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1984/04/12 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 大蔵委員会 第18号
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1984/04/12 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 大蔵委員会 第18号

#1
第102回国会 大蔵委員会 第18号
昭和六十年四月十二日(金曜日)
   午後零時三十一分開議
出席委員
  委員長 越智 伊平君
   理事 熊谷  弘君 理事 熊川 次男君
   理事 中川 秀直君 理事 堀之内久男君
   理事 上田 卓三君 理事 沢田  広君
   理事 坂口  力君 理事 米沢  隆君
      糸山英太郎君    大島 理森君
      加藤 六月君    金子原二郎君
      瓦   力君    笹山 登生君
      塩島  大君    田中 秀征君
      中川 昭一君    原田昇左右君
      東   力君    平沼 赳夫君
      藤井 勝志君    宮下 創平君
      山崎武三郎君    山中 貞則君
      伊藤  茂君    川崎 寛治君
      渋沢 利久君    戸田 菊雄君
      藤田 高敏君    細谷 昭雄君
      武藤 山治君    石田幸四郎君
      古川 雅司君    宮地 正介君
      矢追 秀彦君    安倍 基雄君
      玉置 一弥君    正森 成二君
      簑輪 幸代君
 出席国務大臣
       大 蔵 大 臣 竹下  登君
       文 部 大 臣 松永  光君
       建 設 大 臣 木部 佳昭君
       自 治 大 臣 古屋  亨君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官) 後藤田正晴君
 出席政府委員
       人事院事務総局
       給与局長    鹿兒島重治君
       総務庁長官官房
       審議官     佐々本晴夫君
       総務庁人事局長 藤井 良二君
       総務庁行政管理
       局長      古橋源六郎君
       総務庁行政監察
       局長      竹村  晟君
       国土庁防災局長 杉岡  浩君
       大蔵政務次官  中村正三郎君
       大蔵大臣官房総
       務審議官    北村 恭二君
       大蔵大臣官房審
       議官      門田  實君
       大蔵省主計局次
       長       平澤 貞昭君
       大蔵省関税局長 矢澤富太郎君
       大蔵省国際金融
       局長      行天 豊雄君
       文部省教育助成
       局長      阿部 充夫君
       文部省高等教育
       局長      宮地 貫一君
       文部省高等教育
       局私学部長   國分 正明君
       文化庁次長   加戸 守行君
       厚生大臣官房総
       務審議官    北郷 勲夫君
       厚生省社会局長 正木  馨君
       社会保険庁年金
       保険部長    長尾 立子君
       農林水産大臣官
       房審議官    吉國  隆君
       農林水産大臣官
       房予算課長   鶴岡 俊彦君
       通商産業省通商
       政策局次長   鈴木 直道君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官     棚橋  泰君
       建設大臣官房長 豊蔵  一君
       建設大臣官房会
       計課長     望月 薫雄君
       建設省河川局長 井上 章平君
       建設省道路局長 田中淳七郎君
       建設省住宅局長 吉沢 奎介君
       自治大臣官房審
       議官      土田 栄作君
       自治省財政局長 花岡 圭三君
委員外の出席者
       経済企画庁調整
       局産業経済課長 黒川 雄爾君
       会計検査院事務
       総局総務課長  門田  浩君
       日本国有鉄道職
       員局長     長谷川 忍君
       大蔵委員会調査
       室長      矢島錦一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十二日
 辞任         補欠選任
  山岡 謙蔵君     原田昇左右君
  野口 幸一君     細谷 昭雄君
同日
 辞任         補欠選任
  原田昇左右君     山岡 謙蔵君
  細谷 昭雄君     野口 幸一君
四月十日
    ―――――――――――――
 所得税の課税最低限度額引き上げ等に関する請
 願(田中美智子君紹介)(第二七四一号)
 所得税減税等に関する請願(瀬長亀次郎君紹介
 )(第二八三一号)
 同(正森成二君紹介)(第二八三二号)
 同(簑輪幸代君紹介)(第二八三三号)
同月十二日
 身体障害者使用自動車に対する地方道路税、揮
 発油税免除等に関する請願(石橋政嗣君紹介)
 (第二八八〇号)
 同(上野建一君紹介)(第二八八一号)
 同(岡田利春君紹介)(第二八八二号)
 同(多賀谷眞稔君紹介)(第二八八三号)
 同(田邉國男君紹介)(第二八八四号)
 同(保利耕輔君紹介)(第二八八五号)
 大型間接税に関する請願(玉沢徳一郎君紹介)
 (第三〇六二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例
 等に関する法律案(内閣提出第八号)
     ――――◇―――――
#2
○越智委員長 これより会議を開きます。
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
#3
○沢田委員 順不同になりますが、その点お許しをいただきたいと存じます。
 また、この法案に関係いたしまして、関係大臣は長期にわたりまして大変御苦労いただきました。気に入らないところもたくさんありますけれども、その努力に対しては敬意を表する次第であります。
 最初に、時間の関係もございますので文部大臣にお伺いをいたします。
 現在の人口動態等を見まして、過密県、過疎県、それぞれあります。過密県では高校が百校も足らないという状況も出ている。先般三重県に行きましたら、二校程度足らない状況だというようなところもあります。これはまとめて言ってしまいますが、これらの問題について、今度補助金のカットをしておりますけれども、その対応について万全が期せられるかどうか、これが一つです。
 それから、五年後になったならば、我が埼玉県を例にとれば、先生と同じでありますが、十二万の生徒、中学生が出てくる。七万から十二万にふえて、十二万の生徒がまた八万くらいに減ってくる。そうすると四万人も減るという状態が出てくる。その場合の高校施設はどういうように活用をしていくかということを今から考えていかなければならぬのではないかということがあるわけであります。この現象は大なり小なり全国的な問題としてとらえていかなければならぬと思いますが、その点の見解が一つなんです。
 それから、今年度ほど中学浪人の多い年はないと言われているわけであります。十五の春を泣かせるなといったこの言葉について、中学浪人に対してどう対応していくかということは我々も大変苦慮しているところです。実業学校にして、何かそういう形をとる方がいいか、そのまま浪人にしておくことが果たしていいのだろうか、こういうことで、これは政治の分野として非常に重要な問題を抱えておるということが一つです。
 それからもう一つは、私学の振興ということを言われておりますが、これも高校段階においては、今言ったように人口減少の時期が当然来るわけであります。そのときに、今からその対応をしませんと、東京都などは別かもしれませんが、他の道府県では私学は大変もたない。もっていく条件が、恐らく財政的にも、生徒の集まりぐあいからいってもできない、こういうことが予想されるわけですが、その辺に対する対応。
 最後に、教師の都道府県単位から全国制に切りかえることはどうかということをもう考える時期に来ていると思うのです。都道府県で採用するから、他の府県に行くときはまた試験を取らなくちゃならぬ。試験だけが人間をつくるものではないと私は思うのです。ですから、私は、常日ごろから言っていることは、先生になる前に、二年くらい実際に社会で会社にでも勤めてもらって、それから教壇に立ってもらう、そういうことが必要だという主張をしている一人なんであります。ですから、先生方にとってみれば勉強、勉強、勉強で追われてきて、社会というものもそれほど経験せずに教壇に立つわけですから、どうしたってそう偏らないといったらうそになるので、一つの分野しか見てこない、こういうものが残るわけでありますから、もう少し多様化を考えたらいいのではないかと思うわけです。
 以上まとめて文部大臣に、食事もしてないようでありますが、腹がすいてる方が頭が切れる、こういうふうにも言われております。そういうところで御答弁をいただいて、食事に入っていただきたいと思います。以上です。
    〔委員長退席、熊谷委員長代理着席〕
#4
○松永国務大臣 先生よく御承知のとおり、高校生の急増問題、御指摘のように六十四年度までは急増するが、その後は急減する。そういう中で、十五の春を泣かせないということも念頭に置きながら施策を進めていかなければならぬわけであります。
 そこで、御承知のとおり昭和六十年度は、五十一年度から始まった人口急増地帯における公立、私立の高等学校に対する建設費補助の予算はとれたわけでありますけれども、六十一年度以降どうするか。これは先生御指摘のように急減という問題がありますし、それから私立高等学校をどうするかという問題もございますので、公立、私立とも事情をさらによく調べまして、六十一年度以降の対応は考えていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 次は、中学浪人対策でございますが、これも先生よく御承知のことでございますけれども、現在、高等学校に行きたい進学希望者の約九九%は高等学校に進学ができておるわけであります。一方、高等学校の中で定員に満たないままスタートする高等学校もありますし、入学試験のときに既に定員以内、そういう学校も実はあるわけであります。」方、一部の高等学校は大変な競争率というのもございます。したがって、中学浪人対策というのは、一つは中学校における進路指導がどうなされておるかという問題があるわけであります。今後とも、その子供の現在における学力の到達度、それから本人の性格その他に応じた進路指導をして、適切な高等学校を受験する、そして、その結果として入学できる、こういったことが一つやらなければならぬことかと思います。
 それからもう一つは、現在は公立の場合には一遍しかないわけでございますが、高等学校を複数受験する機会があるようにすれば、今の問題の解決の一助になろうか、こういうふうに思うわけでありまして、そういう施策を進めると同時に、いま一つは、高等学校の多様化を図って、子供に適当する高等学校またはそれに準ずる学校に入れるような施策を今後進めていかなければならぬ、こういうふうに考えているところでございます。
 最後の教員免許の問題でありますが、細かい点は後で必要があれば局長に答弁させますが、一般論として申し上げますと、社会経験を積んだ人が学校の先生になるということは極めて意味のあることだと私は思っております。そこで、既に大学につきましては、省令を改正をいたしまして、一般社会人であってもその分野で特別の学識、能力を持っている人は大学の教員になれるという制度をことしから始めました。高等学校以下の先生につきましても、そういうことは大変すばらしいことだろうと思いますので、検討会議をスタートさせたわけでございますが、その問題は一つあります。それは前向きに今後とも進めていきたいと思います。
 具体的な学校の先生の試験の問題でありますが、現在のところ御承知のとおり各都道府県ごとにやっていただいておるわけでありますけれども、これは大変な事務量がございまして、国で一括してやるということは大変な問題もあるわけでして、これは大いに研究をしなければならぬ問題だな、勉強させていただきたいと思っておる次第でございます。
#5
○沢田委員 その事務量が大変だから、全国一括にしてその事務量をやることも、これは後藤田さんの方の担当でありましょうが、合理化の一つだと思うのですね。
 そして、例えば鹿児島の人が人口急増だからといって埼玉に来て勤める、しかしいつかは鹿児島に帰りたいという希望は現実にあるのです。あるいは鳥取から来ている人も、島根から来ている人も、私たちの県にはいるわけです。その人は、人口急増のところでなければ入れないからしようがなく埼玉に来る、こういう状況もなくはありません。しかしその後は故郷に帰りたいという感情はある。家庭の事情もあるのでしょうから、必要に応じてできれば帰る条件をつくってやりたい。だから、事務量が大変だからというので逃げるのではなくて、事務量が大変だけれども全国一律制に向けて前向きに検討をしてもらうというところが大変大切だと思うのです。ぜひこれは松永文部大臣のときにその門戸開放の道を開いていただきたい、こういうふうに思います。
 もう一つだけ、突然ですが、内申書のあり方。これは我が県にもほかの県にも出ていますが、内申書によってのいいところもあるでしょうけれども悪いところもある。思い切ってこれも改革の対象にしていく段階に来ているのではないかと思うのであります。私は内申書不要論であります。今は五分五分に見る。そうしたら好きな子供には余計にするというようなことが漏れたり何かしていろいろ問題を起こしておりますが、これも一応検討の材料に値すると考えます。
 おなかすいていると思いますがお答えいただいて、あと総理府の方から、手を振っているから嫌だというのでしょうけれども、お答えいただきたいと思います。
#6
○松永国務大臣 お答えいたします。
 先ほどの教員の問題でございますが、先生御承知のとおり、教員免許の資格そのものは各大学等で与えられるわけでありますけれども、任用の場合の試験は各都道府県教育委員会でやっておる、こういうことでございます。これはなぜそうなっているかというと、任命権、任用権は地方分権という立場から各都道府県教育委員会ごとにやっていただいておる、こういう問題なんであります。任用試験を全国でやるということは、ある意味では任用権を国が持つような形になるわけでありまして、地方分権との関係で非常に大きな問題があろうかと思います。
 実際問題としては、恐らく都道府県を越えての教員の人事異動の問題であろうかと思いますが、その問題はできるだけ促進されるように文部省としては指導しているところでありますので、今後とも実情に応じて、県を越えての人事異動等がスムーズに進むように努力していきたい、こういうふうに考えるわけであります。
 それから内申書の問題でございますが、これが大変な問題でありまして、もし内申書不要論になってきますとどういうことが起こるかというと、ペーパーテストの結果だけというふうになりがちであります。内申書によって、すなわち中学校における日ごろの行動、成績あるいはスポーツやクラブ活動等でどういう活動をしておった生徒であるか、こういった平素いろいろな活動をしたわけでありまして、そういった点も入学を許可する場合の参考資料にするのは、総合的な判定という意味ではむしろ合理的ではなかろうか、こう思われているわけであります。そのことも、各都道府県教育委員会ごとの問題でありますけれども、ペーパーテストの結果だけで見るのではなくして、総合的に判定すべしということで文部省は指導しているわけであります。
 ただ問題は、内申書の書き方が公正を欠いてはいかぬわけでありまして、その点は大いに注意しなければならぬ問題であろうかと思います。そういうことで、内申書の書き方については公正を期すること、そして内申書そのものも公正であるという前提で、ペーパーテストと総合的に判定をするということが望ましいと考えているところでございます。
#7
○沢田委員 どうもありがとうございました。結構です。
 今度は後藤田さんに、もう一つ次元の違った形で、高校の先生を主体にして。
 今は地方分権で採用する、地方分権であるけれども、全国的に考えて、一方の県は教師の物すごく必要な、ふえる県がある。一方の過疎県においては、今度は物すごく先生が余るという現象が出てくる。これをそれぞれが独自に、ふやすところはどんどんふやし、減っていくところはどうするか、こういう問題に逢着するわけです。もう逢着しつつある。だから三十六人学級あるいは三十人学級という声は、定数との問題としてあらわれざるを得ない。もちろんその方が理想的であるということにはなりますけれども、全国的にある程度垣根を外すことによって、ふえていく県あるいは減っていく県との調整を図り得る道を講ずることは、制度的に必要なことだと私は思うのです。
 文部省ではああいうふうに答えられますが、政治的な問題として考えれば、もっと広い分野で考えていくということは必要なことだと私は思います。これは政治家として先生もプロですが、プロでない方がかえって答えやすい問題であります。過密の県の先生と過疎の県の先生が融通できないで、片っ方はどんどんふやし片っ方はどうにもならないでいるという現象を解決するのは政治ですから、その辺は総理府の方で考えるべき課題ではないかと思いますが、いかがでしょう。
#8
○後藤田国務大臣 私は教育を今担当しているわけではありませんし、政治家の立場でどうかとおっしゃられる。といって、ここでお答えすると閣内不一致ということでもまことにぐあいが悪い。したがって、一般論的な話としてお答えすれば、私は沢田さんの御提言は勉強しなければならぬ課題ではないのかと思います。いずれにせよ、臨教審でこういった問題も恐らく取り上げられるものではなかろうかな、これは私の推測です。
 実は、学校の先生だけでありません、警察官にもございます。それから郵政関係にもあります。いろいろなところで、例えば親御さんが亡くなって家を継がなければならない、あるいは結婚をした、ところが片方がどこそこに住んでいるといったようなことで、そういう御要望が非常に強いわけです。そういったときに、各県ごとに試験をして、その県以外には行けないというのはいかがなものかなということをかねがね私自身は感じておるわけです。しかし現在の制度は、恐らくは文部御当局では教育的な観点からいろいろな配慮をなされて現行の制度になっていると思いますから、ここらは私からここでこれはこうした方がよろしいと断定してお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにせよ、沢田さんの御提言というものはやはり勉強していかなければならぬ将来的な課題ではないのかな、この程度でお答えをお許し願いたい、私はこう思います。
#9
○沢田委員 問題が多いですから、一応御検討いただくということで、次に入らしていただきます。
 これは大蔵の方なんですが、教育というのは、言うならば戦後の日本の最大の財産みたいなものだったと思うのですね。敗戦の日本が立ち上がり得た最大の要素は、幾つか要因はあると思うのでありますが、やはりよきにつけあしきにつけ、この教育の成果というものが今日の日本をつくってきた。そういう功績といいますか、いろいろの矛盾はあるにせよ、その教育の成果が今日の日本を形成している、こういう評価は、大臣、どのように受けとめておられますか。
#10
○竹下国務大臣 やはり戦後の三大変革といえば、憲法、それから学制改革、それから農地解放じゃなかったかなと思っております。
 憲法は別といたしまして、学制改革というものは、これは私どもや沢田さんの時代とは違ってきたわけでございますが、それなりに日本人全体がいわゆる民主主義の基盤というものを子供のころから身につけるという、その限りにおいては一番大きな貢献をしたものじゃないかな、こういうふうに私も思っております。
    〔熊谷委員長代理退席、堀之内委員長代
    理着席〕
#11
○沢田委員 今の三十歳台、四十歳台のお母さん方の立場から見れば、自分の果たし得なかった、あるいは自分が期待する世の中への希望というものを子供に託している気持ちというものは、今や国家観よりもより強いものがあるんだろうと思うのです。ちょっと比較の例示はいいかどうかわかりませんけれども、そのくらいの愛着、愛情というものを持っておる。ですから、事教育に関しては、ある意味においてはタブーにもなるぐらいな条件を持っておる。また別な面から見れば、過保護と言われるような条件も持っておると思うのです。
 だから、こういうところに手をつけるのには、やはり母親の立場というか感情を、教材にしても旅費にしても、教育にまで中曽根内閣は手をつけてくるのかということは心証としては極めてよくない。金額はあるいはたかが知れているかどうか別問題として、国民感情をよくしないということだけは間違いないと思うのです。
 そこで、どういう評価でこういうカットの対象にしたのか。若干国民感情の理解が得られない以前の状況で措置し過ぎたのではないか、こういうふうに思うのですが、その点はいかがでしょう。
#12
○竹下国務大臣 いわゆる義務教育費国庫負担法、そして昭和二十八年でございますか、その適用範囲の拡大というところから教材費、旅費というようなものが入ってきた。今日の時点では、その教材費、旅費というようなものは言ってみればPTA負担とかいうことはなくなって、まさに定着をした。したがって、国と地方との費用分担の中で地方にこれを持っていただこうという措置でありますから、あくまでも役割分担と費用負担のあり方という観点からこれを行うこととした、いわば父兄負担にそれを転嫁しようという考えは全くない、こういうことでございます。
#13
○沢田委員 広報誌というのが政府にはないのですね。今大臣が答弁したようなことを国民に知らせるためには、どういう方法が今ありますか。
#14
○竹下国務大臣 これは私からお答えするべきかどうか、政府広報の中に、例えばテレビでいえば「あまから問答」、間々「あまあま問答」になってしまいますけれども、これがございますし、それから政府広報ではその他各省のPR話もございますし、いろいろな形で国民に理解を求めていくという仕組みはそれなりにございます。
#15
○沢田委員 この点は足らないんだろうと思うのです。率直に言って、今言ったように国民の皆さんには負担はかけませんよ、あるいはPTAの負担を増額させることはしませんよ、あるいは厚生年金の借りた金はこうやって返しますよと、国民が不安に思っていることに対して答えていくという、何らかの目で見るものあるいは耳で聞くものであるにせよ、やはり政府の機関としてそれが宣伝にならない範囲内において正確に公平に伝えられる、こういう仕組みは必要なことではないのか。今ここでこうやっていることが、本当にそうであってもそのとおり伝わっていかないということであっては何にもならない。今までいろいろな質疑がありましたけれども、その中の要点は何らかのことを通じてぜひ国民の耳に入るように、あるいは目に入るように措置を講ずるべきだと思うのです。これはやはり後藤田先生の方ですか大蔵大臣の方ですか、お金はこっちだし、やる方はそっちなんでしょうが、それぞれお答えいただきたい。
#16
○後藤田国務大臣 これは私ではないのです。官房長官でございます。ただ、いらっしゃいませんから、前職のゆえをもってお答えをいたしておきます。
 行政は何といったって国民の理解がなければ到底うまくいかぬわけですから、それには各省庁の施策その他について、こういうことを政府はやりたいし、あるいはやっているんだというようないわゆる広報活動というのはもう少し活発にやっていいんじゃないか。ただ、御案内のように政府の広報といったらおもしろくないですよ。そこらをよほど工夫しなければいかぬと思いますが、予算は、財政当局そしてまた国会の皆さん方の御理解を得て、相当な金額が総理府の予算の中に広報予算として入っておるわけでございます。同時にまた、各省には各省ごとの予算も入っておりますから、御趣旨を尊重して、もう少し知恵を出して国民によく知っていただくような広報をしなければならない、かように考えておるわけでございます。
#17
○沢田委員 自治大臣、今回の一括カットに当たって一番被害を受けた省は、自治省なんでしょう。それで自治省としては、これの扱いについてはやむを得ない、しようがなかった、これは我慢してもらうんだ、また我慢してくれる、こういう自信はお持ちでしたか。
#18
○古屋国務大臣 自信というのは先生に言われるように私も余り持っていなかったわけでございますが、とにかくこの問題は、補助金の整理、カットという問題はずっと昨年じゅう、私どもは補助金の整理合理化はやるべきだけれどもこれは財政負担とか事務の分配、そういうことから考えていかなければならない、一律カットというのは要らぬものも要るものも一律カットをやられますからこれはまずいということで、その対策をいろいろ事務当局にも申し入れをしておったのが現実の姿でございますが、昨年の予算編成直前におきまして、国が極めて厳しい財政状況にあるから一年の措置として組んで、厳しい状況にあるができるだけこれを補てんするから自治省としてもぜひ地方団体に――三千三百の地方団体がございます。これは補助金の整理、一括カットは反対です。私も大臣になる前はその会議にも出て気勢を上げた方でございまして、そういうことで私は、地方行政にもおりましたので地方の立場は比較的よく理解しておった方だと思っておりますが、そういう国の財政が極めて厳しいという制約のもとに私どもは一年の検討期間を置く、そして交付税の積み増しと地方債によりましてこれを補てんするということの了解ができましたので、この一年間の検討の間に私どもは、今まで考えておりましたこと、あるいは地方制度調査会、地方財政審議会からいろいろな申し出もありますので、そういう点も踏まえながら三大臣あるいは大蔵大臣とこういう問題で十分協議いたしまして、御承知のように地方財政も非常に厳しい状況であります、国の厳しいことはよく了解しておりますが、地方も大きな借金を抱えて相当厳しゅうございますので、そういう点で地方も行財政の整理を進めますと同時に経費を節減し、国と合わせて進んでいきたい、こういうように考えておるわけでございます。
#19
○沢田委員 大蔵大臣、結果的には金を入れかえただけです、肩がわりしただけですから住民には影響ありません、しかし補助はカットします、これは何を教育しようとしているのか。何を示唆しようとしているのか。例えば金のトータルは変わらない、実際には若干変動するが変わらないと仮定しましょう。変わらなくて、おまえのこの部分は切って、補助金というものは切ってこっちに回して、その中でまたやっていけ、結果は同じなんだよと。だったら同じにしておいてもいいんじゃないか。無理にやることはないんじゃないか。もし補助金が甘いとするならば、もっと補助金のあり方についてワンクッション置いて、適正に厳格に行うようにしろという指導の期間があって、それでその後整理統合という、一括カットなら一括カットなりにしても、措置をするという方向がワンクッション必要であったのではないか。何のことはない、カットはするよ、あとは借金にしろ何にしろこっちで面倒を見るよ、言うなら出したり引いたり、これは同じことですね。
 なぜわざわざこういう面倒くさい方法をとるようにしたのか。素朴に聞けば、片っ方の懐から持ってきて片っ方の懐へ入れているのとちっとも変わりないわけですね。そしてこれだけ大騒ぎしている。だったら何も芸のない、知恵のない話じゃないか。撤回という言葉になるところが悪いですけれども、要すればそういうことになってしまう。そんなことまでしなければ、補助金の粛正なり自粛なりあるいは補助金に対して警告を与えることはできなかったのかどうか。その辺ひとつお伺いしたいですね。
#20
○竹下国務大臣 これはまずは第一次臨調答申でございますか、そのときの答申を見てみますと、結局一割カットとかいうような言葉が使われておりますが、いわば法律補助あるいは地方自治体を通じていくもの、あるいは文教、社会保障、公共事業、その三つの網をかけまして、なお、非常に少ない対象になりますけれども、そういうところから補助金のいわゆる合理化をしろ、こういうことから始めたわけであります。
 そうすると、新しいものには当然終期を設定する、あるいは奨励補助的なものであったものもその意義がおおむね薄らいだものはカットする、で、新しいものは終期と同時にスクラップ・アンド・ビルドをしてくれ、こういうところから補助金に対する対応の仕方が始まったわけであります。
 それで、だんだん財政が厳しくなりまして、一般歳出で前年度マイナスということになりますと、その一般歳出の四割という、十四兆数千億の補助金というものをさらに見詰め直さなければいかぬ。そこに出てきましたのが、国と地方の業務分担と費用負担のあり方という見地から、いわば最終的にはそれぞれの率が正確に必ずしも一割にはなりませんが、一割カットという形で今度の法律をお願いするという経過をたどってきているわけであります。
 補助金というものについて、かつてはカットしあるいはそれを一般財源化し、そういう経緯をたどって対応してきた歴史はここ数年あるわけであります。ただ、今沢田さんのおっしゃったので気がかりになりますのは、このたびも議論をいたしました際に問題となったのは、社会保障というのは、昭和二十一年以降補助率は変わっていないじゃないか、それを変えるということになれば、まず個々の問題ごとに議論をして、それで一年かけて、その翌年からやった方がむしろ至当ではないか。この議論は随分いたしました。が、しかし、結局はまず暫定ということにして一年とし、そしてその後は、引き続き来年度の予算編成までにはこれにきちんとした答えを出そうというのが三大臣合意であったわけでありますから、短い間でございますが、まず最初に哲学論争ありきという議論はいたしました。その中にも沢田さんのおっしゃった、一年かかってそれをやった後でいいんじゃないかという議論もいたしましたが、結局今日の時点では、およそ一割カットがいわば費用負担のあり方として妥当であろうということで、暫定措置としてお願いすることになった。だから、何も議論しなかったり、また経過を追わないで、いきなりばさっとやったという性格では必ずしもないというふうに御理解をいただきたいと思っております。
#21
○沢田委員 では次に、会計検査院においでいただいておりますが、これは大蔵大臣も聞いておいてもらいたいのですが、これを拝見させていただきますと、今の補助金は、法律に基づく補助、それから恒常的な、いわゆる規則のもとのない補助、それから事業に対する補助、それから経費に対する補助、それに委託金ということで、要すれば国の会計から地方あるいは民間を問わずなんらかの形においてお金が行っている。その分の区分を明らかにすることはできないかどうか。
 まず、法律的に規制をされている補助金が一つあります。それからもう一つは、法律や規則はないけれども、それに準ずる補助金があります。それからその次は、投資的な一つの補助があります。それからあるいは経常費の補助があります。あるいはまた、これは事業補助に類するんでしょうが、委託金というような形で一つの目的のために金が使われる。これは委託契約をなすわけですから、さっきの事業補助とは性格は若干違うわけですが、そういうものがある。この区分はできているんでしょうか、それともできていないということになるんでしょうか、いかがでしょう。これはやっぱり大蔵省から答弁してもらいましょう。
#22
○平澤政府委員 補助金の区分のお話でございますけれども、今委員がおっしゃいましたうち、法律で補助すると規定しております法律補助と予算補助、この区分はできております。
 それから投資、経常の区分でございますけれども、これはそういう名前で区分はいたしておりません。ただ、計数的には拾うことができると思います。
 それから委託費というのは、これは区分しております。
#23
○沢田委員 じゃ、これは後で結構ですから、今じゃなくてもいいですが、ひとつその区分の明示をしてもらいたい。
 そこで、会計検査院の方にお願いするのですが、要すれば、補助金がその補助の目的に沿って行政の効果を上げているかどうか、この判断は、会計検査院としては業務の中身としてされているわけですか。これをお答えいただきたい。
#24
○門田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 国の歳出が経済的効率的に使用され、かつまた有効にその成果を上げているかということは、当然の検査の着目するところでございまして、補助金についても同様でございます。
#25
○沢田委員 では、この法律を契機として、これが今の状況では衆議院では通過する見通しの方が強いわけでありますが、これらの適否について今後、大変人も少なくてお仕事も多くて大変でしょうが、この補助金についてひとつ全面的な見直し調査、検査をやっていただけるかどうか。期間は、大変短いかもわかりませんけれどもこの暫定期間中に、抜き出しになるかもわかりませんが、それもやむを得ないでしょう。それは人と時間との関係で、できる限りの範囲内において今の種別ごとにそれぞれ抜き出し調査をやって、会計検査をやっていただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#26
○門田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 補助金の検査につきましては、御案内のように、一般会計予算総額の三割を占める多額が使われているわけでございますので、従前から検査には意を用いているところでございますが、今後とも力を注いでまいりたいと考えております。
#27
○沢田委員 建設省、ちょっと忙しいそうですから先にお伺いいたします。
 今公営住宅は大変あいているということが一つ。それからこの前の質問で、二DKはあけたままにしておいて、隣のうちがあいたら二DKを四DKとして使っていこうというお答えを実はいただいたわけであります。現実的にこれがどの程度進んでいるか、また大臣はそれをどう思っておるかということをお伺いしたいわけです。
 それから民間の住宅事情、これは後、春闘の方で聞くわけですが、どうも今年度の賃金上昇、五%内外という状況です。建設大臣に聞いてもと言っては悪いですが、しかし政治家ですから、この民間の今の百万戸内外の住宅状況で果たして景気にどの程度影響するかということはお考え及びだと思うのであります。後まだ経済企画庁からも聞きますが、公営住宅の二DKの扱いと現在の公営住宅があいているという現実と、これらをあわせて、どう反省というとまた言葉が言いにくいのでしょうが、どう再考されているのか、その点お聞かせいただきたいと思います。
#28
○木部国務大臣 今先生御指摘になりましたとおり、公営住宅の中には居住水準よりも大変低いもの、また古いものが少なくありません。したがって私どもこれから、充足の時代は終わりましたから、建てかえ等をあわせて増改築の推進のためにいかにして――今申し上げますようにもう充足の時代じゃございませんから、量と質の向上をさせるためにこれから公営住宅その他について大きな力を注いで推進してまいりたい、かように考えております。
 詳細につきましては局長から答弁いたさせます。
#29
○吉沢政府委員 お答え申し上げます。
 公営住宅の空き家でございますけれども、公営住宅のストックは百九十万戸ほどございますが、空き家は大体四万数千戸ぐらいが経常的にあるという状態でございます。もちろん地域差はあろうかと思います。
 それから公営住宅の住戸改善、二戸を一戸にするとかいうことでございますが、今大臣からもお話し申し上げましたように、公営住宅は非常に居住水準が低いということで、建てかえとあわせてこういう二戸一改造的なものをやっておるわけでございますが、こういう二戸を一戸に、あるいは三戸を二戸にするというような改築につきまして、改築後の戸数は大体千四百戸でございます。それから増築を含めた改善戸数は約七千五百戸でございます。今後ともこういうことで進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 なお、民間の住宅投資につきましては、昭和五十九年度では実質で大体三・一%ぐらい伸びるんではないかというふうに考えておりまして、六十年度では三・八%ぐらい伸びるんではないかというふうに考えております。戸数の面で申しますと、五十八年度で百十三万戸ということでございまして、これは過去十五年間の最低を記録したわけでございますが、五十九年度持ち直してまいりまして、現在のところ大体百二十万戸ぐらいになるんではないかというふうに考えております。六十年度はさらにこれを上回ることを期待いたしております。
#30
○沢田委員 経済企画庁に聞く前に、今の千四百戸と七千五百戸は雇用促進事業団等地の建設したものは含まれていない。要すれば住宅公団といいますか、は含まれてなくて、純粋の公営住宅だけである。住宅公団を含めるとどうなりますか。統計資料お持ちですか。
#31
○吉沢政府委員 申しわけございません。今手元に資料を持っておりません。後ほど御報告させていただきます。
#32
○沢田委員 では、これは建設省で調べてもらうのですが、私が公営住宅という指定をしたためにそうなったと思いますが、これは住宅公団も含めて検討してもらいたい数字なんです。空き家の数も同じです。
 それから、抽せん方法はこのごろは一定化しておりますからいいんでありますが、さっき言った二DKとして現在残っている数、これはどのくらいありますか。――首を振っているからわからないんだな。わからないんじゃしようがない。わからないものを答弁してもらってもしようがないので、ではわかるようにしてもらって、どういう計画で二DKが早く改造して二戸使えるかあるいは建て増しが可能か、そういう方法についてさらに促進をしていく、そういう建設省の立場にあるというふうに解釈してよろしゅうございますか。
#33
○吉沢政府委員 公営住宅の増改築については今後とも推進してまいりたいというふうに考えております。
#34
○沢田委員 これはカットされました法律の一つにもなるわけでありますが、その分はこれまた住民や市町村に特別負担をかけるということはない、従来の法律のままでいく、こういうふうに解釈していいですね。首を振っていますから、それでいいです。また改めて、さっき言ったようなもの、資料を集めてから聞かしてもらいます。
 続いて次の問題に経済企画庁あわせてお答えいただきますが、この春闘の見通し、どのようにまずお考えになっておられますか。
#35
○黒川説明員 お答え申し上げます。
 春闘は四月十日から金属労協を初め私鉄などの回答が出たわけでございますけれども、大体今のところ昨年の四・四六に比べては高目の回答となっています。賃金に関しましては民間企業の労使が自主的に決定するということでありまして、現在賃金交渉が行われている最中ですので、中小企業の賃金交渉も含めまして今幾らになるかということはすぐにはわかりませんが、そういう動きを慎重に見守っております。
 それで、春闘が一人当たりの雇用者所得とどういう関係になるかということでございますけれども、政府の経済見通しは直接春闘が幾らということは想定しておりません。ただ、雇用者所得といいますのは、春闘で決まるのが所定内給与でございますので、そのほかに残業手当とかいわゆるボーナスとかといった景気動向に非常に左右されるものがあります。そういったものを考えまして、一人当たり所得では大体五%程度ということを考えております。
#36
○沢田委員 例えば、五%内外なんですが、その水準でいったと仮定をした場合に、GNPあるいは国民所得、それから内需、どういう影響がそれぞれどの程度考えられると思っておられるか。これは経済企画庁ですか、お答えいただきたいと思います。
#37
○黒川説明員 お答えいたします。
 現在雇用者所得というのは一人当たりでは五%を考えておりますが、雇用者の伸びというのが一・八%ぐらい考えておりまして、全体で六・八%ぐらいということを考えております。
 ただ、これが消費にすぐにはいかないのですけれども、実質の消費を、大体四・一%ぐらいはいくんではないかと考えておりまして、そのほかに内需といたしましては、設備投資が技術革新関連を中心にしまして非常に力強い伸びをしております。これで大体八・五%ぐらいを考えておりまして、そのほかに、先ほどありました住宅も着実に持ち直しておりまして、これを大体三・八%というようなことでございまして、全体でGNPの伸びは四・六%ぐらいということで、一方、輸出の方は、やはりアメリカの経済が少しスローダウンするということもありまして、その伸びはちょっと低目になりますので、内需の寄与度といたしましては、全体が四・六%のうち四・一%が内需でいくのではないか、こういうふうに考えております。
#38
○沢田委員 人事院に来ていただいておりますが、おられますね。
 結果的に、今の状況では公務員の労働の質というものを民間と比較をして賃金を決めていくということですね。その点もう一回、いわゆる公務員給与を決める基礎、基本は何か、ちょっと復唱してもらいたいのです。
#39
○鹿兒島政府委員 よく御承知のとおりでございますが、民間企業の対応職種の労働の質と、これに対応いたします国家公務員の労働の質というものを比較いたしまして、官民の給与を均衡させるという考え方をとっております。
#40
○沢田委員 時間が極めて短いので結論的に言っていきますが、今設備投資が八・五だ、こう言った。これによって付加価値が物すごく民間賃金の中には変わってくるものがありますね。
 私が今言おうとしているのは、文部大臣もおりますが、これは私の主張なんですが、学校というのはプロセスが大切なんです。結果がいいことじゃないのです。十の能力を持っている者が八しか能力を出さなければ、これはだめだ、こう先生はつける。六しかない者が一生懸命八まで頑張れば、これはようやったということになるわけです。これがいわゆるプロセス。プロセスでどう努力したかという跡を評価する。民間へ行けば結果がよくなければだめなんです。幾ら一生懸命まじめに早退も欠勤もしないできたって、結果が商売が赤字になればこれはどうにもならない。民間は黒字にすることが最大の目的なんです、手段を選ばず。だから贈収賄が盛んに行われるわけなんです。要すればそういう仕組みにある、結果がそうなる、こういうことを言っているのですよ。目的が、結果が民間は非常に大切になる。国鉄だってそうだ。赤字になったのじゃこれは何にもならない。これは今まではそれで済んでいたけれども、民間企業だったら赤字になればつぶれてしまうのですから、もう民間企業になったら、どういうことであろうとなかろうと、歯を食いしばろうと、飯を食わなくとも、それは黒字にするように努力しなければならぬという宿命を負っている。これは自由競争の現実なんです。そういうことがこれにはある。
 公務員は、じゃその間にあってどういう質を持っているのかなというふうに思うのです。あなたはそのどちらの側に公務員はあると思っていますか。結果の答弁がいいからあのやろうずぼらだけれども立派だ、こういうことになるのか、あるいは答弁は下手くそだけれどもこつこつよくやっているという方をいいとするのか、あなたとしたらどちらをとるのですか。
#41
○鹿兒島政府委員 公務員の場合は、言うまでもございませんが、勤務能率を最大限に発揮するということが基本的な目的でございまして、それにふさわしい給与体系を編成いたしたいというぐあいに考えております。
#42
○沢田委員 だから、今言ったようにプロセス、途中が大切で、結果は少しぐらいずっこけても、悪いことしないでまじめに一生懸命勤めていれば、だんだん昇給もしていくし、退職金ももらえるし、年金ももらえるし、まあ悪いことしないで、我慢して、文句言われようがこづかれようが、とにかくじっとしていこう、こういうことが一つのスタイルとして出てくる。ばくちを打つという条件は生まれてこない。そのかわり、だから常時監視の目が強まっておる。そういうプロセスも公務員には求められる。結果もまた求められる。いわゆる仕事をやっても国民に納得をさせるという一つのサービスがある。ただ結果が、橋をつければいいのだ、あるいはなにができればいいのだというものじゃない。やはり公務員には、それだけに住民に納得してもらう一つの努力の過程が必要になっている。
 そうすると、民間賃金と比較をするという、いわゆる利益主義だけでもない。また、学校のようにプロセスだけが、一生懸命ただ骨折って穴掘りして、何のことはない、むだな穴を掘っていたということになっても、これもよくない。ですから、公務員というものの賃金はプロセスとプラス結果である、こういう評価がやはり賃金の中につくられなければならぬと思いますが、いかがでしょうか。
#43
○鹿兒島政府委員 公務員の給与のあり方につきましては、いろいろ議論がございますことは御承知のとおりかと思います。私どもが従来考えておりますのは、公務員と民間の企業の対応する職種の均衡を図るということで、これにつきましても、今お話がございましたとおり、議論はございますが、私どもは、これが大方の納得を得たものということでこれまでの勧告をしてきたわけでございます。お話がございましたような公務員の勤務の特殊性あるいはその責任という問題につきましては、給与はもとよりでありますけれども、その他手当、調整額等で十分配慮をしているつもりでございます。
#44
○沢田委員 まだ僕の言っている内容が認識不足だ。だから、民間でいけば相当荒っぽい、荒っぽいという言葉がいいかどうか、世渡りが荒っぽくても別に問題はない。あるいは、つけ届けがあろうがなかろうが、民間ならそれほど気にしない。しかし、警察官であれあるいは裁判所であれあるいは税務署であれ、隣のうちは何だろうというふうに、何とはなしに常に監視の中に生活をしている、こういう状態は公務員全体の一つの状況ですね。何か宅送便でも使おうものなら、近所じゅうの奥さんが目をむいて見ているという状況もなくはないわけです。民間ではそんなことは平気の平左ですね。トラックで来ようと別に問題ではないわけです。
 そういう点で、公務員の賃金判定の中で、いわゆる格子なき牢獄にいるという状況がどう判断をされているか。こちらはこう言っているけれども、あなた自身だって格子なき牢獄にいるわけです。選挙民から、あいつ何やっているんだろうなというような状況では、政治家も同じ状況にある。そういうことでありますから、民間賃金とだけ同じであればいいという論理では決まらないものがある。それ以上の一つの苦痛が加わっているんだということをあなたが理解してくれるかどうか。あなた自身の生活実感から、そういうものを感じているかどうかをひとつ聞きたいわけだ。
#45
○鹿兒島政府委員 公共の福祉のために勤務をするという性格からいたしまして、さまざまな制約が課されておることは事実でございます。したがいまして、そういった点も十分配慮しながら、例えば給料表を現在十六種類も設けまして、例えば、警察官であれば公安職、税務職員であれば税務職給料表ということで、それぞれ水準の差を設けて措置をいたしております。
 御指摘がございましたような公務員の特殊性につきましては、給料表なりあるいはその他の諸手当等を通じまして、今後ともこれを反映させるように、我々も研究し、また努力してまいりたいと思います。
#46
○沢田委員 おおむね私の意見がようやくわかっていただいたようでありますから、その点を十分、やはり単なる民間賃金との比較ではないということを、公務員には公務員の特性があるということをひとつ理解していただきたいと思います。あなたはもうこれでお帰りいただいて結構です。
 次に、建設の方でちょっとこの間、河川の改修問題で蓑輪女史がお聞きになられました。今度公共事業の負担が減らされることについて、これも従来の主張ですが、まず第一に、道路と河川と公園と下水道、建設大臣、この四つを比べてみて、今の日本はどれからとっていくことが妥当なのかということをまずお伺いしたい。――もしいなければ、当局でいいです。
#47
○豊蔵政府委員 お答えいたします。
 ただいま例示として挙げられました各事業、やはりそれぞれ重要なものでございまして、一概にどれからというふうに区別はちょっといたしかねるかと思います。例えて申し上げますと、道路の場合は……(沢田委員「わかった、わかった」と呼ぶ)よろしゅうございますか。
    〔堀之内委員長代理退席、委員長着席〕
#48
○沢田委員 わからないというのなら、のこのこ来てそう長ったらしく答えなくても、首振ればそれでわかりますからね。
 大蔵大臣、大概矢面に立つようになりますが、道路と河川と下水道と公園、これがいわゆる社会資本の大きなもの、まあ住宅もありますけれども、一応そこは除いて、社会資本の土地基盤に関係するものについて、今の政治体系の中に何を重点として考えるべきか、もし竹下大蔵大臣として順番をつけるとすればどういう順番になりますか。
 自治大臣にも聞きますからね、ぼんやりしてないで、お願いします。
#49
○竹下国務大臣 これは予算の多寡だけで論ずるわけにもいきませんので、私はやはりローカル、地域によって大変違うと思います。
 これは実際問題として、私どもの島根県のようなところは、窓をあげれば全部公園でございますから、そうなりますと、やはり陳情の数から見ますと七対三、七が道路でございます。それから河川、下水道、公園という順序に普通なります。都市へ参りますと、これが逆になってまいります。公園と下水道は同じぐらいな人数でございましょう。それから河川は、都市になりますと、いわゆる都市河川、すぐはんらんする、それが問題になります。道路は今度は、基幹道路というよりも、むしろ都市へ行きますと、交通安全対策に類するようなものが多くなる。したがって、どれがどれとも言えませんが、地域によってそれぞれ順位が違うんじゃないか。
 下水道ではいつも思いますけれども、四千万人までの人口のときには、日本は真ん中に山がありまして、雨が面積当たりちょうど倍降りますから、そして川が急流でございますから、まあ汚物を適当に太平洋と日本海へ流しておった。フランスの場合は緩やかでございますから、ジャン・バルジャンの昔から下水道の中へ逃げ込んでおる。したがって、人口が一億を超し、都市集中が起こったから、急激にこの下水道のニーズが高まったから、相対的に見ると、比率はおくれておりますが、進度は他の公共事業よりも少しスピードアップされておる。こんな感じで、もう十年前の建設大臣が申し上げたわけであります。
#50
○沢田委員 では自治大臣。
#51
○古屋国務大臣 私ども選挙をやっておりますと、一番陳情の多いのは道路でございます。もう国道の問題、県道の問題、まあ町村道の問題は余り陳情はありませんが、県道と国道の問題が非常に多うございます。
 それから一般的に見ますと、下水というのが、中小といいますか都市の間では非常に強い要望が出ておりまして、全国的に三割いくかいかぬかというときでございますので、これはぜひ文化国家としては私はやってもらわなければならぬと思っております。
 それから河川は、実は私は木曽川の治川におりますが、河川の問題は極めて大事でございまして、ただ、水の問題というのは、実は私の地元に、水道の料金が非常に高過ぎますので、今交付税で見てもらうように話しておりますが、そういう飲み水がないとこれは一番文化生活に影響いたしますので、選挙的に見ると私は失礼ですが道路の問題だと思っておりますが、ただ、日本の文化の発展する上におきましては、その水の問題、これは上、下の水ですね、簡易水道それから下水。それから公園は、岐阜県のようなところは自然にたくさん公園がありますから、私の見方では、ちょっと文化的でないかもしれませんが、道路、それから河川、下水ということで、公園はその次にあるかと思っております。まあ一生懸命そういうことを地方に行って一層勉強したいと思っております。
#52
○沢田委員 文部大臣は過密県でありますから、文部省のことばかりじゃなく、政治家としてはこの順序をどういうふうにおとりになっておられますか。聞いてなかったかと思いますから、道路、下水道、公園それから河川、この四つについて……。
#53
○松永国務大臣 私のところは全部必要だ、こう思っております。
#54
○沢田委員 その中で、一つずついくわけですが、道路は便利過ぎると不便利になる。――建設省の人は少し前の方に出てきて、後ろの方に引っ込んでないで。これからみんな聞くんだから。
 道路というのは便利過ぎると不便利になる。事故も起きてくるし、道路の拡張によってスピードも出てくる。だから、ある一定の、外国並みに一方通行が多くなってきておりますけれども、これは今の大蔵大臣の言をかりれば、ギリシャの時代から向こうは馬車で歩いた、日本はかごで歩いたんだから、道の幅が違う。そこから日本の道路の歴史が違ってきている原因があるわけなんですから、そういう意味において、ただ広げることのみがすべてではない。かえって私は、このごろは広げることよりも、もっとそのままの状態で走らせる方がスピードが出なくて済むというふうに思っているぐらいですから。これは答えは要らない。あなた方の言う、今道路財源が余ってしまってしようがないからどんどん使っているという状態では、これは行革対象の、後藤田さんの方の仕事ですよ。道路の特定財源が余ってしまって、使い道がなくなってきているという状況をしっかり見ていてもらわなければ困るということ。
 それから、その次には河川。これは答えてもらわなければならないのですが、河川については都市計画というものがない。例えば、この河川は三百年に一回の台風を対象として考えるというならば、その幅員を都市計画線で設定をする。そして、その線までは建造物の建築をある程度制限をする。今河川の改修が進まない最大の原因は、用地買収ができないということである。だから、用地買収をするためには、都市計画と同じように百年計画で都市計画線を、河川幅をつくって、その間はいわゆる遊水地にしながら建造物の規制を行っていく。こういうことがまず一つ大切な要件なんですが、まずその考えはありますかどうか。
#55
○豊蔵政府委員 河川につきましては、御案内のように二十一世紀を目指しまして、重要な大河川につきましては概成する、あるいはまた都市河川等につきましては時間雨量五十ミリ程度を目標にいたしまして、何とか二十一世紀に対応しようということで、長期的な計画に基づいて実施しておりますが、ただいま御指摘のように具体的な河川につきまして、都市計画のような、いわば河川予定地制限令といったものを活用して事業を進めやすくするといったようなことにつきましては検討はいたしておりますが、御案内のように最近の都市化は非常に激しいものがありまして、今直ちにそれを具体の地域にできるかどうかといった点で悩んでおるというのが実情でございます。
 ただ、その際、総合治水対策といいまして、河川そのものだけではなくて、周辺の地域も一緒に遊水地的な効果を果たすとか、いろいろな工夫を凝らしながら、少しでも効果を早く上げるように努力はいたしております。
#56
○沢田委員 答弁になっていないんだ。毎時五十ミリなら毎時五十ミリと言ってみても、勾配も御存じのとおり、これは幅員と速さだね、それが水の量を決めるわけですよ。ですから、我々関東平野なりそれぞれの平野に住んでいる者の立場に立ってみれば、水の流れは速くするわけにはいかない。東京湾の水を低くしたり、太平洋の水を低くするわけにいかないのだから、そこの流れは決まっているわけだ。海抜七メートルなり八メートルということになれば、これは荒川ならAPになるし、APにすれば四メートルぐらいになってしまう。そうすると毎時五十ミリの雨でも、その勾配というものはえらい違いがある。だからどうしても川幅を広げるか堤防を上げるか、こういうことになるわけだ。だが、堤防を上げれば内水面現象が起きる。
 では、内水面現象の責任はどこにあるとあなたは考えておりますか。まずそこから聞いていきましょう。
#57
○豊蔵政府委員 私は専門家でございませんので詳細は存じませんが、最近における急激な都市化等によりまして出水のスピードが速まった、そういったことで河川の本流に十分吸収し切れないで生ずる面が多いのではないかと考えております。
#58
○沢田委員 我々が聞いているのは学者の話を聞いているのじゃなくて、毎日毎日それによって国民が困っているものをどう解決するかということ、それこそプロセスが大切なのではなくて結果が大切なんだ、これは。災害で迷惑はかけませんよとあなたに言ってもらいたいのだ、僕の方からは。それを段階的に今言っているわけなんで、ただ堤防を高くすれば内水面現象がより起きますよ。そうすると、千分の五くらいの勾配のところではいや応なしに拡幅をしなければその雨量を吸収することはできません。
 では、あなたが学者かどうかもう一つ聞いてみるが、荒川にある横堤というのはどういう役割を果たしているとあなたは−河川の担当はいないのかな。建設省いないのか、答えられる人。荒川の横堤は何のためにあると考えているか、答えられる人があったら出てほしい。――委員長、これは保留だ。後で質問をします。河川の担当者を呼んできておいてください。それはちゃんといなければおかしいよ。
#59
○越智委員長 後で答えさせます。
#60
○沢田委員 これは建設大臣を呼んでも無理なんだろうと思うけれども、これは基本的な問題なんだ。ですから、大臣にも後で来てもらわなくては困ると思うのです。
 次に行きます。
 国家公務員等の共済年金問題がいよいよ課題になりつつあり、報道によれば、きょうあたりの閣議で提案するともしないとも言われているわけですが、若干つけ加えてみれば、この会期末に来てこれほど国民生活に重大な影響を与える法案をそこはかとなく出してくるというのは少しいかがなものかというふうに思うのであります。ですから、次の通常国会等に提案して十分に審議時間を設けられるような対応のもとにするべきだろうとまずもって言えると思いますので、その点、政府の見解を承りたいと思います。
#61
○竹下国務大臣 国共審の答申を八日にもらいまして、それから社会保障制度審の答申を十日にもらいました。したがって、この法案を出せる、そういう手続法上の措置は終わったわけでございますが、本日の閣議にかけるという段階には至らなかったということでございます。
 その提出のあり方につきましては、おっしゃるとおり、会期末に持ってくるとはおよそ誠意も疑われるじゃないかということになろうかと思っておりますが、私どもの立場からいうなれば、昭和六十一年の四月一日にいわばこの制度改正がスタートするといたしますならば、何分多岐にわたる、まあ人数も多うございますし、したがって、その諸準備のための時間というものが欲しい。だから可及的速やかにこの問題をこの国会で処理していただきたいという期待権をもって提案をするという考え方になっておるわけであります。
#62
○沢田委員 一つだけなんですが、提案する場合に、これは皆関係するのですが、地公も同じく関係するのですが、共済年金の第一条の改正なく提案することは、私は、まずもって許されることではない。今回の改正は、内容的にはそれぞれ厚生年金、国民年金並びとされているようであります。しかしながら、それぞれ審議会の中で第一条は変わっていないと私は聞いているんであります。
 第一条というのは御承知でしょうけれども、厚生年金は雇用と保険金が基本です。それから国民年金は憲法に保障された健康で文化的な生活、基礎年金はそうなっております。それから同時に公務員法の方は、業務の運営に寄与した者が年金をもらえる資格を持つんだというふうに性格づけがされておる。だから一本化をする以上は、この性格がやはりきちんと整理されないと、本物の統合化への道筋はできない。今のままで中身だけ変えていくということでは偽装になってしまう。その点ひとつ大臣の御見解を承っておきたいと思います。
#63
○門田(實)政府委員 今沢田委員からお話がありましたとおり、各法それぞれ、第一条にその目的をうたっておるわけでございます。国家公務員等共済組合法におきましても、その第一条におきましては、そういった必要な年金制度を設けるということと同時に、当該国家公務員等の職務の能率的運営にも資する、こういうことを先生御承知のとおりうたっておるわけでございます。
 したがいまして、今度の改正におきまして、国家公務員等の年金を厚生年金等に合わせていくということでございますが、やはりそこに国家公務員独自のその特殊性に応じたものは何か設計されるべきである、こういうふうに考えまして、いわば公務の特殊性を織り込んだ職域年金的なものは今回の共済年金でも設計してまいりたい、かように考えております。
#64
○沢田委員 だから、それを上乗せするという形でいくと仮定をしてみた場合でも、第一条とは別な条文の中にそれは生かすべきである。いわゆる基礎年金プラス報酬比例部分までは皆同じでいかなければならぬでしょう。あるいは雇用契約なりのものは条件は同じでなければならぬ。その上に積む二割なら二割の職域年金部分については、別の項目として起こすべきでしょう。それが基礎年金からの分の第一条の中に含まれるという今のやり方というものは妥当でない。今あなたの答えがそういうことでございますから、つい中身に入ってしまうんだが、そういうことにはならないと思うのですが、いかがですか。
#65
○門田(實)政府委員 従来から、この国家公務員等共済組合法の第一条の解釈といたしまして、この第一条が包括して公務員の年金の性格をうたっておる。つまりそれは、従来はそういうふうに一階、二階、三階というふうに分かれてなかったわけでありますが、全体として、年金としての必要性、また同時に国家公務員の特殊性、全部一条に織り込んである、こういうふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、今回の場合もこの第一条の中で、いわば基礎年金、それから報酬比例年金部分に見合うもの、それから第一条の後段にございます公務員等の職務の能率的運営に資する、ここのところをいわば職域年金的なものとして加算する、こういうことでよろしいんではなかろうかと考えておるわけでございます。
#66
○沢田委員 こういうところへ来て我々が言っているのは、今までの状態を継続しろと言っているんではなくて、今までやってきている状況においてはこういう間違いがあるんですよと言っているんだから、素直に受けとめてもらわなくちゃ。基礎年金に懲罰が入れられますか、罰則規定が入れられますか。入れられないでしょう。報酬比例部分も同じように入れられないでしょう。あとは職域年金の中だけでしょう。だとしたらそういう分類をしなけりゃならぬということを素直に肯定しなさいよ。第一条で基礎年金も入りますよと、報酬比例部分も入りますよと、そういう言い方をして審議会か何かやっているようだったら、もうやめてもらった方がいい。それは根本的に違うし、あなた自身の考えておることが共済年金を扱うに不適当だよ。だから、基礎年金に業務の能率的運営は入らないでしょう。報酬比例部分に入らないでしょう、厚生年金並びだから。そうすると、職域年金部分についてだけ影響するということでしょう。それを第一条で包括的に含めるということが不適当だということはわかるでしょう、どうですか。首を縦に振りなさいよ、時間の関係で。
#67
○門田(實)政府委員 お話としましては先生のおっしゃったお話が正しいんでございます。(沢田委員「そのとおりでいい。そこまででいいよ」と呼ぶ)そのとおりでございます。ただ、従来それを一条に全部含んで規定しておりまして、今おっしゃいますとおり基礎年金、報酬比例部分は厚年並び、あと一条の後段の部分を職域年金として設計しておるということで、考え方は同じだと思います。
#68
○沢田委員 だから、考え方が同じならば第一条で包括をするところに問題がある。例えば基礎年金にまで懲罰は及ばない、そうですね。報酬比例部分についても懲罰は及ばない、これはそのとおりですね。今あなたが首を振ってもこれは政府の見解にはならないんだけれども、まあ一応担当者が……。
 大蔵大臣、どうですか、ここだけは確認しておかないと。これから閣議でこのままでいきそうですから、今のうちに確認しておかないと、そのままで提案されてからでは政府や与党の面目もあってなかなか変えがたくなると思うのです。ですから、第一条の部分は、もし業務の運営の――例えばお巡りさんが悪いことをした。今随分多いですね。そういう罰則は、その上の職域年金部分にしか相当しない、影響を与えない。だとするならば、第一条の前段は、基礎年金、報酬比例部分以外の部分にしか適用しない、こういうことになるんだから、第一条を変えて別条を起こさなければならぬでしょう、こういうふうに私は言っているわけです。大蔵大臣、じゃこれは要望しておきます。大蔵大臣、そっぽを向かないで、どうぞこっちを向いてもらって、今の点をしっかりと再確認した上で提案のときには配慮してほしい、こういうことをお願いします。
 後の方が五分か十分くれると言いましたから、河川局が来たら少し――じゃ、もういいや、しようがない。
 じゃ一つだけ。河川は、これからの河川に対応するためには百年に一度を三百年に一度に切りかえているわけだ。その三百年に一度の対応をするためへの幅員、特に関東平野、濃尾平野、各平野においては、勾配が千分の五とかなんとかというように非常に勾配がない、だからいや応なしに断面の拡張を必要とする。そういうところには河川計画線というものをつくって、そしてその中の関発行為については規制をしていく、そういう方法をとって、現在の用地買収の困難性を百年計画で緩和をしていく、こういう方法が必要だと思うが、その考え方はあるかどうかということを聞いているわけだ。すぐ答えてください。
#69
○豊蔵政府委員 先生から御提案の方法、十分勉強さしていただきたいと思っております。(「名答弁」と発言する者あり)
#70
○沢田委員 本当に米を持ってきちゃうような答弁だね、メイの字は。それはそれで結構ではないんですが、しょうがないですね。
 次に福祉の問題でお願いいたします。厚生大臣はいないんですね。
 じゃ、大蔵大臣に最後聞くようになりますが、今度の補助金の一括カットと同じように中央の補助金についての見直しカット、これはどの程度の時期に成案を得ようとしておられるのですか。中央における今までいじらなかった補助金についてやはり見直しをする必要があるんだろうと思うのですね。さっき私はまず法律的にこう区分をしなさいと言ったのですが、中身についても考えるべきものが相当あるのじゃないか。
 この間もいろいろ言われておりましたが、防衛庁を目のかたきにするわけじゃないのですけれども、ちょっと防衛庁の問題なんかもなくはありません。その団体の比較も非常に微妙なものがあるというようなことで、これは防衛庁ばかりじゃなくてその他の団体にもたくさんあるわけですよ。ですから、そういうものもやはり見直しをする、でなければ公平でないのですね。国民感情として、福祉は切り込まれましたよ、被害は与えないけれども地方に負担はかかりますよ、しかし中央だけはのうのうとしてますよということでは、これは筋が通らない。もし地方もこうやるなら中央ももっと厳粛に補助金についてそれだけの耐乏に耐えてもらわなければならぬ、そういうことが基本的な問題として必要になってきていると思うのです。
 ですから、これをどの程度削りたいのかわからぬけれども、十四兆の中で義務的なものはどれだ、任意的なものがどれだけあるか、その中からどれだけ見直しをしていくか、こういうことは当然必要でしょう。その意味において、中央の段階の福祉や教育やあるいは公共事業に、地方にだけ犠牲じゃないけれどもしわ寄せを寄せて中央だけはそのままですというのはまずい、やはり中央においても同じようにバランスをとっていくということをしなければ説得力がないです。そういう点についてのお答えをまずいただきたいと思います。
#71
○竹下国務大臣 いわゆる地方公共団体を通じない補助金というのが約二割ございます。その中に、もとより法律補助のものもございます。それからじかに行います国の事業というものもございますが、沢田さんの御指摘は主としていわゆる財団法人等々の民間団体に対する補助。
 この委託費というのが一つありまして、これは対価を求めるわけですね。何か出してくださいという反対給付を求めておる。これは年々その目的によって変わってもまいりますが、一般的な団体補助につきましてはいわゆる一割削減がずっとかかっておりまして、かなり減ってきておることは事実です。ことしも三角が立たなかったのはほとんどなかったと思いますから。あるときは金額ベースで一律一割という方針でこれに対処しまして、その後引き続きそういう方針がかかってきておりますから、この数カ年においてかなり削減されてきておる。
 なおしかし、この問題についてはこれからも、もう目的を終わったものはもちろんやめますし、その奨励の度合いが進行してきたものはもちろん率も下げてまいりますし、具体的に整理したのがございましたけれども、ちょうど今私は持っておりませんが、そういう方向で進んできておることは事実であります。
#72
○沢田委員 信用しないということではなく――信用しないんですが、この一年という暫定措置が果たして守られるかどうかというと、じゃかわるものができなければだめなんじゃないのかという危惧があるわけですね。かわる財源が出てこない限り、その手法を変えることはできない。もしこのままの「増税なき財政再建」で続けるとすれば、その形態はより強まればとて楽になる条件はないと解きざるを得ないんですね、今の状況でいきますと。それはそういうことにならざるを得ないですか、いかがですか。
#73
○竹下国務大臣 三省協議して結論の出る前に予測として申し上げるのはいかがかと思いますが、財政を取り巻く環境はより一層厳しいものであるという事実認識の上には立っております。
#74
○沢田委員 そうしますと、今我々が危惧しているように、この暫定措置一年がもし続くということであればこれは大変なことだ、福祉においても生活保護においても今は影響ないと言っていますが、自治体に入っていけば、これはだんだんにじみ出るしわ寄せは弱いところへ弱いところへと、水が高さから低きに流れるがごとく、その力関係において弱いところへしわ寄せをされることは必至なんですね。これは大臣、この原理はおわかりいただけるだろうと思うのです。長期化をすればするほどそのしわ寄せは弱いところににじみ出ていくということになるわけですから、この一年ということが確実に守られて、そして対応できるように措置を切に望んでやまないわけでありますが、その点、最後にお答えをいただきたいと思います。
 あと二分しかありません。国鉄が来ていますから、あと国鉄の方で。
 私も国鉄に大変お世話になっているわけでありますが、別にお世話になっているといっても就職しているわけではないのであります。二十年余前にいたというだけのことではありますけれども、やはり出先でありますから、国鉄が健全に立ち直ってもらわなければならぬ。どうも世間から余りよくは言われない、三悪人の一人みたいに言われてきているということは、我々も肩身が狭いという感もなきにしもあらず。そういうようなことで、財政再建の中にある国鉄としても大変だろうと思うのだが、私鉄はあれだけの賃金を何だかんだ言いながらまとめていっているんですね。国鉄も、その関係においてはぜひ、そういう不測の事態を生じないようにしながら再建へ向け、同時に国民の納得の得られるような方法で対応してもらいたい。経営者もひとつ顔を洗い直し、これは労使ともどもでありますが、その国民に信頼をから得るような方途をとってもらいたいと切望するわけであります。その点についてお答えをいただいて私の質問を終わりたいと思います。
#75
○竹下国務大臣 まず私から……。
 今仰せの、一年かかって社会保障に関してはきちんとした答えを出します、こういうことを申し上げておるわけでございます。その方法については、国会の議論等を踏まえた上でどのような方法で検討を進めるかということは定かに決まっておるわけではございませんが、その方向で一年間かかっての努力が実を結ぶようにこれからも心がけていきたいと思っております。
#76
○長谷川説明員 お答えいたします。
 ただいま六十年度のベースアップ問題につきまして組合側と交渉中でございますが、御承知のとおり、国鉄の財政状態は賃上げができるような状況にはございません。
 ただ、昨年度私どもといたしまして経営努力を精いっぱいやっておる次第でございまして、例えば要員合理化にいたしましても、年度首二万五千人の要員削減計画を立てたわけでございますが、これをかなり上回る実績ができたものというふうに確信しておりますし、あるいはまた余剰人員問題につきましても、先般四月九日でございますが、決着を見まして、その結果、昨年度末の退職人員を締めてみますと三万人を上回る退職人員がございました。我々といたしまして、精いっぱいの自助努力をやっておるつもりでございまして、その辺の実態をどのように評価するか、検討中なんでございますが、ただ、いずれにいたしましても、国鉄の新賃金問題の解決に当たりましては国民の御理解がどうしても必要なのでございまして、その点、どうも一部組合が十七日にストライキを構えているというような状況もございまして、これでは国民の御理解を得るわけにはいかないということで、ストライキの中止方につきまして今強く申し入れておるところでございます。
#77
○沢田委員 その点は不満でありますが、その他の皆さんには御苦労さまであります。
 終わります。
#78
○越智委員長 細谷昭雄君。
#79
○細谷(昭)委員 私は、ただいま議題になっておりますいわゆる国の補助金合理化特例法に対しまして、関連の質問をいたしたいと思います。
 まず、お尋ねしたいと思いますのは、政府提出法案と、それから議員立法主言われます我々が出します立法府からの議案がございますが、この政府提出法案と議員立法による法案の問題について最初にお伺いしたいと思います。
 議員立法と申しますのは、これは我々がそれぞれ国民の負託にこたえまして、必要と思われる点をその都度、その地域の問題、そのときの問題について立法化するものでございますが、政府はこういう議員立法について基本的にはどんな立場でお考えであろうか、その点をまずお伺いしたいと思います。
#80
○竹下国務大臣 国会は唯一の立法機関でございますから、政府にも提案権はございますが、当然のこととして議員立法というのは法律に基づいて提出されるわけでございますから、これは尊重すべきものであります。もとより唯一の立法機関ということであるという事実認定に置くべきであると思っております。
 ただ、多少詳しく申しますと、「各議院又は各議院の委員会は、予算総額の増額修正、委員会の提出若しくは議員の発議にかかる予算を伴う法律案又は法律案に対する修正で、予算の増額を伴うもの若しくは予算を伴うこととなるものについては、内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。」という条項があること、五十七条の三、これも承知しております。
#81
○細谷(昭)委員 この五十七条の三の規定に従いまして、それぞれ政府は意見を述べることができるという条項がございますが、今回の百二国会におきまして、私どもはいわゆる地震財特法と言っておりますが、これは非常に長い法律の名前でございます。地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律という長いものでございますが、この法律は六十年三月三十一日に切れるという時限立法でございました。しかしながら、この法律の期間延長という点で、災害対策特別委員会としましては与野党一致でこの期間延長の議決をしたわけでございます。
 同じように、私どもが山村振興法と言っておる法律がございますが、山村振興法も同様に日切れ法案でございました。これについても議決をいたしましたが、この二つの議員立法に対しまして、地震財特法の場合は、三月二十六日でしたが、国土庁の長官が、いわゆる五十七条の三に基づく意見として「やむを得ない」ということを申したわけでございます。
 私は、こういう五十七条の三に基づいてやむを得ないという政府の態度はまことに腑に落ちない、このように思うわけでありますが、国土庁は今もやむを得ないと思っておられるのかどうか、まず最初それをお伺いしたいと思います。
#82
○杉岡政府委員 お答えいたします。
 先般、地震財特法が国会の御意思によりまして延長されたわけでございます。この段階におきまして政府意見をその後取りまとめたわけでございますが、現下の非常に厳しい財政事情、あるいは今までの内閣意見の先例、こういったものを踏まえまして、やむを得ないという御意見を申し上げたわけでございます。この法律が現在可決成立いたしております。我々昭和六十年度から五年間さらにその緊急整備事業を進めるわけでございますが、これについても我々といたしましては鋭意積極的に進めるというつもりでございます。
#83
○細谷(昭)委員 重ねてお聞きしますけれども、やむを得ないという意味は、これは今回修正をしてさらに五年間延長するのはやむを得ないというのか。それとも、こういう法律を出されることによって金がかかる、その金がかかるのに対してしようがないというやむを得ないなのか。これはどちらにかかるやむを得ないですか。
#84
○杉岡政府委員 お答えいたします。
 やはり予算を伴う法律の提案について御意見を申し上げたわけでございます。
#85
○細谷(昭)委員 今、国土庁の考え方が、予算を伴うという点でやむを得ないということを申したというふうにおっしゃいましたが、私は、国土庁のその考え方というのにももちろん問題があります。しかし、予算を握っておるのは残念ながら国土庁ではございません。大蔵省というのが日本の財政上の仕組みでは予算を握っておるわけであります。その大蔵省の考え方をこれは十分に徴した、いわばおもんぱかったといいますか、遠慮したといいますか、そういうやむを得ないという発言になるのではないか、このように思うわけでありますが、まずこの際、大蔵大臣がそういう意味のやむを得ないということを、これは災害対策特別委員会の五十七条の三における国土庁長官の意見として言ったのである、言わせたのではないか、このように考えますが、こうした議員立法に伴うところの予算上の問題について大蔵大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思いますし、具体的には、山村振興法なり今言ったこの地震財特法に対するやむを得ないという考え方が妥当なのかどうか、この点について、お考えを説明していただきたいと思います。
#86
○竹下国務大臣 私の答弁であるいは満足な答弁にならぬかもしれませんので、場合によっては、主計局次長から追加してお答えを申し上げますが、これは予算の増額あるいは予算を伴うことになるものについて、内閣に対して意見を述べる機会を与えなければならない。ねばならないというのが国会法にありまして、したがって、内閣意見でございますから当然のこととして閣議に付すわけです。
 しかしながら、閣議に付す場合は、きょうこういうことがありそうだということを前提に置いてあらかじめ閣議に付すこともございますけれども、その閣議に付す従来の形式は、これはやむを得ない、こういう形式になっておりますが、これについては、いわば国会が全会一致で国権の最高機関の意思決定がなされたものにやむを得ないというのは非礼ではないか、何かいい言葉がないかということで議運で一遍議論していただきまして、なお今議論の途中じゃないかなと思いますが、何か木で鼻をくくったような感じも与えますし、しかし、理屈からいいますと、今の場合いわゆる地域特例は逐次廃止していきなさいよ、こういう答申なんかがありますので、そういうことからすればやむを得ないという答弁が限界かもしれませんが、そこのところを工夫をして、どういう表現が適切かというのは、私の記憶に誤りがなければ、議院運営委員会の方で折々相談していただいておるように、たしか私はそういうふうに記憶しております。
#87
○細谷(昭)委員 私も、議院運営委員会でこういう議論をしておることは仄聞しております。
 問題は、物の考え方としまして、最初に申し上げましたとおり、政府提出議案と議員立法というものに対して、確かに予算を伴うものについては意見を申し述べるということになっておりますけれども、少なくとも大蔵省はそういう差をつけてはならぬというふうに思うわけです。したがって、こういう五十七条三の事項によるところの意見も、そういう点では議員立法に対して誠心誠意いわば予算上の措置をすべきではないかと考える次第でございますが、これについても後ほど大臣から御答弁をいただきたいと思います。
 そこで、具体的な問題に入りますが、この地震財特法について若干質問したいと思います。
 地震というのは自然災害でございます。しかも、いつ起きるかわからない。昨四月十一日の未明ですか、伊豆沖を震源地とする地震がありました。私は宿舎におりまして、かなり長い地震だというふうに大変恐怖を感じましたけれども、このようにいつ起こるかわからない、こういう性質を持っているわけであります。
 したがって、政府は昭和五十三年に法律第七十三号によりまして大規模地震対策特別措置法を制定いたしまして、地震防災対策強化地域の指定を行ったわけであります。指定された地域の人々は、まことに不安な毎日を過ごしておると思います。したがって、この法律を補完するために五十五年から五年間、六十年三月三十一日までということで議員立法で地震財特法を制定したわけでありますけれども、残念ながらこれが六十年三月三十一日までに十分所期の目的を達することができなかったわけであります。
 お聞きしたいと思いますのは、この進捗率はどうなっておるか、この点をまずお伺いしたい。さらに、このおくれておる原因は、一つに何であるのか、これを国土庁と大蔵省の両当局にお伺いしたいと思います。
#88
○杉岡政府委員 お答えいたします。
 地震財特法に基づく地震対策の緊急整備事業につきましては、現在関係省庁及び各公共団体は全力を挙げて施行しておるわけでございますが、各般の理由によりましておくれを見たわけでございます。
 そのおくれている現況でございますが、その計画額は四千百八十億円に対しまして現在、五十九年度末の達成見込み額でございますが、三千百六十億円ということで七六%の進捗状況になっておるわけでございます。
 おくれているものでございますが、道路、いわゆる避難道でございますが、これが三八%、海岸保全施設が五三%というように、用地買収あるいは地元との権利調整、意見調整といったものがあるわけでございます。また、海岸保全事業のように、海岸の景観の保全あるいは海岸利用の関係、こういったことで地元と実施計画を進める上におきましていろいろと調整をしなければなりません。そういった地元との調整等がございまして、残念でございますけれども七六%というような達成状況になっておるわけでございます。
#89
○平澤政府委員 今、防災局長から御答弁があったのと同じことになるかと思いますが、個別にはいろいろ事情もあろうかと存じます。しかし、大変厳しい財政事情もございまして、そういう中で各省とも十分協議しつつ予算編成に当たってまいったわけではございますけれども、結果的には、そういう努力にもかかわらず、先ほど申し上げたような達成率になっているというのが実情でございます。
#90
○細谷(昭)委員 ただいま当初予定したときと比べまして現在五年間で七六%の進捗率とお伺いいたしました。あと残るところが二四%ということになるわけでありますが、この地震財特法は御案内のとおり、三月二十六日ですか、衆議院の場合は六十五年三月三十一日まで延長するということを議決したわけでございます。その際、これは五年間延長するが、五年ということでなくて五年以内ということに議論の中心を置いたわけでございます。それは、地震の性格上、防災の性格上、地震はあす起きるかもしれない、今晩起きるかもしれない、そういうことに対して五年以内ということでありまして、現在進捗率が七六%、あと二四%を五年もかかってやってもらったのでは非常に困る。これはもう一年以内でもいいわけです。少なくともここ数年の間にこれは完全にやってもらいたい、こういう趣旨で「五年以内」ということに特にこれは文言を明記しているわけでありますので、この点について国土庁の考え方。そうして最後に、五年もだらだらとあとの残りをやられたのでは大変だ、このことについての大蔵大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#91
○杉岡政府委員 東海地震が起きましたときにその被害を少しでも軽減するためには、緊急整備事業をいち早く完成するということが非常に重要なことでございます。それで、先般の法律によりまして五年以内ということになったわけでございます。その事業の種類によりましては五年かかるものもございますけれども、事業の種類によりまして三年あるいは四年ということで完成するというものもございますので、我々、関係省庁と十分の連絡をとりながらその完成を目指してまいりたいというふうに考えております。
#92
○竹下国務大臣 これは財政状態が厳しいわけでございますが、各年度ごとに、予算編成の際出てきました予算に対して我々は調整権というもので当たるわけでございますから、その出たものに対しては十分な理解を持って対応していくつもりでございます。
#93
○細谷(昭)委員 念を押したいと思うのですが、大臣、これは地震という特別な性格を持っておるわけです。しかも、先ほど言いましたように五年以内。以内という意味は、あとの残りをなるべく早くという理解なんですよ。本来は六十年三月三十一日までにできておらなければいけない問題なんです。その点で一年でも二年でも前に持ってくる決意をお聞かせ願いたいと思うのです。どうですか。
#94
○竹下国務大臣 これは形式的なことを申し上げますと予算は単年度主義でございますから、したがって先のことをきちんとお約束するという立場にはございませんが、立法の趣旨がその辺にあるということを十分承知の上でこれに対応してまいりたいということを申し上げて、お答えとさせていただきます。
#95
○細谷(昭)委員 時間が参りましたので、今の大臣の御答弁、しかと承りまして、この点についての特段の配慮を要請したいと思うわけであります。
 この地震財特法につきまして、伝えられるところによりますと、自民党からいわば特例法の問題についてさらに一年延長したいという修正案が出ておるやに聞いておるわけであります。我々社会党としましては、この特例法自体、いわば行革関連でこういう問題を延ばすということ自体に反対であるという態度を明確にしておるわけでありますので、特にこういう地震問題、防災問題、あす起こるかわからないこういう問題に対して修正案を出すことに対しては極めて遺憾に思っておるわけでありまして、その撤回を求めながら、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#96
○越智委員長 川崎寛治君。
#97
○川崎委員 それでは、自治大臣の御都合もあるようですし、参議院の地方行政との関係もあるようですので、まず自治大臣にお尋ねしたいと思います。
 今回、義務教育費国庫負担法から教材費と旅費を削除したわけでありますけれども、そのことについて、地方の自治体に対しては一般財源化をした中で従来と変わらない措置をしてもらう。ただ、先般の連合審査あるいはこれまでの答弁でも、そのようにお願いする、希望する、こういうことでありまして、完全に従来どおり守られるということについては、地方交付税の性格からして保証はできないということを言外に、これは文部大臣もそうであったと思います。そこで、定着しておるというふうに文部大臣の方も考え、自治省も考えたということでございますが、その点は間違いありませんか。
#98
○古屋国務大臣 先生のおっしゃるとおりでございます。地方交付税の負担費用で教材費、旅費については現状のまま、教材費については国家の状況を考えまして二・八%アップということで措置しております。
#99
○川崎委員 そうしますと、この六十年度の予算編成については、この一括法案を成立させてもらう、国会を通すということを前提に地方自治体に対する御指導というのがあったと思うのです。ところが、現に鹿児島県の県内で教材費ゼロという町が出ておるのであります。どうお考えですか。
#100
○古屋国務大臣 その話、初めてでございますが、至急調査しまして、どうして計上しなかったか、あるいは法案が成立することを待っていたのか、あるいはそうじゃなくて、私どもはそのことはもう会議等で周知徹底させておりますので、事情を調べまして、事務的に適切に早急に対処させます。
#101
○川崎委員 その点は今申し上げましたようにそういう事態が出ておりますので、心配しておったことが現に出てきておるということになりますと、ゆゆしい問題だと思うのです。
 そこで文部大臣にお尋ねをいたしますが、教材費、旅費については地方は定着をしておる、こういうふうに言われたわけでありますが、これは自治大臣の方もお尋ねしますけれども、地方で定着をしておる、こういうことについては、つまり教育の地方自治という立場からいたしますと、定着しておるということをどこで判断したのか。つまり、教育の地方自治という立場からしますならば、当然地方代表と話し合う、そのことを確認する、あるいは地方の自治体なり教育委員会なりそういうものと話し合ったのかどうか、この予算編成に当たって、文部大臣にお尋ねします。
#102
○松永国務大臣 定着しているということの判断の根拠でございますが、先生御承知のとおり、市町村の教育委員会の予算は市町村で編成をし、かつ、議決を経て執行されるわけでありますが、まず第一には、昭和二十八年以前のように、教材を整備するために父兄に割り当て寄附をするというようなことはなくなりました。
 それから二分の一国庫負担でありますが、それに伴う国庫負担分の負担金を交付するという事務をずっとやっておりまして、市町村がそれぞれそれを活用して、交付税と合わせて教材の整備をしてきたという実績がございます。もちろん教材というのは、先生御承知のとおり消耗品ではありませんから、一つそろえば何年かはそれを使えるということもございますので、したがって、年によって上下はあります、幾つも学校がある場合には。したがって、多少のぶれはありますけれども、いずれにせよ、今までの教材費負担金の交付事務を執行していけば、定着しているということが事実の上であらわれてきておるわけであります。
#103
○川崎委員 そうじゃないのです。それは制度のことを言っておられるのですけれども、私がお尋ねしておるのは、教育の地方自治、こういう立場からするならば、当然今回の制度を変えるという、つまりあなたが今言うように昭和二十八年以来こうだ、こう言うのですから、それを変えるわけですから、そのことについて地方の代表と文部省はお話し合いになりましたか。今回の六十年度の予算の大詰めにはがたがたしておったから時間がない、こういうお答えだと思うのでありますけれども、それは制度のこういう大事な改定、改革でありますから、私は、教育の地方自治という立場からいたしますならば、当然地方代表と話し合った、定着している、よろしい、こういうことになったのですかということをお尋ねしているのです。
#104
○阿部政府委員 本件につきましては、関係の団体といたしまして都道府県の教育長協議会、それから市町村の教育委員会関係の協議会という団体がございますけれども、このお話が特に具体に財政当局から提案された時期から何回か話し合いの機会を持ちまして、最終的には一応の御了解をいただいたという格好で措置をしたつもりでございます。
#105
○川崎委員 そこで自治大臣、自治省は遅滞なくやれるという判断をされたと思うのですが、そのことについて、自治省としてはどういう手だてをされましたか。
#106
○古屋国務大臣 暮れのそういうふうになるという前後、六団体と話し合いました。地方六団体、市長会、議長会、知事会、町村長会、そこの幹部と自治省と話しまして、一応これを了解していただいたということでございます。
 それで、先生の今の御質問は初めてでございますが、これはどうして、法案が通らぬから延期するのか、何で計上しなかったということを至急調べまして、事務的に処理するように指導いたします。
#107
○川崎委員 それじゃ文部省、お尋ねしますが、何遍かやった、こういうことのようですから、何月何日のどの会で、都道府県代表とか市町村教育委員会の代表、こういうものといつの会議で最終的に確認をされて了承ということになったのか、その点を明確にしていただきたいと思います。
#108
○阿部政府委員 ただいま手元にその当時の記録を持っておりませんので、恐縮でございますがお許しをいただけたらと思いますけれども、いずれ両方の団体とも数回にわたって話し合いを行っております。もちろん、もろ手を挙げて賛成だ、ぜひやろうという性格の話ではございませんけれども、やむを得ないという感じで協力がいただけるというふうに判断をして、最後措置をいたしたものでございます。
#109
○川崎委員 それで文部大臣、お尋ねしますが、先ほど自治大臣にお尋ねしましたように、具体的に財源措置がなされていない、教材費ゼロという町村が出ております。でありますから、その点について、そういう心配されたところが出てきておるということについて、文部大臣としてどうお考えになりますか。
    〔委員長退席、熊川委員長代理着席〕
#110
○松永国務大臣 先生御指摘のように、鹿児島県下ですか、教材費の予算がゼロという町が出てきたということは、私は具体的には承知いたしておりませんが、何と申しましょうか、現在の初等中等教育について地方分権という仕組み、大事な原則があるわけでありますが、その原則は、地方も中央と同じように自分の町の、自分の村の初等中等教育は大事だということで、中央と同じように熱心だという前提のもとに、地方分権は成り立っておるというふうに私は思います。また、そういうことで市町村の学校運営というものはなされてきておるというふうに私は思っております。
 したがいまして、どういうわけでそうなったのか、事情を調べてみなければわかりませんけれども、もしそういう事実があるといたしますれば、先ほど自治大臣も申し上げました、私もしばしば申し上げましたとおり、地方交付税で前年度を教材費総額におきましては数%上回る財源措置がきちっとなされており、事業及び事務については前年同様、今までと同じようにやれるという立場になっておるわけでありますから、そのことをさらに詳しく県の教育委員会を通じて市町村に対して指導していただいて、そして適切な教材整備がなされるように、適切な指導をしてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
#111
○川崎委員 心配されたような事態が出てきておるようでありますけれども、その点については十分な指導をしてもらいたいというふうに思います。
 そこで、これは繰り返し質問しておりまして、本当にしつこい、まだやっているのか、この時点で、と思うかもわかりませんが、これは念のため最後に、この間ちょうど総理が出られましたときに、肝心のところ大蔵大臣おられなかったので、どうしても両方合わせて少し詰めなければいかぬものですからいたしたいと思いますが、義務教育費国庫負担制度の中身を文部大臣にお尋ねしたいと思います。どういう仕組みになっているか。
#112
○松永国務大臣 義務教育費国庫負担制度の趣旨、目的は、もう前々に申し上げておきましたように、教育の機会均等、全国的なレベルでの水準の維持向上、それを図っていくためには、どんな僻地であっても、あるいは中心部のところであっても、それぞれ立派な教員を配置して、そしていい授業をしてもらわなければなりませんから、そこで教職員の給与費について半額を国が持つということで水準の維持向上を図るというのが、国庫負担制度の根幹であるというふうに認識しておるわけであります。
 学校教育の場では、人件費だけではなくして、教材費等もあるわけでありまして、その教材費につきましては、それが国庫負担の対象として当時の地方財政の状況等々から取り入れられた、そして今日に至っておるというふうに考えておるわけでございます。
#113
○川崎委員 そうしますと、給与費など、それから教材費、こういうもので現在の義務教育費国庫負担制度ができておるということについては、そのとおりだとお認めになりますね。今の御説明はそうですね。
 といたしますと、その制度、つまり根幹であるかどうかということは、これは今度削るときの問題でして、そうではなくて、現行の制度、つまり現行の義務教育無償という立場から進められてきた義務教育費国庫負担制度は、給与費など並びに教材費というもので組み立てられておるということについては御異論ありませんね。
#114
○松永国務大臣 義務教育費国庫負担、義務教育費無償というのは、要するに公費で負担するということなんですね。だから、国庫負担制度というのは、先ほど申し上げましたように、中核的な負担の対象は教職員の給与費である。そして、そのときそのときの財政事情に応じて教材費等が国庫負担の対象に取り入れられて今日に至っておるということであります。今度お願いしているのは、その国庫負担の対象に取り入れられておる教材費等につきまして別途財源措置をして、地方の一般財源にした、地方の一般財源で負担するという仕組みに今度お願いしておる、こういうことでございます。
#115
○川崎委員 そんな構えた逃げ口上の答弁をしちゃいかぬですよ。そのときそのときの財政事情に応じてなんていうのは、今の義務教育費国庫負担制度の上ではないじゃないですか。二分の一国庫負担という地方財政法の上からもきちんとなって、国庫負担で来ているんですから、国庫負担制度というのは、旅費など教材費というので組み立てられておる、これまでの現行制度は。現行制度はそうでしょう。財政事情に応じて教材費は補助するというのじゃないでしょうが。だから、現行の制度は、給与費など教材費、そういうもので組み立てられておりますと、そういうことについては間違いありませんね。
#116
○松永国務大臣 現行制度は、給与費と同じように、教材費も国庫負担の対象になっております。
#117
○川崎委員 そうしましたら、その中から、つまり制度の中から教材費を外す、給与費等の中から旅費を外すということは制度の改正でありますね。
#118
○阿部政府委員 御指摘のように、義務教育費国庫負担制度と申しますのは、現在の義務教育費国庫負担法による制度でございますので、先ほど大臣からもお答えしましたように、法律そのものは一条、二条、法三章の法律でございますけれども、目的規定のほかに二条で給与費等、それから三条で教材費についての無償が制定されておりますので、その教材費あるいは旅費を削るということはもちろん制度の部分の改正を伴うということでございます。
#119
○川崎委員 そこで、その制度の改正という問題については、これはこの前もお尋ねしたことなんです。ただ非常に議論が不十分なんです。ですから制度の改正、こういうことになるのでありましたならば、事務当局、文部省の中の、行政機関の中だけの検討で法律の改正、制度の改正ということに文部省はなるのですか、できるのですか。
#120
○松永国務大臣 先ほどの答弁の延長になりますけれども、この制度の沿革あるいは実体からいって、国庫負担制度の負担の対象の中核をなすものは給与費である、そしてその後教材費もその対象になったということでありまして、現在では国庫負担制度の内容としては給与費等と教材費、こうなっておるわけでありまして、その教材費等を国庫負担の対象から外すことは法改正が必要でありますから、法改正をお願いし、また制度の改正であることも間違いありません。
 しかし、この制度の改正をする場合に、文部省関係の審議会には、こうしたことを直接の審議事項とする審議会というのは直接的にはないということもございまして、そこで部内で検討すると同時に、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、都道府県の教育委員会関係あるいはそうした教育行政の関係者とも相談をし、一番大事なことは、きちっとした財源措置がなされるかどうかが問題でありますから、そこで地方財政当局とも連絡をして相談をして、そして財源措置がなされるということで今度の改正をお願いするということになった次第でございます。
#121
○川崎委員 これは文部省の先輩でもあります木田さんなんかの説でもあるわけですけれども、憲法プログラム説ということで、プログラム規定説というのか、そういうことでいきますと、やはり法の立法過程というのは非常に大事なんですね。そうすると、文部省というところが一番、制度の改正についてそういう審議会等の議を経ない。これはもう審議会論自体が一つの大きな課題であります。ですから、審議会論というのも時間をかけて議論をしなければならない課題でもありますけれども、今大臣がはしなくもお答えになったように、こういう教育制度の根幹を――根幹と言うとあなた方逃げますから、根幹と言いません。教育制度を変える、そういう議論を文部省という行政機関の中だけの検討で、あとは地方の関係の機関と御相談をしたらそれでもう立法していく、これはよその省はないのですよ。少なくともいろいろな審議会というものの議を経ているのです。そういう審議会の議を経ずに、つまり文部省の中だけの、行政府の中だけの検討で、義務教育費国庫負担制度という日本の教育の一つの大事な柱であります問題を省の中だけで検討する、これは私はもう大変驚ぐべきことだと思うのです。
 文部省の審議会の一覧表をももらいました。これをいろいろ見ているのですが、さっぱりわからぬのがあるんですよね。著作権審議会なんというのは、かけてちゃんと出すようになっておりますけれども、では中央教育審議会とか臨時教育審議会とか、制度の改革というのは言葉じゃ入っているんですよね。臨教審も入っている。だから、大蔵大臣が、教壇に立つ教員だけが義務教育費国庫負担の中の柱だ、こう言ったら、反対だ反対だ、こういうことを言うだけであって、財政制度審議会なりそういういろいろな審議会が、義務教育を見直しなさい、こう言った、しかしそのことに対しても文部省の役所の中だけで検討して対応する、おかしいじゃないですか。非常に不思議なんですよ、民主主義という面から見ましても。
 戦後の民主主義というのは、少なくとも行政府の独断を許さない、チェックするというために審議会制度ができましたし、また、国会の常任委員会もそれで来ているわけですよ。だから私は中曽根総理にも大変失礼な、ヒットラーの言葉まで出して、大分お怒りの表情もありましたけれども、しかしそういう常任委員会制度なり審議会なりという民主主義の根幹――ちょうど今一つの大きな変換期ですから。つまり昭和二十七年、平和条約発効と同時に独立をし、いろいろな制度が変わってきた。そのときは資本の蓄積と輸出振興ということで、特に経済関係、財政関係というのはそこに重点があったわけですね。それが今日の事態になってきて、今度は国際化という中でまたそれを改めなければいかぬところに来ておる。そういうものがいろいろな面に出てきておるわけです。
 だから、今度の一括法案でも、そういう考え方で財政の調整。ですから、昭和二十九年に一度この一括法案の審議があった。それは二十七年の平和条約発効、独立という中で出てきた一つの現象であったと私は思うのです。そして今、この対外経済政策でも問われておりますようないろいろな面で、特に財政当局がいろいろな制度の改正を要求してきておるわけです。
 ですから、文部省のそういう審議会というものを設けないで制度の改正、立法ということをしてきているのは、文部省が最も非民主的な機関だということを物語っておる、あらわしておる、私はこういうふうに言わざるを得ないと思うのです。そうしましたら大蔵大臣の方は、教壇に立つ教員だけが中心だ、こういう考え方をまだ捨てておられない。今までの議論、きのうの木島代議士との議論等をずっと見ても、まだ出てきておるのですね。きのうそういう答弁があるわけです。
 そうしますと、文部省が義務教育制度というもの、義務教育費国庫負担制度というものをきちっと守っていく、あるいは前進させていくというために、あなた方は国民の参加というものをどういうふうに求めてやっていくつもりなんですか。そういう足場がないじゃないですか。だから財政で攻められる。だから今度の義務教育費国庫負担で教材費や旅費を外すことも、大蔵大臣の答弁によれば、強いて言うならば財政の調整だ、だから予算の編成編成で相談をするんだ、こういうことが大蔵大臣から答弁が来ておりますね。
 大蔵大臣、やはり根拠はそういうお考えですか。
#122
○竹下国務大臣 私も今の問答を聞きながら、言ってみれば義務教育費国庫負担制度、それで対象の拡充等が二十八年に基本的になされた。その前からももちろんございますけれども、二十五年に廃止されたのは、いわゆる地方財政平衡交付金制度の中へ吸収されたから外された。そこで、今度は現行制度の対象の見直し、こういうことになるんじゃないかな。それについての財政当局の立場としては、言ってみればやはり地方と国との費用負担のあり方、その中でこれを対象として議論をし、お願いをした、こういうことになろうかと思われます。
 では、私の立場はということになれば、予算編成の過程におけるいわゆる予算の調整権限ということではないか、こういうふうに理解しております。
#123
○川崎委員 だから、大蔵省の予算の調整権限というもので義務教育費国庫負担制度の改正を迫った、こういうことになります。すると、文部省の中には義務教育費国庫負担制度を議論をし、つまり対象から外すあるいは対象を広げる、そういうことについて国民の皆さんの御参加を得ながら審議をしていく機関がないということになりますと、大蔵省の財政調整という権限に応じて文部省は制度の改正をなされるおつもりですか。
#124
○松永国務大臣 繰り返しになりますが、今回の措置は、教材費等について公費負担をやめるというのではないのですからね。その費用負担が国の負担金と交付税という今までの仕組みを交付税という形で地方財源化するという、先ほども大蔵大臣が御答弁になりましたように、財政負担区分の仕分けの問題になるわけでありまして、市町村における教材費等の整備の事業や事務が変わるわけでもありませんし、また、その経費を公で持たないということでもありませんし、文字どおり費用負担の区分の問題であるわけであります。
 そしてもう一つは、国民を代表する方々の意見を聞いて法改正、制度の一部改正はすべしという御意見もごもっともと思いますが、最も権威のある、最終的な国民の声を代表するところはこの国会と思うわけでありまして、すべての法改正が国会に出す前に別の機関の審議を経なければならぬというふうには考えておりません。しかし、先ほど先生御心配の給与費等の場合は、文字どおり国庫負担制度の中核的な仕組みでありますから、それはそれ、そう簡単にはまいりません。しかし、教材費等につきましては、先ほど言ったようないきさつで、中教審等には語らなくとも国会で議論をしていただいて、そして御了承をいただければそういう改正もできるということで、今回のお願いになった、こういうことだと思います。
#125
○川崎委員 それでは文部大臣、衆参でそれぞれお答えになってきました義務教育費国庫負担制度の根幹は、教壇に立つ教員だけではなくて、事務職員も栄養職員も含めて全体であるんだ、こういうことで御答弁になってきました。先般、大蔵大臣はおられなかったのですが、総理大臣もそのように答弁されました。そうしますと、大蔵大臣は、義務教育費国庫負担制度の支えておるもの、つまり今度教材費と旅費を外しましたけれども、それは文部大臣が答弁をしておるように、教壇に立つ教員だけではなくて、事務職員、栄養職員を含む今日の教職員全体であるということについては御異論ありませんね。
#126
○竹下国務大臣 事務職員あるいは栄養職員、これを国庫負担法の中でどう位置づけていくか。私の理解は、それらに対して教育関係者の人からそれを外すことは強い反対がある。これは私もよく承知しておりますが、外す、外さないという問題を別にして、基本的にはいわゆる教壇に立つ先生と、対象としては全く一緒のものだとは私は必ずしも理解しておりません。
#127
○川崎委員 それは民主主義に反するんじゃないですか。さっき文部大臣は、皆さんの御意見、そして最終的には国会の御議論だと、こういうふうに言われた。国会を通じて、その点については含めたものだと、一貫してこういう議論です。違うかなというのは大蔵大臣一人ですよ。孤立しているんですよ。あなたは少数なんですよ。しかし、財政当局の財政調整権でやるのだ、こういうことだとしたら、それは民主主義じゃありません、こう私は申し上げているのです。だから、その一番の衝にあります文部大臣が、教育の責任者であります、文教の責任者であります文部大臣が、地方の諸君の意見も含めまして、教壇に立つ教員だけではなくて、事務職員、栄養職員を含めての全体です、その給与を確保することが根幹ですということで、繰り返し繰り返し強い決意で臨みます、こう言っているんですよ。強い決意で臨みますと言いますし、総理大臣もそのとおりだと。そうすると、六十一年度の予算編成は中曽根総理のもとでない、こういうお考えに立ちますか。
 まあそれは別として、ちょっとそんなことは外しますが、総理も、そして国会の議論も一貫して、そしてもう不退転の決意でと文部大臣が頑張っているんです。しかし、それに異論を、だと思いませんという異論を、財政当局の責任者が教育制度の根幹の問題を、私は異論があると言い続けることは、大変これは民主主義に反する。では、何のために国会の議論をやっているか、こういうことになります。
 ですから、私はこの点は、この補助金一律削減法案の最終的な締めくくりでありますから、それで、生活保護法の問題やらいろいろ議論がございました。しかし、その中で一つ、やはりあいまいに残っておる問題だと思います。財政当局の考え方には私は疑問を持っておりますから、それだけにこの点は、何といっても決着をつけておかなければいかぬ、そう思うのです。つまり、これから財政調整の問題として話し合うべき問題ではない。国会の議論を通じてはもうその結論が出ておる。つまり財政当局を除いては結論が出ておる。そうしますと、やはり財政当局が財政調整権で、これについては依然として疑問を持っておりますということを通されるというならば、私は、これは大蔵授権法ですかと言うのですよ。そうじゃないと思うのです。
 だから、国会の議論を大事にするんだというならば、それはニューリーダーとしても特に教育の問題は大事なことなんですから、そこのところはやはり大蔵大臣としては、この法案の最終段階では決着をつけておく、そのことが六十一年度の予算編成に当たっての、その火種を残さない。そしてこの問題について学校の現場に、教育の現場に、つまり今教育の自由化やらいろいろな議論が出て、大変混乱もあるわけです。だからそういうものに決着をつけておくということが、今日、私はこの法案の最終的な決着をつけます段階としては大変大事な課題だ。だから、大蔵大臣としてその点を明確にしておいていただきたいと思います。
#128
○竹下国務大臣 いわゆる教壇に立つ先生方の給与、これは私は根幹だ。事務職員の先生、栄養職員、これを除外するということについては、教育関係者を初めとして反対の意見が強い、これは知っております。したがって、言ってみれば、聖域に置くというわけに、まあ私の立場からするといかないわけですね。だから、そういう意見のあることを十分承知をいたしておりますというのが、お答えの限界がな、こんな感じがいたして、今問答を承っておったということであります。
#129
○川崎委員 大概のことなら妥協もしたいのですけれども、これはそう簡単に済まぬわけです。
 そうしましたならば、端的にお尋ねしますけれども、昨年の十一月の予算編成の前に大蔵省がお示しになりました義務教育費国庫負担改革案というのは、そのまま生きているという考え方ですか。
#130
○竹下国務大臣 物の考え方をまとめまして、予算編成に当たったわけですね。したがって、もとより反対が強いということを承知しておりまして、今度は適用除外に、もとよりしていないわけでございますが、やはり教育全般の問題の一環です。したがって、あのときの考え方がそのまま継続しておるとは必ずしも思いませんが、教育全体というものに対して、単年度主義の予算の中でそれぞれ議論するわけでございますから、財政措置に対しては、いろんな考え方はそれはいつまでも残っておるということではなかろうかと思います。
    〔熊川委員長代理退席、委員長着席〕
#131
○川崎委員 それでは文部大臣、大蔵大臣は依然として決着せぬわけですよ。そうすると、これはまた八月の概算要求のとき、あるいは年末のいよいよというときになって、またみんなの意見も聞かぬまま追い詰められるというふうな事態になったんじゃいけないと思うのですね。やはり不安を与えちゃいけないと思うのです。今の大蔵大臣の疑問を残しておる答弁に対して、文部大臣としての考え方を伺いたいと思います。
#132
○松永国務大臣 教壇に立つ先生と事務職員、栄養職員、これは同じではありません。同じではありませんが、学校の基幹的職員であるというふうに思います。学校の基幹的職員である栄養士、事務職員を義務教育費国庫負担制度の国庫負担の対象から外すことは極めて困難であるというふうに私は認識いたしております。したがいまして、大蔵省の方からそれを外せ、こう言ってきた場合には、それはいけませんということで一生懸命頑張っていく決心でございます。
#133
○川崎委員 一生懸命頑張るということですから、どうもこれは決着がつきませんが、ひとつそういうことで、文部大臣は命をかけてやってもらいたい、こういうふうに思います。
 それでは次に、補助金の問題で少し議論をしたいと思います。
 大蔵省、大臣にこれをちょっと見せてあげてください。これは通産省にも行っている。ページで三百六十三ページ。通産省、いいですか。大蔵大臣、貿易関係団体に対する補助事業があるんですが、「北朝鮮に駐在員を置く」、そして「北朝鮮市場の調査等を行うため必要な経費に対する補助」というのが、四十八年、ただいまの総理大臣が通産大臣の当時これは計上したんです。それは中国が国連に復帰をいたしまして、アジアの情勢が大きく変わってきた中で計上されてきた補助金であります。通産省、これはその後どういうふうになっておりますか。
#134
○鈴木(直)政府委員 先生御指摘のとおり、北朝鮮に貿易事務所を民間ベースで設置する場合、その設置に対する補助ということで北朝鮮市場調査費補助金という制度が四十八年からございますけれども、現在まで実績はございません。
#135
○川崎委員 そうしますと、これは実績がありませんと言いますが、補助がつく、つまり実行されるというための条件は何でありますか。
#136
○鈴木(直)政府委員 この補助金は、将来の国際情勢の展開に対応いたしまして、その変化に対応できるような体制を整えておく、こういう観点から計上しておるわけでございまして、将来民間ベースで貿易事務所の設置、こういう段階に具体的になった場合には、これについて検討を進めていく、かように考えておるわけでございます。
#137
○川崎委員 そうすると、これはジェトロでもいいのですか。
#138
○鈴木(直)政府委員 一応しかるべき民間団体という考え方で、具体的に案が出てきた段階で議論をしたい、かように考えます。
#139
○川崎委員 ジェトロも入りますか。
#140
○鈴木(直)政府委員 これはちょっと具体的には、そのような案が進むかどうかについては申し上げられる段階ではございません。
#141
○川崎委員 これは総務庁長官も大蔵大臣も国務大臣としてよく見ておいてもらいたいと思うのですが、昭和四十八年からこの予算はあるのです。補助の事業としてあるのですよ。ところが実行されないまま来ているのです。実は、四十七年は田中通産大臣、それから四十八年は中曽根通産大臣、私、二回ともちょうど向こうと往復をしておりましたときに、日中国交回復直後にこれは組んでもらったわけですよ、我々としては。そして組まれたんです。しかし、ずっと実行されないまま来ているのです。これを実行することが、南北朝鮮の対話が今進みつつありますが、そういう中でその南北の対話に逆行すると思うか。あるいは、つまり日本と関係の深い朝鮮半島でありますから、そういうものが実行されるということになることに、大蔵大臣として予算を計上してきているんだから、補助を削れ、削れというときにこれを削らぬでちゃんと残してきているんですから、大変大事な予算だと私は思うのです。実行されないまま大変長い間ずっと眠ってきているわけですが、しかし、いつでも動ける予算なんです。大蔵大臣、どうですか、こういうのが動けるようにするにはどうしたらいいと思いますか。
#142
○竹下国務大臣 海外市場調査等事業費補助金、これが目でしょう。したがいまして、恐らく今まではそういうことができなかったから執行しなかったということでありましょうから、これはあくまでも「北朝鮮市場の調査等を行うため必要な経費に対する補助」でございますから、その客体が存在したら、これはこのまま生きていく予算じゃないか。まあ、にわか勉強でございますから……。
#143
○川崎委員 それじゃ、大事な大臣の皆さんですから、ちょっと経過を申し上げておきますと、田中通産大臣、中曽根通産大臣のときも、お互いに両方が行き合えるようならよろしい、大いに両方の役人同士を交流させようというところまでいったんですよ。ところが金大中さんが拉致をされて、それ以後ずっと歴史はひっくり返ったままになっているのです。ところが、そういうものが命ずっと整理されつつあるわけですね。整理というか、変わってきているんです。ですから通産省、今言いますような動きが出てくれば、通産省としても積極的とは言わぬまでも、これに対して抵抗しないということは当然ですね。
#144
○鈴木(直)政府委員 今後具体的にそのような国際情勢になり、貿易事務所の民間ベースの設置というような動きになった場合には、当然具体的に私どもも検討に入る、かような考え方でございます。
#145
○川崎委員 そういう方向に進むことを期待したい、また促進もいたしたい、こういうふうに思います。
 文化庁お見えですか。――これは、この間当委員会に出てもらいました朝日の広瀬君が書いた本の中でも、また、この間村山富市君も取り上げておりましたが、地方文化施設整備費補助金というのがあるのですね、文部大臣。ところが文化庁は、文化という言葉をその建物につけなければ許可しない。今でもそうですか。今はそういうことはありませんか。
#146
○松永国務大臣 我が国の目標は文化国家の建設であります。そしてまた、今仰せの補助事業というのは、地方文化施設整備費補助という名前の補助事業でありますから、文部省としては文化という名前をつけてもらいたいという気持ちは今もございます。しかし、終局的には設置者が判断して決められることでありますから、五十五年以降は、文化という名前をつけないと補助はつけないよなどという指導はいたしておりません。
#147
○川崎委員 そういうことで、こだわらずにやってもらいたいと思います。
 次に、これも同じ広瀬君の本の中にあるのですけれども、補助金適正化法案というのがありますね。建設省は私に、補助金申請のいろいろな手続の書類を届けるという約束だったんだが、届いていないのです。この補助金適正化法案というのは、各省庁の長が手続の方法を定めるということになっておりますから、建設省のお定めになっておる手続の書式を下さい、こういうふうにお願いしてあったのですが、それはありませんから後にしまして、建設大臣と総務庁長官にお尋ねをするのですが、広瀬君が指摘をしておりますこれを見ますと、「ある県」というふうになっておりますからなかなか議論もしにくいのですが、「国道改良事業における補助手続きと手続きに要した延べ人員」が、中身は昭和四十六年度の工事で七・二キロ、約十七億円の工費であった、しかしその工事に、着工箇所の説明と事前の打診から認可、計画変更、そして着工、竣工検査というまでに二千八百五十五人を要したというのです。建設大臣、今もこんなふうになるのですか。この中で削れるところはあるのですか。
#148
○田中(淳)政府委員 国道改良工事にかかわります国庫補助事業につきましては、先生御案内のとおり、地方公共団体からの要望額を取りまとめをいたしまして、それから補助金の交付申請、そのときの設計審査及び完了検査という手続により執行されているのが実情でございます。
 従来から、補助金の事務手続の簡素化、合理化の観点から、地方公共団体からのヒアリング等は必要最小限の人員で、かつ、原則としてそれぞれ一回で済むように努めておるところでございまして、御指摘のような、昭和四十六年のデータであろうかと思いますけれども、そんなことはちょっとあり得ない、そういうふうに確信しております。
#149
○川崎委員 昭和四十六年はこうだったというふうにお認めのようですが、今はあり得ない。それなら局長、現在はどれくらいで済みますか。
#150
○田中(淳)政府委員 実は昭和五十五年度いろいろ調査したデータが一部ございます。県によってちょっと例が違いますけれども、例えばある県では、国道事業費と地方道事業費全部で百十六億円の補助金に対しまして、これは箇所数で言いますと国道、県道合わせまして百九十カ所でございます。それで延べ従業員は、現場も何もかも入れてでございますが、大体千八百人ぐらい、少ないところでは五百四十一人。これは事業費によって違いますけれども、例えば五百四十一人と申しますのは香川県の例で、全体が八十億でございます。そういうふうに大体県によって違いますけれども、御指摘のようにわずか七二一キロでそういうのはちょっと常識で考えられませんので、何かデータのとり間違いじゃないかと思います。
 それで、ちょっと答弁がくどくなりますけれども、昭和五十七年以降いろいろ簡素化を図りまして、例えば標準断面、道路で言いますと道路改良のおのおのの標準断面でございますが、その断面図の提出は不要にしました。それから段階施工というのがございますが、そういうところも不要にしました。それから、軽微な変更の範囲というのは、例えば箇所間流用というのがございまして、Aの工区からBの工区へ流用する場合、在来は三割以内で一千万円以下としておったわけであります。それを五十七年度から、三割以内で、かつ二千万円以下とした。要するに簡単な言葉で言いますと、補助事業者に権限を与えた。それから工種間流用についても、例えば土工からトンネルに変えるとかいう場合も、五十七年度から三割、三百万円以下を三割、六百万円以下というふうに、金額的に言いますと約倍にしたわけでございます。それから、用地費から本工事費へ回すという経費の配分についても、百万円から二百万円というふうに改善しておりますので、そういうことはちょっとないと思います。
#151
○川崎委員 これは古い昔の話だ、こういうことのようでありますから、建設大臣、今局長の方から御答弁ございましたが、ひとつこういうことで――ただ、私も災害県ですから、すぐ来てくれ、見てくれ、こうやりますので、余り言うと、鹿児島はもうやらぬぞと言われたら困るなという気もするんだけれども、しかし、やはりむだをなくさなければいかぬ、こう思うので、あえて言うわけです。後で総務長官の方にもお尋ねをしますけれども、ひとつ建設大臣としても、こうした点の整理というか簡素化というか、そういうものについての大臣としてのお考えを伺いたいと思います。
#152
○木部国務大臣 建設行政を進める上で一番大事なことは、いやしくも国民の血税でございますから、効率的、効果的、それから補助金の問題等につきましても極力市町村に権限を委任して、そしてなるべく負担は軽くして、今の行革の理念に沿うような最善の努力を尽くさなければならぬ、そう考えております。
#153
○川崎委員 そこで、法律補助と予算補助の問題についてお尋ねしたいんですが、国庫負担、つまり義務教育国庫負担とかあるいは生活保護とかそういう国庫負担制度できたものは、教育とか福祉を守るという意味においてきちっとしておかなければいかぬと思います。いたずらにいじってはいかぬと思うのです。例えばきょう大蔵省から資料をもらったのを見ますと、予算補助の中で廃止をして地方に移したというものもあるんです。私はこれはいいものがあると思うのです。つまり、地方の財源に持っていって地方の判断でやれるようにするということは、私は結構だと思います。そういう点についての整理をどういうふうにしようとしておるのかということ。
 それから、これは私も鹿児島でもぶつかるのですけれども、例えば建設省や農林省、厚生省。農林省と厚生省が多いと思うのだけれども、補助金のあれによって玄関がたくさんあるのですよ。そういうのがまだあると思うのです。それは完全になくなった、つまり総合施設としてそういうものは予算を組めるように、執行できるように整理が済んだのか、まだ検討の過程なのか、そういう問題についてお尋ねをしたいと思います。
 それから、総務庁としての補助金等事務手続の簡素化合理化についてのことしの方向、そういうものを伺いたいと思います。
#154
○平澤政府委員 最初に私の方から、予算補助の整理合理化の問題につきまして御答弁申し上げます。
 補助金には予算補助と法律補助があるわけでございますが、補助金の整理合理化に当たっては、この両方を含めて整理合理化に努めてまいったところでございまして、したがいまして、特に法律補助なり予算補助を重点的にということでやっているわけではございません。ただ、予算補助は割合奨励的な補助金が多いものですから、結果的には予算補助の方が整理合理化の対象になっているという姿ではございます。
#155
○後藤田国務大臣 従来から補助手続は、いかにも厄介で、補助を受ける側に大変な負担をかけ過ぎておるという批判があるわけです。先ほど川崎さんからお渡しいただいた資料を見ますと、これはまさに非常識ですね。しかし、私は調べたわけではありませんけれども、受けた感じですよ、これを見まして、わずか七・二キロ、十七億ということだけをとらえてこういう表ができたと思います。実際はほかの事業がたくさん当該地域にあって、一緒に行ってほかも調べたのではなかろうか、それのほかのも全部出さないで上がってきたのではなかろうかと私は考えます。
 いずれにしても問題がありますので、昭和五十三年でございましたが、各省事務次官の申し合わせで、思い切った改革をやれということで、政府として取り組みました。その結果がどうなっているかというのを、五十六年に私の方の役所で監察をいたしまして、その実施状況がどうなっておるかということで各省にまた改善措置をやっていただく。さらに第二臨調なり行革審から、これまたやかましい指摘を受けておるのです。だから依然として御迷惑をかけている面がたくさんあると思います。そういうことでことしの監察計画の中に入れまして、もう一度見直させていただいて、思い切った改善措置をとっていきたいと考えておりますので、御理解賜りたいと思います。
#156
○川崎委員 それでは最後に、大蔵大臣には二点、各大臣には一点ですが、中曽根総理が舶来品を買えと言いましたが、大蔵大臣は百ドルで何をお買いになりますか、総務庁長官は何を買おうとお考えですか、文部大臣は何を買おうと考えておられますか、それから建設大臣は何を買われようとしておるか、それぞれ伺いたいと思います。
 そして、大蔵大臣にはもう一つ、OECD等に絡むものを最後に伺って、終わりたいと思います。
#157
○竹下国務大臣 二万五千円でございますから、私はやはり、今後藤田さんがこの眼鏡はじじくさいと言いましたから、この側のいいのを買おうかなと思っております。
#158
○後藤田国務大臣 私は、身につけておるものが全部外国製品でございまして、これ以上はちょっと買うものはありません。しかし、できるだけ……(「外国製のたばこを吸えば」と呼ぶ者あり着たばこは遺憾ながら私は国産品でございます。できるだけ協力しなければならぬと思っております。
#159
○松永国務大臣 私は、ありがたいことにいろいろな物を持っておりますので、別段買いたいという物がございませんが、女房や子供が買いたい物があれば、子供の物でも買ってやろうかなという気持ちでおります。
#160
○木部国務大臣 せっかくのお話ですが、今のところ考えておりません。
#161
○川崎委員 それでは最後に、大蔵大臣、OECDでも大変責められておりますし、シュルツ国務長官も内需拡大という日本への要求を出しております。しかし、大蔵省はドル高が原因だといって内需拡大に反対、それから日銀の総裁も内需拡大に反対、こういうことを言っております。そういたしますと、対外経済諮問委員会は内需を拡大しなさいと言っている。それで持続的な成長、こう言っておるのですが、この一括法案で内需拡大になりますか、なりませんか。
 そして、今各国からそれぞれ批判をされております内需拡大という問題について、きのう本会議場でも答弁はいただいておるのでありますけれども、べらべらっと答弁を読まれたのでよくわからなかったのでありますけれども、最後に、こうした諸外国からの批判に対して、大蔵省も日銀も今居直っておる感じであります。それは、そうしますと、大変問題解決が遠のく、そして特に新ラウンドの八六年実施という問題については条件をつけられようとしておる、そういう問題について大蔵大臣のお考えを伺いたいと思うのです。
#162
○竹下国務大臣 少し長くなるかもしれませんが、この法律案で内需拡大につながるものは何かと言えば、結局公共事業関係で補助率を変えたことによって結果として事業費が伸びる、これが内需拡大の中身になるのかなと思います。
 それから、基本的な問題につきましては、シュルツさんのは私どもも今勉強しておりますが、そもそもということから申しますと、ウィリアムズバーグとロンドン・サミット、この二つで確認されているのは、いわゆるかつてやった機関車論は失敗だった。機関車論は、日本が機関車の役を果たしたけれども、日本もそれで昭和五十四年には公債依存度が三九%まで来たじゃないか、それによってその後の財政が硬直化したじゃないか。イギリスとかフランスとかは、自分たちもかつての宗主国だから、かつての領土といいますか、そこから、日本がやっているのにやらぬとはけしからぬというので、みんなやって、残したのは財政赤字であって、それに伴う高金利であった。したがって、やはりおのがじしそのところに従い、コンバージェンスとか言っておりますが、要するに調和のとれた、インフレのない、持続的成長をやろうやという合意が実際続いているわけですね。その合意が続いているから、私は、機関車論というものではないじゃないかと思います。
 したがって、民活にいたしましても、今設備投資は高度経済成長期のときと同じように、対GNP比では上がっておるから、財政が出動することによってそれを行うことは困難ではないか。その例として、五兆円の所得減税をいたしますと大体七億ドルの輸入がふえる、それから三兆円の公共事業をやりますと、大体それによって十三億ドルの輸入がふえる。そうすると、まず今日の段階からいえば、その手法というのは大きく影響を及ぼすものではないではないか。だからむしろ民間活力、その環境整備等々でこれを積極的に行うことが現実的な施策ではないか、こういう基本的な考え方を持っておるわけでございます。
 したがって、今度はボン・サミットですから、いわばウィリアムズバーグ・サミットからロンドン・サミットと続いてきた経済運営の基調からいたしますと、急激にそれが出てくるというのは、私は、その前に五カ国の大蔵大臣でもお会いしてみますが、ちょっと常識の線を出過ぎることになりはしないかな、こういう感じがしております。しかし、内需喚起そのものは必要でございますから、これはやっていかなければいかぬが、財政が出動することはなかなか難しいというのが現状ではないかというふうな事実認識をいたしております。
#163
○川崎委員 終わります。
#164
○越智委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#165
○越智委員長 本案に対して堀之内久男君他三名より修正案が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。堀之内久男君。
    ―――――――――――――
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例
  等に関する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#166
○堀之内委員 ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対する修正案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、修正点の第一は、山村振興法及び地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の有効期限の延長に伴うものであります。すなわち、これらの法律は、昭和六十年三月三十一日限り効力を失うこととされていたことにより、原案では、第十一条において、いわゆる行革関連特例法の別表第一から削除することとされておりますが、両法の有効期限が延長されることとなりましたので、従来の特例措置の継続を行うこととしようとするものであります。
 第二は、施行期日に関するものであります。
 御承知のとおり、この法律の施行期日は、原案では、「昭和六十年四月一日」と定められておりますが、既にその期日を経過いたしておりますので、これを「公布の日」に改めるとともに、所要の経過措置等を定めようとするものであります。
 以上が、本修正案の提案の趣旨及びその内容であります。
 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#167
○越智委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#168
○越智委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。熊谷弘君。
#169
○熊谷委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表し、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案及び同法律案に対する修正案に賛成の意見を述べるものであります。
 申し上げるまでもなく、現下の我が国財政は、まことに容易ならざる状況にあり、こうした状態が続けば、高齢化、国際化等、今後の我が国社会経済の変化に財政が適切に対応することがますます困難になるのみならず、後代の国民の負担が累増するという憂慮すべき事態に立ち至ることは明白であります。したがいまして、ここにおいて、さらに思い切った行財政改革に取り組まなければ、後世に重大な悔いを残すことになると考えざるを得ません。
 先般成立いたしました昭和六十年度予算においては、このような見地から、歳入歳出の両面にわたり徹底した見直しを行い、その結果、一般歳出を三年連続で対前年度減額とする等の努力により、公債発行額を一兆円減額することが可能となったのであります。
 特に、一般歳出の四割を超える補助金等については、これをすべて洗い直し、老人医療給付費等補助金の七百二億円の増加を初めとする、真にやむを得ない種々の増加要因を織り込んでも、なお、対前年度で千三百四十四億円の減額を達成いたしました。これは、前年度に対し、初めての二年連続の減額でありまして、特に高く評価されるべき点であると考えるものであります。
 本案は、まさにこのような六十年度における補助金等の整理合理化の中核をなす諸施策を措置するものであり、六十年度予算と一体不可分の重要な法案であります。行財政改革推進の重要性、そして現今の国の財政状況を考えますと、いずれの措置もまことに必要かつやむを得ないものと考える次第であります。
 本案の内容を見ますと、まず第一は、一般財源化、交付金化等の措置であります。これらは、地方の事務事業として同化定着しているものや、いわゆる人件費補助等に係る措置でありますが、国、地方を通じた行政の総合的、効率的な遂行と地方の自主性、自律性尊重等の観点から、極めて時宜を得た適切な措置であると考えます。
 第二は、高率補助率の引き下げであります。補助率は、それぞれの補助金等の創設時あるいはその後の経緯等により定められておりますが、高度成長期の財政状況のゆとりをも背景としつつ、相互に競い合い、次第に高められたこともあって、一般的に補助率が高目に維持されてきた傾向があるとの指摘も見られるところであります。したがいまして、補助率についても、社会経済情勢の変化等を踏まえつつ、絶えず見直しを行っていくことが重要であります。
 このような観点から、臨調答申等においても、補助率の総合的見直しの必要性が繰り返し強調されているところであり、現下の厳しい財政状況にかんがみ、高率補助率の引き下げを行うことはまことにやむを得ない措置であります。
 なお、本措置に関し、その地方財政に与える影響につきましては、別途地方財政の円滑な運営に支障が生ずることのないよう極めて適切な対策が講じられているところであります。
 第三は、いわゆる行革関連特例法の延長であります。本特例法は、臨調の第一次答申を受けた各般の特例措置を五十七年度から五十九年度まで実施することを定めた法律でありますが、この間、特例措置の対象となった諸制度について、恒久的な制度改革が逐年予定されるに至っていることは、高く評価すべき点であると考えるものであります。
 しかしながら、当初予定した特例適用期間中に、第二次石油危機に端を発する世界経済の停滞の長期化という予期せざる事態が発生したため、財政収支の改善を図る見地から、今回、所要の継続措置を講ずる必要が生じたものでありまして、現下の財政状況にかんがみ、これまた必要かつやむを得ないものと考える次第であります。
 また、施行期日を公布の日に改める等の修正案につきましては、事の性質上当然の措置であると考えるものであります。
 最後に、私は、政府が行財政改革の推進に引き続き積極的に取り組み、補助金等を含めた歳出全般にわたる節減合理化を推進し、限られた財源事情の中で、財政資金の効率的活用にさらに努められるよう切に希望いたしまして、本案及び修正案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
#170
○越智委員長 渋沢利久君。
#171
○渋沢委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。
 今回の補助金一括法案で一律削減の対象となった国の支出金の大半は国庫負担金であり、国が政策的意図に基づいて奨励的、恩恵的に支出する国庫補助金とは明確に区別されるものであります。負担金とは、国と地方とに密接な関連を持つ事業について、共同責任の立場から国が義務的に負担しなければならない経費であります。したがって、地方財政法第十条、十一条は、各事業ごとに国と地方自治体の負担割合を厳格に定めているのであります。今回、いかに臨時措置とはいえ、国の財政上の都合だけで負担割合を一方的に変更するということは、まさに国の責務を放棄した暴挙と言わざるを得ません。
 しかも、社会保障制度を初め文教、農林、建設、運輸、地方自治など各方面にわたる制度を、その趣旨、目的、歴史的経過を踏まえて検討し、見直しを行った結果として負担率が引き下げられるということであるならばまだしも、何よりもまず金の削減が優先し、財政の帳じり合わせだけのために強行される負担率の一律削減は、まさに本末転倒、国の地方へのツケ回し、そしてまさに行革の名に値しない負担転嫁以外の何物でもないということを指摘しなければなりません。
 今回一律削減される補助負担金は、生活保護費一千五百十億円、児童保護費六百六十七億円、老人保護費三百二十二億円など、厚生省関係の合計二千五百五十億円が大半を占めているのであります。憲法第二十五条を指摘するまでもなく、社会保障、国民の福祉に対する国の責務というものは、そのときどきの政府の都合や財政事情によって左右されては断じてならないのであります。各種給付の水準そのものは、当面現行水準が維持されるといたしましても、負担率の地方への転嫁が、やがては地方負担の増大から現場窓口での受給削減につながり、社会保障制度全般の縮小、削減に結びついていくことは明らかであります。このことは、福祉国家の崩壊に通ずる道であると言っても言い過ぎではありません。地方に財政負担を与えぬ万全の措置をしたという言いようは、全くこれは事実に反するものであります。
 一律カット分五千八百億円のうち、交付税の特例加算一千億円、国が元利償還を確実に約束している二千億円を除いた地方起債分二千八百億円は、結局将来の負担として地方財政に重くのしかかってくるのであります。
 さらに、政府のさまざまな説明、言いわけにもかかわらず、今回の一年限りの暫定措置が、今後一年また一年と延長され、なし崩し的に負担率削減が恒久化されないという保障はどこにもないのであり、古くは一九五四年に一年限りの特例として立法化された補助金臨時法が、既に三十年間も延長されて、今回の法案でついに恒久化措置がとられようとしているのを見ても明らかなように、また、一九八一年の行革特例法がやはり本法案で一年延長されようとしているのを見ても明らかなように、政府特に大蔵省がその恒久化を策しているということは自明の理であります。
 行革特例法の一年延長による厚生年金事業への国庫負担金の繰り入れ四分の一カットの延長もまた大きな問題であります。
 総じて、今回の一括法案は、補助金制度の改革とは何らかかわりのない、ただの財政の帳じり合わせにすぎないのであります。補助金、負担金の整理合理化を進めるに当たっては、そのための前提条件として、まず各制度の内容の検討、国と地方の機能分担、役割分担の見直しが行われるのでなければなりません。国民の生活、福祉水準を充実向上させる方向で、また、地方自治体の自主性とその権限を拡大強化する方向でその改革はなされなければなりません。その際、交付税率の引き上げを初め、交付税総額の大幅な増額など、権限に見合った財源手当を行う必要があることも、言うまでもありません。
 最後に、今回の一括法案は、大蔵省、総理府、文部省、厚生省、農水省、運輸省、建設省、自治省にまたがる五十九の法律、六十六項目を一つにくくって処理するという、まさに異例の法案であります。しかも、関係委員会との連合審査は行われましたものの、各省庁にわたる法案を本大蔵委員会のみで審議しようとした政府と自民党の姿勢も、これは議会史に汚点を残したものと言わなければならない問題であります。行政府の独走に対して追随するのではなしに、これに歯どめをかける勇気と見識の回復を求めながら、本法案に対して反対の意思表示をいたすものであります。
 同時にまた、突如としてここに提出されましたこの修正案について一言付言いたしまするならば、まさに国会運営の最も大きな責任を分かつ与党としてのこの無責任さそのものをあらわしたものであると言わざるを得ないのであります。(拍手)まさにこの修正案の提案の仕方そのことを含めて、その内容はもとより、これに対して反対の意思表示を行うものであります。
 政府は、本委員会において審議され、取り上げられましたさまざまな問題点に対しまして、今後襟を正して誠実に対応されんことを強く申し添えて、本案に対する反対討論を終わるものであります。(拍手)
#172
○越智委員長 坂口力君。
#173
○坂口委員 公明党・国民会議を代表いたしまして、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案並びに同修正案の採決に当たりまして、反対の立場から討論を行います。
 三月二十二日より十一日間に及ぶ議論の中で鮮明にされましたことは、国と地方の役割と負担割合の将来が不明確のままに補助金の一律カットが提案されたことに対する政治責任であります。
 国の財政危機が看過しがたい状態に立ち至っていますことは一応理解のできるところでありますが、地方の仕事量を増加させたまま、今後の方針もなく補助金を一律にカットし、地方に押しつけることは、財政上の問題のみならず、地方の中央政府に対する政治不信を増大させる以外の何物ででもありません。
 しかも、一年限りと法案に明記しながら、審議の中では、総理、大蔵大臣ともに、六十一年度以降は白紙と答弁され、地方自治体から、このままでは永久化するのではないかという疑惑が起こっておりますことも当然と言わなければなりません。
 地方の自由尊重、選択性、選好性を重視し、この法律がその方向に合致したものであるかのごとき答弁もありましたが、それが本来の趣旨でありましたならば、三二%の交付税率の再検討や移管事務の整理等、先に手がけなければならない地方行財政改革が山積しているはずであります。したがって、補助金の整理合理化には総論としては賛成しながらも、本法案のカットする部分と手順に間違いがあると指摘をするものであります。
 次に、総理は答弁の中で、本法案は国と地方の負担の問題であり、住民の利益には直接関係はないと述べられました。しかし、参考人からは、財政難の道府県や市町村においては、文教、福祉を初め、公共事業量にも影響が出るとの発言もあり、補助金の交付税化によって保健婦の設置が無視され、住民の健康が守れないという現場からの切迫した声も出ているのであります。
 この法案は、まさに直接住民の利益に影響するものであり、総理の発言は、地方自治体や国民生活の実態から遠いものであることをあえて指摘しなければなりません。
 我が党の矢追議員は、国庫補助負担率の引き下げによって都道府県及び市町村別の影響額の提出を求めましたが、五十八年度決算額をもとにした机上の案分推計額しか示されず、実質的に拒否されたことはまことに遺憾であります。また、このことは、国が補助金削減の代償として交付税の増額一千億円、建設地方債の増発行四千八百億円を予定していることを主張していますが、国の計算以上に地方の負担増が生じることは明白であり、地方財政に与える影響を過小評価していると言わざるを得ません。
 国と地方の財政難は、建設地方債と特例公債の比較や公債依存度の比較では知ることができず、今回の法案は、財政力の弱い地方自治体ほど厳しくなることを看過しているものであります。
 最後になりましたが、九省庁にわたり五十九法律に関係する内容を、先に予算案で金額を決定し、後に一括して法案化されたその手続に対しても、国会の責任遂行上の観点から強い反対を表現するものであります。
 先人の言葉に、「政悪ければ民をしてこうかつならしむ」とあります。この法案が、民をしてこうかつならしむることにならなければと、大きな危惧を抱きながら、反対討論を終わります。(拍手)
#174
○越智委員長 安倍基雄君。
#175
○安倍(基)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、本法案及び修正案に対して、一括して反対の討論を行います。
 私は、国の財政が非常に困難な状況にあることを知っております。また、今回削減の対象となった補助金の中には、見直しを必要とする時期に来ているものもあることも事実であります。また、我が党としては、地方の行革に取り組まねばならぬと従来から主張してまいりました。しかし、我々は次の理由から、本法案は我々の意図するものとはほど遠いものであり、反対せざるを得ないと考えるものであります。
 第一の理由は、これが国の負担の地方への押しつけとなり、これ以上の負担増にたえられない自治体が数多く生じるのであります。これが、本法案が地方にツケを回したにすぎないと批判されるゆえんであります。
 第二の理由は、この一律カットが補助金のそれぞれの趣旨を考慮することなく行われたことであります。特に、国が本来負担すべき福祉、教育の分野についてカットが行われたことは、国民へのサービスの低下が懸念されるのみならず、国と地、方との信頼関係の上でも大きな問題を投げかけるものであるからであります。
 第三の理由は、これが地方自治体の格差を拡大する方向に作用していることであります。本来補助金は、財源の少ない、財政上も苦しい自治体と富裕な自治体との格差是正を目的としたものが多いのでありますが、この一律削減は、この自治体の格差をますます広げる結果になることであります。
 第四の理由は、本案が補助金一律カットという形のみで、補助金制度の持つ縦割り行政の弊害や地方出先機関の整理、陳情行政の是正、補助金交付事務の合理化などについて、何の是正も行われていないことであります。補助金の一般財源化への検討や、我々が従来から主張しております第二交付税制の創設など、検討が行われるべきであると考えるのであります。
 第五の理由は、これがより本質的な問題、すなわち、国と地方との事務分担をどうするのか、国と地方との財源の配分をどうするのかという問題を避けて通っていることであります。地方の行革は、こうした基本問題を解決しなければ行われないものであり、こうした問題と正面から取り組まずに、一律カットという方策で臨むのは、かえって問題を混乱させることと考えるのであります。
 以上が反対の主たる理由でありますが、このほか、現在の地方税収入がメガポリスに集中し、自治体格差の大きな原因となっていることを放置していること、あるいは補助金の一律カットという犠牲を地方自治体及び国民に押しつけている一方、中曽根政権は、米国の圧力のもとに、新しい巨額の補助金支出を前提とした安易な市場開放を行おうとしていることなど、一律カットを行う前にやらねばならぬさまざまな措置が講ぜられるべきであり、こうした諸点を含めて、我々は本案に対して反対せざるを得ません。
 以上をもって反対討論を終わります。(拍手)
#176
○越智委員長 正森成二君。
#177
○正森委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、ただいま議題となりましたいわゆる補助金一括カット法案及び自由民主党・新自由国民連合の修正案に対し、反対の討論を行います。
 まず最初に、広範多岐にわたる多数の法案を一括提出した問題であります。
 本法案のカット対象は、社会保障、文教、生活密着型公共事業関係が中心となっており、いずれもが長年にわたって血のにじむような国民の声と闘いを反映して築き上げられてきたもので、国会では、社労、文教、地行、建設委員会など八常任委員会と五特別委員会の所管にかかわるものであります。ところが、四年前の行革一括法を含め、何と七十五本もの多数の法律を、国の負担、補助金等の整理合理化という一点で一括提出し、あまつさえ修正案でさらに二本を追加し、七十七本もの法律を当大蔵委員会だけに押しつけたことは全く前代未聞であります。
 我が党が、国会の審議権を著しく制約したこのようなやり方に断固反対し、本一括法案の撤回と各法律ごとの再提出を主張してきたのは当然のことであります。
 次に、法案自体の持つ重大かつ深刻な問題についてであります。
 第一に、福祉、文教、地方財政に関する原理原則のじゅうりん、国の責任の放棄と国民生活への深刻な影響の問題であります。
 今回の措置では、民生関係削減額の九割以上、公共事業関係のほとんどが、本来国が進んで経費の全部または一部を負担しなければならない国庫負担金そのものなのであります。その一方的カットは、地方への負担転嫁を禁じた地方財政法の原則を平然と無視し、国の責任を放棄したものであります。特に、生活保護法や義務教育国庫負担法の原理原則をじゅうりんする補助金カットや一般財源化は重大であり、断じて容認できないものであります。
 政府は、口を開けば、国と地方との負担区分の調整で、国民には直接影響なしと述べておりますが、これはとんでもないうそであります。審議で明らかになったように、生活保護などでの非人道的な受給制限の強化、打ち切り数をケースワーカーが競争させられるという事態、保育料の値上げや保育所の閉鎖、老人ホーム入所料などの値上げ、教育条件悪化などの傾向が、本法案により、一層拍車がかかることは必至であります。
 そして、これら福祉、文教、生活密着型公共事業などについて、地方自治体の財政力の強弱によって、本来平等、同質であるべき住民への給付も、今後ますます落差が広がることも必至であります。
 第二に、政府の一年限りの措置という言い分が全く根拠のないことであります。
 昨年十二月の大蔵、厚生、自治三大臣が交わした覚書には、確かに「昭和六十年度における暫定措置」とあります。しかし、この覚書は社会保障に係る申し合わせであり、それ以外の大部分については何の約束もされておりません。むしろ審議で明らかになったように、大蔵省の「中期展望」で、投資部門について今年度の削減率のまま作成されていたことは、「一年限り」のうそを既に証明したものであります。
 さらに、その社会保障についても、「国と地方の間の役割分担・費用負担の見直し等とともに、」検討を進めて一年以内に結論を得るとしているだけで、見直しの結果、六十一年度以降もカットが恒常化する可能性は大いにあり、しかも、そのときは国からの財源措置は何らとられないことになりかねません。
 第三は、万全の財源措置を講じたという言い分も、真っ赤なうそと言わなければなりません。
 一括法で経常経費二千六百億円、投資的経費三千二百億円、計五千八百億円の地方負担増となりますが、結局このうち国が確実に財源措置をするのは経常経費の一千億円だけてあります。あとの八割以上に上る四千八百億円相当の地方債元利償還額は全くの不確実もしくは丸々地方負担となりかねないのであります。これが地方自治体の財政を圧迫し、さまざまな悪影響を及ぼすことは余りにも明白であります。
 最後に、以上重大な内容を持つ本法案は、政府の臨調行革路線の一環であり、軍拡、大企業擁護の政策によって生じた財政赤字のツケを、責任のない国民と地方自治体に一方的に転嫁し押しつけるもので、中曽根反動行革路線を一層新たな段階に押し上げようとするものにほかなりません。だからこそ、全国八割の自治体がこの法案に反対の決議を上げ、国民の怒りも高まっているのであります。
 日本共産党・革新共同は、このような臨調行革路線の新たな段階を画す本法案に断固反対し、行財政改革を国民本位の方向に根本的に転換するよう強く要求し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#178
○越智委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#179
○越智委員長 これより国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案について採決に入ります。
 まず、堀之内久男君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#180
○越智委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#181
○越智委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#182
○越智委員長 ただいま議決されました本案に対し、中川秀直君外三名より、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。上田卓三君。
#183
○上田(卓)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、案文を朗読し、趣旨の説明にかえさせていただきます。
 各位の御賛同をお願い申し上げます。
    国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について十分配慮すべきである。
 一 今回の高率補助率の一律引下げ措置と行革関連特例法の延長措置は、一年間の暫定措置とすること。
 一 昭和六十一年度以降については、地方公共団体等の意見も尊重して対処し、その事務・事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう適切な措置を講ずること。
 一 行革関連特例法による年金国庫負担金の減額分については、特例適用期間経過後、速やかに繰入れの措置を講ずるようにすること。
 一 今回の各措置により、従来の行政水準とサービスが低下して国民生活に影響を及ぼさないよう万全を期すこと。特に社会保障及び教育の面において特段の配意をすること。
 一 地域振興と地域格差の是正を図るため、公共事業については、その長期計画の着実な進捗を図ること。
 以上。
#184
○越智委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#185
○越智委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
#186
○竹下国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#187
○越智委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#189
○越智委員長 次回は、来る十六日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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