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1984/09/10 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号
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1984/09/10 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号

#1
第102回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号
昭和六十年九月十日(火曜日)
    午前十一時開議
出席委員
  委員長 竹内  猛君
   理事 青木 正久君 理事 佐藤 信二君
   理事 金子 みつ君 理事 浜西 鉄雄君
   理事 草川 昭三君
      伊吹 文明君    尾身 幸次君
      高村 正彦君    武部  文君
      中村 正男君    元信  堯君
      横江 金夫君    小谷 輝二君
      駒谷  明君    小川  泰君
      塚田 延充君    藤田 スミ君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部長 利部 脩二君
        警察庁刑事局捜
        査第一課長   藤原  享君
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   国松 孝次君
        警察庁刑事局保
        安部防犯課長  石瀬  博君
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  清島 伝生君
        経済企画庁国民
        生活局長    横溝 雅夫君
        経済企画庁物価
        局長      斎藤 成雄君
        法務省刑事局参
        事官      松尾 邦弘君
        大蔵大臣官房企
        画官      坂  篤郎君
        国税庁直税部法
        人税課長    熊澤 二郎君
        国税庁間税部酒
        税課長     宗田 勝博君
        国税庁徴収部徴
        収課長     加藤 廣忠君
        国税庁調査査察
        部調査課長   友浦 栄二君
        厚生省生活衛生
        局食品保健課長 大澤  進君
        農林水産省食品
        流通局商業課長 中村 英雄君
        通商産業省産業
        政策局商政課長 山下 弘文君
        通商産業省産業
        政策局商務室長 宮本 恵史君
        自治省行政局公
        務員給与課長  池之内祐司君
        参  考  人
        (弁 護 士) 岩本 雅郎君
        参  考  人
        (弁 護 士) 北野 弘久君
        参  考  人
        (弁 護 士) 三橋完太郎君
        参  考  人
        (弁 護 士) 山本 安志君
        特別委員会第二
        調査室長    岩田  脩君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月十日
 辞任         補欠選任
  工藤  巖君     高村 正彦君
  武部  文君     横江 金夫君
  塚田 延充君     小川  泰君
同日
 辞任         補欠選任
  高村 正彦君     工藤  巖君
  横江 金夫君     武部  文君
  小川  泰君     塚田 延充君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○竹内委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 本日は、参考人として弁護士岩本雅郎君、弁護士北野弘久君、弁護士三橋完太郎君、弁護士山本安志君、以上の方々の御出席をいただいております。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。
 当委員会では、従来から、物価問題のほかに国民生活にかかわる消費者被害問題についても広範に審議を続けてまいったところであります。
 特に、昭和五十年のマルチ商法に対する救済対策や昭和五十三年のネズミ講の被害対策については積極的に審議を行い、その後、立法措置が講ぜられ、マルチ商法については訪問販売等に関する法律で規制され、また、ネズミ講は無限連鎖講の防止に関する法律で禁止されることになり、これらの悪徳商法は一時的に下火になっていたところであります。
 しかしながら、昭和五十年代後半から、法の裏をかく現物まがいによる詐欺同然の悪徳商法による消費者被害が多発し、その被害防止と被害救済が大きな社会問題となったことは皆様御承知のとおりであります。
 当委員会でも、この問題についてはたびたび審議を重ね、去る六月二十日には被害救済や被害防止について集中的に審議を行うとともに、七月四日には豊田商事の石川社長等を参考人として招致し、現物まがいの商法の実態等について調査を行ったところであります。
 御承知のとおり、豊田商事は去る七月一日大阪地方裁判所から破産宣告を受け実質的に倒産し、破産と同時に破産財団の管理は管財人の手にゆだねられました。
 本日は、各地において豊田商事関連の消費者被害の救済について携わっておられる弁護士の方々に御出席をいただき、被害救済の現状や救済の見通しの諸問題について調査を進めることにした次第であります。
 参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べくださるようお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず岩本参考人、北野参考人、三橋参考人、山本参考人の順序で、お一人十五分程度御意見をお述べいただきたいと存じます。
 それでは、まず、岩本参考人にお願いいたします。
#3
○岩本参考人 御紹介いただきました名古屋弁護士会所属の弁護士岩本雅郎です。
 私は、商品の先物取引の被害と取り組みまして五年ほどになります。それから豊田商事の被害につきましては、五十七年から取り組んでおりますので、大体最初の被害が出始めて苦情が集まったころからと考えていただければよろしいかと思います。それで、現在、豊田商事被害者名古屋弁護団の副団長を務めさせていただいております。
 私は、まず第一に、名古屋における豊田商事の被害の実情を御説明して、第二としまして、豊田商事の刑事事件としての本質というのですか、そういうものについての私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 そこで、まず第一の名古屋における豊田商事の被害の実情ですが、豊田商事被害者名古屋弁護団が名古屋弁護士会の消費者被害救済センターで相談を受け付けまして、八月十九日までに破産債権の届け出を済ませた被害者の総数は千八十一名に上ります。被害総額で約五十億円になります。名古屋では、豊田商事のほかに鹿島商事のゴルフ会員権による被害がございますし、また、現在でもまだ被害相談に見える方がいらっしゃいますので、最終的な被害者の総数としましては、ざっと千七百名くらいになるだろうと推測されます。
 被害者の方々の年齢につきましては、ことしの三月に名古屋先物取引被害研究会が全国の弁護士さんに対して実施しましたアンケートの結果では、六十歳以上の方がざっと六七%ほどいらっしゃったわけですね。今回、破産債権の届け出に伴いまして調査しましたところ、やはり六十歳以上の被害者の方々がざっと六〇%ほどいらっしゃいます。被害者の方の半数以上がお年を召した方と考えていいんじゃないかと思います。
 被害額につきましては、千八十一名のうち、三百万円以上被害に遭った方が四百六十五名いらっしゃいます。約四三%を占めておりますが、勤労者世帯の平均金融資産が現在ですと六百万円強ということになっておりますので、被害者のうち半数近い方々は、預貯金という形での金融資産の大部分を豊田商事に収奪されてしまったのだ、こういうふうに申し上げてもよろしいかと思います。
 被害者の層とか被害者の金額を考えますと、この収奪された預貯金は老後の生活資金となるべき性質のものです。被害者の方々があす食べるための生活資金、そこまで極端ではないにしましても、老後の安定した生活の基礎となるべき資金だった、こういうふうに申し上げてよろしいんじゃないかと思います。
 被害者の方々は、豊田商事の被害によって老後の経済的な安定を失っただけではございません。おじいちゃんとかおばあちゃんから被害の相談を受けますと、息子とか嫁に知れると家族関係がうまくいかなくなるからないしょにしておいてほしい、こういった訴えを相当数聞きます。また、主婦からの相談によりますと、もしも主人に知れるとだんだん離婚というような話になってしまうかもしれない、ぜひないしょにしてほしい、こんな話も聞きます。ですから、豊田商事の被害というのは、何も財産的な問題だけではなくて、また単純な老後の生活資金だけではなくて、家庭生活とか人間関係につきましても相当深刻な影響を与えているんだということを今後国会等で審議されるについては十分配慮していただきたいと思います。
 次に、第二としまして、豊田商事事件の刑事事件としての本質について私の意見を申し上げます。
 豊田商事の現物まがい商法につきましては、昭和五十七年の四月に衆議院の商工委員会で名指しで取り上げられて、その後もしばしば国会で取り上げられてきておりますが、昭和五十八年の八月からは、朝日新聞名古屋本社が、これまた実名で、豊田商事は詐欺商法であるとしてキャンペーンを始めております。
 同じく五十八月十月には、全国二百十八名の弁護士が豊田商事に対して公開質問状を発して、金の保有量とか金の運用方法とか金の運用先を明らかにするようにと問いただしております。
 さらに、翌昭和五十九年三月には、全国各地で豊田商事の被害と取り組んできた弁護士さんが代理人になりまして、豊田商事に対し、出資法違反、詐欺罪で大阪地方検察庁に刑事告訴いたしております。その後も刑事事件としては何ら進展が見られなかったものですから、ことしになって、ついに法務大臣に対し、商法第五十八条に基づく会社解散命令の発動を求める申し立てを準備してきたわけです。
 このように、非常に早くから一連の活動が行われてきたのですが、検察庁や警察庁は何ら有効な対策を打ち出さないままことしの七月一日の破産宣告を迎えてしまったわけです。
 そこで、まず、この豊田商事事件の刑事事件としての問題として、出資法違反の点について申し上げます。
 取り締まり当局は、金の現物まがい商法は被害者が出捐する金銭の元本を保証していないことを理由に、出資法の適用をちゅうちょしていたかのごとく伝え聞いております。しかし、秋田地方裁判所それから名古屋地方裁判所の判決は、民事事件ではありますが、はっきりと豊田商事は出資法違反である旨判断いたしております。また、出資法制定のきっかけになりました保全経済会事件は株式への投資による利殖を勧誘していたのですが、今回の豊田商事は金への投資を勧誘したわけですから、本質的には事件として変わりがないのじゃないか、そういうふうに思います。
 出資法は、安易な形で不特定多数の人々から金銭を集める行為を一般的に禁止したものだと思います。ですから、制定当初から、集める金銭の名目にこだわらないことや脱法行為を処罰する旨の規定を置いております。また、金融機関は、普通、業法によって厳しい制約が課されていることもあわせ考えますと、豊田商事のように一〇%の賃借料及び金塊の値上がり益を利殖のうたい文句として、金の売買代金名目で国民から金銭を集めるのは、出資法の禁止するところであると考えざるを得ません。したがって、豊田商事と鹿島商事について出資法による摘発を早急に進めていただきたく思います。
 続いて、豊田商事事件が詐欺罪という本質を持っているということについて、意見を述べさせていただきます。
 豊田商事は、当初から集めてくるお金のうち五割とか六割とか、そのくらいの金額を通常の経費で使ってしまっていたわけです。ということは、豊田商事の手元に残りました五割程度のお金を一年間で倍額にふやして、なおかつ一〇%の賃借料も稼ぎ出さなければならない、そういう構造になっているわけですが、世間で言われているように百万円を二百万円、一千万円を二千万円にするということは、たった一年でできるような話ではありません。そういう構造の会社が一般の方々からたくさんお金を集めたのです。ですから、この豊田商事が事業として成り立っていくということはもともと考えられなかったわけです。
 従業員の給料というような名目で、また、家賃とか保証金というような名目で消えてしまうようなお金というのが非常にたくさんの割合になりますので、満期になって返してほしいという人の分とか途中で解約して返してほしいというような人の分につきましては、新しい被害者からお金を集めてくる以外に方法がなかったわけです。ということは、結局、次々に新しい犠牲者を生み出していって、つまるところお客さんに返さなければならない負債だけがどんどん累積する一方で、新しい被害者というのがそのうちには見つからなくなってしまうだろう、この程度のことまで予想されていたような次第なのです。したがって、新規の被害者が見つけにくくなったときに倒産するであろう、こういうことは非常に早い段階から十分予想されていたことだと思います。これが豊田商事が構造的な詐欺であると言われる理由です。
 ですから、私は、現物まがい商法は最初から詐欺罪が成立すると考えておりますが、少なくとも近い将来返せなくなるであろうと予想された時点以降については、詐欺罪が成立すると考えられます。豊田商事はことしの五月末の支払い分についてはほとんど支払いをいたしておりませんが、この支払い停止後も勧誘を行って金銭の収奪をしております。この最後の部分をとらえてもそれでもなお詐欺罪にならないというようなことになれば、これは世間の常識や庶民の感情とは非常にかけ離れたものになってしまいます。豊田商事の刑事事件としての本質はやはり詐欺罪なんだということを十分認識していただきまして、これから先、さらに厳正な捜査を進めていただくよう期待いたしております。
 豊田商事が、その本質である出資法違反とか詐欺罪で捜査されて実態が解明されることによりまして、二次的には、民事上の被害救済に役立つことと思います。また、同種事件を繰り返さないためにも、刑事事件として厳正な態度で臨んでいただきたいと思います。
 私の意見は以上です。どうもありがとうございました。(拍手)
#4
○竹内委員長 ありがとうございました。
 次に、北野参考人にお願いいたします。
#5
○北野参考人 ただいま御紹介いただきました北野でございます。豊田商事問題は非常に不幸な社会問題であるという観点から、全国豊田商事被害者弁護団連絡会議の代表委員の一人としまして、また、東京豊田商事被害者弁護団の団長という形で、この不幸な社会運動に参加させていただいておりますけれども、私の本職は税法学担当の日本大学法学部の教授でございまして、本日はそういう専門の観点からこの不幸な事件についての所見を申し上げさせていただきます。
 大体五つに分けて所見を申し上げます。
 第一に申し上げたいことは、豊田商事の被害者救済におきまして最も重要な位置を占める問題は、公租公課、つまり税金の問題をどうするかということであります。
 現行破産法によりますと、公租公課は財団債権としまして、一般の破産手続によらないで、優先的に弁済を受け得ることになっておるのであります。破産宣告前に滞納処分が開始されたものにつきましては、破産宣告後も滞納処分の続行を行うことが可能になっております。これは明治憲法体制からの過度の租税優先主義の思想のあらわれでありまして、いわば明治憲法体制の残滓でございます。この際、立法論的には、戦後成立しました会社更生法と同じように、租税債権を一般の破産債権として扱うことを御検討いただきたいと思います。これが第一点であります。
 第二点は、豊田商事の公租公課の全貌はまだ国民に全く明らかにされておりません。去る七月十八日の衆議院の商工委員会の流通問題小委員会におきましても、行政当局は、公務員の守秘義務を理由にしまして答弁を拒否したのであります。これは、学問的には違法な答弁と言わなければならないと思います。
 税務職員の守秘義務につきましては二つのものがございます。一つは税法で規定する守秘義務でありますし、いま一つは公務員法一般で規定する守秘義務であります。
 税法上の守秘義務と申しますと、結論的に申しますと、税務調査等によって入手しました納税者側、国民側の個人的な秘密を漏らしてはいけない、これが税法上の守秘義務の内容であります。つまり納税者側のプライバシーを漏らしてはならない、こういうものでございます。豊田商事の関係者、つまり被害者等の固有名詞ごとに税務情報の開示を必ずしも求める必要はありませんし、それから被害者以外の従業員であるとか役員の関係の情報も開示する必要はありません。そういうことを要求しているのではなくて、トータルとしてどのような公租公課が今まで豊田商事に課せられていたか、それが現在どういう徴収の状況にあるのかということの概括的な税務情報の開示を求めることは決して税法上の守秘義務違反には該当しない、このように考えられるのであります。
 また、公務員法上の守秘義務でありますけれども、これは結局は行政サイドの秘密を漏らしてはいけないというものであります。国民主権原理を基調としますところの日本国憲法のもとにおきましては、何が行政サイドの秘密に該当するかということは行政の便宜から決められるべきものではなく、それを発表しますと国民全体にとって不利益になるかどうか、こういう観点から決められるべきであると私は考えております。これほどの社会問題になりました豊田商事の公租公課の全貌を国民に開示することこそが、民主的な行政のとるべき姿勢であります。もちろん、これを公表したからといって公務員法上の守秘義務違反にはなりません。国会で答弁を拒否するということは、まさに主権者である国民の名において厳しく批判されねばならないと考えております。これが第二点であります。
 第三点でありますが、今後の税務調査等のいかんによりましては、所得計算上損金に計上されました諸経費が場合によっては否認される可能性が出てきます。例えば、役員報酬が多過ぎるとか従業員の報酬が多過ぎるということで学問上租税回避行為に該当する、こういうようなことで否認されることもあり得るかとも思います。したがって、税法上の法人所得が生じないとも限らないのであります。仮にそういった法人所得が税法上生ずることがあったといたしましても、豊田商法というのは白昼公然たる詐欺的行為でありまして、したがって、民法九十条の公序良俗に違反する無効の行為であります。この行為の違法性というのは当初から重大かつ明白であります。したがいまして、当初からこの違法性ははっきりしていたということでありますから無効である、こういうことになってくるのであります。
 一般に、税務行政の実務におきましては、違法行為によって生じました所得にも課税するということが判例その他におきましても認められておるのでありますけれども、理論的にはこの課税というのはあくまで一応の課税、一応の措置であります。
 従来問題になりましたケースは、賭博のテラ銭であるとか利息制限法超過利息等でありまして、前者のテラ銭について申しますと、これは金を払った人つまり出捐者には、不法原因給付によりまして返還請求権は法律上ないのであります。民法七百八条であります。後のケース、制限超過利息につきましては、任意に支払った制限超過利息分には利息制限法上明文で返還請求権はないのであります。利息制限法の一条二項、四条二項であります。
 今回の豊田商事の場合は、こういったケースとは全く違うのであります。従業員、役員等に対する源泉所得税分を含めまして豊田商法によって得られました所得は、当初から無効な行為によるものでありまして、そのことは明白であるということでありますので、その所得のすべてが法律上不当利得を構成する、こういうことになってきます。したがいまして、被害者に対しまして全額返還すべきであるという関係になってくるのでありまして、従来の判例等で問題になりました違法所得のケースとは全く違うのだということを国会の諸先生も確認していただきたいと思います。したがいまして、今後とも租税実体法的に法人税等の租税債権が法律上発生する余地がございません。
 なお、実務におきましては、破産宣告後の清算事業年度におきまして、法人税法百二条、百八条の予納法人税、それから租税特別措置法六十三条の土地譲渡益重課税の法人税、破産管財人等が行った譲渡行為について生ずるものであります。こういった税金が一応生ずると言われてきたのでありますけれども、私の学問上の見解では、そういった租税債権も一般的には生じない、こういうふうに考えておりますので、この点も国会等におきましては御注意願いたいと思います。
 第四点でありますが、一番問題になっております源泉所得税について立ち入って申し上げますと、豊田商事と役員、従業員との委任関係あるいは雇用関係は民法上無効であります。具体的に豊田商事と役員、従業員との間において締結されました固定給を含む報酬、給与等の支払い契約、支払いの合意も無効であります。したがいまして、豊田商事には、この報酬、給与等の支払いについては所得税法上源泉徴収義務者としての所得税の源泉徴収義務も全く生じないのであります。これは白昼公然たる事実から明らかでありまして、もう議論する余地はないということであります。
 豊田商事の関連企業でありますベルギーダイヤモンド関係の物品税債権があるのだという情報が伝えられております。この全貌は全くわかりませんが、ダイヤモンドは物品税法上第一種物品に該当いたしますから、第一種物品に係る物品税の納税義務は課税物品の小売販売をした場合において成立するのであります。
 同社のダイヤ販売行為は、ダイヤの売買に名前をかりました一種の無限連鎖講であるという判決が既に先般八月二十八日に神戸簡裁から示されましたが、いずれにいたしましてもこのベルギーダイヤモンド関係の販売行為は、民法九十条の公序良俗に違反する無効なものでありまして、しかも、その無効であることは当初から明白でありまして、物品税法上の納税義務が発生することになる小売販売行為にも該当しません。したがって、法律的にも物品税の納税義務は生じないということになってきますので、物品税債権も理論上は成立しないということであります。
 以上、豊田商事関係について問題になります租税債権は、決して超法規的でなくて現行法のもとにおいても租税実体法的に成立しないのでありまして、破産法上の財団債権を構成しないということになってきます。これは、先ほど申しましたように超法規的な解釈ではないのでありまして、現行法を前提とした学問上十分に成り立つ見解であるということであります。社会保険料等についても全く同じ法理が妥当するのであります。
 破産管財人等から具体的な法的訴求が行われなくても、国は進んで、既に納付されました公租公課については、不当利得を構成するものとして還付加算金をつけて還付すべきであります。それから未納付のものにつきましては、既に納税告知処分とか差し押さえ処分等が行われておりますけれども、これも職権でもって取り消しを行うべきであります。それがせめてもの国が行うべき国民への謝罪であると私は考えるのであります。
 最後に第五点といたしまして、徴税当局は強大な税務調査権を持っておるのでありまして、豊田商法の実態を早くから熟知できたはずであります。現に国税当局は、昭和五十八年九月に実地調査をしていたという情報がございます。課税は人々の私法上の法律関係あるいは事実関係を前提にして行われるのであります。当然に、徴税当局は、その職責上、その課税の基礎となる法律関係とか事実関係の実態を調査する義務を負うておるのでありまして、豊田商法の実態を早くから察知できたはずであります。事実、国会等でも早くから話題になっておりますので、当然にその違法性を察知できたと私は考えておるのであります。
 公務員は告発の義務を一般に負うております。それから、国税当局等から入手いたしました情報に基づきまして、国務大臣である大蔵大臣は、早くから閣議等を通じてしかるべき行政指導等を行うべきはずであったのでありまして、関係大臣にしかるべき行政指導をせよということを閣議等で問題にすべきであったと思います。
 昭和五十三年十一月十四日の福団地方裁判所の判決、これはスモン訴訟でありますけれども、そこの判決等によって示されておりますように、最近の学説判例は、法律上の根拠がなくても、行政指導をしなかったことの国の不作為につきまして国の法的責任を追及する、あるいは法的責任を肯定する方向にございます。私は、破産管財人等からの具体的な法的訴求がなくても、国は進んで今直ちに行政指導をしなかった法的責任にこたえるべきであると考えるのであります。
 この法的責任とは別に、豊田商事問題は現代における一種の社会的な災害であると考えられるのでありまして、自然災害の場合と全く同じような観点から、一定の要件を満たす被害者に対しまして財政上の応急的な措置を、応急的な援助を、つまりお金を出すということでありますが、至急やっていただきたい、予算上の手当てを直ちにやっていただきたい、こういうふうに考えるのであります。
 ようやく通産省が文書で行政指導をしましたのは、破産宣告直前の本年の六月十九日付でありまして、これでは余りにも遅きに失したと言わねばならないと思います。このような行政の対応というものは、世界に冠たるはずの文化的法治国家である日本の恥であります。
 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
#6
○竹内委員長 ありがとうございました。
 次に、三橋参考人にお願いいたします。
#7
○三橋参考人 三橋でございます。
 私は、豊田商事被害対策大阪弁護団の団長を務めておりまして、また、その関係で全国の弁護団連絡会議の代表の一員を務めさせていただいているものでございます。
 私は、私たちの弁護団に寄せられております被害者の手記を取りまとめ、御紹介するということを中心といたしまして、意見の開陳をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、ちょっと被害の概要を申し上げておきたいと思いますけれども、既に新聞紙上等で御承知のとおり、債権の届け出の行われました被害者数が八月末現在、全国で二万五千三百七十二人でございます。その被害総額は一千百十七億、平均被害額は四百四十万ということになっておりまして、南は沖縄から北は北海道まで、文字どおり全国津々浦々に被害が発生しておるわけでございます。たしか高知県だけが被害者が出ておらない、それ以外はすべての都道府県において被害者が発生しておるという現状でございます。
 私たち大阪の方から届け出ました者も約一千名、平均被害額が五百二十万、そして、年齢、性別の比率を見てまいりますと、六十歳未満の男性はわずかに一三%でございまして、いかにお年寄りと女性とがねらわれたかということが歴然としております。
 そこで次に、被害者の手記によります本件豊田商事詐欺商法の被害の実態と特色でございます。
 先ほど岩本参考人あるいは北野参考人から申されましたとおり、この豊田商事由法と申しますのは、どうも最初から真っ赤な詐欺商法でございます。そのことを前提といたしまして、被害者の手記にうかがわれる特色を申し述べたいと思います。
 まず第一に、被害者は長年こつこつと働いてきたというタイプの方が多く、その汗と涙の結晶ともいうべきとらの子の蓄えが被害に遭っておるということでございます。
 この手記は被害者の息子さんが書かれたものでございますけれども、「私の父は十五歳のときから中卒の無学、油まみれにただまじめに働き退職金とわずかな貯金を得たのです。年老いて行くところもなくなった今一瞬にして一生の蓄えを豊田の連中にむしり取られてしまったのです。見る見る真っ白になった頭、目は落ちくぼみアフリカの土人のように腹ばかり膨れた姿は到底正視できるものではありません。」
 それからいま一つ、女性の手記でございます。「私は八十一歳の老婆でございます。戦後北鮮から身一つで引き揚げてまいりました。それからは昼は工場へ、夜は仕立て物と自分で感心するほどよく働きました。一生のうちで二度もこんな思いをするのは前世で何か悪いことでもしたのかと思います。主人には十四年前に先立たれ、一人の娘を嫁入りさせましてどうやら子供の世話にもならず静かに暮らしてまいりましたのに。」
 それから第二番目に、被害者は人のよい、人の話を断りにくい、こういう性格の方が多いように思われます。社会の根底を支えてきた善良な庶民の方々であると思います。
 それから第三番目に、お年寄りの夫婦、ひとり住まいの御老人、それから母子家庭、身体が不自由な方など、何らかの意味で社会的なハンディキャップを負った方が多いということでございます。言葉の不自由な中国からの帰国家庭や被爆者が被害に遭ったという例は、この委員会でも既に報告されているとおりかと存じます。
 それから次に、第四番目でございますが、これからは本件詐欺商法の手口の特色でございますけれども、まずいわゆるテレホンレディーによる無差別の電話勧誘、これによって目星をつけて、そこへセールスマンが押しかけていくということでございます。非常に多数のテレホンレディーによる無差別の電話勧誘をやりましてそして押しかけていくというこの手口は、非常に大事な問題点だろうと思います。被害者はこれを悪魔のささやきであったというふうに述懐いたしております。
 五番目に、人情というものを臆面もなく完全に手段として使っておるということでございます。最も大事にすべき人情というものを何のためらいもなく金をだまし取り、奪い取るためのテクニックとして使っておるのでございます。例えばおばあちゃんの孫だから自分が老後を見てやるとか、お母さん、僕を息子と思って安心してくださいと言って手を握る、こういうふうなことを気の毒な被害者を相手にして平気でいたしておるのでございます。
 それから六番目に、どんどん家に上がり込んでまいりまして帰らない、長時間、深夜に及ぶまで粘るといったようなやり方。まことにしつこてく、強引で、時にはすごむようなこともあるようでございます。一種の催眠状態に追い込むところまでやっている例が少なくございません。これも大変重要な特徴であると思います。
 それから七番目の特色といたしまして、被害者たちの老後不安、先行き不安、預貯金の目減り不安、こういったものにうまく乗じておるということでございます。
 例えばこのような手記がございます。「お母さん国債どんなん持ってるの、と言い出し、国債より金の方が値打があるのよ、と言い、私が年金生活ですので、これからは年金もパンク、銀行利息も四分になる、老後どうして食べてゆくの」こういうふうなことを言いながら、新聞記事に朱線を引いたようなものを示しましてしつこく説得していく、こういうふうなことでございます。
 それから八番目に、大きなビルの立派な部屋、家具調度、こういったいわゆる詐欺の大道具に惜しげもなく金を注ぎ込んでおる。あるいは詐欺の小道具でありますところのパンフレットなど実に立派なものをつくって被害者を欺いておる。これに湯水のごとく金を使っておるということでございます。
 それから九番目に、大きなうそを徹底して並べるということでございます。国がついておりますとか通産省の認可を得ています、こういったことも言っておるのでございます。
 それから十番目に指摘されますのは、一たんねらった獲物はとことん逃がさないという悪らつさであります。最初は根負けさせて少し契約させまして、そこから切り込んで次々と買わせる、あるいは最初から取れるというふうに見込みをつければ、通帳、印鑑を奪い取って自分で預金をおろしてきて取ってしまう、こういうやり方であります。
 それから最後の十一番目でございますけれども、本件の被害が単なる財産的被害にとどまらずして、深刻な精神的被害、健康、生命の被害にも及んでいるということを訴えたいと思います。
 大事なとらの子をだまし取られたということで、まず被害者は自責の念を持ちます。みずからを責めるわけであります。それからまた、悔しさの念に責められます。そして不眠に陥って生きる気力も失って、心身ともに健康状態が悪化していく。これは恐らくすべての被害者に共通した現象であろうと思います。また、お年寄りの場合に、本件のショックで痴呆状態に陥って入院された例とか、あるいは本件が原因で死亡されたと推定される例もございます。自殺の例があることは既に皆様も御承知のとおりでございます。それから家庭不和に陥っている例も数多くございます。もし今後、被害救済が不十分であるというようなことでさらに絶望感が広がるといたしますと、取り返しのつかない事態が多数出てくるのではないか、こういうことを大変心配しておる次第であります。また、絶対にそのようなことにしてはならないと存ずる次第でございます。
 手記の中から一つだけ読み上げさせていただきますと、「このごろではショックも重なり、体を悪くして寝たきりになりおばあさんに世話をしてもらっています。今の状態では死ぬこともできないと話しています。どうか助けてください。年老いた妻のためにもどうか少しでも返してください。」こういうふうに訴えておられます。
 以上が実態と特色でございますが、次に、手記によりますと、本件に関する行政当局、捜査当局の無為無策とあえて申し上げさせていただきますけれども、これを豊田商事が逆手にとりまして被害者を説得しておるということがございます。例えば、絶対に大丈夫です。その証拠にあれだけマスコミからたたかれても国から何とも注意も指導も受けておりません。本当に詐欺だったら国がぼっとくわけがないでしょう。マスコミやテレビで何と騒ごうと国が認めているのだから、国を信じておれば間違いはない、国が信じられなくて何が信じられますか。彼らはこういうふうなことを被害者に堂々と言っておるのでございます。
 最後に、本件被害の救済とこういった同種の被害の根絶ということについて、若干意見を申し述べたいと思います。
 本件は、御承知のとおり破産管財人に鋭意努力をしていただいておるのでありますけれども、果たしてどれだけの配当ができるかということは極めて厳しい現状でございます。また、この破産財団からの配当以外に、今のところ被害者の救済を図れるというめどのついておるものは何一つございません。このことをまず一つ訴えさせていただきたいと思います。
 もしこのような詐欺商法がこれを機会に根絶することもできず、また、こういった気の毒な被害者の方々に救援の手が差し伸べられずこれが見捨てられるというふうなことになりましたら、大変ゆゆしいことであると存じます。そのような社会あるいは国といいますものは恥ずべき社会であり国である、非文明の社会であり国であると言わざるを得ないのではないかと存じます。大変激しい表現で申し上げまして恐縮でございますけれども、この被害者の手記を私読んでおりまして、どうしてもこういった激しい表現で皆様に訴えたいという気持ちを抑えることができないのであります。
 今月の二十三日、これは二十四日に破産債権者の集会がございますのでその前日でありますけれども、全国各都道府県にできてきております被害者と家族の会が大阪に集合いたしまして総会を持つことになっております。今後、こういった被害者の会、それから消費者団体等関係諸団体を含めまして、被害救済とこういった同種被害の根絶のための運動が展開されると存じます。抜本的な被害根絶の方策、これは消費者に対する啓発教育活動、それから立法の問題、それから救済につきましては、国の特別な救助的財政措置の問題あるいは救済基金の確立の問題等考えられると思いますけれども、この委員会におかれましても、また国会、行政、各当局におかれましても、そのために全力を尽くしていただきたいというふうに切望いたします。
 立法につきまして簡単に申し上げますが、一つは訪問販売法の改正の問題があると存じます。
 先ほども申し上げましたテレホンレディーによる無差別の勧誘行為、もしこれがなければ、この被害はこれほどもなかっただろう。それから二番目に、勝手に人の家に上がり込んで長時間、相手を催眠状態に陥れるまでセールスをやるという、こういうむちゃくちゃな訪問販売のあり方、こういったものを訪販法の改正によってこの際ぜひとも水際作戦で断ち切っていただきたいと思うのでございます。
 それから二番目の方向は、アメリカの立法例にあるようでございますし、また日本でも石川県の消費者保護条例があるようでございますが、こういった欺瞞的な取引行為の類型を幾つか掲げまして、こういったものを禁止する、そしてこれに対して強力な一般的な差しとめ請求権を与える。これは、例えば被害に遭った者は、自分が被害に遭ったことでもってそういう商法の差しとめの請求を訴えることができる。これまでの日本の法制から申しますと相当思い切ったことではあろうと思いますけれども、現代の日本の社会の情勢というのは、やはりそこまでひとつ思い切って踏み出していただかなければどうにもならないような状況を含んでおるということも言えるのではないかというふうに思います。
 最後に、くどいようでございますけれども、もう一つ被害者の手記をお聞き取りいただきたいと思います。
 「今豊田商事のものは全部私たちのお金じゃないのですか、その私たちのお金を国が一番に取るのであれば、私たちに言わせれば、国が第二の豊田商事と国民は言うでしょう。そんなことがあって日本の国と言えるのでしょうか。私たちは日本の国を愛しています。どうか国民を裏切らないでください。」それから「生きる希望さえもともすれば失いかけている私どもに対し、どうか御理解ある御協力と御支援を心からお願い申し上げる次第でございます。」それからまた、「人を信じることのできない世の中にしたくありません。これからの子供たちのためにもあのような悪徳商法がはびこらないように取り締まっていただきたいと思います。」
 以上でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
#8
○竹内委員長 ありがとうございました。
 次に、山本参考人にお願いいたします。
#9
○山本参考人 御紹介いただきました山本でございます。
 私は、横浜において豊田商事グループ被害者対策弁護団の一員として豊田商事グループの被害対策に携わってきた立場より、参考人として、特に被害補償について意見を述べさせていただきます。
 私が依頼を受けた事件の一つにこのような被害がありました。被害者は、横浜市内に住む八十二歳のひとり暮らしのおばあちゃんです。
 私は、早速このおばあちゃんより事情を聞きました。ことしの一月五日ごろ、利息がいい、一千万円預ければ一二%の利息を前払いする。預けるところは一種の銀行みたいなところで安心だし、一年したらお金は必ず返しますよと言って、何枚かの書類に名前と印鑑を押させ、そして家に一緒に戻って、おばあちゃんの預金や有価証券、印鑑を持っていったのです。その翌日からおばあちゃんを連れて銀行や郵便局に行き、このおばあちゃんの孫だとかおいだとか言って預金などを引き出したのです。ところがあいにく連休にかかって全部引き出せなかったので、今度はおばあちゃんを旅行に招待する、こう言って、熱海や東京のホテルに三泊も軟禁して、すべての預金や有価証券を引き出してしまったのです。結局、このおばあちゃんは四千四百万円もだまし取られてしまったのです。
 このおばあちゃんに、私は、なぜゴルフ会員権など買ったの、こういうふうに聞いたのですが、おばあちゃんは、ゴルフなんてこと聞かなかったよと言うし、また、相談したときは、本人はまだ銀行に預けたものとばかり信じていて、だまされたとは思っていないようでした。
 私は、このような悪徳業者は許せないと思い、鹿島商事にこの被害を回復させることを約束させました。しかし、豊田商事の倒産により、その被害の全額の回復はできませんでした。
 私は、豊田商事グループの崩壊が表面化してから、横浜において本年六月より三回の説明会を開き、被害者の訴えを聞いてきました。まず驚いたのは、集まった人の過半数以上が御老人であったことで、中には車いすに乗られ参加された人、目の見えない人などもおられました。会場内は用意したいすが足りず、床に座られて話を聞く人であふれていました。
 私は、この人たちに、豊田商事の倒産により被害の回復が困難であることを伝えまして、ただ悲観して自殺することのないように訴えたわけです。その場で被害者は、口々に私たちの被害が回復されるのかと訴えていました。
 私は個々の被害者とも直接話をしたのですが、豊田商事の被害の算定方法、これは通常支払った金額より受け取った利息を差し引けばよい簡単なものですが、このような簡単な計算もできない人が非常に多かったわけです。これは豊田商事の債権届においても強く感じられました。私は、この単純な被害額の算定もできない、また、私が何回も話をしてもわかってもらえない人が豊田商事の被害者の過半数を占めていることをはっきり認識したのです。私は、果たしてこの人たちが豊田商事の営業員の言うシステムを理解し、これが安全なものか否か十分判断できるか非常に疑問に思いました。
 御老人たちは疑うことをしません。強引に言われると、いともたやすく相手の言うことを信用してしまうのです。このようにしてお金を取られた人に対し、だまされたのは自分の責任であると私は到底言えません。
 高齢者問題については、総務庁や経済企画庁、厚生省など各省庁において、その現状や施策、対応について十分調査研究されていると思いますが、統計によりますと、老後について心配している内容は、「老後の生活費用」が「自分の健康」に次いで多く、五十歳台から老後の生活のため貯蓄をする人が多くなっており、その貯蓄傾向も、相次ぐ金融新商品の発売によってより利率のよいものを選択するようになってきているわけです。豊田商事の素地がここにあるわけです。そこで、高齢者が豊かで安心できる国民生活を実現していくために、行政として生計の維持が確保される条件の整備を図る必要があることはもちろんです。
 豊田商事の被害が高齢者に集中していたことは、通産省、経済企画庁の相談窓口において窓口の担当員が痛切に感じられたことでしょう。統計上も昭和五十六年当時よりはっきりしていたことと思います。
 二番目に、豊田商事の被害は右のとおり老人に集中しているとともに、その被害額の多額さと被害額の拡大のスピードの速さが第二の顕著な特質であると言えます。
 すなわち、豊田商事だけの被害額をとってみても、昭和五十六年度には百三十億円、昭和五十七年度には三百五十億円、昭和五十八年度には五百億円、それが五十九年度には七百億円と推定できると思います。この額及び拡大の経過は、この事件が一刻の猶予も許さないことを示しています。
 被害の届け出も、昭和五十六年百九十六件、五十七年六百六十七件、五十八年九百三十四件で、この経過からも被害が莫大であり、急速に拡大していることがよくわかると思います。
 豊田商事の被害については、国会においても昭和五十七年三月の衆議院商工委員会において取り上げられ、被害者が老人に集中していること、被害額が異常に多いことが指摘されてきました。この委員会においても、毎年何回も被害の異常性、早急に対応をとるべきことが質疑され、必要な処置がとられない場合大変な被害が生ずることが絶えず警告されてきたのです。
 昭和五十七年七月六日参議院商工委員会において、政府委員は、大阪豊田、これは豊田商事の社名変更の前の会社ですが、大阪豊田は現物まがいの取引のようであるとの認識を示し、また、同じ年の十月二十日全国商品取引員協会連合会理事会において、農水省及び通産省は、詐欺まがいであることをはっきり認識し、豊田玉の取り扱いを禁止し、豊田玉を大量に受託していた取引員を昭和五十七年、昭和五十八年と両年にわたって処分しているのです。
 このことから、農水省、通産省は、預かった金をスイス銀行で運用するというのは真っ赤なうそで、預かった金を商品相場につき込んでいた実態をはっきり認識できたはずです。また、豊田商事はこの商品相場で昭和五十八年に五十億円を損したと言われています。このことは、各省が調査権に基づき十分把握できたものであります。行政側としても、豊田商事が詐欺まがいの悪徳業者である認識及び見解を持っていたと言えます。
 豊田商法が詐欺であったことについては、岩本参考人の方からもるる述べられたとおりです。豊田商事は税務署に申告をしていたと思われますが、昭和五十九年三月期の欠損額は三百七十四億円に上っております。こんな赤字にもかかわらず、五十八年度では五百億、五十九年度では七百億の全員を集めて、これに相当する金を買っていないのです。豊田商事が預かった全員に相応する金を購入していなかったことは、社団法人日本金地金流通協会が表明しているところでありますし、同協会が豊田商事に金を売らないように指導していたことからも推定できると思います。
 さらに、社会保険庁、国税庁は、その権限により調査すれば、豊田商事の役員や従業員の給料が異常に多額であり、四十数店の本支店の賃料等を加えれば豊田商事の売り上げの六割ないし七割を占めるものであり、豊田商事が年一〇%ないし一五%の利息を払うという根拠もないし、赤字が拡大するだけである、つまり詐欺であることが右財務関係からも明瞭にわかるわけです。
 昭和五十七年、五十八年、五十九年と毎年、中曽根総理大臣を初め各省庁が出席して、消費者保護基本法に基づく消費者保護会議において、豊田商事についてわざわざ一項目を設け、「金の現物取引等と称する悪質な商品取引による消費者被害を防止するため、消費者啓発に努めるとともに、悪質事犯の取締りを強化する。」と決議しているのであります。との決議に従えば、縦割り行政ではなく、各省庁が協力して豊田商事由法の欺瞞性を各省の把握調査した事実を総合して容易に解明できた。そこで豊田商事に対し金の保有高等を尋ね、欺瞞性が明らかになれば、これを公表し、営業停止命令の行政指導を十分なし得たものと思います。
 先ほど述べましたように、老人を中心に被害者が異常に増加し、少なくとも赤字が三百七十四億円であることが判明した昭和五十九年三月において、詐欺である疑いが確定的になったわけであります。このまま放置しておくと、一日当たり二億円という莫大な被害が日々発生するという具体的な危険が差し迫っていたわけですから、この時点では行政指導するか否かの自由裁量の余地はなく、営業停止命令の行政指導をすべきだったと考えます。
 通産省は、今まで有効な行政指導をせずに被害を放置し、本年六月に豊田商事に対し新規契約の禁止命令の行政指導を出しておりますが、これは遅きに失するものであり、少なくとも現在の資料においては、五十九年三月においては具体的な危険の予見可能性があり、営業停止の行政指導が期待し得たのであります。もし行政指導がなされていれば、少なくとも五十九年三月以降の約七百億円の被害、これは現在の被害者の約半数に当たると思いますが、これらの方が被害を受けずに済んだと言うべきであります。これを怠った国は、被害者からの損害賠償に積極的に応じる義務があると言うべきであります。そこで、国は裁判を待つことなく進んで被害者からの賠償に応じるべきであると考えます。
 私は、貴委員会において、かかる観点から被害救済対策について御審議いただきたく、参考意見を述べさせていただきました。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#10
○竹内委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。
 参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。ここに委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#11
○竹内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を続行いたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。青木正久君。
#12
○青木委員 豊田商事問題について、まずお伺いいたします。
 この問題につきましては、きょうの午前中に被害者弁護団の弁護士の方からいろいろお話を伺いまして、特に被害者の切実なる声を交えた訴えを聞きまして、今さらながらこの問題の大きさに驚いているわけでございます。
 また、けさ私が最高裁にお伺いしましたところ、豊田商事関係の事件で大阪地方裁判所に債権を届け出た件数は、九月二日現在で二万六千六百五十六件、内訳は裁判所に直接届け出たものが八千五百五十五件、弁護団を通したものが一万八千百一件、債権総額は未集計でありますけれども、千百億円以上、大変な大きな額でございまして、この種の事件では戦後最大級の事件だと思っておるわけでございます。
 そこで、時間が限られておりますので、経企庁、通産省に率直にお伺いしますけれども、豊田商事一一〇番の受け付け状況はどうなっていますか。
#13
○横溝説明員 お答え申し上げます。
 豊田商事一一〇番の受け付け状況はどうかという御質問でございます。豊田商事一一〇番は、国民生活センターにおきましては六月二十八日から開設いたしましたが、先生が今御指摘になりました今回の豊田商事の被害者の数等に対応するといいますか、それに近い数といたしましては、もう少し前からの数を御報告した方がよろしいかと思いまして、一一〇番も含むわけでございますが、五十九年度からの受け付け状況を御説明申し上げます。
 国民生活センター及び都道府県、政令指定都市において豊田商事及び鹿島商事に関する相談の受け付け状況、五十九年度が二千九百四十五件でございましたが、ことしの四月が五百四十六件、五月が八百十四件、六月がやはり急増いたしまして七千七百四十三件、七月が四千二十件ということで、八月は未集計でございますが、以上合計いたしまして一万六千六十八件でございます。
#14
○青木委員 現時点の問題は、被害者の債権保全とそれからこの種の被害の再発防止にあると思うわけでございます。
 そこで、債権保全でございますけれども、午前中も各参考人の方からいろいろ御意見が出ました。被害者の債権確保のために国税当局は差し押さえ財産を解除すべしというような御意見もありましたけれども、これにつきまして国税当局の御見解を承りたいと思います。
#15
○加藤説明員 国税の滞納がございます限り、国税徴収法の規定によりまして財産の差し押さえを解除することはできないこととなっておるわけでございます。国税当局には国税債権を確保する責任がございますので、滞納処分を続行しなければならないということを御理解いただきたいと思います。
 なお、本件のように滞納者が破産宣告を受けた場合であっても、破産宣告前に着手した滞納処分は破産宣告後もその続行が法律上許されておるところでございます。
#16
○青木委員 法を厳正に施行するという国税当局の使命から、超法規的な措置を講ずることは難しいということはよくわかりますけれども、管財人の方々が一生懸命債権確保のために努力をしておるのに、しゃくし定規じゃなくてもう少しゆとりのあるような解釈もとっていいんじゃないか、こういうふうに個人的には考えておるわけでございます。
 それで、次の再発防止ですけれども、豊田商事まがいのものがたくさん出ておりまして、最近では観音行商法とか、よくわからぬようないろいろな商法が横行しているわけでございます。何としてもこれらの悪徳商法を規制するためにやはり法律を制定すべきじゃないか。午前中のお話でも、三橋参考人から例えば訪問販売法を改正したらどうかというような御意見が出ました。この辺はどこで線を引くかという点が非常に問題だと思いまして、立法技術上難しいということはわかりますけれども、このまま放置していたのではこういう商法がなくならないというわけでございますので、新しい法律を制定するとかあるいは訪問販売法を初め出資法関係を改正するとか、そういう関係の再発防止のための法改正、新しい立法という点につきましてどうお考えでしょうか。
#17
○横溝説明員 先生御指摘のとおり、この種事件の再発防止に当たりましては、私ども最大限の努力を払わなければならないと存じております。当面、消費者がそういう被害に巻き込まれないように、消費者啓発とかあるいは苦情相談等を通じて業者に対しても強い態度で臨むということをやっております。
 先生御指摘の法律の関係でございますが、この点につきましては、現在関係六省庁で、公正取引委員会、警察庁、法務省、大蔵省、通商産業省及び当庁でございますけれども、会議を持っておりまして、ここで専門家会合というのを設置いたしまして、多様な悪徳商法の現状と問題点を分析するとともに効果的な対策を検討しておるところでございます。
 それから、当庁が事務局をやっております国民生活審議会で九月三日に約款適正化委員会の第一回を開催いたしました。京都大学の北川善太郎教授が委員長でございますけれども、こういう場を通じてこうした商取引の契約上の問題点についても検討を開始したところでございます。
 こういう多面的な検討を鋭意進めまして、他方で現在警察が捜査を進めておりますし、現行法の適用の可能性、さらに実態の解明とともにその辺の検討も進むかと存じますが、その辺を踏まえながら、かつ、このような多面的な検討を経て、やはり法律改正なり新しい立法措置なりがどうしても必要であるという結論になりますれば、当然そのような取り組みもしなければいけないと考えております。
#18
○青木委員 現状ではどうなんですか、新しい法律をつくる方向なんですか。あるいは法律を改正するような方向にあるのですか。それとも今のままで仕方がないとお考えですか。
#19
○横溝説明員 現在実態の解明が一方で進んでいるところでございますので、今法律改正が必要あるいは必要でないという結論が出せるところまでちょっと来てないわけでございますけれども、どちらにしましてもこれは長い期間かけて検討しておるわけにいきませんので、他方では今申しましたように各省庁との専門家会合あるいは国民生活審議会での検討等を踏まえまして早急に対応策の結論を出したいと思っております。
#20
○青木委員 この種の問題は、事件が起きますと皆さん一生懸命になるんだけれども、だんだんしりすぼみになってしまう。例えば保全経済会の問題とかネズミ講の問題、まだ尾を引いていると思いますけれども、豊田商事の問題も、これだけ国民に大きな影響を与え損害を与えた問題でございますので、どうぞひとつ精力的に新しい法律をつくるべきと思ったらさっさとつくる、あるいは法律を改正しなければならないと思いましたら早急に改正していただきまして国民の不安を取り除いていただきたい、こう考えておるわけでございます。
 最近、物価の委員会といたしましては物価が安定しておりますので大変結構なことでございます。その反面、いわゆる悪徳商法とか、商業道徳といいますか商取引のモラルといいますか、これが大変乱れているわけでございまして、豊田商事の問題もその代表的な問題でございますが、最近問題になってきたのはワインの問題があるわけでございます。これも日本国じゅうを沸かしたような大きな問題でございまして、私どもよくわからないのですけれども、厚生省にお伺いしますが、ジエチレングリコールは一体毒物なんですか、劇物なんですか、何なのですか。本当にこれは毒なのですか。
#21
○大澤説明員 今回のこのジエチレングリコールは、本来人間が食物として摂取したり薬物として投与されたりする物質ではございません。また、動物実験でもこれに関しては少なく、人体に対する影響を検索した研究もないわけでございますが、報告されているものとして、動物における急性毒性は弱いものとされており、毒物とかあるいは劇物、こういうものに該当するものではございません。
 報告されました研究例でございますが、動物に対する長期の大量投与実験がございます。ラットを用いまして、二年間えさの中にジエチレングリコールをまぜて投与実験したわけでございますが、この量は、人間に換算しますと体重キログラム当たり一グラムないし四グラム投与している。したがいまして、通常の人間で五十キログラムとすれば五十グラムから二百グラム毎日投与した、こういう実験でございます。これによりますと、体重の抑制あるいは腎臓、肝臓への影響、障害が出ている、こういう報告がございます。さらに繁殖性とかあるいは蓄積性、これにつきましては特にない、こういう報告がされております。
 なお、専門家の意見もお聞きしましたところ、我が国で検出された ワイン中のジエチレングリコールの摂取量では特に面接健康に被害を招来するものではない、こういうふうに専門家の意見も賜っております。
#22
○青木委員 化学の問題で詳しくわかりませんけれども、私なんか考えまして、普通のお薬でもあるいはたばこでも十倍飲めば毒になるというような気がするのです。なかなか難しくてわかりませんけれども、いずれにしても人間の体にとってよくないということでございますので今回の問題が起こっておると思うのですけれども、このジエチレングリコールの入ったワインがほかのお菓子とか料理とかに使われている可能性はないのですか。例えばお菓子でいいますとワインゼリーとかパウンドケーキとか、この種のものに使ったものはたくさんあると思いますし、あるいは料理でいいますとフランス料理を初め西洋料理にはワインを使うものがたくさんあるわけでございますが、そういうのに、直接ジエチレングリコールじゃなくてジエチレングリコールの入ったワインを使ったものが存在しないのですか。存在しないと断言できますか。
#23
○大澤説明員 若干御説明が長くなるかと思いますが、御承知のように本年の七月二十四日にジエチレングリコールが混入したワインが我が国で発見されまして、全国の関係各都道府県に対しまして、オーストリア産及び西ドイツ産フィンの検査の強化並びにそれらの製品の販売の自粛を指導するよう通知したところでございます。
 さらに、いずれも自国産のワインよりジエチレングリコールが検出されているオーストリアそれから西ドイツ、イタリア及びハンガリーの四カ国、この国からのバルクワインを輸入し使用している国内のワイン製造業者、全部で九業者十四工場に対しまして立入検査それから収去試験の実施を関係八道府県市に対し指示し、国内のブレンドワインについても検査を実施しました。
 この結果、既に製品化されて輸入されている輸入の瓶詰ワイン、これについては現在までに七十一銘柄からジエチレングリコールが検出され、さらに、オーストリア産バルクワインを使用しました国内産のマンズワイン、これは七銘柄でございますが、これにいずれもジエチレングリコールが混入していることが判明したわけでございまして、それ以外についてはもちろん検出されておりません。
 それで、このジエチレングリコールの混入が判明したワインは、輸入業者または製造業者に対しまして、食品衛生法第二十二条の規定に基づき業者所在の自治体によりまして回収命令さらに販売禁止の措置がとられ、焼却処分等の廃棄命令が出され処理されることになっております。したがいまして、そのジエチレングリコールが混入しているものが一般に出回っているという状態はないような処置がとられているわけでございます。
 またさらに、私ども、食品関係営業者に対しましても、都道府県を通しまして、言うまでもないことでございますが、これらのジエチレングリコールの混入が少しでも疑われるようなワインは当然使ってはいけない、こういう指導もしているところでございまして、ジエチレングリコールが混入したワインが他の食品に使用されることはないと考えております。
 今後とも、これらのオーストリア産、西ドイツ産及びイタリア産瓶詰ワイン並びにバルクワインにつきましては、輸入時に検査するとともに、国内においても監視の強化を図って万全を期してまいりたいと存じております。
#24
○青木委員 公正取引委員会にお伺いします。
 マンズワインでございますけれども、この不当表示の問題につきまして、新聞報道によりますと、マンズエステート貴腐白磁一九七八年ですか、これは国産のワインが四・七%しか入ってなくて、あとはオーストリアとかフランスとかのバルクワインのブレンドである。したがって、その内容は国産ではなくて半国産だ。第二点は、ビンテージイヤーがめちゃくちゃでございまして、必ずしもつくった年の表示になっていない。この二点につきまして、不当表示がどうかにつきましてお答え願いたいと思います。
#25
○利部説明員 日本の国内のワイン製造業者が相当多量に販売しているワインの原材料の大部分が実は輸入ワインであったということでございまして、ワインの消費者が今まで理解していたところと実態とが非常に食い違っていたという点はございます。消費者の商品選択上非常に不都合なことであると思いますが、それが原産国の不当表示になるかどうかという点で見ますと、実は、日本のワインは国内で売られるものですから、国産とか日本製というふうな表示はしておりません。問題になるのは、日本のワインが何々株式会社製造と書いてある、それで日本製のワインと消費者は思うのではないか、その消費者の受けた印象と中身との食い違いが不当表示になるかどうか、そういう問題になるわけでございます。
 ところで、日本のワイン製造業者が製造と書いた場合、酒税法等の扱いでは、輸入ワインを日本の国内でブレンドした、さらに国産のワインをブレンドした、そのブレンドすることを製造と酒税法等では見ているように聞いております。また、ブレンドによってワインの特徴が決定づけられる面もございますので、日本でブレンドしたものを日本の企業が何々株式会社製造と書くことが直ちに不当表示ということにはならないと考えます。ただ、消費者が今まで受けている印象、期待している内容と中身が食い違っていることは確かでございますので、そういう点の消費者の印象との食い違いをいろいろな表示、広告で明確にしていく必要はあるのではないかと考えております。
 それから貴腐ワインの問題でございますけれども、貴腐ワインと表示してそれにふさわしい内容のものが使われていないとすれば――そのようでございますけれども、そうとすれば、これは不当表示になると考えております。
#26
○青木委員 そうすると、第一点の外国のバルクのものをまぜても不当表示にならない、ビンテージイヤーだけは不当表示である、こういうことですね。
#27
○利部説明員 若干御説明が足りなかったかと思います。輸入ワインをまぜてというか、逆に日本の国内でワインの産地として有名な地とのつながりを強調しながら輸入ワインを相当量まぜているという場合には、不当表示になるおそれがあろうかと思います。
#28
○青木委員 時間になりましたので、最後にもう一言。
 いずれにいたしましても、マンズワインと言えば国産のワインと我々了解するわけですよ。それに外国のものが入っていたといえば、これは当然感情的には不当表示だと思うのです。こういう問題を含めまして、公取委としては、急成長のワイン業界でワインの愛好者も非常にふえているわけでございますが、これからどういう指導をされていくつもりですか。
#29
○利部説明員 主管官庁であります国税庁とも協力いたしまして、内容が消費者に明確にわかるような表示をしていくように、今まで生じていた誤解をなくすような表示をするように指導してまいりたいと考えております。
#30
○青木委員 終わります。
#31
○竹内委員長 次に、浜西鉄雄君。
#32
○浜西委員 私は、豊田商事問題に限って質問をいたします。
 まず、本日午前中に四名の参考人の方々から現在の問題点を聞きまして、急理でありますが通産省に質問をしたいと思います。
 きょうの山本参考人からの発言によれば、日本金地金協会というのがあるそうであります、私も初めて聞いたのですが。五十六年に既に百九十六件の被害の届け出があってずっとそれが続いたわけですが、翌年の五十七年から五十八年、このころにかけて豊田商事が商品取引につき込んだことは明らかである、こういう発言がありました。その時点から金を購入して、購入者に購入をさせたその金を本当に確保しておったかどうか。つまりそれは日本金地金協会に照会すれば、豊田がどの程度本物の金を買ったかどうかわかったはずだ、こういう意味の説明がきょうありました。その当時、豊田商事に対する疑いを持ったはずですから、そのような調査なりをやられたかどうか、まずそれからお聞きしたいと思う。
#33
○山下説明員 担当の鉱業課長が参っておりませんので、かわりに私の承知しておる限りでお答え申し上げます。
 私どもの相談窓口に対しまして豊田商事のいわゆる金現物まがい商法主言われる案件が持ち込まれたのは、たしか五十七年の初めのころであったというふうに記憶しております。それ以降金の流通の量がどうなっているかということが問題になろうかと思いますけれども、御承知のように金の場合には取引の自由化が進んでおりまして、通産省として強制権限を持って立入調査をするというようなことができないわけでございますが、流通の全体の把握ということは、先生御指摘の日本金地金流通協会を通じ、あるいは通産省全体の統計その他である程度見当はつけられるという立場にあろうかと思います。ただ、個々の具体的な、確実にどうなっているかというところになりますと、その種のものではなかなか見当がつけ切れないということでございます。
 そういうことがございましたので、私どもで、五十八年のたしか五月ごろだったと思いますが、豊田商事に対して状況の説明をするように、金の運用方法を含めてどういう手当てをしているかというようなことを照会したことがございます。通産省に来て説明をするようにということを求めたわけでございますが、それに対しまして豊田商事側からは的確な説明がないまま過ぎてきておるということが実情でございます。そういう意味では、私どもとして豊田商事がどういう金の手当てをしておったということを的確には承知しておらなかったということでございます。
#34
○浜西委員 五十八年に説明を求めたという程度でありますが、私が言ったのは地金協会に……。ちょっとその辺。
#35
○山下説明員 大変恐縮でございますが、ちょっと年月が間違っておりましたので訂正させていただきます。
 豊田商事を呼びましたのは五十七年の六月でございます。どうも失礼いたしました。
#36
○浜西委員 五十七年の対応となると早い方というか……。前年の五十六年に百九十六件の届け出というふうなあんばいでだんだん拡大していったわけです。翌年の五十七年に豊田商事を呼んでやられたが、そのときに明確な豊田商事の全貌がつかめなかったということなんですが、私が質問したのは、金を売って、領収証まがいのものを渡して、預かっておきます、これがだんだん値打ちが出、下がらないということを言って、現物を見せないで、見せた人もおりますが、渡さないで、あるかのごとく見せかけてずっとごまかしの商売を続けてきたわけです。そのことが五十七年に説明を受けたときにわかっておったのか。わかっておれば、地金協会というものに照会すれば豊田がこれだけの金を買って持って帰ったということがわかるはずです。そういったことをやったかどうかということを今私は聞いておるわけです。
#37
○山下説明員 先ほど日にちを間違えまして大変恐縮でございました。
 私ども、先ほど御説明申し上げましたように、呼びましたときに豊田商事側からは十分な説明を得られなかったということでございまして、その後、ほかのルートを通じまして豊田商事がどういう手当てを行っているかということを調べてみたわけではございますけれども、例えば、今の御指摘の金地金流通協会の会員企業が豊田商事グループのそういう商法をやっている業者と取引をしているかどうかというようなことを協会の方にも問い合わせしておりますけれども、その時点では、協会の関係者からは取引をしていないというような報告を受けております。
#38
○浜西委員 それでは、経企庁に移ります。
 今通産省の答弁にありましたように、その時点では豊田商事のそういう金の関係はわかりにくかった、わからなかったというようなことなんですが、経企庁としては一体これをどういうふうにとらまえておったのか。こういう流通関係について、物価ということより飛躍をして、経済撹乱、国民総体をだましておるようなことをやっておるわけですが、経企庁のこれらの対応というものが、国民から見れば非常に手ぬるい。なぜならば、次の被害者をつくらなければ会社の資金運転ができないわけですから、だましながら次々に拡大していけば、当然行き着くところは新しい被害者の開拓余地がないところまで行き着くはずであります、この論法でいけば。そういう商法をやっておるのではないかという疑いを持ったのは、経企庁とすればいつごろですか。
#39
○横溝説明員 先生が今おっしゃいましたような豊田商事の商法の内容を、かなり詳しくといいますか、つかまえたかどうかというのは、ちょっと私もつまびらかではないのでございますけれども、いずれにしましても国民生活センター等に豊田商事関連の苦情が参り始めたのは五十七年一月からでございます。その場合に、勧誘方法が非常にしつこいとかあるいは解約に簡単に応じないとか、そういう消費者の取引上の勧誘面における苦情がいろいろ参ったわけでありまして、商法そのものの問題もあるわけですけれども、そういう消費者との取引上の問題も看過できないということで、まず消費者がそういう悪質な商取引に巻き込まれないように消費者啓発をすることが必要であると考えまして、例えば五十七年十一月には国民生活センターのテレビ番組を通じまして「訪問販売あの手この手」あるいは「巧妙な訪販セールスにご用心」というようなテーマで啓発的なPRを行いましたし、あるいは「くらしの話題」というラジオ番組を通じまして五十七年六月から「金市場に新手の悪徳商法」というような特集番組を既に組んでおりまして、そういう意味で消費者啓発には早速に取り組んだわけでございます。
#40
○浜西委員 午前中各参考人の述べられた言葉の表現は違いますが、その根底にあるものは、今経企庁の方から答弁がありましたように、それなりの対応はあっても、被害を防止する、ないしはそのために豊田商事に対して行政指導する、そういう積極性が見られなかった、悪い言葉で言えば、政府はみすみす被害者を拡大させた、そういうふうな意味のことがそれぞれの参考人の方々の言葉の中から読み取れるわけであります。特に、山本参考人からは、政府は被害を放置したのではないか、したがって、そういう意味では被害者救済というものに対して国は責任をとるべきである、つまり積極的に被害者救済に当たらなければならない、こういう意見を最後に述べられました。私もそういった意味では同感であります。
 いろいろ商工委員会などでもやりましたし、本委員会の中でも出たと思うのですが、六省庁の連絡会議というか、指導というものがようやく確立したのはかなり後になっての話であります。これはまことに手ぬるい、残念な話と思いますが、六省庁がとってきた今までのあり方、どこがリードをとってどこが主体的に窓口になってきたか。私は経企庁ではないかと思うのですが、現在この六省庁が将来展望に対して、被害者救済も含め、さらにさっき青木委員の方からも出ましたように法改正というところまで踏み込まなければ――ネズミ講にしてもまだ明らかに非常に不備な点もある。二条あたりの一定の金額ということについても解釈がいろいろあって、これもおかしい。それから訪問販売法、これも午前中に改正、補強する必要があるというようなことも述べられましたが、この六省庁連絡会議でその点まで含めて検討されつつあるのか、六省庁連絡会議の現況を説明してもらいたいと思います。
#41
○横溝説明員 この問題につきましての関係六省庁連絡会議は、六月十日に第一回の会合を持ちまして、現在まで四回会合しております。取り組みが遅いという御指摘がございました。確かにそういう御批判もあろうかと存じますが、豊田商事が金を返さない、一斉に返金をストップしたのが御存じのとおりこの五月でございまして、一挙に大きな社会問題になったわけでございますけれども、その後可及的速やかにこういう連絡会議を持ったという経緯を御理解いただきたいと思います。
 それで、現在までのところ、現行法の適用の問題、消費者啓発の問題あるいは類似商法への対応、要するに豊田商事以外の類似商法への対応の問題等を関係省庁で情報を持ち寄りながら議論しておるわけでございますけれども、特に先生御指摘の今後の対応策で立法措置に関連する諸問題でございます。これは今までの会合でもいろいろ議論は交換しておりますけれども、特に専門家会合というのを設けまして、ここで、各省が所管しております一つ一つの法律についてかなり突っ込んだ検討をこの九月から開始することにしております。
 そういう現状でございます。
#42
○浜西委員 立法措置の問題、新しい法律をつくったり、現在の法律の不備な点を補強したりする必要がありますが、これはまた別の機会にお互いに知恵を出し合って、同じような悪知恵を持った商法がまだ出てくる可能性があるわけでありますし、豊田商事以降だって、それと似たようなインチキ商売、だまし商売が既にちらちら出てきているわけですから、これは早急に法改正あるいは現行法の合わないところば大胆に変えていく、そして取り締まれるように、そういうことができないような法律につくり変えていく必要があると思います。それが新法なのか現行法体系を補強するのかはお互いにもっと研究してやってみたいと思っておりますから、当局もそのつもりでこの問題について真剣に取り組んでもらいたいと思います。
 そこで、こうなった以上は、被害者をいかに救済するか、これしかあとに残らない。豊田商事に限ってはそういうことになるわけでありますから、被害者救済についてお尋ねするわけですが、午前中北野参考人も述べられた中に、これは簡単なことですが、国税庁にお尋ねするのですが、ダイヤモンドを売り上げるというか、そのことを通じて、形はそうだけれども中身はネズミ講であるという判断、判例が既にある、したがって、そういうものがわかっておるわけだから、そういうところから既に徴収した――専門家ですから公租公課とかいろいろな言葉を使われましたが、租税については、むしろ還付金をつけて還付すべきであるというような意味合いのことを言われました。国税庁は、この問題について早くから実態調査をすべきであったし、関係省庁に対しても連絡できるような行政指導というかそういう体系をとりながらすべきであったと述べられております。還付金をつけてでも返すべきだという鋭い参考人の意見がきょうございましたが、国税庁にそれに対しての感想があれば一言開いておきたいと思うのです。
#43
○加藤説明員 恐れ入りますが、先生のただいまの御質問は消費税の問題でございまして、担当の消費税課の者が来ておりませんので、後ほどお答えさしていただきたいと思います。
#44
○浜西委員 被害者救済において最も重要な点について、北野参考人は、結局被害者救済で一番問題になるのは公租公課の扱いである、こういうふうに述べられました。現行の破産法によれば、公租公課は財団債権として、一般の破産手続によらないで、優先的に弁済を受け得ることになっておる、こういうふうに法律学者として見解を述べられておる。これに対して国税庁は、この見解に同調できるのか、違った角度から反論があるのか、それを聞いてみたい。
#45
○加藤説明員 ただいまの先生の御質問でございますが、破産法では確かに公租公課は財団債権という取り扱いで、一般の破産手続によらずして破産管財人が随時優先弁済しなければならないというふうに規定されております。この点については、私ども国税の執行官庁でございますし、破産法は法務省の所管事項でございますので、意見を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
#46
○浜西委員 どうも国税の関係はなかなか腹を割っての回答がもらえないで、ちょっと私も質問するのに困るわけですが、角度を変えて言いますとこういうことになるのです。
 これは七月十八日、商工委員会の流通問題小委員会がありまして、その中で国税庁に対して、豊田商事に関連をしての税務関係ですね、公租公課に関して、現状を国民に知らせなさい、どうなっているか管財人も知りたいし、それから小委員も知りたいし、それを明らかにすべきだというようなことになっているのです。この点について、豊田商事の公租公課の全貌はいまだ明らかにされていないのですが、この委員会で明らかにする気持ちがあるかどうか、先にそれを聞いておきたいと思います。
#47
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 豊田商事の滞納税額を明らかにできないかというお話でございますが、特定の納税者の滞納税額というのは私人の秘密でございまして、国家公務員法の百条の一項が適用されます。すなわち「職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」ということに該当するわけでございます。この場合の私人というのは当然法人も含むということでございますので、国家公務員法で開示することは許されておらないということでございます。
#48
○浜西委員 そうすると、午前中の北野参考人の言われたことと全く違うわけです。私は、北野説をとるのが正しいと思うので再度お聞きするのですが、税務職員の、言ってみれば職務上の、税法上の守秘義務とは一体何なのか、これを北野参考人は言われたわけであります。つまり、税務調査によって入手した納税者の個人的な秘密、人間のプライバシー、そういう個々のプライバシーのことを言っているのであって、トータルしてどのような公租公課が今まで豊田商事に課せられていたのか、それが現在どのような徴収状況にあるのかという概括的な税務情報の開示、それを求めることは当然であるというようなことを述べられました。この考え方と今の考え方と違うわけですが、もう一遍この点について、どういう考えですか。
#49
○加藤説明員 お答えいたします。
 北野教授は、法律で守秘義務を課しておるのは、一人一人の個人の秘密、いわゆるプライバシーではないかという解釈を示されておられるわけでございます。したがって、トータルは守秘義務に当たらないという御見解のようでありますけれども、これはまさに豊田商事という特定の一社の税額でございまして、トータルということではないわけでございます。まさに豊田商事という一つの会社の法人税あるいは源泉所得税の額は幾らかということでございますから、トータルではございません。
 そういうことで、私人の秘密というのは、私人の中には個人も法人も含まれるというふうに私ども理解しておるわけでございます。
#50
○浜西委員 私は法律学者じゃありませんから、ここで専門家のあなたと論争しても私は負けると思うのです。しかし、北野参考人が言われたのは、税務職員の公務員法上の守秘義務というのは、徴収した段階における行政側のやり方、その他行政側の態度、徴収の仕方、そういう行政側の秘密を漏らしてはいけないというのが主体である、恐らくそのことを言われておるのであって、言われておるとおりを私は言っておるわけですが、国民主権原理を基調とするところの日本国憲法のもとでは何が行政側の秘密に該当するか、これは行政の便宜の観点から決められるべきではなくて、それを公表すれば国民全体にとって不利益になるかどうか、それが判断の基準だ、だから豊田商事のこの問題を公表することによって被害者その他が大変困るのか、国民全体が困るのか、逆にそのことが問題解決の道に通ずるのか、その辺の判断は行政側にある。その基準は、あくまで国民全体にとって不利益になるかどうかということが判断の基準にならなければならないという意味のことを言われましたが、その点の意味は、私の言うことはどうですか。
#51
○加藤説明員 お答えいたします。
 北野教授の御見解の中には一つ誤解がございまして、それは、滞納税額等は所得税法とかいう各税法上の秘密ではなくて、国家公務員法上の秘密ということでございます。いずれにしましても、各税法上の秘密でも国家公務員法上の秘密でも、それは行政の側の秘密だけでなしに、私人の側の秘密も両方含まれるわけでございます。
 それで、そういう法律の字句の解釈は別としましても、実態的に開示する方がむしろいいのではないかという御意見についてお答えいたしたいと思います。
 税務職員は、その職務上、特定の会社のあるいは個人の申告税額であるとか課税額だとか滞納税額、そういったものをいろいろ知り得るわけでございますが、これらのデータというものは、調査であるとか申告を収受するとか滞納処分を行うとか、そういう一連の税務手続のプロセスの中で納税者の秘密というものを把握するわけでございます。それで、こういう税務の手続の中で把握した納税者の秘密というものは、これを開示した場合に――税務職員は法律上の守秘義務があるのだから、自分の秘密を開示しても税務職員はこれを決して外部に漏らさない、そういういわば信頼関係に基づいて、調査の過程あるいは滞納整理の過程で真実のことを言っていただける。また、言わない場合には罰則という間接強制が行われておる。間接強制の中で秘密が税務職員に開示される。こういうことが税務行政の実態でございます。したがいまして、税務当局がこれらの私人の納税者の秘密というものを公表いたしました場合には、納税者の自発的な協力を得ることが困難となり、ひいては税務行政の円滑な運営が著しく阻害されて、適正な課税の確保、税負担の公平の確保ということが図れなくなるのではないか、その点を恐れておる。そういうことで、守秘義務を守るということ、納税者の秘密を開示しないということが公益につながるものであるというふうに私ども理解しておるわけでございます。
#52
○浜西委員 一般的に言えば、納税者個人個人の秘密、プライバシーを漏らしちゃいけない、これは私も十分理解できます。そうでないと、今度は納税の協力をしてもらえないとか、いろいろ反対の立場の問題もありますからこれはわかりますが、事豊田商事に限って言えば、果たしてそのことが国民の利益に――つまり個人のプライバシーを云々とか、今後の納税が難しくなるとかという個々のいろいろな問題がありますが、それをもうちょっと高い見地から眺めれば、基本は国民全体の利益につながるかどうか、ここに原点があると思うのです。法というものはそういうふうに解釈しなければいけないと思うのです。類推解釈というか何というか、もちろんそういうものはあると思うのですが、そういう意味では、豊田商事の秘密を守ることが今国民の利益にとって大事なことなのか、そのことを明らかにすることによって管財人が一生懸命苦労しておることに対して多少なりともその手助けをするという意味で、つまり被害者を救済するという意味に通ずれば、それは国民全体が望んでおることに通ずるわけですから、そういうふうに法の原点に返って物事を解釈すべきであると私は思いますが、どうですか、その点は。
#53
○加藤説明員 お答えいたします。
 公務員の守秘義務というのは、国民の側から言えばすべての国民に平等に保障されておるということであると思います。いろいろケースケースによって、ある場合は開示する、ある場合は開示しないということは、法のもとの平等の扱いということからいかがなものか。今後いろいろ税務職員が調査とか滞納整理でもってたくさんの納税者と接触するわけでございます。そういう場合にも、これからそういう調査や滞納整理を受けるであろう納税者の方々に不安を与えたのでは、税務行政の円滑な運営に支障を来すというふうに考えております。
#54
○浜西委員 どうもあなたは私の言っておることを少し曲がってとっていらっしゃると思うのですがね。国民が直接税務職員に一人一人道端とかどこかの食堂で出会って、あそこのうちの税金を計算するについていろいろ調べられたと思うがあそこはどういう状況なのか、どのくらいもうけておるのかと聞くことに対してはしゃべっちゃいけない。しかし、国会のこういう物持という委員会を通じて、私ども、豊田商事問題で被害を受けたたくさんの人々を少しでも救済をしようではないかという意思がこの委員会で動いているのですから、しゃべるという相手は個人ではないのです。開示できないという相手は、個人個人が道端で出会っての話ではなくして、こういう公の場所でそのことを求めておるということです。個人が税務職員をつかまえていろいろ聞き出すこととおのずからそれは方法も違うし、基本的に違うと思うのです。現在は、被害者をどういうふうに救済をするか。救済するときに一番問題になるのは、現在どのような公租公課が課せられているのかということが問題の解決にとって一番必要なんだ。それを伏せておいて何も明らかにしないではやりようがないから、こういう公の場を通じて、国会の場を通じて、被害者救済のために必要だという、これは特別な意味が働いておるわけです。あなたのおっしゃるのは、一般的な一対一の、職員一、一般の国民一という話での原則を言っておるのであって、そのことは私も理解できる。こういう場所において、今場所が問題なんです。こういう委員会を通じて豊田商事問題を審議をし、その過程でそれを開示することが必要だ。委員だけではなくして、国民全体もそのことを望んでおるとするならば、そのことを開示することが利益に通ずるのではないか。最終的には国民の利益を考えた上での法律ができておるわけですから。そのことを私は言っておるわけです。もう一遍答弁してください。
#55
○加藤説明員 お答えいたします。
 守秘義務というのは一般に公知されるような手段をとってはならないということだと思います。こういう場で答弁するということはいわば公表するということでございますので、一対一で相手が知るということと本質的には異ならないと思います。
#56
○浜西委員 全然もう話になりません。これであきらめなければなりませんが、この種のことについては超法規的だとかいや政治的な解決だとかいう言葉が今まで過去の委員会で出ましたけれども、北野参考人のあれでいけば、そんな次元ではない、これは現存する法律の中でもできるということを午前中述べられたので、私は、偉い参考人の先生の言葉ですから、それをかなり引用させてもらった。私自身まだ完全にそのことについてここでそれをさらに討論といいますか、やりとりを続けるだけの時間と能力が今ありませんから、一応この問題は伏せておきますが、この救済については、これは国税庁だけではございません、関係する各省庁は最大限の便宜を図るべきだというのが私の言わんとするところでありますから、問題は、そのことに対して各省庁がこれから――しかもそれは早くやっておかないと、日にちがたてばたつほど物事が複雑になり、財産が散り散りばらばらになっていくということがありますので、早目にお願いしたいと思います。そういうことをつけ加えておきまして、今のやりとりについては宿題としておきたいと思うのです。私も北野先生にもう一遍よく法見解を求めまして、後日また改めてやりとりするつもりであります。この問題については一応打ち切っておきます。
 そこで、警察庁の方にお尋ねするのですが、きょう岩本参考人の方から直言われましたが、五十七年四月の商工委員会で豊田商事問題が取り上げられた。五十八年には弁護士会の方から金の保有量や運用などについて豊田商事に対して公開質問をしたというような過去を振り返っての一連の動きを説明された。そして警察、検察は何ら手を打ってなかったということが述べられましたが、五十七年、五十八年のころは、警察は、この問題に対しては出資法違反などというもので検討されておったか、まだ手をつける段階でなかったか、まずその点からお尋ねいたします。
#57
○清島説明員 国会でも何回も申し上げましたが、五十七年ごろからこの豊田商事に関する苦情がいろいろ我が方にも来ておるというようなことで、国会質問の際も申し上げましたとおり、そのころから各県警に対する実態調査を指示してきたわけでございます。関心を持って実態を見てみたいというふうな答弁を繰り返してきたかと思います。
#58
○浜西委員 では、きょうの岩本弁護士さんが余りその辺の警察の動きを知らなかったということになりますね。わかりました。
 そこで今度はちょっと角度を変えまして、後ほど質問をすることと関連をいたしますが、例の投資ジャーナル事件ですね。これではいろいろな人物が登場するわけですが、これには政治家の名前も出ておりました。もうけた者、損した者、いろいろあるでしょう。職務権限とのかかわりで私は聞くわけですが、まず、この投資ジャーナルは一応幕をおろした格好になっておりますが、その投資ジャーナルの概況と、幕をおろした、結末がついたというその辺、概況で結構ですから、かいつまんで先にちょっと説明をお願いしたいと思います。
#59
○清島説明員 お尋ねの投資ジャーナル事件でございますが、この事件は、「月刊投資家」等の情報誌を発行するなどして顧客を勧誘しまして、入会金のランク別に会員を募った上に、グループの証券、金融会社との取引をあっせんするなどして顧客を株式投資に引き込みまして、約八千名の一般投資家から六百億円の現金や株券等をだまし取っていた事案でございます。
 本件につきましては、投資ジャーナルグループの会長中江を初め関連被疑者計十一名を本年の六月十九日に詐欺罪で逮捕いたしました。他の検挙者一名を加えまして現在十二名を検察庁へ送致しておりますが、うち中江会長ら十名が起訴となっております。
#60
○浜西委員 概況はそういうことで、現在いろいろ取り調べておると思うのですが、その段階で、これは聞きにくいことですが、政治家が介入したような形跡がちらほらあるのですね。いろいろな情報誌が出ておりますが、そういうことで政治家が介入したかどうかここで回答できますか、できれば、そういう事実があったかどうかを。
#61
○清島説明員 本件につきまして政治家が関与しておったというふうな報告は受けておりません。
#62
○浜西委員 いろいろうわさがあり、かなりの印刷物が写真入りでも出ておったが、そういうものに対して警察として関心を持たれたかどうか。目に入るはずです、これは投資ジャーナルの話ですから。その点、全くそういうものはないというふうな今の答弁で、一般的な、広く言えば国民の受けとめ方、見方と警察当局とは大分違うように見えるわけです。
 私がなぜそれを言うかといいますと、実は豊田商事の場合、これも政治家あるいは秘書の影がちらちらするわけであります。そこで、警察の捜査段階で、現在いろいろ豊田商事をやっておるわけですから、その捜査段階で、豊田商事側から政界工作があったような形跡があるかどうか、これを現段階で答えてもらいたいと思います。
#63
○国松説明員 今までの豊田商事関連の捜査で、御指摘のような事実があったという報告は私ども受けておりません。
#64
○浜西委員 七月四日の委員会でも、石川社長は全然ありませんということをむきになって答えられまして、私も少し勇み足もありましたが、その後いろいろ私なりに情報を集めてみますと、やはり疑いはぬぐい去れないものがあります。きょうは私はいろいろなことを考慮して明らかにいたしませんが、石川社長はあのときに、「政治家とのつき合いは一切なかったと思います。」と、これは議事録そのままですよ、七月四日のこの委員会でそういうふうに答えています。そのときに質問をした私の言葉の中に、警察の捜索の際メモを押収した、そのメモに政治家数名の名前があったというふうに新聞報道があったが一体どうかということに対して、新聞報道は私も見ましたが、私のメモの中には政治家の名前はありません、こういうふうに言いました。言いましたが、警察が答えるならいざ知らず、本人が全くなかったとむきになって答えるのは変な話だと思いながら、今日までまだ疑問を持っておりますので、その当時のことを思い起こして、その捜索の際に押収したというメモの中にそういう政治家数名の名前が、新聞報道は十一、二名ぐらいじゃなかったかと思いますが、あったのかどうなのか、それを聞いておきたいと思うのです。
#65
○国松説明員 豊田商事問題で警察がこれまでに押収した帳簿とかメモ類につきましては、現在関係府県におきまして分析等を実施中でございますが、これまでのところ、御指摘のような事実があったという報告は受けておりません。
#66
○浜西委員 警察の方もまたその点全体の押収したものの整理その他もあるでしょうが、私は私なりに今後ともこの委員会の中で、この陰の部分と申しますか、あの殺りくの場面も私もテレビで見ましたし、それからその人たちが逮捕されて、あの二人がどのような供述をしたのかも知りたいし、いろいろな意味で私の思う陰の部分についてこの委員会で、きょうは明らかにいたしませんが、後日もう少し私なりに資料をきちっと整理をして、再度この問題についてお尋ねしていきたいと思います。きょうは、いろいろな意味で、そのことを余りここでやりとりすることは妥当と思えませんから、以上で私の質問は、少し早目になりましたが、終わっておきたいと思います。
 以上であります。
#67
○竹内委員長 次に、元信堯君。
#68
○元信委員 私は、まず豊田商事の問題につきまして、豊田商事そのものは倒産をいたしましてもうこれ以上被害が拡散することはないと思いますが、豊田商事の元社員などがこういうぬれ手にアワのやり方に味をしめて、この類似の商法をあちらこちらで行っているやに聞きます。そこで、政府におかれましてはこの豊田類似商法なるものについてどのように把握をされ、また対策を立てておられるか、まず伺いたいと思います。
#69
○山下説明員 私どもといたしましては、通産局等にございます相談所の窓口等を通じまして、豊田商事と同じようないわゆるペーパー商法というようなものをやっておる企業について相談などがございますので、そういうことを契機にいろいろ実態調査などをしております。一部そういう企業があるというふうに承知しております。
#70
○元信委員 承知をしておるだけではなくて、早目に手を打つということが被害を拡散させない最良の方法であるということは、当委員会におけるきょうまでの審議の中で明らかになったと思いますから、ぜひ早目早目に積極的な指導をされますようにお願いをしておきたいと思います。
 悪徳商法はいろいろあるわけでございます。こういうれっきとした詐欺そのものを目的としている会社も当然でございますが、それと同様に、一流会社と言われているものの中で極めていかがわしい商法を営んでいるものがあるということが明らかになったのが今度のワイン事件ではなかろうかと思うわけであります。したがいまして、きょうは悪徳商法という流れの中で、このワイン事件について今日なお解明されておりません点等を含めて、厚生省を初め政府各省庁における対応について伺いたいと思います。
 まず、厚生省に伺いたいと思います。いろいろ調査されたそうでございますが、バルクワインとして輸入されたものの中からジエチレングリコールが検出された例はございましたか。――来ていない。それではちょっと順番を変えて、公正取引委員会来ていますか。では、まずその辺から始めましょうか。
 先ほどの青木香貝に対する御答弁の中で、不当表示の問題ですが、別に国産とはうたっておらないからそのことについては不当表示にならないというふうに私は承ったわけでございますが、その点、まず確認してください。
#71
○利部説明員 まず、新聞等で国産と称することが問題だという問題提起がされておりますが、日本で売られている輸入物をブレンドしたワインには、国産という表示がされているのはそう多くないようでございます。ですから、景品表示法の不当表示に当たるかどうかを考える場合ですと、どういう表示によって内容をどのように消費者に印象づけるかという点から見なければいけないわけでございます。その点から見ますと、日本のブレンドされたワインも何々株式会社製造というのは日本語で書いてありまして、それから国産らしき印象を与えるように思いますが、そういうのが内容を正しく表現していることになるかどうかという観点から見なければいけないということでございます。
#72
○元信委員 ラベルの表示はそういうことかもしれませんが、ここにマンズワインの特別限定醸造ワイン頒布会の広告を持ってきております。これを見ますと、各月ごとにいろいろなフィンを届けるということになっておりますが、四月は南会津圃場それから勝沼圃場、五月が万寿農場、六月は隼葡萄園、七月は小諸農場、そんなふうに各農場とかブドウ園がどこのブドウを使ったなんということが一々書いてあるわけであります。しかも、例えば先ほどお話がありました貴腐ブドウなんというのは、何月何日どこそこに実った貴腐ブドウというようなことまで書いてあるわけでありまして、そういう限定がされておったにもかかわらず国産と書いてないから不当表示に当たらないというのは、ちょっとおかしいのじゃないかと思うのですね。会津というのは日本の一地方であり、そこに隼葡萄園があるというのはそれからまた限定をしたものなんですね。にもかかわらず、国産と書いてなければ、外国産のものがそれの大部分であっても不当表示にならない、こういうのはおかしいと思います。どうですか。
#73
○利部説明員 先ほど御説明いたしましたのは一般論として御説明したわけでございまして、ただいま御指摘の、その会社のそのワインに関する表示、広告について見ますれば、不当表示の疑いは非常に濃いと考えております。
#74
○元信委員 不当表示の疑いが非常に濃いということですね。そうしますと、公正取引委員会とされましては、今後この手の広告に対してどういう措置をお考えになっていらっしゃいますか。
#75
○利部説明員 御指摘の会社の商品の表示につきましては現在調査中でございます。調査の結果、措置を考えようと思っております。
#76
○元信委員 この手の広告は、必ずしもマンズワインばかりではございませんね。ほかの会社についても多々あるわけでございます。それらについても同様に調査されておりますか。
#77
○利部説明員 その他のものにつきましてもあるいは不当表示のものがあるかもしれませんが、現在主としたねらいとしておりますのは、ワインの表示全体を消費者が期待するような、内容が正確に表示されるような表示、広告に改めることが大事だと考えておりますので、そういう観点で国税庁とも協力しながら指導してまいりたいと考えております。
#78
○元信委員 ところで国税庁に伺いたいと思いますが、国産ワインと称するもののうち日本のブドウに原料を直接求めて醸造されるブドウ酒というのは一体どれぐらいあるものなのか。昨年度一年間の国産ワインの醸造量、製造量の中に占める純国産とまあ言っておきましょうか、このワインの量、両方お答えいただきたいと思います。
#79
○宗田説明員 五十九年度のワインの製成数量は約四万キロでございまして、そのうち国産のブドウといいますのは約二六%程度、純粋の国産原料といいますとそういう数字になろうと思います。
#80
○元信委員 二六%というと約四分の一ですから、一万ぐらいになろうかと思いますが、この中には、例えば濃縮ブドウ液とか干しブドウのような形でもって輸入をされてそれから醸造したようなものは含まれておりますか。
#81
○宗田説明員 ちょっと訂正いたします。先ほどの数字を改めて正確に申します。
 五十九年度のワインの製成数量は約四万キロでございます。それからバルクワインの輸入が約二万六千キロございまして、合わせて六万六千キロに対して純国産のブドウを使ったものが約二六%、こういうことでございます。
#82
○元信委員 それは何万キロリットルになるのですか。
#83
○宗田説明員 純国産原科を使ったもの、国産原料は一万七千キロリットルでございます。あと輸入の干しブドウは極めてわずかでございまして、全体の約二%程度というところでございます。
#84
○元信委員 ブドウ搾汁からつくられるものがあるでしょう。
#85
○宗田説明員 ブドウ搾汁は約三二%程度でございます。
#86
○元信委員 三二%というのはどこへ入るわけですか。さっき国産が二六%と言いましたね。その残りの七四%のうち三二%が濃縮搾汁からつくられたものですか。
#87
○宗田説明員 正確に申しますと、これはかなり推計が必要なんでございます。と申しますのはバルクワインの輸入時とそれからブドウ酒の製造と必ずしもそれがそっくりそのままつながるというわけにはいかない。時期のずれ等もございますので、かなり推計が含まれるわけでございますけれども、国産の製成数量合計は、国内で製成したものが四万キロ、それからバルク等の輸入が二万六千キロ、合わせて六万六千キロリットルのブドウ酒が製成されておるわけでございます。そのうち純粋の国内のブドウでつくられたものが二六%、それからバルク部分が約四〇%、それから濃縮ブドウが三二%、干しブドウが二%、こういう数字でございます。
#88
○元信委員 ところで、今度の一連のワインの有毒液騒ぎで明らかになったことは、国内産のブドウ酒と称するものがかなり輸入バルクワインで占められているということが今お話のあった数字でも明らかになったというふうに思うのです。したがって、今後消費者の期待にこたえていくためには、特にワインという商品は、ほかの商品と比べても産地と品種、それからビンテージ、これが重要視される商品でございまして、少なくとも産地について正確な表示をしていくことが望ましいと思われるわけでありますね。したがって、これらの正確な表示をさせるためには公正競争規約によるのがいいのではないかというふうに思われるわけでありますが、我が国では、酒について言えばワインだけ公正競争規約がないということでございます。この点については、どのようにこれから業界を指導されるお考えでしょうか。
#89
○利部説明員 今まで公正競争規約の形で、ワインの消費者がワインを選ぶ際に重要な選択の手がかりとする事項について適正な表示をする、そういう基準をつくるようにという要請をワイン業界にしてきたわけでございますけれども、まずワイン全体の生産量が酒類の中ではそう多くないということ、それからまだ日本のワインは発展過程にありまして、ワインの表示なりその他の慣行が確立するに至っていないこと等のために、そういう適正な表示基準を業界としてつくるに至らなかったのだというふうに考えております。今回のような問題が起きましたのは、そういう適正な表示の基準が決まっていなかったということも大きな原因になっているのではないかというふうに認識しておりますので、所管の国税庁とも協力いたしまして、表示の適正な基準について業界で鋭意検討し、それから当然消費者にもその他関係者にも納得のいくような適正な表示の基準をつくって、それを遵守するような指導をしてまいりたいと考えております。
#90
○元信委員 業界で適正妥当なというお話でございますが、おいおい申し上げてまいりますが、ワイン業界というのはどうも異常な体質があるんじゃないかと私ども思うわけでございまして、大事なことは、消費者に納得できる基準が必要だと思うわけですね。日本消費者連盟から国産ワインの不当表示に関する申告あるいはワインの表示に関する申し入れ等が行われているかと思いますが、御存じでしょうか。
#91
○利部説明員 日本消費者連盟その他消費者団体から、ワインの表示の適正化についての要望が公正取引委員会に寄せられております。
#92
○元信委員 ともかく、ワインに対する信頼は今地に落ちた状態にあろうかというふうに思います。しかし一面、我が国の、例えば山梨県等にあって、まじめに自分のところでつくったブドウ酒だけを売っている業者もこれまたあるわけですね。大手は別といたしましてそういう業者がある。それに対して勝沼町などでは、これは一〇〇%勝沼のブドウでできたフィンでございますということで、町が証明をするシールを発行しておる、こういうふうにも聞いているわけです。少なくとも産地だけは直ちに明らかにする、こういう措置をとらないと、今までまぜ物をしておった人たちがそれによっていろいろ不利益をこうむるのはいたし方ないとしても、そうではなくてまじめにやっていた人たちまでが不利益をこうむるということになると思いますから、産地の表示だけはすぐさせるべきではありませんか。
#93
○利部説明員 先生がおっしゃいましたように。フィンの産地として有名な、消費者から信頼されている産地の名を表示に使用する場合は、消費者がそれから受ける印象と異なった内容のものであってはならないというふうに考えております。そういう意味で、産地に関する表示は非常に重要な事柄だと思います。そのことも含めまして、早急に適正な表示の基準をつくるように指導してまいりたいと思います。
#94
○元信委員 それでは厚生省お着きになったようでございます。遠いところから御苦労さまでございました。
 二、三伺いたいことがございますが、厚生省はバルクワインの形で輸入されておりますものの調査をされたようでございますが、ジエチレングリコールは検出されましたか。
#95
○大澤説明員 おくれまして申しわけございませんでした。
 ただいまの御質問でございますが、輸入バルクワインのジエチレングリコールの検査結果でございますが、八月二十九日にマンズワインからジエチレングリコール検出との報告を受けまして、既に調査を指示しました過去三年間の輸入バルクワインに加え、それ以前に輸入されましたオーストリア、西ドイツ及びハンガリー産のバルクワインについても、八月の末から九月の初めにかけまして、この輸入バルクワインを使用しておるすべての業者、すなわち全国で九業者十四工場があったわけでございますが、これらを所管する関係八道府県市に調査するよう指示したわけでございます。
 調査に当たりましては、当該バルクワインがない場合は当該バルクワインを使用した在庫の製品、さらに在庫製品がない場合は市中流通製品まで対象とするよう指示したわけでございます。
 その結果、輸入の全バルクについて、合計六十三ロットすべてについて、バルク製品を含めてでございますが、延べ百三十七検体の分析が行われ、マンズワインの関係を除きましていずれからもジエチレングリコールは検出されなかった状況でございます。
#96
○元信委員 時間もないから聞いたことに簡潔に回答してもらいたいと思うのですが、輸入されたバルクワインに、マンズワインのも含めて、ジエチレングリコールが検出された例がなかったわけですね。
#97
○大澤説明員 マンズワイン以外につきましては、輸入されたバルクワインからはジエチレングリコールは検出されませんでした。
#98
○元信委員 それじゃマンズワインのものからは検出されましたか。
#99
○大澤説明員 マンズワインにつきましては、七銘柄についてその製品からはジエチレングリコールが検出されました。
#100
○元信委員 聞いたことに返事してくれと言っているのですから。原料のバルクワインからジエチレングリコールは検出されたかどうか聞いているのです。
#101
○大澤説明員 このマンズワインの在庫につきましては、タンクが一つありまして、その在庫について検査したところ、それにつきましては検出されませんでした。
#102
○元信委員 製品からはジエチレングリコールが七銘柄について検出されたわけですね。
#103
○大澤説明員 そのとおりでございます。
#104
○元信委員 そうしますと、原料からはジエチレングリコールが検出をされなかった。ところが製品からはジエチレングリコールが検出された。どこでジエチレングリコールが入りましたか。
#105
○大澤説明員 結論から申し上げますと、今現在その点の調査検討を続行中でございます。これまでの県からの報告によりますと、ジエチレングリコールの混入が疑われるオーストリア産のシュテファン・ハーラー社製バルクワインが残留していると思われる工場のタンク内を検査したわけでございますが、このタンクに残留していたフィンは、移し入れられた当該バルクワインすなわちシュテファン・ハーラー社のワインに対しましてブレンドが繰り返された後のもので、結果的に希釈されてしまったのではないか、現在のところこういう推定がされているわけでございます。いずれにしましても、この点に関しましてもなお山梨県において調査検討が続行されているところでございます。
#106
○元信委員 ちょっとその答弁は承服できないのです。ジエチレングリコールの検出限界というのは極めて高いというふうに聞いていますね。〇・〇一ぐらいまでは検出できると聞いておる。にもかかわらずそれが検出されないのは、単に希釈なんかでそういうことは起こらないと思うんですね。そうじゃないですか。
#107
○大澤説明員 ただいま申し上げましたように、これが最終結論ということでございませんが、いずれにしても、先生から御指摘された点も含めて県において現在調査検討が進んでいる、こういう状況でございます。
#108
○元信委員 検出できないということは、ないというふうに考えますから、そうすると、あと可能性として考えられるのは、日本の国内においてジエチレングリコールを混入したということは考えられませんか。
#109
○大澤説明員 可能性といいますか、いろいろなことが考えられるわけでございますが、現在我々は、全国の輸入バルクワイン、それを使用した国内産ワインが出ているわけでございますが、それと、輸入瓶詰のワインについても検査を全国で行っているわけでございますが、少なくとも国内産ワインについて、マンズワインはちょっと別にして、それ以外についてはジエチレングリコールは混入されてない。すなわち検出されてない、こういう状況にあります。マンズワインの七銘柄についてジエチレングリコールが検出されたわけでございますが、これのブレンドしたもとのものはシュテファン・ハーラー社のものでございます。このシュテファン・ハーラー社は、オーストリア、西ドイツにおいて、この社から製造されたワインについて十四銘柄ジエチレングリコールが検出されている。今回マンズワインの七つの銘柄の製品から出たものは、シュテファン・ハーラー社の輸入バルクワインを使用しているわけでございますが、そういうことからしてそれによるものと我々考えております。先生の御指摘の点につきましても現在県で検討調査中、こういうことでございます。
#110
○元信委員 関係ないことをべらべら言わぬようにしてもらいたいのだが、もう一つの可能性として言わなければならぬのは、山梨県が調査に行ったときに調査のサンプルとしてとってきた、そのタンクの中に残っておったバルクワインは、シュテファン・ハーラー社のものが既に捨てられて、すりかえられていたという可能性がもう一つ現実の問題としてあると思うんですね。いかがですか。
#111
○大澤説明員 そういう御指摘の点については、県からそういう事実があったという報告はございません。
#112
○元信委員 そういうのんきなことばかり言っているのではなくて、僕は、厚生省はもうちょっと毅然たる態度をとらなければいかぬと思いますよ。なぜかといえば、マンズワインという会社は、もうこれは有毒であろうと思われる銘柄については市場からこっそり回収しておって、持っておったにもかかわらず、山梨県から工場へ立入検査に行ったときには、それはもうストックがございませんと言って隠してしまった。何千本もストックがあったのですよ。あったにもかかわらずそれを隠して、分析のサンプルの収去にも応じなかった。そういう会社が、もし有毒の原料を持っていてそれを分析されそうなら、当然それを捨てて別のものを持っていかせるということが考えられるでしょう。あなた、そんなこと聞いてませんなんてのんきなことを言っている立場かね。どうなんですか。
#113
○大澤説明員 山梨県においては、この事件に対しましては県当局は毎日調査あるいは収去検査をやっているわけでございますが、今の時点では、県としても先生の御指摘のような点も含めて工場あるいは会社に対して調査しているところでございまして、いずれにしても現在続行中ということでございますので、わかり次第また御報告いたしたいと思います。
#114
○元信委員 このマンズワインという会社に対して、今どういう行政処分をしておりますか。
#115
○大澤説明員 今回のマンズワイン株式会社の食品衛生法違反に対する行政処分でございますが、一般に都道府県知事が行っているわけでございますけれども、ジエチレングリコール混入の事実が判明したマンズワイン株式会社製造の国内産ワイン七銘柄につきましては、本社の所在地である東京都から回収命令、販売禁止の措置がとられているところであります。これら回収された当該ワインは最終的には焼却処分される予定、こういう報告を受けております。
#116
○元信委員 そうすると、そのほかの銘柄については何のお構いもなくてこれから製造販売が続けられる、こういうことですか。
#117
○大澤説明員 それはマンズワイン社のですか。(元信委員「そう」と呼ぶ)現在製造自粛、中止している状況にありまして、一般に行政処分というのは、当該製品について食品衛生法上違反するものがあればそれについての処分ということになるわけでございます。
#118
○元信委員 有毒なものは処分なんかしなくたって売らぬに決まっている。こんなもの売っちゃいかぬに決まっていますね。それは行政処分の意味がないと思いますよ。実際にこの会社で今やっていることは、調査に対する非協力をやっているわけですね。そうでしょう。あったものを隠して調査に応じない、あるいは原料を持ちに来たらそれをすりかえてしまうというやり方。そういう会社に今みたいなやり方でいいものですか。食品衛生法上当然協力しなければならぬことに協力してないのでしょう。どうなんです。ほかに方法はないのですか。
#119
○大澤説明員 当該県におきましても、厚生省においても、マンズワイン社に対して厳重に今の御指摘の点について注意したところでございますが、さらに、食品を扱う、業とする者に今御指摘のような点があったことはまことに私ども遺憾に思っておりまして、今後こういうことのないように厳重に対処してまいりたいと思います。
#120
○元信委員 法務省あるいは警察庁、ちょっと御意見を伺いたいと思いますが、可能性として今厚生省でも国内におけるジエチレングリコールの混入が否定できない、こういう答弁であったと思います。そうじゃないとは思うというような推測であって、否定はできない、あるいはバルクワインのすりかえがあったのではないか、このことについても否定はできないというふうに御答弁があったと思うんですね。そうしますと、こういう事柄は刑事的な責任が生ずるのではないか、こう思うわけてあります。さらにまた、このマンズワインは、安全宣言なるものをいたしまして、市中に有毒なワインがあるにもかかわらず、当社のワインは安全でございますと新聞広告をいたしました。それを信じて飲んだ人はこれによる中毒を起こす可能性があるわけでありますね。先ほど、飲んでもそう大した量でなければ大丈夫というようなお話がありましたが、ジエチレングリコールに発がん性があるというデータも実は出ているわけであります。そうだといたしますと、結果において人を殺傷する可能性があったのではないかと考えますが、まず法務省の御見解を承りたいと思います。
#121
○松尾説明員 食品に有害物を混入させる行為、あるいは先生今お尋ねのサンプルの差しかえ行為というのを仮にやったらどういうことになるのかというお尋ねかと思うのですが、具体的事項に関することでありまして、その前提となる事実関係いかんによりましてまた答えが変わろうかと思います。具体的事実関係の明細が明らかになっておりませんので何ともお答えいたしかねるわけでございますが、一般論としてどうかということを考えましても、例えば食品衛生法違反、あるいは食品に有害物を混入させたことによってそれを食べた者が何か身体の障害を来したというようなことでありますれば、業務上過失、あるいはサンプルの差しかえ行為等については、事実関係いかんによりますが、証拠隠滅、その他いろいろな罪名が考えられるわけなのですが、何としましても具体的な前提事実がはっきりいたしませんので、ここで一般論としてどうだこうだというようなことまでなかなか申し上げかねるわけでございます。
#122
○元信委員 警察庁にも伺いたいと思います。
 先ほど厚生省の御答弁をお聞きになったかと思いますが、甚だ頼りないといいますか、メーカーの方の言っていることを伝えているだけであって、反面、食品衛生法上はそこまで突っ込んだ調査ができないというようなこともネックとしてあるいはあるのかと思います。そこで、証拠隠滅であるとかあるいは今お話のありました過失傷害とか、こういう可能性があるわけでございますが、警察庁としてはどんなふうに対応をされるでしょうか。
#123
○石瀬説明員 今ほど法務省の方からお答えがあったわけでございますが、警察の方といたしましても、国民の保健衛生上重大な問題でございますので、厚生省の実態調査に強い関心を持っているところでございます。その実態調査の結果を踏まえまして、事実関係が明らかになり、それが刑罰法令に触れるということあれば、厳正に対処してまいる必要があろうというふうに考えております。
#124
○元信委員 時間が参りましたから以上で終わりたいと思いますが、厚生省は、さきに業界のそういううそっぱちを丸飲みにして安全確認をした。今回また、九月二日付だかで安全確認をされたようではございますが、厚生省のいわゆる安全確認なるものは、先ほど私が申し上げましたように、原料にはジエチレングリコールは検出されないが製品からは検出されるという極めて不可解な事態が未解決のままの安全確認であるということをこの際申し上げておかねばならぬと思うんですね。したがって、この問題を最終的に決着させるためには、今言ったことを必ず解決をして、一体どこでだれの責任でこういう事態が起こったか、単にミステリーだとかわからないとか不可解だとかそう言って事をごまかして終わりにしないようにこの際強く申し上げまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#125
○竹内委員長 次に、横江金夫君。
#126
○横江委員 午前中の参考人の皆さん方の御意見を尊重しながら質問をしてまいりたいと思います。
 まず、豊田商事の被害の問題であります。
 先ほど質問もございましたが、八月三十一日現在、大阪地裁が届け出を発表いたしました。この数字を申し上げる必要はございませんけれども、この被害届けとは別に、例えば経済企画庁といたしましては被害の実態をつかんでおみえになるわけでありますけれども、実際の実数というのはどれほどなのか、これをまず明確にしていただきたいと思います。
#127
○横溝説明員 経済企画庁関係といたしましては、国民生活センターあるいは都道府県の消費生活センターに豊田商事関連の苦情が参っております。その数なり金額なりというのはつかんでおります。それを御説明申し上げたいと思いますけれども、この豊田商事関係の正確な被害者の数とか債権の額とかいうのは、やはり地裁でお取りまとめになった数が一番包括的かつ正確なものではないかと存ずる次第でございますが、企画庁に寄せられた数字を申し上げますと、先ほども青木先生の御質問に関連して申し上げましたが、国民生活センター及び都道府県及び政令指定都市の消費生活センターに寄せられました豊田商事及び鹿島商事に関する相談件数は、五十九年度において二千九百四十五件、今年度に入りまして、ことしの四月が五百四十六件、五月が八百十四件、ところが六月になりまして七千七百四十三件と激増いたしました。それから七月が四千二十件と若干減りまして、八月は未集計でございますが、かなり減っていると思います。以上合計いたしまして一万六千六十八件でございます。
 それから金額は、これは明らかになっていない件数も含まれておりますので、必ずしもこの件数と金額が対応するわけではございませんが、相談に来た方々の契約金額の総額が五百六十一億円でございます。
#128
○横江委員 地裁にまたなければいけない、正確な数はわからないということでございますから、この関係につきましては、これは豊田商事の純金ファミリー契約の数だけてありますが、例えば鹿島商事のゴルフ会員権とかベルギーダイヤモンド、この関係の被害者、そして被害額、これだけでいいです、簡単に答えていただきたいと思います。
#129
○横溝説明員 今の数字に対応する全体の統計をちょっと手元に持ってございませんが、五十九年度とことしの五月までの数字……
#130
○横江委員 現在のを欲しいのです。五十九年度じゃなしに現在の、最新の今まであなた方が集計された数字が欲しいのです。
#131
○横溝説明員 ちょっと今手元にありませんので、感じをおつかみいただくために、五月までの数字がございますので申し上げますと、五十九年度からことしの五月までの今申しましたベースでの全体の数が四千三百五件でございますが、うち豊田商事が四千十一件、鹿島商事が二百九十四件になってございます。
#132
○横江委員 被害を調査しておみえになるのかどうか、あるいは今手元にないのかわかりませんが、例えば被害者のこのような事例につきましては、御承知かどうかも御指摘をいたしたいと思います。
 ちょうど国会におきまして、通産省は、これからこのような大きな類例を見ない犯罪としては新規の勧誘は停止をする、こういう行政指導をしたいと言ったのが六月十二日でございました。また、兵庫県警が六月十五日に豊田商事の大阪本社等を外為で強制捜索をいたしました。ところがこのさなかに、日にち的には六月十七日でございますが、鹿島商事の東京都飯田橋第二支店営業部営業課長の小川勇人とその主任の大根田美代枝女子職員が、八十歳の老婆をごまかしてゴルフ会員権二千万円の契約をしているのです。あのさなかです、問題のあのさなかにさえ。そして、その言いぐさが振るっているのです。私らは豊田と違う、会社が払えないときは私どもが払うんだ、このような言い方をしてだまして、近くの郵便局に行きますとおばあちゃん何ですかといってわかりますから、遠くの郵便局まで連れていって貯金を根こそぎおろしてきてしまう。私はこんなケースはたくさんあると思うのです。今、その方は練馬の都営住宅でもう寝たきり、伏せてみえるのです。先ほど参考人の方が言われましたように、もうこれから生きる意欲がない、こういう状態でありますが、これを御承知でございますか。もう調査してみえると思いますが、いかがですか。
#133
○山下説明員 今、先生御指摘のケースにつきまして、私どもまだ承知しておりません。
#134
○横江委員 七月十三日に警視庁へ御相談に行かれたら、警視庁の方からこの本人さんに電話があったというふうな御指摘も聞いておりますが、どうなんでしょうか。
#135
○国松説明員 ただいまの件につきまして、私ども今のところ存じておりません。
#136
○横江委員 私はこの外務員に対しても、当然取り込み詐欺だと思うのです。七月十三日に警視庁の捜査二課の方が相談してみえることも知っているのですよ。名前まで知ってます。この公の席上で聞いてませんなんということは、これは私は納得できないのです。
 こういうような事実の問題からいきまして、警察を初めとして経済企画庁も通産省も、実際にこの問題に対する姿勢の問題でございますけれども、いかがですか。
#137
○国松説明員 現在、豊田商事関係につきましては各地で告訴が出ておりまして、事詐欺罪であるということで告訴なさっておる方もかなりの数に上っております。私どもといたしましては、その告訴に基づきまして鋭意捜査をしておるところでございますが、先生ただいまの御指摘になりました事実につきましては私今ここで存じておりませんので、そういう事実があったかどうかは後ほどまた確認をしてみたいと思っております。
#138
○横江委員 先ほど岩本参考人から、五十九年全国各地の弁護士が、いわゆる代理人として出資法違反とか詐欺罪で告訴した。五十九年三月です。もう相当の日にちが実はたっておるわけでありますが、そこらの結論というものも当然出なければいけないと私は思うのです。まして、今私が事例を申し上げております事実、名前も住所もしっかりわかっていますが、例えばこのような問題が提起をされて、もうガサが入っている状況の中で、豊田とは関係ありませんよ、私のところは払えないときは私が払いますよと言って取り込み詐欺的にやるような外務員について、新規勧誘を停止しなさいという指導をした後にこのような勧誘そして契約というのはどれほどあるのか、これだけで結構です。豊田、鹿島、そしてベルギーダイヤモンド、数だけ示してください。関係の方に答えていただきたいのです。
#139
○山下説明員 私どもから豊田商事に対しまして金あるいはゴルフ会員権というようなペーパー商法をやめるようにという申し入れを実際にやりましたのは六月十九日付でございました。その時点で豊田商事は既にやめておったというふうに理解しております。具体的に今、先生御指摘のようなケースが実際にどの程度あるのか、私どもとしては承知し得てない状況でございます。
#140
○横江委員 そこで被害の救済でございますが、先ほどの数字からまいりますと約十二億円何がしが債権確保されておるということでございますけれども、実際、管財人の皆さん方が努力をしておみえになるわけでありますが、今後どれほどのめどが、例えば債権確保について具体的な財産だとか数字の上からいきましてあるのかどうか。これは管財人に当然聞くわけでございますが、管財人の方に連携をとってみえる方からで結構でございますので、警察の調査の上からでも結構でございますが、御答弁を簡単にいただきたいと思います。――それでは別の角度からお尋ねいたします。
 これも新聞に出ておりましたけれども、銀河計画の五十九年九月三十日現在の決算の中で、四十五社並びに個人の貸し付けの明細が出ておりました。額的には約二百五十四億、このような数字で出ておりますけれども、この回収についてはどうなっておるのか。これは管財人でないからわからないかもしれませんが、これだけはどうでしょう。半年決算でございますから、六十年の三月決算における貸付金はどうなっているのか、これを入手してみえるかどうか。五十九年九月三十日現在の決算を入手してみえるならばもちろん六十年三月決算も入手してみえると私は思いますが、いかがでしょう。――それでは警察の方に伺いますけれども、このような銀河計画株式会社等々については、これは社長が今失踪しておりますが、出てくれば当然そこらあたりのことも明確になってくると思うのですが、大阪府警は北本社長が債権者らに拉致されているか自分から姿を消しているかわからないということで調べておると言ってみえるのです。警察当局としては参考人としてどこかでお聞きになっているか、永野のような格好になってはいけないということで隠してみえるかわかりませんけれども、この北本社長の行方、そしてその後捜査の結果はどうなっているのか。これがはっきりしてくれば今私が申し上げました点は明確になってくると思いますが、いかがでございましょう。
#141
○国松説明員 先ほども御答弁申し上げましたけれども、この豊田関連の問題につきましては各地で告訴が出ております。大阪府警も出ておりまして、大阪府警はその告訴に基づいて詐欺罪等で現在捜査をいたしております。
 ただ、今鋭意捜査中でございますが、まだここで捜査の内容につきまして申し上げるほどの段階に達しておりませんので、その件につきましてなかなか内容は申し上げられないわけでございますが、北本社長に対してどういう形で我々がアプローチするかということにつきましては今後の問題でございまして、今のところ特にここで申し上げるような資料を私ども持っておるわけではございません。
#142
○横江委員 これは随分日にちもたっているわけでございます。今後どのような格好でアプローチをするかというのは、随分前に答弁を聞かなくちゃいけないと思うのです。現段階としては、この北本の参考人としての意見を聞いておりますとかあるいは現在北本はこうなっておりますというくらいの話が出てきてしかるべきだと思うのです。まだ、これからいかにアプローチをするかなんということは非常に後手後手じゃないのでしょうか。私はこの点だけまず申し上げでまいりたいと思います。
 被害者の救済で私が申し上げたいのは、例えば先ほど申し上げました決算の中の貸付金がどうなっているのか、あるいは菊池、大和の問題等先物取引の問題等もありますが、こういう関係から伺いたかったのでありますけれども、これも明確じゃありません。
 そこで私は、例えばマリーナとかあるいはゴルフ場とか見てまいりますと、ほとんど五十九年、六十年というのが売買契約の実態になっているわけでございます。ここらあたりはもう当然に、その豊田商事グループに登記上所有権が移転をしているところもあると私は思います。あるいはまだ部分的に支払っているから仮登記の場合もあると思います。こういう資産の一覧について、ゴルフ場とマリーナの関係については当然明確になっていると思いますが、いかがでしょうか。一これはまた警察の方ですか。それともどこか答弁していただけますか。一覧表について、所有権が移転しているマリーナ、ゴルフ場、仮登記のところ、部分的にひとつ示していただきたいと思います。
#143
○国松説明員 繰り返すようでございますが、ただいま詐欺罪に該当するのではないかということで告訴を受けまして捜査をしているわけでございますが、その過程におきましては、もちろん豊田商事だけでなくてその関連会社なども含めましての財務実態と申しますか、そういうものを明らかにしなければならないわけでございます。ただ、それは現在捜査中でございますので、そのことにつきましてここで具体的な数字として申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
#144
○横江委員 被害者救済、警察にすべてをおんぷする一私は、当然それなりに行政官庁としても、例えば今その所有権が移転してしまっているところとか、仮登記の場合にどれだけの金額が相手方に行っているのか、破産の関係であるならば、契約の途中として倒産の場合等については当然契約の解除の申し入れもできると私は思うのです。こういう場合に、その受けた代金を戻していただく、そしてそれを被害者の救済に充てるということも当然なんです。こういうような作業は、管財人だけで云々じゃなしに、管財人と連携をとってやっていくということで、経済企画庁があるいは通産省が、どこかこのような作業をしているところがあるんじゃありませんか。全然ないのですか。この資産の一覧表について、警察じゃなしに、被害者救済の中でございませんですか。ゴルフ場とマリーナだけで結構ですよ。そんな作業していませんでしょうか。警察でなくていいのです。警察の話は、捜査中だから答弁できません、だからそういう話は聞きたくないのですよ。その話じゃないのです。被害者救済といって、きょうは参考人の方の貴重な御意見をいただいているのですよ。そして今このような資産の一覧表を教えてくださいと言っているのですよ。そういうものが出なかったら、検討する、あるいは意見を出されぬのではないですか。
#145
○横溝説明員 被害者の救済の問題、特にその債権の確保の問題は、基本的には、先生もおっしゃっておられますように管財人の手で民事上の手続で現在行われておるわけでございます。私どもとして具体的に個別にそういう調査をするわけにはまいらないかと存じますが、一般的にはそれぞれの官庁が所管の範囲内でできる限りの情報交換なり御協力は申すべきだと存じますけれども、具体的に今先生の御指摘のような点について私どもで調査はやっておりません。
#146
○横江委員 私は、被害者の方はもう行政に頼るところがない、こんな感じできょうのこの委員会の話をお聞きになるならば非常にがっかりされると思うのですね。
 調査していませんというお話してございますからそれ以上聞けませんが、ここに「豊田商事の正体」というのがあるのです。これはどうせお読みになっているのでしょう。木村久著。これをお読みになっているのではないでしょうか。これも読んでみえないのですか。これ、読んでみえませんでしょうか。
 この中に、被害者救済の中で書いてございますけれども、銀河計画と同列に白道という会社、これはありますね。これは先ほどの決算書の中で貸付金がありますから、これはどうなんですかと私は聞きたいのですけれども、あなた方が調べていませんから聞けませんが、この中に書いてあるのです。海外タイムスという会社もあるのです。この永野一男というのは新興宗教の元祖だということで、本尊として時価三百億円と言われる金の仏像を用意しておるということなんですよ。一遍これも調べていただきたいのですよ。そうすれば、こんな大きなもの、約十トンでしょう。どこか金地金どうのこうの協会の話がありまして、これだったら救済に随分助かるんじゃありませんか。管財人さんと連携をとってもらいまして、事実を一遍、警察の方はお調べかどうか知りませんけれども、これはうそを書いてないと思いますが、これもひとつぜひ早く読んでいただきたいと思います、被害者救済のために。
 そこで、余り調査をしておみえになりませんが、先ほどから警察庁の幹部の方は、捜査中でございますからということで、もうそれ一点で話をはぐらかしてみえるのです。確かに捜査中だということは、私は認めます。しかし、六月十五日、兵庫県警が外為で強制捜査をいたしました。和歌山県警が六月二十六日にあの産業廃棄物の問題でやりました。大阪府警が強制執行の不正免脱でもやりました。あるいは愛知県警その他の県警本部も警察庁と連絡をとり合いまして、そして立件をすべく突入というか、強制捜索をいたしました。まさに本丸に行こうとするこの罪名すべてが、例えば外為にいたしましても、廃棄物にいたしましても、すべてが形式犯であるが、形式犯を突破して、その摘発の中から詐欺罪という本丸、そこへ突き進もうというねらいがあって行われてきたと私は思うのです。
 しかるに、今ずっと見てまいりますと、どうなんでしょう。例えば外為の問題につきましても、本丸まで行きません。和歌山県警の問題でもしかりです。大阪府警の不正免脱被疑事実につきましても、詐欺破産の適用は無理だ。一体全体、ここまで行きますと、どこもかしこもみんな、形式犯から行って本丸まで突っ込もうと思ったやつが、ある程度のところまで行ってみんなペケになっちゃっているのですよ。そして、ペケになっておりながら、今ちょうど三カ月も来ているのですよ。しかも、まだ捜査中でございますからどうのこうのという話では、しかも告訴されている事実は五十九年三月なんです。今ことしは六十年の九月なんですよ。告訴事件も一年数カ月もほかっておきまして、まだこれからなんでございますよということも、私は実態からいっておかしい。もちろん、最近のやつもあると思いますよ。あると思いますけれども、先ほど岩本参考人の話からいきますと、五十九年の三月に事実代理人としてやったということも出てきておるわけなんですよ。
 私は、そういう意味合いからいって、この事件の被害者、規模の巨大さ、その類例を見ないという実態、先ほどから話がありました財産の喪失や家庭崩壊をもたらしておって、三重県あたりではもう自殺者も出てきておるのです。そういう実態からいって、出資法でも摘発できないし詐欺罪でも立件できないという事態が出てきたら大変だと私は思うのです。まだわかりません、捜査中だからわかりませんと言われますけれども、形式犯で入っていって、そして本丸まで行こうと思ったところが、現段階ですら――それじゃ今詐欺罪はどこまで、どこが、どこの県警に今この問題を実際に捜査してもらっていますか。日にちがたってから、ほとぼりが冷めてから、これは全く詐欺罪にも出資法にも該当いたしませんでしたと終わるならば、私は、この次の、第三、第四の大変な問題になってくると思うのです。その意味合いからまいりまして、実際に今まで強制捜査しておみえになる実態からいきまして、この悪徳豊田商法の商法そのものに網をかぶせる、詐欺罪というものがどうなのか、出資法がどうなのか、このことも含めて明確に、捜査中でございますなんという答弁は前の委員会で結構ですよ、今現在としてはもっとやはり積極的な御発言をいただきたいと思います。
#147
○国松説明員 現在、詐欺罪に該当するということで告訴を受けておりますのは、大阪など七つの府県、十四件を私ども受けております。それらの県を中心にいたしまして現在捜査中でございます。決して私どもといたしまして、捜査中という御答弁をもって捜査そのものがないがしろになっておるとか、いいかげんにしておるというようなことではございませんで、鋭意現在捜査中であるということでございます。捜査の中身について申し上げるわけにはまいりませんが、この捜査というものが、もちろん私ども大いに頑張ってやりますけれども、いかに難しいかということにつきましては御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 結局、もちろん詐欺ということでございますので、当事者といいますか、セールスに当たった者、あるいは会社の者がどのような犯意を持っていたかというようなことを確定するのも、なるほど一つでございます。しかし、そういう人にだまかそうとかなんとかという犯意があったということを確定しても、この事件はどうにもならぬわけでございまして、結局のところ、そのいろいろな行為が行われました時点におきまして豊田商事なり何なりがどんな財務状態にあったかというようなことをある程度確定をいたしませんと、私どもとして詐欺罪が成立するとかしないとかというようなことについて申し上げる段階にまいらないわけでございます。また本件につきましては、豊田商事だけでなくて、先生御指摘の銀河計画でありますとかその他関係会社の財務状態もあわせて考えませんと、全体の像がわからないというのが実情でございます。
 そういうもの、帳簿操作その他につきましては、これはもう膨大な資料、大変困難な捜査をするわけでございまして、一月、二月の間に結論が出てくるというようなものでもございませんし、現在、私どもといたしましては強制執行不正免脱等、犯罪になると確信を持ちましたものにつきましては捜査を遂げまして送検をいたしておるわけでございますが、現在は詐欺罪の告訴を受けておるところでございますので、その辺につきましてなるべく早く結論が出るように捜査をいたしておる。そういう意味での捜査中でございますので、ひとつその点よろしく御理解をいただきたいと思います。
#148
○横江委員 二月、三月で結論が出ない。ベルギーダイヤモンドの関係者は、もう警察は逮捕に来ないだろう、だからこのシステムを全部生かしても皮をこれから販売しよう、あるいは豊田商事の支店、百社か何社の中で、ある支店長はもう警察は逮捕に来ないから印刷をしてまたやり直そう、こういうのが今実情なんです。二月、三月と今あなた言われましたけれども、そんな日にちがたくさんあるわけじゃないのです。
 被害者の方、先ほど私が言った練馬の都営で寝て、もう生きる意欲も失っていますという人があるのですよ。二月、三月、あなたはそう簡単にいけないと言いますけれども、早くしなければいけない。しかし、どんな場合だって三月もあれば方向は出せると私は思います。方向すら今示せないでしょう。方向くらい出たっていいと私は思います。その方向も出ないなんということはおかしいと思いますが、ここで具体的にお尋ねいたします。
 法務省にお尋ねいたしますが、例えば、人工宝石や印鑑ではこれはネズミ講で摘発されたのですが、このベルギーダイヤモンドの法務省の見解、お待ちだそうですけれども、これはどうなんでしょう。またこれもいけないという、近々に出るとか出ないとかいう話でございますが、聞くところによりますと、余分なことかわかりませんが、ジャパンライフ政治資金だとかいろいろなことがありましたし、警察庁の偉い方が今社長さんだそうで。ざいまして、このベルギーダイヤモンドを摘発すれば紹介販売システムに影響があるとか、その他の関係にも影響があるからまた法務省の見解も非常にトーンの下がった見解になるのじゃないかというような話もありますが、このベルギーダイヤモンドについての法務省の見解をひとつはっきりと承っていきたいと思っております。
 いま一つ鹿島商事、これは出資法の問題で、先ほども参考人の方がはっきり言われましたのですが、どうなんです、もうそろそろ結論が出たっていいのじゃないでしょうか。法務省と大蔵省の見解、そしてこれにあわせて、この問題の警察の捜査の実態をお聞かせいただきたいと思います。時間がありませんので簡単で結構です。
#149
○松尾説明員 ベルギーダイヤモンドの件につきましては、無限連鎖講の防止に関する法律違反に該当するかどうかにつきまして、捜査機関の結果を踏まえまして今検討しているところでございます。今ここでその成否についてまだ具体的に申し上げる段階に至っておりませんので……
#150
○横江委員 いつごろになりますか、その結論は。きょうあすという話まであるようですよ。
#151
○松尾説明員 今該当の法律自体、先生ごらんになるとおわかりと思うのですが、構成要件が非常に入り組んで複雑な表現になっておりまして、その一々について今鋭意詰めているところでございますので、ここでいつということまでお答えいたしかねるわけでございますが、早い機会に結論を出したい、こう思っておる次第でございます。
 それから鹿島商事でございますが、鹿島商事につきましては、現在大阪地検等に告訴がございまして鋭意捜査をしているところでございます。確かに告訴後日時が経過しているわけではございますが、先ほど警察庁の担当者からも答弁がございましたように、豊田商事総体の問題に絡んでくるものでございますからかなりの捜査量がございまして、いまだになかなか結論を出しかねているという状況でございます。
#152
○坂説明員 お答え申し上げます。
 鹿島商事の件につきましては、出資法の第二条に触れるかどうかという問題があろうかと存じておるわけでございますけれども、一般的に言いまして出資法二条という法律は、法律によりまして預かり金をすることが認められているもの、例えば銀行でございますけれども、そういうもの以外のものが預かり金をすることを禁止をしている法律でございますが、ここで言う預かり金と申しますのは、預金と「同様の経済的性質を有するもの」というふうに法律に書いてありまして、鹿島商事がやっていたようなことが預金と同様の経済的性質を有するものであるかどうかということになろうかと思います。(横江委員「結論だけでいいですよ、時間がないから」と呼ぶ)
 結論といたしましては、結局実態がどういうことであったかということが問題になるわけでございますけれども、この実態につきましては、今法務省や警察庁からも御答弁がございましたように、当局で御捜査中ということでございまして、その捜査の結果を私どもとしては待っているという状態でございます。
#153
○清島説明員 まずベルギーダイヤモンドでございますが、先ほど法務省の方からも御答弁がございました。私どもの方としましては現在まで一道十二県で強制捜索をしておりますが、いわゆるネズミ講の疑いが強いということで捜査に着手したわけでありますが、御答弁ありましたように、法の適用についてはなお微妙な点がございまして、法務省とも詰めておるというところでございます。
 出資法につきましても、特に鹿島商事の関係でございますが、全国関係都道府県が今鋭意捜査中というところでございます。
#154
○横江委員 あと一問だけお願いいたしたいと思います。
 私は経済企画庁の横溝説明員にお尋ねいたしますけれども、鋭意努力中でございます、その鋭意努力中で、先ほどのも皮の話やら印刷物を刷って準備しているというようなところまできているわけです。あなたの答弁も、七月十八日の流通問題小委員会の答弁からきょうの答弁、全く一歩も前進がないのですね。これはその間どうしておったんだなという気がするくらい、全く同じことを言ってみえるのです。「何といたしましても現在捜査が進んでおりますので、実態の解明がまだ済んでおりません。それによって現行法でどこまで対処できるかという辺が明らかになってくると思われますので、まずその辺を見きわめる必要がございます。ですから、現行法が全く足りないのか足りるのかという判断はまだ最終的にはできないと思います。」こういう答弁なんです。きょうだって、先ほどの浜西委員の質問に対して、適用する可能性、立法の必要性があるかどうか、法律改正は必要かどうかというような話で終わっているわけです。
 もうそろそろ最終結論、最終段階に六省会議の中でもう一歩踏み出して――今警察当局も鋭意努力中でございますが、日にちが随分たっています。このようなことになるのは、法律が不備であるからきちっといかないのですよ。法律が不備であるゆえにここまで日にちがかかるのですから、それを考えるならばもっと明確に対応するという措置をこの際、私はもう最終段階に来ていると思うのです。立法、その新しい手だて、これについてはあなたはどう考えられますか。七月十八日と同じようなことを言ってもらっては私は困ると思いますが、その辺の決意をちょっとお尋ねいたしたいと思います。
#155
○横溝説明員 横江先生が今読み上げられました私の七月十八日の流通小委員会の答弁、その考え方は、捜査がまだ済んでいないからその点は実態解明を待たなければいけないという面は変わらないのでございますけれども、まさに先生おっしゃいますように、それだけを待っておったのではこの種事件、類似商法の再発、被害がまた大きくなるということが防げませんので、私どもといたしましてはそれも待ちますけれども、他方では関係六省庁で集まりまして専門家会合というのを設けまして、法律的な対応をどのようにしていったらいいか、それは現行法でうまくいかないということになりましたら立法措置もその検討の中に当然入ってくると思いますけれども、そういう検討を既に始めております。
 それから、先ほども青木先生の御答弁でちょっと申し上げましたが、国民生活審議会の中で約款適正化委員会というのを設けまして、契約における法律的な面からの検討というのも行っておりまして、こういう多面的な検討を早急に進めまして、被害再発防止のための適切な対策のあり方というのを固めていきたいと存じております。
#156
○横江委員 終わります。
#157
○竹内委員長 次に草川昭三君。
#158
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。
 被害者の方々が非常に数多くある。今我々がなすべきことは、豊田関連の資産の散逸を防ぐこと、そしてまた新たな犯罪を防止する、こういうことである、こういう立場から本委員会も、休会中ではございますがぜひ持っていただきたい、こういう趣旨でお願いして、このような機会をつくっていただいたわけであります。
 そこで、まず警察庁にお伺いをいたしますが、豊田商事事件、一連の、銀河計画等を含めた話でございますが、捜査概要が一体どの程度まで進んでいるのか、簡潔に御答弁を願いたい、こう思います。
#159
○清島説明員 警察といたしましては、これまで豊田商事グループについてその組織実態等の把握に努めるとともに、あらゆる法令に照らして違反事実があるかどうか、努力をしてまいりました。特に豊田商事グループの中枢にあると思われます銀河計画、豊田商事、豊田ゴルフクラブ、ベルギーダイヤモンド等について、全国の組織を挙げて捜査を進めました。現在まで、刑法のほか外国為替及び外国貿易管理法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、無限連鎖講の防止に関する法律、国土利用計画法の違反事実を突きとめまして、それぞれ関係都道府県において事案解明のために積極的に捜査を推進いたしております。
 まず、豊田商事につきましては、本年六月十五日、兵庫県警において外為法違反で豊田商事大阪本社、銀河計画、エバーウェルシーインターナショナル東京本社、永野一男宅等計七カ所の捜索に着手しております。また、六月二十六日に和歌山県警が廃棄物及び清掃に関する法律違反で豊田商事和歌山営業所等の捜索に着手しております。
 さらに刑法犯といたしまして、七月五日、大阪府警が銀河計画財務部次長兼豊田商事の財務部部長代行菅根良仁、豊田商事の財務部出納係長河田数登の二名を強制執行不正免脱事実で逮捕いたし、さらに七月十日、銀河計画専務取締役山元博美を同容疑で逮捕の上に関係十カ所の捜査を実施しております。
 次に、豊田ゴルフ等のレジャー関係につきましては、本年七月十日、岡山県警が国土利用計画法違反事件で豊田ゴルフクラブ本社、岡山開発等五カ所の捜索に着手しております。さらに同種事案といたしまして、七月十八日長野県警察が、さらに七月二十三日宮城県警察がそれぞれ捜索をしております。
 また、ベルギーダイヤモンドにつきましては、先ほど申しましたように六月二十九日、愛知県警察が無限連鎖講の防止に関する法律違反事件で本社等の捜索に着手いたしまして、現在まで一道十三県において同法違反事件で支店等五十九カ所の捜索をしております。
 以上であります。
#160
○草川委員 今の答弁で、警察庁も全国的にかなり幅広く指揮をしてみえる、こういうように判断をするわけでございます。
 捜査の方でお伺いをしますが、先ほども質問があったようでございますが、銀河計画の北本幸弘社長の地位というのは非常に重要だと思うのですが、北本社長を参考人というか、呼び出して事情聴取をしたのか、していないのか、とりあえずその点だけ明確に答えていただきたいと思います。
#161
○清島説明員 しておりません。
#162
○草川委員 おりませんという答弁でございます。これは捜査のテクニックもあると思うのでございますが、一連の流れの中で、今回の捜査、それぞれ手をつけておりますけれども、本質的な段階で率直に非常に戸惑いを感じておるのではないか、私はこういう不満があるわけであります。
 このことについては今から少し触れていきたいと思うのですが、とりあえず第二番目の問題で、永野会長の殺害事件があったわけでございますが、この背後関係の解明を徹底的にやってもらいたいという要望を私は前回も申し上げました。背後関係の解明は行われたのか、背後関係はないとおっしゃっておられるのか、どうでしょうか。
#163
○藤原説明員 豊田商事会長殺害事件の背後関係でございますが、この事件の重要性から、大阪府警におきまして、ちょうど六月十八日に事件が発生いたしておりますが、即日捜査本部を設置いたしまして、犯行の動機、背後関係の有無等につきまして徹底して追及いたしました。被疑者らは永野会長らの詐欺的商法に義憤を感じての個人的犯行であるというふうに供述いたしておりますが、捜査上もそういった個人的犯行という関係で、そのほかの背後関係は認められないということでございます。
#164
○草川委員 私は前回も申し上げたのですけれども、大阪府警が、殺害事件があった三日後、いち早く背後関係はない模様ということを言明しているわけですね。新聞にもこれは出ております。私はそういう意味では、捜査の内容に立ち入るつもりはございませんけれども、非常に不満であります。
 我々は本事件について、もう数年前とは申し上げませんけれども、少なくとも二年前からこの問題の提起をいたしておりました。背後関係が非常に複雑であるということも承知をいたしております。また、資産がどんどん散逸をしている、しかもその資産の散逸をしている内容を追及をしていきますと、先物取引市場あり、あるいはまた暗黒街的な様相あり、あるいはまた地下経済あり、さまざまな問題にぶつかるわけであります。だから、そういうところから、必ずや永野殺害によって利益を得る者がある、その者によるところの背後関係ではないかということを私は言っておるわけでございますが、大阪府警がいち早くとにかく背後関係なしと言明なされることについて、私は大変不満であります。
 今後も、その背後関係がないという、個人的な犯行だという本人の自白のみを尊重し、その背後関係を洗う気がないのかどうか、もうこれで一切打ち切りなのかどうか、再度お尋ねをします。
#165
○藤原説明員 その事件が発生いたしまして三日後に、大阪府警が背後関係がない模様というふうに報道された問題につきましては、私どもも定かに承知いたしておりませんが、とにかく事件発生後被疑者らがまさに個人的犯行であるということを一応供述しておったということが報道されたのではないかというふうに考えますが、その後のいわゆる捜査本部におきます徹底的追及によりましても、その種の背後関係というものが認められなかったということでございます。
#166
○草川委員 その問題については、捜査の問題でございますから、これ以上立ち入りません。
 ベルギーダイヤモンドの問題についてお伺いをしたいと思うのでございますが、これは警察庁も御存じのとおり、無限連鎖講についての法律というのは議員立法でございます。これは天下一家の会をつぶすという意味でできたわけでございますが、大きく分けて二つの問題があると思うのです。
 一つは、いわゆる金銭配当組織にこのベルギーダイヤモンドが該当すると言えるかどうか。それからもう一つは、本法第二条でございますが、一定額の金銭と言えるかどうか。ここの二点が問題だと思うのですが、今法務省の答弁もございましたけれども、前者の方に非常に問題があると考えられるのか、一定額の金銭というところに戸惑いを感じておられるのか、お伺いをしたいと思うのです。
#167
○清島説明員 現在法務省とも詰めている段階でございまして、具体的にどこが問題かというのを今ここで申し上げるのは適当でないかと思いますが、おっしゃるような問題も含めていろいろ問題があるということでございます。
#168
○草川委員 ベルギーダイヤモンドが二年間で約五百億のダイヤモンドを売り上げた、そして被害者もかなりいるわけでございますので、ついせんだって、私はわざわざベルギーのアントワープまで行ってまいりました。それでダイヤモンドのシンジケートの幹部にも会ってまいりました。現地の連中はすべて、日本のこのベルギーダイヤモンドの事件を承知いたしております。永野会長が殺害されたという事実も承知をいたしておりまして、ダイヤモンドの売買について日本で非常にアンフェアな取引が行われるということは世界のダイヤモンド市場にとっても不名誉なことだという、こういう強い怒りを持っておるようであります。でございますから、問題はダイヤモンドの質そのものよりも、いわゆる売ろうとする流通過程に私は問題がある。だから、この問題はやはり徹底的に解明をしないと国際的にも日本の恥だ、こういう立場を誇っておるものであります。
 ところが、今も警察庁の答弁なり、先ほども法務省の答弁なんかありましたけれども、私は、いわゆる行政当局の姿勢は裁判所に比べて非常に見劣りがすると思うのです。裁判所は豊田関連については非常に積極的であります。管財人の指名についても、あるいは管財人のやり方についても、法に許された限界以上にも柔軟な態度でいろいろな御判断をなすっておみえになるようでございますし、例えば神戸簡裁だと思いますけれども、これは八月二十八日でございますか、ベルギーダイヤモンドの商法は明らかに違法だ、無限連鎖講防止法の金銭配当組織に似た方法でなされたもので、公序良俗に反したものであり、無効だ、こう明確に簡裁が言っておみえになるわけです。私は明らかに裁判官の方が現状認識が正しいと思うのです。積極的だと思うのです。
 こういう判断、応援団があるにもかかわらず、行政当局が今なお積極的な対応をなされないということは恥ずかしいと思ってもらわなければ困ると私は思うのです。裁判所の方が先行しているじゃないですか。こんなすばらしい方向が出ておるのですから、公判維持は十分できると私は思うのです。これがもたもたしておるから類似商法がどんどん今後もできていくのではないかと思うのです。厳正な判断をしてもらいたいと思うのです。この点について警察庁はどうでしょうか、もう一回お尋ねします。
#169
○清島説明員 警察といたしましては、このベルギーダイヤモンド関係につきましては捜索の時点から積極説でございまして、積極的な捜査を全国やってきたわけでございます。この販売形態と申しますか組織形態というのは、ほぼ解明し終わったというふうに考えております。
 しかしながら、いろいろな法適用上、果たして法律に言う無限連鎖講に当たるかどうかにつきましては、従来の一般的なネズミ講とやや違ったものがございまして、この点について現在法務省と検討中ということでございます。
 神戸簡裁の判決につきましても承知しておりますが、まさにこの神戸簡裁で言うネズミ講類似のものだという、この類似というところがやはり私どもも微妙なところじゃないかというふうに考えております。
#170
○草川委員 私どもも、皆さんが御苦労なすっておみえになることは十分承知をしております。だからこそ私は、神戸簡裁がいち早くその類似という言葉を言いながらも公序良俗に反するという基本的な商法に対する怒りを投げかけられておみえになると思うのです。でございますから、我々議会側、立法府にも責任があると思うのです。とにかく、そういう意味では、最後に締めくくりますけれども、新しい法をつくるか、あるいは解釈を一回きちっとすべきだ、こういう見解を議会側も持たなければいけない、我々もそういう責任を持つと思うのです。また、そういうものをつくりながらもまた新しい事件というのが生まれてくると思うのでございますから、私は皆さん方の責任だけを追及するという立場ではございませんけれども、せっかく神戸簡裁がこういう方向を打ち出しておみえになるならば、それにこたえて、法務省の態度もいわゆる検察側の態度も、警察庁も打ち合わせをされましてやっていただきたいと私は思うわけであります。
 続いて、今国土利用法の問題について警察庁の方も調べておると言いましたので、ゴルフ場の問題について申し上げたいと思います。
 これは岡山開発株式会社の国土利用計画法違反の捜査が行われておるわけでございますけれども、この豊田商事関連というのは、銀河計画の中でも豊田ゴルフクラブというのをつくっておりまして、豊田ゴルフクラブというのがゴルフ場を全国で二十ぐらい買収しようということで、ゴルフ場の買収を大分やっておったようでございます。私は、その豊田ゴルフクラブの会長、今これは逮捕されておる人でございますけれども、藪内という方がおみえになりますが、この方がいろいろとゴルフ場の買収の問題で戸惑いを受けておるということを語っておる内容を私は今持っておるわけでございます。
 実は、永野会長は死ぬ前に、全国で四カ所のゴルフ場を百八十億円で買おう、こういう計画を立てておりまして、その相手は、水野興業株式会社というのが売り主に関連をしておるわけでございますが、湯ノ郷カントリークラブ、東名小山カントリークラブ、千葉カントリークラブ、ハワイオロマナカントリーの四つのコースを買おうという計画を立てたようですね。この水野興業の方はそれでいろいろ話し合いをしたと思うのでございますけれども、結局、豊田側が二十五億円の手付金というものを、逆に業者に違約金という形で返還の放棄をしておるのです。四コースの合計二十五億円の返還を放棄して未決済の手形百十八億円の返還を受けるという、いろいろなやりとりがあるわけでございますが、いわゆる売ろうとする側は、永野氏が死んだ、死んだから契約が不履行だ、だから違約金として手付金をもらっておるのだけれども、逆に損害賠償請求をしたいのだ、そういう考え方があるのだというようなことでございまして、結局、手付金の二十五億円というのは業者の手に渡っているということになっておるわけです。
 でございますから、もしこの手付金の二十五億円が、本当にいわゆる売ろうとする業者側への損害賠償金ならこれは仕方がない。しかし、いろいろなことの経過を考えて、もしそれが豊田側が全く無作為な形で業者に違約金として取られていたとするならば、これは本来管財人の財産に帰属をすべき問題ではないか、こう思うのです。
 現在、管財人は管財人でえらい苦労をしておるようでございますが、わずか十二億円の手持ちしかないわけであります。この二十五億円がもし管財人の手に入るとするならば、これは相当大きな朗報になるわけでございますね。ところが、管財人はなかなかそこまで手が回らぬわけであります。だとするならば、私は、警察庁は岡山開発の国土利用計画法違反、これは形式犯でございますけれども、そこで徹底的に調べてその金を管財人の方に回すような努力をする、これが今各行政官庁にとって一番大切なことではないだろうか、こう思うのであります。岡山開発の国土利用計画法違反について警察庁はどのような解明をなされておるのか、お伺いをしたいと思います。
#171
○清島説明員 先ほども御説明いたしましたように、警察としては各種法令を多角的に運用して、豊田商事に関する事実関係を解明するということで努力しているところでありますが、その一連の捜査といたしまして、岡山県警察におきまして、国土利用計画法第二十二条違反で豊田ゴルフクラブ等を捜査をしているところであります。現在、御指摘の手付金の金額等を含めまして、資金の流れ等についてもその把握に努めておるというところでございます。
#172
○草川委員 実はこの問題を調べていきますと、これはもう全く難しい語になってくるわけでございますが、御存じのとおり、これは今地検が取り上げておる事件でございますが、アイデンの問題というのがございます。それで、アイデンは豊田商事とは関係がない一般の会社の増資問題でございますけれども、このアイデンの事件につきまして手形のアイチというのが逮捕されておりますが、この手形のアイチにもこの事件は関連をしてくるわけでございます。
 それで、ゴルフ場の売買の問題をめぐりましていろいろなやりとりがあるわけでございますが、ここに有名な松本祐商事という名前も出てまいります。これはすべて、いわゆるアウトローと言うと言葉が悪いのでございますけれども、金融の問題については必ずダーティーな面では出てくる名前でございます。私どももこういう名前を出すことについては大変戸惑いを感じます。非常に私どもも覚悟を決めてこの問題を取り上げておるわけでございますが、相当深刻な、深層海流の中では非常に関連をする企業なんですね。だから、私は先ほど永野殺害の問題についても申し上げましたけれども、この問題は奥が深いのです。二年間取り上げてまいりました実績の中でも、調べれば調べるほど奥が深いし、どこかで共通する問題にぶつかるという本質的な問題がある。ですからこれは、先ほどいろいろな流れについても調査をしておみえになるという話でございますけれども、そういう立場でぜひこの問題についての解明を私は要求をしておきたい、こういうことを申し上げたいわけでございます。ひとつそういう意味で警察当局に厳重な対応を求めて、とりあえずこの問題は終わりたい、こう思います。
 続いて、国税庁にお伺いをしたいと思うのでございますけれども、国税庁は昭和五十八年に、これは多分五十八年の九月ころではないかと思いますが、豊田商事の立入調査をしておるのではないか、いわゆる税務調査でございますけれども、そういう事実があるのではないかと思うのでございますが、お伺いをしたいと思うのです。
 これは世上言われておるのでございますが、豊田商事は実は昭和五十七年に赤字を八億八千三百万円出しておる。ところが、それを一般的な対外報告では、決算で千二百万円の黒字がある、こういうことを言っておったようであります。五十八年の決算を見てまいりますと、赤字が二十八億七千二百万にふえている。これを対外的には七千三百万円の黒字だと報告をしております。五十九年の決算を見てまいりますと、四百十七億円の赤字を出しておる。こういうようなことで、いわゆる粉飾決算をしておるようでございますが、とりあえず国税庁に、昭和五十八年に豊田商事の立入調査をした事実があるのかないのか、お伺いをしたいと思います。
#173
○友浦説明員 お答え申し上げます。
 一般的に申し上げまして、私ども従来から課税上問題があると認められる法人につきましては、実地調査を行うなど課税処理の適正化に努めておるところでございます。
 ただいま先生からお尋ねのありました件につきましては、あえて否定はいたしません。ただ、具体的な事柄については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#174
○草川委員 だから、立入調査をされたことは事実だと思うのですね。ですから、私が言いたいのは、そのときの粉飾決算の数字がどうかは別といたしまして、五十八年に少なくとも粉飾決算だということが明らかになったとするならばどういう会社なのか、どうも金のまがい商法らしいということならば経済企画庁どうなんだ、あるいは通産省どうなんだ、あるいは警察庁どうなんだという情報の交換があってもしかるべきではないだろうか、私はこういう意見なんですね。もしその情報を早くつかんで、警察庁も通産省も大蔵省もそれはちょっとおかしいぞということならば、行政の対応もこれはそれなりのことができるのではないかと思うのでございます。そういう意味では、非常に日本の縦割行政というのは一面ではすぐれた点がありますけれども、その反面非常に落とし穴がある、この落とし穴が今日の豊田商事の欠陥ではないか、こう私は思うのですね。それは私の意見です。だから、意見は意見として、これは各省庁に関連することですから、各省庁とも本当に真剣に受けとめていただきたい、こう思うのです。
 続いて、第二番目の質問になりますけれども、いわゆる弁護士の先生方は、先ほどの午前中のお話にもございましたように、明確に豊田商事のやり方は詐欺商法だ、そしてまた公序良俗に反する行為ではなかろうかというので、税務当局がそれを認めて税金を取るというのはおかしいというような、そういう趣旨の御意見でございました。私もそうだと思います。こういう場合に、税務当局は一体どういう見解を立てられるのか、それなりの御発言がございましたけれども、ここで明確な答弁を願いたい、こう思います。
#175
○熊澤説明員 豊田商事の商法が詐欺である、したがってその営業行為等が無効ではないか、さらには豊田商事がその営業社員に支払った報酬等につきましても公序良俗違反で無効ではないか、そういった場合に豊田商事の源泉所得徴収義務というものがどうなるか、こういう点がお尋ねの要点かと思いますが、この豊田商事が営業社員に支払いました報酬の支払いの効力につきましては、民事上当事者間で争われておるところでございます。しかも、現に豊田商事の破産管財人から豊田商事の社員の一部を相手にいたしまして訴訟が提起されておるところでございます。そこで、この問題につきましては、私どもといたしましては、民事上の効力があるのかどうか、これに関します裁判の結果を待って対応していくのが適当である、そのように考えております。
#176
○草川委員 裁判の結果を待って対応するという新しい御発言があったわけでございますが、では不当利得だというような判決が出た場合、国税当局は当然のことながら源泉所得税を還付をするということになると思うのでございますが、これは当然そのようにされるのかどうか。その場合、具体的にどのようなことで還付をされるのか、お伺いをしたいと思います。
#177
○熊澤説明員 判決が出されまして法律的な権利義務の関係、さらには経済的な事実が確定いたしました場合には、国税当局といたしましては、この事実に基づきまして所得税法等の関係法律の規定に従って適切に対処していきたいというふうに考えております。
#178
○草川委員 当然のことながら、その場合法定利息の問題もつけてやられるのではないかと思うのですが、そういうことになるのでしょうね。適切にということは、そういうことを含めておるわけですね。
#179
○熊澤説明員 所得税法等の関係法律の規定に基づきまして、そうした還付につきましても先生のおっしゃるように適切に対処してまいるという趣旨でございます。
#180
○草川委員 もう一問国税当局にお伺いしたいと思うのですが、豊田商事の敷金だとか保証金等、たくさんの財産を国税当局は押さえているわけですね。本来は今すぐ差し押さえ財産を解除してもらいたいわけでございますけれども、それが今のようなことでございまして解除できないのであれば、早く滞納税額というものの処置をした上で差し押さえた財産を管財人に返還すべきである、そして判例に従って返すものは返すというような措置になっていくと思うのですが、その点はどうでしょうか。
#181
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 豊田商事の滞納処分の状況につきまして具体的な中身を申し上げることは差し控えさせていただきたいのでございますけれども、滞納税額を徴収するために、今先生御指摘のように国税当局が敷金、保証金等の財産を差し押さえましたことは既に新聞等で報道されているとおりでございます。国税当局が豊田商事の財産を早期に差し押さえたことは、同社の財産の散逸をある程度あらかじめ防止することにもなったんではないかというふうに考えておるわけでございます。      。
 ところで、敷金、保証金については、必ずしも契約金額の全額が家主から借家人に返済されるというものではないのでございまして、通常中途解約による違約金とか未払い家賃、場合によっては原状回復のための費用、そういったものが返すべき金額から差し引かれるというようでございます。そこで、国税当局としましては、これらの債権の取り立てをできるだけ促進することによりまして、月々の未納家賃ということで差し引かれて目減りする、その目減りを防止して、できるだけ早く同社の滞納税額を完結させていきたい、そして残った差し押さえ財産を解除して破産管財人に引き渡しすることができるよう、そういうことを目指して鋭意努力しておるところでございます。
#182
○草川委員 目減りをするから早くやりたいというのはわかるのです。それはそれでいいですが、目減りをするから早く処置をしたいというのはわかるけれども、その行動の中には、例えば大きなビルがありますね、三井なら三井というビルがある。そして豊田が解約を申し出をする。本来ならば、解約に応じたらその後の敷金というよりも家賃は二月なり三月分だけは払いなさいよ、その間に三井ビルは三井ビルとして次のお客さんを入れますよ、こういうことなんですね。ところが、この豊田商事に限ってはその後の違約保証金というのは六カ月とか七カ月とか、普通の常識以外の敷金を取っておるのですよ、大きな会社が。だから明らかに、豊田というのは非常に不安定な企業だから、もし違約があった場合、倒産した場合に後の分をたくさん取っておこうといって大きな会社が今どんどん取り上げておるわけです。だから、今国税当局の言う目減り分の中には、ちょっとおかしいじゃないか、過分な取り上げ方じゃないかという交渉も含めた処置をあなたの方でとってもらいませんと、私は、それは管財人では無理だと思うのですよ。そういうことをやれば国税の方も、真剣に財産というのを早く管財人の方に渡すという気持ちがあらわれるわけです。だから今のような、ただ単なる目減りだからということだけで私の方だけ早く押さえるという態度ではいけませんよということが午前中の弁護士の態度でもあり、我々の要求でもあるのです。そこだけはきちっと――国税は自分だけ先取りをする、裁判の結果後で払えと言うなら払いますよという態度は、私は国税は正しい態度ではない、こう思うのです。そこだけはひとつ強く要望をして、時間がございませんので次の方に行きます。
 そこで、約二千億集めた豊田の金の一千億は経費に消えたといたします。私は前回は七割くらい消えたと言っておりますけれども、その多くが実は先物取引市場に流れておるということは私が前回も申し上げました。それで私は、関係省庁に一堂に集まっていただいたわけでございますが、具体的にきょうは二つか三つの企業の名前を申し上げます。
 六月の二十一日、すなわち六月の二十日に本委員会が開かれたのでございますが、その翌日に日本リッチモンドという会社が解散をいたしました。日本リッチモンドというのは、中央区京橋三の九にございますいわゆる全国貴金属取引協会でございます。これは昔からあった企業でございますけれども、黒字ですけれども突如として二十一日に解散をいたしました。大橋社長でございますが、私はこの大橋社長にもお会いをいたしました。
 大橋社長は、実は二十五日の日にこういう声明文を出しておるのです。「さて、新聞紙上等で御案内の豊田商事問題に関連し、同グループ傘下と思われる会社の役員が、先般の増資に際し、当社の株主となっておりましたことが今般判明しました。当社としては、豊田商事グープルと何ら関係のないものではありますが、取引の信用上からも一点の疑惑も許されない立場上、今回、解散」するといって、解散の声明書を出しておるのです。私は、この社長は立派だと思うのですね。ところが、立派だと思うけれども、この会社はその翌日に手じまいをいたしまして、いわゆる小豆あるいは乾繭、繭ですね、それから金、銀、そういうものを売ってしまいまして解散をしたわけですから、一億二千万か一億三千万くらい現金を持っておるわけです。この現金は一体どこになるのか。
 我々は、豊田商事の役員が入ってもうけた金だから、それは管財人に帰属すべきではないかと申し上げておるのでございますけれども、この財産自身が宙に浮いておるわけですね。こういう点について、手じまいをしたものは農林水産省関係の大豆、小豆、乾繭というものが多いのでございますが、農林水産省はどういうふうにお考えになられるのか、お伺いをします。
#183
○中村説明員 お答えいたします。
 六月二十一日以降リッチモンド株式会社が、穀物、農産物関係でございますけれども、商品の先物取引をしていた事実があるかどうかという御質問であろうと思うわけでございます。
 御承知のとおり、商品取引員からは毎月主務省にあてまして大口建て玉についての報告、これは一限月五十枚を超えるものについてでございますけれども、これにつきましては本年度及び昨年度全部調査をいたしたわけでございます。この限りにおきましては、リッチモンドという名前の委託者は存在しなかったというわけでございます。
#184
○草川委員 もちろん日本リッチモンドという名前で売買をしたわけではございません。社長が大橋さん、取締役が石関さん、三枝さん。この三枝さんというのは日本産業航空の東京支店長でございまして、現在の政界の中でも非常に有力な方の秘書をやっておった経歴があるわけでございまして、その経歴を非常に高く評価して日本リッチモンドは三枝さんを新しく重役に入れたという経過がございます。そういう方々の中から送り込まれた白石満夫という監査役、この人の名前でいろいろな取引をいたしておりまして、赤字であった企業がここ一年の間に一億二千から三千万円の黒字を上げたという経過があるわけでございます。
 これはその社長にも確認をしたのでございますが、これはもうけた金でございますけれども、六月十九日に、豊田商事の常務、経理部長でございます奥敏雄あてに幸福相互銀行梅田支店普通預金口座二五一九九〇に三千万円を送っております。そしてもう一口、千三百五十九万五千円を振り込み、計四千三百五十九万五千円を日本リッチモンドの名前で東銀からこの幸福相互銀行梅田支店奥敏雄あてに送っておるという事実がございます。私はこれは大橋社長に確認をいたしました。でございますから豊田関連であることは明白であります。
 日本リッチモンドという企業が現実にこういうことを行い、そして解散をしたわけでございますが、解散をした金を一体どうするのか。ほっておけば、その金は豊田の金だと言ってだれかがゆすりに来る可能性もあります。これは大変な問題でございます。日本リッチモンドはかつて通産省の指導を受けた企業でございますけれども、通産省としてはどのようにお考えになられるか、お伺いをしたいと思います。
#185
○宮本説明員 日本リッチモンド株式会社は、六月二十一日に解散をいたしました後、商法上の清算手続に入っておりまして、三回の官報公告によりまして、債権者に対して七月六日から二カ月の間に債権を申し出るよう催告しているようでございます。この日本リッチモンドは、東京工業品取引所の会員でございましたけれども、六月二十一日の解散に伴いまして当然脱退となっております。
 今後は、今申し上げましたこの期間に申し出られました債権及び他の知れたる債権を弁済をいたしまして、残余財産を株主に対して持ち株数に応じて分配するということになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、これは破産法上の手続によりまして裁判所の手にゆだねられているものでございますので、その点を御理解をいただきたいと存じます。
#186
○草川委員 解散をして公報に二回掲載になっているわけです。解散をした、だから債権者は来なさい、こういうことになりますが、私はその社長に会ったところ、電話代を払うとかいうのは全部清算をしましたが、いわゆる資本の側と言われる、出資者である重役の石関さんも三枝さんも、そしてまた他の株主でございます三浦さんとか藤井さん、それぞれこれは豊田関連の人でございますけれども、そういう方々から出資をしたのだから配当をくれという声が、一カ月たったぎりぎりのところですが何らの意思表示もない、こういうわけです。こんなことは常識的におかしいわけです。自分がお金を出しておいて、黒字になって解散したんだ、当然のことながら配当をよこせと言ってきますよ。だけれども、怖いからこないのですよ、明らかになっているから。こういうことが現実に行われていることを関係省庁承知をしておいていただいて、本気になって被害者の方々にお金を戻していただきたい、私はこう要求をしたいわけであります。
 続いて、山文産業の問題を申し上げます。
 山文産業というのも有名な先物取引の会社であります。私は何回か皆様方にも、この会社は豊田関連の企業だということを申し上げておるのでございますけれども、なかなか取り上げていただいておりません。そればかりか、ここの社長は、私もお会いをいたしましたけれども、我が会社は豊田には全く関係ないという声明書も出しておみえになります。ところが、先物取引市場の方々全員にお話を聞きますと、これこそジスイズトヨタだ、ジスイズナガノの企業だ、こういう評価になっておるわけでございます。この会社は現在でも稼働しておりますから、管財人の方々もそれなりの配慮をしておみえになる企業でございますが、こういう会社があるということだけは関係当局承知をしていただいて、資産の散逸を防ぐ手段を考えてもらいたい、こういう立場から私は今から具体的な問題提起をいたします。
 山文産業は、社長が豊田と関係ないと言っておみえになりますけれども、豊田と関係があるという事実をここで証明をいたします。実は豊田商事の山元専務の本社の机の中に、五十七年六月十八日付の山元専務の判があるわけでございますが、ここに山文産業株式会社の八十八万一千四百九十株に相当する株券の東があったわけでございます。山文は豊田と関係ないと言っておるけれども、山元専務の机には、これは株券の写してございますが、八十八万株の株券が。ざいますよ。しかも、この株は前社長の小山敦彦さんを最後の名義人にした株でございまして、とにかく豊田の方にこの株が行っておるわけです。だから、経営権は豊田に奪われているわけであります。
 山文産業の資本金の異動は、当初五千万で設立をした会社でございますけれども、昭和五十一年の一億五千万から五十八年三億一千万に増資をしているわけでございます。その間に何回となく役員がかわりまして、取締役に名前を連ねているいわゆる豊田関連の方々が入り込んでまいりまして、ここで綿糸、毛糸、ゴム、乾繭、生糸、小豆、大手亡というのですか、それから輸入大豆、砂糖、粗糖、こういう取引をしておるわけでございますが、この山元専務の机の中には、この小山という社長がやめられておるわけでございますが、ここに二千万の退職金を十二月二十三日付に払ったというような退職金の支払いの写しもあるわけであります。あるいはここの中に山文産業のいわゆる定期業務報告書というのが、一番近いところでございますが、昭和五十八年十一月の定期業務報告書という、具体的に何を売ったか買ったかというような、そういう資料もこの豊田商事の山元専務の机の上にあった、こういう具体的な材料が出てきておるわけでございます。
 さらに驚いたことには、たくさんの書類でございますが、たまたま私の方に五十八年の十月分のこの山文産業の接待交際費の内訳表が入っております。この中には相当な方々が飲んだり食ったりしておる数字があるわけでございますが、そういうことは本店では関係ございませんけれども、驚いたことに、これは五十八年の十二月十二日、日にちだけ特定をしますが、名前は申し上げませんけれども衆議院議員、当時は選挙中だったと思いますけれども、衆議院議員候補者ということで百万円の金がこの会社からも払われておる。当然のことながらその写しが豊田商事に行っているわけでございます。名前はあえて申し上げませんけれども、こういうような具体的な事例を挙げてまいりますと、私は、これは本当に氷山の一角の一角だ、ごくささいな問題だと思いますけれども、この豊田商事はもうすっかり終わってしまった、関係当局もどうやらもう終わりのようだというような世上のうわさがございますけれども、この問題の徹底解明こそが今後非常に重要な問題ではないだろうかと思うのであります。
 しかも、現在の先物取引市場は大変憂慮すべき事情にございます。私は前回も申し上げたのでございますけれども、シカゴの先物取引市場というのは、全くアメリカの流通市場の中に大きな役割を果たしておる。先物のヘッジという意味においても、あるいは大衆参加という意味でも、基盤というものは非常に立派なものがある。ところが、日本の先物市場というものはどうしても小さい。そして仕手戦のいい材料になる。特に乾繭なんかはそうであります。繭はそうであります。今でもこの乾繭相場というのは、私なりに言うならば大変な問題があると思うわけでございます。こういうような乾繭市場なり先物市場の当該の責任者は農林水産省であります。私は今のようなこういう事例を挙げながら問題提起をしておるわけでございますが、どのようにお考えになるのかお伺いをしたい、こう思います。
#187
○中村説明員 お答えいたします。
 御質問、非常に多岐にわたったので、私のところだけお答えをさしていただきますけれども、いろいろ山文産業について御指摘がございました。農水省といたしましても先生御指摘の山文産業の代表者から事情聴取したわけでございますけれども、現在までのところ、山文産業と豊田商事との関係については否定されておるわけでございます。
 一般論として申し上げるということになりますれば、もしその両者が関係があるという事実が判明した場合の対応、これにつきましては、先生もおっしゃいました、やはり社会的に問題となっている企業の支配を受けている商品取引、こういうものにつきましては、商品取引所法に定めるところに従いまして商品取引所の社会的信用の保持、それから信用取引の委託者の保護、そういうような観点から適切な措置がとられるべきもの、かように考えておるわけでございます。
#188
○草川委員 それで問題は、この山文産業に豊田の資本が入っておるということを私は今るる背景説明をしたわけであります。この山文産業というのは現在稼働しておるわけでございますから、私の主張は、豊田から入っている金は明確に返してもらうということ、そして新たな経営者になっていただいて、新たな経営者によってこの企業を運営をしていただくこと。
 だから、これは管財人とここの会社との話し合いになると思うのでございますけれども、私どもがいろいろと聞いてまいりますと、例えばこの山文産業が持っているところの商権というのですか、一つのシートというのですか、権利があるわけですね。例えば穀物取引ができますよという農林水産省の認定、あるいは金、いろいろな取引ができますよという通産省の認定、こういう少なくとも十億を超すであろうという商権というものがあるわけであります。これを新たな方々に肩がわりをしてもらうとするならば、そういう希望者は山ほどおりまして、私も聞いてまいりましたが、東京で商いをしたいという方は山ほど全国にいるわけですから、十億なら十億でその商権というものが譲り渡すことができるならば、管財人に十億という金が行くわけであります。当然これは被害者にその分だけ戻るということになります。こういうことを私はやってもらいたいというわけであります。
 ところが農林水産省、私も何回かレクチャーでお話をしておりますけれども、そんなことは立ち入ってできるわけがないというお話でございますが、もしこれをこのまま我々が黙認をしたら一体どうなりますか。黙認をしたならば、この会社は利益を上げておるわけでありまして、この会社によって少なくとも多くの、十、二十、三十という単位ではない莫大な、私どもは少なくとも現在でも先物取引に豊田の金は三十億は流れておるという主張をしておりますが、少なくともそういうような金額を暴力団の連中が来年あるいは再来年に、君はもうけておるけれども、それは豊田の金じゃないか、永野が死んだからといっておまえひとり占めするなと言って暴力団のゆすりの種になるのです。既にそういう動きがあるわけですよ。全くそういう暗黒街の中に先物取引市場をさらしていいのかどうか。
 私が主張するように、少なくとも先物取引市場というのはもっと大きくならなければいけない。今鶏卵等が先行きが大変不安になって価格がめちゃめちゃになっておりますけれども、鶏卵等についても私は先物取引市場に上場をする品物になってもいいという意見を持っておる一人でございますが、とにかく安定的に発展をさせなければいけない。それが暗黒街の連中のえじきになったとするならば、大衆はそっぽを向くことになります。非常に憂慮すべき時期にこの豊田の関連というものが先物取引所にあるわけです。だから、それが怖いものですから農林水産省も、例えば、今これは申し上げますが、六十年九月五日、つい最近の話ですよ、前橋の乾繭取引所あるいは豊橋の乾繭取引所の理事長の名前で、売買取引の自粛についての通達を出しているのです。この通達の内容の要点は、不公正な売買取引の制限にかかわる規定が適用される事態が発生しないようにお互いに気をつけようやといって自主規制をやっているわけです。豊田の玉が入る、いわゆる新しい玉、自己玉を含む新規玉の自粛を要請することを決議をした、乾繭市場の混乱を招かないようにしたい、こういうような自主通告を九月五日に取引所だってやっているわけですよ。私はこれはすべてが豊田の玉ではないと思いますけれども、そういう異常な事態があるということを私は強く主張をしたいと思うのですが、この点、農水省どのようにお考えになるのか、いま一度御答弁を願いたい、こう思います。
#189
○中村説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり非常に経済が不透明さを増しておる中で、商品の先物市場のあり方なり何なり、この位置づけというのは非常に重要なものになってきていると思っておるわけでございまして、その意味で私どもといたしましても、先物取引市場の安定的な拡大、確かに生産地における、シカゴ市場にも匹敵するような消費地における大市場になりたい、そういうようなことになればいいなと思って日々努力をしておるわけでございまして、その点につきましては全く先生と同感であるわけでございます。
 さらに、乾繭市場につきまして指摘がございましたけれども、乾繭市場につきましては、八月末から九月にかけて上昇を続けておりまして、二日連続でストップ高をつけることになったという事情がございまして、このような急激な価格の変動といいますものは健全で秩序ある商品市場を確保する上で好ましくないということでございまして、両乾繭取引所、先生の御指摘のとおり新たに買いあおるというようなことがないように売買取引の自粛を要請した、そのように承知しておるわけでございます。
#190
○草川委員 どうやら時間が来たので、最後にぜひ大蔵省と経済企画庁に質問をして終わりたいと思います。
 大蔵省、先ほど出資法の問題について非常に消極的な発言をしておみえになりましたね。ところが、秋田地裁は、豊田商法は出資法違反だ、だから豊田商法は無効だという判決を下したということは承知をしておると思います。一体この判決をどう踏まえるのか。繰り返して申し上げませんけれども、私は、裁判所は豊田商法については非常に積極的な姿勢を示しておる、行政当局の方が態度が悪い、こういう趣旨で質問をするわけです。
 続いて経済企画庁、いろいろなしとを言っておみえになりますが、先ほども消費者保護会議というのを何回か開いておる、五十七年十一月から五十八年、五十九年とやっておる、こういうことを言いましたね。消費者保護会議というのは内閣総理大臣が会長です。委員は、内閣官房長官を初め各省庁の大臣が全部並んでおみえになりまして、二百八十項目のいろいろな対応を立てておみえになります。非常に立派なことを立てて消費者保護行政を言っておみえになり、それを五十七年、五十八年、五十九年と同様なことを決めておるにもかかわらず、豊田商法というものが出で、三万人に近い方々の犠牲者が出たわけです。こんな立派な会議をやりながら、なぜこういうことができたのかという反省の弁を聞かせていただきたいし、下手な答弁をされますと、それこそそれを理由に国家賠償ということになると思うのですね。皆様方が一生懸命やっておったにもかかわらずこういう商法ができたのだから、どこか抜けておったわけでしょう。それは国の責任ということにもなりますね。ですから、国家賠償の責任があってもおれは知らぬとおっしゃるのか、我々は言われても一生懸命やっておったのでだまされた人間が悪いとおっしゃるのか、ひとつ明確に経済企画庁の答弁を求めて私の質問を終わりたい、こう思います。
#191
○坂説明員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘のありました秋田地裁の判決は、私どもも承知いたしております。これにつきましては、先ほど来御答弁いたしておりますように、豊田商事がやっていたようなことが出資法の二条に当たるかどうかということは、結局はその実態が問題でございますが、この秋田地裁の判決につきましては民事訴訟と刑事訴訟の違いといったようなこともあるのではないかなと思っておりますが、いずれにしても、捜査当局で実態を今解明中、御捜査中ということでございますので、その結果を待っていたいということでございます。
#192
○横溝説明員 先生御指摘のとおり、金等の現物まがい取引に関連いたしましては、五十七年から消費者保護会議でも問題として取り上げておりまして、不法事犯の取り締まりの強化等各種法令の厳格な適用及び消費者啓発を行うことが決定されております。関係各省連携のもとでその実施に努めてきたわけでございますが、要するに、業者の方の取り締まりと消費者啓発の二つのことを言っておるわけでございます。
 消費者啓発の方につきましては、何遍も申し上げておりますように、五十七年当時からいろいろな手段を使って私どももやってまいりましたし、通産省さん、そのほか各省でもやってまいったわけであります。それから消費生活センター、国民生活センター等を通ずる苦情の相談受け付け、処理という消費者啓発だけでなくて、個々のケースにおいて消費者の苦情に応じ、豊田商事側に解約に応ずるように、あるいは解約金を、例えば違約金が三割というのを一割とか二割にまけるように、そういう仲介に立つこともやってきたわけでございます。
 他方、この不法事犯の取り締まりの方、現行法の厳格な適用につきましては、これもいろいろここで御審議、議論されておりますように、関係各省鋭意努力をしておるところでございますけれども、現在まで最終的な結論がまだ出ていないという段階でございます。
 それで先生御指摘のように、非常に被害者が多くなって、多額の被害が出る事態になったではないかという点につきましては、私ども深く遺憾と考えておるわけでありまして、今後こういう事態の再発を防止するために万全の措置をとろうとしておるわけであります。例えば、前回、この物価問題特別委員会で先生が御指摘になりましたアメリカ統一詐欺的取引慣行法でございますか、ああいう法律につきましても勉強しようと思っておりますし、そのために現在、アメリカに調べに行くための調査調整費を大蔵省に要求しているというような段階でございますけれども、そういうこともやりたいと思いますし、六省庁の場を通じて総合的な検討をやりたいと思いますし、多面的な検討をして、再発防止には万全の努力を払いたいと考えております。
#193
○草川委員 以上で終わりますけれども、私は、国の責任というのもございます、こういうことにならないように、そしてまた、資産の散逸を防いで、それぞれの省庁が管財人と連絡をしていただいて、ぜひ被害者の救済に努力をすることを要望して終わりたい、こう思います。
 以上です。
#194
○竹内委員長 次に、小川泰君。
#195
○小川(泰)委員 私は、今までの御質問、また午前中の参考人のお話、いろいろ承りまして、今起こっておる、とりわけ豊田商事問題の徹底的な調査とか、これから派生してくるいろいろな救済問題、こういうものは既に出ておりますので、詳しく触れることを省略さしていただきたいと思います。
 そこで、まず最初に大蔵省にちょっと一言伺いたいのですが、前者の質問にもありましたとおり出資法というもの、これが裁判所の方ではおかしいぞという判断が出ている、それに対して、大蔵当局の方は、何かもう一つ歯切れが悪い、こういう状況にあるのですが、これは一体どういうことなんですか。今の出資法という問題ではなかなかさばき切れないとお思いなのか、あるいはまだその判断に至っていないということなのか、そこら辺、ちょっと聞かしていただきたい。
#196
○坂説明員 お答え申し上げます。
 その出資法の二条につきましては、「預り金をしてはならない。」こういうことが決まっているわけでございますけれども、その預かり金というのは、法律には預金と「同様の経済的性質を有するもの」というふうに書いてございまして、果たして預金と同様な経済的性質を有するかどうかというところが問題でございますけれども、これにつきましては、その会社がどのような勧誘の行為を実際にやっていたかとか、あるいはその資金を出していた方が実際にどういう認識をしてやっていたかとか、そういう実態の問題を慎重に判断いたす必要があるのではなかろうかと思っているわけでございます。
 現在出資法違反の告訴もあちらこちらでございまして、捜査当局におかれましてその告訴を受けまして実態を捜査中ということでございますので、その実態解明を待っているわけでございまして、私どもといたしまして今現在出資法に当たるかあるいは当たらないかについて具体的な判断を持っているというわけではございません。
#197
○小川(泰)委員 もしそうであれば、この種の問題はもう大分前からいろいろ出ておりますし、それから今ある法律でどうだという判断も随分御勉強なさっていらっしゃるのだろうと私は想定をいたしておりますので、今豊田商事で出ていることを徹底的にやることによって再発を防止する一つの大きな土台になるとは思いますが、この種のものは適時適切に手を打っていかないとなかなか難しい問題だな、こう思っておりますので、それにふさわしいような、この種の問題が出た場合に皆さん方が自信を持ってさっと行動できるような法律の改め方ということは考えておりませんか。私は大変必要だと思いますので、そういう御意見をちょっと聞かせていただきたいと思います。
#198
○坂説明員 お答え申し上げます。
 確かに先生御指摘のように、今回のような問題が起きるということは大変遺憾なことなのでございますけれども、出資法についてどうかということでございますと、出資法二条の趣旨と申しますのは、預金のような形で資金を集めましてその返済が行われないということになりますと、預け主が迷惑するということはもちろんでございますけれども、さらに金融秩序を乱すことになる、そういうような預金類似の行為を規制するというのが趣旨でございます。
 世の中には預金類似のものというのももちろんあるわけでありますけれども、それ以外にも詐欺の疑いのあるものとかあるいは非常に広いいろいろな形のものがあるわけでございまして、そういうもの、ありとあらゆるものを預金類似行為の範疇に入るというふうにして金融秩序保持の観点から取り締まるというふうにするのは、ただいまの出資法の趣旨にはちょっと当てはまらない、なじまないのかなというふうに考えております。このように非常に広い社会的な問題をいろいろと含むような取引につきましては、消費者保護の観点から何か別の形で配慮するといったようなこともあるいはあり得るのかというふうに思っておりますが、出資法には若干当てはまらない、なじまない点があるのかなというふうにも今思っているようなところでございます。
#199
○小川(泰)委員 恐らく私はそうだろうと思うのです。そうであればあるほど、現実に起こっているわけですから、それに対して的確に対応するために――従前この出資法なるものができたのは御案内のような歴史を持っております。この法律ができるときには、その当時の環境、その段階で見通せる状況、こういうものを見ながら一つの法規範としてつくっていこうとしてみんな努力してつくっているわけだ。世の中が変わってまいりますと、その物差しだけではなかなかうまく当てはまらぬ、変化していくとするならば、こういう問題が起こってはいけない、起こさないために対応できるような法律というのが本当の価値ある法律ですから、余りこれにこだわらなくてもいいから皆さん御研究願って、こういうものにさっと対応できるような研究を要求されているのではないかなというふうに、私はこの事件を通して自分も反省しながらあなた方に伺っているわけなんです。そういう勉強をする気はありませんか。
#200
○坂説明員 私どもとしても、ほかの各関係省庁もございますので、ほかの関係省庁の方々とも協議しながら勉強をいたしていきたいというふうに思っております。
#201
○小川(泰)委員 これ以上しつこく言いませんが、昨今、世の中のテンポはこの問題のみならずいろいろな問題で速度が大変速いものですから、慎重を期すのも大変結構だと思いますが、この豊田商事事件は現実にある問題をきちっと詰めてもらうことにも大変意義がありますが、むしろこれを土台として、将来へ向かってこういうことが再び起きないように先手先手を打つという努力が今この段階で大変大事だろうと私は思いますので、今のようなお考えがあるならば、ひとつどんどん勉強して出していっていただきたいなというのが私の意見であります。よろしく頼みたいと思います。
 続いて、通産省の方にお伺いを申し上げるのであります。
 これも考えの発想は同じなんでございますけれども、今訪問販売法という法律がございますね。この中身はもう先刻御承知のとおり、ある一定の枠組みの中で限られた一つの法律というものが今出ております。これに照らすと、今回起こったような金だとかダイヤモンドだとか貴金属だとかというようなところまではどうもなかなか手が及ばぬ、こういう解釈が出ておるようでございますけれども、どうも世の中の進みが速いものですから、今ある法律だけでなかなか適用できないというその事態が今度のようなトラブルを起こしておる一つの土壌ではあるまいかというふうに私は思っておるわけでありますので、これまた同じように、この販売法というものを見直して、そして現実に合い、将来も見通せるようなものの検討をするのが至当ではないかなというふうに思いますが、そこら辺の御意見を伺わせていただきたいと思います。
#202
○山下説明員 先生御指摘の訪問販売法でございますが、御指摘のとおり、今問題になっております豊田商事の金というようなものが指定対象になりにくい法律になっておるということでございます。ただ、この法律の改正という格好で金を取り込むことによって今回の事件が防げたのかどうかということになりますと、金の販売と同時に賃貸借というような格好の契約が入っておるというようなこともございます。御指摘のように現行法をいろいろ対応できるようにしておくということは、よく御趣旨はわかるわけでございますけれども、実際の法律を預かっておる立場からいいますとそういう弾力的な運用というのはなかなかしにくい状況でございます。
 私どもといたしましても、企画庁中心の六省庁会議に今参加しておりましていろいろ勉強をしておる最中でございます。再発防止対策の一環として、いろいろな面で考えていきたいというふうには思っております。
#203
○小川(泰)委員 だんだん世の中が進んでまいりますと、単純な物の売り買いという商取引行為だけではなくて、今回出ているようないろいろな分野にこれからまたがっていくと思うのです。そういう変化に対応するために、余り古い法律で、もういいじゃないかというものはどんどん改定していく、こういう姿勢がこの種の問題を防止するためには大変重要だなと私は思っておりますので、実はそのような御質問を申し上げたのです。
 したがって、今回の事件の内容について、先ほど四人の弁護士さんのお話を伺っても、あるいはいろいろなところからこの問題を伺いましても、これはなかなか根が深いし、将来にわたっても非常に広い範囲に幾つかの課題を投げかけられたな、こういう気持ちを私は持っておるわけであります。したがいまして、この販売法一つとりましても、日用品に限るとかあるいはそういう貴金属をいじると今度は商売の自由を制限してしまうのではないかとか、そういうことが法律でいろいろ出てきますね。片一方をとめれば片一方はまずいぞという、プラスとマイナスの面がしょっちゅう法律の問題としては出てくるのは当たり前です。ところが縦に掘ってみますと、午前中のお話を聞いていますとこれは商売と言えるのかどうなのか、この勧誘の仕方が詐欺みたいなものと言っていいのか、人の人情、心の中まで商売で逆手をとっていく、こういう現象が今回の場合には随所に出てきておりますね。そういう行為が行われるというのは、一つの商品を持って買ってちょうだいと行く従来の商売の仕方までは似ているのかもしらぬが、そこへ入っちゃってから、従来の単なる商品の売買という行為ではない別の意味のものが行ってから発生してくる、こういうところにこの問題が大変根深いものを持っているなというふうに私は思いますので、どうぞひとつ――私、訪問販売法というこの名前にとらわれていいのかどうかわかりません、さきにはサラ金法なんかでも大変いろいろやりとりしたようなものとある一面では似たような新しい条件変化に対する法のありざまというものも問われていると思いますので、これはひとつ抜本的に業法の規制という観点から勉強してもらいたい、こういう気持ちがいっぱいなんで、どうしてもこれは単なる勉強ということじゃなくて早目にやらなければいかぬことだなというふうに我々は思っておりますので、こういうものに対する取り組みの通産省の御見解をこの際きちっと伺っておきたいと思います。
#204
○山下説明員 私どもといたしましても、今申し上げましたように、再発防止対策というのは実際にどういう方法をとればいいのかということを関係各省とも意見を調整しながらいろいろ勉強している最中でございます。
 先生御指摘の訪販法という枠にとらわれずにということは、私どもそういう前提でどういうことをやれば一番いいのか、ただその場合、御指摘ございましたけれども、正常な商取引への影響というのはやはりそこは考えていかなければならない問題かと思いますので、どういう仕切りをし、どういう規制をかけていくことが御指摘のような敏速な対応ができる方法なのか、この辺実はなかなか考えあぐねているというのが実情でございますが、さらに勉強を続けていくつもりでおります。
#205
○小川(泰)委員 これは私個人の私見なんでございますが、どうもここ十年ぐらいの世の中の変化とそれから起こってくる事件と法律とのなじみ、対応というものを見てますと、従前の法律の組み方、つくり上げ方という一つの流れがありますね。まあできるだけ、自由主義の社会ですから大いにひとつみんなが発展するようにやってもらおうというための一つの規範をつくるという側面があります。そうすると、最近見ていますと、知能犯的にその逆手逆手、裏手裏手をとろうというやつも、こっちの方の自由を発展させようとすると同じくらいの勢いでまた出てくる、こういう傾向がありますね。そこで、プラスとマイナスの面を比べて両方うまくいくような法律を探そう、組み立てようという方法もあるかもしれませんが、なかなかこれは難しいんじゃないかなという気が私は最近いたしてきているのです。したがって、こっちはこっち、あるいは裏手をとるやつに対しては裏手をとるやっというふうに大胆にひとつ組み上げてみたらどうだろう、こういう次元の違った発想から物の判断をしていく時代へと、少し荒っぽいのかもしれませんがやっていきませんとなかなか追いついていかない、こんな気がしてなりませんので、できることならば御検討の中にそういう発想も入れ込んでいただいて、大いにひとつ早目に、しかも大胆に取り上げて前へ進めていただきたいというふうに思います。これは意見として申し上げておきたいと思います。
 続いて通産省にお伺いするのですが、ちらっと新聞で、おたくの方で商取引指導官というのですか、そういったものもつくって、十分間違いのないように指導をしていこう、こんなために少し金もかかるが概算要求もひとつするかというふうなことを今なさっておるようでございますけれども、これはどういうことですか。
#206
○山下説明員 御指摘の点は来年度の予算要求に関連したことかと思っておりますが、私どもといたしましては、豊田商法等のようないわゆる悪徳商法につきましては、消費者利益が著しく侵害されるということのほかに、一般の商取引の発展というような意味からも悪影響を及ぼすということで、大変懸念をしているわけでございます。そして、こういうことのために私ども、悪質な商取引の防止、改善というものに対する指導体制というものを強化していく必要があるのではないかということが構想の原点でございまして、こういう観点から、豊田商事類似商法についての再発防止対策というようなこととかあるいは消費者のトラブルの情報の収集体制の強化とか、私どもの省内でいろいろ前からやっておりますけれども、その体制の強化とかあるいは関係課長のレベルでのトラブルの情報連絡会の設置というようなことを今進めてきておるわけでございます。さらに、消費者に対する啓発活動というものもさらに充実させていくということで、予算面あるいは機構の関係で検討を進めているわけでございまして、御指摘の指導官という構想につきましては、まあ仮称でございますけれども、こういう施策の一環といたしまして組織面で強化できないかということで、関係省庁の方にお願いをして、これから予算折衝の中で検討してまいりたいということでございます。
#207
○小川(泰)委員 大変前向きの一つの発想でよろしいと思いますけれども、先ほど来の質問、今私、二、三、法改正に対する意欲性を持った御質問を申し上げ、お答えをいただいた。なおかつ、こういう調査官的なものの発想が行われてくる、こうなってまいりますと、ちょっと私、心配が一つあるのです。
 せっかくこういう調査官的な機能をここにつくろう、そして今御説明があったようにやっていこう、こうなりますね。で、やったとした場合に、このもとの法律がふらふらしていますと、せっかく調査して入っていって行政指導しようとしても、相手がこっちの目的どおり言うことを聞きますかな、どれだけ効果がそこに生まれるかな、こういう心配もちょっとなきにしもあらずでございますので、そこら辺の見解をひとつ伺いたいと思います。
#208
○山下説明員 法律的な規制の体制につきましては、先ほども申し上げましたようにいろいろ勉強を進めているわけでございますけれども、とりあえずそれとは別に、今申し上げました指導官、御指摘のような限界がいろいろあろうかと思います。私ども行政指導という体制でやれること、おのずから限度があるというふうには思っておりますけれども、いろいろ関係方面の御支援をいただきながらこういう組織をつくりまして、さらに一層機能を強化できるのではないかということがこの構想の基本でございます。
#209
○小川(泰)委員 じゃ、さらにこれ、ちょっと念を押して伺いたいのですが、でき上がったとすると、その調査官というのはどんな権限を持っていくのですかね。世に言われているオンブズマンというような言葉がよく出てきますね。そのくらいまでの機能を持って本当はやっていかないとまずいかなという気がしますが、そんな気持ちですか。
#210
○山下説明員 現在私どもで考えております段階といたしましては、この指導官が直接強制的な権限、立入調査権とかいうようなものを持つということは考えておりません。と申しますのは、それぞれ現行法律で担当課などが決まっております。いろいろな規制法体系、それにはそれぞれの担当課の方で立入調査をできる資格の者がいるというような体制になっております。ここで考えておりますのは、どちらかといえばそういう部門から外れた世界、そういうものに対して、行政指導というベースではございますけれども何か物を言っていくべきではないかということでございますので、法律的な権限はなかなかつけ得ないのではないかというふうに思っております。
#211
○小川(泰)委員 わかりました。せっかくおつくりになる、どうももう一つパンチがきかないような御答弁なんですが、こういうことの発想も今度のような事件がきっかけになってつくられていくわけですから、これから予算も含めて新しい制度をつくっていくわけでありますからその段階でまたもう少ししっかりしたものをおつくりになるならつくるような御意見なり要請を申し上げたいと思いますので、これはこの程度で終わりたいと思います。
 次に、経済企画庁の方にひとつお尋ねを申し上げたいと思います。
 今度の場合、業者側といいますか、そちらの方に相当なスポットが当たって、被害者が多いよ、だからそっちをしっかり取り締まれ、こういう面は大変脚光を浴びてぐっといくわけですが、被害者側に立った場合から見ますと、老人の方が、しかもまじめな方が相当な対象に実はなっているということになりますと先ほど申し上げたような状態がどんどん出てくるわけですから、これは常日ごろ、そういうものはまゆつばで、よほど間違いのないように対応してもらわなければ大変ですよ、こういう消費者側への宣伝といいますか指導といいますか、そういう面がこれから大変大事だなというふうに私は思いますので、その辺はどんな現状になっておるのか、これからどんなことをなさろうとするのか、一、二の例を挙げてひとつ見解を伺いたいと思います。
#212
○横溝説明員 先生おっしゃいますように、この種の問題に対して消費者側が巻き込まれないようにするために、消費者啓発というのは極めて重要な我々の仕事の分野だと考えております。
 常日ごろいろいろ努力をしておるわけでありますが、特に今回の場合に即して申し上げますと、諸先生方御指摘のとおり、特にお年寄りの方が巻き込まれる例が多かった。この方々、新聞等も余りごらんにならない方もおられる、だから通常のPR手段では手が届かないかもしれない。その辺もきめ細かい配慮をして、特に老人の方々が先生のおっしゃったような御趣旨でとにかくこういうのに巻き込まれないようにするのは、大変重要なことだと考えております。
 例えば国民生活センターというのがございますが、そこで八月に「お年寄りの皆さん、悪徳商法にひっかからないように」というリーフレットをつくりました。これは、金の現物まがい商法だけではなくて、会員権商法とか商品先物取引とか証券投資顧問関係とか、広くいろいろな事例を紹介いたしまして、そういう悪徳商法から身を守るコツとしてはどうしたらいいかというようなことを比較的大きな字でわかりやすく書いたリーフレットであります。これは二万五千部つくったのでございますけれども、都道府県等地方公共団体にこれを送りましたら、大いに使いたいという希望がございまして、約九十五万部、地方公共団体、県とか市とか印とかから増し刷りの要請がございまして、地方でもお年寄り向けのリーフレットをお配りいただくというようなことになっております。
 今の話は国民生活センターでございますが、私ども経済企画庁が都道府県及び政令指定都市に生活情報体制整備等交付金というのを交付してございますけれども、その一部を消費者啓発に使うということになっております。今年度約一億円弱でございますが、都道府県ペースでも独自に消費者啓発用の資料をつくって配っていただく。その場合の配り方としまして、民生委員とかホームヘルパー、老人クラブ、町内会を通じて老人世帯に配布するとかいろいろ工夫を凝らしまして、今まで余り行き届かなかったお年寄りの方々にこういう問題の指摘なり、それに巻き込まれないようにするためにはどうしたらいいかという知識が広がるように努力しておるところでございます。
#213
○小川(泰)委員 私もそれを一部見せていただいております。消費者の方へ向けてのいろいろなPR、各般にわたってなさっていることもお話しのとおりでありますが、実際問題として、一つの方法だけで先ほど幾つか事例が出たようなお年寄りにこちらが意図しておるように届いておるかどうかというところを調べてみたことがございますか。
#214
○横溝説明員 今申し上げましたのは一つの典型的な例でございますが、それ以外にも、国民生活センターで提供しておりますテレビ番組とかラジオ放送、あるいは国民生活センターで出しております「国民生活」とかいうような題の定期的な刊行物でございますとか、今申し上げましたリーフレットだけではなくて、いろいろな手段を使っておるわけでございます。
 それで、先生の御質問は、実際にちゃんと到達しておるかどうか調べたかという御質問でございますが、率直に申しまして調べてはいないわけでありますけれども、先ほど申しましたように、県の方にお願いしましてホームヘルパーとか老人ホーム、民生委員を経由して直接お年寄りの方々に行くようにしていただいているわけですから、そういうものはほぼ確実にお年寄りの方々の手に行っているものだと考えております。
#215
○小川(泰)委員 具体的にお調べいただいていないようですからこれ以上申し上げませんが、ぜひひとつ、私は全部調べろとは申しませんが、何か一つやったら、それは本当にどこまで行っているのだろうなというものは、今サンプリングとかいろいろな方法がありますから、ちょっと見届けていただく、そのことで中央とか地方、そして実際に人々が生活している町内会、こういうものに一本の温かいものがずっと通っていくということになると私は思いますので、その辺はひとつこれから大いに努力していただきたいなというふうに思います。
 そこで、幾つかの方法をなさっていることも伺っておりますし、努力の点は私もよくわかるのですが、一番いい方法は、きょうもいろいろ取材に来ていらっしゃるが、テレビですな。伝播の方法としてこれが一番いいのじゃないかな、私はこう思うのです。
 そこで、知らせる方法ですが、これもまた難しい点もあるのかもしれませんが、今回のような豊田商事みたいなのが出てくると、とりわけこちらから言わなくても報道機関の皆さんがわあっとやって宣伝してくれるから、豊田商事と言うとみんなわかりますわね。そうではなくて、皆さんにお調べいただいて、これはおかしいぞという点がある程度突きとめられたら、インチキ商法とか詐欺まがいのものが発見できたとしたら、こういう問題が起こる以前に実名入りでテレビを通じて大いに警鐘を鳴らすべきだな、これが一番到達が速いな、こう思っておりますが、そんな気はございませんか。
#216
○横溝説明員 豊田商事につきましては、被害が非常に多くなりましたし、社会的に大きな問題になりました。現実に豊田商事自体が契約を守らないということが非常に多くなりまして、お金を返さないとかあるいは満期が来ても返さないとか、これはとても看過し得ない事態になりましたので、豊田商事の実名入りの警告、PRを、六月二十日過ぎだったと思いますけれども、国民生活センターを通じて行いました。今後もそれに類似したような状態になったらやはり実名入りで警告するということは当然考えなければいけないことだと思っております。
 ただ、一般的に申しまして、先生先ほどから法律問題についてかなり根幹に迫った問題提起をされておられるわけで、それに関連するかと思うのですが、要するに一般的には、何々企業がこういうことをやっていて、それはけしからぬらしい、こういう場合、その企業のやっていることが何々法に違反して確実に悪いということがはっきりしていればいいのですけれども、そこははっきりしていないけれどもどうも苦情等その他周辺の情報から見て危ないらしい、だから名前を出すということにつきましては、一方ではおっしゃるように事前警告という意味で大変意味はあるわけでございますけれども、他方では営業の自由といいますかを背景にして、おれは違法ではないのにと、要するに名誉棄損という問題にもつながるわけで、この辺私ども、先生のおっしゃる御趣旨は非常によくわかりますので庁内でもいろいろ議論しておるわけでございますけれども、一般的にそういうやり方をどんどんやるかという点についてはもうちょっと検討させていただきたいと存じます。
#217
○小川(泰)委員 なかなかそのやり方は難しかろうと思いますが、私は、そのくらいの気持ちでこれから対応していきませんと、消費者側の立場に立ってみると、次から次と新しいことが出てくると思います。とりわけこの四、五年、あなた方に持ち込まれた苦情がどのくらいあるかということをあなた方自身が調べた中でも、五年間で十数倍、その苦情の持ち込まれ方が各般にわたってふえている、こういう時代だけに、実は大変私は心配をしておるわけです。
 そこで、これは経企庁さんだけなのかどうかわかりませんが、最近の傾向として、軽小短薄だとかなんとかかんとかいって、大体人間が従前、戦後四十年間生産を主体にして国の経済を興し、あるいは生活の基盤を支えるということでだあっとやってまいりましたが、もうそろそろ一次産業、二次産業、三次産業の統計を見るまでもなく、だんだんウエートが変わりつつありますね。現在まさに、できた物を便益のために売るという一つの経済活動なり商取引行為という部分はだんだん少なくなりまして、むしろサービスというものを商品として売っていく、こういうものが大変大きなウエートを占めるような時代に入ってきた、こう私は認識しておりまして、いわばその逆手をとってきたのが今回のような一つの事件を引き起こしておる、このようにも見ておるわけでございます。
 そういう観点からもう一つ、企画庁さんだけではなくて、今までのいろいろな物の見方、そういうものに対してもう一回見直しをして、新しい観点から消費者保護なら消費者の側に立って各般の行政というものを見直すことが大変重要ではないかな、こういう気持ちがいたしておりますので、これに対する見解があれば承りますが、なければ私の意見としておとりいただいてもよろしいと思います。
 私自身も、これから挙げて政治という立場から、これはだれが悪い彼が悪いということじゃなくて、世の中の新しい移り変わりに対して的確に対応するというのが政治や行政のあり方だと思いますので、真剣になってこっちも勉強して、できるところから手をつける、こんなつもりでやりたいと思いますが、何か御見解があれば伺っておきたいと思います。
#218
○横溝説明員 先生おっしゃいますとおり、まさに商品の取引、それにかかわる消費者保護の問題というのも重要だったわけでございますし、引き続き重要でございますが、最近特にサービス関係、資産形成にかかわるいろいろな種類の問題、広く言いますとサービスにかかわる問題がどんどん大きくなっております。これは我々もいろいろ調査しておりますし、この辺、重点を置いて今後やっていくべきだと考えておりまして、実は国民生活審議会、私ども事務局をやっておりますが、ここにいろいろな委員会がございますけれども、その中の消費者政策部会の中にサービス化委員会というのをこれから設けようとしております。先ほど、約款適正化委員会というのを設けたと申しましたけれども、これと並んでサービス化委員会というのを設けまして、御指摘のような各般の新しいサービスの展開の中でいかように消費者保護を図っていくかというのをいろいろ勉強したいと考えております。
#219
○小川(泰)委員 終わります。
#220
○竹内委員長 次に、藤田スミ君。
#221
○藤田(ス)委員 与えられた時間が二十七分しかございませんので、御答弁の方の御協力、よろしくお願いをしたいと思います。
 きょうは午前中から弁護団の参考人のお話を伺いました。改めて、こういうふうな悪徳商法がはびこっていくこの素地に、明らかに老後の不安、つまり国の老人対策の貧困さが起因しているということが指摘されました。同時に、国の無為無策という問題についても厳しく指摘をされました。
 この問題については我が党もしばしば指摘をしてまいりました。しかも、こういうふうな状況の中で消費者行政の予算は削られ、そして消費者行政は明らかに後退させられてきた。そういう点で私は、二重の意味で豊田商事の被害者は国による被害者であると言えるというふうに思うわけであります。きょうは長官がおられないのはもうまことに残念なんですが、そこで、局長がわってお答えをいただきたいのです。
 午前中の参考人の方はこういうふうにおっしゃいました。豊田商事のような被害はまさにその国の恥だ、その社会の恥だ、詐欺商法を根絶することも救済することもなく被害者を見殺しにされるようなことになれば、恥ずべき非文明国、恥ずべき非文明社会と言わなければならない、こういうふうにおっしゃったわけです。あなたは、この言葉をどう受けとめられますか。
#222
○横溝説明員 基本的には、おっしゃるように、こういう事件が社会的に大きくなっているということは、やはり文明国として非常に問題であると私も考えます。
#223
○藤田(ス)委員 国の責任ということについて肝に銘じて取り組んでいく、そういう言葉の裏返したというふうに今の言葉を受けとめていきたいと思いますが、よろしいですね。
#224
○横溝説明員 国の責任という言葉になるかどうか、そこは例えば国の責任ということになると国家賠償とかそういう話につながりかねませんので、それはともかくといたしまして、私どもは、やはりこういう事態の重大性、これはもう再発はどうしても避けなければいけない、そのためにできる限りの努力をしなければいけないということは肝に銘じております。
#225
○藤田(ス)委員 いかにもお役人らしい、頭になるべく火の粉がかからぬようにというような気がするのですが、私は、素直に国の責任ということを考えて今後の取り組みを進めていかなければいけないと思います。
 それで、この六省庁会議というのが設置されましたね。このことは先ほどからもお伺いしておりますし、四回にわたって検討が行われた、こういうことも聞いております。ところが、当初から被害者が、また国民が最も関心を寄せていた税金の問題あるいは社会保険料などを含む差し押さえ問題、つまり被害者救済の問題についてですね、このことについては一度も討議されなかったというふうに聞いておりますが、私の言っていることが間違っていたら言ってください。国としては被害者救済の問題に取り組んでいくというお気持ちがないのかどうかですね。
#226
○横溝説明員 六省庁会議は、豊田商事の商法を現行法の適用で取り締まれるかどうか、あるいは、もしそれが取り締まれないとすれば、今後そういう再発防止のためにどうしていったらいいかということを関係省庁で検討するのが中心的なテーマでございまして、それに一番関係の深い六つの省庁に今お集まりいただいておるわけでございます。もちろん豊田商事問題はそういう法律の適用問題以外にもいろいろあるわけで、それについては六省庁に入っていない役所もいろいろ関係があるわけでございます。ということで、六省庁会議ではやはり法律の適用問題あるいは今後の再発防止問題が中心に議論されているわけでございます。
 国の責任問題ですが、先生具体的にどういうことを問題にされておるかあれですけれども、被害者救済につきましては、御存じのとおり民事上の裁判所の破産手続で債権確保が図られているわけでございまして、国としてはそれ以上直接的には手はかけられない問題だと思いますけれども、ただ、これも先刻来御議論がございますように、管財人が財産を確保していく上で役所としてもできる範囲の御協力は当然しなければいけないと考えております。
#227
○藤田(ス)委員 国としても財産確保の上で管財人にできるだけ協力をしていかなければならない、そういうお考えでしたら、こういう六省庁会議のような権威のある会議の中で、もちろん現行法の適用で取り締まれるかどうか、今後再発防止をするにはどうしていったらいいか、そのことも非常に大事な問題ですが、同時に、被害者救済に対して国としてどこまで関与できるか、そして管財人にいかに協力をしていくべきか、それはどこまで到達しているかというような問題について、やはりこの問題は一つのテーマというのですか、役割としてそういう場所を設けていかなければいけないというふうに考えますが、いかがですか。
#228
○横溝説明員 御趣旨のような線に沿ってそのような問題も、要するに被害者救済問題についての各省庁間の情報交換等の場としても使っていきたいと存じます。
#229
○藤田(ス)委員 被害者救済の不十分さなどによってさらに絶望感が被害者の中に広がるようなことになれば、取り返しのつかないような事例が数多くなるのではないかと我々は心配をしている、これは午前中の参考人の方の発言でございました。私もまことにそのように思っています。しれ以上国がこういう問題について誠意を示してくれなかったらもっと大きな絶望感を広げていくという点で、私はぜひとも取り組みを強化していただきたいと思います。
 そこで委員長、私は資料を持ってきておりますので、警察庁並びに自治省の方にお渡しをいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。――銀河計画に公共航空が差し出している資料です。
#230
○竹内委員長 はい、どうぞ。
#231
○藤田(ス)委員 この資料を出して私がこういう問題を取り上げますのは、残された資産が非常に少なくしかもそれがばらまかれた状態になっているという実態の中で、お金を不当に受け取った者が返還をしていく、これが被害者救済上非常に必要なことだという視点と同時に、後から説明をいたしますが、この資料の中には地方自治体や政治家が一定の額を受け取っているというようなことも書かれておりますので、そういうことが事実であればぜひこうしたお金は返還をしていくべきものではないか、こういうことを考えてこの資料を提出いたしました。
 この資料は、一つは五十九年十一月二十一日「永野会長 銀河計画(株)殿 豊田航空(株)公共航空(株)渋谷社長拝」ということで、渋谷社長が永野会長にあてて出しております「事業計画実施承認のお願い」という文書であります。もう一つの文書は、五十九年十二月二十一日、その翌月であります。その翌月、「公共航空関係十二月支払関係について」という文書でありまして、これを公共航空が銀河計画に渡しております。公共航空は恐らく十一月に「事業計画実施承認のお願い」というのを出して、それに基づいて実施をした結果、支払ってもらいたい分をこういう形で出したのであろう、関係者はこれは請求書と言うべき性質のものだというふうに言っております。
 この中で、例えば三重県の企画調整部の視察に当たって、豊田航空は航空運賃、宿泊代などを支出しているわけです。それから、各地方自治体が参加をしております全国地域航空システム推進協議会、この会が慶良間視察の際の航空運賃も支出をしているわけであります。さらに、山下運輸大臣あいさつ並びに日刊航空駿河社長ブラジル訪問等祝儀、横に「四十万円」、こう書いてあります。山下運輸大臣へのあいさつは、枕崎空港関係のお願いのために枕崎市長が同行したということを私たちは聞いておりますけれども、そのほか、教育という名目を悪用して一定額が小学校に出されているというようなこともこのメモの中には入っております。
 私は、これはまさに一カ月の、しかも公共航空の銀河計画に差し出された請求書というのですか、この「十二月支払関係について」ということでありますので、これはもうまさに氷山の一角の問題ではないかというふうに思いますけれども、いずれにしても、これらのお金は言ってみれば被害者から巻き上げていったお金でありますので、それは当然返還されるべきものではないか。額が少額だからということではなしに、地方自治体や政治家が返還すべき責めを負っているということは明らかではないかというふうに考えますが、この点はいかがでしょうか。自治省と経済企画庁。
#232
○池之内説明員 ただいまのお話でございますけれども、一つは、ただいま資料をいただきましたが七ページの十二番目ですか、三重県の職員が視察をした場合に航空運賃、宿泊代等を負担をした、こういうことでございますけれども、三重県につきまして調査いたしました結果でございますが、いずれも正規の公費の旅費を支給しておりまして、いわゆる旅費を他団体が負担したという事実はございません。
 それから、全国地域航空システム推進協議会ですが、これ自体は自治省の所管ではございません。運輸省の所管でございます。
#233
○藤田(ス)委員 それではこっちの方から質問しましょう。
 きょうは警察庁の方からも来ておられますが、こういう問題が事実とすれば、例えば運輸大臣の職務権限と絡む性格も合わせ持つものではないかというふうに考えますが、警察庁の方の御見解をお伺いしておきたいわけです。
#234
○国松説明員 先生から御指摘のありました点、あるいはお見せいただきました資料につきましては、私どもとしては初めてお聞きし、あるいは見るものでございますので、持ち帰りまして検討させていただきまして、私どもとして調査をしたりあるいは何かするべきものであるのかどうか、その点をまず検討させていただきたいと思います。
#235
○藤田(ス)委員 ぜひ調査していただきたいわけです。たまたまと言うのはあれなんですが、こういう資料を手に入れた以上、私はやはり国民の釈然としない部分についてどこまでもはっきりさせていくということが非常に大事だというふうに思いますので、その点は今後の調査をお願いしたいと思います。
 もう一度確認をしておきますが、調査をしていただけますね。
#236
○国松説明員 調査をいたすべきかどうかを検討させていただきます。
#237
○藤田(ス)委員 調査をするべきかどうかということをこの資料をもって検討していき、調査をする必要があれば当然調査をする、こういうふうに受けとめておきたいと思います。
 次に、警察庁に聞きますが、豊田商事のペーパー商法及びベルギーダイヤモンドのマルチまがい商法について、現在詐欺罪を含めた捜査状況ですね、これは先ほどからもお伺いをしておりますので、簡潔にその処理はどうなっているか、明らかにしていただきたいわけです。
#238
○清島説明員 先ほども御答弁申し上げましたとおりで。ざいまして、いわゆるゴルフ会員権等の問題につきまして現在捜査をやっているということと、ベルギーダイヤモンドについては強制捜査といいますか、捜索を既に実施しております。
 その他捜査の過程でいろいろ出てきた問題につきましても、先ほども申しましたように刑法あるいは廃棄物処理法あるいは国土計画利用法等で捜査をしておるということでございます。
#239
○藤田(ス)委員 捜査の問題ですから、そんなに素早く結論が出るとは思っておりませんけれども、しかし非常に対応が甘く、しかも大事な問題が非常にそらされてしまいそうだなというのは、これは率直な私の感情であります。
 ここに来て改めて、アメリカの例えば欺瞞的取引行為法というような法律を読み返してみますと、もしこういう法律があれば日本にこのような悪徳商法ははびこらなかったのに、お年寄りが犠牲になることはなかったのにということを強く感じました。そういう点では、法の改正について、また新規立法については前向きで検討しておられるというふうに先ほどの御答弁でも聞いておりますけれども、いずれにしても、こういう法改正を早くしていかないと、さらに新しい悪徳商法がもう出てきているわけです。しかも豊田の残党が、ダイヤにかわって今度は真珠でやったるかとか、さっきは毛皮とかおっしゃいましたが、私の方は真珠というふうなニュースも聞いています。それからまたファミリー証券も福岡の方で新たに豊田の残党組がもう手がけていこうとしているというような動きも聞いているわけであります。
 そこで二つの問題についてお伺いをしたいのですが、統一欺瞞的取引行為法というような、こういう本当に悪徳商法を一網打尽にきちっと抑えていけるような新規立法についてのお考え、並びに豊田の残党組が新たな動きを始めたということについてどこまで通産省はつかんでおられるか、この点をお聞かせいただきたいわけです。
#240
○山下説明員 先生御指摘のアメリカの法律につきましては、私ども勉強の一環として勉強させていただきたいと思っております。
 それから豊田の残党という御指摘でございましたけれども、私どもといたしましても、先ほど御説明いたしましたようなトラブル関係の情報の収集体制の強化とかあるいは消費者トラブル情報連絡会議というようなものを設置したというようなことは、早期発見ということでの対策でございまして、そういう早期探知を通じまして迅速な対応を図っていきたいと考えている次第でございます。
#241
○藤田(ス)委員 時間があと三分になりました。大変残念ですが、最後に消費者行政の問題について、六十一年度の概算要求が出されておりますので、国民生活局長の見解をお伺いしておきたいのです。
 今度のこの問題を通して、国民生活センターやあるいは各地消費生活センターの苦情相談窓口をもっと広げていかなければならない、そして苦情相談員の身分をもっと安定させて充実させていかなければならないというようなことは、これは関係者から一様に言われていることでありますし、私もそのことを痛感しております。その点で、一体経企庁は概算要求の中でどういうふうにそういうものを反映しておられるのか。
 もう一つの問題は、先ほどから、隣組に至るまで経企庁の国民生活センターなどのニュースを、問題が起こったときにお年寄りの手にも渡るように配布をしているなどというようなお話がありましたけれども、私はあのお話を聞きながら、少し首をかしげざるを得ませんでした。なるほど消費者啓発費補助金というのはいわゆる地方交付金という形で一般財源化しているわけなんですが、それによって各都道府県では消費生活センターへの財源がいかほど補てんされていったのか、そのことによって各消費生活センターの財政的な厳しさ、活動上の支障というものは生じなかったというふうに思っておられるのかどうか、この点についてお伺いをしたいわけです。
#242
○横溝説明員 御質問の第一は、六十一年度の概算要求の中で、こういう悪徳商法への取り組みをどういうふうに要求の中へ取り込んだかということかと存じますが、国民生活センターの交付金につきましては、先生御存じのとおり非常に厳しいマイナス一〇%というようなマイナスシーリングの予算枠があるわけでございまして、交付金の要求額は今年度より来年度は総額では四千二百万円ほど減っておるわけでございますけれども、この悪徳商法への対応というのは来年度も引き続き重要であると私ども考えまして、悪徳商法等緊急対策費というのをセンターの予算で計上いたしまして、金額的には四百九十三万円とそう多くございませんけれども、こういう商法について積極的に情報収集するとか分析をするとか、迅速かつ有効な対応策を考えるとかいうようなことのために使うつもりでございます。要求が認められればそういうふうに使っていきたいと考えております。
 また、都道府県、政令指定都市に、これも先生よく御存じの生活情報体制整備等交付金というのを交付してございますけれども、これもマイナスシーリング的な、マイナスになって当然という一般的な環境の中で、今年度と来年度は前年同額要求をいたしておりまして、予算面で後退がないように努力しておるところでございます。
 それから、消費生活センター等都道府県における消費者行政が予算面で後退しているのではないかというのが二番目の御質問だったのではないかと存じますが、地方の消費者行政予算の額、都道府県の予算の額を見てみますと、五十九年度が九十億四千万円、六十年度が九十億三千万円、まあ一千万円程度、ちょっと減っておりますけれども、ほとんど横ばいでございまして、先生がちょっと御指摘になったかと思いますが、企画庁から出しておりました補助金がなくなったりという事態がございましたけれども、全体として地方の消費者保護行政の予算は確保されていると考えております。
#243
○藤田(ス)委員 もう質問の時間がなくなりましたので大変残念なんです。「資産形成と消費者トラブルに関する調査報告」、これは経済企画庁が出された調査報告でありまして、私は非常に興味深く、かつ大変現状を反映しているなというふうに受けとめて読ませてもらいました。
 こういう中でも、資産形成と消費者トラブルという中には金の取引もありますし、原野の取引とか、そういう不動産取引などもありますね。そういう問題に対して、消費生活センターが対応面での限界からこういう問題には対応しないという方針を持っているところがいまだにあるわけです。にもかかわらず、この中で、有識者が消費生活センターがこういう問題に積極的に取り組むべきか否かということに対して否と答えたのはゼロでありまして、積極的に取り組むべきだ、そうしてこれまでの知識、経験では対応が非常に困難になってきていて、人的な配置も不十分で困難であるので、こういう相談員、専門スタッフの育成に努めてもらいたいというのがこの調査に流れている意見なんですね。そうして最後には、こういう「苦情に対応せず放置すれば、より深刻な被害が広範囲に発生するおそれがある」、こういうことも書いております。
 私はもう全く同意見でありまして、そういう点から考えると、この世の中騒いでいる最中に来年度の予算が減っていくというのはとんでもないことだと思うと同時に、昨年のあの交付金に切りかえたその措置が一体末端の消費生活センターに対してどういう影響を与えたか、それが積極的な影響を与えているか消極的な影響になってしまったか、そこのところは少なくとも責任を持ってこの際国民生活局が調査をしていく。そうして私は、まさに今この消費者問題、資産形成にかかわるこうした問題まで含めて非常に重要でかつ深刻な問題が広がってきている中で、万全の体制に向けてやはり強化をしていくということが非常に大事じゃないかというふうに考えるわけなんです。
 そういう地方の消費生活センターの調査、このことを行っていただきたいということと、この予算概算要求を見るとマイナスになっておりますけれども、そういうことではなしに、予算をもっと充実する方向で頑張ってもらいたい、この点について御答弁をお願いして終わりたいと思います。
#244
○横溝説明員 地方の消費生活センターの行政の内容につきまして調査せよという御指摘でございますが、先ほど申しましたように都道府県全体でも消費者行政予算はほほ前年同額でございますし、その辺は予算の効率的な運用を通じて地方の消費生活センターにおける行政は後退がないように運営されていると私どもは考えております。
 それから、来年度予算につきましては、企画庁から都道府県に交付している交付金につきましては前年同額を確保するという線で要求しておりまして、厳しい中で減額要求にはなっておりませんので、これはぜひ確保したいと考えております。
#245
○藤田(ス)委員 終わります。
#246
○竹内委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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