くにさくロゴ
1984/06/07 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第19号
姉妹サイト
 
1984/06/07 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 商工委員会 第19号

#1
第102回国会 商工委員会 第19号
昭和六十年六月七日(金曜日)
    午前十時六分開議
出席委員
  委員長 粕谷  茂君
   理事 浦野 烋興君 理事 田原  隆君
   理事 森   清君 理事 渡辺 秀央君
   理事 後藤  茂君 理事 城地 豊司君
   理事 長田 武士君 理事 宮田 早苗君
      甘利  明君    奥田 幹生君
      加藤 卓二君    梶山 静六君
      高村 正彦君    佐藤 信二君
      椎名 素夫君    仲村 正治君
      野上  徹君    野田  毅君
      原田昇左右君    松野 幸泰君
      奥野 一雄君    上坂  昇君
      水田  稔君    横江 金夫君
      和田 貞夫君    渡辺 嘉藏君
      西中  清君    福岡 康夫君
      青山  丘君    横手 文雄君
      工藤  晃君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  村田敬次郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      金子 一平君
 出席政府委員 
        公正取引委員会
        事務局取引部長 利部 脩二君
        経済企画庁調整
        局長      赤羽 隆夫君
        経済企画庁総合
        計画局審議官  星野 進保君
        経済企画庁調査
        局長      横溝 雅夫君
        通商産業大臣官
        房審議官    矢橋 有彦君
        通商産業省通商
        政策局長    黒田  真君
        通商産業省通商
        政策局次長   鈴木 直道君
        通商産業省貿易
        局長      村岡 茂生君
        通商産業省産業
        政策局長    福川 伸次君
        通商産業省立地
        公害局長    平河喜美男君
        通商産業省機械
        情報産業局長  木下 博生君
        資源エネルギー
        庁長官     柴田 益男君
        資源エネルギー
        庁石油部長   畠山  襄君
        中小企業庁長官 石井 賢吾君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  清島 伝生君
        大蔵省主計局主
        計官      兵藤 廣治君
        農林水産省構造
        改善局建設部開
        発課長     吉川  汎君
        農林水産省畜産
        局競馬監督課長 嶌田 道夫君
        通商産業大臣官
        房審議官    古川 直司君
        運輸省海上技術
        安全局総務課長 井山 嗣夫君
        建設省建設経済
        局建設振興課長 照井 利明君
        自治省行政局行
        政課長     柳  克樹君
        商工委員会調査
        室長      朴木  正君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十八日
 辞任         補欠選任
  渡辺 嘉藏君     上西 和郎君
同日
 辞任         補欠選任
  上西 和郎君     渡辺 嘉藏君
同月三十日
 辞任         補欠選任
  甘利  明君     小杉  隆君
  奥田 敬和君     坂本三十次君
  加藤 卓二君     斉藤滋与史君
同日
 辞任         補欠選任
  小杉  隆君     甘利  明君
  斉藤滋与史君     加藤 卓二君
  坂本三十次君     奥田 敬和君
同月三十一日
 辞任         補欠選任
  奥野 一雄君     左近 正男君
同日
 辞任         補欠選任
  左近 正男君     奥野 一雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――
#2
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野上徹君。
#3
○野上委員 私は本日、我が国のエネルギー対策、特に石油を中心といたしましたエネルギー対策、並びに本年度で終わりますかつての工業再配置計画に対しまして、さらにまた、ただいま問題になっております貿易摩擦に絡む問題、三点についてお聞きしたいと思います。
 まず最初にエネルギー問題でございますけれども、最近イラン・イラク紛争がまた一段と活発になっておりまして、このエネルギー問題に対しましては絶えず我が国は注意を払っておかなければならない問題であります。昨年の七月にもこの委員会で仲村委員よりそのような質問があったわけでありますけれども、私は改めて現在の我が国の備蓄あるいはエネルギー政策のあり方について御質問をしたいと思うわけであります。
 まず、それに入ります前に私のエネルギー政策の所感についてちょっと述べてみたいと思うのであります。当然我が国はエネルギー資源に乏しいわけでありますが、そうした我が国が今後とも国民生活の向上を図り経済活動の存立基盤をより強化していくためには、エネルギーの安定供給を将来にわたって確保するとともに、先進国の中で極めて脆弱なエネルギー供給構造を改善していくことが我が国に課せられた宿命的とも言える最重要政策課題であると認識しているところであります。
 さて、我々は二次にわたる石油危機の経験から貴重な教訓を得まして、政府・与党一体となって長期的視点に立脚したエネルギー政策、すなわち石油の安定供給、省エネあるいは代替エネルギーの開発導入を三本柱とした各般の施策を展開してまいりました。この結果一次エネルギーの石油依存度は、御承知のように昭和四十八年度七七・六%であったものが最近では約六二%、大幅に改善されてまいりました。さらに六十五年度には五三%、七十年度には四八%まで、つまり五〇%を割るくらいの気持ちで石油依存度を軽減していこう、こういうことでありまして、脱石油化というものを進めているわけであります。
 このような脱石油化、省エネあるいは代替エネルギーの開発に努力した結果、今や国際石油情勢は需要、価格とも緩和するといった状況を創出いたしました。このことは政府・自由民主党のエネルギー政策の正当性を証明するものであり、今後とも我々は自信を持ってこの政策を進め、また、一時的にもそれを緩めることなく計画的に推進していかなくてはならぬ、このように思うわけであります。
 国際石油情勢は今非常に緩和基調にあるとはいいますが、中長期的には石油需給は逼迫化するとの有力な予測もあるわけでありまして、かつまた、最近のイラン・イラク戦争の激化によって、いついかなるときに第三次石油危機が発生するとも予断できない情勢にあることは事実であると思うのであります。このため、我々は、依存度を低下させるとはいえ、今後ともエネルギーの大宗を依存せざるを得ない石油の安定供給を、中東依存度を下げ供給先の分散化を図ることで確保するとともに、より一層のエネルギーの節約、効率的利用を徹底し、かつ、原子力あるいは石炭、LNGの代替エネルギーの開発導入を加速的に推進していく必要があると考えるのであります。同時に、不安定な中東情勢を考えれば、万一の場合を想定した石油備蓄の増強等の危機管理体制の整備も怠ってはいけないと思います。
 そのような観点から質問をしたいと思うわけでありますが、新聞によりますと、イラク側の発表とイラン側の発表というものは、同じ紙面に出ていながら全く相違っているわけであります。私も一昨年安倍外務大臣に同行いたしましてイラン・イラクを訪問したわけでありますけれども、停戦の条件というものを両国とも頑迷に固持しておりまして、今もそれは変わっていないわけであります。そしてそのあげく、そのドンパチがだんだんエスカレートをしてきて、最初は、このイランの石油積み出し基地というものを攻撃するということは余り心配ないのじゃないか、こういうふうに言われていたわけでありますけれども、最近では、カーグ島やあるいはバンダルホメイニといったIJPCのプラントを目がけてイラクの爆撃が行われているというふうに聞いております。またそこに非常に不安が頭をもたげてきたと言えると思うのであります。
 そこで、まず、このイラン・イラク紛争の現在の戦争状態といいましょうか、それをどの程度と正確に我々は理解したらいいのか、その点についてひとつお伺いいたします。
#4
○村田国務大臣 野上委員にお答え申し上げます。
 前提でお述べになりましたように、我が国は原油依存度がエネルギーの面で非常に高い。しかも、その原油のうち、中東地域から輸入をしております中東依存度あるいはホルムズ海峡依存度が極めて高いわけでありまして、したがって、現内閣の外交姿勢においても、また安倍外務大臣も、イラン・イラクとの国際関係というものを非常に重要視し、中東との外交的な対応に心を砕いておられるわけでありますし、私といたしましても、中東のそういったことを前提として、非常に貿易関係は重要であるという認識のもとに対応をしております。
 ところで、今御質問のありましたイラン・イラク紛争につきましては、最近、イラン・イラク双方の都市攻撃などの激化が伝えられておりまして、五月三十日、六月三日及び六日には、イランの石油積み出し基地カーグ島がイラク軍機による攻撃を受けたと伝えられております。
 イラン側によりますと、カーグ島が攻撃を受けたのは事実だが、被害はいずれも軽微または皆無であり、同島からの石油積み出しは順調に行われているというふうに伝わっております。イランはカーグ島からの石油積み出しが不可能とならない限りホルムズ海峡の封鎖は行わないとの立場をとっているため、現段階で直ちに行動に出ることはないと見られております。しかしながら、今後の戦闘の行方は予断を許さず、引き続き紛争の動向を見守ってまいりたいと存じます。
#5
○野上委員 現在、カーグ島からラバン島あるいはシーリー島の方に日本向けの原油はタンカーで持ってきてやっているということでありますけれども、ミサイル攻撃というものもあるわけですが、幸いにして当たっていないのか、あるいは故意に外しているのかわかりませんけれども、仮に、カーグ島で弾が当たった、そしてまた、このカーグ島からシーリーやラバンに持っていくということが不可能になった、このような場合、あるいはさらに、そうしたイラクの攻撃に対してホルムズ海峡の封鎖ということは、アメリカ、ソビエト、いろいろな力関係もあり圧力もありまして、まずそういうことはないと思いますけれども、ホルムズ海峡が万一封鎖等をされたならば、そのときの石油供給確保としては政府はどのように考えておられるのでしょうか。
#6
○柴田(益)政府委員 現在はカーグ島からの石油積み出しは特に支障なく行われておりまして、我が国の原油供給には影響はございません。
 八四年の実績で見ますと、カーグ島からの積み出しは二十一万バレルでございました。先生の御指摘のラバンを含めまして、イランからの輸入は全体で二十五万バレル、全体の日本の輸入量の七%でございますが、ことしに入りましても、月によって若干変動はございますけれども、大体カーグ島からの積み出しは順調に行われているということでございます。万が一カーグ島からの積み出しが不可能になりましても、今、世界的に石油需給は緩和しておりまして、ほかの地域からの入手も可能ということで、基本的には心配ないということでございます。
 なお、先生さらに御指摘の、万が一ホルムズ海峡が閉鎖されたらどうなるのかという点でございますけれども、御案内のように、現在日本には約百二十六日分の石油備蓄がございます。それから、先ほども申しましたように、全体的に世界の石油需給が緩和基調にあり、ホルムズ海峡以外の国の増産も可能である、あるいはIEAを通ずる国際協力体制もあるということで、ホルムズ海峡がとまっても我が国に対する影響は最小限に食いとめることができるだろうと思います。現在百二十六日のストックがありますが、これだけで賄うといたしましても、四十五日分のランニングストックを取り除いてなおかつ、ホルムズ依存度が六四%でございますから、そういうのを勘案しますと、備蓄だけで百二十七日は大丈夫だというようなことも言えるかと思います。
#7
○野上委員 確かに、ホルムズを通ってくる石油というのは一九七三年には約七六%あったわけで、ありますが、それが七八年には七五、そして現在は六四と、こういったふうに中近東、ホルムズを通ってくる石油に対する依存度というのは減っているわけであります。
 ただいまの御説明によります百二十八日あるいは百二十六日といいましょうか、この備蓄日数でございますけれども、このうち民間備蓄が九十七日。これは民間備蓄の目標はたしか九十日だったと思うわけですが、それをややオーバーして九十七日分ある。これに対して国家備蓄が三十一日ということでありますけれども、この三十一日をさらにこれからふやしていくような計画はないのでしょうか。それとまた、その国家備蓄の場合に、民間のタンカーを借りたり、あるいはタンクを借りたりということでありますけれども、国家独自の備蓄施設の増設というようなことはお考えになっているのでしょうか。
#8
○柴田(益)政府委員 先生御指摘のとおり、現在の国家備蓄は原油換算で千七百五十万キロリッターで、三十日分でございます。国家備蓄につきましては六十三年度末までに三千万キロリッターにするということで、今積み増しをする予定でございまして、六十年度、本年度におきましてはそのうち三百万キロリッターを積み増しする、千七百五十万キロリッターを二千五十万キロリッターにするということで今やっております。そのために陸上の七つの国家備蓄基地の建設も進めておりますし、さらには地下備蓄についても検討しているところでございます。
#9
○野上委員 そのような備蓄は、資源エネルギーの安全保障というのは、やはり総合安全保障の中で最重要なものであると思いますので、どんな不安がいつ生じても動揺をしないというだけの備蓄を、ひとつこれからも強力に進めていく必要があると思うのであります。
 さらに、石油代替エネルギーの開発とこれからの長期エネルギー需給見通しについて、ちょっと説明をお願いいたします。
#10
○柴田(益)政府委員 長期エネルギー需給見通してございますが、七十年度を目標として今法律上代替エネルギーの供給目標が立てられております。
 それによりますと、七十年度における代替エネルギーの供給量は、原油換算で二・七億キロリッターということでございまして、その中で、まず石炭については三四・七%、原子力は二七・一%、天然ガスが二二・三%、水力が九・一%、地熱が一・三%、その他の石油代替エネルギー、太陽エネルギーとか石炭液化でございますが、そういうものが五・五%ということで、七十年度における全エネルギー供給は原油換算二・七億キロリッター、そういう代替エネルギーの供給目標を達成するということで今進めているわけでございます。
#11
○野上委員 ちょっと数字的に、私のと食い違うわけではないのですけれども、五十七年度に石油依存度が六二%だったわけですが、それを七十五年あたりには四二%にする、石炭は大体一八%を二〇%程度にする、原子力はこれが一番ふえるわけですが、現在の約七%を一六%にする、天然ガスは七%から一一%にする、こういうような計画が出ているわけでありますけれども、これを見ますと、やはり原子力がこれから石油にかわる代替エネルギーのエースであるわけであります。
 この原子力エネルギーを二倍以上に持っていくためには、現在青森で電車連がやっております核燃料サイクル基地、これに対してやはり国が本格的に関与して、それを強力に進めていくことが必要であると思うのですが、そこはいかがでしょうか。
#12
○柴田(益)政府委員 現在、原子力発電は二十九基になりまして、二千百四十三万キロワットが稼働中でございます。御指摘のとおり、今後原子力発電をさらに伸ばしていく必要があるわけでございまして、目標といたしましては、六十五年度には三千四百万キロワット程度、七十年度には四千八百万キロワット程度の開発を目標としているわけでございます。
 この原子力発電の開発を着実に推進するためには、御指摘のとおり核燃料サイクルの事業化を図る必要があるわけでございまして、原子力発電そのものの信頼性、経済性を高めるということとあわせまして、この核燃料サイクルの事業化が必要であるわけでございます。現在、現地の青森県の方で受け入れの意思が公表されておりますが、政府としても、これを応援してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#13
○野上委員 イラン・イラク紛争で仮に不安が生じても、余りその不安が現在のところはない、しかも原子力エネルギーの開発に力を入れているということでありますので、一応この問題はこれで終わらせていただきたいと思います。
 時間の都合がありますので、途中で中断をいたしますけれども、次に工業再配置計画についてお聞きをしたいと思います。
 御承知のように、この工業再配置計画は五十二年から六十年目標ということで推移してきたわけでありますが、いよいよ今年度で古いこれまでの計画が終わり、新しい工業配置計画を策定するわけであります。そこで、この今年度までの工業再配置計画はどの程度の実績を上げ、その計画目標がどの程度達成されたか、簡単に御説明をお願いします。
#14
○平河政府委員 現行工業再配置計画の実情を簡単に御説明いたします。
 現在の計画では、昭和六十年を目標にしていろいろな目標を想定しているわけでございます。その中で移転促進地域、これは東京、大阪、名古屋の一部等でございますけれども、移転促進地域からの工場移転及び誘導地域での工場の新増設につきましては、おおむね計画どおりに工業の地方分散が進捗しております。ただ、産業構造の変化等によりまして、その結果であります出荷額ベースで見ますと、地方への工業分散が不十分な状況である、かように考えております。
 この背景としましては、地域間の産業構造の差異あるいは技術基盤、情報化基盤といったようなものの整備状況の格差に原因があるのではなかろうか、かように考えております。
 このような状況を踏まえまして今後の新しい計画の策定を考えていきたいと思っております。
#15
○野上委員 工業出荷額の点でありますけれども、昭和四十九年度移転促進地域二三%であったものを一一%ぐらいにしよう、あるいは誘導地域を三〇%にしよう、太平洋ベルト地域を六九%を六〇%にしよう、これがいずれも大幅といってはなんですけれども達成されていないその原因については今お答えがあったわけでありますが、次の新しい工業計画ではこの数字を一体どの辺に置くのだろうか。確かにマクロフレームがまだ確定しておらないようですからなかなか出せないと思いますけれども、昭和六十年のこの目標数値をやはり相当前進させなければこの新計画の価値がないと私は思うわけでありますけれども、その点いかがでしょうか。
#16
○平河政府委員 具体的な数字の目標をどの辺に置くかにつきましては、今先生からも御指摘ございましたように、全体の経済成長のパターン等がわからないとなかなか計算できないのではないかと思います。現在、国土庁を中心にいたしまして第四次の全国総合開発計画の検討もしておりますし、そういう全体的な流れを踏まえて具体的な数字はつくっていきたいと思いますけれども、定性的な考え方としましては、従来の工業再配置計画の考え方を踏襲いたしまして地方への工業分散をなお積極的に図っていきたい、かように考えております。
#17
○野上委員 この計画の中で、中心は、テクノポリス構想というものが昨年から実施されているわけでありますけれども、このテクノポリス構想というのは企業の工場の地方分散ばかりではなくて、技術の地方移転あるいは地域の経済の活性化という意味で地方から大変熱い期待をもって迎えられている構想でございます。この点について質問をしたいわけでありますけれども、これまでにテクノポリスに指定されているところは十五ほどあると聞いておるわけでありますけれども、これは将来何地域ぐらいに拡大されていくのでしょうか。
#18
○平河政府委員 お答えします。
 法律に基づきまして現在までに開発計画を承認いたしましたテクノポリス地域が十五地域でございます。それから、現在開発計画について審査中のものが三つございます。これで合計十八でございますが、その後私どもの方に、将来テクノポリス計画を進めたいと説明をいただいている県が数県ございます。目下のところはそういう状況でございます。
#19
○野上委員 このテクノポリスにはいろいろ広い意味が込められているわけでありまして、研究開発機能だとか、あるいは地域の産学官の異業種交流だとか、あるいは新技術、新製品の開発だとかいろいろあるわけでありますけれども、この中で、地域にとってみますと、やはり企業立地をしましてそこに付加価値の高い産業を誘致する、これが一番力の入るところなのであります。そこからいたしますと、例えば富山県もテクノに指定されておりまして、立地といたしましては八尾中核工業団地、こういうものをつくっておるわけでありますけれども、この中核工業団地、中核に限らず、こういう立地というものは全国的に大体どのくらいの面積で予定しているのか。現在どのくらいあるのか。そしてせっかく立地した用地が、そこに企業がどんどん来てくれないとそれは意味ないわけであります。調べたところによりますと、お隣の石川県の能登あたりは、売れ行きといいましょうか誘致が非常におくれているというふうに聞いているわけでありますが、そこら辺の企業立地のこれからの考え方と、これまでの実績についてお伺いしたいと思います。
#20
○平河政府委員 先生の御指摘はテクノポリスあるいは中核工業団地等の進捗状況なり、それに対する企業の立地について政府はどういうことをやっておるか、こういう御趣旨だと思います。
 テクノポリスの地域指定後、各県とも非常に積極的な企業誘致等を図っておりまして、我々の方に来ております説明でも、立地も前年に比べますと数十%上がっておる、そういうところが多くなっております。
 それから、これに対する国の方の施策といたしましては、テクノポリス地域内に工場を新増設いたしました場合の特別償却、あるいはテクノポリス構想推進のためにつくりました産業技術振興機構に出捐した場合の負担金の損金算入の特例、その他固定資産税の減収補てん措置等いろいろな措置を講じて応援しているわけでございます。
 また一方、先生から御指摘いただきました中核工業団地につきましては、富山の八尾を含めまして十数カ所既に建設しておりまして、大小いろいろございますけれども、私どもが考えておりますのは、ほぼ百ヘクタール前後の大型の工業団地を中核工業団地として形成をする、これをその地方におきます工業の中核的拠点として企業誘致していこう、こういうことを考えている次第でございます。
 特に御指摘のございました富山の八尾の中核工業団地は、昭和五十四年二月、富山県及び八尾町から事業の要請が出ておりまして、これを受けましてその後五十五年から工事に着工いたしまして、五十八年の十月に第一期分の工場用地について既に分譲を開始しております。なお、第二期工事につきましてもその後既に着工しておりまして、ことしの十一月には完了する予定になっております。
 これらの工業団地についての企業誘致につきましては、これらの工業団地をつくる主体でございます地域公団それから富山県及び地元の八尾町が協力いたしまして、団地の説明会あるいは現地の視察会、個別の企業訪問等積極的に実施しております。このほかに富山県独自で企業立地の推進の補助金、企業立地促進費金融及び固定資産の減免等の助成制度も創設いたしまして鋭意努力しておりまして、我々もこれらの地元の努力に対しましてテクノポリスの促進税制、補助金交付等の助成策を講じて支援しているところでございます。
#21
○野上委員 これで中断をさせていただきます。
#22
○粕谷委員長 後藤茂君。
#23
○後藤委員 大臣が参議院の本会議の方に出席をされるということで、野上委員の御協力をちょうだいいたしまして、大臣が出席をされておられるところで若干の時間、石油製品の自由化問題だけにしぼりまして御質問申し上げてみたいと思うわけです。
 今度の予算委員会におきましてもこの問題は大きな議論になりましたが、特に最近、新聞紙上も石油の消費地精製主義が揺れ始めてきたとか、あるいは石油製品の自由化に対応して大変慌ただしい動きになっているということが連日のように報道されているわけであります。大臣はボン・サミットにも行かれまして、特に先進国からのいろいろな自由化に対する要望等についても聞かれておられると思うわけでありますが、特に、先月の十四日ですか、オードランドECエネルギー総局長がこちらに参りまして、中近東で新たに石油精製基地が稼働し始めている。私も数年前にサウジアラビアのジュベールヘ行ってまいりました。まだあそこでは建設が半ばでございましたので、私もこれを十分に把握することはできなかったのですが、恐らくサウジにおいても、あのジュベールの基地が稼働し始めるということになってまいりますと、この自由化問題等が新たな問題として起こってくるのではないかということを感じとってきたわけであります。
 先月、このジュベールも日量二十五万バレルで試験稼働に入った、こういう情報も聞いているわけであります。そうしたいろんな動き、とりわけアメリカのUSTRからも、これは非公式らしいですが、日本にガソリンの輸入を求めているとか、さらにはまた、政治日程としては、六月十三日に日本・ECエネルギー事務レベル協議が行われる。六月二十日にはECエネルギー担当相会議が行われる、これは大臣も出席をされるのだと思うのです。さらに七月の九日にはIEAの閣僚理事会が行われる。あるいはまた、この問題に関しての、特に自由化に関してのアクションプログラム等もこれから提案していく、そしてこの原則自由を進めていく、例外に聖域を設けないというような中曽根総理の発言も聞いているわけであります。
 この問題に対しては、大変大きな波紋を投げるだろうと思うのです。特に消費地精製主義というのが、非常に重要なエネルギー資源であります石油の安定供給、あるいはセキュリティーの観点からいきましても、大きな役割は果たしてきた。しかし、先ほど私が申し上げましたようないろんな動きがあるし、これは避けて通れないわけであります。
 石油審議会の小委員会の方で今その対応策を検討されているようでありますけれども、こうした外交日程といいますか、政治日程が押し迫っている中で、大臣、この石油製品の輸入自由化の問題、それから消費地精製主義を今日までとってきた石油政策のあり方、あるいはまた今後の対応策によりましては、いろいろな問題を引き起こしてくるだろうと思うのですけれども、ひとつこの問題に対する大臣のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
#24
○村田国務大臣 後藤委員にお答え申し上げます。
 一連の石油をめぐる国際情勢について、種々御指摘がありました。私も七月上旬に開かれるIEAの国際会議には出席の心組みでありますし、また、今まで石油問題に関連いたしましていろいろな対応をしてまいりました。また、例えば先ほど野上委員が御質問になりました中東地域の情勢であるとか、いろいろな情勢があるわけでございます。
 先月には、実はサウジアラビアの大臣が来日をいたしまして、そのときもいろいろと懇談をしたわけでございます。
 さて、全般として申し上げますと、石油は我が国一次エネルギー供給の六割以上を占める経済社会の重要物資であります。そして国家経済、安全保障に密接な関連を有する基礎物資であります。我が国においては、石油のほぼ全量を海外に依存せざるを得ないという状況である。そしてこのために、石油の供給確保のためには、原油または石油製品のいずれかを輸入せざるを得ないわけでありますが、我が国の石油製品の需要構造に、世界の石油製品の供給構造が適合するという保証は前提として全くないわけでございますね。したがって、我が国の需要構造に適した石油製品の供給を確保するためには、原油を輸入して我が国の需要構造に適合した供給を行っていくということが必要である。そこで、我が国においては、消費地精製主義を基本といたしましてやってきております。この基本的な考え方は、欧米諸国においても同様でございます。
 とはいうものの日本の場合、石油製品輸入化率は近年増加しておりまして、五十八年には約一八%に達しておりまして、欧米諸国に比して大きな隔たりはない水準にまで来ておるわけでございます。
 後藤委員が御指摘になられました最近の国内的な問題としては、例のライオンズ石油の輸入問題を、通産大臣権限によって輸入を断念してもらい、そして既に持ち込まれた石油製品については、これを臨時的に、二度とそういうことをしないというお約束のもとにあっせんをしたというような事情があったわけでございますが、こういった状況もあるわけでございまして、中長期的に見れば、石油審議会の小委員会においてこれをひとつ消費地精製方式を基本としながら、いかに漸進的に国際化を図っていくかということを検討をしていただいておるということでございまして、原油依存度、そしてまた石油代替エネルギーの問題、エネルギー全体についてのそういった今後の動向を考えながら、消費地精製方式についてもいろいろ検討をしていく、そういう基本的な方針で進んでおるところでございます。
#25
○後藤委員 消費地精製主義を我が国がとった背景、あるいはまた今後の安定した石油の供給、こういうことを考えてまいりますと、今いろんな波が立っているわけでありますが、これにもちろん対応していかなければならぬということは当然でありますけれども、事は石油エネルギーが非常に重要なエネルギー源でございますので、ぜひひとつ政府としては慎重に対応してもらわなければならぬと思うのです。
 今、石油審議会の方で検討されているわけですから、それを待って、ということもあるでしょうけれども、政府の方の基本的なスタンスがしっかりしていないと、やはり誤る危険性がないだろうかということを私は心配いたしております。
 石油製品の輸入が日本は非常に閉鎖的であり、大きな開放の体制をとってない、こうよく言われておりますけれども、資料を見ますと、イギリスにおいては一〇%あるいはフランスが二二%、西ドイツも二二%、OECD全体としては一三・六%というような数字を私は見ているわけであります。日本は一一%ということになりますと、フランス、西ドイツに比べるとちょっと低いですけれども、しかしそう大きく閉鎖的ではないと思います。
 もちろん消費者の観点からいきますと、安いガソリンが入ってくるということは、のどから手が出るほど欲しいわけですが、しかしエネルギーというのは、そういうスポットを追いまくっていくということになりますと、長い目で見ると、やはり大変大きな問題があるだろうと思います。今日まで育ててきた国内石油精製業というものが、今、景気の停滞の中で大変混迷してきている、あるいはたくさんのガソリンスタンド等の中で多くの労働者が働いているわけであります。
 そうした国内の状況等を十分踏まえていきながら、ぜひこの製品輸入自由化の問題に対応していただきたいと思うのです。特に、このガソリンだとか、あるいはスポット的に購入いたしますと、当然、重油であるとか灯油であるとか、ほかの製品にコストを負担させていかなければならぬということになって、これまた生活あるいは経済に大きな影響も与えていくだろうと思うのです。私は、この石油製品の輸入自由化絶対反対という立場をとって申し上げているのではなくて、避けて通れない課題ではありますけれども、事は非常に重要なエネルギー政策でございますから、十分にひとつ検討して、国内への波及がどうなるか、あるいは輸入する場合にはどういうような輸入方法をとっていくのか、今日の石油業法なり、あるいは揮発油販売業法等々の、これまでの国会でも論議した背景というものも十分にひとつ踏まえて対処していただきたいということが一つ。
 それからもう一つは、この間総務庁が行革審に報告した規制緩和の行政監察結果が、これは正式に発表されたのでしょうか、新聞紙上等で見るわけでありますけれども、ガソリンなど石油製品の輸出入の規制を緩和し、輸出入を漸進的に拡大するよう求めたという監察結果報告が報道されているわけであります。これは恐らく大臣も御存じなのではないかと思うわけですが、こういった行革審への報告、それから先ほど提起いたしました各国の動き、そしてそれを中心にしてこれから六月、七月にかけて、いずれにしてもこれに対する政府としての考えを明らかにしていかなきゃならぬ場合に、輸入が非常に閉鎖的であるという前提に立つということではなく、また国内の精製なり、さらにまた雇用なりという問題を十分に踏まえて、この問題に対処していただきたいと思うのですが、この行革審への報告をどういうように考えておられるのか。
 それから、前段私が申し上げました消費地精製主義をとってきたこと、それに一つの波紋を投げることによる雇用の問題なり、あるいは国内精製業に与える影響なり、元売からスタンドに至る、そうしたいろいろな影響に対してどのように対処されようとしているのか、この見解をお伺いいたしまして、時間が参っているようでございますので、大臣への質問を終わりたいと思うのです。
#26
○村田国務大臣 後藤委員の御質問にお答えいたします。
 なお、具体的なデータ等につきましては、資源エネルギー庁長官が残りますので、後ほど御質問があればお答えをしたいと思います。
 昨年の六月四日の石油審議会の石油部会小委員会報告では、消費地精製方式については、連産品たる石油製品の長期安定供給の確保等を図るため、今後ともこれを基本としつつも、内外の諸状況から見て、極力国際化の方向を目指していくことが必要であるということで、国際化に当たっての考慮すべき諸点を列挙しております。この線に沿ってずっとやってきておるわけでございますが、さらに昨年来の一連の動向に関連をして、石油審議会石油部会にこの新たなる検討を御依頼し、そして今後の動向を考えておるところでございます。
 先般の行革審の問題についての指摘につきましても、やはり現在の石油状況に対応する非常に大切な御指摘であるというふうに受けとめまして、今後の石油産業の構造改善方向ということで考えておるところでありますし、また全般として後藤委員がお述べになられましたように、石油業界、非常に厳しい状況にございます。したがいまして、会社の経営自体もなかなか困難な点があるようでございますし、さらに石油スタンドあるいはそういった産業に働いておいでになられる方々のいろいろな状況を考えてみますと、今後の動向というものが非常に重要である、また世界のエネルギーの供給構造というようなものとも関連をして根本的に考えていかなければならない問題であるということをよく認識しておりまして、消費地精製方式を前提としつつ、しかも漸進的な国際化、それに対応する国内業界のあり方あるいは働いていらっしゃる方々のあり方というものをきめ細かく調査をいたしまして対応してまいりたい、このような基本的な考え方でやっております。
#27
○後藤委員 大臣、結構でございます。
 エネ庁長官に一言だけちょっと申し上げたいのですが、ECのエネルギー総局長オードランドさんが来日いたしまして、いよいよ中近東の方で約六千万トンばかりの精製能力を持って、八三%ぐらいの稼働率でいくとすると五千万トンというのがこれから新たに市場に出てくる、それを日本とECとアメリカとで分担をしていくべきではないかというような発言があったと聞いております。
 また、仄聞するところによりますと、メジャーのエッソ極東副社長の八城さんがこの間経団連で講演をして、アメリカではガソリン輸入によって相当その関係業者が倒産をしていった、やはりガソリン輸入という場合に相当深刻に事態の影響を考えておかないと大変だ、つまり、ガソリンを輸入することによって他の製品に価格転嫁をしていくということは、結局大きなリスクを全体に背負っていかなきゃならぬので、軽々にこれに飛びつくということはよくないのではないか、こういうような発言があったというように聞いているわけです。
 もちろん、メジャーですから、いろいろな国際的な配慮をしていきながらの発言、政治的発言だというようにも受けとめるわけでありますけれども、車はやはり、これまでとってまいりました消費地精製主義、そして石油の安定供給という観点を崩すことがないような形でこの問題を取り上げていくべきだという示唆的な動きであろうというように考えられる。
    〔委員長退席、渡辺(秀)委員長代理着席〕
 八三%の稼働率というのは私はちょっと高過ぎるのではないかと思うのですけれども、いずれにしても、四千万トン、五千万トンというのが新たに先進国市場に入ってくるのを一体どうするかということも問われてくるわけであります。先ほど大臣は、これまでとってきた態度を十分にしっかりと踏まえながら対応していきたいということのようでございますけれども、長官いかがでございましょうか。
#28
○柴田(益)政府委員 後藤先生の御発言、まことにごもっともでございます。
 先般、FCのエネルギー総局長であるオードランド局長が資源エネルギー庁にも参りまして、我々も一日話をしたわけでございますけれども、お話にございますような中東のエクスポートリファイナリーが六千万トンできてくる、そのうち五千万トン程度が先進国で協調して何とかしなければいかぬだろうというような話がございました。具体的に日本がどうしろということは言っておりませんけれども、まあ五千万トン程度出てくるので、それについてお互いによく話をしていかなければいかぬというような話もございました。
 先ほど来、この石油製品の輸入問題についての基本的な考え方は大臣がるる申し上げているとおりでございまして、消費地精製方式を基本としながら、石油精製業あるいは中小企業が大部分であるガソリンスタンド、そういうものに対する影響を十分考えながら漸進的に、方々の意見をよく聞きまして進めていくということでやってまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。
#29
○後藤委員 ありがとうございました。
#30
○渡辺(秀)委員長代理 野上徹君。
#31
○野上委員 先ほど、テクノポリスのところで中断したわけでありますけれども、このテクノポリス構想は、とにかく地方自治体が主役である、その自治体の自助努力によってこれを進めなさい、こういうものであります。このテクノポリスというものは、今、政府の皆さん方はどのような感触を持っておられるかわかりませんが、地域では、地域経済の活性化という二十一世紀に向かう唯一最大の夢はこのテクノポリス構想にあると言っても過言でないわけであります。先ほども言いましたように、地方の経済界あるいは住民はまさに熱い期待を持っているわけであります。
 そこで、このテクノポリスというのは、広い地域に網をかけて、そこに企業を持ってきたり、研究機関を持ってきたり、技術を持ってきたりというわけで、それはまさに工業再配置の骨格になっている構想であると思うのですけれども、この四月に工業再配置基本問題懇談会が出しました中間報告によりますと、工業団地を成功させるためには、そのインフラストラクチャー、つまり、インフラと言われておりますけれども、立地条件の整備あるいはリース制度等新しい供給方式の導入あるいは工業以外の用途への一部転用等対応策を多角的に検討していきなさい、こういうような中間報告が出ているわけでありまして、地方自治体の努力はもちろんそれが主体でございますけれども、やはりテクノポリス支援策の的確な拡充というものがあって初めてこれが成功していくのではないかと私は思うのであります。したがって、そこにはテクノマートだとか、あるいは研究機関の誘致だとか、あるいはニューメディアコミュニティーとか、こういったものが重点的に指定をされ、あるいは設置をされていかなければならないと思うのですが、まず、その第一点で、私は地元のいろいろな声を聞いておりますと、やはり企業を誘致する場合にでもこのインフラ、つまり立地条件の整備というものが大変渇望されているわけであります。
 たくさん、十五地域もあるわけでありますが、幸い富山県がその一つでありますので、私は、その富山の実態を通して、よその地域も恐らくそういうことを渇望しているだろうということから質問させていただくわけですが、立地に最も必要なのはやはり道路だと思うのであります。そして、道路予算というのは、特に最近はスーパー農道なども大変大きなウエートを地域においては持ってきているわけでありまして、例えば富山あたりでもスーパー農道二本、今実際にやっているわけでありますが、このテクノポリス関係の中でやられているわけであります。その中で、特に中部スーパー農道などというのは、まさに八尾の中核工業団地への企業誘致のかぎを握る道路であるというようなわけであります。ところが、こういった道路整備は建設省あるいは農林省のサイドで、その予算に見合った、これはテクノポリスの指定地域であろうと、あるいは指定されていない県であろうと、やはり道路予算というものはありますので、それと同じようなウエートでやっていただきますと、なかなか進捗状況がはかどらないわけであります。
 そこで、テクノポリス支援策のまず最も必要とされているのは、何とかテクノロードみたいな考え方を少し加味していただいて、例えばスーパー農道にも農林省の補助だけではなくて、そこにプラスアルファ、プラステクノロード的な面を少し加えていただきまして、その進捗を早めていただく、これがやはり非常に望まれていることなんでありますが、いかがでありましょうか。農林省、建設省、ちょっと答えていただきたい。
    〔渡辺(秀)委員長代理退席、委員長着席〕
#32
○吉川説明員 お答え申し上げます。
 ただいまスーパー農道というお話がございましたが、構造改善局の所管で広域営農団地農道整備事業という事業を実施いたしております。
 今、お話しございましたように、富山県におきましてもテクノポリスに関連した地域におきまして広域農道を実施をいたしておりまして、本来の目的はやはり営農団地を育成するということが目的ではございますが、道路という性格からいいまして、副次的に地域の産業開発道路としての役割を果たしたり、あるいは農村道路としての性格をあわせ持つものでございますので、事業の実施に当たりましてはそういった面も十分配慮しながらやっておるところでございます。
 しかし、なかなか大変な規模を抱えておりまして、六十年度におきましては約二百九十地区で六百億の予算で全国を実施いたしておるわけでございますが、その予算ではなかなか各地域の要望を満たせないという実は状況でございます。そのために有効的な事業の予算箇所づけをしたいということで、地域地域の御要望を十分お聞き取りいたしまして、そういった他産業の関連で要請があるものにつきましても予算の配慮をするようにということで実は実施をしておるのが現状でございます。ちなみに富山県のテクノポリス関連では、農林省の予算だけでは非常に足らないものですから、昨年度におきましては国土庁にお願いいたしまして調整費をいただきまして、調整費の活用を図りながらそういった御要望にもこたえていくという手だてを加えておるわけでございますが、今後ともそういった御指摘の御要望につきましては十分配慮するよう努力をしてまいりたいと考えております。
#33
○野上委員 テクノロードというような考え方は、やはり通産サイドのことだからそっちでやってくれよということになるかと思いますけれども、建設省も来てもらっておりますが、同じような答えになると思いますので、御答弁は結構ですけれども、そういう予算づけのときにはやはりテクノポリス関係の道路関係は少し注目していただいて、そこら辺のさじかげんはひとつよろしくお願いをしたいと思うわけであります、
 次にテクノマート、これも非常に人気の高い、今のニューメディア、先端技術の時代におきましては、地方にとっては大変重要な施設にこれからなってくると思うのですが、今、支部といたしましては三カ所しかないわけでありますけれども、これからこういったテクノマート関係はどのようなふくらみを見せてくるのだろうか、非常に興味を持っているわけです。いかがでしょうか。
#34
○平河政府委員 最近の急速な技術革新のもとで、地域経済の自立的発展を図るために、大都市と地方との技術格差を是正する必要がある、それによりまして地域の技術基盤を強化いたしまして、地域による工業の発達を図っていこうというのが必要であるという認識を持っております。このために私どもといたしましては、企業活動に直結するような付加価値の高い技術情報を全国的スケールで円滑に流通させよう、こういう目的で今御指摘のございましたテクノマート構想を推進しているところでございます。一応その構想は財団法人の形でことしの七月にも設立したいと思って準備を進めておりますけれども、今後数年の程度で全国のネットワーク化まで進めてまいりたい。
 御指摘のございました支部の問題でございますけれども、一応東京に本部、これに準ずるような形で大阪に副本部的なものを置く。あと、支部につきましては各地域でこの事業に協力をしていただく主要な地方都市、こういうものを考えておりますが、現在、富山あたりを初めとしまして全国に三、四カ所、今年度にもスタートしたらいかがかな、こういう計画を進めているところでございます。
#35
○野上委員 いろいろお聞きしたいわけですが、この工業再配置、テクノポリスのほかにテクノマート、そしてコミュニティーマート、これは商店街づくりの新しい発想でありますけれども、こういったもの、やはり地域の経済の活性化というために手を挙げてくる、そしてその条件がかなっているものに対しては積極的に指定をしていただき、また、力添えをいただきたいと思うのであります。
 時間がございませんので、次に移ります。
 四日の閣議で中曽根首相は、六、七月は市場開放のための重要な時期になる、四月九日の対外経済政策は我が国の国際的公約であり、行動計画を策定して市場開放を進めないと我が国の国際的信用にもかかわる、こういうことでありまして、それのアクションプログラムを七月あたりを目途にできるだけ早い時期に策定をしなくてはならない、そういう時期に来ていると思うのであります。私は、ボン・サミット以前にアメリカのヒステリックな日米貿易摩擦論がありましたので、向こうの議員や政府あるいは文化人がどのような発言をしているかということをいろいろ調べたわけでありますが、大変なことを言っているわけであります。例えばダンフォースあたりは、もはや言葉によって交渉、抗議、侮辱すべきではなく、実際に行動すべきときが来た、こういうようなことを言っておりますし、ディクソンというイリノイの上院議員は、現状にこれ以上我慢ができない、日本に対してより強硬な態度をとるべきだという機運が高まっている、こういったことを議会を中心にして言っているわけであります。しかし、御承知のように、日米貿易赤字というのは必ずしも日本にばかり責任があるのではないという議論もあちこちでされておるわけであります。
 時間がございませんので、簡単に質問をし、お答えも簡単にしていただきたいと思うのですが、まず最初に、米国の貿易赤字の拡大が非常に大きい、しかし、その拡大の要因は日本の対米貿易だけにあるのではないんだということをこれからも強くアピールしていかなければならぬと思うのですが、この辺、実態はどのようなものでありましょうか。
#36
○鈴木(直)政府委員 先生御指摘のとおり、日米貿易関係をめぐりまして、三月から四月にかけまして議会を中心に大変大きな不満が高まったことは事実でございます。特に対日貿易インバランスの拡大、さらには、我が国の市場が閉鎖されているのではないか等々が議論の中心であったと存じます。
 そのような側面が一方にあるわけではございますが、私どもといたしましては、日米間の貿易のインバランスそのものの原因といたしましては、アメリカサイドにも高金利あるいはドル高、さらにはアメリカの経済がほかの国に比べて非常に高く成長したという側面もあるわけでございますので、私どももやるべきことはやる、しかしアメリカサイドにおいても努力していただくことは努力していただく、かような形で世界全体が総合的ないろいろな対策を進めていくことが非常に重要なことじゃないか、そのようなことをかねがね主張しているわけでございます。
#37
○野上委員 一つ数字的な御説明をいただきたいのです。アメリカの膨大な貿易赤字の中で日本の赤字というのは、そんなに決定的な、それほど批判されるに値する数字なんだろうかと思うのですけれども、数字的な説明を簡単にお願いします。
#38
○鈴木(直)政府委員 例えば昨年、一九八四年のアメリカ全体の赤字は千二百三十三億ドルございましたが、我が国の赤字は三百六十八億ドルということで、三分の一弱ということでございます。やや歴史的に申しますと、八一年ごろにおきましては四〇%強が我が国との関係で生じました赤字でございますので、傾向といたしましては日本との関係の赤字は縮小しているということでございます。ただ、一国当たりを取り上げますと我が国の赤字は一番大きいという面は一方にあるわけでございます。
#39
○野上委員 ボン・サミットを境にいたしましてアメリカにおきましてもやや鎮静化というような傾向でありますけれども、この問題はこれから出たり引っ込んだりでずっと続いていくような気がするわけであります。大臣がおられないので残念でありますが、ニューラウンドに向けてアクションプログラムの策定、これは通産省としてどのくらい進んでいるのでしょうか。六日の新聞に三年で工業品関税をゼロにするというような記事が出ているわけですが、単に関税の引き下げのみならず、その他のアクションプログラムに盛り込まれるいろいろなポイントがあると思うのですが、そちらの方がむしろ根深い、そしてまた外国諸国が次に強く迫ってくる問題が含まれていると思うのですが、その点について簡単にコメントをお願いします。
#40
○鈴木(直)政府委員 日米貿易関係につきましては、先生の御指摘のとおり非常に大きな問題になったわけでございますが、それ以後四月九日に対外経済対策を決定し、あるいはまたボン・サミットにおきまして先進諸国の理解を受けるというようなことで、やや鎮静化をしているわけでございます。しかし、日本の黒字は拡大傾向にございまして、依然として日本に対する不満は非常に大きいわけでございます。御指摘のとおり、七月に決定を予定しておりますアクションプログラムに対する各国の期待は非常に高うございます。
 アクションプログラムの中身は、御指摘のとおり、関税のみならず基準・認証あるいは政府調達、サービス貿易さらには金融市場、資本市場の自由化等々、非常に広範囲にわたる問題につきまして私どもといたしましては現在検討しているわけでございますが、国内の諸情勢も勘案しながら、各国の期待にこたえられるようなものをぜひつくりたいということで、省内及び関係省庁と現在鋭意努力をしているというのが現状でございます。
#41
○野上委員 関税はもちろんでございますけれども、例えばまた向こうの上院議員の言葉をかりるならば、カステン上院議員は、私は閉鎖的政策について日本人と交渉するのにもううんざりしている、日本からの輸入品に対する基準・認証措置を日本国様厳しくすべきである、というような感じで日本の基準・認証措置に対して言っているわけでありますし、また輸入課徴金、こういったものをかけるぞというようなおどしもあるわけであります。
 そういうようなことから、このアクションプログラムには大変諸国の目が向いていると思いますし、米国のみならずASEAN諸国や欧州から関税についてのいろいろな個別の要望もあるわけであります。もちろんこれに個別にこたえていかなければならぬでしょうけれども、他方で、ガットのニューラウンド交渉における最大のテーマの一つであります相互引き下げという形をこれからとっていかなければならない。つまり当面の対応とガットの交渉への対応と両方考えていかなければならぬわけでありますが、今後ガットのニューラウンドに通産省としてどのように取り組んでいくおつもりですか。
#42
○鈴木(直)政府委員 御指摘のようなアメリカにおきます国内の保護主義の動き、あるいはまた諸外国におきます同様の動き等々を背景にいたしますと、自由貿易の維持という世界経済の発展のだめに非常に重要な条件を今後とも発展させていくために、新ラウンドの実現は非常に大きな課題でございます。その新ラウンドの過程におきまして、先生御指摘のように、例えば関税につきましては、従来ケネディ・ラウンドとか東京ラウンドで実現してまいりましたように相互に引き下げていく、貿易障壁をなくしていくことは非常に重要でございます。その辺につきましては、私どもももちろん先進国の中で重要な位置を占めながら積極的にやっていかなければならないと考えておりますが、一方におきまして先生御指摘のとおり、アメリカあるいはまた最近におきましてはASEAN諸国等、我が国の関税の一方的引き下げというものに対する要求も非常に強うございます。私どもといたしましては、一方におきまして将来も新ラウンドを考慮いたしました関税の相互引き下げに関します基本方針を踏まえながら、一方最近時点におきますアメリカ、ASEANあるいはまたヨーロッパ諸国等々の関税の引き下げ要求につきましても十分配慮をしていかなければいけない、両方を踏まえたアクションプログラムというものも考えてまいりたいと考えておるわけでございます。
#43
○野上委員 先ほどからも言っておりますように、例えば大来佐武郎さんなど、対外経済問題諮問委員会の委員長でございますけれども、こんなことを言っているのですね。七月に予定されている政府の市場開放のためのこのプログラムは月並みなものだと、秋ごろから米国と欧州が共同で対日批判をさらに強める可能性があり、日本は深刻に考えた方がよろしいですよと、イギリスでこういうようなことも言っているわけですが、まさにここら辺で日本側ができることとできないことというものをある程度もう突き詰めて、小出しにしていくということではなしに、総理も言っているように思い切ってここら辺で対応するものは対応していくということが私は大事だと思いますし、アメリカにいたしましても保護主義をとればそれはやがて自分にはね返ってくるのだというような理解は十分にあると思うのです。しかし、そういう中でやはりこの相互主義というものは毅然として守るべきところは守っていただきたい、このように思うのであります。
 大臣がおられないので、大臣の御決意なりいろいろなことをお伺いをしたかったわけでありますけれども、それは別の機会にいたすといたしまして、最後に、ニューラウンドの早期開始というもの、これは八六年の開始の見通し、これはいかがでしょうか。
#44
○鈴木(直)政府委員 先般のボン・サミットにおきまして、我が国はアメリカあるいはまたカナダと同様に来年度新ラウンドの交渉開始ということで最大限の努力をしたわけでございますが、フランスの消極的な意見というようなことで、そこまで最終的な結論にまいらなかったわけでございます。しかし、EC各国も含めまして新ラウンドを推進しなくちゃいけない、こういう基本的な点につきましては合意はできております。
 そのような前提で、当面最大の課題はハイ事務レベルでの準備会合を速やかに開始することだと考えております。今年夏、できれば七月にも開催するというような方向で各国と鋭意努力を進めたいと思っておりますし、大臣も出席いたします七月に開催されます四極貿易大臣会合、そこにおきましてもEC代表が参りますので、ぜひこの夏にでもハイレベルの準備会合を開き、来年の交渉へ向かっての準備を進めるというような具体的な方向につきまして最大限の努力をしたいというのが私どもの基本的態度でございます。
#45
○野上委員 時間が参りましたのでこの辺で終わりますけれども、いずれにいたしましても、このアクションプログラムに対する世界の目は大変なものがあると思いますし、秋の、例えば黒字減らし対策にいたしましても、やはり思い切ったことをやっていかないと、この貿易摩擦というのはますます激化してくると思うのであります。
 時間がございませんので、また改めて別の機会に質問させていただくことにいたしまして、私の質問は終わりたいと思います。
#46
○粕谷委員長 これをもちまして野上徹君の質疑は終わりました。
 続きまして、上坂昇君の質疑に入ります。
#47
○上坂委員 今、報道機関を初めとしていわゆる悪質な商法に対する問題が非常に大きく取り上げられておりまして、当委員会の小委員会におきましても、参考人に来ていただいていろいろお話を承ったわけであります。
 こういうのが私のところへ出てまいりました。それは川崎市に住む七十歳になる御婦人でございますが、その自宅に強引に参りまして、豊田商事の系列であるいわゆる鹿島商事、これが豊田ゴルフ場というのを持っているわけでありますが、この鹿島商事が参りまして、ゴルフクラブの会員になるように入会を勧めて承諾を得てしまったわけであります。この人は実は公害病患者でありまして、公害手帳も持っているし、二級の認定をされておって、障害補償も支給をされている人でありますから、ほとんど社会的な活動はできない。それで一人で暮らしているわけであります。そこへ乗り込んでいって、三人か四人乗り込んでいったようでありますが、そしていつまでたっても帰らない。とうとう強引に引っ張り込んで会員にさせた。
 ところが、会員にさせると、今度は会員権を渡しますと、その会員権を利用するところのいわゆる「ゴルフオーナース契約書」、こういう名前の賃貸契約書を締結をさせて、それで三回分に分けてやりまして五百万円をとってしまったわけであります。ゴルフクラブの会員ということでありますから施設の利用ができるかと思うと、実は賃貸契約をした場合には、その賃貸契約書に、ゴルフの施設を使ってはならない、「禁止する。」という条項まであるのです。そういう契約書を結んで五百万円とってしまったわけであります。
 そこでお聞きをしたいのですが、その前に経過を説明しますと、そこで、これは身内の者がおりまして、これは大変だ、五百万円持っていかれちゃって公害補償でもらったお金が全然なくなってしまったということで、会社に交渉をしたわけです。そして返してくれという交渉をしたところが、一割二分の賃貸契約書で、十年間の契約でありますから、向こうが一年間一二%ずつ払うことになっているのです。その一二%の利子といいますか、そういうものを返せ、それからゴルフの会員権については、これはあなたには渡せないし、これは売らないとお金にならないのだ、売るまでは、いつ売れるかわからないけれども、あるいは現在値下がりをしているかもしれない、だから予想としては大体五割程度にしか売れないだろう、だから百万円のものでありましたら五十万円にしか売れない、二百万円のものだったら百万円にしか売れないだろう、こういうことを言って、交渉しても全然らちが明かないわけであります。
 私は、ゴルフを全然やることのできない人を会員に入会をさせるということ、そのこと自体に不当性があるのじゃないかと思うのです。そして入会をさせておいて、今度は賃貸契約を結んだらゴルフ場は利用させない。例えば、ゴルフのできる人であっても賃貸契約をやっている間はそのゴルフ場を使うことができない、こういう契約書は一体成り立つのかどうか、この点について通産省から見解をいただきたいと思うのです。
 ちょっとその前に、契約書の一部を参考にそちらへ上げますから、見てください。これは警察の方にも見せてください。
#48
○矢橋政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたようなゴルフ会員権をめぐる商法が存在をしておりまして、消費者との間でトラブルとなっておりますことは承知をしております。
 具体的に申し上げますと、この商法は昨年の夏ごろから始まったようでございまして、私ども通産省の消費者相談窓口にも昨年の夏ごろから相談が寄せられているところでございます。昭和五十九年度の私どもへの相談件数は十九件ということになっております。事業者は鹿島商事あるいは豊田ゴルフクラブといったものでございまして、豊田商事の関係会社であると考えられているところでございます。
 こういった問題につきまして私どもの対策でございますけれども、一つは個別の相談に応じましていろいろ解決のための指導、助力をするということ、それからもう一つは消費者向けのPRをやるということを中心に対策をとっているわけでございます。
 契約の中身でございますけれども、一たんゴルフ会員権を一口百万円ないし二百万円で売るわけでございます。ただ、先生仰せのとおり、これを直ちにオーナーズ契約と称しまして賃貸借をするわけでございます。したがって、一たん渡りますけれどもすぐ戻るという、いわゆる金まがい商法と同じような形態になっているわけでございます。それで賃貸料は年一二%払う。ただこの契約は期間十年ということになっておりまして、昨年の夏ごろから起こり始めた商法でございますが、まだ期限が来ておりませんので満期のときの扱いというものは大変心配でございますけれども、そういう時期にはまだなっていないという状況でございます。そこで、賃貸借をしてしまう関係上、その間のゴルフ会員としての権利義務は停止をしているようでございまして、つまり仰せのようにプレーはできないということです。同時に年会費は払わなくていい、こういうことのようでございますが、そういった状況になっておりますことは先生御指摘のとおりでございます。
 そこで問題は、ゴルフをしないような人にまでこれを勧誘をしているということでございますけれども、一般的にゴルフをしない者がゴルフの会員になっていけないかどうかということはなかなか難しいことで、言い切れないと思います。当然、本来はプレーをするための会員でございますから、プレーをする人が会員になるのが自然であるということまでは言えると思います。ただ問題は、この商法はむしろゴルフの会員権というのは種になっているという位置づけにありまして、その商法全体として大いに問題がある、このように考えている次第でございます。
#49
○上坂委員 会員権を巻き上げられる、お金も取られてしまう。その会員権は、そのときは、恐らく勧誘しているときには、ここのところは追及してもらわなくちゃいけない、このゴルフはずっと続きますよ、十年間契約ですから、ゴルフはこれからどんどん発展をするものだ、そしてまた、この利用権というものは、第一条にゴルフの維持発展に寄与するものであるという契約があるわけです。そういうことを理由にして契約をまず結んで、今言ったように会員権まで巻き上げている。ところがそれを解約をして返してくれというふうにいくと、今度は、この会員権は今のところ全然売れないんだ、価値というものが百万なら百万ないんだ、こういう言い方をして、そして、これから売るところを探します、探して売り先があったならばそのときには差し上げます、ですから恐らく半分くらいにしか売れないでしょう、こういう回答をするわけです。この辺のところはどういうふうに考えたらいいんですか。これは私は全くインチキであり、詐欺だと思うのです。だから不当な勧誘ということにならないのか、この辺が見解として一つわからないのでお願いします。
#50
○矢橋政府委員 契約によりますと賃貸借の期間自体が十年になっておるわけでございます。そして十年たったら申し出により額面または時価にて購入者をあっせんする、そういう条項になっているわけでございます。ですから十年たっても会社の方からお金を返すという契約にもともとなっていないわけでございます。
 そういった事情でございますので、途中解約で会社からお金を返してもらおうということはなかなか難しいのが実情のようでございます。ただ、私ども消費者相談窓口にもたらされました相談の中で、一定の手数料的なものを差し引かれた上で返金をしてもらっている例は若干あるようでございまして、返金絶無ということではございませんけれども、とにかくそこのところが非常に怪しいというケースでございます。
#51
○上坂委員 これは明らかに訪問によってこの契約をしているわけですね。ですから品物が動いてないとなれば、これは販売でなくて取引、こういうふうに考えていいと思うのですね。訪問して取引したわけですね。取引というのは品物をやってお金を払った払わないということであって、それは賃貸借だから取引でない、こう言われてしまえば別ですけれども、いわゆる品物の販売というよりも取引をしたというふうに考えざるを得ないわけです。しかし、明らかに訪問をしている行為なんです。
 したがって、訪問をしているそうした行為に対してどういう法律で一体取り締まったらいいのか、その辺のところを見解をお述べいただきたいと思います。
#52
○矢橋政府委員 訪問をして取引をするという実態があることは御指摘のとおりでございます。ただ、現行訪問販売法は物品の取引に対して適用されることとなっているわけでございます。したがいまして、役務たるゴルフ会員権の関係は訪問販売法上の政令指定はできないのが現状でございます。
#53
○上坂委員 そうしますと、今の訪問販売法というのは全く欠陥があって、役務については何ら手を入れることができない、こういう形になってしまうと思うのです。そのことを一点指摘しておきたいと思います。
 警察の方にお伺いしますが、こういう手口に対して大阪では告発をしまして、そして今裁判が行われていると思うのです。これは告発をしなければ警察としては取り上げることができないのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思うのです。
#54
○清島説明員 一般的に申しますと、犯罪捜査をする場合に告発を端緒にしてやる場合もありますし、警察独自で端緒を把握して捜査する場合もございますし、告発が要件になっているものにつきましては告発を要件として捜査をするということであります。
#55
○上坂委員 これは告発をした方がいいのか、しない方がいいのかという質問をしたら、どう答えてくれますか。
#56
○清島説明員 具体的な事案にかかわりまして犯罪があるのかないのか私どもまだ実態把握しておりませんので、答弁は差し控えたいと思います。
#57
○上坂委員 この契約書は日付が入ってないのです。これは写しなんですが、三通とも全然日付がないのです。何年に契約して何日に契約したかがないのです。こういう契約書が一体有効なのかどうかということについての見解をひとつ……。
#58
○矢橋政府委員 日付がない契約書の効果の民事法体系における扱いにつきましては、私正直申しましてよくわかりません。ただ、素人考えかもしれませんが、日付が契約書にないということは契約書上契約の日付がはっきりしていないということを意味するだけであって、別途実体的にいつ契約を結んだかという実態に即して、そのとき結んだ契約とみなされるのではないかと考えております。
#59
○上坂委員 法制局を残念ながら呼ばなかったものですからその辺のところを――これは審議官、そこのところは自信を持ってお答えいただいていますか。
#60
○矢橋政府委員 自信はございません。素人考えで私の直観的な解釈を申し上げたわけでございます。
#61
○上坂委員 今審議官から、別途実体的に契約が行われたという、その別途というのはどこで証明するのか。これもよくわからないですね。そうしますと、契約というのはちゃんとお互いに契約書を取り交わして――訪販法でもすべて契約書を取り交わしなさいとある、取り交わしたその日から効力を発生するものだと私は思うのです。したがって、契約を結んだ日付というのは契約上は非常に大切であると思うのです。もしその日付がなければ、その契約は契約を予定しているというふうに考えていいだろうと思うのです。だからまた契約をしていない、今そこに日にちを入れればその日から有効になるというふうに私は解釈するのですが、どうでしょうか。
#62
○矢橋政府委員 当初日付のなかった契約書に、後日実体的な契約の日付と違う日付を記入した場合にどうなるかという御質問だと思いますが、そこのところの法律関係は私わかりません。
#63
○上坂委員 わからないものを幾ら聞いてもわからないからだめだけれども、これはわかるようにしてもらって、そこのところをきちんとしてもらいたい。
 それで、日付のない契約書が本当に実体的に有効でないということになればどんな交渉でもできると思うし、いろいろ手が入ると思うのです。この点について警察の方では、今までの取り扱った件数においてはどういうふうに処置されておりますか。
#64
○清島説明員 御指摘の件につきましては、答弁する立場にございませんので遠慮させていただきたいと思います。
#65
○上坂委員 それではこのことについては早急に調査をして、確実な答えを私の手元の方へ届けてくれるようにお願いいたします。
 次は、大臣がおられないから何をやろうかと思っているのだけれども、今度はベルギーダイヤモンドの問題についてお伺いします。
 ベルギーダイヤモンドも豊田商事の系列なんです。そしてここの社長は元通産省に勤めていた人だというふうに言われているのですね。皆さんもそういうことをやらないようにお願いします。
 そこで、このベルギーダイヤモンドは実はこういうふうなやり方をしたのです。最初入会の契約書というのを、入会の誓約書だか契約書だかよくわかりませんが、そういうものを書かせるらしいのです。その入会をした人は、もうかると思うから入会したと書いたのです。そうしたら、それでは困るのだ、そういうふうに書いたのでは会社のあれがうまくないから、これはダイヤが欲しいから入会するのだというふうに書き直してくれ、そして書き直したのです。この書き直したのを会社は持っていかないで、取られてしまうと大変だからあるところにちゃんと保管しておくのだ。そういう書類があるわけです。これは非常に重要な書類として役に立つのではないかと私は思うのです。
 どういう形でやるかというと、大体三十万円から三十五、六万円、四十万円くらいまでの価格のものがある。それには必ず鑑定書がついているのです。この鑑定書は、この場合にはGIAという日本でもかなり権威のある鑑定書だというふうに言われていますね。ここで鑑定している。この鑑定書を使って売るわけです。会員を募集するわけです。そして会員になれば、三十万以上ですから、高いからもうかるということになるのでしょうけれども、それじゃあなたがもっと会員をふやしていけば、子、孫とふやしていけば元は取れますよ、こういう形になって紹介するのです。
 それで、これは紹介販売と言われて、実は会社の方と会員は直接に取引することになっているのです。だから自分は介在していわゆる再販売みたいなかっこうのやり方ではないのです。あくまでも取引は会社と個人がやる。こういうかっこうで非常に巧妙なやり方なんですが、鑑定書つきで売るというところに問題がある。ところが、女の人が実際に行って、原石を見せられて、その原石はダイヤモンドだということですが、実を言うと原石では使いようがありませんから、渡すときにはちゃんと指輪にして渡すわけです。だから、見せたものと買ったものとは違うのです。そこで、指輪として持っておりまして、それを今度は本当の鑑定人のところへ行って見せますと大体三万円からよくても四万円程度だ。そういうことでありますから、どうしても人を紹介して、そして元が返ってくるような努力をしていかなければ損してしまいますから、そういうかっこうによって会員をどんどんふやしていくやり方をするのがベルギーダイヤモンドですね。
 これは、きのうの物持委の審議を見ていますと、なかなか取り締まる方法がないということです。私は、これは訪販法上取り締まれるかというふうに言いましたら、訪問販売というのは店舗または営業所以外のところへ行って、自宅とかほかで取引するものですから、そのベルギーの会社に来て、お店に来て取引した場合には訪販法にはかからない結果になっていると言われているわけです。これではどうにも話のつけようがないわけです。ですから、どんな法律を持っていったってつかまえることができない形になっておるのです。そこで、これに対する防止をどういうふうにしたらいいのかということが第一点であります。
 それからもう一点は、こうした鑑定書が悪用されているところに非常に大きな問題があるわけです。もしこの鑑定が価格でも入っておれば、それ以上に売られるということになればこれはおかしい。例えば正当な鑑定人が鑑定をして、四万円なら四万円しかないものが三十五万円とか四十万円になる、十倍にもなるというかっこうになるならば、これはだますことができないわけであります。だけれども、この鑑定書には価格が全然ないわけですね。ですから、これは黙ってだまされてしまう。大体ダイヤモンドとかなんとかというのは素人はわかりませんから、そこでだまされてしまう。これが今一番問題なんですね。ですから、私も九十六回の衆議院の商工委員会で五十七年の三月にこの問題を取り上げて、何とかこうしたものを防ぐような鑑定の基準というものをつくれるような状況を早くつくってくれ、こう言った。言ったら、時の担当者は、それは一生懸命研究してできるだけやりますと答えたのですが、もう三年もたっているんだけれども、全然何にもやってない。報告もない。これはサボっているとしか思えないんだね。できないならできないという報告があってもいいんだけれども、そういうこともない。これではどうにもならないと思うんです。
 そこで私は思うんですが、こうした宝石などというものがいわゆる悪徳商法に利用されるということのないようにしていかなければならないということがまず第一点でございますね。これを野放しにしておくと宝石に対する信用もなくなるし、今、国内では何兆円かの宝石が恐らく動いているでしょうし、みんなの懐にあるでしょう。そういうものも私たちはなくすように努力をしていかなければならないんではないかというふうに思うんです。
 そこで第三点は、このいわゆる価格を、じゃどういうふうに表示するかという場合には、上限価格というものをつくって、その上限価格、これ以上で売ったらそれは非常に不当な価格の形成の仕方だということで、お店がそこで摘発を受けるというような状況の上限価格をして、それ以下ならば、損をして売るのは結構でありますからいいというような、そういう上限価格を設定できるような組織をつくることが必要である、こういうふうに思うのですが、今三点申し上げましたが、これらについて御回答いただきます。
#66
○矢橋政府委員 ベルギーダイヤモンドの商法につきましては、私どもへも問い合わせ、あるいは消費者相談が大分参っております。具体的に申し上げますと、五十九年度に二百六十二件ございました。ただ、この大半は単なる問い合わせでございます。それが二百件ございました。それから、苦情的なものが六十二件あったわけでございます。苦情の内容は解約したいというものでございまして、これについてはほとんど解約に応じております。
 こういった問題への対応策でございますが、まず訪問販売法との関係でございます。訪問販売法も第三章の連鎖販売取引の関係と通常の訪問販売との関係と両方あろうかと思うわけでございますが、第三章の連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法対策の章でございます。これにつきましては、先生御指摘のような商法でございまして、いわゆる紹介ということしか行われないわけでございまして、商品はお店で、店頭で売られるということでありますので、物品の再販売を行う者を誘引するということに当たらないので、どうも第三章の適用は難しいように思っております。それから次に、通常の訪問販売に該当しないかということでございますが、これも紹介を受けた人は店へ行って買うわけでございまして、これも難しいというのがとにかく実情でございます。
 こういう問題について私どもとしても危惧をしております。そこで、今申し上げたように具体的な法律に直に該当しているというわけではないので、なかなか難しい点はございますけれども、一つは個別の相談に応じていろいろと解決に努力をするということは先ほども申し上げましたが、いま一つ、各般の消費者に対するPR活動、消費者啓蒙について、これは私どもとして相当力を入れているつもりでございます。テレビ、リーフレット、ポスター、新聞、有線放送その他いろいろ使いまして、気をつけるようにという指導をしているわけでございまして、こういった努力を今後とも一生懸命やってまいりたいと思うわけでございます。
 それから先般の小委員会の席で一人の参考人からお話があったように記憶しておりますけれども、無限連鎖講の法律との関係ということも場合によってはあり得る可能性はあろうかと思っております。これは実態価格、動く金額に対してその物の実際の値打ちが非常に小さいようなものの場合には無限連鎖講の適用もあり得るというようなことが、当時の議員立法で行われました法案審議の過程での議論にも出ておったような記憶がございますけれども、ただ、その場合には非常に著しくかけ離れた金額でないと難しいのではないかな、ただ、この問題は私どもの所管の法律でございませんので、法務省の見解によらざるを得ないかと思っております。
#67
○上坂委員 次、二番、三番。生活局。
#68
○古川説明員 評価の問題につきましてお答え申し上げます。
 御案内のとおり、ダイヤモンドの鑑定につきましては国際的にいわゆる四つのCといった基本要素、つまり一つはカラーでございますし、それからカラット、カット及び透明度をあらわしますクラリティーといった、こうした基本要素をもとに格付がなされ、鑑定が行われているわけでございます。しかしながら、それらの基準に基づき鑑定を行う際には、長い取引の歴史に基づきまして、アメリカ流のGIA方式とか、あるいはヨーロッパ流とか、いろいろございます。ヨーロッパ流の中でもフランスを中心としたCIBJO方式とか……(上坂委員「簡潔に答えてください、時間がないから」と呼ぶ)英国方式、ドイツ方式等々といったものがございまして、各種のそうした鑑定の方式ごとに微妙な鑑定方法の差がございまして、国際的にも統一されていないのが現状でございます。
 また我が国におきましても、各種の方式が併存いたしております。我が国では、大半は米国流のGIA方式とフランスを中心といたしますCIBJO方式というこの二つの方式が……(上坂委員「そういうことはいいから、やるのかやらないのかということだよ。そんなこと知っているんだよ」と呼ぶ)この方式が併存しまして、多くの鑑定業者がそれぞれの方式に基づきまして鑑定を行っているのが現状でございます。このため、鑑定基準の統一及び単一の鑑定協会の設置は非常に現実には難しいものがございます。しかしながら業界としては、消費者の信用を得ることが何よりも大事でございますから、そうした観点から、そうした立場の違いはございますけれども、可能なところから改善を図ろうということで、鑑定書の基本的な記載事項というものを発表いたしましたり、あるいはそれぞれの流派ごとの用語の違いにつきましての相互比較を試みたりいたしているわけでございます。
 通産省といたしましても、本件が非常に重要な問題であるということは認識している次第でございますが、難しい問題が、今申し上げたようにございますけれども……(上坂委員「やるのかやらないのかだけでいい」と呼ぶ)今後とも引き続き、関係業界のこうした地道な努力を側面から支援してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#69
○上坂委員 質問をさせないように時間を食う回答は困るね。
 五十九年には東京都内のデパートみんな、宝石で警告を受けているんですね、不当表示で。それから五十八年には、読売新聞に出たんですが、去年ですか、一カラットのダイヤが、あるところでは一千四百八十万円に売られ、双子ダイヤでもう一つのダイヤは三百八十万円、その差実に一千百万円あったのですね。それが同じ鑑定書でやっているわけです。こういう状況があるから早くやらなければだめだと言うのです。こんなばかなことがまかり通っているようではだめなので、研究ばかりしていたってだめなので、実際にやるのかやらないのかということを聞いているのだから、やるならやる、やるように努力してくれるなら努力すると答えてください。
#70
○古川説明員 正常な取引の多くの場合には鑑定書をつけるという形がなされていると私どもは理解している次第でございますが、ただいま御説明申し上げましたような鑑定の方法につきましての、国際的に見ても国内的に見ても長い歴史がございまして、こうした問題につきまして役所が先頭に立ちましてその基準を設けるというようなことは若干なじまないというふうに考えておりますから、業界のそうした努力を地道に側面から支援してまいりたいと考えております。
#71
○上坂委員 切りがありませんから、今度いつか局長に来てもらってやるしかないので、これは指導するという覚悟で局内でまとめてくれるようにお願いしておきます。
 そこで、時間がありませんから最後にお伺いします。
 訪販法の第二条三項の指定商品なんですが、この中にあります「定型的な条件で販売するのに適する物品」というのはどういうことを言っておるのか。
 それから、指定商品は第三章の連鎖販売取引における訪問販売には関係しないのかどうかということが第二点。
 第三点は、金とかダイヤモンドとかというものは指定商品に入っていない。だから豊田商事がこれを販売して歩いて、そしてどんどん広めていってしまう。もしこの訪販法で取り締まることができればいいので、指定商品になっていないというところに問題がある。なぜ指定商品にしないのか。
#72
○矢橋政府委員 「定型的な条件で販売するのに適する」というのは、例えばだれに対しても同じ値段で売るというようなことを指していると考えております。
 それから、金を訪販法の指定商品とすべきではないかという点でございますが、現在の訪問販売法の政令指定の要件は二条三項でございますが、「主として日常生活の用に供される物品」とされているわけでございます。金のような若干投機的な色彩のある商品につきましては、この要件に該当しないものと考えているわけでございます。それで、訪問販売法は日常生活用以外の物品でありますとか、あるいは商行為を適用除外としているわけでございますが、こういうことから考えますと、この法律の趣旨は、一般消費者が日常の消費生活を営む上で生ずるトラブルの防止というところに目的があるように理解をしているわけでございまして、金のような投機的商品にかかわる取引はどうも同法にはなじまないのではないだろうかと考えているわけでございます。
#73
○上坂委員 先物市場取引ですと、都合のいいのはみんな指定商品にしちゃう。ところが、こういうふうになると全然指定をしない、こんなばかなことがありますか。どうしてもこれはだめだと思ったら、前に金のときにはブラックが出てきたというのでこれは急いで指定したわけでしょう。そのときは私なんか指定しなくてもいいと言ったんだ。それにもかかわらず指定したじゃないですか。何で今度のは指定しないのですか。指定すれば金だってダイヤモンドだって全部やることができるのですよ、この法律で適用することができる。それができない。やる気がないというんだ。
#74
○矢橋政府委員 先ほど答弁漏れがありまして失礼をいたしましたが、ダイヤモンドの場合には、加工されて既に指輪となっているものにつきましては既に指定をされております。
 それから金でございますけれども、いま一つ若干技術的なことで恐縮でございますが申し上げますと、御承知のとおり訪問販売法の消費者保護のための主要な規定でありますところのクーリングオフというものがございます。仮に金のようなものを指定いたしますと、そしてクーリングオフを適用するということになりますと、購入申し込みからしばらくして金が仮に大幅に下落をしたような場合に、全部クーリングオフということで解約になる可能性があるわけでございます。もともとクーリングオフというのは、売り手と買い手との実質的な利益の均衡ということを考えた上での規定でございまして、このような相場の変動のあるようなものを指定し、クーリングオフということになりますと非常にアンバランスが生じまして、正常な取引の阻害要因にもなるという要素もございます。そういったことから、私ども現状ではこれを指定することはなかなか難しいのではないかと思っておりますけれども、今後の対策については研究をしてまいりたいと考えております。
#75
○上坂委員 確かに相場で今一グラム二千五百円のが六千円になるとかなんかといったら大幅なあれかもしれない。しかし相場が変動することを恐れていて今この金が何百億だか、一千億にも達するだろうと言われている被害者を抱えている、これを全然取り締まることができないのだったら、そんな相場なんというのは問題じゃないじゃないですか。僕はこれは全く変な論法だと思う。一番大きな被害のものを投げておいて、そしてこっちはなじまないからなんという言葉でごまかしたのではとてもだめだ。
 僕は金が先物取引の指定商品になるとき、これはなじまない、こんなものはやるものではない、こう言ったのです。ところが強引にやっちゃった。そういうときにはやるんだ。どこかの圧力がかかっておるのかどうか知らないけれども、やっちゃうんだ。ところがこういうふうに、本当に国民が困っているものについてはやらないというのはどういうわけなんだ。これはわからない。もう一回。
#76
○矢橋政府委員 現状での考えは先ほど申し上げたとおりでございますが、いわゆる金まがい商法の問題につきましては、大きな社会問題になっていることは私どももよく自覚をしております。
 そこで、この対策についてあらゆる手段を通じて解決に努めなければならないという考えを持っておるわけでございまして、ただいま先生の御指摘の点も含めまして真剣に考えさせていただきたいと思います。
#77
○上坂委員 訪問販売法というのは全くざる法というよりも、おかしな法律なんですね。第二章と第三章は全く関係がない法律なんですね。こういう法律を我々も国会の場で可決したということはまことに認識の不足で、これは不明のいたすところと反省をしているわけだけれども、先ほど言ったように、役務については全然適用がない。それから委託販売もこの法律では適用されないということになると、どうしてもこの訪販法については早急に改正をしなければならぬ。同時に、第二章についても、第三章の十三条、この規定が非常に大切なんです。これと同じような規定をやはり第二章の方にも入れないと、いわゆる取引を停止したり勧告をしたり公表したりすることができないのです、そういうことをできるようにしていかないと、会社の本当の姿勢というのは訪問販売の中で改まらないのですね。そういう片手落ちなことのないように、連鎖販売とあれば全く別個なんですといって、連鎖販売の方には今言った十三条がきちんとある。しかし、普通の訪問販売にはこれが全然入っていないというところに問題があるわけで、こうした問題をたくさん抱えている。抱えている以上は、早急にこれを通産省は直す責任がある。その点についてはどうですか。
#78
○矢橋政府委員 現行の訪問販売法の中で対象になっていない大きなものは役務の関係でございます。先ほど御指摘のございましたゴルフ会員権の問題もその中の一つであるわけでございます。
 この問題につきまして、私ども問題点の存在は認識しております。ただ、通常の商品の売買と異なりまして、役務取引というのは一つ一つの契約内容も非常に複雑でございます。また、全体を通じまして実に多種多様な役務取引があるわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、まずその実態を十分把握、分析し、そして対策との絡みにおいて有意な分類分けを行い、そして有効な対策を模索をしたい、このように考えているわけでございまして、昨年十一月以来、私どもの局の中に役務取引等適正化研究会というものを設けまして、東京経済大学の中村孝士教授に座長をお願いして鋭意勉強中でございまして、その勉強の結果を踏まえて今後の対策を検討してまいりたい、かように考えている次第でございます。
#79
○上坂委員 最後に、大臣がおいでになりましたから要望いたしておきます。
 大臣は今までの質問の状況はおわかりにならないと思いますから、よく後で聞いていただきたいと思うのですが、金が今非常に大きな問題になっています。ところが、金は指定商品じゃないのです、ですから、これを指定商品に入れるような形にしなければいけないというふうに思うのです。日常使わないからと言うが、金は日常的に一番使っているのだから。だから、これはぜひ至急に研究をさせて、そしてやるように、これ以上被害がどんどん起きないうちにやってもらいたいと私は思うのです。
 それから、この訪販法というのは非常に不備な法律でありますから、この不備な法律については早急に改正をする方向で取り組んでもらいたい、これが二点であります。
 それから、警察の方にもお願いしておきますが、先ほど言った契約書の問題であるとかたくさんありますから、そういう面を十分考慮されて、これからの捜査あるいは調査について十分取り組んでいただく、このことを要望いたします。
 一言大臣から御回答をいただいて、質問を終わります。
#80
○村田国務大臣 上坂委員の御質問は承りました。
 訪問販売等に関する法律第二条の中の「指定商品」では、「主として日常生活の用に供される物品のうち、定型的な条件で販売するのに適する物品で政令で定めるものをいう。」こうなっておって、政府委員から御答弁いたしましたように、法律解釈的になかなか読みにくいという点があるようでございます。しかし、現在社会的にいろいろな不祥事件が起こっていることは現実でございまして、消費者の立場、国民の立場に立って検討しなければならないわけでございます。その点、上坂委員の御指摘は非常にごもっともだと思うわけでございまして、訪問販売等に関する法律の改正等の問題を含め、関係各省庁とよく相談をしてまいりたいと存じます。
#81
○上坂委員 終わります。
#82
○粕谷委員長 これにて上坂昇君の質疑は終わりました。
 続いて、渡辺嘉藏君の質疑に入ります、
#83
○渡辺(嘉)委員 公営競技の件につきまして質問いたします。
 まず冒頭に、機械情報産業局長の木下局長が、前回私の質問で、それぞれ公営競技主催団体が交付金を納めておるわけですが、その交付金の改定について強く見直しをお願いをしたわけですが、これに対する答弁で、関係省庁とも十分協議しつつ多方面から慎重に検討していくことが必要である、こういうふうに述べておられるわけですが、その後各省庁とはどのような検討を続けられたか、まず御答弁いただきたいと思います。
#84
○木下政府委員 先回この場で御質問いただいたことにつきましては、関係各省と検討を続けさせていただいております。
#85
○渡辺(嘉)委員 では、具体的にどことどういうふうに、日にちはどういうふうにやられたか。
#86
○木下政府委員 今後関係各省とどういう形でやるかを含めまして現在検討させていただいておりますので、まだここではっきり申し上げられるような状況まで至っておりません。
#87
○渡辺(嘉)委員 それなら大臣に聞きますが、今の局長の答弁によりますと、この前私には、これから十分各省庁と協議をしつつやっていくんだ、こういう御答弁をいただいたから、私は進んでおると思っておった。ところが今お聞きすると、まずどうやるかということを今検討しておるんだと。これでは全然やっておらぬということですね。そうするとこの間何をやったか、何もやっておらぬということなんです。大臣もあのとき御答弁をいただいたわけですが、各省庁間の対応等いろいろ問題がございますので、委員――私のことですが、委員の御指摘の点を含めて今後検討するとお述べになったわけです。これについては、今局長はああいう答弁なんですが、では大臣はどういうふうにこれを大臣間でお進めになったのか、あるいはまたどういう状況にあったのか、お答えをいただきたいと思うのです。
#88
○村田国務大臣 渡辺委員、ちょっと恐縮でございます、最初の部分の質問を聞き漏らしたのでございますが、一、二号交付金の問題ですか、あるいは開催日の問題ですか、全般的な問題ですか。
#89
○渡辺(嘉)委員 一、二号交付金の問題です。
#90
○村田国務大臣 日本自転車振興会の行う一、二号交付金の配分は、交付金の効率的な使用、交付金の配分の公正を図るために、通商産業大臣の認可を受けて定めた業務方法書に基づいて行われております。具体的な配分は日本自転車振興会の定める補助方針に基づいて行われておりますが、これを定めるに当たっては、関係省庁や通商産業大臣の諮問機関である車両競技審議会の意見を聞いております。さらに、この補助方針に基づく個別案件への配分についても、必要に応じ関係省庁の意見を求めた上で、最終的には車両競技審議会の審議を経て通産大臣の認可を受けることになっております。補助金を交付した後におきましても、日本自転車振興会の確実な調査及び監査を通じて、適正かつ効率的な事業の遂行が図られるようになっております。
 このように、交付金の配分については、制度の運用を通じ厳正な配分がなされるようになっておりまして、今後とも交付金が適正かつ効率的に使用されるような指導監督を行ってまいりたい、このように存じておるところでございます。
#91
○渡辺(嘉)委員 大臣、ちょっと的外れの原稿を読んでいらっしゃると思うのですが、私が聞いておるのは、一号交付金、二号交付金が制定されたのは昭和二十九年と三十七年だ、それと同じ比率で来ておるから今日非常な矛盾が起きておる、これを指摘したら、局長も前向きに検討するような御答弁をいただいた。大臣もこの点については、この一号交付金、二号交付金の見直しについて、やるとはおっしゃらなかったけれども、これは各省庁間、なぜかというと、競輪はここですが、競馬、競艇その他、いわゆる農林水産省、運輸省その他にまたがりますので、そういう意味で、各省庁間の対応等いろいろ問題があるけれども、御指摘の点を含めて今後検討するとおっしゃったので、どういう検討が進められておるか。今、配分がどうとか、そんな話を聞いておるのじゃないのです。だから、その点ひとつ的確に御答弁いただきたい。
#92
○木下政府委員 確かに、先生の前回の御質問のときに私が御答弁申し上げ、また大臣の方からも検討をするという御答弁を申し上げたわけでございますが、本件は、一号交付金、二号交付金の率の問題は、おっしゃいましたように、従来からの経緯で従来どおりの率でやっている、そのために開催経費が非常に高まってきて、結果として地方公共団体の負担が非常に高くなっているということは大きな問題でございますので、私ども通産省としては通産省関係の検討はいたしておりますが、関係各省横並びの問題もございますので、現在関係各省と協議をさせていただいているということでございます。協議の結果が、この前御質問いただいたときから具体的にここで御説明申し上げられるところまでまだ進んでないという状況を、御了察いただきたいと思います。
#93
○渡辺(嘉)委員 局長から、今協議してそういうふうに進めておるということですが、この点については農水省並びに運輸省もそれぞれ関係があるわけですが、これについては何かそういう協議に入られたかどうか、それぞれから御答弁いただきたいと思います。
#94
○嶌田説明員 私どもの方は地方競馬を所管しておるわけでございますが、地方競馬は畜産団体によって始められたという歴史的な沿革がございまして、畜産振興は地方競馬開催の目的として従来考えられてきたわけでございます。このようなことがございまして、私どもは、昭和三十七年に地方競馬全国協会に対する交付金制度が法制化されたわけでございますが、それ以前におきましても売得金の一部を拠出いたしまして畜産振興に充ててきたという経緯がございます。このような経緯から、地金協の一号交付金は、畜産振興事業費としてもっぱら畜産振興にのみ充てられるものでございまして、我が国の畜産の発展に大きな役割を果たしてきたということでございまして、その必要性がますます高まってきているのが現状でございます。
 先生先ほど言われましたように、一般に公営競馬は状況が非常に落ち込んでいるわけでございまして、その中で特に地方競馬も入場者が減っておりますし、売上高の減少など経営は非常に悪くなっているわけでございますが、私どもの方といたしましては、基本的には魅力あるレースを提供するとか、施設を改善していくとか、経費を節減していくとかいうようなことによりまして地方競馬の健全な発展を図っていくことが基本である、この方向で今後各主催者を十分指導していきたいというふうに考えております。
#95
○井山説明員 競艇のことにつきまして御説明申し上げます。
 競艇につきましては、ただいまのところ幸いに全施行者黒字を出しておりまして、粗利益といいましょうか売上高に対する施行者の収益は、平均でございますが約八%程度のものを確保しております。したがいまして、今後は、競艇も若干ずつ売り上げが減っておりますので気をつけなければなりませんけれども、私どもとしては、赤字に転落するようなことのないようにということで、まず競走場の環境整備といいましょうか、施設を改善しますとか周りの雰囲気をよくすること、それから競技の内容を少し充実いたしまして、お客さんにもっと親しんでいただける、例えばサマータイムレースとかオール女子のレースを組んでみるというようなことで、お客様になるべく来てやっていただくような環境づくりによって売り上げを少しでも伸ばすということ、それから場内でののみ行為の違法な行為を防止するというようなことで、増収と、それからできれば経費の節減ということでやっていきたい、こういうように考えておるわけでございまして、その旨指導しております。
#96
○渡辺(嘉)委員 それぞれ御答弁はいただきましたが、私が期待しておるいわゆる一号交付金、二号交付金の徴収の比率を見直すための、あるいはまた検討するための具体的な作業にはまだ入っていらっしゃらないということがわかったわけです。
 なぜ私がこれを言うかというと、これは前回も申し上げておりますので重複は避けますけれども、それぞれ公営競技場の、開催しております地方団体の目的は、これは今さら申し上げるまでもなく地方財政に寄与するということと、それから機械、畜産その他船舶を含めまして関連産業の振興、それに二号交付金のようにいわゆる福祉への貢献、大きく言うならこういう二つの柱、細かく分ければ一つとあと二つ、この三つの柱があるのです。このほかには、そこで労働者を雇用するとか、あるいは地域産業の振興を図るとか、いろいろなこともありますが、大きな柱は、地方財政に寄与する、それから関連産業の振興と福祉への貢献、この二つの柱だと私は思っています。問題は、この二つの柱のどこにどういうふうにウエートを置くかということです。
 しからば、この二つの大きな目的を、どういうふうなウエートでどういうバランスであるのが合理的であるとお考えか、この際お聞きしておきたい。
#97
○木下政府委員 先生御指摘のように、例えば自転車競技の場合には、一条の目的で「自転車その他の機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに、地方財政の健全化を図る」ということになっておりまして、大きく分けて二つの目的があるわけでございます。
 その二つの目的を達成するために従来からその比率が一応決められておりまして、それで進んでおったわけでございまして、競輪の場合を申し上げますと、競輪の収益金の中からそういう一号交付金、二号交付金を取った残りで地方財政の健全化の問題に寄与するという形になっておるわけでございますので、従来定まっておった率がそのままでいいのかどうかという点については、確かにおっしゃいますように最近の状況にかんがみて多方面から検討は加える必要があろうかと思いますが、今ここで具体的にそれじゃどういうバランスが一番適切かということは、なかなかすぐに結論を出し得にくい問題ではないかと考えております。
#98
○渡辺(嘉)委員 言葉でそういう表現でなしに、やはり地方財政に対する寄与のウエートはこんなものなんだ、片一方の機械振興あるいはまた福祉貢献についてはかくあるべきだ、そういう一定の水準というか枠組みというか、こういうものを持たずにやるということは、いろいろな矛盾と、それから所期の目的に反する結果がいろいろ出てくると思うのです。
 どういうことかというと、売り上げに対して一号交付金が一・七%、あるいはまた二号交付金が一・七または一・六とか〇・三、まあ三号交付金もあるわけですが、それぞれによって違っておりますが、大体売り上げに対して三・四、それから三・三、または競馬のように二・〇、こういうように交付金を徴収しておるわけです。
 そうすると、そこで一つの例を申し上げると、競馬ですが、競馬では今半分近い団体が赤字になっておる。例をとりますと、北海道は五十八年度で赤字が四億四千六百万出ておる。ところが交付金はこれまた四億数千万円納めておるのです。あるいは新潟は五億の赤字を出しておる、そして交付金は二億数千万円を納めておる。愛知は赤字が二億一千九百万になったが、交付金は四億以上納めておる。そうすると、交付金を納めるために赤字になっておるわけです、では赤字はどこから出しておるか。この赤字の穴埋めのためには繰越金、調整金、積立金等があるうちはいいのです。なくなればどうするか、一般会計からまさか入れるわけにはいかないでしょうから、こうなると当然この赤字の穴埋めに無理が起きてくる、こう考えるわけですが、税金の場合でも収益、いわゆる利益の中から三六%あるいはまた二六%、こういうふうに法人税その他でも徴収していくのですが、この場合だけは売り上げの三・何%というふうに頭から天引きしてしまう、収益があろうとなかろうと関係ない。そうすると大きな二本の柱の地方財政に寄与するという面は全く殺されてくるわけですね。こういう点が現実に起きておるので、この際それぞれの立場で、今赤字が起きておる競輪と競馬の関係で御答弁をいただきたい。
#99
○村田国務大臣 渡辺委員御指摘の点は実によく理解できるのです。この問題は、私、大臣就任前にいわゆる超党派のこういった事業についての役員をいたしておりまして、いろいろ研究をしておるわけですが、渡辺委員御指摘のように競馬、競輪、競艇、関係各省からお答えを申し上げましたように、それぞれ差異はありますが、最近の時代の推移によって馬券や車券の売上高がだんだん減少する、開催経費が増高する、そういったことで収益が低下をしておるから、ひとつこの際、交付金配分の根本問題について見直せというのは競輪、競艇、競馬、各事業に対する大変思いやりのある発言でございますからよくわかるのでございますが、ただ、今までのいろいろな経緯があって地方財政への寄与、関連産業への寄与の比率が決められておりまして、私どもとしては、各事業に差異はありますが、なお、先ほど関係の各省から申し上げましたように、施設の改善だとか魅力あるレースづくりだとか、あるいはのみ行為の絶滅を期するとか、開催経費の節減を期するとか、そういった経営努力をさらに払うことによって全体の収入をもっと上げていきたい、そういう考え方も当然あるわけでございまして、そういった点も含めて施行者等を十分指導していきたい、そして関係省庁等とも十分協議していきたい、こういう趣旨で木下局長からもお答えを申し上げておると思いますし、関係省からもそういうお答えを申し上げておるわけでございますので、時間的な余裕もぜひ見ていただきたい、こう思いますね。
#100
○嶌田説明員 先生今言われましたように、地方競馬の状況は、確かに赤字が三十二主催者のうちの十二主催者、これは五十八年でございますが、そうなっております。これは他の競技に比べますと、馬の飼育費とかそういうようなものがかかりますので、どうしても経費がかかるという面が一つあるわけでございます。そのような中で確かに赤字のところもございまして、そういうところが交付金を出しているのも事実でございます、ただ。先ほど御答弁申しましたように、地方競馬の開催、そもそもは畜産団体によって行われておりましたし、畜産振興というところから始まっている経緯がございます。こういう開催の目的でもございますので、何とか畜産振興ということを今後ともやっていく必要があるということと、それから先生おっしゃいましたように、やはり財政寄与というのは当然ながら大きな目的でございます。したがいまして、そのためには、先ほど申しましたように各種の振興策をいろいろ行いまして、何とかこの現状を乗り切っていくというようなことをやっていきたいと考えております。
#101
○渡辺(嘉)委員 大臣から的確な御答弁をいただきましてありがとうございました。しかし中身については非常にがっかりしたのです。なるほど時間的な余裕もわかります。それから、収益が低下してきておるから経営努力をすること、これもわかるのです。ところが今、経営努力の進め方が、いろいろな冗費、むだを省く、売り上げ、収益を上げるためのいろいろな催しをやっておる、こういうこともいいのですけれども、そのかなりの部分が今度は労働者の賃金へ来るのですよ。だから労働者の賃上げはこれで三年ストップしたところがかなりたくさんある。三年間全くストップしておる。それから一時金はこの三年から四年くらいにかけまして額を一割ずつ減らしてきておるのです。だから一時の一時金から見ますると額で三分の二くらいに一時金は低下しておる。賃上げは全く三年ストップ。そして人員整理もかなりあるのです。
 私の岐阜県の場合でもそうですが、希望退職について私どももやむを得ないということで、ある意味においての協力もして一時の三分の二の人員で今やっておる。それでも大変なんですよ。今度もし赤字に転落した場合には、いろいろな世論は、この関連産業の振興のために各種団体から七百億から八百億の金が出ておるというのはどっかへ吹っ飛んじゃって、この際廃止をしたらどうか、こういうことまで出てきたわけです。廃止をしたならば仮に赤字団体でも納めていたこの交付金は全くゼロになる。畜産振興がもとなんだ、だから競馬をやっておるんだとおっしゃるけれども、その振興そのものができなくなるということですね。だから経営努力だけでやっても限界があるということですね。とするならば赤字になった――大臣のところも赤字なんです。愛知県も赤字なんです。赤字で、それ以上の交付金を納めている。ちょっと矛盾し始めたのですよ、
 この矛盾を解決する道は何か。これは昭和二十九年に決めたあの徴収比率、昭和三十七年に決めたあの徴収比率から時代が変わってしまったんだから、この際あの徴収比率の見直しをするということが大事な一点、これはこの前、吉国懇と言われる公営競技の懇談会の答申でもこの際見直さなければならないということがはっきり出ておるのですから、これを見直す、それと同時に、赤字に転落した団体、また赤字に転落寸前で収益が本当にないような団体、これに対しては特殊な措置を講じて、ある一定の収益、最低の収益だけは確保してやるという措置、これをこの際検討に入り、これを実行しないと、せっかく定着してきた健全娯楽の一面を持ち、雇用の場を持ったこれらの事業が廃止の方向へ行く危険が非常に多い、これを廃止しますと公営競技はなくなるけれども、今度裏の悪質なばくち行為が蔓延することはアメリカの禁酒法のあの歴史を見ていただいてもわかるのですから、そういうような意味でこの際抜本的に取り組まないといけないのではないか、こういうことで申し上げておるわけですから、重ねて御答弁をいただきたい。
#102
○村田国務大臣 お答え申し上げます。
 今御指摘があったように私の地元の愛知県も赤字であります。またその傾向は全国的に、高度成長から低成長になって、そういった影響がこういう公営競技にも非常に露骨な形であらわれておるという実態だと思います、その認識も渡辺委員と一緒でありますし、したがって、問題点についての御指摘は私も同感でございます。ただ、例えば競輪、競馬、競艇等をとってみましても、それぞれ経営形態にばらつきがある、それからまた収益の問題についても差がある。それから働かれる方々の待遇についても、高度成長から低成長になったわけでありますから、非常に経営努力が要る面等の御指摘が関係方面からいろいろありまして、そういうものも総合的によく考えて、渡辺委員御指摘の目的を達成するにはどうしたらいいかという検討をしておるところでございまして、そういった意味で時間的な余裕をいただきたい、こういうふうに申し上げたわけでございます。
#103
○嶌田説明員 今御指摘の問題でございますが、先ほど通産省の方からも御答弁がありましたように、やはり関係各省とも十分協議いたしまして、多方面から慎重に検討していくことが必要な問題ではないかというふうに思います。
 しかしながら、先ほども申しましたように、基本的にはこの状況、先生もおっしゃいましたように、廃止とかそういうことに追い込まれないように、何とか地方競馬の健全な発展ないし振興を図っていくということがまず基本でございますので、先ほど申しましたような各種の対策を行いまして、現在の状況を乗り切っていきたいと思っておりますし、そのため今後、各主催者を十分指導していきたいというふうに考えております。
#104
○渡辺(嘉)委員 時間がありませんので、次に移りますが、大臣、どうかひとつ早速これは検討を指示していただいて、検討に入り、そして対応していただかないと、既に競馬では半数近い赤字団体が出ております。競輪にもどんどん出始めておりまするので、早く手を打たないと、角を矯めて牛を殺す危険があると私は考えておりますので、早急にお願いしたいと思います。
 次に、大店法のことで承りたいと思います。
 過日、静岡の商調協の委員長をもとやっておられました向坂さんとお会いをして、現地の事情をいろいろ聞いたわけですが、そのときに、五十九年の四月の六日に、商調協はこの静岡の市内の三店出店の問題を審議することはもうこれ以上無理だ、だからアンケートを各委員からもとってみたけれども、これもまとまらない。そこで、五月の十一日に、委員長は商工会議所の会頭に、これ以上審議することは無理だと答申をした。それを受けて商工会議所の会頭は、東京通産局にこれ以上は無理だと申し出た、こういうふうに承ってきたわけですが、そういう事実はありましたか。
#105
○矢橋政府委員 ただいま突然具体的日付の入ったお話がございまして、日付等詳細は、今ここで私申し上げることはできません。まことに申しわけございません。
 ただ、いずれにいたしましても、静岡市の場合には、たび重なる商調協開催努力にもかかわらず、どうしても審議継続が困難という結論に至りまして、それにかわるいろいろな意見聴取等の努力を商工会議所会頭が行って、そして次の段階に進めるのはやむを得ないという判断をして、その後の手続に移った、そういう事実はございますけれども、ちょっと詳細、まことに申しわけございませんが……。
#106
○渡辺(嘉)委員 そのときに通産局は、そんなことだめだ、あくまで審議を継続して決めよ、こういうような指導があった、こういうことなんですね。
 ところで、今度は、今おっしゃったように、六月の十四日に商工会議所は常議員会を開いて、商調協でできなかったことを今度は商工会議所の常議員会でお決めになった、こういうことなんです。
 この常議員会では、六月の二十日が、これはもう前にも申し上げた商調協委員の任期になっておりますので、六月の十四日の常議員会で商工会議所の会頭はこういうことを言っておるわけですね。
 六月二十日で任期が切れるので、後をどう選出するかということについては、内諾を得ておる人もいない人もあるけれども、国、県、市から了解を取りつけてあるから、今までの委員をそのまま五カ月間任期を延長すると、会頭が常議員会に諮った。常議員会は、大した意見も出ずにしゃんしゃんと決めた、こういうことになっておるわけですが、そういうように御指導になったわけですか。
#107
○矢橋政府委員 そのとき、具体的にどのような指導をしたかにつきましては、この席で私、承知しておりません。
 ただ、一般的に申しまして、ある案件が審議中の場合には、任期を延長するということは全国的に行われていることでございまして、そういった意味からいたしますと、格段そのことについて具体的な強い指導を行わなくてもそのようになった可能性はあろうかと考えております。
#108
○渡辺(嘉)委員 いや、そうじゃないのですよ。この委員長、向坂さんは、商調協ではもう無理なんだ、私どもではだめなんだ、不可能なんだ、こういう答えを二回も三回も言っていらっしゃるわけです。そして商工会議所に出した。そうしたら商工会議所は、国、県、市と相談したら、今までの委員でもう一遍やれというふうになったから、それでまた再任しますと、こうやった、ところが、もう頭からだめだ、こういうことになっておったのでしょう。それを無理やり押しつけられて、そして五カ月間延長になった、こういうことになりますると、商調協というものは、一つの形式的な隠れみのであって、いざとなれば商工会議所の常議員会でぽんと決めればいいんだ、しかし形式だけ踏んでくる、こういうことになるんじゃないですか。
 そういうふうな隠れみのに商調協を使っておるとするなら、これはもう、この大店法の本質そのものがおかしくなるのですが、どういうことなんです。むしろ、そういうふうにだめだという商調協なら、入れかえなさい、つくり直しなさい、新しくやりなさい、こういうふうに指導するのが本当じゃないですか。
#109
○矢橋政府委員 商調協の審議が非常に難航し、例えば暗礁に乗り上げたというような事態になることは、全国的に間々あるわけでございます。
 そうした場合には、私どもといたしましては、何とか審議を継続して円満な審議ができるように御尽力を願うことを、商工会議所会頭あるいは商調協会長にお願いをするということは常にやっていることでございまして、この静岡の場合にも同様、そういうことはしております、
 それから任期延長のことは、先ほども申し上げましたとおり、一つの審議が継続中の場合には、少し任期を延長するということは通常行われていることでございます。
#110
○渡辺(嘉)委員 それなら通達によれば、並びに施行準則によれば、二年と任期を決めておるのですけれども、これはそういうふうに事情があればいつでも延ばしていい、こういうふうにまずこれは理解していいわけですね。
#111
○矢橋政府委員 先生ただいま御指摘のとおり、省令で、これは商業活動調整協議会規則でございますが、商調協の委員の任期につきましては二年とされていることはそのとおりでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、商調協委員の任期が案件の審議中に満了する場合には、審議の継続性を重んずるという立場から、当該案件の審議が終わるまで、短期間であれば、その委員の任期を延長することは可能であるという運用を従来から行ってきておるところでございまして、これは実情に照らせば適切な措置であると考えております。
#112
○渡辺(嘉)委員 一般論としてはそれでいいのですよ。ところが、もうだめだ、我々では不可能なんだ、こういうことを委員長が何回も答申しておるのです。その人々を無理やりにまた任命させて五カ月延長して、やれやれと言ったって、これは実質的に審議できるはずない。だから、商工会議所は常議員会で決めちゃった。ところが、常議員会に出席された委員の方の意見を聞きますと、商業問題についてはほとんどの常議員は理解していない、本来、県、市が責任を持ってやる問題であり、常議員会で取り上げる問題じゃない、常議員の方は、私が会って聞いてみたらみんなそうおっしゃる。我々にこんなことをやらせることじゃない、こうおっしゃる。ところが、常議員会で決めた、でよろしい。
 こういうふうで、この常議員会で決めたことが今度はひとり歩きを始めるのですよ。商調協は、我々は不可能だと言っておった商調協に押しつけられる。それで、今までの商業者委員は全員辞任してしまった。だから、あとの補充を会頭に一任した。会頭は八月十一日に、一任を受けたということで一存で決めた。八月十三日に正式商調協を招集して、商工会議所の常議員会で決めたことを承認させた。八月二十日にこの常議員会をまた開いて、商業者委員の六人の選任を追認してもらった。
 こういうことからいけば、このスケジュール、流れから見ると、実質的には商調協そのものはもうないがしろになっている、空洞化しておるのですよ。決めたのは商工会議所の常議員会なんです。ただ形式だけ踏んだんです。だから委員も出てこない。その委員も無理して選んだ。こういうことからいくと、私はここで決めたことは、こんなことはもう無効じゃないか、こう思うのが一つ。
 いま一つは、そういう無理して選んだものですから、その中に後から選ばれた、商工会議所会頭が一任を受けたという委員の選出の中には、この前も指摘したような河村株式会社の河村一郎という社長が入っておられる。この方は三億二千万円、この伝馬町のメーンスーパーであるユニーと取引しておるのです。三億二千万円、中小企業でいうなら十軒分ぐらいです。そういう繊維メーカーがこの委員の中に入っておられる。
 この際聞いておきますが、じゃ、こういう主たる取引をしておる者は排除するけれども、そうでない者は構わないのだ。じゃ、比率は、いろいろな話が出た、県に聞いてみたら二〇%という話も出たのです。自分のところの取引額の二〇%。あるいはまた五〇%と言う人もある。じゃ、通産省はどのくらいにこの比率を考えていらっしゃいますか。あるいはまた金額はどう考えていらっしゃいますか。
#113
○矢橋政府委員 ただいま二つの点の御指摘があったわけでございます。順次申し上げます。
 最初の、商調協の委員の任期の延長手続に関し、無理をしたのではないかという点でございますけれども、その点につきましては、私どもといたしましては、一般的に審議が暗礁に乗り上げた商調協に対しまして、審議継続の努力をしていただくように関係者に要請をするということはいたしておりますが、具体的な任命の細かいことまで一々干渉するというようなことは極力避けておりまして、商工会議所等の判断にまっている面が多いわけでございます。
 具体的に本件でございますが、御指摘のとおり、静岡商工会議所の商調協の委員につきましては、五十九年六月二十日に任期が満了するということで、それに先立つ六月十四日に開催されました商工会議所の常議員会において、全委員の任期を同年十一月三十日まで延長することが承認をされたわけでございます。
 その後、御指摘のように、商業者委員六名、これは商業者委員としては全員でございますが、これが六月十八日に辞任をされたわけでございます。そこで、七月十七日の常議員会におきまして、欠員となっている委員の人選については会頭に一任する旨承認をされ、この一任に基づきまして、以後具体的な任命手続がとられたわけでございまして、この間、格別のイレギュラーな点も手続上はなかったと考えているわけでございます。
 それから二番目の、利害関係人の問題でございますが、先般も申し上げましたように、「商業活動調整協議会の運用について」という通達の中では、商調協委員が当該商調協で調査審議する大規模小売店舗に入居する大型小売業者への専属的納入業者等、特定の案件について特別な利害関係を有することが判明した場合には、商工会議所等の長は当該委員をその案件の調査審議に参加させないものとする旨を規定しているわけでございます。
 そこで、具体的にどの程度の納入業者であればこれに該当するかということでございますけれども、私ども、一つは、継続的に取引を行っているということ、それからいま一つは、相当程度行っている、この二つの点を考えているわけでございます。相当程度といいますと普通は半分程度ということになると思いますけれども、二分の一以下でございましても、ケース・バイ・ケースでこれは判断しなければならないのではないかと考えているところでございます。
#114
○渡辺(嘉)委員 少し時間が超過しておりまするので恐縮ですが、ちょっとお許しいただいて、もう一、二点だけお願いしたいのですけれども、今、その相当程度というのは五〇%と、こうおっしゃいましたね。
 五〇%なんて言ったら、全部預けておるに等しいのですよ、こんなことは。一軒の取引が五〇%もあったら、もう完全な下請みたいなものですよ。今、話を聞いておりますと、相当程度の利害があるというなら、二、三割を超えたらもう相当ですよ。こんなもの、業界なら当然わかることなんです。これが五〇%でもいいというようなことなら、関係人、相当というようなことでなしに、もうだれでもいいんだに等しいのですよ。僕は、そういうやり方をするならこの商業者委員はもう意味がない。だから、長久手のああいう問題が、横江議員も指摘しましたが、いろいろな問題が出てくるのはこういうところからいろいろ出てくる。
 ましてや、しからば今度は、三億二千万という金額はかなりの大きな金額です。これは三店舗のうちの一つにすぎない。あとの二店舗はまだ出店しておらない。これから出店してくるのです。この出店してくるヨーカ堂だとかあるいはまたキミサワだとかがこれからまた取引を始めれば、こんなものはすぐ数億にきちゃう。今でも六千万円取引しておるのですから。この六千万円は、この二社が出店してくればすぐ何億とくる。そうすればもうかなりの取引を想定、期待して審議に参加するという形になることは火を見るよりも明らかなんですよ。
 だから、そういう空洞的な、形式的な商調協なら、これはむしろ害がある危険が出てくる。だから、この際、はっきりと、五〇%でもいいとかいうことなのか、あるいはまた金額においてはどの程度なのか、それから、そういう期待、予断がこれからの商売の上に入ってきますから、そういうものについてはどう考えていくのか、この際商調協の委員の規範を明らかにしておかなければならないということ、いま一つは、この件については当時の商工会議所の専務の石田さんにも聞いてみるが、商工会議所としては不可能なんです、だめなんです、こういうことを何回も言うのです。ここで先庁大臣が横江委員の質問に対して、それらのことを踏んまえながら「法改正の問題は今後の問題でございますので、検討してまいりたい」、こういうふうな御答弁を前向きにいただいて、私どもも非常に心強く思ったわけなんです。
 商調協のあり方、それから大店舗法の諸問題等々について大臣の方ではどういうような考え方で法改正の検討に当たられるのか、このことについてこの際明確に承っておきたい、こう思います。
#115
○矢橋政府委員 先ほどの納入関係につきまして若干舌足らずであったかもしれませんので、いま一度申し上げますが、二分の一云々の話でございますが、二分の一以下ならよろしいというふうに言っているわけではございません。二分の一以上であれば絶対にだめだ、二分の一以下のときにはいろいろの事情を総合勘案をしてケース・バイ・ケースで判断をする、このように申し上げたわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、この件は先生御指摘のとおり非常に重大な問題だと思っております。つまり、商調協の権威という意味において非常に重要な問題であると思っておりますので、今後どのように考えていったらいいのか、もうちょっと研究をさせていただきたいと考えております。
#116
○村田国務大臣 今、矢橋審議官からお答えを申し上げたとおりでございますが、先般五月二十四日の商工委員会で横江議員にお答え申し上げた、今後の課題としてではあるが、大店法の改正問題も含め検討してまいりたい、このように申し上げたわけでございます。大店法の改正問題については、さらに付言いたしますが、八〇年代の流通ビジョンにも指摘されておりますように、現在の小売業が種々の点で転換期にあること、また中長期的な観点に立って小売業全体の活力を維持していく必要があることなどの諸点にかんがみまして、なお慎重な検討が必要であると感じております。
#117
○渡辺(嘉)委員 時間がありませんのでなにですけれども、それじゃ審議官の方ではひとつ慎重に検討していただくと同時に、こういうような委員が入っておった場合には有効なのか無効なのかということもきちっとしておいてもらいたい。
 それから、大臣の御答弁によると、ちょっとわかったような、わからぬようなことになってくるのですが、私は昨日も通産の担当者に聞いたら、大臣の答弁が後退したような説明を受けたので非常に不本意に思ったのです。大臣がこうおっしゃっておるのに、通産の担当者に聞いてみると、今後の課題として、今いろいろ事実関係の調査の結果も待って法改正の問題も含めて検討するんだ、こういうようなことで、何だか後退してしまっているのですが、そうではなしに、大臣は今までのいろいろな実情を知っていらっしゃるので、だからそういうような立場で、この際、商調協の問題を含めて法改正に前向きに本当に取り組まないと、もっといろいろな問題が出だす危険がある、そしてトラブルが起きる危険がある、かように思いますので、この点の御答弁を再度明確にいただき、その他、訪販のことにつきましては、時間がありませんので、次回にやらせていただくことにして、以上で終わります。最後に御答弁をお願いします。
#118
○村田国務大臣 先日御答弁申し上げたとおりであります。
#119
○渡辺(嘉)委員 終わります。
#120
○粕谷委員長 以上をもちまして渡辺嘉藏君の質疑は終わりました。
 午後一時四十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩をいたします。
    午後一時五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十分開議
#121
○浦野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。和田貞夫君。
#122
○和田(貞)委員 与えられた時間が三十分ばかりでございますので、中小企業特に小規模企業の皆さんに対する官公需の枠の拡大のことにつきまして触れたいわけでございますが、全体として次の機会にさせていただくとして、きょうは時間の範囲内で、その中で適格組合制度の充実強化に関する質問をしてみたいと思うわけであります。
 毎年、閣議で「中小企業者に関する国等の契約の方針」というのが閣議決定なされておるわけでございますが、この官公需適格組合制度というのはいわゆる官公需法には明記されておらないわけでございますが、この制度の法的根拠というのは別段官公需法に明記されておらないので定かではないのですが、この制度が設けられたいきさつについて、この際、改めて明らかにしてもらいたいと思うのであります。
 そして、毎年の方針、特に五十九年の七月二十四日の閣議決定におけるところの「五十九年度中小企業者に関する国等の契約の方針」、その中で(二)の(イ)につきましては今回新たに加えられておるわけでありますが、その中で「特に、」「その一層の周知徹底に努めるものとする。」とあるわけですが、具体的にどのような施策を講じようとしておるのか、また講じてきたのか、これをお答え願いたいと思います。
 それからさらに「方針」の(二)の(ア)の項でございますが、「国等は、法令の規定に基づく随意契約制度の活用等により、」云々とあるわけでございますが、これは具体的にどういうことを意味しておるのか。これは大蔵省を含めてひとつ通産の方からもお答えいただきたいと思います。
#123
○石井政府委員 まず第一点の経緯でございますが、官公需法が施行されました翌年からこの適格組合制度という制度が設けられたわけでございます。
 まず最初に、適格組合制度を設定いたしましたのは、官公需法に組合の活用という基本方針が述べられておりますので、その精神にのっとりまして組合の活用方策についての検討結果がこの適格組合制度という形で一つ結実をいたしたわけでございまして、当初は物件を対象としたもののみに限定をいたしましてスタートしたわけでございます。それで四十五年度に至りましてこれを役務にかかわります組合に拡大をし、また四十八年度にはさらに建設業の組合にもこれを証明の対象といたした次第でございまして、年を追ってこの適格組合制度の充実を図ってきたわけでございます。
 それで、お尋ねの第二点の、言うなれば閣議決定にございます具体的な適格組合にかかわる周知徹底方策でございますが、私どもといたしましては会議の開催及びパンフレット、これはパンフレットは、具体的には「官公需契約の手引」というパンフレットを作成いたしまして、これらを通じましてその周知徹底を図っておるわけでございます。
 それで、一つは会議方式でございますが、これは中央と地方に、官公需確保対策中央推進協議会及び地方推進協議会というのを設けてございます。中央では関係各省、三公社等のメンバーで開いておりますし、地方の場合でございますと国の地方支部分局、地方公共団体、これは市町村も当然入ります。それから中央会、適格組合、こういう方々がメンバーで、通産局を主体にして開催されておるわけでございます。
 またこのほかに、国等の地方支部分局あるいは地方公共団体あるいは適格組合等がメンバーとなりまして、それぞれの県の中央会の主催で官公需問題懇談会というものを開いております。これがまた中央地方で開かれておりまして、例えば五十九年度の例で申し上げれば、全体で百十回、中央で五回、地方で百五回開催をいたしております。
 このほか官公需のブロック別研究会等を開きまして、それぞれに適格組合及び地方公共団体の参加を得まして適格組合制度の周知徹底方を図った次第でございます。
 それから、先ほどパンフレットと申しましたが、「官公需契約の手引」というものを一万一千部印刷をいたしまして、地方支部分局を含めた国のすべての発注機関及び都道府県、市町村それぞれの発注部局等に送付をいたします。あわせまして「全国官公需適格組合便覧」というものを作成いたしまして、この適格組合の便覧をやはり国及び地方の発注部局等に送付をいたしておるわけでございます。
 このような形におきまして五十九年度適格組合制度の周知徹底を図ったわけでございますが、今後ともこの方針にのっとりましてその周知方の徹底を図っていきたい、かように考えておるところでございます。
#124
○兵藤説明員 お答えいたします。
 随契につきましては、会計法二十九条の三の規定によりまして国が行います契約の方式が定められておりまして、一般競争、指名競争、随意契約と三万式によることになっておりますけれども、その第五項で指名なり随契にできる場合を政令に委任しておりまして、予決令九十九条の第十八号というところで直接的には「事業協同組合、事業協同小組合若しくは協同組合連合会又は商工組合若しくは商工組合連合会の保護育成のためこれらの者から直接に物件を買い入れるとき。」という規定に基づいて随契が行われることを想定して、その「方針」に書かれておるものと理解をしております。
 なお、予決令の九十九条では、金額の少額なものにつきましては競争の手続等を踏まえることなく随契でもよろしいという条項がございますので、金額少額に該当すればそちらも利用ができる、こういうことになろうかと思います。
#125
○和田(貞)委員 現在通産の方で官公需適格組合として証明を出されておる組合の数はどのくらいあるのか、それから建設及び建設関連それから物件、役務、大体この三つくらいに分けてどのくらいの組合に分類されるのか、ちょっとお答え願いたいと思います。
#126
○石井政府委員 五十九年度の時点でその組合数を申し上げますと、全体で五百四十八組合でございます。それを今先生御指摘のカテゴリー、第一が、物件関係では九十一組合、工事関係で三百四十六組合、役務関係で百十一組合、合計五百四十八ということになっております。
#127
○和田(貞)委員 そうすると、全体の半数以上というよりも大方、四分の三までが建設及び建設関連あるいは役務に該当する組合の数になるわけですね。
 そこで、先ほど通産の方から御答弁いただいた、当初はこの適格組合には物件のみということで出発したんだが、四十五年には役務を加え、四十八年には建設を加えて証明を出しておる、こういうことです。しかし、予算決算及び会計令、いわゆる予決令の九十九条の十八、今大蔵の方から御説明がございました条文を見てみますと、「直接に物件を買い入れるときこういうことで、この随意契約はこれのみになっておるのですが、現実の問題として工事などの請負あるいは役務というのはこの随意契約の対象になっておらない。もともとこの官公需適格組合というのは小規模の企業の皆さんに大きな企業と太刀打ちができないので適格組合をつくる指導をやって証明を出して、そして国等の発注について受注を受けられるような手当てをしておるのですが、これはもちろん中には競争入札によることもあろうと思いますけれども、やはり随意契約制度というものを十分活用させるということが方針にうたわれておるわけでございますから、この予決令の改正を考える必要があるんじゃないかということでひとつ大蔵の方からお答えいただきたいと思います。
 さらに建設につきまして、少なくとも国等と言われる範囲内でこの法の施行以来建設関係の適格組合には発注されておらない、また、組合側から言うならば受注されておらないということであるわけなんですが、これは何か建設関係の国及び国等に付随する公団、公社等についてせっかく通産の方で証明を出されておるのであるが、随意契約を含めて発注することに何か支障があるのかどうか、この際ひとつお答えいただきたいと思うわけであります。
 なお、随意契約制度についてより積極的に活用できるよう、その実態の把握を行って、そして工事や役務についても適格組合については適用できるように検討すべきである、こういうふうに思うわけでございますが、これにつきましても大蔵並びに通産の方でお答えいただきたいと思います。以上、お答えいただきたいと思います。
#128
○兵藤説明員 先生御指摘のとおり、事業協同組合等の随意契約の対象は「直接に物件を買い入れるとき。」ということになっております。この規定は、中小企業保護の政策的要請に沿いまして専ら団体としての活動の円滑化に資するという点、いわばある種の公益的な側面をも有するということに着目しまして、同じような農林の農業協同組合からの物件の買い入れ等の規定との均衝を考慮しまして置かれたものでございます。
 これを拡大してはどうかという御指摘につきましては、会計法がもともと、先生も御高承のとおりでありますが、特に支出になる契約につきましては結局国民の税金で支払いを行うことになりますので、予算の適正かつ効率的な執行を期するためにできるだけ経済的に有利に、しかも公正に契約の相手方を選定するというのが基本的な考え方でございまして、随意契約ということでございます場合には競争が行われずに、適宜相手方を特定者に選定しまして契約をする方法でございますので、その拡大をするのはどうしてもその趣旨からは消極的にならざるを得ないのであります。
 予決令の九十九条を通覧していただきますと、多くの随契条項は国有の財産の売り払いなり貸し付けに当たりまして公益性、公共性に着目して随契を認めているのが掲げられてございまして、支出原因の場合は局限されておるわけでございます。そこら辺も御理解を賜りたいと思うわけでございます。
 そして、先ほど先生もおっしゃいましたように、ただ随契というのでなくても、適格組合の契約の機会はまず競争参加資格の審査のところから始まるわけですけれども、資格を受けて、一つはその中小規模なり少額の金額の契約についてはその所定の範囲内での制限つきの一般競争という道もありますし、また先ほどのように指名競争契約の道もあります。そういうようなことで、契約の機会は競争を通じても得られると思いますので、その点で御理解を賜りたいと思います。
 現実に官公需の適格組合の受注実績の推移を見てみましても、物件よりは工事、役務の方が受注実績の件数は多いということで、現実に受注もしているわけでございます。そういうことでお答えにしていただきたいと思います。
#129
○照井説明員 建設省の立場から御説明申し上げたいと思います。実は私自身は、建設省内で事業協同組合等中小企業の振興の立場にある者でございますが、その立場からお答え申し上げたいと思います。
 まず官公需適格組合の証明を受けた事業協同組合の取り扱いでございますけれども、建設省の直轄工事におきましては競争入札参加資格審査に当たりまして、総合点数の算定方法の特例方法を講じておりまして、そういう意味では有利な取り扱いをしているということでございます。
 ところで、非常に件数が少ないという御指摘でございますが、例えば建設省の直轄工事につきましては、広域的かつ大規模な事業に係るものが多いわけでございまして、これらの工事の施工に当たりましては、工事の完成に必要な技術力、資金力、管理能力などいわゆる施工能力のある業者に発注する必要があるということが基本にございます。これらの点を踏まえまして、事業協同組合の中にはこれらの点についての不安がある場合もございまして、指名をちゅうちょしているケースもあると聞いている次第でございます。私どもといたしましては、この官公需適格組合につきましても、施工能力のあるものについては今後とも受注機会の確保が図られるよう努めてまいりたいと考えている次第でございます。
#130
○和田(貞)委員 時間がありませんのでなんですが、通産省に聞いてもらいたいのは、建設省の方では、地方自治体の発注先を含めて、建設関係のいわゆる随意契約にしろ競争入札にしろ、一応指名競争入札の資格を持たなくてはならぬわけですね。その点と、あなたの方で適格組合として証明を出す間に少しギャップがあると思うのです。これはもっと議論して詰めておかないと、証明をとってもなかなか受け付けしてもらえぬ、契約してもらえぬ、発注してもらえぬ、こういう点があるわけです。その点は次の機会に譲ります。
 それから、大蔵の方で理解してくれと言ってもこれは理解できないのです。先ほど申し上げたように、閣議決定で、随意契約制度の活用等により、中小企業庁が証明した官公需適格組合を初めとする事業協同組合に対して受注機会の増大を図れ、こう言っておる。そしてさらに、物件だけであったのを役務も建設も加えておるのですから、肝心かなめの予決令で物件を買い入れるときというような場合に随意契約ということになっておれば受け入れ態勢がないわけなんです。これも発注の増大になっておらない大きな原因になっておるのですから、これは大蔵の方で御理解いただきたいと言っても理解できません。次の機会は十四日ですからそれまでに検討していただいて議論したいと思います。
 さらに、周知徹底の方法の一つでございますが、これは法によりましても「地方公共団体は、国の施策に準じて、」云々というように、自治体に対する受注の機会を確保するために施策を講じなくてはならないことになっておりますし、中小企業庁長官名で五十七年十月一日に各都道府県知事あてにそれがための文書要請をしているわけです。受注の機会の増大について努力してほしい、市町村の方にも周知徹底方をお願いする、あるいはこの随意契約制度の活用等についてもということもあわせて依頼しておるのです。ところが、自治体に参りますと、官公需の適格組合というのは何ですかということで玄関払いをされる自治体が非常に多いわけなんです。なかなか徹底していないのです。
 毎年閣議で決まっておるのにもかかわらず、特に去年の閣議決定ではそういうことであるから改めて周知徹底に努めるということをうたわれたと思うのです。五十七年に通達を出しておるわけでございますが、もう一度中小企業庁としてはこの徹底のために自治体に対して通知を出すべきであると思うし、また自治体にしてみたら中小企業庁の方から通達は受けておるけれども肝心かなめの自治省の方からは何の通達もないということですので、市町村については特に自治省のそういう指導は必要なんです。自治省、今までそういう指導を閣議決定によってやったことはありますか。あわせてお答え願いたいと思います。
#131
○石井政府委員 確かに私自身も昨年秋、一日中小企業庁で地方へ出張いたしました場合に、建設業者の会合でいろいろ協議をいたしましたが、例えば林道工事等はこういう組合活用の余地の非常に高い分野ではございませんかというお話をして、担当者と、これは地方公共団体の担当者でございますが、やはり適格組合制度を御存じなかったという事態に遭遇いたしております。そういう意味において、最近におきます地方の官公需懇談会の開催を機にいろいろ中小企業者あるいは建設業者の御意見を承っておりますが、国及び県サイド、都道府県サイドまでの周知状況は相当評価できるところまで来た。しかし、一部の国の地方支部分局、市町村段階ではまだその周知徹底が不十分じゃないかというような意見も直接聞いておるわけでございまして、先ほど来御説明申し上げました末端までの周知徹底方策を、地方の官公需推進協議会あるいは地方の官公需懇談会を経て徹底的に周知徹底方を図ってまいりたとい考えております。
#132
○柳説明員 ただいまの御質問でございますが、自治省といたしまして特に指導いたしておりません。と申しますのは、これはそれぞれ省庁間の役割の分担がございまして、私どもとしては所管の官庁で御指導いただくということでよろしいのではないかというふうに理解しております。
#133
○和田(貞)委員 特に中小企業庁の方から都道府県あてに出されている通達の中には、「地方自治法施行令百六十七条の二第一項第二号における「その他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」」は随意契約でできるという旨の通知も含めて付記されておるわけです。そういうようなことを含めて、ぜひとも今通産の方で言われたように市町村に至るまで徹底するように、せっかく大臣もおられるわけでございますので、自治省の方から十分にこの周知徹底方をお願いしたいと思います。
 さらに、時間がありませんので、電電、専売については既に四月一日から民営になったわけでございますが、これはほかのものも含めまして国の出資会社です。だから電電、専売は民営になったから官公需の適用対象でないのだというのじゃなくて、むしろそれに必ずつけ加えて、国の出資会社は「国等」という範疇に入れて官公需の適用ができるように措置を講ずる必要があるのじゃないか。あるいは冒頭に申し上げましたように、官公需適格組合制度というのは法に明記されておらないわけでございますので、官公需法の改正によりましてこれを法律的に認知ができるような組合にして、中小企業の受注量をふやしていくというように措置を講ずる必要があるのじゃないかと思います。
 また、あわせて官公需の場合は、どうしても建設関係につきましては一次、二次、三次の下請化されていく向きがあるわけですが、そういう下請のところまで全く契約なしということじゃなくて契約させて、契約の内容あるいはその決済の方法等につきましても、それについての報告義務を官公需法の改正によって明記していく等々の必要が私はあると思うんです。これらにつきましては改めて次の十四日の日に十分議論をしたいと思うわけでございますが、せっかく通産大臣がおられるわけでございますので、きょうの私の質問の内容についての締めくくりとして御意見を拝聴したいと思います。
#134
○村田国務大臣 通産省といたしまして社中小企業者の受注の機会を増大させるために、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律に基づいて各般の措置を毎年講じてきたところでございます。この法律は、国等が中小企業者の受注機会の増大を図る際には組合の活用に配慮すべきことを定めており、官公需適格組合制度はこの規定の趣旨を踏まえて設けられたものでございます。今後ともこの制度の普及に努めますとともに、必要に応じその改善を図っていくこと等によって組合が活用されるよう努めてまいる所存でございます。
#135
○和田(貞)委員 あとの問題につきまして次の機会に議論さしていただくことを留保いたしまして、質問を終わります。
#136
○浦野委員長代理 続いて、青山丘君の質疑に入ります。青山丘君。
#137
○青山委員 ボン・サミットから通産大臣お帰りになってちょうど一カ月。若干の宿題をまだ抱えておりますので大変な時期だと思いますが、行かれる前は、恐らく日本に対して相当な非難が集中をして針のむしろの上に座らされるんじゃないか。新聞報道も随分ありまして、私も心配しておったのですが、しかし意外と風当たりは強くなかったような印象を私は持っておるんです。サミット各国の我が国に対するいろいろな要求であるとか批判に対して、通産大臣はどんな受けとめ方をしてこられたのか。それから、四月の九日でしたか、対外経済対策を発表されましたけれども、サミット参加国の評価、どんな受けとめ方をしておられるか、ぜひひとつ所見を聞かしていただきたいと思います。
#138
○村田国務大臣 青山委員にお答え申し上げます。
 御指摘のようにボン・サミットでは、三月、四月の貿易摩擦の問題に関するアメリカ初めヨーロッパ各国等の反響が非常に厳しいということが想像をされたわけでございまして、総理を中心にこれに対応する非常に真剣な措置を考えたわけでございますが、委員御指摘のように四月九日の対外経済対策の決定を経、そしていろいろな輸出入インバランスに対する熱心な政府としての努力をいたしまして、その上でボン・サミットに出席をした、こういう経過であったと思います。
 ボン・サミットでは、御指摘のように特定の国を名指しで批判するということがありませんでした。したがって、あの正式な会合、私、サミットにも出ましたし、日米首脳会談その他七カ国蔵相会議等、予想されるあらゆる会合に出席をさしていただきましたが、そういった会合の席上で対日批判を積極的に展開するという場面はありませんでした。非常に、その意味では、日本の努力が評価をされたなということを感じたわけでございます。したがって、ボン・サミットでの考え方は、これから関係七カ国が努力をしていくべき目標について各自が主体的にそれを披露し合ったということであったと思います。
 通産省関係では、自由貿易体制の一層の強化あるいは市場アクセス改善、そういったことについて積極的に日本の対応をお話し申し上げたわけでございます。これは私は、今申しましたボン・サミットの正式会合や七カ国の蔵相それに経済大臣が参加をした会合やそれからバイラテラルにリーガン米大統領首席補佐官だとか、あるいはバンゲマン西独経済大臣だとかECのドクレルク担当委員などと会いました印象では、四月九日の日本の決定を高く評価する。ただしかし問題は、それによってどれだけの解決が図られるかであるということを言っておったわけでございまして、私は、そのリーガン首席補佐官やバンゲマン経済大臣等の指摘は非常に今後に期待をしておるという意味で受け取ってまいったわけでございます。
 したがって、今総理を中心に進めておりますような七月を一つの目途とするアクションプログラムの策定等々について、日本の努力をさらに積み重ねていかなければならない。もしその努力が結集されないと、一度鎮静化した対日批判がまた噴き出す可能性もある、こういうような認識をいたしておるところであります。
#139
○青山委員 対外経済対策がその場しのぎの時間稼ぎでないような、これから具体的な骨組み、骨格が決められていくわけであります。じゃ、すぐに批判をするのをよして少し情勢を見てみようか、恐らくこういうところであったのであろうと思います。もちろんほかにもまだ幾つか問題がありましてね、SDIであるとか。日本の悪口ばかり言っていられない。それぞれの国々では問題を抱えております。
 そこで、今非常に重要になってくるのはニューラウンドの来年交渉開始、これに対して日本の果たす役割というのが非常に重要になってきております。政府のこのニューラウンドに対する基本的な認識はどうか。それから東京サミット前に決着が図られる見通しかどうか、その辺の御所見を伺いたいと思います。
#140
○村田国務大臣 ボン・サミットにおきましては、御承知のように大多数の国は一九八六年のニューラウンドの交渉開始に同意する、こういう宣言文になったわけでございます。大多数という表現をいたしました理由は、フランスのミッテラン大統領がその文言の決定について非常に難色を示されたからであると聞いております。ミッテラン大統領がそういった態度を示された背後のものは何であったかということを、いろいろとあそこに出ておられました関係者の方々から聞きましたのは、例えば農業問題であろうとか通貨問題であろうとか、いろいろ憶測がなされるわけでございますが、いずれにいたしましても、フランスの立場が独自のものであったという印象を得たわけでございます。しかしミッテラン大統領も徹底的にこれに反対をするという立場ではなくて、五月のボンのサミットにおいてあの文章を採択することに難色を示されたのだ、こういうふうに理解をいたしております。
 したがって、一九八六年のニューラウンドの交渉開始につきましては、ことしのうちに高級事務レベル会議を経て、そしてそういう段取りに持っていかなければならぬ。そのためには、あのボン・サミットの経済宣言にもうたわれておりますように、いわゆる開発途上国、例えばASEANであるとかブラジルであるとか、そういった国々に対する理解が進むことが非常に大事でございますし、また現在もいろいろな国際会議を経てニューラウンドに対する努力が続けられております。また安倍外相はきょう御出発をされて、今度ストックホルムで開かれる関係貿易大臣会合に出席をされるわけでございますが、それも一つの例で、ニューラウンドについてのいろいろな努力が積み重ねられる、また、られなければならないと思うのでございまして、そのためにもそういった国際会議における推進、と同時に日本のアクションプログラムが対外的に受け入れられるような努力を結集することが必要ではないか、このように考えております。
#141
○青山委員 きのうの朝日新聞には「三年で工業品関税ゼロ」ここまで持っていきたい、そういう関税引き下げの案が示されたということが伝えられております。これは五日の発表のようですが、その意気込みは評価したいと思う。ところが、日本国内にも多くの問題を抱えておりまして、私はそういう厳しい状況の中で通産省がこれから取り組んでいかれる姿勢、大変だろうと思うのです。
 ここで通産大臣と経済企画庁長官にぜひお尋ねしておきたい。
 アクションプログラムがどんな内容がしらということで世界の国々が非常に関心を持って見ていると思うのです。その関心というのは相当な期待感があるのではないか。もしその内容が期待外れのものであった、こういうことになってきますと、期待が大きければなお失望感も強い。そうなってくると対日批判というのがまた相当深刻になってくる、こういうことですから、相当思い切った内容で実のあるもの、こういうことにしていかなければならない。そういう点での決意を聞かせていただきたいし、経済企画庁長官もその辺の御所見をひとつぜひお聞かせいただきたい。
#142
○金子国務大臣 アクションプログラムは関税と輸入制限、基準・認証、輸入プロセス、それから第四が政府調達、第五が金融・資本市場、第六がサービス、この六つの分野につきまして自由貿易体制の堅持という観点から市場アクセスの改善を実施していこうというものでございまして、この骨格はことしの七月中にはぜひ取りまとめたいということで現在関係各省で作業を進めております。六月末に一応の中間報告を聞いて、七月には骨格づくりをして各国に発表できるものにしたい。
 先ほど青山さんからも御指摘のございましたように、先般のOECDの会議なりボン・サミットで日本に対するいろいろな批判はあったと思うのですが、しばらく様子を見てやろうというのは、本気で日本政府がアクションプログラムに取りかかるという決意を披瀝したから、それじゃ実績を見て、また文句はその際に言おうということでございますので、私どもといたしましても小出しにしてできるだけ後に送るというようなことをしないで、できるものはこの際すっかり片づけてしまいたい、かような気持ちで今努力しておることを申し上げておきます。
 と同時に、これは各省それぞれ次官が長になってアクションプログラムの作業班をこしらえておるわけでございますが、企画庁は調整官庁ということで各省の取りまとめをお手伝いをさせていただく、そういう立場で今努力をしておる最中であることを申し上げます。
#143
○村田国務大臣 全般的に今、金子経済企画庁長官からお答えを申されたとおりでございます。
 通産省の方では市場アクセスの改善ということに積極的に取り組んでおりまして、各般の措置をいろいろ講じておるところでございます。アクションプログラムの策定に当たりましても、省内にアクションプログラム策定委員会を設置いたしまして、原則自由、例外制限の原則を徹底すべく鋭意検討しておるところでございます。
#144
○青山委員 今お話がありましたように、アクションプログラムの骨格は七月じゅうにまとめたい、作業も取り組んでおられて相当進んでおると思うのですが、進捗状況は現在どんなところでしょうか。
#145
○黒田(真)政府委員 私どもといたしましても、省内に設けましたアクションプログラムの作成のための委員会でいろいろ議論をしております。先ほど朝日新聞のお話がございました。何か通産省がまとまったものを発表できるところまで準備が整ったということではございませんでして、作業中のベーパーの一部が若干変形されて出ておるような次第でございます。もう少したちませんと、内容について御報告をするところまでまいりませんが、先ほど企画庁長官がお述べになられました六項目、関税の問題、輸入制限の問題、基準・認証の問題、サービスの問題、政府調達の問題、金融・資本市場の問題等々各般にわたります日本のアクセスについて、現状を根っこから見直すというぐらいのつもりで現在いろいろ、鋭意作業を進めておるところでございます。
#146
○青山委員 順調に進んでいると理解してよろしいでしょうか。
#147
○黒田(真)政府委員 それぞれ理由があって、かつ長い間実施されておるいろいろな制度等の見直しでございますから、なかなかそれらの撤廃等が順調にいくというわけにはまいらない要素がいろいろございます。しかしながら、できるだけ原則に立ち戻った形で全面的に見直しをするということでは鋭意作業を進めておる、こういうことでございます。
#148
○青山委員 総理がフランスへ行かれる前に骨格ができるのではないかというような報道もありまして、七月じゅう、こういうことなのか、いや、一生懸命取り組んでいてもう少し早くなるかもしれない、その辺はどうなんでしょうか。
#149
○村田国務大臣 細かい点につきましては、黒田局長が全面的に参画をしておりますから、私の申し上げることで足らない点はまた補足してもらいたいと思いますが、率直に申しまして、極めてスムーズに進んでおるという楽天的なお返事をする段階ではないと思うのです。むしろ私は、悪戦苦闘しながら頑張っているという表現の方が当たっているのではないかと思います。
 実は総理からも、今週の火曜日の閣議で特に御指示がありまして、アクションプログラムの作成について各省非常に大変だと思うが頑張ってもらいたい、そしてまた、これは言うなれば最高決定であるから、ひとつ小異を捨てて協力し合ってほしい、事務当局にも各閣僚からしっかり指示をしてほしいという具体的な指示があり、また二、三日前の政府・与党連絡会議の席上でも同様の趣旨を総理から述べられて、党側でも了承をしていただいたところでございます。
 七月と言えばもうわずかな期間しかございませんが、通産省も誠心誠意頑張っておりますし、関係各省も総理の御指示に基づいて一生懸命努力をしておるというのが実態だと思います。
#150
○青山委員 大変御苦労なさっていると思います。しかし総理の決意も相当なようですから、ひとつぜひ不退転の決意で取り組んでいただきたい。ただ私は、ただただこの面だけでの成果と言っているわけではありません。国内の産業の調整の問題もありますから、これは大変な困難に立ち向かっておられるのだという点では評価をしておりますから、ひとつぜひ……。
 そこで、通産省として、アクションプログラムのここが目玉だということで力を入れておられる点はどんなところでしょうか。
 それから、基本的な姿勢をひとつぜひ聞かしておいていただきたいというのは、通産省として他の省庁に先駆けてきちっとした姿勢を出していかなければいけない、そういう点での基本的な立場、姿勢というものをもう少しひとつ聞かしていただきたい。
#151
○黒田(真)政府委員 私どもは、先ほど申し上げましたような各般の項目について現在いろいろ検討を行っておるところでございますが、関税につきましては、御案内のように、我が国の関税は国際的な水準の中では既に相当低いところまで平均値として来ておるということは認められておるところでございます。
 しかしながら、ニューラウンド等を踏まえてそこに参画していくためには、そういった関税、特に鉱工業品分野におきます関税については、究極的にゼロにしよう、相互にゼロにしようというようなことを目指して交渉方針をつくったらいいのじゃないかというようなことを考えている事実はございます。
 なかんずく、ハイテクノロジー製品という新たに出てまいりますものにつきまして、一部の国々ではこれに保護を行う必要があるというような考え方が存在しているわけですけれども、大変技術進歩の激しい、そして今後の産業発展の核になるようなハイテクノロジーの製品、具体的に申しますとエレクトロニクスのようなものについては、やはり関税による保護を前提とした上で発展を期待するということではなくて、関税は撤廃をするという考え方が必要なのではないだろうか。既にこういった考え方は一部半導体の分野等において生かされておりますので、こういったところは一つの考え方としては強調できる点だろうと思っております。
 また基準・認証等につきましても、これは先ほど申しましたように、それぞれ理由があって必要な基準を設け、安全等の観点からの規制を行っているわけでありますけれども、新しいいろいろな国際情勢を考えて全面的に従来のものを見直しをする、そして、不必要な規制というものが現在行われておるということはございませんけれども、国際的に見てやや突出しているようなものについて、それらを修正することができるかどうか、あるいは、今後行うであろうそういった基準づくり等については、内外無差別あるいはその策定の透明性の確保等について万々遺漏なきを期するというような事柄等が主要なポイントになろうかというふうに考えております。
#152
○青山委員 関税も下げていくという政府の姿勢、これが諸外国に一定の評価は与えてくる。しかし、一たび国内に目を転じますと、例えば綿織物の関税はアメリカの約三分の一ぐらい、ECに比べても三分の一以下、こういう状況ですから、これからの取り組みがなかなか難しい。来週恐らくこの点で質問をさせていただくことに、私がなるか、私以外の者がやるか、引き続き少し触れさせていただこうとは思っています。
 今、政府の方針でハイテク製品の関税の相互撤廃を欧州各国に働きかけをしていくのだという姿勢だと伝えられておりますが、ハイテク製品には一体どんなものを考えておられるのか。欧州各国の、相互に撤廃をするという合意が得られるものかどうか。先進国に比べてNICS、中進工業国であるとか、あるいは後進国等々のハイテク製品に対してはどんな対応を考えていかれるのか。それから、この関税の相互撤廃の姿勢を、新ラウンドを早期に開催をしていきたい、そういう呼びかけの一つに考えておられるのかどうか。どうでしょうか。
#153
○黒田(真)政府委員 ハイテクノロジー製品というものがどういうものであるかという点になりますと、例えばエレクトロニクスというようなものがその典型的なケースになろうかと思います。今後あらゆる分野で新しい技術が開発され、新しい製品が出てくるわけでございますので、この時点でこの範囲のものに限られるというような性質ではもともとないのではないかというふうにも考えられるわけでございます。
 特にエレクトロニクスにつきましては、従来からアメリカとの間でいろいろな話し合いを進めてきているところでございます。実はもう一昨年の秋の段階に、エレクトロニクス、なかんずく半導体というような産業の基本的な米とも言えるような、新しい産業をリードしていくような資材については、保護というものを行わないで自由な競争のもとにこれが供給されるということが一番望ましいのではないかということで日米の間で話し合いがつきまして、その後、それぞれの国の中の手続というものを経て、実はことしの三月一日から、日本の半導体の関税及びアメリカの半導体の関税というものはそれぞれゼロ、完全に撤廃されているという状況にございます。これは日米間だけの貿易に適用されるものではなくて、世界じゅうからの輸入に適用をされるというところまでいっていもわけでございます。
 私どもは、こういう考え方をカナダとかヨーロッパの連中にも呼びかけて、こういった基本的な資材というものに高い関税をかけるということは、結局、そういうものを使ってその上に成り立っていく産業というものの発展を阻害することになるのではないかというような働きかけを現在行っているところでございます。
 その後アメリカの方からは、これを半導体に限らずコンピューターの部品のようなものについてゼロにしようというような提案もございます。私どもはそういった提案に対して、その特定のものに局限する必要もないであろうから、もうちょっと広範囲のエレクトロニクス部品というものの引き下げができないかどうか研究をしようという逆提案を行って、現在研究が進められている。そして同時に、こういった考え方は、私どもといたしましては、ヨーロッパなりカナダにも呼びかけていくということで行ってきているところでございます。ある程度積極的な対応というものは期待できると思います。
 発展途上国に対してはどういう考え方かという御質問でございました。
 先ほど申しましたように、私どもの関税の引き下げというものは、発展途上国に当然適用がございますほか、特恵制度というようなものもあって、発展途上国から輸入する産品に対する関税というものは現在無税、関税を免除された形で輸入されているものが大部分のように理解をいたしております。
 他方、発展途上国自身がそれらの産業について関税を設けるという点につきましては、先ほど来申しますように、これらがいわば新しい情報化時代、メカトロニクス産業の基礎になるものだろうと思われますので、そういったものを高い保護をした状態で育成をしようという考え方が一方にないわけではございませんが、そういう考え方は非常に危険である、その上に成り立つ産業の発展を阻害するのではないかというふうにも考えられるという点を彼らに指摘しているところでございます。
 私どもは、こういった半導体を初めとするエレクトロニクスあるいはさらにハイテクに関する関税引き下げへの話し合いなり、その部分的な実現というものが、現在非常に保護主義が論じられているときでございますから、そういった前向きのステップというものが一つずつとられていくということは非常に重要なことでもございますし、また、ニューラウンドを控えてこういうものを現実に動かしていく際には、重要な先駆けと申しますか呼び水になるもの、かように考えている次第でございます。
#154
○青山委員 ヨーロッパ各国の合意というのは、関税の相互撤廃について一定の見通しを持っておられるのですね。
#155
○黒田(真)政府委員 私どもの呼びかけに対して、カナダは比較的ポジティブな反応があるようでございますが、ヨーロッパの場合には、率直に申し上げてそれほどポジティブではございません。現在、例えばヨーロッパでは半導体に対して一七%という大変高い税率をかけております。これはヨーロッパとしても若干頭痛の種でございまして、そういう高い半導体を使った産業というものをどう考えたらいいかなということでは、一方、育成をしたいから保護をしたいという気持ちと、それらを使った産業を育てたいという気持ちが大変ジレンマになっておるようでございます。先日もこの点を先方に指摘しましたところ、いやいや、自分たちでできないもの、できる当てのないものは実は関税を免除することにして輸入をしているんだというようなことを申しておりましたから、なかなか呼びかけに対して直ちに結構である、我々も参加しようということにはならない面もあろうかと思いますが、こういった考え方自身についてはなかなか反対できないのだろうと思っております。今後、ニューラウンド等が実施の運びになりさらに議論が深まってまいりますと、そういうことは一つの提案として十分受け入れられる可能性はあろうかと思っております。
#156
○青山委員 市場アクセスの改善のためにその他の個別品目の関税引き下げ、特にASEAN諸国から出ている対日要求品目等の取り組みについてお聞かせいただきたい。大体六月中に決定をされることになっているということのようですが、作業状況はどうでしょうか。
#157
○黒田(真)政府委員 せんだって四月九日の対外経済対策の中で特に個別品目の関税については、六月という本年前半中に決めることとしようということが決められております。これは御指摘のようにASEANとの関係に配慮したものでございまして、六月末にはASEANの経済関係の閣僚会議がここ東京で開かれるということも予定されておるというような状況を踏まえまして、御案内のように、従来からASEANとの関係では限られた数ではございますが、やや象徴的に関税の問題が議論をされている。これらの問題につきましては昨年の末にも政府部内でいろいろ御議論のあったところでございますけれども、それが若干持ち越されたような形になっている点もございますので、当然こういった懸案の品目を中心にいたしまして、従来から行われておりますASEANのいろいろな要望もあわせ考慮しながら、先ほど申しましたような段取りの中で問題の解決を図っていきたい、かように考えているところでございます。
#158
○青山委員 紙製品の関税の引き下げについて、東京ラウンドの前倒し引き下げを既にこの四月一日から二年分やってきております。ところが、さらに引き下げ要求がアメリカから出ておるというように聞いております。御承知だと思うけれども、紙製品の業界というのはほとんどが中小企業でありまして、経営基盤が弱い。こういう国内の産業の実態を踏まえて、通産省としてはこのアメリカからの要求に対してどんな対応を考えておられますか。
#159
○黒田(真)政府委員 紙製品の関税につきましては、従来からアメリカが大変関心を示してきたところでございます。東京ラウンド等のプロセスにおきましても、非常な議論を行ってきたところであります。
 御案内のように、昨年、政府といたしましては、紙製品の関税の引き下げを少し長期的に見直して行おうじゃないかということで、ことしの四月一日から三段階に分けて実施する関税の引き下げを既に決定し、国会の御承認も得て、現在実施が進んでいるところでございます。しかるところ、これに加えてアメリカ側から、そのあとどうしてくれるんだというか、それ以上どうしてくれるんだというような形での議論が提出されていることも事実でございます。こういった話し合いが今後引き続き行われるように予定されております。
 他方、産業の状況は、今先生から御指摘もございましたように、いろいろ問題を抱えているところでございますので、そういった状況等を踏まえながら現在慎重に検討をし、適切な対応が必要であろう、かように考えているところでございます。
#160
○青山委員 ちょっと急ぎますが、アメリカの公定歩合の引き下げに対する経済企画庁、通産省の両大臣の評価をぜひ聞かせていただきたい。
 これに伴ってということになってくるのかどうか、アメリカの今後の経済展望をどのように見ておられますか。
 それから、それに伴ってということになるのでしょうが、日本の貿易収支に対する影響、あるいはこれからの景気動向、この点に対する御見解をひとつ示していただきたいと思います。
#161
○金子国務大臣 去る五月二十日にアメリカは公定歩合を八%から七・五%に引き下げました。その後アメリカの金利水準は短期、長期とも軟調裏に推移しております。金利の低下はドル高の是正と内需の拡大を通じて米国の景気に好影響を与えるものと私どもは期待しておるわけでございます。一時、GNPの伸びがこの一−二月大きく低下いたしましたから、これが世界経済並びに日本経済にどういうような影響を与えるだろうというような心配を与えておりましたけれども、最近の状況では、やはり内需は相当好調でございます。輸出が大分落ちたわけでございます。それがGNPの伸びに大きく影響したわけでございますけれども、この前半から後半にかけてアメリカの景気は大体三%から三・五、六%のところまでの伸びが続くのではなかろうかというのが大方の見方と私どもは判断をいたしております。
#162
○村田国務大臣 金子大臣からお答え申し上げたのと全く認識を同じにいたしておりまして、ただ、今回の金利引き下げ、公定歩合の引き下げというのは、米国の景気動向を見てみますと、国内最終需要の伸びは昨年の第二・四半期をピークになだらかな低下傾向にありますけれども、最近の金利低下は個人消費、住宅投資等の需要項目にプラスの材料と判断をしております。また、為替レートとの関係でもドル高是正の観点から見て好材料である、このような基本的認識でございます。
#163
○青山委員 経企庁長官、おつき合いいただきましてありがとうございました。あとは通産大臣の方に質問しますので結構です。
 サミットの宿題にもなっておりますが、内需拡大のための政策、手段のあり方について少し御見解を示していただきたいと思います。
 デレギュレーションといいますか、規制を緩和することによって民間の活力を重要視していくのだ、こういう経済運営も一定の評価はできると思います。一定の評価はできると思うが、しかし、なかなか大変な黒字幅ですから、そうはたやすくない。そういう点を考えますと、サミットの合意とは少し違ってくるかもしれない。サミットの合意は、財政支出の拡大を伴わない形で経済を持続的に発展させていこう、民間活力をぜひ活用していこう、こういう状況でありますが、日本も緊縮財政であり、民間活力の活用、こういう点では基本的に一致しておりますけれども、さあ内需拡大の政策手段のあり方という点になりますと、国民の消費力、購買力をつけていくためには、総理も国会で述べておられるように所得税減税あるいは投資減税、住宅減税等々の税制に手を染めていかなければいけない、その財源はどうするのか、こういう問題がまた出てきます。
 総理がサミットで申されたのは、税制の抜本的な改革、これだけでまた時間が暮れちゃいますから私はちょっとだけ指摘しておきたいが、増税なき財政再建というのだけは守っていただかなければならない、さりとて、この内需拡大というサミットの合意というか公約を果たしていくためにどんな政策手段をこれから考えていかれるのか、やはり税制、財政的な面でも施策が必要ではないか、こういう点をぜひ聞かしていただきたい。
 それから、もうそろそろ来年度の概算要求に対する通産省の姿勢というのがあると思うのですが、内需拡大に直結していくような方針をこの機会にぜひ聞かしていただきたいと思います。
#164
○村田国務大臣 内需拡大問題は、青山委員御指摘のようにサミットでも出ましたし、それからまた継続的に国内の最も重要な施策の一つであろうと思います。
 まず通産省としての立場は、従来から中期的な政策運営の方向として、貯蓄と投資のバランスのとれた持続的な成長、それから民間活力の活用、ゆとりのある国民生活などが重要な課題であるという認識が前提であります。先ほどもお話に出ましたように四月九日に対外経済問題諮問委員会により、我が国経済の一層の国際化という観点から、内需中心の持続的成長を図るために貯蓄それから消費、投資のバランスを図る観点からの税制の見直し、それから社会資本の整備、デレギュレーション、労働時間短縮について提言が行われたわけでございます。通産省としては、これらの諸提言も踏まえまして内需中心の持続的な成長を図り、国民の購買力を高めるための具体的方策について検討してまいる所存でありまして、そういった貯蓄、消費、投資のバランスという点を基本にしていろいろなことを考えておるわけでございます。
 労働時間短縮という一つの例をとって申しますと、労働省では週休二日制をぜひ幅広く採用しようとか、あるいは五月の連休をできるだけ休むようにしようとか、いろいろ具体的な提案がなされましたが、生産方面を受け持つ通産省では、それについてのいろいろな施策を検討いたしました結果、ひとつ週休二日制についての具体的な世論調査をしてみよう、また企業に対してそういう働きかけをしてみようという通産省としては非常に重要な方針を決定いたしました。通産省自体の労働に対する対応におきましても、通商産業省のことを通常残業省であるというような指摘もあったのでございまして、そういうことではならぬ、今、前提として月に五日間休んでおる、各日曜日のほかに土曜日一日、それをぜひひとつ六日にするように工夫をしてみようではないか、それから金曜日の夕刻は残業をしないで真っすぐに家庭に皆さん帰るように、家庭に帰るかどうかわかりませんが、職場から解放してあげようという施策を講じて、私の方から省内でそういうことを指導しております。
 労働時間短縮もその例でありますが、各般にわたってできるだけ内需拡大の方策をとろうということで、来年度の予算につきましても、私は通産大臣というよりも公共事業というものを考える国会議員の立場からいっても、ぜひそういったような内需拡大に資するような予算編成をしてもらいたい、そういう要望はいろいろな機会にしてまいりたいと思っております。
#165
○青山委員 内需拡大は、これから大変な困難に遭遇しながらもぜひ取り組んでいただきたい、政府内部でも五兆円の減税であるとか一兆円規模の公共事業というようなこともささやかれているようでありますから、その決意でぜひこれからしっかりと取り組んでいただきたい。
 時間がありませんから急ぎますが、「昭和五十九年度中小企業者に関する国等の契約の方針」、これが去年の七月二十四日閣議決定がなされまして、契約目標額が定められております。昭和五十九年度においては官公需の総額が九兆九千五十億円、中小企業向けの契約の金額が約三兆七千億円、こういうことになるように努めるものとする、ということで契約の目標額が定められております。現状ではどの程度の進捗状況なのか、つかんでおられるところをぜひ述べていただきたい。
#166
○石井政府委員 官公需全体の件数、約千三百万件に及びますが、現在五十九年度の実績については集計中でございまして、最終結果をまだ得ておりません。
#167
○青山委員 全然つかんでおりませんか。全くつかんでおりませんか。
#168
○石井政府委員 集計中で、最終結果を把握するに至ってないということでございます。
#169
○青山委員 そんな木で鼻をかんだような話をされて……。これから恐らく数値は出てくるのでしょうが、私は何も数字をとやかく言うつもりで質問しようと思ったわけじゃありませんけれども、集計が出てこないからわかりません、じゃ今まで何をやっていたんですか。何もやっていないのですか。途中経過はつかんでいないのですか。集計がなされるまでわかりませんか。――いいですよ、そんなことなら、私はもう質問しないから。いいですか。権威ある数字を発表したい、恐らくこういうことでしょう。あるいは確信に基づいて報告をする。しかし、いやしくも国会では、まだ数字が出てこないとはいいながらも一定の見通しくらいは発表していただきたい。国会議員に対して発表するんじゃないのです。国民に対して発表するんです。そういう意味でつかんでいるところを私は聞かしていただきたいと言っておるのに、まだ集計が出てないから発表できないなんて、ばかな、そんな答弁はありません。
#170
○石井政府委員 五十八年度の実績を最終的に得た段階におきまして反省をしたわけでございますが、中間段階での捕捉の段階で目標率を約三%上回っておりました。そういう意味で若干楽観した面があったわけですが、実績は大幅に目標を下回ったということになったわけでございます。そういう意味におきまして、私ども最終成果の把握については慎重たらざるを得ないわけでございます。もちろん五十八年度のそういう経験にかんがみまして、五十九年度におきまして九月、本年の一月と二回にわたりまして途中計特段階での集計はいたしましたけれども、これをもって最終成果の感触を申し上げるのは極めてリスキーであるという意味において最終段階の数値はまだ得てないとお答えを申し上げた次第でございます。
#171
○青山委員 こんな詰まらないことで時間を食うつもりはないのですが、きょう今日の発表によってこれからの受注の内容が変わってくるのですか。数値が上がってきておらないというだけのことでしょう。
 つまり、私はできれば、本当なら七月下旬の閣議決定ではなくて、予算の執行が始まる段階で、中小企業向けの国等の契約の方針というものを示していただきたい。いつも数字が上がってこないから、上がってこないからといっておくらせていくものだから、期間がだんだん狭くなってきて、結局中小企業にそのしわ寄せが来るという一面もまたあるわけです。
 ですから、そういう点では、ぜひこれから私の希望としては、できるだけ早い機会に閣議決定していただきたいというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#172
○村田国務大臣 実は青山先生、私も同じ質問を、先生から御質問があるというので勉強しているときにしたのです。大体七月にならないとわからないというのは少し遅過ぎるではないか。私は今まで公共事業をいろいろやってきているので、実情は知っているのですけれども、実は、中小企業庁長官が非常に慎重にお答えを申し上げた真意がよくわかるので、私からお答え申し上げますが、全体で件数が千三百万件あるそうです。それで毎年、何とかひとつこれを六月にということでやっているのですが、例年の閣議報告の日にちを見てみますと、ほとんど七月中、下旬でございます。これは結局、そういうデータが余りにも多過ぎて、建設省、大蔵省、運輸省等々いろいろ苦労して積み上げた結果が、どうしても七月になるという実績の集計だろうと思うのです。
 しかし、青山委員が御質問しておられる意図はおのずから明らかでありまして、五十九年度の場合は三兆七千億円、そして比率で三七・四%でありますから、これをもっと上げよ、こういう意味だと思います。私も全く同じ気持ちで、ひとつどのくらい上げていくことができるか、できるだけやってみなさいと言うわけでございますが、ある程度の期間をとってみると、昭和四十一年度が二五・九%で、五十九年度が三七・四%でありますから、その間、一一、二%上がっておるわけです。まあこれは一挙に三%、四%引き上げるということは到底困難だと思いますが、青山委員御指摘の御希望、これは我々も全く同じ気持ちでございますから、そういう趣旨で六十年度の予算編成あるいは事業執行に臨んでいきたい、このように考えておりますから、ひとつ応援をしていただきたいと思います。
#173
○青山委員 時間が来ましたので質問をやめますけれども、やはり遅く閣議決定なされることがいろいろな面で問題が出てきておりまして、中小企業団体中央会でもいろいろな形で要望が出てきております。
 そういう点をぜひひとつよく踏まえていただいて、大企業とはまた違う悩みを抱えながら努力している、そういう産業分野、団体、組合に対する配慮をひとつぜひやっていっていただきたい、お願いをしておきます。
 質問を終わります。
#174
○浦野委員長代理 続いて、工藤晃君の質疑に入ります。工藤晃君。
#175
○工藤(晃)委員 本日の商工委員会でも昨日の物価問題特別委員会でも、豊田商事並びに同グループの悪徳商法が取り上げられております。私も、被害の徹底的な救済とともに、悪質な違法行為を徹底的に追及しなければならない。同時に、例えば金の現物まがい商法、これは豊田商事一社だけでなくて広がっているし、それから本当に次々と新手が出てきているわけでありますから、これらどのような悪徳商法に対しても、国民を被害から守らなければならないし、そのために関係法令のあり方や行政のあり方、もっともっと検討していかなければならない、こういう立場から限られた時間、消費者保護の問題について伺っていきたいと思います。
 私は、一つの問題として、三和信託という名前の訪問販売をやって、金の現物まがい商法で、特にひとり暮らしのお年寄りや家庭の主婦をねらって契約に巻き込んでいく、そしていろいろトラブルが起きている、大変件数が多い、この点につきましては、これは企画庁、通産省、それぞれ御存じでしょうか。
#176
○矢橋政府委員 おおむねの状況は、承知をしております。
#177
○工藤(晃)委員 おおむねの状況ということでありますが、東京都の消費者センター調べを伺いましたところが、金の現物まがい商法の苦情件数というのは、五十八年度、五十九年度、ことしの四月と見ますと、五十八年度、豊田商事が六十七件、三和信託が三十一件、五十九年度が、豊田商事が百四十九件、三和信託が百五十件、ことしの四月、豊田商事が四十二件、三和信託が二十一件でありますから、三和信託の数というのも大変多いし、それから特に東京の多摩地区では、被害が続出しているという状況であります。
 それで私は、きょう個々のケースについてこれをどうしたらいいかという形で伺うのでなしに、もう少し広く伺っていきたいわけでありますが、どうも三和信託の商法というのは、豊田商事と大変似た点があるように思われます。
 立川にある私の事務所にもいろいろ相談が寄せられておりまして、解決に努めておりますが、最近寄せられた三和信託に関する七件、そのうち三件はひとり暮らしのお年寄りの婦人であります。四件は三十歳台の方が多いのですが、家庭の主婦ということでありまして、そこがねらわれております。
 その訪問販売の手口というのはどうかといいますと、まず婦人からの声で電話がかかってきまして、銀行預金よりも有利な利殖の方法がある、お訪ねしますので話を聞いてくださいと電話が入ってくる。このとき、もちろん金の話というのは全然出てこないわけであります。しばらくすると、大体男性の勧誘員がやってまいりまして、最初は世間話をする。それで大抵ちょっと会社に電話連絡したいからといって、そこで上がり込んでしまうわけですね。
 それからまず預金があるかないかということを尋ねて、それで利息の計算をしましょうということで通帳を出させる、ここらあたりで初めて金の話を出して、金は絶対に下がらないし、地金は会社で預かるから盗難の心配もない。それで金の地金を買いなさいというふうに勧める。
 それで長時間、何時間も粘られるので、根負けして契約にサインし、捺印すると、預金通帳と印鑑を私の方で預かり、銀行の手続をやりましょうといって預かってしまうわけですね。それから同時に、白紙委任状もとらなければいけないというので、それにも捺印させる、こういうことをやらせます。
 何しろ本人が考える余裕を与えず、契約、通帳を渡すまで一気に済ましてしまって、そして最後にさまざまな契約証書というのを、紙切れを渡す、こういうやり方なんです。
 特に主婦の方に対しましては、絶対だんなさんに言うな、ないしょにしておけ、こういうことまで言っているわけですね。そして三和信託の場合は、三和信託みのり契約、三和信託すくすく契約とか、後でも言いますように、信託という名前がついておりますから、まさに信託の契約書みたいな印象を与えるわけでありますが、その内容は純金地金の賃貸契約である。三年間賃貸する。年大体一〇%賃貸料を払っていきます。中途解約はできない。もしするときには違約金を、一年未満なら二〇%取る。そのとき、最初の金価格との間の価格の差損がある場合には、それはやはり負担させる。いわゆるおばあさんだとか主婦の方に負担させる。こういう内容になっているわけであります。
 私、この契約書を持ってきておりますけれども、この契約書のずさんなこと、例えば一番大事な金の店頭価格、グラム、本当は二千八百八十五円というのを千八百八十五円と書いたり、本当にずさんきわまりない。こういう契約書が、ともかく一生懸命本当の老後の設計としてためた貯金と引きかえに渡されてしまって、それで悲劇が始まるわけなんです。
 今私が大体説明したような三和信託の商法というのは、勧誘の仕方それからこの契約の大体の中身、骨格において豊田商事の現物まがいと大変似た点があるのではないかと思いますけれども、その点どうでしょうか。
#178
○矢橋政府委員 基本的な形はほとんどそっくりであると考えております。
#179
○工藤(晃)委員 基本的な形は大変そっくりであると、私もそのとおりだと思いますが、本当を言えば、この契約書を三和信託と豊田商事と比較するといろいろ重要な点もありますが、きょうはそこまで入らないで進みたいと思います。
 私は、この金の現物まがい商法でどうしても私自身納得いかない点が三点ばかりありますので、これは大臣からも意見を伺いたいと思うのです。
 この勧誘が、ともかくさっき言いましたように、ひとり暮らしのお年寄りや主婦の方をねらって、そうして金は絶対に下がらないとか、今の郵便や銀行の預金よりかはるかに有利であるということで勧誘しているわけですが、この勧誘の仕方自身大きなうそがあるのじゃないでしょうか。これはもう皆さん御存じのとおり、例えばロンドンの金価格を見ましても、一九八〇年が年としては頂点でありまして、そしてことし二月の金価格、これはドルであらわしましても、八〇年の平均と比べて四八・八%ぐらい、半分以下に下がっている、こういう状況です。これは円の為替レートの変動がありますから、このとおりではありませんけれども、そういうときに、金を持っていたら確実にもうかりますという勧誘の仕方自身が全くうそをついていることになるのじゃないか。しかも、相手は金を日ごろ取り扱っている業者でも何でもありません。まして金価格はどうして決まるのかとか、金価格がどうなったらどうなるかということに関心をお持ちでなかった人に突然そういうことを言って、どうしても買えというふうに勧めるという、このやり方自身が、うそで勧誘していくという、詐欺的といいますか、詐欺まがい、いわゆる刑法で詐欺と言うときにはもっといろいろ要件があるかもしれませんが、ともかく通常言う詐欺まがいの勧誘の仕方になるのではないかと思いますが、その点どうでしょうか。
#180
○矢橋政府委員 確かに先生仰せのように、金は上がることもございますけれども、大きく下がることもあるわけでございまして、絶対にもうかるということは間違いでございます。
 そういった意味において、そういうことを前面に出した勧誘の方法というのはやはり不適正な勧誘方法であると考えております。
#181
○工藤(晃)委員 実際に全く不適正といいますか、本当に金の価格の問題について全く知らない。方をつかまえて、こういううそを言って、そして一方的に契約を押しつける。危険を知らさないで押しつけるということと同時に、さっき言いましたように、あなた、だんなさんにはないしょにしておきなさいよというのは、これは家庭を破壊するじゃないですかね。そんなひどいやり方ありますか。そういうことまでやっていく。まさにもう詐欺行為そのものだと私は思っておりますが、それからもう少し話を進めてみたいと思います。
 それで、私が納得いかない第二の点というのはこういうことなんです。純金というのは、これはもう毎日即刻にでも換金できる、現金とそっくりのものですね。ただし相場が変わりますけれども、これはだれが持っていても、店頭で販売する、あるいは業者を通じて簡単にこれは現金にかえられるもので、そもそも貨幣というのは金そのものであったわけでありまして、一オンス三十五ドル、それで三百六十円が一ドルというようなことで、日本の法律でも貨幣法の中には金との関係がちゃんと残っているわけなんですね。だから、その意味で言えば、もう貨幣とか現金と全く変わらないものである。
 そういうものを例えば三年間預かってしまう。それで途中では返さないということになっていますね。そうすると、言ってみると、三年間の定期預金をしたような格好になるのですけれども、消費者保護の立場からいいますと、三年間預けた人を守るという立場からいうと、本当に確実にこの賃貸料が払われるであろうか、三年後確実に金(きん)が戻ってくるであろうかということは当然不安になるのです。銀行なら銀行業法その他で、銀行の経理内容はこうでなければいけないとか、銀行のいろいろな仕事のあり方はこうでなければならないという、いろいろな法的な規制あるいはそれに基づく行政の指導があるけれども、まさに銀行の三年物の定期預金と同じようなことをしながらも、実際にこれらの業者、これは三和信託一つとっても、本当にこのお金で金塊を買ったのですか、どう運用しているのですかと言ったって、これは企業秘密だから言わないというわけですね。全くこの経理内容が明らかでないし、明らかにしない。
 それからもう一つ、三和信託の場合には、これはみのり契約というのですが、この契約の二十五条その中に「註文者ハ本契約ニヨリ賃貸シタ当該物ヲ受註者ガ収益ヲ目的トシテ委託会社ニ委託スルコトヲ承諾スルモノトスル。」というふうになっていて、委託会社というのが出てきて、委託することも承諾させてしまっているのですが、この委託会社が一体何者であるかわからないし、じゃ、委託会社が万一左前になったときにどうなるのかということも何の保証もない。
 そういうことさえあるわけでありますが、どうでしょうか、これは通産大臣にも答えていただきたいのですが、三年間も金(きん)を預かるというならば、その預かる方の会社の経理内容はこうで、本当に安心できる状態でやっているとか、これは確実に金をこのように購入してこのように運用しているとか、委託会社はこうであるという、そういうことぐらい消費者の側にも明らかにするし、また、何らかの形で行政側もそれをつかむようにしなければ消費者は守れないのではないかと思いますが、その点、通産大臣どうでしょうか。
#182
○村田国務大臣 工藤委員御指摘の案件は、通産省から言えば訪問販売法の対象として考える対象でありますし、それから、御出席になっておられます金子大臣の方から言えば消費者保護という立場から考えなければいけない。
 ただ、これは工藤委員御専門でありますからよく御承知のように、いわゆる自由主義経済社会の法の谷間をねらって行われておるような行為なんですね。
 したがって、社会的に見れば、まさにこれは、すくすく商法であるとかあるいは豊田商事にいたしましても、第三者が見れば本当に社会的に問題の多過ぎる方法でございますし、また、工藤委員のような聡明な方のお宅に訪問されれば、逆に、来られた方が言い込められるということになるんだろうと思いますけれども、それがおばあさんであるとかあるいは御主人がお留守の家庭の主婦であるとかというような、言うなれば、法律的に見てそういったことをよく御存じない方を対象にしているだけに問題が多いんだと思います。
 御指摘の点は通産省それからまた経済企画庁、よく相談をいたしまして、そういった不当な法律行為というか、不当な行為が行われないような安全措置と申しますか、そういったことについて十分検討いたさなければならないと思っております。
#183
○工藤(晃)委員 私がもう一つ問題提起しておきたいのは、中途解約できないとして、実際に解約した場合には二〇%あるいは金価格が下がっていれば差額も負担せよ、こういう一切の負担がかかってくるから、実際この問題が解決すると、三和信託の場合よくて七割ですね、豊田商事の場合はもっとひどい例も聞いておりますけれども、そういうことですが、さっき言ったように定期預金と実際には変わらないようなということからいいますと、定期預金三年物を解約すると、今六・八六%の利子を普通預金の一・五%にしてといった、それだけのマイナスをかぶるのですけれども、今度は一千万出したとすると丸々三百万も返ってこないという大変な損害を受けるわけで、契約のあり方としてこういうことがあってはいけないのではないかということですね、こんな高い違約金というのはあってはいけないのではないかということ。
 それから、もう一つは、クーリングオフで守られていないということですね。さっき言ったように、だれもいない、本当に御主人もいない間に来て、家庭の主婦をだましてしまって、だんなには黙っておく方がいいですよというようなことでやっていって追い込めていく、こういうことから、どうしてもクーリングオフがないということも全く納得がいかないのです。先ほど大臣がいみじくも言われたように、まさに法の谷間をくぐっているということは言えるわけでありますけれども、しかし、本当に国民を守るという立場からいえば、やはり私たちは、ひとり暮らしのおばあさんや主婦の人たちや消費者の人たちが、どういう形であれ、悪徳商法から守られなければいけないのじゃないか、こういうふうに思うわけで、そういう点で今度は金子長官にも、通産大臣の方からいえば先ほどお答えがありましたように、訪問販売法の改正ということも含めたような法体系のあり方、あるいは行政のあり方もありますし、その他いろいろあると思いますが、その点、お二人の方に簡単でもいいですからぜひ御決意を聞きたいと思います。
#184
○金子国務大臣 今お話しのような悪徳商法がまかりとおるような世の中では本当に困ると思います。私どもも、消費者センターを初め各地の相談所と連絡いたしまして、消費者の啓蒙あるいは相談相手になってもらうように極力努力をいたしておる次第でございまするけれども、これが脅迫まがいの行為があったとか、あるいは詐欺と判断できるようなところまでいっておりますると警察の問題として取り上げることができるのでございますが、なかなかそこをうまくやっていて捕まらない、それが実は一番頭が痛い問題でございます。しかし、こういった問題につきましては、担当の通産省を初め警察その他とも十分連絡をしながら、今後法律の改正を含めて一体どういうことができるのか、十分な検討をして、こういう問題が起こらないように努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
#185
○村田国務大臣 金子大臣からお答えのあったとおりでございます。訪問販売法の立場から申しますと、例えば金を指定商品としたらどうかというようなことも考えられるわけです。ところが金を考えた場合には、訪問販売法の二条三項で「主として日常生活の用に供される物品」となっておりまして、金のような投機的商品についてはこの要件に該当しないために政令指定が困難だ、こういうような事情があります。
 それからまた、一般消費者が金地金を購入するというような場合を考えてみますと、模造品の排除であるとか売買に伴うトラブル防止といった観点から、信用ある金地金商等の店頭で現物を確実に受け取る購入方法が最も望ましいということから、通産省としては、健全な金地金の流通機構の中核的機関として、社団法人日本金地金流通協会の設立を昭和五十四年の暮れに許可をいたしまして、同協会内に登録店制度を設けて、信用ある売買店舗網の拡充に努めておるというような対策はいろいろ講じておるわけでございます。
 しかし、こういった悪徳商法の対象になるのは金地金でもよし、あるいはゴルフの会員権でもよし、ダイヤモンドでも何でもいけるわけでございまして、そういった法網をくぐろうとする、いわゆる性悪説の立場からいうと、非常にそれが防止しにくい。したがって、これを国民的サイドから見て、それじゃまず一番とれる方法は何かと言えば、国民に対する、一般消費者に対する十分な認識を持っていただく意味で、ポスターだとかテレビだとか新聞だとか、いろいろなものによってPRをする、そういうことも迂遠なようではあるけれども非常に有力な手段だと思っておりまして、通産省は、物によっては何十万枚あるいは何万枚といったようなPR文書を作成していろいろ関係機関を通じて流すとか、直接一般国民に問いかけるとか、いろいろな方法で考えておるところでございます。
 今、工藤委員の御指摘になったような問題はまさに社会的な問題であると思いますので、よいお知恵をかしていただいて、一緒にひとつ工夫をしてまいるべき問題だろう、このように思います。
#186
○工藤(晃)委員 この法ではこういう点が難しいとか、あの法ではこういう点が難しいとか、いろいろ聞かれますけれども、それは場合によれば法の改正とか解釈とかいろいろありまして、我々が全く賛成しない立場からの法解釈を変えた例としては、商品取引所法の第八条の解釈を突然政府が変えて、それから運用がまるきり変わったという例、これは決していい例じゃないけれども、国民の利益を守るという立場から法の解釈をよりよくしていくということだってこれは考えられるわけでありますから、その辺はその立場をお互いに確認すれば前へ進められると思うのです。
 私は、何よりも本当にひとり暮らしのおばあさんを守らなければいかぬ、主婦たちを守らなければいけない、こう思うわけであります。ですから、これは我々が、法にこういう穴があいているから守れないんだと言ったのじゃ、これは国民に責任を果たせないと思うのです。これをぜひ果たしていくという責任を強く要望して、もう一問だけ、今度は簡単な質問を企画庁長官にしたいと思います。
 それは、最近経済企画庁が「二〇〇〇年に向けて激動する労働市場」という委託調査を行って、その報告書が発表されているわけであります。これはなかなかおもしろい問題が幾つもありまして、要するに二十一世紀の就業構造や労働市場を予測している。そこで三ついろいろ出すわけですね。ME革命の問題と、それから団塊世代の次の、その子供たちの第二次団塊世代ですか、それが労働市場にちょうど入ってくるのが一九九〇年以後であるということと、それからやはりどうも低成長が続くのではないか、こういう三つのことから一九九〇年ごろから労働市場は相当大変なことになるのではないかということをうかがわせるような内容になっていると思うのです。
 私自身ここで重要な点だなと思ったのは、一つの点はアルバイト、パート、派遣労働者を中心にしまして特に新しい低賃金層が非常に広がる。それは女子パート労働者を一つ中心にして、もう一つは六十歳以上の高齢の雇用者というのが新たな低賃金層として広がっていく、こういう問題の提起だとか、それから、研究開発部門があって、それから工場とかオフィスがあって、それから販売とかサービス、この三つに分けると、今の場合ですと工場、オフィスが多くて周りが低いから十字架になっているけれども、今のME革命をやっていくと、ここがだんだん減っていって、ここがやせていってバーベル型になっていくという、こういうような問題の指摘、そして、特にパート、アルバイトは大体六人に一人が、二〇〇〇年には三人に一人になるのではないか、特に工場、オフィスにおいては五人に一人ぐらいが五人に二人になって、これが新たな低賃金層になっていくという問題がある。それから、大学卒の男子の場合、今だと五十歳から五十四歳だと大体部課長になれるのだけれども、二〇〇〇年になると四人に一人しかなれないというのですね。年功序列が完全に崩れていくという、指摘した問題は大変おもしろいし、重要であるというふうに考えるわけでありますが、こういうことを企画庁としても今後研究や調査をもっともっと推し進めていくべきだと私は思いますが、その辺はどうでしょうか。
#187
○星野政府委員 お答え申し上げます。
 今先生御指摘いただきました報告書でございますが、これは社会開発研究所というところへ委託いたしまして、一橋大学の津田先生などが中心になって御勉強いただきました。先生御指摘のように非常に思い切った検討がされた報告書だと私ども受け取っております。
 今先生が内容に触れられまして少し御解説いただきましたが、要するに今のままの労働市場といいますか、雇用慣行、そういったようなものを続けてまいりますと、恐らく一九九〇年を過ぎてまいりますと、先生御指摘いただきましたように、いわゆる団塊世代の子弟、第二団塊世代でございますが、それが非常にふえてくるということと、それから全体に労働力が高齢化するということで高齢者労働がふえてくるということと、片一方、団塊の子供たちの要するに若年層、この二つが何か非常にふえてくる特異な労働供給型になってくる。それを今のままの雇用慣行、その他のままでいると恐らく、先生が御指摘いただきましたように六人に一人が三人に一人とか、そういう外部市場、いわゆる企業内ではなくて企業の外側からいろいろ雇用を求めるという外部労働市場型の労働供給あるいは需要になってくる、そういうような指摘がいろいろされておりまして、大変示唆に富んでいると思いますが、ただこの報告書のねらいは、次に恐らく先生が御指摘いただくのだろうと思いますが、むしろ今の雇用慣行をだんだん、急激ではなくて徐々に改善していくべきじゃないだろうか。それはいわゆる生涯教育だとか、かなり雇用を、いわゆる企業主義型から個人主義型に変えていきながら、個人が労働市場にいろいろ選択あるいは適応していくような状況に持っていくということを今から準備しておく必要があるだろうということが恐らくこの報告書の結論でありまして、そういう点で私ども非常に示唆に富んでおることじゃないかと受けとめております。
#188
○工藤(晃)委員 いや、企画庁としてこういう調査や研究をもっと今後も進めるかどうか、特にME革命の影響なんか、その辺伺いたいと思います。
#189
○星野政府委員 私ども企画庁でということになりますと、現在、国民生活審議会というのがございまして、長寿社会の構造というようなことを今御検討いただいておりまして、今このレポートにありますようないわゆる高齢化あるいは情報化社会、先生が言われたME化でございますが、そういう社会に対応するようなライフスタイルそれから雇用の関係、そういうものの検討を進めておりますし、それから既に現在あります「一九八〇年代経済社会の展望と指針」という経済計画がございますが、これの中でもむしろME化時代あるいは情報化時代、そういうようなものに対応するように、週休二日制を含めながらよりリカレントと申しますか、一人一人の労働者あるいは勤労者がより多様に就職ができるような能力を備えるような労働システムに持っていく必要があるのではないかというような示唆をしております。
#190
○工藤(晃)委員 もちろんこの中の分析の幾つかの点には私として疑問を持ったり不満な点もあります。例えば、今の賃金がだんだん格差が広がってきた、これは六〇年代の所得倍増計画のときなんか、この二重格差をなくすんだというのを大きな課題に少なくとも政府はしていたわけですが、もちろんこのときの二重格差の再現じゃないけれども、ちょっととらえ方として、さっき言ったような内部労働市場と外部労働市場というのが画然と分かれていったというようなことと、それからこの中にいろいろ書いてありますけれども、例えば、このような状態では「必ずしも低賃金そのものが社会的に問題になるわけではない。夫が常用フルタイムで働いていれば、パートタイマーをしている妻の収入が夫より安くても問題は少ない。」だからともかく、外部労働市場が広がるとかパートが広がるということは必ずしも低賃金問題として社会問題になってないというのは、少しこれはちょっと言い過ぎであって、実情はそうでなくて、それこそ、ここの中で大いに使われている就業構造基本調査などを見ましても、例えば有業者、仕事を持っている人の中でも一四%が追加就業希望とか転職を希望している、転職を希望している理由というのは、収入が少ないからとか将来性がないからということで希望している。そしてやはり、希望しているのはアルバイトとかパートではなしに、正規の職員というのが多いわけですね、希望者が。
 こういう状況を見ても、今のアルバイトの人、パートの人はそれがいいからそれで満足しているというようなものじゃ決してないということは指摘しておかなければいけないのですが、ともかく、この中で一つ非常に驚いた指摘として、例えば一九八三年男子高卒三十五歳の標準労働者が年間給与五百万円である、同じ労働時間、女子パートだと百三十万円であって、四倍である。だから、仮にME革命で労働の質というのが近づいて女子パートに置きかえられるのだったら、みんな置きかえていくだろうというようなことになると、まさにこの低賃金部分がうんと広がるというのが一九九〇年から二〇〇〇年ということになってくるわけでありまして、これは非常に重大な問題として検討しなければいけないということです。
 それで、時間も参りましたが、最後に、この一つの示唆として労働時間の短縮をやるべしということが書いてあるわけですが、これは二〇〇〇年に向けてやるのではなしに、今直ちにやった方がいいのじゃないかと思いますが、それは金子長官、どうでしょうか。
#191
○金子国務大臣 経済諮問委員会で出しております報告書にも休日の拡大の問題が出ておりますが、私どもとしてはぜひ、これは今度のアクションプログラムでも取り上げるつもりでおりますので、ぜひひとつまた御支援等ありますようにお願いいたします。
#192
○工藤(晃)委員 では、これで終わります。
#193
○浦野委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト