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1984/02/05 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 予算委員会 第4号
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1984/02/05 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 予算委員会 第4号

#1
第102回国会 予算委員会 第4号
昭和六十年二月五日(火曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 天野 光晴君
   理事 大西 正男君 理事 小泉純一郎君
   理事 橋本龍太郎君 理事 原田昇左右君
   理事 三原 朝雄君 理事 稲葉 誠一君
   理事 岡田 利春君 理事 二見 伸明君
   理事 吉田 之久君
      相沢 英之君    伊藤 公介君
      伊藤宗一郎君    石原慎太郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
     小此木彦三郎君    小渕 恵三君
      大村 襄治君    奥野 誠亮君
      海部 俊樹君    亀井 静香君
      倉成  正君    砂田 重民君
      住  栄作君    谷垣 禎一君
      葉梨 信行君    原田  憲君
      武藤 嘉文君    村山 達雄君
      山下 元利君    井上 一成君
      井上 普方君    上田  哲君
      大出  俊君    川俣健二郎君
      佐藤 観樹君    清水  勇君
      堀  昌雄君    松浦 利尚君
      矢山 有作君    池田 克也君
      近江巳記夫君    神崎 武法君
      正木 良明君    矢野 絢也君
      大内 啓伍君    木下敬之助君
      小平  忠君    岡崎万寿秀君
      瀬崎 博義君    松本 善明君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  中曽根康弘君
        法 務 大 臣 嶋崎  均君
        外 務 大 臣 安倍晋太郎君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        文 部 大 臣 松永  光君
        厚 生 大 臣 増岡 博之君
        農林水産大臣  佐藤 守良君
        通商産業大臣  村田敬次郎君
        運 輸 大 臣 山下 徳夫君
        郵 政 大 臣 左藤  恵君
        労 働 大 臣 山口 敏夫君
        建 設 大 臣 木部 佳昭君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     古屋  亨君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)藤波 孝生君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 後藤田正晴君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (国土庁長官) 河本嘉久蔵君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 加藤 紘一君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      金子 一平君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      竹内 黎一君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 石本  茂君
        国 務 大 臣
        (沖縄開発庁長
        官)      河本 敏夫君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 茂串  俊君
        内閣法制局第一
        部長      前田 正道君
        内閣総理大臣官
        房審議官    田中 宏樹君
        臨時教育審議会
        事務局次長   齋藤 諦淳君
        総務庁長官官房
        審議官     手塚 康夫君
        総務庁長官官房
        交通安全対策室
        長       波多 秀夫君
        防衛庁参事官  古川  清君
        防衛庁参事官  筒井 良三君
        防衛庁長官官房
        長       西廣 整輝君
        防衛庁防衛局長 矢崎 新二君
        防衛庁教育訓練
        局長      大高 時男君
        防衛庁経理局長 宍倉 宗夫君
        防衛庁装備局長 山田 勝久君
        防衛施設庁総務
        部長      梅岡  弘君
        経済企画庁調整
        局長      赤羽 隆夫君
        経済企画庁国民
        生活局長    及川 昭伍君
        経済企画庁物価
        局長      斎藤 成雄君
        経済企画庁調査
        局長      横溝 雅夫君
        科学技術庁研究
        調整局長    内田 勇夫君
        国土庁長官官房
        長       永田 良雄君
        国土庁長官官房
        会計課長    北島 照二君
        国土庁防災局長 杉岡  浩君
        法務省入国管理
        局長      小林 俊二君
        外務省アジア局 
        長       後藤 利雄君
        外務省北米局長 栗山 尚一君
        外務省欧亜局長 西山 健彦君
        外務省条約局長 小和田 恒君
        外務省国際連合
        局長      山田 中正君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    北村 恭二君
        大蔵省主計局長 吉野 良彦君
        大蔵省主税局長 梅澤 節男君
        文部大臣官房長 西崎 清久君
        文部大臣官房審
        議官      菱村 幸彦君
        文部省初等中等
        教育局長    高石 邦男君
        文部省高等教育
        局長      宮地 貫一君
        文化庁次長   加戸 守行君
        厚生省保健医療
        局長      大池 眞澄君
        厚生省社会局長 正木  馨君
        農林水産大臣官
        房長      田中 宏尚君
        通商産業省産業
        政策局長    福川 伸次君
        資源エネルギー
        庁長官     柴田 益男君
        資源エネルギー
        庁石油部長   畠山  襄君
        中小企業庁長官 石井 賢吾君
        運輸大臣官房国
        有鉄道再建総括
        審議官     棚橋  泰君
        建設大臣官房長 豊蔵  一君
        建設大臣官房会
        計課長     望月 薫雄君
        建設省道路局長 田中淳七郎君
        建設省住宅局長 吉沢 奎介君
        自治省行政局長 大林 勝臣君
        自治省行政局選
        挙部長     小笠原臣也君
        自治省税務局長 矢野浩一郎君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      大内  宏君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月五日
 辞任         補欠選任
  小杉  隆君     伊藤 公介君
  住  栄作君     谷垣 禎一君
  田中 龍夫君     亀井 静香君
  井上 普方君     清水  勇君
  中川利三郎君     岡崎万寿秀君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 公介君     小杉  隆君
  亀井 静香君     田中 龍夫君
  谷垣 禎一君     住  栄作君
  清水  勇君     井上 普方君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和六十年度一般会計予算
 昭和六十年度特別会計予算
 昭和六十年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
#2
○天野委員長 これより会議を開きます。
 昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算、昭和六十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。矢野絢也君。
#3
○矢野委員 私、公明党。国民会議を代表いたしまして、総理並びに関係大臣に御質問申し上げます。
 昨日まで、我が国の防衛費、GNPの一%の枠を突破しない、その枠を守る、この問題で紛糾をし、国会が中断されておりまして、本来、言論の府である議会が中断することはまことに好ましくないことである、しかし反面この問題は、我が国の平和的存立の分かれ道ともいうべき重要な問題である、こういうことで公明党も重大な関心を寄せておったわけでございます。
 昨日、総理から「今後とも、その方針を守りたいと存じます。」という御答弁が重ねてあったわけでございますけれども、総理、公明党は、GNP一%以内に防衛費をあくまでも抑制する、この方針はいかなることがあっても将来とも堅持すべきであると考えておるものでございます。そして、その一%枠を守るというその範囲内で、何が我が国の平和的存立に必要な防衛であるか、これを内容、装備あるいは任務、そういった問題に立ち入って議論をし、不毛の議論ではなくして内容に立ち入った議論をやる、ただしその前提は一%枠を守るんだ、こういうことでやるべきだと考えておるわけでございます。
 そこでこの問題、余りくどくはお尋ねするつもりはございません。二、三点伺っておいて、次に進みたいと思うわけでございますが、第一点、昨日お示しの総理の御見解は、今後いかなることがあっても一%枠は守っていくんだ、なかんずくこの六十年度は、GNP一%以内にいかなることがあっても防衛費を抑えるという中曽根総理の不退転の決意、政治生命をかけた御決意の表明であると受けとめてよろしゅうございますか。
#4
○中曽根内閣総理大臣 五十一年の三木内閣が行いましたGNP一%をめどにするという、あの方針は今後守ってまいりたいと存じております。
#5
○矢野委員 それでは、この六十年度の問題でございますが、御案内のとおり、もうあとわずかしか天井との差がないわけでございますが、人事院勧告、ベースアップが実施されますと、常識的なベースアップになりますとこれは当然突破してしまう、こういう状況でございますが、この六十年度防衛費を一%以内に抑えるために具体的にどのような努力をされる御所存でございますか。
#6
○中曽根内閣総理大臣 これは前にも申し上げましたように、昨年も国会で申し上げましたが、GNPがどういうふうになるか、あるいは人事院勧告、どういうものが出てくるか、つまり分子と分母ということも申し上げました。これも一つの大きな要件になってまいりまして、これらはまた不確定でありますから、その点に関する見通しというものは不確定でありますと、これが去年も申し上げ、ことしも同じ状況である、こう思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、できるだけ守りたいという念願は持っておるわけなのでございます。
#7
○矢野委員 確かに不確定な要素は若干ちょっぴり残っておることは私も認めます。しかし、分母であるGNP、これはもう既に閣議決定で経済見通しの中で数字が出ております。そして、それを前提にいたしますと、一%までにあとわずか八十九億しか残っておらない。もし仮に一・六九%以上の公務員のベースアップがあれば突破する、こういう状況にあるということはお認めになりますか。
#8
○中曽根内閣総理大臣 一応予算編成の一つの基準、見積もりの基準になりました数値を計算しますと、そういう数値も出てくるだろうと思います。
#9
○矢野委員 ですから、そういう厳しい状況の中でこの方針を守りたい、そのための相当具体的な方策について腹を決めた方針というものがなくてはならぬ、こう思いますが、不確定なものでございますからだけでは済まされないと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
#10
○中曽根内閣総理大臣 予算の成立を見た上は、この予算の執行やらあるいは経済の動向やらあるいは人事院勧告の模様やら、そういうものを総合的に判断しつつ努力してまいりたいと思っております。
#11
○矢野委員 これは仮定のことでお尋ねしたいのでございますけれども、六十年度の人事院勧告などの関係で、六十年度防衛費が不幸にも一%を突破してしまう、一%をめどと総現今もおっしゃっておられましたけれども、ごくわずかでも突破してしまう、こういう状況を仮定いたしますと、この仮定は私は常識的には当然そうなるだろうと思っておるのです。しかし、一応仮定ということで申し上げますが、二つの選択があると思うのです。
 第一は、六十年度は〇・〇一であれ突破してしまった、これはもう例外的なケースとして国会や国民の理解を得て、六十年度は突破してしまいましたけれども、しかし六十一年度以降はまた一%におさめます、そういう決意があるので、ほんのごくわずかの突破、これはもう六十年度の例外としてお認めいただきたい、つまり閣議決定の変更はしない、こういう選択が一つございます。
 もう一つ、突破してしまいますと、枠が突破してしまったのだからもう仕方がないのだ、六十一年も六十二年も六十三年も、総理の論法で言えば早期達成ということでございますか、「防衛計画の大綱」。この際のことだ、この既成事実を前提にして閣議決定の変更をしてしまう、そして六十一年以降の防衛費一%突破のいわば門を開いてしまう、これを正当化してしまう。
 この二つが考えられるわけでございます。いずれを選ばれますか。
#12
○中曽根内閣総理大臣 矢野書記長から仮定の問題に対する御質問をいただきましたが、もしそういうような事態が遺憾ながら出てくるというような場合には、やはり節度ある防衛力のあり方について検討する必要がある。そして、国民の皆様やあるいは各党各派のお考え等も十分勘案の上、安定した節度ある防衛力のあり方というような考え方をまとめていくべきであろう。六十一年度について、また以内におさめるような努力ももちろん、これは節度あるということを言っているんでございますから、その可能性も全然否定するものではございませんが、もしそういうような、まあ一%を超えるというような、そういうおそれがあるという、そういう場合におきましては、やはり国民の皆様方にある程度の安定感をいただく必要もありますから、そのような検討を行うことが適当ではないか、そう思います。
#13
○矢野委員 私は、この二つのケース、どちらも容認しておるわけではございません。あくまでも一%以内に六十年度もおさめるべきだし、したがって、さような二つの仮定を置くこと自体、私にとっては不本意なことなんでございますが、どうも総理のずっとここ国会が始まってからの御答弁を承っておりますと、突破して閣議決定を変更することに何か生きがいを感じていらっしゃるような印象すら受けるわけでございまして、そして次の総理、どなたか存じ上げませんが、今後の防衛力整備に当たってこの一%枠などという面倒なものは、国土中曽根康弘が見事に取っ払ってみせると、こういう確信に満ちた御答弁、だからこそ国民が心配しているわけでございます。
 この間違った方向に確信を持つことほど怖いことはないわけでございまして、ですから、今私がお尋ねしたこと、つまり、閣議決定を変更しないで六十一年以降は守りますから、〇・〇数%のアップは御勘弁いただきたいという方式で六十年度を処理されるのか、あるいはもうとにかく閣議決定して後年に道を開くのか。お答えになっておられませんので、どちらをとられるか、お答えください。
#14
○加藤国務大臣 ただいまの御質問の件でございますが、仮に一%を一円でも超えた場合はどうなるかという過去の、従来の答弁が国会でございまして、これにつきましては、一円でも超えたら閣議決定の趣旨に反すると思いますという従来の答弁があるものでございますから、その点につきましては、先生おっしゃいましたように、仮にそういう事態になりましたら、十分国会で御議論願って、それで閣議決定の問題もそれなりに処理しなければ、国会における答弁の御趣旨と反するということになろうと思っております。
 過去の経緯だけ一言申し上げておきます。
#15
○中曽根内閣総理大臣 矢野さんは何か私がごつい、おっかない性格の人間のようにおっしゃいましたが、私ぐらい平和を愛する優しい人間はない、そう思っております。それは、私が時々俳句を詠んでおりますが、あの俳句の精神を御勘案くだされば御了解いただけると思うのであります。この間もガダルカナルの上空へわざわざ飛行機を回してもらいまして、上空から心から御冥福をお祈りいたしました。そういうようにやはり戦争の惨害というものを身をもって体験しました、あなたも私も同じ年代の人間でございまして、そういう意味においては、再び日本を戦場にしないように、戦争の中に日本を巻き込まないようにするという点については、実は必死の努力をしておる人間なのでございます。
 そこで、今の一%の問題でも、遺憾ながらと申し上げました。それは、できるだけ守りたいという悲願を持っておるからそういうことを申し上げたので、一%を破ることに生きがいを感じている、そんなことは毛頭ございません。ともかく、矢野さんと同じように、日本を平和国家にして、しかし、必要最小限の自衛力は持っていて、外国から侵略の誘惑を起こさせない、そういう国にだけはしておかなければならぬ、それが憲法を守るゆえんである、私はそういう意味では最大の護憲派である、そういうように思っております。
#16
○矢野委員 そういう演説は、もう本会議でも承っておりますので、繰り返さないようにしていただきたい。十分存じ上げた上で質問いたしております。
 「今後とも、その方針を守りたいと存じます。」というこの総理のお考えは、単に六十年度だけを意味しているわけじゃない、ずっとこれからもというのが今後ともということでございます。だから、閣議決定の変更はしません、あくまでも守り抜いていく、この方針を守る、支持すると。これは単に六十年度一%突破するかしないか、これは重大でございますけれども、それだけの問題ではない、今後に重大な影響を及ぼす問題である。だから六十一年、六十二年、ずっと将来のことも含めて閣議決定の変更をするのですか、しないのですかということを伺っている。それについて、ガダルカナルがどうだとか、またいずれそのお話はゆっくり承りますよ。俳句のお話もゆっくり承る。しかし、お尋ねしていることについて、これはもう二つに一つだ。どちらなんですか。
#17
○中曽根内閣総理大臣 きのう私がここで読み上げました最後のところで、「守りたいと存じます。」そういう「たい」という言葉をめぐりまして、実は社会党の皆さん方との間でいろんな折衝が行われたのです。しかし私は、最後まで「たい」にしてください、そういうことでああいう文書にしていただいだのです。
 守りたいという意味は、やはり今申し上げた人事院勧告であるとか、あるいは今後の経済状況であるとか、そういう不確定的要素がありますから、したがって、それを今確定的に申し上げる状況ではないのです。そういう意味で、何々したいと、こちらの願望という点で御了解をいただいた、そういうことなのであります。
#18
○矢野委員 私は、一%以内の枠を守るべきだという立場を主張し、かつ、万が一、ごくわずかでも突破した場合には、閣議決定の変更をなさるのかどうなのかということを伺っているのに、一向にそのことについてお答えがない。これでは質問、続けられませんよ。
#19
○中曽根内閣総理大臣 これは本会議でも答弁していますように、もし万一、将来一%が守れない、そういう状況が出た場合には、国防会議あるいは閣議等において当然検討もし、しかるべき処置をやる、これが筋であると申し上げているとおりであります。
#20
○矢野委員 これはしかし、まことに重大な御答弁だと私は思います。私は百歩譲った立場で、六十年度、万々が一、ごくわずかでも突破したその場合は、特殊な状況として、ことしだけは御勘弁いただきたい、来年からはまた一%枠に戻します、それがあるべき姿だと、百歩譲った立場で申し上げておる。なぜかならば、数字の上では非常に厳しいから。しかし、そういうでき上がった既成事実を踏まえて、将来にわたって枠の撤廃を考えていらっしゃる。これでは私は質問できません、こんないいかげんなことじゃ。(発言する者あり)
#21
○天野委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#22
○天野委員長 速記を始めて。
 ただいまの矢野発言につきましては、政府の方で整理をいたしまして、午後の劈頭に答弁をいたすことで御了承願いたいと思います。
#23
○矢野委員 それでは、昼からの質問再開のときに改めて御答弁いただきたいと思います。
 次に進みます。
 来年度の予算の防衛庁関係では、アメリカの艦艇用の通信衛星フリートサットからの情報を受信するための装置を海上自衛隊の護衛艦五隻に搭載するための経費一億六千八百万円が計上されております。このアメリカの艦艇用通信衛星フリートサット、これは軍事専用なのか、そうでないのか、あるいはこの衛星の所管はアメリカの国防総省なのかどうなのか、この二点について長官、お答えをください。
#24
○加藤国務大臣 フリートサットは確かにアメリカ軍が使っておるものでございますけれども、その機能は通常の通信衛星で、通常の通信に使われているものでございます。
 その所管につきましては政府委員よりお答えさせます。
#25
○山田(勝)政府委員 フリートサット衛星は、フリートサットコムという一つのシステムでございますけれども、これは米国海軍が所管をいたしております。所有をし、管理をいたしておる衛星でございます。
#26
○矢野委員 長官はあいまいな言い方をされましたけれども、今の御答弁でもありましたとおり、このフリートサットはアメリカの海軍が所管しておるいわば軍事衛星、軍事専用の衛星でございます。まさか、このフリートサットで天気予報をやっているわけじゃないわけでございまして、しかも、これは極東におけるアメリカ軍のいろんな情報、これを海上自衛隊の護衛艦が受信する、まさしく軍事目的のために搭載する、こういうわけでございます。
 これは昭和四十四年五月に国会におきまして、宇宙の開発利用は平和目的に限る、この国会決議にまともにこれは抵触する予算でございます。この決議案の内容は一々読み上げる必要もないかと思いますが、この国会におきまして、宇宙の開発並びに利用につきましてはあくまでも平和目的に限る、このように決議されておる。しかも、その後のこの問題をめぐっての国会における論議におきまして、平和利用ということは非軍事ということである、平和利用に限るということは非軍事、軍事でない、これは政府の見解として明確に示されておるわけでございます。これは四十四年五月八日、当事の科学技術庁長官、木内長官がお答えになっておるわけでございまして、自衛隊が軍事衛星、これを軍事目的に使用、利用する、そのための予算を六十年度予算に計上されておる、これはまさに国会決議に反する予算ではないかと申し上げたいのですけれども、いかがでございましょうか。
#27
○加藤国務大臣 お答え申し上げます。
 防衛庁では、六十年度の予算の中で、海上自衛隊が米国派遣訓練時にアメリカ軍、先生おっしゃいましたように海軍でございますが、通信衛星フリートサットを利用できるようUHF放送受信装置の調達に必要な経費を計上いたしました。これは従来、日本の場合には、米海軍、通常はUHF放送をやっておるのでございますが、私たちがその受信能力がございませんので、短波放送を特にやっていただいて、それを短波で受信しておるものでございますが、御承知のように、電離層等の関係でかなり聞きにくいところもあって、訓練効果が減殺されておるというような状況のもとで予算をお願いしたものでございます。
 先生がおっしゃいます国会決議、昭和四十四年の国会決議との関係でございますが、この解釈をどうすべきか、これは本質的に、本来的に国会に有権的な解釈を行う機能があると思っております。
 ただ、一定の行政上の仕事をしていくために、私たちもそれがどういう趣旨の決議であったかということを政府部内でもいろいろ今考えて、相談いたしておるところでございますが、私たちとしては、このフリートサット衛星というものが通常の通信衛星であって、まあ今お茶の間で、もう通常の通信衛星を利用して、諸外国で行われているスポーツイベントがすぐ茶の間にリアルタイムで入ってくるような世の中でございますので、それ等を考えますと、まあ違反しないのではないだろうか、通常の通信の機能として行われておるものはまあいいのではないだろうか、そういうような解釈で予算をお願い申し上げた次第でございます。
 重ねて申しますが、この国会決議の有権的な解釈はこちらの議院に、立法府の方にあると考えております。
#28
○矢野委員 まるで一億六千万投じてスポーツ番組をごらんになるために、そういうような言い方をなさっておる。冗談ではありませんよ。これは軍事衛星ですよ。しかも国防総省、海軍の所管である。それを、何か短波では便利が悪いので、便利をよくするためにそういう装置をつけるのです、しかもその装置は軍事ではございません、まさにこれは強弁としか言いようがないじゃありませんか。
 同じことを何遍も繰り返す必要はありません。この問題につきまして委員長、長官も国会決議の解釈は国会が有権的に負っておる。私も国会議員の一員でございまして、ごく正常な判断力を持ってこの国会決議を読んでおるつもりでございますけれども、間違いなくこれは国会決議に違反した予算でございます。予算を削除されますか。
#29
○加藤国務大臣 お答えいたします。
 このフリートサット衛星を使って我々海上自衛隊が諸外国のスポーツ放送を聞くというものではございませんで、私たちが申し上げておりますのは、通信衛星がいろいろな分野でもうごく当たり前に利用されるようになりました。そうなりますと、このように一般的にもう広く世間で利用されている技術を、仮にそれが自衛隊が使うものであっても、それを今使ってはいけないというのは、平和の目的というような意味からいっても許してもらえるのではなかろうかというようなことでございまして、そういう意味で私たちとしてはぜひ御理解をいただきたい。ごくごく当たり前に一般的に通信衛星が利用される世の中になったものでございますので、一般化、汎用化の原則からいけばお許しいただけるのではないか、そう御理解願いたい、こういうつもりでございます。
#30
○矢野委員 「わが国における地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙に打ち上げられる物体及びその打上げ用ロケットの開発及び利用は、平和の目的に限り、学術の進歩、国民生活の向上及び人類社会の福祉をはかり、あわせて産業技術の発展に寄与するとともに、進んで国際協力に資するためこれを行うものとする。」つまりあなたの言い方は、最近ロケットというのは、衛星はしょっちゅうたくさん上がっておるから、そんなにこだわることないじゃないかという意味の御発言でございますが、この国会決議の趣旨からいきますと、いかに衛星通信が普及いたしましょうとも、これを軍事目的に使ってはならないということが明確に決議されておるのです。
 これは委員長、このままでは、大変申しわけないことでございますけれども、本当に、またこれは質問できませんよ。(発言する者あり)
#31
○天野委員長 矢野君に申し上げますが、ただいまの件につきましては、理事会で預かりまして、理事会において協議をいたします。そして、政府の統一見解を午後に出すことで御了解願いたいと思います。いいですね。
#32
○矢野委員 何だかみんな先送りまあ、総理も先ほどコマーシャルをおっしゃいましたから、私も申し上げる。私も非常に良識のある人間でございますので、先送り、昼からの私の質問の再開のときに、政府の統一見解をお願いいたします。
 次に進みます。
 総理は、大型間接税の問題につきまして、せんだっての田邊書記長の御質問に対して、流通の各段階に投網をかけるように総合的に消費税をかける考えは持たない、そういう精神で税制を考えていく、こういう趣旨の御答弁をなさいました。また竹下大蔵大臣は、五十四年度の政府税調の答申を受けてやろうとしたのが一般消費税、仮称の一般消費税である。いわゆる一般消費税では多段階方式と単段階方式のものがある。かつて議論したのは多段階方式のものであって、したがって、今、国会で明確に否定されているのほかっての一般消費税(仮称)であり、多段階方式、これは国会で明確に否定されておる。あのときも消費一般にかかる税金全部を否定してしまったら税の論議ができなくなるということでそこに限定してもらった、そういう趣旨の御答弁をなさっていることを拝聴いたしました。
 そこで、この問題、後ほどまた租税負担率その他の関係でお尋ねをしたいと思っておるわけでございますけれども、常識的に申し上げまして、いわゆる大型間接税の課税方式というものは大きく分けますと五つのタイプがあると言われております。これは総理にお答えをいただきたいのでございます。多段階的にあるいは各段階ごとに投網を打つように包括的な課税はしないという総理のお考え、御答弁、これは次のどれに当たるか、どれは含まれないか。
 まず第一番は、一般消費税の原型と言われておるEC型の付加価値税でございます。二番目は、取引の各段階に課税をしていく取引高税。三番目は、メーカーが蔵出しをしたその段階でかける庫出税、つまり製造者消費税。四番目は、卸売業者が品物を卸売したその段階でかける卸売売上税。五番目は、小売商が売り上げをする小売売上税。この五つのタイプがあるわけでございます。
 そこで、多段階的にはかけないというわけでございますから、第一番のEC型付加価値税は多段階でございます。段階ごとに税金をかけていく。ヨーロッパの場合は個々の取引に仕送り状、インボイスを添付することで前段階の税額を控除して二重課税を避ける、こういう方式がございますが、それを簡素化して仕送り状なしで導入しようとしたのが昭和五十四年でしたか、一般消費税と言われておるものでございます。この多段階型に投網を打つような課税はしない、これはEC型付加価値税、このタイプを否定したものだと受け取ってよろしゅうございますか、総理。
#33
○中曽根内閣総理大臣 私が国会で申し上げておりますのはいわゆる一般消費税(仮称)型大型間接税というふうに申し上げておりまして、これは岡田委員やそのほかの皆さんの御答弁でも申し上げておるところでございます。そのようにお考え願いたいと思います。
 実際問題として税は非常に技術的な要素がございまして、何が大型か中型か、あるいは流通の各段階とは何を意味するか、そういう点はよほど専門的に検討してみないと概念の規定ができないと思うのでございます。しかし、私は素人でございますが、流通の各段階に投網を打つように総合的に網羅的に各段階で課税する、そういうていのものはやりません、そういうふうに申し上げておるわけでございます。そういうことが一面においてはいわゆる一般消費税(仮称)型というものに相当するものである、そういうふうに私の感じは持っておるわけでございます。
#34
○矢野委員 ですから、わざわざ私がEC型付加価値税、これはヨーロッパでは仕送り状を添付して二重課税を避ける。かつて昭和五十四年当時、我が国政府がお考えになったのはEC型付加価値税の変形でありまして、これを簡素化して仕送り状なしで導入しようとした。これはいわゆる一般消費税、総理の今の御答弁で一般消費税(仮称)というものでございますね。ですから、EC型の付加価値税あるいはその変形である仕送り状なしの付加価値税、日本ではそれを一般消費税とあの当時は言っておったわけでございますが、こういう付加価値税のタイプはやらないとお考えでございますね。
#35
○中曽根内閣総理大臣 先ほど来申し上げましたように、私がなぜそういうことを申し上げるか、裏の面から申し上げますと、日本はこのように中小企業、流通面におきましても幾段階もあるわけで、ヨーロッパみたいに割合に簡単な流通過程を持っておるところではない世界です。特に中小企業や小売、卸の段階にはいろいろな中間的な介在物の多い社会でございます。そういう意味におきましてヨーロッパの社会と日本の社会は経済構造が非常に違うわけでございます。そういう面もよく考えてみまして、流通の各段階に、そして投網を打つように網羅的に、そういうふうな表現を特に使ってあるというのは日本の経済構造の特殊性、特に中小企業や小売の皆さんのことも頭に入れて実は申し上げておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#36
○矢野委員 総理、わかっていらっしゃるくせにわざと別なことをおっしゃっておる。大蔵大臣、あなたの方がより明断な御答弁をなさると思う。ですから、多段階であるか単段階であるか、この二つのタイプに分類をしていただきたい、先ほど申し上げた五つの税のタイプをですね。
#37
○竹下国務大臣 今矢野書記長御指摘のように、俗に課税ベースの広い間接税の諸類型という中で、今御指摘になりました単段階三つとそれから多段階二つと、こう合計五つの類型というものをお示ししたことがあると思っております。
 それで、私がかねて申し上げておりますのは、昭和五十四年の十二月でございましたか、当時私は大蔵大臣でありました。この国会の決議がなされる。その際、私も国会決議の案文をプロの方といいますか、皆さんプロでございますが、特に税の専門の皆さん方がお集まりになって議論なさっておるときに参画さしていただいて、なるほどいわゆる一般消費税(仮称)、この手法は財政再建の手法としてはとりません、しかし消費一般にかかる税制そのものを否定されるということになりますと、学問的にも税の議論ができなくなります。だから、いわゆる一般消費税(仮称)という言葉を入れていただきましてそれで決議がなされたわけであります。
 あの際の一般消費税(仮称)は多段階でございます。税制調査会へ我々が諮問しておりますのは、絶えず国税、地方税のあり方についてという大局的な諮問を申し上げておるわけでございますから、それの諮問を申し上げておる議論の範囲を故意に縮めてはならぬという気持ちが私には絶えずございます。が、あのいわゆる一般消費税(仮称)は国会においてこのような決議がありましたということもこれは正確にお伝えしておるわけであります。したがって、ヨーロッパ型付加価値税、多少国によって若干の相違はございますが、それも全部否定されておりますという考え方は私は持っておりません。国会で決議でもって財政再建の手法としてこれはとるなと言われたのはまさにいわゆる一般消費税(仮称)、これであるというふうに私は理解しております。
#38
○矢野委員 これは重大な答弁の食い違いでございますよ。総理も大蔵大臣も多段階の投網を打つような包括的な大型間接税は考えておりません、多段階はありません、こうおっしゃった。ところが、いわゆる名称としての一般消費税(仮称)、これは否定されたかもわかりませんが、EC型の付加価値税的なものは否定されたわけではございません。その前、あなた、EC型の付加価値税は多段階だとおっしゃったじゃありませんか。極めて非論理的じゃありませんか。御自分でもそう思いませんか。
#39
○竹下国務大臣 いわゆる流通の各段階に投網を打つようにという総理のお答えがございます。これはまさに、いわゆる一般消費税(仮称)というものを念頭に置きながらお答えになったものだ。そして、質疑応答の中におきましても、その流れは極めて明瞭に出ております。したがって、今、いわゆる付加価値税というものを全部否定するということは、私はそれは否定されたものと理解すべきものではないというふうに考えております。
#40
○矢野委員 付加価値税で単段階のものってあるのですか、ちょっと教えてください。そういうことになるじゃありませんか。多段階だから付加価値というのです。
#41
○梅澤政府委員 付加価値税と申します場合には、所得型の付加価値税というものもございますから、一概に付加価値税全部多段階ということではございませんけれども、消費課税として考えた場合にはEC型が典型的なものでございますから、これはやはり多段階であろうということになると思います。
#42
○矢野委員 もう一遍初めに戻りますよ。一般消費税の原型と言われる付加価値税、これは否定されますか。同じく多段階である取引高税、これも否定されますか。そして、蔵出しと卸売と小売は単段階だと思いますけれども、少なくとも私が総理並びに大蔵大臣の御答弁を読む限りは、この蔵出しと卸売と小売は否定なさってないようにこの答弁では見えるのですけれども、これは困るわけですよ。こんなところで小売売上税、卸売売上税あるいは庫出税、これを政府が否定しないなんということになったらこれは重大な問題になりますよ。この五つのうち、現在今までの御答弁、多段階、各段階ごとに、しかも包括的に投網を打つような大型間接税は考えておりませんという総理並びに大蔵大臣の御答弁から、どれとどれが否定され、どれとどれが否定されてないか、これをもう一遍お答えください。
#43
○竹下国務大臣 これは、今日国会の決議でもってその手法をとってはならないと言われておるものは、いわゆる一般消費税(仮称)であるということでございます。他の税制は、いわば学問的にどうなるかは別といたしまして、手法としてとってはならないという範疇に厳密な意味において入るということになれば、やはりいわゆる一般消費税(仮称)がその国会決議の中身であるというふうに私は理解しておりますし、総理の答弁も、まさにその前後の質疑応答から見ますといわゆる一般消費税(仮称)を念頭に置いて発言された論理構成になっております。
#44
○矢野委員 私は、国会論議あるいは国会決議で否定されておる一般消費税(仮称)のことを伺っているのじゃないのです。五つのタイプがあるでしょう、そして従来から各段階ごとに多段階にわたって、製造、卸、小売というふうに段階すべてにわたって、多段階にわたって、しかも包括的に投網をかけるようなやり方での大型間接税は考えていないというのが、お二方の御答弁なんですよ。このお二方の御答弁をもうちょっとわかりやすくこの五つのタイプに当てはめたら、どれとどれが否定され、どれとどれが肯定されるのかという、これを伺っておるのでありまして、一般消費税(仮称)などという、そんなこと一つも聞いておりません。
#45
○竹下国務大臣 このいわゆる消費税の、大型間接税の類型として五つをお出ししております。その五つの類型というものは、どれも私は国会決議の中で否定されておるということは言えないのじゃないか。これは学問的な五つの類型というものをお示ししておるということであります。
#46
○矢野委員 あなたの答弁との関係であります。――申しわけございません。委員長もお聞きのとおりでございまして、私は国会決議の関連で聞いているわけじゃないのです。先日の総理、大蔵大臣の御答弁との関係で伺っているのに、いつまでたっても筋違いじゃございませんか。
#47
○竹下国務大臣 いわゆる大型間接税と言われるものの類型としてお示ししております五つのタイプ、これは国会決議で否定された対象にあるものではないというふうに私はその答弁をした、それが中に入るという答弁をしたことは今日までございません。(「答弁になっていない」と呼び、その他発言する者あり)
#48
○天野委員長 竹下大蔵大臣。
#49
○竹下国務大臣 先ほどの言葉遣いの中で一つだけ訂正しますのは、大型間接税ではなく、課税ベースの広い間接税の諸類型というものを国会へ出せと言われて、提出をいたしました。それが今矢野書記長の御指摘になりました、単段階課税として製造者消費税、卸売売上税、小売売上税と、三つが単段階課税であります。そして多段階課税とは、それも御指摘のありました、一、取引高税、二、EC型付加価値税、三、いわゆる一般消費税(仮称)、この三つを提示したわけです。そこで、国会の決議で否定されておるのはいわゆる一般消費税(仮称)であります。この学問的な類型がすべて否定されておるというふうには私は理解をしておりません。こう申しております。
#50
○矢野委員 国会決議で否定されておる仮称一般消費税はどれですかと聞いているのじゃないのです。多段階にわたって、そして投網をかけるように包括的に取る大型間接税は考えてないと総理はおっしゃった。あなたもおっしゃった。おっしゃっている、この議事録では。ですから、私は、その国会で禁止されているいわゆる一般消費税のことを伺っているのじゃない。あなたがみずからやらないとおっしゃっておる多段階、そして投網包括的、これは、この五つのうちではとれとどれが否定され、どれとどれが肯定されておるのですかということを聞いているのですけれども、何遍聞いてもあなたは話をすりかえる。そんなことだと私は質問をもうこれ以上しませんよ。
#51
○竹下国務大臣 これにも正確に答えておりますが、総理のお答えになりましたいわゆる流通の各段階に投網をかけるようなというお答えの中身は、これは岡田委員の質問に対する質疑応答の中で一番明瞭に出てきますが、それは、総理はいわゆる一般消費税(仮称)を念頭に置いてお答えになったものである、こういうふうに理解をしております。(「休憩、休憩」と呼ぶ者あり)
#52
○天野委員長 竹下大蔵大臣。
#53
○竹下国務大臣 私がお答えいたしましたのは、矢野委員の御指摘に対して、課税ベースの広い間接税の諸類型は、まあ厳密に言えば六つあります。矢野委員は、いわゆる一般消費税(仮称)を抜いて五つとおっしゃいました。その最初お示しになった三つは単段階で、そして、この取引高税といわゆるEC型付加価値税、これは多段階であります。総理が流通の各段階に対して投網を打つようにというお答えをなすったのは、総理も私も含めて税制の専門家じゃございませんけれども、いわゆる一般消費税というものを念頭に置きながらお答えになったことである、こう申しておるわけです。
#54
○矢野委員 総理、大蔵大臣、よく聞いてください。私、この五つのタイプの大型間接税は絶対反対でございます。ましてや、それによって租税負担率が上がることはもう絶対に許すことができない。これはこの後御質問しようと私は思っておるわけです。そして、小売か卸売か蔵出しか取引高税があるいはEC型の付加価値税か。これはもう、これを聞いていらっしゃる国民の皆さん、各業界、業種によって大変な利害関係があるわけなんです。
 そこで、なぜこんな私のわかり切った質問にあなた方が答弁に混乱をしておられるか。意味ははっきりしているんですよ。やはり五十四年当時の付加価値税、つまり名称は一般消費税でありましたけれども、多段階課税ということを大蔵大臣も大蔵省もやりたいのですよ。やりたいのです。ところが、何たる不幸なことか、総理、大蔵大臣は、多段階にわたって投網をかけるような包括的な大型間接税は考えてませんとお答えになってしまった。イコール、今申し上げた、名前はどう変えようと、各取引段階、各段階にわたって課税しようとする大蔵大臣なり大蔵省の御意図は、総理並びに大蔵大臣の御答弁によってだめになってしまった。多段階というものはやっちゃいけませんということになってしまった。そこで、あのとき否定した多段階というのは、あらゆる多段階を否定したんじゃないんだ、一般消費税(仮称)という名の多段階を否定しただけなんだ、こんなばかげた答弁が通用すると思いますか。これはまるで、これ以上言うと総理並びに大蔵大臣に失礼になりますので、子供に物を教えるような言い方になりますから、そんな失礼な気持ちは毛頭ございませんが、矛盾の原因はようわかっているのです、私は。なぜそんな言葉を濁されるかもわかっているのですよ。しかしこれは、総理が毎回大型間接税はやりません、私の内閣では。その意味はと言われれば、多段階にわたる投網をかけるような包括的な大型間接税は考えません。これはまさに公約でございます。ですから、取引各段階にわたる、多段階の課税はしない、したがってEC型も取引高税もやらない、これなら話はわかるのですよ。答弁に一貫性がある。政府が否定したのは、そういう一般論としてではない、あの五十四年のときの多段階だけを否定しているのです、ああいう言い方、だめなんですよ。これ以上言うとあれですから、これは本当に、委員長おわかりだと思います、私が言っていること。私もこんなわかり切った問題で、見ていらっしゃる方々だれかてわかる問題で政府は言葉を弄しておられる。政治の権威にかかわるものだと私は思う。
#55
○竹下国務大臣 国会の決議の対象は、いわゆる一般消費税(仮称)であります。これは明確にそうだと思います。そして、お示しした類型というものは六類型をお示しして、単段階が三つ、そして多段階が三つというものをお示ししたわけであります。税というのは、それこそ国民の理解と協力なくしては実現するものじゃございませんから、いわば初めから税制調査会等に対しても国税、地方税のあり方についてという諮問をしておりますのも、それは非常に議論というものが広範、自由に行われることが必要だからそういうことを申し上げておるわけです。しかし、国権の最高機関たる国会で、この手法はとってはならぬよと議決されたものについては、私どもはその手法をとるわけにはいきません、その国会決議が変更されれば別でございますけれども。したがって、税制調査会には、これはこういう決議がありますということを報告して、それを議論してもらっては困りますという報告はもとよりしていないわけです。したがって、私どもが理解しております、否定されておるものは正確に報告し、学問的な税の類型については、これは議論していただいては困るというようなことを申し上げるべきものではないというふうに私は思っております。
 そこで、総理がお答えなすったことは、私がこれをフォローしてみますと、いわゆる一般消費税(仮称)というものを念頭に置きながら、それを表現の上で多段階に対して投網をかけるように、その手法はとらない、こうおっしゃったということであるというふうに理解していただきたいと思います。(「休憩、休憩」と呼ぶ者あり)
#56
○天野委員長 竹下大蔵大臣。
#57
○竹下国務大臣 私が、たびたび申し上げるようでございますが、いわゆる単段階と多段階のその類型を課税ベースの広い間接税の類型としてお示ししておることは事実でございます。そして、総理のおっしゃった御意見というものは、質疑応答の過程で読み取ることができるのは、いわゆる一般消費税(仮称)を念頭に置いてお答えになったというふうに私は思っております。
 そこで、この多段階の二つにつきまして、取引高税とEC型付加価値税でございますが、これはこれから国会を初め国民の意見を聞きながら、そしてそれを税制調査会で議論していただいて、そして答申をいただいた上で、今度は政府がそれを取り上げるかどうかを決断しなければならぬわけでございます。したがって、その税制調査会等の議論の対象として、これはやってもらっては困るものだというようなことは言えないというふうに申し上げておるわけであります。(発言する者あり)
#58
○天野委員長 この際、二十分間休憩いたします。
    午前十一時二十六分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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