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1984/03/07 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 予算委員会第一分科会 第1号
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1984/03/07 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 予算委員会第一分科会 第1号

#1
第102回国会 予算委員会第一分科会 第1号
本分科会は昭和六十年二月二十六日(火曜日)委
員会において、設置することに決した。
二月二十六日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      天野 光晴君    伊藤宗一郎君
      上村千一郎君    太田 誠一君
      稲葉 誠一君    上田  哲君
      二見 伸明君    大内 啓伍君
二月二十六日
 伊藤宗一郎君が委員長の指名で、主査に選任さ
 れた。
―――――――――――――――――――――
昭和六十年三月七日(木曜日)
    午前九時開議
出席分科員
  主 査 伊藤宗一郎君
      天野 光晴君    上村千一郎君
      太田 誠一君    稲葉 誠一君
      上田  哲君    小澤 克介君
      沢田  広君    新村 源雄君
      武部  文君    元信  堯君
      山本 政弘君    吉原 米治君
      渡部 行雄君    二見 伸明君
      伊藤 昌弘君    大内 啓伍君
   兼務 井上 普方君 兼務 大出  俊君
   兼務 新村 勝雄君 兼務 関  晴正君
   兼務 山花 貞夫君 兼務 吉井 光照君
   兼務 瀬崎 博義君 兼務 瀬長亀次郎君
   兼務 中林 佳子君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 藤波 孝生君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 加藤 紘一君
 出席政府委員
        内閣参事官
        兼内閣総理大臣
        官房会計課長  中嶋 計廣君
        内閣法制局総務
        主幹      大森 政輔君
        内閣法制局第一
        部長      前田 正道君
        人事院総裁   内海  倫君
        人事院事務総局
        管理局長    網谷 重男君
        人事院事務総局
        職員局長    叶野 七郎君
        内閣総理大臣官
        房審議官    田中 宏樹君
        内閣総理大臣官
        房参事官    松本 康子君
        警察庁長官官房
        会計課長    立花 昌雄君
        宮内庁次長   山本  悟君
        皇室経済主管  勝山  亮君
        総務庁長官官房
        会計課長    鈴木 昭雄君
        北海道開発庁予
        算課長     平岡 哲也君
        防衛庁参事官  古川  清君
        防衛庁参事官  古川 武温君
        防衛庁参事官  池田 久克君
        防衛庁参事官  筒井 良三君
        防衛庁長官官房
        長       西廣 整輝君
        防衛庁防衛局長 矢崎 新二君
        防衛庁教育訓練
        局長      大高 時男君
        防衛庁人事局長 友藤 一隆君
        防衛庁経理局長 宍倉 宗夫君
        防衛庁装備局長 山田 勝久君
        防衛施設庁長官 佐々 淳行君
        防衛施設庁総務
        部長      梅岡  弘君
        防衛施設庁施設
        部長      宇都 信義君
        防衛施設庁建設
        部長      大原 舜世君
        防衛施設庁労務
        部長      大内 雄二君
        科学技術庁長官
        官房会計課長  窪田  富君
        沖縄開発庁総務
        局会計課長   大岩  武君
        外務大臣官房審
        議官      都甲 岳洋君
        外務大臣官房領
        事移住部長   谷田 正躬君
        外務省アジア局
        長       後藤 利雄君
        外務省北米局長 栗山 尚一君
        外務省国際連合
        局長      山田 中正君
 分科員外の出席者
        衆議院事務総長 弥富啓之助君
        参議院事務総長 指宿 清秀君
        裁判官弾劾裁判
        所事務局長   金村 博晴君
        裁判官訴追委員
        会事務局長   青山  達君
        国立国会図書館
        長       荒尾 正浩君
        人事院事務総局
        職員局職員課長 北村  勇君
        内閣総理大臣官
        房参事官    根本 貞夫君
        公正取引委員会
        事務局庶務課長 矢部丈太郎君
        警察庁交通局交
        通企画課長   安藤 忠夫君
        総務庁人事局参
        事官      上吉原一天君
        大蔵省主計局主
        計官      吉本 修二君
        大蔵省主計局主
        計官      西村 吉正君
        農林水産省構造
        改善局建設部設
        計課長     内藤 克美君
        農林水産省構造
        改善局建設部施
        工企画調整室長 中村 和也君
        農林水産省構造
        改善局建設部開
        発課長     吉川  汎君
        通商産業省立地
        公害局保安課長 辛嶋 修郎君
        運輸省航空局飛
        行場部計画課長 坂井 順行君
        労働省労働基準
        局賃金福祉部企 松原 東樹君
        画課長
        労働省婦人局婦
        人政策課長   松原 亘子君
        会計検査院事務
        総長      中村  清君
        会計検査院事務
        総局第三局長  小川 一哉君
        会計検査院事務
        総局第四局長  磯田  晋君
        最高裁判所事務
        総長      勝見 嘉美君
        最高裁判所事務
        総局総務局長  山口  繁君
        最高裁判所事務
        総局経理局長  川嵜 義徳君
        最高裁判所事務
        総局民事局長  上谷  清君
        予算委員会調査
        室長      大内  宏君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  太田 誠一君     砂田 重民君
  大内 啓伍君     伊藤 昌弘君
同日
 辞任         補欠選任
  砂田 重民君     太田 誠一君
  伊藤 昌弘君     大内 啓伍君
同月七日
 辞任         補欠選任
  稲葉 誠一君     山本 政弘君
  上田  哲君     安田 修三君
  二見 伸明君     木内 良明君
  大内 啓伍君     小沢 貞孝君
同日
 辞任         補欠選任
  安田 修三君     小川 国彦君
  山本 政弘君     元信  堯君
  木内 良明君     福岡 康夫君
  小沢 貞孝君     伊藤 昌弘君
同日
 辞任         補欠選任
  小川 国彦君     上田  哲君
  元信  堯君     沢田  広君
  福岡 康夫君     沼川 洋一君
  伊藤 昌弘君     伊藤 英成君
同日
 辞任         補欠選任
  上田  哲君     渡部 行雄君
  沢田  広君     新村 源雄君
  沼川 洋一君     二見 伸明君
  伊藤 英成君     青山  丘君
同日
 辞任         補欠選任
  新村 源雄君     上原 康助君
  渡部 行雄君     武部  文君
  青山  丘君     横手 文雄君
同日
 辞任         補欠選任
  上原 康助君     稲葉 誠一君
  武部  文君     吉原 米治君
  横手 文雄君     青山  丘君
同日
 辞任         補欠選任
  吉原 米治君     小澤 克介君
  青山  丘君     大内 啓伍君
同日
 辞任         補欠選任
  小澤 克介君     上田  哲君
同日
 第二分科員新村勝雄君、吉井光照君、瀬崎博義
 君、瀬長亀次郎君、第三分科員大出俊君、第四
 分科員井上普方君、山花貞夫君、第六分科員中
 林桂子君及び第八分科員関晴正君が本分科兼務
 となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和六十年度一般会計予算
 昭和六十年度特別会計予算
 昭和六十年度政府関係機関予算
 〔皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及
 び総理府所管(防衛庁)〕
     ――――◇―――――
#2
○伊藤主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしく御協力のほどお願い申し上げます。
 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び総理府並びに他の分科会の所管以外の事項、なお、総理府につきましては経済企画庁、環境庁及び国土庁を除く所管についての審査を行うことになっております。
 昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算及び昭和六十年度政府関係機関予算中国会所管について審査を進めます。
 まず、衆議院関係予算の説明を聴取いたします。弥富衆議院事務総長。
#3
○弥富事務総長 昭和六十年度衆議院関係歳出予算について御説明を申し上げます。
 昭和六十年度国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は四百十二億八千九百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、十五億八千万円余の増加となっております。
 次に、その概略を御説明申し上げますと、第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、四百三億六千四百万円余を計上いたしております。
 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し十六億六千三百万円余の増加となっておりますが、増加したものの主なものは、議員歳費並びに議員秘書及び職員の人件費等の増加によるものであります。
 なお、議員会館議員室電話の取りかえ経費、議員会館施設検討経費及び議員秘書の待遇に関する検討に要する経費を計上いたしております。
 第二は、本院の施設整備に必要な経費といたしまして九億一千七百万円余を計上いたしております。このうち主なものは、第二議員会館避難設備改修費等でございます。
 また、国会周辺等整備に必要な土地購入費は、引き続き一億円計上することといたしております。
 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円計上いたしております。
 以上簡単でありますが、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#4
○伊藤主査 次に、参議院関係予算の説明を聴取いたします。指宿参議院事務総長。
#5
○指宿参議院事務総長 昭和六十年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 昭和六十年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は二百四十五億九千万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、八億七千五百万円余の増加となっております。
 次に、その概略を御説明申し上げます。
 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、二百三十三億七百万円余を計上いたしております。
 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し九億二千六百万円余の増加となっておりますが、増加したものの主なものは、議員歳費並びに議員秘書及び職員の人件費等の増加によるものであります。
 第二は、本院の施設整備に必要な経費といたしまして十二億七千八百万円余を計上いたしております。その内訳は、本年十一月完成予定の麹町議員宿舎第二期改築工事費九億七千二百万円余及び本館その他庁舎等の施設整備費二億九千八百万円余であります。
 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。
 以上簡単でありますが、参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
#6
○伊藤主査 次に、国立国会図書館関係予算の説明を聴取いたします。荒尾国立国会図書館長。
#7
○荒尾国立国会図書館長 昭和六十年度国立国会図書館歳出予算について御説明申し上げます。
 昭和六十年度国会所管国立国会図書館関係の歳出予算要求額は百四十七億三千四百万円余でありまして、これを前年度予算額百三十八億六千六百万円余と比較いたしますと、八億六千七百万円余の増額となっております。
 要求額の主なものについて、その概略を御説明申し上げます。
 第一は、管理運営に必要な経費であります。その総額は八十一億四百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三億二千八百万円余の増額となっております。
 増額の主なものは、職員の給与に関する経費であります。
 第二は、科学技術関係資料購入に必要な経費でありまして、要求額は五億千七百万円余であります。
 第三は、施設整備に必要な経費でありまして、別館の新営、本館の改修及びその他庁舎の整備に必要な経費六十一億千三百万円余であります。
 なお、別館新営に関しましては、昭和六十年度を初年度とする二カ年の国庫債務負担行為二十五億千九百万円余、また、本館改修に関しましては、昭和六十年度を初年度とする二カ年の国庫債務負担行為二億九千万円余をそれぞれ要求いたしております。
 以上簡単でありますが、国立国会図書館歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
#8
○伊藤主査 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を聴取いたします。金村裁判官弾劾裁判所事務局長。
#9
○金村裁判官弾劾裁判所参事 昭和六十年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。
 昭和六十年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は八千六百三万六千円でありまして、これを前年度予算額八千五百四万五千円に比較いたしますと、九十九万一千円の増加となっております。
 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長の職務雑費、裁判員の旅費及び事務局職員の給与に関する経費、事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費、庁費でありまして、前年度に比し増加となっておりますのは、職員給与関係経費の増加によるものであります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#10
○伊藤主査 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を聴取いたします。青山裁判官訴追委員会事務局長。
#11
○青山裁判官訴追委員会参事 昭和六十年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。
 昭和六十年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は九千三百四万円でありまして、これを前年度予算額九千六十七万一千円に比較いたしますと、二百三十六万九千円の増加となっております。
 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費でありまして、前年度に比し増加となっておりますのは、職員給与関係経費の増加によるものであります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#12
○伊藤主査 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#13
○伊藤主査 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本政弘君。
#14
○山本(政)分科員 総理府が二十四日に発表いたしました「婦人に関する世論調査」、これによりますと、「男は仕事、女は家庭」という考え方について「同感しない」と答えた者が四一・三%、「同感する」は三五・九%、同感しない女性の方が六%近く多かったわけです。年代的には特に若い未婚女性の間で「同感しない」がふえている、これは五二・一%と過半数の人たちが否定派である、こうなっておりますが、これは私は女性の自立意識の高まり、こう見ていいと思うのです。ただ、諸外国と比べますとかなり低い。やはり日本の女性というのはまだまだ従来の考え方に引きずられておる、こう言っていいんじゃないだろうか、あるいは日本の男性中心の社会の締めつけがまだ依然として厳しい、こう見でもいいと思うのです。
 ことしは一九七五年から行われました国連婦人の十年の最終年であります。そういう意味で、このメーンテーマは「男は仕事、女は家庭」の役割固定の観念、制度、習慣を打破するあるいは変更するということであったと思うのですが、この数年間を見てみますと、我が国においても公務部門を初め各分野において平等化等に向けて一応努力が払われてきたと見ますが、まだ緒についたばかりであります。
 私は、今後においても引き続き努力が行われるべきだと思うのですけれども、総理府の婦人問題担当室から発行されておる「えがりて」というのを見てみますと、昭和六十年度の国内行動計画関連経費について、「男女平等を基本とするあらゆる分野への婦人の参加の促進」ということで経済企画庁、文部省、厚生省、農林水産省とことごとく予算から言えばマイナスになっている。特に厚生省とか文部省はこの減額が大変大きな金額になっている。ただ、ふえているところを見ますと、総理府が二千二百十九万円ふえているというくらいで、各省においては、あと労働省がふえているだけなんであります。その他の各省は全部減っているんですね。一体これで「男は仕事、女は家庭」、こういう役割固定の観念とか制度あるいは習慣の打破ができるんだろうかどうだろうか、そういうことを非常に危惧をいたしますが、これについて総務庁の方からお答えいただけませんでしょうか。
#15
○松本政府委員 先生御指摘のとおり、ことしは国連婦人の十年の最終年でございまして、私ども昭和五十年に策定されました国内行動計画の推進に鋭意努めておるところでございます。本年は、前年に比べますと婦人関係の予算は五・六%という伸びとなっておりまして、私ども欲を申せばもっともっと欲しいところでございますが、大変厳しい中でこれだけの伸びを計上していただいておりますので、この中でいろいろ工夫をいたしまして、できる限り国内行動計画の推進に努めまして、固定的な役割分担意識を直していくような方向に持っていきたい、このように思っているわけでございます。
#16
○山本(政)分科員 私が聞きたいのは、総理府としてはなるほど増額をしているかもわからぬけれども、各省について、労働省を除いては予算は全部一律削減されているのです。特に厚生省などは大変大きな金額であります。数字に間違いなければ前年比二百七十五億減額されているわけです。文部省も三十三億ですか、これは大変おかしいと私は思うのです。そういうことに対して一体、内閣官房参事官松本さんとしてはどういうふうにお考えになっているかということなんです。
#17
○松本政府委員 各省別に見てまいりますと、私ども御指摘のとおり伸びておりますほか、厚生省は約六%ほどの伸びとなっているかと思うわけでございますが、前年程度あるいは減少となっている等の省もあるわけでございます。それぞれ項目別に事情がありまして減額となるものはなり、また増額していただくべきものは増額していただいているという状況でございまして、それぞれこの中でできる限りの努力をして国内行動計画の達成に努めていくことができると考えております。
#18
○山本(政)分科員 私は女性に対して弱いものですからこれ以上追及いたしませんが、「婦人問題企画推進本部ニュース」ということで出ているのです。これはあなたの方から出ていると思うのです。それで「昭和六十年度国内行動計画関連経費の概要」ということで婦人の問題であります。「男女平等を基本とするあらゆる分野への婦人の参加の促進」ということで、今申し上げたように経済企画庁、文部省、厚生省、農林水産省、これは全部一律に削減をされているのです。そのほかに「教育訓練の充実」というところについても経済企画庁、文部省、厚生省、労働省、この場合には労働省も減額されている、各省全部減額されているのです。最終の十年目に予算が減額されている、国連婦人の十年の最終年としては大変おかしいのではないだろうか、私はこう思います。
 そこで、総理府で出している「婦人の現状と施策」の中で婦人公務員の研修、訓練の必要性が強調されております。
 そこで人事院の方にお伺いいたしたいわけでありますが、人事院が行う研修の中で女子の公務員の参加の実態は一体どうなっているだろうか、ちょっとお聞かせいただければと思います。
#19
○網谷政府委員 女子職員の研修への参加状況について御説明いたします。
 人事院が実施しております研修は、各省庁のものと人事院部内のものとございます。
 まず最初に、人事院部内の職員を対象とした研修を申し上げます。過去三年をとりまして五十六年度から御説明させていただきますが、新規採用職員研修に始まりまして六コースございます。参加人員は百四十一名で、そのうち女子の参加者は二十三名、率にいたしますと一六・四%、以下同様に、五十七年度は六十八名、女子が十五名で参加率二二%、五十八年度は九十名で、女子の参加者は十二名、参加率が一三・四%、こうなっております。これは人事院の中の職員、人事院職員自体でございますが、各省庁を対象とした研修で申しますと、五十六年度は十七コースございまして、五千五名のうち女子の参加者は五百九十二名、参加率は一一・九%でございます。五十七年度は五千二百四十二名のうち女子の参加者は五百九十四名で、率にいたしますと一一・四%、五十八年度は十七コース四千六百六十九名のうち女子の参加者は四百七十三名で、率にいたしますと一〇・二%、このような状況になっております。
#20
○山本(政)分科員 今のは五十六、五十七、五十八ですね。ですから、後の方のお話を聞きますと、女性の参加率が一一・九%、一一・四%、一〇・二%と下がっているわけですよ。そうすると大変おかしなことで、女性の参加率は何とかしなければならぬというお話があるにもかかわらず、参加率が毎年パーセンテージとしては減っているという事実は一体どういうことなんでしょう。一体どこに原因があるのだろうか。お聞かせいただけませんか。
#21
○網谷政府委員 人事院が各省庁に対して行っております研修、これは主として行(一)の職員でございますが、五十九年三月三十一日現在で行(一)の職員の中に女子職員の占める割合が一四・一%ということでございます。したがいまして、逐年減っておるということではございますけれども、大体割合といたしまして安定しているんじゃないか、このように考えておりますし、こういう時勢でございますので、ますます女子職員の参加を図るように努力はいたしております。
#22
○山本(政)分科員 数字から見ると漸減をしているんでしょう。私は、漸増しているんだったら安定していると言えるだろうと思うのです。しかし、数字というのは漸減をしている。これは逆に五十六年に一〇・二%、それからその翌年が一一・四%、それから一一・九%というふうになっているのなら理解がつく。理解がつき、そして安定しているということについても一応肯定できるけれども、数字は逆にだんだん下がっているという事実がある。そうしたら、あなたのおっしゃるように安定しているとは言えないと思う。
 これは行(一)の場合だとおっしゃるけれども、それじゃほかの場合は一体どうなっておるのかということになったら、これも私は恐らく数字としてはそんなに違ったパーセンテージで似ないんではないかという気がいたしますが、もう一遍お伺いいたしますけれども、そういうことについて一体どういうふうにお考えになっているか。
#23
○網谷政府委員 先生御指摘のとおり毎年減っております。ただ、そのコースの種類を見ておりますと、十七コースございまして、新採用職員研修からありましてJST、それから教官研究会、課長補佐級、課長研修といろいろ段階がございます。そのときの各省の在職状況、女子職員の割合、そういうものも影響があるのではないか、このように考えております。
#24
○山本(政)分科員 時間の都合がありますから、御答弁に対して不満でありますけれども、次へ進みたいと思います。
 次に総長にお伺いいたしたいのですけれども、昨年私が質問した中で総長の方から、本院では初任研修以外の研修に女子職員が参加することは非常に少ないという答弁がありました。その後、本院で行っている各種研修に女子職員が参加できる機会がふえたと聞いております。これは結構なことだと思うのですが、今後においても一層の努力をひとつお願いしたい、こう思います。
 二点お伺いしたいと思います。
 人事院等、院外で行われる研修に本院の女子職員をできる限り参加させるという方策も検討していいんじゃないか、私はこう思いますが、この点一体どういうふうにお考えになっているだろうか。
 もう一つは、これも私の質問に対する総長のお答えとして、本院で行う各職場での研修に参加できなかった人に対して別の機会を考えでよいという御答弁がありました。この答弁についてその後一体どういうふうに対処されたんだろうか、これをひとつお伺いしたいと思います。
#25
○弥富事務総長 本院職員の研修につきましては、部内研修のほかに、ただいまお話しの部外の研修がございます。部外の研修につきましては、人事院の人事研修あるいは、これは大蔵省でございましょう、会計職員の研修等がございます。
 ただ、その研修の対象職員の資格等がいろいろ決められております。それで、本院に割り当てられる数もそう多いわけではございませんので、選考に当たりましては男女を区別するというようなことは毛頭考えておりませんけれども、なかなか女子にいく機会が今までなかったことは、これは率直に申し上げさせていただきます。ただ、これからは資格要件を備えた女子も我々の方へ入ってきてもらいたい、また入ってこられると思いますので、その数はふえていくのではないかと期待をいたしております。現に本年度は来年度の、六十年度の試験有資格者も入っております。この人たちにつきましては人事院の人事研修ということを予定しておりますし、それから、女子の調査員というのがございますが、これも出向等によりまして各省でそれぞれ研修をしていきたいと思っております。
 なお、部内研修としまして語学研修というのがございますが、これはただいまのところ三分の一が女性でございます。この部面におきまして女性の意欲が非常に高いということは喜ぶべきことだと思っております。
 それから第二点の、部内の研修で受ける機会がなかった場合、それをどのようにしておるかということでございますが、これにつきましては、いろいろな原因でそのときに受けられなかった女性職員の方、それは各部内部内におきましてそれぞれの方法によりまして、研修の成果が平等に行き渡りますよう十分に措置をするように指示をいたしております。ただこの場合、私の方から申し上げてなんでございますが、こういう場合は女性の方の意欲というのも非常に大切ではないか、そういうふうに私は常々思っております。
 以上、お答えをいたします。
#26
○山本(政)分科員 総長の方から、女子職員の側の方からも意欲を示してもらいたいという話はこの前も私はお伺いいたしました。しかし同時に、昨年のお答えとして、「当然適性の女子職員がおりました場合には、積極的に適任者を求めまして研修の上、配置することを検討する」、こういうふうにお答えをいただいておるのでありますが、ぜひひとつそういう点について御配慮いただきたいと思います。
 もう一つ、一般に公務部門において女子職員は初めの配置が補助的な業務が多いという声を聞いております。と同時に、その後の異動においても限定されがちである。だから、職能を育成する機会に恵まれていないようにも思われるのです。
 そこで、将来にわたって幅広く職能を育成するために何らかの方策が必要だろうと私は思うのです。したがって、本院においても、女子職員の集中している職域の見直しを行う、そういうことが必要ではないだろうかと私も思います。要するに、従来の固定観念を打ち破って、女子職員の職域の拡大にひとつ努力をされていただきたいと思いますけれども、その点について、簡単でいいですからお答えをいただけませんか。
#27
○弥富事務総長 本院の女子職員は大体二〇%でございますが、確かに先生おっしゃいますように、特定なところに集中をいたしておる。これはどうしても女子の特性と申しますか、そういうことで従来やってまいったようでございますけれども、これはやはり今先生言われましたとおり、今後個別的な配置転換とともに、その職域の見直しというものを積極的に行ってまいりたい、かように存じております。
 それから職域拡大、適正配置等につきましては、一昨年、昨年、いろいろと職域拡大をいたしてまいりましたが、本年もひとつ、私は個人的にまだ言っていないのでございますが、有資格者の女子職員を本会議の方に出して、あそこで皆さんに初お目見えをさせたいな、こういうふうに思っております。
#28
○山本(政)分科員 ひとつぜひ補助的業務の女子の職員についても御勘考いただきたいと思います。
 時間がありませんので、人事院の方にお伺いしたいのですが、一昨年の私の質問で、女子の産休についてお伺いをいたしました。そのときに、前の総裁の方からお答えいただいたのです。それは、産休の八・八等の母性保護の充実について、ひとつ産前産後の八週・八週というものを考えていただけないかという話をいたしました。そのとき藤井さんはこう言っておるのです。「五十六年あるいは去年も引き続き御指摘をいただきました際にも、若干申しわけ的なことで申し上げたのでありますが、実は私は、もっと前にこの問題は解決すべきだということを考えておったことは事実でございます。そういう趣旨から、この席上でも御答弁申し上げたというふうに、はっきりこれは記憶をいたしております。」ということで、八・八ということをお約束したわけなんですよ。ところが、依然としてこれは五十六年以来、五十八年の質問のときもそうだったのですが、それが進展をしておらない。前総裁だといっても、やはり人事院の仕事というのはずっと継続しているわけですから、そういう点ではぜひ結論を出してほしい、私はこう思っておりますが、この八・八の問題についてはいかがでございましょうか。
#29
○内海政府委員 産前産後の休暇の問題につきましては、ただいま御指摘のございましたように、前総裁がぜひこれを八週間にいたしたいということをかなり積極的に申し述べてきておりますし、また私も、昨年赴任早々でございましたが、事務の引き継ぎやらあるいはいろいろな点で、この問題は極めて重要であるから慎重にかつ積極的に考えていくということを引き継いでおるわけでございます。
 したがいまして、私、仕事につきまして以来も、何とかこれを実現をしていきたいということで鋭意勉強をしたわけでございますが、御存じのように、一方におきましていわゆる男女平等というふうな問題で、政府全体としても諸般の検討が行われておる。また、そういうことの中で産前産後の問題も論議されておる。私どもの方は国家公務員を対象としていろいろ検討を加えてきておる。もう既に地方公務員の方においては相当実現してきておるということも聞いておりますし、そういうことを考えながら、前向きの考えで検討を加えておりますが、一方における民間の状態、あるいは他方における男女平等に伴う諸般の措置の検討、こういうものと兼ね合わせてこの問題を実施していきたい。
 実施するについては、できるだけ歩を進めていくべきであるというふうには考えておりますが、たまたまということは大変不見識でございますが、労働基準法の改正というふうなものも当国会において論議されまして、私どもの承っているところでは、来年四月一日からはそういうものが実施に移される。そうでありますならば、我々も、各省いろいろな事情を打ち合わせながら、少なくとも来年の四月一日からはこういうものが実施できるように諸般の態勢を整えていきたい、こう思っておるのでございます。あるいはもっと急げという先生のお気持ちは、私どももわからぬではございませんが、今申し上げましたようなことをめどにして、全力を挙げて実現を期していきたい、こういうふうに考えております。
#30
○山本(政)分科員 労働省の方がお見えになったら、簡単でいいですからお答えをいただきたいのですが、産後については就業制限を八週まで延長することが可能なのかどうなのか、そういうお考えだけ聞かしていただけませんか。
#31
○松原(亘)説明員 現在国会で御審議をお願いいたしておりますいわゆる男女雇用機会均等法案におきましては、労働基準法の改正もその中において行うこととしておるわけでございますが、そこの中では、今先生御指摘ございました産後休業につきましては、現行は六週間、強制休業期間五週間でございますけれども、それを拡充いたしまして全体で八週間、強制休業を六週間ということにすることにいたしているところでございます。
#32
○山本(政)分科員 今お話がありましたように、女子職員の健康安全管理基準研究会というのがあって、その報告を受けて、人事院規則一〇−七の見直しを人事院はやろうとしていると私は思うのですが、こっちの方が決まれば、そっちの方もやるということですか。
#33
○叶野政府委員 昨年五月に基準研究会の報告書を受け取りまして、その内容に従って現在作業を進めてございます。その時期は、現在国会で審議中の男女雇用機会均等法ですか、その法律の成り行きを見守りながら、鋭意作業中でございます。
#34
○山本(政)分科員 時間がありませんので、私の方から労働省の方にもひとつ御注文申し上げたいと思うのですけれども、労働基準法研究会というのがあるようでありますが、そのメンバーが二十六人ですか、ここにあります。これは全部経済と法律の先生であります。女性は三人しかおりません。産前産後の問題なんということについてやるのなら、当然この中にはそういうことに関係のある、要するに医系の委員が入っておったっていいと思うわけですよ、特に産前産後なんというものをやる場合には。しかし、これに法律とか経済の先生だけが入っておるというようなことはいかにも納得しがたいのです。そういうところから、要するに六週・六週を八週・八週にするような考え方が出てこない。しかも、六週については、差し支えがないだろうというような見解が出てきているわけですね。
 しかし、現実に見てみますと、今地方自治団体で保育園なんというものは、受け取る場合には子供さんが三カ月たたないと全部受け取らないわけです。預け入れを全部拒否するわけですね。三カ月ですよ。そうしたら、産後なんということについても十分に考えなければならぬだろうと僕は思うし、そして産前についてもやはり十分な配慮があっていいんじゃないかと思うんですね。そうすると、一体八週間でいいかということすら問題になるだろうと私は思うのです。場合によっては十週だっていいかもわかりません。三カ月というんだったら何週になりますか。そういうことをお考え願って、要するにもっと働く婦人の実態というものをお考えになって考えるべきだ、こう私は思うんですね。
 繰り返し申し上げますけれども、私は、メンバーだって一体そういうことについて理解されている方々が入っていらっしゃるのかどうかということが一つ。もう一つは、現実に保育園の受け入れというのが、三カ月たたないと子供さんを受け入れないという実態があるということを、一体先生方が御存じになっているのかどうか。労働省は、そして人事院はお考えになっているのかどうか、知っているのかどうか。そんなことについてぜひ考えて、ひとつ産前産後の八週・八週、あるいは場合によれば八週・十週だって僕は必要じゃないか、こう思うのですが、お考え願いたい、こう思うのです。
 そのことを申し上げまして、時間が参りましたから私の質問をやめますが、ひとつよろしくお願いいたします。
#35
○伊藤主査 これにて山本政弘君の質疑は終了いたしました。
 次に、元信堯君。
#36
○元信分科員 私は、今国会における衆議院議長の交代の問題について、事務総長に質問をいたしたいと思うわけでございます。
 今度の衆議院議長の交代劇というものは、衆議院議長は開会式において階段を後ろ向きにおりられぬような人には務まらぬ、こういうような報道もなされたこともありました。しかも、これに絡んで与党内部の思惑がいろいろに取りざたをされまして、まことに衆議院議長の権威を地に落とした、極めて遺憾なものであったというふうに思うわけであります。本日は、国権の最高機関の長としての議長の権威、これをどういうふうに確立していくか、こういう観点から、衆議院の主に慣行の問題になろうかと思いますが、質問していきたいと思います。
 まず最初に、百二国会の開会式の事前に、開会式の、いわゆるリハーサルなどということを言われておりますが、二回も行われたというふうに新聞では伝えられておりまして、二回目もうまくいかなかったのでこれが議長辞任につながった、こういうふうに言われております。この辺のいきさつについて、まず事務総長から詳細に承りたいと存じます。
#37
○弥富事務総長 ちょっとあれでございますが、実は百二国会の召集日、十二月一日でございますが、議長が非常にお体が悪いというふうに御自身もおっしゃっておりましたし、我々も見えたわけでございます。ただ議長は、これは一時的なものであるということでございまして、我々もぜひそうであってほしいというふうに念願をいたしておりました。
 そうこういたしますうちに、議長のそう急速な御回復がないようであるということで、私、年末でございましたか、議長の主治医とお会いをいたしまして、議長はどうであろうかというような、いろいろな今までの診療の経過等をお聞きをいたしました。そのときに主治医は、別にどこというふうに悪いところはないのだということでございまして、我々もほっといたしたわけでございますが、ただ、運動が少し不足であって食欲がないというようなことでございました。
 それで、それでは運動して食欲を増せば治るというように単純に我々は考えておったのでございますが、いずれにいたしましても年が明けますと開会式ということが控えております。これは議長も非常に心配といいますか、いろいろ考えておられたやに承っております。それで主治医と私の方とそれから議長サイドと相談をいたしまして、ちょっとこれは異例のことではあろうが、一月に入って十日くらいに一回ちょっとリハーサルと申しますか、やってみようではないかという――これは正式のリハーサルでございますと、参議院議長それから宮内庁の係官も一緒になってやることは慣例になっておりますけれども、この場合は議長の主治医とそれから議長サイドの方からの示唆によりまして、異例ではあるけれども……(「だれが」と呼ぶ者あり)議長の秘書の方でございます。
 そういうことでございますので、それでは一回やってみようか。しかし、これは議長の御意向がなければできないわけでございます。それで私は議長の御意向を伺いましたところ、議長の方で積極的にやってみるというようなことでございました。それでひそかに――ひそかにというのも変でございますけれども、余り公表しないで、それで十日の日にやろうということで議長とも御相談を申しました。
 ところが、十日の日になりましたら、報道陣と申しますか、何となくこの辺をうろうろしておりましたので、私と議院運営委員長と二人で議長公邸に伺いまして、おやりにならないで別の日におやりになったらいかがでしょうか、こういうふうに申し上げましたところ、議長は、いや、今すぐでも別にどうでもない、そういうことで、今すぐやろうということで非常に積極的でございました。それでそれならばということで、リハーサルといいますか、非公式のリハーサルをしていただいたわけでございます。それから二回目の、これはいつも通常やります参議院議長とそれから宮内庁と一緒に我が方の係官と、これは正式のリハーサルでございます。その二回やったわけでございます。
 お答えになっているかどうかわかりませんが、一応お答え申し上げます。
#38
○元信分科員 この二度にわたるリハーサルのうち、最初の方ですね、これを今のお話ですと、事務総長の御判断で衆議院議長に持ちかけて、議長もやろうと言うからおやりになった。その前にあなたは、これでは開会式がうまくできないのじゃないかということで、議長とは別個に主治医に御相談をされて、そんなふうに御答弁あったわけですが、議長の方からお話があったんじゃなくて、あなたの方が先に心配をしてお医者に相談をするなりリハーサルを考えてみるなりされた、これは間違いないですね。
#39
○弥富事務総長 十二月一日の本会議に上がります際の議長の御様子を見まして、他の議員の方からも二、三いろいろ御心配のお言葉がございました。それから、私の方から持ちかけたと申しますけれども、主治医の方からの示唆が非常に多かったわけでございます。また、議長のお体がそういうふうに見えますときに、私の方で心配するのはむしろ当然だと思っております。
#40
○元信分科員 事務総長、このことで自民党の幹部とひそかに相談したというようなことはありますか。
#41
○弥富事務総長 やるかどうかについて御相談したことはございません。
#42
○元信分科員 東京新聞の一月二十二日付の紙面に「昨年秋から体調を崩している福永議長は、このところ歩行がとくに困難になってきている。これでは二十五日の開会式の行事を主宰することは難しい――と判断した弥富衆院事務総長は、ひそかに自民党幹部に善処策を相談した。」こういう報道がありますが、事実ではありませんか。
#43
○弥富事務総長 私が当事者でございます。私はそういう事実はございません。
#44
○元信分科員 それでは、こういう報道があったことは御存じですか。
#45
○弥富事務総長 自民党の首脳の方が私の部屋にお見えになって、そういうお話はされたことはございますけれども、その方と御相談をしてこれはやろうとかやらないとか、そういうことは一切ございません。
#46
○元信分科員 新聞記事があったかどうか聞いているんですから、そっちの返事をどうぞ。そういう報道があったことについてあなたは御存じでしたかと伺いましたから、その返事をどうぞ。
#47
○弥富事務総長 存じております。
#48
○元信分科員 全然事実と違っているわけですね。何か対策とられましたか。
#49
○弥富事務総長 別に抗議を申し込んだりそういうことはいたしておりません。
#50
○元信分科員 重大な問題だと思うんですね。衆議院の事務総長が衆議院の大事について、議長の大事について与党と相談するだなんというようなことがあってよかりそうなはずがない。そのことについてこういう報道がなされたことについてあなたが知っておって、何の対策もとられず抗議もしないというのは、まことに奇異に感じられます。必要を感じませんでしたか。
#51
○弥富事務総長 その当時の私の心境と申しますと、福永議長には私は公私どもに非常にお世話になっているわけでございまして、ぜひ福永議長が万全の態勢で議長職をお務めいただきたい、そういう一心でございました。これはうそ偽りではございません。それで私は、皆さんも御心配になりますし、私も正直見たところ非常にお体がお弱りである、何とかして本復されていただけないかということのみでございました。それによって自民党と、与党の方と御相談したというような、夢にもそういう思いはございません。それで、私のところに来られました与党の首脳の方も、早くよくなればいいなと、そういうふうなお話でございました。
 ただ、今の新聞記事、東京新聞以外に、与党の首脳の方が、事務総長は非常に思い詰めておるというようなことを言われたという記事でございまして、今の東京新聞の記事は私は、東京新聞と特定した記事は私はちょっと記憶にないかもしれません。
#52
○元信分科員 例えばこっちは朝日新聞ですが、朝日新聞には、これは金丸幹事長の十一日にやった記者会見で、「開会式の途中で間違いが起きては大変だ、と衆院事務局が心配している」、こういうことを記者会見で言われたわけです。これは大変短い表現ですから、必ずしもよくわかりませんが、ニュアンスとして言えば、大変だからかわってもらいたい、こういうふうに言ったというふうに私どもは受け取るわけですね。
 この問題については、大変僕は遺憾だと思うのですよ、こういう報道がされるということは。しかも、報道がされたわけですから、それについてやはりしかるべき訂正なり何なりしておかないと、読む方はああそうかな、こういうふうになってしまいまして、何だか衆議院の事務局あるいは弥富事務総長が福永さんをやめさせちゃったというふうに受け取られかねぬわけですから、今後そんなことがしょっちゅうあっては困りますが、十分お気をつけをいただきますよう。
 それでは先に進みたいと思いますが、今の事務総長のもろもろの御心配、これは開会式の諸行事を滞りなくとり行えるかどうか、それに耐え得る健康状態が議長にあるかどうかというところに最大の御心配があったというふうに思うわけです。
 ところで、これも伝えられるところによると、その最大の難関は、何といっても階段を後ろ向きに、四段ですか、おりることであって、これをやりそこなってすってんころりんということになると、それこそ大変だというような御心配であったやに承っておるわけでございますが、それではこの際、開会式の次第は先例集あるいは公報等にも掲載されますから承知をしているところですが、大変難しい次第について、できるだけ詳細にひとつ御説明を願いたいと思います。
#53
○弥富事務総長 これにつきましては、先生御承知のとおり、帝国議会におきましては開院式、これは皇室令によります皇室儀制令というのがございまして、その中に朝儀、いわゆる宮中行事の一つとして載っておりまして、それで当時の宮内省でございましょう、宮内省がいろいろと式次第あるいは細目について主管をしておられたと存じます。
 戦後、これは国民主権のもとに、最高機関としての国会の行事になりまして、やはりこれは百八十度と申しませんけれども、大転換になったわけでございます。主宰は衆議院議長、それで衆議院議長が事故あるときは参議院議長、こういうふうに規定されておる次第でございます。
 それで、第一回国会のときに、しかるべきあるいは各派交渉会あるいは議院運営委員会等で、こういうふうに国民主権のもとの国権の最高機関としての国会の開会式をいかにあるべきか、これはいろいろな資料を見ますと、何度かにわたりまして議論をされているようでございます。それで、そのときのその議論の詳細の内容というのが今残っておりませんので知る由もございませんけれども、あとう限りの資料に当たってみますと、大体やはりこれは、こういう開会式の性格が変わりましても、できるだけ昔といいますか、その以前の方式ないし式次第、細目というものにのっとっていこうではないかというようなことで決められてきたのではないか、まあ私の想像でございますが、そういうふうに思う次第でございます。
 したがいまして、それが第一回国会の二十二年の六月でございましたか、ただいまの開会式式次第、細目、そういうものが第一回国会において決定をされて公報に記載をされております。それ以後三十年、三十一年ぐらいにちょっとした改正がございますけれども、それがずっと今まで続いているということでございます。したがいまして、ただいまの先生の御指摘のようなことにつきましては、やはり昔の帝国議会にルーツがあるのではないかと私は想像をいたしております。
#54
○元信分科員 私もそれこそあとう限り調べてみたつもりですけれども、例えば公報に掲載されているような次第というものは出ておるわけですが、それ以上の細目といいますか、まあ端的に言って、階段を後ろ向きに歩くだなんというようなことについては、明文の規定というのは何にもないのですね。それは事務局の中ではどんなふうに処理しているのですか。
#55
○弥富事務総長 例えば昔の帝国議会のときの記録とか、あれを見てみますと、昔は両院議長が今の議席の下におられまして、むしろ総理が今の衆議院議長、参議院議長の上の段におられたようでございます。それで、そのときに宮内省の方の式次第のあれを見ますと、貴族院議長でございますけれども、陛下の勅語を貴族院議長がいただきに行くときに、後ろ向きに下までおりるというような記述があるようでございます。したがいまして、そのとき、やはり細目につきましては、その当時の事務局あるいは宮内庁になっておりましたか、いろいろそういうところで御相談をしましてやられたのではあろうと思いますけれども、結局は、やはり以前からのものに従ったのではないかな、これはもう私もちょっと、四十年ほど前でございますので、今先生と同じようにあとう限り調べた範囲にしか出ないわけでございますけれども、そういうふうになったのではないかと思います。
 それで、それをずっと慣例的に事務局の方でそのとおりやってまいりましたけれども、三十年の中ごろでございますか、今までのそれをこのままでは――何か一つにまとまったような本がなかったようでございますので、これは事務的のものでございます、事務的のもので、今までのそれを記述したマニュアルみたいなものがあると聞いておりますが、私は現実にあれになったものでございませんので見ておりませんけれども、要するに、どうも昔の帝国議会の開院式当時の宮内省の決め方というのが今になって非常に大きな原因になっているのではないか、そのままになっているところが多いのではないか、私はそう想像をいたしております。
#56
○元信分科員 マニュアルというものは存在するわけですか。毎回リハーサルなり開会式をするときには、特に議長がおかわりになったり、おかわりにならぬまでも、その都度ここはかようにというようなことをアドバイスしなければいかぬのですが、それの基礎になるマニュアルというものはあるわけですか。
#57
○弥富事務総長 これは事務資料といたしまして、それを案内する者も、例えば我が方では庶務部長でございます。庶務部長がかわればその前の庶務部長が口で教えるというよりも、そこに心覚えみたいなマニュアル、マニュアルというのが適当であるかどうかわかりませんが、そういうものを引き継いでいくのではないか、そういうふうに思っております。
#58
○元信分科員 ではないかと人ごとみたいにおっしゃいますが、あるわけですね。出せますか、それは。それを一度細目承知をしたいと申せば、出せますか。
#59
○弥富事務総長 これは全く、その一番先に書かれた庶務部長のノートみたいなものでございます。例えば、ここにいてちょっとおじぎをして、それでどっち回りとか、そういうことのノートのように聞いております。私は庶務部長をやりましたけれども、それに携わる期間だけ庶務部長にいませんでしたので、現実に見ておりません。
#60
○元信分科員 今だんだん明らかになってまいりましたように、明治憲法から現在の憲法に変わって、開会式の位置づけも、昔の旧憲法ですと開院式、これは朝儀として、宮中行事の一つで、それを国会、その当時は貴族院でしたかで行う、こういうようになっておりました。ところが、新憲法下ではこれが国会の行事になりまして、したがって天皇の位置づけも、かつての主宰者から今は言うなればお客様、こういう位置づけでございますね。ところが問題は、そうであるにもかかわらず礼法その他は全く旧憲法のときのものを基本的に引き継いでおるというところに最大の問題があるのではないかなというふうに思うわけであります。それも、第一回国会のときに多少議論がされたようでありますが、今の御答弁ですと、とにかく昔式でいこうやということを決めただけで、どうも新憲法感覚の開会式の作法ではないように思えていたし方がないわけでございます。
 そこで伺いますけれども、今あなたたちがマニュアルとおっしゃっている内容の変更みたいなことは将来必要になってくるのではないか。例えば、仮に衆議院議長に車いすに乗らなければならないというような事情が生じたり、現に国会議員の中では車いすに乗っておられる方もあるわけですから、そういう人たちが階段を後ろ向きにおりられぬばかりに衆議院議長になれないということになりますと、これは憲法上問題ですね。法のもとでの平等に反するわけでありますから、大いに問題だというふうに言わなければなりません。そうしますと、当然そういう個々の事情に応じてこれは変えていくべきものというふうに思うわけですけれども、そういうことは可能であるか、そして、可能であるとすれば一体どこでそういう議論をすることになるのか、これについて伺いたいと存じます。
#61
○弥富事務総長 ただいま御説明いたしましたように、ただいまの式次第、細目等につきましては恐らく今先生の仰せられたとおりであろうと私も存じております。したがいまして、戦後四十年たっておるわけでございます、その間にいろいろ意識の変化あるいはいろいろな情勢の変化がないわけでは決してないわけでございまして、この問題、今先生の御指摘になりました問題も含めまして、今後改めるべきところがあるかどうか、それで、改めるべきところがあるとするならば、象徴たる陛下をお迎えするに当たりまして礼を失しない枠の中におきましてどういう変更をすることができるであろうか、これは今後両院の議長、議院運営委員会あるいは関係各機関とも十分に御相談を申し上げて真剣に対処してまいらなければならない時期ではないか、かように私は存じている次第でございます。
#62
○元信分科員 ここで少し問題をはっきりさせておいていただきたいと思うのですが、一つは開会式の細目ですね、これについての決定権者といいますか、それはどこになるのか。衆議院議長なのか、衆参両院議長の合議になるのか、今おっしゃったような議院運営委員会になるのか、その法的な根拠といいますか、その辺をひとつはっきりさせていただきたいと思うのです。
#63
○弥富事務総長 御承知のとおり、開会式は衆議院議長がこれを主宰する、それから事故あるときは参議院議長がこれを行う、こういうふうになっております。ですから、最後的には両院議長の御相談によって決められるものではないかと存じておりますが、その前に、やはり諮問機関として議院運営委員会というものがございます。ですから、そこらの方にも十分に御相談をいたしまして、これは細目といいましても決して規則とかそういうものではございません、今申し上げましたとおり、決して変えられるとか変えられないとかというようなあれではございませんで、ただ礼式の作法ではないか、こんなことを言いますとおしかりをこうむるかもしれませんけれども、そういうふうなものではないかと思っておりますので、これは議長が権限を持つとか持たないとかではなく、やはり主宰者の御意向であろう、こういうふうに思っております。
#64
○元信分科員 ちょっと、その前の御答弁の中で両院議長と議運と関係機関とおっしゃいましたが、関係機関というのはどういうものを想定されておりますか。
#65
○弥富事務総長 これはやはり参議院がございます。それから、国会の行事でございますので御相談するのもいかがかと思いますけれども、今までの経過から考えてみて宮内庁あたりかなというふうに考えております。
#66
○元信分科員 そこらが新憲法感覚というものをどうも私ども危ういなと思うところでありまして、それは天皇陛下がどういうふうにされるかは宮内庁でよく御相談されればよろしいことかと思いますが、仰せこちらは主宰者でありますから、主宰者がどういうふうに振る舞うかということをお客様に相談するのは筋が違う、こういうふうに言わざるを得ないのではないかというふうに思います。
 これまでこういうものが本格的に議論されたことは恐らくなかったのじゃないかと思います。ですから、ちょうどいい機会と言ってはまことに前議長に申しわけないわけでございますが、今事務総長からもお話がありましたが、あなたからもぜひ事務方、あるいは、かなり積極的にこの問題についてはお働きのようでございますから、今後、新議長にも参議院にも、さらに議院運営委員会にもお働きかけをいただいて、どうか国民から見てすんなり受け入れられる民主的な国会の開会式が改めてつくられますように心からお願いを申し上げまして、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#67
○伊藤主査 これにて元信堯君の質疑は終了いたしました。
 次に、山花貞夫君。
#68
○山花分科員 私は、国会職員の皆さんの労働条件にかかわる問題について、以下お伺いいたしたいと思います。
 まず初めに、従来から事務総長に御検討をお願いしてきたところでありますけれども、職員の構成の塊の問題、団塊の世代とも言われておりますが、この点について伺いたいと思います。
 前回、五十七年の分科会においても、公務員労働者全般に共通の問題として、平均年齢が高い、また、今申し上げました団塊があるということが特徴として指摘されてまいりましたけれども、衆議院の職員の皆さんの場合にもほぼ同じような要因から特に強い傾向があらわれていたわけでありまして、私も改めて最近資料をいただいて検討をいたしましたならば、五十七年にお伺いしたときよりはその年代が若干上にずれておるようであります。五十歳から五十七歳までの方がほかの年代の皆さんと比べますと非常に固まっているわけであります。
 従来からもこの点についていろいろ御配慮いただいていると存じておりますけれども、将来の問題も考え、この点についてどう対処されるのか、これまでの御措置も含めて、まず冒頭にお伺いいたしたいと思います。
#69
○弥富事務総長 先生御指摘のとおり、本院の職員におきましては、一般職の職員に比べまして五十歳台のいわゆる先と言われました団塊の世代の割合が非常に多うございます。これはどういう原因かなということでございますけれども、他省庁に比べまして職業の異動の不自由性ということがまずあるのではないか。それから、この時代の人たちがここに入りましたときの状況もあるいはあるのではないか。一度に多く採ったり何かしたりしたということがあるのかもしれません。結局、今御指摘ございましたように五十歳台の年齢構成が非常に多うございます。これは私も同時代に入りますので、常々心を砕いておるところでございますが、いかにせんいろいろ定数あるいは定員、そういうものの決められておる範囲内では、自由にいろいろなことをしてあげたいと思いながらも、非常に不自由であることは否めないところでございます。
 ただ、その中におきましても、無理をしまして管理職ポストあるいは上位定数にシフト等、いろいろ操作をいたしましても、これは限りがあることでございます。しかし、これはそれだからといって、いかなることでもできる限りのことはしていかなければならない、かように思っております。
 特に五十歳台の人たちというものは、これから定年制の施行も、我が方では本年度末から始まるわけでございます。そういうことでございますので、やはり非常につらいところでございますが、いろいろと心を砕いているというところでございますけれども、ただ新陳代謝を激しくするということでありますと、またやめていく方が、これは退職金あるいは定年制ということで決して楽ではないということに常々思いをいたしまして、法規やあるいは制度の範囲内においてできるだけのことをしてあげたいなと考えておるところでございます。正直申し上げまして、そういうふうな方法をとるより今はなかなか余裕がございませんのが実情でございます。
#70
○山花分科員 今お話を伺った中にも、制度の中におけるさまざまな運用可能な余地を追求して御配慮されたということは理解できるわけでありますけれども、これはまたお話で触れましたとおり、定年制の問題あるいは退職手当の見直しの作業等々、これまで既に存在した問題にプラスされて新しい問題が次々と出てきているという現状ではないかと思います。これは基本的には労使の交渉の結果将来これから決まっていく問題でありますから、ここでその内容についてこれ以上突っ込んでお伺いするのはどうかとも思いますが、そうした問題につきましてこれからも労使の協議の上に円満な解決を図り、かつ、お話で触れられましたとおり制度の枠の中ということだけではなく、制度の改善をも意識していただきまして御努力願いたい、こう考えますけれども、念のためにこの点事務総長の御意見を伺いたいと思います。
#71
○弥富事務総長 先生の御指摘のとおりに、職員の方とも十分に連絡をいたしまして、それから制度の枠内と申しましたが、制度の改善も含めまして、これは改善もなかなか難しいわけでございますけれども、できる限りの努力はいたしたい、かように存じておる次第でございます。
#72
○山花分科員 御努力に期待を申し上げる次第であります。
 次いで、これまたさまざまな観点から従来伺ってまいりましたけれども、労働時間、休日、休暇の関係についてお伺いをいたしたいと思います。
 これまた国会職員の皆さんだけの問題ではなく、全体の日本の労働者の長時間労働問題等々、労働時間にかかわるテーマは我が国における長年の懸案でありました。昨今労働時間と休日、特に週休二日などをめぐりまして改めて問題の解決が要請されているところではないかと思います。昨年の年末以来の状況を見ましても、ちょうど今いわゆる春闘の時期でありますが、ことしの春闘の二つの柱、一つは、当然賃上げによる生活の防衛ではなく向上というのがことしのテーマでありますが、同時に、時短元年という言葉を使われておりますけれども、労働時間問題が非常に大きな春闘のテーマにもなっているところです。去年の十一月ごろに労働四団体と全民労協もそれぞれ検討を進めた中で、この春闘の大きな柱として労働時間の短縮、休日の増加の問題を掲げる方針を決め、さらには、御承知のとおり太陽と緑の週に関する特別措置の法律案要綱を共同要求ということで政府にも野党にも提出してきた、こういう経過がございます。
 国会職員の皆さんの労働時間の問題についてお伺いする前段といたしまして、総務庁と人事院にこうした状況についてどのように今現状を認識されておるのか、この点についてそれぞれお伺いをいたしたいと思います。
#73
○上吉原説明員 ただいま先生の言われた時間短縮の動き、これはいろいろあるわけでございます。国家公務員の勤務時間というのは現在原則としまして週四十四時間というふうになっておりますけれども、昭和五十六年三月からいわゆる四週五休制というものを導入しまして、実質的には週四十三時間になっておるのは御承知のとおりでございます。したがいまして、今後の国家公務員の勤務時間のあり方につきましても週休二日制の動向に左右されるところが大きいというふうに考えているわけでございます。
 ところで、この国家公務員の週休二日制の問題につきましては、昨年八月に人事院の方から四週五休制の新たな方式についての検討というものを進めるべきであるという意見が出されまして、現在これにつきまして各省庁間におきまして行政サービスのあり方や予算、定員面の問題等の影響を中心にしまして事務的な検討を進めているところでございますけれども、今後とも人事院等関係方面の考え方も伺いながら、民間の実施状況に応じまして週休二日制を一層推進する方向で努力してまいりたいというふうに考えております。
#74
○北村説明員 人事院の方からお答え申し上げます。
 公務におきます勤務時間短縮の問題につきましては、基本的に勤務条件の基本にかかわる問題といたしまして、民間の動向に留意しながら考えていくという方向で考えでございます。ただ、公務につきましては国民への行政サービスという観点がございますものですから、勤務時間を短縮することによってその影響がどういうことになるかとか、長年八時半から五時までと親しんできました窓口の開いている時間、これをどうするかというようないろいろな難しい問題がございますものですから、極めて慎重に対処しなければいかぬな、こう思っております。
 そこで、こういうことを考えますと、勤務時間短縮をどう考えていくかということになりました場合に、週休二日制というものを推進するという形の中で現在四十四時間と決められております勤務時間を四十三にし、四十二にしていく、こういうように考えていくことが実際的ではないか、私はこんなふうに考えでございます。
 そこで、問題は週休二日制の問題でございますけれども、週休二日制につきましては民間の隔週二日で実施している状況ですとか月二回で実施している状況ですとか、人事院が調べたところによりますと既に五七・二%にも及んでいる、こういう状況にあるものですから、こういう状況から判断いたしますと、近い将来四週六休制へ移行していかなければならぬのではないかと考えております。昨年夏の勧告でもそれに向けての第一段階といたしまして新たな方式を導入したい、こういうことを申したところでございますし、これとあわせまして四週六休制への移行問題を真剣に考えてまいりたい、こう思っているところでございます。
#75
○山花分科員 関連して、労働省労働基準局にもお伺いしておきたいと思いますけれども、昨年十二月「ゴールデンウイークにおける連続休暇の普及促進について」、こうした労働省の考え方が発表されております。この内容と今日までにとられました具体的措置についてお伺いをいたしたいと思います。
#76
○松原(東)説明員 御説明申し上げます。
 労働省におきましては、労働時間短縮の問題につきまして昭和五十五年に週休二日制等労働時間対策推進計画なるものをつくりまして、これは昭和六十年度をねらって進めてきたわけでございますが、その中におきましても週休二日制の普及あるいは年次有給休暇の消化促進ということを重点に取り上げてまいっております。
 年次有給休暇の消化促進の一環といたしまして、季節あるいは業務の繁閑に応じまして連続休暇をとって年休を促進していただきたいということでやっております。その一環といたしまして、昨年暮れにゴールデンウイークにおける連続休暇普及促進要綱なるものを定めたわけでございます。この中におきましては、連休の普及ということに向けまして労働時間問題懇談会を開催いたしまして国民各層の合意を形成するということとか、労使に対しまして中央地方を通じまして理解を広めるための働きかけをする、あるいは広報、パンフレットを作成して普及活動を進めるということで昨年来進めておるところでございます。
#77
○山花分科員 今施策の一端についてお話しいただきましたけれども、今日までの労働省の把握といいますか、そういう働きかけに対応して、特に使用者側ということになると思いますが、どのような反応があったかということについても、もしできましたならばお話しをいただきたいと思います。
#78
○松原(東)説明員 働きかけた結果、その趣旨につきましては賛成だという声が大宗でございますが、業務あるいは地域によりましては一斉に連続して休暇をとるということはなかなか難しい、こういう意見もあります。
 また一方、具体的な取り組みといたしましては、産地の集団でありますとか、あるいは親企業の関連中小企業とかいう団体が一体となりまして連続休暇に取り組もうというような動きもぼつぼつあらわれてきているところでございます。
#79
○山花分科員 さまざまな働きかけ、広報による宣伝、パンフレットの作成配布等々、施策としてはいろいろ出ておるわけでありますけれども、スローガン倒れに終わらないかということを心配するわけであります。
 なお、この問題につきましては、資料によりますと四月の上旬には実態を調査して、そうした働きかけの効果を踏まえて発表するというようになっているようでありますから、また別の場でお伺いをさせていただきたいと思います。
 もう一つだけ伺っておきたいと思うのですけれども、従来、週休二日制等労働時間対策推進計画を労働時間対策として進めてこられたようですが、新たに「労働時間短縮の展望と指針」を作成することになっている、先ほどの発表によりますとこういうように記述されているわけでありますけれども、この新しくつくられる「展望と指針」につきまして、作業がどこまで進んでおられるのか、大体いつごろ発表ということになるのか。関係して、作業の経過を踏まえてどのような内容になるのかということについても念のためお伺いしておきたいと思います。
#80
○松原(東)説明員 現在、中央労働基準審議会に設けられております労働時間部会で昨年来議論をしていただいておるところでございまして、めどにつきましては夏ごろには節目を迎えられるのではないかというふうに考えております。それを踏まえまして策定をしたいというふうに考えております。
 中身につきましては、まだ本格的な議論が始まったばかりでございますが、現在の推進計画の中身あるいはその後の経緯を踏まえて策定すべきだ、こういう御意見もございまして、そういう御意見を踏まえまして、最終的に時間部会の結論を得た上で策定したいと考えております。
#81
○山花分科員 これまでそれぞれ総務庁、人事院、労働省から時間短縮をめぐる全体の情勢と施策について伺ってきたところですが、事務総長に、こうした全体の流れを国会職員の労働条件という観点からどのように認識されておられるか、把握しておられるか、この点について冒頭まず伺いたいと思います。
#82
○弥富事務総長 ただいま関係各省からお答えがございましたように、いろいろと時間短縮につきましては今お考え中であるやに聞いております。我々の方といたしましても、重大な関心を持ちまして見守っているところでございます。
 ただ、我々の方の職場といたしましては、いつも申し上げるようで恐縮でございますけれども、非常に特殊な職場でございますので、できるだけその職場に合うような、それでしかも時間短縮の精神に合うような、そういう運用をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#83
○山花分科員 今御認識を伺ったわけですが、確かに仕事の特徴ということもありますけれども、時間短縮あるいは週休二日問題等についていろいろ御措置をとってこられたところだと思いますが、これまでそういう方向に向けての具体的な衆議院の職員の皆さんについての措置とそこでの問題点などありましたならばお伺いをいたしたいと思います。
#84
○弥富事務総長 確かに特殊な職場ではございますけれども、やはり時間短縮というものは、一つの、何といいますか、それを超えたものでありまして、時間短縮のためにどちらを犠牲にするというようなことを考えますときに、これはやはり特殊性の職務であるというだけでそれを拒否していくということはなかなか難しいことではないか。
 それで、今まででも例えば週休二日制の場合におきましても、例えばそこに委員会が入るとかあるいは本会議が入るとかということがございましたならば、今まではそれはなかなかとりにくかったと思います。しかし、そういうことはやはり考え方を変えまして、それはほかの方で補っていく以外にない。しかし、その人については、その場合に完全にとっていただく、こういう措置は今までやってきておるところでございますし、それから職場によりましては週休をとるのがなかなか困難であるというような職場も間々耳にするわけでございまして、そういう場合に、その都度それは年休をとれる場合は必ず、そのような職員に対する不必要な心配をかけないように、とりやすいようにという指導はしてまいっているところでございます。
#85
○山花分科員 開会中、閉会中、お仕事の繁忙度がかなり違ってくるわけでありまして、そこではお話のように年休の取得についてそうした事態に合わせたいろいろ御配慮も必要なのではないか、こういうように思いますし、これまでやってきていただいていると伺っておるところですが、そうした従来からの懸案にプラスされまして、先ほど来各省庁から伺ったゴールデンウイークの休暇の問題等を含め、連続休暇の問題ということが新しい問題としてことし特に話題となっているわけであります。年休もなかなか難しいのだからいわんやということになっては実は困ると思うわけでありまして、先ほど来の各省庁のお話を踏まえて、衆議院の職員の皆さんにつきましては、ゴールデンウイークの休暇の問題等を含めて、休日を連続的に取得する可能性あるいはそのために配慮すべき事項あるいはそのために労使の協議も必要かもしれませんけれども、こうした新しい事態に対する事務総長の認識と対策いかんということで伺っておきたいと思います。
#86
○弥富事務総長 ただいま時間短縮の問題、それが論議されております中で、やはりゴールデンウイークの問題というものが今問題になっておるということは十分承知をいたしております。
 それで、その場合に、あるいは政府職員、一般職の職員の方で何らかの制度がとられた場合にはもちろん遅滞なくそれに従うわけでございますし、それと同様の措置をとるわけでございますが、我が方の特徴といたしまして、ゴールデンウイークというのは、そのときの国会の状況が果たしてどうであろうかということも問題になるとは思いますけれども、一年じゅうで一番緑と太陽がいいときでございます。できれば年休の消化等によりまして職員みんなにそういう休日を享受してもらいたいな、かように思っている次第でございます。
#87
○山花分科員 実は御承知のとおり、昨日から国会がまた大車輪で仕事が始まったわけです。与党と野党の予算修正をめぐる折衝の結論、自民党の幹事長から回答があったことを踏まえて、予算委員会がまたスタートした、こういう経過であります。
 実は所得減税問題、政策減税問題、教育、寝たきり老人、単身赴任問題等でありますけれども、これに加わりまして、第三項として時短と休日の問題が大きく取り上げられたというのが本年の特徴であります。「時間短縮並びに連休等休日の増加の問題については、各会派責任者で予算成立までに協議機関を設置し、今国会中にその実現をはかるようつとめる。」こうした項目がいわば大きな他の減税と並んで取り上げられ、解決の方向についての一つの出発点ができたということは、私の記憶ではこれまでなかったのではないかと思うのですが、国会のいわば表舞台のこうした場面でも時短と休日の問題が本格的に議論されているわけでありますから、その意味では、先ほど各省庁からゴールデンウイーク連続休暇問題まで含めて、新しいことしの労働時間、休日問題についての事態の進展についてお話しいただいたこと、これを背景として国会内の出来事もごらんになっていただきますと、いよいよもって、確かに仕事上の困難性ということは十分踏まえながら、また、この点については我々も問題として意識しなければならないところでありますけれども、国会職員の皆さんの時間短縮、連休等休日の増加の問題につきましては、ぜひこうした内外の情勢を踏まえて、本格的な対策について御検討いただきますことを期待するところであります。
 同時に、全体の労働時間問題、従来から日本の場合、大変長時間労働が国際的な比較においても指摘されてまいりまして、加えて最近では、諸外国におきましては、年次ごとに若干なりとも時間短縮問題が進み、あるいは大きなストライキをかけて時間短縮が実現したというところもあるわけでありますけれども、日本の場合には逆にこの労働時間が少しく延長されつつあるというような傾向まで指摘されているところであります。
 こうしたところからいたしますと、全体の休日、年休あるいはこの連続休暇問題等々は、新しい問題とはなりつつも、まだまだ実現についてはさまざまな壁があるのではなかろうかと思いますし、加えて国会職員の皆さんの場合にはこれまでお話しいただいた経過から浮き彫りとなりましたとおり、国会の仕事の兼ね合いで一般の労働者よりも後追い的になるというような傾向がどうしても心配されるわけでありまして、ほかがやって、その次ここもやったんだからやっとということでは実は困るわけでありまして、全体のそういう趨勢におくれずにひとつ御努力をいただきたいと思うことと、同時にこうした問題については、特別な職種ということもありまして、代替するようなさまざまな工夫、知恵も必要ではなかろうか、こういうように思います。この点についても、組合の皆さんの知恵あるいは手法についてのさまざまな提案につきましても正面から受けとめて、これから対策を練り、国会の職員の皆さんだけが一番遅くなってしまうということのないようにひとつ御努力をいただきたいと思いますが、最後にこの点につきまして事務総長のお話を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#88
○弥富事務総長 国会職員に対する御配慮、まことにありがとうございました。ただいま先生が言われましたその趣旨を体しまして真剣に対処いたしてまいりたい、かように考えております。
#89
○山花分科員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#90
○伊藤主査 これにて山花貞夫君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして国会所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#91
○伊藤主査 次に、皇室費について審査を進めます。
 政府から説明を聴取いたします。山本宮内庁次長。
#92
○山本(悟)政府委員 昭和六十年度における皇室費の歳出予算について、その概要を御説明いたします。
 皇室費の昭和六十年度における歳出予算要求額は二十九億五千九百二十六万六千円でありまして、これを前年度予算額二十七億八千百十六万七千円に比較いたしますと、一億七千八百九万九千円の増加となっております。
 皇室費の歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。
 以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費二億五千七百万円、宮廷に必要な経費二十四億九千百二十八万二千円、皇族に必要な経費二億一千九十八万四千円であります。
 次に、その概要を御説明いたします。
 内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上することになっておりますが、前年度に比較して一千八百万円の増加となっております。
 これは、昭和五十九年度限りの内廷費の定額二億三千九百万円を昭和六十年度においては二億五千七百万円となることによるものであります。
 宮廷に必要な経費は、内廷費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費三億七千八百四十二万六千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費二十一億一千二百八十五万六千円でありまして、前年度に比較して一億一千九百三十九万五千円の増加となっております。
 皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上することになっておりますが、前年度に比較して四千七十万四千円の増加となっております。
 これは、内廷費と同様に、年額算定の基礎となる定額二千二百万円が昭和六十年度においては二千三百六十万円となること等によるものであります。
 以上をもちまして昭和六十年度皇室費の歳出予算計上額の説明を終わります。
 よろしく御審議くださるようお願いいたします。
#93
○伊藤主査 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#94
○伊藤主査 質疑の申し出がありますので、これを許します。伊藤昌弘君。
#95
○伊藤(昌)分科員 私はこんな手紙を見ました。「ことし八十五歳、日本の安寧と幸福を祈り続けられ、御高齢にもかかわらず日々のお務めにお励みなされる陛下の大御心を何としても安んじ奉らねばなりません。しかしこのごろは、陛下の大御心を悩ます何かがあるのではないか。もしあるとするならば、その原因を深く掘り下げ、考えねばならないと思う。そしてそのことは、戦後における象徴天皇のあり方を根源的に問い直していくにほかなりません。」
 最近の天皇の御製の中に、「わが庭のそぞろありきも楽しからず わざはひ多き今の世を思へば」。こんな御感懐を漏らされるとは異様なことだと思いますが、恐らく比類なき御心痛を覚えられているのではないかと思うのであります。「わざはひ多き」というのは、我々国民ならば災いというと自分の苦楽にかかわるでありましょうが、天皇は恐らく私心のないお方であると思いますから、「わざはひ」というこの意味は、伝統などについての災いではないかと解すべきであると私は思うのです。
 そこで、「わざはひ多き」とのお言葉の中に、「わざはひ」とは、「多き」とはいかなる意味を含めておられるであろうか。そのお言葉に込められたお気持ちを憶念し、胸の中で反すうすることこそ、陛下に対しての心を尽くす姿勢ではないのでありましょうか。陛下のお気持ちの中にあらせられる大切な御事をお守りするという姿勢、宮内官が陛下をお守りしようとする自負が少し足りないのではなかろうか。今上天皇御製を受けとめる力こそが今問われているのではないだろうか。
 今上天皇御製を受けとめる力の喪失は、宮内庁が憲法を盾にとって宮内祭祀を軽視している事実につながる問題のように思われてもいたし方ないと思います。宮中祭祀を厳守し続けてこられた陛下の御心を憶念する力を持っているならば、祭祀は天皇の私事という解釈により宮中祭祀を形骸化していくということは決してあってはならないし、逆に宮中祭祀をお守りするための法的整備のため尽力せねばならないと思うのです。しかし、彼らは、憲法、いや、みずからの公務員としての立場を守ろうとしているのではなかろうか。陛下をお守りすることを第一義としているのではないような気がしてなりません。陛下の大御心を憶念し、陛下の御心に沿い奉らんとの努力のない方々に天皇をお守りしていると言える資格はないのではないか、このくらい厳しく考えてもいいのではなかろうか。宮内官の持つ思想的問題こそ今問われなければならないと思うのであります。
 私が官房長官にきょうお出ましをいただきましたのは、今の中曽根総理は真に日本民族の伝統を大切にする精神を持っておられる方でありますから、これから私が各論について申し上げまするが、ぜひ総理にも御伝言をいただきたいのであります。
 そこで、今の御製「わが庭のそぞろありきも楽しからず わざはひ多き今の世を思へば」、官房長官、この御製をお感じになられてどのような感懐をお持ちになられますでございましょうか。
#96
○藤波国務大臣 今御指摘をいただきましたが、中曽根内閣はいろいろな伝統を大切にして、しかも絶えず新しい文化を創造していく、国の営みを進めていく、こういうところに力点を置いて進んでまいりたいと考えておる次第でございます。
 今、陛下のお歌の御紹介がございました。天皇陛下が日常どのようにお考えになってお過ごしになっておられるかということを私どもの立場で勝手に推測をして申し上げますことは御遠慮申し上げなければならぬと思うのでございますが、いつも世界の平和が維持されていくこと、そして国の中が安定をしており、一人一人の国民の皆さん方が安らかな気持ちで生活をしていくことができるような、そういう落ちついた世の中であってほしいといろいろとお心をめぐらされて御心配になり、また、そのことを念じておられるのではないだろうか。海外から国賓などが参りましての晩さん会などでも、非常に熱心にお客様に対していろいろなお話をなさっておられます御様子や、また日常、いろいろ周囲の方々にお話しになっておられることなどを勘案させていただきまして、そんなふうに憶測、推測をさせていただく次第でございます。
#97
○伊藤(昌)分科員 陛下が安寧を願っておられるその姿の一つは、国の先祖の祭祀、お祭りの問題ではないかと思うのです。皇室経済法第七条によると、「皇位とともに伝わるべき由緒ある物は、皇位とともに、皇嗣が、これを受ける。」とあり、政府はこの「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」として、三種の神器、宮中三殿の神殿を認めている。神殿の御継承は祭祀の御継承であり、すなわち祭祀は御皇室の公事としての公権解釈ができるはず。そのことをもって伝統的祭事の護持を図ることができるはずだと思う。この辺のところがぼけていますから、混濁しておりますから、陛下は悩んでおられるのではないか。一体、天皇が行うところの祭祀を私事と考える傾向は誤っているのではないかと思いますが、これは法制局に。時間がないから要点だけでいいです。
#98
○前田政府委員 宮中祭祀といたしましてどのような行事が行われておりますか、その実情を承知しておりませんので、一般論としてお答えをいたしますけれども、御承知のように、憲法二十条第三項は、国及びその機関はいかなる宗教的活動もしてはならないと規定しておりますので、宮中祭祀がここで言っておりますような宗教的な活動に当たるというようなものでございますならば、たとえ御指摘のような内容の祈願がされているといたしましても、宮中祭祀が公事として行われるというようなことはできないのではないかと考えます。もちろん、天皇も私人とされまして信教の自由をお持ちであることは言うまでもございませんから、宮中祭祀が宗教的活動に当たるといたしましても、私的な立場で宮中祭祀が行われることにつきましては何ら問題はないものと考えております。
#99
○伊藤(昌)分科員 その考え方が、戦後を境にして全く伝統無視、どこの国の国民かわけのわからない国になってしまったのではないでしょうか。いわゆる伝統というものは、栄光もあれば屈辱もあるのです。栄光ばかりが日本の伝統ではない。一度の敗戦によって、今のようなそんな根のないお答え方が国会へ出ること自体が私は誤りであると思う。憲法と自衛隊の関係だって、国の基本権というものは、これは憲法は認めておるわけです。
 そこで、我が国の伝統というものをよく考えてみたときに、憲法とそれから天皇の祭祀というもの、これは、ここに日本人全体が真剣に考えていかなければならぬと思う。いわゆる憲法二十条、憲法八十九条、これは政府が宗教に金を出したり、政府が宗教活動をすることはいけないといっておる。それはそうでしょう。しかしながら、天皇は象徴であります。象徴が大自然と一体になって皇祖皇宗を、先祖をお祭りする、これは天皇しかできない行為であります。その行為によって日本の国は長く安寧を保っておるのかもわからない。そういう考え方を持っておる日本人は大勢おられるわけであります。
 私は、日本の国は不思議な国だと思う。なぜなら、二千六百年も続いて一度も外国の侵略を受けたこともないし、万世一系の天皇で、平民が天皇になったことはない。道鏡だって、それからそこの専横をきわめた人だって、自分自身が天皇になったことはない。自分の娘を天皇に嫁入りさせて、そして専横をきわめたことはあるかもわかりませんが。また、幕末のころだって、一歩間違えば日本は侵略を受けるところも助かった。第二次世界大戦だって、あれだけ大きな傷を負いながら、普通、外国の王様だったらどうなりますかね。あの勝者の裁判、極東裁判だったら、恐らく外国の王様だったら、天皇はどうなっておるかわかりません。それだけじゃありません。日本が負けたにもかかわらず、外国がつくった憲法の第一条、天皇象徴、こういうことは外国にないことであります。こういうことは神秘的なことで、私はよくわからないけれども、なぜこういう国体があるのかということを考えてみる、これは日本の伝統を大事にする日本人としては絶対必要なことであると思うのであります。
 我々のような戦前教育を受けた者はこれは理解できるはず。ところが、昭和四十五、六年生まれ、それ以後に生まれた子供の教育を見てごらんなさいませ。教科書はでたらめ。どこの国の国民をつくるのかさっぱりわからない。それだけじゃない。権利の主張一点張り。何もわからない子供にこういう教育をしているのですよ。こういう子供たちがこれから十年、十五年たったら、ちょうど我々のような者がこの世にいなくなったころです、そのころ、おかしな教育を受けた者が総理大臣になったり、政治家になったり、官僚になったり、学校の先生になったり、裁判官になったりするのであります。そういうことを考えて、日本の伝統、大生命というものは何かということを今真剣に考えてみなければいけないときであると私は考えるものであります。
 日本の伝統についても官房長官にお尋ねしたいのですが、官房長官もう二、三分しかいらっしゃらないから、残念ですが、ちょっと先へ飛ばします。
 そこで、皇室費それから宮内庁費などについて申し上げまするが、官房長官、聞いてくださいませ。内廷費は、昭和二十五年を基本にしまして、昭和五十九年度は倍率が八・五倍しかふえていない。それから宮廷費は二十九・三、皇族費は二十・五、それから宮内庁費は四十七・六。何で大事な内廷費だけがわずか八・五倍にしかなっていないのかということであります。そして、五十九年度を見ると二億三千九百万円。二億三千九百万円から二十二名の人件費を引きますと――後で資料として、内廷費の中から出している二十二名の人件費の額を教えていただきたいが、恐らく一般のお役人と同じだとするならば、一人四百万か五百万円出費するとなると約一億円が消えてしまう。そうすると、約一億四、五千万円。月に割りますると一千万円そこそこであります。その中から祭祀を出さなくてはいけない。その神事費は全体の七%ぐらいしか予算をとっておらないようであります。そういうようなわずかな金額で日本の象徴を保とうとする物の考え方。
 これは何でこんなに倍率が少ないのか。ここでお尋ねしたいのですが、時間がないですから私の知っていることを申し上げますると、終戦直後は一汁一菜。国民全体が粗末で質素な生活をしておった。ところが、経済が発展するに従いまして、我々国民は質と量がよくなってまいりました。ところが、天皇の内廷費だけは、終戦直後の一汁一菜に時代時代の物価の値上がりをそこに勘案をしてつくった金額のように思えてならない。これはどこで決めるのですか。総理大臣が頂点に立った皇室経済会議でお決めになるとするならば、今後これをよく御検討いただきまして――象徴の天皇の一カ月の費用が神様の祭事を入れても一千何十万円でできるわけがないじゃないですか。その辺の町の神社のお祭りを見たって、こんな金額じゃできないはずであります。こういうことに何でメスが入っておらないのかと私は思います。このことについてひとつ。後でまとめて御答弁を願います。
 それから、国民は天皇に、皇室に寄付をしたいという考え方を持っておる人が大勢おる。しかしながら、一年間の限度額はわずか六百万円。六百万円以上寄付してはならないということであります。こんなことではいけない。もっと金額を広げるべきではないかと思うのであります。
 また、浩宮様の御結婚は皇室会議で国家機関の決定を受けるということになっておるのではないかと思いまするが、そうなりますると、皇族の結婚自体が国家行為と解されてもいいと思うのであります。そうなってまいりますと、当然そこに神道の儀式もやるでありましょうから、これは当然なことなんですよ。当然なことですから、浩宮殿下などの御結婚については皇室会議、国家機関が決定をして、そして、この神事というものを公事と考えていくという考え方に徹していかなければいけないのではないか。こういったことを私が今申し上げておきませんと、またこのときになっておかしな思想を持った人たちがどんな誤った論を展開をするかもわかりませんから、やはりその辺のところは政府の見解をはっきりまとめておいていただかなければならないと私は考えております。
 そこで、今の予算の問題その他について宮内庁から御答弁をいただきたいのであります。
 官房長官お時間でしたら、二分超過しましたからどうぞ御自由に。
#100
○山本(悟)政府委員 ただいま御質問のございました事項の第一点、内廷費の歴年増加が非常に少ないではないか、率が低いではないか、あるいはその中で特に神事関係というものは伸びがないではないか、これは非常に低い水準をもとにして物価その他で伸ばしても非常に少ないではないか、こういう御趣旨の御質問が第一点であったと存じます。
 御指摘のとおりに、内廷費というのは、皇族の日常の経費その他内廷諸費に充てるということで、一定の手続を経て、すなわち皇室経済会議の議を経て増額の際には決めていただく、それを国会に法律として提出し、予算としてお決めいただく、こういう手続を経て法律改正もいたしてやってまいっているわけでございますが、昭和三十年代、四十年代のごく初めまではその額が足りるか足りないかを一つ一つ毎回のように内部まで入りまして決めてまいったわけでございますが、四十三年以降は、先生御案内のとおりに物価の上昇率と公務員の給与改定率というようなものを勘案をいたしまして、一定の率になった際にはこの改定をお願いをする、こういうようなやり方を踏襲をさせていただいているわけでございまして、四十三年以降も既に大体二ないし三年ごとに必要な改定をさせていただいている、そういう意味では現在のところ、必要なものは確保させていただいている、こう思っているわけでございます。
 ただ、そもそももとがどうだ、こういう御議論は確かにあろうかと存じますが、こういった経費につきましてもやはり節するべきは節し、必要なものはやらしていただくという態度が、基本的にはこの内廷費の運営といたしましても必要なことじゃないかというようにも存じているわけでございます。確かに御指摘のとおりに祭事費は物件費の中で約七%程度ということでございまして、そう大きなものではないのじゃないかという御意見はあろうかとは思いますけれども、やはり皇室といたしましては極めて厳粛に、極めて丁寧な格好で必要なお祭りをずっと伝統的なものを続けていらっしゃるわけでありまして、それが内廷費が少ないということによって質が落ちる、あるいは軽んじられているというような考え方を皇室あるいは宮内庁がとったことは一度もないと私は存じているわけでございます。現在も極めて丁寧に厳粛に祭祀は続けられている、皇室の行事として考える場合には何ら変化はないというように思っている次第でございます。
 そういうような物の見方、最初にお述べになりましたどなたかの御製につきましてのお感じというのは、いろいろなお立場でいろいろなお感じがあろうかと思いますが、私どもが伺っておりますのは、あの御製は長崎水害の後にお詠みになったと侍従職といいますか、おそばの者から伺っているわけでありまして、それはそれなりにいろいろな陛下のお考えがあったことであろうとは存じますが、同じ一つの御製でも公表されました際にはいろいろな国民の方々のお感じによって受け取り方があり得るということは、ただいま御指摘いただきましたことでよくわかるわけでございますが、基本的に、そういう意味での御心配と申しますか、内廷費が非常に少ないということによっていろいろなものが制約をされ、いろいろなものが非常に略されていくというような方向にあるのではないかということにつきましては、さような考えは毛頭持ってないということを申し上げておきたいと存じます。もちろん陛下の御高齢化その他いろいろな社会情勢によって、従来行っていることが全く同一でもって行えるかどうかというようなことはまた別問題としてございますけれども、基本的な考え方につきましては、ただいま申し上げたことをもう一度申し上げさせていただきたいと思うわけでございます。
 それから、内廷費の中の人件費、概算されましたが、約八千万くらいを現在支出をいたしております。ただ先ほど、内廷費の関係は申すまでもないことでございますけれども公金ではない、お手元金の中身でございますので、金額を細部にわたって申し上げることは控えさせていただきたいと存じます。
    〔主査退席、太田主査代理着席〕
約三分の一が人件費というような格好になっているようでございます。
 それから、最後におっしゃられました贈与の関係でございます。何といいますか、譲り受けという言葉で法律では言っておりますが、国民の方々が皇室に献上したいというような場合の金額の制限、これも憲法に基づきまして皇室経済法で規定があるわけでありまして、また細部には皇室経済法施行法によつまして額も決められておるわけでございまして、これは先般三百三十万から六百万に引き上げていただいたところでございます。こういう金額の可否、もっとあってもいいじゃないか、いろいろな御議論は確かにございます、ございますが、やはり現行憲法でああいった制約を置いていた事情というようなものは考えざるを得ない、その上での判断といたしまして現在こういった金額になっているわけでございまして、そのいろいろなお立場でいろいろなお考え方があることは十分承知をいたしておりますが、憲法及びそれに基づくところの法律に従いまして措置をしていくということが基本であろうと存じております。
 それから、最後におっしゃいました浩宮様の……。御指摘のとおり、皇族の結婚につきましては皇室会議の議を経てということでございますから、最後の判断の基礎は皇室会議になっているわけでございます。これはやはり皇族という一定の特殊なる身分、地位を持った方の結婚につきまして、憲法上の要請からいたしましてそういった制約があるのもやむを得ない、こういうような考え方に立っているわけでございまして、その結婚の儀式そのものがどういう格好で行われるかはそのときどきでございますが、ただ戦後現在までの皇族の結婚の儀というものは、御承知のとおり賢所の前庭において行われるというような格好になっているのは御指摘のとおりでございます。それで、御結婚そのものは皇太子の御結婚のときは国事行為でいたしました。それから、その他の皇族の御結婚も公的行為という扱いでいたしております。しかし、同時に、それが直ちに祭祀そのものが、先ほど法制局の方で答弁がありましたことと直接触れるのかどうかということは、これはいろいろな考え方、解釈の仕方があるわけでありまして、ただ私どもも申せるのは御結婚そのものは、皇太子の場合には国事行為、皇族の場合には公的行為として行われる、恐らく将来におきましても同様な形式がとられるであろう、こういうことは申し上げられるであろうと存じております。
#101
○伊藤(昌)分科員 きょうは官房長官によく内容をわかっていただこうということが主でありまして、今あなた様の答弁は、そういう答弁しかできないことはよくわかりますけれども、しかしながら憲法だとか自分の公務員としての立場だけを守ろうとしているという考え方は、これはなくしていただかなければいかぬ。私たち宮内庁の者が天皇をお守りするしかないんだというくらいのお考え方に立って、そして改めるべきところは改めていくという、日本の伝統というものを維持、継承していくためにはどうするかということを一番真剣に考えなければならないのが宮内庁のお方々でありますから、よくその思想、見識というものを持っていただかないと困るのです。そうでないと、だんだんとこの国かわけのわからぬ国になっていくことが、これは非常に憂うべきことであります。そういうことがこの天皇の御製にこもっておるはずです。長崎の水害のことで「わざはひ多き今の世を思へば」、それは御心配なことはあるけれども、この御製はそういうものではないことは、これは失礼な言い方だが、大人がお考えになればわかることです。宮内庁の一番偉い方がそんな見解をこんなところで述べちゃいけないと、私は失礼だが申し上げたいのであります。そして、今の内廷費につきましても、これで十分ですと言う、私は十分ではないと思う。一カ月の費用が一千万円で、これは私は十分ではないと思います。これで十分だというような御見解を述べられることは、これはよろしくないと私は思うんです。
 皇太子殿下の服装についてびっくりしましたと、きのう私に筑波大学のある助教授がおっしゃっておられた。それは食事も非常に質素でいらっしゃるし、召されておるものもとても質素です。これは、お金がないから質素だと申し上げるのではない。恐らく物を大切にしなければいけないというお考えからなさっておられるものだと思うのでありますけれども、それはそれにしましても、やはりこの内廷費については、もっと本当に真剣に考えていただく必要があると思うのであります。
 私の友人なども随分皇居へ奉仕に行かれておりますが、この奉仕も、奉仕をしなければならないような環境になっておるとするならば、これは人手が足りないのではないかなということも考えられるのであります。
 したがいまして、そういう細々としたこともあわせ考えて、もう一度、象徴天皇とはどうあるべきことかということの論を起こすようにしなければいけないときではないかと私は考えておりまするので、このような質問をさせていただいた次第であります。
 以上をもって質問を終わります。ありがとうございました。
#102
○太田主査代理 これにて伊藤昌弘君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして皇室費についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#103
○太田主査代理 次に、裁判所所管について審査を進めます。
 最高裁判所当局から説明を聴取いたします。勝見事務総長。
#104
○勝見最高裁判所長官代理者 昭和六十年度裁判所所管予定経費要求額について御説明申し上げます。
 昭和六十年度裁判所所管予定経費要求額の総額は二千百八十三億九千二百二十八万三千円でありまして、これを前年度予算額二千九十五億四千四百五十二万二千円に比較いたしますと、差し引き八十八億四千七百七十六万一千円の増加となっております。
 これは、人件費において八十六億五千七百三十八万一千円、裁判費において四億一千五百七十二万七千円、司法行政事務を行うために必要な庁費等において一億九千十万五千円が増加し、施設費において四億一千五百四十五万二千円が減少した結果であります。
 次に、昭和六十年度予定経費要求額のうち主な事項について御説明申し上げます。
 まず、人的機構の充実、すなわち増員であります。
 民事執行法に基づく執行事件、破産事件、少年一般保護事件等の適正迅速な処理を図るため、判事九人、裁判所書記官十人、家庭裁判所調査官三人、裁判所事務官二十七人、合計四十九人の増員をすることとしております。
 他方、定員削減計画に基づく昭和六十年度削減分として裁判所事務官三十九人及び定年退職者の不補充に関連する削減分として技能労務職員三人、合計四十二人が減員されることになりますので、差し引き七人の定員増となるわけであります。
 次は、司法の体制の強化に必要な経費であります。
 裁判運営の効率化及び近代化のため、庁用図書等裁判資料の整備に要する経費として四億六千四百三十三万五千円、複写機、計算機等裁判事務能率化器具の整備に要する経費として三億七千二十八万三千円、調停委員に支給する手当として五十二億八千四百五十六万六千円、裁判費の充実を図るため、国選弁護人報酬に要する経費として二十五億二千三百六十二万二千円、証人、司法委員、参与員等旅費として六億八百十万六千円を計上しております。
 また、裁判所施設の整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として七十七億七千百二十五万九千円を計上しております。
 以上が、昭和六十年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
#105
○太田主査代理 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#106
○太田主査代理 質疑の申し出がありますので、これを許します。井上普方君。
#107
○井上(普)分科員 ただいまちょっと予算要求額とおっしゃる言葉は、我々の使っている言葉と違うように思われてなりません。予算書に計上せられると、予算額というなら話はわかるのですが、予算要求額というのは、ここらあたり言葉の統一をする必要があるように思われてならないのですが、その点いかがですか。
#108
○川嵜最高裁判所長官代理者 ただいまの用語は財政法に忠実に用いたものでありまして、国会へ予算が提出されております。これが決定いたしますと、予算が確定いたしますと、御指摘のようなことになろうと思いますけれども、現段階においてはそういう用い方が財政法に忠実な表現であろうと思います。
#109
○井上(普)分科員 わかった。裁判所が言うんだから正しいと一般には伝えられて考えられますが、一般には我々計上されております予算額はということになっています。そこを、言葉一つ一つに因縁をつけるわけじゃない、揚げ足を取るわけじゃない。しかし、どうも裁判所の社会を見てみますと、やはり浮世離れしておるなという感じを持つのは、実は私一人ではなかろうと思うのであります。これは後から申し上げますが、でございますので、裁判官の不祥事件といったって、ともかく新聞紙上に大々的に書かれる。それだけ裁判官の地位というものも安定しておるし、させなければならないし、また、そうあらねばならぬのだけれども、ともかく浮世離れしておる裁判官が多過ぎるように思われてならない。かつては鬼頭という判事さんがおられて、私もその後法曹界、裁判官社会のエリートという連中と話をしてみて、あれ、この人は何というか鬼頭裁判官と余り変わらぬなという感じをその当時持ったのであります。そこらあたりの問題は教養の問題として考えていただかなければならぬのでございますが、裁判官が浮世離れをせぬようにどのような方法をとっておるのか、ひとつお伺いしたいのです。
 と言いますのは、これはもうある人が私にこう言うのです。明治以来変わらぬ制度と言えば裁判官の制度と大学の教授だ。なるほど、それはそうだろうな。余り世の中から批判を受けてないし、制度それ自体が変わってないなというのはこの二つですよなんという話があって、なるほどそうかなと言って私も見直したことがあるのでございますが、しかし、折々そういうような非常識な裁判官もなきにしもあらずなので、ここらあたりの事柄についてどういうような方法をとっておられるのか、この点をお伺いしたいと思います。
#110
○山口最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のとおり、我が国の裁判官制度は西ドイツあるいはフランスの法制と同じようにいわゆるキャリアシステムというものをとっておりまして、司法試験を受けまして、二年間司法研修所で修習を受けて、その修習を終わった者の中から判事補に任命する、それで十年たちますと判事に任官する、そういうキャリアシステムをとっているわけでございます。戦前もやはり高等試験の司法科試験を受けまして、司法官試補をやりました後予備判事に任命されて、それから判事に登用される、そういうシステムをとっておりまして、本質的に異なるところはないわけではございますけれども、戦後大いに違いましたところは、従前のように司法官試補制度ではございませんで、検事にもなる、あるいは弁護士にもなる、そういう方々を集めまして司法研修所で研修する、そういう意味でいわばスタートの段階で法曹一元の面を若干取り入れたというところに特徴があろうかと思います。
 そうは申しましても、やはり司法研修所を出た後、裁判官としてずっと歩んでくるわけでございますから、いろいろ御指摘あるいは御批判を受ける面もないわけではなかろうと思います。私どもといたしましては、裁判官の研修の機会がございますし、それから日常の裁判実務の中で先輩が後輩を指導していく。それから、組織的な裁判官の研修の中におきましてはできる限り視野を広めるように、例えば最近におきましては新聞社等へ一カ月ほど出まして、新聞社のあり方を見る、新聞記者の御苦労も見る。それから、司法研修所におきましては外部講師をお招きいたしまして、そこで外部のすぐれた方々から外部のありようというようなことについてもいろいろお話を伺う。やはりこれは自分の人格修養の問題にもなるわけでございまして、裁判官みずからが自己啓発していかなければならない問題でございますが、常に社会の生きた事件を取り扱う職責でございますので、私ども、裁判官一人一人が浮世離れのしたというような御批判のないようにできる限り視野を広めるように自己啓発に努めているというのが現在の姿でございます。
#111
○井上(普)分科員 私どもから見まして、私が一、二経験したところで、浮世離れしておる人だなという感を受けましたので、あえてこういうことをお伺いするわけなんです。
 それはともかくといたしまして、実は裁判をやっている人たちに聞きますと、あるいはまた私自身が経験しましたが、裁判が長過ぎるというのが一般国民の声であります。この点は最高裁の皆さん方もお気づきであろうと思いまして、この点、御努力はなさっておると思うのでございますが、どういう御努力をなさっておるのか、その成果はどうなっておるのか、ひとつお伺いしたいのであります。刑事事件と民事事件に分けてお伺いします。
#112
○上谷最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、裁判が長引くということがいろいろ言われることは私どももよく承知いたしております。私どもといたしましても、例えば裁判官あるいは裁判を補助いたします書記官、あるいはまた事務官、そういった職員の増員を年々お願いしてまいっておりますし、また、私どもの方で裁判をするために必要な資料を整備いたしましたり、あるいはまた全国の裁判官に集まっていただいて審理のより一層の工夫を御討議いただき、その成果を持ち帰って各裁判所で実行していただく、そういうふうなことも努力しているわけでございますし、それから能率化の器具の配付等も常々心がけてまいっておるわけでございます。
 所管の民事事件に関して、いわゆる審理期間を数字で若干御説明させていただきたいと存じます。
 一番正確な数字は終結いたしました個々の事件を統計にとっております分でございますので、いわゆる既済事件と呼んでおりますが、それから見ました審理期間として申し上げてみますと、昭和五十八年中に終結した、つまり既済になりました民事の通常の訴訟事件について見ますと、まず地方裁判所でございますが、十二万一千件余り既済になった事件のうち六七・一%の事件が、訴えを提起してから一年以内に処理されております。一年を超えて三年以内に処理された事件は二四・四%、さらに三年を超えて審理がなされた事件が八・五%というふうな数字が出ております。これをならしまして、いわゆる平均審理期間という形で見てみますと十三・四カ月、一年一カ月余りというふうな数字になっております。これを十年前の昭和四十八年の当時の数字に比較してみますと、四十八年度の平均審理期間は十七・四カ月、約一年半でございますので、この十年間で約四カ月ぐらいは短縮できているわけでございます。
 それからもう一つ、第一審を担当いたしております簡易裁判所でございますが、ここでは九一・三%、もう九〇%を超える事件が、訴えが提起されてから六カ月以内に処理されております。一年を超える事件は全体の事件の二・七%でございまして、非常に少なくなっております。平均審理期間という形で統計をとってみますと、昭和五十八年で三・四カ月でございまして、昭和四十八年度、十年前に比較いたしますと、十年間で約二カ月ばかり短縮いたしております。四十八年度の平均審理期間は五・三カ月という数字が出ておりました。
 それから控訴審、上告審等もございます。余り長くなりますので細かい数字までは一々申し上げることを省略させていただきたいと存じますが、控訴審におきましても民事の通常控訴事件の平均審理期間は、四十八年に比べますと約半年ばかり減少いたしておりまして、平均で十四カ月ぐらいの審理期間というふうになっております。
 それから上告審でございますが、これも昭和五十八年度に既済になりました民事の通常訴訟事件について見ますと、最高裁判所の場合、平均十カ月、高等裁判所の場合、平均八カ月で事件が処理されておる。
 このような数字になっておりまして、昭和四十八年当時に比べましていずれも審理期間がかなり短縮されているというふうな数字が出ておるわけでございます。もちろんこれは平均の期間でございまして、先ほど申し上げましたように、中には三年を超える事件というのもあるわけでございますが、例えば三年を超える事件をそれぞれ昭和四十八年度と比較いたしてみましても、この十年間でかなり件数が減っておりまして、改善の跡が著しく見てとれるということは言えると思います。もちろんこれで私どもが満足しているわけではございませんで、さらに適正な裁判をしつつ、かつ、それを早くということは私どもの最大の努力目標でございまして、日ごろこれに努めているわけでございますが、一応数字を見ましても、かなりの改善の跡がうかがわれるということはぜひとも御理解いただきたいと思います。
#113
○井上(普)分科員 数字の上からうかがいますと、かなり早くなっておるということはわかります。しかし、世の中どんどんとこれだけスピードの速い時代になってきておる。ところが、裁判所はどうも長過ぎるぞというのが国民一般のこれは感じでありますし、私自身が関係しておる事件なんかも、これももう十年過ぎました。土地の買収にかかわる事件でございますが、その間裁判官は、主任裁判官は三回かわっている。それである弁護士諸君に、一体裁判というのは長過ぎるがどうしたんだと言って聞けば、いや、裁判を長引かすのも弁護士の技術の一つだと、こう言う。ほう、しかし。裁判官は裁判を支配するというか、やっておるのでそんなことできるのかなという感を私は深くしたのでありますが、いずれにしましてもともかく長過ぎる、一般の感覚であります。
 今のは民事事件でおっしゃっていただきましたが、刑事事件も同じようなことになっているんだろうと思うのです。その最たるものがロッキード事件だろうと思いますけれども、それはともかくといたしまして、国民全体が非常に早くすることを望んでおる。今も予算の説明を承りますと、去年ぐらいからですか、リコピーですか、リコピーを裁判所に導入するのに初めてこれに法的根拠をつくることを決めたなんという法案がありましたな。こういうような問題は、どんどんと新しい時代が進んでおるのでございますから、事務処理を早くやっていただかなきゃいかぬ。
 今も増員のお話を承りますというと、私は遅いのは裁判官が少ないんじゃないか、一人当たりの判事が持っております事件、事案ですか、それについて余りにも多過ぎるんじゃないだろうかという感がするのでございますが、この点はいかがでございますか。
#114
○山口最高裁判所長官代理者 裁判官の増員につきましては、昭和四十五年から五十九年まで、合計百六十名の増員をお願いいたしております。昭和六十年度におきましても、増加しております強制執行あるいは破産事件の処理、それから家庭裁判所における少年保護事件の処理のために九名の増員もお願いしているわけでございます。
 事件の数で申しますと、昭和四十五年当時と昭和五十八年当時と比較しますと、さほど異なってはおりません。そのほかに、例えば強制執行とか破産事件というのはかなりふえている面はございます。それから、簡易裁判所の民訴事件、調停事件がかなりふえているという面はございます。しかし、地裁を主にして見ます限り、事件数は、先ほど申しました強制執行、破産を除きますと、民事はそんなに変わっておりません。
 しかしながら、その間に事件の質というものがかなり変わってきておりまして、御承知のように公害事件であるとか医療過誤であるとか、難しい事件がかなりふえてきておりますから、そういう面では四十五年当時に比較いたしますとかなり負担がふえてきているということは申せようかと思います。
 しかし、先ほども申しましたように、逐年増員の措置はとっておりますし、それから訴訟遅延の原因につきましては、これは先ほど申しました公害事件であるとか医療過誤事件であるとか、あるいは多数当事者訴訟というように事件そのものにかかわります面と、それから当事者側に原因が帰せられる面と、それから裁判所側に原因を帰せられる面とあるわけでございまして、裁判官の負担過重等、裁判所に原因があるものにつきましては、先ほど申しましたような増員措置、あるいは先ほども御指摘のございましたような能率器具の活用、さらには裁判事務の合理化、運用上の改善工夫というようなことをこれまでやってきておりますので、現在の状況におきましては裁判官の負担が重過ぎる余りに訴訟が長引くというようなことはないのではないかというように考えております。
#115
○井上(普)分科員 しかし、十五年間で百六十人しか増員してないということになりますと、これは一年間に大体十人の増員ですな。それじゃ裁判のスピードアップに余り役立たぬのじゃないか。私どもが聞いてみますと、これは今どなたですか、総務局長さんおっしゃいましたけれども、裁判官の事務が多いんだ、だから延びるんだ、こういうお話が多いのです。
 実は、私も関係しておる民事事件を見ますと、一年に三、四回ぐらいしか公判を開かぬですな。それでもまだ早い方だと言う。このスピードの時代にともかくいかにものんびりしておるなという感を私は深くする。どうしたんだと言ったら、いや、ともかく裁判官が事案が多過ぎてなかなかそこまでいけないんだと言う。表向きはそう言う。弁護士に聞くと、いや、裁判延ばすのは、審理を延ばすのは一つの弁護士の腕なんだ、こう言う。こんなのは裁判を主宰する裁判長が早くやろうと思うとできるはずなんです。こういうケースが非常に多い。十人ぐらいの増員じゃだめなんじゃないですか。
 そしてまた、ある法曹界の連中に、一体そんな裁判官は――私も一年で十人ぐらいずつの増員だということを知っておりましたので、それぐらいじゃないかと言ったら、いや、裁判官を多くすると質が下がる、こうおっしゃっている。何を言っているんだ、私はすぐに反論したんです。あんた、人口は戦前と戦後と比べてみろ、五割は人口ふえているんだぞ、内地人口は。しかも、戦後におきまして基本的人権というものを重んずる憲法ができましたので、非常に民事にいたしましても刑事にしても今までと違ったような裁判形式がとられている。事件は難しくなってきている。しかも、件数も多くなってきている。だから、もう少し裁判のスピードアップをするためにはもっともっと増員をしなければならぬのじゃないかと言うと、いや、裁判官の質が落ちると言って、てめえたちがとにかくいかにもエリート中のエリートみたいな考え方を持っているのが、返事が私にあったのであります。不届き至極と思う。まあこれほど教育が大衆化した時代でございますので、頭のいい連中がともかくだんだん大学を卒業するし、裁判官を受けられる機会も多くなってきている、司法試験を受けられる時代になってきている。だから、うんとこれを増員して、国民の裁判の遅過ぎることに対する不満を解消するような努力をしなければならないんです。
 その点について、年に十人くらいの増員ではだめだと私は思うのですが、いかがにお考えになります。
#116
○上谷最高裁判所長官代理者 民事の実際の事件で若干実情を御説明させていただきたいと存じます。
 確かに民事の事件は私法上の権利の争いでございます。しかも、双方の原告、被告の当事者がお互いに主張、立証を尽くすという訴訟構造をとっておりますので、両方の言い分を十分聞かなければなりません。したがいまして、場合によっては、例えば当事者の協力が得られないために事件の進行をスムーズに図れないというケースもあるわけでございますが、もちろんそこのところは裁判官の強力な訴訟指揮権の行使によって進行を図っていくという建前でございます。現実に、例えば最も事件が多い東京地方裁判所の民事部のごく平均的な姿で申しますと、通常の弁論期日は大体一カ月ごとに開かれております。それから、証人あるいは当事者本人を調べる証拠調べの期日も大体二カ月前後で行われているのが実情でございます。もちろんたまたまある部にあるいはある裁判所に特に大きな事件があるために若干それよりも遅くなっているというところがないわけではございませんが、全国押しなべて申しましても、今申しましたような期日の間隔が一般的でございます。
 ただ、民事の事件は通常、難しい事件であればあるほど双方に弁護士さんがおつきになりますし、双方の弁護士さんのやはり御都合を聞かなければ期日を設定するわけにはいかないという面もございます。しかも、事件が難しくなればなるほど当事者の側で事前に十分事実関係を調べ、証人にも当たり、あるいは法律構成を考えてするためにかなりの準備期間を要するのが実際でございます。したがいまして、例えば先ほど例に挙げましたような公害関係の事件でありますとかあるいは医療過誤の事件でございますとか、そういうふうな内容の複雑な事件につきましては当事者側でも十分の準備期間をとる必要があるわけでございますし、裁判所も当該証拠調べ等をいたしますために十分な準備をしなければいけませんので、そういうふうな事件に関して申しますと、ある程度証拠調べの期日が開く、例えば二カ月ないし三カ月になるということもやむを得ない面もございます。
 そういうふうな実情でございまして、特に一般的に審理の間隔がそれほど長いわけでは決してないと思います。もちろんそれ以上に縮めることができればそれにこしたことはございませんが、そういうふうな実情にございますので、特に裁判官が不足しているために、裁判所の事情によって民事訴訟が遅延しているという要因は非常に少ないと私どもは見ておるわけでございます。
#117
○井上(普)分科員 それは私どもとは認識が違う。そういうような御認識を持っておるから浮世離れしているというのです。裁判の指揮権の現状を見ますと、裁判官が、弁護士さんどうですか、いつがよろしゅうございますといって弁護士の方に顔を向けた裁判指揮が行われておるじゃありませんか。そして、三カ月に一回あるいは二カ月に一回、およそ今の時代に、これだけのスピードの時代に、三カ月に一回、四カ月に一回という会議がありますか。時代おくれも甚だしいと私は思う。何だといえば、弁護士のいわく、いや、裁判を長引かすのも弁護士の腕だ、こう言う。裁判所は一体何をしているのだ。まあ裁判所の裁判官というのはいい御身分でございまして、夏休みはある、正月休みはある、こんな職業というのは学校の先生以外に今ちょっと少ない。私どもは裁判の公正を期すために、裁判批判というものは余りやりたくありませんが、せめてスピードは、裁判の期間を短くすることは国民の要望なんですから。しかもあなた方は、裁判官は少なくないとおっしゃる。現地へ行ってごらんなさいよ。裁判官は忙し過ぎる、こうおっしゃる。そして夏休みは、二十日ですか、たっぷりおとりになる。私は、そういう裁判官が心身ともに健全な姿でやっていただくことは望ましいことだ。望ましいが、国民の要望に対する姿勢というものはとっていただかなかつたらだめだと思うのです。裁判を長引かすのも弁護士の腕の一つなんというような世の中を早くなくしてほしいのです。
 私はそのことからしてただいまの裁判所の御答弁には納得いたしかねます。もう少しスピードアップするような努力をせいぜいやっていただくよう強く要求いたしまして、私の質問を終わります。
#118
○太田主査代理 これにて井上普方君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして裁判所所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#119
○太田主査代理 次に、会計検査院所管について審査を進めます。
 会計検査院当局から予算の説明を聴取いたします。会計検査院中村事務総長。
#120
○中村会計検査院説明員 昭和六十年度会計検査院所管の歳出予算案について説明いたします。
 会計検査院の昭和六十年度予定経費要求額は、百億二千二百五十二万円でありまして、これは、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく、本院の一般事務処理及び検査業務を行うために必要な経費であります。
 今、要求額の主なものについて申し上げますと、一、人件費として八十九億四千七百六十七万三千円を計上いたしましたが、これは総額の八九%に当たっております。これらのうちには、会計検査の充実を図るため、一般職員十人を増置する経費も含まれております。
 二、旅費として六億千七百十七万円を計上いたしましたが、このうち主なものは、会計実地検査旅費が六億三百五十一万二千円、外国旅費が七百二十万七千円であります。
 三、施設整備費として千三百八十九万八千円を計上いたしましたが、これは、庁舎本館屋上の防水改修工事費であります。
 四、その他の経費として四億四千三百七十七万九千円を計上いたしましたが、これらのうちには、検査の円滑な実施を図るための会計検査活動費五千二十万四千円、検査業務の効率化を図るための会計検査情報処理業務庁費四千三百九十九万九千円、電子計算機等借料四千八百九十四万三千円、並びに、本年五月、東京において開催される第三回最高会計検査機関アジア地域機構総会の経費三千五百十一万一千円が含まれております。
 次に、ただいま申し上げました昭和六十年度予定経費要求額百億二千二百五十二万円を前年度予算額百億六千百八十八万六千円に比較いたしますと、三千九百三十六万六千円の減少となっておりますが、これは、検査業務に必要な経費において二千四百八十六万五千円、第三回最高会計検査機関アジア地域機構総会開催に必要な経費において三千五百十一万一千円増加し、人件費において九千六百五十八万四千円減少したことなどによるものであります。
 以上、甚だ簡単でありますが、本院の昭和六十年度予定経費要求額の概要の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#121
○太田主査代理 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#122
○太田主査代理 質疑の申し出がありますので、これを許します。瀬崎博義君。
#123
○瀬崎分科員 二つの問題を尋ねたいと思うのですが、まず最初に琵琶湖総合開発事業に伴う観光船補償問題で伺います。
 この補償の根拠については、昨年数次にわたる国会の建設委員会で建設省並びに水資源公団が答弁をしているわけです。それは、琵琶湖総合開発事業というのは、現在、プラスマイナス三十センチの間で水位変動操作が行われている。この水位変動操作をプラス一・四メートル、マイナス最大二メートルに利水幅を拡大することによって下流に新たに毎秒四十トンの水を送ろうとする事業なんだ。そこで、この水位が二メートル下がると現在使われている観光船は底がつかえて危険になるので、これを喫水の浅い新たな船につくりかえてもらって、あくまで観光船航路の機能を維持する必要がある、そのための補償なんだ、こう説明をされてきたわけですね。一言で言って機能補償なんだ。これは繰り返し、国会ではそう答弁が行われてまいりました。
 今日まで、京阪グループ系の琵琶湖汽船、それから西武系のオーミマリンの所有または使用していた船を中心に、十五隻に対して三十五億円という巨額の補償金が出ているんだけれども、私がいろいろ調査したところ、どうも不明朗な事態がある。例えば、補償で新しくつくられた新造船が琵琶湖においてではなく大阪において水上バスとして使われている。また、この十数年来、船舶検査なども通っていない、全く使用されていないことが明らかな船にも巨額の補賞金が出ている。また、補償金額の算定の段階では新造船を高くつく軽合金船として計算をしておいて、実際に新造船をつくるときには安くつく鋼鉄船をつくっている。さらには、大正時代につくられて六十年以上も使ってきた、言うならば老朽船ですね、こういうものにも、小さな船ですが、一隻当たり二億数千万の巨額の金が出ておる、これはどう見ても納得しがたい。
 我々は二つの問題があると思う。一つは、そもそも琵琶湖で使うんじゃなしに大阪で使うような船、あるいは全然使われていなかった船、こういう船に対して果たして補償の必要があるのかという補償のあり方の問題ですね。第二は、そもそも補償額の算定が妥当なのかどうかというこの二つの問題があるんじゃないかという指摘をして、昨年の七月の段階で会計検査院に検査をお願いし、検査院は検査を約束され、昨年の七月末から八月の初めにかけて四日間にわたる現地検査もやっていらっしゃるわけなんです。
 これはマスコミでも非常に大きく取り上げられ関心を呼んでいるわけですが、国民も我々も十二月の恒例の決算検査報告には載るだろうと期待しておったのに、これに載らなかったわけですね。何でそんなに暇がかかっているんだろうか、我々が指摘した事実関係に誤りがあったのか、そうでないとすればどういう理由で時間がかかっているのか、この点をまずお答えいただきたいと思うのです。
#124
○小川会計検査院説明員 お答えいたします。
 水資源開発公団の琵琶湖総合開発事業におきます旅客船の補償につきましては昨年七月十一日、建設委員会におきまして先生から御指摘がありましたし、また二度にわたりまして会計検査院の方にも申し入れがありました。その間、七月末から八月初めにかけまして、水資源開発公団の琵琶湖開発事業建設部の実地検査を施行いたしております。その後、本院におきましてその内容等につきまして検討を行ってきているところでございますけれども、本件補償は極めて特殊なものでございまして、いまだにその結論を得ていない状況でございます。検査の過程につきましてはこの場で申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、先生御指摘の点を踏まえまして、事実関係等を確認するなどいたしまして、その内容の妥当性につきまして検討をしておる段階であります。
 この検討に際しましては、先ほど申し上げましたように非常に特殊な補償というふうなことで、補償の性格が問題となるわけでございますけれども、この点につきまして公団側はいわゆる事業損失に対する補償であると説明をしておりますところから、私どもといたしましては、この点他省庁、他団体の実例あるいは学説、その判例等を参考にいたしまして、補償の基本的性格というものは何か、そういうふうなものを究明しながら、本件につきまして今後引き続いて検討を進めてまいる所存でございます。
 非常に結論を出すのがおくれているという御指摘でございますが、先ほども申し上げましたように特殊な補償であるというふうなことから検討に暇取っているというふうなことでございます。
#125
○瀬崎分科員 検査中のものについて経過の報告ができないということなんだけれども、しかし少なくともこの点だけは国会ですから答えていただきたいと思うのです。我々が指摘した、これは疑問があると言ったこの事実に相違があったのかどうか。つまり「なにわ一号」という船が琵琶湖で使われずに大阪で使われておった、事実を幾つか先ほど申し上げました。そういう事実に問題があるからおくれているという面があるのか、これははっきりしてほしいと思うのです。
 それからもう一つ、これは局長はもう重々御承知のように、国会での政府答弁あるいは公団答弁に関する限りは事業損失補償だという説明は一切なかった。一貫して、これは航路の機能を維持するための補償だ、機能補償なんだ、こういう主張で貫かれておった。つまり、国会における政府答弁が、会計検査院への報告というか回答では事業損失補償に変わったということなのか、この二点を確認させていただきたいのです。
#126
○小川会計検査院説明員 まず最初の点でございますけれども、先生がお申し越しになりました、一部の船が非常に古いもので、船舶検査証書等、国に返納しまして、その間運航実績がない係船中の船舶であったとか、それから「ちくぶじま」の代替船でございますか、「なにわ一号」が淀川の方で動いているとか、それから軽合金製というふうなことで補償額を算定しているのに、実際にできたものは鋼船が多いとか、そういうふうな事実につきましては、検査の結果は事実でございました。
 それと、もう一点の機能補償か事業損失補償がというふうな問題でございますけれども、当初公団側といたしましては、この補償につきましては琵琶湖における旅客船事業の公益性にかんがみまして、湖水位の低下による旅客船の航行上の支障に対して、その運航機能を維持するというふうな観点から主として説明されまして、本院もこれを受けて検査を進めてまいった次第でございます。しかし、公団側の詳細な説明といたしましては、本院に対して、本件補償の性格としては渡し切りをもって補償するいわゆる事業損失に対する補償でありまして、その補償額の算定に当たって旅客船事業の公益性から機能回復を図る費用を補償しているものである、この考え方は当初から変わっていないようでございますけれども、本院といたしましては、当初の段階でこの機能補償の問題について非常に力点を置いた説明を受けまして、補償の基本的性格について必ずしも十分な説明を得ていなかったものでありますので、公団の考え方がその後何か変わったのではないかというふうな印象を受けてはおります。しかし、検査の過程での話といたしましてはそのように一貫しているというふうな説明を受けております。
#127
○瀬崎分科員 断定は避けますけれども、今の説明で一つ非常にはっきりした重要な問題は、少なくとも最初公団並びに建設省側の補償の性格は機能補償だと言っておった。特に国会においてはそれ以外言ってなかった。それが会計検査院の検査が進むにつれて事業損失補償だとその性格の説明を変えた。これははっきり言って機能補償では成り立たない、結局不当だという結論に到達せざるを得ないから、改めて事業損失補償という理論に変えてきた、こう見ざるを得ないわけです。国会の立場から見れば、特にこの点はある意味では明確に断言してもいいぐらいなんですよ。二重に不明朗さが出てきた、このことを私はここではっきり申し上げておきたいのです。
 その上に立って伺いたいのでありますが、ことしの一月十八日から会計検査院の技術参事官に就任された人に山内彪という方がいらっしゃいますね。いかがですか。
#128
○中村会計検査院説明員 そのとおりでございます。
#129
○瀬崎分科員 この山内という方は、一月十八日に会計検査院の技術参事官に就任する前にはどういうポストにいた人ですか。
#130
○中村会計検査院説明員 建設省河川局の職員であったと思います。
#131
○瀬崎分科員 もっと正確に言えば、建設省河川局開発課の調整官をしておった人でしょう。そして、まさにこの船舶補償の建設省の直接の担当者であったのじゃないですか。ここをはっきりしてほしいのです。
#132
○中村会計検査院説明員 突然の御質問でございますので、その点につきましてはなお私の方で検討させていただきます。
#133
○瀬崎分科員 冗談じゃないですよ。この山内という人は、実は我々のところへ何度も、この船舶補償は正当なんだ、根拠はこれこれなんだと、文書まで持って説明に来ておった人なんですよ。では、今までこの補償は正しいんだと推進してきた人が、今度検査院に回って、この補償は間違いだったと言うでしょうか。これは全く奇妙きてれつな人事異動だと思いますね。別の言葉で言いかえますと、今までは検査を受ける側にいた人物が、今度は検査をする側に回ってきたわけでしょう。こんな人事異動をやっておったら、国民から見れば、これは検査院と政府側といいますか、建設省側がなれ合いといいますか、癒着してもみ消しをはかっているのではないか、こう受けとられても仕方がないと思うのです。こういう国民の疑惑に対して、検査院として納得のいくお答えできますか。
#134
○中村会計検査院説明員 私どもとしましては、技術参事官の就任を求める場合には、その専門について最も深いといいますか、適した人を技術参事官としてお迎えしているところでございます。したがいまして、この参事官につきましても、私どもとしてはそういう観点から就任をしていただいたわけでございまして、先生のおっしゃったような意味合いは全くございませんし、また会計検査院としましては、検査の公正ということを常に考えておりますので、大事においてそのような配慮をするなどということは全くございません。
#135
○瀬崎分科員 ところが、その山内さんのまさに専門とする分野がこの琵琶湖の観光船に対する補償であった。極めて特殊な補償だとおっしゃった、まさにその特殊な分野を担当しておった人なんですね。それを会計検査院に持ってきて、そして彼の知識を生かすということになるならば、彼がこれまで正しいと主張してきた補償理論を通す以外にないじゃないですか。これはどう見たっておかしいですよ。だから、国民の側からこれに答えてもらう道はただ一つしかないと思うのです。事実によって、結果によって、実績によって答えていただく以外にない。ですから、我々は今後の会計検査院の検査に期待したいと思いますね。一応今後の見通し、スケジュールを含めて、我々が不当だと指摘した補償の問題にどういうふうに取り組まれるのか、明らかにしていただきたいと思います。
#136
○中村会計検査院説明員 会計検査院の指摘結果というものにつきまして検討する場合には、単に一技術参事官の意見に左右されるという問題ではございませんで、やはり会計検査院の内部におきまして慎重の上にも慎重を期して最終的に検査官会議において決定をする、こういう形になっております。したがいまして、先ほど先生の御指摘のような疑惑は、会計検査院に関する限りは全くございませんので、その点は重ねて申し上げておきたいと思います。
 その上で、本件のような補償につきましては、先ほど第三局長からも御説明がございましたけれども、やはりその基本的な性格について十分検討を行わなければならない、こういうふうに考えておりますので、その検討を行いながら先生御指摘の事態につきましては十分念頭に置きまして現在なお引き続き調査検討を進めているというところでございます。
#137
○瀬崎分科員 それじゃこの問題はこれで終わります。
 もう一つは、農林水産省の土地改良事業、特にパイプラインの計画設計基準の改定問題について伺ってみたいと思います。
 これは、もう既に私自身が予算委員会の一般質問でその概要は明らかにしているところなんです。五十七年から、農水省はパイプライン計画設計基準の改定作業に着手をしているわけですね。一応日本農業土木総合研究所にちゃんとお金も払って委託をして、この研究所にはパイプライン計画設計基準改定検討委員会がつくられて、現在検討中になっているわけです。
 きょうは非常に短い時間ですから、私は技術的なことを尋ねようと思っているのではないのです。ただしかし、議論の前提となるこの改定内容の今、論点になっているところだけ説明しておきますと、パイプラインは上に土の重量とかあるいは自動車などが乗っかった場合にたわみ現象ですね、横に膨んで変形する、こういう性格を持ったパイプのことをとう性管と言っている。しかし、このたわみの度合いが余り大きくなってくると、管自体が破損したりあるいは継ぎ手で漏水したり流水そのものに支障を来すというところから、従来農水省の設計基準でたわみ率は通常三%以内にしなさい、そして、たわみ率の計算方法をこの設計基準において詳細に定めていらっしゃるわけですね。今度農水省が考えているたわみ率の計算方法の緩和というのは、複雑な計算式の中で極めて計算結果、数値に大きな影響を与える変形おくれ係数と専門的に言われますが、Fであらわされる、この係数を現行一・五から一挙に三分の二の一・〇に下げようとしているわけですね。これは余りにも激変なんですよ。これは、いろいろ計算していくとどうなるかといいますと、結局は現在使っているパイプよりもはるかに強度の弱いパイプででも済ませることができる、あるいは厚みの薄いパイプででも済ませることができる、こういう結果に導かれてくるものなんですね。
 そこで質問なんです。
 この間の一般質問は大変急ぎましたので、回答のとれなかった部分があります。一つは、この農水省の改定案は事実上固まっている、だからその資料を出してくれと私は要求したけれども、議論百出中だとか経過途中にあるからお出しできませんと拒否された。ところが、その資料が、去年の十一月二十一日の大手のメーカーとか設計業者などの集まりである農業土木事業協会にはちゃんと提出されて、おまけに農水省の担当者がちゃんと行って説明までしている、こういう事実を明らかにしました。業界にまで出している資料がなぜ国会議員に出せないのか、まずこの点をはっきりお答えいただきたい。
#138
○内藤説明員 ただいま瀬崎先生から御質問の件でございますが、先日の予算委員会で御質問のあったとおりでございますが、パイプラインの設計基準は現在改定作業を急いでいるところでございます。今先生のお話があったとおり、目下農業土木総合研究所に委託をいたしまして改定作業を急いでいるわけです。同改定の基準の内容についてまだ確定しているわけではありません。
 今御指摘のありましたように農業土木事業協会に説明したではないかというわけですが、これは現在委員会をもって計画基準の改定をやっておる段階においていろいろ調査をする、そういう段階で、こんな格好で目下改定の作業が進められております。皆さんの御意見をお聞きしてさらにそれを煮詰めていこう、こういう段階でございますので、業界も含めて皆さんの意見を聴取している、そういうためにやった資料でございます。もちろんこの設計基準が定まれば、御提出することにやぶさかではないと思っております。
#139
○瀬崎分科員 冗談じゃないですよ。その協会に示した資料というものを私はちゃんと入手してこの間の委員会に示して、これはその内容を示す文書だということをあなたたち確認したわけでしょう。業界に御検討いただくくらいなら国権の最高機関である国会の御検討がなぜいただけないのか、業界が先だ、国会は後回しだ、これは主客転倒じゃないかということをこの間申し上げた。なぜこの時点で国会に出せないのか。我々が別のルートから入手して国会に出さなければ政府が出さない、こんなばかなことはないじゃないかということを言っているのです。我々に今出せない理由をもっとはっきり言いなさいよ、時間がないから一言で。
#140
○内藤説明員 今の御指摘のなぜ出せないかということでございますが、設計基準は確定した段階で公表するものでございまして、これは業界に資料を提出したわけではありません。業界の意見を聞きながらいいものをつくろうと……(瀬崎分科員「だって、ちゃんと数字まで入った内容のものが出ているじゃないですか。そんなのは言いわけだよ」と呼ぶ)これは確定ということではありませんので、その辺念のために申し添えておきます。
#141
○瀬崎分科員 そんな理屈にならない理屈で時間を費やされてはたまったものではないから、ごまかしはいいですよ。検査院の方もその辺こういう事情だということをよく聞いておいてほしいのです。業界には筒抜けで国会には知らさない、こういう形でこの改定作業が進んでいるわけですね。本当にひどい話だ。その点から、我々はこういうやり方に非常に不安を感ずるわけです。
 この間、私の方から日本農業土木総合研究所、この改定作業を委託している研究所の改定委員会の第一回会議の資料を、文書では配りませんでしたが、ここにもありますが、皆さんに見せて、この中ではF一・五を一・〇に引き下げるというような話は全然載っていないではないかと申し上げましたね。どうですか。
#142
○内藤説明員 ただいま先生御指摘のおくれ係数のFの件でございますが、管の安全性というものは二つの要素で成り立っているわけです。一つは、Fについては、一・〇というのは一・五から一・〇に改定することにはなっております。
 ただ、先生お忘れになっていては困ることが一つございまして、e′というのが、先生も御存じのとおりございます。これと管の剛性あるいは鉛直荷重、それを加味しまして管の内部応力、要するに強さ、壊れるかどうかという点がもう一点あるわけです。先生がおっしゃった点はたわみの関係の件でございまして、たわみと内部応力、この二つの点で考慮する必要がある。この二点が当然のことでございますが、今後の改定の場合には検討する材料として考えていきたい、こういう説明をしております。その場合、Fが一・〇から一・五になっておるのですが、これはもともとスパンダラーという方の式でございまして……
#143
○瀬崎分科員 これにはF一・五を一・〇にするというのがどこにあるかということです。余り後の方に御迷惑はかけられませんから、ゆっくり部屋へ来て調べて説明してください。これには載ってないのです。
 私どもになぜこんな資料があるかといえば、当然のことながらこの改定委員会に何らかの形で関与されている人がこういう激変を心配されていろいろな資料提供が来ているわけです。あなたたちが幾らごまかしたってしようがない。
 さらにこの間私は、関係の五事業協会に対してアンケート調査を出しているのです。管の厚み、計算式を変える必要があるかないか、結局、水道鋼管協会が基準値の緩いWSP方式を採用してくれと言っている以外は、現行でよいとか意見なしということになっておるんじゃないかということを御指摘をして、これも時間がなかったので回答が求められなかった。
 もう一つは、同じく日本農業土木総合研究所が「水管理施設全国実態調査結果」という実態調査をまとめている。この中には、もっと設計を強化してほしいという問題点の指摘は百項目ほどあるけれども、緩和しなさいというふうなのは一項目もないという指摘もしましたね。これについてはどうですか。事実関係だけ、こちらの言っていることが正しいかどうかだけ。
#144
○中村説明員 先ほど先生から御指摘ありました件についてお答えいたします。
 水道鋼管協会だけ改定を要望しているということではない、あの資料の中を読んでいただくとわかると思います。例えばPC管協会の方を見ていただきますと、支承角を九十度から百二十度にすべきであるとか、そういうことでございます。その支承角を大きくするということは、ひいては管が支持する面積を大きくするわけでございますので、管自体が薄くなるといいますか経済的になるといいますか、そういう効果があるわけでございます。そういうことがPC管協会のほかにコンクリート管協会の方からもそういう話が出ておりますし、それからFRPM管の方からは矢板を仮設として使った場合、それを引き抜いた場合、e′が低減する現象があるわけです。そういうことでございますので、水道鋼管協会だけということだけはちょっと御理解していただきたいと思います。
#145
○瀬崎分科員 冗談じゃないですよ。ここに関係する幾つかのメーカーの内部文書がありますけれども、これをごらんなさいよ。現在の改定作業は鋼管系に有利な展開となっている模様だ、はっきり書いてある。それから、DCIP系、これはダクタイル鋳鉄管というものじゃないですか、からも相当な反発が出ている模様。それから、Fを一にした場合、過去の実績から見て、計算上の結果と実態とが一体整合するのかどうか疑問がある。ほかのメーカーからのを見ておりましても、このFの緩和以外に管自重、水重量、水平反力の緩和も重なってくる、これは安全の面から非常に検討を要する、こういうようなことを書いて、主として大体五種類ありますね。このとう性管の中で自社の製品が有利になるか不利になるか、こういうことを一生懸命令検討しているわけですよ。こういうところへ発展しているんですね。業界の意見なんて公平に反映しませんよ、科学的には。
 結局、この基準改定が自分のところのもうけにどう響くか、こういう判断になってしまう。だから、本来なら業界にはやはり決まってから出すべきであって、その間はやはり専門家あるいは国会などのようなところで、国民の安全を守る、こういう見地から論議してもらうのが、これが公平なんですよ。逆をやっているわけですね。
 私がきょう会計検査院の問題と絡んでこの問題を出したのは、その背景にこういうことがあるんじゃないかなという心配を持ったからなんです。今お聞きになったように、非常に不明朗でしょう、この改定作業の経緯が。業界には筒抜けで、業界は利害関係の中であれこれ画策も行っている。つまり、科学的な見地から賛成、反対を言うのならいいんだけれども、自社が有利になるか不利になるかで賛成、反対の態度を決めようとしているんですね。そして、肝心の国権の最高機関には決まってからでないと出さないという、こういう全く不見識な態度で今やっておるわけですね。改めようとしないわけですね。そういうことになるのには、安全を無視してもやらざるを得ないような背景があるんじゃないか。
 一つは、行革審などが臨調の後を引き継いで規制の緩和、規制の緩和ということを強力に打ち出している、そういうことからこういうごり押しの安全性無視の改定作業になるんじゃないか。
 もう一つは、会計検査院の報告の中で土地改良事業について随分厳しい指摘をいろいろされている。「事業の実施に当たっては、事前の調査、検討を十分に行うとともに、事業効果の速やかな発現を期するため、効率的かつ重点的な予算配分、調和のとれた国営事業と附帯事業の実施」等々「各般の対策を講ずることが緊要である。」
 さて、こういう指摘が出てきたために、できるだけ設計基準を緩和すれば資材費等は安くつく、つまり工事原価が下がる。同じ予算でも事業の進捗率は上がってくる、効率は高まる、こういうような方向に向いているんじゃないか。だとしたら、先ほど来言っていますように、安全性の面からあるいはまた使用中にいろいろ事故が起こって農民の営農に響く、こういうことになっては大変だから、会計検査院のこういう指摘をされた真意は一体どこにあるのか、また現在のようなこういう設計基準の改定が今お聞きのような形で進んでいることについてどういう見解をお持ちか、それを伺っておきたいのです。
#146
○磯田会計検査院説明員 時間もございませんので簡単に申し上げますが、私ども会計検査の観点は、品質の面、価格の面すべてに及んでいるわけでございます。したがいまして、言葉は適当でないかもしれませんが、悪かろう、安かろうというような事態が起きるようなことは毛頭考えておりません。
 今御指摘の五十八年度決算検査報告のことをごくかいつまんで申し上げますと、一つは、事業の実施期間が予定と比べて大幅に延びている。それから、事業の実施主体、国の場合もございますし、都道府県の場合もございますし、市町村等の場合もございます。これらのそれぞれのレベルの事業が調和して行われませんと、肝心な幹線ができても枝線の方が手配できないというような問題。それから、補償交渉等が難航している。こういうような問題を取り上げまして、予算も少ないかもしらぬけれども、また、それぞれの事業にそれぞれ特殊な事情があるかもしれないけれども、とにかくそこいら辺のところをいろいろ工夫して、農業基盤整備事業として大切なものをしっかりつくってほしいというような考え方でこの問題を提起したのでございまして、繰り返すようですが、悪かろう、安かろうというようなことがもしそういうようなところに入ってきますということは、そういうような方面に考えが及ぶということは我々としては全く考えてないことでございますし、そういうことがないようにこの際お願いしておきたいと思います。
#147
○瀬崎分科員 最後に、今会計検査院のこの検査の趣旨は聞かれたとおりですね。悪かろう、安かろうは逆に困るんだということですね。しかも、私も何人かの専門家にお聞きしたところ、このたわみ率計算式というのは、理論的に導き出されたという性格よりも、長年の実例を中心にした経験則から導き出されたという性格の強い方式なんだ。だから、仮にこのF値を若干引き下げるにしても、一挙に一・五から一・〇などというのは通常は考えられないことだ、一・三とか一・四とかいうふうにして漸次下げようというのならわかるがと。一・〇というのはFを無視するのと同じことになるんですからね。そういう点では、我々は、こういうことになった以上は一たん白紙に戻してもう一遍一からきちっと科学的にやり直す、これがベストだと思うけれども、まあしかし、現在農水省が考えているようなF一・〇にするというような面は、今会計検査院の指摘を尊重するという面からいってもこれはもう絶対に避けるべきだ、専門家の意見とあわせて、こう私は思いますが、その見解を求めて終わりたいと思います。お答えだけ。一言……。
#148
○太田主査代理 簡単にお願いします。
#149
○内藤説明員 ただいま先生のお話の点については十分検討してまいりたいと思いますが、先ほど申しました技術的な点については二点あるということを十分私どもも検討して、今後とも安全その他については、当然のことですが、やってみます。
 また、特に管の破壊に対するチェックは二つありまして、その点を十分検討しながら安全性については当然考えていきたい。
 なお、スパンダラーの式についてはいろいろ私ども、よくわかっているつもりでございます。もとの式は一からというのも当然ありますので、その辺十分先生もお考えになっていただければありがたいと思います。
 また今後とも私ども、安全については十分検討しながら、農民負担がかかっている土地改良ですから、その辺考えながらやっていきたいと思います。
#150
○太田主査代理 これにて瀬崎博義君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして会計検査院所管についての質疑は終了いたしました。
 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#151
○伊藤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣及び総理府、ただし経済企画庁、環境庁及び国土庁を除く所管について審査を進めます。
 まず、政府から説明を聴取いたします。藤波内閣官房長官。
#152
○藤波国務大臣 昭和六十年度における内閣及び総理府所管の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。
 内閣所管の昭和六十年度における歳出予算要求額は百八億三千七百九十四万四千円でありまして、これを前年度歳出予算額百五億三千八百五十六万五千円に比較いたしますと、二億九千九百三十七万九千円の増額となっております。
 次に、総理府所管の昭和六十年度における歳出予算要求額は六兆六千七百四十四億六千八百四十九万四千円でありまして、これを前年度歳出予算額六兆四千六百九十七億六百二十万六千円に比較いたしますと、二千四十七億六千二百二十八万八千円の増額となっております。
 このうち経済企画庁、環境庁及び国土庁に関する歳出予算要求額については、他の分科会において御審議を願っておりますので、それ以外の経費について御説明いたします。
 以下、順を追って主なものを申し上げますと、総理本府に必要な経費二百億一千二百二万九千円、警察庁に必要な経費一千六百九億二千五百十五万五千円、総務庁に必要な経費一兆七千九百三億七千四百八十三万円、北海道開発庁に必要な経費六千九百二十一億三千四百十三万六千円、防衛本庁に必要な経費二兆八千百四十六億五千九百三十七万八千円、防衛施設庁に必要な経費三千二百二十三億五千六百八十四万二千円、科学技術庁に必要な経費三千二百九十五億二千八百六十三万七千円、沖縄開発庁に必要な経費二千百四十三億五千四百六十六万五千円等であります。
 次に、これらの経費について、その概要を御説明いたします。
 総理本府に必要な経費は、政府広報、栄典関係及び婦人問題の総合推進等のための経費でありまして、前年度に比較して十一億四千八百十三万一千円の減額となっております。
 警察庁に必要な経費は、警察庁、その附属機関及び地方機関の経費並びに都道府県警察補助のための経費でありまして、前年度に比較して四十六億二千九百八十一万八千円の増額となっております。
 総務庁に必要な経費は、総務庁一般行政、恩給の支給、国勢調査及び青少年対策等のための経費でありまして、前年度に比較して七十三億五千七百九十六万円の増額となっております。
 北海道開発庁に必要な経費は、北海道における海岸、漁港、住宅、公園、下水道、農業基盤整備、造林、林道、沿岸漁場整備等の事業の経費及び治水、治山、道路整備、港湾整備、空港整備の事業に充てるための財源の各特別会計への繰入金等の経費でありまして、前年度に比較して百十三億七千百九十二万六千円の減額となっております。
 防衛本庁に必要な経費は、陸上、海上、航空自衛隊等の運営、武器車両及び航空機等の購入並びに艦船の建造等のための経費でありまして、前年度に比較して一千九百七億八千六百二万九千円の増額となっております。
 防衛施設庁に必要な経費は、基地周辺整備事業、提供施設の整備、補償経費、基地従業員対策、提供施設の移設等のための経費でありまして、前年度に比較して百十七億九百五十七万五千円の増額となっております。
 科学技術庁に必要な経費は、科学技術振興調整費の拡充、科学技術振興基盤の整備、国際協力の推進、国際科学技術博覧会の開催、流動研究システムによる創造科学技術推進制度の拡充、原子力、宇宙、海洋、ライフサイエンス、材料科学技術等の研究開発の推進等のための経費でありまして、前年度に比較して一億八千二百二十五万六千円の増額となっております。
 沖縄開発庁に必要な経費は、沖縄における教育振興、保健衛生対策、農業振興に要する経費並びに沖縄開発事業に要する海岸、漁港、住宅、環境衛生施設、都市計画、土地改良、造林等の事業の経費及び治水、治山、道路整備、港湾整備、空港整備の事業に充てるための財源の各特別会計への繰入金等の経費でありまして、前年度に比較して二十億一千九百一万四千円の減額となっております。
 また、以上のほか新規継続費として、防衛本庁において一千五百九十七億九千五百四十六万七千円、国庫債務負担行為として、総務庁において四百五十九万四千円、北海道開発庁において二百五十九億四千万円、防衛本庁において一兆三百七十九億九千八百十万五千円、防衛施設庁において五百七十一億一千百六十九万四千円、科学技術庁において九百三十億八千九百八十四万円、沖縄開発庁において百億七千五百九十万二千円を計上いたしております。
 以上をもって、昭和六十年度内閣及び総理府所管の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。
 よろしく御審議くださるようお願いします。
#153
○伊藤主査 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#154
○伊藤主査 防衛庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
 これで官房長官の御退席という予定でございましたけれども、上田分科員の御要望もございまして、暫時官房長官とどまっていただきたいと思っております。
 上田哲君。
#155
○上田(哲)分科員 GNP一%枠の問題でありますが、八日間に及ぶ審議停滞の打開となりましたのが、政府・与党を代表する立場での金丸幹事長の最大限に善処する、こういうお約束でございました。
 そこで、防衛庁長官に担当大臣としてお伺いしたいのですが、この金丸幹事長の表現は、職を賭して最善を尽くす、こういう言葉でありました。これはこれまでの当委員会での内閣の表現から一歩前進したものである、これが、当国会最大の課題であるこの問題から審議再開の糸口となったわけであります。そこを具体的に伺いたいのですが、金丸幹事長が職を賭して最善を尽くすという表現は、総理がここで御答弁になりました守りたいということよりも一歩踏み込んだものである、前進しているものである、こういうふうに担当大臣としてお考えになりますか。
#156
○加藤国務大臣 金丸幹事長がそういう与野党間の国会運営に関する会合の席でそのようにおっしゃったことは、私たちも承知いたしております。
 GNP一%の問題につきましては、私たちもできるだけこれを守りたいという政府の答弁を行ってきたわけでございますけれども、その方針に従いまして、金丸幹事長のおっしゃったことを尊重しながらやってまいりたい、こう思っております。
#157
○上田(哲)分科員 私が伺っているのは、一歩前進したと受け取ったから私たちは審議再開に応じているわけであります。一歩前進したということがあなたの認識として言えるかどうか、こういうことなんであります。最善を尽くすというのは、総理の守りたいよりも一歩前進の回答である、こういうことでいいですね。
#158
○加藤国務大臣 金丸幹事長のおっしゃったことを私たちとしては尊重しながら進めてまいりたい、こう思っております。
#159
○上田(哲)分科員 くどいようですが、それは一歩前進であると理解していいんですね。
#160
○加藤国務大臣 金丸幹事長がそうおっしゃったことを私たちは十分承知しておりますし、そのおっしゃったことを尊重しながら進めてまいりたい、こう思っております。
#161
○上田(哲)分科員 くどいようですが、押し問答にしないでいただきたい。
 総理の守りたいよりも、職を賭してと言われた幹事長の表明は、それよりも一歩前進したものであると受け取っていいかどうかをお答えいただきたい。
#162
○加藤国務大臣 総理大臣も従来これを守りたいとおっしゃっておりましたし、金丸幹事長の全力を尽くしてということも、私たち尊重しながらやってまいりたい、こう思っております。
#163
○上田(哲)分科員 はっきりしませんね。
 一歩前進というその一歩が何であるかということは難しいけれども、総理はここで、その守りたいから努力をするという言葉まで言われているのです。その努力をするだけでは、私たちは保証がない、納得ができないからああした形でお考えをいただいた、その回答をいただいた、それは前進であるということを理解するわけです。守りたいから、総理が努力したいということになった。その努力ということを、最善を尽くすということはさらに踏み込んだんだというふうに理解できなければ話はもとに戻るのです。そこへ一歩踏み込んだんだ、前進したんだと受け取っていいかどうか、明快にひとつお答えいただきたい。
#164
○加藤国務大臣 金丸幹事長は与党の幹事長でございますし、その幹事長のおっしゃった気持ちは私たちも尊重してまいりたいと思っております。
#165
○上田(哲)分科員 非常にくどいのですが、お答えがしっかりしないからもう一遍聞かなければならないが、それは総理の言われた守りたい、努力するよりも一歩踏み込んだものだというふうに受け取っていいんですね。
#166
○加藤国務大臣 繰り返しの答弁で失礼でございますけれども、与党の幹事長のおっしゃったことでございますので、尊重しながら進んでまいりたいと思っております。
#167
○上田(哲)分科員 では、これまでの考えよりはもっと踏み込まなければならないとあなたはお感じになっているということですね。
#168
○加藤国務大臣 金丸幹事長がおっしゃった言葉をよく考えながら、尊重してやってまいりたいと思っております。
#169
○上田(哲)分科員 俊秀の防衛庁長官が言葉を操ってはいけません。あなたは具体的に、総理が言われたことよりも、幹事長が野党に示した考え方を我々は納得したんですから、その線よりも何らかの努力をするんだ、自分自身の気持ちをそこに踏み込んでいるんだというふうに受け取っていいんですね。いいか悪いかをひとつしっかり言ってください。
#170
○加藤国務大臣 従来から総理大臣も一%の枠を守りたいとおっしゃって答弁されておりましたし、それからまた総理も私もそのために努力したいと申し上げております。
 それで、幹事長が与党の幹事長としてその点について述べられたことを、私たちは十分に尊重しながら進んでまいりたいと思っております。
#171
○上田(哲)分科員 質問を変えますよ。
 総理の発言では私たちは納得しないから、あなた方の回答を求めたのですよ。そうすると、いまあなたのおっしゃっていることは、総理の言われたことの範囲内である、そこから踏み出したものではないという意味ですか。
#172
○加藤国務大臣 総理がおっしゃいましたように、守りたいとおっしゃいましたし、またその努力もいろいろやってみたい、こうおっしゃっておるわけでございまして、その従来の線に従いまして私たちも幹事長の言ったことを尊重してまいりたいと思っております。
#173
○上田(哲)分科員 これは大変重大であります。総理の言われたことでは私たちは不満であるから、ああした空白があって御回答をいただいて、前進だと思って理解をしたのですが、担当の防衛庁長官の御判断は総理の線からは出ない。そうすると、金丸幹事長と総理の言われることとはギャップがあるわけです。これは重大な問題です。
 官房長官に一つお伺いしたいんだが、官房長官は内閣を代表してあの問題についての御見解を表明をされておられる。主務大臣との関係の問題がありますからここでひとつはっきりお伺いしたいのですが、私たちは総理がここで守りたいと言われた、努力をしたいと言われた、しかしそれでははっきりしない。そこで、一%を守ることに職を賭して幹事長が最善を尽くすと言われたのは、抽象的な表現ながら一歩踏み込んだものである、こういうふうに理解しているのですが、それでよろしいですか。
#174
○藤波国務大臣 自民党の幹事長と野党四党の書記長の間でいろんなお話が交わされたことを承っております。減税問題を初めといたしまして一連の幹事長の発言を政府としては尊重してまいりたい、このように存じておる次第でございます。
 防衛費につきましては、従来政府は五十一年の三木内閣の防衛費に関する方針を守ってまいりました。それから六十年度におきましてもこれを守りました。これが第一でございます。第二に、これからも守ってまいりたいと存じますというこれからの問題についての考え方もやはり申し上げてきておるところでございます。一方、防衛力の整備については水準達成に向かって努力をいたしてまいります。なお、六十年度のGNPとかあるいは人勧等については不確定でございます。もし一%を超えることになったらどうするかということについては、その予測を今からすることはできませんけれども、そういった事態には国防会議や閣議の議を経て国民によく説明しなければならぬと思っておりますと、こういう五つの考え方を申し上げてきておるところでございます。
 今回の防衛費についての金丸幹事長の御発言は、これからも守ってまいりたいと存じますというところに特に力点を置かれまして、そこを強く強調されたものである、このように受けとめておる次第でございまして、今防衛庁長官からも御答弁がありましたように、その金丸幹事長が御発言いたしました内容について政府も尊重して進んでいくようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。
#175
○上田(哲)分科員 そうしますと、官房長官もう一遍お伺いしますが、政府が答えることと幹事長が答えること、政府と党の答えは同じなんですか、違うんですか。
#176
○藤波国務大臣 政府の考え方はやはり政府としてあるわけで、自民党には自民党の考え方がある、これはもう政府・与党一体でございますけれども、問題によって、そのときの状況によって、いろいろ政府の考え方と自民党の考え方とが変わる場合がございます。それはいろいろな政策等についても、あるいはいろいろな政治課題をどう考えるかということについても違う場合がございますから、常に政府と与党が一体である、考え方は全く同じであるということを申し上げることはいかがかと、こういうふうに思うわけでございます。
 今回の場合は、与党である自民党の幹事長と、野党四党の書記長とが公党間で国会運営を中心にいたしまして、あるいは野党から出されておりました予算案の修正要求に対しまして、いろいろなお話し合いが行われてきたところでございます。もちろん与党の幹事長が御発言になるに当たりまして、政府の方にもいろいろ御連絡もあり、そして政府とも御協議も申し上げてきておるところでございます。幹事長の御発言に対しましては、政府はこれを尊重してまいる、こういう立場で臨んでおる次第でございます。(上田(哲)分科員「一体かどうかと聞いておるのですよ。同じものかどうかと聞いているのです」と呼ぶ)自民党の幹事長は与党の幹事長としてのお立場で御発言になっておられる。すべてが全部一体であるということではなくて、これは自民党と野党四党とでいろいろ今後も政調会長、政審会長等で協議していくというようなことに減税の問題などはなっておりますし、政治倫理の問題についてもやはりそれなりの与党と野党との取り組みようがあるわけでございますから、御発言になったことが全部一体であるということを申し上げることはどうかと思うのでございます。
 与党の幹事長が御発言になりましたことの重みは極めて重いものがある、こういうふうに考えて政府としては尊重して進んでいきたい、こう考えておる次第でございます。
#177
○上田(哲)分科員 大変重大な発言なんで確認をしますが、私たちは総理のここでの御発言は十分でないと考えて交渉したわけであります。したがって、審議再開に応じたのは、幹事長が職を賭してまで約束をされたことが一歩前進であるという理解に立ったわけであります。
 この二つは必ずしも一致しないということになると、結局その二つの一致点をどこに求めるかは政府の側に戻るわけですか。
#178
○藤波国務大臣 政府としては、与党である自由民主党の幹事長の御発言を重々しく受けとめて、これを尊重して進んでまいりたい、このように政府として考えておる次第でございます。
#179
○上田(哲)分科員 くどいようですが、その二つが一致しない場合には政府の、つまり総理のレベルに、発言に戻るわけですか。一致しないとなればどちらをとるかという場合は、尊重はするけれども、そういうふうに政府の見解というのは必ずしもこれと一致しない場合があるということでいいんですね。
#180
○藤波国務大臣 防衛費の問題に絞ってお答えをいたしますと、そういう御質問でございますので、先ほど申し上げておりますように、総理から防衛費についての五つの考え方を申し上げてまいりまして、それを私どもでは、ワンパッケージという言葉がいいかどうかわかりませんけれども、それ全体を一つの今の政府の防衛費についての特に一%問題についての考え方、こういうふうに考えてきておるところでございます。その中でこれからも守ってまいりたい、このように考えておるというところに特に与党の幹事長が力点を置いて発言をしておられるわけでございまして、したがいまして、その幹事長の発言を尊重していきたい、こういうことで政府としては対応していきたいと思っておる次第でございます。
#181
○上田(哲)分科員 総理が努力すると言われているわけですね。幹事長の発言によって総理の今まで言われてきた努力するという言葉に一層重みが加わったという理解ではいいんですか。少しも変わらないか。
#182
○藤波国務大臣 従来国会等でいろいろ御審議をいただいてきて、御質疑に答えてきておるところでございますが、今回の修正要求という場面の中で与党と野党とがいろいろなお話し合いがあって、そこで与党の幹事長が御発言になった、事の意味合いは非常に大きなものがある、私どもとしてはそのように考えておる次第でございまして、今後とも守ってまいりたい、そのところに力点を置かれて幹事長が発言をしておられることを重々しく受けとめていかなければならぬ、このように考えておる次第であります。
#183
○上田(哲)分科員 だから、総理の努力したいにさらに重みが加わったと理解していいかと言っているのです、途中はいいですから。
#184
○藤波国務大臣 まことにくどいことを申し上げて申しわけありませんけれども、一%以内におさまるように努力をしていきたい、そのように考えておるということ、幹事長がそこのところに力点を置いて強調されたわけでございますから、総裁と幹事長との関係、政党政治の中で自由民主党の幹事長、与党の幹事長が、公党である野党四党の書記長に対して御発言になったことを重々しく受けとめて尊重していかなければならぬ、くどいようでございますけれども、そういう気持ちに今徹して対応していきたいと思っておる次第でございます。
#185
○上田(哲)分科員 じゃ防衛庁長官、私は、この場合、政府と与党幹事長の見解が一致しない場合があるという発言は大変重要だと思っていますが、もし受けとめられるとするならば、これは極めて具体的に、六十年度予算の中で人件費以外で二百億円レベルの節減を行わなければならない、こういう認識が守るということの具体的な意味だと思います。そういう認識をお持ちですか。
#186
○加藤国務大臣 GNP一%の問題は、GNPの推移、それから人勧、ベアの取り扱いでいろいろこれから不確定な要素があることは累次申し上げているとおりでありますが、今委員御指摘の二百二十億というのは幾つかの仮定の中に出てきた数字でございます。例えば、ベアが去年並みの実施が行われるという前提であれば二百二十億というわけでございますが、そういう点につきましてもまだ不確定な要素が多いと思います。いずれにいたしましても、私たちとしてはGNP一%の枠をできるだけ守ってまいりたいと思っております。
#187
○上田(哲)分科員 非常に重要な発言で、私は、これは政府の見解としては納得できません。後に問題を続けることを申し上げておきます。一層不安が高まったと申し上げなければなりません。
 そこで、三宅島の問題なんですが、どうも政府は、三宅島のNLPの問題に、何か共産党の質問にどんどん踏み込んで前に行く感じがいたします。この十九日の共産党からの質問で、昨年十二月の質問主意書、それに三宅島が大変立地条件が適しているというふうに答えている、三宅島がその本命になっていることははっきりしている、つくっていきたいというのは三宅島かという質問に、総理が、できたら三宅島にお願いしたい、そう思っている、こういうふうに答えられたのが大変大きな意味合いを持って今島を揺るがしております。
 私は、これまで伺ってきた話は少し違うんではないかと思う。施設庁長官がその後答えられておるのも、三つの選択肢があって、その二つ目の新しい飛行場をつくるということの中で候補地の一つに三宅島が挙がっているということは事実であります、こういうように答えていますから、必ずここに絞ったという段階ではないと思うのですね。絞ったというのならやはりそういう意思表示がなされなければならない、国会の論議でありますから。まずそこを私はしっかり確認しておきたい。総理発言というのがどうも誇大に伝えられている気配がある。総理はその三つの選択肢の中の一つをこういう形で述べたにすぎないのであって、三宅島決定であるというふうになったとは理解していないのですが、この認識は間違いですか。
#188
○佐々政府委員 お答えいたします。
 NLPの代替飛行場の問題につきましては、先般御答弁申し上げましたように、施設庁といたしましては三つの選択肢、すなわち既存の飛行場を何とか活用できないかということ、新設の予定地はないか、それから浮体工事という可能性はないか、この三つの選択肢を現在検討していることについては変わりございません。
 三宅島の位置づけでございますが、代替飛行場の予定地の中におきましては最も有力な候補地の一つでございますが、先生御存じのような島内の情勢がございますので、私どもとしては、それに絞って何としてでもお願いしたいという強硬姿勢ということではなくて、いろいろ誤解をしていらっしゃる向きもあるものでございますから、とにかくお話し合いの機会、あるいは説明をする機会をいただきたい、こういう姿勢で臨んでおります。立地条件その他気象の条件等は最適地と考えております。
#189
○上田(哲)分科員 わかりました。つまり総理発言は、政府が三宅島一本に絞ったということではないんだという点を確認いたします。
 ただ、あのことが非常に大きく報道もされ、海に囲まれた島でありますから、大変な動揺を起こしていることは確かであります。この委員会でも、私は総理にレーガン大統領との期限の約束はないなと確認をして、そのようなことはありませんということになっておりますから、この点はしっかり、まだこれから話し合いの段階なんだという点を確認していただきたいと思います。
#190
○佐々政府委員 お答えいたします。
 三宅島という具体的な島名は、実は日米のいろいろな会談でも出てはおりません。あくまでもNLPの代替地を何とかしてほしい、こういうことでございまして、それは総理の御答弁でもそういう御趣旨の御答弁があったかと存じます。私どもといたしましては、とにかく私どもの話を聞いていただいて、メリット、デメリット十分御勘案の上島民の皆様にお考えをいただきたい、こういう姿勢で辛抱強くこれからもお願いを続けようと考えております。
#191
○上田(哲)分科員 その限りでは島に正確な情報が届くことは結構だと思いますが、情報というのは政府が決めたのではないという意味です。
 そこで、二つだけ確認しておきたいのです。これはあくまでも村民の意思ということが前提になるわけです。これは従来防衛庁もそういうふうに言っておられる。そこで島の意思というのは、村長及び村議会としっかり話をする、これが当然なルールであるという点が一つです。それから、それを超えて強制執行というような事態をとることはない、この二つは当然な民主主義のルールだと思うのです。この二つをしっかり確認をしていただきたいと思います。
#192
○佐々政府委員 お答えいたします。
 御承知のように、行政責任者である村長及び村当局、それから民意を代表しております村議会、これも一応一度は賛成というのがあったわけでございますが、現時点においては反対決議をしておる、こういう状況でございます。大分空気も変わりつつあって、話を聞いてみようという機運があるという情報もございますけれども、私どもは御指摘のように民主主義のルールに従って話し合いと説得と御理解、こういうことに力を注いでまいりたいと考えております。
#193
○上田(哲)分科員 強制執行なんということは当然今念頭にありませんね。
#194
○佐々政府委員 お答えいたします。
 まだ実は私ども正式提案をしておりません。したがいまして、強制執行ということも、とてもまだそんなことは考えておりません。何とかお話し合いの上、正式提案を一応受け入れて御討議をいただきたいと考えております。
#195
○上田(哲)分科員 よくわかりました。長官、ちょっとその同じことを確認してください。村長、村議会を尊重することと、強制執行なんということはないんだと。
#196
○加藤国務大臣 施設庁長官が言いましたように、この三宅の問題につきましては、地元の人たちとうまく話し合いを進めながらやっていかなければならない仕事であるということは当然であります。
#197
○上田(哲)分科員 ということは、くどいようだけれども、村長と村議会を対象としてきちっと話をしなければならぬということと、強制執行なんということはないんだということをしっかり確認をしてください。
#198
○佐々政府委員 村長、村議会と十分に話し合い、協議をしながら進めていかなければならないのは当然でございます。それから、まだ我が方の案を聞いてもいただけないようなときに、強制執行がどうのこうの私たちが考えるわけはございません。
#199
○上田(哲)分科員 わかりました。それじゃ結構です。
 ところが、いろいろ問題がありまして、たくさんは申し述べませんけれども、例えば一月の二十日ごろに、二十名ぐらいの人がどこやらから招かれて三泊四日で三沢や厚木、さらに防衛施設庁にも出かけている。これは全部ただなんですね。それで箱根で接待も受けておる。帰ってきて、これは大したことないぞというような話になる、こういう事態が起きているわけです。民主主義のルールでというふうに日ごろおっしゃるのだから、仮にも誤解を受けることのないように、よも防衛庁がその裏側にあるとは私は思いたくありませんけれども、そんな不穏な動きがある。あるいは村議会でいろいろなグループがありまして東京都が手をあぐねている。例えば助役、収入役、教育委員会の二名欠員の問題を補充することもできない、六十年度予算もこのままではどうなるかわからぬ。そこで東京都の行政部長から歌田支庁長に連絡があって、村会議員の皆さんに何とかこの辺をうまくまとめてくれないかなどという問題も起きているわけであります。
 これはすべて疑心暗鬼や、さまざまな別途からの工作等々があることから起きていることなんでありまして、私は島の平和のためにも、この問題ができるだけ裏のない、民主主義の慣行、ルールの中で進められていくことを特に希望しておきます。具体的にうわさを取り上げて今ここでちょうちょうはいたしませんから、防衛庁長官、施設庁長官から、堂々と大手を振った検討、村民の意思を尊重する形での対応をしていくんだという点をひとつ御確認をいただきたいと思います。
#200
○佐々政府委員 お答えいたします。
 まず最初の、島民の方々がいろいろな基地の状況の視察に見えたという話は私たちも聞いて承知をしておりますが、それについての何か手当てをして、私どもの方でこっそり面倒を見てあれしたという事実はございません。それから、御指摘のとおり、堂々と民主的に話し合いと説得、こういう努力でこの問題の解決に当たりたいと考えております。
#201
○加藤国務大臣 この種の仕事を進めるときには堂々と民主主義的な手法に従って進むべきであるというのは、私もそう思いますし、そうやらせたいと思っております。またその際に一番重要なことは、私はやはりお互いが何を考えているかということを十分に話し合うことではないか。民主主義の第一歩というのは、お互いがお互いの思っておることを十分に聞き、そしてひざを突き合わせて話し合うことではないかな、こう思っております。村長さんが最近出されました新聞かどこかの論文を見ますと、例えば仮にそういうNLPが実施されると、鉄条網が敷かれて、そこの中には村民の立ち入れないような場所ができて何か大変なことになるような論文も書かれておりますけれども、そこは誤解でございます。例えばそういうようなところも本当にそうなのかどうなのか、私たちの気持ちを率直に、また事実に即して聞いていただける民主主義的な話し合いの場をぜひ私たち防衛庁としても持ちたい、こう思っております。
#202
○上田(哲)分科員 島の意向はやはりこれはどうしても反対なんでありまして、また反対の意向を長官自身にも伝える機会も持ちたいだろうと思います。防衛庁へ来てもなかなか偉い人に会ってもらえない、これでは民主主義ということは片通行になってしまいますから、その点はひとつ島の意向を尊重するという意味はそういうルールの保障でもあるというふうに考えていただいて、当面しっかり反対なんだということを腹におさめた上でそうした御確認もいただきたいと思います。よろしいですね。一言でいいです。
#203
○加藤国務大臣 私も含めて施設庁長官も本当に率直になぜ必要なのか、そしてどの程度のメリット、デメリットがあるのか。毎日NLPが行われるような誤解もありますけれども、それは一年のうちに五十日から七十日くらい、まあ一日二時間くらいか三時間くらいであるというようなこともまだわかってもらっていないところもあったりいたしますので、十分お話し合いをしたい、こういうことを申し上げたいと思います。
#204
○上田(哲)分科員 まかり間違っても導入のために説明してくれと言っているんじゃないですから、私どもは絶対反対の立場なんで、これが訓練基地なのか作戦基地なのかという問題もいろいろ議論があるでしょうから、そうした問題でひとつ我々の意見をしかと伝えたいということを言っているわけです。
 最後に一つ。先般もこの委員会で問題にしたのでありますが、岩国基地の岩国市長らを空母ミッドウェーが領海外、公海航行中に招待をして、いろいろ今のNLPの問題等々の見学もさせたという問題があります。市の問題はともかくとしましても、この際防衛庁の地方総監等と当該地の幹部が一緒に同行しておる。これは明らかに核搭載推定の海域の中での航行でもありますから、いろいろな問題が出てくるので、これについては外務省側の見解はたたきましたけれども、防衛庁側もこうした問題をどのように考えるか。少なくとも節度を欠いてはいないか。私はそういう問題としては防衛庁長官のしかと見解を承らなければならない問題だと思っております。
#205
○加藤国務大臣 岩国の人を中心にミッドウェーの見学に行ったという報告は私も受けました。私たち自衛隊というものとアメリカの第七艦隊、お互いに日本の防衛のために、また安全保障のために責任を持っている立場なものですから、そこで理解を深め、友好関係を深めることは私は重要であろうと思っております。この間の見学も私はその範囲の中で行われたものであり、またその意味で大変有益であったのではないか、私たちはそう考えて御理解いただければと思っております。
#206
○上田(哲)分科員 これでやめようと思ったんだけれども、そういう見解ではこれは防衛庁長官、しかめ面しておられて頭を抱えられるが、それはいかぬですよ。これを突き詰めていけば事前協議の問題にもかかわってくる問題だと私は思うのです。少なくとも日本の港に核搭載艦ミッドウェーが母港として入港する、このときは私たちは明らかに核を持っていると思うけれども、核がないと言う、推定だと突っぱねられる。そうであれば、その推定の裏返しは、領海を離れたときには核を搭載しないミッドウェーなんてあるわけがない。そういうところへ向こうの飛行機で招待され、NLPからそうした作戦行動を見学してくる。市長がやるのもおかしいと思うけれども、そこに当該地区の自衛隊幹部が一緒になって行くことは、友好だ、見学だなんという範囲の問題ではない。もしそういうふうな概念でとらえられるのであれば、日本は軍国主義になってしまいますよ。この辺は、ハト派とも言われるべき加藤長官が言動を注意されなければならない。この辺は節度を持っていただかなければならぬのだということを私は強く申し上げて、これはこの御答弁では納得しないからもう一言だけ、少なくとも外務大臣のレベルの、これはちょっと気にしなければならぬかなという点だけはしっかり御答弁いただきたいと思います。
#207
○加藤国務大臣 外務大臣と同じ答弁をしたつもりだったものでございますので、誤解を受けたらなんでございますけれども、友好を促進する意味では、お互いに時として交流する、見学し合うことはいいことなのではないかな、その限度で行われたものだ、こう思っております。
#208
○上田(哲)分科員 限度ではない、節度を持てということを強く申し上げて、終わります。
#209
○伊藤主査 これにて上田哲君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉井光照君。
#210
○吉井分科員 岩国基地の沖合移設に関する諸問題につきまして、お尋ねをしたいと思います。
 まず冒頭にお尋ねしたいことは、この岩国基地沖合移設が技術的に可能と判断をされているのかどうか、この点についてお尋ねをいたします。
#211
○佐々政府委員 お答えいたします。
 地元の御要望、千五百メートル沖合移設という案について十分検討をいたしましたが、これはかなり困難性がある。しかしながら、沖合一千メートル移設、こういう計画であるならば、技術的には可能であろうかと判断しております。
#212
○吉井分科員 そこで、六十年度の予算案における調査費が一億六千二百万、これは対前年度比二三・七%という非常に大幅な増でございますが、この岩国基地沖合移設につきましては、御承知のように、昭和四十八年から五十六年までの九年間で基礎調査、それから五十七年に飛行場の東側の海面を埋め立てて滑走路を約千メートル沖合に移設するという案が打ち出されたわけです。また、五十八年からは環境影響評価に係る基礎調査が行われてまいりました。そして昨年の八月二十四日、防衛施設庁は自民党の岩国基地沖合移設に関する小委員会で、昭和六十年度で環境影響評価に係る基礎調査を終了するとともに、基本計画の策定作業に着手するに必要な一億六千五百万円を六十年度予算概算要求をすること、また六十年度予算成立後、岩国防衛施設事務所に岩国飛行場沖合移設対策室、これは仮称でございますが、これを置くとの方針を示されて了承をされております。
 そこで、環境影響評価に係る基礎調査はことしをもって終了すると考えでいいのかどうか、この点いかがですか。
#213
○宇都政府委員 お答えいたします。
 岩国の沖合移設についての調査につきましては、先生おっしゃられますように、五十八年度から環境影響調査に必要となる資料の収集等の基礎調査をやっておりますが、六十年度におきましても引き続き同じ調査を実施するということになっておりまして、六十年度に基礎調査を終わらせようという計画でございます。
#214
○吉井分科員 また六十年度には、環境影響評価に係る基礎調査とあわせて、今度は新たな調査として基本計画の策定作業に着手される、このように見てよろしいですか。
#215
○宇都政府委員 六十年度に計画しております基本計画策定は、平面計画それから工法の検討などの検討でございまして、これは六十年度に新たに行われる予定でございます。
#216
○吉井分科員 さらにその基本計画の策定作業というものは、実施設計の、また基本設計の前段階となるものととらえていいのかどうか、この点いかがですか。
#217
○宇都政府委員 ただいま御説明いたしました六十年度の基本計画の策定と申す内容でございますが、平面計画といいますのは、飛行場の附帯施設等の移設対象施設について調査検討する、そして基本平面図を作成するという内容でございます。また工法の検討につきましては、将来の埋め立て工法の試験施工のための土質調査それから設計図の作成等でございまして、それらの検討資料の作成等でございます。
#218
○吉井分科員 では、六十年度予算で先ほどおっしゃった平面計画、そういったものの予算が五千二百万円計上されている、これでよろしいですか。
#219
○宇都政府委員 六十二年度に予算要求に計上しております一億六千二百万円のうちに、先生おっしゃられます金額が含まれております。
#220
○吉井分科員 それでは、先ほどもちょっと触れました岩国飛行場沖合移設対策室の設置についてどのようにお考えなのか。本年の四月五日が、御承知のように、岩国市制の四十五周年記念になります。市としても大々的な行事が行われるんだ、このように聞いておるわけですが、これに合わせてその対策室の看板を掲げたらどうか、こういう地元の幹部の方々の意向も非常に強いわけでございます。ということは、逆に考えれば、それほど地元の岩国基地沖合移設に対する熱意が非常に強い、このようなことも言われるわけでございますが、そうなれば、もし看板を掛けられるようなことになるならば、当然長官なり施設対策本部長ですか、こうした方々も出席されると思うのですが、この点のお考え、いかがですか。
#221
○宇都政府委員 お答えいたします前に、先ほど私御答弁申し上げた中で、六十年度と申し上げるところを六十二年度と申し上げたようでございますので、六十年度に訂正させていただきます。
 ただいまの御質問の、看板を出先機関である岩国防衛施設事務所に掲げることにつきましては、まだ当庁におきまして検討中でございまして、具体的に先生がおっしゃられるような行事日とか行事の方法等について、まだまとめておる段階ではございません。
#222
○吉井分科員 次に、よく基地のこうした問題に使われる言葉の中に、思いやり予算という言葉が使われます。この思いやり予算というのは一体どういうものなのか、その性格と経緯についてお尋ねをしたいと思います。
#223
○宇都政府委員 現在思いやり予算と言われております予算は、正確には米軍の提供施設、区域に日本政府の経費の負担で施設を新築あるいは改築あるいは改築に準じた改修等を行いまして米側に追加提供等を行う事業でございまして、予算的には提供施設整備事業ということで進めております。
 この事業は昭和五十四年度から実施されておりまして、事業の内容としましては、住宅とか隊舎というような在日米軍の生活の基盤になる施設、それから汚水処理施設等の環境整備の施設、その他提供施設内につくります各種の施設の建築等を行っておるところでございます。
#224
○吉井分科員 今の御答弁によりますと、昭和五十四年からと、こういうふうになっておりますが、その以前はどうだったのか、またなぜ五十四年からこういうことになったのか、その点もう少し詳しくお尋ねしたいと思います。
#225
○宇都政府委員 その経緯につきまして少し詳しく御説明申し上げますが、この提供施設整備に先立ちまして、昭和五十三年度から、在日米軍経費のうちの、そこに勤めております日本人従業員に関する労務費の一部を負担することにいたしました。その後五十四年度から、ただいま申し上げましたように工事費の部分を負担するようになったわけでございますが、五十三年度の予算要求をする時点あるいは五十四年度の予算要求をする時点におきまして、日本におきますドルが大変安くなりまして、当時の在日米駐留軍の駐留経費が大変逼迫してまいりまして、米軍の基地の運営あるいは米軍軍人軍属等の生活の上で、ドル安・円高の影響を受けて、米軍が大変困窮しておった事情がございます。
 その時期に、当時の防衛庁長官であります金丸大臣が、日本政府の手で地位協定の範囲内でできるだけの経費の負担をすべきではないかというお考えを持ちまして、そのお考えを思いやりという表現であらわされたわけでございますが、そういう発端でこの事業が進められてきておるところでございます。
#226
○吉井分科員 ところで、この思いやり予算ですが、五十九年度は四十二億、このように聞いております。この四十二億の内訳はどうなっておるのか。
 それから六十年度はこの予算は幾らで、そしてどのような計画になっておるのか、お尋ねをしたいと思います。
#227
○宇都政府委員 ただいま御質問のございました五十九年度の提供施設整備の予算でございますが、合計で約四十二億円でございます。その内訳としましては、家族住宅百四戸分に対しまして約三十六億円、それから環境関連施設の整備につきまして約四億円、その他ユーティリティー等の工事につきまして約二億円の予算がございます。
 六十年度につきましては、家族住宅約三十四億円、それから環境関連につきまして約六千万円、さらにその他の施設につきまして約九億円、合計でやはり四十三億円の予算を計上しております。
#228
○吉井分科員 そこで、その工事の請負についての発注の比率といいますか、これがどうなっておるのかという問題です。大手の県外業者とそれから市内の業者の内訳、この比率はどうなっていますか。
#229
○大原政府委員 お答えいたします。
 御質問の発注割合につきまして、当庁が岩国地区で実施した建設工事のうち、ちょうど五十八年度と五十九年度について調査いたしておりますのでそれぞれ申し上げますが、五十八年度におきましては、岩国市内業者の方々が受注している率は一四%であります。また昭和五十九年度は、本年二月現在でございますが、約二六%でございまして、そのほとんどは山口県内業者のうちの岩国市内業者がとっております。
#230
○吉井分科員 そこで、六十一年度以降における今後の工事見通しですが、この点についてはどのように考えていらっしゃるのか。また、四十数億から五十億、この程度の工事が今からずっと続く予定なのか、この点のお考えはどうですか。
#231
○宇都政府委員 提供施設整備の予算でございますが、この予算につきましては、毎年度その年度ごとの必要な事案につきまして、緊要度等諸般の事情を勘案して、日本政府の自主的判断で事業を計画しておりますので、将来にわたるような全体計画を立てておりません。しかし、現在やっています工事でまだ継続するもの等もございますので、そういう継続事案はもちろんでございますが、金額的にはわからないにしても、事案があるということだけは事実でございます。
#232
○吉井分科員 市内業者ですけれども、これは五十八年度一四%、五十九年度二六%、このように上昇しておるわけですが、どうか地元地域経済の活性化という点から、ひとつできるだけ県内、特に市内業者への発注を切にお願いをしたいわけでございます。御承知のように、最近では市内業者といっても十分な工事もでき得ると思いますし、それだけの技術も当然持ち合わせておりますし、これが特別な技術を要する事業なら別として、住宅とかこうした点については十分に市内の業者でも対応できると思いますので、その点を切にお願いをしておきたいと思います。
 次に、民防工事でございますが、この民防工事もおかげさまでこの岩国地区におきましてはほかの地区に比べて非常に精力的に行われておりまして、これは地元業者の活性化に大いに役立っているわけでございます。
 そこで、この民防工事の中で空調関係の発注、これが大手からなされて地元の手をほとんど通らない、こういう声があるわけでございますが、地元にも電器小売店の組合等もありますし、たとえその中のわずかでもいいから地元業者に、小売店の組合、そういったところに発注を願えないだろうか、このような非常に強い要望がありますが、この点いかがですか。
#233
○宇都政府委員 岩国飛行場の騒音によります障害を防止するために住宅の防音工事を行っておりますが、この住宅防音工事は補助事業でございまして、補助金を受ける個人、その住宅に住んでおられる方と、それから請負をされます工事業者との契約に基づいて行われておりまして、これによって、この契約によって工事請負業者が空調機器等を販売代理店等から購入しているのが実情でございます。したがいまして、私ども具体的な発注先とか発注状況について承知していない実情にございます。
#234
○吉井分科員 したがって、こういった工事、こういったものを指導されるのは皆さん方でございますので、そういった指導の中から、工事請負業者についてもひとつ施設庁の方からできるだけ地元のそういったところから購入をしたらどうかという指導はできると思うのですけれども、その点はいかがですか。
#235
○宇都政府委員 空調機器の購入でございますが、これは契約をして請け負った請負工事業者が、先ほど申し上げましたように販売店から購入するわけでございまして、これは一つの空調機器の流通経路の問題でございます。したがいまして、業界の間の問題と考えられますので、当庁で関与するということは大変難しいかと思います。
#236
○吉井分科員 最後に、地元の強い要望として、基地沖合移設の早期着工、これに伴うところの早期完成、これは非常に強い要望でございます。先ほどからのいろいろな質問にもございましたように、GNP一%という非常に難しい時代であることは私もよく承知をしておるわけでございますが、どうか長年にわたるところの市民、県民の切なる願いとして、来年度以降におきましても最重点的課題としてこの問題に取り組まれるよう強く要望をするわけでございます。
 六十年度の調査費一億六千二百万、この獲得につきましては、長官の並み並みならぬ意欲に地元、県民一同非常に感謝をしておるわけでございますが、最後に、沖合移設に関しての長官の今後の取り組みについての決意のほどを伺っておきたいと思います。
#237
○佐々政府委員 まず私から御答弁申し上げます。
 岩国沖合移設の問題は、先生御承知のように多年の懸案事項でございまして、また近年では、民社党、公明党等、与党だけでなくて、これを何とか早く実現をして安全性を確保してもらいたいという御要望が大変強いことを承知いたしております。何分非常に工費のかかる大きな事業でございますので、防衛施設庁限りではいかんともいたしがたい問題は確かにございますが、担当官庁といたしまして、いわゆる施設の移転、リロケーションと呼んでおりますが、このリロケーションの作業の中では最優先課題と私ども位置づけをいたしまして、六十年度予算の獲得につきましても大いに努力をいたしたつもりでございますが、今後とも早期実現という市民の皆様の御要望に沿うように、できる限りの努力をいたしたいと考えております。
#238
○加藤国務大臣 岩国の空港の沖合移設の問題は、山口県の県民の皆さん及び岩国市民の皆さんから、昭和四十七、八年以降の大変大きな問題であるということは私たちも認識いたしております。今佐々長官から申しましたように一千億、二千億という大変巨額の単位の話でございますので、大変な現在の財政状況のもとで遅々とした部分がございますけれども、施設庁を中心としまして、防衛庁といたしましてもできる限り住民の皆さんの要望にこたえられるように今後とも全力を挙げてまいりたい、こう思っております。
#239
○吉井分科員 以上で終わります。
#240
○伊藤主査 これにて吉井光照君の質疑は終了いたしました。
 次に、渡部行雄君。
#241
○渡部(行)分科員 最初に防衛庁長官にお伺いいたしますが、今世界で大きな問題になっておるSDI、つまり戦略防衛構想というものですが、この間中曽根総理はアメリカに行って、この防衛構想を支持するという旨の発言をして問題になったのは御承知のとおりであります。
 そこで、日本の防衛庁はこのSDIというものをどのように認識しておられるのか、その内容について明らかにしていただきたいと思います。
#242
○加藤国務大臣 米国の戦略防衛構想、今渡部委員御指摘の通称SDIでございますが、これは弾道ミサイルを無力化し、ひいては核兵器の究極的廃絶を目指すものというふうに日本政府としては承知いたしております。また、SDIは二十一世紀を見越した極めて長期的な構想であって、現在はまだ研究の段階にあるというふうに承知いたしております。
#243
○渡部(行)分科員 弾道ミサイルを無力化するとおっしゃいましたけれども、ソ連の専門家と軍人でつくっておる「平和を求め、核の脅威に反対するソ理科学者委員会」、これがその報告書を発表いたしましたが、これによりますと「SDIは、米国が言うように核戦争を防止するものでなく、かえって新たな軍拡をもたらすものである、としている。また、五千億ドルの巨費を投ずるSDIにも多くの脆弱性があり、どのような手段を講じても、ソ連の大陸間弾道弾(ICBM)は防御網を突破することが出来る」と述べられているわけです。そしてしかも、これは日本の専門家も言っておりますが、恐らく完全なカバーはできない、特に巡航ミサイル等には無力ではないか、こういうことも言われておりますし、しかも、反射鏡を利用してやるレーザー光線のようなものは、逆レーザー光線で反射鏡から逆に本体を撃ち壊すこともできる、非常にこれはもろ刃の剣のように、その確実というものが保証されないというのが専門家の間の一つの説のようでございますが、それに対しては長官はどういうふうに思っておりますか。
#244
○古川(清)政府委員 私の方からお答えさせていただきます。
 委員御指摘のとおり、このSDIというものは極めて長期的な構想でございまして、研究がようやく緒についただけということでございまして、アメリカとしては究極的に核兵器の廃絶を目指すものという考えを持っておることは私たちも十分承知しているわけでございますけれども、極めて長期的な研究段階にあるということのために、果たして完成した暁にこのSDIというものがどういうものになるかということは私どももまだ知っていないわけでございますし、恐らくアメリカもそういう結論はまだ持っていないわけであります。
 一〇〇%敵のミサイルというものを撃ち落とせないかもしれないという御指摘でございますけれども、この点についてはアメリカ政府自身もそういう見方を、完璧に一〇〇%破壊できないかもしれないということを、アメリカの方もそういうことを実は公表しておるわけでございます。例えば本年の一月三日に公表されましたレーガン大統領のSDI構想という文書がございますが、その中におきましても、SDIの破壊効率というものは必ずしも一〇〇%であるという必要はない、抑止力を強化するためには、最小限度ソ連が意図する攻撃成果に対する不確実要素を高めることができれば十分であるといった趣旨の説明がそこで行われているということも、私どもは承知をしておるわけでございます。
#245
○渡部(行)分科員 そうすると、中曽根総理は何にもわからないで支持するということを言ったわけですね。これは全く、一国の総理としてこんな無責任な発言はないと思いますよ。今専門家でさえわからぬという、アメリカでさえまだどうなるかわからぬというものを、当たりばったりでその場限りに一国の総理たる者が、この構想を支持します。とんでもない話だと私は思います。しかも、このSDIというのは、先ほども言いましたように、五千億ドルもかかると言われております。今、世界の一年間に費やす軍事費は八千億ドルと言われております。その六二・五%、それだけの莫大な経費がかかるということを考えた際に、これが一〇〇%の効率を持たないものになぜそのような巨額の経費をかけていかなければならないのか。
 しかも私は思うに、こういうふうな経費がかけられると、さらにこれに対抗してソ連の方もどんどんと軍事費を拡大していく。そうすると、まさに地球というのは本当に危険な、いつ滅亡するかわからぬという状況、極致の状況に置かれていると思うのです。したがって、こういうものについては人間の英知で食いとめる、こういう一つの努力が国家としてもなされなければならぬのではないだろうか。私はそういう点で、日本の自衛隊がこのSDIの構想の中で一体どういう組み込まれ方をしておるのか、どういう位置づけをされておるのか、その辺についてひとつ御説明願いたいと思います。
#246
○矢崎政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま大臣及び政府委員からお話し申し上げましたように、アメリカの戦略防衛構想と申しますのは、私ども承知しております限りでは、非核の防御的手段によって弾道ミサイルを無力化する、ひいては核の究極的廃絶を目指すものであるということで、二十一世紀まで見越した極めて長期な構想でございまして、現在はまだ研究の段階にあるものと承知をいたしておるわけでございます。現在防衛庁といたしましては、そういうようなことから、我が国の防衛との関係につきまして、具体的に諭し得る段階にはないというふうに考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、我が国の今後の対応につきましては、平和国家としての我が国の基本的な理念を踏まえまして、自主的に検討していくべきものであろう、そういうふうに理解をしておるわけでございます。
#247
○渡部(行)分科員 自主的に我が国としては研究していくべきであると申されましたが、果たしてアメリカのSDIとかかわりなしにできるでしょうか。私はこういう巨額の金がかかるとなると、当然にやがて費用分担なりあるいは技術分担が要請されてくるのではないか、こういうふうに考えますが、その辺はどういうふうにお考えになっておられるか、お聞きしたいと思います。
#248
○栗山政府委員 まず、基本的な点について一つだけ申し上げたいと思いますが、一月の日米首脳会談において中曽根総理はSDI構想を支持したというふうに委員おっしゃいましたけれども、中曽根総理が申されたことは、アメリカがそういう非核の防御的手段による究極的に核兵器の廃絶というものを目指すようなシステムというものを研究していくということについて、そういう前提での研究ということについてはこれを理解するということを言われたわけでございまして、他方、最終的な評価については、技術的な内容その他今後の米ソ間の交渉等の帰趨にもよるところでございますので、我が国のそういう最終的な評価なり判断というものについてはこれを留保するという意味で、最終的な対応というのは、今後いろいろアメリカと協議をし、情報を交換した上で決めたい、こういうふうに総理の方からレーガン大統領に申されたわけでございますので、その点をまず事実関係として補足させておいていただきます。
 それから委員御質問の技術の問題でございますが、これは正直申し上げまして、今の段階では非常に仮定の問題になりまして、どういうことになるかということにつきまして、アメリカから別に具体的な要請があるわけでもございませんので、全く今後の問題であるというふうにしか申し上げられません。一般的には、同盟国の技術的な貢献についての期待感の表明というのはワインバーガー長官の記者会見等において表明されておりますが、我が国に対してはこれまでの間何ら具体的に要請ないしはそれに類したアプローチがあったということはございません。
 仮定の問題といたしまして、将来そういう要請があった場合にどういうことになるかということにつきましては、予算委員会の場で総理の方から、武器技術というものであれば、御承知のような対米武器技術供与取り決めの枠がございますので、そういう枠の中のものとして、要請があったときには慎重に検討してケース・バイ・ケースで対応するということを御答弁になっておられますが、そういうことが政府の現在の立場である、こういうことで理解をしております。
#249
○渡部(行)分科員 まだ仮定の問題でわからぬ、こういうお話です。しかし、本当に仮定の問題ならば、ソ連の方では数式まで出してこの問題に反駁を加えているわけですよ。現実の問題になってからじゃ遅いのです。こういう一つの構想が、構想そのものは現実の問題になっているわけですから、そういう場合には、想定できるあらゆる状況を考えながら日本としてはどうあるべきかを検討するのが当然だと思うのです。それもしないでのんべんだらりというか、のほほんというか、そういう形で、相手待ちみたいなことで本当に防衛なんということができるのでしょうか。
 しかも、このSDIというものは、ソ連では宇宙に戦争を拡大することなんだと言っているのですよ。弾道弾ミサイルを無力化するだけでなしに、これは戦争を宇宙にまで拡大する危険性があるということを指摘しているのです。だとすれば、日本は特に平和国家としてそういうものに対する警戒心をもっともっと高めなければならないと思うのです。そして外交面でも、このようなアメリカの動きに対していろいろと、何と申しますか、平和のための助言というか、そういうものをやっていくことが大事ではないかと考えるのです。ただ、日本の外交は余りにも受け身過ぎて、毅然とした、自分自身がどうするかというものを持ってないじゃないか、こんなふうに考えるわけですが、これに対する御意見をお伺いしたいと思います。
#250
○栗山政府委員 先ほど御答弁申し上げた点にさらに補足させていただきますと、委員ただいま御指摘になりましたとおり、この問題については、将来技術の発展いかん、それから米ソ間の交渉の進展いかんによって具体的にどういうことになるかということは、いろいろ判断がしかねる要素が多いわけでございます。さればこそ中曽根総理もロサンゼルスにおける首脳会談において、今後節目節目での情報提供、特に将来、研究の段階を過ぎてさらにこれが本格的な開発、さらには配備という段階にまで進むということになった場合には、当然のことながら日本とも協議をしてほしいと言われて、レーガン大統領もそれはそのとおりであるということで、今後の情報提供、さらには協議を約した、こういう経緯があるわけでございます。したがいまして、我が国といたしましては、別に全く受け身ということではございませんで、現在の段階ではいろいろ最終的な判断、評価を下す材料が乏しいので、今後そういうものを十分判断をし得る材料を集め、さらにはアメリカとの協議というものを通じまして我が国のとるべき立場をきっちりと考えていこう、こういうのが現在の政府の考えでございます。
 もう一点だけ申し上げますと、いずれにしましても、委員御承知のとおりにこの種の弾道ミサイル迎撃システムというものは、現在米ソ間に存在しますABM条約で禁止されておるものでございます。したがいまして、アメリカのみならずソ連もいろいろな研究をやっておるという由でございますが、米ソともに研究の段階を超えてそれから先に進む場合には現行条約の範囲内ではできないわけでございますので、これは交渉をしなければならない。現在、ジュネーブで近々再開されることになっております核軍縮交渉におきましても、宇宙の軍拡競争の防止ということが交渉の一つの大きな目的に挙げられてございますので、そういう意味におきまして、米ソともそういうことを念頭に置きつつ今後真剣に交渉を進めていくであろうと思いますし、日本といたしましてもそういう面におきましての交渉の成果が上がることを期待をしておる次第でございます。
#251
○渡部(行)分科員 時間がありませんから先に飛びますが、今ABM条約に違反するということを言われたと思うのですが、ソ連の方ではそういう指摘をしておりますけれども、アメリカの方では違反しないという主張もあったやに、私、本で読んでいるのですが、これは後でいつか機会を見てやりたいと思います。
 そこで、今度、ニュージーランドのロンギ首相がアメリカの核搭載能力を持った艦船の寄港を全面的に拒否しておるわけでございますが、こうなるとリムパック、環太平洋というものに対してどういう影響を及ぼすのか。その辺、外務省はどういうふうに考えておるか。また、このロンギ首相の行動をどういうふうな考えのもとに受けとめておられるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
 そこで、もう一つつけ加えますが、この非核三原則を持つ日本は、むしろロンギ首相よりも早くこういう態度をとってしかるべきではなかったかと私は考えております。しかし、そういうことを言っても始まりませんから、これから日本もこのロンギ首相の行動を支持して、反核のためにともに共闘しようではないかというようなお考えはあるかどうかお聞かせ願いたいと思います。
#252
○都甲政府委員 お答え申し上げます。
 ニュージーランドのロンギ労働党政権が米国の核艦船の入港を認めないという立場をとっていることは私どもも承知しておりますけれども、この問題につきましては、やはりニュージーランドとANZUSのもとでの同盟国である米国との間の問題であると思いますので、私どもとしては、日本としてこれにとやかく言うべき筋合いのものではないというふうに考えております。
 それから、先生がお尋ねのこれがリムパックにどのような影響を及ぼすかという点がございましたけれども、この点については、私どもとしてこれがどのように今後処理されていくのか、そしてそれがどのような影響を持つのかということについては、まだ承知いたしておりません。
#253
○渡部(行)分科員 私は、外務省はどうも何か反応が鈍過ぎるのではないか、こんなふうに感じるのです。実際にANZUS条約そのものさえもう相当おかしくなってきておる、そして、今度リムパックという具体的な行動に対してはどうなるかわからない。これは防衛庁の方が知っているのかもしれませんが、そういう点は、防衛庁長官、どうなんですか。
#254
○大高政府委員 ただいま先生お話しのリムパックと申しますのは、リムパックの演習のことであろうというふうに理解をいたしますけれども、御案内のように第三艦隊が主催いたしまして、ニュージーランドを含めた五カ国で訓練を行うわけでございます。ただし、この訓練は通常兵器をもちまして行います海上作戦についての演練でございまして、直接核に関連するものではございません。したがいまして、当面のところニュージーランドの核に対する政策がこれに影響を及ぼすということは考えておりませんし、我が海上自衛隊につきましては、いずれにいたしましても艦隊レベルにおきます能力向上のために今後とも参加をしていきたいというふうに考えております。
#255
○渡部(行)分科員 このリムパックには、核搭載能力のある艦船が参加するのではありませんか。
#256
○大高政府委員 ただいま申し上げましたように、リムパックそれ自体は通常兵器によります海上作戦について演練を行うものでございます。ただ、米国政府は昨年の六月以降でございますけれども、予定どおり一部の艦艇につきまして核弾頭搭載トマホークの運用能力を付与したというふうに承知をいたしておりまして、昨年海上自衛隊が参加いたしましたリムパック84におきまして参加しました米国の艦艇の中にこの搭載能力を付与されました艦艇が入っておることは私どもも承知いたしております。しかしながら、先生御案内のとおり米国政府は特定の艦艇に核があるかないかということについては従来から明らかにいたしておりませんので、どの艦艇が核搭載トマホークの運用能力を付与された艦艇であるかということについては承知をいたしておらないというところでございます。
#257
○渡部(行)分科員 核搭載能力艦船が参加するということはもうはっきりしているわけで、ただ、いつも日本は、アメリカは核搭載をしておるともおらないとも言わないし、そして日米安保条約の事前協議を申し込んでこないから核はないだろうと自分勝手に決めてやっているわけですね。だれがこんなことを信用できますか。もしそんなだったら、なぜロンギ首相がニュージーランドとアメリカの関係を悪くしてでも体を張ってやっているのですか。なぜロンギ首相のような姿勢で臨めないのですか。そこを私は言いたいのですよ。本当に独立国家ならもっと正々堂々と、だれもが納得できる外交政策というものを立てなければ、まさに日本はアメリカの隷属国家と言っても過言ではないと思うのです。そういう点をひとつ明らかにしてもらいたい。
 それから、時間の関係でもう一つお聞きしますが、防衛大綱が達成されるとそれをもって憲法上の防衛力の限界と考えてよいのか、また大綱達成後は一体どうするおつもりなのか、その辺を明らかにしてもらいたいと思います。
#258
○大高政府委員 先ほどのリムパックにつきまして、核搭載艦との訓練につきまして私の方から一言御説明を申し上げておきたいと思います。
 一般的に、核弾頭搭載トマホークを装備いたします艦艇と公海上で共同訓練をいたしますことは、非核三原則に触れるものではないと考えております。また、これが領海内という問題になりますと、従来から政府におきましては、核兵器の持ち込みは事前協議の対象ということにいたしておりますし、これが持ち込まれる場合におきまして事前協議が行われた場合は拒否する所存でございますので、領海内において自衛隊が核を装備しました米国の艦船と共同訓練を行うということは考えられないという点をぜひ御承知おきいただきたいと思います。
#259
○矢崎政府委員 憲法と大綱の関係についてお答え申し上げます。
 我が国が保持することができる防衛力というものは、言うまでもございませんが、憲法が許容するところの自衛のための必要最小限度の実力というものが限度になるということでございます。
 ただ、では具体的にどうなんだということでございますが、具体的な限度につきましては、本来そのときどきの国際情勢とか軍事技術等の諸条件によって左右される相対的な面があるということは否定し得ないところだろうと思います。もっとも、性能上専ら他国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる兵器、例えばICBMですとか長距離戦略爆撃機などでございますが、こういったものにつきましては、いかなる場合においてもこれを保持することが許されないというのが従来からの政府の解釈でございまして、しばしば御説明申し上げているとおりでございます。数量的に何か示されないかというふうな御指摘かとも思いますが、これは大変難しいことでございまして、最終的には毎年度の予算等の審議を通じまして国民の代表でございます国会におきまして御判断をいただいていく、これが憲法上の限界についての考え方ではないかと思います。
 他方、大綱はどういうことかといいますと、大綱に定めます防衛力の水準と申しますのは、平時におきまして十分な警戒態勢をとり得ると同時に、限定的かつ小規模な侵略に対しては原則として独力で対処し得るということを目標にして定めたものでございまして、昭和五十一年にそういった一つの想定を設けたわけでございます。したがいまして、これは当然のことながら、ただいま申し上げました憲法上の限界というもののさらに中に入っているものでございまして、それは同じものだというものではないと考えております。
 それから最後に、大綱が達成された場合にどうなのかというお尋ねでございますが、御承知のように、現在防衛庁といたしましては、大綱水準の早期達成という基本的な方向に沿いまし、昨年の五月に長官指示を発しまして、六十一年から六十五年の五年間を対象といたします中期の業務見積もり、五九中業におきまして大綱水準の達成を期するということで現在いろいろ作業をしているところでございます。したがいまして、この五九中業の先の話について現在考えるという状況にはまだなっていないことを御理解いただきたいと思います。
#260
○渡部(行)分科員 時間が参りましたので終わります。どうもありがとうございました。
#261
○伊藤主査 これにて渡部行雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、沢田広君。
#262
○沢田分科員 大臣、じゃ続けさせていただきます。
 私は、余り大きなことではないのですが、前から若干ずつかかわり合いを持っておりますが、戦車は我が国では果たしてどういう役割を持っているのだろうかということで、専守防衛ということですね。専守防衛ということは、どこかの国が日本の本土に上陸して本土内で決戦をするということを想定しているのかどうか、これをまずお伺いをしたいわけです。
#263
○矢崎政府委員 お答え申し上げます。
 御質問は、我が国の基本的な防衛構想でございますが、我が国は四面を海に囲まれた島国だということでございますから、仮に国土に対する侵略があるとすれば、必ず海と空を経由して行われるということでございます。したがいまして、国土の防衛に際しましては、できる限り洋上で侵攻部隊を撃破して国土に戦火が及ばないということを重点に防衛力を整備をしていくことが重要でございまして、そういう点の配慮をしていることはもちろんでございます。
 しかしながら、こうした洋上撃破の努力を行ってもなおかつ、国土に対して着上陸侵攻が行われるまず可能性ということは否定できないだろうと考えておるわけでございまして、そういった事態に有効に対処し得る陸上防衛力を持っていることもまたぜひ必要である、また、そのことが全体として侵略を抑止する力にもなる、こういう考え方をとっておるわけでございます。
#264
○沢田分科員 大臣、第二次大戦の規模で沖縄がどれだけ悲惨な態勢になったか、これはもう我々体験してきたことですよ。万が一の場合に、例えば東京でやると仮定をしてみても、東京都へ入ってきて戦車が動くせきもありゃせぬ。そういう状況の中で、戦車が果たして動ける余地はあるのか。また、そういう状況になったときに、それは勝ったとか負けたとかということは別問題として、住民、国民を犠牲にしてそこでお互いが撃ち合うという情景は考えられるのか、どんなことがあろうとなかろうと。それは理論の上ではあるかもしれぬけれども、現実問題として、本土決戦だなんて言ったばかばかしい時代があったのだけれども、それを今さらまた持ち出してやるということなら根本的なものが変わってこなければならない。現実にはあり得ないことじゃないか。そうなると、戦車は三十八トンぐらいあって、今機甲が千何百両あるのですけれども、これはもう見せかけなんですね。言うなら使い道がない。現実にはない。もし使うという事態があったときには、それはもう破滅、もうやめるときなんですよ。だから、実質的にはそんなものは必要ないんじゃないかと私は思っている。要すれば飾り物なんです。
 だから、防衛庁の長官もひとつそこへ思い切って発想を、本土で決戦するなんということを考える余地はないんじゃないか。このミサイルの時代に本土で鉄砲をバリバリやるなんということを我が近代国家の中で、イランやイラクとかなんかなら別ですよ。ほとんど、もう絶対ないと言っても過言でない。もしそんなことを考えているとすれば、これはよほどの気違いかあほうかだと私は思わざるを得ない、国民に問いかけてみても。そういうことがあるんですよといって国民に言えますか。どうですか、大臣。
#265
○加藤国務大臣 今、防衛局長の説明、若干時間が足りなくて途中で終わったように思っておりますけれども、確かに我が国に対する侵攻は、島国でありますから、必ず海ないし空を経て来るということは地理的な事実でございます。したがって、私たちはその水際の段階で侵攻を阻止するということに重点を置かなければならないのは事実でございますけれども、しかし、すべてがそれで防止し得る一〇〇%の確率があるわけではございません。万が一着上陸という場合に、その場合においても抵抗する力があるということが侵略を抑止する力、その力を持っているという事実がそれを抑止することになるのでないかという側面は、もちろん私たち重要に考えておかなければならぬと思っております。それがどこの地域でどういうことになるのかということになりますといろいろ議論はあろうかと思いますけれども、私たちは陸上の力、それから戦車が全く意味のないことだというふうには考えておらぬのでございます。
#266
○沢田分科員 意味がないとかなんとかというと言葉じりになりますから、本物で考えてみてもらいたいのです。それならまだミサイルをずっとしていく方がより効果的だ、いわゆる領海外に敵を討つ、領海内には近づけさせないという、防衛線を張るのなら張るので。上がってきてからとことこ戦車が動いてやるといったら、それは一億一千万の多くの国民がどれだけ犠牲になるかということは火を見るより明らかでしょう。その犠牲をあえて辞せずしてやろうという発想が問題がある。上げないときが戦いなんだと私は思う。入玉されてしまうようなものなんだよね、戦車なんかでやるのは。将棋で言えば、入玉されてから一生懸命自分のこまを動かしているようなものなんです。そんなものは意味がないのです。
 たがら、これは、今すぐ戦車をつぶすわけにはいかないでしょうが、ただ、私はどう考えても、戦車ならまだミサイルを考える方がより効果的である。要すれば、領海外で勝負をする、そういう基本的な戦略が立てられなくちゃならない。それによっても費用はうんと違ってくる。そういう立場で、私も全然だめだとか何だとか言っているんじゃなくて、実質的に国内を戦場にしないという基本原則は持たなくちゃならぬのじゃないかというふうに思うのです。万が一あるんだということを国民に言うということは、今日のこの近代国家の中で存在しない発言だと私は思いますよ。実際問題としては理論も何もないじゃないですか、そういうことを考えるということは。
 これはほかのこともあるから答弁を後で求めますが、だから、そうなれば戦車も観閲式用の戦車、七四戦車なんかだってそう。だから、言葉がそういうふうになるとつい意地になって、置かなくちゃならない、こう言いたくなるのだろうけれども、思い切って、機動隊の装甲車くらいで十分なんですよ、いろいろなことを考えてみてももうそのときは。そのときはそういう状況として考えていくべきであって、最後まで戦車を置いておくという理由は、それは国民をますます危険に陥れるだけである。第一、向こうだって戦車が上がってくるなんということはあり得ないのです。艦砲射撃であるし、あるいは火炎放射器であるし、向こうも戦車が上がってきますということはあり得ないのです。そうすれば、国民により多くの犠牲を生ずることは明らかでしょう。
 あなたは戦争経験がないかもしれぬけれども、我々戦争を経験した者はそんなことで日本の本土が守れるなんて、さすがのあのときも本土決戦はあきらめたわけでしょう。原爆もあったから。今はもっとでっかいんだから、そんなものを、今さら本土で戦うんだなんということを妄想しているということ自身に問題がある。もしそんなことを考えているとすれば、戦争を知らない連中なんだよ。沖縄戦争を見たでしょう。全部もうなくなっちゃってからでなければ敵は上陸してこないのですよ。そんなとき戦車が何の役に立ちますか。
 もう一回防衛庁長官に、今なくすと答えなくてもいいですよ。しかし、水際とか、中曽根総理大臣も言っていたけれども、領海すれすれの線で食いとめる、これが基本路線だというふうに私は思いますね。やるならやはりそういう戦略でなければならぬ。もうそのときは終わりだ、もしそうなったら。そういうふうに考えて国民をそれ以上犠牲に巻き込むことは避けます、それが私は本質な専守防衛だと思うのですよ。いかがですか。
#267
○加藤国務大臣 抑止力というものの考え方の基本にかかわるところであるような気もいたしますが、万が一そういう着上陸ということを想定しながら準備をしていくこと自体が抑止になるという部分は、やはり捨て切れない重要なところだろうと思います。沢田委員が御指摘の、例えば水際においてより明確に排撃できるようなことをもっと考えるべきではないかということは確かにおっしゃるとおりであろうと私たち思っておりまして、そういう意味で、今後五九中業の策定の際に地対艦のミサイル等の部分をどの程度考えていくかなどが一つの大きなポイントになるということは事実でございますが、やはり戦車は、戦車の陸上の力というものを私たちも捨て切れない、十分に重要な部分であるというふうに考えております。
#268
○沢田分科員 時間が短いけれども、もしそれをやるとすると、国家総動員法を考えていかなければならないし、また、竹やりを持たせなければならなくなってくるわけですよ。本土でやるとなれば、国民を総動員しなければならなくなってくるわけですよ。あなた方は別だから佐渡ケ島かどこかに行っていてくれ、おれたちだけでやります、こういうわけにはいかない。そうでしょう。そうすると巻き込むということになる。国民全体に武器を持たせて戦わせるということになる。その可能性がある、あなたの言葉を信用して考えた場合は。そうなると、その論理を進めれば、そういう体制をとらなくてはならないということ、国民全体を戦闘に、舞台に立たせなければならぬということになるでしょう、区別がつかなくなるわけですから。あなたは戦争屋さん、私たちは平和部隊です、この区別がつかなくなるのですから。そうなれば、国民全体を戦争に巻き込むことは間違いないでしょう。だから、もしその論を進めていったならば、国内の、本土の中の戦いということはあり得べきではない。特に近代戦争になってきて、そんな鉄砲をぷつんぷつんと撃つんじゃないのですから、一度に大量殺りくが行われるのですから、そういう状況の中で、本土の上で戦車が動いて戦争をするんですということを考えること自身が私には考えられない。どうですか。これ以上言っても答えは同じかもしれませんけれども、それを進めていった場合には国民を巻き込みますということになる。それを区別できますか、どこであろうと。
#269
○矢崎政府委員 結局は、抑止力のある防衛力をどう構成していくかという基本の問題でございまして、やはりそれには幾段にも備えた力というものがなければ真の意味の防衛力にはならないと私ども考えております。そういう意味で、洋上ないしは水際で侵略を撃破するというためには、航空自衛隊の対地支援戦闘機の能力であるとか、いろいろなものを活用していくことになりますが、しかし、最終的には、万一着上陸してきたものを排除する力というもの、これはどうしても不可欠でございまして、そこに空隙がございますとまさにもろい力になるということでございます。そういう意味で、私どもは戦車も含めた陸上の防衛力というものがやはり最終的な防衛力の担保としてどうしても必要な要素であるということは否定することができないというふうに思っております。また、そういうような防衛力が有効に機能すれば、我が国に対する戦火が広範に及ぶということ自体を未然に防止することは可能になる、こういうふうに判断いたしております。
#270
○沢田分科員 頑迷固陋という言葉があるけれども、まさにそれに当てはまるのであって、今の近代戦争にそんなものが、昔の城取り合戦じゃないのだから、考えてみればそのことがいかにむだなことであるかということを考えつくと思いますから、優秀な防衛庁長官が生まれてなおこういうことにこだわっているというところに少しかたくなさがあるし、国民を全部巻き込んでもいいのだと言っている姿勢には若干問題があると思いますよ。頭脳明晰な長官はこういう点は早く転換をしてもらって、ぽんこつにするならぽんこつにして、そういう国民を巻き込むようなことはしませんというところにやはり専守防衛の一線はあるのです。そこが私は線引きの線だと思いますから、以上要望して、次の問題に入ります。あと防衛庁の方は結構ですから、どうぞ休んでください。
 次に、警察庁に参りますが、警察庁の問題は、内閣法制局も来ておりますが、我が国は三権分立てありますから、たとえ警察の中の行政の処分であろうと、基本的には行政不服審査法が適用されなければならない、こういうふうに思います。例えば三千円の反則金でもあるいは五千円の反則金でも、委員長も経験があるでしょうけれども、これは裁判でなければ異議の申し立てができない。一点の行政処分にしてもそのとおりなんです。例えば今度シートベルトなんかも一点ですが、この一点なんかでも、これが違っている、だめだといった場合は裁判以外に解決のめどがない。こういう片ちんばな行政はない。おまわりさんがやったことはすべて正しい、こういう論理に立っておる。ところが、結構おまわりさんにも悪い人もいれば間違う人もいるのですから、徳川時代だって目安箱というのがあった。今日の近代国家にないのです、警察の行政には。ですから、少なくとも自分が不満とし、これは行政上の間違いだと判断がされた場合には、その苦情を申し出て審査のできる機関を設けるべきである、あえて言えば行政不服審査法の適用をさせることが正しい、こういうふうに私は思っているわけです。
 以上の点について、内閣法制局及び警察庁、あわせてお答えをいただきたいと思います。
#271
○前田政府委員 お尋ねの趣旨を十分理解していないかもしれませんけれども、国民の権利、利益を救済いたしますためにどのような手続なり制度を設けるかということにつきましては、立法政策に属する問題ではないかと考えます。
 また、ただいま三権分立の関係についてお触れになりましたので、この点について申し上げますと、憲法上最高裁判所及び下級裁判所に属することとされております司法と申しますのは、民事、刑事のほか行政事件についての争訟を含めまして、一切の法律上の争訟の裁判を意味しておりますし、他方、行政機関は終審として裁判を行うことができないこととされておりますから、行政上の事件につきましてその解決を司法の判断に仰ぐことといたしましても、そのことが御指摘のように三権分立の関係で問題になるということはないのではないかというふうに考えます。
 また、委員は先ほど反則処分のことについてお触れになりましたけれども、これにつきましては、反則行為が本来犯罪を構成する行為でございますので、便宜交通反則通告制度というものが設けられているのにとどまりますので、その点は裁判で争わなければいけないということは累次の判例が認めているところでございます。
#272
○沢田分科員 道路交通法では、この法律の規定に基づき警察官等が現場においてなした処分については行政不服審査法による申請をすることができない、こうなっているのですよ。だから、少なくともあなたのおっしゃっている包括的ではない、例えば現状の法文を見ても。警察官が現場において、これは一過性という言葉を使っているわけでありますが、一過性、その場は過ぎ去ってしまって後で再確認ができない。一応是認したとして、そういう場合については行政不服審査法は適用しませんよと法律は書いてある。だから、あなたのおっしゃっていることどおりではない。それ以外のものもある。包括的ではない。その点はどうですか。
#273
○前田政府委員 道路交通法百十三条の二がただいまお読み上げになりましたような規定をしていることはそのとおりでございます。同条がそのような規定をいたしておるにつきましては、同条に掲げられております処分が一回限りの行為で継続的なものでないこと、または緊急を要する応急措置的なものであること、さらには、これら双方の性質を持っているということを理由としてであると思います。
 そこで、このような一時的な事実行為または法律に根拠のあります緊急を要する応急措置的な処分、これにつきましては警察処分に限りませず、行政不服審査法の対象から除かれることにはなりますけれども、他方におきまして、警察処分でございましても、継続的な性質を有する事実行為あるいは緊急を要する応急措置的な処分以外の処分、これらにつきましては、原則としまして行政不服審査法の対象になっておるのでございますから、御指摘のように公平の原則に反するとか、あるいは法律体系上問題があるということにはならないのではないかというふうに考えております。
#274
○沢田分科員 じゃ、例えば三千円の反則金に訴訟を起こして幾らくらいかかるとあなたは思いますか。法制局の人の立場じゃなくあなた個人の立場になって、三千円の反則金取られて裁判をやってどのくらい経費がかかると思いますか。
#275
○前田政府委員 私は運転能力もございませんので、ちょっと想像がつきません。
#276
○沢田分科員 三千円は運転ばかりじゃない、何か行為を行って三千円の略式命令、略式命令になればもう裁判の判決になりますが、賠償を取られる場合も起こり得る。だけれども、三千円の程度で訴訟を起こしますか。三千円の程度で実際に弁護士頼んでやりますか。だから、あなたの内閣法制局としては忠実に言っているのかもしれぬけれども、今の国民の経済能力、社会常識からいって、三千円の反則金で裁判を一々やっていくという能力あるいは時間あるいは費用、こういうものを考えて実現性があると思いますか。あなたの個人的な見解でいいです。あなたがそうなったときに、あなたはそういうことで三権分立て裁判でやりますとあなたは言い切れますか。あなたの奥さんがなるかもしれぬし、あなたの子供がなるかもしれぬけれども、そのときにあなたはそう言い切れますか。
#277
○前田政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、その問題になりました事柄の性質いかんによることになるだろうと思います。
#278
○沢田分科員 あなたの答弁はわかった。
 次に警察庁。こういうことについて国民としては非常に不満を持ち、そして行政の公平を欠いておる、こういうふうに思っているわけであるけれども、少なくとも苦情の処理の機関というものを整備して行政不服審査法を適用するのが望ましいんだけれども、二の次のものとしても、少なくとも行政の苦情の処理というものを、国民の声を聞くという条件についてはどのように考えているか、お答えいただきたい。
#279
○安藤説明員 道路交通の問題、文字どおり国民すべてにかかわりある事項でございまして、交通警察業務に従事する者は、第一線での国民の納得のいく、また信頼が得られる形で御協力をいただかなければ、道路交通のこの大量な現状を安全あるいは円滑を確保しながら進めていくのは難しいということで、常々そういう姿勢で対応しているところでございます。
#280
○沢田分科員 そんなことを聞いてない。そういうことの姿勢はいいよ。だから、そういう苦情の処理なりあるいは不満の解消に、百十三条の二項を削除できないにしても、その現状の中で国民の声を聞き、あるいは国民の不満を聞いて解決をしていく、本来ならば公安委員会がその機能を持っていて十分に生かしていけるはずなんだが、公安委員会も、これは言葉が過ぎるけれども、これは速記録から消してもらう言葉なんだけれども、――――公安委員会になっちゃっているから何にも用をなさない。本当の国民の声を聞く体制になってない。私は、警察の中でそういうものをつくって国民の声を聞くべきである、こういうふうに思いますけれども、いかがですか。
#281
○安藤説明員 現に各警察には広聴係ということで、その種の苦情あるいは相談には常々応じておりますし、この反則制度の運用につきましても、現場警察官が告知した後、その警察本部長が再度それを点検し、これを反則行為と認める場合に通知という制度にいたしているのも、その点の是正があるべしという前提の制度だというふうに理解しております。
#282
○沢田分科員 あなたは、私がさっき条文を読んだからそのとおり言っているけれども、警察官がその現場でじゃなくて、例えば白線の引き方が間違った、標識のつけ方が裏返しであった、そういうような場合については、これは一過性がないんですよね。それでも受け付けない。それはどうですか。そういう間違いもなくはない。だから、それは一過性ではないのだ。標識が裏返しになっていたり、進入の方が裏返しになっていたりしていることはたくさんあるわけだ。そういうときにも異議の申し立てをして苦情の処理ができないという仕組みはよくないでしょう。どうですか。
#283
○安藤説明員 おっしゃるような問題につきましては、まさに現場でよく申し出あるいは投書がありまして、その都度対応して是正していることでありますが、ただ交通規制一般につきましては、これは特定の個人に対して義務というよりは広く道路交通利用者一般に対する規制その他の意思表示でありますが、いずれにいたしましても、そのような白線の引き方あるいは標識のつけ方につきましては適正な運用になるように努めてまいりたいと思います。
#284
○沢田分科員 適正な運用じゃないからそれに対して苦情の受け付けをし、解決する意思があるかどうかを聞いているのだ。だんだん時間を延ばしたらいいと思っている考え方じゃ困るので、運用の中でそういう措置を講じていきたい、いかないならいかないでいいよ、いくんならいくように言ってください。どっちか。
#285
○安藤説明員 運用でそのような苦情処理のシステムを整備しておりますし、また今後ともそのように努めてまいりたいと思います。
#286
○沢田分科員 じゃ、整備していくわけですね、努力していくわけですね。
#287
○安藤説明員 努力してまいりたいと思います。
#288
○沢田分科員 以上で終わります。
#289
○伊藤主査 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。
 ただいまの沢田広君の発言中、不適当と認められる言辞があったやに思われますので、後刻速記録を取り調べの上、主査において適当に措置いたします。
 次に、新村源雄君。
#290
○新村(源)分科員 私は、防衛問題の基本については避けまして、昨年の七月に、防衛庁が北海道の帯広市に昭和六十年度と六十一年度の両年度にわたって対戦車ヘリを十六機、その他のヘリコプターと合わせて二十機を配置する、こういう発表があったわけです。その以前にどういう取り決めがあったかということは市民サイドとしては全くわからなくて、市民にとってはまさに寝耳に水の出来事であったのです。
 そこで長官、今問題になっておる飛行場の位置というのは、まさに帯広市民の生活圏のほとんどど真ん中にある。しかも、中心部からわずかに三キロぐらいより離れてない。そして、ここはかつては帯広空港として、ローカルでございましたが、札幌さらに東京と結ぶ航空路があったわけです。しかし、これは騒音、あるいは航空大学の分校があって、これが二度にわたって墜落をする、こういうようなことがあって、騒音と安全の対策から、昭和五十六年に約三十キロ離れた以平というところへ飛行場を移転をしているわけです。こういうところに、長官、ちょっとこれを見てもらいたいんですけれども、これが中心部ですね。ここなんですよ。三キロしかないんです。こういうところに対戦車ヘリ基地をつくるということは一体どういう経過とどういうお考え方でそういう計画をされておるのか、まずお伺いしたい。
#291
○矢崎政府委員 もう先生御承知のように、我が国は専守防衛という原則で防衛力の整備をしておるわけでございますが、そういったことによりまして、侵略の未然防止という考えを持ちながら、いろいろな防衛体制の充実強化を図っておるわけでございます。
 対戦車ヘリコプターAH1Sの帯広配備ということも、そういった基本的なラインに沿って考えたことでございまして、北海道におきます防衛体制を高めるとともに、抑止力を強化するということが基本でございます。
 北部方面隊に一個隊を配備する場合の基地として、なぜ帯広を選定をしたかという理由につきましては、いろいろな要素を考えたわけでございますけれども、一つには、北海道におきます対戦車火力のバランスのとれた配備体制がこれによってできて、北海道のいずれの方面においても有効な防衛行動が実現できるということが一つでございます。それから、第二には、訓練環境がすぐれているということがございます。それから、第三には、既存の施設を利用するということによりまして、経済性がすぐれておる、こういう要素もございます。そういったいろいろな要素を総合勘案いたしまして、帯広が最適の場所であるというふうに判断をした次第でございます。
#292
○新村(源)分科員 今お伺いしますと、先ほど申し上げましたように、それは騒音と安全のためにもう移転をしているわけですね。そういう経過も何も考えないで、長官、そういうところに、市民の生活圏の真っただ中にそういうものを置くということが一体適当だとお考えになりますか。どうですか。
#293
○加藤国務大臣 帯広の地元の皆さんの間で、いろいろ御議論があるのは私も承知いたしております。ただ、侵略の未然防止のために、また北海道における種々の防衛上の配慮から、あの帯広を選び、そしてまた、経済性という点から考えて選ばれたわけでございますけれども、先ほど防衛局長が申しましたように、帯広が選ばれた一つの理由として、また訓練環境という面もあるわけでございます。実際この飛行場の中で訓練するわけではございませんので、そこに駐在するということであって、訓練はまた別のところで行われるということでありますので、その点もよく御理解いただければと思います。
 いずれにいたしましても、私たちの考えをできるだけ御理解いただけるように今後とも努めてまいりたい、こう思っております。
#294
○新村(源)分科員 この問題が発生をしましてから、帯広空港跡地利用市民連絡会議というのが結成されまして、現在まで約六万五千名の反対署名があるわけです。今私も約二万一千名ばかりの紹介議員になりましたが、十六万都市で六万五千人の反対署名、さらにこれからふえていく、こういうことでございますから、いろいろ自衛隊の御都合は今おっしゃいましたけれども、そういう市民感情というものは全く考慮に入れないということですか。
#295
○池田政府委員 対戦車ヘリコプターを帯広に展開する理由については、先ほど詳細に申し上げましたが、さらに六万五千人の署名がなされているという事情についても我々は重々承知しております。そういうわけでございまして、当庁といたしましては基地の円滑な運用を図るという観点から、先般帯広の市長に対しまして地元の理解と協力をお願いしたものであります。AHの記術に関し、地元の住民の反対署名がなされていることは、先ほど申し上げましたように重々承知しておりますが、当庁としては種々検討した結果、帯広に配置するものでありますので、これを変更するわけにはいかないと考えています。
 しかしながら、周辺住民の方々が特に心配されておられます飛行安全とかあるいは騒音問題につきましては十分留意し、運用していきたいと考えておりまして、今後とも地元関係の自治体の方々等と調整を密にし、円滑な配備に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#296
○新村(源)分科員 それじゃ現在は六万五千人ですが、これがさらに膨れて七万人、八万人、こういうように膨れていった場合にでも変更しないのですか。もうそんなのは問答無用だ、防衛庁がさっき言われた三つのそういう理由で一方的に押し切る、こういうことですか。
#297
○池田政府委員 先ほど申し上げましたように、市長その他関係者と十分協力をいたしまして御理解を得るように努力をしてまいりたいと思います。市民の皆様方の関心事は、やはり飛行安全とか騒音問題等が中心であろうと考えますので、当庁としては万全の措置を講じてまいりたいと考えております。
#298
○新村(源)分科員 私はそう言っているのではなくて、そういう手段を尽くしても、しかし依然として、もう帯広市民の生活圏の真ん中ですから、そういうところにどうしてもいやだという運動がさらに高まって、今六万五千人ですけれども、七万、八万というように膨れていっても、防衛庁の計画というのは変わらないのかと言っているのです。
#299
○池田政府委員 先ほど申し上げましたように、関係者の御理解を得てそういう事態にならないようなことを我々は願っているところであります。
 対戦車ヘリコプターにつきましては飛行特性から言いましても安全度は非常に高いものでございまして、また騒音の度合いにつきましても現在のヘリコプターとほとんど大差がないという状況であります。帯広につきましてはジェット空港化するというようなことで、御承知のように固定翼の飛行機が新しい空港に参りました。我々は現在ここへヘリコプターを展開しておりますが、非常に安全性の高いものでございますので、御理解を得てまいりますように努力してまいりたいと思っております。
#300
○新村(源)分科員 安全性の問題については後ほどまた触れることにしまして、この予算は総額二十四億八千八百万、こう言われております。防衛庁にお伺いするところ、丘珠の基地との関係があるので中身は言えない、こう言っておるのですが、これに附帯をしてどういう施設をつくろうとしておるのですか。
#301
○池田政府委員 帯広の対戦車ヘリ関連の予算につきましては、先生御指摘のとおりでございます。丘珠の関係と申しますのは、そのヘリコプターを整備する段階で高段階の整備をするために、帯広で行うよりも丘珠の方が便利だということで、そっちに一部施設をつくるという趣旨でございます。
 二十四億で整備する施設は、格納庫とかエプロン、隊舎、車両整備場、ヘリスポット、燃料タンク、そういうものでございます。
#302
○新村(源)分科員 ここでちょっと大蔵省に御出席いただいておると思うのですが、昨年の十月三十日にこの問題で、いわゆる反対要請ということで地元の市会議員その他が出てきまして、大蔵省と防衛庁にそれぞれ要請を行ったわけです。大蔵省に出向いたときに、これは西村主計官ということになっておるのですが、地域住民と協議を経ないうちは予算づけをしない、こういうように要請団に言っておるわけです。しかし、これは六万五千人も反対署名があるということで、先ほど防衛庁も希望的な観測は言っておられたけれども、そういうものは一歩も進んでいない。そういう中で大蔵省はどういう理解をしてこの予算づけをしたのですか。
#303
○西村説明員 昨年の十月の末でございましたか、地元の方が大蔵省に来られまして、大変大量の署名とともに実情をお話しいただいたのは確かでございます。私、よく伺いました。
 そのとき、私は、防衛力の整備を進めていく上で地元の方々の御理解を得ながらやっていくということは大変大切なことなんで、今お伺いしましたお話を踏まえまして、予算折衝に際しては防衛庁のお話をよく伺います、こういうふうに申し上げたと思います。
 その後防衛庁とのお話し合いで、先ほど防衛局長や池田参事官からお話がございましたように、これはどうしても我が国の防衛上必要なことでもあり、かつ地元との間では公共団体ともよく協議して円滑に進めていくということでございましたので予算に計上したものでございます。
#304
○新村(源)分科員 そうしますと、一般の公共事業その他の予算については非常に厳しく、地元の協議が調わないものについては大蔵省はなかなか取り上げないわけですね。しかし、これだけは防衛庁のそういう希望的な見解だけを聞いてつけた、こういうことになりますね。すると、一般の予算とは全く違った扱い方をした、こういうことになりますな。どうですか。
#305
○西村説明員 決してこれを特別扱いしておるとかいうことではございませんで、私どもとしては、防衛庁が地元との間で十分円滑にお話を進めていっていただけるものと理解しておるわけでございます。
#306
○新村(源)分科員 この取り扱いは、この段階で見る限りはやはり防衛費だけはいわゆる聖域的に扱っている。地元のそういう意見というのを全く無視して、防衛庁の一方的な、しかもまだどうなっていくかわからない、そういう住民運動の高まりの中で、まさに大蔵省も防衛庁と一緒になって問答無用、住民の意思というものは無視をしている。この問題に限っては明らかにこういう実態が浮かび上がっている、こういうことを指摘しておかなければならない。そうでしょう、大蔵省。そうお考えになるでしょう、ほかのものと比べてみて。
#307
○西村説明員 私どもといたしましては、その点、十分慎重に検討して対処したつもりでございます。
#308
○新村(源)分科員 時間がございませんので、もっともっと言いたいのですけれども、次へ移っていきます。
 この対戦車ヘリ配備の直前に、直前といっても日にちは大体同じなんですが、札幌防衛施設局長、陸上自衛隊北部方面総監、帯広市長、この三者の間で「環境保全に関する協定書」というものが結ばれておるわけですね。これをずっと見ていきますと、先ほど申し上げました市民団体が、一体これからの騒音や安全はどうなるんだということで非常に心配して市長に質問状を出しているのですよ。その質問状に対する市長の答弁は「今回の協定は、生活環境の保全や市民生活の安全性の確保がはかられることを目的としたものであり、対戦車ヘリコプターの配備を前提としたものではありませんのでご理解をいただきたい」、こういうように言っているわけですね。ですから、対戦車ヘリ配備に対する帯広市との間のいわゆる環境保全あるいは安全に対するそういう協定というのはないということに理解していいのですか。
#309
○池田政府委員 帯広には、先生御承知のとおりかねてからヘリコプターの部隊を展開しておりました。市側としても環境保全に関する何らかの協定をつくりたいという希望を長年持っておられまして、我々もそれに御協力しながら現在の協定の形にまで持っていっております。これは今でももちろん有効でございますが、現在展開していますHU1Bを主体とするヘリコプターのみならず、今後展開する対戦車ヘリについても適用されるものでありまして、我々としては誠実にこれを実行してまいるつもりであります。
#310
○新村(源)分科員 そうしますと、対戦車ヘリが配備されてもこの協定書でやっていく、こういうことですね。
#311
○池田政府委員 この件につきまして協定の第四項、御承知と思いますけれども、必要が生じたときは随時協議するということになっております。今後ともその協議を継続してまいりたいと思っておりますが、さらに細部協定が必要かどうかという点については、現在はその必要があるというふうには考えておりませんが、先ほど申し上げましたように、随時協議することになっております。
 なお、この問題に限らず、従来から帯広においてヘリコプターの飛行等に関する問題につきましては、市街地を極力避けるとか夜間の飛行を自粛するとか、それから場周経路をできるだけ西側に持っていくとか、あるいは対戦車ヘリコプター等になりますと、部隊が一斉同時発進しないとか、そういう点については随時地元と協議しております。あくまでも第四項で必要な都度協議をしてまいることになっております。
#312
○新村(源)分科員 この協定を見る限りは非常に具体性がないですね。こんなことで帯広の市民が安心をしていけるという内容のものじゃないわけですね。例えば騒音の問題、これについても具体的に、例えば何ホン以上は規制するとか。しかし、抑止力、抑止力と言っておりますけれども、訓練の目的はやはり戦争というものを想定しながらやっているわけでしょう。戦争というものを想定しながら行っていく訓練に一体どのくらい規制できますか。さっきおっしゃったように夜間を飛ばないとか一挙に出ないとか、そういうようなことが実際問題としてできますか。
#313
○池田政府委員 飛行機の騒音の問題につきましては、先ほども御説明申し上げましたが、現在展開していますヘリコプターとエンジンは基本的に同型でございます。改善はされておりませんけれども、基本的に同型でございます。したがって、騒音につきまして非常にふえるというふうには考えておりません。もちろん騒音度がどういうふうになるか、これはさらに現実に調査をいたしまして、必要な防音工事等を措置していくことになろうと思います。
 それから、夜間の問題は、通常の訓練について申し上げたわけで、仮に夜間の演習があるというようなことになればその必要性が出てくると思います。しかし、あくまでもこれは通常の飛行訓練について申し上げました。
 それから、御承知と存じますけれども、実際の実射射撃はこれは帯広で行うものでございませんで、あくまでも飛行に限定しておるところでございます。
#314
○新村(源)分科員 いろいろおっしゃっていますが、演習というのは遊び半分でやるものじゃないでしょう。まさに勝敗をかけて、そういうものを目標にして訓練が行われるわけでしょう。それが今おっしゃるような格好で本当にやられるとすれば、まさに物見遊山的な訓練しかできないでしょう。飛行場を中心にしてめぐりじゅうに人家があるわけですよ。そんなことができますか。
 さらに、安全の問題ですけれども、長官、これはきのう地元から送られてきた新聞ですが、これは去年の十月、同じく十勝管内の鹿追の演習地で三回目のいわゆる事故があった。このときには二人が亡くなって九人が重傷を負っている、こういう痛ましい事故があった。三回目ですよ。先ほどもちょっと申し上げたように、いわゆる航空大学の飛行機も二回も墜落している。そういう、いわゆる安全性というのは一〇〇%保証されるというものはないわけでしょう。それじゃ、その周辺の民家に全部金網を張るとか鉄で囲うとか、何とかしなかったら本当の安全というものは守れないでしょう。本当に守れますか。
#315
○大高政府委員 私の方から訓練についてお答えをいたしたいと思いますけれども、対戦車ヘリコプターあたりにつきましては、訓練は近くの矢田別あるいは北海道大演習場、こういったところで戦闘訓練を行う予定でございまして、ここで、ただいま先生御指摘のように真剣な訓練を行いまして十分な練度の向上を図ってまいりたいと思うわけでございます。
 それからまた、安全性の問題でございますけれども、射撃訓練を行います際には、すべて弾薬の搭載、当該演習場で行うことにいたしておりまして、帯広の方でこういう事故が発生する可能性というものはないわけでございます。
 それからまた、飛行場から演習場への移動につきましても、努めて人家稠密のところを避けるという形で安全に万般の配慮をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#316
○新村(源)分科員 そこまでやるのだったら、長官、思い切ってこのヘリコプターの基地をその演習場へ持っていったらいいのですよ。現に、先ほど新聞をお示ししましたように、鹿追町には広大な演習場をお持ちなんでしょう。なぜよりによって住民感情を逆なでするような帯広市民の生活圏のど真ん中に持ってきたかということはどうしても理解できないことであり、きょうは時間がございませんので、これから機会をとらえてさらに追及をしていきたいと思っております。
 そこで、総理府にちょっとお伺いいたしますが、こういうように防衛費についてはまさに聖域的な考え方でどんどん予算をつけていくわけですね。これと全く逆比例にあるのはいわゆる戦後未処理の問題です。これは長年かかって処理懇という立場でいろいろ検討されておりました。それで、時間がございませんので、私は一つ一つ申し上げません。質問事項をずっと申し上げますので、お答えをいただきたいと思います。
 この処理懇の結論は一体どうなったのかということが第一点。
 第二点は、今年一億五千七百万の予算をつけたですね。これはどういうようにお使いになろうとしているか。
 三番目に、中曽根総理は、戦後政治の総仕上げた、こう言っておるのですね。今例えば軍人恩給欠格者の問題一つとらえても、三百万、五百万というように言われている。こういう多くの犠牲者の方々が我々の要求をもっと公正に公平に処理をせい、こういうように言っておるわけですね。ですから、こういう戦後未処理の問題を、先ほど第一項で申し上げました処理懇との関連においてどういうようにしていこうか、これが終わらなければ本当の意味において戦後政治というものは終わらない、こういうように考えるのですが、この点について為答えをいただきたい。
#317
○根本説明員 まず、御質問の第一点目の戦後処理懇の結論はどうなったかということでございますけれども、これは先生今御指摘のとおり、五十七年の六月から二年半にわたりまして、三十五回、非常に熱心に御討議いただいたわけでございます。それで、昨年末の十二月二十一日でございますけれども、戦後処理懇報告書というものが出されたわけでございます。その結論は、端的に申し上げますと、すべての国民が程度の差こそあれ何らかの戦争犠牲をこうむり、筆舌に尽くしがたい労苦を体験したという事実に着目すれば、社会公平の観点からいいまして、ある特別の者について何らかの措置をするということは、もはや国においてこれ以上はできない、しかしながら、戦後処理問題に関し関係者の心情に深く心をいたすという観点から、御承知のようなとおりの基金を創設するということを提唱しているわけでございます。
 それで、この報告書を受けまして、六十年度予算におきまして総理府に特別基金の検討及び調査に必要な経費ということで、今先生御指摘の一億五千七百万が計上されたわけでございます。それで、政府といたしましては、この趣旨に沿いまして、六十年度予算が成立するのを待ちまして総理府に検討の場を設ける、それで、この検討の場におきまして、同懇談会の報告の趣旨に沿いまして具体的な検討が行われるということになっているわけでございます。
 それで、三番目の中曽根総理の戦後政治の総決算という話でございますけれども、これにつきましてはちょっと私の方からでは、まことに申しわけございませんけれども、先ほどの回答でもって答えにさしていただきたい、こう考えております。
#318
○新村(源)分科員 もう時間が来まして、いろいろ質問をしたいことがありましたけれども、終わります。
#319
○伊藤主査 これにて新村源雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、瀬長亀次郎君。
#320
○瀬長分科員 最初に、防衛庁長官にお聞きいたしますが、今安保条約地位協定に基づいて米軍が日本に駐留している。それは今さっきの防衛局長の話でしたか、専守防衛という話もありましたが、この中身は、日本の国土、これを破壊から守る、日本国民の生命、財産、安全、これを保障するということだと思いますが、長官、そういうふうに考えていいんですか。
#321
○加藤国務大臣 もちろん私たちの防衛政策の基本は、新憲法に基づき専守防衛に徹し、非核三原則を守りながら、近隣諸国に軍事的脅威を与えない、そういう基本方針で策定されておりますし、私たちはその原則を守っておりますが、その際に重要なことは、もちろんその目的や私たちの、日本国民の生命と財産を守り、この私たちの自由な体制を守りということだと思っております。
#322
○瀬長分科員 そこで、第三海兵隊、沖縄の北部の訓練場、これは金武町といいますが、キャンプハンセン、シュワブ、そこにいるんですよ。県の調査で行って調べたのですが、これが復帰後、四十八年を除いて、一〇四号線という県道越えの砲撃の場合には砲種は何々を使う、それから弾薬は何発撃つということは、向こうの数字で全部具体的にわかります。そこで、県の調査では、四十八年を除いて届け出があったもの、これだけで実に六千発以上撃ち込まれておるのです。はっきりと申し上げますと、六千二百八十四発撃ち込まれております。これは百五ミリ、百五十五ミリ、八インチりゅう弾砲、とりわけ百五十五ミリりゅう弾砲が主砲であります。その結果、これは金武町の調査でありますが、山火事が何と三十六回起こり、金武町の調べただけでもその焼失面積は二十五万平米に達しておる。これが現実であります。
 この山火事というのは、ターゲットになっておるのが、恩納岳という美しい山があるのですが、これは本土で言えば富士山、沖縄の恩納岳は、そういう恩納岳にあれだけの火力をもって六千発以上、しかもこれは基地内で演習をやる弾は除かれております。そして、山火事で、今言ったような状態で焼かれておる。加藤長官は行ったことがないからわからぬが、まさにあれは国土が破壊され、変貌しておる。形が変わってしまっている。真っ黒なんですよ、山火事が起こったところは。これは安保条約でいういわゆる国土の保全ではなくて、まさに日本の国土がこういった破壊で変形している。しかも、山火事で焼かれる。涵養林もやられるというような状態である。
 今長官に、私があらかじめ確かめたのは、そういう米軍が、海兵隊がいることによって、あれだけの美しい山がこういうふうに破壊されてしまった。これに対して長官はどうお考えか、ひとつ基本的な考え方を知らせてほしいと思うのです。
#323
○佐々政府委員 お答えいたします。
 一〇四号線越えの射撃訓練でございますが、これはただいま御指摘のように復帰後現在まで六十三回、弾の数は、ちょっと私どもつまびらかでございませんけれども、百五ミリないし百五十五ミリりゅう弾砲を使用いたしまして、おおむね一回五十発ないし二百発、こういうことで射撃訓練をいたしておることは事実でございます。
 しかしながら、この訓練は、日米安保条約に基づきまして駐留をしておる米軍の練度維持のために必要な訓練ということで、私どもが施設を提供し、その安保条約の有効性を確保するためにやっておる訓練でございますので、日米安保条約という我が国の防衛の基本政策上、この米軍の訓練はやむを得ないもの、必要なものと考えております。
#324
○瀬長分科員 長官から一言言ってください。私の言っておるのは、国土がすべて破壊され、変形しておるのですよ。焼かれておるのですよ。これは安保条約の趣旨に反するのではないか。国土を守らないのだ。変形しており、焼かれて、破壊されておる。安保条約と現実との矛盾を私が言っているのですよ。何も局長が立って、あれが何発やった、何かやったというふうなことを聞いておるのではないのです。具体的に安保条約と現実との矛盾を聞いておるわけなんです。国土がこういうふうに破壊され、変形しておるという事実を、あなた行ったことがないからわからぬと思うのですが、そこをどう考えるか、基本的な問題を聞いておるのです。これは長官答えてください。長官が言われなくて、そして時間がありませんから。これは焼かれてもいい、訓練のために自然は、環境は、山は変形してもいいんだ、これが安保条約か。安保条約と現実の矛盾はこうなっておるんだということを県の調査と金武町当局の調査に基づいて言っておるのですよ。ですから、今の、局長ですか、話では、訓練上やむを得ないというふうなことだが、防衛庁長官も、訓練上であれば山は焼かれ、変形し、自然は破壊され、涵養林までやられておるというようなことでもいいのかどうか。この現実をどう認識して、安保条約との矛盾というものをどう解くかという問題が今大きい問題だから聞いておるのですよ。長官、どうですか。
#325
○加藤国務大臣 私たち、この国土を守るために、私たちの生活を守るために防衛力を整備し、また日米安保条約を結び、基地の提供をいたしております。そして、そのためには、日米安保条約に基づいて、アメリカ軍との関係において、米軍の安保条約による信頼性を高めておくことが重要だ、こう思い、また基地も提供もいたしておるわけでございます。そして、自衛隊が訓練する訓練地におきましても、例えば戦車が訓練いたしますと若干の灌木は押しつぶされたり、自然は破壊されます。それからまた、米軍が私たちの、提供されております基地の中において訓練いたしますと、自然を破壊される部分もあるのだと思います。それは、私たちの防衛を確保するための必要最小限の訓練という問題と私たちの自然を守るという部分とのバランスの問題になるのだと思っておりますけれども、私たちは現在行われております自衛隊の訓練とか米軍の訓練というものは必要最小限のものだ、こういうふうに考えております。
#326
○瀬長分科員 これが必要最小限度である、今言ったように私は事実を示しているんでしょう。加藤防衛庁長官、もしあなたが行ってあの山の変形されているのを見た場合、やむを得ない、そういった、これは一部のものはやむを得ないんだという考え方をすると、これは大変なことになる。我我の国土が破壊されている。変形している。山火事がどんどん起こる。それで、県庁あたりは今までの態度をがらっと違えたのだ。そういったような考え方でやると、やむを得ないのじゃないかということになるわけでしょう。どんどん破壊しても、訓練だ、やむを得ない、そういったような考え方に立っているからこそ安保条約の危険性というのが明らかになっている。そういうことをやむを得ないと思っているかどうか、長官、これについて一言説明してください。やむを得ないのか、何かの手だてを講じなくてはいかぬと思うのか、はっきり言ってください。
#327
○佐々政府委員 まず、私から基本的な防衛施設行政についてお答えをさせていただきます。
 国の安全を守るという大きな公共の福祉と申しましょうか公益のために、基地所在の、この狭い国土でございますし、特に沖縄の場合には米軍の基地が稠密に存在いたしておりますので、付近の住民の方々に国全体の安全のために何らかの障害なり何なりが及んでいるということは事実でございます。この障害につきましては、環境保全も含め、あるいは訓練その他から万が一近隣の住民の方に財産上の被害が生じた場合には、地位協定十八条によりまして、米軍が行った訓練の結果の補償は、私ども責任を持って誠実に実施をさせていただいておるところでございます。この環境保全ということにつきましても私どもは最大限の配慮をしておるわけでございますが、大きな公益のために一部そういう障害が出ておる、それについては国が補償をする、それはむしろ国の義務であるという考え方で臨んでおります。
 提供施設の中における訓練は、先ほど私が御答弁申し上げましたように国と国の条約上の義務によるもので、私どもは受忍義務があろうかと考えております。
#328
○瀬長分科員 私、そういったことを聞いておるのじゃないのですよ。防衛庁長官、この問題は後で継続してやりますが、これはいわゆる大きい虫を生かすためには小さい虫を殺してもいいといったような発想ですよ。現に私が示しても、損害を補償すればいいんだといったような施設庁長官の話では、この国土を防衛するという問題は全然次元が違ってくる。これは後でいろいろの問題で追及しますが、長官、私が言ったことが本当かどうか、一遍沖縄に行って恩納岳を見てください。まだ見たことはないでしょう。そうすれば、これは大変なことだなということがおわかりだと思います。私はそれに期待をしまして、本当に安保条約と国土の破壊の問題は簡単に補償の問題では片づかぬなということがわかります。
 次に、私は那覇の自衛隊の弾薬庫の問題についてお尋ねしたいと思いますが、弾薬庫を新設することになっていますね。現在弾薬庫が三棟あるが、この新設される弾薬庫は何が目的でつくられるのか。それと既設の弾薬庫をも含めてこの弾薬庫に貯蔵される弾薬の種類、それからこれの運用部隊、どういう部隊が運用しているか、これを答えてください。これは長官でなくてもいいです。
#329
○矢崎政府委員 私から那覇基地に弾薬庫を新設する理由についてまずお答えをいたしますが、これは自衛隊の即応体制の向上を図るということでぜひ必要なものでございます。これは既に御承知のように昭和五十五年の八月以降、即応体制を向上するという観点に立ちましてスクランブル機には空対空ミサイルを搭載をするという措置を講じておるわけでございます。これとの関連で、平時から空対空ミサイルを航空機に短時間で搭載できるような状態で保管をする必要が生じてきているわけでございまして、御指摘の弾薬庫はこういった状態でミサイル等を保管するために必要なものでございます。そういった弾庫をここ数年各基地に逐次建設を進めてきたわけでございまして、那覇基地についても五十九年度の予算でその措置を講じたところでございます。
#330
○瀬長分科員 運用部隊。質問したのが抜けていますよ、弾薬庫。
#331
○池田政府委員 運用部隊についてお答えいたす前に、今までの弾薬庫についてお尋ねがございましたので、御説明申し上げたいと思います。
 今の弾薬庫は、西側の方に先生御指摘のように三棟保有しております。(瀬長分科員「もうその説明はいいんです。それ、説明を求めているんじゃない。運用部隊はどの部隊が運用しているかという問題です」と呼ぶ)
#332
○矢崎政府委員 これを利用します部隊は、二〇七飛行隊が活用するわけでございます。
#333
○瀬長分科員 そこで、今のお答えで、今の継戦能力の向上のためには弾薬の備蓄、これを高めることが必要だと述べていますね。さらに、防衛庁は、那覇基地は六十年度中にF4EJファントム戦闘機に配備がえをすることも発表している。
 ところで、今のこの新しい弾薬庫をつくるのは、まさに那覇基地の機能の強化ではないのかということに私は考えておりますが、そう考えていいですか。
#334
○矢崎政府委員 お尋ねの趣旨がどういうことでございますか、あるいは明確に理解してないかもしれませんが、先ほど申し上げましたように即応体制の向上という面では能力が充実をしていくという面があることは事実でございます。
#335
○瀬長分科員 那覇基地内における弾薬装備といわゆる防衛大綱の水準との関係ですが、計画されている弾薬庫を新設することによって弾薬の備蓄は何割増となるのかという問題ですね。それからまた、それは防衛計画大綱の水準からいくと水準達成となるのか、依然として不十分であるのか、この二点について答えてください。
#336
○矢崎政府委員 各基地ごとの弾薬の量につきましては、これは詳細についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思っております。
 それから、大綱水準との関係でございますが、御承知のように大綱の水準と申しますのは量の問題、質の問題、両面ございます。量の問題で申しますと、大綱の別表に掲げた例えば航空自衛隊の作戦用航空機の数等があるわけでございます。と同時に、質の面で申しますと、いろいろな質の向上の面を大綱の中でもうたっております。そういったものを全体として見て、大綱水準の達成を考えていくわけでございます。その一環として各基地ごとの配備というものは具体的にまた別途考えていくことでございますが、大綱水準という意味で言えば、総体の重なり質というものを判断していただくことになろうかと思います。
#337
○瀬長分科員 今回の新弾薬庫の建設について、那覇市当局も、特に運輸省の那覇空港長はこう言っています。弾薬庫新設は好ましくない、滑走路などに近接、市民、旅客の安全を勘案しなければならないので反対だということを公然と記者会見で発表しております。こういった民間空港の安全を図るためにも、新設される弾薬庫は危険であるということがはっきり県民感情として述べられているわけであります。これを押してもなおつくるつもりであるかどうか、この点についてお答え願いたいと思います。
#338
○池田政府委員 那覇基地に新しい弾薬庫をつくる必要性については先ほど詳細に御説明をいたしました。また、この弾薬庫は、覆土式のものとしては最も頑丈な弾薬庫でございます。もちろん他の飛行場でつくっているのと基本的には同じでありますが、最も頑丈であります。また、内部に収納いたします弾薬等につきましては十分な安全措置を講じております。さらに弾薬庫の位置につきましては、先生十分御承知と存じますが、十分の保安距離を保存しております。したがいまして、我々としては、先ほど運輸省のどなたかか言われたようなことはないように判断をしております。
 しかし、これは航空自衛隊にとって非常に大事なことであると同時に、沖縄の皆様にとりましても非常に関心のあることでありますので、できるだけ御理解いただくようにお話をしてまいってきているところでございます。
#339
○瀬長分科員 そこでお聞きしたいのですが、今新設すると、もうこれでいい、これ以上は弾薬庫をつくらないということを明言できますか。
#340
○池田政府委員 将来の問題について今ここでしかと断言するわけには我々いかない状況にございます。先ほどお話がありました古い弾薬庫をどういうふうに使うかという問題もありますし、そういうものとも絡んでくると思いますので、将来ともこれ以上全然つくらないということをここで断言するわけには、現在まいらない状況でございます。
#341
○瀬長分科員 防衛大綱の水準達成のためにはまだつくる可能性があるというふうに理解していいんですか。
#342
○池田政府委員 現在の段階では、これ以上つくらないということを断言できないと申し上げるのが限度でございまして、将来つくるというところまで申し上げるような具体的な計画はまだございません。
#343
○瀬長分科員 今度はナイキJ基地についてお聞きしたいのです。
 那覇基地には、返還当時の新聞などを見ても、ナイキJは十二基、三十六発あるということになっておりますが、それはそれとして、通産省にお聞きしてもいいのですが、通産省はいわゆる火薬取締法に基づいて、その法に従って幾らでも許可するというふうなことを言っておりますが、防衛庁は先ほど、弾薬庫の運用部隊に関する私の質問で、ナイキJの部隊、これは第十七高射隊、これは現在弾薬庫を運用していないということになっておる。この答弁からいたしますと、那覇基地内にはナイキJに関する火薬、弾薬類を貯蔵する弾薬庫が存在しないということになる。それでいいのですか。存在しませんね。
#344
○山田(勝)政府委員 ただいま先生御指摘のように、那覇基地にはございませんけれども、ナイキは東恩納火薬庫に保管いたしております。
#345
○瀬長分科員 いわゆる第五高射群ですね、隊は三つあるんですよ。だから、二カ所はもちろんあるわけです。那覇基地にないんですね、今の兵器は。これは、ないことは事実なんですか。
#346
○山田(勝)政府委員 ただいま申し上げましたのは、いわゆるナイキそれ自体の保管、あるいは、先生備蓄という言葉をお使いになりましたけれども、これについて、ナイキは東恩納地区の火薬庫に保管していると申し上げたわけでございます。もちろんランチャーに取りつけられているナイキというものがございます。これは那覇基地にございます。いわゆる火薬庫に保管されているという意味では東恩納地区でございますけれども、ランチャーに取りつけられているナイキは那覇基地にございます。
#347
○瀬長分科員 那覇基地にナイキの弾薬庫がないということは明らかになったわけでありますが、通産省としては、これは違法だということにはなりませんか。どうなんですか。
#348
○辛嶋説明員 お答え申し上げます。
 火薬類の貯蔵につきましては、火薬庫において貯蔵しなければいけないという規定がございまして、防衛庁の、自衛隊の問題につきましては火薬庫の承認をとっていると聞いておりますので、違法ではない、こう存じております。
#349
○瀬長分科員 この問題は非常に危険な問題なんですよ。ナイキJ、この弾薬庫がないんだと。そこで、実はこの弾薬をどのように管理しているのか。これは明らかにせんといかぬわけです。この問題は防衛庁と通産省の方で調査して、的確に報告してもらいたい。これはナイキがあるんですからね。だから、それがどう運営され、管理されているかということがわからない。これは調査して報告してもらいたい。よろしいですか。
#350
○山田(勝)政府委員 ただいま通産省の方からお答えいたしましたように、火薬類取締法というものがございます。今回の那覇の新しい火薬庫につきましても承認申請をいたしまして、昨年の十月二十九日に承認がおりているわけでございます。
 ただいま申し上げました二つのパターン、一つは火薬庫に保管しておく、これは火薬類取締法によるものでございます。他方、ランチャーというものに取りつけた場合には、これは保管というよりは消費ということに相なるわけでございまして、この二つのパターンは違う対応になってございます。
#351
○瀬長分科員 そうしますと、ナイキの弾薬の保管、運用というのは、もちろん今おっしゃったように、那覇基地にはその弾薬庫がないのですよ、これははっきりしている。それで、今ランチャーの問題なんかも出ましたが、それを含めて実際は沖縄県でも、さらに那覇市でも、これは従来の三棟の弾薬庫の中にあるというふうに理解しているのです。これはまさに弾薬庫がないということが明らかになっている。だから、その点は十分調査してもらわなければいけないということです。
 時間が参りましたので、最後に締めとして申し上げますが、那覇自衛隊の南混団の基地、これは県議会でも全会一致で決議しているのは、危険だ、だからあの那覇空港は民間専用空港にしろというのは一貫した沖縄県民の主張である。ところが、今までの質疑応答でもわかるように、いよいよ防衛大綱の水準を達する、さらにどんどん弾薬庫もつくるという可能性まで含めて今答弁されましたが、私最後に、沖縄県議会でも全会一致で民間専用化――危険なんですよ。そのためには、新しい弾薬庫もつくってはいかぬ、自衛隊は撤去する、これが沖縄県民の本当の要望である。これについて、長官最後にどう考えるか。この県民の要望に挑戦して、さらに那覇基地を強化していく、自衛隊基地を強化していくということである、そういうふうになるのか。これは県民の要望に挑戦するものであると私は信ずるのですが、長官、どうなんでしょうか。
#352
○池田政府委員 那覇基地の弾薬庫の問題は、先ほどから経緯等について御説明申し上げましたが、共用飛行場でございますことは御指摘のとおりでありますけれども、我々が、他の航空自衛隊の実戦部隊が展開されておるところにつきましては、同じような即応措置のために弾薬庫を整備しております。そして、この沖縄が最後でございますが、その中で、例えば千歳とか三沢とか小松とかいう民間の共用基地につきましても、保安距離を十分とって同様の措置を行ってまいっておりまして、この那覇が最後でございます。したがいまして、那覇だけを特別にこういう強化をしておるという性質のものではございません。
#353
○瀬長分科員 最後に長官の御答弁をお聞きしたいのですが、今言ったようにますます強化される。これは県民感情が許さない。県議会で民間専用にしろということは幾たびか決議しているにもかかわらず、ますます強化されてしまう。これはまさに県民の要望に対する挑戦だ。私は、その点について長官の本当の気持ちをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#354
○加藤国務大臣 私たち、自衛隊の運用につきましても、また日米安保条約、地位協定に基づきます施設提供につきましても、地元の皆さんとできるだけ調整をとりながらやってまいりましたし、今後ともやっていくつもりでございますけれども、委員の御指摘の点につきましては、私たち自衛隊、防衛庁がやっております仕事は、我が国の防衛のため、安全のため、精いっぱいの努力をやっていることをぜひ御理解いただきたい、こう思っております。
#355
○瀬長分科員 終わります。
#356
○伊藤主査 これにて瀬長亀次郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、関晴正君。
#357
○関分科員 私は、防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。
 第一は、さきの予算委員会の際にもお尋ねをいたしましたけれども、引き続きお尋ねをいたしたいと思うわけです。それは、三沢の特別管制空域のことであります。
 特別管制空域というものは特別に三沢に設置されているわけですが、これは天ケ森の射爆場、その訓練のために必要とする空域となっている、こう思っているわけです。この空域は将来ますます利用度が高まるのではないか。その理由としては、F16が配備される。いよいよもって空が騒々しくなる。そうなりますと、この特別管制空域は余計に拡大される方向になっていくんじゃないだろうか、縮小されたり変更されたり、そういうような可能性というのは全くなくなってしまうものではないだろうか、こう思うのでありますけれども、どうでございますか。
#358
○大高政府委員 先生ただいま御指摘の三沢の特別管制区でございますけれども、これは三沢の射爆場におきまして射爆撃を行います航空機と他の飛行機の異常接近、これを防止するために設けられておるというふうに私ども承知しておるわけでございまして、防衛庁としては引き続きこれが必要であるというふうに考えております。
 なお、この空域を将来変更あるいは縮小その他の問題でございますけれども、現段階では、将来核燃料のサイクル施設の関連におきましてどうしようかというような話もまだ具体的に出ておりませんので、この段階で将来どうするかということについてはまだお答え申し上げる段階ではないだろうというふうに考えます。
#359
○関分科員 こういう問題についてはますますその利用の度合いを深めてくるものである。そうなりますと、今青森県のあの六ケ所の地域に核燃料のサイクル基地を設けるんだ、ぜひ設けさせてくれという立地要請が電事連から県の知事にあるわけです。県の知事は、やむを得ないから、そんなに求めるならば、いろいろな条件をつけてでも受け入れざるを得ないんじゃないだろうかというところにありながらも、最後の判断を下しかねている現況であります
 私は、そういうような方向をとるとしても、仮にとるとした場合に、施設ができ上がった場合に、直ちにその上を飛行機が飛べないような状態にすることができるだろうか、三沢の射爆場を移転する、あるいはその利用の方法を、その空域を通らないで、そして訓練するというようなことが可能性としてあり得るだろうか。空域は広いほどいいし、安全性は高いほどまたいいわけであります。そういうことを見ますときに、今三沢の置かれている状態というものは、F16が四十八機も配備される。それらの訓練もまた行われていく。こう見ますと、まさにこの空域というものを変更どころか拡大する方向になるんじゃないだろうか、こう思うのですけれども、この点はどうでしょうか。
#360
○大高政府委員 三沢の射爆撃場におきます自衛隊の航空機の訓練、また米軍の場合も同様であるというふうに考えておりますけれども、主としてあそこにございます鷹架沼の南の方、これを中心にして訓練を行っておりまして、現在予定されております核燃料サイクル施設の場所とはかなり距離があるわけでございます。また、もし問題があるということが将来出てまいりますれば、当然その段階におきまして関係の省庁等と十分協議してまいるということになろうかというふうに考えております。
#361
○関分科員 そんな悠長な話をして、あなた方、今鷹架の南の方だからいいだろうと言ってみたところで、鷹架とそのすぐ北の尾駮とそれこそ一キロもないでしょう。地名が違うからといって何キロもあるように考えているかもしれないけれども、そんなものじゃない。もしその程度でいいというのならば空域を縮めてもいいということでしょう。空域を縮めることがいいということになるならば、これはあなた方の意思じゃないでしょう。アメリカの意思でしょう。アメリカの意思によって定められて、我が国がよしとしてこれを管理しているんでしょう。その管理権を自衛隊に与えて、そうして今日あるだけの話じゃないですか。後になって相談をしてできるなんということよりも、今アメリカと相談をして、こういうような施設ができるんだが、その上にこんなものがあると困るので別なところに移転する、あるいは変更する、そういう可能性を求めてみたらどうです。何という返事をするか。あるいはまた、そのために日米合同委員会にもかけてみる。何という返事をするか。そういうようなことを急いでしなければならないと私は思うのです。
 せっせ、せっせと作業をする諸君、立地状況を整えるためにどうしたらいいかこうしたらいいかと言って、電事連の諸君だっていいものとしてやるかもしれません。また現地の住民にしても、そういうようなことなんかはいいんだろうと思ってやるかもしれません。だけれども、我が国の飛行機が飛ぶ場合の航空管制の基本理念からいっても、原子力施設の上には飛行機は飛んではならない。逆に言えば、飛んでいる飛行機の下に行ってはならないということでしょう。これほど明々白白なことさえも将来にわたってどうなるかわからぬなんという話をすることは愚かなことなんです。鷹架沼以南ならいいだろうなんていいかげんなことを言うのはやめなさい。あの地域で落ちている飛行機の姿というのはあなた方一番知っているでしょう。この空域を縮めることのできる可能性というものがあるならばあると言ってくださいよ、アメリカも縮めてもいいと言っているのなら。そういうことは急ぐべきことなんです。いいかげんにしておいて、困った困ったと言って、何とかその辺をテクニックでおさめていけるような問題ではないんです。
 そういう意味において、私は大臣が特別にこの問題について考えていると思うのです。この施設ができれば、その上を飛行機が飛ぶことはできないんです。飛行機を飛ばしてもいいような地理的条件はそこにあるのか、ない。十キロ離れているからいいだろうとか、鷹架の地域から南を走っているからいいだろう。飛行機ですよ、あなた。さくがあるわけじゃないし道路があるわけじゃない。空域は至るところに広がっているわけですから、いつ何どき――安全性を確保するためにはどういうことが必要だかということで空域を設けているんです。その設けている空域を縮められるような状況がありますか。広げなければならないような状況が出てきているでしょう。これほど明々白々なことでもなお問題の判断ができないなんということがあってはいけないと私は思うのです。
 この際、防衛庁長官、あなたも東北の出身の人でありますし、これは東北の空の問題でもありますが、すぐれてアメリカの意思なんです。あなた方が広げようとあるいは縮めようと、そんなことはお構いなしですよ。アメリカが何と考えているか。これはだめだと言えばそれまででしょう。そういう点についてきちっとお尋ねをして、そうして返事ができるようにすべきではないかと思うのですが、大臣どうですか。
#362
○大高政府委員 ただいま私が御答弁申し上げましたのは、現在の特別管制区というものは引き続き必要であるということを申し上げたわけでございまして、縮小とかなんとかいうことは現時点では全然考えていないということでございます。ただ、危険が及ぶような状況が出た場合におきましては、その時点で関係省庁と協議しながら事態に応じて対応してまいりたいということでございます。
 なお、航空機の特別管制区というのは、訓練に従事する航空機以外の航空機をここへ近づけないということでございまして、したがいまして、むしろ安全を確保するという面の措置でございます。
 なお、さらに訓練につきましては、先ほど私が申し上げました鷹架沼以南で訓練を行っていくという形におきまして、安全をより確実なものにするということを御説明申し上げたわけでございます。
#363
○関分科員 自分たちの飛行機の飛ぶ安全のためには他の飛行機を排除するのだ、そのための空域である、これはそのとおりでしょう。その空域下に原子力の施設が今度できるわけですよ、一応仮定に立ては。そうしますと、あなた方の安全飛行というものが、この原子力施設の場合には上空を飛んではならない。上空を飛んではならないということについては、この空域をやっぱり堅持しなければならないということなんだ。危険であればとかあるいは鷹架の近辺であれば配慮してもっと別なところを飛べばいいと言ったところで、この空域に変更のない限り、空域というものの持つ重さというものは十二分に配慮しなければならないことなんだ。ですから、こんなところに核燃料の施設なんかは設置されちゃ困る、こういう意思が防衛庁長官のところになければならないと私は思うのです。長官、どうですか。
#364
○佐々政府委員 まず事務当局から答えさせていただきます。
 先ほどのアメリカの関係のお答えが抜けておりましたので、私から補足させていただきますと、米軍が現在天ケ森射爆場で行っております訓練の飛行パターンは、この前も申し上げたかと思いますが、幅が四・五キロ、長さ十二キロ、西から東へ海に向かって飛びます。南から北へというコースもかつて駐屯しておった時代にはあったようでございますが、今日ではございません。その意味で、御指摘の予定地は、訓練場の北方十キロないし十二キロのところに予定をされますので、米国の飛行パターンが現在のまま行われている限りは、一応安全は確保されるであろうと考えております。
 それから、エネルギー政策は国の基本政策でございます。この問題につきましては、確かに私ども国家安全保障という政策の立場には立っておるわけでございますが、この調和ということがございますので、この核燃料サイクル施設の建設が具体化してくる段階におきまして、関係十四省庁との協議の機会がございますので、この際に安全性の問題につきましては、先生御指摘のとおり、念には念を入れて再検討をいたしたいと私ども考えております。
#365
○関分科員 F16の関係はどうですか。
#366
○佐々政府委員 F16の関係を落としましたが、F16が配備になりました暁には、この天ケ森射爆場が使用される公算は大きいと考えております。現時点でまだ具体的に通告もございませんし、打ち合わせもございませんが、御承知のように、対地射爆場は、この天ケ森とあとは沖縄に若干あるだけでございます。したがいまして、地理的に申しまして、三沢飛行場に展開をいたしますF16部隊は当然この天ケ森を使用するかと存じますが、飛行パターン、訓練パターンは変わらないであろうか、またそれに変更があるような場合には当然安全上いろいろな規制をしていただくようにお願いをする、こういうことに相なろうかと思います。
 なお、米側の意思で全部決まるだろうという御指摘がございましたが、特別管制区の指定は、御承知のように、昭和三十八年に運輸省告示で行われたものでございまして、我が方は当然米軍に対して言うべきことは言う、こういう姿勢をとらしていただきたいと考えております。
    〔主査退席、太田主査代理着席〕
#367
○関分科員 三十八年の十月二十日から運輸省の告示においてなされたけれども、この運輸省の告示というのはアメリカの要請どおりにしたというのですね。アメリカが必要とする空域であったのでそのまま認めて、そうして扱った、扱った後の始末はあなた方の方に管理するように委託をした、こういう経路なんです。ですからこの問題を、あなたが今国家的なエネルギー政策があるからと言ってみたところで、危ないものは国家的なものであれば余計に別なところに移さなければならないでしょう。要らないものが空の下に来ると思ったら、遠慮なくこういうものは危険でございますよと言うのがあなた方の立場じゃありませんか。
 私はそういう意味において防衛庁長官に尋ねたいのです。長官、これはすぐれてあなたの判断です。水戸の射爆場というのがありましたけれども、あそこに東海村の再処理工場ができる、そういうようなことの関係からいってこれは移転せざるを得ないであろう、もちろん住民運動もありましたよ。でも移転した。危ないからです。同様にここには再処理工場というものが出てくるのです。あるいは核燃料の使用済み燃料の冷却施設としてのプールが置かれてくる。そのプールも今のところ三千トンの計画だけれども、三千トンでおさまるものしゃない。今の我が国の原子力政策からいけば、やがて六千トン、九千トン、一万五千トン、二万一千トン、そう広がっていくであろうと思うのです。
 そうなればなるほどに、この地域というものの安全を守らなければならないし、危険を防がなければならない。一たんつくってしまってその後困ったなどという間抜けな話はこれは許されないのです。ですから、テクニックで事をおさめようとしないで、基本的に防衛庁の方針としてはこれは適当ではない、これでいいんじゃないだろうかと思うのですが、無理や力に引き受けようとするから事が難しくなる。そういう点についてひとつ防衛庁長官のしかとしたお考えをお示しいただきたいと思うのです。
#368
○加藤国務大臣 答弁が繰り返しになりますけれども、それぞれの射爆場からの距離、それから三沢飛行場からの距離、それから六ケ所村の演習場の距離等を私たちいろいろ考え、そしてその飛行パターン等を考えながらただいま政府委員がお答えしているところでございます。私たちも安全性の問題は十分に考えなければならぬ問題だと思っております。したがって、その安全性の問題とそれからエネルギーの基本政策の問題、これは関係省庁が十分協議して、その点については十分配慮しながら決定し、また今後とも決定していくものだと思っております。
#369
○関分科員 長官としての考えですよ。これは危険なものだから好ましいものではない、そのくらいのことは考えているんじゃないですか、長官。好ましいものだと思っていますか、どうです。
#370
○加藤国務大臣 政府委員がお答えしたとおりでございます。
#371
○関分科員 私は長官に聞いているのですよ、あなた。他の諸君に好ましいかどうか聞いていませんよ。あなたの判断でこれは好ましいものだと思っておるか、好ましくないと思っておるか、そこを聞いているのです。どうです。
#372
○加藤国務大臣 政府委員が申しました考えと長官としての私の考えは同じでございます。
#373
○関分科員 大変情けない長官ですね。これで国を守るとか国民を守るとかいうような長官に値しない長官だと思いますよ、残念ながら。もう少しきちんとしてくださいよ。ふだんはきちんとしているんじゃないですか。
 次の問題に入ります。
 三沢の基地を何の使用することもなく三十有余年、しかもその広さにおいて十ヘクタール、こんなばかなことがあるかといって昨年私は質問いたしました。そういうところに年々多額の金を投ずるなんというむだ遣いはやめなさい。やめてくれるものだと思っておりましたら、逆にその土地にフェンスを張りめぐらして、そうして利用しておる人たちを締め出す、こういうような行為に出てまいりました。どうしてこんなことをされたのでございましょうか、お答えいただきます。
#374
○佐々政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、三沢基地のフェンスの外側に十ヘクタールの土地がございました。この点につきましては、先生からも、米側に返還交渉をすべきである、こういう御指摘がございまして、三十九年以来交渉を続けてまいりましたが、米側は将来これを使う、こういうことで返還要求には応じなかったのでございます。
 昨年先生の御指摘がございましたので、さらに米側に対して返還要請を繰り返しましたところ、将来使用計画がない、使用の見込みのない地区六千平米、これを返してまいりまして、五十九年の五月三十一日付をもって返還となったわけでございます。残りの九万四千平米でございますが、これにつきましては、先ほど来御議論をいただいておりますF16の三沢配備に伴う米軍住宅約二百戸、これの建設予定地ということで返還はできないということになっておりまして、長い間確かに使っておりませんでしたが、近い将来にここには二百戸の米軍住宅を建てる、こういうことに相なっております。
#375
○関分科員 二百戸の住宅を建てるというのはどこの位置ですか。
#376
○佐々政府委員 ちょっと地図がございませんが、済みません、手であれしますけれども……。こう基地がございまして、その周りにこういう格好でございます。その基地に近い地点に集合住宅、九階建ての住宅を、居住人口二百戸でございますけれども、これを建てる。このために六十年度予算におきましては、若干起伏のある土地でございますので、これの整地作業等の予算を今お願いをしておるところでございます。
#377
○関分科員 あそこに二百戸も建てるような条件は私はないと思います。そうして、今整地をするとおっしゃいましたけれども、整地をして建てるにしても、建てられるような条件はこれまたないと思います。なぜかといいますと、あそこは三十有余年にわたって道路を車が走り、人が歩いています。それらの通行権を完全にもぎ取ってしまって、あなた方でその土地を利用しますの、させますのと言ってみたところで、これは完全に法律に違反することになりませんか、しかも、あなた方の方ではその道路の問題についてどうしようというような具体的な計画も何にもなくて、その負担等考えますと、別個に二百戸建ててあげた方がはるにましたという計算になるはずですよ。そうしたことも考えてみましたか。
#378
○佐々政府委員 お答えいたします。
 ただいま御指摘の地上権、通行権でございますが、確かに二戸、二世帯、その家族がそこを通行していらっしゃいます。また、その先の農耕地に一部の方々が通行をしておりまして、平穏かつ公然と通っておったから、それをいきなりもぎ取るのは法律違反ではないか、こういう御指摘でございますが、その点も私ども地元の方々とよくお話し合いをいたしまして、この九万四千平米の予定地のところに、今回、管理上境界線をはっきりする意味でフェンスをつくらしていただきましたが、そのフェンスの外側に迂回路をつくる、また、一部余り遠回りになるようなところにつきましては開口部をつくって、住宅建設予定地以外のところは既得権として通行をしていただく。将来宅地造成工事が始まりますれば、今まで通っておられたところはちょっとお通しできなくなりますけれども、その場合にはその外側を回っての迂回道路、代替道路をつくるということを考えております。
#379
○関分科員 その金はどちらが負担するのです。
#380
○佐々政府委員 お答えいたします。
 基地周辺対策ということで、防衛施設庁の周辺対策整備費から支出をいたそうかと考えておりますが、まだ具体的な計画にはなっておりません。何分六十年度予算、現在御審議をいただいておりますので何とも申せませんが、日本側負担ということを考えております。
#381
○関分科員 どのくらいかかりますか。
#382
○宇都政府委員 お答えいたします。
 ただいま長官から御答弁いたしました道路の建設でございますが、まだ具体的な経路が決まっておりませんので、工事費等については明確になっておりません。
#383
○関分科員 長官、聞いてくださいよ。どう道路をつくるかという計画もない。どのくらい金がかかるかということも算定できない。そして、土地だけは囲もうじゃないかということのために四千二百万もかけてフェンスを張りました。今あるフェンスのほかにまた新しくフェンスを張りまして、その土地を囲むことだけはしました。しかしながら、道路があるものですから、どうしても新しい道路をつけなければならない。そうしなければ家を建てることもできない。つくったにしても、二百戸なんというようなものは建てられるような条件には絶対ない。沢があり、起伏が激しい。そして、地盤整備をしてみたところで、切り土なら家を建ててもいいですよ。盛り土には建てられない。しかも、アメリカの住宅というのは我々のウサギ小屋と違って、彼らには彼らの趣に沿ったところの住宅の建設の仕方をしなければならない。とてもあそこに二百戸なんというものを建てられるようなことにはならない。
 問題は、私に言われるものだから、使用権をきちんと行使しよう、管理権をきちんとしよう、こういうところから今のことが出たにすぎないと私は思うのです。そして、北村知事ファミリーに使用料を払ってやるのがあなた方のサービスになっているにすぎない。これほどむだな金遣いはないじゃないかと私は指摘した。
 今あなたは、金の出し方は別な方から出し、何とかすると言うけれども、十メートルの幅、二キロにわたっている道路というのにどのくらい金がかかると思っています。小道じゃないですよ。いいかげんにフェンスの外に道路をつくればいいだろうといったって、そういう道路の設定もなければ、それに要する金も計算もしていない。二戸なんて言っていますけれども、この道と向こうの道へ通ずるためには二戸の人が利用しているのじゃない。この認識もまた大変な誤り。不特定多数の市民が朝晩ここを利用している。それほどこの道は重要な道になっています。それをあなた方は、単に管理すればいいだろう、所有権をはっきりして囲ったらいいだろう、そして二百戸もつくるのだと言う。私は、この点は何の調査もないことからきている二百戸だと思っています。
 私は三沢の市長に言いましたよ。二百戸ぐらい世話したらどうと言ったら、いや平場のいい土地を上げようと思っているんだが、無理にあそこにつくろうと言っているから、おかしいことをするものだと市長は笑っていますよ。さらに市長に、あなたは返還の要求の気持ちがないんですかと言ったら、いや早く返してもらいたいと思っていますよ、市長はこう言っていますよ。何でむだな金をかけて、そして返そうとしないで、二百戸の住宅ができるような土地条件じゃありません。そして、新しい道をつくるということにかかわる負担の方がもっともっとかかります。アメリカの二百戸をつくるために、あなた方は節約をしてつくるのがその手段だと思ってやっているかもしれませんが、大変な間違い。何にも現地を見もしない、現地を調査もしない。行ってみた人が一人だっておりますか、そこに。あそこに二百戸建てられるような条件にあるかどうか調べてきた人があるならば答えてください。
#384
○宇都政府委員 このたびフェンスで囲みます約九万四千平方メートルの土地につきましては、米軍がF16の配備に伴いまして必要となる住宅の一部で、約二百戸、九階建ての建物としまして三棟建てればあの地域で対応できるということを考えております。そのように米側とも調整したいと思っておりますが、米側の方も、そういう高層住宅で、北部地区の方にもそういう高層住宅を建てておりますので、南のあの地区についても高層住宅で対応できる、こういうふうに考えております。
#385
○関分科員 時間を過ぎて済みません。
 あなた方はそんなことを言うけれども、どっちの方が金が多くかかるかという計算をしたらいいでしょう。道路をつくるためには土地を買収しなければいけませんよ。買収した土地は道路に直さなければいけませんよ。今借りているところを利用した方がいいなどということで済ませておった方とどっちが得かということです。そういうことを何にもやっていないでしょう。市長は、もっと便利なところでもっと平たんなところに、三沢は空き地はたくさんあるのだから、なぜそこに建てないんだろう、こう言っていますよ。何で北村知事の家族のために、ファミリーのためにその土地の利用をあくまでもしようとしがみつかなければなりませんか。とんでもない癒着です。あの地域における共有地の利用問題についても紛争が絶えません。北村知事の弟に代表権はもう与えないと言っておる。与えないと言っても、あなた方が一方的にこれまた癒着して、認めて金を交付しているでしょう。まことにフェアじゃない。
 とにかく私は、ああいうむだな金遣いをして事を進めるよりは、すっきりと白紙に返して、そして新しい構想に立って交渉することが必要であろう。日米合同委員会にいつかけて、向こうが利用をする計画があるという返事をしたのか。三十八年か三十九年に当たったときの話、二十年も前でしょう。だれと話をしていつの委員会にかけてそういう話をしましたか、お答えください。
#386
○佐々政府委員 お答えいたします。
 日米合同委員会は外務省が首席代表でございまして、私どもは副首席、こういうことで開催をいたしておりますが、この日米間の外交交渉の内容につきましては公表をいたさない、こういう合意で行っておるということでございますので、いつどういう中身が討議されたか、こういうことは答弁を差し控えさせていただきます。
#387
○太田主査代理 関晴正君に申し上げます。質疑時間が経過しておりますので……。
#388
○関分科員 とんでもない話です。これはまた続けてやります。ばかみたいな答弁です、今の答弁。話にも何にもなるものじゃない。長官、しっかり監督しなさい。
#389
○太田主査代理 次に、武部文君。
#390
○武部分科員 私は、航空自衛隊の輸送航空司令部第三輸送航空団が配備されております美保基地の問題について質問をいたします。
 この基地は、昭和三十年のころから米軍の通信施設の新設問題あるいは滑走路の延長によってジェット戦闘基地をつくりたい、二回そういうことがありました。さらには滑走路の角度を大きく振って騒音対策をやる、さらにはC46からC1という機種に変更する、こういうさまざまな問題が三十年の間に起きた基地であります。
 この一月早々の十日の日に、現在配備されておりますC1ジェット輸送機四機、これに加えて二機が地元との約束があったのにもかかわらず、地元の自治体の了承を得ることなく配備を強行されたことについて、私は、まずその見解を承っておきたいと思います。
#391
○佐々政府委員 お答えいたします。
 ただいま御指摘の美保基地へのC1輸送機の増加配備の問題につきまして、簡単に経過を申し上げてお答えをさせていただきます。
 昭和五十二年当時美保基地にはYS11輸送機が三機配備されておりましたが、C1輸送機が未配備でございました。輸送及び教育業務に支障を来しておりまして、また美保には輸送航空団の司令部がございますので、この基地にC1輸送機がないのは教育業務上あるいは輸送実務上困るということで早期に四機程度配備させていただきたい、業務の円滑な運営を図るため必要があるということで、五十二年ごろからいろいろお願いを申し上げまして、同年十月、鳥取、島根両県知事に対しましてC1輸送機の配備を申し入れ、関係地方公共団体に対しても協力要請を行ったところでございます。
 それ以後一年有半にわたりまして再三協力要請を行いました結果、C1輸送機を配備することを前提に、鳥取県知事等と防衛施設庁長官との間で、美保基地周辺における生活環境の整備、地域振興等について、五十四年一月三十一日付でございますが協定書を締結いたし、同年三月中旬にC1輸送機四機を配備したところでございます。
 美保飛行場周辺の生活環境の整備につきまして協定書を鳥取県知事等と締結したわけでございますが、その締結時、米子、境港両市から鳥取県を通じまして、「協定書の締結後、事情の変更を生じたときは、防衛庁は、鳥取県、米子市及び境港市との交渉に応ずること。」という要望がございまして、呉防衛施設局長がこれに善処方をお約束したわけでございます。
 この原文を拝見いたしますと、こうなっております。「昭和五十四年一月三十一日付け、防衛施設庁長官、鳥取県知事、米子市長及び境港市長の協定書の締結後、事情の変更を生じたときは、防衛庁は、鳥取県、米子市及び境港市との交渉に応ずること。」この「事情の変更」と申しますのは、地元の事情変更、すなわち周辺整備の問題についての事情に変更があった場合、例えば防音工事を行った学校に分校ができたとか、あるいは道路計画に変更があったとか、あるいはその当時対象になっておらなかった整備の対象が新たに生じた場合、周辺対策について私どもがその協定にかかわらずさらに弾力的にこれに応ずる、こういう趣旨のものであったということで、地元もこの点は十分御了解をいただいておるところでございます。
#392
○武部分科員 その文書はここにございますが、おっしゃるように五十四年一月三十一日、市長から知事に対して、皆さん方と覚書といいますか、約束したことを周知をしております。おっしゃるように「事情の変更を生じたときはこと、こうなっておるのであります。
 私は先ほど、この三十年の基地の経過を申し上げました。ここは御案内のように住宅密集地でありまして、騒音問題が非常に重大な問題になってきた。したがって、滑走路を変更して、延長線上の住宅を大量に集団移転をする、防音装置もする。いろいろな形が現実に起きました。そういう経過があるわけです。
 この今の「事情の変更を生じたとき」という言葉は、日本人ならだれが読んだって、この基地の経過から見れば、これは騒音がこの根底にあるということはもう明らかであります。だれもそう思っているのです。
 今あなたは何か周辺対策だとおっしゃるけれども、周辺対策というのは今まで、例えばC46がC1になる、これはジェット輸送機だから騒音が相当厳しい、一体どうするか、そういうことでC1の配備についても騒音問題が一番大きかった。こういう点を考えるならば、現在配備されておる四機が六機になりあるいは八機になり十機になるかもわからぬ。そういう事情の変更を生じたときは、この協定に基づいて地元の方に防衛施設庁なり防衛庁が事前にその了解を求めてやる、これはそのように理解するのが日本人の常識なんですよ。あなたの方は一月八日に、たった三日前に米子市長に対して通知された。だから、市長はびっくり仰天をして地元の自治会や市の議会の特別委員会、そういうものを招集をして、これはえらいことになったというので対策を協議した。その席上で皆さんからいろいろな苦情が出た。余りにも唐突過ぎるじゃないか、こういうことで市長は何とか防衛庁にかけ合って待ってもらうからというので、そのことを特別委員会にも発表し、地元の、周辺の自治会、対策協議会がありますが、そういう役員会も呼んで、それじゃとりあえず呉の方へ連絡をとってしばらく延期をしてほしいということを申し入れますという約束を市議会にも、地元の団体にも表明をして、それではということで待ったわけです。その結果はどうであったか。あなたの方はまさに問答無用式の回答で配備を強行されたわけであります。
 ここに米子市長が我々や一般の人に説明をした経過があります。私も当時地元におりましたので、防衛庁に連絡をとって、地方自治体の長もああいうことを言っておるし、余りに抜き打ち的ではないか、おかしいじゃないか、だからこれは延期するのが当たり前だということを申し上げました。その経過はここに書いてある。この経過を米子市長が発表いたしましたが、確かに中央においては事務次官、防衛局長、防衛施設庁長官、経理局長、その他の人が合同会議を開催していろいろなことをやったが、延期を検討したけれども、最終的には、何か加藤長官は不在だったそうで、出張先まで連絡をとったけれども、防衛庁としては既に長官命令が出ていることでもあり、十日に追加配備をさせていただきたい、こういうことで、残念ながら市長の要請は無視をされた、こういう発表を市長が十日にマスコミにも我々にも地元の関係団体にもいたしました。これが事実でしょう。間違いないでしょう。
#393
○池田政府委員 美保にC1を二機追加配備することにつきましては、防衛庁としては昨年の秋からいろいろ計画を練っておりました。いろいろな事情がございまして正式の通知が、ちょうど正月明けに地元に御連絡することになりました。その間、ただいま先生のお話がございましたように、防衛庁としては、先ほど大臣のお名前もございましたけれども、関係者が集まりましていろいろ検討したことは事実でございます。我々としては何とかうまくいくだろうというような期待もございまして、いろいろな事情がございましたけれども正式の通知が一月七日になりまして、部隊の配備を現実に行いました。その間、部内でいろいろな慎重な審議をいたしましたことは先生御指摘のとおりでございます。
#394
○武部分科員 何とかうまくいくだろうなんて、そんな考え方でこういう問題を解決されることは間違いだと私は思うのですよ。いろいろな経過があってここへたどり着いて、こういう文書まで、現実に覚書として現存しておるわけですから、市長やその他の人はみんなこれを信じて、少なくとも機数が配備されればそれによって周辺の騒音はもっとひどくなる、これについて地方自治体は地元に対してどういう説明をするか、地元の反応はどうか、そういうことを協議をしながらあなた方に回答をし、そこの間から、話し合いでもって次の結論にいくのが当たり前でしょう。これがこの五十四年一月三十一日の配備についての通知の精神だと私は思っているんですよ。それを一方的に無視をしてやったということは断じて納得できないのです。ですから、これについて地元の世論は非常に反対が強くなりました。たまたまこの基地は半島の二十キロのちょうど真ん中にありますが、日本海から中海に向かって滑走路がありますね。こちら側は安来市です。その周辺の二つの町も同じように、これは余りにもひどい、抜き打ち的な一方的な通知じゃないか、だからこれは事前に協議をしてもらわなければ困るということを、配備されたその日に、市長、町長及び市と町の三人の議長が同道して県に申し入れをした。県も、確かにそうだ、そのように努力する、こういう約束をし、また知事も同時に、皆さんが納得いただくように努力するという談話を発表しておるのであります。それが常識なんですよ。それをやらないで、あなたの方のそんな解釈が成り立つでしょうか。
 事情に変更を生じたときは、学校がどうだ、道路がこうだ、それは騒音がひどくなって、これに対して学校をどうするかとか、そんなことから起きる問題でしょう。すべては、もとは、C1ジェット輸送機というあの騒音を発する飛行機が原因でしょう。にもかかわらず、その末端のことを取り上げて、これはそういう解釈だと言うようなことは木に竹を接いだような物の解釈であって、そんなことは通用しませんよ。長官、どう思われますか。私は決して無理を言ってないですよ。あなた方が約束されたことを守られたらよかった、それを守られずにやるからこんなことになるんですよ。非常に不信感が強くなっておる。どうでしょうか。そんなことを言うなら、これから先何機でも何機でもあそこに置けるじゃないですか。そんなことはこの精神からいって通りますか。長官、どう思われますか。
#395
○加藤国務大臣 五十四年でございますか、その覚書ですか、呉との話し合いの中で、事情の変更があった場合はという言葉についての解釈はいろいろな経緯があるようでございますので、必ずしもその機数の増加というふうに、委員のおっしゃるような形ではないという解釈がいろいろあるようでございます。その点につきましては、政府委員からまた詳細に答弁させたいと思います。
 また、一月七日に御通知申し上げてから十日の配備まで、正式通知から期間が短過ぎたではないかということにつきましては、確かに短いかと存じます。いろいろな去年からの経緯があったようでございますけれども、今後、C1を追加配備するようなときの通知、正式の通知の場合には、もっと十分時間をとるように、今回のことにもかんがみ、私の方からさせたい、こう考えております。
#396
○武部分科員 私は、通知が長いとか短いとか、そんなふうに解釈されてもらっちゃ困るんですよ。通知すればいいんだというようなこと、そんなことになっていないでしょう、これは。あなた方はそんな一方的な解釈をしておるが、地元の市長はそう思ってないからですよ、思ってないからこそ、あなた方に対して、通知を受けたから、これはえらいことだ、とても自分は地元を納得させることができぬというので、即刻延期を要請したわけですよ。それは、彼らがそういう解釈をしておるからですよ。当然事前に自分たちに了解を求める話し合いがあって、それから以後、話し合いによって、持ってくるかあるいは持ってこないかということが決まる、これはだれが考えたって当たり前ですよ。そういうことを考えるからこそ、直ちに市長がそういう行動をとった。そうですよ。隣の境港もそうですよ。安来の方もみんなそうですよ。みんな同じですよ。通知すれば済むんだということを考えておるのはあなた方だけじゃないですか、こんな解釈を一方的にやっているのは。そんなことが成り立つでしょうか。
 このことが起きてから、ちょうど滑走路延長上の財ノ木という自治会、部落がありますが、そこの人たちが集まって論議をした。そのときのことが我々の耳にも入りましたし、マスコミにも載りました。我々は長い間騒音を頭からかぶっているので、少しでも軽減されるようにしてもらいたい、去年三回も、夕方六時から八時過ぎまで、滑走路いっぱい使って、低空飛行で離着陸する訓練が何十回と繰り返された、夕飯がのどから飛び出るほどだった、そういう切実な声が出された。その日にこういうことが現実に起きておるのですよ。これは明らかに騒音に対して、このような覚書が出ておるにもかかわらず、あなた方が一方的にやられたことに対する地元住民の不満、不信、そういうものがこういうことになってあらわれておるのですよ。
 一月十日、あなた方が二機強行配備をされて、今四機が六機になりましたね。その日に、地元の安来市長、東出雲町長、今言ったように八束町長その他は、関係市町村に今回は通知が直接に頭ごなしに来たが、少なくとも今までのように、県に事前に連絡をしてそういうことはやってもらいたいということを県に申し入れをしておるのであります。こういうことを考えますと、明らかに今回の配備は、昭和五十四年一月三十一日、C1ジェット輸送機が配備をされたときの経過から見て背信行為であり、違反である、このように言わなければなりません。
 ここに五十三年の二月の呉防衛施設局の文書がありますが、それには「C1配備後の美保における機数は、C1四機、YS11三機の計七機となる。」と明確に書いてあるのですよ。これが事情の変更によってふえるということですから、それならば、あなた方が交わされたこの覚書によって処理されるのが至極当たり前のことだ。私は断じて納得できない。したがって、皆さんはこれから配備をされる場合には、事前に地元の自治体に了解を求めて配備される、これが至極当然のこと、当たり前だ、こういうように思うのです。いかがですか。
#397
○佐々政府委員 お答えいたします。
 このほかにも経理局長の覚書というのがございまして、ジェット戦闘機は配置しない、こういうことをはっきり申し上げておるはずでございます。先生御承知と思います。防衛施設行政を行います場合に、先生御指摘のとおり、日本国全体の安全のためという公共の福祉と申しましょうか、公益のために一部の住民に御迷惑をかけることでございますので、この配備に当たりましては、まずこの基本的なC46からC1への配備変更、こういう際に、長期間にわたって話し合いが行われ、その結果がこの協定書と相なったわけでございます。先生にお言葉を返してまことに申しわけございませんが、私どもの解釈は、当時お約束をしたいろいろな周辺整備対策、もちろん騒音問題を含みますが、この防衛施設行政を行います場合には必ずしも騒音だけではございません、騒音は障害防止という事業で私どもやらしていただいておりますが、このほかにも周辺整備対策、道路の問題であるとかあるいは民生安定事業、これも私どもお約束をしてやらしていただいておる。それ以上の事情の変更があった場合に、私どもはいつでも御相談に応じます、この協定そのものはそういう趣旨であり、当時地方自治体の皆様もそういうことで御了解をいただいておる、私どもはそういう解釈、理解をいたしております。
#398
○武部分科員 そんな一方的な解釈は絶対いただけませんね。そんなことは言っていません。この二機が配備になりましてから、今現地では防衛庁と県とそれから米子市、境港市の四者構成による美保飛行場周辺騒音対策等協議会、この議長は県の企画部長ですが、これが集まって、現実に今騒音の測定調査、これをやっておるのですよ。この二機が来たために六機になった、一体騒音はどうなるかというので、今そういう調査が行われておる。このときに、地元から今後の増配備についてどう取り扱うのかという質問が出ました。これは県なりあるいは市なりの代表からそういう声が出た。このときに出席しておった現地の防衛施設庁の所長は、増配備の問題については自分の権限ではない、防衛庁レベルの問題でありますというふうに答弁をいたしました。これは一月二十三日であります。自分の権限ではありません、機数の配備については防衛庁レベルでございますので自分の方からは答弁できません、こういう答弁をしておるのであります。確かにそうかもしれません。だから、私はここで皆さんからはっきりとしたことをぜひ約束をしてもらいたい、こう思うのであります。もしあなたの言うように通り一遍の通知で配備は自由だとするならば、これから何機、何十機持ってきたって全然地元の人は何のこれに対しての問い合わせも意見も言うことができぬじゃないですか。こういう文書を取り交わしておいて、そんなばかなことがあるのですか。どう思われますか。長官、あなたがそこに持っておられる文書、それからさっきの基地の経過、そういうものを考えたときに、事情の変更というのは騒音、地元の住民にとって一番問題はこれなんですよ。これだからこそ大揺れに揺れて、角度を変えたり集団移転をやったり防音装置の学校をつくったり、協力していろいろなことをやっておるのですよ。にもかかわらず、そんなばかげたことが一体通用するでしょうか。
#399
○宇都政府委員 先生のお話でございますが、五十四年一月三十一日付の協定書等にあります「交渉に応ずること。」という条件でございますが、それ以前に四十七年六月に防衛庁の経理局長から島根県知事に対しまして文書を出しております。これは、第二項に機種変更する場合には事前に協議しますということがございまして、そういう従来の経緯を踏まえて五十四年一月に結ばれた協定書は、周辺対策についての地元の事情の変更が生じたときに地元からの交渉に国が応じるという申し入れでございますので、私どもは機数の変更を事情の変更というふうに考えておらないわけでございます。
#400
○武部分科員 機種の変更のことは、私も防衛庁と確認をとった者の一人ですから、よく知っています。機種が変更になった、例えばC46からC1になるとき、あるいはこれからC130というのも出てくる、あるいはジェット戦闘機、いろいろなことで機種の変更のことは問題になりました。これは今あなたがおっしゃったとおり、私も確認に立ち会った者の一人ですからよく知っていますよ。そういう経過の中でこれが出ておるのです。ですから、その機種変更については地元の人たちもあなた方の約束は守られていくだろうと思って、その点については安心していますよ。それはぜひ守ってもらわなければならぬ。この問題はそれとは違うのです。そんなことを言うなら、勝手に何でもできるじゃありませんか。
 加藤長官、事情の変更を生じたときというのは、騒音の結果、道路をこっちに曲げるとか学校の戸を二枚を三枚にするというのが事情の変更ですか。そのもとは騒音でしょう。騒音のもとは機数がふえるからでしょう。それは当たり前のことじゃないですか。そんなことが、あなた方の三百代言みたいな答弁で地元が納得しますか。市長や町長や議長があなた方の言うことを納得するでしょうか。地元の住民がこれだけの騒音を受けて困っておるのに勝手にあなた方が二機だ、三機だ、五機だ、それならあした持ってきます、二、三日ではちょっと早過ぎたから一週間ほど前に通知しておきます、そんなことで防衛庁のあなた方の意思が地元の住民にストレートに受け入れられるでしょうか。愛される自衛隊なんて言えますか。そんなことで地元が、はい結構でございます、協力いたしますと言うでしょうか。こんなばかげたことは防衛庁は間違いなら間違いとして、これからは地元の県に、騒音のもとになる機数をふやすわけですから、事前に了解を求めるようにこの協定に基づいてやりますと、それだけ言えばいいことですよ。ほかのことは何でもいいですよ。
#401
○佐々政府委員 お答えいたします。
 ある日突然C1の機数がふえるということはございません。これは防衛施設庁の所管ではございませんが、我が国の防衛計画なり防衛力整備の計画に基づきましてこの兵力配備を決め、その上で、先ほど申し上げましたように十分地元の御了解を得る努力をした上で配備をする、これが基本的な建前でございます。
 この事情変更の問題について、お言葉を返してまことに申しわけございませんけれども、文脈をどう読みましても地元側から防衛庁に申し出があったときこれに応ずることという文脈でございまして、先ほど来御答弁申し上げておりますように、周辺対策整備についての約束を履行すること、そして民家の移転もちゃんとやれ。「締結後、事情の変更を生じたときは、防衛庁は、鳥取県、米子市及び境港市との交渉に応ずること。」すなわち、地元側から何らかの申し出があったときにはこれに誠意を持って応じるという趣旨の協定と解しております。機種変更については必ずお断りをしますというのは、先ほど施設部長が御答弁を申し上げたとおり約束をお守りをしておる。なお、御指摘の今後もう少し地元が納得するような時間をとって十分了解工作をやって行え、こういう御指摘はまことにごもっともでございまして、私ども今後そういう努力をさせていただきたいと思います。
#402
○武部分科員 起きた結果について地元からいろいろなことがあったら言え、そのときには交渉に乗ってやろうか、そんなことをあなた方が考えておったらこれから地元の連中は納得しませんよ。起きたことについて、やかましかったら後で言ってこい、何とか考えてやるわい、そんな態度は不遜です。私は、ここの今までの三十年の歴史をずっと知っておるから言うのですよ。こんなばかげたことをあなた方は何でやったか。地元の市長は困って、せめて十日待ってくれぬか、そうすれば何とか地元に話してみましょうとあなた方に言ったにもかかわらず、あなた方は十日も待たなかった、強行したじゃないですか。そうしておいて今になって、三日ではちょっと短かったから今度は五日ぐらい前に通知するかもしらぬ、そんなばかなことが通用しますか。私は、これは絶対に納得しませんよ。
 余り時間がないようですが、長官、これをどう思われますか。常識ですよ。隣の島根県の町長だって議長だって市長だって、みんなそうだと同じ考え方で言っているのですよ。みんな同じ考え方ですよ。違うのはあなた方だけじゃないか、一方的に解釈して。そんな解釈が日本語でどこに成り立ちますか。防衛庁流の解釈ですよ。そんなことで地元が納得して、これからいろいろなことに協力してくれと言ったって協力できませんな。私だけじゃないですよ。市長だって町長だって議長だってしませんよ。いいですか、それで。もう一遍言ってくださいよ。はっきり言ってください。問答無用ですか。問答無用なら問答無用でいいですよ。
#403
○佐々政府委員 お答えいたします。
 問答無用ということでは決してございません。先生御指摘の点を踏まえまして、私ども今後その点十分地元の了解を得るよう努力をいたしたい。従来もそういう基本線でございましたが、今回正式に御通知をいたしましたのが一月七日になったということで、この点は少しショートノートし過ぎたというふうに考えております。
#404
○武部分科員 そんな日数ではだめですよ。事前に了解を求めるということならば私は了解をいたしますが、どうですか、大臣。
#405
○加藤国務大臣 実はこの問題はいろいろな経緯があったようでございまして、もうちょっと私自身責任を持っていろいろ過去の経緯とか今後のあるべき姿について十分検討させてみたい、こう考えております。それで、ほかの基地におきます機数をふやしたときの形はどういう形をやっているか、防衛庁の仕事でございますから恐らく地元の人と十分な実態的了解なしに進めてはいないと思います。したがって、それを形の上でどう整理するか、ほかの基地との問題等もございますので、その辺は十分整理して、そして防衛庁の仕事はとにかく地元と十分な協議が調わないと、理解が進まないとできない仕事でございますので、その辺は今後よく対処してまいりたいと思います。
#406
○武部分科員 私は、長官とのやりとりは保留にいたします。改めてまた機会を見てやります。
#407
○太田主査代理 これにて武部文君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉原米治君。
#408
○吉原分科員 私も先ほどの武部委員の質問と同じ質問でございますが、何せこの美保の空港というのは鳥取、島根両県にまたがっておるわけでございまして、特に島根、鳥取両県のちょうど境界地点になるものですから、そういう意味では、この美保の基地の問題については私も非常に心配をしている一員でございます。
 特に、この美保基地というのは、従来から防衛庁の所管の空港のように承っておるわけでございまして、C1の配備と、それ以前から計画はあるようでございますが、今の滑走路五百メーター延長という計画もありまして、その上に今回の抜き打ち的なC1の増配備、そういう一連の防衛庁のやり方に対して、ますます今の美保の基地というのが軍事基地化されて、今の配備をされる飛行機の数も多くなる、つまり軍事基地の拡大強化につながっていくんじゃないか、実はそういう心配をしておるからこそ、このC1の問題は地元の皆さんも特に神経過敏になっておる。特に先ほどの論議を聞いておりますと、私どもも当然、四機が六機になれば騒音の回数も多くなるし、事前に協議をされるものになるというふうに思っておりましたが、今のやりとりを聞いておりましても、事情の変更ということには当たらないような答弁をされておりますが、私どももどうしても納得いかない。島根県側としても納得がいかないということを再度申し上げたいわけでございます。軍事基地がますます拡大強化されるのじゃないか、そういう心配がございまして、私は今の武部委員の質問と少し角度を変えてひとつ御質問をいたします。
 この美保基地というのは輸送機を主にしておるように承っておるわけでございますが、航空自衛隊の国内にある基地の数は一体どのぐらいあるのか、そしてこの美保基地というのはその中で一体どういう役割を果たす基地になっておるのか、これを最初にひとつ防衛庁の方からお答え願えますか。
#409
○矢崎政府委員 お答え申し上げます。
 航空自衛隊の基地の数は、分屯基地を除いて申し上げますが、二十五基地ございます。例えば千歳、三沢、松島、百里等々でございまして、その中に美保の基地もあるわけでございます。
 それで、美保の基地の位置づけはどうなっているだろうかというお尋ねでございますが、この美保基地には航空自衛隊の輸送航空団の司令部、それから第三輸送航空隊を初めといたしますいろいろな部隊が配備をされております。その主たる任務といたしましては、輸送機によります人員及び装備品等の空中輸送ということ、それからC1型機及びYS11型機の乗務員それからC1型機の整備員の教育等を任務としておる。これが主たる任務でございます、置かれております部隊は、例えば輸送航空団の司令部、それから第三輸送航空隊のほかに美保管制隊、美保気象隊等々の幾つかの部隊もここにあわせて置かれているわけでございます。
#410
○吉原分科員 もう一つ、予算委員会でもいろいろ問題になっておりました例の一%問題がかなり論議をされましたが、そういう観点でちょっとお尋ねをします。
 昭和六十年度の予算では三兆一千億の防衛予算が組んであるようでございますが、言われております正面装備費といいますか、それと後方経費といいますか、その割合はどういう割合になっておるのか。そしてまた、今五六中業の期間中のようでございますが、間もなく五九中業も六十一年から立てられるようでございますが、こういう五六中業なり五九中業と言われる防衛大綱の達成に向かって、そういう達成の過程にこの美保基地はあるんじゃなかろうかという、これは私の想像でございますが、そういう気がしてならぬわけでございます。そういう意味で、六十年度の防衛予算の正面装備費と後方経費、それから五六中業なり五九中業で言う五十一年の防衛大綱の達成に向かって一体どういう形でこの美保基地が位置づけられるものか。将来完全な軍事基地になるんじゃないかという地元民の危惧があるからあえて質問するわけでございますが、お答え願いたい。
#411
○宍倉政府委員 前段の計数の話について御報告いたします。
 防衛関係費三兆一千三百七十一億でございますが、そのうち人件費が約一兆四千百四十億ございまして、残ります物件費一兆七千二百三十二億をいわゆる正面と後方という形に分けているわけであります。正面というのは、御案内のように、艦船でございますとか航空機でございますとか弾薬でございますとか地対空誘導弾でございますとか、そのほか陸上自衛隊で甲類、乙類と言っておりますけれども、そういったものを含めて正面と言っております。この正面のお金が七千二百二十三億五千万円でございまして、後方のお金、後方というのは物件費の中の正面以外のものが後方でございますが、一兆八億四千六百万円ということでございます。割合というお尋ねでございましたが、物件費を一〇〇といたしますと正面が四一・九、後方が五八・一という割合になります。
#412
○矢崎政府委員 大綱水準達成との関係の問題でございますが、私ども大綱水準を達成するという観点で考えます場合には、一つには量的な問題と、二つ目には質的な問題とあるわけでございますが、最初の量的な問題で言いますと、大綱の別表に掲げております部隊とか主要装備の数がござます。そういったものを全体として大綱水準に持っていきたいということが大綱達成を期するという考え方の内容になるわけでございます。そういう意味では、総体としての飛行機の数ということが主たる問題かと思います。そういう意味では、航空自衛隊で言えば、作戦用航空機の数が大綱水準は約四百三十機となっておるのに対して、かなり差がある、落ち込んでおるというところをどうやって回復していくかということが主たる問題かと思います。
 そこで、本件の美保基地の問題は一体どういう位置づけであるかという点について御説明申し上げますと、御承知のように、航空自衛隊の輸送航空隊としては三個の輸送航空隊がございまして、第一輸送航空隊が小牧、第二が入間、第三が美保だということで配置がされておるわけでございます。今回のC1の追加配備の考え方は、この三つの輸送航空隊の能力あるいはその負担をできるだけ均等化いたしまして、美保基地所在の第三輸送航空隊の輸送能力等を向上したいということを考えた問題でございまして、C1型機二機を追加配備したのは、そういう考え方によるものでございます。
 それから五九中業の話も若干ございましたが、これは現在大綱水準の達成を期するという考え方で今作業の途中でございまして、具体的な個別の問題についてまだ申し上げられるほど詰まったものはございません。
#413
○吉原分科員 そうしますと、五九中業はまだ確定はせぬ、今検討中だから言えぬということですから、それはそれでいい。五十一年度に立てた防衛大綱の水準にまだほど遠いから、これから五六中業で六十二年まで、五九中業で六十一年から六十五年までということになるわけですね。そうすると、今の全体の大綱で示されたこの四百三十機までにはまだ手が届かない。今たまたま航空自衛隊の基地は全国で幾らあるかと言ったら、分屯基地は別にして、全国で二十五基地ある。そうすると、機数をふやせばふやすほど、二十五の基地に配備をする機数も多くなるという理屈になるのですね。したがって、僕が心配しておるのは、五九中業の期間中にさらに大綱を達成するための努力を皆さんはされる。私どもはそれは反対だけれども、この達成に向かって努力される。したがって、機数が多くなる。二十五の基地でそれぞれ、今の美保基地のように増配備をしていかなければならぬ。将来こういうことになるのですかということを聞いておるのです。
#414
○矢崎政府委員 大綱水準の別表で、航空自衛隊の作戦用航空機を約四百三十機ということを考えておるわけでありますが、これは実は大綱を策定した当時はほぼ同じくらいの機数があったわけで、それが各基地に分散して配備をされていたという経緯がございます。その後、古い機種の老朽化が急速に進行していった過程で、他方の新規の航空機の整備の数が、その減少を補てんするだけの数に達していなかったという事情がここ十年近く続いておりまして、その結果として、現在大綱水準に対しまして、六十年度の完成時勢力というものは七、八十機程度不足をするという状況になるわけでございます。したがって、私どもは、この不足を何とか回復をして、大綱水準にまで戻していきたいということで考えているわけでございますから、総体として見れば、大綱作成当時の水準に戻っていくというふうに御理解をいただければいいかと思います。
 その実際のプロセスで、各航空基地についてどうなっていくかということについては、これはまだ具体的な個別のブレークダウンというものはここでは申し上げられるものはございませんけれども、それは個々の航空基地の状況等に応じまして適切に判断をされるべき問題である。今後の問題かと思っております。
#415
○吉原分科員 そこで、この美保の空港というのは、滑走路が千五百メートルで、ジェット機の離発着に大変手狭になってきておるということで、実は滑走路延長でなくて、当面ジェット機が離発着できるようにということで、滑走路の路面にグルービング工事をなさっていらっしゃるはずなんです。現にジェットは多少の荷重制限はしておるようでございますが、それなりにジェット機の離発着が行われておる。わざわざ今度運輸省の所管で五百メートル中海側へ突堤のように突き出すというのですね。これを想像しますと、今の千五百じゃどうもぐあいが悪い。だから、将来の基地の拡張、こういうものも考えて、幸いに民間航空と併用になっておる関係もあって、ジェット機がより容易に離発着できるように今回五百メートル延長するのだ、こういうにしきの御旗で延長されようとしておるわけでございますが、どうもタイミングといい、あるいは防衛大綱を達成させる一つの過程の中で、美保の基地はだんだん滑走路も延長し、将来は、今機種の変更の場合は知事にも地元の皆さんにも了解を得ると言っておるけれども、今たまたまC1の二機の増配備さえも、問答無用だとは言わないとおっしゃっておるけれども、まさにやっておられることは問答無用なやり方ですな。そういうことで配備をされる。どう考えても基地の拡張につながる、こういう危惧を私はより一層深く持つわけでございます。今のグルービング工事で千五百で、それは千五百よりも二千の方がいいかわからぬけれども、なぜわざわざこの時期に五百メートル延長しようとするのか、あるいはまたこれは中海の側に埋め立ててつくるわけですから、そういう場合の漁民とのいろいろなトラブルが起こるかもわからぬ。そこら辺はどの程度合話を詰めてきておって、どういう見通しであるのか、せっかく運輸省来てもらったから、ちょっと答えてください。
#416
○坂井説明員 お答えいたします。
 まず、私どもの要請から、美保空港につきましては、現在千五百の滑走路を二千に延長さしていただきたいということを防衛庁の方に申し出ておりまして、既にこのことは五十六年、今先生御指摘になりましたグルービングの件でございますが、第四次の空港整備五カ年計画の初年度でございますが、五十六年にグルービングをして、将来二千にするという前提で暫定ジェット化をしておるわけでございまして、その後、五十六年十二月にジェット化をし、五十八年から実は中海に五百メートル延ばすべく実質設計調査費、着工でございますが、着工の予算を一億措置しておるわけでございまして、これは五十八年でございます。
 ところが、その後、地元の漁業関係者との調整に時間を費やしておりまして、五十八年に予算措置をしましたけれども、なかなか合意が得られませんで、先般、六十年の二月二十八日でございますが、関係漁民からのボーリング等の調査についての同意をいただきまして、三月六日でございますが、調査に着手したところでございます。
 今後の見通しという御質問でございますが、今後は、この調査結果を待ちまして、具体的な五百メートル延長に伴う埋立工事が出るわけでございますが、漁業者との調整等を引き続きやらせていただきまして、遅くとも六十年度の後半なり六十年度中には着工にこぎつけたいというふうに考えておる次第でございます。
#417
○吉原分科員 ちょっと運輸省、もう一回、私の聞きたい点答えていないので。
 私は、今グルービング工事をやって、当面慌てて延長することはないじゃないか、十年、二十年先のことを考えればまた別でしょうけれども。何か、防衛庁の思惑の中で運輸省が利用されておるような感じがしてならぬ。本当に運輸省自体として、今ではどうも手狭で困る、グルービングだけでは不十分だ、だから運輸省の意思として五百メーター延長したいということなのか。そういうことかと言ったらそのとおりだとあなたはおっしゃるだろうけれども、その点もう一つ答えてください。
#418
○坂井説明員 もちろん本件については私ども運輸省航空局としての意思でございまして、例えば現在グルービングをして千五百メーターで暫定的にジェット化をしておりますが、どういう問題が起こっておるかということについて御説明しますと、やはり滑走路が短いわけでございますので、現在B3、ボーイング737のスーパーが入っておりますが、夏場には貨物の搭載がほとんどできないというか、重量制限をしたりしておりますし、あるいは仮に路面が雪のような状態では、ブラックトップと言っておりますけれども、氷雪に覆われないような状態に必ずしておかなければいかぬ。これは滑走路が二千メーターありますと、必ずしもブラックトップじゃなくて若干薄い氷が張ってもそのまま離着陸できるという、そういうことを通常やっているわけでございますが、それもできない。それから、例えば最大の横風の制限風力というものを課しておるわけでございますが、通常は二十五から三十でございますが、この場合は当然短いということから二十ノットに制限して利用をしておるというような、制限つき利用を余儀なくされておるという点がまず第一点。
 それから二点目は、現在ここの空港の旅客数が約三十万人ございますが、私どもの第四次の、あるいは第五次でもそうだと思いますが、おおよその基準というのがございまして、路線にもよりますけれども、大体旅客数が二十五万人ぐらいになりますと滑走路二千メーターの着工に踏み切るということでございまして、同じ徳島の共用空港でございますが、あれも二千ということでこれも海の方に突き出すべく今工事をしておりまして、そういう旅客数との関係で基準を持っておるということ。それから前半にも御説明しました、使い勝手の非常に悪い使い方をしておるということでございまして、これはあくまでも私どもの意思で埋め立てをやらしていただき、防衛庁の滑走路を使わしていただくということでございます。
    〔太田主査代理退席、主査着席〕
#419
○吉原分科員 そこで、また話をもとへ戻すのですが、五十四年の一月三十一日のこの協定書の問題でございますが、「事情の変更を生じたときはこという解釈の仕方、ここに書いてあることは全部、騒音対策協議会を設けるとか、あるいは飛行訓練については十分配慮するとか、進入表面下の云々と、つまり騒音に関する問題が三つ羅列してあるわけなんです。だから、今施設庁おっしゃったように、何か周辺の方に周辺整備という観点から事情が変更したときに限るのだ、こういう解釈は、私どもこれを読ましていただく限り、施設庁のような解釈はどうしても出ない。先ほどの武部委員の質問と全く同感しておるわけでございますが、十日に配備したい、その通知が七日に来た。事前に相談をしなければならぬ。四機が六機になるのだから、騒音もひどくなるから、当然この「事情の変更」ということになる。従来と変わった騒音の状態になるわけですから、当然事前に協議をしなければならなかったけれども、たまたま遅く通知をしてまことに申しわけない、こういうお断りがあるのかなと思って私は聞いておった。だけれども、それはだんだん後で答弁が変わっておりますが、そういうふうに私は理解していいのですか。
#420
○佐々政府委員 お答えいたします。
 先ほど来の説明をもう一度整理さしていただきますと、先ほど宇都施設部長がお答えをいたしましたように、当時の防衛庁長官と島根県知事の間に覚書がございまして、「ジェット戦闘機は配置しないこと」。このジェット輸送機とはC1輸送機と民間の輸送機のことをいうのだということでございます。ジェット機は含まない。それから、現在使用中の機種を変更する場合には当県に対し事前に協議しその了解を得ること、それから、もちろんその騒音でございますが、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づいていろいろな対策事業を積極的に推進をする、予算の許す範囲内でやる、こういうことでございまして、実際には騒音防止、住宅防音、そのほかにもいろいろな補助事業等を行っておるところでございます。
 それから、だしぬけに一方的にやったのではないか、抜き打ちではないか、こういう御批判でございますが、私どもといたしましては、いろいろな事情がございまして正式な通知が一月七日になったということでございまして、これはやはりもう少しリードタイムを置いてやるように、先生方の御指摘を十分かみしめまして、今後地元とスムーズにいくように努力をいたしたいと考えております。
#421
○吉原分科員 この「事情の変更」という文言の理解の仕方ですが、たまたま機種の変更とジェット戦闘機を配置しないという島根県知事との間に約束事がある、これはわかります。ところが、ジェット戦闘機は配置しない、あるいは機種の変更の場合には当然事前に相談をしますということは、平たく言うと、頭の中に描けられるのは、騒音が一体どうなるだろうかという考え方がその底流にあると思うのですよ。だから、一たんこの騒音測定をやって、これなら辛抱できるかいなと思っておるけれども、機種がかわればまた騒音が高くなるのじゃないか、そういう不安があるからこそそういう約束事ができておるわけで、私は、今施設庁長官がおっしゃる答弁ではもう一つ納得ができない。何としても事前に納得のいくような話し合いの期間を持ってこれからはやりますというふうに理解していいのですか。
#422
○佐々政府委員 お答えいたします。
 騒音防止対策でございますが、この障害につきましては、増配備になったことに伴う騒音障害の増加の状況、これを十分調べまして、地元の御要望があればそれに対応した施策をこのお約束どおり推進いたしたいと考えております。
 なお、機数の問題でございますが、この協定書あるいはそれまでの覚書、いろいろ見ますが、C1輸送機とすべてなっておりまして、C1輸送機四機、機数については1機種の変更については事前協議のお約束を確かにいたしておりますが、この残された書類に関する限りは、機数については事前協議という協定がございません。だからといって、抜き打ちで勝手にある日どんどん増配するということではもちろんございません。このことについては十分なお話し合いをいたしますが、機種の変更、特にジェット戦闘機の配備はいたさない、これはお約束をいたしておりまして、機種の変更があった場合には事前に県に協議をする、その了解を得る、こういうことが明記されておりますが、機数について明記されておらない。いろいろ後で資料を提出せよとおっしゃれば、後ほど提出させていただきますけれども、そういうものがないものでございますから、私どもはこの問題は、先ほどの覚書の読み方は、大変お言葉に逆らって申しわけございませんけれども、周辺対策についていろいろなことが書いてございます、具体的に。今度は呉施設局長とそれぞれの県との間、市との間にいろいろなことが書いてございますが、そこに書いてある以外のことを柔軟にやってくれ、そういうときには相談に応じろ、こういう趣旨に私ども理解をしておる次第でございます。
#423
○吉原分科員 時間が参りましたから終わりますが、今の御答弁でもどうしても納得がいかない。機数をふやすものは協定書の外だ、四機を六機にするところまでは事前協議の対象ではない、機種の変更は、約束したから当然これはやりますと言われる。ところが、事情の変更という場合に、現状変更になるわけですから、当然機数をふやすことについてもこの事前協議の対象になる。騒音がそれだけふえるわけだから。今回、あっさり相談なしにやりまして申しわけないとお断りされれば質問をおくのですが、どうしてもお断りされぬということになれば、今の御答弁では私も納得いかない。このことだけを申し上げて、今後こういうことのないように、ひとつ十分配慮してやっていただきたい。
 終わります。
#424
○伊藤主査 これにて吉原米治君の質疑は終了いたしました。
 次に、大出俊君。
#425
○大出分科員 三海峡封鎖、特に宗谷海峡あるいは津軽海峡等の封鎖という問題をめぐりまして、保障占領論であるとか、いろいろなものが今出てきているわけでありますけれども、北海道の島松演習場を共同使用にして、倉庫その他をつくって予想戦場に武器を備蓄する、いろいろな記事等も出た経過がございます。ここらを国会で審議をしている経過をずっと私調べてみたわけでありますが、主として外務委員会中心でございまして、その限りで言うと、その後私がアメリカ、国内、両方調べてみた結果として、非常な根本的な違いが実はございます。
 今この席で、短い時間で全部ぶちまけてお話しするわけにはまいりませんけれども、私がいろいろ当たらせた結果として、外務省の認識というのは、全くこれはこんなことじゃ困るなと思うくらい違うわけでありまして、アメリカ陸軍の物の考え方というのは随分はっきりしている。共同研究の調印等も行われているわけでありますけれども、相当強固な物の考え方が三海峡封鎖を通じてアメリカ陸軍にはある。国防総省との大きな違いも実はここに一つあるわけでありまして、したがって、今までの経過をずっと議事録で見ましたが、どうもこれでは困るという気がいたします。
 そこで、まず具体的に関連する問題を一つ二つ申し上げたいのでありますが、その前に、なかなか別な問題の質問をしておりまして時間がございませんでしたので、まず三沢のF16の配備、これはことしからということになるのだろうと私は思っているのでありますが、一体現在どんなことになっているわけでございますか。
#426
○矢崎政府委員 お答え申し上げます。
 三沢へのF16の配備のスケジュールでございますが、一九八五年、ことしでございますが、ことし以降おおむね四年間にF16を約四十ないし五十機でございます。約四十ないし五十機配備いたします。それで、現在までの米側の計画によりますと、ことしの春に二機到着いたしまして、夏以降の追加配備によりまして一九八五年中に一個飛行隊、これは約二十四機前後と言っておりますが、これが配備をされる予定になっております。
#427
○大出分科員 一スコードロン。これは二十四機というのは、予備機が入っておるわけですね。そういうことになるのですな。この費用負担といいますか、経費負担といいますか、これは現在どうなっていますか。
#428
○佐々政府委員 お答えいたします。
 三沢関連でございますが、提供施設の整備、いわゆる思いやり予算六百十三億のうち三沢関連が百五十三億二千四百万円でございまして、住宅二百四十戸、倉庫、消防署、厚生施設、管理棟などをつくることになっております。
#429
○大出分科員 米側は幾ら負担するのですか。
#430
○佐々政府委員 いわゆる思いやり予算と俗称されておりますところの提供施設整備費は、私ども、主として現在駐留支援に必要な生活関連施設等を行い、作戦運用にかかわる費用は米側、こういうことになっております。国防報告等にいろいろございますけれども、私、現時点で本年度米国がどれだけF16配備のための支出をするかつまびらかに承知をいたしておりません。
#431
○大出分科員 運用ということになるとこれは当たり前のことでございまして、そうすると、施設については全額日本側が負担をする、こうなりますか。
#432
○佐々政府委員 お答えいたします。
 先生よく御承知のように、五十三年労務費から始まり、五十四年から思いやりが始まりましたときの基本的な考え方は、作戦運用、オペレーショナルなものはアメリカが、生活関連あるいは後方支援のようなものは日本側、こういうことで、それ以後毎年毎年財政事情その他を協議いたしまして優先度を決めてやっておるということで、今申し上げた範囲のものは日本側が全額負担、こういうことに相なります。
#433
○大出分科員 これはアメリカ議会でさんざんもめた経緯がございますね。御存じのとおり。率直に言って、その結果はよくわからぬのですよ。どういうふうに入り組んでどうなったのか、これを一遍皆さんの方で、私はこの席は焦っているわけじゃないので、皆さんの方でひとつ御検討いただいて、後で資料をいただけますか。いかがでございますか。この四年間、これから続くわけでございますから、トータルで結果的に年度ごとに、これは単年度予算ですから先のことは今は言えないという面はありましょうが、トータルでどうなるかということを含めまして、いかがでございますか。
#434
○佐々政府委員 お答えいたします。
 米下院におきまして、日本側のホスト・ネーション・サポートが十分でない場合にはこのF16配備にかかわる予算を再検討する、こういうことがあったことは承知をいたしております。米側がこの三沢配備にどれだけ予算を計上するかというのは、申しわけございませんが、防衛施設庁の所管外でございますので、私からはちょっと御答弁を差し控えさせていただきます。
#435
○大出分科員 どこが所管になりますか。
#436
○栗山政府委員 アメリカの国防予算の中での今後の計画がどういうことであるかという御質問であれば、現在わかっている限りについて、現在資料を持ち合わせておりませんが、後刻御報告することはできると思います。
#437
○大出分科員 実は米側と持ち合い、こうなっておったんですよね、当初。ところが、アメリカが大変大幅に削除をした、さんざん議会で議論されたところでありますが。結果的に日本が全部持つことになるんじゃないかと当時思ったのですが、その後の様子を見ると、どうもそんな感じが強い。運用はどこの基地だってアメリカが予算をつけてやっているわけで、運用まで日本が持ったことはないんですから。
 そうすると、生活関連といえば全額日本側が持つことに結果的になるんじゃないのか。そうすると、今外務省の方、北米局長はおっしゃっておりますが、おたくの方で結構ですが、防衛庁との間でひとつお話しいただいて、どういうことになるのか、そこのところ、まことに不明確で、これは国民の税金にかかわるんで、思いやりはもう佐々さんおっしゃるとおり、私も金丸さんの時代からさんざん防衛庁にお伺いしてわかっておりますからよろしゅうございますけれども、結果的にどうなのか、ここのところがわからぬわけでございまして、これはひとつ資料をいただきたいのですが、よろしゅうございますか。確認しておいてください、委員長。
#438
○栗山政府委員 先ほど申し上げたことの確認でございますが、過去の八四会計年度、八五会計年度につきまして議会が承認した数字がございます。それから、八六会計年度につきましては、これから議会で審議されるということでございますので、ちょっとその数字は手元に持ち合わせておりませんので、後日御報告させていただきます。
#439
○大出分科員 ここでこんな時間をかけるつもりはなかったのですが、予定を変更いたします。
 全部関連をするのでありますが、念のために、今のF16はこの時点で、その目的を現在どうお考えでございますか。何のために三沢配備をするか、改めてひとつお答えいただきたい。
#440
○栗山政府委員 従来からアメリカが申しておることでございますが、F16の三沢配備の目的につきましては、極東における軍事バランスの改善に努め、アメリカの日本に対する防衛コミットメントの意思を明確にすることにより、日米安保体制の抑止力の維持向上を図るということがアメリカの目的でございます。
#441
○大出分科員 私は、実はきょう、三海峡封鎖問題と保障占領論が最近出ておりますが、シナリオ云々、ジェーン年鑑あるいはウイークリーにございまして、そこらのことを少しと思ったのですが、時間の関係もございますから、すべて関連をいたしますから、具体的なものを一つ二つ承りたいのです。
 私がおります神奈川の相模原市にございます相模原の補給廠、最近でも大変車両がふえてきている。数千両という車両がある。その中には戦闘車両もある。これにつきまして、前に夏目さんのコメントなどがございますが、これは一体どういうことになるのか。最近の様子を見ていますといろんなことが目につくんですね。ここのところずっと目立っているのは倉庫の補修、補強、それらの工事がどんどん進む、塗装工場が新設をされる、今度新たな仕事を業者委託する、いろんなことが出ていますね。
 業者委託というのは皆さんの方へ連絡が行くはずでございますけれども、行われておりますか。
#442
○栗山政府委員 民間会社への一部の業務委託については、アメリカ側は現在話し合いを行っておるということを承知しております。
#443
○大出分科員 あわせて、ここに働いている従業員の人数を減らすというようなことはない、これもそう確認していいですね。
#444
○栗山政府委員 そういうようなことはないというふうにアメリカ側は言っております。
#445
○大出分科員 つまり、民間と新たな委託についての話し合いを続けているということは、この補給廠に車両が徐々にふえてきている。そうなると今の要員ではできない。そこで業者委託がどうしても必要になる。こういう筋書きなんですね。これはどこから入ってくるかといいますと、ベトナム戦争のときにM48などを持っていったノースピア、ここから夜中に入ってくる、こういうわけであります。ここに今M109というのが十台足らず確認をされています。六、七十人の方々がずっと入っていった。何遍も入っておりますが、奥の方にございますほろをかけたものをほろを取っ払った、それを皆さんが見た。109という戦闘車両はどういうことかといいますと、ベトナム戦争のときにM48の間にいろいろ入りましてお蔵入りしたのですよ。私どもは戦車をとめたときにも109というのは幾つも見ているわけです。これがどうもふえてきている。これは、ある種の情報によりますと、韓国から、韓国の近代化というような問題もございましてますますふえてくるんじゃないか。これは単なる滞留化という問題も実はあるわけであります。
 さて、そこで一つ一つ承りたいのですが、今どのぐらいあるというふうに皆さんはお考えでございますか。これは米軍が使っているには違いないけれども、あくまでも日本の主権、その中における補給廠でございますから、住民の不安もございます。今どのぐらいございますか、おわかりですか。ここには従業員の方がたくさんいますから目撃している方々もたくさんおりますけれども、いかがでございましょう。
#446
○栗山政府委員 大変恐縮でございますが、ただいまの御質問は、相模原の補給廠にある米軍の車両の総数が幾らかという御質問でございますか。――大変申しわけございませんけれども、アメリカ側は補給廠に保管しております車両等の、要するに具体的な内容、数量等については公表しないという方針をとっておりますので、私ども承知しておりませんし、申し上げられる立場にございません。
#447
○大出分科員 これは困ったもので、住民に不安があって、徐々にふえてきている。そうすると、公表しないことになっているから全く私ども存じません、これで一体済みますか。それで済ませるつもりですか。私ここでひっかかるつもりで質問しているんじゃないので、答弁の仕方があるんじゃないですか。
#448
○栗山政府委員 若干答弁が舌足らずであったのかもしれません、申しわけございませんが、数量を把握しておるかという御質問でございましたので、先ほどのような御答弁を申し上げた次第でございます。
 ただ、新聞紙上等においていろいろ報道されましたので、私どもは、補給廠の従来の機能あるいは在日米軍の装備の運用等について何か基本的な変化、大きな変化があるのか、あるいはそういうものが考えられておるのかということについてはアメリカ側に照会をいたしました。これに対しましてアメリカは、若干補給廠の仕事量、業務量についての増加というものはあるけれども、この点についてはちょっと後で補足して御説明いたしますが、あるけれども、しかし補給廠全体としての機能あるいは装備の運用等についての基本的な変化、変更というようなものは全く考えておらないということを回答してきております。
 補足する点でございますが、確かに最近車両の搬入がふえておるという状況だそうでございます。これにつきましてはアメリカ側は、先ほど委員も御言及になりましたけれども、確かに在韓米軍の装備の更新が進められておって、その関連で韓国の方で当面使用しなくなった装備を、韓国に適当なスペースがないので相模原の補給廠で一時的に保管をする、そういうことによる仕事の増加というものは確かにある。それから、それとの関連で今度は新しい装備を韓国に送る、その過程で一部のものが相模原の補給廠に滞留と申しますか一時的にとどまるということはある、こういうことはアメリカ側も申しております。ただ、基本的に在日米軍との関係で装備の運用あるいは補給廠自体の機能の変更というようなものは一切考えておらない、こういうように米軍は申しております。
#449
○大出分科員 時間がありませんから少し物を申し上げておきますが、これは従業員の方々に私の知り合いもたくさんおりますから逐一耳にいろいろ入ったりもするのですけれども、五千両と言われ、かつ数千両と言われまして相当な数なんですね。戦闘車両及び非戦闘車両、M109も幾つもある。
 ちょっと念のために聞いておきますが、M109というのは何ですか。
#450
○栗山政府委員 あるいは防衛当局の方から御答弁申し上げた方がよろしいかと思いますが、私どもの承知しておりますのは自走砲でございます。
#451
○大出分科員 ジェーン年鑑なんかにもございますようにM109というのは自走りゅう弾砲ですね。全長六・〇九メートル、幅三・一四メートル、高さ三・〇四メートル、重量二万三千七百九十五キロ、着弾距離一万四千六百メートル、最高時速五十五キロ、走行距離三百五十キロで、三百六十度の旋回可能な、これは七人乗りなんですけれども、まあ穏やかならぬことになりつつある。
 そこで、ある新聞が昨年の四月段階、四月二十八日ごろだと思いましたが、保障占領ということを前提にして予想戦場に二個旅団分ぐらいの兵器、武器を備蓄したいとアメリカ側がそれとなく打診をしたという記事をお書きになった。これは北海道の島松演習場などを指していたわけであります。これは議事録をずっと読んでいきますと、外務省はそういう打診はなかった、こう言う。ところが、私がいろいろ調べてみますと、そうじゃないのですね。日米の制服の皆さんが共同研究をやっている席上で何回もこの問題はアメリカ側から提起されているのですね。関係の方々に私もいろいろ聞いたり調べたりしてみた。これは事実ですね。外務省が知らなければ知らないでいいんだけれども、きょうは防衛庁の方もおいでになるので本来ならこれは制服の方に聞くと一番正直にお話しになるのだが、制服でない方は時にごまかすからいかぬのですけれども、何遍も話が出ている。
 ところが、実はアメリカ本国の状況というのは、ペンタゴンつまり国防総省の見方は欧州正面でございまして、つまり海峡封鎖というものと関連をして保障占領を――これは国際的に保障占領というと別な意味がございますけれども、要するに今言われている保障占領というのは予想戦場にあらかじめ武器の備蓄をしておこう、単なるそういうことでございますが、つまり米陸軍側には大変にそういう意識が強い。ところが、国防総省自体はその可能性はそんなに強くないという見方をする。そこで、上に上げてみても政府間折衝に持ち込めるという状態にない。これはわかるのですよ。日本の陸上自衛隊の皆さんだって、海空重視、海空重視というのには快からず思っているということを私は何人もの方に聞いている。そうすると、この海空重視に対抗する意味では日本の陸上自衛隊の皆さんは、ジェーン年鑑あるいはディフェンスウイークリーがいろいろお書きになる北海道の保障占領のシナリオ、こういうものについてはそれなりの認識を持っているのですよ。これはみちのく84ですか、83ですか、演習を王城寺原でやっていますが、あれなんか私もいろいろ調べてみました。北富士でやっているのもございます。アメリカからもそれなりの緊急展開部隊が入ってきての演習もございます。いずれもこれは海峡封鎖が前提ですね。つまり、米陸軍の専決事項でできることをとりあえず――国防総省と米陸軍との間の意見が違う、だから政府間折衝には持ち込めそうもない、そうすると当面専決事項でやれることは何か。それはとりあえず韓国軍の装備の変更もある、だから相模原の補給廠というのはあいている、そうすると、ここに滞留の形で置いておく、これは陸軍の権限でできる、これは当然なんですね。そう考えてもちっともおかしくない。共同研究がずっと進められて、みちのく84という演習は昨年の九月から十月一日まで二週間やっていますが、その前に昨年の五月には北富士で緊急展開部隊が入ってきて演習しています。これも海峡封鎖が前提ですね。当然あってしかるべき想定なんですね。
 だから、これは防衛庁に承りたいんですが、外務省の皆さんは公式的な打診ということになるとすればそれなりの答弁をするんでしょうが、今のようにアメリカの陸軍のサイドと日本の陸上自衛隊のサイドでいろいろ共同研究をなさっている。そこで出てきてもちっとも不思議はない、そこまで否定しちゃったんじゃ、これは議論にも何にもならぬですよ。日本の議会というのは秘密会制度をとってないんだから、議論があったものはあったものでやはり言ってもらわぬと議論ができません。外務委員会のこの幾つかの議事録。岡崎さんを呼んでの参議院の和田君の質問から始まりまして岡田利春君の質問があったり、その後に井上普方君の質問があったり、流れてきています。私はこれをずっと読んでみて、私が調べた結果、実情に即して調べてみましたが、明確に違う。
 時間がありませんからほかのことに入る時間がなくなりましたが、そういう意味で、ここのところは逃げないでお答えをいただきたいと思っているんです。別にあったらあったでいいんで、非公式なことなんだから。いかがでございますか。
#452
○矢崎政府委員 毎回申し上げておりますように、基本的に日米共同作戦計画の研究の内容は公表は差し控えさせていただいているわけでございます。それに今御関連の質問がございましたポンカスの問題については、これは一般的な問題として私申し上げることができると思いますが、これは私どもが承知しておる限り、アメリカの軍の方から自衛隊の方にそういった日本に事前備蓄をやろうというふうなことを話を持ちかけてきているということはございません。その点は申し上げられると思います。
#453
○大出分科員 否定するならするでいいんですが、実はいろいろな議論がアメリカの内部にはあるんですね。つまり、そういう体制をとるとすれば日本の自衛隊の装備をふやすという意味でプラスにはならないという意見が出ているという話も承りましたが、いろいろな意見が出ている。
 そこで、別な角度でこれは改めて問題提起をいたします、この席ではもう時間がありませんから。そういうアメリカ側の、米陸軍側からの防衛庁のその筋への話はないと、こうおっしゃるんだから、それはそれで承っておきますが、皆さんの方の最近の演習を見ておりまして、どうなんですか、海峡封鎖を前提にした演習というのはございませんか。
#454
○大高政府委員 日米共同訓練をこのところ行ってきておりますけれども、それぞれの訓練につきましては訓練目的を効果的に達成するためにシナリオをつくり、やっております。ただ、このシナリオの内容につきましては、事の内容から申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
#455
○大出分科員 取材をしている方々の話が耳に入らざるを得ない、入る。そうすると、二週間、十月一日までみちのく84という演習を王城寺原でやった。防衛庁はその演習目的は何かということを非常に隠したがるというのですね。隠したがるんだが、いろいろと関係の方々に聞いてみると、これは津軽海峡封鎖というものと絡んで津軽海峡にソビエト軍が入ってきたという想定なんですね。そこで、白河というところを中心にしてアメリカの来援を得て、F4ファントムも来ていますけれども、これを押し返す、そういう三段階に分かれた日米共同演習なんですね。そこまで隠さなければいかぬものなんですかね皆さん、いかがでございますか。
#456
○大高政府委員 ただいま先生御指摘の日米共同実動訓練でございますが、御指摘のように九月十八日から十月一日まで主として王城寺原演習場を中心に行っておりますけれども、これは、日米両方の部隊が将来共同対処をいたします際に、それぞれ指揮系統を別にして共同して対処をいたしますので、相互の連係要領を演練したものでございまして、その際のシナリオにつきましては、当該王城寺原あるいは岩手山の演習場でございますが、こういうところの地形に応じて演習目的を達成するのに適切なシナリオを設けておるということでございます。
#457
○大出分科員 あそこの一番適切なシナリオというのは、三海峡封鎖がシーレーン防衛のメインになっているんだから、そういう意味で津軽海峡封鎖というものと絡んでソビエト軍があそこに入ってきた、赤部隊、青部隊、こうなっていますね。そして、ヘリコプターを投入してヘリボーン作戦もやっていますね。陸上自衛隊の東北方面隊第九師団、これは青森に司令部がありますけれども、これを中心とする千六百人、アメリカのカリフォルニア州からの陸軍の第七師団、ここから歩兵大隊、砲兵大隊約千四百人、二週間、これはみちのく84をやったわけであります。これはF4ファントムなども出てきているわけであります。ですから、そういう具体的に取材をする方にも隠しているんだが、いろいろ皆さんの話を聞いていくとこういうことになった。そういう点まで隠さなければいかぬ筋合いですかな。
 きょうは時間がないから、どうせ後のことがありますので皆さんに聞いているわけですけれども、念のためにもう一遍聞きますが、そういう私が今申し上げた赤部隊、青部隊の想定じゃないんですか、違いますか。白河中心に第三陣地までヘリボーン作戦をやって押し返していく、そういう想定じゃないんですか。
#458
○大高政府委員 ただいま御答弁申し上げましたとおりに、日米の部隊が共同いたしまして対抗部隊に対して攻撃するという想定でやっておりまして、先生、詳細についてぜひ言えとおっしゃるわけでございますが、これはやはり戦術、戦法の公表につながるので差し控えさせていただきたいということでございます。
#459
○大出分科員 当たらずといえども遠からざる答弁になっているようですけれども、時間がありませんからまた改めて全体的な質問をいたしたいと思います。大変恐縮でございました。どうもありがとうございました。
#460
○伊藤主査 これにて大出俊君の質疑は終了いたしました。
 次に、中林佳子君。
#461
○中林分科員 私は、先ほども問題になっておりました航空自衛隊美保基地について質問させていただきます。
 最近この基地へC1ジェット輸送機が二機追加配備されているわけですけれども、先ほどからの御答弁を聞いておりますと、秋からいろいろと用意はしていたのだとおっしゃるわけです。実際に正式に関係市町村への連絡をされたのは一月七日であったことは間違いありませんね。それで、その前になぜ事前協議なるものができなかったのか、その理由も加えてお答えいただきたいと思います。
#462
○佐々政府委員 お答えいたします。
 一月七日に正式通知をいたしました。昨年から航空自衛隊内局等におきましてその配備の変更を行いたいという希望がございましたが、種々の事情によりまして正式通知が一月七日に相なった、こういうことでございます。
#463
○中林分科員 なぜ事前協議されなかったのか、もう一つのお答えを願いたい。
#464
○佐々政府委員 これも答弁の繰り返しになって申しわけございませんが、先ほどの協定書に関する限り、ジェット戦闘機の配備あるいは使用機種の変更につきましては事前協議対象と相なっておりますが、機数の変更について協定事項に入っていない。事情の変更という解釈について地元とこういう食い違いが出たのは私は大変残念に思いますけれども、従来そういう解釈で進めてきておりましたので、機数の増加についての事前協議は協定上は義務づけられておらなかった。しかしながら、先ほど来諸先生御指摘のように、この問題をスムーズにやるためには騒音対策であるとかなんとか、当然いろいろな問題が出るわけでございますから、そういう問題についてのお話し合いはもっと十分すべきであった、こういう御指摘、これは十分かみしめて今後対処いたしたいと考えております。
#465
○中林分科員 突然の配備で地元住民は大変驚き、自治体も驚いたわけなんですけれども、先ほどの質問の中にもるる美保基地についてのC1ジェット配備をめぐるこれまでの経緯の話があったのですが、今回の突然の配備というのはその経緯を余り考えない突然の配備だったと言わざるを得ないわけです。C1ジェット機が当初配備通知されたのが、おっしゃったように五十二年十月であったわけです。このときに鳥取、島根両県を初め関係市町村の市長はもちろんですけれども、周辺住民から非常に強い反対運動が起こり、私もその反対者の一人であったわけです。その後約一年余りにわたって大論議がされて、そして結局昭和五十四年一月二十六日に「美保飛行場周辺における生活環境の整備、地域振興等について」という閣議了解が出されるに至って、ようやく同年の三月にC1配備という関係自治体の同意が得られた、こういう経緯があるわけなんです。ですから、こういう過去の経緯を全く配慮しない今回のやり方というのは、地元住民軽視も甚だしいと言わざるを得ないわけで、私も改めて抗議をしておきたいと思います。
 そして、しかも重要なことは、この抜き打ち的な追加配備の通知を受けた米子市及び同市の関係地区で構成される米子飛行場周辺地域振興協議会では、事前に、配備を一週間おくらせてほしい、こういう要望をしたにもかかわらず、三日後には強行配備に踏み切られた。なぜ、一週間延期をしてほしいというささやかな願いが聞き入れられなかったのか。聞き入れられないだけの軍備上の理由でもおありだったのでしょうか。そして、報道によりますと、また市長の経過報告によりますと、長官命令がもう既に出されていた、こういう理由を述べておられるわけですけれども、長官はこの延長要請については何の打診も受けられなかったのでしょうか。
#466
○池田政府委員 美保にC1を二機追加配備することにつきましては、昨年の秋から防衛庁としてはいろいろ現地の情勢等を研究しておりました。いろいろ事情がございまして、正式の通知がこの年明けになりました。その段階で我々とすれば何とか御理解を得られるのではないかという考えを持ちまして、部内の準備を進めておったことは事実であります。また、大臣に最後のところで期間の延長の要請があったことについては、我々が承りまして、現地の事情を御説明してございます。しかし、ただいま申し上げましたように、我々として何とか御理解を得られるのではないかと判断をいたしまして、進んだ事情でございます。
#467
○中林分科員 大臣、打診は受けられたのですか。
#468
○加藤国務大臣 確かに地元の方から延期をしてくれないかという話があることは報告を受けておりました。ただ、決定したことでもあり、何とか市の御理解を得られないものかということで、地元の市長さんに御連絡の上、御理解が得られたものとして予定どおり追加配備いたしました。
#469
○中林分科員 市長は全く同意していないからこそ、こういう一週間延期を防衛庁の方に申し入れられたわけですし、打診を受けていたのにそれを聞かなかったというのは、地域住民、地元住民の声を聞かなかったということで甚だ遺憾だと私は思います。
 追加配備について事前協議はしなかったことについて、先ほどから問題になっている米子市、境港市が提出している同意書に、事情の変更を生じたときは、防衛庁は、県及び両市との交渉に応じるという項目が入っているわけですが、この事情の変更ということに機数の増は入っていないのだと先ほどから御答弁されておりますけれども、これは、それに伴う周辺整備の問題が出てくるわけですから、だれが考えてみても事情の変更の中に機数増ということが明白に入っていると解釈されると思います。これまでの御答弁を聞いておりますと、全く詭弁をおっしゃっているようにしか受け取れません。
 昭和四十七年六月十六日付で防衛庁経理局長から島根県知事あてに美保飛行場の整備計画について回答文が出ておりまして、飛行場での使用機種を変更する場合は貴県に対し、事前に協議します、こう約束されて、重ねて昭和五十六年二月九日の回答文でも同じことを認めていらっしゃるわけですけれども、先ほどの答弁を伺っていると、今も変わっていないと受けとめております。
 そうであるとしますと、五十四年三月に配備されたC1ジェット機についても、この機種変更は事前協議の対象になるけれども、機数変更は何機、何十機ふやそうともそれは事前協議の必要はないと、先ほどからの答弁を聞いていると、そうにしか理解できないわけです。しかし、地元ではこの間も美保軍事基地反対山陰決起大会という、たくさんの住民が集まって決議がされた中には、事前協議はぜひ入れてほしい、こういう強い要望も出ておりますし、島根県側の安来市、東出雲町、八束町の三つの首長は、追加配備については事前協議に応じるよう防衛庁に要望したい、こういうことを決めていらっしゃるわけです。
 そこで、こういう住民の、地元の人たちが事前協議に応じてほしい、こういうことを強く要望して、その声も耳に入っているとは思いますけれども、今要望していきますと事前協議に応じる用意があるのかどうか、イエスかノーかだけでいいですからお答えいただきたいと思います。
#470
○佐々政府委員 お答えいたします。
 イエスかノーか一言でというのは、長い御質問でしたので、なかなか難しゅうございます。事情を説明させていただきますが、御指摘の覚書のほかに五十四年一月三十一日付防衛施設庁長官、これはサインしているのは呉施設局長でございますが、境港市、鳥取県知事との覚書がございまして、騒音と直接の関係のない道路整備あるいは公園の整備、平和公園の整備の問題であるとか、体育館の建設の問題であるとか、非常に具体的に、防火水槽だとか消防車の何とかだと非常に具体的に小学校の名前まで挙げ、具体名を挙げて書いてございます。これがやはりその事情変更、ここに書いてあるもの以外にもやってくれといったときには応じろよという趣旨に我々は解しております。
 それから先ほど、そういう問題を取り上げましたのは協定違反、事前協議の約束が覚書あるいは協定書にあるではないかという御指摘でございましたので、それは書いてございません、機数の変更は対象になっておりません、機種あるいはジェット戦闘機配備は確かに事前協議のお約束をし、ジェット戦闘機については配備しないというお約束をしておる、こういう答弁をいたしました。
 それでは、何十機と一挙にやるか、こういう御質問でございますが、これは再々御答弁申し上げておりますように、防衛力整備計画にのっとって航空自衛隊あるいは防衛本庁において決め、それを十分地元に御理解をいただきながら配備の変更をやっていく、こういう手続でございまして、少なくともいろいろお取り上げになりました協定の中には機数の増加についての事前協議というのはございませんので、私どもといたしましては従来の方針どおり実質的なお話し合いは十分させていただきますけれども、この線でやらせていただきたいと考えております。
#471
○中林分科員 ですから、この事前協議の防衛庁としての見解は私も伺って、見解は違いますけれども、わかりました。その上で、地元が今こういうふうに追加配備された時点について、ぜひそういう場合は事前協議もしてほしいと新たに提起している問題なんですよ。ですから、これまでの取り決めの中ではそれは自分たちは解釈してないとおっしゃるのですけれども、そういう新たに今回出てきて、騒音も大変だという話の中で要望していることに対して、それは事前協議の対象に入ってませんのでというようなことで突っぱねられると、私どもはやはりいろいろ計画にのっとってこれからも何機かふえていくだろう、それが突然なのかどうなのか、いろいろ言葉では、事情を説明する期間を設けるなどとおっしゃるけれども、その歯どめ策は何にもないわけですよ。ですから、防衛庁の姿勢として、こういう住民の強い要望が出ていることに対して事前協議の対象にないということで突っぱねられることについては私は本当に心から抗議をしたいと思います。
 それで、今度のC1の追加配備によって騒音の問題を一番住民は心配しております。そこで、呉の防衛施設局と美保飛行場周辺騒音対策協議会との二つの間で騒音測定というものが始まっているわけですけれども、これはいつごろまで続けられて、その結果はいつごろ明らかにされて、それに対してどういう対策をとられるわけですか、簡単にお答えいただきたいと思います。
#472
○宇都政府委員 現地におきましては美保飛行場周辺騒音対策協議会という協議会がございまして、これは呉防衛施設局の担当、それから県、米子市、境港市の四者において協議しておるわけでございますが、そういうところで十カ所の測定地での騒音状況を把握した上で、そのデータを分析して、結論を得た上で検討したいというような話し合いも進んでおりまして、現実に二月からその測定に入っております。このように騒音対策等周辺対策につきましては地元から御要望があればその都度御要望について協議してまいる、検討してまいるという考えております。
 結果を出す時期は決まっておりませんが、八月ごろまで測定を続けるという予定になっております。
#473
○中林分科員 騒音は本当に地元が一番心配しておりますので、十分な対策を立てていただくよう、重ねて要望しておきます。
 そこで、この美保飛行場すなわち米子空港の滑走路延長計画について、運輸省の方に聞くわけですけれども、現在この滑走路を自衛隊も併用しているわけで、この管理者は運輸省でなく防衛庁になっているわけですけれども、それはなぜなのかということ。にもかかわらず、運輸省がこの飛行場整備計画を作成しているのはなぜなのか。そして、今この滑走路延長の計画の実施設計調査に入っていらっしゃるわけですけれども、その中身と今後のめどについて簡潔にお答えいただきたいと思います。
#474
○坂井説明員 お答えします。
 先生御指摘のように、共用飛行場でございまして、管理者は防衛施設庁でございます。
 それで、私どもとしましては、航空法に基づく手続がございます。共用施設として民航の飛行機を使わしていただけるというめどがはっきりした場合には、航空法第五十六条の五に基づきまして、公共用の施設として指定をさせていただく、それを告示する、それから、もちろん公共用施設として指定をする際には防衛庁長官と協議をさせていただく、こういう法手続に基づいてやっておるわけでございます。
 それで、御指摘の今回五百メーター延長する滑走路の延長部分の件でございますが、五十八年に実施設計調査費というものをつけましたが、地元の情勢といいますか関係者との調整がつきませんで、今年度になりましてようやく調整がついたという結果でございます。
 具体的に申しますと、先般、二月二十八日でございますが、ボーリング等の調査についての同意をいただきまして、昨日、三月六日でございますが、調査に着手したところでございます。
 今後のめどでございますが、できますれば今年度の現地調査の成果をもとに設計の図書の作成、それから漁業者の同意取りつけ、それから埋め立てをいたしますので公有水面埋立法に基づく埋立申請手続等を行いまして、六十年度中に現地着工ができればというふうに考えておるわけでございます。
#475
○中林分科員 この飛行場、私もよく利用させていただくのでわかるのですけれども、千五百メートルの滑走路でグルービングなどの改良を施して、日に二往復、東京との間をボーイング737が離着陸して、あとはYSが飛んでいるだけ、こういう状況なんですね。それで、私が利用していて、お客さんの数なども今で十分じゃないかというような感じも持っておりますし、先ほどから中型ジェットに変えなければならないのでというようなお話もありましたけれども、それらの必要性は、私が利用しているだけに必要がないように思えてなりません。
 そこで、この際、騒音の測定だとか騒音分布図、コンターには今回のC1追加配備の分、さらには将来の増機分の予測を盛り込んだものでなければならないと思うわけですけれども、運輸省、いかがですか。
#476
○坂井説明員 当然埋め立てをするわけでございますので、埋め立てに伴う環境アセスメントを実施します。その中には当然騒音のコンターも入るかと思いますが、この件につきましては、私どもとしては昭和六十年ないしは六十五年の民航機の旅客数を想定し、それから便数を割り出し、YSが何機、そのときにYSがリタイアしているかどうかという問題はありますが、小型ジェット機が何機、中型ジェット機が何機という想定をいたしまして騒音コンターを書くわけでございますが、その際、ただいま先生の御指摘のC1の増分ということにつきましては、これは防衛庁の方からしかるべき数字をいただき、両方合算してコンターを書くということに考えております。
#477
○中林分科員 私はここに運輸省が昭和五十五年八月二十八日付で鳥取、島根両県に示されました航空機騒音の測定図、コンターを持っているわけなんですけれども、ここでは、このコンターに基づいて鳥取県知事が滑走路の延長を島根県知事に対して同意を取りつけるようにと言っておられるのです。この中に現況、それから千五百メートルのグルービングをしたときの状況、それから将来ということで三つの予測のコンターの図があるわけなんですね。それを見ますと、このC1の離着陸の回数が、現況もグルービング後も将来も変わっていない十五回となっているのですね。これでは、今回のように増加配備されたわけですから当然変わるべきだと私は思うわけですけれども、こういう滑走路の延長のコンターを示す場合には当然それも含めたコンターになってなければいけないんじゃないですか。運輸省、どうですか。
#478
○坂井説明員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、民航機につきましては将来予測をし、その数字から、人数から便数を割り出してやりますが、防衛庁の数字につきましては、その時点で防衛庁からしかるべき数字をいただいてミックスして予測をいたしております。
#479
○中林分科員 運輸省の方は防衛庁から出された資料でこういうふうにやっているんだとおっしゃるわけですけれども、防衛庁に伺います。
 C1を何十機ふやそうとも発着回数は現況すなわち運輸省が示されておりますコンターの四機と同じなのですか。
#480
○宇都政府委員 航空機の騒音のコンターでございますが、自衛隊の航空機が飛びました結果につきましては、先ほど申し上げましたように二月から調査をしまして、その結果を踏まえて現地の実情に合ったコンターを決めていこうということで進めております。そういう状況で……
#481
○中林分科員 コンターじゃなくて回数ですよ、発着陸回数、これはどうなんですか。変わるのですか、変わらないのですか。質問したことに答えてください。
#482
○池田政府委員 私から御説明するのが適当かどうかちょっとわかりませんけれども、当然飛行回数は、発着回数は飛行機がふえればふえると考えます。
#483
○中林分科員 まさにこれは運輸省の方からこのコンターに基づいて住民に同意を得る、そういうものなんですね。それなのに自衛隊の方の発着陸回数が多くなるのに、それが全然予測されていないような、こんなでたらめなものでやられているということは、もうまさに私は住民無視もはなはだしいし、住民をだましたものだと言っても決して過言ではないというふうに思います。こういうことを考えてみますと、今回の滑走路延長ということが、まさに私は、本来は自衛隊の方が必要なんだということが前提になって、軍備拡張のことが、この民間航空という名のもとに衣の下からちらちら見えているように思われてならないわけです。
 時間が残り少ないので、次に行かせていただきますけれども、この滑走路の延長ということに伴って、農水省が進めている中海干拓淡水化事業との関係でも重要な問題があると思うのですが、農水省にお聞きしますが、昨年八月に発表されました中間報告では、この美保飛行場の滑走路延長計画を踏まえた水質予測だとか潮流予測を出しているわけですか。
#484
○吉川説明員 お答え申し上げます。
 昨年発表いたしました水質影響評価の前提となっておりますものは、中海の減少面積が、干拓を含めまして約三十一万キロの減少があるという前提でモデル化してシミュレーションを行ったものでございます。したがいまして、その減少面積の中には、米子空港の拡張に伴う面積の減少は含まれておりません。
#485
○中林分科員 これは重要な問題だと思うわけですね。中海の方に五百メートル出っ張りが出るわけですから、当然環境に変化は及ぼします。ですから、農水省はそのことについてどういうふうに今後補充をされるおつもりがあるのかどうか。それから、運輸省の方には、環境アセスメントを行っているとおっしゃったわけですけれども、そのアセスメントは中海干拓淡水化事業、これをフォローできる中身になっているわけですかどうですか。端的に農水省と運輸省、それぞれお答えいただきたい。
#486
○坂井説明員 私どもの環境アセスメントは、端的に申し上げまして中海の面積が約九千八百五十ヘクタールございまして、その中に二十七ヘクタールの増分になりますから、淡水化の影響ではなくて、埋め立てをすることによる影響という観点からアセスメントを実施します。
#487
○吉川説明員 米子空港の拡張に伴ういわゆるアセスメントにつきましては、そちらの方の公有水面埋立法の手続の中で十分行われるというふうに理解いたしております。したがいまして、その内容も十分承知した上で、私ども必要があれば対処したいというふうに考えております。
#488
○中林分科員 今の答弁でも明らかなように、滑走路延長と中海干拓淡水化事業は、地理的にも、また環境への影響から見ても非常に密接不可分な、そういうものになっているわけです。農水省の方では、その中間報告では、滑走路延長を全く考えずに中間報告した。運輸省の方も、それは埋め立てたけの環境アセスメントだと、こういうふうにおっしゃるわけでして、これは地元住民にとっては大変な問題です。現に、この滑走路延長ということを急ぐために、実は地元では、中海周辺の四つの漁協に合わせて六千万円ものボーリング調査のための協力金を支払う、こういうようなことが持ち上がっているわけですね。環境上非常に重要な影響を及ぼすということにお金を積んで見切り発車するということは、とても許されないことだというふうに思います。こういう重大な問題を、この美保基地の延長あるいは今度のC1ジェット配備にかかわる問題は含んでいるわけです。
 そこで、ぜひ長官にお願いをしたいのは、住民の意向を本当に十分に聞いていただいて、出先の機関でも十分聞いていただいて対処していただきたいと思うわけですけれども、最後に長官の答弁を伺って終わりにしたいと思います。
#489
○加藤国務大臣 私たち自衛隊の日々の運用につきましては、もちろん地元住民の方との密接な理解、住民の方からの理解を得られなければ自衛隊というものは存在するものではない、こう思っております。したがって、私たちは、大きな事業の変更等をやるときには、もちろん地元の方と十分に相談いたします。そしてまた、ごく運用の範囲とお許しいただけるものにつきましては、やはり日々の運用の際に私たちもそれなりの自由裁量といいますか、自由度を持っていなければ行動もできませんので、その辺はバランスをとることが重要だと思っております。
 その意味で、航空基地におきます全国の運用について見ますならば、先ほど言いましたように、ジェット戦闘機を新しく配備するとかそれから機種を変更するとか、そういうときには地元の人たちと事前協議をしてやってまいるということは、施設庁長官等が申したとおり、私たちの方針でございます。機数をふやす、例えば今度の美保基地の場合には、C1を四機から六機にする、二機をふやすわけですけれども、その機数をふやすことについては、従来事前協議の対象ではなくて、それぞれ十分な時間をとりながら御通知申し上げ、御同意を得ているという形をとっておりまして、ほかの基地におきましては、例えば一挙に七機、八機、十二機というようにふやすようなこともありながら、その点につきましては事前協議の対象ではなく、御理解をいただいているわけでございます。しかし、もちろんこういう面につきましては、地元の人たちと密接な理解が必要でございますから、もちろん実質的にはいろいろな形で協議を、御通知したり、お話ししたりの過程はあると思います。
 その意味で、今度の美保の問題がかなりこんぐらがっておりますし、それにつきましては過去の経緯に若干の問題がなかったのか、これからよく見てまいりたいと思いますけれども、しかし、全国ほかの基地におきましても、かなりの機数をふやすことには、十分に私たち防衛の重要性につきましての御理解をいただきながら進んでおります。今度の美保のケースは非常に不幸なことでございますけれども、私たちも国土の防衛、そして、みんなかなりいろいろ犠牲はあるけれども、国土の防衛ということに全力を挙げて全国御協力いただいておるところでございますので、どうぞ島根県の皆さんにもできるだけ御理解いただけないものか。本当に若干こんぐらがっているようでございますけれども、その辺はぜひ御理解をいただきたい。そして、例えば滑走路が千五百から二千になることが、私は地元との関係でどういうことかわかりませんけれども、自衛隊が本来はやりたいものを隠して五百メートルを延長するのではないかみたいないろいろな誤解を受けたりすると、ちょっとこれは勘ぐりが、ちょっと混乱が大き過ぎるなという感じがいたします。今後とも私たちは御理解を得るようにしてまいります。そして、時間を十分かけながら御通知してまいりたいと思っておりますけれども、できるだけ御理解をいただきたいと思います。
#490
○中林分科員 以上です。
#491
○伊藤主査 これにて中林佳子君の質疑は終了いたしました。
 次に、新村勝雄君。
#492
○新村(勝)分科員 ことしの初めに日米両首脳が会談をされたわけですが、その中で、前から懸案になっておったミッドウェーの艦載機の訓練場の問題が出たというふうに報道されておりますけれども、その内容はどういうものでしたか。
#493
○栗山政府委員 ロサンゼルスの日米首脳会談におきまして、レーガン大統領の方から総理に対しまして、アメリカとしては空母艦載機の離発着訓練の問題に伴いまして生じておる厚木の問題の早期解決というものを強く期待しておる、訓練の重要性にかんがみて、これはアメリカとしては強く期待をしているという御発言がございまして、これに対しまして総理の方から、いろいろ困難な事情があるけれども、政府としてもアメリカの本件について持っている関心というのは十分理解しているので、引き続き解決のために努力していきたい、こういう趣旨の御発言があった次第でございます。
#494
○新村(勝)分科員 この問題は既にもう長い懸案だと思いますけれども、アメリカの要請を理解をする、そしてそれに協力をするということになりますと、政府としてはどういう方針でこれからこの問題に取り組まれますか。
#495
○佐々政府委員 お答えいたします。
 この問題は、前方展開しておる抑止力であるところの空母艦載機パイロットの練度を維持するという意味で、日米安保条約の円滑な運営上不可欠であるというアメリカ側の要請を私ども理解をいたしまして、従来御答弁を申し上げております三つの線、すなわち既存飛行場の活用、二番目が代替飛行場を新設する候補地の選定、三番目は浮体飛行場の技術的な検討、この三本立てでやっております。
 しかしながら、御承知のように騒音問題等ございまして、既存飛行場の周辺地方自治体あるいは住民の反対も強うございますし、新設の飛行場予定地もなかなか見つからない、浮体工事というのも技術上いろんな問題がございまして、早期解決の努力はいたしておりますが、現在まだ確たる見込みが立たないという状況でございます。
 代替飛行場新設の有力候補地として三宅島という問題がしばしば出ておりますが、これも御承知のような事情で、現時点、説明をさせていただく機会を得たいという申し入れをし、これが断られ続けておる、辛抱強く私どもは要請を繰り返しておる、こういう段階でございます。
#496
○新村(勝)分科員 三宅島を志向をしている、三宅島を有力な候補地として考えているということは前から聞いておりますが、そうしてまた、三宅島に対して一部住民に対する説得工作にも入っておるというようなことも聞いておりますけれども、その工作はどの程度まで進んでおりますか。
#497
○佐々政府委員 お答えいたします。
 実は、御承知のように、この三宅島というのは私どもが工作をしかけたことではなくて、一昨年の暮れ、村議会が官民共用ジェットを誘致したいという決議をいたして、これから始まった問題でございますが、手続上の問題等もございましてこじれまして、島民が反対をし、一転して昨年の一月反対決議、こういう状況でございます。さらに、昨年の十一月の村長選におきまして、非常に強硬な反対派である方が村長になられたということから、村当局及び村議会は現時点、依然として反対という姿勢を変えておりません。
 しかしながら、私どもの受けております報告によりますと、話は聞こうではないか、こういう声が出始めておるということでございます。先般、新村長がごあいさつに見えましたときに施設庁からそういう申し入れをし、断られておるという事情がございます。説得工作、そういうことでまだ機会を得ずに辛抱強く待っておるという状況でございます。
#498
○新村(勝)分科員 そうしますと、当局としては、既存飛行場の利用あるいは代替飛行場をつくるあるいは浮体施設をつくるという三つであるけれども、当面は三宅島に目標を絞っている、そして動きを待っている、こういうことですか。
#499
○佐々政府委員 お答えいたします。
 そのとおりでございます。
#500
○新村(勝)分科員 政府は過去数年にわたって毎年約一千万の調査費を計上していますね。この調査においてどういう内容の調査をされたのか、その成果がありましたら伺いたいと思います。
#501
○佐々政府委員 お答えいたします。
 過去三年間の調査費でございますが、五十八年度が九百五万二千円、五十九年度が九百九十七万五千円、六十年度、現在御審議をいただいております予算におきましては二千三十五万六千円、こういうことでお願いをいたしております。これは調査旅費それから庁費でございますが、これは航空写真、地図、図書の購入、騒音コンターの作成、資料作成等でございます。
#502
○新村(勝)分科員 現在自衛隊が使っている飛行場の概要あるいはその構造なり施設の状況は、これはもう調査する必要はないでしょうね。もう平素から完全に把握をされているはずですよね。そうしますと、航空写真ももちろん撮っていらっしゃるでしょうし、そのほかの何を調査をされたのかということになりますとちょっと理解できないんですけれども、そのほかのどういうことを旅費で調査をされたのか。
#503
○佐々政府委員 お答えいたします。
 例えば、離着艦訓練が夜間に行われますので、その気象条件のデータ収集であるとか、あるいはいろいろな候補地の諸条件の調査等がございます。それから、既存の飛行場ではございますけれども、これが果たして――私、素人ではございますが、例えばF4とかF14というような艦載機が着地するとき七万ポンド程度の圧がかかる、これに例えば既存の飛行場の滑走路のコンクリートが耐えるかどうか、こういうのはやはり再調査をしてみないとわからないわけでございまして、既存の飛行場についてもそういう基礎データの再調査というようなことをいたしておるわけであります。
#504
○新村(勝)分科員 六十年度では今までの倍の予算をとっておられるわけですね。この倍になったのはどういう意味ですか。その調査の内容は、これからどういうことが予想されますか。
#505
○佐々政府委員 お答えいたします。
 もしもどこか可能性が出てまいりました場合には、例えば基本計画の策定であるとか設計図の作成とか、こういうのがかかるであろうかということでお願いをいたしております。しかしながら、現時点具体的にどこかの設計図をつくり始めたという段階ではございませんけれども、この六十予算年度内には何らかの進展があった場合、所要の調査費が必要であろうか、こういうことから昨年よりは多い調査費を要求いたしております。
#506
○新村(勝)分科員 そうすると、六十年には今までと違って新しい進展があるであろう、あるであろうというよりは進展をさせたいという気持ちなんですか。
#507
○佐々政府委員 お答えいたします。
 後者の方でございます。願望を持っております。
#508
○新村(勝)分科員 新しい展開をぜひ六十年度でやりたい、させたいということですね。
    〔主査退席、大内主査代理着席〕
 そうしますと、一方では三宅島に一応の焦点を置いているということですけれども、それと同時に関東周辺の可能な飛行場全体についての調査を進めて、とにかく三宅島を含めた候補地の中の一カ所あるいは数カ所を決める、こういうことですか。
#509
○佐々政府委員 お答えいたします。
 その新設飛行場予定地候補地でございますが、これは実は一々公表をいたしておりませんし、その具体名を申し上げますと、また余計な紛争が起こりますので差し控えさせていただいておりますけれども、実は自薦他薦いろいろなところがございます。
 ただ、条件が合わない場合がございます。例えば厚木から百五十キロ以内という米側の要請に合わないとか、滑走路の長さが千八百ないし二千四百、幅が四十五メーター必要でございますが、こういう条件に合わないとか、地域的にはるかかなたの離れ島とか、いろいろなものがございまして、こういうものを調査をいたしておりますので、確かに候補地は複数でございます、先ほど御答弁も申し上げましたが、三宅一本に絞ったということではございませんが、立地条件その他の条件が私どもの立場から言わせていただきますと一番適しておる、こういうことでございます。
#510
○新村(勝)分科員 自薦他薦というのはどういうことなんですか。自薦というのはぜひ来てもらいたいということがあるわけですか。他薦というのは、あそこをやったらいいだろうというそういう推薦があるということですか。その自薦他薦の内容をもう少し詳しくお聞かせください。
#511
○佐々政府委員 お答えいたします。
 やはり皆さん常識的に考えて、無人島がないか、そうすると、探してみると、あそこに無人島があるぞ、こっちにあるぞというようなお話もございます。それから、ちょっと開発がおくれておるようなところでは、自分のところを使わないかというお話がないわけではございません。しかし、百五十キロ以内という条件、関東平野にはなかなかそういう適地がない、こういう意味でございます。
#512
○新村(勝)分科員 そうしますと、自薦他薦を含めて、また防衛庁のおめがねにかなったところ、こういったところを含めて、適地は今何カ所ぐらいございますか。
#513
○佐々政府委員 先ほど申し上げましたように、具体的な地名を挙げるのは差し控えさせていただきたいと思っておりますし、複数候補地があるという程度で御容赦いただきたいと思います。
#514
○新村(勝)分科員 現在、その飛行場の施設からしてすぐに使えるというようなところもあるわけですか。
#515
○佐々政府委員 お答えいたします。
 物理的には使用可能なところはございます。しかしながら、周辺の住民感情あるいは政治情勢、住宅密集地域であるとかあるいはいろいろな事情から社会的には必ずしも適地でない、全く純物理的に言うとすぐ使えるというところはもちろんございますけれども、それを選定するというような軽率なことは慎むべきだと思っておりますし、また名前を挙げることも慎むべきだと思っておりますので、私ども内々に検討させていただいております。
#516
○新村(勝)分科員 そうすると、これは具体的にはお答えできないということでありますけれども、その有力な候補地の中に海上自衛隊下総基地が入っていますか。
#517
○佐々政府委員 お答えいたします。
 具体的な飛行場名についてはお答えをしないということで従来一貫して御辞退をさしていただいておりますので、答弁を差し控えさしていただきます。
#518
○新村(勝)分科員 次に、伝えられるところによりますと、この飛行場は、ミッドウェーの艦載機の訓練場ということですね。ところが、ミッドウェーはかなり長期にわたって改修をするというようなうわさもありますけれども、これは事実ですか。
#519
○栗山政府委員 昨年の暮れごろに今御質問のような新聞報道がございまして、私どももアメリカ側に照会をいたしました経緯がございますが、アメリカは今のところそういう長期の、新聞に報道されましたような、ミッドウェーの長期にわたる改修計画は有していないというふうに承知しております。
#520
○新村(勝)分科員 そうしますと、それはない。
 それから、先般カール・ビンソンが入港しておりますが、カール・ビンソンの母港を日本のどこかに求める、あるいは横須賀なら横須賀に求める、そういうことは予想されますか。
#521
○栗山政府委員 いわゆる母港化というのは具体的には、先生御承知のように、乗組員の家族を居住させるという計画でございますが、これにつきまして、カール・ビンソンとの関連でそのような計画をアメリカが有している、あるいはそういう可能性があるということについては私ども全く承知しておりませんし、当面アメリカがそういう計画を持っておるということはないというふうに理解をしております。
#522
○新村(勝)分科員 ミッドウェーの極東における行動は依然として前どおり続く、それからカール・ビンソンの極東における行動もこれからふえるのではないかというようなうわさもありますけれども、そういう可能性はございませんか。
#523
○栗山政府委員 大変恐縮でございますが、御質問の趣旨がちょっと聞き取れませんでしたので、もう一度御質問をお受けしまして御答弁申し上げたいと思います。
#524
○新村(勝)分科員 ミッドウェーは依然として前どおり極東で行動するということは当然だと思いますけれども、カール・ビンソンが極東においてこれから行動する機会がふえる、そのために夜間訓練の量もふえるのではないか、こういう予想というかうわさがありますけれども、そういう事実があるかどうか、そういう予想がされるのかどうかということです。
#525
○栗山政府委員 艦載機の着艦訓練との関連におきましては、アメリカは現在専らミッドウェーの艦載機との関連で考えておりまして、カール・ビンソンとの関連では、現在アメリカが日本におきまして着艦訓練を行うというようなことは考えておらないというふうに承知しております。
#526
○新村(勝)分科員 それの基地の選定でございますけれども、いずれはどういう形でかこれが決まると思いますけれども、それが決まる段階で地元に対してどういう手続なりをなさるのか、それを伺いたいと思います。
 特に、首都圏の周辺の飛行場、例えば下総基地等の周辺では、何十万という住民の請願が既になされておるわけでありますけれども、こういう現状を十分踏まえていただきたいということ、それから決定に当たってはできる限りその手続等についても住民の意向を尊重する、住民の意思を無視するようなことのないように、強行するようなことのないように特にお願いしたいわけでありますけれども、この点については大臣のお考えをひとつ。
#527
○佐々政府委員 仮定の問題でございますけれども、万が一そういう代替飛行場建設予定地あるいは既存飛行場の利用等、そういう問題が具体化いたしました場合には、先生御指摘のように、地方公共団体、特に県知事さん、周辺の市町村、住民の皆様、これに対して十分計画の概要を御説明をし、メリット、デメリットを十分お話をした上で協議を申し上げ、手続をちゃんと踏んでやりたい、かように考えております。
#528
○加藤国務大臣 このNLPの訓練のために使用する空港となりますことは、それなりにかなり騒音問題等もございますし、住民の皆さん、それからそれぞれの自治体の皆さんと十分理解を進めながらやっていかなければできないことだ、そう思っております。
#529
○新村(勝)分科員 地元の住民の意向を最大限に尊重するということでひとつお願いをしたいわけです。
 それから、次の件ですけれども、日本の近海あるいは日本の領土の問題で、北方領土についてはこれは未解決であります。もう一つ、小さくて忘れられがちでありますけれども、竹島の問題があるわけでありますが、この竹島の現状はどうなっているのか。そして、特に日韓の関係が、先般の大統領訪問等によって親密化しておるわけでありますけれども、この竹島の問題をどういうふうな形で扱っているのか、あるいは処理されようとしているのか。
#530
○後藤(利)政府委員 お答えいたします。
 竹島の現状はどういうことになっているかという御質問でございますけれども、御案内のとおり竹島の、戦後以降韓国側によりまして同島が不法に占拠されている、あるいは各種の施設が構築されているということは、毎年海上保安庁巡視船によります巡視等によりまして確認されているという現状でございまして、大変我々としては遺憾に思っておるわけでございます。
 これに対しまして、私ども政府の立場といたしましては、問題なく北方領土と同じように我が国の固有の領土であるという立場に立ちまして、かつ、あくまでも平和的にこの問題を解決したいということで、外交上の経路を通じまして非常に頻繁に韓国側に注意を喚起し、いろいろと問題を提起しておるわけでございます。
 例えば、昨年だけ見回しましても、七月に安倍外務大臣が韓国へ参りまして外相会談を行いましたとき、あるいは九月にチョン・ドゥホァン大統領がこちらへ参りましたときの外相会談、あるいは十二月にイ・ウオンギョン韓国外務大臣が日本に立ち寄りましたときの外相会談等、あらゆる機会を通じまして、このような韓国側の竹島の不法占拠、あるいは各種の施設の構築というものが甚だ遺憾であるということで、これを申し入れ、しかしながら基本的には、私どもといたしましては何とかこれを平和的に解決していきたい、今後とも粘り強く外交経路を通じて交渉していきたい、こういう立場でございます。
#531
○新村(勝)分科員 そうしますと、政府は機会あるごとにこの問題について、韓国にこの問題の提起をしているということですね。その場合の相手の反応はどうなんですか。
#532
○後藤(利)政府委員 お答えいたします。
 率直に申し上げまして、韓国側は、これはまた韓国側の一つの考え方があるということは申しております。しかしながら、その点では、遺憾ながら問題が必ずしも、具体的な解決の兆しというものは、今までの交渉においては見られないわけでございます。それぞれの立場がある意味では平行線であるという現実は、率直に認めざるを得ません。
 しかしながら、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、本件は我が国の固有の領土である、国際法上も我々の立場が正しいということを主張いたしまして、何とか今後とも平和的に、話し合いで解決していきたい、こういうことでございます。
#533
○新村(勝)分科員 そうしますと、韓国の態度はそういう問題は全く存在しない、そういうことでもないのですね。それは問題の存在は認めているわけですか。認めているけれども、まだ解決の段階に至っていないということですか。
#534
○後藤(利)政府委員 お答えいたします。
 率直に申し上げまして、韓国は、竹島は自分たちの領土であるということをよく申します。しかしながら、とにかく平和的に話し合いはしましょう。御存じのとおり、昭和四十年、国交が回復いたしましたときに、紛争の外交経路による解決という一つの交換公文がございます。これを踏まえまして私どもとしては解決していきたいわけでございますけれども、韓国側の立場は、竹島については自分たちの領土であるということをしばしば主張いたします。これに対しまして、私どもとしてはこれは日本の領土であるという点で、ただいま申し上げましたように、遺憾ながら平行的な問題として存在しておるという事実は認めざるを得ません。
#535
○新村(勝)分科員 今のお話の印象からすれば、そういう問題は全く存在しないということでもないようですから、ひとつ今後十分頑張っていただきたいと思います。
 それから、時間がありませんけれども、国連総会の第一委員会で日本は、核の先制不使用を要求する決議案、これに反対をいたしておりますね。その理由、根拠はいかがですか。
#536
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の核先制不使用に関する決議案、昨年の国連総会ではキューバ、東独、ハンガリーが提案いたしたものを指しておられると存じますが、この決議案には我が国は反対投票をいたしております。
 我が国は、核兵器が実際に使用されることがあってはならないと願っておりまして、この目的に資するあらゆる実効性があり、遵守が確保される具体的核軍縮措置を講ずべきであると考えておりますが、核の不使用は効果的な検証を伴った核兵器の削減という具体的措置のない限り実効性が保障されず、核不使用という宣言的約束のみのものには賛成できないとの基本的立場を持っております。
 また、核兵器の先制不使用につきましては、世界の平和と安全が通常兵器と核兵器の総和のバランスにより維持されているという現実の国際情勢がございます。核の先制使用禁止を定めますことは、この国際的な軍事バランスを不安定化し、かつ平和と安全に好ましくない影響を及ぼすという立場から、先生御指摘の決議案には反対いたしておるわけでございます。
#537
○新村(勝)分科員 大臣にお伺いいたしますけれども、日本はアメリカの核のもとにあるということですか。そういうお考えですか。
#538
○加藤国務大臣 核の抑止力につきましては、私たちはアメリカの核の抑止力によっているということは事実だと思います。
#539
○新村(勝)分科員 そうすると、日本は核の抑止力を信じてアメリカの核の傘のもとにあるという御認識ですか。
#540
○加藤国務大臣 現在の国際政治の中で核の抑止力が機能いたしているということは、残念ながら厳しい現実であろうと思っております。
#541
○新村(勝)分科員 ですから、核の抑止力のもと、核の傘のもとに日本はあるんだという御認識ですね。
#542
○加藤国務大臣 委員御指摘のように、日本はアメリカの核の抑止力の中にあるということは事実だと思います。
#543
○新村(勝)分科員 その御認識である。そうすると、日本の最大の国是である非核の原則とその認識とは矛盾しないでしょうか。
#544
○加藤国務大臣 これは所管は外務省、ないし外務大臣からお答えすべきことだと思いますが、私は、矛盾しないで現在行われておると思っております。
#545
○新村(勝)分科員 核の抑止力あるいは核の傘というのは、これは現実の核の影響力、抑止力、そのもとにあるわけですから、これは明らかに理論的には、現実の問題としても核との関係があるわけですね、核の力のもとにあるということですから。そうすると、非核の政策と明らかに矛盾すると思いますけれども、どうなんでしょう。
#546
○栗山政府委員 従来から政府が御答弁申し上げておることでございますけれども、政府といたしましては、我が国の安全は自衛力とともに日米安保条約というものによってもたらされる抑止力というものによって確保するというのが、政府の基本的な安全保障政策であるというふうに承知しております。そのアメリカの核を含みます抑止力というものは、当然のことながら先ほど防衛庁長官が御答弁になりましたとおりのことでございますが、他方、それを我が国の中に核兵器を置かずにそういうアメリカの核抑止力というものを確保するということは別に矛盾するものではないということは、これまた従来から政府が御答弁申し上げておるとおりでございます。
#547
○大内主査代理 新村勝雄君に申し上げます。質疑時間が既に経過しておりますので、ひとつ御協力願います。
#548
○新村(勝)分科員 では、大臣の認識はわかりました。そうすると、その認識のもとに事態が推移すると、それは戦時の場合には当然核の戦場になってもやむを得ない、こういうことになってまいりますけれども、そういうことになった場合の非核政策との矛盾、それからそういう認識からそういう事態が発展していくのだという過程、そこらはどうお考えですか。これが最後です。
#549
○加藤国務大臣 これはまさに外務省の所管でございますが、有事の際におきましても、私たちは非核三原則を守るというのが政府の従来の立場であったと思います。
#550
○新村(勝)分科員 終わります。
#551
○大内主査代理 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、小澤克介君。
#552
○小澤(克)分科員 山口県の岩国市にあります米海兵隊岩国航空基地の沖合移設の調査の関係につきまして、防衛施設庁当局にお尋ねいたします。
 まず最初に、来年度六十年度予算でおよそ一億六千二百万円ばかりの調査費が計上されておりますが、これはどういう調査内容を予定しておられるのか、またその予定調査内容別に、どのような振り分けといいますか予算内容になっているのか、お尋ねいたします。
#553
○宇都政府委員 お答えいたします。
 昭和六十年度の予算は、五十九年度に引き続き、今後沖合移設を実施する場合に必要となる環境影響評価に係る基礎調査及び基本計画の策定等の経費を計上しております。基礎調査の内容は、海象、海の気象でございますが、それから気象、騒音の調査、それから基本計画の策定等は平面計画あるいは工法の検討でございまして、個々の金額の内訳は、現在予算審議中でございましてまだ最終的に確定しておりませんので、御説明を控えさせていただきたいと思います。
#554
○小澤(克)分科員 まず環境影響評価基礎調査とおっしゃいましたが、これは具体的にもう少し細かく教えていただけますか。今、海象及び気象というのがございましたが、ほかにはどのような項目でしょうか。
#555
○宇都政府委員 六十年度に行います環境影響評価に係る基礎調査、大きく分けまして自然条件それから経済社会的条件という二つございますが、自然条件の方は、まず海象としまして潮流あるいは波浪、水質、漂砂等の調査でございます。気象の方につきましては、気温、風向、風速、湿度、降雨量等でございます。その他大気質それから動植物の調査等も行うことにしております。経済社会的条件の点では、航空機騒音について検討することになっております。
#556
○小澤(克)分科員 この環境影響評価基礎調査ということになっておりますが、そうしますと、現在進行しているあるいは来年度行うのは、評価それ自体ではなく、その評価のためのさらに基礎的な資料の収集、こういうことになりましょうか。
#557
○宇都政府委員 お答えいたします。
 先生おっしゃられますように、基礎調査と申しますのは、環境影響評価に係る資料としまして、いろいろのデータを集める。資料の収集は五十八年度あるいは五十九年度に行いましたので、六十年度は一部観測等もございますが、実際の環境影響評価調査は、実施する場合には、後年度まとめて行うということになる予定でございます。
#558
○小澤(克)分科員 この環境影響評価基礎調査については、既に現年度、五十九年度それから五十八年度からでしょうか、行っておられると聞いておりますが、これまでの調査事項及び調査実績についても教えてください。
#559
○大原政府委員 お答えいたします。
 五十八年度、五十九年度に行いました岩国沖合移設のための基礎調査でございますが、飛行場の東側の海面を埋め立て、滑走路約千メートル移設する場合に必要となる環境影響評価に係る基礎調査のうち、地象、海象及び気象などの調査を引き続き実施しており、現在まだ調査中でございます。したがいまして、結果についてはまだ公表できる段階にはございません。
#560
○小澤(克)分科員 地象、海象等の調査とおっしゃいましたが、我々素人には具体的なイメージがわかないものですから、具体的にどんな作業をやられたのか、ボーリングとかそういったことをやられたんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#561
○大原政府委員 お答えいたします。
 地象と申しますと、土質ボーリングあるいは海底の底質土の調査。それから気象と申しますと、温度、湿度、風向、風速などの調査でございます。また、海象と申しますと、潮流の調査あるいは水質調査、漂砂の調査あるいは波浪の資料収集でございます。そのほか動植物といたしまして、底生生物それから海洋動植物あるいは陸上動植物の資料収集とか、そのほか大気質の調査、騒音、振動等の資料収集等でございます。
#562
○小澤(克)分科員 大変丁寧なお答えありがとうございます。
 この環境影響評価の基礎調査は六十年度で一応終了の予定だと聞いておりますが、そのとおりでしょうか。
#563
○宇都政府委員 先ほど申し上げました六十年度予算の中でこの基礎調査の方は終了いたしたいと考えております。
#564
○小澤(克)分科員 そうしますと、引き続いて今度は、そのようにして収集された資料に基づく評価作業それ自体に進む、こういうことになるわけでしょうか。
    〔大内主査代理退席、主査着席〕
#565
○宇都政府委員 先ほど申し上げましたように、評価作業は、今後環境影響評価調査、いわゆるアセスのまとめた調査を行った後で作業に入りますので、現在の基礎資料がそのときのいろいろなデータにはなりますが、まだこの基礎資料で評価ができるというものではございません。
#566
○小澤(克)分科員 そうしますと、いよいよ評価作業に入る前にどのようなプロセスが予定されるのでしょうか。
#567
○宇都政府委員 まず六十年度予算の中にございます、先ほど申し上げました基本計画の策定というものがございますが、この内容になっておりますような平面計画あるいは今後埋め立てを進めていく上での護岸等の工法の検討、六十年度はそれの設計を考えておるわけでございますが、そういう検討を重ねた上で実施の方法を次第に詰めていくということを考えております。
#568
○小澤(克)分科員 そうしますと、基本計画策定等を行ってその後にまた影響評価の方に戻る、こういうことになるわけでしょうか。
#569
○宇都政府委員 六十年に行います基本計画の策定、さらにその結果に基づいて試験工事等実施しまして、その結果埋め立ての工法等が決まれば環境影響評価調査の種々のデータを出すことになるわけでございますが、その環境影響評価の方法といいますか、内容になってまいりますので、そういう作業が終わった後で評価に入るということになります。
#570
○小澤(克)分科員 わかりました。
 それでは基本計画策定の方に入ってお尋ねいたします。
 基本計画を策定するというのですが、そもそも何についての基本計画なんでしょうか。これは移転そのものの基本計画なんでしょうか。先ほど何か平面計画及び工法ということをおっしゃいましたが、その具体的内容を教えてください。
#571
○宇都政府委員 六十年度に予定しております基本計画の策定の内容でございますが、平面計画としまして飛行場の附帯施設等の移設対象施設について調査を行う、さらに基本平面図を作成する、それから工法の検討でございますが、これは埋め立て等の施工のための土質調査あるいは工法試験のための設計図の作成というものが内容になっております。
#572
○小澤(克)分科員 平面計画の方は、沖合に移設したらどういう基地がどういう形になって、どの範囲を埋め立てて、どこに滑走路を置いてどこに移転対象の施設を置き直すのかという具体的な青写真をかく、こう理解してよろしいでしょうか。
#573
○宇都政府委員 詳細な実施設計ではございませんが、その実施設計等に入る前のいわゆる基本的な平面図という意味で、先生おっしゃられましたような滑走路の位置とか移設する工作物、建物等の場所とか、それからもちろん護岸の位置、そういうものが一応概要図といいますか基本図みたいな形で決まっていく図面でございます。
#574
○小澤(克)分科員 次に、土質調査及び調査の設計と今たしかおっしゃいましたが、調査の設計というのは我々素人にはちょっとわかりにくいのですが、調査に関して何らか設計図を描くといいますか設計を行うということがあるのでしょうか。
#575
○宇都政府委員 工法の検討のための試験施工ということでございまして、工法といいますのは、どういう埋め立てをやるか、どういう護岸をつくっていけば今後の埋立工事の上で有効であるか、効果的であるか、それから土質をどのような処理すれば埋め立てが有効に行えるかというような意味で、土質の調査あるいはその工法試験のための護岸の設計図、そういうものを作成することにしております。
#576
○小澤(克)分科員 そうすると、今のはあくまで調査のための各種手法等を設計する、こういうことにとどまるのでしょうか。それとも具体的な移設そのものについての何らか工事計画等を既に設計される、そこまで踏み込むのでしょうか。その区別を明らかにしてください。
#577
○宇都政府委員 工法の検討でございますが、工法といいますのは埋め立ての工法でございますが、その工事の試験方法の設計でございます。どういう埋め立てをやったらいいか、工法の検討をするための設計図をつくるということでございます。
#578
○小澤(克)分科員 あくまで試験を行う手順等について具体的内容について設計するんだ、このようにお聞きして間違いないだろうと思いますが、具体的にどういうことをやるのでしょうか。私、ちょっと漏れ聞いたところでは、五十メートル四方くらいの護岸をつくってみて、実際に土を積んでみて、どの程度沈下するかとか実際にやる、その設計をするんだということですが、そういった御予定でしょうか。
#579
○宇都政府委員 埋め立ての試験工法でございますが、今先生おっしゃられましたように護岸を五十メートル四方くらいつくりまして、そこを埋め立てる試験をやるわけでございます。どういう形の、どういう構造の護岸をつくったらよいかということ、それから埋め立てる土質をどのように固めていく方法をとったらよろしいかというような検討のための設計図になります。
#580
○小澤(克)分科員 そこで、移設計画そのものについては、どの程度具体的なものをお持ちなんでしょうか。
#581
○宇都政府委員 五十六年度までに予備的な基礎的な調査をやりまして、五十七年度に沖合移設の目的であります騒音緩和と、それから航空機あるいは周辺の方々の安全という意味とを経済的、効率的に考えた案としまして、滑走路を東側に千メートル移す、それに伴って、海面を埋め立てるということになるわけでございますが、そういう東側の海面を埋め立てて、滑走路を千メートル移設する、移動させるという構想でございますが、先ほどから申し上げておりますように、まだ平面概要図といいますか、本当の素案みたいなものがあるだけでございまして、実際に設計図もまだ固まっておりません。そういう状況でございます。ですから、中身について詳しく、こういう形で進めるんだというような内容まではいっておりません。
#582
○小澤(克)分科員 そうしますと、先ほど、平面図も実際にかくんだというお話だったんですが、これはあくまで調査ということにとどまるわけでしょうね。現実の計画であり、計画図である、こういうことではないんでしょうか。そこはちょっと念を押したいんですけれども。
#583
○宇都政府委員 作成されます平面概要図、基本平面図といいますか、そういうものが今後試験工事等が行われて、だんだん固まって、煮詰まっていきますと、基本設計になり、それからさらに実施が決まれば、実施設計になりということでございますので、まだ図面としては、段階を踏んで進んでいくワンステップを踏んでいるわけでございますが、いわゆる最終的な実施設計というような性格のものではございません。
#584
○小澤(克)分科員 それから、先ほどの環境影響評価の点でございますが、これは基本計画策定等が先に行われるということですが、その後に、いよいよ環境影響評価作業に入った場合に、どの程度の日時といいますか、年数を要するものなんでしょうか。
#585
○宇都政府委員 環境影響評価の予測の調査でございますが、まだ実施年度も、それから実施期間も明確になっておりませんが、海洋、海の関係の調査でございますので、それなりに時間がかかるかと思います。
#586
○小澤(克)分科員 関西国際空港の例でも、何か三年ぐらいはかかっているとかいうことなんですが、同程度はかかるというふうに認識して間違いないでしょうか。
#587
○宇都政府委員 先ほども申し上げましたように、確かな期間は私の方もまだわかりませんが、そういう環境影響評価調査をやるために、基礎資料の収集を五十八年度からやってきておりますので、そういう意味では、あるいは多少短縮できるかもしれない。しかし、そういう資料をもとに、どの程度期間が必要な調査をやらなければならぬかということについては、確たる計画は今固まっておるわけではございません。
#588
○小澤(克)分科員 先ほどお尋ねしました、何か五十メートル四方ぐらいのを実際にやってみるんだというようなことも漏れ聞いておるのですが、まずこれは事実なんでしょうか。それから事実だとして、それは即、実際に移転工事を行う場合の工事につながるようなものなんでしょうか、あるいはそれとは全く別の単なる試験のためのものにすぎないのでしょうか、いかがでしょう。
#589
○宇都政府委員 お答えいたします。
 移設を進めるための試験工事でございますので、この試験工事を行うことによりまして移設の事業が進んでいくというためのものでございます。
 先生お尋ねの件は、その護岸が移設のために使われるものかという御趣旨だと思いますが、設置場所によりまして、その五十メートルつくった護岸の一部が利用できることもあり得ると考えております。
#590
○小澤(克)分科員 移設調査についてずっとこれまで伺ってきたのですが、移設そのものについては防衛施設庁としてどういう見通しを持っておられるのでしょうか。
#591
○佐々政府委員 お答えいたします。
 先ほどの説明の中に資金計画というのが一言入ったかと存じますけれども、このプロジェクトは現時点においても恐らく二、三千億というオーダーの予算を要する巨大な規模の工事であります。防衛施設庁の予算が年間三千万でございますので、資金計画、これは例えば民間活力の利用とかいろいろな議論も今出ておりまして、非常に巨額な予算を要しますので、これについては施設庁限りで何年ぐらいでできるということを申し上げられる立場にないということを御理解いただきたいと存じます。
#592
○小澤(克)分科員 次に、この岩国基地の関係で、この移設調査以外に何らか設備拡充に連なるような予算が、来年度予算について計上されておりますでしょうか。
#593
○宇都政府委員 来年度予算に計上しております一億六千二百万でございますか、これはあくまで先ほど申しました調査のための経費でございまして、先生がおっしゃるような防衛施設をつくるような経費はその一億六千万の中には含まれておりません。
#594
○小澤(克)分科員 今の一億六千万の枠以外に、ちょっと漏れ聞いておるところでは、俗に思いやり予算と称するのが何か六百億ぐらい、昨年と同額ぐらい計上されていると聞いているのですが、これはどういう内容なんでしょうか。
#595
○佐々政府委員 お答えいたします。
 思いやり予算は提供施設整備に関する全予算額でございまして、この沖合移設は施設移転、リロケーションという予算の科目になっておりまして、これは別でございます。
 それから、この機会に訂正させていただきますが、先ほど三千万と私申し上げたようでございますが、三千億でございます。失礼いたしました。
#596
○小澤(克)分科員 伺っているのは、別枠だということは承知しているのですが、岩国基地について思いやり予算六百億がついていると聞いているのですが、この内容はどういう予定なんでしょうか。
#597
○宇都政府委員 岩国飛行場の提供施設整備の内容でございますが、経費としましては昭和五十四年度から五十九年度までの間に家族住宅三百戸、金額にしまして約八十六億円、隊舎十一棟、金額にしまして約八十一億円、それから消音装置などの環境関連施設につきまして約三十一億円、その他販売所などの施設でございますが、それらの施設につきまして約三億円、合計しまして約二百一億円の予算が計上されております。
#598
○小澤(克)分科員 そうしますと、一方で移転のための調査を行いながら、そのための予算も継続しながら、他方でいろいろ現在の基地の設備を充実させていくということは若干釈然としない点があるのですが、その辺どのような整合性があると考えておられるのか、いかがでしょうか。
#599
○宇都政府委員 岩国飛行場の沖合移設につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、かなり事業規模も大きゅうございますし、工事の方法としましても大変期間を要する内容の事業かと思います。一方、岩国飛行場の現況から申しますと、米軍の軍人軍属の家族住宅が老朽化しているとか、あるいは不足している、それから基地の施設に緊要性のあるもので整備を必要とするものがあるという事情でございまして、移設計画とは別個にそういう必要な施設の整備を行っているところでございます。この施設整備が移設との関連におきまして全然別の計画ということでもなく、飛行場全体の機能としては一体となっていかれるものだと考えております。
#600
○小澤(克)分科員 終わります。
#601
○伊藤主査 これにて小澤克介君の質疑は終了いたしました。
 次に、大内啓伍君。
#602
○大内分科員 お疲れのところ恐縮でございます。私は、F1支援戦闘機の後継機問題及び三宅島の問題について質問をいたします。
 佐々さん、ちょっと待ってください。早く帰りたければ先にやりましょうか。でも、防衛庁長官を待たせては悪いでしょう。用事があるのですか。(佐々政府委員「いえ、ございません」と呼ぶ)本当はF1を先にやりたいのですが、どちらでもいいです。三宅島を先にやりましょうか。防衛庁長官、いいですか。(加藤国務大臣「大丈夫です」と呼ぶ)そうですか、恐縮です。
 それでは、大分やられたと思うのでございますが、このところの予算審議の中でも、三宅島における基地建設については防衛庁あるいは施設庁としては希望している、こういうお話がございましたが、現地の議会筋あるいは島民には非常に強い反対がなお根強くあることは御存じのとおりでございまして、そういう中でなお施設庁としては、あるいは防衛庁としては、米艦載機の離着陸訓練基地として三宅島が重要である、あるいはその他の代替地といいますか、代替基地といいますか、代案といいますか、そういうものについてはどういうふうに御検討されているか、まずお伺いをいたします。
#603
○佐々政府委員 お答えいたします。
 既存の飛行場の利用に関しましてはいろいろと調査をいたしておりますが、なかなか地元の反対がそれぞれきつうございまして、現時点で適地を見出すに至っておりません。
 新設飛行場予定地でございますけれども、先ほど来御答弁申し上げておりますように、複数の候補地の検討はここ何年来やっておるわけでございますが、現時点におきましては、厚木から百五十キロ以内であること、それから海岸部に飛行場を新設した場合に旋回コースが海上になりますので騒音問題あるいは安全性の問題が非常に適しておるということ、その他から三宅島が最も適した候補地であるという考え方を持っております。そういうことのほかに、もう一つは、浮体飛行場工事という可能性も検討はいたしておりますが、これは正直に申し上げまして、世界で初めての試みのようでございまして、三百メートルくらいの空母みたいなものがあればいいのかと私も最初思ったわけでございますが、要求性能が千八百メートルないし二千四百メートルでございまして、そうなりますと、いわばミッドウェーのような大型の浮体滑走路を十個ほどつくってつなげるという至難の作業に相なりますので、技術的になかなか問題が多かろう、こういうことで、現在鋭意努力はいたしておりますけれども、結論を見るに至っておらないという段階でございます。
#604
○大内分科員 そうしますと、今の段階では、三宅島以外にはないと防衛庁長官もお考えですか。
#605
○加藤国務大臣 三宅島以外にないというところまで断定はいたしておりませんけれども、種々の条件から見て、三宅島が最も適した地点であると考えております。
#606
○大内分科員 私も三宅島に行っておりますが、三宅島の島民の皆さんが最も心配している点は、もちろんたくさんあるわけですが、大きく言いますと三つぐらいございまして、一つは、そのことによって三宅島の基地というのが米軍の基地化されるきっかけになるのではないかということ、二つ目に、ひどい騒音によってこれまでの静かな生活というものがめちゃめちゃになるのではないだろうかということ、三つ目には、島の周辺及び幾らか行った近海、漁業に依存している島漁業に甚大な損害を与えることになるのではないか、お聞きしておりますと、この三つぐらいが主たる心配事項なんですね。ですから私は、もし島民の皆さんの理解を防衛庁なり施設庁が求めるとすれば、そういう三点について明確な所見といいますか、そういうものを明らかにする必要がある、そしてできれば、そのことをじかに島民の皆さんにお伝えすることが必要だと思うのです。その三点についてはどういう見解をお持ちなんでしょうか。
#607
○佐々政府委員 お答えいたします。
 まず第一点の、米軍基地になるのではないかという御懸念は、先ほど大臣も御指摘になっておられましたが、本年一月二十八日付の東京七島新聞という新聞に、三宅島の新しい村長さんが、反対理由を六つ挙げて寄稿しておられます。この文章の中に、このままNLPを受け入れると、ちょうど金武町の殺人事件というようなことも引用しておられまして、治安状態が悪くなる、それから軍用自動車が走り回って交通事故が起こる、鉄条網を張りめぐらした基地ができて、そこに剣つきの鉄砲を持った歩哨が立つ、こういう軍事基地化するんだ、こういうのがございますが、大変な誤解でございます。行政の責任者である村長さんがこういう誤解をしていらっしゃるということで、私どもは何とか御説明する機会を持ちたいと言い続けているのはそういう理由でもあるわけですが、米軍の基地として提供するという考え方は全くございません。現在考えておりますのは、二千メートル滑走路を有する官民共用ジェット飛行場でございまして、昼間は観光客を乗せた旅客機が飛ぶ。ミッドウェーが横須賀に帰港した年間五十日から七十日くらいの間夜間三時間程度訓練だけやりまして、飛行機はまた厚木に帰ります。したがいまして、米軍基地化する、あるいは米軍の兵士が常駐するということは絶対にございません。
 二番目の騒音でございますが、もしも三宅島の海岸部に新設をしたといたしますと、場周経路、旋回コース、これは海上に相なりますので、従来より六十日間くらい夜若干やかましくなるという騒音問題はございますが、島の上を旋回して回るということはございません。この騒音問題につきましては、障害防止工事等を十分配慮させていただぎたいと考えております。
 漁業の問題でございますが、騒音による漁業の影響が出るか出ないか、これは当然環境影響調査をやってみればわかることでございまして、出た場合には当然補償対象といたしますが、例えば射爆撃訓練などいたしません。離着陸の訓練だけでございますので、周辺の魚群にダメージを与えるということはない。ただ、騒音によって漁獲量が減るということがあるかないか、これは十分調査をいたしまして、その補償は行う準備がございます。
#608
○大内分科員 私は新島もよく拝見しているのでございますが、あそこには御存じのようにミサイル等の射爆場がございます。しかし、これは非常に限られた期間だけやられますので、割合島の平和というものは守られていると思うのですね。私は三宅島の場合でも、例えば漁業の問題にしましても騒音の問題にしましても十分防衛庁なり施設庁なりの方針が行き渡ってない。もちろん説明会も開かれてないわけですからね。ですから、やはりその辺の安心感を与えるということが非常に重要な課題になってきていると思うのです。そういう島民との対話という問題については、どの程度の可能性が今出てきているのでしょうか。
#609
○佐々政府委員 お答えいたします。
 まず村当局でございますが、昨年の十一月新しい村長が選挙によって選ばれまして、上京されごあいさつに見えた際に、そういうお話し合いの機会あるいは説明会をつくっていただきたいという申し入れをいたしましたが、これは拒否されております。また、村議会でございますが、反対決議をいたしたままになっております。
 しかしながら、一部の方々の間には、反対は反対という姿勢をとるにせよ、施設庁の言い分を聞いてみようという動きが出ているやに承っております。また、一部の賛成派と言われる方々が説明会を要求していらっしゃるという情報もございますが、私ども一応村当局、あるいは少なくとも村議会、この二つが反対していらっしゃいますので、この方々から御説明の要求があれば、地方自治体の責任者あるいは地方議会、この説明要求にはいつでも応じたい、こういう姿勢で待機をしておるところでございます。
#610
○大内分科員 すべての島は、平和で静かで、そして今までのような環境をいつでも維持したいと念願していると同時に、島の皆さんは他の島以上に自分の島が発展したいと願っているのですね。そのためにいろいろなプロジェクトもお持ちなんです。ですから、政府として広い意味での日米関係というものを円滑に進めるために、一つの島に対してある一定の犠牲といいますか、協力というものを要請する以上、島の持っているいろいろな計画について、これは防衛庁だけで決められることではなくて、政府全体の問題だと思うのです。しかし、やはり防衛庁長官あたりが努力をされる必要があると思うのですが、そういう島全体が持っているいろいろな計画をさらに円滑に、さらに前進的に推進できるような代償措置という問題についても、もっと前向きに考えて提示するということが大事なんじゃないでしょうか。そういうお考えはありましょうか。
 これは、これから三宅鳥の皆さんがこの問題を考える上でも非常に重要なポイントになってくると思うのです。これをやってやるからこれをやってくれというような、そういう損得的なそろばん勘定で申し上げているのではないのです。しかし、島というのは発展させなければならぬ。こういうものが導入されることによって島というものが衰微していくというような状況はだれも容認することはできない。しかし、一方においてそういう犠牲を払うかわりにこういう代償措置が講じられることによって島の発展というものにもこの問題はむしろ寄与した、後世にそういう実績を残すということが島民の皆さんの判断のしどころになってきているのではないかと思います。これは、むしろ防衛庁長官が総理や大蔵当局とも十分話し合いながら、あるいはこれは建設省も関係があります、環境庁も関係があります、そういう総合的な政策というものを提示していくということがこの問題の解決に役立つかもしらぬ、私はそう思っておりますが、いかがでしょうか。
#611
○加藤国務大臣 今度のNLPの問題の解決は、日米関係のためにも私は非常に重要な問題であろうと思っています。防衛庁長官として現在抱えている幾つかの仕事の中で、最も重要なプライオリティーを与えていかなければならない仕事だと私は認識いたしております。
 その問題の解決のためには、本当に島民の人たちとじっくり腹を割ってお話を申し上げたいと思いますし、そのお話し合いをするときに、ある程度の御協力を願う、犠牲を払っていただくことによってどのようなメリットとデメリットがあるか、それを率直に話し合わなければならぬと思っております。その際に、どのようなことを私たちがなし得るか、それはなかなか役所ベースではできないようなこともあろうと思いますけれども、私も政府部内にあってそれぞれの所管の大臣に政治的にいろいろ御協力願うことによってそれなりの話し合いができるように、その点につきましては最大の努力をしたいと思っております。ただ、その際できるだけまず最初にお会いする、話し合いするということが一番大切な糸口だと思っておりますので、その辺につきまして精いっぱい今努力しているところでございます。
#612
○大内分科員 私は、島民の皆さんが施設庁や防衛庁と話し合うという気分を持つためには、今私が申し上げたような問題が直接間接に島民の皆さんに伝わっていくということが割合重要になってきている、そこがむしろキーになってきているのではないかなと思いますので、その辺は十分慎重にお考えをいただきたいと思うのです。
 それから、もう一つ重要な問題としましてタイムリミットの問題があるのです。これは日米関係でも今までもずっと引き延ばしてきたような感じになっておりまして、何月何日までというようなものではないと思うのですけれども、しかし、おのずからそこにこの問題を解決しなければならぬタイムリミットというものがあると思うのです。この辺はどういうふうにお考えでしょう。
#613
○佐々政府委員 お答えいたします。
 私どもといたしましては、一日も早くそういう話し合いの機会、説明会を持ちたい、それによって御理解、御納得いただければ少しでも早くいたしたいという考え方を持っております。別にアメリカ側から何月何日までにどうしてくれというお話はございませんけれども、日米間の重要懸案事項でございまして、先生御指摘のように今日まで遷延してきておりますので、なるべく早くそういう機会を得たいと考えております。
 それから、民生安定助成事業につきましては周辺整備法がございますので、一応官民共用のジェット飛行場と申し上げまして、昼間は観光振興のための旅客を運ぶことができるわけですが、多分二4(b)提供ということで、米軍の訓練用飛行場ということでこれを使用していただくわけですが、そうなりますと当然周辺対策事業が法的に許される、道路の改修あるいは公民館その他いろいろな事業が可能になってまいりますので、そういう点についてはほかの基地の周辺で行っておる事例等を具体的に御説明をさせていただく機会を得たいと考えております。
#614
○大内分科員 必ずしもことしじゅうに決着を見なければならないということではないということですか。
#615
○佐々政府委員 お答えいたします。
 今年当初におきまする日米首脳会談で、この問題、三宅という名前は出ておりませんが、NLP問題の早期解決についてレーガン大統領から御発言があったということを私ども承知をいたしております。大統領がこういう問題に発言をするということは非常にそれなりに大きな重みがございます。私どもといたしましては、できるだけ早く何とかいたしたい、本年中にできるならば本当にありがたいと考えております。
#616
○大内分科員 じゃ、佐々さん、いいです。あしたのために休んでください。
 恐縮です、防衛庁長官。
 それでは、F1後継機問題をお伺いいたします。
 御存じの方もあると思うのでございますが、私はこれまで短SAMであるとかあるいはパトリオットといったような問題について幾つかの警告を事前に発してまいりまして、後になってお考えいただいておわかりのように、私どもの指摘にはある程度の根拠があったということは御理解いただいていると思うのであります。そういう見地に立って、実はF1の後継機問題について申し上げたいと思うのでございますが、このF1は今何機、何を目的としてどこに配置されていますか。
#617
○矢崎政府委員 F1は、現在六十年度の完成時勢力で申し上げまして手元の数字で申し上げますと六十八機でございまして、三沢に配備をいたしておりまして、この目的とするところは対地支援戦闘機能を持たせるということでございます。
#618
○大内分科員 五六中業、つまりこれは最終年度六十二年度でございますが、F1の減耗を補充するために二十四機の支援戦闘機の機種選定をすることになっているというふうに思いますが、間違いありませんか。
#619
○矢崎政府委員 先ほどの御答弁、ちょっと補足しますが、三沢と築城でございます。
 それで、五六中業におきましては、御指摘のとおり、支援戦闘機部隊の後継機種の選定についても検討するというようなことを予定を一応した経緯がございまして、五六中業の中では機数として二十四機を計上をした経緯はございます。五六中業についてはそういうことでございますが、その後現在の状況は若干の変化があると思います。後でこれはまた、
#620
○大内分科員 どういう変化がありますか。
#621
○矢崎政府委員 現有の支援戦闘機でございますF1型機につきましては、かねて五十七年から五十九年にかけまして疲労状況等の調査を実施をしてきたわけでございます。これは耐用命数を確定するための作業でございまして、その作業の結果といたしまして、耐用命数が、当初三千五百時間というふうに見込んでおりましたのが、四千五十時間にまで延長されるという結論を得たわけでございます。
 こういうことに伴いまして、このF1型機の減勢の開始時期というものが、五六中業の作成当時の見積もりでございます六十年代の後半という時期から昭和七十年代の前半の時期まで延期されるという見込みが確実になってきたわけでございます。そういうことになりますと、F1の後継機の取得時期までには約十年のリードタイムが可能になるというふうな状況が出てきたわけでございます。それで、そういったような状況の変化が一つございますが、他方、現有の支援戦闘機の数量というものが、当初私どもが想定していたものに対してまだ不足をしているということも、これまた事実でございます。
 そこで、今後五九中業でどうするかという問題でございますが、今申し上げましたような事情を種々勘案いたしまして、慎重にその取り扱いを現在検討しているところでございますけれども、まだ現在の時点では具体的な結論を申し上げる段階にまでは至っていないということでございます。
#622
○大内分科員 昨年来、航空幕僚監部のあたりで、F1の後継機を国産にしたい、きのうも防衛庁長官がその可能性を示唆されたというふうに伺っておりますが、そういう意向が高まりまして、一九九三年ごろですか、新国産機が導入されるまでそのF1の延命再評価をしたい、今その問題にかかわることをお話しになったのですが、そしてこれを五九中業で結論づけたいというふうな意向だと聞いておりますが、事実でしょうか。
#623
○矢崎政府委員 この自衛隊の装備をどういうもので充当していくかという問題につきましては、もちろん国産の可能性も一般的には検討すべきでありましょうし、それから輸入なりライセンス生産なりという外国の機種を導入する問題も検討すべきでありましょうし、一般的に幅広く検討をする必要がある問題だろうというふうに私どもは考えております。
 本件F1の後継の問題につきましても、そういう一般的な意味では同様の考え方をとっているわけでございまして、国産が可能で、かつ、それが性能がよくて費用対効果も一番いいというふうな判断があるというようなことがありますれば、それは当然そういう道もあると思いますが、しかしながら比較検討した結果、いややはり外国機種の方がいいということであれば、当然そういう方向にいくべきでありましょうし、そこの辺は幅広く検討する必要があると思っております。
 そこで、本件F1の後継の問題につきましては、ただいま申し上げましたようなリードタイムが生じたという事情もございまして、国産の可能性を検討するということもできるような状況が出てきたことは事実でございます。したがって、今の時点は、果たして日本で国産をすることが可能であるかどうかという面の技術的な検討をまずやってみようではないかということで作業を始めているところでございます。これはあくまでも機種選定作業そのものではなくて、その前段階におきましての国産の可能性自体の技術的検討という位置づけになっておるものでございます。したがいまして、これはまだ国産に踏み切ったとかなんとかいうものでは全くございませんで、いろいろな選択肢のワン・オブ・ゼムの一つの可能性を今探っておるということでございます。
#624
○大内分科員 私はそれを聞きまして幾らか安心をしたわけなんでございますが、例えば国産というものを前提にしてF1の延命措置といいますか、延命再評価といいますか、という問題が考えられているようですが、例えばF104の場合は、六十年度で全機使用停止ということになりますね。私はF104というのは相当すぐれた飛行機の一つだと思っておりますし、F1以上のもの、もちろん多少目的は違いますが。F104の場合は、これはまだ寿命があるのですよ、まだ寿命がありながら六十年度で使用停止にする。F1についてはいろいろ性能上問題があるのにその延命、再評価をやるというのはどういうことですか。何かちぐはぐじゃないですか。
#625
○山田(勝)政府委員 一般的に固定翼航空機の耐用命数というものにつきましては、まずその運用の当初におきまして設計要求値あるいは疲労試験結果というものによりまして暫定的に決めているわけでございます。そして、その後当該航空機を相当程度運用いたします段階におきまして、実際の運用実績に基づく補正をいたします。そして最終的な耐用命数として確定することといたしているわけでございます。
 ただいまのF104の場合におきましても、昭和五十年に確定いたしましたものが二千九百六十時間ということで、当初よりも多少伸びております。
 今回のF1の場合も、純粋にそういうプロセスを経ました結果、ただいま防衛局長御説明のように三千五百時間という当初の暫定数値から四千五十時間というものになったわけでございます。この間合計いたしまして二千四百飛行時間というものを荷重頻度計測というものでいたしましてこの結果と相なったわけでございます。
#626
○大内分科員 私は、今度のF1の延命措置というのが国産機へつなげていきたいという一つの意図に基づく面があるのではないかということを非常に心配しています。つまり、例えば五六中業では二十四機の減耗を補てんするために新しい機種の選定をやろうと言ってきた。しかし、よく調べてみたらF1の延命が可能であるということになって、そしてそれを新国産機種につなげていきたい、そういう意図でそういうものが行われるということになりますと、これは防衛政策上非常に重要な問題がある。つまり、欠陥のあるものをつなぎに持っていこう、これは防衛政策上許されないことだと思います。
 私は、主要兵器の国産化というのは常に検討されなければならぬと思うのですね。しかし、それは現実の最善の防衛体制の整備というものを犠牲にすることであってはならぬ。短SAMの場合も実はそういう問題が若干あったのです。ですから一つの問題を提起したのですね。国産化の志向にはそうした一つの懸念があるのです。
 なぜかといいますと、私は、各国の主要戦闘機の性能の比較というものをこういう形でやってみたのです。F1というものが各国の主要戦闘機の性能比較の中でどういう位置づけにあるかということをいろいろな分野で見てみたのですね。そうしますと、現在のF1というのは、その速力、行動半径、航法・火器管制、低空飛行性能、短距離離着陸性能、さらには肝心の対艦・対地攻撃システム、どれをとりましても、この比較表にあらわれてきておりますように世界の主要戦闘機に比べて相当の見劣りがする。これは数字ですから、主観的なものじゃなくて数字ですから、相当客観性がある。
 私は、どこに配置されていますかということを聞いたゆえんは、例えば三沢に二個飛行隊配置されていますね。この三沢の基地におけるF1の運用というのは、言うまでもなく、例えば北海道北部に緊急事態等が起こった場合にそれに対応するというためにここに配置されているわけですね。しかし、このF1というのは、北海道北部にそういう事態が起こったときに全速力で飛行する性能を持っていないでしょう。これはどうです。持っていないでしょう。
#627
○筒井政府委員 航空機の場合の全速力と申しますものは、通常は兵器その他を外部に装着しない状態で言っておりまして、F1も同様でございますけれども、それなりの武装に対応しました最大速度は当然出すことができます。
#628
○大内分科員 本当ですか。
#629
○筒井政府委員 F1の最高速度はマッハ一・六でございますけれども、当時、同じ時代につくられましたF5、ジャガー、大体似たようなものでございますけれども、すべてどのような戦闘機といえどもクリーンの状態、つまり外側に爆弾を積まないような状態、そういう状態の最高スピードと、こういう支援戦闘機のように爆弾を積んだ場合というのは、F15といえども、どんな飛行機でもそれぞれの制限速度がございまして、その制限速度下における最大速度というのは出せます。
#630
○大内分科員 前提条件をつければそうですね。しかし、F1の目的というのは対地支援でしょう。ですから、何も積まないで全速力で走っていったってしようがありませんね。積むものを積んで、そしてその目的を遂行するような、そういう状況でその任務を果たさなければなりませんね。ですから、例えばF1の場合は爆弾あるいはミサイルを二個しか積めませんね。そうでしょう。それで全速力で北海道まで行ってこられますか。
#631
○筒井政府委員 F1の場合には、五百ポンドの爆弾を八発積めます。これに対してF5の場合はむしろそれより少ないかと存じますけれども、ミサイルはF1の場合には当初よりIRのミサイルを二発ということになっておりまして、これは対地支援を目的として性能を出しておりますので、高空における要撃戦闘状態、つまりIRのミサイル、空対空のミサイルを積んだ状態での最高速度ということよりは、むしろ地上におきまして、低空において相当な航続距離を稼ぐといったような設計を主眼にしておりますので、その点はいわゆるF5といったものとは違うと思います。
#632
○大内分科員 それでは、私が指摘した世界の主要戦闘機と比較しましょうか。F16、F15あるいはF14、英国のトーネードに比較して、さっき挙げた主要点についてF1はまさるところが一カ所でもありますか。
#633
○筒井政府委員 先生が御指摘なさいましたF14、15、16あるいは似た世代の18といったものがございますけれども、ワンゼネレーション、全部新しいものでございます。それが一つ。それから、ハイ、ローといった思想が当時の航空機にございまして、F15クラスの航空機とそれよりもいわゆる小ぶりな航空機といったものとの差がございまして、先生のおっしゃった飛行機の方がすべて性能が上であることはありますけれども、それは新しいということと時代の差があるかと思います。
#634
○大内分科員 そんなことはありませんよ、あなた。そんなごまかしてはだめでしょう。ここにちゃんと初めての飛行の日時が全部記録してあるのですよ。F16だって一九七四年ですよ。F15だって一九七四年ですよ。F1は一九七五年、もっと新しいですよ。トーネードだって一九七四年ですよ。そんなごまかしちゃだめですよ。
#635
○筒井政府委員 初飛行の日だけを申しますと、その国々でいろいろな体制がございましておっしゃったような点があるかと思いますけれども、私どもの開発いたしましたF1と申しますものは、T2を母体といたしましてT2を戦闘機型に変えたものでございますので、航空機としましてはやはりT2の時代、つまりF5、ジャガーの時代の航空機であることは事実としてやむを得ないと思っております。
#636
○大内分科員 つまり、今おっしゃったことは、それだけ古いということなんですよ。T2は一九七一年の七月二十日ですよ。そして、これを改革してF1をつくったのが一九七五年。つまり、F16やF15や英国のトーネードができた後なんです。それでも今言ったような型でやりましたので、いろいろな意味で性能が劣るのは当然だ、こういう言い方なんです。これは明らかに世界の主要戦闘機に比して相当劣っているということは、防衛庁長官、よく認識しておいてほしいのですよ。
 私は、何も日本でつくった飛行機が悪いということを強調したいのじゃないのですよ。そうじゃないのです。そうじゃなくて、例えば一方にリードタイムがあって国産機を何とか導入したいという一つの思惑が先行して、そのためにF1というような世界の主要戦闘機から相当おくれをとっているものをさらに延命措置をしてその穴を埋めるというような物の考え方が、防衛力整備としては非常に安易な考え方だ、そしてそれは場合によって予算のむだ遣いにもなる可能性があるということを言いたいためにそういうことを申し上げているのですよ。ですから、特にこれは防衛庁長官にそういうことを認識しておいてほしいと思うのです。恐らくその物の考え方の根底には、どうせ日本は平和だから新しい国産機ができるまでの時間稼ぎをしていても別に不都合はないといったような考え方がもしあるとすれば、これは非常に問題だと思うのです。
 例えば国産機の開発もあり得るというふうなお話でしたが、その開発費は相当莫大なものになるでしょう。どのぐらいかかるのですか。
#637
○筒井政府委員 開発費を含めまして、国産機の開発が可能かどうかといったことを現在検討中のものでございます。
#638
○大内分科員 この問題についてもいろいろな意見等が今までにも出ておりますが、ちなみにこの種の同種の飛行機の開発費というものを見ておりますと、F14の場合は七千百四十五億円かかっています。これは二百五十円換算です、今はもう少し上がっておりますが。F15の場合は約一兆円かかっています。F18の場合は五千六百三十億円かかっています。トーネードの場合でも五千億円かかっています。ですから、恐らくF1にかわる次期の支援戦闘機の国産に入ろうとするとそのぐらいの開発費がかかるであろうと一応予測しなければならぬ。去年あたりこの問題で出た業界等からの数字は、二千億円というような数字も出ておりました。いつも初めは小さく言って、でき上がるころになるとそれがぐっとふえてしまう。そして後でツケだけは回る。大蔵省にいた人もいるからわかると思うのですよ。
 防衛庁長官も今度はしみじみお感じになりましたように、一%論議というものが大変深刻に行われた。その背景にはやはり防衛費というものをできるだけ効率的に使ってほしい、むだをできるだけ省いてほしい。だれだってショーウインドーに並んでいるいいものが欲しいのですよ。しかし、日本の防衛について役立つ限界において節約できるものをしなければならぬ。それは、国産で開発費をたくさんかけて高いものになってもいいものを持った方がいい、あるいは外国の第一線の飛行機を持ってきて、ライセンス生産をやって、その技術を習得しながらいいものを買いたい、その気持ちはわかるのですけれども、防衛力整備についての費用の効果的な使用という問題についても防衛庁はこれから特に考える必要がある。
 例えばF16の場合、もちろんこれはライセンス生産ではありませんが、今一機四十二億円ですね。F18で五十六億円ですね。トーネードで四十四億円ですね。こういう状況下の中で例えば百機単位の生産をする。つまり、次期支援国産戦闘機をつくる。そして、まず開発費を五千億なら五千億かける。そして、単価の高い百機程度の国産機をつくっていく。その一つの試算として大体八十億くらいだろうというような数字も出ておりましたけれども、最終的にはもっと上がると思いますね。そうすると、例えば既存の優秀な戦闘機を買ってくる場合には、物によっては半分で済んでしまう。もちろん国産化というものによって起こる後世のいろんな無形のプラスというものもそれは考えなきゃならないにしても、しかし少なくとも防衛の穴をあけないで、しかも費用対効果という面で費用も安いという、そういうものを選んでくるということについても、国民の税金を使うだけに防衛庁は真剣に考える必要がある。
 つまり、価格、性能面で国際的水準よりよい条件でつくり得るという可能性が相当あるなら大いに国産化を奨励して、私はむしろそっちでいけということを申し上げたいと思うのですが、今のところどう計算してもなかなかそういう保証がないのですよ。しかし、それを研究やなんかやめろなんという、そんな暴論を申し上げるんじゃない。大いに検討したらいい。しかし一番大事なのは、国産化というものが先にあって、そこへしゃにむに持っていこうというような動きが防衛庁の中にあるとすれば、これは防衛庁長官、厳重にチェックしてもらいたい。つまり、それは機種選定という面で公正さを欠いている。さっきの防衛局長のお答えどおりであるならば、私は本当に安心だ。きのうの防衛庁長官の国産化もあり得るという、そこに何か非常にウエートがかかって、F1の後継機種については国産化へ国産化へという雪崩を打っていくようなことになったら、機種選定について完全に公平さを欠く。そういう意味で警告を発しておきたいなと思って、私はこの問題を取り上げているのであります。ですから、私は、その費用対効果という問題を十分お考えになって、ましてや防衛費の効率的な使い方という問題が今世論の一番大きな焦点になっているのですから、そういう意味で、公平に機種選定をやるということを防衛庁長官からこの際言明してほしいと思っているのです。
#639
○加藤国務大臣 御説のように、戦闘機は非常に高価なものでございますので、その選定に当たっては、その費用対効果、これらにつきまして本当に厳密な専門的検討が必要であろうと思っております。
 昨日、大出議員から、後継機として国産にすると決まったようだがという御質問がございましたので、決まったわけではございません、従来国産の可能性を排除してきたけれども、国産化も含めて検討するということでございますと答弁いたしました。その私たちの考えておりますことは、先ほど防衛局長が言いましたように、幅広く、そして委員御指摘のように防衛の穴をあけないように、また費用対効果がしっかりと見きわめられるような、そして最も効率的に使えるように、そういう意味で公正かつ適切に、本当に専門的に技術的に、どちらから見ても適切な判断だ、機種選定だと言われるように指導していきたい、こう思っております。
#640
○大内分科員 昨年、栗原防衛庁長官がヨーロッパの幾つかの国を訪問されて、いろいろな意見を交換をされた、そしてヨーロッパの兵器についてもいろいろ御研究になって帰ってきたようでした。私はその報告を聞きました。
 今まで、ここにも元防衛庁長官がおられますが、なかなか長官の言うことというのは下部で真剣に検討されない面もあるように聞いているのですよ。それを支える航空官僚の皆さんも、その辺を十分これからお考えをいただきたい。日米安保体制というものがあるものですから、例えば主要装備の調達にしましても、とかくアメリカ製ばかりに依存するのです。しかし、ヨーロッパの兵器でも、相当やはり伝統と歴史を持って、物によってはすぐれたものがあることは、もうよく皆さんも御研究で御存じのとおりなのです。
 つまり、いつでも新しい機種選定という問題はそういう問題にかかわるのです。アメリカだって、ヨーロッパから相当のものをやはり買っているのですよ。ですから、防衛庁というのは、主要装備の調達という面でももっと視野を広げて、公正な立場から、日本でどれだけいいものができるか、アメリカにはどういったいいものがあるのか、ヨーロッパにもいいものがあるのかないのかというものを見きわめて、こういう戦闘機一つについても十分御配慮をいただきたいな。それが防衛力整備について今国民が注視している一つのポイントである。私どもは、だれからも要求されているわけではないのです。公平な立場に立って、そういう視点、姿勢というものが特に主要装備の調達においては必要である。ましてもっと政治的に言えば、貿易摩擦という問題もあるわけです。非常に総合的にバランスのとれた判断というものが必要になってきている。そういう意味で、アメリカだけいつも見ないで、ヨーロッパも見、そして国内も見ながら、こういう問題に対して正しい判断を下していく、こういうことにしていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
#641
○加藤国務大臣 F1後継機の今度の機種選定は、我が国防衛力整備の中でも非常に大きな決定、大きな機種選定になるだろうと思います。その意味で、委員御指摘のとおり視野を広く持ち、そしてあくまでも公正かつ適正という信頼感を国民の皆さんから得られるように、しっかりと選定するように指導していきたいと思います。
#642
○大内分科員 まだ時間が幾らか余っておりますが、議事進行に協力する意味で、皆さんもお疲れでございますから、まだたくさん問題を抱えておりますが、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#643
○伊藤主査 これにて大内啓伍君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして防衛庁についての質疑は終了いたしました。
 次回は、明八日午前九時から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後八時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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