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1984/04/03 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第9号
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1984/04/03 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第9号

#1
第102回国会 商工委員会 第9号
昭和六十年四月三日(水曜日)
   午前十一時三十二分開議
出席委員
  委員長 粕谷  茂君
   理事 浦野 烋興君 理事 田原  隆君
   理事 森   清君 理事 渡辺 秀央君
   理事 後藤  茂君 理事 城地 豊司君
   理事 長田 武士君 理事 宮田 早苗君
      甘利  明君    糸山英太郎君
      尾身 幸次君    奥田 幹生君
      加藤 卓二君    梶山 静六君
      高村 正彦君    佐藤 信二君
      椎名 素夫君    塩島  大君
      仲村 正治君    野上  徹君
      野田  毅君    原田昇左右君
      松野 幸泰君    水野  清君
      奥野 一雄君    上坂  昇君
      鈴木  強君    田中 恒利君
      浜西 鉄雄君    松前  仰君
      水田  稔君    和田 貞夫君
      木内 良明君    草野  威君
      西中  清君    福岡 康夫君
      横手 文雄君    和田 一仁君
      工藤  晃君    野間 友一君
 出席国務大臣
       通商産業大臣   村田敬次郎君
 出席政府委員
       通商産業政務次
       官        与謝野 馨君
       通商産業大臣官
       房長       杉山  弘君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   児玉 幸治君
       通商産業省通商
       政策局次長    鈴木 直道君
       通商産業省産業
       政策局長     福川 伸次君
       通商産業省機械
       情報産業局長   木下 博生君
       工業技術院長   等々力 達君
       工業技術院総務
       部長       荒尾 保一君
       中小企業庁長官  石井 賢吾君
       中小企業庁計画
       部長       末木凰太郎君
       郵政省通信政策
       局長       奥山 雄材君
 委員外の出席者
       科学技術庁計画
       局計画課長    川崎 雅弘君
       大蔵省主計局主
       計官       秋山 昌廣君
       大蔵省主計局主
       計官       日高 壮平君
       大蔵省理財局資
       金第一課長    寺村 信行君
       商工委員会調査
       室長       朴木  正君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月三日
 辞任        補欠選任
  奥田 敬和君    塩島  大君
  林  大幹君    糸山英太郎君
  上坂  昇君    田中 恒利君
  横江 金夫君    松前  仰君
  渡辺 嘉藏君    鈴木  強君
  青山  丘君    和田 一仁君
同日
 辞任        補欠選任
  糸山英太郎君    林  大幹君
  塩島  大君    奥田 敬和君
  鈴木  強君    渡辺 嘉藏君
  田中 恒利君    上坂  昇君
  松前  仰君    横江 金夫君
  和田 一仁君    青山  丘岩
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 基盤技術研究円滑化法案(内閣提出第三八号)
 貿易研修センター法を廃止する等の法律案(内
 閣提出第四三号)
 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第六二号)
     ――――◇―――――
#2
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、基盤技術研究円滑化法案及び貿易研修センター法を廃止する等の法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜西鉄雄君。
#3
○浜西委員 本日は郵政省、大蔵省それぞれ来ていただいておりますのは、この法案を審議するについては関連性が大変強いので特にお願いをして来てもらったわけですが、絞って質問をいたしませんので、関係がジグザグになりますので、そのときどきに応じて質問を行いますのでひとつ了承してもらいたいと思います。
 せっかく大蔵省主計官来ておられますので、まず予算的な面からいってみたいと思うのですが、この基盤技術というものがこれから重要になってくることはおよそ想像はつくと思うのです。世界的に先端技術を握ったところが生き残れるというふうに言われておるくらいですから、この問題については各国とも大変神経をとがらせて十分研究をし、自分のところで研究したものは一つの権利としてなかなか外へ渡さない、そういう国際的な状況が現在あるわけですが、今日このような技術を研究開発するということについて、私は基本的には大賛成である。
 しかし、予算的に見てこれは資本の関係があるので、事業費が四十億円、そのうちの二十億円は使いっ放しじゃないわけですね。だから、使いっ放しのものは極端に言えば二十億円しかない。ところが我が国で、民間が主体となっておりますが、大体七兆円ぐらいのものは研究費に使っておるのではないかということが言われております。それを今度郵政省と通産省と共管で、あらゆる分野にこれから広げていくという前提に立っていると思うのです、それでないとつじつまが合わぬ部分がありますから。それにしても余りにも金額が少ない。アメリカのIBM、この前ソフトの関係でも私は発言しましたが、年間五千億円、膨大な金を研究費につき込んでおるわけですが、大蔵省としてこの種の、産投会計から支出をするという組み方について、事前に内容的にはどのような論議がされ、当面事業費が四十億円というふうになっておるのか。その辺のいきさつ、大蔵省としての認識の受けとめ方、これを先に聞いておきたいと思いますので、これの説明をお願いいたします。
#4
○秋山説明員 資源、国土の面で非常に制約の多い我が国にとりまして、それを克服して経済発展の基盤を引き続き確保していく、そういう考え方から技術開発の推進というものは重要な役割を果たす、そういう認識を持っております。しかしながら、御案内のような非常に厳しい財政状況でございますので、技術開発の推進につきまして極力民間活力の発揮、民間活力を活用するという形で進めていくのがいいのではないかと考えているわけでございますが、その場合でも、国のあるいは財政の役割といたしましては、一つは、今申し上げました民間活力が最大限に発揮されるような環境条件の整備を行うこと、二つには、リスクが大きくて民間の自主性のみにゆだねることが困難な技術開発につきまして、財政の許す範囲内で最小限度の助成を行っていく、そして研究開発を進めていく、こういったことが基本的な考え方になるべきではないかと思っているわけでございます。
 ところで、六十年度におきまして、今御指摘がございましたように、産投特会の原資の充実等を背景といたしまして基盤技術研究促進センターを設立し、民間における技術研究の促進等を図るということで財政措置を行ったところでございますが、その内容につきましては、産投会計から基本財産としての出資六十億円、それから、このセンターの出資事業の事業資金としての出資二十億円、融資事業としての産投会計からの融資二十億円でございまして、御指摘のとおり事業費につきましては出資二十億円、貸し付け二十億円、四十億円でございます。
 センターは、今法案の御審議をいただいておりまして、政府としては、法案が成立し次第ことしの十月一日の発足を目途として準備を進めたいと考えているわけでございまして、まずセンター発足に当たりましては、出資事業、融資事業に限らず、このセンターの国際共同研究事業ですとか、あるいは民間との共同研究事業ですとか情報関係の事業ですとか、いろいろな事業を民間活用という観点から総合的に進めていこうということでございますので、まず基本財産の充実ということがポイントではないかということで、基本財産の出資を六十億予定したわけでございます。
 基本財産につきましては、そのほか日本開発銀行からの出資三十億円、それから民間側からおよそ三十億円、トータルで百二十億円ぐらい予定しているわけでございまして、センター発足に当たりまして、まずその基礎固めをしていこうという考え方でこういう予算措置をとったところでございます。
#5
○浜西委員 今の説明を聞く限りでは、当面基礎を充実させるということに重点を置いたような説明のようですが、基礎は基礎でもいろいろあるわけですから、この金額はいずれにしても私は少ないと見ておるのです。どうしようもないほど少ない。
 今、ちょっと通産省に聞きますが、私が冒頭言ったように、民間が出しておる研究費、政府もいろいろ出しておりますね、各省庁それぞれの特別の調査機関を持っておりますから、それを総合して七兆円ぐらいだと言われておりますが、その金額に間違いないかどうか、それをちょっと……。
#6
○福川政府委員 総務庁で調査をいたしております統計速報から私どもの方で推算をいたしますと、日本の研究開発費の現状は、昭和五十八年度で六兆五千億円、四捨五入いたしますと約七兆円ということになりますが、そのうち会社等、これは資本金五百万円以上の製造業等の会社及び特殊法人でございますが、それが四兆六千億円、したがいまして、約七割ということになろうと思います。それから、研究機関、これは試験研究、調査研究を業務とする研究機関でございますが、これが九千億円、それから、大学等が一兆円、こういうことになっておるわけでございます。
 当然のことながら、今の研究開発費の中で主たる部分を占めますのが会社等民間でございます。民間は、これまでどちらかと言えば開発段階、開発研究に力を入れておりましたので、先生御指摘の基礎研究ということについてのウエートは少のうございまして、いわゆる民間では、先ほど四兆六千億円と申しました研究開発費のうちで、基礎研究に振り向けているものは約三千億円、こういう調査に相なっております。
#7
○浜西委員 お聞きのとおりでありまして、大蔵省の方もこれをどう受けとめておるか知りませんが、私は、後ほどまた違った意味でこの問題の反対の趣旨を述べますけれども、ただ単に通産省と郵政省だけの共管で、それ以外のところは、まあ知っちゃいないと言ってはおかしいのですが、当面は今回の定義から外しておるわけですから、そうすると、対象というものはあくまで通産省の所管にかかわるものと郵政省の所管にかかわるもの。
 ところが、今の世の中で、豆腐を切ったように境界線を引いてこれからこれということはないのです。相互に関連をし、ジグザグ的にすべてお互いが相乗効果を持ちながら発達を遂げるというような現代の世の中になっておるわけですから、したがって、基礎部分を含め研究開発をしようと思えば、当然各省庁にまたがるような、そういう想定でやらなくては実は意味がないわけですね。当面ということなのかどうなのか、これも聞いてみたいと思うのですが、将来展望として通産省は、これをあくまで通産省と郵政省以外の所管は知らぬというのか、それを将来は展望するが、現在、当面は通産と郵政の共管だけでとにかく出発するというのか、その辺の将来展望がまず一つ知りたいということ、これは通産省にお聞きします。
 大蔵省は今お聞きのとおりで、五十八年度で総合的には大体七兆円近いものが、民間も含めて、大学も含めてそういう研究費が投じられておるわけですから、これから産学官一体としてそういう基盤整備をし研究開発していこうというこの趣旨でありますから、それにしては、四十億円のうちのしかも二十億円は使いっ放しではない。そうすると二十億円しかない。こんなことで大蔵省は一体これは、今の説明で私は納得いきませんが、将来、この産投会計というものにいろいろ種々雑多な金が入ってくるわけですから、予測は難しいけれども、当面はこの程度だが、来年以降実は考え方としてこういうものを持っているんだ、つまり、もっと多くの資金を投入して我が国の、国際的な競争の中で打ちかっためにも、技術をどんどん向上させていくという立場で大蔵省は眺めておるのかということが一つ。
 それから、今回の産投会計に入ってくる電電の株の問題、これは後ほど恐らく同僚議員も質問されるので私は軽く触れておきますが、このいきさつについても私どもは少し不満を持っておるわけであります。
 というのは、過ぐる国会の逓信委員会の議事録を見ますと、これはたくさんありますけれども、総体的には、電電が通信事業というものを今日まで育ててきた、そういう努力の中ででき上がった財産であるから、これは今後の通信事業を中心とした研究開発に金を使うということは十分論議の中に出てきておるわけです。そういう考え方で締めくくっておると思うのです。
 そうすると、三分の二の話もまた問題なんですが、三分の一の配当利益というものが、順調にいって、これは先のことですからわかりませんが、大体どのぐらいあるものか。これは四十億円やそこらではないと思いますから。その金は本来この種の研究開発に全部充ててしかるべきであって、なお私の希望から言えば、不足する金額については産投のほかの会計からもいただくというぐらいでなければ、本当の基盤技術というものはとてもじゃないが達成することはできぬと思いますが、その点について、それぞれ考え方なり述べてもらいたいと思います。
#8
○福川政府委員 まず、対象技術を通産省、郵政省に限ったのはいかなる理由であるか、あるいはまた、その将来にわたっての展望はどうであるかというお尋ねでございます。
 私どもとしては、先ほど申しましたように、民間の基礎研究部門あるいは応用研究部門というのがかなりおくれておる、もちろん、国が果たすべき役割、これもあるわけで、これは別途予算措置を講じて進めるといたしまして、民間においても、従来の開発段階ばかりでなく、その活力を応用研究さらにはさかのぼって基礎研究に振り向けていく環境条件の整備をしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 またもう一つは、基盤技術ということの考え方でございますが、私どもとしては、この基盤技術というのが、産業に横断的に使われる部門あるいは特定の部門でも革新的なものということで、いわゆるその波及性あるいは影響度の高いものを基盤技術と考え、なおかつ民間部門で、今申しましたように、そういった応用研究、基礎研究を進めていく、そういうことでこれを考えておるわけでございまして、その二つの要件を考え合わせてみますと、私どもとしては、当面、通産省、郵政省の技術ということを対象にしてこのような助成手段を講じていくのが適切ではないか、かように考えた次第でございます。
 過日の当委員会におきます参考人からの意見聴取におきましても、大島参考人からは、これをいわゆる二省に限ったことについて、技術の開発については発展段階がそれぞれ異なってきておる、厚生省あるいは農水省、これは医薬品あるいは農業関係、こういうことでございますが、そういった技術は現状で見る限り官主導型で行われているのではないか、こういう御意見が述べられておりました。私どもも、今の民間の基盤技術の試験研究を進めていくという観点から考えますと、私どもとしては当面両省の技術を対象としていくというのが適切だというふうに考えております。
 もとより、技術の必要性は、先生まさに御指摘のように、他の省庁も遂行をなさっているわけでございますが、それぞれの省庁はそれぞれの技術の発展段階、業種業態に応じまして最もふさわしい手段を選んでおられるわけでございまして、各省はそれぞれの立場から実態に応じて必要な技術開発促進策を展開されておられるし、今後もしていかれるものと思うわけであります。今後、他の省庁がどのような手段がそれぞれの技術の状況、実態に即して必要であるか、こういうことをお考えになられて新しい政策をお考えになる、そういうことになって、将来私どもの方の技術政策と、あるいは郵政省、通産省の技術政策と調整を要するということであれば、これは将来の問題として調整に入るということはあり得るかと思っております。
#9
○秋山説明員 技術開発について七兆円というお話がございましたけれども、確かに今回の基盤技術促進センターに対する産投会計からの財政措置はトータルで百億でございますが、このセンターについての財源措置としては、そのほか開銀あるいは民間等々からのお金も含めまして百六十億円強の財源措置が講じられているところでございます。
 それから、基盤技術というのは、前回の委員会でもいろいろ定義の問題がございましたけれども、技術開発全般についてどのような財政措置を講じているかということをちょっとこの際付言させていただきますと、現在、この産投会計からの百億円も含めまして通産省所管の一般会計、特別会計全体の技術開発あるいは情報関係の予算は千九百三十二億円ということで、対前年比で一二・七%増と相当の財政措置を講じているところでございまして、この基盤技術促進センターもその一部として考えてみますと、全体としては基盤技術等技術研究のための予算措置はかなり重点的に措置が講じられているというふうに考えているわけでございます。
 それから、産投会計に帰属が予定されております新電電株式の配当金収入が今後どういうふうになるのかという御質問でございますが、これは新しく発足する株式会社がどういう配当政策をとるのかということにかかわってくるわけでございまして、確定的なことを今申し上げられる段階ではございませんが、仮定の計算として御説明いたしますと、新電電の資本金が七千八百億円ということでございますので、産投会計に帰属が予定されております。その三分の一と申しますのは二千六百億円、こういうことになるわけでございます。仮にその配当率が五%ということであれば百三十億円でございますし、仮にそれが一〇%ということであれば二百六十億円、計算をすればそういうことになるわけでございます。
 その配当金収入につきましてどのように今後産投会計で活用していくのかという御質問でございましたが、いろいろその新電電の株式の処理につきまして国会で御審議があり、あるいは附帯決議もございましたし、国会以外のところでもいろいろ議論があったことは我々承知しておりまして、そういったものを全部勘案して、昨年の予算編成の最終段階で今御提案しているような予算案、あるいは産投会計法等の関係法の改正案を御審議をお願いしているわけでございまして、こういった政府の結論になったのはそういう審議を踏まえた結果であると御理解いただきたいわけですが、この配当金収入につきましては、昨年の十二月二十一日に政府と与党の間で決定をいたしたところでございまして、ちょっとその決定の文を読ませていただきますと、「政府保有が義務づけられている株式は」三分の一でございますが、この「株式は産業投資特別会計に帰属させ、その配当金収入を技術開発等に活用する。」こういうふうになっているわけでございます。我々といたしましては、この考え方にのっとりまして、今後産投会計の予算編成を進めていく、こういうことになるわけでございます。
 六十一年度以降についてどうかということでございますが、我々といたしましては、やはり基盤技術等技術開発に係ります財政需要、ニーズというものをよく検討いたしました上で適切に対処してまいりたい、かように考えております。
#10
○浜西委員 大蔵省の関係で今説明のあったことについては、これは問題があるわけですが、私は自分の持ち時間を考えて同僚議員に譲りますけれども、十二月二十一日に決めたそのことが、やはり逓信委員会という国会審議をほごにした形になっているという問題点がここにあるわけですから、これは別の角度でそれぞれ関係するところ、大蔵委員会も含めて、扱いについてもこれから十分検討されるべき内容のものであるということ、この十二月二十一日の政府・与党連絡会議ですか、これで決めたこと自体に問題があるということを私は一点指摘しておいて、もっと具体的な内容に入ります。
 まず、通産省にちょっと先に伺っておきますが、スーパーコンピューターというものが開発をされておると聞いております。これは特に科学技術庁の航空関係での開発で、物すごく速い速度での計算ができるというのですね。私は専門的にはよくわかりませんが、とにかくスーパーコンピューターというのですから、それはもう話にならぬほど、まあ専門的に言えば一ギガフロップスですか、一秒間に十億回の小数点演算を実行する速度だ、こういうふうに言われておりますが、この種の開発については、通産省は最初からそういう開発に臨んでおるのかどうなのか、まだほかにもありますが、この問題だけひとつ答えてもらいたいと思います。
#11
○荒尾政府委員 コンピューターの開発はいろいろな制度があるわけでございますが、大型工業技術開発制度、大プロと略称いたしておりますけれども、この中で大型の電子計算機の開発を行ってきたところでございます。
 そのほかに、ただいま実施をいたしておりますのは第五世代のコンピューター開発制度でございまして、これは人工知能を備えたようなコンピューターの開発をしようということで、非常に長期の計画で開発を今進めておるところでございます。
#12
○浜西委員 いや、私は、第五世代コンピューター、頭脳的な言葉を読み取るというコンピューターでなくして、現在科学技術庁がやっておるところのスーパーコンピューターの話を今聞いておるのです。通産省はこういうものは手がけておるのか、これはあくまで科学技術庁に任しておるのか、それをちょっと聞いておきたいと思うのです。
#13
○等々力政府委員 大型工業技術開発制度の中でスーパーコンピューターの開発を工業技術院でやっております。スーパーコンピューターというのは、普通のコンピューターといいますか一般に使われているコンピューターよりも科学技術計算を速くするコンピューターというのをスーパーコンピューターというふうに呼んでおりまして、現在でもそういうコンピューターは存在しております。しかし、現在やっておるものよりかもっとスピードを上げないとこれからのいろいろな技術開発について支障が起きる、非常に長い時間がかかるということでスーパーコンピューターを取り上げて、日本でもやろうということで始めております。
#14
○浜西委員 私が聞いておるのは、スーパーコンピューターが、従来のものに比べて物すごく速度の早い計算ができるようになったものがことしの一月から実施段階に入っているのですが、実用化されているわけですが、この種のものに最初から通産省はかんでおったのか、そんなものは通産省の所管外で、どういうことになっておるか全然知らぬのか、そのどちらかということを実は聞いておるわけです。
 ついでにもう一つ聞いておきます。
 専門的なことですが、レアメタルと言われるような金属でもない、土の中からより分けて出す、アフリカの方ではそれがかなりまとまってとれるというふうなことも聞いておるのですが、現在使っておるシリコン半導体というようなものにかわって、ジョセフソン素子とか、HEMT半導体素子あるいはガリウム砒素半導体素子、こういうものの集積化が今研究開発されておるわけですね。ところが、この種のものは全体を含めてレアメタルと呼んでおるそうですが、聞くところによると科学技術庁がこれの開発については所管のようになっておるらしいのですが、一体通産省はこの種の研究開発には全然手をかけていないのかどうなのか。それをあわせて聞いておきたい。
#15
○等々力政府委員 最初のスーパーコンピューターの方は工業技術院が最初からやっております。このプロジェクトは五十六年からスタートしてやっております。最初から関与しております。
#16
○荒尾政府委員 後半の方のレアメタル類似の物質でございますが、研究開発ということで直接的に今何かの大きなプロジェクトでやっておるというものは余りございません。レアメタルの精製技術の研究開発を行うというのはございますが、今先生お話しのものはレアメタルとはちょっと違うものかと思いますので、直接的に技術開発を今やっておるプロジェクトはないわけでございますが、一般的には、鉱石あるいはそれに類似するものの採集あるいは精製といったものは通産省の所管になるというふうに私ども考えております。
#17
○浜西委員 私は手元にある資料でいろいろ物を言っておるわけですが、今言ったようなととはそれぞれ両者とも、スーパーコンピューターもレアメタルの抽国技術、泥の中からそれを抽出するという技術、これは科技庁がやっておると聞いておるのですが、科技庁がやっておるならやっておるでいいのです、通産省がその問題について知らぬのはけしからぬと言っているわけではない、これを所掌しておる、これの研究開発を進めている所管庁を私はここではっきりさせたいために言っているわけですから、それだけ答えてもらえばいいのです。
#18
○等々力政府委員 情報、特にコンピューターの開発については通産省が昭和三十八年、もっと古くからやっておりまして、現在スーパーコンピューターの開発は科学技術庁の方ではおやりになっていないと思います。
#19
○浜西委員 では私の資料が違うのかもわからぬが、これは日経の「日経手帖」、これに載っておるわけですから、日経が当てずっぽうで記事にしておるということになります。
 それでは大臣に先にお伺いしておきます。
 過ぐる三月二十九日、本委員会へ参考人が四名来られまして、それぞれの立場から多少のニュアンスの違いはあっても総じて、我が国が技術立国として民間活力をどんどん入れて研究開発するには、新しい素材をつくっていくということも含めて、工学それから化学、こういったものについての基礎研究なくして進歩、進展はないという発言をされたと思いますが、現在取り組もうとしておるこの基礎研究は、そういう新素材も含めて、新しい技術開発も含めてそういうものが一体となった、つまり技術立国として我が国は生きていかなければ、口を開けば資源のない国ということをお互いが言うわけですから、資源のない国として生きていくためには技術立国としてそういう新素材の発見もしようし研究もしようし、極端に言えばそういう技術によってこれから日本国民は生きていく、そういう方途を探ろうとしておるのならば話はわかるのですが、基盤研究とは、私が考えているそういうことなのか、それとも何か知らぬけれども通信回線を通じてその途中やら端末やらコンピューターがついている変わった電話機がつく、そのようなことをやろうとしておるのか。この基盤研究という中にそういうものが具体的に出てこない。考え方とすればかなりいい方向の考えがあるわけですけれども、言えばそういった具体的なことは一体どこまで含めて基盤研究をしようとするのか、大臣からそれを聞いておきたいと思います。
#20
○村田国務大臣 基盤技術研究円滑化法で私どもが考えております基盤技術というものは、第一に鉱工業、電気通信業等の技術のうちで通産省及び郵政省の所管にかかっておるもの、第二に国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの、こういう考え方をしておるわけでございます。
 今、浜西委員が御指摘になりましたように、日本は非常に面積が狭い、資源が少ない、そして人口が多い、しかも世界の一割国家としての、国際国家としてのいろいろの使命を果たしていかなければならぬ。したがって、御指摘になられましたように技術の面あるいは情報化に対応する面、そういう新しい面をしっかりと取り入れてやっていかないことには、今与えられたような与件の中から日本の使命を果たしていくことができない。そういうことでございまして、この法案におきましては、国民経済や国民生活の基盤の形成をより効果的に進めるという観点から、新素材分野を含め、これらの要件に該当する技術を幅広く対象にして研究をしていきたい、そういう趣旨でございます。
    〔委員長退席、渡辺(秀)委員長代理着席〕
#21
○浜西委員 新素材研究も含めてということですから、かなり基本的な日本の将来がかかっておることも含めて研究しようというふうに受けとめてしかるべきだと私は思っておるわけでありますが、さてそうすると、今さっき大蔵省といろいろやりとりをした中でも見られますように、研究費が大変少額であって、リスクの大きい大変な問題が潜んでおるわけですが、一つ例を引用しながら質問した方がいいと思うのですが、今回、アメリガの国防省から日本の電子工学などそういう技術の問題について調査団が恐らく本日来ておると思うのです。これらは、日本の技術を高く評価をしておるし、その技術をアメリカの国益にプラスになるようにしむけていきたいという意図というものが十分あると思うのです。
 それで、もともとアメリカの方からいろいろ色目を使って、日本に対して具体的にアプローチしてきておる問題があるのです。これはアメリカの国防省、つまり軍隊とそれから産業界、これらが合体をしたところの一つの機関というか、そういうふうに言った方がわかりやすいと思うのですが、十六の分野に分かれていろいろアプローチがあった。今さっき私が言ったように、その中にガリウム砒素素子だとか、あるいはマイクロウエーブ集積回路、それから光ファィバー通信、ミリ波、それから超LSIの配線ですね、すごく小さいものです。あるいは画像認識だとか、ずっとこうあるわけです。そういうことについて現在、それぞれの大企業、大手メーカーがそれなりに研究開発をし、それを持っておる。
 今回、アメリカの国防省の調査団が来日してきました。いろいろな技術交流も含めて、どういうふうな要請を向こうがするのかよくわかりませんけれども、これは重大な問題が含まれておると思うのです。というのが、そのうちの、きょうの新聞にも載っておりますように、二つばかり絞られておるのですね。絞られたものそのものが、それこそスターウオーズ、宇宙防衛計画というものにどんぴしゃりの日本の技術であるわけです。
 一体、これらについて、これから基盤技術を開発する、奨励をする、どんどん日本が技術立国としてそういったものを開発するという方向の中で、絶えずこの種の先端技術について国際的にねらわれるというか、そういうものがこれからもつきまとってくると思うのですが、今回来日した関係で、各企業と話をしておることについて、通産省はこれに参画するのか、全くこれは別枠で、どのようになるか、そのことは相知らぬことなのか。通産省がこれから基盤技術をどんどん進めていこうとするならば、我が国の基盤技術全体について責任を持つ、指導するという立場で今回この基盤技術という法案をつくろうとするのか、あるいは、それぞれが勝手にやっておることは、日本の国益であろうとなかろうと、それぞれの企業が開発したことは通産省は口を挟まないという態度なのか、この辺は非常に重要な気がするので、ひとつそういう先端技術の開発、既に開発しておるところとアメリカ国防総省からの調査団との関係など、通産省が知っておる範囲内について説明をしてもらいたいと思います。
#22
○福川政府委員 基盤技術、特に民間が実施いたします基盤技術、この点につきましては、私どもとしては産業を所管する立場から、その技術の開発の動向という点については十分関心を持っております。また、そこの開発のおくれている部分については、必要に応じてそれを助成をする、こういうことは産業を所掌する私どもの立場からいって、当然やるべきことであろうと思う次第でございます。そのゆえに、従来も、例えば大型プロジェクト制度でありますとか、次世代産業基盤技術研究開発制度でありますとかというようなリスクの特に大きい、国がリスクを完全に負担してやるようなものというのを進めてまいりましたし、また今回は、こういった民間と政府とでリスクを分担し合いながらこれを助成していく環境条件の整備を図っていく、こういうことをいたしておりますのも、今申し上げたような趣旨に出るものでございます。
 今、スターウォーズの関係で調査団が来る、こういうことでございまして、もちろん技術の開発をいたしていきますのに、民間が開発いたしました技術はどのようにそれを工業化していくのか、あるいは他に供与をしていくのかというのは、一次的にはもちろん民間が判断すべきことでございますが、ただ、それをさらに、その技術がより例えば工業化をしていくというような場合に、資金的に不足があるということであれば、これまたそれなりの助成手段は講じていくということは考えておるところでございます。
 今回、国防省の方から派遣されてまいりました調査団の意図あるいは構成は、私どもとしてはまだ詳細承知いたしておりませんが、現在のところ、恐らくまず実態の調査ということであろうと思います。特に、その技術の供与等に関しまして、政府ベースで具体的にどういう技術をどのように供与するか、こういうことにつきましては、日米関係の問題としていろいろと、それぞれの仕組みがあるわけでございますが、現在までのところ、きょう来日とおっしゃいましたその件について、具体的にどのような技術をどのように供与してほしいか、そういうようなことは今のところ、私どもとしては承知をいたしておりません。
#23
○浜西委員 いろいろ大臣に聞きたいところですけれども、大臣は最後までおらなければいけませんので、食事されて結構でありますから、ほかの関係で、郵政省関係を含めて今から質問しますので、どうぞ退席されて結構であります。
 それでは、今の話では、スターウオーズ計画その他なかなか通産省も明確な把握ができていないようでありますから、これ以上その質問は避けます。
 ならば郵政省に聞くわけですが、新素材の開発とかいろいろこれから先、我々の想像を超えた研究開発が進むわけですが、それらも含めて郵政省と通産省の共管で、この基盤技術円滑化法案ですか、これをやろうとすることについて、もともと私ら考えると、郵政省というものは、通信事業に係る問題で、電電の株利益、配当利益でその技術をどんどん向上させることによって、つまり通信技術を向上させることによって、結局それが今まで財産を形成してきた関係者、国民、利用者にそれを還元するという意味では、その研究開発がそれにかわるものだというふうに、私どもは金をずっと配るわけにいきませんから、その研究に充てて、次々に新しいものが非常に便利になる、正確になる、高速になるという分野において、今まで電通の財産形成に寄与してくれた関係者に還元するということが、私は本来的なあり方だと思いますが、素材研究も含め、この種のことで共管でやることについて、郵政省は果たしてそれで満足なのか、その辺の考え方がよくわからない。
 一体、郵政省はこれから先の通信事業について、どのようなことをやろうとしておるのか、その辺を少し聞かしてもらいたいと思います。
#24
○奥山政府委員 先ほど来、基盤技術の定義あるいはあり方につきまして種々御議論がありましたけれども、これを電気通信分野に引き直して考えてみますと、委員御承知のとおり、通信といいますのは、発信の端末から伝送交換系を通って受信の端末に至る、全体のネットワークでございます。したがいまして、その中には電子交換機というコンピューター機能を持ったものもございますし、伝送路のようなものもございます。つまり光ファィバーのようなものもございます。そういった全体を通じての技術開発が即、電気通信の基盤技術を支えるわけでございますので、その中には、先生御指摘になりましたように、材料技術、ジョセフソン素子、その他アモルファス等もございますし、また素子技術もございますし、伝送交換技術もございます。それらを含めて、これまでの間、電電公社が電気通信研究所を中心に大変な労力と経費を投入して、今日の電話を中心とした電気通信の社会ができ上がっておりますので、その意味におきましては、こういった電気通信関係の分野における電電公社の経費の投入がひいては国民の生活の向上あるいは社会経済の発展に資したことは言うまでもございません。
 ところが、一昨日の四月一日から電電公社がNTTという民間会社に脱皮いたしましたし、また片方では、これからの高度情報社会を考えました場合には、電気通信というものがその中核的、先導的な役割をすることは間違いのないところでございまして、その意味におきましては、電気通信における基盤技術開発の重要性というものは従来より以上に大事になると認識をしております。
 そこで、通産省所管の鉱工業等における基盤技術と私どもの電気通信分野における基盤技術というものは、先ほど来申し上げましたように、素子技術、材料技術あるいは伝送交換系等あるいはコンピューター等、全体を通じまして密接なかかわり合いを持つわけでございますし、それぞれの所掌に応じて相協力をし、また場合によっては相切り分けをしながらやっていかなければならないと思っておりますので、通産省と共管をすることにつきまして、私どもは全面的に賛意を表しているところでございます。
#25
○浜西委員 それでは、逆に聞きますが、通信回線を利用しながら、これから先は世の中がすべてオンラインされて、あらゆるところとそれが接続をして生活が利便になり、あるいは物の情報が速く送れて、研究開発がそのことによってさらに進むということも含めて、そういう状態で進んでいくと思うのです。
 そうすると、例えばVANの問題もありますけれども、例を言った方が早いと思うのですが、警察なら警察の捜査、そういう段階で通信を使うということもある。あるいは遠隔地、山間僻地の医者のおらない、つまり無医村ですね、そういうコンピューターを通じて、あるいはテレビカメラを通じてこれの診断ができる。それによっていろいろな先生がそれを眺めて診断をしカルテをこしらえる。そのカルテそのものもコンピューターに組み込まれるだろう。金融界とすれば、あらゆる金融界が相互に、最初は同業種だけでやっていくのが、それでは国民のニーズにこたえられぬということで、結局はジグザグコース、絡まった上でのこのネットワークがだんだんできていって、さらにこの需要が高まるということもあるでしょう。
 そうすると、今回は農水関係それから厚生、つまり医薬関係などは除いておりますけれども、本来通産省が開発しようとしておることと、その他の所掌するところ、今さっき私か言いましたが、科学技術庁の問題もありましょう。建設省も出てくるかもわからぬ。道路関係、車の関連でいろいろのコンピューター、マイクロウエーブを使うようになるかもわからない。そういうものが総合的に発達していかなくてはならないのに、その種のこととは組まないで通産省とだけ組んで、ネットワークとその端末機だとかコンピューターとの関連があるので一緒に開発しましょうというのは大変片手落ちであって、もっと総合的に、今私が言ったような警察関係もある、厚生省の関係もある、あるいは銀行もある、駅もある、あるいは娯楽施設もある。いろいろなところにこれから光通信回線は接続されてコンピューターや端末機と一緒に動くことによって、非常に世の中が発展し進んでくると思うのです。これは一般的にだれも思うことであります。
 そういうことについて、郵政省は、ほかの省庁ともいろいろ連携をとって、共管をして、我が国全体の通信、情報というものについて確固たる基盤というか、最初からそういう出発の姿勢でもってやるべきだと私は思うのですが、その点を説明してください。
#26
○奥山政府委員 先生が例に挙げられました、例えば警察におけるコンピューター並びに電気通信回線の利用あるいは厚生省関係の、無医村における遠隔診療業務あるいは銀行の金融オンライン化といったようなものにつきましては、確かに、電気通信回線とコンピューターを利用した利用形態だろうと思いますけれども、これらはそれぞれの省庁における一種のサービス形態であり利用形態である。私どもはいわゆるアプリケーションと言っておりますが、利用、応用の分野であるというふうに考えております。
 ところが、鉱工業における基盤技術と電気通信業における基盤技術は、これらのいわば上部構造といいましょうか応用分野、実際の利用分野における各分野別の形態とは違いまして、それぞれ国民経済並びに国民生活の基盤をなす、私どもの用語で言えば通信インフラストラクチャーと言っておりますけれども、そういった社会的な基盤を構築するものを念頭に置いているわけでございます。その意味におきまして、電気通信における基盤技術開発というものは、今回の基盤技術研究促進センターで考えられるもの、つまりその対象となるものは、いずれも横断的あるいは汎用的なシステムとして将来社会基盤、つまりインフラストラクチャーとなり得るものに絞っていきたいというふうに考えております。
 先ほどもお話が出ておりましたけれども、各省庁は各省庁なりにそれぞれの技術開発をおやりになっていることは当然でございますが、それらにつきましては各省庁の技術開発段階に遅速といいましょうか、ばらつきがあり、区々の状況になっておりますので、それらにつきましては、各省庁、もちろんこれからもおやりいただいて結構ですし、私どもも、それぞれのユーザー官庁が社会基盤としての通信インフラストラクチャーを利用して、その上にさらに技術開発をして、よりよい利用形態の花を吹かしていただくことをむしろ期待しているわけですが、いずれにいたしましても、民間の主導で民間の活力を国が支援するという見地から申し上げますと、現時点では、鉱工業並びに電気通信事業で通産省並びに郵政省にかかわるもので十分ではないかと考えているところでございます。
#27
○浜西委員 最後になると思うのだけれども、どうも歯切れが悪いあれで、どうもわからぬ。わからぬですが、私の持ち時間が大分減ってきたから、ちょっと飛ばして、最後に通産省に聞いておきたいのです。
 今、郵政省のインフラストラクチャーの関係については通産省と組んでやるということで、これは私は納得できませんけれども、問題は、これを利用する場合の安全性の対策。この前のケーブルの火災みたいなものだとかいうふうなことも考えられますし、それから各企業間で新しい競争時代に入ったならば、秘密漏えいについてかなり行政がその辺を指導し、規制をし、あるいは国益を守るためにも、国際間の紛争にならないようなことも含めてそういう心遣い、その種の法律、規制というものも考えていかなくてはならぬと私は思いますが、今回の法案の中にその種のことが余り感じられないわけです。これから先のどんどん目まぐるしく変化を遂げていく通信情報、そして、それに必要な新素材、こういうものの発達を遂げる中で、今私が言ったようなセキュリティーの問題も含め、国際間の紛争にならないような、あるいはスターウオーズ計画にいつの間にかこれが参画した結果になるようなことにならないためにも、いろいろなことがこれから考えられるわけですが、その点について通産省は一体どう考えておるか伺っておきたいと思います。
#28
○福川政府委員 冒頭先生おっしゃいましたように、まさに技術開発がこれからの経済の発展の基盤であり、また今後企業がその事業を継続していく源泉であるわけでありまして、そういう意味で、今おっしゃいました問題は非常に重要な課題であると思っております。
 今回もこのセンターがそういった技術開発の助成をするに当たりましては、これは特別認可法人という形態をとっておりますのも、実はそこに一つの意味がございまして、そこの職員が勝手に秘密を漏らすということがあってはならないわけでありまして、そういう意味では国家公務員法と同様の秘密保持義務をその職員にも課すということをいたしておるわけであります。また、民間企業は別途もちろん自分の技術の保持という点については大変力を入れておるわけでございまして、それぞれ秘密の保持あるいはこれを供与する場合には、その契約におきまして、その秘密保持のための義務を相手方に課すといったような点を十分いろいろと実施をいたしているところであります。
 また、特に情報化が進んでまいりますと、プライバシーの保護という問題がいろいろ出てまいりますが、これはまた政府全体として今いろいろな角度から検討をいたしておるところでございます。また、技術の流出という点につきましては、私どもも、先ほど申しましたように国は国なりに、あるいは民間企業は民間企業なりにいろいろ努力をいたしておるところでございますが、そういった技術成果につきましては、それぞれ各企業が大変な労力と資金を投入してやった開発でございますから、十分な対策を講じていくというふうに考えておるわけであります。それがいろいろ日本の対外諸政策ということにかかわり合いを持ってまいります場合には、国としてもそれなりの対案を考えなければならないわけでございますが、御指摘のような点は今後の運用等の段階におきまして十分気をつけて、留意をして運用してまいりたいと考えております。
#29
○浜西委員 時間が終了したというメモが回ってきましたが、私は、最後に簡単に聞いておくのですけれども、通産省に聞いておくのですが、郵政省、どちらでもいいのですが、これから想定される世の中に対処するために、この種のことは各省庁にまたがることは間違いないわけですから、それをそれぞれが研究機関を持ち、ばらばらにやるというむだを省くためにも、それから国益を守るためにも、日本列島全体のそういう通信情報という世の中に対して一定の規制をするときにはしなければならないし、そういう機能を持った、そういう情報をある意味では国益的にコントロールできるような機能を持った省庁、官庁というものが必要ではないか。それぞれが今までの省庁の中で、これはうちに該当するんだろうというようなことでお互いが共管をしてみたり、相談をしてみたりしてやるのではなくして、一括、そういう通信情報というものについてはこれから重大な時期を迎えるわけですから、そういう省を新しくつくり、そのためにはまず基本法というものを十分検討して、それで基本法というものを将来つくるのだ、あるいはつくる寸前まで話が行った段階で、この種の基盤技術研究というものをその一環として論議をするという順序が正しいと思うが、そういう基本法なり、そういうことを完全に機能を果たす役割を持った省庁は私は必要だと思うが、その点の考えについて、どちらでもいいです、最後に聞いて終わりたいと思います。
#30
○福川政府委員 確かに、技術開発というのは、いろいろ多方面に多様に展開をされてまいりますし、また、情報化社会の到来ということで、それぞれ行政の各分野においてもその情報化ということがいろいろなところで開花してくると思っております。
 先ほど先生が御指摘のように、あるいはまた郵政省からも御答弁がございましたように、私どもとしてはこの基盤となる技術、これが鉱工業、それから電気通信業の技術、こういうことで考えておるわけでありますが、今私どもは、大体ここで両省でカバーいたしますのが、最近の特許の出願等の例で見ますと、九割は超える特許技術をカバーすることになると思っておるわけでありますが、それが確かにいろいろな部面に応用をされてまいるわけであります。情報についても同様でございます。
 そういうわけで、ここで当面民間を活用した基盤技術ということになりますと、両省でこれを責任を持って、さらにそれがまた他省庁とまたがっていく、関連をしてくる、こういうことになるわけでございまして、今回の条文の中にも他の省庁とのかかわり合いのある部分、先ほど郵政省の御答弁の中ではアプリケーション技術というお話がございましたが、私どもでも、例えば新素材あるいはバイオといったようなものでも、バイオが医薬品に使われる、あるいは農業に使われるといったときに、例えば遺伝子組みかえ技術がそういうふうに応用されていく、工業関係のものが応用されていくということは十分考えられるわけでありますが、そういった点の調整を図りますために関係行政機関と協議をするという規定が入っているわけでございます。
 今御指摘のように、政府行政庁全体をどのように再編成をすべきかどうか、こういう問題でございますが、今お話しのように、特に情報化関連についてのお話でございましたが、情報化というのはそれぞれ、例えば運輸、農林、厚生、いろいろな分野でずっと進んでいくわけでございまして、むしろ情報技術、通信技術あるいはまたそういった素材の関係の技術というのはそれぞれに広範に使われているということでございまして、そこはそういう格好で開発をしながら、それのアプリケーション、応用をどういうふうにしていくか、その企業化、商業化をどういうふうにしていくかということが各省庁において展開されていく、こういう関係になるのであろうと思います。
 しからば、そういう非常に広い関係になりますものを果たして一つの省庁にしてしまうということが効率的であるのかどうか、また、ある面では各省庁もそれぞれに実態に応じた技術開発を相互にやり合うことになって、それがまた加速をするという面もございます。また、開発された技術が順次相互に協力をしていくという面も入っていくわけでございますが、私どもとしては当面、今ありますこの置かれた状態の中で、これを専ら効果的にやっていくというのが一番いいわけでございまして、今ここで政府全体の行政庁のあり方をどういうふうにすべきかということについては答弁を差し控えたいと思いますが、御指摘のような趣旨でそれぞれ相互に協調し合うところは協調し合っていく、連絡し合うところは連絡し合っていくという格好で全体としての研究開発、これは基盤技術を進め、また他方で商業化関係の技術もいろいろ進めていく、そこの連携は十分保っていくということで努力をしてまいりたいと思います。
#31
○浜西委員 終わります。
#32
○渡辺(秀)委員長代理 浜西君の質疑は終了いたしました。
 引き続いて、鈴木強君の質疑に入ります。鈴木君。
#33
○鈴木(強)委員 お許しをいただきましたので、若干の質疑をさせていただきます。なお、既に質疑者がございましたので、重複するような点があるかもしれませんが、その点は御寛容のほどをお願い申し上げます。
 私は最初にお伺いいたしたいのは、基盤技術研究円滑化法案というものが、いろいろ問題はございましたが、でき上がりまして、この国会に提案されたわけでございますが、予算編成の段階においていろいろと問題になりました点がありますので、それらの問題について郵政、通産、大蔵各省から簡略にひとつ概要を御説明願いたいと思います。
 それからもう一つは、この法案は郵政、通産の両省にかかわる共管事項でございますが、この法案を通産省が提案をしたというのはどういう理由であったのか、これもひとつ説明していただきたいと思います。
#34
○福川政府委員 この基盤技術円滑化法案は、昭和六十年度の予算編成の過程で、基盤技術研究促進センターが設立を見るということで、鉱工業の技術あるいは電気通信業の技術、これの基盤となる技術の開発を進めていくということでこのようなセンターの設置が決まったわけであります。また他方、私どもとしては昨年の春以来、技術開発政策を積極的に推進する、こういう考え方から産業構造審議会あるいは産業技術審議会等の場でその政策のあり方を御議論いただき、国の財産の積極的な活用あるいはリスクマネーの供給といったような御答申があって、私どもは私どもなりに予算の要求をいたし、また郵政省は郵政省としての対応をして、そして先ほど申しましたように、予算編成の過程でこれが一本化する形で、基盤技術研究を民間活力の活用を図りながらしていく、こういうことに相なった次第でございまして、私どもとしても、基盤となる技術を進めたい、こういう政策がそこに生かされるということでございまして、この法案を評価いたしておる次第でございます。
 今回立法の過程に相なったわけでありますが、この点につきましては、その予算編成の過程等を考慮いたしまして両省でお話し合いをいたしました結果、通産省と郵政省との間で今御提案申し上げておりますような所管の分担を図り、法律の方は予算編成のそういった経過を踏まえまして私どもの省から提案をいたしたということでございます。
#35
○奥山政府委員 郵政省側からの足取りを申し上げたいと存じます。
 電電の民営化に伴いまして電気通信事業法等の質疑が行われました過程で、電電公社の資産形成の経緯にかんがみて、新電電の株式の一部を将来の電気通信関係の技術開発に充てるべきであるという御議論もございましたし、私どもも、これからの高度情報社会を展望いたしました場合に、公社の民営化に伴いましてそのような必要性がさらに増大することを十分認識いたしまして、予算編成、概算要求の過程では電気通信振興機構といったような特殊法人の要求をいたしました。しかしながら、最終的な政府原案の決定段階で、通産省の方から御要求のありました産業技術センターと合体をする形で一つの特別認可法人をつくるという形で政府の原案を決定したところでございます。そのような政府における最終的な意思決定を踏まえまして予算措置が行われ、またそれを具現化するために基盤技術研究円滑化法というものの立案作業に入ったわけでございます。
 その間、常時通産省、郵政省緊密な連絡をとりながら各条ごとに審議を進めたわけでございますけれども、本法案の作成におきまして通産省が提出をするに至った経緯について申し上げますと、本法案が単に郵政省から概算要求をいたしました電気通信振興機構の変形でございます基盤技術研究促進センターにかかわる部分のみならず、さらに第一章並びに第二章にうたわれておりますように、例えば特許の公開あるいは研究機関の廉価利用等の条文がございます。これらの実態を考えますと、研究機関の数あるいは経費、そこにおいて使用される研究費あるいは特許の数等々を考えますと、法案全体としてどちらが提案した方が社会通念上通常であるかというような判断を政府部内でいろいろ検討いたしました結果、通産省の方から提出されることになったわけでございます。
#36
○日高説明員 ただいま通産省あるいは郵政省から御答弁申し上げましたとおり、このセンターに至る経緯について簡単に申し上げますと、御承知のように、電電三法の国会審議におきまして電電株式の売却収入の使途の問題について種々議論がございました。その議論を踏まえながら政府部内で予算編成の過程で調整をいたしました結果、昨年十二月二十一日に政府・与党首脳間で結論が出た。その結論に従いまして、まず売却収入、三分の二でございますが、売却収入を国債償還の財源にするということから今国会に国債整理基金特別会計法を御提案し、それから政府保有分の三分の一の株式については産業投資特別会計に帰属させるということで産投特会法を御提案している。それとの関連におきまして、基盤技術研究等のためにこの配当金を充てるということから産投会計法を出しているわけでございます。それとの関連でこのセンター法も御提案しているという経緯でございます。
#37
○鈴木(強)委員 まず大蔵の日高主計官の今のお話ですが、私どもも逓信委員会でいろいろと論議をいたしたことはあなたのおっしゃるとおりです。それで、参議院から回付されました三法が衆議院本会議を通過したのがちょうど昨年の十二月二十日でございますから、二十一日、その翌日に電電株式の処理と技術開発関連要求の取り扱いを含めて三分の一は産投会計、三分の二は国債整理基金、こういうふうにお決めになったわけですね。我々は委員会で、電電公社が会社に移行して、将来株の扱いが一番問題を醸すところであろう、したがって、これは慎重の上にも慎重を期してやるべきだということから執拗に政府に見解を求めたわけでありますが、法案成立前に答弁はできないということで終始逃げ切りました。そして最後に竹下大蔵大臣が、国民共有の財産である、したがって一点の疑点もない形でこれを使わしていただく、こういうことが政府の統一解釈として出されていることも私は知っております。
 そこで、これは通産、郵政とのかかわりもあるのですが、少なくとも日本の基盤技術の研究開発については、今もお話がありましたが、単に通産、郵政だけではない、そのほかにも運輸、農水、建設、厚生等幾多の省庁がこの技術開発についていろいろな意見を持っておる。ですから、この法案が策定されている過程においてもこれらの省からは注文がついている。日本の技術開発研究、基礎研究、こういったものも含めまして日本国民全体が豊かになり幸せになるための技術開発研究ということは、国が統一をしてその中で年次的に第一次、第二次でやるならやるでも結構ですが、少なくとも一つのプリンシプルをつくって、その基本に基づいてスタートするということでなければならない。当面は国民共有の財産であって、これがみんなに共通して便益を与えるようにということになっておるのですが、そうなると、残された運輸以下の各省における技術開発というものは、せっかく三分の一の電電の株式の配当金が産投会計に入ってそれが使われることになりましても、そういう矛盾が出てくるのではないでしょうか。ですから、私はこの点は政府の基盤技術の研究開発に対する基本の問題だと思うのです。ですから、これは両大臣あるいは三大臣がおらぬとこの質問には答えられないかもしれません。通産大臣はいらっしゃいますから、ちょっとお留守にしたようですけれども、そういう問題がちゃんとしない中にこういう法律が出てきたということは、私たちとしては非常に残念です。我々も二十一世紀に向けてもっとすぐれた技術開発、研究をしなければならぬことはよく承知しております。しかし、こういう形でやりますとかえって反撃を受けて、その効果は減退するのではないでしょうか。その辺をひとつぜひお聞かせいただきたい。
#38
○福川政府委員 今御指摘のように、この基盤技術、これが開発されますれば、日本経済、国民経済あるいは国民生活によい影響ももたらしていくわけでございます。そういう意味で、先ほども申しましたが、これが例えば新素材の技術にしましても、あるいは情報関連の技術にいたしましても、あるいはマイクロエレクトロニクス関連の技術にいたしましても、これがいろいろな分野に応用されていくところでございます。しかし、技術の発展段階というのは、それぞれ業種、業態あるいは技術の種類に応じましてかなり異なっておるわけでございまして、もちろん基盤技術と申しますのは、国が分担して進めるべきもの、あるいは民間の活力を活用していくべきものというふうに、いろいろな分野が、分類といいますか、分担の考え方があろうと思います。
 今回、考えておりますのは、もちろん基礎研究というのは特に学術的な研究、学理的な研究から始まりまして目的基礎研究と、かなり幅が広いわけでありますが、民間ができにくい基礎研究というのはこれまた当然あるわけで、これは大学あるいは国立の試験研究機関あたりが、厳しい予算の中ではありますけれども、できるだけ力を入れてやっていくということでございまして、今回の予算の配分の中でもそこには重点が置かれておるところであります。
 他方、その中で民間がだんだんと、従来開発中心にやってまいりました研究開発を応用研究に、さらにややさかのぼって目的基礎研究に、さらに基礎研究と、こういうふうにだんだんとさかのぼって基盤技術についても基礎的な分野に進めていくべき態様になってまいります、発展を遂げておるのがございますので、そういうものについて今回、このような環境条件の整備をすることによってそれを図っていこう、チャレンジすべき技術分野は御指摘のように大変広いわけでありまして、今後こういった基礎研究というのは国も民間も力を入れてやっていこう、その一つの業務分担の考え方で今回このような考え方を御提案を申し上げている次第でございます。
 そういう意味では、私どもとしても今回、基盤技術、通産、郵政両省で所管をいたします分野で言えば、九割以上の新しい特許権というのは両省の所管に属するものでございまして、これがさらに企業化段階、商業化段階の中で、あるいは植物関係あるいは医薬品関係あるいはまた運輸関係の分野ということに活用、応用されていくということは十分考えられるわけでございまして、そういう意味で例えば基盤技術の中で基礎研究、これが将来、運輸省あるいは農林省、厚生省その他の省庁の所管にそれがいずれ使われていく可能性がある、こういう分野につきましては、この法律の中でも協議をしながら進める、こういうことになっておりまして、そういう意味で基盤技術は両省で、私どもとしては現段階ではこれで今のような考え方というのが適切であろうと考えておるわけでありますが、これがさらに企業化へいく、あるいは商業化へいくということになりますと応用分野が広がってまいりますので、その間各省庁との連絡協調体制という点については遺漏なきを期して進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#39
○鈴木(強)委員 やはり通産省は通産省として今おやりになろうとする基盤技術研究ですね、これは基礎研究、応用研究を含めまして、これが国民の利益になる、これは当たり前です。利益にならぬものをやるはずはないが、私はもっと大局的見地に立って、日本の基礎研究開発をやるべきではないか、そういう基本的な政策というものを国がやはり持たなければならない。
 きょうは科学技術庁を呼んでおります。そもそも科学技術庁というのはそういう職責を持って全体的な統制、統一も図りながらやるという役所だ。しかし、できてみてもやはりそういう点がうまくいっていないじゃないですか、機能が。私はそう見ているのですね。ですから、もう少し全体的なことも考えながらお進めになっていただかないと、何かしら各省の縄張り争いのようなことに思われるおそれがある。また事実、そういうような傾向になる危険性も出てくる、それを私は警告しているのですね。
 ですから、もっとそういう一般的な論でなくて、あなたのような論で言うならば、これは大蔵省の方も関係があるのですが、今度のは少なくとも三分の一の新電電の株式の配当益でありますね。そうであるならば、私たちが国会の中でも主張したように、電電公社の十兆二千億に及ぶ資産、その中には五兆六千億の負債があるのです。電信電話債券を買っていただいたりしております。ですから正味資産は四兆幾らしかないわけでございます。ですから、その五兆六千億という借金もあるから、そういうものにも何か回す方法はないか、なかなか難しいけれどもそういう方法はないか、そして電話料金も国民全体のためにできるだけ安くしていこう、そういういろいろな意見があったわけです。その結果よく相談をしてやりますと言っておきながら、十二月二十一日にぱさっと決めてしまった。これは国会の審議から見ても非常に問題でありまして、私たちは今もその不満はぬぐい去られておりません。
 ですからそういうことはこれから、売却益の問題等もありますので、さらに株式にまつわる問題については大蔵省にもいろいろ意見を申し上げたいと思うわけですが、それは別におきまして、そういういきさつの中ですから、今度の場合は極端に言うならば電電の配当株によって行われるものでありますから、電気通信関係あるいは放送関係の今後の技術開発、応用開発、そういったものを含めましたものをおやりになればいいのですよ、これは。そこへ今度は通産省が鉱工業ということでもって悪乗りをしてきた。だからますますおかしくなっちゃった。
 ですから、そういう純粋な意味からいえばそうなんだが、長い苦しみの中から難産をしてできたものですから、いろいろ今日まで通産、郵政の中には過去の長い歴史の中にも意見の相違するところもありました。私も例の特定機械情報産業振興臨時措置法のときにも随分苦労をいたした経験を持っておるわけです。ですから、こういう機会を契機にして通産と郵政が本当に一体になって、そしてこの法案に示されているような目的を達成するために全力を尽くしていただきたいということを私は心から願っているのです。
 そういう意味から申し上げておるわけですから、これはひとつ大臣、ぜひ左藤大臣ともよく御相談になって、私が言葉が少し過ぎておればお許しをいただくとして、どうもすっきりいっていなかったことは、これは事実でございます。これはVANの問題にしても、今度の場合もそうですけれども、外圧もあったりしていろいろ問題がありますけれども、そういう点は通信主権を守るという立場に立って郵政省はやっておるわけですから、その点を深く理解をしながら通産との間で緊密な連携をとってやってほしいと常々思っておりました。こういう機会を得ましたので、大臣からも一言その点についてお答えいただきたいのですが。
#40
○村田国務大臣 鈴木委員の御指摘の点は非常に重要な点だと思います。
 根本的なことをお答え申し上げますと、技術開発の問題というのはこれからの行政分野でも一番フレッシュな、そしてまた一番重要な問題だという認識をしておりまして、そういった大きな目的のためには通産省とか郵政省とかそういう関係官庁の壁を取っ払って国益のために、国民のために協力すべきであるという点では、私と左藤郵政大臣とは完全に意見が一致しておりまして、そういった意味の縄張り根性というのは一切持っておりません。御指摘の点、御意思を体してしっかりやらなければならないと思っております。
#41
○鈴木(強)委員 それから日高主計官、ちょっとお伺いしたいのですが、三分の一の配当益は六十年度はまだこれは入ってきませんから、当然一応借金というかセンターの方へお金が出ていくと思いますが、今後六十一年、六十二年、六十三年とずっと配当益、国が持つ三分の一は入ってくるわけですね。そうすると、それは法律が変わらない限りずっと産投会計からこのセンターの方に入っていく、こういうふうに理解していいですか。
#42
○寺村説明員 ただいまの電電とそれからたばこ産業株式会社の配当金でございますが、これは産業投資特別会計に入りまして、産業投資特別会計は、本年度も実は基盤技術センターに百億円の投融資を行っております。それは、他の輸出入銀行でございますとか開発銀行からの納付金ございますので、そういう歳入と合わせて歳出の方を、その歳入財源を充てているということでございますので、六十一年度以降予定されております配当金収入もそういった全体の歳入の中で歳出を賄うということで考えております。
    〔渡辺(秀)委員長代理退席、委員長着席〕
 もう一度申し上げますと、具体的に直のそれが同額センターに行くということにはなっていないということでございます。
#43
○鈴木(強)委員 これからどういう研究がやられていくのか、これによりますけれども、かなりお金も必要だと思うのです。
 これから入ってくる金額についてはさっきもちょっと話がございましたが、例えば二千六百億ですから五%として百三十億ですか、それからもし一〇%づけば二百六十億というものが入っていくわけですから、それはすなわち産投特別会計の所属になっていくわけですね、債券は、株式は。したがって、それがそのまま産投会計に入っていくが、産投会計に入った金が要するにこの法案のセンターの方の出資金あるいは融資金、こういったものにずっとストレートで行くようにしてもらいたいというのが僕の考え方なんですが、それはどこが限度か、今後技術開発がどの程度プロジェクトとして出てくるか、これにもよりますけれども、少なくともセンターがいろいろと考えて、そして決定したその政策に対しては、電電株式から来る配当というものは原則的にそっちに回してもらうというようなことはできないのでございましょうか。私はそうしてもらいたいと思うのですけれども。
#44
○寺村説明員 昨年の十二月二十一日に一応政府・与党首脳の間で決まりました考え方は、「配当金収入を技術開発等に活用する。」ということになっておりまして、具体的にそれでは来年度以降どうなるかというと、六十年度以降一体どの程度の技術開発のニーズがあるのかどうか、それはやはり毎回予算要求をしていただきまして、そして予算折衝をして、その結果決まりましたものをまた国会で御審議をいただくということになろうかと思いまして、現段階でどうこうということはちょっとまだ何とも申し上げられないと思います。
#45
○鈴木(強)委員 国会でも審議されることでございますし、ここで明確にあなたにお答えをいただきたいと思いましてもこれは無理なことはよくわかっております。ですから、これは私の強い要望でございますから、その点はひとつあなたの胸の中にも入れておいていただいて、今後センターの活動が国民の期待にこたえて十分にできるような御配慮をしていただきたい、こういうふうにお願いをして、重ねて要請しておきます。
 それから、この法案を出されるに当たりまして提案理由というのがここに書いてございます。これを見ますと「これまで我が国は、ともすれば、欧米諸国に比べ基礎、応用段階の技術開発の取り組みが必ずしも十分でなかったのが現状であります。」というふうに述べておるわけでございます。これは先ほどからもお話がございますように、民間に依存しようという他力本願の姿勢が全体にあるものですから、どうしても政府の方としてはその方に任せっきりのような形になって、政府本来の技術開発というものに対して手抜けがあったのじゃないか。だから自分の怠慢を認めてここに書いたものだと私は理解をしたわけでございます。
 そこで、今後今までのこの法案を提案するまでの経過の上に立って反省すべきところは反省をし、そして立派なものをつくろうというのがこの提案だと思います。しかし内容を見ると、国の方でおやりになろうとする点につきましては三項目ございまして、国の財産の利用、これは施設の利用、それから国際共同研究に係る特許発明の実施、それからもう一つ、政令で決める特許の問題がございますが、この政令の内容についてはここではよくわかりません。わかったら教えてもらいたいのです。
 それから、第五条に「政府は、前二条に規定するもののほか、民間において行われる基盤技術に関する試験研究を円滑化し、民間の基盤技術の向上を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」その「必要な措置」は何かわかりませんが、この三つしかないのですが、あとは要するに円滑化法案と書いてあるが、基盤技術研究促進センターという特殊法人をつくって、ここに業務をやらせる、そして民間の活力を利用してやろうという、こういう他力本願的なところがかなりある。ですから、これから事業出資とかあるいは融資とか、こういったものもどの程度を上限として考えていくのかという問題が出てくるわけです。
 ですから私は、大蔵省の方にもさっき申し上げたのですが、そういった面を含めてかなり民間の方々が、なるほど政府がやる気になってバックアップしてくれたというような認識を持って積極的に研究開発に取り組めるような体制をつくっておかないとまずいと思うのですよ。ですからそういう意味においてどうも国の方の体制が非常に弱いわけでございます。
 それからあと、今言った第五条の措置というのはどんなものを考えているのか、ちょっと教えていただいて、それからセンターそのものが今後郵政大臣の管轄と通産大臣の管轄に二つに分かれる共管の部分もございます。共管の部分についてはさっき大臣がおっしゃったような気持ちはよく私にもわかりました。ですからその線を貫いてやっていただくことにして、郵政それから通産それぞれセンターにおいてこういう法律に規定されているような問題について、時間が余りありませんから具体的には聞きませんけれども、ひとつよく検討の上で両省が水も漏らさぬ連携をとって、そして国民の期待にこたえるような立派な運営をしていただきたい、こういうふうに心から願うものですが、第五条の点、それから政令のことがわかったら教えてください。
#46
○福川政府委員 第四条の国際研究協力の政令についてでございますが、これは今後国際研究協力を進めてまいります場合に、諸外国の動向等を踏まえて検討してまいることになるわけでありますが、今通例で申しますと、欧米諸国によりますれば国際研究協力を行います場合に、その特許権は相手国あるいは相手国の指定する者に無償で通常実施権を供与するというのが通例になっておりますが、我が国の場合にはそのような制度がございませんので国有になるということでございまして、したがって国際研究協力が諸外国のシステムと違うことになって問題が生ずることについて対応を図ろう、こういう趣旨でございまして、その政令は、対象となります分野と対象にいたします通常実施権で、廉価または無償で供与いたします対象の範囲を政令で定めることになっております。
 第二点は第五条の関係でございますが、これも先ほど御指摘がございました国有財産の廉価使用の場合に関連いたしまして、当面、これはもちろん国の試験研究機関の研究の遂行に支障のない範囲で廉価使用を認めて民間の研究に資していくわけでありますが、その場合に、どういう施設がどういうところにあるかといったような点について、これからも産官学の連携の一環といたしまして十分PRしていくということが一つあろうかと思います。もう一つは、国が委託開発をいたしましたときの国有特許の取り扱いにつきまして、これを弾力的に運用していくというようなことをここでは想定いたしておるところでございます。
 また、先ほども触れましたように、今回ここでリスクマネーの供給とかセンターのいわゆる技術の情報提供とか委託共同研究とか、そのほか産官学の連携に資するような事業を実施してまいるわけでありますが、これは民間が基盤技術について、特に基礎研究あるいは応用研究を中心としました試験研究を進めていくための環境条件の整備ということでございます。国はもとより国としてやるべき基礎研究の分野等があるわけでございまして、そういう面では、予算上の措置についてはこれからも十分配慮してまいらないといけないところでありますが、当面六十年度におきましても、例えば工業技術院の試験研究制度あるいは大型プロジェクト、大型工業技術開発制度あるいは次世代産業基盤技術研究開発制度といったようなものについての予算の確保も図ったところでございます。
#47
○鈴木(強)委員 まだちょっと時間があるようですから具体的な点で一、二伺いたいのですが、法律第二条を見ますと「基盤技術」というのがございます。この「基盤技術」というのは鉱業あるいは工業の技術ということだと思うのですが、これは余りにも抽象的でよくわからないです。恐らく範囲が極めて広いと思うのですが、総花的でちょっとわかりませんから、もっと具体的に鉱業、工業とはどういうものかということについて、その技術研究をやるということについて、我々素人にわかりやすく説明していただけませんか。
#48
○等々力政府委員 例えば、新素材技術とかマイクロエレクトロニクス技術というように、鉱工業において直接利用される技術を言うわけでございます。もう少し具体的に申し上げますと、例えば将来、発電機とか送電の機器というようなものの材料として使われる可能性のあります超電導材料の研究、超電導線材の研究というようなものも一つ挙げられるかと思います。それから化学工業で使われます精製分離工程、いろいろな化学原料の精製分離工程等に利用されます高性能で効率のよい分離膜の技術というようなものが新素材技術として挙げられるかと思います。それから、マイクロエレクトロニクス技術につきましては、現在ICの技術が非常に高度化されておりますが、それがさらに集積度が上がります。そういう可能性を追求するような超微細加工技術というようなものが挙げられるかと思います。
#49
○鈴木(強)委員 センターをつくって鉱工業の技術研究をしなければならぬということですから、それはそれなりの理由もあるでしょうし、専門の皆さんが研究されてそういうことになっておられると思いますから、せっかくセンターをつくってまでやるわけですから、その成果を我々は期待しております。頑張っていただきたいと思います。
 それから郵政の方に伺っておきたいのですが、電電三法審議の際に、附帯決議にもつけましたが、我が国の通信主権を確保する観点から電気通信の基礎的、先端的技術開発の重要性を指摘して、このために大いに努力してもらいたいというようになっておりますが、具体的にはこのセンターの中で郵政省はどういうようなことを考えていらっしゃるのか、その点をお伺いしたい。
 もう一つは、郵政省の場合には電気通信業、放送業、電波の利用の技術を扱う」とになっておりますが、そのためには新電電あるいはNHK、KDDとの連携を十分に図っておかなければいけないと思うのですけれども、その辺はどうなるのか。
 もう一つ、これはセンター全体のことになるかもしれませんが、例えば電電公社が今度民営になりました。したがって、そこに融資あるいは出資することができるかできないか。これもセンターも特殊法人だから恐らくそれはできないと私も思いますが、例えば今度新電電が別の会社というか組織をつくって、特別の研究をするようなものをつくったときにはそこには融資、出資はできますか。
#50
○奥山政府委員 何点があったかと思いますが、まず第一点の電電改革三法の成立に際しておつけいただきました附帯決議の中に盛り込んでございます通信主権の確保の観点からの技術開発の重要性でございますが、通信主権を堅持すべきことはITU条約、国際電気通信連合条約の前文の中にもうたわれておりますので、その精神にのっとりまして今後技術開発を進めてまいることは当然でございます。
 それからNHK、KDD、新電電等と新しいセンターとのかかわり合いでございますが、これらの各法人が新しいセンターができました段階でさまざまな形で私どもは協力をしてもらいたいと思っております。また協力をすべき分野が多々あるだろうと考えております。
 また、逆にNTTに対してセンターの方から出融資ができるかということでございますが、新電電は新しい電電会社法第二条の責務でうたわれておりますように、みずから電気通信にかかわる技術開発研究をやる義務を負っております。また、特殊法人としての位置づけからいたしまして、センターから新電電に対する出融資ということは考えておりません。
#51
○鈴木(強)委員 局長、ストレートにNTTにやれというのじゃないですよ。そうじゃなくて、これは恐らく特殊法人対特殊法人だからできないだろうと思うが、例えば今度はNTTが新しい会社、子会社と言ってはおかしいですが、つくったというような場合、これは純然たる技術開発のための会社であったとすれば、そこには当然融資はできるわけでしょう、あるいは出資はできるでしょう、このセンター法に基づいて。これは通産省どうですか。
#52
○福川政府委員 新電電につきましては今郵政省の方から御答弁があったとおりでございます。
 今御指摘の、新電電がまた別途子会社をつくってやる場合にいかがか、こういうことでございますが、これはもちろんこの前、提案のときから申し上げておりますように、これはできる限り異業種間の技術開発を、基礎研究を進めていこう、こういうことでございまして、事出資に関して言いますれば、複数の企業がRアンドD会社をつくっていく、そうした異業種の分野についての研究協力をしながらやっていくということに力点を置いておるわけでございます。したがいまして、じゃ新電電が別の民間企業と協力をしてRアンドD会社をつくる、こういう場合につきましては、これは形式的にはそれの対象になろうかと思いますが、その場合には、例えば新電電のそのRアンドD会社に対する出資比率がどうであるとか、そこは実態に応じて判断すべきものと考えております。
#53
○鈴木(強)委員 その道は閉ざされておらない、条件だということでありますから、よくわかりました。これはひとつ郵政省の方ともよく連絡をとって、そういうことができるならそれも一つの方法ですから大いに研究すればいい、そういうふうにしてやっていただきたいと思います。
 時間がちょうどぴったりでした。どうもありがとうございました。
#54
○粕谷委員長 これにて鈴木強君の質疑は終わりました。
 続きまして、松前仰君の質疑に入ります。
#55
○松前委員 今回基盤技術研究円滑化法案というのが商工委員会で審議が行われておるわけでありますけれども、これは産業投資特別会計その他からの出資、融資によって基盤技術研究促進センターをつくるということがかなり大きな内容になっておる、そういうところから話が始まっておるわけであります。したがって、センターの内容に限る審議というのが恐らく大きな話題となって、中心となってきたのではないだろうか、そういうふうに思っておりますけれども、その内容についても後で指摘をしてみたいと思いますが、今ここで私が問題をちょっと提起したいのは、この基盤技術研究円滑化法案、こういうものが郵政省と通産省、両方の関係において今ここで提出をされて先行して議論がされておる、そういう点について私はいささか疑問を持っておるわけであります。
 というのは、昨日やっと大蔵委員会の方に産業投資特別会計の一部改正の法律がおりたということでありまして、その辺が審議されないという状況の中で、その先の問題がここで先行して審議される。この先行しなければならなかった理由というものについて、大蔵省それから郵政省、通産省に聞きたいと思います。
#56
○日高説明員 各委員会における法案の審議順序につきましては、恐らく各委員会における理事会で協議の結果順番がつけられて審議が進められていくというふうに考ておりますので、私どもとしてこの問題についてちょっと今申し上げる立場にないという点を御理解いただきたいと思います。
#57
○福川政府委員 私どもといたしましては、昨年産業構造審議会の御意見もいただき、特に民間における基盤技術の基礎研究及び応用研究を中心にいたしました試験研究が非常に緊要であるということでございまして、このセンターのリスクマネーの供給をする機関として、あるいはまたこういった技術、産官学の連携等の事業を行います機関といたしまして設立をお願いをいたしておるところでございます。
 今、別途産業投資特別会計法等の改正が提案をされておるわけでございますが、これは原資として、六十年度におきましては在来の産業投資特別会計の財源をもって今回このセンターが発足するということで設立を予定をしておるという予算上の措置に相なっておるわけでございまして、私どもといたしましては、この基盤技術研究円滑化法案、これは民間の基盤技術の研究を進めていきます上で非常に重要な環境整備であると考えておりますので、私どもとしてはぜひ早期に成立をさせていただきたいという希望を持っておる次第でございます。
#58
○奥山政府委員 御指摘になりました両法案はいずれも予算関連法案でございますので、政府といたしましての統一的な方針によりまして、それぞれ所定の期日におきましてそれぞれの提出省から国会に提出申し上げたところでございます。国会に付託されました後のお取り扱いにつきましては、それぞれの委員会並びに議運の扱いにおいて決められたものというふうに承知をしております。
#59
○松前委員 そうしますと、こちらの方の法律が成立をした、そういう状況の中で、もし産業投資特別会計の一部改正案が成立しなかったということになればどういう財源というものを当てにしようとされますか、その辺についてお答えいただきたいと思います。
#60
○寺村説明員 本年度の基盤技術センターに対します出融資百億円は電電株式の配当収入とは直接の関係はございませんで、産業投資特別会計の従来の歳入の中から割り当てられているものでございます。本年度の分につきましてはそういう関係でございますが、提出しました法案につきましては、一日も早く御審議をいただき、成立させていただきたいと考えております。
#61
○松前委員 そういうお答えだろうと思いましたけれども、今年度の分につきましては、先ほどから議論のありました電電の株の配当、三分の一の部分の配当というものは当てにしてないと思うのでありますが、来年度からはその辺の部分をかなり当てにしなければいけないということはもう十分私どももわかっておるわけでありまして、先ほどの話の中でもそういうものが出てきておるわけでございます。したがって、これは今年度がどうだからというんではなくて、来年度もう一回これについて審議をするというならば別でございますけれども、恐らく審議はないだろう。そうなると、今現在の審議によって決着をつけるということになりますから、そういう意味で、産業投資特別会計一部改正案というものが成立していない段階において、これが先に成立してしまうということについて大変私は危惧を感じる。
 それでまた、理事会がやるからというような勝手なことを、各委員会やるというような調子の発言がございました。これは大変国会軽視であろうと思います。そういうことであるならば、政府の方でそれを調整して出してくるのが当たり前じゃないだろうか、そういうふうに思うわけでありますが、政府の方はそういうのは考えないのですか。
#62
○日高説明員 六十年度予算案の編成に当たりまして種々の措置を講ずる、それによってそれらの措置によって必要な法律案は予算関連法案ということで政府が御提案するわけでございますが、それぞれの内容によって各委員会へ付託されるということでございますので、たまたま大蔵委員会におきましては今回提出予定法案が非常に多いということもございまして、まだ産業投資特別会計法の審議が行われておりませんけれども、私どもとしては産投特会法の一日も早い成立を各先生方にもお願いしている、そういう状況にございます。
#63
○松前委員 そうしますと、もし成立しなかった場合にはこっちの方の財源について多少の修正もあり得る、そういうふうに考えてよろしいでしょうか。
#64
○福川政府委員 私どもといたしましては、いずれも予算関連法案ということで御提出申し上げておるわけでございまして、予算の取り扱いは現在参議院で御審議中でございますけれども、予算に合わせた格好で関連法案を成立させていただくことを希望いたしておるところでございます。
#65
○松前委員 幾らやっても話は尽きないと思うのでありますけれども、いずれにしろちょっと筋が通らないやり方を政府の方はやられている。委員会の方の責任という格好でもって今処理されるということでございますので、私はそれについては大変問題があると思います。こういうものについてはいろいろな関連がございます。逓信委員会から始まって大蔵委員会、そしてここというような形で筋道が通ってくれば国民だって納得するわけでございますが、これだけ先に突出する、何かあるな、こういう目で見られるのが当たり前じゃないでしょうか。私はそういう点で、国会審議という中で皆さん政府側の考え方は非常に甘いんじゃないか、そういうふうに思います。これからそういう点はしっかり気をつけてやっていただきたいと思います。
 それから、電電三法の逓信委員会の審議で電電株の処分益等の使い方についてたくさんの議論があった。ずっとこの委員会でもいろいろな委員の方々から話がございました。それで、十二月十三日の参議院逓信委員会で中曽根総理が「国会における審議の経過等を踏まえ政府内において詰めさせる」という答弁をいたしております。国会の審議、逓信委員会を中心にして言われたことでありますけれども、国会における審議の経過を踏まえ政府で詰めさせるというのは、どう踏まえてどういうふうに政府はこれを持ち出すに当たってその辺の調整を行ったかということについてお答えをいただきたいと思います。
#66
○日高説明員 電電三法の国会審議の場におきましては電電株式の売却収入の使い道について種々の議論がございました。例えば電気通信の振興に充てるべきだという議論もあれば、あるいは先ほどもございましたように電電債の償還に充てるべきだという議論もございました。それに対して私ども財政当局としては、いわば国民共有の資産であるということから、特定政策の財源として使うべきではないという主張もしたわけでございます。そうしたいろいろな議論を総合的に考え政府部内で調整いたしました結果、国民共有の資産である電電株式の売却収入は国民共有の負債である国債の償還財源に充てるのが一番望ましいという結論に達した、それで今回関連の諸法案を提案している、そういう状況にあるわけでございます。
#67
○松前委員 国債償還の部分三分の二以外のこちらの方の三分の一の部分については恐らく郵政省、通産省の間で議論があったのだろうと思います。郵政省と通産省とで議論されたのでしょうか。
#68
○奥山政府委員 先ほど大蔵省から御答弁がございましたように、私どもの方は電電改革三法の審議と並行いたしまして、大蔵省の方には概算要求という形で電気通信関係の技術開発を振興するための一つの特殊法人をつくりたいということで電気通信振興機構というものを要求しておりました。他方また通産省の方におかれましては、産投会計から出資等をして産業技術センターというものをつくる要求をしておられたようでございます。それらが両々相まって政府部内で予算編成の過程で審議が行われました結果、二つの法人をつくることは現下の情勢からいっても適当ではないし、また両者の趣旨から見ると、それぞれ基盤的な技術開発研究を促進するという目的においては一致するものがあるということで、一つの法人をつくることで決着をしたわけでございます。その意味におきましては、当初私どもが想定いたしました電気通信振興機構といったものがそっくりそのまま完全に実現する形にはなりませんでしたけれども、今回のセンターを通じて電気通信にかかわる技術開発の試験研究が行われるという意味において有意義であり、かつまた有効な方策であると考えた次第でございます。
#69
○松前委員 これは先ほど話がありましたように、国民共有の財産ということで、国会における審議の経過を踏まえて政府内で検討、詰めさせるということで中曽根総理が答えたわけでございます。それが郵政省と通産省だけで議論されておる。片方は情報産業の関係、片方は鉱工業というのが出てきておりますけれども、そのところだけそこの話が詰められたことについて、これは中曽根首相の言っていることに対してそのとおりやっていないのじゃないか、そういうふうに思うわけでございます。
 先ほどから議論があるわけですけれども、国民共有の財産ということならば、すべての省庁のこういう科学技術関係に対する円滑化というものについてやらなければいけないはずなのでございますけれども、その辺が、政府の中でどこが主導といいますか頭になってまとめ役をするかができていないような感じがいたします。今、そういうもののまとめ役とするとどこができるのでしょうか。通産大臣、お答えできますでしょうか。
#70
○村田国務大臣 基盤技術研究促進センターは、民間において行われます基盤技術に関する試験研究の促進に関する業務を行うというその性格から、民間の主体性が十分発揮できるものとする必要がある一方、産業投資特別会計の資金を受け入れて民間において行われる基盤技術に関する試験研究の促進を図るという、極めて公共性の高い業務を行うというその性格から、民法法人ではなく、より公共性の高いものとする必要があり、この二つの要請を同時に満たす特別認可法人とすることが適切である、こういう考え方でございます。また、基盤技術研究促進センターは、通産省及び郵政省所管の技術について民間の試験研究の促進に関する業務を行うことを目的とするものであるということから、両省が関与することとしたものでございます。
#71
○松前委員 通産省の方では恐らくそういうことでやってくれということになったんだろうと思うのですが、その性格上、やはり国民共有の財産ということなら農林水産省、運輸省、先ほどからお話のありましたいろいろな省庁の基盤技術の研究円滑化に寄与していかなければいけないだろうと思うのです。そういう意味で、政府の方でその取りまとめ役が一体だれになるかがどうも私はよくわからない。先ほど話がありましたが、科学技術庁が本来ならその役を果たしていかなければならぬところなのに、それが現状ではそうなっていない。今縦割り行政でずっと来ております。横割りのものを科学技術庁がやるべきであるというのに、そこができておらぬということでこういうように細かくいろいろなものが出てきて、そしていろいろなこういう制度が混乱している。いろいろなものができている、それが本当に我が国の基盤技術促進に寄与するであろうか、総体的に見て。それが私はどうも今のところ疑問に感じておるわけでございます。
 そういうことで、これからもっと政府の中で、郵政省と通産省だけがこれをやるのじゃない、国民共有と言うならばみんなして集まってプロジェクトを組んでやるというようなことももっと考えていただきたい。そういうふうに強く要望するし、私どももこれから何回でもそれは申し上げて、もしかするとそれをまた政府側に提出するかもしれません。そういうことを頭に置いていただきたいと思います。とにかく技術というものはいろいろなものに利用されてしまっては困る。政治的なものに利用されたり企業に利用されたりすると困るわけでありまして、日本の国の国民生活の向上といいますか、そういう面にしっかり使われていかなければならぬ、そういう意味でこの基盤技術という言葉がここで出てきたのであろうと思います。
 そこで一つお聞きしたいのですが、どうも私は基盤技術というのはよくわからない。先ほどからずっと話を聞いていてもまだ、基礎技術と応用技術、それから基礎研究、応用研究、その間にある基盤技術というのは一体どういう分野を指しているのか、説明していただきたいと思います。
#72
○福川政府委員 通常、基盤技術という分と、あるいはいろいろ議論が出てまいりますのに基礎研究、応用研究、開発研究と三つの段階がございます。基礎研究、応用研究、開発研究というのはそれぞれ原理的な研究、それの応用の可能性を探求する研究、あるいはそれを企業化に結びつけるための開発の研究、通常三段階に分けてその試験研究の範囲を分類いたしております。それとは別に基盤技術という施策の対象を今回法律の中に織り込んだわけでありますが、基盤技術と申しますのは、そこに二つの要件が書いてございまして、鉱工業の技術、それから電気通信業の技術、そういう範囲に関しますものと、それから国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの、この二つを考え、その基盤技術の点について申しますと、いわゆるその影響度と波及性の高いもの、こういうことを申しておるわけでございます。
 例えば、今そういう範疇で具体的に考えてみますると、特によく言われますのは一つは新素材に関連するものでございまして、確かに最近新しい素材というのが大変出てまいっております。これからの市場規模も相当大きくなるだろうと言われておるわけでございます。この新素材の中にはこれもまたいろいろな範疇のものがございますが、一つは金属系のもので、先ほども工業技術院長からお話がございましたけれども、例えば実用超電導線材技術というようなことで、絶対温度に近い状況で超電導効果ができる、こういうことを利用するようなそういった技術というものがございます。
 さらにまたファインセラミックスの関係というものもその中で有効なものであろうというふうに思うわけでございます。特にこれからME関係と申しましょうか、いわゆる高集積ICというものに対して申しますと、絶縁性とか熱伝導性の双方に大変すぐれたファインセラミックスの材料といったようなものはこれから大変有用になってまいると思います。
 また、あるいは高性能繊維強化プラスチック技術というようなことで従来のプラスチックの利点を生かしながら、さらにその対衝撃性とか対疲労性とかを繊維で補った複合材料といったようないわゆる複合系の材料といったようなものも出てまいると思います。
 また、高性能、高効率高分子膜技術といったようなことからいわゆる分離膜を製造する技術、こういうことになってまいりますと、これは将来、従来の化学反応等で分離してまいりましたものをこの膜を使うということになってまいりますと、これも大変広範な技術になってまいります。
 マイクロエレクトロニクス関連、これも大変進歩しております。これも先ほど工業技術院長の方からもお話がございましたが、本当に一ミクロン以下の微細加工を実現する技術というものは、いわゆるこれからの高集積度のICの製造に非常に効果がある技術であろうと思います。
 また、バイオ関連でも遺伝子組みかえの技術というもの、もちろんこれはいろいろ医薬、農業関係にも使われますが、工業関係でも相当いろいろ応用範囲が広いわけでございますが、そういったファインケミカル製品の生産効率を向上させるというようなことにも役立つわけでありますし、またその中で、例えばバイオリアクターといったような技術というものもございます。そういうわけで、このバイオ関係でもいろいろと多方面に使われるわけでございますが、大ざっぱに申しますれば、今申しましたように、新素材の関連のもの、あるいはマイクロエレクトロニクス関連、それから生化学関連、それから、特に情報関連で非常に有力な手段となります情報通信関係、こういったいわゆる国民生活あるいは国民経済に波及性あるいは影響度の大変大きい基盤となるような技術、こういうものを対象にいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#73
○松前委員 郵政省側の方は大体情報産業関係ですから、私も逓信委員会をやっていたから大体わかりますのでお答えいただかなくてもいいと思うのですが、今お話しいただいたものは非常に広範囲にわたっております。これが基礎技術なのか基盤技術なのか応用技術なのか、そういう区分について今余りはっきりわからなかった。要するに国民経済に非常に寄与する程度が高そうだというようなことでお話があったわけでございます。
 そうするとほかのものは、今言われたようなもの以外のものについては国民経済の健全な発展とか国民生活の向上に資するものではない、ないと言っては極端だけれども、そんなに資するものじゃない、そういうようなことになってくるのでしょうか。とにかく基盤技術の定義がどうもよくわからぬ。郵政省側の方ですと直接国民生活に影響が及んでいく、個人個人に影響が及んでいくインフラストラクチャー、すなわちテレトピアとか、そういうものがあります。それだと多少はわかるのですけれども、しかし、これだとどうも基盤技術という定義に対して何かはっきりしない点があるのでございますけれども、その辺もうちょっと明確にしていただけませんでしょうか。
#74
○福川政府委員 例えば今お話しのように基礎技術といい、あるいは新技術といい、あるいはまた基盤技術といったようないろいろな言葉がございます。私どもとしては、この基盤技術という言葉は、例えば新技術とか基礎技術といったように、技術の新規性や研究の開発段階に着目した定義ではなくて、これらは当面民間を予定しておるわけですが、民間における研究開発が重点的に展開されつつある鉱工業及び電気通信業の分野に着目して、その中で国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するものということを対象にいたしておるわけでございます。
 先ほど申しました超微細加工技術、こういったようなものをとってみますと、これは高集積のICをつくるということに非常に重要なことでございまして、これはもちろんコンピューターの製造にも使われますし、そのほか、生産、加工を精緻化していくという点についても大変効果がある技術でございまして、今後のそういった技術を中心にいたしました経済の発展をたどる上に非常に重要なものでございます。あるいはまた、バイオテクノロジー関連でも、これも先ほど申しましたように、例えばバイオリアクターといったようなものでは、いわゆる酵素等を使いまして化学反応を起こさせるということでございまして、在来の化学の製造過程を相当大きく変えていく可能性があるということでございまして、こういうものは従来の化学工業の発展あるいは合理化ということに大変強く役立つものであるわけであります。また、工業用に使われますバイオテクノロジー、遺伝子組みかえの技術といったようなものについては、これはまた医薬関係にも農業関係にも使われるわけでございまして、例えば医薬関係でもよく一般に言われますのは、そういった遺伝子交換技術を使いながら制がん剤をつくるといったようなものにも応用されていく可能性のある技術でございます。
 そういうわけで、この基盤技術と申しますのは、今申しましたように大変各産業に横断的に使われるような波及性の高い技術、あるいは特定の産業分野におきましても革新的な技術、こういうものを取り上げて今回こういった法律を準備いたした次第でございます。
#75
○松前委員 これから先の経済に非常に波及の大きいものを取り上げてというようなお話でありましたが、その前の、各企業といいますか、今現在日本の中で重点的に取り上げてこれを何とかしようと考えているというような方がまだ私はわかったのでありますが、その後の方になりますと、どれもこれもどんな技術だって全部将来は非常に革新的なものであったり、波及効果が非常に大きくなったりするものでございますから、その辺が非常に不明確であるわけでございます。
 したがって、これは、円滑化法案が成立してセンターで取り扱うということになる場合、やはり国民が納得するような格好でこれをセンターで取り扱っていかなければならないというふうに思うのでございます。したがって、いろいろなものが民間から上がってきたときに、これは取り上げる、これは取り上げないというようなことについては、恐らく評議員会か何かそういうところでなされるんだろうと思うのでありますが、そういうものを国民の方に公表していかなければならぬと思うのですが、その辺はどういうふうにお考えになっていますでしょうか。
#76
○福川政府委員 この法律が成立いたしました暁には、このセンターについて、民間が発起をいたしまして設立手続が進められるということでございます。また一方、この技術に何を採択し取り上げていくか、こういう点でございますが、もちろん、今後このセンターの重要な運営事項につきましては、評議員会といったようなものもあってこの運営の公正を期していくわけでございますが、これは今後また民間の意見を十分反映させていく、あるいはまた、これが十分効率的な運営をしていくためにセンターの自主性を尊重するというような運用がその基本原則にあるわけでございます。そういう意味で、この運営の重要事項にはもちろん評議員会といったようなものの御意見も徴していく、こういうことになるわけであります。
 また、この技術については何を採択するかという点は、大変専門的であり、なおかつ客観的な判断が必要であろう、かように思いますので、今後センターの設立された暁に、その事務体制をつくっていきます過程でそのような運営が十分確保できるような組織づくりということに努めてまいりたいと考えております。また一方、その技術自身をどうやって採択したかというような点がございますが、もちろんこういった技術開発でございますから、先ほども御質疑がございましたように、ある意味では技術上の秘密の保持という点もあろうかと思いますので、そこにはそれぞれの企業の秘密保持ということにわならない範囲で今のセンターの運用の公正を期していくということについての評価、判断というのは何らかの形でできていく、こういうことが必要ではないかと思っております。
#77
○松前委員 国民の前に公表するというのが一番理想的なわけでありますけれども、今企業の秘密というようなお話がございました。こういうことになってくると、このセンターの意義というものは大分そがれてくる。NHKとか電電公社、これは自分の研究成果を毎年一回公開という形でもって公表しております。こういうことをやはりこのセンターでも、公開といってもそのものずばりをやるわけではないと思いますが、そういう何らかの形で国民の前に知らして、これは非常に影響が大きい、将来経済を大分変えるようなものでありますよということで、そしてそれをまた国民の中に浸透させて活性化に持っていくというのがこのセンターの使命じゃないだろうか、そういうふうに思うわけであります。
 企業の秘密という点を余りにも守ってやるということになれば、センターは何をやっているんだということになりかねない。ですから、ぜひとも私は公開ということについては考えていただきたい。それは全部が全部出せというのじゃありませんよ。特許を取ってから公開とかそういう手段だってたくさんございます。そういう意味で、このセンターの適正な運用、国民のだれが見ても疑問が起こらないように、国民の共有財産の一部を使ってお金を使ってきておるわけですから、そういうふうに要望をしたいわけでございます。
 それで一つ聞きたいのですが、先ほどからのお話で鉱工業関係についてお話がございましたが、コンピューター技術についてはどういうふうにここでは扱われるのでしょうか。
#78
○荒尾政府委員 コンピューター技術、申し上げるまでもないわけでございますが、今後の高度情報化社会の中で非常に重要な役割を果たすものだと思います。したがいまして、このセンター等で扱います基盤技術という範囲の中に当然入る。もちろんこのセンターが実施するものでございますので、基礎、応用といったような段階からの出資、融資を考えておるわけでございますので、非常に企業化に近いものは入りませんが、そういった段階のものにつきましてはこの中に入るというふうに考えておるわけでございます。
#79
○松前委員 このセンターの運用の中で、国有の試験施設の使用を可能とする措置が入っておりますね。この中で、今までこれらの施設、工業技術院傘下十六試験所、電波研究所等々がございますが、民間の使用が全く閉ざされているわけではなかったはずなんです。積極的に使用するというような体制にはなっていなかったというのでありますが、今度それを積極的に提供しようというようなことをこの円滑化法案でやってしまうということのようで、そういうように解釈しているのでありますが、そのときに国みずからの試験研究に支障を及ぼすような場合はやはりやめてもらう、国の施設を利用するのはやめてもらうということになれば、やはり同じように積極的に民間に使用させてやるということにはならないのじゃないだろうか。その辺は大丈夫でしょうか。
#80
○荒尾政府委員 本法案におきまして国有財産、研究施設の廉価使用を定めております趣旨につきましては、ただいま松前先生御指摘のとおりでございまして、研究施設の中で非常に高価なものがある、民間ではなかなか設置ができない、一方国の施設としてはそういう施設があるという場合におきまして、これが一年間を通じまして国の研究施設で毎日使われておるというものでなくて、余裕があるというケースがあるわけでございます。こういった場合におきまして民間の利用を促進していく、しかもその場合に廉価ということで、例えば中小企業等も利用しやすい形でこの廉価使用を認めようというものでございます。したがいまして、国民の税をもとにいたしましてつくられました研究施設でございますので、それぞれの試験研究所の固有の試験業務というのが優先するということでございます。
 この試験業務のほかに、余裕がある場合に民間に利用させようということでございまして、そこは両者の中でやはり優先度、プライオリティーをつけながら、あいております範囲におきましてはできるだけ有効利用を図っていこう、そういう趣旨でございます。
#81
○松前委員 完全に自由ではないということはわかっておりましたけれども、このセンターの運用はできるだけ民間の希望にこたえられるようにやっていっていただきたい。従来だって私はできたと思うのですが、ここで改めてこう言われると、あれ、そんなに変わらぬはずだな、こういうふうに思っておるのですけれども、その辺、非常に変わるような形でやっていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。
 そこで、先ほどから随分お話をいただきましたが、このセンターでやりますものは非常に広範囲にわたっている。鉱工業の部分は電気通信部分よりもかなり広範囲のような気がいたします。それでやはり心配なのは、これをうまく選定をしていかなければならない。やはり絞っていかなければ有効な研究というのはできてこないわけでございますから、聞いております財源では、それでは余りにも少な過ぎる。こんなものでは、ただただみんな民間がわあわあ言ってきたところにばらまいて、結局何にもならないということになる可能性があるわけですね。
 一方、中曽根首相が電電法案審議の際にも言っておりましたけれども、一部のところに偏在しないように、国民全体の利益になるように、肝に銘じて考える、こう言っているわけです。そういうところから考えると、なるべく多くの利用者に利用させてやりたい、こういうことになるわけでございます。そうすると、お金が少ないから一部しか利用させてやらない、そうなると厳正な選択が非常に必要になってきます。厳正な選択のときには、その選択する人が非常に高度な知識を持っておらなければならぬということですから、このセンターの運用というのは大変高度な運用になってくると思うのです。ですから、そういう点について、そのセンターを運用する人、今度、会長その他選ばれると思うのですけれども、そういう人たちの力を十二分に発揮できるように、そういう人材というのを選んでもらいたい、そういうふうに思うわけでございます。
 そこで、冒頭に申しましたように、将来はやはり全体の基盤技術、先ほどバイオテクノロジーまで話が出ました。農林水産の部分までも今及んでいるように思いますけれども、運輸省だってあります。その他いろいろ各省庁でやっております基盤技術のすべてをカバーして、やはりこういう恩恵を与えてやるということをしていかないと、個々の通産、郵政の部分だけ恩恵を与えるということになれば非常に不公平になりますね。産業の育成という形をとるにしても、不公平になる。だから将来はもっと大きくして、全般にわたってやらなければいかぬ。そういう意味で、政府の中でこの辺についてもっとしっかりと整理をして、すべての基盤技術について整理をして、こういうものをつくっていくのだという姿勢を示していただきたいと思います。この辺について通産大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#82
○村田国務大臣 松前委員先ほど来、基盤技術という非常に広い範囲、汎用性のある、しかも革新的である語彙についての基本的な疑問、そしてまた、その範囲についていろいろと御質問をいただいたわけでございまして、非常によくわかるのでございます。国益また国民の利益に合致するという意味からいえば、基盤技術は本来そんな狭いものであるはずがない、したがってそれは、通産省、郵政省のみならず科学技術庁、将来は関係各省全部に及ぶような応用がぜひ必要であり、そういった心構えで対処すべきである、このことについては全く同感でございます。
 私は、二十一世紀をつくっていくというような技術開発の問題になってまいりますと、郵政、科学技術庁、通産などはその先頭に立たなければならない官庁であろうと思っておりまして、したがって将来は、委員の御指摘のような広い範囲にそれを応用していくということで、当面は予算的な裏づけのある通産省と郵政省の所管技術に限定するという意味で運用をしていく、そういう考え方で、中長期的には委員のおっしゃるような方向に向かって努力をしてまいりたいと思います。
#83
○松前委員 時間がまだあと数分あるようなので一言だけ申し上げますが、今通産大臣がそう言われましたので、私も非常に心強く思っておるわけでありますが、いずれにしろ、たったの百二十億ですか、かなり少ないお金なんですね。これをどうしろと言ったって、これはなかなかうまくいくものじゃありませんよ。ですから、もっともっと大きく予算を広げるというような格好に持っていっていただきたい。それには、ことし一年、もしかこれが成立したら、きちんとした運用をやって、基盤技術とは一体何だ、このセンターを国民が本当に理解できるような代物にしていっていただきたい、そういうものにしていってもらうことが必要であろう。この一年が恐らく勝負じゃないだろうか、そういうふうに思うのです。ですから、将来は大蔵省の方からいっぱいお金をもらえるように、ことし一年うんと頑張ってもらいたい、そう申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#84
○粕谷委員長 これにて松前仰君の質疑は終わりました。
 続きまして、西中清君の質疑に入ります。西中清君。
#85
○西中委員 最初に、この法案が提出されました背景及びねらいについて簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#86
○福川政府委員 従来、日本は主として外国技術を導入いたしまして、それに改良を加えて、むしろ生産段階の技術を高めるというようなことで高度成長の過程をたどってまいったわけでございます。しかし、日本の技術水準もかなり向上いたしまして、これからいわゆる自主技術をどうやってつくっていくかということが重要な段階になってまいりました。そうなってまいりますと、むしろ基礎研究あるいは応用研究の段階から技術開発力を高めていかなければならない、こういうことが要請として出てまいったわけであります。
 そういうような観点から、昨年春以来、産業構造審議会におきまして、この技術政策のあり方というのを学識経験者に御審議をいただきました。もちろん、国の果たすべき役割、とりわけ基礎研究、応用研究の中で民間が実施できにくいような技術開発、こういう点については国としても十分力を入れていくように、国と申しますのは、大学の研究機関あるいは国立試験研究機関を指すものでございますが、そういうものを進めていく、特に、リスクが大変大きい、また懐妊期間が長いというようなことで、民間ができないものは国として十分力を入れていくべきであるということの御指摘がございました。
 また同時に、従来民間は、主として企業化、商業化、さらに試験研究を中心に進めてまいりましたが、試験研究の段階では、開発研究、どちらかといえば開発段階、企業化、商業化に近い段階の技術開発をしておりましたわけですが、これからは外国の技術にも期待できないということであれば自前の技術力を民間としても蓄えるべきである、こういう問題の指摘があって、そして民間としても、従来の開発研究中心から応用研究へ、さらにさかのぼって基礎研究へ、こういうことに力を入れていくべきである、挑戦すべき技術分野は大変広範でございます。国、民間が相まって基礎研究、応用研究を続けていこうというのがその答申の趣旨でございまして、そのような観点から何が必要かということについては、一つはリスクマネーの供給を多様化するということでございました。もう一つは産官学の連携というような形で共同研究あるいは技術の情報提供といったようなことを進めていく、こういうことの御答申があったわけでございまして、そういったような考え方を具体化する上において、予算におきまして基盤技術研究促進センターの設置が実現を見、またそのほか民間の基礎研究、応用研究等を進めていきます必要上の国有財産の活用といったような施策がまとまりまして、今回この法律を御提案申し上げた次第でございます。
#87
○西中委員 法案の中身に入る前に、大臣に若干の御質問をしておきたいと思います。
 その第一は、政府の研究開発費の問題についてでございますが、我が国の研究開発は民間が主体になっておりまして、研究開発費に占める政府負担割合は二五%、先進工業国に比べましても非常に低いレベルと言わなければならないと思います。米国三〇%、英国が二八%、西ドイツ四一%、フランス四五%、いずれも我が国を上回る水準にあるわけであります。その上、我が国の基礎研究費の割合も諸外国に比べて極めて低い、長期的には割合が低下をしておるというような傾向にございます。私は、これを非常に憂うべき傾向と考えておるわけでありますが、こういう内容、この実態について政府としてはどういう認識をしておるのかということが問題だと思っておるのです。
 政府は財政事情の厳しさということを口にされるわけでありますけれども、そういうことでいいのかどうなのかということを抜本的に考え直す時期ではなかろうかと私は思っております。たとえ厳しい財政制約下でありましても、政府はやはり優先選択という意味で、例えば防衛とか海外協力につきましてはシーリング枠外で毎年かなりの着実な増額をしておられるわけですね。ですから、結局は政府の研究開発に対する重み、これをどういう認識をしておるかということが私は問題だと思うのです。日本の将来とか国民生活の安定という点からいきましたならば、政府もしばしば口にしておりますように我が国は資源が少ない国でございますから、やはり人であり、頭脳であり、そして貿易でありということが非常に比重が重いわけですね。したがいまして、今我が国の基礎研究等に対する国際的な批判も含めまして、それにこたえるという意味からも、こういった防衛であるとか海外協力と比較してどちらが重いか軽いかという議論をした場合には、どっちが重いとも言えぬような重要性を持っておるのではないかという認識を実はしておるのです。
 そこで、今回民間の力を引き出すために政府としては足らないところを補いをつけようという意味でしょう、先ほどちょっと御説明いただきましたけれども、この法案の提出に至った、こういうことだろうと思いますけれども、これはこれで研究開発が大きく広がっていくことを私は期待をいたしておりますけれども、これで事足れりと考えたり、むしろ政府が本来もっと他の先進国並みに力を入れることを主眼とすべきであるものを、民間の力をかりればそれで済むのだというような、済むとはお考えじゃないと思いますけれども、そういう姿勢に転換をされて将来禍根を残すようなことがあってはならないというように私は思うのです。
 したがいまして、これに対する認識、財政上、予算上、これはどういう位置づけをするかということについてはもう一遍通産省を中心として真剣にお考えをいただかなければならぬ。したがって、予算編成に当たるときには一遍発想をきれいに変えて、視点を変えてしっかりと予算の獲得をする、こういうように大臣はひとつ御奮聞いただけないものかと私は要望するわけでありますけれども、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#88
○村田国務大臣 予算に関連いたしまして、西中委員からODAあるいは防衛等を例に挙げられながら、技術開発の重要性についての御激励をいただいたものと承りました。
 技術開発を促進する上で、国の負担によって研究開発を行うことが非常に重要な意味を持っておるということは委員御指摘のとおりだと思います。通産省としては、六十年度予算の編成に当たりまして、次世代産業基盤技術研究開発制度でございますとか大型工業技術研究開発制度等につきまして、新たなニーズにこたえるための新規研究開発テーマに着手するなど、国が主体となって推進する研究開発を一層拡充することとしたほか、民間の技術開発を円滑に推進するための資金供給等を行う新たな中核組織として、今御提案を申し上げております基盤技術研究促進センターを設立いたしまして、これに対して国から産業投資特別会計の出融資百億円を計上するなど、研究開発予算の確保に大きな努力を行ってきたところでございます。
 したがいまして、この法律案は通産省の新年度施策に対する大きな目玉の一つであることは当然でございますが、もちろんこれのみをもって尽きるものではございません。したがいまして、西中委員御指摘のように、非常に行財政合理化の厳しい財政状況下ではございますが、技術開発の促進を図るための政府の研究開発支出が今後とも実質的に確保されまして、国民生活の向上そしてまた二十一世紀以降を目指す日本の技術開発が大いに発展をしますように、主務官庁の一つといたしまして今後も最大限の配慮を行っていきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
#89
○西中委員 それなりの努力はよく認識をいたしておるつもりでありますけれども、私が申し上げたいのは政策の選択の問題でありまして、そこのところをもう一度再考いただきたい、こういうように要望しておきたいと思います。
 もう一つ大臣に、研究というものについて若干お伺いをしておきたいと思うのです。
 基盤技術の研究は膨大な資金、それから独創性の高い研究者、それに長い歳月を必要とするもので、日本はこれまでとかく欧米に依存し、開発研究に偏りがちで、基礎研究とか応用研究が手薄でございました。日本は欧米の技術を導入し、製品化に専念し、国際競争力を強化してまいりました。私は、それはそれなりに日本にとって一つの大きな成功であったと認識をいたしております。しかし、基礎研究や応用研究のおくれというものは将来の日本の技術にとっては大きなハンディキャップを負うことになろうかと思います。国際競争力を強めた日本への技術輸出ということは、もう諸外国は極めて警戒的でありまして、年を追って期待薄になっていると思っております。それどころか、国際社会では、日本も自力で創造的な技術を開発し、世界の発展に寄与すべしとの批判が高まっており、一方、サミットでも技術開発の国際協力を約束いたしました。
 我が国の研究開発費を拝見いたしますと、基礎研究一三・八%、応用研究二五・一%、開発研究五九・七%、依然開発研究が主流でございます。政府はこの法案によって、国際社会への貢献を果たすために基盤技術の研究を推進する足がかりとしておられるように思うのでありますけれども、後でも具体的に議論いたしたいと存じますが、この程度の施策で目的が達せられるというように御認識がどうか、まず伺っておきたいと思います。また、この開発研究が主流となっている我が国の研究の現状をこの法案によってどれくらい基礎研究、応用研究の方に比重を高められると考えておられるのか、また期待をしておるのか伺っておきたいと思います。
#90
○村田国務大臣 委員御指摘のとおり、我が国の技術水準は欧米諸国に比べて基礎、応用研究段階において一般的に立ちおくれておるというふうに私は認識をしております。我が国としては、このような認識を踏まえ、基礎、応用研究段階の技術開発に格段の努力を払っていくことが重要でございまして、このため、国みずからが民間では実施できない基礎、応用研究を推進するとともに、民間における基礎、応用研究を中心とした試験研究を促進するために、その活力を最大限発揮できるようにその環境条件の整備を図る、そういう趣旨のもとにこの法律案を提案を申し上げました。欧米諸国は官民を挙げて積極的な技術開発を推進をしておりまして、これと肩を並べることはなかなか容易なことではございませんけれども、我が国としては、本法案の適切な運用を含めて、基礎、応用研究の推進に最大限の力を注いでいくことによって技術水準の一層の向上を図っていきたい、そしてあわせて国際経済の発展にも貢献をしていきたい、そういうことで今後努力をしてまいる所存でございます。
#91
○西中委員 どうかその点で、この法案の提出の背景として大きな問題としてあるわけですから、十分なる御留意をいただきたいと思うわけでございます。
 そこで、この法案の名前になっております「基盤技術」という問題でありますが、これは多くの同僚議員が質疑を繰り返しておるわけでありますが、横で聞いておりまして、私が想像力が足らないのかどうか知りませんけれども、いまだにはっきりしない。これは一体どういうことなのか。法律上初めて出てきた言葉だろうというふうに私は思うのですけれども、この「基盤技術」というのは一体何なのか、ちょっともう一度御説明いただけないでしょうか。
#92
○福川政府委員 法案の第二条では、「基盤技術」というのは二つの要件を示しておりまして、一つは、鉱工業、電気通信業等の技術のうち通商産業省及び郵政省の所管に係るものというのが第一の要件。第二の要件が国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの、こういうふうに定義がございます。この国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するものとございますが、これは、ある技術が製品等に体化した場合において、その製品等が有することとなります波及性、いわゆる利用分野の広がりでございますが、そういったその技術が体化されました場合においての製品等が有することとなりますいわゆる波及性、それから影響度、影響度と申しますのは、性能あるいは生産性の向上に寄与していく効果でありますが、これが大変大きく、その結果として国民経済や国民生活の基盤の形成に重要な役割を担う、こういうことでございます。
 いろいろ例も先ほど申し上げたりいたしておりますが、例えば、具体的に申しますと、高集積度のLSIを生産するために必要になりますような超微細加工技術、こういうものができますと、例えばコンピューターあるいは工作機械、自動車といったように広い分野への応用が可能でございまして、これはその波及性が大変大きいわけでございます。はたまた、この超微細加工技術と申しますのは、製品が小型化していくということになりますし、また信頼性の向上といった面でその性能の向上に大変大きく寄与していくことになるわけでございます。こういう波及性、それから影響度が高い技術、これを基盤技術となる技術というふうに言っておるところでございます。
 よく類似の言葉として、基礎研究、応用研究、開発研究という意味で試験研究の段階を三つに分けましたうちで、基礎研究、こう言っておりますが、これは、いわゆる研究の発展段階のものでございまして、したがいまして、基盤技術という技術の範囲とは違った概念でございまして、基礎研究と申しますのは、いわゆる学理的な研究といいますか、本当に学術的な研究というようなことを中心に置いた研究でございます。
 またもう一つ、何で通産省と郵政省に限ったのかという御議論がございます。この点につきましては、この今回ねらいました法律の趣旨が、民間の基盤技術の試験研究を進めていこう、こういうことでございまして、したがいまして、いわゆる民間がそういうようなことをやり得るような状況に達しているもの、こういうことを念頭に置いておるわけでございます、
 今申しました産業技術あるいは通信技術、これはそれぞれ特に大変波及度の高いものでございますが、これは今民間がそういった基盤技術を進めていこう、こういうような段階になってきているものを取り上げるということで考えますと、現段階で判断いたしますれば、通産省及び郵政省の所管に係るものとするのが適切であろう、こういうことでございまして、過日の参考人の意見聴取の場合でも、民間ということから言えばこの両省に関する技術が大変緊要性が高い、技術のそれぞれの発展段階というのは技術の種類あるいは業種、業態によって違うので、そこには発展段階の差がある、こういう御指摘があった次第でございます。
#93
○西中委員 範囲はわかりますね、両省にまたがるものと。そうしますと、この研究の内容は波及性、国民への影響度、効果、そういうものが判断の主体になるということで、段階的に言えば、これは基礎、応用、開発全部を含むということと理解してよろしいのでございますか。
#94
○福川政府委員 技術センターに関する考え方、これはもちろん予算の運用ということでございますが、当面、リスクマネーの供給といたしましては出資事業と融資事業を予定をいたしております。やや具体的に基礎研究、応用研究の定義を申してみますと、基礎研究と申しますのは「特別な応用、用途を直接に考慮することなく、仮説や理論を形成するため若しくは現象や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論的又は実験的研究」というのを基礎研究と称しております。応用研究と申しますのは「基礎研究によって発見された知識を利用して、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究、及び既に実用化されている方法に関して新たな応用方法等を探索する研究」こう言っておりますが、出資事業に関しましては、これは基礎研究からやっていく研究、基礎研究、応用研究、それから開発、こうやっていく、基礎研究からやっていくものを考えております。また、融資事業に対しましては、現在条件つき無利子融資ということを予算上考えておりますが、融資事業に関しましては、これは当然のことながらリスクが相対的にはやや少ない部分を当初対象といたしますために融資という形態をとるわけでありますが、そういうことから考えまして、融資事業については応用研究から開発研究にいく、こういうことでございます。いずれにいたしましても出資は基礎研究、応用研究等から入っていくことになってまいります。また融資は応用研究から、こういうことでございます。
 基盤技術の範囲につきましては先生のお話しのようなことでございます。
#95
○西中委員 最初にこの法案の背景を伺ったときも基礎、応用段階の要請が強いということがあって、しかもそれにこたえなければならないということでお話があったわけでありますけれども、今の御説明でもまた出資、融資の事業は基礎と応用、応用と開発というようにねらっておるのだということの御説明があったのですから、ちょっと理解がもう一つ進まないのですが、わざわざこのような言葉を使わなければならなかった理由は特にあったのだろうかというような気がしてならないわけであります。
 なぜ私はこれを問題にするかというと、今まさしく御説明になったように、出資や融資ということは極めて厳格にやらなければならない性質のものですから、何となく漠然として、何でもいけるような、幅広いもので効果が大きくて通産、郵政両省のものなんだと、こういう漠然たる範囲を示されるだけでは、どうも、どれでもこれでもやらなければならないような感じもするし、そうでもないような感じもするし、どうも明快でない。ですから、法律が歩き出したときには出資、融資の基準というものはぴしっと定まってこないという気配が感じられるわけでありまして、いつだったか、どなたの質問がわからぬけれども、大臣も言葉としては御説明になったけれども、はっきりしたものはわからないというようなことを御発言になって、これは大変なことだぞと、やはりそれなりにきちっとしたものがなければ、これは産投の金なりそのほか開発銀行の金なり政府の金なり民間の金なり、いろいろなものを使ってやる事業でありますから、こういうものをあいまいな範囲でやっちゃうということになれば、これは極めて不明朗なものになると私は思うのです。
 ですから、やはり基盤技術というものはこうこうしかじかというものを、ある程度きちっとした基準が示されないと、言葉の説明で何だかわかったような、だけど何となくわからないというような、こういう繰り返しがもうずっとこの質疑の中で行われておるということは非常に問題だと私は思います。この点について何かいいお考えはないか、明快にされるお気持ちはないか、ひとつお考えを述べていただきたいと思います。
#96
○村田国務大臣 せんだって私がお答えしたことに関連して西中委員の御質問でございますから、もう一回申し上げたいと思うのです。
 この言葉は実はテクニカルタームでございまして、「基盤技術」ということをもし百科事典か何かで引いたら非常に抽象的な答えが出てくるだろうと思うのです。したがって、この法律案をつくるまでに私どもの内部でもいろいろこの問題の検討を行いました。また関係各省も多いことでございますので、一体どういう言葉が一番適切であろうかということを、私はずっと参画をしておりました。よく私もわからないのですがという表現を申し上げたのはあるいは誤解を招いたかもしれないのですが、よくわからないのですがと言った意味は、「基盤技術」という本来の日本語の意味がなかなかよくわからない、こう申し上げたわけで、テクニカルタームということであれば、法二条におきまして、鉱工業、電気通信業等の技術のうち通産、郵政両省の所掌に係るもの、非常にはっきりした限定をしているのですね。それから二番目は、国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの、この二要件で明確に定義をされておるというふうな理解をいたしておりまして、これからこの法律を通していただいて、いよいよ運用をしていくという段階になって、それではこれはどうか、あれはどうかということについては、恐らく年を追ってこれは非常に深く、さらに広く広がっていくものだと思いますし、また先ほど来の先生方の御質問にもありましたように、本来は国民生活全般に関連をする、科学技術の関係も含めたものにすべきでありましょうから、そういった将来の広がりを見ながら、現在は法二条によって定義をしたものによって定義づけられておる、こういうふうに承知をしていただきたい、こういう意味でございます。
#97
○西中委員 当初の法案の背景が、基礎、応用段階の要請が強いということ、これがあるわけですから、本来ですとここに焦点を合わせればすっきりしたと僕は思うのですよ。「国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの」となると、これはニュアンスとしては応用から開発の方が比重がかかってくるのと違うかなという感じもしないわけではない。ですから、その辺のところがどうもはっきりしないというところに私たちの疑問があるわけなんでして、何遍やっても、これは定義としてここへ出ているのですからこういうことなんだと言われればしようがないのですけれども、しかし融資、出資にかかわることでございますから、ひとつさらなる検討をしていただきたい、こういうように思います。何かありますか。
#98
○福川政府委員 確かに、基盤技術といい基礎研究、応用研究といい類似する表現が出てまいりますので、大変御理解賜りにくい点があろうかと存じますが、焦点を置いておりますのは、基盤技術の基礎研究、応用研究に主眼を置こう、こういうことでございまして、基盤技術と申しますのは技術の種類の範囲でございまして、基礎研究、応用研究というのはその研究を行っております段階での学術的な研究であるか応用に向けての研究であるかどうかということでございまして、基盤技術についての基礎研究、応用研究に重点を置くのだ、かように御理解を賜りたいと思うわけでございます。
 なおこの点について、じゃ、その範囲が明確ではないのじゃないか、運用上困るのではないか、こういう御指摘でございましたが、今申しましたように、この法律の二つの要件、法律で規定されておりますこの二つの要件に即しまして、センターとしては適切な運用をいたしていくわけでございますが、確かに、技術の進歩発展と申しますのは、これは大変日進月歩でございまして、いろいろな新しい技術が出てくる。特に基礎研究の段階ということになりますと、本来ねらわないところのもので新しいものが見つかるということも多々あるわけでございまして、技術の進歩というのは大変著しいところでございます。また、もちろんこのセンターは民間の活力を十分に発揮さしていくということで、運用の自主性、民間の意見の反映ということを念頭に置いた運用になっていくわけでございまして、そういう意味では、この運用に当たりまして今御指摘のような点、一体当面どういうような範囲に重点を置いていくんだというような運用の面につきましては、誤解が生じませんように、先生の御指摘も踏まえまして運用については遺憾なきを期したいと思います。
#99
○西中委員 この程度で終わりますけれども、できる限りわかりやすい形にしてもらえないかということでございます。
 それから第五条について伺いますが、「政府の責務」ということが言われているのですが、「民間の基盤技術の向上を図るために必要な措置を講ずる」というようになっておりますが、どういう措置を講ぜられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
#100
○福川政府委員 第五条におきましては、第三条の国有施設の使用、第四条の国際共同研究に係る特許発明等の実施、これに規定するもののほか、「民間において行われる基盤技術に関する試験研究を円滑化し、民間の基盤技術の向上を図るために必要な措置を講ずる」、こういうことでございますが、当面考えておりますのは、これらの前二条の関係がございますところでありますが、例えば試験研究施設、この廉価使用を認める、こういうことでございますが、必ずしもこの国有の試験研究施設というのは一般民間に十分情報提供がされていないと思いますが、そういった利用の円滑化を図りますために、例えばPR等に十分努める、情報提供に努めるといったようなこと、あるいはまた国の委託研究の成果といたしまして国有特許権、これは通常、委託研究の場合にはその特許権は委託をいたしました国の特許になるというのが現在の建前でございますが、そういった国有特許権の一部を受託企業に譲渡するというようなことによりましてその特許権等を共有化する、こういうような措置を講じまして委託研究についての円滑化を図っていこう、こういうようなことを今考えておるわけでございまして、この中にはまた今後の展開によって別のこともあるいは出てくるかもしれませんが、当面考えておりますのはその二つでございます。
#101
○西中委員 これに関連しまして、国有の試験研究施設を使うときに、同時にまた機械器具等のいわゆる物品について使用をするというケースが当然出てくるわけでありますが、これについては現在でも、試験研究に用いる場合に無償または廉価で民間に貸し付けることができることになっておりますが、企業が単独で試験研究をしようとするとき、これは廉価使用は認めておらないというように思うのですが、政府の責務としてなし得る仕事の一つとして廉価使用を認めること、これも非常に大事なことではないか、私はそのように思うわけでございますけれども、この点はいかがでございましょうか。
#102
○荒尾政府委員 物品につきましてはただいま御指摘のとおりでございまして、物品の無償貸付及び譲与等に関する法律というのがございまして、この中で、試験研究に用いる場合には貸付料を無償または原価とすることができる、法律上はそうなっておるわけでございますが、現実には、この法律を受けまして試験研究用機械器具等貸付規則というこの規則によりまして、国と共同研究を行う場合の相手先とか、あるいは国から委託を受けた場合の委託先というようなものに限定をされておるわけでございます。したがいまして、一例としまして、今回この法律によりまして国有財産の廉価使用を認めようとしておるわけでございますけれども、そういった場合に物品もあわせて廉価または無償で使えるようにするとかそういうようなケースも考えられるわけでございます。そういったことを含めることにつきまして今後財政当局等と十分協議をいたしていきたいと考えております。
#103
○西中委員 しっかりとこの点は実現をしていただきたいと思います。やはり国の研究施設が廉価使用できる、一方で物品は対価使用なんだということになりますと、施設は使わなくても機械だけ、こういう表現できるかどうかわかりませんが、機械だけ使わせてもらうときに、これは対価ということになればちょっと整合性に欠けるのじゃないかということでございますので、今も財政当局と詰めたいというお話がございますので、極力これはお考えをいただき、廉価使用ないしは無償使用を実現していただきたい、このように思います。
 次に、国有の試験研究施設はこれを廉価使用させるというようなことでございますけれども、この法律で言う施設は通産、郵政に限られるものなのか、それ以外の国の試験研究施設は含まれるのか含まれないのか、その辺はいかがでございましょうか。
#104
○荒尾政府委員 この法律で対象にいたしておりますのが、先ほど来御議論ございますように基盤技術ということでございます。したがいまして、通産省、郵政省の所掌に属する技術範囲の中に限定されるわけでございます。そういう点から考えますと、私ども十六の試験研究所を持っておりますが、この十六の試験研究所、及び郵政省が持っております一つの研究所、実態上これに限るということになろうかと考えております。
#105
○西中委員 両省以外の国の試験研究施設を希望されたらあっせんするというようなことはやらないのですか。
#106
○荒尾政府委員 この趣旨をできるだけ基盤技術研究の促進のために生かしていただくという点から考えますと、こういった制度がある、それからどんな施設があるかとか利用するにはどうしたらいいかという点につきまして、私ども政府レベル及びセンターにおきましてPR等を行いたいと考えております。
#107
○西中委員 今の点については、大臣も御尽力をいただきたいと思います。
 通産省所管の研究所は十六ということでありますけれども、これは全部の試験研究所を開放されるということでございますか。
#108
○荒尾政府委員 具体的には「政令で定めるところによりこということで政令の中で決めるわけでございますが、私どもの持っております十六の試験研究所の中で国有施設の設置されております状況等を考えまして今後決めていくわけでございますので、十六すべてが対象になるかどうかという点につきましては、もう少し実態をよく詰めた上で決定されることになるわけでございます。
#109
○西中委員 今後の詰めは残っておると思いますけれども、少なくともどれくらいの施設を使うくらい大ざっぱなところはもうわかっていると思うのですが、その点はどうなりますか。十六全部じゃないのでしょう。
#110
○荒尾政府委員 持っておる施設につきましては私ども、どの施設に幾らあるかということ、大体六十弱でございますが、あるということを把握いたしております。今申し上げました趣旨は、むしろそういったものについてそういったニーズがあるかどうか、それから研究所の側としては廉価使用を認めることができるかどうか、そういった点を含めまして今後検討をいたしたいということでございます。
#111
○西中委員 これは先ほども指摘がありましたけれども、やはりその気にならなければ実効は上がらないと思うのですね。どこだって遊んでいるわけじゃないので、それなりにいろいろ研究なさっているわけですから、あいているといえばあいているけれども、あいていないといえばあいていないんだという状態が普通だろうと思うのです。ですから、この点についてはある程度割り切って判断していかなければ、いろいろとクレームつけたらどこも使うところがない、貸すところがないのだというような結果に陥りかねないということを危惧いたしておるわけでございますので、この問題については政令で示されるようでありますが、単にそれを例示するだけではなくて、一〇〇%これが効果的に使用されるように十分なる工夫が必要だと思いますので、この点を強く要求しておきたいと思います。
 次に、センターの問題でありますが、このセンターの役員、職員はどの程度の陣容をお考えになっておるか、まず伺っておきたいと思います。
#112
○福川政府委員 センターの組織、人員につきましては、民間のニーズに対応いたしましてその業務が円滑に遂行できるようなものになるということが眼目でございます。具体的な組織、人員についてはこれから設立までの過程で固まっていくと思うわけでありますが、法律ではこの役員は九名ということにいたしてございます。職員の点がこれから固まってまいると思っておるわけでありますが、私ども国会に提出いたしました予算の参考書類ということによりますと、現在職員は五十八名として積算がいたしてございます。他の新設の場合でも、もちろん設立までの間に具体的な状況に応じてこの辺の数字が変わることがあるかと思いますが、私どもとしては、多分大体当面数十名という規模でやりたいと思っております。
#113
○西中委員 センターの融資業務について伺っておきたいと存じますが、これの貸付条件はどういうふうになっておるのか、伺っておきたいと思います。
#114
○福川政府委員 融資事業の対象といたしますのは、先ほども御議論がございましたように基盤技術に関する試験研究であって、主として研究の段階で申しますと、応用研究段階から実施する技術開発プロジェクトというものを対象にいたすことを考えております。
 またこの貸付条件につきましては、試験研究終了後における技術開発の成功、失敗の判定に基づいて、成功の場合には資金運用部の長期貸付金利相当の金利による利息、現在は七・一%でございますが、それと元本の返済をしていただく。また失敗いたしました場合には元本のみの返済を求めるということでございまして、私ども俗に条件つき無利子融資と言っておりますが、成功いたしました場合には資金運用部の長期貸付金利相当の金利をいただく、こういうことを考えております。
#115
○西中委員 償還期間と据置期間はございますでしょう。
#116
○福川政府委員 償還期間等は今後さらに財政当局で詰めてまいりますが、かなりリスクがあると申しましょうか、懐妊期間が長いということでございますので、私どもとしては償還期間の点については今後相談いたしいたと思いますが、ある程度それを、懐妊期間に対応するような期間を考えたいと思っております。
 そのほかの点は、今後さらにセンターができていろいろ、貸し付けに関する諸条件を決めていきます中で明らかにしてまいりたいと思います。
#117
○西中委員 ただいまの御説明によりますと、研究が成功した場合は年七・一%で元本の返済、失敗したときは無利子で元本のみ返済、こういうことでございますけれども、失敗と成功の判定基準はどういうことになるのですか。
#118
○福川政府委員 この成功あるいは失敗の判定でございますが、これは研究開発の目的とかその成果等に応じて判断をいたすわけでございますが、この点についてはかなり専門的な判断、専門的な評価が必要だ、こういうことでございますので、そこについてはその評価をする機能を整備いたしまして、公正な判定をいたしたいと思っております。
#119
○西中委員 基準というようなものはおつくりになるのでしょうか。
#120
○福川政府委員 このプロジェクトを採択いたしますときには、その開発の目標というものを定めるわけでございまして、そういった開発の対象となります要因、これが実現できたかどうかということを判定するということになると思います。
#121
○西中委員 これは非常に大事なことで、金利や、返済してもいいのか、しなくてもいいのか、せずに済むのか、こういう問題でありますから、恣意的に判断されると非常に問題が起こるのですね。ですから、この点はやはり何らかの歯どめが必要だろうというふうに私は思っております。
 例えば、今、目的をまず出して、それに達したか達しないかで判断するのだということでございますけれども、研究のスタート時点に示した目標、目的、これは達成できないで終わった、ところが、その失敗の過程に別の新しい特許の芽が出た、また特許ができた、これは失敗なんですか、成功なんですか。こういうことはしばしば研究段階ではあると思うのです。いかがでしょうか。
#122
○福川政府委員 大変難しい御質問でございますが、私どもとしては、試験研究の終了時点において、採択時に決定した技術開発目標の達成度、それから経済情勢等を総合的に判断して行うということでございます。
 今、研究の過程で別途の研究成果が得られた、それは、確かにおっしゃるように、そういうケースは技術の場合は時折あり得ることだと思います。その得られました技術成果が、研究開発目標ということに照らして関連があるかないかということとの絡みで判断をすることになると思いますが、御指摘のように、これは技術的になかなか難しいし、またそれは、返済条件等に差がありますので、おっしゃるように、確かに公正かつ的確な評価が必要だということでございますので、これについては専門的な技術に関する知識を要するということで、その得られた研究成果と技術目的とを対比させながら公正に判断していく仕組みを、今後センターができた段階で考えてまいりたいと思います。
#123
○西中委員 ですから、これは非常に難しいのですね。研究というのは目的があってそれに向かってやるのだけれども、しばしば横っちょの方へ進んでいって、思わない成果が出るということもあるわけです。ですから、その場合は成功なのか失敗なのかということが、これはその場その場で、判定する人の主観によって決まっていくということであれば、これは公正、公平な運営は期せないわけですから、僕は何らかの判定基準というものが必要ではなかろうかと思っておるのです。今すぐ答えが出ないかもわかりませんけれども、これは一遍十分研究をしていただかなければならない問題だと思いますので、この点についても強く要求をしておきたいと思います。
 次に、出資事業について伺いますけれども、これの資金計画はどういう事業を指しておるのか、伺っておきたいと思います。
#124
○福川政府委員 出資に関しましては、対象といたしまして、二以上の企業等が共同して行うプロジェクトでございますが、その中には二つの範疇を想定をいたしておりまして、基礎研究または応用研究段階から実施する技術開発プロジェクト、もう一つの範疇は、技術開発要素に富む基盤的、先導的プロジェクトであって、公共性を有し、収益の懐妊期間が長いもの、こういうものを想定いたしておるわけであります。
 出資事業につきましては、当面事業の予算では二十億、基本財産といたしましては、産投出資から六十億と民間出資二十億、合計八十億を基本財産として想定をいたしておりますが、予算としては、今申しました、二以上の企業が共同して行うものについて、二つの範疇の事業を出資の対象に予定をいたしております。
#125
○西中委員 基本財産部門で八十億ということでありますけれども、この運用収入は幾らになりますか。
#126
○福川政府委員 これは、今のこの運用益は、出資事業の事務的な経費と、それから産官学の連携等の共同研究事業等に想定をいたしますが、基本財産については全体として運用することとしておりまして、その運用益はおおむね四億円程度になろうかと思います。
#127
○西中委員 四億ですね。四億のうち、共同研究事業と運営費ですか、これは比率はどういうふうになりますか。
#128
○福川政府委員 出資事業等に関しましては、一般の管理費とそれから共同研究事業等に充てます運営費とございますが、今大体予定をいたしておりますのは、共同研究事業等に充てますものを、大体六千万程度を予定いたしております。
 ただ、なおこのほか、民間からの委託研究の収入というものもございますし、あるいはまた、外国人の研究招聘のために公益信託等での運用収入を別途予定いたしておりますので、実際のこの共同研究等の事業の費用はこれよりももっとふえることになると思いますが、これは民間からの金の拠出ということになっておりますので、今申した金額には入っておりません。
#129
○西中委員 先ほど御説明のありました懐妊期間の長いプロジェクトは、何年ぐらいを想定されておりますか。
#130
○福川政府委員 大体五年から十年程度を考えております。
#131
○西中委員 この事業は、具体的に言うとテレトピアとかニューメディアコミュニティーを指すし、それ以外にもあると思いますけれども、この事業について伺っておきたいと思うのです。
 これは、先ほどから議論しております基盤技術という点で、特にこの法案の立法に至った背景から判断して、必ずしも全く合致しないとは言いませんけれども、ちょっとニュアンスが違っているなという感じがしないわけでもないのですが、その辺はどういうふうにお考えになっているか、伺っておきたいと思います。
#132
○福川政府委員 今申しました出資事業の第二の範疇の中では、ニューメディアコミュニティーあるいはテレトピアの推進法人というものも含めて考えておるわけであります。これにつきましても、今後のいわゆる地域情報化ということから考えますと、大変研究開発要素に富むもの、こういうことが要件として書いてございますが、特に基盤的な先導的なプロジェクト、こういうことで考えておりますので、私どもとしては、そういった広くハード、ソフトを含めて考えた基盤的なものということで考えてみますと、これも一つの基盤技術ということに入り得るものと考えております。
#133
○西中委員 この推進法人への出資率はどの程度をお考えになっているか、伺っておきたいと思います。
#134
○福川政府委員 この出資の対象と考えておるわけでございますが、今、このニューメディアコミュニティーは八地域、テレトピアは二十地域指定をされておるわけでありますが、現在、そのプロジェクトの計画を固めておる段階でございます。
 今後どの程度この中で出資をしていくことになるかということにつきましては、今後、その案件ごとに、プロジェクトの重要性とか成熟度を吟味しながら検討してまいりたいと思います。現段階で二十億のうち幾ら振り向けるかというようなことについては、あらかじめ想定しているわけではございませんで、今後センターが、その今申しましたようなプロジェクトの重要度、成熟度を十分吟味した上で判断していく、かように考えております。
#135
○西中委員 まだはっきりしないようでありますけれども、これは極めて重要な問題だと私は判断しておるのです。というのは、先ほど出資事業の運用益は、大体共同事業に六千万円ぐらいというお話がありました。ほかの部門の、恐らく融資部門の基本財産部分を指すのだろうと思うのですが、それを合わせたってそうたくさんになるわけではないんですね。ですから、テレトピアとニューメディアコミュニティーが二十八カ所ということになりますと、それぞれに出資の要求は強く出てくると私は見ております。そうしますと、わずか一億足らずの運用収入で、二十八カ所のテレトピア、ニューメディアコミュニティーの出資の要求に対して一体どれほどのことができるのかという疑問を私は持っておるのです。逆な言い方をしますと、三十一条二号以下の事業でいわゆる海外からの研究者の招聘の民間資金を除いた部分、この事業を全部やるのに一体こんなもので何ができるんだろうという疑問を持っておるわけなんです。特に、ニューメディア、テレトピアとも全国的に強い要求があるわけですから、おのおのたくさん出資をぜひお願いしたいというセンターに対する要求は強まる一方だと思います。
 こういうことを考えると、この前も参考人がおいでになって国際協力が進むとか言って非常に評価をされておりましたけれども、ほかの事業も含めて、具体的に資金の面からいくと、これは微々たる内容になりかねないと実は私は判断いたしておるわけでありまして、先ほど出資率を聞いたのもそこに問題があるからだという認識のもとで聞いておるわけなので、この辺の資金計画は一体どうなっておるのか伺っておきたいと思います。
#136
○福川政府委員 今お尋ねの点は、まず事業費に関する部分では、出資事業は二十億ということで、事業二十億の中でいわゆる基盤技術のRアンドD会社に対する出資に当たる分と、ニューメディアコミュニティー、テレトピア等に行く分とございますが、今後この出資事業につきましては、今先生から、この事業についてのニーズが高いのではないか、こういう御指摘でございますが、まさに私どもとしても、一般のRアンドD、基礎研究からやります基盤技術のRアンドDとニューメディアコミュニティー、テレトピアをどういうふうに配分していくかということは確かに非常に重要な問題でございます。
 また、さらに重要なもう一つの問題は、これは十月に発足をするということでございまして、半年度予算ということで出資事業二十億ということになっておりますが、六十一年度以降は今後また新たに事業予算を要求をいたしてまいります。その点につきましては、まだ大変少額じゃないかという御指摘でございますが、今申しましたような趣旨から、今後技術のニーズに合わせまして、予算の要求等について六十一年度以降その運用に支障のない形で財政当局と御相談をしてまいりたいと思っております。
 また、今の出資事業以外の共同事業の受け入れといったようなもの、あるいはそのほか技術情報の提供といったような事業がございますが、そういった点につきましては、先ほど共同事業の点について振り向けられるのが一億弱と申し上げましたけれども、また一般の管理費等も、センターの事業の効率を高めていく上での適切な運用を図っていくということで考えておりますので、二号以下の業務につきましては、そのような運用の適正化と同時に、民間からの別途の資金の拠出ということからその事業に支障のないようにいたしたいと思っておりますが、また今後、事業の進捗状況に応じまして六十一年度以降財政当局ともいろいろ話をしてまいりたいと思います。
#137
○西中委員 出資事業はこれからの来年度以降の予算の要求によってどういうように対応できるか、いろいろ道はあると思うのです。共同研究事業は、今も申し上げましたように二号以下のいわゆる民間資金以外の事業、これに充当するわけでありますが、もう時間もありませんから、私は、この中で一番大事な点を一つ御質問なりまた御要望しておきたいと思うのです。
 それは、三十一条の五号「基盤技術に関する情報を収集し、整理し、及び提供する」というこの仕事でございますけれども、これは極めて重要な仕事だと思うのです。というのは、我が国の基盤的、先端的分野の技術情報は蓄積、流通とも非常に少ない、データベースの充実は緊急の課題である、これはあちこちへ行ってもよく聞くわけです。現在我が国が使用している技術のデータベースの三分の二以上はアメリカのものであるという、こういう現状にあります。したがいまして、産業技術開発を効率的に進める上においては、このデータベースを自前のしっかりしたものをつくるということが極めて重要でありますし、将来の展望からいっても、アメリカあたりからデータベースがどんどん入ってくるでしょうけれども、肝心かなめ、または最先端のデータということになりますと入手がおくれる、やはりオンリーUSAということになるケースが非常に多くなるわけですから、こういうことについては、この共同研究事業の中でもいわばこれをグレードアップするというか、特別扱いをやるということにして、しっかり予算をつけてやらなければ、これはとてもこの運用益の一部を使ってやるなんというような仕事ではないと私は思っておるのですよ。ですから、これはこのセンターの事業の中でも大きなものとして、当面はこれで運用することになるのでしょうけれども、本腰を入れてひとつセンターが当たるように、来年度以降の予算は考え直していただきたい、こういうふうに私は思っておるのですが、いかがでしょうか。
#138
○福川政府委員 技術に関しますデータベース、特にここでは民間の基盤技術の研究を促進していくという目的でつくる基盤技術の情報収集、整理、提供、これは御指摘のように非常に重要な問題でございまして、産業構造審議会からの御報告の中にもその点がつとに指摘されておるところでございます。今後センターの設立に向けて準備が進められるわけでありますが、今後の運用におきまして、民間のそれぞれのニーズ等を踏まえまして、先生の御指摘の趣旨も念頭に置いて適切に対応してまいりたいと思います。
#139
○西中委員 時間が参りましたので以上で終わりますけれども、政府の研究費の負担割合が極めて低い。さらには、一つ一つの事業を検討してまいりますと、つけ足しでやるような仕事ではないようなことがいっぱいあって、それが十分な資金手当てができておらぬということは、私が今申し上げてきたとおりなんでございまして、こういった点について本当は大蔵大臣に聞いてもらいたいのだけれども、政府がこういった問題については、当初私が申し上げましたように防衛であるとか海外協力費と同じように、私に言わせればそれ以上に、我々日本が選択すべき政策として十分なる手当てをしなければならぬ課題だというふうに思うのです。これはシーリングで突出したって我々は文句言いませんよ。ですから、そういった点で、本当に通産省はもう少し声を大にしていただいて、次の予算編成の時点においてはひとつしっかりした構えで臨んでいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
#140
○粕谷委員長 これにて西中清君の質疑は終わりました。
 続きまして、宮田早苗君の質疑に入ります。
#141
○宮田委員 研究者の養成と国際交流の促進についてお伺いをいたします。
 最初にお伺いいたしますのは、創造性豊かな人材の育成は緊要の課題であるということ、この見地から産業構造審議会の中間報告は、先端技術分野では人材育成教育と技術開発とが表裏一体の関係をなしていることに着目をしておるわけであります。そうして既存の大学、研究機関の枠にとらわれることなく、新たな高等教育研究機関の設立の必要性を指摘しておるわけでございます。政府としては、この指摘を受けて今後どのような構想を具体化される方針か、考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#142
○村田国務大臣 宮田委員御指摘の創造的技術立国を図っていくために、人材育成は極めて重要でありまして、すべて事は人から始まるわけであります。民間においても関心が高まっておるところでございます。今後とも臨教審での議論、それから民間ニーズの動向等を踏まえまして、中長期的な観点から研究活動を通じた人材育成の可能性など、創造的な研究者の育成のための施策の方向について検討をしてまいる所存でございます。
#143
○宮田委員 次にお聞きしますのは、ハイテク大学として民間出資から成ります新たな高等教育研究機関を具体化する考えはないかどうか、この辺もお伺いします。
#144
○荒尾政府委員 先日の参考人の御意見の中でも大島先生からハイテク大学の構想の御説明があったわけでございますが、民間の出資によりますいわゆるハイテク大学構想につきまして、現在財団法人の工業開発研究所というところで調査が進められておる段階でございます。こうした民間におきます調査、あるいはただいま大臣からお答え申し上げましたような臨教審での御意見、御議論等を踏まえまして、通産省として今後どのような対応が可能であるかという点につきまして検討してまいりたいと思っておりますが、私ども、昭和六十年度から工業技術院の調査予算の中で、非常にわずかの金額でございますけれども、創造性豊かな人材育成のニーズとかあるいは方策等について調査をする予算が認められておりまして、こういった予算を活用しながら将来どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えております。
#145
○宮田委員 研究者の内外の交流は、研究水準の向上を図る見地から推進すべきであるわけです。国、特殊法人の研究機関におきましては、現実には出張費の予算が制約されておるために学会に出席するのも容易ではないのが現場の研究者の悩みと聞いておるわけでございます。研究者にとりまして学会での情報交換といいますのは死命を制すると言っていいほどの重要な仕事と思われております。政府の研究者の内外の交流の意義をどのように考えておいでになるかということと、もう一つは研究開発を推進するに当たりまして研究者の旅費規程を抜本的に見直すべきじゃないか、こう思いますが、その二つをお聞きいたします。
#146
○荒尾政府委員 研究者の内外におきます交流の意義でございますが、これにつきましてはただいま先生から御指摘のとおりでございまして、科学技術が非常に急速なスピードで発展をしていくわけでございますが、そういった場合に国内あるいは海外との関係におきまして技術動向あるいは研究情報を把握する、これらは公表されたあるいは文献情報となりました段階ではもう既に遅いわけでございまして、現実に学会とかあるいは個人的な交流等を通じてこういった情報等を早急につかむことが非常に必要なわけでございます。そういった点と、もう一つは技術者同士が交流することによって相互に啓発し合うという意味が非常に大きいわけでございますので、非常に重要なことであると考えておる次第でございます。
 しかしながら現実の問題としまして、御指摘のように国内のみならず海外いずれにつきましても旅費について非常に厳しい制限があるわけでございます。これにつきましては申すまでもないわけでございますが、財政状況非常に厳しい中で、特に旅費、庁費といったようなものにつきましては厳しいシーリングがかかっておるわけでございます。私ども必要性、重要性を非常に認識しながら、現実の問題といたしまして、毎年努力をいたしておりますけれども増加が図られていないというのが実態でございます。必要性を十分に認識しながら今後この充実に努力をしていきたいと考えております。
#147
○宮田委員 今後我が国が技術開発の領域において積極的に国際社会に貢献していくためにも、研究者の国際交流の促進は重要な課題と言えます。今回法案にセンターの業務として外国人研究者の招聘制度を盛り込んだことは評価できるわけでございます。
 そこで、民間篤志家からの資金拠出はどの程度期待しておいでになるかということが一つと、もう一つは、施策の重要性にかんがみまして国としても税制あるいは財政の面からもてこ入れを考える必要があるのじゃないか、こう思いますが、その件についてお考えを聞かせていただきたいと思います。
#148
○荒尾政府委員 センター業務として考えております外国人研究者の招聘の規模でございますが、当面は年間十名程度ということで考えております。この制度につきましての認識、評価を高めていくことによりまして、民間篤志家からの拠出を拡大していただくといった努力を通じましてこの規模を将来だんだんとふやしていきたいと考えておるわけでございます。
 そういった拠出を増加する意味で税制あるいはその他の面で政府としても努力すべきではないかということの御指摘でございますが、この点につきまして、まず税制の点につきましては、現在におきましても税制上の特別な取り扱いがございます。この制度は御承知のとおり公益信託を利用するものでございますが、この公益信託に関しましては、公益信託の信託財産から生ずる所得につきまして所得税法の規定に基づきまして非課税になっておるわけでございます。それから、公益信託への拠出金でございますけれども、これにつきましては法人が公益信託に出捐をしました場合には、当該法人の寄附金としての損金算入を認められる限度額までは各事業年度の所得の計算上損金として取り扱われるということになっております。また個人につきましては、公益信託に出捐した財産につきまして、相続財産の評価に当たってその部分は評価額から控除されるというような取り扱いになっておるわけでございます。したがいまして、税の上では既に相当な手当てができておると考えます。
 それから、財政面からのてこ入れということでございますが、今回のこのセンターに対して産投会計出資があるわけでございますが、この出資の運用益によりましてセンターで研究者の選定あるいは受け入れ機関へのあっせん等の招聘事業を行いますけれども、そのための資金を運用益の中から支出をするということにいたしておるわけでございます。
#149
○宮田委員 外国人研究者の招聘に当たりまして、住宅問題それから医療保険、子女の教育等の社会的な基盤を整備することが肝要と思いますが、政府はこれに対してどのような対処をなさっておるか、この辺もお聞かせ願いたいと思います。
    〔委員長退席、田原委員長代理着席〕
#150
○荒尾政府委員 外国人の研究者を招聘いたします際に、御指摘のように住宅問題、医療問題等々いろいろな問題があるわけでございますが、そういった問題をできるだけ解決して、快適な環境の中で外国からおいでいただいた研究者の方に研究活動に従事していただくことが必要なことは御指摘のとおりであると考えます。もちろんこの問題はセンターだけあるいは通産省だけでやれるということではなくて、一般的に社会的なそういった基盤を充実していく、整備していくということが重要ではないかと思われます。そういう点で、非常に幅広い政府全体としての対応が必要だと考えますが、個別具体的なケースで考えますと、センターがお世話をいたすわけでございますので、例えば研究者の医療等の問題につきましては、せっかくおいでになった方の健康を維持するという点から、例えばセンターがセンターの負担におきまして保険をつけるというふうなことも考えたいと考えておりますし、また住宅等につきましてもあっせんサービスを行うというようなことも考えたいと考えております。
#151
○宮田委員 現在、我が国の企業が外国人の優秀な研究者を採用したいと考えましても、国内雇用の安定のため、日本人にはない技能の持ち主以外は外人労働者の導入をしない、こういう原則が政府にあるやに聞いております。このために実現が非常に困難になるわけでございますが、ハイテク分野で優秀な人材を国内だけで確保するのが難しいきょうこのごろ、民間企業レベルでの内外の研究者の交流の見地から、弾力的に対応しなければならぬと思いますが、その辺についてのお考えを聞かしていただきたいと思います。
#152
○荒尾政府委員 一般の外国人の労働者につきましては、ただいま宮田先生御指摘のとおり、昭和五十一年六月の閣議了解におきまして、外国の労働者の本邦における労働活動は、基本的には認めないという方針が定められておるわけでございます。
 ただ、優秀な外国人研究者の場合には、出入国管理令の第四条第一項第十二号の規定がございまして、「産業上の高度な又は特殊な技術又は技能を提供するために本邦の公私の機関により招へいされる者」につきましては、出入国管理令上の所要の手続が必要ではございますけれども、日本に受け入れることは制度的には可能であるということになっておるわけでございます。現実にも若干そういった形で来ておられる方があるわけでございますが、この問題は、一方ではやはり外国人労働者を全体としてどう考えるか、国内の雇用との問題という非常に難しい問題もいろいろあると思いますし、他方、今御指摘のとおり、先端技術の研究促進のためには、非常に優秀な海外の研究者との交流を進めるという必要性もあるわけでございますので、そういった両者の要請をどういう形で調和をしていくかという点であろうかと思います。
 御指摘の点につきましては、今後労働省あるいは法務省等々関係のところと御連絡をして適切な処置を講ずるように努力をいたしたいと考えております。
#153
○宮田委員 次に、技術開発の促進税制についてお伺いをいたします。
 今回の法案には、新たな税制上の具体的措置が盛り込まれていないわけです。欧米各国におきまして、技術開発振興策を見ますとわかりますように、技術開発促進税制は、極めて重要な施策でございます。
 こういう見地から、今後の政府の対処方針を聞くわけでございますが、その第一は、六十年度税制改正で、政府の新規のハイテク減税として、基盤技術研究開発促進税制及び中小企業技術基盤強化税制、これを盛り込んでおるわけでございますが、アメリカ等のハイテク減税に比べますと、規模は余りにも小さいんじゃないか。今回の新規のハイテク減税の経済波及効果をどれぐらいに見込んでおいでになるか、また減税の規模、対象を拡充して抜本的なハイテク減税を確立すべきじゃないか、こう思いますが、その点についての見解をお聞きします。
#154
○福川政府委員 今御指摘の税制でございますが、一つは、基盤技術開発に関します税制で、従来からございました増加試験研究費の税額控除制度の拡充という形で、一定の研究設備を取得した場合に七%の投資税額控除を認めるという制度を拡充いたした次第でございます。
 これにつきましては、初年度の減税額百三十億円、平年度ベースで百六十億円の減税額を予定をいたしておるところでございます。
 私どもがこの税制を考えますときに、関係方面にアンケートでいたしましたところ、こういう新しい制度が付加されれば、八七%の企業が現在の技術開発費の増額を検討する、こういうことが言われておるわけでございます。
 したがいまして、特に最近この研究設備というのがかなり高価なものになっておるということから見ますと、今後、基盤技術の開発のために研究設備の取得を誘導するというこの制度は、私どもとしてはかなりの効果があるものと期待をしているわけであります。
 特に、これはまあ一般に基礎研究が劣っているということの反映であるわけでありますけれども、かなり試験研究用の設備の性能が、日本の場合劣っているということでございますので、こういった研究設備の整備ということについては大変力があるのではないだろうか、かように考えておるわけであります。
 また、中小企業につきましても、従来から増加試験研究費の税額控除制度がございましたが、これが過去の試験研究費の支出の最高額を上回った場合にのみ適用される、こういう制度でございまして、中小企業の場合には、これが必ずしも十分活用しにくいという情勢がございまして、今回は、これも増加試験研究費の税額控除制度の一環といたしまして、中小企業につきましては研究開発費の増加部分ではなくて、開発費そのものについて六%の税額控除を認めるという制度を、増加試験研究費に選択適用として認めることとしたわけでございます。
 従来、増加試験研究費の税額控除制度というのは中小企業では余り使われておりませんで、全体の活用額の中で、まあ二%前後ではないかと言われておりますので、今回、この試験研究開発費そのものを税額控除するということになりますと、これは研究開発の推進には相当私どもとしては役立つ制度ではないか、かように考えておるわけであります。
 欧米との対比でのお尋ねでございまして、これは欧米も大変力を入れておる。またアメリカでは投資税額控除等もある、こういうようなことでございまして、もっとこれの規模を、対象を拡充すべきではないかという御提案でございました。私どもとしても、企業の活力の保持ということが非常に重要であり、その一環で技術開発が大変大きな源泉となるものだという点については共感を覚えるものでございますけれども、今の厳しい財政状態ということを考えてみますると、このいろいろな制度もできるだけ効率的にしていかなければいかぬ、こういうふうに思うわけでございまして、今回諸般の事情を考え、大変有効な効果を上げるのではないかということで、この二つの税制を、増加試験研究費の税額控除制度の拡充ということによって実現を見た次第でございます。
 さらに、これを将来拡充するかどうかというお話でございまして、当面は現在の財政状況を考えますと、今回のその制度というのが精いっぱいのものであったと考えておるわけでございます。将来どうするかという点につきましては、今後の事態の推移を見て、今後そのあり方を考えたいと思っております。
#155
○宮田委員 技術進歩が急速に進展するのに伴いまして、設備の老朽化、陳腐化の問題があらゆる産業に広がっておるわけでございます。
 半導体製造装置を例にとってみましても、大蔵省令の定めます法定耐用年数は五年でございますが、技術進歩のため三年から三年半で集積度の高いICが開発されて価格が急激に下がるという実情にあるわけです。二年ないし三年で製造設備の更新に迫られていると聞きますが、現実の経済的陳腐化の度合いを踏まえて技術進歩の実情に即した法定耐用年数の短縮に踏み切るべきではないか、こういう見解が非常に強いわけでございますが、その点についてのお考えを聞かしていただきたいと思います。
#156
○福川政府委員 IC産業につきましては、御指摘のように一、技術革新が極めて急速でございます。また、製造設備の技術的陳腐化というのも著しい状況にございます。このような状況にかんがみまして、技術革新の特に急速な素子数百以上のICの製造設備につきましては、昭和四十五年度から暫定的に耐用年数を、原則七年のところを五年に短縮いたしておりまして、さらにその措置を昭和六十年度の耐用年数に関する大蔵省の省令改正によって二年延長する、こういう措置をとっておるわけでございます。
 耐用年数と申しますのは、設備の物理的寿命と経済的な陳腐化によりましてその耐用年数を定める、こういう原則になっておるわけでございまして、私どもとしても必要に応じて、その事態に応じましてその耐用年数はいろいろ吟味をいたしておるところでございます。
 特に、最近、これからまた技術革新が進む、こういうことでございますが、私どもとしても、従来そういった物理的寿命と経済的陳腐化ということを中心に置いて対応いたしてまいったわけでありますが、今後もその耐用年数の見直しにつきましては、業界の実態等を十分に把握いたしまして適切な対応をいたしたいと思います。
#157
○宮田委員 我が国の製造業の設備年齢が近年急速に高齢化の傾向にあるわけです。これに対しまして、アメリカを例にとりますと、年間十二兆円もの設備投資促進税制を講ずるなどして設備年齢の若返りを図っておると言われております。
 この素材産業で比較してみますと、四十五年当時、設備年齢の差が二・八年あった。日本が四・三年、アメリカが七・一年。五十六年になりますと、〇・四年に縮小いたしまして、日本が六・九年、そして米国が七・三年。この日米の政策当局の姿勢を考えますと、将来日米間の設備年齢が逆転しかねない状況になってきておるのじゃないか。政府は設備年齢の上昇に対しましてどのような認識を持っていらっしゃるか、また、設備更新を助長するため思い切った設備投資促進税制を図る考えはないかどうか、この辺についてお伺いします。
#158
○福川政府委員 設備年齢の比較がいろいろなところで議論をされております。
 これの厳密な算出比較というのは、いろいろ技術的な制約、設備の状況の技術的な把握ということになかなか困難な点がございますが、確かに傾向といたしましては、特に基礎素材産業を中心にいたしまして設備年齢、設備のビンテージが上がっておるということはいろいろあろうと思います。その設備自身の実態には、例えば補修を加えているとか、いろいろな要素がございまして、それが生産能率にどう響いているかという点はなかなか難しい点がございますが、大ざっぱなことといたしましては、先生御指摘のように、特に基礎素材産業を中心にしてどうも設備年齢は上昇傾向にある、こういうことであるように私どもも思います。
 しかし、なかなかこの絶対的な比較が難しゅうございまして、確かにアメリカはやや若返っておる、日本はやや老朽化しているということでございますが、内容をとって見ると、例えば基礎素材産業がどうか、あるいは高度組み立て型産業の場合はどうか、こういうことになってまいりますと、それが競争力の比較という面についてどのような影響を与えるかというのはなかなか判断しにくい点があると思います。
 しかし、この設備というのがいろいろ経済の発展の源泉であるという点は私どももっとに認識をいたしているところでございます。耐用年数につきましては先ほど申しましたようなことで対応をいたしたいと思っておるわけでありますが、私どもとしては、設備投資の促進ということを考えますときに、政策に重要度の高いものをやっていこうということで、五十九年度においてはエネルギー利用効率化等促進税制というものをつくりました。また、特に中小企業につきましては、俗にメカトロ税制と言っておりますように、中小企業新技術体化投資促進税制という新しい制度を発足いたしまして、こういった特に重要な部分についての設備投資の促進税制を図った、こういうことでございます。
 また、六十年度におきましては、今御審議をいただいておりますような技術政策ということに並びまして、税制で特に技術に焦点を当てた増加試験研究費の税額控除制度の拡充ということに重点を置いたわけであります。こういった技術開発の促進ということが、また一つ、設備投資を引っ張っていくという要因になっていくということでございますし、また他方、中小企業につきましても、中小企業の技術基盤の強化税制というものが、増加試験研究費の税額控除制度の一環として拡充をいたした次第でありますが、これもまた中小企業の技術力が強くなる、こういうことが設備投資の誘因になっていく、こういうことでございます。
 もちろん、設備投資の重要性という点については十分認識をいたしておるところでございますが、今後、この現存の諸制度の運用の成果等を見きわめ、また、経済の実態に即して今後の設備投資のあり方については研究を続けてまいりたいと思います。
#159
○宮田委員 先端技術の開発には資金がかかります。しかも、リスクが大きいわけです。ベンチャービジネスと呼ばれる研究開発型中小企業は、先端技術開発に伴うリスクに対処するために、損失準備金を有税で積み立てていると聞いておるわけです。これを無税扱いにすれば先端技術開発の推進に大いに役立つとともに、政府の公的融資と違いまして民間企業の活力を引き出す意味からも重要な政策課題と思うわけでございます。
 政府は、研究開発型中小企業に対しましてこのような税制上の施策を実施する考えはないかどうか、この辺もお聞きします。
#160
○福川政府委員 今お話しの、研究開発型の中小企業が将来の開発費のために準備金を積む、こういうことでございます。これが、税法上の取り扱いということになりましたときに、将来の費用の支出の引き当てということについてうまくリンケージができるかどうかという点についていろいろ議論がございます。
 私どももいろいろ検討をいたしたわけでありますが、私どもとしては、この六十年度の税制改正におきまして、中小企業を含めまして、このベンチャービジネス、ベンチャーの中小企業を含めまして中小企業全体の技術開発活動を引き上げていく、こういうことで、先ほど触れましたように、試験研究費の増加部分だけでなくて根っこからの試験研究費の六%の税額控除を認める、こういうことにいたしたわけでございまして、私どもとしてはむしろこういった税額控除制度、これは絶対減税ということでございますからインセンティブは大変強いわけでございますが、このような形でこの税制上の取り扱いを実施をいたしたわけでございます用意欲的に研究開発活動を実施をする中小企業がこの措置をむしろ積極的に活用していただくということを期待をいたしているところでございます。
#161
○宮田委員 ベンチャーキャピタルは、企業の先端技術研究開発に対しましてリスクマネーを供給する機関として今後その活躍が期待されるわけですが、このセンターの金融業務との競合は起こらないかどうかということです。
 もう一つは、公的融資も肝要と思いますが、同時に、民間資金の円滑な調達を確保するための施策も重要であると思います。このため、ベンチャーキャピタルの投資活動を助長するために税制上の新規施策を検討すべきじゃないかと思いますが、その辺はどうか、お聞きします。
#162
○福川政府委員 今御指摘のように、ベンチャーキャピタルがいわゆるベンチャービジネスに対して資金供給を行っておるわけでございますが、今回センターで予定をいたしております資金供給は、主として基礎、応用の段階の出融資ということでございまして、これも当委員会でいろいろ御論議がございましたように、いわゆる技術的に基礎あるいは応用からやってまいりますためにリスクが高い、また、技術的な、専門的な知識が要る、こういうことでございますので、民間のベンチャーキャピタルあるいは民間の金敵機関ということについてはなかなかこの金融業務が行い得ない分野であるというふうに思うわけでございます。そういう意味で言えば、このセンターが行います出資または融資というのがむしろ民間のベンチャーキャピタルの融資の呼び水になっていく、あるいは次の研究開発段階についてベンチャーキャピタルから資金が供給をされていく、こういう関係がございまして、私どもとしては、むしろ今回のセンターの出融資事業というのは、そういったベンチャーキャピタルなどの民間資金の呼び水になっていくということで、特に競合ということにはならないのではないだろうかというふうに思うわけであります。民間金融を圧迫するというよりは、むしろその資金需要の拡大をもたらしていくということでございまして、また、そのような効果が出てくるような運用を図ってまいりたいと思っておるわけであります。
 もう一点、ベンチャーキャピタルの助成策ということについて何か考えはないか、こういうお話でございます。現在約六十ぐらい日本にもベンチャーキャピタルがございまして、投融資活動を行っておりますが、これも着実にふえておるわけであります。これについて特に特別の税制ということが必要であるかどうかということでございますが、これも今この税制ということを、もしそういう特別のことを考えるということになりますと、税制の基本的な枠組みにかかわってくる問題でございまして、特にベンチャーキャピタルについてのみ特別の税制上の措置を講ずることが果たして可能であるかどうかという点については、かなり税制の基本にかかわる問題でございますので、私どもとしても、むしろ慎重な検討が必要ではないかと思っております。
#163
○宮田委員 次に、貿易研修センターの関係について二、三御質問したいと思います。
 まず第一は、国際社会の相互依存関係が一層高まり、また、我が国が世界経済の一割を担っておるわけであります。こういう状態の中で諸外国との相互理解の増進や国際経済人の養成がますます重要になっておると思います。その中で、今回貿易研修センターの組織変更が行われたわけでありますが、それはどういうお考えかということをまずお聞かせ願いたいと思います。
#164
○鈴木(直)政府委員 世界経済におきます我が国の経済の影響力が高まってまいりましたし、また、世界経済との相互依存関係も高まってまいっております。先生御指摘のように、貿易研修センターが行っております国際経済人の養成といいます研修事業もますます重要になってきていると存じます。一方におきまして、複雑化、多様化してまいります国際経済情勢に対応いたしまして、国際人の養成に対しますニーズもまた変化してまいりますので、それを的確に把握いたしまして、研修事業を機動的に効率よく進めていくことも重要になってまいっております。
 そのような要請にこたえまして、今回私どもは行政改革というような要請も踏まえ、かつまた、民間活力の一層の導入というようなことも配慮いたしまして、今回貿易研修センターを財団法人化することを可能とするという法案を提案した、こういうことでございます。
#165
○宮田委員 この貿易研修センターは、財団法人となった後も従来からの実績、それからノーハウの蓄積等を生かして研修業務の充実に努めるべきであると考えますが、このセンターが行います研修業務の重要性にかんがみまして、政府としても、その円滑な実施に支障を来すことのないよう、引き続き支援をしていく必要があるのではないかと思いますが、その点のお考えについてお聞きします。
#166
○村田国務大臣 貿易研修センターが行っております国際経済に係る研修などはますますその重要性が増しているということにかんがみまして、貿易研修センターにつきましては、今御指摘の財団法人化の後もその円滑な事業の遂行が行われますよう、政府としても所要の指導助言等を行ってまいる所存でございます。
#167
○宮田委員 この貿易研修センターの従事者は大体何人おいでになるか、それと財団法人になって処遇の問題についてはどのようなお考えを持っておいでになるか。変わるのじゃないかという不安もあるわけでございますので、その点をお聞かせ願いたいと思います。
#168
○鈴木(直)政府委員 貿易研修センターには現在、外国人の専任講師九人を含めまして約四十人の職員がございます。これまでの研修事業を通じまして豊富な経験、ノーハウを蓄積してまいっておりますので、今後、先ほど大臣から御答弁いたしましたとおり、研修事業の重要性にかんがみ、その職員の方々を全員新しい法人に引き継ぎまして、より円滑な機動的な研修が引き続き行われるということを私どもは望んでおります。
#169
○宮田委員 最後に大臣にお伺いするわけでございますが、この貿易研修センター等の提案理由の中に、「このような研修は、世界経済の相互依存関係の高まりの中で、今日ますますその重要性を増しております」、こういう項があります。さらに、「一方で、複雑化、多様化する国際経済情勢に円滑かつ機動的に対処していくためには、民間活力の一層の活用を図ることが必要となってきております。」こういう項もあるわけでありまして、このことを考えますと、いよいよ財団法人になったといたしましても重要度が増してくるのではないか、こう思うわけでございますので、この際、政府といたしましても今より以上に支援といいますか、力を入れなければならぬと思います。その辺についての大臣の決意を込めた御答弁をお願いしたいと思います。
#170
○村田国務大臣 今回の機構改革によりまして、一方では基盤技術研究促進センターができた、そしてまた、一方では今御指摘の財団法人化が貿易研修センターについてはなされたわけですが、これはもちろん政府の行政合理化という要請もございます。しかし、現在の国際貿易のウエートというのはますます高まっていくわけでございまして、財団法人化されました後も、我々はこのセンターにいろいろと指導助言等を行いまして、適切な業務が行われますように運営をしていく所存でございます。
#171
○宮田委員 終わります。
#172
○田原委員長代理 工藤晃君。
#173
○工藤(晃)委員 昨年は特に各方面から、我が国の基礎的な研究がおくれている、それに対してどうするかということで注目すべき文書が発表されたと思います。その中で、産構審総合部会企画小委員会の中間報告はこの法案とあるつながりがあるようにも思われますし、それから、科学技術会議の諮問十一号に対する答申というのもありまして、この中でも基礎的研究の強化ということが相当強調されたと思います。さらに、科学技術庁の科学技術白書五十八年度版は、基礎的研究の現状と意義ということがかなり意識的に取り上げられたと思います。この法案への評価ともかかわり、科学技術政策全般、特に基礎的な研究の問題、こういう点を私は重視しておりますので、まず最初に科学技術庁に伺いたいと思います。
 この白書の中でも、研究投資の面から見ても、我が国全体の基礎的研究費は米国のほぼ十分の三に達し、欧州主要三国を超えているとはいえ、基礎研究費比率は欧州主要三カ国よりも低く、かつ、大学と政府研究機関において漸減傾向にあると大変重大な指摘をやっていると思います。続いて、特に政府研究機関における基礎研究費比率の低下が著しいという指摘があります。例えば、日本は六七年が二四・六%、八二年が一四・七%。西ドイツを比較すると、同じ期間二三・八%から三六・三%、これは上がっております。アメリカは一二・八%と少なかったのですが一六・〇%とともかく伸びている。特に、この白書は、七三年から八二年を比べて、基礎研究費の伸びは七三年度の水準以下で推移し、応用研究費、開発研究費の伸びよりも低い、つまり実質的にも低い、こういうことが指摘されております。
 それから、今度は名目になるのですが、昭和五十四年度以降横ばいの試験研究費の中で、特別研究費の増加に引きかえ経常研究費が減少している、なお、特別研究費についても昭和五十八年度は減少に転じている。私も昨年から科学技術委員会でこの問題を取り上げてきたつもりでありますけれども、今の日本の基礎研究の弱さとか立ちおくれというのは、その一番中心的な役割を果たさなければならない政府研究機関において、このように政府の政策として基礎研究が重視されないできたことに起因するのではないのか。だから、我我がこの問題を考えるときに、政府の科学技術政策全般を根本から見直す必要があるのじゃないかと思いますけれども、その辺どうでしょうか。
#174
○川崎説明員 大変難しい御質問をいただきましたが、現在、科学技術庁あるいは全関係省庁力を合わせまして、今後の我が国の科学技術政策の歩むべき姿というものにつきましては、御指摘のございました昨年十一月に出されました科学技術会議の長期的展望に立った我が国の科学技術政策の基本的方向という答申に沿って運営を行っていこうということで、六十年度から努力を続けていこうとしているところでございます。
 その第一のポイントは、先生の方から御指摘のございました、我が国の国力の基礎ともなります創造的なあるいは独創的な新しい技術を生み出すことだと考えておりまして、そのためにも、直接応用目的にはかかわらないけれども、将来の新しい技術の種ともなるべき基礎的な研究というものを強化していかなければならないというのが大きい一つの流れになっております。したがいまして、関係省庁力を合わせまして基礎的研究を充実するために努力をしていこうというところでございます。
 もちろんこれまでも大学あるいは国立研究機関等におきましてこういう基礎的研究についていろいろ努力を重ねてきておるわけでございますが、相対的に見ますと、民間企業におきます研究投資の伸びが年間平均約九%程度というような高い水準で伸びております。それに対しまして、種々財政的な問題もございますので、政府としていろいろ努力はしておるわけでございますが、比率として見れば白書に示すような比率的な低下傾向が出ていると見ているわけでございまして、今後国はもとより、民間におきましてもこういう基礎的研究について鋭意力を注いでいただくよう期待をしつつ国の政策を進めていきたい、かように考えているところでございます。
#175
○工藤(晃)委員 第十一号諮問に対する答申の中でもたしかこう書いてありますね。基礎的研究の推進に当たって大きな役割が期待されている大学、国公立試験研究機関の活動強化が特に求められている、特に基礎的部門の中心的担い手となっている大学、国公立試験研究機関における人材の充実を図ることが重要である、この指摘は私そのとおりだと思うのですが、問題は、そういう方向に進んでいくように見えない中で今度の法案が出てきたことです。それから、科学技術白書は、政府研究機関だけじゃなしに、大学における研究費の中でも基礎研究費の割合が年々低下する傾向があると指摘しています。先ほど厳しい予算の中でと言われたけれども、政府研究機関における研究費の中で、ともかく大型プロジェクトなんかに関連した開発研究費などはかなり伸びて、経常研究費なんかが抑えられている。先ほどお話がありましたが、学者は学会にも出られない、そういう大変な状況になっているわけなので、何から始めるべきかというとき、そういうところから始めるということなしに、まず産業界の要請にこたえていこうという姿勢ではまずいのじゃないか。
 先日、大島惠一東大名誉教授に私伺いましたときに、基礎研究をやる人はこれは金になるよと言わないと研究費が出てこない、これはまことに困ったものだということでした。全体として基礎的な研究費が年々下がっていったという中には、大企業が輸出をどんどん伸ばしていく、その製品化に一番近いところで科学技術関係の投資もいろいろ行おう、その要望にはこたえる、しかし、本当に基礎から研究を、学問を、学術を、科学を築いていくという一貫性がなかったために、今みたいなことが起きているのじゃないかということを私は強く感じるわけです。
 そこで、今度の法案の性格の問題として、この前も大島参考人に御質問して大体そういうお答えだったわけでありますけれども、今の日本の基礎的研究の立ちおくれ克服という課題を前にして、本当はその中心的役割を果たさなければいけない国公立研究機関とか大学、そこでのやり方を大きく改めるということがかなり重要である、ある意味では決定的に重要である。それとは別に、もちろん民間での基礎的研究をどうやるかという課題もあるでしょうけれども、この法案は後者の問題にかかわるところで始める、大体そういう範囲だと考えて差し支えないと思いますが、どうでしょうか、通産大臣。
    〔田原委員長代理退席、浦野委員長代理着席〕
#176
○村田国務大臣 今工藤委員が御指摘になりました「我が国産業に係る技術開発の現状と課題」、産構審の報告では「はじめに 我々は今や新技術文明の幕あけの時代を迎えようとしている」こういう書き出しになっております。そして、現在の技術文明のあり方、意義あるいは今後の進め方というようなことに対して総合的な思索を行っておるわけでございますが、この法案の位置づけということにつきましては、我が国が今後創造性に富む技術力の充実強化を図るためには、これまで欧米諸国に比べて取り組みが十分と言えなかった基盤技術分野における基礎、応用研究段階を中心とする技術開発に格段の努力を払うことが重要である、こういった前提で、こうした技術開発の推進に当たっては特に基礎、応用研究段階において国の果たすべき役割が大きいことを言うまでもありません。これは、今委員御指摘のとおりでありますが、一方、民間企業が我が国全体の技術開発費の約七割を支出をしております。
 こうした現状にかんがみまして、民間の活力を最大限に発揮し得るようにその環境条件の整備を図ることが喫緊の課題である、こういう理解をいたしまして、この法案は、こうした認識のもとで、一に、民間の試験研究に必要な資金の供給を行う基盤技術研究促進センター、特別認可法人でございますが、これをつくる、そして二に、民間の試験研究円滑化のための特別措置を内容とするものでありまして、技術開発において民間の活力を最大限に発揮させるということにそのねらいが置かれておるものでございます。
#177
○工藤(晃)委員 今大臣の述べられた認識というのは、産構審総合部会企画小委員会の中間報告の線とほぼ近いのじゃないかと思いますけれども、私はちょっとこれは違うと思うのですね。違うというのはなぜかというと、さっき言いました科学技術会議の第十一号の諮問に対する答申の中でも、やはり基礎研究の中心的役割を担うということを言っているのですね、やはり一番大事な大学や国公立試験研究機関がもっともっと強化されなければいけないという、やはり民間とある分担がある、分担があった上で協力する、やはり基礎的な分野はどこが負うかといったらどうしてもそこだ、そこで研究費が減っているという深刻な問題がある、だから、ただ民間民間というわけにはいかないじゃないかということで、科学技術会議の線からいってもちょっと違うような感じがしましたし、この産構審の中間報告を見た限り、基礎的研究のおくれを何とかしなければいけないということを直ちに技術開発予算の拡充と民間の技術開発推進の環境整備というところに求めて、そこで何でも片づくかのようなそういう書き方で、それは私は不十分であるし、正しくないと思うわけですが、続いてちょっと法案の内容にもかかわって質問を続けたいと思います。
 それは、税制の問題、先ほど来いろいろ取り上げられてきたと思うわけですけれども、問題は、これはわかり切ったことで、一応念を押しておくわけですが、増加試験研究費の税額控除というのがありまして、それから今度ハイテク減税というのがあります。これは新素材、バイオ、先端エレクトロニクスその他いろいろな対象に出されていく。問題は、センターの業務でいわゆる出融資がありますね。リスキーなマネーを供給するのだ、そうすると企業の側からいうと出融資を受けたお金で、それで研究費がふえる。ふえると同時にまた増加試験研究費の税額控除を受けます、それからまた、それでさっき言った分野であって、いろいろそれに該当する税額控除を受けるような設備を購入するとそれでも受けるということに、つまりリスキーマネーは受けるわ、同時にそれに伴って増加試験研究費があれば税額控除もふえる、そういうふうに重なってその効果と刺激が出てくる、そういうふうに理解していいのですか。
#178
○福川政府委員 今のセンターの出融資とそれから税制との関係でございますけれども、これは、この技術関係は今先生お話しのように、増加試験研究費で試験研究費を伸ばした、あるいは今回、研究設備の取得についてそれを伸ばした、こういうことにつきましては税制の適用があるわけでございまして、税制上の取り扱いといたしまして、その資金の源泉が補助金であるか、あるいは自己資金であるか、このようなセンターからの融資であるかということは問わないわけでございます。
 したがいまして、そういう意味では双方の適用があるというわけでございますが、私どもとしてはこれはリスクマネーの供給ということでそれを進めていく、またさらに、それを税制上で別途、増加試験研究費等で試験研究費をふやしていくということにつきましては、今申しておりますように、民間の基礎研究、応用研究、特に基盤技術の点については基礎研究、応用研究等を伸ばしていく、こういうことが政策的に必要であるということでございまして、先生の御理解のように、双方で適用があるということでございます。
#179
○工藤(晃)委員 そのほか恐らく、それで新しい技術開発ということになると、税制で言うと技術と海外取引に係る所得の特別控除というのがございまして、これで外国にその技術を売るとまたそのあれも受ける、これは減税、これは所得控除ですから税額控除と違いますけれども、ともかく税額控除といったら補助金と同じですね、これはまるまる入ってくるわけですから。それで、これまでも先ほど来、中小企業はなかなか利用できなかったというより、ほとんど大企業です。
 そこで、科学技術白書の中でも、産業の研究費全体の約六〇%が化学工業、電気機械工業、輸送用機械工業の三業種で占める、また資本金百億円以上の大企業百八十七社が全研究費の五八%を占める、特に基礎研究ということになりますと資本金百億円以上が約六四%を占めるというのがこの白書に書いてあります。したがいまして、今度の法案の趣旨で民間民間と言って促進しましょうと言うと、直接恩恵を受けるのはこの資本金百億円を中心とした大企業になる、こう思うわけであります。しかも、それがさっき言ったように、リスクマネーの供給をいい条件で受けるだけでなしに、あわせて補助金みたいな税額控除なんかがいろいろ出てくる、こういうことなんです。
 ここで私は率直にこういうことを言いたいのですが、日本の大企業はもう少し自分のところの研究費、基礎的な研究費も含めてもっと出す力があるし、出すべきだと思うのですね。というのは、昨年来日本は世界一の資本輸出国になるのではないかということが大変話題になりまして、昨年本邦資本のネットの流出は五百六十九億ドル、つまり二百五十円で円に換算すると十四兆二千億円を超えるようなお金である。それで、海外投資というのは本来、国内での設備投資とか研究投資をやってなおゆとりがあるときにするものだろうと私は思うわけなんです。それで、国内での研究投資、産業で約四兆円と言われますから、その三倍近いお金を海外にぼんぼん投資しているわけですね。僕は余裕がないとは言わせない、そう私は言いたいのですね。だから、大企業に至れり尽くせりのことをしなければ基礎的な研究をしないというのではなしに、もっとやらせるようにしむけることも必要なんじゃないでしょうか。その点、大臣、いかがでしょうか。
#180
○福川政府委員 今、海外の資本流出との対比において研究開発費をもっと大企業も支出すべきではないか、こういうお尋ねでございました。
 私どももこの法律案を提案するに当たり、あるいはまたほかの諸政策を展開するに当たりまして大企業に特に重点を置こうということを考えているわけではございませんで、また今回の法律案におきましても、それぞれの基盤技術の研究開発の必要度に応じまして、中小企業につきましてもあるいは中堅企業につきましても、同様にその重要性を置いて運用をしてまいりたいと考えておるわけであります。
 また一方、海外の資本流出との対比のお話もございましたけれども、この技術開発、特に基礎研究あるいは応用研究ということになりますと、従来から企業のビヘービアといたしまして将来直ちに収益につながるような企業化、商業化に近いような開発段階、これに重点を置くわけでございますが、どうしても不確実性の高い研究開発というのは企業としてはやりにくい、むしろやらない傾向にあるわけでございます。
 そういうことで、先ほど先生が御指摘になられました国としての果たすべき役割というのも一つあるわけでございまして、また一方、国の財政が制約があるという現状においては、現実に民間が研究開発費の七割も負担しているということであれば、それをできる限り応用研究にさらにまた基礎研究にさかのぼって支出される方向に誘導していこう、こういうことが今回の制度の私どものねらいであるわけでございます。
 したがいまして、そういったいわゆる基盤的な技術特にその基礎研究、応用研究というのが将来の日本の経済発展の糧であるということを考えますれば、その部門に民間の支出も振り向けて、民間の活力を振り向けていく、こういう環境条件の整備をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
#181
○工藤(晃)委員 私の質問時間短いので、局長の答弁、ぜひもう少し手短にお願い申し上げます。
 中小企業も考えているといいますけれども、さっき私は科学技術白書を引用して、資本金百億円の百八十七社が全体の研究費の五八%、基礎研究費に至っては六四%を占める、こういう実態で、いわゆる民間にサービスすればどうなるかということを言っているだけなんです。
 そこでちょっと大蔵省に伺いますが、今度のセンターのいろいろな仕事の資金源になる電電の株式で政府保有が義務づけられている三分の一の分を産投会計に帰属させて大体その配当金収入がどのくらいになるであろう、これは先ほどの答弁でもうお答えいただかなくていいわけでありますけれども、ちょっと伺いたいのは、たばこの株式の二分の一の分は何か今度のセンターの資金源と関係があるのかないのか、これが一点と、それからもう一つ、長期にわたってこの基盤技術研究促進センターにそのお金が来るというような取り決めか確たるものがあるのですか。それは一体何なんですか。それだけちょっと伺いたいと思います。
#182
○寺村説明員 六十年度予算の編成の過程におきまして政府・与党間で合意を見ましたことは、日本たばこ産業株式会社の株式の二分の一、五百億円でございますが、これも産業投資特別会計に帰属させることになっておりまして、かつその配当金収入も日本電信電話株式会社の配当金収入と同じように技術開発等に活用する、こういうことになっているわけでございます。
#183
○工藤(晃)委員 そうしますと、配当一〇%とすると電電の分が二百六十億円、たばこの分が五十億円、計三百十億円というお金があって、今の取り決めが将来生きていくとするならばこのセンターに優先的に回ってくる、大体そういうふうに理解するわけであります。
 さてそこで、私は次にこのセンターの性格についてもう少し伺いたいわけでありますが、もう一度、先ほど来のことの復習みたいになりますけれども、リスクマネーの供給は、出資の場合は基礎ないしは応用、融資の場合は応用から開発、これは応用研究、開発研究、そういう意味ですね。だから結局開発研究も含むのだ、そういうふうに理解していいですね。それはイエスかノーかでお願いします。
#184
○福川政府委員 そのとおりでございます。
#185
○工藤(晃)委員 それからもう一つ、このセンターの業務は、一方では金融機関的業務といいますか資金をいろいろ配分するということと、それからもう一つは、こういう種類の技術の研究開発を促進するのだという研究開発推進機関的な業務と二つあるという点で、新エネ総合開発機構や、この前のIPA、情報処理振興事業協会と共通性があるのじゃないかと思いますが、その辺もイエスかノーかでお願いします。
#186
○福川政府委員 両方の性格があると思います。
#187
○工藤(晃)委員 そこで、この提案理由の中で「政府は、センターの事業の運営に当たっては、民間の創意と活力が十分発揮されるよう、その自主性を最大限尊重することとしております。」こういう大臣の提案理由でありました。
 そこで、今言った公的資金をもとにしながら出融資業務なんかやるというちょうど金融機関みたいな役割と、それからこういう技術、日本の国益からいってつくり出さなければいけない、こういう研究を進めなければいけないという研究推進といいますか、そういう二つが混在しているわけで、それがさっき言った新エネ機構、IPAなんかとも共通していると私は思うわけですが、こういうあり方そのものに私は根本的疑問を感じるわけです。
 なぜかというと、資金を配分する。資金はさっき言ったもとは産投会計に帰属するかなりの額があるわけですね。これがかなり優先的に流れてくる。これをさっき言ったように、今民間でも研究研究と言って研究をやっているのは何といっても大企業ですから、そこへ配分するというとき、民間活力でやるのだというときに、どうしてもその利益を受ける側の代表がいろいろこの中に入ってきて、言ってみれば資金の分捕り合いみたいになってしまうのじゃないか、いわゆる民間活力で言うと。やはり非常に公共性を持たせて、まさにそういう利害関係者を一人も入れないで、そうして厳正に資金を配分するということならいいんだけれども、今言ったような民間活力というとどうしても入ってしまうのじゃないか、これが一つです。
 それからもう一つ、それならばあるこういう目的に沿って研究を進めるのだとか技術をつくり出すのだというなら、もっと権威のある学術科学の代表者が中心に居座ってやっていかなければいけない、こういうことにもなるのだけれども、私も先日IPAの関係で質問したわけですが、どう見ても顔ぶれはそういうふうに見れない、悪く言えば天下り官僚と各産業界の代表が集まって理事だとかあるいはまた評議員をやっている、どうせ今度のこのセンターもそうならざるを得ないと思うわけです。だからそういう点で本当に公的な資金を厳正に配分する、その保証としての人事の機構だとかそのあり方、それがなまじっか民間活力なんというからどうしてもそういう形にならないのじゃないか。もっと言うならば、認可法人という形ではそれはできないのじゃないかと思いますけれども、その辺どうでしょうか。
#188
○福川政府委員 もとよりこのセンターは出融資の業務と同時に、産官学の共同研究事業等もあわせ行っていくわけでありますが、私どもとしては、そういったいろいろな技術の問題というのは評価も大変難しい問題もありますし、選択についてもいろいろ技術的な専門的な知識が必要である、こういうことでございますので、こういった総合的な機関ということの方が効率性が高いのではないか、かように考えておるわけであります。
 それからもう一点、人事等について運営の公正が期せられないのではないか、こういう御指摘でございましたけれども、私どもはその評議員については、これは基盤技術について学識経験を有する者から会長が任命する、こういうことでございまして、これはむしろ業者の、業界の代表という意味ではなくて、個人としての基盤技術についての学識経験ということで着目して任命するわけでございます。
 もとより、この特別認可法人にいたしました趣旨は国のお金が入っておるということでございまして、そういう意味で民間の発意に基づいて設立はいたしますが、この運営についてはその公平を期するということから監督規定を盛り込んだ特別認可法人ということでございますので、今先生御指摘のように、結局民間が寄り集まって分捕り合戦をするのではないか、こういうことにならないようにいたしますためにも、このセンターの業務については、もちろん民間の意見を反映させることが前提でございますけれども、それが公正を損なうことのないように十分監督してまいらねばならないと思っております。
#189
○工藤(晃)委員 学識経験者と書いてあると僕らが安心すると思ったら大間違いで、IPAの定款の中にも評議員というのは学識経験者から選ぶとなっているでしょう。それで学識経験者というのを見ると、日本商工会議所専務理事の井川さんだとか経団連の専務理事の三好さんだとかあとはいっぱいあります、日本興業銀行の頭取だとか。だれが学識経験者か。学者と言える人は渡辺茂さんぐらいで、あとはどう見てもそう言えないようないわば業界団体とか経済団体の代表でしょう。だから学識経験者と言えば我々が安心すると思ったら困るので、決して安心できない例はいっぱい見ているのです。
 ついでに聞いておきますと、新エネ総合開発機構の理事の名簿を見ますと、今兼任していないと思うのですが、日立製作所の副社長、副理事長、開銀の理事、前歴にそう書いてあります。ところで、新エネ総合開発機構の役員の欠格条項は今度のセンターの役員の欠格条項と同様に、政府、地方の職員はなれないというふうにありますけれども、新エネ機構の方では役員の兼職禁止の規定があって、これは第三十四条ですが、それで営利目的の団体役員になれない、営利事業に従事できない。ただし、通産大臣の承認があればこの限りにあらずということで、さっきの日立製作所の副社長はどうなっているか、これは私、今問うわけではないけれども、ともかくそういう営利事業に従事してはならないという規定がある。特殊法人だから一段と厳しいと思うのですけれども、いわゆる認可法人の場合はこういう営利事業を同時にやってもいいのだということになるわけですか。少なくとも法案とかそういうものにはそれは見られません。すぐ答えてください。
#190
○荒尾政府委員 これは立法例としては両方あるわけでございます。NEDOの場合は御指摘のとおり兼職禁止の規定があるわけでございますが、これも先生の御質問の中にございましたとおりNED〇は特殊法人です。特別認可法人でございますこの基盤技術研究促進センターの場合でございますが、今回、先ほど来お話が出ておりますような民間の自主性、創意を尊重するということから会長、理事長等を置くことになっておりますので、そういった点で両方制度としてはある中で、できるだけ規制色といいますか、そういうものを薄くするということから置いていないわけでございます。(工藤(晃)委員「兼任してもいいのですね」と呼ぶ)はい。
#191
○工藤(晃)委員 それでますますよくわかったわけですが、一つだけ貿易研修センター法について伺っておきたいのですけれども、これも役員を見ると、会長が経団連会長で理事長が三井物産相談役、評議員十五名のうち一名、全国中小貿易業連盟理事長を除くとどう見ても大企業の代表の方ばかりですが、これまで五十七年度から五十九年度、研修生全体で大企業、中小企業、政府関係の人は幾らか。最近の年度、一年度を挙げていただいても結構であります。
    〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕
#192
○鈴木(直)政府委員 貿易研修センターにはいろいろなコースがございます。十カ月の本科コース、三カ月の貿易実務者コース、それ以外に外国の研修生を受け入れておりますプログラムもございます。日本の方々を対象といたしますのは本科コース、貿易実務コース。
 今おっしゃいました二つの内容について申し上げますと、三年という御指摘でございますが、一応資料は五年でつくってございますので、過去五年の実績を申し上げますと、一千五十七名が総研修生でございます。それで大企業関係は約八四%、八百八十五人、中小企業関係は六・一%、六十四人という状況でございます。
#193
○工藤(晃)委員 この問題はそれくらいにして次に移ります。
 次に、一つ大事なのは、センターの業務として三十一条の第三号業務というのがありまして、民間会社から委託があってセンターが基盤技術の試験研究を行う。しかし、センターには固有の研究者はいない。それから試験研究設備もない。そこで、例えば国立の試験研究機関の研究者に退職出向という形で来てセンターの職員になってもらう。場合によれば、民間からもセンターの職員になってもらうのかもしれません。とにかく公務員が退職出向する。そして、設備がないから民間会社の研究所の施設のどこかをセンターが借り上げたという形でやっていくことになるわけですね。その場合、民間会社からの委託に無条件にこたえていくのかということなんです。さっき聞くところによると、センターの仕事の守備範囲は基礎研究から応用研究どまりだと思ったところが、開発研究まで含むことになっている。また実際の開発と基礎とのかかわり合い、これは科学技術白書もいろいろ例を挙げておりますけれども、あとこの問題が一つ解決すれば実用化できるというような技術的な問題を抱えていて、特にある基礎的な研究が要るという場合、それを解けばすべてあとはうまくいって全部成功するという基礎的な研究もあるし、恐らく企業からの要望が来るときはそういうたぐいが多いと私は思うのです、まず、そもそもから始めてやりましょうという。そのとき国家公務員だった人がいわゆる退職出向という形をとるとはいえまたもとへ戻るのですから、こういう形でセンターにいくと事実上民間の要請にこたえた公務員の出向、法律にはかからないけれども何かこれを潜ったような形になるのじゃないか。ちょっと私の言い方がよくないかもしれませんが、その辺どうなんでしょうか。
#194
○荒尾政府委員 第三号業務は御指摘のように、民間からの委託を受けてセンターが試験研究を行うことになっておるわけでございますが、言うまでもないことでございますけれども、最近の技術開発は非常に変化が激しゅうございますし、また範囲も広いわけでございます。そういう点から業際研究といいますか、いろいろな業種が共同研究を行う必要があるとか、もう一つよく指摘されておりますように、産官学の研究が必要であるということがあるわけでございます。この制度は、そういう点から民間の共同研究あるいはそれに加えて公務員の退職出向の形あるいは場合によりましては大学の先生方の助言とか指導とかいったものをあわせまして、民間における基盤技術研究の促進を図ろうとするものでございます。しかし、このプロジェクトの選定におきましては、この試験研究が基盤技術として国の研究の進展のために有効であるかどうか、国立試験研究所の研究開発能力の活用が必要であるかどうか、あるいは技術自身が国民経済の発展、国民生活の安定に必要であるかどうかという公共的な判断をした上でこういった委託研究を受けるかどうかという判断をするわけでございますので、国の研究機関の職員、これは当然退職出向で公務員の身分はもちろん保持していないわけでございますが、その場合におきましても、その委託研究が公共的目的に反しないかどうかという点はチェックしながらこの委託研究を行おうとするものでございます。
#195
○工藤(晃)委員 今いろいろ科学技術の研究の様相が変わったからといって、やはり公務員は全体への奉仕者である、一部への奉仕者ではないというので、民間企業の営利的な目的の仕事に余り簡単に行ってもらっては困るように思うのですけれども。もちろんこの場合、断わっておきますけれども、一応退職という形をとっているから、それは身分がありませんから触れないということになるけれども、これまで割合多かった、休職してどこかへ行って研究活動をやる。この制度は人事院の規則の中にもありまして、しかし、休職して、だけれども身分が公務員であることは変わらないから、その場合行く先というのは非常に厳格に限られて、公的な機関で、しかもはっきりした内容の仕事をやるということで縛られていたのですが、逆に今度退職出向という形をとることによってそこのところは極めてルーズになって、事実上また戻っていく公務員ですよね、それが民間企業へどんどん行くようになる、そういう道を今度のこの法案があけることになるのではないかということを私は心配し、また事実そうだろうと思ってそれで伺うわけですが、時間もないので次の質問に進みたいわけであります。
 それで一つ問題は、今度のセンターに対して国は最大限介入はしないんだ、しかし監督しなければいけない一つの理由として、国立試験研究機関等の研究情報や企業機密を扱うため秘密保全が確保される必要があるという説明も、これは商工委員会の調査室の資料に出ているわけですから、そういう考えだというふうに受けとめて質問を進めるわけでありますけれども、そうすると今度、さっき言った官民の共同研究をやったり、あるいはさっき言ったように民間へ行ったような人が帰ってきていろいろ学会で発表したりすることが、秘密保持、秘密保持ということでやたら制限されることにならないかどうかということですね。原子力基本法は民主、自主、公開というふうにして、先端的な技術ほどそういうことでなければいけないと言っているんだけれども、公務員の研究者がそこへ行ったがゆえにセンターに縛られて、秘密保全で、学会で発表もできない。その辺どうでしょうか。
#196
○荒尾政府委員 秘密という言葉、どんな内容かということにもよると思いますけれども、例えば国立研究所の場合でございますと、官民連帯共同というようなことでやるわけでございますが、研究の過程におきまして、例えば特許を出願する以前の段階において研究内容が漏れるということは非常に困るわけでございます。しかし、特許になりました後は、当然これを公開し、公表し、あるいはその普及に努めるということでございます。センターの業務におきましても、その過程におきまして例えば出融資事業等を行いますので企業秘密を漏らすということがあってはいけない、職務上知り得た秘密を漏らすことがないようにということです。公務員の場合は罰則の適用規定が置かれておるわけでございます。
 公務員自身につきまして考えますれば、公務員である間、公務員の身分のあります間は当然国家公務員法の規定に基づきまして公務員としての秘密保持義務がかかるわけでございます。それがセンターに行きましたときに同じように運用されるということで、この趣旨は、秘密保持という意味がそういう職務上知り得た秘密を漏らさないようにということで、決して情報公開を妨げるという趣旨ではないわけでございます。
#197
○工藤(晃)委員 私、今ちょっとそれで新しい点伺ったわけですけれども、さっき言った退職出向したら公務員の身分がないわけですね。だから過去に公務員のときに職務上知り得た秘密を漏らしてはいけないというのはわかるけれども、そこでは公務員じゃないわけですから、いわゆる委託研究に従事したとき知り得た秘密に対して公務員だった人を縛る何のあれもないんじゃないですか。何が縛るのですか。企業とセンターとの間で何かそういう契約をつくるわけなんですか。これは非常に重大な問題ですね。
#198
○荒尾政府委員 本法案にも書いておるところでございますけれども、この特別認可法人は民間の出資に基づくものでございますけれども、法律に基づく公的な機関でございます。したがいまして、融資その他の過程におきまして企業秘密を知り得る立場にある。これは、公務員が行政の過程におきましてそういった秘密を知り得る立場にあるのと同じような状況にある場合があるわけでございます。そういった場合につきましては、職務上知り得た秘密でございますのでそれを公開しない、秘密を守るというのは、公務員に準ずる立場ということからいえば当然ではないかと考えます。
#199
○工藤(晃)委員 一方においては、退職出向だから、公務員ではないんだから民間へ出向して何でもやれるということを言いながら、一方では、依然として公務員的であるから秘密保持をしなければいけないという大変矛盾したことを言って、事実上の穴をあけるようなことをやっていると思うのです。
 もう一つ、秘密保全ということで伺いたいんですけれども、例えばこれはいろいろ民間に資金を出資とか融資するとき、民間企業のどういう目的に対してこのセンターがお金を出すのかということは国民に公開しますか。ちゃんと、何のためにどの企業に幾らどういう条件で、そして出しただけでなしに、その返済がちゃんと公正に行われているかどうか、それは国民はどうして知り得ますか。それも秘密保全ということで、企業秘密と言って隠してしまうんじゃないですか。
#200
○荒尾政府委員 出資または融資しました案件につきましては、そういった決定が行われた後におきましては公表をいたしたいと考えております。ただ、その途中の段階あるいは融資決定をしないというようなものにつきましてまで公開するというのはちょっと問題があろうかと思いますので、そういったものは公開しないように考えておるわけでございます。
 それから返済等の状況につきましては、全体として営業報告、決算報告等を行いますので、その範囲の中で公表することを考えておるわけでございます。
#201
○工藤(晃)委員 それは全体の数字でやられたらさっぱりわからないので、どの企業に対してどうだということがいつもわからないから聞いているわけですが、大変不満足であります。
 最後に一つ大臣に伺いたいのですけれども、今、日米経済摩擦の問題が大変深刻な時期にありまして、これまでの機情法というのが六月末で一応切れるという後にこの基盤技術研究円滑化法案が出てきたわけでありますけれども、機情法をこういう法案の形をとるに当たっては、前の法律の形に対してはアメリカから相当非難があったのかどうか、こういう形をとるのは、それとも何らかの関係があるのかどうか、あるいは今後この法案が仮に成立したようなとき、そういう問題は考えられるのかどうか、その辺について伺いたいと思います。
#202
○福川政府委員 技術開発の重要性につきましては、ベルサイユ以来サミットでも各国首脳の間で議論され確認をされておるところでございまして、こういった基礎研究、応用研究を中心にいたしました基盤的な技術開発を進めていこうというのは、むしろ先進国各国の共通の認識であるというふうに思うわけでございます。
 機情法の点に触れられましたが、この機情法は、私どもとしてはその目的を一応達成したという判断で今後それは延長しないということで対応をいたす方針でございますが、この問題につきましては、むしろ基礎研究、応用研究、大変先進国がこれから共通の悩みであるということもあり、日本が特におくれておる。日本はむしろ基礎研究ただ乗りじゃないかと言われる批判があるわけでございまして、そういう意味では、私どもは今回このような対策あるいは法案を準備をしたということについては、これが特に貿易摩擦の原因になることはないと考えております。
#203
○工藤(晃)委員 大臣はどうでしょうか。
#204
○村田国務大臣 この基盤技術関係の法律は、現在における技術開発の重要性ということで、新たな構想のもとに提案を申し上げているものと理解しております。
#205
○工藤(晃)委員 これで終わります。
#206
○粕谷委員長 これにて工藤晃君の質疑は終わりました。
 続いて、水田稔君の質疑に入ります。水田君。
#207
○水田委員 我が党からもう既に五人質問しておりますので、基本的な問題についてまず大臣にお伺いしたいと思うのです。この法律を出す背景となった日本の現在のいわゆる技術開発についての基本的な考え方の問題なり、あるいはその背景には、これからの日本の産業構造がどういう方向でいかなければならぬ、そういう基本的な問題について大臣の所見を聞きたいと思うのです。
 私、戦後を振り返ってみますと、昭和二十年から三十年まで、この十年間でほぼ戦前の生産規模に回復して、それから後に高度成長を続けてきたわけですね。この内容というのは、私も実際現場でやってみまして、戦後の荒廃の中では、アメリカがドイツから持って帰ったPBリポートのトレースということから日本の科学技術というのは出発したと思うのです。それから高度経済成長を振り返ってみても、既に外国で開発された技術を導入する、そしてそれに改良を加え、それをスケールアップしていく、そういう技術は日本が特別すぐれておって今日の発展を遂げてきたわけです。しかし、四十八年以来の二回のオイルショックによってその基本になるエネルギーなりあるいは原料である石油というのが大変高くなってきた。同時に日本の商品が世界の市場にはんらんする。そういう中で日本でも開発途上国からある程度日本に対する輸出がふえてくると、これ以上の技術移転はちょっと遠慮するというのは、当然のことでやっておるわけですね。
 ですから、今や日本の技術でヨーロッパなりアメリカにおくれておる先端技術については、当然そういうところからの導入は難しくなる。しかし、そういう中で一方では開発途上国から追い上げられていく、端的に言えばゴム製品であり繊維であり合板であり、こういうものほかって日本がアメリカに対する大変な輸出国であったのが、今日ではまさに輸入圧に日本の業種そのものがつぶれていくという状態になっている。そういう中でこれからの日本の産業を支えていくためには、いわゆる創造的な技術開発というのは大変大きな課題であるわけです。そういう点でこれまでの、そういう変化が来るのに対して既に十数年がたっておるわけですね。そういう中で我が国の技術開発についての政府のとってきた施策で欠けておったのは一体何だろう。そういうものをどういうぐあいに基本的に大臣はお考えになっておるか。同時に、そういうものを踏まえながら今後の日本の産業構造をどういう方向へ持っていくか、これは通産省の一番大きな仕事でありますが、そういう基本的な物の考え方についてまず大臣に伺いたいと思います。
#208
○村田国務大臣 水田委員の戦後の我が国の産業の発展についての御指摘を承りました。我が国の技術水準は量産化、商品化技術を含む開発段階の一部を除きまして欧米諸国に比べ、基礎研究、それから応用研究、そういった段階において一般的に立ちおくれておる、これはいろいろな統計が示すところでございます。
 最近の技術開発に当たりましては、多くの分野にわたってより基礎段階にさかのぼった研究が必要となってきており、技術開発における基礎研究、応用研究の重要性はますますふえております。また国際的にもみずからの創意と工夫による創造型の技術開発が求められておりまして、今後我が国としては基礎研究、応用研究に格段の努力を払っていくことが肝要だと思います。まさに技術開発は日本が戦後、後進国からやがて現在の先進国になるまでの過程を歩んでいるわけでありまして、かつての日本の位置が例えばNICSと呼ばれる韓国であるとか、いろいろなそういった後から非常な勢いで追いかけてくる国々があるわけでございまして、こういった中で今私が申し上げたような点が、これから努力をしていかなければならぬ、そういう基礎的な認識を持っております。
#209
○水田委員 そうしますと今度の法案というのは、額的に言えば私ども非常に少ないものだと思う。これまでの質疑の中で、日本とアメリカのいわゆる研究開発費、基礎研究に対する度合いが三〇%にすぎない。しかもアメリカの場合は、NASAなりあるいは国防費等含めれば大変な研究費をかけておる。ですから、追いつく場合には本来相手よりはたくさん研究費を使わぬと追いつけぬわけですね。それがなおかつ十分の一とかというようなことで、これは政府の仕事なんですね。基礎研究については、いわゆる企業というのは株主に対して利益を配当しなければならぬという利益を追求する団体ですから、長期にわたってリスクがあって、失敗すれば会社がつぶれるかしれないということは、実はやっちゃならぬわけですね。だから、本来ならばその部分がおくれておるのなら、その部分に対する政府の取り組みが欠けておったという認識を持っていただきたい。
 ここで出しておるのは、これはまた後でお伺いしますが、その中の部分でありますが、全体的に言えば、これは通産省なり科学技術庁等、ここに出ておる問題ではなくて、もっと大きなプロジェクトでのいわゆる基礎研究費の出しようがある。これは文部省の予算も含めて、そういう点ではこれから国務大臣としてそういう方向でやはり努力をするということがなければ、これだけを通せば、それはアメリカやヨーロッパに対して日本の科学技術が追いついていくのだとはどうしても考えられぬわけです。
 このもらっておる資料を見ても大変な差があるところへもってきて、それからこれは民族的なあれかもしれませんけれども、ゲルマン民族なんかすばらしい発想をやるわけですね。ですから、これからの発想というのは、例えば五極真空管がICにかわったというのは大変な質的な転換があるわけですね。あるいは翼型理論で飛ぶ飛行機がロケットにかわるというのは大変な飛躍があるわけですね。そういう発想というものがこれからの研究開発の中に必要だろうと思うのですね。
 そういう点について、大臣は方向は言われたけれども、私はこれまでの反省がなければならぬと思う。そういう点がおくれてきたのは、やはり基礎研究に対する国の金の出しようが、今すぐ出せと言ったって金がないから出せぬけれども、そういう中でも最大限の努力をする、そしてその周辺を整備するための今度の法律だ、こういうことでなければ意味がないと思うのですが、その点はいかがです、ひとつもう一遍。
#210
○村田国務大臣 ゲルマン民族が優秀だと言われましたが、まさにそのとおりだと思いますが、日本民族も極めて優秀なんではないでしょうか。私は、創造的ないろいろな努力だとか、それからまた欧米先進国がいろいろ開発をしたものを比較的短期にしっかりきわめて後をついていくという点でも抜群の能力を持っているという自信を持っておりますが、今まで国の出しておる技術関係の金が足らない、これは水田委員の御指摘のとおりだと思います。やはり、アメリカ等に比べて潜在的な財政力というものを比べれば非常に少ないわけでございますから、したがって今回の法律案の場合は、民間活力を最大限利用して、いろいろな基盤技術の研究促進を行う。
 それと同時に、水田委員の御指摘になられました、国の関与する分野につきましても、国務大臣として申し上げますれば、これは通産省は言うまでもなく文部省関係も科学技術庁関係もあるいは郵政省関係も、これはまさに横糸としてつながって技術開発を促進していかなければならぬ、官民相提携をしてやっていく、非常に大事な御指摘であろうかと思います。
#211
○水田委員 それでは次に、いろんな質疑を聞いてみてどうしてもいまだにわからぬのが、この法律で対象とする研究項目というのはどういうものかということです。これは何千億も金があるのでしたら総花で、いらっしゃい、研究開発の我と思う者は持ってきなさい、それで出せばいいのですけれども、額が限定されておるわけですから、これはある程度の選定をしなければならぬ。やるのはどこかの機関でやるわけですね。だからそこがやるにしても、ある程度こういうものという限定がなければやはり問題が起こるだろうと思うのですね。これは何回聞いてみても、一つ言われたのは超微細加工技術、これはわかります、例えばそういうものだということが局長の答弁の中であったわけですが、それ以外言われぬわけですね。大臣の答弁は、もう常に法案の提案説明のとおり、国民生活にとか、経済にとか、そういう話ばっかりなんで、わからぬですね。
 私は、時間の関係もありますからこっちから言いますと、いろいろ調べてみてこういうことではないのだろうかという気がするのは、一つは、これは産構審の企画小委員会と産業技術審議会の企画小委員会が合同で会議をいたしまして、その中に融資の部分で書いているけれども、対象としては答弁を含めてこういうことではないだろうかと思うのですが、その点はどうかということをお答えいただきたいと思うのです。それは新素材、バイオテクノロジー、先端エレクトロニクス技術、高性能ロボット・先端生産加工技術、この中にいわゆる超微細加工技術なんかも入るわけですね。それから極限環境技術、革新的プロセス技術といった基盤的、先端的技術分野、こういう表現があるわけです。一つは、こういう限定で考えられておるのではないか。
 もう一つは、この出資事業の中に、いろいろありますが、テレトピア推進法人、ニューメディアコミュニティー推進法人を含む、こうあるわけです。というと、大体そういうところを考えておるのにかかわらず、今まで何も質問に対する答弁の中で言われなかったのではないか。大体そういうものと理解していいのかどうか、その点をお答えいただきたいと思うのです。
#212
○福川政府委員 確かにこの基盤技術の範囲は非常に広うございまして、私どもも、この新素材の関連の技術の中で、実用超電導線材技術、絶縁伝熱ファインセラミックス技術、高性能繊維強化プラスチック技術、あるいはマイクロエレクトロニクスでは今先生御指摘の超微細加工技術等を例として申し上げましたし、また高性能産業ロボットコントロール技術といったようなものもこの中に入るであろうと思っております。これも基盤技術の範囲ということでございますので、今申しましたように、センターとしてどこまでその技術が熟してここの中に取り上げてくるか、こういうことは今後センターとして判断されるわけでございます。
 そういうわけで、産業構造審議会でいろいろ議論がございました点は、私どもとして念頭にありますのは、今申しましたような新素材、マイクロエレクトロニクス、それからバイオテクノロジー、その具体的なものは今先生が触れられたようなものが大体基盤技術の範囲の中に入る、その中で重要度あるいは成熟度に応じましてセンターが選定をしていく、こういうことになるわけであります。
 それから、出資の点についてお触れになられまして、ニューメディアコミュニティー、テレトピアというようなことを例として申されましたが、出資については二つ考えておりまして、まず、出資は全体として二以上の企業等が共同して行うプロジェクトということで、これはむしろ異業種間で寄り集まってそういった基礎研究を行うという、今後、いわゆる産際と申しましょうか、あるいは学際と申しましょうか、そういったところを掘り下げていくという点に異業種の連携というのが一つの要素になるわけです。そういうことを前提にいたしまして、二つのものがあって、基礎研究または応用研究段階から実施する技術開発プロジェクトと、もう一つ申しましたのが、技術開発要素に富む基盤的、先導的プロジェクトであって、公共性を有し、収益の懐妊期間が長いものということで、ニューメディア、テレトピア等の推進法人が二の中に入るわけでございまして、前の一の中には、先ほど先生がお触れになられたようなものが基盤技術としておおむね頭の中にある、こういうことでございます。
#213
○水田委員 そうすると、財源が限定されておるものですから、大体今私が指摘したような範囲の中で熟度の熟しておるものからとにかく選定して出していく、こういうことですね。これは通産省と郵政省の共管なんですが、新素材とかバイオテクノロジー、これはまあ農水も関係があるかもわかりませんけれども、先端エレクトロニクスあるいは極限環境技術とか先端生産加工技術、こうやって見ると全部通産省ですね。私が申し上げたので郵政省絡みというのはテレトピアの放送だけなんです。今度の法案で考えているのは、郵政、通産の共管というけれども、内容的には当面郵政はそのぐらいのものだというぐあいに理解してよろしいですか。
#214
○奥山政府委員 テレトピア関係につきましては、先ほど福川局長からお話がありましたニューメディアコミュニティーとテレトピアは同様な扱いになることになりますけれども、郵政省関係の今回の対象となるべきプロジェクトというものはテレトピア推進法人に限るわけではございません。当然のことながら電気通信にかかわる基盤的な技術開発が対象になるわけでございまして、例えば光ファイバー、移動体の通信あるいは新しい放送技術といったような電気通信業あるいは放送業あるいは有線放送業あるいは電波の利用にかかわるようなもので、かつ基盤技術に相当するものは、いずれもこの対象になり得る可能性のあるプロジェクトであるというふうに考えております。
#215
○水田委員 ちょっと聞こえにくかった点もあるのですが、例えば通産の挙げておる技術というのはこういうものだというのはよくわかるのですが、郵政の場合は、革新的ないわゆるこれからの通信の関係の技術開発はどういうものに今取り組まれていて、例えばいろいろ基礎的な研究がされておる、その中でこういうものというのを明らかにしないと、これはセンターで運営する場合に限られた予算で取り合いになると思うのですが、その点でもう一遍何と何と何を、例えば有線放送であるとか放送技術であるとかそんなものは今でもあるわけですから、その中のこういう部門を郵政としては現在考えておるということを、片一方の通産の分は今大体限定して答弁いただいたものですから、ちょっと二つ三つ特徴的なものがあれば答弁いただきたい。
#216
○奥山政府委員 一、二例を挙げたいと思いますが、これからの電気通信の発信から受信までの全過程を通じて一番基本的な通信手段となるものの一つに光の通信方式がございます。光ファイバー自体はこれまでも既に企業化され、実用化されております。例えば電電公社のINS計画、あるいは世界的な用語で言えばISDN計画ということで、もう着々とそのネットワークが構築されておりますけれども、現時点での光ファイバーというものでは、これから先の二十一世紀を展望した場合の大容量かつ高速の電気通信の需要に対応するのにはまだ不十分であるということが、既にさまざまな調査結果からも予見されております。したがいまして、現在開発されておる光ファイバーのケーブルではございませんで、もっとトータル的に通信の全過程を光によって貫くというような構想がございます。つまり、端末から端末までのあらゆる過程を光で、電子的に変換することなしに、例えば交換あるいは蓄積、処理といったようなものを光そのもので行うという方式が考えられております。それは現在の技術では全く不可能なわけでございますけれども、これが実現することによりまして、いわゆる伝送上の損失、トランスミッションロスというものがほとんど限りなくゼロに近づいていくということでございますので、通信の方式としては理想的な形態であろうというふうに考えられております。
 また、別の例で申し上げますと、最近のマイカー時代を反映いたしまして、例えば自動車あるいは飛行機といったような移動体における通信というものがかなり急速に普及しつつあります。例えば自動車電話もその一つでございますし、新幹線の電話もそうでございますが、このような現在開発されている移動体の電話、あらゆるモーバイルといいましょうか移動、人が歩くのも移動、航空機も移動、船舶も移動、自動車も移動、とにかく動くものはすべて移動ととらえまして、私どもの生活あるいは社会活動において存在していて、移動しながら通信をするものを一つのトータル的なネットワークとして構築するという通信の将来の理想像がございます。これなども現在の、例えば自動車電話の技術などとは格段に違ったといいましょうか不連続の技術になるわけでございまして、家庭であってもあるいは歩行者であっても自動車であっても飛行機であっても多様な伝送需要にいつでもアクセスできるような技術が開発される、開発しなければならないというのが全世界的な移動体通信のこれからの方向でございまして、CCITTというITUの委員会がございますが、ここにおいてテレマティーク計画というものがございます。これにはポスト電話、電話社会後の新しい電気通信の方式というものが描かれているわけですが、欧米を問わず、このようなものが電気通信における基盤技術の一つの典型的な例ではないかと考えております。
 ただ、これらを通じまして言えることは、電気通信といいますのはいずれもターミナルからターミナルへのネットワークでございますので、素材も絡んでまいりますし、素子も絡んでまいりますし、伝送技術も絡んでまいりますし、交換技術も絡んでまいりますし、それから処理技術も絡んでまいりますので、あらゆる部面にそれらの電気通信を支える技術というものが開発されていかなければならないというのが基本的な考え方でございます。
#217
○水田委員 共管の問題については、最後の方でもう一遍通産、郵政、両省にお伺いしたいと思います。
 この法案の論議を通じまして、これはここの委員会だけじゃなくてほかでも常に民間活力という言葉が出るのですが、民間活力というのは民間の金を使うということですか、知恵を使うということですか、技術開発についてはどっちを当てにしたものなのかということを大臣にお答えいただきたい。
#218
○村田国務大臣 これは大変難しい御質問ですね。現内閣がよく言っております、私も総理から直接よく聞くのでございますが、民間活力を最大限利用せよ、それからデレギュレーション、そういったことによって今まで非常にやりにくかったことをどんどんやっていけという御指示で、これは私は感覚的に受けとめて非常にすぐれた提案だと思うのです。まさにこれは民間の資金力を利用しなければいけないし、それから民間のすぐれた知恵も大いに活用する、この両方を含めておると思います。
 具体的な表現の態様を見てみますと、よく予算委員会でも問題になりましたような国有財産の払い下げであるとか、あるいは関西国際空港に対して民間が多くの出資をするとか、ああいうことが一つ一つ対応してまいるのでしょうが、要は、民主主義国家、自由経済国家が非常に進んできたものですから、そうなってくると官の行う役割というのは相対的には小さくならざるを得ない、小さな政府という理想ということから考えますと、民間の資力も知恵も最大限利用して本当に高度の民主主義国家をつくろう、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
#219
○水田委員 都市再開発における民間活力というのとは全然違うと私は思うのです。先ほども言いましたように、基礎研究に関する限りは本来企業が長期にわたる大きなリスクを背負うことはなかなかできない。そして国際的に日本の産業構造を考えるときに、どうしてもそれに立ち向かうことをしなければならぬ。それは政府の役割、政策的な役割というものは非常に大きい。そういう中で民間活力というのはむしろ知恵じゃないかと思うんですね。知恵が出しやすいようなことを考えるべきじゃないか。
 そこで、この法律と直接は関係ない、外国との共同研究では若干そういう点で考えておるわけですが、国がいろいろな研究で委託していますね、委託研究費というのを出して研究をやっている。これをやりますと、この成果である特許権は国有、国のものになるわけですね。企業というのは利潤を追求していくという一つの本質的なものを持っていますから、こういうやり方だけでは、どうせ特許権は向こうに取られるんだ、企業の命運をかけるような超一流の研究者をそこへ全部つぎ込んでその委託研究をやろうということにはならぬということが、常に国が出しておる民間の委託研究費については言われているわけですね。もちろん金は国民の税金から出すわけですから、それをストレートに企業にだけということにはならぬと思いますけれども、そういう実態をよく考えて、民間でも優秀な人もおるわけですから、国の持っておる優秀な研究機関の中で民間のそういう優秀な知恵を今の段階でどうやって有効に利用していくかということも、この法律だけじゃなくて考えていく必要があるのではないか、こういうぐあいに思うのですが、いかがでしょうか。
#220
○福川政府委員 先生の御指摘ございましたように、私どもとしても民間の活力、これはもちろん企業の経営能力、企画能力、技術能力、それからまた資金的な面もあろうかと思いますが、今お話しのように国が委託開発をするということになりますと、金の方は委託ですから国が全額持つわけですが、民間においてもいろいろ知恵を出す、あるいは技術の蓄積をそこに出す、集積していく、こういうことになるわけでございます。そういう意味で私どもも、民間の持っておるそういうものをどうやってうまく技術開発に結びつけていくかという点は大変重要な課題として検討してまいったわけでございます。今回も委託開発によって得られました国有特許について、どのように民間に委託研究をやりやすくするような方法を考えていくかという点は一つの重要な課題でございます。
 私どもとしてもまだ最終的な成案を得ているわけではございませんけれども、国有特許について要件が一定の場合には、例えばその国有の特許を民間と共有するというようなことも一つのメリットになるかと思います。今後、そういった方向でその要件も詰め、また現行の法律の中でそれの仕組みを変えていくというようなことをさらに検討してみたいと思います。
#221
○水田委員 ぜひその点は検討いただきたいと思います。
 そこで、国際共同研究については今度の法律の中でこれまでと違った仕組みを考えておるようであります。しかし実際には各国によって特許法は違うわけですね。ですから、そういう中で共同研究をやって、お互いに取ってもその国によって扱いが違う、そういう不公平なことは一体起きないのであろうかということと、もう一つは、金を借りる、あるいは出資をしても、実際にやるのはセンターかあるいは民間会社が向こうの国の機関とやるということになりますね。そうすると、特許の関係でいいますとそれぞれ国有特許になるわけですが、そういう場合、法律も違いましょうし当然契約をしなければならぬ、一体契約の当事者はどこになるのだろう、実際、研究をやるところが向こうとやるというんじゃとてもじゃないが太刀打ちできないだろう、そういう点では法律の趣旨なり国益を守るという立場から、一緒に研究をやるにしてもそういう点での契約等はきちっとすべきだろうと思うのです。そういう点ほどの機関がやるのか、あるいは特許法の違いによって不公平な扱いが起こるのではないかというようなことについて心配はないのかどうか、お伺いしたいと思います。
#222
○福川政府委員 ここで想定しております国際共同研究でございますけれども、ここで考えておりますのは政府間の共同研究を考えておるわけでありますが、欧米の場合、通常自主取リ決めというのが交わされるわけでございます。欧米の例をとりますと、共同研究のパートナーであります各国政府やその国の国民に対しましては、当該特許権等について通常実施権を無償または低廉で許諾するということが通例になっておるようでございます。米国あるいは西ドイツ等のヨーロッパ諸国の間では、そのような体制になっておるわけであります。日本の場合は、先ほど先生御指摘のように、国有ということになっておるわけでございますので、その制度の仕組みが国際共同研究というものがやりにくくなるということでございまして、今回その範囲は政令にゆだねながらそういった道を開きたい、こういうのを今回の趣旨の一つに織り込んでおるわけでございます。
 したがいまして、やや法律的に言えば、財政法九条といったような、現行の法制は、今申し上げましたような国際共同研究をやりにくいということについての例外を設ける、こういうことにいたした次第でございます。
 もとより、今御指摘のように、これを進めていきます場合には、諸外国がどういう実施取り決めを結ぶかということが非常に前提になるわけでございまして、私どもとしても、今後国際共同研究、今まででも若干エネルギーでありますとか、いろいろな分野で進めておりますけれども、そういった国際共同研究について、諸外国がどういう仕組みをやっていこうかという点は十分調査をいたしまして、今後双方の技術的な蓄積を生かし合うような格好でやっていく道を見つけたいと思っております。
 その場合に、当事者がどうかというお尋ねでございますが、通常、民間の国際共同研究であれば民間の契約でやるわけでございますけれども、今の財政法の絡みで出てまいりますのは、政府ベースの国際共同研究ということでございまして、この場合、日本の政府と、それから相手方は相手国の政府あるいは公共団体あるいは国際機関ということが想定されるわけでございまして、それとの間で実施取り決めを結びます場合に、私どもとしては、諸外国がどういう状態であるかということを十分把握いたしました上で、この国際共同研究、第四条に書かれました規定の実施を図ってまいりたいと考えております。
#223
○水田委員 それでは、次は、こういう先端技術の研究開発というのは大変リスクの大きいものだということはずっと言われてきたわけですね。成功した場合は金利を含めて払え、成功しなかった場合は金利をまけてやる、こういう仕組みになっておるわけですね。成功したか、しないかというのは何で判断するのか。例えば特許権を取ったときをもってするのか、あるいは実際にいわゆる開発研究が成功するというような時点までを考えておるのか、その点はいかがでしょうか。
#224
○福川政府委員 確かに御指摘のように、研究開発はいろいろの段階がございます。私どもが当面考えておりますのは、この試験研究の終了の時点におきまして、そのプロジェクトを採択いたしましたときに決定をした技術開発目標がどの程度達成しているかといった達成度、あるいはまた、そのほか全体の経済諸情勢ということも考慮に入れなければならないかと思いますが、そういったことを想定して、採択時に特に目標を置きました技術開発目標、これが達成したかどうか、こういうことを中心に考えて成功あるいは失敗の判断をいたすのがよろしいのではないかと考えております。
#225
○水田委員 そうすると、特許権も別に関係ないわけですね。
 そこで、そこまで例えば成功したと判断する、そうすると特許権はない、そこで開発された技術というのは、これはどうなんですか、ほかへは公表しないわけですか、ノーハウとして持つわけですか、どうなんですか。
 それからもう一つは、ついでに言いますと、例えばこれは成功しなかったという判断を下した、しかし、その間に至る研究開発で、大変違った周辺のノーハウを研究に携わった者がたくさん身につけるという場合、それは自由に使えるということになるのですかね、そこらあたりのところが成功、不成功、これは金を借りて金利を払うか、払わぬかにかかわるわけですから、しかもそれは、いわゆる国の金を使うということですから、明確にする必要があるんではないだろうか。
 それからもう一つは、今言う不成功の場合、金利を払わなくていい、しかし、そのものについては成功しなかったけれども、その周辺のノーハウは完全にその研究者が自分のものにしていいのかどうか、そういう点はどういう御検討をなさっていますか。
#226
○福川政府委員 通常成功をいたしたという場合に、確かにその成功、不成功の判断をすることは、特許権を取れたか取らなかったかということと直接リンクはございませんが、成功いたした場合には、通常特許を出願する、少なくとも特許を受ける権利は当然ある、こういうことになると思いますし、通常、その発明をいたしました、開発目標を達成いたしたという場合には、それなりの成果があるわけでございますから、通常の場合であれば特許を出願をする、こういうことになると思います。したがいまして、成功した場合はそういうわけですから、その特許を申請するということになれば、それは当然それなりに世の中には公表されるということになります。
 失敗した、不成功に終わった場合でございますけれども、不成功に終わった場合には、確かにその周辺の技術データというのは、その実施をいたしました企業の中には属することになると思います。それは失敗をしたそのファクトベースの技術データというのは、それはそれなりに、ある意味ではノーハウに残るということはございますけれども、今はそれは実施をいたしました、不成功に終わったというわけでございますから、こういう融資については、元本は返していただきますが、利子はいただかない、そういうことになりますけれども、その場合には、その周辺のノーハウというのは企業に残る、こういうことになると思っております。
#227
○水田委員 そうすると、成功、不成功は、まあ成功したら当然特許を取るだろうということですが、特許を取る、取らないが成功、不成功の判断の目安ではない。いわゆる研究項目を決めてこれに至るという、それがどこまで到達したかというのを技術的に内部で検討し、判断する、そういうぐあいに理解してよろしいですか。
#228
○福川政府委員 先生、御趣旨のことで考えておりますが、ただ特許を申請する、あるいは特許を受けるという点は、今の成功、不成功を判断する上の重要なメルクマールにはなると思っております。
#229
○水田委員 それでは、先ほどもちょっと触れましたけれども、このセンターというのは通産省と郵政省の共管で、通産省の方は大体わかりました。こういうものだなという判断、その中のある程度熟度のついたものから、持っていこう。
 郵政省の方は、お伺いしたけれども、なかなかよくわからぬですね。本当にそういう点が厳密に論議されて、こういうものをこの中でやる、そして熟度が高まっておるものということに、なかなかさっきの答弁では理解しにくいわけで、例えば革新的な技術と言えるのかどうか。光ファイバーの容量を、さらに今からふやすというのは全然違ったものじゃないわけです。いわゆる導線で、電話回線で何百本、何千本通しておるのを、あの細い全然違ったもので、光で電波を搬送するという技術です。これは革新的な技術なんですね。それを大容量にするというようなことになるわけですね。
 ですからICをLSIにかえる、これは革新的な技術じゃなくて、小さいものに幾らたくさんの量のものを、記憶装置をぶち込んでいくかという微細技術ですから、質的には大変な革新的なあれじゃないわけですね。
 そこで心配するのは、共管でありながら、私どもの議員からたくさん質問があったように、この内容そのものは私どもは不十分だと思っているのですよ、さっきから言うように。大体政府がもっと金を出すべきだ、けちけちするべきじゃない。そこで電電のもうけとか専売のもうけをこっちへ持ち込んで、向こうの話は参議院でまだ小委員会でやるというのに、先に使い道だけ考えておる、こういう点に私どもは大変に不信感を持っているだけで、内容的にはそういうことなんですが、同時に、実は共管になっておるけれども、そういう財源のあれから考えて、私どもは商工委員ですから、通産この程度か、まだ少ないなと思っているのですが、郵政の関係の仕事が十分これで実際保証されるのかどうか。
 それから内容的に、今の答弁からいって、通産はある程度のものを頭に描きながら、既に研究に取り組んでおるもの等を選定する、郵政省の方が大変仕事量で少なくなってくるのじゃないかという心配もあるし、同時に、人事その他は通産省が握るわけですね。共管にはなっておるけれども、実際には郵政省の担当の研究開発分野というのが縮まっていくのじゃないかというような感じもします。そこらで、そうなれば、通産省、郵政省の間にいろいろ縄張り争いというのが起こって、うまいこといかないのじゃないか。これは何人からも言われたと思うのです。
 生い立ちからいって、そもそもお互いに、通産省は、産業技術センターで一般財源と開銀の金でやろうとしたのですね。それはそれで、それをふやしていけば通産省としては筋が通る。郵政省の方は、電気通信振興機構というのをつくって、そういうものにその金をぶち込んでいこう、こういう構想が、これは大蔵省等のあれもあり、なかなかまとまらぬでこういうことになった。だから、生い立ちが、最初からそういう点が、何年も論議をして熟して、それじゃ、これとこれとをお互いにやろう、その中ではこういうぐあいにやろうという、いわゆる仕分けがまだはっきりできていないと思うのです。そういう中ですから、今後についてはどうしても心配になるのですが、これはそういう点で心配のない運営ができるのかどうか、これは通産省と、郵政省もおいでいただいておると思いますので、両方からお答えをいただきたいと思います。
#230
○福川政府委員 この運用に関してでございますけれども、私どもは、確かに御指摘のように、産業技術センターという構想で予算の要求をいたしましたが、最終的には、政府予算を決定する段階で郵政省の基盤技術の研究開発と一体として行う、こういうことになったわけでございます。
 しかし、私どもといたしましても、この情報化というのは、一般の産業のハイテク化と並びましてこれからの重要な点でございますし、また特に、これから情報化社会が進む、あるいはハイテク化が進む、その他また新素材、バイオテクノロジー等いろいろ出てくるわけでありますが、振り返って考えてみますれば、そういった各産業あるいは国民生活に広く使われていく一番基盤となるような技術、これの基礎研究あるいは応用研究を中心にやっていくという必要性は政策的に大変高いという意味では、確かに郵政省の通信技術と共通する面があると思うわけでございます。確かに、通産省の所管いたしますいろいろな機械、ハードの部分あるいは情報処理の部分と郵政省の通信関係というのは大変密接に絡む面があるわけでございまして、そういう意味では、国民経済あるいは国民生活の基盤となるものという意味では両省のものが共通する、かように考えておるわけであります。
 したがいまして、私どもとしても、この法律をつくります、成案を得ます過程におきまして、郵政省とは緊密な連絡をとってこの成案を成文化してまいりました。また、センター自身も、できる限りセンターの自主性を尊重する、こういうことで運用をしてまいるわけでございます。あるいはとかくいろいろ御懸念がおありかもしれませんが、私どもとしては郵政省とも十分連絡をとって、先ほど申しましたような趣旨でございますので、基盤技術の促進に十分効果あらしめるように、あのセンターの運用にいやしくも縄張り的な動きということが出ないように、十分郵政省とも連絡、協調を保ってやっていくつもりでございます。
#231
○奥山政府委員 結論を申し上げる前に、郵政省関係の技術開発のイメージがわかないということでございますので、もう一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。
 例えば、光通信の話を先ほど申し上げましたけれども、現在の光ファイバーといいますのは光を電気的信号に変えるわけですが、将来の光通信は、光そのものを直接増幅してあるいはスイッチングをするといったようなことが可能になることが予見されております。つまり、光そのものを全然何らの変換、変更もなく通信技術として使おうということでございまして、その中には光の交換技術もありますし、光のIC技術もありますし、光のメモリー技術も入ります。さらにそれを、そういった技術を開発するために具体的な研究テーマとして一体何があるかと申し上げますと、半導体の電子構造にかかわる研究もございますし、結晶の中の分子構造、分子運動にかかわるものもありますし、高分子半導体にかかわるものもありますし、あるいは電子光物性にかかわる分野もありますし、オプトエレクトロニクス材料あるいはその素子といったようなものもございますので、その意味におきましては、もし先生が通産省の技術開発の方にイメージをはっきりと抱かれるのでございましたならば、基本的には、私どもの技術開発として目指すものも同様なお考えにおいて御理解いただけるのではないかと思います。
 なお、先生が先ほどおっしゃいました、これからの通産省とのいわゆる連携、連絡の問題でございますが、先ほど通産省の方からお答えがございましたように、今回の法案ができ上がるまでの予算の編成過程以降の経緯を私どもも十分かみしめまして、法案の立案過程はもちろんでございますが、今後法案が通りました暁における実際の設立並びにその後の運用におきましても、通産省と密接に連絡、連携をとりながら取り運んでまいりたいと考えております。
#232
○水田委員 議事進行に協力の意味で、もうあと一問で終わります。
 この、一緒に出ております貿易研修センター法を廃止する法律でありますが、これは特別認可法人から財団法人に組織を変更されるわけであります。これは仕事が終わったわけではなくて、仕事はこれからますます、日本が国際社会で生きていくためには必要な組織なんですね。ただ、いわゆる行革といいますか、臨調から、新しい第三セクターというのは、こういう項目で、一つつくるためになくするということなんです。実際には、実体はなくならぬわけです、新しく一つできるわけですから。これは、いわば形式だけを整えて本当の意味での行革にならぬ。そういう点では、本来の行革なら、役の終わったものはなくする、それで似たようなものなら一緒にする、そうやって本当の意味での改革をやるのが私は行政改革のあり方だと思う。
 ですから、内容的には、貿易研修センターは大変必要だし、この法律で、今度の基盤技術のセンターについても必要だろう。そこらあたりは、単に形式的ないわゆる行革絡みというようなことではなくて、要るものはふやす、要らぬようになったらやめる、こういう点を明確にしてやらぬと国民の行革に対する信頼を裏切る、ごまかしたようなことになる、そういうことだけ意見として申し上げまして、そうでないというなら、その見解を聞かしていただきたいと思います。
#233
○鈴木(直)政府委員 今回の法案におきましては、従来貿易研修センター法といいます特別法に基づきまして、認可法人といたしまして貿易研修センターがございましたが、その特別認可法人を廃止するということで、一応これは行政改革の趣旨に沿っておると私ども考えております。
 同時に、今先生御指摘ございましたように、国際経済情勢の変化に対応した新しい方向といいますか、国際経済人の養成というものを、より民間活力を活用して機動的に今後運営していくということで、民間法人化、民間活力活用というのも同時にまた行政改革の趣旨に基づいたものではないか、かように考えておる次第でございます。
#234
○水田委員 民間活力というのは、さっきも申し上げたように、そう簡単に使ってもらっては困る。何でも民間活力で、とにかくこれを特殊法人、公益法人から財団にするとか、そんな言い方はやめてほしいと思うのですよ。そんな意味じゃないでしょう。本来、私が言ったように、どっちも必要なんですよ。貿易研修センターをなくするんならいいですよ。そういう法律を出せばいいんです。必要はますます深まっておる。そして、もう一つ法人を通産関係の中でつくるからそれは滅しなさいという臨調の指摘によってやっておる。そういうごまかしをやめたらどうですか。それに民間活力なんというのはつけぬ方がいいです。だから、必要なんだということを我々も否定はしません。
 これ以上言いませんが、以上で終わります。
#235
○粕谷委員長 水田稔君の質疑は終了いたしました。
 これにて、両案に対する質疑は終わりました。
    ―――――――――――――
#236
○粕谷委員長 この際、貿易研修センター法を廃止する等の法律案に対し、野間友一君外一名から、日本共産党・革新共同提案による修正案が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。野間友一君。
    ―――――――――――――
 貿易研修センター法を廃止する等の法律案に対
  する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#237
○野間委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 貿易研修センター法につきましては、昭和四十二年の制定当時、我が党は、同センターが大企業、大商社の海外進出のための人材養成センターであり、したがって、同センターを政府関係機関として設立するのには反対であるという態度をとりました。
 実際、この間の同センターの研修生の受け入れ状況を見ますと、通産省の説明でも、大商社、大手メーカー、大銀行等から派遣された研修生が全体の八割以上を占め、中小企業の利用は八%程度という状況であり、まさに我が党の指摘を裏づけています。
 今回政府より提出されている法案は、同センターを財団法人化するとはいえ、別途提出されている基盤技術研究円滑化法案による新規の特別認可法人を設立するための、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドのための法案にすぎず、その精神は、同センターの組織形態を変えただけで、大企業中心の同センターの機能は従来のまま温存しようとするものであります。このことは、同センターの財産を、一般会計、政府関係機関より出捐した十五億円も含めて、定款変更についての通産大臣の認可のみを条件に、そっくりそのまま財団法人へ引き継がせようとしていることからも明らかであります。
 政府は、国家財政が逼迫しているとの理由から、健康保険や年金等、福祉、教育についての施策、国民の真に必要としている施策すら切り捨てており、また、大型間接税の導入すらその検討を開始しようとしております。
 その一方で、政府は、今回の法案のごとく、その出捐した政府関係資金を、民間の財団法人へ、それも実質は大企業しか利用しない財団法人へ、そのままそっくり引き継がせようとしております。
 我が党は、こうしたやり方には反対であり、次の修正案を提出する次第であります。
 修正案の内容は、第一に、特別認可法人としての同センターについては、まず解散し、清算すべきとするものであります。解散後、必要があるならば、同センターは、別途民法上の手続によって新しく財団法人として再スタートすべきであります。
 第二に、同センターの解散、清算後の残余財産については、国家財政の破綻が大問題となっている折から、その残余財産のうち政府関係出捐金に相当する部分は当然国庫へ回収すべきとするものであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
#238
○粕谷委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#239
○粕谷委員長 これより討論に入ります。
 基盤技術研究円滑化法案並びに貿易研修センター法を廃止する等の法律案及びこれに対する修正案を一括してそれぞれ討論を行います。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。田原隆君。
#240
○田原委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の三党を代表して、両法律案に賛成の討論を行うものであります。
 まず、基盤技術研究円滑化法案について申し上げます。
 我が国は、戦後四十年間、比較的恵まれた国際経済環境のもとで欧米諸国からの先進的な技術を導入し、国民のたゆまざる努力によって経済発展をなし遂げてまいりました。今後におきましても、我が国が資源エネルギーや国土等の諸制約を克服し、国民の価値観の多様化や生活の質的向上へのニーズの高まり等に適切に対応しつつ、経済社会の発展基盤を中長期的に維持し、充実させていくためには、技術の進展がその原動力として重要な役割を果たしていくことは言うまでもないことであります。
 今日、世界経済は、新たな技術革新の胎動期にあると言われております。とりわけ、新素材、マイクロエレクトロニクス、電気通信、バイオテクノロジーなどの分野における技術開発は、国民経済や国民生活の基盤の強化に大きく寄与するものであり、基盤技術として位置づけられております。こうした基盤技術の研究開発を一層促進し、技術革新の胎動を一段と確実なものとして大きく開花させていくことは、我々の世代の責務であります。
 こうした技術開発の重要性に対する認識は、今や世界各国においても共通なものとなっており、欧米諸国では、現在、国を挙げて先端的な技術開発に取り組んでおります。我が国としても、国際経済社会の有力な一員となった今日、技術開発は、世界経済の発展と人類の福祉向上に資する観点からも積極的に取り組まなければならない課題ともなっております。
 そのためには、創造性に富む自主技術の開発促進が重要であり、また、産業経済活動や国民生活の充実を図る上で波及効果の大きい基盤技術の研究開発の推進が必要でありますが、それには基礎、応用研究段階からの取り組みが特に重要であることは言うまでもありません。
 しかし、我が国は、欧米諸国に比較して基礎、応用研究段階の取り組みが必ずしも十分でなく、今後、これに格段の努力を傾注していくことが必要であることは、議論の余地のないところであります。
 基礎、応用研究段階においては、従来から国が大きな役割を果たしてきておりますが、我が国の研究開発活動は、その投資額で民間企業が約七割を占め、民間主体で行われているという現状にあります。したがって、我が国の基盤技術の研究開発を、効率的に推進していくためには、民間がその活力を最大限に発揮していけるよう環境条件の整備を図ることが喫緊の課題となっているのであります。
 本法律案は、以上のような認識のもとに、民間において行われる基盤技術に関する試験研究を円滑化し、民間の基盤技術の向上を図るための措置として、国有財産を弾力的に活用し得る道を開くほか、民間において行われる基盤技術に関する試験研究を円滑に推進するための機関として、特別認可法人基盤技術研究促進センターを設立するものであり、まことに時宜に適した措置であると考えます。
 特に、基盤技術研究促進センターについては、民間が行う試験研究に必要な資金を供給する出融資業務を初めとして、国立試験研究所と民間とが行う共同研究の促進、海外の研究者の招聘、情報の収集、提供など、民間において行われる基盤技術に関する試験研究の促進に資するための業務を総合的に推進するものであり、民間の創意と活力が十分発揮されるよう適切な運営を図ることにより、我が国の基盤技術の向上に大きな効果が期待できるものであります。その意味で、本法律案では、センターの自主的運営の確保が図られることになっており、この点からも評価できるものであります。
 二十一世紀の到来を控え、我々の世代は、次の世代に残すべきものを真剣に考えていかなければなりません。最近における先端的な技術の萌芽は、二十一世紀における新技術文明の幕あけを告げるものとも言われております。これを将来に大きく開花させていくためにあらゆる努力を傾注していくことが、我々の世代に課された責務であります。
 基盤技術研究円滑化法案は、まさに我々に課されている責務に具体的にこたえていくためのものであります。私どもは、本法律案にもろ手を挙げて賛成の意を表する次第であります。
 次に、貿易研修センター法を廃止する等の法律案について申し上げます。
 本法律案は、今後、ますます複雑多岐化が想定される国際経済情勢に適時適切に対応できる人材を養成するためには、貿易研修センターの運営を民間にゆだね、民間の活力と創意を生かす体制をとることが、より効果的であり効率的であるとして提案されたものでありまして、引き続き公益的立場で展開される事業活動に対し、設立当時に支出された財政資金が活用されることは、国民経済的観点から見ても十分理解できるところであります。
 したがいまして、貿易研修センターの解散を目的とする修正案は断固拒否すべきものであります。
 以上、基盤技術研究円滑化法案に賛成し、貿易研修センター法を廃止する等の法律案に対する修正案に反対し、原案に賛成するものであります。
 以上をもって討論を終わります。(拍手)
#241
○粕谷委員長 浜西鉄雄君。
#242
○浜西委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、基盤技術研究円滑化法案に対する反対理由を五つに絞って述べることにいたします。
 まず一つ、基盤技術研究を円滑化するという発想についてはいささかも反対するものではありません。特に、技術立国を目指す我が国においては重要な課題であると考えます。
 重要な課題であるがゆえに、長期展望と多角的分析を行い、この際、我が国の基盤技術とは何かについてできるだけ明確にし、総合的な見地から技術開発に取り組む立場をとるべきであり、その条件整理ができていないと判断するので反対するものであります。
 二つ目。本法案は、この定義において通産省または郵政省の所掌に係るものに限定されているが、この際、総合的に各省庁が連携して技術開発を進めるべきであると考えます。
 また、今回の定義についてははなはだあいまいな点があります。郵政省の所掌に係るものは、おおむね通信技術、ネットワークなど、そのガイドラインはおよそわかるが、通産省の所掌に係るものは複雑多岐にわたっており、どの分野まで及ぶのか整理が困難であるが、これはいずれ整理をすべきであります。
 三つ目。日本が技術立国として生きていくためには、ハイテク時代になくてはならない新素材の開発を含めた先端技術の研究開発に向けての基盤づくりが必要となります。このことは、三月二十九日、本委員会に出席された四名の参考人の見解も、多少の差異はあるにしても、工学、化学などの基礎研究の必要性を述べておられるのは納得できます。ところが、現状は研究の内容と所掌がはっきりしていない、そういった問題がいろいろあるわけです。例えば、シリコン半導体にかわって、ジョセフソン素子、HEMT半導体素子、ガリウム砒素半導体素子の集積化の研究開発が進めばコンピューターの計算速度は数十倍アップすると言われているが、このような金属と言われない元素までが含まれるレアメタルの抽国技術、応用についても所掌があいまいであります。
 四つ目。本日、四月三日来日するアメリカ国防省の調査団が強い関心を持っているといわれるミリ波とオプトエレクトロニクス、これはもともとアメリカの産軍複合体が日本の技術をねらっている十六分野の中の二つてあります。前に述べたガリウム砒素素子やミリ波、マイクロウェーブ集積回路、これなどの先端技術は従来からスターウオーズ計画に参画させられているのではないかと取りざたされていたものが、今回の国防省調査団の来日によっていよいよその感を強くせざるを得ないのであります。
 基盤研究が我が国の運命にかかわるような問題あるいは国際競争、国益にかかる場合、その安全対策、対応の機能が発揮でき、責任の所在を明らかにできる所管庁をつくるべきであり、そのための基本法をつくる前提で本法案を審議すべきであ
 ると思います。
 五つ目。通産、郵政のみの所管にとどまらず、科技庁、建設、農水、運輸、厚生などの所管のものを含め、我が国の総合的な基盤技術の研究開発は今後ともさらに重要となってくると思いますが、本法案がその前提に立っているとしたら、事業費は余りにも少額であります。現在でも既に七兆円の研究費が主として民間大手企業の手によって支出されており、アメリカIBM一社だけでも年間五千億円の研究費であります。しかるに、本法案では年間事業費はわずか四十億円という小規模であります。やはり何といっても基礎、応用の研究分野にウエートを占める大学とのタイアップを重視した、いわゆる産学官一体となった研究開発に大幅な予算の裏づけを行って、国を挙げて取り組むべきであると思います。しかも、民間の意見の反映に最大限努力することはもちろん、新電電の株式が産投会計に帰属することに十分に留意した運営にすべきであります。
 以上、五項目の問題点の解決について今後とも検討改善すべき事項を留保し、このままの内容では賛成するわけにはいかないことを表明して、反対の討論といたします。
 なお、貿易センター法を廃止する等の法案に対する修正案についても反対するものであります。
 以上であります。(拍手)
#243
○粕谷委員長 工藤晃君。
#244
○工藤(晃)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、基盤技術研究円滑化法案に対する反対討論を行います。
 本法案に反対する第一の理由は、大企業への国からの多角的支援で、その国際競争力強化を促進してきた機情法が本年六月末期限切れとなる後を受けて、それを形を変えながら事実上引き継ぐ大企業への国からの多角的支援法だからであります。
 支援策の内容は、国の試験研究施設、委託研究にかかわる国有特許を大企業に廉価で利用させる基盤技術研究促進センターを創設し、条件つき無利子融資、出資事業、官民連帯共同研究や国の研究者の民間への出向に事実上道を開く受託研究などの推進など、大企業に対する新たなる助成の数数であります。
 しかも、大企業は無利子融資などを受けた上、税制面で増加試験研究費の税額控除、それに加えての基盤技術研究開発促進税制などの恩典を拡大することができ、さらに同一企業は幾重にも張りめぐらされた補助金も同時に受けられ、まさに大企業の受ける恩典集中の利益は拡大するばかりであります。
 本法案に反対する第二の理由は、それが国民本位の行政改革に逆行するものだからであります。
 認可法人基盤技術研究促進センターの創設は、産投会計に帰属する日本電信電話株式会社の株式の三分の一の配当収入などをセンターを通じて大企業の思いのままに配分することや、国の研究者、試験研究施設、特許権などを大企業の思いのままに利用させる規制緩和措置など、国民が願う行政改革に全く無縁であるばかりか、政官財の癒着構造を一層拡大することは明らかであります。
 本法案に反対する第三の理由は、基礎的研究、創造的研究を前進させるため、我が国の科学技術政策全般を改め、その方向で確立しなければならないとき、本法案はその方向に全く沿わないからであります。
 政府も認めている我が国の基礎的研究のおくれを克服するためには、その面で中心的役割を果たすべき大学、国立研究機関の基礎的研究費を抑えたり減らしたりすることをまず改めるべきであります。本法案は、政府の科学技術政策のこのような転換なしに出されてきただけでなく、大学や国立研究機関がこれまで育ててきた高い研究開発力を一層直接的に大企業の利益のため奉仕させる危険性を持っております。
 本法案に反対する第四の理由は、国からの助成の結果である研究開発の成果を軍事的に利用させない保障が全くないからであります。
 中曽根首相・レーガン米大統領への日米諮問委員会報告が「技術が新しい防衛システムの開発に決定的な貢献をしうる時代においては、」「両国の防衛政策責任者が決める優先順位にしたがい、また、民間企業間の個々の取決めに応じて、研究・開発協力を積極的に推進していくべきである。」として、それが現実の事態となろうとしているとき、私は、我が国の科学技術政策において先端的技術の平和利用の原則を確立することを強く主張するものであります。
 以上の理由により本法案に反対することを述べ、討論を終わります。
 続いて私は、貿易研修センター法を廃止する等の法律案について、修正案に賛成、原案に反対の討論を行うものであります。
 以下、その理由を述べます。
 今回政府提出に係る原案は、別途提出されている基盤技術研究円滑化法案による新規の特別認可法人を設立するためのスクラップ・アンド・ビルドによる、いわば数合わせのためであり、しかも貿易研修センターを財団法人化し、組織形態を変えただけで、大企業中心の同センターの機能をそのまま温存しようとするものであります。
 このことは、同センターの財産を一般会計及び政府関係機関より出捐した十五億円も含めて、定款変更についての通産大臣の認可のみを条件に、そっくりそのまま財団法人へ引き継がせようとすることからも明らかであります。これは、我が党としては到底容認することのできないものであり、その是正は既に提案された修正案による以外ないと考えるものであります。
 以上の理由によって、私は修正案に賛成、原案に反対の意思を表明して、討論を終わります。
#245
○粕谷委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#246
○粕谷委員長 これより採決に入ります。
 まず、基盤技術研究円滑化法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#247
○粕谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#248
○粕谷委員長 本案に対し、渡辺秀央君外二名から、自由民主党・新自由国民連合、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。長田武士君。
#249
○長田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    基盤技術研究円滑化法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、基盤技術に関する試験研究の一層の円滑化を図るため、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 基盤技術に関する基礎研究、応用研究を中心とした試験研究を積極的に推進するため、基盤技術研究促進センターの事業運営に必要な資金の充実に努めること。
 二 基盤技術研究促進センターの運営については、民間の活力が発揮されるようセンターの自主性の尊重と民間の意見の反映に留意し、いやしくも、縦割り行政の弊害が生じないよう対象案件の重要性に即した効率的な資金配分に配慮すること。
 三 中小企業が本法の施策を十分に活用することができるよう、その運用に万全を期すること。
 四 国による委託研究開発制度の運用については、民間の研究意欲の向上に資するため、その成果たる特許権等の取扱いの弾力化を図ること。
 五 創造的な技術開発を推進していくためには、産学官連携の強化が緊要であることにかんがみ、国と民間との研究者の交流、予算の取扱いについて早急に現行諸制度を見直し、所要の改善に努めること。
 六 国際経済社会への積極的貢献を果たすため、国際研究協力の一層の推進に努めること。
 七 民間では実施できない試験研究を積極的に推進していく観点から、国の試験研究機関の研究開発費の充実に努めること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#250
○粕谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 渡辺秀央君外二名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#251
○粕谷委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
    ―――――――――――――
#252
○粕谷委員長 次に、貿易研修センター法を廃止する等の法律案について採決いたします。
 まず、野間友一君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#253
○粕谷委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#254
○粕谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#255
○粕谷委員長 本案に対し、渡辺秀央君外二名から、自由民主党・新自由国民連合、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。宮田早苗君。
#256
○宮田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    貿易研修センター法を廃止する等の法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、組織変更後の貿易研修センターが引き続きその機能を発揮するよう、教課内容の改善、国際交流の充実等の事業運営について十分な指導、協力を行うとともに、寄附金に関する税制面について適切な措置を講じ、民間資金の円滑な導入が図られるよう配慮すべきである。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#257
○粕谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 渡辺秀央君外二名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#258
○粕谷委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいま議決いたしました両案に対するそれぞれの附帯決議に関し、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田通産大臣。
#259
○村田国務大臣 ただいま御決議をいただきましたそれぞれの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して遺憾なきを期してまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
#260
○粕谷委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#261
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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#262
○粕谷委員長 次に、内閣提出、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。村田通産大臣。
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 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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#263
○村田国務大臣 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 商工組合中央金庫は、昭和十一年に政府と中小企業者の組合との共同出資に基づいて設立され、自来約五十年にわたり、いわゆる組合のための系統金融機関として、中小企業等協同組合その他主として中小規模の事業者を構成員とする団体及びその構成員に対する金融の円滑化に大きく貢献してきているところであります。
 しかしながら、近年、中小企業金融をめぐる環境は、著しく変化しつつあります。特に、金融自由化の進展を背景として、一方において国債等を組み合わせた高金利、複合サービス機能を有する新しい金融商品が相次いで登場するとともに、他方において中小企業が金融機関に求める金融サービスに対するニーズもこれまでになく多様化しているのが実情であります。仮にこのような環境変化に商工組合中央金庫が早急に対応できない場合には、その所期の役割、機能を十分に発揮し得ないことが懸念される状況となってきております。
 したがいまして、商工組合中央金庫が、その課されている使命を十分に達成し得るよう、六十一年十月の存立期間の満了を待たず、所要の法改正を行う必要があります。
 かかる趣旨にかんがみ、今般、商工組合中央金庫法の改正を提案することとした次第であります。
 次に、本法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一に、昭和十一年の設立認可の日より五十年となっている存立期間に関する規定を削除いたします。
 第二に、金融環境等の変化に対応して業務の整備充実を図ります。
 その一として、商工組合中央金庫の資金調達の大宗を占めている商工債券の販売力を今後とも維持していくため、債券総合口座、国債割引債口座等の金融商品を他の債券発行銀行並みに提供し得るようにします。すなわち、新たに、国債等の窓口販売等を行い得るようにするとともに、所定の範囲内において、商工債券または国債等の所有者からの預金の受け入れ、当該商工債券または国債等を担保とする貸し付け等の業務を行い得るようにします。
 その二として、所属団体またはその構成員に関する業務の充実を図るため、長期貸し付けに係る期間及び方法の制限の撤廃、国債等の窓口販売その他の業務、有価証券の貸し付け等の業務を行い得るようにします。
 その三として、所属団体等の事業活動の円滑化に資する等のため、所属団体等が設立した海外現地法人、中小規模の事業者による共同出資会社等に対し貸し付けを行い得るようにします。
 第三に、余裕金の運用に関する規定の整備、副理事長の設置等役員に係る規定の整備を行うほか、付随業務規定の整備その他所要の規定の整備を図ることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#264
○粕谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
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#265
○粕谷委員長 この際、参考人出頭要求に関する件につきましてお諮りいたします。
 本案審査中、商工組合中央金庫から参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選及び日時につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#266
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、来る五日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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