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1984/04/23 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 決算委員会 第5号
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1984/04/23 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 決算委員会 第5号

#1
第102回国会 決算委員会 第5号
昭和六十年四月二十三日(火曜日)
    午前十時四分開議
出席委員
  委員長 安井 吉典君
   理事 糸山英太郎君 理事 白川 勝彦君
   理事 東家 嘉幸君 理事 森下 元晴君
   理事 井上 一成君 理事 新村 勝雄君
   理事 貝沼 次郎君
      小山 長規君    桜井  新君
      金子 みつ君    川俣健二郎君
      中村 重光君    斉藤  節君
      春田 重昭君    中川利三郎君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 木部 佳昭君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      金子 一平君
 出席政府委員
        経済企画庁長官
        官房長     窪田  弘君
        経済企画庁長官
        官房会計課長  長沢 哲夫君
        経済企画庁調整
        局長      赤羽 隆夫君
        経済企画庁調整
        局審議官    丸茂 明則君
        経済企画庁国民
        生活局長    及川 昭伍君
        経済企画庁物価
        局長      斎藤 成雄君
        経済企画庁調査
        局長      横溝 雅夫君
        建設大臣官房長 豊蔵  一君
        建設大臣官房総
        務審議官    松原 青美君
        建設大臣官房会
        計課長     望月 薫雄君
        建設省建設経済
        局長      高橋  進君
        建設省都市局長 牧野  徹君
        建設省河川局長 井上 章平君
        建設省道路局長 田中淳七郎君
        建設省住宅局長 吉沢 奎介君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   上野 浩靖君
        環境庁長官官房
        参事官     杉戸 大作君
        大蔵省主計局司
        計課長     西澤  裕君
        大蔵省主計局主
        計企画官    藤井 誠人君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   濱本 英輔君
        大蔵小銀行局中
        小金融課長   中平 幸典君
        大蔵省国際金融
        局調査課長   江沢 雄一君
        通商産業省基礎
        産業局化学製品
        課長      松井  司君
        資源エネルギー
        庁長官官房鉱業
        課長      林   暉君
        中小企業庁小規
        模企業部小規模
        企業政策課長  窪川  功君
        労働省労政局労
        政課長     吉田 一彦君
        労働省労働基準
        局賃金福祉部長 高橋 伸治君
        建設省都市局下
        水道部長    中本  至君
        自治省行政局振
        興課長     小川善次郎君
        会計検査院事務
        総局第一局長  竹尾  勉君
        会計検査院事務
        総局第三局長  小川 一哉君
        住宅金融公庫総
        裁       河野 正三君
        参  考  人
        (本州四国連絡
        橋公団理事)  吉田  巖君
        決算委員会調査
        室長      大谷  強君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     林  大幹君
  金子 みつ君     川俣健二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  川俣健二郎君     金子 みつ君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和五十七年度一般会計歳入歳出決算
 昭和五十七年度特別会計歳入歳出決算
 昭和五十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和五十七年度政府関係機関決算書
 昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔総理府所管(経済企画庁)、建設省所管、住
 宅金融公庫〕
     ――――◇―――――
#2
○安井委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十七年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、総理府所管中経済企画庁、建設省所管及び住宅金融公庫について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として本州四国連絡橋公団理事吉田巖君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○安井委員長 それでは、順次概要説明を求めます。
 まず、経済企画庁長官から概要の説明を求めます。金子経済企画庁長官。
#5
○金子国務大臣 昭和五十七年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和五十七年度の当初歳出予算額は百十九億九百八十万円余でありましたが、予算補正修正減少額四億四千四百三十四万円余、予算移しかえ減少額十八億九千七百八十万円余、予算移しかえ増加額二百五十八万円余を増減いたしますと、昭和五十七年度歳出予算現額は九十五億七千二十四万円余となります。
 これに対しまして支出済み歳出額は八十八億三千八百二十万円余であり、歳出予算現額との差額七億三千二百三万円余は、不用となった額であります。
 次に、支出済み歳出額の主な内訳は、経済企画庁七十六億二千九百六十四万円余、国民生活安定対策等経済政策推進費五億三千百九十二万円余、経済研究所六億七千四百五万円余等であります。
 また、不用額の主なものは、国民生活安定対策等経済政策推進費でありますが、これは、総合的な物価対策を要することが少なかったこと等によるものであります。
 以上、昭和五十七年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#6
○安井委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。竹尾会計検査院第一局長。
#7
○竹尾会計検査院説明員 昭和五十七年度経済企画庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
#8
○安井委員長 次に、建設大臣から概要の説明を求めます。木部建設大臣。
#9
○木部国務大臣 建設省所管の昭和五十七年度歳入歳出決算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 まず、歳入につきましては、各会計別の収納済み歳入額は、一般会計四百二十八億一千百万円余、道路整備特別会計二兆一千八百五十九億一千百万円余、治水特別会計の治水勘定九千三百三十九億六千七百万円余、同特別会計の特定多目的ダム建設工事勘定二千百四十億三千五百万円余、都市開発資金融通特別会計四百九十一億六千万円余、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち建設省所掌分一千円余となっております。
 次に、歳出につきましては、各会計別の支出済み歳出額は、一般会計四兆六千五百三十三億五千四百万円余、道路整備特別会計二兆一千七百六億一千百万円余、治水特別会計の治水勘定九千二百十一億一千五百万円余、同特別会計の特定多目的ダム建設工事勘定二千十二億七千八百万円余、都市開発資金融通特別会計四百六十三億八千三百万円余、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち建設省所掌分三十八億九千四百万円余となっております。
 以下、各事業について御説明申し上げます。
 まず、治水事業につきましては、第六次治水事業五カ年計画の初年度として、河川、ダム及び砂防の各事業を実施いたしました。
 このうち、河川事業では、直轄河川改修事業百二十四河川、中小河川改修事業七百五十三河川を実施し、ダム事業では、直轄四十八ダム、補助百三十四ダムの建設工事を実施いたしました。また、砂防事業では、直轄四百三十七カ所、補助三千八百三十七カ所の工事を実施いたしました。
 以上により、五カ年計画における進捗率は、約一六%となっております。
 海岸事業では、第三次海岸事業五カ年計画の第二年度として、直轄十一海岸、補助九百三十一カ所の工事を実施いたしました。
 また、急傾斜地崩壊対策事業は、二千四百四十一地区について補助事業を実施いたしました。
 次に、災害復旧事業につきましては、直轄では、五十六年災を完了し、五十七年災について復旧事業を実施いたしました。
 補助では、五十五年災を完了し、五十六年父及び五十七年災についてそれぞれ復旧事業を実施いたしました。
 次に、道路整備事業につきましては、第八次道路整備五カ年計画の最終年度として、一般国道等の改良及び舗装等を実施いたしました。
 このうち、改良においては二千七百二十四キロメートル、舗装においては三千百三十五キロメートルを完成させたほか、一般国道において、指定区間一万九千七十キロメートルの維持修繕工事を直轄で実施いたしました。
 有料道路事業関係では、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団に対して出資等を行い、また、有料道路事業を実施した地方公共団体等に対して資金の貸し付けを行いました。
 以上により、五カ年計画における進捗率は、地方公共団体の行う単独事業等を含め、約一〇一%となっております。
 次に、都市計画事業につきまして御説明申し上げます。
 公園事業につきましては、第三次都市公園等整備五カ年計画の第二年度として事業を実施し、国営公園として十カ所、補助事業として都市公園二千七百五十六カ所の施設整備等を実施し、五カ年計画における進捗率は、約二八%となっております。
 下水道事業につきましては、第五次下水道整備五カ年計画の第二年度として事業を実施し、管渠において一千九百九十六キロメートル、終末処理場において百九十三万人分の施設を完成し、五カ年計画における進捗率は、約三一%となっております。
 次に、住宅対策事業につきましては、第四期住宅建設五カ年計画の第二年度として、公営住宅四万八千九百二十三戸、改良住宅四千三百八戸、住宅金融公庫融資住宅五十七万一千六百五十七戸、住宅・都市整備公団住宅二万二百十九戸のほか、農地所有者等賃貸住宅、特定賃貸住宅等の建設を推進いたしました。
 次に、官庁営繕事業につきましては、合同庁舎等三百八十六カ所の工事を実施し、このうち三百二十四カ所を完成いたしました。
 最後に、都市開発資金の貸付事業につきましては、工場等移転跡地六地区及び都市施設等用地四十五カ所の買い取りに対し資金の貸し付けを行いました。
 以上が、昭和五十七年度における建設省所管の決算の概要であります。
 これら所管事業に係る予算の執行に当たりましては、常にその厳正な執行を図ることはもちろんのこと、内部監察等を行い万全を期してまいりましたが、昭和五十七年度決算検査報告におきまして指摘を受ける事項がありましたことはまことに遺憾であります。
 指摘を受けました事項につきましては、直ちに是正措置を講じておりますが、今後ともなお一層事業の実施の適正化に努めてまいる所存であります。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#10
○安井委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。小川会計検査院第三局長。
#11
○小川会計検査院説明員 昭和五十七年度建設省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十八件、意見を表示しまたは処置を要求した事項二件及び特に掲記を要すると認めた事項一件であります。
 まず、不当事項について説明いたします。
 これらは、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものでありまして、工事の設計または工事費の積算が適切でなかったり、工事の施工が設計と相違していたりなどしていたものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。
 その一は、公営住宅関係国庫補助事業の実施及び経理の適正化に関するものであります。
 建設省では、住宅に困窮する低額所得者に対し低廉な家賃で賃貸することを目的とした公営住宅の建設を推進するため、毎年度多額の国庫補助金を事業主体である地方公共団体に交付しておりますが、新築公営住宅のうち一万三千余戸につきまして入居者収入状況を調査いたしましたところ、法令で入居者の収入の上限額と定められている額を超える収入のある者が入居者と決定されていて、公営住宅建設事業の目的を達していないと認められるものが一千六百余戸見受けられ、また、入居者の家賃負担の軽減を図るための補助金がこのような住宅についてまで交付されておりました。
 したがいまして、このような事態につきまして速やかに適切な是正改善の処置を講ずる要があると認められましたので、処置を要求した次第であります。
 その二は、地方公共団体が実施している住宅新築資金等貸付事業に対する国庫補助金の経理に関するものであります。
 建設省では、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域の環境の整備改善を図るため、住宅の新築、改修、宅地の取得を行おうとする者に資金を貸し付ける地方公共団体に対して国庫補助金を交付しておりますが、この貸し付けのうち二千余件につきまして調査いたしましたところ、三百余件は、住宅の新築や宅地の取得が行われておらず、国が補助した目的が達成されていないものと認められました。
 したがいまして、このような事態につきまして、速やかに適切な是正改善の処置を講ずる要があると認められましたので、処置を要求した次第であります。
 次に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。
 これは、国が補助した土地区画整理事業の施行に伴って整備された宅地の利用の現状に関するものであります。
 建設省では、土地区画整理事業を施行する地方公共団体、土地区画整理組合等に対して国庫補助金を交付しておりますが、道路等の工事がすべて完了している地区のうち百六十三事業につきまして、事業の施行に伴って整備された宅地の利用状況を調査いたしましたところ、農耕地となっていたり、空き地となっていたりして、市街地における宅地としての通常の用途に利用されていないものが相当の面積見受けられ、とりわけ、三十六事業につきましては、このような土地が宅地面積の二分の一以上を占めており、それらの土地所有者は農耕などを継続していきたいとの意向でありました。
 この土地区画整理事業は、都市基盤の整備事業として道路、公園等の公共施設用地の取得が円滑に行われる利点があり、市街化未熟成地域で施行して将来における無秩序な開発を抑止するなどの効果を上げているものでありますが、せっかく、道路、公園等の都市施設が整備されましたのに、先ほど申し述べましたように、整備された宅地の相当部分が農耕地や空き地となったままとなっております現況と、現下の宅地需給の状況とにかんがみまして、事業施行後の宅地の利用について、なお種々の方策により一層の促進が図られることが望まれることから、特に掲記をした次第であります。
 なお、以上のほか、昭和五十六年度決算検査報告に掲記しましたように、下水道終末処理場の機械設備の整備について処置を要求しましたが、これに対する建設省の処置状況につきましても掲記いたしました。
 以上が昭和五十七年度建設省の決算につきまして検査をいたしました結果の概要であります。
 次に、昭和五十七年度住宅金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。
 これは、土地担保中高層建築物貸し付けの対象建物の無断用途変更の防止に関するものであります。
 住宅金融公庫の貸付種別の一つとして土地担保中高層建築物貸し付けがあり、これは、建物全部が住宅用であることを条件とし、非住宅の併設を認める他の貸付種別よりも貸付限度額で相当有利な取り扱いとされておりますが、この貸し付けのうち五百六十四件につきまして貸付対象建物の現況を調査いたしましたところ、貸付契約に違反して、建物の一部が喫茶店や会社事務所などに用途変更されている事態が五十四件見受けられました。
 したがいまして、このような事態につきまして速やかに適切な是正改善の処置を講ずる要があると認められましたので、処置を要求した次第であります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
#12
○安井委員長 次に、住宅金融公庫当局から資金計画、事業計画について説明を求めます。河野住宅金融公庫総裁。
#13
○河野説明員 住宅金融公庫の昭和五十七年度の業務の計画と実績につきまして、御説明申し上げます。
 貸付契約予定額は、当初、住宅等資金貸し付け三兆四千八百十四億五千二百万円、関連公共施設等資金貸し付け百億円、宅地造成等資金貸し付け一千九百十三億八百万円、財移住宅資金貸し付け一千億円、合計三兆七千八百二十七億六千万円でありましたが、その後、資金需要の変動に伴い、貸付契約予定額を、住宅等資金貸し付け三兆六千二百五十三億八千六百万円、関連公共施設等資金貸し付け五十一億七千四百万円、宅地造成等資金貸し付け一千八百七十八億五千五百万円、財移住宅資金貸し付け百十一億七千四百万円、合計三兆八千二百九十五億八千九百万円に改定いたしたのでございます。
 この貸付契約予定額に対しまして貸付契約の実績は、住宅等資金貸し付け三兆六千二百五十二億五千七百二十六万円、関連公共施設等資金貸し付け五十一億七千三百二十万円、宅地造成等資金貸し付け一千八百七十八億五千四百九十万円、財移住宅資金貸し付け百十一億七千百八十万円、合計三兆八千二百九十四億五千七百十六万円となったのでございます。
 資金の貸付予定額は、当初、昭和五十七年度貸付契約に係る分一兆八千五百四十五億五千二百万円、前年度までの貸付契約に係る分一兆五千三百二億六百万円を合わせた計三兆三千八百四十七億五千八百万円でありましたが、その後、財投追加及び前年度決算による改定等により、合計三兆六千十七億七千五百十八万円余に改められたのでございます。
 この原資は、資金運用部資金の借入金三兆四千八百十六億円、簡易生命保険及び郵便年金積立金の借入金四百五十億円、財移住宅債券発行による収入百四十五億五千九百二十五万円、宅地債券発行による収入四億九千百三十三万円余、住宅宅地債券発行による収入三十八億八千万円のほか、貸付回収金等から五百六十二億四千四百五十九万円余をもって、これに充てることといたしたのでございます。
 この資金の貸付予定額に対しまして実績は、前年度までの貸付契約に係る分を含めまして、住宅等資金貸し付け三兆四千五十一億四千八百六十九万円、関連公共施設等資金貸し付け五十三億七千二百十万円、宅地造成等資金貸し付け一千七百四十八億七百五十五万円、財移住宅資金貸し付け七十四億四千八百二十六万円、合計三兆五千九百二十七億七千六百六十万円となったのでございます。この実績は、前年度に比べますと、四千七百八十七億六千四百六十二万円余、率にいたしまして、一五・四%増となっております。
 また、年度間に回収いたした額は、八千四十七億四千六百八十六万円余でありまして、前年度に比べますと、一千三百五十二億八千七十七万円余、率にいたしまして、二〇・二%増となったのでございます。
 この結果、年度末貸付残高は、十八兆四千七百十億二千七百五十八万円余となりまして、前年度末に比較いたしますと、二兆七千八百九十六億五千九百二十八万円余の増加となったのでございます。
 貸付金の延滞状況につきましては、昭和五十七年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は、七十六億六千七百万円余でありまして、このうち一年以上延滞のものは、四十七億七千七百四十四万円余でございました。
 次に、住宅融資保険業務につきましては、昭和五十七年度におきまして金融機関との間に保険関係が成立する保険価額の総額を二千六百億円と予定し、この額の百分の九十に相当する二千三百四十億円を保険金額といたしましたが、保険関係が成立いたしたものは、八百八十四億八千七百二十三万円余でございました。
 収入支出について申し上げますと、収入済み額は、収入予算額一兆二千百八十億八千百三万円余に対し、一兆二千百九億九千五万円余となりました。支出済み額は、支出予算額一兆二千七百十億四千六百七十六万円に対し、一兆二千五百二十七億一千六百九十二万円余となり、収入より支出が四百十七億二千六百八十六万円余多かったのでございます。
 損益計算の結果につきましては、総利益一兆三千八百三十二億九千二百五十八万円余、総損失一兆三千五百二十四億三千二百八十六万円余となり、差し引き三百八億五千九百七十一万円余の利益金を生じましたが、これは住宅資金融通事業に係る利益金二百九十九億六千三百六十一万円余、住宅融資保険特別勘定の利益金八億九千六百十万円余によるものであります。
 このうち、住宅資金融通事業に係る利益金は、全額を同事業に係る繰越損失金三百九十二億八千六百十六万円余の一部の補てんに充てることとし、住宅融資保険特別勘定の利益金は、住宅金融公庫法第二十六条の二第三項の規定により同勘定の積立金として積み立てることとしました。
 なお、昭和五十七年度において、住宅金融公庫法附則第八項の規定により特別損失として整理した額は五百十七億円でございます。
 最後に、昭和五十七年度決算検査に際し、会計検査院から指摘を受ける事項がありましたが、御指摘の事項につきましては、直ちに是正措置を講じたところでありまして、今後ともなお一層業務の運営の適正化に努めてまいる所存であります。
 以上をもちまして、昭和五十七年度の業務概況の御説明を終わらせていただきます。
#14
○安井委員長 これにて説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#15
○安井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
#16
○新村(勝)委員 初めに、今建設省の執行状況に関して会計検査院から指摘事項があったわけでありますけれども、会計検査院にお伺いをいたしますが、今の御説明の中で「建設省では、住宅に困窮する低額所得者に対し」云々とありますが、この執行が適正でなかった、所得の認定等においても間違いがあるというような御指摘でありますけれども、この御指摘はほとんど毎年あるわけですね。ですから、この指摘に対して指導をなさったわけでありますけれども、その指導をされたその後の、事後の処理がどうなっているのか、当該団体においてどういう事後の処置が行われているか、その点を伺います。
#17
○小川会計検査院説明員 お答えいたします。
 本件公営住宅関係の国庫補助事業で、収入超過者に関する検査というのは従来余りやっておりませんで、今回、五十七年度決算につきまして重点的に検査をさせていただきました。その結果、先ほど申し上げましたような処置要求をさせていただいたわけでございますけれども、この処置要求に対しまして、建設省では本院の指摘の趣旨に沿いまして、公営住宅家賃収入補助金等の交付が不適切となっているものにつきましては、補助金返還などの措置をとりますとともに、五十八年の十二月に関係地方公共団体に対しまして「公営住宅の入居審査等の適正な実施について」の通達を発しまして、入居申込者の収入認定に係る審査の方法等の具体的指針を示されまして、さらに五十九年五月には、事業主体相互の連絡を密にするための公営住宅管理対策連絡会を設置いたしまして、入居審査に係る事務処理を検討されまして、事態の再発防止を図るための処置を講じているところでございます。
#18
○新村(勝)委員 次に、その二の問題でありますが、これは住宅新築資金の貸し付けをしたけれども、その目的が達成されていないという指摘でありますけれども、この問題について建設省はどうお考えですか。
#19
○吉沢政府委員 お答え申し上げます。
 住宅新築資金の貸し付けにつきましては、いわゆる地域改善対策事業の一環といたしまして実施をしているところでございますが、中には貸し付けを受けて現実に家を建てないとか宅地造成をやらないとか、こういうものがいろいろありまして御指摘を受けたところでございますけれども、これにつきましては、今後そういうものについては一切貸付資金を返還させるという措置をとっておりまして、今後適正に運営したいと考えております。
#20
○新村(勝)委員 それから、もう一つ問題点があるのです。
 それは、国が補助した土地区画整理事業について、これは計画どおりやられているわけでしょうけれども、その結果としてその中の土地が宅地に利用されていないという指摘でありますが、この問題については土地区画整理法の中に事後の、完成後の土地利用についての明確な規制なり規定はないと思うのですが、この点、建設省の御説明を願います。
#21
○豊蔵政府委員 現在の土地区画整理法の建前からいたしますと、土地区画整理事業を行いました後、その土地を宅地として利用しなければならないという強制的な規定はございません。そんなようなことで、せっかく国が助成をいたしまして土地区画整理事業を実施完了いたしましても、これが有効に宅地として利用されてないという実情がありまして、このたび会計検査院から特記事項として掲記をされまして、その後私どもといたしましては、都市局の方におきまして関係課長の通達をもちまして、これらが少しでも建物が建って有効に利用されるように指導いたしますとともに、また、税制の特例であるとかあるいはまた金融公庫の貸し付けの優遇であるとか、そういったようないろいろな手当てをいたして促進しているところでございます。
 関係の都道府県の課長会議等も通じまして、特に保留地等の処分をいたしましたものにつきましては、建築計画を立ててなるべく早くそこが市街化するように等々いろいろ具体的に指導いたしているところでございます。
#22
○新村(勝)委員 そこで、土地区画整理事業の目的なりこの法の精神というものについて、若干問題があると思うのです。
 土地区画整理事業というのは、その地域を将来都市化するために社会資本を充実するということが主たる目的でありますけれども、そのことによって完成後の土地利用を規制するものではないというのが、暗黙のうちに一般に認められている考え方ではないかと思うのです。ですから、土地区画整理をやったからといって、その土地利用はもちろん法的には規制されておりませんし、それを宅地化することを強制することが直ちにこの事業の精神に合うとは言えない。そういうことで、この検査院の御指摘は土地区画整理法の精神なりあるいはその目指すところに沿った勧告ではありましょうけれども。この方針を今後強制することになると土地区画整理事業を抑える結果にもなるし、若干の問題がそこに伏在するのではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょう。
#23
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、土地の所有者の方々の協力をいただきまして土地区画整理事業を進めてまいるわけでございますので、余り強制というふうになりますと、なかなか皆さんの御協力が得られない。さりとて、せっかく国が助成して区画整理事業が完成いたしましても、その本来の目的に沿った土地利用がなされないのも、これまた国の政策としていかがであろうというようなことで、先ほどちょっと申し上げましたが、保留地の処分等につきましては、ある程度具体的な建築が進められるような方策を立てながら処分をしていく、それから、せっかくできました宅地につきましては、税制、金融等の措置でなるべく市街化が進むよう誘導していく、そういったいろいろな行政の組み合わせをすることによりまして本来の目的を生かしていきたいと考えております。
#24
○新村(勝)委員 土地区画整理の実行によって、地主はある程度の負担をするわけです。それと同時に、社会資本の充実による利益も享受するわけでありますけれども、区画整理によって基盤を整備するということで、長期的な展望という点では将来の市街化に備えるということではありますけれども、事業振興を土地利用についてまで直ちに規制するということは行き過ぎではないか。その中で農地として当分利用したいというものがあればそれを許すべきだし、また、その場合には現在の法制のもとでも宅地並み課税は行わないというのが当局の方針でありますから、この点については弾力的に運営を願いたいと思いますけれども、いかがですか。
#25
○豊蔵政府委員 ただいま先生から御指摘がありましたように、土地所有者の方々の意向も十分考えなければいけませんし、また一方、せっかく区画整理事業を行って将来の市街化のため良好な公共施設を備えた宅地をつくっているわけでございますので、これもまたできるだけ市街化のテンポに合わせましていい利用をしていただくという両面が必要かと思います。先ほど申しましたように、弾力的に、かつまた誘導的ないろいろな諸施策の組み合わせといったようなことで指導していくことが今のところ一番よろしいのじゃないかと考えております。
#26
○新村(勝)委員 確かに、土地区画整理事業には相当の国費、公費が投入されておりますけれども、その反面、道路、公園、公共施設の敷地等がなり膨大な社会資本が地主から無償で提供されるという側面があるわけでありますから、一定の補助金が投下されてもそれは決してむだではないわけでありまして、それ以上の公共資本がそこで保留、供出されるということでありますから、そういう意味では、区画整理の目的はその段階で大半の目的を達しておるわけであります。ですから、その後の土地利用についてはある程度寛大にしていただかないと、地主の立場からすると不本意ということになりますので、その点は十分考慮をいただきたいわけであります。
 特にこれは市街化区域の中で農地の非常に多いところ、あるいは調整区域で区画整理をすれば市街化区域に編入される、こういう見通しのもとに区画整理をする場合もございますけれども、その地域の中にかなりの農地が含まれているような場合には、農地を耕作者の意思に反してやることはなかなかできませんけれども、耕作者の意思に反して宅地化を強制するような施策は考えものであろう、こういう点は十分考慮願いたいという趣旨でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、経済問題に関してお伺いいたします。
 現在アメリカの景気が下降ぎみである、停滞ぎみであるということが伝えられておりますが、アメリカの景気は日本の経済に大変大きな関係があると同時に、世界経済にも大きな関係を持つわけであります。最近の情報によりますと、八五年の第一・四半期は実質年率にして一・三%に落ちた、この調子でいけば年三%くらいと見られるということでありますが、このアメリカの景気停滞をどう分析されているか。新聞等では、輸出の減、企業の投資あるいは最終消費が不振である、こういうことからアメリカの景気停滞が起こっておるということが言われておりますけれども、経企庁ではどういう分析をされておりますか。また、今後の見通しでありますけれども、一部の観測では悲観的な見方が多いようでありますが、その点の見通しについてお示しいただきたいと思います。
#27
○金子国務大臣 新村さんの御指摘のとおり、当初一−三月のアメリカの実質GNPの成長率は二・一と推計されておったのでございますが、先般発表されたところによりますと、一・三%に下方修正されるというような状況でございまして、景気の拡大速度に鈍化が見られております。これの一番大きな原因は輸出が落ちたということでございまして、個人消費等につきましては依然として活発な伸びを見せております。
 これからのアメリカの景気の見通しにつきましては、各方面の意見を総合してみましても、大体三、四%程度に落ちつくのではなかろうか、去年のような調子にはまいりませんけれども、三、四%程度の安定成長が続くものと見ておる向きが多いと考えております。
 もちろん、こういうことになりますと日本経済への影響として端的に響いてきますのは、日本の対米輸出のスローダウンでございまして、現実にこれははっきり出ておりまして、日本のGNPの成長率に対する外需寄与度は低下せざるを得ないのじゃなかろうか。ただ、設備投資が、輸出と関連のない技術革新関連投資が引き続いて活発に行われておりますし、また個人消費も、物価が安定している中でだんだんと明るさを増してきております。特に、最近は春闘の見通しも大変明るいような状況でございますので、内需全体としては順調に増加しつつあると見ていいのではなかろうかと思っております。そういうような状況から考えますと、六十年度の実質成長率は、我が国のGNPの伸びは大体四・六%程度、当初の見込みを達成できるものと私どもは考えておる次第でございます。
#28
○新村(勝)委員 今長官のお話によりますと、アメリカの景気はある程度下降するであろう、それに伴って輸出が減少するというお話でありますけれども、これは難しいと思いますけれども、どの程度の輸出不振が起こる心配があるのか、また、そのことによって外需によるマイナスの寄与度をどの程度考えなければいけないのか、そこらの点はいかがでしょうか。
#29
○丸茂政府委員 今御質問の点でございますが、先ほど長官が御答弁されましたように、ことしのアメリカ経済は去年に比べますと相当大幅な減速が見込まれておりますけれども、しかしながら、三ないし四%程度の安定した成長が続くということでございますので、我が国の輸出も減少するというふうには私どもとしては考えておりません。輸出の伸び率が鈍化をするということでございまして、この点は当初に経済見通しを作成いたしましたときにもほぼそういうふうに考えておりましたので、鈍化はいたしますが、しかしながらマイナスではございませんので、輸出の超過、外国需要による経済成長に対する寄与というものはかなり大幅に減りまして、〇・五%程度というふうに見ておりますが、内需が堅調を続けていることもあわせまして、当初政府見通しの四・六%程度は達成できるというふうに考えております。
#30
○新村(勝)委員 そこで次に、貿易摩擦の問題と、それに関連をしてその解決策として内需の振興ということが大きな政治課題になっておるわけでありますが、まず内需を増すためには、内需と競合関係にあるのは資本の流出だと思うのですね、資本流出をやはり抑えていかなければ内需は振興しないという関係もあると思うのです。
 そこで、内需を増すための方策として、まず一つは財政的な側面があると思うのですけれども、財政の面から一つは減税による追加購買力の付与というものが考えられるわけですが、現在の国家財政は必ずしもそういう状況にはないというお考えだと思いますが、この減税の問題については六十年度の予算編成のときも大きな論点になっておりますし、その後あらわれてきた貿易摩擦、そして最大の課題である内需の振興というような政治課題を今政府はお持ちでありますけれども、この解決策の一つとしての減税による購買力の付与ということについてはどういうお考えですか。
#31
○濱本説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、厳しい財政事情のもとにおきまして、後代の負担を当てにいたしましたような赤字公債の増発によります所得税の減税というものは、好ましくないものというふうに考えております。減税問題は、やはり直接税、間接税、税制全体の将来のあり方というものをどう考えていくかという非常に広い検討課題の一つとしてお取り上げいただくべきものではないかと考えているわけでございます。
 ただ、ただいま御指摘がございました購買力を付加するための減税という観点でどのように考えているのかということでございますけれども、確かに、所得税の減税を行いました場合に、それなりの購買力の付加があると考えられるわけでございますが、我が国の場合、御承知のように貯蓄率が非常に高こうございますから、同じような減税を行いました場合の相対的な効果というものは、他に比較いたしましてそれだけ小さいと考えられる一面がございますし、また、仮にそれが公債発行というようなことで減税財源が調達されるということになりますと、これが金利の引き上げにつながってきて、経済に対して好ましくない影響を与えるおそれもなしとしないということも考えてみなければならないというふうに思っております。
 先ほど来お話がございましたように、ただいま消費の実態は、賃金の着実な伸びあるいは物価の安定のもとにおきましてなだらかな増勢をたどっていると考えておりまして、そういったこともあわせお考えいただけるのではないかというふうに考えております。
#32
○新村(勝)委員 財政の状況はよくわかるのでありますけれども、目前の課題としての内需振興ということと、それからやはり長期の世代間の負担、長期的な財政のあり方を考えますと、必ずしもそれは調和しない面があると思いますが、そういう点を考慮しても、なおかつ現状では減税を考えなければならないんではないか、こういう気がするわけであります。
 それから、金利の引き上げに通ずるということでありますけれども、日米の金利差が余り大き過ぎるために資本の流出が起こるわけでありますから、これは後でお伺いしますけれども、金利の自由化ということともつながってくるわけでありますけれども、そのことによって円高にプラスになるという面もあるわけでありますから、それらの点を総合して考えた場合に、必ずしも即断できない面があるんじゃないかと思いますが、その点、もう一回お伺いいたします。
#33
○金子国務大臣 貿易摩擦と申しますか、日本の対米黒字が累積いたしました一番大きな原因は、アメリカの財政赤字によって金利が高くなり、ドルがまた高くなって輸出がふえたというところに基本的な原因があるわけでございます。現に、八三年と八四年の日本の貿易黒字を比較しますと、世界全体では八三年と八四年の黒字の増は百三十一億ドルですが、そのうち百四十九億ドルが対米なんです。結局、アメリカのドル高によって輸出が急増したということに原因があるわけでございますので、先般のOECDの閣僚理事会におきましても、私どもといたしましては、やっぱりアメリカの財政赤字の削減の努力をひとつしっかりやってくれよ、そうして金利を是正し、ドル高を修正してもらうことが基本的な解決の策であるということを声を大にして主張いたしましたし、また各国も大体同じような趣旨のことを主張いたしまして、これに対してはアメリカの代表は、増税というわけにいかぬけれども、八八年までに歳出削減は相当やりたいということを約束しておったわけでございます。
 今御指摘の、金利を下げたらどうだということは、むしろ逆にどんどん金が流れることになるわけでございますので、私どもは、現在でも四、五%の金利差を求めて日本の貯蓄がどんどんアメリカに流れておるわけですから、これは為替管理で抑えるわけにはいきません。それをやったらもう大変なことになりますし、やっぱりドルがだんだんと是正されつつありますから、もう一押しドルの方でレートを下げてもらって、適正な円ドルレートが実現するような努力を繰り返すことが一番肝心なことであろうかと思っておるのでございます。
 それから、内需拡大に伴う対策としての減税につきましては、今大蔵省から答弁ありましたから繰り返して申すつもりはございませんけれども、先般対外経済問題諮問委員会が総理に報告いたしました報告書でも、貯蓄、消費、投資のバランスを図る観点から税制の見直しをすべきだということを挙げておるのでございまして、このアクションプログラムを早急にこの七月までにまとめてもらう努力を今担当各省でやっていただいておるわけでございますが、そういった面での税制の見直しというようなことも、これから積極的に取り上げてまいりたいと考えておる次第でございます。
#34
○新村(勝)委員 もう一つ、歳出の削減という面で行政改革が各方面いろいろな側面で行われておりますけれども、一つは、これはかなり前ですけれども、国内産業を保護するという立場から、各方面に補助金を出しているものがかなりあると思うのです。国内産業の保護のための補助金の支出ですね。この補助金が現在どのくらいあるのか。
 それから、この補助金はもう全く時代に合わないものだと思います。ですから、そういう国内産業保護のための補助金、これは弱い産業もありますから、弱い産業に対して補助するという必要はあるいはあるかもしれませんけれども、一般的にはもう日本の産業を助成する必要はないわけですね、世界的に強過ぎてしまうわけですから。こういう産業保護の補助金の徹底的な整理ということをどのくらいおやりになっていますか。
#35
○藤井説明員 お答え申し上げます。
 補助金等につきましては、御説明するまでもないことかと思われますが、先生が先ほどおっしゃいましたように、特定の政策目的を維持達成するという観点での意義は十分に認められるわけでございますが、他方、ともすれば既得権化して惰性的運用に陥りやすいというような問題点も、しばしば指摘されておるところでございます。かつまた、今日の財政状況ということにつきましては、申し上げるまでもなく極めて厳しい状況でございますので、補助金等全般について整理合理化を推進するという方針で六十年度についても措置を講じておるわけでございます。
 特に、臨調答申につきまして先生も先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、いわゆる保護助成策について触れられております。過去「余裕ある財源の下で拡大してきた保護助成策について、これを真に必要な分野に限定するための厳しい見直しが必要である。それはまた、今後の我が国が目指す、民間の活力を基本とする活力ある福祉社会の建設のためにも重要である。」という指摘がなされておるわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましても、一般歳出の約四割を占める補助金等についての整理合理化というものをやってきておるわけでございますが、その中でもいわゆる地方公共団体向けというのはおおむね八割を占めておるわけでございます。民間団体等を含めまして全体で十四兆四千億というような規模になるわけでございますが、特に地方公共団体向けのみならず民間団体向けについても大幅な整理合理化を講じておるところでございます。
 具体的には、例えば補助金についてその使命、目的を達成したというようなものについての整理、廃止の問題、あるいは同一、共通目的で達成するためにやや重複が見られるのじゃないかというようなものにつきましては、統合メニュー化を行うというような措置、あるいはこれは農業関係の補助金等に見られるわけでございますが、従来補助金という形で渡しておったものを融資化する、いわゆる回転資金化するというような措置を講じたりしておるわけでございます。また、人件費補助というようなものにつきましても、いわゆるひもつきがやや強いということでいろいろ議論、検討されておるところでもございましたので、六十年度予算編成におきましては、かなり大幅に人件費補助については一般財源化等を講じるというような措置を講じたところでございます。
#36
○新村(勝)委員 相当な整理の努力をされているということでありますけれども、それを種目別あるいは性質別に分けた場合に六十年度でどのくらいの整理が行われたのか、どのくらい現在残っておるのかということ、その概数で結構ですからお知らせ願います。
#37
○藤井説明員 補助金等につきましては全体で十四兆四千三百一億、六十年度の補助金の総額でございます。その内訳でございますが、地方公共団体向けは、先ほど申し上げましたようにおおむね八割を占めておるわけでございます。それで分類は、今私の手元にございますものは、地方公共団体の金額は十一兆二千九百五十八億でございますが、いわゆる民間団体等はその他でございますので、その差額の三兆一千三百四十三億という金額になるわけでございます。ただし、この金額の中には国鉄等を初めといたします特殊法人というようなものも含まれておりますし、その他認可法人とか公益法人というようなものも含まれておるわけでございます。
 先生が御指摘のいわゆる国内産業保護のための補助金がどうなっておるのかということにつきましては、最終の受益者がどういう形になるかということで、端的に言いますと、地方公共団体に通じるような補助金等も、最終的な受益者としては個人なり法人というものが考えられるわけでございますので、その点はなかなか把握困難という実情にございます。
 以上でございます。
#38
○新村(勝)委員 次に、行政指導の側面だと思いますが、民間活力の導入あるいは各種規制の緩和ということが今政府によって提唱されております。まず、民間活力の導入ということについては主としてどういうことが考えられるか、どういうことを政府としては目指しておられるのか、それを伺います。
#39
○丸茂政府委員 民間活力の活用ということにつきましては、一つは、できるだけ建設関係等の規制の緩和によりまして建設活動が自由にできるということを考えております。第二は、国有地等の有効な活用でございます。それから三番目は、具体的な個々の問題ではございませんけれども、規制をなるべく撤廃をして、原則自由にすることによって民間の企業活動と創意工夫が経済活動として十分に出てくるということを考えております。特に御承知のように。現在政府の財政状況は非常に厳しいものがございますが、民間部門にはかなりの資金がございますので、そういうものが円滑に利用されて経済活動、国内需要が高まっていくということを願っているものでございます。
#40
○新村(勝)委員 民間活力の導入、これは我々が考えても建設関係が主だと思います。今例えば首都圏内の交通は麻痺状態のところが多いわけでございますけれども、こういう問題を解決するにも、国鉄さんではとてもできない、国の資金ではなかなかできないでしょう。こういうところへ民間活力を導入して。この交通地獄の緩和のための新線の建設等を積極的にやってもらいたいと我々思っておるわけであります。
 それからまた、地域の開発、住宅建設、こういった面についても現在国の規制は極めて厳しいわけです。自由な開発が非常に制約をされておるという面があるわけであります。その一つは都市計画法でありますけれども、この都市計画法というのは、高度成長時代にいわゆる都市の無秩序なスプロール化を防ぐ、そして効率的な公共投資を図るという精神からつくられたわけでありますけれども、今や全くもう時代錯誤的な法制になっているというふうに感ずるわけです。
 特に、これは立場の違いもありますけれども、市街化区域と調整区域とを線引きによって区別をするということは、大変乱暴な施策でありまして、ある意味では憲法違反ではないかという議論も当時はあったわけです。しかし一面では、資金の効率的な運用、効率化という点からはある程度の効果はあったと思いますけれども、現在の都市計画法は既にその使命を終わったというふうに我々は考えておるわけです。これは規制の緩和の真っ先に取り上げられるべき問題ではないかと思うわけでありますけれども、この都市計画法についての基本的な建設省のお考えはいかがですか。
#41
○木部国務大臣 冒頭先生から都市交通の問題のお話がありましたが、今東京都内の私鉄などは、朝晩のラッシュ時なんか二〇〇%ぐらい、まあパンクの状態になっているわけですね。また、そういう中にありまして、だんだん都市がドーナツ型になってきておる。ですから、昼間は働く人口が結構ありますが、夜はかなり郊外へ行ってあいてしまっている。ですから、私は先般も東京都内の区長さんの有志の方といろいろお話をしたことがあるのですが、ある区長さんなんかは、賃貸住宅を建設することを公団がやることによって夜の定住人口というものをふやして、そして活力を持たせなければいかぬ、維持しなければならぬというような切実なことをいろいろ意見として言っていらっしゃる方もおられました。これはとりもなおさず交通の緩和にもつながっていくわけですね。
 そういうようなこと等を考えてみますと、私どもは、総合的に整合性を持たせながらこの都市の問題を真剣に考えなければならぬ。都市の問題を考えるときに、今先生が御指摘になりましたように、一番大事な問題は、宅地の供給なりまた都市計画法の線引きの見直しの問題であるとか、宅地の許可の制度の息切な運用の問題であるとか、それから都市の再開発による土地の高度利用とか、土地税制の問題とか、いろいろな宅地の開発の指導要綱の行き過ぎを、おっしゃるとおり是正する問題であるとか、大都市地域における計画的な大規模の宅地供給の促進であるとか、また先ほど民活の話もありましたが一民間活力を導入する場合でも、そういう規制緩和というものと一緒になって、これが車の両輪で回っていかなければ、理想的な民間活力というものは達成できないわけです。そういう意味で、いろいろ御指摘いただきました都市計画法の線引きの問題であるとか、そうした宅地供給の推進に重点的に取り組んでいかなければならない、そういうふうに考えております。
#42
○新村(勝)委員 土地利用は、規制緩和の問題、あるいは内需振興の大きな柱である住宅建設の促進、こういう面からいっても非常に重要な政策だと思いますが、今までの都市計画法の運用というのは、一定の地域だけに特恵的な利益を与えるわけですね。そこに土地を持っている地主は大変な利益を受けるわけですけれども、その反面、調整区域に編入されているところの地主は、土地を売るにも売れない。売ることだけが目的ではありませんけれども、そこの土地の価値自体が市街化区域の何分の一に低く抑えられている。これは行政的な手法によってそういう基本的な差別を受けておるわけですから、そういう点でも非常に問題がある法律なわけです。そこで、この線引きはできるだけ早く撤廃をすべきであると思うのです、
 ただ、その場合に、投機的に調整区域の中に広大な土地を持っている者に対して不当な利益を与える結果になるのではないかというような議論も一部にありますけれども、そういう問題は別の方法によって措置すればいいのであって、基本的には市街化区域と調整区域の区別は撤廃をすべきである、これが規制撤廃の第一号でなければならない。そのことによって宅地供給が飛躍的にふえるし、同時に、地価の安定あるいは地価の鎮静化、現在鎮静化いたしておりますけれども、さらに一層地価を安くするということに大きな効果があると思うのですけれども、その点はいかがですか。
#43
○高橋(進)政府委員 ただいま大臣からお答えしたとおりでございますが、なお今先生の御指摘の、線引き制度そのものの意味を現在的に考えるべきではないかということでございますが、そういった御意見もまた傾聴すべき点だと思います。ただ、私どもといたしまして、線引き制度そのものにつきましては、やはり無秩序な市街化を防止するという観点から、現在でも意味があるのではないかと考えています。ただ、先生御指摘のように、それが良好な宅地供給といったようなものを阻害するという御指摘もあるわけでございまして、運用の面で線引きの見直しを実態に即して現在行っております。
 また、制度の面でも、市街化調整区域におきます開発許可の運用につきまして、弾力的な措置を講じておるところでございます。具体的に申し上げますならば、市街化調整区域におきます開発規制の緩和につきまして、五十七年にいろいろ、農家の次三男等の分家についての弾力化とか、あるいは非農家世帯の分家についての弾力化、そういった運用もいたしておりますが、最近では、市街化調整区域におきまして、原則的には二十ヘクタール以上でなければ開発許可はしないということになっておりますが、これを都道府県の規則では五ヘクタールまでおろすことができるという政令改正もやりまして、そういった弾力的な運用の促進を図っておるところでございます。
#44
○新村(勝)委員 現在、市街化の誘導あるいは住宅建設については二重の縛りがあるわけですね。都市計画法による縛りと、それから建築基準法による縛りと両方あるわけでありますから、仮に都市計画法の縛りを除いても、建築基準法の規制によって十分計画的な市街地の造成はできるわけです。まずいところは開発の許可をしなければいいのですから、それから建築の許可をしなければいいわけですから、そういう方法によって十分計画的な市街化を進めることができるわけです。二重の縛りをかける必要は全くないと思うのです。そういう点で、できる限り規制の緩和についてこの方面から手をつけていただきたいと思うのです。
 次に、春闘の問題です。
 これは日本経済に大きな関係を持つわけですが、ことしの春闘の値上げ額、それから実質の手取りはどのくらいふえたのか、それからそのことによってどのくらい全体として追加購売力として働くのか、この点について伺います。
#45
○吉田説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御質問の春闘の妥結額でございますが、本年の賃金交渉におきましては、鉄鋼大手五社が九千円、三・八%、造船大手七社が九千円、三・九九%、総合電機三社が一万九百四十二円、五・五%、家電三社が一万五百十二円、五・五%、自動車メーカーが九社でございますが、一万一千五百四十三円、五・五五%、鉄鋼大手が一万二千五百円、五・三八%、最後の電力九社でございますが、一万一千四百五十円、四・八二%などで妥結をいたしておるわけでございます。
 労働省におきましては、現在他の産業も含めまして調査集計中でございますが、労使団体等の発表によりますと、民間大手企業平均で、賃上げ額にいたしまして一万二百九十二円から一万一千百二十五円、賃上げ率にいたしまして四・九四%から五・二%となっておる状況でございます。
#46
○新村(勝)委員 春闘の賃上げ額が日本経済の内需拡大に大きな力があるわけでありますので、これは政府が口をつけるわけにはいかぬと思いますけれども、現在自動車とか電機とかは大変な利益を上げておるわけでありますから、できる限り大幅賃上げを行うことができるように、指導というわけにはいかぬと思いますけれども、そういう気持ちでひとつ行政を行っていただきたいわけであります。
 それから、これはお答えは要りませんけれども、貿易摩擦の一つの原因になっておる労働条件の問題ですけれども、日本の労働条件は必ずしもまだ先進工業国のレベルに達していない面があるわけです。労働時間にしても、アメリカあるいは西ドイツに比べるとまだ年間数百時間余計に働く、週休二日制もまだ完全には定着していないという状況でありますので、労働時間の短縮あるいは週休二日制のさらに一層の推進に御努力をいただきたいと思います。
 次に、最後の問題として、内需の拡大のためには国外に流出をする資本を抑える必要があるのではないか。内需と資本の流出とは競合関係にあると思うのです。資本が流出をすれば、したがって内需はどうしても細っていくということでありますから、それらについての工夫が必要ではないか。特に、直接投資ではなくて、証券投資が資本の流出の非常に大きな割合を占めておるというふうに言われておりますけれども、証券投資等のために流出をする膨大な資金を国内に還流させる方法はないのか、また、還流させてその資金を社会資本の充実に向けることはできないのかどうかということが一つです。
 それから、ドル高・円安がまた一つの原因になっているわけですけれども、これを少しでも修正をするためにはやはり円をもっと強くしていかなければいけない。その一つの方法としては金融の自由化、特に円の国際化が必要ではないか。現在の円の国際化は、円の実勢、実力に比較をしてまだ非常におくれておるわけです。貿易決済にしても、輸出についてはある程度進んでおるようでありますけれども、輸入の決済等については、まだ円の決済は三%とか五%しかないという実情であります。こういう円の実力に極めて不相応な円の国際的な立場、これをもっと上げていくことによって、円の力を国際的に認めさせることになるのではないか。また、それを通じて円高が誘導される、日米の為替の差がそれだけ少なくなっていくということになるのではないかと思いますけれども、それらについて伺いたいと思います。
#47
○江沢説明員 お答え申し上げます。
 最初の資本流出の問題でございますが、御承知のとおり、現在の資本移動の大部分は、日米金利差が縮小したとはいえ、まだかなり高水準にあるということを背景といたしまして、市場原理にのっとって自然に民間資金が移動しておるということでございまして、これを人為的に抑制するということは非常に困難でございますし、またいろいろ弊害をもたらすということで、私どもは適当ではないというふうに考えております。
 特に、資本流出規制をいたしますと、これは実際に取引を仲介しております金融機関、日本のみならずアメリカ、ヨーロッパの銀行、証券会社がこの資金の仲介をしているわけでございまして、そういう金融機関の反発が出てくる。あるいは、資金はアメリカのみならずLDCその他世界各国に流れておりますけれども、そういう諸外国の政府、企業等の借り手が反発をするというふうな問題がございます。また、アメリカの当局者も資本規制には反対であるということをはっきり明言しておりまして、資本規制をやるというふうなことになりますと、新たな対外摩擦を招きかねないというふうに考えられます。
 また、金融が自由化、国際化しております中で一部の資本を規制しても実効がなかなか上がらない、また、公平性を損なうという問題がございます。先生御指摘のように証券投資だけを規制するということはなかなか困難でございます。アメリカの例を見ましても、一九六三年から利子平衡税を導入いたしましたが、当初証券投資だけを利子平衡税の対象にしておりましたが、そうしましたところが、今度は銀行貸し出しの方に資金が流れてしまう、そこで銀行貸し出しを抑えたら今度は直接投資の方に流れていくということで、なかなか実効を上げがたいという点がございます。
 それからまた、私ども今東京市場を自由化、国際化し、東京の金融・資本市場を発展させようとしておるところでございますが、それに対しても有害な影響を及ぼすということでございまして、私どもとしては、資本流出規制というのは適当ではないというふうに考えております。
 それから、第二点の金融・資本市場の自由化、円の国際化と円相場との関係でございますが、私どもは、金融・資本市場の自由化、円の国際化によりまして内外の資金交流が促進される、ただその結果は、円高円安いずれにもなり得るというふうに考えております。国際化、自由化によって円相場が必ずしも円高に動くというふうには考えておらないわけでございます。ただ、我が国としては、金融・資本市場の自由化、円の国際化が進展いたしますと、御指摘のように円資産の魅力が高まるという面もあるわけでございまして、中長期的には円への評価が高まりまして、円相場の上昇に結びつく可能性もあるのではないかというふうに期待はしておるわけでございます。
#48
○新村(勝)委員 終わります。
#49
○安井委員長 次に、川俣健二郎君。
#50
○川俣委員 先ほど建設省から決算の報告、会計検査院からも説明がありましたが、私はそれにちなんで、倒産というか踏み倒されたというか、住宅をつくって一銭ももらわないという大変哀れな実例を申し上げて、何とか大臣に折り入って助けてもらいたいと思って、あえて理事会なり委員長にお願いして了解をとったのですが、これをちょっと委員長の了解をとって配ってください。
 配っていただく間に、通産省にちょっとお伺いします。
 予算委員会でも、中小企業の倒産件数が減るどころかふえる一方だという話があって、これは何とかならないかということでしたが、通産関係で関与しているものは、五十九年度でもいいのですけれども、ちょっと件数等話してくれませんか。
#51
○窪川説明員 民間の信用調査機関の統計によりますと、五十九年度の中小企業の倒産は、件数で二万七百七十三件、金額で三兆二千四百六十億ということになっております。幸いなことに、ことしに入りましてからは比較的落ち着いた動きを示しておりまして、一−三月とも前年同期比を一割程度下回っているという状況にございます。業種別に見てみますと、五十九年度では製造業が約一九%、建設業が三〇・五%、商業が三五%、サービス業その他が一五・四%という状況になっております。
#52
○川俣委員 幸い今年に入って、こう言われるが、年が明けて一、二月というのは毎年低いのだから、それは認識していると思うが、それはあえて参考にはならない。
 建設業関係が三〇%強でございますが、ここに私の質問とお願いがあるわけですが、その前に、せっかく通産省お見えですから、中小企業対策というところに非常に問題があると思うので、中小企業省ということを何年か前から私たちが叫んでおるのですが、中小企業省をつくれば大臣一人ふえるわけですが、ふえるのに私たちは手をかすわけじゃないのだが、中小企業庁ではなくて中小企業省という担当大臣をつくってはっちりやらないと、いかに防止対策なり倒産対策を考えても、現実にこのようにふえておる。しかも三兆何がしということになっておる。ということになると、きょうは大臣もいないんでしょうから、呼んではいませんけれども、中小企業省設置等対策委員会というようなものを我々もつくっておるので、近くこれを法案として提示する用意があるのですが、通産省はどう考えていますか。
#53
○窪川説明員 現在の中小企業行政は、中小企業基本法に基づきまして、中小企業庁が金融、税制、近代化、高度化、あるいは小規模企業対策、下請中小企業対策等の中小企業に関する共通的な施策を整備いたしまして、通産省を初めとする各業種所管官庁がこれらを活用して中小企業に関する業種別行政を行うという体制になっております。
 また、通産省といたしましては、全国八カ所の通商産業局で地域の実情を反映した行政が推進されるように展開しているわけでございまして、中小企業行政は、中小企業大臣ともいうべき通産大臣のもとに円滑に展開されているというふうに考えているところでございます。
 また、通商産業大臣は、産業政策、通商政策あるいは資源エネルギー政策の実施に当たりましても、中小企業に十分配慮しつつ中小企業政策と整合的に行うよう努めるなど、中小企業の振興を総合的に推進する上で中小企業大臣としての役割を的確に果たしてきているというふうに考えているところでございます。
 また、現在政府が進めております行政改革の観点からも、中小企業省あるいは中小企業大臣ということは必ずしも適当ではない、必ずしも現在の体制を改める必要はないというふうに認識しているところでございます。
#54
○川俣委員 終わりの部分は、何も担当課長がそんなことを言う必要はないんだけれども……。
 中小企業庁で大臣に匹敵する仕事云々と言うんだが、それじゃ中小企業庁で建設業の関係もかかわっておると見ていいのですか。
#55
○窪川説明員 先ほど申し上げました中小企業に関しますいろいろな施策につきましては、建設業におきましても、例えば近代化促進法に基づきます近代化促進計画、あるいは設備近代化制度に基づきます設備近代化資金融資、あるいは中小企業関係の政府関係金融機関を通じます融資等々各般の中小企業施策を利用していただいているという状況にございます。
 また、中小企業庁におきましても……
#56
○川俣委員 もう結構です。
 中小企業庁の方で各産業の各般にわたってやっているというお話があったから、この辺で通産省は質問を終わろうかと思ったのですが、ちょうど幸いですから、質問が終わるまでいてもらいたいと思います。
 私がきょう提示する問題をわかりやすく言うと、皆さんにお配りした半ぺらの、ちょっとしたコピーで申しわけないのですが、こういう事件なんです。
 一番上に株式会社C、これは世に有名な地産です。住宅産業ですね。これが一番下の方に書いておる宮城県泉市に北伸団地、十四棟の高級住宅をここに書いているように一億で契約さしたというのだから、この辺は問題があろうが、契約を受けた方はちゃんと受けたんだからそれはしょうがないのですが、この辺からおかしい。そこで、斜線にしておるT工建、これは都鳥。この都鳥工建が一億で受けた。一億でできるわけがない。一億でできるわけがないのが、左の方に書いてある二千百三十五万円で請け負わせている。それから下の方に九千二百万で請け負わせている。ここでもう既に一億一千三百三十五万円である。ここから大体無理な話なんだ。
 そこで、あらまし全貌を言っておきますと、この都鳥工建なるものが、左の方の二千百三十五万円を地元の下請業者にはきれいに払っておる。これは十二業者です。ところが、地元の下請にはきれいに払っておるが、まっすぐ下のO建設、ここは遠隔地、他県に下請させておる。山の奥の他県の方に行って、いないかと。今どき仕事を欲しくないかというのに飛びつかない業者がいるはずがない。この他県の下請した金額、AとB七千六十五万円をびた一文もらっていないという事件である。
 そのK工務店、その下に屋根工事、電気工事、鉄工工事、塗装工事、建具工事、木工事、こういうようにたくさんの業者がいるが、これをトータルで言いますと十二業者になります。上の方の左の方の二千百三十五万も十二業者、全く同じ業者数である。こっちの方にはきれいに払っておる。それから七千六十五万の方はびた一文も払っていないという、全く何と言っていいか、どうにもならないものだということで、いろいろとそれぞれの官庁に、中小企業対策に万全を期しているという御答弁でございますが、一切何にもない。この事件の大体のあらましを建設省が知っておるか、課長でも部長でもいいのだが。
 それから、十四棟を一億でできるということが、どうもだれも理解できないのですけれども、その辺もちょっとお話し願えませんか。
#57
○高橋(進)政府委員 今御指摘のございました件につきまして、あらかじめお話しございましたので、大体こういったような状況にあるということを承知しております。ただ、このT工建が倒産しておりますものですから、具体的な金額までは実は把握しておりません。
 なお、一億で十四棟が建てられるものかどうかということにつきましては、実は一戸ごとの面積等についてもまだ十分承知しておりませんので、ちょっと即答しかねる次第でございます。
#58
○川俣委員 私が言うのは、一般的にどうかと聞いておる。
#59
○高橋(進)政府委員 一戸平均七百万余になるわけでございまして、一般的な規模であれば相当金額は低いかと思います。
#60
○川俣委員 そこでここに、早速でき上がって売り出して、売れておる、これは会社の広告だが、これは盗んできたんじゃなくて、持ってきたんです。「いつも新しいことに挑戦しています 地産会長」、ゴルフもやっているのですね、これは。今度は近く毛越寺を建てるというので政治家を踊らしておることは後でお話ししますけれども、マンション会社だと私は思っておりました。したがって、公庫から融資も受けているはずだ。公庫の融資を受けているということになると、会計検査院も当然一回ぐらいは検査に入らなければならないはずであると思うが、その中に、「幅広くお役に立ちます」、こういうことで広告を出しているものによると、タイプが四LDK、これが千七百九十万、五DK千九百二十万、こういうことであるのですが、これが今七百万前後というのはちょっと安過ぎるのじゃないかというけれども、ちょっとどころじゃないんじゃないですか。局長、どうですか。普通どうです。
#61
○高橋(進)政府委員 私どもの方で規模がどれだけかということを詳細に調べておりませんので申し上げかねますが、今先生のおっしゃったようなことであれば、相当安いかという感じがいたします。
#62
○川俣委員 そういうことであればというのはおかしいじゃないですか。課長、どうなんですか。これは知らないわけはないでしょう。しかも地産の支店というのはちゃんと東北仙台に大支店があるわけだから、そうすると、あそこの地建の澤井局長がちゃんと管理しているわけだから、知らないわけはないでしょう。あなた、どうです。これは今初めて伺ったようなこと言うな。
#63
○高橋(進)政府委員 調査いたしまして判断いたしたいと思います。
#64
○川俣委員 それから、非常に急いで見積もりも何にもとらせないでやった嫌いがある。というのは、この業者の方から上申書が出ておる、これはちょっとむちゃですよと。仕事をもらう方だから弱いよ。むちゃですよ、これはもう少し単価を上げてくれませんかというようなお願いも、手をこすりながらお願いしたんだけれども、まあそのうち何とかしてやるからといって、とうとうでき上がったけれども、でき上がったものを見てても一文も金にしていないという。この本当に建てた業者は七千万。これはあなた方は今まで知らないわけないんだ、何回もおたくの方に来ているわけだから。
 しかも、この地産の方と下の都鳥工建との契約書によると、十二月をもって引き渡しした、こう書いてあるが、請負契約書によると、去年の六月二十日から去年の十月二十日、この期間が工期なんだ。これで一億払うという契約書なんだ。ところが、これがとてもじゃないが、十二月の六日にようやくでき上がったという証明の写しが私のところに来ておるので、これは今局長がおっしゃったように何とか調べて、問題は荒立てるんじゃなくて、この七千六十五万円という、びた一文もらわない業者の方に幾らか、全額がこれはありがたいところですが、人件費、後で労働省に話しますけれども、立てかえ払いという制度も我々は社労でつくったが、金子先生もおられるけれども、これもあるが、しかし立てかえ払いをもらう前に、やっぱり全額をまるめて、機材費を入れて七千六十五万円というものをここに手にしない限りにおいては、私はどうにも、中小企業の倒産防止対策という言葉はきれいに言うが、そういうように理解するしかないんだけれども、どう思います。どうです。
#65
○高橋(進)政府委員 この表にございます下請の関係の経費を支払ってもらっておられない方の立場というのは、非常にお気の毒に思うわけでございます。
 建設省といたしましても、先ほど中小企業庁の方から御答弁されましたが、中小企業庁と協力して、いろいろな面で建設業における一般的な中小企業対策は講じておるところでございますけれども、現実にこういう個別に倒産されて、それの賃金その他の経費が下請に行かないということになりますと、基本的には個別の民間対民間ということでございまして、しかもこの表によります発注者の株式会社Cと株式会社T工建との間では、契約どおり金額が支払われ、また引き渡しも行われているということでございますと、そこで一応民間との関係では完結しておりまして、そこにさらに行政がどうこうという立場にないという点は御理解いただきたいと思う次第でございます。
#66
○川俣委員 それじゃ中小企業対策にならないのよ。大どころの人方と酒を飲んでいたって中小企業対策にならないんだから。都鳥工建には払っているんだから、低いかどうか知らぬけれども。それ以下全然下に金一文流れてないというところに、あなた方の手が加わらなければ中小企業対策にならないの。そうでしょう。それは民間同士だからあなた方勝手にやれというなら、この二万件という倒産件数は決して減らない。そこへあなた方のあれが、今法律いろいろやると時間がないけれども、手を下せないわけはない、この法律によると。これは一億でやったことが安いかどうかということをあなた方が言う権利があるかどうかは別として、これはあるのですよ。
 それから、この都鳥工建が一億の金をもらって、その金が少ないから倒れたんじゃないんだ。一億の大半の七千万を下におろさないで倒れているんだから、偽装倒産です。しかも、今度は毛越寺を建てるというので、それは三十五億になる。ずっと仙台から岩手県の各代議士の名前をかりて今PRしております。この会社もその一つに入っておる。だから、これは私も政界に警告しているんだ。それは次の建設委員会なり秋の予算委員会等で、解決しない限りにおいては私はこれは食いついていきたいけれども、局長の考え方は、民間同士だから一切手を出させない、出しちゃいけない、出すすべがないということであれば、中小企業対策というのはないですよ。どうです、これはもう少し調べてくれるかね。
#67
○高橋(進)政府委員 先ほど先生が最初に御指摘になりました安いのではないかということにつきましては、さらに調査して判断したいと思います。
 ただ、中小企業対策につきましては、建設省としても一般的な施策といたしましていろいろな面で実施しているつもりでございます。金融の問題とかあるいは近促法に基づきますいろいろな構造改善計画とか、そういったことについて具体的に指導し、また金融等につきましても中小企業庁その他にもお願いしておるところでございます。
 ただ、個別の具体的な問題につきまして、これが建設業法違反でありますとかあるいは宅地建物取引業法違反でありますとか、そういうことでございますならば、それなりにまた行政指導ということがございますけれども、少なくとも今までの調べましたところ、そういったこともございませんものですから、基本的にはなかなか行政が物を言うというのには限界がある問題かと考えておるものでございます。
#68
○川俣委員 そんなきれいごとを言わなくたっていいんじゃないですか。倒産するのは中小企業でしょう。大林が倒れだということを聞いたことないでしょう。間組がつぶれたということも聞いたことがないでしょう。それじゃあなた方、倒産防止対策というのはどうやるのですか。永久にできないじゃないですか、そういう考え方なら。そうでしょう。それとも、法律を国会がつくってもらいたいというのなら話は別だけれども。今の法律でもできるというんだよ。できるよ、これは。どうなんですか。一切できませんか。
#69
○高橋(進)政府委員 例えば制度の問題としては、中小建設業者の倒産防止対策としまして、中小企業信用保険法に基づく倒産関連特例保証制度というものがあるわけでございますが、こういったものの対象にするように不況業種として建設業関係も入れたりして、いろいろな今ある制度は倒産防止対策につきましては活用しているつもりでございます。
#70
○川俣委員 こういう論議をやっていると時間がなくなるので……。特に、これは理事会に二回も御審議を煩わしたようですが、地産の社長さんを参考人ということでお願いしたのでございますけれども、私は何とか解決してあげたい。
 七千万をびた一文もらってないで、しかも、自分たちが建てたものがどんどん売れていっているというのを見たんでは、これはとてもじゃないけれども、人間として我慢し切れない。さすがこの連中方は、大分頭数は多いんですけれども、こういうように刷り物というかチラシをつくって、大臣、最後にあなたに助けてもらいたいが、これは政治家の皆さん「教えてください!!」と、「私共は、昨年秋に宮城県泉市北伸団地に完成した建売り高級住宅十四棟の電気工事を請負った秋田県の零細な下職業者であります。実は住宅産業界でも最大手○○住宅産業株式会社が岩手県北上市の大手建設業者」、これが都鳥。「(この工事を完成させ、約束手形の支払い日に倒産)」した。全くこれは計画倒産のように見せておる、これに元請負させた。さらに、その工事を秋田県平鹿郡大森町の弱体零細建設業者に下請負させたものです。工事代金は○○住宅産業」と、〇〇と遠慮して書いてあります。政治家の話だから地産と言いますよ。地産住宅産業「の支払い条件に準ずるとあり、この○○住宅産業株式会社の支払い条件であればと思ったのが、ドッコイ落し穴!!」、これはよっぽど怒って書いた、赤で書いてチラシをつくっているから。「工事は立派に完成したが……」、自分たちの手で完成させたんだ。「安い労働賃金で請負わせ、全額工事完成後に九十日(二月十五日)の約束手形ときた。それがそっくり不渡りとは……大手が仕組んだ計画的殺人行為以外の何でありましょうか?」、こういうようにして激怒したチラシだと思う。「一方労働賃金も支払わない高級住宅が今、大手の手で堂々と売り出されているとは……」。
 これは見て我慢できないでしょう、どんな方でもバッジをここへつけた政治家は党派を超えて。本当にあしたにもちょっと風が吹けば倒れるというような零細が実際は家を建てておる。だから、これはきょうは本当の下調べの質問の時間をいただきましたけれども、これは物にしない限りにおいては私はどこまでも、あらゆる手で何とかしなければならないという熱意を持っておるので、大臣も協力してもらいたいと思います。
 そこで、大臣の見解を聞く前に、それじゃ一体、この都鳥工建から金を取る方法はないだろうか。そこで債権者会議のようなものを開こうとしたら、資産その他が大体調べられた。三億二千万ある。ところが、三億二千万あるが、やはりそこに銀行の手が入っておる。銀行の方も少しは負債を持っているから、三つの銀行がそれを握ってしまった。したがって、到底この吹けば飛ぶような零細企業には来ない。
 七千万さえあればいいんだ、握っておる不渡りの手形の分だけあればいいわけだから、そういうようなことでありますので、大蔵省にちょっと伺いますが、何とかこれを建設省の局長さんが調べて協力態勢をしくやの発言ではあるが、どうにもなりません、お気の毒でしたな先生と言われた場合には、私もひょっと考えて、じゃ銀行の方にお願いして、これも評価はしたが、家や土地を売れるのはいつかわかりませんが、その辺のことをちょっと大蔵省に考えてもらわなきゃならない場面があるんですが、その際には手をかしていただけますか。
#71
○中平説明員 ただいま、金融機関を通じて今の代金の支払いその他下請に対する支払いができるようにできないものであろうかという御質問をいただいたわけでございます。
 本件個別の問題につきましては、実は私ども詳細を承知しておりません。一般論として申し上げますと、金融機関の取引先が倒産をいたすという場合に、その下請等に連鎖倒産ということが極力起こることがないように、健全であるという必要はございます。金融機関でございますから、救済等を行いました結果それが返ってこないという見通してこれを融資するということにはできないわけでございますけれども、健全な下請企業等が連鎖倒産するという事態は極力避けるように、金融機関に対してはお願いをしているところでございます。
 ただ、例えばただいまのケースを見てみましても、その親企業と下請企業とではそれぞれ取引先の金融機関が別々であるというようなことがしばしばあるわけでございまして、一概にどのようにするということを申し上げることはなかなか困難でございますけれども、調査をいたしまして極力健全な下請企業が連鎖的に問題を生ずるというようなことのないようにお願いをしてまいりたいというふうに思っております。
#72
○川俣委員 それからもう一つは、ちょっと舌足らずだったのだが、三億二千万の評価が出ているわけですから、したがって、それが売られた場合は、資産が売却された場合に、こちらの方にも回してくれということをするためには、これは仙台の財務局長をやっている加藤さん、その方にも頼んできたけれども、当然本省の方にも相談があると思うが、銀行の方にそういうことを言ってもらうとすれば、監督官庁として大蔵省しかないのです。その意味わかりますか。私の質問わかりますか。融資を何とかしてくれということもそうですが、その抵当物件が売れた場合は、何とかこちらの方に一部でも回していただくように手をかしてくれないかと言っているのです。それは銀行の方に、あなたの方は監督官庁なんだから、どうですか。
#73
○中平説明員 個別の話でございますので、ちょっとお答えをしにくいのでございますけれども、金融機関としては預金者から預金をお預かりをして金を貸し、そして必要な場合には債権保全措置も講じて預金者に対して支払いができるようにするということはしておるわけでございまして、その担保物件が処分をできた場合に、もちろん余力がございますればそれは支払いに回すのは当然のことだと思いますけれども、自分のところで保全措置を講じておるものを、いわば保全措置を解除しろという話になりますと、一般論としてはなかなか難しいことかと思いますけれども、本件の場合、一体どういうふうなケースになっておるか、ちょっと調べてみたいと思っております。
#74
○川俣委員 仙台の方から相談があろうかと思うのですが、ぜひお願いしておきたいと思います。
 それからもう一つ、大臣の前に労働省にお願いなんだが、人件費はこのとおり金額がきれいに出ているわけですね。K工務店の方の不払い分だけは人件費がきれいに出ています。それから、千三百八十二万円のAの方の人件費は今出しております。この人件費が最悪の場合は例の賃確法の立てかえ払い、これに何とかという際に力をかしていただけますか。どうですか。ちょっとこれはケースは無理かなと思ったりするのだが、こういう哀れなケースであるだけに、どうですか。
#75
○高橋説明員 賃金の支払の確保等に関する法律に基づきます未払い賃金の立てかえ払い事業は、企業倒産に関連いたしまして、その企業を退職した労働者について賃金不払いがある場合に、一定の範囲のものを政府が事業主にかわって立てかえ払いをするというものでございまして、立てかえ払いの対象となりますのは、倒産した企業を退職した労働者に限られているわけでございます。
 先生の今のお話によりますと、元請業者が倒産はいたしておりますけれども、下請会社の方は依然として存続している、また労働者も退職していないという状況でございますので、現在の制度上では下請労働者について立てかえ払い事業を適用するということはできないということでございますので、御了解いただきたいと存じます。
#76
○川俣委員 担当課長、そう棒読みしないで……。こういう法律にはなっていないということであれば、どこか直さなければならぬだろうが、簡単に言うと、一番最後のものが倒れているということの証明がなければ、あるいは行方不明という証明がなければ払えない、こういうことだよね。どうですか。
#77
○高橋説明員 ただいまお答えいたしましたように、企業が倒産をいたしまして労働者が退職をしたという場合に、この事業が適用されるということでございます。
#78
○川俣委員 この場合はどうだ、この場合はどれが倒産しなければ……。
#79
○高橋説明員 K工務店が倒産しているわけでございます。
#80
○川俣委員 K工務店の下に群小の零細の土建屋さんがある。それぞれ独立した業者なんだ。そうすると、あなたの論法からいうと、屋根工事屋、電気工事屋、鉄工工事屋、塗装工事屋、建具工事屋、木工事屋、全部倒産証明を持ってこい、こういうことだな。
#81
○高橋説明員 倒産につきましての法的な措置がとられているか、あるいは中小企業の場合ですとそういうことにつきましての措置がとられていない場合が多いので、倒産について監督署長の認定があった場合に、立てかえ払い事業が適用になるということでございます。
#82
○川俣委員 だから、この場合はさっき言った、このとおりだから、そのためにあなたに資料をやったんだから……。
#83
○高橋説明員 先生の今の御指摘の事案につきましては、監督署長の方でそういう倒産をしているということについての認定があって、初めて制度が適用になるということでございます。
#84
○川俣委員 そうじゃないんだよ。一番下のものが全部倒れたという認定がない以上はだめだという意味なんだなということです。そうですか。
#85
○高橋説明員 そういう意味でございます。
#86
○川俣委員 それからもう一つ、これからお力添えをいただく前に、例の泉市というのは仙台の隣、北部にあるのですね。自治省、来ていると思うのですが、いわば仙台のベッドタウンということで物すごくふえていますね。どういう状況ですか。
#87
○小川説明員 宮域県泉市の現況につきまして御質問がございましたので、お答えいたします。
 宮城県泉市の昭和五十九年三月三十一日現在の住民基本台帳に基づく人口は十一万六千七百三十六人、世帯数は三万四千八十五世帯ということになっております。
#88
○川俣委員 去年と比べてどうですか。
#89
○小川説明員 五十八年三月三十一日から五十九年三月三十一日までの人口増加数及び人口増加率は、それぞれ五千七百二十三人の増、五・二%の増加、こういうことでございます。
#90
○川俣委員 これからますますふえる都市らしいのですが、政令都市にすべく仙台もラブコールしておるんだけれども、なかなか一緒になろうとしないところにこういう事件が起きたわけです。
 大臣、以上が大体事件のあらましでございます。これは事件というものでありますが、何とかこの零細の工事屋さん方を助けていただく意味もあって、農住組合法のことについて国土庁も呼んでおりますが、時間がなくてお許しいただきたいのですが、これはどうしようもないですな、お気の毒ですなで終わってしまうのか。中曽根内閣というのは予算委員会であれだけ大声で倒産防止に全力を尽くすと言っておりましたが、こういうようにして住宅というのは建てられ、工事というのはなされていくものだなということは、皆さんわかっていただけると思います。まず最初に単価をただかれ、ピンはねをされ、それだけならまだしようないけれども、建てた本人方の七割を計画的に払わないでどろんするというようなやり口が日常茶飯事で、とうとう二万件、三〇%余の建設業者が倒れていく実情でありますので、これを例にとって、折り入ってお願いなんですが、大臣、何とか手をかしていただきたい。事と次第によっては、これは大変な決意で私もおるので、その辺をお願いしたいのです。
#91
○木部国務大臣 一般論で申し上げますと、川俣先生から当初御指摘ありましたように、最近の中小の建設業の倒産件数は大変多いわけです。過去十年間ぐらいずっと倒産件数を見てまいりますと、倒産件数の多いときと少ないときがありますけれども、大ざっぱに見て大体三分の一ぐらいが建設業界の倒産なんですね。ですから、これは産業政策、また業界の育成のためにも非常に大きな問題であることは事実でございます。そこで、建設省においても、昨年の十一月ですか、中長期のビジョンづくりの作業にかかっているのでありますが、そういう中にありまして、下請と元請の関係はどうするのかというようなことを今有識者に諮って、中長期的な検討をいろいろやって作業を進めておるということだろうと思うのです。
 そこで、今私もよくわからない点も一部ありますけれども、元請は金を払った、途中のところがどろんしちゃった、それでまじめにこつこつ努力した零細中小業者が大変な被害だ、大体こういうお話だろうと思うのです。先ほど来各省庁も先生のあれにお答えをいたしておられたようですが、私は法律のことはよくわかりませんけれども、私ども建設省としてこうしなければいかぬ、こうしろと言うことはなかなか難しい点もあるかもしれません。しかし、ともかく我々は中長期の業界のあるべきビジョンを今作業中でもございますから、そういう点等を考えてみましても、実態の把握ぐらいは建設省としてはして、そして将来いろいろな策定をする際に改めるべきことは改めるし、改革しなければならぬことは改革するし、また同時に、公権力で関与するといっては失礼ですが、そういうものが一体今のような社会機構の中でできるかできないかというようなこと等も参考にしなければならぬし、そういう意味では実情を把握できるように調査させていただきたい、こういうふうに考えております。
#92
○川俣委員 大臣、そこまでやっていただけば――これから私も調査を続けていきますけれども、どうかひとつお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、参考までに申し上げますと、地産がつぶれるわけはないし、このとおり堂々とゴルフだ、マンションだ、住宅だとやって、社会のために貢献しておる会社であることは間違いないのだが、偽装倒産というのは、地産は都鳥を倒産させて使っている嫌いがあるということを、またこの次の資料で示します。私は非常にけしからぬ話だなと思っておるところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
#93
○安井委員長 この際、休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十五分開議
#94
○安井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。井上一成君。
#95
○井上(一)委員 まず最初に、私は経企庁長官に、今日米間の経済摩擦が大きな課題になっているわけですけれども、我が国に対するアメリカの認識をどう長官は受けとめていらっしゃるのか、そしてその認識に立ってどのような対応をなさろうとしているのか、このことから聞いておきたいと思います。
#96
○金子国務大臣 アメリカ側は、日本の輸入防壁がかた過ぎるためになかなか売り込みがきかないんだ、こういう主張をしておるわけでございまするけれども、私どもの立場から申しますると、赤字財政のためにアメリカの金利が上がって、またドル高になるというような現象から、特に昨年ドル高のためにアメリカに輸出が急増いたしまして、それが貿易収支の黒字の累積となったと私どもは考えておりますので、赤字財政の解消をしてくれということを、先般のOECDの会議でも声を大にして主張した次第でございます。しかし先方は、それはそれで自分たちも大いに努力するつもりであるけれども、同時に日本としては極力アメリカの経済の先行きのことも考えて、やはり相携えて、世界経済のインフレなき経済成長を達成するために日本の市場の開放を一層力強くやってほしいということを主張しておる次第でございます。
 そういうことを受けて、先般の対外経済問題関係閣僚会議に設けられました諮問委員会の答申にもございますような、例えば各種の規制緩和の問題あるいは投資と貯蓄等に関する税制改正の問題その他幾つかの問題につきまして早急にアクションプログラムを立てて、こういった経済摩擦の原因の解消に努めたいと考えておる次第でございます。
 特に私どもといたしましては、関税障壁につきましては昨年の暮れに思い切った東京ラウンドによる関税の前倒しを、アメリカ、ECに先駆けてもう実行しておりまするし、また、先般のOECD会議でもあるいは五月に開かれるボン・サミットにおきましても、新ラウンドの提唱をしておるわけでございます。これはなかなか向こうは受け入れそうにないのでございますが、そういった関税の問題とあわせて一つやっぱり大きな問題として指摘されておるのは、いろんな非関税障壁、つまり認証制度、基準制度その他輸入手続がなかなか厄介になっておる、そういう障壁を一掃してくれという主張を盛んにしておりますので、これはひとつ我々としても謙虚に受けとめて、極力早急に問題の処理をしたいと思っておるのでございます。
 しかし同時に、私どもが向こう側に対して言っておりますることは、日本の輸出が伸びたについては、それだけのやっぱり日本の輸出業者の努力があったわけでございまして、向こうの言葉を使って、向こうの市況調査を十分にやって、向こうの趣味嗜好に合うものをどんどん輸出する努力をしてきたけれども、例えばアメリカで売れるから日本でも売れるのは当たり前だという考え方でやっておったのではこれはなかなか片づきませんよ、やはり買うのは政府じゃなくて民間人なんですから、消費者が輸入を決めるわけだから、それはひとつそのつもりでしっかりやってほしいということを主張しておる次第でございます。
#97
○井上(一)委員 私は、アメリカが日本に対してどういう認識に立っているかということをあなたに聞いているのですよ。それから、そのためにどういう対策を打つか。少なくとも、中曽根さんとレーガンさんが正月早々に会ったときに、アメリカの意見というか認識というものは伝わっているわけなんです。そういうことは経企庁長官として十分御認識なんでしょうかということを聞いているわけです。総理から、アメリカは日本に対して貿易問題を含めてこういう認識をしていると、国会の中でいわゆる保護主義的な法律の制定も含めてちゃんとアメリカの認識を、既に昨年末に承知しなければいけないわけなんだ。そういうことを知っていらっしゃったのか。
#98
○金子国務大臣 ことしの初めの総理とレーガンとの会談につきましては、私どもは、四項目の分野につきましてレーガン大統領からひとつ早急に話をつけるように検討してくれという話が総理にありまして、それを総理が持ち帰って担当の各省庁に話がおりたことを承知いたしております。私どもも調整役として、四つの分野につきましてそれなりの努力をしてもらいますとともに、片づいた分野からそれぞれ先方に対してその話はついておる次第でございまして、例えば通信機器の問題につきましてはもう大部分の話が片づいておる。あるいは合板その他の木材製品につきましても先般ようやく見通しがついた。三年目には合板の関税引き下げを実行するというところまで話が進んでおるという段階でございます。
#99
○井上(一)委員 長官、少し認識が不十分なように私は思うので、私からアメリカはこういう認識をしているのですよということを私なりの情報で受けとめているのを申し上げます。
 第一番には、アメリカと日本はパートナーシップ、対等の立場ですべて認識を深めていこう、こういうことなんです。その前段で、少なくとも八五年にアメリカから対日貿易の収支が大きくは変化せず、むしろ赤字額は四百億ドルになっていくのではないだろうか。そのためにどうするかというのが今言うパートナーシップ。第二には、アメリカの持っている法律、いわゆる商法、いろいろな法律を効果的に運用していこうではないか。これは、一見保護主義的ないわゆる議会の対応というのは、この第二番目にあるわけです。第三番目に、今人工衛星のそういう通商上の政策をもう少し緩和をして、政策的に市場の開放を迫っていこう、こういうのがアメリカの第三点の認識だ。さらにやはり第四番目には、日本とアメリカは大きな兄弟であるから、これはうんと時間をかけてじっくりと貿易摩擦については話し合いをしていかなければいけない。
 以上、そういうような認識の中からいろいろと今回のアメリカの対応が目立ってくるわけなんです。とりわけ消極的な行動はパートナーシップ、対等の立場に立てないから、対等の立場に立つために部分的な強制をしていこうというのがアメリカの認識なんですよ。その上に立って、貿易摩擦の解消に対してどう我が国が取り組んでいくか、そういう認識に立ってこの貿易摩擦の解消策を考えていかなければいけない。四つの市場開放をする、四品目の云々なんというその以前、あるいはさらにその後の問題、私は今四つ言いました。だから、ただ一つの市場開放だけの面をとらえて貿易摩擦解消に取り組むということは、むしろアメリカの背景なり見通しを十分持っていらっしゃらないのではないだろうか。
 今回初めて対外経済問題諮問委員会がつくられたわけなんです。ことしはたしか七回目になるんでしょうか。過去六回対外経済対策は打ち立てもれているわけなんです。その都度同じようなことが文章化され、あるいは同じようなことが国会の中でも言われているんだけれども、一向にその実を上げてこなかった。恐らく今回のこの諮問委員会の答申を受けて対応をなさるわけでしょうけれども、もう半年も待たずしてまた何らかの対応を迫られるのではないだろうか。そういうことをきっちりと見定めて貿易摩擦解消に取り組まなければ、これは根本的な問題解決に入ってこないというふうに思うわけです。ドル高なりあるいはいろいろな要因、アメリカの高金利も含めて要因を言われるわけですけれども、私自身が今指摘したようにそういう認識を持った上に立って、この対外経済問題はまたぞろ半年を待たずしてそういうことに対する取り組みが迫られてくるのではないだろうか、非常に何か私なりに心配をする。
 過去六回の成果あるいは今回のこの諮問委員会の答申なんですけれども、民間人を含めてやったのは初めてなんです。過去六回こういうことは省庁内でやっているのですよ。しかし、何らそれが効果を出し切れていない。どこに原因があったのだろうか。省庁間の縄張り的なそういうものが障害になっていたのか、そういうことも含めて長官、もう一度経済摩擦に対する企画庁としての見解を聞いておきたいと思います。
#100
○金子国務大臣 井上先生の御指摘、一々ごもっともでございます。レーガン・中曽根両首脳の四項目に関する話し合いが前提となって、もうそれだけではだめだぞ、やはり市場開放全体について抜本的な対策を講じなければいかぬということで、お話のございました民間人を含めた諮問委員会、今度初めてできたようなことでございまして、そこでいろいろな問題を取り上げております。それを忠実にアクションプログラムに移して、遅くともこの七月までには、どういう対策を関係各省でとるか、今その準備中でございます。一遍に効果が上がるものと、やはりある程度時間がかかるものとがあろうかと思うのでございますけれども、日本としては、国際的に日本経済がこれだけ大きくなったことに対する世界的責任を果たす義務があると考えておりますので、精いっぱいの努力をするつもりでおります。
 お話のございました過去六回にわたる市場開放策は、なかなか思うような効果が上げられなかった点も多々あろうかと思うのでございますが、しかしそれはそれなりに、漸進的ではございましたが、市場アクセスに少しでも近づいた、努力をしたということは言っていいかと思うのでございますが、やはり思い切った方向の転換、頭の切りかえをやりませんことには、いわゆる井上さんのおっしゃるパートナーシップとしての実績がなかなか上げられないというようなことで、今回、先ほど来申し上げましたような措置をとることにいたした次第でございます。その効果は必ずやあらわれるものと私どもは確信いたしております。
#101
○井上(一)委員 アメリカの国際経済力をつけるための努力というのはアメリカ自身がすべきであり、そして我が国も、中曽根さんが、国民一人当たり百ドル輸入品を買いましょう、実際はアメリカの物は何を買うのですかと言って尋ねたいくらいなんですけれども、では、一人当たり百ドル輸入品を買ったら、端的な計算で百二十億ドルになる、そういうことで百二十億ドルが貿易摩擦に役立っていくのだという、そんな発想でこの問題をとらえていくのは非常に場当たり的な発想ではないだろうか。
 むしろ、所得を拡大していく、所得の増加は支出の増加につながるのだという経済の原則論をきっちりと認めて、そしてその原則論の上に立って政策を打ち立てていく。いわば実質所得を拡大していく、ふやしていく、そのことは個人消費をさらに広げることにも結果的になるし、そのことが内需の拡大にもなっていく、そのことが、むしろ逆に貿易摩擦に対する一定の解消策につながっていく。
 そういうことになれば国民所得、とりわけ春闘相場云々もありますけれども、やはりその国の経済を支えるのはその国に働く勤労国民大衆の賃金である、こういうふうに言われているのですから、やはり可処分所得をふやすという方向を政策的に考えていかなければいけない。減税政策なりあるいはいろいろな政策があるでしょうけれども、基本的に、所得がふえれば支出がふえるのだというこの原則の上に立った対応策、そしてそのことが内需の拡大につながっていくし、そのことがひいては日米間のあるいは国際的な貿易摩擦の解消に役立っていくのだ、こういう認識を経企庁長官に持っていただかなければいけないし、そういう認識に立って政策というものは立案されていかなければ、これは問題の解決にならないでしょう。だから、詰めの問題じゃなく、よって立つところのペースというものはやはり所得をふやす、そのことで支出がふえる、この原理の上に立たないと、これは経済政策というか、経済論は論じられない、僕はそう思うのです。いかがですか。
#102
○金子国務大臣 減税を進め可処分所得をふやす、これはもう経済の常道であろうと思うのでございますが、御承知のとおり、本年度の予算はもうぎりぎりのところで編成されておりますので、なかなか思い切った減税に踏み切れない。各党の合意で若干の手直しをすることが決められておりますけれども、早急の問題としてこれは片づかないので、来るべき明年度の予算編成ということになりますと、やはり中期展望に立った今後の消費の喚起の方策を考えていかなければならぬと真剣に私どもは考えておる次第でございます。
 ただ、幸いと雇用者所得の伸びは、昨年の五・九からことしは六・五でございますか、伸びが見込まれる、また、現実に春闘の相場も上向きに決定されておる明るい情勢にございますので、今後また一段と内需の振興が進むことと考えておる次第でございます。
 内需の喚起につきましては、諮問委員会の答申でも、貯蓄と投資、消費に関する税制の見直しというような点を一項目として新たに提起いたしておりますので、それをどう片づけるかということがこれからの新しい問題と私どもは受けとめております。
#103
○井上(一)委員 経済問題については、もっと長官に意見を申し上げ、あるいは質問したいのですが、限られた時間ですから……。ただ、やはり経済の原則というものをきっちり見きわめて、そして、思いつきの発想でなく、現実的な対応、きっちりとした一つのプランを打ち出していかないと、恐らく半年を待たずしてまた……。だから、そういう繰り返しなんですよ。
 建設大臣に、私は内需拡大という問題から……。
 今、財政的な見地から公共事業の抑制ということが言われているわけでありますけれども、投資的効果、いわゆる国民生活にそれがいかに効果をもたらすか、より効率のよい公共投資というのはむしろ必要であり、そのことが内需の拡大にもつながっていくということ。だからそういう意味で、財政的な見地からとらえるのか、効果的運用の投資促進を国民の暮らしに結びつけていくのか、どちらを選択されるのですか。
#104
○木部国務大臣 非常に貴重な御意見でございますが、私は、当面の問題につきましては、日本経済全体というものがなだらかな上向きの状態にあるというふうに理解をいたしておるわけです。したがって、六十年度の我々の公共事業の関連を見てまいりましても、一律一割の例の法案が今御審議をいただいている中でありますから、やはりこれを一日も早く成立させていただいて、そして六十年度の予算の執行を効率的、効果的にやるということが当面の急務の課題であろう、私はそういうふうに思うわけです。
 しかし、井上先生から先ほど来のいろいろな問答を承っておりまして、御承知のとおり、もうこれ以上借金はできないわけですから、そういう点を考えてまいりますと、私はやはり民間活力を思い切って導入するとか規制緩和をするとかというような、そういう効果を私どもは選択すべきじゃないかなという感じがいたしているわけであります。
#105
○井上(一)委員 さらに私は、高速道路等のネットワークを利用した新しい情報システムについては、昨年も少し私なりの意見を踏まえて質問をしたわけでありますけれども、その後どういうふうに推移したのか、ごく簡単に状況を教えていただければありがたいと思います。
#106
○田中(淳)政府委員 先生御案内のように、高速道路には既にその全線にわたりまして道路情報用の通信回路が敷設され、非常通信あるいは交通管制、業務用通信等に活用しているところでございます。さらにより質の高い高速道路の管理を行うために、日本道路公団等は、大量の情報を長距離にわたって伝達する光ファイバーの施設を必要としております。また、高速道路の利用をより安全かつ便利で快適なものとするために、道路利用者への極めて細やかな情報サービスの提供も重要な要請となってきております。
 大容量の光ファイバーの施設により、道路に関連した情報以外の情報を伝えることも十分可能となるため、高度情報化時代に対応し、これを国民のために有効に活用することが適切である。また、この施設管理に当たりましては、道路構造の保全、交通安全の確保の見地から道路管理と一体的に行う必要がある。これらの諸点にかんがみまして、建設省としましては、電気通信事業の自由競争化の方向に即し、高速道路等のネットワークを利用した新しい情報システムのあり方につきまして検討を進めることとしております。
 このため、新情報システムの具体的構想を含め、民間活力の活用により道路の多面的な利用について研究するため、財団法人道路新産業開発機構を昨年七月に設立いたしました。その後機構に委員会を設け、高速道路網を利用した新情報システムの検討を鋭意進めてまいりましたが、システムのイメージが具体化してきましたことを受けまして、昨年十一月、日本高速通信株式会社が設立され、同社は、去る四月八日、郵政省に対しまして第一種電気通信事業の許可の申請を行ったところでございます。
#107
○井上(一)委員 余り時間がないので、要領よく要点だけ答えていただきたい。私の方もポイントだけ申し上げます。
 私は、身障者の安全のためにも交通安全に重点を置いた道路整備が必要である、とりわけ歩行者にとって現在の歩道が狭いのではないか、道路整備については車いすの通れる歩道を今後十分配慮していくべきであるということも、昨年の委員会でも指摘をしてきたのです。そういうことが交通安全施設等整備事業五カ年計画の中に含まれていたのかどうか、このことが一つです。
 さらに、高速道路を利用する場合に、いわゆるレストインあるいはそういう休息が可能なところで、例えば赤ちゃんを連れたお母さんがおっぱいを飲ませてあげられるような施設が完備しているのかどうか、あらゆる角度からの気の配りというのが少し欠けているのではないだろうか。
 高速道路に入って、カードをもらって、出しなにお金を払うときにそれをコンピューターに入れれば、ありがとうございました、料金は千百円でございますとか、スピーカーで言うわけです。それがタイミングがずれる。千百円なら千百円を払えば、通常は、ありがとうございます、こっちが御苦労さん、ありがとうと言うのが、これが私たちの考える社会常識なんです。ところが道路公団では、間を置いて、もうお金を払って、つりをもらってから、ありがとうございます、通行料は何円です、こういうことが繰り返しスピーカーで言われるわけです。こんなことも本当にサービスなのか、そういうことをサービスと受けとめているのか。まさに人間性をみずから喪失していこうというもので、二十一世紀は明るいなんて言えませんよ。だから大臣、そういうことにももう少し気を配っていただきたい。
 高速道路については、今言う授乳室があるのか。あるいは、高速道路で働いていらっしゃる方の御苦労もわかるけれども、スピーカーで対応する、コンピューターで対応する、そういうことがいいのかどうか。さらには、道路整備五カ年計画の中に身障者、車いすが通れる歩道を十二分に配慮されているのかどうか、こういう点についてひとつ聞いておきましょう。
#108
○木部国務大臣 私は、高速道路だけにこだわりませんで、一つは、やはり何といっても安全ということが一番大事でございますから、これに最大の重点を置かなければならぬ、その次には、やはり料金をいただく以上、これは商売ですから、サービス精神に徹して利便を提供するということが非常に大事だ、実はそういうふうに基本的には認識をいたしております。
 それで、今の身体障害者の方々の問題につきましては、段差をなくすとか、それから御指摘になりましたように歩道の幅を広げるとかというような問題等についてもいろいろ取り組んではおるわけでございますけれども、やはり弱い立場の方々に対してはこれでいいというあれはなかなかありませんので、できる限り、時間をかけても、そうした御指摘になったような精神が生かされるような努力をすべきだ、そういうふうに考えております。
#109
○井上(一)委員 今私が指摘したのは、これは非常に単純な質問なんですよ。間がたってスピーカーで、ありがとうございました、料金は幾ら幾らですと言うのが、それがサービスなのか、そんなものがサービスだとあなた方は受けとめるのですか。大臣がそういう経験がなければ、一度高速道路を乗って料金を払ってごらんなさい。大臣、それがサービスだ、あるいはそれが交通安全だと受けとめていらっしゃるのですか。そんなサービスは本当のサービスじゃありませんよ。
#110
○木部国務大臣 高速道路を乗ったことはあります。しかも私どものところは、東名のあそこのところは大変込む、そういう事態もよく認識をいたしておるわけであります。また、先ほど局長からもお話がありましたように、いろいろ光ファイバーその他を通じて交通の渋滞状況の情報を提供するとか、そういう問題等にもきめ細かく配慮すべきであり、先ほど申し上げましたように安全が第一で、それから、いやしくも料金をいただく以上、やはり二番目にはサービス精神といいますか、そういう精神というものがなければいかぬ、親方日の丸的な思想だととかく細かい気配りに欠ける点があるだろう、そういう意味を私は申し上げておるわけであります。
#111
○井上(一)委員 だから具体的に聞いているでしょう、大臣。赤ちゃんにおっぱいを飲ませたい、走ったままで飲ますことが安全なのか、それがサービスなのか。レストインへ入ったってそういう場所がないでしょう。何を言っているのですか、大臣。あなたがそういうことについてどう思うのか、そういう必要性を感じるのか。さらに、今私が言ったようにスピーカーで、ありがとうございました、お金は幾ら幾らですと言うのがサービスなのか、そういうのもサービスだと受けとめて、あなたは建設大臣におるのですか。
#112
○木部国務大臣 私は広義の意味のサービスということを申し上げているわけです。それから、今申し上げましたように、細かい点等についてできる限りの気配りをしなければいかぬ、こういうことを私は申し上げているのです。
#113
○井上(一)委員 それは私がさっき指摘をしたわけです。だから具体的に、車に乗っている赤ちゃんにミルクを与えるそういう場所が、今高速道路を走っているときにそんな場所があるのでしょうか。あったら教えてください。そういう気配りが大事ではないか、こういうことなのです。大臣に聞いている。私は大臣の意見を聞いている。
#114
○田中(淳)政府委員 サービスエリア、先生御案内だと思いますが、二カ所、足柄サービスエリアとそれからもう一つ、そこに授乳室ではございませんが、休養室がございまして、そこでおっぱいを与えられるような設備は備えでございます。(井上(一)委員「二カ所でサービスなのか」と呼ぶ)現在のところは二カ所しかございません。
 それからもう一つ、先ほどおっしゃいました、何円でございます、ありがとう、これがずれておるじゃないか、ここら辺に関しましては、確かに先生御指摘の点もございますので、今後いろいろ検討させていただきたい、さように考えております。
#115
○井上(一)委員 大臣、今局長が答弁したように、日本全国で休養室が二カ所しかないというのですよ。それがサービスなのか。今言うように、スピーカーでちょっとタイミングがずれる、それは当然なんです。ずれるのが当たり前なんですよ。御苦労さんと言ってお金を払ったら、カードを入れなければ声が出ないのだから。そういうことがサービスなのか。僕は大臣に聞いているんです。これから心がけます、そういう気配りをしますということであれば、十分そういう気配りをしてくださいということで済むわけです。高速道路を走っておったって、あなた、そんな経験があるのかないのか知りませんよ。いろいろな経験を持っておる、あるいは家族で高速道路を利用していらっしゃる方もたくさんおるわけです。
#116
○木部国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、細かい気配りをすべきである、そういうふうに私は考えております。
#117
○井上(一)委員 オウム返しに細かい気配りをしなければいけません、そんなもの、僕が指摘しているんだから、具体的にどういうことをするか、そういうことがなければだめなんです。
 時間が余りないので、もう二点だけまとめて聞いておきましょう。
 大阪モノレール、これは去年も指摘しました。投資効果、いわゆるニーズの高い区間というか、乗降客を含めて必要性の高いところから物事は始めるべきであり、そしてそれは効果的運用をより高めることにおいて公共投資、いわゆる事業投資の評価がそこに生まれてくるわけなんだけれども、大阪モノレールについては、いわゆる南伸、大阪北部と大阪南部を結ぶ一つの交通体系として、ぜひ南に対する、現空港から関西新空港まで含めた部分的な事業施行については十分な投資効果を考えて対応していくべきである。今具体的に指摘をする必要はないかと思いますけれども、建設省の方で現在の免許許可区域、さらにそれを少なくとも次の時点まで延長さすべき国の監督官庁としての行政指導、このことが必要ではないだろうか、こういうことを一つ指摘しておきたい。
 さらにもう一点、淀川の河川敷のいわゆる河川敷公園の活用、利用、この問題について何カ年かの年次計画で事業を推進しているわけであります。ところが、部分的にまだ事業を終えてない地域があって、そこはさしすめ真ん中だけぽかんとあいている。そのことは全体の利用効果もまた薄らぐわけであります。この点についてもどういうお考えを持っていらっしゃるのか。
 あるいは、河川敷公園の利用、活用について管理部門が、淀川左岸にしかそういう管理施設がない。今右岸に建設省が所管をしている適地があるわけでありますから、右岸の河川公園の利用についてはそういうところに、地元の自治体とも協議をして協力を得ながら、河川敷公園の利用をより深め、かつ安全に国民大衆にその利用がしてもらえるように行政としては取り組んでいくべきではをいだろうか、私はこういうふうに思うのです。
 三点ひっくるめて当局のお考えを聞かしていただきたい、こういうふうに思います。
#118
○牧野政府委員 まず、大阪モノレールについてのおただしでございますが、投資効果の高いところからというのは、私もお話のとおりだろうと思います。私どもも種々検討しました結果、もう釈迦に説法でございますから具体の区間名等は申し上げませんが、現在の十三・七キロを第一期工事として一生懸命やっております。現在の進捗状況はインフラ部分で五二%というような状況で、六十二年末を目途に努力しております。
 問題は、その後いろいろな構想もございますが、茨木市付近から京阪沿線の区間についても延ばしていく、南伸とおっしゃいましたが、その問題につきましても、今取り上げました十二・七キロをまず完成することに努力するわけでございますが、それ以南につきましても、京阪線までの延伸はいずれは必要な路線だというふうに認識しておりますので、大阪府等から要望があれば十分検討していきたいと考えております。
 それから、淀川河川公園のお話でございますが、現在八百数十ヘクタールの大きな公園でございまして、進捗率が一七%程度でございます。この公園につきましては、先生よく御案内のように河川改修とあわせておりますので、今おっしゃったように鳥飼大橋から神崎橋の区間が全体の進捗率一七%よりさらにおくれている状況がございますが、これは河川改修の方と整合をとりながら十分努力していきたいと思っております。
 それから、河川公園を利用される方が何か申し込みをするとかというふうなことで管理棟のお話がございました。左岸にしかないじゃないか、右岸にも設けるべきではないかというお話でございますが、我々も、いろいろな公園事業の進展でございますとか、その公園を使われる方の需要の実態に合わせまして、左右両岸均衡のとれた整備をしていく必要があると思っております、ただ、先ほど御指摘があったところかどうかわかりませんが、現在用地確保とかあるいは交通機関等近接性等調べまして検討を進めております。なお、蛇足かもしれませんが、利用者の申し込みのためには、管理棟でなくとも、右岸の方にあります詰所等も利用して現在受け付けはやっておる状況でございます。
#119
○井上(一)委員 詰所でという話ですが、今右岸の利用については、左岸の管理棟の太間ですね、あそこまでたしか行っていると思うのです。僕は、詰所というそういう場所でなく、地元の自治体等の協力も得ながら、可能な範囲で手短に利用したいという人が活用できるように、行政はもっと簡素に、それこそ迅速に、手短に、そういうことが私は必要だと思うのです。答弁は要りませんが、このことも十分配慮して検討を加えていくべきである、こう思います。
 委員長、時間が参りましたので、私は若干質問を留保します。
 建設大臣、私は、あなたの認識と私が指摘をしている問題点には納得ができない。身体障害者、あるいは障害者だけに限らず老人あるいは子供、そういう人たちの安全な歩道の整備についての過去における取り組みと今後における取り組み、このこともあなたの大臣としての意見、あるいはさっき言った高速道路の問題についてのあなたの認識を私は疑っています。気を配るといって、何をどこに気を配ったんだ。そして何を指示したんだ。私は、次の決算委員会に大臣の都合のつける時間にもう一度出てきていただいて、十分な時間をとってこれは議論をしたい、そのことだけを留保して、私の質問を終えます。
#120
○安井委員長 次に、中村重光君。
#121
○中村(重)委員 経企庁長官、先ほど来、井上委員あるいは午前中は新村委員から経済見通し、内需の拡大についての質疑がなされたようです。今も伺っていたわけですが、この経済見通しの四・六%の前提になっているものがあるわけですね。例えば個人消費は四・一%であるとか、その四・一%の前提は、また給与所得が五%以上でなければならぬとかということになっていると私は思うのですが、そうした前提になっていることと経済見通し、それらの点についてあなたの感触をひとつ伺っておきたいと思うのです。
#122
○金子国務大臣 一番大きなウエートを占めるのは、民間の消費支出でございますことは申し上げるまでもありませんが、昨年の暮れまでは消費が盛り上がりに欠ける面がございまして、いろいろ御心配を煩わしたと思うのでございまするけれども、年末のボーナスが大分増加いたしましたし、また、春闘の結果も明るい見通しが出そうでございまして、最近の消費の実態からいえば、大体予定どおりの線に行くんじゃなかろうかと考えておる次第でございます。
 また、企業設備投資でございますけれども、輸出関連は多少は落ちるかもしれませんが、しかし輸出に関係のない内需中心の設備がどんどんふえております。しかも、それがサービス部門にまでも及んでおりますので、これもまず心配なかろうと考えておるわけでございまして、政府支出の方は依然として振るいませんけれども、住宅も最近は着実に伸びておりますので、まあまあという感じでおるわけでございます。
 ただ、輸出が伸び過ぎやしないか、これは過小評価ではないかというような御指摘をことしの予算委員会でもいただいたわけでございまするけれども、輸出は伸びていることは事実でございまするけれども、伸びの幅が落ちてきておるというような状況でございますので、まあまあ四・六%の見通しは着実に達成できるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#123
○中村(重)委員 私が申し上げたように、四・六%には前提があるのだから、あなたは春闘もまあまあというようなことですが、この経済成長の見通しに対して期待をしていたものは何ですか。いわゆる内需もそうでしょう。外需はどうあるべきかということもあるでしょう、それからアメリカの高金利の動向もあるのでしょう。それらに対して、経企庁長官として経済見通しの達成のために期待をしていたことがあるはずですから、その何を期待をしておられたか。
#124
○金子国務大臣 予算委員会でもしばしば申し上げましたように、外需一辺倒の日本経済から、内需とバランスのとれた経済成長に持ち込みたいという気持ちでおったわけでございますが、それはある程度、内需、外需バランスのとれたところまで行きそうな感じがいたしておる次第でございます。特に消費の方は、先ほどもちょっと申し上げましたように、雇用者所得五・九から六・五%ぐらいの伸び、これもある程度いけるんじゃなかろうかと思っておるのでございまして、設備投資もまあどうやら軌道に乗ってきた、そういうところから、従来の外需一辺倒から相当内需が伸びるような姿の日本経済に持っていけそうな感じがいたしておる次第でございます。
#125
○中村(重)委員 エコノミストのいろいろな見方があるわけですけれども、今、外需、内需ほぼ半々ですね。あなたの見通しからいたしますと、まだ内需の伸びが低い、これはもう間違いないですわ。依然として、外需依存ではないはずなんだけれども、外需に依存をしているという形になっている。そうなってくると、アメリカの景気動向がどうあるのかということが当然問題になってくると思うのです。だからあなたとしては、アメリカの景気動向はどうなると思っているのか。
 それから、アメリカの高金利が諸悪の根源であるというように言われている。なるほど高金利ということはよろしくない。特に開発途上国なんかに与える影響というのは非常に大きいわけですね。ところが高金利は、これは財政赤字の問題等、さらにアメリカは日本と違って、日本は貯蓄主導型だけれども、アメリカは投資主導型だから、必然的に実は高金利になってくるわけです。これらの動向等考えてみられて、あなたはどう思っておられるのか。
#126
○金子国務大臣 アメリカの高金利のよって来るゆえんは財政赤字なんですが、やはり私は、ある程度財政赤字を圧縮する努力をしてもらって、高金利を是正し、円ドルレートの適正化、今はドルの独歩高でございますので、円が過小評価されておる、日本の経済のパフォーマンスからいえば、もっと円は高くてしかるべきだと思うのです。それが対米黒字の累積につながっておるわけでございますので、円ドルレートの適正な換算率、レートが実現できるように、私どもはできるだけ努力をしなければいかぬ。また、そういう努力を協力してやりましょうやということを、関係各国にも申し入れをしばしばやってきておる次第でございます。
 それから、やはり日本は貯蓄超過でございますが、できるだけそれを国内に投資をさせて、国内の需要というか投資を盛り上げられるような環境づくりをしっかりやっていくことが実は大事なことなんでございまして、これはやはり投資に魅力がなければ、高金利のアメリカの方へ金が流れるわけですから、一方においては余りにかけ離れた金利差が国際間にあることは望ましいことじゃございませんし、同時にまた、もっと有効に日本の投資に日本の貯蓄が回れるような環境づくり、これは簡単には、一遍にはいきませんけれども、これをしっかりやっていくことがこれから大事なことであろうと考えておる次第でございます。
#127
○中村(重)委員 あなたは経済担当大臣として、経済見通しの達成という点からしても、今挙げられました設備投資の問題、あるいは個人消費の問題、内需を拡大させるという点において、公共事業というものは強力に、しかも速やかに推進されなければならないのですね。ところが、参議院で審議している補助金一括法案、これがまだ箇所づけもしていないし、採択もされていない。こういったことでは、あなたはこれでは憂慮しているのだろうと私は思うのです。だから、あなたはそうした経済担当大臣という立場から、閣内において、これを一括法案を審議しているのだから、その法律案の中身、いわゆる五〇%以上の高率補助、これを抑えているわけですね、これらの点からして、もっとその是正をしていく必要がある、速やかに採択もするし、箇所づけもしていかなければならぬというような主張を当然されるべきであろうと私は思っているのですが、あなたはどういう態度をとっていらっしゃるか。
#128
○金子国務大臣 中村さんから御指摘を待つまでもなく、当然私の立場としてそういう主張をしなきゃならぬ立場にございまして、閣議でも、予算が成立したら大蔵省は従来自然体で公共事業費の配分をするような考え方を持っておりましたけれども、公共事業費に大きく依存しておる地方がございますし、また近代産業に恵まれない地域もございます。そういった地域がどこどこだということは大体政府はつかんでおりますから、今度の補助金に関する法律が通り次第、早急に傾斜配分、前倒し配分と申しますか、必要な地域についてやるように手配をいたしておる次第でございます。
#129
○中村(重)委員 その点は建設大臣に後で質問しますから、それと関連をして、あなたが今法律案が成立したらというような消極的なことであってはならないと私は思うので、またあなたの見解を尋ねることにします。
 それから、先ほど井上委員の質問に対して、減税もふやしていかなければならぬ、あるいは来年度の予算に向けて中期展望に立った経済振興策を講じていく必要があるだろうというようなことも言われたのですが、この間記者会見で、今までのやり方では適応しない、相当思い切った施策が必要だと語っていらっしゃる。これは具体的にはどういうことを考えていらっしゃるのですか。
#130
○金子国務大臣 ことしの予算では、公共事業費の増額も減税も思うに任せなかったことは事実でございますが、ことしの景気をしばらく見まして、一体日本経済がどの程度上向くか、財政全体にどの程度のゆとりができるか等を考えまして、これからの財政の面で内需振興に役立たせる方策がどの程度考えられるか、これはこれからの問題でございます。いましばらく、そういう意味で景気の動き、財政に与える影響等を見守っておる段階であるということを申したのが、そういう記事になったかと思うのであります。
#131
○中村(重)委員 あなたが記者会見で考え方を明らかにしているんだから、ただ観念的じゃだめなんだ、具体的にこうあるべきだということを頭に置いてしゃべらないと。それは相当期待するんだ、あなたの記者会見に対して、その新聞を読んだりテレビを見たりする人は。今のような抽象的な答弁では、金子さん何を考えているんだ、こういう批判を免れないと思うのですよ。もっと頭の中にあるのでしょう、こうあらねばならぬと。あなたは何も派閥的な関係から、今いろいろ閣内がごたごたして内需拡大についても意見が分かれているから、鈴木さんがこう言った、河本さんがこう言ったというようなことで、それと歩調を合わせなければならぬなということで言っているのじゃないんでしょう。見識を持って言っているんじゃないんですか。いかがです。
#132
○金子国務大臣 どういう手法を用いるか、これは大変難しい問題でございまして、こういうことでぜひやりたいと言い切るだけの見通しをまだ持っているわけではございません。ただ、従来どおりのやり方でいいのかどうか、そろそろもう景気の先行きを眺めながら日本財政全体を考え直す時期があるいは来ておるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#133
○中村(重)委員 先ほど建設大臣も、民間活力を引き出すということについても触れられたんだが、あなたは経済担当大臣の立場から、民間活力を引き出す、具体的にはこうあるべきだということについての考え方、見解というものはあるんだろうと思うのですが、いかがですか。
#134
○金子国務大臣 やはり一番大事なことは、法律的あるいは行政的な規制が日本では民間活動に多過ぎるということでございますので、思い切ってこういった規制を、これは一遍になくせと言ったって簡単にいかぬかもしれませんけれども、先般設けられた諸問委員会でもこの問題を大きく取り上げておりまして、アクションプログラムを七月までにつくってそれを漸次実行に移す段取りになっておりますので、ぜひこれはやりたいと思っております。
 それから、先ほど来取り上げておりました民間資金を公共事業に導入する手段につきましても、例えば、これは建設大臣がお見えになっておりますから後でお話があるかと思うのでございますけれども、都市計画法の改正によって市街地開発をもっと民間資金を導入してどんどん進めるとか、それから国公有地の払い下げに当たって民間の力をかりて必要な住宅建設をどんどん進めるとか、幾つかそういうことがもう現に進みつつありますし、もっと積極的にあり余った民間の力を活用することが考えられてしかるべきだと思います。
 さらに大きく言えば、神戸のポートピアにいたしましても、関西空港にいたしましても、これは地元資金が大きく力あずかってああいう大きなプロジェクトが進行しておるわけでございますので、私は、やはりこういう問題はもっともっと広く採用していってしかるべきだと考えておる次第でございます。
#135
○中村(重)委員 なるほど百二十兆円というような大きな借金国でもあるけれども、世界に冠たる金融資本の国ですね、貯蓄が物すごく高い率を占めているわけだから。だから、それらのこと等民間活力を引き出すということについては思い切った規制の緩和もやらなければなるまいし、それから国有財産の払い下げなんかも、あるいはこれを民間に活用させるといったようなこと等たくさんあると思うのです。国鉄も赤字だからその財産を処分するんだといっても、具体的にはなかなか、処分をしてもよさそうなものだけれどもとっておきたいとっておきたいというので、処分をしようとしていない。それらのことで民間も、あそこを売ってくれるならばというのでいろいろ活用したいという願望もあるんだけれども、それができないですね。これは経企庁長官、建設大臣ともに、民間活力を引き出すということについては思い切った施策を閣内においても要求していくということが必要だということを申し上げておきます。
 それから、行政改革関連から機構改革なんかがあっているので、今、経済協力、開発途上国の援助に対する経企庁の役割は変わっているのですか、やはり前と同じようなことで調整的な機能を発揮しているのですか、いかがですか。
#136
○金子国務大臣 海外経済協力の外への窓口は外務省になっておりますし、内で財布を握っておるのは大蔵省、あるいはそのほかに農林省あり建設省あり厚生省ありということで、各省にそれぞれ仕事がまたがっておるものですから、従来どおり経済企画庁において調整役を買って出て、全体としての取りまとめを行うように努力をいたしております。
#137
○中村(重)委員 調整役を買って出ていることは結構なんだけれども、単なる形式になっておってはいけないと私は思うのですよ。多分に経企庁は、調整役であるけれども、実権がない、したがって大した発言力というものがないということが、これはもう従来の実態なんですから、私はこの点は大分やかましく言ってきたんだけれども、直っていない。
 それから、援助を受ける相手国も迷惑しているんだ、縄張り争いで窓口が多過ぎるから。あっちも行かなければならぬ、こっちも行かなければならぬ。それから、さあ調査だ調査だ、援助を受ける額よりもその調査に来た人の接待のために使う金の方がよほど大きい。それから、日本にやってきて、あっちも回りこっちも回りしなければならぬ、こういうことでは話にならぬ。
 調整役というものはそこらあたりも物申す、そういうことでないと本当の調整役ということにならぬと私は思うので苦言を呈しておきますから、どうです、一言ありませんか。
#138
○金子国務大臣 大変な御激励をいただいて深く感謝いたしますが、おっしゃるとおりだと思うのです。ただ、一カ所ではっさり決めるようなことになりますと、やはり後で取り返しがつかないような問題も起きる可能性もあるものですから、私がかつて大蔵省におりましたときの経験からも、やはり関係省庁との話をつけてやっておいた方が安全だなと考えるようなこともございましたので、できるだけ面倒を相手にかけぬように、効果を上げられるようにこれからも努力してまいりたいと考えております。
#139
○中村(重)委員 それじゃ、これから建設大臣に……。
 私もちょっと声が大きいものだから、大臣、しかし決して感情的にはならないんだよ。しかし、あなたのさっきの井上委員に対する答弁を黙ってずっと聞いていると、感情的になっている。そんなのじゃない。何もあなたを個人攻撃を井上委員はしたのじゃないのですよ。だから、やはりフェアに質疑もする、答弁もするというようなことで、感情的にならないようにしてもらいたい、そこをひとつ注文しておきます。
 補助事業の実施とか経理の不当支出ということについて会計検査院から指摘を受けているのが、実は建設省は非常に多い。多いのが当たり前、こう言えばそれまでの話なんだけれども、わずか八%に相当な指摘があるというようなことですから、十分ひとつ大臣も監督指導をしてもらいたいということ、これは要望だけにとどめておきます。
 次に、補助金一括法案の速やかな成立をあなたは期待をしているのだろうと思うのですが、ところが大体無謀なやり方をしているものだから、そう簡単にこの法律の審議が促進されるということにはならないのは実は当たり前だと思っているのですけれども、参議院の特別委員会で、公共事業予算については、事業配分にかかわるので全般的にその執行を差し控えているところであるが、事業全体が実施できないことによる影響も無視できない事態となっていることから、種々困難な問題があるが、現在引き下げ対象外の事業を振り分けて執行に入るべく努力をしておる、こういうわけで、引き下げ対象の事業については、積雪寒冷地域等については本法案成立後直ちに交付決定、発注ができるよう設計協議等の準備行為を進めるなどぎりぎりの工夫をしてまいりたい、こういう答弁をしているわけですが、建設大臣の立場から、このことに対しての見解を求めましょうけれども、どうあるべきかということについてあなたの考え方をひとつ聞いてみたいと思います。
#140
○木部国務大臣 今、参議院の特別委員会で鋭意御審議をいただいているわけでございます。私どもといたしましては、結論として申し上げれば一日も早い成立を願っておるわけでございます。
 そこで、この間も私、北海道へ参りまして、北海道の皆さん方のいろいろな意見を聞く機会もありましたけれども、やはりああいう雪国であるとか寒冷地のところというのは、四月の末あたりの雪解けを待って一斉に工事が例年は始まる、こういうふうなことでございまして、この法案の成立を非常に期待をいたしておるようでございまして、また、そういう要望も非常に強くいろいろ言われたわけでございます。したがって、私どもといたしましては、この法案が参議院で成立をいたしました暁には、一日も早くこの発注をし、また内示もする努力もいたしますけれども、二分の一以下のような問題、それからまた積雪寒冷地帯のようなところは、設計協議を御理解いただいて準備をしていかなければならぬ、そういうふうに今一生懸命努力をいたしておるところでございます。
#141
○中村(重)委員 時間の関係がありますから、私もできるだけ意見を言わないでお尋ねだけをしていきますから、簡略に的確に答弁をしてほしいと思うのであります。
 この引き下げ対象事業以外の事業に対する決定をしなければならないのだろうと思うのですが、これはいつごろ内示をなさいますか。
#142
○豊蔵政府委員 ただいま御指摘ありました補助率の引き下げ対象となっているものと対象外とございますが、対象外につきましては、先ほど先生からもお話がございましたように、なるべく早く内示ができるように現在作業を急がせております。何とか連休前に各公共団体に御連絡できればと思っております。
 また、引き下げ対象のものにつきましては、積雪寒冷地域等緊急を要しますような地域のために、あの法案が成立しましたらすぐに交付決定等の法律に基づく手続がとれるよう、公共団体との間でできる限り準備をさせていただくというようなことでございますので、法律が通りますまではいわゆる正式な内示あるいはまた交付決定といったような手続はちょっと遠慮させていただくことになろうかと思っております。
#143
○中村(重)委員 新聞報道によると、二十六日には内示をするというように報道しているんだが、そのとおり考えているのですか。
#144
○豊蔵政府委員 補助率の引き下げの対象となっておりませんもの、これにつきましては今そのようなことで、二十七日が土曜日でございますので、できればやはり二十六日までには御連絡できるようにしたいということで急がせております。
#145
○中村(重)委員 それから、積雪寒冷地域等だから、これから雨期に入ると災害復旧事業というようなものは急がないと大変なことになる。この等ということについて具体的にこういうところをということを考えているんじゃありませんか。いかがですか。
#146
○豊蔵政府委員 積雪寒冷地域等といいますのは、例えば台風常襲地帯におきますところの港湾の問題であるとか、あるいは私ども、河川事業につきましては出水期までにどうしても工事を終了しておかなければいけないような緊急性のあるものなどが想定されますが、これらは各公共団体の御希望、御意見等も十分伺って、具体に詰めてまいりたいと考えております。
#147
○中村(重)委員 災害復旧事業、この間大臣は長崎の諌早市の消防出初め式に出席をしておられてよく知っていらっしゃるのだけれども、あの大災害の後で災害復旧がおくれているのです。だから、これを急がないといけないわけだから、対象であることは間違いないのだけれども、本当に速やかにこれをやるようにしてもらいたい。
 それから大臣、道路の整備、港湾、漁港の整備、これが非常におくれているんだな。あなたはこの前長崎から諌早に行ったんだから、あの三十四号線も走ったんだろうと思う。交通渋滞、これはどうにもならない。日見バイパスという道路計画があるのです。あれも十年くらいおくれるのですよ。こんなのじゃ話にならないのだけれども、道路財源というのは特別財源にも実はなっている。漁港の場合においては用地買収ということがないわけなんで、即そのまま景気浮揚にだってつながってくるのですよ。それらのことを考えてみると、どうしてこんなに道路整備であるとかあるいは港湾、漁港の整備がおくれてくるのか。これは予算の点もあるだろうし、あるいは技術者の問題もあるだろう。道路なんかの場合は用地買収の問題もなかなか思うようにいかないだろうとは思っているんだけれども、それにしてもマンマンデー、そのくらいおくれるのは当たり前だというような態度じゃ話にならない。どういうようなことで対応してまいりますか。――それは大臣、あなたが答えるのが常識じゃないですか。それじゃ局長、あなたは非常に丁寧なんで、簡潔に……。
#148
○田中(淳)政府委員 日見バイパスは御承知のように非常におくれております。これは先生御案内のように、北側に道路公団の有料道路がございまして、この有料道路を今鋭意四車線化を進めておりまして、その間そっちの方に車を通しまして日見道路を漸次整備したい。
 御指摘のように道路財源が伸びませんで、過去数年間ゼロまたはマイナスシーリングで、そのためにおくれているわけでございます。今後一生懸命努力してまいります。
#149
○中村(重)委員 時間の関係があるので、次の質問をします。
 中小企業の官公需の受注状況、これは資料を私の方ではもらっているから余り詳しいことは要らないのだけれども、行政管理庁からも中小企業の受注の機会の確保のために分離発注の勧告を受けている、さらにまた行管庁は、分離発注は新規参入事業者には与えられていない、非常に不公正であるという改善の要求もなされている。
 それから、時間の関係からまとめて言いますよ。
 中小企業の官公需の受注ということは口には出される。計画としては国も五〇%以上であると言われるんだな。ところが、最近の大手の地方に対する進出は、公共事業は言うまでもなく、民間においては中小企業の分野の侵食に至っては甚だしい。ともかく大手が三千万くらいの工事に入ってくる。どこかで大きな工事でもうかるものだから、採算を度外視して大手が受注をする。悲鳴を上げている。これらのことが仕事がないということと関係をして、中小企業の倒産、建設関連事業の倒産というものは一向に減らない、むしろ増加の一途をたどっている、こういう状態にある。
 私は今二つ挙げたんだけれども、行管の勧告あるいは指摘等に対して、また大手のそのような無謀な侵食に対して大臣はどうお考えになり、今後どのような対策を進めていこうとされますか。
#150
○豊蔵政府委員 ただいま御指摘の中小企業につきましての発注のことでございますが、建設省につきましては、御案内のとおり、建設省の直轄及び公団につきましては、直接私どもが発注の目標の率を定めまして毎年度実施いたしております。ちなみに五十八年度の実績を見ますと、工事の方だけで見ますが、直轄工事では四九・五%、公団等を含めました建設省関係全体の工事で、目標を若干上回る三〇・九%を中小建設業向けに発注をいたしております。
 このことでございますが、私ども毎年度初めに、建設省所管の公共事業につきましては事務次官名をもちまして通達をいたしておりまして、発注標準の遵守あるいは分割発注の推進、共同請負制度の活用等の手段によりまして中小企業に関しますところの受注機会の確保に努めるよう指導しておりまして、直轄工事は今申しましたようなことできちっと目標に従った実績が上がっておりますが、補助事業につきましての契約が、公共団体側自身の権限に係るものですので、趣旨は相当伝えておりましても、必ずしも実態が直轄ほどいってないような実情があるのではないかと思います。私どもも今後さらに各関係機関につきまして機会あるごとに指導してまいりたいと思っております。
 それからまた、分離発注につきましても、例えば建築工事につきましては、躯体工事、電気設備工事、機械設備工事等の分離とか、いろいろ工夫をして行っておりますし、また金額につきましても、相相応するランクに当てはまるような発注標準ということも指導いたしておりますので、かなりの機会確保ができると思っておりますが、今後とも一層指導を徹底してまいりたいと思っております。
#151
○中村(重)委員 私は実態をよく知っているので、具体的にこういうことだと言いたいのだけれども、時間がありませんから申し上げません。
 ともかく今あなたの答弁を聞いていると、相当配慮しているなというふうに印象づけられるのだけれども、実態はそうじゃないね。だから分離発注にしても、そうゼネコンでピンはねさせる必要ないよ。できるだけ分離発注させること。それから、大手が中小企業の分野に無謀な侵食をすることについては指導をされる必要がある、注意を喚起してもらいたい、そのことについて建設大臣、いかがですか。
#152
○木部国務大臣 建設業界の倒産件数が非常に多い中でございますから、建設省といたしましても、おくればせでしょうけれども、昨年の十一月から中長期のあるべき姿のビジョン策定を今やっておるわけでございます。そういう中にあって、今官房長からも答弁しましたような一つの指導はいたしておりますけれども、私どもも実際に地方を回ってみましても、今中村先生の御指摘になったような意見が非常に強いわけでございますから、そういう点をしっかりわきまえながら、これからで走る限り指導できる範囲は指導をしてまいりたい、そういうふうに思っております。
#153
○中村(重)委員 それから、中小企業の受注機会を確保させるために適格組合というのがつくられているんだね。ところが、今いただいている資料を見ても、この適格組合に対する発注の件数、金額は実に微々たるものだ。こんなことじゃ話にならない。しかも適格組合に対する官公需も、納入業者の場合とそれから役務、建設関連、これらを見てみると、随意契約は物品納入の場合は認められているんだね。ところが、役務と建設工事の場合は随意契約は認めていない。それから、新規参入には随意契約を認めてない。これを認めるようになっているのを認めない。それから、適格組合に対して最も冷淡なのは建設省と運輸省なんだ。せっかく中小企業が協同組合をつくって、そして自分たちの個々の力が弱いからといって適格組合をつくるのでしょう。つくらせているのですよ、これは通産省が中心になって、中小企業庁が所管なんだけれども。それを冷たい態度をとるなんということはとんでもないことだと思う。もっと適格組合を大切にする、そういうことで、中小企業の信用力が個々の業者では弱いから、いわゆる団体の力をもって大きな工事にも受注を受けることができるようになさらぬとだめだと私は思いますよ。いかがですか。
#154
○高橋(進)政府委員 御指摘の官公需適格組合につきまして、件数が少ないではないかという御指摘でございますが、建設省といたしましては、最近の五十八年の事務次官通達でも、官公需適格組合証明制度の趣旨の周知徹底、そういった適格組合を初めとする事業協同組合等に対する受注機会の増大に努めることを指示しておるところでございます。
 なお、建設省直轄工事におきましては、官公需適格組合の証明を受けた事業協同組合については、競争入札参加資格審査に当たっても特例として有利な取り扱いをしてきておるところでございます。なお、今後ともそういったことでその促進を図りたいと思っております。
 件数が少ないではないかということはございますけれども、例えば、建設省直轄工事は広域的かつ大規模な事業に係るものが多いので、工事の完成に必要な技術力、資金力、管理能力等いわゆる施工能力のある業者に発注する必要があるという関係がございます。ではありますが、今先生のおっしゃった点も当然中小企業の促進の意味から必要なことでございますので、今後とも受注機会の確保を図れるように努めてまいりたいと思います。
#155
○中村(重)委員 建設大臣、今事務当局の答弁、これはあなたは確認をして、今後適格組合を尊重していくように、そして中小企業の受注の機会を与えていくように指導なさいますね。いかがです。
#156
○木部国務大臣 先ほど官房長また局長からも答弁いたしましたように、中小企業の協業化とかそうした点につきましては、私どもも今まで以上に力を入れて、やはりこの育成をする努力をしなければいかぬ。私が先ほど申し上げましたように、過去十年間の破産、倒産の例を考えてみましても、大体その三分の一が建設業界なんですね。ですから、今日のようになりますと、私はかつて商工の関係も一緒に先生と研究させていただき、委員会も所属させていただいてよく知っておりますが、長崎なんというのは、昔はあれだけの隆々たる県が、今や不況県になっているのですから、だから公共事業に対する期待というものが非常に大きい。ですから、今までは余り公共事業なんかに、長崎県の例を申し上げて恐縮ですが、期待しなかったのですけれども、今はそれに頼る以外に、そんなことを言っては申しわけありませんけれども、なかなかほかには当面は見当たらないというようなところに、非常に深刻な、またある意味では先生が御指摘になったような行き届かない点もあるのではないかな、私はそういう受けとめをいたしておりますので、そういう点等につきましては、予算の内示につきましても効果的、効率的に我々は配慮いたしておるつもりでございます。
#157
○中村(重)委員 それから、工事入札の談合の問題についてお尋ねをします。
 これも具体的に言いたいのだけれども、具体的な内容については触れませんが、談合の状況をどう把握しておられるか。それから、このごろ国が直轄、直接あるいはこの関連、外郭団体、そういう場合もえてして天の声というのがあるんだな。これが今度は地方自治体にまでずっと波及していって、天の声というのがあるんだよ。もう指名があったときは、どこかで天の声というものがおりて、落札をする業者が決まってしまっている、こういう実態があるのだけれども、建設大臣、これらの点をどう把握していますか。
#158
○木部国務大臣 私は、天の声なんということは余りよく知らないのですけれども、また今先生がおっしゃるような。ことなんか、これはもう法に従って厳正に執行しなければいかぬことでございますので、そういう点をもちろん疑いがないような戒めを、万が一そんなことは私はないと固く信じますけれども、一層そういう点についての厳正な指導はしなければならない、そういうふうに思います。
#159
○中村(重)委員 公共事業が少ないから、民間の事業の場合もそうなんだけれども、特定の業者だけが仕事をひとり占めするということではだめなので、できるだけ仕事が配分されていくということは結構なことだと私は思うのです。ですから、談合という言葉は余りよくないけれども、ある面においてはその話し合い、研究会という形でやっているんだけれども、ある場合は一つの役割を果たしているということもある。しかし、目に余るようなやり方は困る。国あるいは外郭団体等に当事者能力がない。どの業者がとる、そしてジョイントでやる場合は一方が七割、一方が三割といったようなことは、これはある業者団体の幹部が決める、あるいはその指名をされた業者のボスが決めていく、そういうことは行き過ぎだと私は思う。それから、表には出ないけれども、下でぶら下がる業者がいるんだね。そのぶら下がる業者までこの談合で決まってしまっているのだ。
 ある省で、これは大臣は全部どこかの派閥に所属をしておられるから、その省の所管の事業が指名がなされた場合は、その派閥のボスが業者を選定するのだよ。そして、その省に行ってみると、こういうことを言っている。指名をするまではよく姿をお見せになります。ところが、指名をしますと全然姿をお見せになりません。指名をしたんだから、用がないから来ないのが当たり前かもしれないのだけれども、そうではなくて、どこかで決まって落札者が決められているのでしょうと言いますよ。
 そういうことが実態だから、採算を度外視したたたき合いもひどい。話し合いがつかない場合はたたき合い、結局、採算を度外視するわけだから、これは地方自治法には幾らということが決まっているし、それから予定価格というようなものがあるんだろうからそれ以下にはならないというふうにお考えになっているのかもしれないのだけれども、ともかくむちゃ、全然採算がとれないような形で落札をしているんだから、悪かろう安かろうということになる。どこかで欠陥が出る。
 それからまた、予算が余っているからといって追加工事なんかをいろいろ要求してくる。そこで汚職の原因がまたそこに生まれてくるというようなことになる。いわゆる悪循環という形になるのだけれども、秩序というものは守られてこなければならない、目に余るようなことをやらしてはいけない、こう私は思います。
 私がこの公正な委員会においてこういう発言をしておるのは、根拠のないことで申し上げているのではないのです。ただ、どの省でこうだった、この事業の件名まで、こういう場合はこうだったと申し上げたいのだけれども、実はきょうは触れません。この委員会では触れませんが、そういう実態があるということを冷厳に建設大臣は見詰めておらなければいけないというように思います。今後の指導監督についての見解を聞かしてほしいと思う。
#160
○高橋(進)政府委員 建設業者の営業活動のあり方につきまして、まず事務的にどういう措置をとっているかということについて御説明申し上げます。
 建設業者の営業活動のあり方につきまして、公正取引委員会から昨年、「公共工事に係る建設業における事業者団体の諸活動に関する独占禁止法上の指針」というものが公表されまして、この指針は、建設業における事業者団体の活動について、現行独禁法の枠内で適法と認められる範囲が示されたものでございます。建設省といたしましては、建設業界におきましてもこの指針を正しく理解して、適切な活動を展開するよう指導しておるところでございます。
 今御指摘のございました非常に不当な安値といいますか、採算性を度外視した安値での受注に関しても、自粛をその団体において要請することはよろしいということでございますので、そういった観点についても業界の中で十分自粛するようにまた指導しているところでございます。
#161
○木部国務大臣 先ほど私の決意を申し上げましたように、厳正に厳粛に、いやしくも世間から指弾を受けるようなことのないように、厳正に行政指導をしてまいりたい、こういうふうに考えます。
#162
○中村(重)委員 同時に、私が申し上げましたように、余りむちゃな、採算を度外視したようなたたき合いということもなされては私はいけないと思う。だからして、そこらも創意工夫というものが当然なされなければならないと思います。だから、今の大臣の答弁はそういうものも含めてのお答えであると理解いたしますが、よろしいですね。
 次に、下水道の問題についてお尋ねをするのですが、「終末処理場の機械設備の整備について」という会計検査院の指摘もあるのですが、これとは違うのですけれども、長崎県の小浜町の特別下水道事業というのは、これはもう工事は竣工しているんだろうと思うのですが、供用開始はなされているのでしょうか。
#163
○中本説明員 三月十日に既に試運転に入っておりますけれども、正式な供用開始にはまだ至っておりません。
#164
○中村(重)委員 受益者負担が相当高いようですね。それで、御承知のとおりいろいろ災害の問題、地震の問題なんかがあって、そして契約の取り消しということもあって、経営が非常に苦しくなっているという点もあるのでしょうけれども、終末処理場、この特別下水道を、雲仙という地域であるからというので特別な配慮を持って決定をされたんだろうと私は思うのだけれども、受益者負担のために悲鳴を上げている。自治体にもどうにもならない。受益者はそういうことで負担はできない、供用開始が危ぶまれているということを私は聞いているのですが、その点はどのようにお聞きになっていらっしゃいますか。
#165
○中本説明員 実は、使用料の問題でございまして、町側が提示しましたのが一立方メートル当たり百五十円でございます。地元の方が八十五円、非常に差がございまして、この差については、これが話し合いのもとに片づかないと条例ができない。この条例ができ次第供用開始という運びになっておりまして、現在のところは町と地元の方で話し合っている、こう聞いております。
#166
○中村(重)委員 建設省としては、相当高率の補助をしているんだから、その補助をまたどこからかひねり出すということはできないのでしょう。それは建前からわかるのです。しかし、実態はそういうことにあるということを頭に置いておっていただいて、実態を調査をして、そしてまた別の面からの何か助成の措置だってなされないということにはならないのではないかと私は思っていますから、そういう点は強く要望しておきます。
 それから、これは大臣からお答えいただくのですが、下水道事業というものにもっと力を入れてもらわなければ、環境整備という面からいっても、下水道事業というものはその国の近代化の物差しであるとすら私は考えるのですよ。だから、もっと下水道事業、これの整備に力こぶを入れる。来年の予算の場合におきましてもそうなんです。それから予算の執行においてもそうです。その点の大臣の決意をひとつ聞いておきたいと思うのです。
#167
○木部国務大臣 今中村先生御指摘いただきましたように、下水道というのは都市の根幹をなすものであり、また良好な環境整備の根幹であり、ある意味では我々の文化生活のバロメーターである、私はそう言っても決して言い過ぎでないと思います。
 全般的に見てみますと、大阪なんかが一番全国の普及率がいいみたいですが、先進国の仲間と比較しますとやっと三分の一くらい。ですから、そういう点等も私ども十分考慮して、そして下水道事業は、特に最近では海をきれいにするとか、水をきれいにするとか、そういう問題の基本ですから、そういう点をよく理解して努力をしてまいります。ことしの予算でも、おかげで昨年から比較しますと、財政の厳しい中でも、たしか七、八%近く伸びているのじゃないか、そういうふうに思っております。今後とも最善の努力を尽くします。
#168
○中村(重)委員 時間がありませんから、まとめて二、三点お答えをいただきます。
 河川と都市下水についての再検討をされる必要があるということを申し上げておきます。一度決めてしまうと、もう再検討しないのだね。都市下水ということになれば暗渠をつくることができる。河川は暗渠がつくれない。ところが、河川になっているのだけれども水位は一向上がらない、それに、例えばプレハブで公民館なんかつくってみたところで何にも影響がないというところは、都市下水道であるというゆえをもって暗渠ができる。ところが、暗渠をつくったために、例えば駐車場なんというのは増水をして水害の原因をつくり出す、こういう実態があります。だから改めて再検討する、点検をする必要がある。だから、河川になっているところはよければ都市下水にする、それから都市下水になっているところは河川にする必要があるということ等が出てくるでしょうから、そういう点も十分配慮される必要があるということを申し上げておきます。具体的なことについては、後でお尋ねがあれば参考のために申し上げます。
 それから、都市再開発について。公営住宅というものが町の真ん中に立っている。ところが木造住宅だから、その木造住宅を取っ払って、その木造住宅に入っている人を低家賃で高層のアパートをつくってそこに入れる、こういうことになると、これは土地利用という点からいって最も適切な行き方だと私は思っている。交通渋滞を緩和する面からもそのことが必要。ところがなかなかやらない。たまたまやったかと思うと、高層建築ではなくて二階建てにする。こんなでたらめな都市再開発なんということがあってはならぬ。そのことを一つ強く申し上げておきます。
 それから、市街化区域と調整区域の問題、これも調整区域は社会福祉施設であるとか教育施設というものがあるのだけれども、公営住宅といったようなことは、調整区域の場合に建築させることがあってもよろしいのではないか。同時に、調整区域は五年に一回見直しをしているのでしょうけれども、見直しももっと弾力的に対処していかれる必要があるということを申し上げておきます。
 それから、道路拡張工事に伴って立ち退きをしなければなりませんね。ある立ち退きの対象になっているクリーニング屋さんがいた。ところが、あなたのところは道路拡張の対象だから立ち退きなさい、こういう通告だけを受けたんだ。具体的な話し合いに入ろうとしたところが、ちょっとお待ちください、まだそこまで事務が進みません、こう言って進まなかった。その間に火事になった。そこで対象の物がなくなってしまった。火事になってその建物が燃えてしまったものだから、機械なんかも燃えてしまったものだから、どうにもならないんだね。
 しかし、無形財産である営業権というものはある。だから、休業補償とかなんとかいう形で、当然その場合は補償されているのだよ。火事になってもそこに建物を建てることができるかといったらば、道路拡張工事の対象だからできない。だから、建物や機械等の動産、不動産に対する補償は燃えてしまったからできないのだろうけれども、どこか場所を探してクリーニング店ならクリーニング店をつくらないといけないでしょう。そうすると、休業期間が長くなってくるので休業補償は当然見てやらないと、私は余りにも冷淡だということになると思う。
 これは三十四号線に出ている例でありますが、私はこの間電話をかけたから局長さんぐらいには耳に入っているのじゃないかと思っているのだけれども、こういった具体的なことについてはどうお考えになりますか。動産、不動産はやむを得ません。しかし、休業補償という無形財産については、そこに店舗がつくられないのだから、どこか探さなければならぬから相当な期間を要することになる、商売ですからどこでもよろしいということにはならないので、そういう点は配慮される必要があるであろうと私は思います。
 以上申し上げた三点の中において、特に今の休業補償の問題については具体的にお答えいただきたい。
#169
○高橋(進)政府委員 今の道路の拡幅に伴います休業補償の問題は、研究させていただきたいと思います。
#170
○中村(重)委員 それは一般論からでも答えができるでしょう。道路拡張によって立ち退きをしなければならぬ、立ち退き通告は受けた、補償の折衝に入ることについてはしばらくお待ちくださいと言ったのは建設省ですよ。その間に火事が起こって燃えてしまったのだ。だから、動産、不動産は消滅したから仕方がないが、店舗をどこかにつくるためには場所を探さなければならないでしょう。すると休業しなければならない。休業期間というのは長くなってくるわけでしょう。それは何とかしてやらないと筋が通らないと私は思う、単なる研究ということであってはならない。全国には今私が指摘したようなことはたくさんあるのじゃありませんか。いかがですか。
#171
○高橋(進)政府委員 私、具体的なことにつきまして今初めてお聞きしたものでございますので、即答しかねるのでございますが、今先生のおっしゃった趣旨も踏まえて研究させていただきたいと思います。
#172
○中村(重)委員 先ほど私が三点質問した中に答弁漏れがありますから、都市再開発の問題、調整区域の活用の問題、弾力的な運用の点がありますから、お答えください。
#173
○吉沢政府委員 公営住宅の建てかえに関するお話がございました。長崎の御指摘の公営住宅については、先生二階建てとおっしゃいましたが、実はあれでも三階建てにはなっておるわけでございます。ただ、当初完全の三階建てを予定しておったのでございますが、でき上がったのは一階と二階と屋根裏とを一体化したメゾネットといいますか、そういう形の建物になっております。当初は約三十戸ぐらい建てたいと思ったのですが、たまたまその土地が、先生の方が御存じと思いますけれども、南の方が非常に高くなっておって北側が低くなっておるという土地でございまして、建てようと思いましたら北側の住民から、日照の問題その他いろいろ問題があるという御陳情がございまして、それで幾らか低くせざるを得なかったということで、三十戸ぐらいの予定を減らして二十六戸にいたしたというふうに聞いております。
#174
○安井委員長 時間が過ぎていますから、締めくくってください。
#175
○中村(重)委員 今お答えになったのはごまかしなんです。それは屋根裏があるかもしれないよ。それは私の町だから私が一番よく知っている。それは当然高層建築を建てるべきであったし、それから五百メートルくらい行ったところで八階建てを建てるのですよ。ビル風が起こると言って住民は大変強硬ですよ。建設省は都道府県、市町村と話し合ってやっているんだろうけれども、支離滅裂、一貫性がない。だからもっと見識のあるやり方をおやりなさいということだけは申し上げておきます。
#176
○安井委員長 ちょっと、時間が超過しておりますが、答弁を……。
#177
○高橋(進)政府委員 市街化調整区域におきます公営住宅の問題でございますが、都市計画上都道府県と指定都市の公営住宅等につきましては許可が不要でございますけれども、指定都市以外の市町村の公営住宅及び民間の住宅の建設を目的とする開発行為は、許可が必要でございます。しかしながら、市街化調整区域におきましても、市街化を抑制すべき区域とされてはおりますけれども、一定規模以上の計画的な開発行為とか日常生活のため必要な物品の販売等に係る建築物その他一定のものにつきましては認められることになっております。したがいまして、市営住宅等の住宅建設を目的とする開発行為につきましても、一定の要件に該当する場合に認められることになりますけれども、個別の事案につきましては、御相談がありましたところで判断し、適正に指導してまいりたいと思います。
#178
○中村(重)委員 終わります。時間が延びて済みません。
#179
○安井委員長 この際、金子経済企画庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。金子経済企画庁長官。
#180
○金子国務大臣 中村さんに対するお答えの中で、雇用者所得六・五%と申し上げましたのは、六・八%の間違いでございました。訂正をさせていただきます。
 井上先生にも同様の問題でございました。
#181
○安井委員長 次に、貝沼次郎君。
#182
○貝沼委員 初めに、企画庁の方から質問させていただきたいと思います。あらかじめ断っておきますけれども、大変失礼な質問をいたしますのでよろしくお願いします。
 第十一回目の先進国首脳会議がいよいよボンで、いわゆるボン一サミットが行われるわけでありますが、このとき経済分野での議題はインフレなき持続的成長の実現、それから新ラウンド、いわゆる多角的貿易交渉でありますが、新ラウンドを初めとする貿易問題、それから発展途上国の累積債務問題と経済援助ということが言われておるわけであります。この中で経済援助の問題とか貿易問題は先ほど来随分議論がありましたけれども、日本の姿勢を問われる重大な問題ではないかと私は考えますので、大体こういう二点を質問したいと思っております。
 この中で特に日本は内需拡大の要求が突きつけられるようでありますけれども、我が国の内需拡大の明確な方針を示すことができるのかどうかということです。この問題につきましては大臣の間でもいろいろ御意見があるようでございまして、私ども国民の目から見ると、一体どれが本当なのか、何となく内閣はばらばらではないかという感じがいたします。したがって、これは外国から見るとなおさら日本の内閣は団結していない、こういうふうになって交渉は大変不利になるだろうと思うわけであります。そういうところからお伺いしたいと思いますが、金子大臣は内需拡大はどうすればできるとお考えになっておられるのか、端的に質問したいと思います。
#183
○金子国務大臣 内需の拡大が大事なことは貝沼さんの御指摘のとおりでございまして、私ども昨年十二月の対外市場開放政策を述べますと同時に、先般決定したばかりの、四月九日に決定した幾つかの、例えば基準・認証の改正とかあるいはデレギュレーションの促進とか、そういった問題を並べまして、こういった問題について、これは御承知のとおりの民間人を含めた諮問委員会が答申したものにつきまして、七月までにアクションプログラムをつくって早急に片づけたいと考えておりますという説明をいたしたのでございますが、各国の反応、これは率直に申しまして、なかなか努力はしておるな、それは一遍に黒字が解消できるわけではないけれども、実績がどの程度出るかしっかりと見きわめようという、いわば各国とも今後の日本の実績が出るのを見守っておるという状況であると御理解いただいた方がいいかと思うのでございます。
#184
○貝沼委員 実績が出るまでと言いますけれども、そう易しくはないんじゃないかと私、見ますね。それは約束は約束、実績は実績というふうに判断するのでしょうけれども、しかしそうなりそうな感触がなければ、恐らく承知しないだろうと思います。
 そういう点でちょっとお尋ねしますが、内需拡大という問題で先ほどもちょっと数字が出ておりましたが、政府の六十年度経済見通し実質経済成長率四・六%、そのうち内需の寄与度四・一%、これは先ほど数字が出ておりました。そういうふうに想定されております。しかし、政府が今とっている例えば縮小均衡型の経済運営、これに固執してまいりますと、果たして四・一%の達成はできるのかどうかという疑問が出てまいります。先ほどの質問で、大臣はそれはできる見通しがあるんだというように私は聞こえましたけれども、それはできないということは大臣としては言えないでしょうが、しかし甚だこれは心もとない状況であると思います。これは本当に達成できるのでしょうか、どうでしょうか。
#185
○金子国務大臣 まだ新年度を迎えましたばかりでございますから、これからの経済の動きを刮目して待っておるわけでございまするけれども、民間最終消費支出の四・一、高目ではございましたけれども、最近の雇用者所得の増、春闘の増等を見込めば、まあまあいけるんじゃなかろうかという期待を大いにいたしておる次第でございます。
#186
○貝沼委員 大変難しい数字のように私は見えますが、ひとつ願望を込めた答弁でしょうから、それはそのとおり聞いておきたいと思います。
 それから、景気の回復は軌道に乗っている、こういうふうによく言うわけでありますが、果たしてこれが軌道に乗っているのかどうかというのも、去年あたりからずっと見てみますと、そう実感として受け取れるものが少ないということですね。例えば、先ほど大臣が答弁しておりました家計消費支出、これを見ましても、五十九年度で見ますと前年比実質〇・三%増だと思いますが、こういう何となくさえない状況になっておる。それから企業倒産も、これも五十九年度は史上最悪というふうになって、非常に悲観的な要因が多いわけであります。それから国民総生産、GNPの動向を見ましても、五十九年では十月から十二月のデータを見ましても二・三%の成長、そのうち内需は〇・四%、たしかこういう数字だと思います。
 何でこういうふうになったかという原因でありますけれども、それは個人消費の不振である、こういうふうに言われておるわけでございます。そこで、じゃ内需の牽引となる設備投資はどうかというふうに考えてみましても、何となく高度先端技術に期待をかけるような部面がありまして、これも限界があるというようなことを考えてまいりますと、内需拡大というのは本当にできるのかどうか、また、やるとすれば今の状態だけではだめなんじゃないか、むしろ相当思い切ったことをやらなければ、この内需拡大というものは私は実現できないような感じがいたします。
 そこで大臣が、先ほどの質問でもちょっと出ておりましたが、新聞の記者会見のときに、思い切った措置をやるというような言葉が出ておりましたので、これは何か決意があってのことだなと私は読んだわけでありますが、この辺は大臣、いかがなんでしょう。
#187
○金子国務大臣 貝沼さん御指摘のとおり、昨年は企業倒産も最近にない高い数字を示しておりましたし、また可処分所得も、年の初めの減税にもかかわりませずなかなか伸びが十分でなかった、これは率直に認めざるを得ないのでございますけれども。ただ、一、二月に入りまして倒産もぐっと落ちついてまいっておりますし、可処分所得も漸次増加しておるような状況でございますので、だんだんそこら辺は明るい見通しが出てきたんじゃなかろうか。まだ四月、五月のあれはこれからでございますけれども、そういうふうに私どもは見ておるわけでございます。
 それで、本年度の財政政策としては、もう財政事情が御承知のとおりでございますので、公共事業につきましてもあるいは減税にいたしましても、なかなか思うようなことができませんでしたが、内需の振興を図る意味において、今後景気の動向を見ながら、何らかのそういった面について財政が経済に完全に中立てないような立場がとれないかどうか、そこら辺を厳に見守りつつある最中であるということを申し上げているわけでございます。
#188
○貝沼委員 ただ、ときがときだけに、私は、こういうことを確認をしながらサミットに対して日本が、日本というよりも政府が立ち向かっていかないと足元を見られるんじゃないか、こういう感じがいたしますので、きょうはこの質問をしておるわけであります。
 それで、財政再建の考え方に、先ほど申し上げましたように総理大臣とそれから経済企画庁長官とが少し考え方のずれがあるようですね、報道によりますと。これはないのですかあるのですか、どっちですか。
#189
○金子国務大臣 財政再建については、もちろん今のところは完全に一致いたしております。私どもも、できるだけ骨身を削って行財政改革を進めたいと考えておるのでございますが、ただ来年度は、御承知のとおり総理も所得税減税に重点を置いて税制改正を行いたいということをはっきり申し上げておられます。私も、来年はその点に重点を置いて税制改正をやっていくべきだ、こういうふうに考えております。
#190
○貝沼委員 それでは、財政再建は一致している、一致した上で、今度は内需拡大の考え方が、ちょっと個人的なのか大臣として違うのか、その点は報道では明らかではありませんが、いろいろ御主張が違うように見えるわけでありますが、これは端的に言って違うんでしょうか、どうなんでしょうか。
#191
○金子国務大臣 これまた、端的に申しまして同じ考え方だと存じます。
#192
○貝沼委員 どうもそうでもないようですね。まあしかし、サミットに臨む以上は、これはもっと国民の理解のもとに固まったものでないといかぬと私は思うのです。新聞の報道で見る限りでは、金子長官や河本大臣は総理大臣と大分違うというような印象が受けられるわけでございます。
 それから次の問題は、政府開発援助、いわゆるODAの中心的機関である海外経済協力基金、この問題について伺っておきたいと思います。
 この基金の予算の推移あるいは収支、こういうのを見てまいりますと、年度が進むに従ってだんだん自己資金が少なくなっていっておる。つまり、逆ざや現象が起こっておるという状況でございます。一方、今度これがサミットで問題になるところでありますが、この日本の姿勢というものが果たしてどうであるかということが問われることになっておるわけですけれども、今の状態でだんだん気前よく格好ばかりつけていきますと、赤字ばかりふえていくということですね。かつて鈴木総理大臣は大変威勢のいい公約をなさっておりまして、五十六年から六十年までのODA総額を五十一年から五十五年の実績の倍以上にする、こういういわゆるODA中期倍増計画というものを公約しておるわけでありますが、こういうものは今着々と実現をしておるのか、そのとおりになっておるのかどうか。そしてまた、今後この逆ざや問題についてどういうふうに考えていこうとなさるのか。この二点について質問しておきたいと思います。
#193
○金子国務大臣 ODAの中期計画でございますが、六十年度を最終年度とするODAの倍増計画は、ほとんど目標に近い九・七か九・八のところまで支出ベースで進んでおります。そこで、その後をどうするか。先般、外務大臣、大蔵大臣並びに私とで協議いたしたのでございますが、まだ予算が成立した直後のことだものでございますから、それでは目標年次をどれくらいにしてどの程度ふやすかという数字的な結論は出す段階に至っておりませんけれども、とにかく日本の経済的責任を果たす意味において何らかの意思表示をしなければなるまいということで、目下内部で調整中でございます。
 それから、海外経済協力基金の赤字の点は御指摘のございましたとおりでございまして、五十六年度決算で八十八億円、五十七年度決算で二百九億円、五十八年度決算で約二百九十五億円の欠損金を計上いたしております。
 しかし、これは経営の非効率等に起因するものではございませんで、円借款を拡充したことに伴って発生した性格のものでございまして、原因別に見ますと、ODA倍増目標のもとで事業規模を急速に拡大したことに伴いまして、原資構成の借入金比率が上昇したのが一つの原因でございます。それからいま一つは、近年の高金利状況のもとで、財投の借入金利の上昇による資金調達コストが上昇した面がございます。それから第三番目は、援助条件のソフト化要請に伴いまして、貸付金利が低下したこと等の原因が挙げられようかと思うのでございまして、現時点における五十九年度の赤字発生見込み額は三百二十三億円程度でございまして、さらに六十年度は四百六億円程度の赤字の発生が予想されますけれども、その後の問題は、貸付規模をどうするか、資金調達コストがどうなるかというような不確定な要素が多いものですから、的確なことを申し上げる段階にはまだ至っておりません。
#194
○貝沼委員 今の答弁ですと、要するにずっと赤字が出てくるということですね。やればやるほど赤字が出てくる。それはいいですよ、有名税みたいなものですから。日本の国はこれだけ発展しているのですから、それは発展途上国に対してやらなくちゃいかぬけれども、ただ、しようがないんだと言うだけではいけない。
 そこで、ただいまおっしゃいましたように、では貸付金利を引き上げるかというと、これはなかなか難しい。それから資金調達コスト、これを引き下げるかというと、これも難しい。あるいは、では援助を何とかするかというと、これも切ることはできません。赤字補てんの交付金をその都度その都度やっていくということなんでしょうけれども、我が国の方針としては、こういう方針で逆ざやを埋めていくという方針がないように私は思うのです。その都度決めておりますけれども、基本的な考え方がないように思いますが、この点はどうですか。
#195
○金子国務大臣 貝沼さんの御指摘、まさにそのとおりでございまして、私どもの立場からいえば、低開発国援助のためには思い切ってこれくらいの枠は取りたいというところを考えておるのでございますけれども、御承知のとおりの財政事情でございますので、なかなか思うに任せなかったのが今日までの状況でございます。しかし、これは何というか、経済上は第二の大国だと言われる段階に来ておりますから、やはり国際的な責任を果たす意味においてできるだけの努力は今後してまいりたい。
 先ほど、サミットでこの問題は取り上げられるのではないかというお話がございましたが、これはOECDの閣僚理事会では、アメリカの物の考え方、ECの物の考え方が違うものですから、なかなか一致したところまではまいりませんでしたけれども、やはり今後の低開発国援助をどうするかということは、先進国の共通の責任として今後も議論が続けられることと考えております。
#196
○貝沼委員 そういうふうに議論が出るちょうど前ですから、こういう具体的なものでそれに対する日本の態度というものをはっきりとしていかないと、かえって困る場合が出てくるんじゃありませんかということを指摘しておるわけでございます。
 それからもう一点は、これは会計検査院の指摘にありましたように、「特に掲記を要すると認めた事項について」というところですね。これは不当とかなんとかではないけれども、これだけのことはどうも問題のようですので、ひとつ国会の方で議論してくださいという意味だろうと私は思うので話題にするわけでありますが、区画整理事業の問題です。これを、どういうことであったのか、検査院の方から簡単にひとつ御報告をお願いします。
#197
○小川会計検査院説明員 お答えいたします。
 指摘した事態の概要は、先ほど冒頭に説明させていただいたとおりでございますけれども、この事態につきまして、特に掲記すべき事項として一応問題提起させていただきましたねらいといたしましては、この事業が都市計画区域内において都市基盤の整備事業として実施されたものでありますところから、結局、補助事業によって整備されました区域が都市的な用途に供されれば、国の投資がさらに有効に活用されることになる。それからまた一方で、良好な宅地の供給を待望している国民が多数おられる、こういうふうな点を考え合わせますと、整備されてから相当の年月を経ました区画整理地区内で、まだ今後当分の間都市化されそうもない宅地が多数存在するというふうなことは、投資効果の面から大きな問題であると考えられますし、それからまた、こういうふうな事態につきまして建設省におかれましても種々対策をとっておられるところでございますけれども、事態の解決を図り投資効果を速やかに発揮させるためには、建設行政だけでなくて、農林行政その他幅広い点からの長期的な視野に立った検討が必要ではないかと考えられましたので、特に掲記すべき事項として問題提起をさせていただいた次第でございます。
#198
○貝沼委員 建設省は今の説明をもうよく知っておるわけでありますが、先ほどの質問では、その土地をどう利用するかという方向からの質問があったように私は聞きましたが、私は方向を変えまして、住宅政策上、そういう国費のかかったところが、今報告のあったように区画整理が終わってもそのまま土地が残っていていいものなのかどうか、それで当たり前なのかどうか、住宅政策を進める上において建設省はどのようにお考えなのか、意見を求めたいと思います。
#199
○牧野政府委員 ただいまのおただしでございますが、私どもも、貴重な国費を使いまして行いました事業の目的というのがございます。その中で、やはり公共施設の整備とあわせて良好な宅地を供給するということが目的のうちの一つでございますから、これは私どもとしてもいろいろな手だてを講じて、また私、都市局長でございますが、なるべくビルドアップは全体としていわゆる宅地として役立てていきたいというふうに考えております。
#200
○貝沼委員 その気持ちはよくわかりますが、具体的にどういうふうに考えておりますか。
#201
○牧野政府委員 若干具体的なことをお答えしたいと思いますが、検査院の御指摘もございましたが、一つは、やはりその町が熟成するというか、ビルドアップするためには、例えば単に家が建つだけではなかなか利用価値も上がらないわけでございます。そこに住む人が本当に住みよい町だということにならなければいかぬということで、一つは、地方公共団体に対しまして、その市街化の一方で、核となる公益利便施設を積極的に導入するというふうなことを進めております。と同時に、やはり公的な住宅供給機関へ区画整理の保留地を優先的に処分するということによって、これは公的な機関ですから家が建ちやすくなる、このようなことは前々から指導いたしております。
 それから、これも御案内だと思いますが、例えば仮換地を指定した後三年以内に一定の住宅を建設するという場合には、例の課税の特例等もございますし、それから金融公庫がこの施行地区内の土地を購入して住宅を建てる人に対しましては、土地取得費についても割り増しの融資をするとか、それから、地方公共団体がその施行地区内で先ほど言いました公益利便施設を建てるために用地を先買いする場合、これにぜひお金の手当てもしようということで起債の面倒を見るようにしようとか、いろいろそういう手段を講じておる次第でございます。
#202
○貝沼委員 それで、私は提案なんですけれども、それでもできない部分がありますね。例えば区画整理をやる、ところが、その区画整理の区域が非常に広いと、全部終わるまで登記ができないわけですね。登記ができないということは、担保能力がありません。担保能力がないということは、それを担保にして金を借りることができませんので、家が建たないわけですね。したがって、担保能力のないその土地に対してある意味で担保能力を持たせて、そしてそれが有効に使われる方法を考える必要があると思います。
 そこで私どもは、この土地区画整理事業につきましては、その完了後一定期間内に目的使用することをあらかじめ一応義務づける、また、担保力のない保留地予定地の売却を促進するため、いわゆる土地区画整理保証基金制度という一つの基金をつくって、それが保証してあげるというふうにすれば、金を借りてその土地を手に入れることができるわけでありますので、こういう制度でも考えなければ、今会計検査院から指摘されたような問題は、ただ、何とかしたい何とかしたい、あるいは税金を安くするとかなんとかいっても、これは実際買った人でなければそれだけの便益はないわけでありますから、ひとつこういう考え方を採用してみられたらいかがかと私は思うわけでありますが、この点についてのお考えをお聞かせ願いたい。
#203
○牧野政府委員 ただいま具体的な二つの御提案といいますか、御意見をいただいたわけでございますが、前段の一定期間内に必ずビルドアップさせるといいますか、義務づけるという点は、両刃のやいば的な要素もございまして、そういうところであれば、もともとからの事業に必ずしも土地所有者として協力しないというような面もございますし、いろいろあろうかと思います。ただ、そういう点もございますので、今後勉強はしてみたいと思います。
 特に第二点目の基金制度でございますが、先生おっしゃいましたように、担保能力がないということでいろいろ差し支えのこともございますので、我々も、この基金制度につきましては今後十分に検討してまいりたいというふうに考えております。
#204
○貝沼委員 ぜひひとつ実現できるようにお願いしたいと思います。
 次に、話をかえまして、瀬戸大橋関係の問題で質問をさせていただきます。
 歴史的なプロジェクトである瀬戸大橋が、いよいよ六十三年春完成予定でございます。私は地元ですので、果たしてこの橋で岡山県が発展するのか、中四国の中心になり得るか、それとも、ただ音とごみだけが残るのか、非常に心配しておるわけでございます。
 そこで、時間が幾らもありませんので簡単にお尋ねをしてまいりますが、一つは、この六十三年春完成という、これは予定でありますから、このことについて、海峡部はまず間に合うだろうと私は思っておりますが、これは間に合うかどうか、もう一回ここで言っていただくということ。それから、陸上部の方が大変用地買収等で心配されておりますが、この点について現在の進捗状況というのはどうなっておるのか、また、今後、六十三年春を目指しての見通しはどうなのか、この点について伺っておきたいと思います。
#205
○吉田参考人 本四公団の事業のうちの、今御指摘の、地元では瀬戸大橋と呼んでおられますが、児島−坂出ルートの六十三年春の完成の見通しについての御質問でございます。
 まず海峡部でございますが、おかげさまをもちまして工事はほとんど全部請負者に発注をしておりまして、私どもとしては自信を持って海峡部については問題ない、こう思っております。
 それから陸上部でございますが、陸上部は、大きく分けて道路部分と鉄道部分とがございます。道路部分につきましては、現在、用地の取得率で申し上げますと六五%、面積で百三十四万平方メートル、それから鉄道部分につきましては、全体面積の八二%、面積で四十万平方メートルを確保しております。現在残り三年でございますけれども、全力を挙げて用地取得について努力をしておりまして、六十三年春の開通にぜひ間に合わせたい、こう思っております。
#206
○貝沼委員 ぜひ間に合わせたいということでありますが、ぜひ間に合うようにひとつお願いいたします。
 ただ、このぜひ間に合わせたいというのは、今まだはっきりしない点があります。道路部分と鉄道ルートの両方あるわけでありますが、道路の方は、一生懸命頑張って用地買収がうまくいけばできるわけですが、この用地買収の中身、いつごろまでという話は今答弁の中になかったですから、これはもう一回答弁してもらいたいと思います。
 鉄道は、ただ線路を敷いたから走れるわけじゃなく、ちょっと時間が要るわけですが、これも同時開通ということはできるのでしょうか、それとも鉄道部分はおくれるとか、その辺の見通しはいかがですか。
#207
○吉田参考人 鉄道部分につきましても、六十三年春の開業ということで、私どもはその目標に向かって現在工事を進めております。
 用地買収につきましては、先ほども御説明を申し上げましたように、数字で申し上げますと八二%の用地買収が済んでおるわけでございまして、用地買収の済んだところから工事を現在進行中でございます。特に時間的にかかりますトンネルを中心に工事を進めておりまして、トンネルにつきましては、大きなトンネルが三つございますけれども、既に全部工事中でございます。
#208
○貝沼委員 じゃ、これは同時開通にしたいということですが、ちょっと不安の要素もないではありませんね。どうなんですか、不安の要素はありませんか。もう一回聞いておきます。
#209
○吉田参考人 先生は地元でございますので非常に御心配と存じますが、私ども事業担当者といたしましては、信念を持って仕事を進めておりますので、御安心いただきたいと思います。
#210
○貝沼委員 それから、関連的なものになりますが、メニュー助成というのがあります。これはどういうことですか。
#211
○吉田参考人 六十年度の認可予算の中に、関連公共施設等整備助成金という名前でメニュー助成が取り入れられました。御承知のことと存じますが、私ども高速道路を建設しておりますが、高速道路の通過に伴いまして関係市町村の特別財政需要が当然起こりますので、それに対応するために、通過市町村に対しまして関連公共施設等の整備に要する費用を助成をするという制度が発足をしておりまして、高速自動車国道につきましては五十五年から実施されております。私ども、本州四国連絡道路につきましても、六十年度より予算化を要求をしておりましたが、今回認められたわけでございます。六十年度におきましては、既に完成して供用しております大三島橋、因島大橋のほか、今年開業いたします大鳴門橋の通過市町村を中心に助成をいたす予定でございます。
#212
○貝沼委員 このメニュー助成の制度で地元からいろいろな要望がこれから出るわけでありますけれども、その要望に対してひとつ十分聞いてあげていただきたい、その陳情をしておきたいと思います。
 いろいろなことがありますが、大きな問題といたしましては、関連の道路整備が一番大きいわけであります。橋を渡って四国から岡山へこう来るわけですけれども、そこから先一体どうなるのかというのです。公団の試算などを見ましても、自動車が二万五千三百台とか、随分たくさんの自動車が走るようになっておるわけですが、しかし瀬戸大橋を渡って早島インターまで来て、そこから先がどんとつっかえてしまいます。道路ができておらないわけです。これは国の道路が一つの問題です。
 そこで、私が質問したいのは、この関連道路の整備ということでありますが、まず一つは山陽自動車です。この西の方は福山あたりまで間に合うらしいのですが、何も西の方へ行く人ばかりじゃありませんので、東の方にも人は動くわけであります。殊に東が多いでしょうから、その東部分の山陽自動車道というのは間に合うのか間に合わないのか。間に合わないとするならば、一体その自動車はどこを通ったらいいのかという問題があるわけです。したがって、この山陽自動車道の問題が一つです。
 それからもう一つは、今度は北に向かって山陰に抜けるものです。四国から来て山陰まで行かないようでは、この世紀の橋の意味が余り発揮されません。そういったことから考えますと中国四国横断道、これが岡山−落合間というものは今よくわからないわけでありますが、これがどうなるのかということが一点でございます。
 それから、今度はメニュー助成に関係してくるのだろうと思いますが、やはり来た自動車はほとんど二号線を通って動くようになると思いますので、国道二号線の整備が大事だと思うのです。
 この山陽自動車道、横断道、それから二号線の整備、この三つについて、建設省並びに公団が関係があれば公団の方から答弁をいただきたいと思います。
#213
○田中(淳)政府委員 まず、山陽自動車道でございますが、先生御指摘のように、いわゆる本四連絡橋と山陽道の西側の方は、福山まで開通する予定でございます。東側の方、すなわち大阪側に関しましてはとても間に合わないと思います。
 それから横断道の岡山−落合、これも完全に間に合わすことは現在の時点では難しいと思います。
 それから国道二号線関係でございますが、これに関しましては、御案内の国道二号の岡山バイパス、それから玉島バイパスというものがございますが、この二つは本四公団のオープン時には間に合うという状態でございます。
 以上でございます。
#214
○貝沼委員 山陽自動車道、これは東は間に合わない、それから中国横断道、これは北が間に合いません、二号線は間に合う予定だと言いますが、これは間に合っても、玉島へ入るところの橋もかかりますが、あそこに大西という交差点があるのですが、そこのところがどんとつっかえちゃって動かないのです。そこで、倉敷市の方からも、ここをぜひ立体化していただくようにという陳情が出ているはずでありますから、この点はどうなっているのか、これを一点お尋ねしておきます。
#215
○田中(淳)政府委員 御指摘の大西交差点は、現在事業中の岡山バイパスと玉島バイパスの接続部が現国道二号線と交差する交差点でございます。この岡山バイパス関係に関しましては、先ほど申し上げましたように、玉島バイパスを含めまして本四関連事業としてそれに間に合わす予定でございますが、この交差点につきましては、岡山バイパス及び玉島バイパスの事業の進捗状況及びこれらバイパスの供用後の交通状況等を勘案いたしまして、立体化を検討していくと現在考えておりまして、六十三年に間に合わすことはほぼ不可能であろうかと思います。
 以上でございます。
#216
○貝沼委員 間に合わないまでもその方向で検討しておるということですね。では、そういうふうに理解しておきたいと思います。
 それから、山陽自動車の東部分と中国四国横断道の北へ向く部分でありますが、これのスケジュールはどういうふうになっておりますか。
#217
○田中(淳)政府委員 山陽自動車道の西の方でございますが、これは六十三、四年ごろになろうかと思います。
 それから、岡山−落合に関しましては、今データを持っておりませんので恐縮でございますが、やはり六十四、五年になろうかと思います。そういう感じでございます。
#218
○貝沼委員 それから、瀬戸大橋はいわば四国と本土の新しい玄関になるわけです。ところが、古い玄関があるわけですね。これは宇野と高松が今は結ばれております。新しい玄関が出てきますと、何となく古い方が気になってくるわけでございます。そうして、瀬戸大橋で岡山に渡ってまいりまして、すうっと関西とかそういうところに参りますと、宇野というのは一体どうなるのかということが非常に心配になってまいりますので、この玉野、宇野と玉が一緒になって、今玉野というわけですが、この玉野と瀬戸大橋関係の道路との接続が強く望まれておるわけでございます。そういう点で、玉野市からも玉野福田線の要望が出ておるはずでありますが、これらもメニュー助成で何とか考えることはできないのか。もしそういうことができるならばぜひ実現をお願いしたい、こういう要請になっておると思いますが、この点はいかがになっていますか。
#219
○田中(淳)政府委員 まず初めに、ちょっと御訂正をお願いしたいと思います。
 先ほどの横断道の岡山−落合でございますが、現在基本計画中でございまして、まだ整備計画が出ておりませんので、次期審議会で整備計画を出さなければならないという操作が残っておりますので、これは大分おくれると思います。先ほど私、四、五年くらいおくれるのじゃないかということを申し上げましたが、岡山−落合間の横断道に関しましては、かなりおくれると思います。
 それから、御指摘の主要地方道玉野福田線でございますが、これは先生御案内のように総延長約二十三キロメートルの道路でございまして、現在の改良率が四六%となっております。
 それから、現在やっておりますことは、この未改良区間の整備を図るために、玉野市の滝から倉敷市児島由加に至る区間及び倉敷市尾原地先の二カ所で延べ四・四キロメートルのバイパス事業を実施しているところでございまして、今後事業の促進を図る考えでございます。ただ、昭和五十九年度から用地買収に取りかかりました関係上、残事業が非常に多うございますので、二十七億くらいだろうと記憶しますが、本四公団関連には多少間に合わない、さように思います。
 それから、メニュー助成どこれとの関連につきましては、これはむしろ玉野市さんのお考えの問題でございまして、我々はここにメニュー助成を突っ込むつもりは今のところ持っておりませんが、どうしてもということになれば、それは地方自治のあれから考えられないわけではないと思いますが、今までの名神あるいは高速道路関連につきましては、ほとんど本来の補助事業で関連道路は整備しておりますので、もうちょっと小さいものをメニュー助成にお使いになっておられますのが地方自治体の実態でございます。
 以上でございます。
#220
○貝沼委員 小さいのはたくさんあるのですけれども、私、今一々言わないわけでございます。いろいろな陳情が出ておりますので、公団の方、ぜひお願いしたいと思います。
 それから、公団に最後にお尋ねいたしますが、この本四備讃線で工事実施計画その一、その二というのがあるはずなんですが、その二を地元からは基本計画どおり運輸大臣の早期認可をしてもらっていただきたいということなんですが、聞いてみましたらまだ運輸省に行ってないというようなことでございます。したがって、公団としては今これはどういう手続になっておるのか、その点を教えていただきたい。そして、今後それをどういうふうに進めようとなさるか、これをお願いいたします。
#221
○吉田参考人 本四備讃線の工事実施計画について御質問でございますが、私どもとしては、今工事実施計画の認可申請、今御指摘のその二についての認可申請を早急に手続をしたいということで、現在公団の内部作業を進めておりまして、御心配かけないように早急に手続を行いたい、こう思っております。
#222
○貝沼委員 早急にというのはどういうスケジュールなんでしょうか。
#223
○吉田参考人 御承知のように、工事実施計画認可につきましては、認可内容について日本国有鉄道と御協議するわけでございまして、相手のあることでございますので、いつまでというふうに申し上げられないのは残念でございますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、工事に影響を与えないよう早急に手続をしたい、こう思っておるわけでございます。
#224
○貝沼委員 その手続のときに、公団側といたしましては、電化問題並びに駅の建設の問題についてお考えはお持ちなのでしょうか。
#225
○吉田参考人 まず、電化の問題でございますが、工事基本計画で電化についての御指示をいただいておりますので、その御指示の方針に従って作業を進めてまいりたい、こう思っております。
 それから駅でございますが、工事実施計画の中に駅舎の計画も当然入るわけでございまして、駅舎計画も含めて認可申請をしたい、こう思っております。
#226
○貝沼委員 相手のある話ですから、ここではっきりした答弁はできないと思いますが、ぜひともこの地元の要望が早く実現できるようにひとつ頑張っていただきたいと思います。
 次の質問者の関係もありますので、私、ここで質問を終わりたいと思います。
#227
○安井委員長 次に、斉藤節君。
#228
○斉藤(節)委員 まず、私からは首都圏中央連絡道路についての質問をさしていただきたいと思います。
 これは首都圏の幹線道路でございますけれども、十六号、二十号、環状七号、八号と、これらの現在の交通事情はどんなふうになっているか。渋滞が非常に激しいのかどうかということから、まず御質問申し上げたいと思います。
#229
○田中(淳)政府委員 首都圏の自動車交通量は、先生御案内のように最近非常に大きな伸びを示しておりまして、走行合キロで言いますと、昭和五十八年対四十六年、すなわちこれは交通情勢調査をやった年で比較してございますが、一・五四倍に伸びております。特に環状道路を初めとする幹線道路が非常に多くの区間で混雑をいたしております。
 例えば、東京都内の国道十六号の混雑度が最大一・九七、これは昭和五十八年度の八王子市内の調査データでございます。それから国道二十号線の混雑度が最大二・二一、これは八王子市内、やはり昭和五十八年度の調査でございます。国道二十号線の日野橋付近におきましては、一日平均上り約六時間、下り約五時間という渋滞を生じておりまして、大変な交通悪所の例題に挙げられております。
 また、環状七号線、環状八号線について見ましても、混雑度がそれぞれ最大一・四七とか一・四二、これも五十八年度のデータでございますが、例えば環状七号線の平和橋内回りでは一日平均九時間、それから環状八号線の瀬田というところがございますが、それの内回りのところでも一日平均約九時間の渋滞を生じているなど、非常にプアな状態であるのが事実でございます。
#230
○斉藤(節)委員 今お聞きしたように、渋滞が大変激しくなってきておるということでございますが、これに伴っていわゆる圏央道の建設が急務だと思うわけでございます。その事業計画はどうなっているのか。国としては何年度ごろまでに完成を見込んでいるのか。その辺のことを教えていただきたい。と思います。
#231
○田中(淳)政府委員 首都圏中央連絡道路は、一応圏央道という略称で呼んでおりますが、東京都心から半径四十ないし五十キロメートルに位置いたします横浜、厚木、八王子、川越、筑波研究学園都市、それから成田等の中核都市を連絡して、これらの地域におきます交通の円滑化と土地利用の適正な誘導を図るとともに、地域開発の基盤としての役割を果たす総延長約二百キロメートルの幹線道路でございます。
 このうち、現十六号の混雑度が特に著しい中央道の八王子と関越道の鶴ケ島というところがございますが、その約四十キロメーター区間につきまして、昭和六十年度より新規に事業着手することといたしました。当該区間の整備に関しましては、日本道路公団による有料道路事業と直轄事業を組み合わせまして、集中的に行うこととしておりますが、おおむね約十年後の完成を目標として今後とも鋭意努力してまいる所存でございます。
#232
○斉藤(節)委員 建設省の方からもらいました資料の中ですけれども、今も御説明ありましたけれども、昭和六十年度、このうち八王子市から埼玉県の鶴ケ島約四十キロぐらいについて建設に着手をするということを言っておりますけれども、まずこれは建設に着手できるのでございましょうか。
#233
○田中(淳)政府委員 まず、先生よく御案内のように、この区間は都市計画決定をする必要がございます。そのためには、各地方公共団体の同意を得まして、市議会、市長さん、町長さんを含めてでございますが、それから関係します東京都及び埼玉県等々の了解を得まして、都市計画決定をまずやらないと事業化ができないということになっておりまして、現在、鋭意その都市計画決定のための自然環境に対する影響評価等々を詰めておるところでございます。
#234
○斉藤(節)委員 そこで問題になるわけでございますけれども、その都市計画決定がなされるためには、環境アセスメントをまずやらなければならないということでありますけれども、いわゆる高尾山の自然環境について、この資料によりますと、専門家、学識経験者八名ですか、それから行政機関の職員八名、こういった人々から構成されている首都圏中央連絡道路自然環境調査委員会、この委員長が森堯夫さんですか、現在、これらの方々によって調査されているわけでございますか。されているとしますと、その調査内容、それから調査手法についてどのようなことをやっておるのか、御説明願いたいと思うのです。
#235
○田中(淳)政府委員 いろいろ問題点のところはございますけれども、一番問題点の一つの箇所が、御指摘の国定公園の第一種特別地域でございます高尾山のところでございます。
 この区間につきましては、山の頂上から約三百メーター下をトンネルを抜く予定になっておりまして、いろんな植物、それから昆虫類等々で有名なところでございまして、そういう植生に与える影響あるいは昆虫類に与える影響、その他大気汚染、騒音、一般的には自然環境に与える影響、それから振動等の調査を行うために今御指摘の委員会を設けたわけでございまして、昭和六十年度夏ごろを目途に、この環境影響評価の素案を取りまとめる予定でございます。
 それで先ほどのことに戻りますが、その後、それを受け取りまして、昭和六十年度中に都市計画決定を行い、昭和六十一年度中に事業決定をやりたいという段取りでおります。
#236
○斉藤(節)委員 今仰せのように、いわゆる検討結果を環境アセスメントに反映させていって、その結果、都市計画がなされるのだと思いますけれども、この調査委員会から、例えば今の計画では少しまずい、自然環境に与える影響が大き過ぎるといったような結果が出ましたような場合には、路線の計画の変更だとかあるいはどういうようなことを考えておりますか、もし計画に反するような結論が出た場合に。出なければいいと思いますけれども一〇田中(淳)政府委員 絶対だめだ、端的に答えますと、絶対に何ともならぬというような結論が出ますと、それは話にならぬことでございますので、ルート変更もやむを得ないことであろうかと思います。
 道路管理者側としましては、現在のこのルート選定に当たりまして、それがベストであるかどうかは別問題としまして、いろいろ過去の事例を調べまして、この圏央道を余り東側へ振りますと、八王子市の市内側に入ってしまいます。それから、文化財、学校等どうしても避けなければいけないところを通らざるを得ない。それから、谷の最も広い原案の位置以外に設置いたしますと、高尾山自体の切り土面積が非常に大きくなる、それから、自然環境への影響が大きくなるのではないか等々考えておりますので、我々は一応我々の案が今のところベストだと思っておりますが、この委員会でそのようなことになりますれば、当然修正できるところは修正させていただきますし、強引にやるつもりはございませんが、そういうふうにならぬことを祈っております。
#237
○斉藤(節)委員 私もそうならぬことを心から願っているわけですけれども、最近、住民運動あるいは自然保護団体などによる反対運動が非常に強まってきているわけでございます。これらの諸団体に対する説明が十分なされていないのではないかなと私は思っておるわけでございます。もっとも、この調査委員会の結果が出ないことには何とも説明ができないのでありましょうけれども、そういう点に十分こたえられるような調査を早急にいろいろな角度からやっていただきたいと思うわけでございます。
 もしここが、そういういろいろな地下水の問題だとかあるいは野鳥あるいは自然植物の植生に対する影響、そういったものがあるような場合には、いわゆる科学的な手法でまずそれの対策を講じていくような、そういうことをお願いしたいと私は思うわけでございます。それはいかがですか。
#238
○田中(淳)政府委員 御指摘のとおり、謙虚な気分で答申を受けるつもりでおります。
 それから、先生御案内の、最近トンネルの工法が非常に発達しまして、今まで大体トンネルを掘りますと水が抜けたわけでございますが、それを防ぐ工法もいろいろ考えておりますし、我々もできる限りのことはやりたいと考えておりますので、よろしく御指導のほどをお願いいたします。
#239
○斉藤(節)委員 ついでに私のお願いでありますけれども、中途半端なことはやらないで、よく十分やっていただきたいと思います。
 また、土地の買収その他もいろいろあると思いますけれども、ただ単に札束でほっぺたを殴るようなやり方ではなくて、十分理解されるような方法でやっていただきたい。特に、土地提供者に対しましては土地の代替地、こういったことなども問題になると思いますので、その辺、十分住民に理解を与えるようなことをやっていただきたいと思うわけでございます。それはまずお願いしておきます。
 次に、渋滞解除のために、今後このような道路がいろいろ必要になってくると思うわけでございますけれども、このいわゆる圏央道のほかに何か考えているのでございましょうか。もしありましたら教えていただきたいと思います。
#240
○田中(淳)政府委員 いわゆる首都圏におきます渋滞解消を図るために、一般国道を初めといたします幹線道路の整備を推進しておるところでございますが、特に大きなものについて申し上げますと、先ほどから御指摘の首都圏中央道のほかに、東京の中心から半径約十五キロメートルの地域を結びます延長約八十五キロメートルの東京外郭環状道路、これが一番必要であろうかと思います。それから、東京湾周辺の横須賀、横浜、川崎、東京、千葉、木更津、富津等の諸都市を連絡いたします延長約百六十キロメートルの東京湾岸道路、これは御案内のように一部やっております。それから、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を、東京湾を横断して結びます延長約十五キロメートルの東京湾横断道路、これは目下調査中でございます。それからもう一つ、北関東地域におきまして、茨城、栃木、群馬の三県を相互に連絡いたします延長約百五十キロメートルの北関東横断道路等がございます。
 今後、これらの道路は、高速自動車国道、一般国道、首都高速道路等の幹線道路と相互に一体となって広域幹線道路網を形成し、都市機能を高めますとともに、広域的な都市圏を育成する基盤としてその整備を積極的に進めていく所存でございます。
#241
○斉藤(節)委員 そのようないろいろの道路を計画されていることは、私、大変結構だと思うのでありますけれども、しかし、これから新たに道路をつくるということは大変なことじゃないかなと私は思うわけです。土地の買収あるいはいろいろなことで問題になるだろうと思うわけでございます。
 そこで、首都圏の道路渋滞解除の方策として、高度な交通システムといいますか交通網計画、そういったものが必要になってくると思うのであります。例えば埼玉県の知事などが言っておりますけれども、モノレールあるいはリニアモーターカーの導入だとか、こういったような構想があるように聞いているわけであります。現に東京都もそういうことも考えているようでありますが、こういったようなものは、いわゆる環境に与える影響も比較的少なくて済むと思うわけです。それからまた騒音も比較的少なくて済む。それから土地の問題も、既設の道路の積かどこかに、余りたくさん土地を買収しなくてもできるというようなことで、コストが比較的安いのじゃなかろうかと思うのですけれども、その辺は建設省さんでどんなふうに考えておりますか。
#242
○田中(淳)政府委員 御指摘のように、公共交通機関としましては、大都市圏のように通勤、通学等の交通密度が非常に高いところでは、現在、地下鉄のような都市高速鉄道が対応しております。また、地方中心都市等の市街地及びその周辺におきましては、バスの有効利用がまず第一に考えられております。
 御指摘のモノレール等新交通システムは、大規模な住宅、宅地開発によって新たに発生する大量の通勤、通学交通への対応や、ニュータウン等と鉄道駅とを連絡する交通機関等に検討されるケースが多うございまして、その交通計画に当たりましては、道路交通渋滞解消の観点のみならず、通勤、通学を初めとする交通需要の規模と質あるいは経営採算性を総合的に考慮いたしまして、地域の実情に応じてその適用の可能性について十分検討していく必要があると考えております。
 首都圏におきます抜本的な交通渋滞の解消を図るためには、先ほど申し上げました首都圏中央連絡道路、東京外郭環状道路、東京湾岸道路あるいは東京湾横断道路等の整備により、都心方向に集中する交通を適正に分散導入し、都心に起終点を持たない交通をバイパスさせる広域幹線道路網の形成が必要であり、さらに、都心部におきましては首都高速道路の中央環状線等の、いわゆる幹線道路の整備を推進することが最も肝要であろうかと思います。
#243
○斉藤(節)委員 その方もよく御検討のほどを願いたいと思うわけでございます。
 では次に、テーマを変えまして、河川敷の問題についてちょっと質問申し上げたいと思います。
 きのういただきました資料の中で、一級河川河川区域内国有地、いわゆる河川敷だと思うのですけれども、河川敷の占用状況について、まず全国的なものを報告願いたいと思います。
#244
○井上(章)政府委員 河川敷地の利用状況につきましては、建設大臣がその許可を行っております一級河川の直轄区間の面積三十六万ヘクタールございますが、そのうち、昭和五十九年三月末現在で許可件数およそ三万件、占用面積約二万九千ヘクタール、総面積比で八%となっております。
 その内容でございますが、公園、緑地がおよそ七百件で三千ヘクタール、運動場が千二百件で二千五百ヘクタール、採草地が三千九百件で一万一千ヘクタール、田畑が一万一千件、八千ヘクタール、ゴルフ場が七十件、千六百ヘクタール、自動車練習場が四十七件、五十ヘクタール等となっております。
#245
○斉藤(節)委員 私、資料要求をしておきたいのでございますけれども、今報告ありました約三万件、面積として二万九千二百三十六ヘクタール、これらの利用者名、公共企業体もあるでしょうし、民間もあると思うのです。これらのそういうものと、それから契約時、それから契約期間及び使用料、こういったものについての資料をお願いしたいと思いますので、委員長、よろしくお願いします。
#246
○井上(章)政府委員 大変膨大な資料でございますので、すべて整っておりませんので、例えば多摩川でございますとか、そういう河川を限っていただきますと提出できるかと思います。
#247
○斉藤(節)委員 わかりました。
 きょうこれからちょっと多摩川のことについてお聞きしたいわけでありますけれども、多摩川についてはきのういただきました資料で、「多摩川における河川敷地の開放計画について」と題して、四十一年の七月と四十九年五月に公表されております。この計画の中の表で見ますと、いただいた表によりますと、九十九件、面積として三百六十五・五ヘクタール、このような開放がされているようでありますけれども、これらの中で雨期、特に増水時に冠水するような常に利用している利用地はどのぐらいあるのか、ちょっと教えていただきたいのです。
#248
○井上(章)政府委員 多摩川で河川敷を占用しております高水敷と言われますのは、洪水時に洪水が流下するために準備されている土地でございますので、これは場所によって多少の差はございますが、おおむね数年に一回は洪水時には冠水するような宿命を背負っておる土地でございます。したがいまして、それ自身は避けられないことでございますので、それを承知の上で、占用者がそれらの条件を考慮しながら占用形態をいろいろお考えになって占用している、こういうことでございます。
#249
○斉藤(節)委員 数年に一回だから比較的少ないと言えば少ないかもしれませんけれども、じゃ、そのように冠水してしまった場合、それを使用可能な状態に復旧するための費用というのはどのぐらいかかるのでしょうか。それで、その負担はどこでやっているのか、その辺、ちょっと御説明願いたい。
    〔委員長退席、井上(一)委員長代理着席〕
#250
○井上(章)政府委員 河川の高水敷といいますのは、ただいま申し上げましたような状況下にあるわけでございますから、当然冠水することを前提にいろいろな占用施設がつくられておる、また利用されておるという考え方でございます。したがいまして、当該占用施設が冠水してその原状回復に要する費用は、当然その占用者が負担いたしまして行うという形でございますので、私どもといたしましては、どのくらい費用がかかるかということは把握していないわけでございます。
 ただ、占用されていない高水敷が冠水した場合におきましては、これは河川管理上支障がある場合は河川管理者がみずから対応しておるわけでございますので、その金はどうかということになりますと、これも洪水の大小、河川の状況によって大変異なるわけでございますが、例えば昭和五十七年八月に出水がございましたこのときの多摩川におきます大臣管理区間におきまして、河川管理者がこういったために支出した費用はおよそ三百万円でございました。また、高水敷そのものが洪水によって損壊すれば、これは当然公共土木施設といたしまして、災害復旧事業費によって対応いたしておるわけでございます。
#251
○斉藤(節)委員 そういうふうに三百万でもかかるということはかなり負担が大きいわけでありますけれども、そこでちょっとお聞きしたいのですが、ダムの管理、放水。多摩川の上流にはいろいろダムがあるわけでありますけれども、つまり増水時における放水について横の連絡があるのかどうかということをお尋ねしたいわけです。建設省、地方自治体、電力会社、そういったところの横の連絡があるのかないのか。
#252
○井上(章)政府委員 ダムの操作につきましては、これはでき上がりましてから設置者が勝手に行えるというものではございませんで、それぞれ操作規則あるいは操作規程を定めまして、これに基づいて行うわけでありますが、これら操作規則を定める場合あるいは一定規模以上のダムの操作規程の承認を行う場合には、これはすべて関係都道府県知事の意見を聞いてそういった規則が作成されまして、それに基づいて実施するわけでございます。
 それぞれの操作に当たりましては、ダムを設置する者は、河川法第四十八条の規定によりまして、「ダムを操作することによって流水の状況に著しい変化を生ずると認められる場合において、これによって生ずる危害を防止するため必要があると認められるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、関係都道府県知事、関係市町村長及び関係警察署長に通知する」こととなっております。
 具体的には、ダム下流におきます魚釣りあるいは水泳、キャンプなどの河川利用者に対する危害防止という観点がございますので、これらにつきましては、あらかじめ定められた方式によりましてサイレン等によりまして警告を発するとともに、ダムからの放流開始及び放流の段階における放流量の著しい増加によりまして下流に危害が生ずるおそれがあるとき、これらの放流の開始の少なくとも一時間前に、ダムを操作する日時のほか、放流される流水の量またはその操作によって上昇する下流水位の見込み等を示しまして、操作規則、操作規程に定められた関係機関、これは都道府県、市町村でございますが、これらに放流の通知を行うこととなっております。
#253
○斉藤(節)委員 私からお願いでありますけれども、適水量の放水ということをやっていただきたいと私は思うわけでございます。
 そこで、いわゆる河川敷内につくられているそういう利用地、これは今お話がありましたように、当然ある程度冠水することを承知の上でやっているわけでありますけれども、しかし、できることなら冠水しないような方法で保護するようなことを考えることが必要ではないかなと思うわけであります。そのために何か方法を考えておられるのかどうか。例えば二重堤防にするとか、そのほか何か適当に冠水しないような方法、そういうことを建設省さんとして考えておられるのかどうか、その辺を教えていただきたいと思います。
#254
○井上(章)政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、河川敷地の高水敷は洪水時に冠水することはある意味では避けられないわけでございますが、利用する側といたしましてはできるだけ冠水しない方が望ましいというようなことであるわけであります。しかし、今先生からお話がございましたように、二重堤をつくりまして、中小洪水にはなるべく冠水しないようにというようなことも当然考えられるわけでありますが、しかし一方、この河川の高水敷は洪水時に河川の流水を安全に流下させる最大限の機能を果たす必要がございますので、こういった二重堤防をつくりますと、堤防に並行してつくられる部分はそれほど障害になりませんが、どうしてもある区画を囲うわけでございますから、当然流水に直角の方向にもやはり堤防ができてしまう、これは大変障害になるわけでございますので、私どもは、原則から申し上げますと、こういった二重堤はもうつくることはできない、極めて特異な箇所につきましてはまたいろいろな考え方もあろうかと思いますが、一般論で申し上げますと二重堤というのは不可能であるというふうに申し上げざるを得ないわけでございます。
    〔井上(一)委員長代理退席、委員長着席〕
#255
○斉藤(節)委員 大体わかりました。しかし、今老人がゲートボールだとかあるいは子供たちの少年野球だとかいったようなことで利用する場所がなくなってきておりますので、できることなら大いにそういったものが長くもつような方法でつくってもらいたい、そのことを要望しておきたいと思います。
 以上で河川敷の問題は終わりまして、大変細切れでありますけれども、次は、これは既に何回も、私も去年の環境委員会でもやっているわけでありますけれども、スパイクタイヤについての質問をしたいと思うわけでございます。
 スパイクタイヤというのは、申すまでもなく、北欧で最初に開発、商品化されたわけでありますが、日本国内では昭和三十年代後半に国産品が販売され始めまして、以来、モータリゼーションの発達だとかあるいは高速道路網の整備、こういったようなものとともに、北海道、東北、北陸で急速に普及してきたわけであります。それは従来のチェーン方式に比べましてスパイクタイヤの持つ利便性が評価されたわけでありますけれども、しかし反面、便利きだけが宣伝され、スパイクタイヤが生活環境にどのような影響を及ぼすかという、いわゆるテクノロジーアセスメントの考え方あるいは手続が欠けていたと私は思うわけでございます。そういう点で現在も大変な公害が起こっているわけでありますけれども、それについて二、三質問いたします。
 まず、スパイクタイヤによる道路の被害状況はどんなふうになっているのか、その辺を御説明願いたいと思います。
#256
○田中(淳)政府委員 御案内のように、舗装の破損は非常に複雑でございまして、重車両の通行あるいは舗装の老化等によって生ずるほか、先ほど御指摘の冬季におきますスパイクタイヤによる摩耗、それから夏季のアスファルト合材の流動等によって生じておりまして、要因別に舗装補修費が一体どうなっているのかということは非常に難しゅうございます。
 ただ、直轄国道、これは国の直轄管理の国道でございますが、その舗装の摩耗の実態調査の結果を利用して、雪寒地域内の全国の直轄国道、これは約一万一千キロメートルございますが、それの摩耗量を推定いたしますと、冬季の舗装の摩耗量は、アスファルトの合材で言いまして約十七万立米と推定されまして、これを総車道面積で割りますと、平均深さは約二・一ミリメートルとなります。これは平均深さでありますので、実際にはもっとえぐれているところがあるという意味でございます。
 この摩耗量を単純にアスファルト合材で補てんすると考えまして、これをスパイクタイヤによります舗装の破損損傷額と推定いたしますと、直轄国道でおおむね九十億円という数字になろうかと思われます。
#257
○斉藤(節)委員 今大変な道路の破損が起こっているように聞いたわけでありますけれども、ここに仙台市が報告した報告書がございます。これなどを見ますと大変膨大な費用がかかっているわけです。
 ちょっと読み上げてみますと、
  仙台市では五十六年から調査を継続しているが、例えば冬季四カ月間のスパイクタイヤによる道路摩耗量(平均四〜五ミリメートル)は、年間の道路変形量の六〇%に及ぶことなどが明らかになっている。
 ちなみに、単純計算では市道全体が冬期間に平均三ミリメートル摩耗するとすれば、修復には約十八億円の費用が必要という計算が成り立ち、事実五十七年度春、仙台市は市道の路面標示の引き直しに一億円、路面のオーバーレイに約十四億円を要した。
こうした単独事業としての道路補修費の増高は市財政の圧迫要因として深刻な問題となっている。こういう仙台市の報告がございますけれども、実際に建設省としてはこれにどのくらいの費用をかけておられるのか、お聞きしたいと思います。
#258
○田中(淳)政府委員 先ほどちょっと御説明申し上げましたのですが、五十七年度におきます直轄事業及び補助事業、正確に申しますと直轄国道及び補助国道とそれから都道府県道でございまして、市町村道は舗装補修を補助の対象にしておりませんので、それを除いた数量で申し上げますと、全国で舗装の補修費が一千二十億円でございます。これは各県とか市の単独事業費は除いてございます、あくまで国の補助の対象あるいは直轄でございますが、このうち直轄事業によりますものは七百八十億円でございます。約七六%でございます。
 それから、先ほどちょっと申し上げましたが、直轄国道での舗装の摩耗の実態調査を利用しまして、雪寒地域内の直轄国道の摩耗量を推定しまして、これによる舗装損傷額はおおむね九十億円と推定されまして、昭和五十七年度におきます全国の直轄国道の舗装補修費が七百八十億円でございますので、スパイクタイヤによる摩耗の補修費は全体の補修費の大体一一%であろうかと思われます。この中にはレーンマークの費用は含まれておりません。大体そんな感じであろうかと思います。
#259
○斉藤(節)委員 大変な費用がかかっているわけでありますけれども、これは北海道公害防止研究所だと思うのですけれども、「昭和五十七年度スパイクタイヤによる粉じん等実態調査(概要)」というのがここにあります。これは昭和五十八年九月に出されているわけでございますけれども、この中に「ケミカル・エレメント・バランス法によるアスファルト舗装材及び土壌の大気中濃度測定結果」というのがございます。これは秋季、冬季と両方について比較しているわけでございますが、これを見ますと、アスファルト舗装材の粉じんというのが非常に多いわけです。例えば、これは北海道札幌市の豊平神社道路端というところでもって測定したものでありますけれども、これによりますと秋は十三マイクログラム・パー立米、それに対しまして冬期間はその約十倍の百三十二・七マイクログラム・パー立米、このように大変なアスファルト舗装材が粉じんとして飛んでいるわけです。これは街路樹に与える影響が相当大きいのじゃないかな、私はこう思っているわけでありますけれども、建設省さんとしては街路樹に対してどんな影響があるのか調査したことがあるのかないのか、その辺をお聞きしたいと思うのです。
#260
○田中(淳)政府委員 御指摘の街路樹に対するアスファルト粉じんの影響でございますが、いろいろ研究したこともあったようでございますけれども、残念ながらはっきりしないということで今のところ研究しておりません。むしろ環境庁さんの方が最近はよくおやりになっているんじゃないかと思います。
#261
○斉藤(節)委員 街路樹にはいろいろの植物がありますので、冬の間葉が落ちているもの、幹だけになっているものは余り影響がないかもしれません。しかし、葉のあるものは相当影響があるんじゃないかなと私は考えているわけですけれども、その方の調査も環境庁でもやっているでしょうけれども、やっていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、スパイクタイヤについての最後の質問でありますけれども、スパイクタイヤの代替品がいろいろ研究されているということはいろいろ報道されております。私も幾らか資料を持っているわけでありますけれども、このいわゆる代替品の研究の進捗状況がどうなっているのか、また完成見通しはどうなのか、それからもう一つは、諸外国での状況はどうなのか、その方の情報交換などをしているのかどうか、その辺、通産省からおいでいただいていると思いますけれども、御答弁願いたいと思います。
#262
○松井説明員 御説明申し上げます。
 スパイクタイヤ関係のいわゆる研究開発の状況ということでございますが、まず民間企業の動きでございますが、最近開発されました、また普及しつつございますスタッドレスタイヤというのがございます。これは、いわゆるゴムの特質でございます柔軟性というものが低温でも失われない、こういうゴムを使用しました一種のスノータイヤでございますが、このスタッドレスタイヤのゴムの質を一層改質する、改善するという意味でございますが、そうすることによりまして凍結路面での制動性と申しますか、そういうものを向上させる研究が一つ行われております。
 それからもう一つは、温度によりましてスパイクタイヤのピンが出入りするような、こういう構造を持ったスパイクタイヤの研究が行われております。
 それからもう一つ、国の方といたしましても、通産省の工業技術院におきまして、形状記憶合金、こういうものを利用しましたスパイクタイヤ、低公害性のスパイクタイヤというものを研究しております。
 しかしながら、この新しい材料を使ったり新しい構造を持ったスパイクタイヤというのは、現在のところ、耐女性あるいは信頼性という面から、現時点では実用化のめどは立っておりません。
 それから、海外の研究開発状況でございますが、諸外国におきましてはスパイクタイヤのピンの方の形状、こういうものについては研究をやっていると聞いておりますが、先ほど御説明申し上げましたような、日本で行われておりますような新しい材料を使ったり構造を持ったりするような、そういう新しいスパイクタイヤというのは研究されていないというふうに聞いております。
#263
○斉藤(節)委員 大いにこれは研究開発していただきまして、やはり雪国はスパイクタイヤを非常に重宝がっておりますし、私もいろいろ調査をしましたけれども、やはりスパイクタイヤがないと経済活動ががた落ちだというようなことを言っておりまして、確かにそういう便利さはあると思いますけれども、しかしそれに引きかえて大変な粉じん公害が起こっているわけでございますから、何とか早くそういう研究開発をしていただきたいと思います。また、世界の各国、諸外国の情報交換もよくやって、一日も早くその辺をお願いしたいと思うわけでございます。
 では、次はまたテーマがちょっと変わりますけれども。公団住宅問題について質問したいと思います。
 まず、未入居状況についてお聞きをしたいと思います。これは、せっかく財政投資をして公団住宅を建てても、入居者がなかなか集まらないで保守管理費をいたずらに食うだけだという状況は、私は極めて遺憾だと思うわけでございます。そこで、過去五年間の実績が各年度末別で見るとどういう状況になっているのか、支社別に報告していただきたいと思います。
#264
○吉沢政府委員 お答え申し上げます。
 過去五年間の公団の未入居の状況でございますが、五十四年度に約二万八千三百戸ということでございますが、昭和五十八年度末に八千三百戸ということで、五年間におきまして約二万戸の減少を見たところでございます。
 支社別に見ますと、東京支社では五十四年度末二千二十九戸、関東支社では九百五十八戸、中部支社では千六百三十八戸、関西支社で三千五百三十九戸、九州支社で八百十五戸ということでございましたが、これが五十八年度末に東京支社で二千三百、関東で二千二百三十九、中部で三百七十七、関西で二千三十三、九州で四百八十九ということになっておるようです。
#265
○斉藤(節)委員 時間がなくなっちゃって十分質問できなくなってしまいつつあるのですけれども、今報告していただきましたように、これで見ますと、関東、東京がほかの支社に比べまして非常にこの未入居率が高いのですね。一体これはどういうことかということなんですけれども、これは結局、いわゆる高い、遠い、狭い、この三つのいわゆるデメリットといいますか、悪条件がこのような結果をもたらしているのじゃ方いかなと私、思うわけでございます。
 そこで、この高いとか遠いというのは、これは高いのはいろいろ計算上、本当は安くしてほしいのですけれども、ならないかもしれませんし、また遠いのも、土地の買収その他でもってままならないかもしれませんけれども、狭いという、間取りが狭過ぎるというこの点につきましては、ある程度解消できるのじゃないかなと私、思うわけでございます。現に二戸を一戸に改造するというような施策を行っているようでありますけれども、これをまず大々的にやることを考えているのかどうか、あるいはどういうようなことを考えておられるのか、その辺、御質問申し上げたいと思います。
#266
○吉沢政府委員 お答え申し上げます。
 公団は高い、遠い、狭いということでございます。確かにそういう御批判をいただいた時期もございます。ただ、最近はそういう意味ではかなりよくなってきておりまして、規模につきましても、例えば昭和五十年ごろ賃貸住宅で申しますと四十六平米前後でございましたのが、五十八年では平均しますと七十平米を超えるという状態になっております。また、遠いという御批判も非常にございました。これも賃貸住宅を例にとりますと、昭和五十年ぐらいは通勤時間で見てまいりますと大体七十分ぐらいというのが、最近では五十分を割るというぐらいになってきております。お値段の方は、昭和五十年ごろが賃貸住宅で平均四万円ぐらいでございましたのが、五十八年で六万四千円ということで、若干抑制はしておるつもりでございますけれども、いかんせん物価騰貴等で上がることはやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。
 そういう状態の中で、狭さというものを解決するというのが居住水準の向上の上で一番重要でございますが、御指摘のございました二戸を一戸にするという、二戸一改造と呼んでおりますが、こういう大型化を実施しておりまして、これまで、五十七年以降五十九年度までに約四百八十戸の二戸一大型改造をやったわけでございます。今後こういった二戸一改造も進めてまいりたいと思うわけでございますが、五十九年度から別に住戸改善事業と申しますか、増改築事業を一斉に実施するということにいたしております。ただ、入居者の御負担もございます、御要望もございますので、そういうところの調整が済んだところから実施してまいりたいと思っております。また、六十年度からは新たに、今まであります住宅の建てかえ、公営住宅などにおいてはっとに実施しておるわけでございますが、公団では今まで実績がございません。こういったものを今後やっていきたいということで調査に入りたいと考えております。
#267
○斉藤(節)委員 では最後に、建設大臣にお尋ねしておきますけれども、これで私の最後の質問でございます。
 今、内需拡大が何としても必要なときであると私は考えております。そういう意味で、建設省の施策の中で特に住宅政策は、波及効果の上から見て内需拡大の牽引力になる、そういうふうに私は考えているわけでございますので、どうかこの住宅政策をもっともっと増大させていただきたいと思うわけでありますけれども、大臣としてどのようなお考えを持っているのか、またどのような構想を持っておられるのか、その辺をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#268
○木部国務大臣 国民の居住水準の向上ということと内需の拡大というものは、我が国経済の当面の問題にとって御指摘のように大変大事な問題であり、私どもも安定的発展を図るためにも、住宅を建設する、投資を拡大するということが非常に急務である。また国民のニーズもかなり変わっておりまして、最近では賃貸住宅という方向に若い人たちのニーズが変化しておるようであります。そうした点等を踏まえまして、各般の、例えば金融、税制、そうした問題の措置なんかも、ことしの予算あたりでもかなりの御理解をいただいておりますけれども、住宅対策の充実にこれからも最善の努力を尽くさせていただきたい、このように考えております。
#269
○斉藤(節)委員 どうもありがとうございました。
#270
○安井委員長 次に、中川利三郎君。
#271
○中川(利)委員 最初に、金の先物取引で問題になっております豊田商事の商法についてお聞きするのでありますが、今月の十八日に豊田商事の系列会社の一つである鹿島商事、そこの社員三名が警視庁及び神奈川県警によりまして逮捕されました。
 そこで、警察庁にまずお伺いするのでありますが、鹿島商事の社員はどのような容疑で逮捕されたのか、このことを明らかにしていただきたいと思います。
#272
○上野説明員 お答え申し上げます。
 お尋ねの件につきまして、ただいま御指摘がありましたように、警視庁と神奈川県警察におきまして詐欺事件として検挙をしているわけでございますが、まず、警視庁において検挙しました事件の内容でございますが、四月十一日でございますが、警視庁に被害届が出されまして、所要の捜査を実施いたしまして、同日鹿島商事の社員一名、またさらに四月十五日に一名をそれぞれ詐欺事実で逮捕した上、これまでに両名を東京地方検察庁に送致いたしているところでございます。
 逮捕事実の概要でございますが、鹿島商事の社員二名でございますけれども、本年四月十日の午前に区役所の職員を装いまして新宿区内の被害者方に、年金のことについて説明するから職員を差し向けるなどと電話をした後、被害者方を訪れまして、六十一年度から銀行や郵便局の金利も下がるし年金も出なくなる、私のところの会社の知っている銀行に金を入れておくと利息もそのままだし、年金ももらえるなどと申し向けまして、その旨誤信しました被害者から、定期郵便貯金証書二十通、額面金額九百万円及び印鑑の交付を受けまして、これを騙取したというものでございます。
 また、神奈川県警察の方でございますが、これは四月三日に被害届が出されまして、その後所要の捜査を実施いたしまして、四月十五日に社員一名を逮捕しているわけでございますが、その逮捕事実の概要でございますけれども、同人は厚生年金受給についての指導をするとの口実のもとに、本年四月二日の夜に被害者方を訪れまして、厚生年金の受給方法が変わります、どのくらいもらえるか貯金を調べる必要がありますので見せてくださいなどと申し向けまして、その旨誤信した被害者から、普通預金通帳等六冊、額面合計二百九十四万円余でございますが、これと健康保険被保険者証を一通、印鑑及び現金一万円の交付を受けてこれを騙取した、こういう事実でございます。
#273
○中川(利)委員 今警察庁から御説明がありましたが、飯田橋の第一支店と横浜第二支店の社員が行った詐欺商法ですね、今の御答弁の中で共通しておることは、この支店のどっちの支店とも公務員を装っているということですね。いわば新宿区役所の職員であると言い、横浜の場合は横浜中区の区職員だということを詐称して働きかけていること、第二番目には、押しなべて相手方が非常なお年寄りであるということ、三番目に共通していることは、今お話がありましたように厚生年金の話をしながら、貯金があればだんだん減らされるぞ、そういうことで鹿島商事の個人銀行と社名を使っていることです。距離のいかんにかかわらず全く共通しているわけです。
 これらに共通した商法、手口を見ますと、社員が独断で詐欺行為を行った、こういうことを会社は言っているのでありますが、まさに会社ぐるみ的な行為ではないかと疑いを持たざるを得ないわけでありますが、この点、警察庁はどのようにお考えですか。
#274
○上野説明員 ただいま検挙に着手したばかりでございますので、御指摘のことにつきましてどのようなことになるかということにつきましては現在お答えいたしかねますけれども、御指摘のことを含めまして、警視庁及び神奈川県警察におきまして今後事案の真相解明に努めてまいるものと考えておるところでございます。
#275
○中川(利)委員 まさに会社ぐるみの詐欺行為だということは、いろいろな事例からも明らかであると思うのでありますから、その点で今後とも大きく追及していただきたいと思うのです。
 同時に、豊田商事やあるいはこの商事の系列の中のベルギーダイヤモンド社あるいは今回の鹿島商事等々の強引な勧誘については、今全国的にいろいろな問題が起きておりまして、私の選挙区の秋田県の中でも、生活センターに寄せられました相談は五十九年度三十五件ございまして、単一企業としては突出しておる。恐らく全国がそうなっておると思うのです。
 そこで、経済企画庁にお聞きするのでありますが、国民生活センターに寄せられた全国的な豊田商事の相談受け付け件数はどのようになっているのか、またどんな内容の相談事例があるかを明らかにしていただきたいと思います。
#276
○及川政府委員 豊田商事及びそれをめぐる紹介者のいわゆる悪徳商法と言われるものに関する苦情は、昭和五十七年度あたりから累増して苦情として寄せられております。国民生活センターに寄せられました苦情、相談は、センターが直接扱ったものだけで五十七年度二十八件、五十八年度六十七件、五十九年度八十二件と年々増加しております。全国のセンターの合計の数字は現在持ち合わせておりませんけれども、この数十倍になるものと考えております。
 そして、その苦情のほとんどが、金の地金を扱う契約をして代金を支払っても、業者が現物を預かる形で客には契約証券しか渡さない、いわゆる現物まがい商法と言われるものであります。内容的な特徴といたしましては、取引額が極めて高額であることに加えまして、高齢者が取引者であるという場合が多いわけでありまして、五十九年度の相談事例を分析しますと、六十歳以上が被害者である割合が四分の三程度になっております。解約しますときには解約金を三割いただくという契約になっており、解約にはなかなか応じなくて、さらには預金通帳を持っていかれるというような事例、苦情が多くなっております。
#277
○中川(利)委員 今お話しいただいただけでも大変な存在だ、大変社会に害悪を与えていることが明らかになったと思います。おたくの国民生活センターからいただいた資料によりましても、今お話がありましたように、契約当事者の相手方が例えば九十歳の無職、そこから巻き上げた金は何ぼとかいろいろ書いてある。そのほか七十六歳の無職の身体障害者、あるいは八十歳の男性という形になっておる。こういう老人いじめを許していいのかという問題があるわけであります。
 とりわけ、この豊田商事について申しますれば、強引な勧誘方法はもちろんですが、商法自体に大変な疑義があるわけです。つまり、今回の鹿島商事の場合はゴルフ会員権でありますが、この豊田商事の場合を見ますと、客に純金等の契約を結ばせまして、客には純金のかわりに純金ファミリー契約証券なる紙切れ一枚を渡すだけだということです。したがって、業者にとって純金のかわりに紙切れを交付するだけだから、これほどもうかる商売はないわけであります。しかも、金地金の返還時期が過ぎたにもかかわらず、金地金を返還しようとしないで、客に対して強引に更新を迫るという手口が目立っておるわけであります。
 そこで、通産省にお聞きしたいのであります。豊田商事は金、銀、プラチナなどを現在どのくらい保有しているのか、また豊田商事が契約している純金などの数量はどれくらいか、明らかにしていただきたいと思う。なぜならば、これは純金を買う証券ですよと言ってどんどん売りまくっているわけでありますから、当然それに見合う金、銀などの在庫がなければならないはずでありますが、この点の調査はどうなっていますか。
#278
○林説明員 現在、金、銀などの輸入は自由化されておりまして、個別企業の購入量等については、通産省といたしましては承知できる立場にございません。
#279
○中川(利)委員 個別企業については通産省は承知しておらない。しかし、通産省所管の業務だということは間違いないですね、金地金の取引は。これだけ社会的問題になっている以上、その実態を掌握するのは本来的なあなた方の職務にかかわるものだと私は思っているわけであります。
 ところで、ことしの二月八日、和歌山県で被害を受けた老人がございまして、その申請で豊田商事和歌山営業所に対して動産仮差し押さえが行われました。これがどれだけひどいやられ方をしたかということは後で申し上げますけれども、これは被害者が損害賠償の訴えを起こしてもし勝っても、それ以前に豊田商事が倒産してしまう可能性があるということで、債券保全のために行った仮差し押さえであったわけであります。
 若干の経過を申しますと、被害額は九百八十五万円。ことし一月二十一日夜、豊田商事の社員が老人宅を訪ね、政府も出資している会社だから損はさせないなどと言って純金購入契約を結ばせ、老人が翌二十二日に郵便貯金を解約したお金など百三十万円を渡すと、これでは足りない、もっとあるはずだと迫り、二十三日には老人の通帳、証書、印鑑を取り上げ、老人を車に乗せて銀行や郵便局を連れ回り、老人の預貯金全部を引き出しました。そこで、この老人が訴えて差し押さえしたわけであります。これは和歌山営業所です。
 ところが、驚いたことには、そこの営業所社員が毎日売っているはずの純金のインゴットは一つもなかったということです。その点について申請代理人の和歌仙合同法律事務所田中征史弁護士によると、高さ二メートルほどの金庫には、「純金御箱」というふうにうやうやしいようないかめしいことを書いた木箱と、純金ファミリーなる証券があるだけで、社員が毎日売っているはずの純金インゴットは一つもなかったというのです。これらのケースにあらわれたように、これは大変なことでありますが、これについて営業所の責任者は、和歌山の営業所には金なんか一切置いてないんだ、理由は本社に聞いてくれと言って居直っておるわけです。
 そこで、通産省に再びお聞きするのでありますが、金地金取引で証券のみを発行する商法についてどのようにお考えでしょうか。
#280
○林説明員 金の現物まがい商法に関しまして、通産省といたしましてはこう考えておるわけでございます。一般に消費者が金の地金を購入するときは模造品の排除とか売買に伴うトラブル防止の観点から、信用ある金の地金商の店頭で現物と現金の交換による購入が最も望ましいと考えておるわけでございます。このような観点から、当省といたしましては、健全な金の地金の流通機構といたしまして、中核的な機関といたしまして昭和五十四年十二月に日本金地金流通協会を設立し、同協会に登録店制度を設けまして、今申しました金の店頭の取引のための店舗網を拡充いたしておるところでございます。
 協会の登録店は、一般の消費者が安心して金が売買できるように、店舗の選択といたしましては組合員等の保証のもとに進められているものでございまして、今後とも本制度の拡充を図るとともに、金について御指摘のような悪質な取引があることを一般の消費者に十分認識してもらうために、ポスター、テレビ、新聞等でPRに努めておりますが、今後ともそれらのPRに一層努めたいと存じておるわけでございます。
#281
○中川(利)委員 協会をつくってどうだというお話でありますが、こういう連中は次から次に、手をかえ品をかえ、協会に入らないでいろいろなことをやっておるわけであります。それだけに一刻も猶予することができないような大変な課題だと私は思うわけでありますが、この問題の最後に経済企画庁長官にお聞きするわけでありますが、この問題を調査している中で、いろいろな省庁呼んで、来ていただいてレクチャーを受けたわけであります。警察庁にお願いしておいでいただきましたら、やはりこれは警察の権限ではどうにもできないんだ、ある部分はできるけれども、やはり根本的にはもっと経企庁なり通産なりがちゃんとしてもらわなければ困る。当然のことだと思うのですよ。ところがまた、豊田商事の系列会社二十六社ある中で、今回社員が逮捕された鹿島商事は通産省のサービス産業官が担当だというのですね。また、豊田商事についてはどこだと思えば、資源エネルギー庁の鉱業課が担当だ。みんなばらばらなんですよね。ですから、これだけ緊急を要する課題でありながら、何というか、これだけ続出していながら、ばらばらになっているから何も対応が全然進んでいかないということがあるんですね。
 したがって、私は当然のことながら、経企庁としてやはり最高責任をお持ちになっていらっしゃるわけですから、消費者保護の立場からこれらの商法を事前につかむ、直ちに対策を講じていくことが強く望まれているわけでありますので、そういう意味で一元的に抜本的な対策を講ずる必要があると思うのでありますが、これは長官から一言お聞きしたいと思います。
#282
○金子国務大臣 今御指摘の、年寄りで小金を持っている方あるいは退職者の退職金をねらってのマルチ商法が全国まかり通っている実情、実際私ども放置するわけにはまいりません。昨年十一月に消費者保護会議におきまして特にこの問題は強く取り上げることにいたしまして、関係各省と緊密な連絡をとり、また生活センターを通じて都道府県との連携もとりながら、最悪の場合には法の厳正な措置をとるような手配をいたしておる次第でございます。通産省も、いろいろ御指摘ございましたけれども、あそこの苦情処理所では一々会社名も公表しているような努力をしておりますので、それなりの効果が上がっていると思うのでございますが、御指摘にございましたように、各部局ばらばらということでは効果が上がりません。この点は私どももひとつ最善の努力を尽くして、消費者保護のために努力をしてまいりたいと考えておることを申し上げておきたいと思います。
#283
○中川(利)委員 それでは、問題を次に移らしていただきまして、例の中曽根総理の民活に絡む国有地の民間への払い下げ問題についてお聞きしたいのであります。
 中曽根首相による民間活力活用方針によりまして、国民の貴重な国有財産が民間に払い下げられようとしているわけでありますが、とりわけ国有地の処分は会計法上からも競争入札が原則となっているにもかかわらず、随意契約で払い下げようとしていることは、我が決算委員会におきましてもやはり重要な関心を持たざるを得ないところだと思うのです。
 既にこの件については、総理のもとにつくられた国有地等有効活用推進本部、本部長は中曽根総理ですね。その企画小委員会、山崎内閣官房副長官が委員長になっておりますが、そこで種々論議がなされておると聞くのでありますが、お聞きしたいことは、去る四月九日に開かれましたこの企画小委員会で、住宅・都市整備公団を仲介にして民間に国有地を払い下げるという公団仲介方式が検討されたと私、新聞で見受けたのでありますが、その際建設省がそれなりの試案を出した、こういうこともお聞きしているわけであります。
 ところで、その内容は、この春の予算委員会以来この国会でもこの問題が大変問題になりまして、とりわけ問題の中心になったのは公正さが疑われるということですね。その点を取り繕うために、今度建設省が出したそれによりますと、民間有識者などの意見を聞くなどの項目を挿入したという内容になっているという話だが、その事実ございますか。
#284
○松原(青)政府委員 お尋ねの国有地の活用につきまして、私どもは、都市内の国有地は周辺地域を含めました都市の再開発、住宅の供給を進める上で貴重な空間資源だと考えておるわけでございます。大規模なものについて開発を行います場合には、当然のことでありますが、関係地方公共団体とも十分調整をとって利用を進めるという必要があろうと思っております。
 国有地を活用する仕方にはいろいろあるわけでございまして、大規模なもので例をとりますと、大阪の梅田の国鉄の用地の跡地は、現在土地区画整理組合をつくって開発をすべく準備が進んでいるわけでございます。そういうふうにいろいろなやり方があるわけでございますが、その一つの方策としまして住宅・都市整備公団を活用する方式を私どもが検討いたしておるわけでございます。
 住宅公団の持っております従来からの町づくりの技術、ノーハウあるいは公共団体との信頼関係、そういうものを活用しまして良好な町づくりを円滑に進めるという観点から住都公団を活用しまして、住都公団がその地域の基盤整備をまず行う。それには公共団体とも十分調整をとりまして、一つの開発整備構想のようなものをつくって行う方式を検討しておるわけでございます。(中川(利)委員「簡単に簡単に。わかっている」と呼ぶ)
 お尋ねの四月九日に企画小委員会が開催されて、私どもの現在での考え方を御説明したわけでございます。この活用に当たりましては、公正さの確保ということも御指摘のように重要な問題でございますので、その公正さを確保する方策につきまして種々検討を進めている段階でございます。
#285
○中川(利)委員 公正さを確保するという理由で皆さんの原案が手直しされて、民間有識者だとかいうものが今度一緒になって推進する、こういう格好を取り繕ったように私は思っているわけでありますが、その公正さを確保する手だてとして皆さんがせんだっての企画小委員会に出したわけですね。ところが、新聞によりますと、それはもう全然まとまらなかったと書いてあるんですね。これは日本経済新聞の四月十日号ですが、「異論が続出し、同日の会合では結論の取りまとめを見送った。」と書いてある。公正さを確保する、一番よくなったはずなのに、もう政府の内部のその企画小委員会の中でも議論続出して、何ともならなくて見送ったという。
 そこで、私はお聞きしたいのは、具体的にどういう意見や異論が出てまとまらなかったのか、そこらのところをお聞きしたいと思うのですね。簡単に言ってくださいよ。
#286
○松原(青)政府委員 お答え申し上げます。
 議論続出したわけではございませんが、いろいろ細部につきましての調整がまだ済んでいないわけでございます。どういう点かということでございますが、どういう土地を公団活用の対象にするか、その規模とかどういう立地条件にあるものをするか等につきまして、まだ意見がまとまっていない段階でございます。
#287
○中川(利)委員 どういうものをどうかけるかという意見がまだまとまっていないとあなたはおっしゃるね。ところが、同じ新聞を見ますと、まとまらなかったために、二十六日開かれると言われる臨時行政改革推進審議会の国有地有効活用問題分科会に語る、こう書いてあるのです。今度は二十六日、もうすぐでありますが、建設省としては、まとまらなかったのにどういう内容のものを語るのですか。
#288
○松原(青)政府委員 お答え申し上げます。
 いろいろ議論百出したわけではございませんが、この四月九日の企画小委員会で決定するという運びには従来からなっていなかったわけでございます。臨時行革審議会の中で国有財産分科会ができまして、国有財産の処分、管理のあり方についていろいろ御議論がなされる、そういう中で国有地の活用方法の一つの方式として私どもが住都公団の活用という方式を提案いたしているわけでございまして、政府としてもどういう方式でやるかということを最終的に決定するには、せっかくその国有財産分科会で御審議をいただくわけでございますから、国有財産分科会の御意見も伺ってから最終的に決めよう、こういう運びになっておるわけでございます。
#289
○中川(利)委員 だから、どういう内容をおたくは語るのかということを聞いているのですよ。しかし、時間がございませんから次に移らせてもらいますけれども、何かわからないんですね。おかしいなという感じは、私だけでなくて、すべての人々が持つことだと思うのです。
 それではお聞きしますが、私ここに建設省が六十年三月六日に出した「国有地等における民間活用の一方式としての住宅・都市整備公団の活用について」という文書を持っておるわけであります。この文書を拝見いたしますと、この二月段階、つまりこの国会で六本木の林野庁の跡地その他、その払い下げ方式についていろいろ問題になったことがありますが、それを見ながらおたくの方で手直しをしたということが歴然とここに書いてあるわけです。
 それを見ますと、例えばここに「利用構想の策定」という項目がございますが、「民間有識者、学識経験者等の意見をきいて、」という部分は新しく挿入して、見直したと書いてあるのです。それから「土地の譲受人の選定」、ここでどういう項目が新しく挿入になったか、手直しされたかというと、「その場合、民間有識者、学識経験者等の意見をきいて公正な審査を実施する。」ということを言っているのです。
 この「民間有識者」というのは、私はデベロッパーのことだと思うのです。そうなりますと、幾ら公明あるいは公正にやると言っても、これでは民間のデベロッパーの言いなりになると思うのです。だから、この文書では、公団にこういうふうに民間有識者云々と書いてありますが、私が聞きたいことは、デベロッパーはこのメンバーに入らないのですか、入るのですか。民間有識者というのはデベロッパーは入らないのならば、何ぼか私は納得できるのですけれども、そこをはっきりさせていただきたいと思うのです。
#290
○松原(青)政府委員 先生のお持ちの資料がどういうものか、私、存じませんが、私ども、ことしの初めごろから次々と幾つかの案をつくらせていろいろ検討いたしております。あるいはその中の一つかもわかりませんが、民間有識者というのはだれかということをおっしゃいましたが、私どもは本当の、純粋の意味の民間の方を考えております。その資料の後の方に、民間有識者及び学識経験者というふうに書いてございましょうか、もしそうならば、あるいは私の方の作成した資料かもわかりませんが、私どもが考えましたのは、基本的には民間活力を活用しようということでございます。
 したがいまして、公団が基盤整備をいたしまして、基盤整備された宅地につきまして公共団体と打ち合わせしました利用構想に基づいて実現をしていくわけでございます。その際、その利用構想を策定するに当たりまして公共団体と十分協議するわけでありますが、その利用構想のあり方について民間の有識者の御意見をいろいろ聞いてみようということが一つございます。それから、譲り受け人を選定する場合の公正な審査機構というものを、また別途に考えておるわけでございます。
#291
○中川(利)委員 わざわざこの資料には、あなたはどういう資料がわからないけれどもと言いながらお認めになりましたが、「住宅・都市整備公団活用のメリット」というところの五番目の項目を見ますと、「(一般競争入札によらず譲渡するので)」と括弧しているのですね。「譲渡に際し必要な条件が付されるため、周辺地価に悪影響を与えるおそれがない。」と言いながら、そういうことがちゃんと、お芝居の楽屋裏が見え見えなんですね。
 それで、先ほどもお聞きしたわけでありますが、民間有識者とは何ぞやということで、デベロッパーが入るか入らないか、純粋な何とかと言いますが、デベロッパーが入るか入らないかだけ聞いたのですから、それにお答えしてください。
#292
○松原(青)政府委員 私は住都公団の責任者でございませんので、その仕組みを検討するのが私の役目でございます。いかにいいプランをつくるための意見を聞く民間有識者、学識経験者をどのように選ぶか、あるいはさらに、できたものを公正に譲渡する譲渡のやり方につきましては、いろんなやり方があると思います。随契も一つのやり方だというふうに思っておりますが、その仕組みをつくるのが私の仕事でございまして、そこから先どのような人選をするかということは、社会の方が納得される人選をしていただくように住都公団総裁にお願いする以外にないわけでございまして、どういう方が入るとか入らないとかということを、私が現在考えておるわけではございません。
#293
○中川(利)委員 私が予想したとおりの答弁をいただきまして、ありがとうございました。全くそれにお答えにならないということは、住都公団の責任の範囲内だ、もちろんそうでありますが、皆さんは指導機関でもありますし、当然責任はおありなのに、一番大事なこの問題については言を濁していらっしゃるということですね。つまり、何だかんだ言いましても、住都公団をトンネルにして、結局は特定業者、この場合は森ビルでしょう、六本木の地域開発をする。私はあそこの前を毎日通っていますけれども、初めに随契ありきだな。後はそこに何と肉づけして、公正さを装うためにお色直しをするかというだけの状況そのものではありませんか。
 私は、このようなやり方は民間デベロッパーの方で綿密に準備されたもので、今それを政府がその図面に従ってやらされようとしておる、こういう局面だということを断言したいと思うのです。その証拠として、皆さんとっくに御承知の森ビル株式会社が全額寄附した森記念財団というものが出した「地区計画の再開発的活用」という報告書、これは建設省も入ってつくったものだ、東京都も入ったものだ、それに森ビルの三者合作の報告書なんですね。しかもこれは、研究委員会のメンバー七人ですが、そのうちの三人は建設省の現職の課長がいらっしゃるわけですね。
 この報告書の末尾に特に議事録というものが載っておるのですね。この財団内につくられた地区計画等研究委員会の議事録、つまり建設省のお役人さんも入ってつくったその議事録にとんでもないおもしろいことが書いてあるのですね。ABCDという名前で、だれそれということはやはり遠慮して書いていませんが、「地区計画と仕組み」という項目があります。「住民主導型といっても、港区のようにダイナミックな発展の可能性のあるところは、住民と公共団体だけではなく、それにデベロッパーも加わった第四セクター的なものが必要ではないでしょうか。」今のはAさんですね。今度はDさん、「住民だけに限る必要はないですね。ただ政治的な配慮をすれば、あくまで看板としては公共体と住民ということにして、企業は実態的に入ってゆくようにしておかないと政治的に厄介な問題になる可能性がでできますね。」
 これは一体何ですか。つまり、あそこの六本木の林野庁の国有地払い下げについての筋書きがちゃんと書いてある。皆さんのいろいろな資料を見ましても、この筋書きに沿って今やられようとしているのではありませんか。違いますか。
#294
○吉沢政府委員 お答え申し上げます。
 今のその森記念財団が行っている地区計画委員会でございますか、そこに現職の建設省の職員が参加しているということは事実でございます。ただ、御存じのように、地区計画とか再開発とかいうような種類の問題は非常に公益性の強い問題でございまして、官民協力していろいろやることが多いわけで、その研究におきましても、そういう意味で建設省の職員が研究に参加するということは、その職務の性格から見ても決して妥当でないということはないというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、お尋ねの今の議事録の内容につきまして、どういう意味合いでどういうことが語られたのかは、私ども承知しておりませんので、具体的にお答えすることは差し控えたいと思います。
#295
○中川(利)委員 あなたは、研究だから国の役人も挟まっていいと言うけれども、その筋書きに従って実際今やられようとしているわけですね。確かに森記念財団というのは、森ビルの社長の全額寄附によるところの研究機関といいますか、そういう団体だということは知っておりますが、ちょうどこれは、公立の中学枝の先生が塾の経営者と同じ人間であったと同じことでしょう。この場合、生徒は猫にかつおぶしみたいな格好になりますね。ちょうど中学校の先生が教材屋さんを兼務しておった、やはり生徒は全部猫にかつおぶしになる、そういう関係の中であなた方が参加しているというところに問題があるのですよ。
 しかも、新聞を拝見いたしますと、もうすっかり森ビルにやることが決まったと書いてあるのですよ。これは八五年四月五日の朝日新聞でありますが、こう書いてあるのです。「再開発される林野庁宿舎跡地など約二万平方メートルについては、中曽根首相の民間活力導入の指示で、いったん住宅・都市整備公団に渡し、競争入札によらず、随意契約で特定業者へ払い下げられる方法に組み入れられ、その業者が森ビルになることが事実上決まっていることが明らかになった。」これはうそを書いているのですか。
#296
○松原(青)政府委員 国有地等有効活用推進本部の企画小委員会におきまして、六本木の林野庁宿舎跡の土地につきましては、地元の港区におきまして定住型の住宅地として開発したいという意向があるということは話がございましたが、それを現在の段階で住宅公団が行うということを決定しているわけではございません。したがいまして、そこから先の、住宅公団がどこそこに譲渡するとか、そういうことが決まっているわけではございません。
 なお、先生御指摘の、その研究報告書のレポートが対象にいたしておりましてモデル地区として取り上げましたG地区は、この六本木の宿舎跡地ではございません。そのG地区におきまして既成市街地型の地区計画――地区計画制度は、御承知かと思いますが、昭和五十五年にできまして、現在までの実施例はほとんど大部分が新市街地での保全型のものでございます。既成市街地型の地区計画のあり方を検討しようということで、五つのモデルプランというようなものを設定しまして、いろいろメリット・デメリットを検討したレポートであるというふうに理解いたしておりますし、そのレポートと問題の六本木の土地とは直接関係ないのではないかと思っております。
#297
○中川(利)委員 あなた、子供だましもいいかげんにしてください。確かにこれはG地区で、今の六本木の林野庁の宿舎の南側ですね、この検討の素材になったのは。これは地域がどうだというのではなくて、大体森ビルの社長は、今の林野庁宿舎跡地の延長線上のものだとはっきり公言しているでしょう、G地区についても。しかもこれは、先ほどみたようなやり方をするということは、彼らのこういう土地再開発の一つの哲学、考え方の基本を示したものなわけですね。ですから、これが地区が違うからどうだなんというのは、そんなことは全然関係のないことだということですね。
 同時に、私が申し上げたいのは、まだ決まっていないとおっしゃっていながら、片っ方ではもう決まってしまっているのだから。現に、これもある新聞でありますけれども、民間の大手不動産業者らが公団に再開発参加の意向を伝えたところ、公団側から、手を挙げて参加申し込みをしても見込みはないんだ、もうちゃんと決まっているから見送った方がいいとちゃんと言われているのですよ。これほど見え透いた楽屋裏を持ちながら、なおかつ民間活力だとかいうことになりますと、結局、あらゆる奇手、奇策を用いて国民を欺いて、そうして一握りの特定企業に建設省も一緒に癒着しながら手をかすということにならざるを得ないと思うのですね。
 先ほどあなたは、港区につきましてどうだということをお話がありましたが、肝心の地元の港区役所が何と言っているのですか。「港区、議会とも強硬 六本木の林野庁跡 地区計画の放棄も」といって、これは四月三日の新聞でございますが、「港区議会は二日までに、政府と住宅・都市整備公団に対し、民間活力の導入が予定されている同区六本木一丁目の林野庁職員宿舎跡地を公団住宅の建設に充てるよう要望書を提出した。」というのですね。「この跡地は事実上、公団をパイプに森ビル株式会社」、本社どこそこ、「への払い下げが決まったことが明らかになったが、港区当局は「場合によっては、敷地を含む一帯の地区計画を放棄する」と強く反発している。」というのです。
 この問題の最後に、私は建設大臣にお聞きするのでありますが、こういう会計法を無視したような、しかもこれは大蔵省が大反対でしょう。特に今一銭でも金が欲しいときに、特定業者に随意契約で公団をトンネルにして介在させ、安くやろうというのですからね。このようなやり方ですね。しかも、デベロッパーの言いなりの公団仲介方式はやはり撤回すべきであって、港区の要望どおり、国有地というのは公共、公用優先で利用すべきだと思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
#298
○木部国務大臣 国有地等は国民の貴重な財産でございます。したがって、これを有効活用して良好な町づくりをするということでございまして、先ほど来審議官からもたびたび御答弁申し上げましたように、一つの方式といいますか案といいますか、住宅・都市整備公団が基盤整備を行って、そして公正な方法で選定するというようなことを一つの方式として検討してみたらどうだろうか。もちろん、これは関係省庁で寄って十分論議をされ、また調整もされ、検討されて進められるべきものであって一あくまでも私どもは一つの方式として検討いたしておる、こういう段階でございます。
#299
○中川(利)委員 では最後に、東京都内の目黒区の立会川流域の地盤沈下について、時間もございませんので一言で申し上げますが、これは環境庁にお聞きしたいのであります。
 目黒区原町周辺立会川流域で、昨年十一月から大規模な地盤沈下が起こって、三百七十世帯もの家に何らかの被害が出ているわけでありまして、ここにも百件以上のアンケートを私はきょう持参しておりますが、住民は、ここの原町一丁目で清水建設が行ったビル建設の際の大量の地下水くみ上げが原因ではないかと口をそろえて言っておりまして、区役所も、清水建設の取水記録を取り寄せて検討している、こういう状況がございます。
 また、ビル用水規制では、最大でも一日百トン以下どくみ上げ規制をしているのと比べましても、一時期にせよ、ここでは清水建設は一カ月間以上も大量にくみ上げ、最高は一日六百トンということが言われているわけでありまして、しかもこの辺一帯は軟弱地盤地帯で、静かな住宅地を襲う新しい局地的な公害が起こっているわけであります。
 建築基準法施行令によりますと、根切り工事などの際、急激な排水を避けるということになっておりまして、建築確認申請では、地下水の状況に応じた施工図が提出されなければならないことになっているように思いますが、こういう問題について、新しい公害がないようにきちんと対応しなければならない、こう考えるのであります。
 その辺について環境庁は原因をどう考えているか、あるいは、それだけ大量に水を使うのに何の規制もないのか、今の地下水の状況に応じた施工図の必要性とか、新たな公害が発生しないように何らかの特別の規制を考えているのかどうか、以上一括して御質問して御答弁をいただき、私の質問を終わらせていただきます。
#300
○杉戸説明員 お答え申し上げます。
 目黒区のビル建設に伴う地下水の問題につきましては、現在、区の方で、目黒区原町二丁目付近地盤沈下調査委員会を設置いたしまして、本格的な原因の解明に取り組んでおるところでございます。それ以前に原町二丁目付近地盤沈下対策本部というのが設けられまして、そこにおきまして、先生ただいま御指摘のような建設工事に伴う大量の地下水のくみ上げとか、軟弱地盤とか、降雨量が平年の半分であったとか、いろいろな原因を挙げておるのでございますが、本格的にはそのような委員会で現在検討を進めておりまして、五月の中ごろにはその報告がまとまる予定でございます。環境庁としましては、その報告を待って必要な措置を講じてまいりたいと思っておるところでございます。
 一般的に申しまして、局地的な一時的なそういう問題とか、あるいは融雪に伴う用水のくみ上げとか、いろいろ新しい先生御指摘のようなそういう地盤沈下問題もあるのでございます。環境庁としましては、これまで相当範囲にわたって既に地盤沈下が生じておるあるいは生じるおそれがある地域についての対策を中心に検討を進めてまいったのでございますが、そういう新しい問題につきましても、現在、地盤沈下予測手法の調査研究とか、あるいはこの六十年度の予算におきましては、地盤沈下防止のための地下水位等の目標値を設定する手法についての調査研究とか、新しい観点からの検討にも取り組んでおるところでございまして、今後こういった問題も含めまして、地盤沈下の未然予防のための対策のあり方についていろいろ検討してまいりたいと考えております。
#301
○中川(利)委員 終わります。
#302
○安井委員長 この際、木部建設大臣から、先ほどの井上委員に対する答弁に関し、発言を求められておりますので、これを許します。木部建設大臣。
#303
○木部国務大臣 先ほどの井上委員の御質問に関する私の答弁で十分意を尽くさなかった点もありますので、まことに恐縮でございますが、この際、補足して答弁させていただきます。
 高速道路等の供用管理に当たって、心のこもったきめ細かいサービスをなすべきであるとの御意見、特に具体的事例に関しての御高見につきましては、私も全く考えを同じくするものであり、所管大臣として敬意を持って拝聴させていただいたのであります。
 つきましては、御指摘の第一点の料金徴収所での対応が機械化され過ぎていることについて、御指摘のように基本的には料金収受員が直接対応することが望ましいことであり、今後従業員の教育に努めながら、名実ともに心のこもった対応をするようにしてまいりたいと思います。
 第二点の授乳室を設けることにつきましては、休養室未設置等のサービスエリアにおける休養室の設置を急ぐとともに、授乳者や老人などの方々がより気楽に利用できるよう、具体的にサービスの改善を図りたいと思います。
 第三点の身体障害者に配慮した道路整備の問題については、先般、身体障害者を含めた学識経験者から成る道しるべ懇談会から各種の提言がなされたところであります。建設省といたしましては、これらの提言を踏まえ、広い幅員を持った歩道の整備、歩道の段差切り下げ等の歩道構造の改善、コミュニティ道路の整備、電柱の地中化、高速道路のサービスエリアの充実など、身体障害者が安心して利用できるよう、道づくりを今後とも推進してまいりたいと思います。
#304
○安井委員長 次回は、来る二十六日金曜日午前十時理事会、午前十時十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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