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1984/03/07 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第4号
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1984/03/07 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第4号

#1
第102回国会 逓信委員会 第4号
昭和六十年三月七日(木曜日)
    午前十時十一分開議
出席委員
  委員長 渡辺 紘三君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 野中 広務君
   理事 吹田  ナ君 理事 鈴木  強君
   理事 武部  文君 理事 竹内 勝彦君
   理事 西村 章三君
      足立 篤郎君    亀岡 高夫君
      近藤 鉄雄君    志賀  節君
      谷垣 禎一君    額賀福志郎君
      伊藤 忠治君    松前  仰君
      中川 嘉美君    山田 英介君
      永江 一仁君    佐藤 祐弘君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 左藤  恵君
 出席政府委員
        郵政政務次官  畑 英次郎君
        郵政大臣官房長 二木  實君
        郵政省簡易保険
        局長      大友 昭雄君
        郵政省通信政策
        局長      奥山 雄材君
        郵政省電気通信
        局長      澤田 茂生君
 委員外の出席者
        総務庁行政管理
        局管理官    長田 綏男君
        大蔵省主計局主
        計官      日高 壮平君
        通商産業省産業
        政策局産業構造
        課長      細川  恒君
        工業技術院研究
        業務課長    松下  弘君
        日本電信電話公
        社総裁     真藤  恒君
        逓信委員会調査
        室長      長崎  寛君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 逓信行政に関する件
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田英介君。
#3
○山田委員 私は初めて逓信常任委員会に所属させていただきました山田英介でございます。皆様にはどうぞよろしくお願い申し上げます。
 何点か御質問を申し上げますが、最初に、簡易保険郵便年金福祉事業団の事業につきまして何問かお尋ねを申し上げる次第でございます。
 最初に、簡易保険郵便年金福祉事業団の事業の目的、そして施設の概要、その利用状況につきまして、概略御説明をいただきたいと存じます。
#4
○大友政府委員 生命保険事業にとりまして加入者の福祉活動というものにつきましては、生命保険の基本理念でございますところの健康で幸福な長寿の人生を送るということを実現する上で欠くことのできない具体的な手法の一つでございます。もちろん基本には、保険給付活動というものがございますけれども、それとあわせまして、福祉活動というものが事業の目的実現のために必須の条件であるということでございまして、生命保険事業活動の中で加入者の福祉活動というものは大きなウエートを占めております。中でも、加入者の福祉施設の設置、運営ということは、いわばその中核的存在であるということが申し上げられるわけでございます。
 簡易保険、郵便年金事業におきましても、大正五年の事業創設以来、加入者の福祉施設の整備充実というものを逐次図ってまいりまして、施設の設置、運営を国にかわって、しかも国が直接これを行う場合と同じ程度にその公的な使命を達成するためにということで、三十七年に特殊法人として簡易保険郵便年金福祉事業団を設置しました。自来、施設の整備充実、それから適切かつ能率的な施設の運営ということを行ってまいりました。昨年度、五十八年度一年間の御利用の状況というものを申し上げますと、全国で約百二十八カ所の施設を持っておりますけれども、八百八十万人を超える方々に御利用いただいているという状況になっております。
#5
○山田委員 この事業団の事業の目的とか施設の概要あるいは利用度等は、今御説明を概略いただいたわけでございますが、細かく見てまいりますと、他の省庁が所管をいたします、あるいはかかわりを持ちますこの種の施設の利用状況と比較をいたしますと、郵政省所管のこの事業団の施設の利用状況について言えば非常に成績はよろしいようでございます。
 例えば保養センターというのは、他省庁所管の国民年金保養センターなどと同じように比較ができるかと思いますが、こちらが約六六%でありますところが、国民年金保養センターというのは四二%というような対比の中で、非常に合理化といいますか、あるいはまた施設の利用率を高めていこうとする、そういう事業団の関係者の皆様あるいはまた担当の本省の皆様方の御努力がここににじみ出ているんだろうと私は理解をいたしている次第でございます。
 ただ、例えば保養センターの場合には七十七カ所ということになりますでしょうか、九〇%台で極めて利用率の高いところと、中には幾つか、例えば伊予肱川ですか三三%とか、あるいは徳島三六・一%、男鹿三六・七%とか、五〇%に満たないような施設の利用度であるところが見られるわけでございますので、季節的な違いとか、あるいは土、日、祭日とウイークデーの違いとか、一般の皆さんの利用のしやすい時期とかそうじゃない時期とかという違いがあろうかと思いますけれども、これらの施設につきましても、なお利用率、利用度を高めるように格段の御努力をいただきたいものだ、私はこうお願いを申し上げる次第でございます。
 私どもの方でいろいろと勉強させていただきましたところを概略申し上げたいと思うのですけれども、例えば保養センターにつきましては、申し上げましたように成績はよい。それから加入者ホームというのがございます。細かい説明は省きますけれども、全国で十三カ所、別館等入れますと十四カ所の施設であるようでございますが、民間の企業との競合というのは、この加入者ホームにつきましてはほとんどないようでございます。しかも非常に生活圏に近い立地である加入者ホームでは、ほとんどあきがない、順番待ちである、あるいはどうせ申し込んでも無理であろうというあらかじめの意識と申しますか、そういうものが加入者の皆さんの側にありまして、それは裏返してみれば、生活圏に近いところの加入者ホームというのは、それだけ需要が多いということが言えるかと思います。あるいはまた、鴨川とか柏崎とか、こういう若干大都市圏あるいは生活圏から離れたところにあります加入者ホームにつきましては、若干あきがある。
 傾向としては、大都市周辺あるいは生活圏に近いところに立地する加入者ホームというのが非常に数が少ない、あるいはまた、ぜひ新設もお願いをしたいという極めて強い需要、要望がある、私はそのように認識をいたしているわけでございます。これらの郵政省事業団の経営をしております事業というのは、よく考えてみると、例えば保養センターにおきましては、あと沖縄に一つできれば全国すべてにいわゆるネットワークが完成をするという、完成までもう一歩のところまで来ておるという状況がございます。
 特に大蔵省と総務庁によく聞いておいてもらいたいのですが、例えば保養センターは、高齢化社会を迎えるに当たり、あるいは近づきつつある現在において、やはり縮小するということではなく、むしろ整備をし、あるいはできる限りその拡充を図っていく、そういう考え方が必要であると私は考えているわけでございます。例えば十五年たって二十一世紀、そのときに、我々も年をとるわけでありますけれども、要するに保養センターとか加入者ホームという形で、先に活躍をした時代の人々はこういうすばらしい財産をよく後世に残してくれたものだというふうに感謝をされる、あるいはよかったと言われる施設の一つであろうというふうに私は考えるわけでございます。
 特に、いろいろな意味で福祉とか教育とかそういう部分が削減をされるあるいは圧縮をされるというような傾向が強まりつつある中で、郵政省が所管しているこの簡易保険郵便年金福祉事業団の事業というのは、特にお年寄りの皆さん、高齢者の皆さんにとっては非常に大切な事業であるというふうに、福祉の充実という観点からもこの事業団の事業が大きな、重要な一翼を担われておるということを、私はこの際、やはり改めて認識をせざるを得ないわけでございます。
 そういうところから、大蔵省にちょっと伺いたいのですけれども、伺いますと、保養センターの沖縄の一カ所の予算要求、そしてまた、加入者ホームにつきましても一カ所、これははねたというふうに承知をしているわけでございますが、ひとつ御答弁をいただきたいのです。確かに国の財政は非常に厳しいということを私も十二分に承知をいたしているわけでありますけれども、やはり福祉事業団の事業というのは、高齢化社会の到来ということを展望しても極めて大事な施設、事業であろうというように思っておりますので、その趣旨、その性格というものをしっかりと踏まえた上で、今後予算措置に万全を期していただきたいな、私はこのように申し上げるわけでございますが、大蔵省からひとつ御所見をいただきたいと思います。
#6
○日高説明員 先生御指摘のように、沖縄についての御要求が郵政省からあったことは、私どもも十分承知はいたしております。ただ、先生御承知のように、簡易保険郵便年金福祉事業団につきましては、臨調の答申におきまして、「会館、宿泊施設等の新設を行わない」という御指摘がございまして、私ども政府としても閣議で、臨調答申については最大限尊重するという取り決めをしていることもございまして、新設については、今御審議をお願いしております予算では盛り込んでいないという状況にございます。その点は御理解いただきたいと思います。
 ただ、福祉事業団のいろいろな事業については今、先生御指摘がございましたように、非常に大きな意義を持つ事業であるということから、私どもも臨調答申に指摘されているような経営の一層の効率化という観点も踏まえながらも、所要の経費、あるいは建設といいますか増改築等の経費については、六十年度予算においても計上いたしておるつもりでございます。
#7
○山田委員 御答弁でありますが、臨調の答申ということを一つ挙げられました。私は、資料を持っておりますので、一つ一つさせていただいてもいいのですけれども、何でもかんでも臨調の答申がそうだからというとらえ方は必ずしも適当でないと思っている一人でございます。臨調の答申されている中身、すばらしいところもあれば、そのまま受け取ることのできない、そのまま行政ベースで消化できないというようなところも当然あるわけでございます、パーフェクトなんということはあり得ないわけでございますから。
 むしろ今申し上げましたことは、大蔵省におかれても、総務庁におかれても、その辺をしっかり踏まえていただいて、言うべきことは言う。これはちょっと違いますよ、この部分は横並びで同じように縮小だとか整理削減ということにはなじみにくいですよとか、大蔵にも総務庁にもそういう意見が出されてしかるべきであろうというふうに私は思っているわけでございます。例えば臨調の最終答申、あるいはまた「行政改革の推進に関する当面の実施方針について」、これは昨年の十二月二十九日の閣議決定でありますが、ここには「特殊法人等の事業の縮小等」という一つの見出しの中に、十幾つ、二十近くになるのでしょうか、北海道東北開発公庫、海外経済協力基金、理化学研究所、公害防止事業団、国際観光振興会、日本航空株式会社、これらの特殊法人をずっと並べまして、その中に簡易保険郵便年金福祉事業団、こうなっておるわけでございます。
 これは一つ一つやっても結構なのですけれども、全部違うのです。福祉事業団の性格とか役割とか使命とか、それと、今私がるる申し上げましたいろいろな特殊法人とはおのずから全部違うわけでございまして、そういうものを横並びに全部縮小してしまう、あるいは削減をしていくんだ、そういう行き方というものは誤りではないのか、あるいはまた、国民に対してそれは説得力がないのではないかということを実は私は申し上げたいわけでございまして、大蔵省におかれて、臨調の答申も出ておりますように、あるいは閣議決定されておりますようにというそのお言葉が私はちょっといただけないわけでございます。
 そういうこともありますけれども、しかし改めて福祉事業団のこの事業については今後、そういう角度からの視点も踏まえていただきまして、大蔵省におかれましても、査定作業といいますか予算の編成作業といいますか、そういうときにぜひともひとつしんしゃくをしていくべきである、このように思っておりますので、御答弁は要りませんが、ぜひひとつ私の意のあるところをお酌み取りをいただきたいと思うわけでございます。
 それから、総務庁に同じように伺っておきますけれども、どうなんでしょうか、臨調の答申あるいは閣議決定、横並びで全部これは整理していくんだ、縮小していくんだ、こういうことでございますけれども、行政組織といいますか、行政管理という立場にあります総務庁のひとつ御見解を伺いたいと思っております。
#8
○長田説明員 お答えします。
 臨時行政調査会では、特殊法人についても全般的に官業の肥大化を防止する、そして運営の改善を図る、官業に見られがちな非効率的な経営を克服するという観点から、数多くあります特殊法人を、それぞれの特殊法人によりましていろいろな状況は違うわけでございますが、よく精査をいたしまして、先生御承知のように、電電、専売の特殊会社化といったものを初めとする特殊法人に対する種々の改革案を出したということでございまして、私どもの立場といたしましては、そのような臨調答申を最大限に尊重するという閣議決定に基づきまして、それぞれ現在の大きな課題でございます行政改革の一環として進めていこうという観点で今やっておる次第でございます。
#9
○山田委員 繰り返しになりますからくどく申しませんが、行政改革はこれは大事なことであります。ただしかし、全部削ればいいのだ、そういうことじゃないと思います。削るべきものは削らなければなりません。残すべきところは残さなければならないし、発展させるべきは発展させなければならないという、そういう姿勢をやはり総務庁におかれてもしっかり確認をしておいていただきたいと思うのです。
 そうでないと、例えばこれは砕いた言い方になって恐縮でございますが、我々今現役でございます。自分のことに当てはめて言うわけじゃありませんけれども、現役で働いている皆さんにとっては、自分も簡易保険とか郵便年金に加入しておるから、六十とか六十五を過ぎたら全国ネットである加入者ホームとかそういうところでもひとつめぐって、老後のささやかな幸せをつかもうか、あるいはまた体験をしようか、したがって現役のうちには一生懸命働こうというような、そういう希望だとか生きがいだとか働きがいみたいなものにも、いわゆる事業団の事業というものほかかわってくるわけでございます。
 そういう生きがいの次元でもありますし、これは大蔵にも関係するわけですね。財政投融資の原資ということでございまして、国の存立を根底から支えているのが簡易保険であるとか郵便年金の加入者の皆さんの損金ということになっているわけでございまして、こういう保養センターであるとか加入者ホームというのは、まさにその意味ではいわば加入者の財産である、こういう考え方というものもこの際、大蔵省、総務庁の皆様にも改めて注意を喚起させていただきたいと思いますし、またそうあってほしいというふうに強く要望をさせていただきたいと思っております。
 特に郵政大臣におかれても、百十数年になるのでしょうか、郵政省の歴史をしっかりと支えてきた一つの極めて大事な簡易保険事業であるし、あるいは郵便年金事業であるはずでございますので、そういう角度から大蔵省寸総務庁その他関係省庁に対しましては、これだけ意義のある事業をやっている事業団だということをぜひひとつ最前線に立ちまして守っていただき、発展をさせていただくというふうに強く御要望を申し上げる次第でございます。答弁は結構でございます。
 次に、電気通信市場の開放問題につきまして、大変動きが激しくて私ども追っかけていくだけでもある意味では容易ではないわけでありますけれども、極めて国民の関心の高い問題でもございますので、何点か質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、第七次市場開放政策、これは正月の総理と大統領との会談の中で三月末をめどに取りまとめをしたい、あるいは外務大臣のいろいろな御発言などを伺っておりますと四月いっぱいには取りまとめたい、あるいはまたボン・サミット、五月までには何とか開放政策をまとめたい、時期的にいろいろ言われておりまして、いまひとつわかりにくい部分もあるわけでございます。ある意味では、取りまとめのための期間が長いと言えば長いし、短いと言えば短い、こういうような状況で、切迫をしてきているという見方もできようかと思いますが、郵政省におかれても鋭意、この日米交渉を次官級会議ということで頑張っておられるわけでございます。
 そういう中で、けさも報道がございましたが、昨日オルマー商務次官と我が郵政省の小山事務次官の次官級会議というものが再び行われまして、日米間にある誤解が解けた、あるいは問題点が整理をされた、あるいはまた、相互理解が深まり大枠として相当の進展が見られた、このように両次官が確認をされたというような報道に接しているところでございますが、実際はどうなのか。それから、昨日の大筋の合意とか進展が見られたということを踏まえまして、現時点における日米間の最大の対立点といいますか、今後真剣に詰めていかなければならない調整点は一体何と何なのか、これをひとつ簡潔に御報告賜りたいと思います。
#10
○奥山政府委員 昨日、日米両国の事務次官の間で電気通信分野における経済摩擦についての突っ込んだ話し合いが行われましたけれども、これは、一月二十八日、二十九日における次官級会談並びに二月二十三日から先週に至るまでの事務レベル協議、それらを全部総洗いする形で昨日、集約的な会合が行われたわけでございます。
 その中で取り上げられました問題点を若干整理して申し上げますと、先方から提起された問題といたしまして、一つは政省令にかかわる問題、それが二つに分かれまして、そのうちの一点が電気通信端末機器の基準・認証にかかわる諸問題、もう一点が第二種電気通信事業、特に特別第二種と一般第二種との切り分け並びに登録あるいは届け出の手続等の問題、それから第三点といたしまして、電電公社が新電電会社になった暁における資材調達の取り扱いの問題、それから第四点といたしまして、新電電における内部相互補助の問題、それから第五点といたしまして、通信衛星購入の問題、大体五つのグループ、カテゴリーに分けられるかと思います。
 それらのうち、衛星問題については余り突っ込んだ議論はなされておりません。向こうから、日本の民間の方々が衛星を購入していただければありがたいという期待の表明があった状況になっております。そのほかの四点につきましては、いずれも連日にわたって詳細な討議が続けられまして、昨日の次官同士の会談におきましては、それらについて一応双方の考え方を出し合いまして、全項目についてと私どもは現在考えておりますが、一通り会談を終了したということになっております。
 新聞報道では、これらがほとんど解決したような記事の書き方になっておりますけれども、まだそういう状況に立ち至っているわけではございません。ただし、双方の間の意思疎通並びに理解が相当進んだことは事実でございますし、先方の方からも、相当程度の前進が見られたということで評価をするという発言があったことも事実でございます。
 そこで、それではそれらのうち、最も大きな問題として今後に取り残されている問題は何かということでございますが、一番関心を示しておりますのはやはり政省令にかかわる問題でございまして、それらのうちの先ほど申し上げました第二種事業にかかわる定義、向こうは定義という言葉を使っておりますが、特別第二種と一般第二種との切り分けの問題等がなお、双方に見解の相違があるということを確認して終わっております。
 最終的にこれからの運びをどうするのかというお尋ねでございますが、昨日夜オルマー商務次官が帰国いたしましたので、それを持ち帰りまして米国政府といたしましてこれらを分析検討すると思います。それで来週十三日以降、日米高級事務レベル協議の場が設定される予定になっておりますので、そこに向けて最終的な意見調整が図られる段取りになろうかというふうに考えております。
#11
○山田委員 種々調整をしなければならない点がまだたくさん残されているというふうな御答弁かと伺いました。そうして、報道されているような必ずしも楽観を許さないというような状況にあろうかと今の答弁から私は私なりに理解をするわけでありますが、その中で、政令事項で今おっしゃいました特別第二種、この基準、規模といいますか、認定があるわけであります。伝送速度毎秒千二百ビット換算で五百回線、この線は崩さないようにということで郵政省の大変な御奮闘が私どもにも伝わってくるわけでございますが、今御答弁にもありましたように、具体的に言いますと、やはりその辺が一つの大きな日米間の考え方の隔たりである、あるいは交渉の最大の調整点の一つであるというふうにうかがえます。
 したがいまして、これはそうすべきだ、そうすべきではないとかいう立場は一応おかせていただきまして、実際問題として、我が国が千二百ビット換算の五百回線以上を特別第二種とするのだという、これで最終的にアメリカ側とこの問題の決着がつけられるのかどうか、その辺どういう展開になるのか、ひとつ郵政省の率直な展望なりをお聞かせいただきたいと存じます。
#12
○澤田政府委員 特別第二種と一般第二種との切り分けの問題がアメリカとの交渉の中でも議論の一つになっているということでございます。
 先生御案内のように電気通信事業法では、電気通信事業者を一般第二種事業者と特別第二種事業者とに分けているわけで、私ども法律でも書いてあるわけでありますけれども、これは不特定多数のものを特別第二種、それかる特定者のものは一般第二種ということでございます。その不特定多数の中でも大規模というところ、それが一体どこが大規模なのかという切り分けを技術的に回線でとらえてみる、そういうのが今度の法律の仕組みでございまして、それをその回線の数を政令で決めるというところで、私どもは今先生もおっしゃいましたように、千二百ビット、五百回線という形でとらえている。そして、これは実は法案の御審議の過程におきましても、参議院におきましては附帯決議で、そういった点を十分配慮して政令をつくるべきであるという附帯決議もいただいているわけでございます。
 私ども、この千二百ピット、五百回線というのが、日本の今日におけるデータ通信処理という事業者の実態というものを眺めてみましても、数多いものではない。今の実態では、せいぜい三つぐらいしか実態としてはございません。しかも、日本の場合は大きなものといいましても、大概特定者でございます。例えば金融についてのいろいろな大きなシステムがございますけれども、これも実は特定者ということになります。特定者の場合は、これは幾ら数が多くても一般二種でございます。登録の必要性はございません。届け出だけてあります。というようなことで、我が国における今日の実態、そしてまだこれからの登録事業者という形で、国民も安心して大型VANというものが利用できるような法律による決められたシステムというものをつくっていきたいということで、その辺の実態をいろいろ御説明をしておるということでございます。
 非常に技術的、専門的な語になりますし、日本の法律制度というもの自体、理解するのがなかなか外国から見れば非常に難しい点があろうかと思います。それぞれの成り立ちも違いますので、そういった点で、どうもアメリカではそういうシステムをとっていないわけです。一種とか二種とか、日本のような切り分けは使っておりませんものですから、その辺のところから来る、なかなか理解がいかない、すとんと落ちないというようなところがあるのではないかなというところでございまして、これはいろいろ説明をいたしております。
 私どもとしては、冒頭申し上げましたように国会の決議等もございます。国会での今までのこの三法にわたる御審議の経過等も踏まえましても、これはこういう形で進めていきたいというふうに思っております。これは四月一日に政省令というものは整備をして、四月一日からの新しい体制に備えなければならないというタイムリミットもございます。その中で、私どもこれからも十分、来週もオルマー次官も来るようでありますので、そういった機会もとらえまして理解を深めていきたいな、こういうふうに思っておるところでございます。
#13
○山田委員 もう一つ、四月一日までにこの政省令は確定をしなければならないということでありまして、お話の趣旨、御答弁の趣旨はよくわかるわけでありますが、見通しはどうなのでございますか。率直なところ、それでもって説得ができるという感触でございますか、それ一点だけ。
#14
○澤田政府委員 私どもとしましては、そういった点については理解をしてもらえるのではないかな、あるいは理解をされないにしましても、これは私ども今後の実態というものを見ながら、法律自体でも三年で法律を見直すというような仕組みに現在の電気通信事業法自体がなっております。やはり技術の進歩、その時代に応じた対応というものについては、これは弾力的にやっていかなければいけないと思っておりますから、そういうようなアメリカが心配しているような、何か不透明あるいは内外無差別でないというような事態というものは万々起こらないであろうし、何かそういうようなことが起こるようなことがあったとしても、これは今後ともいろいろな話し合いをしていきながら理解を深めていくというつもりでおります。
#15
○山田委員 通信衛星の購入問題でございますが、これも大変国民の関心を呼んでいる点でございまして、従来、郵政省におかれては、内外無差別といいますか、アメリカからも通信衛星を購入できる、そういうシステムはつくりました。したがって後は、それの購入を実際にされるかどうかは、ひとえに民間企業の意思にかかっているのだ、こういうスタンスであったかと私は理解いたしておりますが、最近になりまして政府として、経団連を中心といたしました民間企業グループに、民間企業にこのアメリカの通信衛星を購入するように強く促進をしていく、あるいは働きかけていくというようなお話も実は伺っているわけでございます。
 郵政省、これは日本政府でございますけれども、郵政省はこの点、従来の御立場もあったわけでありますけれども、経団連グループ、民間に買ってもらえるように働きかけるというこの政府の方針についてはどういうことでございましょうか。
#16
○左藤国務大臣 お尋ねのようなことにつきましては、郵政省としては別に承知いたしておりません。経団連に対して郵政省が外国衛星の購入方を要請したとか、あるいはまた、電電公社に対してそれを利用するように要請したというふうな事実はございません。
#17
○山田委員 アメリカの通信衛星を購入いたしました場合に、周波数の割り当ての問題ですが、Kuバンドを割り当てるように郵政省が強く働きかけられている、アメリカから要請されている、こういうふうにも伺っておりますけれども、実際に政府が民間に購入を促していく、こういう意向であり、それが事実であり、現実にそういう働きかけがなされて、そうして民間が購入をした、そういうときに、Kuバンドというのは、それをそのまま使いますと、何か電波障害を起こしてしまうとかというふうに心配なされておる向きもあるわけでございますが、実際にそうなりましたら、この割り当ての点につきましてはどのような対応をお考えでございますか。
#18
○澤田政府委員 電波の割り当てといいますのは、国際的に各国に割り振られた貴重な財産でございます。これをどういうふうに使うかというのは、国益に関連する、国家主権に関するというような問題でございまして、衛星に使われております通信としてどういう電波を使うかということで、いろいろな国によって使い方が違っております。我が国の場合は、Kaバンドというのを主体にして使っている、これはこれからの衛星通信というものを使っていく場合に一つの主流になっていくであろうというふうに私どもとしては考えております。
 アメリカにおきましても、KaとKuと両方のものについて実際の衛星をつくっている、あるいは使っていくというような方法がございますけれども、今お話がございましたKuバンドというものの使用につきましては、実はこれは我が国におきましては、地上におきまして公共用の通信とかいろいろな形において使われているというのが実態でございます。これは国土によりまして、都市周辺というのはいろいろそういう使い方がひどい、あるいは山の中に行けばそういうふうなものはないという分野はございますけれども、ないようなところで使えばこれは使うことができるわけでございます。ただそういったものが、山の中で使うような形で衛星を利用するということが可能かどうか、商売上成り立つかどうかという問題もございます。大都市近辺では大変混雑をいたしておりますから、それを衛星に使ったといたしましても、衛星の方の通信がうまくいかないし、あるいは地上における通信もうまくいかないというような障害が起こってまいります。
 したがいまして、これをさらに有効にどう使うかというようなことについては、例えば技術的にそういうよそからの電波が入らないようにするとか、いろいろな方法というようなことも考えられるのではないかなというようなことは、私どもとしても検討課題とはいたしております。ただ、これが採算ベースに合うかどうかというのは、また一つの問題がございます。商業ベースとしてやる場合、そういったものに経費をかけるだけのことで採算が合うかどうかというような問題もございましょう。いろいろそういったことを踏まえながら私どもとしては、Kuバンドを衛星通信として使うことについての問題点等、これは今後とも検討していきたいな、こういうふうに考えているところでございます。
#19
○山田委員 これは真藤総裁にお伺いしたいと思っておりますが、アメリカの通信衛星をいわゆる民間の企業あるいは企業グループと電電公社が、これは四月一日から新電電ということでございますが、共同して購入されるお考えがありますか。そしてもう一つは、もしアメリカの通信衛星が日本に購入された場合に、共同利用という形になるのでしょうか。
#20
○真藤説明員 宇宙衛星の問題については、郵政省の方で今いろいろお考えいただいているようでございまして、いずれの日か、こういう方針で民間の企業が事業計画を出したのを郵政省で承認なさるということに決まりまして、そしてその事業主体になっている会社から私どもの方に何らかのお話がございました場合に、私どもは私どもの必要とする範囲内において、契約約款に基づいたコマーシャルベースの契約をするということはあろうかと思いますけれども、私どもが主役になってやるべき仕事ではないというふうに考えております。
#21
○山田委員 この問題はこれで最後にしたいと思いますけれども、端末機器の審査機関といいますか審査協会、これは御案内のとおりでございまして、これが政府にかわって端末機器の審査をする機関であると決まったわけでありませんで、これは四月一日を踏まえて国が指定する審査機関ということになるわけでございます。したがって、こういう聞き方はちょっと語弊があるかもしれませんが、その辺を踏まえて御答弁いただければと思いますが、昨年設立された財団法人電気通信端末機器審査協会が必ずしも政府から指定機関に指定されるということではないわけでありますが、しかしこれ以上のことはもうできないのじゃないかと私は受けとめております。
 事実上いずれこちらを指定しなければならないのじゃないかというふうに思っておりますが、そういうことを踏まえて、さきごろアメリカ側からのいろいろな要望もございまして、それらを受ける形でと私ども受けとめるわけでございますが、メーカー側の代表が御辞退をなさるというようなお話に接しておるわけでございますが、仮にそうした場合にアメリカはそれで納得するのでございましょうか。いわゆるこの端末機器審査協会の問題につきましては、大体決着というふうに見てよろしいのでしょうか。
#22
○澤田政府委員 ただいまお話がございましたように、端末機器審査協会、昨年から設立されまして、十月から業務を開始いたしておるわけでございます。現在のところは、電電公社からの委託を受けた業務を行っておる、そして四月から制度としては、国の業務としての審査を行う法人を指定するということになっているわけでございます。
 当協会がそういう指定を受けたいという気持ちは十分あるというふうに私どもは承知をいたしておりまして、アメリカの方として、客観的な透明さを確保する観点から、理事の構成についてどうだろうかというような話が出てまいりました。各メーカーが審査をするということになると、外国の製品については少し色眼鏡で見られるのではないかという懸念があったのではなかろうかと思うわけであります。
 私どもも適正な、公平な審査が行えるものを指定しなければならないというふうに思っておりますし、そういうもろもろの情勢を踏まえて協会の方でも、それに対応した理事の編成がえを考えておるということでございまして、この点につきましては、全体のいろいろな議論の中の一課題ではあったわけでありますけれども、少なくともその点についてはアメリカ側としても了承し、評価をしているものというふうに私どもは受けとめておるところであります。
#23
○山田委員 関連でちょっと確認させていただきたいのですが、これはきょうの日経の朝刊でございますが、「米側は諸制度を公正なものにするため、電気通信審議会など公的機関のメンバーに外資系企業の役員を加えるよう求めたが、日本側は「審議会のメンバーは個人の学識経験が問われるのであり、拒むものではない」」と、こういう御回答をされていると報道しております。「電気通信審議会など公的機関」というふうになっておりますが、その場合は、私が質問申し上げました電気通信端末機器審査協会なるものも含まれるのですか。
#24
○奥山政府委員 今先生が御指摘になりました点につきましては、向こう側の要求は、端末機器審査協会のことではございませんで、あくまでも政府の機関としての審議会のことを言っているものでございます。
 それにつきましては、向こうは最初若干誤解をしておりまして、審議会というものが何か業界の代表あるいはメーカーの代表、利益代表といったものが加われるのではないかと思っていた節があるのですが、そうではなくて、審議会というのは学識経験者から構成されるのだということを説明したものでございます。
#25
○山田委員 せっかく通産省にも来ていただいておりますので、次の問題に進ませていただきます。
 基盤技術研究円滑化法案のかかわりでございますが、特別第二種事業についての規制緩和につきまして、通産省がそれをもうちょっと緩和してくれと郵政省に申し入れたとか申し入れないとかいろいろ言われておりますけれども、それぞれ伺いますと、いやそんな事実はない、そういうようなことで、もうひとつわかりにくいのですが、それはそれとして、この基盤技術研究円滑化法案によりまして設立されようとしておりますのが十月一日からの基盤技術研究促進センター、こういう事業がございます。通産省のサイドでは、一丁目一番地なんという言葉で、これは六十年度予算の目玉である、こういう位置づけをなされておるようでございますし、郵政の方もそういうことかもわかりませんが、これは通産、郵政共管というセンターの設立が本年十月一日なされるわけでございます。
 企業を経営されている皆さん、特に研究開発費が非常に乏しい事業者の皆さんにとりましては、これは大変大きな関心と期待を寄せているところでございまして、その意味におきましては、大変結構な促進センター構想であろうと私も思っておるわけでございます。これは郵政、通産の共管でありまして、経緯は昨年来いろいろとあったようでありますけれども、それはそれといたしまして、ぜひひとつ両省力を合わせてこの事業を推進していただいて、大きな成果を上げてほしいと私は念願をいたしております。
 また、基盤技術の底上げ、この事業は出融資もなさるそうでありますし、国の研究機関なども必要に応じて民間に活用させる、大変これも結構なことでございまして、そういう事業者の皆さん、特に先ほど申し上げました中小規模の研究開発費が極めて厳しいような皆さんにとりましては、この出融資あるいは研究機関の廉価な利用、共同研究ということは本当に喜んでいるわけでございまして、重ねて大きな成果をぜひ上げていただきたいと存じます。
 今後の我が国の将来を展望いたしますと、やはり通信あるいは情報、この部分が非常に大きなウエートを占めてくるわけでありまして、両省のそういう意味における存在というものはますます重かつ大になっていく、私はそのような認識でございます。そういうことで、日本政府は一体でありますがゆえに、アメリカを初め諸外国に足並みの乱れとか不統一、そういう印象を与えないように、あるいは足元につけ込まれないようにということでひとつ頑張っていただきたいと思っております。それでこそ国民の期待であるとか、あるいはまた国益にもかなうものであるというふうに私は信ずろからでございます。
 そういう中で、これは本来法案の審議のときにするべきものであるというふうに私も理解をいたしておりますが、大変期待が大きいものですから、せっかくの一般質問の機会でございますので、具体的に二点だけ明らかにしていただければと思います。
 この円滑化法案の三十一条に、「国の試験研究機関と共同して行うことについてあっせんすること。」というところがあるわけでありますが、これは通産省所管の研究機関というのは十幾つある、郵政省所管では電波研究所一つというふうに思っておりますが、両省の所管する研究所は分け隔てなく一定の基準に合うそういう事業者の研究には提供がされるのかどうか、これをひとつ簡単にお願いを申し上げます。
#26
○松下説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの両省にまたがる試験所は分け隔てなく共同研究等できるのかということでございますが、先生御指摘のとおり、分け隔てなく使用できることになっております。
#27
○奥山政府委員 同じく条文の後ろの方に、同センターが行う業務については、各号については主務大臣が認可を行うことになっております。その主務大臣の中には郵政大臣も明記されておりますので、共同で行うことになります。
#28
○山田委員 もう一点は、出融資、出資もするし融資もする、こういう事業があります。大企業とか中小企業とか企業規模でもって、研究機関を貸すとか使用させるとか出融資の対象を、企業規模で分けることはないというふうに伺っておるわけでありますが、私冒頭に申し上げましたように、やはり研究開発費というものは、企業の規模が大きくなればなるほどそれだけ確保しやすい、あるいはそういう立場にあるというふうに一般的には見られるわけでありまして、特に中規模、小規模の事業者の皆さんのところには、比較相対して研究開発費というのは十二分に確保されているとは言いがたいであろう。私はそういう観点から、中小企業の底上げということを図る意味からも、ぜひウエートを高くしていただきたい、あるいはまた、中小企業のそういう申し出あるいは御希望にはひとつより特段の御配慮をいたしていただきたい、このように希望するわけでありますが、一言御答弁いただければと思います。
#29
○細川説明員 御質問の件でございますが、このセンターは、基盤技術に関する試験研究という意味で、新しい技術の芽を幅広く育てるということでございまして、そういうことから、センターの適正な運営を図れるよう両省で確保してやりたいと思っております。
#30
○山田委員 御成功を期待しております。
 時間があと一分、二分というところでしょうか、一つだけちょっと御提案といいますか、大臣の御所見を伺いたいのです。
 いわゆるニューメディアというのはどんどん研究開発が進んでいきます。これはメーカーが、あるいは研究機関が先行することはやむを得ませんが、しかし、その開発、研究されたニューメディアというのは、国民生活に生かされて初めて意味を持つものでありますし、国民にそれが理解をされ、生活に取り入れられてこそ意味を持つものだろうと私は思っております。それなくして何のためのニューメディアの研究開発であるかということになりますので。
 ただ、現実問題としては、技術開発はどんどん進んでいく、いろいろな機器というものが開発されていく、しかし、国民の意識は必ずしもそれについていっていないという現実があります。これはよくコンピュータークライシスなんという言葉で言われておりますが、ハードは物すごく前進していくけれどもソフトがついていかない。そういう意味からすれば、国民意識がニューメディアの開発技術についていけないという意味においては、いわゆるINSクライシスとかニューメディアクライシスなんという言葉が使えるのかもしれません。そのギャップをどうしても、これから研究開発にウエートを置くと同じように、そういう国民意識の啓発というもの、PRというものをやはり同時に今から進めていかなければこれは大変なことになってしまう、私はそういうふうに思います。
 したがいまして、新電電になられましても真藤総裁ひとつ一どなたが社長になられるかわかりませんけれども、新電電は新電電で、やはり全国の比較的大規模な電話局に、霞ケ関ビルの三十階にあるあんなすべての機器を展示してくれとは言いませんけれども、国民意識を向上させていくという意味においては、そういう電話局に、これがニューメディアなんだ、その片りんに触れたのだという部分で国民、県民により多く接する機会をお与えいただけるように、ただ単に端末機器を並べておくだけではなくて、百年に一度の大改革でございますので、新電電におかれましても、あるいはまた、後から参入してくる第二電電あるいはグループにおきましても同じでございますが、ぜひひとつそういう御努力をお願いしたいと希望しております。
 それから郵政大臣、一つ御答弁いただきたいのですが、例えば電電公社の方では、霞ケ関の三十階と京王ブラザビルの方、あるいは関西の方でも一つか二つ拠点があるようであります。郵政省は郵政省で、例えば全国の都道府県の県庁がありますが、大きな建物ですから、せめて一室か何かを郵政省と都道府県庁との話し合いの中で、やはりニューメディアというのはこういうものなんだということを来庁者の皆さんへ、あるいはまた、霞ケ関ビルの三十階へ行かなければ見られない、接しられないというのではなくてより身近に、各県庁にモデルルームなどを設置をされまして、そして、すべて置くなんということは予算の関係もありますので、何機でも結構でございますが、その辺、いわゆるニューメディアの研究開発の進展と国民意識のずれ、このギャップを埋めるためにもぜひ、これは一つのアイデアでありますけれども、そういう方向も今後御努力をなさる必要があるのではないかと思いますが、御検討をお願いしたいと思っております。御答弁をいただいて終わります。
#31
○左藤国務大臣 御指摘のとおり、高度情報化社会に向けてパソコンだとか日本語テレテックスといったような新しい手段、いわゆるニューメディアの機器がどんどん開発されておりますけれども、全般的に見ますと、御指摘のとおり、ハードの面はよくても、ソフトの面だとかいろいろな面でまだ開発途上にあると言っていいようなものがありまして、国民の皆さんが十分それを使いこなせているかということにつきましてはまだ問題があり、これから努力しなければならない点ではないか、こういう意味で、国民の皆さんの生活の中に定着するために我々努力していかなければならないのは、御指摘のとおりだと思います。その一つの方法として、今御提案ありましたが、例えば情報通信機器の展示会をやっていくとか、そういったことについて具体的な機器の使用を体験する機会をつくっていくというふうなことから、定着を図っていく努力をすべきだと思います。
 今お話ございましたような都道府県庁といったようなところにそういった施設をつくるということも、私は非常にいいことだと思います。今テレトピアの指定というような問題もありまして、コミュニティー、コミュニケーションといいますか、そういうふうなことがどんどん進んでいく段階でございますので、都道府県、自治体におきましても、そういったニューメディアのいろいろな機器を使っていろいろ行政を進めていくという努力をしていただいておりますが、その一環として、それをさらに国民の生活の方にまで広げていくために、そういったことを都道府県庁にお願いするということも一つの方法であろう、このように思います。
#32
○山田委員 大変ありがとうございました。質問時間が長くなりまして失礼いたしました。以上で終わります。
#33
○渡辺委員長 西村章三君。
#34
○西村委員 現在、郵政省の主管業務の中には、郵便事業の効率化問題、さらには非課税貯蓄制度の見直し問題、また、昨年成立いたしました電電三法のいわゆる電気通信事業の振興あるいは新規参入の条件整備、公正競争の確保など、国民生活、郵政行政の根幹にかかわる重要な問題がたくさんございます。しかしきょうは、限られた時間の中でございますので、私は当面する最重要課題といたしまして、先ほど同僚議員からも若干のお尋ねがございましたが、日米通信摩擦の問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 日米間の電気通信にかかわる経済問題については、郵政大臣も所信表明の中で若干触れられておりますが、最初に、日米通信摩擦の中でアメリカ側が要求しておる点、関心項目といいますか、この点を簡単に御説明していただきたいと思います。
#35
○奥山政府委員 一月二十八日から始まりました日米の通信機分野における経済摩擦の会談の場で、向こうから関心事項として提起されました項目のうち、大きな整理といたしまして五項目が挙げられております。これは向こう側が指摘をした項目でございます。
 いずれも政省令絡みでございますが、第一点が、政省令中の電気通信端末機器にかかわる基準・認証の問題。第二点が、これも政省令でございますが、第二種事業にかかわる問題、特にそのうちの一般二種、特別二種の切り分けの問題と登録並びに届け出の手続の問題。第三点といたしまして新電電の資材調達問題。第四点といたしまして新電電における内部相互補助の問題。第五点といたしまして衛星購入の問題でございます。ただし、最後の衛星購入の問題につきましては、日本の民間において衛星購入の動きが進んでいるということを承知している、これが実ることを期待をするといったことで、今日に至るまで具体的な討論の俎上には上っておりません。
#36
○西村委員 この問題は、本年に入りまして、特につい最近になりまして、交渉が開始をされましてから急速にクローズアップされたという感を受けるわけでありますが、そんな急に惹起された問題ではないと思うのであります。アメリカの日本に対する電気通信分野の市場開放の要求が出てまいりました経緯あるいは背景、これをどういう形でお考えでございますか。
#37
○奥山政府委員 通信機分野における日米経済摩擦問題がクローズアップされてまいりました背景といたしまして、日米の貿易の不均衡という全般的な問題がございます。もともと通信機分野における日米間の輸出入は、日本の方が黒字でアメリカの方が赤字であったわけですけれども、一昨年以来、アメリカ側から見た場合、全世界的に通信機分野が赤字になったということに危機感を募らせた一つの原因がございます。
 具体的な数字といたしまして、日米間の通信機分野における赤字の格差が逐年増大しております。五十七年に四・六であったものが五十八年には七・八になり、さらに今年度、まだ途中でございますが、四月から十二月までの間に既に十一・二倍になったということで、格差が開く一方であることに最大の懸念を示しております。
 それとあわせまして、昨年の一月一日からATTが分割されたことに伴いまして、それまで長距離市場をほとんど独占しておりましたATTが、自分の子会社であるWEから一手購入しておりました通信機について、七つの地方持ち株会社がより安い、より良質の機器を全世界市場から求めるようになったという背景がございます。もちろん、これらを通ずる総体的な背景として日米間における円ドルの問題、つまりドル高、円安の問題があることは当然のことでございます。
#38
○西村委員 確かに原因は、単に一つの問題ではなしに、複合的な要素があると思うのであります。最近の異常なドル高、円安、その背景には、アメリカの財政赤字あるいは高金利という問題もあります。さらに、今御指摘のありましたATTの分割、アメリカの通信制度の転換の問題もありましょう。加えて、アメリカ側の企業の輸出努力といいますか、業界の輸出努力の不足ということも挙げられると思うのでありますが、これらの交渉の中でアメリカ側に対して、こういう点については明確に主張されたのかどうか、その辺はどうですか。
#39
○奥山政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、日本側からの輸出努力に対してアメリカ側からの日本に対する輸出の努力、営業努力に欠けるものがあるということを具体的に指摘しております。その裏づけといたしまして、米側から日本に輸入いたしました機器につきまして欠陥のあった事例を具体的に挙げまして、こういった事例が現実にあった、さらに、これらの価格の問題あるいは機能、性能の問題について私どもが指摘し、さらにアメリカ側の一層の営業努力、輸出努力を要請するということを行っております。
#40
○西村委員 それについてアメリカ側の答えはどういうことでございましたか。
#41
○奥山政府委員 私どもが具体的に指摘をいたしました事例につきましては、これは素直に認めております。しかしながら、それらはすぐに改善をしたはずである、したがって全体的には、総体的に見ればアメリカの機器は日本の機器に対して劣るものではないという一貫した姿勢でございます。
#42
○西村委員 アメリカ側がそれなりに指摘をされた問題点については理解をしたということでございますが、伝えられるところによりますと、特に当初の段階ではほとんど双方の誤解に基づくものだ、小山次官も御訪米なさって、そういう発言をなさっておられます。また商務省のオルマー次官も、交渉内容以前の問題だ、これは哲学の問題だと言っておるわけでございます。果たして今局長の方から御答弁のありましたようなことがアメリカ側が本当に理解をされたのなら、こういう発言は出てこないわけであります。私はそう思います。
 もちろん交渉のことですから、若干幅のある言葉もあったかと思いますが、そうした中で、昨日、一昨日と次官級協議の中でそういう誤解は本当に解けたのでしょうか。あるいはまだ残っておると思われますか。
#43
○奥山政府委員 一月の末から会談を始めました当初の段階におきましては、確かに双方の考え方の違いというものが非常に大きな障壁になったという事実はございます。先ほど先生は哲学とおっしゃいましたけれども、確かに法制度にかかわる哲学の違いがございます。
 具体的に申し上げますと、電電公社を民間会社に改組したということは、アメリカ流の考え方からいきますと、これはもうすべて政府がかかわる分野はなくなるものであるという理解でございます。ところが日本の考え方は、民間会社になったらなったで、日本の場合にはそのための新しい法律なり政省令が必要であるということを理解させるのに随分時間がかかりました。それはアメリカの場合は、FCCという準司法的あるいは準立法的機能をも持つ行政機関がございますので、これらがそのような政省令を細かにつくらなくても裁量でできるという大きな違いが背景にあったということがわかりました。
 これらの点につきましてはアメリカ側も、日本の制度、仕組みを理解いたしまして、哲学論の違いあるいは考え方の違いにつきましては、ほほそのギャップを埋め得たのではないかと思います。昨日の段階に至りましてオルマー次官も、考え方の違いについては理解をした、したがって、彼我の制度の違い並びにそれに対するとらえ方の違いを前提として、より現実的な解決方策を探ろうではないかという姿勢に転換してきております。
#44
○西村委員 この問題は、一連の中曽根・レーガン会談を初めとしましたサミットの中でも端を発した問題でございますが、現在の日本側の対応の窓口はどうなっておるのか、外務省、通産省と郵政省との連係関係はどうなっておるのか、御説明をいただきたい。
#45
○奥山政府委員 年初めの中曽根・レーガン会談で、四つの分野についてセクター別協議を行うということが決められましたので、それぞれの四つのセクターを全体的に総括する外交窓口は外務省でございます。それぞれのセクター、つまり分野につきましては、窓口議長といたしまして、例えば電気通信分野であると外務審議官と郵政省の小山次官が共同議長をやっております。その会談には、正式会合の場には、関係省庁といたしまして大蔵省、通産省、科学技術庁が陪席をいたしております。また逆に、エレクトロニクス分野につきましては、外務省の審議官と通産審議官が共同議長で、関係省庁として私どもも陪席をいたしております。
#46
○西村委員 郵政省内部での対応の体制はどうなっていますか。
#47
○奥山政府委員 一月初めの中曽根・レーガン会談が終わりました直後、電気通信分野における経済摩擦が激化することが想定されましたので、大臣から年初め早々に、省内の取り組み体制をつくり上げるようにという御指示がありまして、一月八日、もう一月の上旬でございますが、一月八日に省内に、事務次官をキャップとする対米経済問題対策委員会を設けまして、今日までの対米交渉の中身を全部その委員会に諮った上で決定をして臨んでいるところでございます。
#48
○西村委員 初めにお尋ねをいたしましたいわゆる日米協議の中身の五項目の中で、既に合意に達したもの、合意に達していないもの、先ほど同僚議員の御質問にもお答えがございましたが、もう一度明確に、現在時点での進捗状況といいますか、支障のない範囲で結構でございます、お答えをいただきたいと思います。
#49
○奥山政府委員 五項目のうち、細部にわたって非常に項目が多岐にわたるわけですが、そのうちの主なものだけを申し上げますと、電電の資材調達問題につきましては、現行の日米の取り決めが切れる六十一年末までは現行の協定どおり存続するということで、日本側の態度を表明しております。それから、先ほど電気通信局長が申し上げました端末機器審査協会の役員の問題につきましては、公正、客観性が保たれるような措置を講ずるということで、向こう側もそれに対して賛意を表しているところでございます。
 そのほか、政省令にかかわる問題といたしまして幾つか項目がありますが、あとは具体的な手続の面でできるだけ簡素化してくれ、あるいは期間を短縮してくれ、あるいは提出する書類について簡便なものにしてくれというような内容でございますので、それらは、聞けるものについては聞こうという態度で今日まで終始しております。
 それから、新電電における内部相互補助の問題につきましては、新電電発足後、事業法の中でも明記されているとおり、きちんと会計規程あるいは経理区分等で明確にするということを相手に説明してございます。
 なお、衛星購入の問題については、先ほども申し上げましたが、具体的な議論はなされておりません。
#50
○西村委員 三月一日に今度の技術基準について、郵政省はその案を公表されております。従来ありました五十三項目が三十項目に削減をされ、いわゆる簡素化が図られる、こういうことでございますが、この三十項目で安全性、機能性というものが完全に守られるのかどうか、その辺の自信のほどを示していただきたい。
#51
○澤田政府委員 今度の法律によりまして、郵政省が端末機器についての技術基準というようなものをつくっていくということでございます。法律にも書いてございます、先生も御指摘ございましたような安全性あるいは機能性というようなことについて、これを確保できるような基準ということと、いま一つは、できるだけ簡素な透明度のある基準というものが必要であろうというようなことで、いろいろ検討してまいっているわけであります。
 しかし一点、現在、例えば電話にとりますと、電話機というのはもう普及をいたしております。この基準というよりもさらに高いようなものをつくるということになりますと、今ある電話機が全部だめになってしまうということは、これは現実的ではございません。したがいまして、私どもの基本は、現在電電公社がつくっている基準というものをペースにしながらということで、大体それが、今先生おっしゃいました五十数項目ということになるわけであります。これを見直しまして、現時点において技術水準等から見て必要ないと思われるようなもの、こういったものを除いていこう、それから手続の簡便性、あるいはもっと簡素明確なものにするというような観点から整理をするというようなこともございます。
 ただ、私ども考えなければならないのは、一部では品質の点については、これは必要ないじゃないかというような御意見も実際ございます。ネットワークに支障を生じないようなものであればそれだけでいいじゃないかというような御意見も、国内の中からも一部承ることがあるのですが、この点については私どもとしては、やはり今まで国民がなれ親しんできた電話の品質というもの、やはりこれをベースに考えなければいけないのじゃないか。安かろう、悪かろうということで、何でもつながればいいのだ、漏話がされてもいいのだというようなことは、これはいけないということ等を基準にいたしまして、現在作業もし、また各省とも詰めていきたいな、こういうふうに考えているところでございます。
#52
○西村委員 技術基準につきましてのポイントは、やはり通信網に、いろいろネットワークに障害を与えないということ、及び他人の通話を妨害しない、この二点が最も大事なことであろうと思うのでございますが、これが満たされているということですから、それなりに了解をいたしたいと思うのであります。
 ただ、私はその中で、これはいろいろ日米間の交渉駆け引きの中で、アメリカ側が特にこの基準・認証制度については、その省令案の事前公開を求めたとか、あるいはその機関に、審査協会そのものにアメリカ代表を入れろ、こういう要求があったということが伝えられているのでありますが、これは事実でございますか。
#53
○澤田政府委員 アメリカの方も、新しい制度がどうなるのかということで、今までの日米貿易摩擦というようなものを踏まえてある種の懸念をし、また疑念を持っておったということはございます。そういった中で、アメリカにないようなことを日本がやるということについてはまず何であろうかという疑問を持つわけであります。その違いというようなことでいろいろ疑問を持ってくるということはございます。
 その一つとして、審査協会のあり方というようなことについて、明確な形ではございませんけれども、構成について意見交換というようなことがございました。しかし、これはあくまでも審査機関としての独立性を確保するという観点からの議論でございまして、そういう意味で、先ほどもお答え申し上げましたが、理事構成等がそういう独立性というものを確保できるような構成にということで、協会自体も考えておるということでございますし、私どももそれは望ましい方向であろうかなというふうに思っているわけでございます。
 以上でございます。
#54
○西村委員 事前の公開をひとつ。
#55
○澤田政府委員 政省令の事前の公開ということについては、法律をアメリカはアメリカなりに勉強いたしまして、それで政令で書く、あるいは省令で書くという規定がいろいろございます。その中身を見ないとどうもよくわからない、理解ができない、そういうことについては、アメリカの言っている要するに内外無差別、透明さというものが確保できるようなものになるのだろうかどうだろうかというようなことで、いろいろ話がございました。私どもも法律をつくる段階で想定されている、こういうことをこういう形で書こうと思っているというようなことを、法律のある意味では説明という形で、いろいろ話をしてきているのは事実でございます。
 これはどなたに対しましても、どういう考え方であろうかということについては、内外ともにいろいろ私どもも御説明をし、御理解をいただくような形でやってきているわけでありますので、その一環としての話ということに私どもは理解をいたしているわけでございまして、アメリカに特に、事前に書いたもの、省令を見せるというようなことは、私どもの作業の手順としてはございません。
#56
○西村委員 そういたしますと、けさのこの新聞の報道によりますと、いわゆる「技術基準の設定に当たっては、外国企業の意見も聞く。」当然これは意見交換をされた結果のことだろうと思うのですが、さらに加えて、「電気通信審議会を含む日本政府の審議会などに、外資系企業の日本人の代表が学識経験者として加わることを認める。」こういうことが報道がなされているわけであります。
 この電気通信審議会にアメリカ代表といいますか、アメリカの企業代表といいますか、アメリカ系、外資系企業の日本人の代表というものを入れるということはお認めになったということでございますか。
#57
○奥山政府委員 電気通信審議会の委員は電気通信審議会令によりまして、学識経験者から構成されるということになっておりますので、ある特定の分野の利益代表という方を選考する仕組みになっておりません。そこのところを最初、アメリカの方は若干誤解があったようでございまして、審議会に委員としてアメリカ人を加えてほしいという話がありました。これは政府の統一見解として、日本の政府の意思決定をする機関であるので、これはできないということを断わりましたところ、それじゃ米国人は断念する、米国系の企業の代表をという提起がありまして、米国系の企業の代表であっても、企業代表というようなものについて審議会の委員として任命する仕組みになっていないということを重ねて申しました。そのようなやりとりがありました後、最終的にきのうの次官のところで、電気通信審議会についてはあくまでも学識経験者として適当である者を郵政大臣が任命するものであるということを相手に説明をして終わったというふうに承知しております。
#58
○西村委員 郵政大臣が任命をすればそれもあり得る、こういう道を開いた、こういう理解をしてよろしいのですか。
#59
○奥山政府委員 いわゆる外資系の企業であろうと、それから純然たる日本の資本の企業の方であろうと、そういうところに着眼するわけではございませんで、先ほど申し上げましたように、あくまでも学識経験者として適当な方を広く各界、各層から審議会の委員として任命をするということを説明したということでございます。
#60
○西村委員 これは単に郵政省だけではなしに、これからの各種審議会の委員の人選にも随分影響する問題でございまして、私は極めて大事なことだと思っておるのであります。一方的な要求の中で認めざるを得ないというようなことになったのか、今後これを任命するのは大臣でございますから、私はぜひ大臣の御意見も聞かしていただきたいと思うのであります。かつてそういう前例があったのかどうか、私もよく知りませんけれども、これは今後の審議会の委員の選考に重大な影響を及ぼすものである、こういう観点からひとつ大臣の御見解を一言聞かせていただきたい。
#61
○左藤国務大臣 これは非常に大切な問題だろうと思いますので、今そうした審議会の委員を選考する範囲は広げられましても、現実の問題といたしまして任命するときには、十分そういう慎重な配慮というものは必要ではなかろうか、私はこのように考えております。
#62
○西村委員 今後は大臣の良識に待ちたいと思っております。
 いろいろと交渉経過がございました。そこで私は、今回のこの一連の交渉の中で特に一つ痛感したことを申し上げ、大臣の御見解を承りたいと思うのでありますが、今度の一連の要求の中で、透明性あるいは簡素化、中立性とだれでも納得のできる基準・認証制度、これは大いに結構だと思っております。しかし、そういう政府の方針とは裏腹に、またアメリカ側のむちゃな要求もかなりあったのではないか、そういう観点もあるわけでございます。相手方のある交渉でございますので、当然のことながら、意見を聞いたり要望を聞いたりすることは重要でございますけれども、しかしここ数日のアメリカ側の対応を見ておりますと、会議を一方的に延期してみたり、あるいは相手側の譲歩に応じて対応を考え、足元につけ入るというような態度がある点につきましては、これはもう私は断固排除すべきだと思うのであります。
 かりそめにも政令や省令あるいは規則などの定め方につきまして、その内容をなす字句の修正あるいは表現に至るまで交渉の過程で米国側が一々介入する、こういうことを許してはなりませんし、これは重大な内政干渉につながる、私はこう思っておるのであります。大臣としてのお考えをぜひこの際明らかにしていただきたい。
#63
○左藤国務大臣 御指摘のとおりだと思います。我々は我々の立場を堅持することにいたしまして、向こうに対しまして我々の問題、今の御指摘のような点につきましては理解を求める、我々はどういうことでやっておるかということについて、仕組みも違う、いろいろな点が違いがあるわけでありますから、そういったことについては粘り強く向こうに理解を求める、こういう姿勢で進めていくべきだ、このように考えております。
#64
○西村委員 非常に結構でございます。ぜひそう願いたいと思います。かりそめにも内政干渉を許すようなことがないように、日本の自主的な立場というものを鮮明にしながら、今後の交渉に望んでいただきたい。もちろん、日米関係は我が国外交の基調でもございますので、当然のことながら、いろいろと譲歩しなければならない点もございますが、内政干渉だけは許してはならない、このことだけはしかと申し上げておきたいと思います。
 そこで、もう時間が余りございませんが、電電公社の資材調達協定はほぼ合意に達して、六十一年まで延長をする、こういうことでございます。ただ電電は、昨年の電電三法の成立によりまして四月一日から民間会社になります。民間会社である新電電に政府間協定を適用することについては、これは本来あり得ないことでございまして、適用についての問題が私はあると思うのでありますが、全くこの点についての説明がございません。どう考えておられるのか、お尋ねをしたいということであります。
 それから、四月一日からは当然、政府は新電電の一人株主、現在一〇〇%株主として準政府機関系、こういうみなし方をされるのでありますが、株の放出時点でその根拠は失われることになる。その時点で一体どうされるのか、その辺も含めて御答弁をお願いしたいと思います。
#65
○左藤国務大臣 電電公社の経営形態の変更に伴いまして、ガット政府調達協定の扱いにつきましては、今御指摘のように、現行の日米政府間取り決めの有効期限であります一九八六年末までは、ともかく現状どおりで進めていくということで、具体的な取り扱いにつきましては、その時点におきまして別途、日米の事務レベルで協議を進めて検討していきたい、こういうことになったことは御指摘のとおりでございます。
 そこで、政府調達協定でございますが、政府調達手続におきます内外無差別を確保するということで、政府調達にできる限り市場原理を導入しようとするものでありまして、この趣旨とかいう点から考えまして、また、御指摘の公社の経営形態の変更の目的という点から考えますと、新電電を協定の対象機関から外すということは、理屈の点から見たらかなった議論であると私は考えております。
 しかしながら、公社の我が国の政府調達協定の実績は三分の一以上だと思いますが、こういった割合の大きさという点から考えますと、政府といたしまして、これにかわる他の代償機関といいますか、そういうものを提供するということが実際問題として困難である、あるいはまた、現在の日米電気通信分野におきます政治的な状況とかいろんな点を考慮いたしまして当面、今申しましたようなことで暫定的に現状どおりとすることにしたものでございますが、これから新会社は特別法に基づいて設置されます特殊会社であるということでもあり、その事業活動について公共性が要請されるとともに、一定の社会的な責任というものを果たすことが要請されているわけでありまして、そうした新電電の性格から考えまして、政府として条約上の義務を当面確保する、新電電を指導することについて、今のところどういうふうな形でやっていくかということについては、いろいろ問題がございますけれども、当面そういった形で進めていかざるを得ないのではないかというふうに考えております。その時点におきまして我々また十分検討していきたいと思います。
 それでは、一九八六年以降どうなるかということでございますけれども、今後の電気通信事業分野におきます推移とかあるいは貿易上の機器の状況、どのくらい輸出入が伸びたか伸びないかという実績とか、あるいは協定上の代償措置ができるかできないかという問題を、いろいろ考えあわせてその時点で検討していかなければならない、このように考えておるところでございます。
#66
○西村委員 当面はこれはやむを得ざる措置だということで私どもも理解をいたしておりますが、しかし、四月一日に新電電が発足をいたしまして、さらに、うわさをされておりますような第二電電等が本格的に動き出しますと、これは完全な自由競争の市場になってくるわけでございます。完全な自由競争の市場ということになりますと、やはり品質のいいもの、性能のいいもの、価格の安いもの、これが勝つのは当然のことでございまして、この三つの条件がそろえば、それがアメリカ製品であろうと日本製品であろうと他の外国の製品であろうと、それらにかかわらずユーザーは買うわけでございます。そういう意味で、一応めどとしては八六年末まで、こういうことになっておりまするけれども、その後のいわゆる公正競争の確保という見地からいたしましても、これは延長すべきことは好ましくない、私はこのことは特に申し上げ、慎重に対処していただくようにお願いをしておきたいと思うのであります。
 それから先ほど来、いわゆる特別第二種電気通信事業の基準についての切り分けについて御説明がございました。時間の関係で答弁は求めませんけれども、ただ一点、私はけさの新聞を見て驚いたのであります。唐突な質問で申しわけないのでありますが、けさの毎日新聞にこういうことが書かれております。「小山事務次官は六日の記者会見の中で、米国が大規模VANと中小企業VANの切り分け基準について、この切り分けは国会の付帯決議で定められたものにもかかわらず、通産省が米国に対し「付帯決議などどうでも解釈できる」と説明している点をとりあげ「政府部内で問題にしたい」と語った。」こう言っているのであります。これは事実ですか。
#67
○奥山政府委員 今先生御指摘になりましたくだりにつきましては、記者会見に立ち会っておりませんでしたので、私は存じておりません。
#68
○西村委員 この切り分けにつきましては、本委員会でも随分と論議をされた点でございますし、審議の経過の中から附帯決議というものが出てきたわけでございます。郵政省の方は国会の附帯決議の趣旨に沿って今、対米交渉をやっていただいているわけでございますが、その同じ政府部内の中からこういう発言が出たことは、甚だ遺憾なことでございます。大臣として今感じられた感想を率直に述べていただきたい。
#69
○左藤国務大臣 次官が記者会見をした中にそういうことが出てきたということを私、新聞で知っただけで、まだ本人から聞いておりませんけれども、今お話ございましたように、国会軽視の最たるものであろう、もしそういう事実があればまことに遺憾であると思います。
 問題は、アメリカがそういうことを主張しておることに同調するというか、あるいは少しでも特別第二種の基準を厳しくすることによって自由というか、そういうものの範囲を広げるということは、通産省は前から主張しておるということからそういったことが言葉の端に出たのではないかと思いますが、そういう点では私はまことにけしからぬことだ、このように思います。
#70
○西村委員 具体的にこれが本当に事実であるならばゆゆしき問題だと思いますので、対外経済問題関係閣僚会議のメンバーでもあります左藤郵政大臣は、ぜひ通産大臣にも抗議をしていただきたいし、今後一切こういうことのないように御指導をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#71
○渡辺委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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