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1984/04/02 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 社会労働委員会 第12号
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1984/04/02 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 社会労働委員会 第12号

#1
第102回国会 社会労働委員会 第12号
昭和六十年四月二日(火曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 戸井田三郎君
   理事 稲垣 実男君 理事 小沢 辰男君
   理事 丹羽 雄哉君 理事 浜田卓二郎君
   理事 池端 清一君 理事 村山 富市君
   理事 大橋 敏雄君 理事 塩田  晋君
      愛知 和男君    伊吹 文明君
      稲村 利幸君    古賀  誠君
      斉藤滋与史君    自見庄三郎君
      田中 秀征君    谷垣 禎一君
      友納 武人君    中野 四郎君
      長野 祐也君    西山敬次郎君
      野呂 昭彦君    林  義郎君
      藤本 孝雄君    箕輪  登君
      湯川  宏君    網岡  雄君
      河野  正君    多賀谷眞稔君
      竹村 泰子君    永井 孝信君
      森井 忠良君    沼川 洋一君
      橋本 文彦君    森田 景一君
      森本 晃司君    小渕 正義君
      塚田 延充君    浦井  洋君
      小沢 和秋君    菅  直人君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 山口 敏夫君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      大出 峻郎君
        労働省労政局長 谷口 隆志君
        労働省職業安定
        局長      加藤  孝君
        労働省職業能力
        開発局長    宮川 知雄君
 委員外の出席者
        総務庁行政監察
        局監察官    長野 文昭君
        文部省初等中等
        教育局職業教育
        課長      菊川  浩君
        文部省初等中等
        教育局特殊教育
        課長      山田 勝兵君
        厚生省社会局更
        生課長     池堂 政満君
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 加来 利一君
        労働省職業能力
        開発局管理課長 石川 俊信君
        労働省職業能力
        開発局能力開発
        課長      石岡愼太郎君
        労働省職業能力
        開発局技能振興
        課長      北原  卓君
        労働省職業能力
        開発局海外協力
        課長      木全 ミツ君
        労働省職業能力
        開発局海外協力
        課長      菅間 忠男君
        自治省財政局交
        付税課長    遠藤 安彦君
        会計検査院事務
        総局第四局労働
        検査課長    春田 正夫君
        社会労働委員会
        調査室長    石黒 善一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二日
 辞任         補欠選任
  伊吹 文明君     田中 秀征君
同日
 辞任         補欠選任
  田中 秀征君     伊吹 文明君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 カイロプラクティックの立法化阻止等に関する
 請願(駒谷明君紹介)(第二四一六号)
 同(渡部一郎君紹介)(第二四三九号)
 同(永井孝信君紹介)(第二五一三号)
 同(浦井洋君紹介)(第二五六五号)
 被爆者等援護法制定に関する請願(上原康助君
 紹介)(第二四三三号)
 同(矢山有作君紹介)(第二四三四号)
 同(山中末治君紹介)(第二四三五号)
 希少難病患者の医療充実等に関する請願(菅直
 人君紹介)(第二四三六号)
 同(池端清一君紹介)(第二五六七号)
 同(丹羽雄哉君紹介)(第二五六八号)
 児童扶養手当制度改悪反対に関する請願(菅直
 人君紹介)(第二四三七号)
 同(村山富市君紹介)(第二四八四号)
 同(塚田延充君紹介)(第二五〇四号)
 同外一件(新村勝雄君紹介)(第二五四六号)
 公共事業による失業対策推進に関する請願(小
 林進君紹介)(第二四三八号)
 同(簑輪幸代君紹介)(第二五一四号)
 同(松本善明君紹介)(第二五二八号)
 社会福祉の充実等に関する請願(村山富市君紹
 介)(第二四八五号)
 同外二件(松本善明君紹介)(第二五二七号)
 同(浦井洋君紹介)(第二五四八号)
 同(中島武敏君紹介)(第二五四九号)
 医療保険制度の改善等に関する請願外二件(河
 野正君紹介)(第二四八六号)
 同外二件(岡田春夫君紹介)(第二五〇八号)
 同(小沢和秋君紹介)(第二五〇九号)
 同(新村源雄君紹介)(第二五一〇号)
 同(村山富市君紹介)(第二五一一号)
 同外五件(池端清一君紹介)(第二五五八号)
 同(梅田勝君紹介)(第二五五九号)
 同(浦井洋君紹介)(第二五六〇号)
 同外二件(多賀谷眞稔君紹介)(第二五六一号
 )
 同(野間友一君紹介)(第二五六二号)
 同(不破哲三君紹介)(第二五六三号)
 国立療養所長寿園の存続等に関する請願外一件
 (山口鶴男君紹介)(第二四九八号)
 同(浦井洋君紹介)(第二五〇五号)
 同(小沢和秋君紹介)(第二五〇六号)
 同外一件(山口鶴男君紹介)(第二五〇七号)
 同(浦井洋君紹介)(第二五五〇号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第二五五一号)
 同(P長亀次郎君紹介)(第二五五二号)
 同(中島武敏君紹介)(第二五五三号)
 同(中林佳子君紹介)(第二五五四号)
 同(藤木洋子君紹介)(第二五五五号)
 同(三浦久君紹介)(第二五五六号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二五五七号)
 国立腎センター設立に関する請願(永江一仁君
 紹介)(第二五一二号)
 同(山本幸雄君紹介)(第二五三八号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(亀岡
 高夫君紹介)(第二五三七号)
 児童扶養手当制度の改悪反対に関する請願(上
 田卓三君紹介)(第二五四五号)
 身体障害者の雇用対策等に関する請願(浦井洋
 君紹介)(第二五四七号)
 老人福祉の改善に関する請願(浦井洋君紹介)
 (第二五六四号)
 ホームヘルパー派遣制度の有料化反対等に関す
 る請願(浦井洋君紹介)(第二五六六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 職業訓練法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三一号)
     ――――◇―――――
#2
○戸井田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、職業訓練法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河野正君。
#3
○河野(正)委員 職業訓練法の一部改正について若干の質疑を行いたいわけでございますが、具体的に法案の審議に入る前にひとつ大臣に基本的な点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 そこで、今回の法案の提案理由の中にも述べられておるわけですが、一つは技術革新の進展、いま一つは高齢化社会の到来、こういった点を踏まえてこれに対してどう対応するのかというようなことがこの訓練法の一部改正の主たる理由であろうと思うわけです。したがって、この訓練法そのものが改正される、改悪では困りますけれども、改正されるということは当然の理でございまして、私どもは期待をいたすものでございます。訓練法の改正は五十三年もあったわけですけれども、しかし中身的にはまだいろいろな問題が残っておるというような状況でございます。したがって、改正するに当たりましても、社会のニーズに合ったどういう改正をするのかというような具体的な中身が私は問題になると思うのです。せっかく改正されるわけですから、それだけの効率というものが上がらないと。したがって、その改正に臨むに当たって大臣の基本的な態度といいますか姿勢といいますか、そういうものをまずお伺いして、あとは具体的な問題に入ってまいりたいと思います。
#4
○山口国務大臣 今回の職業訓練法の改正の問題につきましては、河野先生御指摘のように技術革新の時代、高齢化社会、また女性の職場への進出というものが大変顕著な状況にある、そういう労働環境の中で、働く意思、また健康、意欲に恵まれている人にそれぞれの適性に合った職場を提供しなければならない。特に私は高齢者時代と技術革新の時代というものが必ずしも適合しないという考え方ではなくて、むしろ技術革新が難しい仕事をある程度処理してくれる、技術が特になくても高齢者の方もいろいろ工場で働けるという側面もあると思うのですが、しかし基本的には生産部門のみならず事務部門においてもこの技術革新の波が非常に押し寄せてきておるわけでございますから、そういう社会変化に適応した職業訓練というものを新たな視点から見直し、取り組み、改善していく必要があるという認識の上で今回の法改正を御論議をお願いしておるところでございます。
 特に今回はいわゆる公共職業訓練における職業訓練基準を弾力化していったり、あるいは有能な人材の職業訓練指導員としての登用等を図るとともに、いま一つの特徴としては民間の企業内においての職業訓練、職業能力開発の推進というものを一つの制度として、職業能力開発サービスセンターの創設等いろいろ技術革新の時代に対応した能力開発を進めていきたい、そういう環境を整備する一つの布石として今回の予算の要求を伴う法改正がいろいろ出てきたわけでございまして、この点をいろいろ御論議いただきながら、さらによりよい新しい時代における職業訓練、能力開発の仕事を進めていきたい、かように考えておるところでございます。
#5
○河野(正)委員 私がなぜそういう基本的な姿勢についてお尋ねをしたかといいますと、やはりやる以上はそれだけの効率を上げていかなければならぬ。先ほど申し上げましたように、一つには技術革新、あと一つには高齢化という状況を踏まえて、さらに現状よりも効率を高めていかなくてはならぬということでございます。例えば現在ILOの水準というのがあるわけですが、それにも達していないというような部面があるわけですね、それは全部が全部じゃないけれども。
 そうしますと、そういう現状からさらに進んだこの法律の改正案ということになりますと、一部落ち込んでおる、ILOの水準まで達してない、そこが落ちこぼれといいますか、取り残されるというような結果にもなるので、さっき私が申し上げますように、やはりベストな方策を見つけようとすれば、そういう落ち込みというものも当然配慮しながら改善をしないと、落ちこぼれはいつまでも落ちこぼれということになりますから、私は特に大臣に対して基本的な姿勢をお伺いしたのは、そういう過去の反省といえばこれはちょっと少し言い過ぎでしょうけれども、反省の上に立った改正が行われなければならぬ、そういうことを考えて、あえて基本的な姿勢をお伺いをしたわけです。
 そうしませんと、せっかく現在の職業訓練法が職業能力開発促進法というようなことにもなるけれども、結果的には口頭禅に終わるということになりますから、そういう意味で、ひとつ重ねてであるけれども、そういうような過去の反省に立って、さらに一つ前進するような法改正というものが行われなければならぬということは私も考えておるわけです。具体的には、後ほど逐次局長等にお尋ねしますけれども、そういう点についてもう一度大臣の見解を承っておきたいと思います。
#6
○宮川政府委員 ILOの条約、勧告等職業訓練関係は先生御指摘のとおり各種ございます。ただ、そうした条約、勧告等の内容を見てみますと、職業訓練関係だけでなくて、職業補導とか、あるいは雇用とか、こうした問題まで含めての条約、勧告というものが多うございます。もちろん訓練自体につきましても、御指摘のようにまだまだもう一つ足りない点もございますが、今申し上げましたように、比較的総合的なものでございますので、そうした面から、なかなか国内法制、制度とのすり合わせのできていないものもございます。
 ただ、職業訓練につきましては、新しい時代、技術革新、高齢化社会の到来を迎えまして、積極的にこれを図らなければならないというのは、まさにもう労使である程度のコンセンサスもできている問題でもございますので、御指摘の点を十分踏まえまして、条約、勧告等の水準を十分クリアするように今後努めてまいりたい、かように考えております。
#7
○河野(正)委員 この五十三年に法改正が行われた。しかし、改正が行われたけれども、第一次から第三次職業訓練基本計画を見てまいりましても、主として民間の助成あるいは奨励、そういったことに頼り過ぎてと言えば、これまた少しオーバーでございますけれども、そっちに頼り過ぎて、そのために結果的には国の方針というものがなかなか発展をしなかったと言えば言い過ぎになるけれども、必ずしもベストの結果というものが出てこなかった、こういう状況がこれはあるわけでございます。
 でございますから、やっぱり法を改正した以上は、民間に対して、今先ほど大臣からもお答えがあったように、民間に対して頼り過ぎるんじゃなくて、当然技術革新ですから、今の労働省の力だけでは、やはり民間の力をかりなければどうにもならぬというようなことも私は具体的にあると思うのです。でございますけれども、公共職業訓練というものはやはり労働省が主体でやるというのが、これは建前でなければならぬ。そういう意味で、現在までの労働省の方針というものがむしろ民間に頼り過ぎた、助成金をやるとか、あるいはやってくださいよ、そういうような奨励があるとか、そういうようなことによって、むしろそのために労働省の成果というものが後退じゃないけれども、少し十分ではなかったんじゃないか、これも私はやはり一つの反省といいますか、そういう現状に立って、さらに今後努力してもらわなければならぬ。そういうこともございますから、そういう点についてどうであったのか、ひとつお答えをいただきたい。
#8
○宮川政府委員 御指摘ございましたように、五十三年法の改正におきまして、特に民間の自主的な努力を助長するという考え方がひとつ強く打ち出されたわけで、ございます。
 雇用労働者、一口に四千三百万と言われておりますが、公共職業訓練の定員は短期、長期全部ひっくるめまして年間三十四万ちょっとでございます。数量的には民間のそれを全部カバーするということは、これはもう物理的に不可能だと思います。
 それから、今まさに御指摘ございましたように、技術革新の世の中で、民間がどんどん進んでおります。やはり民間の力をうまく使い、これとの連携をとるということも大変大事なことでございます。そういうことで、五十三年法では民間の自主的な努力のための環境づくりというようなものが打ち出されたわけでございますが、それと同時に、公共職業訓練自体はなかなか民間ではできないこと、あるいは啓蒙的な仕事、指導、そうした大事な仕事を持っております。
 昨年の六月に公共職業訓練のあり方等研究会というところから提言がございました。その中でも言われていることは、民間の大いなる助成はしなくてはいけないけれども、公共職業訓練施設というものは地域の能力開発の中核として立派に位置しなければいかぬ、それでないと、社会の全体としての能力開発という仕事がうまく進まない、そういう提言もございました。私どもまことにそのとおりだと思います。民間との協力、民間の助成ももちろん一生懸命いたしますが、公共職業訓練にいたしましても、技術革新の世の中に十分対応できるように、まさに全力を挙げてこれの強化拡充に努めてまいりたい、かように考えております。
#9
○河野(正)委員 これはやはり今局長からもお答えをいただきましたように、民間に頼らなければならぬ部面が、民間の技術というものが非常に進んでおりますから、それは当然否定することはできないと思いますね。それがまた労働省側の力量から言いましても、やはりある部分については民間の力をかりなければならぬという面もあろうと思います。ですけれども、余り民間に頼り過ぎて、そのために結局労働省が――公共というのは労働省が主体ですから、中心にならなければならぬわけですから、したがってそのためにせっかくの労働省の方針というものが阻害されるという結果にもなるわけですから、そういった意味では数的にもそうですが、質的にもやはり労働省が常に主体だ、こういう感覚というものは持っていただかなければ、これはやはり民間だけでこの問題の成果、効率というものを上げるということにはまいらぬと思うのです。そういった意味でひとつさらに御努力をお願いをいたしたい、こういうふうに思います。
 そうしないと、せっかく改正されましても、いわゆる民間の方だけでうまく成果を上げて、労働省側が成果が上がらぬことはないけれども、非常に薄い、こういうことでは困るわけですから、今局長から御答弁ございましたように、ひとつぜひそういう意味の努力はやっていただかなければならぬのであろう、こういうふうに思います。
 そこで次に移りますが、この第三次の職業訓練基本計画では、生涯訓練体制の整備、これを主としたテーマにして、そうして国、都道府県及び民間が一体となって生涯訓練の基本理念に立った職業訓練の普及、振興を図っていかなければならぬ、こういうふうに言われておるわけです。例えば一つには養成訓練の課程あるいは向上訓練あるいは能力開発訓練あるいは技能検定あるいは海外技術協力、この辺は今貿易摩擦もございますし、いろいろ諸外国との関係というものが必ずしもうまくいかないというような問題もございますし、特に私は医学を修めておりますから、コロンボ計画その他におきましても未開発国に対しまするそういった医学的な援助というものがなかなかうまくいかぬというような面もあるわけです。
 それは後ほど時間が許しますればひとつ御説明をいただきたいと思いますが、今の段階では、今私が五つの項目を挙げましたけれども、こういった改正、こういったことはいかにも今までもやられておることであって、特別今度それが強調されるということもいささかおかしい。なぜ今までそういうことを主張しながらやらなかったのか。その辺が、やはり力が足りなかったから、したがって今度はひとつそこに力を入れていこうじゃないか、こういうことであろうと思うのですが、したがって、この法律改正が今度行われる、そうすると、一体、今私が申し上げましたそういう過去のいろいろなテーマといいますか方針というものが、今度の改正によってどれだけ進歩するのか、よくなるのか、そういった意味の評価についてひとつ具体的にお答えいただきたい。
#10
○宮川政府委員 五十三年改正法、つまり現行法のお話が出ましたが、訓練法は、さかのぼって考えてみますと昭和三十三年に当時の職業安定局の中に職業訓練部ができたときのそれでございまして、そのとき初めて職業訓練法、公共職業訓練の体系というのが確立されたわけでございますが、その後四十四年に当時の技能者不足というものを背景にいたしまして、民間団体の強化、それから生涯にわたる訓練という発想が入ったわけでございます。
 それで現在の五十三年法でございますが、これもいわゆる安定成長下において技術革新、高齢化が進む、一方で不足、一方で過剰というような中で、特に民間の能力を助長しようということで技能検定協会あるいは職業訓練法人を統合する、それを強化するということと同時に、民間における訓練を単なる訓練から能力開発と、少しでございますが、そうした思想も入れてきたわけでございます。
 しかしながら、最近の特に激しい社会経済情勢の変化を見てみますと、もっと積極的に職業生涯にわたって広く適時適切に有効な追加的な教育訓練を受け、労働者の能力というものを目いっぱいに引き出す必要がある。今までもそうした努力をしなかったわけではございませんが、そうした必要がまさに痛感されてきたわけでございまして、そのために各種の助成制度と並んで特に相談・指導業務、これはもう公共でなければできないことでございます。そのために職業能力開発サービスセンターということも現在六十年の予算の中に政府原案として盛り込まれているわけでございますが、積極的に指導をし、環境づくりをする、そういうことで新しい事態といいますよりもむしろ従来の延長線上それがまさに強化された状況でございますが、それに対応していきたい。
 特に一方で、公共職業訓練におきましては、先ほど地域の中核として位置づけられなければならないと申し上げましたが、いろいろ調べてみますと、中堅以下の企業はもちろん力足らずでございますが、いわゆる大企業と言われるようなところであっても、自分で非常に効果的な教育訓練ができているかといいますと、必ずしもそうでない。やはり今日生きていくのが忙しゅうございまして、必要はわかりながらつい先に送っているというような面も多々、ございます。そうした意味では、特に今回考えられておりますサービスセンター、まだ数は大変少のうございますが、こうしたものを中核にして相談・指導業務あるいは中堅企業を対象としての特に先端機器を利用しての向上訓練、在職労働者のそれでございますが、こういうものも思い切って強化しなければならない、そういうような状況でございます。
 先生御指摘のとおり、まだまだ至らないところはたくさんございますが、幅広く職業能力の開発、それもいわゆる二次産業だけでなくて三次産業その他全方位の労働者について考えていきたい、かような状況でございます。
#11
○河野(正)委員 労働省がとにかく今日の社会のニーズに応じていろいろ御努力を願っておるという点は、私どもは労を多とするわけでございます。しかし、やはりやる以上は効率を高めなければならぬ。成果を上げなければならぬ。先ほどちょっと大臣の見解も聞きましたけれども、ある部分においては落ち込みといいますか、なお今後解決しなければならぬ問題がたくさん残っておる。
 そこで、三十三年に職業訓練という方針が誕生して、そして四十四年、五十三年というふうに逐次改善されてきましたですね。特に今日の社会情勢がそうでしょう。急激に技術革新というものが発展した、それから高齢化がまた急速に発展したということですから、全くそれはそうであろうと思うわけですが、ただ小刻みにこう改善をしていくということもそれは必要じゃないとは言いませんけれども、やはりここで一挙にとにかく大英断をもって、これもやるのだ、これもやるのだ――どうせ公共の場合は国が主体でやらなければならぬわけですから、それは大企業に依存しなければならぬというような問題もあることは私も承知しておりますけれども、そういう意味で、今度の改正によって大きな成果が上がる、こういう確信があるのかないのか。
 今まで見ておると、何か小手先で、これは今の局長の責任じゃないわけだけれども、やられできた。そこでILOの水準にも達しない部分があるということですから、今度の改正によって非常に従来にないような成果が上がり得るのかどうか、そういった点についてはどう考えていらっしゃるのか。またここでいろいろあるので、また次に改正する、それじゃ全く労働者というものは不幸であって、向こうだってどんどん年をとるわけですから、そういう気もいたしますから、今度の改正によってかなり従来にないような成果が上がり得るのだ、こういうような評価がなされておるのかどうか、こういう点、改めてひとつお尋ねをいたしたいと思います。
#12
○宮川政府委員 これからのお話でございますが、大体職業訓練法あるいは能力開発促進法といいましても、人の教育訓練を行うことを主眼とするそれでございまして、どちらかといいますと、強制力を加える、無理にといいましょうか国が強制力を加えて国民ないし企業に何かをやってもらうという性格よりも、むしろ環境づくり、指導、奨励、そうした性格の強い法体系であるということは一つ前提としてございます。
 そういう中で何次かの改正があったわけでございますが、今回は少なくとも職業能力の開発の促進というのをまさに正面に押し立てたわけでございまして、そういう意味では一つの覚悟、決意、そういうものを持って新しい時代に対応しようということでございます。
 その際に、公共職業訓練とそれから民間の自主的な努力、これを車の両輪に据える、どちらも可能な限り強化する、特に民間については、国のあるいは都道府県の指導、そうしたものを通じて環境づくりに努める、そういうことでございまして、単なる今までの職業訓練だけでなくて、有給の教育訓練休暇というものもございます。民間の活用できるものは活用いたします。また、技能評価、締めくくりになります技能検定につきましても、もっともっと幅広いものも今回は考えようとしております。
 そうしたものをまさに総合的に講じて職業生涯のいろいろな段階で効果的に追加的な教育訓練がそれぞれ自主的にも受けられる、そういう形を今回は考え、そのためにまさに名称も局名も変えたわけでございます。そうした意味では、一つの、今申し上げましたが、決意を持って新しい時代に臨もうということでございます。将来のことを直ちにわかりませんが、私どもはこれを軸にいたしまして都道府県の指導その他遺漏なきを期し、少なくとも能力開発促進法があってよかったなと言われるようにぜひしたいと考えております。
#13
○河野(正)委員 大体局長の決意のほどは今明らかにされたわけですけれども、そこで大臣、局長は今非常に力強い決意を表明されたわけです。しかしながら、これは労働大臣が最高責任者ですから、そこで重ねてこの点だけは、難しいことではありませんので、大臣の見解を承っておきたいと思います。
 それは、職業訓練と国の責任との関係ですね。先ほどから何遍も言葉が出てまいりますように、職業訓練の主体というものはやはり国で、公共であるということですね。ですから、五十三年の法改正の場合にも、民間に対して強力に職業訓練を実施してほしいというふうな要請もあったし、それから現実には国が給付金を出したり補助金を出したり、そういうような奨励というものが行われてきたわけです。しかし、先ほどからも御指摘いたしましたが、それでも最善の効率が上がったというふうには言えない。
 そこで局長は、今度の改正を期して徹底的に民間の自主的努力とか開発促進とかいうものをやっていきたい、こういうふうに決意のほどを述べられたわけですけれども、職業訓練と国との関連、職業訓練に対します国の責任、これは大臣が最高責任者ですから、局長からも今決意が述べられたからそう難しいことじゃありません、大臣が決意を述べられればいいわけですから、一言大臣の方からお願いしたいと思います。
#14
○山口国務大臣 河野先生の御指摘いただきましたように、職業訓練は非常に大事な国の政策また仕事である、したがって民間への依存ではなく、国自体がきちっと認識を持って取り細め、こういう御趣旨でございますが、私も全く同感でございます。
 特に今御承知のとおり日本の職業訓練のノーハウというものが発展途上国でございますとか後発の経済国からも非常に注目、評価されておりまして、オーバーに言えば今日の日本の経済発展の一つの土台づくりは日本の職業訓練への取り組み、官民問わず、そういうものの蓄積というものが今日の日本の経済発展の大きな一つの基盤になっているんじゃないか、こういう評価もあるわけでございます。そういう点からいっても、今完全就業に近い状況ではございますが、しかし同時に高齢化時代というのは、よく働き、よく学び、そしてよく英気を養う、こういう三つのスローガンが勤労者にとって必要条件なんじゃないか、そういう意味で高齢化時代というのは言いかえてみれば学習の時代である、生涯学習の時代であるということが言えると私は思うのですね。
 そういう中で、能力開発、職業訓練の持つ役割は、今までとはまた違った新たな視点から検討、取り組みあるいは改善が必要だ、こういう考え方の上に立って今労働省の中においてもいろいろ作業を進めておるわけでございます。その一環としての今回の法改正でもございます。したがって、河野先生の御心配いただいておる、国としても労働省としても最重点課題として今後とも取り細め、こういう御趣旨に対しましては全く同感でございますので、今後我々も最大の努力をこの問題に払っていきたいというふうに決意しておるところでございます。
#15
○河野(正)委員 そこで局長、労働省が今日までいろいろな補助金とか給付金とかという形で助成をされてきた。そしてまた開発促進のためにもいろいろ助言、指導された。しかしながら、私どもがいろいろ聞く範囲では、やはり今の職業訓練では、こういう不平不満がないわけではない、就職が困難であるとか必ずしも社会ニーズに合っていないとか。
 そこで、これも私が考えるわけですけれども、今まで給付金を出したり補助金を出したり、あるいは開発促進のためにいろいろ助言をしたり指導されたということですけれども、大臣がきちっとというようなお話がありましたが、何かもう少し明確な指導方針がないのかどうか。そういう明確な指導方針があればもっと訓練法の成果というものが大きく向上するのじゃなかろうかという感じがするわけです。私も、これは具体的にどういう点を明確にということではございませんから、何か一本欠けたような面があるのじゃなかろうかというような気がするわけです。それが解決すれば、もうこの問題は躍進的に向上していくのじゃないか、こういう感じを持つわけですが、それは一体どうでしょうか。
#16
○宮川政府委員 先ほども御説明いたしましたが、およそ職業に関する教育訓練、これは全体の環境づくりあるいは指導、奨励をする、条件を整える、そういう性格の強いものでございます。そうしたところでは、まさに先生御指摘のとおり明確な方針といいましょうか明確な哲学といいましょうか、そういうものがございませんと事態がうまくいかないというのは確かでございます。
 そうした意味で、今回私どもは職業能力開発促進法とあえて法律の題名を変えて、いわば私どもなりに大上段に振りかぶったわけでございまして、これで生涯にわたって適時適切な教育訓練を労働者が受け、その能力を目いっぱいに引き出していく、それが労働者の生活、職業の安定あるいはその地位の向上、ひいては国民経済の発展、そうしたものにつながるということを今回特に強調しているわけでございまして、作文に過ぎるではないかという御指摘もあろうかと思いますが、法律の性格が今申し上げましたように全体の環境づくりという性格が強うございますので、例えば余り強い調子であるいは強制にわたるようなことができないというところはひとつ御理解いただきたいと思いますが、法律の題名も変え、能力の開発ということで政府部内での意思統一もしたところでございますので、御了解いただきたいと思います。
#17
○河野(正)委員 私らから明確に具体的な案を出しているわけじゃないから、そこで了解するとかせぬとかいうことには相ならぬと思うわけですが、ただ、従来からずっと歴史的な経過といいますか、それからまた一般の社会的ないろいろな各界の意見を聞いてまいりましても、もう一つ何か一本線が抜けたような感じがしないでもないわけです。それは、今局長からも要するに環境づくりだ、指導によって環境づくりをするんだ、そして成果を上げていくんだということですから、極端に言いますと、ある意味においては、言葉は悪いけれども消極的なんですね。具体的にずばりということじゃありませんから、そういう点がなきにしもあらず、こう思います。ですから、私はここで具体的にこういうことがあるんじゃないかという提言がなかなかできませんので、そういう点は十分踏まえて今後の指導の中で生かしていただきたい、こういうように思います。
 そこで、今私が幾つかの希望意見、これは別に局長がおっしゃったことと我々反対とかいうような立場をとっておらぬことは事実ですから、しかし、もう少しこうすればもっと効率が上がるんじゃないかという意味での幾つかの希望意見を述べたわけです。
 そこで、この点は総務庁の方にお伺いをしたいと思うわけですが、御承知のように現在は「増税なき財政再建」でできるだけミニ政府をつくろう、こういう傾向であることは御承知のとおりです。
 そこで、この臨調の方針なりあるいは行監の方針なり、そういったものがこの職業訓練に対してややもするともう金のかかるようなことはこの際できるだけ抑えて、そして民間に委託する方法もあるんじゃないか、あるいは各専門校に委託をする方法もあるんじゃないか、各種学校に委託する方法もあるんじゃないか。いわゆる安上がり政策ですよ。そういう気持ちがあるとするならば、これは労働省が幾ら頑張ってみても、一方においてはそこに水を差すというような結果になると思う。
 そこで、私が総務庁にお伺いをいたしたいと思いますのは、今労働省が大いに前向きでやっていこう、それに対して一方では行政の簡素化とか、要するに「増税なき財政再建」ですから、なるたけ金は使わせぬとか、そういうことによって今後指導されますというと――これは別に私は労働省に聞いたわけではない、これは私が申し上げる。そうしますると、今、国が、国といっても職業訓練の主体というものは労働省ですから、特に公共はそうですから、そういうような方針に逆行するということにもなるわけですね。ですから、私らはもっともっと効率を上げてもらいたい。特に高齢化が進んで就職口がないわけですから、そういう意味ではやはり総務庁としてもそういう――国といっても労働省ですけれども、そういう方針に対しては極力要するに協力的な態度を示していただく必要があるんじゃないかというふうに思います。
 でございますから、そういった労働省のやる仕事に対して縮小理論といいますか、そういう見解を述べていただきますと、どうもせっかく私どもここで議論いたしましてもむだに終わりますから、そこで、ひとつそういう点に対します総務庁からの見解を、所信のほどを明確に承っておきたい、こういうように思います。
#18
○長野説明員 お答えいたします。
 ただいま、私ども総務庁行政監察局から参りましたけれども、職業訓練に関する行政監察というのをやっております。これは、技術革新の進展とか就業構造の変化等に対応いたしまして職業訓練のあり方がどうあるべきかというふうなことを検討するために五十九年に実施しておりまして、調査結果につきましては現在取りまとめ中でございます。したがいまして、総務庁としての民間委託等につきましての見解を現段階ではまだ申し上げるまでにはまとまっていないというふうなところでございます。
 御指摘の民間委託の問題につきましては、この調査結果を踏まえまして、行政の効率性の問題、それから民間活力の活用の問題、そのほかにも行政責任の確保、いろんな観点から十分検討してまとめてまいりたい、こういうふうに考えております。
#19
○河野(正)委員 結果をまとめるのじゃなくて、私が申し上げておるのは、やはり先ほどから申し上げますように、ILOの基準にも合わぬというところもあるわけですね。ですから、少なくとも現在の施設その他で十分とは言えないわけですね、言えない。ですから、そういう現在の施設なり方針というものを縮小する、そういうことじゃなくて、むしろそれをさらに充実することによって国の責任、公共の場合は国が責任を持ってやるわけですから、そういう国の施設というものを金がかかってもさらに充実させる、そういう方針でやっていただければ、私は労働大臣からも局長からも決意を聞いておりますから、そういう決意というものが結果的には実を結ぶのではなかろうか、そういうふうなことで申し上げている。いろんな統計をとって云々ではなくて、現状の充実というものをぜひひとつ考えてほしい、こういうふうに申し上げておるわけですから、そういう意味でのお答えをいただきたい、こういうふうに思います。
#20
○長野説明員 先ほどお答えいたしましたように、私の方は行政監察局でございます。行政監察の方の立場からお答えいたしたわけでございますけれども、民間活力の問題につきましては、取りまとめに当たりまして、労働省の方で現在こういう法案を出して前向きで取り組まれているところでもございますので、労働省の意見も十分聞きながら取りまとめていきたい、こういうふうに考えておる段階でございます。
#21
○河野(正)委員 これは民間委託とかあるいは各種学校に委託するとかあるいは専修学校に委託するとか、それぞれできるわけですよ。しかし、先ほどから申し上げますように、職業訓練の主体というものは特に公共が主体になるわけですから、これは国の大きな責任ですから、やはりそこで大きな成果を上げるということにならぬと――これはもちろん大企業に委嘱しなければ、今の労働省の力量ではできぬところもありますね、非常に技術革新が進んでおりますから。
 それはそれなりにしながらも、現在の状態から後退をするということではこれは意味がないので、ですから、少なくとも現状をさらに充実させるということでひとつ御配慮いただかぬと、もう今まで昭和三十三年でしたかから逐次職業訓練が始まってまだまだ――特に今は技術革新ですから、急激にこの問題への関心というものが深まっていると思うけれども、なかなか十分な成果が上げられないという状況ですから、その辺は今後十分今私が申し上げたことを踏まえてひとつぜひ協力いただきたい、こういうふうに思いますので、一言だけで結構です。
#22
○長野説明員 お答えいたします。
 今先生御指摘のような観点も十分踏まえまして、今後調査結果等をまとめていきたい、こういうふうに考えております。
#23
○河野(正)委員 少し時間が迫ってきましたので、まだたくさんあるんですけれども十分はやれませんから、特に重立った問題だけ詰めてまいりたいと思います。
 一つは訓練科の内容です。問題は、今日高齢化社会でございますが、この訓練の事項、いろいろの訓練の教育を受ける、それと要するに社会の就職先のニーズですね、これが一致せぬと意味がないわけですね。とにかく社会ではこういう人を期待をしておる、希望しておる、ところが、その訓練の方は余り期待しておらぬような訓練をする。これでは意味ないわけですね。
 そこで、これは私の提言ですけれども、この訓練科の内容というものを広い範囲でとらえたらどうだろうか。例えば、機械科でしたら機械ですよね。それから旋盤でしたら旋盤、電気でしたら電気です。ですから、私ども、経験あるわけですけれども、昔は機械と電気は機電というて炭鉱あたりはみんなそうですよ。機電科というて機械もやるけれでも電気もやる。そういうような内容になりますれば、今度採用する方も幅がありますから、非常に採用しやすいというようなことになろうと思うのです。それから、ある意味においては大体機械を多少マスターした、だからこれから先はやはり電気もやろうじゃないか、だから今度は実際は機械もできるけれども電気もできる。
 それは十分かどうかというたらまた別問題ですけれども、しかし、どうせ高齢者その他ですから、そう専門的な奥行きの深いことは必要なかろうと思うのです。でございますから、この訓練科の内容について、私は、ここでやはりある程度考慮を払われた方が社会のニーズに合うているというように思うのです。昔はみんな大企業では機電科といったのです、機械と電気と。ところが、今度の訓練では、機械は最後まで機械、電気は最後まで電気、それから旋盤は最後まで旋盤、こういうことでしょう。ですから、ある程度機械でマスターができたならば、この次は電気の教育を受ける、そういうことになりますと、これは社会の方のニーズに一番合いやすいんじゃなかろうかというふうに思いますので、その点ひとつどういう御見解か承っておきたいと思います。
#24
○宮川政府委員 公共職業訓練の評価というものは、当然適切な訓練科があり、社会ないし労働者のニーズに適切にこたえてこそ出てくるものだと思います。そのために、都道府県の訓練校にいたしましても、国、雇用促進事業団のやっております訓練施設につきましても、地域のニーズというものを一生懸命把握しながら絶えず新しい訓練科目を許される範囲内で考えているわけではございます。ただ、残念ながら、絶えずいつもそれがぴったりいくかといいますと、どうしてもおくれおくれになる面がないわけでもありません。
 機械と電気というお話がございました。その例でまいりますと、どうしても訓練科というのは世間にある従来の職種に対応しております。例えば機械でまいりますと、機械工、これに対応して訓練科目として機械科というのがございまして、いろいろな教科があるわけでございます。機械工といいますと、旋盤とかフライス盤を使って金属の切削加工をする、あるいはこれに附帯する業務ということになっておりまして、今までのそれですと、教育訓練の内容も機械工学とか電気工学の概論あるいは基本的な実技、応用的な実技ということになっておりますが、最近いわゆる機械工と言われるような人々の職務の内容を見てみましても、お説のように大変多能工化しております。
 したがって、最近はやりのもちろんマイクロエレクトロニクス利用のプログラミングの関係もございますし、それから塗装とか表面処理とか油圧計とか、そういうことまで、さらには、御指摘のように電気関係もある程度知ってないと機械がうまく動かせないというような事態になっていることは確かでございます。
 したがいまして、一方では、先生、指導員の研修に一生懸命努めておりますが、一方では、訓練基準あるいは訓練科目の内容について、単に科目の転換を図るだけでなしに、それもいたしますが、内容的にももっと複合化したもの、そういう意味では融通のつくもの、こうしたものを新しい法制のもとでは考え、少なくとも社会のニーズにおくれないように努めていきたい、かように考えております。
#25
○河野(正)委員 これは非常に希望者が、そういうような意見を持った人が多いのですね。でございますから、ひとつそういった、せっかく訓練校の希望でもございますから、ぜひ生かしていただきたいというように思います。
 そこで、会計検査院、御出席ですね。今申し上げますように、訓練科の内容について、いろいろ今幅の広いやり方をやるというようなことを私どもは要望しておるわけです。それに対して労働省もある程度こたえていこうというわけですが、それが一説においては会計検査院が一つのネックになっているという意見もございます。
 あなたの方はないとかあるとかいって、きのうもいろいろやりとりしまして、何かもう我々の審議に対して拒否するような態度がございました。これは委員長にもひとつぜひお願いしたいと思うのですが、政府委員が参りまして、そしてそういうことは会計検査院と関係があるとかないとか――政府委員というのは、要するに政府委員室ですね。政府委員室というものは、我々が質疑、疑問がある、あるいは要望があるという場合、こういうことがありますよと、それを会計検査院に言って伝えればよろしいのですね。
 ところが、政府委員室が来て、それはどうだこうだという見解を述べる。これは全く越権のさたじゃないでしょうか。それは委員会の席上でございませんから、そんなのは言うのは勝手でしょう。勝手でしょうけれども、そういうことを、政府委員室の一職員が来て、それは会計検査院と関係がありますとかありませんとか、こういうことを我々に言って、審議の障害になるということは、こういうことは許せぬと思うのです。政府委員室が来ていろいろ言うなら――政府委員じゃありませんよ。言うなら、もう何も委員会で議論する必要ないのですよ。
 きょう局長が来て陳謝されましたから、私もその点を深く追及しようとは思いませんけれども、これはひとつ委員長から、きょう課長が来ておりますから、厳重に注意してほしい、こういうふうに思います。そして、入りますので、どうぞひとつ。
#26
○春田会計検査院説明員 ただいま先生御指摘のございました点につきましては、今後十分注意してまいりたいと思います。改めますように注意してまいりたいと思います。
 公共職業訓練の効果的実施につきましては、従来から重大な関心を持って検査を行ってきたところでございます。職業訓練法を激しく変化する社会経済情勢に対処するようさらに発展させようとする今回の法律案の検討の経緯につきましては、本院としても深い関心を持って見守っているところでございますが、新しい法律ができまして実施に移される段階になりましては、その制度に対しまして会計検査の総合的な観点から評価を行ってまいりたいと考えております。
#27
○河野(正)委員 私が総務庁あるいは会計検査院にいろいろ御見解を承ったのは、やはりこの際、職業訓練法の効率を高めようと労働大臣もおっしゃっておるわけです。これはやはり各省がそれぞれ協力してやらぬと、労働省だけでやれるものじゃないわけですよ。やろうと思ったらあっちでひっかかりこっちでひっかかりじゃ困るのですから、そういう意味で、ぜひ総務庁の方も会計検査院も、できるだけこの職業訓練法というものが効率ある発展を遂げるような、そういう意味での協力を願いたい。そういう協力を願いたいというのだから、何も国会へ来て発言ができぬことないでしょう。それを、あなたのところの政府委員室の一係官は、会計検査院は関係ありませんなんて、そういうことはひとつ今後厳重に注意してもらいたい。
 それで、だんだんもう時間が迫ってきました。時間がございませんので、少しはしょって申し上げます。
 一つは例のカリキュラムの問題、これは中心はやはり労働者ですから、このカリキュラムについては、やはり労公使ができればそういう一つの運営委員会というのか何というのかわかりませんが、そういうものをつくってでも、十分その中で、労働者がこういうことをやってもらいたいというような意見があれば当然これは職業訓練では労働者が主体ですから、したがって、カリキュラムの問題についてもぜひそういうふうな労働者の意見が、まあむちゃな意見を言えばこれは別ですけれども、できるだけ労働者の意見というものを吸い取っていただく、こういうことでぜひお願いをいたしたいと思います。
#28
○宮川政府委員 訓練科目、いわゆるカリキュラムの関係につきましては、今御説明したとおり、その適切であるかどうかが訓練の成果を左右するわけでございます。そうした意味では、お説のとおり、まさに労働者がこれの主人公でございます。その意向を十分尊重するというのは大変大事なことでございます。
 中央におきましても、この訓練基準――訓練基準の中に訓練科目があるわけでございますが、それの改正等の場合には当然公労使三者構成の審議会の意向を十分伺うわけでございますが、都道府県段階におきましても、それぞれに訓練科目をいろいろ地方の自主性に合わせて考える、そういうときには地方の審議会――地方の審議会は開催回数が少ないではないかというようなお話もございますが、今後そうしたものを通じまして、なるべく開催の回数もふやし、またいろいろ労働側の意向も十分くみ上げられるような、そうした手続といったものも考え、より効果的な訓練が遂行できるように考えてまいりたいと思います。
#29
○河野(正)委員 時間がございませんから、続けて一緒に御質問いたしますから、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思います。
 一つは、指導員の免許制度についてですね。これは非常に指導員の免許制度というものが細分化されて、そして困っておられる。例えば工業学校でしたら、工業学校の免許を持っていれば何でもできるわけですね。ところが、指導員の方は電気は電気、機械は機械、こういうことで、免許制度というものが非常に細分化されていますので、この免許制度について考え直す必要がありはしないか、これが一つ。
 もう時間がございませんから、それから訓練期間についてでございますけれども、高齢者の意見等を聞いてまいりますと、訓練期間が少し短い、もう少し訓練期間というものが長くならぬだろうか、こういう希望がございます。それが一つ。
 それから、交付金制度になりましたね、都道府県に対する交付金制度。これをやったためにどれだけのメリットがあるのか。私どもは、メリットもあるかもしれぬけれども、どうもデメリットがあるような気がする。これが一つ。
 まだたくさん残っていますけれども、その三つだけ、一緒に言いましたので、それぞれ簡単にお答え願いたいと思います。
#30
○宮川政府委員 指導員の免許につきましては、確かに、例えば工業高校で見てみますと、私どもの比較的関係があるかと思われますところは工業あるいは工業実習、この二つの免許があれば、およそ工業関係は何でもできるという関係になっております。ただ、工業高校の中身を云々するわけではありませんが、職業訓練というものは、いわば繰り返し繰り返し肌で覚えるというような面がございます。したがいまして、指導員自身が十分それに熟達している必要がある。そういう意味では、なかなか工業、工業実習だけでカバーすることはできませんが、お説のように細分化され過ぎてしまっていて効率が悪い、そういう面があることも確かでございますので、教えられることはお隣、さらにそのお隣の科目であっても十分教えられるように考える、あるいは追加的な研修でプラスすることによって教えられるようなことがあるならば、そうしたものも考える、そうした中で、指導員免許自体いろいろ検討してまいりたいと思います。
 それから、訓練期間が特に高齢者について短過ぎるではないかという御意見でございますが、訓練期間につきましては、高齢者の意向、それから訓練がどのくらいで成果が上がるものか、その他いろいろな事項を総合的に検討して決めておりますが、ものによってはもう少しというものもあろうかと思われますので、これも具体的な事案に即して考えてみたいと思います。
 それから、交付金制度のメリットでございます。これは、話がいささか大きゅうございますので、簡単にというお話でございますが、大変難しゅうございます。
 少なくとも、いわゆる地方の時代に入って行政の効率化、特に地方の自主性を尊重する、一つは、そういう意味で一番大きなメリットがあろうかと思っております。
#31
○河野(正)委員 もう時間がございませんので、最後に職業訓練の国際協力、これは私は随分前に、医師の、コロンボ計画その他についていろいろ取り上げてみたことがございますし、いろいろ国際摩擦その他あるわけですから、私はこの必要性というものは十分認めておるつもりでございますので、これは課長がおられるそうですから、課長の方から御答弁いただきたいと思います。
#32
○木全説明員 開発途上国では、やはり本当に自分の国の経済社会の発展を望もうとした場合には、お金とか物ではなくて、その国の人材を育成しなければいけないという認識が大変高まってまいりました。それで、その面で戦後如実な実績を上げた日本から協力を得たいということで、年々、量におきましても、内容におきましても大変な協力要請が来ているわけです。日本にとりましてもそういった開発途上国の本当の御要請におこたえすることが国際社会の中で生きていく上で大変重要な仕事であるという認識に立ちまして、世界の開発途上国百二十数カ国ございますが、そういった国々に対して協力を行っておるわけです。
 例えばどういうことかと申しますと、これらの開発途上国から日本に来て職業訓練の勉強をしたいという方を集団で受け入れたり、あるいは個々別々一人一人の計画をお立てして受け入れる、研修生の受け入れがまず第一。
 それからもう一つは、こういった開発途上国の中で職業訓練センターを建ててグループとして協力を行ってほしいということに対しまして、センターの設計からあるいは機材の提供から、職業訓練専門家をお送りして、また、将来そこの先生になる方のお受け入れ、訓練といったものをパッケージとしまして行っております海外職業訓練センター協力というのも既に、一つの協力に五、六年かかるのですが、もう三十一カ所終了いたしまして、現在も十二カ所やっております。新しくまた数カ所の御要請におこたえしようと思っております。
 それから第三番目には、各国の企業の中で技能労働者としてお仕事をしておられる方が日本の企業の中で研修を受けたいということに対しておこたえしている計画がございます。これも年間百五十人ぐらいやっております。
 それからさらに、アジア・太平洋地域二十七カ国で構成しております技能のレベルアップを図ります国際機関、アジア・太平洋地域技能開発計画というものがございます。英語ではAPSDEPと申しておりますが、このAPSDEPの中で、この地域の先進国としてリーダーシップを発揮しながら御協力を行っております。
 そして、それに加えまして、最近の傾向といたしましては、民間企業が海外で事業をする場合にも、ぜひその事業遂行に必要な人材の育成を日本の企業もやってください、むしろ海外で事業をする場合の義務要件にしたいという要請が随分ふえております。そこで民間の企業の方々は大変苦労をなさってやっておられますが、ただ民間企業の方々だけがやっていいということではなくて、官民力を合わせて、私たち国内に持っている機能を十分発揮してやっていこうということで、労働省といたしましても、そのための施設として海外職業訓練協力センターを建てるなど、官民協力システムの面で御協力を申し上げているというのが現状でございます。
#33
○河野(正)委員 終わります。
#34
○戸井田委員長 多賀谷眞稔君。
#35
○多賀谷委員 先般からの質問を聞いておりますと、どうも明確でない言葉があります。それは、発言者も答弁者もどうもはっきりしてないんじゃないかという問題が今度の大きな問題の一つの交付金の問題。今までは負担金であって、今度は交付金になった。それから、端々に補助金という言葉が出ます。一体補助金とは何か、ひとつこの点について、負担金というのと、交付金というのと、補助金というのはどういうように区別をして議論されておるのか、これをお示し願いたい。
#36
○宮川政府委員 補助金といいますのは、国から地方公共団体、あるいは民間の団体でもよろしゅうございますが、財政的な支出をすることによってその仕事を助ける、そういう意味では補助金という表現が一番広いものと私どもは承知しております。ところが、現行の職業訓練法では、都道府県の職業訓練校、身体障害者職業訓練校に要する経費の一部を負担すると書いてございます。これも広い意味では、負担金と言っておりますが、国から都道府県に助成のために出るお金という意味では負担金も補助金の一つでございますが、なぜわざわざ補助金と言わずに負担金と言っているかといいますと、補助金といいますと、比較的狭く考えますと国から一方的に出るお金という感じが強うございますが、負担金となりますと、それぞれに非常に関係の深いそれぞれに責任のある仕事について国がいわば割り動的に金を出す、これを一般に負担金と言っているようでございます。
 そういう意味では職業訓練校、身障職業訓練校の運営というのは都道府県の住民にとって大変大事な問題で都道府県の大事な仕事でありますが、それと同時に、国としても全体の中でいろいろ責任を持って考えていかなくちゃならないことである、そういうことで、現行法では負担金と言い、国と都道府県の両方の責任のものだよ、こう言っているわけでございます。
 参考までに申し上げますと、地方財政法の中にこのことが具体的にございますが、現行法ではたしか十条だと思いますが、国と都道府県と双方に深い利害関係のあることで、その仕事、業務を的確に遂行するために国が進んでその経費の一部を負担する必要がある仕事ということでたくさん列記されておりますが、その中に、職業訓練校、身障職業訓練校に要する経費というのがございます。これなども両方に責任がある。
 それで、交付金ということになりますと、これもニュアンスの差程度でございます。最初申し上げましたように、例えば国から都道府県にその財政援助ということで支出される金という意味では交付金も広い意味で負担金の一つだと思いますが、交付金になりますと、幾らかニュアンスとして国の責任が強くなってくる。国の仕事、都道府県にもあるのですけれども、国の仕事の方により責任が重い、そういうものをいわば交付金として都道府県に交付する、そういうように理解しております。
 ただ、補助金と言いましても負担金と言いましても交付金と言いましても、法律上はかなりばらばらな使われ方をしておりまして、明確に定義づけされているわけではございません。一般には、今私が申し上げたような形でこの言葉が使われていると思っております。
#37
○多賀谷委員 余り時間をとりたくないのですけれども、「職業訓練法」という労働省の職業訓練局で出している本があります。これは負担と補助を極めて区別をしているわけです。補助は、国が奨励する意味で任意にその財源の一部を助成するを原則とする。ですから、主体があって、例えば民間の企業が訓練をやる、そういう場合に国が補助をする、こういう補助。俗に補助金等の適正化に関する法律というのは丸めてやっておるわけですから、これは別です。それから負担というのは、経費の性質上、国または地方公共団体双方に責任があって経費を負担するんだ、こういう書き方をしておる。そして、わざわざそこで交付金というのが出てきたんですね。ですから、交付金ということによって国が割合に責任が軽くなるということを言うと、そういう物の言い方をすると、この法律全体の流れに影響があるのですよ。国は一歩後へ下がった、先ほどから問題がある、そういう議論に通ずるのですよ。
 そこで、法制局はこれをどういうように使っておるのか。すなわち、雇用保険法の六十三条、能力開発事業、これも公共職業訓練施設に出しておるのですよ。ここでは「経費の全部又は一部の補助を行うこと。」こういう文言を言っている。でありますから、同じ労働者の、しかも職業訓練に国が出す場合、それから政府が公共職業訓練所に出す場合、これはまた区別をしておるのです。あるいは財源的にも区別をしておるかもしれぬ。「国」というように書いておる場合は一般会計から出しておる金、あるいは「政府」と書いておる場合は、要するに雇用保険の保険料を取り扱う行政官庁として出しておるのか。あるいはこういう区別をしてお書きになっておるんじゃないかと思いますけれども、一体法制局はどういう見解であるか、明確にお聞かせ願いたい。
#38
○大出政府委員 お答えをいたします。
 まず、都道府県等に対しますところのいわゆる財政援助等の国の施策について法令で規定する場合に、いわゆる国をあらわす言葉といたしまして「国」という用語を使ったりあるいは「政府」という用語を使っている立法例があるわけであります。「政府」という用語を使っております立法例といたしましては、社会保険等保険関係の法律におきましては保険事業の事業主体としての国をあらわすという意味で「政府」という用語を用いていることが非常に多いわけであります。また別の法令で、地方公共団体と並列をさせて規定する場合あるいは地方公共団体と対比する意味で国の施策の主体を規定する場合、こういうような場合には
 「国」という用語を用いていることが多いということが一般的には言えるかと思います。
 ただいまお話しの雇用保険法六十三条第一項の関係でございますが、これは能力開発事業の事業主体としての国につきまして「政府」という用語を用いておるわけでありますが、これは、雇用保険法が先ほど申し上げました他の社会保険関係の立法と同じように、雇用保険の事業主体としての国について「政府」という言葉を用いておりますので、この六十二条第一項の能力開発事業における助成等につきましても、雇用保険の事業主体としてのそういう政府が能力開発事業の助成を行うということをあらわす意味で「政府」という用語を使っておるということであろうかというふうに考えております。
 これに対しまして、職業訓練法の方では、訓練行政の行政主体を「国」という言葉を使って言いあらわしてきておるわけであります。そのような行政主体としての国が地方公共団体、都道府県に対して財政を負担するというような意味合いでこの現行の職業訓練法九十九条におきましては「国」という用語が使われておるというふうに考えておるわけであります。
 したがいまして、「政府」という言葉あるいは「国」という言葉、これは都道府県に対するところの財政援助等の主体としての国をあらわしておるという意味におきましては変わりはないと思いますけれども、雇用保険法につきましては、先ほど先生がお話しございましたように雇用保険事業の主体としての政府、これが助成をする、事業を行う、こういう意味で「政府」という言葉が使われておるというふうに考えておるわけであります。
#39
○多賀谷委員 そういたしますと、「負担」ということと「交付」というのは違いますか。今度分けてますね。今までは設備、運営費等については全部が負担だった。今度は運営費については交付だ、それから施設等については負担だ、こういうふうに分けておる。もう時間がありませんから、私は両方とも負担じゃないかと思うのです。交付と負担を区別する理由は余りない。ただ「負担」という場合と「交付」という場合、今度の場合の交付金ですね、算定が、どちらかというと交付金の方はまるめといいますか、このごろ健康保険で言うマルメ方式で県が与えられたその中で運営をしていく。一方、今までの方式は全部積み重ね方式をして実際経費の一部を出しておった。こういうことでやはり負担の中に交付が入るのじゃないですか。そうしないと、さつきのように責任論が起こると思うのですが、それは。どうですか。
#40
○大出政府委員 ただいま負担と交付ということに関連をした御質問でございましたが、国と地方公共団体とのいわゆる財政関係におきましては、通常、負担という言葉につきましては、先ほど労働省の方の方からお話がございましたように、本来その経費の性質上、国とそれから地方公共団体の双方がいわば割り動的にといいますか、あるいは共同責任というような観点から経費を持ち合うというのが国と地方公共団体との関係におけるところの負担という言葉の意味であろうと思います。
 これに対しまして、今度交付金というような言葉が使われるようになったわけでありますが、この交付金といいますのは非常に多義的な意味を持っておりまして、いろいろな意味があると思います。一般的に言いますというと、国が特定の目的を持って交付する金銭を広く指しておるということであろうかと思います。その中には義務負担的な性格を持っているものもありましょうし、あるいは助成をするという意味での補助金的な性格を持っている、そういう交付金もあろうかと思います。
 ただ、ただいま御審議をいただいております職業訓練法の改正案におきますところの交付金を交付するというようなものは義務的な性格のものでございまして、ただ、今までの負担、つまり国と地方公共団体がその経費を共同責任的に持ち合うというような形のものから、地方公共団体の事務として職業訓練事業というものが非常に長い間に同化してきたというようなことを一応の考え方の前提といたしまして、そうしまして地方公共団体に対する財政援助的な意味合いを持つ、そういう性格の経費に切りかえたというのが今回の交付金、交付するということの意味合いだというふうに理解をいたしております。
#41
○多賀谷委員 今まで答弁がありましたが、大臣、やはりかなり性格論に入らざるを得ないような問題です。今まで、変わりません、国は責任を持ってやります、こう言いながら、今度は今法制局から答弁があったように、どうも硬直化しておるから、ひとつ今度はそれを言うならば地方の自主性を認め、そういう中で論議がされておる。
 そこで、私は自治省に聞きたいのですが、自治省はこの交付金についてはどう考えておるのか。極端に言えば、あなたの方は一括して交付税交付金として裏の金を出される。裏の金を出す場合に労働費で出すわけですから、それはいろいろの失業対策費や何かあるわけですが、それを自由に使うことができるのかどうか。それから自治省としては、自由に使っていいのは、要するに訓練をやらなくてもいい、交付税交付金は来るけれども、あの交付税交付金は全部労働費一本で算定してくるのだから、それはもう使わなくてもいい、こういうところまで弾力性があるのか。それにはどういう歯どめがあるのか。
 訓練費というので来るならばまた別なんですよ。訓練費と書いてないのです。失対も全部含めて労働費で来る。でありますから、地方交付税で来るわけですから、特別の交付金じゃないのですから、そういう場合は裏金は自由に使えるのか。そうなると、これはまた大変いろいろな問題を起こすのですよ。交付税交付金の裏金で入るのです。要するに、県が負担する二分の一です。それは地方交付税のこの財政需要額に入ってくる。その財政需要額が私が言う一本で労働費で来るわけですから。
 そこで、弾力性があるわけですから、そういう場合には一体どういうように見るのか。それから自治省としてはこの交付金に切りかわったことについては評価しておるのかどうか、これをお聞かせ願いたい。と同時に、六十年度予算は五十九年度の予算と財政需要額に比してどういう変化が来たのか、これをお聞かせ願いたい。
#42
○遠藤説明員 お答えを申し上げます。
 第一点の交付税の算定の中身において交付金を財源とする需要を見ておるわけでございますけれども、これが先生もおっしゃるように裏金として使われるのかどうかという点でございますが、私どもは地方財政の運営において、特定の交付金の対象となる事業が実施できるように地方交付税交付金の配分を通じて保障するという考え方に立っております。従来補助金だったわけでございますので、当然経費を計算いたしまして、それの二分の一は補助金が来るという形で一般財源を保障するという形にしておったわけでありますが、このたび交付金に変わりましたので、経費の計算は事業ができるように計算をいたしますけれども、従来の補助金部分を交付金に切りかえてと申しますか、計上をする費目を交付金として計算をしてやるということですから、各都道府県としてはあるいは地方団体としては、その事業を地方交付税の基準財政需要額の算定の中で従来と同じようにすることができるということで財源措置をいたしておるつもりであります。
 それから第二点の、それでは交付税じゃなくて、交付金についての自治省の考え方はどうかということでございますが、この交付金については地方団体に対して客観的な指標で配分交付をされる。従来のように事業費を計算しましてその二分の一というような形ではなくて、もっと客観的な数値に基づいて計算される。それから、その使用に当たりましては、従来補助金ですと、人件費ですと人件費にしか使えない。それから事業費で補助されれば、その事業費にしか使えないというように限定をされておるわけですけれども、交付金になりますと、使途目的が御案内のようにメニュー化をされるわけでありますから、人件費に使うあるいは事業費に使うということは、地方団体の考え方によって自主自律的に決められるということになろうかと思います。
 従来、ともすれば超過負担というような考え方が補助金にはありましたけれども、そういう交付金の交付を通じて地方団体が独自にもっと事業をしたいというような場合には、そういう道も地方団体には超過負担という形じゃなくて開かれるわけであります。そういう意味で、地方団体がある事業を自主性、自律性を持ってできるということになろうかと思います。したがって、私どもの立場といたしましては、地方団体の自主自律性を促進するという意味で従来の補助金が交付金化されるということについては前向きで考えていきたいという立場でございます。
 それから数字的な問題ですが、職業訓練費で申し上げますと、交付金になることによりまして、交付税の基準財政需要額の算定上は従来と特に変わってございません。歳出の部分については従来どおり、例えば職業訓練校の指導員に係る給与でありますれば全国平均の給与単価を用いて計算いたしております。先ほど申し上げましたように、従来補助金でございましたので、その二分の一が補助金として来るということで単位費用を積算いたしておりましたのを、昭和六十年度からは交付金としてその部分が来るということで、地方団体の仕事には支障がないように単位費用の計算をいたして、ございます。
#43
○多賀谷委員 僕は補助金というのと交付金というのをどこでどう混線したのかと思ったら、自治省が補助金と言っているのですね。補助というのは本来地方団体が経費を支弁する場合に任意的にその財源の一部を国が助成する、僕はそう思っておったのですよ。今法制局もそう答弁をした。それから雇用保険法の答弁もそういうように答弁した。僕は補助という広い概念と補助金という狭義の概念とは違うと思ったのですよ。この狭義の補助金は、主体が県や何かで国は援助するんだというのを狭義の補助金と思っておった。ところが、今お話がありましたように、そうでなくて国も責任を持つ、県も責任を持つ場合にも補助金という言葉をお使いになった。先ほど私は法制局も含めて納得したのですけれども、肝心な自治省の方の答弁によって逆に混乱しました。自治省の方が補助金というのは、全部算定をして、そして何割を出すというのを補助金として扱っているのですか。
#44
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 先生の御理解と私ども余り違ってないと思うのですが、広義の補助の中には、具体的な予算になりますと補助金という名前で国から地方団体へ行くものと、交付金という名前で国から地方団体へ行くものと二つあるというように考えていただければいいと思います。
 先ほど私が御答弁申し上げた中で補助金と申し上げましたのは、事業に対して例えば二分の一とか三分の一とかいうように定率の補助率を示して補助される補助金を補助金と申し上げたわけでありまして、今回改正になります交付金につきましては、いわゆる補助率という概念がなくなって、地方団体に対して国から交付される定額の金というように理解をいたしておりますから、先生の御理解と同じだと思っております。
#45
○多賀谷委員 もうこれ以上質問しませんが、概念が極めて、僕は混線をしますね。一定の率を掛けた負担というならまだわかるのですよ。それを今まで出しておりました。そうでしょう。補助という言葉を使ってないのですから、労働省の今までの訓練法は。それは両方とも負担という言葉を使っている。それならば、負担というならば、今までは一定の率を掛けた負担あるいは積算をした負担。今度は交付金として、言うならばかなり自主性があるものを出しています。これもわかるのです。広い概念の補助は全部補助ですからね。
 しかし雇用保険法に書いてある補助というのはまさに補助金なんです。これは要するに、負担の場合、県は主体じゃないのですから。政府といっても、これは雇用保険を管理する政府ですよ。ですから、先ほどから社会保険関係の主体の行政庁は政府と、こういうように私は截然としておったのですけれども、自治省が補助金、補助金と言うし、皆言うんですよ、補助金が今度は交付金に変わったと。それはどうもおかしいと思っておったのです。
 まだ質問すれば切りがないのですけれども、あなたがおっしゃる補助金というのは一定の補助率を掛けた補助金という意味ですね。それならもうそれで一応理解しておきます。しかし、この論争は続くわけです。法制局と自治省は結構です。
 そこで、いよいよ本論に入るわけですが、率直に言いますと私は余りに今度の能力開発法というのは名前を変えるにしては内容が変わってないなという−−意気込みはわかりますよ、これはもうこれでいくんだという意気込みはわかりますが、内容が変わってない。内容が変わっているというのは二つですよ。今の負担金が今度は交付金に変わったというのが一つ。それから推進者を置くというのが一つ。あとは全部今までやっておったのを表に出しただけですよ。それだけ内容的に変わってない。有給教育訓練休暇というのがあるじゃないか。それは今まで雇用保険の中に入っておったんですよ。じゃ今度は政府が一般会計から出すんですか、それならまだ意義がある。一般会計から出しません。そのお金は要するに雇用保険の四事業から出すんですよ。内容的に制度的には何ら変わってない。
 ですから、いやしくも訓練法の名前を変えて、しかも四事業の中に入っておった有給教育訓練休暇を訓練法の中に、いよいよ表に出してきた。私は非常にいいと思いますよ。それなら、それだけ制度が変わったのなら、それこそ一般会計から出すべきですよ。それは全然一銭も出してない。今までと同じ。ですから山口労働大臣非常に意気込んでおられるけれども、これはいいですよ、いいけれども、内容は変わりませんよということですよ。むしろさっきからの話によると、どうも国の責任は後退しておるのじゃないかということですが、どうですか。
#46
○宮川政府委員 名前だけ大げさに変えてという御質問かと思いますが、職業訓練というのは、まさに釈迦に説法で大変恐縮でございますが、経緯を考えてみますと、本来その言葉自体は職業に関する教育訓練という意味で非常に広いものだと思います。しかし歴史的、経緯的には特に二次産業のいわゆる技能労働者に手職をつけるといいましょうか、そういう感じで今まで使われてまいりました。それ自身はもちろん大変大事なもので、これからも私どものこの体制の中心になるものだと思いますが、少なくとも技術革新の進展、高齢化社会の到来という中で全方位の労働者、三次産業もございます、その他各種の労働者について、しかも職業生涯全般にわたってやらなければならない。これは五十三年法にもちょっぴりですが、その思想は出ております。
 私はむしろ五十三年のときに職業能力開発促進法と変えるべきだったと思いますが、当時は少なくとも職業訓練というニュアンスに引きずられたわけでございます。現に昨年十一月に企業内教育研究会から「新しい「学習企業」をめざして」と、大臣も先ほど学習社会というようなお話がございましたが、「「学習企業」をめざして」というサブタイトルのその中で少なくとも言われておりますことは、能力開発というものを従来の職業訓練というニュアンスにかえて、職業訓練というニュアンスはどうしても狭い、積極的に能力開発とすべきである、これは一つの民間の意見でございますが、そうした意見も登場したぐらいでございまして、やはり能力開発というものを正面に押し立てて施策を進めなければならない。
 先生の御指摘は今までのものをそれぞれ拡充したあるいは強化しただけではないかということですが、例えば推進者の制度もございますし、それからサービスセンターなんかもこの法律を契機としてやろうとしているわけでございまして、民間の環境づくり、それともう一つは訓練基準その他によりまして公共職業訓練を活性化する。特に、るる御指摘ございました交付金、これによって一方では少なくとも都道府県、特に都道府県は最近特に熱心に新しい事態に対応しようとしておりますが、その都道府県の行動がしやすいようになる、こうした面を持っておるわけでございますので、ぜひ総合的に、名前も変え、職員、関係者全員の気分を一新したい、こういうところでございますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
    〔委員長退席、稲垣委員長代理着席〕
#47
○多賀谷委員 気分を一新するということは非常にいいことです。しかし、どうもそれだけに終わるのではないか。
 そこで、大臣の提案理由の説明の中にも、また本法の中で、今までの旧法も若干同じことを書いておるのですけれども、特に強調しておるのは、職業生活の全期間を通じて段階的かつ体系的に行われることを基本理念とする。これは非常にいいことですね。今からの時代がどんどん変わっていく、技術が向上していく中で、これは労働者を主体に物を考えたのでしょうね。要するに職業生涯を通じて自分は常に訓練していくんだというように考えてよろしいかどうか。これは大臣から御答弁を願いたい。
#48
○山口国務大臣 結構でございます。
#49
○多賀谷委員 そうすると、ここで有給教育訓練休暇というのが問題になります。これは労働者が自発的にその休暇を求めることはできないのでしょう。問題は、個別企業が訓練計画を立てて、その中で初めてできるのです。本人は、もう自分はこのままでいくと将来どうしても新しい技術を身につけなければ行き詰まる、また会社もそうじゃないかというような場合に、本人が申し出てもそれは制度として認められないのでしょう。どうですか。
#50
○宮川政府委員 職業能力の開発を段階的体系的にやるためには企業も一生懸命やってもらわなければなりませんが、肝心かなめの労働者が主体であって、その積極的な意向が大変大事だと、今大臣からも御答弁申し上げたところでございます。そうした観点からいきますならば、有給教育訓練休暇につきましても労働者の欲するところ、ときにということも一つ見方としてございましょうが、現実には、これには大変な手間暇、特に事業主の経済的な負担が大変大きゅうございます。そうしたこともございまして、私どもその普及に努めておりますが、その普及の度合いはまだ大変低うございます。
 調査企業の中で有給教育訓練休暇を与えているという返答をしているのがわずか四・三%でございます。この数字も最近かなり上向きになってきておりますが、まだまだ全体として非常に少ない。事業主といいましょうか、全体のコンセンサスが得られていない段階では、少なくとも今先生も御指摘がありましたように、能力開発計画を企業の中でつくって労働組合などの意向も十分聞いて、これが私どもの条件でございまして、その中で有給教育訓練休暇を与える、これが現状でほぼ妥当な線ではないか、今後これがどんどん制度として発達する場合には、また御指摘のようなこともあるいは出てくるかと思います。しかし、今申し上げましたように、まだまだこれからの段階でございますので、この程度ということだと思います。
 ただ、職業能力の開発は事業主の努力義務ではございますが、社会的な責務として位置づけられております。四条に書いてございますが、それを具体的に受けまして九条、十条で事業主はこういうことをやるんだという内容がございますが、その中に有給教育訓練休暇を与えることということもございます。当然社会的な要請でもございますので、私ども、事業主ないし事業主団体と話をいたします場合には、この法律をお認めいただけるならば、その中でそうしたニュアンスで各方面に積極的に働きかける、そういうことをしていきたいと思っております。
#51
○多賀谷委員 ILOの有給教育休暇に関する条約、百四十号条約は、日本では批准の条件がそろわないとすると、どの点がそろわないのか、またどうして批准しようとしないのか、これをお聞かせ願いたい。
    〔稲垣委員長代理退席、委員長着席〕
#52
○宮川政府委員 職業訓練関係のILOの条約、勧告、たくさんございます。特に御指摘ございました有給教育訓練休暇につきましては百四十号条約でございます。
 ただ、国際条約の批准というのは国内法制あるいは制度との相当程度の正確なすり合わせがございませんと後々いろいろ問題もございますので、大変丁寧な手続をとるわけでございますが、この百四十号条約は一般教育、市民教育、社会教育、労働組合教育、こうしたところまで事業主にいわば義務づける形でいろいろな対応が求められておりますが、今ちょっと御答弁申し上げましたようにわずか四・三%という普及率の中では、事業主主体の社会のコンセンサスといいましょうか、事業主サイドのものでございますが、なかなか得にくい状態がございます。したがいまして、もう少し社会の理解を得られた段階で検討をさせていただきたい、かように考えているところでございます。
#53
○多賀谷委員 労働組合教育とか一般社会の教育は別にして、ここで言う職業訓練の有給教育休暇は適合しているのですか、この条約には。今あなたの方で条文に十条を入れられた、この分については適合しているのですか。どうですか。
#54
○宮川政府委員 今度の法律で考えておりますものは、事業主の労働者の能力開発のためにいろいろな措置を講ずる中の一つとして、今申し上げましたようにその本体が努力義務づけされております。したがいまして、使用者にもそれに準ずる措置が要請されているわけでございます。そうした意味では、御質問の趣旨が有給教育訓練休暇のところだけとればどうかということだとすると……。
#55
○多賀谷委員 いや、そういうことまで言ってません。一般教育とか労働組合教育は別にして、要するに百四十号条約のうちで二条の(b)、(c)は別にして、(a)項における職業訓練は適合しているのですか、こう聞いているのですよ。
#56
○宮川政府委員 私どもは適合して、満足させていると思っております。
#57
○多賀谷委員 そうすると、これは「労働者に与えられる休暇であって」とあるでしょう。ですから、この条約の中には労働者の権利として付与しておるのでしょう。あなたがそうおっしゃるならば、私は満足するわけですよ。しかし、今聞いてみると、この条文、今の改正法の十条は適合していないじゃないですか。適合しているのですか。
#58
○宮川政府委員 この第一条の読み方でございますが、「労働時間中に一定の期間教育上の目的のために労働者に与えられる休暇であって、十分な金銭的給付を伴うもの」という事実だけを述べているわけでございます。これは労働基準法三十九条に年次有給休暇という制度がございますが、これは労働者の確固とした権利でございますが、少なくとも、今読み上げました一条は、労働者に教育のために与えられる休暇である、それが有給である、ただそういうことだけを言っておるわけでございまして、その限りにおきましては、今度のこの法律のそれは全く内容を満たしておる、そういう意味で申し上げているわけでございます。
#59
○多賀谷委員 要するに、まだ権利としては成熟していないけれども、やがて労働省としてはその権利として付与されるように希望し、努力をする、こういう意味を含めてですか。
#60
○宮川政府委員 私どもといたしましては、ある程度先のお話かと思いますが、先生御指摘のような社会が形成されることを望んでおります。
#61
○多賀谷委員 私はそれを期待するわけです。
 そこで、大臣の言われる、職業生涯を通じて段階的に体系的にというと、やはり本人が休暇をもらって再訓練をしたい、こういう状態でないと容易でないんですね。私は今日のような情勢の中に、何らかの方法でそういう方向でやってもらいたい。そうしなければ、とても大臣の言われる提案理由、しかも雄大な構想には内容が伴わない、こういうように思います。
 そこで、実は会計検査院は私が要求しませんでしたからいないんでしょうが……。おりますか――いないんですね。
 そこで、公共職業訓練校について、いろいろ批判もあり評価もある、いろいろあるわけです。そこで私もいろいろな施設を見て回りました。そして、意見も聞いてきました。総じて、効率が悪いとか効果が少ないというのは、これは能力開発の分野ですね。養成訓練は大体一〇〇%これは習熟するんですよ。このことはやはり評価をしなければならぬですよ。ですから、悪い悪いというけれども、よく子細に調査をしてみると、能力開発の部門ですよ。ところが、これは定年を過ぎた人とか、それから途中で職をかわろうという人で、これは年齢層が高いんですよ。一緒に論議をするとこれは非常に混乱を招くと私は思うんですね。
 そこで、中卒で、昔言いました専修学校の課程、今専修職業訓練校になっていますけれども、県におきまして、まだかなり専修のついているところもあるわけです。ところが、ここは、日本の今日の社会情勢、そうして学校における非行化の中で非常によく頑張っておる、これは評価の価値があると私は思うんです。要するに、中学を出ただけで、高等学校に行かないで訓練所に入ってくる。まず、二、三カ月は先生と生徒の葛藤だそうですよ。まず、しつけをして、訓練生としての規律を保つ、そのための努力というのは大変らしいですよ。そうして、その訓練生がやはり社会に入れられておるわけですね。
 本人は、鉛筆を持って数学やあるいは読み書きをやるのは好まないけれども、技術はぜひやりたい。そこで物がつくられていくわけですから、この諸君は張り切っていく。こういう状態の中で、私はこれは大変言いにくいのですけれども、いろいろな家庭の事情あるいは本人の希望で高等学校に行かれない諸君、まあ国が放置すると非行に走る非常に可能性のある層ですね。私はこれがやはり職業訓練校によって救われておるという面はひとつぜひ評価をしたいと思うのです。殊に北九州にあります戸畑の高等職業訓練校というのは、これは伝統がありまして、昭和十年代からできておりますから、これはむしろ中小企業の工場の方で早く受け入れようと待っておるという状態ですから、極めて画期的な訓練が行われております。
 そこで、問題は能力開発の部門なんですよ。能力開発訓練というのは非常に難しいんですね。そこで先ほどから河野さんが質問をしましたように、今まで自分が歩んできた経験と無関係に訓練をされても、それはもうほとんど中年以上になりますと難しいですね。ですから、自分が歩んできたいろいろな身につけた知識経験を訓練所でより深くきわめるか、あるいはまたより幅広くやるかということですよ。今までの訓練校の科、溶接科とかあるいは機械科とか電気科とかいろいろありますね、これは深くきわめる方なんですよ。しかし、むしろ今中年の人に要請をされておるのは、今までの経験を通して幅広く何かもう一つ足してやるということが必要なんですね。そうすると大分違うのですよ。
 そこで、まず技能者の不足ですね。技能労働者の不足というのを調査をされておる。法律を出す際には必ずその前に調査があるんですよ、大臣。五十三年のときは五十一年に調査しておるのです。今度も六十年に法律を出すから、その前に調査をしておる。私はその調査の表を見て、これはどういう調査をしたのかという疑問を持つ点があるのですがね。これはひとつお聞かせ願いたい。
#62
○菅間説明員 先生御指摘の点は技能労働者の需給状況調査のことかと存じます。この調査は例年実施しているものでございますが、最新のものでは昭和五十九年に実施してございます。六十一職種につきましておよそ一万五千事業所を抽出いたしまして調査したものでございますが、その中で技能労働者が欲しい、何人程度欲しいかというふうに聞いたわけでございますけれども、この六十一職種をトータルいたしまして五十八万人程度の不足であるという結果が出でございます。
 産業別に見ますと、製造業で不足しているのが目立っておりますし、また職種で見ますと電子・電気機械組み立て・修理工等が不足の多い職種になっているわけでございます。
 極めて骨組みだけでございますが、この調査結果は以上でございます。
#63
○多賀谷委員 例えばミシン縫製工というのが五十一年六月、そうかな、このころ足らなかったのかなと若干疑問を持つようなものもありますしね。それから自動車整備工が足らない。これは五十九年ですね。そうがな。今自動車整備工というのはかなり余っているんですね。要するに自動車が修理しなくてもよくなったというのと、それから三年間は車検に出さなくてもいい。これが響いておるのです。割合に余っているのです。そういうことで、これは正確かなとも思いながら、五十九年にもミシン縫製工とある。
 そこでもう一つは、旅客・貨物自動車運転者というのがある。これはちょっと違うのですよ。確かに不足は不足なんです。間違いない。ところが、これは過重労働で、常に人を雇っているけれども集まらない。要するにトラックの長距離の運転手は、かつては三十歳未満だったのです。今三十歳の後半でないと運転者をやる人がいないのです。時代の要請とともに、過重労働の問題でトラックの運転手がだんだん少なくなっている、そういう意味で不足しているのでしょう。常に募集している。それからミシン縫製工というのは、これも本当に不足しているのかなと思うのですけれども、一応調査をされることは結構です。
 そこで、私は、先ほど河野さんも質問をしておりましたように、自分の経験を生かしてさらに何か加えてもらいたい、これがやはり今後の一つの能力開発訓練に必要ではないかと思う。自動車整備もさらにある程度深めると同時に、何か経理とかそういうものをやれば、セールスエンジニアにもなれるしスタンドなんかにも勤められる、こういうことが必要です。ですから、新しく経理科を設けることもいいですよ。第三次産業がだんだん大きくなった、サービス産業が大きくなった、それも結構ですが、長い間の経験を持っておる職員を今ある訓練所が抱えておるわけですから、発想を少し拡大して、殊に第三次産業に向かう場合にはそれを拡大してやったらどうかというのが一つ。
 それからもう一つ、ME時代を迎えるわけであります。どこにも電気を使わない機械はほとんどなくなるのです。事務機械もそうです、OA時代を迎えるわけですから。ところが今機械科の先生は科ごとです。ですから、今厳密に言うと、電気科の先生が機械科へ行って教えることはできないのです。同じ施設におるのですよ。おまえは機械科の免状しかないし、機械科の職員だから電気なんかへ行くことはできないし、電気の先生も機械科へ行くことはできない。ですから、機械科の先生が電気を教えておるのです。今そういう状態です。それから予算も全部、機械科が何、電気科が何、溶接が何というように来るのです。そういうようになっているのです。そこで科単位ではなくて、群単位といいますか一つのグループ単位というか、こういうように弾力的に職業訓練校の運営をしたらどうか。
 もう一つは、先ほどお話がありました免許の問題もそうです。訓練というのは体で教えるのだと言いながら、少し幅広くすると先生方も非常に楽になり、また生徒も就職の範囲が広くなる。これはやはり大臣の言われた、名前を変えた新しい法律が出発するのですから、ぜひひとつそれは改めてもらいたい。この点についてお聞かせ願いたい。
#64
○山口国務大臣 先ほど河野先生からも御指摘がございましたし、今多賀谷先生から御指示いただいておりますように、職業訓練の持つ役割と実績の割にはいま一つ普遍的な評価といいますか、認識を広げていかなければならない、高めていかなければならない、そのためには免許の問題あるいは就職がしやすい、そういう環境、資格、条件づくりについていま一つ理解を広げていかなければならない。そのための労働省の立場における環境整備、改善というものは十分検討してしかるべき問題だと思いますので、私も事務当局とよく協議をいたしまして、そういう部門における職業訓練生の社会的な地位、また活躍の場の拡大、評価等を含めた点を踏まえて、ひとつ御指摘の点については早急に検討したい、かように考えます。
#65
○多賀谷委員 建築物設備管理科ですか、要するにビルメンテナンスですね。これなんかつくる。しかし、今まで機械とか電気とか建築とか配管とかやっているでしょう。それに清掃を入れてやれば大体できるのですよ。別にそういう科をつくるごともいいです。しかし、今までの先生たちがおるわけですから、それに清掃を入れてやれば大体できる。そういうようになぜやらないのか。そうすると就職も可能だということですよ。
 それから、私が感心したのは選択講座というのをやっているんですね。訓練校の中で、千六百時間のうちで四百時間は自由な講座をとるようにしているのです。そうするとこの四百時間というのは実にいいんですね。活用されている。私がさっきから言っているようなことができるわけです。これはぜひひとつ推進してもらいたいと思うのです。本人の希望で大体自分はあそこに勤められる、だんだんわかりますからね。そうすると、この科目が自分はあそこの職場に就職すれば必要だというのがわかる。ですから、千六百時間をがんじがらめに全部メニューどおりにやらせないで、自由な四百時間をとっておるそうですが、さらにこれを広げて、そういう弾力的な運用をしてもらいたい。このことをひとつ局長から御答弁願いたい。
#66
○宮川政府委員 特に能力再開発訓練は年齢のいった方が多うございますから、実際問題として、今までと全く関係のない仕事をやるのは大変きついお話でございます。言葉は適当でないかもしれませんが、本当のただの雑役のような形になってしまいます。これは御本人にとっても社会にとっても大変なマイナスだと思います。そういう意味では、先ほどちょっと御紹介いたしました公共職業訓練のあり方等研究会からも、高齢者については、従来の職業経験が生かせるように何とか工夫すべきである、それから私どものこの法律でも労働者の職業経験、年齢、こうしたものを十分考えて能力開発をしなければいかぬ、これが基本理念でございます。
 したがいまして、先生繰り返し御指摘がございましたが、科目の統廃合の中におきましても利用できるものは十分利用し、また選択制のようなものも、労働者の自主性を尊重するというのはこの法律の基本理念でもありますし、またそうでなければ教育訓練の効果を上げることはできません。したがいまして、御指摘の選択講座制についても許される範囲内で十分活用し、気持ちよくといいましょうか、進んで勉強ができるような環境づくりのためにいろいろな基準を考え直していきたいと思います。
#67
○多賀谷委員 それから向上訓練ですね。この向上訓練は多くやはり日曜日とか夜間にやっているのですよ。これは私は非常に感心しました。非常に喜ばれておる。ですから、自分の今までの先生方は労働時間、自分が働く労働時間をいろいろやりくりして、そして日曜に出たり夜間やっている。ですから、そういう向上訓練をやっている、これは企業も、中小企業なんかも非常に喜んでおるわけですが、これも評価をすべきだと考えております。
 それから、私どもが雇用保険のときにさんざん質問をした自己退職です。今まで一カ月後か二カ月後になるかと思ったら、あなた方は三カ月後ぎりぎりいっぱい雇用保険給付をやらないんだ。これは問題が起こるよということを盛んに言ったのですが、もういろいろ起こって現場の安定所が非常に苦労しているけれども、三カ月も給付をくれぬというと再教育に行けないですね。訓練所に入っても三カ月来ないのです。生活できない。というのは自己退職だというのでストップしておるんだから。自分がその会社をやめて新しいところにつこうといったら、雇用保険が−−自分の持っている持ち分の範囲の話をしているのですよ、職業訓練手当の話ではないのですよ。要するに、本人が長い間働いて、人生少し勉強していきたい、そして新しい職場につきたいということで雇用保険の申請をすると、自己退職だから三カ月はストップだ、これが訓練校に入学するのに非常に支障になっておるんですね。
 あれだけいろいろ注意したのに、これは怠け者だから勝手にやめたんだからということで縛りつけたところに問題があるのです。これはひとつ改正しないと、大臣がそのときと違うからいいというわけにはいかぬのです。せっかく大臣が意欲を燃やして能力開発をしようというのにこれが支障になるというのは、同じ労働省で私は配慮が足らないと思うのです。これは直していただけるんでしょう。
#68
○加藤(孝)政府委員 これは網岡先生にもお答えしたわけでございますが、自己都合退職者に対する給付制限というのは、あくまでその自己都合退職というその離職理由に基づいて適用される、こういうことでございます。その人が離職後にどういうことをしたか、求職活動したのか、あるいは訓練校へ通うことになったのか、こういうこと自身は、退職理由で正当かどうかという認定をしておるわけでございますので、その後のことで保険がもらえたりもらえなかったり、こういうわけにはいかないというのが一つの原則でございます。
 しかしながら、例えば今度の基準の改正によりまして、新技術に対応することができずに職種の転換を余儀なくされて退職した、そして公共訓練を受ける、こういう場合については、この改正後の認定基準におきまして正当な理由のある自己都合退職ということで給付制限は適用しない、こういうことになっておるわけでございます。新技術に対応できなくてやむなく訓練を受けるために退職した、こういう方は正当な理由がある自己都合退職という概念の中で運用してまいりたい。その際、訓練へ行くということで本当にそういうアクションをとられる方については、これはまさに訓練を受けるための正当な理由ある自己都合退職であった、こういういわば判断も可能であるわけでございますので、制度の運用の中で十分配慮していきたい、こんなふうに考えております。
#69
○多賀谷委員 そうすると、あなたの方でこういうように解釈しなさいという指示を促されるわけですか。安定所が現実にはストップしておるんだから、局長が頭の中で言ったって、何か通達しなければだめですよ。大丈夫ですか。
#70
○加藤(孝)政府委員 国会でお答え申し上げましたことは責任を持って実施する、こういうことでございまして、通達等によってその辺は明らかにしていく、こういうことでございます。
#71
○多賀谷委員 五十五歳以上はもう入校は差しとめる、こういうことが言われて現地の訓練校では大変心配しておるのです。定年退職というのは皆五十五歳からやめていくのですからね。そういう事実はありませんか。要するに、会計検査院的に言うと、効率が悪いから五十五歳以上はもう訓練しても意味がないじゃないか、こういうことだろうと思いますが、そういうことはありませんか。
#72
○宮川政府委員 高年齢者と言いましても、おっしゃるとおり五十五歳、まだ皆さん大変お若いと思います。訓練を受けるのが適当かどうかは大変個人差もあることでございます。本人の希望、適性、それから周辺の産業の動向、労働者のニーズ、全部勘案いたしまして入校してもらうかどうかを考えているところでございまして、一律に五十五歳だからシャットアウトするということは考えておりません。ここに、能力再開発訓練でございますが、年齢別入校状況、五十五歳以上七・二%の方が入校されております。
#73
○多賀谷委員 それは安心しました。
 そこで例の障害者訓練なんです。河野さんも質問されておりましたが、残念ながら余り増加を見ない。それで、私は長谷川労働大臣のとき予算委員会で質問して、若干修正してもらったのです。一年間の訓練、健常者でも一年ですぐ就職はなかなか難しいのに障害者で一年というのは無理じゃないですかというので、若干弾力をつけていただきましたけれども、依然としてそれは余り変わっていない。
 例えば一年ですと、障害者ですから体に非常に無理がいくし、十分でありませんからとうしても中途半端になるのです。そこで同じ版をつくるにしても、印刷技術がこのころは随分進んでいる印刷にしても、あるいは洋服をつくるにしてもズボンは十分できるけれども上着はいささか首をかしげるというような状態になっている。そこで、これは二年というのを原則としてやってもらわないと生活できる給料がなかなかもらえないと思うのですが、これは大臣に御答弁を願いたい。
#74
○山口国務大臣 現行は原則が一年、弾力的に本人の希望等で二年までの研修、こういうことになっておるようでございますけれども、私もやはり障害者の方の職業訓練については十分本人の得心のいくような訓練課程を修得するということが大事だと思うのです。
 そういう意味で二年にしたらどうか、こういう御指摘もありますけれども、実情、障害者の方の訓練ニーズが一年でできるだけマスターして早く就職したいという人もおりましょうし、その辺の実態を絡めまして、一年のコースと、あるいは二年というものも今まで以上に本人の意思で訓練牛としての選択肢が広げられるように、そういう点における具体的な環境整備に努めたらいいのではないか、かように考えますので、その辺は前向きに取り組むということを御理解いただきたいと思います。
#75
○多賀谷委員 最後に二点。一つは指導員の研修です。これは非常に重要なことですからね。私は身体障害者の訓練所に行きましたら、散髪屋さんがコンピューターのオペレーターの訓練大学へ行きました、それで意欲満々で、もう卒業するころになっておると思いますけれども、そういう方もあるのです。やはり有給教育訓練休暇というのはむしろ指導員にやったらどうか。まず隗より始める。企業に言うのはなかなか難しいから、役所の方で指導員にやって、それは全部はできませんよ、それからなかなか指導員も少ないのですから非常に無理があるでしょうが、ひとつそういう制度を確立してもらいたい。
 それから、実は北九州小倉に短期訓練大学校が設立される。これは地元が大変要望しておったのですけれども、非常にうれしいことであります。ところが、ここのは養成訓練と能開訓練をやっているのです。それで、それが四百七十名おるのですよ。そこで、これを一体どういうように今後行われるのか、これは別の意味で大変心配しておるのですね。四百七十名いるわけですから、それが今度は短期大学校ができたためにもう入れませんよというのでほうり出されると、これは通勤やその他にも大変支障を来す、こういうように思うのですが、最後にこれをひとつ善処方をお願いしたいと思います。
#76
○宮川政府委員 指導員、まさに私どもの能力開発、教育訓練というのは、施設もさることながら人が一番大事でございます。指導員の先生方が一生懸命熱心に仕事に取り組めるような、自信を持って仕事ができるような環境づくりは最も大事だと思います。
 したがいまして、研修につきましても、職業訓練大学校を使いまして短期、長期の研修をやっておりますし、また六十年度からは企業に派遣して研修をやってもらう、あるいは都道府県の職員の研修につきましては、従来補助はございませんでしたが、財政事情大変厳しいところですけれども、この助成もある程度認められたところでございます。
 有給教育訓練休暇をこれこそ使うべきではないかということでございますが、多方面にわたって研修を重ねてまいりたいと思います。
 それから小倉の短大の件でございますが、短大は特に高度の技能技術者を養成するということで高卒二年が対象でございます。したがいまして、御指摘のように、特に中卒あるいは高卒でも一年あるいは能力再開発訓練の対象者はここではなかなかやりにくい面がございますが、それも御指摘のように大変大事な問題でございます。福岡県とも相談いたしまして、普通訓練校あるいは技能開発センターあるいはさらにもっと方策があるか、いろいろ検討したいと思います。いずれにいたしましても、短期大学校の開校は六十二年予定でございます。それまでの間、先生の御趣旨も十分踏まえまして慎重に検討してまいりたいと思っております。
#77
○多賀谷委員 どうもありがとうございました。
#78
○戸井田委員長 村山富市君。
#79
○村山(富)委員 きょうはもう我が党の質問の最後でありますし、これまでの質疑の中で雇用構造の変化や産業構造の変化やあるいは老齢化、MEを中心とした技術が急速に進展をする、こういう情勢の変化に対応して労働者が生涯を通じて必要な職業訓練を身につける機会が与えられるということは極めて大事なことだということは申し上げるまでもないと思うのです。ただ、いろいろな制度の改変に従って、例えば公共訓練施設が軽視をされて民間の活力を生かされるというふうに変わっていくのではないかとか、あるいは先ほども質疑がありましたけれども、交付金に変わってだんだん公的負担というものが減っていくのではないかとか、こういうことが心配をされておるわけです。
 したがって、これまで出されたいろいろな質疑の中から主要と思われる点を再度確認を求めながら締めくくりをしたいというふうに思いますので、そういう意味で明確な御答弁をお願いしたいと思うのです。
 一つは、今申し上げましたように、ME化等技術革新の急速な進展に対処するために公共職業訓練施設においてME機器等の新しい訓練機器の導入に努めるとともにME関連訓練の充実に努める必要があると思うのですが、今後の対策をまず承りたいと思います。
#80
○山口国務大臣 お答えいたします。
 現在、技術革新の波は生産部門の労働者のみならず事務部門にも押し寄せ、職場の各部門に大きな影響を及ぼしている。職業能力開発行政の今後の役割の大きなものは、労働者にこうした技術革新に円滑に対応できる職業能力を付与することにあると考えています。
 このため、従来から実施している訓練職種においてもME関連の機器の導入に努めるとともに、直接MEに関する訓練科についてもその増設に努め、求職者はもとより新規学卒者や在職労働者が新しい技術、技能を習得できる機会の拡充に努めたいと考えております。
#81
○村山(富)委員 次に、今回、委託訓練制度が拡充されるという方針が出されておるわけですが、その委託訓練制度の実施に当たって、機動性に名をかりた安易な委託をしたり、あるいはまた訓練水準を低下させたり、あるいはまた公共訓練の規模を縮小させるといったようなことのないような配慮が必要であるというふうに思うのですが、考え方を承りたいと思うのです。
#82
○山口国務大臣 離転職者訓練が公共職業訓練施設内において行われるべきであることは承知をしておりますが、委託訓練は離転職者の発生や技能に対するニーズの急速な変化など、公共職業訓練施設のみでは機動的に対応することが困難な場合、限定的に公共職業訓練施設で行う訓練を補完しようとするものであり、こうした考えのもとで今後の運用を行う所存でございます。
#83
○村山(富)委員 次に、都道府県立の訓練校の運営に要する経費ですね、人件費とか実習経費とかあるいは維持管理費等は上昇していくわけですから、したがってそうした分を含めて必要な予算の確保を図るべきであると考えますけれども、その点についての考え方を承ります。
#84
○山口国務大臣 都道府県立の職業訓練校及び身体障害老職業訓練校の運営に要する経費につきましては、人件費、実習経費、維持管理費等、上昇があった場合には、職業訓練の円滑な実施を図るため、必要に応じて見直しを行い、財政当局と折衝して必要な経費が十分確保されるよう努力してまいりたいと考えております。
#85
○村山(富)委員 次に、その都道府県に対する交付金の交付に当たって、従来都道府県に対して行っていた補助に比較して激変することのないような措置を講ずることが必要である。
 これはさっきも質問がございましたけれども、一定の事業目的を決めた予算というものはやはり当然確保されるべきであるというふうに思いますし、あわせて大量の雇用の変動等、例えば企業が倒産したとか、そうした変動が起こった場合に、そうした変動の起こった都道府県が緊急に職業訓練を実施する必要があるというような場合には、機動的な職業訓練が実施できるような配慮が必要であるというふうに思いますが、その点についてはどのようにお考えになりますか。
#86
○山口国務大臣 都道府県に対して交付金を交付するに当たりましては、政令で定める基準に従って行うこととされておりますが、この基準を政令で定める際には、雇用労働者数等に加え、職業訓練を緊急に行うことの必要性その他特別の事情を考慮するという法律の規定に従って、都道府県に対する補助が激変することのないようにするとともに、大量雇用変動等都道府県が緊急に職業訓練を実施する必要性が生じたときに機動的に職業訓練を実施することができるように交付金を交付できるようにして、都道府県の職業訓練の円滑な実施が行われるようにしてまいりたいと考えております。
#87
○村山(富)委員 最近、国と都道府県等との関係を見ていますと、国が負担金を増額すれば、それに見合って地方自治体も負担を増額する、こういう傾向があるわけですね。したがって、負担金が交付金に変わったことによって都道府県が現状の常勤指導員の配置体制を後退させるとか、現在都道府県が負担している予算額が削減されるとかいうようなことのないように都道府県に対する指導を徹底する必要があるというふうに思うのですが、その点についてのお考えを承ります。
#88
○山口国務大臣 今回の交付金化は、職業訓練校等の自主的、弾力的運営を図ることを目的として補助方式を変更したものであり、従来の事業内容を変更するものではなく、職業訓練校等の運営は都道府県における職業能力開発行政の基本的な業務であるので、現行の都道府県の財源措置が維持されるものと考えております。
 労働省としては、都道府県における指導員の確保及び職業訓練校等の運営の円滑な実施を期するため、所要の財源措置が図られるよう十分指導してまいりたいと考えております。
#89
○村山(富)委員 次に、職業訓練にとって一番大事なのはやはり職業訓練指導員だと思うのですね。その指導員の養成確保対策及びその研修体制の充実を図ることが当然必要だというふうに思うのですが、その点についてのお考え、さらに、現在免許制度は、さっきも質問がありましたけれども、担当できる訓練の範囲というのが非常に狭過ぎる嫌いがある、そのために免許制度の弾力化を図る必要があるのではないか、同時に、その弾力化を図るに当たっては現に職業訓練指導員の職にある者が不当にその資格を奪われることのないような配慮も必要であるというふうに思うのですが、そういう点についてのお考えを承ります。
#90
○山口国務大臣 職業訓練指導員の養成確保につきましては、職業訓練指導員の養成機関である職業訓練大学校の充実強化に努めてまいりたいと思います。
 職業訓練指導員の研修につきましては、今後とも職業訓練大学校や各都道府県で実施する指導員研修の充実に努めるとともに、民間企業、大学、研究機関等への派遣研修を実施するなど適切な実施に努めてまいりたいと思います。
 職業訓練指導員の免許制度の弾力化につきましては、指導員の担当教科の幅を広げる等その弾力化に努めてまいりたいと思います。
 なお、弾力化することにより現に職業訓練指導員の職にある者が不当にその資格を奪われることのないように十分配慮してまいりたいと存じます。
#91
○村山(富)委員 さらに、職業訓練の実施に当たっては、さっきも申しましたけれども、生涯にわたって必要な訓練の機会が与えられるということが必要だと思うのです。そういう意味におきまして、職業能力の開発を段階的かつ体系的に行うという観点から、例えば職業訓練手帳制度の導入等の方法も考えて、教育訓練歴などを記録する方法を検討すべきではないか。その人の一生を通じて職業訓練歴がわかるといったような意味においてそういう手帳の交付なども検討する必要があるのではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょう。
#92
○山口国務大臣 生涯職業能力開発という観点に立ちますと、労働者の教育訓練歴を累加的に記録し、それを計画的な職場配置、教育訓練計画の作成等に生かすことは極めて有意義なことであると考えられます。今後、手帳制度の導入も含め、その具体的な方法について長期的に検討してまいりたいと存じます。
#93
○村山(富)委員 さらに生涯能力開発給付金制度の活用の問題ですけれども、この活用については、可能な限り利用者の便利を図るということが何よりも大事だと思うのです。今、国が県に委任をして扱っているわけですけれども、これを雇用促進事業団の設置する職業訓練施設にもその利用を拡大するとか、そういう利便を図る必要があるのではないかと思いますし、また現にその事業内で行っている職業訓練等については必ずしも正確に使われておらないというような面もあるやに聞いておるわけです。そういう問題について、教育訓練が的確なものであるかどうかということを十分確認する必要があるというふうにも思うのですが、そういう点についてはどういうようにお考えでしようか。
#94
○山口国務大臣 生涯能力開発給付金制度の推進に当たりましては、この制度を活用する事業主の利便を考慮し、従来から都道府県立職業訓練校を取り扱い窓口としております。生涯能力開発給付金の事務は、国から都道府県知事に対する事務委任の形式をとっておりますことから、都道府県の機関ではない雇用促進事業団立職業訓練校を取り扱い窓口にすることは幾つかの解決すべき問題があり、こうした問題の解決方法につきましては、今後都道府県等を初めとする関係者の意見を尊重しつつその方策を検討してまいりたいと存じます。
 それからもう一つ、生涯能力開発給付金の支給に当たりましては、事業主が実施している教育訓練の内容を的確に把握するよう都道府県を指導し、その適切な運用が図られるよう努めてまいりたいと存じます。
#95
○村山(富)委員 最近よく耳にするのですけれども、雇用保険受給者のうち職業訓練を受けて就職促進を図る必要があるというふうに思われるし、またそういう希望を持っている者が安定所の窓口で不当に規制をされるとか制限される、したがって、その希望がくじかれる、こういった場面があるようなこともしばしば聞いているわけですけれども、そういうことがないようにすべきではないかというように思うのですが、いかがでしょうか。
#96
○山口国務大臣 公共職業訓練の受講指示は、求職者の適性、能力、労働市場の状況から判断して当該職業訓練を受けることが適職につくために必要であると認められる場合に行うものでございまして、こうした趣旨を踏まえ職業訓練施設における受け入れ態勢等をも勘案して適切に措置してまいりたいと考えます。
#97
○村山(富)委員 先ほど質問もございましたけれども、雇用保険の給付制限期間、これが一カ月から三カ月になったわけです。そのために職業訓練を受けたくても受けられない人が相当出ているような実態がある。これは私は十分検討を加えるべき問題ではないかというように思うのですが、そうしたことについての改善を検討する必要があるかないか、どういうようにお考えか、承ります。
#98
○山口国務大臣 昨年の雇用保険法改正により正当理由のない自己都合退職者に対する給付制限期間は従来の一カ月から三カ月となりましたが、これは離職の際の慎重な判断を促すこと等を目的としたものでございます。新技術に対応できずに離職を余儀なくされた人たちは公共職業訓練の受講を要する場合が多いと思われますが、このような人たちについては、正当理由のある自己都合退職として給付制限は適用しないこととするなど改正法の施行を契機に給付制限制度の運用基準の大幅な見直しを行ったところでございます。新しい技能を習得するために公共職業訓練の受講を希望して離職した人たちにつきましても、この制度の運用の中で実情に即して弾力的な対応をしてまいりたいと存じます。
#99
○村山(富)委員 ぜひひとつそうしたものにこたえ得るような配慮をしていただきたいというように思います。
 その次に、雇用保険財政の現状にかんがみて必要な国庫負担を確保するということは必要だと思いますし、同時に、運営には公労使の代表が参加できて民主的な運営ができるようにすべきではないかというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
#100
○山口国務大臣 雇用保険の国庫負担につきましては、昨年の改正雇用保険法の審議に際しての附帯決議にもございますように、その必要額を確保していくことは当然のことであり、今後とも最大限の努力をしてまいる所存でございます。
 また、雇用保険制度の運営につきましても、附帯決議の趣旨にかんがみ、公労使で構成される中央職業安定審議会の御意見を十分にお伺いしつつ制度の趣旨、目的に沿った運営を確保するよう努力してまいる所存でございます。
#101
○村山(富)委員 この種の機関というのは、できるだけ公労使がそれぞれ意見を開陳して民主的な運営ができるようなものにしていくことの方が内容的にも効果的にも得策だというふうに思いますから、そういう点の配慮が必要だと思うのですが、最後に、そういう考え方に立って、中央及び都道府県にあります職業能力開発協会、この協会の運営に当たって労働者の意思が十分反映されるような措置を必要とするのではないか。
 今聞くところによりますと、参与という形で入っておるようですけれども、それはまた言うならば形式的なものだというふうにも言われておりますので、もっと実態に対応して、労働者の意見が十分反映できるような仕組みというものを考えていく必要があるのではないか。これは今すぐやれと言ったってなかなか無理な点があると思うのですけれども、十分検討に値することだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#102
○山口国務大臣 先生御指摘のとおり、職業能力開発協会の運営に当たりましては、労働者の意思を反映させることは必要なことであると考えます。
 このため、職業能力開発協会は、労使の代表者及び学識経験者を参与として委嘱しており、参与は、業務・運営に関する重要事項について意見を述べることができることとしているところでございますので、改善に向けての検討をしたいと考えております。
#103
○村山(富)委員 以上、これで私の確認を求める質問を終わりますけれども、冒頭にも申し上げましたように、労働者が社会の変化に対応して必要な技術を身につけるという機会が与えられるということは、労働者自身にとっても大事なことだし、同時に、日本の経済全体にとっても大事なことだというふうに思いますから、少なくとも冒頭に申し上げましたように、全体が後退するというようなことのないように、特に国や都道府県が責任を持って職業訓練を保障していく、これが柱だということを忘れないように、労働省は充実強化するという方向で一層御努力いただくことを心から期待して、私の質問を終わります。
#104
○戸井田委員長 午後二時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十三分開議
#105
○戸井田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。橋本文彦君。
#106
○橋本(文)委員 職業訓練法が職業能力開発促進法という形に大幅な名称の変更ということですので、内容について大変期待を持って眺めたのですけれども、現実には、本当に名前だけの変更で、基本理念の変更と言われますけれども、基本理念についてもまあまあ同じようなことが書いてあって、はっきり言いましていささかがっくりしているわけでございます。
 この法案につきましては、もう十分議論も出尽くしまして、残っているのは何かということで探したところが、身体障害者の職業訓練校だけが残っておるということでございますので、その辺に焦点を当ててこれから議論させていただきます。
 現在、身体障害者の雇用促進は遅々として図られておりませんけれども、前回の五十三年のときに特に附帯決議として「身体障害者のための職業訓練については、職種の開発をも含めて、施設、設備の増加と充実を図ること。」これが衆議院の社労委の附帯決議。それから参議院の社労委の附帯決議としましては「心身障害者」、ここでは身体障害者のみならず「心身障害者のための職業訓練については、定員を増やすとともに、職種の開発をも含めて、施設、設備の拡充を図ること。」これからもう七年たったわけでございますけれども、今回、ではどのような形で身体障害者あるいは心身障害者のために施策が増加されてきておったのかなと見てきましたら、わずかに補助金の問題と交付金の問題だけで身体障害者訓練校ということで出てくる、これを見て、先ほど言いましたように、いささかがっくりしておるわけであります。
 そこで、まず労働大臣に、この高齢化社会、それから産業構造の変化あるいはOA機器の導入とかたくさんありますけれども、こういう中で身体障害者あるいは心身障害者の雇用促進、これをどのようにお考えになっているか、お尋ねしたいと思います。
#107
○山口国務大臣 橋本先生も御承知いただいておりますように、身障者雇用の問題につきましては、一定の義務規定をお願い申し上げましてその雇用の拡大に努めておるところでございますけれども、全国で二百万人に近い何らかの形で身体障害を持っている方々の雇用の確保、拡大のために、労働省としても雇用促進月間等も特別に設けて各企業体に啓蒙啓発をしてお願いをしたり、あらゆる努力を進めておるところでございます。
 特に、特定の施設とか工場に身障者の方の職場を確保してそこで仕事をしていただくということでなく、いわゆる健常者と一緒に仕事をすることの喜びといいますか、また参加意識、また健常者の身障者に対する認識、啓発等もございまして、できるだけ自然な形で身障者の職場を確保していくということを一つの方針としておるわけでございますけれども、実情はなかなかおくれておる部分もございまして、我々労働省としてもこの点を特に重点的にことしの施策の中にも身障者の雇用拡大ということで取り組んでおるところでございます。
#108
○橋本(文)委員 身体障害者につきましては職業訓練校もございますし、ある程度手に技術を持つことも可能なのですけれども、いわゆる心身障害者、特に精神薄弱者については法的には一切、訓練校のいわゆる資格としてもありませんし、それからいわゆる雇用値につきましても定められていないということでございますので、今の質問なんですけれども、精神薄弱者についてどのようにお考えになっておるか。
#109
○加藤(孝)政府委員 精神薄弱者につきましても、現在、身体障害者とほとんど同じような形で就職促進に努めておるわけでございます。雇用率だけが精薄者には適用がまだないというところが違うだけでございまして、あとは身体障害者に対する各種の援護措置等とすべて同じようにやっておるわけでございます。
 ただ問題は、身体障害者とは異なりまして、いわば精神薄弱者の適職の範囲がまだ非常に不十分である、ごく限られた分野にしか就職が難しいというような事情にございまして、今後精神薄弱者の雇用の促進にはなお多くの解決すべき問題が残っておるという状況にございます。そんな現状を踏まえまして、現在精神薄弱者問題研究会というのを月一回程度開催をずっと続けておりまして、問題の洗い直しと今後の施策の推進のための方向を懸命に検討していただいておる、こんな現状にございます。
#110
○橋本(文)委員 精神薄弱者について研究を進めておるということなんですけれども、いつごろ発足して、現在作業がどのような方向まで進んできているのか、具体的にその結論が出るのはいつごろか、そういう目安をお持ちでもって今お話し願ったのかどうか、その点をひとつ。
#111
○加藤(孝)政府委員 昨年の四月に発足をいたしまして、ことしの五、六月ごろには結論というとなんでございますが、今までの論議を一応取りまとめるというような方向で今続けておるということでございます。
#112
○橋本(文)委員 随分寂しい話ですね。五十三年の段階で、参議院の方では特にもう心身障害者のために職業訓練あるいはその定員をふやせとか、あるいは職種の開発も含めて施設、設備を充実しなさい、こういう話があったわけですからね。それが昨年やっと発足してというのであれば、ちょっとそういう心身障害者のための施策が大幅におくれているな、とにかく健常者であってもなかなか失業状態が多いという中で、そういう人まで手が回らない、まさかこんな考えじゃございませんでしょうね。
#113
○加藤(孝)政府委員 ちょっと言葉が足りませんでしたが、ただいま申し上げました精神薄弱者問題の研究会は、精神薄弱者の問題すべてということではなくて、特に、今精神薄弱者について雇用率を適用すべきかどうか、身体障害者には適用されておるけれども、唯一精神薄弱者にまだ未適用になっているのはこの雇用率であるということで、この雇用率を適用すべきかどうかという問題に焦点を当てての研究会が、昨年の四月から続けられて五、六月ごろに取りまとめをしたい、こんなことでの進みぐあいということでございまして、身障問題一般につきましては、これは身障対策について、年々予算も厳しい状況の中では増額増額というような形でやってきておりますし、その間におきまして、例えば重度障害者の今後の雇用促進のためには、第三セクター方式によるこういう官民共同での企業体というようなものの設立等を進めるなど新しい対応策も進めてきておるところでございます。
#114
○橋本(文)委員 今、雇用率という話が出ましたのでお尋ねしますけれども、普通、一般の民間事業主は一・五%、それから官公庁では非現業では一・九%、それから現業は一・八%、こうありますね。
 ここで、きのうですか、いわゆる電電公社が日本電信電話株式会社に移行した。三十二万人の職員がおられる。それからやはり専売公社も日本たばこ産業株式会社、やはり三万六千人の職員がおるわけでございます。これはもちろん現業でございますので、一・八%の雇用率適用が決まっておりますが、聞くところによりますと、一・八四ぐらいのパーセントを維持しておったということなんです。
 ところが民営化になりますと、一・五%でよろしいとなりますので、現業だから一・八%、民間に移ったから今度は一・五%ということで、身体障害者の雇用率が逆に減ることを心配する声もあるわけですけれども、これはそういうことはないと思いますけれども、どのような取り決めがなされておるのか、もしわかりましたらお答え願いたいと思います。
#115
○加藤(孝)政府委員 御指摘のございましたように、民間に移行いたしますと、いずれも一・五%以上ということになってくるわけでございます。現在、一・八四あるいは一・八の雇用率でございますが、当然一・五%以上ということでの御努力を願っていかなきゃならぬわけでございますし、現に私どもも、この移行に関連いたしまして身障者の雇用数を今より下げるようなことがあってはならぬという観点からそういう両社に対しまして努力を特に要請をいたしておるところでございます。
#116
○橋本(文)委員 努力を要請しているわけでございますけれども、それに対してどういうような回答等がございましたのでしょうか。
#117
○加藤(孝)政府委員 両社とも現状の水準を維持するよう努力するという回答をいただいております。
#118
○橋本(文)委員 細かい問題で恐縮ですが、それは口頭ですか、それとも書面上の取り決めなのか。
#119
○加藤(孝)政府委員 書面でいたしております。
#120
○橋本(文)委員 せんだって、土曜日に国立の身体障害者訓練校を視察させていただきました。行ったところは神奈川県の身体障害者訓練校でございます。約三時間近くにわたりまして視察あるいは懇談という場を与えていただきまして、たまたま春休みの関係で生徒がいなかったわけでございますけれども、逆にかえって落ちついてその訓練状況の、特に設備、機具についてつぶさに拝見できた、それからじっくり管理職の方々のお話も聞かしていただいた、こういうことをしてまいりました。
 そこで感じたことを一つのテーマにしまして、これから身体障害者訓練校の問題についてお尋ねしてまいりますけれども、まず最初に気がついたことは、この身体障害者の訓練校の数が全国で十八、しかも四国地方におきましては、訓練校が一つもないという事実。
 それから特に神奈川県におきましても、全国から障害者の方が集まってくる。したがって広範囲の地域から来る。そのためになかなか定員に満たない。これはその数が少ないから定員に満たないのではないか、この辺も思うわけです。逆に、この定員に満たないんだから増設する必要はない、そういう声もあるかもしれませんけれども、逆ではないかと思うのですね。身体障害者の方でございますので、なかなか遠距離だと通勤できない、あるいは入寮にも問題がある等々のことがございまして、まずこの身体障害者訓練校、これを増設するお気持ちはあるのかないのか、それをお尋ねいたします。
#121
○宮川政府委員 身体障害者の方々が社会的に自立する、そのためにはその持っている職業能力を目いっぱいに引き出すということが大変大事でございます。そして職業的に自立してもらう、そのためには一般の訓練校で、多少でも苦労すれば訓練を受けられるという人についてはなるべく一般の訓練校で受けてもらうということで、そちらの面の施設の整備に努めているところでございます。
 一般の訓練校ではなかなか無理という人につきましては、訓練方法あるいは訓練のいろいろなプログラム、訓練期間あるいは作業用補装具、いろいろございますが、そういう点を加味しながら、身体障害者職業訓練校に入ってもらう。
 今、先生御指摘のように、国立が十二校、都道府県立が六校、計十八校でございます。その国立のうちの一校は、身体障害者雇用促進協会に運営を委託しまして、所沢の中央職業リハビリテーションセンターでございますが、残りの十一校につきましては、すべて都道府県にその運営を委託してございます。そういう意味では都道府県営のような形を呈しているわけでございます。
 それで、もう先生御指摘がございましたが、現在三十八職種、延べ百三十六科展開しておりますが、内容を見てみますと、現在、定員は五十五年に二千五百七十人であったものが、六十年二千六百三十人、わずかの増でございますが、確かに、入校率で見てみますと大体七割前後で、多少の余裕がまだございます。十八校でございますから、立地が遠いのでということもございましょうが、宿泊といいましょうか寮の設備もかなり整っておりますし、遠くから来ていただいても、毎日通うということではなくて、入校できるようになっております。そうした意味では、むしろ適職の展開ということにまだ多少問題があるのかなど思っておりますが、現状ではやはり入った人たちをきちんと教育してしっかりやっていただく、そういうことを考えておるわけでございます。
 ただ、特に重度障害者、最近は、いろいろ統計を見ましても障害の程度が重篤化あるいは複合化といいましょうか、そういう傾向が明らかに見られますので、特に重度障害者対策として、中国筋でございますね、今のところ岡山県でございますが、身体障害者のための職業訓練施設をつくることを計画し、その準備を進めているところでございます。確かに四国地区にはございませんが、比較的近距離でもございますので、当面はこちらの方に来ていただく、そういうことも考えていきたいと思っております。
#122
○橋本(文)委員 今局長のお答えの中で、寮も設備しておるのでということで入寮したらよかろうというお話でございましたけれども、現場の声を聞きますと、寮制度よりもむしろ通勤を希望する。それは企業に入りまして、寮がないこともあるんだということで、またその身体障害者の自主自立といいますか、自発というか、その点からも入寮制よりもむしろ通勤を奨励しておるのですね。この辺はいかがですか。
#123
○宮川政府委員 ただいま申し上げましたように、身体障害者の方々であっても健常者とともに生活できる、作業ができるならばなるべく一緒にやってもらう。これは国際的にもそうした考え方がある程度確立されているわけでございます。我が国におきましても当然そういうことでございまして、最近は、一般訓練校の施設で、例えばスロープ、自動ドア、お手洗い等かなり改善に努めておりまして、なるべく一般校に入っていただく、それがまた一番自然であろうと思います。
 ただ、入寮では自主性が育たないではないかというお考えもあるいはあるかもしれませんが、一面、全国くまなく身障校を展開することもなかなか難しい事情もございます。やはり原則としては一般校でやっていただく、大変難しい方については特段の工夫をするという意味も込めまして専門の訓練校を設けておるわけでございますので、なるべくそちらで訓練を受けていただく、そういうふうにやっていきたいと考えております。
#124
○橋本(文)委員 岡山に一つできるということで、四国にはないけれども、まあまあ近いから勘弁してくれ、こういうことでございますかな。
 今お話がありましたように、障害の程度が重篤化、あるいは重度といいますか、重度化あるいは重複化している。現在のその職業訓練校の訓練課程あるいは持っている設備、機能では対応が不十分である、こういう感じがしたのです。
 と申しますのは、例えば全盲の方あるいは目の視力が弱い方が電話の交換手を希望して一生懸命訓練を受けている。そういうわけでその機械を拝見したわけですけれども、現在の電話交換台というものがどんどん進歩してきまして、今持っているような訓練校の施設ではもう対応できない。それから音声にかわってディジタル化になっている。これはもう目が見えなければどうにもならぬというわけで、担当の教官が、実は電話交換手の道は早晩閉ざされてしまうのではないか、したがってその意欲を持たせるのが大変だというようなニュアンスの話をしていただきました。
 それから縫製関係は、本当に古いミシンだなと、今どこの家庭でも電動ミシンが多いのに、足踏み的な様子を呈しておる。それから機械関係におきましてはもうまるで万力しかない、極めて単純な装備しかそろっていない。
 ただ感心したのは、この神奈川県身体障害者訓練校におきまして、いわゆる印刷関係では新しい印刷機械が入っておった。それから経理担当の方のためにいわゆるワードプロセッサーが導入されておった。それは現状にマッチした施設だという感じがしたのですけれども、一番希望者の多いというか、電話交換手とかあるいは縫製関係、この辺が実にお粗末きわまるという感じがしたのですが、いかがでしょうか。
#125
○宮川政府委員 身体障害者の方々の適職の開発は、中央職業リハビリテーションセンターあたりで積極的に検討しているところでございます。
 それで、特に最近は、このセンターにおきまして五十五年から視覚障害者に対するプログラマーの検討、それからそのために生産性向上を図るためのコンピューターシステムの開発などをいろいろ研究、検討しているところでございます。
 例えば、従来活字で打ち出されておりましたデータやプログラムをオプタコンを用いて読み取っていく、これを、点字用ラインプリンターと申しますが、これに点字で打ち出す装置、あるいはディスプレーで表示された文字を点字に転換して読み取る装置、こうしたものを開発し、訓練に成果を上げているところでございますが、適職の開発につきましては、先生御指摘のように、例えば従来電話交換手として非常に親しまれていたわけですが、そういうところでも大変問題が出てきているということは事実でございます。今後とも、視覚障害者が就労しやすい条件を備えた職種について、その職務の再設計、作業用補装具といいましょうか支援機器、こうしたものの開発を行い、その職域拡大あるいはそれに応じた職業訓練、こうしたものを積極的に行えるように特に研究開発に努めてまいりたい。
 大変古い機器があってというお話でございますが、今、全国的に訓練校、身体障害者訓練校の機器の更新をかなりの精力を注ぎましてやっております。身障校につきましてももちろん例外でございません。特にまた問題もございますので、より一層熱を込めてやっていきたい、かように考えております。
#126
○橋本(文)委員 障害の程度が重度化、重複化しておりますので、特に旧式ではなくて新式なものでないと、一生懸命訓練しても職場に直ちに対応できないというおそれがあると思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 今盲人の話が出ましたので、「厚生の指標」ということで厚生統計協会が出していることなんですが、この中で、委託事業として、いわゆる身体障害者雇用納付金特別会計で実施されておりますところの盲人新職業開発研究事業というのがあるのです。これを見ますと、盲人電話交換手訓練技法開発研究、それから盲人コンピューター要員訓練技法開発研究、それから盲人力ナタイプ指導員講習事業、聾唖者職業用手話の開発事業、こういうことが出ているのですが、これは特に盲人新職業開発研究事業というのは、今局長が言われたことなんでございますか。
#127
○宮川政府委員 今時に国立職業リハビリテーションセンターにおいて五十五年からやっていると申し上げましたが、視覚障害者に対する新職業開発研究事業ということでこれが展開されているわけでございます。
#128
○橋本(文)委員 それから、この職業訓練校は建物が大変老朽化しておりまして、障害の程度が重度化していると同時に、建物も重度化している、こういうような声が聞かれまして、何とか新しい建物にしていただきたいという声もそれなりにございました。昔の陸軍兵の傷病病院というか、それを使っておるらしいのですね。そんなわけで、建物もいわゆるタコの足のように伸びておりますし、身体障害者の方が使うには極めて不便だなという感じはしたわけなんですけれども、聞くところによると、なかなか大変な、土地が国有地で建物が今度は県の方でするとかいろいろな問題があるようでございます。
 この神奈川県の身体障害者訓練校は本来国でやるべき教科といいますか科目のほかに、生産実務A、生産実務Bという名称でいわゆる精薄者に対する訓練をしておる、その建物が神奈川県のものであるとかいろいろ複雑な問題があるのですけれども、神奈川県に限らず、身体障害者職業訓練校の大半が老朽化している事実は御承知と思います。そこで、新しい建物あるいは新しい施設を、設備を導入するお考えはあるのかないのか、お聞かせ願いたいと思います。
#129
○石川説明員 先生御指摘のように、国立の身体障害者職業訓練校につきましては、古いものから計画的に現在建てかえをいたしておるわけでございます。
 神奈川の身体障害者職業訓練校につきましても、先生御承知のように、管理棟あるいは訓練棟につきましては三十七年代の建物でございます。これを補修しながら使っておるわけでございますが、神奈川県の方からも建てかえてほしいという希望も参っておりますので、現在検討を進めておるところでございます。
#130
○橋本(文)委員 よろしくお願いいたします。
 訓練校の訓練科目についてお尋ねいたしますけれども、今回の法改正におきましても、いわゆる産業構造の変化とかあるいはOA機器の導入とかあるいは高齢化とか、いろいろな問題がございますけれども、長い間一貫して訓練科目に変化が見られないし、また、その指導方法も、同じような教え方をしておる。ところが、いわゆる障害の重度化あるいは重複化の傾向が厳しくなりまして、従来のような教科では、あるいは指導ではもう対応できなくなっているんだという声もあったのですが、これについてはいかがでしょうか。
#131
○宮川政府委員 身体障害者の職業訓練といたしましては、現在三十八職種、延べ百三十六科ということを申し上げたところでございます。代表的なものとしては、先生御指摘のように比較的従来型と申しましょうか、時計修理、洋服、洋裁、木材工芸、製版印刷、軽印刷、それから義肢装具、靴の製造というようなものが。ございますが、現在、一方で情報処理あるいは電子機器、デザイン、そういうような新しい需要の見込める職種につきましても訓練を始めているところでございます。
 すべてが古いわけではございませんが、ただ、科目の転換を図ろうといたしますと、施設もさることながら、やはり指導員という問題にもなります。したがいまして、特に重度障害者対策といたしまして専門の指導員の増員を計画的に行っているところでございますが、特に五十八年度から職業訓練大学校、これは訓練校の指導員を養成する機関でございますが、ここにおきまして福祉工学科というのを設け、五十八年から新入生が入っております。
 この福祉工学科というのは、最新のいわゆるME、マイクロエレクトロニクスと機械との結びついたメカトロニクス、あるいはこういうものと医療、心理学あるいはさらには職業指導というようなものまですべて総合的に理解し、あるいは補装具、作業用補装具等の開発研究も行うというようなことで、特に身障校の指導員あるいは企業において身障者のお世話をする人々、こういう人たちを養成するための福祉工学科も設けたところであり、多少歩みが遅いというおしかりは受けるかもしれませんが、新しい事態に対処して新しい需要にこたえられるように徐々に対策を講じているところでございます。
#132
○橋本(文)委員 訓練大学校で福祉工学科というものを設けて新しい時代に対応したい、あるいは障害者の重度化に対応したいというお答えでございますけれども、もう一つ、いわゆる高齢化という問題が起きている。身体障害者の問題から一遍に高齢化の問題に入るので恐縮でございますけれども、実は近い将来、生産人口二・八人で一人の御老人を養う、こうなりまして、大変な施設が全国的にもできておりますけれども、やはりその大半は在宅の寝たきり老人、これは本来家族が面倒を見るべきだということなんですけれども、御承知のようにそのために大変な家庭悲劇が起こってきている、あるいは家庭では処理できないのでボランティアの方を頼むとか、そんな形でもって対応しておりますけれども、近い将来、本当に高齢者が二〇%を超えていくことになりますと、もはや家庭の内部では対応できないということで、いわゆる寝たきり老人を介護するワーカーをつくろうという動きがございまして、今度神奈川県に専修学校の認可を受けた和泉老人福祉専門学校ができるわけなんです。この四月に開校いたします。
 これは社会学、心理学あるいは社会福祉、老人福祉、医学、看護基礎知識、いろいろな知識を勉強した上でいわゆる寝たきり老人を介護する技術を身につけさせよう、こういう動きがあるのですね。手っ取り早く言えば、老人福祉ワーカーという表現になっておりますけれども、これなんかを見ますと、新しい時代に対応するケースとして、やはりこれは単純に力があればいいというわけでもない、老人を介護するには特別な技能が必要であるということを考えてまいりますと、これも一つの職業として、それを訓練するということを考えてもいいのではないかと思うわけなんです。障害者に対して、いろいろな形でもって自立できるような補装具の開発とか、あるいはいわゆるエレクトロニクスを導入した問題とか、あるいは医療と心理学、そういうものを総合したものとかいう形で福祉工学科ができたような形で、寝たきり老人を介護するいわゆる老人ワーカー、これも技術でございますので、それに対応するようなお考えは現在のところありますか。
#133
○宮川政府委員 お説のように大変な高齢化を迎えるわけでございまして、寝たきり老人の介護ということも私ども決して人ごととは思えません。これからの大変大事な社会的な一つのニーズといいましょうか要請となってくるだろうと思います。そこまで大きく考えておるわけではございませんが、現在家政科というのがございます。家政科の中では、教科の中に老人の介護、特に寝たきり老人の介護というのがございまして、都道府県立の職業訓練校、たしか六校だと思いますが、家政科がございます。
 家政科と申しますとかなり在来型といいましょうか、旧来型の面もあるわけでございますが、老人介護のための特別の訓練等も最近は取り入れ、新しいニーズに対応するようになっているわけでございます。ただ、私どもの方で積極的に養成するとして、これがどの程度社会に受け入れられるのか。当然、比較的近い将来大変な需要になってくることは予測されるところでございますが、現実には、例えば看護婦さんの資格、栄養士さんの資格、保健婦さんの資格等、私どもでは直ちに措置できない、例えば厚生省さんの関係の資格その他との関連がございます。民間がおやりになっていただくのは民間活力ということで大変結構でございますが、公共職業訓練としても有効に対応できるならば積極的に対応するのは当然のことと思いますが、今申し上げましたように資格絡みで大変難しい問題もございますので、この家政科でのホームヘルパーといいましょうか老人介護の状況等ももう一度よく見ながら検討していきたい、かように考えます。
#134
○橋本(文)委員 一つのこういう老人ワーカーというものができますが、ここに至るまでに、まず学校をつくるまでには文部省、それから老人介護の技術という点では技能という問題でこれが労働省の所管になる、資格の問題になってくるとこれは厚生省だという形で、一つの学校を例にとってみましても三省が複雑に絡み合ってきている。そういうわけで、きょう文部省、厚生省の方も来ておられると思いますので、どういう方針でこれを専修学校として認可したのか、厚生省の方では、今言ったように老人福祉の専門校で出発した以上、近い将来の資格という問題をどのように考えているのか、もしお答え願えましたらよろしくお願いいたします。
#135
○山田説明員 お答えいたします。
 心身に障害を有する子供たちの教育につきましては、その障害の種類や程度に応じまして適切な教育を行うことが大切であろうと思っております。したがいまして、子供たちの障害の程度、種類も多様でございますので、文部省といたしましては、これらの子供たちの教育につきましては、盲・聾・養護学校、養護学校もいろいろ種別がございますが、そういうものを設置するように都道府県に義務づけたり、それから小中学校の特殊学級で、これも障害の種類や程度に応じて教育を行う。さらには、ごく軽い子供につきましては通常の学級でいろいろなことに配慮して教育を行うということで、文部省関係といたしましては、これらの特殊教育諸学校、小中学校の特殊学級、こういうところを中心として障害を有する子供たちの教育に当たっているところであります。
#136
○橋本(文)委員 今質問したのは、この和泉老人福祉専門学校というものがいわゆる専修学校という形でもって認可された。そこで文部省さんに聞きたいのは、どういう理由で専修学校になったのか、これが一点。
 それから厚生省さんの方では、どういう資格が与えられるのか、これをお尋ねしたいと思って今質問したわけであります。
#137
○菊川説明員 専修学校につきましては所管が高等教育局の私学部になっておりまして、担当の者が参っていないわけでございますが、私が前に専修学校企画官をやっておりましたので、私が答弁させていただきます。
 専修学校につきましては、一定の要件、年間八百時間以上の授業を行うことあるいは一つの学校で四十人以上の生徒を擁すること等の要件を学校教育法及び専修学校基準によって定めておりまして、その認可等の所管は都道府県知事に法律上委任されておるところでございます。御質問の学校につきましても、神奈川県知事によりまして認可されたわけでございますので、文部省としてはその詳細につきましては存じ上げていないということで、ございます。
#138
○池堂説明員 実は担当の課長が参っておりません関係で、あるいは明確な回答にならないかもしれませんが、私からちょっと御回答申し上げたいと思います。
 先生御指摘のように、これから先高齢化社会を迎えるわけでございますが、それに対応して必要なのは在宅福祉を進める、その大きな中核となりますのはホームヘルパー、これが重要な役割を占めることになろうかと思います。現在約二万人ほどのホームヘルパーが配置されているわけでございますが、これに対しましては現在のところ資格基準等はございません。ただ、これが定着し、そしてまた介護技術なりあるいはホームヘルパーの果たすべき役割という面についてこれからさらに検討しながら、この資格制度については慎重に対応してまいる必要があるだろう、かように考えております。
#139
○橋本(文)委員 このケースにつきましては、特別養護老人ホームを経営している方たちの意見を聞きますと、どうしても専門家の養成が必要である、こういう声を恐らく聞くと思います。子供に対しては保母さんがおる。これは立派な国の資格でございます。ところが、もう高齢化社会目前、大変なことは目に見えておる。だけれども、この学校を出たからといっても国の資格は全くない。これが現実でございます。いろいろ検討した後に考えたいという御答弁でございましたけれども、時代を先取りしての学校ということであるならば、卒業した段階で何らかの資格が与えられるように国としても配慮すべきではないか、こう思うのです。
 入学金を五十万払うのです。月謝も払う。二年間一生懸命みっちり教育訓練を受けた。ところが、卒業した段階で何にも資格がない。というのであれば、意欲の問題もあるし、これは国にとっても大変な損失だ、こう思うわけなんです。したがって、この老人介護の問題につきまして、資格の問題、ぜひとも前向きに考えていただきたいと思います。所管が違うから、これは大臣、難しいですな。大臣の個人的な見解でも結構です。
#140
○宮川政府委員 老人介護のためのホームヘルパーとしての資格というお話でございます。確かに、今私が御答弁申し上げましたように、これは医療介護、生活介護というような点がございます。したがいまして、保健婦さん、看護婦さん、そうした資格との関連が大変難しい問題があろうかと思われます。私どもの方だけで直ちに何らかの資格を付与するということは大変難しゅうございますが、ただ一面技能検定という面では、これを積極的に技能検定に乗せたらどうかということがございまして、検討も進めております。ただ、内容が非常に多岐にわたりまして、一つの決まり切ったものとしてとらえにくい面がございます。私どもの方からのアプローチといたしましては、もう少し検討に時間をいただきたい。
 ただ、先生御指摘のように、まさに高齢化社会の入り口というよりも既に入りまして、これが大変な問題になると、当然職業訓練あるいは能力開発としてもそういうことに積極的に取り組まなければならないところに来ているということはよく理解できるところでございます。
#141
○橋本(文)委員 確かにこの二年間ここで実習を受けて卒業したとして、行き先はいわゆる特別養護老人ホームあたりが一番大きな就職先だろうと思うのですね、現状では。ただ、そういうときに何の資格もないということで、今言ったような看護婦さんの資格を持っている人とか、そういう資格者との関係で大変な問題が起きてくるのではないかと懸念されますので、早急に前向きでよろしくお願いいたします。とにかく寝たきり老人はますます増大するということは目に見えているわけでございますので、よろしくお考えのほどお願いいたします。
 身体障害者の訓練校のいわゆる科目の問題あるいはその指導方法について議論していますと、これだけで一時間でも二時間でもいっぱい種はあるのですけれども、先に進めさせていただきます。
 とにかく施設が老朽化しておる、それから教材等が陳腐化しておる、それから新しい時代に対応できるような指導員の問題もあるでしょうけれども、それよりも大事なことは身体障害者の入校生の障害の程度が重篤化しているという事実、どうしても早急に対策を考えなければまるで意味がない、こういうような感じがしたものですから取り上げさせていただきました。
 そこで、次に精神薄弱者、先ほども、大変難しい問題だということはよくわかっております。わかっておりますけれども、この相模原にあります職業訓練校におきましても、精薄者を対象に試験的に今その訓練をしておる。それから、愛知県の春日台にはやはり県立の精神薄弱者のみを対象にした訓練校があります。こういう動きを国としてはどのように見ているか、また春日台の実績あるいは問題点、それを総括的にまずお教え願いたいのですけれども。
#142
○宮川政府委員 精神薄弱者を専門に訓練しております訓練校でありますが、愛知県の春日台の身障校でございますが、能力と適性の開発に特に重点を置いて職業訓練を行うということで、技能と社会的な適応力を身につけてもらう、それをもとにして就職の促進を図ろうということでございます。
 現在、ここの実施規模は五科、五つの科がございます。機械科、縫製科、木工科、陶磁器科、紙器製造科、それぞれ二十名でございまして、定員は百名でございます。訓練生の入校状況等を見ますと、定員百名のところで九十名ちょっとの入校というところで、しかも全員が全期間修了しているということで大変優秀な成績を上げております。それで九十名中大体八十七名、九八%程度が就職を見ている、そういうところで春日台はかなり成功している例であろうと思っております。
 それから精神薄弱者は、先生も御指摘のように、またお話しのように大変難しい問題がございます。そういう意味で一般身障校に受け入れるにしましても大変問題がございますが、一般には特別の訓練科を設けてそこに受け入れることにしております。今の春日台のほか、静岡の身体障害者職業訓練校、京都の城陽の身体障害者職業訓練校、ここでそれぞれ精神薄弱者を専門に引き受けて訓練をやっております。
 入校率は大体一〇〇でございますが、就職率ということになりますと、春日台は大変よろしゅうございますが、それから静岡も大変よろしゅうございますが、京都の場合には大体三人に一人の就職、特に紙器の製造ということで、これが問題があろうかと思われますが、そういう状況にございます。いずれにいたしましても、精神薄弱者につきましては、これから開発されなければならない訓練技法等が大変多うございますが、積極的にこうした専門の科目を設けることによって前進を図ってまいりたいと考えております。
#143
○橋本(文)委員 春日台におきましてもあるいは静岡においても非常に就職率がいいというお話なんですけれども、このいわゆる精神薄弱者の中でも軽、中、重と度数が違うと思うのですね。これはどういうことなんですか、どういうふうに把握しておりますか。まず、軽い人が多いのか、あるいは平均的なのか。
#144
○宮川政府委員 春日台は今御説明申し上げましたように、いろいろ適職の開発その他に積極的に取り組んでいる身障校でございまして、どうしてもいわば取っかかりやすいという面がございましょう、比較的軽度から中程度の人々を収容しているというふうに聞いております、
#145
○橋本(文)委員 京都の場合はどうなんですか。
#146
○宮川政府委員 京都の場合には中程度というように理解しております。
#147
○橋本(文)委員 ところで、身体障害者あるいは精神薄弱者全部押しなべて心身障害者という形にしておりますけれども、いわゆる義務教育の問題で養護学校があります。それから就職の段階で、就職できなくて訓練校に入ってくる方もありましょうし、その前にいわゆる振り分けする機関がございますね。この中にカウンセラーがおって、一日大体一人ぐらいの割合で、例えば四人カウンセラーがおれば四名ぐらいをいわゆる診断して、それぞれその適性に応じた振り分けをしている。これはその職業につきなさい、あるいは訓練校に行きなさい、訓練前の授産所に行きなさい、あるいはもうだめだから家に寝ていなさい、こういうような振り分けをするのですけれども、この機関が、カウンセラーが少ないということもあるのでしょう、中には、失敗と言うと語弊がありますけれども、思わぬ読み違いがある、そんなような声も聞きました。一年間の訓練校を終えた結果、結局は就職できなかった。これはもとをただせば、そのときのセンターのふるい分けできちっとしておればこういうことは起きなかった。学校としても、入ってきてしまった以上、あなたはだめだからもうやめなさいとも言えないというような問題もあるようです。
 そこで、このセンターの機能というか、それからそこに働いておる専門家ですね、これをどのような形で養成しているのか、その基準等がございましたら御説明ください。
#148
○加藤(孝)政府委員 この心身障害者の職業センターは雇用促進事業団の組織、こういう形で各都道府県全国に配置をいたしております。
 この機能といたしまして、公共職業安定所が行います障害者の職業紹介業務と連携をしながら、特に重度の身体障害者あるいは精神薄弱者など、特に就職の難しい方々につきましての相談あるいはこれらの方々についての職業に関する能力あるいは適職の判定、評価、こういったようなものを行っておるわけでございますが、このほかに、事業主に対しましての身障者の受け入れ指導とか、こういう方々を雇用する場合の相談あるいは適職の相談、情報の提供というようなことをいたしておるわけでございます。
 このセンターには、専門の評価を行いますあるいはまた障害に関する専門的な知識を持っておりますカウンセラーを現在百九十三名配置をいたしておりまして、医学的な立場での求職者指導というのをやっておるわけでございます。
 また、このほか、このカウンセラーに必要な知識、助言を与えるためのリハビリに関する専門のお医者さんを非常勤で四十七名配置をいたしておるわけでございます。
 これらの方々のカウンセラーの養成確保という問題につきましては、特に大学において心理学や社会福祉等を専攻した方などを試験採用いたしまして、その後基礎的なこういう能力判定、職業相談等についての知識、技能についての約二カ月にわたっての研修を行った上で全国に配置をいたしておるということであり、また具体的に、その後につきましても、身体障害者の授産施設等において研修をいたしましたり、専門研修などを計画的に進めるというようなことをいたしておるところでございます。
#149
○橋本(文)委員 現在百九十三名、それから非常勤の医師が四十七名、これは全国でこの数でございますね。これで十分対応できるとお考えでございますか。
#150
○加藤(孝)政府委員 現在この身障センターで、例えば五十九年度の十一月までの取扱件数で見ますと約二万八千件の相談あるいは指導、判定というようなのをやっておるわけでございますが、私どもとしては、人数の問題についてもあるいはまた身障センターのスペースなりあるいはまたさらに設置すべきいろんな判定器材といいますかそういったようなものなど、すべて何とかさらに拡充をしていきたい、こういう基本的な姿勢の中でおるわけでございます。
 こういうものについて、これで十分ということは到底申し上げるわけにはいかぬと思いますが、拡充への努力は鋭意いたしておるところでございます。
#151
○橋本(文)委員 養護学校、これにはさまざまな心身障害者がおります。軽度の方もおれば、中度もおる、中には重度もおる。それが義務教育という形でもって小学校、中学校課程を終えてくる、高校に進学する人も多いように聞いております。
 ここで、高校には行けないからということで身体障害者の職業訓練校に入ったらという、こういうケースもあるようなんですね。ところが、この訓練校に入ってきたらば全然字が書けない。九年間にわたる養護学校の教育問題の期間もありまして、一体文部省は何をしているのだろうということも思ったんですけれども、これは難しい問題だと思います。
 例はこういうことなんです。全然耳が聞こえない方がおった、それが普通の学校に入った、ところが授業が全然聞こえないあるいは手話もやっておらない、その結果中学校を卒業した段階で自分の名前しか書けないという人がおったという。それを訓練校で初めから教育しなければならない、つまり訓練校に来て初めて養護学校の教育内容をこれからしなければならないということもある、こんなような声も聞きましてびっくりしたわけですけれども、こういうケースは聞いておりますか。
#152
○宮川政府委員 大変難しい問題でございます。何も心身障害者に限らず、大変悪い、適当な言葉ではございませんが、いわゆる落ちこぼれ対策というようなこともよく聞くところでございますが、私どもの訓練校、特に養成訓練、中卒の専修課程あるいはいわゆる一類と言われるものにつきましては、指導員の先生方がまさに汗みどろになって子供たちとのコミュニケーションをつくって、それから具体的な仕事のための教育訓練が始まる、そういう傾向が多分にございます。まして心身障害者の場合にはそうした苦労が大変多い、ほとんどの時間をそういうことにとられるという話はよく耳にするところでございます。
#153
○橋本(文)委員 ですから、職業訓練以前の問題をしなければならないことについて文部省はどのようにお考えですか。
#154
○山田説明員 先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、心身に障害を有する子供の教育につきましては、障害の種類と程度に応じましていろいろな場を整えていくことが大事であるということでございまして、盲・聾・養護学校、こういう特殊教育諸学校を設けたり、それから小学校、中学校の場合でも特殊学級を設けたり、または通常の学級で配慮して教育を行うということで、軽いお子さんは小中学校ということになりますが、重い子供につきましては特殊教育諸学校で教育するということで、この点就学指導、こういうことにつきましてできるだけその趣旨に沿うように各都道府県等を指導しているところでございます。
 まず適正就学ということに初めのところで重点を置いてやっていきたい、そうしてそれに従いまして各教育の場におきましては、障害の種類や程度に応じましてできるだけきめ細かな教育をやっていきたい、そういうふうに努力はしているところでございます。
#155
○橋本(文)委員 適正な指導をしておるのだ、努力しているのだということですが、現実に全く障害がありながらもそれを隠しているというか、その結果十五歳になったら何もできない、こういうケースがあるわけですね。それを、確かにあなたは障害を持っているのだから養護学校へ行きなさいとか命令もできませんでしょうけれども、こういうように指導しても聞かないというケースはたくさんあるのですか。
#156
○山田説明員 大部分のケースの場合は、市町村教育委員会、それから都道府県教育委員会、それから学校などの指導がありますので、そういう障害の種類と程度に応じまして特殊教育諸学校なり特殊学級に入級していると思います。ただ、保護者の要望が非常に強いとかいうこともございまして、教育委員会と保護者の意見がなかなか一致しないというようなことがございまして、中には市町村の教育委員会が小学校の通常の学級に措置してしまうというようなこともないわけではございません。
#157
○橋本(文)委員 これは一番かわいそうなのは子供自身だと思うのですね。それは親にしてみれば自分の子供が障害者だということは認めたくない、また世間に認められたくないという気持ちもあると思います。しかし、精神薄弱だとか内部に疾患がある場合にはわからないけれども、全然耳が聞こえないとかいうようにはっきりしている場合に、教育委員会が説得できないとはどういうことなんですか。ちょっと理解に苦しむのですけれども、本当に子供の将来のことを考えたならばそれに必要な教育を受けさせるべきだと思うのですけれども、いかがですか。私はちょっと人権感覚が少ないですか。
#158
○山田説明員 我々といたしましては、障害の種類と程度に応じまして、施設なり人的配置が整っているところで適切な教育をすべきである、それが子供の可能性を伸ばすことになるという観点からいろいろ指導しているわけでございます。ただ、先ほども申しましたように、保護者の希望が非常に強いというような場合もございまして、いつまでも意見が対立していますと現実問題として子供の教育が宙に浮いてしまうという事例もございます。そういうような場合に市町村の教育委員会もとりあえず小学校に入れるというようなこともあろうかと思います。しかし、話し合いの場は一回限りではございませんので、市町村の教育委員会等に対しましては、その子供の状態をよく見て適切な措置がとれますように粘り強く保護者等と話し合っていくということを我々といたしましても指導してまいりたい、かように考えております。
#159
○橋本(文)委員 なかなか難しい問題ですね。ところで、また文部省に聞きますけれども、精神薄弱者の雇用率が現在決められておりませんし、また訓練校ではっきりと精神薄弱者を対象にした学校は少ない。現在わずかに愛知県と静岡と京都と神奈川、残りはやっておらないわけです。その大きな問題は、まず自分で自分の面倒を見るという生活指導からしなければならない、生活訓練からしなければいけないのだということなんです。
 そうしますと、小学校、中学校含めて九年間の期間があるわけですから、学校教育法に言うところのいわゆる科目の履修はもちろん人間として大事なんですけれども、自立できるような生活訓練をこういう養護学校においては強力に推し進めていく必要があるのじゃないか。そうしないと、せっかくこういう身体障害者の訓練校がある、あるいは近い将来精神薄弱者にもその門戸が開放されるといった段階になりましても、結局生活訓練で一年間なり二年間の期間が過ぎてしまう。気がついてみたら何の職業訓練も受けなかったのと同じである。ただ立ち居振る舞い、自分の身の回りのことは自分でできるようになったというのでは、何のための職業訓練校かわからない。
 そこで、養護学校時代に自分のことは自分ですることをもっともっと積極的にすべきだと思うのですけれども、これは学校教育法との関係でどんな問題があるのですか。
#160
○山田説明員 昭和五十四年度に養護学校の義務制を施行いたしまして、養護学校に通う子供たちの障害の程度が重度化している事実はございます。しかし、養護学校におきましては、身辺の処理とか、ある程度の生活ができるとか、ある程度の作業ができるというようなことで、生活関連学習とか作業学習に重点を置いて教育しているところであります。そういうのが中心になろうかと思います。養護学校と申しましても、病弱とかいろいろな種類がございますので、ただいまは精神薄弱関係の養護学校のことで申し上げたわけでございますが、先生から御指摘のようにそういうところに重点を置いて教育をするようにしているところで、ございます。
 それから、小中学校に特殊学級がございます。これもいろいろな種別がございますが、精神薄弱関係の特殊学級につきましては、ほかの特殊学級もそうでございますが、特別の教育課程を編成することができることになっております。したがいまして、そういう生活関係のこととか作業学習を中心とした教育課程が組める仕組みになっておるわけでございます。我々といたしましては、子供の状態をよく見て、そういうものが特に必要である子供たちに対してはその辺を重点的にやっていきたいというようなことで教育委員会、学校等の指導に当たってまいりたいと思います。
#161
○橋本(文)委員 これは数で言うのは大変難しいと思いますけれども、現実に小学校に入学して中学校の課程を終えるまでの九年間に、当初あった症状、障害の程度が九年間の養護学校あるいは特殊学級におきまして随分改善された、あるいはいろいろな意味で能力が向上した、これはそう断定していいわけですか。それとも入学したときから卒業するまでやはり同じような症状はもちろん残っているし、自分の身の回りも相変わらず同じなのか。目をみはるような違いで改善されておるのか。これは一概に言えないと思いますけれども、傾向として、早期発見、早期訓練ということで早目に訓練を行えばいわゆる改善の度合いもよくなるのじゃないかと我々門外漢は思うわけでございますけれども、これはいかがですか。
#162
○山田説明員 御指摘がございましたように、早期からの適切な教育は極めて大切であると思います。すべての学校を私も見たわけではございませんが、精神薄弱関係の養護学校をいろいろ見学いたしますとすばらしい効果を上げているところがあると思います。例えば、今の小学校の通常の学級にいる子供でもリンゴの氏もよくむけない子供もおるわけでございますが、養護学校でそれを重点的に教育する、しかも家庭のお母さんたちと協力してそういう作業を子供に教育していきますと、立派にリンゴの氏もむけるような子供を私自身も拝見しておるわけでございます。
 これもやはり障害の程度にもよると思います。何年間がやりましても、そこまでいけない子供もおります。しかし、中にはそういう子供もいますし、また盲・聾・養護学校、それと小中学校と途中で交流をするときもありますし、特殊学級から通常の学級に行くような場合もあるわけでございます。逆の場合もありますが、そういう場合があるわけでございます。やはり早くから専門家による適切な施設で適切な教育ということをやればそれなりの効果はある、それは先生方の努力にもよるかと思いますが、そういうことは大切だと思っております。
#163
○橋本(文)委員 今、鉛筆も削れない子供が多くなった、ましていわんやリンゴの皮なんかむけないのじゃないかと思うのです。その中で精神薄弱の子供がリンゴの皮をむけるというのですから、これは大変なことだと思いますよ。そういう意味で、精薄者といえどもきちっと訓練をすればある程度の技能を習得できる。そう思いますと、精神薄弱者にも訓練校の門戸を大きく広げてもらいたい、こういうことでございます。
 今回のこの問題に関しまして、いろいろと文献を調べたり本を読んだりしまして気がついたことは、本当にこれは縦割り行政の弊害が出ているなというだけなんですね、実感として。ここからここまでの問題はどこどこ、ここから先は違いますという形で、同じ人間でありながらいろいろなところをうろうろしなければならないということがわかりまして、これはいかぬなという感じを強くしたのです。
 例えば、さっき言った老人福祉専門学校にしても、いわゆる文部省、県知事、それから厚生省、労働省、いろいろな問題が入ってくる。それぞれその問題について違う実施省庁が関与してくる。同じようなことが身体障害者に関しても、ある時期は、生まれて学校に行くまでは厚生省、学校に行っている間は文部省、それからそれが職業訓練を受けようかあるいは就職しようかとなるとこれまた労働省、それから途中でやはりだめだから病院に入ろうあるいは在宅だということになればまた厚生省の所管という形になりまして、てんでんばらばらで本当に統一性がないという感じがしたのですね。
 これは難しい問題かもしれませんけれども、とにかく一人の障害者、特にお子さんがおられる場合に、そのお子さんの将来をどうするかということに視点を当てて、教育から職業訓練からあるいは将来自立できるような就職まで一貫したシステムでもって文部省、厚生省、労働省が一体となって関連し合ってやるような、何といいますかパイロットスクールといいますか、こういうような構想はお持ちなんですか。
#164
○宮川政府委員 身体障害者の真の自立と社会の完全参加を図るためには、まずその持っている能力をいっぱいに引き出し、職業能力を付与し、職業的にも、つまり経済的にも極力自立する、これが最も望ましいわけであります。そうした意味では、いわゆる養護学校に入っているような比較的重度の子供たちにつきましても、その卒業と同時に心身障害者の職業センター、これは雇用促進事業団で、先ほど御説明いたしましたが、ここで職業相談をいろいろいたしまして、適当であるあるいは希望があるということになりますと、身体障害者職業訓練校あるいは一般の職業訓練校に受け入れて訓練を行っているところで、ございます。
 それで、従来もそうでございますが、今後は、おっしゃるような点もよくわかりますので、福祉事務所あるいは授産施設あるいは養護学校等と私どもの例えば公共職業訓練所あるいは今申し上げました心身障害者の職業センター、私どもの訓練校とよく連携をとりまして、少しでも効率の上がるような訓練ができるように考えてまいりたいと思います。
 現にパイロットスクールのようなものというお話でございますが、ごらんいただいたかと思いますが、所沢にございます職業リハビリテーションセンターというのは、厚生省の身体障害者リハビリテーションセンターと同じ区域にございまして、厚生省の所管の方でいろいろ機能回復訓練、一般生活指導等を行い、適当なところで職業相談を行い、職業訓練を行う。これがいわば流れ作業といいましょうか、一貫作業で行われている施設も現につくられているわけでございまして、今後はこうした工夫も十分していかなければならないものと思っております。
#165
○山口国務大臣 今先生の御指摘の障害者の訓練の問題とか就業の問題あるいは高齢化時代等における厚生省とか労働省あるいは文部省、各省間にそれぞれ所管が分かれているような問題は、たまたま厚生省と労働省では高齢化時代に備えて二省間協議のような場所を設定して随時協議する一つの機会をつくるようになったわけでありますけれども、厳しい財政事情でございますけれども、そういうものは既存の施設でありますとかそこに担当している人々まで減員されているというわけではございませんので、やはり財政が厳しいときこそ国民のそういう行政に対する要求とかニーズに対してまじめに真剣に取り組むということが国民の行政に対する一つの信頼なり期待をつなぐ大事なことだと思うのですね。
 そういう意味で、今御指摘のような問題につきましても、文部省、厚生省からも来ていろいろ御答弁もいただいておりますが、そうした機関の定期的な協議をするような場所を、中央は中央、あるいは地方の出先機関は出先機関でやり合いながら、実際障害者の方々の家族や御本人の意欲に応じた社会的チャンス、場所が提供できるようなそういう努力の方法がないものだろうかということで、ひとつ具体的にそういうことに取り組む検討をぜひ進めたい、かように私としても考えておりますので、あわせて御答弁申し上げさせていただきたいと存じます。
#166
○橋本(文)委員 ことしの二月十九日に理科教育及び産業教育審議会の答申が出まして「高等学校における今後の職業教育の在り方について」という形で答申がございました。これは興味を持って読ませていただきました。いろんな、専修学校との関係やらあるいは高校の――職業高校ですね、職業教育、これでもっていわゆる学歴偏重の社会を是正するんだとか、いろいろ大変なビジョンがあるわけなんです。
 その中で興味を持ったのは、今後新しく設けることが必要だろうという学科として、いわゆる機械科と電子技術を一体にした「電子機械科」とか、あるいは情報処理と情報技術をあわせたような新しい情報関連学科とか、あるいは国際化に備えての「国際経済科」あるいは農業と商業に関する科目を一体化させた「農業経済科」というようないろんな科目がございまして、その中には最後にこうあります。「あるいは国民の福祉に対する多様なニーズにこたえるため、福祉関連業務に従事する人材を育成する「福祉科」などの設置について、地域の実情等も踏まえながら検討を行っていく必要がある。」先ほど老人福祉学校で議論いたしましたけれども、こういうように審議会の方でも、「福祉科」というものをつくってこれからの福祉関連業務に従事する人材を育成すべきだという進言がございます。
 そういう観点から文部省の方でも早急にそれを検討したいというお言葉が、これはだれでしたっけ、文部省の職業教育課長菊川さん、言っておりますね。新学科を設けることと教育課程を大幅に弾力化し、専修学校等での教育も広く取り入れる、そして、この答申を当課において具体的な施策として展開していきたい、こういう言葉が載っておりますけれども、ぜひともよろしくお願いいたします。先ほど専修学校の問題でお話を聞きましたけれども、県知事が認可したのだからあとは知らぬじゃなくて、答申にも福祉科というものをつくるべきだという声があるわけですから、早急に厚生省、労働省とも協議を願いまして、先ほど言った老人ワーカーの問題についても適当な資格が取れるような配慮をぜひともお願いしたいと思います。
 ちょうど時間も参りましたので、それを要望して質問を終わります。ありがとうございました。
#167
○戸井田委員長 小渕正義君。
#168
○小渕(正)委員 午前中から長時間で関係者の皆さん大変お疲れさまですが、あとしばらくよろしくお願いします。
 職業訓練法の一部改正につきましては、我が党においては同僚の塩田議員から総括的な質疑を集中いたしましたので、今回は少し個々に具体的な問題に絞りながら政府の見解をただしていきたいと思います。
 まず第一に、技術革新の進展どこれに対応する職業能力の開発向上に関する問題でありますが、言うまでもなく技術は産業社会の活力の基盤であり、また中長期的には我が国が適正な経済成長を達成するための大きな原動力でもあります。また技術開発は国民生活の質的向上にもいろいろな意味で貢献することが期待されているわけでありまして、このような中で工場やオフィスではFA化とかOA化とかが進行し、バイオテクノロジーとか新素材の分野でも技術開発は非常に急速な方向で進行しつつあるわけでありまして、まさにある意味における産業革命だと思います。
 したがいまして、このような高度技術の導入による新しい産業革命がおのずから高度な質的社会をもたらすということについても大きな影響力を持っておるのではないかと思うわけでありますが、そういう立場からいろいろ考えました場合に、ロボット化や情報システム化によって労働力が削減されて失業という問題が一面においてはまだ出てくる。またFA化やOA化等は、家庭の情報システム化等が進みますと職場や家庭での人間的な触れ合いをある程度薄めさせていくようなおそれもあるわけでありますが、こういう中で特にこれからの高度福祉社会を創造していくという立場から、次の点についてお尋ねするわけであります。
 特に技術革新の進展は産業構造やまたは就業構造の非常に大きな変化をもたらすような状況がありますので、そういう意味でこれは非常に大事な問題であります。そういうことから我々は絶えず新しいこういう産業社会に適応するための能力開発促進法というものをつくりながら、いろいろとこういう新しい時代に対応していかなくてはならぬということを主張しておるわけでありますが、今回政府としてはどのような基本的な認識の中でこの施策を提案されてきたのか、現在のこういう新しい産業革命とも言われるような状況の中での今回の提案に対する基本的な認識についてまずお尋ねをいたします。
#169
○山口国務大臣 小渕先生の民社党の方からも能力開発促進法の制定の必要性というものを前々から提案されておられるわけでございますが、労働省といたしましても、今先生からいろいろ御指摘いただきましたように、一つには、高齢化時代、そしてまた技術革新、日本のような資源のない国は新技術導入というものに対してどん欲な姿勢というものを持たなければならない。しかし、それが何と言っても国民生活の安定の基盤たる雇用の問題に大きく影響しないように常に事前の措置を講じていかなければならない。特に今まで日本の戦後経済の発展の中に、大きな雇用の安定の中に貢献してきた職業訓練という問題を、新技術時代に適応するような職業能力開発というものを進めていきたい、こういう考え方の上に立ちまして今回の法改正をお願いしておるところでございます。
 これは人生の全期間においてその人の意思と意欲に応じた能力開発が進められるように、特に事業主の行う能力開発に対する援助助成等を通じまして労働者の職業訓練というものを老中青それぞれの意思に基づいた機会をひとつ提供していこう、こういう考え方でございます。
 いま一つは、従来公共職業訓練の立場で進めてきたものをさらにこの運用を弾力化する、基準を弾力化するとか、また技術的な修学の分野を拡大する、こういう技術革新の時代にふさわしい修学訓練のチャンスをひとつ広げていこう、こういう考え方の上に立ちまして今回の法改正に伴う諸手続を今進めさせていただきたいということで御論議をお願いしておるところでございます。
#170
○小渕(正)委員 新しい技術革新に対応するためにということでの説明でありますが、実際問題といたしまして、ME化とかロボット化と言われているわけでありますが、では、こういうME機器の整備等に見られる具体的な中身、質的向上を図っていこうという場合を考えてみましたときに、現在の公共職業訓練所の中において本当にそういう時代に適応できるような近代化がなされておるのかどうか、その点では非常に疑問なしとしません。したがって、今おっしゃられたようなものに質的にも対応できるような、そういう意味での施設の向上また指導員の資質の向上、こういった点については、これらの問題についてどのような解決をなさろうとなさっておるのか、まずその点についてお尋ねいたします。
#171
○宮川政府委員 この技術革新というのは大変なものがございます。特にこのMEに象徴されるそれでございますが、公共職業訓練も少しでも効果のある、受講生にも喜ばれ、またこれを利用する産業界にも十分受け入れられるものでなければなりませんので、能力の大変なところは挙げて一生懸命努力しているところでございます。例えば産業用ロボット、NC工作機械、お話しございましたが、こうしたME機器に関連した職業訓練あるいは情報処理技術関係の職業訓練の充実、あるいは機器も、今までは全部買い取りでやっておりまして、大変古い骨とう品のような工作機械が並んでいるではないかというような御批評も受けたわけでございますが、最近は、特に新しいものにつきましてはリース制を活用いたしまして、訓練用ME機器の計画的な整備を進めているところでございます。
 また、ME化等の技術進展の高度化に対応するために、従来の養成訓練だけではなくて、高度の専門的知識を身につけた中堅技術者的な技能者、こうした者の養成といいましょうか、社会の需要が大変強くなっております。そのために、五十三年にそれまでの総合高等職業訓練校を技能開発センターと職業訓練短期大学校に振り分けることとしているわけでございますが、この後者の職業訓練短期大学校の計画的な展開を今進めているところでございます。
 それから、特に、どんなに技術革新が進みましても、結局訓練校で教えるのは人であります。指導員が最も大切であります。したがいまして、指導員の資質の向上を図るために、従来から職業訓練大学校、これは神奈川県の相模原にございます指導員の養成の唯一の専門大学でございますが、そこにおきまして、いわゆる大学生とは別に、長期、短期の指導員研修を実施し、特にME関連の新しい知識を注入するとともに、都道府県におきましても指導員研修を積極的に行うよう指導しているところでございます。
 特に、六十年度におきましては、この都道府県の指導員研修にもある程度助成をすることができるようになりましたし、また、職業訓練大学校の行います長期、短期の研修におきましても、企業への派遣、実際の第一線の現場で見る、これは指導員の皆さんにも大変好評でございますが、これもできるようになってきているわけでございます。そうした形で指導員の技能水準の向上を図っているところでございます。
 特に、こうした新しい時代を迎え、今申し上げました職業訓練大学校に情報工学科を設けることといたしまして、六十年度からいろいろ実行に着手いたしますが、六十一年度から新入生を迎えるということでございます。ME関連のそれはもうほとんどすべての科に全部浸透しております。例えば、溶接でもロボットの溶接がございます。機械科ならばNC工作機械というようなことがございます。それから、一般の訓練校におきましても、0A機器、ワープロ、そうした意味での事務所のコンピューター化といいましょうか、ME化が進んでいるわけでございますが、こうしたことに積極的に対応し、情報処理を一元的に勉強する。そして、訓練校における情報関連あるいは電子計算機科の指導員の養成、それから、あるいは企業にあってそうしたものの訓練を担当する人の養成、これを情報工学科で考えているところでございまして、設備、それから指導員、両面から新しい時代に対応できるような体制の確立に努めているところでございます。
#172
○小渕(正)委員 そういう労働省としての積極的な意欲は理解できるわけでありますが、実際問題として、現状の訓練所の実態を見ました場合に、果たしてどうなのかという感じがするわけであります。私の承知したのでは、この訓練所というのは大体全国的には三百六十五カ所くらいですかね。(宮川政府委員「三百八十カ所です」と呼ぶ)三百八十ですか。失礼しました。そこで訓練されて修了されている人たちが大体年間三十三万人程度ですかね。そういうお話は承っているわけでありますが、そういう中で、今本当にこういう高度の技術にふさわしい、対応するような必修科目としてはどういうものがあるのか。
 それから、先ほども、例を工作機械で言われたら、NCマシン等も導入したと言われておりますが、私が大体二、三年前までのあれで見ますならば、昭和の初めか戦後初めてくらいの古い機械等々を置いて、こういうNCの近代的なものが実際に訓練所の中で設置されていないという状況であったわけであります。そういう意味で、今おっしゃられたような新しいニーズにこたえるような状況でのそういうものが導入されたのは大体一割程度ですか、それとも二割程度ですか、大まかで結構ですから、近代化といいますかそういうものの進行状況について、数字的にもしあればお示しいただきたいと思います。
 それから、その指導員の資質の向上ですが、今、専門大学、訓練大学校等にもずっと派遣されてやられておるということでありますが、問題はやはり、そういった施設の近代化とあわせてそういう指導員が充実していなくてはどうにもなりませんから、そういう意味で、新しいそういう高度な技術のニーズにこたえ得るような指導員というものが全体の指導員の数の中で大体どの程度おられるのか。その点、ちょっとこれは質問の中でこの数字は入れていませんでしたが、もし数字がおわかりであればお示しいただきたいと思います。
#173
○宮川政府委員 直ちに今ここでちょっと何割と申し上げられませんが、先生御指摘のとおり、公共職業訓練施設は全国で三百八十七、国、地方、都道府県を合わせてございます。それで、その延べ定員が三十四万がちょっと欠ける程度ございます。
 その中で、養成訓練、これは中卒、高卒の学卒者でございますが、この普通訓練課程で、コンピューター操作及びこれに伴うプログラム作成関係ということで電子計算機科、情報処理科、これが定員でいきますと四百六十ございます。このほかに経理事務、一般事務等においていわゆるワープロ、パソコンを積極的に使って行っている訓練科の定員が千三百五十ございます。それからコンピューターが内蔵された機器の操作、これに伴うプログラム作成関係で、機械、金型、木工、溶接、塗装等在来型と言われるものでも全部そういうものを使っておりますが、これが一万六百ほどございます。それからコンピューターまたはME機器の製造関係、電子機器科、電気制御回路組立て科が千七百。
 それから短期大学校の専門訓練課程、いわゆる養成訓練の専門課程、つまり短期大学校でございますが、コンピューターが内蔵された機器の操作及びこれに伴うプログラム作成関係で、電子科と合わせまして大体九百。
 それから在職労働者の向上訓練でコンピューター関係が五千八百、NC工作機械関係が大体五千、それからシークェンス制御関係が二千六百。
 それから、いわゆる離転職者のための能力再開発訓練の中では、ワープロ、パソコン等を使う一般経理事務で、ございますが、これが三千ちょっと。それから、コンピューターが内蔵された機器の操作ということで、先ほど申し上げました機械科、金型科、木工科等で一万五千。コンピューターまたはME機器の製造関係、電子機器科でございますが、これが大体七百。
 これを全部足し上げますと大体五万弱程度でございまして、今申し上げましたように、これはストレートにいわゆるME機器を利用しているところでございますが、最近はほとんどすべての科目といっていいほどME機器が浸透しておりますので、そうした面でかなり普遍的な教育が行われているわけでございます。
 それから指導員につきましては、今申し上げましたように、指導員がもとでございますので、その長期、短期の研修、これはすべてME関係でございますが、これが、一年間に三カ月の長期指導員研修が二百、それから一カ月の短期指導員研修が大体千、そのほかに企業研修が若干というようなことで訓練をやっているところでございます。
#174
○小渕(正)委員 わかりました。
 次に、時間がございませんので先に進みますが、このように技術革新に対応するために、当然これは勤労者の人たちがみずから自発的に教育訓練を受けるというようなことが第一でありますが、このためにはやはり長期の有給教育訓練休暇制度というものが制度化されていないことには、本当の意味での労働省が目的とされる行政を達成するためには、付随的にそういうものが制度化されていかないことにはより内容が充実した形のものにならぬのじゃないかという気がするわけです。
 そういう意味で、今回の法改正の中で勤労者が自発的にしかも休暇制度の中でこういう機会を受けられる、そういうものを促進させるという意味では非常にこれは大事な制度ではないかと思うのでありますが、この点についてはどのようなお考えをお持ちか、お尋ねいたします。
#175
○宮川政府委員 生涯にわたる能力の開発、職業生涯の各時点におきまして適時適切な追加教育訓練を受ける必要というのは再々申し上げてきたところでございますが、その方策の一つとして有給教育訓練休暇制度がございます。これは五十年から一部やっておりますが、現在までのところのものは比較的中高年齢者ということで、特に四十五歳以上を対象にいたしまして、四十五歳以上の場合には、大学、大学に類似する施設あるいは専修学校、各種学校であって労働大臣が職業能力の開発に適当であると認めた施設に行く場合に、有給で教育休暇をもらって行く場合にこれを助成するというのは、四十五歳以上で百五十日、それ以下で百日ということで今までやってまいりました。
 しかし、今先生御指摘のように、事業の中だけでなくて、そういう積極的に外に出て各種の教育訓練機関で自発的に勉強をすることの重要性というのは非常に高まっておりますので、六十年度予算の中での措置でございますが、大学、高等専門学校、職業訓練大学校、短期大学校に限りまして、いわゆるリカレントシステムと申しましょうか、まさに学校に戻って勉強するというときには年齢を問わず二百日まで認めよう、そういう制度を今回新しく設定したところでございます。
 二百日といいますと、大学等はお休みもございますので、大体一年間は学校に通える。この場合に、事業主が有給で教育訓練休暇を与える場合に、中小企業、大企業、多少差がございますが、これを援助しようということでございます。
#176
○小渕(正)委員 次に、このような技術革新に伴ってこれがどんどん進行すると、やはり雇用をどう確保していくかという問題がこれは必然的に出てきます。まだまだ我が国の場合には雇用環境の悪化というところまで表面化しておりませんが、要は、このような新しい産業技術の進展に伴って、これで逆に雇用を拡大させていくという立場と、そういう意味での雇用環境を改善させていくということ、当然そういうものと一体の中で雇用政策というものをつくっていかなければいかぬのではないかと私は思うのであります。
 そういう点で、そういう新技術というものが雇用にどのように今後関係していくのか。そういう意味では非常に広い視野の中で、政労使それぞれの構成によって何らかそういう研究機関的なものに取り組まれながら問題の解決を図る必要があるのではないか、こういうことが非常に重要ではないかと思うわけでありますが、この点に対する御見解をお尋ねいたします。
#177
○加藤(孝)政府委員 御指摘がございましたように、ME化などの技術革新の進展に伴いまして、これが雇用問題の改善に資していくという形で展開が進められることが必要であるわけでございます。そのためには、労使を初め国民的なコンセンサスの形成に努めることが重要であると考えておるところでございます。こういった観点から、かねて労働省では労使のトップレベル、それから学識経験者のトップレベル、さらにまた地方自治体のトップレベルの方、こういった方々から成る雇用問題政策会議を設けておりまして、この技術革新と雇用問題についての論議をお願いしてきたわけでございます。
 そういう中におきまして、昨年四月にこういうME化と労働問題に関して、この対応についての五原則というものをお示しをいただいたところでございます。雇用の維持拡大、能力開発、安全衛生の問題、労使協議の問題、国際化への対応の問題等々に触れた五原則の御提言をいただいたところでございまして、今後もこの雇用問題政策会議を中心にいたしましてこういうトップレベルの会合を重ねていきたい、こう考えておるところでございます。
 また、これに加えまして、かねて労働問題全般につきましての産業界、労働界あるいは政府、学識経験者の最高レベルでの産業労働懇話会というのを月一回開催をしておるわけでございますが、新たにこれに通産省であるとか科学技術庁であるとか、そういう関係省庁も加わっていただきまして新技術問題懇談会、このような形で、この産労懇を舞台に技術革新と労働問題あるいは雇用の問題についての懇談をしていただいたところであり、また今後もそういうことを随時やる、こんなような場を設けておるわけで、ございます。
 労働省といたしましては、こうした場を通じまして今後このMEと雇用問題、労働問題についての国民的なコンセンサスづくりというものを進めていきたい、こんなふうに考えておるところでございます。
#178
○小渕(正)委員 一般的な取り組みについては今のお話で理解いたしますが、やはり企業レベルで考えた場合には、こういう技術革新の成果というものが公平に配分され、また労働者の雇用や労働条件の向上と当然結びつかなければならぬように思うわけでありますが、そういう意味でいろいろなところで現在試みに取り組まれているのに、ME比とかロボット化のような新技術を導入する職場においては労使双方による事前協議制というものがいろいろと話し合われ、俗にME協定というような一つの方向でいろいろと部分的には処理されているようなところもございますが、これはひとつ労働省としても、今のお話で一般的なこととしては理解できましたが、こういうものをもっと行政指導の中でもより促進させるということで積極的に取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 労使関係は自主的なものだから我々は別だという認識ではなしに、やはり行政指導として、こういう新しい時代に対応するような労使のあり方という意味での事前協議制というものは積極的に労働省、行政の側からのアプローチ等もまた非常に大事ではないかと私は思いますが、その点に対する御見解をお尋ねいたします。
#179
○谷口(隆)政府委員 我が国におきましてマイクロエレクトロニクス等の技術革新が急速に進んでおりますけれども、今までのところでは、労使間でよく話し合いが行われまして、労使でも大変御努力をいただいておりますので、深刻な労働問題が生じるまでには至っていないというふうに承知をいたしております。しかし、マイクロエレクトロニクス等の技術革新あるいは新技術の開発導入とか、いろいろな技術革新は急速に進んでおりますので、先ほど職業安定局長がお答え申し上げましたように、労使、学識経験者、地方自治体、それに政府も入りました雇用問題政策会議におきまして種々御検討をいただいた結果、昨年の四月に五原則の提言が取りまとめられたわけでございます。
 その中の一つとして、産業、企業、職場レベルでの労使間における具体的な問題に関する協議システムの確立に努めること、また、ナショナルレベルにおける政労使間の意思疎通を図ること、こういう原則が盛られておるわけでございまして、私どもといたしましては、これも先ほど説明がありましたが、産業労働懇話会とか、その他産業別あるいはブロック別におきます労使会議の開催とか、そういう場を通じまして、こういう考え方の普及とかあるいは関係当事者の意思疎通を十分図ってまいりたいというふうに考えているところで、ございます。
#180
○小渕(正)委員 わかりました。次に移ります。
 こういうふうな新技術の導入に伴いまして、それが働く人たちに肉体的にどのような影響を与えるか、心理的にどういう影響を与えるか、環境的な問題をいろいろ考えますならば、終始単純作業とか監視労働とか、その他いろいろと変わってくるわけでありますが、最近でもオフィスにおいて0A化が進むために、一日じゅうそういう仕事にタッチするがために視力といいますか目がいかれるとか、そういう意味での新しいいろいろな問題も発生しつつあると思われます。したがいまして、こういった角度から見ますならば、安全衛生上もこういう新しい状況に対応するように見直すことが必要じゃないかという気もするわけでありますが、このあたりについてはどのような御見解をお持ちか、お尋ねいたします。
#181
○加来説明員 マイクロエレクトロニクスを中心とします技術革新は全体としましては労働災害の防止に役に立っている、このような認識をしているわけではございますけれども、その反面、作業環境や労働態様が変化するというのは先生御指摘のとおりでございまして、また新しいタイプの安全衛生上の問題点というのが生じている場合もある、このように考えております。したがいまして、昭和五十八年から労働災害防止計画の第六次の計画を始めておりますが、その中で産業用ロボット等新たな技術の導入に対応して安全衛生の確保を図る、こういうこともその目標の一つに掲げて積極的に推進してまいっているところでございます。
 具体的に申し上げますと、産業用ロボットにっきましては、昭和五十八年六月に産業用ロボットの教示作業とか自動運転その他の作業に関連して安全措置を講じなければならないといったことに関しまして労働安全衛生規則の改正を行いまして、さらに五十八年の九月には、技術上の指針というのが私どもありますが、産業用ロボットの使用等の安全基準に関する技術上の指針というのを公示しております。
 そのほか、御指摘がございましたオフィスオートメーション化に伴いますVDT作業につきましては、昭和五十九年二月に環境管理や作業管理、それから健康診断、それらに関するガイドラインを公表いたしまして、関係事業場における自主的な対策の推進を図っているところでございます。
 私どもとしましても、マイクロエレクトロニクス等の新技術に関連します安全衛生上の問題点につきましては、今後ともそれを的確に把握するということ、それから調査研究に努めるということを中心にしまして、事業者に対しましても新技術の導入に際して事前に安全衛生上の問題点の把握やその結果に基づきます的確な安全衛生対策、こういったものが講じられるよう指導の徹底を図ってまいりたい、このように考えております。
#182
○小渕(正)委員 ひとつ積極的に、しかも立ちおくれることがないように早目早目に実態を把握されて、ガイドラインの中で適切な指導をされるように特に期待をする次第であります。これは非常に予測しがたいいろいろな問題が出てくるかと思いますので、特にこれからこういった新しいものが導入された環境の中では特別に重大な関心を持って御指導いただきたいと思います。
 それから、これらの新しいものを導入するに当たって労使の事前協議制ということで五つの原則の中で指導を行うような話が先ほどありましたが、こういうふうな新しい技術の導入、システムの導入に伴って、結果的には雇用機会をふやすような方向にやらなければならぬわけでありますが、そういう意味で、こういう新しいシステムの導入、新しい設備の導入、こういうときが労働時間を短縮する大きな機会になるのじゃないかと私は思うわけです。したがいまして、こういうふうな新しいロボット化、ME化、システム化を導入する際は労働時間を短縮する指導が行われていいのではないかというふうに思うわけであります。
 多くは言いませんが、労働基準法改正についてはまだまだいろいろ議論がありますが、週休二日制を完全に定着させていくとか週の労働時間の四十時間を目指すとか、こういう新しいものが導入される際にはそういう方向も並行的に進められるべきじゃないか。そういう意味での労働省としての強力な行政指導というものも私はあってもいいのではないかと思うのです。特に大臣は積極的な時間短縮のあれでございますから、その点に対する御見解がありますればお尋ねしたいと思います。
#183
○山口国務大臣 ME化、OA化が大変進んでいるわけでございまして、これがどう社会変化を引き起こしていくか、非常に大事な問題でございます。特にME化、ロボット化が雇用をむしろ奪うのではないか、こういう懸念の中でこれに課税をしたらどうか、こういうような御提案もございます。しかし、先生も御承知のとおり、こういうハイテク産業がこれからの経済発展の一つの牽引車ではあるわけでございますから、課税という問題は果たして妥当かどうかという論議もございます。
 今、先生の御提案のような労働時間短縮にME化、ロボット化をつなげる、そこに導入するときに労働時間短縮を抱き合わせで進めさせたらどうか、こういう御提案は私、全く賛成でございます。今基準局では基準法研究会で労働時間問題をやっていますけれども、今先生御提案のお話も大変ユニークな御提案でございますし、率直に言ってまだそういう議論がなされていないようなところがございますので、早速そういうことも具体的に可能かどうかということを検討してみたいと考える次第でございます。
#184
○小渕(正)委員 ぜひ労働省の今後の取り組みの柱の一つにこれを入れておいていただきたいということをお願いいたします。
 それから、時間もありませんので大まかなことでお尋ねいたしますが、職業訓練分野においての国際協力、この問題についていろいろと取り組まれておるわけでありますが、現状どういう状況でそういう国際協力が行われているのか、その状況を大まかで結構ですからお知らせいただきたいと思います。
#185
○木全説明員 開発途上国百二十カ国を相手にいたしまして、職業訓練分野で各国の研修生を国内に受け入れて訓練、研修を申し上げているというのが一つでございます。二つ目が、それら各国に職業訓練センターを設置し運営することに御協力をするということでございます。それから、各国の企業の中で働いている労働者を日本の企業の中でお受け入れして訓練をするというのが三番目。それから四番目は、アジア・太平洋時代を迎えて、アジア・太平洋地域は発展レベルを異にする国々の集まりですが、それをお互いに理解し合って協力して進めようという多国間の協力をアジア・太平洋地域技能開発計画ということでやっております。最後に、民間企業の皆さん方が海外で事業をなさる場合に、必ず日本の企業に対しても人材育成が求められ、それが義務づけられているということでいろいろな問題を持って悩んでいらっしゃいます。それに対して官民協力して御協力を申し上げようというのが五番目でございます。
#186
○小渕(正)委員 いろいろ取り組まれている状況を聞きましたが、昨年ですか、中華民国台湾省政府の台中で我が国の技術協力指導のもとでああいう立派な日本流に言う訓練センターができ上がって、現在の中華民国台湾の経済発展の原動力になったというような話も聞いたわけでありますが、やはりこういったこの種のものは、特に我が国としては、国際的な今日の立場からいっても、地位からいっても積極的にもっとどんどん推進されなければならないと思います。
 したがいまして、そういう状況では、どうなんですか、現状は毎年毎年拡大の方向で行くんですかね、それとも大体足踏み状況なんですか、まさか少しずつ前年度マイナスという形にはならぬと思うのですが、そこらあたり概括的で結構ですが、その辺の状況はいかがですか。
#187
○木全説明員 研修生の受け入れにつきましても、大変年々増加しております。
 また、海外センターの設置協力について、一つのセンター協力に五年から六、七年かかるのですが、その数も年々ふえておりまして、現在までに御協力申し上げ、あるいは御協力申し上げてきたものも五十カ所に上っております。そういったことで、質的にも、従来は、十年くらい前はその国の地方の小さなセンター協力とかあるいはある島の協力というものでしたけれども、このごろの御協力要請案件というのはその国の中心的な人材育成協力というものになってまいりましたので、内容面でも非常に多様化してまいりました。
 それから、各国からの日本全体の中で職業訓練関係に求められる要請の数というのは大変な勢いでふえております。既に、現時点でも海外で協力しておられる職業訓練専門家の方々が六十人ぐらいいらっしゃいます。それから、私どもが毎年出でいって各国とコンタクトを持って協議をする案件も延べにして百回ぐらいになっております。大変な量のふえ方をしていると言えると思います。
#188
○小渕(正)委員 ぜひひとつこれからも持続的、永続的に実施していただきたいと思います。
 それから、これと直接関係ございませんが、技能オリンピックと俗称言われている、それぞれ国内で技能オリンピックに対する国内予選という形であれば開かれているのですかね。最近のそういう技能オリンピック、何かことしですか大阪で国際的に開かれるということのようですが、大体そういう技能国際オリンピックでの我が国の位置づけというとおかしいですが、入賞といいますか、そういうのはどの程度の状況にあるのか。
 それから、実際にこれは国内予選といいますか、一年に一回やって、それからその中から選ばれてそれに臨んでおられるようでありますが、これらの費用については国として少し何らかの面倒を見られておられるのかどうか、その点の状況をお尋ねいたします。
#189
○北原説明員 お答えいたします。
 日本は、国際技能五輪につきましては第十一回大会から参加いたしておりますが、最近行われました二十八回大会まで十八回分につきまして平均いたしますと、平均メダル獲得数は毎回十四・八個でございます。最近の三回について見ますと、二十五回大会で十六個、二十六回大会で十七個、二十七回大会で十三個ということでございます。ただ、参加人員に対しますメダル獲得率といいますか、入賞率で見ますと、これは平均が約六五%ございますが、二十二回大会以降やや低迷傾向にあることは御指摘のとおりでございます。
 これは、一つは国際技能五輪の参加制限年齢が満二十一歳以下というふうに定められておりますが、日本のように、最近高校進学率が高まってまいりますと、日本の代表選手はほとんど高校卒業後でございますので、訓練期間が二年程度の非常にわずかな期間になっております。それに比べまして、他の国は中卒がなおかなり多うございますので、訓練期間が非常に長いという点がございます。
 それから二番目の理由といたしましては、日本では最近新しい生産設備の導入が非常に著しいものでございますので、国際大会の競技職種の課題の作業内容が日本で実際行われている作業内容と必ずしも合っていないというようなことが実情はございます。
 そこで、このような状況に対処するために、日本といたしましては参加年齢制限の引き上げを要求しておりまして、この次の二十九回大会以降、年齢が大体満二十二歳以下にまでなるような方向で現在本部の方で作業が進められております。
 それから現在、ことしの十月には三十四職種行われますが、新しい職種につきまして、いわゆる近代的な作業に合った職種の提案も、今回の十月の大会ではやっていきたいというふうに考えております。
 これ以外に、日本代表選手に対しては過去の課題の情報提供等をやりまして、こういった事態に対処してまいりたいというように考えております。
 それから五輪大会への経費でございますが、国際で行われます場合には、日本の代表選手が参加いたします費用の三分の一程度を中央職業能力開発協会を通じまして補助をいたしております。
 ただ、ことし十月に行われます国際大会につきましては、日本で行われることもございまして、昨年三月二十二日の閣議において関係行政機関はこの大会に対し必要な協力を行うものとする閣議了解をいただきまして、それに沿って民間からの寄附金への所得税及び法人税上の免税措置、それから郵政省での記念切手の発行とか各種訓練施設の貸与等の措置をやりますほか、今回審議をお願いしております予算では、予算が認められましたらば一億二千万円の補助をいたしたいというふうに考えております。
#190
○小渕(正)委員 職業訓練だけではございませんけれども、それも含めた一つの成果のあらわれがそういうところに出てくるわけでしょうから、もちろん現在の実態と合わない競技の中身があるようでありますが、これはそういう技能オリンピックで入賞された場合、労働省としては例えば労働大臣賞とかなんとか、何か表彰のようなものはなさっておるのですか、どうなんですか、その点。もししてないとすれば、何かそういうものに対する考えはないのですか。
#191
○北原説明員 この大会の開催につきましては、中央職業能力開発協会の主催という形になっておりまして、そこの方から会長賞という形で出すように一応なっております。
#192
○小渕(正)委員 いや、だから労働省としては、じゃそれだけでもういいという判断なんですか。やはり何らか労働省としても、せめてそういう栄誉といいますか、なににこたえたいという何らかの施策があっていいんじゃないかと感じるのですが、いかがですか。
#193
○宮川政府委員 これは技能オリンピックと俗称されております技能競技のための国際大会でございますが、オリンピック精神でアマチュア精神でございますから、直ちに何か非常に役得がある片いうものではありませんが、まさに若い人々の持能に対する精進を奨励しようということでございますから、そのための大会参加、また優勝ということでございますから、そうした奨励が実を結ぶような形というものは今までちょっと考えておりませんでしたけれども、御指摘もございますので、大臣とも御相談いたしまして、余りお金をかけない程度でその奨励を図っていくように考えてまいりたいと思います。
#194
○小渕(正)委員 お金の問題じゃないのですからね、これは。やはり若い人にとってこれは大変すばらしいことなんですから、労働省としてはたしか秋に現代名工とかなんとかという、表題は別でしょうけれども、長い間の立派な技能者に対して何らかの形の労働大臣賞か何かおやりになっているでしょう。だから何らかの形でそういうお気持ちというか、何かそういうものがあってもいいんじゃないかという意味で申し上げましたので、御検討いただきたいと思います。
 次に、もう時間がかなり過ぎましたので、技能検定の問題についてお尋ねいたします。
 現在、労働省として行われている技能検定の実施状況というものを概括的にちょっとお知らせいただきたいと思います。
#195
○北原説明員 技能検定は御案内のとおり、技能労働者の技能の向上とその社会的経済的地位の向上を図るために昭和三十四年から発足いたしております。発足当初は五職種でスタートいたしましたが、漸次拡大されまして、五十九年度末現在では百三十五職種になってございます。その分野は建築大工、機械加工、調理、広告美術仕上げ、フラワー装飾といったような広範囲の分野に及んでおります。
 また、試験の合格者数につきましては、三十四年から現在まで、技能士と呼ばれる資格を取りました者は約百二十万人に達しております。
 以上であります。
#196
○小渕(正)委員 こういう職業能力が非常に向上し、評価されるということは、また働く人にとっては、これは処遇の面でもやはりそれなりに形として認められるべきじゃないかと思います。また、そうでないことには技能能力開発向上という意味で励みにもならないと思うわけであります。とかく最近の我が国の傾向として、こういう技能能力の評価という意味においてはもう少し重要視されていいんじゃないかという気がするわけでありますが、この点については、労働省、何か御見解ございますか。
#197
○宮川政府委員 生涯にわたる能力開発、そして、それを通じての技術立国、これが大変大事であるということを申し上げたところでございます。特に、労働者、働く人々の自発的な勉強、勉学のそうした意欲、これを高めるためにも、そのときどきの技能の程度というものが適正に、いろいろな意味で、あるいは国家的にあるいは会社、個別企業の中においても適正に評価されるということは基本的に大変大事なことでございます。
 そうした意味で、私どもも大変関心を持っておりまして、調べたところによりますと、技能検定を受けて合格いたしますと、全企業で大体八割以上が何らかの優遇措置を講じている、こういう結果が出ております。内訳といたしましては、やはり手当を特別に支給する。人事考課、配置上考慮する。それから、社内資格制度面で考慮する。それから、表彰、さらには昇給、賞与等で考慮する。いろいろな形で優遇措置が講じられているところでございまして、国といたしましては、こうした技能検定を通って帰ってきた働く人々の処遇が企業の中で適正にさらに積極的に行われるよう業界にもこれからも働きかけていきたいと思っております。
#198
○小渕(正)委員 これは企業との兼ね合いがありますので、非常に難しい問題ではありますが、しかし、全体的に我が国の一つの風土として、そういう技能検定その他で高い技能をみずからのものとして努力されてそういう能力を持たれた人に対しては、やはり一定の社会的な評価をする、そういう社会的なものがないことには、みずから本当にそういう能力を向上させていこう、能力を開発していこうということにもつながらないわけであります。
 特に、最近はいろいろと機械化され、オートメ化していく、技能というものが何かしら単純労働的にだんだんされていくような状況の中で、それぞれ特定の技能としての一つの大きな開発されたものとして評価されるわけですから、ひとつこれからも、非常に難しい問題を内包はいたしておりますが、ぜひそういった点についてやはり能力を正当に評価するという意味で、今後とも積極的な指導をお願いしておきたいと思います。
 それから、先ほど午前中の質問の中にもちょっと触れられておりましたが、この職業訓練という意味については、必ずしも公立だけではなしに民間もかなりそれぞれの形で行われ、また、それに委託するという方法でやられておるわけでありますが、実はこういう問題があるわけです。
 これは特定の問題でございますが、炭鉱ですね。御承知のように、もう現在我が国の唯一のエネルギー源である炭鉱については、九州と北海道に限られた場所にしかない。しかも、働いている人たちも約二万人。そういう中で年間千七百万トン程度を産出しておるわけでありますが、当面一番の問題は、経営基盤その他いろいろな問題がございますが、労働力をどう確保していくかということが、現在の炭鉱経営といいますか炭鉱の産業にとっては大変な大きな課題になっておるわけであります。そういう意味で、炭鉱技術者の養成という点で、いよいよもう新旧交代の時期でありますが、なかなか難しい。
 それで、通産省も部分的には力を入れられておるようでありますが、そういう若い人たちの労働力を確保していくためにそういう技術を養成しながらやっていくということが、実際問題として社会的条件も今のところ余りよくないということもありましょうけれども、一つ、松島炭鉱においては高等学校とタイアップして自前でそういう人たちを養成しているわけです。三年間高校に行きながら、そういう炭鉱技術者としての基礎的ないろいろな研修を行いながら養成をしているわけでありますが、これを維持していくことがかなり大きな経営上の負担になっておるわけです。それで、こういう大事な産業なので、国としても何らかのあれができないだろうかということでの切なる期待、要望が出されているわけでありますが、文部省との関係、やれどうだこうだということで通産省としてはなかなかまだこれについて一つの答えが出ていない。長崎県の場合で言えば、これは県もある程度、少してありますが、やはり御苦労だということで助成して、炭鉱経営が何とかいくようにということでやっているわけであります。
 そういう意味で、実際問題として、こういう状況の中で一つの職業訓練のあり方として、この問題も労働省という立場からひとつぜひ検討して、何らかのいい知恵がないものかどうか。この点は今すぐ結論をどうだということでございませんけれども、これは唯一の、自前でそういう高等学校とタイアップした養成訓練をやっているわけでありますので、労働省側としても何らかの知恵か何かをおかしすることができないかどうか、ぜひひとつ御検討いただきたいと思います。その点いかがでしょう。
#199
○宮川政府委員 かつて採鉱の科目が訓練科目として訓練校にあった時代がございます。今、先生からお話がありましたように、その訓練は行われておりません。
 しかし、私どもは、公共職業訓練の活性化のために今回の法改正を意図したわけでございますが、同時に、公共職業訓練というものは社会の本当の意味の需要というものをよく見きわめて行動しなければならないと思います。そうした意味では、御指摘のようなところがあれば関係の府県とも十分相談をいたしまして、訓練校でやれるのかあるいは委託というような形でやるのか、あるいは現にある程度負担になっているというお話でしたが、個別企業の中のそれを何らかの形で助成するのか、大変難しい問題がございますが、ひとつ検討させていただきたいと思います。
#200
○小渕(正)委員 ひとつ、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 以上、終わります。
#201
○戸井田委員長 浦井洋君。
#202
○浦井委員 いろいろ大臣も御苦労さんでございますし、それから傍聴されておる全総訓の労働組合の皆さん方も御苦労だと思うのでありますけれども、理念問題についてちょっと聞きたいと思いますので、できたら主として大臣に答えていただきたいと思うわけであります。
 第一次の職業訓練基本計画で、ちょっと抜粋をいたしますと、「労働者が職業生活の全期間を通じて必要な段階で適切な職業訓練を受けられるよう生涯訓練の体制を実現する」ことを目標にしておる。それから、現在やられておる第三次基本計画でも、これはもう副題の中に「生涯訓練体制の整備」を掲げておられるわけなんです。この「生涯」というところが目立つわけなんですね、「生涯教育」とか「生涯訓練」とか。
 だから、この第一次から第三次の間にどういうことをされてきたのか、ひとつ簡潔にお答えを願いたいと思う。
#203
○宮川政府委員 第一次の職業訓練基本計画は昭和四十六年から始まりまして、現在昭和六十年まで終わりますと三次が終わるわけでございますが、その間にいわゆる高度経済成長期に技能労働力が不足いたしまして、そこで生涯訓練という発想が出てきたわけでございます。それを踏まえまして、特に民間の活力というものを引き出すということもありまして、生涯能力開発という思想を四十四年、それから特に五十三年に入れて今日に至っているわけでございます。それで、現在では、公共職業訓練と民間における自発的な能力開発、それをいわば車の両輪として三次の計画を進めているところでございます。
#204
○浦井委員 そこに論理の飛躍があるわけなんですね。公共職訓と民間とを車の両輪というふうに、三次になると急にはっと変わる。その辺がくせ者であるわけなんです。確かに、産業構造あるいは技術の高度化の中で労働者というのは新しい科学技術を踏まえたところの技術教育と技能訓練が要求されておる。その技術教育と技能訓練が今分かれているわけですね。ところが、だんだん接近してきているわけなんです。当然お互いに連動したり、協調したりしなければいかぬ。そうすると、学校教育との関係ということになってまいりますね。ですから、その辺でどういう努力をされておるのか。
 ついでに、私もう時間が余りありませんから申し上げておきますと、今も話に出ましたことしの二月十九日に文部省の理科教育及び産業教育審議会が「高等学校における今後の職業教育の在り方について」ということで答申を出されておる。そうですね。ここにあるのですけれども、内容をざっと見てみますと、内容的には職業訓練の抱えておる問題とほぼ同じようなもので同じような提起をしておるわけなんです。ところが、その中に職業訓練校との連携という文言は何もないわけなんですね。
 だから、飛ばしますけれども、要するに大臣は、厚生省と労働省の間では二者協議とかいろいろなことを言われておるけれども、職業訓練という観点、先ほど言いました技術教育と技能訓練、これがずっと接近してきておるし、関連してこなければいかぬし、相互調整されなければいかぬ。だから、文部省とも定期協議されるということをやらぬと、これは首尾一貫しないのではないかというふうに私は思うわけなんですけれども、ひとつ大臣、ユニークなところを……。
#205
○山口国務大臣 厚生省と労働省の二省間協議は高齢化時代の問題でございますが、文部省ともいろいろそういう協議をしなければいかぬということは、先ほど御指摘ございましたように、障害者の職業訓練とかあるいは就業の問題等、そういうものがなかなか文部省との関係でいろいろ相談をしませんと当事者に対して非常に行政の方のサービスが適用されない。要するに、考えが滞ってしまう、こういうことで協議しなければいけないということをお約束申し上げたわけでございます。
 今の先生の御指摘の職業訓練と技術分野における学問習得の問題、技能の問題については、いわば労働省は当初から低学年の学生を含めて職業訓練を一貫してやってきたわけですけれども、文部省の方はどちらかというと教育分野だったものが、今の学生の学業のニーズといいますか、学業につきながらいろいろ技術の習得にもひとつ真剣に学びたい、こういうことで一つの文部省の見直しの部分と労働省の職業訓練の考えている分野が重なってきておる、こういうことだと思うのですね。
 そこで、これは障害者の就学と違いまして二省間で縦割りで、ために学生に迷惑をかけるというほどのことにはならないけれども、今後どういう学業の分野でよりいい学生に対する就学の機会が提供できるかということについては文部省ともいろいろ連絡をとる一つの必要はあるのじゃないかというふうに考えております。
#206
○浦井委員 必要があるということで、それでよい、そこから始めるということなんですが、私が、もちろん大臣も御理解だと思うのですけれども、高齢者や障害者の分野での厚生省との連携とか文部省との連携を言うだけでなしに、社会全体が技術と技能という格好で文部省における教育と労働省における訓練というような格好が必然的に法則的に重なってきているわけなんで、これはどうしても文部省などとよほど基本的なところからすり合わせをしていかぬと、必ず職業訓練というのはセクトであるし、質が浅くてというような批判はいつまでも免れないであろう。その辺は大臣、もう十分に労働大臣として習熟されておるはずでありますから、私は高く評価しておるわけなんですが、ぜひ大臣在任中にその辺のところをちょっとメスを入れて、よく探求をしていただきたいということを要求をしておきたいと思います。
 そこで、職業訓練というのは労働者がいつでもどこでも必要な訓練を公平かつ公正に受ける、その成果を正当に評価されるものでなければならぬ、こういうふうになっておるわけですね。その生涯教育訓練というのは、憲法にも言われておるように、いろいろな学説がありますけれども、ほぼ学者の大半は、公共的な生涯職業訓練として国と自治体が責任を持って拡充整備しなければならぬ、これは前回のときからも大臣は言われておるわけで、公共職訓こそ大黒柱であるということでなければならぬ、私もそう思うわけであります。だから、この点について、公共職訓を大黒柱にして、それで局長になるとちょっとニュアンスが違うのですね、車の両輪というようなことを言ってみたり。だから、やはり大黒柱は公共職訓だという点を大臣にもう一遍確認しておきたいと思うのです。
#207
○宮川政府委員 車の両輪というのは法律上書いてあるわけではございません。私の表現でございますが、どちらが欠けても車としての機能を果たさないという意味で公共と民間は大事だということでございますが、私どもの方の公共職業訓練のあり方等研究会、昨年の六月に報告を出しておりますが、その中で、公共職業訓練校、公共職業訓練施設は、地域の能力開発の中核としての地位を確立する必要があるとはっきり言っております。これは私どももまさに大賛成でございまして、そういう意味では大黒柱という理解をしていただいて、車の両輪の片方が大黒柱で、片方が何柱と言うのかちょっとわかりませんが、そういう関係だということを御理解いただきたいと思います。
#208
○浦井委員 そこで、そういうことで車の両輪の片方が大黒柱で、片方は小黒柱とも言われない、何かわからぬけれども、とにかく微妙な言い方ではありますけれども、もう大黒柱であることははっきりしていますから……。
 そこで、そうであるならば、午前中に出ておりましたように、ILOの百四十号条約、これをなぜ批准しないかという問題が出てくるわけなんです。生涯教育の一貫した考え方、この制度、こういうものがやはり本来あるべき努力目標であるわけなんですから、早く批准をして、その目標に向かって労働省の皆さん、おのれを責めていかなければいかぬわけでしょう。大臣を先頭にしておのれがおのれを責めていかなければいかぬわけでしょう。その辺、どうですか。
#209
○宮川政府委員 この新しい法律では事業主の努力義務という形ではございますが、責務として、労働者の職業能力の開発のために各種の措置を講ずる必要がある、そういうことをはっきり言っておるわけでございます。それを受けまして事業内外での教育訓練あるいは有給教育訓練休暇を付与する形での教育訓練というものが行われる。そういう意味では、これは事業主の広い意味での社会的な責務であろうと私は思います。それに対応する有給教育訓練休暇でございます。この有給教育訓練休暇につきましては、労働者の幅広い職業能力開発のためには大変有力な手段でございますので、積極的に取り進めなければなりませんし、また私どもも努力しておるところでございます。
 ただ、現在の普及状況が、最近の調査ですと有給での教育訓練休暇、これがわずか四・三%という状況で、まだ非常に低調でございます。最近急に伸びてきていると思っておりますが、それにしても低調でございますので、使用者の社会的責務であるということをもう少し理解してもらった上で、積極的にこれを強い形で持っていく。そうなりますと、百四十号条約批准という問題もまた出てくるのではないかと思います。
#210
○浦井委員 その、ただ以下のところがいかぬわけです。だから、私が先ほど申し上げたように、労働省自身が積極的に百四十号条約を批准してやろうということでおのれを律していかなければいかぬと思うのですよ。そのことを私は強調しておるわけなんです。現に第三次の職訓計画でも、労働者の職業生涯教育の「適切な時期に比較的長期にわたる」「有給教育訓練休暇制度の役割が重要である」と自分自身で言っておられるわけですから、まだ四・三%や何とかだ、だから時期尚早だというような言いわけは通らぬわけです。
 先進国でそんなことがないかというと、フランスでは、法律の名前を読み上げますと、生涯教育の一部としての継続訓練の組織に関する法律という格好ではっきり労働者の権利、それから使用者の義務ということを決めておるわけですよ。ですから、それをやるべきじゃないですか。大臣、大体おわかりになるでしょう。だからちょっと……。局長の話はもう前からよく聞いているので。
#211
○宮川政府委員 ILOの百四十号条約は、すべての訓練、それから一般教育、社会教育、市民教育、労働組合教育、これらをすべてやりなさいということでございます。それについてはまだ使用者側等にも異論のあるところでございます。私どもといたしましては、今回の法改正を契機として有給職業訓練休暇制度の普及には最大限努力を尽くしたい、特に目玉の一つとしてやっておるわけでございますが、今申し上げましたような状況を踏まえますと直ちには困難な状況がある、全体として状況を推し進めていく段階ではないか、そういうことを申し上げているわけでございます。
#212
○浦井委員 大臣、局長のでありますが以下がいかぬわけですよ。だから、そこを取って、先ほどから私が申し上げているように、生涯教育の体制を確立していかなければいかぬ、文部省ともよく連携をしていかなければいかぬということですよ。その中で大黒柱が公共職訓だ、ということになれば百四十号条約というのは早く批准しなければいかぬというふうに順繰りに申し上げているわけなんです。だから、そういう点で、大臣の任期が残り少ないのか長いのか知りませんけれども、大臣の決意をひとつ。
#213
○山口国務大臣 浦井先生の御指摘のようなILOの百四十号条約批准の国内法を整備する一つの前進に今度の改正はつながっておると思うのです。
 それからいま一つは、労働時間短縮といいましても、労働時間を短縮して、それが家庭内における、うちのお父さんは粗大ごみだというような、どう空間を生かすかという問題まで文明論、文化論として論議しておりますけれども、それはイコール今先生が御指摘のような百四十号条約批准に伴うような生涯学習の部分に労働時間短縮の問題との兼ね合いの中で配分されるということも一つの要素だと思うのです。
 ですから、鶏が先か卵が先かという問題もありますけれども、こういう機運が日本の労使関係の間とか労働問題の中に一つ一つ提起されまして改善への傾向が見られる、こういうことでございますから、今局長からも答弁がございましたように、百四十号条約が批准できるような国内法の環境づくりを進めていく、そこに一つの評価をいただければ大変ありがたいと考えるわけでございます。
#214
○浦井委員 例え話で言ったら、今参議院で審議されております男女雇用平等法、正式には機会均等法、あれなんかでも先に批准をして、その条約の精神にのっとってもっとよい実効のある男女雇用平等法、労働基準法改悪なんかしなくてよいような、そういうものをつくればよいと私は主張しているわけです。鶏が先か卵が先かというのではなしに、やはり親が先なんで、そういう点で大臣、できるだけ努力をしていただきたいということを要求をしておきたいと思います。
 そこで、各論となるともう各委員の意見とダブってくるのですけれども、私たちがこの改正案に賛成できないのは補助金の交付金化の問題です。県立校の場合、これが最大の問題です。大黒柱である公共職訓のまた一つの大きな柱ですね、団立とともに都道府県立というのは。だから、そこできちんとやっていこうと思えば財政的な裏づけがなければならぬ。それが交付金になってしまいますと、これはどんどんふえていくということであれば話は別でありますけれども、今の臨調行革の中で、これは厚生省ですけれども、去年保健所法の改正があって一部交付金化された。その年、五十九年度は三十億ほど増額になったけれども、六十年度はそのままである。これは労働省と違いますけれども。それから、これは農水省ですが、共同農業普及事業交付金も五十八年度に交付金化して、その後二年間は据え置きである。
 こういう例からいくと、六十年度に都道府県立の補助金が交付金化されると、確かにことしは多少――多少というか、調べてみればここ数年間余り変わらぬですね、十億ぐらいを上下しているみたいな格好ですから。こんなのでは下がっていくのではないかということを恐れておるから、一体増額するんだろうかということです。どうですか。
#215
○宮川政府委員 私どもがこの法律の改正を考えましたのは、新しい時代、技術革新、高齢化を迎えまして、地方のニーズというものが地域によってかなりの差を生じてきております。これに機動的に対処するためには都道府県がなるべく自由にお金を使って公共職業訓練をやってもらいたい、またそうしたい、そういうことがございまして今回の法改正を計画したわけでございます。
 臨調の三次答申には確かに特に人件費を中心とする補助金について一般財源化するようにというのがございますが、そこですら補助対象職員が現に担当している職務の効率的な運営というものを十分確保する方策を検討した上でそういうことをやるべきである、決して仕事そのものをやめてしまえということではなくて、あくまでも地方の時代ということで地方の効率化を図るということだと思います。私どもは、そういうこととあわせて、公共職業訓練の半分は先生御指摘のとおり都道府県立でございますが、それの活性化を図り、地域の実態に合わせるためにはこれが適切であるということで考えたわけでございます。
 それから予算につきましては、確かにおっしゃるように負担金というか補助金、じりじりと下がってまいりましたが、ほんのわずかではございますが、六十年度はちょっと上向きにしてございます。
#216
○浦井委員 そういうことを一生懸命この前から言われているし、大蔵省からも言われているのでしょうけれども、私らも末端において硬化したような、あるいは官僚的なような、縦割りになってしまってもうにっちもさっちもいかぬというような補助金制度には必ずしも賛成しないです。弾力的に運用できるような総合メニュー化という点では、我々も前から言っているのですよ。
 しかし、事は臨調行革から出発しておるという認識に立つわけなんですよね。だから、今局長がちょっと言われたのですけれども、運営費補助金の九七%が人件費でしょう。賃金は毎年上がっていく、額は六十年度はちょっと上がったけれどもここ五、六年据え置きだということになると、やはり臨調行革の言うような国庫負担の削減というような格好に交付金化という制度が利用されるのではないか、国庫負担の削減につながるのではないか、こういうことを私は非常に恐れておるわけなんです。そこのところ、局長はいいですから、大臣、労働時間の短縮も非常に大事でそれも頑張っていただきたいのですが、この点はどうですか。
#217
○山口国務大臣 交付金の問題を先生大変御心配いただいているようでございますが、先ほど村山先生にも御答弁申し上げましたように、十分そういった都道府県の地域の実情に応じた職業訓練の施策が円滑に進むように国としては引き続き最大の努力をする、こういう決意でおりますので、交付金の問題についての危惧をいただかなくてもいいようにひとつ万全を期したい、かように考えております。
#218
○浦井委員 本当に実力のある大臣だろうと私は思いますから、万全を期してずっとふやして、とにかく据え置きでは、単価が上がるわけですから全体としては相対的に下がるわけなんですから、そこのところをよう考えてやってもらわぬと、やはり中曽根内閣の一閣僚にすぎなかったなというような落胆の思いを残さぬように、大臣、頑張っていただかなければいかぬと思うのですね。
 そこで、加藤職安局長にお尋ねしたいのですが、これも論議を十分され尽くしたわけですが、この雇用保険の改悪によって自己都合退職の人で三カ月間もらえない人が出てくるということで、各地の団立にしろ都道府県立にしろ尋ねると、やはり行きたいけれども行けない、あるいは一たん訓練校に入ったけれどもやめるというケースが今もあるし、これからふえていくだろうというふうに思うわけですよね。
 これを何とかできないものかということですが、午前中加藤さんは通達を出すというようなことも言われておったようでありますけれども、一番簡単なのは、職安法に基づく自己都合退職の適用除外の二十一項目がありますね。この二十二項目目にやはり職業訓練校に入った人を入れたら一番簡単じゃないかと私は思うのですけれども、これは大臣の判こ一つでいくのと違いますか、いかぬのですか、それはどうですか。
#219
○加藤(孝)政府委員 自己都合退職の基準につきましては、これは中央職業安定審議会の審議を経まして、そこで決定をしておるというものでございます。
 この訓練校を受講した人についてはどうというお話がございますが、この法律で言う給付制限の制度というのは、これはあくまで自己都合退職ということであり、それが正当な理由か正当な理由でないかということによって分かれてくる、その正当理由の場合はこういう場合だ、あとそれ以外は正当理由がない、こういう分け方になっておるわけでございます。その正当理由につきましては、中央職業安定審議会でいろいろ論議を経まして、今回この改正法の際に決めておる、こういうものでございます。
 率直に申しまして、訓練を受けたいという方について、私どももその方について積極的に訓練の受講チャンスをふやしていくことについてやぶさかではございません。しかし、大変率直な言い方で恐縮ですが、例えば、訓練を受けるならば保険がもらえる、あるいは保険が延長されるというのであれば訓練に行きますというケースがなきにしもあらずということもございまして、ただ訓練を受講すると言えばそれでいいんだというわけにはまいらない、こういうことでございまして、そういう意味でその点についていろいろ論議を経まして、今の訓練を受けるという場合についても、一応新技術に対応するというあの基準ができておる、こういう経緯もあるわけでございまして、全くそこの辺を、訓練を受ける場合は常にいいのだというわけにはまいらないということでございます。
#220
○浦井委員 前国会でしたか、雇用保険の各項改正案が出たのは。私、そればかり、三カ月の問題ばかりやったのを加藤職安局長も覚えておられると思うのですけれども、やっぱり実際に改悪案が成立をして実施されてみたら、ぽかっとこういうような、守る方から見たらぽてんヒットみたいのが出てきたわけですね。
 だから、大臣、よう聞いておってくださいよ、審議会、審議会と言われるけれども、皆さん、手のうちに、審議会の先生方をたなごころの上に置いておられるわけですから、そんなことを言わぬと、やっぱり職訓局の方から手を伸ばすか、あるいは逆に職安局の方から手を伸ばすか、あるいは職訓局の方から訓練手当を十分に出すとか、両方歩み寄れば私はいけると思うのですよ。この前からきょうの午前中にかけて職訓局、職安局それなりのいろいろなお答えをされておるようなんですが、この辺でひとつ大臣、何か御決断ないですか。
#221
○加藤(孝)政府委員 この問題は、先ほど申し上げましたように、雇用保険制度の運用の実情の中からこういう基準をつくっておるわけでございます。したがいまして、何度も繰り返しますが、自己都合退職者の中にはいろいろそういう訓練を受けたいということでおられる方もあるわけです。したがって、そういうような実際に受けたい、そしてまた受けよう、それで新技術の会得をしたいというような方については、この基準の中で実情に即した運営をしたいということを申し上げておるわけでございまして、とにかく訓練を受けたいと言えば保険が全部制限が解ける、そういうわけにはまいらない、こういうものでございまして、これはそういう制度でございますので、御理解を賜りたいと思います。
#222
○浦井委員 加藤さん、そんなに力まぬでもいいですからね。私は、とにかく職安局の方で少し弾力的にやれないか、それから逆に職訓局の方で訓練手当、今だったら四十五以上でないといかぬわけでしょう、手当の方は、職訓局の方では。だから、その辺をきちんと決められるものなのかどうかわかりませんけれども、それは職安局長としては、雇用保険の建前上こうでなければならぬと言わなければしようがないですね。だから、ここで政治家である大臣が登場しなければいかぬわけです。どうですか。
#223
○山口国務大臣 加藤局長から御答弁申し上げましたように、実情に即して対応してまいりたいというのが労働省の統一した見解でございます。(発言する者あり)
#224
○浦井委員 いや、それは午前中は職安局長、通達も出したいと言うておるわけですから、大臣、それは今も不規則発言があって、答弁後退しておると言っておる。もっと前進した答弁をしてもらわなければならぬ。
#225
○加藤(孝)政府委員 私が御答弁申し上げましたのは、実情に即した運用をするという趣旨の通達を出すということを申し上げておるわけでございます。
#226
○浦井委員 大臣、どうですか。
#227
○山口国務大臣 加藤局長から御答弁を申し上げました。
#228
○浦井委員 いや、根負けするのですけれども、それならそれはひとつ、職訓校に積極的に入って、そして勉強ができるようにということで十分に注意をして運営をしていただきたい。あなた方の好き空言葉で言えば弾力性を持ってやりたいということでございますから、そこは我々も見ておきたい、これからの経過を観察していきたい、監視していきたいと思うわけであります。
 そこで次に指導員の問題、これももう出ました。他の委員からもたくさん出ましたけれども、これは県立校でありますけれども、技術革新が非常に速いので早う棺おけに入りたいというのが我々の年代の技術員の実感だそうです。これは団立は違いますよ。団立は違いますけれども、県なんかに行きますとそういうことなんです。
 それで数字を挙げますと、職業訓練大学校というようなことを強調されますけれども、それの指導員の研修はどのようになっているのですか。指導員数が六千七百四十六人で、長期指導員研修が定員五十名で平均二百五名、これを全部やると三十三年に一回しか長期指導員研修が回ってこぬ。それから短期指導員研修というのが一カ月で、これが定員八十人で年間実績が九百九十一ですから六・八年に一回しか回ってこぬというような格好で、もう技術革新のテンポに追いつかぬわけなんですよ。だから、これは定員をふやして指導員の研修を頻繁にやる、研修に行っている間も残りのメンバーでカバーできるという体制を早くつくっていただきたいということをひとつ要望しておきたいと思います。それが第一点。
 それから第二点は、職訓校で申し上げますと、訓練基準の問題があるのです。細かい問題ですけれども、私ここに写真を持ってきたのです。雇用促進事業団立のところで、これは尼崎ですけれども、きょうも来ておられますが、こういう写真があるのですよ。この建物は古いのですが、鉄骨の耐用年数が来ておらぬので鉄骨を取り外す、壊すわけにいかぬ。壊して新しく建て増した方がよいのだけれども、その鉄骨を壊すわけにいかぬので、その鉄骨をよけて小さな窓にしなければならぬ、その方が費用が高くかかるという状況があるわけなんですよ。だからその辺で、やはり古臭い訓練基準というものをこれこそ弾力性を持って今回改正すべきではないか。これは国会マターと違いますから、それは一つ要望をしておきたいと思います。
 それからもう一つ、そういう点で訓練基準を細分化し過ぎて実情に合わないという声をよく聞くわけですから、それからもう一つは、食堂とか厚生福利施設あるいは空調設備なんかを完備して多目的実習場を措置すべきではないかという意見があるわけなんですよ。だから、そういうことを要求しておきたいと思います。
 それからもう一つは、時間が三十九分までですから全部言うてしまいますけれども、養成訓練が、これは本来都道府県立にこの間の改正でなっておるわけなんですが、神戸なんか行ってみますと、県訓校で機械科と自動車整備科の専修課程が廃止されるというようなことでありまして、全国的に見ても、五十七年二百四十一回あったのが五十九年百六十一回に減っておるわけですよ。だから、やはり中卒の方が全国で十一万人おられるわけですし、その人たちのためを考えても養成訓練というのを、やはりせっかく都道府県立はそこに一つ目的があるのだということになっていますから、実情に合ったやり方をすべきだと思います。
 それからもう一つ、たくさん言いますけれども、今度は神戸の問題といいますかゴム靴でないケミカル産業、これが業界が小さいために訓練校の中に、デザイン科の中にケミカルの専門の部門を置いてくれぬかという要望があるのですが、そういうことができないものなのかどうなのか、その辺を最後にお答えを聞いて私の質問を終わりたいと思いますが、私ども共産党としては、先ほどから質問申し上げておるように、一つは補助金の交付金化の問題、これは臨調行革に沿ったものであるということと、それからこの法案が下手に悪用されるとこの前の論議からいろいろ意見が出ておるように、公共職訓そのものが縮小されていって、民間委託が非常に多くなって本当に国が職業訓練に責任を持たないようになるのではないかという点で反対だということをはっきりと申し上げて、お答えを聞いて終わりたいと思います。
#229
○宮川政府委員 指導員研修につきましては、先生お挙げになりました数字のとおりでございますが、特に企業派遣、それから特にまた大学等への派遣も今考えているところでございますし、六十年からは都道府県の研修のための予算の補助も考えているところでございまして、研修には一生懸命力を注いでいきたいと思います。これが私ども訓練の中心的なものであるということはよく理解しているところで、ございます。
 それから、鉄骨の建物の腐朽が激しいにもかかわらず外壁だけを直しているというお話でございます。もちろん、それぞれ建物には耐用年数がございますから、その時間は守らなければならないわけでございますが、鉄骨自体に問題があるような場合には、耐用年数年月内でありましても、それ相応の処分をして危険が職員に及ばないようにしなければなりません。そういう意味では、今回のそれにつきましては鉄骨部分は何とか使える、そういう意味で外壁を修理したと聞いておりますが、いずれにいたしましても訓練基準中の設備の細目については、全体的にこれからこの法律の成立後行います政省令の改正その他の中で十分検討してまいりたいと思います。
 それから、同様に基準の細分化が余りにも進み過ぎているということにつきましても、検討を進めたいと思います。
 それから、食堂設備あるいは多目的な実習場等につきましても、予算の許す範囲内で実情を調べて措置してまいりたいと思います。
 それから、養成訓練の特に専修課程のそれにつきましては、五十三年以降廃止という方向で進めてまいりましたが、現実に相当程度の需要があるということになりますと、公共職業訓練としての使命からして全くこれを廃止するということはいかがなものかと思っております。したがいまして、実情をよく調べまして都道府県ともよく相談いたしまして実態に合った措置を講じてまいりたい、かように考えます。
 それから、ケミカルシューズのお話でございますが、現在がなり少数だということで、むしろ専門的なノーハウを持っておる団体に委託した方が適当であるということで委託をしておりますが、公共職業訓練の中でできないかというお話でございますが、いろいろ問題もございますが、県ともよく相談をして話を聞いてみたいと思います。
 以上でございます。
#230
○浦井委員 終わります。
#231
○戸井田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#232
○戸井田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 職業訓練法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#233
○戸井田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#234
○戸井田委員長 この際、浜田卓二郎君外五名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合六派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。村山富市君。
#235
○村山(富)委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    職業訓練法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一 技術革新の進展、高齢化等の諸情勢に対応し、訓練職種、内容、施設、設備等の基準の弾力化を図り、機敏に職業訓練を展開できる体制を確立するとともに、指導員免許制度の総合的改善と研修制度の充実を図ること。また、特にME関連訓練の充実に努めること。
 二 生涯能力開発給付金について、その充実や受付窓口の拡大等を図るとともに、有給教育訓練休暇制度等の活用を通じ、職業訓練が労働者の自発性を尊重するものになるよう、関係者を指導、援助していくこと。また、中小零細企業等において、訓練計画の策定や給付金の手続き等が円滑に行われるよう、公共職業訓練施設が相談等の援助に努めること。
 三 公共職業訓練については、その内容の改善を図るとともに、施設、設備、指導体制等の充実、強化に努めること。特に、中高年齢離転職者、婦人労働者及び障害者の訓練については、職種の開発も含め、施設、設備の拡充を図るとともに、委託訓練については、受講者が訓練職種を選択できる幅を拡大する観点から実施し、これにより、公共職業訓練の活性化と弾力的対応を図ること。
 四 職業能力開発体制の整備を図るに当たっては、基礎的な出発点としての養成訓練をも重視して施策を推進すること。特に、国、都道府県は、昭和五十三年法改正時の附帯決議をも踏まえ、中卒者に対する職業訓練を、地域の実態に応じ引き続き実施し、新規学卒者及び若年労働者が不当に受講機会を失うことのないようにすること。
 五 都道府県に対する職業訓練事業交付金については、人件費及び物価等の上昇、地域実態等に配慮した予算の配付を行うとともに、交付金制度の導入により、都道府県の職業訓練体制が後退することのないように措置及び指導すること。
 六 訓練受講者の再就職の機会の拡大を図るため、訓練内容、種類の弾力化を図り、各種資格の取得などの便宜を与えるとともに、労働市場等の情報、分析等を含め、職業安定機関との連携を一層密にすること。また、失業給付非受給者の職業訓練手当については、その改善に努めること。
 七 営利を目的としない法人等が行う認定職業訓練に対する援助、助成を充実するよう努めること。
 八 継続した技能習得を可能にするため、技能検定の多段階化と内容の整備の検討を行うとともに、受検の促進に努めること。
 九 公共職業訓練施設並びに中央及び都道府県職業能力開発協会の運営に当たり、労働者の意見が十分反映されるよう努めること。また、事業内職業訓練計画の策定や実施、職業能力開発推進者の選任等について、労働者の意見が十分反映されるように行政指導を行うこと。
 十 職業訓練を通じての国際協力を充実するため、職業訓練担当者の海外派遣及び海外労働者の受入体制を強化し、計画的な訓練の実施を図るとともに、関連施設、設備の充実等の総合的対策を講ずること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
 終わります。
#236
○戸井田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 浜田卓二郎君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#237
○戸井田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山口労働大臣。
#238
○山口国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
    ―――――――――――――
#239
○戸井田委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#240
○戸井田委員長 御異議なしと認めます、よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#241
○戸井田委員長 次回は、明後四日木曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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