そうしますと、こういうことになるんですね。登録を取り消されるその手続が審査会の議を経てやられた、その審査会の委員は会長を除いてほかの皆さんはこれは法務大臣が承認をした人たちである、その中には法務省の、さっき第三課長とおっしゃいましたが、有力な職員も入っている。こうなりますと、不服審査を申し立てても、法務大臣が審査をするに当たって、先入観とは申しませんが、客観的に公正らしさが装える姿になるかと、こう言いますと、一定の判断を法務当局の側で経てきたというように考えられますと、これは行政不服審査法という手続がせっかくありながら、十分救済機能を果たせないといううらみが出てこないかという問題を私は感ずるんですね。
 そういう意味で登録審査会をもっと本当の趣旨にふさわしいようにするためには、この法務大臣の承認というのは要らないのじゃないか。あるいはこの構成について会長が任命をする場合に、その中身に法務省の職員は必要であろうかという問題を私は感ずるんですが、局長のお考えはいかがですか。
#191
○政府委員(枇杷田泰助君) ただいま御指摘の問題につきましてはいろいろな考え方があろうかと思いますが、この登録審査会というのは、登録の拒否だとか登録の取り消しだとかという重要な問題について、恣意的にされてはいけないということを担保する、そういう制度であることは御指摘のとおりであります。そういう意味でこの審査会自体の構成が連合会の恣意的につくられるものであってはいけないという要請もまた出てくるわけです。その担保をどうするかということで、法務大臣の承認ということにかからしめているわけです。この承認というのは法務大臣が人選するわけではないのでありまして、連合会の方で人選した者について法務大臣の方が承認をするということでございまして、消極的な立場に法務大臣は立っておる。ですから、そういう恣意的に人選をしたものでないということが法務大臣としてわかればそれで承認をするという、そういう立場に立つわけでございます。したがいまして、そういう意味合いでは法務大臣の具体的な事件についての見解がそこで方向づけられたということには当然ならないだろうと思います。
 それから、法務省の職員が入っておるということになりますと、審査会の意見イコール不服審査の場合の法務大臣の裁決の内容につながっていくだろうという、そういう感じがあるじゃないかという御指摘は、あるいはそういうふうな目で見られる方もあるかもしれませんけれども、この審査会というのは五人構成でございます。これを定足数とか議決数とか、どういうふうに定めるかというのは、これは会則で定めていただくことになりますけれども、いずれにいたしましても、法務省の職員というのは、仮に将来不服審査になった場合の上級庁の判断をする実質的な参画者であるということがあったにしても、五分の一の票でございます。しかも、むしろそういう面よりも審査会の中に法務省のそういう経験のある者が入って十分に意見を言った方が、いわばまた公正らしさというものも余計担保できるだろうというような面からこういう制度にいたしておるわけでございまして、見ようによってはいろいろな御意見が出てこようかと思いますが、ほかの類似の業法の制度なども勘案いたしまして、実質的に一番公正にできて、そして公正らしさがまた認められるというのはこういう形ではなかろうかということでこの案にまとめた次第でございます。
#192
○橋本敦君 これは局長と論争やっていても、こういう形で法案が出てきておるわけですから、局長の意見がそう簡単に変わるとは私思いませんけれども、問題の指摘としては将来検討に値する問題を私は指摘しているつもりです。
 例えば懲戒の場合は聴聞という規定があります。この登録審査会は登録を拒否される人、あるいは取り消されようとする人が自分の救済のために開いてくれというのじゃなくて、これは逆は連合会の請求によって開くということですから、もともと救済機関的性格を持ってないという面がありますね。だから、したがって局長もおっしゃったように、この審査会の審査の過程では何とか当該本人の意見も聞くようにする必要があるだろうとおっしゃったわけで、それはこの法にはあらわれておりませんけれども――書いてありますか。そうですか。第何条ですか。この審査会の過程で私が見た限り気がつかなかったんですが。
#193
○政府委員(枇杷田泰助君) 六条の三の二項、ここで登録の拒否の場合に、あらかじめ通知をして、そして弁明する機会を与えなければならぬとなっております。これが登録拒否でございまして、それが登録取り消しの場合には六条の九の三項にその準用規定を設けております。
#194
○橋本敦君 わかりました。失礼しました。
 ということで、意見を聞くという機会はあるにしても、その審査会の構成自体が、あなたがおっしゃった本当に公正らしさが客観的に担保できるかどうかということについて私はさらに検討を深めてほしいという質問であります。
 こればかりやっておるわけにいきませんので次にいきますけれども、なぜそういう点を指摘するかといいますと、登録事務の移譲に関して国の指導監督の範囲はどの範囲にすべきか、あるいはその限界はどうかということに関連をして、六条の十二という規定が設けられているわけですね。だから、この六条の十二という規定の解釈と運用がどのようになされるかということによっては、せっかく自主性確保ということで権限が移譲された登録事務の問題に関連をして、せっかくの自主性確保じゃなくて、法務省の監督が法が予定した以上に強化されるということになってもいけないわけです。
 この六条の十二で「必要があるときは、」「報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告をすることができる。」という規定の運用は極めて慎重に会の自主性を損わないようにやっていかなくてはならない、こういう要請が片方にあるでしょう。片方では審査会の委員の任命に法務大臣が承認権を持つ、こういうことになっているでしょう。だから、そういうことを全体的に整合性あるものとしていくためには審査会の問題についても工夫が要るのではないかという指摘をしたわけですが、話をもとに戻して、この六条の十二による法務大臣の勧告あるいは資料提出要求、こういったものがどういう事態を予想して、あるいはどの限度でなされるものとお考えなんでしょうか。
#195
○政府委員(枇杷田泰助君) この規定は、もともと司法書士あるいは調査士の登録事務というのは国の行政事務であるというところから、これを民間である連合会に移譲するについては、内閣として行政権の最終的な責任を負わなければいけないということの関連づけで何らかの行政責任が負えるようなルートはつけておく必要がある、そのために先ほど来橋本委員も御指摘のような自主性との整合性を考えながら最小必要限度どの程度の規定を置けばいいのか、置けば足りるのかという点で一番苦心をしたところでございます。
 この関係につきまして両連合会とも随分意見の調整をしたわけでございますけれども、結局このような形で最小限度のつながりをつける必要があるということでまとまった案でございますけれども、実質的には先ほど来おっしゃっておりますように、この登録事務を移譲するにいわば便乗して法務省の監督権限を加えていくとかというふうなことは毛頭考えておらないわけであります。したがいまして登録事務に関するものに限局をし、しかも監督という言葉を避けていわば報告を求めたり勧告をしたりするという点にとどめておるわけでございます。
 そこで、私どものそういう姿勢をお酌み取りいただけると思いますけれども、具体的には、そういうことはまずないだろうと思いますけれども、非常に登録の事務が遅滞をする、単位会の方に登録の申請をしても、いろいろ時間がかかって申請者の方から苦情が出るとかいうようなことがある、あるいはその事務手続上証明書とかそういうものがうまく発給できないというふうな問題が仮に生じたという場合には、もっと早く迅速にやるような手続を考えなさいとか、事務局をもっと整備しなさいとかというふうな勧告は法務大臣としては当然すべきだろうと思います。そういう意味での報告を求めたり勧告をするというふうなことを第一義的には念頭に置いている規定でございます。
#196
○橋本敦君 わかりました。だから、したがってこの規定が自主性の促進ということと矛盾しないような運用と具体的な実際上の方向づけは今後考えていかれる、こういうことだろうと思うんですね。
 そこで、自主性の確保について次の問題に移っていきますが、十五条の二の関係であります。これによりまして司法書士会の会則、これは法務大臣の認可事項でありますけれども、この法務大臣の認可から一号、八号、九号、これが省略をしてなくなるということで、それ自体は会の自主性を確保するという配慮からきた私は当然の規定だと、こう思うんです。そこで十五条それ自体を見てみますと、法務大臣の認可が省略されたのは会の名称や事務所の所在地、それから資産、会計に関する規定、会費に関する規定ということで結構ですが、その他にもこの十五条の規定から法務大臣の認可を要しないで会が会則で自由に制定、変更できる、そういうのがあるのではないかということを私は感じるわけですね。
 例えば「役員に関する規定」と、こうありますが、これはやっぱり先ほど登録事務でもどの機関でどういうように承認するかはそれぞれの会則に任せるということをおっしゃいましたが、役員に関する規定というのは私は自治機能の中でも極めて基本的な問題ですから、これは法務大臣の認可を特別に要しないで役員に関する規定はこれは省略をするということでいいのではないか。同様に決議決定機関をどこに設けるかという、これもまた役員の選出が自由であると同様に機関の意思決定のプロセスも自由でありますから、これもそうではないか。
 それから、さらに「司法書士の品位保持に関する規定」と、こうなりますと、司法書士の品位を国が監督するというのはおかしいわけでありまして、品位保持それ自体は本法そのものの中にも当然司法書士はそれなりの、あるいは土地家屋調査士はそれなりの品位をみずから守らなくてはならぬというのはこれは決まっているわけで、これに関する規定を大臣の認可にかからしめるというのもどうかというような気もするんですが、今度の改正に関連をして、そのあたりまで検討されたのかされなかったのか、今後の課題に残されたのか。そこらあたりはいかがですか。
#197
○政府委員(枇杷田泰助君) この会則についての認可事項をどのように整理するかということにつきましては、私どもも慎重に検討いたしまして、また両連合会とも十分に意見の交換を行ったところでございます。したがいまして、ただいま御指摘の役員、会議あるいは品位保持等に関する規定についても検討を加えたことは間違いないのでございますけれども、役員に関する規定とか会議に関する規定というのは会の中心的なものでございます。したがいまして、これは自主的に決めていい事柄であるという面についてはおっしゃるとおりかもしれませんけれども、会社とか公益法人とかという場合には定款の中心事項に当たるような事柄でございますので、公益法人の場合には当然に主務官庁の許可を得るというふうな性質のものでございます。したがいましてこういうことについては、何と申しましょうか、やはり法務大臣の認可で、いわばきちんとといいますか、というふうな形でした方がいい。まあこれもめったに改正の対象にもならないという点もございますけれども。
 それから品位保持の関係につきましては、その司法書士会のいわば目的でございます十四条の二項に書いてございますけれども、法人の場合には会社の目的、事業の目的というのに当たるような事柄でございますので、ここはいわば全国統一的にと申しましょうか、そういう品位保持の規定が、まあ削除されることはないと思いますけれども、それがきちんと維持できるということは司法書士会、調査士会の本質的な事柄である、そういうものは自主的につけ加えたり削ったりということにもなじまないだろうというようなことで、何と申しますか、司法書士会、調査士会の会の組織の基本事項あるいは目的事項については、まだこの際認可事項から外すというのは問題ではないかという点で見送られているわけでございまして、調査士会、司法書士会の方からこれを認可事項から外せという強い御意向もあったわけではございません。確かにおっしゃるとおり、常に司法書士会、調査士会の運用の実際を見ながらこういう問題は見直していくべき性質のものでございますから、これで絶対にやらぬというものではございませんけれども、そういういきさつで認可事項に残した次第でございます。
#198
○橋本敦君 局長がおっしゃる立場に立ってみても、会則には目的に関する事項を決めなさい、役員に関する規定を置きなさい、会議に関する事項を設けなさい、あるいは品位保持に関する規定を置きなさい、このことを法で決め、そしてそのことを確定していくということ自体、私は公益性のある法人としてこれは構わないと思うんですが、その中身を会則で実質的に決めようとする場合、一々大臣の認可ということについて今意見を申し上げたわけですね。これは将来の検討課題としてさらに考えていかなくてはならぬと思うんですが、今回の改正法によりまして、省令である施行規則の改正が具体的に日程にのぼってくると思います。
 そこで、この改正に伴って、当局としては省令の改正をどういう方向で、今どういう段取りで準備をなさっていらっしゃるのか。アウトラインを聞かしていただきたいと思います。
#199
○政府委員(枇杷田泰助君) この法律が成立をいたしますと、司法書士法、土地家屋調査士法、両法の細則を改正しなければならないことになりますけれども、大きく分けて登録移譲関係による改正と、それから公共嘱託登記関係による改正と、二つの大きな分野に改正事項が分かれると思います。
 まず最初に手がけなければなりませんのは、公共嘱託登記の方の施行期日が先でございます。すぐにでもその設立の手続がなされるということにもなってまいりますので、これを先にやりまして、その次は登録関係の省令改正をいたしたい、二段構えで進めたいと思っております。
 公共嘱託関係につきましては、先ほど来いろいろ議論が出ておりますように、協会の設立許可の際に連合会と十分に意見調整をしてやった方がいいという点がございます。そういう意味で、連合会の意見を聴取するというふうな内容のものが必要ではないかというのが検討事項でございます。それから、協会が法人としてここで法律で認められたわけでございますので、どういうふうないわば基本的な帳簿を備えておくべきかというふうなことも細則で決める事項ではないかなというふうに考えております。
 それから登録関係の改正におきましては、法務局長、地方法務局長が登録事務を取り扱っておりますのがなくなりますから、論理必然的は整理をしなければならないという条文がたくさん出てまいります。名簿の登録事項の定めのようなものはこれは要らなくなります。それから登録申請書の記載事項というようなものも当然要らなくなるわけであります。それから、今度は登録関係が連合会の方に参りますと、逆に法務局の方がその管内の司法書士、調査士を把握するということが必要になってまいります。そういう意味で会の方からこちらの方に連絡をもらうという手続、それからけさほどもちょっと出ましたけれども、懲戒処分などをした場合のそういう連絡、通知の問題、そういうようなことが登録移譲関係では規則の改正事項として当然出てくるということになろうかと思います。
#200
○橋本敦君 その点はわかりましたが、最初に手をつけられる嘱託登記関係ですね。これは今急がれるという話ですが、後の方でおっしゃった登録移譲関係に関しての省令改正、この点からちょっと私の質問の順序としては話を進めさしていただきたいと思います。
 その点で言いますと、施行規則、これは司法書士関係となっておりますが、土地家屋調査士の皆さんについても同じでありますが、この登録移譲の関係で改正を要する点がたくさんあるということは当然であります。そこで、私はその改正だけで今度の法改正の目的が本当に十分かどうかという観点で言いますと、両士会の会の自主性なり自治機能の向上という点から見て、私はこの省令の改正に際してやはり踏み込んで検討してもらいたいし、またもらう必要があるという意見を持っておるものですから、その点を申し上げてみたいわけであります。
 例えば登録関係は省きます。それはもう改正されるとして、それ以外に一つの問題を申し上げますと、十六条で「司法書士は、会則の定めるところにより、業務上使用する職印を定めなければならない。」、こういう規定がある。これはここに書いてあるように「会則の定めるところにより、」ですから、会則にもう任していいんじゃないか。なぜわざわざ省令で「業務上使用する職印を定めなければならない。」とまで書かなくてはならぬか。これは「会則の定めるところにより、」と、こうあるんですから、会則にゆだねてこれは処理できるのではないか。こういう問題があります。
 それから、さらに十七条で「事務所の見やすい場所に、」「報酬に関する規定を掲示しなければならない。」、こうなっている。これは国民のために大事なことでしょう。しかしこれも会則で決めてあるわけですね。だから、この省令でも「会則の定めるところにより、」、こうなっているんですから、これも会則で定めればこの省令から外してもいいのではないかというように考えられる問題です。
 それからもう一つ問題としては、十八条、十九条、これは業務に関する問題ですけれども、これなんかは当然業務の公正を担保するという意味からも会則自体で掲げていいことではないかというようにも思いますね。あるいは補助者に対する監督責任もそうでしょう。
 それからさらに一つ、司法書士は報酬を受けたときはちゃんと領収証を出しなさいということが二十五条で書いてある。これもどういう領収証を出すからどうか、これはもう会則で定めたらいいんで、報酬を国民からいただいたらちゃんと領収証を出しなさいよと、もう当たり前のわかり切ったことを省令でわざわざ決めなくてはならぬというのは、これはもう今どきどうだろうかというように感じるんですね。
 そこで局長にお願いしたいことは、この省令の改正にいよいよこれから踏みかかるわけですけれども、この省令の改正も、今度の改正の本当の趣旨をよく生かすために両士会の意見をよく聞きながら省令の改正に手をつけていただきたいし、その際、今私が指摘をした自治、自主機能を本当に向上させるという意味でもう会則に任していい、省令で省いていいという面は、これは本当に積極的に当局としても御判断なさって、会則に任せるというものは任すというような方向も踏み込んで検討してほしいと思うのですが、いかがですか。
#201
○政府委員(枇杷田泰助君) ただいまのお話、個個の問題につきまして私どもの意見をここで申し上げることはいたしませんけれども、十分に御指摘になった点は頭に入れて、省令改正の際には両連合会の意見も聞きながら十分検討してまいりたいと思います。
#202
○橋本敦君 じゃ、ぜひその点はお願いしたいと思います。
 そこで、今度は懲戒権の場合に触れてまいりますが、本当は私は自主機能の強化という面から言えば、登録の自主的事務処理とともに並んで、懲戒機能を自主的に会自体が持つということに将来はなっていかなくてはならぬのじゃないか、またなるべきじゃないかという気がするんですね。ところが、今度はそれには手が触れられませんで、登録取り消しとの関係で今まで懲戒処分としてあった登録の取り消しが業務の禁止ということになって、業務が禁止された場合は登録の必要的取り消しという方向で処理されることになったわけですね。ところが登録の取り消しというのは懲戒の中でも最も重い処分ですね。だから、もともと懲戒の重い処分として登録の取り消しがあった。その登録の取り消しが、最も重い懲戒処分が会の機能に移譲されたわけですから、それより低いランクの一定期間の業務の停止あるいは戒告、こういったこともそれぞれの会の自主的な機能に任せてもよいということの始まりではないかというように私は解釈をして、今後の課題かなと、こう思って見ておったんですが、この点について局長のお考えはどうですか。
#203
○政府委員(枇杷田泰助君) 登録の取り消しが今度登録移譲に伴って連合会に移譲されたことに伴って懲戒権の移譲の、何といいましょうか、第一歩と申しましょうか、そういうふうな感じで受け取っておられるような御意見でございますけれども、私どもの方といたしますと、これは事務処理の問題としてとらえているだけでございまして、いわば登録の取り消しの実質的な事由になるのは、法務局あるいは地方法務局の長の業務の禁止という、要するに懲戒処分に基づく処理でありまして、いわば従来の登録の取り消しという処分は業務の禁止に変わったというだけのことであって、懲戒権の作用としての何がしかが連合会の方に移ったという形で考えているものではございません。
 しかし懲戒一般の問題としては、なるほど会に自律性、自主性というものがどんどん高まってまいりまして、そして懲戒権をみずから行使できても差し支えないというような、そういう客観的な情勢になることは私どもも望ましいことだと思いますし、最初に申し上げましたように、会はどちらかといえばそういう自律性というものを尊重して運営していこうということでこの司法書士法、調査士法ができておることも否定しがたいところだと思います。ただ、現行法の建前といたしますと、懲戒権そのものまでを渡すわけではないので、むしろ懲戒事案が生じないように予防的にお互いに戒め合い、注意し合って、そして品位を保持し、業務の内容を充実させていくというところに会の責任があるのだ、目的があるのだということにしておるわけでございます。
 そういう意味で、数年前の司法書士法の改正の際にも会の会員に対する注意勧告権というものを規定いたしまして、要するに未然に非違行為を防止するというところに力点を置いております。これを積極的に今度は非違行為を犯した者についての懲戒権まで会の方に渡すのが適当であるかどうかについてはやや私は次元が違う問題であろうというふうに考えております。ただ、方向としてはそういうことが全く自律的にできるようになるという客観的な情勢ができることは望ましいことでございますが、この懲戒処分の中でも重い軽いはございますけれども、非常に処分が重たいものであるということと、それからしばしば懲戒で問題になりますのは、会の内部規律違反で懲戒になるという事犯よりも、一般国民との関係で嘱託関係について信頼関係を裏切るようなことがある。極端な場合には横領とか、それから文書の偽造とか、そういうふうなことがあった場合に、会の内部規律として懲戒をするということで、国民側の方が納得するそういう要素が同時になければいけないと思います。
 そういう面から考えますと、現時点において、懲戒処分をその会自体でやるというのにはまだまだ熟していないのではないかというふうな気がいたしますので、私はむしろ現段階ではそういう非違行為が生じないように未然に防止するという関係での会の充実という方向をさらにさらに強めて、その結果、少しでも懲戒権が客観的に渡してもいいような情勢になるという、そういう自律の方をむしろ推進していくべき時代ではないかと思っております。
#204
○橋本敦君 この問題は率直に言って局長と私とは根本的に見解がやっぱり違うわけですね。
 例えば局長、この十二条の関係で、法務局あるいは地方法務局の長に司法書士あるいは土地家屋調査士の皆さんに対して人事権は本来ない。ないにもかかわらず戒告という、これは人事権の本来的に権能の一つとされているわけですが、そういうのをなぜ持つのだろうか。登録という自主的な権限が会に移譲される。したがって、登録の取り消しという最も重い処分は、それ自体は懲戒と別の次元とおっしゃるけれども、同じように機能して最も重い社会的制裁として会が自主的にそれをやるということになっているのに、業務の禁止という名前で法務局が別にそれと同じ権限を懲戒ということでなぜ持たねばならぬか。私はやっぱりいろいろ問題があると思いますよ。
 そして、しかも両士会がその自主的な機能の強化と品位保持、業務の公正な執行のために会則にいろいろ自主的に定めて、その会則中心の運営が大事だということは先ほども言われたとおりでありますけれども、懲戒権をお持ちになるのは会則に違反した場合じゃなくて、はっきりこの十二条にもありますように、「この法律又はこの法律に基づく命令」ですから、法及びこの施行規則、こういうことに関連した違反にとどまっておって、重視される会則違反ということになりますと、これは法務局はもう関与できませんから、それを理由に懲戒処分というわけにはいきませんから、法律ではっきりそうなっていますから、これは先ほどおっしゃった十六条の二の注意勧告権限によって会が自主的に行えるようになっているわけでしょう。
 だから、そういうことを考えますと、将来の課題としては本当に両士会の自主機能、自治機能の強化のためには懲戒規定を含めて将来大きな検討課題になってしかるべきだというのが私の考えであります。きょうここでは決着がつきませんけれども、そのことを強く指摘して時間がありませんから、次の問題にいきたいと思います。
 今度は、いわゆる公嘱法人の設立の問題であります。これについては午前中からもいろいろな論議がなされましたので、確認的な意味でまず最初に二、三伺っておきたいと思うのでありますが、一つは協会が設立されてもその協会自体に競業避止義務が法律で決められておるわけじゃありませんので、円滑な運営をやっていくということのためには、これはやっぱり十分その設立の認可を通じて会の意見を尊重していくという手続が必要ですね。
 そういう関係からいきますと、この協会は一法務局管轄単位で一協会ということが強くやっぱり望まれておるという事情もあるように私も伺っておりますから、この問題はそういうような方向で、局長の方もそれは相当だということをおっしゃったわけですけれども、相当だというその意味はやっぱり原則的にそれが望ましいという法務当局の考えとして受けとめられるように私思ったんですが、そこまでおっしゃった意味なのかどうか、ちょっとわかりかねたのです。と言いますのは後で、将来事情によっては二つできてもそれが合理的な場合はいいじゃないかというふうにもおっしゃったものですから、ちょっと混乱したのですが、もう一遍そこのところを確認したいんですが、どういうお考えですか。
#205
○政府委員(枇杷田泰助君) この協会は、単位としては法務局、地方法務局の管轄区域というものを中心にその社員の構成を考えておるわけでございます。しかも、その協会は正当な理由がなければその加入を拒めないわけでございますので、普通の理想的な形態からいたしますと会員全部がその協会の社員になって、そしてみんなで盛り立てて、そして公共事業がうまくいくようにやっていくということが望ましい姿であるというふうに、明文の規定で直截には書いておりませんけれども、全体の規定としてはそういうことを念頭に置きながらつくられておるわけでございます。
 したがいまして、一つだということがむしろ前提だと、相当だというわけではなくて前提だというふうにもお考えいただいても結構かと思うのでありますが、それでは一つでなければいけない、法律で一つに限ると書きますと、一つでなければいけないという積極的な事由がなければならぬわけであります。
 ところが会によりましては、司法書士会で申しますと一番大きいところが千五百人、調査士会では千八百人ぐらいの会がございます。それから小さいところでは五十人とか八十人とかという会もあるわけでございます。その大勢千人を超すような会のところが果たしてそれでは合理的な運営ができるかといいますと、あるいは問題が生ずるかもしれない。それからまた非常にその地域が分かれている広いところがあります。しかも地形的にかなり南と北とか、あるいは東とか西とかに分かれているような、そういう都道府県もあるわけです。そういう場合に地域的に分けたいというような、その方が合理的だ、しかも仕事がたくさんくるようになったためにかえって一つだとやりにくいというふうなことがあるかもしれません。支部みたいなものを、従たる事務所を設けることを禁止しているわけではありませんから、それで賄える限りは私は賄った方がいいと思いますけれども、あるいはその会の全体の意向として合理的に見て二つにした方がいいということが起こり得ないとも限らない。それを一つでなければいかぬということはないだろう。
 いわば合理性があるかないかの問題なんで、それは個別に判断さるべきことだ、その個別的な判断をするのはまさに会員が決めることである。それの判断に任せればいいだろうし、それからまた法務大臣が認可をする際には連合会の意見を聞くということにしておけば、司法書士業界全体、調査士業界全体の調和のために二つにするのがいいのか、一つのままで維持した方がいいのかということも連合会は十分に意見を言ってくれるだろう。そういう運用でやることがいいのであって、法律上今ここで一つを前提として考えており、一つを相当だからといって将来にわたって一つだと決めつけるというのはどうかというふうな考え方で一つに限るという規定を設けなかった次第でございます。
#206
○橋本敦君 だから、朝からも議論されているように、基本的にはこの問題はそれぞれの会の自主的な意思を尊重するという立場で対応していくということには変わりないわけですから、それはそれとして、今おっしゃった連合会の意見を聞いて、その上で認可を手続上進めるということは、これまた非常に大事ですが、そのことの具体的な保証として、それは局長の答弁にはそうあるんですが、先ほどお話にあった省令の改正、制定、その中でそれはこれから具体化していただけるわけですか。
#207
○政府委員(枇杷田泰助君) これは大臣のお許しを得なければならぬことでございますけれども、私としてはそういう規定を細則の中に設けるのが相当ではないかという考え方でその省令改正の作業を進めたいと思っております。
#208
○橋本敦君 私も大変賛成でございまして、やっぱりその場合は単位会の意見も当然連合会は尊重するでしょうし、そしてその連合会の意見を尊重することがせっかくこの法案で生まれた協会の運営の円滑な方向づけになると思いますので、大臣にこの際お願いしておきたいと思うのですが、局長の御意見を十分御尊重いただきまして大臣としても御処理いただきたいように思いますが、いかがでしょうか。
#209
○国務大臣(嶋崎均君) ただいま民事局長からお話があった基本的な考え方、十分その意見を聞いて判断をしていきたいと思っております。私自身もこの業界、やっぱり単一であるということが非常に望ましいことだというふうに基本的には思っておるわけでございますし、またその運用自体につきましても、民法の三十四条に規定をする法人でございますから、我々自身もその設立あるいは運営監督というようなことに十二分の関心を持って対処しなければならぬというようなことでもありますので、十二分そういう方向で検討していきたいと思っております。
#210
○橋本敦君 時間がなくなりましたので、もうあと二点だけお伺いする以外に時間がないように思いますが、そのまず第一点は、先ほども議論がありました協会の業務の遂行に関連をして、実際の業務を社員あるいは社員以外の会に登録された司法書士の方にどのように仕事をしていただくかという、こういう配分の問題ですね。こういうような配分の問題も含め、それからもう一つは標準報酬規定がこのことによって下回ることがないようにそれなりの対応が必要でありますから、そういった面についても会員の意見を十分に聞いて今後処理していかなくてはならぬだろう、こう思うのですが、この協会の運営の基本的に重要な事項について今後省令でお決めになる場合、あるいはどの部分を定款で自主的に決めるかという問題、こういう関係はこれはやっぱり両会とそれぞれ慎重に意見をお聞きいただきながら、それぞれ決めていただくのが妥当だと思うんですが、まずこの点をお願いしておきたいんですが、いかがですか。
#211
○政府委員(枇杷田泰助君) 公嘱法人ができました場合に、その内部的なやり方についてある一定のルールが必要になってくるということは申し上げるまでもありませんけれども、基本的には自主的にお決めになるべき事柄が多かろうと思いますので、省令事項というのは余り出てこないかと思いますが、その点も両連合会と相談いたしまして、省令で取り上げていいものがあればそれは取り上げることにいたしますが、主として定款で定める、あるいは会の会則の中で定めるというふうな形で処理をする方向で考えてまいりたいと思いますが、十分にその点については両連合会と意見の調整を図ってまいりたい。今でもそろそろそういう話が事務的には進められておりますので、十分に検討してまいりたいと思います。
 それからまた報酬の関係でございますけれども、実は司法書士、調査士の報酬は会則で定められておりますが、これは一般の市民の方々から受ける事件を中心にして規定されている報酬規定でございます。ところが、公共嘱託の関係につきましては普通の不動産登記法の規定に基づく登記ばかりではございませんで、特殊登記令と呼ばれている特殊な登記手続のものもございます。それから非常に大量な事件が一括してという要素がございます。そういうことから普通の事件を中心とした報酬ではぴったり当てはまらないものがございます。したがいまして、その登記の事件の種々によりまして合理的な金額を定めていかなければなりませんので、現在の会則ではそれは会長の承認を得て決めればいいということにしておるわけでございます。
 今度こういうふうな協会ができまして、非常に活発になってくるということになりますと、おのずからその公共嘱託における標準報酬額というものが決められなければならぬと思いますが、これはまた発注官庁の予算等の事情もございますので、そこは個別の折衝というふうなものが残る余地は十分にありますけれども、一つの目安になるものはつくっていかざるを得ないだろう。現在でもある程度のものはございますけれども、それをまた今後はさらに詰めていかなければならないことだろうと思いますので、私どもが直接参画すべき事柄ではないかもしれませんけれども、側面的には御相談に乗ったりあるいは協力をするという場面もあろうかと思いますので、その点については十分配意してまいるつもりでおります。
#212
○橋本敦君 その点に関連をして、せっかく今度の協会ができて以後の公共的嘱託登記の協会への嘱託あるいは申請手続の委託、これが現在非常に低いわけですが、非常に全国的にやっぱり高まっていくように、政府としても関係省庁を含めてそれなりのやっぱり対応と善処をぜひお願いしたいというように思っております。
 そこで、最後にこの問題でお聞きしたいことは、会とこの協会との関係であります。それは直接的には十七条の九という規定が設けられまして、司法書士会、あるいは土地家屋調査士会と読みかえてもいいわけですが、「所属の司法書士が社員である協会に対し、その業務の執行に関し、必要な助言をすることができる。」、こうあります。これは私は非常に大事な規定だと思うわけであります。局長が何度もおっしゃるように、まさに会員の皆さんがおつくりになり、会全体の発展と、それからそれぞれのやっぱり社会的な職域の確保という点からいっても非常に大事な課題でありますから、社員がつくる協会だけでなくて、会がこの運営の将来の発展について重大な関心を持ち、また指導助言もしなくてはならぬというのは当然だと思うんですね。
 ところが、この十七条の九の規定で二つ私は明確にしておきたいと思うのがあるんですが、その一つは、連合会が協会に対して指導あるいは助言ということができるというような趣旨にこの十七条の九は解釈できるのか。それともそれは法務局単位で地方にできるものだから、単位の会が助言できるということにとどまっておるように十七条の九は法務省としては解釈されておられるのか。もしそうだとしても、連合会がこの十七条の九の規定の援用として連合会として意見を述べ、また助言をするという機能があって、それはおかしくないと解釈できるのではないかと思うんですが、その点はどうかということが一つですね。
 それからもう一つの問題は、この助言の内容ですけれども、これは私は助言とは言うけれども、実質的にはいわゆる指導、助言と言われるような形で会がこの運営の正しい方向への指導性をお持ちになることは法として認められることではないかと、こう思うんですが、その二点について御意見伺って質問を終わります。
#213
○政府委員(枇杷田泰助君) この十七条の九の規定は、協会も司法書士会も法人としてはいわば独立しているものでございますので、直接に指導という言葉を使うという関係には立たないだろうということから助言ということにしておるわけでございますけれども、その助言の中にも、これはまあ小言を言う助言もあるというふうに思っております。そして、このような規定を設けましたのは、ただいまおっしゃいましたように、独立した存在ではあるけれども、いわば実質は会員に準ずるようなものであるというふうな実質に着目した助言の規定でございます。
 そういう意味で、各単位会が大いにこの規定を使われて、大いに協会の業務が適正に行われるように助言をしていただきたいと思うのでありますが、連合会の関係から申しますと、これは弁護士の連合会とは違いまして、両方とも日本司法書士会連合会、日本土地家屋調査士会連合会でございまして、個々のいわば会員は連合会の会員ではない会の集まりでございます。したがいまして、先ほど申しましたように、この協会は単位会の会員に準ずるような実質だということから申しますと、直接連合会の会員ではないということになります。
 そういう意味では連合会が直接個々の協会に対して助言をするという関係には立ちませんけれども、しかし連合会は単位会に対してその指導、連絡をする地位に立っております。したがいまして、助言をすべき単位会が十分な助言をしないという場合には連合会はその単位会に対してもっときちっと助言をして、そしてやるべきことをやるようにさせるべきではないかという指導はできるわけでございます。そういう意味で、連合会も協会の運営については無縁な存在ではないし、やはり関心を持って見守ってもらうべき立場だろうと思います。
 なお、この協会は公益法人でございますので、主務官庁の監督権に属しております。それは法務省がその監督権を持っておるわけでございますので、連合会は同時に一般的な意味で協会の何かを、方向を決めたいとか是正をしたいとかということがあれば、法務大臣の方にそういう意味での建言をするというふうなことも十分できる、それによって法務大臣の職権を発動するということも十分にできるわけでございます。そういう意味で、連合会もこの協会の適正な運営、それから健全な成長というものについては大いに貢献をしてもらいたいというふうに考えております。
#214
○橋本敦君 最後に法務大臣に、局長はもう終わりましたので、法務大臣に最後に伺いますが、前回コンピューター関係の法案が通りまして、今後は登記関係のずっとコンピューター化を法務局としては十五年にわたって進めていかれる。そのプロセスの中で不動産登記法等の改正も予定されておられる、こういう状況になってきておるわけですね。そうなりますと、司法書士会の皆さんのお仕事、あるいは土地家屋調査士会の皆さんのお仕事もそれに対応して一層高度の専門性なり、あるいは専門職能の強化なり、こういった方向も自主的に強めていくようにそれぞれ検討を進めていかれておるところなんですが、そういう将来の皆さんの職域の中における専門性の強化や、あるいは専門的職能の向上ということを、このことを抜きにコンピューターばかり進めるというのは、私は片手落ちになってもいかぬと、こう思うんですが、そういうことに視野も置いて、我が国の法務行政全体、登記関係を特に中心とした行政が円滑にいくように、そういう視点で両会とも今後も緊密に協議をなさって行政を進めていただきたいと希望するのでありますが、この点について所見を伺って質問を終わります。
#215
○国務大臣(嶋崎均君) さきに登記事務のコンピューター化の問題につきましては皆さん方の御賛同を得まして、もう今月には必ず特別会計法も通過をするだろうというふうに期待をしておるわけでございまして、御協力を大変感謝しておる次第でございます。いずれにしましても、司法書士のやっておられる仕事、あるいは土地家屋調査士のやっておられる仕事、あるいは法人化になっていろいろ公共嘱託等について今後その仕事をどうしてうまく確保していくかというような問題、いろいろあるわけでございますが、私は、何というか、コンピューター化によってそれらの仕事が直接何か縮小されたりなんかというような時代というのは余り想定をしないでもいいことではないかというふうに思っておるわけでございます。
 しかし、いずれにしましても、そういう仕事がどんどん進んでいく過程におきまして、法務省の仕事というのは司法書士会あるいは土地家屋調査士会、あるいはそういった多くの人に支えられて仕事が運用されている実態というのがあることは私十二分に承知をしておるわけでございまして、今後とも十二分意見を交換し合い、そういう中で法務行政の着実な進展を図って国民の権利を保全するような、そういう気持ちで運用していきたいというふうに思っておる次第でございます。
#216
○柳澤錬造君 けさからずっと聞いておりまして、大分勉強にもなりましたけれども、ますます何かわからなくなってきちゃったところもありまして、私はこの種の問題、これ素人ですから、そういう観点から私なりにいろいろの点、これからお聞きをしてまいるわけです。
 第一には、これはこの法律に関係しませんが、法律を改正するということは、まず何といってもそれを利用する国民に大きなメリットがある、それから次には、それを適用される人たちにとってもそれなりのメリットがある、さらには政府にとっても行政上簡素化されてメリットがあるという、そういうものでなくてはいけないと思うんです。そういう観点から見て、この法改正というものはいかがなんですか。一番の法改正をしなくてはならないというねらいはどこに置いておやりになろうとしておりますかということをまずお聞きします。
#217
○政府委員(枇杷田泰助君) この改正法案は三つの柱から成り立っておりまして、第一番目が登録移譲の関係でございます。登録移譲の関係につきましては、臨調答申でこの種の登録は民間団体に移譲するようにということがうたわれております。そういう意味では形式的には行政改革の問題に当たろうかと思いますが、実はこの登録移譲の関係につきましては、私どもの意図としては、要するに役所の側の仕事が減るとかいうような観点ではなくて、司法書士会、調査士会という団体が非常に自主的にまとまっていく、それによって司法書士法、調査士法がねらいとしておるところの会の中身が充実していくというところにねらいを置いておるわけでございます。
 先ほど来申し上げておりますように、司法書士会、調査士会というのは会員相互がお互いに励まし合い、いさめ合い、そして切磋琢磨して中身を充実していくという、そういう会でございます。したがいまして、何よりも大事なことは会員が会に対する帰属意識、みんなとの連帯感を持つということが精神的に中心になければならないことでございます。そういう意味で、その登録事務が連合会に移譲されるということによりまして、自分たちが日常やっておるこの仕事をするその根源である司法書士あるいは土地家屋調査士であるというあかしが我々の会それ自体が持っておるのだということが帰属意識を高めることに非常に大きな作用をするであろうということが私どものねらいでございますし、またそういう観点から両連合会におきましてもかねてから登録移譲を熱望しておられた点であります。
 それから、第二番目の公共嘱託の法人化の問題につきましては、これは午前中にも申し上げましたけれども、この法人化をすることによって公共嘱託登記を司法書士、調査士という専門家が関与しやすくするという、そういう政策的なねらいでこの法人化を考えておるわけでございますけれども、この公共嘱託登記が専門家の手に取り扱われることになりますと、それによって大規模な公共事業というものの法律的な成果というものが非常にその登記に早く正確に反映をして権利関係が安定をする。これがごたごたしておりますと、土地改良をやったり区画整理をやったりしましても、あるいは宅地造成をしましても、その成果がいつまでも法律的に安定をしないということになっては困るではないか。それからまた、そういうふうなことになりますと、登記所の方におきましても書類が整備をされた事件が出てくるので、非常に事務の混乱が防止できるということ。それから官公署におきましても、いわば民間活力の利用といいますか、民間に事務を移譲しやすくなるというふうなことが出てくるだろう。そういう意味で国民全体あるいは役所、それから両会並びに発注の官公署、それぞれについてもいいという、そういう政策が進められるということがねらいでございます。
 それから、第三番目の柱の会則の変更についての認可事項の整理でございますけれども、これはまさに行政改革的な発想そのものでございまして、会の自主性を尊重すると同時に官側の方でのいわば許認可事項を一つでも減らしていく、そういうことがねらいでございます。
 そういう意味で、この法律は三本の柱それぞれニュアンスが違いますけれども、ただいま御質問になりましたような趣旨にのっとってでき上がっておるものというふうに考えております。
#218
○柳澤錬造君 利用する側の国民にとってのメリットというものは今の中には余り出てこなかったわけだけれども、でも一応はお考えになった、特に会員の人たちの帰属意識云々という点はわかったわけなんです。しかし、もうちょっと司法書士なり土地家屋調査士という当事者、この人たちのメリットという点について、登録は今の連合会ですか、あそこで済ますという点で、今おっしゃった帰属意識を強めるというのはわかった。同時に、今度は公共嘱託登記で協会をおつくりになるわけです。それをおやりになるのだけれども、きょうも朝からいろいろ出ておるように、今までの司法書士の個人のそういう資格のものと、その協会のものとの関係で盛んにけさからも質問も出ておるように、その辺の関係はこれどういうことになるんですか。もちろんよくなると考えたからおやりになったんだけれども、もうちょっとそこのところを突っ込んで説明してくれませんか。
#219
○政府委員(枇杷田泰助君) いわゆる公共嘱託登記事件数というのがはっきりした数字はつかまえられておりませんけれども、大体年間少なくとも六百万件程度はあるのではないかというふうに想像いたしております。そのうちで、司法書士、調査士の手を経てくる事件が約三十万件でございます。したがって五%でございます。そしてその三十万件のうち、全く純粋に個人として司法書士、調査士が関与しておられるのが約十五万件でございまして、あとの十五万件というのが法人化の前身ともなるべき公共嘱託登記の委員会というのを司法書士会、調査士会でつくっておられますけれども、その委員会の手を経て処理をされたのが十五万件でございます。いずれにいたしましても九五%の事件は司法書士、調査士の手を経ていないわけでございます。これを今度の法人化というのは、その九五%の事件をなるべく司法書士、調査士の手を経るような方向に誘導していきたいという、そういう政策に基づく措置でございます。
 したがいまして、現に個人でやっておられます十五万件を協会の方に取り上げてしまうといいますか、そういうことをねらっているものではございません。協会の運営のやり方につきましても、これは両会ともそうでございますけれども、既存の個人でやっておられる司法書士、調査士の立場、これは尊重していこう、いわば未開拓の分野について発注を受けやすくするという方向で進めていこうということでございますので、したがいまして、個人でやっておられる分との間の競合関係は理論的にはあり得ようかと思いますが、実際的にはそこは十分に避けるというふうなことで配慮して行われるものと思っております。
#220
○柳澤錬造君 その九五%のところに若干まだ問題があるんですけれども、それはまた後回しにいたしまして、この公共嘱託登記司法書士協会あるいは土地家屋調査士協会、どっちもあるんですけれども、どういう性格のものですかということをずっと私朝から聞いておったんですけれども、もう一度改めて説明をしていただきたいんです。
 いろいろ官公署の発注する事業施行者が法人でなければいけないのだ、そういうことを規定されておるから、それで公共嘱託登記の事件処理のために支払われるような報酬というものの相手が法人でなければ困るということになっているということで、これは何か調べておりましたら、会計検査院の方からそういう指摘を受けたなんというのもあるわけですね。だから、その辺が既に私は発想がおかしいと思うんですよ。司法書士という資格は大体個人なんでしょう。それを法律的に認めてそういうお仕事をさせているわけなんですから、それを仕事をやらせる相手、業者が法人であって、だからこういう問題の登記についても、それを金払うときに個人の司法書士じゃ困るから、やっぱり法人のそういうものをつくってもらわなければ困るというふうなことを会計監査で言ったとすれば、それはまことに不可解なことなんです。
 きょうも会計検査院の方も呼ぼうと思ったけれども、時間も余りなんですから、そこまでしなかったのですが、むしろどういうことからこういう協会をおつくりにならなければいけなかったんだと、もう何回もなにしておりますから、そのポイントをすぽっと言ってくれませんか。
#221
○政府委員(枇杷田泰助君) 公共嘱託登記事件にもいろいろなものがございますけれども、多くのものはかなり広範囲な公共事業を行って、その成果としての土地の形質の変更に伴うところの表示の登記、あるいは権利の移転、創設に伴う権利の登記というものが集中的に出てくるわけでございます。しかも、それを一括して処理をしなければならないというものが多いわけでございます。そういうものを処理するためには、一人の司法書士あるいは調査士では処理し切れないというものが多いわけでございます。したがいまして、これを受ける場合には数人あるいは数十人が共同してやらなければならないという実態があるわけです。現在でも個々個人の扱っております事件というのはわりかた小規模なものが多いのでありますけれども、委員会の手を経て受けております公共嘱託登記は、今申し上げましたような非常に集団的な事件が多いわけでございます。そのために受託団という団体をいわば申し合わせ的にこしらえまして、そしてそれがまとめて受けるという、そういうことできておるわけでございます。
 しかしながら、法律的にはその受ける場合の契約の仕方と申しますと個人受注的な形になります。あるいはいろいろな形があるようでございますけれども、受託団の代表者個人が契約の名義人になっているという場合もありますし、それから受託団の全員が共同受注者として名前を連ねるという形になっているものもあります。そういう形で発注官庁と話をして仕事が来ておるわけでございまして、それが約十五万件あるわけでございますけれども、ただ、そういういわば何人かの者が集団的に行動して、そして全体として責任を負うという形でございますと、もともとこれは法人的に一体として法人として受けるという形の方が非常に理解がしやすい、発注者側としては理解がしやすいし、また責任の負い方としてもはっきりするわけでございます。
 民法的に申しますと、数人の当事者がいる場合には原則的に可分債務か不可分債務かによって違いますけれども、何か非常にばらばらなことになるわけです。ところが、発注側からしますと、一つのまとまった事業の成果をまとめて処理をしてもらいたいというときに、数人の名前で共同受注をしたという場合に、おくれたりなんかしたときに、だれにどこの部分を催促していいのかということも不安定だというふうな要素があるわけです。それにもう一つは、会計法規と言うとまたありますけれども、会計上のそういう問題もありまして、そういう意味から法人化ができないものであろうかと。また司法書士会、調査士会の方も、現在受託団で数人あるいは数十人の者がまとまっているという、その実態そのものを法人格にする場合には、まさにそれは司法書士、調査士そのものなんだから、だから資格の問題ということは実質的には問題にならないじゃないかという面から、何とか法人格を与えるような方向で考えてほしいというふうな要望がかねてからあるわけでございます。
 それで、衆議院の法務委員会では、そういうふうな問題点をとらえまして、法人化とはおっしゃっておられませんけれども、そういう隘路を何とか打開して司法書士、調査士の受け入れるような推進策を講じよというようなことを先般の司法書士法、調査士法の改正の際の附帯決議でもつけておられるわけでございます。それを受けまして、法人格を付与する場合にはどういう形のものがいいかということから事が始まったわけでございます。
 いろいろな方法がございますけれども、結局公共事業について関与していって、そしてその公共事業の成果を法律的に安定させるということに寄与するものであるから、公益法人としての公共性、公益性というものはその法人に認められるのではないか、しかも、それを法人自体がもうけるというふうなことではなくて、個々の仕事に関与する受託団の構成員に当たるような者が実際上の仕事をして、そこに報酬が流れていくということであるから、したがって法律的な意味での営利法人でもないというようなことで、その公益法人、民法三十四条の規定による法人というのが一番おさまりのいいやり方ではないかという結論になって、このような性格の法人としてこの法案ができたという次第になるわけでございます。
#222
○柳澤錬造君 その今の受託団のところも、これも後へ残しておいて、またその辺もうちょっと突っ込みたいと思うんですが、公共嘱託登記事件というものが今お話あったように大量だとかあるいは契約金額が大きいから、とてももう一司法書士では手に負えない、そこで、そういう点でもってこういうことを考えたんだということになるんだけれども、私はそういうことが司法書士の資格の否定にならないんですかということなんですね。民間だって相当大きな契約金額の工事もあることだし、官公署だからといったって小さいものもあるわけでしょう。
 これはきのう資料をいただいたんだけれども、毎年司法書士試験あるいは土地家屋調査士の試験、この過去十年間の資料を見ますと、司法書士の方は試験を受けて合格者というのが一番高い昭和五十年度で三・七%、一番低い五十四年度が一・八%です。十年間平均で二・三%しか合格して資格をもらってない。土地家屋調査士の方も一番高いところで昭和五十一年度の三・一%、低いところでは五十五年度の二・五%ですから、平均して二・九%。ということは局長、これ単純な計算で適当ではないけれども、司法書士になろうと思って勉強して試験を受ける。一番なにの形とっていったならば、二・三%しか合格しないというならば五十年近くかかるということでしょう。そんなことをやっていたら一生終わっちゃうわけでしょう。
 だから、受かる人は早く受かっていって、幾らやっていてもだめな人は、あるいは新しくどんどん出てくる人もいるということにはなっているんだろうと思うけれども、私が言いたいのは、これほど厳しい試験をやって、お医者さんの試験がどうだこうだと言われたって、こんなことはないわけですよ。こんな合格率の少ないと言ったらいいのか低いと言ったらいいのかわかりませんけれども、二%や三%しか合格させないという。だから、言うならそれほど司法書士というものは権威が高いのじゃないんですか。またそれだけの権威を持たせてこそ、こういう仕事をしてもらっているんですよということで保証してその資格を与えているんだと。それが契約金額が大きいからとても司法書士、あれじゃ手に負えないんだとか何とかというふうな判断がどうして私は出てくるだろうか。
 もしそういうことから言うならば、一級司法書士、二級司法書士ぐらいにもう少しランクつけて、ある程度経験古くなったらここで一級の資格にしてやる。それで大きな仕事はその一級の司法書士なり家屋調査士なりがやるんだ。それから二級はもうこれ以上の大きなものは手をつけちゃいけない。それで一級司法書士になったならば、弁護士のなにじゃないけれども、そこへ何人かまとまってそうして合同事務所みたいにしてやってよろしいとやっておけば何でもない。問題解決するわけなんですよ。
 だからその辺が、かなり権威を持たせて司法書士という資格を与えている皆さん方が、みずからその司法書士の資格というものを否定されるようなことを今なさっているんじゃないですかということなんです。いかがですか。
#223
○政府委員(枇杷田泰助君) 御指摘のように司法書士、土地家屋調査士の試験はなかなか厳しい試験でございまして、そういう意味ではかなり厳選された質の高い、社会的な地位も高い存在というふうなことが言えようかと思いますが、この協会に司法書士業務あるいは土地家屋調査士業務を行わせることにしたということがそういうことと矛盾する、あるいはそれを否定するような事柄にはつながらないと思います。
 と申しますのは、なるほど御指摘のように司法書士とか土地家屋調査士とかという資格は非常に重いものでございまして、これは個人に特別な条件のもとに与えられるものでございますが、それを試験も受けない、何にもしない協会というそういう存在に司法書士あるいは土地家屋調査士の仕事をさせるということは、これは従来の考え方からしますところの司法書士制度、調査士制度からすれば異質なものが入ってくることには間違いございません。その点は御指摘のとおりだろうと思います。しかし、異質なものではありますけれども、実質的には従来からの司法書士、調査士制度というものと調和をするといいますか、それと矛盾しないような形での法人をつくっていくべきだという意味で工夫をされているところでございまして、そういう意味では、先ほど来申し上げましたように、この協会は早く申しますと司法書士集団あるいは土地家屋調査士集団を、それを協会として法人格を与えているものでございます。
 したがいまして、先ほど来御指摘のようなそういう地位の高いと申しまするか、法律的な評価の高いものの、それを低からしめるという結果にはならないのであって、実質的にはむしろ大勢の者が集まって、力を合わせてそういう公共嘱託登記を処理するということでございますから、この協会はむしろ司法書士そのもの、調査士そのものなんだということで評価ができようかと思います。
 そういう意味では、形の上では異質なものではございますけれども、実質的には決して異質なものを取り込んでいるということにはならない、したがって制度上の矛盾は生じないという、そういうことでございます。またそういうものでなければいけないということで、この法律をつくる際にもいろいろな点で工夫をしておるところでございまして、両連合会におきましてもそういう先生今の御指摘のような矛盾は感じておられないところだと思います。
#224
○柳澤錬造君 じゃ、そういうふうに理解をして、そして次に進んでいきたいんですけれども、さっきも、できればみんな協会に入ってくれたら一番いいんだとおっしゃっておった。だけれども、その協会には司法書士の資格のない理事さんがおったり、それから事務職員が置かれるわけだけれども、この人たちは司法書士の業務を扱ってはいけないということは明確になっているわけでしょう。
#225
○政府委員(枇杷田泰助君) 協会には場合によっては司法書士あるいは土地家屋調査士でない理事が出てくることも法律的には可能でございます。またそれから、事務をやります以上は庶務的な仕事をするための職員はこれは当然置かれるということが原則だろうと思います。そういう人たちにつきましては、これは十九条の規定の司法書士会に入会している司法書士あるいは土地家屋調査士会に入会している土地家屋調査士ではございませんから、その公共嘱託登記の取り扱いそのものをすることは許されていないことになります。
#226
○柳澤錬造君 それからもう一つはっきり確認しておきたいことは、この公共嘱託協会の方の運営についてですけれども、これも施行規則の十八条で、司法書士が協会の理事になっても登記業務は協会ではできないということでしょう。そのお仕事をなさるときは自分の事務所へ行ってやるんですということですね。そこもはっきりさしてください。
#227
○政府委員(枇杷田泰助君) 原則的にはただいまおっしゃったとおりでございます。
 ただ、やや例外的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、先ほども御説明申し上げましたように、理事がこの協会が受注をした事件について具体的な事務処理をするのに二つの形態がある。一つは、ほかの会員と同じように配分を受けて事務処理をする場合と、それから例外的は業務執行として直截にやるという場合とがあるわけでございます。その後者の場合はこれは論理的にあり得るというだけであって、実際上はまずないと思いますけれども、前者の場合には、ただいま御指摘のように自分の事務所でやるのが本則でございますけれども、後者の場合はこれは自分の事務所でやらなければならないということが直截に出てくるかどうかについては疑問であって、協会の事務所でやることがあるいは許されるということになろうかと思います。ただ、それは論理的にあり得るというだけで、実際上はまずそういうことはないというふうに考えております。
#228
○柳澤錬造君 実際にないならば、論理的にもないことにして整理をしておかないと、また局長がこういうことを言ったなんていって、ここではこうやってわかっていますが、地方へ行って、とんでもないところへ行ったら、参議院の法務委員会で局長はこういう答弁をしておったんだといってそれを逆に利用されたりして、また局長御自身に御迷惑がかかるようなことになるから、そういうことはないんだ、いけないんだとちゃんとはっきり言っておいてください。
 そうでないと司法書士が協会からお金をもらうことになりますね。だから、そういうこともあっちゃいけないんでしょう。金もらうということになっちゃったら、司法書士がほかの司法書士のところへ行って金もらうことも成り立つようなことになっちゃうのであって、あくまでも自分の事務所で仕事をせい、その自分の事務所で仕事したことによって、その相手の委託された者から手数料というか、もらうという、それしかないということであって、協会の理事という役職を持ったことによって協会がくれればこれは別ですけれども、司法書士の仕事においては協会からは一銭ももらうことはあり得ないんだという、その点どうなんですか。はっきりしておった方がいいと思うんだけれども。
#229
○政府委員(枇杷田泰助君) 配分規定によりまして、理事が一司法書士として仕事の配分を受けてやる場合には司法書士としての報酬をもらえることは当然でありますが、理事として、協会の業務執行としてする場合には、いわば普通の民間会社の社長さんか専務取締役が自分の会社の商業登記を本人申請をするという作業をするようなことと全く同じことになるわけです。その場合には司法書士としての報酬を取るわけにはいかない。ただ、協会内部における業務執行をするという、役員としての報酬の中にそれが含まれるかどうかという問題は残りましょうけれども、司法書士としての報酬の次元の問題ではないというふうに思います。
#230
○柳澤錬造君 時間ないけれども、もう一回簡潔に言って、司法書士が理事になって役員になっておっても、司法書士としての仕事をするときには自分の事務所でやる。協会ではやらない。したがって司法書士の仕事で協会からお金をもらうことはない。そういう理解でよろしいでしょうか。
#231
○政府委員(枇杷田泰助君) 司法書士として自分の事務所でやった場合には、これは協会から報酬はもらうわけでございますが、理事の業務執行として協会で仕事をした場合には司法書士の報酬の問題は全く生じないということになろうかと思います。
#232
○柳澤錬造君 どうして回りくどくそう言って、私が言ったとおり、そのとおりですと言わないんですか。
 それから、この辺ももうちょっと整理しておきたい。今は協会は一つだろうと。先ほどのお話ずっと聞いていると、法務局の中に一つという形だから、将来はそれが二つになるか三つになるかわからぬ。そのことが今法律で一つでなければいかぬという規制をすることもいかがなものかという御答弁をなさっておったわけですけれども、もう一回よくなすってください。局長自身は、できれば司法書士が全員一〇〇%そこに入っちゃってくれたら一番問題がないんです、そうしたらこの司法書士会も協会も同じようなものになっちゃうから、そこでごたごたも起きないし、うまくいくんだ、こう言われたわけなんです。だから、そういうふうな将来的な理想まで考えるならば、なおのこと、それは一つで事足りるということになると思うんです。それで、さっきの受託団のことは、これはまた後にしましてやりますけれども、だからその辺の点は当面はもう一つしか考えてないんだというふうにしておった方がよろしいと思うんだけれども、いかがですか。
#233
○政府委員(枇杷田泰助君) 私も当面は一つのものだというふうに思います。それから理論的には二つになるということもあるだろうけれども、それはまた非常に特殊な事態が生じた場合のことだろうというふうに考えております。
#234
○柳澤錬造君 それから、さっきも数字が出たんだけれども、もう一回少し前にさかのぼって、いわゆる公共嘱託登記事件とそれから一般登記事件、この数量、それからその比率というか割合がどんな状態になっているかということ、それから公共嘱託登記事件の中で司法書士なり土地家屋調査士なりが関与していたというのを、できれば昭和五十年、五十五年、それから一番新しいので把握したところの数字と、その辺で並べて御説明をいただきたいんです。
#235
○政府委員(枇杷田泰助君) 登記の総事件数というのは年々若干ふえつつあるわけでございますけれども、司法書士、調査士が関与するという事件はこれはそれほど大きな変動はございませんが、十年前の昭和五十年、五十一年当時は司法書士が扱っておりますのが総事件数のうちの五三%ないし五五%でございます。それから最近の五十八年、五十九年では司法書士の扱っております事件が四五%程度でございますので、構成比的には減っております。調査士の方の処理事件数は昭和五十年、五十一年当時におきましても一一%から一二%でございます。現在も、五十七年、五十八年も大体一二%前後でございますので、構成比的には変わっておりません。
 この司法書士、調査士が扱っております事件以外の事件が十年前には約三分の一、それからごく最近では四〇%をちょっと超えるという比率になっておりますけれども、この中は大半は公共嘱託登記事件だろうと思いますが、そのほかにも一般市民の方々が本人で処理をされるというふうな事件もまざっていようかと思います。
#236
○柳澤錬造君 それは後で資料いただけますか。
 それから次に、これも若干前からも出ていることですけれども、協会をおつくりになって司法書士の理事は過半数でなくてはいけない。全員じゃないわけですね。本来ならば司法書士が全部入ってくれたら一番いいんだと局長がおっしゃられるように、だったら、入った社員の中からみんなでもって互選で理事を選ばれるということになったら私はもっといいと思うんだ。だから、そういう意味に立てば、理事も過半数なんて言わないで、社員の中から選べとやっておったらいいことだと思うんですよ。なまはんか過半数なんて言っておるから、やっぱりそういうものをつくって法務省の退職お役人の天下りの受け皿づくりをやっているんだということに見られるわけなんですから。
 だからその辺、もちろん法務省のそういう方々の中にも適当な人がおって、そういうところへつくことが決して悪いわけじゃないんだけれども、いわゆる、いうところのお役人の天下り的なそういうものを考えているんでもありません、そういう受け皿づくりでもございません、そういうふうなことの疑いの眼でもって見られるようなことは絶対いたしませんということを、これは局長よりかも私、大臣の方からこの場でもって明確にやっぱり国民に向かって言明しておいた方がいいと思うんですが、いかがですか。
#237
○国務大臣(嶋崎均君) 私の方はそういうことを全く考えていないと明確にそう申し上げておきます。
 それから、過半数を超えるというのは、いろいろなことがあるわけでございまして、どうしても専門的な知識にたけておられる司法書士あるいは土地家屋調査士の皆さん方、これは全員配置でお仕事をやるというのも一つの手だろうと思うんです。しかし逆に仕事をどうしてふやすかということがやっぱり基本的に大切なことですから、そういう意味での配慮というのはある程度やった方が、かえって仕事を伸ばす意味で重要なというようなこともあり得るのだろうと思うんです。そういう判断は私たちがとやかく言うべきことじゃないので、それぞれその会でお決めになって整理をされればいいことだというふうに思っています。
#238
○柳澤錬造君 それから、協会の方が受けた場合に、いわゆるさっきもどなたか言った標準報酬、この関係がどうなるかということでして、それでやっぱり協会の方がなんだから官公署の関係で割合に仕事がとりやすい。それから官公署の方は今度はお役所ですから、予算が制限されている。とてもそれだけのものを払えないからと言って何だかんだ値引きをされる。もうしようがないから、じゃ、それを認めようというふうになっていると。
 そういう場合でもって協会の方がそういうぐあいで値を下げてしまうと今度は個人の司法書士のやっている方が影響を受けるわけですから、だからその辺で標準報酬という規定がどういうふうになってどういう決め方をされているのか。それから個人の司法書士の方の値段とその協会の方の値段との関係がその辺がどういうことになっちゃうのか。そういうふうに協会の方が下がっちゃうようなことになるのかどうか、その辺を少し説明してくれませんか。
#239
○政府委員(枇杷田泰助君) 協会が官公署から受注いたす場合の報酬も、これはある程度標準的なものがあった方がぐあいがいいだろうとは思います。しかし相手のあることでございますので、硬直化した一定の金額でということはなかなか難しかろうと思います。そういう意味で現在でも両連合会でつくっております公共嘱託登記の連合会においても、いわばその標準的なものを決めて各単位会の方でも参考にしてもらっているようでありますので、これからも協会ができた際にはそういう標準的な報酬額というものをどういうふうにして決めたらいいかということは大事な問題だろうと思います。殊に先ほども申し上げましたけれども、一般の個人としての司法書士が公共嘱託登記を受けているというものを、いわば競争するような意味で値下げをするというふうなことがあってはいけないだろうと思います。
 ただ、一般的に申しますと、この協会はそれ自体事務費を必要といたしますので、実際に取り扱います司法書士に行く報酬にその事務経費を若干プラスする、あるいは将来のいろいろな損害賠償に備えるとかというような意味も込めました資産づくりをする必要がありますので、そういう個々の司法書士の収入になるものに若干上乗せをした金額でないと、協会は営利法人ではありませんけれども、経営が成り立たないということになりますので、そういう意味では個々の司法書士が受けている報酬よりは少し多目のものでないと引き合わないということはなりますので、そういう意味でも個人の司法書士、調査士の人の事件を値下げによってとってくるというふうな関係には立たないものだというふうに想像いたしておりますが、なおそういう御指摘のような面をも配慮いたしまして、実際上の運営はしかるべくやりたい、そういうことがむしろ会の助言すべき事柄でもあるだろうというふうに理解をいたしておるところでございます。
#240
○柳澤錬造君 時間になりましたから、もう終わります。
#241
○委員長(大川清幸君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
 次回の委員会は五月三十日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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