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1984/06/13 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 法務委員会 第16号
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1984/06/13 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 法務委員会 第16号

#1
第102回国会 法務委員会 第16号
昭和六十年六月十三日(木曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     岡野  裕君     徳永 正利君
     松岡満寿男君     安井  謙君
     官本 顕治君     佐藤 昭夫君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     石本  茂君     出口 廣光君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大川 清幸君
    理 事
                海江田鶴造君
                小島 静馬君
                寺田 熊雄君
                飯田 忠雄君
    委 員
                土屋 義彦君
                出口 廣光君
                徳永 正利君
                名尾 良孝君
                秦野  章君
                小山 一平君
                佐藤 昭夫君
                橋本  敦君
                柳澤 錬造君
                中山 千夏君
   衆議院議員
       発  議  者  近藤 鉄雄君
       発  議  者  白川 勝彦君
   政府委員
       法務大臣官房長  岡村 泰孝君
       法務大臣官房審
       議官       稲葉 威雄君
       郵政省放送行政
       局長       徳田 修造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥村 俊光君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○工場抵当法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(大川清幸君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十二日、岡野裕君、松岡満寿男君及び宮本顕治君が委員を辞任され、その補欠として徳永正利君、安井謙君及び佐藤昭夫君が選任されました。
 また本日、石本茂君が委員を辞任され、その補欠として出口廣光君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大川清幸君) 工場抵当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○寺田熊雄君 有線テレビジョン放送法第三条の施設の設置について許可申請をする者は、施設を所有してみずから放送事業を営もうとする者であるならばその者がすることは当然のことでありますが、施設の所有者がみずから放送事業を行うのではなくして他人にこれを貸し付ける、そしてその他人が放送事業を営む場合は、許可申請をするのは当該の事業を営もうとする者ですか、それとも施設の所有者ですか。まずそれを明らかにしていただきたいと思います。
#5
○政府委員(徳田修造君) CATV施設を他人に賃貸することによりまして、その施設の支配管理権といいますか、それが貸借人に移るということになる場合には、許可を受けなければならない施設者は賃借人ということになるわけでございます。単に施設を所有している方はみずからCATV事業を営んでおりませんので、実際にその事業を営む方が申請をしなければならないということでございます。
#6
○寺田熊雄君 そこで、施設を設置することについての許可というものはどのような目的で許可制にしたのか。この法律の第四条を見ますと、施設許可に関連するものとしては第一項の第一号で、その放送施設の施設計画が合理的であること、その実施が確実なものであること、この二つの要件を定めておりますね。それから第二号では「その有線テレビジョン放送施設が郵政省令で定める技術上の基準に適合するものであること。」、これがまさに施設それ自体についての条件といいますか、したがって施設許可ということがぴたっとくるのですが、さて、その第三号を見ますと「その有線テレビジョン放送施設を確実に設置し、かつ、適確に運用するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。」と、これは明らかにこの施設に伴う諸条件ではなくして事業者の持つ性格を問うておると言わざるを得ないわけですね。
 そうすると、これは施設許可というのはどうもぴたっとこないので、むしろこれは事業の許可ではないかというふうに考えられる。なぜこんな中途半端な、施設の許可というて実際は事業許可のような形式、実態ともに備わっておることにしたのか。これはあるいは憲法二十二条一項の職業選択の自由というような規定に配慮して、ともかく営業することは自由なんだけれども一応施設を完備してくれというような体裁を整えたようにも思うのですが、そういう点、ちょっと説明していただけますか。
#7
○政府委員(徳田修造君) 有線テレビジョン放送法の第三条におきましては、「施設を設置し、」「業務を行なおうとする者」ということになってございますので、単なる施設を設置して、その施設を他人に貸すという方が施設許可を得るという形にはなっておらないわけでございます。あくまでも施設を設置した者がみずから業務を行うということが前提になっておるわけでございますけれども、この法律の趣旨は、いわゆる施設を設置して他人に貸すという業務ということになりますと、NTTがみずからやっておる事業と同じことになりますので、従来は公衆電気通信事業と呼ばれておったわけでございますが、そういう事業と明確に区別するために、施設を設置し、かつ業務を行うというような規定にしたものというように私ども理解しておるわけでございます。
 そういう事業を行う場合には、単にその施設の技術的な基準だけではなくて、やはり将来ともそういう事業が安定して行われる、そういう見通しを持っておるものであるかどうかとか、あるいはその地域の社会的、文化的な事情に照らして必要かつ適切なものであるかどうか。そういうような客観的な条件についても審査した上で施設の許可を与える。そういうような考え方をとっておる次第でございます。
#8
○寺田熊雄君 この本来的な姿は確かに施設を設置してみずから業務を行うというのが本筋でしょう。だからその者が許可申請をするということはわかるのだけれども、殊さらに第三条で当該施設
の設置について許可を取れ、事業を行うについての許可じゃないという形をとっていますね。しかし、実際はその第四条一項四号の社会的文化的な必要性があるということはこれは当然前提で、また必要性がないものが事業を営むということはないでしょうから、これは余りそう問題にする必要はないわけで、じゃ、あなた方としてはこの許可というのは事業許可だと思いますか。それともやっぱり施設の設置自体に対する許可だと思いますか。どっちだと思いますか。
#9
○政府委員(徳田修造君) この有線テレビジョン放送法、いわゆる放送の事業を行う、そういう事業者がかかわってくる問題でございますが、電波を使って放送事業を行う場合につきましても、いわゆる無線局の局という施設の許可制度をとっておりまして、放送事業そのものの許可とか監督とか、そういうことは政府としてやらないという建前をとっておるわけでございます。これはやはり言論の自由の問題がかかわっておるという、その辺が非常に大きな要素を占めておるのではないかと考えておる次第でございます。したがいまして、有線テレビジョン放送法におきましても事業そのものの許可という制度はとらなかったということが一つでございます。
 それから、単に施設を設置してそれを他人に貸すという事業でございますが、これは現在の電気通信事業法に基づく電気通信事業そのものになりますので、そういうものは電気通信事業法の方で許可をとっていただくことになりますので、この有線テレビジョン放送法ではあくまでも施設を設置しみずから事業を行う、そういうものに対する施設許可、あくまでも施設許可でございますが、そういうものを対象にした法律である、そのように私ども考えております。
#10
○寺田熊雄君 今の無線局を開設する場合の郵政大臣の免許、これは電波法の第四条のこれを今あなたおっしゃった。これもやはり施設の許可というふうな概念ですか。それとも開設して事業を営む、事業の許可ではないのだということですか。
#11
○政府委員(徳田修造君) この電波法第四条の無線局の免許の関係の条文でございますけれども、この中には、例えば先ほど申し上げましたような放送局の免許も入りますし、それからNTTが電気通信事業を行うための無線局、マイクロの無線局その他いろいろございますけれども、そういうような無線局の免許も全部すべて含まれるわけでございます。それで、NTTの場合には電気通信事業という事業をみずから行っておるわけでございますけれども、そちらの方の免許は電気通信事業法で行うことになっております。片や放送事業でございますが、放送局の免許は電波法の第四条で行いますけれども、民間放送の放送事業者の事業免許という制度は現在ございませんで、あくまでも無線局だけの免許でございますので、施設免許という考え方を私どもとっておるわけでございます。
#12
○寺田熊雄君 あなたのおっしゃるのは憲法二十一条の表現の自由といいますか、それを非常に重く見たんだということなんだが、それならばなおさら、これは放送するその放送が電波によるか、電線によるかという違いがあっても、何らかのそれによって意思表示を行うことが前提なんで、設置それ自体ということは直接には二十一条の表現の自由に結びつかないので、やっぱりそれを利用して意思を伝達するとか、あるいは事実の報道をするとかいうその行為がやっぱり主眼になるでしょう。これは私はどうも施設それ自体の許可であって、それによって事業を行うことの許可ではないのだということの矛盾をどうも考えざるを得ないんだけれども、どうだろうか。
#13
○政府委員(徳田修造君) この施設免許を行う場合には当然施設を使って事業を行うということが前提にはあるわけでございますけれども、少なくとも放送に関して事業そのものの免許あるいは許可、それにつきましては郵政省としてはそういう制度をとっておらないということでございます。
#14
○寺田熊雄君 それから、今あなたが電気事業法の関係になると言った施設の設置の許可を得て施設を所有する、しかしそれを賃貸して賃借人が有線放送の放送業務を営む、それの場合を電気事業法は予定しておるのであって、この有線テレビジョン放送法は予想してないという意味ですか。それともやっぱりそれは当然予想しておったところであると言うんですか。どっちでしょう。
#15
○政府委員(徳田修造君) 具体的に申し上げますと、NTTは電気通信事業を営んでおるわけでございまして、そのNTTが電気通信設備を設置しまして、それを有線テレビジョン放送事業をやろうという人に貸す場合があるわけでございますけれども、そういうような場合にはこれはNTTがみずから電気通信事業を行っておるという形になっておるわけでございますけれども、したがいまして、そういうNTTから借りた施設を使って今度は有線テレビジョン放送事業を行おうとする人がこの有線テレビジョン放送法に基づきまして施設許可を受けるという形になるわけでございます。
 それから、その場合に電気通信事業をみずから行っていない方、例えば単に物を設置しまして有線テレビジョン放送施設という、まあ施設ではないわけですが、それと同じ物を設置しまして、その物を単に賃借する。電気通信事業という許可を得た方ではなくて、単に物を設置してそれを他人に貸すという場合には、これはその方は電気通信事業を行っているわけではございませんので、その場合には単にその財産の所有者であるということにすぎませんので、その場合にはその方はみずから有線テレビジョン放送法に基づく施設許可を得る必要はない。施設許可を得なければならないのは、その設備を借りてみずから有線テレビジョン放送事業を行おうとする人が許可の申請をするということになるわけでございます。その辺が電気通信事業をみずから行っている場合と、それからそういう事業を行っていない人の場合との違いではないかと思うわけでございます。
#16
○寺田熊雄君 どうもその辺がちょっとはっきりしないんだけれども、あなたのおっしゃるのはこういうことですか。つまり有線テレビジョン放送法の期待しているものは、施設をみずから設置する、同時にその施設を利用して事業を営むものを理想型とするか、アイデアルなタイプとして考えておるのであって、施設は自分が設置するけれども、しかしその放送業務というものは他人にやらせる。業務委託でもよろしいし、それは賃貸でもよろしいが、そういうものはこの法は予想していないとおっしゃるのか。やはりこの法律もそういうタイプというものを予想しておるというのか、どちらですか。
#17
○政府委員(徳田修造君) この有線テレビジョン放送事業を行う場合に、みずから自分の財産として施設を設置してそれを使って事業を行う場合と、それから他人が設置したものを借りて事業を行う場合、その二つがあると思うわけでございます。みずから施設を設置して事業を行う場合はその本人が施設許可の申請をしなければならない。他人から賃借をして有線テレビジョン放送事業を行おうとする場合にはその施設の所有者は申請をする必要はないわけでございます。つまり有線テレビジョン放送施設者にはならないわけでございます。その施設を賃借して支配管理する権限を持つ賃借人でございますか、その方が申請をして施設者になる、それで事業を行うということでございまして、その両方を一応前提にして法律はつくられておる、そのように考えております。
#18
○寺田熊雄君 この法律の第二条の第三項が放送施設者、四項が有線テレビジョン放送事業者と、施設者と事業者を概念的だけれども分けていますからね。だから私はやはりこの法律というものは施設者と事業者というものは概念的に区別して、それが分かれる場合があるということを当然予想しているんだ、だから賃借の規定というのはないんだけれども、賃借の規定はないんでしょう。ないけれども賃貸借があるということは当然予想していると、こういうふうに理解していいんでしょうね。
#19
○政府委員(徳田修造君) 有線テレビジョン放送
におきまして施設許可制度をとっておるわけでございますが、その場合に、その施設の所有権、財産権といいますか、これをみずから持っておるかいないかということは考慮の対象にはしていないということでございます。
 それから、この有線テレビジョン放送法では施設許可の条文と事業の業務の関係の条文と両方ございまして、いわゆる事業と施設と分けてあるわけでございますけれども、この趣旨は、有線テレビジョン放送施設の場合には伝送するチャンネルが非常にたくさんとれますので、それを他人に賃借するといいますか、一部の回線、チャンネルを他人に貸さなければならぬという規定になっておるわけでございます。したがって、施設者から一部のチャンネルを他人が借りて、それで業務を行うという場合があり得るわけでございまして、そういうものの場合には、その方は施設者ではなくて単なる事業者であるということになるわけでございます。したがって、施設者でかつ事業者の場合と、それから単なる事業者の場合とその二つ存在するということでございます。
#20
○寺田熊雄君 それが今局長のおっしゃるのがどうも私わからないのは、今局長がおっしゃった要するに施設が放送業務を行う場合に非常に余裕があるので、その余裕のある部分を自分に便わしてくれという申し込みがあった場合には承諾しなければいかぬ、これは第九条がそういう趣旨だというふうに私ども今まで理解しておったわけで、そういう説明もたしか衆議院でなされておるように思う。そうじゃなくて、本来その施設の所有者が事業を行っておるんだけれども、しかしその放送業務にはまだまだ余裕があるから、その余裕部分について賃借の申し込みをしたものにその一部を貸すというのじゃなくて、私がお尋ねしたのは、その施設全体をもう他人に賃貸して他人に事業を行わせる、典型的な全体の賃貸借というような、そういうものはこの九条には当たらないんじゃないかという気がする。そうすると、条文がないから、条文がなくてもそれを予想しているのだと言ってお尋ねしたんです。
#21
○政府委員(徳田修造君) 先ほどの私の御説明がちょっと的外れでございまして大変申しわけございません。ただいまの先生御指摘のような、つまりその施設全体を他人に賃貸する、貸借人が有線テレビジョン放送事業を行う、賃貸者は有線テレビジョン放送事業を一切行わないという場合には、その賃貸者は有線テレビジョン放送法上は全然表に出てまいりませんで、その施設を丸ごと借りた方が有線テレビジョン放送施設者になるということでございます。
#22
○寺田熊雄君 そうすると、もう所有者は陰に隠れちゃって、要するに賃借した人間が事業者であり、かつ施設者であると、そういう建前をとっておるわけですか。ちょっとそれ私も意外だったんだけれども、そうすると施設者というのはもう所有関係は問わないというわけですね。
#23
○政府委員(徳田修造君) そのとおりでございます。ただ、現実には他人から丸ごと借りて運用しているというケースは非常に少ないと思いますけれども、法的にはそういう場合もあり得るということでございます。
#24
○寺田熊雄君 そうすると、それが施設者はその所有者でなくてもいいんだというと、財団の設定者はだれになるんですか、陰に隠れた所有者になるのかその施設者になるのか。
#25
○政府委員(徳田修造君) 財団の設定者はあくまでもその所有者ではないかと思っております。
#26
○寺田熊雄君 そうすると、何でその施設者と事業者を殊さら分けたのだろうか。そもそも法がわざわざ施設者と言い、それから事業者と言い、その二つを概念的に分けているそのゆえんのものは何でしょうか。
#27
○政府委員(徳田修造君) 施設者と事業者というものを二つに法上分けて規定しておるわけでございますけれども、事業者というものを設けたそもそもの趣旨は、有線テレビジョン放送施設者からあいております一部のチャンネルを借りて、それでテレビの放送をするという人が予定されておるからでございまして、一部のチャンネルを借りているという意味においてその方はあくまでも施設者ではなくて単なる事業者であるわけでございます。施設者はみずからもちろんテレビ放送事業をやっておるわけですが、あいておる一部を借りてテレビジョン放送事業をやろうとする人は、その施設者からあいておるチャンネルを借りてみずから事業を行う。その方はあくまでも施設者にはなり得ないということでございます。そういう意味において一応事業者と施設者と二つに区別をした。施設者は施設者であり、かつ事業者であるわけですが、もう一つの先ほど申し上げました方は単に事業者にすぎないということでございます。
#28
○寺田熊雄君 そうすると、もう施設全体の賃貸というのはあり得ないわけですね。つまりそれはもう施設者になっちゃうと同時に事業者になっちゃうんだから、だから施設者から事業者が賃借するということは一部についてはあり得るけれども、全体についてはもう考えられないということになるわけですね。
#29
○政府委員(徳田修造君) 現実にはそのようなケースは非常に少ないと思いますが、一応例えばこのケーブルのメーカー、製造業者の方が自分で施設を設置しまして、これを有線テレビジョン放送事業をやりたいという人に使わせる、貸すということは、これは起こり得るわけでございます。その場合は事業をやろうという人は財産権はないわけですけれども、しかしながら、その施設を管理、運用する権限はあるわけでございますので、その借りた方が施設者になる、施設者かつ事業者になるということでございまして、そういう場合には財産の所有者は全く表に出てこないということでございます。
#30
○寺田熊雄君 抵当財団、工場財団を設定する者が所有者であるけれども、それは全く表面に出てこない。そうして施設者と事業者というものが別個に存在しておる。しかし施設者でもない事業者でもない陰に隠れた所有者が財団を組成し、そして担保に供し、そしてかつ金融を受ける。経済上の実権というものはすべてその者が持つけれども、しかし放送業務に関しては表面に出てこないんだ、あくまでも施設者と事業者というものは別個に存在している。そういうスタイルである、そういうタイプがある、あなたの御説明だとこういうことになるが、それはそういうふうに伺っておきます。
 それから、競落人は施設の所有権はまた引き継ぐ。その施設については法第四条一項の一号、二号の要件は既に前所有者が許可を得たのであるから、四条一項の一号、二号の要件は満たされておる。したがって、競落人が事業を営もうとすると、それが許可を得る場合に問われているのはまさに第三号の要件を満たすか、それから五条の欠格事由に該当しないかどうか、そういうことだけが問われるということになりますね。
#31
○政府委員(徳田修造君) そのとおりでございます。
#32
○寺田熊雄君 それで、私が例えば欠格事由がないというようなことの証明を持った者でなければ競売に参加させることはどうだろうかと考えて、これはきょう最高裁の民事局長に出てもらおうと思ったところが、きょうは高裁長官、地家裁所長などの合同の年に一回の会議を催して、それに全部出席するので勘弁してくれというので、これは理由があるから私も無理に求めなかったのだけれども、そのかわり最高裁の民事局の主管の課長に来てもらって聞きますと、民事執行規則の第三十三条に「執行裁判所は、法令の規定によりその取得が制限されている不動産については、買受けの申出をすることができる者を所定の資格を有する者に限ることができる。」という規定があります、したがって所有権の取得が制限されていないのに競売は参加する、入札に参加する者を制限することができないんです、こういう説明だったわけですね。
 だから、欠格事由を持つ者といえども競売に参加して所有権を取得するかもしれない、そういう結果になる。だから一にこれはもう一遍許可をや
り直して、第五条の欠格事由の有無を審査せざるを得ない、こういうことになるわけでしょう。
#33
○政府委員(徳田修造君) その競落人が欠格事由に該当する場合であって、しかもその競落人がみずから有線テレビジョン放送事業を営みたいということで、この第三条の施設許可申請をした場合には、当然欠格事由に該当しますので許可にならないわけでございますけれども、しかしこのような場合でも、みずからその有線テレビジョン放送施設者であり、かつ事業者にならずに、例えば第三者で欠格事由に該当しない者に賃貸をするとか、あるいはそういう第三者に再譲渡するとかいうような形をとりまして、その貸借人あるいは再譲渡された者が施設者になるために第三条に基づく申請をするということになりますれば、その申請者に施設許可が与えられるという道が開けるわけでございますので、いろいろなそのような措置を講じて、利用者保護の見地から放送の中断が生じないような、そういう努力を私どもしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
#34
○寺田熊雄君 その競売が行われるときに、その施設を利用しての事業というものは競売の有無に関係なく、ずっと引き続き行われているということをあなたは想定していらっしゃるわけですか。そうすると、競売の有無にかかわらず事業の中断は起こらない。しかしそれがたまたま欠格事由のある者が競落して、みずから営む場合というのは当然審査があるから、その間は放送業務を営むことができないんだから、これは中断が当然起こり得るわね。それからまた、それが資格のある者に賃貸されて、その貸借を受けた人間がやっている場合にはもう一遍許可をとる必要はない、こういうことになるんですか。
#35
○政府委員(徳田修造君) 賃借人は改めてその許可を得る必要があるわけでございますが、その許可を与える場合に、その前に許可をもらって運用してこられた方については、手続上、廃止の届けというのが必要なわけでございますから、その届けが受理されて初めて廃止ということになるわけでございますので、その廃止と、それからこの貸借されて事業を行おうとする方が申請いたしますその施設設置の許可申請の許可を同日付で行うというふうに措置をすれば、放送の中断は生じないのではないか、そのように考えておるわけでございます。
#36
○寺田熊雄君 いや、その競売された施設を利用して既に貸借人が事業を行っている場合は、その人が施設者でありかつ事業者である、こうあなたはおっしゃったから、そうしたら、もう既に競売が行われても新しい競落人というようなものは何も許可申請しなくてもいいわけでしょう。そのままでいいという。だから欠格事由を持つ者が競落しても、前の所有者が適法に賃貸して貸借人が許可を得て事業を営んでいれば、もう許可申請なんか一切せぬでいい、事業の継続をそのままやらしておけばいい、こういうことになるのか。
#37
○政府委員(徳田修造君) そのとおりでございます。
#38
○寺田熊雄君 問題は、その施設の所有者が設置者でありかつ事業者である場合に、それが競落をした、競落をして事業をみずから営もうとするときに前の人はその施設の廃止を届け出る。それから新しく競落した人間は事業の許可申請をする。その場合に特段の事由がない限りは原則として許可を与えないという欠格事由に該当しない、それから四条によれば与えてもいいという場合には、これは原則として許可を与える、そういう建前をとらざるを得ないと考えるのですが、それはそうなんでしょうね。許可が義務づけられるという結果になるんでしょう。
#39
○政府委員(徳田修造君) 法律の建前からいいますと、新しい設置許可申請でございますので新規の申請と同じような審査をすることにはなるわけでございますけれども、しかしながら現実には既に事業が継続して行われてきておる施設でございますので、受信者の利益ということを考慮して放送の中断がなされないように、できる限り法律に反しない範囲において許可を与えるようにしてまいりたい、そのように努力したい、そのように考えておる次第でございます。
#40
○寺田熊雄君 これは衆議院でも大変議論になったところだけれども、問題は、架線について前の施設者と協定をしておった電力会社、あるいは日本電電との間になされた賃貸借といいますか、あるいは賃貸借維持の契約、それが競落人に引き続いて継続されないと今あなたのおっしゃった施設を利用しての事業というものが中断をする。これは国民経済的見地からも好ましくない。競落人の利益も損なわれるし受信者の利益も損なわれるということで、大変あなたがこれからそういうことが起きないように「最善の措置を講ずるように協議をしてみたいと考えております。」という答弁をしていらっしゃるね。これは五月二十四日の会議録の十三ページにある。これを本当によくやって、賃貸借なり賃貸借類似の契約が引き継がれるようになさらないと、この財団制度を設けた趣旨が損なわれるから、これは厳にひとつあなたの方で事前に十分遺憾のないように措置を講じてもらいたいと思うのですが、それはどうでしょう。
#41
○政府委員(徳田修造君) 抵当が実行された場合に、問題点としては道路占用の許可の問題と、それから電柱共架の契約の問題、この二つあるわけでございますけれども、道路占用につきましては占用の実態が同じでございますので、この種の事例の許可については特段の配慮をお願いするように関係機関等に働きかけを積極的にしてまいりたいと思っておりますし、それから電柱共架につきましては、これまでも有線テレビジョン放送法に基づく許可をする場合には、郵政省がそういう許可をする施設に対して、電力会社であるとか、あるいはNTTは共架承諾をするというそういうもうルールができておりますので、競落の場合についてまで話し合いはなされておらないわけでございますが、競落した場合においてもこの共架承諾に支障が生じないように、その辺関係者と十分協議をしまして最大限の措置を講ずるようにいたしたい、このように考えております。
#42
○寺田熊雄君 今の道路の占用許可の問題、これはこの有線テレビジョン放送法の三十条に「国及び地方公共団体は、第三条第一項の許可に係る有線テレビジョン放送施設の設置が円滑に行なわれるために必要な措置が講ぜられるよう配慮するものとする。」、この規定はやはり競落が行われた場合でも適用があるんでしょうね。どうですか。
#43
○政府委員(徳田修造君) これは競落が行われた場合であろうと、そうでない最初に設置される場合であろうと、どのような場合にもこの三十条が適用されまして、国及び地方公共団体がそういう配慮をする、そういうための必要な措置を講ずるということになっておりますので、そういう規定に基づいて道路占用の許可等につきましても十分な関係機関において配慮がなされるものと期待いたしておる次第でございます。
#44
○寺田熊雄君 最後はちょっとお尋ねするが、この施設の任意譲渡、これはやはり所有権がある以上は任意譲渡は当然予想されるのだから、これはこの法律が禁止することはできないし、当然予定しなければいかぬと思う。その場合の措置としてはどういうことを考えていらっしゃるわけですか。
#45
○政府委員(徳田修造君) 工場財団が設定されたCATV施設を任意譲渡した場合でございますが、同じように有線テレビジョン放送法には許可の承継の規定がございませんので、そういう場合にも譲り受けた者が事業を継続していくためには新たな許可の申請をしていただかなければならないということになるわけでございます。
#46
○橋本敦君 多くの諭点が出されておりますので、私の方は二、三のごく簡単な問題について質問をする程度にとどめたいと思います。
 まず第一は、郵政省にお伺いしたいんですが、いただいた資料によりますと、この有線テレビ放送の施設数が五十六年から順次ふえてきておるわけですが、将来展望として、これはなかなか計数的にはわかりにくいでしょうけれども、どういう増加傾向になるのか、おおよその見当はつきます
か。
#47
○政府委員(徳田修造君) CATVの普及発展を左右いたします要因といたしましては、新しい技術がどんどん開発されるということ、それから受信者のニーズが時代に応じて変わってくるという、その辺の問題等々があろうかと思うわけでございます。
 現時点におきまして十年とか二十年先の予測というのはなかなか難しい問題であるわけでございますけれども、郵政省におきましてある機関に調査をさせたことがございまして、その結果によりますと、現在は年に大体一〇%ぐらいの伸びを示しておるわけでございますけれども、大体これから十年先あるいはもう少し先まで含めまして平均いたしまして年率八%ぐらいの伸びが期待されるのではないか。したがいまして、現在約一〇%の普及率でございますが、十年後には三〇%近くまでいくであろう、それから十五年後には四〇%ぐらいまでいくのではないか。アメリカが現在四〇%近くでございますから、十五年たってアメリカ並み程度にいくのではないか、そのような予測がなされております。
#48
○橋本敦君 わかりました。これが地域の経済、社会、文化、こういう面で地域住民のニーズに応じて地域と密着した形で発展するということ自体は好ましいことでありますから、それはいいわけですが、これまでの経過の中で、今度この法案が提案される一つの理由かもしれませんけれども、融資が困難である、そのために地域のニーズは非常にあるのだけれども、資金力の不足等々で施設が設置できなかったというような地域があるかどうかお聞きになっているか。あるいは施設を開設して事業を開始したけれども、途中で資金ショートその他が起こってうまくいかないので、その点について郵政省に特段の援助の申し出があったとか、相談があったとかいうようなケースがあるのかどうかというような状況があれば教えていただきたいと思います。
#49
○政府委員(徳田修造君) 現在はこの財団抵当という制度がございませんので、抵当権の設定をする場合でも放送所の建物とかあるいは土地という不動産だけが対象になるわけでございます。したがって、担保がございませんので多額の融資を受けるということがなかなか難しいわけでございますが、現実に融資がこの制度がないためにだめになった例といたしましては、施設を拡張するために所要資金について地元銀行といろいろ交渉いたしましたところ、その施設はそういうことで非常に担保価値が少ないために融資が難しい、それで個人の財産、建物とか土地でございますが、それが提供されればというお話があったようでございますが、それがたまたま別の方の担保に入っておったというようなことから、施設拡大をしようとしたけれどもできなかったという例が私今手元でも五つか六つございます。
 それから、最初から施設をつくろうとしたときにも、担保に供するものがないために融資が受けられなくて大きな施設をつくることが困難であったという事例もございます。
#50
○橋本敦君 私はこの法案の考え方に賛成をしているわけですから、強いてではないのですけれども、ちょっと私が感じますのは、例えば工場抵当法にして、それで工場財団が設定できるということになれば融資する側から見ればまとまっているから融資しやすいという状況は出るかもしれぬけれども、担保価値が上がるということになるだろうか。担保価値がそれで上がることになるということになれば、これを引き継ぐ者が事業者であって、その事業を継続することとの絡みで値打ちがあるというように見ないと、この工場抵当法で工場財団的にまとまった担保設定の目録をつくることができるというだけで担保価値がそう上がるというように思わないんですね。
 そうしますと、寺田委員も先ほどから質問されていますが、これが将来競落されるときは必ず優秀な事業者が引き継いで事業としての継続性があるということを銀行なら銀行が判断できるということで初めて担保価値が出てくるのじゃないかという絡みを考えなくてはならぬのじゃないか。そういうことがきちっといく法的規制が果たしてあるのかどうかという点で、先ほども質問があったことに関連するんですが、危惧を持っている一面があるんですね。そこらあたりどうお考えでしょうか。
#51
○政府委員(徳田修造君) 御指摘のとおり、工場抵当法を適用していただくということによりまして、いわば財団抵当としての取り扱いをしてもらえることになるわけでございますから、その施設全体としての価値を認めるということになりますので、当然その施設が引き続き事業として運用されていくというところにその価値があろうかと思うわけでございます。したがいまして、私どもとしては有線テレビジョン放送の施設の許可の承継というような規定は法的な面での規定はございませんけれども、しかし実行上支障のないような、そういう行政措置によって有線テレビジョン放送の事業の継続性を確保する、そういうことによってこの財産価値が十分高められるのではないか、そのように考えておる次第でございます。
#52
○橋本敦君 そこらあたりがおっしゃるようにうまくいくかどうか、これからのやはり課題として大変重要ですから、その点はよく検討してほしいと思うんです。
 それから、具体的な問題としてこれは法務省の方の御意見をお伺いしたいのですが、工場財団を組成するということになりますと、土地、工作物、機械等が入ってくる。これは現在の工場抵当法の十一条でも列挙しておりますからわかるのですが、今お話しの有線放送ですから、線をずっと延ばしていきますから、当然その線は電柱の使用にしても道路の使用にしても賃借りもしくはその他の契約がある。この工場財団の対象となる賃借権というのがあるんですが、この賃借権ということの中にはそういう賃借権も対象としてできるのだろうか。それはやはり無理だということで、まさにその放送施設のその部分だけということしかできないのであろうかということが一つあるんですが、ここらあたりはどうお考えでしょうか。
#53
○政府委員(稲葉威雄君) 電柱を使用する権利、あるいは道路占用許可というような権利は、工場抵当法十一条四号にいうその「物ノ賃借権」ということは困難ではないかというふうに思いますし、また仮にこれに解釈上入れ込むとしても「賃貸人ノ承諾」ということが要件になっておりまして、これは現在の許可ですら一年更新で承諾をしているというような実態があるわけでございますから、包括的に承諾をするということは期待できないのではないかというふうに思います。ただ、この場合には電線自体は有線テレビの施設者のものでございますから、それを工場財団の一部にするということはもちろん可能なわけでございます。
#54
○橋本敦君 そこで、審議官がおっしゃった、二番目に私はその問題をお聞きしようと思ったんですけれども、その線自体は放送施設と考えられるいわゆる放送所、ヘッドエンドとかそういうものが備えてあるところから外へ出ていくという線ですね。こういう外へ出ていく線、それから幹線がありますね。この幹線から各家庭にいく線がありますね。そういう線は工場抵当法で言う財団に全部含めて個別的にそういう登記的記載ができるのだろうかということを技術的に私は心配するんですが、そこらあたりどうですか。
#55
○政府委員(稲葉威雄君) 普通今までこれに類似するものとして財団が組成されておりますのはガス事業でございますが、ガス事業は一応幹線を表示いたしまして、そしてそれについて図面で特定をするという形でやっております。個々の家庭に行くところまで一々やるかどうかということについては、これはなかなか出入りがあるといたしますと難しい問題があって、そのあたりになると、余り価値といいますか、どっちみちついてくるというような性格のものとして扱うことも可能であろうというふうに思いますので、技術的には一工夫要るのではないかというふうに思っております。
#56
○橋本敦君 確かにおっしゃるように一工夫しなくてはならぬ問題がそこにあるのと、それをやっぱりはっきりさせておくというのは、抵当権の及ぶ範囲の問題、競落の場合の競売物件の対象となる範囲の問題にも深くかかってくるものですから、そこらあたり今おっしゃった一工夫というのが具体的にこれからどういう形になるか、幹線だけになるかどうなるかということが一つは残された課題だなと、こう思っておるんですね。その点について郵政省の方は特段に何かお考えありますか。一工夫しなければならぬ問題が法律的にはあるんですね。
#57
○政府委員(徳田修造君) その辺の細部のところにつきましてはまだ十分私どもも詰めてございませんので、関係の機関と御相談しながら遺漏のないように措置をしてまいりたいと思っております。
#58
○橋本敦君 その点は今後とも検討していただくということにいたしまして、郵政省が下さった資料によりますと、この施設について大体総建設費が四十四億円かかるという資料をいただいております。これは地域的に言えば大体どこの平均的地域か、あるいは地域じゃなくて通常の有線テレビ放送施設としては平均的な総建設費がこれだという趣旨でお出しになっていただいているのか。多分そうじゃないかと思うんですが、その点はどうなんですか。
#59
○政府委員(徳田修造君) 都市型のCATV施設につきましては、加入者の収容能力といいますか、この資料では三万加入という例をお示し申し上げたわけでございますけれども、施設によっていろいろございまして、三万加入というのは割合多い方でございますけれども、さらに現在計画が進められておるものの中で、多いものとしては五万弱加入のものもございます。そういうものですと、場所にもよるわけでございますが、例えば費用が六十億とか七十億、その程度かかる施設もございます。
#60
○橋本敦君 そこで、いただいた四十四億と書いてあるこの資料をちょっとごらんいただきたいんですが、それは末端の引き込み線まで全部含めて総経費という意味ですか。
#61
○政府委員(徳田修造君) そのとおりでございます。
#62
○橋本敦君 それで、ひとつ念のために言っておきますが、その図で「点線内は、財団抵当の及ぶ範囲」ということがありますので、私今審議官にもお聞きしたんですが、郵政省がお考えになっているとおり、点線の引き込み線まで含めて財団抵当に入れるとすればいろいろまだ工夫が要るのだということですから、そういう意味で指摘したので研究をしてほしい、こういうことです。
 そこで、話を元へ戻しまして、仮に四十四億として、かなりなものですが、これはもう基本的にはとてもじゃないが有線放送需要者の契約料で全部賄い切れるという数字ではないんですね。そうしますと、この事業が成り立つ収入の基本的な内容というのは広告費、宣伝費になるのかどこになるのか。やっぱり加入者をふやして収入でいくということになるのか。そうなれば、どんどん契約料が高くなれば今度はおのずとそれが広がるのがチェックされてくるということになるし、非常に私は物の販売と違いまして難しい問題がある。しかもこの放送はそれ自体が地域のローカルにやっぱり貢献しなくてはならぬという公益性がありますから、むやみに契約料を高くするわけにもいかない。そうしますと、今後の健全な経営と発展、つまり工場抵当法を改正して入れますけれども、競落とかなんとかが起こらないように、健全な発展ということを今後期していくならばどういうことが大事だというように郵政省はお考えなのか。その点を伺っておいて質問を終わるつもりです。
#63
○政府委員(徳田修造君) 先生御指摘のとおり、確かに日本におきましてはまだ大規模なCATV事業の経営というのは困難性があると思います。しかしながら、諸外国、特にアメリカ等におきましてはCATVが非常に発展いたしております。最近多少伸び率が落ちておるという御指摘もあるわけでございますが、しかしながら、着実に加入者数はアメリカなどでもふえておりますので、日本でも相当将来性があるのではないかと私どもは見ておるわけでございます。
 それで、CATV事業の中で経営上どういうものが経営の基礎になっておるかといいますと、やはり契約料と利用料でございます。それでスポンサー料といいますか、広告料については全体の約一五%程度でございまして、八五%は契約料と利用料、それから有料の放送をやる場合にはその有料の利用料ということになるわけでございますが、そういうものでほとんど占められております。これはアメリカでもそうでございまして、全体の広告料の一%は有線テレビジョン放送のために使われておりますが、九九%は普通のテレビ放送に使われておるわけでございまして、したがってCATV事業のために広告料というのは余り貢献していない。あくまでも契約料であり利用料であるということでございます。
 将来かなり発展が期待されておりますので、五年なり十年という期間で見れば私ども十分経営が成り立つ事業ではないか。しかしながら、当面かなり経営に困難が予測されますので、そういう環境を整備するために、財政投融資の資金を確保するとか、あるいは税制上の優遇措置を講ずるとか、それからやはりこのCATVが発展するためには良質の番組を提供するということが一番大事でございますので、そういう番組供給の円滑な確保といいますか、そのためのいろいろな著作権上の問題とか、あるいは供給体制の問題、そういうような面の育成指導を今進めておる次第でございます。
 それから、技術がどんどん進んでおりまして、新しいそういう技術を導入することによってコストの安い機器が使えるようになりますので、そういうような技術開発についても政府が指導いたしまして推進をしてまいりたい、そのように考えておるわけでございます。そのほか、先ほど来御指摘がございましたような道路占用の問題、あるいは電柱共架の問題、その辺のいろいろな諸手続等が円滑に行えるような、そういう体制づくりも進めてまいりたい。そういうようないろいろな施策を通じてCATV事業が発展するための環境づくりをしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
#64
○柳澤錬造君 この法案、基本的には賛成という立場で、若干理解を深める意味でいろいろお聞きをしてまいりたいと思うんです。
 最初に、提案理由の説明の中に「今後、有線テレビジョン放送が高度情報社会における重要な社会基盤として順調に発展していくためには、多大の資金が円滑に融資されることが必要であります。」云々として、最後に「もって有線テレビジョン放送の振興を図ろうとするものであります。」とあるわけです。今情報過多時代だとかテレビ時代だとかと言われて、テレビが社会に悪影響を及ぼしているということもいろいろ問題になっているわけです。ですから、そういうことを考えていったときに、果たして国民がこういうことを期待しているのか、要望しているのか、その辺がどういう経過でもってこういうものの提案をするようなことになったのかという、そこをまず第一にお聞きしたいんですけれども。
#65
○衆議院議員(近藤鉄雄君) 提案理由の中にも申し上げたわけでございますが、近年CATVに対する需要が事業者の側、聴視者の側両方から多くなっていると私たちは考えているわけでございますが、その理由を考えてみますと、第一に既存のNHKとか民放、民放の場合に大体府県単位で流れているわけでございますが、そういう一般的な情報ではなしに、やっぱり市町村レベルにおりた地域的なニュース、また地域独特のいろいろな民族文化、伝統文化的なものの紹介や、さらには地域のいろいろな行事やスポーツ、高校間同士のいろいろなスポーツ試合とか、さらには市町村のいろいろな行政的な情報を速やかに市町村の住民に連絡、伝達をしたいとか、そういう一般的な全国的もしくは都道府県単位のテレビにはない細かい
地域的、個別的な情報を得たい、これが第一だと思うわけであります。
 それからもう一つは、今度は全国的なものだけれども、例えば全国的なスポーツを見たい、私は山形の代議士でございますけれども、いろいろな全国的なプロ野球のゲームなんかも見たいんだけれども、民放の関係で見られないのがたくさん出てくるわけですので、そういったものを何とか見られないかとか、それから音楽とか、また例えば経済専門の情報を非常に聞きたいとか、それから政治とか国際的な情報を非常に聞きたいとか、さらにはいわゆる放送大学というものが現在行われているわけでありますけれども、なかなか従来の電波では、現在電波だけでやっておりますので非常に限定されておりますが、これを何らかの形で地域に持っていって、有線放送を通じていろいろな教育番組、もっと進めば大学教育のしかるべき講座なんかも流せるように、そういう全国的な放送だけれども、しかしスポーツとか政治だとか経済だとか音楽だとか、それから教育だとか、そういう非常に個性のある放送はこれまで現在の電波では得られない、こういうことでございます。これに対する要望も非常にあるわけです。
 同時に、一歩進んでまいりますと、双方向性ということで、単に聞くだけじゃなしに、こっちからテレビに対する反響を言ってやって、そしてそういう放送する側と受ける側が相互の情報の交換ができる、そういうこともできる、こういったことをしたいという要望もこれから強くなってくると考えているわけでございます。
 先生御指摘のように、情報過多時代じゃないか、そういうことでもう要らないじゃないか、特にテレビの番組なんかは俗悪化して困るというような意見も確かにございますが、私は基本的には民主社会、つまり高度情報社会というものは非常に豊富な情報の時代であって、最終的にはそれを選ぶ権利が一般にある。一応限られた社会よりも数多く情報がある。それを最終的には個々の住民なり聴視者が選んでくるというのがやっぱり基本的な高度情報社会のありようではないか、そういうふうに考えているわけであります。
 といっても、私もアメリカでいろいろ見てまいったわけでありますが、多少大人向きの劇映画があって、これは高校生や何かに見せたくないなというような、そういうものもあるようでございますが、そういうものは技術的にキーを使ってこの番組は両親がパーティや買い物に出ていくときは持って出てくる。そうすると思春期の高校生は見られない。そういうような技術的な対応ができているんです。やっぱり必要なものは見られるけれども、見せていけないようなものはそういうキーをつける形で抑えることができる。そういう技術的なことも行われておりますので、基本的には関係者のある意味では自主的な判断もあると思いますけれども、弊害と考えられるようなものはできるだけ抑制をしていくことができるというふうに考えております。
#66
○柳澤錬造君 ありがとうございました。
 今度は郵政省の方に、これもやはり提案理由の説明の中は書いてあることですが、「近年、大規模にして、多チャンネル・多目的な有線テレビジョン放送事業の活動が活発化しており、」云々とあるのです。だけれども、資料の方を見ますと、一番大きいのが甲府の日本ネットワークサービス株式会社です。三万七千五百二十三端子、それ以下一万以上というのがここに十ほどあるんですが、この程度でそんなに活発化していると言えるのかどうか。いろいろ実際に行われているのは自主放送のことだとか、それから今もお話があるように、もっと地域の細かいことを何かやっている程度、しかもチャンネルも一つぐらいしか使ってないという。したがって、そういう点でこの多チャンネル、多目的なCATV事業というものの活動が活発化していくのかどうか。その辺の現状を御説明していただきたいことと、それから今後どのように発展していくか、その将来性というものはどういうふうに見ているのかという、その二点を御質問いたします。
#67
○政府委員(徳田修造君) 確かに先生御指摘のとおり、現状ではいわゆる大規模多チャンネル、多目的というようなものに該当するCATVというものは余りないわけでございます。しかしながら、近年国民のこういう情報ニーズが多様化してまいってきておりますし、技術革新が急速に今進んでまいってきておる。合わせまして本年四月に電気通信関係の法体系が大幅に改正されました。そういうような状況を背景にいたしまして全国的に大規模多チャンネル、多目的な、都市型と私ども呼んでおりますが、そういうCATVの計画が相次いで出てまいってきております。
 こういう計画には鉄道であるとか流通あるいは商社等々多種多様な企業が参入することを予定いたしておりますけれども、現在までに郵政省がそういう大規模な施設として許可を与えたものは八事業者、九施設ございます。それから現在郵政省の方に申請書が出てまいっておりまして、まだ審査している最中でございますが、それが全国で四十三施設ございます。それからまだ申請書を提出するに至ってはおりませんが、今検討して申請書を出そうということで準備中のところが約六十件ございます。そのようなことで、これからかなりの申請が出てまいるであろう。それから先ほど申し上げました八事業者、九施設に許可を与えておるわけでございますけれども、また大規模なものとしてはチャンネルが四十ある、四十チャンネルのサービスをする、そういうふうなものもございます。そういう状況でございます。
 それから、将来性でございますが、将来予測というのはなかなか定量的に予測するというのは難しい面があるわけでございますけれども、私どもが外部の機関に調査させたところによりますと、年率で約七・八%程度の伸びを示すであろう、普及率は今は一〇%程度でございますけれども、十年後に三〇%ぐらいまでいくのではないか、十五年後には四〇%の普及に達するであろう、そういうような予測データもございます。そんなような状況でございます。
#68
○柳澤錬造君 十年後、十五年後といっても、なかなかこれ難しいと思うんですが、現在、ビデオが非常に発達しておりますでしょう。それで時間的に見られない番組なんかをビデオで撮っておくとか、それから映画だとか音楽だとか、いろいろなものなんかがビデオでもって売られているわけなんで、そういう点を考えて、それで今の既存のテレビが、これは東京とか大阪が主ですが七チャンネル、そこから一日かなり流されているわけですね。それで、今言ったようにビデオのいろいろなカセットが買えるし、いろいろなものが手に入る。そうなってくると、既存のテレビというのはどの程度の影響を受けるというふうに御判断なさっているんですか。それから、一つの施設についてどのぐらい加入されたら大体成り立つというか、それをどの程度に見ておるか。その辺はいかがですか。
#69
○政府委員(徳田修造君) 既存のテレビ事業への影響という面でございますが、CATV事業の収入源の主なものは受信者からの加入料と利用料でございます。既存のテレビ放送事業はいわゆるコマーシャルといいますか、広告収入で賄っておるわけでございますが、CATV事業者が広告収入に依存する率というのは大変わずかでございまして、せいぜい一五%ぐらいでございます。八五%は加入料あるいは利用料、それから空きチャンネルの賃貸料といいますか、そういうようなものでございます。したがって、CATVが発達しても既存のテレビが影響を受けるということはほとんどないのではないか、そのように私ども考えております。現実にアメリカにおきますテレビの広告費の中でCATV会社の方に払っている分はどのくらいかといいますと、一%くらいでございます。九九%は普通の空中波のテレビ会社の方に支払われております。そういう状況でございます。
 それから、CATVの加入者の予測でございますけれども、先ほど御説明申し上げました最近許可を与えました都市型の九施設について見ますと、大体その事業対象区域の中の世帯数の五〇%
ぐらいは最終的に加入していただけるであろう、そのような予測を立てております。したがいまして、これは平均値でございますが、大体事業対象区域が約七万世帯でございまして、そのうちの三万五千世帯は、事業を開始して五、六年かかると思いますが、その間に加入していただけるであろう、そういうアンケート調査等の結果から予測をいたしております。
 それで、CATV事業の経営の見通しといいますか、どの程度の加入者があれば経営ができるであろうか、経営が成り立つだろうかということでございますけれども、既存の施設では要員の数をかなり省力化するとか、そういうような企業努力を相当した施設で大体加入者が四、五千ぐらいで何とかペイいたしております。多少余裕を見ればやはり一方加入ぐらいは最低必要ではないか、そのように考えております。したがって一万加入以上ある施設であれば十分企業として成り立つであろう、そのように考えております。
 それから、VTRの問題について御指摘があったのでございますが、VTRが家庭に普及することによりまして、確かに録画済みのテープをレンタル業者から借りてきて見るというケースが次第にふえてまいってきておるわけでございますけれども、これが例えば放送事業とかCATV事業にどの程度影響が出てくるか。これは一つの大きな問題にはなっておるわけでございますが、アメリカでいろいろ調査した結果などを見ますと、かえってVTRを持っている人ほどCATVに余計加入しておる、あるいはこれから加入したがっておる、そういうデータが出ております。これは十分な調査がなされた結果ではございませんので、確信のあるお答えにはならないかもしれませんが、一部の事業者が調査した結果ではそういうことになっております。
 したがって、逆にビデオテープレコーダーが家庭に普及いたしますと、CATVの好きな番組を緑画しておいて何回でも見るとか、逆にやはりああいう機械を買うという人はテレビを見たい人が買うのではないか、したがってCATVのようなたくさんの番組が流れてくる、そういうものにかえって加入したがるのではないか、そのような見方もできようかと思うわけでございます。いずれにしましても、これにつきましてはいろいろ御意見等もございますので、どのような影響が出てくるか多少時間をかけて見なければわからないと思いますが、必ずしもマイナスの要素ばかりではないのではないか。そのように考えておる次第でございます。
#70
○柳澤錬造君 そうすると、七万世帯ぐらいのところで半分が加入してくれる、三万五千端子という一つの見込みを持っておられる。それで四、五千、まあ一万以上あれば採算に乗りますというようなお答えだったわけですが、この資料を見ていると、施設の建設費というのが、今の三万端子程度で総建設費が約四十四億円、それに運営費が十億円程度。そうすると五十四億円ぐらいになって、先ほどもちょっと局長の御答弁聞いておったときに、十年ぐらいかかって何かやっと採算に乗るというような御答弁聞いておったんですが、民間の企業でつくって採算に乗る利益が出るのが十年後というのだと、少し気の長い話になると思うんですけれども、そこのところはそのぐらいの見通しなんですか。
#71
○政府委員(徳田修造君) CATV事業の採算性でございますけれども、単年度の黒字になりますのが事業開始をしてから四年ないし六年後でございます。累積債務がすべて解消するのが約十年、そういう数字になってございます。やはりCATV事業というのはNTTのような事業だとか、あるいは鉄道事業とか、そのようないわば装置産業に非常に類似した面があろうかと思います。設備投資が非常にかかる。したがって資金回収にかなりの時間がかかるということで、ほかの事業に比べると幾らか累積債務解消までに時間を要するわけでございますけれども、将来かなり発展性のある事業でもございますので、その点は十分安心してよろしいのではないかなと思っておる次第でございます。
 それから、先ほどの加入者が一万と申し上げましたのは、三万加入の施設で加入者が一方では、これはどうにもなりませんで、一万程度の規模の大きさの施設であれば収支相償うであろう、それより小さい施設になりますとやはり規模のメリットが余り出てまいりませんので、なかなか採算に乗りにくいという面があるのではないか、そのように考えておる次第でございます。
#72
○柳澤錬造君 単年度で黒が四年ないし六年という。そこも今どうなんですか、局長。私はこれはもっと大きなもう何千億というような投資をするということになると、これは話は違うと思うんですけれども、こんな四十億か五十億ぐらいの投資をしてやる事業が四年から六年たってやっと単年度で黒というのは、それはやっぱり私は企業経済の場合、悠長なことだと思うんです。ですから、そういうふうな見込みでおられて、それで融資をしていって、それが順調に予想どおりうまく伸びていかなかった、端的に言うならばつぶれちゃった。そういうときにいわゆる加入者、受信者の保護ということから考えたときにはどういうことになるんでしょうか。
#73
○政府委員(徳田修造君) 私どもは、この有線テレビジョン放送施設の許可をするに当たってはそういう財政的な基礎であるとか、あるいは計画の遂行の面で将来いろいろ問題を生ずる可能性があるかとか、その辺十分審査して、事業として十分成り立ち得る可能性を持っておるそういう事業に施設許可を与えておるつもりでございますけれども、不幸にしてそういうことで経営が不振なために事業が廃止されるという可能性が生じた場合であっても当然資金を融資いたしております銀行等では経営者の肩がわり先を探すとか、そういうようなことで倒産する前にしかるべき手を打たれるであろうと私ども期待しておりますし、もし不幸にしてそういうことで倒産して競売に付されるというようなことがあった場合でも、事業の継続性というものを確保するために受信者保護の観点から施設の許可に当たっても十分な配慮をしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
#74
○柳澤錬造君 いや、局長、銀行で金を貸しておったって、この程度の規模のところで倒産するかしないかなんて目を光らしているほどのものじゃないわけでしょう。恐らくぱたんとつぶれちゃってから気がついて、ああ大変だ、それは何でだということに私はなると思うんですよ。物を売っているところだったら、これはだんだん物が売れなくなってきた、どうもあそこの会社危ないぞ、気をつけろということになるけれども、こういうのだったら一定のお金というものは加入者から入ってくるわけでしょう。ですから、そうなったときに加入者というか受信者の方に対する補償というものが、ただ認可するときにそういうことをおまえ気をつけろよと言ったって、そんなことだれだって心配ありませんと言うに決まっているし、そんな危ない状態だったならばそういう事業もやるわけないですから。
 それから実際にどうなんでしょうか。今のテレビのような状態だと、どこへ移ろうが無線で来るからいいわけだけれども、今度は有線でしょう。転勤だといったらそこから行っちゃうんですから、そうしたときには契約は解除するわけだけれども、そのときには問題なしにちゃんと契約金とかなんとか、そういうものは返してくれることになるんですか。それから、いろいろそういうことについての加入者側の不利になるようなことはないように、どうやってその辺をチェックなさるかお聞かせをいただきたいんです。
#75
○政府委員(徳田修造君) 加入者が転働等で引っ越しをされる場合でございますが、いろいろな有線テレビジョン放送施設の契約約款によって違いがございますけれども、加入時から大体一年から二年以内に限っては加入料の二割から五割程度は返還されるというような契約になっておるものが多うございます。
 この有線テレビジョン放送事業といいますか、
施設の運用が適正を欠いて受信者の利益を阻害しているというような場合におきましては有線テレビジョン放送施設者に対しましていろいろな改善をするような命令を郵政大臣が下すことができることになっております。これは有線テレビジョン放送法の第二十四条という規定がございまして、そういう規定に基づいて必要な改善のための指導をすることができることになっておりますので、そういう面で事業が円滑に適正に運営されるような指導をしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
#76
○柳澤錬造君 もうちょっと説明してくれませんか。今の既存のテレビというのは毎月幾らといって契約金を払い込んで、それで好きに見ているわけでしょう。今度のは今の既存のテレビと違って契約をするときにどの程度お金を取られるのか。恐らく何万円という程度取られるわけでしょう。そうでなかったらこれは成り立たないから。その何万円になるか私はわからない。それを知りたいんですけれども、契約金を払って契約をする。そうすると、そこから十年だろうが二十年だろうが加入の契約は同じなわけなんだから、そうすると、今どういうことなんですか。短かったら二割か五割しか返さぬとか、仮に五年なら五年でもう引っ越して大阪の方に行くんですから契約を解除いたしますと言ったら、そのときは返すのが当たり前じゃないんですか。そこの辺はどういうことなんですか。
#77
○政府委員(徳田修造君) この有線テレビジョン放送施設に加入する場合には加入料といいますか加入金というのを払うわけでございます。それは加入した最初のときだけでございます。それから利用料というのを毎月支払うことになっておりますけれども、いろいろ施設によってその加入料、利用料の額は異なっておりますが、営利で自主放送を行っております二十五施設の平均値で申し上げますと、加入料は三万九千円ということになっております。それから毎月の利用料は千二百円というのが平均値でございますが、そういう数字になってございます。
 それで、先ほど申し上げました転勤等で引っ越しをした場合には加入されてから一年ないし二年以内の方に限って二割から五割程度は返還をいたしますという、そういう契約約款になっておるわけでございまして、加入してから三年以上たった方にはそこでおやめになっても加入料はお返しいたしませんというような形になっておるわけでございます。これは加入しますと加入者宅まで線を引っ張りますので、ある程度の費用がかかるわけでございます。そういう費用を回収するという意味合いもあって一、二年の間は何とかお返ししますけれども、いつまでも加入金を返還するというわけにはいかないという考えではなかろうかと思っております。
#78
○柳澤錬造君 もう時間がなくなっちゃったですから、今のその点が私はなかなか理解がゆかないので、家を借りた場合であったって家賃のほかに敷金を取られる。それは一年で出ようが十年、二十年入っていて出ようが、よそへ行くので今度はもう契約解除のときは敷金は返すというのが、これはどこでも常識であるわけなんで、これは新しいなにですから、もちろんそれでせっかくこういう事業がやられるについて、さっきも言ったように、つぶれちゃうようなことをしてはいかぬことでして、ですからその辺は皆さん方の方が十分チェックをしてもらわなければいけない。
 同時に、せっかくいいものができたといって利用しようと思ってお金を払って入られるから、そういう加入者、いわゆる住民の人たちの側のそういうことも、ああやっぱりよかったなと思えるようにしていかなければいけないんで、その辺は企業の側の保護ばかり考えて、加入者の方が何か非常に不安で損をするようなことをしてはいけないのであって、ですからその辺は十分にどちらにも公平といいましょうか、お互いに利用されてよかったと思えるような、そういう形でないとせっかくつくった法律が意味をなしませんので、その点は十分御配慮をいただきたいということでお願いしておきます。それだけ答えを聞いてもう終わります。
#79
○政府委員(徳田修造君) この有線テレビジョン放送事業者は事業を開始するに当たって契約約款というものをつくらなければならぬ、その契約約款の中で料金の規定を設けることになっておるわけですが、その規定につきまして郵政大臣に届け出の条件を課してございます。郵政省といたしましてはその約款の内容を検討いたしまして、その料金に関する事項が受信者の利益を阻害しておるという場合には料金に関する事項の変更を命ずる、そういう権限も与えられております。したがいまして、私どももそういう役務の提供のための加入料とか利用料というものが適正であるかどうかというものを私ども十分審査してまいりたいと思っておりますし、受信者の利益が阻害されるおそれがある場合には必要な適切な指導をしてまいりたいと、そのように考えております。
#80
○委員長(大川清幸君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(大川清幸君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#82
○寺田熊雄君 私はこの法案に賛成なのでありますが、しかし多少いろいろ問題点があるので討論をいたしたいと思います。
 まず、本法案の審議に当たりまして、工場抵当法そのものを改正せよ、あるいは整備せよという議論があったわけでありますが、それは別段現行の工場抵当法の欠陥を具体的に指摘して改正の方向を指し示したものではないように思うのであります。法務大臣は、有線テレビジョン放送事業のほかに工場財団制度を活用する必要のある事業がほかにもあるのではないだろうか、それらを横並びにして法を整備する必要を考えて、あえてこの法案を政府提案としなかったという趣旨のことを当委員会で述べられておりますけれども、私は工場抵当法の整備あるいは改正そのものよりも、むしろ有線テレビジョン放送法自体をもう少し整備する必要があるのではないかということを特に本法案の審議に当たって感じたのであります。
 この有線テレビジョン放送法は放送施設の設置をする者、放送施設者と放送業務を行う者、放送事業者とを概念的に分けておりまして、そして設置者とは放送施設を設置することについて第三条第一項の許可を受けた者としておるのであります。第三条では、それでは許可申請をする者はだれかと申しますと、放送施設の設置者ではないのであって放送事業者であるということをむしろ建前としておるのであります。したがって、この場合に放送施設の所有者がみずから放送業務を行う場合には別段何らの問題を生ずるのではありません。しかし放送施設が他人に賃貸されたような場合、あるいはその業務が他人に委託されるような場合はその貸借人なり受託者が施設を管理する立場に立つので、これはその賃借人なり受託者である放送事業者が他人の所有する放送施設について、その設置についての許可を申請するということになるのだという政府の説明でありますけれども、他人の所有物について、それを設置することについて許可を申請するというのはいささかこれ変則的な事態のような感を免れないのであります。
 むしろこの法律の第四条第一項の条件を見てみますと、第一号、第二号は施設の計画が合理的であるかどうか、放送施設が技術的な水準に適合しているかどうかということでありますけれども、第三号を見ますと放送施設を確実に運用するに足る経理的な基礎を持っているだろうか、あるいは技術的な能力を持っておるだろうかという事業者の資格要件をむしろ定めておるのであります。こういう規定を総合いたしますと、この法律は設置の許可というよりも実質的にはむしろ事業許可ではないだろうかと考えられるのであります。
 なぜこれを事業許可とせずに施設の設置許可と
したのであろうかということを尋ねてみますと、政府の答弁は憲法第二十一条の表現の自由の尊重にあるような答弁も見えるのであります。二十一条だけではなくて二十二条第一項の職業選択の自由の尊重の念慮から出たとも考えられるのでありますけれども、しかし実質上むしろ事業の許可と見られるべきものである以上は、その許可がでるだけ容易に得られるものであるという保証さえしっかりとしておけば、直接にやはり事業許可とする建前をとった方がすっきりするのではないだろうかと考えるのであります。
 無線放送の場合は、電波法では確かに無線局を開設する者は郵政大臣の免許を取れという規定がございますけれども、放送法を見ると、放送局の設置の免許を受けた者を即放送事業者としておるのでありまして、これは本法のごとく設置者と事業者を分けておらない。これは大規模であることを予想して有線放送のようなものとは性格が違うと考えたのかもしれませんけれども、設置免許即放送事業というふうにとらえておるのであります。そういうところから見ましても、これはむしろ事業の許可と私えるのが適切ではないだろうかと考えるのであります。
 それからもう一つは、工場財団制度を利用して本法を改正しようといたしますと、競落人の所有権取得によってその事業が当然に継続されるということを確保いたしませんと、これがやはりもしもそうじゃなく事業の継続が不可能になった場合には、これは国民経済的な見地からも損失でありますし、競落人の利益も損なう、受信者の利益も損なうという結果を生ぜざるを得ないのでありますからして、工場財団制度を設けるということは競売があり得るということであります。入札があり得る。したがって競落もあり得るということを前提にしておりますので、そういう競売制度の確実性といいますか、安定性というものを確保するのにもうちょっと配慮が必要であったのではないだろうか。
 道路管理者が架線の設置についての同意をするであろうということは有線テレビジョン放送法の三十条からも当然予想されるのでありますが、もしも広い範囲にわたって私人の土地を架線がまたぐという場合には土地所有者の同意が確実に得られるという保証があることが望ましいわけでありまして、こういう場合には架線はよる土地の利用というものを地役権のような物権的なものにすることを保障する、あるいはそれを必要とするというような制度を設けるとか、それから電電や電力会社の電柱を利用する場合、その電柱を利用して架線をする場合には当然に電力会社なり電電会社はそういう競落人に権利関係が承継されるということを承認することを何か義務づけるような制度ができないだろうか。
 これは政府側の答弁では行政指導によって十分賄えるというのでありますけれども、行政指導によって賄うというのにはやっぱり法的な制度としては一抹の不安があることを免れないのであります。そういう利用椎を物椎化してもっと法制度として確実なものとする。行政指導によらなくても、例えば同意を擬制するとか、先ほどお話ししたように物権化するとか、法的制度としてもうちょっと安定性を持たせる必要があるのではなかろうかというふうに考えるのであります。
 それから、この制度は有線テレビジョン放送法が施設の一部を賃貸するということは法第九条によって予想しておるけれども、全体を賃貸するということは必ずしも明確に予想をしておらないようであります。しかし、これはやはり架線を認めておる電力会社等が同意をすれば容易に賃貸も可能なのでありますからして、将来の経済的ないろいろな諸事情によって賃貸がなされないということはないのであって、これは十分可能なことである。それが殊に極めて大きな利益を生むというような場合にはそういう事業者があらわれてくるということも予想できるのでありますから、こういう点についてももっとそれを予想して法的制度としても整備しておく必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えるのであります。
 こういう意見を述べまして、そして本法案に賛成をするわけであります。
#83
○委員長(大川清幸君) ほかに御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○委員長(大川清幸君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 工場抵当法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(大川清幸君) 挙手総員、全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(大川清幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回の委員会は六月二十日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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