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1984/02/22 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第3号
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1984/02/22 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 運輸委員会 第3号

#1
第102回国会 運輸委員会 第3号
昭和六十年二月二十二日(金曜日)
    午前十一時八分開議
出席委員
  委員長 三ツ林弥太郎君
   理事 鹿野 道彦君 理事 久間 章生君
   理事 津島 雄二君 理事 三塚  博君
   理事 小林 恒人君 理事 吉原 米治君
   理事 河村  勝君
      加藤 六月君    佐藤 文生君
      関谷 勝嗣君    田中 直紀君
      近岡理一郎君    林  大幹君
      堀内 光雄君    山村新治郎君
      若林 正俊君    兒玉 末男君
      左近 正男君    関山 信之君
      田並 胤明君    富塚 三夫君
      薮仲 義彦君    中村 正雄君
      梅田  勝君    辻  第一君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 山下 徳夫君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      前田 正道君
        日本国有鉄道再
        建監理委員会事
        務局次長    林  淳司君
        運輸大臣官房国
        有鉄道再建総括
        審議官     棚橋  泰君
        運輸省運輸政策
        局長      山本  長君
        運輸省国際運輸
        ・観光局長   仲田豊一郎君
        運輸省地域交通
        局長      服部 経治君
        運輸省貨物流通
        局長      栗林 貞一君
        運輸省海上技術
        安全局長    神津 信男君
        運輸省海上技術
        安全局船員部長 武石  章君
        運輸省航空局長 西村 康雄君
        海上保安庁次長 岡田 專治君
 委員外の出席者
        警察庁交通局審
        議官      広谷 干城君
        警察庁交通局交
        通指導課長   山崎  毅君
        警察庁交通局交
        通規制課長   越智 俊典君
        外務省中近東ア
        フリカ局中近東 渡辺  伸君
        第二課長
        大蔵省主計局共
        済課長     坂本 導聰君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全 
        部長      神戸  勉君
        労働省労働基準
        局監督課長   菊地 好司君
        建設省都市局都
        市再開発課長  二橋 正弘君
        建設省道路局企
        画課長     三谷  浩君
        建設省道路局国
        道第一課長   岡田 哲夫君
        日本国有鉄道総
        裁       仁杉  巖君
        日本国有鉄道常
        務理事     竹内 哲夫君
        日本国有鉄道常 
        務理事     岡田  宏君
        日本国有鉄道常
        務理事     太田 知行君
        日本国有鉄道常
        務理事     岩崎 雄一君
        運輸委員会調査
        室長      荻生 敬一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関
 する件等(運輸行政の基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○三ツ林委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若林正俊君。
#3
○若林委員 二月二十日に行われました運輸大臣の所信表明に対しまして質問をいたしたいと思います。
 申すまでもなく、運輸は国民生活、国民経済の活動の基盤、人間の体で言えば血管の役割を果たしているのであります。また広がりにおいても、ことしになってから一月二十八日、私の地元長野市で前途ある若い学生さんたちを乗せたスキーバスがダム湖に転落して、二十五名ものとうとい命を失うという事件がありましたし、つい先般、ペルシャ湾では貨物の運搬に従事していた我が国の船員さんがイランの戦闘機の攻撃を受けて死亡するといったような事故も発生しておりますが、このように運輸行政は広がりにおいても私たちの足元から地球の裏側にまで及ぶ大変な範囲を担当しているわけであります。大臣の所信表明も、国鉄の再建問題、地域交通政策、造船不況対策から安全防災対策に及ぶ広範なその運輸行政の全般に及んでそのお考えを述べておられるわけですが、私に本日与えられました時間は三十分でありますから、国鉄再建問題などに絞りまして御質問をしていきたいと思います。答弁の方もひとつごく簡潔にお願いをいたしたいと思います。
 まず、国鉄問題について伺いたいと思います。
 国鉄は今まさに破局的状態に陥っておりまして、その再建は一刻の猶予も許されない緊急の課題であります。政府も、一昨年、臨調の答申を受けまして、日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法を制定し、日本国有鉄道再建監理委員会を設置して、鋭意検討が続けられている現状であります。この七月には、総理大臣に対して、検討結果、国鉄再建の方向が答申される段階を迎えておりますが、監理委員会の事務局、林次長にお伺いいたします。この七月答申に向けての検討作業は順調に進んでおりますか、どうですか。
#4
○林(淳)政府委員 監理委員会におきましては、御承知のとおり、昨年の八月に第二次緊急提言を出しまして、その中で、今後の国鉄の経営のあり方としまして、基本的には分割・民営化というものの方向を念頭に置きまして、今後その具体的な内容を十分検討したい、こういう基本認識を明らかにしております。
 その後、この基本認識に基づきまして具体的な作業に入っておりまして、現在分割・民営化の具体的なあり方あるいは長期債務の処理の仕方あるいは余剰人員の問題、こういうふうな問題について、これらは相互に非常に密接に関連しておりますので、それらを総合的に勘案しながら具体案の策定作業を今進めておる最中ということでございます。まだ具体的な中味を深める段階には至っておりませんが、この七月ころには最終的な案を取りまとめまして内閣総理大臣に提出をしたい、このように考えております。
#5
○若林委員 そこで、運輸大臣にお伺いをするわけでございますが、過去数次にわたり、大きな対策だけでも六回に及んで国鉄の再建対策が実施されてきたわけでございますが、いずれも所期の目標を達成できたとは言いがたい状況になっております。その根本の原因は何にあるのか、この際、大臣の認識を明らかにしていただきたいと思います。
 中曽根総理も当委員会におきまして、モータリゼーションとか貨物需要の変化とか、いろいろありますけれども、国鉄が企業性を十分に発揮できなかった、また労使関係の正常でない状態が余りに長く続き過ぎたといったお考えを述べておられるわけでございます。それらを踏まえて大臣の認識を伺いたいと思います。
#6
○山下国務大臣 過去数次にわたる国鉄の再建計画が所期の目的を達成することができないで、破綻に瀕しておりますことは御承知のとおりでございますが、その主たる原因といたしましては、私も予算委員会等において数次にわたって申し上げてまいりましたとおり、基本的問題としては、公社制度並びに全国一元的な運営、この二つであろうかと思います。このことによっていわゆる鉄道の特性を発揮するに至らないまま今日に至っておるということでございますから、この点について、特に監理委員会等においても、これを中心として御審議をいただいていると私は存じておりますし、またその点に留意しながら私どもも御協力を申し上げたい、かように考えておる次第でございます。
#7
○若林委員 国鉄総裁いらしておられますけれども、総裁は、このような諸対策にかかわらず所期の目的がそれぞれ十分達成できなかった、こういうことについてはどのように考えておられますか。
#8
○仁杉説明員 今大臣からお話がございましたが、私どもも大体同じような認識を持っておりまして、これに対応してどうするかということを検討しているということでございます。
#9
○若林委員 先ほど国鉄再建監理委員会の林次長から、その検討状況の説明をしていただいたわけでございますが、国鉄の経営形態につきまして、監理委員会では分割・民営化の方向で最後の詰めに入っているのであります。一方、国鉄の側では、いわば国鉄経営の裏も表も知り尽くしている国鉄当局として、一月十日に「経営改革のための基本方策」なる独自の再建案を明らかにいたしております。運輸大臣として、この国鉄独自の再建案をどのように評価しておられますか。特に経営形態について、分割しないでということについての大臣の御見解を伺いたいと思います。
#10
○山下国務大臣 国鉄が独自の再建案を一月十日にお示しになったということにつきましては、それはそれなりに評価をいたしております。同時にまた、その内容におきまして、特殊会社制度による運営方式を打ち出されたこと、これは民営化に対して一歩踏み出されたものとして、これも私どもは評価をいたしておる次第でございますが、ただいま御指摘のとおり、全国画一的な運営に破綻の原因があったとするならば、当然分割の問題までお触れになるものと期待しておった私どもにとって、この点に対して不満の意を表せざるを得ないのでございます。したがいまして、一月二十二日に総裁を私のところにお招きいたしまして、これらの問題につきましても、私の方からさらに格段の、監理委員会に御協力をとられる趣旨における御協力を重ねてお願いいたした次第でございます。
#11
○若林委員 国鉄総裁に伺いますが、国鉄独自の再建案を明らかにされたというその御努力には敬意を表するわけでございますが、特に経営形態につきましては、監理委員会を初めとして各方面から厳しい意見が出ていると思います。総裁としてこのような意見をどのように受けとめておられますか。これらの意見を参考にして国鉄内部において再検討をしようということで取り組んでおられるのかどうか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
#12
○仁杉説明員 私どもが一月十日に「基本方策」を監理委員会に対して申し上げたわけでございますが、その後監理委員会、ただいま運輸大臣からお話がございましたように運輸省、それから各組合、マスコミ等からいろいろと御批判がございます。これは立場立場によって御批判の方向は違いますが、いろいろございます。この点につきましては、私もあの「基本方策」を監理委員会に申し上げました際に総裁談話を出しておりますが、その中で、この案に対して各方面からいろいろ御指摘、御批判等があると思う、これらについては謙虚にこれを受けまして、また考えてまいるということを言っておりますし、監理委員会にも御協力すると言っておりますが、現在私どももいろいろな御批判に対して詰めをしているというようなことでございます。
#13
○若林委員 総裁としては大変苦しい、難しい局面だろうと思います。このような相対立する考えを持っております国鉄部内の皆さん方に、みずからの考えと違う作業を、検討を、分析をお願いしていかなければいけないわけでありますから大変御苦労なことだと思いますけれども、その責任を果たしていただきたい、このように御要望、御激励を申し上げる次第でございます。
 監理委員会の事務局の方にお伺いをし、御要望を申し上げておきたいわけでございますが、このように一月十日、国鉄から独自の再建案の説明を監理委員会としても受けているわけでありますが、国鉄の責任者と十分意見交換を尽くしていただきたい、このように思うわけでございます。
 そこで、その後、一月十日以降国鉄関係者、責任者からさらに重ねての意見を聴取しあるいは協議をしているというようなことはございますか。
#14
○林(淳)政府委員 ただいま作業が基本的な枠組みというものを固めつつある段階でございまして、まだ一月十日以降直接正式に国鉄の責任者の方から御意見を伺うという段階には来ておりません。いずれまた、私ども基本構想を徐々に固めていく段階におきまして、総裁談話にもございますように、積極的に協力する、こういうことでございますので、十分意見交換を尽くしていきたい、このように考えております。
#15
○若林委員 七月の答申が出てから、かなり基本的な対立が残った状態で国民の前にそれらが明らかにされるといったような事態になりますと、一刻も猶予が許されない国鉄事業の経営改善対策がそれだけおくれていくわけでございます。そういう意味で、監理委員会側としましても、検討の大筋がある程度まとまってきた段階で、関係者だけではなくて、国民の意見を十分把握できますように、監理委員会の考え方を何らかの形で明らかにした方がいいように思いますけれども、進め方としていかがでございますか。
#16
○林(淳)政府委員 基本構想が固まりました段階で何らか世論に問うということについてでございますけれども、まず形式でございますが、いわゆる中間答申というふうな形で正式にこれをお出しするというふうなことは、現在の段階では考えておりません。ただ、やはり非常に重要な問題でございますので、基本的な考え方がだんだん固まってきた段階で世論にそのことについての是非を問うということについては非常に意味があることだと思いますので、それをやることがいいのか悪いのかあるいはやるとしてもどういう時期にどういう形がいいのかというふうなことについては、いましばらく検討をしたい、このように考えております。
#17
○若林委員 できるだけ早くその基本的な枠組みを整理をして世論に問うという形で論議を進めていただきたい、このように御要望を申し上げておきたいと思います。
 国鉄独自の改革案の内容につきましては、また別の機会に突っ込んだ論議をさせていただきたいと思いますけれども、一つだけ伺っておきたいと思います。
 独自の改革案の中で、民営化をするという方向を出しながら、労働関係につきまして、「労働基本権については当面現行どおりとする。」ということを述べておられます。それは一体どういうわけでありましょうか。その「現行どおり」ということは、公労法もなお適用せざるを得ない、そういう認識でありますかどうか、その点について太田常務理事にお伺いしたいと思います。
#18
○太田説明員 「基本方策」の中に「労働基本権については当分現行どおりとする。」というふうに書いてあります。その趣旨は、いわゆる労働基本権の中の争議権につきましては、禁止を継続いたしたい、こういう趣旨でございます。そういたしますと、何らかの代償措置が必要でございますけれども、その代償措置をどのような制度にし、どのような運用にするか、これは今後の立法政策上の課題だと存じますが、私どもとしましては、制度及び運営の両面につきまして厳しいものにしたいということを望んでいる次第でございまして、争議行為を禁止し、一方においては給与を初めとする労働条件については民営にふさわしい厳しいものに持っていきたいというふうに考えている次第でございます。
#19
○若林委員 労使関係についての基本的な認識にかかわる問題でありますので、また時間をいただいた上で意見を申し述べたいと思いますけれども、しかし、何といっても、ただ法律で頭からこれを縛るというような形で健全な労使関係を維持していくということは大変難しいわけであります。当然そのようなことに見合っての代償措置がとられ、そのことによって国鉄は鉄道経営の経営者側の自主性といいますか主体性といったようなものも拘束を受け、労使ともども本当にぎりぎり国民全般を考えながらお互いに妥協するといったようなことは、それだけ責任感が希薄になると申しますか、そういう問題も出てくるように思うわけであります。この問題につきましては、全体の仕組みによるわけでございますので、また別の機会に譲りたいと思います。
 しかし、ともかく国鉄事業の再建の大きなかぎの一つに余剰人員の問題があることは間違いないことでございます。その問題について若干お考えをお伺いしたいと思うわけであります。
 国鉄独自の再建案の中でも、要員規模を十八万八千人というふうにしておられます。現在の二万四千五百人の余剰人員は六万七千人に達するというふうに国鉄自身も見通しておられます。このような余剰人員の離職あるいは転職の対策は、当然労働者側の御理解と協力がなければならないわけでありますけれども、なかなか現状においてもこの労使の話し合いは思うように進んでいないように感ずるわけでございます。
 そこで、運輸大臣にお伺いいたしたいのでありますけれども、このような離職あるいは転職対策というものを国鉄労使、特に国鉄の経営者の努力のみに任せておいてできるのであろうか。もっと広い立場で、政府全体、広く経済界の理解と協力を得て、かなり強力な対策を講じなければならないように感ずるのでありますけれども、運輸大臣の御見解はいかがでございましょうか。
#20
○山下国務大臣 余剰人員対策は国鉄再建において避けて通れない最重要課題であると認識をいたしております。ただ、現段階におきましては、国鉄みずからの経営の問題でございますから、まずひとつ国鉄において十分この問題については対処をしていただきたい。現在、三本柱と通称言われております計画をお進めになっておるようでございますから、さらにこれを推進していただく。同時にまた、民間並みの経営ということになりますと、その対策以上にまた余剰人員対策が必要かと存じますので、その点まで含めて御検討のほどを私の方から国鉄の方にお願いをいたしておるわけでございます。
 なお、御指摘のとおり、国鉄だけで万事できるとは私は思っておりません。現段階においてはそうだということを申し上げておりますが、私どもといたしましても、関係機関と十分お互いに打ち合わせをやりながら、この再建監理委員会の第二次緊急提言の趣旨に沿うように、私どもも御協力、また努力もしてまいらなければならぬ、かように思っておる次第でございます。
#21
○若林委員 時間もございませんので、その次に移らせていただきたいと思います。
 東北、北陸新幹線の六十年度着工の問題についてお伺いいたしたいと思います。
 六十年度予算の編成において、地域住民が長年にわたり熱望し、子供や孫たちの将来を思い、地域の活性化、停滞からの脱出の夢をかけてきました東北、北陸新幹線の六十年度着工が決まったということは、経済社会の発展に取り残され、おくれをとってきた地域にも前途に光が見えてきたということで、関係者は大変に喜んでいるわけであります。財政事情の厳しい状況のもとで、しかも国鉄経営が今回の論議に見られますような苦しい状況にある中で、このような決定がなされたことに敬意を表する次第であります。しかし、この着工をめぐっては、前提となる大きな問題が未解決でございまして、その本格的な着工に大変に不安を感じている人が多いのでございます。運輸大臣、これだけ多くの地域の人たちの喜びとそして願いを、中曽根内閣が結局あれはできませんでしたといったようなことでは断じてならない、済まされない一このように思うのでございます。このことは政治に対する国民の信頼にかかわる問題でありますので、まず、運輸大臣のこの問題に対します決意のほどをお伺いいたしておきたいと思います。
#22
○山下国務大臣 このことも予算委員会においてしばしばお答えしたわけでございますけれども、既に整備新幹線の計画が策定されまして十年以上を経過いたしております。その間、東海道新幹線を初め既に営業をいたしております新幹線地域における住民の福祉を思いますときに、この十年待たされている整備新幹線地域の住民の切なるこれに対する欲求というものは、私どももよくわかるわけでございまして、そういう立場から一日も早く実現をしたい。ただ、何せ銭金の問題でございますので、第二次緊急提言あるいは臨調でもお示しのとおり、またこれを受けて閣議でも決定いたしておりますが、これは、当面この問題については延期せざるを得ないということは、国鉄に負担をかけてはいけないという趣旨でございますから、この問題さえ解決されるならば一日も早く着工に踏み切りたいということで、今年度の予算につきましては、党とも協議いたしまして、既に御承知のような条件をもって着工費を計上いたした次第でございます。
#23
○若林委員 六十年度予算編成の最終段階で政府と自由民主党との間の了解事項、その第三項では六十年八月を目途に着手するということになっているわけであります。新幹線を着工するためには工事実施計画の運輸大臣認可が必要でありますから、八月までにはその認可申請書を運輸大臣が受け取れるといったような状況になっていなければならないわけであります。そこで時間的には大変に切迫をしておりますので、監理委員会の七月答申が出てから、その実施前提となります諸事項について詰めていたのでは間に合わないわけであります。そういうわけで、運輸省当局も国鉄、大蔵省など関係機関と十分協議、検討をして事前にかなり詰めておかなければ、八月を目標にいたします着手ができないわけであります。スキーにおきましても、ジャンプもその助走の期間が長ければ長いほど、その準備が、態勢が整っておればおるほど、これは大いなる飛躍ができるわけであります。したがって、この六十年度の政府予算案が成立しますと同時に、かなり具体的な調整を開始しなければならないと私は考えるのであります。
 時間の関係もありますので、このようなことを意見を申し上げながら、特に昨年暮れに我が自由民主党が有力な民間調査機関に委託して得た「新幹線整備による経済効果の予測」について早急に運輸省としてこれを検討いただき、関係機関とも協議を進めていただきまして、新幹線整備による経済効果等というものを十分に評価した上で、国及び地方負担等について結論を出してもらいたいと思うのであります。何としても今大臣が申しておられるように、国鉄にこれ以上の負担をかけないという形でやるには、国及び地方の国鉄新幹線投資に対します負担というものを考えていかなければならないわけであります。そういう意味からしますと、一般的な経済効果、社会効果といったようなものをどのように評価するかがいわばかぎになっているように思います。
 結論から申し上げれば、経済の浮揚効果、波及効果というものを考えまして、新幹線の整備投資については、利用者の負担のみで回収するという従来の考えを大転換させなければならないと思いますが、重ねて大臣の見解を伺い、また事前に作業を進めていただきたいということにつきましてお考えを伺っておきたいと思います。
#24
○棚橋(泰)政府委員 先生ただいま御指摘のように、整備新幹線の着工に関しましては、予算の最終段階におきまして党と政府の間で御指摘のようなことが確認されておるわけでございます。したがいまして、八月を目途にこれを検討するということでございますので、党と政府において調整を進めるという確認書の趣旨に基づきまして、予算成立後できるだけ早く党の方とも十分御相談の上、先生のおっしゃる助走を長くするような検討に入りたいというふうに考えております。
 また、党の方で調査機関に依頼をされました波及経済効果の問題につきましては、種々の前提条件を置いた上での御調査だというふうに考えておりますが、当然このような波及経済効果というものにつきましては、所要の調整を進める中で非常に重要な要素でございますので、それを含めまして、調整の段階において検討していきたい、かように思っておるわけでございます。
#25
○若林委員 時間が参りまして残念でございます。そこで最後に、その他の問題について若干の御要望を申し上げて終わりたいと思います。
 先ほどもちょっと触れましたけれども、長野市におきまして貸し切りスキーバスが転落事故を起こしました。被害を受付られました方々、特に亡くなられた方々には心から御冥福をお祈り申し上げるわけでございますけれども、安全対策は運輸行政の最も基本的な課題だと大臣は所信表明の中で申しておられます。そこで、貸し切りバスに関して申しますと、事情の必ずしも明らかでない運転者が他地域に出かけていくことが多いわけでございます。特に道路整備がおくれているところを運行する場合には、運転者も大変に気疲れだと思います。でありますから、これら運転に経験を持ち危惧を持っておられる方々の要望、意見といったようなことも運輸行政担当者として事前に十分に吸い上げながら、所管は違うし価値観もなかなか、別の立場があります、役所の縄張りがあるのは承知いたしておりますが、運輸行政側から建設、道路行政側にそれら箇所について特段の配慮をしながら道路整備を進めてもらうといったようなことを積極的に働きかけ、要請をするといったような、省を越えての政府部内での協力体制ということが必要であるように思うわけでありまして、ぜひともそのような御努力をお願いしたいと思うわけであります。
 また、所信表明の中で、許認可のあり方について「時代の変化に対応した事業規制をはじめとする許認可等のあり方」を見直すというふうに大臣は言っておられます。先般、京都のタクシー会社が料金認可をめぐります運輸省の却下処分を不服といたしまして訴えておりました件について、裁判所の方から運輸省のとった行政処分はおかしいということでタクシー会社側に軍配が上げられているわけであります。そういう許認可をめぐります内外の批判というものが大変に出てきておりますことなども十分念頭に入れまして、この許認可の見直しにつきましては、早急にできるところから検討の結果を行政に反映していただきますように特段のお願いをいたしまして質問を終わりたいと思います。
#26
○三ツ林委員長 兒玉末男君。
#27
○兒玉委員 最初に、運輸省と建設省、労働省にお伺いしますが、先ほどの委員からも指摘がありましたが、長野県下で起きました三重交通バスの転落事故におきまして二十五名のとうとい生命が奪われまして、心から御冥福を祈りながら御質問したいと存じます。
 運輸大臣の所信表明の中で特に私の印象に残りましたのは、「運輸行政の要請は安全の確保であり、また、国民の皆様の求める良質な輸送サービスを将来にわたって安定的に確保することが基本的課題である」ということを明確に申されたわけでございます。そういう精神から考えましても、先般の三重交通事件というのは、客観的に主観的にどのような事情があったにしましても、やはりバスを運転する運転労働者の労働条件等についての十分な管理体制が的確性を欠いたかなりの過重労働であるということが新聞の報道でも指摘をされましたし、同時にまた、今日のバス事業というのが大変な過当競争であり、そこによって生ずる会社側の企業性の追求ということがもたらした一つの大きな要因ではないのか、こういう観点から運輸省の労務管理対策、また道路上のいわゆる欠陥、これは先般の飛騨川におけるところの沢によるバス事故もありましたし、その後バス協会等からも道路整備についてはかなりの要望が出されたわけですが、道路管理者である建設省の対応、同時に、後で触れますけれども、貨物運輸労働者等の過重な労働時間が、昨年十二月二十一日の当委員会でも指摘しました九州のヤマト運輸倉庫が非常に過大な労働時間によってついにとうとい生命を奪う事件があったことで、その後これを含めてどういうような指導をしてきたのか、この三重交通の事故に関連してそれぞれ関係者からの御答弁をいただきます。
#28
○山下国務大臣 三重交通の事故につきましては、何とも名状しがたい痛ましい事件でございました。とりわけ先般の福祉大学における合同罪をテレビで拝見いたしまして、本当に私は心から御冥福をお祈りをいたした次第でございます。
 こういった季節運行のバス、年間十万台といわれておりますこのスキーバスを初め、こういった季節運行のバスについては過重労働にならないかということを早速私どもは厳重に、特に三重交通については特別監査もいたしましたし、全般的に運輸省といたしてもこれらについて今調査をいたしておりますし、また二度と起こらないよう運輸省としてもできるだけの手を打ち、またいろいろと協議もいたしておる次第でございますが、具体的な内容につきましては、担当の局長から御説明を申し上げたいと思います。
#29
○服部政府委員 三重交通の事故でございますけれども、私ども先般三重交通に対しまして特別保安監査を実施したところでございまして、現在、その監査結果につきましては取りまとめを急いでおる段階でございますけれども、先ほど先生御指摘のございましたように、運転者の過労を防止するということは、安全確保の上で何にも増して重要なことでございまして、この点につきましては、私どもこれまでも労働関係法令に定めるところに従いまして、運転者の勤務時間及び乗務時間の設定を適切に行うようにということを中心にいたしまして、交代運転手の配置でございますとか休憩施設の整備等につきまして関係の事業者を厳しく指導してまいったところでございます。
 なお、この点につきましては、労働省との間の相互通報制度というものを活用いたしまして、二七通達の遵守等の徹底を図るように指導もいたしておるところでございます。
 なお、こういった交通事故の防止対策というのは、私どもももちろん十分に意を用いる必要がございますが、何と申しましても、総合的な対策を行うことが必要でございますので、先生御指摘のとおり、私ども関係各省と緊密な連携を保ちながら、こういった問題に今後とも対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#30
○神戸説明員 先生今御質問の宮崎県の国道十号線におきます事故につきまして、その当該発生事業者につきまして、捜査を待ちまして本年の二月に過労防止にかかわる事項を重点としまして特別保安監査を実施したわけでございます。現在、その法令遵守状況等につきまして監査結果を取りまとめている段階でございまして、その監査結果を待って、結果を踏まえ適切な処置を講じてまいりたいというふうに今思っております。
#31
○菊地説明員 基準局監督課長菊地でございますが、お答えいたします。
 三重交通バス事故の関連でございますが、全国都道府県局長会議におきまして、労働大臣みずから再発防止につきまして強い指導の強化を指示いたしまして、現在都道府県基準局段階で関係業界に対し指導を進めているところでございます。
 あわせまして、運転手の災害防止、交通事故の安全という観点から、運転者の労働時間管理について改善指導を設けて指導しておりますが、このたびの事故にかんがみまして、スキーバス等の季節的な業務を行いますバス事業に対しましても、重点対象事業に加えまして、強力な指導を進めることとしているところでございます。
 以上でございます。
#32
○三谷説明員 建設省でございます。お答えいたします。
 道路の交通安全対策につきましては、公安委員会と連携をとりつつ従来より道路管理上の最重点事項として取り組んでまいりました。道路管理者としては、運転者に注意を喚起するための標識であるとかあるいは安全施設、それから道路構造の改善等鋭意進めてまいりました。御当地の十九号でございますが、非常に山岳部を走る路線でございますので、全般的に線形が非常に厳しゅうございます。したがいまして、道路管理者としまして、交通安全施設の整備あるいは線形の改良を行ってまいりました。事故現場につきましては、ガードレール等につきましても、通常より一段上のガードレールを設置する、あるいはカープの手前にカープあり、すべりやすい、幅員減少というような警戒標識あるいは路面凍結注意喚起のための標示板、こういうものをつくりまして、万全を期したところでございますが、このような痛ましい事故の再発を防止するため、建設省といたしましても、関係省庁と協力をいたしまして、こういうような山岳部の道路につきまして、交通事故防止のための必要な措置がなされているかどうかもう一遍総合的な点検を実施し、必要となる場合の道路標識の整備、こういうものについても処置をするように指導しているところでございまして、今後とも交通安全の確保に努めてまいりたいと考えております。
#33
○兒玉委員 この際、建設省と運輸省にお伺いしたいわけですが、シーズンに入りますので、これからもかなりの貸し切りバスの運行が予想されますので、特に交通量が頻繁であり、かつまた遠隔の地から運行する運転者等に対しては、特に危険箇所に対する積極的な周知徹底ということが必要であり、これは運輸省と建設省が十分タイアップしながらそのような的確な指導を図るべきだと考えますが、いかがでございますか。
#34
○服部政府委員 ただいまの先生の御指摘まことにごもっともでございまして、私どももこの点につきましては、従前からそういった山間地までに及ぶ貸し切りバスの運行あるいは特に積雪時期におけるそういったバスの運行につきましては、あらかじめ運行経路を十分調査いたしまして、危険箇所、要注意箇所の把握に努めるように指導しておるところでございますけれども、改めて今回の事故にかんがみまして、この点を含みます幾つかの対策につきまして、関係者の注意を喚起したところでございます。
#35
○三谷説明員 お答えいたします。
 先生の御指摘のとおり、運転者にあらかじめいろんな情報を与えるということは一番大事でございます。その意味で、建設省といたしましては、道路標識の完備、さらには必要な情報を与えるための施設、こういうものについてもより密度を高めるよう努力してまいりたいと考えております。
#36
○兒玉委員 次に、貨物運転労働者等に関する労働時間の短縮、労働時間の改善ということについて、先般運輸労連の組合の全国的なアンケート調査によりましても、かなり過酷な労働条件で長距離貨物運送等に従事している実態が明らかにされておるわけでございますが、現在、運輸労連等が特に国民生活に必要な物資輸送の中枢的な使命を持っておるわけであります。特に日本の貨物運転労働者というのは、諸外国に比較して非常に長時間の労働が強いられております。
 そういう点から、先般、このような労働時間短縮をめぐる問題として二七通達の厳守、法制化あるいはILO百五十三号条約の批准、こういうことを中心に、少なくとも一日八時間、週休二日制、週四十時間の労働、年間総労働は二千時間以内とする、こういう目標で、現実的には三千時間を超えるかなり長時間労働が行われている現状からも、これは運輸省と労働省が、西欧先進国に比較しておくれている日本の運輸行政に対し、また労働行政に対して積極的な取り組みを展開すべきであると思いますが、運輸省と労働省の見解を承りたいと存じます。
#37
○栗林政府委員 ただいま先生おっしゃいましたトラック運転者の労働時間の問題、私どもも非常に大きな問題だというふうに受けとめております。もちろん運輸省といたしましては、道路運送の安全の確保を図る観点から、道路運送事業者に対しまして、計画的な監査ですとかあるいは運行管理者の研修などを通じていろいろ努力はしてきております。
 今先生おっしゃいました二七通達の遵守の問題につきましても、労働省と連携をとりながら、この通達の趣旨の周知徹底を図るとともに、運送事業者自身が運転者の勤務割あるいは乗務割の見直しをする、あるいは仮眠施設、休憩施設の充実等によりまして、こういった新しい基準に対応するように指導しているところでございまして、また五十五年の十月からは労働省と相互通報制度というものを設けまして、お互いに状況を相手に通報して、それぞれ必要なものは処分する、あるいは指導する、こういったことも実施してきておるところでございます。ただ、徐々にトラック運転手の労働時間が改善されてきていると思いますけれども、確かに現状を見ますと、まだまだ今の二七通達に違背している部分も多いようでございまして、今後とも相互通報制度などによりまして、労働省と緊密な連絡をとって、その二七通達の遵守についてできるだけ努力していきたいと思っております。
 今先生おっしゃいました二七通達の法制化の問題でございますとかあるいはILO百五十三号条約の批准の問題につきましては、私どもはまず第一に、今の二七通達に違背している状況が実は相当多いという現実にかんがみまして、できるだけ改善させることに努力することがまず第一だと思っておりますが、具体的な今後の法制化あるいは批准の問題につきましては、労働省と密接な連絡をとりながら対処していきたいというふうに考えております。
#38
○菊地説明員 御質問の点でございますが、我が国の労働基準法は業種、規模、業態を問わずに、法定の最低労働条件を罰則つきで強行的に履行を確保するということで制定されております。対象は企業、事業場に雇用される労働者ということになっておりますが、御指摘の百五十三号条約につきましては、一人親方あるいは家族も対象になっておりますことと、規定の内容が拘束時間、運転時間、休息期間などと労働基準法でとらえていない事項も対象になっております。したがいまして、立法政策として、また法制度論といたしまして、我が国においては困難な状況にあるというのが現状でございます。それで百五十三号条約の内容を踏まえた改善指導基準を策定いたしまして、適正な時間管理が確保されますように、全力を傾注しているところでございます。
#39
○兒玉委員 運輸省と労働省に申し上げるわけですけれども、労働省は、長距離貨物運転なり一般の貨物運転労働者の実情を一体どのように把握しているのか。また運輸労連が大変な努力をしてまとめたアンケートの内容等について勉強をされたことがあるのかどうか。いかがですか。
 同時にまた、運輸省の貨物流通局としても、せっかくのまじめな努力による集大成としてのアンケートの結果が全くほうりっ放しでは、これは監督官庁としての責任が全うされない、私はこのように感ずるわけであります。そういうことであのような三重交通等のような事件、あるいは宮崎県におけるヤマト運輸倉庫等の事件が起きるわけですよ。人の生命は帰ってきません。それに対するもう少し真剣な対応が必要だと私は思うのですが、再度御答弁を求めます。
#40
○栗林政府委員 先生おっしゃいました運輸労連のまとめたもの、アンケート調査だと思いますけれども、それについては読ませていただいております。これについて、前に労働省から聞いておりますような実態とそれほど大きく変わってない、やはり違反状況が非常に大きいということをそこでも私読ませていただきました。
 労働時間の問題は、輸送秩序あるいはそのほかトラック事業の経営全般にかかわるような非常に大きな問題だというふうに認識しておりまして、どうやってこれを正常なといいますか、とりあえずは二七通達に合ったような格好に持っていけるか。私どもは最大限の努力をして、知恵を出して実現の仕方を考えていきたいと思っております。労働省とはよく連絡して、相談しながらやっていきたいと思っております。
#41
○菊地説明員 御指摘の運輸労連の調査につきましては、入手いたしまして勉強さしていただいております。問題は、運輸業の経営の問題とも十分かかわることでもございますので、先生御指摘の点をかみしめまして、運輸省とも十分、真剣に連携をとりながら、全力を尽くしていきたい、かように存じております。
#42
○兒玉委員 企業の経営の関係もあるでしょうが、そこに働く労働者の生命、安全保障ということが最優先されるべきではないか。働く運転労働者がおるから経営が立っているわけで、そのことを基本に置いてひとつ今後善処していただきたい。
 次に、先般ペルシャ湾におきましてクウェート船籍のコンテナ船が、新聞報道ではイランの飛行機による攻撃と言われておりますが、現在ペルシャ湾には三十隻以上のこのような貨物船が運航しているそうでございますが、その中で労務提供の労提船というのもかなりあるように報道され、全体で百五十隻に及ぶ労提船があると言われておりますが、今回の事故は非常に国際的な問題でもあり、その原因追求なり対応策もなかなか難しいかと存じますけれども、問題はやはり日本船員の生命に関する重大な問題でありまするから、相手国の徹底調査、それから運航の安全確保、それから被害者に対するところの補償、こういう点について運輸省並びに関係省の御見解を求めたいと存じます。
#43
○渡辺説明員 今回このような事故が発生いたしましたことにつきましては、外務省としても非常に重大な関心を持って受けとめております。
 まず第一の問題は、一体どの国がコンテナ船アルマナク号を攻撃したかということでございます。本件につきましては、現在いろいろなルートを通じて事実関係の究明に努めております。いろいろなルートと申しますのは、まず第一はイラン・イラク紛争の直接当事国であるイラン、イラク両政府、それからさらにはペルシャ湾岸の関係諸国、それから海運関係の保険を非常に幅広くやっておりますロイド保険協会の本部がございますイギリス、そういうところを通じて真相の究明に努めております。しかしながら、今までのところ得られた情報では、政府としてどの国がやったということを断定、確定できる状況にはまだ至っておりません。しかしながら、いろいろな諸般の状況を勘案いたしますと、イラン軍機による攻撃の可能性が大きいということは推定されるわけでございます。
 この諸般の状況と申しますのは、一つは、攻撃されました船がクウェート国籍の船である、それからこの船会社は、クウェート、バーレーン、カタール、サウジアラビア、ア首連、こういった湾岸の五カ国とイラクが出資してつくっている会社であるというようなことが一つございます。それから、これは船長さんの証言だったかと思いますが、攻撃した飛行機の機体の色がグレーのF4Eファントムであったというような視認による証言も一応ございます。それからさらには、攻撃地点がペルシャ湾の相当南の方、アブダビの沖合でございまして、従来のイラク軍の作戦海域、作戦能力からいたしますとちょっと離れ過ぎている、そういうようなこともありまして、イランによる攻撃の可能性が強いということは新聞でも報道されておりますし、私どももそう信ずべき理由はかなり強いとは思いますけれども、政府としての立場からは、今のところ確定的にどの国がやったということを断定できる状況にはまだございません。
#44
○神津政府委員 補償の問題でございますが、政府といたしましても、船員保険の適用及び船会社からの就業規則の定める死亡給付金等によりまして、御遺族に対し十分補償がなされますよう誠意を持って対処をしてまいりたいと思っております。
#45
○兒玉委員 この際、運輸大臣にもお伺いしますけれども、かなりの数の人が労提船に乗っている。今度の場合でも全部日本人だ。とするならば、安全上の立場で日本の船員が乗っているという、何か標識的にもそういう誤爆を受けることのないような方法を技術的に考える必要があるのではないか。さらにまた、補償問題についても、相手国が判明すれば、私は今後厳重な抗議を運輸省としてはすべきであり、乗組船員の安全対策にも積極的な対応が必要だと思うので、この際、大臣の御所見を承りたいと存します。
#46
○山下国務大臣 ただいまの御質問の点でございますけれども、我が国の船舶法によりますというと、たとえ日本人が全部乗り組んでおりましても、外国の船籍の船に対して日章旗を掲げるということは、我が国の船舶法上禁じられている。もしも違反した場合には船長が処罰を受けるという規定になっております。しかしながら、この国旗掲揚以外の何らかの方法においてそれを知らせるということについては何らの規定がございません。したがいまして、適当な方法がないかということを目下いろいろと協議をいたしております。例えば、船腹に日の丸の旗をかくとか、もちろんこれは船の所有者の了解を得なければなりませんし、その他にも何らかの方法がないかということをいろいろ協議をいたしておる段階でございます。
#47
○兒玉委員 今後積極的な取り組みを要望申し上げます。
 時間が余りございませんが、国鉄関係についてそれぞれの立場からお伺いしますが、何しろ国鉄の再建対策という問題は、現政府にとりましても最大の政治課題でございます。私がお伺いしたいことはたくさんありますけれども、まず、国鉄の問題を中心に、さらに地交線の問題に分けて御質問したいと存じます。
 まず、何といっても再建のポイントは、莫大な長期債務を抱えておりまするが、問題は、このよって来た赤字の原因がどこにあるのか、そのことの解明が極めて大事ではなかろうかと存ずるわけであります。我々が簡潔に見ておりましても、いわゆる自動車産業の発展による国の総合交通政策の欠如、あるいは基礎施設に対して、他の港湾、道路運輸に比較して国鉄は非常に多額の借入投資をやっている、そのための元金、利子返済だけでも莫大な金額に上っているわけであります。五十九年度末の想定でも、この二十年間元金償還で少なくとも六兆二千八百六十九億、利子支払いが八兆五千九百九十八億、トータルで約十五兆円の金を非常に厳しい状況の中で国鉄は支払ってきているわけであります。さらにまた特定人件費。終戦により六十二万人の応召者あるいは満鉄、朝鮮、台湾等からの引揚者の受け入れ、これはGHQの方針で財閥解体により国鉄しか受け入れができなかったという特殊事情。また公共負担の補償ルールが確立をされていない。例えば貨物割引あるいは通勤通学等の割引額にしても膨大な金額になっているわけであります。数字で示しますならば、公共負担が、五十八年末でトータルが九千五百五十七億、それから五十四年までの貨物割引でも約千五百億、こういうような公共負担の補償ルールが確立をされないまま公社制度に移行し、今日に至りました。ヨーロッパ等の制度を見ますと、これは政府補償ということが義務づけられておるわけであります。さらに借金を増加させました赤字の累積方式というものは、イギリス、フランス、ドイツ等では単年度処理によってこれが処理をされ、また国内でも健康保険や米価関係は単年度処理になっておるわけであります。そういうふうな問題や、新線なり新幹線なり私鉄のようにもうからない線はやらないという方針ができなくて、採算を度外視したいわゆる政府の介入、こういうこと等が今日の大きな要因をなしているんじゃないかと思うのですが、まず、国鉄当局としてはどのように赤字の要因を理解されているのか、今指摘した点等を中心に国鉄当局の御見解を承りたい。
#48
○竹内説明員 ただいま先生から御指摘いただきましたような点が国鉄赤字の要因となっているということについてはおっしゃるとおりかと存じます。
 私どもの考え方といたしましては。やはり何と申しましても、四十年代に入りましてから日本の高度成長とともに輸送構造が大変大きく変化をしてまいりまして、特に自動車並びに航空機の影響によって国鉄の独占性が失われてきたということが非常に大きな要因になっているというふうに理解をいたしております。その際に、経費が極めて増高してまいった時点で、運賃改定等の適時適切な対応のおくれというものもあったことも事実でございます。それから全体として、輸送構造の変化に対応するに当たりまして、国鉄みずからの対応の仕方も、タイミングという点から見ますと極めておくれをとったということもあろうかと存じます。しかし基本的には、これらの要因から生じてまいりました、国鉄の財政の構造の中で現在最も国鉄経営を圧迫している長期債務の原因となっております借入金による対応で今日まで参った、これが非常に大きな財政圧迫の要因となっておりまして、そのために、先ほど先生からお話がございましたような、年々の借入金に対する償還額並びにその支払い利子額が極めて大きな額になってきているということでございます。
 さらに、このところ顕在化してまいっております特定人件費の問題であるとか、あるいはモータリゼーションに伴います地方交通線の輸送量の減少であるとか、こうした構造的な要因というものも極めて顕著に顕在化してまいりまして、したがって、この時点におきまして、私どもとしましては抜本的な対応策が必要になってきているんじゃないかというふうに理解をいたしているところでございます。
#49
○兒玉委員 時間に拘束されますので、あとは地方交通線関係と年金問題を区分けしてお伺いいたします。
 まず、国鉄の「基本方策」というものが一月十日に発表されましたが、ここで民営化ということで方針の転換をしたこと、それから特殊会社方式を選択した理由。二点目は、当面分割はしないという方針が明確にされておりますが、その理由は何であり、また分割によるデメリットはどんなことが考えられるのか。三点目は、これは監理委員会にお伺いしますけれども、監理委員会は民営・分割の方向で検討されていると聞いておりますが、この前、日経新聞で一兆円基金ということが大々的に報道されました。それからNHKで、もう分割の青写真がはっきりと決まったような報道がなされております。私は、このことは裏を返せば、監理委員会は一般に審議経過を公表しないで、報道機関を通して細切れ的にその既成事実を国民の前に押しつけている、こういう印象をぬぐい去ることができないのであります。これは重大な問題であり、運輸省、大臣もこれについて、この際、今までの経過を国民の前に明らかにすべきではないかという点について、監理委員会と運輸省の見解を承りたい。
 次に、「基本方策」においては大幅な合理化が提起をされております。既に今まで十四万人以上のいわゆる合理化案に組合側も協力しているわけでございまして、今後の国鉄再建も、国鉄労働者の一体となった協力体制がない限りは再建の前途は十分でない、このように考えるわけでございますが、この余剰人員対策については、労使が十分な合意点を求める真摯な努力が必要ではないかと考えるわけでございます。これは雇用、労働条件に関する重大な問題であり、国鉄、運輸省、労働省の見解を承りたい。
 さらにまた、新しい経営形態に移行しても、あるいはその分離会社がいろいろな合理化をされても、自治体の負担または利益者負担の限界があろうかと存じます。当然そうした場合に地域交通としての立場から、国の助成策を必要とすることが十分に理解をされるわけでございますが、これについてはどのように対応をされるのか。
 それから、地方交通線につきましては、一次、二次の交通線の進捗状況はどうなっているのか、第三セクターあるいはバス転換になされたところは今までの運賃形態、利用者負担はどういうふうに変化をしているのか。第二点は、運輸省としてこれから地交線に対するところの位置づけをどのように考えておるのか。
 それからもう一つの問題は、少なくとも年金制度は大変な課題でありまして、長期債務の処理の問題、それから現在でも年金財政確保のために国鉄はかなりの苦労をしておるようでございますけれども、なかんずく昭和六十五年度以降は危機的な状況を迎えようとしているわけでございまして、この年金財政の推移と今後の見通し、さらに六十五年度以降の対応をどのように考えているのか、これは国鉄、大蔵、運輸省にお伺いをするわけであります。
 まとめて質問いたしましたので、時間があればさらに再質問したいと思います。よろしくお願いします。
#50
○竹内説明員 「基本方策」の中で民営化を採用した、それに対して、なぜ分割するということを言わなかったのかということでございますけれども、私どもといたしましては、今後状況が大変に難しくなってくるであろう、輸送構造もますます変化をしてくる、それに対して、その中で弾力的にこれに適切に対応していくというためには、従来の反省からいたしましても、現行の仕組の中では大変に難しい要素があるということから民営化を選択したものでございます。それによりまして、関連事業の事業範囲の積極的な拡大を図っていきたいということもあわせて考えているところでございます。
 なお、その際に、分割の問題でございますけれども、民営の方向をとりましても、なおかつ今後行財政上の支援を受けなければならないというようなこと、それから新事業体がスムーズに運営されていくためには、その基盤整備もあわせてやっていく必要がある。その際に、今後さらに効率化を進め、合理化を図っていかなければならない部分が非常に多いということも認識をしております。そうした結果、さらに大きな余剰人員が発生するであろうということも予想される。そうしたさまざまな観点の中でそれらをどう進めるかということについて考えてまいりますと、さしあたっては全国一体の組織が望ましいのではなかろうかというふうに判断をいたしたものでございます。
 しかし、これにつきましては、今後六十五年までの間に、分割も含めたあり方について検討してまいりたいというふうに考えておりまして、当面そういう方向を選択したということでございます。
#51
○林(淳)政府委員 監理委員会の方に対する御質問でございますが、まず第一点は、新聞、テレビ等で最近分割案等についての報道がなされておるという点でございますけれども、私ども監理委員会といたしましては、ことしの七月ごろに最終答申を取りまとめるという一応のスケジュールで、現在、先ほど申しましたように、分割の仕方を具体的にどうしたらいいか、あるいは長期債務等の問題を処理する方策というのはどういう方策がいいか、あるいは余剰人員の問題、これはどう解決していったらいいのかというようなことにつきまして、相互に非常に絡んでおりますので、これを総合的に今検討しておる段階でございまして、私どもとしてはまだ案を固める段階には至っておりません。したがいまして、当委員会におきまして、何らかの内容について外部に漏らすというようなことはあり得ないわけでございまして、私どもとしてはまだそういう案を固めるには至っていない段階であるということを申し上げておきたいと思います。
 それから、審議の内容についての問題でございますけれども、監理委員会として、やはり自由濶達な議論をして、いい案をまとめていく、こういうことで、その議論の自由濶達さというものを保障するために、委員会の議事の運営の仕方として、委員の申し合わせとしまして非公開ということにしておりますので、その点はひとつ御了承を願いたいと存じます。
 以上でございます。
#52
○棚橋(泰)政府委員 監理委員会の審議経過の問題につきましては、ただいま監理委員会の次長からお答え申し上げたとおりだと承っております。私ども、監理委員会の審議の過程につきましては、いろいろの御検討がなされておるということにつきましては承知をいたしておりますけれども、先日来、新聞ないしはテレビに出ましたような形での成案を得たというふうなお話は聞いておりませんし、監理委員会の方も否定をされておられますので、そのようなことだというふうに存じております。
 それから、その審議の過程での経過を明らかにすべきではないかという御指摘について運輸省はどう思うかというお話でございますが、これにつきましては、監理委員会の審議の内容にわたる問題でございますので、監理委員会の御判断によるべきものだというふうに考えております。
 それから、労使関係の問題、余剰人員の問題につきまして、これは労使協力をしていく体制をとるべきではないか、こういう御指摘でございますが、まさに私どもも、余剰人員問題というものにつきましては、労使間において円満なお話し合い、協力体制というものが必要であるというふうに考えております。そのような見地で、さきに運輸大臣が労使双方の代表を招きまして、余剰人員問題というのは国鉄再建にとって避けて通れない問題であるということから、早急にこの問題について円満な話し合いを進めるようにということを強く要請したところでございます。
 なお、地方交通線の問題、年金の問題につきましては、地方交通線につきましては、まず国鉄の方から現状等に御質問にお答えをいたしまして、その後でお答えをいたしたいと思います。共済の問題につきましては、その後でお答えをいたしたいと思います。
#53
○太田説明員 余剰人員の問題でございますけれども、ただいま御指摘がございましたように、極めて重大な問題だというふうに認識しておりまして、ただいま全力を挙げてこの問題の解決のために努力をしておるところでございます。
 具体的には、内部での活国策の推進、それからまた、三本柱と称しているのでございますが、調整策を進めているところでございます。その過程におきまして、複数組合が存在しておりまして、それぞれの組合との間に幾つかの問題点を抱えていることは事実でございます。現在、それの食い違い、差異を調整して足並みをそろえるべく努力しているところでございます。
 今、運輸省からお話がございましたように、運輸大臣からの御指導あるいはまた労働大臣からの御指導も受け、なお一層その努力をしているところでございます。基本的には、この余剰人員対策を進めるに当たりまして、何といいましても職員の理解、そしてまた関係労働組合の理解と協力、これはぜひとも必要でございますので、そういう見地に立ちまして、なお一層の努力を進めたいと存じておる次第でございます。
#54
○岩崎説明員 一次、二次特定地方線の推捗状況でございますが、御承知のように全体で四十線ございますが、このうち三線は、地元の利用運動等によりまして、現在輸送密度が二千人を実績として超えておりますので、協議を中断いたしておりますので、協議対象は三十七線でございます。そのうち、既に転換を終えた線区が十四線区でございまして、この内訳は、バス輸送に転換したものが八線、第三セクターの鉄道経営に転換したものが五線、地方鉄道に譲渡したものが一線区でございます。それから協議会で既に結論が出まして、現在転換の準備段階にあるというものが二十一線ございます。そのうち、バス転換が十三線区、第三セクターを予定しておりますのが七線区、地方鉄道が一線区、以上二十一線区でございます。つまり三十七線区のうち三十五線は、既に転換を終了したか、既に準備段階にあるということでございます。二線についてまだでございますが、これは北海道で美幸線というのがございます。それから九州で甘木線というのが現在まだ協議継続中でございますが、大詰めの段階に入っておりますので、間もなく結論が得られるものというように考えております。当初の予定よりおおむね一年程度おくれておるわけでございますけれども、地域の理解と協力を得て円満にここまで進んできたということを御報告申し上げたいと思います。
 なお、第三セクター等の運営状況でございますけれども、開業いたしましてから長いのは三陸鉄道だけでございますので、三陸鉄道の場合には運賃が大体三割程度国鉄の場合に比べて高くなっておりますし、人件費単価は、OBの採用、それから地元若年者の採用ということでかなり単価が下がっております。そういうことを前提にした地域密着経営によりまして、目下のところ極めて順調に経営が推移しておるというように御報告させていただきます。
 こういう経験に照らしまして、その他の地交線についての効率化施策もぜひ進めてまいりたいというように考えておる次第でございます。
 それから、引き続いて恐縮でございますが、年金の問題についてお答えをいたします。
 六十年度以降の国鉄年金財政というのはまさに破綻状態にあるわけでございまして、とりあえず来年度から向こう五年間につきましては、保険料引き上げとかあるいは年金改定の停止措置などの自助努力と、先般施行されました年金統合法に基づきます国家公務員共済あるいは電電共済、専売共済からの財政調整によりまして、この五年間で年平均九百三十億ばかりの財源不足を生ずるわけでありますが、その穴を埋めて何とか支払いがおかげさまで確保できる見通してございます。他共済からの財政調整につきましては、大変ありがたいことだというように考えております。
 ただ、先生おっしゃいましたように、六十五年度以降につきましては、これは全く非常に暗い見通してございまして、年金受給者がさらに増大をして成熟度が上がってくるということと、御指摘のように、現職組合員が合理化によって減少していく、あるいは今回は追加費用の未払い分というものを清算する形で国鉄が臨時繰り入れをしておりますが、そういう臨時繰り入れの財源がもうなくなってしまう、こういうことなどによりまして、残念ながら収支はさらに悪化をしていくということでございます。六十五年度以降五年間の試算をしてみますと、大体年平均三千億程度の財源不足を生ずることが見込まれるわけでございまして、とても今回方式の延長ではこれを穴埋めすることはできないという深刻な事態に立ち至ることが予想されるわけでございます。
 これをどうするか、大変頭の痛い問題でございますが、まさにこれからの課題でありまして、国鉄といたしましては、昨年の二月に閣議決定で、六十一年度以降、給付と負担の両面において制度間調整を進め、昭和七十年度を目途に公的年金制度全体の一元化を完了させるという基本方針が打ち出されていることでもございますので、そうした考え方に沿いまして、被用者年金全体の問題として、より大きな保険グループの中での例えば財政調整あるいは全体的な統合という形で対処していただきたいものと、これは国鉄の考えでございますが、そのように切望しておる次第でございます。
#55
○棚橋(泰)政府委員 先生のお尋ねの中で、地方交通線に対する運輸省の基本的考え方という御指摘がございましたが、私ども再三にわたって申し上げておりますように、地方交通線という問題につきましては、変化する輸送構造の中で著しく鉄道特性を失ったものについては、これを他の交通機関に転換をしていただくということが、逆に言えば最もその地域におけるよりよい交通の体系を確保するということにつながるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、そのような意味で一次線、二次線というような当面鉄道特性を著しく失った線区につきましては、何らかの形で他の交通機関への転換ないしは地域による第三セクター等の鉄道への転換をお願いをして、その対策を進めておるところでございます。
 その進捗状況につきましては、先ほど国鉄からお答え申し上げたところでございます。特に一次線につきましてはいろいろ問題がございましたけれども、二年間という協議期間の歳月をかけていただきましたおかげで、地元の御理解を得まして、ほとんどすべての線、あと二線残っておりますけれども、これも遠からず何らかの結論をいただけるものと思っておりますが、ほとんどすべての線について転換するか転換合意に達しておるわけでございます。今後二次線など鉄道特性を著しく失った線区につきましては、そのようなことで対応してまいりたいと思います。
 それから、その他地方交通線すべての問題につきましては、この問題は国鉄の新しい経営形態のあり方というものと非常に密接に関係をいたすわけでございまして、その新しい経営形態の効率的な経営形態というものを一日も早く確立をしていただくということが、逆に言えば、これらの地方交通線というものを将来とも維持していける条件への一つの道ではないかというふうに考えております。したがいまして、監理委員会の御答申をいただきまして、その御答申に基づいて新しい効率的経営形態というものを確立していく中で、地方交通線全体の問題については対応をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 共済組合の年金の問題につきましては、担当しておられる大蔵省からお答えをいただくべきと存じますが、先ほどの御質問の中で、共済年金の問題につきましては、一つは国鉄財政の非常な負担になるのではないかという御質問と、それから共済組合そのものが六十五年度以降の見通しがないのではないかという二つの意味の御質問であったというふうに感じております。
 前者は、先ほど国鉄がお答え申し上げましたように、共済年金を他共済からお助けをいただいていくことになったわけでございますが、それとともに自助努力という形で国鉄そのものがそれによりましてかなり大きな負担増をしょうということになっておるわけでございまして、この問題につきましては、将来とも国鉄財政の非常に大きな負担になることは御指摘のとおりでございます。この問題につきましては、そういう意味では一つの意味での長期債務と同じような性格のものでございますので、監理委員会の御検討の中で、これらの問題も含めて御検討いただけることと期待をしておるわけでございます。
 また、共済組合そのものの問題につきましては、先ほど国鉄からお答え申し上げましたように、六十四年度までは他共済等からの調整金をいただきまして何とか見通しが立っておるわけでございますけれども、六十五年度以降の問題につきましては、現段階では見通しは非常に申し上げにくいわけでございますが、非常に巨額の財源不足が生ずるであろうというふうに予想をしておるわけでございます。したがいまして、現在のような国家公務員、電電、専売という三共済からのみによる財政の御援助では対応が困難になるのではないかというふうに承知をしております。この問題につきましては、昨年の二月の閣議決定の線に基づきまして、年金制度全体の問題として御解決をいただくよう政府部内においてもお願いをいたしておりますし、私どもも努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#56
○兒玉委員 ちょっと時間がなくなったが、答弁簡潔にお願いしたい。
 非常に大事なことを忘れていましたが、総裁と大臣がこの件に何も意思表明していない。特にこの前の予算委員会で国鉄の土地が簡単に売り飛ばされる、そういう懸念を持つ。やはり私鉄等の場合は、流通関係とか不動産関係とか関連事業を利用しておりますが、いいところは全部財界にとられてしまって売り食いでは困る。だから土地の高度利用ということについて総裁と、それから大臣は先ほど申し上げたような余剰人員対策についても慎重な配慮をお願いしたい。これについての御見解を求めたいと思います。
#57
○三ツ林委員長 答弁は簡明直截にお願いいたします。
#58
○坂本説明員 お答えいたします。
 国鉄の共済年金につきましては御指摘のとおりでございまして、昭和六十年から六十四年まで国家公務員及び電電、専売の職員が応援するという形になってございますが、先ほど国鉄から御説明がございましたように、四百五十億円という数字が仮に三千億円ということになりますと、とても国家公務員及び電電、専売の職員ではこれを持つことができないという状況にございます。したがって、公的年金全体としてまず給付の一元化を図り、そして負担の調整をしていただかないと困るというのが大蔵省の立場でございます。
#59
○仁杉説明員 今先生から御指摘ございました土地の問題でございますが、これは先生の御趣旨は私どもよく理解をいたしているところでございます。ただ、二十数兆に及びます累積債務の処理のときに、土地を売るということが一つの柱になるというふうに考えておりますが、その場合、今先生の御指摘のありましたように、いろいろな面から検討してみなければいけないというふうに思います。そういう点で、今度の「基本方策」でも三兆という数字を出してございますが、今後もどういうふうにしていくかということについてもう少し慎重に検討を重ねてまいりたいというふうに考えております。
#60
○山下国務大臣 余剰人員問題につきましては、午前中にもお答え申し上げましたとおり、国鉄再建につきましての最重要課題がここにあると私も理解をいたしております。ただ、現段階におきましては、これは国鉄の経営自身の問題でございますから、まず国鉄の労使でもって十分話をしていただく、そのためには現在計画して、また実行に移しておられる、俗に申し上げる三本柱等をさらに推進していただくということでございます。同時にまた、運輸省といたしましても関係方面と十分協議しながら、昨年の八月の第二次緊急提言の趣旨に沿って適切に対処してまいる所存でございます。
#61
○三ツ林委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十一分開議
#62
○三ツ林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。左近正男君。
#63
○左近委員 大臣の所信表明に対し若干の質問をさせていただきます。
 まず、国際航空について大臣は所信表明の中で「現在、日米間の航空権益の総合的均衡を目指して協議を続けている」こういう表明がされたわけですが、今日の日米航空協定は余りにも不平等でございます。現在日本側は一社のみ、アメリカは五社も乗り入れております。以遠権についても日本側は大変厳しい制限を受けておるわけであります。このことについて大臣としてどのような見解を持っておるか、ひとつ決意を聞かしていただきたい。
#64
○山下国務大臣 本来、二国間におきます航空協定は互恵平等が原則でなければならないと私は理解をいたしております。そういう意味におきましては、日米間の航空協定は、路線あるいは以還権等におきまして御指摘のとおり甚だ均衡を欠いている、いわゆる平等でない面が多々あることを私も存じておる次第でございまして、今後そういった格差を是正するために、なかなか一挙にというわけにはまいりませんが、機会あるごとにその格差を縮めることに格段の努力を払うべきだ、このように理解をいたしております。
#65
○左近委員 この不平等の特徴的な問題は、現在日本貨物航空のアメリカ乗り入れが暗礁に乗り上げておるわけであります。この日米の交渉が二十五日から開かれるということを承っておりますが、政府としてはあくまでも筋を通していくという方針なのか。安易な妥協をするということは、今日の日米の航空の実態から見てますます不平等の拡大になる、このように思っております。私は大臣の政治力が大変問われておる問題ではないかと思いますが、この交渉の基本的な態度、これについてひとつ改めて明確に決意を聞かしていただきたいと思います。
#66
○山下国務大臣 NCAにつきましては、政府が一昨年の八月それを認可いたしております。政府が認可したということは、NCAの今回のアメリカ乗り入れについても、政府が政府間交渉によって決定すべき責任がある、私はまずそのように考えております。したがいまして、そういう観点から、当初予定されておりますとおり四月一日から営業ができるように、私は政府当局を極力督励しながら、二月二十五日から行われます今回の交渉で実現するように努力してまいりたいと思っております。
#67
○左近委員 四月一日の運航を控えて大変期間もないわけですが、大臣としては、今日の日米間の航空の不均衡を拡大をしない、こういう立場で改めて交渉されますか。
#68
○山下国務大臣 そのとおりでございます。
 先ほど申し上げましたように、現在日米間の航空協定は必ずしも平等ではないということは申し上げたとおりでございます。したがいまして、今回のNCAの交渉に当たりましても、むしろこの機会に、さらに両国間の不平等を縮めるというような覚悟で私どもはこの問題に取り組んできたわけでございますが、やはり実際の交渉となりますと、相手もあることでございまして、必ずしも理論どおりにいかない面があって、実は苦慮いたしておるところでございますけれども、御指摘のように、筋を通すという点においては終始一貫私どもはそれを守ってまいりました。
 さらに、今回二十五日から開かれます航空交渉におきましても、これ以上不平等が拡大することはもちろんのこと、縮まる範囲内において筋を通して交渉する、これが原則であろうと思っております。
#69
○左近委員 大臣、ひとつ頑張っていただきたいと思います。
 そこで、航空憲法と言われておる四十五年の閣議了解、四十七年七月の「航空企業の運営体制について」の大臣通達、これから十年余が立っておるわけですが、今日、国内航空事情も大変変化をいたしております。この大臣通達を見直す考え方を持っておるのかどうかをお聞きしたいと思います。
#70
○山下国務大臣 四五、四七、これはそのとおり昭和の年数でございますから、もう十年以上経過をいたしております。それから陸海空はもとより交通全般についてかなり大きな変動が行われておりますし、それだけとらえてみてもいろいろな問題が起きていることは御承知のとおりでございます。
 ただ、これを基本的に変えるということになりますと、やはり内外の問題もございますし、あるいはまた日本の三大空港の整備、これは一番早いので六十三年の羽田でございますけれども、引き続き関西、あるいはまた新東京国際空港等の完成を待たなければ基本的には私はこれらの見直しはできないと思っておりますので、最終的な目途はそこに置かなければなりませんけれども、早急に改正しなければどうにもならぬという問題も今後起きてくると私は思います。その場合は、緊急やむを得ないものは、その部分についてはやはり考えなければならぬかなあというふうに今のところは私は考えておる次第でございます。
#71
○左近委員 私は、四五、四七の航空行政のあり方について、今日航空三社がそれについて全く信頼をして航空業務をやっておるのであれば問題ないわけですが、今日航空三社は、御案内のとおり航空権益をめぐって大変な空中戦をやっておるわけです。こういうような現状は好ましいことではない、こういうことが高じますと、やはり航空の安全問題にも影響してくるのではないか、私はこのようにも思っておるわけです。したがって、かなり長い先の展望ではなしに、ぎくしゃくしておる今日の状況について早急に運輸省としてははっきりした見解を出すべきではないか、このように思いますが、その点いかがですか。
#72
○西村政府委員 現在の航空事業の運営に当たりまして非常に重要なことの問題点は、一つは、今御指摘のように、安全の確保ということでございまして、それは三社がどのようにそれぞれの事業競争を展開しようとも、この基本を忘れずにやっていくということでございまして、その点については、従前ともやってきておりますし、今後とも、これから航空事業の運営体制のあり方を検討していきます際にも、基本的な問題として堅持していきたいとまず思うわけでございます。
 そしてまた、現実に航空事業の運営体制をめぐりましていろいろな御意見もございます。多くの問題は、中長期的な視点で検討すべき基本的な事業のあり方という問題でございますが、また当面サービスの改善といういろいろな問題もございますので、それらの問題につきましても、現在できるようなサービスの改善というのは逐次やっていくという体制で進んでまいりたいと考えている次第でございます。
#73
○左近委員 これ以上触れませんが、今日の状況を踏まえて、運輸省としては的確な行政指導を要望しておきたいと思います。
 次に、所信表明の中で、大阪国際空港と福岡空港の周辺整備機構の統合をやりたいということですが、これはなぜこういうことをやるのですか。
#74
○西村政府委員 御承知のように、大阪国際空港と福岡空港におきましては、周辺には騒音問題が生じておるわけで、四十九年に大阪国際空港の周辺整備機構、また五十一年に福岡の周辺整備機構をつくりまして、この周辺整備機構が中心となりまして、住宅の防音事業、それから移転補償等を行いまして騒音対策を進めてきたわけでございます。
 そこで、大体昭和六十年度に住宅の防音工事というのが一応終わるという段階に入ってきております。希望のあった方々に対しましてはすべて防音工事を実施し終わるという段階に入ってきております。こうなりますと、これからは事業の中心は、まず一番に、空港周辺の移転跡地というものが非常に虫食い状になっておりますが、こういった虫食い状になっておる移転跡地を中心といたしまして、いかに空港周辺の環境を整備するかということになってまいるわけでございます。そういう段階に差しかかってまいりますと、これは一つ一つの移転跡地というのは、こちらが計画的に事業を実施していくというわけにもいかない、相手とのいろいろなお話し合いということもございまして、事業の実施状況が非常に不安定になってまいります。こういったことで、大阪、福岡ともに特に六十一年度以降平らな事業実施はやっていけないということになりますと、周辺整備機構のあり方そのものも、経営基盤を強化するというのか、事業運営の基盤を強化していく必要が出てくる。そういうことで、かねてからそういう問題の対策をどうするかということを考えていたところ、ようやく六十年度防音工事が一応終わるという段階に差しかかってまいりましたので、この際、将来に向かって一本化して強力な周辺整備を実施できる体制をつくっていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#75
○左近委員 本件については、また別途法案が予定されると思いますので、その中でまた質疑をやってまいりたいと思います。
 私は、これからの空港問題、今言われたような周辺整備については、やはり地元とのコミュニケーションを今まで以上にもっと強化をしていかなければならぬ、このように思っておりますので、そういう立場から、この統合については問題があるということだけこの機会に申し上げておきたいと思います。
 そこで、大阪空港の騒音激甚地に都市計画法に基づく緑地化の計画がある。私は、この都市計画法に基づいて実施をされる場合、最終的には私権なり財産権というものがかなり制限されるのではないかということを心配しておるのですが、その点はいかがですか。
#76
○西村政府委員 今お話しのように、大阪空港の周辺につきましては、特に騒音の激甚な地域、ここではいろいろな虫食い状の移転跡地ができてございますので、このあたりを緑地化するということを大阪府、豊中市等と御相談して、その構想を今具体化しようとしておるわけでございますが、その場合に、都市計画的な手法でやっていきたいということを考えているわけでございます。これまでの手法で、お申し出があればその移転のための代替地を準備する、あるいは補償をするという形だけで対策を進めてまいりますと、移転跡地がぽつぽつできて非常に周辺の環境が悪くなる、ここはひとつ都市計画的な手法で、公示日後にできたものも含めまして、全般を計画的な緑地化を図るということを、大阪府が中心になってお考えいただいているということでございます。都市計画的な手法でございますと、ある面では最終的に土地収用というようなことまで関連してくるわけでございますが、私どもこの都市計画を決定することによりまして、具体的には緑地化の構想を地元にお示しする、そして皆様方から積極的な御協力を受けるというような指針にもなるわけでございます。具体的な国と地元の計画指針というものを前提にしてこれから進めていくということでございますので、あくまでも皆様とできるだけのお話し合いをしながら、今まで以上に移転について御協力を要請していくという形でこの事業を進めていきたいということを考えている次第でございます。
#77
○左近委員 私は、この事業自体については基本的には問題ないと思いますが、地元では私権なり財産権の侵害等々の意見も出ておるのは、やはり現大阪空港の存廃がどうなるのかということがまだ結論が出ておらないというところに、長期的な展望が立てにくい問題があるのじゃないかと思うのです。運輸省の方では関西新空港の開港までに現大阪空港の存廃について結論を出すということでございますが、私は、この存廃の考え方をもっと早期に明らかにすべきではないか、このように思っておりますが、いかがですか。
#78
○西村政府委員 今お話しのように、空港の周辺に住んでおられる方々が、本当にこれから空港はどうなんだということがはっきりしないと、生活を立てていくということの基盤がしっかりしない、見通しがつかないということで、皆様が非常に不安定なことで、これからどうするかということを非常に御心配なさっておるということを私ども感じているわけでございます。そういう点で、大阪国際空港の存廃問題というのはできるだけ早く結論を出すべきこととは思いますが、ただ問題が、非常に大きな空港でございます。関西一円の航空交通を一手に引き受けている大空港でございます。その存廃は、やはりこれは地元の方のお気持ちと同時に、また国全体にかかわる大きな問題でございますので、その存廃の決定というのは、また一方でいろいろなことを考えながら決定していかなければならないということで、そういう点では、私どももいろいろな多角的な調査を今どんどん始めているところでございますから、できるだけ早くこれらの結論を得て、今先生がおっしゃったような意味で、地元の方のためにも、また国全体のためにも、早く方向を出していく、ただその場合には、地元の皆さんともよくお話し合いをし、どうしたらいいかということも国全体の立場とあわせて考えていくということが重要でないかと考えております。
#79
○左近委員 一般的に、私はこういうことを言うのはなにですが、関西新空港の第一期工事が六十七年に完成、今日の航空需要から見て、第一期工事の完成時には現大阪空港は廃止できないのではないかというような一般的な見方があるのですが、その点については運輸省としてはどうお考えですか。
#80
○西村政府委員 現在の大阪国際空港は、御承知のように供用の制限をしております。時間的にも回数的にも制限をしておりますが、そういう点でこの状態が、今関西国際空港が計画どおりいきますと、昭和六十八年まで続くという時点で、一体その時点ではどれだけの潜在的な需要が関西にできてくるかということの予測が必ずしも明確ではございませんが、第一期の関西国際空港ができますと、十数万回の規模の空港ができるわけで、これは現在の伊丹が引き受けております能力、これが昭和六十八年度まであと八年ほど延ばしましてもほぼ引き受けられる程度の大きさではないだろうかと一応考えております。
 ただ、その時点でできましたときに、仮に伊丹の国際空港を廃止するというような事態になりますと、やはり第一期の工事だけでは足りない、すぐ第二期工事にかかって関西国際空港というものが拡張していくという必要があることもまたかなり明らかではないだろうかというふうに考えております。そういう点では、これから伊丹の存廃問題と関西国際空港の二期工事というものがある程度関連してくるということも言えると思いますが、しかし、一応その時点では関西国際空港が関西の需要を賄うに足るだけの能力は持ち得るんじゃないかというふうに考えております。
#81
○左近委員 いずれにいたしましても、やはり現大阪空港の存廃について運輸省として早期に結論を出していただくことを特に要望しておきたいと思います。
 次に、地域交通の問題について若干御質問をしたいと思います。
 運輸政策審議会で東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備について今日検討されておるわけですが、五十九年中に答申がされるということを伺っておりましたが、これはいつごろになりますか。
#82
○服部政府委員 お答えいたします。
 答申の時期でございますけれども、これは無論のこと運輸政策審議会におきます今後の審議の進捗状況いかんにかかってくるわけでございますが、現時点で申し上げれば、私どもといたしましては、本年の六月末までには御答申がいただけるものというふうに期待をしておるところでございます。
#83
○左近委員 私、この作業が済みましたら少し要望があるのですが、大阪圏の交通のあり方については、過去都市交通審議会があった当時、昭和四十六年に「大阪圏における高速鉄道を中心とする高速網の整備増強に関する基本的計画の検討について」ということで、俗に十三号答申というものがされておるわけです。その答申に基づいて交通網の整備についてかなり努力がされてきたと思いますが、私は、今日の状況を踏まえて新しい基本的計画を策定する時期に来ておるんじゃないか、このようにも思っております。したがって、この東京問題が片づきましたら、早期に運輸省として大阪圏の問題について運輸政策審議会に諮問をしてもらいたいということを強く要望したいのですが、この点いかがですか。
#84
○服部政府委員 お尋ねの十三号答申の見直しについてでございますけれども、ただいま先生御指摘のように、これは現在運政審でもってやっております東京圏の審議の問題と密接に関連もすると思いますけれども、私どもといたしましては、その後におきます大阪圏における人口の動態的な変化でありますとか当時の答申に盛られました路線のその後の整備の進捗状況でございますとか、そういうものも考え合わせまして、この問題への対応について早急に検討する必要があるというふうに考えております。
#85
○左近委員 ひとつよろしくお願いをいたします。
 私、昨年の五月九日の本委員会で、今日の大都市を中心とする公営交通の構造的な行き詰まりについて抜本的な対策を強く要望をしておったところでございますが、私は、大都市においては自動車総量そのものに何らかの規制をしなければ問題の解決はしないのではないか、このように思っているわけです。諸外国ではこれらのことについてかなり思い切ってやられておる都市が幾つもあるわけです。運輸省は、交通手段については利用者の選択に任すべきだという見解をお持ちかもしれませんけれども、私はこのままの状況、例えば運転免許を持っている方々が五千万人、自動車台数は四千三百万台というような車社会の状況を見たら、各都市はこの車社会の洪水に埋まってしまうのではないか、これはもう都市機能も大変低下をしておるわけであります。このような現状について、大臣はどういう認識を持っておられるか、お伺いをしたいと思います。
#86
○山下国務大臣 数年前でございますが、私が若干調査した記憶によりますと、世界の人口百万以上の都市面積における道路の保有面積は、東京なんか最低の方だったと思うのです。つまり十数%だったと思います。そういった一つの空間と申しましょうか、環境両面から見た場合に、東京二十三区等はもう極限に達しておるということが言えると思うのでございます。したがって、これは御指摘のように、免許を持った者が五千万人いるからどうぞ御自由にというわけにはまいらない。したがって、こういった極限に達した現在の状況からするならば、例えば公共輸送、それはバスであったり、あるいはまた道路だけでもって満たし切れない場合においては、鉄道においても、大都市圏においては別途の立場から早急に整備しなければならぬ、私はこのように理解いたしております。
#87
○左近委員 それでは、都市の公共交通の機能回復のために、運輸省として今後どういうような政策で具体的にやっていくかということについての基本的な考え方をひとつ私は求めたいと思うのです。
#88
○服部政府委員 大都市におきます路面交通の機能の低下が大変著しいことは先生御指摘のとおりでございまして、私ども、今後ともこの問題に積極的に、前向きに対応していかなければならぬというふうに思っております。
 まず、その対応策の一つでありますけれども、一つには、大量交通機関でございます都市高速鉄道の整備というものを、今まで以上に前向きに整備を図っていくことであろうかと思います。
 いま一つには、既存の道路につきまして、バスの優先レーンあるいは専用レーン等のバスレーンの設置を図っていく、あるいはバスについての優先信号の設置というようなことを図ってまいりまして、そういった公共交通手段でありますバスとそれから自家用車との間に、交通規制の面で格差を設けていく、あるいは都心部における一定の地域について自家用車の駐車制限を行っていくというような手法を通じまして、自家用自動車の利用を大量交通機関の方に誘導していくといった方策をとることが必要ではないかと考えております。
#89
○左近委員 今、地域交通局長が言われた点は、かなり前からも言われておりますが、なかなか効果があらわれないというのが今日の状況ではないかと思うのです。したがって、私は冒頭申し上げましたように、自動車の総量を――マイカー利用の皆さんの御理解も当然いただかなければなりませんが、そういうような方向に大胆に行政指導を切りかえていただくということが私はどうしても必要なことではないかと思うのですが、この点いかがですか。
#90
○服部政府委員 ただいまの先生の御指摘はまことに貴重な御意見だというふうに思うわけでございますが、自動車の総量規制というのは、例えば都心部への自家用車の乗り入れを制限するというような形でしか行われ得ないと思うわけでございまして、先ほどの先生の言葉をかりるわけではございませんけれども、自家用車というものが市民の生活にこれほどまでに密着して使用されている、そういう文字どおりの車社会が現出いたしております今日におきましては、そういったことは全国民的な合意のもとでしか実現が図れないというような性格の問題だというふうに基本的に理解しておるものでございますので、今後とも関係の向きの御意見もよく承りながら慎重に検討してまいる必要のある問題だというふうに考えておるわけでございます。
#91
○左近委員 私は、都市の交通手段については自由な選択に任すべきだ、そういう基本的な考え方を変えてほしいと言っているわけです。そして大量交通機関をもっと行政的にも大事にして、そういうような指導を国民に御理解いただくようなPRをしていただきたいというスタンスの問題を言っているわけでして、その点もう一度どうですか。やはりそういう立場で運輸省としては行政指導なり国民に対する理解を求める運動をしていくべきじゃないですか、どうですか。
#92
○服部政府委員 大都市の今日の交通状況というものを前提として考えますときに、私どもは、先生が先ほど来おっしゃっておられますような利用者の自由な選択にあくまでも住しておいていいというふうには必ずしも考えておりませんわけで、先ほど来御答弁申し上げておりますように、自家用車利用というものを大量公共交通機関の方に誘導してまいる、そういう物の考え方が必要だという認識を持っておるわけでございます。
#93
○左近委員 ひとつよろしくお願いをいたします。
 そこで、淡路島と四国を結ぶ大鳴門橋が本年六月に供用が開始されるということを承っておりますが、この橋を渡る路線バスの運行申請は今日どういう状況ですか。
#94
○服部政府委員 ただいまお尋ねの件につきましては、現在までに既存の乗り合いバス事業者二社から申請が出てまいっております。
#95
○左近委員 私は、地元の状況を聞きますと、もう少しふえるのじゃないかというような感じがするわけです。これがかなりふえれば、四国側の橋のつけ根の例えば鳴門なんかの公営バスというのは恐らくつぶれてしまうだろうというような心配を私はしております。したがって、私は要望しておきたいのですが、こういう申請をされた事業者で十分話し合いをしていただいて、お互い事業が成り立つような行政指導を運輸省としてはしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#96
○服部政府委員 この問題は、公式には今後運輸審議会にお諮りした上で私どもの方針を決めていくべき問題でございますけれども、ただいまの先生の御指摘も十分頭に入れておきたいというふうに思っております。
#97
○左近委員 次に、国鉄関係についてちょっとお伺いしますが、昨年五月の委員会で大阪の外環状線と片相連絡線についての工事着工を私は強く求めたのでありますが、今日の国鉄の財政状況から大変難しいということでありますけれども、この二つの問題は非常に長い期間たっておりますし、地元からも強い要望が出ております。また国鉄自身の今日までの資本投下を見ても、関西の方はかなり低いわけです。また既に五十六年に工事の施行認可まで出ているわけですね。こういうような現状を私は国鉄としては十分考えていただきたいし、当面、この六十年度の予算の中でこの両線について何らかの準備的な工事ですか、そういうものについてぜひとも考えてもらいたいと思っておりますが、その点はいかがですか。
#98
○岡田(宏)説明員 大阪外環状線につきましては、先生も御承知のように、大阪市の外縁部を走っております単線の貨物線を複線電化をいたしまして旅客運転をするというものであります。また片町線につきましては、大阪環状線の京橋と東海道線の尼崎を結ぶルートを新設をしまして、片町線、福知山線の双方をそれぞれ都心へ乗り入れをするという計画でございまして、先ほどもお話がございましたように。五十六年の四月に運輸大臣の認可を得たものでございます。
 しかしながら、いずれの工事とも大変多額の工事費を必要とする工事でございまして、計画を立案し、運輸大臣の御承認を求めました時点からも、財政再建期間中では準備工事にとどめ、昭和六十年度ごろから本格的着工にかかれるかという見通しであったわけでございますが、その後におきますより厳しい財政事情にかんがみまして、まことに遺憾でございますが、六十年度も引き続きまして、例えば都市計画に関連をする部分の工事でございますとか、あるいは国鉄が路線を予定している区間に道路の共同溝をつくる、そういった部分を後から手戻りがないように補強等の手当てをしておくというような最小限の対応を行う程度にとどめざるを得ないというふうに考えている次第でございます。
#99
○左近委員 この両線について国鉄として必ずやっていくんだという決意は変わりませんね。
#100
○岡田(宏)説明員 この両線につきましては、都市交通上極めて重要な路線であるというふうに考えておりますし、また所要の財源措置等いろいろ御配慮をいただきますと、長期的には採算もとれる路線であるというふうに考えておりますので、何とかして国鉄路線という形で計画の推進を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#101
○左近委員 これは大臣、前大臣にも強く要望したのですけれども、この点、大臣どうですか。
#102
○山下国務大臣 この工事の施行主体を国鉄がやるかどうかということは別といたしまして、当然やらなければならぬ問題だと理解しております。
#103
○左近委員 運輸省も国鉄当局もひとつよろしくお願いをしておきたいと思います。
 次に、許認可事項の問題について、私、去年の七月二十四日の委員会で、運輸省の許認可事項が非常に多過ぎるじゃないか、全省庁にわたって一万件ぐらいであるのが、運輸省だけで四分の一、二千二百件も持っておる、この見直しを強く要望しておったのです。省内でもいろいろ委員会を設けて検討されておられるということを承っておりますが、基本的にどういうような考え方で許認可の整理をしていくのか、またいつごろこの考え方を最終的にまとめられるのか、いかがですか。
#104
○山本(長)政府委員 昨年の七月に運輸省は大機構改正を行いまして、その趣旨も、運輸省の行政というものを新しく前向きに時代に合った行政にしていかなければならないという考え方がその発想の原点でございます。
 許認可、私たち事業規制等の検討と申しておりますけれども、運輸省が従来からやり、かつ現在やっておりますこういった許認可行政につきまして、運輸省の新しい発足を機に、総点検と申しますか、全体を洗い直して時代に適応していこうということで、先生お尋ねのように、全省挙げてと申しますか、各局においてワーキンググループをつくり、また、そのワーキンググループ相互間を調整するところの総合ワーキンググループというものをつくりまして、積極的に検討を進めておるわけでございます。
 許認可と申しますのも、それ自体それぞれの理由に基づいて現在の制度ができ上がっておりまして、交通の公共性の確保とか安全性の確保あるいは安定的な輸送の確保という観点から、それを確保するということで現在の許認可の制度ができ上がっておりますので、基本的な枠組みというものについては、やはり慎重に考えていかなければならぬと思います。行政の側から見ましても、行政の事務を簡素化するという観点から必要でございますし、また申請者と申しますか、これに関連する方々の負担を軽くしていくという観点からも、この許認可にかかわる諸手続というものを合理化、簡素化し、また運用に当たっては、その処理を速くしていくという改善が必要であろうというふうに考えております。
 現在、大まかに分けまして作業は二つに分けておりまして、当面のそういった手続の合理化、簡素化という点で全体を洗い直して、できるものから逐次実施に移していくという考え方でございます。同時に、相当以前にでき上がっている制度につきましては、現状に合わせましてその改善の要否ということを検討しております。
 そういった長期、短期に分けてやっておりますが、長期の問題は少し慎重にやらなければならぬということで時間がかかると思いますけれども、手続の合理化、簡素化といった点にかかわる許認可の洗い直しにつきましては、できるだけ早く結論を出し、また全体の結論が出ませんでも、一部実施できるものについて結論が出次第、逐次実行に移していくという考え方で作業を進めておるのでございます。
#105
○左近委員 ひとつ積極的にふろしくお願いいたします。
 次に、海上保安庁の関係で少しお伺いをいたしますが、自衛隊が海上なり海中で訓練をする場合、訓練の形あるいは規模について海上保安庁に事前通告がございますか。
#106
○岡田政府委員 私どもは、庁法の五条二十号によりまして、「船舶交通の安全のために必要な事項の通報」ということを重要な業務として所掌しておるわけでございます。この関係から、防衛庁からは、例えば射爆撃訓練でありますとか掃海訓練、救難訓練等々につきまして、場所、日時等を事前に通告をしていただいております。これを私どもの航行警報ということで、毎週出す冊子でございますとかラジオ、あるいは私どもが本来持っております通信施設を活用して周知を図っておるところでございます。多少の増減はございますけれども、年間大体六百件弱くらいの通知を受けている状況でございます。
#107
○左近委員 五十八年、五十九年について、具体的にどれくらいの回数がはっきり言ってください。
#108
○岡田政府委員 五十八年は五百九十七件、五十九年は五百七十五件、かような数字になっております。
#109
○左近委員 そういう事前の通告があるということは、海上保安の諸法規について海上自衛隊は一〇〇%適用されるという理解でよろしいですか。
#110
○岡田政府委員 ただいま先生のおっしゃっております海上保安の諸法規というものが、例えば海上衝突予防法であるとか港則法であるとかあるいは海上交通安全法という法規を意味なさっておられるとすれば、適用があるというふうに私どもは考えております。
#111
○左近委員 港則法については湾内の問題、海上衝突予防法というのは領海の問題、海上交通安全法というのは東京湾、伊勢湾、瀬戸内海にかかわる諸法規だと私は思いますが、それでは海中はどの法規が適用になるのですか。
#112
○岡田政府委員 これらの法規の実体を見てみますと、いずれも水上にある船舶を想定して制定されておるものでございます。また海上衝突予防法は、明文をもって、この法律は水上を航行する船舶に適用する、かように書いてありますので、潜水船といいますか、これが水面下を潜航している状況の場合には、法律の適用は考えられていないというふうに思っております。
#113
○左近委員 結局、水の中では今の法規定では全く枠外だ、全く対象にならないということですか。
#114
○岡田政府委員 水面下を航行する船舶というものは極めて例外的なものでございまして、将来例えば潜水状況において主として活動する船舶が一般交通の手段となるというような状況にでもなれば、あるいは潜水航行下における交通規制等について考えなければならない状況もあろうかと思いますが、現在のところはまだその状況には立ち至っていないと思っております。
#115
○左近委員 おたくの「水路通報」で、「潜水艦の標識灯について」、「海上自衛隊の潜水艦には夜間水上を航走中、船舶のふくそうする海面において他の船舶との識別を容易にするため、マスト灯の上方約一・八メートルの箇所に下記の標識灯が設置」されるということで、潜水艦は上へ上がったら法が適用になるけれども、少しでも沈んでおったら現在の法では全く無法状態だということに私は問題があるんじゃないかと思うのです。
 昨年の五月十二日に、高知の室戸沖で、海上自衛隊の潜水艦「ゆうしお」、これはソナーを備えた最新の潜水艦でありますが、これがインドの鉱石運搬船と、潜水艦が浮上するときに衝突が起きた。この事実についても、事件が起きてから六十時間後に海上保安庁が事故照会をして初めてこの事故が判明したというような状況、私はこれは大変問題があると思うんですね。したがって、今どの法律に、恐らく海上衝突予防法になるんじゃないかと思いますが、ここに水面下の問題について、水面下何メートルというようなところまで法規制を適用していかなければこういうような問題が起こるんじゃないかと思うのです。この点について、これは法の不備ではないですか、どうですか。
#116
○岡田政府委員 例えば潜水船が潜航しておりまして、それが浮上する、あるいは極めて水面近くを航行している、そういう過程におきまして、水上にある船舶と衝突をする可能性、そういう深度において航行している場合には、やはり潜水船の方が注意義務を払わなければならないわけでございまして、水上にある船舶は、通常の場合、これを認知できないわけでございますので、あくまでも潜水船の方が万全の注意を払うべきものであり、そのような一種の原理原則的ともいえる考え方をもって処理すれば、この問題は解決可能なのではないだろうか、かように考えております。交通法規を適用するということになりますと、これはやはり双方が相手側を認知し、そして避け得るというような状況にあるときに、そのルールをつくるというところに意味があるわけでございますが、ただいまのような、浮上しかかったとき、あるいは、この辺原因はわかりませんけれども、不注意があって、潜水状況の船が水上を航行している船舶とぶつかったというような場合は、むしろ法によるルールの確立というよりは、あくまでも片方しか他方を認知できないわけですから、そちらの者がもっと十分な注意を払えば防げる事態であろう、かように考えている次第でございます。
#117
○左近委員 そんな精神的なことだけで、現実にやはり事故が起こっているわけですよね。だから、海上自衛隊の潜水艦の訓練について、それでは海上保安庁に対して事前に通告せよということの行政指導をされますか。
#118
○岡田政府委員 私どもも防衛庁と一般的に今後の自衛艦隊の行動と海上交通の安全については話し合いをする必要があろうかとは存じておりますが、今後のそのような海上交通の安全に及ぼす事態の展開、その辺を見きわめていかなければならない、かように考えております。
#119
○左近委員 先ほど防衛庁の方から通告があった件数の中には、潜水艦の訓練については含まれておらないんじゃないかというような危惧を私はしているわけですね。したがって、この点について私は大きな問題だと思いますので、きょうはこれ以上時間もありませんからやりませんが、ひとつ検討していただきたいと思います。どうですか。
#120
○岡田政府委員 御趣旨を踏まえまして、さらに内部において検討を進めたい、かように考えております。
#121
○左近委員 MKのタクシー問題で少し質問をしたいと思いますが、今日、ハイタク事業をめぐる環境というのはかってない厳しい状況に置かれておると思うのです。軽貨物のトラックタクシーの問題、運転代行の問題、軽自動車タクシーの問題あるいは運行管理業の問題等々、大変無秩序な状態が今日出ております。そういうような状況の中で、一月三十一日、大阪地裁であったタクシー運賃値下げ申請却下処分取り消し請求事件について、今日まで運輸省がとってきた同一地域同一運賃、この行政指導が大阪地裁の判決において否定をされたわけです。運輸省として、同判決に対する控訴もされたと聞いておりますが、見解と今後の対応についてひとつ基本的な考え方を聞かしていただきたいと思います。
#122
○山下国務大臣 この問題に関する大阪地裁の判決に対しては、私ども甚だ遺憾に存じておる次第でございます。
 今回の判決は、タクシー事業の経営実態あるいは労使の実態等の特殊性について十分な評価がなされておらない。その結果として、運輸省が利用者の利便を図るため、長年にわたって行政方針として採用してまいりました同一地域の同一運賃制度というものを否定されたわけでございまして、私どもは、事実認定及び法令解釈のいずれの点においても、これは非常に不満でございまして、上級裁判所の御判断を仰ぐべく二月十八日に大阪の高等裁判所に対して控訴の手続をとった次第でございます。
#123
○左近委員 私は、運輸省、この件については毅然たる態度でやっていただきたいと思っております。ひとつよろしくお願いいたします。
 こういうような時期に、科学万博の会場輸送について、これはヘリの問題ですが、二社、料金の認可をされた。これは同一区間別運賃体系になっているわけですね。今まで運輸省は同一地域同一運賃というような基本的な考え方を堅持するということを今大臣も言われたわけですが、今回のヘリの料金問題については、今までの考え方から見れば少しおかしいのじゃないかと思うのですが、この点はどうなんですか。
#124
○西村政府委員 今回の筑波科学技術博覧会に対しますヘリコプター輸送、これは羽田から筑波の会場付近あるいは成田から会場付近というところへ二社、ただいま申請をして、これを認めたということでございますが、お話しのように、設定されました運賃は若干違うところがございます。これが違う理由は幾つかございますが、一つはそれぞれの飛行機の機材も違います。それから会場への距離も違います。着陸の場所が違うわけでございます。そういう点で、全体としますと、利用者の利便の状況も違いますし、提供する側の原価も違うわけですが、これまで同一区域同一運賃と申しますのは、多数の事業者が一つの区域で全く同質のサービスを行うという場合にとってきている原則でございます。また現実には今度路線サービスで複数のものが行っている場合も事実上同じ運賃になっております。これは複数、二ないし三の事業者が同一の路線でサービスを行いますときには、結局一番低いところの事業に対しまして、提供する運賃に対して他の事業者も追随するということに結果的になってまいりますので、実際上同一の運賃でやるということがいわば慣例的になってきているということでございます。これによりまして過当競争が相互に行われないということでございます。
 特に、運輸省がこういった問題についてそのような立場を堅持してまいっておりますのは、公共的なサービスというものにつきましては、適正な運賃を利用者のために決めるということが一つと、そしてまた適正な運賃を決めることによりまして、事業サービスをする事業者の経営基盤を確保するという二つの面に向かってこのような運賃のシステムが行われてきたわけでございます。
 ところで、今度の筑波の場合には、そのような基本的な公共サービスでは全くございません。これはどちらかといえば、そのようなサービスを選択しようとする利用者がそのようなサービスを選択すればいい。運賃が違うけれども、若干違う場所へ、どちらへ行こうか、どうしようかということをお考えになってやればいいということで、またそういうことで事業者も適当に自分たちの考え方でお客様にサービスする。お客様もそれでそういう事業を選択するという仕組みでやっていいような分野のサービスでございます。そういう分野につきましては、私どもは、殊さらに厳しい同一路線で同一運賃という原則を適用する必要はない、こういうふうに考えている次第でございます。
#125
○左近委員 時間ですので、同一地域同一運賃、この原則を運輸省としても崩してはならない。今の御答弁若干私も言い分がありますが、時間がございません。
 そこで、最後もう一点だけ短い質問ですが、要望しておきたいと思います。
 国鉄の再建問題、これはいろいろなあれがあるでしょうけれども、やはり労使がもっと信頼関係を持って交渉していくというか、今私が関西で見ている限り労使関係というのは全く冷え切っております。これではなかなか国鉄再建というのは難しいと私は思うのです。大臣も総裁なりまた組合を呼ばれていろいろお話もされておるということを承っておりますが、ひとつ国鉄の労使がお互い信頼を持って話し合える空気をまずつくっていくということがどうしても必要だ、私はこのように思っております。総裁いかがですか。
#126
○仁杉説明員 国鉄の労使につきましては、先生もよく御承知のとおり大きい組合だけでも五つある。そのおのおのもいろいろな考え方があるというようなことで非常に難しい問題を抱えております。しかし、基本といたしましては、今先生御指摘のありましたように、労使の協力というものが前提になければならないというふうに私も考えております。これらにつきましてはいろいろ難しい条件もありますが、私自身としてもいろいろ努力をしなければならぬと考えておりましたが、前に労働大臣からのお呼び出しもあり、また最近には運輸大臣のお話もございまして、労使に対するお話もございまして、私といたしましても、早速国労、勤労、鉄労、施労、全勤労等とトップ会談をするというようなことで、今先生の御指摘のような雰囲気をつくるべく努力を重ねておりますが、今後もこれにつきましては、懸命な努力を積み重ねてまいりたいと考えている次第でございます。
#127
○左近委員 終わります。ありがとうございました。
#128
○三ツ林委員長 薮仲義彦君。
#129
○薮仲委員 私は冒頭にペルシャ湾における日本船員の死亡事故についてお伺いいたします。
 きょうは、先般の大臣の所信に対しまして枢要な課題を数多くお伺いしたいと思っておりますので、どうか御答弁は要点を明快、的確に、しかも簡潔にお願いしたい、冒頭にお願いする次第でございます。
 先般商船三井の労務提供船アルマナク号がペルシャ湾で、先ほどの外務省の御答弁にありましたように、イラン空軍機と見られる航空機からの攻撃を受けて事件が発生いたしました。この事件で操機長の藤村さんが亡くなられたわけでございますが、また甲板手のお一人も負傷されたと伺っております。このことに対しましては心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方の悲しみいかばかりか、まことに痛ましく心からお悔やみ申し上げるものでございます。
 このような事故が再び起きては相ならぬ、やはり運輸行政の根幹は大臣のおっしゃるとおり安全でなければならないと思います。特に私が大臣にお伺いしたいのは、外航海運の安全確保、これは海運行政に課せられた重大な責任であろうと思うのでございます。また今回の事故にかんがみまして、乗組員の方はもとより御家族の方も大変な御心痛であろうかと思います。今回のペルシャ湾の事故は、日本の船員の方が初めて死亡したという痛ましい事件であり、このことはその事態を重視しなければならないと思います。私は、運輸行政の最高責任者の大臣に、再発を防止して安全を確保するために可能な限りの措置を国民は望んでいると思います。また御遺族に対しましても手厚い配慮、措置、当然亡くなられた命は帰るものではございませんが、そういう御配慮を十分にいただきたいと思いますが、大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。
#130
○山下国務大臣 これが危険区域外、言うなれば安全が保障された海域においてこういう事件が起きたということを私は甚だ遺憾に思っている次第でございます。したがって、それだけにまた御遺族のお気持ち察するに余りあるものがございますので、政府といたしましても、その補償につきましてはできるだけの御協力は申し上げたいと存じております。
 なお、事後の措置でございますけれども、これは外交ルートを通じて、相手国はまだ判然としていない面もあるやに聞いておりますけれども、相手国に対して厳重に忠告、あるいはまた今後の安全についてお話をしていただくと同時に、国内的には船舶法等限られた法の範囲内において何か打つ手はないかということを目下あらゆる面から検討をいたしておるわけでございますが、近いうちに何らかの措置はとりたい、かように思っている次第でございます。
#131
○薮仲委員 それでは、この件に関して外務省にちょっとお伺いしておきたいのです。
 外務省は、今回の事件をどう認識して、どういう措置を直ちに講じたのか、これが第一点。第二点は、外務省は、今回のような労務提供船、この実態について正確な認識を持っておったか、これが二番目。三番目は、外交関係についてちょっと確認をしたいと思います。日本とイランとの関係、日本とイラクとの関係、イランと今回被弾した、船籍がクウェートでございますけれども、イランとクウェートとの外交関係、どういう状態にあるか、簡潔に御答弁ください。
#132
○渡辺説明員 お答え申し上げます。
 まず第一点の今回の事故に対する認識並びに外務省としてどういう措置をとったかという点でございますが、私どもといたしましても、公海の海上で労務提供という形で日本人の乗組員が乗った船が攻撃されて日本人に死者が出たということは極めて遺憾なことだと思っておりますし、また事故の起こり方が起こり方でございますので、極めて重大な関心を持って本件を受けとめております。
 外務省がとった措置につきましては、幾つかございますけれども、一昨日外務省の三宅中近東アフリカ局長が在京のイラン大使を外務省に招致いたしました。そして、まだ現時点ではイランがやったということについて断定的に確認はできておりませんけれども、諸般の情勢から判断するとイランがやった可能性が大きい、ついてはその事実関係について早急に調査して、かつ早急に誠意ある回答を示してほしいという申し入れを行いました。それからあと、現地の我が方の在イラン大使及びイラクの大使を通じましても、それぞれイラン政府、イラク政府に対して同様の申し入れを行っており、目下先方の回答待ちという状況でございます。
 それから、他方アラブ首長国連邦におきましては、我が方の野見山大使が事故直後直ちにアブダビから船が入港いたしますドバイに向かいまして、そこで船に乗り込んで事情聴取するとともに、野見山大使がアラブ首長国連邦のモハメドという国防大臣と会見いたしました。そしてその会見の場で、アラブ首長国連邦の政府が今回の事故が発生した後の事後処理について極めて好意的、協力的な措置をとってくれていることについて謝意を表明いたしますとともに、こういう事故が今後とも起こることも予想されるので、ひとつ安全対策についてよろしく配慮願いたいという申し入れを行った次第でございます。
 それから、第二番目の労務提供船の問題でございますけれども、私どももこういう形で日本の船員が外国籍の船に乗り組んでいることはもちろん承知いたしておりました。
 それから、第三番目の外交関係に関するところでございますけれども、まず日本とイランとの関係、これは御承知のとおりイランはイラン革命後、あるいはアメリカ大使館の人質事件というようなことがありまして、国際的にどちらかというと孤立している傾向が強い。特にいわゆる西側諸国といわれるような国とは余り関係は強くないのでございますけれども、そういう中にありまして、日本は一昨年安倍大臣がイランを訪問されましたことからもわかりますように、極めて強いバイの、二国間の話し合いのパイプを持っているということでございます。それから経済関係もそれなりに緊密であるということでございます。
 それから、他方イラクにつきましても、もちろん外交関係もございますし、それから経済関係も、最近はちょっと縮小したような面はございますけれども、依然として重要な関係がございます。
 それから、戦争の問題の中でイランとイラクの間の関係をどう保っていくかというのは非常に難しい問題があるわけでございますけれども、日本としては、戦争については中立の立場を維持しつつ、かつイラン、イラクとの話し合いのパイプというものを活用して、何とかイラン・イラク紛争が早期に平和的に解決されないものか、側面的に、平和のための環境づくりと称しておりますけれども、できるだけの努力をしているということでございます。
 それから、イランとクウェートの関係につきましては、もちろんいわゆる交戦国ではございません。ただ、御承知のとおりクウェートはアラブ陣営の一員としてアラブの連帯という観点から、少なくとも道義的な支援をイラク側に与えている。ただし、クウェートといたしましても、イランという国に対する配慮もございますので、イランとの関係でも非常に気を使っているというのが実情かと思います。
#133
○薮仲委員 大臣に重ねてお伺いしたいのですが、その前に局長に現状の御説明をいただきたいと思うのでございます。
 現在まで日本の国籍の船がペルシャ湾内において攻撃を受けたことがあるのかどうか。二番目は、今日の外航海運の実態を概略言いますと、一つは日本の国籍の船である。これは日本のフラッグが立っているわけです、日の丸の旗が立っている。二番目は外国籍の船舶に対して日本がオペレートする、用船しているという、いわゆる便宜置籍船といわれるものなどがございます。旗は外国の旗が立っているわけでございます。三番目は今回問題になりました船籍も外国、オペレーターも外国、そして乗っている乗員だけが日本の船員である。こういう三つの形態が大ざっぱにいえばあると思うのでございますが、先ほど大臣の御答弁の中で、安全確保は日本のフラッグを立てている船はまず大丈夫だろう。その次に便宜置籍船等はいわゆるオペレーターの了解、ほとんどはいわゆる日本の権益内にございますので、船体に日の丸をかいておるというようなことで安全を確保しているわけです。しかし、三番目の今回問題になっておりますクウェート船籍で旗も違う、日の丸も掲げられない、こういう船の安全が一番懸念される事柄ではなかろうかと思うのです。
 この現状について、数字の上でお答えいただきたいのですが、現在いわゆる労務提供船といわれる船が何隻あるのか、そして日本の船員の方はそこに何名搭乗していらっしゃるのか。二番目に、その労務提供船といわれる船の中で日本国籍、日本の旗の立っている船は何隻で、外国の旗が立っている船は何隻なのか。三番目には、今日現在でもそうですが、ペルシャ湾内にそういう労務提供船等を含めて何隻の船が現在航行しているのか、この実態が絶えずわかるのかどうか。その三点、局長にまずお答えいただきたい。数字だけで結構です。
#134
○武石政府委員 いわゆる労務提供船の実態でございます。日本船と外国船とございますが、日本船は約五十隻、外国船が約百隻で、総計百五十隻前後ということでございます。それに乗り組んでおります船員は、日本船の場合には約千四百人程度、外国船の場合には二千四百人程度ということでございます。
 以上です。
#135
○仲田政府委員 ペルシャ湾におきます日本商船隊の内容でございますが、二月二十日現在総数で三十七隻おります。そのうち日本籍でありかつ当然日本の乗組員を乗せているのは十六隻、外国籍で日本人の船員を乗り組ませているのが八隻。そのうち六隻がいわゆる労務提供船であるということでございます。
#136
○薮仲委員 そこで、大臣に結論をお伺いしたいわけでありますが、今外務省も御答弁があったように、我々の認識では、イランと日本の国は少なくとも友好関係の深い国にあるなということはもう承知しているところでございます。まさかイランの国がというようなところから被弾したわけでございます。なぜなのかといえば、今までの経緯のように、日本の船員が乗っているとは恐らく承知しない。今回は偵察なしにいきなり攻撃してきた、こういうことでございます。
 このような事態が起きるということは非常に不幸なことでありまして、ただいま御報告のように、百五十隻余りの船が労務提供船であり、しかも日本の船員の方は千名を超える方が乗っていらっしゃる。さらにはペルシャ湾内にも三十隻前後の船が常時航行する。この船舶の航行の安全はやはり大臣に課せられた重要な責任だろうと思いますので、私は大臣にお願いしたいことがございます。
 運輸省としてはさしあたって、無線装置が壊れたということで無線を持ちなさい、他の連絡手段を持ちなさいということが報道されております。それも安全の上には非常に大切なことでございます。と同時に、なぜ今回攻撃されなければならなかったか。イランにとってクウェートは少なくとも交戦国ではないけれども敵側の国であります。あの船は御承知のようにクウェートの旗は立っておりますけれども、イラクを初めあのアラブの諸国がみんなで出資した船でございます。そうなれば当然ねらわれるという可能性は多分にあるということは事実でございます。しかし、全船員が二十五名日本人であります。こうなりますと、やはり運輸省は外交ルートを通じて、現在ペルシャ湾内に日本の船がこのようにおります、日本の旗を立てておりますのはこれだけです、船体に日の丸を掲げておる船もあるかもしれません、しかし、フラッグがクウェートのようなあなたにとっては好ましからざる国の船に対しても日本の優秀な船員が乗っております、その人命の安全だけは確保してほしいということは、大臣として外交ルートを通じてきちんとイラン、イラク、湾岸諸国に正確に伝えておけば、少なくとも無差別な攻撃ということはどの国にあってもあってはいけないことですけれども、友好関係の国から攻撃されるという不測の事態が断じて起きることはないと思うのですが、大臣、この点どうか大臣が関係諸国に対して正確な情報を提供して安全を確保する、このようにしていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
#137
○山下国務大臣 基本的には私もおっしゃるとおりだと思いますが、何せ今二つの国の間において常時戦闘状態にあるということでございますから、これらの国々に対して、乗っておるのは日本人であるけれども、この国籍の船が今どうしているよということをそれぞれの国に申し上げることがより安全であるかどうかということについていろいろとこれからまだ深く検討してみなければ、私の方からお願いする以上は、私どもも確たる自信を持ってなさなければなりませんので、しばらくのお時間をちょうだいしたいと思います。
#138
○薮仲委員 このことは大臣に篤と省内において御検討いただきたいし、外務省とも御協議いただいて、やはり安全確保の上では相手国に対して日本の実態を教えることが今残された一番正確で的確な手段であると思いますので、くれぐれもこの点は結論を急いで、結論が出次第、御連絡をいただきたいと重ねてお願いしておきます。
 次に、先ほど来指摘されました長野県におけるスキーバス転落事故、この事件も大変若い学生の方のとうとい命を失った。大変残念であり、御冥福を祈りながらこの事故が二度と起きてはならない、こういう決意のもとに何点か質問をしたいと思います。
 まず、この事件の概要、原因ということをお伺いしたいわけでございますが、恐らくこれは警察庁としても現在慎重に科学捜査といいますか科警研といいますか、警察の立場で科学的にまた詳細な検討を加えていらっしゃると思いますが、今わかる範囲内で概要と原因、特に一部テレビ、新聞等の報道によりますと、ギアの位置がトップに置かれていたとか、あるいはまたスピードもちょっと出過ぎたのではないかというような指摘もあるようでございますが、これは決して正確な事柄ではないと思いますが、概要についてわかる範囲内でお答えいただきたいと思います。
#139
○山崎説明員 お答えを申し上げます。
 御指摘のスキーバスの転落事故は、本年の一月二十八日月曜日午前五時四十五分ごろに、長野県の北志賀、竜王スキー場へ向かう途中の日本福祉大学の学生、教職員など百二十七名を乗せた三重交通株式会社の貸し切りバス三台のうち一台が、長野市の信更町地内の国道十九号線上におきまして、左カーブを曲がり切れずにガードレールを押し倒しまして、約四メートル下の笹平ダム湖に転落、水没をしたという事故であります。この事故によりまして、乗っておられた方四十六名のうち二十五名の方が死亡され、その他八名の方が重軽傷を負うという重大な交通事故でございます。
 ただいま御質問の事故の原因、特にギアの位置、スピードなどにつきまして巷間いろいろ伝えられておりまして、わかる範囲でということでございますけれども、先生御指摘のように、現在私ども事故現場の状況なり生存者、目撃者などの供述、あるいは車両の損傷状況などから鋭意捜査を進めておるところでございまして、いまだ結論に至っておりません。したがいまして、本日の答弁は差し控えさしていただきたく思いますので、よろしくお願いいたします。
#140
○薮仲委員 次に、建設省と警察庁にあわせてお伺いいたしますけれども、現場付近というのは、長野から松本の間では非常に山間地であり、道路も狭隘であり、大変道路が曲折するという箇所が多いわけでございます。この大安寺橋付近も、半径五十メートルのカープということで、かねてから建設省あるいは警察庁としても安全には留意しなければならないというような箇所であったと思いますけれども、そこに道路標識なり安全標識というものが適切に設置されていたかどうか、概要はどうでございますか。建設省と警察庁、それぞれの立っている標識を言ってください。
#141
○岡田(哲)説明員 第一点目についてお答え申し上げます。
 国道十九号は、先生御指摘のように、非常に山岳部を走る急峻な地形でございまして、道路管理者としても従来より交通安全施設の整備、線形の改良を鋭意行ってきたところでございます。今回の事故現場については、付近の地形等を勘案いたしまして、ガードレールについては、通常よりも一ランク高いA種のガードレールを設置しておりましたし、カープの手前には、カープあり、すべりやすい、幅員減少といったような警戒標識を設置しているほか、さらに路面凍結注意喚起のための標示板及びカープ誘導標示板を設置しておりまして、道路の交通安全の確保には万全を期してきたと考えているところでございます。
 なお、今回の事故にかんがみまして、交通安全対策の重要性について認識を一層新たにし、関係方面とも十分協力しつつ対策の一層の拡充を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#142
○越智説明員 現場の速度規制は毎時五十キロメートルでございます。本件現場の手前には、先ほど建設省の方からも説明がございましたけれども、警戒標識としまして、すべりやすい、カープあり、幅員減少の標識が各一本ございます。カープを示す視線誘導標が三枚ございます。路面の凍結を知らせる路面凍結注意の看板が一枚設置されておりまして、標識今上の措置としては十分な措置を講じていたのではないかというふうに考えております。
 なお、県警ではさらに本件発生後、カープ注意、速度落とせの看板を四枚、さらにバス転落事故現場の看板を三枚、それからカープ注意、スピード落とせの旗二枚を立てるほか、道路管理者と協力しまして防護さくを二重にして強化するなどの措置をとっております。
 また、警察庁では、この種事故の再発を防止するため、同日付で各都道県警察に対しまして交通局長名の緊急通達を発しまして、危険箇所の再点検を行うとともに、冬季における安全運転確保に必要な広報、指導及び取り締まりを強化するよう指示しているところでございます。
#143
○薮仲委員 私がまだ聞かない方までお答えいただいたようでございますけれども、大臣、これは一つ大事な点は何かというと、私は地元の公明党の県本部から報告、現地の調査資料をいただいておるわけです。そこで何が一番問題かというと、これは後でも指摘いたしますけれども、三重交通のバスが入ってくる、その他の県外から初めてのコースを通る、あるいは二度目、三度目という方もいらっしゃるわけでございます。通常は雪のない地帯を走っているドライバーでございます。それが高速道路に入って雪のない平場を走って雪道に入っていく。一日で極端に道路情勢が変わるわけでございます。しかも、通常余り雪のない箇所でございます。本来あそこの標識の中に、あそこは五十キロの区間でございまして、決してあそこを五十キロで走れということではございませんけれども、やはりカープの中で非常に必要であったのは、先ほどギアの位置とかあるいはスピードがどうだったかということについて指摘したのはそのためでございます。ギアがどうであったかということはわかりません。スピードがどうであったかわかりません。でも、少なくとも地元の雪山を走るドライバーにとっては、あそこはもう相当減速しなければならない、あるいはロー、セカンドぐらいのギア、あるいはスピードも十キロ前後あるいは二十キロ前後というような相当減速して慎重に走行する箇所であったかもしれません。しかし、私はこれは正確な資料を持ち合わせんので何とも申しませんけれども、やはり減速するという注意認識がドライバーにあれば、このような事故は防げたのではなかろうかと思うのでございます。ですから、事故発生後直ちに県の方でスピードの標識をお立てになったと今警察庁の方から御報告がございましたけれども、私はそれは適切だったと思うのです。ですから、そういう意味で、狭隘である、あるいはカーブするということのほかに、ここは減速しなければ曲がり切れませんよと。私は自分で免許を持っております。高速道路走行のときも、やはりカーブするときは八十キロぐらいに減速しなさいという標識が出ております。やはりカープは百キロで行ったのでは危険なんだな、減速しようとドライバーは自分で意識します。あの標識の中で必要だったのは、やはりスピードを落としなさいというような認識をドライバーに与えるということが非常に大事なことではなかったかと思いますので、たまたまおつけになったという答弁でございますから、私はこのことは重ねて伺いませんけれども、どうか危険な箇所については、今後十分スピードに対しての認識を与えるような標識について御検討をいただきたいと思います。
 建設省にお伺いしたいのですが、さっきの御答弁にありましたように、やはり線形改良ということは非常に大事です。地元の一番の要望は、この大安寺橋付近は非常に危険だから橋のつけかえをやってほしい、これが非常な地元からの大きな期待でもあり希望でもございます。最近の財政事情の中でとかく公共事業が云々されるわけでございますが、やはり人命の尊重は何物にもかえがたいところでございまして、建設省としても十分その点は留意してくださっていると思います。我々が聞き及ぶところでは、六十年度末完成というように聞いておりますけれども、やはりこのような事故にかんがみまして、だからということではございませんけれども、積極的に工事の効率を上げられまして、幾らかでも工期を短縮して安全を図っていただきたいと思いますが、供用開始のめどを早めることが可能であるかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
#144
○岡田(哲)説明員 大安寺橋のかけかえにつきましては、現在の橋が昭和四年の架設の老朽橋である、こういうことで、耐震性にも一層の向上をする必要がある、そういうこともございますし、あわせて線形も改良したい、こういうことを目的にしまして、昭和五十六年から工事を始めておりまして、六十年度末に完成させるというところでございますが、工程等も詰めるようにいろいろ努力しております。まだ今後努力の余地が残っているかと思いますが、全体の完成としては年度末までかかるかもしれませんけれども、新しい橋を使っていただくという形では、今年の十二月には新しい橋を使っていただけみようになるのじゃないか、そういうことで、今後さらに工程の進捗に努力してまいりたいと考えております。
#145
○薮仲委員 六十年度末が十二月末ということで、工期が繰り上がるということは非常に好ましいことでございますので、どうかその完成に今後とも鋭意御努力をいただきたいと重ねてお願いをいたしておく次第でございます。
 次に、労働省関係でこの問題について何点かお伺いしたいのですが、運転手の勤務状態について、労働基準法に違反する事実があったかどうか、わかる範囲でお答えください。
#146
○菊地説明員 労働基準法違反の件につきましては、現在捜査中でございますので、差し控えさしていただきたいと思います。
#147
○薮仲委員 それでは、労働基準法に違反するかどうかは捜査の結果を待つということにいたします。
 運転者の労働安全、勤務の安全を確保するために、労働省が五十四年十二月に「自動車運転者の労働時間等の改善基準について」というものを策定していらっしゃいます。その中で「改善基準のあらまし」として出てまいりますのは、拘束時間、休息期間、運転時間、休日等ということで出ておりますけれども、特にここで問題になります拘束時間と休息期間についてだけお伺いしたいわけでございますが、当日運転しておられた運転手、土肥さんでございますか、この方の拘束時間、それから休日等、その日のことでも結構でございますから、わかれば教えてください。
#148
○菊地説明員 お話しのとおり、自動車運転者の労働時間管理につきましては、運転者はもとよりですが、乗客、第三者の人命に直結するということもありまして、従来から重視して指導を進めているところでございますが、これまでの勤務状況からの調査結果によりまして、指導基準に違背している点が数点出ております。一つは、一日の総拘束時間が基準をオーバーしているという点、それとの関連で休息期間が短いという点がございます。それから連続勤務日数が基準を上回っているという点、それから二週間を通算してみた場合の総拘束時間が基準を上回っている点等が明らかになってきております。
#149
○薮仲委員 私の伺いたかったのは、拘束時間何時間、勤務の状況によって出社、退社、それからまた出ていってまた働いて事故を起こした時間、これをお伺いしたかったのです。この時間帯はおわかりですか、土肥さんの出勤時間、退社時間、その間拘束時間何時間。重ねて出社されています。出社時間、拘束時間、その辺を簡単に言ってください。
#150
○菊地説明員 一月二十七日、前日からの勤務状況に絞って申し上げますと、午前五時四十九分に出勤しまして路線バスの運行をいたしまして、当日の午後零時三十九分まで路線の運転を行ったわけでございます。その後午後四時三十分から今回事故を発生させたスキーバスの運行に従事しまして、一月二十八日午前五時四十五分ごろ事故に至ったという勤務状況でございます。
#151
○薮仲委員 今御報告のとおり、五時四十九分から零時三十九分まで拘束時間が六時間五十分、重ねて出社をしましたのが四時三十分、それから事故に遭われたのが五時四十五分でございます。これを通算しますと、先ほど御指摘のこの「改善基準のあらまし」の中に拘束時間について書いてございます、日勤勤務は二人乗務の場合、「一日の最大拘束時間は二十時間以下とし、勤務と次の勤務との間に連続した四時間以上の休息期間を確保すること。」先ほどもお話ございましたように、この点で少し無理があったかなと思われます。また休息の期間についても、ここにありますように、勤務と勤務の間に四時間以上の休息をとありますが、零時三十九分に帰られて次の勤務につかれる間に確かに休息期間が短かったのかなという点もございます。さらには、この方は一月十五日以降二週間にわたって休日はおとりになっていらっしゃらない。こういうシーズンでございますから、大変過酷な勤務時間の中で一生懸命勤務につかれたことだと思うのでございますけれども、これは当事者の意思にかかわらず、シーズンであり、会社からの要請もあり、非常にまじめな方のようでございますので、断り切れなかった面もあるかもしれません。やはり労働省としては、そういう勤務時間帯になるということがある意味では無理であったのかなと、これは事実関係が正確になるまでわかりませんけれども、大変御本人にとっても残念なことだと思いますし、亡くなられた方にとっては返す返すも悲しいことでございますので、どうかこういう点で今後十分な労働省としての行政の中で安全運行に支障のないように注意をしていただきたいと思うのでございます。
 それから、これは運輸省にお伺いいたしますけれども、今回の事故にかんがみて、先ほども大臣に申し上げましたけれども、シーズンになりますと、雪のない地域からどっと雪山へ押しかけてくるわけでございます。そうしますと、ドライバーの方は幾らプロといっても常時は雪になれておりません。雪道で後ろのダブルのタイヤにシングルのチェーンを装着するということは考えられない。ダブル装着ということは当然の常識なんでございます。そういうことは言われておっても、雪に関係のない地域から来ればなかなか理解しにくい部分があろうかと思います。また雪のないところであれば、急な坂であってもエンジンブレーキをかけなくても通常ブレーキだけで走行できるという経験をプロの方は積んでいらっしゃる。あるいは腕を過信している部分があるかもしれません。そういうようなことから、これからも、きょうも、例えば大学が春休みになったところはスキーへ行く若い方々が多いわけでございます。そういう積雪寒冷地に対する訓練が各バス会社に必要じゃないか。やはりペーパーだけではなくて自分で雪の上を走ってみる。あるいは雪国のバス会社と協定してでも何人か行って実地に雪の上を走って、タイヤチェーンの装着の仕方、カープのハンドルの切り方、そういうのは事故を起こさないために毎シーズンきちんと各会社が講習会を持つなりあるいは機関として団体として講習を持つなり、適切な指導をしていただくことが正しいと思うのでございますが、その点、運輸省の御見解はいかがでございましょう。
#152
○服部政府委員 貸し切りバスというものの性格からいたしまして、これは乗り合いバスではございませんので、先生おっしゃるとおり、日ごろ行かない地域に出かけていって運転をする、あるいは日ごろなれない気象条件、道路条件のもとで走行をするということになるわけでございますので、ただいま先生が御指摘になった点は、今回の事故につきましての反省点のうちでも最も大きい問題点の一つだというふうに認識しておるところでございまして、先般、私ども、今回の事故にかんがみまして、この種事故の再発防止を図りますために、事故後三日たちました二月一日付で全国の各運輸局に通達を発し、かつ事業所にも通達を発したわけでありますが、その中でも先生の御指摘の点を取り上げておりまして、今後はそういった貸し切りバスの運行に当たる運転手につきましては、実際の路線に即しまして実地訓練を行うようにということを厳に示達いたしたところでございます。
#153
○薮仲委員 最後に、大臣にまとめてお伺いいたしますが、今回の事故にかんがみまして、確かに道路が狭隘である、非常に線形が悪いということ、これを改良するということは建設省当局の努力にお願いするわけでございますし、また標識のあり方も私は指摘いたしました。いろいろ標識が多過ぎるという苦情がございます。でも必要な標識はなければならない、これは当然だと思います。警察庁も早速スピードを落としなさいという通達を出して、標識を見直して安全の確認を行えということでおやりになった。これは私は大変に重要なことであり、好ましいことだと思います。また労働省に労働基準法上の違反ということではなく、ただいま御指摘のように、いわゆる安全運転のための手引きという形で労働条件についての改善を講じなさいよという手段をとっております。しかし、シーズンでございますから、すれすれの状態で頑張っていらっしゃる実態も私はわからないわけではございません。しかし、やはり冒頭私が申し上げましたように、何よりも大事なのは運輸行政では安全だろうと思います。そういうことで、どうか大臣にこういう事故が再び今シーズンも、そしてこれから将来にわたって永遠に起きないように御尽力をいただきたいと思いますので、最後に大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#154
○山下国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、ただ単にこれはバスだけではなくて、運輸省が所管いたしております陸海空すべての乗り物について、まず第一は安全の点検である、私は就任早々からしかと言い聞かせながら今日まで来ておるところでございますが、特にこういう事故が起きまして、先ほども申し上げたんですが、実は私もスキーバスという季節バスが延べ十万台も出ているとは存じませんでしたけれども、その大量のバスが運行されていることに対しまして、私はさらに認識を改めまして、もっともっと細かな点まで運輸省はチェックすべきである。もちろんその直後特別監査等をいたしましたし、そういった問題も参考にしながら今後方遺憾なきを期してまいりたいと思います。
#155
○薮仲委員 どうかよろしく重ねてお願いをいたして、この問題は終わります。
 次に、またこれも人命にかかわることでございます。これを取り上げますと、どうも運輸行政はダイレクトに人命にかかわることばかりございまして、先ほど来私も心が痛んでいるわけでございますが、私は静岡でございます。この静岡の一番の繁華街、呉服町駅前の商店街、人通りが一番多いところでございますが、ここに、既に新聞等で御承知でございますから名前もはっきりいたしますけれども、ふしみやビルの屋上駐車場から車が路上に落ちたという事件がございます。金さんという方がお亡くなりになったわけでございますが、大変痛ましい事故でございまして、重ね重ね御冥福をお祈り申し上げるわけでございますが、こういうような事故が私のいる静岡だけかと思いましたら、それから続いて大阪、四国と連続して起きてまいりました。この件に関して、運輸省並びに建設省にお伺いするのは、駐車場法の共管官庁でございますので、このような事故が起きていること、この事実、御認識でございますか。
#156
○山本(長)政府委員 駐車場の中でも路外駐車場と申しますか、その中でもビル構造の中の駐車場から車が転落をして事故が起きたという事件が静岡県、先生の御地元でございましたり、それ以外の場所でもあったというふうに承知をいたしております。
 この駐車場法によりまして、ビルの構造上の基準と申しますか安全上から見たところの構造上の基準につきましては、建築基準法及び駐車場法の附属政令でもって決めるということになっておるわけでございます。先生御指摘のその事件というものの原因からして現在の制度についてどうかという問題があろうかと思います。この点につきましては、運輸省といたしましても、安全上の観点から非常に重大な関心を持っておりまして、建設省などともよく相談をして、今後の対応というものを考えていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
#157
○二橋説明員 ただいま御指摘の事故の件につきましては、建設省としても承知をいたしております。
#158
○薮仲委員 両省とも認識をしているということでございますから、では、具体的にもう少し大臣にも御承知おきいただきたいと思いますので、概要を伺いたいと思います。
 静岡そして大阪、四国で発生しておりますが、この事案について警察庁は掌握をしていらっしゃるかどうか。特に今お話しのように、駐車場法という法律は運輸省と建設省の所管の法律でございます。警察庁の持っていらっしゃるいわゆる道路交通法上の問題ではございません。路上外でございます。届け出があったのかなかったのか。もしも届け出があって承知しておる事案がございますれば、概略を簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#159
○山崎説明員 御質問の三件の事故につきまして簡単に答弁申し上げます。
 静岡市内の事故は、本年の一月十七日午後零時三十分ごろに発生をいたしましたものでございまして、場所が、静岡市呉服町二丁目三番一号ふしみやビルの九階の駐車場でございます。静岡市内に居住をしておられる六十五歳の男性の方が、駐車場のエレベーターから車ごと約三十メートル下の歩道に転落をされて死亡なさったという事案でございます。
 第二番目の大阪の事故でありますけれども、これは二月十三日の午後五時五分ごろに堂島モータープールの五階建て駐車場の三階におきまして、三十七歳の会社員の方が普通乗用車をバックで駐車をしようとしまして駐車場の壁にぶつかって、そしてそれを突き破りまして、車体の約半分が外に飛び出したという事故であります。幸い転落寸前に停止をいたしております。
 第三番目の事案は、二月十七日の午後三時十分ごろの事案でありまして、高知市内のセントラルパーキングの四階の事案でございます。これは三十歳の男の方が車を動かしておられまして、発進をしようとした際に、バックをして一たん壁にぶつかりまして、そして今度は前進をされまして、その勢いで前にあった駐車車両にぶつかって、それを押し出す形で、前の駐車車両と御自分の車と両方が九・六メートル下の私有地に転落をしたという事案でございます。
 以上でございます。
#160
○薮仲委員 ちょっと大臣にこの写真をお見せしてよろしゅうございますか。
#161
○三ツ林委員長 はい。
#162
○薮仲委員 ちょっとこれを。――大臣に実態を正確に御認識いただくためにちょっとお渡しさせていただきましたけれども、これは私の地元の静岡のふしみやビルの写真でございます。それから大阪の新聞記事になっておるところでございます。
 御承知のように、呉服町というところは商店街の真ん中でございまして、人が非常に大勢集まっておる。そこのちょうど下は青葉公園という公園でございまして、そのビルの真下にはアイスクリームのスタンドもございます。若者が数多くいます。その公園では、ボランティアの活動もございますし、いわゆる献血運動等も行われて、常時人の絶え間のないところでございますが、そこへ車が転落したわけでございます。今の警察庁の御報告のように、二十九・五メーター、約三十メーター近く墜落してきた。地元の新聞では、天から車が降ってくるというようなことで書いてございますけれども、驚天動地の事柄でございます。
 この問題を突き詰めてまいりますと、では一体どこに責任があるのか。特にこれからは都市再開発、都市構造というのが非常に大事ですし、都市にこういう高層ビルができてまいります。大臣御案内のように、建築基準法上あるいは駐車場法によっていろいろなことがございますけれども、特に都市計画法によって定められて、駐車場を設置しなければならない地域に指定されたところは、いわゆる付設義務としてビルのどこかに駐車場をつくらなければならない。ですから、地下につくるのに非常に経費がかかる場合は、当然一番屋上に駐車場を持ってくる。あるいは市内の駐車を何とか確保するためにビルの形で駐車場をつくっているところもございます。
 建築基準法など現行法制を私いろいろ調べてみました。駐車場の安全について、では建築基準法上はどういう点が定められているか。建築基準法上にはこう書いてございます。百二十九条の五「エレベーターのかごの構造」ここのところに「各部は、かご内の人又は物による衝撃に対して安全なものとする」こう書いてございます。しかし、これはただいま御報告のあった異常な衝撃に対して安全というような強度の基準は考えていないのが実態でございます。建築の構造上必要ないわゆる強度というものを保持しておればよろしいということでございまして、異常な状態についての安全確保については触れてはおりません。
 それから、大臣が所掌のいわゆる駐車場法、この法制でございますけれども、これも先刻御承知のように、この中で出ておりますのは、五百平米以上の駐車場は知事に届け出なさい、こういうことになっております。今回事故を起こしました静岡の場合は、その五百平米以下でございます。そうしますと、届け出の義務もない、しかし付設義務は課せられております。つくられております。ここで一番欠落しているのは、安全という視点が非常に欠落しておって、これは大事な点でございます。ではこれが建築基準法上法令に違反しているかといえば、これは違反しているという答えは返ってこないと思います。また路上外でございますから、道路交通法にも違反するという事犯は指摘されてこないと思います。では駐車場法上どうなんだといえば、何らそこに安全に対する規制はございません。このまま放置しますと、今三件でございますが、これからまだまだ起こる可能性は多分に持っております。
 特に、これは警察庁にまたお伺いしたいわけでございますが、今回の静岡の事故の場合、私現地に行ってまいりました。いわゆるオートマチックのトルコン車でございます。まだ走行キロ二百キロです。これは後ろにいた人が見ていてわかるとおり、写真にあるとおり右へ曲がってエレベーターの中に入りまして、入って自分でボタンを押すわけであります。ある意味では非常に古い形のエレベーターかもしれませんけれども、スピードを出せる状態にはないわけです。その構造の前には約二メートル近い溝があって、車の安全を確保してございます。こうなっております。ちゃんとそのエレベーターの扉が閉まって、後ろの人が見ているわけです。次に自分が乗ろうと思ってあけたらば、前が突き抜けていたわけです。ということは、中へ入ってから飛び出したわけです。そうすると、現在いわゆるトルコン車の性能がよくなっております。特に我々のようにシフトレバーで運転を覚えた者は、アクセルを踏みながら、アクセルをぐうぐうふかしてちょっとブレーキを離したときに飛び出したのかもしれませんけれども、その原因はまだわかりません。これもやはり警察の捜査の結果を待たなければなりませんけれども、巷間言われておりますのは、操作上の問題、それから構造上の問題あるいは管理上の問題に何か欠点がないか。特に、いずれも指摘されますように、非常に薄い壁で外壁はできているわけでございますから、異常な衝撃には、その写真のようにぽうんと抜けていくわけでございます。ですから私は、今後こういう事故が再発の可能性は多分にありますので、運輸省としてこのことには十分関心を持って関係省庁と協議をして、安全に万全を期すべきだと思いますけれども、運輸省の御決意はいかがですか。
#163
○山下国務大臣 結論から申し上げますと、この問題に関する関係官庁の専門的な方々の合意を得た上で、結論をちょうだいした後でなければ、ここで即答するだけの知識を私は持ち合わせておりません。
 安全の上にも安全という今お話がございましたけれども、この問題は、直接はやはり運転のミスであったかと思いますが、だからといって私はそのことだけに帰せようと決して思っておりませんが、安全の上に安全というそこらあたりが、どの程度が適正なのか。実際問題といたしまして、三十分や一時間、五十円か百円の駐車料の安い方へ、安い方へと探し回っている実態を見てみますというと、過剰的な安全施設というものによって、過剰的という私の言葉は必ずしも妥当でないかもしれませんが、そのことによってかなり建築費その他がかさむという場合、そこらあたりどのようなところが一番妥当なのかということは、今申し上げましたように、これからひとつ専門家の皆さん方によって御審議をいただき、適当なる結論を待って、また運輸省としても態度を決定してまいりたいと思います。
#164
○薮仲委員 むしろこういう問題は、大臣がお答えになる前に局長が出てきて、真剣に事務官としてお答えになるべきですよ。そのために運輸省の見解はと聞いたのです。私はこの現場の一人の政治家として、この問題に非常に心を痛めておるわけです。専門の方の御意見もいろいろ伺っております。建設省の方あるいは現場に立ち会った警察官の方の御意見やいろいろな管理上の問題等も伺っておるわけでございますが、やはりこれは運輸省と建設省か共管の中で進めていっていただかなければならないと思うのです。しかし、共管の法であっても、実態は建設省の中の都市再開発という中でこれは当然研究される事柄でございますから、やはり建設省の対応というものが非常に大事になってくるんじゃないかと私は思うのでございます。
 そういう意味合いにおいて、きょうは建設省の方にもおいでいただいております。建設省として、運輸省との共管の官庁として、また特に現実に建物をつくって、それをいろいろな法のもとで規制をし、条例を各都道府県に課していらっしゃるのは、いろいろ専門的な分野はやはり建設省であると思いますので、この問題については建設省に適切な措置を御検討いただくことが一番好ましいのだろうと思います、そういう意味で、建設省がこの問題について今後いかように関係官庁と連絡の上で対処していただけるか、その辺のところをお伺いしたいのです。
#165
○二橋説明員 建設省といたしましても、御指摘のございましたような駐車場の事故について真剣に受けとめておるところでございます。現在、事故の事例につきまして事情を調査いたしながら安全対策について検討を行っておるところでございますが、まず当面の対策といたしまして、都道府県、それから駐車場に関係する関係の団体等を通じまして、発生いたしました事故の事例の周知を図りながら、駐車施設の点検、安全性の確保を図るように指導をしてまいりたいと考えております。さらに関係機関並びに学識経験者等の協力を得まして、安全対策のための検討の場を設けまして、事故の分析等をしながら安全確保のための方策を今後検討していきたい、関係省庁とも御相談をしていきたいと考えております。
#166
○薮仲委員 そうしますと、一つは、行政並びに駐車場の経営者に対して注意を促す、安全確保に留意しなさいという点。もう一点は、将来のために検討委員会のようなものを設置して、もちろん運輸省あるいは警察庁等を含めた専門の方々の会議を招集するなりあるいはそういう中で万全の対策を講じてくださる、こういうことですか。
#167
○二橋説明員 ただいま申しましたように、安全確認を徹底しながら、先生御指摘のように、検討のための場を設けて、今後安全対策を検討していきたいというふうに考えております。
#168
○薮仲委員 大臣はこれから予算委員会だそうでございます。この問題は、大臣がこれからまた非常に心を痛められる事柄だろうと思いますので、事実関係を指摘いたしました。
 建設省も前向きに関係省庁との協議の場を設けるということでございますから、主管の大臣として、これに御尽力いただきたいと思います。一言、しっかりやると言ってから行ってください。
#169
○山下国務大臣 今各省の担当者から御答弁がありましたとおりでございまして、この問題についてはさらに真剣に研究を重ねて、結論を出したいと思っております。
#170
○薮仲委員 いろいろお聞きしたかったのでありますけれども、余り時間がなくなりました。
 最後に警察庁、今の問題で、トルコン車の普及に伴って、教習過程の中にトルコン車の教習を入れてはどうかと思いますけれども、どうでしょう。
#171
○広谷説明員 御指摘のように、事故が起こってまいっておりますし、オートマチック車は大普及をいたしておる状況にございます。そういう状況にかんがみまして、実は昨年の五月に各都道府県警察に対しましてオートマチック車の教習指導要領を示しまして、指定教習所の学科教習におきましてオートマチック車の特性であるとか運転上の注意事項等について教習を行うように指導をいたしておるところでございます。現在、指定教習所におきましては、これに基づきましてオートマチック車の教習を行っておるところでございまして、この効果もやがては出てくるであろうというふうに期待をいたしておるところでございます。
 また、実際に乗ってみてトルコン車とはどういうものであるかということをつかんでいただくということも必要でございますので、希望者に対しましては、これは任意教習ということではございますけれども、実際にオートマチック車に乗ってみて体験をしていただくということもやっていただいておるわけでございます。今後ますますAT車の普及状況というものは広がっていくように考えておりますので、この実車教習というものにつきましても、より以上に充実をさせるように努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#172
○薮仲委員 時間が参りましたので、終わります。
#173
○三ツ林委員長 この際、暫時休憩いたします。
 午後四時から再開いたします。
    午後三時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時八分開議
#174
○三ツ林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。河村勝君。
#175
○河村委員 去る一月二十八日に起きました長野市での三重交通のスキーバス転落事故については、今朝からいろいろな角度から質問がございました。大変痛ましい事件で、私も心から哀悼の意を表させていただきます。
 ただ、けさほどからの質疑の中で、建設省、警察庁、労働基準局、それぞれの立場から、事故に直接関係をした事故原因あるいはそれの対策、そういうことについて御説明がありましたが、運輸省からはこれに基づいて通達を出したという話だけであって、この事故に対して一体運輸省としてはどういう見解を持ち、かつどういう責任を感じているかについては何もなかったように思います。特別監査をおやりになったということでありますが、一体運輸省としては、そういう監査を通じてこの事件についてどういう分析をし、事故原因がどこにあって、今後どうしたらいいとお考えになっておりますか。
#176
○服部政府委員 三重交通の事故につきましては、大変私どもも遺憾に存じておるところでございまして、事故が発生しました直後、直ちに担当官を事故現場に派遣いたしまして調査に当たらしめますとともに、その後一月三十一日、二月一日の両日にわたりまして、三重交通に対しまして特別保安監査を実施したところでございます。現在、その監査結果の取りまとめを急いでおるところでございまして、この結果を踏まえまして、早急に三重交通に対する適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、この種の事故の再発防止を期するということが一番肝要でもございますので、先ほど来の答弁でもちょっと触れてまいりましたけれども、今回の事故にかんがみまして、積雪地等におきます運行の安全確保を中心に考えまして、運行経路の緊急調査、運行管理の適正化、安全運転の徹底ということを中心に各事業者の安全対策を厳しい目で改めて見直すように、先般厳重な通達を行ったところでございます。今後ともあらゆる面の努力を通じまして、こういった事故の再発防止に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#177
○河村委員 一カ月たつのですけれども、特別監査の中身もまだわからぬというのはちょっと怠慢のように思いますが、大体こういう事故というのは、雪で事故が起きたから雪の対策ばかりやっておりますと、これまた別の事故が起きるというのが通例であります。そういう現象的なことももちろん大事だけれども、監督官庁として、会社全体として一体どういう体制にあるかという方に運輸省としての責任はむしろ大きいのじゃないかと思うのですね。その点は乗務割、乗務交替、こういうようなものは定例的にあるわけですから、陸運局も人数が少ないから、そう細かな会社の内容まで立ち入って調べることはできなくとも、もし安全が非常に大事だとすれば、こういう特に多客期の忙しいときの乗務交番のようなものはサンプルで調べたってわかるわけですね。だから私は、雪ばかり考えないで、むしろ本当にそういう角度から調べておかないと、またほかの事故が起こる、そう思うのですが、この三重交通に関して、全体として普通のバスについてはそれほどの問題はないと思うけれども、この場合も定期バスと観光バスとが組み合わさった勤務だという異例な普通では考えられないような勤務形態をとっておりますね。こうしたものを、この事件に該当する乗務行路だけではなくて、全体としてどうなっているかということは、一体お調べになっているのですか。
#178
○服部政府委員 ただいま先生の御指摘の点も含めまして、今回の特別監査では詳細な調査を行っているところでございますが、なお先ほど答弁申し上げましたように、現在またすべての結果が判明している、取りまとめが終わっているという段階ではございません。
 それから、会社全般に対する安全面に関する日ごろの指導が肝要ではないかという御指摘でございましたが、その点はまさにそのとおりでございまして、私ども、道路運送法に基づきまして免許を受けまして多数の旅客の人命を預かる輸送行為を行っておりますこういった事業者に対しましては、運行管理あるいは車両の整備管理の面で一般とはもちろん異なる厳重な、いろいろな安全項目、安全事項を要求しているところでございますし、また日ごろの監査を通じ、あるいはその他機会あるごとに輸送の安全の確保の重要なことは周知徹底を図ってきているところでございます。
#179
○河村委員 運輸大臣、実は一昨日大臣の所信表明演説を聞いておりまして、これだけの人命を失った事故があったのですから、所信表明の中で一言ぐらい触れておられるかと思っていたのですよ。そうしたら何にもないのです。安全の確保は運輸行政の要請でありますと書いてはあるのですけれども、あと一行ばかりもろもろの対策をやりますと書いてあるだけで、たった一行半ですね。私はちょっと驚いたのです。大臣は事務当局が書いたものをお読みになるのだから仕方がないと言えば仕方がないと思うのだけれども、その辺に運輸省全体の姿勢があるのじゃないか。大臣、どうもそういう懸念は私は多分にあると思うので、ひとつ御注意ありたいと思いますが、いかがですか。
#180
○山下国務大臣 御案内のとおり、運輸省は陸海空の交通の全般をつかさどっておるわけでございますから、そういう見地から全般的な安全について所信表明で申し上げたつもりでございますが、この問題につきましては、実は、後日開かれます交通安全対策特別委員会における所信については触れようと思っていた矢先でございますので、御了解をいただきたいと思います。
#181
○河村委員 交通安全対策委員会で言えば運輸委員会で言わなくてもいいというのは、運輸行政の要請が安全だと言っておきながら、どうもちょっと筋違いだと思いますが、まあよろしいでしょう。
 次に、日本貨物航空のアメリカへの乗り入れの問題につきましても、これまたいろいろな議論がございまして、大臣から行政責任を全うする、しかし筋は通すという御返事がありましたので、そういうふうにやってほしいと思います。
 私の理解するところでは、この乗り入れ問題については、日本側としては、日米航空協定三条で既に権利を取得しておって、それに基づいて日本側が特定路線について一または二以上の路線を指定した場合には、アメリカ側は、不当に遅滞なくそれを承認しなければならぬという日米航空協定四条の規定に基づいて当然の権利を主張しているのだというふうに理解をしております。それはそのとおりであるか。もしそうであるならば、アメリカとしては、もしそれを妨げるようであれば、協定違反ということに相なるわけでありますが、それにもかかわらずアメリカ側がこれをおくらしている原因というのはどこにあるのですか。
#182
○山下国務大臣 ただいま御指摘の問題は、日米航空協定の第四条の問題かと存じます。私どもは、御指摘のとおり、この四条に照らしても、当然相手方であるアメリカはなるたけ早い機会にこれを認めるべきであるという主張を今日まで一貫して通してきておりますし、これからもこの問題は、そのとおり筋の通った論議として私ども通していくつもりでございます。
#183
○河村委員 協定違反でありながらアメリカ側が主張している根拠というのは一体何なんですか、これに反対する根拠は。
#184
○仲田政府委員 実は、その協定の解釈に日本側とアメリカ側に相違がございまして、今回の争点は、指定企業の数に関して見解が異なったわけでございます。日本側の見解でございますと、指定企業は一または二までである、ところがアメリカは、現在の日米協定は無制限に指定できる、そういう条文の解釈に差がございまして、以前アメリカが第五の企業を指定してまいりましたときに、私どもはこれは協定違反である、協定で保障された権利ではないということを抗議いたしまして、長い間交渉を行ったことがございます。その例を引き合いに出しまして、今回はNCAのアメリカ乗り入れは協定上は認められるかもしれない、しかしながら、過去にこういう例があったということに照らして、今回の日本側の新規企業の乗り入れにつきましては、そのまま認めるわけにはいかない、ある意味では対抗措置であるということが向こうの法的な論拠でございます。
#185
○河村委員 仮にそういう議論があるにしても、一または二以上、二は少なくとも入るわけだな。だから、いかに解釈に争いがあっても、少なくとも二までは認めなければならぬ、我々が普通に読めばそういうことになるけれども、それも通らない、こういうことですか。
#186
○仲田政府委員 私どもの解釈からいたしましても、またアメリカ側の解釈からいたしましても、先生御指摘のように、二番目の企業が認められないという理屈はどこにもないわけでございます。両方の解釈から来て当然認められるわけでございます。ところが、今まで日本に新規企業をアメリカが指定した折には、日本側は常にそのたびにアメリカに対して抗議し、それでそれなりの代償をアメリカは払って日本に入ってきた、そういう一つの慣行みたいなものを日本政府はつくり出しているではないかしたがって、今回、条約上の権利とはいいながら、NCAが新たにアメリカに入るというならば、それに対する対抗措置、例えば四月ではなくてもっとおくらせるとか制限をつけるとか、それからまた代償を求めるということは当然であるというのが向こうの理屈でございます。
#187
○河村委員 あなた方とアメリカとが交渉することをこれ以上私が協定の解釈論を言ってもむだなことでございますからやめますが、しかし、これはけさほどから議論がありましたように、貨物航空の就航ということ自体運輸省の行政責任としても非常に大切であるから、これはぜひやるべきであるが、同時に理不尽なアメリカの要求に属すれば、日米航空協定そのものの、これまでも非常な不均衡があるものを、それを是正するのがこれからの仕事なんですから、是正しようというさなかに、もう一遍また不均衡を増幅するようなことをやったら、これはもう将来に禍根を残すことは間違いございません。ですから、難しい仕事であるかもしれないけれども、どうか筋を通してこの問題を解決するということに全力を挙げていただきたい。重ねて運輸大臣から見解を伺います。
#188
○山下国務大臣 ただいまおっしゃるとおり全くそのとおりでございまして、むしろ私は先生に激励されているような気持ちでただいまの御質問を聞いておりましたし、その趣旨をそんたくしながらあくまで筋を通す、そういう姿勢で、しかも当初から予定いたしております四月一日には実質的に開業できるということを目途に置きながらひとつ努力をしてまいりたいと思います。
#189
○河村委員 ぜひお願いをいたします。
 それでは、国鉄の問題に移りますが、最初に運輸大臣にお尋ねいたします。
 先ほど、これも整備新幹線のことについて国鉄に負担をかけないようにこれからの着工を考えるという御返事がありましたが、ことしの整備新幹線のための予算措置を見ますと、総額六十四億円のうち十四億円は一般会計から調査費として出してありますが、五十億は一部財投、一部国鉄の利用債という形になっておりますね。これでは国鉄に負担をかけないところではなくて、今問題になりつつあります国鉄再建に逆行する措置だと思いますが、これはどうしてこういう予算措置をされたんですか。
#190
○棚橋(泰)政府委員 先生御指摘のように、本年度、国有鉄道と鉄道建設公団にそれぞれ五十億ずつの建設費を計上しておりますが、とりあえずその内容は、財政投融資または利用債ということになっております。したがいまして、そのままであれば従来の建設費の方式と変わらないという御指摘だと思います。
 ただ、その点につきましては、本年の予算はとりあえず計上するということでございまして、それの財源の内訳その他を含めました実施方式につきましては、八月をめどに調整を行い、その結果を待ってこれを実施するということになっておりますので、御指摘の点につきましては、八月までの間の調整の中で検討していきたい、かように考えております。
#191
○河村委員 検討していきたいというのはどういうことですか。検討の結果このまま、こういう予算措置のままで着工することもあるということですか。
#192
○棚橋(泰)政府委員 とりあえずという表現を用いておりますので、その結果、その中身については、何らかの形で将来を見通した上において、国鉄の負担にならないようにという趣旨であるということを大臣がお答え申し上げたというふうに考えております。
#193
○河村委員 大臣がおられるのに、大臣がそう申したように思われますというのはおかしいですね。大臣どうなんですか。
#194
○山下国務大臣 先ほど私が答弁しましたら局長でいいのにというような御指摘もございましたし、局長が私の身を案じながら答えてくれたのだと思います。
 実は、御案内のとおり、この予算につきましては、昨年も一昨年も同様の額を計上しております。それは地域的な希求というものがその極に達しておるということはたびたび申し上げたとおりでありますし、やはり鉄道の持つ特性から言いますならば、これから新幹線が中心となるべき時代がやってくる、私はそのように思っておる次第でございます。したがいまして、ここ二、三年、同様の予算を組んできたことは当然のことでございますが、それはやはり第二臨調、あるいは監理委員会、そしてそれを受けて閣議においても決めております。その趣旨というものは、これは当面見送るということは、国鉄の負担にしてはいけないよ、国鉄の再建に今日これだけ苦しんでいるのだから、いかに地域社会の発展のためとは言いながら、現状はそれはちょっと認められないよ、こういう趣旨に理解いたしております。したがって、一昨年、昨年と組んできたものも、国鉄の負担にさえならなければ、何とか方法があればということであらかじめ用意をしてきた予算だと私は存じております。したがいまして、今年度もそのとおりでございますが、昨年、一昨年よりも一歩踏み込みまして、今年度はいよいよ、ある程度の条件を具備した上でひとつ何とかしょうじゃないかという意思のあらわれでございまして、その条件とは、大方御承知と思いますが、党四役との間に、立法措置をする二とによって並行在来線を廃止する、あるいは国と地方との事業の実施方式の分担であるとか、あるいはそれより基本的になるのは、ことしの中ごろ出ますところの国鉄再建監理委員会の答申を待ってということでございまして、これらを勘案して、もしもそれらの条件を具備することができるならば、その段階において、国鉄の負担にならないような財政の負担方式をもう一遍考えなければならぬ。とりあえずというのはそういう意味でございまして、とりあえず財投と利用債でそのまま事業するという意味ではございませんので、そういう意味のとりあえずというふうにどうか御理解いただきたいと思います。
#195
○河村委員 私は国策として整備新幹線をつくるということに異存はありません。ただ、もう過去に東北・上越新幹線で、国鉄自体の負担が、経費の八〇%が減価償却費なんというように相なってどうにもならないということはわかっているわけですね。それにもかかわらずなおかつこういう経費の計上の仕方をする。特に財投だけで後に余裕を残すというならまだいいけれども、国鉄利用債などという手の込んだやり方まで組み込んであるというのはどうもおかしい。三塚さんそこにおられるが、大体新幹線をつくって在来線を廃止するなんてことはできますか。この議論をここでもってやりますと時間がかかり過ぎますから、これはやめますけれども、そういう非常にあやふやな条件でやっていくことに、この国鉄再建に逆行するやり方がどうものぞかれて私は非常に遺憾とするわけであります。どうかひとつ、おやりになるのはよろしいが、どこかほかの方のせいにしないで、とにかく絶対にこれを将来にわたって、現在の国鉄であれ新しい国鉄であれ、その負担にはしないのだという約束ぐらいはあなたは当然すべきだと思うが、いかがですか。
#196
○山下国務大臣 在来線の廃止ができるかという御指摘でございますが、廃止というにもいろいろな廃止の仕方があると思います。いずれにいたしましても、この問題は立法措置でこれはきちんとするということで、ただ口約束ではだめということでございますから、立法措置ができなければ当然これはやれないわけでございます。
#197
○河村委員 国鉄総裁にお尋ねをいたします。
 去る一月十日に発表された「経営改革のための基本方策」、この「収支試算」がございますが、昭和六十五年について言えば、人員は、職員の数は十八万八千で計算をしているのでしょうか。
#198
○竹内説明員 六十五年度におきまして所要員は十八万八千人を見込んでおりますが、現在員としては二十五万五千人と踏んでおるわけでございます。したがって、その差は余剰人員ということになるわけでございます。――ちょっと申し落としましたが、計算上は余剰人員のうち六〇%の人件費につきましては国鉄が負担をして、国鉄と申しますか、この新会社が負担をしていく、残りの四〇%につきましては、余剰人員対策が進みまして、復帰前提の休職であるとかあるいは部外への派遣という形で処理をされているということで、人件費としては計算をいたしておるわけでございます。
#199
○河村委員 六十五年の段階では当然もうどんな形にせよ民営に移行しているという条件でこれは試算をされておられるのだと思いますが、民営になってから恐らく、恐らくというかそうしなければなりませんが、多角経営、いろいろな仕事をやらせる、やることができるようになっているはずでありますが、それによる増収分というものはこれには入ってないわけですか。
#200
○竹内説明員 関連事業につきましては、従来の方式の関連事業のほかに直営事業を考えておりまして、関連事業収入は六十五年度で約三千八百億円程度を見込んでおるわけでございます。したがいまして、その際には、当然にこれらの関連事業の中で働く職員が出てまいりますし、そのほかの従来方式の関連事業につきましても、駅構内等の売店その他というところでのかなりの要員の使用ができるのではないかということも含めて考えでございます。
#201
○河村委員 そうしますと、その次に「地域別営業損益」というのがありますね。それぞれ本州、四国、九州、北海道と分けた損益の計算がしてありますが、これは全体に通ずることなのでありますけれども、一応民営になっての事業収入の増加も見てある。ただ、七万人ぐらいが余剰人員として存在するから、その分の六〇%は国鉄が負担しているから、その分はこの六十五年度の収支から、過剰人員が消えればなお収益の改善の余地はある、こういうことになるのだと思いますが、そういうものを勘定に入れましても、どうも島別の営業損益を見ますと、本州だけは四千六百億円の黒字。ただし、これは営業外収入として多分四千億ぐらいになるのでしょう、補助金を当てにしているわけですから。だから差し引きは六百億ぐらい。まあしかしどうやら黒字。だけれども、そのほかの北海道、四国、九州では、その補助金をさらにマイナス、赤字の上に加える。補助金なしでやっていくというふうに仮定をしますと、もうどうにもこうにもならないような数字になっているわけですね。だから、トータルしますと、分割をしないで一本で民営でいくというのが国鉄の案になっていますが、もし一本で民営でやっていくとすると、この数字から見ると、昭和六十五年の段階だけではなくて、将来にわたって日本一本の民営では一本立ちはできない、こういう数字をお出しになったように思われるが、そういうことになりますか。
#202
○竹内説明員 昭和六十五年度で先ほどの、約二百億の益金が計上されるわけでございますけれども、その後の状況はいろいろ変化要素が多いので、詳しくはまだ検証はできませんが、ごくラフに試算をしてみますと、おおむねこの黒字の状態を継続をしていくことができるのではなかろうか、全国的にはそのような状態であるということが言えようかと思っております。
#203
○河村委員 ですが、二百億黒字であるけれども、それは営業外収入を入れて、営業損益だけでは二百億かもしれないけれども、しかし、補助金を抜きにして考えると、営業外経費が大きいから、ですから結局赤字になるということになるのじゃないですか。
#204
○竹内説明員 営業損益につきましては助成金が入っておりません。そのかわり「基本方策」におきまして、国鉄が負担をする利子額につきましても計上されておりませんが、全体として一本で計算をしております「収支試算」の中で、それらの要素をすべて織り込んだ上で益金が出るということでございまして、その傾向は定着をしていくのではないかというふうに見通しをいたしているところでございます。
#205
○河村委員 そうすると、ここに六十五年度に計上してある五千六百億は国の補助金ですね。そうでしょう。これがなくても黒字になるということですか。
#206
○竹内説明員 この「方策」の中で申しておりますのは、助成額につきましては営業外の収入で立てておるわけでございまして、六十五年度におきまして五千四百億円というその大部分は主として年金の超過負担にかかわるものであるわけでございますけれども、それらを含めた全体の収支試算ということで、営業損益の面では確かに二百億程度の益金が計上されておりますけれども、営業外損益を含めますと、トータルでは約六百億円の益金を計上することができるということでございまして、営業外損益まで含めまして考えてまいりますと、この点についてはこうした状況が将来とも続けていくことができるであろうという見通しであるということでございます。
#207
○河村委員 どうもわからないのだけれども、営業外経費というのは年金の支出ですか。残っている利子でしょう。
#208
○竹内説明員 営業外経費の方は利子でございます。営業外収入がこの中に六十五年度で五千六百億円を計上してございますが、このうちの五千四百億円が助成額であるということでございます。
#209
○河村委員 ですから、もし補助金がないとすれば大変な赤字ということでしょう。長期債務の二十五兆幾らのうちの相当部分を棚上げして、残存するものだけで利子が五千二百億でしょう。ですから、営業外収入の五千六百億のうち五千四百億が助成金だというなら、助成金がなくなればこれは赤字でしょう。これで見れば、日本全体として一本の民営だったらいつまでたっても黒字にはならぬということになるのじゃないですか。
#210
○仁杉説明員 今の先生のお説はそのとおりでございます。ただ、この表の一枚目、「別紙この右の下に書いてございますが、「助成額内訳」という枠がありますが、それを見ていただきますと、六十五年度五千四百億の助成をお願いいたしておりますが、そのうち実は年金の負担を非常に大きくとっているわけです。三千七百億、これは七〇%ぐらいになりますが、これがありますと、今先生の御趣旨のとおりのようなことになります。これについては我々どうにも処理ができないものですから助成をお願いしたというような形になっております。したがいまして、この下段にあります五千四百億という助成がないと、先生のお説のように赤字になってくるということになります。
#211
○河村委員 わかりました。だから年金を助成と言うから話が面倒になってくるわけだ。年金の勘定というものを別にすればよろしいわけだね。だから、今のままでもって民営にすると言うものだから、こういういつまでも助成が要るような格好になってしまう。表現としてはなはだ骨を折ってしかられるような表現になって、余り利口ではないということに相なるわけだ。
 ところでこの「基本方策」の中に、「北海道及び四国については、輸送や運営面の独立性が比較的強いという事情もあるが、」云々、「しかし国の政策判断により特別に運営基盤が確立されるならば別経営とすることも考えられる。」これは一体どういう意味ですか。
#212
○仁杉説明員 先生よく御承知のとおり、まず北海道と本州の間の片道の通行は約三千、四国は宇高連絡約六千ということになっております。そういう意味で独立性が強いということを申したわけです。ちなみに九州では大体片道三万という数字になっております、それで国の助成というか方策によって経営基盤が確立するならばというのは、北海道は御承知のとおりもうほとんど線が全廃されるような格好になってしまうし、四国も実は毎年五%ぐらい輸送量が減ってきている。これは航空機の発達なんかが非常に大きい影響を持っておりますので、そういう点からいうと、北海道と四国についてはどうも、あらゆる債務等を持っていてはもちろんですが、そういうものを外してしまった段階でもなかなかうまくいかない、民営として成り立っていくというのは非常に難しい。したがって、例えば北海道について何か公社のようなものにするとかなんとかということ、いろいろなことがあると思いますが、そういうような格好で鉄道網を維持していくのだということを国の判断としてお決めになって、それなりの方策を立てていただけるならば独立できる。独立できるというか別経営として、さっき申しましたように、輸送としては割合に完結しているから、つながる度合いが非常に少ないから、したがって別経営とすることができるというふうに表現したわけでございます。
#213
○河村委員 できるということは、その方が望ましいというのではなくて、国鉄の当事者としては分割してしまうというのは言うに忍びないけれども、まあそうしていただいた方がありがたい、こういう意味に理解してよろしいですか。
#214
○仁杉説明員 なかなかお答えしにくい問題でございますが、私どもは今までも北海道にしても九州にしても一体として経営してきた。我々の立場で、切り捨て論というようなことをよく世の中で言われますが、そういうことのないような配慮をしたいということが底にございます。したがいまして、今申しましたように、別経営とすることができる、その前提条件がありますが、別経営とすることができるという表現をしましたのは、切り捨てということではないのだ、むしろそういうふうにして北海道なり四国の鉄道網というものを、どの範囲にするかは別の問題としまして、維持していくというためには、その方が望ましいというような考え方を示したというふうに御理解いただきたいと思います。
#215
○河村委員 私もそう思っているのです。それは切り捨てではなくて、分割による経営能率の向上ということが分割の一つの旗印になっているので、北海道、少なくとも四国まで独立をした方がその地域のためにもなるし、同時に、その他の地域が民営として大いに栄えて、借金も一時的に棚上げをしておけば、例えば本州会社の株が千円くらいになって、それを売っていけば借金は返せるというふうになる方が非常に得策だと私は考えております。これは運輸大臣にもお聞きしたいのですけれども、あしたわずかな時間ですけれども予算委員会であるようですから、運輸大臣の見解はそのときに伺うことにしまして、時間も余りありませんから、この問題はその程度伺っておくにとどめます。
 一つだけ、この前の続きなんですけれども、今の運賃法の運用。この運賃法改正が昭和五十二年にできた当時の立法趣旨からいえば、運賃の改定を運輸大臣限りで許されるのは、物価や賃金が上昇して、そのためにコストアップがあって、それで運賃の値上げを必要とする場合に対応するものであって、それまで長いこと、相当物価上昇が続いてコストが上がっても、なかなか国会の都合で上げることができなくて、それが国鉄財政を悪化させた一つの要因であったことは事実である、だからそういうことのないように、機動的に再建期間中はやらせてやろうというのが立法趣旨であったわけです。ところが、昨年もそうですけれども、今回の場合そうでないにもかかわらず、運輸大臣限りで上げることができるようにするというのは立法趣旨に反するので違法ではないかという質問をしたのですが、運輸省は違法ではないと言って頑張っているわけで、きょうはこの問題にけりをつけるために一法制局の第一部長、見えていますね、お尋ねをいたします。
 昭和五十九年度予算につきましても、六十年度予算についても、物価も賃金も若干上がっておりますけれども、国鉄の合理化努力によってそれを吸収して、物件費、人件費ともに前年度よりも減っているのです。そういう状況のもとに運賃値上げを行政だけでやることが、この運賃法によって認められているのかどうか、見解を聞きたいと思います。
#216
○前田政府委員 国鉄運賃法第十条の二第一項の規定が設けられました趣旨につきましては、ただいま委員が御指摘のとおりだと存じます。ところで、国鉄運賃法の第十条の三第一項の規定によります賃率等の決定についての基本といたしましては、同法の第十条の三第一項に定められておりますように「新たな賃率等の実施による収入の増加見込額の総額が、実施年度の日本国有鉄道の経費の増加見込額を超えないように、これをしなければならない。」ということと存じます。そういたしました場合に、ただいま申し上げました経費の増加見込み額と申しますものは、国鉄運賃法第十条の三第三項の規定にございますように、前事業年度の経費の額に物価等変動率を乗じて得た額から、前事業年度の経費の額を控除して得た額とされております。したがいまして、お尋ねが実施年度の予算における経費の増加見込み額によるべきではないかという御指摘であるといたしますれば、そこまでは国鉄運賃法の規定上要求されていないと申し上げざるを得ないと存じます。
#217
○河村委員 私が言っているのは、実施年度でなくて、前年度についても同様である、前年度も経費は物価の上昇によって上昇していない。本年度も、実施年度も、前年度も賃金の上昇によってコストは上がっていない、経費は減っている。両方ですよ。それでもいいのですか。
#218
○前田政府委員 国鉄運賃法第十条の二第一項の規定によります運賃の改定につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますので、御指摘の点につきましては、政策上の当否の問題は別といたしまして、現行法上は先ほど申し上げたとおりに解釈せざるを得ないと存じます。
#219
○河村委員 この十条の三の三項で物価等変動率を用いるということは、当然物価変動によって経費がふえた場合に適用するということを自明の理として書いているのであって、それ以外のときは認めないと明文で書いてなくても、当然この十条の三の三項で自明の理として書いてあるのだと解釈するのが立法趣旨からいって正当じゃないですか。
#220
○前田政府委員 国鉄運賃法第十条の三の第三項の規定の骨組みを申し上げますと、「経費の増加見込額は、実施年度の前事業年度の日本国有鉄道の経費の額に物価等変動率を乗じて得た額から、前事業年度の日本国有鉄道の経費の額を控除して得た額とする。」こう規定がございますので、この規定に該当いたします限りは問題はないものと考えます。
#221
○河村委員 分離解釈で頑張られればそれっきりだから仕方がない。今さら運賃値上げをやめろと言うわけにいかないでしょうからやめますが、ことしの運賃値上げというのはやるべきじゃない、大臣。国鉄もやりたくて申請したわけじゃないだろうし、運輸省はどうだかわかりませんが、こういう再建に逆行するような――大体多少その解釈に疑問があっても、国鉄の運賃がもし他の運輸機関や何かに比べて安いという状態ならば、それは少しぐらい解釈を広げてやってもよろしいけれども、現に競争の他の私鉄や何かよりも高くて、値上げすれば客離れが起きるばかりでしょう。貨物に至っては本当に上げられますか。上げられっこないですよ。上げたって、名目だけ上げて実際は前より安い運賃で運ぶかもしれないぐらいのものでしょう。大蔵省の帳じり合わせ、本当のつじつま合わせですよ。それに押されてつじつまを合わせるためにこういうことをやって運賃体系を余計曲げる。ますます私鉄との運賃格差が広がるばかり。こんなことをやるべきなのですか、運輸大臣。
 時間がなくなりましたからもう一つ言いますが、国鉄再建の答申もやがて出て、それで一つの大きな変革が行われようとしているそのときに、わざわざ運賃体系を崩すことないですよ。それを何かの形で穴埋めぐらいしておいて、それで再建に臨むというのが本当の政治じゃないでしょうか。どうですか、大臣。
#222
○山下国務大臣 営業収益というよりもつじつまを合わせるための会いわゆる値上げというのはあらゆる企業における最後の手段だと私は思っております。この場合におきましても、それ以前になすべきことがないか。例えばいわゆる経費の削減であるとか運賃外収入においてどの程度の増が図れるかというようなことをいろいろ検討し、また片方におきましては、バランスシート上、例えば賃金の増とかいろいろなものを見た上で、この程度はやらなければどうしてもバランスがとれない、いわゆるやむにやまれぬ措置として、私はこの問題はやむを得ない、このように理解しております。
#223
○河村委員 余り返事になりませんけれども、時間が来たから一応これでやめます。残りはあした予算委員会でちょっと時間もあるようですから、またお話をいたします。終わります。
#224
○三ツ林委員長 梅田勝君。
#225
○梅田委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、先日行われました運輸大臣の所信表明に対しまして質問させていただきます。
 大臣の所信表明を拝見いたしますと、昨年の細田運輸大臣の所信表明とほとんど変化が見られないのであります。ただ、目立って変わっております点は、整備新幹線につきましては、昨年のものは三行で極めて抽象的でございますが、ことしは七行もありまして、そして具体的な固有名詞も入って非常に着手に向けての積極的な姿勢というものがうかがえる、そういう点が目立って変化しているところであろうと思うわけであります。
 この点につきましては、後ほど若干質問させていただきまして、まず最初に、運輸行政における基本姿勢というものを伺っておきたいと思うのでありますが、昨年と変化がないからといって運輸行政の基本がごろごろ変わっても困るわけでございまして、やはり確固たるもので行政を進めるということが大事だと思うわけであります。問題は、今運輸省が本当に国民が求めている輸送サービスに対してどう的確にこたえているかということが大事なわけであります。先ほど来ずっと議論がされてきたところでありますが、この「運輸行政の要請は安全確保であり、また、国民の皆様の求める良質な輸送サービスを将来にわたって安定的に確保することが基本的課題である」と述べられておりますが、これは文字どおり信用してよろしゅうございますか。
#226
○山下国務大臣 どうぞ御信頼ください。
#227
○梅田委員 それでは、具体的に、これまた午前中から先ほどまで議論になりました三重交通バス転落事故の問題で、私も大臣に苦言を呈したいわけであります。
 先ほど河村委員も申されたわけでありますが、あなたの所信表明を聞きました後、河村委員と私は話して、三重交通のバス転落問題がなかったのは遺憾やな、具体的表明がなかったのは遺憾やなということを話しておったら、河村委員もそのことを指摘になったわけでございますけれども、この安全の確保、これが運輸行政の要請であるということは去年もおっしゃっているわけですね。たしか交通安全のところでは述べるつもりだとおっしゃったわけでございますけれども、私もあれだけ大きな事故が起こって間なしでございますから、やはりこの問題で一言触れられなかったのは遺憾だということを申し上げておきたいと思うのであります。
 この国道十九号線で起こりました転落事故の問題でございますが、二十五名のとうとい生命が失われたということで、私も本当に的を痛めたわけでありますが、私は早速現地を視察してまいりました。そして実際に、この場所で転落したんだなというところも拝見いたしましたし、ちょうど病院に最後一人残っておられた方がございまして、お見舞いをいたしまして、九死に一生を得たという体験も伺ったわけでございます。その方は津田道明さんと申されまして、日本福祉大学の職員の方でありまして、あのスキーバスのいわば引率の責任者であった方でもあるわけであります。本当に水中に沈んでいって、一瞬これでわしの命がなくなるのか、走馬灯のように子供の顔が頭に浮かんだという、本当に生々しい話も伺ったわけでございますが、そのときに、国会でもぜひ取り上げてほしいということで、若干のメモをいただいたわけであります。
 そこには、運転者の問題、道路行政の問題、運輸行政の問題、バス会社の問題ということがかなり詳しく体験に基づいて述べられておるわけでございまして、運転者自身の問題で言えば、なぜ運転ミスが起きたのかという点で、私の推測としてはということで御指摘なさっておりますのは、交代での休息、仮眠が不十分であったのではないか。それから若手とベテランを組み合わせてあったわけでございますが、新聞にも出ておりますように、「慎重だった運転手若い同僚を気遣う」これが疲労度をふだんより高くしたのではないかという点で、その方はちょうどバスの運転手の真後ろに座っておられたわけでございまして、スピードを出すなとか気をつけて行けと若手がハンドルを握っているときにも助言をしていたということをおっしゃっているわけであります。それから非常に過労な状態であったことは、十四日連続勤務という事実から見ても明らかであろう。それから路線バスを運転した人がまた貸し切りのバスの運転で、特に山岳地帯、ふなれな冬季の山岳道路を行った。それから深夜である、判断力の低下があったのではなかろうかといった問題。それから道路行政の問題等におきましては、大安寺橋のかけかえというものは非常におくれている、これは国道管理者の責任という見地から見ると大変問題があったのじゃないか。それからガードレールが余りにも弱くて簡単につぶれた等々の非常に貴重な御意見も伺ったわけでございます。
 大臣もここで指摘されておりますように、「安全の確保は運輸行政の要請であります。輸送機器及び宿泊施設の安全性の確保、交通安全施設の整備、輸送従事者の健康管理体制の充実等により事故防止に万全を期すとともに、交通事故被害者の救済対策の充実にも努めてまいります。」大変立派なことが書いてございます。しかし、現実に昨年も同じことを書いているのですよ。これは去年のを読んでも一緒ですよ、ほとんど変わらない。ちょっと後先になった点がある程度で、ほとんど変わらない。しかし、そのように言っておったにもかかわらず事故が起こったということでありますから、いろいろ特別監査もやって努力している、事故直後には、警察庁等も協力して連名で緊急の通達もしたということでございますが、どうも対処がいまだに、どういう原因でこういうことが起こって、これに対しては運輸省としてはどうするかという具体的なあれは出ていないということから、大臣がこの痛ましい事故からどのような教訓を学ぼうとされておるのか、この点をまず最初にお伺いをいたしたい。
#228
○山下国務大臣 所信表明で私が触れなかった点について重ね重ねまた御叱責でございますけれども、申し上げましたとおり、運輸行政は非常に多岐にわたっておりまして、陸海空の交通のみならず港湾であるとかあるいは観光であるとか、さらには造船その他いろいろあるわけでございますから、限られた時間に私の方から所管事項について御説明申し上げる中におきましては、総合的に、包括的に、とにかく安全は最も大事であるということを申し上げる以外になかったわけでございまして、より専門的な交通安全対策委員会がある以上、そこでさらに丁寧に申し上げるのもよかろう、こういう配慮でございますから、どうぞその点は御了解いただきたいと思います。
 なお、三重交通の問題につきまして、私もかつて身内を災害によって亡くした経験があるわけでございまして、災害によって、事故によって身内を亡くする、これぐらい痛ましいことはないわけでございまして、私は人の痛さが自分のこととしてわかり過ぎるほどわかっております。そういうことも手伝いまして、この処理に当たりましては、私も行政当局にしかと命じまして、徹底的にこの問題はひとつ追及するように申しつけておるわけでございます。
 何を申せこの交通は年を追っていろいろ発達しあるいはまた複雑化してまいります。したがいまして、思わぬ事故があったりして、やはり後追い行政的な面が全くないとは言えませんけれども、こういった種類の事故につきましては、この際さらに徹底的に究明して、再び事故が起きないようにするという私の気持ちでございますし、そういう意味におきましては、特別監査を十分行いましたけれども、ただ監査結果をすぐ報告すべきものではなくて、さらにそれを具体的につまびらかにひとつ分析をし、究明をした上で態度を決するということの方がより今後のためによかろうということで若干の時間をとっておるわけでございますから、あと若干の時間をいただきたいと思います。
#229
○梅田委員 この運転手は非常にベテランだったそうでございますが、先ほど労働省が御報告なさいましたように、二週間連続勤務で休日出勤をしていたという問題。それから二週間の総拘束時間を私ども調べましたところ百六十一時間二十七分と言われておるわけでございまして、これはいわゆる二七通達、昭和五十四年十二月二十七日に通達された「自動車運転者の労働時間等の改善基準について」に違反しているということは、これはもう歴然たる事実だと思うわけでございます。
 氷結した道路というのは非常に怖くて、私の選挙区にも比叡山と同じぐらいの高さの峠を起さなければいけないようなところもございまして、もう氷結をしておりますときには、十分慎重なことで行くわけでございますけれども、どんなに注意しても、一瞬のすきに大事故に結びつくということがあるわけでございまして、過労運転というものは絶対に避けなければならないと思うわけであります。
 ところが、この三重交通の場合は、繁忙期になりますと路線バスの運転手を簡単に貸し切りの方に転用する。新聞が経営効率の落とし穴というように書いたわけでございますが、いわゆる私鉄並みというのがこういうことを結果としては招くのですね。つまり残業なりを前提として、そして人員配置を組む。要員が足らぬわけですからこっちからこっちへすぐ簡単に移すということでありまして、国鉄再建を議論しているときに盛んに私鉄並み、私鉄並みということを言われるわけですけれども、本当に私鉄並みということが安全という点から見ますと大変な事態を招くという一つの教訓に見ていく必要があるのではないか。三重交通は昭和五十八年の決算におきまして十億円ほどの経常利益を上げていると伝えられるわけでございますが、今回のような事故を起こしますと、損得どうかということにもなろうかと思うのであります。まして、そういう経営の合理化、合理化ということで結果として多数の人命を奪うということになりますと、安全の確保は運輸行政の要請だというように言われましたわけですけれども、大臣、運輸省としてこのような過酷な労務管理をしておった企業に対してよほど厳しく対処しなければならぬと思うわけでございますが、その点は一番最初に指摘しました、これは間違いないかということで念を押したわけでございますが、本当に断固たる処置をおやりになりますか。
#230
○服部政府委員 ただいま来の先生の御指摘は本当に一々ごもっともでございます。先ほど来の御答弁の中でも申し上げたつもりでございますが、現在三重交通に対します特別保安監査の結果の取りまとめを急いでおるところでございまして、私どもといたしましては、その調査結果を踏まえまして、厳正なる、適切なる措置を講じてまいるつもりでございます。
#231
○梅田委員 対応が非常に遅いということも追加して言わせていただきます。
 それから、労働省はどうですか。厳重にやりますか。
#232
○菊地説明員 法違反の点につきましては、現在捜査中でありまして、事実が判明し次第、厳正に対処する所存であります。
#233
○梅田委員 それでは次に、「交通安全施設の整備」ということも大臣の所信表明で述べられておりますので、これを、建設省の所管の面が多いわけでございますが、運行する立場の運輸省としても重視をしていただきたいということで、この問題の箇所の安全施設はどうであったかということを述べたいと思います。
 私も現場で詳細に歩いてもみて、また車でもあちこち行って見てきたわけでございますが、この橋ですね、大安寺橋。(図を示す)非常に幅が狭くて、たしか五・五メートルですね。こちらの道路は十メートルほどある。ここが相当前方から下り坂になっております。だから普通行きますと速度がつくところですね。手前の辺でやや平地のような状態になりますけれども、なおやはり若干の勾配はついている。大型となりますと、ここは一たんとまらないと離合できないわけです。確かにここに矢印がついておりまして、急カープであるということがわかるようになっております。実際行って、大きなものが書いてあるが、どうしてあれが気がつかなかったかなと思うような大きな標識が出ておったのは事実でございます。ただ、手前の方に、事故が起こってから、カーブ、スピード落とせというのが、先ほどの御答弁にもございましたように真っさらのが出ておりましたから、ああ、慌ててつけたなということを感じたわけでございますが、問題は、ここで、手前で気づいてブレーキをかけたがもうスリップしてぶつかった。ちょうどこの辺で立ってみますと、真ん前が湖に見えるんですよ。ガードレールが小さいものでございますから、本当に真っすぐ行ったら水に飛び込むなという感じになっているところでございます。こちらの方が高いわけでございますから、このダムの水が前方に広く広がって見えるのです。だから、昼間だったらあそこに湖があるから気をつけねばいかぬというのだが、夜間だからわかりません。それでぶつかった。ところが、このガードレールが非常に弱いものでございまして、簡単につぶれる。そこで、先ほど来の建設省の御答弁を聞いておりますので、私は繰り返しませんが、「防護棚の設置基準」というのがございますが、その「定義」におきまして、「防護棚は、主として走行中に進行方向を誤った車両が路外、対向車線または歩道等に逸脱するのを防ぐとともに、乗員の傷害および車両の破損を最小限にとどめて、車両を正常な進行方向に復元させることを目的」とする、こういうふうに書いてある。余り強固なものだったら当たった者がけがをするということがございますが、同時に、車が道路の外へ飛び出す、逸脱するのを防ぐということも目的の一つでございますから、この場合どうとるかということで、私の提案でございますけれども、これは今まで道路管理者がこんな危険なところに防護壁のような強固なものをつくっていなかったというところに怠慢があると私は思います。そしてその前にガードレールなりを二重に整備しておれば、今回の転落事故は防げたのじゃないか、私はかように思うわけでございます。
 転落された津田さんは、そのほかに、橋のかけかえ工事が未完成で道路行政の立ちおくれ、国道管理の責任は非常に重大と御指摘になっておるわけでございますが、私はこの「防護柵の設置基準」を見直す必要があると思うわけでございますが、いかがなものでしょう。
#234
○岡田(哲)説明員 「防護棚の設置基準」については、建設省の土木研究所等において長年研究を重ねてまいりまして、昭和四十七年に現在の基準をつくり上げたわけでございます。いろいろな実験、研究等を重ねてまいったわけでございまして、今先生申されたように、いろいろな目的をあわせてうまく安全を守る、こういうことでございますので、非常にかたいものであれば乗員の生命に対して衝突の衝撃による問題もあるし、こういうことをいろいろ勘案した上で現在の基準ができておるわけでございます。現時点においては、そういうことで適切な基準であると考えておるわけでございますが、防護さくの重要性、交通安全の重要性にかんがみまして、今後とも一層研究を重ねてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#235
○梅田委員 あなたはこの場所へ行っておらぬからわからぬわけだけれども、僕はこの辺の橋を全部見てきたのですよ。確かにこれに近い危険なところがありますが、そこへ行くときには、前提として速度を落とさなければ行けないように大体なっている。ここは下り坂でスピードがだんだん出てくるところ。しかもここはかなり広くとってある。ここはカーブするから十メートル以上あると思いますよ。ふうっとスリップした場合には本当に直角に近く当たるのですね。ガードレールの基準は、車両の衝突角度というのは十五度なんですよ。十五度だったらこんなものでしょう。これならばちょんと当たったらはね返ってまたもとへ戻るということになりましょうが、直角に近い角度で当たったときには弱いわけですね。コンクリートに支柱を埋め込む場合は三十センチでしょう。三十センチというのは、ぼうんと当たったら飛んでしまいますよ。現に飛んでしまって落ちた。
 私は大臣にこの際ぜひ政治家として決断を願いたいわけでありますが、木部建設大臣にもお願いしておったのですけれども、これは人命にかかわることだから、国道を総点検して、このような類似の危険箇所については、やはり防護壁とガードレールの二重構造にすべきじゃないか。京都に高山市長という人がおられましたときに、車が市電の安全地帯にぶつかる事故がありました。いわゆるここは安全地帯だというので、道路標識があっただけなんですね。ポール一本立っていただけ。そこへ車がぶつかって、安全地帯に並んでいたお客さんをなぎ倒してたくさんの死傷事故を起こしたことがある。これが議会で問題になって、何より人命が大事だ、安全地帯におってけがしたあるいは命をなくした、重大だということで、市長のツルの一声で直ちに安全地帯が強固な防護壁になった。そのためにぶつかって死傷事故が起きたことはございますが、市電の安全地帯にぶつかったら危ないぞというのがだんだんと徹底して、以来ぶつからないようになってきた。こういう経緯もございますから、相当危険箇所も多いと思いますけれども、十分に点検をして、そして設置基準も見直して、ここはひとつ決断を持って、今回の事故の教訓だということで、運輸大臣としても安全施設の整備ということを約束されておるわけでありますから、ぜひ建設省に強く申し入れてひとつ実現をかち取っていただけませんか。
    〔委員長退席、鹿野委員長代理着席〕
#236
○山下国務大臣 角度による耐女性の違いというのは私ども素人でもわかります。しかしながら、厳密にいろいろこれを技術的に解明していくならば、どの程度のものが理想であるかとか、そういうことになりますと、私ども全く技術のことはわかりません。しかしながら、安全を期するという面におきましては、おっしゃる趣旨はよくわかるわけでございます。しかし、どんなに強靱なものをつくりましても、あそこに強いものがあるからということで運転すべきじゃないと私は思うのでございますから、したがって、そこらあたりはまた専門家の意見も聞きながら善処してまいりたいと思います。
#237
○梅田委員 それはもちろんそうですよ。しかし、乗客は知りませんからね。そのために大変凍りつくような湖の中で命を落とされた無念さを思うと、やはりここは一肌脱いでやるべきだと思うのです。
 建設省は検討の用意ありますか。
#238
○岡田(哲)説明員 私どもも実際に研究をし、また現実にこういう安全施設を設置し、そしてどういう経過があるかというようなことも踏まえながら常日ごろ研究をいたしているわけでございます。ここの場所においても、過去十年間でこのガードレールに三度ぶつかった事例がございます。二度はトラックでございまして、一つは五十五年の一月十一日、もう一つが五十八年の十二月十七日、いずれも深夜ないしは未明でございますが、そういうトラックのぶつかった事故もございましたが、そのときにこのガードレールとしてはその役割を果たして湖に転落しない、こういうこともあったわけでございます。そういうことで、今回の当たり方がどうだったかということもいろいろこれはまた究明されることだと思いますが、そういう経験も一方ありますので、いろいろな議論を重ねた上で、今後よりリファインした基準にしていきたい、こういうふうに考えております。
#239
○梅田委員 それでは、今後もいろいろ研究をして、危険箇所についてはやはり万全の対策を講ずるということに努力をしていただきたいと思います。
 そのほか、あの箇所に、黄色の回転反射灯というのがありますね、ああいうものを設置する、あるいは夜間は点滅灯をつけるとかすればより安全ではないか。それから長距離を走りますバスなりあるいはトラックの休憩所、仮眠施設の充実、こういったことも必要であろうと思いますので、要望をしておきたいと思います。これは運輸省の方はよろしゅうございますか。
#240
○服部政府委員 ただいまの先生の御指摘も、十分私どもとして受けとめてまいりたいというふうに考えます。
#241
○梅田委員 事故の問題が続きますが、昨年の夏、お盆前後に西日本各地でトラックによります追突事故が相次いております。七月二十四日と八月九日の二回、加古川バイパスにおきまして、いずれも六台が玉突き炎上、計八人が死亡、計八人が負傷しております。八月十一日には、姫路バイパスで五台が玉突き、二台が炎上、四人が死亡、七人が負傷。この中には、昨年京都大学に入学したばかりの若いお嬢さんを含めて死亡された。全く痛ましい事故だったと思うわけであります。特に、この八月十一日の事故の運転手は、八月六日午前七時から九日午後九時まで、連続八十六時間の勤務をしております。そして若干休んで、九日夜九時から翌十日の午前五時までの仮眠を経て、六時には仕事に出発して、そして事故を起こします十一日の午前三時十五分まで、二十一時間以上の連続勤務をしているわけであります。問題は、こんな過酷な労働を押しつけた会社に対してはどんな処分をしたのかということが非常に重要でありますので、労働省並びに運輸省の方で御答弁をいただきたいと思います。
#242
○菊地説明員 御指摘の点につきましては、労働基準法三十二条第一項違反の疑いで、昨年十一月八日岐阜地方検察庁に書類送検をいたしております。
#243
○神戸説明員 お答えいたします。
 御質問の事故につきましては、兵庫県内の国道二号線、自動車専用道路でございますが、加古川バイパスあるいは姫路バイパスで起きました事故でございますが、私ども掌握していますのは三件掌握しているわけでございますが、この三件につきましては、当該事故の発生事業者に対しまして、昨年の八月から九月にかけまして特別保安監査を実施いたしました。その監査の結果に基づきまして、三社のうち二社につきましては、既に車両の使用停止を含めまして厳正な処分を執行したところでありまして、残り一社につきましては、近く処分を執行する予定でいるところでございます。
#244
○梅田委員 岐阜の労働基準監督局によりましてこの事件の運転手の労働条件をお調べになって、私どもは労働組合を通じまして伺ったわけでございますが、事故を起こした特定の運転手の労働時間がどうであったかということはおっしゃっていただけないのですね。そして問題の運転手を含む五人の総計の労働時間がどうであったかというのは、六月十二日から七月十八日までの三十七日間の労働時間が、いわゆる三六協定で一日当たり四時間の残業の労働時間を、五人合計で三百八十時間上回っていた。五人のうち一人は十二時間のオーバーであったので、これを差し引いて平均をいたしますと、一人当たりのオーバーは九十二時間。これはちょっと聞いただけではわからないので、砕いて一日当たりの残業時間に直しますと、三六協定分の四時間プラス、オーバー分が二・二ということで、六・二時間の残業をしていることになるのですね。
    〔鹿野委員長代理退席、委員長着席〕
したがって、規定の八時間労働を足しますと、一日当たりの労働時間というのは十四・六時間になる。ずっと平均してです。まことに過酷な労働条件だと思うわけであります。基準局は送検をいたしまして、略式命令におきまして会社は十五万円、社長は十万円の罰金を食らったようでございますけれども、運転手の方はどうかといいますと、昨年の十二月三日の神戸地方裁判所の判決におきましては、禁錮二年六カ月の刑を受けているわけです。非常にきついわけですね。死亡事故が起きているんだから当たり前じゃないかということにもなろうかと思うのですが、相対的にいいますと、会社が受けた処分と比べますと非常に違う。判決におきまして「長距離運転手は自分の体調を正確に把握しておくべきで、それに見合う運転コースを決めなければならないのに、ハードなスケジュールを組んだため、居眠りにより深刻、悲惨な事故を起こしたもので、被告の一方的かつ重大な過失によるもの」ということで厳しい判決を受けたわけでございますが、しかし、会社の管理責任というものは、私はもっと強く問われなければならぬと思うわけであります。ここの社長は決して法規を知らないというわけではなくて、運送業にかかわる法規類はよく知っておるわけであります。そうなりますと、この会社の責任、それからそれを監督している運輸省あるいは労働省の監督責任というものも重大だと私は思うのです。ところがなかなか警察の方も、労働基準法、あるいは道交法で過労というのがございますが、この問題で追跡しようと思っても、なかなか証拠がつかめないということでやってないのですね。道交法違反では過労というのはなかなか判断が難しい、証拠が調いにくいということで見逃されておる。結局運転手だけがやられる。大体こんなむちゃくちゃな運行をしたということは今後絶対あってはならぬことでありますが、事故を起こした半沢さんという四十七歳の方でありますが、八月六日午前七時岐阜を出発して関東方面へ行って、九日に帰ってきて神奈川から名古屋へ行って、二十一時に会社に着いて、実に八十六時間の連続拘束をやられた。そして仮眠をして、十日には午前六時に名古屋からまた会社に行って荷おろしをして、岐阜折り返しをして、そしてまた岐阜プラスチックで荷物を積んで、そして午後九時に高松へ出発をして、そして十一日の午前三時十五分に問題の箇所で事故を起こした。お盆で渋滞をしてなかなか車が思うようにいかぬ、もう休めない、取り戻そうと思って一生懸命走る、ということでこんな事故が起こった。こんな輸送計画というのは、本人の責任になっておるのです、判決では。裁判所の御判断されたことですからここではあれこれ言いませんけれども、しかし、本人がそれを判断するのは無理じゃないですか。会社はそういう作業計画をつくって、やれと押しつけるからそういう問題が起こるんじゃないですか。
 だから、私は改善策として三点提案したいのです。一つは、無理な運行をなくするために、荷主、元請企業は貸し切りトラックの利用に当たっては積載量、出発時間、到着指定時間などを明記した輸送状を発行するということを法的に義務づけるべきではないか。第二番目に、運送事業者に対しましては、法定スピードを超える運行ダイヤの設置や過積みをやらないように規制を強化し、違反した場合、事業免許取り消しを含む厳重な処分をやる。第三は、私はまだまだなまぬるいいわゆる改善基準だと思うのでありますが、二七通達の遵守徹底を図る、そしてさらにその改善を図っていく。この三点がどうしても必要だと思うのでありますが、運輸省並びに労働省の意見をお伺いしたいと思います。
#245
○栗林政府委員 先生おっしゃいましたうちのまず第一点の輸送状の件でございますが、荷主とかあるいは元請企業が積載量とか発時間、到着時間などを指定したような輸送状を発行することを義務づけてはどうかというお話でございますが、この問題につきましては、まず基本的に運送行為の責任というものは安全運行の確保も含めまして運送事業者が負うべきものである、基本としてそうであることは当然だと思います。それで、そのために道路運送法あるいは自動車運送事業等運輸規則などにおきまして、そのような仕組みが規定され、それを実効あらしめるということがまず第一に肝要なことで、実は運行管理者制度などもそのためにつくられているわけでございます。ところで、その荷主とそういった当該運送事業者以外の者が輸送状にそういう積載量とか発時間、到着時間を指定して、それによらせるというようなことは、例えば運送事業者がどの車にどれだけの量を一体積むことになるのか、つまりいかなる車両を使うのか、そういったことがわからない状態になっておるわけでございます。また荷主などは、それぞれの具体的な運転者がいかなる乗務割で勤務するのか、そういったことも知り得ない立場にあるのが普通でございますし、また通常、実際にもそのような運送に関する専門的なことは知らないだろうと思います。それはやはり運送事業者が責任を持って決めるというのが正しい考え方ではないかと思っております。したがいまして、荷主等に輸送状の発行を義務づけるということはなかなか難しい問題であるというふうに思っております。
 その次に、過積みとか過労運転などを指示させた事業者について免許の取り消しを含む厳しい処分が必要ではないか、こういうお話でございますが、もちろんそういった事業者につきまして厳しい処分をすることは当然だと思います。免許の取り消しということは、これは実際には従業者、運転者を含む従業員がそこに属していることでもございますので、そう安易にやるべきものではないと思いますが、そのあたりは十分勘案しながら厳正にやっていくということだと思います。
 それから、二七通達の問題でございますが、これにつきましては、私どもも、過労運転の一つのといいますか、過労運転の目安というのですか、これを見ながら、どういう状況であるかということを判断して仕事をしておるわけでございまして、二七通達をできるだけ遵守させるようにいろいろな角度からあらゆる努力を傾けていきたいというふうに思っております。
#246
○菊地説明員 御指摘の改善基準につきましては、策定されてまだ時日もそれほど長くたっておりませんし、内容的に見ましても、国際的基準を踏まえたものになっております。現在、違背率もかなり高うございますから、当面はこの改善基準の遵守徹底に最大限の努力を払いたいと思っております。
#247
○梅田委員 時間がなくなってきて非常に申しわけないのですが、国鉄の問題がどうしても一問残っておりますので、大臣は予算委員会に行かれるので……。
#248
○三ツ林委員長 簡明に。
#249
○梅田委員 簡単にやりますから、ひとつ御答弁をいただきたいと思うのですが、先ほど言いましたように、国鉄再建というのは非常に大事でございまして、その危機をもたらした原因を解明せずして私は論じられないと思うのでありますが、過大な投資あるいは借金、モータリゼーション政策あるいは公共輸送機関にふさわしい助成の欠如、こういったことがあるわけでございまして、また長期債務の処理方針が決まらないままにまた運賃を上げ、あるいは要員合理化と地方交通線の整理促進ということを言うだけでは、私は無責任のそしりを免れないのではないかと思うわけであります。大臣が言われた国民の求める良質な輸送サービスの提供といいましても、ローカル線の切り捨てあるいは無人駅化というものをどんどんふやすようでは、これは結局は犠牲を国民に転嫁するだけではないか。
 それで宮津線が廃止対象にされておりますが、ここに栗田駅がある。ここには水産高校があって、たくさんの子供たちが乗るんですね。これは大変な数ですよ。人があふれている。(「時間、時間」と呼ぶ者あり)
#250
○三ツ林委員長 質問者に申し上げますが、結論を急いでください。
#251
○梅田委員 こういうところが今度無人駅にされようとしておるわけでありますから、私はそれではますます混乱を招くのではないかということでぜひ考えていただきたいと思うわけでございます。
 そして、整備新幹線につきましては、これは予算委員会で随分と議論になって、今後も議論になるでありましょうし、きょうは時間がございませんから追及ができないわけでございますが、この整備新幹線を積極的に進めるんだ、進めるんだということをお示しになる、そういうあり方が今日の国鉄危機をもたらした根本原因だ。だから、反省していないと私は思うのですね。鉄建公団はどんどんと新しい線の調査なんかもやっているという点で、ぜひ考え方を変えてもらいたいということを申し上げます。
 それから、国鉄当局につきましては、京都駅で不正事件が起こったわけでございますが、これは三人の当局とよろしくやっていた人々が今回不正事件を起こしたわけでございますが、これを契機にもう一年以内に全員だ、当面は三月末までに半分だ、こういうことは、不正事件に全然関係のない人を不正事件にあたかも関係があったかのようにやるような人事異動というものは不穏当ではないか、やめるべきではないかという点を申し上げておきたいと思います。
#252
○山下国務大臣 一言ということですから一言だけお答えいたしますが、国鉄のよって来る原因というのは、今日事情を招いた原因というのは、毎度申し上げておりますように、それは公社制度、もう一つは全国一元的な運営、この二つが大きな原因でございます。そのことによって鉄道の持つ特性というものを生かし切れずに今日に至っておるということでございますから、この基本問題を解決しないで、各論だけを論じてもとても無理かと思っております。
 なお、整備新幹線につきましては、イージーにやろうと言っているのではございません。これを実行するにつきましては幾つかの厳しい条件がついておりますから、その条件を満たした上でこれに着手する、こういうことでございます。
#253
○太田説明員 二番目に御指摘がありました京都駅の問題でございます。
 国鉄の現業機関におきましては、管理者は通常二、三年で異動を行っているところでございますが、一般職員につきましては、合理化や昇職等による転勤を除いては、通常、人事異動は極めて少ないのが実態でございます。この結果、一般職員につきましては、一カ所に二十年、三十年在籍するというケースも多く見られるところでございます。このように一カ所に長期間在籍するということは、業務に精通するというメリットがある反面、マンネリ化に陥りモラルが低下し、さらには仕事についての倫理感も欠如してしまうというデメリットも考えられます。このようなことは、ひいては組織の活性化を妨げることにもなりますので、民間会社でも、特に金銭を取り扱う従業員などにつきましては、一定のサイクルで転勤等配置替えを行っていると聞いております。国鉄の長期在籍の人事運用については、各方面からも批判の声が上がっており、また私どもとしましても、これを改善すべくかねて念願していたところでございます。今回の事件の重大性にかんがみ、その大きな原因となった人事の固定化を見直し、人心の一新を図ることといたしました。これは通常の人事異動として行うものであり、業務の正常な運営を確保するために判断したものでございまして、労使双方で協議したり本人の合意を待って実施するといういわゆる配転協定とは異質のものでございます。しかしながら、本人の生活設計等はできるだけ配慮しながら実施してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#254
○三ツ林委員長 時間が参っております。約束の時間が過ぎておりますので……。
#255
○梅田委員 不正事件と関係はないということを、国鉄総裁、答弁しておいてください。
#256
○三ツ林委員長 時間が過ぎておりますので……。
 次回は、来る二十六日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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