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1984/06/25 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 農林水産委員会 第27号
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1984/06/25 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 農林水産委員会 第27号

#1
第102回国会 農林水産委員会 第27号
昭和六十年六月二十五日(火曜日)
    午前十時三十六分開議
出席委員
  委員長 今井  勇君
   理事 衛藤征士郎君 理事 島村 宜伸君
   理事 田名部匡省君 理事 玉沢徳一郎君
   理事 小川 国彦君 理事 田中 恒利君
   理事 武田 一夫君
      大石 千八君    鍵田忠三郎君
      鈴木 宗男君    月原 茂晧君
      野呂田芳成君    保利 耕輔君
      松田 九郎君    三池  信君
      山崎平八郎君    若林 正俊君
      上西 和郎君    串原 義直君
      島田 琢郎君    日野 市朗君
      細谷 昭雄君    駒谷  明君
      吉浦 忠治君    菅原喜重郎君
      津川 武一君    中林 佳子君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       近藤 元次君
        農林水産大臣官
        房長      田中 宏尚君
        農林水産大臣官
        房審議官    吉國  隆君
        林野庁長官   田中 恒寿君
 委員外の出席者
        議     員 宮崎 茂一君
        議     員 島田 琢郎君
        議     員 小川 国彦君
        議     員 津川 武一君
        農林水産委員会
        調査室長    門口 良次君
    ―――――――――――――
六月二十一日
 鶏卵の需給の安定に関する法律案(島田琢郎君
 外四名提出、衆法第三八号)
同月二十四日
 採卵養鶏業への農外大企業者等の進出の規制等
 に関する法律案(津川武一君外一名提出、衆法
 第三九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特
 別措置法案(宮崎茂一君外四名提出、衆法第一
 八号)
 地域林業振興法案(島田琢郎君外八名提出、衆
 法第二〇号)
 鶏卵の需給の安定に関する法律案(島田琢郎君
 外四名提出、衆法第三八号)
 採卵養鶏業への農外大企業者等の進出の規制等
 に関する法律案(津川武一君外一名提出、衆法
 第三九号)
 森林・林業・林産業の活性化推進等に関する件
 請 願
   一 第七次漁港整備計画の促進及び漁港関
     係事業予算に関する請願(菊池福治郎
     君紹介)(第四一号)
   二 木材産業の不況対策に関する請願(中
     川和三郎君紹介)(第八〇号)
   三 同(中林佳子君紹介)(第八一号)
   四 同(野間友一君紹介)(第八二号)
   五 同(不破哲三君紹介)(第八三号)
   六 同(三浦久君紹介)(第八四号)
   七 米の国内自給体制に関する請願(志賀
     節君紹介)(第一五二号)
   八 韓国米の輸入反対等に関する請願(吉
     原米治君紹介)(第二三六号)
   九 木材産業の不況対策に関する請願(畑
     英次郎君紹介)(第四五四号)
  一〇 東京営林局存置に関する請願(赤城宗
     徳君紹介)(第一四六二号)
  一一 まき網漁業の操業禁止区域の拡大等に
     関する請願(志賀節君紹介)(第一五
     七二号)
  一二 農林水産関係予算増額等に関する請願
     (中林佳子君紹介)(第一七〇三号)
  一三 木材産業の不況対策に関する請願(不
     破哲三君紹介)(第一八〇〇号)
  一四 土地改良事業等に関する請願(天野等
     君紹介)(第二〇九六号)
  一五 同(池端清一君紹介)(第二〇九七号
     )
  一六 同(浦井洋君紹介)(第二〇九八号)
  一七 同(小沢和秋君紹介)(第二〇九九号
     )
  一八 同(岡崎万寿秀君紹介)(第二一〇〇
     号)
  一九 同(岡田春夫君紹介)(第二一〇一号
     )
  二〇 同(木島喜兵衛君紹介)(第二一〇二
     号)
  二一 同(経塚幸夫君紹介)(第二一〇三号
     )
  二二 同(瀬崎博義君紹介)(第二一〇四号
     )
  二三 同(田中美智子君紹介)(第二一〇五
     号)
  二四 同(武部文君紹介)(第二一〇六号)
  二五 同(辻第一君紹介)(第二一〇七号)
  二六 同(中川利三郎君紹介)(第二一〇八
     号)
  二七 同(野間友一君紹介)(第二一〇九号
     )
  二八 同(浜西鉄雄君紹介)(第二一一〇号
     )
  二九 同(林百郎君紹介)(第二一一一号)
  三〇 同(東中光雄君紹介)(第二一一二号
     )
  三一 同(藤木洋子君紹介)(第二一一三号
     )
  三二 同(藤田スミ君紹介)(第二一一四号
     )
  三三 同(正森成二君紹介)(第二一一五号
     )
  三四 同(三浦久君紹介)(第二一一六号)
  三五 同(安田修三君紹介)(第二一一七号
     )
  三六 同(工藤晃君紹介)(第二二六九号)
  三七 同(柴田睦夫君紹介)(第二二七〇号
     )
  三八 同(島田琢郎君紹介)(第二二七一号
     )
  三九 同(八木昇君紹介)(第二二七二号)
  四〇 同(瀬長亀次郎君紹介)(第二三四〇
     号)
  四一 同(日野市朗君紹介)(第二三四一号
     )
  四二 同(小川国彦君紹介)(第二三九八号
     )
  四三 農林水産関係予算増額等に関する請願
     (津川武一君紹介)(第二三九七号)
  四四 土地改良事業等に関する請願(角屋堅
     次郎君紹介)(第二四四〇号)
  四五 同(箕輪幸代君紹介)(第二五一五号
     )
  四六 同(松本善明君紹介)(第二五二九号
     )
  四七 同(梅田勝君紹介)(第二七〇一号)
  四八 同(佐藤祐弘君紹介)(第二七七一号
     )
  四九 同(不破哲三君紹介)(第三〇四七号
     )
  五〇 同(山原健二郎君紹介)(第三〇四八
     号)
  五一 畜産物の輸入抑制等に関する請願(玉
     沢徳一郎君紹介)(第三〇六八号)
  五二 農業者年金制度拡充強化に関する請願
     (天野光晴君紹介)(第三四六〇号)
  五三 農業の振興、食糧自給力向上等に関す
     る請願(北口博君紹介)(第三四六一
     号)
  五四 農林年金等の改悪反対に関する請願
     (林百郎君紹介)(第三七〇四号)
  五五 農産物輸入自由化反対等に関する請願
     (林百郎君紹介)(第三七〇五号)
  五六 同(伊藤忠治君紹介)(第四一三九号
     )
  五七 畜産・養蚕経営の安定に関する請願
     (井出一太郎君紹介)(第四四五五号
     )
  五八 同(小沢貞孝君紹介)(第四四五六号
     )
  五九 同(唐沢俊二郎君紹介)(第四四五七
     号)
  六〇 同(串原義直君紹介)(第四四五八号
     )
  六一 同(塩島大君紹介)(第四四五九号)
  六二 同(清水勇君紹介)(第四四六〇号)
  六三 同(田中秀征君紹介)(第四四六一号
     )
  六四 同(中島衛君紹介)(第四四六二号)
  六五 同(中村茂君紹介)(第四四六三号)
  六六 同(羽田孜君紹介)(第四四六四号)
  六七 同(宮下創平君紹介)(第四四六五号
     )
  六八 同(若林正俊君紹介)(第四四六六号
     )
  六九 治山事業の拡充に関する請願(井出一
     太郎君紹介)(第四四六七号)
  七〇 同(小沢貞孝君紹介)(第四四六八号
     )
  七一 同(唐沢俊二郎君紹介)(第四四六九
     号)
  七二 同(串原義直君紹介)(第四四七〇号
     )
  七三 同(塩島大君紹介)(第四四七一号)
  七四 同(清水勇君紹介)(第四四七二号)
  七五 同(田中秀征君紹介)(第四四七三号
     )
  七六 同(中島衛君紹介)(第四四七四号)
  七七 同(中村茂君紹介)(第四四七五号)
  七八 同(羽田孜君紹介)(第四四七六号)
  七九 同(宮下創平君紹介)(第四四七七号
     )
  八〇 同(若林正俊君紹介)(第四四七八号
     )
  八一 農林年金制度の改悪反対等に関する請
     願外三件(中林佳子君紹介)(第五四
     五九号)
  八二 農産物輸入自由化反対等に関する請願
     (角屋堅次郎君紹介)(第五七三一号
     )
  八三 農林年金制度の改悪反対等に関する請
     願(稲葉誠一君紹介)(第五七三二号
     )
  八四 同(上西和郎君紹介)(第五七三三号
     )
  八五 同(新村源雄君紹介)(第五七三四号
     )
  八六 同(田中恒利君紹介)(第五七三五号
     )
  八七 同(松沢俊昭君紹介)(第五七三六号
     )
  八八 同(吉原米治君紹介)(第五七三七号
     )
  八九 同(稲葉誠一君紹介)(第五八六五号
     )
  九〇 同外二件(上西和郎君紹介)(第五八
     六六号)
  九一 同(田中恒利君紹介)(第五八六七号
     )
  九二 同(月野市朗君紹介)(第五八六八号
     )
  九三 同(細谷昭雄君紹介)(第五八六九号
     )
  九四 同(小川国彦君紹介)(第五九七二号
     )
  九五 同外一件(上西和郎君紹介)(第五九
     七三号)
  九六 同(田中恒利君紹介)(第五九七四号
     )
  九七 同(津川武一君紹介)(第五九七五号
     )
  九八 農畜産物の輸入制限品目保持に関する
     請願(上草義輝君紹介)(第六五五一
     号)
  九九 農林年金制度の改悪反対等に関する請
     願(小川国彦君紹介)(第六五五二号
     )
 一〇〇 食糧の安定供給等に関する請願(津川
     武一君紹介)(第六七四〇号)
 一〇一 同(中林佳子君紹介)(第六七四一号
     )
 一〇二 土地改良事業等に関する請願(瀬崎博
     義君紹介)(第六七四二号)
 一〇三 同(竹内猛君紹介)(第六七四三号)
 一〇四 農林年金制度の改悪反対等に関する請
     願(中林佳子君紹介)(第六七四四号
     )
 一〇五 同(日野市朗君紹介)(第六八七〇号
     )
 一〇六 農産物の輸入自由化反対等に関する請
     願(中林佳子君紹介)(第六八六九号
     )
     ――――◇―――――
#2
○今井委員長 これより会議を開きます。
 宮崎茂一君外四名提出、流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。宮崎茂一君。
    ―――――――――――――
 流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○宮崎(茂)議員 流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法案につきまして、提出者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。
 昨年三月に発生した警察庁指定第百十四号事件は、一部の食品メーカーの製品への毒物混入の予告、店頭における毒物の入った食品の発見等が相次ぎ、店頭から製品が撤去されたり、正常な販売ルートが大幅に縮小される等の異常な事態を惹起し、国民一般及び食品産業界に多大の不安を与えたところであります。
 このような流通食品への毒物の混入は、消費者たる国民全体に対する挑戦であります。それゆえ、国民の生命または身体に対する危害の発生を防止し、国民生活の平穏と安定に資するため、特に法的措置を講ずることとした次第であります。
 以下、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一に、国及び地方公共団体は、流通食品への毒物の混入等を防止するため必要な施策を総合的に講ずるよう努めなければならないことといたしました。
 第二に、流通食品への毒物の混入等があったことを知った者は、警察官等に届け出なければならないことといたしました。
 第三に、主務大臣は、流通食品への毒物の混入等の防止等のため、製造業者等に対し、必要な指導助言等を行うことができることといたしました。
 なお、主務大臣は、流通食品の流通を所掌する大臣、すなわち飲食料品については農林水産大臣、酒類については大蔵大臣であります。
 第四に、国または地方公共団体は、流通食品の適切かつ円滑な流通の維持または製造業者等の経営の安定のため、製造業者等に対し、必要な指導助言、資金のあっせん等の措置を講ずるよう努めなければならないことといたしました。
 第五に、流通食品への毒物の混入等を行った者を最高十年の懲役に、また、これによって人を死傷させた者を最高無期懲役に処する等罰則を科することといたしました。
 以上が、流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法案の趣旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○今井委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#5
○今井委員長 次に、島田琢郎君外八名提出、地域林業振興法案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。島田琢郎君。
    ―――――――――――――
 地域林業振興法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#6
○島田議員 私は、ただいま議題となりました日本社会党提案の地域林業振興法案について、提案者を代表して提案理由を御説明申し上げます。
 既に各位が御承知のとおり、今日、地球規模で緑資源の枯渇が問題化しており、森林を守り育てることが国際的にも緊急かつ切実な課題となっております。森林は木材の生産、水資源の涵養、大気の浄化、自然災害の防止、自然環境の保全と保健休養の場の提供など国民生活にとって不可欠な資源であることは言うまでもありません。
 しかし、我が国の森林・林業の現状は憂うべき状況であります。我が国の全森林面積は二千五百万ヘクタールであり、このうち四割に当たる一千万ヘクタールは人工林によって占められ、これらの人工林の多くは戦後の荒廃した森林の復旧と将来の森林資源の充実のために、国有林、民有林を問わず森林・林業関係者の造林努力のたまものであります。しかしながら、これら人工林は三十五年生以下の樹齢の若い育成途上のものが大部分であり、今後間伐、保育など適切な管理を通じて有益な森林に育成しなければなりません。
 一方、これら森林の育成、管理を担う我が国の林業は、木材需要の七割に上る外材輸入の圧力のもとで、住宅建設の停滞等による国産材の需要不振、山村の過疎化による林業労働力の減少と高齢化等のため、森林資源の保全、管理能力は著しく低下しています。しかも、これに追い打ちをかけたのが、多くの林業関係者の反対を押し切って行われた木材等の関税引き下げ措置であります。これによって我が国の森林・林業は壊滅的打撃を受けるのは火を見るよりも明らかであり、貿易摩擦解消を理由にした我が国の森林・林業つぶしと言うほかありません。二十一世紀へ向けての人類の課題は平和な国際環境づくりと資源、自然環境問題だと言われております。言うまでもなく、木材は輸入できても森林は輸入できないのであります。資源小国と言われる我が国において、森林資源こそ唯一の再生可能な資源であり、国産材時代の到来近しと言われているように、木材の自給率の飛躍的向上は決して不可能な課題ではないのであります。
 このためには、森林・林業の民主的再生、充実のためにこれまでの政策を抜本的に見直し、森林資源の充実、公益的機能の拡充、山村と地域林業の振興、国産材の積極的活用と林業関係中小企業対策の充実など、地域林業対策の総合的推進を図らなければなりません。
 御案内のとおり、本年は国際森林年でもあります。森林・林業等を育成し、地域経済の活性化を図るために本法案を提出することは時宜に適したことと思っております。
 次に、本法律案の概要を御説明いたします。
 第一に、目的にありますように、本法律案の特徴として、林業が重要な位置を占めている地域で林業及び関連産業を一体としてとらえ、総合的な事業等を進め、地域経済の発展に寄与することとしたことであります。
 第二は、林業という範囲を明確にすることにより、いわゆる川上から川下までを対象とし、造林から製材、木工業、そして保健、休養事業まで、林業に関連する事業を網羅して総合的施策の裏づけとしたことであります。
 第三は、林業等基本目標及び基本対策を定めようとする場合、林業基本法、森林法との調和を図り、なお、林業関係団体、関連産業の代表の意見を聞き、同時に公表して国民全体のコンセンサスを図ることとしたことであります。また、都道府県段階でも同様な手続により対策を進めることとしております。
 第四は、地域林業振興市町村の指定要件でありますが、森林の面積率と林業、関連産業を営む者の数の両方で指定できるよう政令で定めることとしておりますが、全国で約千二百市町村を対象とする予定であります。これによってほとんどの山村林業地域がカバーされることになるのであります。
 第五は、市町村段階における地域林業振興計画でありますが、都道府県知事から振興市町村に指定された場合、そこに明記されているように造林から関連産業、林業労働者の雇用、生活環境の整備など八項目にわたる具体的な計画を立てると同時に、森林所有者代表、林業労働者の代表、関連産業代表、住民代表によって構成されている地域林業振興協議会に諮り、事業実施に当たることとしております。なお、この市町村計画は五年を一期とし毎年その進捗率を検討し、効果的な運用を図ることとしております。
 第六は、この振興計画を計画的に実施するため、森林の立木竹の伐採、造林、または育林の事業等について計画実施に参画するよう山林所有者に勧告できるようにし、また、勧告に従わなかった場合には所有権の移転等の措置がとれるようにしたことであります。
 第七は、国有林野事業もこの地域林業振興計画に協力するため国有林野事業の組織をもって当たられるようにし、国有林、民有林の調和を図るようにしたのであります。
 第八は、財政措置でありますが、この法律案の重要性から現行の一般林政費はもちろん、緑資源の確保、地域経済の活性化等の課題を果たすためには、特定財源を求め、市町村交付金として交付し、効率的な事業推進が果たせるようにしていくものとしております。
 以上が本法律案の提案理由とその概要であります。
 アフリカの飢餓の遠因は、緑を喪失したことにあるとさえ言われております。国家百年の大計のもとで、我が国の森林・林業を守り発展させるために、何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
#7
○今井委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#8
○今井委員長 次に、島田琢郎君外四名提出、鶏卵の需給の安定に関する法律案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。小川国彦君。
    ―――――――――――――
 鶏卵の需給の安定に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
#9
○小川(国)議員 私は、ただいま議題となりました日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合提案の鶏卵の需給安定に関する法律案につきまして、提案者を代表してその提案理由を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、我が国の養鶏は昭和三十年代の半ばから急速な発展を見せ、国民生活に安価で良質な鶏卵供給を目指し、養鶏農家の努力によって生産の合理化、生産コストの引き下げにより、諸物価の高騰の中でも物価の優等生として国民生活の安定に寄与し続けています。
 しかし、昭和四十年半ばには鶏卵生産過剰時代に突入し、昭和四十九年から行政指導による計画生産が推進されてきたところであります。そして、全国の養鶏農家は再生産可能な卵価の実現のため、この計画生産に従い最小限の増羽も見合わせてきたところであります。
 しかし、鶏卵の計画生産は今日まで商社、飼料メーカー等と深い関係を持つ大手養鶏業者による大規模やみ増羽によって何回か崩壊の危機を繰り返し、その都度養鶏農家は長期異常低卵価に苦しめられ、多くが廃業、転業に追い込まれてきたのであります。
 この行政府と生産者団体が一体となって進めている計画生産も、大規模やみ増羽の再三にわたる出現によって養鶏農家の中に不信感が高まり、飼養羽数の不正確な調査、報告などにより計画生産は全く形骸化しているのであります。
 このまま現状を放置すれば計画生産は事実上崩壊し、商社等と結託した大規模養鶏業者の拡大競争の激化、それによる異常低卵価から養鶏農家はますます窮地に立たされることは必至であります。
 去る五十三年六月十四日、本委員会において全会一致をもって、養鶏を農業の一部門として位置づけ、農民が生産意欲を持って取り組めるよう基本的養鶏政策を確立するという趣旨の決議をいたしました。したがって、この決議に基づき、しかも、我が国の養鶏の現状から鶏卵の需給安定のため緊急に法的措置が求められているところであります。
 これが本法案を提案する理由であります。
 次に、本法案の概要を御説明いたします。
 第一に、目的にありますように、本法案は、鶏卵の需給が著しく均衡を失しているとき、鶏卵生産者の事業活動を調整するために必要な特別措置を講じ、鶏卵生産の経営の安定を図ることを目的としております。
 第二に、本法案の対象となる鶏卵生産者は千羽以上の採卵鶏を飼養する者としております。
 第三に、農林水産大臣は鶏卵の生産の競争が正常の程度を超え、しかも需給が著しく均衡を失し、養鶏農家の経営の安定が阻害され、または阻害されるおそれがある場合、全国鶏卵需給協議会等と諮って全国飼養羽数限度を設け、都道府県に割り当てすることにしております。特にその際、鶏卵の消費者への影響を十分配慮して行うようにしております。
 第四に、都道府県知事は、国から割り当てられた飼養限度羽数を都道府県需給協議会に諮って市町村別割り当てを行い、市町村長は、市町村需給協議会に諮って生産者別飼養羽数限度を設けることにしております。この場合、特に留意していることは、合理的な家族養鶏の健全な発展と農業後継者の育成に重点を置いて配分し、なおかつ不当な差別を排除していることであります。
 第五に、割り当てを超えてやみ増羽した場合、市町村長は、まず勧告を行い、なお従わなかった場合は公表することにしております。しかもなお、やみ増羽を中止しなかった場合には飼養施設等の使用制限措置をとることができるようにしております。
 第六に、卵価安定基金、飼料安定基金等、養鶏に関する制度についても、やみ増羽等の行為をした場合にはその適用除外をするなどの措置をとっていることであります。
 第七に、立入検査等を明記したことであります。真に鶏卵の需給を安定させるためには、その実態を把握しなければなりません。そこで都道府県知事、市町村長に立入調査権を付与いたしました。
 第八に、やみ増羽をし、勧告、公表、施設使用の中止等を無視して養鶏事業活動を継続した場合、また、都道府県知事、市町村長の行う立入調査を拒否した場合には罰金を科すことにしております。
 第九に、このように特別措置が解除された後においても、農林水産大臣、都道府県知事、市町村長は鶏卵の需給安定のため恒常的に必要な調査と行政措置をとり、養鶏経営の安定を図ることを義務づけているのであります。
 以上が本法案の概要であります。
 我が国養鶏農家の実態は、非常に困難な事態を迎えております。各位におかれてはこの事態を御賢察の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げ、提案理由説明を終わります。
#10
○今井委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#11
○今井委員長 次に、津川武一君外一名提出、採卵養鶏業への農外大企業者等の進出の規制等に関する法律案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。津川武一君。
    ―――――――――――――
 採卵養鶏業への農外大企業者等の進出の規制等に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#12
○津川議員 採卵養鶏業への農外大企業者等の進出の規制等に関する法律案の提案に当たって、その理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 この法律は、採卵養鶏分野における農外大企業等の事業活動を規制すること等により、鶏卵生産の担い手としての養鶏農家の健全な育成と鶏卵の安定供給を図り、もって国民生活の安定と国民経済の民主的発展に資することを目的としたものであります。
 今日、採卵養鶏農家は、卵価低迷が長期化するもとで著しい経営困難に直面しています。この卵価低迷の最大の要因は、商社や飼料メーカーなど農外大企業等が、国の行政指導に基づく鶏卵計画生産を無視して大規模やみ増羽を繰り返し、鶏卵の生産過剰を恒常化させてきたことにあります。
 養鶏農家の経営と暮らしを守るためには、このような農外大企業者等の採卵養鶏分野への進出と支配を厳しく規制することがどうしても必要となっています。
 農外大企業等の進出を規制し、現に生産の七割を担っている養鶏農家の経営を守ることは、それ自身が国民の生存権保障の一環であるとともに、国民経済の健全で民主的発展に重要な意義を持つものです。また、利益追求を第一義的課題とする農外大企業等に生産のかなりの部分が集中することは、国民への鶏卵の安定的供給を長期的に保障する観点から見てマイナスです。さらに、飼料自給を放棄し、加工畜産という形で発展してきた我が国の畜産経営のゆがみを是正し、土地や地域農業と結びついた健全な形での鶏卵生産を展望したとき、農家養鶏に基礎を置き、農外大企業等のこれ以上の進出を規制することは不可欠の課題となっています。
 現在、鶏卵計画生産が、昭和四十九年度より行政指導に基づいて実施されてきましたが、農外大企業等によるやみ増羽が後を絶たず、現状の制度に限界があることはもはや明白です。
 また、単純な生産調整の強化措置では、農外大企業等の進出を真に規制することも困難なことです。したがって、農外大企業等の採卵養鶏分野への進出規制を明確にした新たな制度、法律がどうしても必要となっています。
 本日提案した本法案は、この事情を踏まえ、我が国養鶏農家の安定した発展を図るもので、その概要は以下のとおりです。
 第一に、資本金十億円以上の農外大企業者の採卵養鶏分野における新たな事業開始を禁止することです。
 第二に、それ以外の農外企業が養鶏農家の経営として合理的な最高限度と政令で定める規模を超えて事業を新たに開始、または拡大することについては、大臣または知事の許可制とすることです。
 第三に、以上の措置によっても需給均衡が回復せず養鶏農家の多数が経営困難に陥っているとき、全国及び都道府県の適正羽数限度を設定し、それを維持するため必要な勧告もしくは命令を出すことができるというものです。その際、養鶏農家の経営安定に配慮するものとしています。
 第四に、その他農家養鶏振興協議会、大臣の調査権限、違反者への事業停止、団体等の請求権等必要な事項を定めています。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主な内容であります。何とぞ、委員各位の慎重な御審議と御賛同をお願いいたします。
#13
○今井委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#14
○今井委員長 これより請願審査に入ります。
 今国会において、本委員会に付託になりました請願は全部で百六件であります。
 本日の請願日程第一から第一〇六までを一括して議題といたします。
 まず、審査の方法についてお諮りいたします。
 各請願の内容につきましては、請願文書表等によりまして既に御承知のことと存じますし、また、理事会におきましても慎重に御検討願いましたので、この際、各請願についての紹介議員からの説明は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 これより採決いたします。
 本日の請願日程中、第五五、第五六、第六九ないし第八〇、第八二の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 ただいま議決いたしました各請願の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#18
○今井委員長 この際、念のため御報告申し上げます。
 本委員会に参考送付されました陳情書は、農業振興対策の充実強化に関する陳情書外一件の外五十九件であります。
     ――――◇―――――
#19
○今井委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 森林・林業・林産業の活性化推進等に関する件について決議をいたしたいと存じます。
 本件につきましては、各党の理事間におきまして御協議を願っておりましたが、その協議が調い、お手元に配付してありますとおりの案文がまとまりました。
 便宜、委員長から案文を朗読し、その趣旨の説明にかえたいと存じます。
    森林・林業・林産業の活性化推進等に関する件(案)
  近年、森林のもつ公益的機能の発揮に対する国民の要請が急速に高まってきているが、一方では、木材需要の著しい減退、林業諸経費の増嵩等により、林業・林産業の生産活動が停滞し、健全な森林の育成に欠かせない間伐・保育の遅れがめだつなど、森林の機能の低下が憂慮される状態にある。
  国有林野事業をみても、これまで林産物の計画的・持続的供給、公益的機能の発揮、農山村地域振興への寄与等、その使命を発揮してきたが、財務事情の悪化等からその改善を図ることが急務となっている。
  さらに、国際的な立場からみると、我が国は木材需要の過半を海外に依存している状況にあること等から、熱帯林の維持・造成をはじめとした世界の森林問題に大きな関心を払うべき立場にある。
  本年は、国際森林年の年である。
  よって、政府は、国際森林年を契機として、また、来るべき国産材時代を展望して、木材需要の拡大、森林・林業・林産業の活性化と国有林野事業の経営の改善のための施策の積極的な推進を図るとともに、森林の維持・造成の分野における国際協力の一層の拡充を図るべきである。
  右決議する。
以上でございます。
 ただいま朗読いたしました案文を本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○今井委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。
 この際、ただいまの決議について、農林水産政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。近藤農林水産政務次官。
#21
○近藤(元)政府委員 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を体して、今後も鋭意努力をいたしてまいりたいと存じます。よろしくお願いします。
#22
○今井委員長 なお、ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#24
○今井委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案
及び
 宮崎茂一君外四名提出、流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法案の両法律案
につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#25
○今井委員長 起立多数。よって、さよう決しました。
 次に
 第百一回国会、安井吉典君外八名提出、農産物の自給の促進及び備蓄の確保のための農業生産の振興に関する法律案
 第百一回国会、安井吉典君外八名提出、総合食糧管理法案
 第百一回国会、安井吉典君外八名提出、農民組合法案
 島田琢郎君外八名提出、地域林業振興法案
 島田琢郎君外四名提出、鶏卵の需給の安定に関する法律案
 津川武一君外一名提出、採卵養鶏業への農外大企業者等の進出の規制等に関する法律案
 農林水産業の振興に関する件
 農林水産物に関する件
 農林水産業団体に関する件
 農林水産金融に関する件
 農林漁業災害補償制度に関する件
以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中審査におきまして、委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、その調査のため委員を派遣する必要が生じました場合には、議長に対し、承認の申請を行うこととし、派遣の目的、派遣委員、派遣期間、派遣地その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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