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1984/06/07 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 外務委員会 第19号
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1984/06/07 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 外務委員会 第19号

#1
第102回国会 外務委員会 第19号
昭和六十年六月七日(金曜日)
    午前十時三十二分開議
出席委員
  委員長 愛野興一郎君
   理事 奥田 敬和君 理事 北川 石松君
   理事 野上  徹君 理事 浜田卓二郎君
   理事 井上 普方君 理事 土井たか子君
   理事 玉城 栄一君 理事 渡辺  朗君
      仲村 正治君    西山敬次郎君
      山下 元利君    綿貫 民輔君
      河上 民雄君    木下敬之助君
      岡崎万寿秀君    田中美智子君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 安倍晋太郎君
 出席政府委員
        外務大臣官房審
        議官      斉藤 邦彦君
        外務省北米局長 栗山 尚一君
        外務省経済局長 国広 道彦君
        外務省経済局次
        長       恩田  宗君
        郵政大臣官房審
        議官      田代  功君
        郵政省郵務局長 塩谷  稔君
 委員外の出席者
        外務大臣官房外
        務参事官    瀬崎 克己君
        外務大臣官房外
        務参事官    久米 邦貞君
        厚生省援護局業
        務第一課長   石井  清君
        郵政省郵務局国
        際業務課長   梶谷 陽一君
        郵政省貯金局経
        営企画課国際室
        長       舘野 忠男君
        郵政省貯金局経
        理課長     楠田 修司君
        郵政省電気通信
        局電気通信事業
        部業務課長   品川 萬里君
        労働省労働基準
        局安全衛生部環
        境改善室長   北山 宏幸君
        外務委員会調査
        室長      高橋 文雄君
    ―――――――――――――
六月六日
 核兵器の全面禁止実現等に関する請願(加藤万
 吉君紹介)(第五三二四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 万国郵便連合憲章の第三追加議定書の締結につ
 いて承認を求めるの件(条約第七号)(参議院
 送付)
 万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結
 について承認を求めるの件(条約第八号)(参
 議院送付)
 小包郵便物に関する約定の締結について承認を
 求めるの件(条約第九号)(参議院送付)
 郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の締
 結について承認を求めるの件(条約第一〇号)
 (参議院送付)
 郵便小切手業務に関する約定の締結について承
 認を求めるの件(条約第一一号)(参議院送付
 )
     ――――◇―――――
#2
○愛野委員長 これより会議を開きます。
 万国郵便連合憲章の第三追加議定書の締結について承認を求めるの件、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件、小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件、郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の締結について承認を求めるの件及び郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。
#3
○井上(普)委員 郵政省にお伺いします。
 通信主権と世の中で言われておる言葉がありますが、通信主権ということについて郵政省の考え方をお示し願いたいのです。
#4
○田代政府委員 通信主権につきましては国際電気通信条約の中に、締約政府の全権委員は、各国に対してその電気通信を規律する主権を十分に承認した上で、この条約を締結するということを合意しております。この条約の意味するところは、条約を締結するに当たって、この条約は各国の主権を侵害するものでないこと、また、この条約に加盟する国は他国の主権を侵害するものではないこと、すなわち国と国との関係においては、お互いの電気通信の規律について相手国がこれを侵害しないということであると理解しております。
#5
○井上(普)委員 主権を侵害しないということについて、通信主権という中身はどんなのかと聞いているのです。あなたのであれば、条約にこう書いてあるからという文言にすぎないが、通信主権ということについてはどう解釈するかということをお伺いしているのです。
#6
○田代政府委員 平たく言いますと、日本の通信の制度は日本が自主的に決めるということであると存じております。
#7
○井上(普)委員 そういう前提に立ちまして、お伺いしてまいりたいと思います。
 そこで、このたび郵便五条約が提案されたわけでありますけれども、聞いてみますとUPU、万国郵便連合なるものに昭和二十三年に日本が加入したわけであります。これは、主なる機関は国際連合のブランチになっているように承るのですが、そのとおりでございますか、どうですか。
#8
○瀬崎説明員 お答え申し上げます。
 国連憲章の五十七条でございますが、五十七条には「政府間の協定によって設けられる各種の専門機関で、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野並びに関係分野においてその基本的文書で定めるところにより広い国際的責任を有するものは、」「国際連合と連携関係をもたされなければならない。」いろいろな機関があるわけでございますが、この機関は国際連合と特別の取り決めを結びまして、この特別の取り決めを結ぶことによりまして専門機関になるわけでございます。UPUは、この専門機関の一つでございます。
#9
○井上(普)委員 しかし、このUPUなるものは、日本は明治七年に加入したと聞いております。そうすると、国際連合というのは後からできたものだ、それに包含せられたと解釈してよろしゅうございますか。
#10
○瀬崎説明員 先生御指摘のとおり、このUPUは非常に古い歴史を持ちまして、明治七年に創設されたわけでございます。日本は、初め明治十年にこのUPUに加入いたしまして、その後戦争により一時中断したわけでございますが、このUPUが戦後また復活いたしまして、先生御指摘のような形で加入したわけでございます。
#11
○井上(普)委員 だから、国際連合の下部機関である、ブランチであるということになってくると、私は一言文句を言わなければならぬことが出てくる。
 外務大臣、国際連合のブランチということでユニセフであるとかいろいろあります。しかし、国連憲章それ自体がいまだもって日本を敵性国家と認めておる。その敵性国家の中の国連機関の一員であるというのは、戦後四十年たった今でもまだ変わってないことについて私は大きな不満を持っているのですが、日本政府としましては、この国連憲章をいかにお考えになっておるのか、お伺いいたしたいと思います。
#12
○安倍国務大臣 これは、いわゆる国連憲章の旧敵国条項についてのお話であろうと思いますが、我が国は、国連憲章第五十三条につきましては、平和愛好国として国連に加盟を認められたことにより適用がなくなったものと考えております。また憲章第百七条は、連合国による戦後処理が憲章の他の条項に違反しないようにとの法技術的な経過規定と解され、既に連合国と平和条約その他の個別取り決めを結び、国連に加盟している我が国に関し、もはや適用される余地はないと考えておるわけであります。
#13
○井上(普)委員 しかし、国連憲章の中には、日本は敵性国家であるという文言は入っておるはずであります。消えておらないはずです。ここらをどうお考えになり、またこれを政府はどうお考えになっておるか、このことをお伺いしているのです。
#14
○安倍国務大臣 おっしゃるように、まだ国連憲章の中には、そのまま旧敵国条項という条章は残っておるわけです。今申し上げましたように残ってはおりますけれども、事実上適用される余地はない。しかし、このような規定が憲章に残されておるということ自体は望ましくないことだと考えておりますので、我が国は従来から国連憲章再検討との関係で、国連の種々の場においてその削除を主張しておるところでありまして、今後も引き続き加盟国間の理解と支持を得るように努力をしてまいりたいと思います。しかしながら、本件は国連憲章改正につながる問題でございますから、手続的にも困難な問題があることは我々も踏まえてこれに対応しなければならぬ、こういうふうに考えております。
#15
○井上(普)委員 戦後四十年たって、国連憲章はいまだに敵性国家として日本を文書の上で残しておる。しかも、国連に対しましては費用もかなり出しておるし、あるいはまたユネスコあるいはユニセフ等々にも、かなりの負担金を日本は出している。この間もユニセフに対しまして、もう少し日本が負担をふやしてほしいというような論議がございました。要求もございました際に、一体、日本は敵性国家のままで今おるんだよ、これらを直してくれなければ話にならないじゃないかということを私も要求したことがございます。
 どうです、いまだに敵性国家という言葉が残り、これを直すにはもっと努力しなければならないと思うのですが、日本政府が、国連憲章の日本が敵性国家であるという文章が残っておるのを削る努力をしたように私らには、国民には聞こえておらないのであります。どういう御努力をなさっておるのか、ひとつこの点をお伺いしたいのです。
#16
○瀬崎説明員 国連憲章改正の問題につきましては、日本政府は非常に重視しておりまして、一九七〇年以降明示的に旧敵国条項の削除それから安全保障理事会の機構の拡充の問題につきまして、総会のたびごとに大臣に御発言いただいているわけでございますが、その後国連の中に憲章再検討委員会という小さな委員会ができまして、その中で各国いろいろ関心事項を持ち寄りまして、憲章の再検討につきまして検討しているわけでございます。
 日本政府といたしましては、先ほど申し上げましたように旧敵国条項の削除それから安全保障理事会の機構の拡充、この二点を重点的に提案項目として、現在努力を続けているわけでございます。
#17
○井上(普)委員 小さい委員会で憲章改定委員会というのがあるそうだ。しかし、これは今日本の体面からしていろいろと問題は起こっておるけれども、いまだに国連憲章に日本が敵性国家と文書の上ではありましょうけれどもなっておることについて、私ら、甚だ不満なんだ。外務省は、もっと努力をされる必要があるように思われるのですが、いかがでございます、大臣。これを国連に対する最大の要求としてお出しになったらいかがでございますか。
#18
○安倍国務大臣 これは、事実上は日本が平和国家として国連に加盟しておりますし、国連活動を活発にやっておりますから、事実上の適用はないことは先ほどから申し上げたとおりですが、しかし、条章として残っておりますから、日本の立場からいえば、これだけ国連に協力しているわけでありますし、こういう条章はやめてもらいたい、削除してもらいたい、これはそういうふうに思っております。
 検討委員会で日本はそれを主張しておりますし、国連総会等でも外務大臣も演説の中で述べております。これに対して、各国からの反響は決して悪くもないと思うわけでありますが、その中で、例えばアメリカはこれを支持しております。ただ、残念ながらソ連等は、これに否定的な見解をとっておるわけでございます。
 これは、これからもずっとこうした憲章が続くということは、少なくとも今の現実に合わない敵国条項はやめてもらいたいということで、これからも努力を続けていかなければならぬと思うし、実は私も外務大臣になりましてから、この問題につきましては関係国との間で具体的に話をしたこともございます。しかし、まだこの問題について、関係国間のこれを強く求めるという空気が盛り上がるところまでに至っておらないのは非常に残念に思っておりますが、今後ともさらに関係国とも相談をいたしまして、この条章が撤廃をされるように努力は続けていきたい、こういうふうに思っております。
#19
○井上(普)委員 内閣によりましては、国連外交を日本の外交の中軸に据えるというような内閣もありました。国連外交、これを日本の外交の中心に据えなければならないと私は思います。しかし、その中に、憲章にやはり日本が敵国条項になっておる以上、これは矛盾がある。少なくとも日本の憲法からいたしまして平和国家であるということから、この点につきましては強く削除を求めていく必要があろうと思うのであります。
 外務省は、七〇年からこれの努力をしているのだというお話でございますけれども、どうもその努力が実ってない。まことに残念であります。それは他国が、どこどこの国がというようなこともありましょうけれども、少なくともこのごろどんどんと新しい国ができて、それが国連に加入しつつある、こういうようなことを考えましても、日本がいまだに条文の上では敵性国家であるのは甚だ遺憾であります。安倍外務大臣、外交にえらい力を入れられて御活躍はまことに結構でありますが、こういう点をひとつ直していただくような御努力をさらにお願いしたいと思うのです。御努力をお願いしたいというよりも、一番先にしなければならぬことながらこれがおろそかになっておることを、甚だ残念に思うわけであります。
 今度の万国郵便連合も、やはり国連の専門部会ということになりますと、敵性国家と認定せられている日本がこれの問題について論議することもおかしな話じゃなという気持ちを持ちながら、実はこの五つの条約を勉強した次第でありますので、まずこの点をひとつ強く要求いたしておきたいと思います。
 万国郵便連合というのは、これは五年に一回大会議が開かれておるようでございますけれども、これに加盟しております国は百六十八カ国と聞いております。このうちで何カ国が来年の一月一日までに加盟するのか、手続が完了するのか、見通しをひとつお伺いしたいと思います。
#20
○瀬崎説明員 この一連の条約につきましては、来年の一月一日に発効するわけでございます。したがいまして百六十八カ国、これは日本政府は百六十八カ国と考えておりますが、事務局は南アを除きまして百六十七という考えでございますが、この条約に加入することは義務づけられているわけでございます。したがいまして、各国とも、来年の一月一日までに批准の手続をとるというふうに了解いたしております。
#21
○井上(普)委員 全部の国がなると思いますが、それじゃ加盟してない国は一体何カ国あるのですか。
#22
○瀬崎説明員 UPUに加入いたしております国は百六十八カ国でございます。現在国連の加盟国は百五十九でございまして、国連の加盟国はほぼ、また国連に加盟しておりません韓国、北朝鮮等も加入しているわけでございまして、ほぼ大多数の国が加入しているということでございます。独立の国で加入していない国、ちょっと私の方で手元に資料がございませんので、早速お調べして御報告したいと思います。
#23
○井上(普)委員 郵政省、どうなんです。
#24
○梶谷説明員 国連加盟国でUPUに入っていない国は西サモアだけでございます。
#25
○井上(普)委員 国連に加盟している国でこれに加盟していないのは西サモアだけといったら、数字が合わぬじゃないですか。今、南アフリカを除いて百六十七、そしてこの郵便連合に加入しておるのが百五十九という、西サモアだけというとえらい数字が違うじゃないですか、どうなんです。
#26
○瀬崎説明員 お答え申し上げます。
 国連加盟国でございまして連合の加盟国になっていない国、これはカリブにある非常に小さな国でございますが、アンチグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネイビス、西サモア、この三カ国でございます。
#27
○井上(普)委員 そうすると、今郵政省の方は西サモアだけとおっしゃった。それで数字の方もこれまた合わない。一体どうなっているのです。郵便業務を直接つかさどる郵政省、どうなんです。
#28
○瀬崎説明員 国際連合の加盟国でなくてUPUに入っている国、これが先ほどちょっと申し上げましたように韓国、北朝鮮等ございますが、そのほかにもキリバス、リヒテンシュタイン、モナコ、ナウル、サンマリノ、スイス、トンガ、バチカン、ツバル、以上でございます。
#29
○井上(普)委員 それで今のおっしゃった数字と合いますか。合わぬから聞いているんだよ。直接業務をやっておる郵政省、どうなんです。この連合に加盟しておる国が、今おっしゃったのでは数字が合わぬと思うのですが、合うのですか、どうなんです。――だから、私が伺うのは、こんな条約をつくって郵便が届かぬようなことになったら困ると思うので、それで聞いているのです。今も韓国あるいは北朝鮮というような日本の近い国々、あるいは西サモアも入ってないと言いますが、今承りますとスイスが入ってないというのはどうなんです、これは一体どういうことになっているのです。
#30
○瀬崎説明員 先ほどお答えいたしました。とおり、スイスは国連の加盟国でございませんが、UPUの加盟国でございます。
#31
○井上(普)委員 スイスにつきましては、わかりました。しかし、この数字が合わない、これははっきりさせてもらわなければ話になりませんよ。この問題、大分慌てておるようだが、後ほどお伺いいたします。私の質問中に、きちっとした数字を出していただきたい。
 そこで、加盟してない国々が大分あるようですが、それらの国々で国際郵便の業務に支障を来すのじゃありませんか。そこらのところはどうお考えになっているのですか。
#32
○梶谷説明員 ただいま日本からは、世界すべての国に対して郵便の交換が行われております。ただ、カンボジアとかレバノン等の若干の国におきまして、種別を限りまして郵便の交換を行っているというところはございます。しかし、郵便が全く行かないというところは、現在の時点ではございません。
#33
○井上(普)委員 しかし、今我が党の土井さんからも、出しても着かぬ国があると言うが、事実あるのでしょう。そこらのところはどうなんです。
#34
○梶谷説明員 現在は、日本からはすべての国に対して郵便を発送でき、また、向こうから来る郵便を処理できるという体制になっております。ただ、先ほども申し上げましたように、カンボジア、レバノンあるいはチャド等の国におきましてすべての郵便物を扱うというのではなくて、小包はだめとか、通常郵便物でも重量を制限した形で引き受けているというところはございます。
#35
○井上(普)委員 カンボジアあるいはレバノンというのは内戦が、まあレバノンも着かなければいかぬと思うんだが、これは国内事情ですか。向こうの受け入れ国の国内事情でできないのですか。
 それから、四年前にこれの審議がありました際に、チャドはそのときから除外されている、着かないと言うのですが、いまだにどうしてチャドは着かないのですか。
#36
○梶谷説明員 カンボジア、それからレバノン、チャド等若干の国ですけれども、こういう国につきましては、先方の事情で郵便の交換がある程度制限されているという状況でございます。先方から重量についての制限とか種別についての制限、そういう連絡が入りまして、それに基づいて、私どもの方はその制限に従って、お客様からはそういう国にあてての郵便をお引き受けしているわけでございます。
#37
○井上(普)委員 私がお伺いしておったのは、郵便についてと言って先ほどから聞いているのです。小包ということは言ってないんだよ。あるいは、為替についても言ってないし、小切手についても言ってない。郵便が着かぬところはどこなんだと言ったら、あなたはカンボジア、レバノンあるいはチャド、こう言っている。しかし、ここらあたりはっきりさせなければいかぬから言っているのですよ。どうなんです。ここで出したら、ともかくこの国々は全部郵便は着くのですか。
#38
○梶谷説明員 先ほども申し上げましたように、すべての国に対して郵便の交換ができるということになっておりまして、ただ、若干の国において、重量あるいは種別についての制限があるということでございます。今郵便が届かない、あるいは郵便を引き受けしましても送達できないという国は、一つもございません。
#39
○井上(普)委員 それでは、ともかく重量制限であるとかそういうような制限があるけれども、今日本から出した場合、郵便が着かない国はない、こう考えてよろしゅうございますか。
#40
○梶谷説明員 ただいまの時点では、すべての国について送達が可能であります。
#41
○井上(普)委員 それじゃ信用しましょう。
 北朝鮮につきましても、確実に着きますな。
#42
○梶谷説明員 北朝鮮との間にも、私どもは郵便交換を現に行っております。
 ただ、北朝鮮につきましては、直接向こうに行きます飛行機便とか船便というのがございません。したがいまして、ソ連を経由するとかあるいは中国を経由するという形で郵便の交換を行っております。
#43
○井上(普)委員 どういう経由をたどろうと、着くかということを聞いているのです。着くものだと御答弁があったということで、今後対処したいと思います。
 今度の万国郵便条約の一番大きな改正は、郵便の基本料金を五〇%値上げしたところにあるのですが、五〇%値上げしたいきさつについてひとつお伺いしたい。そして、もう一つ聞きたいのは、基本料金とは一体何なのか、ここのところをひとつ解明してもらいたい。
#44
○塩谷政府委員 条約第十九条に定めます通常郵便物の基本料金が……(井上(普)委員「もっとはっきり言ってくれよ」と呼ぶ)はい。五〇%引き上げられた経緯について申し上げますが、これは万国郵便連合の執行理事会におきます検討の結果、通常郵便物の基本料金改定のために、昨年西ドイツで開催された会議で三つの案が提出されたわけでございます。
 その第一案といたしましては、通常郵便物全体について現行の基本料金を一律に五〇%引き上げる、それから第二案は、書状及びはがきにつきましては現行の基本料金を五〇%、印刷物及び小形包装物については六二%引き上げる、それから第三案といたしまして、通常郵便物全体について現行の基本料金を一律に二〇%引き上げるということでございまして、この改正案が大会議において審議されたわけでございます。いろいろ、それぞれの国の経済事情でありますとか料金水準の違いを反映して意見が分かれたわけでございますけれども、最終的に投票に付されて、今後五年間における各国の経費増を賄うに足るものとして、比較的賛成意見の多かった一律五〇%引き上げの第一案が賛成多数で採択されたわけでございます。
 それから、基本料金でございますが、これは第十九条におきまして、通常郵便物について、書状、はがき、それから印刷物あるいは小形包装物、そういったものについて船便で送った場合の基本的な料金を重量別にランクづけをしまして、そのそれぞれについて幾らというふうに決めております。
 以上でございます。
#45
○井上(普)委員 そうすると、外国郵便につきましては、今後五〇%値上げされるものと考えてよろしいか。
#46
○塩谷政府委員 基本料金が五〇%引き上げられたということの趣旨は、例えば日本の場合でございますけれども、日本において外国郵便の料金を決める場合は、郵政大臣が条約の範囲内で省令で決めることになっておりまして、その範囲、いわばその基本的な料金の範囲が引き上げられたというふうに理解してよろしいかと思います。したがいまして、それが引き上げられたからといって、直ちに日本国内において外国の郵便料金を引き上げるということにはならないと思います。
#47
○井上(普)委員 それは大臣の専管事項だということは、私も重々承知しておる。今後、諸外国の郵便が五〇%上がるであろうということが予想されますな。どうなんです。
#48
○塩谷政府委員 五〇%引き上げという動向があらわれているということは、それぞれの国内事情で、郵便料金について厳しい情勢だということは察知できるわけでございますけれども、これで直ちに諸外国が郵便料金の値上げに踏み切るかということは、即断はできないと私は思います。やはりそれぞれの国がそれぞれの国で、郵便という通信メディアとほかのメディアとの競争ということも抱えておりますので、それぞれ国内事情があろうかというふうに考えております。
#49
○井上(普)委員 それは国内事情であるけれども、今後上がるかもしれない、上げてもいいんだということを万国郵便連合が認めておるということになりませんか。
#50
○塩谷政府委員 少なくとも現行の規定よりは引き上げられたという限りにおいて、上げ得る余地は広まったということは言えると思います。
#51
○井上(普)委員 そこでお伺いしたいんだが、外国郵便については日本の収支は非常に大きな黒字だと聞いておるのだが、ここ四、五年の黒字の状況はどうなっていますか。
#52
○塩谷政府委員 お答え申し上げます。
 私どもの手元に昭和五十六年度から五十八年度までの外国郵便の収支状況がございますが、昭和五十六年度におきましては、収入五百九十八億円に対して支出四百四億円、百九十四億円の黒、それから五十七年度は、七百十四億円の収入に対しまして支出が五百二億円、二百十二億円の黒、それから五十八年度におきましては、六百六十九億円の収入に対しまして支出が五百九十九億円、七十億円の黒、こういうふうになっております。
#53
○井上(普)委員 であれば、日本はここ三年えらい黒字であるわけで、売上高の大体三〇%近くは黒字であるということを見ますと、日本の外国郵便は当分は値上げしないと考えて差し支えございませんな。
#54
○塩谷政府委員 外国郵便料金につきまして、先生おっしゃいましたとおり、この大会議で各種の料金が改定されたわけでございますけれども、今後各郵政庁に支払う経費の増加でありますとかあるいは国内取扱経費の増加も見込まれるわけでございますので、郵便事業財政の今後の状況も見ていく必要がございますが、先ほど私申し上げましたように、外国郵便がいろいろな通信メディアとの競争下にあることを考慮しますと、その改定につきましては慎重に対処すべきものと考えております。
#55
○井上(普)委員 慎重に対処すべきものと考えるという役人らしい答弁をされておるが、これだけの黒字であれば、これを引き上げるというようなことが起こった場合、我々は重大なる関心を持つことをひとつ御承知願いたいと思います。
 そこで、昨年UPUの執行理事会から加盟国全体に対しまして、基本料金の引き上げについて諮問されたと私は承っておる。日本は、それに対してどういうような回答をしたのか、この点お伺いしたい。恐らく、また値上げしてもよろしいというようなことを回答したと思うのでございますが、その内容についてお伺いいたしたい。
#56
○梶谷説明員 今回の大会議に当たりまして、その下部機関的な執行理事会というところで、これからの外国郵便料金をどうするかということで審議が続けられておりまして、その一環といたしまして各国に対して諮問を行っております。その際、回答が得られた国が八十カ国ありました。そのうち四十九カ国が、何らかの引き上げをすべきであるという意見でございまして、あと残りは、ステータスクオというところが二十八カ国、それから意見のないところが三カ国ということでございました。それで、この中で引き上げを容認した国が四十九ございまして、そのうち、五〇%以上の値上げが必要であると考えていた国は約二十カ国でございました。
#57
○井上(普)委員 日本がどういう回答をしたのだということを聞いているんだよ。よその国のこと聞いているんじゃないんだ。日本はどういう回答をしたかと聞いているんだ。
#58
○梶谷説明員 日本はこの諮問に対しまして、七割の値上げが必要であるというふうに回答いたしました。
#59
○井上(普)委員 なぜ七割も、日本は値上げしなきゃいけないという回答をしたのです。その根拠をひとつお伺いしたい。これだけ黒字でありながら、なぜ七割も値上げしなきゃならないのか、そこらの根拠をひとつお伺いしたい。
#60
○梶谷説明員 私どもは、大会議で決まる郵便料金というのは、向こう五年間見越した料金になるということから、その間における取扱経費等を勘案しますと、それぐらいの値上げが必要であろうというふうに考えたわけでございます。また、為替の変動ということも考慮に入れまして、恐らくこれぐらいは必要ではないかというふうに考えて、七割の回答をいたしました。
#61
○井上(普)委員 向こう五年間で七割の変動が――為替の変動にしても、せいぜいあっても二、三割だ。取り扱いの手数料がふえるといいましても、これは政府の経済見通しによりましても、向こう五年間の消費者物価の値上げ等々を考えましても、とてもじゃないが一四、五%だ。一体、どこから七〇%という数字が出てきたのです。しかも、今聞きますと、国の外国郵便は大黒字じゃないですか。これで七〇%もなぜ日本は上げる必要があるということを申し出たのです。もう少しその根拠を明確に、数字を挙げてひとつ説明してもらいたい。
#62
○梶谷説明員 この七割を決定するに当たりまして、数字を積み上げてやったということではございませんで、これから五年間の取扱経費の増高それから為替の変動、諸要素を考慮しますと、その研究をした当時から、大会議があり、その後さらに五年間の長きにわたっての経済予測をするのは非常に困難だったわけですけれども、それぐらい値上げをすれば、大会議後五年間ぐらいの料金の値上げを可能にするのではないかということから、七割という線を出したわけでございます。したがいまして、この七割を出すに当たって、詳細な数字の積み上げというものはいたしておりません。
#63
○井上(普)委員 これ、積み上げずに、ただつかみ金で五年間に七割というのは、一体どういうことなんだ。国の信用にもかかわるじゃないですか。今も、取扱経費の増高と言います、あるいは為替変動と言います。こんなむちゃくちゃな値上げをともかく諮問委員会に日本は出した。恥じゃありませんか。大体、取り扱いの経費は、五年間に一体どのくらい上がる。毎年どのくらい上がっているのです。為替変動は、これはわからないとしても、どのくらい上がるのです。
#64
○梶谷説明員 当時の予測というのは、私も今、ちょっと資料があまりせんのでわかりませんけれども、最近の取扱経費の上昇等ということであれば、大体年三%から四%というところではないかと思います。
#65
○井上(普)委員 年三%から四%、四%をとって、五年間に二〇%じゃないですか。あるいは、複利でいくから二五%か三〇%になる。それくらいじゃないですか。そうすると、最大に見積もっても、七〇%というのは、これは日本だけじゃなかったのですか。
 というのは、私がなぜこういうことを言うかと言えば、郵便というのは、人類がともかく未知なるものを他に及ぼしていくという非常に重要な通信手段だと私は思う。通信手段ですることによって、各国の文化の交流もでき、また人類の向上になる、こう思うがゆえに、外国郵便というのは安くしなきゃいかぬ、こう思っているのです。これが万国郵便の基本的な姿勢じゃないですか。それを、七〇%も値上げするのがよかろうなんということを日本が言ったとするならば、国際的な恥じゃありませんか。
 外務大臣、あなたは外交上、こういうような問題は直接タッチさせられてはおらないと思うけれども、日本が七〇%も値上げしてよろしいというようなことを申すことについては、あなた、どうお考えになります。政治家の一人として、あるいは外務大臣として、どうお考えになります。
#66
○塩谷政府委員 先生おっしゃいますとおり、この値上げといいますか、いわゆる基準の幅の引き上げという意味での値上げ、それについて過大なあれをしたということで、私どもの郵便料金に対しての姿勢を問題にされているのは、まことにごもっともだと思います。
 ただ、いろいろ私、今その辺の前後事情を聞きましたのですけれども、これは提案の前にいろいろな打診といいますか、返答といいますか、そういうのを求められまして、中には一〇〇%の返事を出した国もあったようですけれども、日本はいろいろ今後の引き上げ幅のアローアンスを多く見たいという意味で七割の返事をした。しかし、その後、最終的にこの執行理事会での会議の提案ということでは、五〇%ということに私どもも意思表示しているわけでございまして、決して軽々しく引き上げて、それで料金引き上げを容易にしていこう、そういう魂胆で申し上げたのではございませんので、その辺よく御理解いただきたいと思います。
#67
○井上(普)委員 しかし、そういう魂胆でやったんじゃないか、これ。どういう魂胆でやった、七〇%値上げすることについて。どういう考え方でやったんだ。七〇%を日本が回答しておることは、厳然たる事実なんだ。どういうことなんだ。
#68
○梶谷説明員 この諮問がありましたのは、一九八二年から三年にかけてでございます。したがいまして、その当時、大会議後、一九八九年までの料金の改定の幅というものについて見通すことは非常に困難だったわけですけれども、私どもとしては安全を見まして、それぐらいはやっておくべきではないかということで当初は回答したわけでございます。しかしながら、この五〇%なり七〇%のアップというのは、あくまでも五〇%なり七〇%まで引き上げられるということでございまして、即五割とか七割郵便料金が上がるということではございません。あくまでもその範囲の中で私どもは経営努力をして、安い外国郵便料金を設定するということでなければならないというふうに考えております。
#69
○井上(普)委員 値上げ幅は七〇%が適当ということをあなた方、出しているでしょう。そして、今度は会議のときには五〇%でよろしい、こうおっしゃる、言ったという、これもどんな話やらわけがわからない。しかし、郵便の持つ重要性を考えるならば、これはともかくいかに安くするかということがやらなきゃならない事柄なんです。にもかかわらず、七〇%の値上げがよろしいということを――私も、郵便大会議の概要報官いうのを見ているんだ。見てみると、外国郵便というのは文化の交流にとっては必要なことだし、また、日本も文化国家をもって任ずる以上は、その手段である郵便料金と外国郵便料金というのは、赤字を出してもやってもいいと私は思っている。ところが、片方においては黒字であるにもかかわらず、このように七〇%も引き上げしようという案をこの会議に出しておる。どうなんだ。一体郵政省は、どんな考え方で郵便事業に携っておるのか、その姿勢を疑うのです。恥ずかしいと思いませんか、どうなんです。
#70
○塩谷政府委員 この提案といいますか、意見を求められたときの回答ということで、これは先生がおっしゃいますとおり、何も吹っかけてやればいいというものでは決してございませんで、大体これからの時期、時間的な幅を見まして、その間におけるいろいろな変動要素というものを勘案してぎりぎりの線を出すというのが、私は順当だろうと思います。
 ただ、何分五年という期間がございまして、その間、こういった基本的な料金の改定ということはノータッチである。そういった時間的な、ある程度の期間的な幅の中で、もし物価変動などについて不測の事態が発生した場合に対応できたら、そういった気持ちの方がややちょっと働き過ぎたのかと思いますけれども、そういった点でこの七割返答にはなって、最終的には五〇%支持になっておるわけでございます。
 ただ、申し上げますのは、それをしたからといって、これは先生はその辺は今信用できないとおっしゃるのかもしれませんけれども、私ども軽々に、これを直ちに実際の国内でのいわゆる外国郵便料金の改定ということに締びつけては考えていないわけでございまして、その辺は先ほど申し上げましたように、いろいろな情勢、国内の取扱費用の問題でありますとか、そういうようなことを見ながら、あるいはほかの通信メディアとの価格バランスなども考えて、外国郵便というもの、あるいは先生先ほどおっしゃっておりました郵便の文化的な使命、そういったある程度料金を持っていくことが社会的、文化的に果たす役割ということも十分勘案して、これからやっていきたいというふうに考えております。
#71
○井上(普)委員 五年間に七〇%が上がる、基本料金を上げるべきだというのは、あなた、日本のどの統計数字を見ても出てこない。それを平気で七〇%、ともかく提案したというのだから、あきれ果てて物が言えないのだよ。どこにその根拠があったのか。
 この七〇%をなぜ私は言うかと言えば、日本国内の問題だけじゃない、これはほかの国の外国郵便に影響を及ぼすから私は言っているんだ。他国との間の第三者の国同士の郵便というものの、文化的にもあるいは人類の英知を交換する上においても、非常に重大な通信手段だと私らは思うから言っているんだ。そういうような姿勢それ自体について、私は大きな疑問を持たざるを得ない。郵政省の反省を促す。こういうときには根拠のある数字をひとつ十分にはじき出して、ただ、あなたのお話はこれぐらいでいいわというようなことで簡単に物事を考えられておること、それが日本の外交に大きな影響を及ぼすのだということも考えた上でやっていただきたいと思う。どうだ、国連局長、こういうような態度で日本はいったということについて、恥ずかしいと思わないか。
#72
○瀬崎説明員 郵便料金の問題につきましては、基本的には郵政省が御判断いただくことでございますので、外務省としては、これが非常に高いとかあるいは合理的であるとか安いとかということはなかなか判断しにくい問題でございます。
 それから、先ほどちょっと答弁漏れがありましたので補足させていただきたいのでございますが、UPUの加盟国の数でございます。再度調査いたしまして、国連加盟国は現在百五十九でございますが、このうち国連加盟国であってUPUの加盟国でない国、これがアンチグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネイビス、西サモアの三カ国でございます。したがいまして、国連加盟国でUPUに入っておりますのが百五十六、それから国連加盟国でない国であって連合の加盟国、これが十一でございます。念のため申し上げますと、キリバス、韓国、リヒテンシュタイン、モナコ、ナウル、北朝鮮、サンマリノ、スイス、トンガ、バチカン、ツバルの十一でございます。なお、一つ欠けているわけでございますが、これは英国の海外領土でございまして、先ほどこれが漏れまして大変失礼いたしました。
#73
○井上(普)委員 国連局の御答弁をいただいたが、今のお話ということになると、他の省庁がお決めになることであって外務省はそれにさわることはできない、すべてそういう方針で外務省は臨んでおるんだな。このことについては、ひとつ明確にしておいていただきたい。
#74
○瀬崎説明員 国際会議でいろいろな案が議論されるわけでございますが、郵便料金の問題あるいは労働条件の問題、今、国会で御審議いただいております男女差別解消の問題、いろいろございますが、この各案件につきましては、外務省といたしまして関係省庁の御意向を受けて十分協議いたしまして、もちろん外務省として言うべきことは言うということでございまして、必ずしも右から左に取り次ぐということでないわけでございます。
 他方、郵便料金といったような問題になりますと、非常に複雑な料金の体系等の問題がございますので、なかなか外務省としてこれが高いとかあるいは低いとかということが判断しにくい問題である、かように申した次第でございます。
#75
○井上(普)委員 基本料金五年間の見通しで七〇%について、これが高いとか低いとかいうことが判断できぬような外交官だ、日本の外務省だ、こう考えていいな。
#76
○瀬崎説明員 五年間で七〇%、それだけ抜き出しますと確かに非常に高いということは言えるかと思いますが、他方、そのベースになっておりました数字自体がほかとの比較で高かったのか安かったのか、こういう問題かと思います。
#77
○井上(普)委員 それでは、そのベースになる料金についてお伺いしたい。どういうようなベースになっているんてす。これは参事官知っているか、お伺いしたいのです。
#78
○瀬崎説明員 まことに恐縮でございますけれども、私、郵政のこの料金の体系については非常に素人でございまして、このベースが高かったか安かったかということにつきましては、郵政省側から詳しい説明は受けてないわけでございます。したがいまして、ちょっと先生の御質問に、必ずしも真っ正面からお答えできないという点があるかと思います。
#79
○井上(普)委員 真っ正面からあなたが答弁したから、真っ正面から聞いているだけの話です。これの算出方法については、金フランであるとかあるいはIMFのSDRとかいうようなものが複雑に重なってきているのです。それを知った上で、あなたは言っているのかと思ったんだ。だから聞いているのです。それも御存じない。七〇%というものは、郵政省がおっしゃったからそのとおり我々は引き受けたのでございますというようなことで、外交ができるのかな。それでありましたならば、国内問題に対しては、外務省はこれから全然タッチしないということをひとつ明確におっしゃっていただきたい。どうだ。そこに経済局長も斉藤審議官もおられるが、どうだ、そこらは。
#80
○瀬崎説明員 何回も同じようなことを繰り返して大変恐縮でございますけれども、郵便料金の体系、こういったものにつきましては郵政省の御判断をそんたくするというのが私どもの立場でございます。もちろん、右から左にすぐ取り次ぐというわけではございませんで、いろいろ議論はするわけでございますけれども、最終的には、やはり郵政省が専門的なお立場からいろいろな要素を勘案いたしましてはじき出された数字というのを尊重しているわけでございます。
#81
○井上(普)委員 どうも外務省も、郵便の持つ文化的な、あるいは人類的な、あるいは世界的な意味合いというものを御存じなさそうに思う。こういうようなことでは、外務省は郵政省が言うたとおり取り次いだとしか私には思えない。後からへ理屈をつけて、ここでは言っておるようだが。基準通貨につきましても、私ら、これは論議しなければならぬ問題があるように思われる。
    〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
 しかし、今の七〇%というのは、こういうような将来五年間七〇%というようなことを申し出たこと、それ自体を私は恥ずかしいと思っている。それを取り次いだ外務省も、これまた恥ずかしい気持ちでいっぱいだろうと思う。郵便料金ぐらいのことだから、ほっておけばいいというようなお考え方で過ごしたのかもしれませんが、こういうことが日本の対外信用を失うゆえんだと私は思う。しかも、その七〇%の基礎というのは、取扱経費が五年間に上がるであろうとか、五年間の見通しもなかなかつきませんなどと言って、それは為替の変動については、皆さん方が予測するのは難しいということはわかる。しかし、取扱経費がそんなに上がるわけはないのです。私は、日本の郵政省のこの申し出に対しましては非常に不満であるし、無責任きわまる態度で出ていっているということを強く指摘せざるを得ないのであります。
 もう、あきれて物を言えないけれども、問題がたくさんありますので続いてお伺いしたい。
 今回の郵便物に対する到着料も、一キロについて五・五フランから八フランに引き上げられましたが、日本の場合、先ほども申しましたように大黒字になっている。そのために日本の収入がふえるはずでありますが、到着料の状況をひとつ御説明願いたい。そして、今回の到着料の引き上げ案について日本はどういう態度で臨んだのか、また、今後どういうような態度で臨もうとするのか、この点をお伺いしたいと思うのです。
#82
○塩谷政府委員 到着料の額でございますが、これは先生御承知のとおり、私どもが相手国へ出した郵便物の量と受け取った郵便物の量の差、向こうさんに多く負担してもらった分をこちらで払うことになるわけでございます。逆の場合は、向こうからいただくということになるわけでございますけれども、その到着料の額が今回の改正によりまして、その差し引きの交換差一キログラムにつき五フラン五十サンチームから八フランに引き上げられました。
 それで、この到着料の引き上げの経緯でございますが、到着料につきましては、書状及びはがき、それから印刷物及び小形包装物、並びに特別郵袋印刷物というのがございますけれども、その三本立ての料率とする案が執行理事会から出されまして、それと並んで、現行の書状、はがき及び印刷物、小形包装物と、それから特別郵袋印刷物、この二本立てとする案、両方審議されたわけでございます。
 それで、最終的には三本立ての案が反対多数で否決されまして、先ほど申し上げましたように、今後五年間における取扱費用を償うものといたしまして、現行の到着料率を約四五%引き上げた、書状、はがき、小形包装物については八金フラン、特別郵袋印刷物については二金フランとする、これはスリランカの案が賛成多数で可決されたわけでございます。
#83
○梶谷説明員 ただいま局長から説明申し上げましたとおり、三本立ての案それから二本立ての案がございました。それで、日本といたしましては、この三本立ての案というのが合理的は合理的なんですが、従来二本立てであったものを三本立てにするということから、人件費等の増を伴うとかえって余計経費がかかりましてうまくないと判断いたしまして、この三本立ての案には反対いたしました。
 それから、その次の二本立ての案につきましては、これは料率が若干高いと私どもは判断いたしまして、これにも反対をいたしたわけですけれども、結果的にこちらの方が賛成多数で通りました。
#84
○井上(普)委員 日本には、これで到着料がどれくらいふえるのだということを聞いているんですよ。
#85
○塩谷政府委員 それぞれ差の重量について適用される額は引き上げられたわけでございますけれども、実際のところはこれから現実に、到着料の場合は、出しと入れが変動しますとそれによって変わりますので確たることは申し上げられないのですが、現状のままの出し入れの差で推移したとしますと、支払い額が十二億から十八億になるということでございます。ちょっとそこまでしかわからない状況でございます。
#86
○井上(普)委員 どうしてわからないのだよ。今までの過去の経緯からして、これを掛け算すれば出てくるはずじゃないですか。それくらいがわからないで、この条約の審議をせいというのはどういうことだ。
#87
○梶谷説明員 到着料と申しますのは、これは例えば日米間で行われる交換につきましては、日本からアメリカにあてる郵便物の量それからアメリカから日本に来る郵便の量、これを重量で換算いたしまして、日本からアメリカにあてるものの方が多いとか少ないとかというバランスを計算します。そのバランスにつきまして、現在は一キロ五・五金フランという料率になっているわけでございます。ところが、このバランスというのは年々変わっております。日米間につきましては、アメリカから日本に入ってくる方が多いわけでございます。したがいまして、日本が到着料を受け取るということになっているわけでございますが、一方、東南アジア等の諸国に対しましては日本の方が余計輸出をしている、向こうから入ってくる郵便の方が少ないということでございまして、アメリカとは逆に日本の方からそれら東南アジア諸国に到着料を支払っておるわけでございます。
 ただ、到着料が幾らになるかということにつきましては、そのバランスがどうなるかということによって変わってくるわけでございまして、最近の傾向は、日本から出ていく郵便が全体としてとらえますとふえている、入ってくる方が少なくなりつつある、相対的にそうなっているということでございまして、現時点では、出る方、入る方トータルしますと、大体収支で四億円ぐらいの額になります。ただ将来は、料金の改定がございましたから若干ふえますけれども、バランス自体としてはだんだん少なくなっていくんじゃないかというふうに考えております。
#88
○井上(普)委員 これだけ、ともかく五・五フランから八フランにえらい値上げをしておるわけなんだ。だから、到着料がどうなるかということも重要な関心事であることは間違いないんだ。それの数字が、ともかくバランスがどうなるかわからぬ。統計をとって毎年毎年やっているのでしょう。そんなことはしていないの、郵政省は。どうなるのだろうというのは当然の考え方じゃないか。だから、幾らに予想せられるんだということをお伺いしているのですよ。それさえ御答弁にならないというのですか、できないというのですか。それほど郵政省というのは我々に知らすことを嫌がるのか、どっちなんです。
#89
○塩谷政府委員 差し引き四億ということで申し上げまして、それがこの料率の改定四五%増ということになりますと、大体六億と見てよろしいかと思います。
#90
○井上(普)委員 どうだ、はっきりそうと言えばいいのだ。うじゃうじゃと、ともかくわからぬようなことばかり言ってやっていこうとする、郵政省の態度はおもしろくないよ。
 そこで、基準貨幣について、えらい今度論議になったようなんですが、その詳細についてひとつ承りたい。
#91
○梶谷説明員 UPUの基準貨幣は金フランを使っております。この金フランにつきましては、先般開かれましたハンブルクの大会議におきましていろいろ議論が出ておりました。一つは、この金フランをIMFの勘定の単位であるSDRに直すべきであるという意見でございまして、これはかなりの多数の国がそういう意見を持っておりました。そして一方では、特にIMFに加盟してない国でございますが、そういう国からは、引き続きUPUとしては金フランを維持すべきであるという意見が出ておりました。
 また、この換算のレートにつきましては、従来から一SDR三・〇六一金フランというレートを使っておりましたけれども、そのレートを決議の形ではっきりさせるという意見も出まして、これは採択されております。
#92
○井上(普)委員 そうすると、金フランは金貨にして一体幾らになるのです。これはスイス・フランですか、フランス・フランですか、どっちなんです。
#93
○梶谷説明員 これは金フランでございまして、スイス・フランでもありませんし、またフレンチ・フランでもございません。これは連合の憲章におきまして、「連合の文書において貨幣単位として採用するフランは、重量三十一分の十グラムであって品位千分の九百である百サンチームの金フランとする。」と規定されておりまして、これはSDRに換算いたしますと、先ほどもちょっと御説明いたしましたけれども、一SDRイコール三・〇六一金フランということになっております。
#94
○井上(普)委員 そうすると、金フランというのは架空の貨幣だと考えてよろしいな。そうすると、SDRに直すと三・〇何フランだったかな、になる。これは変わらぬのですか。時期によって変動するのじゃないですか。それはどうなんです。
#95
○梶谷説明員 この金フランにつきましては、現在IMFの方で金を廃貨しておるというような事情もございまして、直接金の価格とはリンクいたしておりません。
 それから、三・〇六一というレートが出ている根拠でございますが、一SDRに相当する純金の重量、これが〇・八八八六七グラムということになります。それから、一金フランに相当する純金の重量、これが〇・二九〇三二グラムでございます。この両方のグラムから、先ほど申し上げました一SDRイコール三・〇六一金フランというレートが出ておるわけでございます。
#96
○井上(普)委員 いずれにしてもこの基準貨幣というものは、どうも特異な計算をやられておるようだ。この問題につきましては、会議の概要報告を見てみましても、かなり問題があるように思われてなりません。さらに、これは日本としては、すかっとしたといいますか、明確な、歴史のある連合でもありますけれども、時代に合わしたような方法に今後取り扱いをするよう努力していただきたいと思います。
 しかし、先ほどから承っていますと、外国郵便においてはこれだけの黒字を出しておる。国外郵便料の値上げというものは我が国に関してはあり得ないと思うのですが、いかがでございます。この点、はっきり御説明願いたい。
#97
○塩谷政府委員 国際郵便料金の値上げという問題につきましては、これは現在黒字ではございますけれども、これからの取扱経費の増加等も十分見きわめ、また、値上げということになりますと当然ほかの通信手段との関係でどうか、郵便離れということが起こっては我々身もふたもないわけでございますので、そういったいろいろな情勢なども勘案しながら、慎重に考えてまいりたいというふうに思っております。
    〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕
#98
○井上(普)委員 役人の答弁だな。これだけの黒字を出しておりながら、これについて明確な将来の、何というのですか、ほかの通信手段との競合問題等々と、おかしな答弁をされるものだな。大体四百七、八十億のうちで黒字が、五十七年で言ったら二百億出ているのですよ。四割だ。あるいはまた、五十八年をとってみると、これは五百億のときに七十億黒字が出ているのですよ。にもかかわらず、この値上げについては、明確に上げない、当分上げないということは言えないのですか。
#99
○塩谷政府委員 私ども今回、先ほど基準料金の引き上げの問題につきまして先生が言及されましたように、あるいは御懸念なさいましたように、ああいったことを機会として直ちに料金引き上げということは考えておりません。ただ、これを今、郵便料金を上げませんと言うことは、これから将来に向かっていろいろな起こり得る事態もあるわけでございまして、その辺につきましては、とにかく目下の段階では料金改定については慎重に対処申し上げたい。もちろん、我々が郵便料金を引き上げた場合、そのマイナス効果というのは十分承知しているわけでございまして、そういったことも勘案しながら、とにかくこれからそういう値上げをしないで済むように、いろいろ需要喚起というようなこと、郵便という手段を御利用いただいて、収支が今後とも健全に維持されるように努めてまいりたい、こういう決意でお答えにかえさせていただきたいと思います。
#100
○井上(普)委員 国内郵便と違うんだ。外国郵便ということになると、これは文化、通信の手段として大きい問題があるし、日本の国情をまた外国に知ってもらうという文化的な面も、非常に大切な問題と私は思う。したがって、せっかく今でもこれだけの黒字なんだから、我々はこの外国郵便につきましては極力現行料金を守っていきますというぐらいの答弁をするのが当たり前だと私は思う。ところが、これまた郵政大臣の専管事項に四、五年前からなるというと、途端に役人の筆先一つでどうでもなるわという考え方でいこうとする気持ちがありありと見える。現に、先ほども言いましたように、日本では七〇%もともかく値上げしてよろしい、基準料金を上げてよろしいというようなことを平気で外国でおっしゃっている。郵政省には、文化的な使命というようなことについて御認識がないんだろうという気が私はしてならないんだ。だからあえて、国外郵便につきましては値上げは当分しなくても済むな、こう申しておるんだ。それにつきまして言を左右せられることは甚だ残念であります。どうなんです、ここのところ。
#101
○塩谷政府委員 井上先生おっしゃいますとおり、郵便というのは意思の伝達ということのほかに、いろいろ書籍、印刷物の運搬ということで、文化的な使命を果たしているところでございます。国際間におきましてはなおのこと、いろいろ文化交流という面で、印刷物あるいは書籍の交流の果たす役割は大変重要でございます。そういった使命というものを私ども十分に認識しながら、そしてできるだけその経費の抑制に努めて、そして値上げしないで済むような努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#102
○井上(普)委員 さっさとそう言えばいいんだ。今もあなた方の会議でも、先ほども申しましたように、七〇%も値上げしてもいいやというような諮問案を出しておるから、私は言わなくてもいいことを言わざるを得ないんだ。こういうような黒字でありますので、特に値上げをしないように、せっかくの御努力を願いたいと思います。
 委員長、私はあとまだ大分質問が残っておるのでありますが、十二時までということでございますので、この付近で御休憩になっていただぎたいと思います。
#103
○愛野委員長 十二時三十二分までです。
#104
○井上(普)委員 十二時三十二分までですか。大臣は五十五分に帰ってくるのですね。おくれておるようですね。
#105
○愛野委員長 今戻ってきつつあります。
#106
○井上(普)委員 はい。
 またこの会議録を見ますと、改正点につきましては、万国郵便連合憲章の第三追加議定書について、事務小会議と特別委員会の廃止が出ておる。話を聞けば、スイスにこの郵便の本部がある。非常に少ない人数でやられておるように承っておる。少ない中で、よく明治七年から今日まで続いたなと感心しておるのでありますが、なぜ事務小会議と特別委員会が廃止せられたのか、この点、ひとつお伺いいたしたいのです。
#107
○瀬崎説明員 先生の御指摘の二つの機構につきましては、事実上執行理事会等に、あるいは郵便研究諮問理事会、こういった機構が充実した仕事をやるようになりまして、事実上動いてなかったわけでございます。したがいまして、ここ数年来動いてなかったということもございまして、もうこれ以上存続する必要はないということで削除した次第でございます。
#108
○井上(普)委員 機能していないし、動いてなかったから削除したんだ、こういうことですが、それにかわるべき会議なりあるいは事務があると思うのですが、それはどこで吸収せられたのですか。
#109
○瀬崎説明員 ただいま申し上げましたとおり、執行理事会それから郵便研究諮問理事会でございます。
#110
○井上(普)委員 郵便諮問理事会、それは何ですか。その機能は、どんなことをやっているのです。これには言ってないのですが。
#111
○梶谷説明員 郵便研究諮問理事会というのは、これは主として技術的あるいは技術協力的な仕事をしておるところでございまして、例えば研究課題といたしまして継越料率計算の原則及び方法とか、あるいは途上国が郵便局を建設する場合のプロトタイプをつくって上げるとか、あるいは郵便ネットワークをつくる場合にはどういうところに留意をすべきであるとか、そういう研究を主にやっております。
#112
○井上(普)委員 そういうような、おたくが出しておる去年の郵政省の概要報告ですな、これには余り載ってないのですがね。で、それはともかくといたしまして、事務小会議、これは廃止するということが条約に出ている。そしてまた、スイスが国際事務局を今まで百年以上にわたって監督してきた。ところが、これが手を引いておやめになるというのには相当の理由があろうかと思うのですが、なぜこれは手を引いたといいますか、やめたのですか。ここらあたりのいきさつを伺いたい。
#113
○瀬崎説明員 ただいまの点でございますけれども、やはり国際機関として非常に長い歴史があるわけでございますが、当初、加盟国も二十二カ国程度であったということもございまして、その所在地でございますスイス政府が相当てこ入れしているわけでございます。ところが、現時点では加盟国が、先ほど申し上げましたとおり百六十八カ国ということで、全世界的規模に広がりまして、また予算等につきましても、従来はスイス政府が立てかえ払いしていたわけでございますけれども、これも分担金を出しまして、立てかえ払いの制度も廃止するということで、徐々にスイス政府の関与の度合いが少なくなったわけでございます。したがいまして、そういった機構の充実ということを踏まえまして、スイス政府の関与の度合いを薄め、執行理事会の監督権限を強めたわけでございます。
#114
○井上(普)委員 それで、スイスは今までの歴史があって、そしてそのことについてスイスは異議申し立てをしていませんか。
#115
○瀬崎説明員 これは加盟国の総意に基づいて行われていることでございまして、スイス政府として特に異論を唱えたということはございません。
#116
○井上(普)委員 機構が大きくなった、加盟国が多くなったというのは、今始まった問題ではない。にわかにスイスがこれから手を引いていく、監督から手を引いていくというのは、単にそれだけの理由では私ども納得できないのですが、これはどうなんです。外務省、そこらあたりは明確ななにを持っておるのですか。
#117
○瀬崎説明員 スイス政府が徐々に手を引いていったというのは、昨年のハンブルク大会議だけではございませんで、ここ数年来の大会議で常に議論されていた点でございます。
 例えば、一九七九年の第十八回、これはハンブルク会議の前の大会議でございますけれども、この会議におきましてUPUの経費のスイス政府による立てかえ払いが廃止されております。従来は、スイス政府がまず立てかえ払いをいたしまして、加盟国の分担金が払い込まれますと、それをスイス政府に返納するということであったわけでございますけれども、この立てかえ払いの制度が一九七九年の大会で廃止されたわけでございます。それから昨年、八四年の第十九回大会議、ここにおきまして国際事務局の監督権限がスイス政府から執行理事会に移っております。したがいまして、十年ぐらいかかりまして、徐々にスイス政府の関与の度合いが薄れていったということでございます。
#118
○井上(普)委員 これは、立てかえ払いをやめた、徐々になくなったというのは、立てかえ払いをしても払わない国が出てきたのではないですか。それで、こういうようなことになったのではないですか。
#119
○瀬崎説明員 分担金を滞納している国がふえているということは、事実ございます。特に、国名は申し上げませんけれども、アフリカの一部の国は非常に経済的困窮状態に陥りまして、分担金を支払えない、滞納している国があるわけでございますが、こういった事情を踏まえまして、今回の改正の一つのポイントでございます分担金支払いの単位を、従来は最小が一単位であったわけでございますけれども、今回これを二分の一にするというような制度をつくりまして、開発途上国で非常に経済的困窮状態にある国も分担金を支払いやすくしたというようなことでございます。
 ただ、立てかえ払いの制度を廃止したというのは、滞納の国がふえたからということではなくて、やはり一つの国際機関といたしまして、所在地国に余りにもおんぶするというのは、その機構の独立性の見地から見て必ずしも好ましくないという事情があるわけでございます。
#120
○井上(普)委員 ともかく、長年にわたって立てかえ払いをしてきた国が立てかえ払いをやめるというには、恐らく滞納が非常に多かったのではなかろうか、こう思ったから聞いたのです。案の定、払わない国が多くなって、未納額が大分ふえたようだから、恐らくスイスも手を引いたのだと思う。実は、これを見ましても、なぜスイスが、あれだけ歴史のある国がなぜやめたのだろうかというのは、私どもの大きな疑問なんです。だから、一体滞納額がどれぐらいになったのか、わかりますか。それでおやめになるなら、私もそれは了解できるのだ。それだけ滞納額がふえたらかなわないというのは当たり前の話で、それにかわるべき方法を一体どうするか。いつの時代になっても、立てかえ払いにかわる制度をつくっても、分担金の滞納がかなりふえるのではないかと思うのですが、この点についての考え方はできているのですか。
#121
○瀬崎説明員 先ほど御説明いたしましたとおり、滞納する国がふえているということは、特に最近のアフリカ諸国の異常な経済状態を踏まえまして、数がふえているということはございます。他方……(井上(普)委員「額はどうなんです」と呼ぶ)額でございますか。現時点、昨年九月の調べでございますけれども、三つ、カテゴリーがございまして、一つはスイス政府の立てかえ払い、これで滞納している額が一億四千万円程度でございます。それから、ここ数年の立てかえ払いから前払い制度への移行期間の滞納額が約二千四百万円。それから、五十六年から五十八年にかけまして滞納している額が約一億三千万円でございます。これは、三年間に支払われる分担金総額の二・一七%でございます。
 したがいまして、この滞納額がふえたことがスイス政府の関与の度合いを薄めたということではございませんで、やはり国際機関といたしまして、所在地国に余りにも財政面あるいは監督権限の面で依存し過ぎるというのは異常なことでございまして、この機関が百十年前に発足しました加盟国が二十カ国程度のときには、余りにも事務当局が小さかったということもございまして、スイス政府にかなりおぶさっていたわけでございますが、これが長年の伝統で続いていた。ところが、加盟国も百六十八カ国と非常にふえまして、事務局も現時点では百六十名程度働いているわけでございます。機構といたしましても、それなりに充実してきたということを踏まえまして、スイス政府とのかかわり合いの度合いが自然に薄れていったということでございます。
#122
○井上(普)委員 私は、郵便事業という大きな事業を現在百六十名でやっておることについては、実によくやっているなという気がしてなりません。当初、百十年前は二十二カ国だったけれども、五十年前から百五、六十カ国になっているのだから、今のお話の、国が多くなったから監督ができなくなったなんというのは、ちょっと私には理解できないのです。いずれにしても、長年にわたるスイス国のこれに対する熱意に対しては、私どもは敬意を払わなければならない、このように思うのであります。
 次にお伺いいたしますが、大臣、先ほど伺ったら、日本は大会議に際しまして、外国郵便料金、これを今後五年間に七〇%上げていいということを郵政省は国際会議で提起しているのですが、その根拠は何だと言いましたら――あなたはお留守だったから繰り返しますと、根拠は何だと言ったら、いや、これから為替の変動がどうなるかわからない、あるいは取扱経費が上がるだろう、この二つで七〇%の値上げを主張したようです。最後は五〇%の値上げをして、この条約は結ばれたのですね。
 しかし、日本として、郵便というような非常に文化的な仕事、文化を伝達する一番の手段である郵便の基本料金を、七〇%も上げていいというようなことを郵政省は出したというのです。私は恥ずかしいと思った。だから、おたくの外務省に聞いたら、それは郵政省のおやりになることで、そこまで私どもはタッチいたしません、こうおっしゃる。しかし、外交に携わる外務大臣としては、こういうところにも目を届かせなければいけないのではないかと私は思うのだが、どうでございますか。今後五年間に郵便料金は七〇%上げたらよろしい、しかし、日本国内の料金を見てみますと大黒字、こういう状況を果たして外務省は――私は、国内の省庁に対して外務省が口出しするのは余りおもしろくないとは思っています。思ってはおるけれども、こういう非常識なことを提案する省庁に対しては、やはり外務省は、おい、もう少し考えろよというようなことをやっていいのじゃないかと思うのですが、どうでございますか。
#123
○安倍国務大臣 これは非常識であるかどうか、我々も判断がつかないわけですが、これはやはり郵政省として、各国の郵便料金の事情等も十分配慮もして検討して、そういう中でいわば七〇%というアローアンスでやったんじゃないかと思いますが、実際五〇%ということですから、それなりに落ちついたと思うわけです。しかし、外交全般としては、妥当を欠くような主張に対しては外交として配慮していかなければなりませんけれども、このケースについては、郵政省の全体的な大局的な判断の中で行われたものであろう、こういうふうに思っております。
#124
○井上(普)委員 郵政省の配慮の中でとおっしゃいますが、あなたも国務大臣の一人だ。五年間に七〇%も値上げしなければいけませんと言って、郵政省はこの会議に出て返答しているんですよ。その根拠は何だと言ったら、取扱手数料がふえるだろう、経費がふえるだろう、為替レートがどうなるかわからぬ。それは為替レートがどうなるかわからぬ、これはわかる。しかし、取扱経費が上がるであろうというのには、それ相応の計算というものがなければならない。そのために、中期計画というのを国がつくっているんだ。五年間に、十年間に、どれくらい物価は上昇するであろうかというのをはじき出して、中期経済計画というのが経企庁から出されているんでしょう。どこを押さえても七〇%という数字は出てこない。私は、これはつかみ銭で言ったと思うのです。こういうようなところに、もう少し目を届かさなければならないんだと思うのですが、どうでございます。
#125
○安倍国務大臣 私も具体的なことはわかりませんが、郵政省がそうした主張をされたというのは、国際的な状況等も十分踏まえて、少なくとも常識を超えた主張ではないと私は思います。そういう立場で、私は主張されたと思いますね。それが常識を超えたということになりますと、いろいろと国際的な批判も出てくるわけですから、そういう中で、しかし実際にはぎりぎり抑え込んで五〇%というところですから、今おっしゃるような何か常識を超えたような形で主張が行われ、常識を超えたようなところで決められたとは私は思わないわけであります。
#126
○井上(普)委員 大臣、あなたを参議院に行かせなかったらよかった。さっきの論議を聞いていただければ、ともかくこの七〇%の数字というものがいかに根拠のないものであるかということは明白なんです。私、きょうの論議を、もう少しあなたの目の前でやりたかった。しかし、あなたは途中で退席せられた、私も仏心を出したんだが……。
 ともかく、七〇%基本料金を値上げするのが妥当であるという回答を日本がしている。どこを押したら出てくるんだ。日本の経費を見ますというと大黒字なんです。取扱経費が上がります、それから為替がわかりません、だから七〇%。五年間ですよ、どんな計算から出てくるんです。五年間に中期経済見通し、これらを見ましたら一体何%までできるんですか。こういうような国内の経済数値と全然合致しない数字を出していることが、私は非常識だと言わざるを得ないのですよ。それをまた安倍外務大臣は、それは非常識じゃないと言うのだから、恐らく郵政省を御信用になっておっしゃっているんだろうと思う。郵政省が信用できないから、私はこういうことを言っているのですよ。(「上げてないじゃないか」と呼ぶ者あり)上げてないと。しかし、国外にこれを提示しているんじゃありませんか。(「アローアンスだよ」と呼ぶ者あり)アローアンスにしても、日本は提示しているんじゃありませんか。その結果、五〇%という値上げが行われておる。
 私は、ともかくここに郵政省の非常識さを疑うのであります。外務大臣としては、こういうようなところにつきましては、もう少し目配りをしていただきたいということを強く要求しておきます。いかがでございます。
#127
○安倍国務大臣 郵政省も、国際会議にもいろいろと参加しておられるわけで、この協定にも参加しておられるわけですし、全体の情勢をよく御承知でございましょうから、非常識なことをされるとは我々考えておりません。これは政府として、国際的につき合っていく場合は当然のことだと思いますから。非常識だと思いませんが、しかし、外交全般としては政府のやることですから、行き過ぎがないように、外務大臣としてもそれは目を配っていかなきゃならぬと思うわけでございますが、この件については私も十分は承知しておりませんけれども、決してそういう形で出されたものじゃないだろう、いろいろと不確定要素等も随分あるわけですから、そうしてまた、世界にもこういう日本の主張というのは許容される、こういうことで出されたものであろう、私はこういうふうに判断しております。
#128
○井上(普)委員 外務大臣は、先ほどの論議をお聞きにならないからそうおっしゃるんだろうと思いますが、よく事情をお調べになっていただきたいということをお願いしておきます。
 小包郵便のことについてお伺いするのだが、三年前にお伺いしたところによると、小包郵便の条約にアメリカ、フィリピン等々、数々の国が加盟してないように承っておるんだが、その後どういうように変化しましたか、お伺いします。
#129
○梶谷説明員 今度の大会議におきましても、UPUの小包約定というのが改正されております。それで、この小包約定に署名をしている国は百四十カ国ほどでございます。したがいまして、連合加盟国すべてが加盟しているということになっておりません。
 それから、現段階で、日本とアメリカ、日本とカナダ、日本とフィリピン、日本と南ア、この間には特別の約定を結びまして、その約定に基づきまして小包の交換を行っております。
#130
○井上(普)委員 私が聞いているのは、今もお話しの百六十八カ国のうち百四十カ国しか加盟してないのは一体どこどこの国なんだ、その理由は何だ、こうお伺いしているのです。
#131
○梶谷説明員 三年前と余り変わらない数字かと思いますけれども、UPUの加盟国すべてがUPUの小包約定に加盟しているというわけではございません。若干の国は入ってないわけでございますが、そのそれぞれの国の入っていない事情というものは、私ども承知しておりません。しかしながら、アメリカ、カナダにつきましては、小包に対しまして、万一なくなったというようなときには損害賠償しないということになっております。その辺の事情があって、今まではUPUの小包約定に加入しなかったということではないかと思います。
#132
○井上(普)委員 UPUに加盟しておって小包郵便に加盟してない国が若干あると。若干じゃない。しかし、その若干の国が、カナダであるとかアメリカであるとか大国が加盟してないのは、どこどこが加盟してないのか、それの理由を明確にしろ、こう言っているのですよ。ここらは、会議のときにも明確になっているんじゃないですか。ただ日本とアメリカと個別的にやっているから、それは心配ございませんということだけじゃないので、なぜやってないんだということを伺っているのです。何カ国で、そしてどこどこの国でやっていなくて、その理由は何だということを伺っているのです。
#133
○梶谷説明員 UPUの小包約定に入っていない国につきましても、先ほど申し上げましたアメリカ、カナダ、フィリピン、それから南ア、これら四カ国との間では特別の約定がありますから、それに基づぎまして交換を行っているわけです。それから、そのほかの国につきましても、これはほとんど、小包約定に基づいて郵便交換を行っているとかあるいは特別の約定で小包交換を行っている、そういう国を経由しまして小包の交換を行っております。したがいまして、事実上世界の国で日本と小包の交換ができないという国は、ほとんどないわけでございます。ただ、カンボジアとかチャドとか、先ほど申し上げました若干の国につきましては小包の交換ができないということでございまして、小包の交換をそういう国とは行っていないわけでございます。しかしながら、ほとんどの国とは小包の交換は行えるという状況になっております。
#134
○井上(普)委員 小包約定に加盟していない国は三十カ国近くある。それらの国はどこどこなんで、どういう理由なんだということを聞いているのですよ。
#135
○梶谷説明員 これは私どもの推測なんですけれども、カナダそれからアメリカにつきましては、先ほど申し上げましたように損害賠償しないということが障害になっているのじゃなかろうかと思います。UPUの小包約定に入りますと、原則として、小包がなくなったというようなときには損害賠償をするということになっているわけです。この義務を負えない国は、なかなか入りにくいということになっているわけです。その損害賠償について、留保を付せば入れないことはないわけでございますが、今回の約定改正に当たりまして、アメリカもカナダもUPUの小包約定に署名をしております。したがいまして両国は、来年の一月一日以降はUPUの約定に従いまして、小包交換を行うということになるのではないかと思います。ただ、両国とも損害賠償については留保をいたしております。そういう留保をした形で、UPUの小包約定に入ってくるのではないかというふうに考えております。
 それから、それじゃなぜ入らない国があるのかということでございますが、恐らくほとんどは、その損害賠償の点で問題があるということから入らないということではなかろうかと思います。
 それから、現在世界の国で日本から小包を送れないという国はチャド……(「聞いておらぬじゃないか」と呼ぶ者あり)はい。
#136
○井上(普)委員 聞いておらぬことまで私は答弁を求めていないので、聞いたことだけきちっとおっしゃっていただきたい。
 そうすると、小包約定に加盟しておるけれども、これはほかの国との間では、小包がなくなった場合には損害賠償しないということになっているのですか。
#137
○梶谷説明員 先ほど申し上げました四カ国、アメリカ、カナダ、それからフィリピン、南ア、これらの国との間で交換している小包につきましては、普通小包については損害賠償をいたしておりません。
#138
○井上(普)委員 私が言っているのは、百四十カ国との間に小包約定が結ばれておるけれども、それにはなくなった場合の損害賠償をしないのですね。
#139
○梶谷説明員 UPUの小包約定に加盟している国との間で交換している小包郵便につきましては、これはごく例外はございますけれども、ほとんどの国は、なくなったというようなときには損害賠償に応じております。
#140
○井上(普)委員 応じておるのでありましたら、どうしてアメリカとか、ともかくそういうような大国が加盟していないのだ。あなたは今、損害賠償しないから入らないのであろうと推測されておりますが、どうしてだろうかと不思議に思いますのでお伺いするのですよ。
#141
○梶谷説明員 アメリカにつきましては、アメリカの国内の小包郵便につきましても損害賠償いたしておりません。したがいまして、アメリカの外国小包についても、損害賠償ができないということではなかろうかと思っております。
#142
○井上(普)委員 私が理解がちょっと間違っておった。そうするとアメリカとの間では、これは損害賠償をさせられるから嫌なんだということで約定に入っていない、こう考えていいですね。そうすると、日本とアメリカとの間で別の約定を結んでいる、あるいはフィリピンとも約定を結んでいる、こういうことですな。
 こういうようなことは、損害賠償するということが大体普通じゃないですか。私らは常識的にそう思う。しかし、損害賠償しないために約定に入らぬ。よくよくのことが何かなければならないのだが、その経緯、考え方が、今の御答弁だけでは私らにどうも納得しがたいのです。そこのところをもう少し掘り下げて、外務省お調べになっておるのじゃないですか、どうなんです。郵政省に聞いても余り知らないから聞いているのだ。
#143
○瀬崎説明員 ただいまの点でございますけれども、私どもは、郵政省の専門家の方々といろいろ情報交換しておりまして、直接アメリカには外務省から照会してございません。
#144
○井上(普)委員 そうすると、私には、ああいうようなカナダであるとかアメリカであるとかいうような大国が、損害賠償を押しつけられるからおれは嫌だというのは、どうも納得できないのですがね。そんなわがまま勝手を言って、国際条約というようなものができるものだろうかと不思議に思うのですよ。だから、そこらの理由をもう少し明確にできないだろうか。推測の域を出ないというのは甚だ残念なんですよ。郵政省、どうなんです。実態わかっているのだったら、はっきりおっしゃっていただきたい。
#145
○梶谷説明員 これはあくまでも推測で申し上げるのですけれども、先ほども申し上げましたように、アメリカにつきましては、国内の小包について普通扱いの物は損害賠償していないわけです。国内の物もやっていないときに国際の小包について、それだけについて損害賠償するというシステムにするには、これはなかなか大変なことがあるのじゃないかと思います。損害賠償するからには、小包の郵便局での引き受けから、その郵便物をほかの局を経由して外国あてに送る局までに持ってくる間、すべて記録の取り扱いをしなければいけません。そういうシステムが国内にでき上がっておれば、外国小包についても損害賠償するということにするのは、そう難しいことではないと思いますけれども、内国においてそういうシステムがないものですから、外国についてそういう損害賠償をする小包の扱いをする、普通扱いについて損害賠償するということは、これはなかなか困難なことじゃなかろうかと思っております。
#146
○井上(普)委員 わかりました。
 今、約定に加わってない国は十七、八カ国あるのはどこどこですか、わかりますか。
#147
○梶谷説明員 現在加盟してない国は、カナダ、コモロ、ジブチ、ドミニカ、ドミニカレパブリック、フィジー、ガンビア、ガーナ、グレナダ、ガイアナ、デモクラティックカンボジア、マルタ、ナウル、フィリピン、セントルシア、セイシェル、ソマリア、ツバル、ウガンダ、アメリカ、バヌアツ、ベナン、以上でございます。
#148
○井上(普)委員 それらの国々とは、日本は別個に小包約定なるものを結んでおるのですか。結んでおる国はどこどこですか。
#149
○梶谷説明員 UPUの小包約定の第五十七条に「締約国でない国から発出し又はこれらの国にあてた小包」という条文がございまして、「締約国の郵政庁であって締約国でない国の郵政庁と小包の交換を行うものは、当該締約国でない国の郵政庁の反対がない限り、すべての締約国の郵政庁に対し当該締約国でない国の郵政庁との関係を利用することを認める。」という規定がございます。この規定を使いまして私どもは、UPUの約定に入ってない国、それから二国間の特別の約定を結んでない国、これらの国との間でも小包の交換を行っているわけでございます。
#150
○井上(普)委員 しからば、加盟国に入ってなくても、すべて万国の小包約定と同一な取り扱いで送れると理解してよろしいか。
#151
○梶谷説明員 そのとおりでございます。ただ、戦争等で現実に送れないという国が若干ございます。そのほかは、すべて小包についても送れるということになっております。
#152
○井上(普)委員 私は、約束の時間が参りましたので、この程度できょうは置いておきます。まだまだ私にわからぬところがたくさんございます。ひとつ、その機会をつくられることをお願いいたしまして、本日は、これで質問を終わらせていただきます。
#153
○愛野委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十三分開議
#154
○愛野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。玉城栄一君。
#155
○玉城委員 議題となっております五つの郵便関係条約について、一括して御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約は、万国郵便連合、UPUの総会に当たる第十九回大会議において現行の条約を改正し、新しい条約文書として作成されておるわけでありますが、一般規則及び条約の改正点と、それぞれどういう目的で改正する必要が生じたのか、改めて概略御説明いただきたいと思います。
#156
○瀬崎説明員 御説明申し上げます。
 UPU関係の条約につきましては、五年ごとに大会議を開きまして全加盟国が集まりまして、そのときの状況に合わせまして諸般の手直しをするわけでございます。今回の主要な改正点をかいつまんで御説明申し上げますと、第三追加議定書におきましては事務小会議、特別委員会が廃止されることになっております。それから、従来はスイス連邦政府がかなりUPU事務局の面倒を見ていたわけでございますけれども、この監督責任が執行理事会に移っております。
 一般規則におきましては、執行理事会の権限をいろいろ手直ししているわけでございますが、それに関連いたしまして今後の五年間の予算の大枠を定めたこと、それから加盟国の分担の等級につきまして従来の八等級を十一等級に改めました。これの主としたねらいは、従来は五十単位から二十五単位に一挙に落ちていたわけでございますけれども、その間に四十単位、三十五単位を設けております。それから、主として後発開発途上国を対象としたものでございますけれども、従来の最小一単位が二分の一単位になっております。
 万国郵便条約につきましては、最大のポイントは、通常郵便物の基本料金が五〇%引き上げられるということが定められたわけでございます。サービスの改善の面では、小形包装物の重量制限が二キログラムまで引き上げられることになっております。それから、特別の郵袋におさめられております印刷物の割引料金率が一〇%から二〇%になっております。また、保険付書状の保険金額の限度額が五千フランから七千フランになっております。航空書状及び航空郵便はがきを転送または返送する場合、航空便が利用されることになっております。
 小包約定関係につきましては、速達小包につきまして、現在最高限度が五フランとなっておりますが、国内料金が五フランを上回る場合には国内料金が適用されるという改正が行われております。それから、保険付小包の保険金額の限度額が五千フランから七千フランに引き上げられております。また、普通小包の亡失等の場合の賠償金額が、各重量につきましてそれぞれ五〇%引き上げられております。
 為替約定関係では、複合交換方式が採用されたことと、それから振り出しの際の為替一円の最高限度額が五千フランから七千フランになっております。また、振り出しの際に徴収する料金の最高限度額が三十フランから四十五フランに引き上げられております。
 小切手約定につきましては、郵便保証小切手を利用する口座加入者から料金を徴収することができるようになったことであります。
 主要な改正点は以上でございます。
#157
○玉城委員 そこで、UPUの経費の問題についてですが、年次経費については一九八六年から一九九〇年までの五年間の年次経費の最高限度額が定められているのでありますが、その経費の主なものについて御説明をいただきたいと思いますし、また、連合の運営のためにどういう経費が支出されているのか、お伺いをいたします。
#158
○瀬崎説明員 連合の経費につきましては、最高限度額が一応定まっているわけでございますが、その後の物価の変動あるいはインフレ等を調整いたしまして、微調整が行われるわけでございます。例えば、一九八五年の予算について申し上げますと、主要な支出項目は給料、これが一千百万フランでございます。それから社会保険、これが四百二十万フラン、その他給料関係合わせまして一千七百万フランで、予算の大体八〇%でございます。また、事務局の維持管理費等の経費が五百万フラン、全体の経費の二〇%でございます。
#159
○玉城委員 このUPUの経費については、各加盟国の分担金によって賄われることになっておるわけですが、その分担金は、定められた分担等級表から各国が任意に選定して決めるという任意選定制度方式をとっておるわけです。このUPUが、国連方式による分担制度ではなく、任意選定制度をとっている理由について御説明をいただきたいと思いますが、開発途上国からは、国連方式にすべきだという意見は出なかったのかどうか、お伺いをいたします。
#160
○瀬崎説明員 UPUの分担金につきましては、通常の国連の分担金でございますと、その国の国民所得、人口等を勘案いたしまして計算され、これが自動的に適用されるわけでございますが、UPU、ITU、WMOといった非常に歴史の長い国際機関につきましては、通常の国連の分担金率の算定方法とは全く異なりました分担等級制になっているわけでございます。これは、なぜ分担等級制という変則的なものが設けられたかというのは、百十年ぐらい前にさかのぼりませんとつまびらかでないわけでございますが、たまたま加盟国が二十二カ国程度でほぼ同質の国が入っていたというようなことで、分担等級制が受け入れられやすかったのではないかと思います。その後もこの伝統が踏襲されまして、今日に引き続いているわけでございますが、UPUにつきましては、国連方式の分担金率を導入するという声は、非公式には一部の加盟国から漏らされているわけでございますけれども、正式に議題としてこれを取り上げ、かつ国連方式に改定しようというような動きはまだ見えておりません。
 他方、先ほど申し上げましたWMOとかWIPO、こういう同じような分担等級制を導入しておる組織におきましては、そろそろ国連方式を導入しようではないかという声が出ているわけでございます。その理由と申し上げますのは、主として開発途上国でございますけれども、例えば国連におきましては、開発途上国の最も分担率の低い等級は、分担金の〇・〇一%でございます。ほかの組織におきましても、このような〇・〇一%方式を導入したいというのが開発途上国の声でございますので、今後はあるいはUPUにつきましても、そのような議論が出てくるのではないかと観測しております。
#161
○玉城委員 そこで、日本の分担等級について伺いたいのですが、加盟国の分担すべき等級が八等級から十一等級に改められているわけです。日本の分担等級は何単位で日本円で幾らになるのか、また、いつから日本は現在の単位を分担しておるのか、同時に、主要先進国の分担状況についてもあわせてお伺いをいたします。
#162
○瀬崎説明員 現在、UPUの分担等級につきましては、先般来の八等級から十一等級に分かれております。日本は、この十一等級のうち最高の五十単位を分担しておりまして、この五十単位につきましては一九七五年、昭和五十年以降五十単位を一応日本の分担金として受けるということを表明いたしまして、その後引き続きこの五十単位を受け持っているわけでございます。日本の分担率は全体の五%程度でございますが、邦貨にいたしまして一億一千二百万円でございます。
 主要国の分担率でございますが、日本と同じような五十単位を受け持っておる国は、西ドイツ、米国、カナダ、フランス、英国でございます。その次は、現在の等級方式でまいりますと二十五単位でございますが、この二十五単位を受け持っておりますのがサウジアラビア、オーストラリア、ブラジル、中国、スペイン、インド、イタリア、ソ連でございます。あと、二十単位がなくて十五単位、これが八カ国ございまして、先進国といたしましてはベルギー、ニュージーランド、スウェーデン、スイスが入っております。十単位等級の国は十三カ国ございまして、これはおおむね開発途上国の中でも産油国等が中心になっております。あとは、五単位等級が十六カ国、三単位等級が二十四カ国、一単位等級が六十一カ国、今度新設されます二分の一単位等級が三十二カ国、以上でございます。
#163
○玉城委員 これから聞こうと思っていることもお答えになりましたが、今おっしゃったように開発途上国のために二分の一単位等級が設けられて三十二カ国ということでございます。しかし、国によっては、その二分の一単位すら支払いが困難な国もあるのではないかと思います。同時に、滞納国については、何か制裁措置みたいなものがあるのですか。
#164
○瀬崎説明員 分担金につきましては、近年、主としてアフリカでございますが、経済状況が非常に悪化している国がございまして、今までの一単位が支払えない国が幾つかございます。そこで、先回の大会議におきまして、一単位をさらに半分に切りまして二分の一単位という新しい単位を設けたわけでございますが、これまでに主としてアフリカの国でございますけれども、国名で申し上げますと、中央アフリカ、コモロ、ガンビア、モーリタニア、チャド、ラ米ではドミニカ共和国、グァテマラがございます。アジアではカンボジアでございますが、今まで滞納している国につきましては、これは延滞利息がつくものでございますから、できるだけ早く払ってほしいということを事務当局が督促しているわけでございます。
 この滞納国に対しまして、例えば国際連合でございますと、二年間滞納いたしますと自動的に投票権を失うことになるわけでございますが、このUPUにつきましては滞納について一切責任を問わないということで、特に憲章上あるいはその他の取り決めにおきまして制裁措置を科する制度はございません。しかしながら、先般のハンブルク大会議におきまして、この点何らかの制裁措置を加えることによって、支払い義務を履行させるということを考えた方がよいのではないかというような提案が一部の国からなされたわけでございますけれども、大方の開発途上国からは非常に強い反発がございまして、この点につきましては結論を見ずに終わったという状況になっております。
#165
○玉城委員 制裁措置はない、さっきおっしゃいました二分の一単位という分担金、三十二カ国、国のお名前をいろいろおっしゃいました。アフリカがチャドとかラ米ではドミニカ、アジアではカンボジア、これは二分の一も分担支払いは難しい、支払いはできないという国々のお名前をおっしゃったのでしょうか。その辺、はっきり聞けなかったものですから……。
#166
○瀬崎説明員 今申し上げました国、幾つかあったわけでございますけれども、この国が例えば一単位から二分の一に引き下げることによって支払いが可能になるかどうかということは、必ずしも明確でないわけでございます。その国の置かれております財政状況、外貨事情等、一カ国の分担最低額は日本円にいたしまして大体百万円程度でございますが、百万円にしても送金が不可能ということであれば滞納するわけでございまして、負担を従来から半減したということで、少なくともこれらの国にとりまして支払いやすいような環境をつくったということでございます。
#167
○玉城委員 そこで、今回のハンブルク大会議においては、開発途上国に対する技術協力など援助の問題についてどのような討議が行われ、特に我が国から提案し採択したものが何かありましたら、御報告いただきたいのです。
#168
○瀬崎説明員 UPUの一連の条約の中に、開発途上国に対する技術援助ということがうたわれておりまして、先進国からいろいろな技術協力をやっているわけでございます。予算面では、全体の大体六%がこれに充てられているわけでございます。主として研修員の受け入れ、それから技術指導等が行われているわけでございます。
 先般のハンブルク大会議におきましては、やはり技術協力のための資金をさらに大幅に導入する必要があるということが合意されまして、国連機関の技術協力の推進の母体になっておりますUNDPあるいは世界銀行、その他先進国に対しまして、より多くの資金を供与してほしいという呼びかけを行うことになっております。
 それから、援助の実施につきましても、メンバー国の中の後発開発途上国を最優先にいたしまして、その次に貧しい国、開発途上国の中でも比較的豊かな国につきましては後回しにするというような、援助供与の際のプライオリティーが議論されております。
 それからまた、援助の対象分野につきましては、経営の合理化、サービスの向上、それから研修につきましても主として中堅幹部の研修に重点を置くべきであるということ、技術援助につきましても先進国にだけ依存するのでは不十分でありまして、開発途上国間の相互扶助あるいは自助努力をこれから大いに推進すべきである、このような点が議論かつ合意されたわけでございまして、日本といたしましては、従来からUPU関係の技術協力をやっているわけでございまして、この議論に際しては積極的に参加いたしまして、この合意の成立に努力したということでございます。
#169
○玉城委員 ということは、今研修の問題とかいろいろなお話がありましたけれども、それは我が国としては独自に何か提案して採択させたということではなくて、そういう討議を積極的に推進した、こういうことですか。それならそれで……。
 それともう一つは、これは郵政省になるのでしょうか、郵便の分野における我が国の二国間技術協力のこれまでの実績、二つの点をお伺いいたします。
#170
○瀬崎説明員 ハンブルク大会議におきます討論に際しましては、日本から主として何か特定の提案をしたということではございませんで、討議の中心項目になるようなことにつきましていろいろ提案を行い、かつ、積極的に討議に参加したということでございます。
 それから、日本が行っております郵便分野におきます技術協力でございますが、これは御案内のとおり国際協力事業団が中心になって実施しておりまして、最近の実績を申し上げますと、昭和五十七年度は専門家の派遣が二名、研修員の受け入れが二十三名、昭和五十八年度は専門家の派遣が五名、研修員の受け入れが十七名、五十九年度につきましては専門家派遣一名、研修買受け入れ十五名ということでございまして、今後も大体同程度の規模の技術協力が、国際協力事業団を媒体といたしまして実施されるというふうに聞き及んでおります。
#171
○玉城委員 そこで、万国郵便条約の七十条を読みますと、「国際連合の用に供される軍隊又は軍艦若しくは軍用機との閉袋の交換」という条項がありますね。これは外務省になるのでしょうか、我が国に国連軍と称される軍隊がいるのかどうか、その辺、いかがでしょうか。
#172
○瀬崎説明員 条約第七十条にございます国際連合の用に供される軍隊等との閉袋の交換の規定でございますが、第七十条の一項は加盟国の郵便局と国際連合の軍隊及び国際連合の軍隊相互間で、また、第七十条の二項につきましては加盟国と国外にある当該加盟国の艦隊等の間で、また国外にある当該加盟国の艦隊等相互の間で、閉袋の交換による郵便業務を行えることを定めたものでございます。
 第七十条の二項につきましては、海外にある軍艦の乗組員と留守家族等、母国との間の通信連絡を正確かつ容易に行うことができるようにすることを目的として、非常に古い話でございますけれども、明治二十四年のウィーンの大会議におきまして採択されて以来、行われている規定でございます。国際連合の用に供される軍隊につきましても、同様の趣旨から昭和四十四年の東京大会議におきまして、第七十条一の規定が追加されたものでございます。
#173
○玉城委員 いや、条文の背景とか解釈はそのとおりかもしれませんが、我が国に国連軍がまだいるのですかということをお伺いしたのです。
#174
○栗山政府委員 現在、国連軍の地位を有しております人間といたしましては、アメリカ人その他国連軍に参加しております関係各国の連絡員を含めまして、合計三十四人日本におります。
#175
○玉城委員 連絡関係の要員として三十四名、我が国には国連軍がいる。
 そうしますと、国連軍の地位協定というのがございますね。この八条を見ますと、軍事郵便局が設置されることになっておるわけですね。我が国において、実際に国連軍の構成員らが利用する郵便局が設置されているのですか。
#176
○栗山政府委員 現在日本におります国連軍関係者が、ただいま申し上げましたような人数の規模であるという状況にございますので、今御指摘のように国連軍地位協定上は軍事郵便局の設置を認めておりますが、現実に設置されている国連軍の軍事郵便局はございません。
#177
○玉城委員 また、日米安保条約の地位協定にも、この郵便局に関する同様な規定がございますね。これは地位協定の二十一条にあるわけです。本来、我が国においては郵政事業は国で行う事業であって、これは独占であると思うのです、郵便法二条、五条等を見ましても。そういう国連軍とか米軍になぜこういう郵便局を設置せしめて行わせるか、その根拠法、どういう法律に基づいてそういうことが行われているのか、お伺いいたします。
#178
○栗山政府委員 根拠法というものはございません。米軍にそういう軍事郵便局の設置、運営を認めております法律的な根拠ということでございますれば、これはまさに先ほど委員御指摘の地位協定の規定でございまして、軍隊というものが国外において駐留して長期に滞在するという場合に、そういう郵便関係の業務を軍隊そのものが行うことが軍隊の特性上当然認められてしかるべきであるということから、地位協定にそういう規定が設けられておりまして、NATOにおきましても、同様のことでヨーロッパに駐留しております米軍につきましては軍事郵便局の設置が認められておる、基本的には同じ考え方で地位協定におきまして、在日米軍と申しますか日本に駐留しておる米軍にそういう軍事郵便局の設置を認めておる、こういうことでございます。
#179
○玉城委員 これは郵政省、同内法では根拠はどういう法律ですか。
#180
○塩谷政府委員 郵便の業務は、これは郵便法によって国の独占とされているわけでございますけれども、こういった郵便局、軍事郵便局といいますか、こういう局における郵便業務は、日本国とアメリカ合衆国との地位協定の実施に伴う郵便法の特例に関する法律に基づいて、米軍の構成員等が利用する郵便物の送達を行うことができるというふうにされているものでございます。
#181
○玉城委員 そういう郵便局は、いわゆる国内の基地の中に大体どれぐらいあるのでしょうか。
 それからもう一つ、APOメールというのがありますね。それの郵便物の取り扱いの状況をお伺いいたします。
#182
○梶谷説明員 陸軍、空軍関係のAPOが十七局、それから海軍関係は三十五局ということになっております。
#183
○玉城委員 合わせて五十二ということですね。すると、この五十二局というのは、それぞれ米軍の基地の中にあるということだと思うわけですが、その五十二のあるところ、きょうでなくて結構ですから、教えていただきたいですね、資料。
 それから次に、そういう米軍の郵便局に勤務をする人たちは、これは外務省になろうかと思うのですが、米軍人軍属ですか、それとも日本人従業員なのか、いかがでしょう。
#184
○梶谷説明員 米国の軍事郵便局の所在地として私どもが把握しておりますのは、横田の基地にある米軍郵便局それから沖縄にあります瑞慶覧、ここに米軍事郵便局がございます。日本との間で交換を行っている米軍事郵便局、これは横田と瑞慶覧、この二局でございます。
#185
○玉城委員 いやいや、ですから、そこの郵便局に働いている方は米軍人軍属ですか、それとも日本人従業員ですか。
#186
○栗山政府委員 突然の御質問でございますので、ちょっと私どもの方具体的な数字を持ち合わせておりませんので、調べまして後刻御報告申し上げることにしたいと思います。
#187
○玉城委員 いやいや、これは数字でなくて、そこで働いている、そういうふうに郵便局に働いている方はアメリカ人ですか、日本人ですかということを伺っているわけです。
#188
○栗山政府委員 駐留軍労務者、日本人を実際に雇用して業務を行っているものがあるかどうかということ、ちょっと私自信がございませんので、お答えいたしかねます。ちょっと調べて御報告したいと思います。
#189
○玉城委員 郵政省はいかがですか。
#190
○塩谷政府委員 少なくとも、日本の郵政省の職員が勤務していることはございません。ちょっと、それ以外のことはわかりかねます。
#191
○玉城委員 憲法二十一条は、通信の秘密は侵してはならないと規定してありますね。当然郵政業務を行う者は、信書の秘密を厳格に守らなければならないと思うわけですが、そういう郵便局においてそういう秘密ということについては、郵政省としてはどういうふうに、もうノータッチであるというように理解しておいていいわけですか。
#192
○塩谷政府委員 日本の郵政官署におきましては、日本国憲法のもと、通信の秘密ということにつきましては、これを守っておりますが、そちらの郵便局についてこの辺がどうかということについては、私ども関知しておらないのでございます。
#193
○玉城委員 ノータッチ。そうしますと、これはちゃんと条約の中にもありますけれども、小包には入れてはならないものというのがありますでしょう。そういうもののチェック体制というのは、郵政省にしても何にしても、全然タッチしてない、外務省の方も、いかがでしょうか。例えば、麻薬とかあるいはピストルとかそういうもの、これは入れてはならないわけでしょう。そういうもののチェックということは、もう全然我が国としてはタッチしない、こういうことなのでありますね。
#194
○栗山政府委員 基本的な考え方としましては、これはあくまでも軍隊が運用する郵便業務でございますから、米国軍隊そのものに対しては、御承知のように国際的にも日本の法律がそのまま適用になるという関係にはございませんので、そういう前提で御理解をいただきたいと思います。
#195
○玉城委員 いやいや、御理解じゃなくて、そういうものについては、もう外務省にしても郵政省にしても、我が国としては全然ノーチェックであるということなんですか。
#196
○栗山政府委員 米国の軍隊でございますから、そういうことでございます。
#197
○玉城委員 そういう米軍の郵便局は、実態としては、日本の郵便局と同じ業務を行っていると思うのです。切手だとかはがきだとか、そういうものを売った場合の料金収入はどういうふうになるのでしょうか。
#198
○梶谷説明員 米国の軍事郵便局から差し出す郵便の郵便料金というのは、米軍側に入ります。それから、日本の郵便局から米軍軍事郵便局肩書きで出した郵便物、これの料金は日本の収入になります。
#199
○玉城委員 それは当たり前の話ですよね。その基地の中にそういう郵便局があるでしょう。そこで日本の切手とかはがきとかそういうものを売った手数料というのは、当然収入に入ってきますね。それはどうなるのですかということを聞いているのです。
#200
○梶谷説明員 基地内の郵便局につきましては、これは米軍の郵便局ということで、日本の切手が販売されておるということではございません。日本の郵便局から米国の軍事郵便局あてに出される郵便、これは日本の郵便局から出されるわけですから、日本の切手が張られ、向こうまで送達されるということになります。
#201
○玉城委員 基地の中の郵便局には、日本の切手とかはがきというのは売ってないというのですか。基地の中から、例えば沖縄で言いますと、瑞慶覧の郵便局から横田の方に出すということはあるわけですね。それはもう全然、日本のものは使用していないということですか。
#202
○梶谷説明員 アメリカの軍事郵便局内で販売しているのは、米軍関係の切手であり、はがきでありますから、これは日本の郵政省が発行している切手でもないし、はがきでもありません。
#203
○玉城委員 今の切手ということじゃないのですけれども、小包の中身については、とかくいろいろ問題があるわけですね。そういうふうに、建前としては、我が国としてはノーチェックであるということかもしれませんが、やはり条約にちゃんとこういう規定があるわけですから、特に麻薬だとかそういうものがときどき出てくるわけですから、それは我が国としても重大な関心を持って、何らかのチェックをしていくということをやっていただかないと、基地の中だからどうにもならないということではいかないと思いますね。
 次の質問に移ります。
 次は、小包郵便物についてでありますけれども、現在、カナダ、フィリピン、南アフリカ、アメリカ、四カ国との間に二国間の小包郵便約定が締結されておるわけでありますが、アメリカ、カナダは、新たに今回この約定に署名を行う、そして締約国の一員となろうとしておるわけです。なぜ、今日までアメリカ、カナダは小包郵便の約定に入らなかったか、その理由をお伺いいたします。
#204
○梶谷説明員 アメリカ、カナダは、先般開かれましたハンブルク大会議で、万国郵便連合の小包約定に署名しております。ただし、その署名に際しまして、損害賠償は行わないという留保を行っております。私どもが推測しておるところでは、従来入らなかったのは、この損害賠償ができないというところからではなかろうかと思っておりますが、今回は、この損害賠償について留保を付して署名ということでございますから、万国郵便の小包約定にこれから入ることになるわけですが、損害賠償については、従来どおりやらないということになろうかと思います。
#205
○玉城委員 そこで、さっきの小包の話と関連するのですが、小包郵便物に関する約定の十九条には、小包に入れてはならない物の種類が列挙されておるわけです。これらの小包の点検については、どのような体制で現在我が国は行っているのか、お伺いいたします。
#206
○梶谷説明員 外国から到着する小包につきましては、税関による検査が行われております。この際、十九条に定めてあるような禁制品の包有の有無、これがチェックされるわけでございます。また、外国あてに小包を出す場合、引受局でこれはおかしいと思うようなものがありましたら、お客様に聞いてみるというような形のチェックがありますし、また、引き受けられた小包が外国郵便交換局というところに集中されますけれども、そこで税関によるチェックが行われております。
 なお、先ほど先生御質問のありましたAPOメールの場合に、それではこういうチェックは行われているのかということでございますが、それにつきましても現在、アメリカ軍事郵便局の交換を行っております東京国際郵便局それから沖縄にある那覇の中央郵便局、この両局で禁制品の有無というもののチェックは行っておるわけでございます。
#207
○玉城委員 そこで、そういう禁制品となっている物品の発見は、我が国において年間大体どのくらいあるのですか、件数ですね。それから、その主なものは大体どういうものでしょうか。
#208
○梶谷説明員 年間では、大体四十件ほどでございます。それから内容としては、麻薬とか爆発性のあるもの、それからわいせつ物、名あて国で輸入または流布が禁止されている物品でございます。
#209
○玉城委員 そこで、この最終議定書の十三条には、アメリカを初め数十カ国が「損害に係る賠償金を支払わない機能を有する。」との規定がありますね。たくさんいろいろな国を挙げていますね。しかしこれは、この約定三十九条には郵政庁の責任の原則が規定されております。私は、この三十九条は郵政庁の大原則だと思うのですが、いかがでしょうか。
#210
○梶谷説明員 小包が万一なくなったというような場合等につきましては、損害賠償をするというのが普通ではないかと私は思っております。日本も、当然賠償しているわけでございますけれども、先ほど先生が御指摘になられたこの最終議定書の十三条に掲げられている国につきましては、損害賠償はできないということで留保をいたしております。その中に、今度加入してくるアメリカ、カナダが入っておるわけでございます。
#211
○玉城委員 ですからそこで、そういうものはちゃんと賠償を支払わなくてはならないというのは大原則ですよね。ところが、今おっしゃったアメリカ、カナダも含めてたくさんの国々は、損害に係る賠償金を支払わないという、今おっしゃる原則にも反すると思うのです。そこの辺がちょっと理解できないのですが、もう少しわかりやすく説明いただきたいのです。
#212
○梶谷説明員 これらの留保を行った国につきましては、全部私ども調べているわけではないのですけれども、内国の普通小包についても損害賠償してないということから、外国の小包についても賠償ができないということで留保しているようでございます。
#213
○玉城委員 では、そうしますと、日本もそういう賠償金を支払わないという場合もあり得るわけですね、この十三条に関係して。小包を損失したとか亡失したとか、それは郵政省は責任ありませんと。
#214
○梶谷説明員 これらの国にあてる小包の場合で日本国内で損害を受けた、なくなったということがはっきりしている場合には、私どもの方で損害賠償をいたしております。
#215
○玉城委員 この辺のことがちょっと何かわかりにくいですね。最終議定書には国による多くの例外措置が設けられておりますが、条約には珍しい規定だと私は思います。ほかにもそういう条約があるのか、お伺いいたします。また、なぜこういう条文が入ったのか、挿入された理由。
#216
○瀬崎説明員 多数国間条約につきましては、できるだけ多数の国が当該条約に加入するということが最も望ましいわけでございますが、国によりましては、条文の一部につきまして受け入れがたいという特殊な事情を持つ国があるわけでございます。万が一、その条文を全部のめということになりますと、一部の条約の条文にひっかかるために全体に加入できないというようなことになりますので、こういった場合には通常留保条項というのを条約の中に置きまして、特定の条項につきまして留保するという制度をとる事例がございます。
 それから、今回の最終議定書のように、特定の条項につきまして議定書の中に、締約国が締結するときに個々に留保をするということじゃなくて、一般的にその条約と同時並行してその留保を明らかにするという制度をとるのがございまして、今回の最終議定書はたまたまその後者に当たるということでございまして、これは先例等調べますと、国際電気通信条約にその事例がございます。
#217
○玉城委員 次は、為替約定についてお伺いいたします。
 説明書を読みますと、本約定締結の意義として、「送金の利便を拡充」とありますが、利用者にとって具体的にどんなメリットがあるのか、さらに「国際協力の維持増進に寄与」するとありますけれども、これは具体的にどういうことをおっしゃらんとしているのでしょうか。
#218
○舘野説明員 インフレーション等のために、為替による送金額は年々上昇いたしておりますが、為替一口の最高限度額、これを据え置きました場合には、為替証書の枚数が増加をいたしまして利用者の手数がその分ふえるという形になります。ところが、今回の条約の改正によりまして、為替一口の最高限度額が引き上げられましたことに伴いまして、利用者の手数と申しますか、その分軽減をされております。
#219
○玉城委員 もう一つは「国際協力の維持増進」の説明、今されましたか。
#220
○舘野説明員 為替の交換がふえますと、これは国際間のいろいろなもの、貿易といいますか個人間の通信販売ですとか、そういうものが活発になります。そういう面から国際協力の増進に寄与する、こういう意味でございます。
#221
○玉城委員 そういう意味を「国際協力の維持増進に寄与」すると仰々しく書いてあるものですから、何かもっと具体的にどんなことがあるのかと思ったら、今のことをこれは言わんとしているわけですね。
 そこで、我が国が二国間の郵便為替約定を締結している国の大半は本約定に加盟していないようでありますが、その国々と、その理由についてお伺いをいたします。――意味はおわかりでしょうか、わかりますね。
#222
○舘野説明員 このUPUの条約に加盟しておりませんで我が国と二国間の条約を締結して業務を行っている国ですが、カナダ、アメリカ、オーストラリア、パキスタン、インド、フィリピン、バングラデシュ、マレーシア等、九カ国がございます。
 これらの国がUPUの条約に加盟しておりません理由ですが、これは推測ですけれども、一つには、UPUの条約に規定がございます料金の最高限度額の規定、これに縛られたくない、いわばフリーハンドを持っていたいという理由があるようでございます。それからもう一つは、UPUの条約の場合には、これで業務に使います式紙類でございますが、これも決められております。そういうものに縛られたくない、自由な用紙を使いたい、こういう理由もあるようでございます。
#223
○玉城委員 我が国とアメリカは、二国間郵便為替約定を締結をしておりますね。一方、両国とも、以前から万国郵便連合の郵便為替約定にも加盟しておりますが、両約定間に矛盾点はないのか、また業務上不都合は生じないのか、両方入っているということで。
#224
○舘野説明員 先生御指摘のとおり、アメリカは一九七一年からUPUの条約に加入しております。ところが、日米間の為替につきましては、二国間の条約を結んで業務を行っております。アメリカの場合には、これはUPUの条約に加入はしておりますけれども、しかし、実際の業務の場合には二国間約定を優先適用するということでもって、実際の業務は二国間でやっております。
#225
○玉城委員 そのとおりでしょうけれども、全然矛盾も何もしない、不都合もないということですか。
#226
○舘野説明員 矛盾は特段ございません。
#227
○玉城委員 そこで、今のこれに関連して厚生省の方にお伺いいたしたいのですが、これは中国残留孤児と中国側への送金の問題について、この条約にも関係しますのでお伺いしておきたいのです。
 厚生省の訪中調査団による聞き取り調査と、未調査孤児のビデオ収録の作業は五月に終わり、ビデオは七月に日本の新聞やテレビで公開される運びと聞いておるわけでありますが、肉親捜しも新たな局面を迎えていると思います。今回の調査の成果と今後の訪中調査の実施予定について、厚生省のお考えをお聞きいたします。
#228
○石井説明員 先生御案内のとおり、肉親捜しのための訪中調査というのは今回が初めてでございまして、去る五月十七日から明日までの二十三日間にわたりまして、中国の東北三省を主として実施したところでございます。この調査は、当然孤児本人から直接手がかりとなる事項につきまして事情聴取をするとともに、本人のビデオ撮りを行う。これには、中国側の関係当局におきましても全面的な協力をいただきまして、今回対象孤児百七十九人につき、順調に調査を終えたところでございます。
 また、孤児から事情聴取しました事柄につきましては、今後の訪日調査に生かされるとともに、孤児を収録したビデオを国内において、テレビ各社の協力を得まして全国に放映する予定でございます。これによりまして、関係者からの情報提供が一段と期待されるのではないか、こう思っております。
#229
○玉城委員 そこで、中国側の孤児の数と厚生省の方で約五百人くらいの違いがある、何かそのように報道されております。そうすると、皆さん方、六十一年度に完了するということからしますと、五百人も差がありますと、これはおっしゃるとおり六十一年度までに完了できるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
#230
○石井説明員 先般中国側が、残留孤児は二千人ということを言明いたしております。それによりまして、ことしの四月から五月にかけまして、その一部の三百八十四人の孤児について新たな通報がございました。
 あと、残りの中国側が把握している孤児といいますか、これらにつきましては、本年七月ごろまでに日本側に通報していただきたいということをお願いしているところでございます。これらの孤児につきましても、六十一年度中に訪日調査を概了したいという気持ちは変わりないわけでございますが、具体的には、その七月にいただける通報によりまして、六十一年度の計画を立てることとしたいと思います。
#231
○玉城委員 また、その孤児が日本に帰る場合の旅費は、厚生省の方で向こうの銀行へ送金するわけですね。そういう御説明をきのう承りました。問題は、その孤児の永住許可が進む中で、中国に残される養父母の生活問題がクローズアップされております。一たんはこの問題が深刻化して、訪日調査が中断する原因ともなっていたわけですが、去年の春、日中両国が交わした口上書で、扶養費は日本側が責任を持って解決することになり、その後、扶養費の額をめぐって日中間の折衝が続いているわけですが、なおその額に開きが大きいというふうに聞いております。その交渉の現状について、簡単に御報告をお願いいたします。
#232
○石井説明員 扶養費の支払いにつきましては、今お話がありましたとおり、口上書によりまして別途協議するということになっていたわけでございますが、それに基づきまして、ことしの二月それから五月の二回にわたりまして、担当課長が中国に行きまして中国側と協議したわけでございますが、孤児が帰国した後の養父母の安定または生活の確保という意味におきましては、双方の意見は一致しているわけでございます。具体的な生活費用等のとらえ方という問題に、なお若干の隔たりがございます。そこで、なお継続して協議をしたい、こう思っております。
 この問題につきましては、養父母が高齢化ということもございますし、日中双方とも早急に解決したいという考えでおりますし、厚生省としても一日も早く結論を得たいということで、最大限の努力をするということにしております。
#233
○玉城委員 向こうの養父母の扶養費の額が日中間で決まりまして、それを送金する場合は、どういう方法で送金の手段をとられるのですか。
#234
○石井説明員 まだ、扶養費の額あるいは支払いの方法については、細目が決まっておりませんので……。
 以上でございます。
#235
○玉城委員 郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定とか、こういう条約には中国は未加盟ですね。加盟しているんですか。
#236
○舘野説明員 中国は、郵便為替の約定、これには入っておりません。
#237
○玉城委員 理由は。
#238
○舘野説明員 中国は、いずれの国とも郵便為替の業務を行っておりません。実は、昨年、中国の郵政省の幹部が日本に見えた際に、日本側からこの郵便為替の交換を行いたいという提案をいたしておりますが、その際にも、中国としては、郵便為替をいずれの国とも行っていないので日本とも行えない、こういう回答がございました。
#239
○玉城委員 経済改革が進み、商法や特許法などの経済法も整備されつつある中、小切手制度も法制化が検討される方向にあるのではないかと思いますが、外務省も郵政省もどういうふうに認識していらっしゃいますか。
#240
○舘野説明員 中国の場合に、外部とのいろいろな交流というものがふえているわけでございますが、私どもといたしましては、中国との間で郵便為替を行いたいという強い意思はございます。ところが、中国の内部的には、外国との為替業務、これは郵政省、郵電部ではなくて別の機関が行っている模様でございます。そういう事情もございまして、我々との郵便為替の業務を始められないという事情があるようでございます。
#241
○玉城委員 時間が参りましたので、終わります。
#242
○愛野委員長 次に、木下敬之助君。
#243
○木下委員 本日の議題となっております国際郵便関係の諸問題について質問いたします。
 まず、郵便為替に関してお伺いいたしますが、日米の郵便為替はその送達に一カ月余りも要しておるようですが、日米間ではどのような方法で郵便為替の交換を行っているのでしょうか。改善すべきであると思いますが、どのようにお考えか、お伺いいたします。
#244
○舘野説明員 為替の交換方式でございますが、これにはカード式というものと目録式というものがございます。
 カード式の場合ですが、これは為替を振り出す国におきまして国際郵便為替証書、MP1という証書を発行いたしまして、これを払い渡しをする国に送付をいたして送金を行っております。
 一方の目録式の場合でございますが、これは振り出し国におきまして、この国際郵便為替証書、MP1を発行いたしませんで、そのかわりに為替金額あるいは受取人の住所、氏名というものを記載いたしました目録、いわばリストを作成いたしまして、これを払い業務を行う国に送っております。これを受けました払い渡し国でもって、国内郵便為替証書を発行して為替金を払う、こういう業務を行っております。
 為替の交換の場合には、この目録式、カード式、二方式がございますが、日米間では目録式を従来から採用して行っております。
 ところが、先生御指摘のとおり、この日米間の為替、実は一カ月余りも要しているわけでございます。これは、現代の大変スピードアップの時代にマッチをいたしません。そこで私どもといたしましては、これのスピードアップを図りたいということを考えておりまして、かねてアメリカの郵政庁等と話し合いを進めてまいっております。この話し合いは順調に進んでおりまして、近い将来この送達速度を一週間程度に短縮できるのではないかと考えております。
#245
○木下委員 近い将来に一週間程度、このようにお伺いしましたが、それはどういう方法によって短縮を図るのか、また、近い将来というのはいつごろになるのか、お伺いいたします。
#246
○舘野説明員 日米間の郵便為替ですが、現在目録式という方式で行っておりまして、これは日本側の東京事務センターを経由いたしまして、アメリカ側の場合にはセントルイスにございます郵便データセンター、この二カ所を経由して為替を送達いたしております。この二カ所を経由するというところから、実は時間がかかっているわけでございますが、新しい方式の場合には、この東京事務センターもセントルイスの郵便データセンターも経由をしない方式、すなわちもう一方のカード式という方式に改めまして、日米間で為替をダイレクトに送受する方式に改めようということを考えております。この新しい方式によりますと、現在一カ月以上かかっておりますものが、一週間程度で届くということになるのではないかと考えております。
 それから、もう一点の近い将来でございますが、まだまだ若干の問題もございますけれども、できればより早く行いたい、こういうことでございます。
#247
○木下委員 次に、UPUに関して質問いたします。
 連合機関のうち事務小会議、特別委員会を廃止することになっていますが、今までこれらの機関はどういう活動状態であったのか、また、どのような理由で廃止するのか、最近の国際郵便業務の実態に対応できなくなった、こういうことで廃止するのか、お伺いいたします。
#248
○瀬崎説明員 今回、事務小会議、特別委員会を廃止することになったわけでございますけれども、この歴史をちょっと振り返ってみますと、事務小会議は過去に三回しか会合しておりません。しかも、最後の会合は一九二七年でございます。それから特別委員会の方は、これは九回会合されておりますが、最後に会合したのが一九五一年。要するに、ここ最近は、この二つの会合はほとんど開催されてなかったということでございます。
 それじゃ何をやっていたのかと申しますと、非常に特定なことにつきまして議論したようでございますが、一つは、例えば事務小会議の一八七六年の会議の記録を読みますと、英領インド及びフランス植民地グループのUPU加盟、米、エジプトの海路継越料について決めたとか、あるいは最後の一九二七年の会議を見ますと、航空郵便物の規定を作成するというようなことをやっております。それから特別委員会でございますが、一九二〇年の会議ではUPU文書の簡素化を検討する、それから一九三九年の会議では継ぎ越し業務を検討するというような、かなり技術的な作業をやった経緯はあるわけでございますけれども、とにかくこの会合というのはここ数年来全く有名無実になっておりまして、機能してなかったわけでございます。
 そこで、今回この二つの組織を条文から抹殺したわけでございますが、それではその業務をどこでやっているかと申しますと、一つは執行理事会それから協定上設けられております郵便研究諮問理事会、こういった二つの組織が非常に活動を強化いたしまして、もはや廃止いたしました二つの組織についてはこれを存続する理由は全くないということで、今回廃止に踏み切ったわけでございます。
#249
○木下委員 国際郵便業務の実態というのは今どのように変わろうとしておるのか、大体どんなふうに変わっておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#250
○梶谷説明員 万国郵便連合が所掌しております万国郵便条約、これに基づきます業務、これは比較的伝統のある業務でございます。これは、この条約に基づいてそれなりに行っておるわけでございますけれども、そのほかに最近では国際ビジネス郵便とかあるいは国際電子郵便というようなものも取り入れまして、各国郵便のスピードアップ、サービスの改善に取り組んでおります。
 この国際ビジネス郵便あるいは国際電子郵便というものは、すべての加盟国が業務を行っているというわけではございませんで、まだ加盟国のごく一部がやっている、三十カ国前後の国がそういうサービスを比較的最近始めたという状況になっております。
#251
○木下委員 国際電子郵便とか、今後ますます郵便業務にはいろいろ変化が起こってくる、変化が起こるというか進歩発展していくと思われますが、旧来のものとの関連はどんなふうになるのか、重複してやたら多様化して効率が悪くなっていきはしないか等、いろいろな問題が生じてくると思われます。そういう観点からひとつ具体的にお伺いいたしたいと思いますが、国内の電子郵便がより一層整備されてくれば旧来の電報制度はなくても電子郵便でカバーできる、このようにも思われるのですが、現在この二つを比較してどういった違いがあるのか、お伺いいたします。
#252
○塩谷政府委員 お尋ねの電子郵便でございますが、これは情報量でありますとか情報内容がたくさんありまして、多様性があります。また、コピーではありますけれども、直接お書きいただいた肉筆がそのまま写るという、現物性が極めて高く維持できるという特性がございます。他方、電報でございますが、これは片仮名の文字で意味、内容といったものを大変速い速度で相手方に届けるという特性を有しておりますほか、電話による受け付けもできるという利便性があるわけでございます。したがいまして、電気通信プラス配達という形態上の類似性はあるといたしましても、サービス内容はそれぞれ異なるのではないかと考えております。
#253
○木下委員 現在、異なった利用のされ方をしておることは私もよく承知しておるわけでございますが、もともと電報というのは、最小限の情報伝達のメディアだったわけですね。そういうことで、その当時片仮名を送るのが、一番一生懸命やったときでそれだったのが、今は肉筆のものが送れるようになったということですから、大は小を兼ねるで、肉筆のものが送れるのに片仮名が送れないわけはないので、これはまた電話での受け付けというのもちょっと工夫しさえすればできるようになるので、今のような答弁では私の質問しようとしている趣旨にはならないのです。
 現在、国民がどういうふうに理解して利用しているかを言っておるのではなくて、これは片っ方を整理していけば片っ方でできる、私はそのように思っております。そんな意味で、配達上の機能も違えば受け付けの仕方も今は違うでしょうけれども、少し細かく詰めていくと、みんな電子郵便で電報をカバーできるのじゃないか、このように思っております。
 ちょっと二、三、細かく詰めさせてもらいましょう。まず、私の方で聞いておるのは、電報の方は電話料金でもうかっているから何とかやれておるのであって、電報の方は赤字だと聞いておるし、電子郵便のことは今から聞こうと思いますが、どうですか、電報の方はどのくらいの赤字なんですか。そして、電子郵便はどういう採算状態ですか。
#254
○品川説明員 とりあえず、電報の方の収支状況をお答え申し上げます。
 現在得ております最新の数字は五十八年度の実績でございますが、収入三百八十七億円に対しまして支出は千六百二十六億円でございます。したがいまして、収支差額千二百三十九億円の赤字、こういう状況でございます。
#255
○木下委員 電子郵便の方はどうですか。
#256
○塩谷政府委員 国内の電子郵便でございますが、これは昨年十月からサービスの拡大を行いまして、全国どこの郵便局でも引き受けて、どこの郵便局からも配達するというふうにしたわけでございます。十月からの利用状況からしますと、採算はとれておると見ております。
#257
○木下委員 そういうことを相当大きな背景として私も質問しておるわけでございます。電電の方は新しく会社になりましたけれども、郵政省で同じ管轄の中でしょうし、電電の方もじゃ民間企業ならそれでいいというわけじゃない、料金的にもできれば遠近格差等、そういった金があるなら是正していただきたいという当然の要求もたくさんある中でございますから、郵政省としては本当にまじめに考えていただけませんか。いろいろな新しいものができてきて、多様化というのはいいですけれども、新しい技術にみんな多様化して何でもできることがいいわけじゃなくて、そこそこに整理してやられたらどうでしょうか。
 もうちょっと確認させていただきます。配達の方のスピードが電報だというふうに言われましたが、ファクシミリで送る電子郵便でしょうから、やり方一つでは十分に速く配達できると思いますし、昔の電話が行き届いてないときに電報を打っていたのと違いまして、今の電報というのはほとんど慶弔電報が中心であろうと思います。そういったのが期日指定で出されれば、当然電子郵便でも同じように対応ができますし、弔電の場合なんか私疑問を持っておるのですが、届けてくるのを見るとみんな一緒になって届いてきます。
 出す方は、必ずしも時間とか指定しているわけじゃないですね。大抵、死んだのを聞けばすぐ打つ。それが電報局によってはたくさん来るでしょうから、受けたらすぐ一人が配達に行くというようなことをしなくて、お葬式の時間に間に合えばいいんだ、期日は指定されてないけれども、されているのに近い前提のもとに運用されているのが実情じゃなかろうかと勝手に拝察をしておるのですが、どうですか。まず一点として、電子郵便でも、やり方一つじゃ十分その速度というのはたえられるのでありましょうし、電報の方も、現在では非常に急ぐという状態の利用の仕方は少なくしかも運用もそういうふうにされておるのじゃないですか。その点、ちょっとお聞かせください。
#258
○塩谷政府委員 私ども、今直接電報は主管しておりませんので、電子郵便の速度について申し上げますが、これは先生も御存じのとおり、現在大体県庁所在地等の郵便局でファックスの端末機を置いているわけでございますが、そういったところで引き受けました電子郵便につきましては、午前中に引き受けたものはおおむね当日中、その他の場合、夕刻までに引き受けた電子郵便は翌日午前中の配達というふうになっております。ただ、これは電報と違いまして速達、郵便局の配達網に乗せているわけですから、その面でコストも大分安くなるわけですけれども、そういう速達の配達ということでございますので、電報の方がその面有利なところもあるのではないかというふうに察しております。したがいまして、これからの問題としては、電子郵便の端末機を置く郵便局をふやしたりしてスピードアップをしたいというふうには考えております。
#259
○木下委員 今の実情がどうだとかいうことだけじゃなくて、何も私は明日からしろとか今全部できると言ってないのですけれども、速達と電報の配達の仕方だって、何か電報の方は特別な速い配達の仕方をしていて、速達は速達のやり方があるということもないのでしょう。電報の配達を郵便の方で受けていたりすることもあろうし、先ほど申しましたように、電報の配達の仕方も受けたら必ず配達するというんじゃなくて、弔電なんかある程度まとめて配達しているわけでしょう。そういう中で、もうちょっとまじめに検討してもらいたいと思います。電報の方、きょうはお答えできる方はいないのですか。
#260
○品川説明員 お答え申し上げます。
 電報の利用実態と申しますのは、先生御指摘のように大きな変化をしてきておりまして、これは五十九年度の調査でございますけれども、いわゆる一般電報、慶弔電報以外の電報というものは、割合といたしましては一八%、残りの八二%はいわゆる慶弔電報でございます。したがいまして、本当に緊急のものと即時にというものは割合としては大変少ないわけでございまして、配達の実況といたしまして、先生御指摘のように、まとめて配達するということも現実に行われております。
#261
○木下委員 そういうことですから、やはり一千二百三十九億と言われたのですか、年間に、というのは大変な数字で、ファクシミリをどんなふうな形で先端の郵便局、特定郵便局等に配置していく計画かも存じませんし、きょうは細かく論ずる時間はありませんが、年間それだけあれば、あっという間に全部に整備ができるのじゃないでしょうか。同じ郵便行政の中ですから、やっていただきたいと思うのです。
 もう一つ、先ほど出ました違いの中に、受け付け方が、これは確かに今のところ大分大きな問題であろうと思います、電報は電話でかければいいですけれども。ただこれも、弔電なんかのときは本当に出ないのですよ。苦情が行っていませんか。幾ら回しても回してもお話し中で出なくて、あれは何か考えなければならぬと思うのですが、そんなことも含めて、片仮名は、今手書きじゃないと送れないから片仮名は送れないなんというようなばかなことを言わずに、受け付けてそれをぼこっと打てはもう片仮名でできて、それをファックスに乗せれば同じことができるのですから、ぜひやっていただきたいと思います。受け付け方を、きょうの新聞に何かポストで受け付けるというのも出ていたようですし、改善の方向にはあると思いますが、ファクシミリからの受け付けというのは可能になるのか、どういう考えを持っているのか。今言ったように、そういう短い文章みたいなもの、電報と同じような内容のものなら、電話での受け付けも可能なのかどうか、この二点、今後の方針をお聞きいたしたいと思います。
#262
○塩谷政府委員 先生今おっしゃっていただきましたように、私ども、ポスト投函による引き受けということを、今まで郵便局の窓口だけにとどまっておりましたのを、サービス向上ということでやりたいというふうに考えております。
 それから、電話による引き受けも、これは料金をいただく方法などを検討しなければいけないわけでございますけれども、そういった問題も含めて、これからは検討してまいりたい。
 ファックスによる引き受けということでございますが、電子郵便というものの特性といいますか、機能というのは、これはそういったファクシミリ端末を持たない方が公衆的にといいますか、大勢の方がそういった郵便局にある端末を利用してスピードで送るというところに特性があるわけでございまして、ファックス端末を持っている人は公衆ファクシミリサービスというようなものもありますでしょうし、そういった使い方もあるわけでございますので、直ちに電子郵便がそういうファックス端末からの引き受けをするかどうかということについては、まだいろいろ考えなければならない問題があろうかと思います。
 いずれにいたしましても、木下先生のおっしゃることは、電子郵便サービスのいろいろ向上、サービスを引き受けやすいように持っていけという御指摘だと思いますので、その辺は承って、これから検討してまいりたいと思っております。
#263
○木下委員 じゃ、そういうことでよろしくお願いします。
 きょう、ポスト受け付けで、新聞を読んでいて気がついたことを一つ申し上げておきます。
 何か要求があれば、返還をするようなことを書いておったのです。要求があるのとか何かないのとか、要求していたけれども紛失したらどうするのかとか、物すごく重要な原稿みたいなものを、そのままで返るものだと思って、返ってこなかったときに、要求を書いていたとか書いてなかったとかいってもめたときには、最初から要求を書いていたという内容証明みたいなものがない限りは要求する権限はなくなるのかとか、随分いろいろな問題があるような気がしましたので、ちょっと気がつきましたから、お伝えいたしておきます。
 ちょっと何か時間が足らずに、質問事項をたくさん用意し過ぎたようで、順序がいろいろになりますけれども、せっかくですから、南アのアパルトヘイト問題の出てくるところを先にやりたい、こんなふうに思います。少し流れがあっちこっちしますけれども……。
 万国郵便連合の会議に、直接関係のない政治問題が持ち込まれておりますが、今回の大会議では、アフリカ諸国から南アの除名決議が出され、大差で可決されて除名が決まっているはずですが、その経緯と日本の対応についてお伺いいたします。
#264
○瀬崎説明員 UPUには、南アはずっとメンバーとして加盟していたわけでございますが、一九六〇年代になりましてアフリカに独立国が非常にふえまして、UPUのみならずその他もろもろの国際機関におきまして、南アの委任状が挑戦されるようになったわけでございます。
 UPUにつきましての一九六四年のウィーン会議、それから六九年の東京大会議、七四年のローザンヌ大会議におきまして、南ア代表団を会議から追放する――会議からでございます。会議から追放するという決議が通っておりまして、その後七九年のリオ会議、八四年のハンブルク会議、これでは南アを加盟国として追放するという決議になったわけでございます。
 そこで、八四年のハンブルクの大会議でございますけれども、これはその前の大会議のリオデジャネイロにおける会議におきまして、南ア追放の決議が通ったわけでございますが、この前回の決議が有効に存続することを確認し、南アが国連加盟国の資格で再加入することができないとする決議、これがアフリカ二十九国の提案で導入されたわけでございます。
 UPUにつきましては、加盟国の追放規定は憲章に書いてございません。国連憲章でございますと、国連憲章の原則に執拗に違反する国については、安保理の勧告を受けて総会が追放することができるという規定がございますが、UPUには追放の規定はないわけでございまして、このUPUの会議におきましては、常にこの南アの追放あるいは前回の会議ではイスラエルの問題も出たわけでございますけれども、大問題になりまして、少なくとも三分の二で決めるべきであるというような議論が出たわけでございますが、これも否決されまして、結局単純多数、最終的には九十一が賛成、二十八が反対、七票が棄権ということでこの決議案が通りまして、南アは追放されたということになったわけでございます。
 前回のときにも南アは追放されたわけでございますが、その後国連加盟国の資格で再加入しておりまして、今回は、今後国連加盟国としての再加入の道も封じているということでございますので、南アがどのように出てくるかということが注目されているわけでございます。
 他方、除名規定がないわけでございますので、憲章も改正せずに加盟国を追放するということにつきましては、この決議の有効性に非常に疑義がありまして、日本のみならずその他多数の国が前回の決議は有効でないという宣言をしております。日本もその一カ国でございまして、日本側といたしましては、政治性のない技術的な専門機関におきまして、例えば南アの代表権であるとかイスラエルの代表権であるとか、その他アパルトヘイト、パレスチナ問題、こういった問題を非常に時間を費やして議論をするということになりますと、本来の専門分野の意見交換あるいは協力関係というのが損なわれますので、日本の例えばアパルトヘイト、ナミビア問題に対する基本的な姿勢というのは、国連総会等におきまして明確に打ち出されておるわけでございまして、専門機関においてはこのような政治論は避けたいというのが日本の基本的な考え方でございます。
#265
○木下委員 そういうことで、憲章にないような決議をしておる、決議の文面を見ても、UPU再加盟も許可しないという強い内容になっておって、一方UPUの憲章では、国連加盟国は加盟申請をすれば自動的に認められる、こういうふうになっている、こういった整合性をどんなふうに図っていくのか、我が国はどういうふうにこの問題に今後主張していくつもりなのか。
 そして、これは参議院の外務委員会の審議の中で、瀬崎参事官ですか、UPUは過度の政治性もなく「健全な国際機関である」、こういう答弁をしておるけれども、こういうふうに憲章に規定もない除名が数の力で行われておる事実があるのを「健全」と言われておるし、「健全」というのはどういう意味なのか、また、今後この問題にどう取り組んで主張していくつもりかをお伺いいたします。
#266
○瀬崎説明員 参議院のこの条約の審議におきまして、UPUというのはユネスコのように非常に乱れた国際機関であるかどうかというような御質問がございましたので、私の方から、UPUはユネスコと異なりまして、緊縮財政ということも非常に守られておりますし、また、UPUの定員につきましても百三十八名という定員が非常にしっかり守られておりまして、もちろん、この間に臨時雇いの人々が働くというようなことはございますけれども、少なくとも定員それから予算面では、ほかの機関、特にユネスコ等と比べますと健全であるというふうにお答えしたわけでございます。
 南アの問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように前回の大会議での決議というのは、私どもから見ますと、法的な有効性については非常に疑義があるということでございます。他方、南アがどのように出てくるかということはいまひとつ不透明な点がございまして、この点につきましては、私どもとしては南アの出方を見守りたいということでございます。
#267
○木下委員 そういう決議は無効であるということを主張していく日本の姿勢は当然だと思いますけれども、万国郵便連合の会議運営は郵便業務関係分野のみについて行われるべきで、これが直接関係のない政治問題で会議運営が正当に行われないのは異常なことで、残念であります。
 しかし、一方の南アのとっているアパルトヘイト政策も、また許されざる異常な政策である、このように思います。連合憲章の正当な運用を求めていくことや、一般の日常生活に密着した分野に政治問題を持ち込まないこと、こういったことが幾ら重要であったとしても、世界の情勢が南アのアパルトヘイト政策を極端に異常なものと認めて、異常な考えに対抗していくためには正論ばかりを言っても効力はなく、手段を選ばないと言ってしまうと言い過ぎでありますけれども、行き過ぎと言えるほどの対抗策を決行することが、南アに対していかに南アの政策が国際的に見て異常な許されざるものであるかを知らせることとなるのではないか、こういうふうに言えるような世界情勢にあるのではないかと私は思います。
 政府の基本的なこのアパルトヘイト政策に対しての考えをお伺いしますが、国連の場では種々の南ア制裁決議が出され、日本としてもアパルトヘイト政策に反対する立場から、いろいろな点で関係を制限していることはよく承知しています。そういう中で、郵便とか電気通信とか国民の日常生活に密着した分野でもこうした制裁の動きが起きていることをどんなふうに考えるか。そうして、南ア問題についてアメリカは、これまでに幾らか公然とした批判を避けてきた、このようにとられておりますが、国内での学生デモとかそういったものも相当先鋭化しており、また、世界の情勢も南アに対する問題はある程度の方向が出ておる。こういう情勢の中で、アメリカも南ア政策を変えてきておるのではないか、こんなふうに思うのですが、アメリカが変われば日本もまた同調することになっていくのか、どういう考えを持っておるのか、お伺いいたします。
#268
○久米説明員 我が国が、南アのアパルトヘイト政策に反対しておりまして、機会あるごとに南ア自身にもいろいろ改革を訴えると同時に、国連の場その他でも動きに協調しておることは、御指摘のとおりでございます。ただ、日本がとっております南アに対する規制措置というものは、そういう規制措置をとることによって南アに適切な圧力を加え、それによって南アの国内からの改革の動きというものを奨励、促進していくということにねらいがあるわけでございます。そういう見地からいたしまして、技術的な分野でのUPUとかIPU、そういう国際機関からの追放措置が必ずしも適切な措置であるかどうかわからないということで、我が国としては、そこまでの措置は今までとってないわけでございます。
 他方、アメリカの動きにつきましては、この二、三日の新聞にも出ておりますとおり、アメリカの議会でいろいろな立法が審議されておりまして、その一部は既に下院ないし上院を通過しておるということは我々も承知しております。この動きについては、非常に大きな注目をして見ております。ただ、アメリカの動きも、まだ最終的な法案として成立しているわけではございませんし、今後ともこうした動きを注意深く見守っていきたいと思っております。
#269
○木下委員 アパルトヘイトにつき日本は、表面上は制裁に同調しながら、経済利益優先の余り、アフリカ諸国を初めとする第三世界から名指しの非難を受けたりしているのが現状である、このように考えます。ことしに入ってからも国会で、南アから血漿輸入や外務省職員の南アとの親睦団体加入、こういった問題が問題にされておりますが、国連の場と実際の外交関係の場で矛盾した態度をとっていては、非難を受けるのも当然であろうと思います。アパルトヘイト、対南ア関係について、確固とした姿勢の貫徹が望まれると思いますが、どうですか。
 女子差別条約審議の中で、今おられませんが、我が党の渡辺国際局長もこの問題をただしておりまして、中曽根首相、安倍外務大臣の答弁は、南アとの貿易等につき自粛は求めるが、自由貿易制度をとっている手前規制はできない、こういう感じの答弁だったと思いますが、こういう姿勢は現状を追認しているというふうに思えるのであります。南アにとって日本は、希少金属の輸出先として米国に次ぐ貿易相手国になっている中で、これはちょっと定かではありませんけれども、禁止しているはずの日本からの直接投資も実は行われているのではないか、こういう話もございますが、こういう現状を野放しにしておくのか、決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
#270
○久米説明員 先ほども申し上げましたとおり、我が国といたしましては、南アのアパルトヘイト政策に対して一貫してこれに反対するという立場を貫いておりまして、その立場を貫く一環として、南アに対する投融資の規制あるいはスポーツ、文化面での交流の規制、それから外交関係を持たずに領事関係にとどめるというような措置をとってきております。
 ただいま御指摘の直接投資につきましては、日本の場合、直接投資一般につきましては自由化されておりますけれども、南アに対する直接投資というのはこれを認めないという方針で、これまでに直接投資が行われたということは承知しておりません。
#271
○木下委員 国際社会の中で、日本が理解しにくい国であるように言われたり、またエコノミックアニマルと言われたり、いろいろな面で風当たりがある中、日本の常識というものが世界の常識とちゃんと重なって特殊なふうに見られないように、どんなふうに見られているのかということも十分気を使いながら、こういうことはやるべきであろうかと思います。そして、先ほどもおっしゃられましたが、アメリカの方が南アフリカ政府に借款を供与することなどを禁止する南ア経済制裁法案とかも、五日に下院本会議で可決したという報道もございます。我が国も、南ア制裁をもっとはっきりやっていくべきであることを申し上げたいと思います。
 時間がありませんので、最後にもう一つだけ。これは万国郵便のことですが、差し出す量と受け取る量に差があるとそれは補償しているようで、金銭や業務上の不満は補償すれば解決されるのだと思いますけれども、後進国等にいろいろな情報が流れていくのが先進国から一方的に大量に入って、後進国から先進国に来る量が少ない、こういったことの不満が後進国――後進国という表現が悪かったら、開発途上国側から不満が出ているように思います。開発途上国が提唱しておる新国際情報秩序とか新世界情報秩序と言われている要請は、具体的に何をどのように要請されておるのか、お伺いいたします。
#272
○瀬崎説明員 新国際情報秩序につきましては、一九七四年に新経済秩序というのが出まして、その一環で開発途上国側から情報の流れにつきまして南北に格差がある、要するに世界のメディアというのは、西側の報道機関が牛耳っているために正確な情報が流れないんだというようなところから端を発しまして、一九八〇年のユネスコの総会におきまして、この新国際情報秩序というものが一つの考え方として確立してきたわけでございます。
 他方、この新国際情報秩序につきましては、国家機関の言論統制あるいは報道の倫理等々、報道の自由にかなり抵触する面がございまして、西側の先進自由主義諸国から非常に強い反発がございまして、ユネスコその他国際機関において激烈な論争があったわけでございますが、最近ではこの論争は余り行われずに、むしろ開発途上国側のメディアのインフラストラクチュアを強化する方が先決問題ではないかということで、関理論争につきましては、一応今後継続的に議論さるべき問題であるということで決着がついておりまして、現在では先生先ほど御指摘のとおり、IPDCというような形で開発途上国の報道関係のインフラストラクチュア強化に重点が置かれているわけでございます。日本政府も、このIPDCにつきましては非常に強く支援しておりまして、ここ三年間、毎年三十万ドルずつ拠出しております。
 それから、新国際情報秩序で何をやろうとしておるのかということでございますけれども、情報の流れの不均衡の是正、これは先ほどちょっと申し上げましたけれども、西側の報道機関が牛耳っているために正確な報道が流れないという開発途上国側の不平でございます。それから、報道と情報の自由、ジャーナリストの自由と責任、情報通信分野における途上国の能力向上と先進国の協力、文化の独自性の尊重等々、いろいろな問題が多面的に議論されておりますけれども、最近では先ほど申し上げましたように、インフラストラクチュア強化の面で南北間の対話が進展しているということでございます。
#273
○木下委員 時間が参りましたので、終わります。
#274
○愛野委員長 次に、岡崎万寿秀君。
#275
○岡崎委員 郵便関係五条約について、まず基本的な問題からお聞きしたいと思うのです。
 UPUには百六十八カ国が参加していまして、これは国連参加国よりか多い、その果たしている役割は非常に大きいと思うのです。そこで、安倍外相にお尋ねしたいのですけれども、今日の国際社会、国際政治の中でこの国際郵便制度の果たしている役割、今後について、外相の御認識をお伺いしたいというふうに思います。
#276
○安倍国務大臣 最近は相互依存の時代でありますし、特に情報化が国際的に大変進んでいるときで、今後もそうした面での関係はますます密接になっていくと思います。そういう意味での郵便の役割というのは、世界の中でますます大きい役割を果たすようになってくるだろう、こういうふうに判断しております。
#277
○岡崎委員 私もそう思います。この国際社会の中で、人事や文化や経済の交流にとっても、あるいは平和友好の促進にとっても、非常に重要な意味を持っていると思うのです。
 そこで、郵政省にお伺いしたいのですが、こういう国際郵便制度につきまして、郵政省はどういう基本的な原則で臨まれているのか、お伺いします。
#278
○塩谷政府委員 申すまでもなく国際郵便という制度は、国々の境を越えて人々が文通し合うという、大変社会的にも文化的にも有意義な仕事でございまして、私ども、そういった使命の重大性というものを十分認識して世界各国の人が、日本も含めて自由にまた簡便に、こういった郵便制度が利用できるように、サービスの改善といいますか、よいサービスが提供できるように考えて仕事をしてまいりたいと思っております。
#279
○岡崎委員 確かに自由に簡便に、大事だと思います。あわせて私たち国民にとっては、確実に届くということ、早く着くということ、そして料金が安いということ、当然のことですけれども、こういうことは強く希望するところなんです。また、そのような方向で郵政省も努力されていると思います。
 そこで、お聞きしたいと思うのですけれども、まず確実という問題ですね。今世界の国で、確実にあるいは安全に郵便が配達されないようなところ、あるいは向こうから来ないようなところは、どういう国がありますか。
#280
○梶谷説明員 ただいまのところ、郵便が届かないという国は一つもございません。世界すべての国との間で、通常郵便物の交換が可能でございます。
#281
○岡崎委員 それは結構です。
 次の早くという点ですね。これは私も経験しましたが、ニカラグアに行きまして二週間以上かかった。ニカラグアは特殊な条件にありますが、隣のメキシコでもやはり同じようにかかるわけですね。今度の万国郵便条約の第一条でも「継越しの自由の原則」というのがうたわれておりまして、「いかなる場合にも、自国内で差し出される郵便物について利用する最も速達の線路によって送達する義務を負う。」となっておりますし、本来最も早く着くはずでございますけれども、実際上は非常に時間がかかるのが現実なんですね。
 それで、大まかに言って、現在地域別にどのくらいの日数がかかっていますか。
#282
○梶谷説明員 郵便の送達日数につきましては、世界のすべての国との間でどれぐらい日数がかかるかということで調査はいたしたことはございませんけれども、主だった国との間についてはやっております。(岡崎委員「地域別に大まかで結構ですから」と呼ぶ)はい。
 地域別といいますか、例えばアメリカ大陸の場合は、アメリカ合衆国であれば、航空便でございますけれども、これがサンフランシスコの場合は五日程度、それからニューヨークですと六日程度で着きます。それから南米のベネズエラというようなところですと八日前後かかる。それからアジアの方に参りますと、これは比較的早く送達されておりまして、韓国ですと四日前後、それからフィリピンあたりでも四日前後でございます。なお、スリランカ、バングラデシュというところへいきますと五日前後ということになります。それから中近東になりますと、経由地の関係等もございましてアジアよりちょっと余計かかりますけれども、エジプトで一週間前後でございます。それからヨーロッパの場合には、大体四、五日で着くということになっております。
#283
○岡崎委員 比較的早いところをおっしゃいましたけれども、メキシコあたりからも二週間近くかかりましたけれども、十日以上かかるところはどういう地域ですか。また、それについてどういう対策をなされているのかもあわせてお願いします。
#284
○梶谷説明員 私どもが調査したところでは、航空便について十日以上かかるというところは出ておりませんでしたけれども、確かに先生おっしゃるように中南米の何カ国かの国、それからアフリカ地域における若干の国につきましては、かなり日数を要しているということは伺っております。
#285
○岡崎委員 対策までお述べになりませんでしたけれども、なるべく早く着くように、各種の改善をお願いしたいと思うのです。
 三つ目の安くという点ですが、これが今度の万国郵便物条約の一つの問題点であるというふうに考えております。基本料金が五〇%引き上げられるわけですね。これは会議で賛成、反対意見、どういう数になっています。
#286
○梶谷説明員 今回の万国郵便大会議では、三つの案が提案されました。一つは、通常郵便物全体につきまして現行基本料率の五〇%を引き上げる。それから第二案は、はがき、書状につきましては五〇%、印刷物それから小形包装物につきましては六二%の引き上げを行うという案、それから第三案は、通常郵便物全体につきまして現在の基本料金を一律二〇%上げるという案がございました。
 この三案のうち、一番原案から遠い第二案から投票が行われたわけでございます。この第二案についての投票の結果は、賛成が二十一、反対が九十七、棄権が五ということでございました。これで否決。それから、その次の通常郵便物のすべてにつきまして一律五〇%上げるという案につきましては、賛成が六十二、反対が五十九、棄権四ということで、採択になっております。なお、第一案が採択ということになりましたので、通常郵便物全体につきまして二割上げるという第三案は、当然のことながら否決ということになりました。
#287
○岡崎委員 今の御答弁によりましても、賛成六十二、しかし、反対と棄権を合わせますと六十三ですから、そちらの方が多いわけですね。一律二〇%でも十分だという国がかなり多かった。先ほどからの答弁で、今後の五年間の変動についていろいろ考えた場合、日本は七〇%の提案を当初されているようですが、しかし実際上は、多くの国々がそんなに上げる必要はないという意見が強いわけですね。七〇%、最終的に五〇%になりましたけれども、上げる根拠は何でしょう。簡潔にお願いします。
#288
○梶谷説明員 料金値上げの根拠でございますけれども、これにつきましては、この提案が執行理事会でずっと検討されておりました。そのときの諮問の結果、五割アップを支持する国、これが多数を占めたわけでございます。その点から、最終的に大会議でもこの案が通ったわけでございます。
 なお、理事会におきましては、やはり料金はそう上げるべきでないという国もございまして、理事会として一本の案でいくというわけにはいきませんで、結果として、三案併記ということで総会にかけたわけでございます。その結果が、先ほど申し上げましたように、基本料金について一律五割上げるという案が通った次第でございます。
#289
○岡崎委員 日本が七〇%の値上げ案を出し、五〇%に賛成した、その理由を聞きたかったのですが、それはいいです。
 前回は何%アップになりましたか。数だけで結構です。
#290
○梶谷説明員 前回も、今回と同様、五割のアップでございました。
#291
○岡崎委員 それでは、その後国際郵便料金、どのくらい値上げになっています、この期間。
#292
○梶谷説明員 前回の総会で基本料金が五割上がったわけでございますが、その条約が発効になりまして後、昭和五十六年の七月一日に日本の外国郵便料金は、通常郵便物につきまして二割強の値上げをしております。それ以来、その料金をずっと維持してきております。
#293
○岡崎委員 五〇%アップになったのですが、実際上は二割強でよかったのですね。書状では、九十円が百十円になったのでしょう。それで、その理由ですけれども、黒字だったのですね。どうして、黒字のところを日本は値上げしましたか。
#294
○梶谷説明員 前回のリオ大会議の条約が採択になりました当時の私どもの見込みでは、向こう五年間、その当時の料金をそのまま維持するということでありますと、いずれはかなりの赤字が出るのじゃないかというふうに想定していたので、この条約発効期に二割強の通常郵便物につきましての料金値上げを行ったわけでございます。
#295
○岡崎委員 今のは正確ですか。実際上は黒字でした。そして、国内の料金と一緒に上げたでしょう。むしろ理由は、そのバランスをとるためじゃなかったのですか。
#296
○梶谷説明員 外国郵便の料金は、取扱経費の増高とか、あるいは内国郵便の料金を勘案しまして設定するわけでございますけれども、内国料金のアップはその年の一月に行われております。私どもの方の外国郵便の料金は、五十六年七月に行っております。
#297
○岡崎委員 一月に上げようと七月に上げようと、それはバランスをとることについては同じでしょう。関係ございませんか。
#298
○梶谷説明員 外国郵便の料金を設定しますときには、取扱経費、それから為替、それから内国郵便の料金というものも勘案いたしますので、全く関係なかったということはございません。内国料金の値上げが一月に行われておりますので、それとの関連もございまして、七月に料金を改定しております。
#299
○岡崎委員 ではお聞きしますけれども、現行の国内の料金、それと外国郵便料金、このバランスは今は適当だとお思いですか。現行についてです。
#300
○梶谷説明員 現在の内国郵便料金とそれから外国郵便料金のバランスは、一応とれているというふうに考えております。
 その根拠の一つは、APPU加盟国と申しまして、アジア、大洋州を主とする郵政庁、この間では特別な料金を採用しております。この料金は、現在日本の場合には、これは船便でございますけれども、船便の通常郵便物のうちの書状、はがきにつきまして、UPUの料金の六割をいただいております。四割引いておるわけでございますが、その料金が内国を下回るというようなことになりますと、これはバランスが崩れるというふうに私どもは考えておりますけれども、その点でも、今のところは内国料金を下回るということはございませんので、バランスは一応保てているというふうに考えております。
#301
○岡崎委員 バランスがとれている、これは大事だと思いますが、そうしますと、この間は五割アップで、実際上は二割ちょっとしか日本では外国郵便料金を上げなかったわけですね。ところが今度は、日本は七割アップを要求して、実際上は五割アップになった。一番懸念するのは、それが国民の懐にはね返ってきやしないかという点ですね。直接的には連動しないというふうにおっしゃいましたけれども、この万国郵便条約によって一律に五割上がるということから、そのことが国内料金の方にはね返ってこないのか、それを口実に上げるようなことはないのか、そのことをはっきりお答え願いたいと思います。
#302
○塩谷政府委員 国内という意味が国内の郵便料金という趣旨でございますと、私ども郵便料金の改定につきましてはいろいろ考えなければならない問題がございまして、例えば最近、これは小型物品の関係でございますけれども宅配便の進出、それから信書の送達の関係でも同じように他人に意思を伝える電気通信メディアの発展等、いわば競争代替関係にある事業がいろいろございまして、そういったところの中で郵便というメディアがこれからも伸びていかなければいかぬ。そういった状況を考えますと、これは何としてでも郵便のサービスの改善に努めまして需要の拡大を図るということと、運営の効率化を図ってなるべくコストを抑えていく、こういったことで事業財政の悪化の抑制に努めていきたいということでございますので、おのずから料金の取り扱いということになると、慎重に考えなければいかぬというふうに思っております。
#303
○岡崎委員 答弁になっていませんね。私が言っているのは、万国郵便条約とのかかわりで言っているわけです。国内料金がさまざまな要因で上がることはわかりますよ、検討さるべきことはわかるんですね。しかし、昭和五十六年の一月と七月、やはり全然無関係じゃなく国内料金が上がって、その後国際郵便料金を上げたでしょう。そういうふうにしていろいろな形で連動といいますか、関係を持つわけです。その逆もあり得るわけでしょう。今度は国際郵便料金が上がったために国内の料金も上げろ、そういうことがないようにしなくちゃいけないということから、先ほどから慎重にするとか値上げについてはできるだけ抑えるという話はありましたけれども、これは国際郵便料金ですが、しかし五〇%アップの枠をとったわけですので、これを国内の郵便料金の値上げの口実にしない、これをはっきり約束してもらえますか。
#304
○塩谷政府委員 前回の大会議で五〇%、これはあくまで枠でございますけれども、国際郵便の基本料金が引き上げられたということと、その後国内で国内郵便の引き上げが行われたということは関係ございません。国内料金の引き上げというのは、当時の郵便の財政事情などから起こった問題でございます。そういうことでございますので、その間の因果関係というのはないわけでございますので、私ども、今後この五〇%引き上げということを契機として国内郵便云々ということは考えておりません。ただ、国内郵便自体の需要それから人件費その他財政的なコストアップとの関係で国内郵便をどうするかは、別な問題というふうに理解しております。
#305
○岡崎委員 前回は逆なんですよね。むしろ国内料金が上がって、それとのバランスをとるということも一つの要因として国際料金が上がっているわけですね。今おっしゃったように、今度の万国郵便条約によってアップになったからといって、そのことが連動して国内の郵便料金の値上げになることはない、これはそのように今約束されましたね。もう一回お願いします。
#306
○塩谷政府委員 連動して約束ということでございますけれども、国内郵便の料金改定はあくまで国内郵便の当面しております環境、財政事情、そういったことから考えるということでございます。
#307
○岡崎委員 したがって、国際郵便料金が上がったからといって国内の料金が自動的に上がる、バランスとかその他で関連を持って上がるということはないということでしょう。そのことを聞いているのです。
#308
○塩谷政府委員 毎度申し上げるようですが、五〇%アップということは基本料金の引き上げの枠でございまして、私ども、それを契機として国際郵便を今上げるとは言っていないわけでございます。したがいまして、いわんや国内郵便について、この枠が引き上げられたから直ちに云々ということにはならないということを申し上げております。
#309
○岡崎委員 では、枠は引き上げられた、その枠の中でまた引き上げる、それが国内の郵便料金に連動しないように、今のお話のようにぜひきっちり守ってもらいたいと思うのです。
 それで、最後に、郵政行政に関して一言お尋ねしたいと思います。
 労働省からもお見えいただいているわけですけれども、労働安全衛生法の二十三条とその規定に基づく労働安全衛生規則で、休養室などを設置する、そういう義務が書かれているわけでございますが、そのことに関してひとつ簡潔にお答え願います。
#310
○北山説明員 労働安全衛生法に基づいて制定されております事務所衛生基準規則の第二十一条では、事業者は、常時五十人以上または常時女子三十人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床することができる休養室または休養所を男子用と女子用に区別して設けるべきことを規定しているところでございます。
#311
○岡崎委員 それではお聞きしますが、郵政省関係で例えば貯金事務センターとか簡易保険センター等、そういうところでこのような男女区別して設けてないところ、どういうところがございますか。
#312
○塩谷政府委員 お尋ねの貯金、保険の事務センターそれから郵便局の休養室、こういったことの実態を調査いたしましたところ、法令の定めのある職員の休養施設として利用され得る実態にあるというふうに把握いたしております。
#313
○岡崎委員 何を言っているか、さっぱりわからないのですが、とにかくこのような規則に基づいて設けられてないところがどうなっているか、それをお聞きしたわけですが、時間が少なくなってきましたので私の方で言いましょう。
 私の調査によりますと、京都の貯金センターには休養室が設置されていません。また、金沢、下関、山形の貯金センターは一カ所で、男女別は設置されてない。さらに簡易保険事務センターでは、岐阜、京都、高松、仙台、札幌は一カ所だけで、男女別にはなってないという状況なんですね。この状況はお認めになりますか。
#314
○楠田説明員 貯金事務センター及び簡保センターの休養室におきましては、それぞれ男女分かれるように中に間仕切り等置きまして、全部分けていると承知しております。
#315
○岡崎委員 この間ここで長い時間をかけまして、女子差別撤廃条約を審議して可決したわけですよ。間仕切りとは何ですか、どういう間仕切りなんでしょうか。私もここに持っておりますけれども、そんな広くない部屋で間仕切りはどうなっているんでしょう。
#316
○楠田説明員 一つ例をもって御説明申し上げますが、京都貯金事務センターでは休養室が四十・七九平米ございます。これを二つに分けまして、それぞれのところにベッドを三つ置いておりまして、二メートルの幅の間仕切り、それから高さが一・七メートルございまして、完全とは言いませんが両方ほぼ分割されておるというふうに考えております。
#317
○岡崎委員 今のは京都の貯金事務センターの話ですか、保険事務センターですか、どっちの方ですか。
#318
○楠田説明員 京都貯金事務センターでございます。
#319
○岡崎委員 貯金事務センターはないでしょう。ありますか。
#320
○楠田説明員 ございます。
#321
○岡崎委員 金沢、下関、山形、私全部ここに地図を持っていますけれども、こんな狭い室が間仕切りできますか。
#322
○楠田説明員 私どもで調査しましたところ、それぞれ間仕切りを置いて、男女別に分けておるというふうに承知しております。
#323
○岡崎委員 私、地図を持ってきていますよ。こんな四畳半ぐらいなところで間仕切りして、男女がどうして横になれますか。そういう国会答弁をごまかしみたいなこと、やっちゃいかぬと思うのです。
 そこで、労働省の方にお聞きしますけれども、御承知のように今オンラインシステムが導入されて、新たな労働環境が生まれているわけですね。この間、機会均等法が通り、母性保護の点からいっても、いろいろ労基法の、私たちにとっては改悪と言える状況が生まれているわけでございますから、休養室の整備ということは非常に重要だろうというふうに思うのですね。特に婦人の健康、安全にとっては、今不可欠になっていると思うのですが、労働省は今何かおかしな答弁されましたけれども、こういう郵政関係のセンターで休養室が一カ所だけしかない、男女の区別がされていないという実情について、つかんでいらっしゃいますか。
#324
○北山説明員 具体的にはつかんでおりません。
#325
○岡崎委員 それはつかまなくていいんですか。そしてまた、こういう実情がもしあるとするならば、これは義務であり罰則規定もあるわけですね。もし、私が指摘しているような事実であったとするならば、どうお考えになります。
#326
○北山説明員 労働安全衛生法あるいはその法律に基づく規則に違反している事実がありました場合には、これは所要の措置をとってまいる、これは改善について指導監督をしていくということでございます。
#327
○岡崎委員 事実があれば指導監督を強めると言うのですが、これは全く事実なんです。あなたは間仕切りと言いますけれども、ここに持ってきているが、狭いところで間仕切り、どんなふうにやっているのでしょう。こういうことについては素直に、申しわけないけれども、いろいろな都合で一カ所しかなかった、もう一カ所設けますということで約束するのが普通じゃありませんか。少なくとも京都はないということでしたけれども、あることにしましても、貯金事務センターでは京都、金沢、下関、山形、一カ所しかございません。しかも、私の持っている資料でも、非常に狭いですね。簡易保険事務センターは岐阜、京都、高松、仙台、札幌、一カ所しかございませんね。これは早急に調べて、そして一カ所ならば、カーテンの間仕切りじゃだめですよ。横になるのでしょう。当然これは直ちに設置するように、これは義務規定だし、罰則まであるのですよ。責任を持ってやりますか。これはあの人じゃなく、もっと責任のある人が言ってください。
#328
○塩谷政府委員 いろいろ実情を調査いたしまして、措置をしたいと思っております。
#329
○岡崎委員 ちょっと後ろを向きながら措置をしたいじゃなくて、そういう事実があるならば直ちに二カ所にするということをはっきりおっしゃいよ。それは当然でございましょう。ここでは長い審議をして、女子差別撤廃条約をやったのですよ。その精神に基づいて、そういうふうに御答弁願います。どうです。
#330
○塩谷政府委員 まだ私も、全部その事実を把握しておりませんので……(岡崎委員「事実があれば責任を持ってやりますか」と呼ぶ)事実を調べた上で考えたいと思っております。
#331
○岡崎委員 考えたいじゃだめですよ。責任を持ってやりますか。調査した上で、その事実があれば改善しますかということですよ。
#332
○塩谷政府委員 いろいろその辺、御指摘の関係につきましては、事実をよく調べて考えたいと思っております。
#333
○岡崎委員 じゃ考えるということですから、それは改善するということを強く要求して、終わりましょう。
#334
○愛野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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