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1984/05/28 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第17号
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1984/05/28 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第17号

#1
第102回国会 地方行政委員会 第17号
昭和六十年五月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     上田  稔君     宮島  滉君
     志苫  裕君     野田  哲君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金丸 三郎君
    理 事
                岩上 二郎君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                三治 重信君
    委 員
                井上  孝君
                上田  稔君
               大河原太一郎君
                加藤 武徳君
                上條 勝久君
                古賀雷四郎君
                出口 廣光君
                宮島  滉君
                吉川 芳男君
                佐藤 三吾君
                野田  哲君
                丸谷 金保君
                中野  明君
                峯山 昭範君
                神谷信之助君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    古屋  亨君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        鈴木 良一君
       警察庁交通局長  太田 壽郎君
       自治大臣官房長  津田  正君
       自治大臣官房審
       議官       土田 栄作君
       自治大臣官房審
       議官       井上 孝男君
       自治大臣官房審
       議官       渡辺  功君
       自治省行政局長  大林 勝臣君
       自治省財政局長  花岡 圭三君
       消防庁長官    関根 則之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       外務省条約局法
       規課長      谷内正太郎君
       大蔵省主計局主
       計官       田波 耕治君
       厚生大臣官房政
       策課長      末次  彬君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  近藤純五郎君
       運輸大臣官房国
       有鉄道部日本鉄
       道建設公団・本
       州四国連絡橋公
       団監理官     梅崎  壽君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(金丸三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○丸谷金保君 地方交付税法の性格については今までの衆参の記録を読みますともう言い尽くされておる感じがいたしますので、いきなり本題に入っていきたいと思います。
 いわゆる先日も問題になりました行革大綱なんですが、行革大綱をやらないと交付税でペナルティーをかけるというようなことはございますか。
#4
○国務大臣(古屋亨君) 地方行革大綱と交付税とは直接の関係はございません。行革大綱は、足並みをそろえてやっていただきたい、基準を示しますというのが地方行政のいわゆる大綱でございます。御承知のとおりでございます。したがいまして、これをやらないからといって直接に交付税を云々するということは関係ないと思っております。
#5
○丸谷金保君 そうすると、行革大綱というのはあくまで行政指導であって、これをやらない自治体が出たからといって特別なペナルティーは考えていないというふうに理解してよろしゅうございますか。
#6
○国務大臣(古屋亨君) さようでございます。
#7
○丸谷金保君 そうしますと、私は行政指導なり通達というふうなものの性格というものを考えまして、志苫委員の御指摘に対して先日の御答弁でも、そういう行政指導をするというふうなことについては法的な根拠はないのだというふうにもおっしゃっておりましたね。私の聞き違いでなければ、そういう御答弁だったと思うんですが、いかがですか。
#8
○政府委員(大林勝臣君) 国と地方公共団体の関係という章を地方自治法が設けておりまして、地方公共団体の組織及び運営の合理化に関することにつきまして自治大臣が必要に応じて助言、勧告をすることができるという規定が自治法の二百四十五条にございます。これに基づいて一般の行政指導を行っておるところであります。
#9
○丸谷金保君 そうしますと、私はこの間の議論を聞いておりまして、法的な制裁措置とか根拠というものは、いわゆるこのことについては一般論だけだと、地方自治体にしますと、法的な根拠がないからああいう通達は大変ありがたいのだ。やってもやらないでもいいですね。やらないからどうということはないでしょう。そうですね。
#10
○政府委員(大林勝臣君) 地方公共団体の組織、運営の合理化につきましては、地方自治法自体におきまして常に合理化に努めなければならないという義務規定も冒頭に規定をされておるところでありまして、ひとつの法律上要請されておる点でもあり、また行政執行上も、自治省といたしましてできるだけ地方公共団体が足並みをそろえて行革に取り組んでいただくよう、また要請するのが私どもの立場であると考えております。だから、やってもやらなくてもいいというような考え方というものにつきましては、私どもはやはりこれはこの際足並みをそろえて全団体やっていただきたいと、こう要請をいたしておるところであります。
#11
○丸谷金保君 それで、実は私ここにもチェックしたのですが、足並みをそろえてということをおっしゃるんですね。しかし、数多い地方自治体ですから足並みそろうわけがないんです。これを足並みそろえようというところに無理があるんで
す。要綱が出ようが出まいが、やっているところはやっているんですよ。そういうところでまた屋上屋を架して、要綱が出たからもう一遍やり直すなんてね。ただ幸いに、私は逆にこの間の論議聞いていて、法的に確たる根拠があってやるものでないのだから、いわゆる地方自治法の一般論によってやるのだから、これは自治体の長の受けとめ方によってどうにでもこなせるなというふうに逆に受け取ったんですが、やっているところにしてみれば、今さらそういうところをどうして足並みをそろえなきゃならないんですか。
 例えば予算規模百四十億を二百人の職員でやっている自治体があるんです。予算規模百四十億に五百二十名の職員を擁している自治体もあるんです。やっているところにしてみれば、行革大綱でこれが足並みそろえられますか。それじゃ予算規模百四十億で五百二十名の職員を擁している自治体が二百名のところに足並みそろえられますか。これそろえられないんですよ。だから、どういうことになるかといいますと、ああ、また来たと、いろんな指導要綱来ますから、目くじら立てて反対することもないし、適当にこういうふうにやりましたという文書をつくって返事を出しておけと、理事者の町村長なんて利口ですから争わないです。まあ来たのだから一応やりましたという形をつくってやろうじゃないか、うちはもうちゃんとやっているのだから今さらその必要ないなどというふうに目くじら立てることもない、こういうことになってしまうんです。ですから、やはりこういうのをお出しになるときは、ペナルティーはないんだということをはっきりさしておいてやった方がいいと思うんです。そうすると、みんなそれぞれちゃんとこなしますから、ペナルティーはないんですね、このことだけを聞いておきたいと思います。
#12
○政府委員(大林勝臣君) そういうことは考えておりません。
#13
○丸谷金保君 それで、自治体としてはそういう場合に逆らって一番怖いのは起債制限と交付税です。減らされるんじゃないかと。しかし、交付税なんというのは本来、今度の法案にも出ていますように、全国公平に一つの基準に基づいて支出されます。それは多い少ないいろいろありましても、あそこは行革大綱を出さなかったから、めつぼにとって交付税減らしてやるなんということにならない仕組みになっているんです。そこで、交付税というのはやっぱり独立した税、そういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#14
○政府委員(花岡圭三君) 地方交付税は国が国税三税から取りまして、そしてその一定額を地方団体の税として交付するという性格のものでございます。
#15
○丸谷金保君 それで、地方交付税の算定基準の中で面積というのは非常に重要な要素を持ってきていると思うんです。面積のとり方なんですが、これは一応国土地理院の発表している面積が基準だと、こういうことで、それに基づいて面積は申請しなさいというふうな行政指導をやっておりますか。
#16
○政府委員(花岡圭三君) これは地方交付税法に定めるところによりまして、国土地理院が発表いたしました最近の数値をとることになっております。
#17
○丸谷金保君 そうしますと、国土地理院で境界について争いがないということで発表した最新の数字がございますと、これが面積の基準になることは間違いございませんね。
#18
○政府委員(花岡圭三君) 交付税の算定上はそのとおり使うことになるわけでございます。
#19
○丸谷金保君 特別にそのことについて自治体の方から異議がない場合には、その算定基準に従った面積の持っている地域によってそれぞれ自治体の境界が決まると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#20
○政府委員(花岡圭三君) 境界の争いの問題と交付税の算定とは切り離してございまして、あくまでも交付税法では最近のいわゆる国土地理院で発表いたしましたその面積ということになっておりますので、境界の方の問題は別途それぞれの地方団体でお決めいただくことになろうということになるわけでございます。
#21
○丸谷金保君 そうすると、その町村の境界と所有権とは別のものですね。――ちょっとわかりませんか。境界があって、境界の争いと所有権の争いが重なったその場合に、所有権の争いと境界の争いとは別な事案だというふうに理解してよろしいですかということです。
#22
○政府委員(花岡圭三君) 所有権と市町村の境界とは別段関係ございません。
#23
○丸谷金保君 それで、境界の問題なんですが、これは前から実は法務委員会で取り上げたんですが、その後一向に進まないので、この機会に青函トンネル、これで運輸省にお伺いしますけれども、トンネル開通したのですが、私は開通する前から、問題があるから開通するまでの間に決めておきなさいということで、当時の法務大任も何とかそれはしなきゃならぬと言ったのですが、北海道と青森の県境は青函トンネルの中の場合、どこで決めるんですか。
#24
○説明員(梅崎壽君) お答え申し上げます。
 青函トンネルは先生御指摘のとおり三月十日に本坑が貫通いたしまして、北海道と青森県が陸続きになったわけでございますが、これの境界など各行政法現の適用につきましては、それぞれ所管のところで検討されるべき問題であると私どもとしては理解いたしております。
#25
○丸谷金保君 それぞれ所管のところではわからない。どこが決めるんですか。所管は運輸省でないんですか。
#26
○説明員(梅崎壽君) 行政法の適用の問題といたしましては、ただいま先生御指摘のように、市町村の境界とかあるいは税法の適用問題とか、そのほかに警察権の行使であるとか、いろんな問題があろうかと思います。そのそれぞれにつきまして所管のところで御検討いただくのがまず必要であろうと、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
#27
○丸谷金保君 それがわからないんです。どこが所管なんですかと聞いている。境界を決めるのは運輸省ですか。
#28
○説明員(梅崎壽君) 行政区域の問題ということでございましたら、私ども運輸省の所管ではないと思っております。それにつきましては自治省の方で御検討されるべき問題であろうかと、こういうぐあいに考えております。
#29
○丸谷金保君 自治大臣、法務省の方では裁判管轄権その他いろいろありますが、これも自治省の行政区域が決まったらそれに従うと、こう言っているんです。それから、運輸省もそうですね。自治省、これはどう決めるんです。
#30
○政府委員(大林勝臣君) この公海の下のトンネルというものができましたのが全く初めてのケースでありましたので、法制上いろいろ問題がございました。先ほど御質問にございましたように、以前は領海がやはり地方団体の区域の限界であろう、したがって公海の下に貫通したトンネルについては地方団体の区域と考えるのは難しいのではないだろうかという考え方が冒頭にございました。ただ、いろいろ御意見を伺いながら、その後法制局、外務省ともいろいろ協議をした結果、やはり国全体としても管轄権というのはそのトンネル部分に限ってはあると考えざるを得ないだろう、したがって管轄権というものがあるとすれば、管轄権が及ぶ範囲内で司法、立法、行政の三権が及ぶことになる。その三権が及ぶことになれば、当然地方団体の区域にも含ませるべきであろうと、こういう結論になったわけであります。
 したがいまして、従来の考え方と新しい事態に対応する考え方が変わってきたわけでありますが、そういった考え方に基づきました場合には、地方自治法の第七条の二という規定がございまして、「従来地方公共団体の区域に属しなかった地域を都道府県又は市町村の区域に編入する必要があると認めるときは、内閣がこれを定める。」と、こういう条文がございます。したがいまして、決定手続は内閣の閣議決定の手続によって定めるとい
うのが制度的な手続であろうと思います。
#31
○丸谷金保君 それで、その内閣が決めるのはわかるんですが、その閣議に持ち出す責任者はどこなんです。どこかが持ち出さなきゃ閣議に諮れないでしょう。その所管はどこが担当するんですか。
#32
○政府委員(大林勝臣君) これは地方自治法を所管しております自治省が関係省といろいろ協議をし、関係地方団体などと協議をした上で閣議にかける、こういう手続になろうと思います。
#33
○丸谷金保君 従来から一歩踏み込んだ御答弁だと思うのですが、前はとにかく自治省は、領海内はわかるけれども、公海の下のことは我が所管でないと言っていたのですが、今度はそうでないですね。自治省の所管だと。
 そこで交付税との兼ね合いが出てくるんです。交付税の場合に、これはやはりそうすると算定基準に入ることになるでしょう。線引きをどこでするかということについての基本的な考え方、例えば坑道から折半するのかあるいは青森と北海道の領海外のところから真ん中で決めるのか、いろいろそれによって違ってくると思うんです。坑道になりますと、青森の方はずっと遠くからあります。それから、坑道の入り口からの面積で決めていくということになりますと、穴は通っているけれども上には出ていない村があるんです。こういうものの取り扱いをどうするのか。地の下のトンネルは確かにおれのところのものだ、しかし坑道からになるとそういうことにならない。どこから決めるんですか。
#34
○政府委員(大林勝臣君) 交付税上の措置をどうするかという前に、北海道と青森の関係道県町村、これの境界限界を決めるのが先決になると思います。したがいまして、現在の公海上のどこを境界として、道県の境界と同時に町村の境界として決めるか。これは今後関係省庁及び関係地方団体と協議をして決めるということになります。
 現在のところ、具体的にどういう手法でどのあたりを決めるかということにつきましては、まだ全く白紙の状態でございます。
#35
○丸谷金保君 貫通しちゃったのですよ。そうすると、六十年度の交付税の算定基準の中に入る基準財政需要額の面積の中には、これは入ってきませんね。例えば道路延長、あるいは国鉄の場合の納付金の対象になるか、いずれにしても入ってきませんね。これは現在のところ白紙でも、いつまでもこのままの状態で置いていいんですか。大臣、どうです。
#36
○国務大臣(古屋亨君) 公海の下の部分の地方団体の帰属について初めての事例でございますので、これは私どもとしては、このトンネルが通れるようになったとき、つまり完成時までにそういうことをきちっと決めるべきであると考えておりまして、そういう意味で、この問題につきましては自治省が音頭を取りまして関係省と話し合って、閣議でどうするかということを決めてもらうのがまず第一。それから、交付税の問題はその帰属が決まりましてから考えること。そうしないと、帰属が決まらないうちに交付税をどうするというのはできませんので、今の御質問の点は初めての問題であると思いますが、私はトンネルが通用するといいますか、完成といいましても通じただけでございますので、これが実際に……
#37
○丸谷金保君 供用開始までね。
#38
○国務大臣(古屋亨君) はい、そういうふうに私は考えております。
#39
○政府委員(花岡圭三君) 交付税の算定に当たりましては、これはあくまでも国土地理院が調査いたしまして前年度中に公表したものを用いるという形になるわけでございます。
#40
○丸谷金保君 そうしますと、国土地理院が調査したのと今度は違う。供用開始になりますと、国土地理院が面積改定しないでも、町村としては交付税の要因として請求できるんじゃないですか。それはだめなんですか。
#41
○政府委員(花岡圭三君) これは地方交付税法にそのように定めておりますものですから、そういった客観的な基準に従って算定をするということになるわけでございます。
#42
○丸谷金保君 実際に供用開始しても、国土地理院が面積あるいは道路その他として確定できないでいる場合には関係地方公共団体は損するわけですね。そうすると、その場合には、早く決めると異議の申し立てができませんか。
#43
○政府委員(花岡圭三君) 交付税でとっております数値は、例えば人口につきましても国勢調査人口を使ったりしておりますので、この国調と国調との間の人口と実際の発表されました人口と違っておるという状態がしばらく続くことがございます。それと同じでございまして、面積につきましてもやはり国土地理院の発表したものを用いるということによらざるを得ないわけでございます。損をしたかどうかということございましょうけれども、実際どういう需要があったのか、特にそういう交付税で算定しなければならない需要というものが発生するようなことがありますれば、そこはまた特別交付税などの算定ということになろうかとも思いますけれども、普通交付税におきましてはこの数値は客観的な指標によってとらざるを得ない。したがいまして、これと違っておりましても異議の申し立てはできないことになっております。
#44
○丸谷金保君 そこで特別交付税の問題が出てくるんです。普通交付税で算定できないような特殊な事情というものに一つの基準をつくれば、特交で何とかそれをカバーするという方法は当然出てくるわけですね。
 その前に外務省にちょっと一つお聞きしておきたいんですが、公海の下のトンネルの両端の穴がそれぞれ主権国が同じであればその国の主権が及ぶというふうな国際慣行があるようなお話を前に承ったことがあるんですが、調べてみるとそういう国際慣行はないんですね。これは国際法上、確たる根拠はありますか。
#45
○説明員(谷内正太郎君) 実際の慣行例といたしましては、実際に条約として成立したものではございませんけれども、一八七六年にイギリスとフランスとの間でドーバー海峡、ここにトンネルを掘ろうという話がございまして、そのときにトンネルの管轄権の問題、これは折半しましょうということで条約案は一応できておったのですけれども、トンネルが実際にはできなかったという例はございます。
 ただ、一般的な国際法上の問題といたしましては、我が国は青函トンネルの公海下の部分におきまして我が国の領土と同様に管轄権を行使することはできるというふうに考えておる次第でございます。
#46
○丸谷金保君 ドーバー海峡の問題というのは、その後も何回か――しかし管轄権とかそういうことが欧米の国では先なんですね。掘る前にそういうことをきちっと決めておいてからかかるんです。
 これは前にも私指摘したのですが、日本ではとにかく業者の仕事がなくなったから、さあ掘れ、さあ掘れという方が先になって、こういうことがいまだに決まってないでしょう。
 考えておるとおたく言いましたね。私は、あなたの考えを聞くのではなくて、国際法上の根拠があるかということです。
#47
○説明員(谷内正太郎君) トンネルの管轄権につきまして、条約上明確な規定をしたものはございません。ただ、一般的に申しまして、公海の下のトンネルを掘ることが公海の自由というようなものを妨げるというふうには考えられませんので、国際法上、このようなトンネルに沿岸国が管轄権を行使することを禁止するというものもございません。
 また、非常に有名な学者の諸諭説を見ましても、このトンネルに管轄権を行使することに疑問を差し挟むようなものは見当たりません。
 したがいまして、私どもとしましては、これは外務省といたしましては、このようなトンネルに管轄権を及ぼすことに問題があるというふうには考えておりません。
#48
○丸谷金保君 ただし、この場合には公海の下で
すから、それぞれ関係諸国に対して通知をするなり、何らかのアクションを起こして、きちっとその点の了解を取りつけておくという必要はあるのじゃないですか。
#49
○説明員(谷内正太郎君) 私どもは、青函トンネルの公海の部分のみを取り上げまして、我が国が管轄権を有すること自体を国際的に何らかの形で明らかにする必要があるとは必ずしも考えておりません。
 と申しますのは、沿岸国の領域の一部とその国の領域の他の一部を結びますトンネルがたまたま公海の海底下を通るというような場合に、外国との間で何か問題が生ずるかということをいろいろ考えてみますと、必ずしもそういうことはないのではなかろうか。
 先ほども申しましたように、公海の自由というのはあくまでも海の上及びその中での問題でございまして、トンネルを掘ることによって諸外国に御迷惑をおかけするということは想定されないところでございます。
#50
○丸谷金保君 前回もこの問題で非常にあいまいな部分があるんです。公海でしょう、例えばある国がここで石油採掘権を主張するというふうなことだって起こりますが、これは大陸棚とかいろいろな問題もあります。しかし、そういうことを抜きにして、大陸棚がないとした場合に海底に対して主権が及びますか。
#51
○説明員(谷内正太郎君) 今昔函トンネルで問題になっている水域あるいはその地下におきまして実際に石油を掘るという事態は、ちょっと私ども想定しておりませんので、その場合にどういう問題が生ずるかということを今ここで申し上げると言われましても、ちょっと申し上げる用意がございません。
#52
○丸谷金保君 それじゃ、もう少しわかりやすく言います。重大な犯人がトンネルに入った、某国の潜水艦が来てドリルで穴あげて拾って逃げた、この場合どうなりますか。
#53
○説明員(谷内正太郎君) 連れて逃げるわけですか。
#54
○丸谷金保君 連れて。公海ですよ。海上保安庁は、我々は海の上だけだと言うのだ、海上だから下は知らないと言うんです。外務省、どうしますか。
#55
○説明員(谷内正太郎君) 国内法上、海上保安庁あるいは警察がどのようなお考え、あるいは法律上、国内法上の根拠に基づいて措置をとられるかは私ども申し上げる立場にはございませんけれども、国際法上の立場から申し上げれば、我が国といたしましてはそのトンネル内につきましてはあくまでも司法上の管轄権も行使し得るという立場でございますから、そういう事態が生ずるかどうか、私よくわかりませんけれども、万が一そういう事態が生じた場合にも管轄権を行使することは可能であるというふうに考えます。
#56
○丸谷金保君 これ時間がなくなるので、いろいろ問題ありますけれども、とにかく早く大臣決めてください。
 大臣、今裁判管轄権のあるときの話をしているんです。まだないんです。ないときどうします。ないんですから、どっちも決まってない。そのときにそういう問題起きたらどうします。
#57
○国務大臣(古屋亨君) 私は国際法の専門ではないわけですから、公海の下のトンネルの部分がどうかということについては、常識的に言うと、これは両方の入り口が北海道と青森県でございますから、私はこれは当然日本の管轄権といいますか、そういうふうにあるのじゃないかと思っておりますが、私のような専門家でない者がそういうことを申し上げても公ではありませんが、そういう意味で供用開始前に私どもも境界をはっきりする、どこまでが北海道でどこまでが青森県、公海の下についてはいろいろの議論もあると思いますが、私は青森と北海道どちらかにあれするよりほかに方法はないと思いますので、そういうような点に立って供用開始前には何とか関係省と話し合いましてきちっとしないと、先生のお話のようないろいろ問題起こりますので、ひとつ供用開始ということを頭に置きながらその前に決めてまいりたいと思います。
 それまでに事件が起こったら裁判管轄権はどこにあるか、いろいろ問題は考えればあるわけでございます。これはやはり便宜的な方法かもしれませんが、青森県の方は青森、それから北海道の方は北海道、その境が問題でございますが、私どももひとつ十分研究しまして、供用開始前にはとにかく話をつけるように努力をしてまいりたいと思います。
#58
○丸谷金保君 特別交付税の問題なんですが、ことしの四月十二日の衆議院の地行の委員会で、小川委員の質問に対して病院の債務について井上政府委員が「特例債等の償還あるいは不良債務解消のための一般会計からの繰り入れに対しましては、その二分の一程度を交付税により措置いたしますとともに」、こういう答弁をしているんです。私は、これ非常に不思議に思ったんですが、「二分の一程度」などという、こういうどうしてあいまいなことなんだ。かつて私には、これはルール計算に入れて二分一出します、自治体の赤字分として一般会計から補てんする分には計算に入れます、こういうことだったのに、今度はこの「程度」に変わっているので、この理由をひとつお聞きいたしたい。
#59
○政府委員(井上孝男君) ただいま御指摘がございましたように、衆議院の地行における小川委員に対しまして、私は確かに「二分の一程度」というふうにお答えいたしております。それは、私どもといたしましては病院事業に対する交付税措置、これは普通交付税、特別交付税、両方ございますけれども、合わせまして二分の一をめどに一応の業作をいたしますけれども、特別交付税の場合には財政力補正などを実施いたしますので、その結果、年度によりまして二分の一を切る場合がございます。そういう状況も踏まえて御答弁申し上げたわけでございます。したがいまして、今後とも私どもといたしましては二分の一になりますように、できるだけ二分の一に近づけるような算定方法を講じてまいりたいというように考えております。
#60
○丸谷金保君 前には、私の質問に対して、病院の特例債の償還に充てるために一般会計が病院会計に繰り入れをした分についてはその金額の二分の一を特別交付税で措置する、こういう答弁があって、私もそれは北海道の町村長にみんな話しておったんです。
 そうすると、それは今度変わったわけですか。
#61
○政府委員(井上孝男君) ただいまおっしゃいましたのは公立病院特例債の元金償還に対する措置でございましょうか。
#62
○丸谷金保君 はい。
#63
○政府委員(井上孝男君) そういうことでございますと、二分の一でございます。
 私が四月に衆議院でお答えいたしましたのは、病院事業全体に対する財政消遣という意味でございました。
#64
○丸谷金保君 そうすると、ここでは特例債等の償還あるいは不良債務解消のための一般会計からの繰り入れ、これは別々に二つに分けなきゃならぬですね。このおたくの答弁は、特例債の償還に対する繰り入れについては二分の一、それからその他不良債務に対する一般会計からの繰り入れについては二分の一程度、こういうふうに分けて答弁なさっているんですか。
#65
○政府委員(井上孝男君) 四月に答弁申し上げましたのは、全体を通じての措置率でございました。しかし、ただいま先生がお尋ねの公立病院特例債元金償還金に対します普通交付税の算入率は二分の一でございます。その他病院関係にいろいろございますが……。
#66
○丸谷金保君 わかりました。それでちょっと安心したんですが、この答弁どうもあいまいで、そこのところはっきりしなかった。
 そこで、特別交付税というのがいつもそういう点では問題になるんです。これは自治省にひとつしっかり御答弁願いたいと思うんですが、私はこれを見ていて、相変わらずやはり特別交付税とい
うのはどうもあいまいもことしているのじゃないか。こういう場合に、一応交付税ですから審査の請求の対象になりますね。審査の請求の対象になるのは、あくまでここで言いますと基準ですか、審査請求するのはあくまで「交付税の額の算定の基礎について」ということになりますね。基礎についてどうも問題があると思った場合には審査請求できる。これは普通交付税も特別交付税も含んでおりますでしょうか。
#67
○政府委員(花岡圭三君) この審査請求の審査の申し立ての第十八条の規定は普通交付税も特別交付税も含んでおるわけでございます。
#68
○丸谷金保君 ところが、今までもそうですし、現在もそうだと言うんですが、特別交付税は一応要因で請求はいたしますが、決まってくるとき一本で決まってくる。市町村長は中身わからないんです。これの中身がわからなくてどうして審査請求できますか。中身を示してくれてないで、どうやってやったらいいんでしょう、ひとつ教えてください。
#69
○政府委員(花岡圭三君) 特別交付税というものの算定につきましては、これは自治省令の定めるところによりまして、一定のルールに従って算定しておるわけでございまして、ただ最終的には個個の団体についての特殊な要因を算定しなければならない、あるいは財政力等も勘案しなければならないというふうなことで総合的な決定をしてまいるわけでございます。そういったことでございまして、普通交付税において算定できない特殊な個別の財政需要の算定をするということでございます。いわゆるひもつき的な財源となることを避けるためもございまして、個々の地方団体の個別の算定につきまして従来から明示していないわけでございます。しかし、私どもとしましても、その算定に当たりましては原則として各地方団体から提出された基礎資料に基づいて算定をいたしております。また、その算定方法におきましても、その需要の性質上ルール化して政令に明記することが困難だというふうなものを除きまして、その多くは省令の上に明記しておるわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、この特別交付税の算定対象となっております財政需要というものが普通交付税においては補足されなかったものだと。で、その性質上どうもルール化して算定することが困難であるというふうなものもございますし、特殊なものも多いものでございますから、このルール化という性格になじまないものもあることはあるわけでございます。そういったことで、できるだけ私ども特交の算定につきましては客観的でしかも簡明な算定をするように努力しておるわけでございますので、そういったことで御理解願いたいと存ずるわけでございます。
#70
○丸谷金保君 全然今の話聞いていても理解できないんです。なぜ内容をそれぞれの市町村に開示しないかということの理由にはなっていないんです。私の聞いているのはそのことよりも、おかしいと思っても、内容を知らないで審査請求どうしてできるんだということです。一応、算定基準になる資料は各市町村なり都道府県が出すわけですよ。省令に基づいて出す。そしてそれの、何といいますか、様式もあるわけです。その様式に基づいて書いて出すんです。出した金額がそれだけ全部来るわけじゃないんですよ。いろいろな算定によって金額が決まってくる。これは一本で決まってくる。じゃ、どこがどういうふうに削られてこれだけになったのかということを知事なり市町村長はわからないで、おかしいじゃないかという、そういう審査請求が一括機関にどうやってやったらやれると思いますか。審査請求は普通交付税だけだというならわかるんです。しかし、今特別交付税も当然、税である以上審査請求の対象になるとおっしゃいました。わからないものがどうやって、これおかしいといって審査請求できるのか、方法を教えてください。
#71
○政府委員(花岡圭三君) 先ほど申し上げましたように、特別交付税におきましてもできるだけ省令に算定方法を定めるように努力をいたしております。したがいまして、例えば災害関係とか病院関係とか公営企業関係の需要の算定につきましても省令に書いてございますので、そういった算定というのはみずからの団体でもできるわけでございます。また、減額要因というものはこういうものであるというふうなこともお示ししておるわけでございます。したがいまして、それぞれの団体である程度の算定というものはおわかりになろうかと思います。若干最終の調整を要する部分、財政力を勘案してというふうなことが個々の財政需要といいますか、その団体だけの非常に特殊な需要が幾ら入っているかということはわからないにいたしましても、大きな部分というものは大体この算定方式に明記してございますので、この程度のものは自分のところには来るという算定はできるわけでございます。
 そういうふうなことでございまして、審査の請求がしたがって全くわからないからできないといったようなことになろうとは、ちょっと私ども考えてないわけでございます。
#72
○丸谷金保君 ある程度わかる、さっきもある程度、二分の一程度と、程度じゃ困るんです。税なんですから、きちっとしていなきゃならぬはずです。私の知る限りでは、自治省は非常に公平に特別交付税もやっていると思います。予想以上にきちっと、どこからつつかれてもきちっと説明のできるような全国同じ公平な基準で、あれだけきちっと公平にやっているのだから開示できない理由がわからないんです。開示しないものだから揣摩憶測が飛ぶのです。しかし、その揣摩憶測の分はやめておきますが、わからないものが、法で規定されている審査請求をどうしてできるかという説明、今の説明聞いてもわかりませんよ。ある程度わかるなんと言っても、きちんとわからなきゃならないんです。どうなんです。ある程度わかるでしょうなんというようなことで、できますか。なぜきちっとできるものがきちっとできないんですか。きちっとしているじゃありませんか。開示しなければ、審査請求の道を閉ざしていますよ。
#73
○政府委員(花岡圭三君) 先生御承知のように、この特別交付税は非常に個別の算定いたします部分がございます。特に金額につきまして普通交付税のように非常に包括的なものでございませんために、開示することによりましてこの経費が幾ら来ておるではないかということから、かなりここで問題の生ずる部分もあろうかと思います。そういったことから、私ども一応この開示というものは今差し控えさせていただいておるわけでございますが、個々の団体の事情というものもよくお聞きいたしまして公平な算定に努めておりますために現在地方団体の方から審査請求は参りませんけれども、またこれが審査請求をぜひしなければならないというふうな状況になるような算定もいたしておりませんけれども、されるかされないかということになりますと、これは地方団体の方でどうお考えになるかということでございまして、各地方団体には私どもそこら辺はいろいろ算定の基礎についても説明いたしておりますので、そういった問題まで発展をするようなことはなかろう。できるだけ私どもも地方団体に納得いただくような公平な措置を講じておるというつもりでございます。
#74
○丸谷金保君 公平にやっているからいいじゃないかということにはならないんですよ。法律ですから、法律でこういう審査請求する権利を一切認めておきながら、審査請求の対象になる特別交付税の内容開示、これこれでこれだけになりましたという内容開示をしなければ、審査請求、どんなふうにしてもできないじゃないですか。内容がわからないんですから、できないでしょう。しかも、交付税法で特別交付税を開示しないでもいいなんという法文どこにもないんです。住民請求で、この中身知らせるということで問題になってきた場合にどうします。市町村長は説明できないでしょう。説明のできない税というのが日本の国の中にありますか。ないはずなんです。どうなんです。程度だとか、一応なんというごまかしの言葉は困ります。
#75
○政府委員(花岡圭三君) 特別交付税に限らず、普通交付税はおきましても、税として徴収いたしますときは国税三税としてこれは明らかに課税標準も決定されておるわけでございます。この点につきましての問題はないであろうと思います。
 問題は、先生の御指摘のように、なぜ開示しないのかということでございますけれども、先ほどから申し上げておりますようなことで、ひもつき財源的なことにとられかねないというふうなものもございますので、このところは差し控えさせていただきますので御了承いただきたいと思います。
#76
○丸谷金保君 国税三税から税として徴収したものでしょう。そして冒頭で、交付税というのは独立した税だ、市町村の固有の財源だということについては明らかです。固有の財源なんです。徴収した税を交付税として配分する場合に、その中身を受け取る方が知らされないでいいのだろうか。しかも一方、法では審査請求の権限を認めているんですが、できないんです。だから、私は審査請求の問題だけにきょうは限って御質問しているんですが、いろんなこと言ったって、できないんじゃないですか。そんなこと言わないで、できるのかできないのか。内容がわからなくて審査請求できると思いますか。
#77
○政府委員(花岡圭三君) 例えば、先ほど申し上げましたような災害とかあるいは公営企業関係とか、特別交付税の省令に非常にたくさんの算定項目が並べてございますから、これらに従って算定いたしますればおおむねの概算というものは出てくるわけでございますから、できないことはございません。
#78
○丸谷金保君 そうすると、交付税の内容がわからなくても審査請求はできると、こうおっしゃるんですね。できるのかできないのか、ほかの途中はいいですから、局長さん、できるならできる、できないならできないとはっきりしてください。できると思いますでは困ります。
#79
○政府委員(花岡圭三君) できないことはないと考えております。
#80
○丸谷金保君 ということは、できるというふうにもう一回はっきり言ってください。できないことはないと思いますでは、私の質問に対して答弁にならないです。できるのかできないのか。
#81
○政府委員(花岡圭三君) 審査請求はできます。
#82
○丸谷金保君 できる。これはちょっと私は問題だと思うんです。特別交付税の内容のわからないものが、どうしてこれが不都合だか不都合でないかということがつかめますか。法的にはできるけれども、実際の問題として内容がわからないでどうやってやるんですか。いろんな計算して一応はわかります。しかし、きちっとどれが幾らだ、どういうことだということがはっきりしないで、どうしてできるんですか。
#83
○政府委員(花岡圭三君) 例えばある団体に交付されました特別交付税の額が自分で積算してみた金額よりもかなり少ないというふうな場合には、これはおかしいではないかということで審査の請求ができるわけでございまして、必ずしもこの開示ということが全部行われていないというためにできないということはないのではないかと考えておるところでございます。
#84
○丸谷金保君 かなり少ないといっても、どこが多くてどこが少ないのかわからないでしょう。隣の町村も同じように少ない、その場合に、これは変だと考える余地が、中身がわからなくてどうしてできるんですか。とても僕には考えられない。ちょっとこういう答弁ではとてもこれ以上質問してもしようがない。中身がわからないで、できる根拠を示してください。
#85
○政府委員(花岡圭三君) 仮定の場合でございますけれども、先ほど申し上げましたように、自分で積算した場合よりも相当低いではないか、これは総額として特交の額が低いではないかというふうなことで審査の請求をされるということは可能であろうと思います。
#86
○丸谷金保君 これは算定の基礎についてしか申請できないんですよ。
 そうすると、基礎がわからないで、総体的に低いではないかというのが審査請求の原因になりますか。
#87
○政府委員(花岡圭三君) まずそういった場合には、なぜそういうふうな算定であるかということは、例えば市町村の場合には地方課等にお話しになり、地方課でもはっきりしないという場合には自治省にお聞きになると思いますけれども、そういったことによりまして、自分のところの積算というものがおかしいのではないかといったことでの請求ということなら、あり得るのではないかというふうに考えるわけでございます。
#88
○丸谷金保君 算定の基礎になる数字の開示が行われないで、総体金額で多いか少ないか、これはおかしいではないかということを問い合わせれば説明するんですか。そうすると、この中身はこれが幾らでこれが幾らでということを開示はするんですね。
#89
○政府委員(花岡圭三君) 審査の請求をしなければならないというふうな状況にまでお考えになっておる場合に、私どもが一々中身についてのお答えをしないというふうなことはございません。
#90
○丸谷金保君 そうすると、特別交付税も開示はすることはある。あるというより、これは本来しなきゃならないんですよ。この論議はまたやりましょう。今の答弁では納得できないんです。もう特別交付税は開示しないでもいいんだという前提の御答弁ですよ。私はきょうは審査の問題だけに限ったけれども、特別交付税というものの性格からいって、受け取る方の市町村が中身がわからないで受け取るというばかなことは本来はないんです。
 冒頭申し上げましたように、町村長はまあしようがないやというふうなことで上手にこなしていますけれども、厳密に法的に進めていくとこれは僕は納得できないです。きょうの御答弁、これは交付税の根幹に触れる問題なんで、たまたま私は両院の記録を読んでおりまして、二分の一程度、何だ違うじゃないか、どうしてこういうあいまいなことになるということでもってちょっと調べ直してみたんですが、調べ直してみればみるほど、今の特別交付税を開示しないということが、それこそどういう法的根拠かということになると私には理解できないんです。したがって、この問題については時間もありませんから次の機会に譲ります。
 ただいまの答弁で納得したわけじゃないんで、ひとつ内容がわからないでこれはおかしいなと言えるような市町村長があったら私は教えを請いに行きます。中身がわからないでおかしいなと思ったって算定の基礎はわからないでしょう。特別交付税というのはそういう法律だと私は思わないので、この点は私は今の答弁では納得できないということを申し上げて、もう時間ですからこれで質問を終わります。
#91
○三治重信君 まず最初に、この地方交付税の法律の改正の中身が、地方交付税そのものは三二%というふうになっているのだけれども、ここ数年間三二%は変えないかわりに、地方交付税額についてプラスマイナスどっらかといえば、マイナスが非常に多かったようなんですけれども、プラスマイナスを非常に加えてやっている。それが法律に入れて定数をプラスマイナスをしてややこしいことになってきつつある。結果的にいうと、三二%を相当減額した金額が現実の問題として交付される、こういう結果になってきているわけなんですが、地方交付税制度そのものが、こういうふうな三二%が前はもっと低かったが、だんだん上がってきてこういうふうになってきたのですけれども、しかし三二%を固定して、そして地方財政需要、これはまた後から質問しますけれども、この変化によって地方交付税額が結果としてプラスマイナスをしなくちゃならぬような結果になってきているのじゃないかと思うんです。
 そうすると、基本的に地方財政計画というものと地方交付税の交付税率というものが両立しない。したがって、こういうふうな非常に複雑な計算をしないと地方財政計画というものが維持され
ないというふうに解釈をしていいものかどうか。
#92
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政計画におきましては、御承知のように地方団体の標準的な行政に要する経費を確保するために策定するわけでございますが、そのときに地方交付税の額が幾らであるか、結局不足するときにはこれを今までは借り入れておるということで、いろいろ五十年度以降そういった措置をとってまいったわけでございますけれども、これが計画をつくりますときに交付税の総額が足りるか足りないかということをそこで積算をいたしまして、これに対応する措置を講じてきたわけでございます。
#93
○三治重信君 だから、それは実際の結果をおっしゃっているのだろうと思うんです。しかし、交付税というものの制度そのものは地方財政計画とは関係なく、これは税なんだから、地方の財源としてこれだけのものを与えますと、こういうのが法律の趣旨だろうと思うんです。もちろん一般の税法でも、財源が足りなくなれば税率を高くしたりなんかして増税の改正法をやるわけなんです。それから、歳入が多くなれば税率を下げるとか、こういう税法そのものは、政策に応じて財源がどうしても足りなくなれば既存の税率を上げるとか新しい税法をつくるとかというようなことになる。それから、財政が豊かになれば税率を下げてやるということになるのだけれども、地方交付税というものはそういうふうな地方財政計画によってその需要を満たすしりぬぐいを、足らないときには加える、多くなったときには差っ引くというようなしりぬぐいをやるようなことでこの地方交付税法というものは立法されているのか。そうじゃないような気がするんですが、財政計画を技術的に合わせるために、地方交付税そのものの足らぬのを大蔵省との折衝で一般財源で入れるとか、甚だしきに至っては、いわゆる交付税の特会で借入金をどんどんつくってしまって交付してその間のつじつまを合わしている、こういうような格好になってきているわけなんです。
 いずれこれは何か足りなくなれば借入金でもやる、あるいはまた足りなくなってくれば地方に公債を出さすとか、何かそこに一つの筋が余り通っていないような感じを持つのですが、その点はひとつ地方交付税というものの制度というものを、そういうふうに税率はこれはなかなか変更が難しいということになってくると、その財政計画によって足らない分は借入金でもやったりどうにでもこうにでもする。また地方に借金をさしたりと、こういうようなしりぬぐい的なことをやるということでずっと進んでいる。また、そうであればそれは何ゆえにやるか、それは財政計画というものがあるからそういうことになってくる、こういうふうに理解していいわけですか。
#94
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘ように、この交付税の考え方の基本と申しますものは、いわゆる国税三税の一定比率ということで交付税が確保され、それによりまして地方財政の運営というものが標準的に行われる性格のものでございます。で、交付税の総額が不足するというふうなことになりますれば、本来であればこの率を上げるというふうなことになるのが本来の筋でございます。この点全く御指摘のとおりでございます。
 ただ、この厳しい国、地方の財政事情のもとにおきまして、御承知のように交付税特会の借り入れの暫定的な制度改正を行い、五十九年度におきましてはこの特会の借り入れをやめて、いわゆる交付税の加算とかというふうな方法を暫定的な措置として、これも制度改正として昨年度お願いしたわけでございますが、基本といたしましては、地方団体が必要とする額というものは一定比率によって確保されるべきものが基本であるという点は変わりないと存じます。
#95
○三治重信君 そうすると、地方財政計画による資金を、交付税率がなかなか変えられないから、地方交付税の足らない分は今までは借入金でやってきたけれども、どんどん借金がふえて、これはどうしようもなくなってきた。大蔵省の方もびっくりして、こんなことをやっていくというと第二の国債みたいなものになってしまってどういうふうになるかわからぬということで、借入金はひとつ折半をして負担しようというようなことで折半をして、借りた分は棚上げして利子だけは半分ずつ負担しようということで結末をつけたわけなんですが、そういうことの反省から、今度は一般財源でその穴埋めをするかしないかを決める、そうしてなお足らぬ分は特会が借金をするのじゃなくて、国が地方に地方債を出させて地方の負担でやらす、その利子とかなんとかはまた後でごちゃごちゃやるというような格好になったのですが、その一つの大きな点は、今後ともそういう特会での借り入れをやめて、一般会計でつじつまを合わす。そうして、足らぬところは地方債でやるというふうに大方向転換をした、今後ともそういうふうにするのだというふうに理解をしていいんですか。
#96
○政府委員(花岡圭三君) 五十九年度の財政対策の見直しというのは、先生御指摘のようなことで特会の借入金をやめまして、そしてこの交付税の総額につきましては必要な特例措置を交付税法の附則三条の規定によって行おうということにしたものでございます。
#97
○三治重信君 そういうぐあいにすると、結局地方交付税の三二%というものは基本的には変えないで、これは一つ確保しておる、そうして第二の財源とすれば大蔵省の一般財源をできるだけ利用する、そうして足りない分は地方債でやる、これが今後の地方交付税の運営の建前であるというふうに理解をしていくといたしますと、そうすると結局、地方交付税の算定の基礎そのものもいろいろあるわけなんですけれども、地方交付税の算定基礎、いわゆる単価というものと、それから費目の分配というものはこの交付税の対象ばかりじゃなくて、全体の地方財政計画の中における単位費用とか掛ける員数とかいうようなものは、これまた別に、交付税の算定基準のほかに地方財政計画の算定基準というものがあるわけですか。
#98
○政府委員(花岡圭三君) 交付税を算定いたします際には、地方財政計画あるいは国の予算、こういったものとの整合性をとりながら単位費用等を定めてまいるわけでございますが、これがすべてと申しますか、すべて財政計画の中にそういった単価のようなものがあるかということでございますれば、これは必ずしもあるわけではございませんで、この計画の需要、これをどの程度交付税で配分するのかというふうな積算をやる場合に交付税の単価が使われる、そのときに、計画に用いております例えば人員ならば人員はこれだけ算入するというふうな指標はそのまま受け入れてまいるわけでございますが、特に財政計画の中にそういった個々の細かい単位費用のようなものがあるというふうなものではございません。
#99
○三治重信君 そうすると、地方財政計画のいわゆる財政需要の総額、これは算定基礎というものが毎年自治省でつくられて、そして大蔵省とも折衝が行われて地方財政計画というものが最終的に決まっていく。そうしないと、結局交付税の金額が足るの足らぬのということにならぬわけですね。地方財政計画というものが決められて、その地方財政計画そのものは、標準団体の財政規模でやるというものにどれだけ費用が必要であるという一つのモデルをつくってそれで掛けるのか、どういうふうなやり方をされているのか、そういう問題はごく簡略に素人に説明すると、地方財政計画というものはどういうふうな見積もりでこの財政計画というものがつくられているのか。
#100
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政計画におきましては、先ほど申しましたように、標準的な地方財政の運営を確保するということから適正な人員を見込み、そして国家公務員と同じ単価を用いての給与を算定するというふうなこと、あるいは国の補助金に見合う裏負担を算定するとかあるいは地方単独事業をどの程度織り込むかとか、そういった標準的な算定というものを一方いたすわけでございます。また、歳入面におきましては、現行の税制に基づきまして地方税収入が幾らであるか、あるいは使用料、手数料がどうであるか、あるいは国庫支出金が幾ら国の予算に計上されてい
るか、こういうふうな算定をいたしましてこの財政計画というものをつくるわけでございます。
 その中で、歳入面におきます一つの項目としての地方交付税、これが足りるか足りないかというのは先ほど申し上げたところでございますけれども、その交付税をどのように配分するのかということになりますと、結局御承知のように地方税の八〇%なり七五%、こういったものとそれから交付税をプラスしたもの、これが基準財政需要額になってくるわけでございまして、この基準財政需要額を算定いたします際に、単位費用なりどういった測定単位を使うかというふうなことをやって、そのときに標準団体というものを想定をして積算の基礎にいたしておる、こういった仕組みになっておるわけでございます。
#101
○三治重信君 つまらぬ質問になるわけなのだけれども、そういう財政計画をつくるときの標準団体の財政規模を算定するときの費用項目と、地方交付税を交付するときの標準団体の経費の種類とか測定単位というようなものは大体同じと考えていいのですか。地方財政計画をつくるときに標準団体がどれだけの経費が要るのだ、こういういわゆる経費の種類と測定単位というものは、地方交付税と同じようになければおかしい。それが全然別の経費の種類と測定単位でやるのか、大体同じなのか。若干は違っても、地方財政計画をつくるときの標準団体の経費の種類と測定単位というものと地方交付税を配付するときの標準団体の経費の種類と測定単位というものは違うのか同じなのか。
#102
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政計画は、これはマクロで各事業を算定いたしてまいります。したがいまして、標準団体というものはございません。全体的に、全国として標準的な行政水準を維持するためにその総額を決定いたしてまいります。交付税の方では、御承知のように市町村分につきましては人口十万人の団体を想定する、あるいは道府県につきましては人口百七十万人の道府県を想定する、これが標準団体である。その団体におきます標準的な需要というものを計算するわけでございます。そこから単位費用というものを出してくるという形になっておりますので、地方財政計画におきます算定と交付税の算定とは、標準団体という概念が財政計画の方にはございません。ただ、交付税の単価に用います例えば給与単価とか、こういうふうなものは財政計画に用いている単価を使用する、そういった関連性はあるわけでございます。
#103
○三治重信君 そうすると、おたくの方で配付された資料の中には、いわゆる財政計画の算定基礎や計算の事例は、ほかに別に資料をもらっていないと思うのですけれども、そこの関連をしっかりせぬと――もちろんこれは役所の中で十分審査をされていることだろうと思うのですけれども、そうすると地方財政計画というものは国が支出しなければならぬ金額というものを非常にアプリオリに、前提的に決めてくる。大蔵省と自治省との予算の折衝を前に、またその途中で同時決着になるかもしれぬけれども、とにかくそういう費用と別に、自治省が毎年の事実として地方財政計画を決定する、その決め方についての単価の上げ下げというようなものや何かというものは、結局は地方の予算書あるいは決算書から、異常なものははじき出して、大体こういうふうなのが地方の財政運営には必要な経費だなというふうに、地方の各団体の予算、決算というようなものをプラスマイナスして大体標準的な全体を推計していくというふうに見ていいわけですか。
#104
○政府委員(花岡圭三君) 現在財政計画を策定いたしますときは、やはり前年度の計画というものを基礎にして積み上げ方式でやっておりますが、結局大もとに戻りますれば、各地方団体の決算というふうなものを分析いたしましてこの標準的な計画をつくり上げておる。それを現在毎年度、例えば手数料等につきましてどういう積算をするか、それはGNPでやるかあるいは消費者物価指数の増でやるかというふうなあれはありますが、そういったふうなものを伸ばして見込んでいっておるという形で積算をいたしておるわけでございまして、それが実際の実態と合わなくなってくるという場合もありますと、例えば給与実態調査、これは五年ごとにやりますが、そういったものとか、あるいは地方団体の決算分析をやるというふうなことでその計画の是正と申しますか、そういったことも行ってまいっておるわけでございます。そういう意味では、この計画の一番の基礎というものは地方団体の決算であろうかというふうに考えます。
#105
○三治重信君 そうしますというと、結局地方財政計画という問題は、実態調査は五年ごとにやって、その間のやつは大体予想される増減で検討してプラスマイナスをしていく、こういうふうなことのようなんです。
 そこで、今後行政改革なり何なりをやっていこうというような意欲的なものを今度は自治省が、地方の財政再建もう一つであるし地方の行政の合理化、こういうふうなことを計画していく場合に、現実というものを認める一方、やはり改革というものを意欲的にやらなければ、国が行政改革を、また財政再建を非常に意欲的にやろうとしているのに対応をして、地方財政計画にもそういう地方財政再建あるいは行政改革というものをやる。いい悪いは別として、政府がそういう国の財政再建、行政改革をやるという大方針のもとにここ数年やってきている。そうすると、地方の財政計画を扱っている自治省とすれば、そういう国との対応において地方の財政再建、行政改革というものについて意欲的な改革がなされなければならない。それが地方行革大綱というもので一般的な指示として出される。これはそれでいいわけなんだか、しかし財政計画とすると、具体的に計算に入れるか入れぬかは別としても、そういうものを意図した計画の修正あるいは合理化というものについて検討されなければならぬと思うのですが、そういう問題についてはどういうふうに考えておりますか。
#106
○政府委員(花岡圭三君) 地方団体の現実の姿というものをそのまま反映させておるわけではございませんで、そういったものを基礎として、そして標準的な地方団体の地方財政の姿というものをこの計画に反映させておるわけでございます。その上に、現在国の方におきましても地方とともにこの行政改革を進めていかなければならないということでございますので、例えばこの六十年度の地方財政計画におきましてもそういった趣旨を踏まえまして、国と同一の基調によりまして地方債依存度の抑制に努めるあるいは歳出の節減合理化を図るというふうな措置を講じておることでございます。そういったことで、例えば人件費等につきましても国の方で一%の削減というふうな方針でございます。これと同じように地方の方に、地方財政計画におきましてもこういった削減を行っていくという内容を盛り込んで計画を策定しておるわけでございます。
#107
○三治重信君 そうですか。それじゃ、この地方財政計画の中へ国のいわゆる行政改革の人件費の節約とか行政経費の節約というようなものは組み入れられている、全体として削減の方へ組み入れられているというふうに解釈していいわけですか。
#108
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘のとおりでございまして、今後地方財政計画を策定いたしますときには、そういった国と地方ともに行革を推進することが喫緊の課題であるという基本的な態度のもとに策定をいたしておるわけでございます。
#109
○三治重信君 大体そういうことでわかったわけですが、そうすると、何といいますか、ことしの地方交付税の財政の算定の基礎が各行政項目別単位費用算定基礎という資料の中で、一番最後の二十ページの「参考」という中で、対前年の増減で非常にふえているのは、都市計画費において投資的な経費が七八・七%ふえておる。それから生活保護費が三九・七%ふえておるのは、これは補助率が減ったためにふえているわけだろうと思うわけなんですが、そのほかふえている大きなものを言うと、いわゆる都市計画費がえらいふえているほ
かに、公園費も三一・七%、投資的経費の方でふえている。それから、その他の諸費の方でも面積の投資的な経費が一五・三%ふえている。こういうようないわゆる投資的な経費というもので、都市計画というものはこれは意欲的にやる、それから生活保護費は法律の改正でやるというものだが、その他の諸費の方の投資的な経費を非常にふやしているのは、これはやはり一般的に財源に余裕ができてきたからこういうふうに単位費用を五十九年度から非常にふやした、こういうふうに理解していいわけですか。
#110
○政府委員(花岡圭三君) この投資的経費が非常に交付税の単位費用がふえておりますのは、いわゆる財源対策債、五十九年度に一兆二千五十一億円を起こしておりますが、これを交付税の投資的経費を外に出しまして、そして地方債で肩がわりしておったわけでございます。今回、御承知のように六十年度におきましては財源対策債を廃止いたしました。したがいまして、その分を交付税に戻したわけでございます。そのために投資的経費がふえているということになっております。
#111
○三治重信君 そうすると、それだけ地方は交付税でそういう費用をことしは見てもらえることになって、いわゆる財源対策債という地方債、それが少なくて済む。それだけ地方の自治体は財政的には非常に改善をされた、こういうふうに理解していいわけですね。
#112
○政府委員(花岡圭三君) 地方債でやった部分を一般財源で措置をするわけでございますので、地方財政の健全化は進んだというふうに存じております。
#113
○三治重信君 そうすると、今後さらに地方の自主性を伸ばしたり、また行政改革をやっていく、また地方の自主性をふやしていくために、今後自治省の方の一つの課題とすれば、やはり国の地方への関与、財政的な関与、殊に委任事務というような問題での合理化というものが考えられるんです。そういうようなことは、来年度以降、やはり一般的に抽象的に各省の地方への規制、こういう職を置けとかこれについてはこういうふうにせいというふうな特定のひもつきの指令というものを解く、殊に人件費のひもつきを解く、これが行政改革、地方と中央との責任の分担の第一のものだと思うんですが、そういうまず第一に人事や機関の設置義務というものをやめてほしい。これはもちろん具体的には、最終的には各省と大蔵省との折衝、あるいは総務庁も入ってのことかも知れぬ、あるいは自治省もそれに関与するけれども、そのイニシアチブは、先頭を切るのはやはり自治省でなければならぬと思うわけなんです。
 そういうものについていわゆる国と地方との行政改革で、地方の行政について要らざる干渉、国の委任事務にしても要らざる干渉はやめてくれ、そういうものについてこういうものがあるから、各省ひとつ、厚生省はこれ、通産省はこれ、農林水産省はこういうのを改善してくれというような問題を積極的に僕は自治省がやっていかなくてはいかぬと思うのだけれども、そういう意欲的に地方六団体が機関委任事務の中でいろいろな問題があるということを言っているわけなんですが、そういうものも自治省は大体わかっているだろうが、そういうものをきちんと予算の前に、行政改革をひとつてこにして、そういう機関委任事務は、仕事はとにかくとして人数とか機関というようなものの設置義務というひもつきは外せ、それからその次には、機関委任事務としてこんな仕事は要らぬじゃないかというような問題なんかも地方団体からいろいろあるし、また地方団体と自治省は十分協議をして行政改革もやっていかにゃいかぬと思うんですが、そういう問題について具体的な提案、またはそういうものを積極的に自治省は推進をしよう、来年は必ずする、こういうような意欲がありますか。
#114
○政府委員(花岡圭三君) 地方団体の自主性を確立していくために国のいわゆる関与あるいは必置規制、こういったものの整理につきましては、いろいろ議論の末、現在国会にこの関係の法律案が提案されておるわけでございます。こういったものも含め、あるいは機関委任事務の問題も含めまして、自治省から各省庁にその廃止とかあるいは整理合理化についていろいろ地方団体の意向を踏まえて折衝いたしておるところは事実でございます。
 また、補助金等におきましても、いわゆる人件費補助につきましてはこういったものは廃止するようにというふうな申し入れもたびたび行っておるところでございます。財政面におきましては、一応こういった人件費補助につきましてはまだ不十分でございますが、結局この人件費補助金部分は大半が交付金化されていった、こういったことで若干の進歩は見ておるところでございますが、地方の事務全般につきましてそういった国の関与を廃していくというふうな方針で各省と常に折衝いたしておるところでございます。
#115
○三治重信君 そういうふうな線でひとつぜひ具体的にやってもらわぬと、地方六団体は自治省からああいう行革大綱を受けても具体性がないというようなことになって中途半端になる。したがって、自治省の方も行革大綱を出したからには、それが実現できるように外部から各省庁に対して非常に積極的に働きかけていくということが私は必要だと思うんですが、ひとつぜひそれをやってもらいたいと思うわけでございます。
 それからもう一つ、地方交付税ですから財源の不足のしたところは交付する、しかし財源のあるところは不交付団体ということになるわけなんですが、不交付団体の数の推移はどういうふうになっていますか。
#116
○政府委員(土田栄作君) 何年ぐらい申し上げればよろしいでしょうか。五十五年から申し上げますと、五十五年は道府県では不交付団体が一、それから市町村では六十五でございます。それから、五十六年度は道府県が二、市町村が七十九でございます。それから、五十七年は道府県が三、市町村が八十四でございます。それから、五十八年度は道府県が一、市町村が百十五でございます。それから、五十九年度は道府県が二、市町村が百三十六というふうに相なっております。
#117
○三治重信君 こういうふうに見ていくと、ほとんど地方交付税を交付をしている、交付をしていないというのは本当に暁の星のごとしということになるわけなんだが、ほとんどが地方の行政をやっていく上において地方の財源が不足して地方交付税というものを受けなければやっていけない、こういうふうに理解をせざるを得ないわけなんだが、自治省とすれば交付税を握っていてすべての地方公共団体に交付税をやるのはいい気持ちかもしれぬけれども、交付税そのものの趣旨からいくというと、何か地方に非常に自主性がない。全般的に地方独自の財源がえらく不足しているからこういうことになってしまうのじゃないか。とすると自治省も国が一般会計で一般財源を地方交付税としてとっているためにこういうことになると、何だか二重手間になってくるわけなんで、地方の独立ということからいけば、やはり大体において不交付団体が半数とまでは行かぬにしても、半分から三分の一ぐらいまでは不交付団体が出てこぬと地方交付税そのものの意味も、地方の独立性、地方自治というものの確立ということにもならぬじゃないか、そこに今の地方税制度、地方財政制度というものの大きな欠陥があるんじゃないかと思うんですが、こういうものについての感じはどうなんですか。
#118
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘のように、不交付団体の数がかなり今少なくなっておるわけでございます。かつては御承知のように旧五大市というのが全部不交付団体であった。これがとにかく全部今交付団体になっていっている。結局、地方税源をいかに増強するかということが基本であろうかと思います。地方の自主性を強化していくためには、やはり独自の財源であります地方税を充実強化させていくということが基本でございまして、そういった意味で現在では地方の税制といいますのもある程度行き詰まっておるといいますか、全体を賄うだけの税収がないというふうなことでこういったことになっているわけでございま
すので、私どもも今後ともできるだけ地方税源の充実には努力してまいりたいというふうに存じておるところでございます。
#119
○三治重信君 大臣、地方交付税法の改正といっても、毎年こうやってくると地方交付税そのものとは関係なくて、地方交付税の三二%の足らぬ分をどういうふうに処理するかという財政のことになって、交付税の法律そのものから見れば大分逸脱していることと思うんです。
 それから、交付税の配付状況を見ていくと不交付団体がほとんどない、いわゆる悪い言葉で言えば全市町村にばらまいている、これで本当に地方自治というものがうまくいくだろうか。基本は、僕はやはり交付税という制度というものの基本も考えなきゃいかぬし、地方自治団体の姿勢というものも考えなくちゃいけないというときに、どこかそこにまんだら財源を地方財政計画で何とかつじつま合わせて確保しているから地方自治はうまくいっているのだというふうな感じでおるというのが大きな間違いじゃないか。基本的には地方団体のやはり少なくとも三分の一、多く希望すれば二分の一ぐらいまでは自主財源でやれるという地方自治というものが私は非常に必要なことじゃないか。地方財政対策にしても交付税計画にしても、何かそこにバックボーンが、そこへ致達する目標としての一つの青写真がなければおかしいと思うのですが、そういう青写真については大臣はどういうふうにお考えになっているか。
 また、自治省そのものはそういう青写真とか理想の地方自治、財政的に見ていっても一つの理想というものはどういうふうに描いているのか、またそれがなければこういう計画とかいろんなことをやっていても、何かやってみた結果は漫然だらりんと全部が一律的なことになってしまうというふうに考えられるんですが、ひとつそういう点について御意見があればお伺いしたいと思います。
#120
○国務大臣(古屋亨君) お話しのように、私も地方交付税ができました趣旨というのは、やはり財政力を豊かなところから乏しいところへ均衡させるためにこういうような交付税措置が講ぜられておるということは従来の経過から御承知のとおりでありますが、現実に地方自治体といたしましては今のところ大部分の町村が財政厳しいというところで交付税にある程度頼っておるというようなことが、いい悪いは別問題といたしまして、私は実情ではないかと思っておりますが、今のお話しのように、地方税源を確保するということが一番私は大事な点でありまして、そういう点も将来の税制改正のときには、地方税源をどうしたら確保できるか、あるいは今いろいろ御指摘いただいておるような地方税の中の不合理分をどういうふうに早く直していくかというような諸点につきましては考慮していかなければならぬと思っております。
 そういう意味で、私は交付税の今率を下げるとか、そういう気持ちは全然ございませんし、またそんな状況ではありませんけれども、地方税源がある程度確保されるということが地方の自主性あるいは自律性を高めるゆえんでございますし、また補助金の整理合理化ということもそのためには私必要だと考えておるわけであります。特に私どもよく御指摘受けているのは、大都市とそれから過疎的な地域の間で余り税源の差があり過ぎるというようなところでございまして、例えば東京のようなところとそれから沖縄県というものを例をごらんになればわかりますように、大変大きな格差があるということで、私はそういう問題につきましても、ただ交付税の上ではもとよりでありますが、将来の税源確保という点につきましては何らかそういう点もひとつあわせて考えていかなければならぬじゃないかというふうに考えております。
#121
○三治重信君 交付税の問題だけ大臣は御答弁になったのですけれども、地方の自治団体が名実ともに地方の自主性を保っていくためには、やはり独自の財源というものを持っていく方向でやる、そのためには、後できょう午後総括のときにやろうと思っておりますけれども、やはり今度の予算委員会なんかでも大きな問題になった、いわゆる不公平税制の改正とか税制改革という問題が国ばかり大きな問題になっているわけなんですが、私は国と同じように地方税も一緒に入れてやらぬと、負担するのは国税も地方税も住民ひとりなんです。しかし、議論はどうも国税の負担ばかりが議論になっておるが、その裏にある地方税の各人の負担とあわせて本当は国民の税負担、また国の財政、地方の財政というものをあわせて一本でなければ、本当の日本における財政再建にしても行政改革にしても行政合理化にしてもうまくいかぬじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、そういうものについての何といいますか、あわせる方向は、国の方とすればやはり六十五年が、これが赤字財政をなくするというだけの問題に一応はなっているわけなんだけれども、地方財政の方において六十五年までにはどういう改革なりをしようかという目標というものはお持ちなんですか、どうなんですか。
#122
○国務大臣(古屋亨君) 今のお話は、私もお話を聞きながら、国と地方とが口の上では一体というような、あるいは車の両輪などと言われておりますが、今度のような国が厳しいからといって地方の自治を無視したような一割カットということは、私もたとえ党の裁定でありましてもそういうことがあってはならないというふうに考えておりますが、同時に地方財政というものを従来いろいろ考えておりました。
 国は六十五年に赤字を脱却するというめどを一応の方向として示されておりますけれども、それに対していろいろ言うことは私もちょっと申し上げる立場にございませんけれども、やはり地方としても国も厳しいが地方も厳しいという認識を持ちながら、今お話しのような六十五年どうなるかということにつきまして、ことしの予算の状況等を見ますと五千八百億という一律カットがなければある程度地方の収支がとんとんにいったであろうというようなあれは持っておりますが、ただ地方も五十六兆というようないろいろ借入金の借金も持っておりますので、そういうものをどういうふうにこれから返していくかということは、やはり私は今のままではできなくて、地方財源の充実ということから特に地方の自律性、自主性ということを考えますと、私ども大いに馬力をかけまして、地方税源の充実の問題あるいはその他の問題についても十分検討をしていかなければならぬということをひしひしと感じておるわけでありまして、そういう点におきましてはまたいろいろ地方の御意見も十分間きながら善処をしていかなければならないということを私ども常に感じておるところでございます。
#123
○委員長(金丸三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめまして、午後一時再開することとして、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#124
○委員長(金丸三郎君) 地方行政委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#125
○上野雄文君 最初に指紋押捺問題についてお尋ねしておきたいと思うんです。
 実はこんなことを申し上げては大変恐縮ですが、今回の附帯決議で、指紋押捺問題についても自治体の窓口で扱っているのだから、ひとつこのことも入れてくれということを私の方で申し上げたんですけれども、どうも御返事は、法務省専管事項だからそれはだめだ、こういう話でありまして、私もなるほど、そういうことだな、こう思って附帯決議からは除くことに同意したんです。ただ、考えてみますと、この間参考人をお招きをしましていろいろ御意見を聞いたわけですが、私のところの宇都宮市長が参りまして、私の村おさが来るわけですから私は私なりに彼と事前にいろんな打ち合わせをしたわけですが、そこで市長、た
まには超過負担の問題にも触れてみないかとこう言っておいたんです。そうしましたら、宇都宮市の方でいろいろ調べましたら、宇都宮市で外人登録に関する歳入は七十万円なんです。それで歳出は六百万円なんです。これは財政上から見ますと大変な超過負担でありまして、こんな迷惑な仕事を自治体の窓口がやっているという現実は、これはもう否定できないことだと思うのであります。ですから、財政面から見ますればそれなりにしかるべき措置をとってほしい、こう思うのでありますが、そういう立場からですが、この前、佐藤委員からもいろいろと大臣に対しての御質問もありました。
 そこで、最近の新聞論調を見ましても、また昨晩は、質問の関係もあったものですから少し遅くまで起きておりまして、テレビを見ましたら、深夜番組でしたけれども、ちょうど指紋押捺を特集でやっておられました。大臣もごらんになられましたですか――いろんな立場からいろんなことが述べられておったわけですが、私はとりわけきのうの毎日の社説であそこまで書かれているということになれば、やはりきちっとした方向といいますか、そのことが出されてしかるべきなんではないかと思うんです。たしか大阪府警だと思うのでありますが、とりわけその担当の警察本部のことは書いてありませんでしたけれども、このさなかに警察の幹部が、指紋を押すのが嫌ならば日本から出ていったらいいじゃないかということを述べたということが報道されましたし、またそのことが引き合いに出されてきのうの毎日の社説は書かれているわけであります。
 だれがどう言ってみましても、あの戦争中に朝鮮から強制連行をして日本で強制労働に従事をさせたという事実は、これは否定し去ることができない事実なんだろうと思うんです。しかも、たしか一九一〇年だったと思うのでありますけれども、日韓併合という言葉が使われましたが、あれから日本の支配の歴史が続けられてきて、民族による民族支配ということが行われてきたことも、これも否定し得ないことなんだろうと思うんです。終戦のときに大体四分の三の方々はふるさとへ帰られたけれども、帰るに帰れない方々が残られて、現在残っている人たちはその八〇%が二世、三世だと言われているわけです。日本で生まれ日本で育って、中には朝鮮の言葉を使うこともできない人たちもいるというふうに聞かされています。
 こういう歴史的な経過があり、しかも人権問題として国際的な論議も呼んでいるときに、この当面を糊塗するような、言うならば小細工に近いようなやり方だけではなくて、私は改めて日本が抜本的な問題に向けてしっかりした取り組みをしてもらいたいと思うんです。ただ、気になりますのは、あの社説の中で、外務省と自治省は前向きに取り組んでいるようだ、法務省と警察の方はどうももう一つすっきりしない、特に国家公安委員長である古屋委員長の発言が、「「北から密入国して、日本を舞台に韓国をひっかき回そうという動きもある」との見解すら述べている。」という引き合いに出されているわけなんです。どう言ってみても自治大臣と国家公安委員長は同じ方なんでありまして、それが並べられて相反する見解でそれぞれ事務部局を抱えて別な立場をとるなんということは非常に難しい問題なんだろうと思うんですけれども、私は、今日の状態の中では前段に書かれているような立場を貫いていっていただきたいものだなと思いますし、また冒頭申し上げましたようなことからいって、実際の市町村役場の窓口で必要以上の混乱を起こさないようにしていただきたいなというふうに思うんです。
 実は、これは場が違いますから別途要求をいたしておりますが、自治体の職員に対しては新しい事務取扱要領が出ておりますけれども、私どもには全くその中身を知らされていないんです。しかし、最近の指導では、三カ月間は説得をしなさい、三カ月の間に月一回ずつ警察が行って呼び出しをかけるような行動をしていきなさい、こういうことが同時に裏から行われているようであります。
 きのうのテレビでは、人権問題として私は指紋押捺に反対なんだけれども、私が警察に逮捕されたら職を失ってしまう、そこまで行くと大変なジレンマに落ち込みながらも、しかし私はこの人権問題と対決して頑張っていきたいんですと。ある高校生はアメリカへの留学をも断念せざるを得ない、しかしどうしても行きたいと、涙ながらに指紋を押してアメリカ留学を何とか実現をさせたい、帰りの車の中で父親と一緒に泣きましたということを訴えているわけです。そういう実態からぜひひとつ大臣の前向きの取り組みをお願いいたしたい。
 この前、佐藤委員からも、大臣の今日までの活動の経験からそれらについて一生懸命取り組んでおられるという話も聞かされましたけれども、改めてその点について大臣の所信を伺いたい、こう思うんです。
#126
○国務大臣(古屋亨君) 今上野先生からるる指紋についてのお考えを承りました。私も自治大臣と国家公安委員長という両方の立場を持っておりまして、自治大臣としましては、たとえ法務省の機関委任事務であり、今のようなその費用として宇都宮には七十万円ぐらいじゃとても足りない、六百万かかるときに七十万円というような金額では地方自治体でスムーズにやっていけないというような御意見でございます。
 行政的な立場から申し上げますと、先生もおわかりのように法務省の機関委任事務でございまして、私ども法務省にそういう意見は言っておりますけれども、やはり決定は法務省が市町村長に対して正しく指導するということが一番基本ではないかと思いますが、そういうことをお答えしますと恐らく先生の方からは、役人的な考え方じゃないか、こういうようなおしかりを受けると思いますが、私は一年間この問題を自民党の韓国人の国内の地位の問題でいろいろ勉強させていただきました。実はお話しになりました北鮮からの密入国というのも、私はオリンピックを控えましての韓国の治安状況その他の確保を図るためにはそういう点が必要ではないだろうかということを申し上げたのでございまして、韓国の議員さんにも率直に私の意見を昨年夏の両国の議員の会談でも申し上げたところでございます。
 しかし、最近の事例として、今のお話のような日本に生まれ日本に育った方、しかも本人の意思によらずにこちらへ来られた方の子供さん、お孫さんというのはお話のとおり日本人と同化しておると思います。それで、私どもこの問題、けさも閣議の前に法務大臣と話したのでありますが、現場の混乱をできるだけ起こさぬようにしてもらいたいということを申し上げたところでございますが、いろいろの問題ありますが、警察としては外国人の管理ということについて一応は指紋が必要であるという立場で警察は言っております。また、自治省としては現場の混乱というものをできるだけ防ぐように法務省がもっと積極的に指導してもらいたいということを言っておるのでございます。
 この前、佐藤委員からお話のありましたときに私はお答えしたのでありますが、本当に日本に同化してしまっておるそういう韓国人の方には特別の方法がないかいろいろ考えておりますが、今の在日外国人八十何万の管理政策というのは、お互いにそういうことで日本におる外国人を同じように扱うということでやっておるのでありますから、これは外務省と法務省と話をして、そういう扱い方を違うようにされることはまた望ましいと思うのでありますが、何らかそういう区別ができないだろうか、あるいはまた韓国では十本の指紋を、特に韓国生まれの方にもあるいは韓国へ一カ月以上の方にもとっておるように聞いておりますが、そういう場合の相互主義というのがどういうふうになるだろうか。そういうようないろいろの問題もありますので、方向としてはもちろん私は緩和の方に行っておりますが、やはり日本の主権ということから考えると、これは慎重に検討せんならぬと思いますが、とにかく今の状況がいいと
は私も思っておりません。そういう意味で今外務、自治、警察、法務の事務の最高レベルで官房副長官を中心にして相談しております。
 この間、法務省が今お話のような案を発表して政令を改正いたしました。恐らくここ当分はそれで行かざるを得ないかと思っておりますけれども、総理も何らかの方法を検討したいということを言われておりますので、ひとつこういう問題につきましては、今申し上げましたような日本の管理政策あるいは外国人の平等性をどういうふうに韓国人に扱うかというような点を考えまして、関係省にも私が考えておる点あるいは先生方からいろいろ御指摘になりました点も申し上げまして、できるだけ早いときに何とかこういう問題を解決したいものだと、町村の役場のいろいろの問題もそれで一応解決つくのではなかろうかと思っておりますので、姿勢としてはそういうような方向でしばらく検討をしながら進ませていただきたい。
 なお、警察のだれかが、嫌だったら帰れ、これは言語道断な私は意見であると思います。よく私どもの議員連盟でも、嫌じゃなかったら日本に帰化してもらったらどうかと。同じ民族の間でそういうことを言うこと、日本が上にあるような感じを与える、そういう表現は私はまずいと思っておるわけでありまして、お互いの民族同化の見地からどういうふうにやっていくか、ひとつそういう点は慎重に構え、関係省とも話しまして、できるだけ早期に解決するように努力してまいりたいと思っております。
#127
○上野雄文君 ひとつせっかく御尽力をされますように重ねて強く要請をしたいと思うんです。
 次に、今度ほど国と地方との関係について議論をされたことはなかったのではないか、こう思うのであります。特に補助金等に関する特別委員会の中でもこの点について、今回の地方財政措置はまず先に事務事業の見直しが行われて、その上で補助金に手をつけるのなら手をつける、そういう順序が大体間違ったのではないかという点が特に強調をされました。
 そこで、きのう自治省の事務当局から「補助金問題関係閣僚会議の開催について」、それから「補助金問題検討会の開催について」という文書を三時四十五分ごろ私のところへ、まだ決まってすぐなんですというのをお届けいただいたわけであります。私これを見まして、この前、大臣が同僚委員からの質問に対してお答えになっておられたことがこういう形で実現をしたのだなというふうに見たわけであります。
 ただ、検討会についてメンバーをずっと見せていただいたわけでありますが、十一名ですか、石一橋大学教授以下十名の方々のお名前を拝見させていただきました。自治団体の代表の方々も県市町村とそれぞれ出ておられるわけでありまして、自治体代表の方々だけでなくて、いずれも立派な方々が検討会のメンバーになられたなと思っていますが、ただ補助金の特別委員会の参考人でおいでになった方で、御意見を述べられまして私どもと真っ向からこれはけんかをしなければいけないなという方なんかも入っていらっしゃいます。それから、各省の次官経験者も入っておられますが、ただ私ちょっと疑問に思ったのは、日本たばこ産業の長岡社長さん、御本人は御立派な方なんですけれども、自治体との関係でいきますと、たばこ消費税だけ地財計画で数字を拾ってみますと県が三千八十五億、市町村五千四百二十二億、こんなにお金を納めてくれる仕事に携わっておられる方でありますし、それから来年度以降は固定資産税もあるいは事業税も、こういう大変たくさんのお金を納めてくれる方なんであります。この方は税の専門家とも言われておられるわけでして、これは私は我が方にという言葉を使うと自治体の側に立った立場で物を言うことになるわけですけれども、何かどうも余りいい話をされないととんでもないことになりはせぬかという危惧の念も実は持つわけなんでありますけれども、大体この検討会のメンバー選任に当たられて配慮された点なんか、お差し支えなければお聞かせいただきたいなと思うんです。
#128
○政府委員(花岡圭三君) この検討会につきましては覚書にございますように、とりあえず三省でやろうということでございまして、どういうふうな考え方でこの検討会のメンバーというか構成をするかというふうなことをいろいろ話し合ったわけでございます。やはりそれぞれ三省でそれぞれの推薦をいただいたらどうであろうかというふうな合意をいたしまして、その際それぞれ皆話し合ったときに、やはり各省のOBの方というのも一人ずつ入れたらどうだろうかという話がありました。
 そこら辺も踏まえまして大蔵省では次官を経験された方として長岡さん、それから厚生省では上村さん、自治省では首藤さんというふうな形で御推薦申し上げようということになったわけでございまして、そのときに私の方では、これにそれぞれ地方団体の代表を入れたいというふうなことで地方団体三団体の御推薦を申し上げた。大蔵省の方では学者の先生、これは財政審の方をやっておられる館先生あるいは石先生もそうでございますけれども、石先生は私の方にとりましても地方制度調査会の委員をされておるということでもございます。それから、厚生省の方では現在社会福祉問題につきまして権威のある先生方を入れたいというふうなことで、この構成見ましても、ほぼ円満な人格の方々ばかりでございます。これでいいではないかというふうなことで座長には木下先生、この方は税調でもいろいろ地方団体側についてもよく御理解いただいている方でございますし、また大阪府なり福岡県なり、これまでも自治体がお世話になっておる、そういったふうなことで、とにかくこの検討会のメンバーとしては最もふさわしい方々ばかり御推薦いただいたのではないかというふうに考えておるところでございます。
#129
○上野雄文君 この検討会は満場一致制なんですか。
#130
○政府委員(花岡圭三君) まだこの検討会の会合が開かれておりませんけれども、こういう方々の集まりでございますので、私どもとしましてはこの先生方に自由に意見の交換をしていただきたい、そういうことが重要であろうかと思いますので、その検討会の運営に当たりましてどういうふうにするのか、これは検討会のメンバーの先生方の御意見を十分尊重して決定すればよろしいのではないかと考えております。
#131
○上野雄文君 これはいつごろまでに結論を出すのでしょうね。
#132
○政府委員(花岡圭三君) はっきりしたことは今後の日程の作成等の問題になりましょうけれども、最終的には、実際問題としていろんな議論を行うといたしますれば年末近くになるのではないか、かなり十二月に入ってくるのではないであろうかと思われますけれども、できれば私ども早く結論を出していただいた方がありがたいわけでございますので、この審議日数等につきましてもせっかく先生方の御努力をお願いしたいというふうに考えております。
#133
○上野雄文君 先ほど申し上げたように、地方財政富裕論者で我々と渡り合った人も入ったわけですけれども、その人の言うことは聞かなくても最初からわかっている。ですから、地方財政富裕論に対して徹底的に抵抗していこうということであれば、ひとつ負けないようにあなたの方でも、その他の自治省推薦の方々に頑張ってもらうようにぜひやってもらいたいと、こう思うんです。大臣にもひとつそういう面で御努力をお願いをいたしたいと思います。
 そこで、問題はこの次とも関連をするわけでありますけれども、地方行革の問題についても触れなければならないと思っておりますのは、この二、三日の間私はずっと自治体を歩いてみました。そこで、どうしますかと言ったら、自治省がつくれと言うのだからつくらないわけにはいかないでしょう、つくりましょう、しかし私らは今までやっておったんですし、それでうっかり人選を間違えると大変なことになりますと言うので、大体自治省の言うことを聞いて都道府県、市町村
はつくるようです。ただし、私は魂の入ったものができ上がるというふうには今のところ見ておりません。
 これは一定の期間内に同じようなモデルで三千三百が一斉にやるというところに無理があるのではないんでしょうか。しかも、去年の暮れに補助金の一括削減が決まって、ことしの一月に地財計画が決まるというばたばたした中へ地方行革ですよといってぽんと出されてきても、これはとても対応し切れるものではないというふうに思うんです。確かに臨調で旗は振られましたし、閣議の決定の方向もありますから、自治省としては出さざるを得ないかもしれません。しかし、こういう無理をして手とり足とりやらなきゃならぬというのは、これは逆に魂の入っていないものをつくり上げて、しかも形だけを追っていって難を避けると言わんばかりのことになってしまう、私はこんなことは下の下の施策ではないかというふうに思うんです。余り画一的に押しつけることはやはりこの際避けるべきだという主張は、この間志苫委員も言い続けたわけでありますけれども、私も重ねてその点について申し上げたいと思うんですが、これは局長どうですか、志苫委員の質問に対して硬直した答弁ばかりだったというふうに私は聞いておりましたけれども、この点について考えていることをもう一遍お尋ねしたい。
#134
○政府委員(大林勝臣君) 地方行革問題についていろいろ御意見があることは承知をいたしております。従来も地方団体それぞれに自主的な行革というものを進めてきていただいておるわけであります。
 ただ、最近の情勢をいろいろ考えてみます場合に、地方団体の中に行革の取り組みが熱心でない、そういった意味での住民の批判があるということもまた事実であり、むしろそういった行革の取り組みが熱心でない団体に対する評価というものが地方団体全体に対する評価にだんだんなってきておるというようなことを私どもは一番頭を悩めておったわけであります。それについての御意見もまたいろいろあろうと思いますけれども、やはりそういった地方財政富裕論とかいう話が出てまいりますのも、結局は地方団体の足並みが乱れておるというところが問題になっておるのではないだろうか。そこで、今まで一生懸命やってきていただいておる行革先進団体はさらにもう一層の努力をお願いするとともに、従来そういった方向で余り動いてきていない地方団体についてはこの際ひとつ一生懸命行革に取り組んでいただきたい。要するに、地方全体がこの際地方行革に足並みをそろえる、こういうことを願った結果、ああいった行革大綱というものを定めて今お願いをしておるわけであります。
 したがって、従来から行革に努力されておる団体にとりましては、何を今さらというような感じもあろうと思います。思いますけれども、先ほど申し上げました状況が今回の行革大綱策定の趣旨であるということをまたその都度御説明は申し上げてきておるわけであります。今後の地方行財政をめぐる厳しい環境を乗り越えるためにも、この際地方行革の一層の御努力をお願いをしておるところであります。
#135
○上野雄文君 局長の答弁は、最後の言葉に関連してそう言わざるを得ないということで私は受けとめたいと思うんですが、大臣には、もう私このことではきっと二回目か三回目になるかと思うのでありますけれども、大臣が繰り返し述べられておりますように、地方の自主性を尊重して――今局長は足並みの乱れという言葉を使いましたけれども、足並みの乱れがあるところが地方自治なんであって、そう何も画一を押しつける必要はないというふうに思うんですが、前の答弁を確認してよろしゅうございますね。
#136
○国務大臣(古屋亨君) 地方行革の問題につきましては国よりも進んでいる地域ももちろんあることは認めております。また、非常にありがたいことだと私ども思っております。ただ、一部の団体で余り行革が進んでいないところもあることは事実でございまして、足並みそろえてというのは、やらぬところを少し上げてもらう。やっているところは別に何にも申し上げることはないのでございますが、私どもといたしましては、国も行革をやるので、地方も地方の独自性、自律性に基づいてやっていただきたいという基準を示した、それは自律性を重んずる、こういうことを申し上げたのでありますが、一番障害になっているのは、御承知のように機関委任事務の問題とか権限の委任の問題、私は、これを早く解決しなければ、本当に地方の行革をお願いしても、国は何しておるんだ、邪魔になることを除かぬじゃないかというようなおしかりを受けると思います。私は、それは七月ごろ答申が出ると聞いておりますので、そういう点もあわせて考えまして、地方がとにかく財政豊かというような富裕論が絶対に出ないように、また、そういうように行革は一応自律性、自主性を重んじて進んでいきたいという私の決意は変わっておりません。
#137
○上野雄文君 最後に、退職者医療制度の問題について触れておきたいと思うのであります。これは補助金等の特別委員会なんかで厚生省、厚生大臣からもそれなりの答弁もいただいておりますが、ともあれ、この退職者医療制度、厚生省の見通しの誤りということを明確に指摘をし、それによって生じた財政赤字――国は増税なき財政再建と、こう言っているんですけれども、それで国保会計の補助金を先にぶった切っておいて、被保険者の一〇%まで集めてくれば収支バランスするんですということを言い続けたんですが、実際にはそうはならぬ。そして、五十九年度は例の退職者医療制度調整交付金が三分の二、六十年度三分の一、六十一年度ゼロ。これも私の市の参考人の話になりますが、実際一生懸命やって六・六%にしかならない。そこで結局やったことはどうなんだといったら、国保税一五%アップ、こういうことなんです。これは、確かに国は増税なき財政再建かもしれませんが、地方自治体はもう税金を上げざるを得ないということになるわけです。
 私は、ここでお尋ねしたいのでありますけれども、増税なき財政再建というのは国だけのことであって、地方のことは構わない、こういうことなんでしょうか。そこのところをまずお尋ねしておきたいんです。
#138
○政府委員(花岡圭三君) もちろん、増税なき財政再建は国、地方を通じて行われる、そして、そういったもとにおきまして行政の効率化を図っていく、そして財政の再建に結びつけていこうというものであると理解しております。
#139
○上野雄文君 だとすれば、国と自治体車の両輪論、両者の信頼関係ということをもう繰り返し述べられてきたわけなんですけれども、自治省として大蔵や厚生に対してこの面について具体的にどういうことを申し入れをされるか、要望をするというか、そのことのお考えがあったらお示しいただきたいと思います。
#140
○国務大臣(古屋亨君) 私は、国保の保険料を今のように一五%上げる、そういうところを聞いております。私の地元でも一四%上げたというところがあるのでありまして、三月議会でやっておりますので、私どもは四月ごろに、どうしてこんな赤字でこんなに上げるのだと、自治省としてはこういうようなめちゃな上げ方をしないで済むように厚生省にしょっちゅう申し入れしております。知事会からも、それから町村会からも私にそういう御指摘がございました。でございますので、厚生省に言いますと、今調査をやっているからというようなことを言われておりますが、それでいつまでも済ますわけにはいかぬと思います。いずれ調査はそう遠くないうちにできると思いますが、この調整金でもちろん私は処理は難しいだろうと考えております。
 ただ、国の見通しの間違いでありますので、私どもといたしましては絶えず厚生省に対して、とにかくこの費用は国で、あなたの方で直接大蔵省と話し合って、出せるようにしてくださいということを言っております。絶えず言っておりますが、この調査結果がそう遠くなく出ると思いますので、私どもはその点を再三、今度は大蔵省にも
地方団体の側からそういう点を申し入れいたしまして、厚生省ができなければ、私どもはもうできるまでけつをたたき、同時に私どもといたしましても地方の実情はこうであるからということを大蔵省に十分説明いたしまして、とにかく納得ある解決をしなきゃ市町村はもう困ってしまって国保はもうめちゃくちゃになってしまいますから、そういうことのないよう、厚生省はもちろん、必要によりまして大蔵省にもそういうような対処方を強く要求してまいりたいと思っております。
#141
○上野雄文君 今ずっと私問題提起をし、御質問申し上げたことは全部委任事務で、自治体固有の仕事でないわけです。きょうは質問を除きましたけれども、佐藤委員から質問のあった例の消防職員の定数の充足の問題なんかは固有の仕事でありながら、内部から抑えつけられて定員をふやすことができないで本来の方に力を入れることができないような状態になっているというのはまことに遺憾だと思うので、ひとつ一貫して申し上げたこのことについて、今大臣の決意のように、どうぞひとつしっかり頑張っていっていただきたい、私どもも主張し続けてまいりたい、こう思います。
#142
○国務大臣(古屋亨君) 今の御意見は私も全く同感でございまして、一生懸命にやりますが、また先生の御指導をお願いいたします。
#143
○中野明君 自治大臣も、本年は補助金の一括削減というような大問題がありまして、衆議院から参議院にかけてことしは大変な御苦労があったと思うわけですが、きょうは大蔵省にも来ていただいていると思いますが、来年からの地方交付税というもののあり方、これは不交付団体も一緒でしょうけれども、特に交付税を受け取っている地方の公共団体にとりましては大変な関心の集まっているところでございますが、いろいろ聞きますと、地方交付税率三二%というのを来年度は変更してくるのじゃないか、減額してくるのじゃないかというようなうわさも流れているんですが、大蔵省はこの辺はどういうふうにお考えになっていますか。
#144
○説明員(田波耕治君) お答え申し上げます。
 地方交付税率でございますけれども、これは大臣の方から先般もお答えがあったとおりでございまして、現在交付税率を引き下げるというようなことを現実の問題として現段階で検討している事実はございません。ございませんが、今の国の財政状況を先生御承知のとおり、全体の国の一般会計の歳出規模というのは五十二兆でございますけれども、その中で国債費が十兆ちょっとでございます。それから、地方交付税が十兆弱ということでございまして、その二つの歳出項目というのが非常に大きなものになっているわけでございます。したがいまして、一般歳出全体が三十二兆しかない、こういう現状がございます。片一方で、地方財政の方も大体五十兆ぐらいの規模でございますけれども、地方税が大体四割ちょっと、それから交付税が二割弱、それからいわゆる国庫補助金でございますけれども、これが二割程度ということになっております。したがいまして、そういう税源配分をこれからどういうふうにしていくか、あるいは補助金、広い意味の国庫支出金というものに対する決定をどういうふうにしていくか。そういう広い立場に立って、今後とも一つの問題としては検討をしていかなければいけない問題であるというふうに考えているわけでございます。
#145
○中野明君 地方交付税の三二%はいらわないということを絶えず大臣も答えておりますし、大蔵大臣はその点については明言を避けておられたようでございますが、今回大蔵省は六十一年度予算編成に当たって、国から地方自治体へ配分される地方交付税の特例減額ということに踏み切ったというような報道が出ているわけですが、特例減額というのは、私ども昨年のいわゆる特例措置という、特例加算から特例措置に変更になったということの議論の中で、特例減額というのは原則としてあり得ないということを一応大蔵、自治両大臣の覚書によって我々も確認をしておるところでございますけれども、堂々と地方交付税を特例減額して、六十一年度予算で大蔵省の方針として財源調整で数千億円を地方自治体に減額しよう、こういうことが報じられているわけです。これは一体どういう発想で、どういうところからこういうことが出てきたのか。恐らくこういう問題につきましては、関係した専門家でなければこういうことは知らないはずであります。恐らく自治省が間違ってもこんなことを言い出すわけは私はないと思いますので、出どころは大蔵省だと、このように思うわけですが、こういう考え方が現実にあるんですか。
#146
○説明員(田波耕治君) お答え申し上げます。
 五十九年度のいわゆる地方財政対策に関する一種の改革でございますが、これは当委員会でも熱心に御議論をいただいたところでございます。大ざっぱに申しますと、いわゆる交付税特別会計において借入金をして、それを交付税として配っていくというような借金依存体質というものをこの際脱却をして、地方財政対策というのは建設地方債の活用をさせていただくほかは、いわゆる特例措置一本で行こうというふうになったわけでございます。その特例措置といいますのは、現に五十九年度、六十年度におきましては特例加算という形でいわゆる特例措置が法律に従ってなされておるわけでございますが、その特例減額があり得るかどうかにつきましては、去年のたしかこの委員会でも御議論があったと思いますけれども、理論的には特例減額もあり得るというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
 そこで、ことし実際にどうなるかということになってまいりますと、これはこれからの地方税がどういうふうに推移していくか、あるいは地方交付税のもととなります国税三税がどういうふうに推移していくか、片一方ではいわゆる補助金の整理というものがどういうふうに行われていくか、もろもろの不確定要因がございますので、現段階でああだこうだという議論も現にいたしておりませんし、そういうことを申し上げる段階ではないというふうに考えております。
#147
○中野明君 今あなたはそういうことを議論してないとおっしゃるのですけれども、地方では、幾つかの地方紙を読んでみましたけれども、一面のかなりの重要な部分、トップの下くらいに「地方交付税を特例減額」すると大蔵省が方針を固めたと、「財源調整で数千億」というふうに報道されているわけです。だから、こういうことはマスコミが思いつきで記事にするような性質のものじゃありません。推測でもこんなことは恐らく書けないような記事でございます。ですから、こういうことになりますと、これ一体昨年のこの自治・大蔵大臣の覚書、この趣旨から見ると、もしこういう特例減額というようなことが起こったとしたら論外だと私どもは思うわけです。というのは、この覚書にもある「地方財政の健全化に資するため、」ということが一つの大原則で、国の財政の健全化に資するためではありません。そういうことは一切うたわれておりませんので、この附則の三条ででも、「交付税の総額の安定的な確保に資するため」と、わざわざこのように附則でも規定を加えているわけであります。地方財政に余裕が出てきても、いわゆる交付税の減額措置というようなルールとか、そういうことは一切想定されてないということがこれは大原則になっているわけです。
 ですから、理論的に云々と言われますけれども、実際問題としてそういうことはあり得ないということが昨年のこの議論の終点だったと私は理解をしているわけですけれども、何か特例加算もあるけれども減額もあるのだという、この規定のそういう無理な解釈といいますか、拡大をして無理な解釈をして、そして特例減額に踏み切ろうという、そういう意図が大蔵省側にあって、しかも公式に出したら問題になるので、だれかが内緒でマスコミにこういうことを流さして、そして自治省なりあるいは一般の世論というものを瀬踏みると、こういうやり方は、まことに最近そうい傾向が強いのですけれども、私はよろしくないと思っております。自治省として、そういう記事ごらんになったと思うんですが、自治省は特例
減額ということについてどういう認識、理解を持っておられますか。
#148
○政府委員(花岡圭三君) この記事につきまして、日曜日でございましたか、ある通信社の方から電話が参りまして、大蔵省の方の記者からこういうことが入ってきたけれどもどうであるかと、そういうことはあり得ませんというふうなお答えをしたところであります。
 要は、六十一年度の経済の上昇なり、国の予算編成方針なり、税制改正の動向なり、全然わかっていない状況におきましてこのような話が出るわけもございません。そういうふうな話であるならば、むしろ直ちに大蔵省から自治省に話があってしかるべきものでございます。これがこういった記事に出るということは甚だ好ましくないことでございますけれども、どういうふうないきさつでこれが出たのか。やはりニュースソースというのは、そのときの話ではこれはそちらの大蔵省の方からお話をとったという話を電話をかけてきた方はおっしゃっておったわけでございます。それが責任ある方かどうか、それはさっぱりわかりません。私どもといたしましては、基本的にこの交付税特会の借入金の軽減を含めてできる限り後年度の負担を軽減する、そして地方財政の健全化を図っていくという立場に変わりはございません。
#149
○中野明君 この新聞の言い方によりますと、六十一年度は単純試算でこの歳出の伸びを六十年度の四・六%程度に見込んで、地方税を本年六十年並みの九から一〇%の伸びと見積もると地方財政にゆとりが出てくる計算になる。その分だけ特例減額と、こういうような論法になっているわけですが、地方の税収がふえたら国の方は地方にゆとりができたからといって召し上げてしまうというような、そういう考え方で地方の財政というものを何か国のクッションといいますか、国の財政の調整のクッションに使うような考えであるとしたら、これは地方交付税というのは一体何かと、こういう問題になってくるわけでございまして、交付税率をそのままで据え置いて特例減額という変な言い方なんですけれども、そういうことがあっては私は相ならぬと、こう思うんですが、自治大臣、もしそういう話があったらどうします。お答えいただきたい。
#150
○国務大臣(古屋亨君) 今局長から答えましたように、現段階ではいろいろの要素がまだわかっていないということでございますが、実際問題として地方財政は借入金も大変多うございます。あるいはまた、交付税特別会計におきましてもたしか五兆六千九百億という返さなきゃならぬ金もあるわけでございます。だから、また個々の団体については非常に厳しいものがありますので、そういうことからして、交付税の総額を減額できるような状況にはとてもないという私は印象を持っておるのでございまして、そういう点から言いますと、国が困るということで地方がもし豊かな余裕のある金があれば、それは何とかしろという理屈はあると思いますが、そんな状況にはあり得ないというのが私どもの今の考え方でございまして、したがいまして減額要求があればお断りするよりしようがないと思っております。
#151
○中野明君 いま一度大臣にしっかりお答えをいただきたいと思うんですが、従来の特例加算と特例措置というものとの違い、これをもう一度大臣の立場としてはっきりおっしゃっておいていただきたいと思います。
#152
○国務大臣(古屋亨君) 地方財政の状況は今私がお話し申し上げたとおりでございまして、私どもといたしましてはそういう余裕もないし、そういうような見通しもございませんので、減額をするようなことは到底私どもでは承服できないということでございまして、そういうことがあればこっちの事情を話してお断りするより方法がないと思っております。
#153
○中野明君 きょうはこの問題で昨年の議論を蒸し返そうとは思いませんけれども、こういうふうに大臣、自治省側も厳重に注目をしてもらいたいんですが、昨年の高率補助金の削減問題もこういうところから端を発して、そしてずるずる来て、そして最後は三大臣覚書で押さえつけられたということですから、そういうことがあるから私は心配して、きょうはあえてこの問題を出しているわけです。恐らくこれは根も葉もない議論じゃないと思います。来年は三二%をそのままにしておいて、特例措置という法の解釈を覚書とは少し拡大して減額もあり得るのだと、だから来年は地方交付税三二%はいらわぬけれども、これだけ減額してもらいたいと、こういう話が必ず出てくる。ですから、その点去年の補助金の問題と同じようなことにならないように厳重に私は自治省に要望もしておきますし、今後の成り行きというものを私どもも注目したい。このように思っております。
 それから、先ほど同僚委員からも質問がありましたが、補助金問題関係閣僚会議が設置されまして、きのうですか、初会議も行われているわけですが、それに並行いたしまして、先ほどお述べになりましたいわゆる補助金問題検討会の名簿も出てまいりました。上野委員がおっしゃっておるように、補助金特別委員会に参考人として出てきて、そしてもう平気な顔をして地方財政富裕論をぶち、そして兄貴が困っているときには弟が面倒見るのは当たり前やないかと、そういう乱暴な議論を憶面もなくなさるような人がここに入っておるんです。これはよほどしっかりしてもらわないと、また兄貴が困っているから弟が兄貴の面倒を見るのは当たり前やと、昔から親のすねかじりということは聞いたことがありますけれども、親が子供のすねをかじるということは余りこれは聞いた話じゃありませんが、そういうようなやり方を平気で言う人です。そんな人が入ってきたりしているのですから、これはどこが推薦されたのか知りませんけれども、これは容易ならざる事態でございます。
 そこで、閣僚会議が設置されて、恐らく非公共ということになりますと、社会保障が主流になっておりますので、これはやはり事務方といいますか、官房長官が行司役というような大蔵大臣のお話もありましたが、恐らくこれは私の聞くところによりますと、厚生省が一番主管していることがほとんどですから、厚生省が準備なさるといいますか、事務的なことをなさると思うんですが、この補助金問題について閣僚会議のあり方、これの基本的な考え方を一応、きょう厚生省の方が来ておられたらお聞きしておきたいのです。
 補助金問題特別委員会並びに当地方行政委員会では、とにかく今回は六十年度一年限りの特別措置であって、この六十年が過ぎたらもとに戻って、いわゆる五十九年度生活保護で言うたら十分の八、これから出発する、議論の出発はそこからでありますということを言っているんですが、先日の補助金閣僚会議出発に当たって官房長官は、今回補助金特例が通った、この通った現況をこれでいいかどうか、これから出発するというようなニュアンスで物を言っておられるようで、ここは国会での議論と随分違いますので、その辺は厚生省としてどういう受け取り方をして今後どういう検討方針に基本的な考え方でいくのか、その辺をここでお答えいただきたいと思います。
#154
○説明員(末次彬君) 委員御案内のような趣旨でこの閣僚会議が設置されましたわけでございまして、その基本となりました考え方は、今回の措置は六十年度における暫定措置である、したがいまして六十一年度以降の補助率のあり方につきまして、これを国と地方の間の役割分担、費用負担の見直し、これとともに改めて検討するという趣旨でございまして、したがいまして六十一年度以降のあり方についてこの閣僚会議で有識者の御意見を伺いながら検討していくということでございます。
#155
○中野明君 そこのところをはっきりしておいてください。補助金特別法が通って、そして十分の七に本年度限りということになっているのですけれども、この十分の七で議論の出発がなったら困るということです。これは国会の意思とも違うし議論とも違いますよ。五十九年は戻して八対二、これが五十九年度の状況です。そこに戻って、そこから出発をしてもらわないと、国会の議論ある
いは国会の要求と違います。補助金特例法案で通って七対三になったのですから、これがいいかどうかというところから議論が始まったら大間違いですよということを申し上げているんですが、もう一度確認してください。
#156
○説明員(末次彬君) 先ほどお答えいたしましたとおりでございまして、六十一年度以降の補助率のあり方を改めて検討をするということでございまして、その前提条件といたしまして、先ほど申し上げましたように役割分担、費用負担のあり方、これを基本に据えまして議論をしていくということでございます。
#157
○中野明君 附帯決議もついておりますし、それから国会の議論もあります。そういうことを踏まえてやっていただかないと、根本的に出発が狂ってくると議論も狂ってくるわけです。だから、あえてきょう確認を申し上げているわけでありまして、補助金特例法案が通ったのだからもう七対三というのが既定の事実で、現在のこれがいいか悪いかというところから出発をしてくれては困りますよということを申し上げているので、その辺はよろしいですね。
#158
○説明員(末次彬君) 先ほどから申し上げておりますように、六十年度における暫定措置というものが一応決まったわけでございますが、これはこれといたしまして、六十一年度改めて役割分担、費用負担の見直し、これを前提にいたしまして議論を始めるということでございます。
#159
○中野明君 時間がありませんので、この程度にとどめておきます。
 それで、もう一つ最後に、先ほどおっしゃっておりました退職者医療問題につきましても先日、大蔵大臣に確認をいたしまして、自治大臣もお聞きいただいていると思います。これは自治大臣も一応議論を聞いておられるからおわかりと思いますが、国の方はもう既に先に減額をしているわけです。それの見込み違いなんですから、調整金というのは、それはそういうところへ使う金と違うんです。これは別の、全体の調整金でありまして、退職者医療というものに調整金を使うということはそのときは一言も出てないわけです。ですから、この調整金というもので充てて、まだそれで足らなかったら何とか考えるということになりますと、ほかの、退職者以外の問題で出てくるために使う調整金ですから、これはもうとんでもないことになるわけです。頭から国の方が退職者医療のために補助金をカットしている、ところがそれの見込み違いですから、この穴埋めだけは別の財源でやってくれないと、調整金でやるということは私どもはいただけないということを申し上げているんです。
 その点だけは自治大臣もよく腹にはめていただいて、厚生省にもあるいは大蔵省にもしっかりひとつ言っていただかないと、地方公共団体の国保会計が、もうこれ以上国保税を上げられたら、それこそ今度は上げると収納率、納付率が悪くなってくるわけです。そして、もう雪だるま式に、逆に回っていきます。値上げをする、納められない人ができてくる、これになったらもう踏んだりけったりでございます。その点について地方の公共団体がこれ以上一般会計からつぎ込んだりあるいは国保税を上げたり、もうできないような状況になっている中でまだやっているわけです。やらなきゃ舞が舞えませんから、ぜひこの点をどうぞお含みおきの上で交渉いただきたい。お願いしておきます。
#160
○国務大臣(古屋亨君) 今の先生の御意見は私も同感でございますので、そういうお話のような線で私ども対処してまいります。
#161
○神谷信之助君 時間がありませんから早速申し上げますが、最初にまず宝くじの問題です。
 これは今度の地財法の三十二条改正になっているのですけれども、従来から運営方針で、福祉の維持向上に寄与するためにこれを使ってよろしい、使いなさいという運営方針を出しています。だから、現行法でもできるのだけれども、法文上も明確にするということでなさったのだろうと思うんですが、この点がまず第一点。
 それから、具体的にどういう事業をお考えなのか。がん対策事業というのをお聞きしていますが、そのほか、どのような事業をお考えになっているか、もしおわかりであればお聞かせいただきたいと思います。
#162
○政府委員(花岡圭三君) 今回の宝くじの法の改正をお願いいたしましたのは、結局現在の宝くじにつきましては投資的経費である公共事業の財源に充てることになっておるものですから、例えばがん検診車の購入といったようなものにつきましては、これは現在の規定によりましてもできるわけでございます、投資的経費でございますから。しかし、地方団体が行おうとするがん対策として今考えておりますのはがんの予防で、一番重要なのは予防であるということが言われておるわけでございまして、がんの予防とかあるいはがんの検診とか、こういった経常的経費に該当するもの、こういったものに使用していただく。これが現在の、国でやっております対がん十カ年総合戦略というのがございますけれども、これに呼応いたしまして、とにかく予防が非常に重要なことであるから、そういった面においても大いにPRできるような扱い方をやっていただきたいというふうに考えておるところでございます。
#163
○神谷信之助君 大臣、ギャンブル性といいますか、射幸心をあおってやる宝くじの事業ですから、これは初め国と地方団体がやっておったものを、二十九年の閣議決定で、国の方はもう廃止する、地方の方は「地方財政の現状その他の事情にかんがみ、当分の間、これを継続するが、今回の政府宝くじ廃止の趣旨に則り、将来適当な機会においてなるべく早く全廃することを目途として、運営すべきものとする」という閣議決定がありますね。その趣旨からいうと、やはりこれは好ましい事業ではないという認識には立っていると思うんです。例えば現在御承知のような地方財政の状況ですから、直ちにこれを廃止するのが適切かどうかというのは別にして、いずれにしても当分の間継続してやるという状況ですけれども、その財源で今言ったようないろいろな国の施策といいますか、あるいは国の奨励しようとする施策の財源に充てるというのも何か筋違いではないかというふうに思ったりするのですが、こういった点についてひとつ見解を聞きたいと思うんです。
#164
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘のとおり、昭和二十九年二月の閣議決定におきましては、この政府くじを廃止することといたしまして、同時に地方くじにつきましても将来早い機会にこれを廃止することを目途として、当分の間発売を継続するというふうにされたところでございます。
 今回の法改正は、御承知のように地方財政の現状あるいは宝くじが国民の健全娯楽として定着しておる状況にかんがみまして、なお当分の間、この宝くじの発売を継続していくべきものであるというふうに認識をいたしまして改正をお願いしたわけでございますが、この法改正の閣議決定に当たりまして、自治大臣から、今回の改正は地方財政の現状及び国民世論の動向等を勘案して行うものであり、引き続き国民世論の動向等に配慮しつつ、健全な宝くじの運営を進めてまいりたいという発言をしていただきました。
 こういうことでありますので、昭和二十九年の閣議決定の趣旨をその限りで変更するという措置を講じて閣議の了解を得たわけでございまして、「当分の間」というのはなおついてはおるわけでございますけれども、そういったことで前回の閣議決定の趣旨の一部の変更をお願いをしております。
 こういった宝くじが国の施策にいろいろ使われるのは問題ではないかという御指摘でございます。もちろん宝くじは地方の財源でございますから、これは地方が現在でも重要な仕事としてやっておる仕事について使っていただくわけでございまして、特に国の施策そのもの、先ほど国の対がん総合戦略十カ年計画と申し上げましたけれども、必ずしもこれに従ってやるというのじゃございません。それとタイアップして、地方においても非常に重要な事項として認識されておりますが
ん対策に使おうということでございます。
 なお、使途の弾力化を図りましたけれども、これをさらに広げていくという考え方は今のところ持っておりません。
#165
○神谷信之助君 だから、二十九年の閣議決定は変更になったということになってくると、私は若干問題だというように思います。だから、地方財政の現状にかんがみて当分の間というのなら意味はわかる。しかし、地方財政が豊かになってもこれは続けていく事業でございますというと、これは射幸心をあおるものとして好ましくない、そういう従来の政府方針から逸脱をしていくことになってきますから、この辺が一つ問題だというふうに思いますし、そういう性格なのに今度最高賞金の倍率を引き上げるという、より一層ギャンブル性を強める方向の改正であります。これにも一つ問題がある。宝くじ協会が五十七年十一月、五十九年六月に世論調査をやっておりますが、ここでは十万から五十万円ぐらいの中間賞金の本数を多くしなさいというのが一番多いわけです。世論の動向とおっしゃるならば、ギャンブル性というのをできるだけ薄めて、そして庶民に夢をというならば収益もうんと少なくして、さらにその夢が膨らむように、たくさんの人が楽しめるようにというなら、またそれなりのなにがあると思うんだけれども、今度の改正提案というのは、説明される内容と実際に出てきているものとは矛盾をしておるように私は思うんです。この辺はひとつ、上限を上げただけですから、実際の運営はこれからですから、そういう点を十分配慮して運用してもらいたいというように思うんですが、いかがでしょうか。
#166
○政府委員(花岡圭三君) 閣議決定の問題でございますけれども、私ども廃止するというのを変更までしたというふうには考えておりません。「なるべく早く全廃」という点については、この趣旨は変更されたものであるというふうに認識しておるところでございます。
 それから、この宝くじの賞金の倍率の引き上げの問題でございますけれども、御指摘のように現在、高額賞金の高率化を求める層と、中間あるいは低額の賞金であっても確率の高いものを求める層と二極に分かれる傾向にございます。高いのを求める方では、やはりかつてあったような東京都内で一戸建てのうちが求められるような夢も欲しいという声もあります。こういうふうな声に従いまして、私どもも賞金体系の多様化をしていく必要があろうという考え方で、最高賞金の倍率制限の緩和を図ることとしたわけでございます。ただ、やはり先ほど御指摘のように、中間あるいは低額賞金であっても確率の高いものを求める層にこたえますためには、一等賞金一千万円のくじにつきましては引き続き発売回数の最も多いものというふうにいたしておりますし、また一等賞金百万円以下で当せん確率の高い宝くじにつきましても最近拡充を図っておるところでございます。
 こういった改正によりまして宝くじの倍率制限を緩和することを検討しておるわけでございますが、当面六十年度の年末ジャンボくじなどの特定のくじに限って行ってはどうかということでございますし、この倍率も現行の二倍程度にとどめておりまして、すぐにこれを二倍にしようというわけでもございません。そういったことから、射幸心をあおったりするようなことはないし、またそのような考えもございませんので、先生御指摘のような方向で運営してまいりたいと存じております。
#167
○神谷信之助君 一等当たったら家一軒建てられるという、そういう希望もあるでしょう。しかし、これ一獲千金の夢を見るんで、好ましい夢じゃないんですよ。だから、その辺はやっぱりしっかり踏まえてもらいたいというように思います。
 それから次、時間がありませんから、国保の問題、厚生省に聞きたいんですが、二つ一緒にお聞きをします。
 先ほどからも同僚議員が皆やっておりますが、退職医療制度の問題です。これは今までの特別委員会あるいは当委員会での議論を聞いておって、大蔵大臣等の答弁からどうももう一つはっきりしないんですけれども、いわゆる調整補助金は、これは四百六十万人、退職医療制度に移行するということを前提にして、そしてその上で国保財政の格差をなくしていくという、そういうための補助金として想定をしているわけですね。今度大体二百六十万人しか入らなかったというと、これは新しい医療保険なんで、だから現在までに予定をしている調整補助金とは別に考えなきゃならぬ。いわゆる国庫補助金削ったうちの、ストレートに言えば四割程度を落とさなきゃならぬというものになると思うんだけれども、この点ひとつ明確にしてもらいたいという点が一点です。
 それからもう一つは、厚生省の見込み違いによって国保税、国保料金が二割、三割、あるいはひどいところは四割まで値上げをしているという状況が起こっています。片一方では値上げをしないで、赤字決算覚悟で赤字予算を組んでいるところもあります。これらに対する財政の手当てです。だから、国保料を上げたところは、六十年度は国保財政に赤字が起こらないように上げているわけですが、その調整なりあるいは国からの手当てをするという場合に、そこはゼロになって、赤字予算を組んだところだけに配るということになると、これは不公正になってくると思います。この点についてはどういう措置をお考えなのか。いわゆる国保税の値上げ以前の状態で六十年度も推移をしたらどのような財源措置をすべきかという、そういうことを全体として計算をされるのか、この辺をひとつ確認をしておきたいと思います。
#168
○説明員(近藤純五郎君) 国民健康保険の財政調整交付金でございますが、この財政調整交付金は、市町村の所得水準でございますとか医療費の水準がかなりさまざまでございますので、これを調整するために設けられているものでございます。昨年の制度改正のときに、退職者の数が市町村によってばらつく、こういったものも調整するというふうな機能を持っていたわけでございます。退職者が少なかったというふうな問題で国保財政への影響というものが懸念されているわけでございまして、確かに制度当初、もうそういうふうな考え方あったわけでございまして、国保財政が非常にピンチになったというふうな状況はおきましては、私どもとしましてこの調整交付金の配分の工夫というものをさらに徹底してやる必要があるというふうに考えているわけでございまして、県と協力いたしまして市町村の財政状況等きめ細かに把握いたしまして、当面の措置でございますけれども、財政難に陥っている保険者に優先配分する等、運営面の工夫は当然やらなきゃいかぬわけでございますけれども、先生御指摘のような面もあろうかと思いますので、この辺も踏まえまして国保財政の安定化のための方策といいますものを現在調査を行っておりますので、その調査結果を踏まえまして検討していきたいというふうに考えているわけでございます。
 それから、二点目でございますが、調整交付金の配分は市町村の財政力に応じて公平にこれを配分するというものでございますので、保険料の引き上げとは直接には関係ないというふうに考えておりまして、それ以前の状態で配分するということになるわけでございます。
#169
○神谷信之助君 大臣、これは今お聞きのように厚生省も言っていますから、あと大蔵省との関係では、同僚委員も言っていましたように頑張ってもらいたいと思います。
 それで、あともう一言だけちょっとお願いしますが、これは通告してなかったんですが、今中野委員とのやりとりを聞いておって思うんですけれども、財政局長、ことしは五千八百億カットがなければ収支とんとんだと、こういうことになっているでしょう。そうすると、来年度やはり地方税の伸びが同じように伸びてくる、歳出の方は六十一年度予算はことしよりさらに切り込む、こういうことになってくると、地方の方の歳出は六十年度よりもさらに抑えることが可能になるのではないか。そうすると、ことし六十年度でとんとんであって、ふえる方はふえて出す方は抑えていけば
余裕財源ができるはずだという、こういう計算は想定できるわけでしょう。だから、大蔵省あたりはその辺も踏まえて、それで来年度所得減税が問題になっていますけれども、これもそう地方税の減収になるような大幅な減税というのは考えられないだろうし、そうすると、大体ことしさえとんとんになったのだから来年はもう余裕ができるはずだという論理というのが成り立つと思うので、だから私がことしの地財計画の立て方自身に非常に疑問を出しておったのはそういう角度もあるのですけれども、その点も十分考えて六十一年度の財政対策を考える必要があると思うんですが、この点はいかがですか。
#170
○政府委員(花岡圭三君) 御指摘のように、地方の見通しというものを昨年つくりましたような参考試算のような形で、国の使った指標といいますか伸び率を使って出せば、大体の見当はといいますか、ある程度そういったような数字というものは出てまいるわけでございます。仮にそういうふうな格好でやりますと、補助金のカット部分を除いては、やはり収支は均衡しておるような状況が出てくるだろうと思います。私どもも今後こういった問題は、もうすぐに概算要求の時期でもございますから、我々もいろいろとこういった試算もできるものについてはやっております。余り詳しいものはできませんけれども、そういった単純な見通しといいますか、数字というものはできるわけでございますが、そういった点を踏まえながら十分対策を立ててまいりたいと存じます。
    ─────────────
#171
○委員長(金丸三郎君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、上田稔君、志苫裕君が委員を辞任され、その補欠として宮島滉君、野田哲君がそれぞれ選任されました。
    ─────────────
#172
○三治重信君 地方税の中で超過課税の状況というものをひとつお伺いをしたいと思うんです。超過課税がどういうふうになっているか。
#173
○政府委員(渡辺功君) お答えいたします。
 超過課税の状況についてのお尋ねでございますが、昭和五十九年度におきますところの超過課税の実施団体数は延べにいたしまして三千七十団体、うち都道府県が延べ五十三団体でございます。市町村は延べ三千十七団体ということになっております。超過課税の見込み額でございますが、全体で五千四百六十七億円、このうち都道府県分が二千七百七十三億円、市町村が二千六百九十四億円ということになっております。
#174
○三治重信君 これは金額は大したことはないのだが、あらゆる市町村でほとんど行われているというのは、この超過課税というのはやはり一々自治省の許可事項なんでしょうが、どういう理由でこんな全部が超過課税をやっているんですか。
#175
○政府委員(渡辺功君) 制限税率の定めがございまして、その制限税率以内でもって超過課税をやるわけでございまして、許可ということにはなってございません。
 ただいま申し上げました団体数は延べでございますので、また統計もそういうことでとらえておりますので、三千三百の団体のうち三千十七の市町村がやっているということではございませんが、いずれにいたしましても、かなりの数の団体がやっているわけでございます。
#176
○三治重信君 そうですか。団体数は、これは延べの数字を言っているのか。今のは二つ三つの超過課税を延べでおっしゃったわけだが、そうすると、超過課税をやっている市町村、県の実数は何ぼか。
#177
○政府委員(渡辺功君) 超過課税の実施の状況の統計が税目別に超過団体の団体数と金額が出ておりますので、実数を拾うためには、それぞれの団体が幾つかの税目について超過課税をやっている場合にその実数を調整しなければなりませんので、統計上は、ただいまのところはその数字を持っておりません。
#178
○三治重信君 これは制限税率を超えぬのは自治省は何もやらぬというと、各地方自治体の議会の承認さえあればどんどんできると、こういうことですか。
#179
○政府委員(渡辺功君) 制限税率以内でもってそれぞれの地方自治体の議会におきまして条例を定めるという形で行われますが、税目によりましては、一定の税率を超えるような超過課税をやりますときに届け出が必要な場合があります。例えば固定資産税は制限税率以内でありましても一・七を超える場合には届け出がありますので、そういうものにつきましては自治省でも把握をするわけでございます。
#180
○三治重信君 これはやはり超過課税をやるからには、超過課税は地方の議会が自主的に決めるということである程度いいわけなんですから、超過課税をやる一つの基準というか、どういう理由のときに超過課税が許されるというような一般的な指示項目とか指示というようなものはないのか。地方でもう議会さえ承認があれば自由自在にできると、こういうことなのか、一つの超過課税をやるときの基準というようなものが示されているのかどうか。
#181
○政府委員(渡辺功君) 地方税につきまして標準税率制度が定められ、制限税率という形で超過課税が認められる場合におきまして、地方自治体の財政需要との関係におきまして、自治体の議会におきまして十分その辺について御検討があって、そして条例という形で超過課税が実施される、こういうことでございます。
#182
○三治重信君 そうすると、要するに超過課税は自由だということなんですね。
 それで、もう一つお伺いしますが、公債費負担率が二〇%以上の団体がどんどんふえつつあると、こういうことなんですが、例えば五十九年度では三百六十団体にも及んでいると、こういうことなんですが、公債費率の二〇%以上というのはいわゆる財源の不足した市町村が多いだろうと思うんですが、こういうふうなのがふえてくるということは、やはり地方団体間に財源の格差がだんだん拡大している、こういうふうに見ていいんですか。
#183
○政府委員(花岡圭三君) 公債費の伸びの高い団体がふえてくるということは、それだけ地方財政が硬直化してきておるということがはっきりしておるわけでございます。そういう団体とそうでない団体というふうなことを考えてみますと、団体間の格差もやはり開いてくる可能性はございます。ただ、格差を何で見るかという問題がございまして、一般的には財政力指数で見ておるわけでございますが、これで見てまいりますと、一概には言えませんけれども、地域間格差はある程度拡大しているのではないかというふうな傾向が見られると思います。
#184
○三治重信君 こういう公債の比率がふえる団体に対する対策というのですか、地方交付税の交付のときに、公債がふえるところには地方交付税の配分比率を高めるというようなことは行われているんですか。
#185
○政府委員(花岡圭三君) 公債費の高い団体について、特にそのために交付税をふやすということは一般的にいたしませんけれども、公債費の中身と申しますか、例えばこれが過疎債でふえているあるいは辺地債でふえておる、こういうふうなものにつきましては交付税の中に元利償還費の一定率を算入いたすという措置をとっております。したがいまして、起債の種類によりまして交付税の算入率に若干差異がございますけれども、一般的に財政力の弱い団体につきましての先ほど申しましたような過疎債、辺地債、こういったふうなものにつきましては交付税の算入措置を講じておるわけでございます。
#186
○三治重信君 大臣、お聞きのとおり地方税においても標準税率を超えた超過課税団体がどんどんふえている、それから公債比率も過重のところがどんどんふえている、そういうところで、これは中曽根内閣の中でできるかどうかわからぬけれども、とにかく中曽根首相がひとつ税制改革をシャウプ税制改革以来再検討のときだと、こういうふ
うに言って、ことしは中央の財政改革については皆非常に大きな議論を巻き起こしたわけなんです。こういうふうなシャウプ税制改革というのは中央ばかりじゃなくて、地方税制改革も一緒に行われたわけなんですが、地方税の体系においても抜本的な改革を中央と一緒にやろうということだろうと思うんだが、ほかに余り割合に表面に出ていないんだが、もう少し中央の税改革と同じように、自治省の方も地方税の抜本改革の検討というものは進めるべきじゃないかと思うんですが、御意見いかがでございますか。
#187
○国務大臣(古屋亨君) 御質問の地方税の改革の問題でございますが、今のところはまだ白紙と言ってもいいかと思いますが、国がこういう問題を考える場合には、どうしても地方自治団体の税制改革ということも考えていかなければならぬと思っております。
 私の方は、地方の自律性とそれから地方財源の充実という広い観点から、国がどういうふうに進めていくかということをにらみながら考えていくべきであり、そういう問題につきましては、国が税制調査会にいろいろの話を持ち出す場合には私どもも、地方制度のあり方等につきまして税の問題でぜひ一緒に検討していくつもりでございます。
#188
○委員長(金丸三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#190
○上野雄文君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行います。
 地方交付税は、全国三千三百自治体の固有の財源として地方税と並び地域住民生活に最も密着した一般財源であり、当委員会におきましても常にその拡充が主張されてきたものであります。しかるに、昭和五十年代に入り、この交付税制度は健全さを欠き、ともすれば地方自治体の必要とされる行政サービスの圧縮、削減をも促すものとなりつつあります。今日においては地方は巨額の借金を抱え、なおかつその残高は年々増大する一方であるばかりか、地域における福祉の推進、経済の振興すら手控えなければならない状況となっていることは周知のとおりであります。特に、昭和六十年度の地方交付税を見るとき、交付税に対する政府の姿勢は明らかであり、地域の犠牲の上に中中央の支配を強化しようとするものにほかなりません。
 私は、六十年度の地方財政対策について、一般歳出削減という大蔵省のつじつま合わせ的課題の達成のため複雑かつ乱暴な会計操作が行われ、地財政の難解さがますます進み、財政民主主義から一段と遠のいたこと。第二に、社会保障・教育の分担の見直しをその予算の削減の中で進めようとしており、戦後における国と地方の行政責任の役割分担をほごにしようとしていること。第三に、地方行革の推進を利用し地方への介入と支配を強め、分権自治と逆行する中央集権を図ろうとしていることをその特徴として指摘したいと考えます。政府は、昭和五十九年度において制度改正と称し国と地方の貸借をやめ、国の責任である借金を折半とし、今後財源不足額が生じたときは国が交付税に特例加算するとしてまいりました。しかるに、今年度においては何ら地方に責任も原因もない財源不足を故意に生じさせております。しかも、五千八百億円の不足額のうち、国が今年度において手当てしたのはわずかに一千億円にすぎず、残額については後年度加算、地方債の元利償還を国が補てんするとし、かつ、それも暫定的という表現がついたり、また、全額補てんなのか一部補てんであるのか不明確な約束しかしておりません。
 昭和六十年度予算において実施された高率補助金の一律カットは極めて悪質なものであり、これは長期展望を持たぬ場当たり的、欺瞞に満ちた措置であります。政府は一年限りの特例措置としておりますが、これすら報道等によれば怪しい情勢となってきております。私は、補助金のカットは、自治体財政に対する圧迫のみを意味するものではないと考えます。中曽根総理は、戦後政治の総決算を言っておられますが、社会保障、教育費の地方転嫁は戦後の民主主義、国民福祉の総決算を意味するものであり、総理の本音として常に喧伝されている平和・福祉憲法の実質的清算すら含んだ内容であります。
 また政府は、地方に財政転嫁を要求しているばかりではありません。一方では行政改革を叫び、地方の努力を強調していますが、みずからの努力については、例えば地方団体が要求している機関委任事務、許認可等の廃止についてサボタージュしております。自分の責任は果たさず、地方行革大綱に見られるように、自治体の行革については微に入り、細に渡り干渉、介入しようとしているのが実態であります。これはまさに分権自治ではなく、中央集権志向のあらわれであります。
 以上のような視点から今回の交付税の改正案を見ますと、第一に国の地方に対する財政負担転嫁により、四千八百億円もの地方債の増発を包含していること、また地方債の元利償還についての国の責任が極めてあいまいであるとともに、昭和六十年度においてその利子分も計上していないこと、第二に、過去の財源不足の発生に対し、交付税法六条三の二の規定に基づかず、借入金で措置してきたツケを地方に転嫁し、その金利充当額を交付税総額から控除していること、第三に、過去の借入金、行革特例法に伴う地方負担増、利子配当課税の地方税における実質非課税、以上の措置の見返りとして措置されてきた三臨特の昭和六十六年度以降への繰り延べを図っていること等、極めて欠陥に満ちたものであります。したがって、本改正案については反対するものであることを表明して、討論を終わります。
#191
○岩上二郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、本法律案に賛成の意を表するものであります。
 本法律案は、昭和六十年度の地方交付税の総額について一千億円の特例加算を行うこと、後年度分の総額についても所要の加算措置を講ずること、各種制度改正に伴い必要となる行政経費の財源を確保するため、単位費用を改正すること、宝くじの収益金の使途を拡大し、また公営競技の納付金制度を延長し、納付率の引き上げを図ることなどを主な内容とするものであります。
 昭和五十年度以降、国、地方の財政状況は悪化し、地方財政においても、普通会計が負担する昭和六十年度末地方債残高の合計額は五十兆七千億円が見込まれ、また地方が負担する交付税特別会計の借入金の額は五兆七千億円にも達しているのであります。地方財政は財政力や態容を異にする三千数百の地方団体の財政の集まりであり、このような財政状態の各地方団体への影響を考えますと、事態は容易ならざるものがあります。
 地方財政の基盤は依然として脆弱であり、単に数字面の比較だけで地方財政が国より余裕があると言うことはできません。しかしながら、昭和六十年度だけについて見ますと、補助率の一括削減が行われなければ、計画上、地方財政の収支が均衡するとの予測がなされており、したがいまして国の予算編成に当たり、地方に何らかの負担を求める要請が強かったことも事実であります。
 以上のような状況にもかかわらず、政府案は、苦しい一般会計の中から特に一千億円を地方交付税の総額に加算することとし、あわせて地方交付税の適正な配分を通じ地方行政の円滑な実施を図るため生活保護経費の充実等、単位費用を改正し、また公営競技の収益均てん化等、所要の措置を講じようとしているのであります。
 地方財政の安定は、地方自治の本旨に欠くことのできない要件であります。地方財政の現状にかんがみ、今後一層地方団体の固有財源の充実強化を図らなければならないことは当然であります
が、当面の対策としては、本法律案はおおむね妥当な措置と思うのであります。
 関係当局の御努力を評価するとともに、地方団体等から指摘のあった国、地方の役割分担、負担のあり方の問題については、今後政府当局で十分検討し、納得のいく結論を出されることを期待し、私の賛成討論といたします。
#192
○中野明君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行うものであります。
 反対の第一の理由は、今回の地方財政対策が国と地方の機能分担や財源配分を抜本的に見直すのではなく、単に国庫補助負担率の一律一割カットが行われたことであります。
 すなわち、昭和六十年度の地方財政は、福祉、医療、教育費等の高率補助金について、国の財政悪化による歳出削減に伴う負担を一方的に地方へ転嫁する措置を受け入れたものであるからであります。その額は、生活保護を初めとする経常経費二千六百億円、投資的経費三千二百億円、合わせて五千八百億円に及んでおります。補助金の削減は我が党もかねてより望んでいるところでありますが、その手法は零細補助金や地方に同化定着した事業に対する補助の整理合理化、統合メニュー化などであります。仮に、今回の補助金のように国に負担責任が強く課せられている補助金を削減するとしても、国と地方の機能分担、財源配分の見直し等を最優先課題として取り組まなければなりません。今回のこうした措置は、行財政改革の本来の姿を全く忘れたものであります。また、地方財政法第二条第二項には、国は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならないと定め、地方財政の運営についてその基本原則を明示しておりますが、今回の国がとった措置は、明らかに同法に抵触し、国と地方の財政秩序を乱すものであります。
 さらに、今回の地方転嫁の措置により、地方財政は地方債の増発を余儀なくされております。これが後年度における借金返済のための公債費率を一層高める結果となり、六十年度の地方財政対策が将来の地方財政を暗たんたるものにしているのであります。
 反対の第二の理由は、国の補助負担の地方転嫁が地方の行財政改革の進行を阻害することを恐れるからであります。
 今まで地方は国以上に積極的に行政改革に取り組んでおり、政府も地方行革大綱を発表し、さらに地方行革推進の機運を盛り上げようとしております。しかしながら、地方自治体みずからの行革の結果として生じた余裕財源が、その地域の住民サービスに向けられるのではなく、今回の措置のように、高率補助率引き下げによる国の負担転嫁の財源に充てられたのでは、地方は行革の熱意を失うばかりであります。しかも、地方行革に取り組む上で、国もその協力と努力を怠ってはなりません。例えば地方自治体の行政事務は国の補助金等の申請手続等に忙殺されているのが現状でありますが、今回の補助金削減にはこうした点の改善努力が伴っておりません。
 さらに、国の機関委任事務を初め、厳しい規制が加えられ、また団体委任事務についても必置規制や国の関与などによってがんじがらめに縛られているといった状態であります。地方行革を推進するというのであれば、まずこのような国の規制を外すことから始めなければならないことは言うまでもありません。しかし、今回政府が行おうとしている国の関与や必置規制の是正案は地方の要望とはかけ離れたものであり、これでは地方行革の達成はおぼつかないのであります。
 反対の第三の理由は、地方財政の健全性が損われているからであります。
 昭和六十年度の地方財政計画は、借金返済のための公債費がさらに急増し、計画の一一・二%を占めることになり、また給与費等の経常経費が四〇%を占めるなど、極めて財政の硬直化が進行しているのであります。このため、地方自治体が単独で実施しようとする事業が抑制されるなど、地方財政の自主的運営が図られないものとなっております。三千三百余の大小の自治体の実態に即した財政運営を進めるためには、個々の団体の変化に対応できるだけのゆとりのある財源が確保されなければなりません。真に心豊かな、活力ある地域社会の実現のためにも、どうしても交付税率の引き上げによる一般財源の大幅な確保が必要なのでありますが、何ら十分な措置がとられていないのであります。
 最後に、補助負担率の一律カットの措置は、昭和六十年度限りの暫定的措置と説明されておりますが、委員会審議において明確な財政見通しを示すことができなかったことから見て、来年度以降、地方への負担の転嫁が継続されるのではないかとの懸念を払拭することができないのであります。加えて、三大臣の覚書に基づいて、六十一年度以降の負担のあり方等を検討することになっており、昨日、補助金問題関係閣僚会議が開かれ、補助金問題検討会がスタートすることになりました。しかし、例えば地方交付税の特例減額の措置が検討されるなど、また、社会福祉水準を低めるなど、直接国民生活に矛先を向けるような地方への負担転嫁をすることが断じてないよう強く要求をして討論を終わります。
#193
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案は、生活保護費など国庫負担金と補助金の一律削減を前提とした六十年度地方財政計画をベースに、地方への一方的な負担転嫁を容認しているからであります。今回の政府による高率補助負担金の一律削減は、国民の生存権と国の社会的使命を明記した憲法二十五条、さらに憲法九十二条の地方自治の本旨に反するものであるとともに、地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならないとする地方財政法二条二項に反するものであり、断じて容認することができないものであります。
 しかるに、六十年度地方財政対策ではこの補助金一律カットを受け入れ、しかもこれによる下水道事業分等を含む地方への負担増六千四百億円に対して、交付税による補てんは、当然六十年度に交付すべき臨時特例交付金一千三百五十五億円を六十六年度以降に繰り延べたあげく、わずか一千億円の特例加算だけにとどめ、あとの穴埋めはすべて地方債の増発により、自治体へ借金の押しつけを強要したのであります。政府は財源の手当てを行ったから地財法第二条違反に当たらないと強弁していますが、借金を押しつけて将来の地方財政を圧迫するがごとき暴挙は断じて容認できません。
 反対理由の第二は、昭和五十年度以来の地方財政危機に対し、交付税率を引き上げずに交付税特会の借入金や財源対策債、減収補てん債など、地方債の増発による地方への借金押しつけ政策を続けてきましたが、その後年度へのツケ回しにより、実質的な交付税率は大幅に低下し、交付税の財源保障機能、調整機能が損なわれ、制度の崩壊が進んでいることであります。
 本委員会の審議の中で指摘しましたが、六十年度においては、交付税特会借入金利子及び基準財政需要額に算入される財源対策債の元利償還費を差し引いた実質的な交付税率は二七・五%と、法定税率を大幅に下回っています。このような状態を政府は無責任にも放置しているだけでなく、さらに今回の補助金一律カットの穴埋めをほとんど臨時財政特例債や調整債による地方債の増発で行い、その元利償還費を新たに基準財政需要額に取り込んだ結果、制度崩壊の危機を一層深めているのであります。
 反対理由の第三は、このような地方への負担転嫁と借金押しつけ政策が地方財政危機をさらに促進するとともに、住民への犠牲を一層強めることになるからであります。
 六十年度末で交付税特会借入金残高、地方債残高を合わせた地方の借金は五十六兆四千億円に上り、危機ラインと言われる公債費比率二〇%を超える団体は全体の四分の一を上回る八百二十団体
に達しています。にもかかわらず、この十年間、地方財政に対する国庫支出金は二・二倍、地方交付税は二・一倍の増にすぎず、そのため地方税は二・四倍とふえ、さらに授業料は六・二倍、保育料は三・六倍、下水道料金は七・五倍と、住民負担はふえているのであります。これは、具体的には本委員会で指摘した下水道問題においても、雨水公費、汚水私費の原則により、地方財源を手当てせずに下水道料金に転嫁していることや、生活保護の臨時財政調整補助金による受給抑制の強化、教材費等の一般財源化という事実上の補助金の打ち切り、廃止による父母負担の増加となってあらわれていることからも明らかであります。
 最後に、このような地方財政危機の深まり、住民犠牲の根本的な原因が軍備拡大、大企業奉仕を強める臨調行革路線にあることを指摘せざるを得ません。この臨調行革四年間における地方の歳出規模はマイナス二・九%と大幅に抑えられ、国の抑制率をさらに上回っています。しかも、その内容を見れば、軍事費の突出に比し、社会保障費や教育費は極端に抑えられていますが、さらに政府は地方行革元年などと称して、官製の地方行革の推進を自治体や住民に押しつけようとしているのであり、地方自治破壊につながるものと言わざるを得ません。
 今日、地方財政再建のために求められている方策は、第一に地方交付税率の引き上げと事務権限の民主的配分に立った税源の移譲など、国が十分な財源を保障すること、第二に、産業用電気に対する非課税や固定資産税の課税標準の特例など、大企業優遇税制を改めること、第三に、交付税、起債、補助金を通じての介入、干渉をやめ、財政自主権を強化すること以外にないと考えるものであります。
 また、真の地方行政改革は、むだを省き、住民本位の行政を効率的な機構で進めるため、住民の福祉、サービス向上を第一に、地方自治体、特に住民の創意と工夫により下からつくり上げられるべきものであり、上からの強要は逆に、真の行革、地方自治の発展を阻害する結果となることを指摘するものであります。
 以上、本法案に反対の理由を述べて討論を終わります。
#194
○三治重信君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 その主な理由の第一は、今回の法改正は地方富裕論、すなわち金持ち論の観点に立ち、大なたを振るった補助金の一律カットを背景とした、地方財政の硬直化を招くものであります。
 第二は、補助金の整理合理化に名をかりた補助金一律カットはまことに乱暴きわまりないものでありまして、その中身は行財政改革のかけらもなく、事務事業や権限の移譲もなく、ただ単に国の負担を地方へ転嫁させるというだけの施策でありまして、この法案をそのための裏づけにしかすぎません。
 第三に、地方財政法の一部改正による公営競技の公営企業金融公庫納付金制度の納付金額の引き上げは慎重にすべきであります。公営競技収益金の均てん化を図るという趣旨はもっともとしても、国が行うべき地方公共団体への財源確保の努力を地方公共団体間に転嫁するようなことになってはならないのであります。今回の措置によって弱小施行団体に過重な負担をもたらし、その自治体及び関係労働者の雇用や労働条件に圧迫を加えるおそれがあるのであります。
 以上をもちまして反対討論を終わります。
#195
○委員長(金丸三郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 本法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#197
○委員長(金丸三郎君) 多数と認めます。よって、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 上野君から発言を求められておりますので、これを許します。上野君。
#198
○上野雄文君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の諸点について善処すべきである。
 一、国と地方の事務・事業の配分の見直し及び補助金の一般財源化、交付金化等その整理に当たっては、国の行政責任の明確化、地方六団体をはじめとする地方公共団体との十分な協議及び地方自治の発展に資するよう地方独立税源の保障等十分な財源確保を図り、地方財政を圧迫しあるいは地方行財政運営に支障を来さぬよう特段の配慮を払うこと。
 二、地域行政の一層の推進に資するよう交付税総額の安定的確保を図るとともに、地方公共団体の基準財政需要額については、公債費比率の上昇、一般行政費の増大等に適切に対処するよう、その算定方法について検討し、交付税制度の拡充に努めること。
 三、六十年度において発生した財源不足額については、国が後年度において補填する等の措置を講ずるとともに、今後行政制度の見直し無くして財政的措置を先行させることを慎むとともに、国は地方への財政転嫁により財源不足を生じさせぬこと。
 四、公営競技納付金の率の引上げに当たっては、小規模開催団体に対して配慮を加えること。
 五、消防職員の確保に努めるとともに、職員の勤務条件の改善、公務災害の防止、消防施設安全基準の適正化等消防職員の勤務環境の向上に特段の配慮を払うこと。
 六、退職者医療制度の創設に伴う市町村国民健康保険事業会計における負担増加については、国において完全に補填すること。また、年金等社会保障制度の検討に当たっては、国の行政責任を踏まえ、その財源の確保を図り、安易な制度間調整等国民の信頼を損ねる施策の実施は慎むこと。
 七、公営交通、特に中小交通事業の交通環境の整備、一般会計との間の経費負担区分の適正化等により、事業基盤の強化を図ること。
 八、地方公共団体が行う行政改革の推進に当たっては、地域の特性と自主性を尊重するとともに、地方六団体等の意見を踏まえた機関委事務の廃止等地方の行政改革の障害となっている事項の解消に努めること。
  右決議する。
 何とぞ御賛同いただきますよう、お願い申し上げます。
 以上であります。
#199
○委員長(金丸三郎君) ただいまの上野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(金丸三郎君) 全会一致と認めます。よって、上野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。古屋自治大臣。
#201
○国務大臣(古屋亨君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
#202
○委員長(金丸三郎君) なお、審査報告書の作成
につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#203
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#204
○委員長(金丸三郎君) 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。古屋国務大臣。
#205
○国務大臣(古屋亨君) ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、最近における道路交通の実情にかんがみ、道路における危険な防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路交通に起因する障害の防止に資するため、座席ベルトの装着及び乗車用ヘルメットの着用に関する規定その他運転者の義務に関する規定を整備するとともに、原動機付自転車の右折方法に関する規定を整備し、あわせて違法駐車車両に関する措置の合理化を図ること等をその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を説明いたします。
 まず、第一に原動機付自転車の右折方法につき特例を認めることであります。これは、現在、原動機付自転車は、自動車と同様の方法で右折しなければならないこととされておりますが、これでは、広幅員の道路等においては危険を生ずる場合もありますので、そのようなときには、軽車両、すなわち自転車等と同様の方法で右折させようとするものであります。
 第二に、違法駐車車両に関する措置に関する規定の整備であります。現在、違法駐車車両を移動保管した場合において引き取り人があらわれないときについては、何らの規定も置かれておらず、このため、保管がかなり長期間に及ぶ車両もあります。そこで、この点を改め、所有者の氏名が不明である場合等にあっては、公示後六月をもって、その所有権を都道府県に帰属させる等所要の措置を講じようとするものであります。なお、保管費用等の現在の徴収手続には督促規定がないので、これを明文で定めております。同様の改正は、違法工作物の除去費用等の徴収手続に関しても行うこととしております。
 第三に、運転者の遵守事項に関する規定の整備であります。
 その一は、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で自動車等を急発進させること等をしてはならないこととすることであります。
 その二は、運転者が座席ベルトを装着しないで、または助手席同乗者に座席ベルトを装着させないで、自動車を運転してはならないこととすることであります。
 その三は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならないこととし、あわせて自動二輪車免許を受けて一年に満たない者は、いわゆる二人乗りをしてはならないこととすることであります。
 その四は、初心運転者のうち、法令違反を犯し、一定の基準に当該することとなった者は、都道府県公安委員会の行う講習を受けなければならないこととすることであります。
 その他、手数料に関する規定及び期間に関する規定を整備するとともに、本法改正に伴い、必要な規定の整備をすることとしております。
 なお、この法律の施行日は、改正規定の内容によって分けております。
 まず、期間の特例に関する規定は、できるだけ早い日時が望ましいので、公布の日から施行することとしております。
 次に、違法駐車車両に関する措置及び違法工作物等を除去保管等した場合の費用徴収手続についての規定は、ある程度の準備期間が必要となりますので、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。
 次に、いわゆる初心者講習に関する規定は、電子計算組織の準備等が必要でありますので、来年の一月一日から施行することとしております。
 次に、原動機付自転車の運転者の乗車用ヘルメット着用義務に関する規定は、ヘルメットの生産能力を勘案して、公布の日から起算して一年を経過した日から施行することとしております。
 その他の規定につきましては、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令の定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同を賜らんことをお願いいたします。
#206
○委員長(金丸三郎君) 本法律案に対する質疑は後日に譲りたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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