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1984/03/06 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第3号
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1984/03/06 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第3号

#1
第102回国会 逓信委員会 第3号
昭和六十年三月六日(水曜日)
    午後二時三十六分開議
出席委員
  委員長 渡辺 紘三君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 野中 広務君
   理事 吹田  ナ君 理事 鈴木  強君
   理事 武部  文君 理事 竹内 勝彦君
   理事 西村 章三君
      足立 篤郎君    近藤 鉄雄君
      志賀  節君    谷垣 禎一君
      額賀福志郎君    森  喜朗君
      阿部未喜男君    伊藤 忠治君
      中村 正男君    松前  仰君
      森中 守義君    中川 嘉美君
      山田 英介君    永江 一仁君
      佐藤 祐弘君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 左藤  恵君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  江島  淳君
        大蔵大臣官房審
        議官      大山 綱明君
        郵政政務次官  畑 英次郎君
        郵政大臣官房長 二木  實君
        郵政大臣官房人
        事部長     中村 泰三君
        郵政省貯金局長 奥田 量三君
        郵政省簡易保険
        局長      大友 昭雄君
        郵政省通信政策
        局長      奥山 雄材君
        郵政省電気通信
        局長      澤田 茂生君
        郵政省放送行政
        局長      徳田 隆造君
 委員外の出席者
        大蔵大臣官房企
        画官      溝口善兵衛君
        大蔵省理財局資
        金第一課長   寺村 信行君
        日本電信電話公
        社総裁     真藤  恒君
        日本電信電話公
        社総務理事   児島  仁君
        日本電信電話公
        社総務理事   岩下  健君
        日本電信電話公
        社営業局長   草加 英資君
        逓信委員会調査
        室長      長崎  寛君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十二日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     倉成  正君
  伊藤 忠治君     堀  昌雄君
  中井  洽君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  倉成  正君     江藤 隆美君
  堀  昌雄君     伊藤 忠治君
  小平  忠君     中井  洽君
同月二十三日
 辞任         補欠選任
  山田 英介君     神崎 武法君
同日
 辞任         補欠選任
  神崎 武法君     山田 英介君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  中井  洽君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  小平  忠君     中井  洽君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  中井  洽君     大内 啓伍君
  永江 一仁君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  大内 啓伍君     中井  洽君
  小平  忠君     永江 一仁君
三月六日
 辞任         補欠選任
  伊藤 忠治君     堀  昌雄君
  中井  洽君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  堀  昌雄君     伊藤 忠治君
  小平  忠君     中井  洽君
    ―――――――――――――
三月五日
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 逓信行政に関する件
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
#3
○阿部(未)委員 大臣、初めての質問になりますが、郵政事業が各事業とも非常に厳しい状況の中で大臣が就任をされまして、何かと御苦労と思いますけれども、しかし、郵政行政に精通をされておるあなたが大臣になられたことに私ども大きく期待をしております。ひとつ画期的な政策を打ち出して、今非常に厳しい郵政事業の再生にお骨折りを願いたいと思いますので、忌憚のない質問をいたしますから、かみしもを脱いで御答弁を願いたいと思います。
 まず先般、大臣から所信の表明をいただきました。大臣は所信表明の中で、郵政事業は人手に依存する度合いの非常に高い事業であるから、労使相互の信頼関係の樹立を基礎に、より安定した労使関係の確立に努めたい、そういう趣旨の所信の表明がございました。現在の郵政の労使関係について大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。
#4
○左藤国務大臣 事業そのものはいろいろな面で厳しい環境にあると私は思います。そうしたことで、利用者の皆さんの郵政事業に対します御期待にお答えして健全に発展させていくためには、今お話ございましたように、労使双方初め関係者すべてが共通の認識のもとに事業をよくしていくことに一体となって、そのために努力していかなければならない、このように考えております。そういう意味におきまして、今お話ございましたが、私は、労使双方がそうした信頼関係を大切にしながら正常にして安定した労使関係を樹立するよう、ともに努力をしておるのではないか、このように考えております。
#5
○阿部(未)委員 大臣は今の郵政の労使の関係については、かなり安定をしておるという認識で、さらにこれを努力して発展をさせていきたい、そう受けとめてよろしゅうございますか。
#6
○左藤国務大臣 お話のとおりだと考えております。
#7
○阿部(未)委員 非常に結構なことだと思います。私どもも大体そういう認識を持っておりますので、ぜひひとつ労使関係のより正常なあり方を追求していただきたいと思います。
 そこで、これからの労使関係について具体的に何か施策があるならばお聞かせいただきたいと思います。
#8
○左藤国務大臣 今お答え申し上げたようなことで、お互いの共通の認識のもとに、ともに事業に対して取り組んでいかなければならないという意味におきまして、例えば組合の方からもまた従業員からも、これからの事業がどういうふうにして進んでいくべきだという声と申しますか、そういうことについてのいろいろな提言というふうなものを積極的に出していただくことで、また、省としてもそれを積極的に取り上げていく努力をしていかなければならないのじゃないか、私はこのように考えております。
#9
○阿部(未)委員 今、大臣からお答えいただきましたが、実は、私も党の労働局長という仕事をしております関係で、各労働団体といろいろな話し合いをする機会が非常に多いわけですが、最近の労働運動の傾向としては、いわゆる制度、政策にかかわる問題、例えば減税であるとか医療の問題であるとか年金の問題であるとかあるいは労働時間の問題等、従来の賃金引き上げ一本と言えば語弊があるが、そういうものを中心とした運動から最近の労働運動は大きく変革をしておるといいますか、そういう感じがしてならないわけですけれども、そういう意味で、恐らく郵政の関係労働組合の方からも、今お話しのありましたようにいろいろな提言、政策、制度、そういうものについての考え方、働く側に立っての考え方、そういうものをたくさん出されるのだろうと思います。
 お話しのように、十分そういう点についての話し合いをしながら施策の中に取り入れていく、そう理解してよろしゅうございますか。
#10
○左藤国務大臣 お話のとおりだと思います。一つの面としましては、事業に対しますいろいろな積極的な提言をいただいて、それをともに考えていく、こういうことでやっていかなければならない。いま一つは、今お話しがございました従業員の皆さんの生活環境というようなものが非常に高齢化社会に進んでいくとか、いろいろな社会情勢の変化というものが一面にあるわけでありますから、そういった面におきましてのいろいろな御要求といいますか、また御要望というようなものも我々としても十分考えていかなければならない、このように考えております。
#11
○阿部(未)委員 ちょっと意地が悪いのですけれども、そこまではよく理解ができますが、そこで、提言等が行われて両者の間で意見の一致を見ないような場合も生まれてくるだろうと思います。そういう場合における大臣のお考えを聞かしてもらいたいと思います。
#12
○左藤国務大臣 私はそういうことにつきまして、やはり今申しましたように事業に対します。そういった取り組み方というようなものは、考え方が違うことも生じてくるだろうと思います。それはやはり話し合いの中でお互いの理解ということで解決していくべきだと思いますし、それから生活環境とかそういった問題につきましては、もう少し広いいろいろな社会に対します物の見方というのがありますから、意見の違いも出てくるだろうと思いますけれども、これもまたお互いの理解において辛抱強くと申しますか、きめの細かいそうした話し合いの中においての理解を求めていく、こういう努力をすべきであろう、このように考えております。
#13
○阿部(未)委員 よくわかりました。ぜひひとつそういう方向でお骨折りを願いたいと思います。
 次に、政策上の問題ですけれども、歴代の郵政大臣はその都度所信表明の中で、例えば貯金の総額制限の引き上げとかシルバー貯金制度をつくるとか、あるいは簡易保険の限度額の引き上げとか、そういうものを就任された大臣の一つの施策として打ち出してきた。これはもちろん、最高の政策を決定する大臣の御意思だろうとは思います。しかし、それなりに郵政省は郵政省としての長年にわたる一つの方針のもとに大臣が打ち出した政策だろうと私は思うのですけれども、残念ながら今回の大臣の所信の表明の中には、従来の郵政大臣が打ち出した貯金の総額制限の引き上げやシルバー貯金の創設、あるいは簡易保険の限度額の引き上げ等について全然触れられておらないのですが、これはもうお捨てになったわけですか、おやりになる気があるのですか。
#14
○左藤国務大臣 これは制度の改正と申しますか、そういうふうな形のもう少し広い概念のところで、そういうことで所信の中に入れであった、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。もちろん今もお話ございましたように、これは予算の状況とかいろいろなことで、総体的な経済状況やいろいろな問題で、一つの予算を編成する段階におきましてこういった問題の実現に努力をしてきたわけでございますけれども、そのときの状況でなかなかやりにくい問題もたくさんあったわけであります。これは私は今後とも努力をしていくべきものであり、また私どもの所信表明の中では、今申しましたようなことで制度の改正として包括的に申し上げているわけでして、もうこれは断念したとか、決してそんな性格のものではない、このように御理解いただきたいと思います。
#15
○阿部(未)委員 大臣が就任をされて郵政事業の中でこういうことはやっていきたい、ある場合にはそれが願望に終わるかもわかりません。わかりませんけれども、やはりその責任者としてぜひこれだけのことはやりたいのだという方針を示すことが、そこで働く皆さんの気持ちを引き立てることであるし、言ってみてもできないだろう、予算上無理であるということがあれば、これは歴代の大臣、皆うそを言ってきたことになるわけでございまして、そういう方針がずっと貫かれている以上、左藤郵政大臣にもそれらの方針について明確に大臣のお考えを示していただく、お骨折りをいただく、その結果実現できなかったとしても、それは政策全体の整合性の中でやむを得なかったと言っても――その熱意が欠けておるように思われてならないのですが、これはどうですか。
#16
○左藤国務大臣 昭和六十年度予算のことにつきましては、今御指摘のような点で実際実現できなかった点もあったわけでありますけれども、さらに引き続いて、例えば六十一年の予算の要求という段階におきましては、今お話のございましたような問題について、私は引き続いて要求をしていきたいと考えております。そういうことで、例えば簡易保険の最高限一千万円を一千八百万円に引き上げるということについて、その一千八百万円という数字は若干いろいろなことで検討し直すことがあろうかとも思いますけれども、上げていくということにつきましては方向は変えるべきでない、私はこのように考えておるわけであります。
#17
○阿部(未)委員 お考えはわかるんですけれども、そのことが大臣の所信として表明されていない。それは来年おやりになるかもわかりません、あるいは再来年にずれ込むかもわかりません、しかし、郵政事業を担当する大臣の所信としてこういうことはぜひやりたいのだということが明確に出ていないと、予算がついてそれからやりますというなら何も所信なんか要らないのです。予算がついてからやればいいのです。予算のつく前に、これこれのことはやりたいんだ。しかも、これは改めて大臣が打ち出すわけじゃなくて、長い歴史の中で郵政省の考えとして貫かれてきている方向なんですから、ここでそれがなくなりますと、率直に言うと、これはあきらめたのかな、そういう気がしてならないわけです。
 今のお考えでは保険の限度額の引き上げもやりたいのだ。シルバー貯金なりあるいは貯金の総額制限の引き上げをどうお考えになっているのかわかりませんけれども、あるのならば明確に打ち出して、その実現に向けて努力をしていくというのが大臣の所信でなければならないと思うのですが、どうですか。
#18
○左藤国務大臣 具体的に一つの項目を挙げれば、今御指摘のとおりだと思います。またその中には、ことしはとにかく堅持することができました非課税貯蓄というふうなものの問題につきましても、経済情勢の変化とかあるいはいろいろなことで、そういった問題がまた再燃してくるかもわかりませんけれども、私はそういったものについて、例えば非課税貯蓄の制度というものは堅持していくということについては努力をしていかなければならない、このように考えております。
#19
○阿部(未)委員 非課税貯蓄の問題にしてもそうですが、今私が申し上げた諸般の施策について、今まで歴代の大臣が郵政の方針としてこういうふうにやっていきたいということを責任者として明確にしてこられたわけでしょう。それを持っていないというのは、何かずっとダウンしたといいますか、後退したといいますか、そういう印象を受けてならない。ですから、そういうことではない、これはうっかりして書き漏らしたなら書き漏らしたでもいいですよ、だれが所信表明を書いたのか僕は知らぬけれども、大臣、これは手落ちですよ。はっきり言ってみなさいよ。
#20
○左藤国務大臣 具体的に制度の改善という広いところでそういうふうに私ども考えたわけでありますけれども、御指摘のように、もう少し一つずつの項目を挙げてやるべきであったか、このように思います。
#21
○阿部(未)委員 それでわかりました。
 それでは次に移りますが、実は、郵便事業については郵便事業の法案も出されておるようでございますから、また次に譲りまして、きょうは為替貯金と保険の問題を中心に質問をさせてもらいたいと思います。
 かつて金融の分野における官業の在り方に関する懇談会などというお茶飲み会ができまして、郵政には郵政審議会がちゃんとあるにもかかわらず、こういう妙な懇談会やお茶飲み会を開いていろいろ文句を言った。僕は、当時宮澤さんが官房長官だったから、官制上明確な郵政審議会と単なる大臣の諮問機関であるお茶飲みの機関のいずれの結論が優先するのかと聞いたら、宮澤さんから、それはやはり官制上明確な機関の方が優先しますという答弁をいただいたことがあるのですけれども、その当時大変な議論になったことに、郵便貯金は膨大な赤字を抱えて、郵政事業特別会計の他の会計、例えば郵便事業の郵便料金を値上げして為替貯金事業の赤字を補てんするのだとか、あるいは国鉄という言葉がいいかどうかわからぬが、当時使われましたから、国鉄のように行き詰まって破産するのだとか、いろいろなことが特に民間の金融業界からはやし立てられました。
 私どももそのことを非常に心配してきたのですけれども、今日貯金事業の経営の内容がどうなっておるのか、これは専門の方で結構ですから、郵貯特会の内容について御報告を願います。
#22
○奥田政府委員 郵便貯金特別会計の最近の収支の状況でございますが、本年度、昭和五十九年度の予算では千二百四十五億円の赤字を計上いたしております。しかし、ただいま御審議をいただいております明年度、昭和六十年度の予算案では、単年度で三千九百七十三億円の黒字を見込んでおりまして、その結果、累積赤字は七百九十六億円と大幅に減少、改善される見込みでございます。また、今後の見通してございますが、もちろん金融経済情勢等もろもろの条件によって流動する要素はございますものの、現状のまま推移いたしますれば、昭和六十一年度には、ただいま申し上げた累積赤字も完全に解消するものと見込んでいるところでございます。
#23
○阿部(未)委員 そうすると、当時いろいろうわさをされた郵便貯金特別会計が崩壊するとか、赤字でもってどうにもならなくなるとか、他の会計から繰り入れるというようなことは、全くのためにする話であって、現在の郵貯特会を挑むる限りその心配はない、ましてや貯金者がいささかもそのことについて危惧することはない、そう受けとめていいですね。
#24
○奥田政府委員 御指摘のとおりであると考えております。
#25
○阿部(未)委員 全国の郵便貯金をしておる皆さんにかわってお礼を申し上げます。しっかり頑張ってください。
 そこで、次に移ります。
 その当時、この郵便貯金あるいは銀行のマル優という制度、いわゆる少額貯金保護の制度が脱税の温床であるとか、悪用されているということがはやし立てられまして、まるで少額貯金の保護が諸悪の根源であるように言われたのを私は記憶しております。そこで大蔵省の方では、いわゆるグリーンカード制度をつくって脱税とか悪用についてのチェックをする、そういう法案をお出しになりました。五十五年三月三十一日に参議院を通過したと私は記憶しておりますけれども、公布をされて、昭和五十九年一月一日以降グリーンカード制度が実行さるることになっておったのですが、その後、三年間実施の延期を決め、今回どうも閣議決定では、グリーンカード制度は廃止する、そういう方向が決まったようでありますが、その間の経緯について大蔵省の方から御説明いただきたいと思うのです。
#26
○江島政府委員 さようは中村次官が大蔵委員会でおりませんので、私ピンチヒッターでございますが、私から申し上げるまでもなく、グリーンカード制が導入されましたあれについては、課税貯蓄及び非課税貯蓄の双方を通ずる課税の適正化を確保するというのが目的で、先ほど先生がおっしゃいましたように、五十五年度の税制改革において導入されたものであります。いろいろ事情がございまして、あるいは海外に流れるのじゃないかとかいろいろなことで、実施が五十八年から三年間延期されて六十一年一月までというふうになっておるのは、先生の御指摘のとおりでございます。
 今、六十年度の答申のところを見ますと、グリーンカードにつきましては、今までの経緯に照らし合わせてみますと、制度そのものについて各層の理解と受け入れ体制が十分に整っているとは必ずしも言いがたいということでございまして、各層の理解というのは先ほど申し上げたとおりでございまして、また、国内の金融機関あるいは国税庁の受け入れ体制が十分に整っているということも必ずしも言いがたいということでございます。
 一方、またさらに三年間でも延ばしたらどうだということに対しましては、法的安定性や税制に対する国民の信頼度を確保するという見地からいたしますと、再び延期することは適当ではないと判断せざるを得ないのじゃないかということでございまして、こういう二つの観点から、今回はグリーンカード制度を一たん廃止するということにさしていただいたものでございまして、この点につきましては、六十年度の税制改正の答申におきましても、廃止するという措置を講ずることはやむを得ないというふうにされておるわけでございます。
#27
○阿部(未)委員 それは答申の内容でございますね、政府としては閣議決定したのじゃないですか。
#28
○江島政府委員 おっしゃるとおりでございます。おっしゃるとおりでございますが、今申しましたように、各層の理解と受け入れ体制が十分に今のところは整っておらぬというのが四囲の状況でございますし、また、それじゃもう三年間ほど再び延ばすということもどうかということで、政府としても一たん廃止することにしたものでございます。
#29
○阿部(未)委員 政務次官も中曽根さんの病気が少し移りまして、審議会とか調査会というのを隠れみのにして、ここがこう言いましたと言って逃げるけれども、あのグリーンカード制を導入したときの大蔵省の勢いというのは、それはとても当たるべからざる勢いだったのですよ、僕らも議論しましたけれども。あの勢いがあったのに、今ごろいや調査会がこう言いましたとか、調査会がどう言ったって構わないのです。僕はそんなものは余り問題にしないのです。政府そのものはどうか。確かにこれはこの間、一月十一日に閣議決定したのですよ。間違いないですか。
#30
○大山政府委員 お尋ねのことしの一月十一日といたしますと、租税特別措置法及び所得税法の改正ということでございますかと思いますが、それによりまして廃止をいたすという改正案を閣議決定いただいた、こういうことかと思います。――失礼いたしました。一月十一日でございますと、税制改正要綱を決定したときかと思います。そのときには政府としても、答申等の趣旨を受けて、グリーンカード制度を廃止するというくだりの決定をいただいておると思います。
#31
○阿部(未)委員 一月十一日にたしか要綱の決定を政府がしたはずです。この政府がしたのが問題なんですね。税制調査会が何しようと、こんなものは何も国会を拘束する権利はないけれども、政府が決定したとなればこれは非常に大きな問題なんですよね。
 そこでお伺いしたいのですけれども、グリーンカード制度では脱税の捕捉ができないからこれは変えたのですか、どうなんですか。
#32
○大山政府委員 グリーンカード制度そのものは、総合課税それから非課税貯蓄の名寄せをしっかりするという意味で非常に精緻な、完全な制度であると思います。したがいまして、グリーンカード制度では、脱税と申しますか、非課税貯蓄の適正化は図れないということではないと考えます。
#33
○阿部(未)委員 私どももそう考えて、これが脱税を防止する一番いい方法だと考えて、我々の党もこのグリーンカード制度の導入には賛成をしたわけですよ。当時、私は郵政当局にも聞きましたが、郵政当局も必ずしも反対ではない、こういう答弁を私、いただいておるのです。それにもかかわらず、脱税の捕捉には最もいい方法だと言いながらこれを廃止した、これはもう政府の責任です。政府はなぜこういう閣議決定をしたのか。――あなたではわからぬだろう。
#34
○大山政府委員 政務次官にお答えいただきます前に一言述べさしていただくことをお許しいただきたいと思いますが、グリーンカード制度が成立をいたしましてからいろいろ紆余曲折がございましたことは、委員御承知のとおりかと思います。先ほどちょっと政務次官からもお答え申し上げましたように、資金が流れてしまうのではないかとか、あるいは国民の預金が白日のもとにさらされてそれが貯蓄にどういう影響を与えるか、そういったようないろいろな角度からの議論があったことは御案内のとおりかと思いますが、そういったようなところから、凍結もし、さらに今回も、答申に述べられております言葉を再度引用させていただきますと、各層の理解と受け入れ体制が十分に整っていない、これは答申の文言ではございますけれども、政府といたしましても、やはりまだこのような状況にあるというふうに判断をいたしたわけでございます。
 そして、先ほど政務次官も御答弁申し上げましたが、それではあとさらに凍結期間を延ばしたらどうかという議論もございました。それからまた、もう一度グリーンカード制度を何とか実現できるように汗を流すべきではないかという議論も税制調査会等ではございましたけれども、やはり凍結というような状態を長く続けますということは法的な安定性というものを害するということにもなりますし、中途半端な状態で法律が推移をいたしますということは、国民の法律に対する信頼感といった点からも問題であろうということから、この際別の措置を講ずることといたしまして、それは今大蔵委員会において法案を審議していただいているところでございますが、一たんグリーンカード制度を廃止するという判断を政府といたしましてさせていただいた、かようなことでございます。
#35
○阿部(未)委員 ただ、そうなりますと、あの当時、さっきも申し上げましたが、鳴り物入りでこの制度が一番いいのだと言って国民にも宣伝これ努めて、たくさんの資料もおつくりになったはずですが、あそこまでやってみたけれども受け入れの側、皆さんの大方の理解が得られなかったということは、大蔵省の見通しに過ちがあった、そういうことですね。
#36
○大山政府委員 その点につきまして、いかなる御判断と申しますか御批判をいただこうが、それはお受けしなくてはならないと思いますけれども、私ども、先ほど申しましたように判断をいたしたということでございます。
#37
○阿部(未)委員 それ以上言いませんが、しかし私は、やはりあれだけ一生懸命やってできなかったというのは、大蔵省の見通しが甘かったとしか言いようがないと思うのですが、あの宣伝とか式紙類をいろいろつくりましたね、どのくらい金がかかりましたか。
#38
○大山政府委員 ちょっとお答えいたしますデータを持ち合わせておりませんが、さほどPRの文書をつくったということはなかったように記憶をいたしております。はっきりしたお答えができないで恐縮でございます。
#39
○阿部(未)委員 つくったPRの伝単といいますかビラとかあるいは式紙類は、大蔵省のどこかにまだ保管してありますか。
#40
○大山政府委員 つくりましたものは税務署等に配布をいたしまして、既に使用済みのようでございます。
#41
○阿部(未)委員 まことに行革の趣旨に反する措置でありまして、我々としては非常に残念に思うところでありますが、これは過ぎたことですから、もう私はそれを取り上げてとやかく言いません。
 あと何か新しい制度の問題が出されておりましたが、機会があればまた議論したいのですけれども、これはすぐれて大蔵委員会の議論にまたなければならないだろうと思いますけれども、一つだけお伺いしておきたいのは、郵便貯金がまさに庶民の貯金としてこれまで果たしてきた役割、それから今日果たしておる役割一同時に、国民が大きい期待を寄せてきておるということについて、今後の郵便貯金のあり方というものを大蔵省はどうお考えになっていますか。
#42
○江島政府委員 先生御指摘のとおりに、郵便貯金は貴重な国民の皆様方の貯金をしていただいていることでございますし、そしてこれを有効にいろいろな公共的な投資に使わせていただいているということについては、非常に高く大蔵省としても評価しておる次第でございます。しかし、やはりいろいろ考えますと、官業と民業というようなこと、いろいろございますので、そういうようなことについてもいろいろ考える要素があるんじゃないか。少なくとも郵便貯金の役割というものは大変にありがたく評価しておる次第でございます。
#43
○阿部(未)委員 官業、民業の問題になればもう少し議論せんならぬのですが、恐らく政務次官はそう言えと言われてきて言っておるのだろうと思いますが、もう少し具体的に聞きますが、それで大蔵省は金利の自由化の今日の情勢についてどうお考えになっていますか。
#44
○溝口説明員 預金金利の自由化の問題でございますけれども、私どもも国民経済的にも基本的に望ましいことだと考えておりますし、前向き、主体的にこれをやっていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。昨年日米で協議をいたしましたとか、あるいは大蔵省といたしましても金利を含め金融自由化をどう進めていくかという展望を示したわけでございます。そういうことで前向き、主体的にやっていきたいというふうに考えております。
 しかし、預金金利の規制と申しますのは、昭和二十二年の臨時金利調整法に基づきまして戦後一貫して実施されておるものでございますので、規制を全部一挙に撤廃するということになりますと、これは信用秩序でありますとか経済全般に大きな影響を及ぼすおそれがございますので、漸進的にやっていく必要がある、こういうふうに考えております。
#45
○阿部(未)委員 基本的には金利の自由化は今日の経済、金融の趨勢である、そういうようなお考えに立っておるようでございますが、そこでこの郵便貯金が一般の金融と違う点、郵便貯金は預かったお金を自由に運用することができないわけですね。これは全部大蔵省の資金運用部に入っていって、その資金運用部が財投としてお使いになる、これが九十何%かになるはずでございます。そうすると、金利は自由化されていく、金融の趨勢によって金利は自由化されていくが、郵便貯金で集めた金は全部資金運用部に入っていく、自由に運用ができない、この矛盾をどう考えますか。
#46
○寺村説明員 今御指摘のように金融自由化が進展をいたしておりますが、ただいま銀行局から御答弁申し上げましたように、預貯金金利の方はまだ規制されている段階にございます。その他の例えば長期金利などは、今だんだんと市場の実勢に応じて金利が変動するということになっております。
 そこでお尋ねの御趣旨は、郵貯が集めた、預貯金金利で集めたものを運用する預託金利が今後どうなるかという見通しであろうかと存じます。今までは預託金利というのは、先ほど御質問にもございましたように、一方では公共的な目的に使われておりますので、国民金融公庫とか中小企業金融公庫とかあるいは住宅金融公庫とか、そういう公共的なサービスに使われる、その方の国民の利益ということも考慮しなければいけないというところで、全体としては、一方で預貯金金利がございまして、もう一方は国民公庫の基準貸出金利、その間の水準で決めてきたという経緯がございますけれども、今後長期金利がどんどん自由化されていく中で、預託金利を本当にどういう水準に持っていったら適当であるかということは非常に難しい問題でございまして、今私どももいろいろ検討いたしているところでございます。
#47
○阿部(未)委員 金融市場の趨勢が自由化の方向にある、これは今あなたもおっしゃいましたね。その中で自由な競争をするのに、集めた金の運用が自由にできない、そこで縛られてしまう。利子を何%にするかというのは、それは問題じゃないのです。そういう縛り方ですね。金融市場が自由化されていくなら郵便貯金の運用も自由化すべきじゃないかというのが私の主張なんです。どうですか。
#48
○寺村説明員 およそ今の統合運用のシステムは、国の制度あるいは信用を通じまして集められました公的資金を資金運用部で一元的に運用しているという制度、これは資金運用部資金法で定められている制度でございます。これは、こういった公的な資金は公的な、公共目的に沿った運用に回すべきであろうという考え方から出ているものでございまして、やはりそういった資金は資源配分上、公共性の要請というのがまず優先されるのではないか。そうしますと、政策的な重要性に応じたバランスのとれた配分をしなければいかぬ。それから現在、郵便貯金が五十八年度末で八十五兆円、年金資金が四十三兆円、その他の資金が十一兆円ございますけれども、こういった非常に大きなお金でございますので、やはり財政金融政策との整合性を保っていかなければいけない。そういうような観点から統合運用をやっていくのが一番適切なシステムではないかと考えているわけでございます。
#49
○阿部(未)委員 あなた方は郵便貯金は公的な資金だとおっしゃるけれども、これは国の機関がやっておるから公的とおっしゃるのかもわからぬけれども、郵便貯金で集まった金だから公的であって、銀行が集めた金だから公的でないというのは一体どういうことになりますか。なぜ郵便貯金だけが公的になるんですか。金融市場が自由化していく中で、郵便貯金が集めた金だけが公的な資金であって、民間の金融機関で集めた金は公的でないという理屈はどこから成り立つわけですか。
#50
○寺村説明員 それは郵便貯金の制度が国がやっている、国の制度に基づいて行われておる、それから国の信用を背景にして行われている、そのために全国津々浦々に零細な貯蓄手段を国が提供しているということでございます。それで、例えば民間金融機関でございますと、先ほどの郵政省への御質問にございましたけれども、もし赤字でございますと、たちまち預金の取りつけ騒ぎとかそういった問題がございますけれども、郵便貯金は国の信用を背景にしておりますから、たとえ赤字に出てもそういう問題が起きない、そういうところの違いでございます。
#51
○阿部(未)委員 それじゃ郵政省当局にお伺いしますが、郵便貯金が少々赤字を出しても国が後は知っちょる、心配要らない、こう考えていいんですね。貯金局長、どう考えていますか。
#52
○奥田政府委員 申し上げるまでもございませんが、郵便貯金事業は独立採算の原則で郵政省の、また郵便貯金特別会計みずからの責任において運営をされているものでございます。先ほど来御議論になっておりますように、一時的に赤字を生じました事態もございますけれども、これはまさしく先ほど来御指摘の支払いの預貯金金利と受け取る預託利率との関係に端的に申しまして種々不自然と申しますか、そういう構造になっているということから出てきているものというふうに考えているわけでございまして、私どもはその辺の問題も解決をして、あくまでも郵便貯金事業の独立採算を維持してまいりたいと考えているところでございます。
#53
○阿部(未)委員 そうしますと、大蔵省何とか審議官ですか、今お答えがあったのは、独立採算制で、したがって赤字が出ればその赤字の責任は郵政省、郵貯特会がおんぶしていかなければならぬ。ところがあなたは、国が保証してやってあるんだから集まった金を公的な資金として国が扱うのは当然だ、財政全般を見渡してやるんだ、こうおっしゃるけれども、独立採算で何にも国が保護しておりはせぬじゃないですか。何をどう保護しているんですか。
#54
○寺村説明員 先ほど御答弁でちょっと言葉足らずのところがございましたけれども、単年度の赤字が出た場合でございまして、もちろん郵便貯金特別会計は独立採算制を原則にしておりますので、従来もそうでございますけれども、長期間を通じましては収支均衡が保たれる、またそうでなければ、独立採算制を原則としている郵便貯金特会のあり方としてもそれは妥当ではないということになると思います。
 ただ、全体的に国の信用というのは、個々の金融機関でございますと、その機関が例えば対応しなくてごく短期に生じても、そこはいろいろ問題があるわけでございますが、そういう運営が可能であるというのは、国の信用というのが一つ、また国がやっている制度である、つまり一民間金融機関がやっているものではないというところに位置づけがあるんだと思います。したがいまして明治以来、そういう制度が続けられてきたんではないかと考えております。
#55
○阿部(未)委員 どうもよくわからないのですがね。国がやろうとだれがやろうと独立採算制である限り、しかも今金融市場が自由化に向かって動いていく中で、片方では規制をかけて預かった金は国が使いますよ、そして独立採算でやっていきなさい、それはむちゃじゃないですか。独立採算で運用しなさいと言う以上、その運用の権限もそこに与えなければ、国の信用があるからと言うけれども、国の信用なんというものは民間の金融機関にだって全部あるのですよ。護送船団方式と言われるほど、今銀行つぶしたら大変だから大蔵省が介入をして金融機関を擁護しておる、僕ら知っています。それは悪いと言いませんよ、銀行が倒れたら大変ですから。そこまであなた方は十分保護を民間の金融機関にだって加えておるから、何も郵便貯金だけが国の保護が後ろにあるということにはならないのです。
 そうしますと、今申し上げましたように、独立採算制である限りその預かった金を、しかも金融自由化の市場に向かって自由に運用させなければ、独立採算制が維持できなくなるのじゃないですか、こう聞いておるのですよ。
#56
○寺村説明員 国の制度でございますので、例えば各種の税負担は郵便貯金事業の場合は一切免除されております。印紙税とか固定資産税とか、それから例えば準備預金制度というのは、民間の場合でございますと、やはり預金の保証をするために求められているわけでございますけれども、それは国がやっている機関でありますから、そういうことは必要ないであろうといったいろいろな面で制度的な違いが一方にございます。
 問題は、今後の金融自由化の中で郵便貯金特別会計が独立採算制の原則で維持できないのではないかというところにあろうかと存じますけれども、そういうことにならないように預託金利を今後どう考えていくかということが、これからの問題だと私ども考えております。
#57
○阿部(未)委員 そこは僕は議論のあるところなんですがね。預託金利をそれだけ考えてきておったならば、この前の郵貯戦争のときに起こったような、郵便貯金が崩壊するとか――国のバックがあるから心配要らないという議論にならなければならなかった。しかし郵便貯金は崩壊するかもわからぬ、郵便事業の方から金を繰り込むのだ、こういうことが公然と当時言われたものなんですけれども、今のお話によりますと、国がバックアップしておるから心配ないのだ、しかも特別な計らいをしておるのだ、こうおっしゃっておるわけですね。
 したがって私、そこで聞きたいのは、恐らく率直に言って全部郵便貯金が自由に運用すると言っても、それは国も困るでしょう、財政全般の運用があるからそれは国も困るでしょうが、例えばその中で一部を自由に運用させることによって、預金者の利益も守ることができ、独立採算制もはりうまくいくとするならば、そういう方途は考えられるべきではないのですか。
#58
○寺村説明員 先ほど申し上げましたように、現在資金運用部資金は百四十五兆円ございますが、郵便貯金が八十五兆円、それから年金資金が四十三兆円ございます。その他の資金が十一兆円ございますけれども、各それぞれの預託者もいずれもただいまお尋ねのようにそれぞれ自主運用をしたいという御要請がございます。それで、仮に郵便貯金に一部そういう自主運用ということになりますと、これは例えば年金資金は別だよということにはなりませんので、当然同じような取り扱いになるということになりますと、金額のめど自体もはっきりしたものでございませんので、今の統合運用の仕組みそのものが根底から覆されてしまう。そうなりますと、例えば住宅対策ですとか中小企業対策ですとか、あるいは地方公共団体に対する資金供与ですとか、今財政投融資が果たしております機能が根底から覆ってしまうということで、統合運用の原則というのはやはり維持していく必要があるのではないかと私どもとしては考えております。
#59
○阿部(未)委員 それは大蔵省なり国の財政運用の立場からそういうお考えだろうと思うのですけれども、その事業を預かる者の立場からすれば迷惑な話で、そうでしょう、国の財政事情があるからといって独立採算制で押しつけられて、しかもおれらの言うことを聞けと言ってやられたのでは、事業を預かる方から見たら大変なことですよ。
 そこで、時間も少なくなりましたから結論を急ぎますが、例えば大蔵省は国債を発行していますね。今までの議論の中で、民間の金融機関が国債を押しつけられて資金が逼迫して困る、こういう意見がしばしば出ておるのです。そこで例えば、郵便貯金も同じ国の仕事なんですから、郵便貯金の一部で国債を購入する、そういうようなことは一体考えられないのですか。
#60
○寺村説明員 六十年度の財投編成で資金運用部は五兆円の国債引き受けを行うことにいたしました。六十年度は五十年度に大量に発行いたしました国債のちょうど借りかえの時期が到来するということで、一般会計の方の新規国債の発行額は一兆円減額をいたしましたけれども、一方で借換債が急増するといったような事情もございましたので、国債の円滑な消化を図るために、前年三兆六千億に対しまして一兆四千億の国債引き受けの増加を図ったところでございまして、やはり統合運用のシステムの中で御指摘のような問題を解決してまいりたいと考えております。
#61
○阿部(未)委員 今私が申し上げたのは、独立採算制を片方で押しつけておるのですよ。統合運用では独立採算制の中における利益というのは全然出てこないのです。そうでしょう。独立採算制である以上は、そこが利益が生まれるようなより有用な運用ができるようなことを考えてやらなければならない。その中の一つとして、同じ国の仕事である国債を独立採算制でやっておる郵貯の資金の一部で買わしたらうまくいくではないか。銀行は国債を押しつけられて迷惑だというのですから、そんなら銀行にそんな迷惑なことをかけなくても、一部でもこの独立採算制でやっておる郵便貯金に持たせるべきではないか。
 これは貯金局長、どうですか、国債を引き受けて郵便貯金事業としては非常に支障がありますか。
#62
○奥田政府委員 冒頭も御指摘がございましたとおり、郵便貯金の資金による国債の引き受けにつきましては、ここ数年来郵政省としてその実現を求めてきているものでございます。したがいまして当然、郵便貯金事業の運営に支障があるからと考えてその実現を求めているわけではございませんで、先ほど来御指摘の特に金利の自由化、金融の自由化の時代を迎えて、郵便貯金が自由化に的確に対応するためにむしろ、それはぜひとも必要であるというふうに考えているところでございます。
#63
○阿部(未)委員 時間がないから政治的な判断を政務次官に仰ぎますが、今両者からの意見をそれぞれお聞きになったとおりでございます。私は、独立採算制を押しつけておる限り、預金者の利益を守る意味からも、また金融市場が自由化に向かって非常に難しい情勢になっていく中で、郵便貯金の一部で国債を引き受ける、そういう方法を講じてもらうように政治の次元において話し合いをしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
#64
○畑政府委員 ただいま阿部先生の御指摘の点は、私ども政治家の一員としましては、これはやはり国債の引き受けその他自主運用の面を大きく活用させていただきまして、やはり郵便貯金といいますものが今日の自由化の波の中にございましても健全な一つの立場を堅持し得る、そしてまた問題は、預金をされた国民の皆様方によりよきサービスができますような、そういう方向に政治家の一員としましては努力をしてまいりたい、かように考えております。
#65
○阿部(未)委員 名答弁です。今の問題についてはぜひひとつ政治家の次元において、郵便貯金の一部で国債を引き受けるという方法について十分な御検討をお願いをしておきたいと思います。
 それから、私ども地方におって気になるのは、最近、民間の金融機関でも非常にいろいろな商品が発売されておるようでございます。ビッグだとかワイドだとか中国ファンドというのですか、いろいろあるようでございますが、これは郵政省の方が詳しいのですか、貯金局が詳しいのですか、この新しい商品の利回り、最近の売れ行きの状況はどうなっていますか。
#66
○奥田政府委員 ただいまちょっと利回りについては私、手元に資料を持っておりませんが、増加状況について簡単に私どもの承知しておりますところを御報告申し上げます。
 まず、五十八年度の数字でございますが、ビッグでございますと五十八年度中に約二兆七千億円増加をいたしまして、残高で対前年比一三一%強となっていると承知をいたしております。またワイドは、五十八年度中に七千六百億円余り増加をいたしまして、残高で対前年比五八%程度の増加になっております。また中期国債ファンドは、五十八年度中に五千億強増加をいたしまして、残高で対前年比六九%程度の増加というふうに承知をいたしております。
#67
○阿部(未)委員 そういう民間の新しい商品の伸びぐあいに対応して、郵便貯金の伸びぐあいはどういうことになっていますか。
#68
○奥田政府委員 郵便貯金はここ数年、例外的な一時期を除きまして、趨勢的に伸び悩みが続いているところでございます。これをいわゆる窓口での純増のペースで申し上げますと、昭和五十五年度は、御承知のような金利天井感というような時期でもございまして、対前年比一四八%というような数字を示しておりますが、五十六年度が五一%、五十七年度が一一〇%、五十八年度は七九%、そして本年度は四月から二月までで対前年度七五%というような伸び悩みの状況になっております。
 こういった状況は、最近の我が国の経済情勢を反映いたしまして、貯蓄の源泉であるところの家計可処分所得の伸び悩み、あるいはただいま御指摘の金融資産選択の多様化、こういった事情が基本的な原因になっていると考えられるところでございまして、私どもこういった状況から回復をいたすためにいろいろな工夫と努力をしなければならないと考えているところでございます。
#69
○阿部(未)委員 大蔵省の言い分によると、国の財政全般に非常に大きい影響を持つ郵便貯金の資金でございますから、なるべくたくさん集めてもらわにゃいけませんが、可処分所得が非常に低くなったから貯金が伸び悩むということになれば、これは金融市場全体が伸び悩むわけですね。しかし、民間における新商品、利回りの高いものが伸びておるという傾向は、私は必ずしも可処分所得だけでは解明できないシステムみたいなものがある。これはやはり郵便貯金としても、そういうものに対応する新しい品種の商品を売り出すことが預金者のためにも非常にいいことではないかと思いますが、そういう点については何か案がございますか。
#70
○奥田政府委員 御指摘のとおり、最近の郵便貯金の伸び悩みには、一般的な所得の増加状況もございますが、もう一つは、先ほども申し上げましたとおり金融資産の選択の多様化ということが大きな背景になっているというふうに考えられるわけでございまして、私どもといたしましても、ただいま具体的に御披露申し上げる用意は持ち合わせておりませんが、特に先ほど来御議論になっております金融自由化、金利自由化との関連において、郵貯の利用者の御要望にこたえる新しい商品の開発について鋭意努力をしてまいらなければならないというふうに思っております。あわせまして、昨年金国的に完成をいたしましたオンラインシステムを利用した新しいサービスということにも、配意をしてまいりたいと考えているところでございます。
#71
○阿部(未)委員 私は、郵便局に貯金をする零細な皆さんの新聞の投書でもわかるように、いかに郵便貯金が信頼をされ、しかも庶民の大きい期待を集めておるかということは十分理解をいただいて、そのニーズに沿えるように郵便貯金の制度についても改善を加えていただきたい。民間がやることは、国のバックがあるとさっきおっしゃったけれども、国のバックのある郵政省がやれぬわけはないはずでございますから、ひとつ努力をしてもらいたいと思います。
 貯金についてはもっと聞きたいことがありましたが、時間が少なくなりましたので、簡易保険事業について二、三点お伺いしたいと思います。
 先ほど大臣にもちょっとお伺いしたのですけれども、加入限度額の引き上げについては大臣もやりたいのだと、さっき少し芽が出たような話をちょっとしていましたが、どんなことになっておりますか。
#72
○大友政府委員 簡易保険の加入限度額の引き上げにつきましては、先ほど大臣も御答弁申し上げましたとおり、省としても予算の最重要施策として取り組んでまいったわけでございまして、当委員会におかれましても、早期に改善を図るべきであるという附帯決議をいただいていたこともございますし、六十年度予算編成の過程におきまして省の重要施策として取り組み、関係各方面と鋭意折衝を重ねてまいりました。残念ながら合意に至らなかったわけでございますが、昨年末の予算編成の最終段階におきまして、郵政、大蔵両省間で、簡易保険事業の実情を踏まえ、成案を得べく鋭意検討するということで集約されたところでございます。
 御案内のとおり、現在の加入限度額一千万円というふうに決められましたのが、昭和五十二年九月でございました。それから既に八年間がたっておりますし、その間の国民生活水準の向上等によりまして、生命保険としての機能が十分に果たし切れなくなってきているというような状況にございます。それらの状況を踏まえまして、加入者の皆様方からも連年、引き上げについての強い要望も出されておるところでございますし、早期に実現ができますよう、昨年末の最終整理の姿を踏まえて、私ども全力で今後実現に向けて努力を傾けていきたいというふうに考えておるところでございます。
#73
○阿部(未)委員 政府の中でそういう合意が進んでおるということは非常に好ましいことでございます。
 一言だけ申し上げておきますが、先般、私の近所の中学校で、子供がプールの排水に吸い込まれまして亡くなったのですよ。その補償が三千万、学校災害などいろいろありますが、子供が示談で結局三千万円です。今は一千万円という保険の金額は常識的に用を足しませんよ。ですから、もっと大幅に引き上げてほしい。それから私は、選択肢は広いほどいいと思うのですよ。だからといって、政府の事業ですから青天井などとは申しませんが、もっと選択肢を広げると、その意味から今日の常識にかなった程度の金額は保険金の限度額としてぜひ認められるべきだし、認めてやらなければならない。幸い今の局長の答弁では、政府の内部で合意が進んでおるようでございますから、政務次官、これはさらに進めてもらうように、どうですか。
#74
○畑政府委員 阿部先生の大変事業を愛する情熱がほとばしり出る御質問でございまして、大変感銘深く拝聴しておるわけでございますが、先ほど大臣からも申し上げましたとおり、予算編成の最終段階におきましても左藤大臣から強くこの点は要請をされまして、ただいま局長も申し上げましたように、成案を得べく両省協議をするというような段階でございます。引き続きこれは強い国民世論を背景に努力を続けてまいりたいと考えております。
#75
○阿部(未)委員 それからもう一つお伺いしておきたいのです。
 この委員会で附帯決議にしたという記憶が私はあるのですけれども、簡易保険の余裕金の運用はその後そのままになっておるのか、附帯決議に従って自主運用できるようになったのか、これはどうなりましたか。
#76
○大友政府委員 簡易保険、郵便年金資金の運用制度の改善につきまして本委員会におきまして、さらに努力をするようにという附帯決議をいただいております。内容としましては、余裕金を積立金と同様に直接運用できるようにすること、さらに運用範囲を拡大することということを主たる内容とするものでございますが、私ども簡易保険、郵便年金事業を預かる者としましては、国民の生命保険としての十分な機能を果たし得るように実質的な保険料を引き下げるためには、運用制度の改善によって運用利回りを向上させるということがどうしても必要であるというふうに考えておりまして、六十年度予算の中におきましても、鋭意努力を重ねたわけでございますけれども、政府部内で結論を得るに至っておりません。
 ただ、運用制度の改善は、やはり加入者の共同準備財産としての性格ということもございますし、今後ますます速度を速めようとしております金融・金利の自由化あるいは金融商品の多様化というふうな状況の中で、その必要性はさらに高まってまいるというふうに私ども受けとめております。運用範囲をさらに拡大して加入者の実質的な利益を図っていくということにつきまして努力を重ねてまいりたいということで考えて、今努力を重ねているところでございます。
#77
○阿部(未)委員 大蔵政務次官に御出席いただいておりますが、やはり国会の決議というものは重く踏まえてもらわなければなりません。ましてや内閣は連帯して国会に責めを負うはずでございます。逓信委員会といえども、意味もなく決議したわけではないのです。附帯決議を付したということは、それなりの議論を踏まえ、各党間の意見の一致を見た上で附帯決議を付したのです。それがもう何年もたって、なおざりにされておるというのは、私はまことに納得分いかない。
 しかも、今郵政当局の方に聞いてみると、ぜひやりたいんだ、こうおっしゃっておる。国会の意思も、そうしなさいと言っておる。にもかかわらず、できない。どうもおたくの方に責任がありそうですが、大蔵省としては国会の意思というものを一体どう受けとめておられるのか、ちょっと聞かしてもらいたい。
#78
○江島政府委員 今、先生がおっしゃったことは、まことにごもっともでございます。国会の附帯決議というものは大変に重要な意味を持つということは、私も議員の一員として十分に心得ておるつもりでございますので、今のいろいろな附帯決議をいただきましたことにつきましても、鋭意前向きに検討させたいと思っております。
 先ほど私、申し上げる機会がなかったのでありますけれども、先ほど来先生からしばしば、できるだけ自主運営をさせる、それから効率的にするようにというお話がございました。これは私が言うまでもなく、昔からある問題でございます。また、努力して集めた者が運用すべきだというふうな議論も、それはあると思うのでございますけれども、やはり先ほどから事務当局が答えておりますように、国の資金の統合管理、運用の仕組みというものは堅持すべきだというのが筋じゃないかというふうに考えておる次第でございます。
 それから、独立採算制のためにも国債をというお話もございますが、これはやはり預託金利をどうするかというようなこととの関連があるんじゃないかと思いますので、その辺につきましても、今後検討させていただきたいと思うわけでございます。
#79
○阿部(未)委員 前の方はそれでいいのですが、後ろの方の議論は大変後戻って、そういうことになりますと、政府の中で意見がまるで違うことになる。どっちも政務次官でしょう。こっちの政務次官はそういうふうにやりたいと言う。あなたはそれはできないと言う。
 だから私は言うのですよ。国家財政の運用という面で、集めた郵便貯金は全部国債を買うなんて言ったら、それはできぬだろう。また、やると、私たちの計算によると、大体年間五千億ぐらい郵便貯金の収入がふえるんだ。しかしそれはできぬだろう。そんなむちゃを言うんじゃないのですよ。そのうちの一部の運用でも認め、国債を買うことによって預金者の利益に連なり、そして独立採算制の有益につながるならば、そういう方途を講ずべきである、私はこう主張しているのであって、集めた金を全部自主運用してしまおうといったって、それはできないぐらいのことは、私だって国の財政を見ているからわかりますよ。
 しかし、その程度の配慮がなければ独立採算制といいあるいは預金者の保護をすると、さっき民間からは有利なものが出回っておるという意見もありましたが、そういう商品をつくるについても、その程度のことは認めてやらなければ預金者に対する還元にならないではないか、そういう趣旨で検討してくださいと申し上げて、郵政政務次官は非常にいい趣旨だとおっしゃる。あなたはそれは困るだろう、こう言っておる。政府の中の意見がまるきり違うとなると、これは大変ですよ。
#80
○江島政府委員 郵政政務次官は郵政省をしょっておる、大蔵政務次官は大蔵省をしょっておる、それをそれぞれ言っておるのじゃないかという御指摘でございますけれども、先ほどからたびたび申し上げておりますように、これは長く言われておる議論でございまして、それだけにやはり非常に深く、また大事な問題であろうというふうに私は考えております。ここで二人だけで今やっておっても解決できませんので、そういう点の御趣旨を含めまして努力いたしたいと思っております。
#81
○阿部(未)委員 鋭意努力してください。ただ私が言っておるのは、今突然じゃなくて、金融自由化の金融市場に向かってのあり方について検討してもらわなければならぬということを言っておるのであって、あなた、おれは大蔵省、こっちは郵政省、それは間違いですよ。さっき言ったでしょう、内閣は連帯をして国会に責めを負うのですよ。これは間違わぬようにしてくださいよ。
#82
○江島政府委員 私が申したのは、それをそう言っているわけじゃないということを申し上げたわけでございます。
#83
○阿部(未)委員 では、最後になりますが、簡易保険は最近、保険料を引き下げだということを大分宣伝しておったようですが、保険料の引き下げをやったのですか、経過をちょっと……。
#84
○大友政府委員 簡易保険の運営の状況につきましては、昨年の四月に、昭和四十三年以来連続してまいった分配金の増額をいたしました。さらに昨年の九月から、五十四年に引き続いて五年ぶりに、保険料の計算基礎となりますものを全面的に見直しをしまして、全体として約八・六%引き下げたところでございます。
 その後の募集の状況というものを私ども非常に関心を持って見守ってまいったわけでございますが、つい最近に至るまでの全体の状況の中では、前年度に比べて約一〇%程度上回った形で募集推進が図られてきているということでございます。五十九年度予算を策定しましたときに持っておりました五百十億円の新契約目標というものにつきまして、近日中にその目標を達成することが可能であろうかというところまで参っております。
#85
○阿部(未)委員 これは政務次官、私も選挙やらいろいろやらしてもらうものですから、郵便局の保険だけじゃないのですよ、民間の保険の方々もたくさんお見えになりまして、そして勧誘があるのです。この前、民間の保険会社の方の話を聞きましたら、簡易保険が保険料を引き下げた、だから民間でも今度引き下げることになった、こういう話で、うちの方も掛金が安くなったといって来たわけなんですよ。私は、まさにこれは生命保険事業の中における先導的な役割を果たした、逓信委員会におる者としては鼻高々だったのですが、保険業界はそういう状況にあるのですか。
#86
○大友政府委員 既に先生御承知いただいておりますとおり、戦後は民間の生命保険会社と私どもの簡易保険との間では、無診査の個人の保険という分野を共用するような形になっておりました。いろいろ官業、民業というようなことの御議論もいただいておるわけでございますけれども、保険料の引き下げ一つをとりましても、私ども過去の保険料引き下げは、四十年代以来ほぼ五年に一度ずつ全面見直しをして、保険料の引き下げということをいたしてきております。もちろんその根底には、戦後医療水準が格段に向上したというようなことによる平均寿命が伸びてきたというふうなことが、一番大きな原因としてあるわけでございますけれども、四十九年に引き続いて五十四年に男女別の保険料というようなものも採用いたしまして、昨年九月に先ほど申し上げたような形で保険料の引き下げを行った。民間の生命保険会社さんはそれぞれ、それからしかるべき時期を置いて保険料を引き下げられる。今回も、四月から保険料を引き下げられるというふうなことを伺っております。
 それで保険料、今度民間の生命保険会社さんが引き下げられた時点、約一〇%平均と承っておりますけれども、保険の種類、保険期間等々によってそれぞれ違うわけでございますが、ほぼ昨年の九月までの水準、すなわち、一部の保険の種類と一部の保険期間については民間の方が若干、十円ないし二十円というような少ない金額でございますけれども、保険料が低い。そのほかにつきましては従来どおり、私どもの方が若干、表定保険料としては低いというふうな水準に落ちつくのであろうかと私ども見込んでおります。
#87
○阿部(未)委員 今お聞きのように、金融の分野においても国民生活の分野においても、郵便貯金なり簡易保険が占めておる役割というものは非常に大きいわけでございまして、実は、大蔵政務次官に御出席いただくのは気の毒だったんですよ。本来なら大臣と思ったんですけれども、大臣は予算委員会もあるし、大蔵委員会もきょうあるということで、来ていただいたのですが、これはやはり将来の大政治家として、一つの委員会だけでなく、例えば逓信の委員会ではどういうことが議論されておるのかということを、役人でなく政治家の政務次官として見ておいていただきたい、そういう趣旨から、あなたには無理を言って出席をしてもらいましたが、そういう意味でございますので、御了解いただきまして、質問を終わります。
#88
○渡辺委員長 松前仰君。
#89
○松前委員 今阿部未喜男議員の方から、貯蓄その他年金についてお話があったわけでございますけれども、私は忘れ去られそうなところについて、時間も余りありませんので、手っ取り早くお答えいただいて、明快なお答えをいただきたい、そういうふうに思うわけでございます。忘れ去られそうな電波行政、この辺について二、三御質問させていただきたいと思います。
 高度情報化社会とかニューメディアとかいうことで、非常に先端的な方向の行政というものが進められるということになっておりますけれども、しかしながら、忘れ去られそうなものとしてFMの第二副チャンネルの問題があるわけでございます。
 これはもう非常に古い話でございまして、昭和四十六年、廣瀬郵政大臣ですね、この辺の第二副チャンネルの利用ということでお願い書が出ておって、その後ずっと電波技術審議会等々で審議をしてきておったわけでありますが、最終的には、まだ漏話を生ずる受信機があるというようなことで、もうちょっと一踏ん張りというような状態になっておったと思うのであります。その後、いろいろエフエム東京、エフエム愛知、エフエム大阪、エフエム福岡、こういうところから、技術の改善というものをやって、これならいけるというようなところまで来ておる。そして、五十八年の八月に桧垣郵政大臣に免許申請というようなことで出したというように聞いておりますけれども、その後何の進展もないように見受けられますが、これは一体どういうふうになっておりますでしょうか。
#90
○徳田政府委員 FM放送電波に多重いたします信号につきましては、先生ただいま御指摘ございましたとおり、電波技術審議会におきまして長期間検討いたしまして、その結果、多重する信号によりましてそれぞれ異なった技術的な問題点があるという結果が出ております。しかしながら、四チャンネルのステレオ信号であるとかあるいは独立した音声信号あるいはデータ信号、こういうもののいずれか一つを多重することができるという可能性があるという結果になっておるところでございます。したがいまして、第二副チャンネルを今申し上げましたこの三つの信号のうちのどういうものに利用するのが最も効果的であるかということにつきまして、受信者の需要動向等を踏まえまして慎重に検討する必要があるということで、現在まで検討を進めてまいってきておるところでございます。
 したがいまして、こういう用途に使わすということになりますと、その前に技術的な詰めの検討も必要でございまして、そのための実験も行う必要があるわけでございますけれども、そういう実験を行うといたしましても、その実験の成果が出るようにするためには技術的な条件をある程度固めなければならない。あわせまして、その利用の形態をどうするかということにつきましても検討する必要がございます。そういうことで、この結論を得るのにはなお若干の時間が必要ではないかと考えておるところでございます。
#91
○松前委員 主な理由として技術的な問題とそれから利用の状況、こういうようなお話があったわけでありますけれども、利用の状況という点についてちょっと申し上げたいと思いますけれども、今FMの関係については各地でいろいろ免許申請が出て許可がおりるというような状況が続いておりますが、その中で教育関係の放送というものが非常に締め出されてきている。結局、その地方の民放の株の奪い合いとかそういうものになって、教育関係のところがどんどん締め出されて、できなくなってくるという状況になってきておるわけです。
 今エフエム東京あたりはゴールデンアワーを使ってやっておるということがございますけれども、これとて、営利といいますか利益ということを追求すると、各スポンサーからそこのところはどうしても普通の音楽放送をやれとかいうような話になってきておるわけです。そうすると、教育という問題がどんどんなくなってしまう。高度情報化社会というのは教育を全然なくしてしまうような社会になってくるのかということになりかねないのであります。ですから、何とかしてそれを存続さしていきたいというのがこの四社の願いでありまして、それにはFMの第二副搬送波、副チャンネルですか、これを利用するのがいいんじゃないだろうか、そういうことで何とか実験をさしてくださいという申請が出されているわけなんでございます、
 そういうところを理解していただいて、利用の形態とかそういうようなことよりも、非常に重要な教育という問題があるということを認識していただきたいわけなんですけれども、大体今エフエム東京あたりでやっているのは高等学校の教育ですが、今高等学校に行けずに中学で終わっている人はどのぐらいいるとお思いでしょうか。
#92
○徳田政府委員 ただいま先生御指摘ございましたエフエム東京等の、電波によりまして高等学校の教育をいたしております、その教育放送を受信して勉強しております生徒の数は、私ども把握いたしておりますのは約千三百名というふうに伺っております。
#93
○松前委員 在籍者は確かに千三百名でございます。卒業生は三千五百人ぐらいおる。そして在籍しなくても受信をしている人、この放送聞きたいよと言っているのは、視聴率にして〇・二から〇・三%、大体九万人の人が聞いておる、こういう状況でございます。さっきの中学から高校へ行けないというのは六%ですね、今、日本の教育で大体六%で、ずっとその状況で進んできております。昔はもっとすごく多かったわけでございますが、こういうような教育を受けたいという人がまだまだたくさんいるわけであります。
 臨教審あたりで今教育を一生懸命変えようとしてやっておるけれども、それによって中学から高校へ行けないというところがなくなるというような方向にもし行くということになれば、その時点で必要なくなるかもしれないけれども、それまでは何とかこういう人たちを救ってやりたい、そういう強いエフエム東京の考えがあるわけであります。もうこれはスポンサーから何と言われようとも、あそこの放送帯は譲りたくない。というのは、卒業式あたりへ出ますと、こんなに手ごたえのある放送はないということを社長みずからが言っておるわけでありまして、そういう意味で、このFMの第二副チャンネルというものを何とか実現させてやりたいという気持ちが私はあるわけですから、そういう意味で御質問したわけでございます。
 それで、さっきお話がありましたが、この問題についてはこれから先、実験などのデータ、一応室内実験が出ているそうですけれども、電波技術審議会などを開いてこれを実験放送というような方向に持っていくお考えはありますでしょうか。
#94
○徳田政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、放送が教育に与える影響といいますか、効果というのは非常に大きなものがある、そのように私どもも考えておるところでございます。したがいまして、FM放送の第二副チャンネルをそういう用途に利用するということは極めて重要な課題である、そのように考えておりますが、あわせまして第二副チャンネルは、そのほかにもいろいろな利用の道としては可能性を持っておるわけでございますので、そういうようなものも含めまして将来の利用形態というものを早く結論を出しまして、それに基づきまして、電波技術審議会等におきましても実験等を行いまして技術基準を固め、利用可能になるような道を開いてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
#95
○松前委員 今の中では、いろいろな使い道というようなお話があったけれども、営利とかそういう方向ですね、利益、そういうようなものに使われていくということになると、そこでも教育が締め出されることになるので、やはりそういう点を優先するというような形に持っていくべきだと私は思いますが、それはこれからのお話でありましょうけれども……。
 そうしますと、これから電波技術審議会等を開いてこの問題について早急に検討をしていくというようなお考えがある、そういうふうに考えてよろしいですね。
#96
○徳田政府委員 第二副チャンネルの用途につきまして早急に検討いたしまして、できるだけ早い機会に電波技術審議会の方にお諮りをして、技術的な検討をお願いするようにいたしたい、このように考えております。
#97
○松前委員 これは今エフエム東京だけしかFMで教育ができておりませんが、地方全部、教育関係のところが幾つかたしか申請を出して、そこで株の配分みたいのでぐっと絞られてきてしまって、できない状態に全部なっております。もし第二副チャンネルがこういう形でできれば、全国において、中学までしか教育のできていない人が高校の教育を受けることができるということになるので、ぜひともこれについては教育というものもやはりしっかりと大きな柱として頭の中へ入れていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。
 それで、その実験については、もう既にエフエム東京の方で室内実験はすべて済んでおる、あと残すは電波でもって確認をしなければいかぬというところまで来ているということでありますから、早急に先ほどおっしゃいましたような形で検討していただいて、そしてまた、もう一つ申し上げますと、こういうような簡単な装置じゃないと、中学しか出ていない人は受信できないということもございます。PCMで放送を受けろと言ったって、高いものを買ってこれない。給料を見たって、一応あれが出ておりますけれども、もう昔中学を出た人は、大学を出た人の半分ぐらいしか給料をもらっていないというようなデータも文部省の方から出ております。そういうことですから、簡易なそういうところでそういう教育ができるというような方向にぜひ持っていっていただきたい、そういうふうに思うわけです。これは要望でございます。
 もう一つ、電波行政についてちょっと御質問したいのですけれども、二月二十四日の朝日を私は見たのですが、地方版にしか出ていなかったのかどうか知りませんが、通信・放送衛星機構の約一千万円横領したという問題、これについて政務次官、一体どういうふうにお考えになっておられますか。
#98
○畑政府委員 本問題につきましては、大変御心配を煩わせておりまして、申しわけなく考えておるわけでございますが、御案内のとおり、この機構に対しましては、国、電電公社、NHK、そしてまたKDD等の出資により設立をされておる関係でございます。
 この問題の発生の原因、これは本人の資質といいますか、それに帰するところが多いというようには考えるわけでございますけれども、やはり経理事務の執行に関しましていささかまずい点もあった、こういうことの意味合いから、これをさらにまた確実に点検等々行うように反省を加えていかなくてはならぬというように今考えるわけでございまして、郵政省の立場におきましては、こういった不祥事が重ねて起こりませんように十分監督を進めてまいりたい、かように考えております。
#99
○松前委員 この方は出向者だと私は聞いておりますが、それが郵政省からの出向者だということも聞いております。郵政省というのはこういうような経理事務について、こんなこと、こんなずぼらなことを郵政省自身もやっていたのか、そういうふうに疑わざるを得なくなるような事件でございます。だれもチェックができない。自分で全部預金通帳を持って、全部上がってきたものを操作してやっていくというような、これはNHKやらKDDやら電電やらが出資しているということに対して、そこにどう申しわけをするかということなんです。これは大変怒っております。
 これについて郵政省を怒るという形になってしまいます、これは郵政省から出向したということですから。これについてびしっとした管理体制をとっていただかなければ困る。また管理の仕方が非常に古過ぎます。こんなのはもう古いお役所のやり方をやっているような気がしてしようがない。こんなことが今こういう時代にあるのか、この情報化時代に、コンピューターも入り込んだこういう時代にあるのかということを聞くと、高度情報化なんというのは議論をしたくなくなってしまいます。郵政大臣、この辺について、今の横領の関係について一言、責任についてどう対処するかということを明確にお答えいただきたいと思います。
#100
○左藤国務大臣 お話しのような今回の不祥事、まことに遺憾である、このように考えております。
 これは今お話がございましたように、経理事務の執行に関して所定の点検とかあるいは確認が行われていなかったということが原因だと思いますが、今お話しのようなそうしたことについてコンピューターも使えばもっとはっきりとしたものも出てくるしというふうなことも、いろいろ御指摘のとおりだと思います。とにかくこういった事態がこれから起こらないように、綱紀の粛正と経理事務の適正化を我々も命じたところでございますが、そしてまた、その責任につきましても、十分機構に対して注意をし、責任の明確化を図ろうといたしておりますので、今後とも厳重に監督してまいりたい、このように考えております。
#101
○松前委員 これについては、こういうところの重要な仕事を扱っているのは出向者が多いのですね。しかも、官庁の出向者が多いですよ。官庁の出向者が大変ルーズですよ、いつでも。宇宙開発事業団だって恐らくそうですよ、こうやって見れば。出向者というものはそんなものであってはいかぬですよ。その辺のことをやはりみんなほかの職員が怒っているのですよ。ですから、出向する人間もきちっとセレクトするとかなんかして、きちっとした事務をとれるような体制にしていってもらわなければ、何か裏でもって金を要求すればぽっぽ出てくるようなシステムに今なっているような感じがいたします。
 そういうつながりで、出向者のつながりでもって仕事をうまく自分のところにとってくるようなことが、日本の社会の中の裏がそのまま縮図になっているような感じがしてならない。だから、これはどうか徹底的にこの辺の体制について正していただきたい、そういうふうに要望して私の質問を終わらせてもらいます。
#102
○渡辺委員長 鈴木強君。
#103
○鈴木(強)委員 昨年末の十二月二十日、本院で可決成立をいたしました電電制度改革三法のうち、会社法は十二月二十五日公布、施行、また、事業法は十二月二十五日公布、本年四月一日より施行されることになっております。これによって百十余年の長きにわたり終始国営ないし公共企業体として運営されてまいりました我が国の電気通信事業は、日本電信電話株式会社が設立されて、本年四月一日より民間企業として経営されることになります。
 ところで、四月一日と申しますと、きょうを加えてあと二十六日しかございません。国民利用者の方々は、本当にうまく移行できるのかどうかと案じておられる向きもございます。私もまた、本委員会において審議の中でも、非常に短い期間でございますから大変な苦労があると存じますが、万全を尽くしてやってほしいという要望もしておきました。そこで私はここで、四月一日移行のための諸準備は現在どのように進捗しておられますか、郵政大臣と電電公社の総裁から明らかにしていただきたいのであります。
#104
○左藤国務大臣 新会社の設立準備につきましては、設立準備委員会、既に第二回の会合を二月二十七日に行ったわけでございます。そこで定款の中に盛り込む問題につきまして御論議をいただいたわけでございますが、いまだ結論は得ておりません。そして第三回として、今の予定では三月二十日ごろをめどに行われるものだ、このように考えております。その三月二十日の設立準備委員会で人事、機構、そしてまた定款の内容というものを資本金の額を含めて決定することができれば、それによって郵政大臣の認可の申請が出てまいります。そして三月二十八日に設立総会を開催して、そして四月一日の会社発足の準備を待つ、こういう形にさせていただきたいと考えておるところでございます。
#105
○鈴木(強)委員 設立委員会がいろいろ定款の作成等御苦労いただいておるようでございまして、設立委員会が責任を持っておやりになっておることですから、ちょっとここでの質問についてはどうかと思いますが、実はきょうの日経新聞を拝見しますと、新電電の資本金の問題ですが、七千五百億円という記事が出ておるわけでございます。これは郵政省と電電公社の原案が五日に明らかになった、こう述べておるわけですね。
 この資本金の額は、五十九年十二月末の資産をもとにはじき出したのだそうでございます。大蔵省は、引当金の一兆八千八百三十一億円のうちから三百億円を削って、資本金を七千八百億円にしたらどうかというようなことで意見も出ているそうでございますが、大臣、この点はあれですか、郵政省、電電公社の原案が五日に明らかになったというふうに記事にありますから、もちろん最終的にお決めになるのは設立委員会だと思いますけれども、事務当局として、担当しておりますのは電気通信局、澤田さんのところですか、そういうふうな原案が実際にできておるのでございますか。
#106
○澤田政府委員 けさの新聞記事にそういう報道が載ったことは、私も読んだところでございます。
 今、大臣からもお話がございましたように、前回の第二回の設立委員会におきましては、定款案についての御審議をいただくということで、特に資本金等につきましては、原案というものをお示ししてそこで御論議をいただくということではございませんで、そういった問題を含めていろいろ自由な御議論をいただくということでございまして、まだ原案的なものかどうかとか、あるいは設立委員会の中でどういう数字というものが何か固まりつつあるというようなところではございませんで、目下次回の設立委員会において、いろいろな今までの御議論をおまとめいただいてお決めいただきたいな、こういうふうに考えておるところでございます。
 私どもも、計算方法はいろいろあろうといろいろ勉強いたしておりますけれども、原案というものをまだ固まって持っているわけでもございませんし、現時点におきましては、設立委員会におけるいろいろな御議論というものをお待ち申し上げているという段階でございます。
#107
○鈴木(強)委員 資本金の点は、そうであればここでこれ以上伺うことはどうかと思いますから、やめます。
 それでは、役員の人数をどうするかとか、それから会長あるいは社長、副社長、こういうふうなものを置くように定款の中で決められていくのかどうなのか、そういう点はいかがでしょうか。
#108
○澤田政府委員 役員の数につきましても、定款で決めるという事項でございます。役員数につきましてはもちろん、効率的な事業運営に留意して適切、適正な規模でということをお決めいただくということを願っておるわけでありますが、これも私ども原案というようなものをお示しして御議論をお願いをしたということではございませんで、前回の設立委員会におきましては、いろいろな委員からの御議論というものをお願いをした。そしてやはりこの点につきましても、次回の設立委員会で御意見を取りまとめていただきたいということをお願いをしておるところでございます。
#109
○鈴木(強)委員 監査役ですね、これは法律的には三名以上というふうになっているのですが、これは定款との関係ではどうなりますか、人数の点は。
#110
○澤田政府委員 監査役につきましては、先生御指摘のとおり法律で三名以上ということでございます。三名は定款としても置かなければならないわけでありますけれども、三名以上――定款の書き方としてどういう書き方があるか、何名までというような書き方あるいは何名以下というような書き方。いろいろあろうかと思いますけれども、その点につきましても、まだ御意見が固まっているというものではございません。次回の設立委員会でお決めをいただくということでございます。
#111
○鈴木(強)委員 定款は郵政大臣の承認を得なければならぬわけですし、また、大蔵大臣と御協議をなさるわけですから、設立委員会は少なくとも郵政大臣とは密接に接触をしながら事を運んでいかなければならないものだ、こう思うわけです。したがって、大臣も大変でございましょうが、これ以上突っ込んだお話を伺うのは失礼と思いますから、やめておきます。
 少なくとも三月二十日をめどに第三回の設立委員会を開いて、そこで大体人事その他決めよう、こういう御方針でございますから、もう日がございませんね。ですから、これは精力的にやっていただいて、最終的に設立の登記、そして四月一日出発、こういうことになるわけでございますが、ひとつ国民の期待にこたえるようにスムーズに切りかえが行われますよう、ぜひ最善の努力をしていただくようにお願いをしておきます。
 それから次に、郵政省において今いろいろと政省令の作成作業を進められておると思います。御承知のように、会社法で政令が四つあります。省令が一つ。それから、事業法で政令が九つ、省令が七十二。二つの法律で政令十三、省令七十三、合計八十六、こういうふうに政省令にゆだねられている事項が非常に多いのでございまして、これを明確に規定することは大変な御苦労があると思います。しかし、かなり精力的に詰めておられるようでございまして、その点は感謝をいたしますが、この政省令の策定に当たってはもちろん、この委員会においていろいろ意見がございました。
 したがって、そういうものを十分に踏まえてやっていらっしゃったと思いますが、なお、まだ全部が全部済んでおるとは思いませんので、この上ともひとつ、この国会審議の中で郵政省が答弁されましたね、国会審議の経過を踏まえ関係者と十分相談する、そして決めたい、こういう御方針でございますから、この点をしかときょうも確認していただいて、今までもそうしていただいていると思いますが、念のためにもう一度ここで確認をしていただくようにお願いしたいのですが、よろしゅうございますか。
#112
○澤田政府委員 四月一日、いろいろ大きな意味合いを持つ日でございまして、私どももその日にすべての準備が整うように鋭意努力をいたしておりますし、関係の向きともいろいろ折衝を重ねているところでございまして、作成の段階あるいは議論の段階におきましては、今先生から御指摘がございましたように、三法例審議の国会におけるいろいろな御意見、経緯、こういったものを十分踏まえまして、新しい体制に沿うような法令、政令、省令というものをつくってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#113
○鈴木(強)委員 それでは次に、事業法第三十一条の契約約款についてお伺いをいたします。
 御承知のように「第一種電気通信事業者は、電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。」というふうに規定をされております。そこできようは電気通信局長、ぜひあなたに確認をしておきたいのは、第二種電気通信事業者による新電電の専用線を利用した単純再販の問題でございます。
 この問題につきましては、法案審議の際、かなり詳細な論議が行われたことは御承知のとおりでございます。しかし結論として「現行の専用線の料金体系の下では第二種電気通信事業者による専用線の単純再販が日本電信電話株式会社の経営に支障を及ぼすことにかんがみ、単純再販を禁ずる約款についても認可すること。」というふうにありまして、その旨が附帯決議として付されたわけでありますね。
 そこで、澤田電気通信局長に改めて確認をしておきたいのは、この附帯決議は少なくとも立法府の意思でございますから、いささかもこれに反することのないようにやっていただけますね、お答えを願いたい。
#114
○澤田政府委員 結論から申し上げますと、先生の御指摘のとおり、国会の附帯決議というものを踏まえて対処してまいりたいということでございます。
#115
○鈴木(強)委員 ぜひその点を確認してやっていただきたい。
 それから、現段階で新規参入を希望しておる新しい会社というのはどのくらい予想をされておるでしょうか。既に設立をされた会社もございますが、そういうものを含めましてどの程度を考えておられるか、来ると思っておるか。需要の予測というとあれですが、わかっておったらちょっと知らせていただきたい。
#116
○澤田政府委員 数につきましては、これからの問題もございましてなかなかあれですが、私どももいろいろ情報を得ておるものといたしましては、現在、第二電電企画株式会社、これは京セラを中心にした会社、それから日本テレコム株式会社、これは国鉄を中心とした会社、それから日本高速通信株式会社、これは道路公団等を中心にした会社、こういった会社が第一種事業者といたしまして、東京−名古屋−大阪間での参入を検討しているというふうに承知をいたしていもわけであります。
 そのほかに、地域的な新規参入とか移動体通信への参入というようなこともいろいろ動きがあることを承知いたしているわけであります。さらには、第二種事業者ということにつきましても、いろいろ計画があるように私どもも承知をいたしているわけでありますが、三法が期待をいたしております有効な競争市場というものができるように、これらの新規参入者も健全な参入と発展というものをぜひ実現してもらいたいものだというふうに私どもも願望いたしておるところでございます。
#117
○鈴木(強)委員 これは二月二十二日の毎日新聞だったと思いますが、「第二KDD 年内にも誕生」という記事がございました。これは電電公社などが計画をしているということで、年内にも第二KDDが誕生する公算が大きくなった、そういうふうに書いてございます。
 これはインテルサットが二年前から始めた国際ビジネスサービス、IBSを利用しようというものだそうであります。郵政省によると、既に電電公社や第二電電を目指す企業グループから打診が来ておる、こういうふうに述べておりますが、この点はどんなものでございますか。
#118
○澤田政府委員 先般新聞に載っておりますのは、国際ビジネスを利用するというようなことでございます。
 これも結論から申し上げますと、新聞等で言われておりますようなIBSサービスに関連して電電公社あるいは新規参入を予定するグループから郵政省に対する打診があったというようなことについては、そういう事実は私ども承知をいたしておりません。
 具体的な事例は私ども実は承知をいたしてないわけでありますけれども、インテルサットが各国の通信事業体に対して大容量のディジタル回線を提供しよう、そして都市近郊あるいは利用者の宅内に設置をいたしました小型の地球局が衛星に直接アクセスすることができる、こういう特徴のあるサービスのようでありますけれども、このサービスの導入に当たりましては、もちろん我が国の周波数事情というようなことも当然考えていかなければならないわけでありますが、この点につきましては、むしろKDDの方がそういうサービスについて目下勉強を始めているということは承知をいたしております。
#119
○鈴木(強)委員 真藤総裁、電電公社でこういうふうな計画を持っておると新聞には書いてあります。郵政省はそういう打診もないとおっしゃっているのですが、総裁としてはそういうふうな構想を頭の中に描いておられるのですか、どうですか。
#120
○真藤説明員 この間新聞に出ましたけれども、現状においては具体的には何ら考えておりません。
#121
○鈴木(強)委員 それでは、設立準備の進捗状況について郵政省から大体お伺いをし、さらに当面する幾つかの問題について質疑をしてまいりましたが、電電公社としては、例えば会社法第十一条によって事業計画をつくって郵政大臣の認可を得なければならない、これは大蔵大臣とも協議をしなければなりませんね。それから、約款をつくってこれも大臣の認可を受けなければならない。そのほか、新会社の組織のあり方をどうするかというような問題、あるいは労働組合も、これは一般の民間労働組合になっていくわけでありますから、公企体労働組合から民間労働組合に移行してまいりますから、それに伴う労使間のルールその他についても、手直しをするところがあれば手直しをしなければならないと思いますが、そういったふうな問題について現状はどんなふうになっておるか、これをひとつ教えていただきたい。
#122
○岩下説明員 まず、私の方から事業計画につきまして御説明申し上げます。
 事業計画の内容はつまりサービス計画、建設計画でございますが、これは新会社の発足後直ちに郵政大臣に認可申請を行うということで、現在、そのための準備作業を鋭意進めておるわけでございます。お客様サービスにつきまして、これは瞬時たりといえどもとぎれることのないようにすることはもちろんでありますし、また、現場の職員が職場で働く上に何らの不都合も生じないようにする、当然のことでありますけれども、そういった点を配意しながら現在、鋭意作業を進めておるという段階でございます。
#123
○草加説明員 契約約款につきましてお答えいたします。
 四月一日から事業法適用でございます。新しい契約約款を適用いたすわけでございますので、現在、私どもで契約約款の案をつくりまして、郵政の御指導を得ながら固めつつあるところでございます。私どもといたしましては、法の規定に基づきまして四月一日に新しい契約約款を郵政省に認可申請いたしたい、このように考えているところでございます。
#124
○児島説明員 ばらばらにお答えして申しわけございません。
 先生おっしゃいました組織、権限等の話でございますが、私どもとして四月以降中期的な先までの組織につきましてほぼ検討を終えまして、社内での決定も見たところでございます。
 その概要を申し上げますと、現在のところは、やはり法律、予算その他に基づきまして全国的に非常に均斉のとれた仕事をしなければいかぬということで、例えば本社の部局等も非常に職能的な部局になっておりますが、今後これを一切改めまして、事業部制とそれを支援していく支援部隊に分けるということを基本にしております。その中で非常に大きな事業となると考えられますのは、やはり収入の九〇%は電話からでございますので、この電話に関する事業部、これを全国十一の事業部に分けたいと思っておりますが、これに地域の責任を持たせましてプロフィットセンターとしての収支の責任を持たせるということで考えております。
 ただ四月一日では配置転換その他大量のものが発生しますし、それから各事業部間の経費のつけかえ、記帳、こういったことの整理等ができませんので、四月一日では最小限の手直しを行う、あと順次準備室等つくりまして事業部をつくる準備作業をさせますが、それを整え次第事業部をつくっていきたいと思っています。したがいまして、全国を十一のブロックに分けて責任を持つ事業部と、それからサービス種別ごとに数個の事業部をつくってこれに責任を持たすということで考えております。
 それから、あと私どもの作業としまして、労使間の労働条件との関連におきまして労働協約等がございますが、これは三カ月、四カ月前から話し合っております。労使間ではほぼ基本の話につきましては先々週話し合いが終わりました。これも当座大きな変更というものは考えておりません。さしあたってとりあえず決めなければいかぬのは、法律その他適用されるものが違ってまいりますものに対する必要最小限の改正、それからもう一つ、具体的決定はしておりませんが、新事業体になってからの労使間のあり方についての基本でございますね、これにつきましては、相当の討論を行いまして意識の統一を行ったということでございます。労働条件その他につきましては四月一日からは当面そのまま、一応持ち込んだ中でさらに考えていくということを考えております。以上であります。
#125
○鈴木(強)委員 児島総務理事から組織のことについて今御回答いただきましたが、この前の国会で、今の本社、十一ある通信局、それから全国各都道府県にございます通信部、都市管、それから全国の電報電話局とかございますね、こういう名称は決まりましたか。
#126
○児島説明員 本社、通信局、通信部につきましては、この前お答え申しましたとおり、本社、それから組織上社内的な呼び方は地域電話事業本部と申しますが、これは今の通信局でございますが、これは社外的には何々総支社、ブロック名をつけまして北海道総支社というふうな言い方をしたいと思います。それから、県単位で現在電気通信部というのがございますが、これは何々支社、奈良支社あるいは三重支社というふうな言い方でございます。
 それから、この前のお答えでは電話局をどうするか現在考慮中であるというふうにお答えしたと思っておりますが、その後社内、社外からいろいろな御意見を伺いますと、まことにこの意見が割れまして、社員の意見もみんなやる気で善意で出してくる意見ばかりでありまして、どれをとっていいかちょっと決定ができないという状態がしばらく続きました。しかし、もう決めざるを得ないということで、一応電話局というものをそのまま踏襲してしばらくやっていくということにしました。
 これは最大の原因になりましたのは、むしろ社員の意識をここで一気に変えるべきだという意見を制して電話局になりましたのは、四千数百万の加入者の皆様方に一軒一軒、ふだん外回りをしない職員も動員しまして二十万近い職員が訪問したわけでありますが、そのときに電話局から参りましたということで、お客様の方でも電話局という名称をもう一遍認識し直し、かつ、行った職員も電話局ということに自分の口から出してみてもう一遍認識し直したということがありまして、新たなイメージがまたわき直した感じがする、そんなことがございまして当面電話局、ただ、頭の方にNTTという冠詞をつけまして、NTT晴海電話局あるいはNTT津電話局というふうな言い方でやっていきたいと思います。なお、社内で仕事をやってみまして、やはり変えたいなという機運が上がりまして、かつ、お客様の方にも混乱がないということになりますれば、そのときにもう一度考え直してみたいと考えております。
#127
○鈴木(強)委員 それから、二月十三日に電電公社が発表した新電電会社のシンボルマーク、NTTダイナミックループというのがございます。これにつきまして実は、私の選挙区になりますが、甲府市内に住むデザイン研究所を経営しておる忠本勝彦さんから類似作であるという異議が出ておるわけです。これは長い歴史を持っております山梨日日新聞という地元の新聞でございますが、この三面にこれだけ大きく載っているわけです。上が忠本氏の作品で、下が今度の新電電のマーク、これは大臣、見ましたね、こういうものが出てまいりました。甲府のデザイナーの忠本さんは専門誌へ既に発表しておるわけでございまして、これは類似のものだということで、場合によったら訴訟も起こすというふうな話もしておるわけでございます。
 私ども、せんだって華々しく新電電に移行する際のシンボルマークが発表されまして、最初見たときに、どういう意味があるのかどうもよくわからなかったのですけれども、このシンボルマークの下のNTTはよくわかる、どういうものだろうと思ったところが、ダイナミックループということで、ああそうかなと思っていたのですが、こう見ていればだんだんなれてくるのですが、ところが、こういうほとんど同じようなものが出てきたのです。これはちょっとびっくりしたわけですが、せっかくの新電電会社の船出に当たって何かけちがついたような気もいたしました。
 そこで、作製されたのは有名な亀倉雄策先生でございまして、この社会にはこの社会のいろいろな規律なりしきたりというものがあるんでございましょう、したがって、そういうことも十分考えた上で策定をされ、電電公社がこれを採用することになったのでございましょうが、こういう問題が出てまいりまして、ちょっとどうなっているのかなという心配をするわけでございます。したがってこの際、公社から端的にこれをつくる経過、そしてこれは三月三日の新聞でございますが、忠本さんとも接触をしておるように書いてあります。公社の方では独創だということで突っぱねているという、ここにサブタイトルがついているのですけれども、これについて明らかにしておいていただきたいと思います。
#128
○岩下説明員 ただいまのシンボルマークの件につきまして、先生にいろいろ御心配いただいて大変恐縮をしております。結論的にはおっしゃいますように、四月一日からの新しいスタートにふさわしいようにこのマークが堂々と使えるようになると私どもも考えております。
 事実関係をちょっと簡単に申し上げますと、新しい会社のいわゆるCI、コーポレートアイデンティティーと申しますか、企業イメージをつくり上げる一環といたしまして専門会社を通じまして、この新しいシンボルマークの制作を依頼をしたわけでございます。昨年末、この専門会社の方から私どもに対しましてこの案が示されたものでありますが、その段階におきまして、今回問題を提起されておられますデザイナーの方に対しましてこの会社側の方がきちんと連絡をしますとともに、商標登録なり著作権の問題等も含めまして特に問題がないということを会社側から私ども報告を受けまして、公社としても、これは文字どおりダイナミズムを表現するものでありますし、新会社のものにふさわしいということで採用することにしたわけでございます。
 今回の具体的な提起に対しましては、基本的にはこの会社が対応して解決をしておるわけでございますけれども、公社としてももちろん、これは十分今後理解が得られるように力を尽くしていきたいと思っております。早速、既に数日前からこの会社の社長、責任者がデザイナーの方と直接コンタクトをとっておりまして、たしかきょうでしょうか、直接面談も既にしておるというふうに聞いております。したがって、訴訟等の事態に至らずに円満の解決ができるというふうに我々は期待もしておりますし、ぜひそういうことで新会社のスタートを飾りたい、かように考えておるわけでございます。
#129
○鈴木(強)委員 これはちょっと新聞にも指摘しておるのですが、このシンボルマークは社旗、社員バッジ、名刺、封筒、電話局の看板、こういうものにすべて使われるわけですね。自動車も四万台くらいあるそうですが、それにもきっとつけられると思うのです。
 そこで、デザイン業界においてこういう問題が著作権法上どうなっていくか、そういった問題は調べていらっしゃいますか。
#130
○岩下説明員 今専門家の検討を聞いておりますけれども、特に法律上問題はないというふうに承知をしております。
#131
○鈴木(強)委員 これは立場を変えてみると、忠本さんは既に八年前にこういうデザインを、シンボルマークをつくっていらっしゃるわけですから、そこへ突如同じようなものが出てきた場合に、何だと、こう憤激をするのは当然だと私思うのでございますが、今岩下さんからお話がありましたが、これから御本人ともやはり十分に連絡をとっていただいて、著作権についての問題については訴訟になった事例が少なくて難しい問題だというふうに言っておりますが、商業デザインというのは十年ほど前から非常に隆盛になってきているということも当然でございまして、やはりトラブルが起きる事例もなきにしもあらずと聞いております。ですから要するに、八年前につくられた、この専門誌に発表された忠本さんに対して、委曲を尽くして十分な理解を得るようにぜひこれはやってもらいたい、こう考えますが、よろしいですか。
#132
○岩下説明員 先生ただいま御指摘のような形で私どもとしましても力を尽くして、そういうことで解決を図りたいというふうに思っております。
#133
○鈴木(強)委員 この後、日米間の電気通信摩擦による交渉について伺いたいと思いますが、ここで私は郵政大臣にひとつ苦言を呈したいと思うのです。電電株式の配当益と売却益の使途についてでございます。
 電電制度改革三法案は昨年十二月の二十日、本院において可決成立されたのでありますが、政府はその翌日の二十一日にいとも簡単に、新電電会社から無償で譲渡される全株式のうち、売却可能となる三分の二の売却益のすべてを国債整理基金に充てる、また、政府保有が義務づけられております三分の一の株式の配当益については、その全額を基盤技術の開発資金として活用するという方針を決められたのでございます。
 私は、この基盤技術の開発のために使う資金については、本委員会におきましても研究費に充てるようにという意見もございますから、これは一応私たちの論議もありまして我々の意見が入れられたかな、こういう気がするわけでございますが、もう一つの、三法の審議の中で最も重要な問題の一つとして論議された株式の売却益の処分については、本委員会の審議の経過を全く無視し、我々野党の意見を聞くこともなく電光石火決められたことは、国会軽視も甚だしいものであると思いまして、私たちは絶対に納得することができません。
 したがって、今後我々は政府に反省を求めるとともに、国会の論議が生かされるように全努力を尽くしてまいる決意でございます。これについては、ここで私は郵政大臣の御答弁をいただかなくて結構です。私どもの決意をここで披瀝をし――大臣もそれなりに御協力をいただいたと思いますが、何せ五兆六千億という借財を抱えて、そして全額出資した株式はこのように使われるということになりますと、やはりなかなか理解ができないことでございまして、職員全体の空気を聞いても非常に不満がございます。したがって、私たちはできるだけ努力してまいりますので、そのことを申し添えて一言苦言を呈しておきます。
 それからその次に、日米の経済問題、貿易摩擦、これに絡みまして、今電気通信分野にも大変な問題が起きているわけでありますが、郵政省は先般、小山事務次官をアメリカに派遣をしまして、ボルドリッジ商務長官を初め多くの方々と話し合いを行ったようでございます。したがって、きのう、きょうとさらにオルマー商務次官が参られまして、話し合いをしておられるようでございますが、とりあえず、小山次官がアメリカに派遣されてどういう話をしてきたか、これをひとつ説明していただきたい。
#134
○左藤国務大臣 二月の十八日から二十二日まで小山次官をアメリカに派遣いたしまして、電気通信分野で今問題になっております、御指摘の対米貿易摩擦に関します電気通信機器の輸出入の問題に関連いたしまして、相互理解を図る努力をしたわけでございますが、小山次官がアメリカで会見いたしました相手は、ボルドリッジ商務長官、フロック通商代表、それからダンフォース上院議員など政府、議会関係筋の方々であったわけでございます。
 アメリカの中では、我が国の今回の電気通信改革によって、日本の市場がこれまでよりも一層閉鎖的になるんじゃないか、こういう疑念が生じておる、こういう状況であったことから次官を派遣いたしまして、今回の電気通信改革というものがどういう趣旨で行われているんだということについての理解を求めたい、そして郵政省としては、そうした貿易の関係につきまして内外無差別、そして簡素で透明性がある、そして市場開放の原則にのっとった、利用者たる国民に良質かつ高度で低廉なサービス、機器が供給されることを望んでおるんだ、こういうことにつきましてアメリカ側の疑念の解消に努力をしてまいった、こういうことでございます。
#135
○鈴木(強)委員 電電三法の内容もよく知らぬと、今大臣のおっしゃったように、会社になったらなお窮屈になってアメリカの通信機器が日本に輸出できなくなるだろうというような、そういう情報しか持っておらぬのですかね、アメリカの関係者というのは。この辺は、向こうの政府が法律をよく勉強して、そしてこれこれであるからこうだというふうにおっしゃるならいいんですけれども、全く見当違いのことを言っておるわけでして、これはそういう話がアメリカにあるということを聞いて急遠出かけていって、改正の趣旨をアメリカによく知ってもらった、こういうふうに理解していいんですか。
#136
○左藤国務大臣 この問題につきましては、もう少し理解してくれておるんじゃないか、このように我々は思っておりましたけれども、現実は非常に厳しいというふうなことでありましたので、急遽派遣いたしました。結果的にも、なかなか認識が十分でないという点は予想した程度であったわけでありまして、そういうことについて、何とか少しでもそういう疑念を解消するために努力してきた、こういうことでございます。
#137
○鈴木(強)委員 そうしたら、向こうはわかってくれたわけですか、そして、わかった上で今何を言っているんですか。
#138
○奥山政府委員 大臣から御答弁申し上げましたように、小山次官が二月の中旬から下旬にかけて訪米いたしましたが、その前提となりましたのが、一月の下旬に電気通信分野の経済摩擦問題の第一回の会合が東京で行われました。その間連日、外務省あるいは郵政省におきまして、新しい電電改革三法の精神なりそれに基づく政省令の問題等についての考え方を説明したわけですけれども、予想以上にまだ理解が不十分であるということに私ども思い至りまして、大臣が改めて二月の半ばに事務次官に下命されまして、もう一度基本的にアメリカ政府並びに議会の要人に直接会って電電改革三法の趣旨から説き起こしてこいということを申し渡されたわけでございます。
 次官は向こうに行かれまして、それら要路の人々に精力的にお会いになりまして、それらの点につきまして連日説明をされました結果、日本の電電改革三法の趣旨並びにそれに基づく日本の新しい制度自体については、相当の理解が深まったわけでございます。それを受けて先々週以来、改めてまた向こうから細部にわたっての詰めに参っておるというようなことでございます。
#139
○鈴木(強)委員 細部の詰めに入っていると言うんだから、それは何を詰めているんですか。一月のレーガン・中曽根会談がございましたね、そのときに、通信機器とかエレクトロニクスとか木材とか紙、この障害を除去するという約束をした、これは新聞が報道しているわけですね。今回、小山次官が訪米いたしまして次官レベルの話し合いをしたようですが、アメリカ側から提起された主要な問題が五つくらいあるんじゃないですか。そういうことを話してくれないとわからない。
#140
○奥山政府委員 お答え申し上げます。
 一月の下旬に参りましたときに、まず冒頭に、電気通信分野における問題点の指摘として五点示されました。一つは、電電公社の資材調達問題、それから、特に政省令のうちで基準・認証にかかわる問題、第三点が第二種、特に特別第二種と一般第二種との切り分けの問題等を中心とした問題、それから第四点が新電電における相互補助の問題、第五点が衛星の購入の問題でございます。
 ただし、そのような問題が提起されましたけれども、第一回目の会合におきましては、終わりの二点、つまり新電電における相互補助の問題と衛星購入の問題については、特段の議論をするに至らなかった次第でございます。
#141
○鈴木(強)委員 時間がなくて大変残念なんですが、問題は、日米貿易摩擦のあることはこれは事実ですね、経済問題が絡んでおります。アメリカから日本に対する輸出額あるいは輸入額、赤字がどのくらいになっているかというようなその数字もあるわけですけれども、いずれにしても、例えば電気通信分野について考えてみると、電電公社が五十八年、資料によると三百十二億たしかアメリカから買っていると思います。それから五十九年は三百二十億、これは数字は間違いないですか。
#142
○児島説明員 今先生おっしゃった額にほぼ間違いございません。
#143
○鈴木(強)委員 私もせんだってマンスフィールド大使に昼食をごちそうになりましたときにこの話が出ました。いろいろ非難されておるんですけれどもね。自由主義経済の中において競争していくわけですから、日本の電気通信機器というものがアメリカにたくさん輸出されていく、アメリカが輸入してくれるのはやはり日本の機器がうんといいからなんですよ、安くていいから。自動車もしかり。だから、ただ単にそのバランスだけで非難されるのもおかしいじゃないですかと申し上げたら、余り返事しませんでしたけれども、そういう点をやはりアメリカに理解してもらうことが私は一番大事じゃないかと思うのですよ。
 最近におけるドル高とか円安基調による日本の輸出競争力の総体的な増加の問題だとか、あるいは特に通信機器の場合には、全米電話加入者数の八割を占めていたあのAT&T、これが昨年の一月一日分割をしまして地域電話会社が独立をした、これによってそれまでAT&Tの機器の購入がウェスタン・エレクトリック、WEから行われていたものが自由化されて市場が競争になったとか、こういったアメリカ内部の事情もあるわけでございますから、その辺をよく理解してもらうようにやることが一番大事じゃないでしょうか。
 それで、時間がありませんから、それはやっていただいていると思いますが、問題は、きのうの新聞によりますと、大規模VANの基準を緩和する、これは電気通信事業法の施行令案が毎日新聞に入手されたということで報道されておるわけでございます。これを見ますと、電気通信機器じゃないのですよ、日本の電気通信線にかかわるようなことがまたやられた。私たちは、法律案を制定するときに特別第二種については外資の規制をしましたね。ところが、アメリカの圧力によってあれが外れてしまった。郵政省はかなり頑張ったんですがね。
 そういうようないきさつがあるところに持ってきて、また登録に該当する範囲を絞っちゃって、何でも届け出れば済むんだというようなことはどうも納得できないですよ。そういうところまでアメリカが入っていらっしゃるということは私は行き過ぎだと思うのですけれどもね。これは大臣、こういう問題については率直に日本の政府の態度は明確に言っていらっしゃるのでしょうね、どうでしょうか。
#144
○左藤国務大臣 今の特別第二種と一般二種との切り分けの問題で、千二百ビット、五百回線という一つの線につきましては、国会で御審議の際の附帯決議にもそうした数字がはっきり出ておるわけでございまして、こういった点で我々としてはひとつこれを死守しなければならないものである、このように考えておるわけであります。そして、今お話のございました点につきまして、アメリカの方にも、これは非常に大規模なものであるということに理解を求めてさらに努力をしておる、これが現在の段階でございます。
#145
○鈴木(強)委員 そうしますと、新聞に載っております電気通信事業法施行令の案の中に書いてございますが、これは今大臣のおっしゃるように、まだアメリカとこういう点については――少なくともこの委員会でも論議されましたように、特別第二種電気通信事業、すなわち大規模VANは、将来の収支状況とかあるいは技術的な能力などチェックしておかなければいけないと思うのですよ。だから登録制にしてあるわけですね。それまで外すということになっては大変だと思いますが、こっちを見ると、どうもそういうふうに日本政府が、郵政省が譲歩したように書いてありますが、それはどうなんですか。
#146
○左藤国務大臣 この点につきましては現在、電気通信事業法の施行令を各省庁の協議といいますか、そういうことをいたしておる段階におきまして、原案として今申しました数字をはっきりと明示してございます。そして、我々は何とかこの線で施行令をつくって実施していきたい、このように考えておるところでございます。
#147
○鈴木(強)委員 これは今大臣おっしゃった区分の基準につきましてもここで明確に、千二百ビット換算で五百回線以上について特別第二種とするということが明確に言明されておるし、これは天下に公表されているのですね、この事実は忘れてもらっては困ります。そしてこういう事実を忘れてアメリカに言われたときには、これは正当な我々の意思として、国民の意思として決まったわけですから、ひとつ大臣断固頑張っていただきたいと思います。
 我々は外交権を持っておりません。いろいろな機会にアメリカの関係の皆さんにお会いしたときには述べておりますけれども、当然外務省にも協力してもらわなければいけないと思いますが、その点を含めて、ぜひひとつ断固たる態度でやっていただきたい。それでないと、これはもう我々は何のために国会で審議してきたのか。将来展望を踏まえて、二十一世紀に向けての情報通信、電気通信事業のあり方を含めてきているわけですから、それをぶち壊されるようなことをされたのではたまったものじゃございません。ぜひひとつ重ねて大臣に勇断を持って交渉してもらいたい。お願いします。
#148
○左藤国務大臣 御趣旨の線について、我々も十分その点を強くアメリカ側にも理解を求めてこの線を頑張っていきたい、このように考えております。
#149
○鈴木(強)委員 じゃ、これで終わります。
#150
○渡辺委員長 次回は、明七日木曜日午前十時理事会、十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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