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1984/03/25 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第5号
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1984/03/25 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 逓信委員会 第5号

#1
第102回国会 逓信委員会 第5号
昭和六十年三月二十五日(月曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 渡辺 紘三君
   理事 加藤常太郎君 理事 関谷 勝嗣君
   理事 野中 広務君 理事 吹田  ナ君
   理事 鈴木  強君 理事 武部  文君
   理事 竹内 勝彦君
      江藤 隆美君    大島 理森君
      亀岡 高夫君    近藤 鉄雄君
      志賀  節君    鈴木 宗男君
      谷垣 禎一君    仲村 正治君
      額賀福志郎君    森  美秀君
      森  喜朗君    阿部未喜男君
      伊藤 忠治君    城地 豊司君
      中村 正男君    松前  仰君
      森中 守義君    中川 嘉美君
      山田 英介君    中井  洽君
      永江 一仁君    佐藤 祐弘君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 左藤  恵君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       内藤  健君
        気象庁長官   末廣 重二君
        郵政政務次官  畑 英次郎君
        郵政大臣官房長 二木  實君
        郵政省通信政策
        局長      奥山 雄材君
        郵政省電気通信
        局長      澤田 茂生君
        郵政省放送行政
        局長      徳田 修造君
 委員外の出席者
        防衛庁装備局通
        信課長     大越 康弘君
        科学技術庁長官
        官房審議官   三浦  信君
        通商産業省機械
        情報産業局電子
        機器課長    島  弘志君
        会計検査院事務
        総局第五局審議
        官       志田 和也君
        日本電信電話公
        社総務理事   山口 開生君
        日本電信電話公
        社施設局長   岩崎 昇三君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     川原 正人君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    田中 武志君
        参  考  人
        (日本放送協会
        技師長・専務理
        事)      矢橋 幸一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   渡辺 伸一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   川口 幹夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     横井  昭君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     林  乙也君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     松本 幸夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長    松村  勇君
        参  考  人
        (宇宙開発事業
        団理事長)   大澤 弘之君
        参  考  人
        (宇宙開発事業
        団理事)    岩崎  隆君
        参  考  人
        (宇宙開発事業
        団理事)    船川 謙司君
        参  考  人
        (通信・放送衛星
        機構理事長)  斎藤 義郎君
        参  考  人
        (通信・放送衛星
        機構理事)   大竹 利男君
        逓信委員会調査
        室長      長崎  寛君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月八日
辞任          補欠選任
  伊藤 忠治君     佐藤 観樹君
  中井  洽君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤 観樹君     伊藤 忠治君
  小平  忠君     中井  洽君
同月九日
 辞任         補欠選任
  中井  洽君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  小平  忠君     中井  洽君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  中井  洽君     佐々木良作君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木良作君     中井  洽君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  足立 篤郎君     仲村 正治君
  長谷川四郎君     大島 理森君
  原 健三郎君     鈴木 宗男君
  中村 正男君     城地 豊司君
同日
 辞任         補欠選任
  大島 理森君     長谷川四郎君
  鈴木 宗男君     原 健三郎君
  仲村 正治君     足立 篤郎君
  城地 豊司君     中村 正男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として日本放送協会、通信・放送衛星機構及び宇宙開発事業団当局の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○渡辺委員長 それでは、提案理由の説明を聴取いたします。郵政大臣左藤恵君。
    ―――――――――――――
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○左藤国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会昭和六十年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について概略を申し上げます。
 事業収支におきましては、事業収入は前年度に比べ四十四億八千万円増の三千三百八十億九千万円、事業支出は前年度に比べ百三十五億九千万円増の三千二百八十四億九千万円となっております。
 この結果、事業収支差金は九十六億円となっております。
 この事業収支差金につきましては、八十九億円を資本支出に充当するため事業収支差金受け入れに計上し、七億円を翌年度以降の収支均衡を図り、財政を安定させるための財源として、その使用を繰り延べることとしております。
 資本収支におきましては、放送衛星等の新放送施設の整備、老朽の著しい放送機器の更新整備等の建設費として四百九十億円を計上しております。
 次に、事業計画につきましては、その主なものは、テレビジョン、ラジオ放送とも全国あまねく受信できるよう、衛星放送の継続に必要な設備の整備を取り進め、中波放送局及びFM放送局の建設を行うこと、視聴者の意向を積極的に受けとめ、公正な報道と豊かな放送番組を提供すること、受信料負担の公平を期するため、受信料制度の周知徹底を図り、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めること等となっておりますが、これらの実施に当たっては、極力業務の合理的、効率的運営を推進することとしております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。
 郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等について、慎重に検討いたしました結果、これをおおむね適当であると認め、お手元に配付されておりますとおりの意見を付することといたした次第であります。
 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどお願い申し上げます。
#6
○渡辺委員長 次に、補足説明を求めます。日本放送協会会長川原正人君。
#7
○川原参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の昭和六十年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げます。
 昭和六十年度における協会の事業運営は、新メディア時代における新しい放送の実用化を推進しつつ、放送番組の充実に一層努めることといたしておりますが、協会を取り巻く経営環境は、極めて厳しい状況にあります。
 このような状況の中で、昭和六十年度は、昭和五十九年度を初年度とする三カ年の経営計画の第二年度として、経営全般にわたり、極力業務の合理的、効率的運営を推進し、放送の全国普及とすぐれた放送の実施に努め、新たな放送の時代における公共放送としての役割を果たしてまいる所存であります。
 次に、昭和六十年度の主な事業計画について、御説明申し上げます。
 まず、建設計画につきましては、衛星放送の継続に必要な設備の整備を取り進めるとともに、テレビジョン音声多重放送の拡充に必要な設備の整備、新しい方式によるテレビジョン文字多重放送の実施に必要な設備の整備を行うことといたしております。
 また、国際放送の受信改善のための設備の整備、放送番組充実のための機器の整備等を進めるほか、老朽の著しい放送設備の取りかえを実施することといたしております。
 次に、事業運営計画について申し上げます。
 まず、国内放送では、ニュース、報道番組の充実、特別企画番組の積極的編成及び地域放送の拡充強化など、公共放送の使命に徹し、公正な報道と豊かな放送番組の提供に努めることといたしております。
 また、衛星放送については、番組の充実と普及の促進に努め、音声多重放送について、放送時間と放送地域の拡充を行うほか、文字多重放送については、新しい方式による放送を開始することといたしております。
 国際放送においては、ニュース・インフォメーション番組、各地域の特殊性に即した番組を編成し、放送を通じての国際間の理解と親善に寄与するとともに、受信の改善に努めることといたしております。
 契約収納業務につきましては、受信料負担の公平を期するため、受信料制度の周知徹底を図るとともに、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めることといたしております。
 広報活動につきましては、協会に対する視聴者の理解と信頼を一層強固にするため、広報活動、視聴者の意向の把握と反映などについて、地域活動を基本として、きめ細かい施策を効果的、効率的に推進することといたしております。
 調査研究につきましては、番組面において国民生活時間等の調査を行い、技術面においては、新メディアの開発研究等放送技術の向上に寄与する研究を推進し、その成果を放送に生かすとともに、広く一般にも公開することといたしております。
 以上の事業計画の実施に当たりましては、経営全般にわたり、業務の効率化を積極的に推進することとし、要員について、年度内二百人の減員を行うこととしております。
 また、給与につきましては、適正な水準を維持することといたしております。
 これらの事業計画に対応する収支予算について申し上げますと、事業収支においては、収入総額三千三百八十億九千万円を計上し、このうち、受信料収入については三千二百七十二億円を予定しております。これは有料契約総数において、四十三万件の増加を見込んだものであります。
 また、副次収入など受信料以外の収入についても、極力、増加を図ることといたしております。
 これに対して、支出は、国内放送費などの事業運営費、減価償却費、支払い利息など総額三千二百八十四億九千万円を計上しております。
 事業収支差金九十六億円につきましては、このうち、八十九億円を債務償還などのために充て、七億円を翌年度以降の財政を安定させるための財源として、その使用を繰り延べることといたしております。
 次に、資本収支は、支出において、建設費四百九十億円、協会業務に関連する事業を行う法人への出資に九千万円、債務の償還に百四十億七千万円、総額六百三十一億六千万円を計上し、収入には、これらに必要な財源として、事業収支差金、減価償却資金、放送債券及び借入金など合わせて総額六百三十一億六千万円を計上いたしております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。
 以上、日本放送協会の昭和六十年度収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、協会の事業が視聴者の負担する受信料を基盤としていることを深く認識して、引き締まった効率的経営を目指し、常に視聴者の意向を積極的に受けとめ、これを的確に反映し、すぐれた放送を実施して、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございます。
 委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
#8
○渡辺委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
#9
○渡辺委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野中広務君。
#10
○野中委員 NHKは大正十四年愛宕山での放送を開始しまして我が国に放送という新しい文化を生み出して以来、ちょうどことしで満六十年を迎えるのでありますが、この間、テレビ、ラジオ文化の発展に尽くされました功績はまことに大なるものがあり、変革と激動の激しいそれぞれの時代を経過いたしまして今日のNHKを築かれました関係皆さん方のとうとい御功績に対しまして、改めて深い敬意と感謝をささげる次第であります。
 この功績を今後も人類社会の上に長く発展をさせていくことが必要でありまして、お互いに私どもはこれを次の世代へ引き継いでいく責任があると存ずるのであります。この観点から私は、昭和六十年度の予算に賛成の意向を表明しますとともに、若干の質問を行いたいと存じます。
 まず、経営の基本的な姿勢と計画についてであります。
 NHKは五十九年度から三カ年間の経営計画を策定をされました。受信料の改定を行ったわけでありますが、その経営計画と一年間の予算執行の面で計画どおり進んでおるのかどうか、また、今後のNHKの財政基盤を確立するために、その大宗を占める受信料の収納の状況あるいは今後のあり方等についてどのような青写真をお持ちであるのか、お伺いをいたしたいと存じます。
 さらに、事業支出の伸びが四・三%というのはNHKの予算史上初めての低い伸びではなかろうかと思うのでありますが、これによるNHKの番組などの事業面への影響はないのかどうか、この点についてもお伺いをいたしたいと存じます。
#11
○林参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生からも御指摘がございましたように、近年におきます放送をめぐる社会環境でございますけれども、我が国の社会の変化は高度情報化、国際化あるいは成熟化というような形の情勢変化がますます顕著になっておりまして、放送界に関しましても技術革新の大きな潮流の中で、多様化時代と呼ぶにふさわしい転換期に差しかかっておるのではなかろうかというように考えております。
 このような状況のもとにおきまして、五十九年度におきまして受信料額の改定を御承認いただきました。現在の時点におきまして、経営は一応安定をいたしておる状況でございます。しかしながら、ただいまも御指摘のございましたように受信料の伸びは、その視聴世帯の限度といいますか、普及が限界に達しております中で、受信料収入の伸びはわずかに一%少々というような低い状況でございますし、これに対しまして、社会情勢等の変化に対応いたしますための事業計画につきましては、やはり新しい事業、業務、あるいは物価等の変動に伴いますところの必要最小限度の事業支出の伸びというものは避けられないというのが現在の状況でございます。
 そういった状況の中におきまして、五十九年度から六十一年度までの三カ年の事業の収支を相償うようなもとに構想されましたのがこの三カ年計画でございます。その三カ年計画の中に予定されております五十九年度百六億、六十年度七億のいわゆる収支過不足の黒字につきましては、実行面におきましても少なくとも最低これを確保することによりまして、今後の新たな事業計画のための財政運営の資金に充当していきたいというように考えておりまして、その計画の線に沿って現在進行し得ておるというように考えておるところでございます。
 確かに御指摘のございましたように、現在の六十年度の予算におきます事業支出の伸びは過去最も低い伸びでございますが、これによりまして事業運営等の面におきまして支障の生じないように対処してまいりたいというように考えておるところでございます。
#12
○野中委員 六十年度の予算を見てみますと、今もお話がございましたけれども、受信料の収入の伸びは一・一%であります。これに対し支出の増は、抑え込んでおるわけでありますけれども四・三%と、一一・七%の逆ざやになっております。六十一年度には、このような数字から推移いたしますと、再び赤字ということになろうと思うのであります。
 一方、受信料以外の副次収入をふやすといっても、NHKの財政基盤の上でこの収入をふやしますことは至難のわざであると存じます。また、この部分を肥大化さすことは、NHKが民放的となりまして、民営化への道をたどることになりはしないかと私は懸念をするものであります。したがって、この点の調整が非常に難しいと思うのであります。
 我が国の放送界は、公共放送であるNHKと民放の二本立てが相競いまして、世界でもまれに見る発展を遂げてきたわけでありますが、これまで六十年の歴史の中で、先ほども申し上げましたが、NHKが築かれました放送文化への貢献ははかり知れないものがございます。しかしながら一方戦後、民放の発展もまた著しいものがあるのでありまして、NHKが財政的に苦しいという事態の中で、一方電電公社、専売公社等々の体制も六十年から大幅に変革されていく時代の趨勢の中で、NHK及び民放のあり方をどのようにお考えになっておるのか、郵政大臣並びに会長の御所見をお伺いいたしたいと存じます。
#13
○川原参考人 御指摘のとおり、今の私どもNHKをめぐる世の中の情勢が急激に動いているということは、重々承知をしております。私どもとしましても、このような客観情勢の変化に立ちおくれることのないよう、みずからの体質を改善して、この状況を切り抜けてまいりたいと考えております。
 しかしながら、私どもの本来の使命は、報道言論機関であり、また文化の創造に尽くすべき機関であると思います。単なる物を生産するあるいはサービスを提供する機関と異なりまして、そのような文化的な機関でございますので、これを支える財源としましては何と申しましても、やはり全国民によって支えられる受信料制度、それによって私どもの不偏不党あるいは自主自律というものを確保してまいりたいというふうに考えておりますので、今後非常に困難な情勢とは思いますけれども、私どもの経営の体質を改善し、また受信料につきましてもあらゆる方途を検討いたしまして、特に新しいメディアが現在開発されつつありますので、あるいはそれに基づく財政収入ということも将来考えられないことはない。その点につきましても深く検討いたしまして、私どもの経営をさらに発展させたいと考えております。
#14
○左藤国務大臣 ただいま会長からお話がありましたが、郵政省といたしましても、このNHKが今日までこうした形で、公共放送事業体として民放との健全な競合関係といいますか、というものを維持しながら、放送の普及発展に貢献してきたその功績といいますか、そういったものは非常に評価すべきではなかろうかと思います。ただ、これから今お話がありましたような新しい放送サービスが登場するとか、放送を取り巻く環境がどんどん変わっていく、こういった中において、国民の期待にこたえて誤りなきように期していかなければならない、そういうわけでございます。
 また、NHKが今日まで蓄積してきました放送の技術、経験、そういったいろんなものをどういうふうに生かしていくかとか、公共放送機関としてのどういう役割を持たせていくかというような問題につきましては、またさらに、受信料を中心とした今までのやり方につきましても財源のあり方などの問題につきまして、今後検討をしていかなければならない問題もあるのではないか、このように思いますが、そうしたことに時宜適切に、そういった問題について検討をしていかなければならない、このように考えております。
#15
○野中委員 重ねてひとつお伺いをいたしたいと思うわけでありますが、私は、現在の受信料の収納の状況あるいは財政難からきます機材、器具の不備、また、我が国の国際的な地位や在外法人の活動が現在とは比較にならない当時のままの国際放送のいわゆる命令放送に対する質、量と、交付金からくる非常に財政的な圧迫等々を考えますときに、この際NHKについて抜本的な改善を講じないと、甚だ失礼な言い方でありますけれども、第二の国鉄になるのではなかろうか、こんな気がするわけであります。
 国鉄が今日の状況になりましたのには多くの要因が言われておりますが、その一つとして国鉄運賃の改定があるわけであります。国鉄運賃の改定は御承知のように、つい先年まで国会の議決事項でございました。戦後幾たびかの値上げに対しまして、政治的な判断でこの運賃改定が見送られてまいったのも事実でございます。また、当初から不採算が予定されておるところに対する新線の建設や、国家的な使命を帯びました新幹線の建設等、非常に政治的背景の強い中で行われてきた経過があるわけでございます。
 御承知のように、国鉄はちょうど十数年前、昭和四十七年であったかと思いますけれども、この財政的な破産状態を想定をいたしまして、生産性向上運動を行いました。いわゆるマル生でございます。けれども、労働界、マスコミはもちろんのこと、政界からも強い反対と批判を浴びまして、これは挫折いたしましたことは御承知のとおりであります。当時は政府・自由民主党もこれを守ってやらなかったのであります。自来、谷底へ落ちていくような状態で国鉄の組織、財政とも今日の破産状態になりましたのは、御承知のとおりであります。
 私は、もしあのときに国鉄再建の足がかりが得られておればと思いますときに、甚だ失礼な言い方をいたしますけれども、今日のNHKが抱える問題もまことに重大なものがあると思うのであります。これからもNHKが公共放送としての使命と信頼を維持していくために、大胆に取り組まなければならない多くの問題点があるのではなかろうか。そうでないと、赤字と受信料の値上げと効率化という名の合理化とによりまして、これを繰り返しておりましても、おのずから限界が出てまいりまして、結局は国営放送の道をたどるかないしは民営化の方向をたどるか、いずれかの道をたどることになるのではなかろうか、こんな懸念をいたすのであります。
 私は、NHKが公共放送としての使命を持ちながら、価値観の多様化が進んでいく中で新メディアが発達し、多様な情報が欲しいときに得られますCATVなど有線テレビの時代がもうそこに来ておる、こういう時期におきまして、抜本的な改革なしに我が国の放送界のパイオニアとして生き残っていくことは、大変難しいのではなかろうかと思いますだけに、御批判を甘んじてお受けする覚悟であえて警鐘を鳴らして、そして例えば大臣の諮問機関等を設置されまして、NHKの根本的な問題を検討されるような御意思があるかないか、大臣及び会長のこの件に対する御所信をお伺いをいたしたいと存じます。
#16
○川原参考人 ただいまの非常に厳しい御指摘、私どもも重々そのことをみずから反省をしております。いつまでもNHKが六十年の歴史、その上にただ晏然と構えていては、これからの厳しい情勢の中でなかなか生き抜いていくことは難しいということは重々わかっておりまして、既に数年前から、その体質をみずから改めて、より合理的な経営の中で視聴者の理解を得るように努めてまいりたいと覚悟しているわけでございます。
 しかしながら、先ほど申しましたように、やはりNHKの文化的な機関としてあるいは報道言論機関として、しかもその上に公共的な使命を貫くためには、現在考え得る制度としては、やはり受信料という形で国民の理解、支援を得てまいりたい。しかし、その新しい道筋としては、もっともっと私どももみずから脳漿を絞りあるいは汗をかいて、新たな姿を求めていかなければならないということはよくわかっております。そのために役職員一同、本当に今現在の苦しみの中に新しいNHKの姿を求めて今、次の手を模索をしているところでございます。
 私どもとしては、今の受信料制度を基盤としながら国民の支持を得るような形の成長が必ず果たせる、しかしそれには、もっともっと私どもの体質も改めていかなければならないと痛感しているところでございます。
#17
○左藤国務大臣 NHKの経営につきまして、受信料収入がもうほぼ限界に達してきているというふうな問題もございます。また、放送衛星とニューメディアに大変な金がかかるというようなそういった厳しい状況というものは、これからますますその度合いを加えていくのじゃなかろうか、このように考えるわけであります。
 そうしたことで、NHK自体にも十分そういった状況を認識して検討していただきたい、こう思いますし、郵政省といたしましても、公共放送機関というものでNHKがこれからどういうふうにしてやっていくか、これは民間の放送も含めまして、ニューメディア時代におきます放送全般のいろんな問題について、昭和六十年度の予算でもって調査研究する経費も要求してございまして、これを活用いたしまして、ひとつ長期展望に立った放送政策を立てていきたい、このように考えておるところでございます。
#18
○野中委員 ありがとうございました。ぜひ私どもの危惧で終わりますように、NHKの六十年の節目と、さらに国際放送開始五十年というこの二つの大きな節目に立って、将来国民の公共放送としてのNHKの使命と信頼が全うされますように一層の御努力を特にお願いを申し上げ、その他地域放送の問題、さらには国際放送、放送衛星等の問題について私はお伺いをいたしたいと存じましたが、時間がございません。これから放送衛星等が打ち上げられまして、難視聴地域の解消が行われるわけでありますけれども、どうぞひとつ効率的な事業運営と、さらに、放送衛星の打ち上げ等等の陰に地域放送が犠牲にされないように一層の地域放送の充実強化につきまして、NHK初め関係当局の御努力を強く要望をいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#19
○渡辺委員長 額賀福志郎君。
#20
○額賀委員 ただいま同僚先輩議員の野中先生からNHKの経営基盤に関して御質問があったわけでありますが、時間もないので私は、ニューメディア関係である文字多重放送に限って、郵政省並びにNHKの幹部の皆さん方に御質問をしてまいりたいと思うわけであります。
 現在、私の郷里である茨城県のつくば科学博では、文字どおり世紀の祭典が行われているわけであります。これは人類史上営々と築いてきた科学の歴史並びに最近の最先端技術を網羅した祭典でございますが、実際に行ってみますと、本当にこれは高品位の映像あるいは音響、あるいはコンピューターと通信を結んだ、まさにニューメディア万博と言ってもいいのではないかというように感じるわけでございます。
 そういう中で、NHKは五十八年度から文字多重放送を開始しておりまして、六十年度予算の事業計画の中にも、日本放送協会の施設を利用してテレビの文字多重放送を行う法人に対し出資を行うことになっております。こういうことから考えまして、実際に五十八年十月から行ってきた、つまり聴力障害者を主な対象とする文字多重放送というのは、一体これまでにどれぐらい普及し、実施状況はどうなっているのか、お開かせ願いたいと思うわけであります。
#21
○矢橋参考人 お答えいたします。
 パターン方式による文字多重受信機の出荷台数でございますけれども、これは日本電子機械工業会の本年、六十年の一月末現在の台数でございますけれども、三千百台出荷されていると聞いております。
#22
○額賀委員 当初の文字多重放送の地域というのは、東京、大阪、二大都市を対象にしてきたと思われますが、実際に難聴者というか、聴力に障害を持たれた方々というのは一体どれぐらいあって、そのうちの三千百台というのは何%ぐらいの状況になっているのか、ちょっとお知らせ願いたいと思います。
#23
○川口参考人 全国の聴力障害者の数は大体三十万と見られております。ただし、今やっております文字放送はごく一部の地域でございますので、普及の状態は、さらにこれからの新しい方式による開発が進んでからということになろうかと思います。
#24
○額賀委員 文字多重放送、いわゆる技術革新の成果をまずもって恵まれない方々というか、社会福祉的に活用なされたという点は評価してもいいのではないかと思うわけでありますが、これは実際に今後普及していくに当たって、今NHKでは恐らく、技術革新の成果というものをもっと広く、もっと可能性があるのではないか、もっと多くの皆さん方に成果を広めていった方がいいのではないかというように、当初の考え方から大分発展したものになっているのではないかと思うのであります。
 そこで今後、社会にアピールしていくためにどういうふうに考えているのか。NHKとしては、新しい方式による文字多重放送の開発を進めているというふうに伺っておりますが、これまでのいきさつと今後の方向についてお聞かせ願いたいと思います。
#25
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 現在行われておりますのはパターン方式による文字多重放送でございますが、先生御指摘のとおり新しい方式といたしまして、コード方式といいますか、ディジタルの技術を活用した方式でございますが、これとパターン方式をミックスした形のハイブリッド方式というのがございまして現在、この方式の開発が進められてございます。この新しい方式の技術基準につきましては、昭和五十六年度から電波技術審議会で審議が行われてまいっておりまして、近々答申が得られる見込みになってございます。
 郵政省といたしましては、この答申をいただきましたならば、関係省令等の整備を行いまして実用化を図ってまいりたい、そのように考えておる次第でございますが、その実用化の時期といたしましては、早ければことしの末ごろになるのではないか、そのように考えておる次第でございます。
#26
○額賀委員 早ければことしの末ごろに実施なさるということでありますが、その際、これまで三千百台普及しているいわゆるパターン方式の受信機と、今度新しくハイブリッド方式ですか、この受信機、これはお値段的には一体どういうふうになるのか、また、これまでパターン方式でやってこられた方々に対してその機械をどういうふうにしていくのか、その兼ね合いを郵政省あるいはNHKではどういうふうにお考えになっておるのか、お知らせ願いたいと思うわけであります。
 また、今度のハイブリッド方式でやる場合は、単に聴力に障害がある方々というよりも、広く一般国民を対象にしていくものだと思いますが、これは当面、ことしの末ごろからやるというときに対象地域とかそういったことは、とりあえず限定的にやっていくのか、一般に広く開放していくのか、その辺も教えていただきたいと思うわけであります。
#27
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 新しいハイブリッド方式でございますが、受信機の値段は、アダプターというものを追加する必要があるわけでございますけれども、そのアダプターの値段が大体十万から十五万円程度と現在のところ予測されてございます。もちろん普及いたしますと値段は下がってくると思うのでございますが、サービスが開始された当初の価格でございます。既存のパターン方式のアダプターの値段でございますが、これは現在十万から十二万円程度の値段になってございます。したがいまして、それよりちょっと高いかという程度でございます。
 それから、この新しい方式を導入するということになりますと、既存のアダプターを持っておられる方はどうするのかということでございます。既存のアダプターにさらにハイブリッド方式の文字放送を受信するためにコンバーターを追加するとか、あるいは既存のアダプターを回収するというような方法が行われることになると思うわけでございますけれども、いずれの方法をとる場合でも、受信者にできる限り負担をかけないような形で業界等を私ども指導してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
 それから、新しいハイブリッド方式のサービスを開始いたしましても、既存のパターン方式のアダプターの利用者がある限りにおいて、NHKにおきましてはパターン方式の放送を引き続き続けていただく、そのように私ども要請いたしたい、そのように考えておる次第でございます。
 以上でございます。
#28
○額賀委員 受信機の問題については、受信者に負担をかけない方向でやっていきたいということでありますから、一安心したわけでありますが、今回の予算の事業計画の中に、NHKは将来第三者機関をつくって、ハイブリッド方式によって一つの新しい情報メディアとして社会にアピールしていくというようなことが書かれておりますけれども、これはNHKのこれまでの検討の中でいかようになっているのか。第三者機関の形態、NHKとしてはどれくらい出資していく、そしてその機関は資本金はどれくらいになって、参加者はどういう方々が民間の皆さん方と手をつないでやっていくのか、その辺を教えていただきたいと思います。
 また、パターン方式でやっていくという需要者がある限り、NHKはパターン方式の放送もしていくということでありますが、第三者機関ができた場合に、第三者機関とNHKの放送の役割分担というか機能の持ち方、その辺も教えていただきたいと思います。
#29
○田中参考人 今御指摘の第三者法人につきましては、これはNHKの放送設備を利用して放送事業を行っていくという独立した法人でございます。NHKといたしましては、放送法の改正の趣旨に沿いまして、広く関係者の参加を求めながらやっていきたいというふうに思っておりまして、この中には、通信社とかあるいは電力会社とかあるいは広告代理店とか、そういったような方々の参加を求めております。先ほどから話がありますように、大体六十年度の後半にはハイブリッド方式による本放送が始まるやに準備が進んでおりますので、私どもでは現在、東京と大阪の地区で第三者法人を設立したいというような計画を持っております。
 東京地区の法人は、資本金が二億円程度でございまして、関東甲信越の地区をサービスの対象としたいと思っております。また大阪地区は、資本金が一億円程度で、関西二府四県をサービスの対象として考えていきたいというふうに思っております。
 この第三者の法人につきましては、自主的な編成権を持ちます一般放送事業者として独自の財源で運営されるということになりますので、当然でありますけれども、告知あるいは広告放送等々のことをやりますけれども、その内容や番組の提供者の範囲とかあるいは出資者の範囲等につきましては、視聴者の納得が得られますような形になりますように私ども慎重に今考えておりますし、そういった考えてお願いする方針でございます。
#30
○額賀委員 今御説明があったわけでありますが、NHKとのかかわり合いについては施設を提供するというだけで、資本的に出資するとかあるいは人材をどうするとかいうかかわり合いについて、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。また、この第三者機関が将来経営を展開していくに当たって、NHKがかかわり合いを持つならば、NHKの将来の経営に何らかの寄与がなければ余り意味がないとは言わないけれども、むしろ寄与があってしかるべきだと思うわけでありますが、その辺も含めてお答え願いたいと思います。
#31
○田中参考人 私どもこの第三者法人につきましては、番組の中身につきましては先ほど申し上げましたように、生活情報番組、ニュースあるいは天気予報等々、視聴者の皆さん方ができるだけ幅広くサービスが受けられるような中身にしていきたいということで考えておりまして、そういった面で現在、この第三法人には大体三H、一H五十番組ぐらいの中身を織り込んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
 そして後半御指摘のように、私どもこの会社につきましては、先ほど申しましたように、ニュースとか天気予報の設備の利用料とかあるいは情報の利用料、そういったもの等をこの新しい第三者法人からいただきますので、そういった面でNHKといたしましては、副次収入がある程度期待できるというふうに考えておるわけでございます。
#32
○額賀委員 時間があと五分でございますから急いで、郵政省にお答えを求めます。
 民放の会社でもいろいろ考えておりますが、NHKが関与して第三者機関をつくって営業を展開してまいりますと、民放との競合あるいはあつれきというか、そういったものが起こると思います。この辺について、公共機関的なNHKの関与する第三者機関と民放との関連について、郵政省側としてはどういう考え方で今後この業界の発展を図っていくおつもりなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#33
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 民放につきましても第三者法人を設立して文字多重放送を実施するということで、各社いろいろと計画がなされておるところでございます。NHKの第三者法人につきましても、NHKの電波を使用するわけではございますけれども、法人そのものは一般放送事業者、いわゆる民放になるわけでございまして、NHKそのものがみずから実施するものではございません。したがいまして、民放の電波を使って設立される第三者法人と制度的には対等になるというふうに私ども考えておるところでございます。できる限りマスコミの集中排除という原則を守りまして、バラエティーに富んだ番組の多様化を図っていくという意味で、よい意味で競争をしていただければ、そのように期待いたしておる次第でございます。
#34
○額賀委員 おっしゃられるように、よい意味で競争原理を図って、多様化した国民ニーズにこたえていくような方向で指導していってもらいたいと思うわけであります。
 最後に、大臣に御答弁をお願い申し上げます。
 既存のメディア、郵便とか電話とかラジオとか新聞とか雑誌とかいろいろあります。また新しいニューメディア、今論議している文字多重放送あるいは都市型のCATVとかキャプテンとかありますが、これは今後お互いに競合したりあるいは侵入し合ったり、いろいろ衝突が起こったりすることがあると思います。また、これまでのメディアは、報道とか娯楽とかあるいは教養番組とかそういったものに大体絞られてきましたけれども、これからのニューメディアというのは、いわゆる長年の蓄積に基づいた成果というものからいろいろな分野に入ってくる。学校の問題、保健の問題あるいは防災、防犯の問題、行政の分野にもいろいろ入ってくる。
 そういったあらゆる分野に侵入してくるわけでありますが、これまでの既存の制度、既存の行政で処理し切れない問題というものが起こるかもしれない。まだだれもわからない。しかし、そういった将来に備えて我々は考えておく必要があるのではないか。長期的な展望に立って、今後ニューメディア時代に当たって郵政省として大臣として一つの所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#35
○左藤国務大臣 これからのニューメディア時代におきますいろいろな問題につきましては、幅の広い、また、今の技術がさらに進んでいってまた新しい分野のものが開拓できるというようなことが、次々と起こってくるのじゃなかろうかという御指摘はそのとおりだろうと思います。そして先ほどもお答え申し上げましたとおり、現行の放送法制というものにつきましてそのもの自体が、これで三十数年の歴史があるわけでありますが、一部の見直しがあったわけでありますけれども、根本的な改正は考えておらないわけであります。
 そういったことも予測しまして、まず放送法制がこういったことで対応できるのかどうかということを、長期的な視野に立った検討をやっていく必要があるのではないかということで、先ほどお答え申し上げましたとおり六十年度の予算の中にも、そうした調査費の計上をしておるわけでありますが、これを活用しまして、そういった面での調査研究から取り組んでいきたい、このように考えておるところでございます。
#36
○額賀委員 どうもありがとうございました。
#37
○渡辺委員長 武部文君。
#38
○武部委員 昨晩十時過ぎのNHKテレビで、これは「NHKの窓」という番組でございましたが、川口放送総局長が答弁をしておられました。NHKはこれからの番組は、テレビを見てよかったなという番組を送りたい、こういう話でございました。これは番組の内容と同時に、時間帯もそういうものをつくっていきたい、これはどうも四月から番組が変わることを前提にしたやりとりのようでございまして、私それを聞いておりまして大賛成でございます。テレビを見てよかったな、少なくともNHKはやはりそういう考え方で、基本で公共放送に取り組んでもらいたいということを、私は冒頭に申し上げておきたいのでありますが、きょうはわずかな時間ですから私は、一つの問題に限ってお尋ねをするわけであります。
 去る三月六日の予算委員会で、去年の八月五日と八月六日に連続放映されました俗に言う「核の冬」番組、「地球炎上」、「地球凍結」というこの二つの番組、これは私は見ました。内容的に見て大変教えられるものがあり、立派な放送番組だと思っておりました。反響も非常に強かったようでありますが、この視聴率及びこの二日間放映された後の国内の反響はどうであったか、この点をひとつ端的にお答えをいただきたい。
#39
○川口参考人 「世界の科学者は予見する・核戦争後の地球」という番組でございましたけれども、二日間放送いたしました。電話の数が二千七百六十六件ございました。それから手紙による反響が三百五十件でございます。それからその中で、科学的あるいは客観的で説得力があったとか、全面核戦争の恐ろしさをこの番組で初めて知ったとか、そのような反響が多うございました。視聴率の方はちょっと私、今記憶しておりませんが、たしか二夜とも二〇%を超していたかと思います。
#40
○武部委員 そこで、この三月六日の予算委員会における質問の内容を、私はここに議事録を持っておりますが、議事録で拝見をいたしました。この質問者は十五項目の質問をしておるわけでありますが、まずこの本質は、この二つの番組は政治的意図でつくられたものだという前提であります。このような間違った番組をだれの指示で何の目的でつくったのか調べよという質問でございます。
 かつて当委員会は、昭和四十四年、五年、六年、私の記憶では三カ年間、番組の編集権の問題について論議を闘わしたことがあります。私も三回とも、三年ともこの問題に発言をいたしましたので、当時の議事録を読み返してみました。当時番組の編集権について何が論議をされたか、これは政治倫理の問題と原子力の問題についてのNHKの取り扱い方についていろいろ問題があった。これについて賛否両論ありましたので、我々は放送法の精神からいってNHKのやり方についていろいろな意見を申し上げました。
 今回の問題は、そのような一連の放送の姿勢、こうしたものについての意見ではなくて、番組そのものについて、これが間違いであるという指摘であります。少なくとも放送法の根幹である放送法第三条並びに第四十四条の精神からいうならば、この放映された二つの番組は逸脱をしているとは思いません。少なくともこの質問者の要求をした十五項目の質問、特に取材資料の提供をNHKに求めるという質問があったようでありますが、私は放送法第三条及び放送法第四十四条の精神からいって、このような要求に応ずる必要は毛頭ない、このように思いますが、NHKはどうお考えでありますか。
#41
○川口参考人 先生おっしゃられましたように放送法第三条には、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」とございます。私はこの放送法の規定に従って、放送番組というのは何人にも干渉や規律を受けるものではないと考えております。NHKといたしましては、放送法とその精神にのっとりまして、国内放送番組基準というものを決めております。これに基づいて責任を持って放送番組の編集をやっているつもりでございます。
#42
○武部委員 去年の十一月三日付の川原会長への公開質問状、筑波大学中川助教授、この膨大な質問は十七項目ございますが、私はこれを読んで、この三月六日の予算委員会の質問と照らし合わせてみました。十七項目が十五項目になっておりますが、若干こちらの方は具体的な資料もございますし、内容が少し長いようでございますが、ほとんど同一であります。この筑波大学の中川助教授の十七項目の公開質問状の集約が、三月六日の予算委員会における質問となってあらわれてきたというふうにこれは理解できるのであります。
 今、総局長の方から答弁ございましたが、もっとはっきりしていただきたいのです。放送法第三条及び第四十四条の精神に基づいて、このような取材の資料、そういうものを提供する意図は全くNHKはない、このように理解してよろしいか。これは公開質問状を受け取られた川原会長からひとつ。
#43
○川原参考人 私どもは、取材の資料とかニュースソースについては、部外には一切公開するつもりはございません、
#44
○武部委員 それで結構であります。
 私は、後で具体的に申し上げますが、この番組に対してなぜこのような内容を持った極めて意図的な質問がなされたか、大変疑問に思っています。現在、核戦争をしてはならぬ、さしてはならぬ、核兵器をなくさなきゃならぬ、国民大多数が、というよりもほとんどがそういう気持ちでおる、それを望んでおるというふうに私は思います。一体これからどうなるのか、もし核戦争でも起きたらどうなるのか、こういう点について国民は非常に大きな不安を持っておる、心配を持っておる。そういう段階で、NHKがプロジェクトチームをつくって、他国の科学者にも呼びかけ、資料提供を受け、現在知り得る範囲でNHKはこの番組をつくった、このように理解できるのであります。時間の関係で一々申し上げることはできませんが、この質問者に対するNHKの答弁にもそういうことが言われております。
 レーガン大統領も、核戦争には勝者は絶対にないということすら堂々と発言をしておる。現在の国際政治の中で最も大きな政治課題は、核軍縮であることも間違いない。ジュネーブのソ連とアメリカの核軍縮交渉が注目の的になっていることも周知のとおりです。こういうときに、この番組が非科学的である、科学的でないというならば、それを科学的に立証するところの証拠を突きつけて反論するのが当然ではないだろうか、私はこのように思うのですが、そういう点がこの質問状には何も記載されておらぬのであります。
 したがって私は、こういう点についてただ文句をつけておるだけであって、核戦争があったときにどうなるのかという点についてだれにもわからぬ、これが真実だろうと思うのです。それでは一遍やってみたらどうかというわけにはいかぬのであります。実験はできないのであります。だから、今日知り得る範囲であらゆる努力をして集めたもので、こういうことが起きるかもしれないという想定の番組を出したことが、一体なぜ放送法第三条、第四十四条に違反をして偏向番組というふうに指摘できるだろうか、私はどうしても納得できません。そういう意味で、最後にNHKのこれに対する基本的な反論、意見を聞かなければならぬと思っております。
 そこで、この中で私は二、三問題点を指摘をしたいと思います。
 広島の原爆の問題が載っておりますが、「生まれる子は奇形児とか。」言われたが、「奇形児は聞かない。」ここでは奇形児はないと断定をしておるのであります。私は、終戦直後から数年広島におりました。御承知のようにABCCがあそこに進駐をしてきて、原爆の患者はすべてが秘密のうちにABCCに登録をされて、治療を受けておったということは、広島の人ならだれ一人知らぬ者はないのであります。そうした中で水頭症、頭だけが大きい、この奇形児が生まれたということを、私は広島におりましたときに何件か聞きました。しかし、現実にこの目で見たわけじゃありませんから。
 しかし、このように広島原爆の問題で奇形児は全く生まれなかった、こういう断定をして、原爆はそんなに大したものじゃないのだというニュアンスの質問になっておるのであります。少なくとも今日、終戦以来四十年、被爆者がどんな苦労をして後遺症に悩んでおるか、私はこういうあり方は、原爆被爆者に対する冒涜的な発言だと思わざるを得ないのであります。
 もう一つ、この発言はさらに「おしん」の番組にまでかみついておるのであります。この予算委員会の質疑は一部的に新聞に報道されました。私は、おもしろおかしくこういう問題を取り上げるのは間違いだと思うのです。予算委員会でこういうやりとりがあったときに、爆笑が沸いたという報道がされました。少なくとも原爆、核戦争、そういうもののやりとりの中で爆笑を生むような不謹慎なやりとりは、私は国会としては避けるべきだと思っております。
 その「おしん」の番組の中で、脱走兵が射殺される場面があった、確かにありました。この質問をされた方は、生年月日から言うと、どうも兵隊の経験はないようであります。私どもは戦争に駆り出されて、現実に自分たちの隊内から脱走兵が出たことを知っている。そのときにどういう事態が起きたか、そういう経験を我々はしておる。こうした中で「おしん」の射殺をされた情景について、ああいう作り事があっていいかという発言でありました。
 私は「おしん」はニュースではなくてドラマだ、ドラマの一場面をとらえて、それが何で放送法三条なり四十四条に抵触するのか、そういうとらえ方は間違いだと思うのです。少なくとも明治三十七、八年のあの時代に何が起きておったか。NHKが五年前に放送された番組を私は見ておって記録をしておった。その中に、あの明治三十七、八年の日露戦争時代に、徴兵を忌避した人が二万二千九百九十九名おった、これは平民新聞の記事にはっきりと載っておるということをNHKが報道したことを私は見ておりました。そういう時代であります。
 なるほど公衆の面前で射殺はなかったかもしらぬが、それでは全くなかったということを断言できるでしょうか。そういう時代であった。にもかかわらず、そういう番組をとらえて、これは作り事をNHKがやっておる、こういう指摘は、これこそまさに逸脱そのものだと私は思うのです。たまたま今「おしん」の番組と、それから先ほど広島原爆の被害者のことを言いました。そうしたことがこの質問の根底にあります。その資料を彼は提供を求めておるのであります。こういう点について、NHKは番組制作者として一体どういうお考えか。
 時間の関係でもう一つ、ゴキブリのことがありました。これも爆笑を呼んだ一つのことであります。なるほど核シェルターの中で生き残っておったのは、軍人の姿しか映っておりませんでした。軍人の死体に対してゴキブリが群がっておった。その一面だけをとらえて彼は、何で民間人と軍人とをゴキブリが判定できるかという質問の仕方でございました。
 あの番組は、我々が黙って見ておっても、少なくとも核シェルターというものは今日、民間人のだれもが利用できるような普及はしていない、これはアメリカでもそうであります。核戦争が起きたときに、それを操作するのは軍人でありましょう。それならば、核操作をしておる人たちは、シェルターの中に入ってこれは勤務をしておる。その者が他の者よりも少しでも長く生きておることは当然でありましょう。そういう場面を一つの想定をしてこの番組がつくられておったと私は見ておりました。それをこのようなあり方で、何でゴキブリが民間人と軍人とを区別できるかというような内容を持った質問、これにて三点、この三つを私は読んでみて、何とこういうようなことに、これこそまさにこじつけそのもの以外にない、このように見ました。
 一体これをつくられたNHKの皆さんは、この指摘に対してどういうふうにお考えになったでしょうか、ちょっと聞かしてください。
#45
○川口参考人 「核戦争後の地球」というのはドキュメンタリー、事実をそのまま映したドキュメンタリーではございません。したがいまして、そういうことが起こったらどうなるかということを科学的なデータに基づきましてシミュレーションをした、そのシミュレーションで番組を構成しております。したがって、純粋に科学的な立場、科学のデータを集めてつくった番組ということが言えるかと思います。私どもは世界の平和、人類の幸福というようなことを願う気持ちでは、放送事業者といえどもその先端にあるべきだと思っております。したがって、そういう立場でつくりましたことをここで改めて申し上げておきたいと思います。
 御指摘の点につきましては、広島の場合と「核戦争後の地球」の場合とは、これは相当データ的には違うだろうと思います。現実に幾つかのその後の研究の進展があり、両者を一にして論ずることはできないのではなかろうか、シミュレーションの結果としてはそのようなこともあるのではないかというふうなことを考えております。
 それから、ドラマにつきましては、これはおっしゃったとおり、事実があったということではございません。創作の範囲でございます。したがって、当時の国内情勢、社会の状態から考えてそのようなことがあったかもしれない、あるいはあり得る状態があったかもしれないということで創作をしたということでお考えいただきたいと思います。
 それから、ゴキブリが軍人を識別できるかという問題は、これはあの番組でもはっきり言っていますけれども、あの中の科学者が、核シェルターに入れるのは軍人だけだ、したがってゴキブリが群がるのは軍人であろうということをアイロニカルに言ったものだというふうに私ども考えております。
#46
○武部委員 普通の常識で見ておれば、私が申し上げたようなことで恐らく皆さん見ておられたに違いないと思うのです。これはちょっと三つだけ例を取り上げたわけですから、これで終わります。
 郵政大臣にお伺いしたい。この議事録によってあなたの答弁を拝見をいたしました。あなたの答弁は、「御指摘の、NHKが放映しました「核戦争後の地球」という問題につきまして、確かにこれは御趣旨のようなことがあるんじゃないかと思いますけれどもこういう答弁がされております。早速新聞報道は見出しに「「政治的に不公平なら遺憾」NHK番組「偏向」で郵政相」、こういう記事が出ました。あなたはごらんになったでしょうか。
#47
○左藤国務大臣 私はこの番組を見たことございません。そして、今お話がございましたけれども、私が申し上げたいのは、一般論としてのことを、放送事業者が放送番組の編集に当たって、そして放送法の四十四条の三項の規定にのっとってこれを行うべきだ、そういうことを述べたわけでありまして、この番組について批判をしたわけではございません。
#48
○武部委員 それならば、あなたの最初の発言は、後の発言と若干矛盾をするのです。したがって、そのようにマスコミの皆さんは聞いておられてとられたに違いない、それだからこういう記事になっておるのですから。そういう意味で今、私が申し上げたような点について、放送法第三条及び四十四条、こういう点について今の二つの番組、二回にわたった連続番組はどのようなものであるというふうに認識されておるか、それをひとつ伺いたい。
#49
○左藤国務大臣 放送法の建前から見て、放送事業者が責任を持って編集した番組であれば、それで私はその責任において放送をしていいものでありまして、我々が批判するべきものではない、このように考えております。
#50
○武部委員 それならば、はっきりいたしました。それで結構だと思います。少なくともこの番組は、核政策についての政治的ないわゆる問題を取り上げたものではないのであります。この点ははっきりしておるわけであります。政策じゃないのですよ。起きたならばどうなるかということについての番組だった。
 ですから、もう一つお尋ねをいたしますが、これに対して十八カ国ですか、十九機関ですか、そういうところに既に売買契約が行われて、世界各地で放映されるというようなことを聞いておりますが、引き合い中のものがございますか、あったらちょっと言ってください。
#51
○川口参考人 日本で放送しました後、まず西ドイツ、それから韓国が放送いたしました。それからイギリス、カナダ、スウェーデン、オーストラリア、タイ等々でございますが、十八カ国、十九の放送機関と契約が成立をいたしまして、大体放送をもうしたというふうに聞いております。
 それから、ただいま引き合い中の放送機関は、アメリカ、ソ連、東欧諸国、シンガポール、マレーシアといったところとただいま交渉しております。
#52
○武部委員 わかりました。冒頭申し上げるように、あなたがきのうの番組で言われましたように、少なくともテレビを見てよかったというような、そういう番組はこれからもどしどしNHKは責任を持って、自信を持ってやっていただきたい、このことを特に要望しておきたいと思います。
 そこでもう一つ、これは同じように予算委員会で取り上げられた問題で、同じ党の人でもこういう質問もあるのです。深夜番組であります。深夜番組について、非常に内容が逸脱をしておる、こういう点を指摘をされて、ここに議事録がございますが、ちょっと読むにたえぬような内容。ですから発言をした人も、大変な内容だということを発言の中でしばしば述べておられました。大臣は聞いておられたと思います。
 今やはり問題なのは深夜番組、俗悪番組、これもまた今の放送法第三条、四十四条から見て大変重要な関係を持っておるのであります。したがって、この取り上げられた、これは民社党の中野寛成委員でありますが、この質問、これに関連をして郵政省は文書を出しておられますね。二月二十日付でもって、二月八日の衆議院予算委員会において深夜放送番組について議論があった、したがって、一般放送事業者の社長と番組審議会の委員長あてに、こういうことがあったので自粛をしてくれ、こういう内容の文書を出されておりますが、この二枚の文書をお出しになっただけですか。
#53
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 文書はその二枚だけでございます。
#54
○武部委員 これでは何のことやらちんぷんかんぷん、わからぬと思うのです。こんなものを二枚もらって、「深夜の放送番組について論議が交わされたところであります。」「このような批判を受けていることは、放送行政をあずかる者として誠に遺憾」だ、注意せい、こういうことである。中身は一体何であったのか、全くわからぬと思うのです、受け取った者は。ああそうでございましたかという程度だと思うのです。ましてやこれをFM放送まで送っておる。音楽放送、関係ないですよ、こんなものは。こういうことがお役所仕事と私どもは言いたいのです。むしろ本当にこの深夜番組の内容について郵政省が心配で、確かに指摘のとおりだというならば、この議事録をつけて、こういう指摘があったのだということぐらい送らなきゃこれは何の役にも立ちませんよ。私はそう思うのですよ。
 これを読んだときに、こんなものを二枚もらって、もらったって――ここです、問題は。ですから、ここに書いてある中野寛成君の、これは非常に詳しく調べてありますよ、番組についてタイトルもみんな書いてある。質問していますね。この内容をこれにつけて、こういうやりとりがあった。この点を郵政省がやはりきちんと各放送事業者にやるべきではないか。いずれ当委員会でもこの問題を取り上げなければならぬと思っています。何年か前にやりました。しかし今日、目に余る。こういう点について、やはりそこまで郵政省は放送行政を預かる者として、きちんとした態度をとるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#55
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 国会の議事録につきましては、後ほど民放連を通じまして各放送事業者に配付いたしてございます。
 それから、この放送番組の問題につきましては、必ずしもテレビだけとは言えない面もございまして、ラジオの番組についてもいろいろかねてから御批判等もいただいておるところでございますので、確かに先生御指摘のように、FMについてはどうかという点はあろうかと思うのでございますが、全放送事業者に注意を喚起するという意味でお送り申し上げた次第でございます。
#56
○武部委員 あと、しり切れトンボになってしまいますから、少し時間がありますが、やめます。終わります。どうもありがとうございました。
#57
○渡辺委員長 森中守義君。
#58
○森中委員 非常に短い時間でございますから、少し問題点を要約してお尋ねいたします。
 まず、宇宙開発計画についてでございますが、さきに「ゆり」及び「あやめ」、こういう我が国の打ち上げた衛星に故障が発生しました。その後、この故障の原因の解明等につきましては、既にもう解決ついたものでありましょうか、どうでしょうか。
#59
○奥山政府委員 私の方からは、ゆり二号故障の原因究明の状況についてお答え申し上げたいと思います。
 昨年一月二十三日に打ち上げられましたゆり二号aにつきましては、御承知のとおりA系統並びにR系統に相次いで故障が生じまして、今日まで一系統による試験放送が行われております。
 その原因究明の状況でございますけれども、昨年五月十四日に宇宙開発委員会の中に放送衛星対策特別委員会が設けられまして、原因の究明が徹底的に続けられてまいりました。その結果、同委員会の中に設けられました技術小委員会が昨年の十月十九日、原因究明の結果といたしまして報告を提出し、了承されております。
 それによりますと、二号aが打ち上げられました後、真空中におきましては大気中よりも中継器の温度が上がるということから、中継器の中の進行波管の中の温度が予定以上に上昇いたしまして、陰極に含まれておりますバリウムが蒸発したために絶縁劣化を起こした、その絶縁劣化を起こしたために保護回路が働いて切断されたという結論が出ております。
 その原因究明の結果を待ちまして現在、ゆり二号bに対する対策が講じられているところでございます。
#60
○森中委員 そうしますと将来、この種の問題は再発しないという確信がありますか、保証があるのですか。
#61
○奥山政府委員 宇宙開発委員会の放送衛星対策特別委員会で出されました結論に基づきまして現在、二号につきまして、その検討結果に基づいた措置を講じているところでございます。
 その措置といたしまして、先ほど申し上げましたように原因が温度の上昇にかかわるものであるということから、温度を下げるために銅板を取りつけて温度を放散させるということと、フィラメントに送る電力の供給を五%下げるといったような措置を講じまして、そのような措置を講じた二号につきまして現在、GEにおきまして関係者立ち会いの上でテストを行っているということでございます。
#62
○森中委員 重ねてお尋ねしますが、今までのそのアメリカ物が大体七〇%、国内が三〇%、こういうもので将来上げるとする場合に、依然としてGE物になるでしょう。GEと日本との間の話もできているのですか。GE側も保証しておりますか。もう一回故障はないよという保証があるのですか。
#63
○奥山政府委員 ゆり二号のaとbは一連のものとして契約がなされておりますので、宇宙開発事業団から請負契約は東芝に対してなされております。したがいまして、直接的な契約関係は宇宙開発事業団と東芝との関係でございまして、東芝がさらにGEに委託し、中継器の部分についてはトムソン社に委託したということになっておりますので、宇宙開発事業団との関係においては東芝が全責任を負うという仕組みになっております。
#64
○森中委員 郵政大臣、昨今の日米の通信機器の開放の問題、非常に関心を持っておるのですが、これはただ貿易収支の改善というアメリカ側の言い分だけで額面どおり受け取っていいものかどうなのか。ある新聞の解説によりますと、それは違う。既に宇宙開発委員会が政策の見直しをやった。それで、今まではアメリカに依存して衛星の開発、ロケットの開発をやってきたのに、自主開発をこれからやる、しかも大体、これから十五年間ぐらいに五十個ぐらいの衛星を日本が上げるという、そういうもので大分アメリカ側もからんときて、背景にはそういうのがあるんじゃないか、こういうような説が非常に強いのですね。
 これについて、技術庁も見えておられるでしょうし、通産もお呼び願っておりますが、それぞれ表向きと裏向きと何かこうあるような気がしてなりませんから、その辺の判断をひとつお示し願いたい。
#65
○左藤国務大臣 日米貿易摩擦の問題につきまして、一つは、この四月から電電が民営化されていくということにつきまして、この間お通しいただきました法律のことに関連しましての政省令というようなものをつくらなければならない段階におきますいろいろな問題につきまして、アメリカ側からいろいろな要望があったことは事実でございます。それからいま一つ、お話がございましたように衛星を買うということにつきましての要望がありました。
 確かにインバランスの問題から考えますと、現在の段階では、日本からの輸出と日本への輸入とが大体一対十一・五ぐらいの非常に大きな差があることは事実でございます。またアメリカ自身、そういったことにつきまして我々の主張しております点についての理解がなかなか得られない。それは一つの仕組みの違い、考え方の違いもあろうと思います。そういったことで現在、努力をしておるわけでございますが、衛星の問題につきましては、三月三十一日までに話をつけなければならない問題ではなくて、恐らくサミットまでの段階で一つの見通しを立てていけばいいのではないか、このように考えておるわけでございます。
 そこで、物の考え方でございますが、やはり日本としては、今日まで政府の関係として、国策として、衛星の打ち上げというものにつきましては国産衛星でいこう、こういう方針を立ててきたわけであります。あと民間がそれ以外に、例えば通信衛星を利用するということにつきまして、民間でアメリカの星を買ってくれ、こういう要望がある問題につきましては別といたしまして、今まで進んできた一つの計画の方針としては、国産衛星はあくまで主体としてこれからやっていく。その国策という問題から考えますと、我々は日本でできました衛星を日本の力で打ち上げて、そして今後も宇宙対策といいますか、そういうものを進めていかなければならない、このように考えておるところでございます。
#66
○森中委員 技術庁、どうですか。
#67
○三浦説明員 お答え申し上げます。
 ただいま郵政大臣から御答弁があったとおりでございますけれども、宇宙開発委員会では従来から、自主技術の開発ということを基本に開発を進めてまいったところでございますけれども、衛星購入問題という問題が起ってまいりましたが、民間の企業が使います衛星につきましてはともかくといたしまして、国等が開発する衛星につきましては、従来の宇宙開発政策との整合性を十分考慮しながら宇宙開発を進めてまいるということでまいっているわけでございます。
#68
○森中委員 通産省。
#69
○島説明員 日米通信機器摩擦問題の背景とその対応の基本方針ということについてお答え申し上げます。
 日本の統計で見ましても、日米間の通信機貿易というのは、少なくとも昨年までで見てまいりますと大幅な出超でございまして、これは過去拡大する傾向を見せていることはそのとおりでございます。それからアメリカ側の統計を見ますと、これは日本だけじゃございませんけれども、一九八三年に通信機の貿易バランスが赤字に転落をしたということで、大変懸念を有しているように承知をいたしております。これはなぜかといいますと、私どもの理解では、いわゆるハイテク製品の代表であるエレクトロニクス、しかもその代表選手という分野でそういうことが起こっているということで、問題をさらに大きく取り上げさせているのではないかと思うわけでございます。
 ただアメリカ側も、貿易のインバランスそのものを問題にするという姿勢では必ずしもなくて、貿易のインバランスというのは日米の市場の開放度の差異の象徴である、このように言っておりまして、したがって日本に対して市場の開放を求める、こういう基本スタンスじゃないかと理解をいたしております。
 私どもといたしましては、米側から我が国通信機器市場が閉鎖的との指摘を受けないように、的確な対応をしていくことが必要でございますけれども、同時に、アメリカ側にも輸出努力その他を求めてまいりたい、こういうふうに考えております。そうしましたアメリカ側の努力と呼応いたしまして、私どもも側面的に必要な助力を行っていく、こういうスタンスで臨むべきではないかというのが、私どもの考え方でございます。
#70
○森中委員 昨今、スターウォーズということがしきりに言われるようになりました。しかもアメリカはアメリカで新しい予算教書の中に、かなり我が国の防衛予算と同じように宇宙開発の予算が突出をしている、こう言われている。しかも我が国は、科学技術庁が宇宙開発の見直しの中で、あたかもこれに符合するような方向づけをしたようですね。そもそもこれは宇宙条約の四条について正面からぶつかるという感じがするのですが、その辺はどうなんでしょうか。
#71
○三浦説明員 我が国の宇宙開発につきましては従来より、平和の目的に限り実施されているところでございまして、我々としてはその線に従ってやっております。
#72
○森中委員 技術庁、新しい計画の中に、これから十五年間くらいの間に五十個くらいの衛星を打ち上げる、こう言われるのだが、この中の主要なものはどういうものがありますか。偵察衛星なんというのもちらちら耳にするのですが、そういうのがあるのですか、入っているのですか。
#73
○三浦説明員 お答え申し上げます。
 新しい政策大綱を策定いたしました際に、先生おっしゃるとおり、五十個ぐらいの衛星の打ち上げというものが想定されておりますけれども、それらは通信衛星とか放送衛星、気象衛星、地球観測衛星という衛星でございまして、偵察用というようなものは入ってございません。
#74
○森中委員 防衛庁、見えていますか。――この前の予算委員会で、防衛庁がしきりに放送衛星、通信衛星に乗りたい、衛星を全面的に利用したい、こういう意見が述べられております。これは国会の決議とこれまた正面からぶつかることになりますが、その後、科学技術庁や郵政省、こういう関係の向きと協議したい、こういうような防衛庁の見解が表明されておりましたが、多少そういう根回しが進んでいるのですか。
#75
○大越説明員 お答え申し上げます。
 国会決議におきましては、平和の目的に限って宇宙の開発利用を行うのだということが述べられておりますけれども、この平和の目的に限るというのはどういうことかということにつきまして、今回フリートサット衛星というアメリカの通信衛星の受信装置を防衛庁が六十年度予算に要求するに当たりまして、その平和の目的の趣旨につきまして政府部内において慎重に検討いたしました。
 その結果、この国会決議の平和の目的に被るということは、自衛隊が衛星を直接殺傷力、破壊力として利用することは認めないということは言うまでもないといたしまして、その利用が一般化しない段階における自衛隊による衛星の利用を制約する趣旨であるというふうに理解したわけでございます。したがいまして、その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星につきましては、自衛隊による利用が認められるものであるというふうに考えております。
#76
○森中委員 これは科学技術庁、木内さんが長官のとき、昭和四十四、五年か、それから角田さんという法制局長官のいずれも、宇宙開発事業団を設置するときの目的の一条にあくまでも平和利用に限る、この平和利用とは何かという問いに対して、即、非軍事である、こう答えておりますね。この基本的な考え方は今も変わっていないでしょうね。
#77
○三浦説明員 お答え申し上げます。
 国会決議の平和の目的につきまして、非軍事を意味する旨の答弁があることは承知しております。この答弁は、一般化したものの利用について自衛隊の利用を禁止することまで述べた趣旨ではないと理解をいたしております。
#78
○森中委員 なし崩しを認めない、こういうふうに理解をいたします。
 それから郵政大臣、もし防衛庁からそういう相談があった場合に、事業団法の一条、設置の目的が変わるわけじゃございませんから、CSにしてもBSにしても、郵政大臣としてはお断りになりますか。
#79
○左藤国務大臣 今、科学技術庁からお答えがありましたように、一般化したものについての利用につきましては、自衛隊の利用を禁止するものではないと思いますけれども、今お話しの基本的な問題といたしまして、平和の目的ということは非軍事を意味するということについて、これは間違いのないことだ、このように私は考えております。
#80
○森中委員 大臣、くどいようですが、平和利用即、非軍事、この認識は貫いていく、こういうことですね。
#81
○左藤国務大臣 国会の御決議につきましての有権解釈は、国会でしていただくということになっておりますけれども、一般化したものであれば別といたしまして、特殊の利用ということを考えた問題につきましては、これはもちろんお話しのように非軍事ということで、平和の利用の目的はそれに限るべきである、このように考えております。
#82
○森中委員 さっきお尋ねしましたスターウォーズに対する技術庁、郵政省、それぞれの見解の表明がない。もう少し正確にお答えいただきたい。
#83
○三浦説明員 お答えをいたします。
 スターウオーズにつきまして、科学技術庁が御答弁申し上げるのが適切かどうかちょっとわかりませんけれども、宇宙開発を進めるに当たっての基本的な考え方は、平和目的に限るという点につきましては、我々として守っていくという考え方でございます。
#84
○奥山政府委員 郵政省の立場から申し上げますと、宇宙関係の条約並びに関係国内法令を遵守することはもちろんでございますが、宇宙開発委員会における宇宙開発大綱並びに毎年度の宇宙開発計画、その線に沿って通信衛星並びに放送衛星の開発及び利用を今後とも進めてまいるつもりでございます。
#85
○森中委員 大臣、ことしの協会予算に対する大臣の意見書の中に、できるだけ視聴者の負担増にならないようにNHK努力せい、こうお示しになっているが、具体的にどういう意味でしょうか。
 それと、川原会長初めNHKは、節減、節約するにしても限度があると思う、だから大臣の意見を単なるセレモニー的なものと受け取っていらっしゃるのか、それとも現実的にどの程度のことが可能なのか、その点をちょっと聞かせてください。
#86
○川原参考人 郵政大臣の意見書の中身を単なるセレモニーというふうには決して受け取っておりません。これは厳しい御指摘だというふうに受け取っております。また、私どもとしましても、安易に視聴者の方にまた負担増をお願いするということは厳に慎むべきものだと思っておりますし、極力経費の節約と合理的な使用を図りまして、視聴者の方の負担増を来さないように最大の努力をしてまいりたいと考えております。
#87
○森中委員 大臣、このできるだけという意味ですね、長期にわたって受益者に負担をかけるなとおっしゃるのは、ちょうど三カ年計画の二年目に入りましたね、これをさらに一年とかさらに二年とか、そういう内容的にはどうなんですか。
#88
○左藤国務大臣 今回提出されておりますNHKの六十年度予算につきましては、五十九年から六十一年までの三カ年の経営計画の中で予定どおり進んできて、そして今回は七億円を翌年の財政の安定のための財源として繰り延べしていこう、こういう計画でございます。
 七億円だけでなくて、できればもう少し、例えばお話しのように、もう一年余計に延ばすことができるとかいうような形で努力していただきたいということ、受信者にとりましても負担増にならないような努力をしていただくということをお願いしたい。それには、番組の低下とかそういうようなことをされては困るわけでありまして、それを確実に守りながら、経費の効率的な使用とかいろいろなことによって経営の合理化とかいうことを進めていただいて初めて、そういうことが生み出されるわけでありますから、それを期待する、こういうことで意見書を申し上げたわけでございます。
#89
○森中委員 今のことでわかりましたが、川原会長、NHKはこれをどう受けとめられますか、具体的にどういう答えが出ますか。
#90
○川原参考人 私どもとしましても、昨年度料金改定をお願いしましたときに、三カ年計画をつくりまして、国会等でも御説明申し上げましたように、少なくとも三年間は現料金で経営を実施しますが、その中においても、決して安易に三カ年の計画をただそのままやればいいということでなくて、さらにこれに加えて、もし我々の努力の余地があるならば、あくまで経営の合理化といいますか、経費の節約には努めてまいるべきものだと思っております。今後の問題につきまして最大限の努力を続けてまいりたいと考えております。
#91
○森中委員 毎年受信契約の増加が想定されて、予算が計上されますね、過去五年ないし十年ぐらいその想定どおりに来ておりますか。特にことしは予算上は五万件増加ですか、これは何を根拠に五万件増加というのを出しているのですか。
#92
○松本参考人 お答えいたします。
 ここ五年ほどの受信契約者の伸びが予定どおりいっているかどうかという御質問でございますけれども、必ずしも予定どおりに参っておらないという状況でございます。
 今年度の状況でございますが、五十九年度に料金改定とそれから料金体系の変更をさせていただきまして、年度当初に口座料金を設定いたしましたので、口座の取り扱いが大変ふえました。そういった状況もございますし、もう一つは、改定料金、改定体系の御説明といったことに手間取りまして年度前半に非常に苦戦いたしまして、年度前半の受信契約の伸び方が大変悪うございました。年度後半に入りまして、できるだけこのおくれを取り戻すべく努力したわけでございますけれども、今の時点でまだ目標の四十数%という状況でございます。私どもとしては、二カ月ごとの仕事の単位をとっておりますが、最終期の、二月から始まりました第六期と申しておりますけれども、最終期に全力を傾けておくれを取り戻すべく努力している最中でございます。
#93
○森中委員 それから松本さん、米軍基地の中に居住している軍人なのか軍属か民間人がわからぬけれども、相当の未払いがあるらしい。これは地位協定上の問題じゃないと思う。もちろん、アメリカにはNHKという受信料制度がないから、だからもうアメリカ流に解釈して日本でも払わぬでいいというつもりかもわからぬけれども、その辺の調査は済んでおりますか。
#94
○松本参考人 お答え申し上げます。
 米軍基地内の受信料の収納につきましては、これは先生御承知のとおり大変長い経緯がございまして、私どもとしては、放送法で基地内の受信料を免除するということはございませんし、大臣から認可を受けております受信料の免除基準につきましても、基地内の受信料を免除するということはございませんので、私どもの立場は当然、米国基地内においても受信料は収納すべきものであるというふうに考えております。しかしながら、アメリカ軍側の考え方としましては、これは租税に準ずるものだという主張を持っておられるようでございます。再三にわたりまして私どもは米軍当局とも折衝し、郵政省の御指導も得まして米軍当局との折衝もしているわけでございますけれども、なかなか解決しないというのが現状でございます。
 私どもとしては従来は、直接基地内に電話等もいたしましたり、あるいは文書で数回にわたりまして契約、収納に応じてほしいという要請もしておりますけれども、これにもはかばかしい成果が出てまいらないというような状況でございます。最近私どもとしては、何としても基地内に入りましてできるだけ、NHKの放送を受信し得る受信機を備えつけているかどうか、あるいは受信料制度のありようというものを御説明したいというふうに考えまして、基地内に立ち入りたいという申し入れをしているのでございますけれども、米軍当局の法律顧問に当たる方からの返答では、基地内に立ち入ることを許す立場に自分としてはないということで、米軍司令官の見解をそのような形で伝えてきているというのが現状でございます。私どもとしても、この問題の解決にはできるだけ努めてまいりたいと考えておりますけれども、現在のところ今申し上げましたような状況で、非常に難しい状況にあるというふうにお答え申し上げざるを得ません。
#95
○森中委員 件数としてはどのくらいあるのですか。
#96
○松本参考人 これも明確にどの程度あるかという数字が必ずしも明確ではございませんけれども、過去におきまして防衛施設庁が国会で御答弁した数字あるいは五十九年度の防衛白書等を参考にして考えてみますと、数として考えると七千世帯ぐらいがあるのではなかろうかという推測をいたしております。
#97
○森中委員 これは七千件というと相当なものですよ。国内で未払い対策を一生懸命やっているのに、昨今申し上げるように、地位協定上の問題でもない、いわんや外交特権があるわけでもない。やはり日本に居住する限り、日本の法律に従ってもらわなければ困るわけだから、これはひとつ、なかなかゲートに入るのは大変でしょうから、郵政大臣が、放送行政局長でも結構、外務省あたりと相談をして、日米合同委員会あたりに一、二回持ち出していって、少しくやかましく言ったらどうですか。なめられっ放しだよ。こんなのを理由にして国内で、アメリカ人が払わなければならぬのに払わぬのならおれも払わぬというのが出てきたらどうするの。これはきちんと決着をつけてもらいたい。
#98
○徳田政府委員 米軍の受信料の問題につきましては、これまでもたびたび外務省の口添えをいただきまして、在日米軍当局に対して基地内への立ち入りの許可をもらうように進めてきておるところでございます。
 先ほどNHKの方から御説明申し上げましたとおり、昨年の三月に一度やりましたのでございます。二度目でございますけれども、これは向こうの方から立ち入りの許可がおりなかったわけでございますけれども、ことしの三月再度実は実施いたしております。これも外務省の口添えを得ましてNHKから、横田基地内への立ち入りの許可の要請を書面でいたしております。この結果を待って検討いたしたいと思っておりますが、外務省では、この日米合同委員会に付託するという問題ではない、そのように考えておるようでございます。
#99
○森中委員 それは私も合同委員会で議論するような重大な問題とは思わない、たかだか月に二ドル五十セントくらいのものだから。しかし、負けてはいけませんよ。これはちゃんとさかのぼって取るものは取らなければいかぬ。そうしなければ国内の契約者に済まぬじゃないですか。これはひとつ重大な関心を持っておりますから、来年はこれが全部解消できるように、そうするとまた、協会も幾らか収入増にもなるし、郵政大臣の意見にも沿えることになりはしませんか。内部にはどんどん節減を要請しておいて、徴収すべきものを取らぬというのは、これまたおかしなものですからね。川原会長、そう思われませんか。
 それからもう一つ、科学技術庁、それと電電公社見えていますか。――科学技術庁、新しい五十個上げたいという衛星の中に、電電公社はどうもこれはコストが商うつくから低コストで自前で上げたいと、こう言っているが、新しい打ち上げ計画、見直し計画の中に電電公社のCSは入っているのですか。
#100
○三浦説明員 お答え申し上げます。
 新しい政策大綱を策定する際には、電電公社等の意見も十分伺いまして、電電公社のニーズというようなものにも対応できるような形で政策大綱を考えております。実際に想定されております五十個の中には、電電公社の通信衛星も入ってございます。
#101
○森中委員 電電公社はスペースシャトルに載っけていきたい、こう言っているよ。それでもいいの。
#102
○三浦説明員 お答え申し上げます。
 従来我々としては、電電公社がスペースシャトルに載せて衛星を上げるというようなことを伺っておりません。
#103
○森中委員 もうこれで終わりますが、川原会長、十年後のNHKのビジョンはありますか。
 それから放送行政局長、十年後の我が国の放送行政はどうあるべきだとお考えになっていますか。
#104
○川原参考人 十年後具体的にかくかくしかじかというはっきりした形での構想というか図式は、率直に申しましてまだできておりません。しかし私どもは部内においては、将来あるべきNHKあるいは今の激しい技術革新、高度情報化社会の中で私どもがどうあるべきかということは、常に議論もしておりますし、また昨年の暮れから、こういう三ユーメディアの進展とNHKとの関係につきまして、部外の学識経験者に集まっていただきまして、月に一回ないし二回、いろんな意見を今拝聴して、そのビジョンを固めていこうとしているところでございます。
#105
○徳田政府委員 ことしは、我が国でラジオ放送が始まりましてから六十年になるわけでございます。テレビ放送が開始されましてから約三十年も経過いたしておるところでございまして、その間放送は、代表的なマスメディアとしまして、国民生活に不可欠な役割と非常に大きな影響力を及ぼしておるところでございます。放送は、今後進展する高度情報社会におきましても、基幹的な情報提供手段として今後とも重要な役割を果たしていくのではないかと私ども考えておるところでございます。
 技術革新によります各種のニューメディアの登場であるとかあるいは国民の価値観、生活態様の多様化に伴う視聴者の放送ニーズの多様化が進んでおります。さらに、ニーズの高度化も進んでおりますので、国民の期待にどのようにこたえていくか、これが今後の放送行政の私どもの重要な課題である、そのように考えておるところでございます。
 このような趣旨から昭和六十年度から、ニューメディア時代における放送に関して調査研究を開始いたしたい、そのように考えておるところでございまして、十年先というところまでいくかどうかわかりませんが、できるだけ長期的な展望に立った放送政策の策定をしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
#106
○森中委員 徳田局長、もう既に電波法、放送法ができて三十五年ですね。さっき言われるように、確かにもうニューメディアの時代で、非常に大きな変化が続いております。今の放送法あるいは電波法の状態で十年後の我が国の放送が取り仕切っていけるかどうか、あるいは政省令等も同様であると思う。この際思い切って、もう少し放送の、民放を含めて質の向上が図られるような放送法の改正等は、さっき調査研究とおっしゃるが、調査研究の対象の中には入れませんか。
#107
○徳田政府委員 このニューメディア時代における放送に関する調査研究におきましては、これからいろいろと新しく出てまいりますメディア等につきまして、現在の放送法では予定されてないものもかなりございますので、そういうものも放送法の中にうまくなじむような形で手直しをしていかなければならないのではないか、そのように考えておる次第でございます。また、あわせまして、これまでいろいろと問題になっております事柄につきましても、幅広く検討していただければと期待いたしておる次第でございます。
#108
○森中委員 ちょうど質問の時間が終わりましたので、これで質問を終わります。
 まだたくさんございますが、これは後日またこの委員会でいろいろとお話を伺いたいと思います。ありがとうございました。
#109
○渡辺委員長 中川嘉美君。
#110
○中川(嘉)委員 お昼の時間に入りましたけれども、きょう一日で予算承認の件が審議されますので、参考人の皆さんも大変お疲れになることかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。今まで質疑が続けられた中において、私が質問準備したものもありまして重複が若干ありますので、この重複を避けて伺ってまいりたいと思います。申し上げておきますが、時間も限られておりますので、簡単明瞭にひとつ御答弁をいただきたいと思います。
 まずNHKの基本的な経営財源について伺いたいと思うわけですが、この財源は言うまでもなく、視聴者からの受信料、この受信料から成り立っております。この受信料が五十九年度に改定が行われて、現在では経営三カ年計画の二年目に入ろうとしているわけですけれども、初年度目標四十三万件に対して契約の増加分、すなわち最終的数字はまだ出てないと思いますけれども、大体どのくらいになるものか、また、三カ年計画達成の見込みがあるのかどうか、まずこの辺から伺っていきたいと思います。
    〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
#111
○松本参考人 お答えいたします。
 本年度の四月から先生御指摘のとおり、受信料体系の変更を含みます四年ぶりの料額改定を行ったわけでございますが、これまでのところ全体として申しますと、特段の問題ということの発生はなくて、ほぼ円滑に新しい受信料体系の受信料が定着しつつあるというふうに申し上げられるかと思います。
 収納契約の状況なんでございますけれども、料額を改定いたしましたりあるいは料金体系を変更したりしますと、その年度当初にその趣旨の説明と申しますか、そういったことが非常に必要になります。特に本年度は口座料金を設定いたしまして、口座の促進による安定収入ということにできるだけ努力してまいりたいと考えましたので、口座の申し込みが非常に多うございました。そういったようなことの事務手続等の関係もございまして、例年に比べますと年度初めに契約の増加という点につきますと、非常に難渋したという事実がございます。
 下半期に入りまして私どもとしては、特別の対策機関等も連続して設けまして、できるだけ契約活動の契約の増加というものにも努めてまいったわけでございますけれども、なかなか上半期のおくれを取り戻すまでに至っておりません。ただし、下半期に入りましてからの全体の進捗状況は、例年の進捗状況というか、そういった手ごたえは得つつあるわけでございますけれども、恐らく年度末までにかなりの努力をさらに我々としてはしてまいらなければならぬ状況が続くであろうと考えております。予算の編成では一応四十三万と見込みました契約の増加を、三十五万ということに置いてございます。私どもとしては何としても年度末に向けまして、残された期間もうわずかでございますけれども、できるだけの努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。
 それから、収納の問題で一つ問題のございますのは、滞納の問題があるわけでございますが、この滞納につきまして上半期末の状況が、昨年に比べまして一万ほどふえているという状況がございます。これも何としても私どもとしては、年度末に対策を強めまして発生数の圧縮に努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#112
○中川(嘉)委員 そうすると、先ほど伺いました三カ年の計画達成ですが、この見込みはあるのですか。
#113
○松本参考人 この我々営業活動と申しておりますけれども契約収納活動は、数をふやすということももちろん非常に大事でございますけれども、御承知の三千万の受信契約を今持っているわけでございますが、四十三万という数字が三千万に対する比率といたしましては、一%強という数字になってまいるわけでございます。私どもとしては、どうしても契約をふやすと同時に、収納を高めていきたいということにもできるだけの努力をしてまいらなければならぬと思います。
 この収納率が全体としてよくなっておりますので、今年度の契約の増加が必ずしも四十三万に達しなくとも、収納額としては、予算で御承認いただいた額に近い額に達することができるというふうに考えております。したがいまして、三カ年計画の初年度でございますけれども、年度全体を通じまして、副次収入等の増加等も考えますと、事業運営上大きな支障を来すというようなことはないというふうに考えております。
#114
○中川(嘉)委員 次に、受信料支払いの滞納者対策ですね、これについて伺ってみたいと思いますが、負担の公平、こういう原則を守るために、滞納者の解消にいろいろと御苦労をされておられると思いますけれども、協会から出していただいたこの資料、「滞納数の推移」という資料によってみますと、五十四年度は九十八万四千件、若干の微動はするものの、五十八年を見てみますと九十八万二千件、こういうふうになっております。なお、五十九年九月末現在の資料でいきますと、九十九万二千件というふうに聞いているわけですけれども、この六年間を見てみると、数字的にはほとんど変化が見られない、こういうふうに思うわけです。
 これは協会員の皆さんの努力の跡というものは、結果的にあらわれていないんじゃないかというふうに、数字だけで見ますと考えざるを得ないわけですけれども、この数年来、滞納者が解消されていないものなのか、それとも解消されてはいるけれども、新たに滞納者がほぼ同数だけふえていると見るべきなのか、この辺について御説明をいただきたいと思います。
#115
○松本参考人 お答えいたします。
 滞納者の発生とそれから解消ということで申し上げますと、先生御指摘のようにここ数年、九十八万、九十九万というところを前後しておりまして、必ずしも減っているという状況ではございません。ただ、毎年滞納の方々というのはどうしても発生してまいりますので、少なくともこの横ばいの数字で抑えてまいりますためには、発生した数以上のものを我々としては何としても解消してまいらなければならぬというふうに考えているわけでございますが、先生御承知の社会状況と申しますか、単身世帯が今大変多くなっております。それから、有配偶者の女性の雇用という数も、これも総務庁等の調査によりますと大変ふえておりまして、八百万を大幅に超えているという状況がございます。
 そういたしますと、単身世帯あるいは二人以上の世帯でございましてもお留守になさるケースが非常に多うございまして、なかなか面接が我々の期待するようにまいらないという状況がございます。そういった面接ができないということのために、長期の滞りが生じてしまうというような現象も、これも避けられないわけでございまして、私どもとしては、夜間でございますとかあるいは休日でございますとか、お目にかかりやすい日を選びましてもちろん対策に当たるわけでございますけれども、全体としてはなかなか先生御指摘のように、九十九万前後の数字が抑え込み得ないという状況が続いているのが現状でございます。
 ただ、全体といたしまして契約者の総数がふえておりますので、全体としての滞納率と申しますか、率では下がってきているという状況であるというふうに申し上げられるかと思います。
#116
○中川(嘉)委員 この件を追っていきますと時間を食いますので、次に移りたいと思います。
 滞納者対策として文書対策、こういう対策があるわけですけれども、この文書対策として五十八年度で四億三千二百万、こういう金額がかかっているわけです。いわゆる督促書のみで滞納が解消する場合があるわけですけれども、これはおよそ何万件ぐらいに当たるか、お手元に数字があったらひとつお答えをいただきたいと思います。
#117
○松本参考人 お答えいたします。
 文書だけで滞納が解決したという、その数字だけ取り出してなにしますと、数字としては大変はじきにくい数字になるわけでございますけれども、一応文書を発送して、それに対して送金があったという点で申しますと、これはもちろん文書対策だけでそうなったわけではなかろうと思いますけれども、およそ一%程度の反応であろうかというふうに思います。つまり、約百二十万ほど請求いたしておりますので、それに対する反応としては一%、一万件という程度かと存じます。
#118
○中川(嘉)委員 滞納者の内訳ですけれども、これは航空騒音によるところの難視聴とかあるいは受信障害等による難視聴、さらには制度、番組批判、そのほか面接困難、先ほど御答弁がありましたが、こういう留守宅とかあるいは出張中とかということで面接が困難等いろいろ分けられるわけですけれども、毎年仮に二十数万件あるいは三十万件という解消を見ているとするならば、最も多いと思われるのはどのケースであるか、今申し上げた四つのケースがあるわけですが、この四つの中のどれが一番多いか、お答えをいただきたい。
#119
○松本参考人 お答えいたします。
 面接不能による滞納が一番多いと思います。
#120
○中川(嘉)委員 不在から始まって転居あるいは出張中であるとか共働きであるとか、いろいろなケースがあって、外務職員の方々も大変な御苦労をしておられることと思いますけれども、そうなりますと、全く受信料の支払いを頭から拒否している人たちではない、こういうふうに思います。集金をするに当たって直接当事者に会うことが困難なケースということになるわけですと、五十八年に外務職員の方が解決した件数というのは、先ほどお聞きしたわけですが、文書対策の督促書のみで解決した件数、一万件なり一万一千件、私は一万一千件というふうに以前聞いたことがあるのですが、三十万件という解消の件数を前提にして考えてみますと、残るところ二十九万件、こういうことになるんじゃないかと思いますが、この辺はどうでしょうか。
#121
○松本参考人 お答えいたします。
 滞納に対する対応といたしましては、職員による説得ということが一つございます。それから、先ほど先生御指摘になられましたように、初めから払うつもりがないというわけではなくて、契約を結んでいただいているわけでございますから、初めはお支払いいただけるはずのものでございますので、説得によります解消が大部分と考えていただければいいのではなかろうかと思います。
#122
○中川(嘉)委員 ちょっと質問にお答えいただいていないわけなんですが、仮に単純計算でいきますと、三十万件の中の約一万件がいわゆる文書対策でもって解消したということになると、二十九万件程度になるのではないかと私は思います。
    〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで伺いますけれども、滞納対策経費の中にいわゆる滞納整理奨励費というのがありますけれども、これが一億七千六百万決算されています。これは従来から、外務職員の方々が滞納者の解消を行ったときに一件について五百円の奨励金が支払われる、こういうふうに聞いているわけですけれども、これでいきますと、単純計算で三十五万二千件が解消したことになる。先ほど二十九万という数字が出ているわけですけれども、この辺の相違ですね、これは単純計算ですけれども、どういうふうに理解したらいいものか、この辺はいかがでしょう。
#123
○松本参考人 お答えいたします。
 今、先生から五百円の奨励金という御指摘がございましたけれども、滞納に当たっております職員に対しては奨励金は支払っておりません。したがいまして、その五百円という数字が職員に対する奨励金であるということでございますと、奨励金は職員には払っておらないというのが現状でございます。
#124
○中川(嘉)委員 ここで件数について余りこだわって、これは大事なことなんですけれども、その問題よりも奨励金そのものの内訳といいますか、もちろん単純計算が妥当でないことは当然ですけれども、聞くところによると五百円であるとか千円であるとか、こんなように今まで聞いておるわけです。そうなると、どのような区分けになっているのか、また、だれがどこでその中身を決めていくのか、この辺はどうでしょう。
#125
○松本参考人 お答えいたします。
 今、先生は五百円あるいは千円というような数字もお挙げいただいたわけでございますけれども、私ども職員に対しては当然、月給を支払っておるわけでございますから、そういった奨励という形のものは支払っておりません。ただ、仕事のやり方といたしまして、職員と受託者の方が一体になってチームを組んで仕事をするということがございまして、そういった意味で、やはり説得活動が大変難しい仕事でもございますので、これに何がしかのインセンティブを与えてやりたいということで、奨励原資という形で、受託者を持っております事業所といいますか部所が、全国に九十一局所あるわけでございますが、そこに月額十万円程度の奨励金というものを配付してございます。
 ただ、これは現金として職員に渡すということは全くございません。これはある成績を達成したりあるいは達成する過程で激励するというような形で、旅行会をやったりなんかするような場合もあるでしょうし、あるいは目標を達成したときにみんなで万歳をやるための会合を開くというような場合もございましょうけれども、そういったような経費として、いわば収納成績の向上あるいは滞納解決ということの動機づけ、意欲喚起といったようなことに使うための奨励費というものは配付してございます。それが大体六十年度予算で申しますと、一億二千五百万円ぐらいの額になるということでございます。
#126
○中川(嘉)委員 今の御答弁だけですと、どうもまだもう一つ漠然としておりまして、どのような基準で先ほどから言っています一億七千六百万円が振り分けられているのか、今の範囲で理解できないことはありませんけれども、外務職員が解決した事実上の件数が一体どのぐらいになっているのか、先ほど来いろいろ伺っているわけですが、どうも明確じゃないわけです。このままではどうも納得できないものが残るわけですけれども、時間もありませんので、具体的数字等に関係し余り細かいことを私、言うつもりはありません。しかし、今の御答弁だけで終えてということでなしに、この年度だけで結構ですが、これに関する何らかの資料要求をさせていただきたいと思いますので、時間がありませんからもちろん後ほどで結構ですが、この点よろしくお願いしておきたいと思います。
 最後に伺いますけれども、私は視聴者の負担の公平ということと受信料体系を守るために先ほどからこういう質問をしているわけで、文書対策費でいきますと四億三千二百万かけて一万一千件くらい、先ほど一万件とおっしゃったが、これに比べると、二十九万件に対する奨励費というものは一億七千六百万ということですから、私は額に関して決して多いだとか少ないだとか今ここでは言うわけじゃない、もっと明快な説明が行われてしかるべきだと私は思います。そこで最後に、会計検査院としてはこの問題についてどのような見解を持っておられるか伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#127
○志田会計検査院説明員 ただいまいろいろ御質問、御答弁がございまして、私ども拝聴いたしておりましたが、私どもはこの滞納の率の減少につきましては、十分気をつけて検査をいたしております。特に今御関心の深かった滞納整理奨励費につきましては、会計検査の際に、ただいま御答弁がございましたように、目標の達成度合いとの関連において支給されておるような費目でございますので、その関連において正しく支給されておるかどうか、関係資料と突合したりしまして十分な検査をしておりますし、今後も先生の御趣旨を体しまして検査を執行していきたいと存じております。
#128
○中川(嘉)委員 終わります。
#129
○渡辺委員長 中井洽君。
#130
○中井委員 私は、NHKの六十年度予算の中身について幾つか質問させていただこう、このように準備をしておったわけでありますが、先ほどの質疑を拝聴いたしておりますと、私の敬愛する大先輩の議員さんが、我が党の二人が過般、予算委員会でNHKあるいは放送番組、そういったものについて考えをただしました問題につきまして大変厳しい御叱正の御指摘がございました。また、大臣あるいはNHKの方々の答弁を聞いておりますと、予算委員会での答弁と少しニュアンスが違うじゃないか、こういった答弁も見受けられたわけでございます。他党の方の質問をさらに蒸し返すようで大変恐縮ではございます。これらの問題について郵政省、NHKの御意見を賜りたい、このように思います。
 初めに、我が党は自由闊達な政党でございまして、議員個人個人が予算委員会あるいはこの委員会、どの委員会でも何をしゃべろうと何を質問しようと自由にいたしております。したがって私自身も、過般の予算委員会での質疑の内容あるいは同僚議員が質問をいたしました内容、全面的に賛成かということではないのであります。いろいろな意見は有しておるわけでございます。しかし、同僚議員が二人もまないたの上にのせられて御批判をいただいた、こうなりますと、私といたしましても党人の一人でございます、あえてやらざるを得ない、このように考えるところでございます。
 まず最初に、党全体の空気といたしましては、NHKが平和問題、核の問題を取り上げて大いに世論を喚起する、あるいは国民の平和に向かっての希望に合った番組をつくる、こういったことをなさることについては大いに歓迎をいたすものである、このことを十分御理解をいただきたい、このように申し上げておきます。
 最初に、大臣は我が党の議員の質問に対しまして予算委員会でこのようにお答えになっております。「NHKが放映しました「核戦争後の地球」という問題につきまして、確かにこれは御趣旨のようなことがあるんじゃないかと思います」、このように言われているわけでございます。ところが、先ほどの答弁では、番組見たことない、こうおっしゃっておられるのでございます。ここのところを、見ずにこのように思われたのか、あるいはまた、予算委員会でこれだけ大きく問題に取り上げられた。予算委員会では郵政大臣がしょっちゅう御答弁になるということもなかったと思うのであります。その中で大臣の所轄の問題が起こって、しかもそういう問題もあると言われているのにもかかわらず、その後番組も見ていらっしゃらない、これは大臣として少しいかがなものか、このように考えますが、お答えをいただきます。
#131
○左藤国務大臣 番組は、私は先ほどもお話しましたように、見る機会がなかった。いろいろ予算委員会があったり何かいたしまして、そういう機会がなかったわけでございますが、できるだけそうした問題についても、私個人としては見たいと考えておりますけれども、しかし、この問題の中身につきましては、先ほど申しましたように、いろいろ国会で御議論になるということ、これはまた国会として私は自由だと思いますが、政府といたしまして、この番組に対してそのことへ批判をしていくとかなんとかいうこと自体は、これは私は差し控えなければならないことだと思います。そして、放送事業者として責任を持って番組の編集をしていただきたいということを私は希望として申し上げた、こういうことでございます。
#132
○中井委員 そこに問題があります。先ほども今も、放送事業者が責任を持って編集をしたら、その責任において放送したらいい、そして我々が批判すべきものでない、このようにお答えになっておられます。私はそのとおりだと思います、前半は。しかし、我々が批判すべきものでないということがおかしいのであります。我々は大いに批判をすればいいし、そしてNHKはその批判に対して堂々とお答えになればいい、当然のことではないでしょうか。先ほどからの質疑を聞いていますと、何か全然答える必要ないんだ、こういう形で討議が行われた、このことに大変な不快感を持つわけでございます。現実に、これまた先ほどの先輩議員の質疑の中で、我が党の同僚議員の他の質疑が取り上げられました。ここに郵政大臣は、「確かに最近の民間放送の番組の中には今お話しのような問題のあると思われるような番組が非常に多いわけでありますけれども、これは」云々という形がきちっと出ておって、そしてそれに基づいて郵政省も通達みたいな形を出されたということでございます。批判をしてはいかぬというものがちゃんと批判をなさっているわけであります。
 私はNHKのニュース番組、NHKの自主性、不偏不党というものをきちっと守るために、ニュース番組について我々が批判をするしない、これは慎まなければならないと思います。言うべきことではないと思います。しかしいろいろな番組について、国権の最高機関である国会で批判をしてはいかぬ、答えてはいかぬ、答えられない、そんなばかなことはないと思うのであります。現実にNHKの予算の中にだって、視聴者の意見を聞くというので莫大な予算が組まれているわけでございます。そんなものは、何も紅白歌合戦にどの歌手を出してどの歌手を出さぬということだけを聞くためにこういう予算を組んでおるわけじゃないのであります。
 そして、NHKは常に番組に批判を受けて、この批判に反論して、そしてその中でどんどんどんどんとたくましくなっていく、あるいはどんどんどんどんと世論というものを場合によってはリードもしていく、あるいは世論の中ではぐくまれていく、そういう形の放送事業者としていかれるのは当然であると私は思います。それを、批判をすべきでないというお答えをされたのでは、私どもは到底納得できません。また、こんな審議をする必要も場合によってはないわけであります。もう一度お答えいただきます。
#133
○左藤国務大臣 今申しましたのは、放送番組というものは放送法三条で、放送番組の編集の自由ということがこれは保障されておるわけでございますから、郵政大臣という公的な立場から、政府の一つの立場として個々の番組の是非について意見を述べるということは私は差し控えるべきだ、こう申し上げているわけであって、国権の最高機関であります国会において、国政全般にかかわる問題において調査なり論議されるという立場、そういう立場から個々の番組について論議されるのは当然だろう、このように考えておるわけでございます。
#134
○中井委員 それじゃあなたは、予算委員会でどうして我が党の二人の議員の質問に対して御意見を述べられたのですか。
#135
○左藤国務大臣 済みませんけれども、二人の御質問についてもう一度……。
#136
○中井委員 郵政大臣はただいま番組の中身について郵政大臣としてこの場で批判をすべきではない、こういうことを言われた、御答弁をなすった。予算委員会では言われておるわけであります。中野寛成君の問題に対しての答弁を読みましょうか、答弁をされております。これをお尋ねをいたします。それは少しおかしいと私は申し上げたい。
 先ほど三条のお話がございました。三条には「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」こういうわけであります。しかしその中では、放送法四十四条の三項には、きちっと四項目にわたって規制をしておるわけであります。例えばこの「核の冬」の問題でも、いろいろな意見がある場合にという形で、我が党の議員は違う立場からも批判を申し上げておるわけであります。それを、批判をする方がおかしいんだ、批判みたいなのを聞く必要がないんだという形で議論を封じ込めていく、これが一番私は悪い体質だ、このように申し上げておる。それを郵政大臣みずからが批判をすべきでないという形で論議を打ち切られたら、大変私どもは、NHKに何を言ってもだめなのか、こういう格好になるじゃないかと申し上げているわけであります。
#137
○左藤国務大臣 私の申し上げているのは、国会の中で先生方がいろいろ御議論になる、またそこに批判が出てこられる、これは私はどんどんいろいろあってしかるべきだと思いますが、その批判に対してまた例えば政府として、また郵政大臣として再批判をしろとかなんとかいうことになれば、これはちょっといろいろ私は問題がある、こういうことでございまして、どんどん御自由にやっていただく、また、国会でこういった御議論があったということについて放送事業者に対して注意を喚起するとか、あるいはまたそういうことでお知らせしていろいろそれに対しての放送事業者としての責任を果たしていただくための資料として提供するとかいうことは、私はこれは必要なことだ、このように考えておるわけであります。
#138
○中井委員 わかりました。
 それじゃ大臣、この番組を見なかった理由、これを聞かしてください。あるいは、これから見て、郵政省として本当にNHKからデータを求めていただいて、こういう我が党の同僚議員の批判がリーズナブルなのか、あるいは世論的に見て本当にNHKが受け入れるべきことかどうか、御調査いただけますか。
#139
○左藤国務大臣 番組を見るということは、私自身もいろいろの勉強をする意味においてはそういうことをしたいと思いますが、それにつきまして私から、この番組はどうだとかいうことの批判を申し上げることは差し控えたい、こんなふうに考えております。
#140
○中井委員 そうしますと、放送法四十四条の三項に書かれておる四つの項目はだれがチェックするのですか。
#141
○左藤国務大臣 これはやはり放送事業者自体がチェックをするということが放送法上の趣旨であろう、このように考えます。
#142
○中井委員 そうしますと、先ほどから川口総局長がいろいろと御答弁をなさっております。この質疑者も、私どもいろいろと質疑者の意見もかつて聞いたことがございます。私どもと随分意見も違いますから、議論も闘わしたことがございます。この彼の一番の不満は、NHKが答えない、データを出さない、こういうところにあるのはNHKも十分御承知のとおりであります。大臣に言っても大臣は、番組も見ない、それは調べることは放送事業者がやるんだ、こういうことであります。そうしますと放送事業者としては、出された批判に対して意見があろうと何があろうと、いろいろとお調べになる、あるいはデータをお出しになる、当然のことではないでしょうか。
 それを、郵政大臣の先ほどのようなお言葉、舌足らずだと言えば舌足らずであります。それに引き続き、また質問者のそんなものは全然答える必要がないんだ、こういう激しいおしかりに対してつられたようにそのままで押し通そう、そういう姿勢をとられるということの方がおかしいと私は思うのであります。御答弁いただきます。
#143
○川口参考人 放送番組に対する批判というものは、全く自由になさるべきものだと私は思っております。ただ、国会の場でそのことが論議されるとなると、これは私どもの対応も慎重にならざるを得ないということでございます。第三条の精神にもとるかもとらないか、そういうことからまず考えなければいけない。NHK自体は常に、私どもがどこにも偏らない、不偏不党の放送事業者でなければいけないということを自覚しております。ですから、そのことについて誤りがあるかないかは絶えず世間の批判をいただいて結構だと思います。
 それから四十四条については、いわゆる放送番組審議会というのがありまして、この中でも自由な論議として御批判を承って誤りなきを期したい、このように思っております。
#144
○中井委員 私どもでもNHKのニュース、番組を見ておって常にちょっと違うなという感じを抱くことがあります。しかし、それはNHK独自のお考え、NHKが厳正にニュースをとらえて、そして責任を持って放送されるということだから結構なことであります。
 しかし、こういう科学的な番組だとNHKみずからが言われて、しかも誇りに思っておられる問題に対して、全く非科学的じゃないかという国会における反論があった。それに対してNHKは、百人余りの科学者か何かいろいろな人の意見を聞いて、先ほどの御説明ではシミュレーションでもってつくった全く純粋科学的な番組だ、こう言われておる。その純粋科学的な番組に対して非科学的じゃないかと国会で質疑を行われておる。これに対して資料を提出して反論なさるのが当たり前のことじゃないか。
 その我が党の国会議員が結果において恥をかこうとどうであろうと、そんなことは構わない。当然お出しになるべきだ。ニュース番組のソースを出せだとか娯楽番組で何を言うたか、そんなことをだれも言うつもりも何にもありません。NHKの方は、不偏不党だ、よくわかってやっておる、こう言うけれども、それはNHKの人がそう思っておるのである。それを絶えず世論から国会からあるいは郵政省からいろいろな形で批判を受けて、それに対して反論をしながら反省もしていく、そういった中で常に不偏不党へ向かっての努力をし続けるということが大事なんです。
 NHKは常に不偏不党だ、そんなものは決まってないですよ。常に不偏不党の努力をし続けるというところが貴重なところであると私は思います。世の中にいつでも、オールウエーズ、不偏不党だなんというものはあり得ない。あるなんて考えて幻想でもって議論する方がおかしいのであります。したがって、どんな自信のある番組であろうと、批判をされたときには反論もなさる、そしてきちっと科学的データを出される、当然のことじゃないでしょうか。会長、いかがでございますか。
#145
○川原参考人 御指摘のとおり、私どもが常に不偏不党の立場を守らなければならない、そのための努力を続けなければならないということも御指摘のとおりでございますし、また、その努力を続けているつもりでおります。また、番組につきまして視聴者の方々の御批判、御意見については、いつも率直に耳を傾けてまいりたいと考えております。その視聴者がどのような立場の方であれ私どもは、それは謙虚に承るつもりをしております。
 ただ、国会という場は何と申しましても、御趣旨にもありましたように、国権の最高の機関という一種の政治についての非常に大きな影響力をお持ちの場でございますし、そこにおける具体的な表現なり番組についての御議論につきましては、私どもの対応としては大変微妙な立場に立たされるわけでございます。その点はまた、国会の御議論は全く、一二〇%言論の自由だと思います。そのことは私どもよく承知しておりますけれども、その辺の表現の自由とのかかわり合いにつきましては、ぜひ慎重な御配慮をお願いしたい、こういう立場でおります。
#146
○中井委員 言われようとすることは大体わかります。わかりますが、具体的にお答えをいただきます。
 この三月六日の我が党の同僚議員の質問に対して、科学的番組であると言われたデータをお出しいただけますか、いただけませんか。
#147
○川原参考人 私どもは、これは一般論でございますけれども、番組の制作の過程におけるいろいろな具体的な資料とか、あるいは、先ほどその問題ではないという御指摘もありましたけれども、ニュースソース、取材のソースにかかわる問題については、これは提出することは私どもとしては差し控えたいというふうに考えております。しかし、国会での御議論はまた国会でのいろいろな御決定もあろうかと思いますから、その辺につきましては、私どもも慎重に対応してまいりたいというふうに考えております。
#148
○中井委員 会長のおっしゃるように、国会の論議というのは非常に重要なものであります。しかし、NHKの国民に与える影響というのはすさまじく大きなものがあります。それだけに余計慎重に、余計いろいろな監視の目をつくりながらおやりをいただかなければならないのも事実であろうか、このように思います。
 私どもは、私どもの議院の中でこの番組はこうこうだと言ったときに、NHKが逃げてしまう、あるいは封じ込めてしまうということではなしに、逆にどんどんこの場でも出していく、NHKの立場というものを強く出していく、その中でお互いが議論をして、そしてより質の高い、よりだれしもが不偏不党だと考えられるような番組づくりに向かって国会もお手伝いをしていかなければいかぬと思うのです。それを、NHKはNHKだけの立場でやりますよ、つくったものですから中身は出せませんよ、こう言われたんでは、このまま質疑を続けるわけにだって、あるいはこの採決だって我が党としてはやるわけにいかなくなってしまいます。お考えをいただき、もう一度御答弁を賜ります。
#149
○川原参考人 御質問の御趣旨は私なりによく理解しているつもりでございます。ただ非常にここの問題は、政治における二つの大変影響力のある場と、それから私どもが建前としております。その表現の自由、報道、言論の自由というものとの接点の場で、非常にデリケートな問題を生じかねない問題があると私は思いますので、御趣旨はよくわかりますけれども、慎重に対処をさせていただきたいというふうに考えております。
#150
○中井委員 科学的番組であるとおっしゃるから、私どもはその科学的根拠を出しなさい、こう申し上げているわけです。政治的に右だとか左だとか、あの番組の中身のこれとこれがけしからぬとかいう議論をしようと申し上げているわけじゃありません。例えばNHKである経済学者がニュースの視点なら視点で御意見をお述べになる。しかしそれには、その経済学者としての経済学としての根拠があろうかと思うのですね。いろいろな科学番組を放送されたら、その科学というものの根拠があると思うのです。それが絶対正しいかどうかというのはまた別問題であります。いろいろな科学者、いろいろな意見があります。
 だから、例えばNHKがこの番組をつくるのに百人の人に寄ってもらって御意見を聞かせていただいてシミュレーションをつくった。純粋科学的だと言われますが、このシミュレーションに何をプットインするか、どういうところからプットインするかによって、違う立場の人が見れば非科学的だと言われるのは当たり前じゃないでしょうか。それに対して、いや違う、堂々と議論をすればいいと思うのです。今のままでいかれれば、この国会での議論を避けようという形の答弁にしか私は見られません。そういう形では大変残念なことであります。特に私自身は、あの番組の中身について何も異議を申しているわけではありません。そういう立場の者から見ても、随分残念なNHKの姿勢であると言わざるを得ないと思うのであります。
 委員長、御協議をいただきたいと思います。
#151
○渡辺委員長 追って理事会で御協議いただきます。
#152
○中井委員 理事会で御協議いただくまで私どもは採決に参加する気ございません。
#153
○渡辺委員長 とりあえず質問を続行していただけますか。
#154
○中井委員 それではあと四分残っていますから、私は、この問題は理事会で御協議いただく、それまで残さしていただくということで、今終わらしていただきます。
#155
○渡辺委員長 午後一時三十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十七分開議
#156
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について質疑を続行いたします。中村正男君。
#157
○中村(正男)委員 私は本日の委員会の冒頭、左藤郵政大臣の方から、放送というものはあくまでも全国あまねく受信をできることが一番重要である、こういう所見が述べられました。そういう観点に立ちまして、テレビジョンの難視対策について幾つか質問をしてまいりたいと思います。
 まず郵政省にお尋ねをいたしますが、今日、この難視ということについての省としての基準、具体的な内容についてお聞きをしたいと思います。
#158
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 辺地難視聴の基準でございますが、難視聴であるかどうかということにつきましては、標準的なアンテナと受信機を使いまして、それからその標準的なアンテナの高さを地上から十メートル以内の高さに設置いたしまして、その範囲内で一番よく受かるところにアンテナを置きまして、そのときの受信の画質を評価いたしまして、この評価というのは五つの段階に分けてございますのですが、それが非常に悪い絵になるという評価の二という――数字の多い方が画質がよくなるわけでございますけれども、二という評価以下のところを難視と、そのように呼んでおります。
#159
○中村(正男)委員 その画質についての評価でありますが、それについてはいわゆる放送局、NHKはもちろんでございますが、民間放送についても、幾つかの局が一定の画質の基準に入らなきゃならない、こういう定めになっているのか、重ねてお聞きをしたいと思うのです。
#160
○徳田政府委員 NHKと民放につきましては、評価の基準は同じでございます。こういう基準に基づきまして現在、NHKにおきましては難視聴の世帯数が四十二万世帯になってございます。それから民放の方は、それに対しまして百十万世帯、民放の方がまだ難視聴の地域が多い、そういう状況になってございます。
#161
○中村(正男)委員 今NHKで四十二万世帯、民間放送では百十万世帯、大変大きな数字でございますが、とりわけ最近、都市の住宅開発が山間僻地にどんどん広がっております。そういうことを考えますと、いわゆる都市周辺部の難視地域というのは今後も拡大をしていくのではないか、こういう見方ができるわけですが、その点についてはどうですか。
#162
○矢橋参考人 お答えいたします。
 NHKの難視対策の考え方でございますけれども、御承知のようにNHKは五十九年度以降、放送衛星による施策に重点を置きまして、今後は衛星放送の受信の積極的な普及ということを進めることにしております。一方、地上施策といたしましては、ただいま御指摘のありました大規模な宅地造成といったような地域状況の変化あるいは外国電波の混信に対しましては、地域の実情あるいは要望を十分勘案いたしまして、補完的な置局及び既設局の移転増力を行っております。そのほか、地上の放送を受信希望する方に対しましては、受信環境の改善ということできめ細かい受信技術指導を進めていく考え方でございます。
#163
○中村(正男)委員 その難視対策として昨年衛星が打ち上げられたわけですけれども、その後、この放送衛星から受信をするためにいわゆる特別なアンテナ、受信装置をそれぞれの難視地域では購入をし、対応をとってきたと思うのですが、これらの実態、世帯数を報告をいただきたいと思います。
#164
○矢橋参考人 衛星放送受信設備の普及につきましては、BS2の故障によりまして御承知のように、一チャンネルのみの試験放送になっております。そのため、当初予定いたしました普及よりは若干、やはり期待どおりいっておりませんけれども、NHKが五十九年の十二月末で把握しております受信世帯数は、約三万八千世帯でございます。
#165
○中村(正男)委員 この三万八千世帯の中には大東島とか小笠原諸島、いわゆる離島が含まれておると思うのです。これらを除きますと、まあ三万世帯余りが、本土における難視地域のそれぞれの受信者がアンテナを設置された。数だと思うのです。今少し先に答えられたのですが、私もこの放送衛星に対する受信者の期待ということから、衛星放送が受信できるような設備をされる受信者の数がもっと多いのではないかという期待をしておったのですが、実態はこの数字でございます。
 これほど当初予想よりも少ない現実に対して、どういう理由なのか、その認識をお伺いをしたいと思います。
#166
○矢橋参考人 やはり先ほど申し上げましたように、二チャンネルの放送ができなかったということが基本でございます。あとは、受信機のコストをもう少し安くすべきだということ、それから、衛星から送りますソフトウエア、番組の内容であろうかと思います。
#167
○中村(正男)委員 ところで、郵政省としては五十四年度から、テレビ放送共同受信施設の設置補助金制度を設けたわけなんですが、この目的はどういうところにあったんですか。
#168
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 NHKの難視聴解消施策は、置局とそれから共同受信施設の設置という形で進められてきたところでございますけれども、この難視聴の地域が地域として非常に小さくなってきて、しかも散在化してまいりましたものですから、共同受信施設あるいは置局で救済するということが経済的にも非常に経費がかかる状況になってまいりました。したがいまして郵政省としては、財政的な面で助成するために補助金制度を設置した次第でございます。
#169
○中村(正男)委員 五十四年度では補助金総額が一億九千九百八十八万円、五十五年度で二億一千五百三十七万一千円、五十六年度二億一千五百三十七万二千円、五十七年度から少し減りまして、それでも一億五千九百七万六千円、五十八年度は一億四千九百九十八万四千円。五年間にわたってのこの補助金制度をそれぞれの受信者、自治体は大変有効に活用して、かなりの難視解決に役立ててきたわけでございますが、この実績についての評価をどのようにされておりますか。
#170
○徳田政府委員 五年間この補助金を交付いたしてまいりまして、全体で二万五千弱の世帯を救済いたした次第でございますけれども、これらの世帯の方々からは大変喜ばれておるところでございまして、またさらに、補助をしてほしいという希望も昔から出されておったところでございます。
#171
○中村(正男)委員 それを、五十九年一月に放送衛星を打ち上げた、したがってこの補助金を打ち切ったわけなんですけれども、極めて一方的に、星が上がったからこの種の難視対策は必要でない、こういう判断で打ち切られたと思うのですが、その考え方について改めて聞きたいと思います。
#172
○徳田政府委員 このテレビ共同受信施設設置費に対する補助金は五年間継続してまいったわけでございますけれども、残っております難視聴地域の世帯がますます小さくなってしまいまして、しかも散在するような状況になりまして、共同受信施設を設置するといたしましても非常に経費がかかる状況になったわけでございます。そういう点から考えまして、放送衛星を打ち上げて一挙にこの難視地域を解決する、その方が経済的でもある、しかも短期間に全国の難視聴解消が可能である、そのようなことから、従来の共同受信施設に対する補助のかわりに放送衛星を打ち上げて救済する、そういうことにいたした次第でございます。
#173
○中村(正男)委員 しかし、衛星は御案内のように現在故障しておる、一チャンネルしか放送ができていない。さらに、次の2bにつきましても見通しは定かでない。加えて、これらの今まで解決を見てきた難視地域の受信者は、NHKがもちろん中心でありますけれども、同時に、民間放送も含めてこの共同受信設備で受信をしてきたわけであります。そういう現状なり今までの経過を考えますと、今まさにこの星は故障したままだ、先ほども指摘をしたわけですけれども、星からの受信を期待をしての新たな受信設備も当初予想よりも大幅に少ない実態であるということを考えますと、これは余りにも衛星に頼り過ぎた難視対策であって、しかも、一方的な形でこの補助金制度が打ち切られたということについて私は極めて遺憾に思うわけであります。
 とりわけ、ニューメディア時代における新しい放送の実用化を推進するということを会長も、さらには大臣もことしの予算の中心に据えられております。しかし、そのことも大事でありますけれども、むしろ今は全国あまねく受信ができるということが何よりも、これからの国民の放送に対する信頼なり、またニューメディア時代を切り開いていける信頼につながると思うのですが、その点について大臣、どうですか、この難視対策の補助金の一方的な打ち切りについてどういうふうに今お考えになっているのか、お聞きをしたいと思います。
#174
○左藤国務大臣 テレビ放送の共同視聴施設、そういうことで今まで非常に小さいところまでできるように努力はしてきたわけでございます。補助金が出てきたわけでございますが、国の財政事情とかいろんなそういったことで、補助金の整理縮小というふうな一つの方針のもとでこうしたものが五十八年度限りで打ち切られた、非常に残念なことだと思っております。
 理屈の上からいいますと、放送衛星が普及するということによっては、これは一挙に解消すべき性格のものではありましても、大変今の段階では普及率も悪いわけですし、そうした受信するためのパラボラアンテナを設置したりなんかする会も、大変な経費がかかるということもそのとおりだと思います。そういう意味で、何とかこういうことで復活できないか、我々も努力をしてみたわけでありますけれども、現段階では非常に難しいわけでございますが、財政事情が好転することを期待して、その段階でまた改めて検討していかなければならない、このように思っておるわけでございます。
 一方でまた、衛星のことにつきまして先ほど局長からも御説明しましたように、一チャンネルしか働かないというような状態でなくて、これを、BS2の場合には2bを打ち上げることにいたしまして、この辺のカバーをさして成功させなければならないと思いますし、3の段階において民放のようなものがそこにさらに乗ることになれば、普及は促進できると思いますけれども、それまでの段階におきましても、今お話のございましたような共聴施設というものの必要性というものはなくなっていない、我々はこのように考えているわけでございます。
#175
○中村(正男)委員 大臣も残念ながらと、こういう考え方を述べられたわけですけれども、いまだにNHKで四十二万、民放で百十万世帯、さらにこれから、私は先ほど申し上げましたけれども、いわゆる都市周辺の山間部に対する住宅開発というのはどんどん広がっていくわけです。一方では、新たなパラボラアンテナによる受信に対する国民の期待というのはいま一つ上がらない。現に衛星自体が故障している。さらに次の2bについても、2aの故障が原因が究明されないまま一体どうなっていくのか。国民はしばらくはこの衛星放送に期待はできないのじゃないか、これは私、率直な見方だと思うのですね。
 加えて、民放については六十四年となっておりますが、NHKの放送衛星がこんな事態でありますから、これもおくれることはあっても早まることはない、等々考えますと、今現在の難視対策なりこれからさらにふえていく難視地域、難視世帯、これはもう私はやはりこの補助金を早急に復活をして、共同受信施設を当面は衛星からの受信と並行してやっていくべきじゃないのか。物事何でも経過措置というのはあるわけです。これは余りにも、衛星が上がったというようなことで瞬間的に打ち切られた、極めて一方的で乱暴な対応ではないのか。
 私はその点について重ねて、特に打ち上げした後故障した、そういう現実に立って、来年度以降柔軟な、いわゆる弾力的な運用を含めて、この補助金を全くもう五十八年で切ってしまうのじゃなしに、来年度以降の予算の中でこれをぜひ復活をさしてもらいたいということについて再度、大臣の決意を聞いておきたいと思います。
#176
○左藤国務大臣 今のお話につきまして、今までのような形で復活できるかどうかということについてはいろいろとありますが、実質的に何かできるようなことにつきましてあらゆる努力を重ねてみて、来年以降においてそういったことが実現できるように努力いたしたい、このように考えております。
#177
○中村(正男)委員 これはNHKにも要望しておきますが、今、大臣がそういう前向きな答弁をされたわけであります。それぞれの地方自治体によりましては、そんなに大規模ではない、しかしその必要性に迫られるというところが当然今現在でも出ているわけですから、そういう意味合いで、具体的な、実情に合った対応を現予算の中でも講じられたい。これは郵政省と協議された上でのことになろうかと思いますが、その辺、会長としてのお考えも同時にお聞きをしておきたいと思います。
#178
○川原参考人 我々としてもぜひ全国の大勢の受信者の方に私どもの番組を見ていただきたいという気持ち、変わりございませんし、今御指摘のように、郵政省とも十分に打ち合わせまして、できるだけの努力を続けたいと思います。
#179
○中村(正男)委員 この補助金制度については大臣答弁、会長答弁で、来年以降はこの余地を残す、復活の可能性を含めて我々としては期待をしておるということを最後に要望しておきまして、この件については終わりたいと思います。
 次に、地方放送の重要性とNHKの経営体質の問題について質問したいと思います。
 今月、三月の初めでございますが、兵庫県の芦屋市におきますこれは高級住宅地でございましたが、不幸にも子供が誘拐される事件が発生をいたしました。即刻報道管制がしかれたわけでありますが、幸いにも短時間の間に犯人がトラックにひかれて死亡する、そして子供も無事救出される、こういう事件の結末を見たわけですが、この間約二十四時間、国民はこの報道管制についてかたずをのんで見守っておったわけでございます。三月九日の昼過ぎに、事件が解決をした、こういう第一報が報道されたわけですが、たまたま私、当日本会議がございまして、ずっと昼間、事務室でテレビを見ておりました。
 まず第一報のいわゆるテロップというんですか、あそこに事件解決の報道が、民放から第一報があった。私はそのことをNHKの方に指摘をしますと、いや、わずかな時間差でNHKの第一報が時間的には先でした、こういうお答えを聞いたんですが、少なくともNHKの具体的な報道は当日の昼過ぎ、民放の報道から約二十分ほどおくれておりました。これはもう私、間違いなく見ておりましたが、まずそのことの事実についてNHKにお答えをいただきたいと思います。
#180
○川口参考人 お答え申し上げます。
 報道の担当で調べましたところでは、第一報の入手は各社よりも三十分前後早く、現場撮影等もNHKの終了後各社が駆けつけてまいりました。したがって、これの第一報というのはNHKの方が早いはずでございます。
#181
○中村(正男)委員 いや、私はそのことはお聞きをして申し上げているのですが、事件がこのようにして解決をしたという短いテロップの報道はNHKの方が確かに早かった。ただ、具体的なその事件のてんまつ、いわゆる概要、解決した中身についての報道は、これは民放の方が明らかに早かった。その時間帯、チャンネルを私、切りかえながら、いらいらしながらNHKの具体的な報道を見ておったのですが、二十分、これは明らかにおくれておるわけです。
 これは私、そのことについてきょう論議するわけじゃないわけでして、NHKの経営体質というのは、私は大変中央に情報なり権限が集中をされ過ぎているのではないだろうか、こういう考え方を持つわけです。このおくれた内容については当然、NHKの本部それから近畿放送局との連係のもとにいろいろどういう形で報道していくのか、協議があったのではないか、そういう時間にかなりとられて具体的な報道がおくれたと思うのです。そのこと自体私は、やはり今日の非常に情報化時代、極めてこういった公共放送の速報性、とりわけNHKの持つ社会的な使命というのは、国民は大きく期待をし、見守っておるわけです。
 そういうことを考えますと、もっとこのNHKのそういった放送についての主体的な権限、これを地方局に大幅に委譲をしていかなければならぬのじゃないか。こういうニュース報道的なこともさることながら、今日は地方の時代、いわゆる地方そのものが私やはり文化の原点だと思うわけですから、今までのような中央にすべての情報なり権限を集中させるのではなしに、思い切った地方局に対する分権といいますか責任委譲といいますか、また、そういったことにたえられるあるいはその責務が遂行できるようなそういう体制に予算も人員もしていかなければならぬと思うのです。まずその基本的な、そういう中央から地方局への大幅な権限なりその責任の委譲ということについてお聞きをしたいと思います。
#182
○川口参考人 今からもう三年半ぐらい前になったと思いますけれども、私どももそのことの必要性を非常に痛感しまして、新しいローカル放送の構想、新ローカル放送構想という計画を立てました。その中でやはり特に強調したのは、番組をいかにその土地の、その地域の方々のために編成をするかということでございます。
 したがって現在では、その構想を立てましてから、地方放送局の局長権限で全中をどこでも切ってよろしい、あるいはその土地の状態に応じて地域の放送を先にすることもあり得べしという形で、大幅に権限を地方局長に委譲しております。当然のことながらそのために、例えば東京からの電波がある番組について、その時間見られなくなった、そういう場合は、時間を移してでも編成するような形に指導しております。御趣旨は私どももそのとおりだと思います。
#183
○中村(正男)委員 私は「ローカル放送」という表現が今もって使われておることに対して、何か古い、そんな響きで感じるわけです。むしろもっと新しい地方の時代を象徴するようなイメージに聞こえるような、そんな表現が考えられないものか、そのくらい私は地方を中心にひとつ置きかえていただきたいということを強く指摘をしたいわけですが、それにはやはり予算と人員の配分、これをもっと具体的にその実績でもって示せないことには、ただここで三年前からそういうふうに権限は大幅に地方に委譲していますというふうなお答えだけでは、なかなか実態としてはそれに沿っていけないと思うのです。
 現にこの予算で見てみますと、まあ東京が八割、西日本中心の近畿では二〇%。人員の構成にいたしましても、東京では六千五百人、近畿では千五百人。近畿の一通信部ではございますけれども、神戸の地方通信部を例にとりますと、全体として百五十名おられるわけですが、そのうち、放送関係者は四十名。その四十名をさらに縮小の方向に今中央本部の方から強い指摘がきておるということを私は、地元の方から強くそのことをお聞きしたわけです。
 民放は今日、現場主義、先ほどの子供の誘拐事件のいわゆるニュースの速報性は、明らかにこの民放の現場主義の有利さじゃないか。それに比べてNHKの場合は、まだまだそういう体制になっていない。そうしてきょうの会長の予算書の説明の中でも、二百人の減員体制を進めます、こういう方針が出されておるわけですが、今申し上げましたそのことに対する具体的な予算なり人員についてのお答えは結構であります。ただ言えることは、そのしわ寄せを地方に押しつけるのではなしに、もっとその経営体質の根本的な、とりわけ中央における管理体制の大幅な削減とか、生きた放送ができるような体制維持を、ぜひひとつ二百入減員体制の中で貫いてもらいたい。その辺について会長の御答弁をお願いしたいと思います。
#184
○川原参考人 私どもも地域の放送には今以上に心を用いてまいりたいと思っております。六十年度の事業計画の中でも申し述べましたように、まことに細かいことでございますけれども、従来私ども「ローカル放送」と申していた言葉遣いも変えまして、「地域放送」という言葉を使いまして、かつ予算の中でも、本部関係の経費の増額に比べれば、各地域放送に関する経費の方がより多く私どもとしては心を用いております。
 それから御指摘のとおり、協会全体としてはあくまで効率的な経営に努めてまいらなければならないと思っておりますけれども、その中でも、やはり比較的私ども効率化するゆとりの――ゆとりと言うとおかしいですが、効率化する余地のあるところは、やはり本部なりあるいは地方の中でも、いわゆる昔中央放送局と言っておりました地域にまだ効率化の努力をする余地があるのではないか。むしろ各県に散らばっております第一線の局は、これ以上人を減らしあるいは予算を減らすということは大変難しい状況かと思っております。その中で私どもは全体としての効率化を進めてまいりたいというふうに考えております。
#185
○中村(正男)委員 時間が参りましたので、これで終わります。
#186
○渡辺委員長 阿部未喜男君。
#187
○阿部(未)委員 きょうはNHK、それから通信・放送衛星機構、宇宙開発事業団の皆さんは、お忙しい中を参考人として出席をいただきまして、大変御苦労に存じます。
 先ほど来議論がありました放送法第三条と四十四条とのかかわり合いの関係でございますけれども、郵政大臣並びに川原会長も明確に答弁をされておりますように、放送法四十四条は、放送事業者みずからが守らなければならない規範を定めたものです。放送法の三条は、これは放送事業者以外の者が番組編成に介入したりあるいは規制を加えてはならないということを定めておるわけです。
 ところで問題は、四十四条の規範が守られておるかどうかということについて、国政の最高の機関である国会という場で特定の番組を取り上げて、それが偏向しておるとか偏向していないとかいう議論そのこと自体が、第三条の番組編成の自由を侵すおそれがあるのではないか。ましてや、そこで議論して一つの結論が出るとするならば、それは明らかに番組編成の自由に対する介入であり、支配になってくる。したがってこの問題は、私どもを含めて極めて慎重に取り扱わなければならない問題だ、私はこう考えております。これは私の考えです。会長の何か考えがあるならば、述べてもらいたいと思います。
#188
○川原参考人 大変微妙な問題だと思っておりますが、私どもとしましては、やはり放送法の三条というものが明確に規定していますように、法律に基づく権限に基づく場合でなければ、放送番組というのは干渉、規律を受けないということだと思いますし、一方、国会における御議論、これまた言論の自由という意味では最高に保障されるべきものだ、大変差し出がましいですが、私はそう思っております。その関係で、国会という場における具体的な番組の御議論と、私どもの立場としております表現の自由というものは、非常に微妙な関係が生ずる場合があるであろうというふうに思っております。この点は、ひとつ国会においても慎重に御議論をいただきたいと思います。
#189
○阿部(未)委員 申し上げましたように、我々を含めて国会という場で偏向しておるとか偏向していないとか、そういう議論それ自体が三条の自由を侵すおそれもあるということを、私は特に申し上げておきたいと思います。
 次に、ここ一週間ぐらいの間に放送開始六十周年に寄せて、大新聞が社説でその主張を述べておられます。これはNHKに寄せておるわけでございますが、私は毎日と朝日しか読んでおりませんけれども、その中で特に言論、報道、放送、そして番組の自由は守られなければならないということが強く述べられておりますが、会長、お読みになっておるならば感想をひとつ。
#190
○川原参考人 私も拝見しております。いろいろなそういう同業ジャーナリズムからの指摘を待つまでもなく、私どもとしては一番大事なのは、表現の自由、報道、言論の自由を私どもみずからがきちんと堅持していかなければいけないということだと思いますし、今後ともその趣旨においては、私どももそのような御指摘、全くそのとおりだと思って、私ども自身がみずからをやはり強く戒めてまいりたいというふうに思っております。
#191
○阿部(未)委員 新聞の社説、これは新聞社が命運をかけて書くものなんですが、これは明らかに国民の大きな期待であり、声であるということについて意を用いておいてもらいたいと思います。
 ここで実は私、NHKの昭和六十年度の予算にかかわる大きな問題として、放送衛星の問題に絞ってきょうは質問をさせてもらいたいと思います。
 NHKがBS2a、bを打ち上げるという計画を発表されて、およそ三百六十億程度の予算が必要であろうという発表がありましたときに、私はこの委員会におきまして、これがNHKの財政運営に大きい圧迫を加えることにならないかということを懸念をして質問をいたしました。しかしNHKの方では、この衛星放送によって難視地域の解消はできるし、ニューメディアの開発等を加えて財政的にもかなり明るい見通しがあるがごとき御答弁をいただいたところでございます。これは会議録を見れば明確でございます。
 そして、放送衛星が打ち上げられました。特にことしの一月以降、放送衛星の故障が明らかになるまでは、はしゃぎ過ぎと言ってもいいくらいNHKは、これでNHKのすべての問題が解決するように放送を通じて宣伝をされておったようでございますけれども、不幸にしてこの放送衛星は、実用衛星として機能することなく、今や試験放送を細々とやっておるという状況になっております。この間の責任について、会長はどうお感じになっておりますか。
#192
○川原参考人 私どもとして視聴者からちょうだいしました大切な受信料を使いまして放送衛星というものを計画し、その打ち上げを図ってきたわけでございます。その意味で、この衛星が所期どおりの機能を果たさないで現在、一チャンネルしか機能していないということについては、視聴者に対してその目的が果たせなかったことについてまことに申しわけないと思っております。
 ただ私どもは、非常に長い、長期の計画としてこの衛星放送を考えた場合に、やはり全国の難視聴をすべて地上の設備、手段でもって解消していくとなると、これは膨大な経費を要し、かつ経費をかけてもなお解消できないところが残る可能性もあります。その意味では、この放送衛星というものは、一気に日本全国をカバーするという能力を持っておりますし、さらに加えて、今御指摘のとおり、これは何年か先のことを考えれば、必ず新しいメディアとしていろいろな今まで地上でできなかった放送も可能でございます。
 私ども既にハイビジョンという新しいテレビを開発して、ほとんどもう実用化のめどをつけてまいりましたし、このようなものは地上ではできません。周波数が足りませんので地上の設備では到底できないことで、放送衛星を使えば一チャンネルですぐにでも実用できるくらいまで現在開発を進めてまいりました。こういうものが発展をすれば将来において、私どもの新たなサービスとしてまた受信者からそれ相当の御支援をいただけるような手段になるのではないか、そういう期待を持っておるわけでございます。その辺はひとつ御理解をいただきたいと思っております。
#193
○阿部(未)委員 実は、私どももそう聞いて、そういう期待を持ちながら衛星放送を見守ってまいりました。ですから、故障が発見をされて、A系統、そしてR系統が故障して試験放送に切りかえた時点でも、なお八月の食に入った時期にはあるいはまた機能するのじゃないか、そういう期待も持ってまいったところですけれども、八月の食を経てもA系統並びにR系統はもはや機能することがないだろうと、私は技術的なことはわかりません、わかりませんが、もう今日に至ればそう見なければならない。
 とすれば、膨大な予算を投じて行ったその結果が成功しなかったとすれば、その責任は一体どこにあったのだろうか。その責任の所在を明確にしなければ今、会長もおっしゃるように今後BS2bが打ち上げられます。さらに六十三年には3が予定されております。したがって、言いかえるならば放送衛星は引き続いて打ち上げられていく。しかし故障があったときの責任は一体どこが負うのか。少なくともBS2aの段階においてはその責任の所在は極めて不明確であります。
 今のところこのままで行くならば、三百六十億という金を捨てたようなことになりかねない。恐らく会長は、いやこれからまだ2bを上げますとおっしゃるでしょう。2bが成功するという保証が一体どこにあるのか、さらに3が成功するという保証が一体どこにあるのか。それを考えるときに、2aの故障の責任の所在、責任はだれが負うべきものなのか、それを明らかにしなければ私どもは視聴者の側に立って、今後膨大な何百億という予算をこの放送衛星に投じていくというそういう予算を審議するわけにはまいらない。そこで私は、今からこの間の責任について少し明確にしておきたいと思うのです。
 まず、経過を追って申し上げます。
 NHKがこの放送衛星の設計、製作、打ち上げ、使用について、これを通信・放送衛星機構に委託したのは昭和五十六年一月二十三日。衛星機構がさらに宇宙開発事業団にこの設計、製作、打ち上げを委託したのは五十六年二月十日、この間約二週間。そして宇宙開発事業団が東芝に衛星本体を発注したのが五十六年二月十九日、この間わずかに九日間。そしてこれが東芝の手によってさらにGEを通じて衛星本体の発注、製作が行われた、これが大体機械の発注の経過になっておるようでございます。
 二点目に、では、故障はどうして起きたかという経過を調べてみますと、五十八年十二月十五日に宇宙開発事業団が東芝から衛星本体を受け取っておる、いわゆる所有権の移転を行っております。そして五十九年一月二十三日にこれを打ち上げた。打ち上げてから九十日後に通信・放送衛星機構が引き渡しを受ける。そしてそれが、期日の定めはないがさらにNHKに引き渡される、大体こういう約束になっておったようでございます。
 ところが、一月二十三日に打ち上げて、九十日だたない三月二十三日には既にA系統の故障が発見をされております。これは九十日の引き渡し期間の前に行われた発見であります。そして四月十一日には明らかに、部外に対してA系統が故障であるということが発表されておる。にもかかわらず四月二十一日に、この明らかに一つの系統が故障しておる衛星を通信・放送衛星機構が受領し、しかも不思議なことに同じ時刻にNHKがこれを受領しておるのです。間違いなくそうなっておるようです。そしてさらに引き渡しを受けた後五月三日に、R系統が故障しておることが発見をされた。二つの発信が不可能になればこれは実用衛星としての機能をしないので、そこでよんどころなく五月十二日からNHKが一波のみで試験放送を開始した、これが機械の動きです。
 それから三つ目、お金の支払い。これはBS2a、2bを通じて契約をして、NHKが五十五年度中に八億三千万、五十六年四十九億一千万、五十七年八十億四千万、五十八年九十億、五十九年百一億五千万、そして残りが、来年度の予算が成立すれば来年度、六十年度中に三十五億二千万が支払われる、これが経費の受け渡しをする約定になっておるようでございます。
 さらに保険の問題があります。保険については、五十八年の十一月十日に打ち上げ保険に加入をして契約しております。しかし、いわゆる引き渡しを受けた後の寿命保険については、これはNHK独自で加入をするということで、五十九年の三月中に契約をすべく寿命保険について折衝を重ねておりましたけれども、この契約寸前、四月六日に至って保険会社から見直しの申し出が行われております。これは私の想像ですけれども、恐らく三月二十三日に異常が発見をされたから、寿命保険について保険会社は契約を見合わせたんだ、そういうふうに考えるのですが、この機械の発注の動き、契約並びに経費の支払い及び保険の契約等について私が申し上げたことに間違いがあるかどうか、答えてください。
#194
○林参考人 お答え申し上げます。
 BS2の設計、製作、打ち上げにつきましての委託以降の経過につきましては、ただいま先生から御指摘のあったとおりでございます。
#195
○阿部(未)委員 そこでこれは当然、責任を明確にするためには、NHKから通信・放送衛星機構に対して委託をする、その委託の際には、委託に伴う契約というものが明確になっておるはずでございます。さらに機構は事業団にこれを委託する、当然機構と事業団との間には契約なり協定があるはずでございます。さらに事業団は衛星本体について東芝に発注をする、その間には明らかに発注にかかわる契約があるはずでございますが、私は今のところ、NHKと機構の間の協定並びに機構と事業団との協定については知ることができました。
 ただ残念なのは、一番大切な最後の受注契約について、事業団からその契約の内容を見せてもらうことができませんが、これは郵政大臣、見せてもらえますかどうですか、監督官庁として。
#196
○左藤国務大臣 これは非常に私契約的な問題でもありますし、また、監督官庁としてそこまで入るのがいいのかどうか非常に問題だと思いますので、私は問題がある、こう考えております。
#197
○阿部(未)委員 科学技術庁長官お見えですか。――政務次官どうですか。
#198
○内藤政府委員 ただいま郵政大臣が答えましたとおりでございます。
#199
○阿部(未)委員 郵政大臣、問題があるだけでは、視聴者としてもあるいは国のお金をつぎ込んだ国民としても、これは納得ができません。いやしくも半ば公的な宇宙開発の事業に携わる事業団が東芝に対して衛星の本体を発注した、その内容はこういうものでございますというのがわからないと、引き続いて今後もやるのですよ、どんどん金をつぎ込んでいくのに、契約内容もわからないような契約をするところに委託をされたのでは、我々受信者国民の側から納得することができません。ましてや国会という最高の機関に対して、事業団が一企業の秘密を守るために契約の内容が明らかにされないなどということでは、これは国会の権威にもかかわる問題ですから、それが出ない限り私は質問することができません。
#200
○左藤国務大臣 今申しましたように、事業団と東芝との契約はあくまで私契約であるということでございますから、一般的な慣行から見ますと、両者の合意がない限り契約書は公開できないんじゃないか、私こういうふうに思います。しかし、今お話がございましたようなNHKの予算にも直接関連する非常に重大な問題でもございますので、契約書の内容について私は事業団、東芝両者に、特に事業団に対しまして、十分説明できるようなことで郵政省としても指導したい、このように考えております。
#201
○阿部(未)委員 それではだめなんですよ。私契約とおっしゃいましたが、私ども調べておりませんけれども、例えば事業団の契約内容について会計検査院は調査をすることができますか、できませんか。
#202
○岩崎参考人 お答え申し上げます。
 会計検査院にはお渡しはいたしませんけれども、検査の際にごらんになることはございます。
#203
○阿部(未)委員 郵政大臣、私契約を会計検査院が見る権限があるのですか、そんなでたらめなことではいかぬですよ。私契約なら会計検査院は見る権限はないはずです。
#204
○岩崎参考人 国の支出について検査をするということで、その限りにおいて検査の際に見られることがあるということでございます。
#205
○阿部(未)委員 したがって、会計検査院が検査をする対象になり得るということは、私契約ではないということなんですよ。あなた勉強しておって偉いのだから、これが私契約ですか、私は私契約ではないと思うのです。まして、今申し上げたようにその金の性格から考えても、貴重な受信料、三百六十四億五千万、さらに国の財政から六百十億という金をつぎ込んでやらせておる事業ですよ。その事業が、注文した内容を国民の前に明らかにされない、それだったら国民は金を出しませんよ、僕ら。受信料をそこに持っていくわけにいきませんよ。
 ところが、この予算が通れば受信料を持っていくことになるんだ。だから私は、重大な関係があると申し上げましたが、その内容が示されない限り、質問しようにもしようがありません、責任の所在が明らかにならないのですから。その契約の内容を見て初めて、どこに責任があるか、責任の所在が明確になり、今後の対応もできようというものであって、それが明らかにならない限り、私は審議のしようがないのですよ。ここで私はやめますから、ちゃんと協議してください。
#206
○奥山政府委員 最初に、私契約かどうかということで、若干理屈っぽくなって先生に大変恐縮でございますが、その点から釈明させていただきたいと思います。
 確かに国の支出を伴うものでございますけれども、例えば郵便貯金の利子の支払いが国の支出を伴うけれども、郵便貯金預金者との関係は私契約であるということと同様な意味におきまして、相手方の方との関係においては私契約でございます。したがいまして、国権の最高機関でございます国会の御審議を、私契約であるがゆえに阻害をするようなことがあってはならないだろうと思います。その意味におきまして、今回の場合は突き詰めていきますと、いわゆる提出することによる国会の御審議に資する法益といいましょうか、国家としての法益と、それから資料の提出をいまだなされていないという両当事者間の側における法益との比較の問題になるだろうと思います。
 しかしながら、私どもが事実問題として考えます場合には、先生がたびたび御指摘になっておりますように、これだけ大きな国民の関心事でございますし、当委員会におきましても、たびたびこの問題につきまして御議論をいただいている重大な問題であることは事実でございます。したがいまして、両当事者におかれましては、そういう重大な問題であるということを念頭に置いて、少なくとも逓信委員会における審議に支障を来すことのないような形での契約内容についての十分な説明がなされるべきであろうというふうに考えます。
#207
○阿部(未)委員 あなたも政府委員で登録されていますから、あなたが言うことを疑うわけじゃないけれども、口頭であるとかその他でこれをいろいろ言われたって、なかなか本気になれないのですよ。
 ちょっと一例をとりますが、例えば放送衛星2aのA系統の故障が明らかになった。しかし、BとRは事業団がNHKに絶対に大丈夫だと言ったので、NHKは受け取った。これは朝日新聞が間違うていれば別ですよ、朝日新聞でそうNHKが言ったと。あなたが言ったかだれが言ったか知らぬけれども、しかしこれは水かけ論であって、今になって事業団がそう言いましたとか言いませんでしたということを言ったって、どうしようもないでしょう。
 ですから、明確な文書によって確認をしておかなければ責任の所在が明らかにならない。そこで私はきょうの質問に差し支えがないように、かねてから数次にわたって、その契約書の写しを出してもらいたいということを強く要請してきたけれども、今日この時点に至るまで出されていないのです。今あなたがおっしゃるように、そういう大事なことだから、両者が協議をして御理解がいくようにとおっしゃるけれども、今日この時点までその行為がなされていなければ、私は質問のしようがないでしょう。ここになってそんなことをおっしゃられたって、まだ出ていないのですよ。出ていないものに、私が質問するわけにいかぬでしょう。あなたどう考えますか。
#208
○奥山政府委員 先生から事業団の方にたびたびそのような御指摘があったにもかかわらず、いまだにその内容が明らかにされていないといたしますと、大変残念でございますし、また、事業団を監督しております私どもの立場としても、おわび申し上げなければならないと思います。
 いずれにいたしましても、先生の御審議に資するような形での契約の内容は十分説明できるように事業団には要請をしたいと思います。
#209
○阿部(未)委員 それが出てくるまで待っておりますから……。今突然私が言い出したんじゃないですから、委員長。前もって言ってあるんだから、それが出てくるまで待ちます。
#210
○大澤参考人 理事長の大澤でございますが、先生にはどうも大変御心配をかけて申しわけないのでございますが、私ども私企業との間の契約につきましては、これは日本でも衛星メーカーが幾つかございまして、お互いに競争相手というようなことがあるものでございますので、本件の契約相手であります東芝に対しまして、契約を出すということにつきまして御相談をいたしましたのですが、そういう業界仲間のようなこともあるのだろうと存じます。そういう状況でございますものですから、私ども契約の相手方の同意が得られてないものでございますので、お出しをすることに関してためらってきておるものでございますが、なお本日委員会で御審議がありましたことをあれいたしまして、企業との間で努力をさせていただきたい、こう思っております。
#211
○阿部(未)委員 私はその資料が出るまでここで質問を待っておりますから……。きょう突然言い出したわけではないのです。ずっと前から、それがなければ私は質問ができませんよと。NHKのお金を、どんな契約をしたかわからぬようなところにどんどんほうり出されたらかないません、受信者の立場に立って。だから、個人的に議員としてお願いしてもだめならしようがないから、ここの場でお願いする以外にないから、出てくるまで待って、出てきたらそれを見た上で質問を続行します。出るまで待っておりますから……。
#212
○渡辺委員長 阿部委員に申し上げますが、大変に重大な問題でもございますし、追って理事会で御協議をいただくとして、ひとつ審議の方を続行をお願いしたいと思います。
#213
○阿部(未)委員 それは無理ですよ。さっきからるる申し上げておりますように、それで審議ができるなら、私はこんな無理を言って出してくれなんか言わないのですよ。これからずっと引き続いて膨大な予算をつぎ込んでいくんですよ。しかも、失敗があったときの責任をだれがとるのか、明らかにならない。そういうお金を受信者からどんどん受信料だといって取り上げてほうり込むわけにいかぬのです。
 契約の内容はこうなっております、責任はここにあります、したがって今後はこういうふうな責任の体制で臨みます、それが出てこなくて、注文をした内容も知らせられませんというようなことで、この予算の審議をしようったって、それはしようがないでしょう。せっかくの委員長のお言葉ですが、残念ながらそれは申しわけないが、待たしてもらいます。
#214
○岩崎参考人 先ほど来お話がございましたように、契約書そのものにつきましては、東芝の同意が得られておりませんので、そこまではあれでございますけれども、まず東芝との製造請負契約書の概要をお出しをさせていただきまして、あとは内容につきまして十分御説明をさせていただく、そのようなことでよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#215
○阿部(未)委員 私は内容を全然知らぬわけじゃないのですよ。ただ、国会という権威ある場所に対して、企業の秘密は守るが、受信者、視聴者の立場は考えずに、どんな契約をしたかも知らせられません、こう言って金だけは取り上げるという、その姿勢が納得できないのですよ。
 郵政大臣、大体最近、政府は連帯の責任ですが、資料を出さないということが流行しておるのですよ。国会へ資料要求をしても、何とかかんとか言って出さない。例えば個人のプライバシーの問題があるとか、これらの場合がないとは言いません。この場合は明らかに、受信料を納めておる国民、税金を納めておる国民の利益を守る立場に立って契約をしておるのか、企業の利益を守るために契約をしておるのか、その内容も明らかにされずに審議をしろと言われたって、それはできません。
 大事なのは、そういう契約をする場合に隠しておかなければならない契約はすべきでない、それが私は基本にあるんですよ。そのことをちゃんと明確にして間違いなく出すと約束するならば、私はきょう質問そのものはとめようという気はないんですよ。しかしその姿勢が明らかにならなくて、東芝の了解を得なければ、企業の利益は守らなければ、視聴者がどうなろうと、国民の税金がどう使われようと構いませんというその姿勢に対しては、絶対に納得することはできません。
#216
○奥山政府委員 繰り返しになって大変恐縮でございますが、やはりそれぞれの立場の法益というものがあるだろうと思いますが、やはりそれらの調和というところに帰するのだろうと思います。したがいまして、事業団も今、先生の御質問にお答え申し上げまして、そのものは出せないけれども、先生の御審議に資するに必要な資料をお出しし、足りない分は口頭で説明するということを申し上げておりますので、そのような形での収束をひとつお願い申し上げたいと思います。
#217
○阿部(未)委員 それではだめだと私は言っているんですよ。私がそのことを頼んだときに事業団が来たんですよ。今あなたがおっしゃるようなものを、概要を持ってきたんですよ。その概要の中に、まず契約の金額はわからない、納入物品については仕様書による、仕様書は出さない、それなら一体事業団は東芝から何を買うんですか。仕様書は出さない、納入物品は仕様書で定める、金額は言わない、そんなものは幾ら見せられたってだめなんです。だから原本をちゃんと出しなさいと言うんです。
#218
○渡辺委員長 暫時休憩いたします。
    午後二時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時七分開議
#219
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 阿部委員の質疑に対しまして、大澤理事長から答弁を求めます。
#220
○大澤参考人 お答え申し上げます。
 契約書の内容、これは契約金額、仕様の骨子等を含めまして、契約書の内容を明日じゅうに委員長を通じまして御提出申し上げたいと存じます。
#221
○阿部(未)委員 それは委員長責任に、なりますが、それでは私が必要なものはすべて出してもらえる、そう理解していいですね。
#222
○渡辺委員長 はい。
#223
○阿部(未)委員 はい、わかりました。それでは質疑を続行いたします。
 大臣、今随分協議をされたようでございますが、特に私は大臣に、内閣は連帯の責任を負うという意味から一言お願いしておきたいのですが、最近国会に対する資料提出の要求に対して、いろいろな理屈をつけて資料を出すことを快しとしない姿勢がしばしば見受けられます。私はやはり国会は何といっても、国民を代表する国政の最高の機関ですから、ここには要求があれば必要な資料を進んで提出をするようにぜひ内閣の方でも十分御検討願いたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
#224
○左藤国務大臣 国会の御審議に対しまして、あとう限りの資料提出というものを努力をしなければならない、私はこのように考えますので、今の御趣旨の点につきましても、内閣の方にその点について十分申し入れをしたいと思います。
#225
○阿部(未)委員 委員長、大体国会の審議が法案を上げることを目的としておって、審議をすることを目的としていないでけしからぬと思うけれども、理事会で決めてきたんだからしようがないけれども、会長、私は仮に今NHKの予算案が年度内に上がらなかったと仮定をしても、確かに日切れ法案です、四月一日から新しい年度の予算で執行するのですから日切れ法案ですけれども、しかし日が切れたからといって、そのときの措置はちゃんと放送法に定められております。郵政大臣の認可を得て三カ月間はずっと運用できるようになっておるのですから、今予算案を早く上げる、年度内に上げるということよりも、今後NHKがやっていく放送衛星について、だれがどこでどういう責任を持つのか、そのことを決めることの方が僕は大事だと思っているのですよ。
 ところが大体、NHKを初めとして関係の皆さんが予算を通すことばかりを重点にして、審議をすることを少しも重点としていない、これは極めて遺憾ですよ。しかし、理事会で決まったというのですから、私はそこまで反対しませんが、これはやはり委員長も少し考えてくださいよ。けしからぬですよ。
 それでは、引き続いて聞きますが、NHKと通信・放送衛星機構は、協定の二十条によりまして「機構の責任に帰すべき事由によりNHKに損害を与えた場合は、NHKに対しては損害賠償の責めに任ずるものとする」、こうなっておりますから、まず第一義的には、NHKはきずものを受け取って、しかも支障が出たわけですから、この責任について機構に求償するべきであると思うが、どうですか。
#226
○林参考人 ただいま先生の御指摘のとおり、NHKと機構との間におきます協定におきましては、機構の責めに帰すべき事由により損害を与えた場合には、機構に損害賠償の請求をすることができるということになっております。ただしその中には、事業団の責めに帰すべき事由に基づく場合にはその範囲によるというような形になっておるわけでございます。
 BS2aの故障によりまして、当初予定した二チャンネルのテレビジョン放送がまだできない状況でございまして、私どもとしてはまことに遺憾と考えておるわけでございます。
 ただ、この契約につきましては、NHKから機構に対し委託し、機構がその業務の一部を行うということになっておるわけでございまして……(阿部(未)委員「もうそういうことはわかっているのだ、求償するかしないか、それだけ」と呼ぶ)その故障の原因の究明が現在なお途上にありまして、その結論がまだ明確には得られてない状況と聞いておりますので、その故障の原因の究明いかんの結果を待ちまして改めて考えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 ただ、NHKといたしましては、あくまでも宇宙開発事業団とメーカーとの間の製作の委託によりましてでき上がっておる星、衛星でございますので、協会といたしましては、故意あるいは重大な過失を立証するというのは、NHKの立場としては困難というふうに考えておりまして、したがいまして損害賠償の件につきましては、まず宇宙開発事業団がメーカーに対してこれを要求するということが、一義的にはやはり必要なのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#227
○阿部(未)委員 それは一切補償の責任がないということを意味しているのです。事業団は東芝に対して、故意または重大な過失がない場合には、これは責任を問わない、さらに、引き取ってから一年、または打ち上げの日をもってこれは責任がなくなる、こうなっておるから、この事業団は東芝に求償できない、これはもう契約でそうなっておる。
 ところで、その事業団と機構との間の契約を見ると、これは相互に補償しないという約束になっているのですよ。故意によらざる場合は補償しないとなっている、これはちゃんと。だから、どのような過失が仮に事業団にあったとしても、故意でない限り機構は事業団に求償できない、こういう契約になっていますね。それをあなた、原因がわかれば求償しますと言うけれども、求償できっこないじゃないですか。あの事業団と機構の間の契約をあなた、見たことがあるのですか。これは事業団と機構、あの契約で、補償できるかできぬか、故意以外の場合に補償ができるかできぬか、契約の内容について明確にしなさい。
#228
○大竹参考人 機構でございます。
 どんな場合に機構が事業団に対して求償できるのかという点でございますけれども、これは機構と事業団間の協定によりまして、次のような二つのケースについて定められております。一つは、打ち上げ時前、打ち上げ時前と申しますのは……(阿部(未)委員「もうそれはわかっているのだ、打ち上げより後だよ」と呼ぶ)はい。打ち上げ後のことにつきましては、損害をこうむった場合において、事業団側に故意があるときに限って求償できるというふうになっております。
#229
○阿部(未)委員 それはそうだ。事業団と機構の間で、双方に故意がない限り、故意のあった場合を除いては、双方求償できないとなっている。これはわざと事故を起こすのはないでしょうし、また仮に故意があったとしても、これを立証することは極めて困難です。ということは、事業団と機構の間には双方に損害賠償の責任はない、こう取り決めているのですよ。にもかかわらずNHKは、原因がわかれば求償しますと言うのだよ。求償したってしようがないでしょう。できっこないでしょう。会長、あなたできると思っているのですか、本当に。
#230
○林参考人 先ほどお答えいたしましたお答えが若干不足しておったろうかというように思いますので、補足させていただきたいと思います。
 ただいま先生から御指摘のとおり、NHKと機構、機構とNASDAとの間に、それぞれ損害賠償等の責任についての契約の取り交わしがありまして、その点につきまして、打ち上げ後につきましては、機構とNASDAとの間の契約につきまして、故意に限るというような条項もあることも私ども伺っておるところでございますが、今回のBS2aの故障発生にかんがみまして、今後のBS2bの打ち上げに関しまして、NHKと機構との間、また機構におきましては宇宙開発事業団との間にも、いろいろそれらの点についての確認をいたしたところでございます。
 その結果、打ち上げ後に発見されましたBS2の異常につきまして、原因究明の結果、メーカーの故意または重大な過失による瑕疵であることが判明した場合は、事業団は損害賠償等の請求権を適切に行使するというような形で、NHKの方から機構、機構の方から事業団の方に対しましても、そのようなことで、三者の何といいますか、確認というような形で取り交わしをいたしたところでございます。
#231
○阿部(未)委員 確かに事業団とそれから東芝の間には、瑕疵任の関係がうたわれています。それでもしかし、この条文を見る眠り、どうもいずれか早い方で瑕疵責任が終わるのです。もう瑕疵責任は終わっているのですよ。瑕疵責任は打ち上げまでなんです。そうすると、これが求償できないことは明らかなんです。あと残るのは何かというと、故意または重大な過失、これしか残らないのです。ところが、例えば物品を納めた東芝が、私の方の故意でやりましたとか重大な過失がありましたと言うわけがない。立証することは困難ですよ。この条文による限り、今やNHKはどこにも求償できないというのが事実です。
 ただ、もしでき得るとするならば、このNHKと機構の間に結んだ「前項により求償し得ない損害をてん補するため、国の施策の実現を関係機関に働きかけるよう努めるものとする。」残るのはこれだけなんです。だからこのまま進んでいけば、既に契約をしておるBS2a、2bについては、NHKは金を払う、使えなくてもそれで終わりだ、後は国が補てんしてくれるかしてくれないか、これが残るだけなんです。
 ところが機構は、国に補てんしてもらえるような自信があるのですか。機構は上前をはねるだけで、これをやってもらえる自信があるのかどうか、ちょっと聞かせてください。
#232
○斎藤参考人 機構としましては、NHKと協力してできるだけその条項が生きるように協力したいと思います。
#233
○阿部(未)委員 さすがせっかくつくったかいがあった。機構がこの補てんについては鋭意努力をしてくれるそうですが、それ以外にこれは失敗があっても、今の契約条項でいくならば補てんをすることはできない。
 しかも、事業団の方が見えておるから念のために申し上げておきますが、不幸にして東芝との契約の内容はまだ今この時点で明らかになりませんけれども、私が仄聞するところでは、あの衛星を買う金は当初二百一億ぐらいで契約している。その後契約の何度かの修正を行って、最終的には二百六十億ぐらいの金を払っておるはずなんです。そういう内容が私は全然わからないのです。わからないからさっきこのことを強く要求したのですけれども、これはNHKが知っておるか知っておらぬか知らないけれども、あの衛星本体を買う当初の契約は二百一億、その後修正して二百六十億、六十億という上積みをしていった。その金は一体どこから出たのかと私は不思議でならないのです。六百十億の中で隠し金があったのか何かこれはわからない。わからないけれども、きょうこれを追及する時間はないでしょう。
 だから、極めて不満の中にNHKの予算を認めなければならぬという結果になってくるのです。一体これで受信者国民が納得できるでしょうか。私はNHKの姿勢そのものにも、たとえ暫定の予算を組んでもその責任の所在を明確にし、これから打ち上げられるBS2bについても、さらにはBS3についても、その責任の所在を明確にしながら、こういう場合にはこういう責任をとってもらいます、こういう場合はこうなりますということが明確にならずしてこの予算を認めれば、このままずるずるとまたいってしまって、まかり間違えば受信者にまたBS3の場合には三百六十億の負担をかける、それで一体受信者が黙って受信料を納めるでしょうか。会長、あなたはどうお考えになりますか。
#234
○川原参考人 衛星の問題につきましては、2aの事故以後、いろいろ各方面からの批判、御指摘をいただいております。私どもとしても、これまでの仕事がすべて完全無欠であったなどとは毛頭考えておりませんので、この2aの事故とそれに伴います各方面の御批判は十分に肝に銘じまして、これから先の2bの打ち上げ、さらに3の契約の問題については、最大限の視聴者の利益といいますか、また私ども自身の立場でもございますけれども、それを守り得るような形での努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#235
○阿部(未)委員 会長、それを守ってもらうためには、BS2aの故障、その原因がどこにあり、原因は機械的なものでしょう、責任がどこにあるのか、その責任の所在が明確にならないままに進んでいったら、これは保険だって今の状況では掛けられそうにありませんよ。今保険会社と事業団とNHKがわざわざアメリカやイギリスに人を派遣して、何とか保険に入らせてくださいと言って一生懸命懇願しておるでしょう。これは新聞に出ておるから間違いないですよ。懇願せねば入れぬような保険なんです。それほど難しい保険にそう簡単に入れると私は思っていない。ましてや事故があった場合の責任が、既に起こっておる事故についてその責任さえわからないものが、これから起こる事故についてだれが責任を負うのか。それでもあなたはこの予算を遂行して金を払ってBS3に向けて進めていくのですか、どうですか。
#236
○川原参考人 日本における宇宙開発の問題どこれを利用する者と、立場においては大変難しい問題があることはもう御指摘のとおりでございます。国の宇宙開発との整合性の中で私どもが仕事を進めていく大変困難な問題があることは御指摘のとおりですけれども、しかしなお私どもとしては、その間いろいろな御指摘いただきましたことを十分に考えまして、しかしこの放送衛星の持つ将来への可能性というものにつきましては、やはり希望を持って仕事を進めてまいりたいというふうに考えております。
#237
○阿部(未)委員 私は、会長のお持ちになっておる理想といいますか信念といいますか、衛星にかける執念といいますか、そのことを決して否定するものではありませんし、そうあってほしいと思っております。しかしもし間違いがあったときに、今度のような事故が起こったときに、だれが責任をとるかさえわからないままに進めていくのですか。私はこのことを明確にして、こういう場合にはこうなりますということを視聴者の皆さんに理解を訴えてこそやれることじゃないのか。責任もわからないまま進めていくのか。
 ちょっとさっき冗談を言いましたが、私はNHKに膨大な予算をかけてまで宇宙開発をやってもらいたいと思ってないのですよ。それでなくても非常に苦しいNHKの財政の中で、NHKみずからが宇宙開発をやるのだというような意気込みに燃えて膨大な予算を投じてもらっては困るのです。宇宙開発は国策として、科学技術庁を中心に宇宙開発事業団をつくってやっているのです。宇宙開発はそっちに任せて、間違いがない時点で放送衛星を利用する、NHKはユーザーとして、それで結構じゃないですか。何も先走りして、自分のところがリスクを背負ってまで衛星をやらなければならないことはないでしょう。
 しかし、やりかければとまらないのですよ。仮にBS2bがうまくいったとします。そうすると、今度六十三年はやらなければならないのです、もうとめるわけにいかぬから。では、六十三年のBS3が絶対に事故が起こらぬという保証はないのですよ。その場合にどうなるのかさえ見通しがつかないまま進めておいでになるのですか。熱意はわかります。お考えは立派です。しかし、その責任はあなたがかぶるわけにいかぬのですよ。視聴者にかぶせなければならないのですよ。だから非常に危険なんです。そこのところが、責任が明確になるまではこの計画を中止されて、責任を明確にした上でお取り組みになってはいかがですか。それなら私は予算を認めます。どうです。
#238
○川原参考人 私どもが宇宙開発を、そのこと自体をNHKの責任においてやろう、そのようなことはもちろん考えておりません。あくまで宇宙の開発というのは我が国においては国の施策でもございますし、また、これは非常に多くの科学技術の成果を投入していかなければならないものだということはよくわかっております。
 しかし、その中においてなお私どもは、今新しい技術の進歩、さらにニューメディアの進展の中で、この放送衛星というものはNHKの任務としても一日も早く実用に供するように実現を図りたい、また、その可能性は十分にあるという判断のもとに今日まで進めてまいりましたし、これから先の仕事の進め方については、国会を初め各方面からちょうだいしました意見を、できるだけ私どもは各関係の方面と協力いたしまして、視聴者に対して迷惑をかけないような形でこれは実現をしてまいりたいというふうに考えております。
#239
○阿部(未)委員 今までも努力しなかったとか誠意がなかったとか、そういうことを私は考えておらないのですよ。確かに可能性があったし、だからこそ私は、八月の食のときまで何とかうまく動いてくれればいいと思って待っておったけれども、もうこれはどうしようもないだろう、こういう事態になった。
 そこで、今までの責任をこの辺で明確にして、今後仮にこういう事故があっても視聴者に対しての財政的な負担はかけぬで済みます、そういう見通しが立たないまま、NHKがまるで開発事業をやらなければならぬような錯覚にとらわれて、それだったら、何も科学技術庁が宇宙開発をやることもなければ、宇宙開発事業団なんかつくって膨大な金を出す必要もない。放送衛星に関する限り全部NHKにお任せすればいいのです。そうはいかないのです、それが国策なんですから。
 ならば、NHKが進んでリスクを背負ってまでおやりにならなくても、もう少し静観して、そしてこれなら大体間違いがない、ないしは、国の政策として立派なものが打ち上がったものをNHKが利用する、これなら間違いないでしょう。その場合、幾らか高くなるかもわかりません。しかしそれだって、三百六十億の欠損に比べればそう大きい額にならぬと私は思っております。
 時間がないようですが、決して私、この問題については、きょうこれで納得したわけではございません。次にNHKの決算がありましょうから、そこでさらに明確にさせてもらう。NHKや機構、事業団も、今回の責任がどこにあるのか、だれがその急所の責めを負うべきものなのか、特に機構についてはさっき、政府の方にも頼んで何とか補てんをするように努力をしたいというお話もありましたから、そういう問題を含めて、NHK決算までに明確に配慮をするということを期待をして、後の人が待っておるようですから、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
#240
○渡辺委員長 谷垣禎一君。
#241
○谷垣委員 自由民主党の谷垣禎一でございます。当委員会で質問をさせていただくのは初めてでございますので、不行き届きの点は御容赦をいただきたいと存じます。
 私は、六十年度のNHK予算についてはこれを了承するということを前提といたしまして、時間の制限がございますので、受信料の点に絞って基本的な問題点を御質問いたしたいと思います。
 NHKの財政は九七%まで受信料に負っているわけでございますから、この受信料というものをどういうふうにつかんでいくかということは、NHKの性格をとらえる上で甚だ重要なことであろうと存じます。
 受信料は、放送法によりまして、受信装置を備えた者は受信契約の締結を義務づけている、これはある意味で極めて特殊な制度であるように思います。
 個人的な経験で恐縮でございますが、私の学生時代の友人で、自分はNHKの受信料を払わぬという男がおりました。その理屈は、本来契約というのは自由であるべきなのに、契約締結を義務づけるなんというのは契約自由の原則に反していて甚だけしからぬ、憲法違反ではないか、こういう理屈でございました。もちろん、学生の理屈でございますから、かなり粗雑なものでございますけれども、当時の私はそれに対して有効に反論することができませんでした。ただ、そうは言うけれども、NHKというのは、民放に比べてもいろいろ長所があるし、日本の放送文化の発展に大変尽くしているんじゃないかというような実体論から反論をしたことを記憶いたしております。
 こういう議論がはびこりますと、受信料制度というものは大変ぐあいが悪くなってくるのではないか、こういう気がするわけでございます。もちろん、いろいろな法制度を見回しますと、契約自由の原則というのは、そのとおり貫徹されているわけではありませんで、いろいろな制度の中で契約自由原則の変容といいますか、制限というものが見られるのは事実でございます。なぜ契約の自由の原則が変更ないし制限されるのかというのは、それぞれの場合においていろいろな理由があると思いますが、NHKの場合には、やはり公共放送といいますか、公共性というものに着目をしない限りは、この特殊な制度というものを十分理解できないのではないか、このように考えるわけでございます。
 そこで、最初にお伺いしたいわけですが、NHKは公共放送と言われる、その公共性というのは一体どういうふうに理解したらいいのか、極めて基本的なことでございますが、御答弁をお願いいたします。
#242
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 NHKの公共性でございますが、NHKが「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的」として設立されました法人である、そういうところからこの公共性というのが来ているのではないかと考えておるところでございます。
 具体的に法律の面でどういう規定があるかということでございますが、第九条の四項に「あまねく全国において受信できるように措置をしなければならない。」という規定がございますし、また、第四十四条には、国内放送の実施に当たっては、「公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するように、最大限の努力」を払わなければならないということが規定されてございます。また、第九条の一項の二号あるいは第五項におきまして、「放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究」をNHKは行う、この「成果は、できる限り一般の利用に供しなければならない。」こういうようないろんな規定がございます。こういう規定がいわゆる公共性をあらわしているのではないか、そのように考えておる次第でございます。
#243
○谷垣委員 先ほど来NHKの問題に関しまして、報道の自由といいますか表現の自由ということでいろいろ議論がございました。私、これはなかなかデリケートな議論であるなと思って聞いておりましたが、会長の御答弁の中に、NHKは放送法三条によって自由を持っている、しかし国会の方も、これは国権の最高機関として言論の自由は最大限に尊重されなければいけない、その二つの調和が問題であるというような御答弁があったと記憶いたしております。しかし、我々の持っている、NHKのいろんな番組に対して我々がどう議論できるか、国会でどう議論できるかというそのとらえ方が、会長の御答弁を聞いておりまして私、若干違うところがあるんじゃないかなという気がいたしました。
 それは、確かに国権の最高機関が自由に議論をしなければいけないのはもとよりでございますけれども、NHKは受信料によって支えられている、そして視聴者は受信料の契約を拒めない、ということは、法的には、おれはNHKの放送は嫌だから払わぬということはできぬということを意味していると思うのです。ほかの民間放送であれば、こういう放送は嫌だと思えば、スポンサーは広告料を払わぬ、そういう番組のスポンサーにならぬということができるわけですが、NHKの場合にはそういうことができない。そのかわりに、私どもが予算や何かをいろいろ議論さしていただいて、その中で国民の代表としていろいろ議論を申し上げる。だからそこのところに、単に国権の最高機関だから我々が議論できるということではなくて、受信料の性格の中に一つ我々がいろいろ議論をできる根拠が潜んでいるのではなかろうか、こういう感じがするわけでございます。
 ただ、NHKのその表現の自由、報道の自由というのはもちろん、最大限に尊重されなければなりませんし、先ほど会長が議論の中で言及されておりました取材源秘匿の自由、こういうものは言論機関、報道機関としてのNHKの死命を制するものでございますから、私どもがこういう場所でいろいろ議論をさしていただく場合にも、NHKのそういった報道機関としての性格をもう十分考えて慎重に行使をしなければいかぬ、こういうことではなかろうかと考えるのですが、会長の御見解を伺いたいと思います。
#244
○川原参考人 私どもが表現の自由ということを何よりも大事にいたしておりますのは、もちろん放送法にそのような定めがあることもそのとおりでございますけれども、それ以上に、報道、言論あるいは表現の自由というのは、やはり自由な民主主義社会をつくり上げ、育てるための絶対の条件だと私は思っております。したがいまして、これはNHKのみならず、すべてのジャーナリズムといいますか、あるいは表現の自由を旨としております各種の芸術活動を含めまして文化活動全般に通ずる原則であろうと私は思います。なおその上、放送事業につきましては、特に放送法におきまして、その第三条のような規定が定められているというふうに受け取っております。
 かつまた、国会における言論の自由というものは、これは先ほど申しましたように、私あえてそのようなことに口出しをすべき立場にはございませんけれども。私の個人的意見としましても、これまた最大限に保障されるべき、民主主義国家を成立させるための第一の条件だろうと思っております。
 ただ、そういう政治に対して大変な影響力をお持ちの場で、具体的なニュース報道あるいは番組の内容、あるいは場合によって芸術の表現等について御異論がある場合には、やはり表現の自由との接点といいますか、時に重なるような問題も生じかねないと思います。その点につきまして、ぜひ慎重な御配慮をお願いしたいというふうに考えて申し上げているわけでございます。
 まして、またNHKにつきまして、今先生御指摘のとおり、受信料という制度によってある意味でNHKは特権も与えられておりますので、その事業計画や予算につきましては、十分に国会で御審議いただきたい、いただくべきものであるというふうに考えております。
 ただ、その場合におきましても、NHKの事業計画あるいは予算の内容の審議と、表現の自由の問題あるいはその個々の番組についての御議論につきましては、これまた大変微妙な問題を含んでいると思いますので、その点につきましても格段の御配慮を煩わしたい、さように考えておるわけでございます。
#245
○谷垣委員 我々は自由な国家をつくっていかなければなりませんし、これの基礎は慎重に、大事にしていかなければなりません。今会長のおっしゃった点は、まさにそのポイントをついた点であろうかと思うのです。確かに私どもが個々の番組の内容についてこういう国権の最高機関内で軽々しく云々することは、その点で非常に慎重な配慮を要する場合が極めて多かろう、こういう感じがいたします。
 この受信料制度というものに戻って考えてみますと、先ほど言いましたように、かなり法制度としては特殊なものである。しかし、それでは受信料制度というものはやめて、受信装置を持つのは許可制にしろであるとか、あるいは目的税みたいな形でNHKの財政的基礎をつくっていこうということになりますと、これはNHKに対して恐らく国が交付金を出すという形になるのだろうと思います。そうすると、国から交付金を出してNHKの活動をしていただくというような体制を仮にとるといたしますと、やはり国家としての監督というものはそれ相応に強くならなければならないであろう。そうすると、言論の自由とか報道の自由に関しても、またさらにデリケートな点がふえてくるのではなかろうか、こういう感じがいたします。
 したがいまして、この受信料制度というものは、かなりデリケートな制度ではございますけれども、一方において、言論の自由、NHKの報道機関としての特質を最大限に生かそう、他方において、広告料によって成り立つ民放と併存させて、日本の言論活動、放送というものを多様にしていこうという意味で、現在の放送法の受信料の制度というのは、デリケートなところにうまいぐあいに線を引いたなかなか味わいのある制度でないか、こんなふうに私は考えておりますのですが、この点大臣、いかがでございましょうか。
#246
○左藤国務大臣 お話しのように、現行の受信料制度というのは、受信者とNHKとの信頼関係といいますか、そういうものをもとにして、NHKを維持運営していこうという経費を受信者が公平に負担するという建前をとっているのではないかと思います。そういうことで、やはりNHKの先ほど来いろいろ問題になっておりました番組の問題から考えましても、NHKが自主的にいろいろなことを、番組の編集を責任を持って進めていくとかあるいは不偏不党を堅持するとか、そういった問題の基礎になっているのじゃないか、私はこのように考えます。
#247
○谷垣委員 現在、放送法あるいは放送制度全体を見直していこうということで、昭和六十年度に調査費がついたということを聞いておりますが、この放送法制の見直しの中で、NHKの受信料制度というものはどういうふうに位置づけられていくのか。特に放送衛星というものが実現いたしますと、民間放送の方も視聴料と申しますか、そういうものを取ってやっていこうということになると伺っておりますので、こういったことの絡みでどういう議論が今されているのか、この点について御質問をいたしたいと思います。
#248
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 来年度予算に計上いたしておりますニューメディア時代における放送に関する調査研究という調査でございますが、これにつきましては、近年の電気通信技術の著しい発展によりまして、放送を取り巻く環境が大きく変化いたしておりますので、当面、この放送ニューメディアとしてどういうものが出てくるか、そういうような動向であるとか、あるいはニューメディア時代における放送の役割等々、ニューメディア時代において放送に関してどういうふうにしていくべきかということを有識者の方々に調査研究をしていただこうということで、そういう会議を設置したいという趣旨のものでございますけれども、その中で、NHKの公共放送としての役割はどうあるべきなのか、それからNHKとして、将来いろいろなニューメディアが出てまいりますけれども、そういうものをNHKはどこまでやるべきなのか、あるいはそれのもととなる経営財源はどうあるべきなのかというようなことが当然、検討課題になろうかと思っております。その経営財源の中には、受信料の制度も含まれる、そのように考えております。
#249
○谷垣委員 受信料というのは大変味わいのある制度でございますし、NHKが放送文化の発展に果たしてきた役割の大きさをお考えいただいて、その辺は十分活発な御議論を尽くしていただきたいと思っております。
 こういう制度の議論を幾らいたしましても、契約締結しない、あるいは締結はしても払わぬ、こういう人がいるわけでございます。現在どのくらいの数の方が契約を締結しない、あるいは締結したけれども払わぬということなのか、お答えいただきたいと思います。
#250
○松本参考人 お答えいたします。
 五十八年度末で九十八万二千ということでございました。それが五十九年度の上期末で一万ほどふえまして、九十九万二千という数字になっております。私どもとしまして、この九十九万二千という数字を見まして、何としてもこの年度末までにさらにそれを圧縮したいと考えて、今努力している最中でございます。
#251
○谷垣委員 それは契約をしたけれども払わぬという人ですか。
#252
○松本参考人 そうでございます。
#253
○谷垣委員 契約をしないと拒むという人はどのくらいおりますか。
#254
○松本参考人 契約を拒否なさる方が、今およそ十三万というふうに考えております。
#255
○谷垣委員 大変味わいのある制度なんですけれども、隣の人が金を払わない、あるいはごねて契約に応じない、こういうことになりますと、幾らNHKはいい放送をしていると思っても、何かこれはおれは損した、割り切れないと思うのは人情の常であろうと思います。こういう負担の公平の観点というところからいきますと、大変ゆゆしき問題であろうと思います。この点につきまして、一層の御努力をお願いいたしたいと思いますし、特にNHK制度というのは、受信料について契約の締結を義務づけられていると言っても、これは国民の十分な御理解が得られなければ、幾ら法律でそう決めても維持できるわけではありません。もしNHKの受信料を半数の者が支払わないということになれば、もうそのときはNHKそのものがこういう役割を国民から見捨てられたということになってしまう。
 そうならないようにNHKを運営していただかなければならないわけでございますから、何よりも一つは、放送内容が国民から信頼されるようなものであること、それからいたずらに放漫な経営をせずに効率化を進めていくこと、そういう上に立って不払いの方々に対して的確な対策をとっていただきたいと希望いたしまして、まだ具体的な問題を伺いたかったのですが、時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#256
○渡辺委員長 山田英介君。
#257
○山田委員 中国残留日本人孤児の我が国における定着化とNHKの番組の編成とのかかわりで、何問か御質問をさせていただきたいと思っております。
 昭和六十年度の教育テレビジョン放送番組の時刻表を拝見をいたしておりますが、中国語講座という放送がありまして、毎週火曜日と金曜日、午前の七時半から八時まで三十分ずつ、一時間放送されております。それが夕方の六時半から七時まで、月曜日と水曜日、再放送されております。したがいまして、一週間で二時間、日本語による中国語講座という番組が放送されるようになっております。
 それから、同じく昭和六十年度のラジオ第二放送番組時刻表を拝見をいたしますと、中国語講座の入門編という講座が月曜日から木曜日まで、八時二十分から四十分まで各二十分間、金曜日と土曜日につきましては応用編ということで、同じ時間帯で放送されております。これが月曜日から土曜同まで、すべて午後の十一時二十分から四十分まで再放送されておりまして、ラジオ第二放送の方では都合二百四十分、四時間放送していただくことになっているわけでございます。
 そこで、NHKにお願いしたいわけでございますけれども、中国語による日本語講座をぜひ御検討いただき、開設をしていただけないかなというふうに申し上げたいわけでございます。
 御案内のとおり、日中国交回復以来十二年余り経過をしておりますが、この間、中国から帰国をされた人々は大体一万人に近づいているわけでございます。NHKが中国残留日本人孤児の肉親捜しにつきましては多大な御協力、御努力をなされておられまして、大変大きな成果が上げられているということにつきまして、私は心から敬意と感謝の意を表したいと思っている次第でございますが、今後、大量帰国時代というように言われておりますが、そういう時代を迎えるわけでございまして、極めて大事なことは、肉親捜しという入り口の問題とともに私は、帰国をなさった方々に対するきめ細かなフォローという部分が極めて大事である、このように認識をいたしております。
 文部省では日本語講座、日本語学級の増設とか、しっかりと拡大を図らなければならないと思いますし、あるいは厚生省における援護対策事業につきましては、例えば中国帰国孤児定着センターというものの拡充整備をまた図らなければならないわけでありますが、日本放送協会、NHKにおかれましても、ぜひそういう角度からの御努力あるいはまた御協力をいただきたいわけでございます。
 この中国語で日本語を学ぶ、そういう講座ということでありますが、特定の人々あるいは一部の人々のための番組編成というのは大変困難であろうと私も思っておりますが、従来からいわゆる中国語講座で勉強している人々にとって、中国語によって日本語を教えるという講座の内容であれば、かえってまた学習効果が上がるということを期待することができるかもしれないと私は思っております。また、これほど肉親捜しについての関心というものが非常に国民の中に高まっているわけでありますので、そのような番組を開設をしていただくということにつきましては、私は必ず国民の理解も得られるのではないかというふうに考えているわけでございます。
 そういたしますと、それは決して一部のあるいは特定の人々のための放送ということではないんだろう、私はそう言うことができるだろうと思っております。しかし、そのことによりまして仮に中国語による日本語講座というものがNHKのテレビジョンやラジオの放送によって流されたからといって、私は帰国をされた人々の言葉の壁を乗り越えていける、そのためのそれがすべて解決に、なるんだというふうな考え方はいたしておりませんけれども、しかし、NHKがそのような対応をもししていただけるのであれば、中国から帰ってきた人々、そしてその子供たちに勇気を与え、希望を与えることがどれだけできるであろうか、私は非常に大きなものがあろうと思っているわけでございます。
 特に我が国における帰国者の自立という問題を考えた場合には、その孤児の子供たちがどう頑張っていくかということが一番大事になってくるわけでありますので、一週間でテレビジョンで二時間、ラジオ放送で四時間というこういう時間を、日本語による中国語講座ということで割いていただいているわけでありますので、その裏返しの形になりますけれども、ひとつぜひ前向きに御検討をいただき、開設を願いたい、このように御要望申し上げるわけでございますが、御答弁をいただきたいと思います。
#258
○川口参考人 昨年の秋でございましたか、「私に日本語を下さい」というドラマの番組をやったことがございます。これはたしか「雨降りお月さん」というタイトルがついたと思いますけれども、日本に帰ってきて言葉の問題で苦労している中国生まれの孤児たちの苦労話でございまして、NHKは前からこの中国からの引き揚げの方あるいは孤児の方をめぐっては、どうやってこの人たちにうまく立ち直っていただくことができるか、そういう観点でもって対応してきたつもりでございます。
 今、先生おっしゃいました講座の問題でございますが、ちょっと難しい。と申しますのは、今テレビがおっしゃるとおり放送しておりますけれども、これの視聴者の数が推定で大体百二十万人ございます。これはテキストの売れ高とかそれから番組の視聴率とか、そういったものから計算したものでございますけれども、そういう方々のために今やっておりますけれども、今度は中国語で日本語を教えるというのは全く逆な作用になってしまいますので、そこの講座を組むというのは非常に難しい。
 それで、NHKでできることは何かないかということを実は探しまして、これは昭和五十三年からも実はやっているわけでございますけれども、NHKの国際放送に「やさしい日本語」という、これは中国向けでございます。ですから、中国語を基本にして日本語を教える番組がございます。これをやっておりますけれども、厚生省と協力いたしまして、五十三年からこの「やさしい日本語」をカセットにしまして、一本を大体六十分で七本にまとめまして、ということは四百二十分のカセットなんですけれども、これをずっと引き揚げの方に提供しております。
 その数が年々大きくなりまして、五十七年で申し上げますと五十六組このカセットが配られております。五十八年には百組、それから五十九年、今年度の現在までのところでは二百二十組でございます。相当利用されているということは私ども実感として受けとめております。ですから、こちらの方を今は精力的に進めよう、できる限り厚生省の御協力を得ましてこの形をまず第一に進める方がいいのではないか。番組の方ももちろん、先生おっしゃるとおりたくさんの中国語番組をやっておりますから、その中で何とか工夫ができるならばということで、これから検討の課題にさせていただきたい、このように思っております。
#259
○山田委員 埼玉県に東岩槻小学校というところがありまして、そこには中国から帰国をされた人々の子供さんたちが約二十人ぐらい勉強いたしております。手元にございますのはその子供たちの作文集でございますが、非常に言葉と悪戦苦闘しておるという中身がよくうかがい知れるわけであります。
 そのすべてを御紹介するわけにまいりませんが、一つ、二つちょっと御紹介させていただきますが、これはちょうど六年生の男の子でございますが、その一部です。「心配するのは、中学校に行って、うまくいきますかと思います。まだ日本語もうまく話しませんで、勉強や学習はできるでしょうか。部活やあそびのはいくらうまいでも、おもしろいでも、勉強をおもいだすと、どうしたらいいでしょうか。勉強はできないで、言葉もうまく話しませんしどうする。こんなできないで高校に行けられるでしょうか。」それから、これは今度は女の子でございますが、「私たち中国から来た人たちのために、こんな勉強をおしえていただけるのは、とてもうれしいです。」これは実はお願いをいたしまして、やっと中国語の話せる日本語の先生をこの小学校に迎えることができた後の作文です。「どうもありがとうございます。その心をむだにしないで、私もがんばりたいと思います。」こんなような感じでずっと作文が書かれておるわけでございます。
 今御答弁をいただきました、厚生省との連携のもとでNHKの持っておられる語学の、中国語、日本語のノーハウというものをカセットにしてという御努力は、今後ともぜひお願いしたいと存じますし、また後段に、現在ある中国語講座の講座の中身をいろいろと工夫、御検討をして、そういう中国から帰ってきた孤児そのもの、そしてまたその子供たちという存在があるということも念頭に置いた中国語講座の構成など検討していただけるというような趣旨で今御答弁を伺ったわけでありますが、私はぜひそれはお願いしたいと思っているわけでございます。
 それで、具体的に実施をしていただくということになりましたら、中国から帰ってきた子供たちのための講座でもあるんですよという趣旨の、聞いている子供たちが、中国から帰ってきた人々が、NHKの放送も自分たちのことを、僕たちのことを心配をしてくれているんだということがはっきりと伝わるような形でぜひ御検討、実現をいただきたいというふうに思うわけでございます。
 そのことが、この作文の中にもあらわれておりますように、本当にうれしいことだ、自分もその真心に必ずこたえて、いろいろ大変なこともあるけれども、負けないで日本語をしっかり勉強していこうという最大の励ましになるわけでございますので、既存の中国語講座の番組そのものを、いろいろと中国孤児の存在というものを念頭に入れた編集を御研究いただくときには、そしてそれを実施していただくときには、ぜひそれが伝わるように御配慮をお願いしたいというふうに思っているわけでございます。
 これはせっかくの機会でありますので、川原会長、昨年のNHKの予算審議のときの議事録をずっと拝見させていただいておりまして、中国残留日本人孤児の問題につきましては、極めて人道的な問題であるし、できる限りのことはしてさしあけたいという趣旨の御答弁をなさっておられるわけでございますが、ただいまのテレビジョン放送、そしてラジオ放送の中国語講座、この中身はぜひ念頭に置いていただいたそういう放送をお願いしたいということと、それから、中国語による日本語講座の開設の実現性につきまして引き続き御検討賜りたいとお願いをしたいと思いますが、これは会長から御答弁をいただければと思います。
#260
○川原参考人 中国から帰られました孤児といいますか日本人の方々、あるいはその子弟の方々の苦しみというものは、我々としても本当によくわかりますし、人道的な立場からできるだけのことはしてさしあげたいと思っております。
 ただ、先ほど川口も申しましたとおり私どもとしては、やはり日本の多くの受信者のために番組を出しておりますので、ごく少数の方のためにだけ番組をつくるということはなかなか難しい点があると思いますけれども、先生御指摘のような形で、もし今ある普通の中国語講座の中で、何かそういう中国から帰られた人たちあるいはその子弟たちを励ますようなことができるならば、我々としてもぜひそれは検討してみたいというふうに考えております。
 なお、将来のことは引き続きいろいろの角度から検討させていただきたいと思います。
#261
○山田委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 NHKの経営に関連をいたしまして、NHKラジオ放送局の所有地の跡地の払い下げの問題で、何点か御質問をさせていただきます。
 まず、簡単で結構でございますので、埼玉県川口市、同鳩ケ谷市にございます日本放送協会所有地の利用状況につきまして、その概要の御説明をいただきたいと存じます。
#262
○矢橋参考人 今お話しになりました川口と鳩ケ谷の両放送所は、首都圏の重要な基幹大電力放送所といたしまして、昭和十二年以来、ずっと第一放送並びに第二放送を放送してきたわけでございます。その後、郵政省によります中波周波数の割り当て計画の修正に基づきまして、受信改善を行うために増力することになりました。それで、第一放送は昭和五十七年、川口から菖蒲久喜に、また第二放送は昭和五十八年に、鳩ケ谷から同じく菖蒲久喜の方へ移転集約したわけでございます。
 この移転が行われました後の鳩ケ谷放送所につきましては当面、旧設備を利用いたしまして、首都圏対象のラジオ非常用の放送所として現在運用中でございます。また、川口放送所につきましては、川口、鳩ケ谷両放送所敷地の利用ということを総合的に考えていく中で、非常用放送所の新設整備ということについて協会として利用していきたいというふうに考えております。
#263
○山田委員 時間があと五分ということでございますので、お願いしたい点だけに質問を絞らせていただきます。
 まず、これは確認だけで結構でございますが、資料によりますと、ただいま御答弁の鳩ケ谷の放送所の敷地、この面積は一万八千百五十四坪、かなり広い面積でございます。こちらの鳩ケ谷放送所の機能は六十一年度から、すなわち、六十一年の四月に川口市の方で非常用放送所機能が始まるということで役割を終えるというふうに伺っております。それから鳩ケ谷の鉄塔など、あるいは関連施設の撤去工事が、六十一年度の四月から八月までで完了する計画がおありだと聞いております。
 同じく今度は川口のラジオ放送所の関係でございますが、六十一年の四月までには放送所の整備が完了しまして、六十一年の四月から六月の二カ月間で川口鉄塔のアンカー、土台でございましょうか、撤去工事が完了する、こういう計画を伺っておりますが、これは確認だけで結構でございます。
#264
○矢橋参考人 今お話ございました川口の非常用の放送所ですが、これは六十年度着工する計画になっておりまして、大体完成するまでに約一年を要するというふうに考えております。なお、そのアンカーの撤去につきましては、約四カ月というふうに考えております。したがいまして、川口の非常用放送所が新しい機能を発揮するようになってから鳩ケ谷の放送所が機能を停止するというふうに考えてよろしいかと思います。
#265
○山田委員 それは私がただいま申し上げました川口の非常用放送所は向こう一年間、四月から四月までで、来年の六十一年度の四月には整備が完了するわけですから、そこから非常用放送がスタートするわけでございます。それで鳩ケ谷市におきましては、埼玉県とともに、この敷地を高校建設用地として従来から払い下げを放送協会の方に要望しているわけでございます。六十二年の開校を目標にした計画を鳩ケ谷市では持っておりまして、放送協会の払い下げの通告といいますか、それを心待ちにしておるような事情がございます。しかも、ことしの六月までに払い下げの、あるいは用地取得のめどが立ちませんと、県全体の生徒収容計画の関係でこの計画は実現が極めて困難になるという事情がございます。
 ただいま御確認いただきましたように、その非常用放送施設は川口に来年四月には整備が完了するし、それからまた二カ月、四カ月の期間の中で鉄塔等の撤去工事も完了するというような状況にあるわけでございますので、放送協会におかれては、細部を早急に煮詰めていただきまして、六月までに跡地払い下げの意思表示を鳩ケ谷なり埼玉県の方にしてさしあげたらいかがかな、このように思っておるわけでございますが、御答弁をいただきたいと思います。もう一問ありますので、簡単で結構です。
#266
○渡辺参考人 お答えいたします。
 今申し上げましたように、川口に機能を確保いたしますと鳩ケ谷の機能を停止するわけでございますが、それは実行上、確実な見通しがつきました段階で処分の方法を決定いたしたいと思いますけれども、今先生おっしゃった川口、鳩ヶ谷あるいは埼玉県から要望があることはよく承知しておりますので、その辺を十分考慮した上で処分方法を決めたいと思っております。
#267
○山田委員 もう一点は、川口にございますラジオ放送所の敷地は、四万三千三百十五坪ということになっております。非常用放送施設とそれから関連施設用地として放送協会ではどの程度の広さの敷地が必要と見込んでおられるのか。
 そうして川口市の方では、人口稠密の地域における大変大きな空き地、空間でございますので、これをぜひ協会にお願いをして防災公園として整備をさせていただきたい、こういう要望が繰り返しなされているわけでございますので、この点につきましても、これはNHKの経営にもプラスになることでもありますし、何でもかんでも払い下げればいいということではありません、明確に必要な分だけは必要な分で確保しなければなりませんが、しかしそういう経営努力というものも必要でありますので、この二点につきまして御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
#268
○矢橋参考人 川口の敷地につきましては、今お話のあったとおりでありますけれども、我々といたしましては、川口の放送所の敷地は、NHKにとって首都圏の中で残された最後の貴重な土地でございます。その意味で、もちろん非常用の放送所として使いますけれども、それ以外に協会の必要な関連施設その他を、十分これから検討いたしまして最終的に決めるわけでございますけれども、大体三分の二くらいは協会が必要とする土地ではないかというふうに思っています。
#269
○山田委員 ありがとうございました。
#270
○渡辺委員長 永江一仁君。
#271
○永江委員 質問の冒頭に、午前中の審議で我が党の中井洽議員が四分間の質問時間を残しましていたしました問題につきまして、私がかわりまして御質問さしていただきたいと思います。
 あの問題につきましては、いわゆる「核の冬」の番組に対しての科学的な根拠の資料を出してもらいたいという質問に対しまして会長からは、慎重に対処したい、こういう御答弁があったわけでございます。そこで若干のやりとりがあったわけでございますが、この慎重に対処したいというその真意はどのようなものであるのか、改めて御答弁をいただきたいと思います。
#272
○川原参考人 私どもとしては、放送番組に関する御批判に対しては、NHKとしていかなる場合においても敬けんに受けとめていきたいと考えております。したがいまして今回の番組についても、御疑問があれば十分御納得がいくよう御質問者に対して説明申し上げたいと考えております。
 なお、今回の番組については、さきに衆議院の予算委員会においても御論議があって、その取り扱い方について予算委員会の方の理事会で協議されると聞いておりますので、その御協議を踏まえていきたいと存じております。
#273
○永江委員 一応会長の御答弁で了解をさしていただきたいと思いますが、我が党が主張いたしておりますことは、ニュースその他について偏ったことのないようにということと同時に、やはりNHKが国民の批判にも謙虚に受けとめてもらいたい、何かNHKは聖域であるというような思想あるいは態度が逆に我々としては非常に不信感を持たざるを得ない面があるのじゃないか、こういう観点でございまして、ぜひとも今、会長の御答弁がありましたように、いろいろな場面でのNHKに対する批判に対しましても、どうか謙虚に受けとめていただいて、その中でより信頼のされる番組というものを編成していただきたいと、心から要望さしていただくものでございます。
 この問題は、御答弁ございましたように、予算委員会の理事会でまだこれから議論するということになっておるようでございますので、我が党といたしましても、そちらの方でさらにいろいろな要求はしていきたいと思いますが、当面、御答弁ございましたように、質問者に対しましても十分納得のいくようにまた御説明をお願いいたしたい、そのことを再度重ねて御要望申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。そういうことで会長、よろしいのでございますね。
#274
○川原参考人 わかりました。
#275
○永江委員 ことしのNHKの重点施策が幾つかございますが、その中に、いわゆる科学万博関連の番組及びユニバーシアード神戸大会の放送実施という項目がございます。科学万博は既に筑波において行われておるわけでございますが、実は神戸市におきましても、ことしの八月二十四日から九月四日にかけまして、いわゆる学生のオリンピックと言われるユニバーシアード大会が開催されるわけでございます。
 これは今日現在、約九十カ国以上、五千人を超える選手団が集まる、これは東京オリンピックが九十四カ国、五千五百五十八人という選手団に比べましても、匹敵する、あるいは五月末までになりますと恐らく、東京オリンピック以上の国際競技が我が国において行われるということでございます。それだけの大勢の若人が日本に来てくれるわけでございますから、これは全国的にも大きなエベントとして、NHKが重点施策に取り上げるということは当然であろうと思います。
 そこで、具体的にお尋ねいたしますが、放送時間はどの程度計画しておられるのか、また、何かユニバーシアード大会に対して特別な企画というようなものを御検討しておるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#276
○川口参考人 ユニバーシアード大会は、ことしの大きな事業計画の一つに入っておりますことは、先生のおっしゃるとおりでございます。
 今からもう一年ぐらい前でございましょうか、組織委員会の方からNHKに、ホスト放送局としてのいろんなことをやってほしいという御依頼がありまして、私どももできるだけのことはしましょうということで、今実現が間もなく迫ってまいりましたので、その細かい放送計画等をただいま立案中でございます。実はまだ競技日程が確定しておりません。確定しますのが五月から六月にかけてというふうなことになります。
 現段階ではNHKといたしましては、開会式、閉会式、それから陸上競技、競泳、柔道、体操、バレーボール、サッカー、そういった種目を放送したいというふうに思っております。このほかにもちろん、関連して特別番組みたいなものも組んでまいりたい、世界の学生が神戸に集うというふうなことをテーマにして、単にスポーツだけじゃなくて、世界の若人の親交といいますか交流といいますか、そういう立場での特別番組も企画しております。それから当然、ホスト放送局と申し上げましたのは、収録いたしましたものを外国の放送機関で放送する際は、それを提供するというふうなことでございます。
#277
○永江委員 若干地元で聞いてきたのでございますが、そういった特別企画といたしまして、今外国の、特に後進国の若人がこれを目指して頑張っておるというようなものを既に写しながら、それを国内でも放送しようということで計画しておるようでございますが、かなりそういう経費をかけながら、どうも今日段階では、近畿圏しか放送しないというふうに言われておるということで、地元ではせっかくそれだけの大きなエベントをしながら、この開会式とか閉会式じゃなくて、後進国のそこへ行って、そういった文化なり青年を写してきたものを特別企画したものが、近畿圏しか快さないのじゃないかということで、こういうことこそ全国的な放送をすべきじゃないか、こういう希望を込めての意見があるわけでございますけれども、こういう点についてはどうなっておりますでしょうか。
    〔委員長退席、野中委員長代理着席〕
#278
○川口参考人 実は、特別番組もいろいろな形のものを計画しておるわけでございます。私が今申し上げました世界の学生、若人が交流をするというふうな形の特別番組も当然、全国放送を予定しております。
 ただ、世界の学生スポーツというような形で神戸がメーンになって、そして神戸とそれからそういうヨーロッパあるいはアメリカ、中国、韓国等のそれぞれ異なる学生スポーツの取り組み方とか何かを一つの形にまとめて、神戸の企画みたいな形でやろうか、それは近畿圏で地元の学生スポーツ、ユニバーシアードというふうな意識で取り上げてもまたいいんじゃないか、こういう話があるということも事実でございます。したがってローカルで、というよりも、あそこは大阪管内でございますから広域の放送でございますけれども、そういう番組もあり、それから全国放送そのものもあるというふうな形で、いろんなバラエティーを考えておるところでございます。
#279
○永江委員 若干ローカル的なことで恐縮でございましたけれども、先ほど申しましたように、これは規模においては東京オリンピックに匹敵するという、それだけの世界じゅうの若者が日本に集まってくるということは、非常に大きな意味があるわけでございまして、ただローカルの、地域での開催だからということでなくて、全国的な視野でぜひとも取り組んでいただきたいと強く御要望申し上げたいと思います。
 あわせまして、この問題の最後といたしまして、先ほどちょっとお答えありましたけれども、海外へ向けて、オリンピックのようなわけにはなかなかいきませんが、海外からのこういうものの放送についての協力についてはどう対処されるのか、この点だけお答えいただきたいと思います。
#280
○川口参考人 私どもは、日本で開かれる学生スポーツの大会でございますから、これはぜひ各国でも放送してもらいたいということで、今各放送機関に強く呼びかけをしております。ただ、多少オリンピックなどと違って、いわゆる著名なといいますか、人気のスポーツマンのようなものが余り多くないというのがありまして、それほどたくさんの御要望が今ないのが実に残念なことでございます。今から大会までの間にもっと私どもも努力をいたしまして、たくさんの国に放送してもらうように努力をしたいと思います。
 現在のところは中国、韓国、それからイギリスのBBC、西独のZDFというところあたりから組織委員会を通じまして、ぜひ放送したいというふうな引き合いが来ているというところでございます。
#281
○永江委員 次の問題に移りたいと思います。
 最近、イギリスのNHKと同じような国営放送のBBC放送に対してコマーシャルを入れればどうか、まあBBC放送が経済的に大変赤字なので、これはサッチャー首相がかなり力を入れておるそうでございますが、BBC放送、国営といえども、コマーシャルを入れて少しでも一般の料金を安くするというか、値上げをせずに済むようにということが言われておるわけでございますが、日本の場合は民間放送との関係もあると思いますが、その点についてNHKはどう考えておるのか。特に国内放送では若干問題があると思いますが、いわゆるラジオジャパンと言われる海外向けの放送には、コマーシャルを入れても問題ないんじゃないかという気がするのでございますが、どうお考えでございましょうか。
#282
○川原参考人 一般的に言いまして、ヨーロッパの場合には商業放送というのは非常に少ない、あるいはない、イギリスの場合でも、ごく少ない状態の中での論議かと思います。それはそれで一つのあるいは立場もおありかと思いますけれども、日本の場合のように、商業放送が非常に発達している中で、しかもなおNHKに公共性が強く求められ、また番組の自律といいますか、そういうことが求めらている中では、私は受信料の制度というものは、国民全部によってNHKが支えられるという意味で、ぜひこれは大切にしてまいりたいと考えております。
 今御指摘の国際放送につきましては、さらばそのような商業的な放送が今ないわけでございますから、その国内の放送とは違うとは思いますけれども、私どもの国際放送が客観的な報道といいますか、公正な立場ということで外国から非常に高い評価を得ておりますので、これにコマーシャルが入るということは、やはりそのような海外放送の客観性というか公正な立場に対して、外国からの評価に差しさわりが出るのではないかというふうに私は心配いたしますので、これは慎重に考えてまいりたいというふうに思っております。
#283
○永江委員 先日の「天声人語」でも、ラジオジャパンが今、川原会長おっしゃったように、非常に海外で評価されておる、特にニュースの正当性といいますか、そういう面での信頼が高いということが書かれておりますが、それにもかかわらず、その運営費はイギリスのBBCの五分の一だ、あるいは出力その他も大変古い機械を使っておる、だから中近東、ヨーロッパではなかなか聞こえにくい。川原会長おっしゃるように信頼はされておっても、聞こえにくいのでは、これは余り意味がないのですね。聞こえるようにしなければいけない。
 お金がないから、五分の一の費用しか運営費がないから聞こえないのでは、武士は食わねど高ようじではございませんが、自分では非常に偉ぶっておっても影響力は弱いということでは、これは全く意味がないのですね。そして私は、そういう中に若干のコマーシャルででも、やはり企業的な発想も入れながら、こういった面の改善ということは、一つの趨勢としてこれから前向きに検討すべきではないかと思っておるのでございますけれども、いかがでございますか。
#284
○川原参考人 確かに国際放送は、外国に聞こえなければ全く意味がないわけでございまして、その点では私ども、今聞こえにくいところに対しては、国内からの送信所の出力を上げること、あるいは海外に中継基地を借用すること等いろいろな手だてを講じて、何とか現在よりももっとよく聞こえるように努めてまいりたいと考えております。もちろん現在、そのために受信料から割き得る額というものはおのずから限界が出てくるかとも思いますので、その点につきましては、国の方に対しましてもいろいろな面で、交付金その他御助力を賜れないものかと折衝を続けております。しかし、国の方の財政もなかなか問題があるようでございますし、かたがた、コマーシャルの問題も議論されていることはよく承知しております。
 このことは既に数年前に、NHKの将来ビジョンを部外の学識経験者によって御議論いただいたときにも、この問題は検討していただいておりますけれども、その際にも、やはり先ほど私が申しましたような理由で、非常に慎重論が強いものでございますから、私も今そのような立場をとっております。しかし、今後の問題につきましては、国際放送だけでなくて、いろいろな意味でNHKの財政を強固にするということは、あらゆる角度から議論をしてまいらなければならないと思いますので、その一つとしてさらに重ねていろいろな角度から検討してまいりたいと思っております。
#285
○永江委員 この点については郵政省、大臣にもお答えいただけたらお尋ねしたいのでございますが、今会長のおっしゃったNHKの長期ビジョンでも、確かに広告放送の収入については若干否定的と申しますか、慎重な意見。しかし、これは読む限り国内放送でございますね。私が申し上げたのは、海外放送のラジオジャパンに対してなら、そういった点は十分可能性があるのではないか。放送法四十六条ですか、この関係等もあるようでございますが、この点につきまして郵政省はどういうふうにお考えでございますか。
#286
○左藤国務大臣 国際放送の実施につきまして、先ほど来お話ございましたように、交付金のいろいろな財源が非常に厳しくなってきておるとかいろいろなことから、財源確保の対策として広告放送、コマーシャルを導入したらどうか、こういう御意見だろうと思います。
 実は二、三年前に省内でこういった調査研究をいたしまして、国際放送に関する調査研究委員会報告書というものをいただいております。その研究結果によりますと、国際放送に広告放送を導入できるかということにつきましても検討の対象としたわけでありますけれども、そのときの段階において、「広告放送を導入することは、報道の公平性・客観性に対する諸外国の信頼を損うおそれがあること、国を代表して国際親善の増進を図るという国際放送の目的になじまないこと、さらに、諸外国で国際放送に広告放送を導入している例がないことを考慮すると、適当ではない」、こういうような一応の御報告をいただいております。
 確かにそういった点について問題があるとは私は思いますけれども、これからの一つの長期ビジョンの中におきまして、今の問題もあわせて放送法制の調査ということもこれからやっていきたい、こう私は考えておりますので、その中において御趣旨の点について検討すべきものではなかろうか、このように考えております。
#287
○永江委員 大臣の少しはそういう余地があるという御答弁で、ひとつぜひとも御検討いただきたいのでございます。もちろん私も、ラジオジャパンがひんしゅくを買うようなコマーシャルをじゃんじゃん流せばいいというようなことを言っておるつもりはございません。今や日本の企業は海外にこれだけ進出しておる、それが黒字減らしどころか、ますますふえるかもわからない問題はあろうかと思いますが、しかしながらある意味では、非常に権威のあるコマーシャル、しかも外国の人が耳にしても決して耳ざわりでないコマーシャルというものは考えられるわけであって、しかも、そのことを通じて日本を理解させ、同時に、NHKの経営が少しでもよくなる、海外放送の機材がよくなって大勢の人に聞いていただけるということになれば、これは非常に意味があることではないかと思うのでございます。どうかそういう点で大臣の御答弁のように、一度検討していただきたいということを重ねて強くお願いいたしたいと思います。
 次に、難視聴の問題につきましては、この委員会その他におきましても従来からたびたび質疑が交わされておるわけでございますが、特に最近、依然として都市の難視聴問題というのは、私たちのように大都会に住まいしておる者はよく聞くのでございます。
 それは言うなれば、高層ビルが幾つも建って、しかも昔ですと、一つの高層ビルが建ったからこれのために聞こえない、見えないということはわかりやすかったのでございますが、このごろのようにたくさんビルができてまいりますと、いわゆる複合公害というか、複合の形の中で難視聴地域が突然あらわれる、どのビルが原因であるかわからないというような問題の中で、最近二、三調べてみますと、地方自治体によりましては、ある高層ビルを建てるときには、このビルがそういった難視聴地域を起こさないというNHKの承諾書が必要な地域、あるいは建設業者がこのビルを建ててもそういう難視聴にはならないというそういうことだけでも建てられる地域、地方自治体によってその点が非常にばらばらのように聞いておるのでございますが、この点、NHKはどのように掌握をしておられますでしょうか。
#288
○矢橋参考人 都市におきます建造物によりまして発生する、いわゆる都市受信障害と言っておりますけれども、これにつきましては全国で六十五万世帯くらいでございます。
 それでその解消につきましては、我々としては郵政省の指導要綱によりまして、原因者の責任と負担においていろいろ対策は進めておりますけれども、今、先生御指摘のように現象が大変複合化しておりまして、なかなか特定が難しい状況でもございます。しかしNHKといたしましては、この障害の調査、あるいは実際にいろいろな現場へ行きましてそういうゴーストの出ている調査あるいは技術指導を具体的に行いまして、建築主あるいは関係業界に対しまして、積極的にいろいろな指導を行っております。
 そのほかNHKといたしましては、障害の調査のみならず、新しい都市の受信障害の解消のための改善技術の研究開発というものもやっております。例えばSHFの放送とかあるいは電波を吸収する吸収体の研究、あるいは受信機の方でゴーストをキャンセルするゴーストキャンセラーの受信機、あるいはどこからゴーストが出るかというゴースト測定器とか、そういったいろいろな研究もやっております。したがいまして、総合的に今後そういった努力をいたしまして、円滑な対策の促進ということを図っていきたいと考えております。
 また、お話に出ましたビルの建設に伴います障害に対しまして、各自治体におきまして条例あるいは指導要綱というものを制定いたしまして、改善対策が円滑に行われるように指導を行っているところが多うございまして、全国で約二百五十の自治体で行政指導が行われております。中でも尼崎市につきまして、これは障害改善への取り組みが大変熱心な自治体でございます。建造物の障害につきましては、自治体が計画段階から指導していくということが非常に効果的でございまして、NHKといたしましても、このような形で建物の計画段階からいろいろ指導していくことができますと、大変対策が前進するということで、そのことが大変望ましいというふうに思っております。
 現状におきましては、電波障害調査と建築基準法というのが直接的にはかかわりがございませんけれども、NHKといたしましては、障害が少なくなるように建物の形状とかあるいは配置などを建築主に指導要請いたしまして、障害の未然防止ということに努力してまいりたいと思っております。
#289
○永江委員 質問を終わります。
#290
○野中委員長代理 次に、伊藤忠治君。
#291
○伊藤(忠)委員 私はまず初めに、先ほども議論のございました「核戦争後の地球」の番組につきまして、番組を見ました一人としまして、非常に議論を呼んでいるわけですが、私の意見を含め幾つかの質問をさせていただきたい、かように考えるわけでございます。
    〔野中委員長代理退席、関谷委員長代理着席〕
 昨年の八月の五日、六日、二回にわたりまして、一部、二部に分けて番組が放映をされたわけでございますが、実際に私も見せていただきまして、核戦争の恐ろしさ、核爆発のもたらす破壊力、人類に与える影響、大変なものだということを私は再認識をさせられたわけでございます。番組を見られた視聴者にとってみれば、恐らく私と同様な気持ちでこの番組にくぎづけになる、非常に高い評価が上がったのもそういうことではなかったかと思うわけでございます。
 そういう視聴者の大変な関心を巻き起こしたということもございまして、NHKとしてもその後、再放送をなさったりあるいは十月二十一日からの芸術祭に参加をされたということではないかと私は考えているわけですし、いろいろな賞をもらわれたということは、非常に芸術性が高くてその番組が評価をされているという証明ではないのか、このように私は考えるわけでございます。ところが、その後の衆議院の予算委員会で議論がございまして、その論旨は非常に長々たるものでございますが、趣旨は本委員会でも議論がございましたとおりでございます。
 私、考えますに、核戦争後の地球というのは、その後どうなるかということが実は予算委員会の質問でも中心になっているわけでございますが、私の立場で言わせれば、核戦争というのは、これはもう御承知のとおり大量殺りくの兵器でありまして、核を使って両国間あるいは多国間が争うわけであります。これは皆殺し戦争と言っても間違いないと思うのです。問題は、核戦争後の地球がどうなるかではなくて、人類を破滅に導くようなそういう核戦争を起こしてはならぬという、これが人類に与えられている、我々に与えられている今の最大課題ではなかろうか。
 核戦争が起こらないように、あるいはそれを引き起こさないように、党派を超えて、あるいは国境を越えて、全世界、全人類の最重要課題として取り組まなければならぬという、そういう時点に今私たちは置かれているんだろうと思うわけでございます。このことを正しく番組を通じてアピールなさった、そこに放送の意義が、価値が認められたのではないのか、私はこのように考えるわけでございます。
 核の途方もない破壊力あるいは殺人力を軽視をするというならば、それは話は全く別でございます。核の恐ろしさといいますのは、これは釈迦に説法でございますが、私たち日本人にとってみれば唯一の被爆国民でございます。広島、長崎の悲劇を通じて、私たち日本人にとってみれば非常に悲劇でありまして、だれよりも私たちはそのことを知っているわけでありますが、問題は、衆議院の予算委員会の質問の中には、こういうくだりがございます。「広島原爆投下のとき、内外の科学者は、百年間草木は一本も生えないとか、生まれる子は奇形児とか。」しかし、爆心地の草の芽は三週間ぐらいで開いた、奇形児は存在したとは聞かないというくだりがございます。
 草の芽は生えたかもしれません。なるほどそうかもしれませんが、しかし、何十万ものとうとい命を一瞬にして奪ってしまったその事実、傷つき今日でも病魔になお苦しんでみえる多くの被爆者たち、これら犠牲となった多くの人々の前で、こういうことが果たして発言できるだろうかと私は思うわけでございます。私は政治家の一人として、そのような立場には絶対立ちたくありませんし、公共放送に責任を持つNHKにも、そのような立場には決して立っていただきたくない、このように私は強調したいわけでございます。
 放送といいますものは、視聴者の物の見方だとかあるいは考え方によりまして、番組に対する評価というのは分かれます。当然分かれると思うのです。伊藤昌弘議員もNHKのこの番組を問題にされるというのは、それぞれ見方によって評価が違うからだと私は思うのでございますが、私は昨年のこの逓信委員会で、政府の広報番組の中立性につきまして問題指摘をしたことがございます。それは五十九年の一月と二月にテレビ放送されました総理府の政府PRの番組でございます。
 これは記憶に新しいところでございますが、つまりこういう表現になっているわけで、エビの七四%、あるいはそば粉の七八%は日本は輸入に頼っている、そういう意味では、例えばウールなんというのは一〇〇%輸入に頼っているんだ、だからもしそういう輸入がストップしたら日本の経済というのは麻痺してしまう、生活は麻痺してしまう、だから海上交通の安全を確保する必要があるし、そのためにはシーレーンの防衛が必要なんだというところに結びつけられておりましたので、これは不偏不党の立場を欠いているんじゃなかろうかという立場で私は指摘を申し上げた。放送のあり方について当時の奥田郵政大臣に私は質問をしたことがございます。
 そのときに郵政大臣はこうお答えになりました。「公共放送のもちろん原則的な建前として、不偏不党、政治的にも中立の公共放送機関であってほしい」、これが一番の前提なんだ、この「不偏不党的な中立的報道という立場に関してはいろいろな意見が実はございます。」「表現が悪いですけれども、文句が出るくらいが公共放送機関として適正な道を歩んでいる、私はそのように感じております。」という答弁を私は得たわけでございます。
 NHKといいますのは、視聴者の受信料によって賄われておりまして、視聴者のための不偏不党の原則にのっとった公共放送機関でございます。いかなる外部の圧力にも屈せずに国民のための公共放送を行うため、その自主性を貫くのがNHKの基本的な任務、立場ではなかろうかと私は考えているわけでございます。したがって、NHKがその立場を踏み外したかどうかを問う必要があるというならば、それが本当にそうなのかということは、それこそまさに万機公論に決する意味におきまして、問題になっている例の番組を再放送しまして、視聴者の皆さんに一遍アンケートをとったらいいと私は思うのです。
    〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
そこまでこのことの判断を求めるという議論があるならば、もう一度視聴者の皆さんにNHKが、問題の番組はこれなんだ、再放送いたしますとアンケートをとりまして、その結果視聴者がどういう答えをお出しになるのか、そのことをはっきり答えを聞かれたらいいと私は思う。そのことが一番あかしになるのではなかろうか、答えになるのではなかろうか、私はこんな気がするわけでございます。
 だから、直ちにそのことをどうしてもやれという立場ではございませんが、しかし、この番組の是非をめぐってとことんそこまでこういう国会の場でやられるということでございましたら、私は角度を変えた、視聴者の意向はどうなのか、評価はどうなのかということを聞くことによってこれのあかしを立てる以外になかろうと思うのですが、そういう私の一つの提案といいますか考え方について、会長の御意見がございましたらまず第一点、お伺い申し上げたいと思います。
 二点目は、NHKは従来もそうでしたし今後も、厳正中立、不偏不党の立場に立ちまして番組の作成に当たっていかれるという、この方針に変わりはないと思うのです。したがって、そのことについてひとつ会長の御見解を伺いたい、かように考えるわけでございます。
 関連をしまして郵政大臣に伺いますが、この伊藤昌弘議員の発言には極端な指摘がございます。私は議事録を見まして、断定なさっている部分を拾い出してみました。「こんな間違った番組をだれの指示で、何の目的でつくったのか。」「一党独裁共産国の放送と同じではありませんか。」「こんな映画を振り回されて反核、反米を公共放送でやられたら、ソ連の思うつぼ。」である。NHKは「反戦、反核放送局に商売がえしたかのよう」だ。「今流行の間違った反核、反戦運動の先頭に立つようなことをなさるのか、」郵政大臣の監督は不十分じゃないか、こういう具体的な表現、指摘がございます。
 大臣にお伺いするんですが、NHKはこのように指摘されるような方針や姿勢でやっているのかどうか、郵政大臣はそのことについてどうお考えなのか、私はお聞きしておきたいと思っております。さらに、監督不行き届きだ、こういうふうな発言がございますが、そのように大臣はお考えになっているのかどうか、この点もあわせてお伺いをしたいと思うわけでございます。以上、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#292
○川原参考人 私どもは「核戦争後の地球」という番組については、十分な調べの上にこれは放送したものでございまして、問題はないという確信を持っております。しかしあの放送番組に対しては、確かに御指摘のようにいろいろな立場でいろいろな御意見もあろうかと思いますし、私どもはその放送番組に関する御批判に対しては、いかなる場合においても謙虚にこれを受けとめたいと考えております。したがいまして、今回の番組もそうでございますし、番組についての御疑問がある場合には、その御質問をお持ちの方に対しまして、今後とも十分に御説明を申し上げてまいりたいと考えております。
 それから再放送云々につきましては、これは一つの御提言として私どももいろいろ検討させていただきたいと思っております。
 それから、基本的には私どもはあくまで視聴者の立場に立つというか、全国民からの受信料によって支えられている放送でございますし、常に公正な立場、不偏不党の立場に立って今後とも視聴者の立場に立つ番組をつくってまいりたいと思っております。
#293
○左藤国務大臣 お尋ねの点につきまして、郵政省でそうした番組が偏向しておるとかなんとかということを判断する立場ではないと思います。そしてNHKを郵政省が監督している、こういうお話でございますけれども、監督ということは、受信料を基盤として国民の皆さんに対してあまねく普及、そういうことについて努力をしておるかどうか、そういった点についての監督責任といいますか、そういうようなものはあるのじゃないかと私は思いますけれども、あくまでも公共の福祉のために、また国民の皆さんのために番組を責任をもって編集しておるということについては、私はまたそういうふうに信じもいたしますし、NHKにそれを期待しておるだけであって、個々の番組について私が批判をするという立場じゃない、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#294
○伊藤(忠)委員 会長あるいは大臣の方からお答えをいただきまして、ぜひともそういう考え方に立って、公共放送の本来の役割が果たせますように今後とも引き続き御努力をいただきたい、かように考えるわけでございます。先刻も阿部委員の方からお話がございましたとおり、こういう問題の是非をめぐって、国会の立場とはいえ、しょせん限られた一部の人間がそれの是非の議論をするということ、そのことがいろいろな面で反響を呼びまして、それが何か結果的にはNHK当局に政治的な圧力になってあらぬ方向に作用していくということは厳に避けなければいけない、このように考えておりますので、以上の答弁を受けまして私も了解をいたしますし、ひとつ今後の御努力をお願い申し上げたい、かように考える次第でございます。
 次の問題は、財政基盤の確立についてお尋ねを申し上げたいと思うのでございますが、先ほども阿部委員の方から放送衛星の開発と予算の関連をめぐりまして議論がございました。事業収入の大宗を占めていますのが受信料収入でございまして、大臣意見の指摘の中にも、その「収入の伸びがほぼ限界に達している」という指摘がなされております。放送衛星の開発には巨額の資金投入を必要とするわけですし、それが財政を大きく圧迫してきていること、このことも大きな問題点でございます。国際放送の充実を図ろうとすれば、政府の交付金が増額をされない中でNHK側の財政負担が年々増大をしている。中期的にNHKの財政を見ますときに、以上三点が一番大きな問題じゃないか、これがうまく乗り切っていかれないと大変なことになる、私はかように考えているわけでございます。それは説明の中にもございましたとおり、六十二年からはさてどうするかということに直面するわけでありまして、現在経営三カ年計画で努力をされているわけでございますが、この絶対的条件とも言える厳しい環境には変わりがないように思うわけでございます。
 そういう財政基盤の現状の中で、放送衛星の二号aの信頼性がまだ確立されていませんで、その上でなおかつ、二号bがことしの夏には打ち上げられる、多くのリスクを覚悟しなければいけない、その開発経費には巨額の受信料が投入されるわけであります。離島、僻地や難視解消の部分について、視聴者全体が受信料の全体で一定の負担をし合うということについては理解ができるとしましても、それ以外のニューメディアサービスの開発費用まで全体の受信料で賄うというようなことについて、これはそれこそ判断の分かれるところじゃないか、私はこう思うわけでございます。
 だから、財政状況などの将来の展望をしましたときに、どうしてもお聞きしなければいかぬことは、放送衛星の開発といいますのは二号b、さらに三号へと打ち上げていくという方針はNHKは不変なのでありまして、この方針を変えられないというのでございましたら、これなら大丈夫という放送衛星が飛ぶまでの開発費用は、一般の受信料負担とならないように財政支出の仕組みを変えるということをしない限り、六十二年になったらまた受信料の値上げという格好でかぶるのじゃなかろうか、私はこういうふうにどうも判断せざるを得ませんが、その点、会長の御見解はいかがでございましょうか。
#295
○川原参考人 放送衛星につきましては、私どもとしてはいろいろ問題の御指摘はちょうだいしております。もちろん、今後事故等が起きては全く困る問題でございますけれども、非常に長い目で見た場合に、この衛星が持つ能力というのは大変大きなものがある、これは必ず国民の財産としてその利益は還元できるというふうに確信しております。
 ただ御指摘のように、その過程におきましてかなりの経費を要しますし、この経費をどのようにして調達するかについては、私どももっともっと慎重に議論していかなければならぬと思っております。一つの方法としては現在、開発の途上におきましては、一般の受信者の方の御負担によってある一定の金額を出させていただいて、これの開発に努めておりますけれども、放送衛星が安定した形になって展開する場合には、その放送衛星から出ます番組あるいはサービス、それの受益感と申しますかそれと、あるいは衛星の普及の進展等に合わせまして、私どもとしてはまた別の財政収入の問題を考えていかなければならない時期があるのではないか、そういう気持ちは持っております。
 ただし、今ここでもってそれはいつごろどのような形で展開していくかということを申し上げるまでに、我々の議論もまだ詰まっておりません。今後この三カ年計画を進める中で、また、放送衛星の二号bから三号へかけての仕事の展開の中で、その点はいろいろな角度から検討してまいりたいと思っております。
#296
○伊藤(忠)委員 お聞きしていましてもやはりはっきりしませんのは、BS2bをこの夏に打ち上げられる、aはああいう状態だ、bになれば不安定要素はなくなる、順調にそれが飛びまして、しかも3の打ち上げに向けて確実にニューメディアの実施に向けて事が運んでいくんだということが、なかなか言い切れないと思うのですね。ですから非常に議論になっていると思うのです。そうこうして、開発にはお金がかかる、六十二年がやってくる、そのときには、具体的なニューメディアのサービスができないとしたら、また料金負担ということに、現実の年度計画を進めようとすればそういう格好にならざるを得ないのではないかと思うのです。
 そのときにまた同じ議論を繰り返すということでは、視聴者に納得をしてもらうというのですから、NHKの将来はこうなんだ、だから放送衛星を今やっているけれども、これはこのようにニューメディアをいつごろには開発ができるんだ、ニューメディアを開発したらそれに対する受信料のあり方もこのように変えて、これから安定的な財政基盤も築きながら、NHKとしては高度情報化社会に向けて、視聴者のためにますます事業を発展をしていくんだということが展望として示されませんと、少なくともこれはこの時点あるいは近い将来にそのことがはっきりしませんと、またぞろ、非常に不安定な星を打ち上げていながら、ニューメディアの開発というのは一体いつ実るのだろうか、そのこととの関連で、その受信料は一体どうなるんだろうか、こういう議論がイタチごっこになるんじゃないかと私は思うのです。
 そういう不安がございますだけに私は、会長に何度がお聞きをしているわけですが、その点についていろいろな事情はあるのでしょうけれども、NHKとしては六十二年あたりにはこういうふうにやっていくんだ、料金体系もこうなるんだというようなことを、早い段階で明らかにされていく必要があるのではないか、このように私は考えるわけですが、どうでございましょう。
#297
○川原参考人 確かに新しいメディアを開発していく場合に、それの企業としての財政収入といいますか経営の方法について、なるべく早く先の展望を持ち、目標をはっきり定めて計画を進めることが大事だということは、御指摘のとおりだと思いますけれども、今肝心の衛星自体について、まずその安定性ということに全力を尽くしておりますし、いましばらくの間、この衛星の開発に対する私どもの経費といたしましては受信料の中からこれを割がしていただきたい。そして、ある一定のめどがつきます段階におきましては当然、今後それから先の受信者への負担をどのように考えるかということははっきりさせなければならないと思っております。
#298
○伊藤(忠)委員 時間の関係もございまして、この問題でそれ以上突っ込むことはできませんので、次の項目に移らしていただきます。
 地域放送の充実の問題について御質問をしたいと思います。
 NHKのローカル放送の拡充に向けて今日まで、放送時間の拡大だとかあるいは機材、さらに人的配置等について積極的に取り組まれてきていることについては、私たちも評価をしているわけでございます。このようにローカル放送の充実を図っていくということはとりもなおさず、私流の表現で言いますと、地方局というのですか、地域でのレベルの高い番組の制作能力を持つこと、このことではないのかと思うのであります。そのためには、一つは地方局への権限委譲の拡大、二つ目には人員、機材の再配置、三つ目には局舎設備の拡充、こういうことが総合的に措置をされて、レベルアップを図ることができるのではないか、こう考えるわけでございます。
 そこで、会長にお伺いしたいわけでございますが、アナウンサーあるいはプロデューサーの皆さんといいますのは、お聞きしますところ、本社採用だと聞いております、本部採用というのですか。技術関係、営業関係の皆さん方は地方局の採用に分かれている、こういうようにお聞きをしているわけですが、地域に根差した、生きがいを持って仕事に打ち込んでいくということが、地域放送の充実に不可欠の条件だろうと思うのでございます。そのような体制をつくっていく立場に立つならば、アナウンサーの皆さんやプロデューサーの皆さんも、協会本部の、中央の採用だけでなくて、地方採用のあり方についても見直していくというんですか、そういう方針でもって対処をされることについてどうお考えなのか、これが一点目でございます。
 二点目は、放送文化に果たすNHKの役割は極めて大きいと思います。文化を育てるということは、これは決してコマーシャルベース、そろばんではじき出して数字を出すというようなことではございませんで、まさにそういうメンタルな面での言うならば御活躍をいただくわけでありますが、そういう文化を生み出していくために、特に地方放送会館の問題でございます。私もあちらこちらの放送会館を拝見をするわけですが、総じてその建物が狭隘でございます。非常に狭いと思うんです。そういう中で、関係者の皆さんが日夜努力をいただいているわけですが、やはりこれは物理的な条件として、そういう狭隘の解消に向けて努力をされるということは、あわせて必要なのではないかと思います。
 一例を申し上げますが、私の地元の放送会館でも、非常に手狭なロビーを活用しまして、市民グループの皆さん、絵画グループの皆さん方がギャラリーを開いたりして、地域の文化活動と非常に交流の場になっているわけですが、いかんせん、それはもう狭いところでやっているわけであります。そういう点を見るにつけまして、やはりこういう会館の狭隘を解消していく、そういう点の努力をぜひともやっていただきたい、こう思うわけであります。
 三点目の問題ですが、従来は地方局のエリアに放送合唱団とかあるいは放送劇団というんですか、多くあったというふうに私は聞いているわけであります。最近残っていますのは大きな局ですね、地方とは言いましても、総括的な大きな局にはまだ存在しているそうですが、もうローカルの小さなところにはなくなったというんですが、今日の厳しい経営環境の中で、そういうことについて手が回らない、ついそういう経営になりがちだと思うんですが、私は放送文化を育てるという意味では、やはりコマーシャルベースではじいちゃいかぬと思います。
 したがって、意欲のあるそういう地方局が、市民のそういう活動、劇団だとかあるいは合唱団だとか、あるいは今言いましたような市民サークルと連携をしていく、そういう地方の文化活動に助成の手を差し伸べる、あるいは指導していく――指導という言葉は上に立ってやることですから正しくないと思いますが、そういう非常に友誼的な関係をさらに深めていって、トータルでもってNHK主導のもとに地域の放送文化としてそれのレベルアップを図っていくという点で非常に有益だと思いますし、そういう言うならば合唱団、劇団あるいは市民サークルに対する助成、育成の手を差し伸べていく努力について、NHKとしては私は積極的にやっていただきたい、こういうことをお願いしたいんですが、どうお考えでございましょうか。以上三点について、ひとつ御見解を賜りたいと思います。
#299
○横井参考人 お答えいたします。
 御質問が三点ございましたが、第一点の採用についてお答えを申し上げます。
 御承知のように五十九年度以降、地域放送の重点的強化というのが私どもの事業計画の大きな柱の一つでございます。そのためには先生がおっしゃるように、地方の番組のレベルが高くならなければならないのでありまして、地域に密着した放送の充実、そのためには、地方に根差した人材を育成することが大切であり、必要であろう、こういうふうに考えております。
 先生の御指摘にございました、PDやアナウンサーは東京で採って、営業、技術は地方で採っているという御指摘でございましたけれども、若干食い違いがございまして、高卒の職員は各地方地方で採用しております。それから大学の出身者は東京で一本という、これも地方を含めて採用しておるわけでございまして、この数年来、大学卒の採用につきましては、特に地方の大学の採用を重点的にふやしておりまして、大体毎年二〇%から三〇%は地方の大学の卒業生が入社している。それから、東京の大学卒業の学生につきましても、中身を見ますと地方の出身者が大半でございまして、そういった点からも、こういった地方の出身の学生の出身地等も考慮に入れた異動ローテーションを工夫しながら、地方の地域に根差した人材の育成に努力しておりますし、今後もその点につきましては鋭意努力、検討を続けてまいりたいと思います。
 以上でございます。
#300
○田中参考人 私の方からは、二点目の地方各局の設備の充実等についてお答えしたいと思います。
 今、六十年度につきましても、それぞれの地方の放送局が地域の特性に即した新しい地域サービス、つまり県域を主体にしながら広域放送もやる等々でございまして、そして特に私ども力を入れておりますのは、それぞれの実情に応じて自主的かつ自由な編成がそれぞれの地域の放送局でできるようにというふうに考えておるわけでございます。
 さらに、それぞれの各局の間の情報の交換等についても積極的にやっていきたい。そのために私ども六十年度には、小型ビデオの機材の配備、それから、老朽化しておりますニュースあるいは番組の送出の設備の更新等につきまして、重点的にやっていきたいというふうに思っております。
 そしてその結果、地域の六十年度の放送サービスにつきましては、総合テレビの方で約二十分ふえまして一日二時間、それからラジオの第一放送の方は十分ふえまして一日平均二時間半というふうにひとつ計画を進めていきたいというふうに思っております。
 さらに先ほど、ロビー等の活用で地方の皆さん方にギャラリー等でお使いいただいている放送会館の問題についてお触れいただきましたけれども、私どもことしで六十年の放送の歴史の中で、この地方の放送局がその地域の文化の拠点として果たしてきた役割というのを重大に考えております。したがいまして、これからさらに視聴者との結びつきという点を考えまして、今後とも地方会館の整備等につきましては、十分地方自治体の整備計画等に応じながらやっていきたいというふうに思っております。
 特に今後はそういった今触れました新しい地域のサービスのほかに、ニューメディアヘの対応というようなことも出てまいりますので、私ども地域文化の向上のためにこの放送会館の施設を、十二分にひとつ拠点になるようにしていただくように検討してまいりたいというふうに思っております。
#301
○川口参考人 第三点目の地方文化とNHKの関係でございますが、先生おっしゃったように、合唱団とか児童劇団あるいは劇団の人たちがそれぞれの地域で非常にいい活動をしていることはもう事実でございます。私もかつてはその担当でございました。
 それで、じゃ今その形をまたもとに返すかといいますと、そのまま返す必要はもうないんじゃないかというふうに私は今考えております。と言いますのは、特に若い人たちの好みだとかあるいは嗜好だとか、それからそういう文化に対する考え方の尺度がいろいろ違っている、多様化しておる、多彩になっております。ですから、単に合唱団、劇団ということだけではなくて、もちろんそれがあっても構わないのですけれども、シンポジウムだとか、あるいは今NHK等でやっておりますヤング・ミュージック・フェスティバルとか、いろんな形での地域活動の中にNHKが入っていって、放送と一緒になってそのサークルを盛り上げるとかいったことの方が、これからの時代ではいいのではないかというぐあいに思っております。当然、地方文化とNHKの関係はこれから深くなっていく方がいいし、また、そうでなければいけないというぐあいに思っておりますので、多彩な文化活動の中でお役に立ちたい、このように思っております。
#302
○伊藤(忠)委員 時間がないので非常に残念なんですが、最後にいただいた答弁は、時間があれば私もさらに突っ込んで議論をしたいと思う部分でございますが、非常に残念でございます。
 以上で一応質問は終わります。ありがとうございました。
#303
○渡辺委員長 松前仰君。
#304
○松前委員 朝からNHKの皆様、科学技術庁、それから通信・放送衛星機構の皆様、大変に長時間にわたりまして御苦労さまでございます。
 私はまず、会長に御意見を承りたいと思うわけでございます。労使関係のことにつきましてNHKにおきましては、ふだんから非常に健全な道を歩むように努力を続けておられ、その中において自主交渉を貫き通そうということで処理されておられる、努力されておられるということについて、私は大変な敬意を表するわけでございます。労使関係においてこのような姿勢を保つことは、マスコミの自由を守るという意味において非常に重要なことだろうと思います。特に視聴者から預かったお金を、外圧に屈することなく、視聴者の意見を正しく反映させるために自主独立の姿勢を貫く、これは私はどうしても公共放送を預かるNHKとしては重要なことだろう、そう思っておるわけでございます。
 しかしながら、午前中からの論議にもありましたように、いろいろな形でNHKに対する圧力、言論に対する圧力が加えられておる。その中で、話にも出ましたけれども、資料をとにかく出さなければいかぬ、そしてそれに対して反論を加えて出したらどうだ、こういう話が議論の中であったわけでございますけれども、言論の自由を守る立場、言論の自由をいかにして守るかということをしっかりと頭の中に入れて考えれば、資料を出さないことも反論の一つであろう、言論の自由を守るということについて、それを守るということでの反論というぐあいにとってもいいのではないだろうか、私はそういうふうに思うわけでございます。したがってこのことについては、NHKの中で断固たる姿勢をとっていただきたいと思うわけでございます。
 そしてまたさらには、コスト主義というものが今盛んに言われてきております。NHK、公共放送を預かる者としては、コスト主義に絶対に陥ってはならない。この放送が行われたすぐ後の新聞だったと思いますけれども、NHKは勝手なことをやる、これはコマーシャルをとらせる、コマーシャルを与えた会社にそういう放送をやらせないようにする方がいいというような意見も出ておった。私はそういう意味で、コマーシャルというものはやはり一つの外圧に対して非常に弱い立場に立たされる、そういうふうに思うわけでございます。したがって現在のNHKの方向について、これを何としても貫き通していく。もちろん、経営の巨大化という問題はございますけれども、それはマスコミの自由を守る立場とはまた別の次元ということでありまして、マスコミの言論の自由というものを守る立場において現在の姿勢を保ち続けるべきである、私はそういうふうに考えるわけでございます。
 受信料の問題につきましては、非常に難しい問題はあろうかと思います。これはNHKの中で十分に受信料というものについて検討されて、言論の自由、そして公共性というものを守れるような形のものを検討し、答えを出していただきたい、そういうふうに思うわけでございます。こういうように私は感じておりますが、会長としていかがお考えになっておられますでしょうか、その辺お聞きいたしたいと思います。
#305
○川原参考人 私どもとしてはいかなる場合でも、表現の自由といいますか、報道、言論の自由を守ることは一番の根本の問題だと確信をいたしております。また、経営に当たりましては、いかなる外圧にも属することのないような姿勢を貫かなければならないと思っております。
 また、コスト主義ということでございますけれども、NHKにはもともと利益という観念はございませんし、利潤を上げることは経営の目的でもございません。したがいまして、そういう観点からのコストということはもともとあり得ないわけでございます。
 ただしかし、私どもやはり限られた受信料財源の中で最も能率的な仕事をしていかなければなりませんので、その限りにおきまして、やはり仕事に対してかかる経費というものはすべての人間が明確に意識をして、そして最も能率的で合理的な仕事をやっていかなければならない、そういうことは企業として経営としてどうしても考えていかなければならない理念だと考えております。
#306
○松前委員 コスト主義の点につきましてもう少しお聞きいたしたいと思いますけれども、例えばNHKの関連ということについて申し上げますれば、NHK放送学園というのがございます。NHK放送学園の目的は一体何か、これは中学を卒業して、そして高等学校へ行けないというような人を対象に、何とかその人たちを救ってやらなければいけないということで、NHK放送学園というものがあると思うのであります。六%にも及びます中学から高校へ進学できないというような人、こういうNHK放送学園のような仕事というものは当然、コスト主義というものには全く見合わないようなものであるのではないだろうかと思うわけでございます。
 またニューメディア、CATV、情報化社会、いろいろ言われておりまして、ニューメディアフィーバーの中にありまして、今郵政省の方でテレトピアとかそういうようなもので各地が指定されましたけれども、その中で出てきたものの具体的な内容を見れば、どうしても欲しいと言っておるものはコスト主義に見合わないような、公共性を必要とするようなものが多いのではないだろうかと思うわけでございます。
 したがって、こういうような国民から忘れ去られようとするようなものについて、やはりNHKはどうしてもこれをやってやらなければいかぬという使命を持っているのではないだろうか、そういうふうに思います。したがってNHKは、コスト主義というものに走ってはならぬ。コマーシャルをとって採算を合わせるような方向になってはならぬと思うわけでございますが、この辺について郵政大臣のお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
#307
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、NHKは公共の福祉のために全国に放送を行うということを目的として設立されました公共放送機関でございます。したがいまして、この経営財源としては、公共放送機関としてのNHKを維持運営していくための特殊な負担金という性格を有する受信料によって賄われておるわけでございます。この受信料制度は、受信者が公平に負担することを建前としまして、それによってNHKの自主性なり不偏不党性が確保されておる、そのように考えておる次第でございます。
 こういうようなNHKに対しまして、広告放送をもし導入するということになりますと、財源の多様化には資するという面はあろうかと思うわけでございますけれども、反面、公共放送としてのNHKの基本的なそういう性格を変えてしまうおそれがあるのではないか、また先生御指摘のように、広告放送を基礎とする一般放送事業者との関連も考えなければならない、そのようないろいろな問題が出てくるんではないか。スポンサーからの影響といいますか、そういうようなことも予測し得ないこともないのではないかと思うわけでございます。そういう点からいいましても、コマーシャルを導入するという取り扱いは慎重にしなければならない、私どもそのように考えておる次第でございます。
#308
○左藤国務大臣 ただいま局長からお答え申し上げましたように、NHKの公共性という立場から、また、国民の全体からの受信料負担というふうなものから構成されておる点ということを十分考えたことで、我々は今お話しのような点につきまして努力をしなければならない、そういう大きな責務があるのじゃないか、このように考えております。
#309
○松前委員 今NHKの責務という点につきまして、公共性それから言論の自由、こういうものについて守る機関、これはやはり今の時代にNHKというものが非常に重要な意味を持っているということのお話があったというぐあいに解釈をするわけでございます。
 ところで、この公共放送、そしてまた重要な言論機関としての存在というものを支えるということにつきまして、その中に働く職員、この職員に対する待遇という問題について、これは非常に重要なことではないだろうかと私は考えます。このNHKのマスコミ機関としての職員の給料、賃金というものは、ほかのマスコミの賃金に比べて今どのくらい格差がついているか、その辺についてお答えいただきたいと思います。
#310
○横井参考人 お答えいたします。
 企業間の賃金の比較と申しますのは、労務構成、業務内容が違っておりますので、一概に比較することは非常に難しいのでございますけれども、一般職の平均基準賃金で申し上げますと、NHKが二十六万七千円でございまして、民放、新聞、それぞれ五十五社、十四社の平均が約二十九万円でございますので、二万円強の格差がある、こういうふうに感じています。
#311
○松前委員 また、公共放送ということに非常に重要な使命を帯びている中に働く職員が、やはり自分の仕事に誇りを持って、そして充実した生活というものがあってこそ初めて、質の高い文化的な、文化の論理に基づいた、国民の期待にこたえられるような放送ができるのだと私は思うわけでございます。二万円という差額があるというお話でございました。これはかなり大きな差額でございます。これについてNHKの方はどういう対処をされるつもりでございましょうか。
#312
○横井参考人 お答えします。
 協会の仕事というのは、公正中正な報道と豊かで良質な番組を視聴者に提供するというのが、我我の仕事の基幹になるものでございます。それをつくるのはあくまで人でございまして、そのためには、すぐれた人材を採用し育成することが必要であるし、それにふさわしい処遇をすることが好ましい、こういうふうに考えます。そういう意味から申し上げますと、先生が御指摘のように、同業他社と遜色のない給与が好ましいというふうに私は考えます。
 しかし一方、NHKは公共放送として受信料によって成り立っている企業体でございます。そういう意味から申し上げますならば、受信者から理解され納得されるものでなければならぬという制約もあろうかと思います。
 そういう観点から、協会の財政状況とその時代の同業他社の賃金水準、一般企業の賃金水準、そういう社会状況と協会の財政状況とを総合的に勘案して給与を決定していきたい、こういうふうに考えております。
#313
○松前委員 質の高い放送、文化の論理に基づきました放送というものをつくる上に当たりましては、やはりその働く条件というものについての条件がきちっとしている、そしてほかと遜色のないような形でやっていくということが一つの条件ではないだろうか。これは恐らく組合側からの論理になろうと思います。経営側からの論理になれば、今お答えのあったようなことになろうと思います。どうかこの点につきましては、十分労使話し合って、議論していただいて、そして納得いくような答えを出していただきたい、そういうふうに思う次第でございます。これにつきましてはこのぐらいにいたしたいと思います。
 次に、番組の外注についてお尋ねをいたしたいと思います。
 NHKは一九八四年、去年の十月からことしの一月にかけまして、番組制作供給会社NHKエンタープライズ、それから制作技術会社ですか、NHKテクニカルサービス、情報処理会社の株式会社NHKコンピューターサービス、この三つについて設立をするということでいるわけでありますけれども、この主たる目的は何になりますでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#314
○横井参考人 お答えいたします。
 先生御承知のとおり、放送法が五十七年に改正されまして、それに基づく政令の改正が行われました。私どもは五十九年度に、協会の委託による番組制作を行う会社としてエンタープライズを、番組制作にかかわる制作技術の会社としてテクニカルサービスを、それから情報処理並びにコンピューターのソフトの開発という意味でコンピューターサービスという三つの会社を設立し、出資をしたわけでございます。
#315
○松前委員 その中で、番組制作供給会社についてお答えいただきたいと思うのでございますけれども、この主たる目的、今お答えがなかったように思いますけれども、これはやはりNHKの財政ということを中心にして考えておられるわけでしょうか。
#316
○横井参考人 お答えします。
 経営の効率的運営、合理的運営というのは、これは協会のやはり喫緊の課題でございまして、そういう意味で私どもの現在の効率化計画というのは、協会の企業務、全部門について根本から見直しながらこれをやっていく。そのときに、ほとんどの仕事がほとんど一〇〇%に近い形で協会の中で行われているのが現状の姿ではないだろうか。そういう点から、業務の分析をやりながら、協業体制の中で外へ出していけるものは出していく、こういう考え方からこの会社を設立し、同時に、NHKが持っているノーハウを今後、CATVその他ソフトが不足してくる時代が来るわけで、社会にも還元できる、あわせて、NHKの本体とその会社との競争の中で新しい多様化していく視聴者のニーズにこたえられる、そういう要素を含めてこの会社を設立したわけでございます。
#317
○松前委員 時間が限られておりますから、このことについての懸念を申し上げておきたいと思うのでございます。
 この目的は、まず第一に合理化ということで、作業分担ということは言うなれば合理化ということになろうと思います。これはコスト主義につながるものでございまして、番組の質の低下という部分につながっていく危険がある、これは大きな懸念でございます。もう一つは、恐らく番組の活性化、今おっしゃいました中にもあったと思いますが、番組の活性化というような方向で競争させていくというものがあろうと思うわけでございます。この辺については、特に私自身も異論を挟むものではないのでありますけれども、その最初のコスト主義に基づくこういうものをつくったということにつきましては、公共性は守るというNHKの立場で、こういうような外部の会社において本当に公共性を守れるような番組をつくることができるかどうか。
 最初のうちはいいと思います。最初のうちはいいと思いますけれども、それがその市場の中の競争原理に入っていって、その番組はNHK以外にも提供するという格好になっております。そうしますと、売れない番組というのがだんだん出てくる。そうすると、どうしてもそれをもっと売れるような形に直していかなければならぬ。そこでの採算性を合わすためにそういう格好にしていかなければならぬ。そうすると、番組の質の低下という方向につながっていきかねないわけでございます。
 したがってこの辺について、将来のことも考えて、ずっと長い目で考えましてこれが本当にこういうところに外注していいものだろうか。外注するということになっておりますから、それをやめろということではありませんが、公共放送として、この外注する会社とNHKの関係というのをいかにしていくかというのを今この時点で、現時点でそれをきちっと考えていかなければならないのではないだろうか、そういうふうに考えますが、その辺についてNHKの御意見をお伺いしたいと思います。
#318
○川口参考人 番組制作というのは非常に難しいものでございます。現に民放の幾つかの番組の中で失敗したものもございます。ただ、非常にうまくいったところもございます。私どもはそういう前例を見ながら、NHKの番組を外でつくることがいい形になるように、私は放送の責任者でございますから、そこについては十分に準備をし、かつ的確な実施をしていきたい、こう思っております。何とか外でつくることによって、一種の活性化があり、それからNHKの持っておるものを社会に還元する、そういう大目的もまた果たせるようになるように十分慎重に努力をしたいと思っております。
#319
○松前委員 もう既に民間放送の中では失敗をして、自分のところに制作局ですか、そういうものをつくって戻したという例もあるわけでございます。そういう例もよく見て、そして民放というものとNHKとの違いというところをしっかり考えていただいて、公共性、そして国民のための放送というような立場から、本当にそういう番組がつくれるかどうかということを今現時点で考えていかなければいかぬのじゃないだろうか、私はそこを言いたいわけでございます。やってみて考えていくのではだめである。もう今現時点で考えて将来のことをきちっと決めていくというようなことをやっていかなければならぬ。
 やってみたらどうだろうかということになれば放送衛星と同じような格好になってしまうのではないだろうか、そういう懸念を持っておるわけでございます。したがって、この点につきましては、恐らく労使間でも話し合いが行われておると思います。組合側の意見も十分聞いていただいて、そして本当に公共放送としてNHK全体が将来とも存続していけるような形に整えていただきたい、そういうふうに要望をいたす次第でございます。
 さて最後に、放送衛星の問題につきましてお伺いをしたいと思います。放送衛星は先ほどからたくさんの話が出ましたので、重複を避けようと思います。
 そこで郵政省に聞きたいのでありますが、現時点で放送衛星ゆり二号bは予定どおり打ち上げをできるとお考えになっておりますでしょうか。
#320
○奥山政府委員 ゆり二号のbの取り扱いでございますが、昨年生じましたゆり二号aの原因究明が、宇宙開発委員会の放送衛星対策特別委員会の技術小委員会で解明されまして、昨年十月十九日にその検討結果が了承されております。したがいまして、その検討結果に基づいた措置を二号bについて講じまして、本年一月十二日から三月十七日までにかけまして、所定の改良措置をした二号bの熱真空試験を既に完了したところでございます。
 熱真空試験は完了いたしましたので、これから先の予定といたしましては、中継器全体のテスト、それから衛星を組み立てるという作業、さらに今度は衛星全体のテストといたしましてインターフェーステスト等を含むものをやりました後、射場へ持ち込んでの最終試験を行って、これらが順調にいけばことしの夏に予定どおり打ち上げる予定でございます。少なくとも申し上げられますことは、これまでの熱真空試験は良好な成果をおさめたということでございます。
#321
○松前委員 今の話は大分違うように思います。R系統は悪いということは新聞にもたしか載っておったと思いますけれども、今のお話で予定どおり順調にいけばという言葉がありました。たとえ今までの試験がよくても、順調にいけばという言葉がございました。もしこれが順調にいかなかった場合はどういうふうにされますか。打ち上げはいつになりますか。
#322
○奥山政府委員 まず、一系統にふぐあいがあったではないかという点について補足して説明させていただきますけれども、一月十二日から熱真空試験を開始いたしました後、一系統につきましては順調にテストが済みましたが、確かに一系統につきましては、安定性を欠いた状態が起こりましたので、予備のTWT、進行波管と取りかえまして、三月十七日にこれも良好な成績のうちに熱真空試験は終わっております。
 これから先のスケジュール、先ほど申し上げましたとおりですが、もしこれらが、私どもはつつがなく遂行できるということを期待しておりますけれども、万が一、まだ後に残っております中継器全体のテスト、衛星のテスト、それから射場における最終テスト等の段階で何かふぐあいが生じましたならば、その段階で関係者でその取り扱いについては慎重に検討されることになろうかと思います。
#323
○松前委員 その段階において慎重に検討されるということをおっしゃいました。その段階にいかなければ何もやらぬのですか。これは打ち上げ延期になった後の問題点というのは御承知ですか。そこをちょっと、問題点は何があるか言ってください。
#324
○奥山政府委員 現在までのところは、所定の熱真空試験等は順調に完了しております。しかしながら、まだ越えなければならないハードルがございますので、その段階で何かふぐあいが生じた場合には関係者で慎重に検討しようということを申し上げたわけでございます。
 先生の御懸念は、そのようなふぐあいがあるにもかかわらず、打ち上げを強行するのではないかという御質問かと思いますけれども、この点につきましては、既に二号のaにおきまして諸先生方からも多角的な問題点を指摘されておりますので、それらを十分考慮した上で判断をするということになろうかと思います。
#325
○松前委員 全然わかっていらっしゃらないですね。要するに、打ち上げを延期した場合に、どこのところにこの打ち上げを持っていかれるか私はわかりません。二年先だか三年先だか、恐らくそのぐらいにしかならぬでしょう。宇宙開発事業団の方はもうすべてスケジュールは組まれております。したがって後ろの方につくよりほかはない。そうすると何年延びるか、三年ぐらい延びるかもしらぬ。そのときに、衛星自身をそのままほっておくわけにはいかぬわけです。保管しなければいかぬでしょう。そして寿命の切れる部品がたくさん出てくる。それはかえなければいかぬでしょう。そうしたら、そのときにだれがお金を出すでしょうか。東芝、GEは、これは日本の都合で打ち上げが延期になったということで、おれは払わないよと言うに決まっている。その辺のことを郵政省はわかっていたのか。
 だから、そういうことになってくると、またお金がかかるから、何が何でも八月に打ち上げろということになってしまうんですよ。だから私は、この宇宙開発の計画というのは大変におかしいと思っておる。何が何でも打ち上げろ、何が何でも間に合わせろ。だからこうやって急いで開発してきて、問題点があるにもかかわらずこういうぐあいになって、BS2aが大問題になってくるんです。その辺を何とが解消できるように何らかの補償ができるような形にしていかなければ、これからの放送衛星三号についても全く同じことが起こる。
 三号については、もう既にNHKはお金を払っておる。トータルして衛星に六十一億円ぐらいかけちゃっておるんです。このままいけばどうしても六十三年ですか、その時点に打ち上げろということになってくる。だめであれば打ち上げないというようなことを確立して、補償をちゃんとつけられるような格好にしなければ、宇宙開発はこれから実用の放送衛星、通信衛星等の打ち上げについては非常に問題が残されるし、視聴者から常に怒られるという格好にならざるを得ないのです。この辺について郵政省、お答えいただきたいと思います。
#326
○奥山政府委員 二号aに生じました原因の究明は、宇宙開発委員会でひとまず了承されておりますので、その結果に基づいて措置を講じて、改良されたもので今日までテストを続けてきておるわけですが、先ほど申し上げましたように、これまでのところは順調に推移しておりますので、私どもは今期の夏期に予定どおり打ち上げられることを期待しているものでございます。
 もし万一それができなかった場合に、先生が御指摘になりました部品の期限切れの問題あるいは保管料の問題等が生ずるわけでございますが、現時点ではそのような事態が生ずることが予見できませんので、もしそのような事態になりましたならば、関係者の間で十分慎重に検討をするつもりでございます。
#327
○松前委員 郵政大臣にお聞きしたいのですけれども、今お話ありましたように、順調に推移したときのことしか現時点では考えておらないのですよ。実用放送衛星ということになれば、やはり失敗したときのことも考えなければいかぬ。失敗する確率はあるわけですから、確率があるならば、その後のことをきちっと考えて、すべてオーケーという形になっていかないと実用放送衛星として成り立っていかない、こういうふうに思うわけです。その辺について、郵政省の中で至急検討を始めていただきたい、その辺について郵政大臣の御意見を承りたい。
#328
○左藤国務大臣 大変なお金をかけてやることであります。そういった意味で、今の準備を十分してやっていかなきゃならない国民の皆さんに対して責任というものがあるわけでありますから、そういう意味におきまして、省内でも十分検討し、またさらに、関係の宇宙開発委員会、科学技術庁、それからNHK、いろんなところと十分打ち合わせをいたしまして、そうしたことで準備をしなければならない、このように考えておるところでございます。
#329
○松前委員 阿部議員の質問のはまだ中途半端でございますけれども、あの点も含めまして郵政省、郵政大臣の指導のもとに早急に、本当に放送衛星を打ち上げても大丈夫だと安心する体制、本当に安全である、NHKが安心して乗っていけるという格好に持っていっていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。
 時間が終わったということでございますので、これで私の質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。
#330
○渡辺委員長 鈴木強君。
#331
○鈴木(強)委員 大分時間がおくれておりますので、簡潔に二、三質問をいたします。
 まず郵政大臣、この意見書を拝見しますと、協会は昨年、要するに五十九年度に受信料の改定を行いました。そして現在は財政基盤の安定を確保しておりますが、一番問題なのは、受信料収入の伸びがほぼ限界に達しているという、ここだと私は思うのです。したがって、協会の経営は依然として極めて厳しい、こういうふうに大臣は御指摘をしておられますが、私も同感です。
 そこで、これから「協会は、経営の基盤である受信料収入の確保を図るとともに、徹底した経営の合理化と経費の節減を実施することにより、極力長期にわたり受信者の負担増を来さないよう努めること。」こういうふうに書いてあります。またもう一面におきましては、「長期的展望に立った事業運営を行うため、ニューメディア時代に向けて、公共放送機関としての協会の経営の在り方について更に検討を進めるべきである。」こういうような二十一世紀に向けてのニューメディア対策も持っておるわけでありますから、大変なことだと私は思うのです。
 時間がありませんので、詳細にできませんが、ここでお伺いしたいのは、大臣として「極力長期にわたり受信者の負担増を来さないよう努めること。」というのは大体どういう内容であるか、これをひとつ示してもらいたい。
#332
○左藤国務大臣 協会の六十年度予算案を見ますと、昭和五十九年から六十一年までの経営計画に基づいて、そして収支の予算が計上されておる中におきまして、六十年度予算においては七億円を財政を安定させるために来年度に繰り越そう、こういうような計画になっておるわけでございます。
 そういう点から見まして、七億円を六十一年度に繰り越した場合にでも、六十一年度でもって赤字になって、そして受信料値上げというような問題が次の段階で、六十二年度以降に出てきては困るわけでありますから、「極力長期にわたり受信者の負担増を来さないよう」というのは、協会が経営の合理化を一層図っていただく、またそうした面で経費の節減も図っていただく、こういうことによって、今申しましたようなことで、六十一年までの計画というのはあるわけでありますけれども、六十二年度以降におきましてもできるだけ値上げをしないでいけるという努力をしていただきたい、こういう希望をあらわしたものでございます。
#333
○鈴木(強)委員 郵政大臣は、協会の収支予算、事業計画等を十分に勉強されて、そしてこういう意見書をつけられたと思うのですが、実施するNHK側については、これまた大変だと思うのですね。さっきも三カ年計画がここで質疑に上りました。会長からもお話を承りましたが、いろいろな苦労をし、工夫をし、努力をしてみても、前回示した三カ年の五十九、六十、六十一年度はとにかくとして、その先は非常に暗い。特にニューメディアの時代に向けてのいろいろな施策もしなくてはならない。放送衛星の問題も出てまいりました。したがってNHKとしては、少なくとも当初三カ年くらいは値上げをしないでいこうという御決意であったと思うのですが、郵政省、国民の側から見れば、視聴者の側から見れば、それはもう大臣おっしゃるように、六十二年でも六十三年でも現行料金でいってもらうことが一番いいのですね。
 だからといって、もう受信者は新規には伸びてこない。受信料は限界に来ておる。それはいろいろな副次収入や何か考えてみたところで、これはもうそう大したことは期待できないと思うわけですね。そうなりますと、結果的には、受信料の値上げによって、協会が公共放送の使命を立派に果たしていくというところに帰着するように私は思うのですね。ですから、実際に経営に携わるのは会長以下の皆さんでございますから、郵政大臣は郵政大臣としてこの意見書をつけておられるわけで、そこにぴしっとした呼吸が合うかどうかということが非常に問題だと私は思うのですね。
 ですからここでにわかに、じゃあ会長、いつまで上げなくて済むのですかということを聞くのは酷かもしれません。しかし、大臣もおっしゃったのですが、おおよそのめどというものはこの際明らかにしておく必要がある。例えば六十一年まではもう絶対上げません、六十二年度以降は危ないとか、そういうようなことは現段階ではまだ言える立場ではないですか。いろいろ努力してみて、六十一年度までは大丈夫だ、これは言えるでしょうね。
#334
○川原参考人 昨年この席で料金の改定をお願いし、その節、三年の計画をお示しして、三年はこの新しい料金でやります。その際、初年度においては相当の黒字が出ますが、三年目にはどうしてもかなりの赤字が出ざるを得ない状況にあった。それを相殺して、この三年間はこの料金でやりますということをお約束したわけでございまして、その後の展開を見て、まだ一年経過した段階で、いや実はこれはもっと延びる、持たし得るというような状況にはとても今ないわけでございます。
 むしろ逆に、収入の面では、私ども鋭意努力はしておりますけれども、受信料の伸びは、予定した量額としてはすれすれに参りますけれども、それでもやはり下回らざるを得ない。それを今、副次収入で何とか補いをつけようというところに来ておるわけでございまして、今の時点で、もちろん六十一年度、五十九年度から六十一年度までは現行料金でやる、これは計画でございますので、それは必ず守ります。しかし、そこから先につきましては、むしろ支出の方でふえる要素があり、収入の方で非常に苦しい要素はあっても、それが楽になるという要素は、残念ながら今この一年のところではなかなか出てまいらないというところでございます。
 しかし今、鈴木委員もおっしゃるように、また郵政大臣の意見書もありますように、もちろん視聴者の立場に立ては、受信料の値上げはできるだけ先というか、ないことが望ましいのはよくわかっておりますので、私どもはそれを一つの目標としまして、さらに努力は重ねてまいりたいと思っております。
#335
○鈴木(強)委員 それで、いろいろNHKの今後のあり方について調査研究をするということで、何か政府の方、調査費を計上したとかというのをちょっと伺ったのですが、それはNHK側も了承しておられるのですか。それから、実際にどういうところをその調査費を使って、今後のNHKのあり方――もし私の聞いたのが間違っておれば訂正いたしますが、協会の今後のあり方に対して何か検討を加えて研究するということであるならば、本当に何をねらってやろうとしているのか、その点をちょっと教えていただきたい。
#336
○左藤国務大臣 郵政省の六十年度予算に放送問題の調査検討をするための経費というのがとってございまして、これは一般的に放送法制全体の問題といいますか、放送の長期的な見通しというものについて勉強するための経費でありまして、NHKのあり方はもちろん当然その中に含まれてくる、このように考えております。
#337
○鈴木(強)委員 そうなりますと、これは基本的な問題も絡んでくると思いますから、NHK側と十分な連携をとっていただきたい。そして公共放送としての六十年の歴史、これはもう本当に大変な貴重な歴史であったと私は思います。わずか五百八名、千五百人の加入者を対象に始まったのが六十年前でありますから、今日のニューメディアの時代を考えてみると、本当に感慨無量だと思いますが、大変な年月をかけてここまで来た公共放送というものが、一歩たりとも後退することがあってはいけないと私は思うのです。そういう点は大臣よく御理解だと思いますが、下手にそういうようなところに何か問題がいくようになっては困るわけですから、少なくとも協会側と十分な連携をとって、テーマを決め、そして内容の検討をしていただくようなそういうような運営をしていただけますか。
#338
○左藤国務大臣 当然そういうことを配慮しなければならない、このように考えております。
#339
○鈴木(強)委員 それじゃ、それでひとつよろしくお願いします。
 時間がありませんから、次に進みますが、次に、これも間違っておったら訂正をさせていただきますが、たしか五十五年二月から東京で、非常災害時の緊急警報システムの実験放送を開始しておったと思いますが、この結果はどういうふうになっておりますでしょうか。それから、これを実用放送化していくということはいつごろからになるのでございましょうか、ちょっと教えてもらいたい。
#340
○川口参考人 緊急警報放送というのは、今のようにいろいろなところで災害が出てくるような場合に、いかに早くそれを伝えるかというふうなことのために特別な装置を施そうというものでございます。非常災害が出ましたときに、放送局からの信号が送られる、その信号によって緊急情報をより確実に受信できるようにというのが、この目的でございます。
 ところが、これをやる上には、考えなければいけないなかなか難しいことがいっぱいございまして、まず実施に当たりましては、事前に運用の基準について、関係機関との合意が成立しなければいけないということがございます。それから実施に当たりまして、確実な運用体制を部内で、NHKの中で、これはもちろん民放もやりますけれども、放送局の中で運用体制を確実につくっておく必要があるということがございます。今、運用基準につきましては、郵政省、それから民放、NHKの放送事業者、それに防災四省の間で基本的な合意を見ております。部内の実施の手続、それについても今作業を急いでおりまして、大体見通しを得ております。
 NHKといたしましては、以上の条件が整い次第に実施に移すということを今考えておりますが、災害放送に対する視聴者の要請が非常に強い現段階、急いでこういったことを準備をして実施にこぎつけたい、このように思っております。
#341
○鈴木(強)委員 それは大変いいことで、私たちも推奨しておったわけですが、スイッチを切って休みますね、地震が来る、そうするとNHKからの信号によってスイッチが作動し、テレビが動いて情報が入ってくる、こういうことですから、これは非常に結構なことだと思いまして、早く緊急放送の実験放送が終わって実用化の方向に行かないか、こう私たちは強く願っておったわけなんですよ。
 特に山梨県の私の選挙区の方は、東海の大規模地震対策特別措置法の中に入っておりまして、強化地域なんですね。ですから、この警報が今の地震観測からしますと、早ければ大体三日くらい前にはわかるのだそうですね。それから、遅くとも数時間前には伝達できるようなところまで観測網が整備されておるのも事実なんです。それに加えて、こういった緊急警報システム等によって情報が早く伝わるようになりますと、鬼に金棒ということになるのだと思うのです。ですから、特にそういう地震の多い地域におきましてはかなり待望しておるわけであります。
 今お話のありましたように、実用化の可能性については、運用基準の問題だとかあるいは確実な運用体制をつくっておくことが必要であるとか、各省庁との連絡も必要だということでございますから、これは五十五年ですから五年たっていますね、五十五年二月とすれば。ですからもう少しスピードを上げて、これは大臣も協力してあげてくださいよ。四省はもう大体合意しているようですから、手続上の問題であればそれを急いで、そしてできるだけ早く実用化ができるような努力をぜひやってもらいたいと思います。これはNHKの川口さん、あなたが担当のようですから、ちょっと答えてください。大臣からもちょっとフォローしてください。
#342
○川口参考人 NHKとしては、今お答え申し上げましたとおり、合議だとかそれから運用体制とかを早く決めて早急な実施に持っていきたい、このように思っております。
#343
○徳田政府委員 緊急警報放送システムに関しましては、先ほど御説明申し上げましたようにいろいろと問題がありまして、例えばどういう警報を流すかとか、それから実際に流したときの受信機の信頼性の問題であるとか、その他いろいろ現実にはなかなか難しい問題もございまして、相当時間がかかっておりましたが、近々省令等改正をいたしまして実用化の道を開きたい、そのように考えております。
#344
○鈴木(強)委員 これは実施の地域というのはどこからやるか。全国一斉にやるとか各地域的にやるとか、そういう地域構想というのはあるわけですか。
#345
○川口参考人 今予定しておりますのは全国、それから広域、それから県域と三つの形でもって実施をしたいと思っております。
#346
○鈴木(強)委員 地震の起きるところは早いんだな。
#347
○川口参考人 災害の種類、状態等により県域で先にやる場合もございます。当然その三つは、全国が先だとかそういう意味では全くございません。
#348
○鈴木(強)委員 わかりました。
 それでは次に、雑誌「放送文化」の休刊の問題についてお伺いをしたいのですが、日本放送出版協会が発行しておりました「放送文化」が三月で休刊になるというふうに伺ったので、ちょっと寂しいのですけれども、どうして休刊にしなければならないのでしょうか。
#349
○田中参考人 「放送文化」は株式会社の日本放送出版協会が編集、発行をやっております。したがって、その休刊は出版協会独自の問題でありますけれども、休刊の理由は現在、先ほどから議論が出ておりますように、放送界はニューメディア時代を迎えまして非常に抜本的な、根本的な変革期にあります。そういったことで、今までは御存じのように「放送文化」は、月刊の形で役割を果たしてきたわけでありますけれども、これからはそういった新しい時代に向けてどういう発刊の仕方をしたらいいのか、また中身はどういうふうにすればいいのかということを現在、出版協会の方でいろいろ検討しているようでございますので、私どもとしては、これからのそういった新しいやり方について現在見守っているということでございます。
#350
○鈴木(強)委員 これは協会が全額出資をしておるものですね。そうですか。
#351
○田中参考人 この「放送文化」につきましては、先ほど申し上げましたように、編集、発行とも出版協会がやっておりますので、私どもとしてはその中から約二千八百部ほどNHKとして、各方面にいろいろ配付するために買い上げをしておるということでございます。
 なお御参考までに、発行部数はことしの二月、三月号で一万三千部でございます。それで、実際に現在売れているのが、大体九千部くらいじゃないだろうかというふうに私どもは見ております。
#352
○鈴木(強)委員 いや、出資のことなんです。
#353
○田中参考人 出版協会に対しての出資につきましては、私ども現在一〇%弱出資をしております。
#354
○鈴木(強)委員 この「放送文化」が発行されたのは、一九四六年当時だと思います。その当時はNHKが編集をしておりましたね。そして七六年に出版協会にこれは移ったのです。放送界を理論的にリードする専門誌として非常に評判がよくて、私たちもよく読ませていただきました。こういう雑誌が今お述べになりましたような理由でなくなっていくということは、非常に残念だと私は思いまして、愛着を感じておるがゆえに、ここにどうして休刊するのかということを伺ったわけですが、もう絶対にこれを続けていくということは不可能だ、こういうことでございましょうか、再刊の余地はないということでございましょうか。
#355
○田中参考人 「放送文化」三月号の一番末尾のところで、出版協会の「放送文化」の編集部の方から「読者の皆様へ」ということで、この「放送文化」を三十九年近く発行してまいりましたけれども、これからはいろいろ読者の御要望等を伺いまして、とりあえずはいろいろニューメディア等等の具体的な特集を中心にするとかいうようなことで、今までと若干中身の違った編集の中身で、そして先ほどもちょっと触れましたように、不定期の刊行物として今後何とか時代に合ったような形でひとつやっていきたいということを書いておりますけれども、私どももそういったやり方についてこれからできるだけ温かく見守っていきたいというふうに思っております。
#356
○鈴木(強)委員 田中副会長の御意見を承りまして、何となく私たちは捨てがたいものを感ずるものですから、執念深く申し上げて恐縮なのですが、ぜひまた御協力していただきたいと思います。
 それからその次に、飛び飛びで申しわけありませんが、国際放送の問題について一言触れておきたいのであります。
 国際放送の重要性にかんがみ、引き続いてその受信改善に努めなさいというのが大臣の意見書の中に述べられております。また、会長も午前中のごあいさつの中で、「国際放送においては、ニュース・インフォメーション番組、各地域の特殊性に即した番組を編成し、放送を通じての国際間の理解と親善に寄与するとともに、受信の改善に努めることといたしております。」こういうふうにお述べになっております。
 そこで、昭和五十九年度から六十二年度までの四カ年間に、本委員会でも非常に問題になりまして、国際放送全体の改善のためにまず送信機の整備をやろうというので、KDD八俣送信所の送信機を使っておりますNHKの国際放送、これはオンリーでやっているものでありますから、これを整備しようということで計画が策定されました。その後進捗状況はどういうふうになっておりますか、ちょっと最近の時点においてわかっているところで報告をしてもらいたい。
#357
○矢橋参考人 八俣の整備工事につきましては、KDDの手によって現在施行されておるわけでございますけれども、KDDからの連絡によりますと、現在までのところ工事は順調に推移しているということでございます。主要な設備であります送信機、それから空中線、電力設備等につきましては現在、設計、製造段階に入っております。
 今後の年度別の工事計画とそれに伴う放送の実施計画につきましては、五十九年度に引き続きまして六十年度は、主として設備の設計、製造を行うほか、局舎、機械を入れる局舎でございますけれども、局舎の建築工事を完了する予定になっております。それから、六十一年度と六十二年度につきましては、主として設備の据えつけ、それから調整工事を行うことにしておりまして、百キロワット及び三百キロワットの設備は、六十一年度の半ばごろから完成後、順次放送に使用していくというように聞いております。
 六十三年度以降の放送は、全面的に新しい設備によりまして行うことになっておりまして、国際放送の受信改善が図られるということを期待しておるわけでございます。
#358
○鈴木(強)委員 この送信所の進捗状況は大体わかりました。
 それで、空中線用の用地の確保については、これは完全にできましたか。
#359
○川原参考人 八俣における新しい送信所は、原則的には現在の敷地の中でできる予定でございます。
#360
○鈴木(強)委員 ちょっと私が伺ったところでは、空中線用地確保のための調査も完了したというふうに聞いていますから、恐らく広げていくのではないか、あるいはほかの場所に移すのではないか、こういうふうに思ったのですが、では、今の構内の大体現在のところに建てるということでいいですか。
#361
○矢橋参考人 これは主として空中線関係で大変敷地をとりますから、これは四つに分けて順次新しく入れかえていくということで、現在の用地をそのまま使って入れかえるということになっております。
#362
○鈴木(強)委員 送信機のうち二機は、西独のAEGテレフンケン社の製造のものだと聞いておるのですが、こういうものはやはりドイツから持ってこなければだめなのですか。日本ではこれはだめなのですか。
#363
○矢橋参考人 機器の発注は国際電電の方で一切責任を持ってやっていますので、私の方としては、工期の問題、要するに、全部一社でやると大変工期がかかりますから、そういった意味の分散というようなこと、あるいは外国製品、例えばテレフンケンあたりでは大変すぐれた技術がございますので、そういった技術の導入ということもあわせ考えているというように聞いております。
#364
○鈴木(強)委員 かなりの金を負担しておるのですけれども、では、あなた任せですな、送信所はどうぞよろしく、こうなっておるのですね。
 大体今のお話ですと、六十二年以降になりますと三百キロワットあるいは百キロワットの送信機が動いていくというようなことでございますが、工期とおっしゃったのですが、その工期のことですか。そうすると全体で、全部動いていくのはいつなのですか。
#365
○矢橋参考人 六十二年までに工事を終えまして、六十三年度から全体の送信機が動きます。
#366
○鈴木(強)委員 何台ですか。
#367
○矢橋参考人 百キロワット四台と三百キロワット四台でございます。
#368
○鈴木(強)委員 八台。
#369
○矢橋参考人 八台でございます。
#370
○鈴木(強)委員 それで、この施設改善のための費用、これがまた問題なんですよ。例えば、五十九年度は三十六億九千二百万円ですが、国の負担が二億五千万円で、NHKが三十四億四千二百万円出している。六十年度は二十一億五千百万円で、国の負担が二億六千五百万円、NHKが十八億八千六百万円。また、六十一、六十二年度につきましても、国の負担がまだちょっと決まっておりませんが、大体四十八億が六十一年度、三十五億が六十二年度と、相当な金がこの施設改善のために使われていくわけですね。総計百四十二億七千七百万円、こうなるわけであります。
 ところで大臣、ことしの政府からNHKに交付する放送関係の費用というのは、十二億三千九百八十三万四千円ですね。五十九年度が十二億五千五百五十三万三千円、マイナス一千五百六十九万九千円になっているのですね。一生懸命設備を拡充してください――やはり送信機がよくないと受信もうまくいかないでしょうね。NHKの方では、全世界のどこでラジオジャパンが聞こえるか聞こえないかということも調べていらっしゃるし、また中継局をつくることも考えていらっしゃるのですが、いずれにしても金がかかるわけです。これはもうちょっと国として助成をしてもらえないのですか。少し頑張って上げてくれなければ、これはとてもかなわぬですよ。
#371
○左藤国務大臣 確かに五十九年度の予算を若干、国際放送の交付金としては下回ったわけでございますが、非常に財政情勢が厳しい中でございまして、あらゆる補助金、そうしたものについてのシーリングがかけられるというふうな情勢の中で、若干減額をせざるを得なかったということであるわけでございますけれども、今後、国際放送の重要性ということから考えましてさらに努力をしなければならない、このように考えております。
#372
○鈴木(強)委員 時間が来ました。ことしは大臣が御就任の直後、予算編成がありましたので、もう一声――大臣は今現役でしょう。現役で予算編成権があるのです。大蔵大臣と談判して、もういいからとにかく国際放送の金をもう少し取ってきてくださいよ。そうでなかったら拡充するなんて言わない方がいい。言うからには金を持ってこなければだめですよ。それをひとつ大臣にお願いして、終わります。
#373
○渡辺委員長 竹内勝彦君。
#374
○竹内(勝)委員 私は、高度情報社会が進んでいく中で、ニューメディアがどんどん発展していくわけでございますけれども、そういう中で見逃してはならない問題でございますが、今まで受信障害としては、例えば高圧の鉄塔だとかあるいは列車が走っているとか、あるいは航空機の問題であるとかビル難視だとか、いろいろなものがふくそうして受信障害というものがあったわけでございます。そういう中で、それに対応していろいろと努力を重ねてきた。
 最近は特に、伺う中では、例えばパソコンだとかファクシミリだとかいうOA機器、こういうようなものによって何らかの受信障害という形で、最近テレビがちらちらして見えにくいとかいろいろなそういうことも聞くわけでございますけれども、そういう中でNHKとして、こういうOA機器等にかかわる問題での受信障害の状況というものをどのようにつかんでおるか、まず最初に御答弁いただきたいと思います。
#375
○矢橋参考人 受信障害の相談は何件ぐらいあるかということでございますけれども、NHKに寄せられます受信障害に伴う受信相談でございますけれども、電気雑音による障害相談は年間約三万件程度ございます。その中で、先生御指摘のパソコンによる電波障害につきましては、パソコンの普及に伴って数年前からだんだん目立ってきましたけれども、最近六カ月間にNHKに相談のあったものは全国で約三十件でございます。
 なお、全国的にどれぐらいあるのか、これは障害の発生する数につきましては、電器店あるいはメーカーといろいろな相談がございますので、NHKとしては全体の数はつかみ得ておりません。
#376
○竹内(勝)委員 今までは今、私が申し上げましたような電波障害というものがあったやに伺っておりますけれども、最近の傾向としてどうでしょうか。ファクシミリやあるいはワープロがどんどんこれから発展してきますね、そういう中でこういうような傾向を、今数は若干でございますけれども、どのようにとらえていますか。こういう受信障害というものが今後ふえていく傾向にあるのかどうか、その点のお考えをお聞かせください。
#377
○矢橋参考人 最近のパソコンの普及は大変急でございますので、いわゆるそういった障害というものは増加傾向になるだろうと思いますけれども、これは今後の対策によって極力増加しないような方向にいろいろ努力すべきだと思っております。
#378
○竹内(勝)委員 そこで、このワープロ等が障害を起こす原因というものは一体どういうような構造になっていますか、その辺のことをちょっとお聞かせください。
#379
○矢橋参考人 パソコンの障害というのは、比較的障害の及ぼす範囲は狭うございまして、大体そのパソコンを持っている家庭の中あるいは若干木造家屋の隣近所という程度の範囲でございます。
 その電波障害を引き起こす原因といたしましては、専門的なことになりますけれども、パソコンの内部のクロック信号発生回路というのがございまして、そこに使っております数メガヘルツの基準信号というのがございます。それの高調波が直接輻射してテレビあるいは電灯線を通じましてテレビ受信機やアンテナに飛び込む、それがテレビ受信に影響を与えて映像を乱しているということでございます。特に、パソコンとテレビが近い場合にはその影響が大変大きいというように聞いております。
#380
○竹内(勝)委員 日本のようにこういう木造建築ですと、ビルで遮断されているものと違いまして、そういうところというものはむしろ、そういう隣近所のOA機器によってテレビに何らかの障害が出てくるというように今伺ったわけでございますけれども、これの対策としてテレビそのもののアンテナなりあるいは送受信の関係なりそういったものを解決していけば、この受信障害というものは解消するのか、あるいはパソコン、OA機器そのものを今後電波障害を起こさないような構造にしていかなければならないのか、どちらなんですか、この点をはっきりとお願いしたいと思います。
#381
○矢橋参考人 ただいま先生御指摘の二つの方法はいずれも効果があるわけですけれども、基本的には、パソコン本体やあるいは接続部分を電気的にシールドする、あるいは電源にそういった障害の輻射をなくすようなフィルターを入れる、そしてパソコンから不要な電波が極力出ないようにするということが基本でございます。
 具体的には、パソコンをなるべくテレビから離すとか、あるいはアンテナ設備を今おっしゃったように完全なものにする。室内アンテナを避けてきちっとしたアンテナをつけるということ、あるいは電源コンセントに雑音の防止器をとりつけるとか、そういったことで防ぐことがかなりできます。そういう方向で我々も受信者に対して技術指導を行っている状況でございます。
#382
○竹内(勝)委員 通産省にお伺いしておきます。
 これを今後、現在もそうですが、輸出用あるいは国内でどんどん販売していく中で、今後こういった問題は国際的にもそれからまた国内においてもいろいろと障害となってくる問題やに伺います。そこで通産省として、これに対する何らかの対応というものをどのように考えておるのか、まず御説明ください。
#383
○島説明員 お答え申し上げます。
 パソコン等が大量に普及するに伴いまして、それらを源とする電波障害の問題が発生しているということは、私どもも十分承知をいたしておりまして、しかも重大な関心を持っているところでございます。
 パソコン等々の情報関連機器の電波障害につきましては現在、国際的な機関、国際無線障害特別委員会、CISPRと言っておりますけれども、そこで検討がなされておるところでございまして、近々結論が出ると承知をいたしております。その結論を踏まえまして、郵政省とも十分相談をさせていただきますけれども、その上でしかるべき対応を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
#384
○竹内(勝)委員 そうすると現在は、例えば輸出用のものでもあるいは国内のものでも、これに対する対応というのは、どんなに電波障害が出ようがそんなことは関係ないのだという形になっておるのですか。
#385
○島説明員 今申し上げましたように、近々国際的な勧告が出るということでございますので、それを踏まえまして、今既にお話のございましたような個別機器の対策の必要性が一つのポイントだと考えておりますが、それも含めて十分検討の上で対応をしてまいりたい、かように考えております。
#386
○竹内(勝)委員 郵政省にお伺いします。
 今後、これだけ高度情報社会がどんどん進んでいく中で、本日の委員会の審議の中にもありましたとおり、高品位テレビ、質をどんどん高めていかなければならない、また大量なニューメディアという形でどんどん発展していく中で、反対に見つらくなっていく、ちらちらする、障害が起きてくる、こういうようなことになったのでは、これは高度情報社会にブレーキをかけるものでございます。郵政省として今後どういう対応をしていくのか、御答弁いただきたいと思います。
#387
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 パソコンから出ます妨害電波に対する対策の問題でございますが、郵政省の電波技術審議会というところで、昭和五十六年度からこの問題の検討がなされております。ここでいろいろこの許容値をどうするかとか、あるいは妨害対策、あるいはその妨害波の測定法をどうするかとか、そういうような問題の検討をいたしまして、その結果を先ほど御説明がございました国際無線障害特別委員会という国際機関の方にその情報を提供いたしまして、国際的に規格を定めていただくということで今、準備を進めておるところでございます。
 国際的にその規格が定まりましたならば、我が国におきましても、電波技術審議会でその国際規格をそのまま尊重して答申という形で出していただきまして、国内の基準に持っていく。この場合、関係法令がございますので、その法令に反映させていただくように関係省庁に対して私ども働きかけをしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
#388
○竹内(勝)委員 もう一点、お伺いしておきます。
 きょうもいろいろと論議がございましたが、衛星放送が完璧なものになって、そして各家庭においてもあるいは地域においてでも結構でございますが、パラボラアンテナなりでその受信が非常に容易にできるようになったとします。そういうときにはこういう問題は一切解消、こう考えていいのでしょうか。
#389
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 国際無線障害特別委員会の方で近々、国際的な基準といいますか、これを勧告するというふうに私ども情報をいただいておりますので、比較的早くこの基準が固まるのではないか。日本だけ独自に基準を決めるという方法もないことはないわけでございますが、後で国際規格が決まってその値が違いますと、またいろいろと厄介な問題を生じますので、日本としては国際規格に従って国内の規格も決めたい、そういうふうに考えておるところでございます。国際規格も割合早く決まりそうな見通してございますので、できるだけ早く国内的にも規格の方を整備して、衛星放送時代に支障のないような形に持ってまいりたい、そのように考えている次第でございます。
#390
○竹内(勝)委員 そんなことを言っているのではないんですよね。放送衛星BS2a、これは本来ならばもう実施をしていく、そういう形でなっていったものが、いろいろなアクシデントがあって結局おくれておる、こういうようなことがあるから、今度パソコンだあるいはファクシミリだ、こういったものの障害を今のままで、今のテレビアンテナで解消していかなければならないからいろいろと苦労がつきまとってくるわけです。ところが、放送衛星として上から強力なものが来るならば、そんな少々の電波障害があってもそんなものは影響がないんだというのなら、これはむだになってくるんですよ。
 それを言わんとしておるからこそ、放送衛星がすべてカバーしたときにはこういったものは必要なくなるのか、放送衛星がちゃんとなっても、いろいろとこれからニューメディアがどんどん進んでいく中では、そういう障害というものを常に頭の中に入れておかないと危険はあるんだというのか、この二通りがあるわけですからね、それによって今後の方針は大きく変わるわけです。その辺を御答弁いただきたいということです。
#391
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 衛星放送を受信する場合でも、最後の受像機のところは今の装置そのままを使うということになりますので、そのすぐ近くにパソコンがありますと妨害を受けますので、同じように対策を講じてまいらなければならない、そのように考えております。
#392
○竹内(勝)委員 次の問題に移らしてもらいます。
 今後の地上でのテレビ難視解消については、今まで星の問題いろいろございましたけれども、今までの地上施設、そういったものによってどのように解消を考えておるのか、概略御説明ください。
#393
○矢橋参考人 御承知のようにNHKは、テレビジョンの難視解消を放送衛星によって解消していくという原則に立っておりますけれども、同時に一方、地上施策といたしまして、地上放送の受信要望というものがございます。それに対しましては、最新の受信技術等を積極的に導入を図るなどいたしまして、きめ細かい受信技術指導というものを重点に対処していきたいと思っております。
 また、大規模な宅地造成による地域状況の変化あるいは外部電波の混信に対しましては、その地域のそれぞれの実情あるいは要望を十分勘案いたしまして、地上施策による補完的な置局、あるいは既設の局の移転あるいは増力を実施していくという考えでおります。
#394
○竹内(勝)委員 それではもうちょっと具体的に六十年度の辺地における難視解消計画、概略で結構でございますので、これをまず御説明ください。
#395
○矢橋参考人 六十年度におきましては、もちろん先ほど申し上げましたように難視解消は衛星によって行うのが原則でございますけれども、地上施策といたしましては、大規模な宅地造成によって発生いたします難視及び外部電波の混信に対しまして、補完的な置局を行うと先ほど申し上げましたけれども、八地区あたり新しい中継放送所を建設したいというふうに思っております。そのほか、既設中継放送所の増力も行いたいと思っております。
 そのほか、地上の受信要望に対しましても、先ほど申し上げましたように、新しい受信技術によりましてきめ細かい受信技術指導をしていきたいというふうに思っております。
#396
○竹内(勝)委員 質をよくしてもらうのは当然でございますけれども、辺地におきましてはまだ見えないところがあるんだからね、まずこういうようなところ、あるいは先ほどの何らかの障害によっての難視地域、都市難視、それから辺地の難視、こういったものをいち早く解消することが大事でございます。
 そこで、時間でございますので、私は京都におりますので、近畿全体はちょっと大変でしょうから、京都と滋賀の辺地難視の解消状況について、五十九年度がどうなったのか、それから六十年度はどうするのか、これをちょっと詳しく御説明いただきたいと思います。
#397
○矢橋参考人 難視解消のほかにいわゆる良質な電波を受信していただくというために、五十九年度におきましては、京都府におきましては、野田川、峰山という二局の老朽設備の更新を行いました。そのほか、辺地共同受信の十施設の改修を行いました。それから滋賀県におきましては、五十九年度、大津の局の増力を行いました。そのほか、辺地共同受信の四施設、これを改修いたしました。
 また、六十年度におきましては、京都府におきまして、中継放送局の二局の老朽設備の更新を行います。そのほか、辺地の共同受信施設につきましては、例年規模の改修を行いたいというふうに思っております。(竹内(勝)委員「六十年度のもうちょっと名前を挙げてください。二局というのはどこですか」と呼ぶ)老朽設備の更新を行う二局は、これから決めるのですけれども、予定としましては一応京北と丹波でございます。それから辺地共同受信施設の改修でございますけれども、これは京都府の綾都市安場テレビ共同受信施設などでございます。
 それから滋賀県におきましては、犬上部多賀町大杉テレビ共同受信施設などでございます。
#398
○竹内(勝)委員 終わります。
#399
○渡辺委員長 佐藤祐弘君。
#400
○佐藤(祐)委員 ことしはNHKにとりまして放送開始六十年という非常に記念すべき年だと思います。私も放送五十年史、大部なものですから大ざっぱですが、改めて目を通しました。
 歴史的に見ますと、戦前の二十年の特に後半は、NHKだけではございませんが、戦争協力をするというような時期がございました。戦後は、その苦い教訓、反省の上に立ちまして、憲法の基本理念であります恒久平和の実現、それから基本的人権とか言論の自由、そういう民主主義の徹底ということを重要な指針として活動してこられたと思います。その間、数々のすぐれた作品を生み出されましたし、また新しい技術も多く開発されました。先日、二十二日には六十周年の記念の集まりというのも行われました。公共放送としてのNHKの果たすべき役割というのが私はますます大きくなっているというふうに思います。
 六十周年の記念すべき節目に当たりまして、いろいろ感慨もおありだろうと思うわけであります。会長さんに六十周年に当たりましての決意といいますか抱負、そういうものをまずお聞かせいただければと思います。
#401
○川原参考人 私どもは、本当に国民の皆様や関係者の方々の御支援のおかげで、六十周年の記念日をつい先日迎えることができました。過去の六十年の歴史を振り返りまして、私どもの放送事業が国民生活にとって欠かせないものであるということは定着をしてきたかと思います。
 しかし、この六十年の道のりというものはいろいろな問題を含んでおりまして、私どもはやはり放送の持つ影響力の大きさ、これは十分にかみしめまして、今後その責任の重さを痛感して誤りのない道を歩んでまいりたいというふうに考えております。
 特に私どもとしては、やはり不偏不党という基本姿勢を堅持しまして、国民にとりましてかけがえのない、絶対なくてはならない情報機関として、国民の福祉にさらに一層寄与するように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#402
○佐藤(祐)委員 今会長の御答弁ございましたが、NHKが決めておられます国内番組の基準でございますね、この中でも、不偏不党の立場、それから放送による言論と表現の自由の確保、そういったことを書かれた後で基準の第一に、「世界平和の理想の実現に寄与し、人類の幸福に貢献する」というふうにうたわれております。やはりこれが非常に大事な課題だというふうに私は思うわけであります。
 とりわけことしは御承知のとおり、被爆四十周年という特別な年であります。そしてあのような惨禍を二度と起こしてはならないんだということを多くの国民の方が重い決意をしていらっしゃる。先ほどの御質問にもありましたが、この課題はまさに党派を超えた、国境を越えた課題であろうと私は思っております。
 特に被爆四十周年ということで、日本の国内的にそうであるだけではなくて、今世界政治の上で核兵器廃絶が重要な課題として取り上げられております。この方向をぜひとも私は大きく進めなければならぬ。その上で、唯一の被爆国であります日本が果たすべき国際的な役割、これは非常に大きいと思います。
 それで、NHKがこうした被爆の問題その他でこれまでにもいろいろな御努力をされてきたことを承知しておるわけでありますが、とりわけ被爆四十周年ということし、どういう姿勢でこれらの問題に取り組んでいかれるのかという点をお聞きをしたい。
#403
○川原参考人 私ども御指摘のように、番組基準というものを持っております。その中で幾つかの原則を掲げておりますが、御指摘のようにその第一項目に、「世界平和の理想の実現に寄与し、人類の幸福に貢献する」ということをうたっております。このことは、私ども長くその基本原則にのっとって番組の編集、制作に当たってまいったものでございますけれども、今戦後四十年あるいは被爆四十年という節目に当たっても、さらにその決意を新たにして、真に人類の幸福に貢献するような、また世界の平和の実現に寄与できるような番組の制作に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#404
○佐藤(祐)委員 その問題に関連いたしまして、きょうの質疑でいわゆる「核戦争後の地球」の問題が議論になりました、私も実はお聞きをしたいと思って用意もしておったのですが、重複を避けて違う角度で一、二お伺いをしたい。
 私自身はあの番組につきましては、本当に核戦争の恐ろしさといいますか危険性、それを描くことによりまして、ああいうことを二度と起こしてはならない、そういう気持ちを多く広めていくという点で積極的なものだというふうに考えております。事実、昨年度の文化庁の芸術祭大賞を贈られましたし、つい先日、第十七回のテレビ大賞も贈られた、海外でも受賞しておられるということで、まさにこれはNHKの番組制作に当たってこられた方々の大きな努力、その成果だろうというふうに思っております。
 その点と、大臣が午前、午後と答弁なさいました。その答弁で、放送法で番組制作の自由は保障されておるわけでありますし、それから編集は放送事業者の自主的な責任によるという点ですね、これに対して政府あるいは大臣として批判すべきではないんだ、これはもちろん、報道の自由、そういうものに権力が介入してはならぬのだという民主主義の大原則、これを表明されたものとして当然のこととして承っておきたい、そう思っております。
 ところで、大臣にお伺いしたいことがあるわけです。昨年の第三十九回国連総会、ここで「核戦争の気候上の影響−核の冬」という決議が採択をされたわけであります。もちろん御存じだろうと思いますが、御存じでしょうか。
#405
○左藤国務大臣 そういう決議が行われたということだけ私は伺っております。
#406
○佐藤(祐)委員 これは日本政府も賛成をいたしました。賛成が百三十カ国、反対はゼロであります。棄権したところは十一カ国あるようでありますが、そういう圧倒的な賛成で採択されたものであります。提案した国はインド、パキスタン、メキシコ、スウェーデン、ウルグアイ、ユーゴスラビア、いわゆる非同盟諸国であります。
 この決議をされたことだけ承知しておるということでありますので、若干そのさわりを読み上げたいと思います。
 「爆発力、熱、放射能に加えて、核戦争が限定された規模のものであっても、地球を、大量死滅をもたらす条件のある暗黒化した凍結の惑星にかえうる極地的な核の冬をひきおこすに足る量の煙、煤、塵をつくり出すことを示す新しい発見があったことを認めこその後また何行がありまして、「核の冬を含め、気候に影響するさまざまな要素と結果についての知識や理解を広げるための科学的研究を拡大、発展させる緊急の必要性を自覚しこというようにうたわれております。
 これが国際的な共通の認識であり、日本政府の認識でもあるわけであります。大臣が同じ認識の立場をおとりになるかどうか、確認をしておきたい。
#407
○左藤国務大臣 核の非常に恐ろしいといいますか、そういうふうなことについてのいろんな影響ということにつきましては、私は大変なことだと思います。そうしたことが人類の死滅、破滅というようなものに至るという心配というものは非常に大きい、このように私は思います。
#408
○佐藤(祐)委員 「核の冬」について非常に重大な問題だという御認識だと承ります。
 そこで、この問題について気象庁長官にお伺いしたいことがございます。あなたは、衆議院の予算委員会でこういう趣旨の答弁をなさいました。いわゆるWMO、世界気象機構、これは国連の専門機関でありますが、一昨年の総会と昨年の執行委員会で、核戦争が起こった場合の気象、気候に対する影響の調査研究について検討した。しかし、その後が発言のままなんですが、「不明な要素が余りにも多くて研究することができないという結論で取り上げておりません。」こういうように答弁をなさっておる。これは私たちがWMOの討議の経過として承知をしておるところとかなり違います。
 先日、改めて気象庁から会議の概要抜粋というものをちょうだいいたしました。これはこういうものがありまして、それの訳であります。これは仮の訳だという説明がついてまいりました。本式の訳は外務省でなければいけないんだということであるようであります。これを繰り返し読ましていただいたわけでありますが、やはり長官答弁とかなり違うと私は思う。まず、先日の答弁にもし不十分さがあったというふうに現時点でお考えなら、そのことも明らかにして、正確なお答えをいただきたいと思います。
#409
○末廣政府委員 お答え申し上げます。
 気象庁におきましては、長期的な気候、気候変動の問題につきましてはもちろん、従来から研究しているところでございます。しかし、いわゆる「核の冬」の問題につきましては、純気象学的以外の数多くの問題を含んでおりますので、科学的研究をいたしますにつけても多くの仮定に基づかざるを得ないことを申し上げたかったわけでございます。
 なお、先生御指摘の一昨年、昨年のWMO、世界気象機関の総会と執行理事会の席上でも種々論議が重ねられたわけでございますけれども、その結果といたしましては、WMOも同様の立場をとって決議には至らなかったわけでございます。ただし、問題が問題でございますので、この「核の冬」のことについては、国際学術連合会議というのがございますが、そことWMOとの共同の委員会に今までこの「核の冬」の問題についていろいろ調査研究された論文が幾つかございますので、それのレビューをして次回の執行理事会にそれを報告するということは決まりました。
#410
○佐藤(祐)委員 ちょっとやはり違うのですか……。
 私が今御質問したのは、不明な要素が余りにも多いので研究をすることができないということになって、そういう結論で取り上げなかったのだというふうに答弁をしておられるわけです。しかし、その経過からいいますと、不明な要素が多いからということではなくて、幾つかあるわけです。
 第一には、この核戦争の議論はWMOより国連の他の機関の方がふさわしいんじゃないかという議論があったと思います。それから、科学的に疑問点が残されておるということから、権威のある陳述をするのはまだできないと言っていますね。それからさらに、ですから解明には多年にわたる広範な研究が必要である、当然それには付加的な財政措置が必要になってくるというようなことがいろいろありまして、そういうことから、当面の作業計画の中には入れないということで見送られたということが、私は真実だろうというように思っておるわけです。そうじゃございませんか。
#411
○末廣政府委員 一昨年、昨年の総会及び執行理事会で種々議論があったと先ほど申し上げましたけれども、その詳しい内容については、先生今御指摘になったとおりでございます。
#412
○佐藤(祐)委員 ですから、私が申し上げておりますのは、衆議院予算委員会での答弁は非常に不正確なものであって、今のが真実であるということを指摘しているわけですが、その点はどうお考えですか。
#413
○末廣政府委員 お答え申し上げます。
 先日の衆議院の予算委員会では、研究をしているかという御趣旨の御質問がございましたので、今先生がお述べになったように、純気象学的以外の問題が大変多い、あるいはWMOの所掌に若干そぐわない点がある等々で現在、研究は正式には取り組まないということでございまして、その結論に至った細かい議論はまさに先生のお述べになったとおりでございます。
#414
○佐藤(祐)委員 私は細かい議論だとは考えておりません、大事な点だと思っております。
 冒頭におっしゃられたことに関連してですが、ですから、全体としてこのWMOで議論されたことは、今言った問題がありますが、同時に、こういう合意事項があるわけですね、これはほぼ各国共通の認識になったというふうに聞いておりますが。
 ちょっと難解な訳なんですが、「総会は、核戦争が地球の天候と気候に大きな影響を与えるかも知れないとする加盟国の懸念に留意した。総会は天候と気候に及ぼすこれらの結果の評価を実施するにあたって世界気象機関」、つまりWMOですね、「がふさわしいであろうことを認識し、もし、適切な国連当局からの要請があれば、WMOの権限内でこの問題の科学的側面のみについての助言を行うべきことを、考慮した。」
 やはりこれが全体としては共通の認識であった。そして、そういうことの一環として、先ほど長官がお答えになりました国際学術連合会議、ICSUの環境問題特別委員会、そういうところと連携してやっていくということだろうと思うわけであります。
 ですから、先日の御答弁の印象で言いますと、何かどうもいろいろ不明な要素が多くて、「核の冬」というのは余り現実性がないんだみたいな印象も与えられた感があったわけであります。それで私は、その点は科学者としてもそういうように受け取られると、国際関係上も大変不都合なんではないか、そういうように思いまして、きょう質問をした次第なのであります。やはり大事な、人類にかかわる大事な問題でありますから、こういう問題の御答弁というのはぜひ正確にお願いをしたい。再度そのことを要請したい。
#415
○末廣政府委員 お答え申し上げます。
 いわゆる「核の冬」の問題が軽々な問題であるというつもりで申し上げたのでは決してございません。ただ、先ほど申し上げましたとおり、現時点で取り組むには多くの仮定に基づかざるを得ないということで、まだ正式に取り上げる段階に至っていないということを申し上げたかったわけでありまして、問題を軽視しているということでは決してございません。
#416
○佐藤(祐)委員 その点は了解をいたしました。
 それと、日本の気象庁でまだ研究しておられない、それも同じ理由だと思いますが、こういう大事な問題で、特に日本は被爆国として非常にかかわりもあるわけですから、正式な研究はしていないという御答弁なんですが、あるいは正式でない勉強会のようなものをやっておられるのかどうか。私はむしろこれは進んでやるべきだ、不明な点が多いからこそ研究はするのでありまして、そういう姿勢が必要じゃないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
#417
○末廣政府委員 お答え申し上げます。
 私どもとしては決して無関心でいるということではございませんので、先日も気候変動対策連絡会議で、現在まで「核の冬」に対してどういうふうな研究が行われているかということは、大学の先生をお招きして勉強いたしました。それからこれから先も、もし国として調査研究を行うという見解に達すれば、その段階で私ども気象庁としては、気象に関する分野について必要に応じ協力を行っていくことになると思っております。
#418
○佐藤(祐)委員 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに私は思います。
 勉強会とおっしゃったのは、山元竜三郎先生をお呼びしての懇談会ですね。
#419
○末廣政府委員 正確には、気候問題懇談会(臨時部会)でございまして、お話を伺った先生は山元竜三郎教授でございます。
#420
○佐藤(祐)委員 じゃ、この問題を終わりまして、次に、ビデオライブラリーの問題でお聞きしたいと思います。
 これは昨年当委員会で初めて、常磐大学の後藤和彦先生らの「ビデオ・プール」の運動、そういうものも紹介しながら取り上げさせていただいた問題でございます。
 皆さんもう御存じだと思いますけれども、要するに、戦後の放送史の中で非常に評判を呼んだ番組、ドラマもありますし、ドキュメンタリーその他あるわけでありますが、これがかなり散逸をしておる。例えば、あのNHKの大河ドラマ「花の生涯」、これは昭和三十八年でありますが、「赤穂浪士」、三十九年、こういうものはもう一本も残っていないという問題ですね。それからまた、評判になりましたテレビ朝日の「判決」、これも最後の一本しか残っていないというようなことがいろいろな関係者の方の調査で明らかになったわけです。これは本当に惜しいことなわけであります。それで、ぜひともこういうものを保存していこう、ドラマだけではなくて、ドキュメンタリーとかその他のNHK特集などですね、こういうことで関係者の方がいろいろ運動をなさっておるわけであります。
 これらの一連の番組は、やはり日本の戦後の歴史の鏡といいますか、政治の面、社会史でもありますし、文化史でもある、あるいは民衆の生活もいろいろ反映しているということで、非常に貴重なものだと思います。これを文化財として保存をし、見たい人はいつでも見れるようにする、そういう運動であります。新聞の場合は縮刷版があって、いつでも見れるわけですね。その他の活字メディアも、古いものでも図書館へ行けば読むことができる。しかし、映像は消えてしまったものは戻ってこないということで、これが非常に大事な運動だというふうに私は思うわけです。
 昨年、川原会長から非常に積極的な御答弁をいただきました。その後、この一年間、どういうようにその問題が前進したか。NHKも、直接かかわっているものとしましては、民放との共同出資の放送番組センターですか、というのがありますね。あそこで、ビデオライブラリーについての特別委員会、こういうものもつくられて、検討を進めておられるというふうに聞いております。どういうふうに進行しておるかをお聞きしたいと思います。
#421
○川口参考人 番組ライブラリーの問題は、去年のお答えにも申し上げましたとおり、非常に重大な問題だという認識はしております。ただ、去年から一年間の間に、では、どれだけ進捗したのかということになりますと、NHKの側をまず申し上げます。
 NHKは、NHK放送番組ライブラリーというのをつくりまして、これは五十六年の四月にスタートしております。NHKサービスセンターの一部にこういうものを設けまして、そして保存すべきものを積極的に保存するという形をとっておりまして、これが六十年二月現在で二万二千本ございます。それから、文化庁から公的記録保存所として指定されておりますけれども、その放送文化財ライブラリーというものがございますが、この中で文化遺産としてふさわしいものをとっておる、これが今大体六千本になっております。ですから、NHKの番組について言えば、いずれ民放との共同で何かをやるにしても、十分な体制になっているということは申し上げていいと思うのです。
 ただ番組センターで、このライブラリーの問題というのは民放、NHKが一緒になってやるという仕事でございますので、具体的にどのような形にするのか、その基本的な調査というものを過去一年間やってまいりました。それで、来る四月以降、六十年度の事業として今度は、散逸するようなものをなるべく早くリストをつくっておこう、そして将来のライブラリー構想に備えて、今のうちからできることは全部やっておこうという事業計画を決めました。実際に大きなライブラリーをつくってどう利用するか、公開するかという面については、これからの問題になります。
 以上でございます。
#422
○佐藤(祐)委員 今のお話で、最後に言われた公開の問題、これは私は非常に大事な問題だというふうに考えているわけです。このところニューメディアということでCATVとか、そういうものが発展しそうだということから、番組をとっておけばまた売れるじゃないかというような産業的な思惑といいますか、そういうことを動機とした保存論、そういうものも出てきているように聞いております。それはそれで否定するわけではありませんが、やはりもっと高い観点といいますか、文化を保存するんだ、そして国民の利用に供するということを基本にこれは考えるべき性質のものではなかろうかというふうに私は思うわけであります。
 その点で、放送文化財保存問題研究会、これは御存じの会ですね、ここで「ビデオライブラリーの基本構想」というのを昨年の三月段階でまとめられておりまして、非常に詳細ですね。施設の基本的考え方、それから検索のシステムの合理化とかその他いろいろございます。相当全面的に、割合体系的にまとめられたものでありますが、これは大変参考になるのではないか。いずれにしましても、どこか当然収納する大きな施設が要るわけですね。同時に、図書館的に各県一カ所でも、その部屋へ行けば国民が見られる、そういう場所をつくっていくとか、こういうことが大変大事だろうと思っております。ぜひともそういう立場でこれは進めていただかなければならぬと思うわけであります。
 この点七大臣にちょっとお伺いをしたいわけですが、かなり本格的にライブラリーを進めるとなりますと、今言いましたようにいろいろな施設も要るわけです。相当お金がかかります。ですから私は、ぜひ国としてもこれに積極的に対応していただきたいと思うわけであります。昨年のときにもその点も質問させていただいたのですが、同時に、やはりこういうものは自主性が大事でありますから、資金的な援助はして、しかし運営には口は出さない、関係の方の自主的な運営に任せるということが私は大事だろうと思うのですが、そういう積極的な姿勢で対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#423
○左藤国務大臣 放送が国民の日常生活に深く浸透して、放送番組そのものがその時代時代の文化財といいますか、そういう価値がだんだん深まってきたと私は思います。そういう現状にあるのじゃないかというような気がいたします。
 そういうことから考えまして、放送事業者が個個に保存しているにすぎない現在のやり方につきまして、もう少し今お話しのような放送番組の保存について、事業者だけでは限度があるわけでありますから、そういうことで一つのまとまった形で、NHK、民放を通じてそうした放送界全体の一つの組織的な番組保存をしていくというライブラリーの建設に積極的に取り組む必要がある、私はこう考えます。国がそれに対して助成するとかなんとかいうような問題は、とにかくどういった形でやっていくかという認識といいますか、そういう組織づくりという方が先でありまして、それに対して国がどういう形で応援をしていくかという、そうした組織ができることをまず第一にして考えていくべきではなかろうか、私はこのように考えております。
#424
○佐藤(祐)委員 先日お聞きしましたら、今保存の問題ではNHKでは、川口さんおっしゃったように大分手を打っておられるということでありますね。ただ、まだ民放全体にはそういうようになっていないようでありますし、急がれるのは、できるのを待つのではなくて、保存というのは早急に手を打つ必要があると思います。
 もう一点は、発掘ですね。先日これは「ビデオ・プール」運動を進めておられる方にお聞きをしたのですが、大阪の駅の近くにあるお医者さんで、昭和四十三年以来の放送を全部テープに撮っておられる方がいらっしゃるそうですね。そういう物すごく熱心な方がいらっしゃる。ところが、その方はことし亡くなられたそうです。そうしますと、家族の方は余り興味がないというようなことなんです。ですから、そういうせっかくのものが散逸しないように確保していく、こういう運動がもっとオープンになっていけば、個人的に保存しておられる方というのは結構おられるそうなんですね。そういうことも早く手を打って総合的に進めていただきたいというふうに思うわけです。これはNHK会長さんにも改めてお伺いしておきます。
#425
○川原参考人 私ども放送事業者が日々放送している番組は、確かに御指摘のようにその日だけのものではなくて、これは貴重な一つの文化だと思います。文化財そのものだとも思っております。その意味では、私どもその保存についてはできるだけの努力をしてまいりたい。ただし、先生も御承知のように、幾つかの難しい問題があります。まず何よりも、資金の問題が大変問題であると同時に、著作権法という法律の解釈についてもかなりデリケートなことがございますので、その辺の問題は逐次解決を図ってまいりたいと考えております。
#426
○佐藤(祐)委員 ぜひそういう方向での御努力をよろしくお願いをしたいと思います。
 時間が迫ってまいりました。きょうは最後ですから、余り長くやっておりますとしかられますから、最後に一つだけお聞きをしたい。
 午後の答弁でしたか、文字多重放送の問題がございました。今のパターン方式じゃなくて、年内にもハイブリッドに移行していきたいということでありますね。その際に、これまでのパターン方式でやってこられた方が損をしないようにとおっしゃったかな、負担をかけないようにとおっしゃったかな、要するに、アダプターをこれまで十万円か十二万円でつけていた、今後ハイブリッドになればまた新たなものにしなければならない、それを受信者に負担をかけないようにしていくという趣旨の御答弁があったと思うのですが、具体的にはそれはどういうことなんでしょうか。どこかに無料で取りかえていただくとか、どこかの負担でそういうことをなさっていこうということなんでしょうか。
#427
○徳田政府委員 お答え申し上げます。
 前に御答弁申し上げましたのは、負担はかかるわけでございますが、できるだけその負担を少なくするようにいろいろ指導してまいりたい、そういう趣旨で申し上げた次第でございます。
#428
○佐藤(祐)委員 そうしますと、これはやはり大変問題だという気がするのです。私たちは最初にパターン方式のときに、いずれ技術的な発展がある、コード方式、ハイブリッド、そういうことを見込んでやらないと、早く買った人は損をすることになる懸念を表明したことがあります。まさにそういうことになっているので、これは大変遺憾だと思うのです。
 これはどの程度の負担になるかという額の問題も大きいと思います。これは聴力障害者の方が中心的に使われるわけで、せっかくNHKの選考した技術に対応してアダプターをつけられた人がかえって損をするということでは、大変不都合だと思いますから、そこはぜひとも特別な措置をさらに考えていただきたい、そう思いますが、いかがでしょうか。
#429
○徳田政府委員 パターン方式を選考したわけでございますけれども、これは耳の不自由な方々から字幕放送を早期に実施してほしいという大変強い御要望がありましたためと、それから、その当時のディジタルの技術では、ハイブリッドの新しい方式のアダプターをつくると非常に値段が高くなるのではないか、そういうこともございまして、パターン方式を選考したわけでございます。
 したがいまして、耳の不自由な方はそれだけ早くからテレビの放送を享受することができる、そういう環境下に置かれたというふうに言えるのではないかと思います。しかしながら、先にパターン方式のアダプターをお使いの方に将来ハイブリッド方式に切りかわるときに、非常に負担がかかるということでは問題でございますので、そういう負担ができるだけ少なくなるようにという意味で、当初から方式の問題等もいろいろ検討いたしまして、そういう配慮をしてまいった次第でございます。
#430
○佐藤(祐)委員 終わります。
#431
○渡辺委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#432
○渡辺委員長 これより討論に入るのでございますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決いたします。
 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#433
○渡辺委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
#434
○渡辺委員長 ただいま議決いたしました本件に対しまして、関谷勝嗣君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。関谷勝嗣君。
#435
○関谷委員 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 放送の不偏不党と表現の自由を確保すること。
 一 協会は、厳しい経営環境を深く認識し、事業運営の効率化の徹底、受信料収納の確保等を図るとともに、極力長期にわたり受信者の負担増を来さないよう努めること。
 一 国際放送について、その重要性にかんがみ、引き続き交付金の増額を図るとともに、番組の充実と受信改善に特段の努力を払うこと。
 一 衛星放送について、国民の期待にこたえ、所期の目的が達成されるよう努めること。
 一 協会は、地域放送の強化など放送番組の充実刷新を図り、視聴者の多様な意向を積極的に吸収しその反映に努めること。
以上のとおりであります。
 この附帯決議案は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同の五党共同提案に係るものでありまして、案文は、当委員会における質疑の動向等を参酌して作成されたものでありますから、各項目については説明を省かせていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛成をお願い申し上げる次第でございます。
#436
○渡辺委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#437
○渡辺委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、左藤郵政大臣及び川原日本放送協会会長から発言を求められておりますので、これを許します。左藤郵政大臣。
#438
○左藤国務大臣 日本放送協会昭和六十年度収支予算等につきましては、慎重なる御審議の上、ただいま御承認をいただきましたことを厚く御礼を申し上げます。
 これまでの御審議に当たりまして各委員が御提起になりました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の放送行政を進めるに当たり、御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。ありがとうございました。(拍手)
#439
○渡辺委員長 川原日本放送協会会長。
#440
○川原参考人 日本放送協会昭和六十年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認をいただきましてまことにありがたく、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程で種々御開陳いただきました御意見並びに郵政大臣の意見書の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。
 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、十分に遵守いたしまして、執行の万全を期したいと考えている次第でございます。まことにありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#441
○渡辺委員長 なお、ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#442
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#443
○渡辺委員長 次回は、来る四月三日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時二十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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