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1984/06/13 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 社会労働委員会 第25号
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1984/06/13 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 社会労働委員会 第25号

#1
第102回国会 社会労働委員会 第25号
昭和六十年六月十三日(木曜日)
    午前十時三十四分開議
出席委員
  委員長 戸井田三郎君
   理事 稲垣 実男君 理事 小沢 辰男君
   理事 丹羽 雄哉君 理事 浜田卓二郎君
   理事 池端 清一君 理事 村山 富市君
   理事 大橋 敏雄君 理事 塩田  晋君
      愛知 和男君    伊吹 文明君
      稲村 利幸君    鍵田忠三郎君
      北川 石松君    古賀  誠君
      自見庄三郎君    谷垣 禎一君
      友納 武人君    長野 祐也君
      西山敬次郎君    野呂 昭彦君
      林  大幹君    林  義郎君
      箕輪  登君    湯川  宏君
      網岡  雄君    河野  正君
      多賀谷眞稔君    竹村 泰子君
      永井 孝信君    森井 忠良君
      沼川 洋一君    橋本 文彦君
      森田 景一君    森本 晃司君
      小渕 正義君    塚田 延充君
      浦井  洋君    小沢 和秋君
      菅  直人君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 増岡 博之君
 出席政府委員
        厚生省保健医療
        局長      大池 眞澄君
        厚生省児童家庭
        局長      小島 弘仲君
 委員外の出席者
        社会労働委員会
        調査室長    石黒 善一君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十二日
 辞任         補欠選任
  塚田 延充君     安倍 基雄君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 基雄君     塚田 延充君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  斉藤滋与史君     鍵田忠三郎君
  中野 四郎君     林  大幹君
  藤本 孝雄君     北川 石松君
同日
 辞任         補欠選任
  鍵田忠三郎君     斉藤滋与史君
  北川 石松君     藤本 孝雄君
  林  大幹君     中野 四郎君
    ―――――――――――――
六月十一日
 老人医療の定率負担導入反対等に関する請願
 (横江金夫君紹介)(第五四四三号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第五五三八号)
 同(田中美智子君紹介)(第五五三九号)
 被爆者援護法制定に関する請願(大出俊君紹介
 )
 (第五四四四号)
 療術の制度化促進に関する請願(近岡理一郎君
 紹介)(第五四四五号)
 同(新井彬之君紹介)(第五四七七号)
 同(佐藤隆君紹介)(第五四七八号)
 医療保険の改善に関する請願(天野等君紹介)
 (第五四四六号)
 同(浦井洋君紹介)(第五四四七号)
 同(中村重光君紹介)(第五四四八号)
 同(永井孝信君紹介)(第五四四九号)
 同(堀昌雄君紹介)(第五四五〇号)
 同(山中末治君紹介)(第五四五一号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第五五二二号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第五五二三号)
 同(上坂昇君紹介)(第五五二四号)
 同(新村勝雄君紹介)(第五五二五号)
 同(田中美智子君紹介)(第五五二六号)
 同(竹内猛君紹介)(第五五二七号)
 同(津川武一君紹介)(第五五二八号)
 同(土井たか子君紹介)(第五五二九号)
 同(林百郎君紹介)(第五五三〇号)
 同(東中光雄君紹介)(第五五三一号)
 同(安田修三君紹介)(第五五三二号)
 同(渡部行雄君紹介)(第五五三三号)
 同(梅田勝君紹介)(第五五六八号)
 小規模障害者作業所の助成に関する請願外六件
 (河野正君紹介)(第五四五二号)
 福岡県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(稲富稜人君紹介)(第五四五三号)
 健康保険の本人十割給付早期回復等に関する請
 願(正森成二君紹介)(第五四五四号)
 同外五件(経塚幸夫君紹介)(第五五三四号)
 同(藤田スミ君紹介)(第五五三五号)
 同(正森成二君紹介)(第五五三六号)
 学童保育の制度化に関する請願(永井孝信君紹
 介)(第五四五五号)
 同(橋本文彦君紹介)(第五四五六号)
 避妊フィルムの販売中止等に関する請願(浦井
 洋君紹介)(第五四五七号)
 同(藤田スミ君紹介)(第五四五八号)
 てんかんの総合政策に関する請願(戸井田三郎
 君紹介)(第五四七六号)
 健康保険の本人十割給付復活等に関する請願
 (梅田勝君紹介)(第五五一〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第五五一一号)
 老人医療の定率一部負担導入反対等に関する請
 願(浦井洋君紹介)(第五五一二号)
 同(中林佳子君紹介)(第五五一三号)
 同(藤木洋子君紹介)(第五五一四号)
 健康保険の本人十割給付等に関する請願(浦井
 洋君紹介)(第五五一五号)
 老人保健法の改悪反対等に関する請願(津川武
 一君紹介)(第五五一六号)
 老人医療の定率負担反対等に関する請願(山原
 健二郎君紹介)(第五五一七号)
 国立腎センター設立に関する請願(金子みつ君
 紹介)(第五五一八号)
 健康保険本人の十割給付復活等に関する請願
 (工藤晃君紹介)(第五五一九号)
 同(中島武敏君紹介)(第五五二〇号)
 同(野間友一君紹介)(第五五二一号)
 老人医療費の無料制度復活等に関する請願(山
 原健二郎君紹介)(第五五三七号)
 重度戦傷病者及び妻の援護に関する請願(稲村
 利幸君紹介)(第五五六六号)
 同(塚原俊平君紹介)(第五五六七号)
同月十三日
 被爆者援護法制定に関する請願(伊藤茂君紹介
 )(第五六五四号)
 同(伊藤茂君紹介)(第五七二二号)
 医療保険の改善に関する請願(河上民雄君紹介
 )(第五六五五号)
 同(木間章君紹介)(第五六五六号)
 同(後藤茂君紹介)(第五六五七号)
 同(渡辺嘉藏君紹介)(第五六五八号)
 同(佐藤徳雄君紹介)(第五七二三号)
 同(玉置一弥君紹介)(第五七二四号)
 同(永末英一君紹介)(第五七二五号)
 国立病院・療養所の統合等反対、医療従事職員
 の増員に関する請願(田中恒利君紹介)(第五
 六五九号)
 愛媛県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(田中恒利君紹介)(第五六六〇号)
 山形県の国立病院・療養所の統廃合反対等に関
 する請願(阿部昭吾君紹介)(第五六六一号)
 道南の国立病院・療養所の統廃合反対等に関す
 る請願(奥野一雄君紹介)(第五六六二号)
 老人医療の定率負担導入反対等に関する請願
 (横山利秋君紹介)(第五六六三号)
 同(網岡雄君紹介)(第五七二七号)
 重度戦傷病者及び妻の援護に関する請願(稲村
 利幸君紹介)(第五六六四号)
 同(江藤隆美君紹介)(第五七二八号)
 同(熊川次男君紹介)(第五七二九号)
 同(三ッ林弥太郎君紹介)(第五七三〇号)
 保育所制度の充実に関する請願(山本政弘君紹
 介)(第五七二一号)
 小規模障害者作業所の助成に関する請願(岸田
 文武君紹介)(第五七二六号)
は本委員に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第七八号)
 厚生関係の基本施策に関する件
 優生保護法の一部を改正する法律案起草の件
 栄養士法及び栄養改善法の一部を改正する法律
 案起草の件
     ――――◇―――――
#2
○戸井田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 他に質疑の申し出がありませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
 この際、本案に対し、稲垣実男君外三名並びに小沢和秋君外一名から、それぞれ修正案が提出されております。
 提出者から順次趣旨の説明を求めます。丹羽雄哉君。
    ―――――――――――――
 児童手当法の一部を改正する法律案に対する修
  正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○丹羽(雄)委員 ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、就学猶予者及び免除者については、十五歳になるまで手当を支給しようとするものであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#4
○戸井田委員長 小沢和秋君。
    ―――――――――――――
 児童手当法の一部を改正する法律案に対する修
  正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○小沢(和)委員 私は、ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 本改正案は、現行第三子から支給されている児童手当が義務教育終了までとなっているのを就学前まで短縮し、かつ低所得者への特例支給を廃止することとしております。これは現行制度からの大幅な後退と言わざるを得ません。よって、第三子以降については現行どおりと修正するものであります。これが第一の修正内容であります。
 第二に、手当支給の対象を第二子まで拡大しているのでありますが、これも児童手当の本来の趣旨にかんがみ、義務教育終了まで期間を延長することとしております。
 第三に、第二子の手当額でありますが、原案の月額二千五百円では、法の目的である家庭生活の安定、児童の健全育成及び資質の向上に資するものにはなり得ません。よって、これを第三子以下同様、五千円に引き上げるものであります。
 以上が、本修正案の内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#6
○戸井田委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 この際、両修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。増岡厚生大臣。
#7
○増岡国務大臣 児童手当法の一部を改正する法律案に対する自由民主党・新自由国民連合の御提案による修正案については、政府としてはやむを得ないものと考えます。
 御可決された暁には、その趣旨を体し、児童手当制度の適切な運用に一層努力してまいる所存であります。
 次に、同法律案に対する日本共産党・革新共同の御提案による修正案については、政府としては反対であります。
    ―――――――――――――
#8
○戸井田委員長 これより原案及びこれに対する両修正案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。野呂昭彦君。
#9
○野呂委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表して、ただいま議題となっております児童手当法の一部を改正する法律案及びこれに対して自由民主党・新自由国民連合が提出した修正案につきまして、修正案及び修正案を除く原案に賛成するとともに、日本共産党・革新共同提出の修正案に反対の立場から討論を行うものであります。
 児童手当制度は、昭和四十七年、次代の社会を担う児童の養育の場である家庭の生活を安定させ、児童の健全な育成と資質の向上を図るための制度として発足しましたが、その後の社会経済情勢の変化等を背景として、臨調答申、行革関連特例法等により制度の抜本的改革が要請されていたのであります。
 政府原案は、このような要請にこたえて、現行制度を基本的に見直し、次代を担う児童の養育費を社会的に分担し、児童の健全育成の基本的な場である家庭の経済的な基盤強化に資するという児童手当制度本来の意義に照らし、児童を養育している者が広く手当の支給を受けられるようにする必要があるとの観点から、給付面について所要の改正を行おうとするものであり、まことに適切な措置と考えられます。
 しかしながら、就学猶予者及び免除者に関しては、当該猶予または免除を受けている期間について手当を支給することが適当であり、この点について所要の修正を行う必要があると考えます。
 この修正は、本委員会審議を通じ、最善の努力を尽くした上での結果であり、本法案の目的の達成と適正な実施に資するものと考えるものであり、私どもといたしましては、この自由民主党・新自由国民連合提出の修正案及び修正部分を除く原案に賛意を表するものであります。
 これをもちまして私の討論を終わります。(拍手)
#10
○戸井田委員長 池端清一君。
#11
○池端委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、児童手当法の一部を改正する法律案並びに同案に対する自民党修正案に対して、そのいずれにも反対する立場から簡潔に意見を申し上げたいと思います。
 結論から先に申し上げれば、これら両案は現行制度の持つ重大な欠陥を是正するどころか、かえって逆に改悪する性格のものと言わざるを得ません。
 まず第一に、支給期間について、義務教育終了までという現行制度を義務教育就学までとしたことであります。現行の支給期間に対してさえ、高校が実質的に義務教育となっている事実を無視しているという批判が強く、これにこたえて支給期間の延長を図るべきところを、逆に就学前の幼い子供たちに限ろうとする後退したものになっていることは、これはもはや、さきに指摘したように児童手当とは名ばかりで乳幼児手当に変質するものであると言わなければならないのであります。
 第二に、対象児童の範囲について、第三子からという現行制度を第二子からと改めたことについてでありますが、これとても必ずしも前進とは言えないのであります。現に諸外国の実施状況を見まするに、児童手当制度の実施国六十六カ国のうち実に五十八カ国までが第一子から対象にしているのであります。昨年十二月の中央児童福祉審議会の意見書においても、本来は第一子から支給すべきであることを明言しているのであります。これもけだし当然と言わなければなりません。
 現下の財政状況のもとでは、福祉を切実に必要とする人々に対して重点的に財源を配分するしかないという政府方針に仮に立ったとしても、政府案はなお矛盾だらけのものとなっていると言わなければなりません。
 例えば、子供を抱える親の家計は、その子供たちが中学生以上のときに最も苦しいというデータが、政府の国民生活白書等によって明らかにされていますし、また、障害児に対しては、一、二級の重度の者には特別児童扶養手当が二十歳になるまで支給されていますけれども、中度、軽度の障害児には、児童手当制度において何らの配慮もされていないのであります。就学猶予、免除児童は全国でわずか千九百人、そのうち第二子以降その他の給付条件を満たし、修正案によって対象となる児童はその半分以下と言われております。このような対象児は、しかもほとんど重度の場合と考えられ、特別児童扶養手当が併給されている子供たちなのであります。こういう観点からも修正案には特別な配慮がございませんので、賛成するわけにはまいらないのであります。
 本来、児童手当制度はどうあるべきか、その到達目標を明示しなければ、国民は当面緊急の措置の持つ意義を理解しないということであります。すなわち、児童福祉法に言う十八歳未満の児童に対し第一子から所得制限なしで支給すること、また、障害児には上乗せ措置等の優遇政策をとるべきことを強く我が党は求めるものであります。
 行政の努力目標が一体どこにあるのかわからないようなこのような提案に対しては、我が党は断固反対であることを強調して、私の反対討論を終わるものであります。
 以上です。(拍手)
#12
○戸井田委員長 森本晃司君。
#13
○森本委員 私は、公明党・国民会議を代表して、児童手当法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。
 本来、子供は大人の附属物ではなく、親とは独立した人格、人権を有する権利の主体であることは、今や国際的にも確立された原則であります。
 特に戦後、世界人権宣言を経て、昭和三十四年に採択された歴史的な児童権利宣言では、人類は児童に対し最善のものを与える義務を負うことがうたわれているのであります。すなわち、すべての児童は社会保障の恩恵を享受する権利を有し、健康に成長発達する権利を有すること、社会の有用な一員となり得るような教育が与えられること、さらにあらゆる状況にあって最優先して保護と救済が与えられるべきことが強調されたのであります。この精神は国際人権規約A十条に引き継がれ、各国とも積極的にその実現に努めているのであります。
 我が国においても、子供の権利保障の基本法ともいうべき児童福祉法を制定し、昭和二十六年には児童憲章を定め、子供の権利についての国際的な動きと呼応しながら充実拡大の方向をたどってきたのは周知の事実であります。
 我が公明党は、こうした世界的な人権保障の流れを的確に把握し、結党以来、次代を担う子供は社会の宝であり、健全な育成を図る必要から児童手当制度の早期実現に取り組んできたのであります。そして四十七年一月、我が国の社会保障に残された最後の一部門として児童手当制度が創設されることにより、医療、年金、児童の社会保障制度の三本の柱が整ったのであります。
 しかるに、今回の政府案は支給期間を大幅に短縮し、その見返り措置として支給対象を第二子以降に拡大したもので、本制度の趣旨、目的から後退に後退を重ねた露骨な福祉切り捨て以外の何ものでもなく、社会保障制度の三本の柱の一角を突き崩すものと断ぜざるを得ないのであります。我が党は、児童手当制度創設以来推進役を果たしてきた経緯もあり、こうした後退した政府案の欠陥を指摘し、法案の撤回を強く要求するものであります。
 まず最初に指摘したいのは、等二次臨時行政調査会の答申を受けて、制度の社会保障政策上の位置づけがどうあるべきかを論議するのではなく、専ら費用の削減を実現するためにどのような制度にしたらよいかを検討した財政的理由からの福祉切り捨てであるということであります。
 我が国の社会保障が財政的に厳しい状況下にあることは否定できませんが、児童手当制度については、ただ単に財政再建という当面の政策的配慮だけで判断するのではなく、長期的な展望の中でその存在意義を考えなければならないのであります。でなければ、将来に重大な禍根を残すに違いありません。
 第二は、支給期間の大幅な短縮であります。児童福祉法では満一歳から小学校入学前までを幼児、満十八歳未満を児童としており、したがって今回の政府案は幼児手当への重大な変質であり、制度空洞化への危険をはらんでいるのであります。また、家庭における生活の安定という所得保障の面から見ても、教育費を含めた養育費が家計を圧迫するのは就学後であり、この実態を無視した改正案と言わざるを得ないのであります。
 反対の第三は、支給対象を第二子以降に拡大したとしているが、世界の児童手当実施国六十六カ国中既に五十八カ国が第一子以降の支給であり、遅きに失する感を否めないのであります。しかも社会保障の最低基準に関するILO第百二号条約中、我が国は家族給付部門についてはいまだ義務を受諾する態勢が整っていないのが現状であります。
 児童の健全育成の面からも第一子からの支給は当然であり、母国会の附帯決議を無視し今日まで制度の立ちおくれを許したのは、ひとえに行政当局の怠慢にあると言わざるを得ないのであります。
 また、支給額第二子二千五百円は制度発足当時より少額であり、他の類似制度が物価上昇等を勘案して改善されているにもかかわらず、余りにも貧弱であります。現行制度においても、支給額の十年間据え置き、所得制限の強化、特例給付の創設、国庫負担金の削減と後退の姿勢を貫く一方、私的扶養義務のみを強調し、国の責任を放棄していると言っても過言ではありません。
 第四は、高齢化社会到来を控えた我が国においては、長期的、高次元の視点から子供に関する法制度全般を見直し、年少人口の量的増加や児童の全体的資質の向上を図ることが急務であります。今回の政府案はかかる視点が欠落したものであり、改めて高齢化社会と抱き合わせの将来計画を立て、慎重なる審議を望むものであります。
 最後に、我が党は児童手当の支給額の引き上げ、所得制限の緩和、支給期間の延長、三カ年にわたる経過措置についての再延長等々数項目の修正要求をしてまいりましたが、結局受け入れられたのはただ一つ、障害者等の入学できない児童に対しては十五歳まで支給を認めるという期間延長のみであります。
 この自由民主党・新自由国民連合の修正案に我が党は賛成するものでありますが、その理由は、我が党の要求の一つであり、改善につながる修正だからであります。
 しかし、他の要求項目はことごとく排除されたので、原案に対して断固反対し、かつ将来抜本的再検討の上児童手当本来の制度として確立すべき附帯決議に意を託し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#14
○戸井田委員長 塚田延充君。
#15
○塚田委員 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました政府提出の児童手当法の一部を改正する法律案並びに自由民主党・新自由国民連合提出の修正案に反対の討論を行うものであります。
 国際連合は一九五九年の児童権利宣言において、「児童は、特別の保護を受け、また、健全、かつ、正常な方法及び自由と尊厳の状態の下で身体的、知能的、道徳的、精神的及び社会的に成長することができるための機会及び便益を、法律その他の手段によって与えられなければならない。この目的のために法律を制定するに当っては、児童の最善の利益について、最高の考慮が払われなければならない。」との原則を明らかにしております。
 そして現在、世界の六十六カ国が児童手当制度を実施し、その八八%に当たる五十八カ国において第一子から手当を支給し、支給対象の面でも支給額の面でも十分な措置が講ぜられているのであります。
 我が国においても、児童手当制度は昭和四十七年の制度創設以来、三人以上の児童を養育する家庭の生活の安定に一定の役割を果たしてまいりましたが、諸外国と比較して、支給対象も、支給額も、支給期間も極めて不十分であり、本法の次代を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資するとの目的を満たすにはほど遠い状況にあると言わなければなりません。また、昭和五十七年以来の所得制限の強化は、制度の趣旨を離れた単なる財政のつじつま合わせの対応にすぎないのであります。
 また、政府提出の本改正案は、第二子から手当を支給するなど、一歩前進した部分もありますが、その額はわずか二千五百円であり、一方、第三子以降は支給期間が短縮され、かつ低所得者に対する加算も廃止されるなど、制度面で大きく後退したものとなっております。
 我が党は、児童手当制度の目的を達成するため、すべての児童の養育費の五〇%を手当額として支給することを目標とし、これに向かって着実に制度を改革しなければならないと考えております。その第一歩として、政府案に対して、第二子の手当額は月額五千円とすること、支給期間は現行どおりとすること、低所得者加算を存続することの三点を修正すべく要求したのでありますが、自民党提出の修正案は、就学猶予及び免除者について若干の改善がなされるのみであり、このような修正で事足れりとする姿勢は断じて容認することができません。
 最後に、民社党は今後とも児童手当制度の確立に努力していくとともに、高度福祉社会の創造を目指し、世界一流の生活水準、生活環境が享受できる社会をつくるため奮闘することを申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)
#16
○戸井田委員長 小沢和秋君。
#17
○小沢(和)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案及びその修正案について、反対の立場から討論をいたします。
 そもそも児童を養育する責任が直接的には両親にあることは言うまでもありません。同時に、次の時代の社会の担い手である児童の健全な育成を図ることは社会全体の責任でもあります。
 一九八〇年に中央児童福祉審議会が提出した意見書、「児童手当制度の基本的あり方について」には、このような考え方から、児童手当は第一子から価値ある額を支給し、所得制限を行うべきでないと述べられていますが、まさにこれこそ児童手当のあるべき姿を示したものであります。
 ところが、我が国の制度は、残念ながら第三子から、それも所得制限など多くの制限を加えられ、国際的に見ても極めて低い水準の内容をもって誕生したのであります。その後も国民の間からは強くその充実が求められていたにもかかわらず、逆に所得制限が強化され、特に七五年以後十年間手当額は全く据え置かれたままだったのであります。そして八一年の臨調答申ではついに制度の抜本的見直しさえ要求されるに至りました。
 今回の改悪案は、このような経過をたどって提出されたのであります。でありますから、一方では、国民の声を無視できず支給対象を第二子に広げるという改善もありますが、全体として見れば本改正案が福祉切り捨ての臨調答申に沿った大改悪であることは明白であります。
 その第一は、現行法では第三子以降に中学卒業まで支給されていた手当を小学校入学前で打ち切ることにしたことであります。この結果、手当額を五千円据え置きとすれば、その後の九年分五十四万円の削減は児童を持つ家庭の家計に少なからぬ打撃を与えることになります。特に低所得者七千円の制度が廃止されるので、低所得者にとってその打撃は一層厳しいものとならざるを得ません。
 また、新設する第二子の手当額はわずか二千五百円にすぎません。支給するからには価値ある額とすべきであり、第三子からと同じ五千円とするのが当然であります。
 第二子まで支給を拡大することによって支給対象者が二百十九万人から四百四万人にふえると予測されていますが、支給期間の短縮などで相殺され、六十年度支給総額は制度の改正前とほとんど変わらない千五百八十二億円にすぎません。しかも、見落としてならない重大な変化は、支給総額が変わらないのに国庫負担が六百一億円から五百五十三億円に減少する点であります。第二子支給はサラリーマン家庭が多いので、支給経費のうち事業主拠出金の依存度が大きくなる結果でありますが、ここに社会保障に対する国費の削減という臨調路線が巧みに貫徹されており、これこそが法改悪の真のねらいにほかなりません。
 さらに、附則四条で費用負担のあり方を含め制度の再検討が明記されていますが、その費用負担では国民の拠出を想定しております。これは今後強まるであろう児童手当拡充の要求を国民の自立自助、連帯の名目で専ら国民に負担を押しつけようとするねらいが伏せられていることは明らかであります。
 以上のように、本改正案は直接的に臨調答申に従ったものであり、軍備拡充、大企業奉仕のために社会保障を大きく後退させる大改悪でありますから、日本共産党・革新共同はこれを断じて容認することはできません。
 また、自由民主党・新自由国民連合提出の修正案も、本改悪案の本質、内容を何ら変更するものでありませんので、反対いたします。
 最後に、日本共産党・革新共同は、先ほども説明いたしましたとおり、当面の措置として法案の改悪部分をすべて削り、第二子の支給額を五千円とする修正案を提出いたしております。これこそ福祉の後退に反対し、児童手当制度の充実を求める国民の声にこたえる最良の案だと確信いたします。各位の御賛同を改めてお願いし、反対討論を終わります。(拍手)
#18
○戸井田委員長 菅直人君。
#19
○菅委員 ただいま議題となっております児童手当法案について、社会民主連合を代表し、この法案に反対の立場から討論を行うものです。
 児童手当制度は昭和四十七年の発足来十有余年を経過しましたが、社会的にこの制度の意義についての理解と認識は必ずしも十分ではありません。これは、これまでの給付が第三子からのものであり、制度として不十分なものであったことに由来しています。今回の改革では第二子からの支給を取り入れていますが、その額は月額二千五百円という全く不十分なものであり、また第三子の支給年限が大幅にカットされるなど、制度全体としては大幅な後退となっております。
 我々としては、児童手当制度は人口政策的観点から積極的に活用していくべきだと考えています。すなわち、本制度の発足の昭和四十七年当時、出生率が二・一であったものがその後急激に減少し、昭和五十九年では一・八と人口置きかえ水準をはるかに下回る低い水準にあります。
 こうした低い出生率が続くと、老年人口比率が急激に高まります。特に戦後ベビーブーム時代に生まれた世代が六十五歳以上となる約三十年後には、老年人口比率が極端に高くなることが予測され、その時代の若年層の負担が過重となるおそれがあります。
 こうした点から、児童手当法は人口政策的に効果を上げるよう積極的に改革すべきだと考えますが、今回の改正案ではそうした期待には全くこたえておりません。
 以上のような点から、今回の改正案には賛成できず、また自民党提出の修正案も満足すべきものではなく、両案に対してともに反対であることを表明し、討論を終わります。(拍手)
#20
○戸井田委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#21
○戸井田委員長 これより児童手当法の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。
 まず、小沢和秋君外一名提出の修正案について採決いたします、
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#22
○戸井田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、稲垣実男君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#23
○戸井田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正案の修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#24
○戸井田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#25
○戸井田委員長 この際、稲垣実男君外四名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び社会民主連合五派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。村山富市君。
#26
○村山(富)委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    児童手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、今後の高齢化社会における児童手当制度の果たすべき役割の重要性にかんがみ、次の事項につき、速やかに検討し、実現に努めるべきである。
 一 高齢化社会に対応した社会保障制度整備の一環として、児童養育費が家計に及ぼす影響、出生数の動向等を勘案し、長期的展望に立って、将来における児童手当制度の位置づけ及び国民の費用負担の在り方について、可及的速やかに明確な基本方針を示し、国民的合意の形成を図ること。
 二 これを踏まえ、速やかに児童手当の支給対象児童の範囲、支給期間、手当額、所得制限、国民の費用負担方式等について抜本的に再検討し、制度の充実を図ること。
三 新制度の実施に当たっては、新受給者が漏れなく手当の支給を受けられるよう、周知・ 徹底を図ること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#27
○戸井田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 稲垣実男君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#28
○戸井田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。増岡厚生大臣。
#29
○増岡国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
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#30
○戸井田委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○戸井田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
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#32
○戸井田委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 優生保護法の一部を改正する法律案の起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。
 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から簡単に御説明申し上げます。
 本案は、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行う者が受胎調節のために必要な医薬品を販売することができる期間を、昭和六十五年七月三十一日まで延長しようとするものであります。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
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 優生保護法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#33
○戸井田委員長 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしてあります草案を優生保護法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#34
○戸井田委員長 起立総員。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#35
○戸井田委員長 次に、栄養士法及び栄養改善法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 本件につきましても、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。
 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から簡単に御説明申し上げます。
 近年、人生八十年時代の到来とともに、成人病等の慢性疾患が国民の疾病構造の中心的部分を占めるようになってきており、国民の健康を確保し活力ある社会を建設していくためには、これらの疾患と関連の深い食生活の改善指導の充実を図ることがますます重要となってまいりました。
 このため、本案は、専門職としての栄養士及び管理栄養士の資質、ひいてはその地位の向上を図るとともに、特に栄養改善上の必要性が高い集団給食施設について、専門職である管理栄養士の指導が確保できる体制を整備しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、栄養士免許は、すべて厚生大臣の指定した養成施設を卒業した者に対して与えるものとし、栄養士試験は廃止するものとすること。
 第二に、管理栄養士の登録は、すべて管理栄養士国家試験に合格した者について行うものとし、大学である栄養士養成施設のうち、特別の指定を受けたものを卒業した者について、無試験で管理栄養士の登録を行っているこれまでの制度は廃止するものとすること。
 第三に、栄養改善上特別の給食管理が必要な集団給食施設の設置者は、その施設に一人以上の管理栄養士を置かなければならないものとすること。
 第四に、この法律は、昭和六十二年四月一日から施行することとし、栄養士の免許及び管理栄養士の登録についての所要の経過措置並びに栄養士試験についての暫定措置を講ずるものとすること。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
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 栄養士法及び栄養改善法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#36
○戸井田委員長 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしてあります草案を栄養士法及び栄養改善法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#37
○戸井田委員長 起立総員。よって、さよう決しました。
 なお、両法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○戸井田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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