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1947/11/18 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会第三分科会 第4号
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1947/11/18 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会第三分科会 第4号

#1
第001回国会 決算委員会第三分科会 第4号
  付託事件
○昭和二十年度歳入歳出総決算
○昭和二十年度特別会計歳入歳出決算
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十八日(火曜日)
   午前十一時十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十年度歳入歳出総決算
○昭和二十年度特別会計歳入歳出決算
  ―――――――――――――
#2
○主査(太田敏兄君) それではこれから開会いたします。
 前会に続きまして質疑をお願いいたします。
#3
○北村一男君 前会に私は政府委員に香川造船の問題でありますが、二十隻という御査定をなさつて、その後二隻四分の完成ということに、最後に決定をされましたことにつきまして、あまりにも違いが多過ぎるから、多分この中庸くらいのところが妥当でないか、又事実七月五日に正式の注文が発せられたといたしましても、内示が一月頃に出ておるという御説もありましてその間相当の資材とか労働者とかの手当をして、相当の犠牲を拂つておるものと考えておりますから、ただ現われた二隻四分とか、或いはここに計上されております材料などの補償、未交付の材料の三十八万円程度のものではなくして、まだ現われないいろいろの費用が掛かつておるのではないか、そういうような意味からいたしますると、大体二隻四分と二十隻の中間くらいが妥当ではないであろうかということのお尋ねをいたしまして、合せてどうしてかような大きな違いができたのかということもお尋ね申しておきましたのですか。本日はその後の御調査によりまして答弁を煩わしたいと思います。
#4
○政府委員(遠藤武勝君) お答えいたします。先般その問題につきまして、会社の責任者並びに当時関係をしました造兵廳側の関係者一同に集つてもらいまして、更に会社の申立てにつきまして審議いたしました。審議しました結果は、二隻四分その他の材料を加えまして、六十万円なにがしというものに、若干のまだ追加をする余地があるような、大体その会だけでは結論を得たのであります。ところが、これは私共としても少し手落ちでございましたが、実は戰時補償特別法によりまして現在の六十万円なにがしも、戰時補償税に掛かるわけであります。その法律の規則によりまして、六十万円なにがしは戰時補償税に掛かり、その差額の百四十万円は回收ということになるのでございまして、結局会社としては終戰前の百万円の前金と、それから終戰後の百万円というものの総計というものを、一部分は補償税金並びにあとの部分は返金という方法で返してもらわなければならんという恰好になつておりますので、この際その区分を変更するという作業をいたしましても、結果において差異は実はないわけになりますので、この前の決定をそのまま変更しないということで進んで行かう、こう決めて現在おるわけであります。それから当時二十隻と査定いたしまして、尚二隻四分という査定に下りましたのは、これは只今申上げましたので、二隻四分が尚若干変更すべき余地があるということになるのでございますが、初めとにかく終戰後の混雜に紛れましていろいろな手違いになりまして、これは二隻四分というのは全く誤りでございまして、後の二隻四分というものも今申上げましたように修正をする余地があるように思いますけれども、今申上げましたような理由に基きまして、おのおの決定で進んで行くと、こう思います。
#5
○北村一男君 そうすると只今の御答弁では、原案通りにさて参りますれば結局二十五万円、百三十九万三千九百三十六円の中二十五万円を支拂つた、その残額が会社から追徴と申しますか、返金と申しまするか、そういうことをさせられる金額になるわけでございますか。
#6
○政府委員(遠藤武勝君) そうであります。
#7
○北村一男君 そういたしますと、政府委員の御説明もございましたし、会計檢査院の御意見もありますから、仮にそれを認めると、会社側もそういう事情なら誠に止むを得ない、又御決定によれば、この金額から、返金すべき金額から相当部分を減して貰うことはできる事情もあるという御説明でありまするけれども、いろいろの事情で、この御決定に服すと、こういたしまして、この取立てはどういう官廳が当られるのでございますか。
#8
○政府委員(遠藤武勝君) この取立ては現在の管掌しております厚生省第一復員局で処理いたします。
#9
○北村一男君 この会社は、聞くところによりますれば、この仕事が中心になりましたために非常の犠牲を拂つたのみならず、この仕事を引受けるために相当の犠牲を拂つて又設備をした現在におきましては、その後職工を解傭いたしまして、僅の職工が仕事に從事して、どうやら仕事を継続して行ける程度に相成りましたそうでございまするが、只今これを一時にお取立てになるということは、これは政府の方においても、まだ犠牲を拂つておることをお認めになつておられるわけでありまするし、只今全部一時に取立てるということは、詰り会社の仕事が壊滅してしまうということに相成りまして、ここに失業者の問題もありまするし、折角將來事業として相当の規模にまでなり得る事業を、今返納を無理にさせるために仕事が立ち行かんようになるということは、私は政府においてもお考え願わんければならんことと考えまするので、それで仕事をして、その收益の中から返還せしめるというような処理方法が取れないものでございましようか、この点について御説明頂きたいと存じます。
#10
○政府委員(遠藤武勝君) 現在古い法律でございますが、明治三十五年だつたと思いますが、その辺は違うかも知れないのでありますが、要するに明治三十年代の法律がございまして、そういう場合は定期貸という方法で、定期に幾分ずつ取り立てるということが法律上許されておりますので、その法律に從いまして、会社の実状に應じて取り立てを決定して行くという一般の方針を以て今当つているのであります。この会社につきましても昨年の八月決定しました時に取敢えず二十五万円は出して返納して貰いましたが、後の残金につきましては各毎年決算期ごとに割当てまして二十四年頃までに返えして貰うという案を立ててあつたのでございますが、実はそれがその通り実行されてまだ來ておりませんので、更にあの会社の実状も聽き、調べまして、適当な方法を講ずる必要があると考えております。
#11
○北村一男君 会計檢査院からもおいでになつておりまするが、そういう処置を取ることには檢査院として御異論がないわけでありましようか。その点承わります。
#12
○説明員(東谷傳次郎君) 只今の香川造船の問題でございますが、この件につきましては只今御説明になりました政府委員の方からも今までお話があつたのでありまするが、先程お話になりましたように、六十万円、二隻四分、その外を合せまして支拂分として拂つていますが、これは御承知の先程申されました先方で税金で税務署が取り立てるということになつております。その残りの百四十万円の中、二十五万円が分納されておりまするから、それを差引きました百十五万円ばかりが今後の問題、今後と言いますか、税金を残した返納額の問題になるのであります。その返納額につきましては只今政府委員が申しましたのでいたし方がないのじやないかと只今考えているようなわけでございます。結局定期貸で返納されるということはいたし方ないのじやないかと思つておりまするが、併し檢査院といたしましては、矢張り第一復員局で定期貸にされましたのを見まして、例えば三年なら三年の定期貸にいたしたとされますれば、会社の実状を調べまして、それがよかつたかどうか、二年でいいのじやないか、或いは三年では無理じやないかということは今後の檢査に俟つということに相成ると思つております。
#13
○北村一男君 今日までその定期貸というものの一番長い期間は何年くらいのものがありますか。その例をお示し願いたいと思います。
#14
○説明員(東谷傳次郎君) 只今の御質問でございますが、定期貸の返納額、一番長いものの例と申されるのでありますが、実はその例を今持ち合せしておりませんが、これは沢山定期貸の事例はございます。可なり長い事例もあつたかと記憶いたしております。若し必要がございましたら、後刻その例をお示しいたしたいと思つております。この会社は実は只今も申しましたようなわけでありまして、二百万円の工事を請負いされまして、而も自分の方では六十万円或いは六十万円以上を費やしておられるにも拘わらず、二百万円支拂つて貰つたのを全部税金及び返納で國庫へ更にお返しする。損はしつぱなしというので非常に私共お氣の毒に存じておるのでありまするが、どうも戰時補償税というああいう法律がありまして、甚が氣の毒に思つておる次第であります。今事例が御必要でありましたら後刻お示し申し上げたいと思つております。
#15
○北村一男君 そういう事例は私参考にもなりますから、後刻調べができましたらお示し頂きたいと思います。
 それからこれは復員局並びに会計檢査院の方にお願いいたして置きますが、只今御説明の中にともかくも丸損になりますわけでございますから、そういう会社は將來日本のいろいろの産業のやはり基本になる輸送方面にも造船などは非常に関係があるし、それから当分余り大きな船ができないといたしますると、この程度で会社で造る船がやはり輸送の面で非常に重要な役割をすると思いまするから、会社の仕事が立ち行かないようなことでないようにしてお取立て願いたいと、こういうことを重ねてお願い申し上げて私はこの問題についての私の意見を打切りたいと考えます。
#16
○主査(太田敏兄君) 外に御質疑はないでしようか……。
#17
○伊達源一郎君 今の北村さんの御意見に賛成いたします。
#18
○主査(太田敏兄君) 私から外務省の政府委員の方にお尋ねしたいと思いますが、東亞経済懇談会の事業補助金の問題で、事業補助金の十五万円の中を五万円を返還した後の十万円の問題でありますが、これに対して会計檢査院の方では妥当の措置と認めないと言つておるのでありますが、政府の弁明書では、詳細に檢討を越えた上、右の金額を妥当と認めて措置したとありますが、会計檢査院ではこれを妥当と認めていない。これに対して外務省の政府委員の御意見を聞きたいと思うのであります。
#19
○政府委員(下田武三君) その点につきましてはこの前も大体御説明申し上げましたのでありますが、金額の問題と手続の問題と二重の問題があると思うのであります。金額の問題につきましては、全額の補助金は三十万円、その中二十五万円を支拂いまして、二十五万円支拂つた中から五万円を返還を命じた。当時、この前も申しましたように、非常に終戰前後の混乱時代でありまして、記録もございませんし、又多数の未帰還職員その他の残務処理案件を残して、唯清算のために荏苒日を延ばすということが不経済でありますので、一應清算をやりまして打ち切るという方針に決定されましたのでありますが、先程申しましたような未帰還職員の多数の残存残務処理案件のそのまま残つておる点、そういう点を考えまして、五万円だけ返還を命ずるという金額の決定を見たのであります。又手続の問題といたしましては、当時外務省と大藏省とは協議しましたのでありまするが、元來こういう在外補助團体に対しまして、本來ならば改めて予備金の要求なりなんなりの手続をとりまして、そういう團体の戰後処理に要する費用を改めて予算要求いたしまして、返すものは返させると、戰後処理に救済を要するものは、改めて予算的要求をするという二重の手続をいたすのが、本來筋道の通つた手続なのでありますが、大藏省とも協議いたしまして、なに分緊急事態に直面いたしておりまするので、その手続を省略して、多少簡便の措置ではあるが、補助金の減額の仕方によつて考慮して手続を省くと、そういう打合せを大藏省といたしました次第であります。今日冷靜に考えますと、確かにその手続も多少簡略過ぎる、又その金額につきましても、元來は事業補助金として予算要求をいたしましたのが、事業がなくなつた事態に、目的外に、むしろ救済的に使われておると、手続と金額の二点につきまして、今日冷靜に考えますと、甚だ遺憾に存ずる次第でありまして、その点は私共前にも申しましたように、今後こういう簡略な、又予算の目的に必ずしも適合しない支出をするということは、絶対に避ける必要があると考えましたので、部内には嚴重に注意をいたしました次第でございます。
#20
○主査(太田敏兄君) 檢査院の方の御意見はいかがでございましよう。今の外務省の説明に対して。
#21
○説明員(東谷傳次郎君) 東亞経済懇談会の件でありまするが、只今政府委員の方から御意見があつたのでありますが、終戰後の整理をされまして、いろいろな事情があつたことはよく了承できるのでありまするが、懇談会が解散いたします際の資産も相当にありますし、それから当座預金、現金、そういつたような点で、國庫に返納する確か現金関係の預金は、当座預金など合せますと、約三十万円に近いものがあつたかと思うのであります。二十五万円を全額返納をさせてもよろしいのではないかと思うくらいなのでありまして、会計檢査院といたしましては、二十五万円全額を返納さしたらとは申さないのでありますが、その中の十万円ぐらいは差引きまして、後の十五万円即ち五万円はとつてありますから、更に十万円なにがしというものは、返納さすべきであつたと、こういうふうに現在尚考えておる次第でありまして、やはり本件の支出そのものは不当であるというふうに考えております。これはもう外務省といいますが、政府といたされましても、二十五万円全部あの状態において補助したのは、行き過ぎであつたということは、認めておらるるのであります。御自身でその内五万円は返すということで、返しておられるようなわけでありまして、その行き過ぎである、補助過ぎである、補助が過ぎておつたということは、お認めになつておりますし、尚前年度からの收支の関係を見ますと、檢査院としては本当は二十五万円全部出させてもよろしいんだというところまで言いたいところでありますけれども、その点をいろいろ斟酌いたしまして、二十五万円の半分過ぎは返さすべきだと、こういうふうに考えまして、手続といたしましては、やはり妥当の措置ではないというふうに考えておる次第であります。
#22
○主査(太田敏兄君) 外務省の委員の人にお尋ねしますが、東亞経済懇談会のその後債務を引継いだものは、日本商工経済会でありますから、若し補助金を返さすとすれば、この債務は、日本商工経済会が負担することになりますか。
#23
○政府委員(下田武三君) 日本商工経済会に引継いだわけでありまするが、先程申しました残務整理につきまして日本商工経済会は費用を出しておりますし、又その後帰つて参りました残存職員の給料の支拂その他で、商工経済会の懷を痛めておりますので、道義的に見まして、恐らく引継いだ財産以上の負担を日本商工経済会が負つておりますし、又引継ぎました財産の中、現金は銀行預金で封鎖されておりましたので、観念的に返還を命ずることは妥当のように見えますが、実際問題といたしまして、これに返還を命ずることは、事情に適しないと存ずる次第であります。
#24
○主査(太田敏兄君) 今のを、檢査院の方はどういうふうに考えますか。
#25
○説明員(東谷傳次郎君) 只今の問題でありまするが、引継ぎを受けておる團体から、これを現実に返さしたらよろしいと、こういうことまで実は言つておるのではないのでありまして、この二十五万円の支出そのものが行き過ぎであつたと、それから更に、五万円を差引いて、二十万円でありますが、二十万円の支出そのものが行き過ぎであつたという点が、ここに批難されておりますので、それを清算事務に入つて、他の團体でやつております。その團体から金を取れるかどうかというのは別の問題になると思うのでありますが、先程ちよつと申上げました、この十万円と申しましたが、大体は会計檢査院の見当としましては、剩余金というのが十三万円出ておりますので、二十万円全体が惡いというふうにも一面において考えられますが、行き過ぎのように考えられますが、二十万円のうち、十三万円を除きました七万円くらいの支出であればいいのではないか、即ち五万円の外に更に十二三万円を返納せしむべきであつたと、こう考えるのでありまして、今直ちに返納せしむることができるかどうかということまではこの檢査報告では考えていないのであります。
#26
○鈴木憲一君 只今の東亞経済懇談会の問題も前に私もお尋ねしたのでありますが、その際にも当初と非常に際りまして、手続上或いは金額上非常に遺憾な点があるというふうに率直に認められておりまするし、又檢査院の方でも二十五万円は行き過ぎであるけれども、その後の実情から見れば今早刻どうこういうようなことにも考えておいでにならんようでありますので、一番最初質問しました私としますと、檢査院の方と外務省の方と、大金でもありませんので、大体話の折合がつくのではないかと思われますので、私としましては、その辺で然るべく結著して頂いたならばどうかと思つておるわけであります。尚北村委員からお話がありました香川造船の問題でありますが、これは先程述べられましたように、現在の造船所が十分成立つ範囲において、定期にでも支拂をしてもらうというような、当事者と檢査院の方と御折衝下さいまして、造船所の成立ちが十分いくような程度において、取立を決定して頂くことがいいのではないかというふうに思いますので、そういう面でこの件も私は北村委員の説に賛成する者であります。
#27
○主査(太田敏兄君) それではこれで質疑を終了いたしまして、懇談いたしたいと思います。速記を止めて……。
   午前十一時五十四分速記中止
  ―――――――――――――
   午後零時十三分速記開始
#28
○主査(太田敏兄君) それでは速記を始めて、懇談中に仮決議は決りました。この仮決議を更に正副主査打合会で審議することといたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
 出席者は左の通り
   主査      太田 敏兄君
   委員
           北村 一男君
           鈴木 憲一君
           伊達源一郎君
           帆足  計君
  政府委員
   外務事務官
   (外務大臣会計
   課長)     下田 武三君
   復員事務官
   (第一復員局経
   理部長)    遠藤 武勝君
  説明員
   会計檢査院事務
   総長      東谷傳次郎君
ソース: 国立国会図書館
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