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1984/05/23 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第16号
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1984/05/23 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第16号

#1
第102回国会 地方行政委員会 第16号
昭和六十年五月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金丸 三郎君
    理 事
                岩上 二郎君
                上野 雄文君
                三治 重信君
    委 員
                井上  孝君
                上田  稔君
               大河原太一郎君
                上條 勝久君
                古賀雷四郎君
                吉川 芳男君
                佐藤 三吾君
                志苫  裕君
                丸谷 金保君
                中野  明君
                峯山 昭範君
                神谷信之助君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       自 治 大 臣  古屋  亨君
   政府委員
       警察庁刑事局長  金澤 昭雄君
       警察庁刑事局保
       安部長      中山 好雄君
       警察庁交通局長  太田 壽郎君
       大蔵省主計局次
       長        平澤 貞昭君
       自治大臣官房長  津田  正君
       自治大臣官房審
       議官       石山  努君
       自治大臣官房審
       議官       土田 栄作君
       自治大臣官房審
       議官       井上 孝男君
       自治大臣官房審
       議官       渡辺  功君
       自治省行政局長  大林 勝臣君
       自治省行政局公
       務員部長     中島 忠能君
       自治省財政局長  花岡 圭三君
       自治省税務局長  矢野浩一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       国土庁計画・調
       整局計画課長   長瀬 要石君
       大蔵省主計局主
       計企画官     藤井 誠人君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  近藤純五郎君
       農林水産省畜産
       局競馬監督課長  嶌田 道夫君
       通商産業省立地
       公害局立地指導
       課長       山田 昭雄君
       建設省都市局下
       水道部公共下水
       道課長      辻  栄一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(金丸三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○志苫裕君 まず、地方財政対策からお伺いをしますが、六十年の地方財政は国庫補助負担率の一割カットがなければ収支均衡の状態であったと、こうされるんですが、地方財政参考試算、去年の見通しなどからいうとうれしい誤算ということになるのでしょうか、この原因は何ですか、簡単にひとつ答弁してください。
#4
○政府委員(花岡圭三君) 御承知のように、地方財政参考試算におきましては一兆五千百億円の要調整額があるというふうになっておりましたが、その後景気の動向等によりまして地方税収が非常に伸びてきたということ、それから国税の方も税収が伸びておりまして、これに伴います交付税が伸びた、また国の法人税法の改正による法人関係税の増収によりまして交付税が伸びたというふうなことが主な原因でございまして、一方、歳出につきましても国と同様の抑制基調によって策定をした、そういうふうなことで大体収支均衡したものでございます。
#5
○志苫裕君 検証してないからわからないけれども、念を押しますが、需要算定を小さく見積もったということはないですね。
#6
○政府委員(花岡圭三君) そのようなことはございません。
#7
○志苫裕君 それじゃ、補助負担率の引き下げで五千八百億円が地方負担増、財源不足ということですな。この財政措置について以下二、三聞きますが、経常費系統二千六百億のうちの一千億円は交付税総額に特例加算する、これは精算不要の額ですか。
#8
○政府委員(花岡圭三君) 一千億円につきましては精算不要でございます。
#9
○志苫裕君 次に、そうすると残りの千六百億円、これは地方財源の振替で対応ということなんですが、このうちの一千億円、いわゆる不交付団体分六百億円を除いて一千億円は六十六年度以降交付税加算されるとしておるのですが、これは暫定措置だという意味は後ほど聞きますけれども、これは精算を要する額になりますね。
#10
○政府委員(花岡圭三君) この点につきましてはまだ話し合いをしなければはっきりいたしません点がございます。しかし、はっきりとこれは精算を要しないという性格のものではございません。
#11
○志苫裕君 精算すべき交付税の総額に加算すると書いてあるんじゃないのか。
#12
○政府委員(花岡圭三君) そういう意味におきましては将来精算を要するものでございます。
#13
○志苫裕君 ちょっとあと一つ聞きまして後でまたまとめますけれども、そうすると、六十六年以降に精算されるべき額として加算する、六十六年以降措置しますという約束、この約束が暫定だという意味をもう一度言ってください。
#14
○政府委員(花岡圭三君) 結局、二千六百億円のうち交付団体分が二千億円でございます。この二千億円につきまして国の方では、一千億円の特例加算、これで勘弁してほしいということでございました。しかし、私どもといたしましては、あとの千億円について現在金がなくても、将来何とかすべきではないかというふうなことを主張したわけでございまして、これを国が持つべきであると。国の方では、これはひとつ地方で負担してほしいというふうなことで議論が闘わされまして、最終的には、それじゃとにかく一応国で持つことにしよう、しかし一年間この補助率の問題については三省の間で検討をするということになっておるのだから、その検討の結果どういうふうな形になるか、改めてその時点において調整さしてもらいたいというふうなことになりました。結局、建前としては六十六年度以降に加算をする、国が持つということにいたしましたけれども、最終の決
着というものは一年後に持ち越しておる、そういった性格のものでございます。
#15
○志苫裕君 そうすると、後ほど私申し上げますが、従来の約束事の一千三百五十五億、臨特と従来言っていた分、これは法律で書いて約束をしてありますね。こっちは法律に書いてもないし、それから今あなた方の答弁も、何か約束があるようでないようだし、始末をどこかに何か書いておかぬといかぬから、まあこういうことにしましょう、それも暫定の話だというのだから、事実上約束がないと同じですね。
#16
○政府委員(花岡圭三君) 結局、現在の考え方でいけば当面国が持つという約束になったわけではございます。しかし、話し合いをしよう、そこまでが約束でございまして、そのことをこの覚書に書いてあるということでございます。
#17
○志苫裕君 したがって、検討の結果、自治、大蔵で調整するというのですが、その検討の結果調整というのには、加算をするかどうかも含まれるということですね。
#18
○政府委員(花岡圭三君) そういうこともございます。
#19
○志苫裕君 加算をされないかどうかも含まれますね。
#20
○政府委員(花岡圭三君) 絶対ないとは言えません。
#21
○志苫裕君 その次、ちょっとこれはおいておいて、そこでこの経常費系統の二千六百億の一千億は現ナマで来て、これは将来別に精算するとかいうことないのだから丸々面倒見てくれる、国が面倒見たということですね。で、一千六百億円は、さしずめここでの話によると交付団体分の一千億円ははっきりしないが、将来いろいろやって加算をされると、これは交付税措置がなされる可能性はある、しかし可能性がないかもしれない。仮に交付税で加算をされるといっても、それはこの分として色をつけて加算するのじゃないでしょうから、地方財政全体の過不足が出た場合に附則三条の特例加算は生きてくるわけだから、そのときに財政事情がようなって過不足なしということなら加算措置はないということになる。したがって、そういう状況を想定すれば、一千億円は何も国が持たないということだ。六百億円は交付税措置ではない、これは借金に回るわけでありますから、これも国は面倒を見ないということになるわけだ。したがって、二千六百億円のうち、国が皆さんに御迷惑をかけましたと言って出したお金は一千億しかない。あとの一千六百億円は、可能性としては自治体財政全体の中でのみ込んでしまう。こういうことになりませんか。
#22
○政府委員(花岡圭三君) この千六百億円のうち一千億円につきましては計画の中でのみ込むということでございますけれども、この一年の検討の結果、両省間で調整をする、これをいつ行うかということもございますが、将来のことにつきまして現在、この一年間たった時点で話をつけておくのかあるいは六十六年度時点において話をつけるのか、その辺はございますけれども、もし話を早くつけるということであれば、特に過不足の問題等の中にのみ込まれるということもないということも考えられるわけでございまして、これは話し合いをしてみないとわからないという点はございます。
#23
○志苫裕君 いや、皆さんがはっきりした約束でないが当面そうしておこうやという当面の措置にも、精算すべき交付税の額に加算というのですから、この扱いは去年の三百億円と同じ扱いということです。去年の三百億円の扱いは特例加算はされたが将来調整しますよ、精算しますよと。現にことしの法律読んでみても、それは交付税全体の中で差し引きしちゃうわけですから、この場合の精算すべき額として加算するというのは自治体財政で交付税の先食いをしますということなんだ。事実上、国が何らの措置をしたことにならないということを指摘をしておきます。
 どうも後で全部やりますが、皆さんはことしに関する限り、補助金の一律カットに伴う五千八百億円のお金はありますよ、借金であるか現ナマであるかは別にしましてね。しかし、それの一番最後の帳じりまで考えてみると、国が万全の措置をとったということにはなっておらない。にもかかわらず、何となく受ける印象としては、五千八百億カットされて、いろんな方法で国が全部面倒を見るのだからちっとも損得ないよというふうな自治省の言い方は間違っています。大臣そうでしょう。
#24
○政府委員(花岡圭三君) 御承知のように、国の方で予算が組めないという非常に厳しい状況でございましたために補助率のカットを行ってきたわけでございます。これをそのまま全部ストレートに埋めるということは、もとより国の方としても考えられないわけでございます。そういうふうな事態のもとにおきまして、私ども地方財政の運営に支障のないような措置をとったと、そういう意味合いで万全の措置を講じたというふうに申しておるわけでございます。
#25
○志苫裕君 自治省ぐらいになったら、ことしのお金をどうするかということ、そのお金が将来どういう形でおさまりがつくかということもちゃんと見て物を言いなさいよ。国庫補助負担率が仮に、これ経常費系統でいいですよ、検討の結果、暫定措置どおりことしの分が恒常的になるとなった場合は、これはどうなんですか。
#26
○政府委員(花岡圭三君) 私どもは三省の検討で十分な議論をしていただきたいというふうに考えておりますので、これが仮に将来引き下げがそのまま続くという事態につきましては、現在の段階ではまだ考えてございません。
#27
○志苫裕君 自治省と大蔵省との関係で言えば、過去しばしばあなた方がそういうことはあり得ないと言うことは全部あり得ているんですよ。かつての二分の一しかり。全部そうなんです。ですから、それはよっぽどの腹固めないとだめだという意味でちょっと伺ったのですが、この辺は期待可能性だ。
 次の投資的経費の系統三千二百億のうち千二百億円は、今度国は詰めた詰めたと言って結局事業をふやしたのでそれの受け持ち分がふえたというもので、これは事業がふえてそれをやるかやらぬかは自治体が勝手に考えればいいことだから一応別枠だと、こう言うのですが、一千二百億円ふえたということは、景気動向その他のことを考えて国としては、理屈としては自治体がやるやらぬは勝手だと言うけれども、国の大きい政策からいえばやってもらいたいという額ですよ。だからそれをふやした。でも、一般的に事業をやる場合にそれなりの負担があって、それの措置は従来の財対債並みということだから、この点はちょっといいことにしておきましょう。
 問題は二千億です。これに臨時財政特例債という名前をつけている。で、将来お返しする時期になったら交付税上の措置をする、その場合二分の一は国が持ちます、この二分の一国が持ちますという額は特例加算ですね。どうですか。
#28
○政府委員(花岡圭三君) 以前に行いました地域特例と同じでございますので、これは特例加算でございます。
#29
○志苫裕君 その特例は、いわば交付税法の附則三条でいう特例措置のうちの特例加算になるわけですが、これは精算を要する額ですか、精算を要しない額になるのですか。
#30
○政府委員(花岡圭三君) これは精算を要しません。
#31
○志苫裕君 精算を要しない額ということをどこに書いてありますか。
#32
○政府委員(花岡圭三君) 覚書に長々とずっと書いてございますが、かつての例によるというふうなことで、覚書の三項でございますか、最終のところに「大蔵・自治両大臣覚書の例によるものとする。」と、この例によりましてこれは精算を要しないということになるわけでございます。
#33
○志苫裕君 わかりました。そうすると、その「例による」という文言は、まるまる二千億のうち一千億円は国の一般会計から交付税特別会計へ振り込みますと。
 断っておきますが、これは全然別勘定を起こし
ていくわけですね、何とか特例調整とか名前がついていますから。総額ですね。交付税上の措置を講ずるというのは、いわばトータルとして自治体財政が足りる足りない分を特例加算をしたり特例減額するわけでしょうが、この分だけ色をつけて一千億円繰り入れますということは間違いないんですね。
#34
○政府委員(花岡圭三君) これは約束をいたしております。
#35
○志苫裕君 そうしますと、残りの一千億というのは交付税上の措置を講ずるというのだから、これはいろいろと、そのときになって財政状況がよければ交付税の収支バランスが整って、特別に特例加算されたり減額されたりすることもなくなってくるわけですから、これも事実上はこの一千億円が地方自治体の財政の中でのみ込んでしまったことになりますね。
#36
○政府委員(花岡圭三君) 結局、もしこの一千億円の加算を含めましてもなお交付税の総額が不足するというふうな事態になりますれば、毎年度の地方財政計画の策定を通じて、全体として必要な交付税の総額を確保するということになるわけでございます。
#37
○志苫裕君 ですから、不足しなければ何も特別に加算されることがない。そうなりますと、結果として五千八百億円の今回負担転嫁があったわけだけれども、いろんな何かややこしいことが書いてあるけれども、結果論的に見ますと、しかも将来結論で見ますと、経常費系統のうちの 一千億円、投資的系統のうちの今話のあった一千億円、計二千億円だけ国がいわば財源付与を行っただけであって、あとは地方財政全体の中でこれを消化をしたという結論になりますね。しかも、私念を押しておきます、将来仮にこういうことのために財源不足が生じても、そこで講じられる特例加算は精算を要する額なのでありますから、これは交付税の先食いであって、特別に国が何ら面倒を見たものではない、資金繰りの話でしかない。ということになると、五千八百億円のうち二千億だけじゃないですか。
#38
○政府委員(花岡圭三君) あとの千億円についてどう扱うかというものもございますが、それを除きましての二千八百億、あるいは含めての三千八百億になるかもしれませんけれども、これにつきまして交付税の考え方としては、先生御指摘のようなことになるわけでございます。地方財政措置といたしましては、地方債も含めまして地方財政の運営に支障のないように措置をしたところでございます。
#39
○志苫裕君 大臣、今ちょっとやりとりしました。大臣がこういう問題にどの程度の知識を持っているのか私はわからないけれども、細かく見ますと、漠然と足りない分は地方債とかあるいは一千億は現ナマとかというようなものになっていて、ことしの運営に支障はないですよ。ことしの運営に支障はないですが、ずっといって最後の帳じりにいきますといつの間にか、ことし負担を押しつけられた五千八百億円のうち一千億円はちょっとペンディングにしておきましても、三千八百億か二千八百億になるかこの差はありますが、結局国が何にも面倒見なかったということになるんです。地方自治体は、本来別の仕事ができたかもしれないのに、負担転嫁をされて辛抱した形になる。この点はお認めになりますか。
#40
○国務大臣(古屋亨君) 今財政局長が言いましたが、直接大蔵省と細部について徹夜で交渉を財政局長がいたしました。今の申し上げたようでございますが、先生のお話の一千億プラス一千億、それにあと一千億がどうも暫定でございますが、五千八百億から三千億引いた二千八百億、あるいは三千八百億につきましては地方交付税上の措置を講じまして、将来それによって地方財政に影響することないように、一応数字の上ではそういうような措置をしたことになっております。
#41
○志苫裕君 ですから、あなたも余り意味がわかってない。
 交付税上の措置を講ずるというのは、これにかかわる経費は必要経費として需要に見込みますということなんです。一方、収入がそれに見合うものがほかのところであれば、地方税でも何でもいいです、あればそれはそれで結構なんであって、別にこの分昔あなたのところに迷惑かけたなということで国がのしをつけてくれるわけじゃないわけだ。そのときに一千億でも五千億でも足らなかったという場合には特例加算をしてくれる仕組みを、ルールを去年つくりました。特例加算だから丸々もらうのかというとそうじゃないんで、それは長期な地方交付税の年度間の調整の中でならしてしまいますということなんですから、何も面倒見たことにならないという意味で、何か交付税法上の措置を講ずるというと、丸々そのお金をよこしたような印象を世間に与えるのはよくない。ごまかされる人もいます。そういう点、私らごまかされません。こういう人をつかまえてそういう言い方をしちゃだめです。特に一千億もペンディングになっておるし、私はそう思うんです。
 もっとも、特例措置という中にも色分けが二つあって、約束事に基づいて精算しないでいいものと精算をするものとの二通りがあるわけですから、それは年度間の予算折衝で決めていくというのが去年改正した附則三条のルールですから、これからの自治省の大蔵との大勝負は、こういうものに起因して地方財政に不足が生じて特例措置が講じられる場合は精算を要しない額として取るように頑張らなきゃだめですよ。その点はいかがですか。
#42
○政府委員(花岡圭三君) 私どもも先生のおっしゃることよくわかるわけでございます。結局、今後とも計画の策定を通じまして所要の交付税の総額は確保しなきゃならない、そういう意味合いにおきまして、将来とも地方財政の運営に支障のないようにしてまいるわけでございます。御指摘のようにでき得る限り精算を要しない措置というふうなものの獲得に努力してまいりたいと思っております。
#43
○志苫裕君 ただ、これは随分先の話で、今答弁している人はそのときにいないんだ。大体約束した人はすぐいなくなるというのが役所の悪い例で、そう思って私も記録にとどめる意味で注文を申し上げておるので、これはちゃんとひとつ引き継ぎ事項にしておいてくださいよ。
 臨時財政特例債の充当割合はどうなるのですか、この分は。
#44
○政府委員(土田栄作君) 国庫補助金のカットに見合います二千億の充当率は一〇〇%でございます。
#45
○志苫裕君 わかりました。
 したがって、地方債だからそのうちの何割かというようなことではない。これは丸々補助金に見合うものですから、割合ということで承知をいたしました。
 そこで、経常費系統は暫定措置として昭和六十年度限り行われる、あとは検討しましょうということになっているのですが、一方の投資系統の方はそう書いてないわけですから、来年以降も大体ことしと同じ補助金の見直しとか、やめるとか何とかということが出てくれば別ですが、財源振替するとか何かは別にしまして、一応今のままずっと続くとした場合に、これは見直しもなければ暫定とも書いてないのだから、来年以降これはどうなるのか。
#46
○政府委員(花岡圭三君) 投資的経費の補助率につきましては、御承知のように、法律では一年間の暫定という形になっております。結局、これは大蔵省の方で経常経費系統と合わせたというふうに思われるわけでございますけれども、確かに当初この投資的経費系統につきまして補助率の引き下げにつきましては、暫定的に数年間やらしてほしいということを大蔵省が関係省庁に申し入れたいきさつがございます。そういう意味合いでは暫定ということも含まれておりますし、また延ばしたいという意向もあるわけでございます。これにつきまして、特に今までも投資的経費系統につきましては、補助率のアップあるいは引き下げというようなこと、いろいろ行われておりましたために、特に生活保護のようなものと違いまして、三
省間での議論ということは必要においてはやれ得るようにはなってはおりますけれども、覚書上これを検討しようという直接の対象には入っておらないというふうに考えておるところでございまして、あるいは申し出があれば議論もされ得る余地は残してはございます。
 そういったふうないきさつがございますから、やはりこれもその中での暫定ということを考えますれば、一応現在のところ、もう一度議論をしなければこれが引き延ばされることはないというふうな状況のもとになっておるわけでございます。
#47
○志苫裕君 今度の問題が生じた現実の国の財政事情とかあるいは節度のない大蔵のやり方とか、その後のいろんな言動とかいうものを見ていきますと、生活保護のように社会保障の基本にかかわるものは無理をしようとしても何となく周りもまたいろいろ押し返したりするのでしょうが、こっちの方は余りそう議論もされないところを見ると、このとおりにやられる可能性の方が強いという気がいたします。しかし、地方自治体の行財政の運営などの影響の与え方を見ますと、経常経費系統は市町村の方に大きく影響が出るし、それから投資的経費の系統は県に大きい影響が出ているというのが現実、金目で言いますと、これはこれで随分仕事をしようと思っているところは困るわけですよ。
 ところで、これがこのままそうさしたる支障もなくというか、ことしの三千二百億相当の部分はこれからも続くということになった場合に、年々歳々二千億は財政特例債、何とかはこうとかというふうなややこしい財源手当が講じられるのでしょうか。
#48
○政府委員(花岡圭三君) この点も先ほど申し上げましたように、やはり暫定ということになっております。例えば河川法につきましては、ちょうど今年度、五十九年度で高率補助の特例が切れる時点になっておったわけでございますが、建設省の方と大蔵との話し合いでは、特例の高率を延ばしておいて暫定的に補助率を下げるという措置をとったようなことでございます。恒久的に下げる法律にするならばその時点で下げる形のものがとれたわけでございますが、そういった意味で、法律上の措置といたしましても、この高率補助を延ばして暫定措置をとったというふうな形をとっておるところを見ますと、そういつまでも現在のこれを引き下げたままずっと続くというふうな性格のものかどうか、若干疑問に思われる点がございます。
#49
○志苫裕君 なれっこになるという話がありますが、ことしは急に一割切ってしまったので、そこで三千二百億、実際は二千億ですか、出た。急にそれに対応するものがないから、激変緩和みたいな意味で特別の措置は講じます、しかしその補助率はこれからずっと恒常的なものですということになりますと、激変緩和措置は年々歳々講ずるわけもないですね、結局は。ごく当たり前のことですよ。そうしますと、仮に来年六十一年以降、投資的系統の補助率が一割減ったままで推移するにしても、特別の財政措置が講じられるのはことし一遍、あとは地方財政全体の中でどうぞということになるでしょう。暫定措置というのは、このような暫定措置としてまた来年見直されるということは当分ないでしょう。それぐらいの見方をしてないで、これも暫定だと言ってあしたのことも見ないで暫定ですというようなことを言っても、それはだめでしょう。どうですか。
#50
○政府委員(花岡圭三君) これは投資的経費をどのように扱っていくのか、それは先生おっしゃいますような見方もあろうかと思います。しかし、また一方行革関連特例法による地域特例の六分の一カットの点、これも期限切っておりましたけれども延ばして、それがそのまま二分の一の補てんというのも続いておるというふうなこともございます。
 したがいまして、この辺につきましては、これからそういった問題が起こりますときに、私どもも十分そこら辺を踏まえて折衝に臨みたいと考えておるわけでございます。
#51
○志苫裕君 これはまたこれからのことですから、みんなで関心を持っていかなきゃならぬなという認識だけは述べておきます。
 この問題の最後にしますが、どうも私もわからないんです。不勉強なんでこれはお伺いするんですが、経常経費系統で二千六百億円、従来は補助金ですから現ナマが行ってたわけです。新潟市は例えば一億円とか田川市は三億円とかという形で行っておったわけです。補助金だからまさに現ナマが行っていた、色がついて。ところが、それ全部含めて交付税という大きいふところの中でそれの措置をします。トータルとして原資はあることはわかりました。トータルとして原資はわかりましたが、交付税という仕組みの中でいろいろ掛けたり引いたり足したり割ったりして、仕組みの中で消化をして実際に自治体へ届くときに、本当に補助金の実額と同じ額が来ますか。
#52
○政府委員(花岡圭三君) この経常経費系統の国庫補助率の引き下げに係る地方負担の増分につきましては、普通交付税の算定に当たりまして単位費用の引き上げと密度補正単価の引き上げ等によりまして、交付税におきまして、補助金が行くと同様な額が行くように算定するようにいたしておるところでございます。
 と申しますのは、生活保護につきましては人口測定単位でございます。これは標準的な生活保護費について入れておるわけでございますが、人口に対する被生活保護者数の大小に応じまして、これは密度補正を適用するということにいたしております。そういうことで、各地方団体の財政、いわゆる交付税の算定額というものは、従前補助金が行っておったと同じように措置をすることができるわけでございます。
#53
○志苫裕君 それはその交付税のいろんな諸ケースを、その額が行くようにいろいろ取り計らってありますという意味だと思うんだが、それは例えば厚生労働費の生活保護費、町部人口一人につき幾ら幾らとかいう額がそれに見合うんですか。これは法律で言うならば、実額が行くというのはどこにそれが書いてあるんですか。
#54
○政府委員(花岡圭三君) これは結局、法律の中では単位費用の金額の中にそういう積算をいたしておるということになります。
#55
○志苫裕君 そうすると、例えばこれは法律の別表の都道府県で言うというと、厚生労働費五千七百九十円という額がその秘密兵器なんですね。この数字を掛けると実額が行くんですね。
#56
○政府委員(土田栄作君) ただいま委員御指摘の数字は、生活保護費の県分の単位費用の五千七百九十円というのをおっしゃっておられると思いますが、これは単価としては前年度に比べまして三六%ほどの引き上げになっております。それで、生活保護費の中には実は生活保護費と老人保護費と、それからもう一つ社会福祉事務所の人件費と、この三つの系統が入っておりまして、これを加重平均したと申しますか、それを三つ入れたアップ率として三六%になるわけでございまして、この中で積算上の生活保護費だけとってみますと五二%のアップということになっております。
 それから、委員御指摘のように、現在の生活保護費は、例えば県分で申しますと、町村部の生活保護行政というのは県がやっておるわけでございますので、町村部人口というものを測定単位の数値として需要の算入をいたしますけれども、生活保護世帯数というのは地域によりまして物すごくばらつきがございます。そういうふうなことから、生活保護世帯の多いところにつきましては今度は密度補正というものを適用いたしまして、生活保護世帯の多いところについてはそういう形での生活保護費の算入をふやす、そういう場合におきます生活保護費の密度補正の単価も上げる、これは自治省令で決めることでございますけれども、そういう二本立てによりまして財政措置をする、こういうことになります。
 なお、そういうことによりまして財政措置をいたしますと、これは全国統一的な単価で算入いたしますので、補助金のようにそれぞれの実勢単価と申しますか、例えば医療費が高いところとか、
そういうところにつきましてもやはり同じ単価でいくということになります。そうしますと、交付税措置と実際の負担というものの間にはすき間が出てまいるわけでございます。そこのところにつきましては、厚生省に計上されました臨時財政調整補助金二百億で埋めてまいる、こういうメカを考えているわけでございます。
#57
○志苫裕君 普通交付税の勘定というのは、言うなら標準的な経費を見積もるわけで、必ずしも個個の自治体の実額に合っているわけでもないわけだ。ですから、そういう措置を講ずれば自治体間にばらばらが出るのじゃないかというふうに常識的に考えられるでしょう。
 田川群田川市のように、地方財源振替といったってトータルではそれでわかるけれども、ある市で見ると生活保護の費用の割合が予算の三割もいっちゃっているところでは、財源振替といったって、そんなに気楽にいくものじゃないという意味でちょっと心配していたんですが、何かあなた交付税の話になると高等数学みたいなことになると私も弱いので、そんなことを言わぬでいい。要は決算してみて、補助金だったらこの額が来たはずだ、今度新しい措置として交付税という入れ物をかき回したら減ってしまったとかというふうなことは出ませんね。それだけ約束してください。
#58
○政府委員(土田栄作君) ただいま田川市の例がございましたけれども、田川市の例で計算してみましても負担増は恐らく三億ぐらいだろうと思いますけれども、同じように交付税で計算しましても、ずばりではありませんけれども、ほぼそれに近い額が行くというような試算もいたしておりますので、ギャップはほとんど出ない。あとは二百億の調整で何とか調整できるだろうというふうに考えております。
#59
○志苫裕君 いや、私はそれは実際に検証してないし、決算が出ればわかることだ。
 きのう参考人の話を伺っていたら、広島の例か何か引っ張り出して、そういうやり方をしても広島は半分しか来ないと、生活保護について一例を示した。そんな計算になるのか、ちょっとそれも極端かなというふうに聞いておったので今念を押したんですが、それはあなた、その話はそんなに時間たたないで一年もたちますとわかることですから、そのように念を押しておきましょう。
 大臣、私はちょっと今やりとりしまして幾つか問題点を指摘しましたが、補助金カットの問題は随分長い別の委員会でおやりになったことですからここで議論はらち外に置きますが、ただ、いろいろやっていましたように、これは行革方針で言うところの補助金の整理合理化でもないし、国と地方の役割分担の適正化でもないし、財政改革ないし財政再建でもないし、一体これは何じゃという感じを強く持つんです。強いて言えば、国が大変だから五千八百億ことしお金が要る、現ナマは一千億持つが、あと四千八百億円はこっちで立てかえておいてくれやという措置だと思うんです、これは。立てかえたお金の始末の仕方はこれから相談しましょうとか、こうしますとかというような中身いろいろありますが、こういう措置でしかない。したがって、国の言い分からすれば、国の財政の緊急避難、おかげさまで予算が組めましたという程度の話じゃないかと思うんです。
 しかし、そういう種類の、地方も国も苦しいんだが、とりあえずことしこれ何とか始末するうまい方法がないかという財政避難措置であれば自治省にも提言があろうし、地方公共団体もいろいろと相談に乗る用意もあろうし、それは国と地方の相互信頼関係でいろんなやりようもあると私は思います。しかし、そういう知恵を用いないで、こんな説明もつかない、道理も立たない無理無体なやり方を大蔵がとったことは非常にけしからぬ話だと思いまして、これは大蔵大臣来ますからやりますが、同時に、こういう道理もなければ政策整合性もないむちゃくちゃなことをのんだ自治省も責任なしとしない。自治省の設置法を初め地方自治関係法令の義務違反だ。これは自治省は、恐れ入りましたと言って責任をとった人も一人もいないようだし、非を鳴らして慨嘆をして国会へ来て訴えた者もおらぬ、大臣から次官から初め全部。これは私は非常に嘆かわしいことだと思う。
 そういう大任や自治省幹部を相手にこんなところで質問するのもばかばかしいのでやめようかなと思うのだけれども、せっかく二時間やれというんだから、そうも言うておれぬ。しかし、そういう中でも善意に解釈をすると、それはそうなんだけれども地方財政をめぐる環境もまあ厳しくて、やがて交付税率下げろとかくだらぬことをぐだぐだ次の攻撃がまたやってくる、まあここのところは不承不承でものんで次のオオカミの防波堤にでもしなきゃならぬかなという気持ちが若干でもあったのかというふうにも思えぬでもないんだけれども、ちょっとその辺の心境語ってもらえぬかな。
#60
○国務大臣(古屋亨君) お話しのとおりでございまして、私もこういう措置を講じたからこれだけでいいというような感じは持っておりません。
 私の心境を率直に申しますと、党の裁定で、予算が組めないから何とかしてこれを考えろという話でございまして、私の方としては、個人的な話になりますが、社会保障の十一カ月というような健康保険の場合にそういう例がありますから、そういうような点も考えてもらいたい、いろいろ申し上げたのでございますが、相手の方はそれでは予算委員会が通過しない、結局厳しい財政状況であるからひとつ何とかこういう問題について考えろということでございまして、私はもうやむを得ない措置として、一年限りでそれを補てんしてもらうということで、やむなくこれを引き受けざるを得なかったというのが私のその当時の、非常に寂しいですが、そういう心境でございます。
#61
○志苫裕君 非常に聞いている方も寂しいけれども、まあ法律違反はできない、憲法の規定の地方自治の本旨に背くこともできない。一体あなた、大臣の辞表をたたきつけるぐらいの大臣でいたら、中曽根さんの次の総理のときにあなたはまた
自治大臣になれる。やっぱりそれぐらいの気概でないと。
 なるほどさっき言ったいろんな意味で、後ほども企業のことでもやりますが、去年田川さんがよう言うていた、こんなことやりたくもないけれども、不心得なやつがおるというとわあっと集中砲火を浴びるので、その辺ちょっと格好つけて余り矢が当たらぬようにせねばならぬという意味で、そういう意味では政治現象として、今自治省がいろいろやろうとすることは理解してくれと言うから、私はそれはわかったというふうなことも言いましたけれども、しかし地方自治の敵は、そうやって妥協したからといって、じゃ、やめましょうかということにならない。
 今置かれておる諸条件を見ますと、あしたに一城を取って、また夜一城を葬ろうというんですから、そういうことを考えますと、やっぱりここのところは地方自治の側あるいは自治を守る自治省はそれなりの法的な責任、義務も背負っているのだから、くみしやすしと見られないような断固たる決意を示すということでないと今の状況は守り切れない、自己努力云々とは別にしましてね。我我も地方自治というものの価値を大事にしておるからこういうやりとりをするわけですが、そういうものに携わる者がその気持ちのほどは固めておかないといかぬのじゃないかと思うんですが、よろしいですか。
#62
○国務大臣(古屋亨君) 御叱正いただきまして、私も全くそういうように考えておりまして、一城落ちてまた次の城というようなことは絶対にないようにひとつ今後もがんばってまいりたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
#63
○志苫裕君 国保財政のことで一問だけ伺いますが、国保財政は厚生省の所管だ、指紋押捺でそれは法務省だと、あなたはいろいろ言っていたから、これ聞くというと、それは厚生省と言うかもしらぬが、これは回り回って市町村の財政に大きい影響を与えるわけだ。特に退職者医療制度の導入がうたい文句どおりになっていませんで、事志と違って随分国保の財政の穴になってしまう。基本的には会計の中で保険税上げるとかなんとかで
決まりをつけろといっても、人の自治体の十倍も二十倍も高いような、そんなべらぼうな保険税は常識的に決められるわけじゃありませんから、結局一般会計からつぎ込むということになると、ほかのところを圧迫していきます。
 こういう状況で、実は私もきょう若干のデータは持ってきていますが、細かくやる気はありません。いずれにしても大変なことになっている。この点について一つは厚生省、細かく状況の説明要らぬですから、これからどうしようと思っておるのかということと、自治体財政にもろに影響をこうむっておる自治省側として、どうしろあるいはどうしたいというお考えでおるのか、双方からお答えください。
#64
○説明員(近藤純五郎君) 国保関係についてお答え申し上げます。
 退職者医療制度の対象者が当初の見込みをかなり下回っておりまして、このために市町村の国保財政が大変になっているということは私どもも十分知っているわけでございまして、現在その国保財政への影響につきまして調査を行っております。この調査結果を踏まえまして、私どもといたしましては国保財政の安定的な運営ができますような方策をいろいろな方面から検討をしたいというふうなことでございまして、現在も私どもとしましてこの問題に対して誠心誠意対処するという方針のもとで検討をしている最中でございまして、調査につきましても、現在市町村の方から資料をいただきましてその分析検討を急いでいるという最中でございます。
#65
○政府委員(花岡圭三君) 適用者数の見込み違いによります国民健康保険に及ぼす影響というものは極めて大きいものがあるわけでございまして、今お話しのように、厚生省では現在調査中ということでございますが、全国町村会初め各団体非常に国保財政の悪化を懸念しておるところでございます。
 ただいまのところ、この影響額の三分の二につきましては五十九年度の調整交付金で措置が行われておるということでございますけれども、これも調整交付金の枠内であるというふうなことから、この財政措置というものはもっと十分にしなきゃならぬじゃないかというふうなことで、私どもは町村会あるいは市長会ともいろいろ連絡をとりまして、厚生省に対しまして、市町村国保の全体として大幅な保険料水準の引き上げにつながるような事態が生じることのないように国保の実態を踏まえてこの措置が講じらるべきものであるということを厚生省に申し入れておるところでございます。私どもとしても最大の努力を傾注したいと存じておるところでございます。
#66
○志苫裕君 皆さん少し事態を甘く見ていますよ。厚生省、課長さんか、調査中、検討中と、皆さんいつもそう言うのだが、これは何か新聞に出ているけれども、例えば東京だけでも二百八億円の赤字だ。私の方の新潟でも十何億というようなことになっていますね。調査検討中はまあいい。調査検討の結果、言われているとおりだということになったらどうするのか。
#67
○説明員(近藤純五郎君) 調査の結果を踏まえまして、私どもとしてこの問題の解決のために誠心誠意対処してまいるつもりでございますが、国保財政の安定のための方策というものは、これはいろいろあるわけでございますので、この辺を私どもも多角的に検討いたしまして、国保財政の安定を図るという観点から全力を挙げたいというふうに考えております。
#68
○志苫裕君 今あなたの言葉聞いていると、誠心誠意、多角的に検討してと、何言っているかさっぱりわからぬが、それはそれ以上のことはちょっとあなた言いにくいからわかりましたが、それよく大臣にも伝えておいてくださいね。
 大臣、あしたに一城夕べに一城という話をしましたが、去年義務教育費も切ろうというので騒ぎになって、教材と旅費ごときの振替でけりがついたんですが、その後にはばかでかい化け物がついているわけだ。それは教職員の本体までは来ないだろうけれども、例えば年金の経費であるとかあるいは養護職員とか事務職員とかといってやってくるのじゃないかという懸念があります。これに対する構えの方はいいですか。
#69
○国務大臣(古屋亨君) 私どもの考えは、削減になりました教材費と旅費ですか、あれにつきましては定着化しておるからということで私どもも了承したのでございますが、あのときにもっとほかのものもちょっと言ってこられたのでありますが、それは自治省としては賛成できないというような態度で臨んだと思います。教育の根本に関する義務教育費の問題なんかは、やはりこれはもう国家全体の大事な問題でございますから、そう財政上の理由だけで義務教育の人件費をどうかするなんということは絶対にあってはならぬと私どもは考えておりますし、御相談を受ければそういうような態度で臨みたいと思っておるところであります。
#70
○志苫裕君 次に、地方行革について伺いましょう。
 ここ、いつだれとはなしに、ことしは地方行革の年だという雰囲気をつくり出してしまって、自治省も何か出番だというような感じで振る舞っておるようなんですが、ことしは地方行革の年だという言葉というのは、国は終わったので今度は地方の出番だというニュアンスを何となく与えるのですが、とんでもない話でありまして、一体国のどこが改革されたのか、逆にちょっと反問をしたい。官僚機構であるとか縄張りであるとか、あるいは特権的な地位であるとか、こういうものは指一本触れられておらないし、地方分権に向かっての枠組みづくりも遅々として進まない。それどころか、今も補助金の話をしましたように、無理無体な道理もない話さえもぽんぽん飛び出してくるという状況で、国は大体いいところへ行ったので今度は地方だという雰囲気で迫ることは了承できないということをまず申し上げておきたいわけです。
 それに比べると、これは大臣もしばしば委員会等でお話しになっていますが、自治体の方は数が多いから千差万別ですけれども、住民サービスの向上のためにそれなりの創意工夫、努力をしておる。地域の実情に見合って着実にやっておるというふうに私は見ます。一部どうも退職金が高いなとか給与が高いなとかというふうなことはもちろん全体現象ではないということを申し上げておこうと思う。
 しかも、いろいろ努力はするがはたと行き詰まるのは、地方行政のあらゆる分野に国の関与、専管事項、必置規制、機関委任事務という、こういうものががんじがらめに張りめぐらされておりまして、本当の意味での創意、努力、工夫にもかかわらず、真に自治や分権の機能が発揮できにくい妨げになっておるということの方が実態なんで、自治省はどういう意味で地方行革という言葉を使っておるのか知らぬけれども、国の行政の施策や価値判断あるいは序列というものに基づいて地方行政の減量化や効率化を一方的に求める、自治省で言えば自治省の価値判断や序列や意思を画一的に押しつけるというのは地方行革でも何でもないということをまず申し上げておこうと思う。その点はよろしいですか。
#71
○国務大臣(古屋亨君) 私の感じとしては、国の行革が済んだから今度は地方だなんということはとんでもないことだと私は考えております。これは、御指摘もありましたように、地方行革というのは実質上におきまして地方団体においては数年前から、地域によって違いますけれども、いろいろ工夫を凝らしましてやっておられる。むしろ地方行革を阻害しておるのは、今お話しのような必置規制とか関与とか、それからまだこれから私ども出るであろうと予想しています、また、しなきゃならぬ権限移譲の問題とか許認可の問題、そういうことがはっきりしませんと本当の地方行革というのはできませんし、また地方行革をそういうものが邪魔をしているということを私ども感じておるわけであります。
 今度、地方行革大綱をことしの初めに一応策定いたしましたのは、地方でも非常に三千三百でア
ンバランスがあります。よくやっていると評価をしておるところもありますけれども、そうでないところもありますので、その基準、やり方というものを示したということでございまして、私どもはこれに強制力を持たせようとか、そういう気持ちは一つもないのでありまして、今までいろいろの点で相当多くの地方団体が実質上の地方行革をあらゆる意味でやっておられる、これは高く評価しておるのであります。ただ、三千三百のうちにはそうでもないものもありますので、この際そういう点も足並みそろえてもらいたいという意味で、この行革大綱というものはやり方の基準を示したということでございます。これはただ基準でありますので、その基準を参考にしてやってもらいたいと、こういうような気持ちで私どもは進めておるところでございます。
#72
○志苫裕君 ならば、ひとつ少し具体的に入りましょう。
 「地方公共団体における行政改革推進の方針(地方行革大綱)について」六十年一月二十二日自治省、こういう文書がありますね。この文書はどういう性質の文書ですか。法律的な効力、法律的にいかなる位置を占めるものか、これをまず伺います。
#73
○政府委員(大林勝臣君) 国と地方の行政運営の関係といたしまして、地方自治法の第二百四十五条におきまして、自治大臣は「普通地方公共団体の組織及び運営の合理化に資するため、普通地方公共団体に対し、適切と認める技術的な助言又は勧告をすることができる。」と、こういう規定がございます。
   〔委員長退席、理事岩上二郎君着席〕
自治省の立場といたしまして、地方公共団体の組織運営の合理化に関する指導の一環として行っておるものであります。
#74
○志苫裕君 いや、大林さんの御答弁のあったのは、昭和六十年一月二十二日自治行第二号、略して地方行革大綱の策定についてという通達の性格を物語ったんだ。私が聞いておるのはそうじゃないんです。地方行革大綱についてという文書は何だと聞いたんです。
#75
○政府委員(大林勝臣君) この文書も、先ほど申し上げましたような地方公共団体の組織及び運営の合理化に関する指導を一つの基準といたしまして文書として示したものであります。つまり、指導の一つの基準であります。
#76
○志苫裕君 どうもぴんとこない。これは自治省の内部文書だね。
#77
○政府委員(大林勝臣君) これは内部文書ではございません。地方公共団体に対する要請文書であります。
#78
○志苫裕君 要請文書は通達の方じゃないのか。
#79
○政府委員(大林勝臣君) 次官通達に付随をいたしまして、こういった大綱の内容が盛り込まれたような行政改革をしていただくようなお願いをしておるわけであります。つまり、地方公共団体向けは次官通達でありますけれども、次官通達の内容をなすものであります。
#80
○志苫裕君 事実と違う。これは私に言わせれば自治省が勝手につくった文書だ。自治省が別に頼まれもせぬのに、よくいろいろな研究したり何かする勝手な文書、それが通達となって初めて今あなたの言う法的な裏づけを持った書面になったということなんでしょう。そのことは後ほど少し細かく聞きます。
   〔理事岩上二郎君退席、委員長着席〕
 この行革大綱という自治省の内部文書を見ますと、「行政改革は」、以下飛ばしまして「地方分権の推進を基本的な方向として所要の改革を進めるべきであることはいうまでもない。」。伺いましょう。地方分権の推進を基本的な方向として何をやっておるのですか。
#81
○政府委員(大林勝臣君) 先ほど委員がいみじくも御指摘になりましたように、地方の行政改革、これにはまず第一に地方が行政改革を行います場合に一番必要なものといたしまして、今後の時代の変化に対応する制度、仕組みというものを確立していく必要があるわけであります。
 大臣がお答え申し上げましたように、まず第一番にはやはり住民の身近な事務については、地方公共団体が一番住民の身近な地位にあるわけでありますから、地方公共団体の自主性と責任を持って行える、そういうことがこの行政改革の一番の目標であります。と同時に、地方団体が自主的な行政改革を行います場合にも、いろいろそれを阻害する国の関与でありますとかあるいは機関委任事務でありますとかあるいは必置規制でありますとか、こういった阻害要因というものが国の制度としてあるわけであります。こういったものを取り除くことが先決であろうと思います。と同時に、地方公共団体自体として内部努力としての行政改革というものが必要になってくるわけであります。
 前段の、国が地方団体に対して責任を持って事務処理を行わさせるような地方分権の推進、これは権限移譲あるいは関与の整理あるいは必置規制の廃止、こういった多岐に分かれるわけでありまして、現在、関与の整理あるいは必置規制の整理につきましては、各省の関係法律の整理、こういう形で国会に御審議をお願いしておるところでありまして、機関委任事務の問題あるいは権限移譲といった地方分権全般の問題につきまして、さらに行政改革審議会において現在審議が行われておるところであります。今後とも自治省といたしましては、地方団体に自主的な行政改革をお願いすると同時に、そういった国の仕組みを地方自治推進の方向に向けて進めるよう努力をしてまいる所存であります。
#82
○志苫裕君 結局何もしておらぬわけだ。局長、答弁短くていいですよ。何もやってないことは長い説明がつく。やっておればこれとこれと言いそうだ。
 それからまた、「国と地方が相互の信頼の下に相協力して初めてその実効をあげることができる」、こうなっておるんです。ところで、「○○市行政改革大綱(案)」、基本方針から当面の措置事項からいろいろ案があります。○○業務を民間委託とする、○○事務所を廃止する、○○課○○室○○部を再編整備する、いろいろ書いてあります。これは参考資料として配ったものか。ここまで書かないと地方自治体が信用なりませんか。ここまで手取り足取りして、何が相互の信頼ですか。こういう不信の固まりみたいな、ともかく書いたやつの人格さえ疑わせるようなこういうげすの根性は一体だれの知恵なんだ。
#83
○政府委員(大林勝臣君) 地方行革大綱を本年一月に総務部長会議でお願いをした後に、各都道府県の担当部課の方から、今後市町村の行政改革体制を整備するためにも、やはり何かひな形みたいなものをつくってほしい、こういう要請が相当たくさんあったわけでありまして、従来かなりの地方団体で行政改革の努力はされてきておるわけでありますけれども、まだその努力がされてないところも少なくないわけでありまして、そういうところを都道府県において行政改革の体制をつくっていただく、あるいは行政改革の内容をかためていただくためにも、やはり抽象的な要請よりは一つのひな形をつくって、それを自主的に選択をしていただく、こういう方がいいのじゃないかという意見があったわけであります。そういった要請に基づいて作成をいたしておるものであります。
#84
○志苫裕君 ひな形はないわけじゃない、モデル条例、基準条例。
 推進委員会つくれというのだけれども、ちょっと何かうまい条例のモデルのようなものないでしょうかと、私はここまでは認める。ここにも書いてありますように、どういう事業を選択してどうやるかは自治体の自主性でやれと言っているんでしょう。現にそれは進んでおる。この大綱の前文及び第三、ここには自主的にやれと。大臣の答弁は、衆参の委員会を通じて建前としては申し分がない。にもかかわらず、このような行政改革大綱案、自治省の価値判断じゃないか。どういうことをどうするかは、自治体は現にやっておるし工夫もしておるんじゃないか。こんな文書撤回しなさいよ。
#85
○政府委員(大林勝臣君) 行政改革大綱というものをどうまとめていくかにつきまして一つのモデルというものをつくってほしいという話があったわけでありまして、このモデルを一応従来の行革団体が行ってこられた事務事業のやり方、そういったものを一応網羅いたしまして、この項目というものを対象としてその地域の実情に応じた大綱をまとめていただきたいというのが真意であります。
#86
○志苫裕君 私はこれで見ただけでも本当に腹が立っているんです。先ほど、六十年一月二十二日の自治行第二号地方行革大綱の策定についてという通達、それの法的根拠は二百四十五条ということを伺ったが、自治省が地方行革の指針となるべき地方行革大綱を内部文書として策定をしたことは事実ですから、それを知らせる、ここまではいい。これに沿って努力を要請をするとなると事態は違う。あなたは先ほど言いましたように、この当該法令の根拠、いわゆる技術的助言、これは主観的な判断といいますか、主観的な判断または意思を含まないものと解されていますね。それ以外のことは皆さんはできないんだ。したがって、こういうものをつくってみたが参考にしてくれと、これはまあ認めましょう。しかし、どうですか、推進本部の長は地方公共団体の長を充てよ、既存の推進体制を設置しておるところは改組または充実せよ、大綱の策定期間は三年とし、八月までにつくれ、策定したらすぐ報告をせよ、実施状況も定期的に報告せいと、これが何で一体技術的助言の内側ですか。
#87
○政府委員(大林勝臣君) 行革大綱を定めていただきます場合の基準なりあるいは目標を書いておるわけであります。行革を進めるための一つの組織づくりを考えます場合にも、ややもしますと、やはりその団体の組織の内部だけで構成をされる、そういたしますと、やはり住民というものにその内容がわかりにくい、あるいは住民の意見が反映しにくい。どうしても行政改革というものは住民の理解と協力というものが必要でありますので、やはりそういった組織の構成が必要であろう。さらに行政改革の実が上がるかどうか、これは首長の気構えというものが非常に大きなウエートを占めておるというのがまた一つの常識でもあります。そういう意味でその組織づくりについてもお願いをいたしておるわけでありますし、とにかくできるだけ速やかにその実を上げていただくためには速やかに体制を整えていただきたいという意味で、八月末には足並みをそろえていただくようにお願いをしておるわけであります。
#88
○志苫裕君 だから、さっき言ったのだ。地方自治行革の出番だといって何か自治省が出番を迎えたように振る舞っているじゃないかということを言いましたが、この通達はまさにそれを裏書きしている。さらに、通達の内容を具体的に指導をする段になると、これまたこれに輪をかけるんだ。
 行政局長、皆さんが言う地方行革の推進体制を整える、すなわち条例つくったり要綱つくったり人を選んだり、さまざまなことをして、議会や民間有識者や住民の意向も十分に反映をさせて八月までに何ができるんですか。この通達に書いてある、住民の意見を聞いたり民間有識者の意見を聞いたり議会の意見を聞いたり、さまざまな組織をつくったり公聴会を開いたり、基礎データを集めたり過去の実績を点検をしたり、これがどうして八月までにできますか。それだけの間でやろうとすれば、皆さんが出したモデルどおりに書く以外にないじゃないか。だから、現にでき上がった幾つかある条例を見てみなさい、モデル条例と一寸も違わない。恐らく行革大綱の実施項目の中身をなすものも、皆さんが出すモデルになるでしょう。自治省の意思を、主観を押しつけることは技術的助言じゃないんだ。あなたが地方公共団体の長として、八月までに体制つくって、住民の意見聞いて、議会の議論を煩わして、さまざまなことをやって八月までにできますか。
 大臣、あなたの命を受けてこんなばかばかしい通達が出ているんだよ。だれが責任者かわからぬが、これは次官だから石原さんが責任者だ。これは出てきてもらわぬといかぬ。これは、行政局長できるかね、こんなこと。
#89
○政府委員(大林勝臣君) 八月までにお願いをしておりますのは、推進体制というものを整備した上でその推進機関の意見を聞きながら今後のその団体、団体の行政改革の一つの方針、こういったものを盛り込んでいただくという作業であります。その後の具体的な作業の進め方、そういったものは、さらに庁内組織として行政改革推進本部というところで具体的に実行に移していただく。つまり、大綱を八月までに定めていただくということをお願いをいたしておるわけであります。
#90
○志苫裕君 違いますよ。行革大綱というのはここにあなた方書いてある。大綱について「(1)大綱策定に当たっては、議会はもとより民間有識者、住民等の意向が十分反映されるよう」にせよ、大綱の構成はこれこれ、これこれ。わかりやすい言葉を使えまで書いて、大綱の重点事項を中心にこれこれ――ここのところに自主的選択というのが一つだけ入っていますが、これこれ、これこれと、大綱にあるのは事務事業の見直しから始まって随分多いのだ。こういう「大綱は、昭和六十年八月末を目途に策定すること。」と、これは答弁と違うことが書いてある。
#91
○政府委員(大林勝臣君) でございますので、大綱に盛り込んでいただく内容というのは、その地方団体におきます事務事業の見直しであれ組織、機構の整理合理化であれ、どういった事務について今後整理合理化を進めるか、どういった組織について検討し直すかということを考えていただくわけでありまして、その細目の具体的なやり方というのは、今後三年計画というものの計画を定めまして、その間にさらに検討、実現をしていただくように御努力願うということであります。
#92
○志苫裕君 あなたは答弁ずらしているよ。三年間にやるべきことを八月までに書けというんでしょう、いろんな人の意見を聞いて、議会の議論も煩わして。そんなことできないというんだ。推進機構を置くか置かぬかとか、それくらいのことなら何とか間に合うかもしらぬ。この行革大綱、皆さんの内部文書を充足するようなプランニングなんかできませんよ。依然としてあなたはこだわっておる。しかも、これだけの間にやらなきゃならぬというふうな相互関係になるとすれば、皆さんが表には出さぬが、さまざまな形で示すものをそっくり盛り込む以外にないです。通達によりますと、「大綱第2の重点事項」の選択は「各地方公共団体の実情に応じて自主的」にやれ、こう文言はなっている。これは大臣がしばしば答弁をしておることと合っています。しかし、選択せいと言うておいて、その重点事項の中には、特別交付税や地方債の許可の制限ペナルティーを課せられるような項目も含まれておるのですから、そんなものは外すわけにいきませんよ。こうなってきますと、自主的選択といってもこれは自主的でないのだ。
 私は臨調答申を全体として否定をする者ですが、その臨調答申でも、第三次基本答申第四章五「地方行政の減量化、効率化」、局長、ここに何と書いてありますか。
#93
○政府委員(大林勝臣君) 臨調答申で地方公共団体自体の行政改革の努力を要請している部門がございます。
 臨調答申におきましても、従来の地方公共団体の行政改革の努力は認めながらも、さらに一層事務の効率化あるいは見直し、組織の簡素化、現在地方公共団体が努力しておるような行政改革につきましてすべての地方公共団体が足並みをそろえて行政改革の実を上げるように要請をしておるものと承知をいたしております。
#94
○志苫裕君 そういうふうに読んでおるからだめなんだ。恐らくこの地方行革大綱は、五十九年十二月二十九日の閣議決定の五「国と地方」というところから来ているんでしょう。ここでの「地方行政の減量化、効率化」というのは、第三次答申では第四章の五「地方行政の減量化、効率化」の(一)のウ、「基本的には、各地方公共団体における自律機能の発揮によって対処されるべきであり、
地方公共団体自らの創意、工夫が最大限に生かされるべき」であると書いてあるでしょう。こんな通達で何が創意工夫できます。何が自律機能でやれます。こういうものをつくって、こういう条例をつくって、こういうものを八月までに持ってこいと、そうむちゃなことを皆さんも言いなさんな。
 こうして見ますと、大綱及びこれの推進を求めるこの通達は内容的には地方公共団体の組織、運営全般にわたってこれの変更を求める。それだけの効力を持たせようとするのであれば、憲法九十二条に基づく法律が必要だ。憲法九十二条、どう書いてありますか。
#95
○政府委員(大林勝臣君) 地方公共団体の組織、運営については地方自治の本旨に基づいて法律で定めるという規定がございます。
#96
○志苫裕君 今皆さんが権力的関与を排除をされておる地方自治法の二百四十五条の技術的助言をもって行おうとしておる中身、その実態というのはまさに地方公共団体の組織、運営に関する事項だ。八月までは無理だろうと言っても頑張っておる。したがって、この技術的助言の範囲の逸脱は憲法九十二条へいって新しく法律つくらぬとだめですよ。さらには自治省設置法の第五条に、自治省の権限は法律に基づいてこれを行わなければならぬとなっているでしょう。言葉の上で、権力的関与じゃないんだから何をしたっていいんだという解釈は、それは明治憲法なんだ。やめなさいよ、こんなやり方は。
#97
○政府委員(大林勝臣君) いろいろ御意見があるわけでありますけれども、現在地方公共団体を取り巻く行財政の厳しさが言われております中で、できるだけ速やかに地方公共団体全体が足並みをそろえて行革に取り組む必要性が指摘をされておるわけであります。ややもしますと、従来の地方団体の努力にもかかわらず、なおかつ住民の批判を受けておる地方団体もまた少なくないということ自体が、そういった地方団体の中のばらつきというものが地方団体全体に対する批判となってごく最近いろいろ論議をされるということ自体、速やかに情勢を転換をする必要がある。むしろ私どもは、この地方行革大綱で三千三百の地方団体が足並みをそろえて行政改革に取り組んでいただくことこそ今後の地方自治行政の推進、地方団体に対する信頼を深めることになるのであろう、こういう考え方で要請をいたしておるわけであります。
#98
○志苫裕君 局長、今地方自治をめぐる環境、大臣も聞いてほしいのですが、厳しいですから、自主性があるといっても自主的にやることが人様の非難を受けて、それが地方自治という大勢の仲間のために障害があればお互いに規制し合って何とかしていかなければならぬ時期ですから、私そんなことは否定してない。地方自治はもっともっと拡充されなきゃならぬ、そのために必要な改革はどんどんやらなきゃならぬということに共通項がないと言っているのじゃないんですよ。しかし、地方自治を標榜しながら、地方自治という牛の角を矯めることはするなと言っているのだ。そのことが、言葉は地方自治を標榜しながら、地方自治を実は根底から覆すことになるということを懸念をしてあらゆる場合に言うているんです。給料の高い低いと同じことで、確かに私らから見ていろいろと差があるんでしょう。だけれども、それならそれの指導の仕方がある。通達には書いてないが、それに基づく具体的な指導となると皆さんはもっといじくじした細かいことやっているだろう。
 残念ながら、その課長会議の説明や部長会議の説明を聞いたことがないからわからないが、さしずめ、これは月刊「地方自治」に自治省の行政課の伊藤さんという課長補佐が「「地方行革大綱」について」という投稿をしています。これは後ろの方に、意見にわたる部分は私見だと断っておるから、責任をどうこう言うわけじゃないが、しかし実際のその衝に当たる者がこういうものを書くのだから、このとおりにやっているんでしょう。これは大綱や通達とはかなりニュアンスの違うものなんです。委員会は特別の事情のない限りすべての地方公共団体がつくれ、委員会は一般的には条例でやれ、住民の意向を反映するにとどまらず、行革の実施等の監視機能を持つ場合もあるから三年ぐらいは続けろ、既に行革実施中のところろでも再設置をせよ等々書いてあるのだ。ここまで行きますと、もはや何をか言わんや。
 このことに関連して聞きましょう。
 自治行第四十三号、昭和六十年五月一日各都道府県総務部長、各指定都市総務局長あて行政課長文書、これは一体どういう性質の文書ですか。
#99
○政府委員(大林勝臣君) 地方行革大綱の策定をお願いをしておるわけであります。そこで、できるだけ速やかに体制を整えていただく、その体制の整え方というものを、やはり中間において私どもとしても承知をしておきたい。そのために都道府県の地方課を通じて、市町村の現在の取り組み状況、こういうもののヒアリングをいたしたいというのがその通知文書であります。
#100
○志苫裕君 私は、通達さえもはみ出ていると。決めたらすぐ報告せい、その都度実施状況を報告せいというのは余計なお世話だということを言うておるのですが、それも待ち切れぬで、いまどこまで行っておるか来て報告せいというんだ。これはあしたからだね。何ですか、こんな細かいこと、この辺も書いて出せというんでしょう。ヒアリングというのだから、いろいろそれを何だかんだ言うんでしょう。
 さっき私は、八月までにこれこれしろということがいかに無理なことか、基本的にそういうことを言うべきでないという立場で言ったが、仮にそうしようといってもできませんよ。しかも、大臣言うように、自分のところで何が一番大事か、何が一番いいか、自治省はそうは言うが、おれはこっちの方をやりたいんだと。こんなことまで住民合意や地域の実情、議会のコンセンサス含めてしようといったって、そんなことできますか。にもかかわらず、それが待ち切れぬ。出てこいと言って全部都道府県、全指定都市。だから、主な都市やるのでしょう。しかも招集者は行政課長だ。この通達は法律第何条の行為だ、これは。
#101
○政府委員(大林勝臣君) こういった行政指導の一つの法的な根拠といたしまして、冒頭に二百四十五条の指導、助言の規定があるわけでありますが、そういったことについて必要がある場合には地方団体から情報を求めることができると、こういう規定もあるわけでありまして、そういったことでいろんな資料の提出をしていただく、あるいは事実上のヒアリングをしておるということになろうかと思います。
#102
○志苫裕君 これはだれが銭払うんだ。招集者が払うのか。
#103
○政府委員(大林勝臣君) これは行政指導の一環として行っておるものでありまして、国と地方団体の間の問題として、地方団体の方で従来東京の方に来ていただくというのが通例であろうと思います。
#104
○志苫裕君 抽象的に行革は、行革の意味合いもそれぞれ言っている人でも違うし、また中身も違いますけれども、しかし住民サービスをよくするために、むだなことはせぬで、仕事を切りかえるものがあったらどんどん切りかえていろいろやらなきゃならぬ、それは私は否定はしてない。しかし、自治体の方はがんじがらめに、国と地方との相互関係で手足縛られているみたいになっているのだから、本元は国と地方の相互関係を分権の方向で直すことですよ。しかし、その範囲の中でもやれることはやっていかなきゃならぬということを否定をしませんが、肝心の自治省がやることはやらぬでおいてこういう形で一方的に求める、そういう権力構造が国の行政改革の対象になっていてちっとも進んでいないのだ。もう少し反省しなさい。こうして課長が片っ端から呼びつけて、八月だって無理だというのに、どうなったどうなったと言って、中間地点でみんなやろうと、こういうことはやめなさいよ。こんなものあしたから中止しなさい。行政局の行政課というのはこんなことでもしてないとほかにする仕事がないのか。な
いのなら、そんな仕事みんな減らしなさい。こんなものにどれだけのエネルギー使っているんだ。これどうですか、一体。
#105
○政府委員(大林勝臣君) とにかく現在は地方公共団体全団体足並みそろえて行政改革を速やかに実行するということが地方全体として一番大切なことであろうと私ども思うわけであります。今後国あるいは地方の関係でいろいろ論議が行われます。権限移譲がどうであるとか機関委任事務がどうであるとか、あるいは財源配分がどうであるとか、地方分権推進のためのいろんな舞台が次々に出てくるわけでありますけれども、その際に、まず地方団体自体がこれだけ行革の実を上げておる、これだけしっかり行政をやっておるという基礎を持って国といろいろ論議をするという必要もございます。一部の地方団体が住民の批判を受け、これが地方団体全体の姿だというような印象がその都度の論議にあらわれてくること自体、地方団体にとっては非常に残念なことでありますので、そういう意味から、できるだけ速やかにそういった体制あるいは実を上げていただくように要請をしておるわけであります。
#106
○志苫裕君 それが余計なことだと言っているんです。
 これは私見を書いておるんだから余り注文つけるのもちょっと大人げないけれども、現に、国会に法律がかかってまだ審議もしていない地方事務官の身分移管のことなども引例をして、地方公務員に身分移管になったら、それに伴ってこういう改革もしやすいだろうなんて、自治省はもともとこれ反対だったんじゃないのか。大臣もしばしばそれについては所見を述べている。そんなことまで引例をしているが、人の表現の自由を侵すわけにいかぬけれども、しかしこれは実態としてやっているんでしょう。大臣、あなたは建前の答弁しているんだろう。建前にけちつけることは一つもないんだが、今言ったように自治省がやっている実態は、地方自治を標榜しながら実は随分と自治を拘束をしておる。相互の信頼関係が大事だと言いながら全然信頼してない、こういう中から自治は育ちません。その点はもう少しちょっと目を配ってください。
#107
○国務大臣(古屋亨君) 先生のお話の、今の地方自治の現状につきましていろいろ高邁な御意見を伺っておりますが、やはり地域の問題は地域の住民の意思、ニーズというものがいろいろ変わってきておりますけれども、そういうものにこたえて本当の地方の自律性、自主性というものを確保するということが、私は一番大事だと思っております。お話しのように、権限なんかを国が不必要に持っておってそれで何で行革ができるものかと、これは私も御意見どおりだと思いますが、こういうような点につきましては私どもも今臨時行革審の方へいろいろ意見をいただいておるのでありまして、この七月ごろにはその答申を出していただけるということでございますので、それによりまして十分私どもも地方の自律性、自主性ということを頭に置きながら処理してまいりたいと思っております。
#108
○志苫裕君 ちょっと時間が詰まったので、給与の適正化指導と財政措置については、公務員部長前へ乗り出して質問があるものといって構えていらっしゃいますが、ちょっときょうは時間がない。ただ、何か新しい措置をお考えのようだから、私去年のこの委員会において随分大臣や局長、あなたともいろいろやりとりしました。財政措置とリンクをさせて給与の個別指導を行うことについては従来のいきさつ等も十分踏まえて慎重に対応をするべきであるということだけを申し上げておいて、その中身のことは、あなたもなかなか向こうっ気が強いから、やりとりしているとまた一時間ぐらいかかってしまうから、きょうはちょっと避けましょう。
 警察庁おいでになっていますし、あわせて自治大臣に対して聞きますが、外国人登録法に基づく指紋押捺制度をめぐっていろいろとやりとりしました。私はきょうそのことを論議しようと思いません。政治家としての自治大臣の所見は五月二十一日の佐藤委員に対する答弁で伺ったし、これの決着には大分時間もやっぱりそれなりに必要だろうということですから、きょうは議論をいたしません。ただ、押捺拒否者の旧登録証明書の効力について法務省は、処理に当たる自治体あるいは受付行政機関といいますか、それが判断することだ、しかし実際その効力が失われるようなことは実態としてないだろうというようなことも言っています。しかし、受け付ける側が判断することだといって、受け付け方がまちまちじゃ、これはまた大変なことになってしまうわけです。そこで、教育、福祉あるいは営業、あるいは資格免許などの諸手続が受け付ける窓口や地域によってまちまちになったのじゃ問題になるという意味で、地方公共団体において旧登録証明書の効力が無効とされるようなことがあってはいけないということについて自治省側の意見をひとつ。それから警察庁は、何か新聞報道によると、運転免許の更新の方は問題ないんだけれども、取得の申請の取り扱いなどはちょっと通達の中身を見て検討せぬといかぬなというふうな報道に接しておるわけだけれども、恐らく警備業法、風営法、道路交通法等と、そのぐらいあるのかな、これの取り扱いをひとつ御回答願いたい。
#109
○政府委員(大林勝臣君) 今回の外人登録事務の問題で市町村の窓口が混乱をしておるのは非常に残念に思っておるところであります。ことしの初めから四省庁の事務的な会合というものが既に五、六回行われておりますけれども、自治省といたしましては、できるだけ窓口の混乱が地方行政の混乱に連結しないように十分に御指導願いたいという御要請をいたしておるわけでありますが、外人登録法の制度の仕組み自体、これは極めて政治問題にもかかわることでありますので、そこまで御注文を申し上げる立場にないことを御理解いただきたいと思います。
#110
○志苫裕君 いや、違うのだ。あなた、余計なことを言わなくたっていいんだ。
 旧登録証明書の効力が取り扱い機関、窓口によってまちまちでは困る。多くのところでは、教育とか福祉とかそういうところは古い証明書でも有効ですので生活には支障はないでしょうということを法務大臣言うていますけれども、法務省の幹部は、それはすべからく受付機関が決めることだ、こう言うておるので、受付行政機関である自治体側でその取り扱いがまちまちじゃ困るから、あるところはその証明書で入学がよかったが、ある町へ行ったらだめだったということになると大変なことになりますから、その点はよろしいですなと、こう聞いているんです。
#111
○政府委員(大林勝臣君) そういった窓口でまちまちになるということになりますと混乱をする、そういう混乱をしないようにそれぞれの法律において善処方あるいは御指導方をお願いをしたいというのが私どもの気持ちであります。
#112
○志苫裕君 その窓口が自治体なんで、自治省どうですかと聞いているんです。
#113
○政府委員(大林勝臣君) 私ども窓口指導といいますのは、それぞれの窓口がそれぞれの法律に基づいて仕事をしておるわけでありまして、それぞれの法律はそれぞれの省庁が所管をいたしておるわけであります。全体についての指導の立場にあります自治省としましては、そういったちぐはぐが起こらないようにお願いをするわけであります。
#114
○志苫裕君 お願いしているのは、私があなたにお願いしているんです。各自治体の窓口がまちまちにならないように、法務省は有効だと言っているんですから、そうしてくださいよと、こう言っている。
#115
○政府委員(大林勝臣君) したがいまして、その窓口の取り扱いがどうあるべきかとかその窓口の取り扱いでどう行われるか、そういった問題について自治省としてそれがいいとか悪いとかと言う立場にない、むしろそれぞれの法律がスムーズに運用されるということを願うわけであります。
#116
○志苫裕君 あなた、わかってないんじゃないかな。警察どうでしょうか。
#117
○政府委員(中山好雄君) 風営適正化法あるいは警備業法の取り扱いはどうなるかというお尋ねでございますが、これらの法律における外国人の許可申請につきましては総理府令によって外国人登録証明書の写しを添付することとされております。これは法律に定められている人的欠格事由を調べる等のために、本人であるかどうかの確認をする必要性から添付することとしているわけでございます。
 先生御質問の件に関しましては、旧外国人登録証明書でありましても行政的に一応有効と判断されるということでございますので、許可申請の際に旧外国人登録証明書の写しが添付されておれば有効なものとして取り扱う、こういった方向になろうかと思います。そのような方向で検討しております。
#118
○政府委員(太田壽郎君) 運転免許の関係につきましては、外国人登録証明書の提示を求めておりますのは新規に免許を取る場合だけでございます。このような場合につきまして、今保安部の方からお答え申し上げましたような方向で検討いたしておるところでございます。
#119
○志苫裕君 この点わかりました。行政局長が一番わからぬ。世の中で一番頭のかたいのは警察ということになっている。それが非常に物わかりのいい返事しておるんですよ。あなたのところさっぱりわからない。だめだよ。
 最後になりましたが、後刻同僚委員中野さんもお伺いするそうですので、私はただ一つだけ聞いておきますが、例の臨海工業地帯の土地造成事業の売却が進まないで、しようがないから一般会計からの借入金でやるわけですが、それももう膨らんじゃってにっちもさっちもつかないという状況が特に日本海沿岸地帯が顕著で往生しておる。それで皆さんの方、地方自治協会といっても中身は自治省の課長さんのばりばりの集まりだけれども、こういうレポート出して、大分正確に事態をつかんでおられるようだ。これは社会経済情勢の変化あるいは産業構造の転換などで用地の需要が低迷しているなど、外部要因も随分多い。一面で、例えば私のところ新潟ですが、新産都市計画などのように、指定競争にあおられちゃって、これをあおったのは国なんですよ、それと田舎政治家両方あるけれども、あおられて、実現可能性の吟味などを少しおろそかにしたまま計画策定をしたというものもないわけではない。しかし、これだって多かれ少なかれ国の施策に起因はしておるというふうに私は思います。
 もう始末に負えませんのは、この事業というのは先行投資でやっていくものですから、後についてくると思ったら世の中がそうついてこないというわけで、外部要因の変化に対応しにくい。それで、そのうちにそのうちにとつぎ込んでいるうちにアリ地獄みたいな財政状況を生んでしまうというのは、これは始末に負えないわけです。私の出身県などでもそういう困った、いささかアリ地獄にはまり込んじゃっているんです。
 そこで、一体これからこの問題どう決まりつけるかということが一つと、こうしたことの多くは私は国の施策に起因するということを言ったんですが、例えば総合開発計画などによってそういう枠組みができて、そこでそれではというのでそういうプログラムを自治体が考える。考えて、ここに石油コンビナートとかここに何とかと言っているうちに世の中が変わってしまった。まさか製鉄所にしようと思ったが、かわりに漬物屋を置こうかというわけにもなかなかできませんでこういうことになっているわけなので、そういうことを考えると、現在策定中の四全総、こういうものにおいてこれの適切な位置づけ、あるいは見直し等々であればいわばこれの着地方法、こういうふうなものをやっぱり織り込むべきだろう、このように考えるので、自治省と国土庁それぞれ答えてください。
#120
○政府委員(井上孝男君) お話にもございましたように、臨海土地造成事業は戦後の日本経済の発展に大変貢献してまいったと思います。しかし、この事業が非常に長期にわたる事業でございますので、その間にオイルショックなどのように計画を策定いたしました時点では想定できなかった社会経済情勢の変化などがございまして、予定した売却収入が得られなくて企業債の元利償還の財源確保にも苦慮している団体がございます。特にこの傾向は日本海沿岸地帯において多く見られるわけでございます。そこで、自治省といたしましては、先ほどお話にもございましたように研究会等を設置していただきましていろいろ調査研究をしてまいりました。そこで得られました一応の結論を踏まえて今後いろいろ努力をしてまいりたいと考えております。
 その第一点は、昭和六十年度の地方債計画におきまして、当面の資金繰り対策に困っております団体を対象にいたしまして、建設期間中に生じます企業債の償還元金につきまして起債措置の対象とするという新しい制度を設けております。一方、これはさらに基本的には本来の企業誘致というものを成功させるということも必要でございましょうし、あるいはまた社会経済情勢の推移に対応いたしました造成計画の見直し、あるいは既にできております造成地の用途の見直しあるいは処分区画の細分化、あるいは企業が立地しやすいようにリース制度の導入等、処分の弾力化につきましてもいろいろ研究いたしておりまして、今後これらの総合的な対策ができるだけ実施されてまいりますように私どもとしましても努力をしてまいりたいと考えております。
#121
○説明員(長瀬要石君) 新産業都市等におきまして従来、基幹産業の立地を核として工業開発を進めようというような見地から、大規模な工業用地等の基盤整備事業が進められてきたわけでございますけれども、先生からも御指摘があり、ただいま自治省からも御答弁がございましたように、石油危機などを契機といたしまして産業構造が大変大きく転換をしてまいりまして、従来の素材型から加工組み立て型へ、あるいは製品ベースで申しますと軽薄短小化が進む、こういう中で立地の低迷といった状況が生まれてまいりまして、地域によりましては工業の立地が計画どおりに進まない、したがいまして未売却の工業用地を抱えているところが生じているということにつきましては先生の御指摘のとおりの実情かと思っております。
 したがいまして、四全総の策定に当たりましては、このような経済社会条件の変化というものに対応いたしまして、あるいはまた未売却の工業用地というものを抱えております地域の実情というものを十分私ども勉強させていただきまして、工業の地方分散、こういう観点から施策の推進のあり方ということについて検討を加え、またハードの面、ソフトの面、両面から、基盤整備のあり方という問題でございますとかあるいは地域づくりとの関連、さらには先ほどお話がございましたレポートなども勉強させていただきまして、四全総の策定過程においてその位置づけについて検討してまいりたい、かように考えております。
#122
○委員長(金丸三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#123
○委員長(金丸三郎君) 地方行政委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
#124
○中野明君 けさほど志苫委員からもお話が出ておりましたが、補助金一括法が一応我々の反対にかかわらず通ったわけですが、六十一年度以降のことが非常に重要な問題になってまいっております。
 昨日も参考人からも本年度限りということで大変強い要望が出ておりましたが、それで改めて来年以降のこともありますので確認をしておきますが、自治省として今回のこの高率補助金一括削減で本年度限りということで見たものと長期的に見たもので、地方公共団体の負担が最終的に幾らの負担になるかということを簡単に説明してくださ
い。
#125
○政府委員(花岡圭三君) 今回の対策につきまして五千八百億円の地方負担の増でございますけれども、そのうち、御承知のように交付税の特例加算が一千億円、それから投資的経費に係る地方債の元利償還の二分の一を国費で措置する、これは後年度の負担でございますので、後計算しないと後年度分というのははっきりいたしませんけれども、それと先ほど来ちょっと議論になりました一千億円の暫定加算というのがあるわけでございます。そういった意味で、この五千八百億円のうち、単純にそこで投資的経費半分と見ますれば、三千八百億というふうなものが後年度の負担になるというふうな計算が成り立つわけでございます。
#126
○中野明君 そうしますと、ことしの単年度で見たときに、地方が負担をかぶったといいますか、地方の財政負担になったというのは幾らになりますか。
#127
○政府委員(土田栄作君) ただいま局長が申し上げましたように、一年限りの暫定措置の関係は五千八百億で、これは交付税の特例加算と起債の四千八百億で全部埋めたわけでございますが、委員御指摘の問題は義務教育の旅費、教材費あるいはそのほかの国庫補助負担金の廃止によりまして、いわゆる一般財源化されて地方負担となってふえたものはどれくらいであるかという御趣旨であろうと思いますけれども、これは全部合わせますと四百二十三億であるというふうに承知いたしております。
#128
○中野明君 いや、一般財源化したのももちろんなんですけれども、私が聞きたいのは、不交付団体に係る六百億というのは正味本年度やはり地方のそれだけ負担になっているのじゃないかということ。それで、五千八百億のうちで、けさほど来議論がありましたように、補助金の特別委員会に提出をしていただいた自治省の資料で見ましても「国費補てん措置」というふうに書いてあるわけです。それで、地方交付税に特例加算されたのが一千億、それから、これは非常に問題になりました六十六年度以降地方交付税に特例加算をするということで、(暫定)と、これで一千億と書いてあります。それから、元利償還の二分の一は昭和六十一年度以降地方交付税に特例加算をいたしますということで一千億ですから、国費で補てんされたのは二千億プラス一千億のこれは暫定となっておりますので、ここのところを志苫委員も非常に御心配になっておったと私は思います。
 そうしますと、結局先送りをした分で三千八百億ということですから、本年度の単年度で見たときにこの五千八百億のうちで地方がどれだけかぶったかということ、これを一応明確にしておいてもらいたいと思ってお尋ねをしているんですが、もう一度お答えをいただきたい。
#129
○政府委員(土田栄作君) 単年度でかぶったと申しますか、昭和六十年度について申しますと、この五千八百億のうち、まずキャッシュとして一千億交付税の特例加算でもらったわけでございます。それから次に一千億、この分につきましては元利償還ベースで将来六十一年度以降もらう、こういうことになります。それから次の一千億、この一千億につきましては、これは国庫補助負担率の見直しの結果決着がつくわけでございますけれども、そういう意味におきまして暫定的に昭和六十六年度以降に加算するという形のものが一千億あるわけでございまして、これまで含めれば一応国費による補てん措置というのは三千億である。三千億のうち一千億は暫定と申しますか、一応ペンディングな条件になっておりますが、そういうものでございます。
 それから、そういたしますと今度は地方財政計画で将来措置をしていくというものが幾らかということでございますが、これは二千八百億である。ただ、場合によればこの一千億の取り扱いいかんによっては、その分は二千八百億の上に幾らかのものが乗ってくるということも想定できるわけでございます。
#130
○中野明君 そうしますと、この特別委員会は提出をしていただいた資料で見る限り、国費補てん措置という中に六十六年度以降の特例加算(暫定)というのが一千億入っているわけです。ですから、自治省の考え方といいますか、受け取り方としては、これはもう当然国費で補てん措置をしてもらうべき性質のものだというお考えが強いと、私はこう理解をしてこの資料を見せてもらったんですが、その辺はどうでしょうか。
#131
○政府委員(花岡圭三君) この一千億円につきましては交付団体における経常経費におきます負担増二千億円でございまして、その一千億円が特例加算、その残りの一千億円についてどうするのだということでいろいろ折衝したわけでございまして、私どもとしては、これは現在でなくとも、将来においてでもとにかく地方に迷惑をかけないようにすべきであるというふうに主張して、一応暫定ではございますが六十六年度以降に加算という措置を講ずることを覚書で交わしたわけでございます。そういった意味合いにおきましては、この一千億円というものは、自治省といたしましてはこれはもらうべき筋合いのものであるというふうに考えております。
#132
○中野明君 そこのところが将来に問題が残りますので、ぜひはっきりしておいていただきたいと、私はこのように思います。何か場合によったら、今の審議官のお話じゃないですけれども、二千八百億の上へこの一千億というのがかぶってくるかもしれぬというようなニュアンスでお話しになっているものですから、自治省の受け取り方としてはそういう受け取り方では困る。わざわざ国費補てん措置の中へ入れておられるわけですから、原則としてこれはもう当然国の方で特例加算としてやってもらうのだという考え方を強く主張しておいていただきたい、このように思うんですが、大蔵省はここのところをどういうふうにお考えになっていますか。
#133
○説明員(藤井誠人君) お答え申し上げます。
 先ほど来、自治省の方から御説明があったわけでございますが、現在、六十一年度以降の補助率の取り扱いにつきましてなお政府部内で検討を詰めるということでございますので、その検討結果を踏まえて六十六年度以降の対応の仕方を自治省とも重々御相談させていただきたい、かように考えております。
#134
○中野明君 今私のお尋ねしているのは、お話し合いの結果ということは一応覚書にあるのですから、それなりに理解はいたしますが、あくまでも基本的原則として、出発点は国庫補てん措置にするということで一応の合意を得て、そして一年後に検討しましょうということになっているのですから、そこのところはいいかげんにしないでほしい、こういうことを言っているんですが、いかがでしょう。
#135
○説明員(藤井誠人君) 委員の御意見を踏まえまして、自治省と重々相談をさせていただきたいと考えております。
#136
○中野明君 それでは、またこれは大蔵大臣が来られたときに確認をしてみたいと思います。
 次の問題に移らせていただきます。
 公債費の問題でございます。国庫補助の引き下げ等に伴いまして、それぞれの地方公共団体は建設地方債が充てられることになっておりますが、個々の地方団体にとって、本来国が負担すべき分を建設地方債に振りかえられたということになりますから、その償還分については国に面倒を見てもらわなければ困るわけでございますが、交付税で見るということになりますと、これは問題があるのではないかと思います。地方交付税は一般財源でございますから、本来使途の限定されることのない財源でございます。こうした措置によって事実上公債費償還に充てなければならないということになりますと、いわゆる交付税の特定財源化を招くということにも通じるわけでございまして、その辺はどういうふうにお考えになっていますか。
#137
○政府委員(花岡圭三君) 将来の元利償還金の財源措置でございますが、先ほど来申し上げておりますような措置によりまして既に約束のある財源
対策、こういったことで、将来の交付税が不足するという場合におきましては、今後におきまして、この財政計画の策定を通じて必要な交付税総額を確保してまいりたい。その場合にこれを交付税で見ると、これが特定財源化するのではないかという御指摘でございます。
 これまでも確かに、御指摘のように、財対債の累積によりまして基準財政需要額の中に公債償還費の占めるウエートというのは大分高くなってきておるわけでございます。六十年度の公共事業に係る国庫補助負担率の引き下げによる減額相当額、おおむね二千億円でございますが、これにつきましても臨時財政特例債によって措置をして、その元利償還金につきましては後年度交付税上の措置をする、そして二分の一に相当する額につきましては国が一般会計から交付税会計に繰り入れるというふうな形になっておるわけでございますけれども、結局地方団体の財政の運営を計画的に行っていきますためには、この元利償還費というものはやはり交付税で措置していかなければならないことになるわけでございますので、御指摘のような御意見もあろうかと思いますけれども、これは交付税総額を確保するというふうなことによって対処してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#138
○中野明君 一応この状況は認めておられるわけですが、交付税の上で見ましてかなり特定財源化というのが進んでいる傾向にあることはおっしゃったとおりでありますが、そうすると、最近のこの状態を見てみましても、基準財政需要額に占める公債費の割合というのは非常に今大幅に進んでおります。五十年度は都道府県分で〇・九%、市町村分で二・二%であったのが、五十九年度では都道府県分はもう既に七・七%、市町村分で六・三%、このように見ますと、硬直化はさらに進んできているということが言えるわけです。最近では財源対策債の償還費に四分の一しか算入していないということですが、標準事業方式、これに算入される分を合わせますと、交付税の特定財源化というのは大変急激に進んできているのじゃないかと心配をするわけです。その辺はどう見ておられますか。
#139
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘のように、この地方債の元利償還費というものが近年地方財政に占めるウエートというのは年々高くなってきている、これは事実でございます。私どもといたしましては、こうした借金依存体質からできるだけ早く脱却をするということが地方財政健全化の重要な柱であるというふうに考えておりますので、六十年度におきましては極力地方債の発行規模を抑制するということといたしまして、前年度よりも地方債の発行額を、普通会計ベースで申し上げまして八千百二億円縮減いたしておるわけでございまして、できるだけ公債費負担の抑制に努めて地方財政を身軽にしてまいりたい、こういった方向で努力してまいりたいと存じておるところでございます。
#140
○中野明君 実態が今おっしゃったようにそういう状態にあったにもかかわりませず、今回はもうこれは緊急避難的で、国の都合ということで、自治大臣もけさほどの答弁でも悲しい気持ちというようなことをおっしゃっていましたが、そういう状況の中で減らそうとしているときに、安易に国庫の高率補助金の引き下げについてこれを受け入れて、そして臨時財政特例債の償還費を設けるということは今やっておられる施策と逆行するのじゃないか、そんなことを受け入れられたのと違うかなということになるんですが、その辺はいかがですか。
#141
○政府委員(花岡圭三君) 今回の措置は、御承知のように国と地方とで考え方がまるっきり食い違って、予算編成のぎりぎりまで平行線をたどらざるを得なかったわけでございまして、私どもといたしましても、この国庫補助金の一律削減ということにつきましてできるだけ実行をされないように話し合いを進めたわけでございますけれども、残念ながら引き受けざるを得ない状況になったわけでございます。そういうこともございまして、この四千八百億円今回地方債を増発することになった、また二千億円につきましては御指摘のような臨時財政特例債という起債を起こすというふうなことになったわけでございます。
 結局、今後ともこういった元利償還費につきまして財政措置を講じていく、そしてこれに必要な交付税の総額を確保していく、なお起債の総額というものもできるだけ抑制して地方財政の健全な姿を取り戻すという方向で今後ともできるだけの努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#142
○中野明君 健全な姿を取り戻していくということはわかるわけですけれども、大体地方債というのは自治大臣が認可をなさっているわけですね。ですから、それは前にも申し上げましたように、趣旨としては、地方公共団体が将来のことも余り考えないでやたらに地方債を発行して地方財政が破綻してはいかぬ、そういうことも含めて、もちろん資金の問題もございますが、自治大臣の許可ということになっているわけです。今回は一方的な国の都合で地方に負担を押しつけておいて、そしてその財源は地方債で賄いなさいということですから、本来の考え方からいくと、まことにもって国の方が自分の都合で、本来ならばこういう事態のときには赤字公債でも発行しなきゃならぬのを、その国債を地方債に切りかえただけじゃないかという私は不満を強く補助金の特別委員会から申し上げているわけです。
 そういうことになりますと、大臣が地方債を出すことをチェックしておられるその自治省そのものが大蔵の言い分を受け入れて、そしてこの分に限っては地方債を認めますからというようなことになっているというのは非常に私はよろしくないやり方じゃないかと、こういう感じを持っております。ですからことしは、何遍申し上げても切りがありませんが、ぎりぎり不満であったけれども国の予算編成の都合上あるいは財政の都合上判を押した、こうおっしゃっているわけですから、今さら繰り返しませんけれども、こういう点を含めて考えていきますときに、やはり三大臣の覚書の中にあるように来年度以降の取り扱いが非常に大きな問題になってまいりますので、どうかひとつその辺も含めてこの問題についての大臣の御所見を聞いて次に移りたいと思います。
#143
○国務大臣(古屋亨君) ことしの地方債の枠につきましては抑制型の地方債で、内容につきましては良質な政府資金というものを中心に進めておりますけれども、この前も申し上げましたように、恐らく今月中に三閣僚ないし四閣僚による第一回の会合が行われるのじゃないか。私の個人的意見を交えての話でございますが、そしてそのもとに地方団体の意見を代表をするような、あるいは社会保障のようなものについてはその方の専門的な方というようなもの、あるいは国の財政の見地からはそういうようなまた専門の方等の余りたくさんでないグループによりまして、それを下部組織といたしますかどうするか、これはまだ今決まっておりませんが、そういう地方の意見を十分に反映するような組織にいたしまして、その上で私どもはその意見を常時聞きながら、申し上げておりますように国と地方の負担のあり方、行政のあり方、あるいは今の補助金の問題について補助金の整理合理化の必要性とそのやり方、自治省の昨年の九月から十二月まで大蔵省と交渉してきましたようなメモ、あそこにあります地方制度調査会の意見、そういうものを十分しんしゃくいたしまして、私どもはこういうようなことを繰り返さないように努力をしてまいる所存でございます。
#144
○中野明君 次の問題に移りますが、けさほど志苫委員からも御指摘ありました臨海土地造成事業の売れ残り、この問題についてお尋ねをしたいと思いますが、この臨海土地造成事業というのはどのような目的で始められた事業なんですか、最初に教えてください。
#145
○政府委員(井上孝男君) 御承知のように日本の国土が大変狭うございます。そういう中で戦後、経済の成長を遂げるためには、その基盤であります工業用地が大変必要になったわけでございま
す。そういう中で主として地方団体が臨海土地造成事業を施行いたしまして、必要な工業用地を供給してまいったわけでございます。
#146
○中野明君 それで、既にこの造成を完了した土地というのは一万七千三百五ヘクタールございます。その四分の一に当たる四千二百五十三ヘクタールの土地が未売却造成地としてそのまま放置されているわけです。特に傾向として、日本海側に面した新潟、山形、福井、福岡などに集中をしておるように見受けられますけれども、この要因をどうお考えになっていますか。
#147
○政府委員(井上孝男君) 御承知のとおり、臨海土地造成事業は大変長期にわたる事業でございます。その間に発生いたしました社会経済情勢の変化に適切に対応しにくかったというのが根本的な原因であろうと思います。特に計画時点では、いずれも新産・工特法に基づきまして進められてまいりました大規模な臨海工業用地が多うございます。これらの事業につきましては、計画時点では想定できませんでした例えばオイルショック等の情勢の変化が起こりまして、用地売却が予定どおり進まないというような状況にあるわけでございます。
#148
○中野明君 この売却のおくれによって造成地を抱えた自治体は資金的に大変な苦しい状況になっております。その状況を御承知になっていると思いますが、具体的に御説明願えますか。
#149
○政府委員(井上孝男君) 昭和五十九年五月時点で私どもが実態調査をいたしましたその調査結果によりますと、臨海土地造成事業全体でございますけれども、資金補てんを要する額が大体三千百億を超えておるという状況でございます。その中で自己資金で約二千億程度は補てんをいたしておりますけれども、残ります約千二百億弱は一般会計からの借り入れあるいは金融機関からの一時借り入れ、そういう形で対応しておるところでございます。
#150
○中野明君 これは先ほど志苫先生からも話がありましたが、新潟県でちょっと資料を見せていただきましたが、新潟県の例を見ますと、一般会計からの資金補てん状況は、起債の償還元金の原資は土地売却代で充てることになりますけれども、土地売却計画が進んでおりませんために、その不足資金は一般会計からの借入金に依存をしておるということで、県の一般会計が大変な圧迫を受けておるわけです。ちょっと見てみますと、五十九年度は百八十七億円ですか、それから五十八年度が百二十五億円、五十七年度は六十七億、五十六年が七十四億、五十五年四十八億というふうに、七年間で五百四十九億円の巨額に達しているわけです。これが一般会計から公営企業特別会計へ繰り入れられて、そしてこれは無利子ということになっておるようであります。ですから、こんな巨額なお金をやっていかなきゃならぬことになりますと、これはもう財政は硬直をしてどうもならぬ、こういうことになりますが、そういう辺は自治省としてどう見ておられますか。
#151
○政府委員(井上孝男君) ただいま新潟県の例をお挙げでございますが、御指摘になりました数字につきまして若干の説明を加えさしていただきますと、おっしゃるとおり五十九年度におきまして恐らく百八十七億円程度になっておると思います。私どもの調査では、五十八年時点百二十五億でございまして、先生の数字と一致しておるわけでございますが、この金額は一般会計から年度内の一時借入金という形で対応しておるはずでございます。年々ふえてまいっておりますけれども、それぞれの一借のトータルがすべて一般会計の繰入金というわけではないわけでございます。それから新潟県を初めといたしまして、日本海側で未売却地を大きく抱えております団体は、確かに御指摘のように財政的にかなり苦労しておるところでございます。そこで、造成期間中に発生いたします利子につきましては建設中利息という形で企業債の許可をいたしておりますけれども、さらに償還元金につきましては本来、用地売却によりまして収入いたしました資金でもって償還をするという建前をとっておりますが、それが困難な団体につきましては新たに昭和六十年度から企業債償還元金を対象にいたしました企業債措置を講じておりまして、これはあくまでも当面の資金繰り対策ではございますけれども、とりあえずそういう措置を講じておるところでございます。
#152
○中野明君 それで、この資料を見せていただきましたが、この昭和四十七年から四十九年ぐらいまでに建設が完了していても企業誘致ができないで一〇〇%売れない造成地が、今ざっと目を通しただけでも二十二地域にわたっております。これはもう大変な状況になっております。で、面積が比較的少ないのもありますから自治体の負担は軽いということで大丈夫だというような考え方では、これは解決できる問題ではありません。大変、私問題だと思っております。
 ちょっと見せてもらいましても、今新潟県の方はかなり売れているのですけれども、ここは規模が大きいですから、金額も大きくなってきて大変な状況になっておりますが、この青森県の大湊も四十八年に完了して一〇〇%売れ残っているんですね。売れないで困っている。あるいは新潟県は半分ですけれども、これは面積が余りに大きいから大変な騒ぎになっていると思います。静岡の御前崎も一〇〇%、三重県の津松阪港ですか、ここも一〇〇%というふうに、こう見せていただきますと、一〇〇%全然売れないというところが二十三か四あるんですね。最近では、五十四年から始めて五十七年に終わって一切売れない。五十三年から始めて五十五年で完了してもまだ全然売れてない。五十四年から五十六年も同様。長崎県なんかは全部そうです。五十四年から始まって五十七年ごろに終了して、それでいまだに長崎県の場合は全部一〇〇%売れ残っておる。売れないで困っている。
 どうなんでしょうか。こういう事業計画を認可というのですか、許可されるのはどこなんですか。
#153
○政府委員(井上孝男君) 臨海土地造成事業でございますと、公有水面埋め立ての手続が先行いたします。所管の官庁から公有水面埋め立ての許可を得ました段階で私どもの方で事業内容審査をいたしまして、必要な資金供給として企業債を許可しておるところでございます。
#154
○中野明君 そうすると、自治省の方で計画はやはり検討して、そして許可になっている、認めておられるということですから、そうすると、この計画を検討されるのに、こんな状況なんでしょうか。
 オイルショックの話が先ほど出ていましたけれども、それはもう大分前の話で、昭和五十五年から五十七年とか、五十四年から五十五年に建設完了、五十四年から五十六年、五十三年から五十五年というふうに、長崎県の例を見ますと全部そういう時期に、五十四年から五十六年、七年に集中しているわけです。ところが、これを全部建設完了したところが全部一〇〇%売れないでそのままほったらかしになっているということなんですが、こういうことはどうなんでしょうか。許可をなさったというそのときにこういうことが想定できなかったか、検討されなかったのだろうか。
 それが五つやって一カ所だけ売れ残っているというのならば幾らか私も理解できるのですけれども、同じ県で五カ所やって、しかも年数は早く始めているところで五十三年、遅いところは五十四年、五十五年からかかっておる。そして五十七年ですから、そうすると五十三年から始まって、五十五年で建設完了して一〇〇%売れていない、こういうところがあるにかかわらないで五十五年に次を、その隣接かどうか知りませんが、許可をしているということで、五十三年から五十七年ぐらいまでに建設完了したところが一〇〇%売れ残っているということです。
 だから、こういう許可の仕方というのですか、やはりそこのところをもう少し具体的に検討なさる余地がなかったのだろうか。結果から見てこうなっているわけですけれども、この問題についてはオイルショックと、余りその辺までは私は考えられないと思います。オイルショックはもっと前
の話です。そうしますと、五十七年に完成したり、六十年に完成したりしているところで一〇〇%売れ残っているというところもあるんですね。ですから、とにかく希望をしてきたら何でも許可をするということになると、これは検討する必要ないというようなことになるのですが、その辺どういう検討をなさったのでしょうか。この長崎県の例で構いませんからおっしゃってください。
#155
○政府委員(井上孝男君) 長崎県の例につきまして大変個所数が多うございます。御指摘のようなところもございますけれども、しかしまた売却の進んでおるところもあるわけでございます。必ずしも一〇〇%全部が各地区とも売れ残りというわけではございません。
 一般論としまして、企業債の審査が甘いのではないかという御指摘でございます。私どもといたしましては、やはり地元での造成計画あるいは処分の見通し、そういうものを基本にしながらも、なおその確実性につきまして状況証拠と申しますか、いろいろな資料を取り寄せまして、最終的な判断を下しておるところでございます。確かにその判断の中には先行き見通しが適切でなかったという部分もございます。したがいまして、近年では特に市町村の造成事業につきましては、その未売却の事態が発生いたしますと非常に財政的に追い込まれますので、企業立地の見通しにつきましての相当確実な証拠というものも出していただきまして、そういうものを基本にしながら起債の判断をいたしておるところでございます。
#156
○中野明君 それで、これだけ売れ残っている原因の中には、いろいろ原因はあるでしょうけれども、この売却の単価、これと周辺の地域の土地価格との差といいますか、何かそういうことが影響しているというようなことはあるんですか。
#157
○政府委員(井上孝男君) 臨海土地造成によりましてでき上がりました土地の処分、これは基本的には近傍類地価格で処分をするということになっておるわけでございます。しかし、大規模な臨海造成事業になりますと、近傍類地価格そのものが明確ではございませんので、結局造成事業に要するコストというものが処分価格につながっていくという関係になっておるわけでございます。そういう関係でございますので、大きな臨海土地につきましてはコスト中心で売買価格が決められる。ごく小さな埋め立て地につきましては近傍類地価格が影響してまいるということでございます。
#158
○中野明君 社会経済状況が今日のような低成長時代という、そういう推移の中で計画の見直しとか事業の縮小、こういうようなことについて有効な対策が講じられなかったのではないかという心配も私しているんですが、その辺はどうお考えになりますか。
#159
○政府委員(井上孝男君) 確かに御指摘のとおりいろいろ事業進行の過程で問題があったケースもございます。外的要因、内的要因に区分されると思いますけれども、外部要因といたしましては社会経済の情勢の変化その他があろうかと思います。内部的要因につきましては、やはり臨海土地造成事業と申しますのは地域の住民が非常に大きな期待をかけた事業でございますので、どうしてもその事業内容の転換ということが図られにくく、計画縮小とかあるいは計画の一時中止ということが極めて難しい事業でございます。そういうことから、あるいはまた地域の将来に非常な期待をかけましての事業でございますので、将来に対する大きな期待からも変更がしにくいというようなケースもございます。内的要因、外的要因、そういうものが相まってやや事業の円滑な進捗が困難を来しておるケースも見られるわけでございます。
#160
○中野明君 そこで、通産省にお尋ねをしますけれども、工業団地造成のために利子補給をしておられるということを聞いておりますが、その取り組みをお示しいただきたいのですが。
#161
○説明員(山田昭雄君) お答えいたします。
 工業団地造成利子補給金制度は、誘導地域におきます工業の立地を促進することを目的といたしまして、誘導地域において地方公共団体等が工業団地造成のために発行しました地方債及び借入金につきまして利子補給を行うものでございまして、補給下限利率、これは現行六・二%でございますが、これを超える部分につきまして一・七%以内の利子補給を行っているところでございます。昭和五十九年度におきましては、四十九団地に対しまして総額四十六億六千万円の利子補給を行っております。
#162
○中野明君 これは利子補給をなさっているというところは特定のところに絞られているのですか。地方自治協会の調査を見てみますと、二百十二事業ある中で利子補給を受けている事業というのは二十六事業にすぎないようになっておりますが、何かこれは理由があるんですか。
#163
○説明員(山田昭雄君) 利子補給を行います対象団地につきましては、先ほど申し上げましたように誘導地域におきます団地であること、あるいは利子補給の効果が的確にあらわれるように造成の確実性あるいは企業立地の可能性等を十分勘案いたしまして、その採択につきましては慎重に判断を行っているところでございます。
#164
○中野明君 そうしますと、もとへ戻りますが、全然未売却の地域というのは、これはもう対象に入れていませんね。
#165
○説明員(山田昭雄君) 未分譲のものにつきましても対象に入っております。
#166
○中野明君 そうしますと、これだけの全体の事業規模からして、今お答えいただきましたが、余りにも金額的にも少ないし対象事業も少ない。どうなんでしょうか。通産省として積極的にこれはバックアップしていかなければならない性質のものじゃないか、こう思うんですが、今後の利子補給について充実さしていくお考えはありますか。
#167
○説明員(山田昭雄君) 先生から先ほど来お話しございました臨海工業団地につきましても、昭和五十九年度におきまして、先ほど申しました利子補給総額四十六億六千万円のうち、およそ九一%に当たる四十二億五千万円が二十五の臨海工業団地の造成事業に対して交付されているところでございます。
 臨海の団地未分譲のもの、こういったものも全体含めまして未分譲工業団地の立地促進につきましては、私どもといたしましても最近の企業ニーズに応じまして、例えば工業用地等に対する賃貸借制度の導入など、工業用地の多様化を図るということも地方自治体に現在指導中でもございますし、また現在策定中の新工業再配置計画を踏まえまして、地方自治体等が今後とも未分譲工業用地の対策に積極的に取り組んでいくように指導してまいる所存でございます。また、この補給金につきましても、非常に厳しい財政制約下でございますけれども、この補給金につきまして可能な限りその充実に努めてまいりたい、このように考えております。
#168
○中野明君 ぜひこれはその面について努力をしてもらいたい、このように要望しておきます。
 それで、新たに四全総が策定されようとしております。この臨海土地造成事業について国土庁の認識を最初にお伺いしたいんです。
#169
○説明員(長瀬要石君) 実は三全総におきまして、工業の地方分散を図る、こういう見地から臨海部も含めまして工業団地の造成ということについてその必要性を述べていたところでございますが、先ほど来の先生の御指摘もございますように、その後の産業構造の大変大きな変化ということもございまして、なかなか思うような立地展開になっていない、このような実情にあろうかと思います。したがいまして、四全総の策定に当たりましては、現在のあるいはまた二十一世紀に向けての経済社会情勢というものにつきまして十分検討を加えながら、かつまた未分譲の工業用地を抱えております地域の実情という点につきましても私ども十分勉強をさせていただきながら、工業の地方分散を図る、こういう基本的なスタンスのもとに、工業団地のハードの面あるいはソフトの面にわたります基盤整備のあり方というような問題でございますとか、あるいは地域経済の振興とのかかわり合い、こういった幅広い観点から、臨海
部におきます造成土地の有効な活用のあり方につきまして関係省庁とも十分御相談をしながら今後検討してまいりたい、このように考えております。
#170
○中野明君 今お述べになりましたように、三全総とはがらりと様相は変わってまいっております。新しい計画だけに視点を置くというような考え方だけではなくして、既存の実施されている事業についても検討が必要でしょうし、その意味ではこの臨海土地造成事業というものを四全総の中で明確な位置づけが必要であろうかと、こう思うんです。その点についてはぜひ十分な検討を加えていただいて、三全総のときのようなことにならないように、やはり情勢が変わってきたことは私どもも認めております。ですから、一概にこれはだれの責任と言うわけにはいかない面もありますけれども、四全総の策定に当たってはそういうことを十分踏まえて明確な位置づけをぜひやってもらいたいと、このように思いますので、強く要望しておきます。
 それから自治省にお尋ねしますが、六十年度において当面売却可能となるまでの資金繰り対策、これについてどのような措置を講じられようとしますか。
#171
○政府委員(井上孝男君) 先ほども申し上げましたけれども、今臨海土地造成事業で未売却地を大きく抱えております自治体は、特に企業債の元金償還の財源についてその確保に苦労しておるところでございます。したがいまして、この元金償還部分を対象にいたしましてもう一度企業債措置を講ずるということを考えておるところでございまして、所要額を六十年度の地方債計画に計上しておるところでございます。
#172
○中野明君 御承知のように、この臨海土地造成事業というものは本来売却計画に基づく売却収入が得られることを前提として成立をするものでありますが、これが売れぬということなんですから、これはもう本当に話にならぬことになっているわけですが、企業誘致の促進対策、これをまず練り直す必要があるのじゃないだろうか、このように思います。それから、企業誘致だけにとらわれないで、処分方法を検討すべきではないんだろうか。土地の利用目的の弾力化、多様化、この辺はどうでしょう。
#173
○政府委員(井上孝男君) 未売却地を早く処分するということが大変重要でございます。そのために基本的には企業立地を進めるということでございますが、そのためには企業誘致態勢の整備、これの強化が必要でございます。そのほか、さらに企業が立地しやすいように、ただいまお話しにもございましたように、処分区画の細分化とかあるいはリース制度の導入というような形で立地しやすい条件づくりに努めてまいるということも必要であろうと思います。それらの手法あるいは私どもとして協力できる手段、そういうものにつきまして今後とも研究してまいりたいと考えております。
#174
○中野明君 それから財源不足に対する資金対策でございますが、自治省としては公営企業金融公庫資金等の償還方法を弾力化する考えはないのかどうか、その辺お尋ねしておきます。
#175
○政府委員(井上孝男君) 御指摘の点につきましては、昭和六十年度の地方債計画の策定に当たりまして大蔵省に協議をしたところでございますが、実現を見なかったところでございます。私どもといたしましては、公庫資金の償還方法の弾力化ということは臨海土地造成事業については大変必要なことと思っておりますので、引き続きその実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
#176
○中野明君 いずれにいたしましてもこの事業というのは、先ほど来述べておられるように、国土資産の乏しい我が国においては過去から地域経済、日本経済の発展に寄与してまいったことは事実でありますけれども、しかしこんなに売れ残って今苦しんでおることも現実、大変な問題であります。そういうことで、これは自治大臣にこの問題の最後にお尋ねをするのですが、実情をけさほど来志苫先生からもお話があったように、自治大臣も聞いておられるとおりであります。売れ残ったものを抱えた地方公共団体にとっては、これは頭の痛い問題でありますし、大変な財政圧迫にも通じてくるわけでありますので、どうか諸般の事情、これからの臨海土地造成の問題もありましょうし、現在売れ残っているものに対する処置もございましょう。それにはどうしても財源対策というものが必要になってくるわけですので、公営企業金融公庫資金の償還方法の弾力化等含めまして、あわせて自治大臣の方からお答えをいただいて、次の問題に移りたいと思います。
#177
○国務大臣(古屋亨君) お話のように、こういう問題につきましては、情勢の変化とはいいながら、地方団体にとりましては大変痛い状況でございますので、この転換あるいは財源措置、またリース制度の導入など、処分方式の弾力化という点につきましては関係官庁と十分連絡をいたしながら経営の健全化を積極的に指導してまいりたいと思っております。
#178
○中野明君 それでは、次の問題に移りたいと思います。
 地方の公営競技についてお尋ねをいたします。
 地方公営競技というのは、御承知のとおり競艇、競馬、競輪、オートレース、この四競技でありますけれども、二十一都道府県、四百二十一市町村が単独ないし共同で開催をしております。ところが最近、この売上高の傾向というものが減ってきているということを聞いておりますが、四競技ともどういうふうになっているか説明をしていただきたいと思います。
#179
○政府委員(花岡圭三君) 公営競技の売り上げは年々落ちてまいっておりまして、この売り上げ及び収益金を見ますと、五十五年度をピークにして減少いたしております。五十八年度は、売上額につきましては前年度に比べて二千三百四億円、六・二%の減少、収益金につきましては前年度に比べて二百四十五億円、九・七%の減少ということになっております。
#180
○中野明君 この減少の理由、これはどう認識されておりますか。いろいろ言われているのですけれども、どうも私はそればかりじゃないように思うんですが、自治省としてどういうふうに認識をしておられますか。
#181
○政府委員(花岡圭三君) この売上額の減少傾向の原因といたしまして私ども感じておりますのは、一つにはレジャー利用の多様化である、それから所得の伸び悩み、こういったことが考えられるわけでございまして、今後の入場人員とか売上額等につきましてどのようになっていくかというのは私ども見通しをするのは難しいわけでございますけれども、公営競技の施行団体に対しまして、ファンサービスの充実をするとかあるいは開催経費の節減等によって経営改善を図ると、こういったことにつきまして関係省庁とともに指導、助言を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
#182
○中野明君 お互いに先の予測というのは非常に見通しの立ちにくいものでございますが、しかし大きくふえていくという傾向は、私はちょっと望めないのではないかという感じは受けております。
 そこで、後にまた触れますけれども、地方公営競技が地方財政に果たしてきた役割というのは、私大きなものがあると思います。そこで、公営競技開催をして大きな収益を上げている自治体と開催していない自治体との財政上の格差について基本的にはどう見ておられるんですか。
#183
○政府委員(花岡圭三君) ただいま申し上げましたように、最近、公営競技の売上金というのは減少してまいっておりますけれども、やはり依然として大きな収益を得ている団体と、それからこれを施行していないという団体がありまして、厳しい地方財政状況のもとにおきまして、この一部の施行団体に偏在しておる財源、これにつきましては、私どもかねてからこの収益の均てん化を図ってまいりたいというふうなことで努力してきたわけでございます。
   〔委員長退席、理事岩上二郎君着席〕
 全国的な均てん化措置といたしまして最も有効であるというふうに考えております公営企業金融公庫納付金制度がございますが、六十一年度以降につきましてこの納付金制度の延長拡充を内容とする地方財政法の一部改正案を現在御審議いただいておるわけでございますので、こういった点で均てん化を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#184
○中野明君 それで、今全体的なことはわかったわけですが、この一地域で突出して収益を上げている自治体があることから財源の偏在化傾向になってくるわけですが、これらの地域に対しては何か措置を必要と考えておられるのかどうか、その辺はどうなんでしょうか。
#185
○政府委員(花岡圭三君) 公営競技によります収益金の非常に多い団体につきまして、先ほど申し上げましたように全国的な均てん化のほかに地方債の許可に当たりましてその収益金を考慮して許可をする、あるいは特別交付税の配分に当たりましてその収益金の一部を控除するというふうな措置を講じております。また、施行団体に対しましては、できるだけ周辺の町村に対してもその均てん化が及ぶような措置というものを講じていただきたいということで要請をしてまいっておるところでございます。
#186
○中野明君 そこで、自治省として主催百七十二団体に対して今後五年間での再建を目標とした経営改善計画の提出を求めていく方針と聞いておりますが、どのような点に着目した内容をお示しになるのか、お考えを聞かしてください。
#187
○政府委員(花岡圭三君) 公営競技の経営が悪化していることにかんがみまして経営改善計画を策定していただくようにお願いしたのは、五十八年度においてそのような経営改善計画を提出していただきまして、現在も相談に応じておるところでございます。今すぐに経営改善計画を新たにまた出していただくというふうな計画を持っているわけではございません。
 私ども先ほど申し上げましたように、公営競技の経営悪化の傾向に対処するためには、やはり公営競技施行団体に対しましてファンサービスの充実による売り上げ額の増大、あるいは経営経費の節減等によります経営改善、こういったことが図られますように各団体にそれぞれ御指導を申し上げておるところでございます。
#188
○中野明君 改善対策はどこも頭の痛い問題であるでしょうけれども、幾ら対策を講じてもお客が来てくれなきゃ話になりませんので、結局これが収益増に結びつかない場合、開催権自体に問題が生じてくるのではないかと心配をいたします。もし赤字を税金で穴埋めするような事態にまで発展した場合は、これはゆゆしき問題になってくると思います。
 そこで、最近川崎市で川崎競馬存廃問題検討委員会というところが、今後開催をしても収益増となる見込みがないので三年後をめどに廃止を検討すべきだという答申を出されたと伝えられておりますが、このような自治体の状況、これについて自治省としてどう受けとめておられますか。また、これは競馬の問題でありますので、農林省もこの状況について説明をしてもらいたいと思います。
#189
○政府委員(花岡圭三君) 公営競技は、御指摘のように元来地方財政の健全化に資するために行うものでございまして、収益の確保を重要な目的の一つとして施行されておるわけでございます。したがいまして、経営改善のためのいろんな施策を講じましてもなおかつ赤字からの回復が困難な場合、こういうふうに公営競技を存続させる基盤が失われるという場合には、施行団体におきましても公営競技の廃止ということを決意せざるを得なくなることもあろうかと思います。この経営改善に努めて公営競技の存続を図っていくか廃止するかということにつきましては、当該施行団体の意向を尊重せざるを得ないのではないかと考えております。
#190
○説明員(嶌田道夫君) 先般、川崎競馬存廃問題検討委員会から先生今言われましたような答申が出まして、現在川崎市としては内部のプロジェクトを含めまして十分な検討と協議を尽くしまして、これに対処していく方針であるというふうに聞いております。地方競馬をめぐる情勢は非常に厳しいわけでございまして、そういう中で各主催者とも、各種の売り上げ増加対策であるとか、それから開催経費の節減など、経営努力を行いまして地方競馬の健全な発展に努めているところでございます。そういうことで最近その効果が少しずつあらわれてきているところも出てきているというふうに考えております。
 農林水産省としましては、地方財政への寄与、それから畜産の振興に大きな役割を果たしてきました地方競馬の健全な発展を図るという観点から、引き続き川崎市を含めまして地方競馬の各主催者を指導していきたいというふうに考えております。
#191
○中野明君 他の公営競技よりも競馬の落ち込みというのは、特に地方競馬ですが、これの落ち込みが激しいのですが、現在地方競馬を主催している三十二団体の中で、五十八年度は十二団体が赤字経営となっております。ですから、今後川崎市のような方針がこれから出てくるのじゃないかと私どもも心配をしているのですが、農林省の見通しはどうなんですか。
#192
○説明員(嶌田道夫君) 今申しましたように、最近の地方競馬をめぐる情勢は非常に厳しいわけでございます。そのような中で各主催者ともいろいろな経営努力、それからファンサービス等をやっておりまして、その中で今申しましたように売り上げ増加の効果も少しずつ出てきているところもございます。そういうことでございますので、農林水産省としましては競馬の健全な発展を図るという観点から、引き続き賞典奨励費であるとか、それから人件費等の経営合理化対策、それからファンに喜ばれます魅力あるレースの提供であるとか、それから地方競馬場を健全な娯楽の場としていくために暴力団、のみ屋等を追放していくとか、各種の施策等をやっているところでございまして、引き続きましてこれらの施策を行うことによりまして今後とも地方競馬の健全な発展ということに努めていきたいというふうに考えております。
#193
○中野明君 大臣、この公営競技の問題は、売り上げの低下、そしてそれが赤字に結びついてきて、最後は税でこれを補わなければならぬということになると、これはもう話になりません。そういうことで、こういう傾向になってきておりますが、公営企業のあり方が見直される時期にも来ているのじゃないかという気もするのですが、大臣としての見解をお尋ねします。
#194
○国務大臣(古屋亨君) お話しのように、公営競技は関係法律に基づきまして畜産関係あるいは機械工業の振興あるいは体育事業その他の公益事業の振興に寄与しておることは事実でございます。また、地方財政の健全化を図っていくために行われているものでございますが、お話しのように公営競技の経営が悪化の傾向はあります。したがいまして、今申し上げましたように関係省とも協力しながら今後とも経営改善の指導、助言を行ってまいりたいと思っております。
 また、公営競技の今後のあり方の問題でございますが、私は現在各施行者が改善のための努力、工夫を行っている真っ最中であると聞いておりますので、当面は公営競技の経営状況の推移を見守っておるというのが現在の状況でございまして、今後の状況いかんによりましては、こういう問題について抜本的な措置を考えていかなければならないと考えております。
#195
○中野明君 そこで、警察庁来ていただいておりますので、二、三点お尋ねしますが、公営競技場が暴力団の資金源と、こう言われて久しくなるわけですが、公営競技場での行動を取り締まれないままにきておったのじゃないかという気がするわけです。ことしの二月には私の住んでおります高知市の競輪場で白昼暴力団が短銃の発砲事件、殺人事件を起こして大騒ぎになったわけです。そう
いうことで、公営競技の売り上げが落ちているときでもございます。こういう事件は公営競技としてのイメージを壊して客足を遠のかせるものでもあります。高知県と高知市はこういう公営競技場から暴力団を締め出すという条例もつくっております。これを契機にしてつくったわけですが、最近は暴力団ではもう毎日の新聞に、昨日もまた大阪で取り締まり云々とかあるいは発砲事件がどうとか、暴力団の事件は絶えないんですが、そういう意味で、暴力団を介入させないような対策が必要と思います。
 それで、警察庁としては対策を進めておられるというふうに聞いておりますが、どういうお考えで取り組んでいかれるのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
#196
○政府委員(金澤昭雄君) まず公営競技の関係につきましては、警察が公営競技に関連して、のみ行為を取り締まっておりますが、昨年一年間でののみ行為の検挙件数を申し上げますと千三百七十件でございます。そのうち暴力団が関係しましたのが千二百二十件、約九割、これが暴力団が関係しておるということでございます。したがいまして、のみ行為が暴力団の大きな資金源になっておるということはこの事実から見てもはっきりしておりますので、徹底的に取り締まっていこうということにしておるわけでございます。
 今お話がありましたように、高知の競輪場でも発砲事件で殺傷事件がございましたし、それを契機にして高知県が県と市の条例で公営競技場から暴力団の締め出し、これを決めていただいたわけであります。今全国的に公営競技場から暴力団を締め出そうと、こういう機運が非常に高まっております。監督官庁であります農水省、通産省、運輸省におきましても積極的に対応されておりまして、四月中にそれぞれ通産、農水、運輸各省ともに通達を出しまして、今暴力団の締め出しということの徹底を図っておるというところでございます。今月に入りましては、公営競技の施行者側が緊急大会、公営競技場から暴力団、のみ屋等を追放する緊急大会というものを五月二日に開催いたしました。警察もバックアップをしまして積極的にこれから締め出していこう、こういう機運でございます。
 私どもも、今申しましたように徹底的に暴力団に関する限り資金源を締め出す、取り締まりを行う、こういうことでやっておりますので、今後関係各省と緊密な連絡をとりながらひとつやっていきたいと思います。
#197
○中野明君 先ほどから農水省にもまた自治省にもお答えをしていただいているのですが、この公営競技の売り上げが落ちてきたという原因の一つに、のみ行為というものの方へ走っているという、そういうことも私どもちらちら耳にするわけです。それで、そういう面につきまして今警察庁の方からお答えいただきましたが、せっかく法で認められた公営競技ですから、やはりこれが所期の目的を達成して、競馬であれば畜産の振興、あるいは地方公共団体の財源の一部として大きく地域の発展に使われてきた経緯から申し上げまして、この公営競技というものが赤字で税金で埋めなきゃならぬというようなところまで落ち込んでしまったのでは話になりません。そういう意味で、ぜひいろいろの面で一層の御努力をお願いをしておきたいと、このように思います。
 以上でこの問題についての質疑は終わりたいと思います。
 次は下水道の問題についてお尋ねをしておきます。
 高率国庫補助負担率の引き下げに伴いまして、地方債計画では臨時財政特例債が増発されて、普通会計分二千億円に対してその他会計分として六百億円が計上されておりますが、これらは下水道事業に充てられるというふうに聞いておりますが、全部そうなんですか。他に事業があるとすれば、どのような事業にどれだけ充てられているか、お答えいただきたい。
#198
○政府委員(井上孝男君) 地方公営企業におきます国庫補助負担率の引き下げによります国費の減額相当額は、下水道事業で約五百億円、その他上水道及び工業用水道事業にございまして、全体で六百億円と見込まれているところでございます。この国費の減額相当額を補てんいたしますために同額の臨時財政特例債というものの発行を予定いたしております。
#199
○中野明君 臨時財政特例債の充当率というのは、普通会計、その他会計とも一〇〇%という理解でよろしいでしょうか。
#200
○政府委員(井上孝男君) そのとおりでございます。
#201
○中野明君 地方債発行の形式についてでございますけれども、従来、その他の会計の例えば下水道事業に係る地域財政特例債は一般会計において措置されて、所要額は下水道会計に繰り出されていたように承知しておりますが、しかし今回の特例債は下水道会計で発行するものとしているようでございますが、この違いはどこにあるのでしょう。
#202
○政府委員(井上孝男君) 行革関連特例法によります地域特例の減額措置におきましては、公営企業会計に係る減少額は極めて少額でございました。そのために便宜的に一般会計におきまして起債いたしまして公営企業会計に繰り出すということにしておったところでございますけれども、今回は、先ほども申し上げましたように総額六百億円程度までの金額が予定されますので、その額も従来と比較しましてかなり大きいということから企業会計におきまして起債措置をいたしまして、その元利償還費につきましては一般会計から公営企業繰出金として繰り出すという仕組みを予定しておるところでございます。
#203
○中野明君 そうしますと、その元利償還金について地方財政計画に計上しないということになりますと、言葉をかえて言いますと元利償還については国が面倒を見ないこととしているからなのか、見るのであればどのような補てんの仕方をするのか、その辺はどうですか。
#204
○政府委員(井上孝男君) 先ほども申し上げました公営企業関係の臨時財政特例債の元利償還金につきましては、昭和六十一年度以降に発生をいたしますので、同年度以降の地方財政計画におきまして公営企業繰出金として計上するという予定でございます。また、この元利償還金につきましては地方交付税におきまして全額基準財政需要額に算入するとともに、その二分の一に相当いたします額は国の一般会計から交付税特会に繰り入れられるということになっておるわけでございます。
#205
○中野明君 そこで、下水道整備五カ年計画は本年度で一応五カ年計画終わるわけなんですが、普及率はどうなっておるのですか。既に今最終達成率も予測できると思うんですが、その点どうなんでしょう。
#206
○説明員(辻栄一君) 五カ年計画の最終年度になります六十年度末の総人口普及率につきましては約三六%程度になるのではないかというふうに見込んでおります。
#207
○中野明君 非常にこの普及率が悪いんですが、建設費とか管理費、それぞれ地方の負担が大き過ぎてそこに無理があるのじゃないかというような気もするんですが、その辺はどうとらえておられますか。
#208
○説明員(辻栄一君) 確かに、下水道事業を実施しますと相当に地方の負担がかかるわけでございますが、そういう観点から建設省といたしましては、過去におきましても緊急性もあるということで、補助率等については逐次引き上げを行ってきておるわけでございます。
 この普及率がいまだ先進諸国に比べて非常に低いわけでございますが、この理由といたしましては、一つには我が国の下水道の本格的な着手というものが一部都市では非常に古かったわけでございますけれども、全般的に取りかかったのが非常に遅うございまして、大体昭和四十年代に入りましてから本格的に始まったということでございます。そういうことで、着手をしてからまだ年数が非常に浅いということと、それから第五次五カ年計画におきましては計画しておりました建設事業
費の確保が予定に対しまして非常に少なかったというようなことも原因しておるのではないかというふうに考えております。
#209
○中野明君 例えば今お述べになったように、建設費で五十年度以来地方の立てかえ払い方式が定着して、国が後年度に四回払いで支払うようになっております。一時期に比べてその額は減少を見ておりますが、こういうやり方は第五次計画をもってもうやめるべきじゃないか、こういう感じがするのですが、その辺はどうなんですか。
#210
○説明員(辻栄一君) 先生おっしゃいますように、確かに第五次五カ年計画の中におきまして、いわば私ども特別の地方債と申しておりますが、国の償還と利子の補給がふえまして事業費がダウンしたというような経過がございます。そういうことで、その後、後年度の償還あるいは利子の補助に対します負担をできるだけ少なくしていこうというようなことで発行額そのものを減らしてきておるわけでございますが、現在時点でまだ相当額の発行をいたしておりまして、今の財政状況から考えますと、直ちにこれをなくすということになりますと下水道事業費そのものが非常に大きく減少するというようなことになりますので、今の状況ではやはりこの制度を継続せざるを得ないというふうに考えております。
#211
○中野明君 下水道というのは環境に大変な影響を及ぼしておるということはもう御承知のとおりであります。先日も私、宇和海のいわゆる赤潮問題を調査に行きまして、いわゆる洗剤を使わない運動とかいろいろやっておりましたが、最終的な結論として、人口七万ちょっと超えている宇和島市なんか下水道ゼロです。そういうことがいわゆる水質汚濁を与えているということは地元の人もほぼ認め始めたのですけれども、なかなかこれが今の財政上の問題がありましてできない、そういうことで苦慮しておったようでございますが、下水道事業の繰出金の決算を見てみますと、常に地方財政計画の計上額を上回って毎年乖離を生じております。その原因は一体何なのだろうかと私どもは思うわけですが、それはどういう理由なんですか。
#212
○政府委員(井上孝男君) お話しのとおり、地財計画計上額とその実績には乖離がございます。この乖離につきましては、私どもは次のように見ております。
 本来、雨水処理費に相当する額について繰り入れが行われるというのが原則でございますけれども、この雨水処理費部分のほかに、汚水処理費として賄うべき使用料が処理原価を下回っておるという実情にありますために、これに伴います料金収入不足部分がかなりの額に達しております。昭和五十八年度ではこのための繰入超過額がおよそ二千億円程度に達しておるというように見ておるところでございます。
#213
○中野明君 一般会計に対する財源措置は維持管理費の三割と建設費元利償還金の七割を見ることを原則としてきたようですが、こうした原則に無理があったのじゃないかという意見がありますが、その辺はどうでしょう。
#214
○政府委員(井上孝男君) 雨水公費、汚水私費という原則を貫いて料金を設定する、あるいは雨水処理費については一般会計が負担するというのが第一次下水財研以来の基本的な原則でございます。最新の財研は第四次でございまして、昭和五十四年度にその提言をいただいておるところでございますが、そこにおきましても料金原則は汚水私費ということで提言をいただいております。
 自治省といたしましてはこの提言を踏まえまして料金設定を指導しておるところでございます。しかしながら、御指摘のように、それぞれの下水道の中には汚水私費の原則によりまして料金設定ができるかなり成熟度の高い事業もございますけれども、最近供用開始をいたしましたばかりの地方中小都市におきましては、この原則を直ちに完全に貫くということにつきましてはやはり困難な面もございます。この点につきましては今後いろんな対策を考えてまいりたいというところでございます。
#215
○中野明君 今回は、この法改正で下水道費の測定単位をDID人口から単なる人口に改めようとされているわけですね。その理由はどういうことなんでしょうか。人口集中地区よりもそうでない地区の方が維持管理費は高くつくことになるというのは当然でありますけれども、測定単位を人口に改めただけでは割り高な費用は解消されないと思いますが、補正ではどのように措置をしていくつもりですか。
#216
○政府委員(花岡圭三君) 下水道費につきまして測定単位は、人口集中度が高くて下水道実施の緊急度の高い都市部について算入することとしておりましたために人口集中地区人口を用いておったわけでございますが、近年下水道が普及するにつれまして都市圏域以外の市や町におきましても事業が実施されるようになってきたわけでございます。そういったわけで、交付税算定上も下水道の普及を人口集中度の高い都市部に限定することは必ずしも適当ではない、それで、人口集中地区人口のない団体で下水道を有する団体に対する財源措置も必要であるということから、この下水道費の測定単位を人口集中地区人口から人口に変更することにして交付税算定方法の合理化を図ったということでございます。
 人口の少ないところにつきまして維持管理費が高くつく、これをどのようにするのかというお尋ねでございますが、交付税におきましては下水道費に係る維持管理費のうち、いわゆる公費負担分でやります雨水分を算定しておりまして、各地方団体の平均的な維持管理費を人口を測定単位とする単位費用で措置いたしますとともに、あわせて各地方団体の排水人口及び排水面積を指標とする密度補正をすることによりまして、各地方団体の実情に応じた交付税の算定に努めておるところでございます。
#217
○中野明君 欧米から比べて半分以下というような普及状態でございます。これはいろいろ先ほど説明がありましたとおり、やはり歴史的な時間の問題、それなんかもあると思いますが、まだまだ環境問題を考えますときにこの下水道の普及というのは文化生活を営む上で大変な要素を占めておりますので、いろいろ指摘をしました問題等を含めてぜひこれは充実拡充をしていただきたいと思います。
 それでは、最後に宝くじの問題をお尋ねします。
 今回改正をされておりますが、発売目的につきましては、浮動購売力を吸収してこれを公共事業等地方公共団体の施設の整備の資金に充てる資金を調達すると定義されておりますが、今日この宝くじが地方財政にどのような影響と役割を果たしてきたと認識をされておりますか、最初にお答えいただきたい。
#218
○政府委員(花岡圭三君) 地方団体が宝くじを発売いたしますのは主として地方財政資金の調達のためでございまして、宝くじの収益金は現在公共事業の財源に充てることとされておりまして、これまで地方団体の学校とか公園とか、あるいは街路、公営住宅等の建設事業の財源として地方財政に大きく貢献しておるというふうに認識しておるところでございます。
#219
○中野明君 そこで、最近の売上高について金額的にどのような傾向を示しておりますか、お示しいただきたい。
#220
○政府委員(花岡圭三君) 宝くじの発売額は昭和五十年代前半まで着実な伸びを示してまいったわけでございますが、国民のレジャー利用の多様化とか所得の伸び悩み等によりまして一時伸び悩みの傾向を示して、五十年度には二十数年ぶりに前年度実績を下回る結果となったわけでございます。しかし、また五十八年度以降は若干売り上げも伸びてまいりまして回復の傾向となってまいっております。
#221
○中野明君 この売上高の配分状況と地方公共団体に回された金額はどれくらいになっていますか。
#222
○政府委員(花岡圭三君) 五十八年度に発売されました宝くじについて見ますと、発売実績額二千
七百六十五億円のうち、当せん金、これが千二百六十一億円で四五・六%、収益金千百六億円で四〇%、手数料が二百三億円で七・三%、その他の経費が百九十五億円、七・一%となっております。
#223
○中野明君 この地方公共団体に回された金額はどれぐらいになっているんですか。
#224
○政府委員(花岡圭三君) 収益金として先ほど申し上げました千百六億円でございます。
#225
○中野明君 宝くじの収益は賞金額を引き上げることによって売り上げを伸ばしておりますが、それはジャンボくじの売り上げによっても明らかと思います。現在では年末、サマドリームなどのジャンボくじの売り上げが六割を占めているということでありますが、宝くじの収益が貴重な財源になっていることはわからないでもありませんが、収益をふやすために賞金額をつり上げて射幸心をあおるというのはいかがかなというような気もするのですが、今回、賞金額の倍率を二倍に引き上げた根拠というのは何でしょう。
#226
○政府委員(花岡圭三君) 最近この宝くじの購入者につきましては一般に、最高賞金額の高額化を求める層と、それから中間あるいは低額賞金であっても確率の高いものを求める層の二極に分かれる傾向にあるようでございます。
 この最高賞金額の高額化を求める層としましては、かつては一等賞金で東京都内におきまして土地つきの一戸建てを購入できたとされていたこともございますが、最高賞金額もそのような夢を持てるようなものにしてほしいというふうな意見もあるところでございます。自治省といたしましても、こうした宝くじの購入者のニーズにこたえますために賞金体系の多様化を図ることが必要であろうと考えて今回の措置を講じようとしたところでございますが、最高賞金額の高額化を求める層のニーズにこたえる措置といたしまして最高賞金の倍率制限の緩和を図ることとして、また中間ないし低額賞金であっても確率の高いものを求める層のニーズにこたえるためには、例えば一等賞金一千万円のくじを発売する回数をもっとふやすとか、あるいは一等賞金百万円以下で当せん確率の高いくじについての拡充を図るとかという考え方も持っておるところでございます。
 この改正によりまして、倍率制限を緩和する宝くじとして検討いたしておりますのは当面六十年度の年末ジャンボくじなどの特定のくじについてでございまして、また倍率もすぐに二倍に引き上げることをする予定ではございません。既に外国では数十億円の富くじが出現しているというふうな状況等もございますけれども、今回の改正によりまして、国民の射幸心を過度にあおるとかあるいは国民生活に悪影響を及ぼすとか、このようなことはない程度の引き上げであろうというふうに考えておりますし、またそのような事態を生じさせるような考え方は持っておりません。
#227
○中野明君 そこで、この時効の当せん金というのがありますが、ここ三年間にどのような経過をたどっておりますか。この問題に対する自治省の見解と対策についてお答えをいただきたいと思います。
#228
○政府委員(花岡圭三君) 宝くじの時効金の推移でございますが、五十六年度が百三十三億円、五十七年度が百二十四億円というふうな数字になっております。なお、五十五年度につきましては百三十三億円で五十六年度と同じでございます。五十八年度は現在のところまだわかっていないという状況でございます。で、最近は時効の当せん金の発売実績に対する割合というものは、発売団体とかあるいは受託銀行の広報活動等によりまして、近年だんだんと低下しておる状況でございます。
#229
○中野明君 この当せん金品の債権というものは、「一年間これを行わないときは、時効に因つて消滅する。」と、このように十二条の規定にあります。地方団体に納付される際どのような形で取り扱われるようになっているのか、その辺はどうなんでしょうか。
#230
○政府委員(花岡圭三君) 宝くじの時効につきましては、この時効が完成する日、いわゆる当せん金支払い開始の日から一年後でございますが、その完成の日から二カ月以内に地方団体に納付することとされておりまして、実際には時効完成の日から五十日から五十五日程度で納付されておるわけでございまして、この地方団体に納付されました時効当せん金は、収益金と合わせて地方団体の行う公共事業の財源として活用されておるわけでございます。
#231
○中野明君 そこで、この時効の当せん金が今日までは大体一年は銀行に滞留しているということになっております。しかもそれは無利子である。この問題については本院の昨年の決算委員会で我が党の委員が指摘をしておるのですが、どのような検討がなされたか、お答えいただきたいと思います。
   〔理事岩上二郎君退席、委員長着席〕
#232
○政府委員(花岡圭三君) 宝くじに係る資金は、現行の当せん金附証票法第十四条の規定によりまして、受託銀行の通常の業務の勘定と別な勘定を設けて管理し、かつそれを運用することができないものとされておったところでございます。これにつきましては国会での御指摘もいろいろあったわけでございますが、近年の宝くじの滞留資金の状況とかあるいは行財政の合理化、効率化の要請等もございますことから、従来どおり受託銀行の通常の業務の勘定とは経理は明確に区分をさせる、しかし宝くじの資金の運用を行うことを認めてもよいではないかという意見も見られるわけでございます。
 今回、この宝くじの収益金の使途の拡大等のための法改正を行いますのを機会といたしまして、宝くじ資金の確実かつ有利な運用を行い得るように法第十四条を改正することとしたわけでございまして、この宝くじの滞留資金の管理運用につきましては、これらの資金が当せん者への当せん金や経費の支払いのための原資でございまして、またこれらを除いた残額については運用利益金も含めて発売庁である地方団体に納付されるものであることにかんがみまして、いつでも当せん金として支払い得るよう、支払い準備に支障のないように留意しながら、確実かつ有利な方法によって運用をしていくべきものであるというふうに改正をお願いをしておるところでございます。
#233
○中野明君 そうしますと、今のお答えでは、今回の改正で、今までは別枠で無利子で滞留しておったのを利子がつくような方法で管理の方法を考える、そういうふうにできるということになったと、こういうことですか。
#234
○政府委員(花岡圭三君) 受託銀行におきまして、経理は従前どおりはっきりと区分はしながら、有利に運用いたしまして、その得た利益金を地方団体に還元をさせようということにするわけでございます。
#235
○神谷信之助君 まず第一に地方財政対策の問題でお伺いをしたいと思います。
 六十年度の自治省の内簡ですが、それを見ますと、「昭和六十年度の地方財政においては一般財源比率が約六四・二%、地方債依存度が約七・八%になるなど財政構造は改善の方向」に向かっているというように言われています。財政構造そのものは確かに六十年度だけを見ますとそうなっているのだけれども、これは非常に誤解を与える表現になっていて、何か地方財政が非常によくなったような印象を与えているんです。
 これは一月二十二日、全国の都道府県総務部長・企画部長会議を開かれて地方行革大綱と六十年度の地方財政運営内簡の説明をなさった。そこでも石原事務次官が、地方財政の姿は昭和四〇年代の良い姿に近づいている、問題はこれをうまいこと運営することだというようにおっしゃっているし、花岡財政局長も昭和四十年代に似た改善の方向に向かっていると。もちろん花岡さんはそこで、こうなると「地方は金が余っている」との風当たりが強くなることが懸念されるので給与是正をもっとしっかりやってくれ、こう言うて給与を抑えろという指示をされたようです、報道によりますと。ちょっとこれは見方が甘いのじゃない
のか。
 財政構造がいわゆるカット分を除けば収支とんとんだから昨年のような財源対策債の発行を必要としないわけですから、そういう意味では地方債がずっと減るし、全体の構造からいえば地方税収入はふえてきているのですから、一般財源の比率がふえてくるのは当たり前なんで、言うなら一過性かもわからないような六十年度の財政構造だけで、こういうように単純に改善の方向に向かっているとか四十年代のよい姿だというような表現はちょっと甘い見方ではないかというように思うんですが、この辺はいかがですか。
#236
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政が六十年度におきまして、姿といたしましてはそのような一般財源比率なり地方債依存度の点におきまして改善されたということだけは事実、例がございます。しかし、この六十年度におきまして地方税とか地方交付税が伸びまして、また歳出も国と同一基調によって抑制をして組んだということからこれは均衡したわけでございますけれども、これはやはり交付税特会の借入金五兆六千九百億円というものを六十六年度以降に先送りしておるからできたことでございまして、そういう前提がなければもちろん均衡するわけのものでもございません。
 むしろ地方財政の現状は、もう御承知のように六十年度末におきます借入金というのも五十六兆円、また個々の団体の公債費の比率も伸びてきておるというふうなことから、極めて厳しい状況にあることの認識は従前と変わらないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても今後ともこのような地方財政の状況を踏まえながら、なお一層経費の節減合理化に努めて健全化を図ってまいらなければならないというふうに認識いたしております。
#237
○神谷信之助君 今局長がおっしゃるように交付税特会の償還元金の方を繰り延べているのですが、そういうことは一言も出てこなくて現象だけはそうおっしゃっているという点がやっぱりそういう批判を受けるというように思うんです。そこまでは内簡には出ていませんよ。ですから、時事通信の「地方行政」、二月十三日ですけれども、過去十年間の最低で、「国の予算の暗い姿に比べると、回復テンポは速まっている印象が強い。」と、これは地方財政計画の説明を聞いた人、恐らく記者が、そんな明るいので、ひょっと最後を見たら前年に比べて借金残高は二兆円もふえている、それなら国民の立場から見たら、地方財政計画に余裕があるのだからまず借金返しをしたらどうなんだ、借金残高を減らせないのはあるいは何か専門的な事情によるのだろうか、それならそれでその事情を国民に説明した方がいいという、何というか、あらぬ疑いといいますか、見当違いの判断を与えてしまっているというように思うんです。
 これは私は、今局長もおっしゃるように実際はそんなものじゃないんで、六十六年度以降に繰り越してやったりいろいろ細工しています。だから、実際問題としてそうは言えないと思うんですが、そこで地方財政の現状をどう見るかという点で少し後議論をしたいと思うのですけれども、今おっしゃったように地方の借金の増大というのは大変べらぼうに大きいものになっています。
 特会の借入金残高は今おっしゃったように五兆六千九百四十一億円、地方債の残高も五十兆七千九十七億円、これは普通会計分と企業債のうちの普通会計負担分の合計ですけれども、そういうことでこれは六十年度末では五十六兆四千億円、こういうことも明らかです。このうち財対債及び減収補てん債の残高が五十八年度末で七兆五千五百八十億円、特会の借入金残高が五兆六千九百四十一億円がありますから、合わせると十三兆二千五百二十一億円になります。このいずれも、これは財源不足が生じて本来なら交付税法の六条の三第二項に基づいて税率の引き上げなり行財政の改革をしなければならぬ分を、それを行わないで特会の借り入れなり財源対策債あるいは減収補てん債、あなたの方は財源対策債と減収補てん債と区別されていますけれども、我々の方から言うならばこれは一緒くたで責任が国にあるものだという理解で、それでいきますと、結局借金を地方に押しつけてずっときたわけです。
 結局その結果、当然この公債費率が増大していることは御承知のとおりで、とりわけ大臣のおっしゃっているように二〇%以上のところが物すごくふえて四分の一、二五・一六%になってきたという状況になっているし、その結果いわゆる起債許可制限比率三年間平均の二〇%を超える団体数というのが、都道府県はゼロですが、市町村の方は五十四年から以降九団体、十一団体、十二団体、十六団体、二十五団体、三十二団体と、だんだん急増してきております。そういう状況になってきている。三〇%を超える団体がついに一町村出てきているというそういう大変な状況なんです。この起債許可制限の比率二〇%を超える団体がこうやってふえてきていますが、この場合の比率は財源対策債や減収補てん債も含めた公債費率か、それは除いているのですか。この辺はどうですか。
#238
○政府委員(土田栄作君) 起債制限団体の制限比率を計算いたします場合には、今御指摘のような財源対策債の償還を除く、それから交付税に算入されるものを除くというような形で、できるだけ公債費負担比率を計算する場合と違いまして、非常に地方団体側に有利な計算をしてやっております。
#239
○神谷信之助君 そういう有利な計算をしてみてもずっとふえてきているわけです。だから、全体としてやっぱり格差はあるけれども、財政力といいますか、地力はずっと今弱まっているという状態があらわれているというように思うんです。そういう状況が現状一つあります。だから、六十年度の地財計画上の収支が均衡した、ゼロになったと言っても、このように地方財政自身は余裕ある状態ではないという点はひとつはっきりさしておく必要があるというように思いますが、この辺が一つ私どもその内観を見て非常に驚いたところなんです。
 どうなんですか。そういう言い方をすればやっぱり大蔵省なんかは、知っておってもそういうことを突いてくるでしょうし、あるいは他の省にしてもやっぱりそういう考えが出てくるし、逆に地方財政というのは結局入るだけの金でとにかくやりくりせざるを得ぬのですから、国のようにどんどん借金をふやすわけにもいかぬし、そういう制限がある今の財政の自主権といいますか、自律性が存在をしないような自治体の状況です。だから、何ぼでもこれから先心配するのは、地方財政への負担の転嫁をやればよろしい、そして負担転嫁だけしたのでは地財法の二条にひっかかりますから、その財源の世話をしたらよろしい、おまえのところは地方債もっと借りなさいと言って借金に振りかえさせるこの手法を今どんどんとられてきているわけでしょう。
 だから、六十一年度以降の地方財政について、今度のカットされた分もこれから協議をするわけだけれども、最終的にはそういうことになりかねない。不足する分はそれは特例交付金なり臨特なりつけたいけれども、国の財政はどうにもならぬから、ことしやったように、例えば六十一年度の約束の臨特もことしと同じように六十一年以降に先送りをするとか五年先にするとかやって、どんどん逆に地方債での処理が要求されてくる。こういう傾向というのは目に見えてきているのじゃないかと思うんですが、あなたの方は一体どこで歯どめをかけることができると思いますか。
#240
○政府委員(花岡圭三君) 私ども、地方財政がよくなったという宣伝をしておるつもりは毛頭ございませんで、事あるごとに地方財政は厳しいということを申しておるわけでございます。ただ、相対的な比較におきまして、財政制度審議会等におきましては、いわゆる公債の残高であるとかあるいは依存度であるとか、そういったことから見て地方の方に余裕があるのではないかというふうな御意見があるわけでございます。
 先ほど来申し上げておりますようなことで、地方財政は毛頭そういった余裕があるなどというものではございません。しかし、そういった見方が
あるということは事実でございまして、そういうことから先生御指摘のような御懸念もいろいろ出てくるわけでございまして、私どももそういうことのないようにあらゆる機会をとらえていろいろと財政の事情というものは各方面に説明をし、御理解を得てまいりたいというふうな考え方でございます。
 どの段階に来たらとまるかということにつきましては甚だお答えにくいわけでございます。私ども、そういった基本的に地方財政というものを現在の状況、借金依存体質からできるだけ早く脱却しなきゃならぬということで、今後の対策も進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#241
○神谷信之助君 しかし、六十年度の予算編成の最後の段階で行われたことは一体何か。例えば社会保障の問題で竹下さんの言葉で言うたら、哲学論争をやってきたけれどもそれはやめて、とにかく予算も組めない状態だから、財源の手当てだけはちゃんとするから辛抱してくれ、こう言われたでしょう。それで辛抱させられたのは一体何かというと、一千億の特例交付金が来た。あとは地方債でやりなさいよということです。それで、それは全部交付税で見たらいいじゃないかと。だから、何のことはない、人の懐勘定を当てにして、おまえのところはお金を持っているのだからそれでちゃんと払ったらいいじゃないかと、こういう形でしょう。それであと不明確なのはこれから話をして、財源はどうするか、もう一遍負担割合これからまた話をつけましょうと、残りはこうなってくる。だから結局は、本来くれるべき千三百五十五億は、もうぱあっと六十六年度以降で五年先。約束どおり去年まで持っていたものが取り上げられてしまったでしょう。差し引きマイナス三百五十五億になる。それで足らぬところは借金せい、借金せいと言われている。
 そうしたら、この六十一年度も途端に国の財政がよくなるはずはないでしょう。話をしてきた、しかし話はつかぬけれども、ここのところ財政は予算も組めないと言われたら同じことだし、仮に話がついたとしたら、ことしのように七、三にして一割分はもう地方が負担しなさい、そんな負担する財源がありますか、とりあえず予算の範囲内で何ぼか特例交付金は出します、あと足りない分はとりあえず借金をしておいてくれ、国の財政は六十六年度になったら立ち直るんだから、そのときには全部精算をしてやる、その状況で相談をしようじゃないかと、またぱあっと借金つくる。歯どめがないでしょう。財源保障はすると言って、人の懐を当てにして借金をさせて、その借金返しもこっちがやらなければならぬ。だから、どこで歯どめをしますか。この手法をやったら何ぼでもいきますよ。歯どめがないんですよ。どうですか。
#242
○政府委員(花岡圭三君) 今回の場合には、国の厳しい財政状況のもとで御指摘のような事態になっておるわけでございます。例えばお話のございました千三百五十五億円が六十六年度以降に回された。これにつきましても、一応六十年度こういった国庫補助率の引き下げがないという前提では収支が均衡したわけでございますので、これをいわゆる補助率カットの穴埋めに使うわけにもまいりません。これは地方団体のものとして、中期的な財政の健全性を図る見地から六十六年度以降に確保したわけでございます。ただ、これが今後どこまで続くのか、歯どめがないのではないかと言われましたが、私どもできるだけ地方の実情というものはもう大蔵当局にもよくよく話しておるわけでございまして、大蔵省もその内容は十分御承知のはずでございます。たまたま六十年度におきましてああいった措置が行われたわけでございますので、私どもとしましても、いわゆる補助金の事務事業の見直しをしないままに地方に負担を転嫁するこういうやり方はすべきではない、事務事業の見直しをやろうということで今後一年間の検討ということに相なったわけでございます。
 財政の今後の持っていき方といたしましていろいろの考え方があるわけでございますけれども、一応五十九年度に地方財政対策の見直しが行われておりまして、この方式で当分いくという形になっておりますことから、なかなか今後の進め方ということも難しい点もあるわけではございますけれども、とにかく地方にはそんな国の負担を転嫁される余裕はないという観点から、私ども今後ともそういうことのないようにできるだけの努力をしてまいるということを申し上げるほかはないと存じます。
#243
○神谷信之助君 五十九年度でああいう方式で固まったと思ったら、今度はさらに六十年度はもう一歩ぐっと来られておるわけですよ。我々は、五十三年でしたか、二分の一ルールを暫定的に取り上げたときにも外堀をいかれ、その次に内堀もいかれ、そしてもう歯どめがなくなるだろうというように指摘をしていたのだけれども、まさにそういうところへ行くんです。
 そこで、そうなると、少なくとも僕は、社会保障関係の一年間の協議というのが重要な現段階で残された最後の一線のような気がするんです。ところが、おとついの当委員会で厚生省にずっと聞いたりしましたけれども、厚生省はとにかく給付水準といいますか、保護基準だけちゃんと守っていってもらったらそれでいい、負担割合は大蔵省と自治省で適当にけんかをしてうまいこと話つけてくれという態度でしょう。大臣のおっしゃる主管庁がもう大体そうですわ。最終責任は国が持つのだと言って総理大臣も答弁しているこの生活保護基準の維持が、財政的には国がもう地方団体と仲よくやりましょうというて、車の両輪やいうて、車の両輪論でいったら五割五割でいこう、フィフティー・フィフティーだということになりかねないです。
 例えば生活保護の事業なら生活保護の事業は本来国が全部負担をしてやるべきほどの事業なんです。憲法二十五条に基づく事業であり、生活保護法にはその二十五条の理念に基づいて国が行う事業だというて第一条に明記している事業でしょう。そのところに食らいついて、断固として国の責任は財政的にもはっきりさせるということをしないと、これはもうあと公共事業だったら、財政がゆとりあったらそれはかさ上げもしてやってもいい、ゆとりがなかったらかさ上げをとりますよと、そういう程度のものになってしまうんですよ。理屈が立たぬようになる。私はそういうように思うのだけれども、この辺は大臣、どうお考えですか。
#244
○国務大臣(古屋亨君) 私は今、先生のお話聞いておりまして、憲法二十五条の国家的責務ということ、それに対して一部の官庁が国の減った分を地方が負担すればそれでもともと何にも変わらないじゃないかと言うことは、ちょっと暴論じゃないだろうか。憲法二十五条の国の責務ということを考えますと、たとえ生活保護者がもらう金が同じでありましてもやはり国の責務でございますから、今まで八割出したのを今度七割になるというようなことは、私はちょっと社会保障の――私は厚生省じゃありませんからあれですけれども、ただ経費の負担の割合だけで自治省と大蔵省がやり合って、それで厚生省はどっちでも実際上減らなきゃいいんじゃないかというようなことにいたしますと、これも社会福祉、社会保障全体の形というものがぐらぐらと傾いてきて、何のために憲法の規定があるかわからないというような、私はそういう気持ちを持っているわけであります。
 恐らく、先ほど申し上げましたような第一回の三大臣といいますか、四大臣、あるいは今月中に第一回があるように決められるのじゃないかと思っておりまして、そういう場合の地方の意見の反映とかそういうことは、私はその下部機構と申しますか、そのもとに地方団体からもあるいは社会保障の専門家の方もいろいろな方に入ってもらって、そこで論議をしてもらう場合に、私どもも国の国家的責務ということは十分よく連絡いたしまして、今私が申し上げたような気持ちを中心にして対処していかなければならないということを自分に言い聞かしておるところでございます。
#245
○神谷信之助君 今の自治大臣の見解というのは
我々と全く一致するんです。ただ、この間の特別委員会で私自身も厚生大臣に追及しましたし、各委員もそれぞれこの問題でやりましたが、厚生大臣の答弁はそうはっきり言わないんです。憲法の原則に基づいて、その水準はこれは絶対下げるわけにはいかぬということは一生懸命おっしゃるけれども、国がやっぱり八割持つのは当然の責任だということは一言も、どう言うても言わぬ。これは二十九年度のときに半々にしようという動きがあったときに、当時の山縣厚生大臣でしたか、立った立場ともうころっと違うんです。
 だから、昨年の概算要求の段階で一割カットオーケーということをここで言うてしもうて、もうそこから以後というのは財政負担については物が言えなくなっているでしょう。だから、これからの協議は非常にそういう意味で心配で、このラインが抜けていきますと、次は義務教育の国庫負担の二分の一の問題も、これも財政、ないそでは振れぬやないかという理屈がまかり通ったら、もうこれもいかれることになる。あと公共事業の分は先ほど言いましたようにふえたり減ったりしてきているわけです。我々はふやせということでいって、特に社会資本の立ちおくれについては、急ぐために国がもっと責任上出すべきだと言った。あるいはミニマムも国がやっぱり確保する責任があるという論でやっていますけれども、これはある意味でいうと、ないそでは振れぬという論理になると、原則的な問題ではないから、妥協の余地というか押し切られる危険はありますけれども、それとは違うものですから、私はこの点はひとつ特に大臣がそう言って強調されましたから、期待をしたいと思います。
 しかし、あの特別委員会の議論を聞いていても、さすが大蔵大臣の方はこれはやばいと思われたかしらぬが、財政の担当だけれどもそこから先言わぬ。憲法の原則をちゃんと守って、国務大臣だから全体のことを考えますということはおっしゃっているけれども、中曽根総理はそこまでは言わなかったですね。中曽根総理はフリーハンド制、軍配をどっちでも出せるように答弁を非常に慎重にされているので、より一層危機感を覚えたわけですが、この点はひとつ十分お考えいただきたいと思います。
 そこで、もう一つ次の問題は、この間特別委員会でもちょっと指摘をいたしましたけれども、それからまたきのう佐藤参考人も指摘をしたのだけれども、交付税率が三二%を維持しているというようになっているけれども、実質そうではなくなってきているのではないかという問題です。
 これはもう改めて私が言うまでもなく、既に去年から利子分が負担をさせられています。従来の自治省の態度は、国税三税の三二%というのは実際に全部一円残らず配分をする金であって、利子を払うような金はありませんという態度できたけれども、とうとう利子を先に天引きされてしまうという状態になってしまったわけでしょう。だから、これで去年は実質三一・七%、ことしは三一・二%ぐらいになってしまったわけです。その上に財対債なり減収補てん債の償還が交付税に算入されるという状況になってきましたから、五十九年度で九千七百七十四億円、こうなりますと実質は二七・七%ぐらいになっているわけです。
 六十年度では財対債の償還費だけで一兆五千百二十七億円とおっしゃっている。減収補てん債の方はどうかというたら、これは区別ができぬ、計算不能だとおっしゃるのですが、財対債だけで見ましても一兆五千百二十七億円、これは地財計画ベースです。これの八〇%ないし一〇〇%が算入されるということになりますが、仮に八〇%の計算でいっても約一兆二千億円、こうなります。したがって、六十年度の借入金の利子充当分三千六百九十四億円、それにこれをさらに引きますと、実質の交付税率というのは二七・五%になる、こうなります。だから、利子分は天引きされて、それからその次の約一兆二千億は、これは使途決まっているわけで、ほかの金に使うわけにいかぬでしょう。各団体は借金はもう払いませんというわけにいかぬわけでしょう。だから、これは使途決まっている。だから、いわば本当の意味の交付税はないわけです。本当の意味の交付税が二七・五%ということになります。
 その中で義務的経費、今の生活保護が一割カットされたり、あるいは教材費と旅費、これは交付税で算入どおり各自治体が予算化しているようには見えません、大体、私の見たところが。だから、これは恐らくPTA負担なり、何なりになっている部分が相当あります。しかし、その他の義務的経費の部分は、これはもう交付税で見られたとおり出さなきゃならぬ。しかも、先ほども議論がありましたように、生活保護関係はぴったりと実態に合ったような計算にはならないわけで、二百億の補助金で穴埋めをしてもらうということになりますが、これは本当にしっかり穴埋めができるのかどうか、この辺にも疑問があります。
 だから、それらの分は自由に使えない金になっています。それから人件費、これも動かない。そうなると、地方税はそれぞれありますから、それとやってくる交付税財源というもので、本当にどれだけ自由に使える金が残るかというと大変なことになる。三割自治じゃない、一割自治だというように言われておるし、事務次官の石原さんも、私が地方に出ていって本当に一割自治だということを痛感をしたという体験談を話されたこともありますけれども、その一割自治さえも欠けるような状態になってきているのではないか。
 だから、国の責任で借金をさせたんだから、その借金を払う財源は別に三二%の外に出してもらって、そして今の、何といいますか、内需の拡大やら言われているときに自主財源をうんとふやして地方の社会環境をよくする、そういう公共事業や単独事業をふやす、そういうようなものをどんどんやれるような活力のある地方財政の構造というものをつくらにゃいかぬ。そうして初めて改善の方向に向かっていると言うことができるのだけれども、単に何%だということだけでは改善の方向になっておらぬと思うんです。この辺について見解いかがですか。
#246
○政府委員(花岡圭三君) 結局、交付税の基準財政需要でどの程度いわゆる先生のおっしゃいます自由な財源を見るかということでございますが、やはり現在の地方財政は国と同様な基調で計画を策定せざるを得ないわけでございます。そういった意味から、私どもできるだけ地方の経費というものを伸ばそうという考え方のもとに単独事業等も計上をし、あるいは規模是正等も行って、計画規模を適正な規模に持っていきたいというふうなことで努力しておるわけでございます。やはりこの計画を増加させなければ、そういった交付税で算入すべき経費というものもこれは出てこなくなるわけでございます。
 いわゆる基準財政需要額も、交付税とそれから税の七五%ないし八〇%ということで成り立つわけでございますので、そういった方の財源が六十年度の場合にはかなり伸びておったということから、基準財政需要額もそれをのみ込み得たというような状況になっておるわけでございます。しかし、いずれにしましても地方のいわゆる財源をできるだけ確保して、そして地方団体の単独事業というものをできるだけ伸ばしていかなければならない、こういうふうに私ども考えておりまして、この計画の策定に当たりましては、適正な財政規模というふうなことの策定に十分な努力を払ってまいりたいと存じております。
#247
○神谷信之助君 全部が全部見たわけじゃないんですが、幾つかの自治体の六十年度予算の状況をちょっと見てみると、財政調整基金の取り崩しなり、それから債務負担行為額がふえてきているという状況を見ましたので、自治省の方から資料を出してもらったんですが、やっぱりそうなってきているんです。五十四年度から五十八年度までの資料を出してもらいましたが、財政調整基金の取り崩し額は二千六百五十二億に全体としてなってきています。これは五十六年が山で、それから徐徐に減ってきています。これは恐らく取り崩すべき財政調整基金がなくなってきているといいますか、それを持っている団体が減ってきているとい
う、そういう現象でもあろうと思いますが、いずれにしてもそういう状況が出てきています。
 それから債務負担行為も、これは年々ふえてきています。翌年以降に繰り越しているわけですけれども、言うなればそれだけ赤字で、事業執行の不能になったということを示すわけで、これが八兆二千八百七十一億ですか。だから、今おっしゃるように五十九年度の地方税収入が少し好転したし、六十年度は大分高く見ていますから、六十年度の地方財政、個々の団体の財政がどうなるかというのは、これは六十年度をもうちょっと見ないとわかりませんけれども、しかしいずれにしても債務負担行為もふえてきておる、こういうふうに思うんです。
 財政調整基金がまだ残っている団体というのはどのぐらい、大ざっぱで結構です。
#248
○政府委員(土田栄作君) 急なお尋ねでございますが、四十七都道府県のうち、財政調整基金をつくってない団体もございますけれども、その取り崩しをしてゼロになったという団体はないというふうに承知しております。
#249
○神谷信之助君 市町村は。
#250
○政府委員(土田栄作君) 申しわけありませんが、ちょっと団体数が出てきているデータが手元にないんですけれども、金額で申し上げますと、昭和五十八年度の残高で、都道府県が五千九百六十一億、それから市町村が一兆七千四百九十四億でございまして、これも推測で申し上げてまことに申しわけありませんけれども、私ども財務調査官の方から聞いている情報によりますと、年度当初に、特にことしのような場合に、制度の激変がありましたので、一応歳入見積もりが足らないというようなところから、財調を引き当てにして予算を組んだという団体がかなりあると思いますけれども、それをすっかり取り崩しにしてゼロにしたという団体までは報告を受けておりませんので、幾ばくかは残っているだろうというふうに思います。
#251
○神谷信之助君 幾つかの指標でずっと今の地方財政の状態、特に個別の地方団体になったら大変な状況になっているだろうということが予想されるわけです。それに対して、これは報道ですが、大蔵省でいわゆる不交付団体からは逆交付税を取ろうとか、それからこれはきのうの参考人の話にもありましたが、大蔵省としては今度の一律カットは、富裕団体にも財政力の弱い団体にも同じように補助金が行くというのはぐあい悪いので、それを整理するという意味もあってカットするのだという説明をされたという、そういうきのう意見陳述がありましたけれども、財政力に応じて補助金を出すというようなそういう話も検討されているんですね。
 それからさらに、この間の特別委員会で交付税率の引き下げを考えているのかどうか、これは絶対に引き下げないのかと総理と大蔵大臣に言いましたけれども、どちらも引き下げませんとは言いませんし、引き下げるとも言わぬという状況ですが、これは今言いましたような財政状況からいっても、交付税制度そのものを揺るがすような大変な問題になると思いますので、これは断固として反対といいますか、毅然として頑張ってもらいたいと思うのだけれども、この辺はいかがですか。
#252
○政府委員(花岡圭三君) その前にちょっと申し上げておきたいのは、財政調整基金でございますが、これは御承知のように、六十年度の計画におきます税収の伸びというのは五十九年度におきます税の伸びも一部含まれた形になっておりますので、本来地方団体は五十九年度でかなり積み増しをいたしておるわけでございまして、またそれを取り崩していく、こういう運営をやっておるところでございます。特に今年度財調基金を大きく取り崩しております福岡県あるいは千葉県、こういったところというのは単独事業を大きく伸ばしております。そういったことでの財調の取り崩しということがある。
 また、債務負担行為におきましても、土地の購入あるいは請負工事費、こういうもので期間が数年にわたるもの、そういうふうな債務負担行為を設定したために伸びておりまして、財政規模の過去の数字からいきまして、債務負担行為の伸びというものは大体通常の伸びではなかろうか。ただ、やはり私どもとしましては、債務負担行為というものは財政運営上できるだけシビアに見ていくべきであるというふうな指導はいたしておるわけでございます。
 それから、逆交付税の話とかいろいろございますが、ちょっと逆交付税などということはまずできるような我が国の環境ではございません。交付税率の引き下げということがよく言われるわけでございまして、特にいろいろ税制改正の議論等とも絡みまして、むしろ地方に金があるではないか、それならばそういった増税ということをしなくても地方の交付税率を引き下げればいいではないかというふうなことが財界の一部等において行われておる、非常に問題であるわけでございます。私ども先ほど申し上げましたように、いわゆる特会の借入金が五兆六千億円あるわけでございますから、到底交付税率を引き下げるというふうな状況にあるものではないし、絶対に交付税率の引き下げというものが行われないようにしてまいるという格好でございます。
#253
○神谷信之助君 この点についてはちょっと大事な問題ですから、大臣の御見解を聞いておきたいと思います。
#254
○国務大臣(古屋亨君) 私の認識も、五十六兆という地方財政の赤字がありますし、交付税も今言いましたそのうちで五兆幾らの借金がございますので、また国と違いまして三千三百余のいろいろの地方団体を抱えておりますし、大体地方団体というのは御承知のように義務的経費というものが多くて自由裁量というようなものはなかなかできないというような状況でございますので、交付税の引き下げなんということは、学者の議論では一部ないでもないように見ておりますけれども、私どもはとてもそんなことはやれるような地方財政の状況ではないという認識を持っておりますので、下げることにつきましては私どもあらゆる対策を講じまして、そういうことの起こらないように努力してまいりたいと思つております。
#255
○神谷信之助君 それでは、次の問題は地方財政計画と決算との乖離の問題ですが、歳入の方を見てみますと、地方税それから譲与税、交付税それから国庫支出金にしても、全体としてそれほどの大きい乖離は出てきていないようだけれども、やはり非常に大きいのは使用料、手数料それから雑収入、これらが非常に大きな乖離になっています。計画に対する決算額でいきますと、五十七年度で使用料、手数料は三四・五、それから雑収入は七一・五、これは歴年大体非常に大きい数字がこの二つは出てきているのです。これは毎年予算編成についての指示をなさって、使用料、手数料の引き上げについての指示もなさっているし、そのことを見込んでの計画もつくられておるのだろうけれども、自治体の方ではそれを上回る引き上げをせざるを得ないという状況が出てきておるように思うのですが、この辺の理由、どういうように見ておられますか。
#256
○政府委員(花岡圭三君) 使用料、手数料等に乖離があるわけでございますが、これにつきましては、私ども財政計画をつくります際にぎりぎりに歳入というものをふやしていけばあらゆる財政需要というものを把握できるわけでもございませんので、そこらの余裕というものはやはり考えていかなければならないということで、かねてからこの計画ができておったわけでございます。
 最近、規模の是正がいろいろ行われておりますけれども、やはり歳入につきましても、例えば使用料、手数料でも過去のいわゆる数字と申しますか、これを基礎にGNPで伸ばしていっているということで、そこに余裕があるといえばあるわけでございまして、また使用料、手数料等におきまして、例えば授業料の引き上げ等の場合には初年度は丸々計上しないというふうなルールもございます。そういったことで歳入の中での使用料、手数料、これが決算よりもかなり濃く目に出ておるというわけでございまして、何も地方団体が必要
以上に手数料上げたからこうなったという性質のものではございません。
#257
○神谷信之助君 では、例えば四十九年度を一〇〇として財政規模の面でいきますと、歳入総額で見ますと四十九年度が一〇〇で五十八年度は二二八、二・三倍近くなっております。それから、国庫支出金を同じように見ますと二・一倍、地方税は二・四倍です。ところが、授業料の方は四十九年度一〇〇に対して五十八年度は六二〇、六・二倍、非常に上がってきていますね。それから、保育所使用料の方は保育料ですが、これは四十九年度一〇〇に対して三五八、約三・六倍、下水道料金の方は七五〇ですから約七・五倍、下水道はこれは別になりますが、こういうように非常に使用料、手数料というものが財政規模の伸びの中でも、今言いましたように授業料あるいは保育所、この二つだけ見ても収入が大きく伸びています。だから、地方財政が五十年以降急激に悪化をしてきたわけですが、その中で結局住民にその負担を転嫁せざるを得ないというのがこの面でも一つは出てきている。それから、国税もふえ、地方税、所得税の減税は見送られたりしてきながら地方税もふえてきているし、その上に使用料、手数料というのが大幅にふえてきているというように言わざるを得ないというように思うんです。これが歳入の方の乖離の問題点ではないかと思います。
 歳出の方を見ますと、これはちょっとどういう理由か私にもよくわかりませんが、一般行政経費で五十七年度、指数で言うと二七・三で、二兆四千六百八十六億円の乖離になっていますね。これはどういう理由によるのでしょう。
#258
○政府委員(花岡圭三君) 歳出の方の乖離でございますけれども、これも特に大きいのは一般行政経費等にございます。これは先ほど申し上げました使用料、手数料あるいは雑収入、こういったもので、見合う経費を計上してないという形のことから出ておるものが大きいというふうに私は考えておるわけでございます。また、歳出につきましての差と申しますか、これにつきましては公営企業の繰出金等の差というふうなものもあるわけでございます。
 なお、先ほど保育所なり授業料等についての御意見ございましたけれども、やはり時代時代においての適正な使用料等の見直しというものは私ども必要であるというふうに考えておりますが、そう急激な引き上げをしてきておるつもりはございません。たまたまこの時期におきましては生徒の増とかあるいは保育所等をふやしたというふうなこともあってこういった増加というものが出ておるかとも思いますけれども、ここら辺、先ほど申し上げましたようなこの乖離の原因としましては、過去の数字を基礎にしたGNPの伸びで出ておるというふうなことからそのようなことになっておるのじゃないか。
 なお、この規模自体に影響いたします問題でございますけれども、年度内回収の貸付金というものが各地方団体にたくさんあるわけでございます。これはその年度に回収いたしますためにいわゆる財源として計画に計上する必要はないということから、一時規模の是正をしたことはございましたけれども、最近におきます抑制基調といいますか、これをそのまま直すという意味合いというのもさほど大きくないというふうなことから、最近はそのままにしておりますけれども、こういった年度内回収の貸付金、あるいは年度越しのも若干ございますけれども、そういったものが大きく歳入と歳出におきます差になっておるというふうに見られるわけでございます。
#259
○神谷信之助君 僕が今聞いたのは一般行政経費です。一般行政経費の乖離というのは、もらった資料で四十九年から五十七年までずっとありますけれども、二二・〇というのが五十三年だけれども、多いときは五十年の三三・六というふうに、どの年度を見ても大体乖離が大きいでしょう。だから、その一般行政経費の乖離というのは一体どの部分になるわけですか。
#260
○政府委員(花岡圭三君) 一般行政経費についての乖離は、先ほど申し上げました年度内の貸付金、これの未計上分が約一兆一千億円ございます。それから、計画未計上の使用料、手数料、雑収入に対応する経費、これが約一兆円あるわけでございます。
#261
○神谷信之助君 それから、公営企業の繰出金も乖離が大きい。これはおととい下水道問題でいろいろお話ししましたから大体理解ができていますが、問題は単独事業です。普通建設の単独事業が計画より大きく外れている。この辺はどうなんですか。やっぱり自主財源というか一般財源の不足を意味するのか、どういうことを意味するのか。この辺はどういうことになっていますか。
#262
○政府委員(花岡圭三君) 単独事業の経費、これだけ計上しておりますけれども、結局はそれに財源が充てられた運営がされていないということに尽きると思います。
#263
○神谷信之助君 だから、ほかのところに使わざるを得ないということでしょう。で、ずっと各年度ごとに見ますと、例えば人件費にそれを使ってるから単独事業に回すことができないのじゃないかという意見もあるようですけれども、これを見ますと、人件費との乖離というのは今大体一兆三千億から一兆五千億ぐらいあるんです。それを上回る乖離が単独事業に最近はずっとふえてきているわけです。だから、これは交付税で手を打つべきところを財源対策債などに回して、そこにまた一般財源を回していかにゃいかぬという、そういう状況が最近特に強まっているところから、自治省が期待をするほど単独事業が進められない、そういう状況になってきているということではないかというように思うんですが、逆に言うと地方財政の硬直化を示している。ちなみに、公債費はふえてきてますから、そういうことを意味しているのじゃないかと思うんですが、この辺はどうでしょうか。
#264
○政府委員(花岡圭三君) この単独事業の乖離のうち、決算処理上、補助事業に紛れ込んでおるものがございますので、それが五、六千億ございます。それを引きますと大体一兆六、七千億の乖離で、これがよく給与費と見合いではないかというふうな指摘を受けるわけでございます。単独事業につきましては、それぞれこれを計上いたしますときにはこれに見合う一般財源も計上いたしておるところでございますので、地方団体が苦しいからやらないというふうなことは言えないのじゃないかと思います。できるだけ私どもこの単独事業というものは所要額を計上しておるから実施していただきたいというふうなことを申し上げておるわけでございますけれども、そこら辺がなかなか決算との乖離で難しいということから、五十八年度は逆にこの単独事業につきまして御承知のように五千八百億円の減を立てたというふうなこともあるわけでございまして、こういったことのないように、私どもはできるだけ単独事業の執行には力を入れていただきたいということを地方団体にお願いしておるところでございます。
#265
○神谷信之助君 例えば四十九年度を見ますと、普通単独事業は計画を上回ってやってます。五十年度以降ずっと財政困難になって事情が変わってきた。四十九年度前後は、そのころの当委員会の議論というのは、人件費、給与関係費が乖離が大きい、これは実人員を計画上ちゃんと見ておらぬからであろう、それから給与の単価が低いからであろう、したがってこれをちゃんと見直しなさいという議論を当時はやったものですよ。人件費、給与関係費の地財計画上の積算が少な過ぎる、だからこれをもっと見直せということで、大体人員については五年ごとに大幅の規模補正をやる、あとは毎年四月一日現在ですか五月一日現在まで若干の整理をしながらやっていくという形で来たんです。
 しかし、最近は盛んにこの人件費攻撃が強まって余りそういう話が出ぬのですけれども、これは実際は人員の点においてもそれから給与の実態においても、あなたの方はラスパイレスで一〇〇%云々で、それを基準にしか見ないのだし、実際は一〇〇%以下の団体の方が少ないわけですから、この乖離が起こるのは当たり前だが、昔から言う
たらえらい少ないわけです。四十九年度でも一兆三千億あったけれども、五十七年度になっても一兆五千億程度しかありませんから、非常にこの十年ほどの間に地方公務員の賃金水準というのは低く抑えられてきたということを示している。物価上昇その他から比べても非常に低く抑えられていると言わざるを得ぬと思います。
 いずれにしても、私はこういう地財計画の乖離の状態から見ても、今必要なのは地方債に振りかえるというようなことじゃなしに地方税の増収が望ましいけれども、これは景気に左右されますから不安定です。だから、少なくとも交付税で安定的な財源が保障されるようにして、一般財源が十分に地方行政を進めていく上に足るところのそういう財源を保障すべきだというように思うんです。
 そういう点からいうと、今までいろいろな資料で申し上げましたが、それらからいうと、三二%を減らすどころの騒ぎじゃなしに、逆に地方団体が挙げて言うていました四〇%へ交付税率を引き上げろという、そのことを今なお声を大にしなければならないというように思います。
 それは、今の国の財政の状況ですから、そんなことを言うてもしようがないということになるわけですけれども、我々は国の財政の運営の仕方、予算の組み方自身も根本的に転換をしなければこの問題は解決しないと思うので、これは自治省の役人さんに言うても始まらぬわけですけれども、大臣、結局そういうところにメスを入れなければ、これは国の財政が軍事費にどんどん使う、大企業へのいろんな補助金あるいは助成あるいは税の不公平な優遇措置、これらにメスを入れないままでやってくる限りは、一番弱いところへしわ寄せをされていくんです。もう、ないそでは振れぬ、ないそでどころじゃない、ないそでであっても、どんどん軍事費やそっちの方へ金を回しているんです。そこにメスを入れなければこの問題は解決をしないというように思うので、これは政治家としての大臣の見解を聞いておきたいと思うんです。
#266
○国務大臣(古屋亨君) 今のお話は政治家としての自治大臣の意見ということでございますが、何としても私ども地方財政に携わる者といたしましてはこれを維持して、これを守っていく、地方の発展、自律性、自主性ということをあくまでも基点といたしましての地方財源の確保ということを図っていかなければならぬわけでありまして、そういう点において、やはり要求すべきものは国に要求していかなければならないということでございまして、国の方の予算の編成に当たりましていろいろの問題のあることは御承知のとおりでありますが、私の方はそういう問題は問題として、やはり今申し上げましたような地方の税源の確保、自律性の確保、自主性の確保というようなあらゆる観点からいたしまして、地方の厳しい財政事情に対して住民の幸せを図っていくということを基点として努力しなければなるまいと、自分でも常にそういうことを反省しながらやっておるところでございます。
#267
○神谷信之助君 次の問題に移りますが、これは本来地方税法の論議でやりたかったんですけれども、時間がありませんので、固定資産税問題で三点お聞きをしておきたいと思うんです。
 まず固定資産課税台帳の縦覧の問題です。評価変えが行われましたから、これについていろいろ不服な人が縦覧を希望するという問題があるんですが、この縦覧について自治省はその関係者の範囲を極めて少なく限定しておりますけれども、その法的根拠と理由について、まずお聞かせいただきたいと思います。
#268
○政府委員(矢野浩一郎君) お尋ねのように、固定資産課税台帳の縦覧につきましての関係者、私どもの方の解釈では、これは納税者の本人あるいはその委任を受けた者という者に限られる、このように考えております。これらの人々を関係者ということで、縦覧を行っておるところでございます。
 そのように厳格に限っておりますのは、やはり固定資産の課税台帳は個人の財産の状況が明示されておるわけでございます。例えば公平妥当な評価がされているか否かを判断するためとは言いながら、それ以外の第三者に縦覧させるということは、やはり所有者の財産上の秘密を漏らすことになりまして、税務職員としての守秘義務に反することになる、こういう観点から関係者の範囲を非常に厳格に解釈をしておるところでございます。
#269
○神谷信之助君 しかし、今も局長がおっしゃったように、縦覧を定めた法の趣旨というのは、評価額に対する不服がある場合、審査申し出ができる、これを保障するためであるわけです。だから、それからいうたら、それを見せなければわからぬじゃないですか。自分のだけ見て不服や言うても、訴訟法の不服の申し出の提起もできない。比較考量なしにはこの申し出はできないわけですからね。この点はいかがですか。
#270
○政府委員(矢野浩一郎君) 比較するというようなことのためにほかの所有者の方のについても見てみたいというようなことが、これはしばしば議論されておるところでございますが、私どもといたしましては、やはり先ほど申しましたような守秘義務との関係から、これを第三者に縦覧させていくということになりますと、その限度というものもはっきりいたしませんし、縦覧を認める関係者の範囲もやはり厳格に解釈しなければならぬと思います。
 ただ、御承知のように、不服審査申し出の対象にする前提にもなるものでございます。税の公平を期するという観点から、納税者がこういった縦覧を行います場合にその自己の所有する資産についての価格を見るだけでは公平妥当かどうかを判断することが難しいというような点もございますので、私どもの方としてはその該当する固定資産の評価の基礎になった基準地ですとか、標準地であるとか、そういったものの路線価を示すというような方法などによりまして措置することが適当だと、こういうふうに指導をしておるところでございます。
#271
○神谷信之助君 この法律では「縦覧」というように明確に規定しているんです。閲覧ではないわけですよ。この点は法令用語辞典、林修三さんや高辻さんなど、四代にわたる歴代の内閣法制局長官が編さんをしたものですけれども、これを見ますと、こうあるのですね。
 縦覧というのは、
  物をだれにでも自由に見せる定めがある場合にこれを見ることをいう。主として書類、名簿等について、異議の申立ての機会を与える等の目的で広く一般に見せる場合に多く用いられる。選挙人名簿の縦覧、建築協定書の縦覧、土地改良事業計画書の写しの縦覧等その用例は多い。「縦覧」に対し「閲覧」も物を見るということであるが、閲覧は、通常申出をまつて利害関係者又は請求者に調べて見る機会を与える場合に多く用いられる。
 ですから、自治省のとっている態度というのは縦覧じゃなしに閲覧という、この用語辞典の解釈でいけば、そういう態度をとっておるわけです。だが、法律の用語は「縦覧」というように明確に決めているわけですが、これはいかがですか。
#272
○政府委員(矢野浩一郎君) 確かに縦覧という言葉を固定資産税の課税台帳の場合には使っておりまして、縦覧と閲覧との間に言葉の意味の違いがあるということはおっしゃるとおりだと思います。閲覧の方はこれは調べるために見るという意味であり、縦覧の方はおっしゃるとおり自由に見る、こういう意味だと思います。ただ、この固定資産税の課税台帳の場合、一方では守秘義務という問題もございます。やはり他人の財産というものの状態をみだりに見せるべきものじゃないという趣旨から設けられている守秘義務との関係もございます。したがいまして、そういう意味では、固定資産税の課税台帳の縦覧、その関係者がいわば自由に見る、こういう意味に解釈せざるを得ないということでございます。それ以外の第三者に対しても全く自由に縦覧を認めるということは現在の制度の建前から言って適当でない、このよう
に考えておるところでございます。
#273
○神谷信之助君 先ほどから言っているように、縦覧としている趣旨は、評価額が他と比べて公平妥当な額であるかどうかをみずからが確かめる、これがやれなきゃならぬでしょう。そういう点で、私は自治省のその見解はこの趣旨に反すると思うのですけれども、五十七年の六月四日の千葉地裁の判例がありますね。これは御存じだと思います。ここでは縦覧と閲覧とは違うということと、縦覧の拒否は不服申し立て権を奪う結果になる、法の趣旨に反した違法行為と言わざるを得ないと明確に断定しています。もちろんこれは、評価基準の憲法違反問題あるいは評価額あるいは課税標準額の決定、これらは負けています。申立人の意見はだめなんだけれども、しかし課税台帳の縦覧請求を拒否したことは違法だという見解を明確に示しています。だから私は、せっかく不服申し立てができるものがその権利を奪うような状況になるようなことは避けるべきだと、この辺の具体的な措置について、そう余りかたいこと言わぬで研究してもらいたいというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。
#274
○政府委員(矢野浩一郎君) ただいま御引用になりました判例、五十七年の柏、流山判決のことであろうと存じます。おっしゃいますように、不服審査の申し出のもともと基礎になるべきものであるから、そういう意味で市当局が審査に当たってほかの材料を一切出さないで行ったのはこれはおかしい、違法である、こういう趣旨でございます。しかし、同判決においても同時に、判決のそのたしかすぐ後でございますが、例えば標準地とか基準地といったようなものを少なくとも見せるというのは理由があるのじゃないかというようなこともあわせて触れられておるところでございます。こういった判決をひとつ踏まえまして、自治省の方といたしましても地方団体の指導に当たりましては、単にそこの関係者の所有地の価額を見せるだけではなくて、標準地はこうなっております、基準地はこうなっておりますというようなことをあわせて示してあげるというような方法をとることが適当であり、少なくともそういうような方法をとることによって、縦覧の性格なりあるいはそれに不服がある場合の審査の申し出というものの一つの材料を示すことになるわけでございますので、そういった指導を実は五十八年以来、若干従来の考え方よりももう少し柔軟と申しますか、変えてきておるところでございます。
 確かに、いろいろこういった固定資産税の縦覧をめぐる問題、審査の申し出なりあるいは訴訟事案というものが最近出てきておりますので、私どももこういった判例というようなものにつきましては全く無視し去るということではもちろんございません。そういったものに含まれる趣旨と、それから地方税法上の守秘義務との関係、この辺についてはよく勉強をいたしてみたいという気持ちは持っておるところでございますので、御了承を賜りたいと存じます。
#275
○神谷信之助君 しかも、やっぱり不服申し立ての権利を奪うという結果にならないようにしなければなりませんし、類似の標準評価とか、そういう一定のものを示せばそれでいいということに単純に私はならないと思うんです、相手が同意すれば別ですけれどもね。だから、その点ではいろいろな方法をさらに研究をしてもらうということをお願いしておきたいと思います。
 それからその次は、障害者、特に脊髄を傷めて車いすで生活をしている人の固定資産税を非課税にしてもらいたいという要望ですが、これは請願も出ているんですが、非課税にするあるいは減免の措置をする、こういった点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#276
○政府委員(矢野浩一郎君) ただいま御質問のような趣旨のお話があることは私どもも承知をいたしております。ただ、これはもう委員御案内のように、大変建前的なことを申すようでございますけれども、固定資産税の本来の性格、その資産を所有することに担税力を見出して資産価値に応じて税負担を求める、いわゆる物税としての性格にかんがみまして、この所有者の個別の事情に基づいて同じ価値の固定資産について異なる税負担を求めるということは固定資産税の性格に照らして困難である、このように考えておるところでございます。
#277
○神谷信之助君 罹症後の下肢障害者の生活住居ですが、いろいろ聞いてみると、方法が大体三つあるんです。一つは改造です。これは入り口を広くする。車ですから、人間一人入れればいいというわけじゃないでしょう。だから、入り口、ふろ場を中心にやる。これは費用はそうかからぬけれども、幾ら改造しても使いづらいし、介護のための家族も含めて肉体的精神的負担が多いわけです。だから改造だけではいかぬ。その次の方法というのは増築なんです。その場合、本人生活の部分を増築するのですけれども、必要スペースを最低八・五坪、いわゆる居間兼寝室が四坪、ふろ、便所が二・五坪、入り口、廊下、これが二坪、車で動くということですから最低それだけ要る。これは、本人が生活をしている部分はそれで行けますけれども、家族の部屋にはもちろん行けないし、あるいは家族との断絶が起こりやすいという不満な点がある。だから、結局は新築が多い、せざるを得ないという状況にあるわけです。そうすると、これはふろ場でも健常者は〇・八坪ですが、障害者だと一・五坪というように、便所でも〇・五坪が一坪、倍要ります。洗面所も倍要る。三つまとめてやれば二・五坪ぐらいでいけるようですが、そういう実態があるわけです。
 そうすると、重度障害者の場合、住居というのは健常者より二、三割はどうしてもかからざるを得ない。だから、単に生活に困るという問題だけじゃなしに、障害を受けた者としての生活の事情によるわけで、したがって現行の減免の規定からいってもこれは考慮できることではないのか。
 また、念のために言うならば、そういう脊髄の傷を負うまではちゃんと働いているのだから普通に収入があるわけです。今度は障害を受けますと障害年金になりますから大幅に収入も生活上も大きく変化するけれども、固定資産の家自身もそういう条件で健常者の場合よりも大きくせざるを得ない。そういう状況が生まれてくるわけで、この点についての一定の配慮というものが必要ではないのかというように思いますので、これは今度は評価がえしていますから、途中でそういう減免措置をやってもらったらいいと思うんですが、この辺ひとつ検討してもらいたいと思うんですが、いかがですか。
#278
○政府委員(矢野浩一郎君) 身体障害者の方のそういった特別の御事情は十分わかりますが、しかし先ほど申し上げましたように、固定資産税の性格から申しますと、所有者の事情によって異なった税負担を求めるということはやはり困難だろうと思います。障害者の方の場合、人税である所得課税等の面についてはそれなりの配慮をされておるわけで、そういった面での配慮というのがやはり税制の場合には行われるべきものだろうと考えております。
 ただ、御質問の中にもございましたが、そういったことの結果も含めまして通常の固定資産税の負担が著しく困難であると、いわば担税力の観点から見て著しく困難であるというような場合などには特別の事情ということでございますが、そういう場合には市町村の条例の定めるところによって固定資産税を減免することは、これは可能だろうと考えておるところでございます。やはりそういったような対応の仕方が適当ではなかろうかと考えるところでございます。
#279
○神谷信之助君 だけれども、これは固定資産税であっても減免措置やっているのありますね。公衆浴場に係る固定資産税減免措置について、これは昭和五十五年に通達を出しておられますよ。これは公衆浴場の公共性と社会経済情勢の厳しい状況を考えてやるわけですよ。だから、こういう措置も固定資産税においてとっているわけですから、これはひとつ今言ったような、そういう本人の責任というか、けがをした責任が本人にあるかどうかは別にして、そういう肉体的条件になったもとでの特別の事態ですから、これはそれなりにひとつ考慮して研究をしてもらいたいということを要望しておきたいと思います。
 それから、その次にもう一つは年金生活者の問題なんです。
 これは投書も最近よく出てきています。働いているときは、評価が上がって固定資産税がどんどん上がっても、収入があるものだからそれほど別にぴんとこなかったけれども、退職をして年金生活者になってからえらく身に痛切に感ずるという投書が多いんです。しかも、家の方はだんだん古くなりますから維持管理費はつく。しかし年金額はそれほどふえてこないわけでしょう。
 これは東京の文京区の約七十坪の年金生活者の具体例ですけれども、五十三年が七万七千百二十円、固定資産税と都市計画税合わせてです。それが五十四年には八・八の伸び率、伸び率をいいますと、五十五年は五・二、五十六年はそのまま、五十七年には九・〇、五十八年は九・〇、五十九年は五・六というふうに対前年比でずっと上がってきて、そして五十六年に比べて五十九年は一二五・四%になっています。同じように、恩給扶助料、これをもらっている人ですけれども、こっちの伸びは五十三年二百七十七万六千六百円ですか、それを基礎にして五十四年は五・一、五・九、四・二、四・七、それでストップ、そして一・九とこうなって、五十六年と五十九年を対比しますと一〇六・七%しかアップしていないというような、これは年金生活者の一例ですけれども、大体年金の伸びよりも固定資産税と都市計画税の合算したものの伸びの方が、対前年比は、五十七年以降大体倍上がってきています。そういう状況になってきております。
 だからこの際、これから高齢化社会に向かっていくので、こういう人がふえてくるのですが、負担調整措置の特例をつくる必要があるのじゃないだろうか。こういう点も、また三年後には評価がえやるのですけれども、ひとつ研究してもらってはどうかというのが私どもの意見なんですが、一体いかがでしょうか。
#280
○政府委員(矢野浩一郎君) ただいまお示しの固定資産税の負担の上昇の度合いと一方年金の上昇の度合いと比較した場合に年金の場合の方が低くなってきているというようなことは、これは考えられるところだと思います。私どもも今いろいろ固定資産税の負担の実情を、こういった年金生活者の場合、いろいろな標準的な場合について実はサンプル的に調べておるところでございますが、御承知のように、負担軽減措置を住宅についてはとっていることもございます。また、現実の固定資産税の実効税率と申しますか、土地につきましては御承知のように評価額が実勢価格に比べて約三割程度、そこに二百平方メートルまでは四分の一の軽減措置というようなものも加えているところでございます。現在の状況で見る場合には、こういった年金のみで生活をしておられる方の収人に占める固定資産税の割合が大きく家計を圧迫するというところのレベルにはまだ行っていないのじゃないかと思います。
 御指摘の数字は、しかしそれがだんだんふえてくるということによって家計に圧迫感を覚えるということが一般に言われておるところだと思いますが、絶対水準から申しますと、まだそう高いとは考えられないと思うわけでございます。ただ、土地の価格のウエートが非常に高いような場合には、御承知のように、土地は末端調整措置を講じておりますけれども、実際にはやはり評価が上がれば上がってまいります。一方、家屋の方につきましては、御承知のように、評価がえを行いましても在来家屋――一般にこういう方は在来家屋をお持ちになりますので、これは評価も上がらないようにしておるということでございます。
 その辺も総合的に考えてみますと、まだそういった年金生活者、年金のみで生活されるような方について固定資産税に対する特例措置をどうこうするということを考えるところまで至っていないと思いますが、しかしながら、これから高齢化社会を迎えてまいるわけでございますので、私どももそういった高齢化社会時代における固定資産税の負担のあり方という問題は、これはやはり勉強していかなければならない問題だというぐあいに頭の中には置いておるところでございます。今後中長期的にいろいろ研究をしてまいりたいと思うところでございます。
#281
○神谷信之助君 この間は年金法の改悪が成立をしましたですね。将来ずっとだんだん年金の受給条件が今までよりは悪くなってきます。公務員の方はまだ来ておりませんけれども、もうじき審議をせにゃいかぬと、こうなりますから、いずれにしても年金制度が国の負担を軽減をするという措置によって年金の支給額が後退してきます。だから、この問題は非常に重要な問題になってきますから、せっかく検討してもらいたいと思います。
 それから、その次は住民税、事業税にかかわる問題で、昨年の所得税法の改正で収支内訳書の問題が改正になりまして、住民税、事業税にも添付を求めることができるというようになりました。時間の関係がありますから簡単にしますが、これは所得税課税最低限以下で所得税は納めなくていい人、そういう人まで収支内訳書を提出させる必要があるのかどうかというのが私は疑問なんですが、この辺はいかがですか。
#282
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘のように、昨年度の税制改正によりまして、納税環境の整備ということから、所得税の方につきましてはそういった収支内訳書を添付すべきものとされ、それから住民税の方につきましては、これはそういった添付提出を求めることができると、こういうことになったわけでございます。
 お尋ねのように、住民税の場合でございますと、所得税を納める方は所得税の方でこれは添付してまいりますのでもちろん求める必要もございません。したがって、対象となるのは所得税の課税最低限以下で、しかも住民税が課税される層ということになろうかと思います。端的に申しますと、総体的には所得水準の低い方々が多いと思うわけでございます。ただ、税負担の公平という観点から、納税環境の整備の一環として行われたところでございますので、この規定そのものは所得税との関連からいってもやはり必要かと思います。ただ問題は、その運用のあり方によろうかと思います。住民税の場合には、所得税と違った規定の仕方をしておるというのは、そういうものを求めることができるということでございますので、これは必要に応じてそういった提出を求めることができるという、個々の地方団体の税務当局の必要性の判断によって運用をしていくべきものだと考えております。
#283
○神谷信之助君 これは施行規則の二条、七条、どちらも「添付させ、又は」「提示し、若しくは提出させることができる。」、それから第七条、これを「準用する。」、事業税の方はこうなっておるわけでしょう。だから、「できる」だからしなくってもいいわけで、この辺は自治省の方では、「できる」じゃなしに、条例をつくってちゃんと添付するように指導しているのかどうか、この辺はどうなんですか。
#284
○政府委員(矢野浩一郎君) 昨年の制度改正のときに、たしか当委員会における附帯決議の御趣旨もございましたので、余り過重な負担を求めるということは、これはいかがなことかと思っております。
 私どもとしては、おっしゃるように提出を求めることができるという規定でございますが、ただその意味は、これはある団体が一律的に、うちはもう一切提出を求めないとかあるいはうちはすべて提出を求めるという意味での「できる」ということではないと考えておりまして、それはやはり必要に応じて求めることができるという趣旨でございます。そのように指導をしておるところでございます。ことしの確定申告から初めて実際には適用されたことでございまして、まだ実情十分私どもの調べが行き届いておりませんけれども、私どもの指導方針としてはそのようにいたしておるところでございます。
#285
○神谷信之助君 京都市は、だからこれは条例に
ありませんし、またこれに基づいて条例を改正するつもりもないということで来ているようなんですが、各地にもそういうところがあっちこっちに。それで、これは提出させることができる、あるいは添付することができるということで、したがって市町村やあるいは本人に対して強制をするというものではないということははっきりしておく必要があると思うんです。今おっしゃったように、附帯決議で「申告納税制度の趣旨に則り」「納税者の過大な負担となることがないよう」にという決議をわざわざしたわけで、それに基づいて国税庁でも添付書類、非常に細かく決めたものを我々交渉して、そのうちの必要最低限の枠の部分だけでよろしい、ほかのところは書いてなくてもそれは全部受け付けますということも確認をしてきている種類のものです。それで、しかも今おっしゃったように、所得税は納めなくてもいいけれども住民税がかかるという、そういう層の部分ですから、そこまで厳密に細かくする必要はないのではないかというように思うんですが、それだって今まで自治省は、条例をつくりなさいとか、そういう添付をさせるようにせよとかいう指導はやってないわけでしょう。おやりになっているんですか。
#286
○政府委員(矢野浩一郎君) 地方税の場合の規定があくまでも「できる」ということでございますから、必ずこれを添付させなきゃならないものであるという指導はもちろんいたしておりません。私どもとしては、しかし制度はこのようになったわけでございますので、やはり必要のある場合には当然に提出を求めることができるということで、一律的にこれをやるという性格のものでは私はないだろうと考えております。その辺は指導よろしきを期したいと考えておるところでございます。
#287
○神谷信之助君 きょう、他の同僚委員のお二人も問題にいたしました臨海工業用地の売れ残り問題ですが、もう既にいろいろ同僚委員の方から質問がされていますから、重複を避けたいと思うんですが、先ほどからの答弁を聞いておって、これの造成事業の地方債残高、これがどんどんふえていく、そういう場合に先ほどは、言うたら借換債の発行も認めるのだという趣旨の答弁もあったりしていますが、やっぱりこれなかなか売れない、片一方、新潟なんかでは新日鉄がゴルフ場にしてやっているようなところもあるようですけれども、できたところはしようがないから売れるまでは借換債を認め、あるいは通産省の利子補給なんかも導入をするというようなことをやっていくということでずるずるいくということになるんですか。ずるずる先行きの見通しなしにやっていく、これほどむだ遣いはないですね。むだ遣いと言わなきゃならぬと、こうなるんです。起債のもちろん利子も払っていかないかぬ。まさに税金のむだ遣いにならざるを得ない状況になってきているわけでしょう。だから、そういう点について一体どういうふうにお考えですか。
#288
○政府委員(井上孝男君) 未売却用地を多く抱えております自治体におきましての今後の方向でございますけれども、極力企業誘致に努力いたすことは当然でございます。しかし、一方では社会経済情勢の推移に対応しました造成計画の見直しということも必要だろうと思いますし、既にでき上がっております造成用地の用途の見直し、例えば工業用地という形ばかりで考えていかずに、その他の都市再開発用地とかあるいは下水道処理場等の公共用地、そういうものへの転換ということも考えられると思います。そしてまた、臨海工業用地は巨大な装置産業というものの誘致を前提として造成してまいっております。したがいまして、その区画が非常に大きいというような状況もございますけれども、処分区画の細分化ということも必要だと思いますし、さらにまた企業が進出しやすいように、その処分の方式につきましてリース方式を導入する等、弾力化を図るというような多方面の努力をしてまいる必要があろうと考えております。
#289
○神谷信之助君 この六十年度の地方債許可方針等で見ますと、地域開発事業に臨海土地造成事業というのが挙がっていますね。ただ、それの「許可予定額の決定に当たっては、」ということで、「次の事項を勘案するものであること。」と、こういうことになっていますけれども、「当該事業が地域の全体としての開発計画と適合していること。」、二番目が「事業効果が期待でき、採算の見通しが確実であること。」と、こういうふうにそのほか幾つかあります。ところが、片一方では年年臨海土地造成事業債が相当多額の許可をされている。五十九年度は千三百三十億、六十年度は千三百七十億。これら許可したものは今言ったように事業効果が期待でき、採算の見通しが確実であるという、そういうことを確認をしてOKを出しているわけですか。
#290
○政府委員(井上孝男君) 過去、やはり自治体の造成計画に基づきまして申請がありました際にはいろんな角度から審査をして許可しておるところでございます。しかし、余りにも激しい産業構造の変化等を中心としました社会経済情勢の変化によりまして、確かに造成計画で予定しましたとおり進行していない場合がございます。したがって、今後は極力企業の進出の見通し、採算の見通し、そういうものが明らかな事業に限って起債を許可していく、厳しく審査をした上、許可をしてまいるようにしてまいりたいと考えております。
#291
○神谷信之助君 採算がとれるかどうかということは厳しくやって、これからはちゃんとしたいと言うのだけれども、見通しのない方、これは一体どうするのかというのがこれまた問題になるわけです。初めの計画から計画変えたり、あるいは縮小したりして、そして経済事業効果というものを上げる見通しがついた、あるいは大体これだけなら相当売却できるという見通しもついたとかということで起債を認める。しかし、そういう見通しがつかないところ、これは片一方ではまた実際には大変なことになるのじゃないかと思うんですけれども、例えば新潟東港地区が売れ残りが約四七%の六百六ヘクタールある。地方債の発行累計は九百六十六億円、現債額が四百十五億円で、それに対して五十九年度に一般会計からは百九十一億円、六十年度は二百十二億円。それで、計画を縮小したけれども、年々二十七ヘクタール売れなければまた三年後には三百億ほどの借り入れが必要だというような状況だというように聞いているんです。同じような状況は、秋田の能代港もそういう状況がありますけれども、こういった点については一体どういうように対処するお考えか。
#292
○政府委員(井上孝男君) 主として日本海側に所在いたします経営状況の極めて厳しい臨海土地造成事業につきまして今後どう対応すべきかということにつきましては、御承知のとおり昨年一年間、学識経験者の方々にいろいろ御意見を拝聴したわけでございます。お話にございましたように、全く見通しが当面つかないという事業につきましては計画の中止あるいは一時中断というようなことをも決意すべきであるという御提言もいただいております。そしてまた、計画の縮小とか、あるいは先ほども申し上げましたけれども、用途の変更とか、いろいろな手段を講じてまいるという点もあろうかと思います。
 それから、そういうことを講じました際の資金負担の関係でございますけれども、これはやはり自治体が最終的には責任を負わなきゃならぬ、一般会計への負担ということも当然あり得るわけでございます。しかし、一般論としてこういうことは申し上げられるわけでございますけれども、先ほどお話に出ました新潟東港などは非常に大きな地域の期待がございまして、現段階に合わせての若干の計画変更はいたしておりますけれども、引き続き事業の推進は図らざるを得ない、また一般会計のてこ入れを前提とした上でもなお事業の推進を図りたいというかたい決意を持つ自治体もあるわけでございまして、こういうところにつきましては、既に御答弁を申し上げておりますように、当面の資金繰り措置を講ずるとともに、将来のあり方につきましていろいろな形での対応というものの指導に努めてまいりたいと考えております。
#293
○神谷信之助君 地方自治協会ですか、ここで検討された資料で臨海工業地の造成と売却の状況は出ています。先ほど御答弁もありました。だから重ねて聞きませんが、問題は、これは直接地方自治体がやっている事業ですが、これ以外に地方開発公社とか第三セクターでやっている部分がこれよりはるかに大きくなっているのではないか。それの最近の売れ行きの状況は一体どうなのか。この関係はこれで調査が出ていませんので、開発公社なり第三セクターでやっている部分、この状況について報告してもらいたい。
#294
○政府委員(石山努君) お尋ねのございましたいわゆる地方公社あるいは第三セクターに係る工業用地の分譲の状況でございますが、公社なり第三セクターというのはその種類も非常に多く、しかもその業務内容もさまざまでございまして、そういうことから、その全体的な把握をするというのがなかなか難しい面がございます。私どもとしましては、地方公共団体が二五%以上を出資している団体を対象にいたしましてその概況をつかんでおりますけれども、今お尋ねのありましたような点についてはその調査対象といたしていないわけでございます。これらの公社等のうち、用地取得についての中心的な役割を果たしているものの一つとして土地開発公社がございますが、全国の土地開発公社が保有する工業用地、私どもが調べたところによりますと、これは五十八年度末でございますけれども、約四千ヘクタール。四千ヘクタールを若干切りますが、そんな状況となっております。それで、土地開発公社の持っております全体の土地保有量からいたしますと二割弱程度でございますが、これらの用地の中には分譲が困難である、そういうようなものも含まれていようかと思います。
 私どもとしましては、そのような実態にかんがみまして、土地開発公社の関係につきましては建設省と共管の業務でもございますので、建設省と共同通達を流しまして、そういうような処分につきましてさらにこれを推進するよう指導をいたしているところでございます。
 お尋ねの、第三セクターを含めた全体の用地の実態につきましては、その実態を掌握いたしておりませんので、御了承いただきたいと思います。
#295
○神谷信之助君 地方自治体が直接やっている臨海工業用地の売れ残りというのは四千百四ヘクタールというようにこの調査報告書に出ているのですけれども、これも確実かどうかは別にして、今の開発公社とか第三セクターがやっている分の売れ残りは、昨年の朝日新聞の調査では二万八千ヘクタールといっています。これははるかに大きいわけです。でも、この実態がなかなかつかみにくい状況になっているんですが、これはやっぱりちょっとつかんでみないと、自治体自身にもはね返ってくる、そういう問題だと思うんです。
 それからもう一つ、臨海土地造成事業の地方債残高の最近の元金及び利子の償還費、これはどのぐらいになっているかおわかりになりますか。
#296
○政府委員(井上孝男君) 地方団体の行っております臨海土地造成事業債の昭和五十八年度末におきます現債高は八千三百四十五億円ということでございます。この元利償還費につきましては、実は地域開発事業全体として集計をいたしておりますので、臨海土地分だけが実は掌握できておらない状況でございます。しかし、お尋ねでございますので、一定の推計をして金額を出してみますと、大体臨海分だけの昭和五十八年度の元利償還は一千百億円程度になるのではなかろうかと見ております。
#297
○神谷信之助君 きょうは特に臨海工業用地問題で、もう自治省の方も委託をして調査をされた二つの報告が出ているわけで、それに基づいてお尋ねしました。したがって、償還額、一般会計からの繰り出しなんかも含めまして、この辺の財政負担がどういう状況になるのかということと、それから先ほど申し上げました開発公社あるいは第三セクター、これらを含めてわかるだけの状況を調査をして、後日で結構ですから報告をしていただきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。
#298
○政府委員(井上孝男君) 地方団体がやっております部分につきましての数字につきましては、集まります限りのものを集めまして御提出したいと思います。
#299
○政府委員(石山努君) いわゆる第三セクター等の実態でございますが、先ほども申しましたように、第三セクターといいましても、その法人の形態、例えば社団法人なり財団法人のものもございますし、株式会社あるいは有限会社、そういうような形態をとるものもございます。しかも、その数につきましては、私どもが現在把握しておりますのは地方団体が二五%以上の出資をしておりますものを把握をいたしているわけでございますけれども、それで全国で約四千ほどございます。もちろん、その中には開発関係以外のものも含まれておりまして、開発関係といいますか、詳細については手元に資料ございませんけれども、開発関係だけを含めましても千八百ほどございます。しかも、そういうように法人形態も違いますしということで、なかなか的確な全体的な把握が難しいという面がございますので、この点につきましては、御指摘の点も含めまして今後さらに研究をさしていただきたいというように思います。
#300
○神谷信之助君 それで、大臣、今お聞きのように、これは大変な事態に私はなってきていると思います。かつての高度成長期時代に工場誘致の運動というのか、工場誘致合戦というのか、それがだあっとありました。それが石油ショック以後うまくいかぬという状態になって、それでまた今日、今度は先端産業というか、ハイテク産業の誘致運動というのか、そういうのがまただあっと起こり出してきているんです。で、何といいますか、よその大資本というか、そういうのを誘致をして一もうけしようというか、よくなろうということで企業誘致条例が今二十七道県ですか、それから税制上の優遇措置、それから企業誘致関係の補助金あるいは企業誘致関係の貸付金、こういったものがやられているという状況はこれにも報告されているのですけれども、この間私は山形県へ行って日立と東芝を中心にしたハイテク産業の誘致状況を見たんです。
 県の商工部長さんなんかの話を聞いたり、それから中小企業振興会の方の意見を聞いたりしたのですけれども、例えば日立が山形に工場を持ってくるでしょう。それが労働者の向こうの賃金にどんな影響を与えるかということを聞くと、それは日立の例えば神奈川なら神奈川の工場の賃金がこっちに来て全体の賃金が上がるということにならぬと言うのです。山形賃金で雇われた――山形賃金というのは全国の賃金の労働省の調べを見るとしりから四番目です。低いわけですよ。だから、そういう大企業に来てもろうたら少しは賃金が上がるかと思うて持ってきたのだけれども、それは本社から来た人は賃金下げるわけにいかぬからそうだけれども、地元の人が採用される賃金というのは山形賃金で採用されるというのです。だから、賃金水準全体が上がるという状況はならぬわけです。
 それで、これが今その工場でやるのは大体組み立て中心でありますから、部品は全部大体下請に回しています。下請がふえるから、山形は特に下請が多いところですけれども、じゃ、そこが潤うかというと、初めはいいのだけれども、だんだんスピードアップされ、一日八時間労働で部品が何個できるかという計画でぴしっときて、昼休みの時間もないし便所へ行く時間もないと、こうなってくるわけです。それでだんだんコストが下がるわけでしょう。そうすると、向こうの労働基準監督局で聞いたら、そういうところで最低賃金を割る企業ができてくる、だから最低賃金を払うだけの下請代金をもらってないという現状です。こういう状態が起こってくるのです。
 そうすると、もう最低賃金でやるわけにいかぬと、こうなってくるが、最低賃金割ったらいかぬと言われるから、次はどうするかいうたら、できるところ今度は内職に回すわけですね。内職なら八時間労働でなくともそれこそ無制限労働になっていきますから、内職に回せるところは内職に回
す。だから、そこのその地域の産業を活発にし、その県民、住民の生活水準を引き上げるという状態になってないんです。驚いたのですよ。それに県なり市なりは誘致条例でいろいろ面倒を見るわけですよ。一体何が潤っているのやと言うて聞いたら、今もう潤うものはありませんと、こうなるわけです。それで、そこへ今度は最近はまた弱電関係に陰りが出てきていますから、せっかく投資をし、県も投資をしたりしたけれども、余りもうかりまへんという結果になっているのですね。この辺は私、地方経済を振興さしていく、そういう地方の発展計画を見ていく上で、もっと今までのそういうところから教訓を学んで考えなきゃならぬ。
 報道によると、自治省も長中期的な展望を持ったそういう計画で地方行政に新長期ビジョンをつくるのだと、戦後制度を総点検して情報化に対応して効率化も探っていくという報道もありますけれども、私はそういう点をやっぱりちゃんと見て、見込み違いで後で借金ばかり背負うてどうにもならぬ、あるいはせっかく来てもろうてもよくならぬというのじゃなしに、その地域の産業の発展に、地場産業なら地場産業で根づいているものをどう活生化させ、援助し、あるいは販路を拡大しというようなことを考えていくとかいうものを含めて考えないと、どうにもこうにもならぬのではないかというように思うんですが、最後にその点についての大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#301
○国務大臣(古屋亨君) 臨海土地造成事業の売れ残りの問題についてのいろいろの対策でございます。やはり公的に関係省と連絡をしながら総合的にこの問題に当たりまして、そうして何とかして、特にこういう地帯の財政が困っておるところが多いと思っておりますから、ほうっておくわけにはいきませんから、関係省との連絡を密にして、至急対処するように善処してまいります。
#302
○志苫裕君 今地方交付税の改正案を審議しておるんですが、問題の中心は国庫補助負担率の切り下げによって生じた負担増にどのような財政対策を講じようとしておるのかというところにあります。
 補助金カットについて大蔵当局は、地方公共団体に迷惑がかからないように万全の措置を講じておりますと言うのですけれども、細かく聞いてみると必ずしもそうでもないようです。そこでおいでいただいたわけですが、まず今度のこの国庫補助負担率の一律切り下げは、中曽根内閣の看板政策である行政改革の一環ではないようです。なぜならば、補助金の整理合理化でもないし、国と地方の役割分担の適正化でもないし、国の財政改革でもないし、地方財政の減量化、効率化でもない。一体これは何だということになるわけですが、どういう目的あるいは性格を持った政策ないし行政行為なのか、あなたから明快なひとつ、まずは冒頭にお答えをいただきたいなと、こう思うわけです。
#303
○国務大臣(竹下登君) 何しろ、まず行財政改革推進という立場から今日に至ってまいりますと、一般歳出の四割を占める補助金というもの、これに着目をしていくというのは必然的な一つの流れではないかというふうに思います。
 ところが、これについて考えてみましても、今まで地方自治体を通ずるものが約八割、あるいは法律に基づくものが八割、そうして文教、社会保障、公共事業、これが八割ということになりますと、その八割、八割、八割を三つのくくり方でやって、その外へ出てくるというのは非常にこれは薄いものになります。そうすると、そこへ率ではなく額で一割削減を掛けていくということを連年やってみましても、結論から言いますと、おのずから限界がある。
 そこで、そうなれば臨調等々の御指摘もありますので、いわば高率補助というところへ着目をしていくということも一つの自然の流れじゃないかと思うわけであります、予算を査定する際における立場から申し上げますと。そこで高率補助率ということになってきたわけでございますが、その補助率は本当のところ社会保障あるいは公共事業、いずれにいたしましても長い歴史、なかんずく社会保障については昭和二十一年以来のいろんな哲学論争等もございます。そういうことになると、国と地方との車の両輪たるものの役割分担という形からこれに対してアプローチしてきたことは事実であります。しかし結果として、それを当分の間とかあるいは役割分担、費用負担のあり方の見直しということから、恒久的にという結論に到達しなかったこと、これまた事実であります。
 そこで、現状における役割分担、費用負担のあり方とはということがアバウト一割カットということの結論に帰結したというふうに私は考えます。そうして、しかしその問題も一年間の暫定措置ではあるが、引き続き基本的なあり方について検討しようという覚書と、なお地財法の関係からして、負担転嫁ということにならないための財政措置、それらを込みで行って御審議をいただいてきたということに結論から言えばなろうかと思うのであります。
#304
○志苫裕君 例の補助金の特別委員会で衆参を通じていろいろおやりになったのでしょうから、私はそのことを委員会が違っていてもこの委員会でやり直そうとは思わないのです。
 ただ、今あなたは案外本当のことをおっしゃったと思うのだけれども、役割分担のあり方というものを考えてこの問題のアプローチを始めたのだが、まだ答えが出ないうちに六十年度の予算というのがやってきたもので、とりあえず面倒だ、一割切っておけやと、これは随分乱暴な話だけれども、しかし役割分担の作業の途中だということになりますと、これはやっぱりはっきり目的を持っているのだ。単なる一割カットあるいは負担転嫁ではないということになるのです。しかし、そのことはちょっと後ほどまたやりましょう。
 しかし、少なくとも話の途中なのかもしらぬが、これは随分乱暴なことは乱暴ですよ。およそ合理性もないようだし、整合性もないし、俗に言う政策レベルなんという気のきいた話じゃないんだ。これは強いていえば、私は国の予算編成の苦肉の策あるいは国の財政の緊急避難。前に一遍あったけれども、ハイジャックの犯人釈放のような超法規的な行為、そういう感じがどうもしないわけでもないですね。しかし大臣、率直に言って緊急避難なら緊急避難で、もっと策も知恵もあるような気がするんですね、こんなやり方ではなくて。三千億なり五千億のお金をどうしようかというふうなことなら、それはそれなりに知恵も策もあるような気がするのですが、見識がある竹下さんにしては、羞恥心も慎しみ深さもみんなどこかへやってしまったような下策だということだけは申し上げておきたいわけであります。
 事実、財政対策、国と地方の相互関係で見ますと、国は五千八百億円の財政需要についてとりあえず現ナマで一千億は出しましょう、残りの四千八百億円というのは支出先である地方公共団体からとりあえず立てかえでやっておいてくれぬかという形になってはいるんですが、これは地方団体の方は立てかえる銭はないので地方債という借金で間に合わせて、後で国との間に仕末をつけょう、こういうことになっておるようであります。将来必ず国が全額補てんしてくれるという約束を全部取りつけてあるわけでもないようだし、経常費系統分としての交付税に加算をした一千億円と投資的系統二千億のうちの二分の一の一千億円、これは明確になっておるようですが、その他の部分は将来的に見るとちっとも明確じゃないということが言えます。
 そこで、確認をひとつ求めますが、経常費系統の一千億の残り一千六百億円、このうち交付団体分一千億円は検討対象ということになるわけですが、検討中なものですから、そこで暫定措置として六十六年度以降交付税に特例加算されるもの、こういうことになっておる。これもわかりにくい表現ですが、とにかくそういうことのようです。とりあえずの約束、しかし検討が残っておるとはいえ事実上最終的な約束でありますというふうにここで明言できますか。一千億円は将来交付税に
特例として加算をいたしますということは約束できますか。
#305
○国務大臣(竹下登君) この問題はおっしゃるとおりわかりにくい表現でございますが、暫定的に、昭和六十六年度以降に精算すべき地方交付税交付金の額に加算されるものとされている額一千億の取り扱いは、六十一年度以降の補助率のあり方の検討結果を踏まえて自治省と協議して対処していこう、こういうことになっておるわけであります。したがって、六十一年度以降の補助率のあり方の検討結果というものが前提に置かれておるわけであります。
#306
○志苫裕君 ですからわかりにくい日本語だと、こう言っているのだけれども、これから検討して、補助率現在のまま続けましょうとか、七、三を八、二に返しましょうとか、あるいは六、四にしましょうとか、あるいはまた別の方法がいろいろあるかもしれません。それはそれでいいですよ。それはいろいろ議論なさるのだからどんな答えが出ようと、昭和六十年度において一千六百億、交付税の交付団体から言えば一千億ですが、これを国は地方公共団体に地方債という形で立てかえ払いしてもらっていることには変わりがないんで、将来どんな制度や役割分担が決まろうと、ことし起きたことには変わりがないんですから、その分はお約束申し上げます、これが当たり前じゃないか。地方公共団体から金を借りて立てかえ払いしておいてもらって、そいつは将来どうするかわからないぞなんという、そんな金の借り方というのはないんです。金を借りる方は頭を下げて物を言わなければならない。そこのところは、あなたはっきり言っておいてよ。
#307
○国務大臣(竹下登君) これはやっぱり大蔵省サイドといいますか、私の立場から言えば、いわば地方財政の土俵となります地方財政計画の中できちんとした処理をしなければならぬ責任は持っておるというふうに理解しております。
#308
○志苫裕君 あなたは言語明瞭意味不明と自分で言うけれども、やっぱりちょっとこれはわかりにくい。だから、「暫定的に、昭和六十六年度以降」、この「暫定的」という文字を取りますと、大臣、わかりやすく言えばいい。暫定的という文字を取ってごらんなさい。一千億円は六十六年度以降交付税加算しますと書いてあるんですよ。その前に暫定的と、こう入れるものだから、暫定的というのはとりあえずということだ。とりあえずの約束としては六十六年度以降返しますと言うておかぬと話が決まらぬものだから、とりあえずそう言うておきます、しかし途中でやめるかもしれませんということを言っているのと同じことなんだから、そんなばかな金の借り方はあるかと私は言っておるのですよ。そうじゃないかな。暫定的をもげばすんなり解釈できるのだから、事実行為としては、結んだ覚書は覚書で構いませんよ。だって、自治省の方は暫定的なんてものはすっ飛ばして読んでいるのですからね。暫定的という文字を大臣以下皆見てないのだから、そこのところは飛ばして読んでいるのですから、それはいわば立てかえ払いをしておる側の意向を金借りた方はそんたくしなきゃだめです。これでいいでしょう。あなた自分で書いた文章を自分で頭ひねっているが、これはそれほど面倒な文章なんですか。それでよろしいでしょう。
#309
○政府委員(平澤貞昭君) 今委員がおっしゃいました千億円の件で暫定的というところの御議論でございますけれども、これは予算編成の際に大蔵、自治両省で十分話し合った上で暫定ということといたしておりますので、自治省が暫定を飛ばして読んでいることは、私はないというふうに考えております。
#310
○志苫裕君 それはそういうて書いてあることは確かなんで、確かだけれども、暫定的と書かないというと忙しい時期ですからまとまらなかったわけで、そこで暫定的と書いたのだけれども、一千六百億に相当するお金を国が持つべきところを地方のとりあえず立てかえ払い、借金に振りかえたという事実はもう間違いがないのです。これはもう間違いない事実なんだ。ですから、それをどうしようかということは制度とのかかわりがあるのでというようなことで暫定的が入ったのでしょうが、金のやりとりはあったことは事実なのだから、それはどんな形にせよ返しますよと、踏み倒しますぞとは言わぬのですから、事実上の約束だなと、こういう感触だけは、あなた、きょうの記録に残しておいてよ。いいでしょう。
#311
○国務大臣(竹下登君) これはおっしゃるとおりでございまして、借り倒そうという考えがあるわけじゃございません。検討の結果を踏まえて自治省と協議して適切に対処していきます、こう言っているわけでございます。ただ、年々これからやります場合、財政当局はマクロでいわゆる地方財政計画をどうしても見ます。そのマクロで見た中で、その結果として、その中でこのような始末がつくという結論も検討の結果あり得るかもしらぬ。しかし、基本的には、いわゆる検討の結果を踏まえまして自治省と協議して適切な対処をきちんといたします。言ってみれば、精神的にも実体的にも踏み倒すようなことはいたしませんと、これは言えると思います。
#312
○志苫裕君 適切な処置をするという言葉の中に私の言うておることが含まれておるということにしておきましょう。
 ただ、マクロの議論をしますと、地方財政全体としては何とかなっているじゃないか、したがってあれはいいだろうというような話を出すというのがマクロというので、それはだめだ。金の貸し借りはちゃんとしなきゃ、こういうことで私は一つ申し上げておきます。
 それから、投資的系統二千億円のうち元利償還の二分の一、一千億円は清算を要しない額として特例加算をする、これ確認求めます。いいですね。
#313
○政府委員(平澤貞昭君) 投資的経費のうち、委員がおっしゃいますのは千二百億円……
#314
○志苫裕君 それを除いた残り二千億、その半分だ。
#315
○政府委員(平澤貞昭君) 二千億円あるわけでございますが、これにつきましては御存じのように起債部分の元利償還になりますので、これは交付税でまず措置いたします。その上で、それの元利償還額の二分の一に当たる部分を六十一年度以降、精算額で調整というふうにしているわけでございます。
#316
○志苫裕君 ちょっとあなた何言っているの。この二千億円は臨時財政特例債という形で調達しましたね。今度借金返しのときが来ますね。借金返しのときは元金、利子を返さぬといかぬですが、それに自治体金が要るわけですよ。だから、そのときにはその半分は一般会計から交付税特会に繰り入れますというのが約束なんでしょう。交付税法の措置でいくと、その分というのはいわば年々歳々ですが、まとめますと一千億相当分は交付税法の附則の三条で言う交付税の特例加算ですね。その特例加算された額は精算を要しない額ですね。そのことを聞いているんです。
#317
○政府委員(平澤貞昭君) そのとおりでございます。
#318
○志苫裕君 さっさと、そのとおりと、こう言ってください。
 そこで、この国庫負担の補助負担率の切り下げは一年限りの措置でございますというのがあらゆる場所で述べられておるようです。これもうまい言葉で、大臣、一年限りです、今度だけというのは、一年たったらまたもとに戻るという印象を何となく与えるんです。一年限りというのは、一年辛抱しているというとまたもとに戻る、こう世の中を思いこませておるので、こういう言葉は本当によくないんだ。ですが、どうもそういうことでもないようだ。とりあえず一年こうやっておいて、二年目どうするか相談しましょうというのが一年限りという意味ですね。
#319
○国務大臣(竹下登君) まさにこの措置は昭和六十年度における暫定措置であります。すなわち、一年限りという暫定措置であります。しかし、今御指摘なさいましたように、六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方とのそれこそ
役割分担、費用負担のあり方等を見直すとともに、政府部内において来年度予算の編成までに検討をいたしますと。したがって、読み方によっては緊急避難の一年限りの措置であって、その後は当然のこととしてすべてもとの法体系の中へ返っていくというものではございませんということを、一生懸命今日まで説明をしてきたわけであります。
#320
○志苫裕君 ところが、にもかかわらず多くの自治体関係者の中にも、一年限りと言うのだから、一年たったらまたもとへ戻ると。皆さんから言うと、緊急避難をさせてもらう避難先が住み心地がいいので、そのままいさせてもらいますということを本当は言いたいわけなんでしょうけれども、しかしそれは自治体側としては困りますなということを熱心に言っていることだけは頭に入れてもらいたい。一年限りというのは検討対象。三大臣覚書というのは社会保障なんですけれども、当然この検討対象以外の投資的経費系統、これも含まれるわけですね。
#321
○国務大臣(竹下登君) この覚書はまさに社会保障についてだけのものでございます。投資的経費の場合はいわば別の角度での議論が進んでまいりました。それはすなわち事業費をいかにして伸ばすか、こういうことがございましたので、覚書になったのは、確かに昭和二十一年以来一遍も変更したことのない社会保障について覚書として残ったが、その他のものも、この費用負担のあり方等については、これはやっぱり検討すべき課題だというふうに思っております。
#322
○志苫裕君 そこで、社会保障費の関係は覚書で検討する場所が決まっていますね。一年以内とかいろいろありますが、今言う投資的経費の方の検討の場所はどこが検討する場所なんですか。
#323
○国務大臣(竹下登君) 予算編成の過程において当然議論していかなきゃならぬ問題だと思いますが、それの大きなバックグラウンドとしては、事業費の確保あるいは事業量の確保という、バックグラウンドがあろうかと思いますが、今できるだけ早く決めなきゃいかぬと思っておりますのが、まずは三相、自治大臣さんと厚生大臣さんと私と、それにやっぱり私は、まだ私見の段階でございますけれども、官房長官ぐらい行司役で置いた方がいいのじゃないか。それをもとにして、随時参加するということにしまして建設大臣とか。ただ、公共事業ということになると、時には全大臣みたいな感じになりますけれども、随時参加してということでやった方がいいのか、早急に結論を出そうと思っておるところであります。
#324
○志苫裕君 五十九年十二月二十二日の大蔵大臣、厚生大臣、自治大臣御三方の覚書によりますと、検討していこうと。これが恐らく一年間の暫定措置というものの根拠になったのだろうと思うけれども、検討していきますね。したがって、当然のことながら、六十一年度の予算はこの検討結果に基づいて国と地方の役割分担であるとか費用分担であるとか、そういうものが定められて、所要の措置も講じられて、この上で予算は編成される、このように理解しておけばいいんですね。
#325
○国務大臣(竹下登君) 大筋そういうことであります。
#326
○志苫裕君 ところで、ことしのこの騒ぎの経過を振り返ってみますと、六十年度の予算の概算要求の段階に問題があったわけなんです。大蔵省の定めた概算要求基準において公共事業は五%、あるいはまた、その他は一〇%という削減が指示されました。生活保護費を例にとりますと、五十九年度までは当然増経費として例外になっておりましたね。ところが、六十年度は例外にあらずという概算要求基準を定められたわけです。概算要求とはいいましても、これの持つ意味は大変大きいのでありまして、果たして大論議になったが、結論はそのまま無理が通って道理が引っ込むという形になったわけでしょう。ということを振り返ってみますと、概算要求というてもこれの持つ意味合いは随分大きいものだという経緯にかんがみて、若干一、二確認を求めますが、当然論理的に言っても、検討は概算要求に間に合うように結論が求められるのが筋だということになりますね。
#327
○国務大臣(竹下登君) この概算要求基準というのを定めましたのは昭和三十六年、あのときは五〇%増しまでが基準でございますから、それはまだ余裕があったと思いますが、五十五年度予算で一〇%増し、それから五十六年度予算が七・五、それからゼロ、それからずっとマイナスでございますから、ことしもこれはもう七月になれば議論しなければいかぬ問題でございますので、概算要求基準というものは決めなければいかぬ。
 そこで、好ましい姿としては、それまでに結論が出ておったら非常に好ましいことだと思います。去年も今志苫さんが御指摘になったとおり、その議論をしないで一〇%削減と公共事業五%、こうやったわけですから。ですが、さてと思って見ますと、概算要求までに結論を出すというのは、これは容易なことじゃないなという気がします。理屈の上では、概算要求は概算要求でとりあえず基準はこうしておいて、十二月の予算の勝負までに決着をつければいい。だから、論理的には必ずやっておかなければいかぬという問題ではないが、それが好ましい姿であるということは私もわかりますけれども、好ましい姿になるだけのスピードで決まるかと、こうおっしゃれば、決めますと言うだけの自信は、これは正直なところ、ございません。
#328
○志苫裕君 概算要求基準の設定という予算編成方針をとるのかとらないか、私はわからないんですが、今の大臣のお話を聞いておりますと、どうやら六十一年度もそういうことをお考えのようです。好ましい姿というよりも、検討の結果を踏まえて来年の予算は組む、そのための検討期間であるのだし、だから暫定一年限りと言っておるんですから、当然論理的にはそうなる。時間が間に合うか間に合わぬか、時間との勝負という問題もかかわってきます。ですから私は、予算は最終的に決まったものが予算だけれども、概算要求というものの持つ響きなり意味合いというのが大きい、去年はそれでやられたといういきさつを先に述べたのは、したがって間に合わない場合に概算要求基準は何にするのかということも重要な意味を持つんです。
 先ほどのあなたのお話ですと、制度論にはアプローチしておって、まだ答えが出なかった。そうしたら、とりあえず概算要求は現行法でやっておけというのも判断の一つだったのだ。ところが、一割切っておけというのをあなたは用いた。それを既成事実のような形で押しまくられたという煮え湯を飲んだわけですから、同じ手には乗らないというのを、やっぱり打ち切られる側では心中深く思っているわけで、その辺の点は、今回は間に合わせるのが建前であるが、間に合わない場合の概算要求基準の置きどころというのは、やはりこれは慎重に考えてもらわぬといかぬということを申し上げるのですが、この点について自治大臣、どうでしょう。
 大臣は、六十年の四月九日の閣議、六十一年度予算の編成に当たっての閣議だそうですが、この際に六十一年度予算編成に関する発言を特に行われたというふうに伺っております。この段階で六十一年度予算編成について閣議で早々と発言をなさったということは、六十年度のいきさつを振り返ってそれなりの決意を込めたものというふうに容易に理解できますし、したがってその趣旨なり真意をこの機会に伺っておきたいわけです。
#329
○国務大臣(古屋亨君) 御指摘の点につきましては、四月九日の閣議の席におきまして竹下大臣から六十一年度の予算編成の概算要求の設定基準の話がございましたので、私から、これから概算要求基準の設定を初め種々の検討がなされると思うが、どうか国と地方の機能分担、費用負担の見直しが検討されることを踏まえて行われるよう配意されたい旨、発言を行ったところでございます。
#330
○志苫裕君 それは自治体の財政を安定的に確保しようということを任務にしておる自治大臣としては当然な発言で、多としますし、それでまた執務されるべきだと思うんですが、大蔵大臣、先ほどもやりとりしましたが、検討結果が得られるの
が最良の策。しかし、概算要求基準というのは一通過地点ですから、通過地点までに一〇〇%の検討結果が得られない場合もあり得るというのがどうもお考えのようですが、その場合の概算要求基準の設定はどのようにされますか。
#331
○国務大臣(竹下登君) 概算要求は厳しいものになるであろうというところまでは今言っておりますが、概算要求基準というのはまだ検討の段階に入っていないというのが現状でございます。この法律通過さしていただきましたものの、それの際の国会での論議とか本日の論議とか、そういうものを本当は正確に整理して、それからやろうじゃないか、こういうことを言っておるわけでありますから、恐らく志苫さんの懸念は、去年のように初めから一〇%削減で、中身は各省でおつくりいただいてお持ちくださいということをやれば一律補助率でやっていくしかないじゃないか、そういう攻め方というのはノーマルじゃない、こういう御意見でございましょう。そういう意見を踏まえてこれから検討しようと、こういう構えであります。
#332
○志苫裕君 そういう意見を踏まえてやりますと言わぬで、検討しようと言うから、どうかなってしまうのです。これは、特にことしこれだけの大変な議論を時間をかけてやったわけですし、国民も六十年度のときのように、あれあれという間に事が落ちつくというふうなことを黙っては見ていないという意味で、慎重な対応をこの機会に求めておきます。
 厚生省見えていますか。――それじゃ、厚生省に言おうと思ったが、やめておこう。
 私が実は厚生省に求めようと思ったのは、厚生省は要求官庁ですから、当然検討結果が得られない場合は法が命ずるままに、特に生活保護などは義務的な経費なのだから、しかも政府も一年限りと言うているのだから、従来の補助負担率で要求すべきだという主張で厚生省の意見を聞こうと思ったんです。
 大蔵大臣に再度主張しておきますが、検討結果が得られない場合の概算要求基準の設定については慎重な配慮を求めましたが、特にこういう社会保障の根幹にかかわるようなものにつきましては、従来は当然増経費というふうにして扱っておったのであって、これはやっぱりその取り扱いが採用されるべきだということは強く主張しておきますが、よろしいですか。
#333
○国務大臣(竹下登君) 志苫さんのその主張は、十分これはテークノートしておきます。
#334
○志苫裕君 この点はそれで終わりまして、最後に一問でいいですが、どこがだれが言っているのでしょうか。交付税率の引き下げ云々というようなことが仄聞されるわけですが、これの出どころは大蔵省じゃないでしょうね。
#335
○国務大臣(竹下登君) 大体、厳しいことは大蔵省、こういう世の中の通説になっておりますが、大蔵省からそういう議論が出たということはありません。これはやはり税源配分すべての問題から議論しなければ、交付税率の引き下げなんというのはそう思いつきでやれるものじゃないということは十分承知しております。
#336
○志苫裕君 去年の交付税審議の際にも特に大蔵大臣においでいただきまして、地方財政の実態あるいは性格、そういうものについて私は大臣と議論を交わしました。地方財政余裕論などという俗論が当を得たものではないという合意は得たと記録の上でも確認をしておるわけであります。しかも、その際の五十九年交付税法の改正による新ルールというものは、当分の間というか、中期的に税率の三二%は変えないという前提のもとに特例措置、論理的には増減額というものもあり得るということなんですが、我々は必ずしもそれに賛成ではないけれども、それこそ政府においてそのような法の措置をとったといういきさつにかんがみても、交付税の税率を云々する事由はないし、少なくとも財政当局からそのようなことを問題にすることはないということの確認を最後に求めて終わりたいと思うのですが、どうですか。
#337
○国務大臣(竹下登君) これは、交付税の問題を議論するということになりますと、全く税財源の配分の問題の一環として地方税のあり方、地方譲与税制度の問題、国庫補助金等を踏まえた全体の中で検討すべき課題でございますから、軽々にこれに対して私どもが方針などを打ち出すべき問題ではないというふうに思います。
#338
○中野明君 大臣、御苦労さまです。
 今の質疑の中でも出ておりましたが、今回の補助金の削減法案は緊急避難、暫定措置ということなんですが、そのためは地方公共団体も大変な影響も受けましたし、大騒ぎをしているわけですが、この委員会は地方行政委員会でございますので、大蔵大臣のお立場で三大臣合意にこぎつけてこういう結果になったわけですが、大臣として一言所感をお述べいただきたい、こういうふうに思います。
#339
○国務大臣(竹下登君) これはこの高率補助率その引き下げを含む補助金整理特例法、これを両院を通過さしていただいて、御鞭撻もいただき、まさに特別委員会でもございましたので、予算委員会を二回やったような感じも私は受けました。この間に国会からいろんな面で御協力を賜ったことに対して心から感謝をいたしておるところであります。
   〔委員長退席、理事岩上二郎君着席〕
 さて、そうなりますと、さまざまな御意見をいただきましたので、これらを含めて今後関係方面の意見を幅広く聞いて、これを参考にして行財政改革、それから補助金の整理合理化、これにこれからも引き続き勉強をしてまいらなきゃいかぬという感を深くしておるところであります。
#340
○中野明君 それで、地方公共団体に対しても何か一言大臣の方からお述べいただきたいと思います。
#341
○国務大臣(竹下登君) これは、まず地方公共団体の方、議会の議決様式によるところの意見書の提出を含めてこの問題に対してはいろいろ異論をいただいておったわけでありますが、その間、六団体を初めそれなりの御理解をいただいて今日に至ったことに対して心から感謝を申し上げますと同時に、今後、やはり車の両輪としての国の財政、地方財政のあり方についての御意見を承っていきたいというふうに考えております。
#342
○中野明君 それで、先ほど志苫委員も大変御心配になって質疑をしておられましたが、六十六年度以降の地方交付税に特例加算をする一千億、これは先日の特別委員会に全委員に提出をされた資料の中では、明確に国庫補てん措置の中に入っております。括弧して暫定とは書いておりますけれども、国庫補てん措置の中に明確に書かれて、大方、各委員の方々もそれを了承しておられると私は理解をしております。ですから、志苫委員の御質問に大伍はお答えになりましたが、この点だけは将来にかかわる問題でございますので、はっきりしておいていただきたい。これはあくまでも国費で補てんする措置ということが原則になって、そこで暫定という話が出ているということをこの際はっきりしておいていただきたい、このように思います。いかがですか。
#343
○国務大臣(竹下登君) これはそのとおりに理解しております。
#344
○中野明君 それでは、法律も通ったわけですが、一番私ども心配しておりますのは、今もお答えがありましたが、三大臣覚書によって政府部内で話を詰めるということになっているのですが、今の大臣のお話では、私見であるという前提を置いて、官房長官を含めて四大臣、行司役として官房長官というお話が出ているわけです。
   〔理事岩上二郎君退席、委員長着席〕
しかし、あくまでもそれは最終的な話を詰める場所であって、それ以前に、この四大臣なら四大臣になるかどうか私もわかりませんが、そのときにいわゆる地方公共団体とかあるいは社会保障制度審議会というのですか、そういう人たちから意見なりを聞いて、そしてそこで議論をする、こういう方向をとられなければ話は前に進まないと私は思うんですが、その辺はどういう方法でどういう人たちを含めてやられようと考えておられるの
か、お考えがあればおっしゃってください。
#345
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、きょう本委員会が終了いたしましたら、私も帰りましてもう一度部内の検討の模様を聞いてみようと思っております。
 本来、あの法律を通していただくときに約束しましたことは、通ったら、通るまでの間いろんな議論をいただいたのを赤線引っ張ったりして整理しておりますから、そのテキストブックができたら本当は一番早い閣議ででも、とりあえずこの閣僚会議の設置だけは決めてもらいたいという気持ちでございます。可能ならば、あしたの閣議ででもという気持ちが今ございますけれども、これは帰りましてから具体的な検討をしてみたい。口頭了解とるだけならば、それはペーパーに書いたものまで必要でもございませんし、そんなことも考えておるところでございますが、これは部内に帰って事務当局で、恐らく三省いろんな協議を続けておるのでございましょうから、その結果を聞いてみよう。
 構想の中にありますのは、今中野さんおっしゃいましたとおり最終的に閣僚会議が決める、そして閣議が決めるということになりますが、検討会議というのを四大臣が毎度集まってやっておるというわけにも実際いかぬかもしれません。それから、あれだけ関係方面の意見を聞けと、こういう御要請もありましたので、いわゆる閣僚会議の下部機構という表現はいささか非礼に当たるかもしれませんが、そういう形で学識経験者の方々による打ち合わせ会、そういうものも考えなければいかぬじゃないか。それの人選というようなことも含めて部内、三省間で検討を進めるように、そういう指示はいたしておるところでございます。
 官房長官を入れた方がいいという物の考え方は、大蔵大臣が座長になるというのもちょっとおかしなことでございますので、先ほど来の、行司役というようなことで入れた方がいいのじゃないかという考え方でお願いしようと思っておるところでございます。
#346
○中野明君 それで、これは再度確認のようになりますけれども、今回のその作業は制度の抜本的な基本にかかわる問題ですので、この作業というのは、あくまでもことし一年限りの暫定措置でやったわけですから、出発点は五十九年度の状況、いわゆる生活保護で言えば八対二ですか、そこが出発点になって作業が始まるというか、議論が始まる、話し合いが始まる、そのようになるのが本当だと私は思います。ですから、その点を確認をしておきたいんですが、いかがですか。
#347
○国務大臣(竹下登君) 私は、どこが出発点かということになりますと、社会保障の議論はやはり昭和二十一年からの長い経過がございますので、そこのところへさかのぼっての議論を続けていかなければならぬじゃないかなというふうに考えております。これは当時の物の本を読んでみますと、かなりお亡くなりになった方もいらっしゃいますけれども、いろんな角度から議論しておられるなということがよく実態としてわかるような気がいたします。
#348
○中野明君 それでは、最後にもう一点だけ、これも委員会の途中ずっと問題になったわけですが、退職者医療制度の見込み違い、これを政府も見込み違いをはっきりお認めになったわけですが、そういたしますと、あの法律の審議の過程で、要するに見込み違いは想定もしていない、そういう状況で退職者の数を想定して補助金を切っておるわけです。ですから、見込み違いが出てきたということは、先にもう補助金を切られているわけですから、それだけは政府の責任で補てんをする、こういうことでなければおかしいと思うんです。ただ調整金か何かでやれればやって、それから後に考えますという考え方は、私どもは納得できません。要するに、見込みをつけて、そして先にそれだけ切っているわけですから、それが実際は六〇%しかなかったというのですから見込み違いは四〇%。先に国庫補助金が切られているわけですから、その分の責任だけは、交付金とか調整金とかなんとか、そんな余計なことじゃなしにやってもらわないと、地方の国保は大変もうたまらぬということになります。
 昨日の参考人も意見を述べておりましたが、既に一般会計から数千万円も入れた、その上に国保の税を一三%も上げた、こういう状態のところが随分多く出ているような状況でありまして、これ以上上げるということになりますと、これは収拾がつかなくなります。そういうことで、この際大臣佐、何か厚生省の方から何とか言うてくるだろう、来たときに考えますということですが、基本的な考え方として、初めから見込み十割で切っておいて実際は六割なんですから、四割だけは政府の責任で補てんをする、こういうふうにしておいていただかないと納得できないと私は思っているのですが、いかがですか。
#349
○国務大臣(竹下登君) これは現在厚生省で調査中であるというふうに承っておるわけでございますが、私自身最初感じましたのは、市町村等で単独で上乗せをしていらっしゃる市町村がある、そうなると、退職者医療の方へ移っていくことを結果として阻害することになったのかなと、単純に私は最初のときはそう思いましたが、別に私が調査して思ったわけじゃございませんし、したがって何せ今厚生省で鋭意調査していただいておるようでございますから、予算の仕組みからいえば、まず基本的には調整交付金でどこまでやれるかということを検討し、そしてそれの後、厚生当局と十分相談すべきことであろうというふうに考えますが、いずれにせよそのうち言ってくるだろうという安易な考え方じゃなく、たびたびお答えしておることでございますから、厚生省の調査の結果を踏まえて十分両省で相談すべき課題であるという問題意識は持っております。
#350
○中野明君 大臣、調整というのはこういうことを想定しての調整のお金じゃなしに、本当の調整なんですよ。だから、それを調整でやられたのではもうそれこそたまらぬということでありまして、このことを想定しての調整じゃないのです。ですから、見込み違いが出ただけは、これはもうはっきり国の方でその見込み違いだけは埋めてやるという考え方を持っていただかないと、それこそほかのところまで国保全体にしわ寄せがいって、うまくやっているところまで影響が出てくるということになるものですから、確認を申し上げているわけでして、その問題意識をどうか大臣、持っておいていただきたい。
 とにかく調整でやれ、できなかったら相談に来いというのじゃ困るのでして、そこのところを私どもはそういう考えでこの間うちから強く要望しているわけでして、見込み違いはもうはっきり見込み違いとお認めになったのですから、先にもうカットされているその分だけは埋めてあげないと、地方公共団体はたまりません。このことを重ねて強く要望して私の質問を終わりたいと思います。
#351
○神谷信之助君 時間がありませんから、単刀直入にお伺いしますが、これから一年間社会保障制度の問題で御協議になると、一昨日当委員会で自治大臣の構想、この協議の仕方というか組織の考え方を聞きました。大蔵大臣もおっしゃいましたが、大体似たようなことになるのだろうと思います。
 そこで、今中野委員の方からもありましたが、ことしの措置は一年限りの暫定措置で七、三の負担割合にした。暫定措置ということは本体があるわけですね。本体というのは八対二という負担割合である。ことしはとりあえず、予算編成もできぬ状態だから、暫定的に一年間だけ七、三だ、こういう負担割合にしている。だから、負担割合の問題で言うならば、スタートというか本体というか、本来の姿というか、検討の結果どういう仕組みにするかは別にして、現段階における仕組みというのは八対二ということなんだ、この点は確認できますか。
#352
○国務大臣(竹下登君) 一年限りの暫定措置が七、三であるから、生活保護に限って言えば、それだから本体は八、二で残っておる、これはそのとおりであります。
#353
○神谷信之助君 そこで、これから役割分担を議論をし、そしてそれに基づく費用分担を結論として見つけ出そう。大臣の言葉で言えば哲学論争が始まる。しかも、それは二十一年にさかのぼってやるというのですから、これは大変なことになるわけです。
 現在の生活保護等を含めた社会保障についての理念とそれから体制というのは、二十一年以来ずっと定着をし、確立をしてきています。例えばこれは、憲法二十五条の理念に基づく生活保護の仕事は国の仕事であると決めた生活保護法の第一条、そういうものに基づいた役割分担ですね。国が大きな責任を持っているそれを費用の分担として見れば八対二ですよと、これでずっと来ているわけですが、例えばこれを七、三にする、あるいは六、四にする、こうなると憲法二十五条に基づく生活保護法第一条の考え方が変わるということになりますね。そういうことになるわけでしょう。
#354
○国務大臣(竹下登君) 憲法の考え方が変わるとは断定できないんじゃないか。
#355
○神谷信之助君 いや、憲法は変わらないけれども、生活保護法の第一条の、「理念に基づき」というところが変わる。
#356
○国務大臣(竹下登君) 大体近代国家の形成過程を見ますと、外交、防衛、治安、教育それから社会保障と、こんな順番で近代国家の、国の果たすべき役割というのが決まっていきます。それに対して応能主義の租税制度が設けられていくというような傾向でございますが、憲法二十五条論争から始まっておることは、これは事実でございます。しかし、その憲法二十五条論争でありながら、それ以前は国が半分、県が四分の一、市町村が四分の一という時代があって、そうして二十一年、あの貧困のどん底の中で、半年ほどでございますけれども、全額国が持った時代がございます。その後、厚生省が約七億でございましたか、それから大蔵省がどうも二億ぐらい考えていたようです、だが要求は三十億した。そうしたら、間接統治下でありますから、占領軍から三十億と、こう言ってきた。それじゃ、いわゆる費用負担のあり方の議論は八、二でやろう、こういう形から決まってきたわけでございます。したがって、費用負担と憲法、いわゆる生活保護法の精神とがトタにつながっていくものではない。だから、横用負担をいじること自身は生活保護法第一条を否定することであるという論理は、これは論理的には必ずしもそのとおりにはいかないということは言えるのじゃないかなと思っております。
#357
○神谷信之助君 そこのところが大変問題になるわけです。
 八、二を七、三にする、それはそのほかも含めて一律カット方式だからだめなんだ、だから役割分担に応じて費用負担を考えようというのが、この間の特別委員会でも自治大臣が一貫して言っている自治省の立場であるわけですね。我々は、費用負担がその役割分担といいますか、あるいは憲法の理念あるいは生活保護法の第一条の理念と費用分担とが全くかけ離れたものではない。それが占領軍の三十億というやつが出て、そして八対二で行こうという経過はありますけれども、その中でずっとそれを理論づけるそういう過程を経て、今は国民的コンセンサスというのが現在の理解なんです。それを今度は七、三にするということは、国の責任が端的に言うならば八から七になって地方の責任が二から三になったと、あるいは四、六だったら、またさらに国の負担責任を減らしていっているんだと。だから役割分担の問題を、それを決めてから費用負担を考えましょうというのは非常に道理のある言い方なんですが、それでいけば結局そういう役割、国の責任と地方の責任分担を変えるということになる。
 こういうことになるということになりますと、私はこれは長い間、二十一年以来ずっと培われてきたこの問題なりあるいは祉会保障をどのように国と地方が負担をし、責任を分担をするということにおけるコンセンサスをごろっと変えるということになりますから、これは大変な問題になると思いますよ。それを年末の十二月までぐらいに結論を出して、そしてそれが国民のコンセンサスを得るというのは大変困難なことじゃないかというのが一つの問題なんです。
 そういった場合に、これまでやってきたけれども、しかし結論は出ないとなり、しかし国の財政負担というのは一年でよくなるわけじゃないわけでしょう。なかなかそうはいかぬ。六十六年までうまいこといくかどうかもわからぬのに一年でいくか。何ともならぬ。そうすると、また去年と同じような轍で、ないそでは振れぬという論理で無理やりずっと行ってしまう、そういうおそれはないのか。結論が出ない場合は、先ほどの本体に戻る、だから八、二にもう一遍戻って、その上でもっとその問題を根本的に、あるいは国民的コンセンサスを得るように政府としても努力をしていくと、そういうこともあり得ることなんだというふうに思うんですが、この辺はいかがですか。
#358
○国務大臣(竹下登君) 極端に言えば、この間の法律を単純延長する。しかし、単純延長という法体系はつくれないなと思いますのは、義務教育の問題とそれから年金制度の改革の問題等がありますので、これはおのずから別の次元に移っていく、だから結論が出なかったから、とりあえず去年どおりにもう一遍と、こういうお願いの仕方をしちゃいけない、やはりそれまでに結論を得るものとすると、こう覚書を交換いたしているわけでございますから、そういう努力の仕方をすべきものであるというふうに思っております。
#359
○神谷信之助君 社会保障制度の問題は、それから我々から言えば義務教育の国庫負担の今度カットした分、あれも問題だと思うが、これはおいて、そのほかの公共事業関係のカット分と若干性格が違うというふうに見ているのです。公共事業のカット分というものは、これはそれこそ国の財政の状況やら、あるいはどの事業に力点を置くかという政策の選択の問題でもありますから、この補助率をどうするかというのは、これは選択の問題なんでしょう。だから、これはそういう意味では社会保障とは別にされて、そして文書で確認をするという形じゃない。しかし、協議はしましょうという形になっている。しかし、こっちの方はそうじゃない。それはなぜかと言えば、制度の根本的な転換になるのだ。だから、結論が出ない場合に一括法そのままじゃないんですよね。生活保護法なり児童福祉法なり精神衛生法なり、ずっとあります。そういう関係の法律を直した部分をもってもうさらに一年延長するということもあり得るわけでしょう。これは、今のカット法をそのままはやりませんということをおっしゃったけれども、それはやれないです。年金その他ありますから、外すに外せない感じ。あるいは公共事業なんかは、場合によったらもっときつく削る場合もあるし、ふやす場合もあると。それは政策選択の問題としてはあり得ると。
 こっちの方はそうはいかぬでしょう。そういうことを言っているのですが、いかがですか。
#360
○国務大臣(竹下登君) いや、政策選択という範疇で物事をとらえるならば、それは社会保障も公共事業も、いずれもやっぱり政策選択の課題ではあると思うわけであります。ただ、社会保障の場合は憲法二十五条を受けてからの歴史的経過というものが相違しておるというふうに、公共事業はときどき変化した歴史がございますし、それと最初申し上げましたように、議論の土俵の上に事業量とか事業費という別の次元の問題が加わってまいりますので、その辺の相違が、覚書になったものとそうでないものとの差があるのじゃないかという問題意識は大体一緒じゃないかなと思っております。
#361
○神谷信之助君 だから、そういう点では私は、それは大きい意味での政策の選択であります。しかし、今大臣もおっしゃるように、これは社会的なあるいは歴史的な蓄積がありますから、制度の問題として言ってみると、定着しているといいますか、そういうものの変更ですから、私はそう軽軽にしてもらっては困る。しかも、先ほど大臣の話を聞いてると、憲法の理念の問題あるいは生活
保護法の第一条の目的の問題、これと費用分担との関係は切り離して考えるかのような、そういう発言がありましたから、そういう観点でいってしまうと、今度は財政主導で制度の変更を考える、こういうことになってくる。これでやったら、もうそれこそ国家百年の大計を誤るようなことになりかねない、こういうように思うんですが、この点はいかがですか。
#362
○国務大臣(竹下登君) いや、財政主導と申しますが、財政を離れた政策の組み合わせというのは、それは難しいと思います。それは補助率のほかに、まだいわば基準の問題もございますし、したがって財政を全く離れたところで議論をする問題でもなかろうというふうに思います。広義においては、今おっしゃいましたとおり政策選択の問題でありますが、このいわゆる役割分担と費用負担のあり方としてのアプローチの仕方というのは、私はさまざまなアプローチの仕方があるのじゃないかというふうに考えております。
#363
○神谷信之助君 大体今ちょっとはしなくも出ましたけれども、大臣の検討内容の中には、あるいは検討対象の中には、保護対象の基準をどうするか、あるいは給付内容といいますか、これをどうするか、それをも踏まえて、場合によれば二対八もあるし七対三もあり得ると、今のはそういう意味でおっしゃっているわけですか。
#364
○国務大臣(竹下登君) いや、そうでなく、その給付の基準などというものも財政を全く外れたところで議論されたものじゃないと思います、今日。しかし私は、給付内容について三省で話をしようという、それは議論としてはあり得るかもしれませんが、それは今念頭に必ずしもございません。それは専門の省の方でおやりになって今日まで来ておるわけでございます。しかし、一つの例として補助率もそうでございますが、給付内容とかいうものを今日まで決めてきたのにも、財政を全く離れたところで決まったものじゃないという意味で申し上げたものであります。
#365
○神谷信之助君 もう時間が来ましたから終わります。
#366
○委員長(金丸三郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は五月二十八日午前十時開会することとし、これにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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