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1984/02/12 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第5号
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1984/02/12 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第102回国会 地方行政委員会 第5号
昭和六十年二月十二日(火曜日)
   午後零時五十二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月十四日
    辞任         補欠選任
     工藤万砂美君     加藤 武徳君
 十二月二十日
    辞任         補欠選任
     出口 廣光君     河本嘉久蔵君
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     河本嘉久蔵君     出口 廣光君
     原田  立君     峯山 昭範君
     三木 忠雄君     中野  明君
 一月十四日
    辞任         補欠選任
     神谷信之助君     上田耕一郎君
 一月二十五日
    辞任         補欠選任
     上田耕一郎君     神谷信之助君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     峯山 昭範君     太田 淳夫君
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     太田 淳夫君     峯山 昭範君
 二月十二日
    辞任         補欠選任
     加藤 武徳君     福田 宏一君
     峯山 昭範君     太田 淳夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金丸 三郎君
    理 事
                岩上 二郎君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                三治 重信君
    委 員
                井上  孝君
                上田  稔君
               大河原太一郎君
                上條 勝久君
                古賀雷四郎君
                出口 廣光君
                福田 宏一君
                吉川 芳男君
                佐藤 三吾君
                志苫  裕君
                丸谷 金保君
                太田 淳夫君
                中野  明君
                神谷信之助君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    古屋  亨君
   政府委員
       警察庁警備局長  柴田 善憲君
       自治政務次官   小澤  潔君
       自治大臣官房長  津田  正君
       自治大臣官房審
       議官       土田 栄作君
       自治大臣官房審
       議官       井上 孝男君
       自治省行政局長  大林 勝臣君
       自治省行政局公
       務員部長     中島 忠能君
       自治省財政局長  花岡 圭三君
       自治省税務局長  矢野浩一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       厚生省保健医療
       局管理課長    羽毛田信吾君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課長    加藤 三郎君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  近藤純五郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(金丸三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月十四日、工藤万砂美君が委員を辞任され、その補欠として加藤武徳君が選任されました。
 また、去る十二月二十一日、原田立君及び三木忠雄君が委員を辞任され、その補欠として峯山昭範君及び中野明君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、峯山昭範君が委員を辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金丸三郎君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 志苫裕君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に上野雄文君を指名いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(金丸三郎君) 昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。古屋自治大臣。
#7
○国務大臣(古屋亨君) ただいま議題となりました昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 昭和五十九年度の補正予算によりまして同年度分の地方交付税の額が千四百九十七億円増加することとなりますが、このうち本年度において普通交付税の調整額の復活に要する額二百二十五億円を除いた残余の額千二百七十二億円を昭和六十年度分の地方交付税の総額に加算して同年度に交付することができることとする必要があるので、昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律を制定することとし、所要の規定を設けることとしております。
 以上が昭和五十九年度分として交付すべき地方税の総額の特例に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#8
○委員長(金丸三郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○上野雄文君 それでは、私から質問を申し上げたいと存じます。
 今回のこの交付税の特例法によりまして、ちょっと五十五年度分のやり方と比べてみて、特別交付税を配分しないということにしているようでありますけれども、まずその理由についてお尋ねをいたしたいと思います。
#10
○政府委員(花岡圭三君) 昭和五十九年度の特別交付税は五千百十四億円となっておりますが、このうち千百十八億円を十二月分として交付しております。したがいまして、三月分の交付予定額といたしましては、前年度の三月交付額とほぼ同水準の三千九百九十六億円を留保しているわけでございます。本年度の特別交付税総額は前年度よりも下回っておりますけれども、現年災害関係の算定額が昨年度を大きく下回っておりますので、この総額によりまして本年度の地方団体の財政需要は賄えるというふうに考えておるわけでございます。
#11
○上野雄文君 お話はそれなりにわかるつもりでありますけれども、ただ、かねてから特別交付税の問題についてはいろいろ言われておりまして、特別交付税が普通交付税に比べて算定基準が明らかでない部分がある、こういうことが言われているわけです。私も、いろいろ物の本でありますとか、昨年の十二月ですか、「地方財政」に載った「地方交付税三十年の歩み」という中に座談会の記事などが載っております、そういうものを見てみましても、どうも特別交付税の配分の実態は普通交付税に比べてなお不透明であるという指摘がありますし、またこの座談会の中で、これは石原次官の発言ですけれども、ちょうど交付税課の機構改革の問題について触れておられるのでありますけれども、その際に「普通交付税は理論計算であり、どうもうまみがない。特別交付税の配分の方がうまみがある。」という御発言がありまして、どうもその辺のことと絡みますと、そういう配慮というものが多少なりとも加えられてくるのかなという、私の方のあるいは勘ぐりかもしれませんけれども、その辺の問題についてはどんなふうにお考えですか。
#12
○政府委員(花岡圭三君) 特別交付税の算定対象としております特別の財政需要というのは、御承知のように、標準的な経費につきましては一定の算式で算定する普通交付税においては補足されなかったものでございまして、この需要の性質上なかなかルール化して算定することが困難なものが多いわけでございまして、また限られた地方団体において生じておる特殊なものについて配分するというふうなことも多いために、一般的にはルール化するのに非常に困難なものもございます。しかし、省令上算定方式を規定しておらないものでありましても、例えば重要文化財が多いことというのが書いてございますが、こういう場合でも指定文化財の種類ごとの指定件数といいますか、これに一定の単価を乗じて算定をするといったように、省令に書いてないものもいろいろルール的な算定を試みておるわけでございます。できるだけ客観的簡明な算定方式にしておるようなところでございます。
 このほか、財政需要または財政収入が過大過少であることというふうな、本当に特殊の要因と申しますか、限られた団体の特殊要因というものもございます。こういうふうなものについても、例えば科学技術博覧会の準備だとか足尾銅山の閉山対策、こうしたようなものはどうしても実額を基礎にせざるを得ないというふうなものも出てまいります。こういうふうな地方団体における財政需要の適切な把握の方法につきましてはできるだけ努力して検討をしてまいっておるわけでございます。
 先ほど御引用になりました石原次官の座談会の発言でございますけれども、うまみというのは、まあ座談会をおもしろくしようと思って発言されたのだろうと思いますが、ちょっと誤解を生むような表現で申しわけございませんけれども、交付税課と財政課を分離いたしますときに、あの本にも書いてあったと思いますけれども、例えば県分と市町村分を分けたらどうかというふうなこともございますが、やはりそれは県と市町村を一体に算定しなきゃならぬだろう、しかしそういうことで交付税課にそういった交付税計算事務が全部行くということになりますと、財政課の中では財政計画オンリーということになりますと、地方団体がいわゆるどのような事情になっておるかというふうな実態がつかみにくくなる、地方の実情が把握できない、こういったことがございますから、うまみといいますか、これは要するに地方の実情をよく把握しておきたいというふうな意味合いでおっしゃったものと私ども理解しておるわけでございまして、決して不透明な算定をしておるわけではございません。
#13
○上野雄文君 それから、毎回議論になっていると思うのですけれども、一口に給与の高い団体に対してのいろんな制裁措置がとられておりますけれども、ふやしてやる必要もないだろうというような考えがあるのではないかという、また勘ぐりをしたくなるわけですけれども、その辺についてはどうでしょう。
#14
○政府委員(花岡圭三君) 御承知のように、特別交付税も交付税でございますので、全地方団体の共有財源でございますから、地方団体相互間の実質的な公平ということを考えながら各地方団体に対する交付額を決定するものでございます。このような観点から、期末、勤勉手当のいわゆるプラスアルファの支給団体につきましては財源的に余裕があるという点に着目をして、従来から減額措置を講じておるわけでございます。この給与水準が著しく高い団体につきましても他の団体に比べてその財源に余裕があるというふうに考えられますので、特別交付税の配分の公平を期する見地から、これらの団体におきます特別の財政需要を算定する場合には一般の地方団体に比べて厳しい対応をすることにいたしているわけでございます。
#15
○上野雄文君 いずれまた行革大綱の部分でこの問題についてもう少しお尋ねをすることにしたいと、こう思いますが、そこで、実は交付税に関係があることですが、この際一緒にお尋ねをしておきたいと思う点があるんです。
 きょうは厚生省からおいでをいただいておると思うのでありますが、最近ごみ収集の問題をめぐって、死亡事故という労働災害の上では最高の問題が起こっているわけです。これらの事故の実態等について厚生省の把握をしておられる点についてちょっと御報告をいただきたいと、こう思うんです。
#16
○説明員(加藤三郎君) 清掃事業におきます労働安全問題は、言うまでもなく、基本的には労働省が所管しておるわけでございますけれども、厚生省といたしましても、廃棄物の適正処理といったものや清掃事業の円滑な推進という観点から、この問題には重大な関心を持ってきておりまして、これまでもいろいろな対策を講じてきているわけでございます。
 今お尋ねの清掃事業におきます人命にかかわるような重大な事故については都道府県を通じまして厚生省に報告が来ておりますけれども、それによりますと、ここ数年の人命にかかわる事故は昭和五十七年に十四件、昭和五十八年に二十件、昭和五十九年には十二件発生をいたしております。そのような報告を受けております。
#17
○上野雄文君 随分多いというふうに思うんです。で、その原因、それは一体どういうところにあると考えているか。それから、対応策をどういうふうにされているのか、そういう点についてちょっとお知らせいただきたい。
#18
○説明員(加藤三郎君) 確かに、先生御指摘のように、私どもとしてもかなり事故があるというふうに重大な関心を持って見ておるわけでございますが、個々の事故につきましてはもちろんいろいろと個々の原因があるわけでありますが、総じて
言えますことは、一般論として言えますことは、やはり安全管理体制というものを確立すること。
 それから、例えば職員側でついなれで本来やるべき基本を怠ってしまうとか、いろいろなことがあろうかと思っておりますので、厚生省といたしましても、先ほど来申しましたように、本件問題は重要だと考えておりますので、これまでもいろいろなところでいろいろな対策をとってきております。例えば全国衛生主管部局長会議あるいは環境衛生課長会議、そういったような場を通じまして労働安全の重要性を指導するとか、あるいは厚生大臣が認定いたしております技術管理者講習会といったような場を利用しまして技術管理者等に現場での安全確保といったものの教育をしておるとか、さらに国庫補助にかかわります廃棄物処理施設に対しましては構造指針といったものを設けまして、その中で安全性の問題に触れておるといったようなことでございますが、特に申し上げたいことは、五十八年から検討会を設けてこの問題を本格的に検討してまいりました。
 その検討会と申しますのは、市町村の代表あるいは作業従事者の代表、さらに学識経験者から成ります廃棄物処理事業における事故防止対策検討委員会というのを厚生省に設けまして、事故防止の観点からチェックすべき事項の整理といったものを行いまして、その結果を廃棄物処理事業における事故防止対策マニュアルという形で昨年の十一月に取りまとめまして、地方自治体に周知方指導をいたしておるわけでございます。
 こういったマニュアルを使いまして、厚生省といたしましては全国都市清掃会議を指導いたしまして、地方公共団体の職員を対象とした労働安全衛生対策の研修会を開催をいたすことになっておりまして、この二月の二十日からでも、もうやる準備を実は整えておるわけでございます。
 それに加えまして、実は廃棄物処理施設自体の設計なり施設面での安全確保というのは非常に重要でございますので、昭和五十九年度から新たに予算を設けまして、廃棄物処理施設の安全設計に関する調査といったものを実施をいたしておるわけでございます。
 いろいろと申し上げましたけれども、このようないろいろな対策を総合的に講ずることによりまして、清掃事業におきます労働安全衛生の確保に厚生省としても全力を挙げて取り組みたいというふうに考えております。
#19
○上野雄文君 御努力をされていることについてはそれなりに評価をしたいと思うのでありますけれども、皆さんの中で相談をして検討委員会の中で出てきたものを私も見せてもらったわけであります。
 それで、収集作業について、重量物は二人で慎重に積み込みなさい、それから回転板を操作する場合は、他の乗務員の安全を確認してから操作をしなさいとか、作業現場に危険がある場合は、現場管理責任者に報告をして指示を受けなさいとか、収集作業は二人以上で行うようにしなさい、これは圧縮式機械式収集車、天蓋式ダンプ収集車、いずれにも通じてそういうふうに記載してあるわけですけれども、いろいろ話を聞いてみますと、作業をやる側からすれば、運転手を除いて二人だと、こういうふうに理解をしているわけですけれども、どうもその辺がもう一つはっきりしないのですけれども、その辺の皆さんの見解はどうなのか、ちょっとお聞きをしたい。
#20
○説明員(加藤三郎君) 今先生お尋ねの数字でございますが、これは先ほど私御答弁さしていただきました中で触れました事故防止マニュアル、これは検討委員会がつくったいわば報告書そのものでございますが、その中で確かに収集作業は二人以上で行うというふうにしておるわけでございますが、この二人以上といいますのは、文字どおり二人以上が収集作業を行うという意味でございまして、運転手が収集作業に加わり二人で作業を行う、そういう場合も考えております。
#21
○上野雄文君 この間、担当の方からそういうふうは聞かされたんです。でも、どうもちょっと実態と事故の起こった経緯や何かから見れば、常にお互い同士が確認し合えるそういう条件をつくっておかなければならぬはずなんで、運転手は運転業務に専念しなきゃなるまいと思うんです。
 それで、実はまたけさほどお手元に差し上げましたけれども、道路交通法の七十一条、「運転者の遵守事項」とある中の第五号で、車両を離れるときは、運転手はその原動機をとめ、完全にブレーキをかけるなど当該車両が停止の状態を保つために必要な措置を講ずること、以下またこうあるんです。それで、これとの関係でいくと、これを厳密に守るということになると、エンジンをとめてしまったらロードパッカーは後ろの機械類が回らなくなるわけです。そうすると、運転手は本来離れることができないのではないかというふうに私は思うんです。
 それから、きょうは労働省からはおいでをいただいておりませんけれども、労働省が五十七年の七月二十八日付で各県の労働基準局長あてに「清掃事業における労働災害の防止について」という通達を出していますね。その中に、この第二の項の中で、「(ニ)容器を持ち上げる際は、腰痛防止等に留意し、まず軽く持って重量をはかり、自分の力に余るものは無理に一人で持たず、二人で運ぶようにさせる」、こういうことがあって、これとの関連で皆さんの検討会でも二人というのを出したのだろうと思うのだけれども、話はその運転手も含めて二人だという話になってしまうと、どうもちょっと道交法の絡みやなんかからいっておかしいのではないかと、こういう気がするんですけれども……。
#22
○説明員(加藤三郎君) 先ほど私の説明があるいは舌足らずだったのかもしれませんが、この検討会の報告書で常に運転手を含めてカウントしなさいというふうにはなっておりませんで、職務規定とかそういったいろんなことありますでしょうが、運転手が作業するようになっている場合、例えば地方の田舎の場合交通も非常に激しくない、そういうところでは運転手が同時に作業する場合もありますので、そういう場合は運転手も含めてもいい。ただし、交通が非常に激しいような大都会等におきまして、これはもう運転手は運転に専念するということになっている場合は当然運転手の数はこの作業員にカウントしない、こういう趣旨でございました。
#23
○上野雄文君 冒頭に事故の実態を御報告願ったわけですが、私なりに調べてみますと、どうも死亡事故というのは訓練の十分行き届いていない民間委託の方の業者に多い、そういう感じを実は私は持っているんです。しかも、この前、これは五十八年の十二月に起きた大阪の門真市の死亡事故なんかは、一人でやっておったですね、運転から操作まで。そしてその途中、機械に巻き込まれて、ごみと一緒に入ってしまって、それをだれも気がつかずに、外からの通報で捜したけれども見当たらない。で、別な運転者が行ってそれをそのまま運んでいって、ごみのピットに投げ込んでしまった。それからずっと流れていって、黒焦げの死体になって排出口から出てきたという事故なんです。こういうような例からいってみても大変な事故の実態であるわけでして、私は労働安全衛生という立場から、しかもこの収集業務が支障なく行われるということを確保するためには、何としても運転手を除いて二人の収集員をつけるような、そういう指導をすべきではないかと、こう思っているんです。そういう点について、ひとつ今後とも御努力をいただきたいというふうに思っております。
 そこで、実は自治省の交付税の関係についてお尋ねをすることになるわけでありますけれども、交付税の単価について、このごみ収集の分野で、自動車一台当たりの従事すべき人員について五十八年度までは二・〇、それが今度一・八に下げられ、さらに六十年度では一・六に下げられそうだと。もちろんこれは除く運転手ということになるわけでありますけれども、そのことについて、その実態をお話しいただければと思うんです。
#24
○政府委員(土田栄作君) お答え申し上げます。
 地方交付税の算定の基礎になります基準財政需要額の算定方法につきましては、地方公共団体の実態を踏まえながら絶えず見直しを行っているところでございます。
 御質問にございますごみの収集経費につきましては、五十八年度までは収集車一台当たり運転手を含めて三人、運転手一人、収集員二人ということで所要人員を配置するように計算したところでございますが、五十八年度に自治省で全市町村につきまして実態調査を行いましたところ、ごみの収集業務を直営で実施しております千二百七十三団体の保有車両の一台当たりの平均収集の職員数というのは二・六人ということで、交付税上の配置基準を下回るということがはっきりいたしましたので、この実態を踏まえまして二年がかりで二・六人にする。したがいまして、五十九年は二・八人にする、六十年は二・六人に算入するということで単位費用の算入方法を是正するということにいたしたわけでございます。
 もちろんこれは一台について運転手が一人、作業員が一・六人ずつ張りついているという意味ではございませんで、これは先生御案内のように、都市部では運転手一人に作業員が二人張りついているというところもございますし、それから今度は地方へ参りまして交通の激しくないところですと運転手一人に作業員一人ということで、二人でやっているところもございますので、そういうふうな加重平均した実績というのが二・六人ということで妥当な数字であろうというふうに私ども考えている次第でございます。
#25
○上野雄文君 そのことについても実は厚生省の方といろんな話をした場合に、やっぱりあるべき姿の追求をしていって、これはもとに戻すようにひとつ厚生省の方でも頑張ってくれと、こういう話になって、それなりに皆さんの方にも話がいっていると思うのですけれども、交付税の算定の場合にはやっぱり実態を基礎にしてやるのだという話をされてしまうと、どうももう一つ押す力がなくなってしまう、こういう話なんです。
 ただ、私は先ほど大阪の門真市の例しか申し上げませんでしたけれども、やはり事故が起こるというその実態を見てみますと、現状は確かにそうであっても、現場では民間委託を進行させたい、それからできるだけ人手を少なく抑えていきたい、そういう気分があるわけです。だから、確かに交付税の算定上はそうかもしれませんけれども、しかし清掃業務のあり方を追求していけば、事故の起きないような体制という、それをつくり上げてくれなければ困るではないか。
 交付税の方でもこんなにぶった切られているのだからうちの方は削るのは当たり前ですよという空気が出てくる方が実は現場の方では恐ろしいと、こういう声があるわけです。ですから、我々も直接こういう問題について現場での交渉の際には大いに頑張っていきますけれども、自治省の方としては、実態はこうなんだからこういうふうに下げていきますよという話だけではなくて、自治省の方でもそれなりの対応策というものが講ぜられてしかるべきなんだと思うんですが、そういう点についてはどうですか。これはもう交付税課ではなくてよその公務員課とかなんかになるのですか。
#26
○政府委員(大林勝臣君) 民間委託に関して申し上げますと、清掃業務につきましては年々民間委託がだんだん伸びてまいっておりますけれども、ただ民間委託というのは事務の効率性あるいは住民サービスの維持向上ということに十分に配慮した上で行われなければならないのは当然であります。したがいまして、単に委託すればいいのだということではなしに、やはり相手方の選定をいたします場合には、十分に労働法規でありますとか交通法規でありますとか、その他の法令遵守義務というものをしっかりと持っておるようなところを選定すべきであることはまた言うまでもありません。団体によりましてはそういったことを契約条項に明記しておるところもございますが、基本的には委託を受ける業者自体の自覚、体制整備というところと存じますけれども、地方団体としてもそういった委託先の選定についてはできるだけ慎重に配慮していただくように指導しておりますし、今後ともそのつもりでおるわけでございます。
#27
○上野雄文君 いろいろこれは議論があるところでありまして、私どもとしてもこういう労働災害の実態から、清掃業務の問題をめぐってさらにこれからも詰めていきたいとは思いますけれども、ひとつ皆さんの方でもこういう実情にあるということを十分御承知をいただきたいというふうに思います。
 さてその次に、また厚生省の方忙しいところ済みませんでしたが、この間、国立病院・療養所再編成問題等懇談会で意見書が出されたわけです。私は新聞を読み、さらにまた皆さんのところから改めて意見書をいただいたわけですけれども、実は一番かちんとくるのは、今度は三百床以下の病院は採算が悪いから、ひとつそういうところは地域と地方自治体やなんかと相談をして自治体に移管をすると、こういうのが出てきているんです。それで、そうでなくとも地方自治体が財政上大変な状態にあるという折から、さらに赤字の病院を自治体に移管されるということになったら大変なことだというふうに実は思ったわけです。今、国立病院が一口に赤字と、こう言われているわけですけれども、全体の経済の状態、どんなふうになっているのか、ちょっと教えていただきたいと思うのです。
#28
○説明員(羽毛田信吾君) お答えをさせていただきます。
 国立病院、国立療養所は現在全体で二百五十三施設ございます。その中で十三施設はいわゆるらいの療養所ということで一般会計でやってございますので、そこを除きまして国立病院・療養所全体では現在一般会計から、五十九年度で申し上げますと、千二百九十二億円繰り入れをちょうだいいたしております。いわゆる赤字ということになりますと、私どもは経常収支というような形で見ておりますので若干違うものがございますけれども、大ざっぱに申し上げまして、一般会計からいわば面倒を見てもらっておりますのが千二百九十二億ということでございます。
#29
○上野雄文君 千二百九十二億。我々の立場からしますと、これは全部来るとは思いませんけれども、しかし採算の悪いところは自治体にひとつやってやれという考えなんだろうと勘ぐってしまうわけです。
 そうすると、そういう意見書を出してきたその背景というのは、皆さんの方ではどうお考えになっていますか。
#30
○説明員(羽毛田信吾君) お答えをさせていただきます。
 国立病院・療養所のいわゆる再編成問題と申しておりますが、再編成問題につきましては、既に第二次臨調の答申におきまして、その必要性並びにこれをなすべきことがうたわれておりまして、それを受けました閣議決定に従って実施をするということになっておるものでございます。
 その趣旨でございますけれども、先生今お話のございましたように、単なる財政負担の軽減ということだけを目的とするものであるというふうには私ども承知をいたしておりません。
 厚生省もこのことに取り組まなければならないということでやっております趣旨は、やはり現下の厳しい情勢のもとで、時代の要請に応じまして国立病院・療養所がやはり国立医療機関としてふさわしい役割を果たしていくという面での機能の強化を図っていくというためには、一方におきまして、従来国立病院・療養所は御案内のとおり戦前の陸軍病院、海軍病院等を引き継いで今日まで経営をいたしてきておるわけでございますけれども、先生御引用なさいました意見書にも出ておりますように、従来ともすれば「そこに病院があるから経営する」という形に流れがちであったというようなことを指摘をされておるところでもございますので、そういった意味で今後国立病院・療養所についてはどのような役割を果たすべきかということを明確にした上で、一方においてやはり統廃合すべきはする、あるいは他の経営主体が経営をされるのが適当だと考えられるような場合については経営移譲する、そして一方において国立医療機関らしいものについては積極的に機能の強化を図っていく、そういった方向において再編成が不可欠であろうということがこの臨調答申あるいはそれを受けました閣議決定ということに基づいてやっております行革の一環としての再編成問題であるということで承知をいたしております。したがいまして、単なる赤字減らしというような観点から取り組んでおるわけではございません。
 それで、今回お出しをいただいた再編成問題等懇談会の意見書、これはいわゆる私ども厚生省の保健医療局長が学識者から御意見をちょうだいをするということで出てきたものでございますけれども、そこにおきましても、そういう意味で国立病院・療養所は今後とも質的な強化を図って国立病院・療養所をいい病院に仕立てていく、育てていくためには、一方においてそういう再編成はやっぱり不可欠であろうということがその意見書にも出ております。ただ、その再編成が不可欠であるという視点はあくまでも国立病院・療養所に重点整備と申しますか、そういう方向において国立病院・療養所にふさわしい役割のものを積極的に育てていくという側面がなくてはいかぬ、こういうふうなことで御意見をちょうだいしておるところでございます。
 そこで、先生今お話のございました経営移譲の問題でございますけれども、実はその再編成と申しております中に、積極的に育てていく側面と、今申し上げた他の経営主体にゆだねるあるいは統廃合するというような側面があるわけですけれども、そういった側面では二つのメニューがこの再編成問題等懇談会の意見書にも出ておりまして、一つは統廃合という形の中で積極的に質的な強化を図っていくという側面と、もう一つは他の経営主体が経営するに適当な病院等については経営移譲を図っていくという二つのことがうたってございます。
 そのうち、先生が今お話のございました三百床云々ということについては、実は意見書のくだりにおいては、統廃合を考える場合の一つのよりどころとしての考え方になっておるわけですが、もう一つ経営移譲という側面がございまして、これについてはその懇談会の意見書の説くところによりますれば、基本的な考え方としては、地域住民の福祉の観点というような観点からするならば、地域の基本的、一般的な医療の確保の問題は、やはり第一義的責任は市町村、それから市町村が対処することが適当でないような医療については都道府県という形の考え方の中で考えていくべきであろう。また、こういった原則的な責任の所在の報告についての考え方に合わせまして、我が国の医療供給体制の場合におきましては自由開業制ということでございますので、そうした中で私的医療機関によって一般的な医療が現実にもカバーをされてきておる、それも年を追うに従って整備充実をされてきておるというようなことから、やはりそういった地域における基本的、一般的な医療は公私の医療機関にゆだねて、国立の医療機関はもっとより広いあるいはより高度な医療あるいは研究、研修といったような機能に重点を置いて整備をしていくべきであろうという基本的な考え方に立って整理をして、出していただいております。
 そういったことで、そういう意味では地域の一般的な医療の確保の役割は果たしているけれども、今申し上げたような国立の役割という面からすると、今後ともそういういわゆる機能付与ということがなかなか難しいというようなことについては、国が直営するよりも地方公共団体あるいはその他の団体において御経営をいただく方が適当と考えられるようなケースについて経営移譲を進めていく、こんな基本的考え方をお示しをいただいておるわけでございます。
 もとより、今お話のございましたように、地方公共団体は現在非常に、財政状況等も含めまして、厳しい環境下にございますので、そういった意味合いにおいて今後この地方移譲を進めるためには、ただ引き取ってくださいではもちろんなかなか難しい面がございますので、その意見書におきましては、一方においていろんな助成措置等を考えるべきであるという御意見をいただいておりますし、また僻地の医療機関というような場合におきましては、もし経営移譲をお受けをいただけるというときには、人の面、医師、看護婦等の面で国立病院あるいは療養所からのバックアップというようなことをもやるべきであるというお考えをお示しいただいております。
 そういった形で、現在考え方につきまして御意見をちょうだいをしたところでございますけれども、厚生省といたしましてはこの考え方を踏まえまして今後厚生省としての基本方針を決め、また、具体的な統廃合あるいは経営移譲といったような問題につきましては地方公共団体等とも十分協議をしながら協力が得られるように最善の努力をしてまいりたい、こんなふうなことで今取り組んでいる最中でございます。
#31
○上野雄文君 今御答弁いただいたわけですが、私どもも地方自治法の地方公共団体の担うべき事務の範囲やなんかについて改めて読み直してみますと、まさにこういう第二に書かれているようなことがあるのですね。でも、戦争終わってから四十年ですよ。しかも、その間に個々の病院を取り上げてみると、かつて私立の療養所であったりあるいは県立の病院であったりというものがずっと統合されてきたわけです。それはそれなりにやはり国立の病院なり療養所としての役割を国がお認めになったから統括していく、そういう道を歩んだのだと私は思うんです。
 四十年間に自前でおやりになってきて、途中でこれは赤字が出てきたからここで今度は地方自治体への移譲というようなことも考えろ、土地もあげましょう、建物もあげます、こう言われたって、経営がうまくいかないものについてそれをもらうなんというものはいないと私は思うんです。突如当たり前のことをなぜここに意見書としてお出しになったのかというのが私にはどうも理解しかねるんです。ただ救いは、十年間の間に厚生省がこうやりなさいと。十年間の間にこれからどういうふうに変わっていくのか、もう二十一世紀すぐそばまでの話ですから。しかし、それにしてみても、余りにも安易に考えてやられ過ぎはしないか。
 ある新聞には「赤字ローカル線廃止の病院版」というのが一番先に出ているんですね、このやり方は。今は国鉄の方は違います。違いますけれども、最初のころは、一日乗車千人達成してくれれば、あるいは二千人であればというようなものを出してきて、それでだめならば補助金出して全部あげますから何とか廃線に賛成しなさいということを言ったのと、それと全く同じような発想でこの問題が出てくるというのは余りにも安易過ぎはしないかということで、私どもはそう簡単にこのことについて賛成するなんというわけにはいきません。これから自治体の側でも反対運動起こってくると思いますよ、国鉄の問題と同じように。そういう点も十分慎重にひとつ扱ってもらいたいと思うし、簡単に自治体、自治体と、みんな何でも自治体というのではひど過ぎるというふうに思いますから、その点は私は強く申し上げておきたいと思うんです。
 さて、次の問題に移らしていただきたいと思うのでありますが、折しも地方行革大綱なるものが出てまいりまして、しかも今度は大変な決意を中曽根総理大臣もお示しになったようです。県の総務部長会議に総理みずから出席をするなんということはおよそ今までになかったことだろうと思うんです。知事会議を総理が招集しておやりになるというのだったらわかるのですが、自治省が招集した総務部長、財政課長会議なんかに総理みずからお出かけになるというのは、ある意味では異常な決意というものをお示しになったのかなと思ったりしておりますけれども、そういう状態の中でこの地方に対する行革の指導が出てきたわけですが、大綱策定の理由は、臨調答申が出て、閣議決定をして、こうこうこうだから今度は地方の番だというようなことで大上段に振りかぶったのではないかと、こう私は推測しているのです。
 そこで問題は、自治省自身の手でいろいろとお調べになった地方行革の取り組みの状況を見てみますと、ほとんどのところで、もう都道府県は全部、市町村でも大部分といってもいいぐらいみずからの力で行革問題に取り組んでいるんですね。そういう状況下でなぜ手とり足とりに近いようなものをお出しになったのか、どうもそこのところがもう一つわからないわけですが、その辺の事情についてちょっと御説明をいただければと思うんです。
#32
○政府委員(大林勝臣君) 私どもの認識といたしましては、行政改革というのは、どちらかと申しますと地方団体の方が先にやり始めた、しかも今日まで相当の実績は積んできたと、こういう認識を持っております。第一次石油ショック以後早々に行革をもう手がけた団体も少なくありません。御案内のように、五十九年現在で私どもが調査いたしましたところでは、全地方団体のおおむね三分の二ぐらいの団体が、あるいは委員会あるいは協議会といった名称のいかんは別でありますけれども、そういった体制を組織をして、その地域の実情に応じた改革に取り組んできたわけであります。
 ただ、問題は結局、地方団体、三千三百団体があるわけでありますので、非常に団体間にばらつきのあることも事実であります。多数の地方団体が改革の努力を長い間続けてきている一方、改革の努力が行われないために住民の厳しい批判を受けておる団体があることも、これまた事実であります。特にここ数年の国と地方の関係、行政であれ財政であれ、既に現在論議が進んでおります関与とか必置規制とか機関委任事務とか権限移譲とか、こういった問題を取り扱うたびに、やはりどうしてもそういった行革不熱心の団体というのが前面に出てまいりまして、地方全体がどうも行革に取り組んでないと、こういう議論がその都度増幅をされてきておるのがまたこの数年来の現実であります。
 私どもとしましては、それは多数の団体は一生懸命やっておるのだということを力説はしてまいったのでありますけれども、しかしやはり客観的にはそういった行革不熱心の団体の方が全地方団体の足並みを崩す、足を引っ張るというような結果になっておることもこれまた事実であります。
 結局は、やはり三千三百の地方団体が足をそろえて進んでいかないから弱みを突かれるということが今日の情勢でもありますので、この際やはり三千三百の地方団体が足並みをそろえて、やってないところはこれからやろう、あるいはこれまでもやってきたところはさらに一層頑張ろうと、こういう体制を敷くことがまず今日の厳しい行財政環境の中では一番重要なことであろうと、こういう意味で全地方団体に足並みをそろえて自主的にやっていただく、こういう行革大綱というものを作成をし、地方団体に真剣な対応をお願いをしたわけであります。
#33
○上野雄文君 全地方団体に足並みをそろえて自主的にというお話ですね。私この通知をずっと見てみると、自主的かどうか、八月までに長を責任者とする委員会を必ずつくりなさい、そしてそのつくった結果を都道府県は自治大臣に、市町村は都道府県知事に報告をしなさい、自主的にというお話を今されましたけれども、それを今度のこの文書をずっと見て、自主的にというようにやっぱり受けとめられるのでしょうか。
 それで、行革自体が進んでいないというふうにおっしゃいますけれども、地方自治体がみずから少しでも財政支出を抑えようという努力なしには今日までやってくることができないというふうに私は思っているんです。
 私の栃木県では、昭和四十六年から知事部局の定数は一つもいじくってないです。四十六年からですよ。こういうことがみんなまともに行われているわけですが、今そういう団体は、この一つ一つの項目を追っていくと、定員の削減は今度はやらないではないかという、そういう指摘をされそうな気がするわけです。
 自治省の指導というものに従うように見せるためには少しでも定数減をやらなければ、やったという評価を与えられないなんという受けとめ方をされたら大変ではないのか。それから、最近は細かくなってきて、賃金問題まで一々手とり足とりの指導が行われているわけです。そうなったときに常に頭をよぎるのは、制裁措置があるのではないかというのが自治体の関係者の気持ちではないかというふうに私は思うんですが、その辺は一体どういうふうにとらえていらっしゃるんですか。
#34
○政府委員(大林勝臣君) 今回行革大綱の中に盛り込みました事柄自体は、従来からその都度通達等で努力をお願いしてきておりましたものを集大成をしたと、こういうことであります。したがいまして、それぞれの地方団体ごとにこれまで長い間行革の努力をされてきたところもありましょうし、また行革の努力が不足しておる団体もありましょう。それぞれの地方団体ごとにその行革の項目、対象、そういったものは地域の実情に応じて選択をしていただく、こういう趣旨でございます。これは次官通知にも記しておるところであります。ただ、行革の努力を要請いたしましたからには、やはり一つの目標を決めてやっていただくということがこれは必要であります。もちろん、本質的には地方団体が自主的にこれを計画的にやっていただくべきものでありますから、その成果について制裁云々などということは考えておりません。
#35
○上野雄文君 私らなんかがこれを読ませていただいて、一番最初にやはり感じたのはそういうことにある。
 ただ問題は、去年の十二月四日に地方制度調査会で、地方行財政に関する当面の答申というのを出されたが、私は今これをずっと見てみますと、その中で、「当面の地方行政に関する事項」で、皆さんの出した行革大綱と比べていってみると全部、行政改革の推進の項の「事務事業の見直し」から「地方議会」の項に至るまでみんな同じのが並んでいるわけです。そこのところだけは地方自治体にかなり強引に、おまえさんらこうやれということを言われているわけですが、それではその同じ答申の中に載っている国がやるべき分野、つまり国と地方との交通整理をやってくれなければ自治体だけでやろうとしたってできない問題があります。皆さんの方で入れた例えば会館の管理運営の問題なんかについても合理化しなさいと、こう言っていますけれども、国の補助の関係で動かしがたいものがあるなんということは皆さん方もう十分承知をされていると思うんです。
 そういう分野がこれからおりてこない限り、地方自治体だけで合理化やろうといってもなかなかできるものではないというふうに私は思っておりますので、これからまた補助金の整理のための一括の法案なども出てまいりますが、そういうものと関連をして、もう時間がありませんから、さらにまた論議を続けていきたいと思うのでありますが、前段、国立病院の問題を引っ張り出したのも、実はこの前の臨調答申が出た後、やはりこの委員会であったと思うのですけれども、簡単にやってもらっては困りますよということを私申し上げた覚えがあるのです。そういうことで、外側からいろんな問題が何でもかんでも地方自治体に向けられて来るような中にあって、さらに行革を押しつけられてきたら一体どうやったらいいのですかという、そういう気分にならざるを得ないだろうと思うんです。
 実はうちの県はこの間、去年の十二月に農林官僚だった人が知事になったばっかりです。彼が初めて県の予算編成を手がけたようでありますが、彼がしみじみ言うのは、行革なんていうのは、これは改めて言うべきことではなくて、日々、年がら年じゅう頭に置いてやっていかなければ地方自治体なんというのは成り立っていかないでしょうと。それよりも職員一人一人が一生懸命やれるような体制をどうやってつくり上げていったらいいのか。今度彼が痛切に感じたというのは、県の予算編成に当たって今までは総務部長査定でとまったものは、今までの方々はほとんど見ていなかったようです。彼は、初めてのことだから全部説明を聞いたと言うのです。そこで、国の役人は予算編成に当たっては、言うならば命をかけるぐらいの意気込みで取り組んでいく。ところが地方団体の場合には、国の方で決まっちゃっているんだから、それをセットして、それ以上の議論というのは出てこないのが大部分だというところに実は大きな違いがあることが私はわかりましたということをしみじみ漏らしているんです。
 地方自治体を活性化するとしたら、知事一人が活性化したってだめなんであって、やっぱり全体が取り組むような姿というものが生まれてこないとだめ。だとすれば、自治体の自治権をもっと保障してやるような姿。だとすれば国と地方の間の問題の整理というものを自治省が声を大にしてやらなくて一体どこの省がやるんですか。厚生省の方は巧みに懇談会なんかを使って、自治体に転嫁をするなんということをやってのけているじゃありませんか。
 私はずっと自治体の中で働いてきた一人として、今こそ地方自治という問題を本当にしっかり考えていかなきゃなるまいというふうに思っている一人でありまして、きょうの段階では十分論議を尽くすことができませんから、また後に譲って、いろいろと議論をしていきたいと思うんです。
#36
○中野明君 今回のこの五十九年度の地方交付税の総額の特例に関する法律の提案理由の説明が先ほどありましたが、この増加額の千四百九十七億円の中で千二百七十二億円を六十年度へ繰り越す、こういうことになっているわけですが、この繰り越す積極的な理由というものはどの辺にあるんですか。
#37
○政府委員(小澤潔君) 中野先生にお答え申し上げたいと思います。
 今回の補正予算に伴う地方交付税の増加額千四百九十七億円につきましては、そのうち五十九年の交付税の不足額相当の二百二十五億円は当然に本年度中に交付すべきものでありますが、残余の千二百七十二億円につきましては、地方財政の中期的な健全化に向けて昭和六十年度に交付することが妥当との結論に達したため、これを繰り越して使用することとしたものであります。
#38
○中野明君 妥当とする結論になったと、こう今おっしゃるわけなんですが、それだけではちょっとわかりにくいのですが、もう少し詳しく御説明をいただきたいんです。私どもは、これはいわゆる交付税の性質からいいまして、当然これだけのものは当該年度で地方公共団体に交付すべきものである、これが建前であるというふうに思っておるのですが、そういう結論が出たというのですが、もう少し説明をお願いしたい。
#39
○政府委員(花岡圭三君) 今回繰り越すことといたしました理由の一つは、五十九年度の財政におきましては、年度途中において生じた財政需要というのは当初地方財政計画に計上いたしました追加財政需要額及び地方債の増発によって対応できる。例えば給与改定もございました、あるいは今度の補正予算に伴う地方負担の増もございますが、これは追加財政需要の四千億円と、災害等につきましては地方債が充てられますので、こういったことで対応できる。
 それから二つ目には、五十九年度におきましては地方税について自然増収がかなり見込める状況になってまいりました。そういうことで、増額をされます地方交付税を五十九年度に配分しなくても地方財政全般の運営には支障がないというふうに考えられたわけでございます。
 それから三つ目には、現在地方財政は巨額の地方債あるいは交付税特会の借入金残高を抱えておりますので、これを中期的な観点に立って地方財政の健全化を図る必要がある。現在例えばこれを五十九年に配分してしまいますと、六十年度においてはまた借金をしなければならないという問題も出てくるわけでございます。
 それからもう一つは、今回の補正予算が執行されますのがもう年度末近くでございます。そういう意味で、五十九年度の新規の財政需要に充てるというのは大変困難でございます。加えて、交付税の再算定を行うというのもこの時期においては非常に無理があるというふうなことを総合的に判断いたしまして、六十年度に繰りこすことといたしたわけでございます。
#40
○中野明君 今説明があったのですが、先ほども申しましたように、これは地方固有の財源でございます。それが特に単年度主義をとっているのですから、いろいろ理由をつけて繰り越す、こういうことで今説明をされているわけですが、お話がありましたように、やはりそういう事態が起こったときには、地方も莫大な借金を抱えている、来年の予算を見ましても今までの借金の利払いとかそういう項目も相当の額出ているわけですから、当然こういうものが出たときには常識的に借金の方へ充てる、借財の方へ回す、これが地方のためにも当然の姿じゃないかというふうに私ども考えるわけですが、どうしてそういう措置をとられなかったのか、いま一度……。
#41
○政府委員(花岡圭三君) 今回の補正予算に伴います地方交付税の増加額千四百九十七億円のうち、そのほとんどというものは五十八年度決算に伴う精算額千二百九億円でございます。これは、通例でございますと六十年度の当初予算に計上するというのが普通でございまして、もともと私どもも六十年度の交付税の見積もりをやりますときには、この千二百九億円というのは六十年度の当初予算に計上されるという前提で要求をしておったいきさつもございます。そういうふうなことでございますが、おっしゃいますように地方交付税は地方団体固有の財源でございまして、私どももできるならばこれは地方団体において繰り越すのが望ましいと考えたわけでございますが、先ほども申し述べましたようないろんな理由を考えまして、地方団体におきましてもその方がいいのではないか。
 現在地方団体がいろいろ借金をしております、これを繰り上げ償還しようというふうなこともできるわけでございますけれども、縁故債でございましても、やはり現在では相当量が市場に出回っておりまして、これを繰り上げ償還させるということは、債権者の利益を侵害するということにもなりかねませんので、そういったことも勘案しながら、先ほど申し上げました理由等も総合的に勘案いたしまして六十年度に繰り越すことといたしたわけでございます。
#42
○中野明君 それなりの理由はあると私も思う一人でございますけれども、今おっしゃっているように、そういう考え方というのは、やはりそれぞれの地方公共団体で判断させる、それが筋道じゃないかと私は思うわけです。国の方で、大体こうだろうからこうした方が都合がいいということで、一方的に決めて押しつけるといいますか、そういうことをするよりも、配分するものは配分して、そこから先は地方の自主性に任す、そして繰り越すなり地方でそれを処置させるというのがこの交付税の本来の姿じゃないか、こういうふうに考えております。こういう点について、今の御答弁を聞いておりますと、何か国の方で自分の都合で一方的に決めて、理屈をつけて、こうだからこうしますよというふうなやり方をなさっているのじゃないかというふうに非常に私ども感じるわけです。だから、これを地方へ配分してどこか不都合があるのか、配分したら何かぐあいが悪いのかというところをもう一度説明していただけませんでしょうか。
#43
○政府委員(花岡圭三君) 先ほどもお答えいたしましたように、交付税を地方団体に本年度において交付するというのはこれまでの法律の建前だろうと私も存じております。しかし、地方自治体は大きな借入金をしておる状況でございますので、補正による交付税の増加額が生じた場合には、年度途中の財政需要が特にない限りは、地方財政全体としてその健全性に資する方向で処理する方がよろしいというふうに判断したものでございますから、法律によりまして、これの繰り越しの措置を講じてまいりたいというふうに考えたわけでございます。
 特に支障がないかということでございますが、やはり地方団体の中期的な財政の健全化ということを考えますときには、この措置を行うことによって六十年度の財政対策の問題、あるいは今回の財政対策におきまして千三百五十五億円の地方団体でもらえるいわゆる利差臨特とかあるいは財対臨特ございますが、こういうふうなものも六十六年度以降の交付税に加算する、こういったふうな措置も講じながらこの地方財政の健全性に資していかなきゃならぬというふうに判断したわけでございまして、具体的に申し上げますと、年度末におきまして交付税の再算定をするという特別の需要がないということでございます。
#44
○中野明君 いや、私の申し上げているのは、結局年度末で特別の需要がないというか、そういうことで地方財政の健全化ということを建前にして法改正をしたと、こうおっしゃるのですが、本来の建前どおりにして何か不都合があるという積極的な理由がないように私感じるんです。
 結局、そのおっしゃっている気持ちの中に、地方に渡してしまったらまたいいかげんなことをするのじゃないかという、そういう地方に対する不信というものが底流にあるのじゃないか。地方もやっぱり財政に困っているのですから、そういうお金が入ってくれば、それぞれの立場で繰り越すなりあるいは借金の穴埋めにするなり、それは地方の自主的な判断に任して、因っていることはどこも同じなんですから、そういうように私どもは持っていくのが地方と国との信頼関係を深める始まりになるんじゃないか。何かここで渡してしまったらかえって地方の財政の健全化に妨げになるような、そういう考え方が先行してこういう措置をとられるのじゃないかというように余計な心配をするわけなんですが、もう一度その辺どうなんでしょうか。
#45
○政府委員(花岡圭三君) 私ども、地方団体に金を渡せば適当に使ってしまうだろうということは、これは毛頭考えておりません。私どもも地方の立場に立って、これをどのように扱ったらいいかということをいろいろ検討したわけでございます。
 これを本年度配ってしまいますと、来年度これに相当する額というものはまた借金によらなきゃならぬ。五十九年度の財政対策の見直しをやりました形からいきますと、これが全部地方債にまた回ってくるというふうな形になってくるわけでございます。そういった意味で、私どもこういった繰り越すことにつきましてはいろいろなことを考えたわけでございますが、この措置につきましても、地方団体の財政需要の動向につきまして絶えず地方団体の御意見を伺いながらやっておりますし、また地方財政審議会の御意見も承ることによりまして、地方団体の意向を反映すべく努めておるところでございます。
#46
○中野明君 それでは、一応次の問題に入りましょう。
 この六十年度の地方財政対策の概要の中で、「国庫補助負担率の引下げに伴う地方の財政負担の増は、地方財政対策において万全の措置を講じ、地方財政の運営に支障をもたらさないよう配慮した。」と、こういうふうになっております。この万全の対策を講じたと、こういうふうにおっしゃっているのですが、五千八百億のうちで残りの二千八百億円というのは何の措置もとってないのではないかという気がするのですが、その辺どういうふうにお考えになっていますか。
#47
○政府委員(花岡圭三君) 六十年度の地方財政対策を講ずるに当たりまして、その収支見通しを立てましたところ、今回の国庫補助負担率の引き下げが行われないという前提では収支が均衡するという状況になったわけでございます。このため、国庫補助負担率の引き下げに伴って生じます地方の負担増加分五千八百億円につきまして財源措置を講ずる必要が生じたわけでございますので、御指摘のように、地方交付税の特例措置として一千億円、それから建設地方債の増発によって四千八百億円の財源措置を講じたわけでございます。この四千八百億円の建設地方債の増発分のうち二千億円というのは、公共事業に係る国庫補助負担率の引き下げに伴う国費の減額相当分でございますので、臨時財政特例債というものを発行いたしました。その元利償還金につきまして、交付税の算定を通じて、いわゆる従来の行革関連特例法に基づく地域財政特例債と同様の措置を講ずるというふうな措置をしておるわけでございます。
 御指摘の残余の二千八百億円でございますが、経常経費系統に係るものがこのうち千六百億円含まれております。このうち不交付団体に係る六百億円を除いた一千億円、これにつきましては六十六年度以降において加算するという建前にいたしております。もちろん一年間この補助率の問題について議論をするわけでございますので、六十六年度以降、現在国の方に加算されるという形になっておりますが、さらにその時点において検討をすることになっております。
 それから、投資的経費に係る千二百億円というのは事業量の拡大に伴う地方負担の増加でございます。そういう性質のものでございまして、これらの地方債に係る元利償還金につきましては、従来の財源対策債と同様、交付税の算定を通じて所要の財源措置を講ずるわけでございますが、このように国の厳しい財政状況におきましても可能な限りの措置を講じて、地方財政の運営に支障を来さないように配慮したつもりでございます。
#48
○中野明君 いずれこれは次のときに議論をしなきゃならぬわけですが、万全の措置をとったと、こういうふうに胸を張っておっしゃっているのですが、どうも私どもそのようには受けとれない心配な面が非常に多いわけです。
 それで、それはいずれ次の機会にどうせ議論になると思いますので次に譲りまして、今回の調整戻しの二百二十五億、これは地方へ戻すわけですが、特別交付税というものは全然これはもう必要がないということで計算をしておられないようなんですが、今回、調整戻し二百二十五億に見合う特別交付税というものをもし配分するとしたら幾らぐらいの計算になるのですか。
#49
○政府委員(花岡圭三君) 現在の交付税法の建前から申しますと、調整戻しをした残りの額は全部特別交付税に加算するというのが建前になっておりますので、そういう計算は特にいたしませんけれども、先生のおっしゃいますような、もしこの二百二十五億円が九四%であって、特別交付税が別に六%あるという計算ですと十四億円程度になるわけでございます。
#50
○中野明君 せめてその程度のものだけでもどうして今回配分をなさらなかったのかという疑問を私持つわけですが、何か説明によりますと、特別交付税の需要というのですか、それが大体賄えるからその必要はないのじゃないかという判断をしたということになっておりますが、どうして今回特別交付税にその分だけでも割り当てをしなかったのかということを説明してください。
#51
○政府委員(花岡圭三君) 五十九年度におきます特別交付税の配分でございますが、現在、十二月分を配分しました残りというものは大体昨年度と同程度の額が留保されておるわけでございまして、五十九年度における今後の見通しといたしまして、前年度よりもかなり災害関係の経費が落ちておるという点もございます。今後見込まれます財政需要としましては、いわゆる除排雪経費、これがある程度出てくるのじゃなかろうかというふうな見込みも立てておりますけれども、こういうことを勘案いたしましても、一応特別交付税は現在の額で十分賄えるというふうに判断したわけでございます。
#52
○中野明君 判断はそのように判断なさったのでしょうけども、私どもはこの財政需要というものは当初考えたよりも非常に多いのじゃないかというふうに心配をするわけです。暖冬だという予想もありましたが、年末から豪雪も出ておりますし、長野の西部地震もございました。また、太平洋側の水不足というのは相当深刻ですし、私の四国でもこんなことは初めてだろうというぐらい水不足で、もうとても地方自治体も頭を抱えて、上水もいわゆる断水状態のところも出てくるというような状況で、その対策に非常に苦慮している。あるいは関西方面で言えば、グリコ・森永事件というのはもう一年越し、二年にわたってこれが長期化しようとしている。こういう特殊の事故が起こって、大阪府警も兵庫県警もこれ大変だろうと想像します。その上に暴力団のいわゆる幹部殺害事件、それが全国的に大変な波及をしようとしている。私の住んでいる高知県でもこの間、白昼市内で発砲事件があって、逮捕してみたら、一人が一丁ずつけん銃を持っておったということで大びっくりで、小さな県ですが、五百人の警察署員を動員して昼夜張り込んでいる。こういうようなことで、市民の素人が普通考えただけでも、どれほど金が要るんじゃというぐらいに皆心配をしているわけです。
 そういうことをいろいろ考えますと、需要というものはないどころかやりくりに困っているのじゃないかと、そういうふうに私ども心配しているわけです。そういう状況下にあるわけでして、いずれまた機会を改めて私この問題は議論したいと思います。
 医療制度が変わりまして退職者の医療制度というものもできました。けれども、僻地の過疎地へ行きますと退職者なんてもうゼロです。大都会ならば退職者医療制度によって少しは楽になるかもしれませんが、田舎の方に行くともうほとんどゼロです。それで、国から来るお金だけ減らされて退職者はゼロということになると、これはストレートで国保料金の値上げにつながっていかなきゃならぬ。そういうことで、もう地方へ行けば行くほど財政的には頭を抱えておる。昨年も申し上げましたように、小さな市あるいは町村へ行ったらどういうふうに当初予算を組もうかということで、もう予算を組むすべがないという状態で、市長を初め町村長も頭を抱えているというのが毎年の現状です。
 こういうことをいろいろ考えてみますと、どうも財政的にある程度基盤のある大きなところは何とかやりくりできるかもしれませんが、過疎へ行くほど困っている、こういう実情もあるわけでして、何かこう全体的に見て需要がないからもういいんじゃないかというふうにお考えになっているようですけれども、やっぱり特別交付税というのはそういう特殊事情のあるときに手当てをするべき性質も持っていると、私はこのように理解をしているわけですが、こういう点をどういうふうにごらんになっているか、もう一度。
#53
○政府委員(花岡圭三君) 特別の財政需要につきましては今後三月分において算定するわけでございますので、現在地方団体からいろいろと事情を聞いて特別の財政需要の算定をしておるわけでございます。
 御指摘のようにいろんな事件もございます。例えば森永・グリコ事件等もございますが、やはりこれらに要する経費と申しますのも主として警察官の超過勤務手当というふうなものでございます。それほど多額に上るわけでもございませんし、またこれが大阪、兵庫といったふうな財政力の大きな団体に大体偏っておる問題でございます。そういったことから、それぞれ自然増収もかなりに上っておる団体でもございますし、地方団体の財政力を総合的に勘案しました場合に、さほどこういった経費に食われることもないというふうなことでございまして、やはり今一番心配しておりますのは除排雪の経費でございますけれども、これも昨年に続き、かなりの水準に達する団体もあるように聞いておりますが、昨年度のように日本海全般、北海道からずっと全部に行き渡っているという状況でもないようでございまして、かなり特定の団体に偏っているというふうなこともございまして、現在の留保額で賄えるのではないかというふうに私ども見ておるわけでございます。
 したがいまして、一般的に言いますと、都道府県の場合あるいは市の場合等にはかなり地方税の自然増収も出ております。財政力の小さい団体には私どももまたそれなりに十分配慮してまいりたいと思っておりますが、現在、当初の地方財政措置でこの財政運営に支障が生ずることはないというふうに考えております。
#54
○中野明君 先ほどの答弁の中で、大した額じゃないと、こうおっしゃっていますけれども、長期にわたってくるとこれは大変なことですし、小さな、私の高知県あたりで言えば、これからいつまで続くかわからない、そういう現状の中で、予算がないからもういいかげんにしておきますというようなことになったとしたら、これはやはりまた逆に社会不安が起こってくるでしょうし、そういう点も十分考慮に入れるべきじゃないか。
 今のお話では、何とかいけるだろうというふうに案外簡単に考えておられますけれども、グリコ・森永事件にしても、これ長期です。年を越してこれからもう何年越しかにわたっていくわけです。そういう点も、なるだけ地方公共団体の意見というものを、向こうとしてはなかなか言いにくいでしょうから、聞いて吸い上げていくという、そういう考え方でやっていただかないと、大丈夫だろうというふうに皆さん方の方で思っていると、なかなかこれはどうですかね。今の機構の上からいって、地方が文句言いにくいような状態になっています。
 一つのことで、この間も問題になっておりましたように、ソ連の漁船の寄港問題でも、これは自治省に直接関係はないでしょうけれども、一切もう地方に何も相談なしに頭越しで決めてしまってから、決めたのだから従ってくれというような、そういう一連の動きを見ていますと、とにかく国の方は地方の意思なんかはもう後でどうでもなる、国の方でもう先へ先行して決めて後は押しつければいいのだという、そういう気配を感じて、ますます地方としても国のいわゆるやり方に対して不満と、それが高じてくると不信ということになってくるわけです。だから、一方的に何か決めて押しつけているのじゃないかというふうに、私どもも周りから見ておってそういうふうに感じてしようがないものですから、先ほどからいろいろ申し上げているわけでして、この点を十分考えていただかなければいかぬと私は思っております。
 それで、もう一点は、この交付税ということについて私も少し勉強させてもらおうと思って、いろいろ資料ももらったりして見ているのですけれども、地方交付税の算出資料ですか、これも見せてもらいましたが、とてもこれは大変だ。こういうものを一々つくって出されるわけなんですが、これは担当者もひょっとしたら計算間違いをしたり勘違いをしたりするぐらいに難しいですから、担当者以外は全然これわからないでしょうね。
 こんな難しい、ややこしい算出資料になっているのですが、最近、時々報道なんかで見ますけれども、地方交付税の不正取得といいますか、不正に受け取って問題になっているのですが、なぜこんな不正が起こるかということです。故意にやるのは特別として、私の感じでは、こんな難しい資料で善意に書き間違ったり計算間違いをして、そしてそれが問題になって房さなきゃならぬというようなことも数多くあるのじゃないだろうか、そういう気がするのですが、まず、去年起きました和歌山県の打田町というのですか、ここについて十二年にもわたって巧妙で悪質な不正の状態であったというのですが、どうしてこんなことが起きるとお考えになるんですか、この辺。
#55
○政府委員(土田栄作君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、地方交付税の計算は非常に複雑でございまして、計算間違いをする場合もございますが、大部分の場合は過失でございまして、過失に基づきますものにつきましては通常の錯誤措置ということをいたしているわけでございますが、今御指摘のございました打田町のケースは、これは昭和五十八年七月に和歌山県が打田町に対して交付税検査を行った際に明らかになったものでございますが、これは過失とかそういうことではなくて、ある意味では町ぐるみで意図的に行ったものでございます。そういうことでございますので、私どもといたしましても、重加算金と申しますか、ペナルティーとして、その期間におきまして一〇・九五%の利息というものをつけまして返していただいた、こういう措置をとった次第でございます。
#56
○中野明君 これは十二年もわからなかったということは、何かその間に発見できるような要素はなかったんでしょうか。その辺、どうでしょう。
#57
○政府委員(土田栄作君) これは市町村分の交付税の検査といいますのは自治省が直接参りませんで、都道府県の地方課が参って検査をするということになっております。それで、その間におきまして、地方課の検査にやはり御指摘のような面では至らぬ点があったのだろうというふうに考えておりますが、ある意味では、検査に参りましても、普通の数字のチェックというものはいたしますけれども、元の台帳からごまかしていたというようなケースについてはなかなかわからないわけでございまして、今までわからなかったということにつきましては大変遺憾に存じております。
#58
○中野明君 最初に申されたように、非常に難しゅうて、数字の計算違いといいますか勘違いといいますか、それが多いと、こういうことをおっしゃっているのですが、私も地方行政余り詳しくないものですから今一生懸命勉強しようと思ってやっておるのですが、これを見たら、これはよほど精通した人でないと勘違いしたり間違ったりするなというふうに思っているのですが、もっとこれを簡単にする、だれでもちょっと勉強したらわかるような、そういう事務の適正化対策といいますか、そういうふうに取り組んでおられるのですか。この間違えやすいような、わかりにくいような、担当者でも間違うぐらいですから、担当者以外では間違いなんか全然もう発見できない、そういう算出の資料というものをもっと簡単にする努力というものはどの程度なさっているものでしょうか。その辺。
#59
○政府委員(土田栄作君) 御指摘のように、交付税の計算方法を非常に簡単にしたらどうかという御意見があることも事実でございます。
 それで、大部分の財政需要というものを考えますと、あるいは人口でございますとか、それから面積でございますとか、そういうものと比例関係にございますので、昔は非常に簡単な算定方法をとっていた時代もあるわけでございますけれども、やはり社会経済情勢が変化いたし、あるいは地域におきます投資というものが非常に大きくなってまいりますと、例えば道路一つとってみましても、道路網が非常にありますところと、それから山間僻地で道路がほとんどないところといったところにつきましては、やはり道路の財政需要というものは違ってまいります。そうしますと、道路関係の経費というものにつきましては、道路の延長とか、それから道路の面積といったものをベースにして計算をしなければいかぬということが必然的に出てまいるわけでございますが、その場合に道路の延長とか面積とかいいますのは、これは道路台帳なり道路現況調査というものに載った数字を使うということにいたしております。
 若干技術的な問題もあるわけでございますけれども、普通交付税の算定は八月にいたしますけれども、この道路台帳の数字といいますのはその年の四月一日であるというような場合がございますと、その四月一日の数字というのが普通交付税の算定をするときまでまだ整理をできていないために、その概数で計算して錯誤が出てくるというような場合もあるわけでございまして、先ほど過失と申しましたけれども、仕方がない面もあろうかと思います。
 そこで私ども、ある意味では非常にハムレット的に悩むわけでございますけれども、うんと簡単にして非常に錯誤を少なくせよという御意見があります一方、これだけ高度情報化社会になったのだから、もっと交付税というものの算定項目を多くして緻密に計算せよという御要請が、各省それから各地方団体からも非常に出てまいるわけでございます。そこの調整をどうするかということで非常に悩んでおりますけれども、私どもとしましては、方向づけといたしましてはやっぱり将来的にできるだけ錯誤をなくすようにいたしたい。
 それから最近、そういうことで手計算の間違い等をなくいたしますために電算処理をするというようなことにいたしまして、基礎数値を間違えなければ大体交付税の計算は間違えないというふうにいたしております。そういうことで、昔は計算過程にも非常に手がかかったのですけれども、そちらの方はある程度手がすくということになりまして、今度は基礎数値のチェックをきちんとするということで、そこの方をできるだけ錯誤をなくするように今後努力してまいりたいと、そのように考えております。
#60
○中野明君 基礎数値をチェックするということはこれは大変なんでしょうから、先ほども出ておりました和歌山県の例なんかで十二年間もわからなかったというようなことですから、それをおっしゃっているように過失によったということがわかるというのもごく一部じゃないかというような気もしてくるわけです。全部を徹底的に調べるということがなかなか難しくて何年もわからなかったというようなことになっているわけですから、そうなりますと、なるだけ直接担当している人以外でも、ちょっと克明に見たら、これは間違っているぞということがわかるような、そういう努力をされぬと、これは担当者以外は全然わからぬ。担当者が作為的にやったらもう見つかるまでは何とかいけるというような、そういうことでは困るなというふうに今思っております。
 時間が参りましたようですが、今回のとられた処置というものは、本来の法の建前でいけば当然地方に戻して、地方の自主的判断によって処置するべき性格のものだと私どもは受け取っております。そういう意味におきまして、やはり法で定まった建前どおりに行っていって、そしてそれを積み上げていくことによって地方と国との信頼関係が深まっていくんじゃないか。善意に解釈しておられるのだろうと思うのですが、こうすることが地方のためだということで、国の都合も入っているでしょうけれども、それを国が一方的に決めてこうですよと、こういうふうに押しつけていくという行き方というものはいかがかと私も思っております。
 そういうことで、今回のこの処置については私どもは賛成しかねるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#61
○神谷信之助君 この特例法案を提出をされた理由については、先ほどから同僚議員が追及をされております。私はそれを繰り返すのは避けたいと思うんですが、それを聞いておりまして、これは交付税法及び地方財政法の規定からいっても、本来は同年度に各自治体に配分をすべきものということは、これはお認めになるわけですね。
#62
○政府委員(花岡圭三君) 現行法の建前から申しますと、同年度において配分するのが建前であろうと考えております。
#63
○神谷信之助君 年度間調整をする場合はそれぞれの自治体でやりなさいというのが地方財政法の四条の三の一項の趣旨だと思うんです。法律において、年度間調整を政府が行うことを認めていない理由、これはどういうようにお考えですか。
#64
○政府委員(花岡圭三君) 現在の地方財政法の四条の規定と申しますのは、個々の団体におきまして交付税の配分が多かったとき、これはみずからの財源として積み立てるかあるいは地方債の繰り上げ償還に充てるように、それぞれの財政運営の基本を書いたものでございます。
 今回、増額を繰り越すということはまたこれと別個でございまして、先ほど来いろいろ申し上げておりますような理由に基づきまして、中長期的に地方財政の健全化を図らなければならない、これがまた地方のためにもなるのではないかということで、法律でもってこの繰り越しをお願いをしておるわけでございます。
#65
○神谷信之助君 ちょっと今のは、私の質問に答えてないですよ。
 特例法をつくるわけでしょう。現行法ではできないから特例法をつくるわけでしょう。現行法でできないということはなぜですか。現行法で、そういう特例法をつくらなければできないようになっているこの制度をつくられた理由は何ですかと聞いておるんです。
#66
○政府委員(花岡圭三君) 現行法の建前の考えられた基礎と申しますか、これにつきましては、いわゆる地方財政が毎年度健全な運営ができておるというふうなことを前提として定められたものだろと思いますが、御承知のように五十年度以来、地方財政が非常な借金を抱えるようになってきたというふうなことから、これをそれぞれの年度で全部配っていくと翌年度大変になるというふうな事態が生ずるようになってきたわけでございます。その辺が現行法のできたといいますか、つくられた考え方と情勢が変わってきておるのではないかと、私どもそう考えております。
#67
○神谷信之助君 今の財政局長の説明ですと、そうすると今の国の財政状況からすれば、交付税の増加額が出てきたらいつも特例法をやらなきゃいかぬと、こういうことになりますか。
#68
○政府委員(花岡圭三君) これはやはり明年度の地方財政の状況ということを十分に考えてやらなければならないものでございますが、特に今回の繰り越す財源のうちの大半というものは、本来的には六十年度の交付税に加えられるべきものであったということも大きな要素でございます。
#69
○神谷信之助君 いや、そう逃げたらいかぬ。私の言っているのがわからぬのですか。あなたは、五十年度以降、地方財政が健全な状態でなくなってきている、したがって中長期的な立場から来年度へ繰り越すという特例をとっていくと。そうすると、これはまた当分続くのですね。だから、交付税額がふえない場合は別ですが、ふえた場合はいつも特例で翌年繰り越しをやると、こういうことになるわけですね。だから、そのことを聞いている。
#70
○政府委員(花岡圭三君) 先ほども申し上げましたとおり、それはその時点におきまして、明年度の地方財政の対策というものをどう考えるかによって、それぞれ毎年度決められるべきものと考えております。
#71
○神谷信之助君 大体、法律の建前は、国の都合でことしに回すとか来年に回すとかどうするとかというようなことをしたらいかぬ、それは配分をしてそれぞれの自治体で、先ほどおっしゃったように、積み立てにするとかあるいはどうするかとかということは自治体でやりなさい、すなわち交付税そのものの三二%分というのはこれは本来自治体の自主財源なんだから、それを政府の都合でとやかくしなさるな、これが法律の建前でしょう。それとは違うんですか。
#72
○政府委員(花岡圭三君) 交付税の本来の趣旨からいけばやはり地方の固有財源でございますので、できるだけ地方の自主性を尊重して行うのが基本である、これは間違いございません。
#73
○神谷信之助君 そこで私は、今回の措置は大変問題があると思うんです。先ほど同僚議員の質問に対していみじくもあなたはおっしゃった、六十年度の臨特の千三百五十五億は六十六年度以降になる。大体そうなっていって、今度は千二百七十二億ですから、これはこの穴埋めをせんならぬ。だから、国の都合でしょう。
 国の財政が赤字でどうにもならぬ、だから今までのように臨特を要求してもなかなか難しかろう、それでなくても来年度六十年度に本来なら従来どおりもらうべき千三百五十五億も六十六年以降に回される、したがってそういう事態を考えれば、今度の千二百七十二億は自治体に配るわけにはいかぬと、国の方の都合に基づく中長期的健全性という立場でしょう。だとすれば、先ほどあなたお認めになった交付税制度自身の本来の本質からいうと、まさに反するそういう措置をとるということでしょう。
 そういうことで、今までも特例は何遍も出してきているのだけれども、さっきの同僚議員の質問に対しては、ああ、きょうは本音が出たなと、私の方から言わぬといかぬかなと思っておったのだけれども、局長自身の口から出ましたから、やっぱりその辺のところに問題があるんじゃないですか。
#74
○政府委員(花岡圭三君) 六十年度の地方財政は、御承知のように国庫補助負担率の引き下げを行わない前提では収支均衡したわけでございまして、国庫補助率の引き下げに伴います財源対策を行う、これをどのように国から手当てをさしてもらうのかというふうなことを最大限にいろいろ考えてやったわけでございます。そういった中で、交付税の千億円を上積みさせるというふうな場合に、たまたまその千三百五十五億円の扱いをどうするか、これも交付税に加えてもそれは構いませんですけれども、ここのところはやはり国の財政の状況というものもございますので、千億円はとにかく現ナマで積むから、こちらの方は向こうの方へ押しやる。もしその千三百五十五億円を使って千億円を加えないというふうなことでございますれば、私どもは地方財政の対策、国庫補助金の補助率の引き下げに伴います対策にならない。だから、別途交付税を上積みさせるその際に、千三百五十五億円はもう金がないから六十六年度以降の交付税に加算させる、これを法律で確約するというふうなことで地方財政の措置をとったわけでございまして、何も全部が国の財政の都合でやったわけではございませんで、地方財政のためということで措置をしたわけでございます。
#75
○神谷信之助君 地方財政のためにということで勝手に政府が判断をして、そして恣意的にそういう措置をとるということを制限をするというのが今の交付税法の建前でしょう。私は、そこのところをはっきりさせないとまさに大変なことになると思います。これは大蔵省が国の財政の都合で年度間調整を強いるという場合もあるでしょうし、それは直接やれないので、結局は自治省がそういうことをかわってやらざるを得ぬという、そういう状況に今度はなってきているのだというように思うんです。それが証拠に、特例、特例が物すごく多いですね、これは。
 そこで、さっきも同僚議員が言いましたけれども、財政需要というのはあるという点は先ほど具体的に御指摘になりましたから私はもう繰り返しませんが、四十八年、四十九年にこれはやっていますね、それぞれ各自治体に配分して。四十八年度の補正は交付税増額四千二百四十億円、これが給与改定に八百九十億、単価改定に二百三十二億、土地開発基金に九百億、調整戻しが八十四億、特交に百三十八億、残は借入金の償還費というようにして配分しています。四十九年度の補正は交付税の増額が七千八百四十三億円、これは給与改定に五千五百九十億、臨時土地対策に千五百三十億、生活保護に百億、私学助成に八十五億、調整戻しに九十三億、特交に三百七十九億というように、四十八年、四十九年、いわゆる今日のような国の財政がパンクをしていないノーマルな状態のときはこうやっているんです。
 今やっているのは、国の財政がアブノーマルな状態だから特例だと、そこに問題があるんです。法律そのものは、政府の都合で自治体の自主財源を左右してはならぬという建前でちゃんと法律は骨組みができている。それを今度は政府の権限で、国家権力でゆがめてしまうということは、私は許せないと思うんですが、いかがですか。
#76
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘のように、四十年代におきましては、その年度に増額しました交付税というものはその年度で、いろんな事情で配分したことございます。特に高度成長時代におきましては、私どももそういった事態に直面したことございますけれども、地方財政計画をつくりますときにもかなりの財源余裕ができる、これをどうするだろうかと、むしろそちらの方で悩んだような時代もございました。しかし、今や事情は全く変わってまいりまして、五十年度以降、国のみならず地方財政も非常な借金財政になったというふうなことで、単に国の財政の都合のみならず地方財政の状況を考えましたときにも、やはり中長期的な健全化ということを考えてまいらなければならない時代になってきたというふうに理解いたしております。
#77
○神谷信之助君 それは反対なんですね。高度成長期時代に、金が余っておる、どうやって分けよ
うか、やっぱり配らにゃいかぬといって配った。今はどうかといったら、公債費の負担比率の推移を見ましても、危険ラインの一五%を超えているところが、五十五年度が二七%、五十六年度が三六・五%、五十七年度が四五・三%、五十八年度はもっとふえているでしょう。恐らく四八%ぐらいになると思います。そのうち二五%を超えているところも五十七年度で百三十八団体、四・二%ということになってきています。
 だから、今そういう点では、こういった借金の返済、繰り上げ償還は、市場に出回っているから困難だとかずっとおっしゃるけれども、それはそれぞれの自治体の状況に基づいてやればいい。あるいは積み立てておいて来年度予算のところで考える、来年度の地方債をできるだけ減らして自主財源で補てんをするという方法もあるんです。これはそれぞれの自治体がやるというのが、地方自治の建前からいってそうあるべきだと思う。まさにそれは自治省がみずから地方自治の権限を奪うような、あるいは介入をするような措置だと言わざるを得ぬと思うのですが、いかがですか。
#78
○政府委員(花岡圭三君) 先ほど来申し上げておりますように、今回の繰り越し財源のうちのほとんどは五十八年度精算分でございまして、通例でございますならば六十年度の国の予算に計上されるべきものでございます。私どもも、明年度の財政対策をするときは通例のそういった考え方に従って財源の予測を立てておったわけでございまして、特に自治省がそういった地方自治体に介入をしてこのようなことをしたというものでもございません。今年度につきましては、地方団体の財政需要は追加財政需要なり起債の増発で十分賄える。また、地方税の自然増収も四千五百億円ばかり見込まれるというふうな状況でございますので、今年度の地方財政の運営には支障がないというふうに考えておるわけでございます。
#79
○神谷信之助君 あなたの話を聞くと、えらい一遍にことしは地方団体は裕福になったみたいなんだ。本当に裕福になったのなら結構ですよ。しかし、さっきも言いましたような公債費比率、借金を山ほど抱えておるという点をひとつ指摘して、ほかの問題もありますから……。
 雪の問題が衆参通じてずっと出ていますが、今度は、昨年みたいな全国的にあのでかい広地域に広がっていない。しかし、それぞれの地域地域では大雪になっているという状況です。だから、例えば札幌の場合ですと、もう四十一億円の予算は底をついてしまったという、そういう状況が言われています。
 そこで、きょうはもう具体的に入りません。時間がありませんから、ひとつ問題の提起だけしておきますが、普通交付税における除雪費の算定ですが、これは松浦先生が財政局長時代に、五十年でしたか、当時、衆議院の地行で多田さんが指摘をして、実態調査を行って補正係数の改善をやってもらったわけです。乖離が相当離れていたのが近づいた。その後も若干の是正をされているのですけれども、今なお、さらにまた乖離が大きくなってきています。この点ひとつ、来年度の場合検討してもらいたいということと、昭和二十九年以来の大雪と言われている札幌とかあるいは北陸地域とかというようなところに対する特交は十分面倒を見るとおっしゃっているのだけれども、これは十分に面倒を見てもらうということと、それからさらに建設省の幹線市町村道の除雪費の臨時特例措置、これも自治省の方から要請をしてもらっているようだけれども、これもちゃんとして、特交だけでは足りない点についての措置というものもやってもらいたいというように思うのですけれども、この点いかがでしょうか。
#80
○政府委員(花岡圭三君) 豪雪が毎年繰り返されているわけでございますが、私どももこの普通交付税におきます積雪寒冷地帯における財政需要というものは年々充実してまいってきておるわけでございます。五十四年度には、最近の二十年間の積雪に関する観測資料に基づいて地方団体の積雪級地区分も改定をするというふうなこともいたしましたし、また平年積雪時におきます道路除雪費等の経費について充実を図っておるわけでございます。
 たまたま雪というものがかなり気まぐれに降りまして、私どもが十分に算定したというふうなところに余り降りませんで、別のところに降ったというふうなことで若干ちぐはぐなこともございます。こういった点につきましては十分努力してまいりたいと思います。
 なお、国の予算につきましても、私どもこれは関係省庁に申し入れをいたしまして、そういった措置がとれるように努力したいと考えております。
#81
○神谷信之助君 それから、その次の問題に移りますが、六十年度の予算で国の補助金カットの問題、これでちょっと具体的にお聞きしたいのだけれども、経常経費関係で二千六百億、投資的経費で二千億、あと裏負担分が千二百億、それから人件費補助の関係というのですか、四百二十億。大体それだけが減ったというんですか。大体減ったのは、具体的にちょっとどこかということを確認をしたいんです。
#82
○政府委員(土田栄作君) 御指摘のとおりでございます。
#83
○神谷信之助君 公共下水道なんかの関係の方の補助も、その他それに関連する特別会計分というのですか、約六百億ほどあるのじゃないですか。
#84
○政府委員(土田栄作君) ただいま地方財政計画に関連いたします普通会計分について申し上げましたが、その他会計分、いわゆる企業会計分につきましては下水道等含めまして六百億ほどあるというふうに推算されます。これにつきましても所要の地方債措置をいたす。それから、元利償還について全額交付税措置をいたすという考え方をしておりますし、それからその二分の一につきましては国から元利償還をもらうということで、普通会計と同じ取り扱いをするというふうに予定いたしております。
#85
○神谷信之助君 四百二十億の中には義務教育費国庫負担法に基づく例の教材費その他、これとそれから例えば福祉事務所の運営費補助ですか、人件費補助に係るものですか、これら全部が含まれて四百二十億というわけですか。
#86
○政府委員(土田栄作君) お答え申し上げます。
 四百二十億の内訳は、ちょっと私、四百――下の二けたの数字を正確に存じておりませんけれども、中に入っておりますのは、一つは義務教育関係の旅費、それから教材費、これについての二分の一の国庫補助金の整理、それからそのほかの国庫補助金の整理の関係、ちょっと正確に存じませんが、五、六十億であるというふうに承知いたしております。それから、そのほかの要するに交付金化という関係はこの系列には含まれておりません。
#87
○神谷信之助君 それなら、それ以外に一般財源化というか、交付金化というのはあるわけ。それはどういう内容ですか。数字はいいですけれども、中身。
#88
○政府委員(土田栄作君) 突然のお尋ねでございますが、これは職業訓練関係の職員設置費の補助金でありましたものを交付金化したとか、そういうふうな系列のものでございまして、これはまた別途あるということでございます。
#89
○神谷信之助君 大変な減額措置になっていますが、これはまた後で大臣に聞くことにしたいと思っております。
 それから、その次ですが、私がしばしば問題にしてきた電電公社の電話柱なんかですが、去年の暮れの電電民営化法案の審議のときにも問題にしたのですが、そのとき電電公社の側は、固定資産税並みに一部減免措置をしてもらえることを期待をするような発言をしていました。そんなことけしからぬと私はそのとき言ったわけですけれども、何か建設省の方が激変緩和措置を講ずるよう指導をするというような方針を持っていて、固定資産税の一部に二分の一の軽減措置を五年間やるから、それに見合ってやろうというような動きが出ているのですが、この辺は事実どうなっているのか。自治省はどう考えているのか。この辺をお聞きしたい。
#90
○政府委員(花岡圭三君) 電電公社に係ります道路占用料につきましては、私ども前から建設省に対して、これは全額地方団体がそれぞれ徴収できるように申し入れをしておるところでございます。
 前回の国会でのお話を聞いておりますと、建設省の方では固定資産税と同様にある程度激変緩和をしたいというふうな発言があったやに承っておりますけれども、私どもは本来適正な金額をそのまま徴収できるようにというふうなことで建設省に申し入れをしておりまして、これを今後どのように取り扱うのか、減免といいますか激変緩和といいますか、こういったことを建設省が現在考えておるという話はございますけれども、私どもが申し入れておることに対して、現在のところ、まだ建設省ではこれについての反応はございません。具体的にどういうお考えであるかということは、現在のところまだ承知いたしておらない状況でございます。
#91
○神谷信之助君 これは三年前でしたか、一番初めにやったときにも言ったのだけれども、現行地方自治法上からいっても、建設省の局長通達が仮にあっても自治体が条例で決めれば徴収することができるというのが当時の自治省の回答でした。現実には、建設省に逆らってそんなことはなかなかできぬという実情で今日まできている。今度は、固定資産税と占用料とは全然次元が異なるわけですから、固定資産税並みに激変緩和と称して減免措置をするというようなことは筋が通らぬ。しかし、仮にそういうことを建設省が決めてそういう通達を出した場合、自治省はどういう態度をとるのですか。それは、遠慮なしに自治体が自治権に基づいて必要な条例をつくったらよろしい、こういうように指導されますか。
#92
○政府委員(花岡圭三君) 建設省がこの問題についてどういうお考えであるのかが現在わからないわけでございまして、私どもは適正な占用料を徴収するように建設省と十分話をしてまいりたいと考えております。
#93
○神谷信之助君 そうすると、建設省は自治省の言うことを最終的に聞き入れるというように確信を持っているんですね。
#94
○政府委員(花岡圭三君) 十分にお話をしてまいるわけでございまして、私どもの立場というものは、適正な金額が徴収できるようにという立場でございます。
#95
○神谷信之助君 それ以上はなかなかできぬでしょうが、これはもし建設省がそういう権限もないくせにそういう通達を出して条例制定権に介入をするということがあるすれば、これは重大な問題であるというふうに思いますから、自治省もその点をよく踏まえて建設省との話し合いはやってもらいたい、こういうふうに思います。
 それで、次は国保の問題ですが、厚生省見えてますか。
 国保の退職者の医療制度が、去年のあの悪法が通って、十月から施行されたわけですけれども、時間がありませんから私の方から言いますが、お聞きをすると、去年の十二月末現在での適用者数は二百六十万人で、本人が百七十二万、家族が八十六万というふうにお聞きをいたしました。当初の目標の四百六万人からいうと六二%です。本人の方は七五%まで適用しているけれども、家族は四九%、まだ過半数に行っていない。そういう状況だというように聞いているのですが、これは厚生省としては四百六万人の当初の見込みは埋まると、こういうようにお考えですか。
#96
○説明員(近藤純五郎君) お答え申し上げます。
 数につきましては先生御指摘のとおりでございますが、これにはいろいろ理由があろうかと思うわけでございますけれども、私どもが全国的に見て思っていることを申し上げてみますと、制度の施行が十月からでございますので、制度の施行が間もないという点があるわけでございまして、制度の内容がまだ周知徹底されていないというのが一つ大きな原因にあろうと思うわけでございます。
 それから、年金の受給者のリストに基づきまして退職者の把握をしているわけでございますけれども、五十九年度の新規の裁定者分のリストが約四十三万件ぐらいございますけれども、これが市町村に届いてから間がないという点でございます。
 それから、年金受給者のリストで送られてきているわけですけれども、住所の移動等がございまして把握できないケースもあるわけでございます。
 その他いろいろ原因があるわけでございますけれども、私どもは今後都道府県、市町村と協力いたしまして、広報活動の強化あるいは市町村による対象者の職権認定、こういったものを通じまして対象者の掘り起こしに全力を尽くしていきたいというふうに考えております。
#97
○神谷信之助君 そういうふうにおっしゃるけれども、これは「国保実務」というので、昨年の十一月末ですか、担当課長が出席をした国保運営実務研究会の記録が何号かにわたってあります。これを拝見をしたわけです。これは厚生省の国保課の伍藤課長補佐さんですか、出席をして、市や区、それから町の担当課長さんも来て実情が述べられています。
 それを見ましたが、例えば千葉市の課長は、現在五・九%という数字にはそう大きな増加はないというように発言をされています。人口が七十八万人、国保加入者が二十万人、適用者が一万二千四百七十二人ですか、これは大体そう今後大きくふえると見込めないというんです。それから、世田谷の課長さんも、五・三五%、今おっしゃった年金受給者のリストの一万七千人を全部チェックして百人ぐらいの誤差で全部が合ったということで住民台帳に載っている、だから住所が移動して把握が難しいということはない、あと被扶養者の方ですが、これは今後もそれほど伸びないだろうというように言っています。それから、茨城の内原町の課長さんは、あと頑張ってみても〇・五%か一%ぐらい上乗せができるぐらいではないか、これが関の山だというように、この記録を見ると発言をしています。
 この点で、四百六万人に達しない相当の見込み違いが実際は起こるのではないかという、そういう危惧をこの座談会の記録を見ると思うのですが、いかがですか。確実にそこまでいけるというのですか。
#98
○説明員(近藤純五郎君) 先ほどお答えいたしましたように、我々は、この四百六万人といいますのはいろいろな統計に基づきまして出したものでございまして、決して過大なものではないというふうに考えておるわけでございます。個々の市町村で確かにいろいろ御心配の向きがあるということは承知しておりますけれども、私どもとしましてはこれから全力を挙げてやるしかないというふうに考えております。
 なお、仮に来年度以降退職者等の資格がおくれて確認されたという場合の者のにつきましては、資格発生時までさかのぼりまして、二年間につきましては特例療養費というのを支給することになっておりまして、これらの者にかかります医療費の財源につきましても、さかのぼって一般の国保会計から被用者保険の拠出金に振りかえるというふうな制度があるわけでございますので、私どもとしては年度内に見つけるように努力したいというふうに考えておりますけれども、万一そこで漏れたところで、まだ救済の余地があるというふうに考えております。
#99
○神谷信之助君 今そうおっしゃるのだけれども、これは法律が成立してから十月実施まで一カ月半ぐらいでしたか、だから十分準備がなかったということはわかります。しかし、現場の担当者はそれぞれチェックをやってきて、市町村それぞれがPRもし、そして一つ一つ突き合わせをやるという努力をやって、そしてなかなかこれはいかぬだろう、若干来年度六十年度へ持ち越す場合もあるかもわからぬ。六十年度いっぱいいっても四百六万人には到底ならぬという状況のように私は見てとるのです。
 それからもう一つは、適用者数の見込み違いだけではなしに、医療費それから保険料、これもそれぞれ退職者が退職者医療制度の方にかわっていくということで財政上のプラスを大きく見込み過ぎたのではないかというように思うんです。
 去年この法案を審議して、私も厚生省から出された医療保険制度改正が国保財政に与える影響というものをもとにしていろいろ質問しました。しかし、全体としては、これを理由にした保険料値上げをする必要はないという厚生省の見解で、自治省は、主管省がそう言っているんですからそれを信ずる以外ありませんという答弁を去年はやっているんです。ところが、実際やってみますと、例えばこういう状況なんですね。
 これは四国のある市の状況ですけれども、財源不足がそれで起こってくるのですが、不足の出てくる原因としては今言いました退職者医療制度の適用者の問題です。一〇%を見込んでおったけれども六・七%、これ以上はそう伸びないと思う、こう言っています。ここで一つ違うでしょう。それから、退職者医療制度対象者の従来の医療費の見込み違い、これがうんと違ってきた。だから、結局医療費がうんと減るだろうと思っておったのが、そうはいかなかった。それから保険税の見込み違い、これも言っています。
 ここの市の場合は、厚生省の見込みでは市民一人当たり三万九千円ということでしたが、ここは四万円という見込みをしていた。だから、厚生省の見込みをほぼ踏襲をしたわけです。それから、退職者について一人当たりの見込みを、厚生省の見込みでは二万九千円ですから、二万八千円ということで予算化をした。その当該市はほかの市よりも低いだろうということで平均より千円下げて二万八千円。ところが、実際やってみると、市民一人当たりの方は三万九千円が四万円のこれはほぼ合ったのですけれども、退職者の方の保険税の二万八千円というのが実際は六万円だったんです。だから、これで非常に大きな差が出てきている。
 先ほど言いました研究会の中の発言を見ましても、案外退職者の所得が高い。世田谷とか練馬なんかの課長の発言では、年金以外に不動産持っていて不動産収入があったり、あるいはアパートとか駐車場などの経営の収入、こういうのがあって国保料が大体高い、だからこれが抜けていく。安いつもりしておったのが案外高い。あるいは農村でも、茨城県の内原町の課長が来ていまして、これが、隠居しても二、三反ぐらいはやっぱり農業収入があるから思ったよりも保険料高く払うていた、それが抜けていくということです。こういう状況が起こっているわけです。だから、この見込み違いがこういったように出てきているのですが、いずれにせよ、これはそういう見込み違いが起こってきたら当然国の責任で補てんをしなければならぬというふうに思うんですけれども、この点はどうお考えですか。
#100
○説明員(近藤純五郎君) 先生が御指摘のような問題を我々もちらほら聞いております。ただ、私どもとしまして全国ベースで信頼できるデータというものはまだ得られるに至っておりません。したがいまして、対策云々につきましてはまだ十分な実績を見ないうちに申し上げるような段階でないと思いますけれども、私の立場は国保課長でございますので、私の立場といたしましては当然のことながら、国保の財政の安定のために精いっぱい頑張りたい、こういうふうに考えております。
#101
○神谷信之助君 いや、決まってないのかしらぬけれども、この座談会見ても、大体七割ぐらい補てんするとか三分の二は補てんするとか、六十年度は三分の一ぐらいしか補てんできないとか、いわゆる調整交付金あるいは特別調整交付金で見ようというわけでしょう。ところが、先ほど言いました四国のある市は四億五千万の不足なんだけれども、国保財政の規模が五十五億で、四億五千万の不足に対して二億ぐらいが来るらしいという話を聞いていると。だから、二億というたら半分以下です、調整交付金で見てもらえるのは。だから、こういうことになってくると、これは大変なことになって、このままでは大体国保税を二九・二%か引き上げざるを得ないと。県下十二市あるが、大体皆二〇%ぐらいの値上げをこのために来年度、六十年度はもうやらなしようがないという状況に来ているという、そういうように聞いていますが、これ大変な、国会に対する答弁としっくり合わぬ。
 退職者医療制度を導入して、そのことを理由にどさっと補助金を先に削ったわけだ。先に削っておいて、動いてみたら、いや、見込み違いでしたというて、それで知らぬ顔の半兵衛やるというのは、これは泥棒みたいなものでしょう。先取りもいいところです。だから、こういうことになったらやっぱり足らぬ分は補助金をもとへ戻すとかということを考えなきゃならない。この見込み違いが起こったら、その責任はどういうようにおとりになるんですか。
#102
○説明員(近藤純五郎君) 国保の保険料の問題でございますけれども、退職者医療制度の影響だけではございませんので、老人保健制度の動向でございますとか医療費の自然増あるいは医療費の適正化対策の努力、こういったものに大きく関係があるわけでございまして、市町村間でかなりの差があるわけでございます。したがいまして、現時点でどのようになるかというのは私どもまだ判断つかないわけでございますけれども、これから都道府県、市町村の協力を得まして、退職者の把握の徹底でございますとか医療費の適正化の努力、こういったものをさらに詰めてまいる必要があると思っておりまして、これによりまして保険料の負担の水準というのが従来見込まれていたもの以上にはふえないように努力する所存であるというふうに考えております。
 その後における対策につきましては、私どもまだ言及できる段階でないというふうに考えておりますけれども、私としては国保財政の安定のために最大限努力するというふうに考えております。
#103
○神谷信之助君 あなた、医療費の適正化については国庫補助を三百億これは減らすと、こう言っている。薬剤関係の、この辺については六百十一億減らすというように、全部あなた言うているのがあるんですよ。それで、退職者医療制度創設に伴って二千三百五十五億補助金を減らします、こうなっているんだ、去年あなたのところの出した資料は。このとおりうまいこといくのか、減らす方だけ先にやって、それでやってみてうまいこといかなかったらどうなると私は去年言った。そのときは責任をとるなと言うているんですよ。だから、実際見込み違いやったら、その削った補助金は全部戻して国保財政へ入れますかと言っているんだ。あなた、いろいろありましてと言うが、いろいろある分は全部削っているじゃないか。
#104
○説明員(近藤純五郎君) まだ全国的な実績というのが出てないわけでございまして、その段階において考えるべき課題だと考えております。
#105
○神谷信之助君 自治省、ごらんのような状況で、昨年の私の質問に対しては、厚生省が退職者医療制度の導入によって補助金を削減をしても国保税には影響はありませんという厚生省の言明ですから、それを信用します、しかし動き出してみて、実際そういう事態が起これば自治省としてはその段階で措置を考えますと、こういう答弁だったんです。
 そこで、今お聞きのように、そういう重大な事態になってきて、こうなりますと結局若干の部分は、三分の二か七割か知らぬけれども、調整交付金なり特別調整交付金を使ってやると、こうなりますが、これ自身も今までからいうたら減らされていますから、だからそういう状態になったとき、今度あと残るのは単位国保は保険税、保険料の値上げ以外にない、あるいは一般会計からの繰り入れ以外にない、こういう事態になるのですが、そういう事態を避けるためにも自治省としてはしっかりした態度をとって、厚生省にも話をしてもらわないかぬと思うんだけれども、この点いかがですか。
#106
○政府委員(土田栄作君) 御案内のとおり、国民健康保険事業は本来保険税と国庫支出金で賄われるべきものでございまして、ごく一部一般会計から、一般住民を対象といたします保健施設に係る経費の一部というふうな繰り出しというものはございますけれども、それ以外のものはこの保険会計の独立採算でやるというのが原則でございます。したがいまして、今回の医療保険制度の改革に伴いまして国保財政につきましていろいろ問題が生ずると見込まれます場合には、所管省において責任を持って措置すべき問題であるというふうに考えている次第でございます。
 ただ、私どもも地方財政全体、市町村の財政運営全般について関与している立場でございますから、この国保会計の成り行きというのがどうなるかということは重大なる関心を持って見守っているところでございます。
 ただ、五十八年度の決算の速報というのを見てみますと、それは特に悪くなった市町村はあるかもしれませんが、全体としては五十七年よりは悪くなっておりませんので、さらに五十九年度の状況というものも注意深く見守りまして、必要により厚生省に対して善処方を申し入れてまいりたい、このように考えております。
#107
○神谷信之助君 もう時間ですから、最後に一括して聞きますが、一つ、厚生省は保険税、保険料の上限、今は三十五万、それを上げる意思はあるのかどうか。というのは、これを見ますと、課長さんによっては、上限の三十五万を三十七万に上げてくれたら、うちの方も今その下で抑えておるのを三十五万まで上げることができるというような物騒な話が出てきているので、この上限を上げるという気があるのかどうか。これはそれでなくても滞納がずっとふえてきておりますね。国保税、国保料、ばかにならぬので滞納率がふえてきています。だから、この点はすべきじゃないと思うけれども、そういう考えを持っているのかということ。
 それから、去年問題にしましたが、軽減費交付金のあの十割を八割にカットするという問題、これはあのときには自治省にまだ協議はしておりませんということだったけれども、いずれにしても年度末には省令をつくらないかぬ、こうなるわけでしょう。実際は既に厚生省は五十九年度予算の編成に当たって、八割にしなさいよ、八割しか行きませんよという通達まで出して指導していますから、この点は一体その後まだ協議はやってないのかどうか。
 それから自治省の方には、この軽減費交付金の問題であのとき津田さんは明言をされていましたね、ばちっと。国民皆保険の根幹にかかわる重大問題ではないか、そんなことは軽々に認めるわけにまいりませんという答弁が、今ここに議事録ありますけれども、そういう答弁になっております。それに対する基本的態度を改めて伺って終わりにしたい、こう思います。
#108
○説明員(近藤純五郎君) 上限の三十五万円の関係でございますけれども、私どもは上限は基本的には所得の水準に応じて負担していただくということでございますので、長期的には引き上げていくべきものと考えておりますけれども、来年度は自治省さんとも御相談申し上げまして上げないというふうに考えております。
 それから、軽減費交付金の関係でございますけれども、御承知のとおり、この軽減費交付金は財政調整交付金の方で支出されているわけでございますけれども、財政調整交付金は本来的機能としましては市町村の財政を調整するというふうなものでございますので、この軽減費交付金が財政力のいかんにかかわらず出されるという問題があるわけでございまして、これを是正する必要があるというように私どもは考えているわけでございます。
 ただ、これを改正いたしましても被保険者に対する保険料なり保険税の軽減制度自体を変更するわけではございませんし、これによりまして全体としての調整交付金の枠は変わらないというものでございますので、軽減費交付金で出さない二割の部分につきましては普通調整交付金の算定において考慮するというふうなことを考えているわけでございまして、このような基本的な考え方は自治省の方にも御説明してきたわけでございまして、これからもっと御相談の上、年度末に行います省令改正によって最終的に決めたいというふうに考えております。
#109
○政府委員(土田栄作君) 厚生省の方からは軽減費交付金の取り扱いにつきまして、保険料軽減費交付金の調整交付金に占めます割合が年々高くなっておることから、調整交付金の本来の目的である財政調整機能が低下しておりますために、昭和五十九年度においては補助率を十分の八程度とする予定であるという基本的な考え方については説明を受けたところでございます。それで、現在厚生省におきましては、退職者医療制度の創設に伴いまして、健全な国保財政の運営の確保を図りますための財政調整交付金全体の配分のあり方について具体的に詰めているというふうに伺っておりますが、私どもまだ協議を受けていないという状態でございます。
 いずれにいたしましても、今回の制度改正が各市町村の保険財政に与える影響は、個々の市町村におきます一つは退職者医療制度の適用者数、それからもう一つは医療費の動向といったことによりまして大きく異なるというふうに思います。したがいまして、財政調整交付金の配分に当たりましては、軽減費交付金、前年の八割になりました分、それからその二割カットされた分がどこに回るかという分、そういうふうなものを含めまして厚生省の省令を総合的に検討いたし、個々の市町村の国保財政の運営に支障がないように適切な措置を講ずるようにということで厚生省と十分協議してまいりたいと、こういうことでございます。
#110
○三治重信君 法案と直接関係がないことをきょうは御質問しますが、法案は簡単なことですから、別に同僚議員が質問したことに余り加えることもなさそうですから、ひとつ地方公共団体の収益事業について御質問をいたします。
 収益事業の中で宝くじは別として、公営競技の方は競馬、競輪、オートレース、競艇とあって、それぞれ独立の法律によって、実施から利益の配分方法から、別々に分かれておる。しかし、その中で共通しておるのは、やはりこの公営競技を行う主体、施行者、法律では施行権を持つ者、こういうことになって規定されているのです。いわゆる施行権者というものは都道府県と自治大臣が指定する市町村、こういうふうになっておるわけなんですが、各競技とも都道府県側は全部大体施行権者に指定されている。法律上保障されているのだけれども、実際都道府県でやっておるのは大体半分以下です。一番多い競馬でも都道府県で十七、競艇に至っては都道府県で一、こういうふうになっておるわけなんですが、その理由。法律上は各競技とも都道府県は全部できるようになっているのだけれども、施行権はあるのだけれども、実際公営競技をやっている都道府県というものは競馬が十七、競輪が十、競艇が一でオートレースが二というのはどういう理由でこういうふうに非常に少ないか。
#111
○政府委員(土田栄作君) これは歴史的な沿革のある問題であり、それからその土地のやっぱり風土条件、さらには県民性といったものがかみ合いましてこういう形になっているのであろうというふうに存じております。
#112
○三治重信君 それから、市町村だと競馬が五十四、競輪が多くて二百四十九、競艇が百四十八、オートレースが六、こういうふうになっているんですが、これは自治大臣による指定になっているのだけれども、こういうふうに各競技で非常に数が多いのですが、市町村に許可をしている指定の基準というものはどういうふうな基準で許可をやっているんでしょうか。
#113
○政府委員(土田栄作君) これは当該市町村の近くにそういうふうな公営競技を施行いたす場所があるかどうかということ、それからその収益を充てまして行う財政需要があるかどうか、それらの事情を勘案して当時指定したものというふうに聞いております。
#114
○三治重信君 そういうふうにして指定されておりながら、その収益金については自治省は全然財政収入の中に入れない、ただ配慮するのは特別交付税だけ。特別交付税についてのときにこれは公営競技をやっている市町村か都道府県か、こういうだけだというふうになっている。特別交付税だけしか考慮しないというのは、自分でみずから財政収入があるように都道府県は全部好きなところがやる、しかし市町村の方は特別に自治大臣が許可をしてそういうことをやらしておって、収益はちゃんと必要だということで許可していながら交付税については全然配慮しない。基準財政収入にはしないというのは、これはどういう理由ですか。
#115
○政府委員(土田栄作君) これはいろんなお考えがあろうと思いますが、私どもとしては、その収入というのは、例えば標準的な団体で見込めない、つまり地方税のように全国くまない制度として入ってくるものではありませんで、団体によりまして非常に不確定といいますか、変動する収入であるということが第一点でございます。ただ、問題といたしましては収益が非常に特定の団体に偏るという問題がございます。そういうことから、施行権をできるだけ組合でやるというようなことで均てん化を図りますとか、そのほかに公営企業金融公庫への納付金制度というものを設けまして、その納付金を通じまして全団体に対する収益の均てん化を図るというようなことをいたしておるわけでございます。そういうことで、一律に地方団体の収入として見込むことが適当でないというところから、特別交付税の算定に際しまして減額項目というようなことでの財源調整を行っております。
#116
○三治重信君 そういうふうなことかもしれないけれども、開催する県も市町村も決めておって、そしてずっと今までやっていれば、最近は収益が非常に減ったといっても大体入ってくる収益というものは決まっている。殊に市町村では億からの非常に多額の収入が許可している特定のところに入っているが、これはわかるわけだ。わからぬというなら別だが、ある特定のところが偶然的に何億という収益を上げているが、それは予想しないものだから交付税に配慮しない。しかし、基準財政収入というのは、都道府県全部どこでもかしこでも入る財政収入だけで計算をして、そういう限られた市町村の特定の財政収入は一切考慮しないで交付税というものは決める。都道府県、北海道から沖縄まで、どこの市町村でもとにかく幾らかの財政収入がある項目だけが基準財政収入の対象であって、特定の収益とかなんとかは一切基準財政収入の中には入れないというのが地方交付税の原則になっているのか。
#117
○政府委員(土田栄作君) 地方交付税の基準財政収入額には、やはり標準的にすべての団体にあるものを算入すべきである。それから特定の団体での特別の財政収入がありますれば、それは特別交付税で調整するというのが基本的な考え方ではなかろうかというふうに考えております。
 収益事業でございますが、これは確かに施行するところにつきましては大きな収益があるかもしれませんけれども、そういうふうな競技場を置くということによりまして、やはり地域住民がある程度受忍しなければいけないというような迷惑のかかる場合もございますし、それから収益事業自体といたしましても、非常に高収益という時期もありますけれども、特に最近のように売り上げが落ちてまいりますと収益が非常に目減りして、前年度と同じ収入が確保できませんために、非常に財政運営を圧縮しなければいけないというふうな団体もございます。そういうふうなことから、私どもといたしましては、一つはやはり収益事業によります財源の均てん化というのは普通交付税には親しまないのじゃないか。それで、一部特別交付税で調整する。さらには、公営企業金融公庫に今回一%を一・二%に上げるという形での法案の審議を今後当委員会にお願いすることになるかと思いますけれども、そういうことで公営企業金融公庫への納付金制度を通じまして財源調整をするというふうな三段構えでやるのが収益事業に対します収益の均てん化の方途であろうというふうに存じている次第でございます。
#118
○三治重信君 そういうのは収益事業といいながら、実際上この中身は、開催する権限とか日数とかいうものは各大臣がやっている。開催する施行権者として認めている都道府県とか市町村は自治大臣がやる。それから、競技の開催日数とか開催のやり方とかいうような問題や、それから利益金の分配というようなものについては、競馬は農林大臣、競輪は通産大臣、オートレース、競艇は運輸大臣がそれぞれ所管をして、そして利益の分配も各競技法によって、施行権者よりか実際の、競艇なら船舶振興会、オートレースだと自動車振興会、それから競輪は自転車振興会、そういうふうなところ等が利益の大部分を取り上げて、そして自分たちの利益を分配するだけの特殊法人にして、そこの特殊法人の事務費まで交付金の中へ算定しろと入れられて、そしてその分もみんな先に天引きされて、余った分が施行権者というのは、よほどお人よしかあほじゃないかと、こう思うわけなんだ。
 そして、赤字になってくると、赤字はだれが負うかというと施行権者が負う。これで自治省は公営競技を収益事業としてやっていていいのか。しかも中身を見ると、利益を分配する団体は特殊法人であり、そして施行権者の都道府県が実際直営するのかと思うとそうでなくて、何とか自転車競技会とかモーターボート競走会とか、こういう競技を実施するだけの団体をまた別につくってやっているというふうに複雑怪奇なんだが、こういうような問題については、これはみんな自治省がかんで、こういうふうなことにだんだんなっているのかどうか。
#119
○政府委員(土田栄作君) これはそれぞれの公営競技に関します法令ができましたときに、一つはその収益というのが、地方団体の収入といいますか、地方財政を健全化するためという目的だけではありませんで、例えば自転車競技法でありますれば自転車その他機械工業の振興、それから競馬法でありますれば畜産振興事業といった、それぞれの収益金をもちましてそれぞれの事業振興をするということと、それからその収益の分を地方団体の収入に入れるということで地方財政の健全化を図る、この両方の目的を持ってこれらの法律というものができているというふうに存じております。
 それから、もう一つは事業の実施方法でございますけれども、これはいわゆるギャンブルということで、ある意味では賭博罪の例外になるわけでございますけれども、そういうふうなことから事業の実施主体については地方公共団体であるということが必要になるということであろうと思いますし、それから実際の問題として、例えば競馬の競走馬の管理とか、それからモーターボート競走会の選手の管理とか、そういうふうなことまでは直営できないということからそれぞれの分担というものが決められまして、各種の協会の責任分野というものが決まってまいっているのだというふうに考えております。
 そういうことでございまして、各競技会に対します交付金というのは事業の振興のために使われている分というものが大部分でございまして、御指摘のように、一部これらの協会の事務経費に回っている分もあろうかと思いますけれども、個別のものについては問題があるのかもしれませんけれども、全体としては、一応現在の形での役割分担というのが妥当なものであるというふうに私どもは考えているところでございます。
#120
○三治重信君 それでは、そういうふうにやって、お余りとちょっと冷やかしたような言い方をしたのだけれども、実際に売上金額なり何かに対して、市町村、県が納められるべき一定の利益率というものを指示しているのか。また、利益率はこれぐらいなければ開催にふさわしくないというふうな基準というものがつくられているのかどうか。先ほど僕が言ったみたいに、全部それぞれ関係団体が先取りしてしまって、そのお余り分だけを、余りました、はいと言って受けるだけのものなのか。
#121
○政府委員(土田栄作君) 五十八年度の決算で申しますと、競馬、競輪、競艇、オートレース合わせまして、売上金額が三兆四千六百四十八億でございまして、収益金額が二千二百七十六億、収益率は六・六%ということになっておりまして、いろんな振興会等に入ります金よりも地方団体の収益というのに一番たくさん入っているわけでございます。そのほかに公営企業金融公庫へ三百億ほどの納付金というものをちょうだいいたしております。
 それから、施行について、どの辺の収益まで施行できるかということでございますが、赤字になりますれば、これは当然施行すべきではないということでございます。それから、ある意味では、公営企業金融公庫に一%というものを納付していただいておりますので、その公営企業金融公庫への納付金というものを賄うことができない、それからさらに、長期的に見てもそういうふうな業績の回復が見込めないということであれば、それは施行すべきでないというふうに考えております。
#122
○三治重信君 そういう公営企業金融公庫への納付金というのは自治省が出した知恵なんだろうけれども、それは一つの知恵として、均てん化さすということはいいのだけれども、こういうふうになってきて、殊に地方行革なんかをやる場合に、また、将来非常に利益が上がらなくなって赤字も予想されるという場合になったら、これは一つの私見なんだけれども、むしろこういうものについては各省の監督下に任してしまって、そうして自治省とすれば、こういうギャンブルに対して地方税法できちんと税金として、やった場合には、売り上げでも利益でもいい、その中の何%かを税金で取る。そうすれば、何もしないで税法だけできちんと取れる。開催回数とか開催の市町村を指定するとか、いろいろなことを全部なくしてひとつ行われるのじゃないかと思うんです。もちろんその開催する場所については迷惑料なり、またいろいろな従来のいきさつがあるから、それは上がった税金の中で特別交付すればいいことなんで、もうかるようなこともないようだし、もうそういうものは地方税法の税金の方でやって、こういうこれは収益事業としていつまでも継続するということについては、もう見限ってもいいじゃないか。
 しかも、これいろいろ調べてみると、施行権者とあるものだから、私は市町村なり県なりが直接自分で開催やっているのかと思ったら、そうじゃなくて、施行権と言っても、それはピンはねするための名目上だけのことであって、実際の競技をやる施設も、競技開催の経費や開催の要領もみんなそれぞれの団体でやっておるわけなんで、各県、市町村が実際その施設を持ち経営をやるというようなことについてはほとんどノータッチのような状況なんで、こういうものについては、本当に公営事業というものそのものの名前も、これはもうそれぞれの法律に基づいて、競馬、競輪、オートレース、競艇をそれぞれやるだけで、地方公営事業という概念からは、これは公営事業でも、実質上体をなさぬと思うのだが、ひとつこの際地方の公営的なものとしての考え方を変えて、そうして財政制度のもとにこういうものを各省がやりたいというなら、これは地方の税金をかけるぞと、こういうふうにひとつ行革の一つの項目とする、そういうふうな考え方をやったらどうか、こういうふうに思うわけなんです。
 これは、ひとつそういうふうな判断は大臣であろうけれども、事務当局として財政収入にも入れないが、しかし実際は相当大きなものが特定の団体だけに入ってくる、そういうようなことをいつまででも見逃しておる、それを見かねて結局地方公営企業の方に若干取り上げる、こういうことだろうと思うんですが、もしもそういうことじゃなくて、それはもうギャンブル税として取り上げて地方財政なら地方財政で特別きちんと公平に分配する、こういうふうに踏み切るべき時期じゃないかと思うんですが、そういうふうな準備をする意思があるかどうか。
#123
○政府委員(花岡圭三君) 公営競技に対する課税の問題につきましては、これまでも国税ということでいろいろ政府税調等で議論されたことがございます。しかし、地方団体が実施しているものについて課税するという問題になるわけでございますので、特にこれを地方税としてやる場合にはいろいろと問題がございます。国税でも問題があるところへ地方税でということになりますと、やはりみずからの稼ぎに対する課税というふうな問題にもなってまいるわけでございます。また、こういった税制をつくるということにつきましても各省の考え方それぞれ難しい点がございます。臨調でも、御承知のように公営競技の収益の均てん化については今後とも一層進めるように検討せよということでございますので、私ども現在の公営競技の実態から見まして、でき得る均てん化というのはどういうことかというふうなことでいろいろ検討いたしました結果、先ほど審議官からお答え申し上げましたような公営企業金融公庫への納付金の率の引き上げという点を各省とも相談をして合意に至ったわけでございます。
 現在の収益金の状況から見てなかなか難しい問題ございますけれども、私どもも今後とも公営競技の収益金の均てん化の問題につきましてはできるだけの努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#124
○三治重信君 地方がみずから開催しているものに課税するのはどうかと思うというのは、これは発想が全然逆だ。自分でやっているものだからいつまででも競技のしがらみに絡められてしまっている。これだんだん赤字になってきつつあるわけで、赤字になったら自分で払うんだということになってしまっては何のための収益事業か、これは初めからもうけるためにやっているわけでしょう。もうけるためにやっているのがだんだん赤字になるから、そういうものを地方で開催なんてやめさせちゃって、そういうギャンブルだからギャンブル税をかけたらどうかということなんだから、地方が開催しているときに税金をかけるということの発想とは全然違う。
 開催さしておいて税金をかけるという発想じゃなくて、地方の収益事業としてはやめさせて、こういう四つの団体がそれぞれ自由にやりなさい、自由にやったものについての収益なり売上高についてどれだけのものを課税するという発想はどうか、それについて研究してほしいと、こういうことなんですから、地方公共団体にやらしておいて税金はどうかなんということは、それはとてもじゃないが、そんなばかなことを質問しているわけじゃないんだから、そこを間違えないようにやってもらいたい。
 質問終わります。
#125
○政府委員(花岡圭三君) やはり公営競技が一種の賭博でございますので、これを公正に行わせるために地方公共団体に施行権を認めておるというふうなことになっておりますので、一般民間にその施行主体をゆだねるということは難しいかと思います。
 民間に対する事業の委託内容によりまして、できるだけ合理的に行うためには、現在でも法律の規定によります選手会への委託等ございますが、その他でも清掃あるいは警備、こういったできるだけ民間への委託ということは十分に推進をしてまいりたいというふうに考えています。
#126
○三治重信君 そう言うならば、もう一つ最後に言うけれども、赤字になってきたらどうするのだ。競馬でも競輪でも赤字のところがどんどんふえてきたが、赤字に対して穴埋めはどういうふうに指導するのか。どんどん赤字になってきて、そうするともう競輪は自転車競技会の方が利益だけ取ってしまって、赤字ですから市町村で払いなさい、こういうぐあいになっても、それはもう法律できちんと収益金の前に、機械工業の振興や体育事業、社会公益のためにやる経費が必要ですからというふうに取って、それで赤字になったら市町村出しなさい、こういうふうにやったときに自治省はどういうことになるのか。
#127
○政府委員(花岡圭三君) 公営競技は結局、現在の建前から申しますと、地方団体の財源を得るためのものでございますので、赤字に至らないような指導をしなきゃなりませんが、赤字になってまでこれを続けていくということは、やはり競技の性格からしてなかなか問題であろうと思います。特に、今の御指摘の各省所管しております交付金との関係でいろいろ問題も起こってくると思います。この辺もあわせまして、各省とも私ども十分今後の競技のあり方について、収益金のあり方について全般的に協議を進めてまいりたいと思っています。
#128
○委員長(金丸三郎君) 暫時休憩いたします。
   午後三時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後六時十九分開会
#129
○委員長(金丸三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#130
○上野雄文君 どうも大臣遅くまで予算委員会御苦労さまです。遅くなっておりますから急いで質問をしたいと思います。
 私は大臣に初めて質問をすることになるものですから、まず最初に、大臣の地方自治に対する基本的なお考えをお聞かせをいただきたいというふうに思うんです。
#131
○国務大臣(古屋亨君) 私は、地方財政に対しましては、非常に国の厳しい財政事情下におきまして、やはり国と地方とは車の両輪のごとく連携を密にしなきゃならぬということを考えながら、同時に、一方におきましては地方の自主性と申しますか、地域住民に直接つながるような事項は何としても地方自治の中心でありますので、こういう問題につきましては、今問題になっております必置規制であるとか国の関与だとか、あるいは国の権限移譲だとかあるいは許認可の問題、こういうような地方の本来の姿にあるべきものの一部が国の現在の立場から邪魔をされているような格好は、何としても速やかにこれを排除していかなければならないという考え方でございまして、そうしまして本当に住民と密着した地方行政と申しますか、潤いのある、また地方のそれぞれの特色を生かしました活性化している地方自治体であることを私どもは地方行政の一番基点として考えておるわけでございます。
#132
○上野雄文君 大変立派なお考えでありまして、私もそれを聞いて安心しながらいろいろお尋ねをしたいと思うんです。
 きょうは主として前段地方行革大綱をめぐってお話を聞かしていただいたわけでありますが、大臣からお聞きしたい分を実はとっておいたものですから、大臣のお考えを伺いたいと思うんです。
 最初に、国立病院と国立の療養所、この問題について大臣のお考えを聞きたいと思うのですが、大臣も御存じだと思いますが、ついせんだって国立病院・療養所再編成問題等懇談会から意見書が出されているわけです。これをずっと見てみますと、ちょうど赤字を積み重ねた国鉄問題の国立病院版と、こう言われている。一言で言えばそのことに尽きると思うんです。いろいろなことが書いてあるのですが、ここへきて、国民の医療の第一義的な責任は市町村にあって、市町村が対処をすることが不適当な医療の確保の責任は都道府県であると、こういうことを改めて言い出してきているわけです。そこで、採算のとれないそういう病院なんかについては地方自治体に移譲をするというようなことを考えなさいと、こういうことが出てきたんです。
 なるほど自治法を見れば、おっしゃるとおりそういう市町村、県、そしてまた国が負うべきものがそこにあるのだろうと思うんですけれども、四十年近くたって今さらそのことを言われて、大臣先ほど言われたように財政が非常に厳しい折から、国や地方の責任の分担とかという基本的な問題を抱えているときにまたこれが乗っかってくるなんということについては、ゆゆしい問題だと私は思っているんです。ただ、十年間の間に方向を出しなさいということなんですけれども、私はこんなことが簡単に自治体を引き合いに出しながら議論をするというところに大きな問題があると、こう思っているのでありますけれども、大臣、この問題について率直なお考えをお聞かせいただきたいと、こう思うんです。
#133
○国務大臣(古屋亨君) 今、上野先生のお話しの国立病院・療養所の問題につきましては、ちょっと私事にわたって恐縮でございますが、私の地元の恵那市には、昭和十六年ごろ私のおやじが持っていた土地を随分たくさん国立療養所、傷痍軍人療養所として国へ寄附をいたして、それを私もよく知っておるのでございますが、最近、そういう問題につきまして一方的に国の財政の都合から地方団体に施設の移譲を行うというようなうわさを町でも聞いておるのでございまして、私はこういう国立病院とか療養所の再編成に当たりましては、国、地方団体を通じまして行政の減量化を図っていくという行政改革の基本理念に従いまして、廃止統合を基本とすべきものでありまして、ただ国の財政の軽減を図るためだけで地方公共団体に移譲を行うということは、私は了解できないと思っております。
 それで、厚生省におきましては昭和六十年度から、お話しのように、具体的なリストアップの作業に入ると聞いておりますが、私ども自治省としては、さっき申し上げましたような基本姿勢に立ちまして、今後厚生省に対しまして十分慎重に協議を進めまして、地方自治の立場というものを守っていきたいと考えております。
#134
○上野雄文君 わかりました。大臣もそういうような個人的な経験もお持ちだというのであれば、なおさら私は地方自治体の立場でこの点の主張をしていっていただきたいというふうに思うんです。
 それから、地方行革大綱を出すに至ったいきさつなんでありますけれども、前段いろいろお尋ねをいたしましたけれども、押しなべて全部が一斉に、そして自主的に地方の行政改革というのをやってほしい、こういうのが今度出した理由だというふうに言っているのでありますけれども、都道府県は全部、それから市町村だって千六百から、自前で自主的に取り組みをやっているわけです。
 この間ある県の知事は、あの通知を受け取ってずっと読んでみたのだけれども、何で今さらという感じを受けていますということも述べています。この真意は一体どういうことなのか。というのは、我々が現場で取り組んでいるそのことの感じからすると、何か御体裁を整えたものを通知だけ出せばそれでいいのかなというような感じで受けとめているわけなんですけれども、どうなんですか、大臣。
#135
○国務大臣(古屋亨君) 私は、地方行革の問題につきましては既に五十七、五十八、五十九の数字を見ましても、県、市町村等におきましても三千五百以上の、いろいろの整理をやっております。また、定員の数も相当減らしておるように聞いておりまして、地方が行革をやってないということは絶対にあり得ない、今まで相当地方も自主的に進めておることは事実でございます。ただ、皆さん御承知のように、一部特定の地方自治団体におきまして、国は何であろうとも、地方は何であろうとも、おれのところさえよければよろしいという極端な、ラスパイレスにいたしましても一二〇余というような数字が出ておりますが、そういうような地域がありますために、一部の間で地方は豊かだというような感覚がありますことは大変残念でございます。
 私どもといたしましては、足並みそろえるというよりも、地方自治の立場から全般的に、今までやっていることを基調としながら、もっとこれを進めていきたい。人数の問題でも給与の問題でも、あるいは民間委託の問題その他につきましても、地域の問題として、先ほど言いました私の地元でも四人ばかり市会議員の数を去年の四月から満場一致で減らしております。そういうように自主的にやっているのは随分ありますけれども、何といいましても、ほんのわずかでありますが、一部の地方自治体におきましてさっき言いましたような地方が豊かであるというような感じを持たせるような施策をとっておられるというようなこともありますので、この際、私どもとしましては地方行革指針というものを出して、地方の行政改革のこれからの推進の方法につきまして例示的にいろいろの問題を示したのでございます。
 先生も御承知と思いますが、私は本当の地方の行革というものは、地方団体ができるものとそれから国がいろいろの整理の関与をしておってできないもの、これの私は後に言った部分を直さなければ本当の地方の自主的な行革はできないのじゃないだろうか。恐らく今度の国会に、昨年の臨革審の答申に基づきまして、国の関与あるいは必置規制の関係の法案が出ると思いますが、権限移譲の問題につきましても近く数カ月のうちに答申も出るように聞いておりますから、そういうものをひっ提げまして、とにかく地方行革を進めて、そうして住民と密着した行政が地方で行われるように取り組んでいきたいという考え方でございます。
#136
○上野雄文君 御答弁いただいた前段の方は、この間、去年の暮れに行われた地方制度調査会の当面の答申の中で示された地方が取り組むべき行政改革の推進、これ全部並べてみると全く同じと言ってもいいと思うんです。そこのところだけ言ってきて、今大臣が言われた後の部分の問題については全く触れていないというか、前文の方でちょっと言っているだけの話で、それがおりてきて初めてできるわけでして、それなしに今のまま一方的にやれと。ただ、大臣はすぐにさっきもラスパイレスの話などされているわけですけれども、そんなところだけ取り上げてやろうとするというと、これはまた何も今に始まったことではなくて、ずっとそれぞれが努力をしているわけなんです。
 そこで、今度のこの大綱についての認識なんですが、策定は八月までにやって、そして都道府県は自治大臣、それから市町村は都道府県知事にそれぞれ報告をしなさい、それからそれを直したときは、そのときもまた報告をしなさい、こういうことを言っているわけですけれども、これは法律的に見て自治法上どういうような位置づけをされようとしておられるのか。自治法の十一章の二百四十五条、ここに一、二、三と、それぞれ自治大臣と都道府県知事の助言、勧告、資料提出要求ということについて一応の整理した条文があるんですね。これと照らし合わせて、これは全く義務的なものとして受けとめるべきものなのか。一つの指針だから、それに完全に従わなくてもよろしい、こう考えていいのか。その辺のところはいかがでしょう。
#137
○国務大臣(古屋亨君) 地方行革大綱は、地方公共団体の自主的な総合的な施策の推進を図るために示しました総括的な指針でございまして、先生のお話の法的根拠は、地方自治法の二百四十五条一項の、自治大臣は、普通地方公共団体の組織、運営の合理化に資するため、普通地方公共団体に適切と認める技術的な助言または勧告をすることができるというような根拠に基づきまして私どもは指針を示したのでありまして、これをどういうふうに地域がそしゃくして、どういうふうに改善するかということは、やはり地域の実情に沿って、地方公共団体において自主的に選択するようにされたい。地方団体の自主性については十分私も配意いたしました。一律になってしまっては、おもしろくと言っては恐縮でございますが、地域の特色というのは出てきませんから、その地域の特性に基づきまして、それぞれの地域の実態に沿ったような改革をしていただく、この指針を私の方では示した。具体的な運営は地方の実情によってやっていただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#138
○上野雄文君 そうすると、必ずしも義務的なものではない、このとおりぴしっといかなくても、それはもう地方の実情に応じてやればよろしいのだと、こういうことでよろしいのですね。
#139
○国務大臣(古屋亨君) さようでございます。
#140
○上野雄文君 これからいろいろまた今後の審議でも、自治体を守るという立場でいろんな問題が出てくると思うのでありますけれども、ひとつ地方自治体の立場に立ってこれから頑張っていっていただきたいということを要請して、私の質問を終わりたいと思います。
#141
○中野明君 大臣に二、三お尋ねをいたしますが、お昼に大臣も今回の法律案の提案理由の説明をなさったんですが、この法律を見ましても、五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例ということでありまして、法の精神からいって、五十九年度分に交付をすべきであるということが建前であります。それを特例をつくって繰り越すと、こういうことになるわけですが、このことについて大臣の率直な御感想をお聞きしたいんです。
#142
○国務大臣(古屋亨君) 補正予算におきまして、地方交付税の増加額千四百九十七億を全部そのまま本年度の交付税にどうしてしなかったかというような意味の御質問だと思います。
 五十九年度の交付税の不足額相当の二百二十五億につきましては当然本年度に交付すべきものでありますが、残りました千二百七十二億につきましては、地方財政の中期的な健全化に向けまして、昭和六十年度に交付することが妥当であるという結論に達しましたので、これを繰り越して使用することといたしたわけでございます。
#143
○中野明君 先ほど来政府委員に質疑をしておったのですが、大臣が今同僚議員への答弁でもおっしゃっておりましたように、地方の自主性、主体性というものを極力尊重して地方自治を発展さしたいというお気持ち、それとは、私こう見ておって、何か国の財政の都合で特例法をつくってでもこういうふうに措置をしていくという、そういうことについて非常に疑問に思うわけでして、結局地方に配分すべきものは法の建前どおり配分をして、そこから先は繰り越すなりあるいは債務の穴埋めにするなり、地方の自主性に任せるというのが本来の筋じゃないだろうかと、こういうふうに思うわけです。
 どうも今回のこういう措置にしましても、それからもう一つは、国の都合で地方の意思を無視するということについては、先般来問題になっておりますように、ソ連の漁船の寄港問題も、結局一番困るのは現地の知事なり市長でございます。ですから、内々にやはりそういう意向というものをお話ししてあげて、そして決めるというのが建前だろうと思うのですが、外交上のいろいろの問題があったにしろ、地元の知事なり市長は非常に困っております。迷惑をしております。そういうことなんかをじっと見てみますと、とにかく地方自治ということが言われているにかかわらず、旧態依然として、国の方としては地方に意思をもう一方的に上の方から押しつけていく、そういう傾向が非常に見られるわけでして残念でならぬのですが、このソ連漁船の寄港問題とあわせて大臣の御所見をお聞きしたいんです。
#144
○国務大臣(古屋亨君) 地方交付税の繰り越しにつきましては、ただいま申し上げましたように、地方財政の中期的な健全化に向けて、六十年度に交付することが妥当であるというような考え方のもとに、自治省としては地方団体の財政需要の動向につきまして絶えず事情聴取を行っておりますとともに、地方財政審議会の意見をも承ることにしております。
 ソ連漁船の塩釜への入港の問題につきましても、農林大臣から話を聞きますと、先方へ行ってもう最後の決断をなすについてどうしてもそういうことをやらなければ話がつかないというような、何といいますか、応急的な措置でございますから、地域の問題としてはそれはお困りになることは当然でありますので、これからそういう問題につきましては警察の方もあるいは自治省の方も十分関心を払いまして、住民の迷惑にならないようにできるだけの援助と努力をいたしたいと思っております。
#145
○中野明君 現実に困って住民が迷惑を受けているということも事実でありまして、そういう状態のときに頭越しにやられるという、そういうことで私の言いたいのは、これは事が外交問題だから余りこだわってもおかしいという気もいたしておりますけれども、何か国の都合で国の財政が苦しいから地方に押しつけたり、あるいは頭越しに何もかもやっていくということについて非常に地方はやはり不満と、それが高じてくると不信になってまいります。それがすべての問題に地方と国との間でうまくいかないという原因にもなってくると思います。そういう点について今後十分、大臣として御就任になったのですから、地方の実情をよくごらんになってやっていただきたいということ、これを特にお願いしておきます。
 それから今、同僚議員からお話がありましたが、やはり住民に密着しているだけに地方の行政改革は国より進んでいる、私はこういうふうに感じております。ところが、今になってまた大々的に地方の行革ということで打ち出してくるということがあるのですが、私のここで申し上げたいのは、今までまじめに一生懸命に先んじて行政改革に努力してきたところと少しおくれたところと当然あると思うんです。それをもう一遍白紙に戻して、きょうならきょうから用意ドンで行革をやれということでやられると、まじめに今まで行革に取り組んできたところは割を食う。ですから、やはり用意ドンで行革をするのならば一定の時点までさかのぼって、そしてその時点を基準にしてどこまで進んでいるか進んでいないかということをやっていただかないと、先にまじめにやったところはまた同じように数字の上でがさがさ言われて苦しむ。これではまじめなところが損をするようになるわけです。そういう辺をぜひひとつ細かく目を通していただいて、一定の時点に戻ったその時点を基準にして、行革はどこまで進んでいるかという物差しにされたら地方も納得するのじゃないかという気も私しているのですが、この点どうでしょうか。
#146
○国務大臣(古屋亨君) 中野先生のおっしゃるとおりだと私も考えております。
 実は、暮れの大蔵大臣との財政の折衝におきましても、今のように私ども皆さんの御支援を受けまして、国庫補助の一律カット絶対反対でおりましたが、国がこれだけ削るのだし、また一兆円の公債を減ずるのだから、国の予算編成上のやむを得ない措置として何とか考えろと。私は本当に悩みました。それはとてもだめです、じゃ厚生省は十一カ月の予算を組んだらどうですかと、いろいろやったんです。大蔵大臣は、古屋君、十一カ月の予算を組むとこれはもう国会でどうにもならぬから、君の言う希望はちゃんと聞くからということで、御承知のように五千八百億の予想される分についての対応も全部これから一年限り。その間、大蔵省と厚生省と自治省とで、特に経常的経費、福祉的経費といいますか社会保障的経費についてはずっと検討を続けて、それによって結論を出すというようなことものんでいただきましたもので、根本の方針は私も不満でございましたが、一年限りと、こういうふうで、こちらの主張をその間できるだけ通していこうということで、私も大変申しわけないと思いましたが、やむを得ない手段としてとったわけでございます。
 そういうように国だけの都合で地方の自治というものが引っ張り回されることは、私も大変不本意でございます。そういう意味で、今の先生のお話も十分私ども自治省としては念頭に置きまして、あくまでも住民に近い、住民のための地方の整備が行われるように、同時にこれに反するような国のいろいろの関与とか規制だとか権限の問題はできるだけ早く解決するように努力をしてまいりたいと思いますので、よろしく御指導をお願いしたいと思います。
#147
○中野明君 終わりました。
#148
○神谷信之助君 最初に、緊急の問題がありますので、まずそれからお聞きをしたいと思うんです。
 それは、御承知のように東京都の中野区は今、教育委員の準公選制の問題で、投票というか選挙活動といいますか、それをやっているのですが、その中野区が今無法地帯になっているような状況になってきている。これは何かといいますと、右翼団体が中野区役所庁舎、これを宣伝カーでワーワーワーワーとわめき立てて騒がすという状況が昨年の三月からずっと続いてきています。昨年の三月が一回、四月が二回、五月が一回、六月が二回、七月が一回、十月が二回、十一月が一回、十二月が十五回、去年で二十五回。ことしに入っても一月が九回、二月が九日までで四回、こういうように来ています。そして、去年六月五日には日本刀を担当の鎌田副主幹ののど元に突きつけて区長室へ乗り込もうとした事件もありました。
 それから、ことしの一月二十四日には、庁舎の正面は北側にあるのですけれども、その庁舎の南側に議会棟があるんです。その横に東西の門がある、これに突っ込んでくるんです。だから、そこで職員が両方十数人出て、とにかく鉄さくを敷いて食いとめる。警官はそこにおるのだけれども、これは見張りみたいなのが二、三人おるだけでしょう。そこへ突っ込んできて、庁舎の損壊、施設の損壊事件を起こしている。これはもう逮捕されて、今送検するかどうかという状況になっているようですけれども、そういう事態が起こっているんです。それで、ぐるぐるぐるぐる庁舎を回る。それから、東側の道路は一方通行なのに逆行もするし、一方通行も何もないわけです。もうはっきりと道交法違反をやっているのだけれども、これも見ているだけで取り締まらぬ。だから、一体警察はどうしてくれるんだというようなのが非常に強まってきました。
 そういう中で、この間二月の七日に、中野区長とそれから区議会の議長がそれぞれ所轄の野方警察署長あてに妨害排除を要請しておる。とにかく区役所の公用車が出ても途中でばあっとやられて動けぬようになる、立ち往生させられる、そんなことまでやられるんですよ。それで、一体どうしてくれるんだという騒ぎになっておる。そういうことで、七日の日にそういうものが出たものですから、きょうから機動隊が出て、庁舎のすぐわきの道路は通さぬようにもう少し離れさすという、きょう午前中の状況ではそういう状況になってきたようです。
 しかし、これ自身私はけしからぬことだというように思うんですが、問題はそれだけじゃなしに、今度は教育委員の私宅まで押しかけてきているんです。俵萠子さんという教育委員さんがおられますが、ここのうちには十二月の中旬から下旬にかけて十回ぐらい家の前に車をとめるとか、あるいはゆっくり動かしながらワーワーやる。そして、俵萠子ら札つきの共産主義者が教育委員行政をむちゃくちゃにしておるとかいうようなことをわめき散らす。それから、一月の中旬に二、三回来たんですが、そのうち一月十五日には、写真もあるんですが、これ、家の前に来ているんです。ここでは、俵萠子が中野区を悪くしたとか、出ていけとか、区民の前で謝れとか、出てこいとか、ばり雑言を繰り返しやられる。個人を誹謗するそういう言動が繰り返しやられる。二月の六日には、今度は南部の公会堂で区の意見発表会、立会演説会みたいなものですね、これがあるときには、夕方の六時ごろに同じようにまた家の前でワーワーやる。そして、このときは会場にまで二人が乗り込んで、やじり倒して聴取不能にするという妨害行為に出る。それから、二月の十日、つい一昨日ですが、夕方四時前後に――これはテープがありますが、声の暴力をやっぱり二十分ぐらいワーワーとやるという状態が続いています。
 それで、俵萠子さんのところだけかというと、その日は、その後、同じ教育委員をやっている高田ユリさん、この方は主婦連の副会長さんだし、政府の審議会の委員なんかも幾つかやっておられる方です。この人の家にも行って同様の声の暴力を行うということで、高田ユリさんからもきょう、「声の暴力は何とかならないものかと、胸を痛めております。不安でございます。」という短い手紙、私信ですが、よこしておられるのですが、そういう状況が起こっています。
 それから、準公選の教育委員選挙、これの妨害というのがまたひどいものでして、先ほど言いましたように、会場に割り込んでやじり倒して聴取不能にするという、そういう妨害行為だけじゃなしに、きのう二月十一日の午後二時から中野駅前のターミナルで立候補者の八人が街頭の共同意見発表会をやると、こういうことでやってきたところが、前日の十日に野方署の方から、警備が不能だ、安全の保障ができませんから中止をしてもらいたいという、そういう申し入れがあってこれができない、そういう状態が続いているのです。
 これは、威力業務妨害なりあるいは脅迫の罪なりあるいは軽犯罪法違反の罪なりあるいは道交法違反なり、その都度、現場現場で現行犯でぴしっとやるということをやらない限り、野放しになっているからますますのぼせ上がってくる。まあ国会周辺もやられていますし、私の党の本部にもよくやりに来ますけれども、まして個人の私宅まで来てワーワー繰り返しやられるという状態になりますと、これはまさに基本的人権に対する重大な侵害です。そういう事態になっているのでお聞きをしたいのですが、警察庁、この問題どういうふうに対処されてきたのか、するつもりか、この辺について、ひとつ明確なお答えをお聞かせください。
#149
○政府委員(柴田善憲君) 中野区の教育委員の準公選制をめぐりまして右翼の動きがいろいろございます。一部の右翼団体、これは二つか三つの団体なんでございますが、これが連日のように中野区内で反対の街頭宣伝を行っておりまして、過般は、今御指摘のように、俵氏などからの一一〇番等もいただいておる次第でございます。これに対しまして警視庁におきましては、その都度数十名あるいは百名以上の警察部隊を動員いたしまして厳戒態勢をとりまして、厳格な対応をしてきておるところでございます。
 今御指摘のように、問題は主としてこの右翼の車両の言うなれば拡声器騒音、これが問題になっておるわけでございます。この取り締まりにつきましては、これも御案内のように、軽犯罪法を初めといたしまして、現行法令を積極的に活用して鋭意取り締まりに当たるわけでございますが、毎回申し上げておるわけでございますけれども、現在の右翼車両の騒音の実態からいたしまして、より整備された騒音規制の方法、立法があればという実務の場におきます感じはやはり非常に強いところでございます。
 なお、現在東京都におきましては、学識経験者の方にお願いいたしまして、環境騒音問題の懇談会というものでこの問題につきまして種々御検討をいただいているところだと伺っております。私どもといたしましても、騒音防止の観点から何らかのより効果的な取り組みがなされる方法があればということで期待をいたしておるところでございます。
 この準公選制をめぐりましては、これから二十五日まで投票が続くわけでございますが、私どもといたしましても、より警戒を強めまして不法事案の未然防止、あるいは発生いたしました事案につきましては検挙していくということで厳重に対応をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#150
○神谷信之助君 現行法規ではやれぬのだというようにおっしゃるのだけれども、そうじゃないんですよ。例えば労働組合が、解雇問題が起こってそれで社長と交渉しようとする。だが、出てこない。だから、これは団交に出てこいと言って家へ行って要求する。そうしたら、それに対しては警察が介入して逮捕をしたり何かしているじゃないですか。ところが、これは団交の継続だし、しかもそこに働く労働者と経営者ですから利害関係がある。直接利害関係を持つものだ。ここの場合は右翼団体と俵萠子さんが何か直接利害関係があるのか。あるいは高田ュリさんなんか、何で直接の利害関係があるのか。何もない。片一方は労働運動に不当な介入をやりながら、同じ現行法で、片一方は何もやらないんだ。
 騒音の測定もちゃんと区役所が、二月八日の十六時五分ですか、測定結果も出していますけれども、百三ホンあるいは百一ホンというような騒音ですよ。だから、あれは政治活動と単純に言えるものじゃない。途中で我々は公選制に反対というのは言いますが、個人の私宅の前へ来てもうばり雑言ですよ。まさに個人に対する声の暴力、脅迫あるいは威迫、こういう行為をやっているんです。だから私は、現行法で取り締まりができぬというような態度は、より警察にとって都合のいい取り締まり法規をつくるための口実にしかすぎぬ。やればいいじゃないかというように思います。
 そこで、この問題だけやるわけにいきませんので、公安委員長に見解を聞きますが、今申し上げたように、私は実際に起こっている社会的現象というのは、そういう労働運動の中には不当に介入しながら、こういうのは野放しにしている。国会周辺でも何遍も問題になっているのだけれども、現行法でちゃんと取り締まれる。だから、一方通行を逆進するなら現行法でばちっとやればいいんだ。こういう状態ではぐあいが悪いので、ひとつ公安委員長としても、法秩序を無視をするような連中には断固としたやっぱり措置をとるように決意を明らかにしてもらいたいと思います。
#151
○国務大臣(古屋亨君) 今のお話でございます。最近、右翼の暴力活動が、特に中野の選挙をめぐりまして目に余る状況でございます。今のお話のとおりだと思います。
 警察は、一般的に言いますと、いかなる立場からするものでありましても違法行為は絶対に看過しないという基本方針のもとに、右翼であるとそうでないとを問わず厳正に対処し、今後とも厳正に対処する方針を堅持しまして、現行法のあらゆる活用をする、法規の許す範囲におきまして最大の努力をして厳正公正に取り締まってまいる。これが一般的な警察の方針でございます。
 特に、公正な選挙に対する右翼の行動等につきましては、政治的問題もあるでしょうけれども、やはり警察としては、法規に反するものについては、あらゆる法律を有効に活用して厳正公平な処置をいたしたいと考えております。
#152
○神谷信之助君 地方財政問題をやるのが本論なんですが、大体時間が来たのでこれだけになってしまったのですが、これは本当に厳正公正にやってもらいたいということを警察庁に要望しておきます。お願いしたいと思います。
 そこで、もう時間になりましたから答弁要りませんが、要望だけ一つ申し上げておきたいのは、例の京都の古都税の問題です。
 これはなかなか難しい問題で、前回のときもいろいろ大騒動をやって、今回限りということで高山市長時代にやられました。ところが今度は、十分な社寺側、お寺さんとの間の話し合いなしに、結局見込み発車といいますか、見切り発車というかやって、しかも市議会の審議は一切やらないで即決するというのを二回も繰り返しているんです。だもんだから、ますますこじれてきています。
 形式的な手続といいますか、独立税を徴収する手続としては形式的には整っているけれども、実際上あれが地方自治の本旨に沿うものかどうかというのは、私は重大な問題があるというように思います。したがって、大臣が慎重な態度をおとりになった、十分話をするようにとおっしゃったことは、私は当然であり、正しいと評価をしているんです。それに基づいて、いろいろ今あっせんの動きも出ています。ただ、このあっせんの動きが、大臣の許可を早くさせるための一つの道具というか、シナリオの一つと言えなくもないわけです。これは、私どもの議員が自民党の市会議員さんの意見を聞いたらば、そういう話をなさる方もおられる。だから、あっせんが不調になったら、やるだけのことはやったと、だからもうこれで大臣は決断せいと言いかねないわけです。
 しかし、これを強行しますと、御承知のように、拝観停止という問題が起こったり、国際観光都市の京都にとっても重大な問題がある、関係業者もたくさんおるわけですしね。したがって、これは大体初めのボタンをかけ違ったから、後いろいろいじくってみても、いつまでたってもかけ違ったままで来ているわけで、その辺は十分ひとつ慎重に大臣の方も考えてもらう。簡単に、手続的にはもう整っているからということではなしに、せっかく慎重な態度をおとりになっているのですから、そういう不測の事態の起こらないように、ひとつ判断をお願いをして、私の質問を終わりにしたいと思います。よろしゅうございますね。どうぞよろしく。
    ─────────────
#153
○委員長(金丸三郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、加藤武徳君が委員を辞任され、その補欠として福田宏一君が選任されました。
    ─────────────
#154
○委員長(金丸三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございません
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#156
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案について反対の討論を行います。
 本法案の内容は、国の補正予算に伴って発生した地方交付税増額分千四百九十七億円のうち、二百二十五億円を五十九年度の普通交付税の調整戻し分として充当し、残余の千二百七十二億円を六十年度に繰り越すというものでありますが、次の理由で認めることができません。
 第一に、地方交付税の増額分は本来その年度の財源に充てるのが原則であり、翌年度に繰り越すべきものではありません。これを翌年度に繰り越すのは、地方交付税法においてその年度の交付税額を国税三税の三二%相当額と定め、それによってもなお相当の財源不足を生じる場合には、税率の引き上げ等、国の責任で補てんするとした交付税法の趣旨、すなわち年度間調整の否定に反するものであります。また、予算単年度主義の原則から見ても繰り越しは不当であります。
 第二に、五十九年度における地方交付税総額は、五十八年度に続いて二年連続減額、実質交付税率は法定税率の三二%を割り込み、三一・三%まで引き下げられるなど、地方財政の現状は切実な住民要求に十分こたえ得るものとなっていないばかりか、昨年末からの豪雪などにより新たな財政需要が加わっており、五十九年度の財源保障はますます必要性を増しているのであります。過去において、四十八、四十九両年度において国税三税の増収に伴う地方交付税の増額分を給与改定、生活保護、私学助成、土地対策費などの財政需要に応じてその年度に交付した前例もあり、今回もそうすべきであります。
 交付税の原則に照らしても、また今日の地方財政の厳しい現状から見ても、さらに過去の先例からしても、増額分は当然地方に配分すべきであります。にもかかわらず、あえて六十年度に繰り越したのは、六十年度地方財政の収支均衡状態をつくり出すことによって、国庫負担金、補助金の削減など、軍拡財政破綻の責任を地方に転嫁するためにとられた措置と言わねばなりません。
 年度間調整の権限は地方公共団体にあり、これを国の財政事情によって動かすことは、まさに地方自治の本旨に反するものであり、容認できないのであります。増額分は五十九年度分として地方に交付するよう要求して、反対討論を終わります。
#157
○委員長(金丸三郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#158
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#159
○委員長(金丸三郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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