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1984/07/18 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 商工委員会流通問題小委員会 第2号
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1984/07/18 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 商工委員会流通問題小委員会 第2号

#1
第102回国会 商工委員会流通問題小委員会 第2号
昭和六十年七月十八日(木曜日)
    午前十時一分開議
 出席小委員
   小委員長 上坂  昇君
      糸山英太郎君    浦野 烋興君
      尾身 幸次君    奥田 敬和君
      田原  隆君    月原 茂皓君
      金子 みつ君    城地 豊司君
      浜西 鉄雄君    和田 貞夫君
      渡辺 嘉藏君    草野  威君
      福岡 康夫君    田中 慶秋君
      野間 友一君
 小委員外の出席者
        商 工 委 員 後藤  茂君
        内閣法制局第四
        部長      工藤 敦夫君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 利部 脩二君
        公正取引委員会
        事務局審査部第
        一審査長    地頭所五男君
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   上野 浩靖君
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  清島 伝生君
        総務庁長官官房
        老人対策室長  吉田  勇君
        経済企画庁国民
        生活局長    横溝 雅夫君
        法務省民事局第
        四課長     宇佐見隆男君
        法務省刑事局刑
        事課長     東條伸一郎君
        大蔵大臣官房企
        画官      坂  篤郎君
        大蔵省証券局業
        務課長     中島 公明君
        国税庁直税部所
        得税課長    加藤 泰彦君
        国税庁徴収部徴
        収課長     加藤 廣忠君
        国税庁調査査察
        部調査課長   友浦 栄二君
        社会保険庁長官
        官房経理課長  川崎 幸雄君
        社会保険庁医療
        保険部健康保険
        課長      田中 健次君
        農林水産省食品
        流通局商業課長 中村 英雄君
        通商産業大臣官
        房審議官    松尾 邦彦君
        労働大臣官房労
        働保険徴収課長 小島 迪彦君
        労働省職業安定
        局雇用保険課長 佐藤 勝美君
        商工委員会調査
        室長      倉田 雅広君
    ―――――――――――――
六月二十五日
 小委員浜西鉄雄君及び渡辺嘉藏君同月十二日委
 員辞任につき、その補欠として浜西鉄雄君及び
 渡辺嘉藏君が委員長の指名で小委員に選任され
 た。
同日
 小委員野間友一君同月十四日委員辞任につき、
 その補欠として野間友一君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
七月十八日
 小委員奥田幹生君、加藤卓二君、渡辺嘉藏君及
 び横手文雄君同日委員辞任につき、その補欠と
 して糸山英太郎君、月原氏皓君、金子みつ君及
 び田中慶秋君が委員長の指名で小委員に選任さ
 れた。
同日
 小委員糸山英太郎君、月原氏皓君、金子みつ君
 及び田中慶秋君同日委員辞任につき、その補欠
 として奥田幹生君、加藤卓二君、渡辺嘉藏君及
 び横手文雄君が委員長の指名で小委員に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 流通問題に関する件(悪質な商取引の実態と対
 策に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○上坂小委員長 これより商工委員会流通問題小委員会を開会いたします。
 流通問題に関する件について調査を進めます。
 本日は、前回に引き続きまして、悪質な商取引の実態と対策に関する問題について調査をいたします。
 この際、政府から順次説明を聴取いたします。
 まず、通商産業省から説明を聴取いたします。松尾大臣官房審議官。
#3
○松尾説明員 ただいま御指摘の悪質な商取引、いわゆる悪徳商法の定義は必ずしも明確ではございませんが、私どもの通産省関係の消費者相談窓口に持ち込まれてまいります案件を一つの基準といたしまして整理いたすということで、お手元の「通商産業省消費者相談室における相談受付状況」という資料をごらんいただきたいと存じます。
 この表にございますとおり、通産局それから沖縄総合事務局の窓口を含めまして、全体といたしまして、この表の真ん中の一番下にございますように合計九千四百九十六件の相談が五十九年度に寄せられているわけでございます。そのうち内容を分類してみますと、商品そのものの表示ですとか規格、品質等に関するものが、一番下の合計の次の欄、下から一行目の欄に書いてございますけれども、ごらんのとおり二千三百二十九件でございまして、この分野の数といたしましては前年度に比べまして若干でございますけれども減少いたしており、ほぼ横ばいという感じで推移していると存じます。
 他方、契約に関連したものが一番上からずっと書いてあるわけでございますけれども、この相談件数が顕著にふえておりますことは表でごらんのとおりでございます。件数ベースで見ましても、五十八年度の五千四百七十一件というのは前年度比四一%、五十九年度の七千余件は三一%増となっておりまして、全体の相談の中で四分の三のウエートを占めるに至っているわけでございます。
 中でも、この表のちょうど真ん中以下にございます「その他契約」という分野が著しくふえているわけでございまして、このウエートが全体の二分の一弱を占めるに至っているわけでございます。特に問題の内容について申しますと、「その他契約」の内訳が黒丸でずっと書いてございますけれども、金の国内取引に係るもの、海外先物取引に係るものが大きなウエートを占める状況でございます。
 このうち金の国内取引に係るものの大部分は豊田商事関連でございまして、内容的には解約の方法の問い合わせでございますとか、会社の信頼性の問い合わせなどが主でございます。これに対しましては、ケースに応じまして解約の意思をはっきり示せ、明示しなさい、あるいは支払いの拒絶を指導するというようなことを行いましたり、あるいは会社に係る問い合わせにつきましては、トラブルの多い会社であることを説明いたしまして、慎重な対処を消費者に求める等の対応をしてまいっているところでございます。
 次に、次の欄の海外先物取引につきましては、個々の実情に応じまして対応するとともに、トラブルの実態を反映させまして、法律の指定市場の拡大を行いまして、本年一月からアメリカ、イギリスの八商品市場を追加指定して規制範囲を大幅に拡大したところでございまして、五十九年度の相談件数は、政令指定以前からの案件をもちろん含んでいるわけでございます。
 第三番目のマルチまがい商法の関連では、訪問販売法で規定しております連鎖販売取引以外の、類似の要素を持った販売組織に係るものの相談が大体すべての内容でございまして、全体のシステムの信頼性への問い合わせが主体でございます。これに対しましては、連鎖販売取引についての法律の規制の概要、当該案件に関連しましたトラブルの状況等を説明し、参加を考えている人には十分そのことを検討するよう促すような対応をしてまいってきております。
 次に、私設先物取引に係るものといたしましては、主たる相談はパラジウムをめぐるものでございまして、一般人がトラブルに巻き込まれないよう先般リーフレットを作成いたしまして、通産局を通じましてお年寄りを含めて広範な消費者に届くよう配布させていただいたところでございます。
 次のゴルフ会員権のペーパー商法に係るものにつきましては、やはり豊田商事関連のものでございまして、これについても「月刊消費者」という雑誌ですとかテレビを通じました消費者の啓発を随時進めてまいっております。
 なお、少し上へ戻りますと、訪問販売関係の相談は多様な商品分野をカバーしておりますけれども、上から四行目のところに数字がございますが、主な対象品目としては英会話教材、自動販売機、料理用具、健康食品、消火器などでございました。この分野につきましては、先般トラブルの多発するケースにつきまして消費者に情報を提供する制度を発足させたところでございまして、勧誘方法が不適当なケース等につきまして消費者の注意を喚起するシステムを発足させたところでございます。
 それから、上から六行目くらいにマルチ商法の欄がございますけれども、これの相談も若干ございますけれども、内容はある案件がマルチ商法に該当するかどうかという照会がほとんどでございます。従来からマルチ商法について実施してまいっております公表制度に該当する苦情は五十九年度は寄せられておりませんでした。これが第一表の説明でございます。
 次に、豊田商事の問題に関連して私どもの対応を説明させていただきたいと存じます。
 同社の商法につきましては国会での御指摘もございました。通産省といたしましても、知識の乏しい人々がこの被害に遭わないよういろいろ対策を講じてまいったところでございまして、消費者に対して安全な金取引の方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、講演会、ポスターなどにより周知することに努める傍ら、金地金流通業界に対しましても登録店制度の実施等を指導してまいりました。また、豊田商事の商法につきましても種々のPRをいたしましたが、例えば五十八年三月私どもの方で発行いたしました「かしこい消費生活のしおり」におきましてその危険性を指摘いたしまして、当省に寄せられた相談に対しては、個々のケースに応じまして対応の仕方を助言してまいったところでございます。
 本件につきましては、国会での御議論あるいは報道を受けまして六月以降急転回を遂げたところでございますけれども、その間にありまして、私どもといたしましては、同社に対する新規契約停止の行政指導を行うこととして、同社に対してその旨を申し入れをいたしましたことは御案内のとおりでございますが、同社に対して提出されました破産宣告の申請に対応いたしまして六月二十一日に財産保全命令が出されたことを受け、通産省といたしましても、既契約者からの相談に機動的に対応するために、豊田商事一一〇番を本省、各通産局に設けたところでございます。この特別相談窓口は、豊田商事のその後の扱われ方がはっきりしていなかった時期に当たることもありまして、極めて多数の問い合わせがございまして、お手元の資料の二ページ目に「豊田商事一一〇番受付件数」が書いてございますけれども、発表いたしました翌日の六月二十二日から、ここには書いてございませんが、六月いっぱいで全国合計七千三百六十件にもなりましたわけでございまして、七月一日には同社に破産宣告が出されたこともありまして、七月に入りましてからは相談件数はかなり落ちてまいっておりますが、合計いたしますとお手元の資料では七月十五日現在、一番右下のところにございますが、九千四百二件ということになっております。
 この間の照会の内容は年配の女性からのものが多く、内容的には一体今後どうなるのか、被害者としてどういう措置をとるべきかというものが主体でございました。照会件数全体の金額につきましては、何分にも件数が多いこともございまして総体の集計はできておりませんけれども、本省で受け付けました件数がピークでございました六月二十七日について見ますと、表の一番上の欄に、通産省本省の六月二十七日のところにございますように、四百九十六件の総件数のうち、豊田商事の金取引に関連しまして金額の把握ができたものは三百九十三件でございまして、金額にいたしまして総額十九億五千万円でございます。一件当たりにいたしますと、平均四百九十五万円という程度でございます。
 なお、この豊田商事と類似のいわゆるペーパー証券商法につきましては、厚生省にお願いいたしまして、民生委員向けの機関誌などにこの種商法の概要を掲載していただきまして広く注意を呼びかけたところでございますけれども、また、この相談窓口に案件が多く寄せられました類似商法の企業の実情調査を現在進めているところでございまして、この実情調査の実態を踏まえまして今後適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#4
○上坂小委員長 次に、経済企画庁から説明を聴取いたします。横溝国民生活局長。
#5
○横溝説明員 御説明申し上げます。
 豊田商事問題につきましては、大きな社会問題になっておりますことにかんがみまして、政府といたしましても可能な限りの対策を講じていくことが必要と考えております。このような観点から、経済企画庁といたしましても関係六省庁会議、これは公正取引委員会、警察庁、法務省、大蔵省、通商産業省と当庁でございますが、このような会議の開催等を行いまして、関係省庁とも連携をとりながら、前回の本委員会以後極力努力をしてまいっておるところでございます。
 幾つか具体的な側面に沿って御説明申し上げたいと思いますが、まず豊田商事の商法自体の問題につきましては、各省庁の所管の法律に関連して各省庁で検討が行われておりますけれども、特にその後警察の捜査等もございますので、そういうのを通じて実態の究明と現行法令の厳正な適用が進むものと期待しておる次第でございます。
 次に、豊田商事自身は御承知のとおり破産宣告を受けたわけでございます。したがって、その被害者の債権の保全が当面非常に重要なことでございます。それを支援いたしますために、経済企画庁といたしましても、国民生活センターあるいは地方公共団体の消費生活センターで被害者の債権の届け出の手続等、苦情を受け付けて債権保全に円滑につながるような相談業務に力を入れるために、豊田商事関連一一〇番というような苦情相談窓口を設けまして、苦情相談の一層の強化をする必要があるということで、六月二十六日に私の名前で都道府県知事、政令指定都市に要請をした次第でございます。
 他方、弁護士会との連携もこのような場合重要でございますので、日本弁護士連合会会長にも私から協力方要請を六月二十六日に行いました。
 それから次に、豊田商事自体ではありませんで、豊田商事に類似した商法を行っている企業の被害に消費者が巻き込まれないようにするという問題がございます。これにつきましても、この豊田商事関連一一〇番というような相談窓口を通じまして、そのような悪質な商法に巻き込まれないような啓発、苦情相談をするように要請いたしております。
 それから次に、国民生活センターあるいは地方の消費生活センターに苦情が参っておるのに対して、単に相談に応ずるというだけではなくて、広くこのような問題の啓発と申しますか、情報を提供して一般の消費者に啓発を行うということも極めて重要なことでございまして、そのために国民生活センターで提供しておりますテレビで、例えば六月二十二日に豊田商事の実名入りの啓発番組を流しましたり、そのほかのテレビ、ラジオ、あるいは定期刊行物を通じてPRに努めております。それから。今月下旬には高齢者向けの啓発用リーフレットを国民生活センターで二万五千部作成して都道府県等に配付するというような手だても講じておる次第でございます。
 また、経済企画庁が都道府県に啓発用の交付金を一億円弱交付することにいたしておりますが、これを使ってやはり高齢者等への啓発活動を県レベルでも行っていただくよう措置しておる次第でございます。それらは特に新聞、ラジオ等に日ごろ余り接しない老人の方々の手に届くように、特段の工夫を凝らすように要請しておるところでございます。
 それから、とにかくこの種の問題は再発防止が極めて重要でございますので、今申しましたような一一〇番を通ずる苦情相談でありますとか啓発活動が重要であるとともに、現行法の厳正な適用ということも必要でありまして、これは今申しましたように、現在各省挙げて努力しておるところでございます。
 さらに、それでも漏れるような問題をどうするかということにつきましては、先ほどの六省庁会議の場などを中心にいたしまして、多様な悪徳商法の現状と問題点を分析しまして、効果的な対策をどう考えるかということを総合的にこれから検討していこうと考えております。
 それから、経済企画庁がとった措置についてやや具体的に申し上げますと、六省庁会議は六月十日から三回行っております。それから、今申しました相談体制の強化ということで、豊田商事関連一一〇番の開設要請を行いましたが、国民生活センターでは六月二十八日に開設いたしまして、そのほか都道府県が三十三、政令指定都市が七つということで、現在四十カ所地方自治体において一一〇番が設けられてございます。設けられてないところでも、そういう名前の窓口はないにしても苦情には積極的に対応しておるところであります。
 それから、豊田商事関連の苦情の受け付け状況でございますが、これはお配りしております資料が、国民生活センター及び都道府県立のセンター及び政令指定都市立のセンターで、昨年度及びことしの四月、五月に受け付けた豊田商事及び鹿島商事に関する苦情でございまして、合計四千三百五件でございます。年齢別には2の(2)にございますような次第でありまして、六十歳以上というような高齢者の割合が高いということは御承知のとおりであります。
 それから、二枚目に契約金額別の表がございますが、(4)で総支払い額と一件当たりの金額が出ております。(4)の計のところの一番下にございますように、三・五六と書いてございますが、要するに一件当たり平均三百五十六万円というのが平均の状況でございます。これは五月まででございまして、六月につきましては現在これと同じ対象で都道府県等から情報を集めておりますが、現在集計中でございます。
 それから、一一〇番開設後の国民生活センターへの件数について一言申し上げたいと存じますが、六月二十八日に開設いたしまして、きのうまで五百四十五件豊田商事関連あるいは類似企業の相談が参っております。これは、例えば昨年度、五十九年度全体で国民生活センターだけについて見ますと百七件でございますので、年間百七件に対して開設から一カ月足らずで五百四十五件と非常に多いわけでございますけれども、ただ最初の一週間くらいが非常に多うございまして、一日百件近くあったのですが、その後がなり減っておりまして、最近は十ないし二十件という状況でございます。
 以上のような次第でございますが、この問題の重要性にかんがみまして、今後とも経済企画庁といたしまして万全の努力を引き続き払っていきたいと存じております。
#6
○上坂小委員長 次に、警察庁から説明を聴取いたします。清島刑事局保安部保安課長。
#7
○清島説明員 豊田商事グループに対する現在までの捜査状況について申し上げます。
 警察庁といたしましては、これまで同グループについてその組織実態等の把握を進める一方、あらゆる法令に照らして違法事実の有無を究明するため努力してまいったところであります。
 特に、同商事関連グループの中枢に位置すると認められます銀河計画、豊田商事、豊田ゴルフクラブ、ベルギーダイヤモンド等について、全国警察の組織を挙げて重点的に調査あるいは捜査を進め、既に刑法のほか外国為替及び外国貿易管理法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、無限連鎖講の防止に関する法律、国土利用計画法の違反事実を突きとめまして、それぞれ関係都道府県警察において事案解明のため積極的に捜査を推進しているところであります。
 まず、豊田商事につきましては、本年六月十五日より兵庫県警察が、外国為替及び外国貿易管理法違反事件で豊田商事大阪本社、銀河計画、エバーウェルシーインターナショナル東京事務所、永野一男宅等計七カ所の捜索に着手しております。本件は、大蔵大臣に届け出をしないで現金等を海外に持ち出し及び国内に持ち込んだ容疑事実によりまして、外為法十八条一項あるいは同法二十二条一項違反として強制捜査に着手したものであります。
 また、六月二十六日和歌山県警察本部が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反事件で豊田商事和歌山営業所等計二カ所の捜索に着手しておりますが、本件は、和歌山市内の海中に主成分が鉛のにせインゴットを投棄した容疑事実により、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第十六条二項一号違反として強制捜査に着手したものであります。
 さらに、刑法犯として本年七月五日大阪府警察本部が、銀河計画財務部次長兼豊田商事財務部部長代行菅根良仁、豊田商事財務部出納係長河田数登の二名を強制執行不正免脱事実で逮捕いたしました。さらに七月十日、銀河計画専務取締役山元博美を同容疑事実で逮捕の上、七月五日、六日、十一日にわたり大阪市北区の要事務所等関係十カ所の捜索を実施しております。本件は、豊田商事本社の銀行預金が本年六月三日仮差し押さえを受けたことから、同社の預金債券を隠匿するため、以後同社の各支店から振り込み入金されてくる預金の差し押さえを免れる目的で、六月三日被疑者河田数登名義の個人口座を開設し、六月三日、四日の両日に豊田商事各支店から振り込み入金された預金を河田数登名義口座に移しかえた容疑事実であります。
 次に、豊田ゴルフクラブにつきましては、七月十日岡山県警察が、国土利用計画法違反事件で豊田ゴルフクラブ本社、岡山開発等五カ所の捜索に着手しております。本件は、ゴルフ場の売買に当たり、事前に県知事に対する届け出をしなかった容疑事実により、国土利用計画法第二十三条一項違反として強制捜査に着手したものであります。
 さらに、ベルギーダイヤモンドにつきましては、本年六月二十九日愛知県警察本部が、無限連鎖講の防止に関する法律違反事件で本社等の捜索に着手いたしました。現在まで一道十二県において同法違反事件で支店等五十七カ所の捜索を実施しております。本件は、いわゆるネズミ講を開設、運営等をしていた容疑事実により、無限連鎖講の防止に関する法律第三条違反として強制捜査に着手したものであります。
 以上でありますが、警察としては今後とも捜査を徹底し、豊田商事関連事犯の全容解明に鋭意努力してまいる所存であります。
 なお、この極悪徳悪質商法の根絶を図るために、ねらわれやすい高齢者や主婦等に対する啓蒙啓発活動が必要でありますので、関係省庁とも連携し、この面についての対策も積極的に推進してまいるつもりであります。
#8
○上坂小委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○上坂小委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浦野烋興君。
#10
○浦野小委員 ただいま三省庁から今回の悪徳商法事件に絡む状況等について説明があったわけでありますけれども、これに対しまして若干の質問をいたしますが、その前に、今回のこうした事件を通して私なりに感じておるところを申し上げてみたいと思うのであります。
 今回の豊田商事の事件、これにつきまして私はいろいろなことを考えさせられた。私は、問題視したい第一の点というのは、この種の犯罪というのが社会全体のモラルが極端に緩んでしまったことに大きな要因がある、このように理解するのであります。マスコミの報道は、かつてはおよそ考えられなかったような犯罪を頻繁に伝えておるところであります。動機なき行きずり殺人とか人命軽視の保険金殺人、社会全体を脅かした例のグリコ・森永事件等々。子供の世界でも、これも昔はさほど問題ではなかったと思うのでありますけれども、家庭内暴力であるとか校内暴力であるとかあるいは最近はいじめっ子の問題、およそ自分さえよければ他人にどんな影響を与えても構わないんだ、あるいは法に触れなければ何をしてもよい、こうした身勝手な、また自由の価値を履き違えた風潮というものがこの世の中に蔓延しているような気がしてならぬと思うのであります。
 昨日、中曽根総理がバチカンでローマ法王にお会いになったそうでありますが、その中で総理の発言として、我が国は物質的には豊かになったけれども精神的に堕落をしておる、これを直していかなければならぬ、こう言われたそうでありますが、まさに私はそのとおりだと思っておるわけであります。今回の事件はまさにこうした社会風潮というものを象徴するかのごとき事件であろう、私はこのように受けとめております。
 多くの人々から何らの自制心もなく強引に金を持っていく従業員、他人から集めた金を私腹を肥やすために使い、めども立たないような、採算もとれないような事業にこうした金を安易に注ぎ込んでいってしまう経営者の姿勢、そして事件が発覚すれば、こうした失敗というのは世間によくあることなんだ、商売にうそはつきものなんだと公然とうそぶいている当事者たち、まさに泥棒にも三分の理という言葉もあるのでありますけれども、こうした中で私が最も悪質だと思いますのは、先ほど説明の中にもございましたけれども、社会的に弱い立場にある人の多い高齢者を取引の主要な対象としておる、この点に大きな問題があると思うのであります。強きをくじき弱きを助く、これが我が国の誇る伝統的な精神構造ではなかったかと思うのでありますが、こうした現状をふんまんやる方ない、このように思うのであります。
 また、こうしたモラルの低下というのは、こうした悪徳商法に弁護士が堂々と参加しておるという驚くべき事実としてもあらわれておるような気がいたします。今回の事件で弁護士の果たした役割が明らかになるに伴い、まさに唖然とさせられたような次第でもございます。国民の人権擁護という大切な役割を担う者として、弁護士というのは多くの人々から厳選されておる。またその自治が大幅に認められておるはずであります。今回のケースで見ますときに、人権擁護というような役割は全くなくて、単に法律の抜け道を教える技術屋に成り下がっているのではないか。そもそも法律家のよって立つ基盤は良識であるはずでありますし、社会の秩序と安寧の維持であるはずであります。こうしたことを忘れて、法律知識を悪用し、紛争を生み出すような者は厳しく糾弾されてしかるべきだと思うのです。一部の悪徳な弁護士のために、法律秩序の健全性が疑われるようなことになったり、法治国家の基盤が揺らぐようなことになってはならない、このように強く感ずるところであります。
 また、この豊田商事の会長の職にあったとされる永野という人物が白昼惨殺された、これまた現在の社会の異常さを象徴するものだと思います。まさに衆人環視の中で犯人が堂々と犯罪、それも殺人を完遂し得た。現場に居合わせた人々にとっても極めて意外な出来事であって、愕然といいますか、それに対する対応というものができなかったようでありますけれども、ともかく犯人が何らの支障もなく他人の住居に押し入って殺人を行い得たのであります。社会のどこかがおかしくなっておる、このように思うわけであります。
 そのときの報道機関の方々は、その対応について後日反省の弁を述べられている向きもございましたが、私は、ある雑誌に電話番号が書いてありまして、ここにかけると事件の模様が生々しく聞こえますよというような宣伝をしておる記事を見ました。好奇心を満たすだけの何物でもない。こうしたことが平気でやられておるというところに、これまた世の中おかしいのかな、こう思っているわけであります。
 最後に、もう一点私が強く感じたことなのでありますけれども、現在の社会にあって急速に進む高齢化社会の問題、さっきも申し上げましたが、今回の事件が社会的に弱者の立場にある方々が多い高齢者を対象としたというところから、この事件を通しまして改めて高齢化社会の問題を強く認識した次第であります。現在、そしてまた今後の生活に不安を持つ孤独なお年寄りの存在というもの、社会の変化が核家族化を生み、結果としてお年寄りを放置することになったと言えると思うのであります。こうした孤立したお年寄りが、自分が頼りにする財産について子供たちにも相談しない、また相談できない環境に追い込まれておる、こうした弱い立場の人々の気持ちを思うときに、また暗然として耐えられない気持ちになるわけでございます。
 私は、日本のよき伝統を受け継ぐ意味からも縦の家族のつながりが大切である、こう思います。ここに大平元総理の額が掲げられておりますけれども、総理の田園都市構想の中に、三世代共同生活の構想が唱えられていたと私は思います。この実現こそが今日の社会の健全性確保の観点から強く求められている、そう思っております。
 以上、数点今回の事件から感じましたことを申し上げたわけでありますが、戦後私どもは自由というものを手にした、急速な経済発展の実現の中に豊かさというものもまた手にすることができたわけであります。そのはずでありますけれども、一方何か大切なものを忘れてしまいつつあるのではないか、忘れてしまっておるのではないか。我々の社会を守るためには、各人が自制といいますか、理性を持つことが基本であろうと思うのです。今日こうした自制力あるいは理性を持った社会を取り戻すことが、今回のこうした犯罪をなくする最も肝要なことであると思っております。
 こうした犯罪が起きておるわけでありますが、法律による規制、これまたやればそれでいいというものじゃないと思います。がんじがらめの規制の枠にはめられた社会は住みにくいことに違いないわけでございまして、自制の枠の中で最大限の自由を確保していかなければならぬ。私は、今るる申し上げましたけれども、今回の一連の悪徳商法事件を通しましてこのようなことを感じたわけであります。
 さて、説明をいただきまして、私の今申し上げました観点を踏まえての質問にも入らせていただきたいと思います。
 先ほども御説明がございましたけれども、事件解明が進捗するにつれまして被害者の救済、債権の保護が叫ばれております。債権者保護の観点から総括省庁としての経企庁にお尋ねをいたしますが、豊田商事に資金を預けた人々の債権、これは場合によっては単なる紙切れのようなものになってしまうおそれがあるわけでありまして、何の価値も有しないということになってしまっては債権者にとっても大変なことになろうかと思うのです。こうした点につきまして改めてお尋ねを申し上げたいと思います。
#11
○横溝説明員 豊田商事の問題につきましては、当面その債権の保全、それにより被害者へ払ったお金ができるだけ戻るようになることが極めて重要な点でございますが、これが紙切れになってしまうかどうかという点につきましては、今破産管財人を中心に大変な努力が司法上の手続でされておるところでありますので、紙切れにならないように最大限の努力が払われていることと存じております。
 私どもといたしましては、先ほどもちょっと申しましたように、とにかく債権があるということを届け出ておかなければいけないわけですから、国民生活センターあるいは都道府県等の消費生活センターにそういう方々が苦情を持ってこられますれば、債権保全手続へつなぐつなぎ方をお教えするといいますか、苦情処理の形でそういうことをやっておることが一つございます。
 それから、とにもかくにもこれで生活困窮者が出たらどうなるのかという御質問の御趣旨と考えますと、これは現在生活保護法などがあるわけでありまして、最低限度の生活を維持できない生活困窮者に対しましては生活扶助等が行われておるところでありますので、豊田商事の被害者の方々につきましても、それぞれ個別の実態に即した必要な行政措置を講じていく必要があるわけでありまして、今後とも厚生省とも御相談しながら、あるいはそういう相談窓口を通じて生活困窮者が訴えられた場合には、福祉関係のルートに乗れるようなきめ細かな消費者相談に応じておるところでございます。
#12
○浦野小委員 被害者救済、債権の保護、こうした点につきまして特に最近マスコミも大きく取り上げており、また救済団体等の活発な動きもあるやに聞いておるわけであります。そうした動きの中で、いろいろの御意見、お考えあるいは要請というものもまたあるようでございますが、さっきも御説明がありました豊田商事についてでありますが、七月一日に豊田商事の破産宣告があった。六月の段階で源泉所得税滞納に対応するために豊田商事のビルの敷金あるいは保証金を国税庁が差し押さえた、このような記事も出ておるわけであります。破産会社等に対しては債権の優先順位を持つ国が、言葉は悪いのですけれども、被害者救済の上前をはねているのじゃないかという声が一部ですがある。あるいは国が差し押さえている豊田商事の財産を被害者救済の立場から破産管財人にゆだねたらどうだ、こういう御意見もあるやに伺っておるわけでありますが、この点につきまして所管省庁の受けとめ方、考え方はどのようなものであるか、お尋ねしておきます。
#13
○加藤(廣)説明員 ただいまの先生の御質問に二点御指摘がございました。
 第一点は、国税当局が今回豊田商事株式会社の源泉所得税滞納で財産を差し押さえした、これは被害者に渡るべき財産を国が横取りするといいますか、ピンはねするというような御批判がいろいろ報道関係等に出ておることは承知しております。
 これについて私どもの考え方を申し上げたいと思うのでございますが、まず源泉所得税というものは、御存じのように、会社が従業員に給料等を払った場合に従業員から天引き、いわゆる源泉徴収して国に納めるべき性質のものでございます。そういう資金を従業員から国に納めるべきものとして預かりながら、これを任意に納付しない、こういう場合には、国税当局といたしましてはそれを滞納処分という手段で徴収しなければならない、こういう性質の税金ではないかというふうに考えております。また、そういうことをやらなければ税負担の公平を図るということができないんではないかということで、その点の御理解をいただきたいということが第一点でございます。
 第二点は、国が差し押さえている財産を破産管財人にゆだねたらどうか。まあ結局、差し押さえを解除して破産管財人がこれを処分して、その代金を一般債権者の配当に充てるようにすべきではないか、こういう御質問の意味かと存じますけれども、私ども、もちろん国税債権といいますか、法律に従って国税の歳入を確保するという責任があるわけでございます。したがいまして、国税の滞納が残っている限りは、そしてそれを滞納者が任意納付できない状態の場合には、国税徴収法の規定によりまして財産を差し押さえる、またその差し押さえは滞納が残っている限りは解除できないということに法律でなっておるわけでございます。解除できる要件というのが法律で決められておりまして、滞納が残っている場合に解除できる、そういう規定はないということでございます。したがいまして、破産管財人に滞納者の財産の処分をゆだねる道というのは現行法上はないんだということを御理解いただきたいと思います。
 なお、今回の滞納処分は、破産宣告を会社が受ける前に既に差し押さえしておるわけでございますけれども、破産法によりまして、滞納者が破産宣告を受けた場合でございましても、破産宣告前に着手した滞納処分は破産宣告後もその続行を許すということになってございますので、その点の御説明をしておきたいと思います。
 以上でございます。
#14
○浦野小委員 法の建前といいますか、そうした面から、それぞれの役所としてもやはり法は守っていかなければならぬ、こういうようなお立場もあろうかと思いますが、先ほどお話もございました六省庁連絡会議というものを密にされまして、この債権者保護、被害者救済というものに最大の努力を払っていただきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので、二点ほど一緒に質問をさせていただきます。
 こうした司直の手にゆだねられた豊田商事のような事案、これに類似した商法、これが現在何か十二社くらいあるんだ、これは一般の方々から苦情相談を受けておるというようなところから掌握をされておられるやに聞いておりますが、通産省においてその実態をひとつ説明していただきたい。
 もう一つは、最後のお尋ねになるのですけれども、さっきもこれまた説明がございまして、私は前段の前置きの中でも申し上げたわけでありますが、こうした商法の再発防止、こうしたものに各省庁はそれぞれお考えいただいておるわけでありますけれども、この悪質な商法は広範囲の予防措置を必要とする場合もあるいはあるのかもしれません。しかし、これは安易に法律をもって規制するというのは決してよいものではない。特に、これがひとり歩きをいたしまして正常な商取引までこれを侵害するというようなおそれなしとしない、あるいは運用の適正というものもなかなか難しい面もあるのかもしれない、いわばこの自由社会の保持に十分配慮したものでなければならぬ、これも先ほど申し上げたわけでありますけれども、この点につきまして主要といいますか、中心の経企庁あるいは通産省、この点をあわせて、今申し上げました二つの点につきましてお答えをいただきたいと思います。
#15
○松尾説明員 最初の点についてまずお答えをさせていただきたいと存じますけれども、御指摘にございましたような、金などの販売を行いましてこれを預かるという形の商法を実施している類似の企業のことに関してでございますけれども、私どもこういった企業につきましては、個別相談の案件の点検を行うとともに、各社から事情説明を求めることにいたしまして現在ヒアリングを実施中でございます。ヒアリングの対象企業といたしましては十二社を選んでおりますけれども、このうち二社は既に破産の申請を行いまして裁判所の破産宣告が行われているところでございますので、結局事情聴取は予定しておらないわけでございますけれども、残り十社のうちの五社は既にこの種の商法を取りやめたということを表明しております。そして、これらの企業は既存契約の処理のため資産運用とか新規事業の開拓などを行っていくということを申しております。今後の資産運用等の見通しにつきましては、なおつまびらかでない点も残っておりますので、必要に応じましてさらに資料の提供等を求めているところでございます。また、別の一社につきましても事業転換を検討中との報告が参っているわけでございます。
 それで、十二社のうち破産宣告のございました二社を除く十社のうち今六社について申し上げましたけれども、ヒアリングを実施していない企業につきましては、そのうち一社近日中にヒアリングの予定でございますが、残りの企業につきましてはまだ相手側の都合が調整できておらず確定しておりません。
 既にある程度のヒアリングを実施した企業でこの種の商法の契約実績を見てみますと、一社はやや大きな規模でございますけれども、それを除きますと全体として余り規模が大きくございませんで、契約件数で三百件以下、残存の契約額で見まして数億円という規模でございます。企業の話でございますと、契約者からの解約要求には解約料を要求しながらこれに応じるとの態度を示しているわけでございますけれども、資金繰り上実際の支払いまでに二、三カ月間の猶予期間を求めたり、分割払いを求めているケースもあるようでございます。
 いずれにしましても、各社には経営実態のより詳しい説明を要求しているところでございますけれども、このヒアリングに際しましては、それぞれの企業に寄せられました相談案件に基づきまして勧誘段階での行き過ぎに注意を促しておりますと同時に、今後のトラブル防止のための社会的責任の自覚を強く求めているところでございます。
 第二点につきましては、企画庁からのお答えをお伺いしてまたお答えしたいと思います。
#16
○横溝説明員 再発防止の点でございますが、一つは、具体的に消費者が類似の商法に巻き込まれかけて国、地方の生活センター等に相談に来られた場合に、全く類似の商法で、非常に勧誘が強引であるとか解約になかなか応じないとかいうような場合、そういう契約をしないように、あるいは既に預金通帳等を渡してしまっておるということでありますと、銀行にすぐに連絡をして、それが引き落とされないような手続をするとか、いろいろ個別の実態に応じましてそれ以上巻き込まれないような苦情相談に応じているというのが一つでございます。
 それからもう一つは、そういう窓口に来られない方にも、こういう悪徳商法に巻き込まれないように要するに啓発をする、これはテレビとかラジオとかパンフレットとかポスターとか、いろいろな手段を使いまして啓発をするということがございます。
 それから三番目に、先生かなり基本的な問題提起をなさいましたが、今後要するに立法措置をとるかとらないか、今後本格的な対応はどうかという点でございますが、この点につきましては、何といたしましても現在捜査が進んでおりますので、実態の解明がまだ済んでおりません。それによって現行法でどこまで対処できるかという辺が明らかになってくると思われますので、まずその辺を見きわめる必要がございます。ですから、現行法が全く足りないのか足りるのかという判断はまだ最終的にはできないと思います。
 そういうことがまず一つ基本的にあるわけでございますが、とにかく豊田商事の金現物まがい商法とか、あるいは鹿島商事のゴルフ会員権とか、ベルギーダイヤモンドのネズミ講まがいの商法であるとかいうこと、あるいはそれ以外にもいろいろな新しい資産形成にかかわるサービス関係のこういう問題のありそうな商法というのはかなりこの世の中に現在あるわけでございまして、その辺を実態をまずよく洗いまして、どういう対応ができるかというのを関係省庁と総合的に検討したいと思っております。その中でどうしても新たな立法措置がなければ対応できないというような結論が仮に出てまいりますれば、そういうことも必要かと思いますけれども、現在予断を持って取り組んでおるわけでございませんで、まず実態をよく究明したいと考えております。
#17
○松尾説明員 再発防止に関します先生の御指摘の点のうち、法的な側面につきましてはただいま経済企画庁からお答えのとおりでございますけれども、私ども、法的な側面以外の面からも、最近の状況にかんがみまして消費者トラブルのより一層迅速的確な対応、把握が必要ではないかと考えまして、今般新たに消費者トラブルの情報の収集体制を全国的に強化するということが一つと、定期的に関係課の課長クラスによります消費者トラブル情報連絡会議というものを開設いたすことにいたしまして、発生状況の報告、対応策のあり方などに関する検討を行いまして、問題となりそうなトラブルの早期探知、迅速な対応ができるように今後省を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
#18
○浦野小委員 いろいろと努力をされておられることはよくわかりました。こうした悪徳商法、また新手の犯罪などというものがどんどん出てくるということも考えられるわけであります。どうぞひとつそうした点も踏まえまして一層御努力いただきたいと思います。
 質問を終わります。
#19
○上坂小委員長 和田貞夫君。
#20
○和田(貞)小委員 今回の豊田商事並びに豊田商事グループのいわゆる詐欺商法によりまして、十万人以上とも言われておる被害者を出し、二千億円以上の被害額を出すというような、いわば未曾有の詐欺事件に発展してきた、このことについて、一体その原因というものはどこにあるのか、こういうように事件が拡大してまいった理由というものは一体那辺にあるのか、そして今国民の皆さんが、この問題に対するところの行政の対応の仕方というものが後追い後追いになって極めて手ぬるい、不適切であったというように批判をしておるわけです。元豊田商事に勤務しておった一職員でさえも、自分たちはこの会社に入って会社の状況というものはよく知っておった、国では既にどんな会社であるかはわかっていたはずだ、それなのになぜ早く公表して被害を食いとめなかったのかというように文書で出しておるというような状況でもあるわけです。
 したがいまして、私は、これから質問に入るに当たりまして、それぞれの関係省庁が自分の守備範囲を後生大事にするというようなことであっては、これは国民の行政に対する不信というものがますます募る一方でありますので、そういうような観点に立って、今時被害者の立場に置かれておる多くの皆さんをいかに救済すべきであるか、あるいは今後この種事件の未然防止にどういうように対処していくべきであるか、こういうことを、法律にこだわることなく、自分の行政の守備範囲にこだわることなく、行政への不信を一掃する、ひとつこういう立場に立って御答弁をいただきたい、こういうことをきょう御参加の関係省庁の皆さん方にお願いをしておきたいと思うわけであります。
 そこで、まずこのような事件に発展をしてまいったその原因でありますが、豊田商事によるペーパー商法あるいは豊田商事グループによるところの悪徳商法、これらの被害状況について、先ほど通産省、経企庁、警察庁の方から現時点においてどういうように対処をしておるかという形式的な御説明がございました。しかし、この被害というものを関係当局がいつからどの程度把握しておったのか、あるいはこのペーパー商法が正当な商行為として許されるものであるというように考えておったのか、あるいはそうでないというふうに考えておったのか、どの程度検討しておったのかいその検討の結果、どのような具体的な措置、具体的な対策を講じてきたのか、ひとつもう一度通産省並びに経企庁、警察庁の方から御答弁をお願いしたいと思います。
#21
○松尾説明員 ただいまの豊田商事のことにつきまして、いつからどの程度把握しておりましたかという点につきましては、私どもの消費者相談の窓口には、昭和五十七年ごろから確かに相談事例が出てまいるようになったわけでございます。私どもといたしましては、御案内のように立入調査権等を有しておりませんものですから、同社の商法等につきまして公権力を行使して詳細に知るという立場にはございませんでしたが、相談室に寄せられました相談から、その概要を承知いたしておったわけでございます。いずれにいたしましても、私ども、所管の法律に直に抵触することに当たるというわけにもまいりませんので、このトラブルを防止するためには、何といっても消費者の啓発が重要だという考えを持ちまして、そのための努力を各方面にわたりしてまいったところでございます。
 その実態につきましては、先ほど冒頭の御報告でも申し上げましたように、かなり以前からいろいろなチャネルを通じて消費者への徹底を図ってまいったわけでございますけれども、今後のことに関しましても、先ほど申し上げましたように、類似企業のことも含め、それからまた豊田商事自体の関係者への指導、相談も含めまして、適切な対応を今後とも心がけてまいりたいと思っております。
#22
○横溝説明員 まず豊田商事の悪徳商法をいつごろから把握しておったかという御質問でございますが、私どもの国民生活センターに出てまいりました豊田商事にかかわる相談の一番最初は、五十七年の一月でございました。それ以後、年々件数がふえてきたということでございます。
 それから第二番に、それは正当な商法と考えていたのかどうかという御質問でございますが、これは先生よく御存じのとおりでございますが、まさに法すれすれといいますか、要するに、法に触れないような工夫をしながらやっているということでありまして、今のところ、何法違反とはっきり明確な判断が下されている段階にはなっていないわけでございます。したがって、その商法そのものが違法であるということは、今の段階では言いがたい状況でございます。そこを各省それぞれ鋭意検討しているということでございます。
 しからば、その具体的な措置はどういうものをとったのかという第三番目の御質問でございますが、生活センター等への苦情の内容がよろしくない、要するに、商法そのものが違法であるということではなくて、苦情の内容が、例えば非常に強引な勧誘方法であるとか、あるいは一たん契約した後、解約しようと思っても簡単には解約に応じないとか、そういういわば勧誘方法についていろいろ問題があるということで、それについては一つは生活センター、国のセンターもそうですし、地方のセンターもそうですが、苦情相談の際に、そういう契約には巻き込まれないような対応をするとか、あるいは実際にもう契約しておってなかなか解約してくれないというようなケースにつきましては、具体的に会社の方にかけ合いまして、解約に応ずるようにセンターから説得する、例えば解約の違約金が三割ということでございますけれども、それをもっと少ない、いろいろな事情から三割を二割にするとかそういうことができないかというような折衝をやっておりまして、現実にそういう三割をさらにまけるというようなことをやってもらったこともございます。そういう個別の苦情相談で対応するというのが一つでございました。
 それからもう一つは、やはりこういう悪徳商法の周知を図って、一般の消費者が巻き込まれないように啓発をするということでありまして、これは五十七年当時からテレビ、ラジオあるいはいろいろなパンフレットを使いまして、悪徳商法に御用心というようなタイトル、いろいろなタイトルがございますけれども、鋭意啓発には努力を払ってきたわけでございます。
 にもかかわらずこういう事態になったではないかという点につきましては、私どもも深く反省しなければいけないと思っておりまして、今後PRの仕方等について、こういうお年寄り等弱い立場にある消費者に、より情報がよく行き渡るように工夫をしていかなければいけないなと考えております。
#23
○清島説明員 第一点でございますが、豊田商事に関する相談が警察の相談窓口に寄せられ始めだということを昭和五十七年に入ってから報告を受けておりますので、そのころのことじゃないかというふうに考えます。五十七年でございます。
 第二点でありますが、国会等でもいろいろ追及、御質問がありまして、関心を持って実態を調査するというふうに答弁申し上げてきておるわけでありますが、各都道府県警察に対してもそういうことで実態調査、解明についての指示をやってきたところであります。
 第三点につきましては、先ほども御報告いたしましたとおり、豊田関連のグループのいろいろな商法につきまして、あるいは商法自体じゃなくても、関連グループの行為につきまして違法行為があるかどうか、実態解明に努めまして、違法行為が把握できたものにつきましては一部強制捜査に着手しているものもあるわけでございまして、実態解則と法令適用について今後とも厳しく対処していきたいというふうに考えております。
#24
○和田(貞)小委員 私はもう一度念を押しておきますが、皆さん方のきょうの答弁を通じまして国民の皆さんが納得できるような、そういう自信のある答弁をしてもらいたい。被害者の皆さんが、あなた方の答弁を通じまして、なるほど私らのことも考えてくれておったんだなというように感ずるような、そういう答弁をしてもらわないと、ただ時間が済んだらいいんだ、私の持ち時間が済んだらいいんだ、そういう考え方で答弁をされておったら、ますます行政に対する国民の皆さんの不安が募るばかりであるということをさらに改めて警告しておきたいと思う。
 そこで、そういう観点に立ちまして、それぞれ五十七年ごろから、こういう三者の答弁が今あったわけですが、例えばこの通産省のあなたの方の資料によりますと、五十六年度には既に金の現物まがい商法が百九十六件あったというように数字が出ておるのですよ。五十七年ごろから、そういうあいまいなことをしたり、今お配りいただいたこの通産省の相談受付状況を見たら、五十七年なし、五十八年なし、こういうでたらめな資料を出してやっておる限りは、通産省というのは一体何を考えているんだということをこれは言いたくなりますよ。
 通産省、ひとつお答え願いたいと思いますが、この商法がこのまま推移をしていくと、やがてこういうような詐欺事件に到達するだろうというようなことは考えてなかったですか。
#25
○松尾説明員 国内の金の取引をめぐる消費者相談の件数の推移に関しまして、先ほど冒頭にお配りいたしました資料に五十八年度以前の数字の欄が斜線を引いてございましたのは、ちょっと冒頭にお断り申すべきだったと思いますが、内訳の詳細な集計ができていないために斜線を引いてあるわけでございますけれども、手元の資料では五十七年度三百八十四件、五十八年度九百三十四件という相談件数の集計を……(和田(貞)小委員「五十六年はあったじゃないか」と呼ぶ)五十六年度の資料は手元にございませんが、わかりましたら後ほど確認させていただきたいと思います。
 それから先ほどの第二点のことでございますけれども、確かに消費者の苦情は種々寄せられており、それにつきましてはそれぞれのケースに応じました対応をいたしてまいったわけでございますけれども、一体この豊田商事の商法がどのような形で今後展開していくかというのは、その時点での確たる見通しというのは現象面からはなかなかつかみにくいところがあったわけでございます。私どもが、六月に入りまして、これ以上の被害の拡大を黙視できないと判断して新規契約の締結停止を要請したわけでございますけれども、そのときは実態が、いろいろ解約を企業は約したにもかかわらず、解約金の支払いが行われていない事態、あるいは契約期間が満了したにもかかわらず履行されていない事態が多いということで、現実に社会的に大きな問題となった時点で、異例でございましたけれども停止を要請したところでございまして、それ以前の段階では、具体的なそのような事例による対応というのは困難な段階にあったというふうに考えます。
 いずれにいたしましても、基本は何と申しましても消費者啓発が重要と考えまして、先般来、先ほど来申し上げておりますようないろいろな努力を払ってきたわけでございます。もとよりそれにもかかわらずこれだけ大きな社会問題となりました点は、私どもとしても遺憾に存じておるところでございます。
#26
○和田(貞)小委員 警察庁はどうですか。警察庁は既に五十七年七月の商工委員会で「大変私ども関心を持ちましてこういう答弁をしておるのですが、やがてはこういうような大事件になるということは推定はしておらなかったですか。
#27
○清島説明員 先生御指摘の件は、豊田商事のいわゆるファミリー証券に伴う金商法についての御質問であろうかと思いますが、これにつきましては、商法そのものがまだ犯罪になるかどうか判明してない段階でございますので、その当時から当然、先ほども申しましたように、いろいろな苦情相談が各県警に来たわけでございます。したがいまして、その当時国会でも質問もございましたし、関心を持って実態調査をしたいというふうな答弁をしたかと思います。そういうことで各都道府県警察に対しては実態の調査、いまだ犯罪内部の捜査というわけにはまいりませんので、実態の調査についてのいろいろな指示はしてまいったということでございます。
#28
○和田(貞)小委員 それでは警察庁は、五十六年以来大体どの程度の被害届あるいは苦情あるいは告訴というものがあったのですか、ひとつ警察庁の方に、今御答弁によってたくさんのと言われたのだから、年度別にその件数を明らかにしてください。
#29
○清島説明員 現在私どもの方にいわゆる苦情相談と申しますか、これは年度別にはございませんが、五十七年から本年の二月まで豊田商事の金に関するものが約七百件でございます。
 それから、告訴、被害届はどうかということでございますが、これも私どもが把握しておるもので、詐欺等の罪名で本年に入りまして告訴、被害居合わせまして九件が出ておるということでございます。
#30
○和田(貞)小委員 今五十七年と言われたけれども、五十六年から通産省も経企庁も警察庁もそういう相談なり苦情なりがあったのです。あったからこそ、既に五十七年四月二十七日の衆議院の商工常任委員会で、小委員長の上坂昇代議士が初めて大阪豊田商事という名前を挙げて質問しておる。それからずっとこの方、商工常任委員会なり物価対策特別委員会なり予算委員会で討論をし、議論をされ、そして五十七年以降それぞれあなた方は今と同じような答弁をしてきた。そういう結果今日に至っておる。
 この豊田商事グループによる被害がこれほどまでに大きく拡大し、そしてこのような深刻なことになってきておる原因なり理由というものを、通産省、一体どのように思っておられるのですか、経済企画庁、どういうふうに思っておられるのですか、警察庁、どのように思っておられるのですか。三者の御答弁を願います。
#31
○松尾説明員 先ほども申し上げたわけでございますけれども、手元にちょっと資料がございませんが、先生御指摘のように五十七年度以前にもあるいはぼつぼつあったかもしれませんが、五十七年度以降私どもにもかなりの相談の案件が寄せられてきたのは事実でございます。私どもといたしましては、取り締まりの法令がなかったこともございまして、トラブルの防止の基本は消費者啓発にあるという観点に立ちまして、そのため各種のいろいろな広報活動を通じてきめ細かな啓発を図ってきたところでございます。
 企業のいろいろな内容につきましても、私どもとしては詳細に知るための立入調査権等もございませんでしたものですから、結局実態の把握は消費者相談のルートから概要を聴取していたわけでございまして、その間豊田商事にも種々説明を求めた経緯もございますけれども、当省の督促にもかかわりませず、それにも応じてないということで推移をいたしてまいったところでございます。
 いずれにしましても、そのような努力をしたにもかかわりませずこれだけ大きな社会問題になりましたことは、先ほど申し上げましたとおり大変遺憾なことだと存じておるわけでございまして、今後の対応は関係各省とも相談いたしまして適切に精いっぱいやってまいりたいと考えております。
#32
○横溝説明員 豊田商事の悪徳商法がここまで深刻化した原因ということでございますが、基本的には、先ほど浦野先生も御指摘になりましたが、高齢化社会、核家族化というようなことが一方にありましょうし、国民の中で資産選択意識が高まってきているという中で、非常に巧妙な商法で広まっていったということが基本的にあると思います。
 それで、先生が御指摘になっております点でございますけれども、確かに五十七年の初めごろから、年度でいいますと五十六年度に入りますが、五十七年一月ごろから国民生活センターへの苦情も出たりしておりまして、行政の取り組みといたしましては、先ほど申しましたように、もう五十七年の段階で消費者啓発PRは開始しておりますし、それから苦情相談も、先ほどやや具体的に申し述べましたような消費者に被害がなるべく少なくなるような対応を具体的にやってきたわけでございます。
 もう一つは、消費者保護会議というのがございまして、年に一遍消費者保護政策の推進について、大体十一月ごろに政府が方針を取りまとめる会議がございます。実はこの場で、五十七年十一月の消費者保護会議のときから「金の現物取引等と称する悪質な商品取引による消費者被害を防止するため、消費者啓発に努めるとともに、悪質事犯の取締りを強化する。」ということを決めておりまして、五十七年、五十八年、五十九年とほぼ同様な趣旨のことを決めております。この線に沿って関係各省と連携をとりながら努力をしてきたということでございますが、結果的には先生が問題にしておられますように非常に大きな社会問題になったわけでありまして、その点、私といたしましても大変遺憾に存じております。
 今後の再発防止については、各省と連携をとりながら万全を期するつもりでございます。
#33
○清島説明員 豊田問題がこのように深刻になった原因、理由は何かということでございますが、警察といたしましては、現在捜査中の事件もありますので、その原因、理由について明確に申し上げる段階あるいは立場にありませんので御了解いただきたいと思いますが、一般的に申しますと、一般国民の財産保全の感情あるいは意識につけ入った商法である、かつ、商取引にふなれな老人等を対象に巧妙に勧誘しておること、あるいは営業取引形態が従来見られなかったものであること等が挙げられるのではないかというふうに考えております。
#34
○和田(貞)小委員 今日この行政の対応が非常におくれておるということに、先ほども申し上げたように国民の間から非常に大きな批判がある。私はこの被害の拡大の責任は一体どこにあるのかということを考えるとき、まさに行政の対応のおくれであった、こういうように指摘せざるを得ない、せめて警察庁が外為法違反あるいは出資法違反という疑いで強制捜査に踏み切ったというようなことをやっておったり、あるいは経企庁がもっと積極的に消費者の被害の対応を相談するというようなことをやっておったり、あるいは通産省、経企庁がもっと積極的に法の改正なり、あるいは現行法が無理であれば新しい法律をつくるというようなことを考えておったりするならば、一年前に今のような体制が、通産省が行政指導で営業行為をやめなさいというような通達を出す等をやっておったら、少なくとも被害者を約二分の一ないしは三分の一程度に食いとめることができたということは、もうだれしもそのことが言えることであるわけです。
 昨年の三月十日の予算委員会の分科会で小此木通産大臣が、いろいろ対策を考え、早急に処置するというように言っておる。五十九年四月十二日の物価対策特別委員会で当時の河本経企庁長官が、消費者の立場を守るという政府の政策から考えてゆゆしき事態だと思います、そこで至急前向きに解決をしなければならないので関係省庁と至急相談をしたい、こういう大臣の答弁も繰り返してなされておる。にもかかわらず、あなた方が今日まで大臣のそういう発言を尊重して対処してこなかったというこの責任は免れないです。
 通産省にひとつお尋ねしたいと思いますが、豊田商事が事実上行き詰まってしまってから、行政指導で今申し上げましたようにこの商法をやめるように通達を出しておる。この通達は一体どの法律の根拠に基づいて出されたのか、これをお聞きしたい。
#35
○松尾説明員 御指摘の新規契約の締結停止の指導につきましては、先ほども申し上げましたように、豊田商事の商法の問題は私契約にかかわる問題で、私ども立入調査権もなく、行政上の介入には限界がありましたために、具体的な事実、つまり解約を約したにかかわらず解約金が支払われていない事態、あるいは契約期間が満了したのにもかかわらずそれが履行されていないという事態が多く出まして、社会的に大きな現実的な問題となりましたところで、異例の要請をいたしたわけでございます。
 この根拠は、特別の法律はございませんで、通産省の設置法に基づきまして、法令の表現は必ずしも正確ではないかもしれませんが、流通の適正化を図っていくという観点から行ったものでございます。
#36
○和田(貞)小委員 通産省の設置法、そうすると、その通産省の設置法というのは今できた法律じゃないわけです。なぜそれを昨年やらなかったのか、なぜ四年前にやらなかったのか、なぜ三年前にやらなかったのか。やろうと思ったらできることをやらなかったというその責任は免れない。
 さらに、この豊田商事と同じ手口で今日なお十数社の業者がはびこっておるのですが、これに対しても同様の行政指導というのをするつもりがあるのかどうか、あわせてお答え願いたい。
#37
○松尾説明員 先ほども申し上げましたように、この問題は基本的には私契約にかかわる問題であり、通産省の個別の法律に直に抵触するということでもないということでもございましたので、そのような観点から行政介入には限界があったわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げたような現実、明白に憂慮さるべき事態が具体化した段階で、異例のこととして指導をいたしたわけでございます。
 それから第二の点でございますけれども、類似商法を行っている企業に対する対応でございます。この点は先ほども若干申し上げましたけれども、現在各社から事情の説明を求めておるところでございます。その事情の説明を求める基本的な立場におきましては、相談案件に基づきまして、勧誘段階での行き過ぎの注意を促すのはもとよりでございますけれども、今後のトラブル防止のため社会的に責任を自覚するよう強く求めているわけでございます。何分にもまだヒアリング中であり、まだヒアリングの終了していない企業あるいは資料の提出が行われてない企業等もございますので、ヒアリングの終了を待ち対応いたしたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、対象として考えておりました企業の中には、既に破産宣告を受けたもの、あるいはこの種商法を取りやめたと申しておるものもかなりございますので、その辺の推移を見ながら今後の対応を適切にするよう図ってまいりたいと思っております。
#38
○和田(貞)小委員 今の点は、時間がありませんが、やろうと思ったらできることをやってなかったというあなた方の責任は痛感してもらいたい。当時の小此木通産大臣や河本経済企画庁長官が、先ほど申し上げたようにそれぞれ答弁しているのです。大臣が答弁したものは、これは大臣がやったんだからおれら関係ないわというような態度だからこうなっていく。大臣の答弁というのはもっと大切にしてあなた方やりなさい。
 大蔵省にひとつお尋ねしたいと思いますが、これは秋田地裁で既に出資法違反の判決が出されているわけですね。出資法制定の立法意図というものを大蔵省は一体どのように考えているのです。経済的にも財産的にも裏づけのない全く一枚の紙切れで、銀行でもない証券会社でもないものが一般大衆から現金を広く集める行為が世の中にまかり通ったら、金融の秩序はどうなるのですか。そういうところから考えても、この出資法違反ということが秋田地裁から出されておる現段階において、もっと早く、訴訟の中で答えの出る前に所管の大蔵省が出資法に対する見解を明らかにしておれば、捜査当局ももっと早く手が出せたとお思いにならぬですか。その責任を痛感する立場に立って、この出資法の問題についてお答え願いたい。
#39
○坂説明員 お答えいたします。
 出資法の趣旨ということでございますが、出資法の第二条は、預金のような形で資金を集めまして、その返済が行われないために預け主が迷惑いたしましたり、あるいはその結果金融秩序を乱すことになるような預金類似の行為を規制するという趣旨でございます。
 具体的には、出資法の二条と申しますのは、法律により預かり金をすることが認められている者以外の者が預かり金をすることを禁止しておるわけでございますが、この預かり金と申しますのは、預金と同様の経済的性質を有するものというふうに決まっているわけでございます。
 御指摘の、金等の現物の裏づけのない、いわゆるまがい取引と申しますか、そういうものにつきまして、預金と同様の経済的性質を有するものであるかどうかということでございますけれども、会社のその勧誘行為がどのように行われていたか、あるいはその資金を拠出しておられた方々が、いわば被害者の方々がどのような認識をしておられたか、つまり、預金と同様の経済的性質を有するものかどうかといったことについて、その実態の解明が必要なのではないかというふうに思っておるわけでございます。
 今回問題となっております豊田商事関係の取引形態というのは極めて複雑かつ多様なものでございまして、慎重に対処しなければならないものではなかったかというふうに思っておるわけでございます。現実にこれが出資法違反になるかどうかということにつきましては、私どもとしては、捜査に当たっているわけではないわけでございますけれども、現在捜査当局においてその実態を解明中というふうに伺っておりますので、違反になるかどうかということにつきましては答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
#40
○和田(貞)小委員 時間がありませんので……。今、出資法の預かり金の禁止の二条の見解を言われたのです。その他の罰則規定で、さらにこれよりももっと大きく拡大解釈をして、「何らの名義をもってするを問わず、また、いかなる方法をもってするを問わず、第一条、第二条第一項、第三条、第四条第一項又は第五条第一項の規定に係る禁止を免かれる行為をした者」というように十一条で書かれているわけですね。このことを考えたら、今のような答弁じゃなくて、やはり金融の秩序の保持からいっても、この種の豊田のやり口というものは出資法違反になるという見解を早く出されておったら、捜査当局がもっと動きやすかった、こういうことを指摘しておきたいと思うのです。
 さらに引き続きまして、時間の関係もありますので、そう原因だけを追及しておったら、肝心の被害者の救済策に対してあなた方のこれからの対応の仕方というものが大事な問題になりますので、移りたいと思いますが、大蔵省、豊田商事並びに豊田商事グループから今日まで徴収した租税の種別並びに徴収額、これを年度別に明らかにしてもらいたいと思いますし、あわせて、現在豊田商事グループが滞納しておる租税の種別と滞納額についてもこの際明らかにしてほしい。さらに、滞納処分のために今差し押さえている資産の物件名とその所在地並びに金額、これもこの際ひとつ明らかにしてほしいと思いますが、どうですか。
#41
○加藤(廣)説明員 お答え申し上げます。新聞報道等で、豊田商事株式会社が源泉所得税を滞納しているというような記事がございます。これは承知しております。この点についてはあえて否定はいたしませんけれども、特定の会社の国税の課税額あるいは滞納税額、徴収税額というのは、守秘義務の問題もございますので、公表することは御勘弁いただきたいと思います。
 それから、第二点の差し押さえ財産でございますが、これは新聞報道では、敷金、保証金それから不動産というようなものが報道されております。この点についてもあえて否定はいたしませんけれども、その箇所とか一々場所とかこういう問題につきましては、やはり公表は差し控えさせていただきたいと思います。
#42
○和田(貞)小委員 法律に基づいて正常な手段で事業をやっておったり、あるいは役務を提供したりする、労働を提供したりする者から、その所得に応じて法人税や事業税やあるいは所得税や住民税を課税して徴収するというのは、これは国税徴収法に基づいて当然やるべきことであろうと思うのです。しかし、これはまさに詐欺なのです。大蔵省は、詐欺であろうが強盗であろうが窃盗であろうが強奪であろうが、とにもかくにも取得した金品から徴税するというような態度なのか。こういうようなことが合法だということであれば、この世の中は暗やみです。この種の、あなた方が徴収した徴収額であり、滞納額である以上は、この際、超法規的に被害者救済の立場から税を取り立てる権利を放棄する、あるいは既に徴収いたしました税を被害者の救済のためにこれは差し出すべきである、こういう考え方に私は立つわけなのですが、どうですか。
#43
○加藤(廣)説明員 お答えいたします。
 まず、先生の御指摘の第一点の、正当な役務に基づく所得であるならば課税されるのは当然だけれども、詐欺、強盗その他いわゆる社会的な不法行為といいますか、そういったものに対する所得については課税すべきじゃないじゃないかという御指摘でございました。
 本件の豊田商事株式会社の滞納処分の対象となっておりまするものは源泉所得税だけでございまして、この源泉所得税の中身というのは、役員あるいは職員等に対する給与、報酬を会社が払っておりますので、これは会社がみずから払ったということに基づきまして源泉徴収をした、天引きをした、それを国庫に納めない、任意に納めないということで滞納処分にしたということでございまして、課税の源泉というものは、そういう給与あるいは報酬の一部であるということで御理解いただきたいと思います。
 第二点でございますが、超法規的措置というようなことで国税を減免するなり徴収停止するなりして、被害者に財産が回るようにすべきではないかという御指摘でございますが、私ども、当然法律に基づいて行政をしておるわけでございまして、法律に根拠のないことは、課税する場合であっても、それから既に確定した税額を免除したり執行停止したりする場合でありましても、すべて法律に根拠がないことは許されておらないということでございます。まずそれが基本でございます。
 そういうことでございますので、そういう税務当局の立場をどうか御賢察いただきたいと思います。
#44
○和田(貞)小委員 これは委員長にお願いしたいわけですが、何ぼ言っても私は無理だと思うのです。これは、極めて高度な政治判断の上に立って超法規的に判断をして、そして被害者救済の立場に立たせなければならぬと思いますので、先ほど申し上げました現在までの税の徴収額、今大蔵省の方からお聞きいたしますと、法人税は全然徴収してない、法人税ゼロだったということです。勤労所得税の源泉分だけです。豊田商事がこれだけ悪いことをして、五年間法人税ゼロということです。今までの徴収額を各年度別に、それから現在滞納している滞納額、それからその滞納処分のために差し押さえておる物件、その物件の所在地、これを委員長の責任において資料請求してもらうことを要求します。
 労働省、厚生省、これは税じゃございませんが、同じように社会保険料それから労働保険料、労働保険料の滞納額がことしの五月十五日現在で九千六百万円、社会保険料の滞納分が四月分、五月分合わせて四億九千六百万円。これについては、社会保険庁並びに労働省、先ほども大蔵省に申し上げましたように、被害者救済の立場に立ってこれらの滞納額を放棄する考え方があるかどうか、それぞれお答え願いたいと思います。
#45
○川崎説明員 社会保険料につきましても、国税に準じた性格のものでございますので、同様な事情にあることを御理解いただきたいと思います。
#46
○小島説明員 お答えいたします。
 労働省といたしましても、大蔵省、厚生省と同様に、私どもも徴収すべきは徴収するという立場でございます。いずれにいたしましても、私ども労働保険徴収法に基づいて適正に保険料を徴収することが任務でございますので、それにのっとって、滞納がございますが、何とか以後も適正に徴収していきたいと考えております。
#47
○和田(貞)小委員 これも高度の政治判断を要する問題でありますが、滞納額はもう既に明らかになっておりますので資料要求はしませんけれども、あわせて、先ほどから大蔵省もあなた方も言っているように、これは正当な労働だとみなしておる。一月に八百万円も給料をもらったり、年間一億四千万円の収入があるものが、これは正常な労働に伴う、役務に伴う報酬だと考えること自体、頭がどうにかしておる。したがいまして、私の判断といたしましては、これは正当な労働の報酬でない、こういう見地に立って、大蔵省と同様に労働、厚生両省とも被害者救済のためにせめてこの滞納額は徴収する権利を放棄しなさい、強く意見として申し上げておきます。
 あわせて、そういう不当な収入を得たセールスマンを中心とした社員、これはもちろん月に五百万ももらっているような役員も同じことでございますが、企業ぐるみの詐欺でありますから、これは吐き出さすべきだ。そのために協力をしてもらいたい。たまさか労働省の方は一カ所で事が済むわけですから、大阪本社に東京本社も全部一括して社会保険に入っておったし、それから税と違って、雇用保険もそこから徴収しておったのですから、社会保険の加入者の現住所、それから、これから新しく離職票を切って失業保険の請求手続をそれらがやるわけですから、その際これらの請求者の氏名と現住所、これを資料として提供することはできますか。
#48
○佐藤説明員 豊田商事の従業員に対して求償することに役立てるために、安定所によって把握した際に氏名、住所を公表すべきであるというお尋ねだと思いますけれども、職業安定法におきましては、業務の遂行上知り得ました求人者、求職者に関する個人的な情報は他に漏らしてはならないとされておるところでございますので、従来から、安定所の書類に記載されております内容は、氏名、住所を含めまして一切公表していないところでございます。本件につきましても、いろいろ問題があるということは先ほど来お聞きをしておりますけれども、同様な取り扱いにせざるを得ないと考えております。
#49
○和田(貞)小委員 そういうふうにお答えするだろうと思いました。したがいまして、委員長、これも被害者救済のために行政に協力をさせるためにぜひともその資料を提供してもらうように強く委員長に要求しておきたいと思います。
#50
○上坂小委員長 努力します。
#51
○和田(貞)小委員 これは、今まで言っておりましたけれども、政府が一体になって被害者の皆さんに極めて冷淡な答弁を繰り返しておる。最初からそのことを言っておって、きょうの質問、答弁を通じて国民の皆さんに行政不信を回復するという立場に立って、こうなった以上は、行政がもうひとつ被害者の救済のために協力をしようという姿勢を示していただきたい。
 東京では見られませんでしたけれども、大阪ではこんなものを配っておるのです。中曽根康弘内閣総理大臣と書いてある絵皿です。この現物は、神戸市の灘区の渡辺某という二十八歳の主婦に、八百グラムの契約をしたお礼に配っておるのです。これをもらった被害者四名は私知っております。同じ絵皿が、まだ逮捕されておりませんが、銀河計画の藪内副社長の部屋にも置かれておる。まさか中曽根総理大臣が豊田商事にこれを渡して、しっかりやれというようなことを言ったはずがないと思う。しかし、被害者にしてみたら、こういう絵皿をもらって、いかにも政府のお墨つき、信用を得るために被害者にこういう行為をやっているのです。そういうところからもひとつ政府自体が一体になって、対策会議を持っておりますとか、いや何やらやっていますとか、こんなことをして食うにも食えぬような絵にかいたもちを並べておってもこれは対策にならない。ぜひとも関係当局が、ただ会議をするというだけでなくて、この際、大蔵省も労働省も厚生省も、先ほども申し上げましたようにむしろ破産管財人に協力する、被害者の立場に立って今御苦労いただいておる全国各地の弁護団に協力するという立場に立って、被害者救済措置について努力してもらいたいということをつけ加えておきたいと思うわけであります。
 さらに、法務省来ておられると思いますが、お年寄りの中には、自分の息子や娘にないしょであったためにどうしてもそれを明るみに出したくない、あるいは明治時代の人、大正時代の人というのは、どうしても自分の恥部というものをさらけ出したくないというような心理もあります。あるいは被害届を出すにしても、その訴訟の費用もないという方もおられるわけでありますが、特にお年寄りの被害者に対するところの裁判費用というもの、これは協力をする意味で何とかならぬものかということを法務省にお尋ねしたいと思います。
#52
○宇佐見説明員 訴訟費用の救助の点についてお尋ねでございます。私の所管ではないのでございますけれども、便宜お答えいたします。
 この点につきましては、訴訟費用が払えないという場合については、いわゆる印紙、そういうものについては訴訟が終わるまで支払いを猶予するというような訴訟救助の制度が設けられておるわけでございます。ただ、こういう訴訟につきましては弁護士費用が問題になるわけでございますが、弁護士につきましては費用の救助の対象になっておりません。その点が問題になるわけでございます。それにつきましては、別に法律扶助協会あたりの援助を得るというような方法が考えられるのではないかと思います。
#53
○和田(貞)小委員 法務省もどっさり予算をつけて、被害者救済の立場になってもらいたいということを強く要請しておきたいと思うのです。
 時間の関係もありますので、今後の対策、被害の未然防止、この種の商法の根絶、こういう立場に立って若干質問したいと思うのです。
 経済企画庁にお尋ねしたいと思いますが、消費者保護基本法の第六条は一体どういうように読んで、どういうように考えておられますか。
#54
○横溝説明員 消費者保護基本法の第六条は、「国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行なわなければならない。」というのが第一項でございますが、御存じのとおり、消費者保護基本法は基本法でありまして、非常に基本的なプログラム規定的なものでございます。私はそのように理解しております。
#55
○和田(貞)小委員 何を言うたかわからぬ。聞こえぬ。
#56
○横溝説明員 基本法でございますので、ここで言っております「必要な関係法令の制定又は改正を行なわなければならない。」という精神は、非常に基本的な考え方を述べておるものだと考えます。
#57
○和田(貞)小委員 法制上の措置をうたっておるわけでしょう。だから、出資法を初め現行法でこの種の犯罪を防止することができないということであれば、これを改正したり、改正してもなおおぼつかないということであれば、新しい法律をつくったりそういうことをやって消費者の保護をせいというのがこの基本法の六条の精神なんでしょう。
 金子経済企画庁長官はきょうは来ておりませんが、おるところで一回言いたいけれども、ゆゆしき事態である、政治への信頼を取り戻すためにも、法律改正なり新立法の制定が必要であれば各省庁に要請する、こういうことをあっちこっちで言っておるのです。その金子経企庁長官の発言を受けて経済企画庁は何をやったのですか。金子経済企画庁長官は各省庁に要請すると言っているけれども、実際にそういうような要請をしたのですか。また、その発言を受けた事務当局は、金子長官から具体的にどういうようにせいという指示を受けたのですか、お答え願いたい。
#58
○横溝説明員 大臣の御発言の趣旨は、要するに現在現行法の適用につきまして、捜査によります実態の解明も進んでおりますし、各省でいろいろ検討しておるわけでありまして、まず現行法による実態に応じた措置がとれるかどうか、これを鋭意詰めるというのが第一であります。とにかく、もし現行法では手がつけられないという結論になりました場合にはどういう対応策があるかということで、その中に、新たな立法措置がもし必要であれば当然考えなければいけないという御趣旨の発言だと理解しております。
 私どもといたしましても、関係六省庁会議におきまして、豊田商事問題を含めまして悪徳商法の実態を解明し、何よりもまず現行法の適用の結論が出ることが先でございますけれども、それとあわせて、この悪徳商法にどう対応するか各省と御相談しながらやっていくべき専門家会議の設置なども決めまして、現在その検討を開始したところでございます。
#59
○和田(貞)小委員 これは先が長いですね。これじゃ被害者は納得しませんし国民は安心しませんよ、そんなのんべんだらりと人ごどのようなことを言っておったら。これから検討する、何だこれは。
 法務省にお尋ねしますが、五十九年四月にこの被害者団体から八件の大阪地検に対する豊田商事幹部らの詐欺罪告訴事件を起こしているのですが、そういう捜査の現状についてもお聞きしたいと思いますし、また大阪地検に対しまして、弁護士の皆さん三名の豊田グループの海外タイムスに対しての名誉棄損告訴事件についても、捜査は一体どうなっているのかということも聞きたいのです。さらに、このような豊田商事と同じような詐欺商法を今後根絶させるために、その方策としてこれらの十数社の今まかり通っておる企業に対して、商法五十八条に基づいて解散命令をかける意思があるのかどうかお答え願いたい。国民が納得のいくような答弁をしてくれよ。
#60
○東條説明員 お答え申し上げます。
 現時点におきまして刑事局で把握しております豊田商事の関連事件は、今御指摘の昭和五十九年の四月以降大阪地検及び千葉地検、全部で十件、詐欺あるいは出資法違反ということで告訴、告発を受けて現在鋭意捜査中でございます。
 なお、そのほかに仙台地検にも一件詐欺等で告訴事件がございましたけれども、これは当事者間で話し合いがつきまして告訴が取り消されております。そのほか、現在警察で捜査をしておられます銀河計画の専務取締役山元ほか二名に係る強制執行不正免脱事件、これは現在大阪地検が警察から身柄送致を受けまして捜査中でございます。
#61
○和田(貞)小委員 最後のあれは。
#62
○宇佐見説明員 お答えいたします。
 豊田商事と同様な商法をもって商売をやっている会社に対して解散命令の請求をする意図があるかというお尋ねでございますが、これは私どもの方としてはそういう会社の実態を十分把握しておりません。ただ、解散命令の請求の前提といたしましては、基本的には刑罰法令に触れる行為があったということが前提になるわけでございまして、この点についてもまだ捜査、あるいは開始されているのかどうかもつまびらかにしておりませんけれども、その捜査による解明を待って私どもとしては対処してまいりたい、このように考えております。
#63
○和田(貞)小委員 破産宣告を受けてから解散命令を出しても遅いので、これも非常に対応の仕方が、法務省も手ぬるいと思いますよ。
 これは先に通産省に尋ねてみますが、先ほどもちょっとお答えになったように、通産省設置法に基づいていわば大きな、広範囲な立場に立って豊田商事に営業中止の行政指導をやったわけですね。これは法務省もひとつ聞いてもらいたいと思いますが、今の十数社の企業というものは、例えば東京信金、日立商事、三和信託、ナショナル信金、この四つの会社は豊田商事にもとおった役員が独立して同じことをやっておるのです。あるいは日興商事という東京本社の、そういう金の現物まがい商法をやっている業者もありますし、大阪というところは発祥地ということになるかもわかりませんけれども、大阪債券、日本信用販売、新日本債券、中央債券、大和信用債券、丸萬商事、それから大泉商事と三和商事は既に破産宣告を受けましたのでなんですが、これらはペーパーの名称が違うというだけのことで、豊田と同じようにやはり強引な被害者づくりのセールスのやり方、あるいはその対象も同じように、弱い者を対象に、お年寄りを対象に、ひとり住まいのお年寄り、寝たきり老人に対する営業活動、同じことをやっておるのです。
 だから、まだ豊田商事のような行政指導ができないというのであれば、豊田商事と一体どこが違うのだということを私は知りたいのです。同じことをやっているのです、今後この被害を出さないためにも、通産省としても速やかに豊田商事に出したと同じような行政指導をやって営業停止をさせていく。あるいは法務省も、先ほども言いましたように、商法五十八条によって解散命令を出すという、まだ把握しておらぬというようなことではなしに、しっかり聞いて、できるだけ早いこと解散命令を出すようにやってもらいたいと思うのでございますが、お答え願いたいと思います、
#64
○松尾説明員 先ほど申し上げましたように、十二社のうち破産宣告のあった二社を除く十社につきましては、現在鋭意ヒアリングを行っているところでございまして、その中の五社は、既にこの種商法をやめて他に転換しているものもあり、計画中の企業も一社ある。また、現在まだその商法を続けているという企業については、なお資料の請求等詳細を今聴取いたしているところでございますので、そのような事情の聴取を踏まえて実態に即した対応をしてまいりたいと思いますが、いずれにしてもヒアリングの過程で、先ほど申し上げたように相談案件に基づいて、勧誘段階での行き過ぎがないよう厳に注意を促すとともに、今後のトラブル防止のための社会的責任の自覚については強く求めつつあるところでございます。
#65
○宇佐見説明員 お答えいたします。
 たびたびお答えしているところでございますけれども、商法五十八条の解散命令と申しますのは、その会社の法人格を奪うという、いわば最後の手段でございます。ほかに行政指導なり刑罰権の行使なり適切な対処の仕方がございますれば、その方が優先すべきであるというふうに考えております。
 そういうわけで、私どもとしては、解散命令の請求をするにいたしましても、捜査の状況その他について慎重に見守ってまいりたいと考えている次第でございます。
#66
○和田(貞)小委員 最後に私は、全体を通じまして経済企画庁の方で、消費者保護基本法に基づいて大きな網をかぶせた中で消費者を保護していくという立場に立った消費者保護法というようなものをこの際ぜひともつくって、このような悪徳商法だけでなくて、これはたくさんの悪徳商法がまかり通っておる。最近では官庁目当てに詐欺をやっているやつもおる。きょうは時間がありませんから言いません、またの機会に言いますけれども、訪問販売法なり割賦販売法、これにも大きな抜け穴がある。大きく指定商品というのをあなた方が勝手に決めておる、すべての問題が、すべての商品が全部あかんのや、ただし、こういうような場合のみにこれは適用除外するんだというようなことを考えるような、そういう改正をされたらこんなもの早くからひっかかってしまっておる。あるいは割賦販売、訪販ともに、展示場へ人を引っ張っていったらこれは解約できない、このようなことも改正すべき問題である。マルチやネズミを禁止をしても、マルチまがいやネズミまがいがまかり通るというようなそういう抜け穴もある。そういうような法律も改正しなくちゃならぬし、そういうようなことが通産ができないのであれば、今申し上げたように経済企画庁の方で、国民生活を守る、被害者を守る、消費者を守るという見地に立ったそういう法律の立法化についても検討すべきじゃないか、こういうように思いますし、また警察の方も、先ほど言われたような事件の捜査の状況だけじゃなくて、まだまだ豊田商事やベルギーダイヤその他についていろいろと違反事件があるわけなんですが、そういうようなものをひとつどんどんと摘発するというような態度に立ってもらいたいと思います。
 最後に私、警察の方に質問したいのは、先ほどもちょっと申し上げましたように、不当な営業活動をやって、そして会社ぐるみでしこたまもうけた、そういう外務員を中心とした豊田グループの営業員、それが詐欺事件として告訴が出されたならば、これにちゃんと対応してもらえるかどうかということ、そのことをひとつお答えいただきたいと思います。
#67
○横溝説明員 確かに豊田商事関連のいわゆる悪徳商法に限りませず、それ以外にもいろんな多様な形の悪徳商法的なものがございます。このような各種の商法で消費者が被害をこうむらないようにしなければいけないということは先生御指摘のとおりでございまして、そのために私どもも関係各省と協力し合いながら、各種のそのような商法の実態を洗いまして問題点を明らかにしまして、それに適切に対応できる方策を鋭意つくっていきたいと思います。そういう中でどうしても必要であるという立法措置がもしあるとすれば、それも当然検討の対象になると考えております。
#68
○上野説明員 先ほど保安課長からお答えいたしましたように、現在全国警察におきましていろんな罪名で捜査を進めておるところでございまして、被害を受けられた方々から被害申告等がございましたら適切に処理してまいりたいというふうに考えております。
#69
○和田(貞)小委員 質問の充足しない分を浜西議員の方からやってもらうということで、私質問を終わります。
#70
○上坂小委員長 浜西鉄雄君。
#71
○浜西小委員 大変時間が切迫してまいりましたから、ごく簡潔に御答弁をお願いしたいのですが、一括それぞれ答弁をしていただきます。通産、農水、運輸、外務。
 まず質問の内容は、豊田商事グループがいろいろなことをやってきましたが、既にもう破産をし、だめになったわけですから、これらの資産管理に今入っておる最中だと思いますが、その資産のうちどのようなものが――それぞれの省で今確実に掌握されておる内容と言った方がいいでしょう、まずこれ。
 それから外務関係では、恐らく香港など海外資産、これに対しても当然きちっと把握してもらわなければなりませんから、その把握状況。
 したがって、今ここで答弁できなければ、現在まだ把握中であればその旨で結構であります。長ったらしい答弁は必要ありません。もし今日現在把握してなければ、私が申し上げたことについて、それぞれの省庁が自分の所管範囲である豊田商事グループの資産をどのように把握しておるかということを知りたいわけですから、その問題について、きょう答弁できなければ後日小委員長へ提出してもらうということになります。
 まずそれからいきます。
#72
○松尾説明員 豊田商事グループの現在押さえている資産あるいは海外での状況につきましては、先ほど来申し上げておりますように、私ども、行政的な権限を直に有しているわけではございませんので、現在進行しております民事上の手続等の解明を見守っているところでございます。
#73
○浜西小委員 答弁がないところを見ますと、内容をまだ把握されていないということだろうと推定いたしますので、これは大事なことですから、積極的に行政の側として、国民生活センターとかあるいはそれぞれ弁護士グループが救済に当たっておるわけですから、そういったところに対して早くこの情報を把握をし、全国的な各省庁の、今言う所管にかかわる問題については早目に把握をして、小委員長あてに、こういう状態であるということを届けてもらえばそれでいいわけであります。
 次は、老人対策も関係しますが、今さっき包括的な答弁として、トラブル防止は情報収集体制を強化する。これは当然国民生活センターなど、そういった窓口を通じて把握というふうに受け取りましたが、問題は、それらの国民生活センターの機能というか事務能力を強化するために、これは私の新しい提案みたいなものですが、老人対策費、それぞれ各省庁にあると思うのです。厚生省はもちろんあると思うのです。通産あるいは経企庁、老人対策費以外でも、そういった悪徳商法に対する対策、ヒアリング、当然予算化されておるものをこの際最大限、今後の対応も含めまして、国民生活センターを強化する意思があるかどうか、これを聞いておきたいと思います。
#74
○横溝説明員 国民生活センターの苦情相談に応ずるあるいは苦情処理をするという機能、あるいはいろいろなテレビとかラジオとかパンフレット等を通ずる消費者啓発を行う機能、こういう機能につきましては、まさにこの問題の重要性にかんがみましてできるだけの措置をとるようにいたしております。
 それから、都道府県を経由して企画庁が、消費者啓発情報関係で交付金を一億円弱交付することにいたしておりますけれども、これもこの豊田商事関連といいますか、老人、特に高齢者向けのPRに使うようにお願いしているところであります。
 ですから、現在の予算を新たにオンするということでは必ずしもないのですが、要するに既存の予算の中でその使い方を、現在当面しておりますこの焦眉の問題に向けて使うような体制を国民生活センターあるいは都道府県に置いて、企画庁関係の予算ではそこに重点を置いて使うように措置しておるところでございます。
#75
○吉田説明員 総務庁の六十年度の予算は約八千万弱でございまして、主な内容といたしましては、老人対策の推進のための基礎的な調査が五千万ぐらい、その他経常事務費等で一千五百万ぐらいになっております。
#76
○浜西小委員 今総務庁の答弁がありました。これは大変金額的に小さいわけですが、この際ですから、最初に申し上げましたような国民生活センターを中心にして強化すればそれだけ情報が早くなる、それだけ対処が迅速になるということに通ずるわけですから、強化する意味でひとつ最大限の手だてをお願いしておきたいと思うのです。
 法務の関係につきましては、犯罪被害者等給付金支給法という法律があるはずですから、これに基づいて、今回の問題については当然適用になると思いますので、これも最大限対策をしてもらいたいと思います。答弁をもらうとちょっと私の時間が長くなりますので、そういう意思についてここで申し上げておきますので、最大限のこれからの取り組みをお願いしておきます。
 それから次に、いまさっきから同僚の和田委員がいろいろ申し上げましたが、被害者救済の問題でかなり建前論議、法律論議がされまして、法律に基づいてやるということですから、それにないものはできないという大変つれない答弁でありましたが、特に国税庁に対しては、差し押さえ解除の問題ですが、ここへ大臣が出席しておりませんから超法規的あるいは政治的判断というものが難しいと私も思いましたので、これは後日、この問題についてきちっと整理を図るために、本流通小委員会でそのことと関係する通産省、経企庁、それぞれあると思うのですが、そういう豊田商事に対して今回関係しておる省庁がこぞって、国税庁に対してそういう超法規的、政治的判断に基づいて差し押さえ物件の全員すべてに対してこれを解除をすべきだという要請をするという決議をこの小委員会で行って、後日の手続に入ってもらいたい。このことを私の要望として委員長に申し上げておきます。要請をしておきますので、よろしくその辺の取り計らいをお願いしたいと思います。
#77
○上坂小委員長 善処します。
#78
○浜西小委員 それから警察の関係ですが、これは答弁は要りません。要りませんが、数々の不明確な点があるわけです。これは私が国民の皆さん方から、疑いの声も含めて何かしら不明確な点が多い、テレビに映ったあの状態から見ても、何かあそこに普通では考えられないような裏があるのではないかということも聞いております。したがって、この場では大変答えにくいと思いますから、私の意思として、後日そのことはいずれ、いろいろな捜査その他が終わった段階で明らかにしてもらいたいことでありますが、この永野会長の刺殺犯人が逮捕され、自供の内容もいろいろ私は知りたいわけです。そういう内容について後日明らかにすることによって、警察のとった態度に数々の不信があることについて、それを払拭できることに通ずるわけでありますから、この問題については後日いずれ、捜査がきちっとし、整理された段階では明らかにしてもらいたいということをまず要望しておきます。
 それから、この種の構造詐欺について強力な追及をやっておかないと、さっきからの答弁でもわかるように、行政自身の対応が何となくおくれておったということ、しかも警察も何となく歯切れが悪かったということ、これはほかの委員会でも私は申し上げたわけですが、この種のことについて二度と同じことを起こさせないということを含めて、今後こういう構造詐欺について警察の徹底的な追及、解明をお願いしておきたいと思うのです。
 最後に、警察庁、通産省、経企庁にそれぞれお尋ねをいたします。時間がありませんから、これは最後の質問であります。
 現存する法律では立入調査権がないとかあるいは私的な商法にそこまで踏み入れないとかいうことからして、現在の法律では難しいと判断されるのか。この種のことの再発防止は難しい。ならば新法をつくる必要があるのか、それとも既存の法律の範囲内で対応を早めれば防げるというのか、あるいは一部法改正すれば何とかこの種のことが再び起こらないようにできるのか。そういう物の考えについて、現存する法規でいいのか、悪ければそれを改正する必要があると判断するか、それぞれ聞いて、私の質問はこれで終わりたいと思います。
#79
○松尾説明員 先ほど申し上げましたように、豊田商事の商法そのものは現在私どもの所管しております法律に直に抵触することはないということで、いろいろな強制的な権限の行使は困難ということなんでございますけれども、しかし私どもといたしましては、類似の商法がこれ以上ゆゆしき事態を招くことのなきよう、いろいろ手当てをしていくことは行政面からも最大限やってまいりたいということで、先ほど御答弁申し上げましたけれども、類似商法の企業からのヒアリングを行い、社会的責任の自覚を促す等のことを一方において行っておりますし、さらにまた、このようなことを十分教訓といたしまして、トラブル情報の収集体制の強化あるいはトラブルの発生状況の把握、対応の機動的な展開を行うための省内の連絡会議の設置等のことを早速措置いたしたところでございます。
 しかし、何分にも、いわゆる悪徳商法というものにつきましてはいろいろな形態もあり得ると思いますし、範囲もいろいろ多岐にわたることもあろうかと思います。したがいまして、経済企画庁を中心に開催されております関係省庁の会議におきまして、今後のあり方につきましては、法律面の分析も含め、私どもとしても参加して検討してまいりたいと思っております。
#80
○横溝説明員 現在捜査当局において捜査も進んでおるところでありますし、現行法令の適用ができるかできないかという最終判断はその捜査の進捗による実態の究明、解明にも応じてなされるものと考えておりますので、現時点において、その点についてできるとかできないとか言える段階ではございませんが、とにかくその検討の進捗を見守るということが一つでございますけれども、仮にそういう事態が明らかになった段階において現行法令の適用が不可能であると判明した場合には、消費者利益の擁護増進の観点から、関係省庁と連携をとりながら、各種の悪徳商法の実態、問題点を洗いまして、法的措置も含めた各般の有効な対策を考えなければいけないと考えております。
#81
○清島説明員 現在捜査中の事件もあることもありまして、現段階で御意見を申し上げる立場にないと思いますが、今後の捜査の過程でいろいろ問題点が把握されるだろうと思います。そういうものを検討いたしますとともに、その結果を踏まえて関係省庁とも密接な連携を図ってまいりたいと思います。
#82
○浜西小委員 じゃ、最後に要望しておきます。今の答弁それぞれまだ歯がゆい思いがしますけれども、今から研究し善処するということですから、そういった意味では法改正あるいは新法も含めてという意味に受け取ります。
 さて、そこで最後に、これは委員長にお願いするのですが、この種の国民的な一つの課題になっておる内容審議の小委員会には、小委員会といえども責任ある大臣の出席を求めて開催すべきだと思います。それはそれなりに責任の分野がございますから、いわく言いかだし、明確な私どもの質問に答えられない内容が幾つかあったわけでありますから、ぜひ国民の皆さんが、やはり政府は信頼できる、そういうふうに思ってもらわなければ困るわけでありますから、そういうことを申し上げて私の質問を終わります。
 以上であります。
#83
○上坂小委員長 了承しました。
 午後一時二十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十一分開議
#84
○上坂小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。福岡康夫君。
#85
○福岡小委員 私は本日、ただいま大変問題になっております豊田商事グループ及びその他の豊田商事まがいのペーパー商法業者についていろいろ関係官庁にお聞きしたいと思います。
 まず、ここで私が強調しておきたいことは、今から申し上げます事件はごく最近の六月に行われているということ、それから、これらの被害は欲から出た結果だと簡単に片づけられるものではない、法律知識に暗いひとり暮らしのお年寄りの置かれた特別の事情、すなわち、高齢化社会の中においての核家族時代のもたらす親子断絶下における高齢者の寂しさを根底にした問題であるということに留意していただきたいと思うわけでございます。
 実は、昭和六十年六月二十七日の私の地元の新聞に「広島市内で被害六件 豊田商法まね金取引県立生活センター「くれぐれも注意を」」という大きな見出しで記載されておりまして、私、朝、朝刊を見ましてびっくりしたわけでございます。
 この当時は、豊田商法の問題で日本国じゅうがごった返しておったわけでございます。その時点において豊田商法と同じような問題が起こっておるということに私はびっくりしたわけでございます、そこで私早速、「県立生活センター」と書いてありましたので、消費生活センターの方にお伺いしましていろいろ事情をお聞きしました。
 消費生活センターの実務責任者の方は、今もこの市内では豊田商法と同じような問題が起こっておるのですよ、先生聞いてください、私はいろいろ今まで消費生活センターの第一線で活躍しました。しかし、中央官庁に取り次ぎを行うが、私たちには何ら権限がございません、通産省にも公正取引委員会にも警察の方にもお願いしました、我々第一線の消費生活センターの実務責任者としては、単にこういう問題を総合的に判断いたしまして地元の新聞に公表することで県民の皆さんに尽くす、こういうことしかできませんものですから、こういうことで非常に残念がっておられました。
 そこで、私その被害者の方に直接お会いしてどういう問題がお聞きしたわけでございます。このメモ、直接被害者から私が聴取しておりますので、まずこれを皆さんお聞きになっていただきたいと思います。
  本年六月初めごろ、大泉商事と名のる女性の人から電話があり、私の住所、場所などを聞かれました。その後、数時間後に年齢三十歳くらいの男性のセールスマンが一人訪ねてきました。
  そのセールスマンは、貯金をどのようにしているのかとか、三百万円以上持っていると罪になる、大泉商事に預けると利子は高いし、三百万円以上預けても罪にはならないと言いました。
  とにかく、私のことをお母さん、お母さんととても親切で、私に上手を言いながら、たんすの壊れているところを直してあけるとか言って、ともかく親切でした。
  私は、利子のことやその他幾ら以上は罪になることなど何もわからないし、まして金のセールスなどとは言葉でも聞かなかったので、疑いもせず銀行の人だと思い通帳を出しました。
  すると、セールスマンは、私が全部引き出してあけるから、私の会社へ行きましょうと言って、言われるままに通帳と印鑑を持って広島銀行と郵便局で約一千万円をおろして、現金化すると、自動車で大泉商事へ連れていかれました。
  広島市役所前の立派なビルの六、七階が事務所ということで、六階の立派な事務所へ通されました。
  部屋に入ると、ショーケースの中に金が置いてあり、私はびっくりして、このときだまされているのではないかと思いました。私は不安になり、セールスマンヘだまされているんじゃないですかと言うと、セールスマンは、だましとりませんよ、だましとったら私の命を上げますと言いました。
  しばらくして、女性がお茶を持ってきてくれたときには、その人へ私はだまされているんじゃないでしょうかと言うと、その女性にもだまされていませんよと言われました。今思えば、そのときにその場所で息子に電話一本すればよかったのですが、とにかく早く早くということで電話一本もできなかったのです。
  契約を済ませて自宅へ帰り、心配だったので息子に電話をしたところ、息子はびっくりして飛んで来てくれました。
  息子が大泉商事へ電話をして、契約を解約したいのでお金を返してくださいと言いましたが、大泉商事からは返せないということでした。息子の電話の後、大泉商事のセールスマンがすぐ自宅へ来ました。
  息子は、警察と県庁の消費者生活センターの方と大泉商事へ行きましたが、大泉商事のその担当セールスマンの上司は返さないと言いました。警察ではうちが出る幕ではないと言われ、消費者生活センターには、弁護士に依頼するしかないと言われました。私は弁護士に子供と一緒にお願いに参りました。それで消費者生活センターの紹介で、私は後は弁護士にお願いしたままでございます。
  弁護士の方からの連絡で、六月の末に約一千万円の半分か七五%返すと言ってきましたが、それが一カ月延びて七月の末ということになって、現在は大泉商事は自己破産となってしまいました。
  あれから夜も寝られず、食事ものどを通らず、心臓病の持病があり、毎日悩んでノイローゼぎみです。
  今思えば、最初の電話のときに大泉商事は電話帳で女性の名前を探して私のところへ電話したのではないかと思われます。
  そのとき、お一人ですかとかお寂しいでしょうねと話しかけてきましたので、私が一人きりで生活していると思って、それで数時間後にセールスマンが来たのではないかと思います。主人が亡くなって三年、子供たちは東京に二人、大阪に一人、広島の海田に一人いますが、その子供たちも余り来てくれないので寂しく暮らしています、貯金していたお金は、私が病気になったときの付添料とか、また死んだら子供たちに分け与えてあげようと思っていました。
  弁護士の方は少しでも大泉商事から返してもらえるように努力してみますと言ってくださっています。私、被害者の方からこういうお話を聞いたわけでございます。
 そこで、私、大泉商事なるものを、その後破産とかそういうことで新聞記事に載っておりますのでいろいろ事実から、新聞記事から確定したところ、この広島支店はことしの四月に支店が開設され、広島市内で五月から開業しております。そしてこの被害者は六月の初めに被害を受けております。そして七月十五日にこの会社は自己破産、自分から破産をしておるわけでございます。こういう事態をひとつ御記憶の上、私の質疑に入らしていただきたいと思うわけでございます。
 まず警察庁の方にお尋ねいたしますが、大泉商事株式会社に対して、被害者等から詐欺罪などで警察に対してきょう現在告訴はなされているでしょうか。また、告訴が既にあったとすれば最初の告訴はいつであったか、お伺いしたいと思います。
#86
○清島説明員 お尋ねの会社に関しまして、告訴、告発等は現在までございません。
#87
○福岡小委員 大泉商事株式会社広島支店の営業活動を見ますと、ことしの四月広島支店設立、五月から豊田商法によって、ただいまの被害者のメモのような豊田商法まがいによる営業活動を始め、六月からは被害者が続発し、警察や消費生活センターに被害の訴え、七月十五日に自己破産、私、素人として考えてみても、明らかに刑法における取り込み詐欺に当たる疑いがあると思われるわけでございますが、警察当局は、私自体の考えだと捜査をすべき端緒があるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#88
○上野説明員 お尋ねの件につきまして、現在警察といたしましても情報収集に当たりまして実態の解明に当たっているわけでございますが、現在までのところまだ事実関係の詳細を把握していない状況でございます。
 それで、ただいま御指摘のような取り込み詐欺に当たるのかあるいはその他の法令に当たる事実があるのかどうか、そのことにつきましては現在まだお答えできるような段階に至っておりませんが、いずれにいたしましても事実関係を把握いたしまして、刑罰法令に該当するような事実があれば適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#89
○福岡小委員 警察庁当局にお尋ねいたしますが、この問題、告訴、告発はなかったとしても、この問題は警察庁としてはいつごろ関知されておりましたでしょうか。
#90
○清島説明員 お尋ねの会社につきましては大阪に本社があるということで、この会社が、純金ワイドと称しまして豊田商事と類似の形態で取引を行っておるということにつきまして、六月、まあ日にちちょっと今忘れましたが、六月に大阪府警からの報告を受けております。
#91
○福岡小委員 問題は緊急を要します。ぜひ警察当局、勇気を持って迅速果敢に御処理されんことをお願いしたいんですが、いかがでございましょうか。
#92
○清島説明員 先ほども捜査二課長の方から御答弁申し上げましたように、現物まがい商法ということが言われております。消費者保護あるいは弱者保護の観点から実態把握をいたしまして、法令適用が可能かどうか適正に対処してまいりたいと思います。
#93
○福岡小委員 ぜひひとつ頑張って、よろしくお願いいたします。
 次に、警察庁としては今後豊田商法類似事件の続発に対して、このようにどんどん出てきておるわけでございますが、いかに対処していかれようとするのか、お伺いしたいと思います。
#94
○清島説明員 この現物まがいといいますか、豊田類似商法につきましては、私どもの調査結果でもいろいろな会社を把握しておるわけでございますが、つい先日、これらの会社についての実態解明と、それから豊田商事につきましても同じようにやりましたが、末端勧誘員のいろいろな詐欺なり不退去その他の事案が認められますので、これも積極的にやれということ、その他関係の機関と連携いたしまして、啓発広報等も考慮せよというような通達を出したばかりでございまして、今後とも実態解明、法令適用について検討してまいりたいと思います。
#95
○福岡小委員 次に、豊田商事株式会社グループについてお伺いいたしますが、今までに本件について相談や告訴は何件受理されたのか、また最初に事件の相談を受けたのはいつごろか。一応午前中にお話がありましたが、再確認の意味でひとつお願いいたします。
#96
○清島説明員 豊田商事グループに関する苦情相談、全国調査で本年二月までに七百件ばかり受理しております。その後国会等でこの問題が取り上げられましてマスコミ等にも大きく報道されたということで、以後若干増加しているように思いますが、詳細調査中でございます。
 また、告訴、被害届の受理につきましては、現在七府県におきまして詐欺等の罪名で九件を受理しております。
 先ほど申しました苦情相談いつごろかということでございますが、七百件の統計、五十七年からことしの二月まででございますので、それ以前の資料については把握しておりません。
#97
○福岡小委員 まず最初の警察庁で関知したのは五十七年と見ていい、こういうことでございますね。
 次に、警察が豊田商事株式会社グループに対して強制調査に着手したのはいつごろですか。
#98
○清島説明員 これもけさほども申しましたが、豊田商事に関連した組織的な犯罪といいますか、個々の末端員の勧誘事犯を除いた組織的な犯罪につきましては、本年六月十五日、兵庫県警が外為法で検挙着手いたしました。さらに七月五日に大阪府警が強制執行不正免脱罪で着手しております。
 また、ベルギーダイヤモンド社につきましては六月二十九日、愛知県警が無限連鎖講の防止に関する法律違反で着手をしているところであります。
#99
○福岡小委員 豊田商事株式会社グループ事件を探知してから強制捜査に着手するまで期間が相当長くかかっておる。私、素人でございますが、素人考えからそう思われるわけでございますが、なぜこんなにおくれたのか。また、強制捜査に着手するのに何か問題があったのであれば御説明願いたいと思うわけでございます。
#100
○清島説明員 豊田商事による純金ファミリー契約商法あるいはベルギーダイヤモンド社による宝石の紹介販売商法等の豊田商事関連事案につきましては、警察に寄せられました相談等を端緒といたしまして実態解明を積極的にやってまいったわけでありますが、豊田商事グループの社員が顧客勧誘等に絡んで及んだ事件、例えば先ほど申しました不退去、恐喝、傷害、迷惑防止条例等につきましてはその都度捜査に着手いたしまして、既に十六件、二十一名を現行犯的に検挙するということで、全国警察挙げて取り組んできたわけでありますが、こうした過程において把握した同グループの商法も、従来見られなかった新たな営業取引形態であるというふうに認められました。したがいまして、それぞれの商法の実態を十分に明らかにした上、事案に即した法令の適用について検討する必要があるということで相当の期間を要しておるというところであります。
 今後は、着手している事件の捜査を徹底するのはもちろんでありますが、その過程で認められる捜査上の問題点について詰めていきまして、その結果を踏まえて今後の対策を考えていきたいと考えております。
#101
○福岡小委員 午前中の審議におきましても行政当局は着手が遅いんじゃないかという御意見もございました。その汚名を挽回する上でも、御苦労さんでございますが、後の処理については勇気と決断を持って事件の処理に当たることを要望いたします。
 次に、公正取引委員会に移りたいわけでございますが、豊田商事グループの事件について独禁法及び景品表示法により規制できないかどうか、お伺いしたいと思うわけであります。今後、豊田商事グループ類似の事件が発生することも予想されますが、公正取引委員会としてどのように対応していかれるのか、お伺いしたいと思います。
#102
○利部説明員 お答えいたします。
 今般の豊田商事の問題につきましては、はなはだ残念ではございますが、景品表示法、独占禁止法では効果的な打撃を与えることができなかったわけでございます。これは独占禁止法、景品表示法は基本的にまともな商売をやっていて、そのやり方が公正な競争秩序に反するという場合にやり方を正せというところにねらいがあるわけでございまして、今般の豊田商事のごときは基本的にそういうやり方が存在してはいけないわけで、どこを直したら続けてもいいという生易しいような、不当性の程度が公正競争問題以前の問題だ、そういうことで効果的な打撃を与えることができなかったわけでございます。
 さりとて今後いわゆる悪徳商法が出てきました場合にはあるいは独占禁止法、景表法で有効な規制をすることができる場合がありましょうから、そういう場合はこの法律を適用することに何らためらうものではございません。
#103
○福岡小委員 豊田商事グループのペーパー商法の事件に関して公正取引委員会がきょう現在受理している件数、及び最初に受理した年月日をお示し願いたいと思います。
#104
○地頭所説明員 お答えいたします。
 最初に、ベルギーダイヤモンド株式会社に対する件につきまして、昭和六十年二月二十一日に独占禁止法で禁止しているところの不公正な取引方法に該当する疑いがあるので調査を求めるという趣旨の申告を受け付けております。
 その後、豊田商事のいわゆる純金ファミリー証券等の商法につきまして六月十一日付で、実際に受理いたしましたのは十二日でございますが、六月十三日に同じく独禁法の不公正な取引方法に該当する疑いで調査を求める趣旨の申告を受け付けております。
 以上の二件でございます。
#105
○福岡小委員 今申されましたベルギーダイヤモンドの事件の端緒については、公正取引委員会としては現在どのように対応されているのか、わかる範囲内で進捗状況をおっしゃっていただきたいと思います。
#106
○地頭所説明員 現在、関係の資料等をもとに調査検討しているところでございます。独占禁止法の不公正な取引方法の一般指定というのがございますが、この一般指定の八項の欺瞞的な顧客誘引あるいは九項の不当な利益による顧客誘引のいずれかの要件に当たるかどうかということで、事実関係を調査の上検討している段階でございます。
#107
○福岡小委員 次に、通産省にお伺いしたいわけでございますが、豊田商事グループ及び大泉商事等のペーパー商法に対するきょう現在における受け付け件数はどうなっておるのか、また、最初に相談を受けたのはいつか、豊田商事についてはいつから行政指導を始めたのか。午前中の報告はわかっておりますが、もう一度再確認のためお願いしたいと思います。
#108
○松尾説明員 午前中申し上げましたように、豊田商事を大半の案件といたしますけれども、金の現物まがいの商法に関する相談件数はけさほどお配りいたしました資料にございますように、五十九年度は件数はそこに載っておりますように千三百七十八件でございましたが、五十七年度三百八十四件、五十八年度九百三十四件となっておりまして、それらの件数の大半が豊田商事グループのものであろうと存じております。
 したがいまして、私どもとして確かに豊田商事の商法につきまして行政的に関知いたした確かな時期というのは五十七年度からかと思っておるわけでございますけれども、これに対する対応といたしましては、午前中もお答え申し上げましたように、私どもの立場からいたしますと、所管する法律に直に抵触するものでもございませんので、また、かつ私契約の問題でもあり、私どもとしては限界のある中で、個々の相談を通じましてこれに対する対応をいたしてまいってきたのが従来の経緯でございまして、直接に豊田商事に対する具体的な、明示的な指導が行われたのは、先ほどの、六月に入りまして新たな営業行為を行わないような要請をいたしたところが直接的なものでございます。
 その間におきまして、豊田商事にはヒアリングをすべく接触を図りましたけれども、それに企業の側で応じてなかったというような経緯もありまして、直接の指導は行ってきておらなかったわけで、六月になりまして、先ほど申し上げたような文書による指導を行ったところでございます。
#109
○福岡小委員 ベルギーダイヤモンドの事件について、訪販法の十一条の適用は難しいと通産省の方は言われているということでございますが、どういう点が難しいのかお聞かせ願いたいと思います。
#110
○松尾説明員 ベルギーダイヤモンドがいわゆるマルチ商法に当たるかどうかということかと存じますけれども、訪問販売法の十一条では、マルチ商法の要件といたしまして、いわゆる「連鎖販売取引」でございますけれども、「物品の販売の事業であって、販売の目的物たる物品の再販売をする者を特定利益を収受し得ることをもって誘引し、その者と特定負担をすることを条件とするその商品の販売に係る取引」ということに定義されているわけでございますけれども、御指摘のこのベルギーダイヤモンドによるダイヤモンドの販売につきましても私どもの相談窓口にもいろいろ問い合わせがあるところでございますけれども、それによって見ますと、この会社の商法というのは、会社が自分の店頭で商品販売を行っておりますが、また、ダイヤモンドを購入してメンバーになれば、それ以降メンバーがダイヤモンドの購入者を紹介した場合一定の紹介料を得るという商法になっておると理解いたしておりまして、先ほど申し上げました要件、つまり物品の再販売を行う形ではないということで、私どもとしてはこの訪問販売法十一条に言う「連鎖販売取引」に相当しないというふうに考えておるわけでございます。
#111
○福岡小委員 今いろいろ通産省のお話を聞いておりますと、自分の所管する法律に合わないからできなかったのだ。
 では、お尋ねいたしますけれども、通産省は今までそういう問題について行政指導を行ったことはないのですか。ございますか。
#112
○松尾説明員 ただいまのような法律に言うマルチ商法ではございませんけれども、マルチまがいの商法につきまして、直ちに法律を適用して何らかの制裁を講ずることが困難なことは申し上げたとおりなのでございますけれども、私どももこのようなまがいの商法が消費者に大変な迷惑を及ぼしていることにつきましての懸念は十分持っているところでございまして、このためには何をおきましても消費者にマルチ商法の何たるかをよく理解をしていただく、それを通じまして、マルチまがいの商法についても消費者が十分な知識を持って対応していただくような啓蒙を行うことを進めてまいってきたところでございます。
#113
○福岡小委員 答弁になっていないと思うのですが、今私がお尋ねしたのは、通産省は、産業政策について、また流通行政の担当官庁として、今まで行政指導を行った事実は相当数あるはずです。法的根拠がないから何ら処置をしなかった、こういうことは許されるわけはないのです。今まで多々行っているのです。これは消費者行政においても相当数あります。
 去る六月十九日付で豊田商事株式会社あてに、新規の勧誘及び契約締結の停止を勧告されておりますが、このような文書をなぜもっと早く出さなかったのか、私はどうも合点がいかないわけです。午前中の答弁では、通産省設置法に基づいて行政指導を行ったと言っております。今までの通産政策の大部分は行政指導でやる、これははっきりしておるわけです。なぜこれをここまで放置しておったのか、その点についてはいかがでしょうか。
#114
○松尾説明員 午前中にも申し上げましたけれども、豊田商事に対します指導文書につきましては、通産省設置法に基づく任務遂行のために、異例の措置として新規契約の締結の停止を要請したわけでございますけれども、これも申し上げましたように、六月に実施をいたしました時期に至りまして、いろいろ解約を約したのにもかかわりませず解約金が支払われていない事態あるいは契約期間が満了したのにかかわらず履行されていない事態が大変多く出てまいりまして、社会的に大きな問題が現実化したという事態を踏まえまして、異例の措置として締結停止を要請したところでございます。
 ベルギーダイヤモンドにつきましても、いろいろ消費者相談に応じまして、私どもとしては消費者に対する必要な指導助言はいたしてまいりましたけれども、このような豊田商事の指導文書の場合におけるような現実、明白、かつ具体的で多大な影響のある行為が累積した場合の異例の措置は、やはりそれなりの要件を備えたときに行っていくことが必要ではないかという判断であったわけでございます。
#115
○福岡小委員 なぜ豊田商事だけ異例な措置なのですか。
 では、今までに文書なり口頭で通産省として行政指導の措置を行ったことは一切ございませんか。
#116
○松尾説明員 先ほど申し上げましたように、豊田商事に対します指導の場合には、先ほど申し上げたような異例な指導を行うに相当する異例な事態の現実化を踏まえまして、豊田商事側においても、通産省が設置法の任務に基づいて行います指導に先方も従う、これは法律の強制権限ではございませんけれども、通産省の指導説得に従うというべき社会的な基盤が十分醸成された中で行われたものでございますが、ベルギーダイヤモンドの場合にはそのような基盤が十分醸成し切れていなかったことからそれを単独で行わなかったものでありますが、先ほど申し上げましたように、直接当該企業には指導は行いませんでしたけれども、消費者からの相談への対応あるいは啓蒙普及、この点につきましては十分意を尽くしてやってまいったつもりでございます。
#117
○福岡小委員 私が問うておるのは、今までに通産省の産業政策なり消費者行政で、口頭または文書によって指導した例はあるかないかということを聞いておるのです。
#118
○上坂小委員長 質問をよく聞いておいて、正確な答弁をしてください。
#119
○松尾説明員 通産省の行政指導は、いろいろな局面において、いろいろな行政指導を行っておりますが、それぞれ行政分野ごとにいろいろな事情に応じて行っている例がありますけれども、これらを一括してくくって申せば、先ほど申し上げたような要件に該当する場合に行うものだったのであろうと思います。
 いずれにいたしましても、法律の強制権限のない背景のもとで、相手が私どもの指導助言を納得してそれを受け入れるという基盤があることが行政指導が行われる前提であることを特に申し上げたかったわけでございます。
#120
○福岡小委員 口頭なり文書のいろいろな産業政策の行政指導というのは、関係企業なり関係事業者団体等について相当数あるのでしょう。ないのですか。それだけで結構です。
#121
○松尾説明員 いろいろございます。
#122
○福岡小委員 次に、国税庁に移らしていただきたいわけでございますが、豊田商事及び類似商法は金そのものを売るのではなく、顧客の手に入るのは純金契約証券と呼ばれる一種の預かり証券ですか、お金と引きかえに手に入る預かり証券は証券取引法に定める証券ではないので、証券取引法に定められている保護を受けさせることはできないと存じます。このような金(きん)の裏づけのない取引は出資法違反になるのではないかと、この考え方は昭和六十年六月の秋田地方裁判所の民事の判決で出されておるわけでございます。また、証券取引法を改正してこのような預かり証券も証券取引法での規制対象に加える必要が私はあると思うわけでございますが、この点について国税庁当局の御見解をお伺いしたいと思います。
#123
○中島説明員 お答えいたします。
 ただいまの証取法との関係の点でございますが、先生御存じのとおり、証券取引法では第二条に有価証券の定義規定を置いておりまして、第一号の国債以下八号まで有価証券を限定的に列挙しているわけでございます。そのほかに九号といたしまして、「その他政令で定める証券又は証書」というような規定がございまして、政令指定ができるということになっておるわけでございますけれども、ここで申しております証券取引法上の有価証券というものがどういうものかという点につきまして、いろいろ学者の意見もあるようでございますけれども、私ども一般的には国債でありますとか株券でありますとか、あるいは社債券でありますとか、そこの二条に書いてありますように、広く国民の貯蓄手段といいますか、あるいは投資手段として利用され、広範な市場性と申しますか流通性というようなものを持っておるものというふうに考えているわけでございます。
 ただいま先生から御指摘がありました預かり証と申しますのは、こういった有価証券とは性格を異にしておりまして、単なる免責証券とかあるいは証拠証券というふうに呼ばれているものではないかというふうに考えております。
 証券取引法では、こういうふうに第二条で定義されました有価証券につきましては証券会社しか取り扱えないということにいたしておりますし、あるいはまた取引所でなければその集団的な売買は行えないという形にいたしまして、大蔵省の方で、証券会社については免許制、証券取引所についても免許制ということで、証券会社、証券取引所を厳しく監督いたしまして、そういったことを通じて健全な証券市場の育成を図っているというような状況にあるわけでございます。
 そういった証取法全体の法律の体系と申しますか組み立て方から申しまして、ただいま先生から御指摘のありました預かり証というような免責証券あるいは証拠証券といったようなものを証取法の体系の中に取り込むということには無理があるのではないか、証取法の有価証券にはなじまないのではないか、そういうふうに考えております。
#124
○福岡小委員 次に、経済企画庁にお尋ねいたします。
 昭和五十九年四月十二日の衆議院物価問題等に関する特別委員会において、豊田商事の悪徳商法に対する対策について我が党の宮地委員が河本国務大臣に質問しております。そこでの河本長官の答弁の中に「政府といたしましてもこの問題を何らかの形で至急前向きに解決をしなければならぬ、」「このように考えておりまして、関係省庁と至急相談をしたいこと答弁されておりますが、この答弁の具体化、実現化について、経済企画庁としては今までにどのように対処されたのか、お伺いしたいと思います。
#125
○横溝説明員 金等の現物まがい取引に対する対応につきましては、そのような当時の長官の御答弁もありまして、各省と連携を密にして対応を図ってきたところでございますが、例えば、昨年十一月の消費者保護会議におきまして、不法事犯の取り締まりの強化等各種法令の厳格な適用、及び随時迅速な情報提供を行うことが決定されております。そういう線に沿って、経済企画庁としては関係省庁と連携しながらこの消費者保護会議の決定の実施に努力しているところでございます。
 この迅速な情報提供に関連いたしましては、午前の会議以来いろいろ申し述べておりますように、いろいろな手段を通じてやっておりますし、それから個別の苦情相談、これは国民生活センターあるいは地方の消費生活センター等で個別の苦情相談に対応することによって、被害者がなるべく出ないような相談も行ってきたわけであります。
 さらに、ことしの五月以降、特に六月に入ってからですけれども、豊田商事が今お話がありましたような解約金の支払いをストップをするというような新しい事態が生じましたので、特に関係六省庁の会議を設けまして、現行法令の適用とか、そういう消費者啓発問題について御相談申し上げておるところでございます。
#126
○福岡小委員 時間がないので急ぎますが、今回の豊田商事グループの被害者は、欲が絡んでの結果と言われる方もいると思いますけれども、マル優等税務行政に絡んでの欺瞞的行為が巧みに行われ、いわば社会的弱者たる多くのお年寄りの方が被害者となっております。現在一円でも多くのこれらの気の毒な被害者の救済について、国としては真剣に考えていく必要があると私は思うわけでございます。悪徳商法と認識していながら放置してきた国の不作為行為を問題とすれば、国家賠償法適用のことも問題になってくると聞き及んでおります。
 そこで、経済企画庁がリーダーシップをとって、大蔵省、自治省、厚生省等関係官庁と協議して、これらの租税債権等の放棄を豊田商事や銀河計画の破産管財人が申し入れてきた場合、国民とのコンセンサスが得られるかどうかはまた問題にもなってくると思いますので、関係六官庁としてそういう問題を考える場をこしらえる必要があると思いますが、御見解を承りたいと思います。
 ただ、これは政治的な問題なので、担当局長、課長でお答えができないと思いますが、担当の経済企画庁長官にはぜひ上に上げていただきたい、そして閣議で御検討されることを上申していただきたいと思いますので、ひとつ御決意を御披露願いたいと思います。
#127
○横溝説明員 これも先ほど来の御質疑の中で出ておりましたように、行政といたしましては法律に基づいてということでありますので、その範囲内の制約があるわけでございますけれども、先生の大臣に上げ、閣議で検討してはどうかという御提案につきましては、大臣に早速御報告申し上げたいと思います。
#128
○福岡小委員 ぜひお願いしたいと思います。福田内閣当時、海外の飛行機乗っ取り事件のときに、犯罪人に対しましても超法規的に政治的処理としてこの問題を解決して、人命尊重の問題を処理しております。前例があります。ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 もう時間が参りましたので、最後に経済企画庁の方に御質問とお願いをしたいのです。
 これに対するいろいろな消費者啓発の問題でございますが、消費者行政を末端でやっているのは大体市町村なり県でございますので、私いろいろお聞きしたわけでございます。その中に、「神戸市民のくらしをまもる条例」によると、不当な取引方法の禁止を規定しており、この規定によると豊田商事のごとき欺瞞的商法は該当すると思われます。「市長は、」不当な取引方法の禁止に「違反し、商品及び役務を提供している者に対して、その違反を是正するために必要な措置をとるべきことを指導し、又は勧告することができる。」この「勧告に従わないときは、事業者の氏名又は名称、商品名又は役務名」を「公表することができる。」とあります。このような公表という制裁措置は悪徳商法退治において相当の効果があると私は思うわけでございます。経済企画庁としても、このような条例の制定を地方公共団体に積極的に指導してはどうかと存じますが、いかがでございましょうか。
#129
○横溝説明員 御指摘のように、神戸市に消費者を守るためということで暮らしの条例がございますが、今先生が御指摘になった内容のものが共通しているかどうかはちょっとチェックしておりませんが、要するにこういう暮らしの条例という名前のものは実は各都道府県すべてに既に現在あるようでございます。
 ですから、今、つくるように行政指導してはどうかという御指摘でございましたが、調べましたところ、内容的に今先生がおっしゃったようなものが全部にあるかどうか、ちょっとそこまではチェックしておりませんけれども、暮らしの条例というのは一応既にあるようでございます。私、今お伺いした感じでは、不当な取引方法に当たるかどうかというところが議論があり得る点だと思いますけれども、いずれにいたしましても、一応全都道府県にあるということでございます。
#130
○福岡小委員 今局長、全部あるとおっしゃいましたが、私が今言った法律の構成要件を全うするものは神戸市しかございません。もう一度御検討してほしいと思います。
 全部ありますか。
#131
○横溝説明員 内容につきましては、今の時点で検討しておりませんので、検討させていただきたいと思います。
#132
○福岡小委員 次に、法務省にお尋ねしたいのでございます。
 先ほど私は、悪徳商法の事件を御披露させていただいたわけでございますが、この企業である大泉商事に係る破産管財業務が迅速的確になされるよう強制執行免脱罪に該当する隠匿された財産の破産財団への取り戻しについて、法務省としては積極的に配慮していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#133
○宇佐見説明員 先生御承知のとおり、破産の申し立てがなされますと、原則として裁判所がその財産の保全措置をとります。それから、破産宣告がなされますと財産がすべて破産管財人の管理下に置かれまして、財産が故意に隠匿されているというような場合は、場合によっては否認権を行使する、否認訴訟を起こすというようなことで取り戻す措置も可能でございます。これは一切裁判所の監督のもとに破産管財人が財産の管理をする建前になっております。法務省としてどうこうする立場にございませんので、その点、御承知おき願いたいと思います。
#134
○福岡小委員 裁判行政としての御指導もできませんでしょうか。
#135
○宇佐見説明員 ただいま御説明申し上げましたとおり、破産裁判所が破産管財人を監督して破産管財人が財産の管理をするという建前になっております。
#136
○福岡小委員 私は、悪徳商法をめぐる問題点について関係当局にいろいろ質疑してまいりましたが、要するに豊田商事株式会社グループについては被害者のできるだけの救済を第一に考えて行政を進め、また、豊田商法については、豊田商事グループの場合のように行政が後手後手に回らないよう各関係官庁連絡会議を数多く開き、縦割り行政の弊害を克服して悪徳商法の根絶に向けて総合的対策を強力に推進していかれますよう訴えまして、本日の私の質疑を終わらせていただきます。
#137
○上坂小委員長 田中慶秋君。
#138
○田中(慶)小委員 私は、今日の社会的に悪徳商法と言われる豊田商事及びこれにまがいする実態の問題等を突きながら質問させていただきたいと思います。
 特に、銀河計画の破産で豊田商事グループは資金源を絶たれたということは事実上の壊滅になり、破産管財人グループがこの全容を解明するため動き出しておりますけれども、書類などが事前に処分されたりいろいろな問題があって、この被害の解明への道は大変厳しいという態度で臨まれているようであります。
 しかし、なぜ被害がこんなに広がる前に摘発できなかったのだろう、あるいは悪徳商法をやめさせることができなかったのかという形で、警察や国の行政等の及び腰に対する被害者の立場でのいら立ちや不満の声が大変大きくなっていることは事実であります。
 こういうことを含めて、少なくとも今日の縦割り行政や行政のひずみがこのような形で、縄張り意識の問題を含めて、四年間という実態の中でそれぞれに事前の手を打たなかったところに大きな問題があったのではないかと私は思います。
 加えて、今度の問題には、まさしくこの豊田商法に関連する弁護士が以前に訪問販売を検討された検事であった、それがそれぞれのすべての法の裏をかいて今回の大きな豊田商法の問題になった、約十万人とも言われるようなあるいは二千億とも言われるような被害が出ている、これが実態だと思います。
 これらについて、まず主務官庁であった通産省は、なぜこれまで豊田商事に対する行政指導をもっと的確に行わなかったのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
#139
○松尾説明員 豊田商事に関連いたしました相談が通産省の窓口に昭和五十七年ごろから数多く寄せられてきたことは確かに事実でございます。しかしながら、私どもといたしましては、当省所管の法律の中には豊田商事のこの商法を直に取り締まる法令がなかったこともございまして、このトラブルを防止するためには基本は消費者の啓発にあるということを考えまして、そのための努力を払ってきたところでございます。
 それにもかかわらず、これだけ大きな社会問題になったことはまことに遺憾に存じておるわけでございますが、その間の過程におきましては、個別の消費者の相談に対して適切な対応を、指導助言することももちろんいたしましたし、豊田商事自体も呼んで実情を聴取するような努力もいたしたのでございますけれども、企業の側がこれに応じなかったというようなこともありまして実効を上げることがなかなかできなかったわけで、先ほど申し上げましたように、六月に入りまして新たな勧誘行為の停止を指導するに至った次第でございます。
 今後について考えてみますと、やはり類似商法の再発防止のために、先ほど申し上げましたような類似商法をやっております企業のヒアリングあるいは早期に苦情を収拾処理できるような省内体制の確立等を通じて、このようなことが再び繰り返されることのないように注意してまいりたいと思います。
#140
○田中(慶)小委員 豊田商事の石川社長が、少なくとも通産省から行政指導は一度もされていない、こういうことを先般の参考人で出席した際に私の質問に答えているわけであります。こういうことが事実でありますし、あなたのところは内部で、うちが関係している訪問販売法については違反は一つもない、商取引の自由の原則がある以上違反したとは考えられない、こういう態度であるならば、あなたはいろいろなことを努力したと言われておりますけれども、この問題の解決にならぬ。既に被害者がこれだけ出ているにもかかわらず、訪問販売法というものを、私は六月の時点においても見直す意思がないのかどうかということも質問させていただきました。今日まで現実にはその訪問販売法の見直しがどうなっているかも含めて、そして、内部が、こういう形の中で幾ら被害者が出ていても訪問販売法に違反していない。ただ訪販だけを、あなたの方は自分たちのエリアだけを守ろうとしている、役所の一番悪い癖を出しているわけです。もっとひどいことは、あなたのところの部下には、なぜうちだけがこんなことをやらなければいけないのですかということを言われている人もいるのです。こういうことも含めて、豊田商事の実態というものが、これだけ被害が出たところで現実には解明できない、こんなふうに思われるのですけれども、あなたはそれに対してどう考えられておるか、明確に答えていただきたい。
#141
○松尾説明員 確かに豊田商事の金の現物まがい商法自体は、訪問販売法の現行規定で考えます限り政令で指定された商品にも該当しない金を扱っているということでもあり、理行法上抵触しないことは申し上げたとおりでございますけれども、この法律を今後どのように持っていくかということにつきましてはいろいろ考えてみなければならないことがございます。
 訪問販売法は、御案内のように、指定商品の要件といたしまして「主として日常生活の用に供される物品」ということになっておりまして、一般消費者が日常の消費生活を営む上での生じまする訪問販売トラブルの防止を趣旨としているわけでございますので、果たして金のような商品に係る取引につきまして、この法律を適用していくことがこの趣旨になじむかなじまないかというようなことをいろいろ議論する必要もございます。
 したがいまして、このような悪徳商法はいろいろな形態があり得る、そしてまたいろいろな範囲に広がる可能性もある。片や民間企業の健全な商行為に対して過剰な行政介入は厳に慎まなければならない。いろいろな点を配慮しなければなりませんので、私どもといたしましては、他の省の法律も含め、現行の法律での受けとめ方、今後の国全体としてのいろいろな対応のあり方は、経済企画庁が主宰してお開きいただいておる関係省庁の会議において誠心誠意勉強してまいりたいと思っております。
 さはさりながら、このような事態がさらに頻発するようなことがあってはいけませんので、先ほどお答え申し上げましたように、当面の措置といたしまして二つの点を特に力を注いでいるわけでございます。一つは、類似商法を行っている企業に対して実情を聴取して社会的責任の自覚を強く訴えていることが一つであり、もう一つは、消費者の苦情問題を早急に私ども省の組織として十分把握し、省の組織としてきちんとした対応ができるような新たな体制を設けたこと、このような行政の運用面における対応と、それから、関係省庁会議におきます国全体としての取り組みの中で今後この問題をどのように処理していくべきか、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
#142
○田中(慶)小委員 いずれにしても、例えば訪問販売法の指定商品に入ってないからという形で逃げ腰なんですね、極端なことを言えば。入ってなければそれを拡大するとか、事前にそういう協議をしたことがあるのですか。はっきり申し上げて四年間これだけの問題が出て、そしてその中に、被害が特に去年は多かったけれども、五十七年、五十八年もう既に出ているわけです。その時点で私はその検討をすべきだと思うのです。そういうことを現実に検討されたのか。そして内部でそういうことを含めてやったのか。現実には内部いろいろと聞いてみますと、やっておりませんと言っているじゃないですか。それはどういうことなんですか。
#143
○松尾説明員 確かに先ほど申し上げましたように五十七年ごろから消費者相談の窓口にこの豊田商事の金の現物まがい商法の相談もふえてまいりましたし、いろいろトラブルが多発したことを前提に私どもも省内で真剣に関係法令でいかなる対応が可能であるか、それからまたこのようなトラブルの頻発を防ぐにはどのようなことをしたらいいか、省内でいろいろ議論をしてきたところでございます。
 訪問販売法に関して申せば、先ほど申し上げましたような現行法の法の体系はもとよりでございますけれども、金という相場の非常に国際的に変動しやすい商品が、クーリングオフという規定の入っております訪問販売法の体系に果たしてなじみ得るものかどうなのか、それからこの金の現物まがい商法の場合には売買契約だけではなく、それ以外に賃貸借契約がセットになっているわけでございますけれども、訪問販売法で対象に取り上げる範囲というのは売買契約の範囲であろうかと思われまして、賃貸借契約についてまではこの法律ではなかなか及ぶことができない世界であるということで、この法律の体系の中でなかなか処し切れない部分がある。
 しからば、どのような対応が法的に最も望ましいかということにつきましては何分にも法の基本に触れる重要な問題でもございましたので、鋭意検討はいたしてまいっておりましたけれども、どのような立法措置によって解決すべきかというところまでは結論が至っておりませんでしたが、その間手をこまねいていたわけではなくて、私どもといたしましては可能な限りの努力をしたつもりでございまして、それが一つは消費者の啓発について多面的な努力をいたしたことであり、さらに言えば金の現物取引が安心して行われるような流通に関する登録制度を設ける等の措置を講じて、その後の事態の拡大を極力防ぐような努力をしてまいったところでございます。
 もとより今日のような大きな社会問題になりました点につきましては甚だ遺憾でございますけれども、今後このような経験を踏まえまして先ほど申し上げましたような行政面、それから関係省庁におきます総合的な検討には、私どもとして一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。
#144
○田中(慶)小委員 いずれにしてもあなたの方は現行法にばかりこだわっているからだと思うのです。被害者が出た時点で、では横の連携をとりましたか。六省庁会議というのはことしの六月になって初めてやったんでしょう。それ以前にそういう連携会議は一度もやってないじゃないですか。やってないであなたたち、鋭意努力した、縄張り意識だけなんです、はっきり申し上げてもっとひどいことは、自分たちが、たまたま通産省というのが主務機関であったから、関係の機関であったから今矢面になるわけでしょうけれども、なぜ私たちだけが皆さんからいろいろな形で集中攻撃を受けなければならぬのだろうか、内部でこんなことを言っていること自体がおかしいのですよ。明確に、ではこの法律を適用しなければどういう形で適用するかとか、そういうことを含めていろいろなことで皆さんが努力をされたのならともかくも、これだけ被害が大きくなって初めて今慌てているような状態であっては、これからまがい商法がぼんぼん出ていくときに、今までの経験を生かしてということでありますけれども、そういうことを含めて、私はもっと精力的に、本当に国民に信頼される立場に立った形の中での行政というものをやっていただかなければいかぬと思うのです。
 時と場合によっては、過剰的にいろいろなことをあなたたちはやっているじゃないですか。今度のような問題、これだけ被害が出ている問題に対して、それぞれみんな、あなたのところもそうです、経企庁もそうです、いろいろなところがそういう形でセクショナリズムになったことで今度のような問題が出ている、私はそんなふうに指摘をしておきたいし、これから具体的にあなたの方はどういう、例えば六月の時点で、訪問販売法について問題があるから、この法の整備をする必要があるだろう、検討します、あるいはまたよくいろいろと勉強しますと言っておるわけですけれども、その後どういうふうにやりましたか。
#145
○松尾説明員 先ほど私どもの努力の状況につきましての御説明で、確かに関係省庁の会議が招集されたのは最近のことでございますけれども、私どもの消費者相談の窓口を通じて生じた問題意識につきましては、折に触れ、関係省庁と情報交換、相談等は行ってきておったわけでございます。
 それから、この訪問販売法をどのように処すべきかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますことになりますが、いわゆる現物まがい商法にもいろいろなパターンがあり得る、このような悪徳商法を効果的にどのように抑止していくかということにつきましては、いろいろな態様、範囲なども考えながら、かつまた一方では、健全な商行為とどこで毅然と区別し得るかというような面での詳細な詰めも必要であり、訪問販売法も一つの検討対象ではございますが、関係各省挙げてそれぞれの立場からこの問題について総合的に検討の上、最も効果的と思われる対応をしていくべきであるという観点から、関係省庁会議に現在臨んでおる次第でございます。
#146
○田中(慶)小委員 こればかりやっておられませんので……。
 ただ言えることは、やはり一つの問題が出ていれば、縦割り組織だけじゃなく、横の関連も全部含めてあなたたちはやってもらわなければ困るわけですよ。例えば今、はっきり申し上げて、まだ電話をかけてくるんですよ。商品取引いかがですか、そういうことは現実にあるんです、今でも。さらに、それだけじゃありません、なべあるいはまた布団、化粧品もそうであります。さらにはまた、今いろいろな角度で教育問題が家庭の中では大変関心のある問題であります。ところが、この教育問題までこの悪徳商法まがいのものがはびこっていることは事実であります。
 こんなことを考えたときに、私は、訪問販売法という法律が、正しく商売する者とそのまがいというものを明確にセレクトして、被害をこれ以上出さないようにする必要があると思う。ですから私は、法の整備というものをできるだけ関係省庁との連携をしてやるという言葉をちゃんと明確に言っていただきたい。その方が被害を受けた消費者の人たちというのが安心すると思う。あるいはまた、まがいの人たちがいろいろな形でやっているものについて、これからそういう形で法の整備を行うというこの一つの言葉でいかに今後国民が安心するかということを含めて、もう一回あなたに対してその辺の答弁をお願いしたい。
#147
○松尾説明員 ただいま御指摘のありました法律の整備を含めまして、関係省庁の会議の場におきまして十分真剣な検討をさせていただきたいと思います。
#148
○田中(慶)小委員 そこで、経企庁にお伺いしたいと思います。
 経企庁は、もう既にこの悪徳商法等の問題について六省庁間の連絡会議を六月の十日に第一回、二十四日に第二回と行っておりますけれども、ここの中においても問題解決のための答えというものが何か明確になってないような気がします、はっきり申し上げて。そういう点で、現在、この問題に対して、通産省で調べた苦情処理のデータと、国民生活センターのデータと、あるいは警察のデータと、さらに管財人のデータ、全部違いますよ。当然違っていいのかもわかりません。しかし、余りにもその差が大き過ぎますね。管財の方は約十万とも言われるような数字を先盤言われましたでしょう。そして、皆さんから一生懸命、一一〇番のデータが一万弱でしょう。国民生活センターが一万を超えてますね。そんな形で、いろいろとそういうことを含めてみんなばらばらになっている。六省庁連絡会議をしたならば、もっとその辺もぶつけ合って、そしてその対策が練られてしかるべきだと思うのですけれども、その辺どうなんでしょう。
#149
○横溝説明員 六省庁会議におきましては、一つの大きな問題は、理行法の適用でこの豊田関連の悪徳商法の取り締まりがどこまでできるかというのを詰めることが一つでございます。
 それからもう一つは、消費者啓発といいますか、消費者側に新たに被害に巻き込まれないようにPRをするということが非常に重要なことでございます。
 それからもう一つは、先生も御指摘になっておりますように、悪徳商法と言われるもの、いろいろな形態がございます。豊田商事、鹿島商事、ベルギーダイヤモンドというだけじゃなくて、今おっしゃいましたように学校の教材もありますし、布団もありますし、いろいろあります。こういう問題についてどう対処すべきかということを、やはりこの際、基本的に総合的に洗わなければいけない。この実態を各省力を合わせて洗って、問題点を整理をして、これには現行法、これには別の措置、あるいは必要によっては新しい立法が必要かもしれません。その辺をやろうとしておるわけです。
 それで……
#150
○田中(慶)小委員 もういいですよ、そんな答弁じゃ。
 いいですか、現行法、現行法とあなた言ったって、例えば外為法でもだめで、あるいはまた金のインゴットが海に投げられたからということで、それは警察そのものが産業廃棄物処理法違反という形でしょう。国土利用計画法違反でしょう。こんな形で、現行法全部がだめになっているのじゃないですか。例えば、出資法違反だってそうでしょう、詐欺だってだめなんでしょう、みんな、まがいだということで。そういうことを含めて、現行法がよければ、警察はとっくに逮捕しているのじゃないですか。何のために六省庁が集まってそんなことをやっているのですか。現行法がよければ、警察はとっくに逮捕していますよ。まして、これを指導していた人たちは、弁護士であり、検事さんなんですよ。現行法に全部触れていない、要するに法律の裏ばかりかいてやってきたから今度の問題が出ているんでしょう。それがまた、現行法でどういう形でやっていけるかということを検討しているといったら、現実問題として検討してないことと同じじゃないですか。その辺はどう思うんですか。
#151
○横溝説明員 その点は、現在、今先生がお挙げになったような法律違反容疑で捜査が進んでおるわけですけれども、その捜査の過程で実態が解明されてくると、また新たな展開もあり得るのではないかというふうに感じます。
 それはそれといたしまして、先生おっしゃいますように、とらわれない立場で、新しい観点で再発防止のために各省知恵を集めてやるということにも取りかかっておるわけでございまして、現行法の適用だけを待って何もしてないということではございません。その辺をひとつよく御理解いただければと思います。
#152
○田中(慶)小委員 いいですか、あなたの方の見解はこういうのですよ。まず、出資法の預かり金の禁止の問題についても、現実にはこれは違反にならぬだろう。あるいはまた、詐欺の問題についても、現実問題としてこれも大変難しい。訪問販売についても、先ほどのやりとりの問題で明らかでしょう。商品取引法の問題もそう。信託業法もそう。独禁法違反の問題についても、今あなたたちが何とかしようとした法律が全部裏をかかれているのですよ。それだったらそれらしく、みんな六省庁が集まるのだから新しいこれに対する法案を早急に検討してやるとか、こういうことが私は必要だと思うのですよ、専門家がそういう裏をかいているのですから。そうでしょう。訪問販売法の専門の検事さんですよ。本まで書いているのですよ。そういう人たちがいろいろなことを含めて裏というものを全部過去の経験を生かしてやっている。それがお給料も一カ月五百万ももらっているわけでしょう。こういう形で、現実問題としてそういう問題なんですから、やはり今問題なのは国民の皆さん方に明らかに、こういうことが二度と出ないようにするために法の整備をすることなんですよ、はっきり申し上げて。どうなんですか。
#153
○横溝説明員 繰り返していろいろ申し上げるのは重複になりますのでもうやめますが、先生のおっしゃる御趣旨はごもっともでございます。その線で各省力を合わせて対応策を真剣に検討するつもりでございます。
#154
○田中(慶)小委員 ぜひ六省庁会議でそういう形で頑張ってくださいよ。そうすると、警察だって外側ばかり時間かけて攻めているのですから、真っ正面からぼんと行って早くできることがやはり国民も安心するわけです。それで皆さん方行政に対する信頼も回復するのですから、ぜひその辺頼みます。
 それで続いて、私は国税庁にぜひお伺いしたいわけでありますけれども、先ほど法人税は全く納めていないということでありますけれども、この銀河計画、豊田グループ、白道を含めて百余にわたるこの関連企業が法人税を過去四年間に一銭も納めていないのですか。
#155
○友浦説明員 お答え申し上げます。
 豊田グループと申し上げます前に、一般的にグループと申し上げます場合は、資本関係とかあるいは人的関係のある法人グループということと考えられますが、ある法人の株主または役員が豊田商事の関係者とどのような関係にあるか、あるいはまたその関係が必ずしも明らかでないものもございますし、また設立後日も浅く、申告期限の到来していない法人も少なくないと思われますが、資本関係、人的関係があると認められる法人につきましては、それなりに申告状況は把握しております。ただ、具体的な数字につきましては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、豊田商事グループの法人と言われます法人のうち、主な法人について簡単に申し上げますと、豊田商事につきましては五十八年三月期、五十九年三月期につきましては公示所得金額に達しておりません。またベルギーダイヤモンドにつきましても五十八年三月期、五十九年三月期とも公示所得金額に達しておりません。なお、鹿島商事につきましては最近設立された法人でございまして、まだ申告期限が到来していないという状況でございます。
#156
○田中(慶)小委員 これは公示所得に達していないということですけれども、それは全部捜査されているわけでしょう。例えば、今豊田商事グループというのは少なくても白道があり、銀河計画があり、その下に日本総合販売があり、豊田計画があり、日本教育システムがあり、豊田リクレーションがあって、日本経済投資があって、国際総合ファイナンスがあって、すべてそういう形でトータルすると百余に及ぶのでしょう。そして、利益を生めれば全部そういう形で関連会社を含めてぼんぼんふやしていって、現実には法人税を納めなくても済むようにされていたわけですから、ただその期限が来るとかどうのこうのだけの問題じゃないと思うのです。その辺はどういうふうにあなたの方では管理監督していたのですか。
#157
○友浦説明員 お答え申し上げます。
 私どもの立場としましては、これらの法人が適正に申告しているかどうかという観点からいろいろな調査等を行っております。ただ、ただいま申し上げましたように、先生今おっしゃいましたように百何十社ということですが、先ほど申し上げまして繰り返しになりますが、関連法人といいますか、豊田商事とどういう関係にあるかということは必ずしも明らかでない面もございます。したがって、国会等今先生お話しになりましたような情報等参考にしながら、そういったいわゆるグループ法人というものにつきましては、今後ともそういった実態を把握してまいりたい、税務調査上必要性に基づいて実態を把握してまいりたい、このように考えております。
#158
○田中(慶)小委員 いずれにしてもこれから実態把握ということでありますけれども、この全貌というものをすべて、本当にまじめに働いている者とこんな形で国民を困らせながら税金を払ってない、こんなばかなことないですよ、はっきり申し上げて。そうでしょう。ただそれぞれ申告がないからどうのこうのということじゃなくして、その辺を明確にしてくれない限りは税金を払う人いなくなっちゃいますよ、はっきり申し上げて。そうでしょう。
 例えば源泉所得税の問題だって、報道によると五百万とか一千万とか二千万ももらっていた。月給ですよ。そういう人たちがざらにいるということでしょう。そんなことで、この前の参考人の方たちも、明らかに月給五百万もらっています、会長は七百万取っていましたとはっきり言っているわけです。そうしますと、いいですね、あのときに銀河計画の元専務山元氏は、そういう点でこれから管財人から言われたことを、今まで自分も給料取っていましたから、すべてそういうことを含めて放出します、こんな話をしておりましたけれども、現実問題としてこの中で、例えばこの所得税の問題等を含めて、少なくても国税の方はこの人たちに対する滞納やいろいろなことを含めて押さえていると思うのです。こういう問題についてどのように考えられているのか、答えていただきたいと思うのです。
#159
○加藤(泰)説明員 豊田商事グループの外交員とか顧問弁護士等という方々の関係の新聞報道の内容等につきましては十分承知しておりますし、その実態等につきましても関心を持っているところでございます。
 国税当局といたしましては、新聞雑誌等で報道されている事柄や国会で論議された事柄についても貴重な情報として関心を持ち、これらの諸情報、さらには税務内部で収集しております資料、それから納税者から提出されております申告書等を総合検討いたしまして、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなど、課税の適正化に鋭意努めているところでございます。今後ともそういうことで努力していきたいと考えております。
 ただ、個別にわたる事柄につきましては、答弁を差し控えなければならない立場にあるということを御理解いただきたいと思います。
#160
○田中(慶)小委員 個人名を挙げてもらいたいところですけれども、それぞれの問題があるということでありますから。しかしその場合、いずれにしても例えば虚偽の申告やいろいろなことを含めて差し押さえられた場合、その問題については、いろいろな形を含めてこの豊田商事関連というものでこれだけ多くの被害者が出ているわけですから、さっきあなたの方は差し押さえたものに対して被害者救済に回すことは法律的に大変難しいということでありますけれども、法の解釈やいろいろなことを含めて、少なくても十万人近い人たちが出ているということが報道されているわけですから、そんなことを含めて考えたときに、私は、こういう問題を超法規的な解釈を含めて何らかの検討が必要じゃないかと思うのです。ただそんなことを法律的に言うことだったら聞かなくてもいいんです。法律的な問題とか解釈を別にして、超法規的に検討する余地があるかどうか。特に厚生省の問題も労働省の問題もありますね、社会保険料とかそういうことを含めて。国税がこうだからとみんな右へ倣えのようなことを、先ほど全く同じ右にちょんちょんというような形で答えをされていたようでありますから、国税の考え方を明確に聞きたいと思います。
#161
○加藤(廣)説明員 お答えいたします。
 午前中もお答えしたわけでございますが、私ども税務執行当局の立場といたしましては、税については、課税をするにしても減免をするにしても執行停止をするにしてもすべて現行の法律によらなければならないという規制があるわけでございまして、その規制の中で任務を果たすという立場でございまして、そういう超法規的云々というのは私どもの立場としては何とも申し上げられない、まことに申しわけないと思いますけれども、そういうことでお許しいただきたいと思います。
#162
○田中(慶)小委員 小委員長に申し上げたいわけでありますけれども、すべて今の質疑の中で明らかなように、問題は縦割り行政のひずみ、あるいは幾ら法の解釈といえども法というものは国民のためにあり、あるいはまた拡大解釈を含めて、被害者の救済もまた法によって行うべきものである、こんなふうに思うわけであります。そんなことを考えたときに、やはり総体的にこの問題は政治的な問題もあるでしょうし、今幾らここで私どもがより強く要望したところで担当者から答えは出ないと思います。小委員長にその辺を含めてこれからの政治的な判断、あるいはまたそれぞれ責任ある関係者と、対策を含めて被害者の救済という立場に立ってこの問題の処理方をお願い申し上げて終わります。
#163
○上坂小委員長 了承しました。
 野間友一君。
#164
○野間小委員 私も今の話に関連して被害者救済と国の持つ公租公課の滞納、それらの関係について若干お伺いしたいと思います。厚生省、来ていますか。
 社会保険料についてでありますが、私どもの調べでは総額が約五億円残っております。滞納ですね。項目的には厚生年金それから健康保険、児童手当拠出金。会社別に見てみますと、豊田商事が三億四千万円、ベルギーダイヤモンドが八千万円、鹿島商事が五千万円、それから銀河計画と豊田ゴルフクラブ、これが合わせて千七百万円、これは私の知った範囲での金額ですけれども、これに間違いがあるかどうか、お答えいただきたいと思います。
#165
○田中説明員 豊田商事とその主要関連企業の滞納額でございますけれども、ただいま先生がおっしゃった線でほぼ間違いございません。
#166
○野間小委員 これは豊田グループの中の一部なんですけれども、総額にしますと大変なものになりますね。
 大蔵省に聞きます。豊田商事の源泉徴収すべき所得税の滞納は約六億円、それからベルギーダイヤモンドの物品税の滞納分が約三億数千万円、こういうふうに私の調査ではなっていますが、いかがですか。
#167
○加藤(廣)説明員 新聞報道ではいろいろ滞納税額も出ておるようでございますが、近いものもあるようですが、間違っているといいますか一部しか載っていないものもあります。そういう点について本当の税額が幾らかということは、特定会社のずばりの滞納金額というのは公表を差し控えさせていただきたいと思います。
#168
○野間小委員 源泉所得税の滞納が六億円、ベルギーダイヤモンドの物品税の滞納が三億数千万円ですね。だから、これ以下ではないということ、それだけは言ってください。
    〔上坂小委員長退席、和田(貞)小委員長代理着席〕
#169
○加藤(廣)説明員 それは本件を公表しまして、ほかは公表しないというわけにもまいりません。そういうことで御勘弁いただきたいと思います。
#170
○野間小委員 何を言っているのだ。厚生省はちゃんと認めているのだ。何だ、大蔵は。
 こんなけしからぬ態度で、これは実際被害者にどれだけ返せるかどうかということと直接かかわる大変大事な問題であります。大蔵省もけしからぬと思いますけれども、こういう点も踏まえてぜひ資料を出すように、ひとつしかるべく強力な配慮をいただきたい。同時に、これはそれぞれが差し押さえもしておりますから、どの物件に対して幾らの保全債権で差し押さえしておるか、これについても一切の資料を小委員会へ出すようによろしくお願いしたいと思います。
#171
○和田(貞)小委員長代理 ただいまの件は当然のことだと思いますので、後ほど各派の代表の皆さんと御相談申し上げてそのように処理いたしたいと思います。
#172
○野間小委員 それじゃ政府の責任の問題について若干触れてみたいと思います、
 とにかく社会的、政治的に大変な問題になりました。政府は口を開けば今までとにかく一生懸命啓蒙活動をやってきたとかPRをやってきた、それから法の谷間で行われた行為だからどうしようもなかったというような弁解をしております。しかし遺憾だということは言っておるのです。では、どういう責任を感じておるのか、その点について明確にしていただきたいと思います。通産省。
#173
○松尾説明員 豊田商事の関連の現物まがい商法の結果、このような大きな社会問題になりましたことについてはまことに遺憾に存じているわけでございますが、今後につきまして、一つは、このような事例が生ずることのないよう、先ほど申し上げましたけれども省内の体制を挙げて類似商法の企業の聴取を行うとか、消費者のトラブルの早期把握、早期対応を行うというような体制を整備する一方……(野間小委員「責任はどう感じておるのか、聞いたことに答えてください」と呼ぶ)関係省庁と十分相談いたしまして、今後国としてなすべきことを検討してまいりたいと思います。
#174
○野間小委員 今までの行政の中で遺憾だと言うならどういう責任を感じておるか、こういうことを聞いたわけですが、私は決して今後のことを聞いているわけじゃない。
 五十六年から苦情が出ておりますね。これは午前中も同僚委員の方から質疑がありましたけれども、通産省から出してきた資料の中では、五十九年度以降現物まがい取引等、これも件数だけでしょうり金額が出ておらぬ。一年前に入手しております通産省が出しております資料、これでは五十六年からずっとあるわけですね。私、やいのやいの言って別に出させた書類の中では、やっと出してきたのですが、三百八十四件、七億八千五百六十九万円、これは五十七年度。残念ながらこれは一年前に出した資料と若干違いがありますが、それでも大体合います。しかし五十六年度については、それでもまだ出しておりません。一年前に出した通産省の資料によりますと、五十六年度は百九十六件、五億二千七百八十一万円、こういうふうになっております。これはすべてが豊田かどうか別の問題としても、経済企画庁から出しておる資料だって、五十六年度からわずかでありますけれども五件幾らと明らかに被害金額が出ておりますね、だから通産省も五十六年から把握しておったということは明らかでしょう。
#175
○松尾説明員 五十七年度以降につきましては先ほど申し上げたようなことでございますけれども、五十六年度につきましては、実は私どもの手元には金の現物まがい取引として現在お手元にあるような分類をしたものではなくて、金の現物取引そのものあるいは金の現物取引に準ずるようなものも含めた統計だったようでございます。したがいまして、五十七年度以降に把握しております件数との分類に差がありまして連続性に問題はございますけれども、五十六年度にも御指摘のように豊田商事絡みの苦情案件があったことはあり得ることだと思っております。
#176
○野間小委員 通産省、これは公式なものかあるいはプライベートなものかはともかくとして、百九十六件で五億二千七百八十一万ですか、こういう数字が出ておりますが、これは間違いありませんね。
#177
○松尾説明員 先ほど申し上げましたように、お手元に差し上げました表にありますような、金の現物まがいの案件の定義で整理したものではなくて金の現物取引も含んだものでございますけれども、そういう集計をしたことがあるのは事実でございます。
#178
○野間小委員 ですから、これは五十六年大阪豊田商事が発足して、このころからずっと大きな問題になっておったわけなんです。ところが、先ほどからいろいろ論議がありますように、全く何らの措置、手当てがされてこなかったということなんです。
 そこでお聞きしますが、農水省来ていますか。五十七年の十月二十日、全国商品取引員協会連合会理事会で農水省の当時の伊藤商業課長が出席して発言をしております。これは農水省からもらったものです。「最近、金の現物を売買すると称し、現物を渡さず「預り証」を発行して、預かった現金は巧妙な手口で手中にするというT社による詐欺まがいの行為が問題になっている。」「このような業者から、一部の商品取引員が、意識無意識の差こそあれ国内の商品市場に玉を取り次ぎ、受託関与していることについては真に憂慮にたえず、全協連においても会員あて注意喚起の通知を行ったと聞いているが、このような行為の存在は、新規商品の上場を推進する際、非常な障害となる。
 これらの安易な受託行為をこのまま放置することは、当業界にとって正に自殺行為に等しく、将来これが社会問題化するようであれば、更に商取制度そのものの国民経済的社会的評価の低下を招くことは必定である。」こういうふうにあいさつしておりますね、間違いありませんね。
#179
○中村説明員 お答えいたします。
 その趣旨のあいさつをしたことは事実でございます。
#180
○野間小委員 通産省に聞きます。
 同じ日、五十七年十月二十日に通産省では細川さん、当時の商務室の総括班長、この方が出ております。この方も、「伊藤農水省商業課長からも話されたが、T社の玉を取引員が受託関与していることについては業界の社会的信用の保持の点からみて非常に好ましくない。」中間省略しますが、「金の現物取引と称し大衆を欺まんする問題業者から取引員が玉を受託関与することは由々しき問題である。」こういうあいさつをされておりますが、間違いありませんね。
#181
○松尾説明員 そのとおりの内容でございます。
#182
○野間小委員 そこでお伺いします。
 詐欺まがいの行為、正式な政府の文書では、先ほどから論議がありますように、類型の中でそういう表現は使っていないわけでしょう。「現物まがい取引等」と言っていますね。五十七年の十月当時に既に「詐欺まがいの行為」、これは農水省の表現であります。それから今も通産省は認めましたけれども、通産省は「大衆を欺まんする問題業者」という表現をしております。
 農水省に聞きます。詐欺まがいの行為とは何ですか。
#183
○中村説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、当時いろいろ消費者苦情等の問題が出ておりまして、詐欺まがい等のそういう非難があったわけでございまして、その非難をそのまま口にしたものと思われるわけでございます。
#184
○野間小委員 詐欺というのはどういう構成要件ですか。
#185
○中村説明員 お答え申し上げます。
 私、ちょっと法律を持ってまいっておりませんのではっきりしたことは覚えておりませんけれども、他人を欺罔して財物または利益を取る。一項、二項、合わせた言い方になってしまいますけれども法律上はそういうことでございますが、そこで言っているのは……
#186
○野間小委員 結構でございます。そうなので、人を欺罔して財物を騙取する、これは一項詐欺ですね、刑法二百四十六条。当時の農水省の課長のあいさつの中でも、「金の現物を売買すると称し、」「と称し」ですね。それから通産省の総括班長の表現でも、「金の現物取引と称し大衆を欺まんする問題業者」。ですから、現物取引と称し大衆を欺瞞する、もう当時通産省はこういう評価をしておるわけですね。称して大衆を欺瞞する、これはだますということでしょう。人をだまして財物を騙取する、これは詐欺でしょう。ですから当時から、これは構成要件の上で刑法上の詐欺罪になるのか、それは別の評価として、詐欺まがい、大衆を欺瞞する行為をやっておるということは通産省は認識しておったわけでしょう。
#187
○松尾説明員 御指摘の五十七年十一月のときの通産省からの取引所に向けての発言の個々の文句はたまたま今私存じておりませんけれども、記録に残っております私どもの方の書類によりますと、特定の一企業を念頭に置いたというよりは、私設先物取引関連事業者、現物取引に仮装した先物取引類似業者、これがただいま先生の御指摘になられたものじゃないかと思います。
 それから、海外商品市場関係悪質業者など社会的問題を惹起している事業者からの受託を一切行わないよう取引所において理事会決定を行って商品取引員を指導するよう、こういう指示をしたということが文書の記録として残っておりますので、そのような意味で一般的にそのような事例が惹起しているおそれを前提に申したのではないかと思っております。
#188
○野間小委員 いや、もう逃げちゃだめだよ。農水省みたいに正直に物を言わなきゃだめだよ。称して詐欺まがいの行為を行っておる。通産省も言っておるわけですよ、大衆を欺瞞する行為と。これは農水省の伊藤課長の発言を受けてあいさつしておるわけですよね。ですから当時からこれは詐欺商法、詐欺まがいの商法ということは通産省は認識があったのですよ。だとすれば、詐欺商法あるいは詐欺まがいの商法、現物取引と称して大衆を欺瞞する行為、こういうことを五十七年当時認識しておったとするならば、それから今日まで全部放置しておったわけですよ、これは大変な責任問題ですよ。商品取引に関して小豆相場でしたか、これで投機をやりまして大問題になって、業界でもマスコミ等でもかなり大きな問題にしたわけですね。
 そこで農水省にお聞きしますけれども、たしかこういういかがわしい金でそれをつないでいわゆる豊田玉、これを扱って取引するのは許されない、これはやめておけという指示があって、これを取引所の中でいろいろ問題にされて、会員はこれはしちゃならぬとなったわけですね。その事実の確認と、それから、にもかかわらずその後、例えば東京穀物取引所で輸入大豆取引において口座貸しあるいは仮名口座、これを安易にやられたとして三社に二日から三日の売買停止処分。その前の五十七年十一月ですが、横浜、神戸の両生糸取引所で仕手戦に関連して売り方に回った豊田玉、これを大量に受託したと見られる十二社、これは山文産業なども入っておりますけれども、これに対して過怠金が十万円、外務員の新規登録停止処分、こういうのをやっていますね。五十八年の六月二十三日、前橋の乾繭取引所、これも山文ですが、これに対して、去る六月十日の強引な買い手口、大阪からの振り込みのようですが、これが定款の信義則違反に該当するとして五日間の売買停止の処分。こういうふうなことがこのあいさつをされた後も絶ちませんから、豊田玉についてこういういかがわしいものをしちゃならぬということで処分までしておる。この事実の確認を求めたいと思います。
#189
○中村説明員 お答え申し上げます。
 まず第一点の全協連、これはそういう商品取引所において商品取引の売買の委託を受けるものでございまして、その連合会でございますが、そこにおいてそのような決議をしたということは事実でございます。
 それから、後半先生の御指摘の点でございますけれども、十二社、三社それから一社でございますが、これにつきまして豊田玉を受託したという形ではございませんで、今先生が読み上げられましたような理由、一言で言いますと、売買の信義則違反ということでございますけれども、そういう理由をもちまして、取引所においてそのような処分をしたということでございます。
#190
○野間小委員 その中に山文産業は入っておりますね。
 もう一つは、確かに処分の理由については今農水省が言ったとおりだと思いますけれども、その背景は全部豊田玉ですね。これが関連しておるわけでしょう。
#191
○中村説明員 お答えいたします。
 処分の中に山文産業の名前があることは事実でございます。
 それから、背景につきましては、そこまでは確認をいたしておらないわけでございます。
#192
○野間小委員 後の許可の問題に絡むので非常に慎重に答えておりますね。
 週刊読売の七月七日号ですが、「「銀河計画」グループの全容」の中に、五菱商事、山文産業、石原産商、この三社が入っております。これはいずれも商品取引所の正規の取引員でありますが、これは間違いありませんね。
#193
○中村説明員 お答えいたします。
 三社につきましては、五菱それから石原産商につきましては農林省専管の商品取引員でございまして山文産業につきましては通産省と共管の取引員でございます。
#194
○野間小委員 山文産業は通産省所管ですね。これは正規の取引員ですね。
#195
○松尾説明員 おっしゃるとおりでございます。
#196
○野間小委員 銀河計画グループの全容、これはやはりいろいろな週刊誌に書いてありまして、これをもとにして、私も大分調査しましたけれども、やはりそうなんですね。こういうものが寄ってたかっていろいろな悪さをしておるということになるわけです。
 私が申し上げたいのは、一つは、五十七年当時から、こういう豊田商事あるいはグループですが、こういうものが大衆をだまして金(かね)を集めておる。欺瞞的な行為をやっておる。その集めた金で、商品取引、こういうところへどんどん金を回しておる。それに対して 農水省あるいは通産省も一定のそういう歯どめをして、あいさつをして、後で取引の停止の処分をしたりしておるわけですね。これはいいのですよ。
 ところが問題は、川上の金を集める過程、欺瞞行為、詐欺まがいの行為、これをそのまま何ら手当てをせずに放置した、ここに大きな問題があるわけですね。これを一体どう考えますかな。これでも通産省は責任はないと言うのですか。そうすれば詐欺まがいの商法、大衆を欺瞞する行為は皆いいということになりますよ。いかがですか。
#197
○松尾説明員 通産省といたしましては、いわゆる豊田玉の受託の有無につきましては、五十万以上有しております委託者の中から調べてみましたところでは、現在までの調査では、いわゆる豊田関連玉の受託は判明いたしておらないわけでございます。それで、山文産業が果たして豊田商事関係の資本が入っているか否か。私どもの産業サイドからの調査では、なかなかこの点について明確なところがわかっておらないのでございます。
#198
○野間小委員 商品トリビューン、コモディティートリビューン、そういう表題のあれがありますね、これの五十八年の六月二十一日付ですが、山文の株式の六〇%、これを何か取得して、実質的な経営権を取得したというようなこと、これは豊田商事ですね、そういうような記載もありまして、私が独自に調査した中でも、やはりそういう可能性が非常に強い、こういうふうに思います。
 ところが、例えば石原産商あるいは五菱商事、これは七月十五日、三日ほど前ですね、営業許可更新に当たって実際に許可しておるわけでしょう。山文産業は二年先になりますけれども、厚田社長がみずからのこのこ出かけていって、そして私は豊田と関係ないと言うのは、これは先行自白のような感じがするのですけれども、こういうようなていたらくであります、
 そこで私が申し上げたいのは、今指摘をした会社、これは正規の取引員ですけれども、これが本当に人的あるいは資本的なそういうつながりにあるのかないのか。これは各マスコミ全部言っておりますし、私もやはり調査の上でそういうことになっております。これは十分調査して、これはグループだということになりましたら被害者救済との関係で一定の利益が出てくると思いますので、農水省それから通産省にお聞きしたいと思います。
#199
○松尾説明員 通産省が関係しておる企業は三社の中の山文でございますけれども、確かに本日の新聞を見ましても銀河計画の管財人は山文産業について、新聞の表現によりますと投降勧告をしたというようなことでグループ意識を持っているようにお見受けしますけれども、私ども、先ほど申し上げましたように、まだ現段階でははっきり出しておりません。しかし、その点につきましては私ども一生懸命努力してみたいと思います。(野間小委員「調査してください」と呼ぶ)はい。
#200
○中村説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、石原産商それから五菱商事につきまして七月十五日に許可更新をいたしたわけでございます、この許可に当たりましては、商取法の定めるところに従いまして、受託業務を健全に遂行するに足る財産的基礎を有し、かつ、受託業務の収支の見込みが良好である、それから受託業務を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること等の許可基準を満たしているかどうか、そういうことを審査して許可したわけでございます。
#201
○野間小委員 いや、調査してください、私今、疑問点を投げかけたのを。
#202
○中村説明員 先生の御指摘の資本につきましては、さらにこの御指摘を踏まえまして調査をいたします。
#203
○野間小委員 時間が参りましたので終わりますが、今の資料、差し押さえとそれから滞納額を各項目別に、これはぜひひとつ取り計らいをよろしくお願いしたいと思います。
#204
○和田(貞)小委員長代理 はい。
#205
○野間小委員 終わります。
#206
○和田(貞)小委員長代理 上坂昇君。
#207
○上坂小委員 時間が十五分しかありませんから先に要望しておきますが、今、野間委員が取り上げました問題について私も非常に関心を持っておるので、大体商品取引の取引員の氏名というのは四年ごとに更新されることになっているんだけれども、今まで一社も変更されたことがない。どんな悪いことをしたって大丈夫だということになっている。これはやはり間違いだと私は思うのです。過去において悪いことをしたらやはり変えるというぐらいの姿勢がないと通産省はばかにされる、農林省もばかにされるから、その点は十分踏まえてもらいたいと思うのです。
 そこで、今の資料については私どもの方にも提出をしてもらいたいし、それから、農林省関係の取引をやった会社の名前それから通産省関連の会社の名前、それから取り扱った玉高、これを全部資料として、できたら提出するようにお願いをしたい。
 それからもう一つ、とりわけ吉井弁護士というのは、この間の物持でも五百万円の顧問料をもらっていたというのですが、ことしになって五百万円になったのか。それとも去年は二百五十万円だとも言われておるわけです、そこで、確定申告だろうと思うのですけれども、これらが正確に申告されているかどうか。これは私は質問の通告をしてないから資料の手持ちがないということになれば後日、滞納があるかどうか、それとも確定申告をちゃんとしているかどうか、その点を私の方に資料として提出をしてもらいたい。この二点を先に要望しておきます。
 ところで、通産省にちょっとお伺いしますが、行政指導できない、それから行政介入もできない、しかし内容がおかしいから会社の経営あるいは商売のやり方について説明を聴取することはできるというふうに私は思っているのですね。ところが、説明というのは向こうを呼んできて説明させるばかりが能じゃないと思う。説明しに来なさいと言っても来ない場合にはこっちから出かけていったって調査できると思う。そういうことをやったかどうか。
#208
○松尾説明員 今回の豊田商事の場合につきましては、ごく最近のことに関して申せば、電話でいろいろと照会しましたけれども、なかなか応答がないので文書によりまして非常手段でやったわけですけれども、類似商法を行っております十二社についてのヒアリングに際しましては、もし応じなければいろいろなことも考えようと思っておりましたが、今のところ破産したものを除きましてヒアリングに応じるという態勢でございますのでやっておりませんが、今後は先生御指摘のような点も十分念頭に置いて対処してまいりたいと思います。
#209
○上坂小委員 豊田商事についてはそれはやらなかったということですね。そういうのが手落ちだと思う。
 私は、五十八年五月に指摘した。私が質問した当時は、三百億円ぐらい集めていた、従業員三千人ぐらいだった。この辺、清島さんも知っているね。私が質問したら、これは絶対にやります、重大な関心を持ってやっていますと言った。もう二年たって三年目に入っているのだけれども、重大な関心を持っているかどうか全然わからない。
 それから、永野会長はもともと商品取引業出身なんですね。だから、商品取引の会員の人はみんな知っているわけだ。知っているのにもかかわらずそういう関係が出てくる、あらゆるところに手を回している、そういうことがわかっていながらやらないというのだから、これは怠慢と言われても弁解の余地がないと思うのです。だから、会議ばかりやっていないで、会議は踊るばかりやっていてはしようがないから、先ほど田中委員からも指摘があったように、とにかくきちんとするものはするように。これはどこが中心になるかわからないところに問題があるのです。六省会議をやったって、どこが軸になるのかわからない。そういうやり方だから、みんなして罪のかぶせ合いをやって逃げてしまうのですね。
 そこで、消費者保護行政については官庁をきちんと立てるということが今非常に大切だと私は思うのです。そういうことをあなたの責任で長官なりなんなりに言って、そして関係各省の大臣全部集まって、どうするかということできちんとしたものを制度的に確立するように持っていくことができるかどうか、そういう進言をするかどうか、局長にお伺いします。
#210
○横溝説明員 具体的な対応におきまして、どういうケースはどの法律によるから何省というようなことはいろいろな役所にまたがると思いますが、消費者行政の総合調整をやるところは私どもの経済企画庁でございますので、総合調整の観点から関係各省と御協議をして消費者行政の適切な推進を図っていくということは当然私どもでやります。これは六省庁会議もそうですし、そうでない十八省庁といいますか各省全部の消費者関係に集まっていただいてやる議論もやりたいと思っておりますし、消費者保護会議というのもございますし、その体制は私どもが中心になりまして各省にお願いして進めていきたいと思っております。
#211
○上坂小委員 警察庁にお伺いしますが、今度の事件で一番問題だったのは永野会長が刺殺されていなくなってしまったということなんですね。これから全貌が明らかになるのに非常に困難になってしまって、どうにもならないような状況が出てきているわけです。みんなで頭をひねってもどうにもならない。
 そこで、私は問題だと思うのですが、あなた方は永野会長の取り調べをやったのですか。
#212
○清島説明員 兵庫県警で外為法の捜索をやったときにちょうどたまたま永野会長が自宅におりまして、そのときに捜索とあわせて、あるいは終わった時間若干事情を聞いたというふうには聞いておりますが、取り調べという段階にまでは至っていないと聞いております。
#213
○上坂小委員 その場合には単なる参考人という格好なんですか。被疑者という格好ではないわけですね。容疑者ではないわけですね。どういう格好でやったのか、重要参考人というようなものであったのかどうか、この辺はどうでしょうか。
#214
○清島説明員 国会でも何度か答弁申し上げておりますが、少なくとも外為法違反については兵庫県警は容疑者と見ておりましたので、その観点からいろいろ聞いたとは思いますが、供述拒否権を告げた上での取り調べという段階ではなかったのではないか、単なる事情を若干聞いたというふうに思います。
#215
○上坂小委員 永野会長が刺殺をされる二日前に日本刀を持って永野会長のうちに行った人がいるわけだが、そのときにはやられなかった。これだけの被害者が出てきてこれだけの状況が出てくるということになれば、そのトップに立つ人間が非常に危険な状況に置かれるということは当然のことだ。これは常識で考えられる。その常識で考えられる人を自宅に警察が行って調べれば、永野会長が自宅にいるということを明らかに証明することになってしまう。そしたらどこでどういう人が暴漢として出てくるかわからない。そういうことは手落ちでないのかどうか。私は完全に手落ちだと思う。
 しかも、今おっしゃったように、外為法からいって容疑者とも見られるような重要な人物であったわけですね。とにかくそういう人を調べるのに、家宅捜索か何か知らないけれども、外為法で捜索したからそのままその場で調べだということが新聞に発表されるということは、永野会長がその自宅にいるということを警察みずからが天下に周知せしめたということになるだろうと私は思うのです。これは非常に大きな背景が、問題が出てくるということになれば、必ず消す人が出てくるということも考えられる。
 だから、おれは頼まれてやったんだということは、八カ所も突いたり切ったりなんかしたあの興奮状態の中で、うそは言えないと私は思っている。これが人間の常識だと思う。そのとき発声したのは頼まれてやったということなんです。ですから、その頼まれてやったということが事実であるならば、その事実が永野会長が死んだことによってすべて消えてしまったというところに今度の捜査の非常に大きな問題があると思う。
 そういう配慮ができなかった。そして保護することもしないで、むしろそこへ行って事情聴取なんかやるということはまことに僕は手落ちだと思うのです。うかつだ。こんなうかつなことが認められていいのかどうか。世界に非常に有名な日本の警察がこれでは困るんだ。いかがですか。
#216
○清島説明員 何回も申し上げますように、被疑者を永野宅にわざわざ行って取り調べをしたということではございませんので、その辺は誤解のないようにしていただきたい。たまたま捜索時にそこにいたのである程度事情を聞いた。取り調べという段階ではないということでございます。
 また、永野がそこにいたということはガサの段階でわかったことでございまして、取り調べたからわかったということではないということでございます。
#217
○上坂小委員 ガサの段階でわかったということであるならば、先ほど私が申し上げたように非常に重要な人物なんですね、その二日も前に刀を持って入っている人、暴漢まがいの人がいたわけで、そのくらい危険な状態にあるということならば、これはやはり重要な参考人あるいは容疑者であるかどうか知らぬけれども、保護すべき任務を持っていたんじゃないか。
 そういうことをやらないで野放しにしてしまったというところに、私は今度の事件そのものを野放しにしたというような感じがしてならない。そういうことは一体できなかったのか。なぜやらなかったのか。この辺を御回答いただきたい。
#218
○清島説明員 捜索の何日か前に刀を持って彼の自宅を訪問した者がいるという情報につきましては、現在私自身把握しておりませんので何とも言えません。
 その当時の状況からして彼自身が何らかの被害に遭う、そういう情報はなかったという客観的な情勢がありましたが、そういう渦中の人物でありますので、大阪府警の所轄署では三時間ごとの重点パトロールをやっておったというふうに聞いております。
#219
○上坂小委員 しつこいようですが、そのとき警備員がどうか知らないけれども、暴力団関係の人だというふうにも言われておるわけですが、何人か実は見張りをしていた、警護をしていたというのですね。ところが、新聞社の人がいっぱいいるというので、何かの調子でそれらがみんな帰ってしまった。それで、警察も何にも行かないということになっておるときに、衆人環視の中でさっき言ったように無防備になる、ガラス戸を壊して入り込んだということなんですね。
 そういうことを、これだけ私たちが何年も前から指摘して、そして警察自体が重大な関心を持っていて、我々は、偽装倒産のおそれすらあるのじゃないか、もしそういうことになったら大変じゃないか、えらい社会的な混乱が起こりますよと指摘してきた。そういうことについて私はわざわざ警察庁まで呼んでそれを指摘してきた。
 ところが、そういう危険はない、こういう判断をされるということは、国会でいろいろ我々が論議してもそれではちっとも国民のためにならないと思うのですね。もっと真剣に我々の質問なり我々が調査したことについて取り上げて、これを検討してもらわなければ困るのです。おざなりに、ただ重大な関心を持っておる、重大な関心を持っておると言ったって、だれだって重大な関心を持っている。重大な関心を持っていればそれで物事が済むのなら非常に簡単であります。
 重大な関心というのは、それに対していろいろ調査をしてそれの対策を立てるということでなければ、重大な関心を持ったことにならないじゃないですか。そういうことを全くやっていない。これは通産省にしても企画庁にしても警察庁にしてもみんな同じ、同罪だ、私はそう思うのです。
 そういう意味で、清島さん、いつ質問しても余り明確に答えないで、わけがわからないんだ。これは答えを聞いてもわからないんだ、本当のことを言って。警察だから追及をしないでくれと言うから今まで追及をしないできたんだ、本当のことを言えば。私たちが捜査をしていますから、もし国会の中でこれをきちんと言えば、それが相手側に知られてしまって大変なことになりますから、そこのところは質問しないでくれと言われてきたんだ。だから我々は今まで質問しないできた。
 ところが、どんどん手を入れて、もう明らかになったじゃないですか。それでもなお答弁だけはちっとも明らかになっていないのですから。これでは我々はとても警察を信頼できない。これで私は終わりますけれども、清島さん、あなたもう一回、今私が言ったことについて納得いかないなら、いかないと言ってください。
#220
○清島説明員 国会では何回も答弁いたしましたが、犯罪の容疑があるかどうかわからない段階で、特定の会社について捜査しますとかしないとか、警察が言うわけにはいかないわけであります。そういう意味で、関心を持って実態調査をするというところまで従来は発言をしてきたわけであります。実際に各都道府県に対しては実態調査の指示をやってきたわけでございます。
 こういう状況になって、いろいろな法律適用ができるような違反、犯罪行為が幾つか判明したといいますか、そういうことで強制捜査に着手しているのも幾つかあるわけでございます。そういう意味で、実態を解明し、法律適用が可能であれば厳正に対処していくという方針を従来も申し上げましたが、今後もそういう方針でございます。
#221
○上坂小委員 厳正に対処してもらわなければこれまた困るのです。厳正でなく対処されたんではとんでもないことになってしまうから。
 そこで、重要な人、そうした非常な渦中にある人がいる場合に、これはこれからもあることだと私は思うのですが、今藪内であるとか、それから逮捕されない人もいろいろいるわけで、そういう人だって、これはやっちまえなどと言う人もいるわけだから、これは本当なんだから、そうなると大変だから、そういう人があちこち逃げたり消されたりしないように十分警護して、そしてちゃんと調べがつくようにしてもらいたい、これを要望します。
 終わります。
#222
○和田(貞)小委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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