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1984/04/17 第102回国会 参議院 参議院会議録情報 第102回国会 本会議 第13号
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1984/04/17 第102回国会 参議院

参議院会議録情報 第102回国会 本会議 第13号

#1
第102回国会 本会議 第13号
昭和六十年四月十七日(水曜日)
   午後二時三十二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十三号
  昭和六十年四月十七日
   午後二時三十分開議
 第一 万国郵便連合憲章の第三追加議定書の締結について承認を求めるの件
 第二 万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件
 第三 小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件
 第四 郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の締結について承認を求めるの件
 第五 郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件
 第六 繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 証人等の被害についての給付に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 道路整備緊急措置法及び道路整備特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、特別委員会設置の件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(木村睦男君) これより会議を開きます。
 この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を審査するため、委員三十名から成る補助金等に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。
 本特別委員会を設置することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#4
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
 よって、補助金等に関する特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(木村睦男君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、国家公安委員会委員に坂本朝一君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。
 よって、全会一致をもってこれに同意することに決しました。
     ─────・─────
#7
○議長(木村睦男君) この際、日程に追加して、
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。竹下大蔵大臣。
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、我が国財政を取り巻く環境には極めて厳しいものがあります。このような中で、我が国経済社会の柔軟性を維持し、今後の内外経済の変化に適応していくためには、財政の対応力の回復が最も急を要する政策課題であります。
 このため、政府は、昭和六十年度予算におきましては、引き続き財政改革を強力に推進するため、歳出面において、既存の制度、施策の見直しを行うなど、すべての分野にわたり経費の徹底した節減合理化に努め、その規模を厳に抑制したところであります。
 特に、補助金等につきましては、すべてこれを洗い直し、人件費補助等の見直し、高率補助率の引き下げ、その他廃止、合理化など徹底した整理合理化を積極的に進めました。なお、いわゆる行革関連特例法による特例措置については、所要の継続措置を講ぜざるを得ないのでありますが、現下の厳しい財政事情等にかんがみ、ぜひ御理解を賜りたいと存じます。
 本法律案は、以上申し述べましたうち、立法措置を要するものについて、国の財政収支の改善を図るとともに、財政資金の効率的使用を図るため、累次の臨時行政調査会の答申の趣旨を踏まえ、国の負担金、補助金等に関する整理及び合理化並びに臨時特例等の措置を定めるものであります。
 すなわち、本法律案は、国の負担金、補助金等に関し、地方公共団体の一般財源による措置への振りかえ及び交付金措置への移行等を図る必要があるものについて所要の措置を講ずるとともに、いわゆる行革関連特例法の各特例措置についての昭和六十年度における所要の継続措置及び国の負担または補助の割合が二分の一を超える負担金、補助金等についての昭和六十年度における負担または補助の割合の引き下げ措置を定めております。なお、この引き下げ措置の対象となる地方公共団体に対しましては、その事務または事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずることとしております。
 以上、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げましたが、政府といたしましては、今後ともさらに財政改革を推進するため、渾身の努力を重ねてまいる所存であります。
 なお、本法律案につきましては、山村振興法及び地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の有効期限がそれぞれ延長されたことに伴い、これらに係る従来の行革関連特例法の特例措置の継続を行うこととする等の修正が衆議院において行われておりますことを御報告いたします。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(木村睦男君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。赤桐操君。
   〔赤桐操君登壇、拍手〕
#11
○赤桐操君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対し、総理大臣並びに関係各大臣に対し質問を行うものであります。
 まず最初に、この法案の作成及び国会提出についてただしたいと思います。
 本法案のやり方は、議会制民主主義を否定し、国民の代表である国会議員の審議権と議決権を実質的に奪うことを指摘しないわけにはまいりません。五十九本の改正法案を一括して表題を張りつけていますが、法案の関係省庁は、総理府を初め、内閣、大蔵、文部、厚生、農水、運輸、建設、自治の多省庁にわたり、法律の中身も、補助規定の削除、行革関連特例法の一年延長、高率補助率の引き下げ等大きく分けても五項目に及び、それぞれ異質の内容を持つものであります。本来、これら改正法律案は各省庁の責任で国会に提出され、それぞれの常任委員会で審議すべきは当然であり、これが政府提出法案の確立された慣行で、行政府と立法府のけじめでもあると思うのであります。中曽根内閣の本法案の提出のやり方については絶対に許されないのであります。
 しかし、最悪の形での法案提出に、本院が議長、副議長を中心に、各党代表の御努力によって特別委員会を設置し、慎重審議を行うことになりましたことは、参議院の良識と独自性が発揮されたもので、深く敬意を表するものであります。総理、この事実こそ、中曽根内閣に対する参議院の頂門の一針であることを銘記していただきたいと思います。
 制度改正は予算編成より前に完了しておくべきであるにもかかわらず、手順、方法を逆にして、予算案では年度当初に法案が成立している見込みをもって金額を積算し、国会に対し、予算関連法案とか日切れ法案とかの名目をつけて実質的に法案の成立を強要していることは、財政民主主義を踏みにじるもので許されないのであります。その上、政府の対応の拙劣さから、重要法案である本法案の衆議院通過は四月十六日で、四十六年以来、本院運営の一大原則である最低二十日間の審議期間が会期末までに保障し得ない状態となったことは、その責任はまことに重大であると言わなければなりません。
 次に、新聞報道では、法案の成立がおくれていることを理由に、政府は四月初めに交付すべき生活扶助費四百億円を地方に立てかえさせ、さらにまた、月末には生活保護医療費四百七十億円も地方自治体に押しつけようとしておりますが、事実でありましょうか。政府の支払に遅延を法案成立のおどかしに使う態度は論外であり、絶対に許されないと思うのであります。また、積雪寒冷地域の公共事業は早期実施が必要で、例年四月中旬からの工事発注を今年度は法案成立まで待ちぼうけを食わせるのが政府方針と言われております。気象条件の厳しいこれら地域の特殊事情並びに景気回復の地域間格差等を考えれば、政府のこの態度を認めるわけにはまいりません。
 政府は、みずからの失敗を国会と地方自治体に押しつけ、改正法成立までは現行法に従い、誠実に執行しなければならないとの憲法第七十三条の内閣の責任を放棄し、憲法違反とも言うべきこうしたやり方は直ちに中止すべきであります。総理、大蔵、厚生、建設、自治の各大臣の御答弁を求めます。
 次に、法案の内容についてただしてまいります。
 本法案は、六十年度予算編成に当たって一般歳出の伸び率をゼロにするため、国が当然負担すべき費用を地方に転嫁したり、期限切れの行革関連法を一年延長したりという政府の見せかけの財政再建手法のためのものであります。確かに、表面的には一般歳出は伸び率ゼロとなりましたが、これまでに先送りされた国庫負担分は、利子支払い分を含め、実に九兆円を超えることが予算審議を通じ明らかになり、隠された赤字国債と粉飾の財政再建が浮き彫りにされたのであります。総理の唱える増税なき財政再建も大型間接税導入をねらっていることがはっきりしており、財政再建の先行きは極めて不安、不透明であります。総理の御答弁を求めます。
 昨年五月九日の本会議で、私は五十九年度財確法の趣旨説明に対する質疑を行い、赤字国債の借りかえに厳しい警告をいたしました。その結果、財確法の通過に当たって附帯決議がつけられ、六十五年度の赤字国債脱却に至る手順と方策を具体的に明らかにすることを政府に要請をいたしております。昨年の財確法審議に当たりまして、衆議院と違って慎重審議を行い、財政再建の手順について政府に猛省を促した本院に対し、政府は具体案を示す義務と責任があると思うのであります。厳粛な本院の附帯決議に対し、政府の具体策にいささかでも疑問が残るようでは院の権威にかかわる重大問題であり、本法案の審議とも重大な関連がありますので、総理、大蔵大臣の明確なる御答弁を求めます。
 なお、手順で電電株の売り払いを挙げ、さらに定量的詰めはできなかったので後年度負担推計のこれまでのやり方でがまんしてほしいとの趣旨の答弁は認められないことをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 第二は、本法案中の高率補助削減については、生活保護を初め、児童福祉、身体障害、精神衛生、老人福祉、母子保護等、まさに社会的弱者層への諸経費の切り込みを行い、憲法が政府に義務づけている、健康にして文化的な生活を営む権利の保障を放棄しようとしていることは認めるわけにはまいりません。
 社会保障分野で国の補助負担割合が高いのは、新憲法が掲げる平和国家、福祉国家建設の基礎固めの施策であり、これを変更するようなことは許されないと思うのであります。総理は、国と地方自治体の負担割合の変更で社会的な弱者や国民に迷惑をかけることは考えていないと強弁されるでありましょうが、実は政府が責任を放棄しようとしているその姿勢こそが間違いであることを反省し、答弁をいただきたいと思うのであります。
 第三は、補助金整理の方法として、高率補助一律引き下げという大変安易な方法を選択したことの責任であります。
 六十年度予算の補助金総額は十四兆七千六十四億円で、一般歳出の約四割に相当いたしております。今回のやり方は、全体の補助金の性格、必要性、効率等抜本的な洗い直しを行わずに、高率補助の一事で横並びに行う非常に安易なやり方と言わざるを得ません。従来の補助金整理の三原則を初め、法律補助の前に予算補助の整理を行えとの国会での論議などは一体どうなったのでありましょうか。
 一方、本院予算委員会で我が党議員が明らかにいたしました委託調査という形の補助金支出で用語を変えたり、入れかえたりして補助金獲得をやり、また天下り役人のためのお土産つき補助金が約一千億円に上る実態が浮き彫りにされました。議員個人でもそこまで調査をいたしておるのであります。大蔵省には専属補助金係、総務庁、さらに会計検査院まで持っている政府が何ゆえ安易な横並び方式の整理しかできないのだろうか。まことにその怠慢を指摘せざるを得ません。政・官・業癒着の補助金体質を温存し、時には選挙の集票機能さえ期待するようでは、しょせん補助金整理などはできるはずはないと思うのであります。
 第四は、義務教育費の負担軽減をねらった教材費、旅費の補助対象除外の措置は、教育の充実並びに教材の全国均等整備の観点から認めることはできません。総理の答弁を求めます。
 第五に、自治体への補助金負担の肩がわり押しつけについて質問をいたします。
 政府は、ごく一部の地方自治体の財政状況が国より恵まれていることを、あたかも三千を超える地方自治体全部が余裕があるかのように錯覚してはおりませんか。政府は、よく国と地方は車の両輸であると述べておりますが、それは、中央政府に都合のいい、中央政府のための両輸論ではないかと思います。今回のやり方は、地方六団体はもちろん、国民の目にはそう映ります。新憲法で新たに地方自治がうたわれ、自治が保障されているのに、中央集権的官僚自治をうかがっているのではないのでしょうか。
 特に、地方自治との関連でぜひともはっきりしておかなければならないことは、高率補助率の引き下げや行革関連法の一年延長は六十年度限りの暫定措置で、六十一年度以降にわたり延長することは絶対しないと断言し、お約束がいただけますか。
 行革関連特例法は、本来五十九年度限りの時限立法であったのに、公約に反して延長されようといたしております。これまでの政府の財政再建対策はことごとく場当たり的であり、一貫性に欠けることは大問題であります。中曽根総理は、こうしたしり抜け的やり方の責任追及を回避するために、定量的には困難で定性的になどとごまかしとしか受け取れない説明をいたしてまいりましたが、本法案の審議の大前提である六十年度限りの暫定措置については、明確な答弁を総理、大蔵、自治の三大臣に要求いたします。
 私は、地方への負担転嫁の前に、国と地方の行財政分担のあり方を抜本的に見直し、その結論に従うべきだと存じます。口では行政改革の推進を唱えても、機関委任事務やがんじがらめの設置基準及び配置基準等はどれほど改善されたでありましょうか。また、これまで行われた補助金の整理合理化、メニュー化等でも、受け取る側の事務量や労力はほとんど減少していないというのが実態であります。国がやるべきことをやらずに負担の肩がわりだけは押しつける、こんなやり方が許されるものではありません。
 今回の非公共の国庫補助負担率の引き下げに伴い、例えば北海道が二百十億円、福岡県が二百五十二億円というように巨額な負担増を強いられるのであります。また、地方への転嫁の総額二千八百三十八億円のうち市町村の負担増は一千七百八十八億円と六三%となっており、財政力が弱くやりくりの苦しい市町村により多く負担を押しつけることになり、全く不当きわまりないと言わなければなりません。我が国の地方自治は三割自治と言い古されてまいりましたが、政府の今回の措置はこれを二割自治の方向に押しやるもので、地方自治の破壊につながりかねません。この暴挙は法案審査を通じて改めさせる必要があります。
 日ごろ、事あるごとに自己責任と自助努力を強調している中曽根内閣が、租税特別措置を初め、経済の国際化を悪用した商社や大企業の税金逃れ、また、最近連日報道されております巨額の脱税等を放置し、取るべきところから税を取る自己責任を果たさずに、また整理すべき補助金に手を染めないなど、自助努力を怠っているこの姿勢は許されません。
 最後に、本法案のようなまことにできの悪い法案は、ぜひとも参議院の良識と努力によって、徹底審議の上、廃案もしくは大幅修正を行うことによって特別委員会設置に有終の美を飾っていただくことができまするよう与野党の皆様方にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(中曽根康弘君) 赤桐議員にお答えをいたします。
 まず、このような法案の一括化は委員会制度の本質を無視するものであるという御質問でございます。
 このような法案の形で提案いたしましたのは、いずれも次の点で共通の趣旨、目的を有するからでございます。第一は、国の財政収支の改善を図る見地からとられる国の歳出の縮減に資する措置であること。第二に、財政資金の効率的使用を図るための負担、補助等の見直し措置であること。第三に、累次の臨調答申を踏まえた財政上の措置であること。立法趣旨、目的が共通の場合には、その立法趣旨を明確にし、各措置を総合的に把握する上で一括して御審議の便に供する、このように考えたものでございまして、国会の委員会制度を無視する考えは全くございません。
 次に、法案の送付のおくれ、あるいは参議院審議の時間を無視したという御質問でございますが、本法案は予算と表裏一体の関係にありますので、予算の円滑かつ適切な執行を期して、六十年度予算と同時に一月二十五日に国会へ提出し、予算と同時に成立することをお願いしたものでございます。衆議院におきまする審議が遅滞をいたしまして、参議院にお願いする時間が大変少なくなりましてまことに遺憾に存ずる次第でございますが、政府といたしましても、御審議には最大限の協力を申し上げたいと思う次第でございます。
 次に、地方自治体に対する迷惑をどう考えるかということでございます。
 地方自治体に対して多大の御迷惑をおかけしていることはまことに遺憾に存じます。何とぞ本法案の速やかなる成立をお願いをいたしまして、地方行財政の運営に支障のないように期待したいと存じておるところでございます。
 次に、赤字国債依存体質からの脱却手順を示せというお話でございます。
 中期的な展望を持って財政運営を考えていくことは必要でございまして、この検討に資するために中期展望及び仮定計算例を国会に提出したところでございます。今後の財政改革を進めるに当たりましては、いわゆる増税なき財政再建の理念、六十五年度赤字公債依存体質からの脱却、これを我々の一つの道しるべにいたしまして、今後歳出歳入の徹底的な見直し、あるいは税外収入の確保、あるいは弾力的経済政策の運営、民活等々、総合的にこのような財政再建を実行してまいりたいと思っております。
 次に、大型増税に関する御質問でございます。
 我が国の現行税制につきましては、社会経済情勢の変化によりまして種々の問題があり、重税感や国民の各方面に御不満のあることは事実でございます。したがいまして、将来、公平、公正、簡素、選択並びに活力という基本的考えで我々は税制の抜本的改革をなさんと心がけておりますが、それは単なる増収を目的とするものではなくして、このひずみやゆがみを是正して国民の御納得のいくような税体系に転換したい、そう考えているところでございますが、現段階では税体系の具体的なあり方については白紙でございます。
 電電株の売却の御質問でございますが、この新電電株式の売却収入の使途につきましては、いろいろ御議論があり、政府でも先般統一見解を国会に提出した次第でございますが、国民共有の資産である電電株式の売却収入は、国民共有の負債である国債の償還財源とするのが現段階では適当であるとの判断から、売却可能な株式を国債整理基金特別会計に帰属させることとしたものであります。一方、政府保有の義務づけられている株式三分の一につきましては、産業投資特別会計に帰属させまして、その配当金を技術開発等に活用することとしたところでございます。
 高率補助金に関する御質問でございますが、六十年度予算は極めて厳しい環境にあり、臨調答申等の御指摘を踏まえまして徹底的な合理化を行いました。しかし、地方負担の増加に対しましては、交付税の特例措置、それから建設地方債の増発、前者が約一千億円、後者が四千八百億円であったと記憶していますが、これらの所要の措置を講じまして、地方公共団体の財政運営に支障を生じないようにしておる次第でございます。
 補助率カットと福祉行政の後退に関する御質問でございますが、今回の補助率の引き下げは、臨調答申や行革審意見等を踏まえ、社会福祉のみならず、原則としてすべての補助金について、補助金等の整理合理化の一環として各省庁に足並みをそろえて行わせようとしたものであります。そして、中央、地方の負担区分の変化等につきましては、福祉サービスの水準や内容に直接影響を与えないような配慮をいたしたものでございます。今後とも社会福祉諸施策に係る国の責務を十分に認識しまして、必要な施策の推進に最大限の努力を払ってまいるつもりでおります。
 補助金制度の見直しの問題でございますが、行財政の簡素合理化、地方公共団体の自主性、自律性の尊重の観点を踏まえて、従来から一般財源化、交付金化、統合メニュー化等を幅広く推進するとともに、交付手続の簡素合理化にも努めたところでありまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 補助率カット、特例法廷長は一年限りであるかという御質問でございます。
 今回の高率補助率の引き下げは、昭和六十年度における暫定措置として行うとともに、六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方の役割分担、費用負担の見直し等とともに検討いたしたいと思っております。
 行革関連特例法の六十一年度以降の取り扱いにつきましては、行政改革を進める第一歩として制定された行革関連特例法の使命を踏まえつつ、逐次予定されるに至っている対象制度の見直しの状況等を見きわめて将来判断してまいりたいと思っております。
 補助金の整理合理化、一律引き下げという問題でございます。
 今回の補助金等につきましては、臨調答申等の指摘を踏まえまして徹底した整理合理化を行いました。高率補助金の引き下げのほかに、個々の補助金等につきましても具体的にきめ細やかに点検を加えたところでございます。そういたしまして、大体、対前年度千三百四十四億円の減額を実行したところであり、今後とも個々の補助金等につきましても不断の見直しを徹底してまいるつもりであります。
 次に、国、地方の役割の検討の問題でございますが、六十年度予算は極めて厳しい環境にありまして、臨調答申等を踏まえて、補助率等についても、整理合理化の一環として社会経済情勢の推移等を踏まえ高率のものにつき引き下げを行う必要があるとの指摘がある一方、補助率の見直しについては、国と地方の役割分担及び費用負担のあり方とあわせて検討する必要があるとの意見があったのでございます。
 昭和六十年度の予算編成に当たりましては、以上の考え方及び現下の厳しい財政状況を踏まえて、六十年度における暫定措置として補助率の引き下げを行うこととし、六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方の役割分担、費用負担の見直し等とともに検討する考えでおります。
 義務教育費、教材費等の国庫負担の問題でございますが、義務教育費国庫負担制度における旅費、教材費は、地方公共団体の事務事業として定着しているとの判断から地方一般財源化を図ったところでございます。地方一般財源化に当たりましては、地方財政計画等を通じて所要の措置を講じております。したがって、今回の措置は、教材整備に支障を生ずるなど教育条件の低下を招くものではないと考えております。
 以上でお答えを終わります。残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(竹下登君) 赤桐さんにお答えいたします。
 まず、五十九本もの法律を一括して改正するという問題についての御質問でございましたが、総理から詳しくお答えがございました。が、いわゆる国の歳出の縮減に資する措置である、いわば財政そのものの問題であります。したがって、大蔵省の持ちますところのいわゆる予算調整権というものをもちましてこれを御提出申し上げた次第であります。
 それから二番目は、この重要法案と参議院の会期末の問題でございますが、これは、提出は総理からも申しましたように予算と同時に一月二十五日に提出さしていただきました。そのことはやはりこの法案の持つ重要性を認識しておったからにほかなりません。今日におきましては、ひたすら参議院の皆様方の御審議に対して物すごく期待を持っておる、御審議に最大限の協力もしなければならぬという気持ちでいっぱいであります。
 それからいわゆる地方自治体に対する支払いをおくらせておるということに対する御指摘でございます。
 予算は成立しましたが、本法律案が審議中の段階でございますので、いわば国会の意思が明らかとなるまでの間は政府としてはやはり交付決定を差し控えざるを得ないというのが実情でございます。政府としては国会の御審議に最大限の御協力を申し上げる所存でございますが、また重ねてお願いするようでございますけれども、何とぞ本法律案の速やかな成立を心からお願いする次第でございます。
 次の問題は、いわゆる昨年の財確法審議に当たって赤桐さんから何度も何度も御指摘のあった問題が附帯決議となっておることは私も十分承知しております。したがって、この問題につきましては、中期的展望を持って財政運営を考えていくことが必要であるということは、私もそのように思います。そこで、今回も財政改革を進めるに当たっての基本的考え方、そしてさらにその背景となる中期的な財政事情について、財政の中期展望や機械的手法による仮定計算例を提出して御審議の御参考に供しておるという実情でございます。今回提出した試算は、昨年度と全く同じ手法による、ここがまた御議論のあるところでございますが、歳出と歳入の差額を要調整額という形で示しております。これは、一定の仮定のもとではございますが、中期的に見た財政事情を示す一つのわかりやすい試算であります。これをもとにさまざまな角度から検討をしていただくためのたたき台となる基礎的な資料であるという認識を持っております。この基礎的な資料につきましては、毎年度異なる手法を用いるよりも、むしろ同一の手法による方が継続性の意味で望ましいのではないかと思われます。
 五十九年六月の本院における附帯決議につきましては、その際に私は大蔵大臣でございましたので御発言申し上げましたように、具体的な歳出削減計画や、そして増税計画を策定してお示しすることは困難でございます、決議の趣旨及び昨年からの国会での論議を踏まえ何とか半歩でも進んだものをお示しできないか、これを大蔵省で検討してみましょうとお答えをいたしました。しかし、その結果として、やはり昨年と同様、中期展望や仮定計算例をお示しすることにとどまった。結果としてそうなりました。
 しかし、六十年度予算編成におきましては、歳出歳入両面において財政改革に向けての懸命の努力を行いますとともに、税制全般について幅広い角度から検討を行うことが必要であるとの認識をまず明らかにしましたほか、歳出面では補助金のあり方について抜本的な見直しを始めることとしておりまして、また、国債償還財源の充実に資するため、御指摘のありました電電株式を国債整理基金へ三分の二帰属させる等のいわば方向をお示しした。その方向をお示ししたということは、私は半歩にならなくてもいささかの前進と受けとめていただきたいと思うのであります。
 このように、私どもとしましても、毎年度の予算編成等の過程におきまして、将来の方向を明らかにすべく精いっぱいの努力を重ねているところであります。要調整額を埋める具体策については、今後ともこのような努力を続けていく必要があると考えております。したがって、現段階で具体的な方策を示し、それを織り込んだ定量的な試算を作成するのはやはり困難でございます。
 いずれにいたしましても、要調整額の解消のためには歳出歳入両面にわたる種々の施策の組み合わせが必要であり、それらの中でどのような政策手段の組み合わせを選ぶかは国民の合意と選択によるべきものでございますが、御指摘のような半歩なり一歩なり進んだものをお示しするためには、やはりもう少しいろいろな御議論が交わされる中で国民の合意が那辺にあるかということをいま少し見出す努力を積み重ねていくことが必要である、このように思います。そのような議論の積み重ねが濃密になればなるほど、負担するのも国民、受益者もまた国民という観点から次第にコンセンサスが生まれてくるものであるというふうに私は重ねてお答えせざるを得ません。
 さて、電電株式の売却につきましては、株式市場との関連等を考慮しながら慎重に進めていく必要があります。したがって、実際問題としてあらかじめ株式売却収入についてこれまた定量的な確たる見通しを織り込むというのは難しい問題であることも御理解を賜りたいと思います。
 それからいわゆる税の問題につきましては、総理から、公平、公正、簡素、選択並びに活力という基本的観点からのいわば広範な角度から検討を行うということのお答えがございました。国会の議論等を正確に報告して、そして税制調査会で御議論をしていただきたいというふうに考えております。
 それから電電株売却の使途につきましては、これは総理からお答えがございましたので、私からはこの問題につきましてはこれ以上申し上げることはございませんので省略さしていただきます。
 それから国の負担を地方に転嫁することは許されないと。これは行財政改革推進の見地から、一般歳出の約四割を占める補助金等の整理合理化を積極的に進めることがやはり不可欠の状況にございます。補助率についても、このような整理合理化の一環として、社会経済情勢の推移等を踏まえながら見直しを行う必要がありまして、なかんずく高率補助率については、そのあり方について問題があって、その引き下げを図る必要があるとのたびたび御指摘がございます。現在の極めて国の厳しい財政状況にかんがみまして、地方公共団体に対する高率補助率の引き下げを行うということで法律案の御審議をお願いするわけでございます。したがって、財政難を理由にした国の負担の地方自治体への負担転嫁ということではなく、あくまでもこれは分担の問題であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 なお、引き下げによって生じますところの地方財政への影響につきましては、所要の財政対策を講じまして、いわば地方財政のマクロな意味における円滑な運営に支障を来さないような措置をとっておるところでございます。
 福祉行政の後退ではないか、こういうことでございますが、総理からもお答えがございました。いわば最終段階における給付が変わるわけではございません。そして、申し上げましたとおり、地方負担の増加額については所要の措置を講じたということでございます。したがって、個々に見た場合、いわゆる福祉行政の後退であるというふうには理解をしていないところであります。
 それから補助率一律カット、行革関連特例法一年延長、いわゆる一年限りの措置、この御意見を交えての御質問でございます。
 この問題につきましては、私ども今後また一年かけまして、補助率の見直しなどについては、まさに国と地方の役割分担そして費用負担のあり方、これを検討する必要があることを踏まえまして、したがって今度の問題は六十年度におけるいわば暫定措置ということでお願いをしておるところでございます。
 行革関連特例法との関係の問題でございますが、この問題は御案内のとおり、言ってみれば五十九年というものを私どもは赤字公債依存体質からの脱却の第一義的な努力目標としておりましたが、これを変更せざるを得なかったわけでございます。したがいまして、この特例法の対象となっております諸制度について、累次の答申等の指摘も踏まえて、いわば所要の恒久的制度改革の実施が逐次予定されるに至っておるところでございます。したがって、六十一年度以降の取り扱いにつきましては、このような本特例法の使命を踏まえ、その対象となっておりますそれぞれの制度の改革実施の状況等をも見きわめた上での判断が必要であろうというふうに思っておるところでございます。
 それから一律というのは安易過ぎる、荒っぽい、こういうことでございます。
 六十年度においては補助金の個々につき全面的な洗い直しをして、人件費補助等の見直し、そしてまた廃止、一般財源化、統合メニュー化等幅広い整理合理化を積極的に推進してきたところであります。補助率につきましては、これはたびたび答申で繰り返されております総合的な見直しの必要が指摘されておるところでございますが、したがって今回は社会経済情勢の推移等を踏まえ、そしてとりわけ二分の一超の高率補助率について、そのあり方についての問題点も指摘されておりますことにかんがみて引き下げるということにしたわけであります。そして、これまた暫定措置とさしていただいたところであります。
以上でお答えを終わります。(拍手)
   〔国務大臣増岡博之君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(増岡博之君) お答え申し上げます。
 補助金等の交付決定がおくれていることについてのお尋ねでございます。
 先ほど総理、大蔵大臣の御答弁にもありましたように、予算が成立しておりましても本法案が御審議中の段階にありますので、国会の御意思が明らかとなるまでの間は交付決定は差し控えざるを得ないという政府全体の考え方に立っているところであります。政府としては国会の御審議に最大限の御協力を申し上げる所存でございますので、何とぞ本法案の速やかな成立をお願いし、地方行財政の運営に支障なきことを期してまいりたいと考えております。
 次に、福祉切り捨てではないかとのお尋ねでございますが、今回の措置は国と地方の負担区分の変更でございまして、国民に対する給付水準には直接影響しないことから、福祉後退にはつながらないものと考えております。
 また、補助金の整理につきましては、厚生省においても毎年度努力してきておるところでございます。六十年度におきましても、廃止、統合メニュー化等の各種の整理合理化措置を講じているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣古屋亨君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(古屋亨君) お答えいたします。
 本法案の国会における審議につきましては、政府としては予算案と同日に国会に提出したものであり、また国会における御審議にかかっておるのでございます。総理、大蔵大臣、厚生大臣からお答えしたとおりでございます。
 地方団体における生活保護費などの立てかえ支給についてお答えいたします。
 生活保護費など国庫支出金を財源とする経費で地方団体が既に支出しておるものもありますが、国庫支出金の交付がおくれますと、地方団体によりましては、一時借り入れによりまして必要資金を確保する必要が生ずることもあります。したがいまして、地方団体における資金繰りに支障が生ずることのないように関係各省庁に御配慮を要請しておるところでありますが、同時に私は、御審議の上、本法案の速やかな成立をお願いしたいと考えております。
 次に、国庫補助負担率の引き下げ問題につきましては、国と地方団体との考え方等に大きな食い違いがありまして、極めて厳しい財政状況のもとにおきまして、地方団体の財政運営に支障の生ずることのないよう地方財政措置を講ずることを前提といたしまして、昭和六十年限りの暫定措置といたしまして国庫補助負担割合の引き下げが行われることになったものでありますので、御理解をいただきたいと思います。
 高率補助率の引き下げ及び行革法の延長についてお答えいたします。
 今回の国庫補助負担割合の引き下げは六十年度における暫定的な措置でありまして、六十一年度以降の補助負担率のあり方につきましては、昭和六十年において国と地方との間の役割分担、費用負担の見直しとともに政府部内で改めて検討を進め、今後一年以内に結論を得ることとされております。
 また、行革関連特例法につきましては、これは総理、大蔵大臣からお答えになったとおりでございます。(拍手)
   〔国務大臣木部佳昭君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(木部佳昭君) 赤桐議員にお答えいたします。
 本法案の御審議をお願いしている現状では、御指摘になりましたように、公共事業予算の円滑な執行に支障を生じ、このため地方公共団体の社会資本整備に対する熱意に的確にこたえられないばかりか、地域経済や雇用動向にも好ましくない影響を及ぼしかねないことに大きな懸念を抱いております。しかし、建設省といたしましては、この法案が成立し次第、直ちに配分の内示ができますよう準備を進めており、本法案の一日も早い成立を心からお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(木村睦男君) 多田省吾君。
   〔多田省吾君登壇、拍手〕
#18
○多田省吾君 私は、公明党・国民会議を代表して、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に対し若干の質問をいたします。
 まず最初に、我が国の財政経済にとり緊急かつ重大な問題である日米貿易不均衡問題について伺っておきたいと思います。
 米国政府からさまざまの形で要請が出ておりますが、その中で、アフリカ等への食糧援助のため一千万トンの米国穀物を緊急輸入せよと迫っておりますが、これに対し河本特命大臣は前向きに対処すべきだと主張し、昨日も総合的な立場からできるかできないか検討してみるべきだと答弁しており、逆に総理は輸入反対と答弁しております。また、貿易摩擦解消のための我が国の内需拡大策等につきましても、河本特命大臣は強く内需拡大策が必要であるという立場を主張し、安倍外務大臣も昨日の国会答弁で内需拡大策の必要性を言っておりますが、逆に総理は財政主導の景気刺激策を否定する立場をとっておりまして、いずれも閣内不統一の姿を示しております。穀物輸入問題と内需拡大問題につきまして、改めて総理並びに外務大臣、大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。
 本題に入りまして、第一に、政府の本法案提出の経緯を見ますとき、その手法について極めて遺憾な点が多いと存じます。
 本法案は、総理府関係十二法律、文部省関係六法律、厚生省関係十一法律、農水省関係十四法律、運輸省関係五法律、建設省関係九法律、自治省関係二法律、合わせて九省庁、五十九法律、六十六項目に及ぶものを一括法案といたしたのは大変な無理があり、国会審議のあり方を無視したもので、全く納得ができないものであります。
 また、内容も、国の財政負担を地方に転嫁する高率補助金の一律削減、また厚生年金等への繰り入れを停止した行革特例法の延長など、極めて多くの法律案が盛り込まれているにもかかわらず、先に予算案で金額を決定して、四月の後半にようやく参議院で審議開始となり、しかも政府が日切れ法案だから一日も早い議了をと言うのは、余りにも身勝手であり、国会の審議権を拘束し、財政民主主義を踏みにじるものと言わざるを得ません。総理並びに大蔵大臣はこのことにどのような認識を持たれているのか、まずお聞きしたい。
 第二に、本法律案と憲法第二十五条との関係についてであります。
 本法案の内容は、高率補助率の引き下げによるものは政令等により措置するものを含め五千四百八十八億円の削減、私どもは決して高率とは思いません。さらに一般財源よりの削減四百二十八億円、行革特例法の延長による削減三千五百六十三億円、合わせて九千四百七十九億円を削減しております。特別児童手当など福祉、文教予算の削減が特に明白にあらわれており、防衛費は安易に突出させながら、政府は国の財政事情を理由に、福祉、教育費を切り捨てた国民圧迫の姿勢が顕著に示されているものと言わざるを得ません。また、国が補助率を下げても地方でカバーするから国民に迷惑をかけないという政府答弁も全くの詭弁であります。
 国の基本法である憲法二十五条には明確に、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と、政府の義務として明白に規定されております。地方への転嫁とは、結局、住民への転嫁に結びつくものであり、足りない分は借金を認めようという本法案には、財政難の道府県や市町村から福祉、文教、公共事業等に大変な悪影響が出ると強い反対があり、断じて容認できないものであります。
 私どもは、補助金のあり方につきましては、弱者しわ寄せでなく、国民ニーズの高低によるサンセット方式で見直しすべきことを主張してまいりましたが、政府のこのような一律カット方式は余りにも安易で、政策の重要度を無視した血の通わないやり方と言うべきであります。憲法二十五条と本法律案のかかわりについて、総理と大蔵大臣の見解を伺いたい。
 第三に、本法案が地方財政法第二条「地方財政運営の基本」第二項に抵触することであります。
 第二項には、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」と明記されております。地方財政運営の基本について、政府みずからが破ることにまことに重大であります。国と地方は、機能分担と費用分担を調整し、車の両輪のごとくと言われて久しいのでありますが、政府のこのたびの一方的な補助金一律カットによって、その原理原則が崩されようとしております。基本を無視することによって、仕事量が多くなっている地方自治体に財政難をもたらすことになり、全国の都道府県、全国六百五十一の市議会が反対の決議をしていることは総理も御承知のはずであります。地方財政法の基本に対する総理、大蔵、自治大臣の所見を伺いたいと思います。
 第四に、生活保護法の目的無視についてであります。
 今回、高率補助金のカット分二千九百億円のうち、二千七百億円が生活保護費、児童保護費など社会保障関係費で占められております。生活保護、義務教育などは本来国の負担として行うべきものであり、生活保護法にも、その目的の中で、「この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障する」と規定しております。しかるに国は、その負担を地方に転嫁して明らかに責任逃れをしており、生活保護比率の高い地域では財政圧迫を余儀なくされております。生活保護法の目的と、国と地方の役割分担のあるべき姿についてどのように考えておられるか、総理、大蔵、厚生、自治大臣の所見を求めます。
 第五に、厚生年金等への繰り入れを停止した行革特例法の一年延期と今後の方策についてであります。
 これは昭和五十七年から三年間の時限立法であり、行革特例法審議中にも延長しない旨かたく約束したにもかかわらず、公約に違反してさらに一年間延期するというのであります。中でも年金財政の安定を損なわないという趣旨に沿って、一般会計への繰り入れ措置については、公約どおりできるだけ速やかに着手すべきであります。この公約違反の責任と今後の返済計画について、総理、大蔵、厚生大臣の答弁を求めます。
 第六に、本法律案の六十一年度以降の取り扱いについてであります。
 補助金カットも行革特例法廷長も、ともに単年度立法となっておりますが、今後のことについて政府は衆議院の審議においても、六十一年以降は白紙と答弁しており、先ほどの答弁でも検討と言うのみで、この一年限りを明確にしておりません。このことは、地方自治体や国民の不安を助長し、政治不信をますます拡大していくものであります。少なくとも今年度限りという確約をぜひともここですべきだと思うが、総理、大蔵大臣の答弁を求めます。
 最後に、本法律案が審議途上にある中で、既に地方自治体では四月分として生活保護費など九百七十億円を立てかえ支給しておりますが、政府がなぜ支給しないのか、まことに理解に苦しむところであります。参議院で四月後半からの審議開始という異常事態は全く政府の責任であり、本法律案の大変な異常性からきているのであります。地方自治体のこのような負担について政府はどのような責任を感じているのか、総理、大蔵、厚生、自治各大臣の明確な答弁を求め、このできのよくない本法案に強く抗議して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(中曽根康弘君) 多田議員にお答えをいたします。
 第一問は、アメリカからの穀物輸入一千万トンの件でございます。
 米国からこのようなアイデアの提示があったことは事実でございますが、米側が希望しているような多量の米国産穀物使用は現在困難であり、我が方の立場は外務大臣から米側に伝えるとともに、米側の考えは一つのアイデアとして承っておきますと答えたという状況でございます。やはりこういう問題につきましては、アメリカのことも考える必要がありますが、ECあるいは発展途上国、もう全部日本を見ておる状態でもありまして、それらの国の反応等々もよく考えてみる必要があります。
 それから日本は今やこれだけ財政窮乏に悩んでおりまして、こういうような法案も今御審議願わなければならぬという日本の現状でございます。また、世界じゅうの先進国が財政赤字を減らそうと、そういう約束をして、我々、アメリカにも要望をし、アメリカも世界に要望しておるという懸命の努力をしておるところで、二千億、三千億円という貴重なお金がどこから出てくるであろうかと、そういう問題も財政再建の途上にございます。これらのお金を貸すという場合があるではないかというお考えがあるかもしれませんが、そういう食糧に困っている国々に借りる力があるであろうか。前に濃縮ウランをやりましたけれども、これは民間の電力会社がお金を持っておって電力会社が払ったのでございます。そういうような面から現在の状態を考えてみますと、なかなか難しい問題があります。我々は、四月九日に内外に発表いたしました政府の諸般の決定を右顧左べんせずにわき目も振らずに実行していく、それが世界に信を得るゆえんである、そう考えておるのでございます。
 食糧の不足している国につきましては、我々は今までにも増して食糧援助あるいは食糧増産、食糧貯蔵、輸送、あるいはかんがい、あるいは井戸の削井、こういう面について積極的に努力してまいりたいと思っております。
 内需の問題につきましては、物価の安定を基礎としつつ、国内民間需要を中心とした景気の着実な拡大を図るというのが我々の考え方でありまして、適切な機動的な経済運営に努める一方、規制解除あるいは民間活力の最大限の発揮等のために今努力しておるところでございます。
 次に、補助金の一括審議の問題でございます。
 これは先ほど申し上げましたように、財政関係の処理という意味におきまして共通の性格並びに目的を持っておるという点からこのような措置をとったのでございまして、御了承をお願いいたしたいと思います。
 次に、この一括のやり方、一律引き下げというやり方は憲法二十五条に違反しはしないかという御質問でございますが、臨調答申等を踏まえた補助金等の整理合理化の一環として国と地方との間における負担の見直しを今回は行ったものであり、国民生活に係る施策の水準に影響を与えるものではありません。つまり、国と地方との分担の問題は変化がありましたけれども国民には直接影響はない、したがって憲法二十五条の精神に反するものではございません。
 また、地方団体の負担増につきましては、地方行財政の円滑な運営に支障を来さないように措置をいたしておるのであります。
 国庫補助負担率の引き下げと地方財政法との関係でございますが、昭和六十年度における国庫補助負担率の引き下げに伴う地方負担の増加については、約千億の地方交付税の特例措置、四千八百億円の建設地方債の増発で補てんするなど万全の措置を講じて支障を来さないようにいたしており、地方財政法に反することはないと考えております。
 生活保護に関する考え方は、生活保護は国民の生存権保障の最後のよりどころであることにかんがみ、国が最終的な責任を持っていることは御指摘のとおりであります。同時に、従来から一貫して生活保護費については地方公共団体にも一定の御負担を願っておるということも事実でございます。今回の補助率引き下げ措置に伴う地方の負担は、地方財政対策において措置しております。また、生活保護については、新たに生活保護臨時財政調整補助金二百億円を計上して適切なる対処を行っておるのであります。国の最終的責任はあくまで確保しております。
 行革関連特例法の一年延長の問題でございますが、このような現在の財政状況にかんがみまして、本特例法の一年延長をお願いせざるを得なかった、一年ということで法案の御審議を願っておるということでございます。
 次に、厚生年金の問題でございます。
 行革関連特例法の延長の問題でございますが、年金国庫負担金の減額分については、積立金運用収入の減額分を含め、将来にわたる年金財政の安定が損なわれることのないよう、特例適用期間経過後において、国の財政状況を勘案しつつ、できるだけ速やかに繰り入れに着手するというのが従来からの立場であります。返済の期間、方式等返済の具体的内容については、今後の国の財政状況を勘案する必要があり、現時点で明らかにはできませんが、政府としても、国の財政改革をさらに一層強力に推進する等誠意を持って対処し、特例適用期間経過後において、積立金運用収入の減額分を含む年金国庫負担金の減額分のできる限り速やかな繰り入れに着手したいと念願いたしております。
 特例法延長、補助率カットは一年限りかという同じような質問でございますが、本措置は昭和六十年度における暫定措置として行うこととし、六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方との役割分担、費用負担の見直し等とともに検討いたしたいと思います。
 次に、この法案成立遅延の影響の問題でございますが、本法案は六十年度予算と同時に一月二十五日に国会へ提出いたしまして、予算と同時に成立することを念願いたしたところであり、参議院における審議が遅延いたしましたことはまことに遺憾でございますが、政府としてはできる限り御協力を申し上げたいと思いますので、御審議をお願い申し上げる次第でございます。
 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(竹下登君) まず、日米貿易不均衡問題に関しての、いわゆる食糧援助としてアメリカの穀物を買うことについてのお尋ねでございますが、今次の安倍外相訪米に際しまして、一つのアイデアとして希望表明があったことは私も聞かされております。が、まず米国産穀物を食糧援助として費消しますことにつきましては問題点が幾つかございます。一つには、開発途上国向けの食糧援助量は食糧援助規約に従って年間三十万トンとなっております。昭和六十年度の食糧援助予算は二百十四億円ということがまずあるわけであります。それから食糧援助規約上、食糧援助は開発途上国産穀物の使用が一般的な目標とされております。そういう基本的な問題があるわけであります。
 そこで、総理からお答えがございましたように、食糧余剰国でない我が国は、いわゆるそういう援助と並行して、食糧増産援助でありますとか、食糧の貯蔵でありますとか輸送でありますとか、そういう分野における協力を今日も重視しておるところであります。例えば、五十九年度におきましては米国産の小麦を使用しておりますが、七万七千トン、これは三十七億円相当になります。そのほかはタイのお米、ビルマのお米、パキスタンのお米等を使用しておりまして、これが仮にみんな米国産穀物に切りかえるということになりますと、これらの諸国との間に大変困難な問題が発生することは容易に予想されるところでございます。
 それから内需問題についてもこの際お答えしておきますが、内需中心の持続的拡大局面に今日あるわけです。したがって、特に設備投資はハイテク関連を中心に大幅な伸びを続けております。GNPに占めるウエートも高度成長期並み、こうなっております。政府は、既に六十年度における経済運営の基本的態度として、引き続き物価の安定を基礎としつつ、国内民間需要を中心とした景気の着実な拡大を図って持続的な安定成長を達成する一方、行財政改革を着実に進める、こういう方向に沿って経済運営を行ってまいります。
 したがって、財政面から内需拡大という御意見もございますが、今日、まず我が国経済は設備投資が順調でございますので、投資不足の状況にはありません。それと、総理からもお答えがありましたように、まずウイリアムズバーグ・サミット以来、先進国間の合意でありますインフレなき持続的成長の達成という基本戦略にそもそも反することになるということでございます。そういうことを考えますと、輸入拡大効果が極めて小さいことに比較して財政体質を大変に悪化させる。したがって、今日までの財政改革の推進の努力を水泡に帰せしめてはならぬということをまず念頭に置かなければならないと思っております。
 それから次の問題は、総理からお答えのあった個々の問題になりますが、確かにこの整理特例法案は、一括して国会に提出しましたことは財政上の問題、まずこれでございます。と同時に、いわば大蔵省設置法に基づきますところの調整権限に基づいてまとめた法律でございます。そして、予算と表裏一体ということでございますだけに、六十年度予算と同時に国会へ提出をいたしてお願いしておるところでございますので、一生懸命御協力を申し上げますので、何とぞひたすら速やかな成立をお願いするということで精いっぱいでございます。
 本法律案の一律カット方式の問題と憲法二十五条の問題。総理からお答えがございましたが、まず、いわば国民生活にかかわる個々の施策の水準に変化はないということ、そしていわゆるマクロの地方財政対策については措置がされておるということ、こういうことであろうかと思っております。
 それから地財法の基本に反するのではないか、こういうことでございます。
 やはり私どもといたしましては、今次の高率補助率の引き下げ措置は、臨調答申等を踏まえた補助金等の整理合理化の一環としての補助率の見直しを行うものでございます。また、これに伴います地方公共団体の負担増については、先ほど申しましたように、補てんをして地方行財政の円滑な運営に支障を生じないよう措置したところでございますので、いわば地財法の基本に反するものではないというふうに考えておるところでございます。
 それから生活保護についての国の責任の問題でありますが、国民の生存権保障の最後のよりどころであるということにかんがみまして、国が最終的な責任を負っておるということは御指摘のとおりであります。そこで、同時にまた、生活保護は国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務として、従来より一貫して地方公共団体も一定の費用負担をしてきております。したがって、今度の場合、言ってみればこの負担区分の調整であるということで御理解をいただきたいと思う次第であります。
 それから行革関連特例法、これも五十九年度までに特例公債依存体質から脱却するということを目標として、それが区切りであったのが五十九年度でありました。しかし、第二次石油危機等に伴う世界経済全体の停滞長期化、そういうところからあのような租税収入の伸びが急激に鈍化したいわば五十六年、五十七年等々を考えますと、この大変苦しい状態の中で財政収支の改善を図る見地から特例措置については所要の継続措置をお願いせざるを得なかった、こういうことでございますので、ぜひぜひ御理解を賜りたいというふうに考えます。
 それから厚生年金の繰り戻しでございます。
 基本的な考えが変わったものではございません。したがって、今後の国の財政状況を勘案する必要があります。繰り入れ期間と内容につきましては、現時点で明らかにできないところでございますけれども、国の財政改革をさらに一層強力に推進する等誠意を持って対処して、そして特例適用期間経過後において積立金運用収入の減額分を含む厚生年金国庫負担金等の減額分の可能な限り速やかな繰り入れに着手する所存でございます。
 それから今年限りかという問題でございます。
 この問題につきましては、いわば三大臣合意というものもございます。これは社会保障に関する問題でございますけれども、今後ともにやはり地方と国とのいわば役割分担、費用負担のあり方という角度から、引き続き検討をすべき課題であるというふうに思う次第でございます。
 それから予算執行の問題でございます。
 これは何度もお答えいたすようでございますが、まさに予算と表裏一体の関係の本法案でございますので、早くできますようにとにかくひたすら御協力を賜りたいという一念でございます。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
   〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(安倍晋太郎君) 米国からの穀物購入要求についての件でございますが、先ほどから総理大臣、大蔵大臣から詳しく答弁をされたとおりでありまして、私が訪米した際に、ブロック農務長官から一千万トンのひとつ穀物を日本が買ってこれを食糧援助に回してほしい、こういう御要請がありました。これに対しまして、私から、これは一つのアイデアとして承っておきますが、しかし今の日本の食糧援助の実態、あるいはまた食糧援助の基本的な政策から見まして大変困難な問題であるということを説明しておいた次第でございます。
 なおまた、内需振興についての御質問がございました。
 今回、OECD閣僚理事会、さらに日米外相会談等を行ってまいったわけでございますが、その際、日本の黒字問題が大変批判を受けたわけでございます。同時にまた、日本の大幅黒字を解消するためには、ただ市場アクセスを改善するだけではだめだ、やはり日本の内需振興が必要であると、こういう主張もなされました。アメリカのシュルツ国務長官も、日本の高貯蓄率と日本の国内における投資の不均衡を挙げて、いわゆる内需振興の意見を述べられたわけでございますが、私はこれに対しまして、やはり黒字の問題を解決するにはアメリカのいわゆる高金利の是正とドル高の是正というものが大前提である、同時にまた、日本の内需振興もともに必要であるということは私としても同感である旨を答えたわけでございます。
 内需振興は大事であると思いますけれども、そしてそれによって輸入拡大をすることが黒字の解消につながるとは思いますが、先ほどから竹下大蔵大臣も答弁をいたしましたように、日本はまさに今財政再建を行っておりますし、財政が大きく出動して、そして内需の振興を図るということはなかなか今日の客観的な情勢からして、また日本の政策目標からして、中曽根内閣の目標からして困難ではないか、こういうふうに思っております。
 しかし、内需を振興するにはその他のいろいろな方法があるのではないか。例えば対外経済対策の諮問委員会から答申をされたように、民間活力の積極的な運用であるとか、あるいはまた規制の緩和であるとか、あるいはまた週休二日制の実施によるところの消費の拡大であるとか、さらにまた金融政策の機動的な運営であるとか、いろいろそうしたことで工夫をして、やはり今の成長をさらにより安定的に発展させる道があるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣古屋亨君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(古屋亨君) 補助率カットと地方財政法の関係についてお答えいたします。
 地方財政法は、憲法にうたわれております地方自治の本旨の実現を目指しまして地方財政に関する原則を定めた基本法でありまして、第一に、地方財政の自主性と健全性の確保を図ること、第二に、国と地方の財政責任の明確化と財政秩序の確立を図ることを基本的な理念としていると考えております。
 今回、国の極めて厳しい財政状況にかんがみまして、昭和六十年度限りの暫定措置といたしまして国庫補助負担率の引き下げを行うことになりましたが、補助金整理の一括法において対象となる地方団体に対しまして、事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずる旨を規定いたしまして国会の御審議をお願いしておるし、また、昭和六十年度の地方財政対策といたしまして、国庫補助負担率の引き下げに伴う地方負担の増額分につきましては地方交付税の増額と建設地方債の増発によりまして補てんし、地方財政の運営に支障を生じないよう適切に対処しているものでありまして、今回の措置は地方財政法には抵触するものとは考えておらないところでございます。
 次に、生活保護の関係等についてお答えいたします。
 今回の国庫補助負担率の引き下げ問題につきましては、国と地方団体との考え方に大きな食い違いがございまして、昭和六十年度予算編成作業のぎりぎりの時点まで平行線で進まざるを得なかったところでございますが、生活保護を初めとする社会保障に関する国庫補助負担率のあり方につきましては、国と地方との役割分担、費用負担の見直しなどとともに政府部内において検討を進め、一年以内に結論を得ることとし、国庫補助負担率の引き下げに伴う地方負担の増加につきましては、地方団体の財政運営に支障を来さないよう地方財政措置を講ずることを前提といたしまして、昭和六十年度限りの暫定措置として国庫補助負担率の引ぎ下げを行うこととしたところでありまして、そういうように御了解をお願いしたいと思います。
 地方団体における生活保護費などの立てかえ支給についてお答えします。
 生活保護費など国庫支出金を財源とする経費で、地方団体が新年度に入ってから今日までに既に支出しているものもございますが、国庫支出金の交付がおくれますと、地方団体によりましては一時借入金によって必要資金を確保する必要が生ずるところもございます。したがいまして、地方団体における資金繰りに支障が生ずることがないよう関係各省庁に配意を要請しているところでありますが、同時に、本法案の速やかなる成立をお願い申し上げたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣増岡博之君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(増岡博之君) お答え申し上げます。
 今回の措置と生活保護法との関係についてのお尋ねでございますが、現行生活保護法は、憲法第二十五条の理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し最低生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とするものでありまして、国の最終的な責任を明示しております。同時に、従来から一貫して生活保護費については地方公共団体も一定の負担をしてきたことも事実でございます。生活保護は国と地方が相協力して行っていくべきものと考えておりますが、昭和六十一年度以降、国と地方の役割分担等につきましては政府部内において検討してまいることといたしております。
 なお、生活保護については、地域によって保護率等に大きな差異があること等を考慮し、急激な財政負担増を緩和するため、生活保護臨時財政調整補助金を計上したところであります。この補助金の具体的な配分につきましては、今後財政当局と協議の上、決定したいと考えておりますが、保護率が高く、かつ財政基盤の脆弱な地方公共団体に重点的に配分することによって、生活保護の適正な運営に支障のないよう配慮したいと考えております。
 次に、厚生年金保険の国庫負担の繰り入れに関するお尋ねでございますが、年金財政の安定という見地から、国庫負担の繰り延べ分が、積立金運用収入の減額分を含め、特例適用期間経過後においてできる限り速やかに繰り入れられることが必要であると考えております。今回、行革関連特例法を延長するに際しましても、この点についての政府の繰り戻しの考え方には何らの変更もございません。
 返済の期間、方式等返済の具体的内容につきましては、今後の国の財政状況を勘案する必要があり、現時点で明らかにできないところでありますことを御理解賜りたいと存じますが、厚生省といたしましても、特例適用期間経過後における国庫負担繰り延べ分の速やかな繰り戻しが実現するよう働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、補助金等の交付決定がおくれていることについての御質問でございますが、先ほど総理、大蔵大臣の御答弁にもありましたように、予算が成立しておりましても本法案が御審議の段階にあるので、国会の御意思が明らかとなるまでの間は交付決定は差し控えざるを得ないという政府全体の考え方に立っているところであります。政府としては国会の御審議に最大限の御協力を申し上げる所存でございますので、何とぞ本法案の速やかな成立をお願いし、地方行財政の運営に支障なきことを期してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(木村睦男君) 神谷信之助君。
   〔神谷信之助君登壇、拍手〕
#25
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、いわゆる補助金カット一括法案について総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、指摘したいことは、本法案の審議についてであります。
 本法案のカット対象は、社会保障、文教、生活密着型公共事業関係が中心であり、いずれも長年にわたる血のにじむような国民の要求と運動を反映して築き上げられたもので、徹底した審議を必要とするものであります。さらに、本法案は、四年前の行革一括法の延長を含めて七十五本、さらに衆議院における修正によって七十七本の法律を一本として提出されておりますが、これは所管や審査、成立の経緯の異なる法律を一括したものであり、まさに国会の審議権を一方的に踏みにじるものであります。それだからこそ、我が党は、衆議院では本一括法案を撤回して各法律ごとの再提出を主張してきたのであります。
 このような国民生活にとって重要な法案を、本日を含めて十三日間しか会期の残っていない今、本院において審議を尽くすことは明らかに不可能であります。国会の会期制の民主的原則にのっとるならば、本法案は審議未了、廃案とすべきであります。この道こそ、国権の最高機関たる国会が民意を反映して行政府の不当な行為をチェックすることになり、国会の権威を高めるゆえんであることをまずもって主張するものであります。
 以下、具体的に質問いたします。
 第一、国庫負担金の削減についてであります。
 本法案の社会福祉関係削減額の九割及び義務教育費の削減は、本来、国が進んで経費の全部または一部を負担しなければならないとする地方財政法十条に言う国庫負担金なのであります。その一方的カットは、生活保護法や義務教育費国庫負担法の原理原則を平然と無視するものであり、憲法二十五条の生存権の保障及び二十六条の教育の機会均等の精神を踏みにじるものとして容認できません。さらにまた、地方への負担転嫁を禁じた地方財政法二条の原則のじゅうりんであり、国の責任を放棄するもので断じて許せません。総理の見解を問うものであります。
 第二、総理は、単なる国と地方の負担区分調整で国民には直接影響なしと述べていますが、とんでもない欺瞞であります。
 総理、既に厚生省の指導のもとで、生活保護受給者の打ち切りをケースワーカーに競争させるというような非人道的な受給制限の強化が進められているではありませんか。現在、地方自治体の借金は五十六兆円に及び、自治体財政の危機ラインと言われる公債比率一五%以上の市町村は既に五四%を超えるという深刻な財政状況にあります。にもかかわらず、この十年間、地方財政に対する国庫支出金はわずか二・二倍の増にすぎません。そのため、地方税は二・四倍とふえ、さらに授業料は六・二倍、保育料は三・六倍、下水道料金は七・五倍と住民負担はふえているのであります。今回の補助金カットは、このような地方財政のもとでは、国民に直接影響がないどころか一層負担が強まらざるを得ないではありませんか。総理の見解を伺います。
 第三、政府は、本法案による削減が一年限りの措置であるかのような印象を与えていますが、これは巧妙なごまかしにすぎません。
 昨年十二月の大蔵、厚生、自治三大臣の覚書には、「昭和六十年度における暫定措置」とありますが、それは社会保障に係る申し合わせなのであります。それどころか、投資部門については、大蔵省の中期展望では引き続き三年間削減する前提で試算されており、このことからでも一年限りの暫定措置でないことは明らかではありませんか。さらに、その社会保障についても、一年間の検討の結果として、六十一年度以降もカットが恒常化する可能性は大いにあり、しかもこのときは国からの財源措置は何らとられないのではありませんか。自治、大蔵両大臣の答弁を求めるものであります。
 また、厚生大臣、生活保護の問題は、憲法二十五条及び生活保護法一条に定める国の責任を貫くことこそ重要であって、この原則をゆがめ、国と地方の役割分担や費用負担の見直しを優先させてはならないと思うのですが、いかがですか。
 第四、万全の財源措置を講じたという言い分についてであります。
 本法案によって、下水道事業分も含め六千四百億円の地方負担増になりますが、結局このうち国が確実に財源措置をするのは経常経費の一千億円にすぎず、あとは借金の押しつけではありませんか。その上に、国が支出を約束していた六十年度の臨時特例交付金千三百五十億円も一方的に六十六年度に延ばし、ほごにしておいて、今回の地方債の元利償還分は国が責任を持つと言っても信用できないのは当然であります。
 総理、あなたは万全の財源措置を講じたと言うが、事実は全く違うではありませんか。万全の財源措置どころか、地方財政の破綻はますます激化するばかりであり、しかも国の財政再建のめども現に立たず、そのため天下の悪税、大型間接税の導入さえねらっているのではありませんか。見解を問うものであります。
 なお、本法案未成立を口実に、地方自治体に対する負担金、補助金の交付をストップし、自治体に無用の混乱を与えていることは、法案を人質にする不当極まりないやり方と言わねばなりません。自治体が立てかえたり、一時借り入れを行わなければならないという事態は、まさに自治権に対する侵害であり、また国会の審議権への介入でもあります。本法案未成立の現在、現行法に基づき措置すべきであります。自治、大蔵両大臣の答弁を求めます。
 以上、私は、本法案が国民にとっていかに許しがたい悪法であるかを明確にして質問をしてきたのでありますが、最後に厳しく指摘しなければならないのは、中曽根内閣の政治姿勢であります。
 総理、六十年度予算であなたは、軍事費も大企業向け補助金も増額し、アメリカと財界の要望にこたえる一方、本法案によってまるで弱い者をねらい撃ちするように、福祉、教育、生活環境整備関係の国の責任を投げ捨てようとしているのであります。かつて、この本会議場で我が党の宮本議長は代表質問に立って、政治の根本問題は国民生活の安定にあると論じたのでありますが、総理、あなたの政治姿勢はまさにこれとは逆に、核ミサイルで国民生活も地方自治も吹き飛ばそうとするものにほかなりません。
 我が党は、核兵器廃絶、核戦争阻止と国民生活の安定のため、政治の根本転換を目指して闘うものであることを重ねて表明し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(中曽根康弘君) 神谷議員にお答えをいたします。
 まず、国の責任の放棄ではないかという御質問でございますが、生活保護費につきましては、今回、臨時財政調整補助金二百億円を計上し、中央と地方との区分調整をしたということであり、国民の皆様方には直接影響はないのでありまして、国の最終的な責任は確保されておるのであります。
 義務教育費の問題でございますが、旅費や教材費は地方公共団体の事務事業として定着しているとの判断から一般財源化を図ったものであり、さらに所要の措置を講じておるのでありまして、憲法、地方財政法の趣旨に反するとは考えません。
 住民への負担増の御質問でございますが、地方交付税、地方債の増額により完全に地方負担の増加額は補てんしてあります。したがって、個々の施策の水準に影響を及ぼすことや住民への負担増をもたらすことはありません。
 次に、政府として万全の策を講じているかということでございますが、地方負担の増加額については、地方交付税、地方債の増額により完全に補てんし、地方債の元利償還などの後年度地方財政負担についても国として必要な措置を講じて、地方行財政の円滑な運営に支障を来さないように対処しておるのであります。
 最後の部分のイデオロギー的な誇張や宣伝には賛成いたしかねます。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。
 社会保障関係以外の分、特に投資部門については一年限りの措置ではないのではないか、こういう御質問でありました。
 公共事業の補助負担率の引き下げは、厳しい財政事情のもとで事業費を確保するという観点もありますので、非公共の場合と全く同列に論ずることは必ずしも適当でない面もあると考えております。いずれにしても、公共事業についても引き下げ期間が一年間であることから、今後の補助負担率をどうするか、これは六十一年度予算の編成過程において検討すべき課題であろうというふうに考えます。
 中期展望における公共事業関係費につきましては、従来から原則としてその伸び率を政府投資デフレーター並みとしております。したがって、そういうことでございますので、あの中期展望の数字は個々の補助率のいかんとは結びついておりません。中期展望における投資部門の推計は、補助率引き下げの継続というような前提に基づいたものではなく、あくまでもデフレーター並みと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
 それから三大臣合意等についての社会保障関係。これは六十一年度以降における社会保障に係る補助率のあり方については、国と地方との間の役割分担、費用負担の見直しなどとともに政府部内において検討を進め、結論を得る、こういうことになっております。
 そこで、具体的な検討の方法、内容、こういうことになりますと、関係省庁間で鋭意検討中でございますが、それこそ本院におきますところの御意見等を踏まえて、なお適切な判断をしなければならぬと思っております。
 それから地方自治体への負担金、補助金の交付ストップの問題でございます。
 これは、たびたび申し上げますように、国会の御意思が明らかとなるまでの間は政府としては交付決定を差し控えざるを得ない。したがって、本法案の速やかな成立をこいねがいます、こう申しておるところであります。(拍手)
   〔国務大臣古屋亨君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(古屋亨君) まず第一に、三大臣覚書に関してお答えいたします。
 先ほど大蔵大臣からお話しになりましたが、現在、本院に御提案申し上げておりますいわゆる補助金整理一括法案にお示ししておるとおり、国庫補助負担率の引き下げは、社会保障関係以外のものについても昭和六十年度限りの措置でございます。
 なお、社会保障に係る国庫補助制度につきましては、今回の補助負担率の引き下げに至る経緯から見まして、また、それが重要な分野であることから、特に三大臣間で国と地方との間の役割分担と費用負担のあり方について検討を行う旨確認を行ったものでございますが、社会保障以外の各分野におきましても必要に応じ同様に協議し、検討を加えていくこととしております。
 次に、国庫補助負担率の引き下げが恒常化されるかどうかについてお答えいたします。
 昭和六十一年度以降の補助負担率のあり方につきましては、昭和六十年度において国と地方との役割分担、費用負担の見直しとともに政府部内で改めて検討を進め、今後一年以内に結論を得ることとされており、どのように取り扱うかはその検討の結果にまつものでございます。この検討に当たりましては、行政の果たすべき役割及び国と地方との間の機能分担等の見直しを行い、地方行財政基盤の確立と地方財政の健全化を図る方向で対処してまいりたいと考えております。
 次に、国庫負担金等の交付についてお答えいたします。
 生活保護費など国庫支出金を財源とする経費で、地方団体が新年度が始まってから今日までに支出しておるものもございますが、国庫支出金の交付がおくれますと、地方団体によりましては一時借入金によって必要資金を確保する必要が生ずるところもあると存じます。したがいまして、地方団体における資金繰りに支障が生ずることのないよう関係各省庁に対して配意を要請しているところでありますが、同時に、本法案の速やかな御審議をお願いもしておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣増岡博之君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(増岡博之君) 生活保護における国の責任についてのお尋ねでございますが、生活保護は憲法第二十五条の理念に基づきます国民の生存権保障の最後のよりどころであることにかんがみ、国が最終的な責任を持っていることは御指摘のとおりでございます。と同時に、従来から一貫して生活保護費について地方公共団体も一定の負担をしてきたことも事実でございます。六十一年度以降における国と地方の役割分担、費用負担のあり方につきましては、今後政府部内において検討することとなっておりますが、その際、国民の最低生活を保障するという生活保護における国の責任を認識しつつ検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#30
○議長(木村睦男君) 田渕哲也君。
   〔田渕哲也君登壇、拍手〕
#31
○田渕哲也君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に関し、総理並びに関係大臣に質問を行うものであります。
 昭和六十年度予算における補助金は二千四百六十四件に及び、総額十四兆四千三百一億円と、一般会計予算の二七・五%、また一般歳出の実に四四%を占めております。すなわち、補助金が行政の中で占めるウエートは極めて大きく、行政の簡素化、合理化を進めるためには補助金の整理、見直しが不可欠であります。
 もちろん、補助金は、義務教育、社会福祉などの重要な行政分野における全国統一の行政水準の確保、社会資本の計画的整備、財政資金の効率的、重点的使用、災害救援などの必要性から、それなりの存在理由を持っていることは言うまでもありません。しかしながら、今日の補助金制度には基本的に次のような問題があり、その改善が強く求められております。
 第一は、時代の進展に伴う行政需要の変化に対応して補助金の計画的な整理合理化が行われなかったため、補助金の総額が増大し、国民の負担増を招いていることであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 第二は、国の縦割り行政の影響や、国の広範かつ細部にわたる介入などにより、地方自治体の総合的で効率的な行政運営が阻害されていること、また一方においては、地方自治体の中に補助金待ちの姿勢も見られ、自主的行政運営の妨げとなっていることであります。
 第三は、補助金は、一般に係長行政と呼ばれるように、窓口が多岐に分かれ、しかも交付要件、申請様式などの事務手続が各課各係ごとにばらばらとなっており、これが地方自治体に過重な負担を強いていることであります。地方自治経営学会の調査によると、国庫補助金関係の事務は都道府県の事務の実に四五%、市町村の事務の二五%を占めているのであり、その煩雑さは地方行革の大きな障害となっているのであります。
 第四は、補助金交付に基づく保護行政のため、国民の行政への依存の姿勢を強め、民間活力の低下を招いていることであります。
 第五は、補助金の交付、箇所づけをめぐって利益誘導の政治が行われ、金権腐敗政治の温床を形成するなどの弊害をもたらしていることであります。
 これに対し、政府は、補助金の整理合理化を進めているとはいえ、そのやり方は、今回提出の法案にも見られるように歳出を削減することのみにとらわれ、制度の本質に迫る改革とはなっておりません。
 具体的には、まず第一に、各省庁ごとの補助金の原則一割削減方式がとられ、そこに政策的配慮を欠いていることであります。
 補助金の整理合理化のためには、行政需要の変化、地方自治体への定着度、補助の効果などを勘案し、各補助金に政策的優先順位をつけ、必要性の乏しくなったものは廃止をする、地方自治体に移管できるものは移管するなどの政策決定が不可欠であります。しかるに、政府のやり方にこのような努力は見られません。その結果、省庁内部の縄張り争いから、充実が望まれるものや既に合理化を実施したものまで画一的に削減するという不合理を招いているのであります。これは政治的指導力の欠如以外の何物でもないと思いますが、この点について総理の見解をお伺いします。
 第二は、補助金の整理合理化が事務事業の縮小や行政機構の簡素化を伴っていないことであります。
 補助金は廃止するか、総合メニュー化や地方一般財源化により権限を地方に移譲するのでなければ行政改革の効果はありません。臨調答申後の政府の措置は、純粋に廃止したものはごくわずかであり、総合メニュー化したものも実質的な手続は従来と全く変わっていない状況であります。さらに、係長単位に細分化している補助金行政の総合化、事務手続の統一などについても何ら改善されておりません。この点についてどう判断し、今後どう取り組まれるのか、総務庁長官の御答弁をお願いします。
 第三は、財政の帳じり合わせのための一時逃がれの先送りやツケ回しが余りにも多いことであります。
 政府は、この法案において、生活保護費、児童保護費、公立学校施設整備補助金などを初め、数多くの事業について国庫補助率を引き下げ、その分を地方自治体に肩がわりさせようとしております。これではツケを地方に回すだけで、政府と自治体を合わせた公的支出の合計は変わらず、基本的な財政改革にはつながりません。地方自治体は、その財政のしわ寄せを一部は交付税の特例加算で、大部分は地方債の増発で埋めることになります。また、この法案に含まれている行革関連特例法の一年延長も、厚生年金を初めとする国庫負担の繰り延べ等、いずれもツケを将来に先送りするものにほかならないのであります。
 さらに、政府は、昭和六十年度の補助金総額は昨年度比一千三百四十四億円の減額と、五十九年度に続き、戦後初めて二年連続のマイナスとなったと称しておりますが、その内訳は、増額分六千八百五十七億円、減額分八千二百一億円であります。そして、減額分八千二百一億円のうち四千四百八十一億円は本法案による地方自治体に対する高率補助率の引き下げによるものであり、国が出すべき補助金を地方にツケ回ししたものにすぎません。したがって、補助金総額の減額は見せかけのものにすぎず、実質は増額になっていると思いますが、大蔵大臣の御見解をお伺いします。
 また、この法案による高率補助率の引き下げは、このような一時逃れの措置であるからこそ、政府はこれを一年限りのものとしたと判断しますが、一部にこれをさらに延長しようとする動きもあると聞きます。これはまことに奇怪なことです。この点について大蔵大臣の明確な答弁をお願いします。
 いずれにしても、国から地方への補助率をカットする問題は、本来、国と地方の役割分担の見直し、行政事務の総量の削減合理化などと不可分のものであるはずです。このようなことを抜きにして、地方自治体に負担をのみ押しつけるやり方は問題と言わねばなりません。今後これの抜本的な改革にどう取り組んでいくのか、大蔵大臣並びに総務庁長官の御答弁をお願いします。
 最後に、今まで政府が進めてきた行政改革は、電電、専売などの公社の民営化と、健保、年金など国民に負担を求める分野などが主であり、行政改革の心臓部とも言うべきお役所仕事の簡素化、効率化はほとんど進んでおりません。行政改革の真の意味は、国民と行政のかかわり合いのあり方を時代の変化に即して変えていくことであり、そのため行政の介入すべき事項の改廃や既得権の見直しなどを思い切って進めていくことが肝要です。そして、その具体的手段である補助金制度、許認可制度の抜本的改革をこそ強力に進めなければなりません。しかし、これは各省庁の縄張り意識や既得権に回執する姿勢などから、ややもすればこそくなものになりがちですが、このような場合にこそ政治のリーダーシップが必要とされるのであります。総理並びに総務庁長官のこれに対する所信をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(中曽根康弘君) 田渕議員にお答えをいたします。
 まず第一問は、補助金の整理合理化をこのような画一的な形でやってよろしいかという御質問でございますが、補助金につきましては、臨調答申の指摘を踏まえまして、徹底した整理合理化を今までやってまいりました。六十年度予算編成におきましても、個々の補助金すべてについて点検、検討を行いまして、洗い直しあるいは見直し等、量的、質的両面にわたって行った次第でございまして、それらが千三百四十四億円にも上がってきたということなのでございます。今後とも、メニュー化であるとか、あるいはひもつきの廃止であるとか、あるいはサンセット方式の導入であるとか、あるいは一般交付金の方へ移行させるとか、そういう諸般の措置について努力してまいりたいと思います。
 行革の推進に関する御質問でございますが、政府は、時代の変化に即応して簡素で効率的な行政を実現すべく、累次にわたる行革大綱に沿って計画的かつ着実に行政改革を推進してまいりました。補助金等につきましても、臨調答申を踏まえましてこのような措置を実行してきたところでございます。なお、今後ともきめの細かい効率的な点検を行いまして、徹底した整理合理化に努めていく所存でございます。
 なお、許認可等の整理合理化につきましては、臨調答申の趣旨を踏まえて着実に今推進中でございますが、今後とも行革審の許認可等規制行政の緩和に関する審議の結論を待ちまして積極的に推進してまいる所存でございます。
 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(竹下登君) 田渕さんにお答えをいたします。
 まず、今回の措置は帳じり合わせあるいは先送り、ツケ回し、こういう御批判を交えた御質疑でございます。
 そもそもこの六十年度予算は、大変厳しい環境にあって歳出削減を実現するということになりますと、やはり一般歳出の約四割を占めます補助金にメスを当てよう、こういうことになる環境が存在するわけであります。そこで、まずは補助金の整理合理化ということになりますと、これは申すまでもなく国と地方の間の機能分担、費用負担の見直し、こういう角度からこれを進めてまいります。そして、今度は補助率ということになりますと、これまた社会経済情勢の推移等を踏まえて見直しを行うこととしたわけであります。とりわけ二分の一超の高率補助率については、そのあり方についての問題点の指摘もございますことを踏まえて引き下げることにしたものでありまして、いわば機能分担、費用負担、そしてこの問題点等からの議論によって行ったものでありまして、ただ、負担を地方に転嫁するというような考え方の措置ではないわけであります。
 そうして、このような補助率引き下げによって生じます地方財政への影響に対しては、今後の地方財政の円滑な運営に支障を生じないよう、国と地方の財政事情を踏まえながら所要の措置を講ずることとしておるところでございますが、今度の措置だけをとらえて、いわば負担の先送りという考え方には私どもはくみするわけにはまいりません。
 それから二年連続と言っておるが、これまたツケ回しの観点からの御質疑でございました。
 六十年度予算編成に当たりましては、臨調答申、行革審意見等の指摘を踏まえまして、補助金等のすべてについて洗い直し、人件費補助等の見直し、地方公共団体に同化定着したものに対する一般財源化あるいは補助率の引き下げ、統合メニュー化等、補助金等の幅広い整理合理化を積極的に推進して、その結果、一般会計補助金等総額で前年度に比べ千三百四十四億円の減額となったものであります。
 なお、補助率については、補助金等の整理合理化の一環として臨調答申等の趣旨に沿った見直しを行う必要がありますが、とりわけ、申し上げましたように、二分の一超の高率補助率についてはそのあり方についての問題点の指摘もあることから、これに対して、容易ならざる国の財政事情にかんがみて引き下げをしたという性格のものでございます。
 それから言ってみれば帳じり合わせ、一時逃れ、こういう御指摘でございますが、これはやはりさらにつけ加えて、地方財政の円滑な運営に支障を来さないということで対処しておるところであります。
 それから次の問題が、一年限りの問題でございます。
 今回の高率補助率引き下げは、補助金等整理合理化の一環として、高率の問題点に着目して社会経済情勢の推移等を踏まえて行うこととしたものであります。しかし一方、補助率の見直しについては、国と地方との役割分担、また費用負担のあり方とあわせて検討する必要があるとの意見、これもございます。したがって、今後さらに検討することとして、今回の措置は当面六十年度における暫定措置という形にしたわけでございます。したがって、六十一年度以降の補助率のあり方につきましては、これまた役割分担、費用負担の見直し等とともに十分検討を進めて結論を得るものであるというふうに考えておるところでございます。
 それからさらに、御質問がございました点につきまして整理をしてみますと、これはいろいろございますが、いわゆる一般財源化したもの、それから交付金化したもの、それから補助率そのものについて是正したもの等々、いろいろな角度からこの問題に対しては対応をしておるわけでございます。まさに個々の洗い直しを通じてこのような結論を出したわけでございます。
 なお、国と地方の役割分担の見直し、これは行革審の場での検討を踏まえて、御意見にもございましたように、必置規制の整理合理化等々について推進してきたということもこの際つけ加えてお答えさしていただきます。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
   〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えを申し上げたいと思います。
 第一点は補助金の整理合理化の手法、補助手続等についての御質疑でございます。
 補助金は、申し上げるまでもなく、本来、全国的に一定の行政の水準を維持したり、特定の行政目的を推進するための政策手段として重要な機能を持っておるわけでございます。しかしながら、御指摘のとおり、現在の厳しい財政事情のもとで既存の補助金について徹底した見直しを行い、その整理合理化を図ることは極めて重要であると考えております。このため、政府は臨調答申等の御指摘をも踏まえながら、不要となった補助金の廃止、人件費補助の整理合理化、類似補助金の統合メニュー化等に努めてきたところでございますが、今後とも不断の見直しを行って、さらに徹底した整理合理化を行いたい、かように考えております。
 また、補助金の事務手続の簡素合理化の問題でございますが、従来から、各方面からいろいろな御批判をちょうだいしておるところでございますが、政府といたしましては次官会議等で申し合わせを行い、政府部内で統一的な改善に努めてきたところでございますけれども、これで十分とは考えておりません。臨調や行革審等におきましても、改めて簡素化の必要性ということの御指摘を受けておる問題でございます。そこで、総務庁といたしましても、その一層の徹底を図るために、本年度において行政監察を実施いたしまして補助金の事務手続の簡素化を強力に進めてまいりたい、かように考えているわけでございます。
 第二の御質問は、地方への補助率カットのやり方についての御質問でございました。
 申し上げるまでもなく、我が国の行政の仕組みを考えますと、やはり国と地方は車の両輪ということになっておって、両者が密接に絡み合って全体としての行政組織ができ、それによって行政が遂行せられておる、かように考えておるわけでございます。したがって、補助率の問題を考える際には、国と地方の役割分担、事務事業そのものの見直し、これを前提にすべきであるとの御指摘は私は基本的にはそのとおりであろう、かように考えておるわけでございます。ただ、国と地方の費用負担につきましては、両者の機能分担のあり方を基本的背景としながら、具体的にはそれぞれの財政状況をも勘案して定まってくるものであって、私は、固定的に考えるべき筋合いのものでもなかろう、かように考えておるわけでございます。
 今回の高率補助の一割カットでございますが、こういった国と地方の費用負担に関する基本的な考え方を前提としながら、昭和六十年度の厳しい財政状況のもとにあって、直接的には国の財政収支の改善を図る、こういう目的から出たものでございます。
 なお、今回の措置は昭和六十年度における暫定措置でございますが、国、地方の費用負担のあり方につきましては、御指摘の点をも踏まえながら政府部内において引き続き検討を進めて、来年度の予算編成の時期までに結論を得ることといたしておる次第でございます。
 第三の御質問は、行革の進め方についての御質疑でございましたが、政府は、行政の制度、施策、仕事のやり方全般にわたって見直しを行って、そして時代の変化に対応させる、現行制度について簡素で効率的な行政を実施する、こういうことで今日まで累次にわたる行革大綱をつくりまして、これに沿って計画的かつ着実に行政改革を推進させていただいておるつもりでございます。
 許認可等の整理につきましては、過去、累次にわたって整理合理化を推進してまいりました。特にさきの臨調答申では、許認可等の全般的な見直しの結果、二百五十三事項についての改善方を指摘されたわけでございますが、これについても着実に推進中でございます。既にその約七割を措置済みでございます。もちろん許認可の整理、私はこれでまた十分であるとはいささかも考えておりません。やはり規制の緩和ということは、私は民活の重要な手段である、手法である、かように考えておるわけでございまして、今後とも行革審の許認可等規制行政の緩和に関する審議の結論を待って積極的に取り組んでまいりたい。
 そこで、総務庁といたしましては、行革審の審議の検討資料にしたいということで現在行政監察を実施中でございますが、その資料を行革審に提出いたしまして、行革審の御意見を承った上で、この仕事が行革の中では一番困難な仕事である、かように理解をしておりますが、そういった考え方の上に立ってできる限り規制の緩和を図っていきたい、かように考えているわけでございます。
 以上でお答えを終わらせていただきます。(拍手)
#35
○副議長(阿具根登君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#36
○副議長(阿具根登君) 日程第一 万国郵便連合憲章の第三追加議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第二 万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件
 日程第四 郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の締結について承認を求めるの件
 日程第五 郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件
 以上五件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長平井卓志君。
   〔平井卓志君登壇、拍手〕
#37
○平井卓志君 ただいま議題となりました条約五件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 これらの条約は、いずれも昨年の万国郵便連合大会議において作成されたものでありまして、このうち万国郵便連合憲章の第三追加議定書は、連合の運営を効率化するため、連合の基本文書である万国郵便連合憲章に所要の改正を加えるものであり、また、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約、小包郵便物に関する約定、郵便為替等に関する約定並びに郵便小切手業務に関する約定は、いずれも国際郵便業務における最近の事情を考慮して、連合の運営に関する事項及び料金等の業務上の事項について所要の修正と補足を行った上で、現行の諸文書を更新するものであります。
 委員会におきましては、通常郵便物の基本料金の引き上げ、郵便の分野における技術協力等につき質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、五件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#38
○副議長(阿具根登君) これより五件を一括して採決いたします。
 五件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○副議長(阿具根登君) 総員起立と認めます。
 よって、五件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ─────・─────
#40
○副議長(阿具根登君) 日程第六 繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長北修二君。
   〔北修二君登壇、拍手〕
#41
○北修二君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、最近における生糸需給の不均衡、蚕糸砂糖類価格安定事業団における大量の生糸在庫の累積等の蚕糸業をめぐる諸情勢にかんがみ、繭及び生糸の価格の安定に関する措置を改めるとともに、事業団在庫生糸の処理の円滑化を図るための措置、蚕糸業振興資金の拡充等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、蚕糸・絹業団体の代表、学識経験者など五名の参考人を招いてその意見を聴取するとともに、蚕糸業の現状と今後の振興対策、養蚕業の我が国農業における位置づけ、絹の需給不均衡が拡大した要因、生糸・絹織物等の輸入対策、絹の需要増進対策、事業団在庫生糸の処理方針、異常変動防止措置の廃止理由、新制度のもとでの繭糸価格の決定方針など、各般にわたる質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わり、日本共産党の下田委員より、生糸・絹製品の輸入抑制と、事業団の価格安定機能の強化を図ることを内容とした修正案が提出されましたが、本修正案は予算を伴うものでありますため、国会法第五十七条の三の規定に基づき内閣の意見を聴しましたところ、佐藤農林水産大臣より、政府としては反対である旨の発言がありました。
 続いて、討論に入りましたところ、下田委員から原案に反対の旨の討論があり、順次採決の結果、下田委員提出の修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、各会派の共同提案に係る七項目の附帯決議を全会一致で行いました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
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#42
○副議長(阿具根登君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#43
○副議長(阿具根登君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
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#44
○副議長(阿具根登君) 日程第七 証人等の被害についての給付に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長大川薄幸君。
   〔大川清幸君登壇、拍手〕
#45
○大川清幸君 ただいま議題となりました証人等の被害についての給付に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、国選弁護人がその職務を行い、または行おうとしたことによって、国選弁護人またはその配偶者、直系血族もしくは同居の親族が、他人からその身体または生命に害を加えられた場合に、国において療養給付、傷病給付、障害給付、遺族給付、葬祭給付または休業給付を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、国選弁護人関係を単独立法とせず本法の一部改正とした理由、国選弁護人の選任及び解任、被害給付の要件、給付金額の算定の根拠、国選弁護人報酬の増額等について質疑が重ねられましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して寺田理事より賛成の意見が表明されました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
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#46
○副議長(阿具根登君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#47
○副議長(阿具根登君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
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#48
○副議長(阿具根登君) 日程第八 道路整備緊急措置法及び道路整備特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長本岡昭次君。
   〔本岡昭次君登壇、拍手〕
#49
○本岡昭次君 ただいま議題となりました道路整備緊急措置法及び道路整備特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、昭和五十八年度を初年度とする第九次道路整備五カ年計画の整合のとれた推進を図るため、国は地方公共団体に対し、昭和六十年度以降三カ年間は、毎年度、一定の地方道路の整備に要する経費の財源に充てるため、地方道路整備臨時交付金を交付することとし、その財源については、揮発油税の収入の一部を道路整備特別会計の歳入に組み入れようとするものであります。
 委員会におきましては、緊急地方道路整備事業の創設経緯と対象、国と地方の負担割合、地方の裏負担対策、財源の特別会計直入方式の是非及びオーバーフロー問題等について質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもつて原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、青木理事より、地方道路整備臨時交付金交付に当たっての地方公共団体の自主性の尊重等三項目にわたる各派共同提案の附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
#50
○副議長(阿具根登君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#51
○副議長(阿具根登君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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