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1984/12/14 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 本会議 第2号
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1984/12/14 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 本会議 第2号

#1
第102回国会 本会議 第2号
昭和五十九年十二月十四日(金曜日)
   午前十時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  昭和五十九年十二月十四日
   午前十時開議
 第一 日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の両国の地先沖合における漁業の分野の相互の関係に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 日本電信電話株式会社法案(第百一回国会内閣提出衆議院送付)
 第三 電気通信事業法案(第百一回国会内閣提出衆議院送付)
 第四 日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(第百一回国会内閣提出衆議院送付)
 第五 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案(第百一回国会内閣提出衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(木村睦男君) これより会議を開きます。
 日程第一 日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の両国の地先沖合における漁業の分野の相互の関係に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長平井卓志君。
   〔平井卓志君登壇、拍手〕
#4
○平井卓志君 ただいま議題となりました日ソ間の両国の地先沖合における漁業の分野の相互の関係に関する協定につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 この協定は、従来一年ずつ有効期間を延長してまいりましたいわゆる日ソ漁業暫定協定及びソ日漁業暫定協定の内容を一つの協定に規定し、有効期間を長期化しようとするものでありまして、日ソ両国政府が自国の二百海里水域における他方の国の漁船による漁獲を許可することのほか、相手国の漁船のための漁獲割り当て量等の操業条件の決定の方法、許可証の発給、漁船の取り締まり、日ソ漁業委員会の設置等について定めております。
 また、有効期間は一九八七年末までの三年間とし、その後はいずれか一方が終了通告を行わない限り、一年ずつ自動的に延長されることとなっております。
 委員会におきましては、漁獲量交渉の見通し、ソ連漁船の小名浜への寄港、サケ・マスに関する新たな枠組みの交渉、昆布に関する取り決めの長期化、ソ連との対話の促進等の諸問題について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
 昨十三日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ─────・─────
#7
○議長(木村睦男君) 日程第二 日本電信電話株式会社法案
 日程第三 電気通信事業法案
 日程第四 日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
  (いずれも第百一回国会内閣提出衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長松前達郎君。
   〔松前達郎君登壇、拍手〕
#8
○松前達郎君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 これら法律案につきましては、第百一回国会の本会議において趣旨説明を聴取しておりますので、簡単にその主な内容について述べさせていただきます。
 まず、日本電信電話株式会社法案についてでありますが、第一は、国内電気通信事業を経営することを目的として日本電信電話株式会社を設立し、その責務については、常に適正かつ効率的な経営に配慮するとともに、電話役務のあまねく日本全国における安定的な供給の確保に寄与するほか、電気通信技術に関する実用化研究及び基礎的研究の推進並びにその成果の普及に努めるものとしております。
 第二は、政府は、常時、会社の発行済み株式総数の三分の一以上の株式を保有するとともに、政府保有株式の処分については、その年度の処分限度数につき、予算をもって国会の議決を経なければならないこととしております。
 第三は、新株の発行、取締役、監査役の選解任の決議、定款変更の決議、事業計画等については郵政大臣の認可を受けなければならないものとする等会社の監督について所要の規定を設けようとするものであります。
 第四は、附則において、政府は、会社の設立の日から五年以内に、会社のあり方について検討し、必要な措置を講じようとするものであります。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしておりますが、日本電信電話公社法等の廃止及びこれに伴う経過措置の規定は、昭和六十年四月一日から施行することといたしております。
 また、本法律案は、衆議院において、会社の附帯業務を郵政大臣の認可事項から除外する旨の修正が行われております。
 次に、電気通信事業法案についてでありますが、第一は、電気通信事業者が取り扱う通信の秘密の保護、検閲の禁止、利用の公平、重要通信の確保等について所要の規定を設けようとするものであります。
 第二は、電気通信事業の種類を、みずから電気通信回線設備を設置して電気通信役務を提供する第一種電気通信事業と、第一種電気通信事業者から回線の提供を受けて電気通信役務を提供する第二種電気通信事業に区分し、それぞれ許可制及び届け出制としております。
 ただし、特別第二種電気通信事業、すなわち不特定多数を対象とする全国的、基幹的な事業及び外国との間の事業については登録制にしようとするものであります。
 第三は、第一種電気通信事業者は、電気通信役務の料金その他の提供条件について契約約款を定め、郵政大臣の認可を受けなければならないものとしております。
 第四は、郵政大臣は、事業の許可、契約約款の認可等重要な処分を行うに当たっては、政令で定める審議会に諮り、その決定を尊重して措置しなければならないものとしております。
 第五は、附則において、政府は、この法律の施行の日から三年以内に、その施行の状況について検討し、必要な措置を講じようとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、昭和六十年四月一日としております。
 さらに、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についてでありますが、第一は、電話設備費負担臨時措置法等を廃止するほか、有線電気通信法等関係法律の規定の整備等を行うとともに、所要の経過措置等を定めようとするものであります。
 第二は、会社の労使関係については、労働三法によることとし、公共企業体等労働関係法は適用しないものとするとともに、当分の間、国民経済及び日常生活に相当程度影響を及ぼすおそれがある場合、労働大臣の請求に基づき中央労働委員会の調停を行っている期間最大十五日間は争議行為をしてはならないものとしております。
 なお、この法律は、昭和六十年四月一日から施行することとしております。
 また、本法律案は、衆議院において、会社の争議行為を制限する特例措置については、法律施行の日から三年後に見直しを行う旨の修正が行われております。
 委員会におきましては、三法律案を一括して質疑を行うとともに、第百一回国会において公聴会の開会、参考人の意見聴取、次いで閉会中においては、札幌市、福岡市、大阪市において地方公聴会を開催し、さらに今国会においては、内閣、地方行政、大蔵、社会労働、商工の各委員会との連合審査会を開会する等極めて熱心かつ慎重な審議が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わりましたところ、三法律案に対して、中野委員より、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブを代表して修正案が提出され、次いで討論に入りましたところ、日本社会党大森委員より、原案に反対、修正案について評価はできるも反対、自由民主党・自由国民会議長谷川理事より、原案並びに修正案に賛成、日本共産党佐藤委員より、原案並びに修正案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、三法律案はいずれも多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、三法律案に対し、片山理事より、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブ及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案に係る通信主権の確保、情報基本法の制定、新電電株式の売却方法等十二項目の附帯決議が提出され、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(木村睦男君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。片山甚市君。
   〔片山甚市君登壇、拍手〕
#10
○片山甚市君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました電電改革三法案に対し、反対の立場から意見を表明するものであります。
 私は、さきの第百一特別国会における本会議質問の冒頭で、電電改革三法案には「今日までの電信電話事業百有余年の歴史が築き上げた国民共有の財産を、情報通信産業の基盤として公共の福祉増進、国民の利便確保のため一層発展させる国家百年の計が求められている」と強く主張したところであります。また、真に国民のための電気通信事業の確立を目指し、さきの国会において千六十五万余の請願署名が寄せられたことを見ても、本法案に対する関心の深さと広がりがうかがい知れるものであります。こうした観点から、国民が抱くさまざまな疑問点を解明することにあります。とりわけ、良識の府と言われている本院の役割は極めて重大であります。
 したがって、今日までの審議を通じて、我が党が強く主張してきた会社法案第二条の「責務」及び事業法案第一条の「目的」に、公共の福祉増進、国民の利便の確保、公平なサービスの提供の明記を修正によって実現させ、公共性をより一層明確化させたことは、本院としての成果であると考えます。
 そのほか、電報事業は今後、法律の改正がない限り廃止させないことを明確にさせた点や、今回の制度改革を理由とする料金値上げのないことの確認、また主要な料金認可などについては、電気通信審議会に諮問し、広く利用者の意見を聞かなければならないとする公聴会の開催を義務づけたこと、さらに、労働基本権確立のため、三年後の見直しに当たっては労調法附則の廃止をより明確にさせたほか、政・省令についても、その制定並びに運用に当たり許認可権行使等に行き過ぎのないよう確認させ、また国際電電会社法第二条の附帯業務を認可から届け出に修正させたことなども我が党の取り組みの結果であります。
 しかしながら、今後の高度情報化社会における電気通信事業のあり方に対する理念、基本的政策に根本的な欠陥を持ち、かつ具体的対応策についても多くの解明されない点が残されていることは極めて遺憾であります。すなわち、技術先行と企業のつくり出すニーズによってバラ色に描かれているいわゆる情報化社会は、国民が不安を抱く影の部分として、情報の集中、情報の格差、情報システムの脆弱性、プライバシー保護、雇用問題など、政治、経済、社会、文化、人間生活にさまざまな形で大きな影響を与えている問題の解決を急がなければならないのは当然であります。
 私が、本会議における質疑の中で、「かつて、高度工業化を急ぐ余りに環境破壊と人命を軽視して、多くの公害患者を出したという悲惨な経験を私たちは決して忘れてはならない」と主張したのは、まさにこの一事であります。
 以上の点を指摘し、次に本法案に反対する幾つかの点について理由を述べます。
 その第一は、財界主導の臨調答申に基づく行政改革の名のもとに、国家財政の見地から性急かつ拙速に国民共有の財産である電電公社を株式会社化し、電気通信事業のすべてに競争の原理を導入することは根本的に誤っているのであります。
 第二は、政府に無償譲渡される株式が、いつどんな方法でだれに売り渡されるのか、あるいはその売却益金、配当金をどう使おうとしているのか、全く明らかにされていないのであります。
 既にちまたでは株式をめぐってうわさが飛び交い、他方、各省庁は売却益をめぐり醜い暗闘を繰り広げているではありませんか。総理みずから、いやしくも利権につながることがあってはならないと発言されたのでありますが、この異例の発言は、裏を返せば、今回の改革が一歩誤れば利権争いの具につながる危険性の強いことを総理みずからが認めていることにほかなりません。一点の疑惑を招くことのないようになどと言っても、今日までの政府の姿勢には不信、不安を抱かざるを得ないのであります。
 第三は、我が国電気通信事業に外国資本の無原則的な参入を認めた点であります。
 電気通信は、国民生活、経済活動等の存立基盤を支える中枢的機能を提供し、防災等、国全体の総合安全保障の機能にもかかわるため、電気通信を自国の支配のもとに置くか否かは一国の独立にかかわる基本であるにもかかわらず、今回、特別第二種事業を内外無差別としたことは我が国の通信主権を根底から揺るがすものであり、極めて遺憾であります。少なくとも二分の一未満の外資規制は当然なのに、当初案から消え去ったことは断じて納得できません。
 その第四は、政府は繰り返し、今回の改革は利用者国民に安くて良質なサービスを提供することにあると強調していますが、その展望は、競争関係をあおるのみで、具体策がいまだに明確化されておらず、電話料金の地域格差、非採算地域のサービスの切り捨て等に対する利用者の不安に全くこたえていないからであります。
 第五に、我が党を初め、すべての野党がこぞって強く主張した労調法附則第三条の削除による労働基本権の全面的確立の要求に対し、政府が全く応じなかったことは極めて不満であります。
 第六は、高度情報化社会における電気通信事業の役割について、重要な施策を置き去りにしていることであります。
 既に各種ニューメディアの実用化が進み、INS計画の本格的な実験が行われている中で、総合的な施策を欠落させたままにしている責任は極めて重大であります。政府は、情報基本法の制定に取り組むことを何度も約束しておきながら、いまだに提案できないばかりか、その見通しさえ定かにできないのが実情であります。また、情報通信に関する行政の一元化に向けて積極的に取り組むことが急がれているにもかかわらず、これを放置していることは許されるべきでありません。
 以上、反対の理由の一端を述べましたが、三法案には、残念ながら後世に極めて重大な危惧のあることを払拭できないのであります。私は、来るべき高度情報化社会の中で、我が国電気通信事業の将来を誤らしめないため、引き続き国会の場を通じ、国民の期待に沿い得る政策確立に向かってその責任を果たすべきことを強く訴えて、万斛の思いを込めて反対の討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(木村睦男君) 服部信吾君。
   〔服部信吾君登壇、拍手〕
#12
○服部信吾君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案など電電三法案につきまして、賛成の討論を行うものであります。
 言うまでもなく、我が国の電気通信事業は、明治二年の電信事業の開始以来、百十余年にわたり一貫して官営によって行われてきたことは周知の事実でございます。その間、技術革新等によって電気通信は飛躍的に発展し、昭和五十三年末には積滞解消、全国自動即時化の二大目標が達成され、ほぼ全国的な通信ネットワークが完成されたのであります。
 しかしながら、一方では、第二臨調等の指摘にもあるように、経営の合理化意識の希薄化など巨大独占性による弊害が顕著になるとともに、二十一世紀の高度情報社会に向けて電気通信の高度化、多様化が要請され、それへの対応を迫られてきているのであります。したがって、これらの課題を解決し、活力ある高度情報社会を実現するため、電気通信事業を自由化し、競争原理を導入することは時代的要請であり、これに伴って電電公社を民営化することも避けがたいことと考えるものであります。
 しかしながら、今回の改革は我が国の電気通信の歴史における一大転換であるとともに、巨大な資本と技術力を持ち、さらに三十二万人もの職員を有する新会社の誕生が各界に大きな影響を与えることも疑いはありません。
 そこで、我が党は、今回の改革に当たって、次の視点から十分かつ慎重な審議を終始求めてきたところであります。
 その第一は、電気通信の持つ公共性、公益性が担保され、国民がこれまで以上に低廉でかつ良質なサービスを公平に受けることができるかどうか。
 第二は、来るべき高度情報社会における国民のニーズにこたえていくために、円滑に電気通信の高度化が図られる制度かどうか。
 第三は、臨調等で指摘された公社の経営意識の欠如や非効率性をどう克服していくのか。
 第四に、電電公社の資産は長年にわたり蓄積された国民共有の貴重な財産であり、民営化に当たって国民に還元すべきである。また、いやしくもこれを一部の者によって利権化させてはならないという点であります。
 これらの視点から、我が党は、衆議院の審議においては九項目の修正要求を行い、その結果、新電電の当事者能力の確保やスト規制の見直し、株式売却益の有効利用と利権の排除等を法案修正及び附帯決議として明確にすることができたのであります。
 しかしながら、政府提案の電電三法案は、いまだ不明確かつ不十分な点が少なからず存在するのであります。したがって、我が党は、徹底して国民・利用者の立場から電気通信制度の改革を推進するため、再度、具体的問題点を次の五項目に分けて指摘し、修正要求を行ったのであります。
 すなわち、その第一は公共性の確保についてであります。電電公社は、たとえ民営化され株式会社になっても、これまで果たしてきた通信の公共性、公益性はいささかも変わるものではなく、むしろ今後の高度情報社会においてますます重要であり、公平なサービスの提供が求められるのであります。したがって、サービスの公平な提供と公共の福祉の増進を明記すべきであるという点であります。
 第二は、新会社の株式売却益の使途についてであります。もとより、電電公社の資産は、長年にわたり国民が電話設備料や使用料として電気通信事業に支払ってきたものの貴重な蓄財であることを考慮するならば、基本的に新電電の株式売却益は電気通信の振興のために充てられるべきであるということであります。
 第三は、新電電の株式の売却方法についてであります。巷間、新株の売却に当たっては上場による莫大なプレミアムが予想され、一部の法人や個人の利権となることが指摘されております。国民の貴重な財産をいやしくも特定の者の利権とすることは絶対に許されないのであります。さらに、新電電の公共的性格やこれまで利用者が出資者的役割を果たしてきたこと等を考えるならば、新会社の株式売却に当たっては利用者に優先的に割り当てるべきであるということであります。
 第四は、電気通信審議会の強化であります。今回の制度改革で料金認可に関し国会承認がなくなることにより、電気通信審議会の果たすべき役割が極めて大きくなり、また競争原理のもとでの新たな料金体系の形成等、審議会に課せられる使命はまことに重要になってくるのであります。したがって、審議会により幅広い国民の声が反映できるよう公聴会の設置を義務づけるとともに、審議会委員の任命に当たっては、恣意的選考にならないよう国会の同意を必要とするよう改めるべきであるということであります。
 第五に、中小の工事業者及び電気通信関連業者への保護についてであります。民営化に伴い、新電電が新たに中小事業者の分野へ進出を拡大し、既存の中小民間業者を圧迫するおそれがあるため、郵政省としては、しかるべき苦情受付の窓口を設けるべきであるということであります。
 私たちは、以上五項目をもとに、その実現を図るため最大限の努力をしてまいりました。その結果、本院での修正が実現する運びとなったのであります。
 その修正点としては、日本電信電話株式会社の責務に「公平」及び「公共の福祉の増進」を新たに加えるとともに、電気通信事業法の目的の中に「国民の利便の確保」と「公共の福祉の増進」の語句を加え、電気通信の公共性をより明確に規定することになったのであります。また、日本電信電話株式会社の行う附帯業務が衆議院において認可対象から除外する旨の修正されたことに伴い、国際電信電話株式会社の附帯業務を大臣認可事項から除外し、これによって国際電信電話株式会社の経営の自主性を促すことになったのであります。
 次に、かねてより我が党が主張してきた電気通信審議会の改革や中小企業者保護等については、法案の附帯決議の中で確認することになったのであります。
 また、新電電の株式の売却方法については、附帯決議で、特定の個人、法人への集中を排除し、広く国民が所有できるよう、適切な方途の確立を明文化することとなったのであります。
 しかし、政府提案の電電三法案は、私たちが委員会等の論議を通して主張してきた株式の売却益を電気通信の基礎研究等その振興に充てるべきであるとの考え方がいまだ不明確であることや、株式売却の具体的方法が後送りとなった点など遺憾とするところであります。また、売却益の使途に関し、これを全額赤字国債の償還に充てるべしとの考え方があるようでありますけれども、これは電電公社の資産形成の経緯を無視し、政府の財政運営の失政を長年にわたる国民の貴重な財産で安易に償おうとするもので、容認することはできません。したがって、我が党は、今後の審議等において、国民・利用者の立場から、株式売却益の使途及び売却方法など民営化に伴う諸問題を論議するための小委員会を設け、国民の納得が得られる処置を検討するよう、この際強く主張するものであります。
 今回、我々の努力により、法案の再修正を行い、政府案の欠陥を多少とも是正することによって、このたびの電気通信の改革が二十一世紀の高度情報社会に向けて電気通信事業の新しい道を開くものと判断し、賛成を表するものであります。
 最後に、私は、今後とも政府が通信の公共性、公益性に十分配慮し、逓信委員会での附帯決議を忠実に守るとともに、同委員会で私どもが具体的に指摘した問題点に対する政府答弁を誠実に実行するよう強く要望して、賛成討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(木村睦男君) 佐藤昭夫君。
   〔佐藤昭夫君登壇、拍手〕
#14
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、電電公社民営化等三法案に反対の討論を行います。
 まず初めに指摘したい問題は、本法案が国民生活と日本の将来にとって極めて重大な問題点を持つことから、第百一国会では不成立となったにもかかわらず、閉会直後の自社公民四党会談において百二国会冒頭成立の確認が行われ、以来、閉会中には全く異例の地方公聴会を行い、今国会においても徹底審議を求める我が党の意見も踏みにじって強引に委員会採決に付されたことであります。これらの経過は、議会制民主主義にもとるばかりでなく、審議を尽くして国民の利益を守るべき国会の責務をみずから放棄したものであり、強く抗議するものであります。
 さて、本法案に反対する第一の理由は、今次法案によって公共事業体、すなわち国民共有の財産である電電公社を解体して民間株式会社に移行させるとともに、電気通信事業に競争方式を導入することは、国民生活と社会経済活動に重大な悪影響を及ぼすことになるからであります。
 本法案によって、電気通信事業に対する国会の統制が外れ、利潤本位の運営となる結果、何が一体もたらされるのか。例えば、政府や公社当局がいかに電話料金は当分の間値上げしないと言おうとも、それが偽りであることは、既に工事料金が大幅に値上げされ、さらに加えて番号案内等の有料化、各種サービスの切り捨てが検討されていることからも明らかであります。
 また、先月十六日に発生した世田谷電話局のケーブル火災事故は、電気通信が社会と国民生活に果たしている公共的役割の大きさと安全対策の重要さを改めて明らかにいたしました。公社体制のもとでもこうした事故が発生したのに、利潤本位の民営に移れば安全対策が一層手抜きになることは明らかではありませんか。
 第二の反対理由は、社会の神経系統とも言われる電気通信事業に、アメリカなど外国企業の自由参入を許すことによって、我が国の通信主権が脅かされる危険があるということであります。
 この通信主権は、国際電気通信条約で明確に規定しているように、各国固有の主権として世界各国が相互に尊重しなければならないものであります。そのため、現在外国企業の参入を認めているのはカナダなどごく限られた国だけであり、しかもそのカナダも日本とは逆に参入を規制する方向に進んでいるのであります。この世界の趨勢に背を向けることは断じて許されません。
 第三の反対理由は、通信の秘密、プライバシーの権利が侵されるおそれや、通信の軍事利用の危険が増大するからであります。
 今日の情報化の進展のもとで、各種の情報が政府や大企業に集中するとともに、個人情報が売買されたり、企業の営業活動に勝手に使用する計画が進められており、国民の人権に重大な侵害を起こしつつあります。このような状況のもとで、プライバシー保護法の制定など国の責務を放棄したまま、電気通信事業を大企業の手にゆだねることは絶対に認められません。
 また、我が党が指摘したように、平和目的に限るとした法の精神を踏みにじって、自衛隊に通信衛星を利用させたり、核戦争を想定した米軍通信網に公社回線を大量に提供したり、軍事技術協力に何の歯どめも示さないなど、日米軍事同盟体制の強化のもとで、電気通信と技術の軍事的利用の危険がますます増大するのは明らかであります。
 第四の反対理由は、電気通信事業体における合理化が強行され、労働者の首切り、労働強化、不当な配転、権利抑圧が行われることであります。
 電電公社当局は、人減らし計画はないと欺瞞的答弁を繰り返してきましたが、我が党が具体的資料を示して指摘したごとく、大幅な人減らし計画を着々と進めているのであります。
 また、我が党は、法案の質疑とあわせて、電電公社における職員に対する組織的、系統的な思想調査と思想差別、労働組合役員選挙への介入の問題などを公社資料を示して追及いたしました。公社のもとでこのような憲法を踏みにじる不当な行為がまかり通っているままに民営に移行すれば、一層重大な事態とならざるを得ないことは明らかであります。
 また、ストライキ権の問題であります。本法案では、電電公社の民営化を言いながら、労働者の基本的権利であるストライキ権を事実上否定する措置を規定しております。我が党は、憲法の立場から、ストライキ権は経営形態のいかんにかかわらず無条件に回復すべきものであることを強く主張するものであります。
 第五の反対理由は、本法案は大企業による中小企業の支配強化や系列化を促進し、大企業による地域支配も強めるからであります。
 大企業や各資本系列も情報通信事業への進出を計画していますが、現在でも取引関係情報が大企業に集中的に掌握され、再編、系列化、中小企業の取引条件の悪化が進んでいることは、公正取引委員会や中小企業庁も指摘しているところであり、民営化となればこの傾向が一層激しくなることは明らかであります。したがって、大企業の専横の規制、中小企業の権利の拡大と保障の措置がないままに民営化を強行することは、国民生活と中小企業の営業に重大な不利益をつくり出すものであり、断じて許せません。
 最後に、電電株の問題であります。
 株式売却益をめぐって利権発生のおそれや各省間の醜い争いを生む根源は、そもそも民営化にあります。これをなくす根本的方策は、我が党が主張するように、本法案の廃案以外にありません。言うところの大量赤字国債の縮減も電気通信技術の研究開発も、株式の売却利益を当てにするのではなくて、軍事費削減、大企業への特権的減免税の廃止など税財政の抜本的転換によってなすべきであります。
 以上、反対の理由を述べましたが、電気通信の多彩な発展を展望するとき、その国民本位の発展のためにも、公社形態を維持しつつ公社の民主的運営を徹底することこそ求められていることを重ねて指摘し、三法案に強く反対して討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(木村睦男君) 中村鋭一君。
   〔中村鋭一君登壇、拍手〕
#16
○中村鋭一君 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案及び関係法律整備法案につきまして、賛成の立場からの討論を行います。
 今回の電電三法案は、臨時行政調査会の答申に基づき、行政改革の一環として立案され、提出されたものであります。行政改革とは、行政のむだを省くとともに、肥大化した行政を時代の要求に適合したものに改めることを目的とするものであります。私は、公社制度の行き詰まりは遠からず訪れるであろうこと、また、現在の電気通信法制が高度情報化社会を迎えつつある社会の多様な要求に対応できないことは明らかであると考えます。したがって、電電公社を民営化してその活動の自由を拡大すると同時に、電気通信事業に競争原理を導入して多様な事業主体による多様なサービスの展開を可能にする今回の電気通信法制の抜本的な改革は、まさに時代の要請であり、行政改革の趣旨にかなうものであると考える次第でございます。それゆえ、私は、行政改革を推進するという立場から電電三法案に賛成をするものであります。
 しかしながら、電電三法案の政府案がすべての面においてすぐれているとは、私は毛頭思っておりません。よって、私どもは、先国会において衆議院段階で行われました法案修正を前提といたしまして、さらに今国会において参議院段階でつけ加えられました法案修正を踏んで、電電三法案に賛成をいたすものでございます。
 以下、私の賛成の理由を具体的に申し上げさせていただきます。
 まず、私は、利用者の立場から、公衆電気通信事業の独占の廃止による回線利用規制の大幅な緩和と新規参入の解禁は避けて通れぬ道であると考えます。
 例えば、現行法制下では、電電公社の公衆電気通信業務独占を前提として、みずから回線を保有して公衆電気通信業務を行うことは禁止されているばかりではなく、電電公社から回線を借りて公衆電気通信業務を行うことも禁止をされております。これは、全国に電話網を建設し、さらに積滞の解消でありますとか全国自動化が至上命令でありました時代には、重複投資や混乱を避けてそれらを達成するためには必要な規制でありました。しかし、今日、電話の普及はおおむね飽和点に達し、さらに高度な電気通信の利用を図ることが国民の利便と経済社会の発展のために不可欠とされておりますときに、これらの規制は時代おくれのものと言わざるを得ません。
 確かに、通信回線の利用規制については、公衆電気通信法及びその省令やそれらの運用の改正によって規制の緩和が図られてきたことも私はよく承知はしております。しかし、これらはあくまで部分的な手直しにとどまるものであったと言わざるを得ません。やはり私は、コンピューターと通信とが結合をいたしまして、いわゆるCアンドCの時代にふさわしい自由な情報ネットワークの構築が行えるよう、また、各事業主体がオリジナリティーを生かして種々のサービスを提供することにより国民の多様な要求にこたえ得るように、公社の独占を廃止し、規制を緩和し、民間活力と競争原理を導入する制度改革が必要であると考えます。
 そこで、私は、本法案が成立をした際には、本法案に基づく事業者や事業方法に対する規制が通信回線網の安全な保持のための必要最低限のものとされること、及びいわゆるクリームスキミング、いいとこ取りのみを目的とした極端な重複投資等が行われることのないよう競争原理と公共性のバランスのとれた法運用が行われることの二点を政府に強く望んでおくものであります。
 次に、私は、電電公社を民営化することは、その経営を効率的にするだけではなく、自由な事業展開を可能にするものであり、高度情報化社会の進展の中で事業体としての新しい活路を開くものであると考えます。
 例えば、現在の公社制度では、公社の経営は予算による統制を初めといたしまして国会及び行政府の厳しい統制のもとにあり、実質上は経営自主権は極めて限られた範囲でしか行使できないのが現状であります。公社の業務、財務、人事等の活動はその全般にわたって郵政大臣や大蔵大臣の監督下にあり、柔軟な経営展開を妨げているばかりか、賃金等の労働条件についても、予算による給与総額制及び公共企業体等労働関係法によります国会付議制のために、労使間の交渉による自主的な決定が妨げられているわけであります。すなわち、公社が新規のサービスを開始しようといたしましても郵政省の認可がおりるのを待たねばならず、また、労使間で経営状態にふさわしい賃上げをしようといたしましてもそれが自主的に決定できないといった状況が存在するのであります。
 公社を民営化することは、制度上の束縛について、あるものは廃止し、あるものは緩和するということであり、新電電会社に大幅な経営の自由を与えることであります。この改革によって、新会社は独占のメリットを失うかわりに、新サービスの迅速な提供と労使の交渉だけにより労働条件を決定する自由を獲得するわけでございまして、私は、これこそが先端産業たる電気通信事業を担っている公社が新しい時代の要求の中でさらに発展をしていくための活路であると考えるものであります。いわゆる黒字の電電公社を民営化するのは百害あって一利なしなどという議論は、全く誤っていると言わざるを得ないのであります。
 しかしながら、電電公社の民営化についての政府提出法案の中には、なお統制色が強く、真の行政改革に反する部分が幾つか存在いたしました。我々は、先国会において衆議院の段階で、新電電会社の附帯業務を原則自由とすることと、ストライキに関する労調法への上乗せ規制を三年後に見直すことの二点の修正を実現するとともに、今国会においても本院で、電電会社法案及び電気通信事業法案に公共性を重視すべきことを明記する修正を実現いたしました。
 私は、これらの法案修正等を踏まえまして、電電三法案が行政改革の趣旨に沿うとともに、国民生活の利便と国民経済の公共の福祉の発展に寄与するものとなることを確信いたします。議題となりました三法案に重ねて賛成の立場を表明いたしまして、討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(木村睦男君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#18
○議長(木村睦男君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長報告は、いずれも修正議決報告でございます。
 三案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#19
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
 よって、三案は委員長報告のとおり修正議決されました。
     ─────・─────
#20
○議長(木村睦男君) 日程第五 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案(第百一回国会内閣提出衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長金丸三郎君。
   〔金丸三郎君登壇、拍手〕
#21
○金丸三郎君 ただいま議題となりました法律案は、日本専売公社及び日本電信電話公社の経営形態の変更等に伴い、住民税、事業税、不動産取得税及び固定資産税についてその非課税範囲を定める規定から、これら公社名を削除し、あわせて固定資産税等について所要の特例措置を講ずること、地方たばこ消費税の課税標準を現行の従価制から従価及び従量の併用制に改め、道府県分、市町村分ごとの単一税率を採用すること及びたばこ専売制度の改革に対処するため必要な改正を行うこと、市町村納付金は日本国有鉄道のみが納付することとなるので関係規定の整備を行うことなどを主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、前国会、政府より趣旨説明を聴取し、今国会では、国、地方間の財政秩序のあり方、民営化後の課税の特例措置の存続理由、電電株の処分益の使途、たばこ小売業者の記帳義務の簡素化等の諸問題について熱心な質疑を行いました。
 質疑を終局し、討論の後、採決に入りましたところ、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ─────────────
#22
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#23
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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