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1984/02/26 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 科学技術委員会 第2号
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1984/02/26 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 科学技術委員会 第2号

#1
第102回国会 科学技術委員会 第2号
昭和六十年二月二十六日(火曜日)
    午前十時五十分開議
出席委員
  委員長 鳥居 一雄君
   理事 笹山 登生君 理事 塚原 俊平君
   理事 平沼 赳夫君 理事 大原  亨君
   理事 渡部 行雄君 理事 矢追 秀彦君
   理事 小川  泰君
      有馬 元治君    伊東 正義君
      佐々木義武君    櫻内 義雄君
      若林 正俊君    小澤 克介君
      辻  一彦君    遠藤 和良君
      山原健二郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      竹内 黎一君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     宇賀 道郎君
        科学技術庁長官
        官房会計課長  窪田  富君
        科学技術庁研究
        調整局長    内田 勇夫君
        科学技術庁原子
        力局長     中村 守孝君
        科学技術庁原子
        力安全局長   辻  栄一君
 委員外の出席者
        科学技術委員会
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月一日
 辞任         補欠選任
  山原健二郎君     不破 哲三君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     山原健二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  山原健二郎君     不破 哲三君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     山原健二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  山原健二郎君     不破 哲三君
    ―――――――――――――
一月三十日
 原子力船むつ廃船に関する陳情書(東京都文京区湯島一の九の一六広根徳太郎)(第二六二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○鳥居委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 竹内国務大臣から科学技術行政に関する所信を聴取いたします。竹内国務大臣。
#3
○竹内国務大臣 第百二回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
 我が国が、二十一世紀にふさわしい新たな文化と文明とを求めつつ、平和と繁栄に向けて前進していくためには、唯一の資源とも言うべき知的創造力にその生存基盤を求め、産学官の連携を図りつつ、まさに国民の英知を結集することにより創造性豊かな科学技術を創出していくことが喫緊の課題となっております。
 また、一方、世界に目を転じますと、科学技術に対する期待は極めて大きなものとなってきており、世界経済の活性化、さらには人類の発展は、科学技術の振興により達成されると言っても過言ではありません。今や我が国は、欧米と比肩し得る世界の技術先進国としての確固たる地位を築いたわけでありますが、今後は世界のリーダーとして、国際社会発展のために積極的な貢献を行っていかなくてはなりません。
 昨年十一月、科学技術会議が行った答申の中でも述べられておりますが、今後、科学技術政策を推進するに当たりましては、ただいま申し上げましたように、創造性豊かな科学技術の振興及び科学技術による我が国の地位にふさわしい国際的対応を図ることはもとより、科学技術は本来社会と人間の幸福のためにあるべきとの原点に絶えず立ち戻り、人間及び社会と調和のとれた科学技術の発展を目指していくことが肝要であります。
 科学技術庁長官を拝命し、はや四カ月近くが経過いたしましたが、科学技術に対する期待の高まりを肌で感じ、改めてその責任の重大さを痛感しているところであります。今後とも科学技術振興を国家の最重要課題の一つとして位置づけ、科学技術会議の答申の方向に沿って、その推進に全力を注いでまいる所存であります。
 特に、本年三月から筑波研究学園都市において開催される国際科学技術博覧会は、ともすれば難しいものと思われがちな科学技術が、実は私たちの日常生活と密着したかけがえのないもの、二十一世紀を創造する主役であることを、国民の皆様、特に次代を担う青少年の方々に理解していただく絶好の機会であると確信しております。この科学技術振興の象徴たる博覧会を、世界の祭典としてぜひとも成功させる決意であります。
 引き続き昭和六十年度における科学技術庁の主要な施策につき、所信を申し上げたいと存じます。
 第一は、科学技術行政における総合的企画調整機能の強化であります。
 今後、我が国が科学技術の一層の振興を図るためには、科学技術行政における総合的な企画調整機能の充実強化を図っていくことが重要であります。このため、科学技術会議の方針に沿って運用される科学技術振興調整費の拡充を図ってまいります。また、研究評価機能の充実強化にも意を注いでまいります。
 第二は、科学技術振興のための基盤の整備であります。
 基礎研究における国の果たすべき役割の重要性にかんがみ、科学技術振興調整費の活用により、国立試験研究機関における基礎研究を強化するとともに、研究者の交流等を促進してまいります。
 また、高度な知識と多額の投資が集約された科学技術情報の効率的な流通を図ることが、研究開発を促進する上で重要であります。このため、各種データベースの整備、国際対応の強化を図る上で必要な英文データベースの作成、新オンラインシステムの開発等科学技術情報の全国的流通システムの整備を推進してまいります。
 第三は、科学技術国際協力を通じた国際社会への積極的貢献であります。
 国際化の進展に伴い、国際交流の重要性が一段と高まりつつある情勢にあって、サミットで合意された科学技術の国際協力を初めとする幅広い分野における欧米先進国との協力、日本・ASEAN科学技術協力等開発途上国との協力、人材の交流等の国際協力を推進してまいります。
 第四は、流動研究システムによる創造科学技術推進制度の拡充であります。
 科学技術立国を目指す我が国にとって、次代の技術革新を担う独創的な科学技術の芽を発掘し育成することが不可欠であります。このため、産学官のすぐれた研究者を弾力的に組織化して創造性豊かな新技術を創出することを目的とした本制度について、新たに二テーマの研究に着手するなど、より一層の拡充を図ってまいります。
 第五は、原子力研究開発利用の推進であります。
 近時、石油需給は緩和基調にあるものの、中長期的には逼迫化が予想されるところから、石油代替エネルギーの中核たる原子力の研究開発利用を、国民の理解と協力を得つつ積極的に推進していく必要があります。
 原子力の研究開発利用の推進に当たっては、安全性の確保が大前提であり、原子力安全規制行政の充実、安全研究の推進等の各種安全対策を引き続き強力に展開するとともに、電源三法の活用による地域住民の福祉の向上及び地域振興のための施策等を講ずるなど、原子力の開発利用の促進を図ってまいります。
 原子力発電の特徴である国産エネルギーに準じた高い供給安定性を最大限に発揮していくためには、自主的な核燃料サイクルの確立が不可欠であり、ウラン濃縮、使用済み燃料の再処理、放射性廃棄物の処理処分等について所要の技術開発等を進めるとともに、民間における核燃料サイクル施設立地計画の推進に必要な措置を講じ、円滑な事業化を促進することとしております。
 さらに、核燃料の有効利用を図るため、高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設、新型転換炉実証炉計画の推進等新型動力炉の開発を積極的に進めてまいります。
 また、人類の究極のエネルギー源と言われる核融合につきましては、当面の開発目標である臨界プラズマ条件の達成を目指して、臨界プラズマ試験装置JT60による実験を開始することとしております。
 原子力船の研究開発につきましては、今後の舶用炉の研究開発に必要な基本的データ、知見を得るため、原子力船「むつ」による実験を効率的に行うこととし、そのために必要な新定係港の建設等を進めることとしております。
 第六は、宇宙開発の推進であります。
 宇宙開発は、人類に新たな活動領域をもたらし、エネルギー、食糧、環境等地球上の諸問題の解決に方向と可能性を与えるものであります。今後とも、宇宙開発政策大綱に示された方針に沿って、自主技術開発を基調としつつ、我が国の宇宙開発を推進していく所存であります。
 昭和六十年度におきましては、通信、放送、観測及び共通技術の各分野の人工衛星の開発等を引き続き行うとともに、新たに静止気象衛星四号の開発に着手することとしております。
 また、人工衛星の打ち上げ能力の向上のため、HTロケットの開発を進めるとともに、一九九〇年代における大型人工衛星の打ち上げ需要に対処するため、二トン級の静止衛星を打ち上げる能力を有するHTロケツトの研究を推進してまいります。
 さらに、米国のスペースシャトルを利用した第一次材料実験システムの開発を引き続き進めるとともに、米国が提唱している宇宙基地計画の予備設計段階の作業に参加するため、実験モジュールの予備設計等を行うなど、宇宙分野の国際協力を積極的に推進してまいります。
 第七は、海洋開発の推進であります。
 海洋国家日本としては、海洋科学技術に関する研究開発を積極的に推進していく必要があります。
 このため、昭和六十年度におきましては、潜水調査船「しんかい2000」による深海調査技術の研究開発を引き続き進めるとともに、海底鉱物資源や地震予知の研究等に資するため、六千メートル級潜水調査船システムの設計研究を実施するほか、潜水作業技術に関する研究開発を進めるための海中作業実験船「かいよう」を完成させ実海域実験を行うなど、総合海洋科学技術プロジェクトを積極的に推進いたします。
 第八は、ライフサイエンスの振興であります。
 科学技術会議等で示された基本方針に従い、がん制圧を初めとする保健医療、食糧、エネルギー等広範な分野において人類福祉に貢献する総合的科学技術であるライフサイエンスの関連施策を強力に推進いたします。
 特に、研究開発の推進に不可欠でありながら、諸外国に比べて整備がおくれている遺伝子資源の収集、保存、提供体制を強化拡充するため、ジーンバンク事業等を推進してまいります。
 第九は、材料科学技術の研究開発の総合的推進であります。
 先端科学技術であり、かつさまざまな技術開発を進める上で基盤的な重要技術として期待される材料科学技術の研究開発を総合的に推進してまいります。
 最後は、各般の重要な総合研究等の推進であります。
 地震、雪害等の自然災害の防止、軽減を目的として、地震予知、震災対策、雪害対策等の研究を中心に、防災科学技術の推進を図ってまいります。
 また、航空技術の研究開発については、ファンジェット短距離離着陸機STOL機の研究開発を推進し、その実験機を完成させ、飛行実験に着手いたします。
 さらに、リモートセンシング技術開発の推進、レーザー科学技術、重イオン科学技術等の基礎的研究の推進を図るほか、資源の総合的利用方策の調査、新技術の企業化等を進めてまいります。
 以上、昭和六十年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し述べましたが、これらの諸施策を実施するために、昭和六十年度予算案といたしまして、一般会計三千二百九十五億円、産業投資特別会計二十九億円、電源開発促進対策特別会計八百八十五億円を計上いたしました。また、科学技術振興関係の税制につきましては、民間の試験研究を促進し民間活力を大いに発揮させるための優遇措置等をお願いしてまいる所存であります。
 我が国が、厳しい国際情勢の中、豊かで明るい二十一世紀に向けての発展の礎を築いていくためには、科学技術の振興が不可欠であることは論をまちません。その際、科学技術の進歩に伴い提起される諸問題、特に人間の尊厳、倫理との関係等に対する配慮も極めて重要であります。
 私は、科学技術行政の責任者として、その使命の重大さを深く認識し、科学技術の振興に誠心誠意努力してまいりますので、委員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げますとともに、国民の皆様の御理解、御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)
#4
○鳥居委員長 次に、昭和六十年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。宇賀官房長。
#5
○宇賀政府委員 昭和六十年度一般会計予算におきまして科学技術庁の歳出予算額は、三千二百九十五億二千九百万円を計上いたしております。
 また、電源開発促進対策特別会計において、科学技術庁分といたしまして、歳出予算額八百八十四億七千八百万円を計上いたしておりますほか、産業投資特別会計から、日本科学技術情報センターに対し、二十九億円の出資を予定いたしております。以上の各会計を合わせた科学技術庁の歳出予算額は、四千二百九億七百万円となり、これを前年度の当初歳出予算額に比較いたしますと、百二十八億一千六百万円の増額、三・一%増となっております。
 この歳出予算のほか、国庫債務負担行為限度額といたしまして、一般会計九百三十億九千万円、電源開発促進対策特別会計八百九十一億六千八百万円を計上いたしております。
 また、一般会計予算の予算総則におきまして、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を二千五百八億円とするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を二百十四億円とし、これに基づく借入金を使用済み燃料再処理施設の操業費等の一部に充てることといたしております。
 次に、予算額のうち主要な項目につきまして、その大略を御説明いたします。
 第一に、科学技術会議の方針に沿って、科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための科学技術振興調整費の拡充を図り、同会議を中心とする科学技術行政における企画調整機能の一層の強化を図るための経費として、七十三億三千万円を計上いたしました。
 なお、本年度は、国立試験研究機関における基礎研究の強化のためにも、本調整費の活用を図ることとしております。
 第二に、科学技術振興のための基盤の整備といたしまして、まず、日本科学技術情報センターにおける科学技術に関する文献データベース、英文データベース等各種データベースの整備、情報提供機能の向上のための新オンラインシステムの開発等科学技術情報の全国的流通システムの整備を促進するために必要な経費として、一般会計に十七億六千六百万円を計上いたしますとともに、産業投資特別会計から同センターに対し、二十九億円の出資を予定いたしております。
 また、研究公務員の海外・国内研修等研究基盤の強化等に必要な経費として五億三千二百万円を計上いたしました。
 第三に、科学技術分野における国際協力の推進を図りますため、日米協力を初めとする先進諸国との科学技術協力、日本・ASEAN科学技術協力等開発途上国との協力、人材交流等の国際協力に必要な経費として六十五億九千四百万円を計上いたしました。
 第四に、科学技術に対する国民の理解の向上を図りますため、昭和六十年三月から筑波研究学園都市において国際科学技術博覧会を開催するために必要な経費として九十二億四千百万円を計上いたしました。
 本博覧会は、科学技術の重要性に関する国民の理解を深めるとともに、科学技術の国際交流の促進に寄与すること等を目的として開催するものであり、昭和六十年度においては、本博覧会を円滑に開催するとともに、閉会後、展示物及び施設の有効利用を図りつつ、施設撤去等を行うこととしております。
 このほか、科学技術の広報啓発活動の推進に必要な経費としまして一億七千百万円を計上いたしております。
 第五に、先端・重要科学技術分野の研究開発等の推進のため、三千七十三億一千三百万円を計上いたしました。
 まず、流動研究システムによる創造科学技術推進制度の拡充につきましては、産学官の優れた研究者を弾力的に組織化して、次代の技術革新を担う創造性豊かな新技術を創出することを目的とした研究を推進するために必要な経費として、新技術開発事業団に二十五億七千万円を計上いたしました。
 次に、原子力研究開発利用の推進といたしまして一千七百八十億二千万円を計上いたしております。
 まず、原子力安全規制行政及び環境安全対策につきましては、原子力利用における安全の確保に万全を期するため、原子力安全委員会の運営、放射能測定調査研究などに必要な経費として二十億五千四百万円を計上いたしております。
 次に、動力炉・核燃料開発事業団におきましては、高速増殖炉の実験炉の運転等新型動力炉の研究開発を進めるとともに、ウラン資源の海外調査探鉱、遠心分離法によるウラン濃縮パイロットプラントの運転等核燃料サイクル確立のための研究開発を進めることとし、これらに必要な経費として同事業団に六百五十七億六千九百万円を計上いたしました。
 また、日本原子力研究所におきましては、原子力施設の安全性及び環境安全性に関する試験研究、臨界プラズマ条件の達成を目指した試験装置の建設、運転等核融合の研究開発、多目的高温ガス炉に関する研究開発、放射線利用に関する研究開発並びに「むつ」新定係港の建設等原子力船の研究開発を進めるほか、各種基礎的研究等に必要な経費として、同研究所に九百九十六億七千四百万円を計上いたしました。
 また、放射線医学総合研究所におきまして、低レベル放射線の影響に関する研究、放射線の内部被曝実験研究の開始等のため五十五億五千百万円を計上いたしましたほか、国立試験研究機関及び理化学研究所における原子力試験研究等に必要な経費として四十九億七千二百万円を計上いたしております。
 また、宇宙開発の推進といたしまして九百十五億八千五百万円を計上いたしました。
 まず、宇宙開発事業団におきまして、現在運用中の静止気象衛星三号に次ぐ四号の開発に着手するほか、放送衛星二号b、海洋観測衛星一号、技術試験衛星V型、通信衛星三号、放送衛星三号の開発、地球資源衛星一号の開発研究等を行うこととしております。また、重量約五百五十キログラムの静止衛星を打ち上げる能力を有し、自主技術による液酸液水ロケットエンジン、慣性誘導装置等を用いたHTロケットの開発を進めるとともに、一九九〇年代における大型人工衛星打ち上げ需要に対処するため、二トン級の静止衛星を打ち上げる能力を有するHUロケットの研究を行うこととしております。さらに、米国のスペースシャトルを利用した第一次材料実験システムの開発、米国宇宙基地計画の予備設計段階の作業に参加するため、実験モジュールの予備設計等を行うこととしております。これらに必要な経費として同事業団に八百八十八億六千百万円を計上いたしました。
 次に、宇宙科学技術の基礎的、先行的研究といたしまして、航空宇宙技術研究所においてHUロケット用液酸液水ロケットエンジン要素の研究、衛星基礎技術に関する研究等を進めるための経費として二十一億九千七百万円を計上いたしました。
 また、人工衛星の打ち上げを円滑に実施するための種子島周辺漁業対策事業の助成を行うために必要な経費等として五億二千七百万円を計上いたしております。
 また、海洋開発の推進といたしまして六十八億七千五百万円を計上いたしました。
 まず、海洋科学技術に関する研究開発を推進するため、海洋科学技術センターにおきまして、潜水調査船「しんかい二〇〇〇」による深海調査技術の研究開発を進めるとともに、六千メートル級潜水調査船システムの設計研究を実施するほか、潜水作業技術に関する研究開発を進めるための海中作業実験船「かいよう」を完成させ実海域実験を行うなど、総合海洋科学技術プロジェクトを進めることとし、これらに必要な経費として同センターに六十七億円を計上いたしました。
 また、関係省庁の協力を得て、黒潮の開発利用調査研究、海洋遠隔探査技術の開発研究等を進めることとし、これらに必要な経費として一億七千五百万円を計上いたしております。
 次に、保健医療、食糧、エネルギー等広範な分野において人類福祉に貢献する総合的科学技術であるライフサイエンスの振興につきましては、八十四億五千六百万円を計上いたしました。
 まず、理化学研究所におきまして、ライフサイエンスの研究に必要不可欠な細胞・遺伝子の収集、保存、提供を行うジーンバンク棟の建設に着手するほか、遺伝子組みかえ研究棟の建設、遺伝子組みかえ実験施設を用いたがんの本態解明のための研究等を推進するための経費など、十五億九千八百万円を計上いたしております。
 次に、がん研究を支える共通基盤技術等ライフサイエンスについての研究開発を積極的に進めるため、科学技術振興調整費及び新技術開発事業団の委託開発制度を活用することとし、三十三億七千万円の充当を見込んでおりますほか、創造科学技術推進制度により特殊環境微生物に関する研究等を実施するための経費として十億一千二百万円を計上いたしております。
 さらに、放射線医学総合研究所における放射線によるがん診断、治療のための研究、日本科学技術情報センターにおけるライフサイエンスに関する科学技術情報の収集、提供事業を進めるための経費等として二十四億七千六百万円を計上いたしました。
 次に、材料科学技術の研究開発の総合的推進といたしまして、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における各種試験研究を推進するための経費として五十五億九千九百万円を計上いたしましたほか、科学技術振興調整費及び創造科学技術推進制度の活用による材料科学技術に関する研究開発を進めることとし、二十二億一千百万円の充当を見込んでおります。
 その他、重要な総合研究等の推進といたしまして二百四億五千三百万円を計上いたしております。
 まず、防災科学技術の推進につきましては、関東・東海地域における地震予知研究、地震発生機構に関する研究、平野部直下型地震の予知研究等を行うほか、地震防災関連研究、雪害対策研究等を実施するため、国立防災科学技術センターの予算を中心に二十億九千百万円を計上いたしております。
 次に、航空宇宙技術研究所におきまして、短距離で離着陸が可能であり、かつ、低騒音を特徴とするファンジェットSTOL実験機の製作を完了し、飛行実験に着手いたしますほか、航空技術に関する各種研究を実施いたしますため七十八億一千三百万円を計上いたしております。
 理化学研究所につきましては、原子力関係に計上いたしました経費のほか、ライフサイエンス関係、レーザー科学技術の研究等の各種研究を推進するための経費として八十五億五千百万円を計上いたしております。
 新技術開発事業団につきましては、前述の流動研究システムによる創造科学技術推進制度の拡充のための経費のほか、新技術の開発を効率的に進めるとともに、その成果の普及を行うための経費として、同事業団に十六億三千三百万円を計上いたしております。
 資源の総合的利用方策の推進といたしましては、自然エネルギーの利用を中心とした地域エネルギー総合利用の実証調査等を行うほか、資源調査所における各種調査等のため必要な経費として三億五千五百万円を計上いたしました。
 以上、一般会計の歳出予算及び産業投資特別会計からの出資につきまして、その主要項目を御説明いたしましたが、次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁分の主要項目につきまして、その大略を御説明いたします。
 まず、電源立地勘定におきましては、原子力施設の立地を一層促進する見地から、原子力施設の周辺地域の住民等に対する給付金の交付及び周辺地域における雇用確保事業の推進に必要な経費として十三億一千九百万円を計上いたしております。また、地方公共団体の公共用施設の整備に必要な交付金に充当するため三十六億五千九百万円を計上いたしましたほか、放射線監視対策、原子力防災対策などの原子力安全対策等に必要な経費として七十一億四千六百万円を計上いたしました。
 また、電源多様化勘定におきましては、高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設、新型転換炉実証炉に関する研究開発等新型動力炉の開発を進めるとともに、使用済み燃料再処理技術の開発及びウラン濃縮原型プラントの建設等ウラン濃縮技術の開発に必要な経費として動力炉・核燃料開発事業団に七百二十億一千三百万円を計上するとともに、原子炉解体技術の開発、放射性廃棄物処理技術の開発等を推進する経費として四十三億四千百万円を計上いたしました。
 以上、簡単でございますが、昭和六十年度科学技術庁関係予算につきましてその大略を御説明申し上げました。
#6
○鳥居委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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