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1984/03/07 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第5号
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1984/03/07 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第102回国会 地方行政委員会 第5号
昭和六十年三月七日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 高鳥  修君
   理事 愛知 和男君 理事 糸山英太郎君
   理事 臼井日出男君 理事 平林 鴻三君
   理事 加藤 万吉君 理事 安田 修三君
   理事 柴田  弘君 理事 岡田 正勝君
      伊藤 公介君    大島 理森君
      大村 襄治君    坂本三十次君
      中川 昭一君    細田 吉藏君
      小川 省吾君    佐藤 敬治君
      細谷 治嘉君    山下八洲夫君
      小谷 輝二君    宮崎 角治君
      吉井 光照君    藤原哲太郎君
      経塚 幸夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 古屋  亨君
 出席政府委員
        自治大臣官房長 津田  正君
        自治大臣官房審
        議官      吉住 俊彦君
        自治省財政局長 花岡 圭三君
        自治省税務局長 矢野浩一郎君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   濱本 英輔君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   津野  修君
        国税庁長官官房
        企画官     竹内 雄也君
        地方行政委員会
        調査室長    島村 幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  大村 襄治君     砂田 重民君
  中川 昭一君     山中 貞則君
  山岡 謙蔵君     倉成  正君
  吉井 光照君     正木 良明君
同日
 辞任         補欠選任
  倉成  正君     山岡 謙蔵君
  砂田 重民君     大村 襄治君
  山中 貞則君     中川 昭一君
  正木 良明君     吉井 光照君
三月七日
 辞任         補欠選任
  松田 九郎君     大島 理森君
同日
 辞任         補欠選任
  大島 理森君     松田 九郎君
    ―――――――――――――
三月六日
 個人事業税にみなし法人課税制度の適用に関す
 る請願(奥田敬和君紹介)(第一七八八号)
 料理飲食等消費税の免税額引き上げ等に関する
 請願(中川利三郎君紹介)(第一八一六号)
 小規模住宅用地の固定資産税免税等に関する請
 願(安田修三君紹介)(第一八六〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 第二一号)
     ――――◇―――――
#2
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
#3
○細谷(治)委員 最初にお尋ねいたしますが、いつものことでありますけれども、これから審議しようとする地方税法改正法のほかに地方税法にかかわる法律案がどういうものが幾つあって、そして税収にどういう影響を与えるか、まずお答えいただきたい。
#4
○矢野政府委員 お答え申し上げます。
 昭和六十年度の地方税制の改正につきましては、今日御審議をいただいておりますこの地方税法等の一部改正法案でほとんどのものを網羅しておるわけでございますが、そのほかに、今御指摘のように各省所管の法案の中で地方税法の改正を伴うものが若干出てこようかと思っております。ちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんので、その数等につきましては後刻またお答え申し上げたいと存じますが、それらにつきましては、それぞれ関係各省から協議を受けまして当省として対応するという形にしておるところでございます。
#5
○細谷(治)委員 まことに突然きょう委員会で質問に入る、こういうことですから税務局の方も準備不足かもしれませんけれども、いつも法律案にして大体五本から十本ぐらいあるわけですよ。きのう私のところにちょっと走り書きというかプリントしたものが届いております。それによりますと五本ということになっておりますが、これがすべてか、そしてそれによる税収への影響はどういうことなのか、お答えいただきたい。局長がわからなければだれかおるだろう。
#6
○矢野政府委員 大変失礼をいたしました。ただいま御指摘の資料に基づきましてお答え申し上げますが、三月四日現在におきまして地方税法の改正を伴っておりますところの法案の数は、御指摘のとおり五件でございます。この金額につきましては、どの程度になるかということを実は細かく突き詰めておりませんが、そう大きな額ではないと考えております。
#7
○細谷(治)委員 五件ということですけれども、私もちょっと草々の間でありますから中身にわたってチェックしたものでありませんけれども、例えば毎日の衆議院公報に出ております特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、こういうものが建設委員会に付託されております。これは載っておりませんけれども、これは地方税法の中に入っているのでしょうか、どうでしょうか。
#8
○矢野政府委員 本委員会で御審議をいただいております地方税法等の一部改正法の中でその関係を処理することにいたしておりまして、ただいま御指摘の法案の方ではその関係は含まれておりません。
#9
○細谷(治)委員 従来五件から十件くらいとだんだん整理がされてきて、本法地方税法で処理される傾向が多くなったことは大変結構だと思うんです。どこに正体があるのか。建設委員会でも地方税法の改正が行われておる、商工委員会でもあるということではこれはどうにもならぬわけであって、これを一本にまとめるということは大変結構です。そういう傾向にございますし、今私が質問した点もこれは本法の方でやみということですから結構でありますけれども、そういう点で努力をしていただきたい、こう思います。
 実は紙っぺら二枚でありますけれども、財務協会が出しておる「地方税」というものがある。毎年七、八月ごろ、この税法以外で地方税に関係するものについては大体二回ぐらいにわたって法律案の紹介と、もう一つはそれに基づくかあるいは基づかない、政令、省令に基づく内容のものが、二回にわたってあなたの方の担当の方が論文を書いているんですよ。それと比べますと、主管委員会である地方行政委員会は、今度の税法の審議のときに一、二枚出すだけで後は来年までナシのつぶて、これはいかがかと思うんですけれども、もう少し資料の提供等について進んで当委員会に出すのが正しい姿じゃないかと思うのですが、いかがですか。
#10
○矢野政府委員 御指摘のように地方税制の改正につきまして、先ほど申し上げましたようにもちろん本委員会で御審議をいただいておりますものが最も中心になり、かつ大部分でございますけれども、数だけから申しますと地法によって改正されるものもかなりございます。また政令等によりまして改正が行われるといったものは、大体対象範囲の拡大とか整理とかいうようなものが多いかと思いますが、そういったものもあるわけでございます。そういう意味では、御指摘のように御審議の日程がその時点において判明をしておるというようなものにつきましてはでき得る限り御審議の参考に供するようにいたしたい、そのように努力をいたしたい、このように考えておるところでございます。
#11
○細谷(治)委員 いつも今のところは法律の案件を挙げる程度しかわからぬ、それによる増減は不明です、ほぼ大した金じゃないだろう、前年の延長にすぎません、こういう言葉が返ってくるわけですけれども、少なくとも法律、政省令に基づく地方税の増減がありましたら、年度の途中でも結構ですから、ひとつ当委員会に資料を御提出いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#12
○矢野政府委員 そのようにいたしてまいりたいと存じます。
#13
○細谷(治)委員 私がこのことをあえて言うのは、これは有名な自治省の税に関する黄表紙と言われるものです。やがてこの委員会が済みますと、この法律一切を含めた一冊の本が政府刊行物センターに行くと買えるわけです。昭和六十年度の地方税法の一部を改正する法律案についての資料も含めた、この黄表紙も全部ですよ、これを私は毎年買っております。こんな関係のものをつづっておくよりも、一冊の本で便利ですから買っております。奇妙なことは、「地方税に関する参考計数資料」にはいつもは目次が二十四あるんですよ。五十九年度の黄表紙を見ますと目次は二十四ですよ。今度は二十三ですが、一つ減っているんですよ。どうしてですか。
#14
○矢野政府委員 御指摘の点は国、地方間の租税の実質的配分状況に関する資料、これが五十九年度までございましたが、六十年度の資料から除外をされておるということでございます。
#15
○細谷(治)委員 そのとおりですね。五十九年の例をとりますと、従来「六」に「国・地方団体間における租税収入の実質的配分状況」、これが十二ページに前年度は出ておるのですよ。ところが今年度はそれがなくなっているのですね。今特例法で国と地方の間の負担の問題が大変大きな問題になっているその時期にどうしてこれを除いたのですか。これこそが今年度の目玉の一つでしょう。ポイントの一つでしょう。それをどうして除いたのですか。お答えいただきたい。
#16
○矢野政府委員 御疑念の点はごもっともでございます。私どももいろいろ検討もいたしたわけでございますが、御承知のように国、地方間の租税の実質的配分の状況と申しますのは、申し上げるまでもなく形式上の国税、地方税の配分に対して、国から地方に移転するところの交付税、譲与税等を含めたものをもって比較するという表でございます。この点について、特に最近、昭和五十年度以降国家財政が大きく公債の発行を行うようになってまいったという点があるわけでございます。
 問題は、この租税の実質的配分状況の中で交付税、譲与税は問題ないわけでございますけれども、国庫支出金につきましてはそういった公債が財源になっておるものがあるわけでございます。したがいまして、こういったものを全部ひっくるめて計算をいたしてまいりますと、租税収入の実質的な配分を示す表とは必ずしも言いにくいという点がございます。またそれが誤解を与えてもいけないという点もございまして、この点は内部でもいろいろ協議をいたしまして、今回からは実は表は除外をすることにいたした次第でございます。
#17
○細谷(治)委員 今回からは除外したということになると、来年も再来年もずっとこの点についてはもうこの表から除外しちゃう、こういうお考えですか。
#18
○矢野政府委員 先ほど申し上げたような理由でございますので、この点を合理的にと申しますか、計算をして租税の実質的配分を示すということは事実上困難でございます。一定の仮定を立てざるを得ない。したがって、こういった状態が続く間は、やはり租税の実質的配分の状況を本当に正確にあらわすものとは言えないということで、誤解を招く要素もございますので、こういった表につきましては、特に作成をして公表するということはいたさないというぐあいにお考えをいただきたいと存じます。
#19
○細谷(治)委員 ちょっと話を進めますが、これからは出さないつもりらしいですね。国と地方との間の税財源の配分状況を、形式的な配分、実質的な配分も出さないつもりだ、こういうふうに理解してよろしいですね。どうなんですか。
#20
○矢野政府委員 従来から載せておりますところのこの表につきましては、御承知のように税のほかに交付税、譲与税、もっとも交付税は借入金等を除いてまいったわけでございますけれども、交付税、譲与税、それから国庫支出金という形で実質的配分を計算しておるわけでございます。その場合における特に国庫支出金について、これは公共事業の面あるいは経常的なものにつきましてもそれぞれ公債が充てられておる。こういったものについて事実上区分ができないという意味で、今までこの資料に掲載をしてまいりましたような形のものでの公表はしていかないという考えでございます。
 ただ、そのことは国、地方間の租税収入の配分の実質的状況がどうなるのかということについて一切見当がつかないということでは必ずしもないと存じます。これは一定の仮定を立てて、そういった御質問があれば、こういう仮定を立てればこういうことになるけれども、それは必ずしも正確な数字を意味するものでない、こういったような意味での考え方をお示し申し上げるということは可能だと存じますが、少なくとも一般に公表される資料として載せていくのはいかがなものかということで、今回よりこのような扱いにしたわけでございます。
#21
○細谷(治)委員 あくまで少し形が違ったということであります。
 あなたの方で編集される「地方財政要覧」というこのくらい厚い本が、政府刊行物センターに行くとあります。去年の十二月くらいに出た五十九年のそれを拝見しますと、私の手元に書き取ってきたのは五十年から五十  で、少し内容に立ち入って質問いたしますけれども、あなたの言う状況が違ったことは私も認めます。その状況に対応して、修正T(実質租税)、修正U(租税+(国債+地方債))、こういうある程度修正をした形で、修正T、修正Uという二つの形で実質的配分を表示しているのですよ。これも五十年からずっと私の手元に数字がぴしゃっと出ております。小数点以下一けたまで出ております。
 六十年になってもう手もつかぬような激変がありましたか。ないでしょう。大蔵省が出している「国の予算」、これを見ましても、実質的な国と地方の税の配分というのは出ておりますよ。六十年は別として五十九年までの予算については出ております。そして私が前によく言ったように、地方財政計画と決算の乖離というのも五十八年の「国の予算」からはずっと出ておるのですよ。自治省の方はその要覧で、計画と決算の乖離をなぜ出さぬか、大蔵省が出しておるのに主管省である自治省が出さぬのはおかしいじゃないかと言ったら、五十九年度は出しませんでしたけれども六十年度は出しました。
 今度は、自治省の印刷物であるこれでは、今一番大切な国と地方との間の税財源はどうなるのかという注目されておる問題点を、数字をあらわさないで、激変があったかのごとく、それは書けぬのだということで放棄するのはいかがかと思うのですよ。こういう時期だからこそもっと問題を明らかにして、そして脚注でこういうふうに工夫しましたよ、前とのつながりはこうですよということをやれば、読む人はそれなりに読むわけですよ。それを、てんからこれから載せません。これでは意味がなくなってしまうのですよ。大臣どうですか、これは。そんなことやめて、ことしは載っておりませんからしようがないけれども、ひとつ来年からもとへ戻してください。大蔵省はこれを出していますよ。これははっきり書けばいいと思います。
#22
○矢野政府委員 確かに国、地方間の租税の実質的配分の状況がどうなっているかということは、御指摘のとおり大変大事な問題でございます。国、地方の財政の根幹にかかわる問題の一つでございます。したがいまして、私ども国、地方間の租税の実質的配分がどのような姿になるかということについては、十分常に認識し把握しておかなければならぬわけでございます。
 ただ、一般に公表する資料といたしましてこれをこういった形で出すことは、正確な数字でないだけに誤解を招くという観点から、六十年度からこれは除外することにしたわけでございます。一定の仮定、条件をつけた上での国、地方間の実質的租税配分の概況と申しますか、状況がどうなるかについて、これを今後絶対に外には出さない、こういう考え方は持っておるところではございませんので、その点についてはよく検討をいたしたいと存じます。
#23
○細谷(治)委員 検討ではだめですよ。従来ずっと、自治省の黄表紙という税の計数資料というのは、貴重な権威あるものです。そのためにみんな政府刊行物、重複した法律案まで付録についているこの資料が欲しくて買っているのですよ。税法そのものはもう済んでいるのですから付録ですが買っているのです。それを、この大切な国と地方との関係を排除してしまった、こんなものは意味ないですよ。大臣、検討しますじゃないんです。来年からやりますと答えてもらわなければ前へ進まぬです。
#24
○古屋国務大臣 御趣旨の点はよくわかります。十分検討いたしまして、御趣旨に沿うように来年から努力をいたします。
#25
○細谷(治)委員 正直な大臣ですから、御趣旨に沿うようにやりますと言うのですから、やるということを約束したと私は理解し、確認しておきたいと思います。よろしいですね。
 そこで、この問題を少し数字的に議論してみたい。財政局長見えておりますけれども、これは税の実質的な配分の問題ですから税務局長の領分でしょうけれども、財政局長からあるいは意見があるかもしれません。この「地方財政要覧」によりますと、五十年度は石油ショック等で激変がありますから落ちついた五十一年度を例にとりますと、実質的な国、地方の租税負担の割合は、修正Tの場合三七・四が国で、地方が六二・六、こうなっております。五十九年度になりますと、今の年度ですね、国の方が三九・三、約二%シェアがふえております。配分の割合がふえております。地方の方は六〇・七となっております。言ってみますと六二・六が六〇・七に下がったわけですから、二%地方の方が実質的な配分は落ち込んでおります。そうしますと、六十年度はもっとひどくなるのではないかと私は思います。
 修正Uの方を例にとりますと、余り数字は変わっておりませんけれども、五十一年度は実質的な配分は国が三六・三、五十九年度が四〇・一、これも約四%程度国の方のシェアが、割合が大きくなっております。地方の方は六三・七が五九・九、こういうふうに下がっていっております。この数字は何を意味するでしょうか。自治省がつくった表に基づいて質問しているのですから、どういうことを表現しているのか、お答えいただきたい。
#26
○花岡政府委員 先ほどお示しの、修正の国と地方との財源の実質配分の問題でございますけれども、五十年度の国の予算あるいは地方の財政の問題、いわゆる石油ショックによりましてかなり落ち込んだわけでございまして、税収がともに落ち込んで、いよいよ赤字に転落してきたという五十牛度以降の財政の状況でございます。
 先ほど来御質問がございましたような、なぜああいう表が出ないのかという問題にも絡む問題でもございますけれども、結局、これまでの考え方といいますか、かつての試算の方法というものは、どちらかといえば、これだけ実質的に地方が金を使っておるのだから、その財源というものはできるだけ直接地方に取らせるようにしたらどうかという主張の根拠になっておったわけでございます。ところが、最近の考え方といいますか、一般的に臨調等での考え方なんかを見ておりますと、それだけ地方に金が行き過ぎているのではないかというふうな見方もされるようなことになった、そういったことで、誤解を招くということで、先ほど来ちょっと議論があった問題があるわけでございますけれども、この五十年度以来国も地方も大きく国債あるいは地方債を発行してきた。そういったことから、この公債の発行の程度というものが、今度の新しいやり方によりますと、中にこれを入れ込んだというふうなことで修正をいたしておりますものですから、その辺が数字の変動にあらわれてきた要素の一つではなかろうかと考えておるわけでございます。
 私ども詳しく中を分析して、税源の配分がどのようになっておるのか、また交付税の実質配分がどうなってきたか、確かに最近また交付税で利子の問題等もございましたりいろいろ問題がございますものですから、この配分の中身、詳しくは調べておりませんけれども、そういったいろいろな要素がかみ合いまして、先ほど御指摘のような数字の変動が起きたものだと考えております。
#27
○細谷(治)委員 私は、そんな簡単なものじゃないのじゃないかと思うのです。試みに私の手元にある、私は五十一年度から五十九年度の約十年間の動きを見たわけで、両極端の数字を挙げたわけですけれども、ずっと数字の流れを見てみますと、間違いなくシェアは国の方に大きくなって、地方の方のシェアは小さくなっておる。それが修正Tの場合も修正Uの場合も同様なんです。ちょっと数字を申し上げましょう。
 修正U、国債とか地方債とかありますから、それを見た。五十一年度が六三・七、五十二年度が六三・五、五十五年度が六一・〇、五十七年度が六〇・四、そして五十九年度が五九・九と来ているのですから、十年間の流れはまさしく上流と下流の関係になっているじゃないですか。ですから局長、これはたまたまそうなったという問題ではないでしょう。私は、その傾向が悪いとかいいとか言っているんじゃないのです。数字の動きがそうなっていますよ、これはしかも極めて重要ですよということを指摘しているのです。もう一度明快な、財政局長らしい答弁をしてもらわぬと……。
#28
○花岡政府委員 先ほど来申し上げましたけれども、実際問題としまして、五十年度以降相当急激に地方の配分比率が高くなってきておるということは、地方財政の財源不足に対しましていわゆる交付税特会における借り入れをやっておるというふうなことも大きく影響しているわけでございまして、そういったことを、五十九年度にこの貸し借りというものは原則としてやめようというふうな見直しをやったわけでございます。その意味で、五十九年度におきます交付税の借り入れた額というものは非常に小さくなっておる。そういった交付税の特金借り入れの問題、それから、先ほど来申し上げております国債、地方債の増発の問題、こういった要素も絡み合ってこのような数字になっておるというふうに考えております。
#29
○細谷(治)委員 交付税の借り入れとかやりとりとおっしゃいますけれども、これはどう見ても千億か二千億のオーダーなんですよ。この議論は五十兆という兆の単位の議論なんです。兆の単位で出ておるマクロの数字ですよ。これは間違いなく槍ケ岳より富士山の方が高いと同じなんですよ。財源調整どうのこうのという問題は水面下で出てこないのです。琵琶湖に小便したらば水位がどれくらい上がる、そんな議論じゃないのですよ、これは。どうですか、大臣、答えてくださいよ。
#30
○花岡政府委員 交付税の借り入れにつきましても、これはやはり兆の単位で借り入れておったわけでございますから、かなりな変動の要素にはなっておるわけでございます。
 ただ、この数年来、いわゆる国と地方との税源配分というものに基本的な手がつけられていない、これが過去、いわゆる既定の国と地方との税源配分の仕組みからこういうことが出てきておるということも一つの要素には考えられるのではないかと思います。
#31
○細谷(治)委員 これでやりとりしておってもしようがないから次に進みたいと思いますけれども、大臣、一言、今私が数字を申し上げたように、私がつくった数字じゃないのですよ。自治省がつくった数字を客観的に眺めますと、私が指摘したような傾向を認めざるを得ないのではないか。その原因がどうあるということは議論しませんよ。それほど重要なポイントでありますから、先ほど言ったように、その表を削除して見せないでついてこいとかいうことではいけません。積極的に見せて、そしていろいろありますけれども、やはりそういう数字を工夫して、どこをどう工夫したということを明らかに示しさえすればいいのですから、こういう点についても――これは恐らく財政要覧からも抜けていくでしょう、税のあれが出なくなると。それじゃいかぬわけですから、これもひとつ大臣、さっきの誠意を持って検討しますということと一緒に、これは続いてやってもらわなければ、新しくやってくれと言っているわけじゃないのです、今までどおりやってくれということなんです、いかがですか。
#32
○古屋国務大臣 お話しの点は、御趣旨の点はよくわかります。十分な検討をいたしますと同時に、御趣旨を十分生かしてこれから資料の作成その他には臨んでまいりたいと思っております。
#33
○細谷(治)委員 ちょっと大臣の答弁じゃあれなので、主管局長である税務局長から、税財源の実質的配分修正TとUでこういう傾向がありますよということを私は指摘して、直接じゃない財政局長だけ答弁していますが、税務局長、私の質問に対してどう受け取りましたか。
#34
○矢野政府委員 実質的租税配分につきましては、地方税のみならず、それ以外の地方に移転される財源を含めての話でございますから、地方税財政全体にかかわる問題でございます。したがいまして、地方税に関する資料、地方財政に関する資料その他すべて整合性をとってまいらなければならないと思うところでございます。
 ただいま御指摘の点、我々といたしましては、先ほども申しましたように、中身が非常に大きく変わってきた、したがって、逆に誤解を与えるおそれがあるということから、この点では自治省内部でも相談をいたしました結果これは除外する、したがいまして関係資料を皆除外する、実はそういう考え方でございます。
 しかしながら、先ほど来御指摘のように、実質的配分ということそのものの推移なりその原因なり、これは大変大事なことでございますので、内部でも十分協議をして、ただいまの御指摘の点について、どのような形でどうやって実質的配分の状況をお示しできるかどうかということを十分検討してまいりたいと思います。
#35
○細谷(治)委員 この機会に、この間所信表明に対して私どもの安田委員なり、今の財政局長の答弁でもございましたが、財政局長の認識というのは、少し地方財政は失政したのではないかという見方が財政局長の頭の隅にあるんじゃないか、こういう気がいたします。それはこの前の所信表明に対する、安田委員に対する財政局長の答弁、今も国と地方との税財源の配分にそういう傾向があらわれるのも一般の筋じゃないかという印象を与えるような言葉がありました。
 そこで、私は、予算委員会でもこのことを申したのですけれども、時間がなくて十分申し上げませんでしたが、この前の所信表明でも花岡局長が、公債費負担比率というものを地方財政の実態の物差しの一つにしてもらわなければならぬ、こういう意味を述べました。せんだって何かの新聞の社説にも、三千三百を超える地方団体の財政は国と比べて累積債務が幾らある、こういうような問題ではない、一つの会計と三千三百を超える会計との中の平均値、これだけでは比較できませんよ、これでは誤りますよという趣旨のことを指摘しておりました。
 私もそう思って、五十八年度の決算というのが出たようでありますが、五十八年度の決算で公債費負担比率が前年と比べてどういうふうに変わってきたのか、これはこの次の地方財政計画なり交付税の際に本格的に議論すべきでありますけれども、話の土台としてちょっと承っておきたいと思います。――資料を探しておるようですから、時間がもったいないから、私の方からいただいた資料に基づいて公債費負担比率の分布状態を言いましょう。
 五十八年度どうかといいますと、これは私は見て驚きました。公債費負担比率が三五%を超える団体が十四、三〇%から三五%を超える団体が四十八、二五%から三〇%を超える団体が二百二、二〇%から二五%を超える団体が五百五十六。よく公債費負担比率が二〇%を超えますと、その団体の財政は赤信号だ、こう言われております。その赤信号の二〇%を超えておる団体が合計して八百二十団体、全体として二五%。五十七年度は幾らかといいますと、これは五百四十五ですよ。それが八百二十にふえていっております。まさしく急増ですね。
 こういうことになってまいりますと、一五%を超えると警戒信号だ、二〇%を超えると赤信号、もうその半分は、一五%以上を加えますと千四百八十四でありますから、全体の五四%になっておるわけですね。地方団体の半分以上にもはや黄信号がついておる、こういう状況があるわけでありますから、平均値だけをとって――確かに裕福なところもあるでしょう。裕福という言葉は適切じゃないとすれば、まあ何とかやっていける、こういうような自主税源を持っておるところもあるでしょうけれども、総じて見ますと、地方団体の五四%というのが五十八年度でそういう事情、五十九年度になるともっとひどくなっているかもしれない。こういう実態を見て、自治大臣、どうお考えでしょうか。平均値論なんというのは、これはもう地方財政の実態を論ずる数字じゃない、こう言わざるを得ないのでありますけれども、どうでしょうか。
#36
○古屋国務大臣 四分の一が二〇%以上の公債費の負担率というお話、そのとおりでまことに厳しい状況でございます。地方債の方も五十兆以上、それから借り入れております交付税の方も数兆ありまして、五十六兆以上の赤字でございます。それに、今のお話のような八百二十団体について赤信号ということでございまして、そういうことからいいますと、地方が豊かなんということはとても私どもとしては信じられぬ問題でございますし、また、こういう問題につきましては、今後行政改革その他を通じまして、できるだけそういうような赤信号の数を減らしていくように私どもは努力していかなきゃならぬと思っております。
#37
○細谷(治)委員 ぜひひとつ、三千三百を超す団体はまさしく三千三百色あるんだ、みんな中身が違うんだ、そして、その中身の半分以上というのはもはや黄色の信号がともっているんだ、こういうことを認識して、大臣、懸命にひとつ努力をしていただきたい、これを強く要望しておきたいと思います。
 そこで、きょうは税の審議でありますから、余りわき道ばかりではどうかと思うので、少し本論に入ってみたいと思います。
 私は、去年のこの委員会の席上で事業税の問題について質問をいたしました。私の主題は社会保険診療報酬についての質問から入ったのでありますけれども、当時の田川自治大臣、私の質問もそっちのけにして、新聞、放送、出版等に対する事業税の課税について極めてハッスルした、決意充満した答弁をここでいただいたわけです。そして事実田川自治大臣に聞きますと、随分やはりマスコミ関係に根回しをしたようです。私は直接本人からも聞きました。そうしてこれが税制調査会で確認されまして、三十数年の懸案が実って課税されることになりました。私も大変喜ぶと同時に、この問題で大変努力した田川自治大臣、税務当局の皆さん方に敬意を表したいと思います。敬意を表したいのでありますけれども、残念なことにもう一つの方は残ってしまったんですよ。とにかく野中に杉の木が二本か三本立っているときはなんですけれども、一本立ちになってしまったんですよ。ここに問題があるわけです。この問題、やはり不公平の最たるものと言われるものについてお聞きしたいと思うのです。
 この「地方税」という雑誌の一月号、巻重言に矢野税務局長はこういうふうに書いてございます。
  既存税制における非課税措置や特例措置の整理合理化も、このような社会経済の変化に対応しつつ税負担の公平を確保するという観点において一層の推進が図られなければならない。その意味で地方税の分野で残された主要な課題としては、社会保険診療報酬及び新聞・放送・出版等の事業に対する事業税の非課税措置の整理がある。こう書いてあります。
 私、これを読んで、これは一月号なんですが、これは税務局長いつ原稿を書いただろうか、こう思って、税調の答申が出たのが十二月の二十日ごろですから、恐らくその前に原稿を書いた。この雑誌から見ますと、ちょっとカビが生えたような文章が、事もあろうに責任者である税務局長の巻頭言の中に入っておるわけですが、まあ原稿を書く時間的な差、わずか一週間ばかりの差でしょうからこれはいいんですけれども、そう書いてあります。私もそう思うので、この新聞、出版等の事業税の方が片づいた、これは大臣も大変な努力をした。社会保険もそうだろうと思う。こっちの方が一つ残ったというのは理由はどういうわけですか、お聞きいたします。
#38
○矢野政府委員 御指摘のとおり、事業税における非課税等特例措置の中で最も整理を要するものとして残されておりました大きなものとして、一つは社会保険診療報酬の実質非課税、いま一つはいわゆる新聞、放送、出版業等の七事業に関するものでございます。
 御提案申し上げておりますとおり、新聞、放送、出版事業等につきましては、この非課税措置を経過措置を設けた上で廃止をするということにいたしておるわけでございますが、いま一方の社会保険診療報酬につきましても、もとよりこれと並ぶ整理合理化の対象とすべきということで、既に税制調査会の御答申もいただいておるところでございます。昨年以来ずっと御指摘をいただいておるところでございますので、この問題も同様にその撤廃につきまして検討をいたしたところでございます。
 しかしながら、社会保険診療報酬についての事業税の特例措置廃止の問題につきましては、いろいろこれをめぐる条件なり事情がございます。例えば、医業の法人化の制約といったようなほかの事業に見られないような特殊性を考慮すべきであるというような御意見もございますし、あるいは老人保健法の実施や医療保険制度の改革等に伴う医業経営の実態の変化というものを見きわめるべきである、こういうような御意見もございます。また、こういった問題は医療体制の整備など保健、医療に係るさまざまな政策との関連において、やはり総合的にその中で検討すべきではないか、こういう御意見等が強く出まして、今回はその見直しの実現を図ることができなかったところでございます。(「公益性の差だ」と呼ぶ者あり)
 先ほど申し上げましたように、税制調査会の答申におきましても、所得税等の課税の特例に準じた取り扱いになるように改めるべきである、こういう御指摘が行われておるところでございます。今後とも引き続き保険医療政策の観点をも考慮しながら、答申の趣旨に沿った方向で鋭意検討をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#39
○細谷(治)委員 長々しくお答えがありましたけれども、今不規則発言があったように、私もいろんなその関係のあれを見ますと、公益性の差だ、これが今度見送りになった理由と理解しているんですよ。今不規則発言でもそういう言葉があった。医師についての社会保険診療報酬は公益性だということはわかります。新聞だってこれはやはり公益性ですよ。しかもこれは政府提案と違って、昭和二十七年に参議院で議員提案で修正されて、当時の社会保険診療報酬というのは低位であるから、何らかの形で報いてやらにゃいかぬじゃないか、こういう形で出たと伺っておるわけですけれども、二十七年といいますと、ことしは昭和六十年、もう三十年以上たっているわけですね。状況は変わっておりますよ。公益性ということであればマスコミも同じでしょう。人の命だ、こういうことになりますと、それは公益性を超えた、もっと  人の命は地球より重いという言葉がありますから、そう言われるかもしれませんけれども、やはり不公平を是正していくということがどうしても必要じゃないか。
 しかも医師の所得税については、昭和五十四年ですか、特例で七二%一率であったものを所得に応じて五二%までやるという調整措置が講じられたんです。税調の方も、少なくともその調整措置の線までは社会保険診療報酬に関する事業税も列を並べるべきであるということを何遍も答申しているわけです。しかも今度は、その一つである新聞等のマスコミ関係ができたということであれば、もうこれはぜひとも実行しなければならない段階に来ているのではないか、こう思います。大臣、いかがですか。
#40
○古屋国務大臣 診療報酬の問題につきましては、事務当局も大変熱心にこの問題を、新聞等の七事業に対する非課税の廃止と同様に、非常に熱心に検討しておったことは事実でございます。税制調査会の答申等もあったのでございまして、今回の場合には、私どもの力が足りないで実現するに至らなかったのでございますから、今後も保険医療の政策等を十分考えまして、前向きに検討をさせていただく決意でございます。(「政治生命をかけてやったらどうか」と呼ぶ者あり)
#41
○細谷(治)委員 私の方に、数日前に県の医師会長からこの税制についての陳情書が届いております。その中にも、社会保険診療報酬の事業税については断固反対だ、こういう一節がございます。気持ちはわかりますけれども、やはり不公平を直すということは今日喫緊の課題だ、こう思うのです。ですから、医師をねらったとかそんなものじゃありません。やはり不公平を是正する。その不公平の最たるものが、医師については全然税金がかからぬ、医師については事業税が全くかからぬ。助産婦さんにはかかる。あんまさんにもかかる。おかしいでしょう、これは。私はこれは不公平を是正するという観点以上のものをもって是正すべきじゃないか、こう思っております。
 あなたの方で出しておる「地方税」という雑誌の付録に、五十九年十月に「社会保険診療報酬に対する事業税の課税について 地方税制改善研究委員会」というパンフレットがございます。大臣言っているように、担当の人も熱心に取り組んでおった、こういうことでありますけれども、去年の七月号に、当時の担当の課長である湯浅現企画課長が「社会保険診療報酬に対する事業税の特例措置について」という論文を雑誌に掲げてございます。いろいろと課税しなければならぬという論拠を具体的に挙げてこの雑誌に書いてあります。私も全く同感、これはやらなければならぬ、こう思っております。
 さっき不規則発言で、私の後ろの方から、これは大臣、政治生命をかけてやったらどうか、こういう声が上がりました。私もそう思う。先ほど田川前自治大臣の話を申し上げました。この不公平だけは直す、おれの大臣の任期中にというくらいの決意で、この暮れまで、さらに続くかもしれませんけれども、少なくともこの暮れまであるわけですから、ひとつ重大な決意でこれに取り組んでいただきたい、こう思いますが、いかがですか。
#42
○古屋国務大臣 自治省の事務のいろいろの内部の話で恐縮でございますが、今お話しの雑誌の論文にもあるような考え方が一般でございましょう。保険医療政策その他の関係でこの不公正が本年実現しなかったことはまことに私も残念に思っておりまして、ひとつ今申し上げましたように前向きで積極的に検討させていただきますということを申し上げます。
#43
○細谷(治)委員 前向き、積極的にと言っても、やはり政治生命をかけてこの問題に取り組んでいただかなければ、公益性という名のもとに、三十数年とは申しませんけれども、少なくともここ十数年、そのまま税調が何遍答申しようとも実現しなかったのがこの問題であります。ぜひ実現をしていただきたい。言ってみますと、古屋自治大臣はこのために大臣になったんだという歴史的な実績をひとつ残していただきたい、こう思います。
 そこで、事業税に直接関連するわけじゃありませんけれども、けさの各紙、昨晩のテレビ等で「後絶たぬ悪質申告漏れ」という記事が、すべての新聞にかなりのスペースを割いて書かれてございます。これは国税庁が調べたことでありますけれども、今申し上げたように、自治省も無関係でないわけでありますから、税務局長、きのうのテレビ、けさの新聞記事を見てどう思われたか。副題を申し上げますと、「医師千五百人調査で九割も 子供の小遣いまで経費に」、こういう見出してあります。そして診療科目別の申告漏れ件数というのが、内科で九三%、産婦人科で八七%、外科で九三%、歯科で八九%、平均いたしまして九〇%が申告漏れであった、その申告漏れの額はおよそ六十四億だ、こういうふうに書いてございます。
 とりわけ、この記事を読みますと、「医師の社会保険診療報酬の税額計算は、実際にかかった経費を収入から控除する「実額収支計算」と、一定率の経費を最初から控除する租税特別措置法の「特例適用」の二本立て。」こう書いてあります。そして、今日では特例適用ではなくて実額収支計算の方に入っていく、申告していく傾向が多くなった。それはいろいろな経費をぶち込んで税を節減するために――節減と言っておきます。減らすためと申し上げませんが、そのためにこういう実額収支計算方式をとっているのだ、こういうふうに新聞は指摘しております。しかし、これは東京国税局だけで九〇%も申告漏れをやって、その金額は六十四億、世間では氷山の一角ではないか、こういうふうに思われます。これはお医者さんの名誉のためにも是正すべきだろうと思うし、こういうことでは税制上の不公平ばかりじゃなくて、税の執行面における不公平も見逃すことができない、こう思います。いかがですか。
#44
○矢野政府委員 御指摘の記事、けさ慌ただしい中でございますが、私も目を通しました。課税の適正公平化のための所得の捕捉が的確になされなければならない、これはもう言うまでもございません。国税庁の調査されたところでございますが、もちろん地方税制側としても関係がございますし、重大な関心を持たなければならぬと思います。
 御指摘のように、最近におきましては、私どもも社会保険診療の事業税に関する非課税措置問題を検討するに際して、いろいろ知り得る限りの実態等も把握できるように努めておるところでございますが、最近におきましては、選択制になっておりますところの七二%、五二%という特例措置から、だんだん実額控除の方を選択する率が高まってきておるというようなことも聞いておるわけでございます。御案内のとおり、事業税におきましては、直接これが関係するわけではございませんが、収入、支出両方とも社会保険診療報酬については外すという形で行われておるところでございますから、そういう意味ではまさに事業税が実質非課税措置になっておるところでございますけれども、そういった問題にも重大な関心を持ちながら、所得捕捉の適正化とあわせて、今後の事業税における非課税措置の問題との関連におきましても重大な関心を持っていきたいと考えております。
#45
○細谷(治)委員 大蔵省の津野さん見えておるのですね。ちょっとお聞きしますが、六十年度の租税負担率ということで一月の末に予算委員会に資料提出がございました。それによりますと、サラリーマンも自営業者も農民もすべて一人当たりの納税額はふえていっております。ところが、その他の事業、その他の事業というのは医師、弁護士、芸能人ということでありますけれども、これは大幅に一人当たりの税額が減っております。その他の事業の税収の減の七割はお医者さんが占めておる。その原因というのは、健康保険の一割の自己負担で診療費総額が伸びなかったということと、もう一つは、最近よく言われる節税で、薬局を別組織にして節税をしている、そういう原因が挙げられております。これは詳しい資料が、業種別の納税人員、納税額の推移という大蔵省から予算委員会に出された資料に大きな表で載っておりますが、これについてそのとおりであるか、大蔵省はこれをどう受け取っているか、お答えいただきたいと思います。
#46
○津野説明員 御指摘の資料は、予算委員会の方に御指摘のとおり大蔵省から提出させていただいております。
 そこで、サラリーマン等の給与所得者等についての納税額、そういうものはふえておる。けれども、医者とかそういうものが若干減っているではないかというお尋ねで、それをどう考えるかということかと存じますけれども、これにつきましては、それぞれの事業の収益の伸びぐあいとか、あるいは例えば先ほど御指摘になりましたような一割負担とか、あるいは社会保険診療報酬の金額それ自体の問題とかいろいろな問題が絡んでおるかと思いますので、具体的な内容につきまして、詳細に私としても現在資料を持ち合わしておりませんのでお答えできかねますけれども、そういうようなところであろうかと思います。
#47
○細谷(治)委員 これはあなたの方から出た資料を私は拝借してお聞きしておるわけでありますからそのものだ、こう思います。
 もう一つ、課税の不公平という論拠の一つとして申し上げておきたいわけであります。これは大蔵省が出しておる金融財政統計月報から出たものですが、それによりますと、業種別所得金額というものを見ますと、第三種事業、いわゆる法人税法に基づく第三種事業です。その第三種事業の医業、お医者さんですね。これは五十六年と比べると、医業等が二・四%、税ではなく所得ですよ。全体ではどのくらい伸びておるかというと、二二・八%伸びておるわけです。医業だけは二・四%、助産婦等は一四・八%、それから法務、これは弁護士等ですが六・五%、そして第一種事業は二六・四%、第二種事業は一〇・七%、こういうふうに伸びていっているわけです。この中でマイナス突出しているわけですよ、医業だけが。これを御存じですか、実態は。
#48
○津野説明員 法人企業統計の数字は大蔵省の方から出ている資料の中に入っていると思いますので、私の方といたしましては、直接その資料は見ておりませんので明確にわかりませんけれども、大蔵省の法人企業統計としては、正しい数字を出しておるというふうに考えております。
#49
○細谷(治)委員 わかりました。
 私が大蔵省の金融財政統計月報と申しましたけれども、失礼しました。自治省の「地方税」という雑誌の昨年の四月号です。「道府県税の課税状況の分析」という中にこの表は載っておるわけですけれども、これを拾ったのです。こういう平均よりもはるかに、十分の一程度しか所得が伸びていない。これもやはりおかしいのじゃないかと思うのですが、これはあなたの方で編集した雑誌に載っているんだからうそじゃないだろうが、大蔵省の出した資料は正確だと言っている。自治省どうですか。
#50
○矢野政府委員 先ほどの御質問を伺っておりまして第一種、第二種と御指摘になられましたので、あるいは個人事業税に関する課税状況調べの数値ではなかろうか、このように推測いたしましたが、それはまさに私どもの方でつくりました資料でございます。
 御指摘の中で幾つかの事業につきまして率をお示しいただいておりますが、その中に医業等の部分も掲げられております。ただ一この医業等に関する部分は、課税対象になっておりますいわゆる自由診療に関する部分についての数字でございますので、社会保険診療報酬まで含めた全体の姿はそこには出ていないというぐあいに御理解いただきたいと存じます。
#51
○細谷(治)委員 今私が引用いたしました数字は「地方税」という雑誌の四月号に出ているわけです。きちんと表示して「分析」という題までつけて発表している論文ですから、これはそのとおり確認していただきました。
 事ほどさように、どうも課税の状況なり所得の状況なり等を一べつしても、先ほど新聞に大々的に発表されたことが裏づけられるような資料がわんさとある。わんさという言葉をあえて使いたいと思う。わんさとあるというのが実態じゃないかと思うのです。ぜひひとつこれは是正する。そしてずばり言いますと、助産婦さんとかなんとかからは事業税を納めさせておきながら、医師からはそういう事業税がゼロというのは、少なくとも常識では助産婦さんよりはるかに収入が高いだろう、社会的地位も高いだろうと言われる医業の人はゼロということではプライドが許さぬ、こう言っても私は差し支えないと思うのです。ですから、ひとつプライドが許さないような事態を克服して堂々と社会的地位にふさわしいような、やはり税は納むべきものは納める、享受する面は享受する、こういう姿勢を税の面からもひとつつくっていただきたいと私は思います。
 大臣、私はあなたに政治生命をかけてと申し上げた。私はそういう例を申し上げたわけですから、もう一遍お願いしたいと思います。
#52
○古屋国務大臣 細谷先生からいろいろの例を挙げられまして御説明を承りました。御所見には私も大変感銘しております。先ほど申し上げましたように、前向きに積極的に検討という言葉は気にいらないかとも思いますが、ひとつ私は前向きに進んで検討と言わざるを得ないと思いますが、積極的に前向きに検討しまして、不公正な税制というものを排除する意味におきまして努力をしてまいります。
#53
○細谷(治)委員 その実現のために突進いたしますというぐらいのお言葉を大臣から聞きたかったわけですけれども、大体同じ意味だろうと思いますから……。
 時間の関係で事業税に関連してはこの程度にいたしまして、事業という字が二つ一緒だからついでということでは大変失礼でありますけれども、事業所税についてちょっとお尋ねしておきたいと思います。
 この事業所税というのは、五十年の税制改正で新しく地方税体系の中に取り入れられたわけであります。都市の集積状況、そういうものに対応するための財政需要、これの裏づけとして目的税が設けられたわけであります。当時は人口五十万以上という都市に限られておりましたが、翌年の五十一年に三十万人、こういうことに一年で改められました。五十一年の税制調査会の答申を見ますと、三十万にするけれども、当分の間、ここ数年の間は、あの文章を見ますと二、三年という印象でしたが、この問題で課税範囲の拡大については物を言わぬことという意味のことが書いてあったと私は記憶をいたします。これは余分なことを書いたものだ、こう思っておりました。そうして五十五年に若干の税率について是正がございました。例えば資産割というもの、あるいは新増設に対する税制等改められました。
 五十五年から六十年というのは何年たつでしょうか。大体あなたの方は均等割とかなんとかは、時代の情勢、物価、経済情勢に応じて対応していっておりますけれども、五十年に創設し、五十一年に課税範囲を広げて五十五年にその辺のものができたけれども、これについてはその後全然触れられておりません。そうしますと、あなたの方は忘れたのじゃないか。忘れたといっても地方税では千八百億とか千九百億を占める重要な財源ですよ。これについてはどうお考えなのか、お答えいただきたい。
#54
○矢野政府委員 事業所税に関する創設以来の今日までの経緯につきましてはただいま御指摘のとおりでございます。
 一つはまず定額部分の税率の見直しでございますが、昭和五十年にこの事業所税ができまして、昭和五十五年にはこの定額税率の見直しを行ったところでございます。五年たっておりますので、見直しの時期であるということは私も十分承知いたします。今回の税制改正案の検討に当たりましても、この事業所税の定額税率の見直しも含めていろいろ検討したところでございます。ただ六十年度におきましては、一方で固定資産税の評価がえというようなこともございます。そういった面での負担もふえるということも勘案をいたしまして、六十年度における定額税率の見直しという点は今回は見送って据え置きとしたわけでございますが、もとよりこれは定額課税でございますので、時期に応じまして見直すべきものと考えております。早い機会にこの見直しを図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
 それからいま一つ、課税団体範囲の拡大の問題でございます。これにつきましてもたびたび御指摘をいただいておるところでございまして、私どもも、毎年のようにこの課税団体の範囲の拡大につきましては税制調査会に御検討をお願い申し上げております。ただ、課税団体の拡大につきましては、もともと事業所税が創設された当時の経緯等が関係の方々の念頭にございまして、十分なコンセンサスを得られるところまで至っていないわけでございます。
 私どもの方としては、当初五十万で出発をし、しかし集中の利益等は三十万段階の市においてもやはり存在する、このように考えて、すぐ一年後の五十一年には三十万に下げたわけでございますが、その後の社会情勢の変動等を見ておりますと、すべてとは申しませんが、三十万未満の団体であってもそういった人口の集中、企業の集中等が見られることによって都市整備を必要とされるものがあるというぐあいに考えられるわけでございます。その点について課税団体の範囲を拡大すべきであるということの検討は、引き続き進めておるところでございます。税制調査会等でもいろいろ御意見がございますので、そういった点も踏まえまして今後さらに鋭意検討してまいりたいと考えております。
#55
○細谷(治)委員 この問題についてもあなたの方で検討しているということは承知しております。特に、例えば人口が日本全体としてはいわゆる東京圏、大阪圏、中部圏、こういうところに集中しております。県単位で見ますと、県庁所在地を中心として過密過疎状態というのがやはり歴然として起こっているわけですよ。そういうところに着目して、単に人口が三十万以上とかなんとかということではなくて、十五万でも二十万でも、人口が集中しつつある県庁所在地はやはり事業所税の対象にすべきではないか、そして人口も二十万程度にしたらどうか、こういうような案を公式か非公式か知りませんけれども、自治省の考えとして示されておると理解しているわけですが、自治省としては中身としてどういうお考えを持っているのか、これをお答えいただきたい。
#56
○矢野政府委員 人口三十万未満の都市の中で、御指摘のようにどういう都市が今申し上げましたような集積の利益を求めて企業の集中なり人口の集中があり、かつそれに伴ってそのための都市整備が必要になってくるかということを判断する基準として、私どもいろいろ実態も調べております。その中で一般的に言えますのは、御指摘のような県庁所在地、これはほとんどの都市が人口が集中する、あるいは中枢管理機能が集中をしてくる趨勢にございます。そのほかにもこういったものに準ずるようなところもあろうかと思うのでございます。人口二十万で切るというのも一つの考え方でございます。あるいは県庁所在地に二十万未満のものもございますが、県庁所在地についてはそういったものを一応全部考えてみてはどうかということも一つの考え方でございます。
 ただ、三十万未満の市になりますといろいろ態様に違いがございます。一方でこれを全部一律に考えるのはどうか、こういう御意見もございます。したがって、その中で、これは政府税制調査会でもそういう御意見も出ておりましたけれども、いわゆる法律には規定をしておいて条例による任意制、その必要ありというところについてその団体の自主性、自律性のもとに任意制の課税を認めることにしてはどうか、そういう法律の規定を置くことにしてはどうか、制度をかぶせることにしてはどうか、こういうような御意見などもございます。
 そういった点を踏まえまして私どもの方でいろいろ検討を現に進めており、また今後そういったものを煮詰め、関係者の十分な御理解を得るように努力してまいりたいと考えておるところでございます。
#57
○細谷(治)委員 今、局長の言葉の中に任意制、こういうことがありました。例えば都市計画税、これは任意制なんですよ。法律では設けてよろしい、設けるか設けないかは自治体の自主性であってそれは条例で決めればいい、税率もそうだ、百分の〇・二とか〇・三とかそういうことになっておるわけです。法律を日本列島にかぶせる、その場合に、ある地域は取っちゃいかぬぞ、ある地域は対象になるものがあれば取ってもいいという税制上の差別をつけるのは、憲法上のあるいは自治法上のあれからいって疑義があるのではないか。いわゆる不均等な課税、あるいはかけちゃいかぬ、かけてよろしい、こういうことをやるのはやはり問題があるのであって、現に三十万を超えるところで税を取ってないところもあるでしょう。どこか御存じですか。
#58
○矢野政府委員 三十万以上の団体は課税をするということになっておるわけでございますが、三十万以上の団体の中で特別な事情にあるところがございます。例えば、従来産炭地域であってその振興を図らなければならない、そういった事情のもとにこういった条例、事業所税の課税につきまして通常のような課税を行ってない、自主的に課税を行ってないというような団体もあるわけでございます。これは御指摘のとおりでございます。
#59
○細谷(治)委員 いや、現に三十万以上の市で事業所税を取ってないところがあるんじゃないか、ありましょう。私の記憶の間違いかな。あるのですよ。福島県のいわき市は取ってますか。
#60
○矢野政府委員 事業所税は法律では取ることになっておるわけでございますから、少なくとも今御指摘の例えばいわき市、これも課税はしておるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたようなもと産炭地域であったということで企業の誘致も図らなければならない、いろいろな事情がございますので条例で減免したり、あるいは実質補助金というような形でその一部を還元するというようなことを実施しておりまして、実質的には通常のような課税が行われてない、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#61
○細谷(治)委員 かなり地方の自主性というかそういう形で、いわき市は大体事業所税は取ってない。いわき市というのは内地では日本で一番大きな都市なんです。平とかあの辺の幾つかが合併したので、いわき市自体がどこに町の心臓部があるのかといいますとなかなかここだと言いにくい。広さからいっても形態からいってもそうなっていますから、事業所税はちょっとふさわしくないということで取ってない。あるいはそれに相当するのを取っているけれども、何かそういう集積に対する、集中に対する対応という形に使っているかもしれませんけれども、私はいわき市は取っておらない、こうお聞きしておるわけです。
 私がそう申し上げたのは、三十万とか県庁所在地というのは特別なあれがありますけれども、やはりそういうところで取ろう、そして人口集積に対応しようじゃないか、総合交通体系にこれを投資しようじゃないか、あるいは街路にこれを投資しようじゃないかという形であるならば、対象になるべき法人があるならば、これはちゃんと免税点があるわけですから、事業所があっても、バラックでも百万円の建物でも取っていくというわけじゃないのですから地方の自主性に任せた方がいいんじゃないか、そういうふうに私は思います。
 そういう点で大臣、社会保険診療報酬と同等の決意でとは申しませんけれども、これは五十年にやって五十一年にやって、それからずっと税調の書いた末尾の一行か一行の字句に恐れをなして余り積極的に持ち出してないんじゃないかと思いますけれども、これはひとつ取り上げたい。これにあなたの方の担当の課長が書いておりますよ。今度「地方財政」という雑誌に湯浅さんが書いておるじゃないですか。なぜやらないのですか。大臣、あなたの部下が積極的にやるべきだ、一定の時期、五十年、五十五年、そして六十年ですから、一定の時期には税率等は見直すべきではないか、こういうことを書いてあるんですから、部下がそこを主張しているんなら、それをリードして実現に向かっていくのが大臣の務めであり局長の務めじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#62
○古屋国務大臣 事業所税の問題も、内輪的に申しますと、社会保険診療の問題と同じように、自治省としては率直に言うと最後まで頑張ってまいりました。しかし、私の努力が足らなかったといいますか、いろいろの事情もこれあり、今回は見送らざるを得なかったわけでございますが、私どもの重要な今後の検討項目といいますか、六十一年度の検討項目として事業所税も考えておるということは事実でございまして、今課長の論文の話もございました。細谷委員もいろいろ自治省のそういう問題については非常に御造詣が深い方でございます。私も、社会保険診療報酬の問題とともに、この問題は来年度の重要検討項目として前向きに積極的に検討させていただきます。
#63
○矢野政府委員 引き続きさらに一層の努力を重ねてまいりたいと存じます。
#64
○細谷(治)委員 私は大臣に、特に社会保険診療報酬ほど注文をつけなかったのですけれども、前田川自治大臣が聖域に足を踏み込んで橋頭堡を築いたわけですから、それを完成してもらいたいという問題がもう一つある。もう一つというかもう二つばかしあるんです。それは長い間の懸案であります住民税の利子配当課税についての問題であります。
 六十年度の税制というのは、言ってみますと利子配当についての課税問題、グリーンカードの問題、こういうのに明け暮れて、最終的には大山鳴動ネズミ一匹とも言えない結論だったと私は思うのですけれども、いかがですか。
#65
○矢野政府委員 御指摘のとおり、利子配当課税の問題につきましていろいろ検討が行われたわけでございますが、結果としては限度管理の強化という方向で進めるということで、グリーンカード制そのものが廃止になるということでございます。これは地方税に関連いたしましても重大な関係がございます。私どもも、地方税、住民税との関連におきましていろいろ税制調査会でも御議論をいただきました。
 グリーンカード制度による総合課税制度ができましたときに、住民税の利子配当課税に関する問題については、所得税と同様に総合課税を行うことができるということで一たん決着がついたわけでございますが、それがそういう意味ではまた一つの振り出しに戻ったということでございます。
 これに関連して、制度を地方税の面においてどうするかということにつきましては、税制調査会としてはまだ完全な結論は出ておるわけではございませんけれども、しかし基本的には、やはり住民税を負担の公平の見地から課税すべきである。ただ、その方法等について、やり方等いろいろ問題があるということで、その旨の調査会の御答申もいただいております。そういった点も踏まえて今後鋭意検討してまいりたい、このようにこの問題について考えておるところでございます。
#66
○細谷(治)委員 「住民税の利子配当課税について」という地方税制改善研究委員会のパンフレットがございます。阿部くらいばらまいたか知りませんけれども、これは非常にわかりやすいので、皆さんよく読んでいただいて、理解してもらうということが大切じゃないでしょうか。それを読みます、とこう書いてあるのです。
  現行の所得課税制度において、所得税が課税
 されているのに住民税が課税されていない所得
 の例は、このほかにはない。所得税が課税されているものについては全部住民税が課税されている。これがたった一つ。
  なお、住民税が課税されていない利子所得等
 は、源泉分離課税選択分の利子で一兆三千億円、
 配当で四百億円の巨大な額となっており、源泉
 分離課税制度がとられている割引債の償還差益
 でも七千億円に達している一昭和五十七年分)。
 このほか、普通預金等の申告不要分がある。
  これらの利子所得等に住民税が課税されてい
 ないことによる減収額は、昭和五十九年度にお
 いて、およそ千四百億円と見込まれる。こう言っております。ところが、いろいろな統計を見てみますと、「五十九年度において」ということでありますから、前年度実績でしょう。現状ではこれを超えるんじゃないか、こう私は思います。
 この間の新聞等で、個人貯蓄速報というのが日銀から出ております。それによりますと、合計で一〇%程度貯蓄は伸びていっております。
 この雑誌の湯浅論文を引用して大変恐縮でありますけれども、湯浅論文でもこう書いてあります。「所得税が課税されながら住民税が課税されない」、これが不公平の第一だ。「同じ利子所得の中で住民税が課税されるものとされないものがある」、これが不公平の第二番目だ。「他の所得は全て住民税の課税対象になっているのに利子所得等だけは住民税の課税対象にならないものがある」、これが不公平の第三番目だ。三つの不公平があるわけですね。これはかけなければおかしいんじゃないか。所得があるのにこれだけはかけておらない。
 そうして、後で議論しますけれども、これは財政局長の領分になるでしょうけれども、つかみで一千億やろと喜んでおったら去年は五百億に減らされた。六十年度はどうなるのかと思っておったら、五百億くらいは一応頭の中に入れておきましょう。しかしそれは、六十五年度以降に上げるかもしれませんし、上げないかもしらぬ、こういうことになっているでしょう。その不公平を存置させるところに自治省の責任は全く大きい、こう思います。いかがですか。
    〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕
#67
○矢野政府委員 御指摘の問題につきましては、私どもとしては、確かにおっしゃるような三つの不公平があるということを常に考え、またそのような主張をしてきたわけでございます。先ほどお答え申し上げましたように、グリーンカードによる総合課税制度というものが一たん制度化された時点では、この問題はその時点においては解決を見たわけでございますが、これがこういったような形でグリーンカード制度廃止ということになりましたので、引き続き源泉分離選択制度が残るということになったわけでございます。
 従来からこういった不公平が言われながら、一方で実現できていないという理由の一つには、やはり課税技術上の問題もあろうかと思います。つまり、金融機関等からの膨大な支払い調書、各市町村の住所別の膨大な支払い調書等が要るというような問題もあろうかと存じますし、また税制調査会ではいろいろな見地からの御議論がございまして、そういった納税事務の複雑さの問題等も指摘をされ、また議論によっては必ずしも課税ベースが同じでなくてもいいのではないかというような御議論もあったわけでございます。もちろんこれに対して、それはやはりおかしい、公平の見地から課税すべきであるという議論が強くなされておりまして、いわば賛否両論あったという状態でございます。
 しかし、税制調査会の六十年度答申におきましては、そういった議論を踏まえて、基本的には税負担の公平の見地から住民税を課税すべきであるが、しかしその方法についていろいろな問題がある、国税、地方税を通ずる課税事務の簡素化の観点というようなものも踏まえてさらに検討すべきである。したがって、基本的には住民税は課税すべきであるという点につきましては、税制調査会におきましてもそういうお考えを示しておられるわけでございます。これは我々としても、そういうような御答申をいただいて、その上で具体的な問題についてどういったやり方、方法が適切なのかということをこれから見出すべく努力をしてまいらなければならぬと思うわけでございます。
 そういう意味で、このグリーンカード制度をめぐる結末がこういうことになったことに伴いまして、我々としてはさらにそういった事態に対応しての新たな検討をすることになり、六十年度の税制調査会の答申はその根拠を与えていただいたもの、このように考えております。
#68
○細谷(治)委員 大蔵省にお伺いしますが、問題の非課税貯蓄の残高、よく五十八年の三月末では総額が二百二十六兆円ある、そのうちマル優が百三十三兆円だ、特別マル優、財形貯蓄、郵便貯金等で二百二十六兆円だ、こう言われております。これはちょっと古いのですけれども、ごく最近の数字をお教えいただきたいと思います。
#69
○津野説明員 お答えいたします。
 非課税貯蓄の五十九年三月末の数字でございますけれども、総額で二百四十五兆円でございます。うちマル優の分につきましては百四十二兆円、特別マル優が十兆円、郵便貯金が八十六兆円、財形が七兆円というような格好に内訳はなっております。
#70
○細谷(治)委員 わかりました。ありがとうございました。
 今の数字を読みますと、一年のうちに大体二十兆円ふえておるわけですね。莫大な額ですよ。これは十二月二十四日のある新聞に「非課税貯蓄伸び鈍る」、二十兆円であるけれども確かに鈍っておる。五十八年三月末には五九・四%に達したが、この五十九年の三月では、六十年の一月に公表すると言っておりますけれども、大体二百四十五兆三千億円程度が非課税だ、こういうふうに新聞で報道されております。
 鈍ったけれども、二百五十兆円になんなんとする非課税貯蓄がある。こういうことに対して新聞の社説等で、とうとう結論が出なかったのに対していろいろな根拠を挙げて、不公平税制の是正という観点からすれば、イの一番に取り上げなければならないテーマがこれである、こういうふうに指摘しております。不公正税制を直すためにもう猶予を許さぬ。しかも税の原則で所得があるところに対しては税が必要だ、所得税を取って住民税をやらぬというのはおかしい。特に応益性の強い地方税においてしかりだと私は思うのですよ。
 そこで大臣、これは大変大きな問題で、やはりこの聖域に決意を新たにして取り組んでいただかなければならぬ、こう思いますが、ひとつ大臣の決意のほどを。
#71
○古屋国務大臣 これも大変大きい問題でございますが、利子配当等について三五%以上は分離課税すれば住民税は取る方法がないということは、お話しのように非常に不公正な話であると私も十分承知しております。先ほど税務局長も答弁したのでありますが、ひとつ今後の検討問題として、私どもはこの問題は先ほど申し上げた二つの問題と同じように三つ目の問題として考えておるわけでございまして、不公正を是正するという点では当然なことでございます。その手続の問題等で税制調査会がなお検討すべき点もあるというので、こういう問題につきましても積極的に検討をしておりますが、なお今の不公正是正という点からいたしまして前向きに考えてまいります。
#72
○細谷(治)委員 どうもちょっと決意が弱いようですけれども。
 そこで、大蔵省にお尋ねしますが、いろいろすったもんだの結果、大蔵省の悲願であった低率課税も実現しなかった、そして限度管理ということに重点を置こう、こういうことになって、利子配当等の課税のことについて大蔵省では、新聞等によりますと、非課税貯蓄制度の適正化ということで、本人確認については、健康保険証等の所定の公的書類で本人を確認したことをマル優、特別マル優利用申告書、郵便貯金証書、通帳に証印しなければならない、この証印のないマル優、特別マル優、郵貯の利子及び預け入れ限度を超えて預け入れした郵貯の利子は総合課税対象とする、こういうようなことで限度管理をやっているんですが、この程度の限度管理で――結論が出なかったのは、あなたの方の言い分の低率課税ができなかったのも、そもそも限度管理については大蔵省と郵政省の争いなんでしょう。
 郵便貯金について、税の立場から大蔵省に監査されることは懐に手を突っ込まれるようなものだ、このことで話が決まらなかったわけでしょう。したがって、私は、この非課税貯蓄で実効が上がるのかどうかということについて大変な疑問も持っております。いかがですか。
#73
○津野説明員 お答えいたします。
 先ほど先生の方からも御指摘がございましたが、今回の改正におきましては、非課税貯蓄制度の適正化を図るという観点に立ちまして、本人確認制度の厳正化を中心といたしましていろいろな措置を講じさせていただくということにいたしております。
 具体的に申しますと、本人確認につきましては氏名とか生年月日、住所、こういうようなものの記載のある公的書類じゃないといけないというものをもちまして、これは具体的には住民票の写しとか健康保険証とかそういうものでございますが、そういうようなものによりまして本人確認を行う。それから本人確認制度を実効あらしめるという観点に立ちまして、本人確認制度の不履行につきましては、これは先ほど御指摘がありました証印等そういうものがないとか、あるいはそういう提示がなかったとかいうようなものにつきましては、一律的に課税の領域に取り込むというような措置をとる。
 郵便貯金、これは問題だとおっしゃられた件でございますけれども、これにつきましては、これも民間の非課税貯蓄と同様に本人確認の証印のないもの、預入限度を超えるもの、そういうものについて課税対象にいたしますとともに、それにつきましての利子を支払ったような場合には、国税当局に郵政当局から通知をしていただくというような制度を設けているわけでございます。
 このように本人確認制度とか、それから先ほどの郵便貯金についての制度とか、いろいろな措置を講じたわけでございますので、現状の制度に比べますと、従来は例えば郵便貯金であれば、故意、重過失がない限り課税対象にならなかったわけですが、今回は単に枠を超えれば課税対象になるというような厳格な措置もしておるわけでございますので、これらの諸措置の実施に伴いまして、郵貯やマル優の限度管理の適正化は行われるというふうに考えております。
#74
○細谷(治)委員 限度管理を強化するということでありますけれども、なかなか実効が上がらないのではないか、私はこう思います。したがって、この問題については、人口が一億二千万しか日本にはおらぬのに、いろいろな通帳の口数は四億とかなんとかということになると、明らかにおかしいことはわかっているわけですよ。ですから、これをどうするかという問題が一つあります。もう一つは、何といっても所得税があるところに住民税がないというのはおかしいわけですから、これを是正しなければならぬ。二つの問題点があります。難しい問題でありましょうけれども、この問題の解決なくして税制を議論することはナンセンスだ、こう申し上げても差し支えないと思うのです。重ねてでありますけれども、大臣、ひとつ決意のほどをこの委員会できちんと表明していただきたい。
#75
○古屋国務大臣 先ほど申し上げましたように、六十一年度の検討五項目の極めて重要な問題の一つとして、先ほど申し上げました二つの問題と同時にこの問題も考えておるところでございます。そういう意味で、不公正の是正という点からいたしまして、ひとつ十分積極的に検討してまいります。
#76
○細谷(治)委員 余り時間がないのですけれども、最後の問題点は、予算委員会でも大きく問題になっておる来年度以降の税制改正を展望しての大型間接税等のことが言われておりますけれども、このことについて、時間が許す範囲内で若干お聞きしておきたいと思います。
 新聞等によりますと、大蔵省の税制改革スケジュールというのが、六十一年度から実施すべきもの、六十二年度から実施すべきもの、したがって二段階で税制改正を実施する、こういうふうに報道をされております。
 もうちょっと申し上げますと、六十一年度から実施するものはしょうちゅうの増税とか酒税の見直し、年金受給者の所得控除制度の圧縮、赤字法人課税、相続税の課税最低限の引き上げなど資産課税の見直し、印紙税の節税封じ対策。六十二年度には大型間接税の導入、地方消費税の導入、所得税の最高税率の引き下げと累進税率の緩和、法人税の減税だ、こういうふうに報じられております。こういう二段階構想で税制改正のスケジュールが進められておるのかどうか、新聞の報道でありますから、ちょっと確認をしておきたいと思います。
#77
○津野説明員 今後の税制のあり方についての本格的な見直しにつきましては、これは直接税、間接税を通じた税制全般にわたる検討を行う必要があるというふうに考えておりますが、税体系のあり方いかんあるいは税制改正のスケジュール等につきまして、これはこれを含めましてでございますが、究極的には国民の合意と選択によって決めらるべき問題でございますので、今後税制調査会を中心といたしまして、国民各層、各方面の広範な論議を踏まえまして、幅広く検討していくべき問題であると考えております。
 政府といたしましては、現段階で直接税、間接税を含めまして税体系のあり方についていろいろ予断を与えるような議論をすることは差し控えるべきであるというふうに考えておりまして、先ほど御指摘のありましたようなスケジュール等につきましても、何ら具体的に決まっておるわけではございません。
#78
○細谷(治)委員 自治省にお尋ねいたしますけれども、いずれにしても税の大規模な見直しということで動いておることは間違いないわけでありますが、大型間接税実施に関連して、その大型間接税の税収の半分くらいは、交付税等も含めて地方の税と自治省は主張しておる。ちょっと新聞を読みますと、大型間接税の税収の三分の一を地方消費税、残りの三分の二というのを交付税の対象税目にする、おおむね四五%ぐらいになるかどうか知りませんけれども、その辺をねらっているという新聞記事があります。新聞記事といいましても、日本経済新聞の二月二十三日付でございます。大臣、御存じですか。税務局長、御存じですか。
#79
○矢野政府委員 新聞記事は読んでおります。
#80
○細谷(治)委員 読んでおりますということですが、私が御存じですかということについてはちょっと意味があったのですよ。知らぬはずはないですよ。あなたがこういうことを計画して、それを推進しようとして動き始めているのか、どうなのか。この記事は新聞社が勝手に書いたものだ、こういうふうなものなのか、それをちょっと聞いておるわけです。
#81
○矢野政府委員 国税、地方税を通ずる現行税制の抜本的な検討につきましては、税調答申等においても必要性が指摘されておるところでございます。これからの重要な検討課題になると思うのでございますが、ただその方向づけを初め具体的な内容は現段階ではまだ白紙でございます。したがいまして、国税と地方税の配分について議論をするというような段階ではまだございません。私どもの方で具体的にそういうような考え方に基づいて発言をしたり行動をしておるということはございませんので、御理解を賜りたいと存じます。
#82
○細谷(治)委員 これから税制調査会等で作業をやるし、予算委員会でも野党の方はこぞって大型消費税は絶対反対だ、こういう立場にあるわけですから、私もこれ以上この問題について言及はいたしませんけれども、かつて一般消費税の問題が出たときに、大蔵省と自治省が手を組んで一般消費税の実現に努力しよう、そしてその分け前は常識に基づいて分けようじゃないか、こういうふうに動いたと伝えられておりますし、そういう意味も込めた税調の答申があったこともまた事実なんですよ。ですからこういう新聞の記事になったんだろうと私は思うのです。全く白紙で、あなたの頭の中は大型消費税の問題については空っぽだ、新聞は想像記事だ、こういうことなんですか、どうなんですか。
#83
○矢野政府委員 これからの税制の抜本的検討につきまして、私どもがそのことを全く何も念頭にないという意味ではございません。ただ、この問題につきましては、先ほど申し上げましたように税制調査会初め国民各層の広範な御意見を聞く必要のある問題でございます。究極的には国民の選択と合意の問題でございますので、そういった御指摘の問題について我々が具体的にどう考え、どう動くかというようなことはまだ一切白紙だという意味でございます。
#84
○細谷(治)委員 では方向を変えてお尋ねしますが、私どもは府県税の税収の安定化を図っていくためには事業税の、特に法人事業税の外形課税をとるべきであるということを長年主張してまいりました。そのことは法律の中にも書かれてございます。財団法人自治総合センターの「地方税制の合理化方策等に関する調査研究」というのが昨年の三月、東京大学の金子教授等を中心にして報道されております。言ってみますとこれは学者と地方六団体の労作、こう言って差し支えないと思うのですけれども、これを読んでも、どうも法人事業税というのが大型間接税に込めやられて吹っ飛んでしまうんじゃないか、あるいは矮小化されるんじゃないかという心配がございます。
 シャウプ以来完全な形では実施されておらない事業税については、現行でも外形課税でやっているところもあるわけですから、そしてそもそも法律をつくりながら実施しないままいつの間にか事業税を所得課税にしたところに問題がある。所得課税にしておいて事業税は物税なりなんというのはおかしな話なんですよ。ですから、物税なら物税らしく、そして府県税の税収を安定化させるためにも――かつて全国知事会も花火を上げました。花火を上げましたけれども、残念なことには、五十三年か四年くらいに国が何と言おうと法律に基づいてやるんだということで検討もしましたけれども、とうとう吹っ飛んでしまいました。吹っ飛んでしまった原因は、当時一般消費税というのが大きく前面に出てきたのが原因じゃないかと思うのです。
 ですから六十一年、六十二年の税制検討の際にもそういう問題が心配であります。予算委員会でいろいろ議論されましたけれども、予算委員会の議論というのは、多段階の広範なあれについてはどうのこうのと言いますけれども、きのうの大蔵委員会の質問では、一般消費税も民意さえそれを支持するならいいんだと大蔵大臣は答えているでしょう。ですから予算委員会でせっかく議論したことは何も結論が出てない。今より議論を通じて大型消費税については政府はフリーハンドを、権利をとった、こういうふうに言って差し支えないと思うんですよ。
 それだけに私は事業税の外形課税、そうして府県税収の安定化を図るということは今日極めて重要な問題点だ。それならそれらしく安定した税制として、安定した税収を期待できるものとして事業税を守っていくということが必要ではないか、私はこう思うんです。この問題について税務局長なりあるいは財政面から見た財政局長なり、そして最後に大臣の実のある御決意をお聞きしたい。
#85
○矢野政府委員 府県税収の安定化を図る、またあわせて応益的な性格をさらに強めるという見地からの外形標準課税の導入、これは地方税の基本的な重要課題であると存じます。その観点から、従来からもいろいろ議論がされてまいりました。昭和五十二、三年当時のいわゆる一般消費税(仮称)の大綱が示されました際に、この問題と関連をした大変熱心な議論が行われました結果、ああいう形で事業税の外形標準課税問題の一つの現実的な解決を図ろうといったような答えが出たいきさつもあるわけでございます。
 御指摘のように事業税の性格なり地方税源の安定的確保の要請の観点から考えますと、この問題は地方税制として常に一日も私としても頭を離れたことがない問題でございます。しかしながら一方では、この問題は企業課税、企業関係の説あるいは間接税等税制全体とも関連する問題でございます。五十八年の十一月に行われました政府税制調査会の中期答申におきまして課税ベースの広い間接税との関連を考慮し、あるいは従来の経緯というようなものを考えて検討すべきである、こういう御答申をいただいております。我々としては常に府県税収の安定的確保ということを念頭に置きながら、今後こういった答申等を踏まえて検討していくべき問題であると考えております。
#86
○花岡政府委員 地方財政の強化を図るためには、もちろん地方税源の充実ということが一番重要な問題であると考えております。この問題と直接結びつくというものでもございませんけれども、そういったことから私どもといたしましても、この間接税の問題につきましては重大な関心をもって見守っておるところでございまして、仮にこれがいわゆる税調におきまして議論されるというふうな状況になりますれば、私どもといたしましてもこれに対してどのような考え方を持つのか。もちろんこれは地方財源を強化する考え方を基本としてその対策を考えなければならないと考えておるところでございますが、現在のところ、これからの問題でございますので、十分その辺の動向を見守っておる状況でございます。
#87
○古屋国務大臣 ただいま両局長から答弁をしたのでございますが、地方団体からも強い要望がございます。また事業税の性格からいいましても、あるいはまた、地方財源の安定的確保という点から考えましても私は導入すべきだと考えて、その点は細谷委員のお話。のとおりだと思っております。ただ、税調の中間答申で、間接税とも関連があるから、ひとつ十分検討してやってもらいたいということでございますので、それを検討しながら前向きに進めてまいります。
#88
○細谷(治)委員 大体時間が来ましたから、固定資産税の問題、特に国有地の払い下げ等による民活導入の問題等がやかましく議論される今日でありますけれども、時間がありませんからその辺は後日に譲りまして、大臣に幾つかの、とにかく聖域に踏み込んで税制の不公平をなくしてほしい、地方の自主税源を確立してほしい、こういうことでかなり厳しい御注文を申し上げたわけでありますけれども、例を引いて大変恐縮でありますけれども、前田川自治大臣の例もこれあり、厳しいことについては体当たりする以外に実現の道はないと思うので、ひとつ大臣の格段の努力をお願いして、私の質問を終わります。
#89
○臼井委員長代理 午後一時十分再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十分開議
#90
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。宮崎角治君。
#91
○宮崎(角)委員 第百二国会におきます当委員会での質問は、古屋自治大臣、矢野税務局長、花岡財政局長、吉住審議官に最初の質問でございますが、いろいろと明度にしてまた誠意ある御答弁を求めたいと存じます。
 私は、最初に地方税についての基本問題、そして後半に、個別税目につきまして何項目かの問題を順次質問していきたいと存じております。
 最初に、地方税の基本問題についてお伺いしたいのであります。
 国と地方を通ずる税源の配分の是正についてでありますが、五十七年度決算で見ますと、国と地方間の租税の配分が二対一であります。六三・二%対三六・八%これに対しまして実質配分では一対三、二六・七%対七三・三%、このように逆転しているその実態につきまして、自治大臣の基本的な見解を伺いたいのであります。
#92
○古屋国務大臣 国と地方との間の公的支出の経費の分担割合と税源配分の割合が逆転しておる問題につきましては、地方交付税などの果たす役割を含めますれば、逆転それ事態が直ちに不適切なものであるとは言えないと思いますが、基本的には地方団体の財政自主権の見地から、地方税源の充実に一層努力する必要があると考えております。もちろん基本的な税源配分を変更することは国、地方を通ずる事務配分あるいは税源偏在の調整の問題など、地方行財政制度全般にかかわる重要な問題でございます。今後、地方制度調査会、税制調査会等の御審議を煩わしてこういう問題には的確に対処してまいりたいと思っております。
#93
○宮崎(角)委員 交付税等々を考えますと実質的な逆転とは言えないという答弁のようでございますが、それでは、今後のこの税源の配分のプログラム、こういった点につきまして自治省の基本的な見解を伺いたいのであります。また、地方自治の立場からどの程度の税源配分というのが適当とお考えなのか、この辺もあわせて答弁を求めたいのであります。
#94
○矢野政府委員 税源配分の是正とそのプログラム、あるいはどの程度の税源配分が適当であるかということについてのお尋ねでございますが、国家財政も大変な窮迫に陥っておりますけれども、地方財政につきましても、国と同様に昭和五十年度以降大幅な収支不均衡の状態が続いてまいりまして、その補てんのために発行いたしました巨額の地方債あるいは交付税特別会計の借入金を抱えておるわけでございます。一方では、地方団体に求められるところの各種の公共サービス量というものは今後とも増大していくものと思われます。公共部門、特に住民に身近なサービスを提供する地方団体の果たすべき役割はますます重要の度を加えてまいると考えております。
 こういった厳しい財政状況に対応いたしまして、地方財政の健全性の回復を図りながら、しかも新しい社会経済情勢に即応して、地方団体の自主性あるいは自律性を高めながら充実した地域社会をつくり上げてまいりますためには、さらに地方税源の充実を図っていくことが肝要であると考えております。こういった国と地方との税源配分を今後どうやっていくか、あるいはその程度と申しますか、重なり割合というものをどう考えるかという問題は国、地方を通ずる行政事務の配分、いわゆる役割分担と地方行財政制度全般のあり方と関連する問題でございます。税制調査会あるいは地方制度調査会の御審議を煩わしながら、今後とも地方自治の強化という観点に対応した地方税源の充実強化について努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#95
○宮崎(角)委員 そのように地方自治の強化という大きい大義名分があるわけでありますが、臨調の基本答申からいきますと、地方の自治の確立を言っているのであります。これを今御説明があった問題から照らし合わせまして、税源配分においてどのようにとらえられているのか、具体的にどうしようとされているのか、この辺についてももう少し明確に御答弁を願いたいと思います。
#96
○矢野政府委員 臨時行政調査会の基本答申におきまして、地方への分権化を行政改革の基本的な方向の一つに位置づけておりまして、地方自治において「従来以上に自主・自律を基本とする対応が求められている」、このように述べられておるわけでございます。また一方、同答申におきまして、その裏づけとしての地方財政のあり方につきましては、御案内のように「選択と負担」という考え方を基本といたしまして、標準的に行うべき行政の所要の財源は、制度的に保障されるべきであるというぐあいに述べられておるところでございます。
 今後このような臨調答申の趣旨をも踏まえまして、社会経済情勢の変化に対応いたしまして、地方団体が述べられておりますような自主性、自律性を持って適切にその行政を行っていくために、先ほど申し上げましたように地方税の充実強化が基本的に最も重要であることは申すまでもございません。
 なお、この場合に、税源配分に当たりましては、地方税は御承知のように三千三百の団体、いわばミクロの集まりでございます。地域的な経済力の格差、税源の偏在というところもございます。そういう意味で地方財源はできるだけ地方税により充実を図っていく、これは基本的な態度でございますが、その基本的な態度をとりながら、一方ではそういった地域格差という点に十分配慮して、地方交付税等の財源調整制度の活用もやはり重要なことである、このように考えておるところでございます。
#97
○宮崎(角)委員 そのように地方税の確保こそ地方自治の大きい基本的な問題だと言われるわけでございますが、地方の側からいたしますと、地方税の充実の要求というのは極めて強いわけであります。今日それがなかなかできないということは那辺に問題点があるのか、この辺についての解明をひとつ願いたいと思うわけであります。
#98
○矢野政府委員 地方税の充実はもとより地方団体の強い要望でございますし、また地方分権の強化が我が国の社会経済の持続的発展のために極めて重要であるという見地から、地方税の充実強化に努めていかなければならないわけでございます。
 最近におきましては「増税なき財政再建」といったような旗印のもとで、どのように地方税の負担の公平の適正化を図りながら税源を充実していくかという問題に取り組んでまいってきておるところでございますが、振り返ってみて、長期的に考察してみますと、国と地方との税源配分で見ますと、例えば昭和四十年度におきましては、全体の租税総額の中で国税が六七・九%、地方税が三二・一%程度でございました。昭和六十年度におきましては、この比率は国が六三・〇、地方が三七・〇、地方税の比率は三二・一から三七・〇まで若干ずつでございますが、ある意味では着実に少しずつやはり充実をされてきているということは言えようかと思うのでございます。
 また地方歳入の中に占める地方税収の割合でございますが、これは一時景気の変動等によりまして、昭和五十年度には総歳入の中の地方税収の割合が三一%くらいまで落ちてまいったのでございますが、これも徐々に回復をしつつあり、昭和五十八年度には全体の歳入の三七%にまで上がってきておるところでございます。
 これら今までのいろいろの税制改正の結果を踏まえて地方税源の充実が行われたほか、比較的景気に対して安定性の高い地方税の自然増収の結果によるものと思われますが、なお地方税の基本的な位置づけはこれで十分というわけではもちろんないと考えるわけでございます。今後とも先ほど申し上げました地方税源の充実をめぐる環境、いろいろ難しい問題は多いかと思いますけれども、総合的な観点から今後とも充実に最善の努力を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#99
○宮崎(角)委員 国と地方との配分についても大変難しい問題もある。
 それからもう一つ、私は本日の論議を通して非常に納得しない、納得できない問題について再度解明を求めたいと思うわけでありますが、御存じのようにこの六十年度の「地方税に関する参考計数資料」であります。五十九年度版にあって、「国・地方団体間における租税収入の実質的配分状況」でございますけれども、そういう表が抜けているということについて、私はまだなかなか解明ができない、これについて再度ひとつ局長の答弁並びに大臣の答弁を求めたいのであります。
#100
○矢野政府委員 御指摘のように地方税に関する計数資料から「租税収入の実質的配分状況」を除外したわけでございます。従来、入れておりましたものをなぜ今回はこれを載せなかったのかということでございますが、従来からその点についての問題と議論が実は内部でもあったわけでございますけれども、御承知のように、国におきましては五十年度以降多額の公債を発行しておりまして、特にこれが国庫支出金の財源に相当部分充てられておるということでございます。公債は租税ではございませんので、その公債を財源とした国庫支出金を実質的配分の計算の際に、これを地方の実質的配分として振りかえてまいりますと、租税収入の実質的な配分という観点からは、実は正確でないということでございます。のみならず、それによりまして租税の実質的配分そのものについての誤解を招くおそれが大きいと思われましたため、今回これを掲載しないということで踏み切ったわけでございます。
 ただ、先ほども御質問がございましたように国、地方間の租税配分というのが形式上は二対一と申しますか、国の方に寄っている。ただ実質は、実際の公的支出は、地方団体において最終的に支出されるものがはるかに多い。この関係を理解し、認識をするためには、やはり形式配分に対して実質配分がどうなっておるかという問題は、これは極めて大事な問題でございます。ただ、今言ったような事情がございますので、その辺について今後どういうぐあいに取り扱っていくか、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたが、これは税の立場のみならず税財政全般にわたる問題でございますので、内部でよく検討をして、こういった実質的配分の状況をどのように扱っていくかということを協議いたしたい、このように考えておるところでございます。
#101
○宮崎(角)委員 正確度を欠くということでございますが、またいろいろな仮定の数字という不正確さのために、公表という問題についてちゅうちょされているということが論点のようでございます。また答弁のようでございますが、たとえ何であろうとも、国と地方との重大な配分の問題について、あるいはまた実質的な計数の問題について、今大変な関心が持たれている。そしてまた注意をし、いろいろ公的にこれを発表し、今日までこれがずっと掲載されているのに、何がゆえのそういった、あるいは公平さを欠くとか、あるいは正確さがないとかといういろいろな理由はともかく、何らかの方法で実質配分の状況がわかるような表を作成して、国会にあるいは委員会にあるいは議員に提出しなければならない大きな責務があるのじゃないか。こういうことで、私は資料の要求をせざるを得ないのであります。
 今の答弁からいたしますと、今後検討する、あるいは来年それがきちっと掲載されるという確答もない。そういった中で、私どもは十分な審議が続行できない危惧さえあるわけであります。こういったことをうやむやにしているからなかなか論点が絞られないという問題もありますので、この辺についてひとつもう一度大臣の明確な答弁を求めたいのであります。
#102
○古屋国務大臣 御趣旨の点は、先ほども細谷委員にお答えしましたように、よくわかっておりますので、またそういう必要性も認めておりますので、ひとつ検討の上、御趣旨に沿うような資料を提出したいと考えております。
#103
○宮崎(角)委員 どうも何かサルスベリみたいな気がする。すぐ滑ってしまうような、あるいは長崎県にすんでいる、対馬海峡におるメクラウナギみたいなそういった発言に対して、私どもは大臣の答弁の中から、そうか、そういった方向かという確たるものをつかみたいのでありますが、趣旨に沿って出すというのか、あるいはこの委員会だけに出すのか、あるいはまた個々に聞けばこの資料をもらえるというのか、その辺のところをもう一つ明快なお答えを願いたいと思うわけであります。
#104
○古屋国務大臣 先ほども御答弁申し上げたのでありますが、従来と同様の手法で計算したものを示せということなら、すぐ私はできると思います。また、いろいろの条件で検討する必要があれば検討してお出しをいたします。いずれにしてもお出しをいたします、こういうことを申し上げているのであります。
#105
○宮崎(角)委員 わかりました。
 次は、質問を続けますが、公明党としては大型間接税の導入は大反対であります。この大型間接税の導入の場合についての自治省の見解がいろいろと取りざたされておるわけであります。もしそういった取りざたされていることが実施された場合には、その三分の一を地方税に組み込むという基本方針を固めた、このように言われているわけでありますが、これは現行の税源配分を肯定した考え方に立ったものであります。先ほどの地方税充実の見解と反すると思うのでありますが、税源配分の是正が自治省及び自治体の悲願ではなかったかということからしますと、地方税の強化の考えを捨ててしまったのではないか、そういった危惧さえするのでございますけれども、この辺についての明快な答弁を求めたいのであります。
#106
○矢野政府委員 国税、地方税を通ずる現在の税制の抜本的検討が必要な時期に来ておるということは、もう税制調査会の答申でも指摘されておるとおりでございます。その際にはいわゆる課税ベースの広い間接税問題も含め、直接税、間接税のあり方も重要な検討課題の一つになってくるものと考えるところでございます。しかしながら、その方向づけあるいは具体的な内容は現段階ではまだ全く白紙でございまして、御指摘のように、自治省が三分の一を云々するというような見解を申したこともございませんし、そういった国税と地方税の配分について議論するような段階にももちろんまだ至っていないわけでございます。
 なお、自治省といたしましては、税制の抜本的検討に当たりましては、基本的には、今後の社会経済情勢の推移に対応して、地方団体が自主性、自律性を持って適切に対応できるよう、地方税源の充実確保に最大の努力を払うということをもとより基本姿勢とするところでございます。
#107
○宮崎(角)委員 それでは、五十八年度の決算におきまして、地方の歳入中に占める地方税の割合というのが都道府県では三四%であったと思います。また、市町村では三七%になっているわけであります。現行の税制におきまして、地方の歳入中に占める地方税の割合を五〇%程度に引き上げるべきではないかと思うのでありますけれども、この辺についての自治省の御見解を伺いたい。
#108
○矢野政府委員 現在の都道府県あるいは市町村の総歳入に占める地方税の割合が全体で大体三分の一、いわゆる三割自治などと言われておりますけれども、大体三割台ということにつきましては、これは多くの地方団体の地方行財政の関係者から、この割合をもっと引き上げるべきである、御指摘のような五〇%論というのも従来からしばしばございます。あるいは五〇%が難しいなら四〇%ぐらいを当面の目標にして充実を図るべきではないか、こういったような御意見もあるわけでございます。
 地方歳入の中に占める地方税の割合は、歳出の規模のあり方とか地方税以外の財源の構成との関連もございますし、どの程度が望ましいかということを定量的にきっちり理論的に証明する、裏づけるということはなかなか難しい問題だと思いますが、地方財源の自主性という観点から申しますと、現状で十分でないということは御指摘のとおりかと存じます。
 今後とも地方税源の充実に一層の努力を払う所存でございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、一方で地方税の難しさの一つは、いろいろな税制を仕組んでもそれが各団体とも同じようにふえるわけではない、つまり税源の偏在という問題があるということ、これが国税と異なった地方税源充実に当たっての難しさであろうかと考えます。そういった地域的な税源偏在の問題につきましては、地方交付税など財政調整制度を活用してまいりたいと考えておるわけでございます。
#109
○宮崎(角)委員 それとあわせまして、国と地方との事務配分の問題でありますが、国と地方の役割と機能に応じての配分が必要だと思うわけでありますけれども、国の事務の地方への移譲、移転、また国庫補助金の整理をするに当たって、その財源を地方税及び地方交付税へ振りかえることを同時に検討すべきであると考えるわけでありますが、この点についての局長の御見解を伺いたい。
#110
○花岡政府委員 御指摘のように、行革を推進するに当たりましては、国、地方を通ずる行政の簡素効率化及び地方分権の推進の立場から、住民に身近な事務は住民に身近な地方公共団体において処理するという観点に立ちまして、総体的には国、地方間の事務の再配分及び財源配分の見直しを図ることが必要であると考えておるわけでございます。
 具体的には、個々の事務権限の移譲とか、あるいは地方団体の事務事業として同化定着をしております補助金等の整理が、毎年度の事務事業の見直しの結果として行われることになるわけでありますけれども、その場合に税財源の配分というのが最も望ましいというふうに考えておりますが、必ずしもすべて税財源の移譲によってこれを措置するということにはなりませんで、全体の地方財政の収支見通しを踏まえながら別途国の財政措置を講ずる必要がある場合も生じてくるわけでございます。いずれにいたしましても、こういった行革の推進に伴います地方の財源の所要額につきましては、地方財政の運営に支障のないように措置してまいるという考え方で今後ともやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#111
○宮崎(角)委員 予算委員会での質疑応答の中で中曽根総理が、国民的に重大な関心のあるものについては財政的にも配慮する、こういった答弁をされたやに記憶しておるわけでありますが、私は、補助金の一般財源化というのは非常に困難な問題があると思います。この点についての原因は那辺にあるのか。少なくとも地方の事務として同化あるいは定着しているものについては一般財源化を図るべきではないか、この点についてのお考えをただしたい。そうすれば財政のむだが省けるし、税財源の効率化という見地からも有効不可欠ではないか、このように思料いたしますけれども、明快な答弁を求めたいのであります。
#112
○花岡政府委員 地方の事務事業として同化定着しておりますものは一般財源化を図るべきであるということにつきましては、かねてから地方団体あるいは自治省ともに主張してまいったところでございます。しかし、国の補助金の創設に当たりましてはいろいろな経緯がございまして、その一般財源化には御承知のように大変な抵抗があるわけでございます。
 例えて申しますと、補助金の交付を受けている事業に関係する方々にとりましては、これは事業の廃止につながるのではないかというふうな懸念をされますし、これを交付する側にとりましては、地方団体に任せると、補助対象事業に係る従来の行政水準が維持できなくなるのではないかというようなことを考えられることもあって、関係者の理解がなかなか得られないということがございます。私どもとしましては、今後ともこういったことにつきまして関係者の御理解を十分に得まして、地方団体の事務事業として同化定着した補助金等につきましては、できる限りこの一般財源化を促進してまいりたいと考えております。
#113
○宮崎(角)委員 非常に難問題が続いているわけでございますけれども、現在種々の非課税等の特別措置がとられているのでありますが、地方財政を圧迫している非課税等の特別措置につきまして、さらに大幅に整理合理化を進めるべきではないかと今思うわけでございます。特に、地方税における事業税とか固定資産税とか電気税の非課税、あるいは課税標準の特例について抜本的な是正措置を講ずべきではないかと思うわけであります。また電気税につきましては、製造原価に占める電気料金の割合が五%から一〇%の業種について非課税の対象から外すべきではないか、また電気税の非課税措置の額の割合が高い町村がよくあるわけでありますが、そういった例を挙げていただきまして、この点についての明快な答弁を求めたいのであります。
#114
○矢野政府委員 数点にわたってのお尋ねでございますが、まず非課税特別措置の整理についての基本的な考え方からお答え申し上げます。
 地方税における非課税等の特別措置は、これはもちろん主として租税負担の軽減というものを通じて一定の政策目的に誘導するために設けられた措置でございますが、しかしながら、個々の政策目的と税負担の公平の原則との調和を図るという見地に立ちまして、社会経済情勢の推移に応じて、既得権化あるいは慢性化を排除するために常に見直しを行わなければならないということは申すまでもないところでございます。かねてから税制調査会あるいは臨時行政調査会の答申におきまして、最近の厳しい財政状況にかんがみて、各種の公共サービスのあり方についての抜本的な見直しを含む歳出の節減合理化、抑制の努力とあわせて制度面、執行面にわたる税負担の公平確保が強く要請されておるところである、特に租税特別措置の見直しを進めるべきであるとされているところでございます。
 昭和六十年度の税制改正に当たりましても、地方税における非課税特別措置につきましては、税負担の公平を確保する見地から一層の整理合理化を進めるとともに、新たな減収要因となる新設、拡充を行うことは厳に抑制するというぐあいに税調の答申で述べられた趣旨にのっとりまして、引き続き積極的に見直しを行っておるところでございます。この結果、昭和六十年度の税制改正におきましては、地方税では全体としては三十三件の廃止または縮減、廃止が十件、縮減が二十三件、これを行うことにしておるところでございます。
 次に、電気税の非課税でございますが、電気税の非課税措置の額の割合が高い市町村の実例を示せというお尋ねが第三点でございましたが、まずそちらから先に申し上げます。
 全国の市町村につきましての統計資料は実は持っていないのでございますが、指定都市について調査したものが手元にございますのでその状況から見ますと、この非課税措置の額の大きい団体は、例えば川崎市の場合は二十八億三千万円でございます。非課税額の電気税収入額に占める割合は四七・三%ということでございます。また大阪市は十六億一千八百万円が非課税額でございまして、電気税収入に占める非課税額の率を申し上げますと一〇・九%ということでございます。また名古屋市が九億八千七百万円でございます。名古屋市につきましては一〇・四%の割合となっております。それから神戸市が八億一千万円、一六・四%、こういったような割合でございます。
 電気税につきまして、第二点でお尋ねの五%から一〇%の業種について見直しを進めたらどうか、こういう点でございますが、現在産業用の電気につきましては原料課税をできるだけ排除するという見地から、重要基幹産業あるいは新規重要産業に係る製品で、コストの中に占める電気料金の比率がおおむね五%以上のものを非課税としておる、そういう扱いをしておるところでございますが、これにつきましては御指摘のように租税特別措置であり、税負担の公平の推進の見地から整理合理化すべきであるという意見があることはよく承知をしておるところでございます。
 ただ、こういった電気税の非課税措置につきましては、税制調査会の中期答申におきましても、「社会経済情勢の変化に即応して、整理合理化を行うべきであるとの意見があるが、これを行う場合には物価など国民経済に及ぼす影響等についても配慮すべきであるとの考え方もあるので、これらを踏まえながら必要な見直しを行うことが適当である。」やはり両方の議論があるわけでございます。
 したがいまして、御指摘のようなものを直ちに一律に整理をしていくということについては問題があろうと考えますが、これまでも製品コストの中に占める電気料金の割合がだんだん低下をしてきた、現在の非課税の基準五%に達しなくなった、あるいは電気税を課税しても国民経済に及ぼす影響がそんなに大きくはないと考えられるようなものについては整理合理化を進めておるところでございまして、こういった整理につきましては、さらにいろいろ現在の基準の見直しなども含めまして引き続きよく検討してまいりたいと考えております。
#115
○宮崎(角)委員 飛ばしまして、個別税目の具体的な問題についてお尋ねしたいのです。
 まず個人住民税でございますけれども、標準世帯の場合における課税の最低限が六十年度では百九十一万二千円となっております。生活保護基準額の百九十九万五千円を下回っているのです。生活保護の基準額を上回る課税最低限を設定するには、基礎控除とか配偶者控除とか扶養控除を政府案より約二万円引き上げて二十八万円とする必要があるのじゃないか。これによっていわゆる課税の最低限は二百三万九千円となるわけであります。このような点からも課税最低限の引き上げによる個人住民税の減税を行うべきではないか。
 また、あわせまして、昭和五十五年度以前は数十年間にわたって課税最低限というものが生活保護の基準額を上回っていた。地方税法には生活保護法の規定によって、生活扶助を受けている者は非課税とされる、こういう規定があるわけでありますけれども、せめて生活保護の基準額程度の収入しかない人に対しては税金をかけない、そういうものが本来の姿ではないかと思うのであります。こういった点につきましてひとつ明快な答弁を求めたいのであります。
#116
○矢野政府委員 生活保護基準等の関連におきまして、課税最低限の引き上げをさらに行うべきでないかというお尋ねでございますが、御承知のように住民税におきましては、昭和五十九年度に初年度ベースで三千百億を超える本格的な減税を行ったところでございまして、課税最低限はその際大幅に引き上げられたところでございます。現下の厳しい財政事情を考慮いたしますと、昭和六十年度におきまして、さらにこの課税最低限を引き上げることによって住民税減税を行えるような状況にはないということを御理解賜りたいと存ずるのでございます。
 また、生活保護基準額を下回る収入しかない人には税金をかけないようにすべきではないか、こういう点でございますが、基本的に考えますと、住民税の課税最低限と生活保護基準との関係は、理論的には課税最低限は税制上のものでございます。一方、生活保護基準は社会保障制度上のものでございまして、両者は制度の趣旨や仕組みとして異なっているところでございます。
 また、住民税の課税最低限というのは、国民生活水準の推移のほかに納税義務者の割合、特に住民税についてはこの点が広く負担をしていただくという観点から重要でございますが、納税義務者の割合あるいは地方財政の状況などを総合的に考えて定めるべきものだと思うのでございます。したがって、課税最低限が理論的に当然生活保護基準額を上回らなければならないものとは必ずしも考えられないのでございます。
 しかし、実際問題としては、御指摘のように生活保護基準程度の収入しかない方に所得割を課税するということはできるだけ避けるのが望ましいことでございます。一定の所得金額以下の者に対しては、所得割を課さないこととする非課税措置を別途講じておるわけでございます。課税最低限とは別に非課税措置を講ずることといたしておるところでございます。そういう非課税措置を講ずることによりまして、そういった方々に対しては住民税所得割を課税しないようにしているところでございます。
#117
○宮崎(角)委員 いずれにしても、生活保護の基準額を下回る収入の人に税金をかけないようにすべきであるということを強く要望しておきたいと思います。
 最後に、現行の財政制度のもとでは、補助金による規制や地方債許可制度等に見られるように、地方財政に対する国の統制がますます強くなる反面、地方自治体の自主財源は締めつけられてきた。それが今日まで進んできている。例えば今回の補助金一律一〇%カットという言語道断の措置については断固撤回を求めるものでありますが、この措置について自治大臣の見解を求めたい。
 さらに、これは当初一年限りの措置であるということでありましたけれども、財政当局には今後引き続きとっていく措置であるとの意見もちらほら耳にするわけでありますが、この点について自治大臣の断固たる決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思うわけであります。
#118
○古屋国務大臣 ただいまの国庫補助負担の引き下げ問題につきましては、御承知のように昨年暮れの予算編成まで大蔵省と自治省との食い違いがあった問題でございます。
 大変厳しい財政状況のもとにおきまして、第一に国庫補助負担率引き下げは六十年限りの暫定措置である、それから社会保障に対する国庫補助負担のあり方につきましては、国と地方との役割分担あるいは費用負担の見直しを行うという大蔵、自治、厚生の三者の覚書を政府においてつくりまして、今後一年以内に結論を得ること、その間に十分検討をする、第三に、補助負担率の減りました地方へ転嫁いたします五千八百億については、交付税あるいはその他によりまして万全の地方財政の措置を講ずるということを前提として、これを受けざるを得なかったという状況でございます。
 したがいまして、先生がお話しのような六十一年度以降の補助負担率のあり方につきましては、今回の予算編成の経緯を踏まえまして、国と地方の役割分担あるいはまた費用負担の見直しを行いますとともに、昭和六十年度においてしっかり検討するという約束になっております。
 新聞等では、私も見て心配しておりますがこのまま二年、三年続けられるのじゃないか。そういうことがあっては大変でございますし、私ども地方財源も非常に厳しい状況にあり、先ほどもお話ししましたように、公債負担率二〇%以上のものが八百二十団体もあるという状況でございますので、そういう地方の立場も十分勘案いたしましてしっかり検討し、関係省と十分話し合いを行い、地方自治体の皆さんの御期待に沿うように努力してまいる決意でございます。
#119
○宮崎(角)委員 時間が参りましたので、終わります。
#120
○高鳥委員長 小谷輝二君。
#121
○小谷委員 最近における国及び地方の財政は、租税収入の不足によりまして大量の公債、借入金に依存する異常な事態になっております。したがって、財政再建は緊急な課題でもありますし、また、今必要なのは自主財源の拡充強化を図っていくことが何よりも急務であると私たちも認識しておるところであります。
 そこでまず、これにかかわる問題について、長年論議されております利子配当所得の課税問題についてきょうは質問を進めていきたいと思います。
 大蔵省の税制第一課長の濱本さんが、二時からの予定であったのでまだお見えになっていないようですが、今回出されておる地方税の一部改正に関する法律案につきまして、地方自治体の自主財源の強化、特に地方税は公平な負担ということが大事な点でございまして、住民の所得に応じて適正な負担が要求されるものであって、社会的経済的に弱い立場にある人たちに課税を強化することについては問題であると言われておるわけでございますし、私たちもそのように考えておりますが、まず地方税の適正な負担という点について、特に政策減税とも言われております身体障害者とか特別障害者、寡婦といった社会的に弱い立場にある人たちに対する課税について自治省としてどのような御見解を持っておられるか、お尋ねいたします。
#122
○矢野政府委員 限られた地域社会における必要な財政需要を賄うための地方税の負担について、その能力に応じて広く負担をしていただくというのが地方税の基本的な姿勢でございます。基幹税目でございます住民税についてもそういう考え方をとっておるところでございますが、もとより社会的に弱い立場にある方々については、地方税においても所得税と同じような観点から諸種の控除額の特例を設けておるところでございまして、昭和五十九年度の減税に際しても、基礎的な控除の引き上げと合わせてそういった障害者、老齢者等についての額を引き上げて配慮を図ったところでございます。
 地方財政全体の極めて厳しい事情がございますのでおのずから限界はあろうかと思いますが、そういった配慮については、本格的な減税が行われる際には特別に考えていくという姿勢は従来から保ってきておるところでございます。
#123
○小谷委員 考え方についてはわかりましたけれども、今回の税制改正においては盛り込まれておらないと思うわけです。
 まず基礎控除、配偶者控除、扶養控除、これらについては現行二十六万円ですが、これが適切であるという判断なのか、さらにこれは控除を引き上げるべきときが来ているのではなかろうかと思うわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
#124
○矢野政府委員 基礎控除、配偶者控除、扶養控除、いわゆる基礎的な三控除と呼ばれるものでございますが、これについては昭和五十九年、昨年の税制改正において、いわば本格減税といたしましてそれぞれ四万円ずつの引き上げを図ったところでございます。これを中心として、先ほど申し上げましたような初年度ベースで三千百億円という大幅な住民税減税を行ったところでございまして、引き続き昭和六十年度において課税最低限を引き上げる状況にはないということを御理解いただきたいと存じます。
 なお、課税最低限がどの程度が適当であるかということは、国民生活水準の推移等を見きわめて、適時適切に考えていく必要のある問題でございます。しかし、同時に課税最低限の引き上げはすべての納税義務者にかかわるものでございますから、引き上げますとそれによる減収というのは非常に大きくなるわけでございます。そういった地方財政面での厳しい事情もあわせて御理解を賜りたいと存ずる次第でございます。
#125
○小谷委員 今回、予算委員会でもいろいろ問題になった在宅寝たきり老人の介護控除、現行六十五万と認識しておりますが、これは病院に入院した場合と在宅の場合との差が余りにもひどいということで、寝たきり老人を抱えた家庭においては大変な負担となっておることは御承知のとおりだと思います。少なくともここに地方税として控除の温かい目を向けるべきではないか、このように思うわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
#126
○矢野政府委員 先ほど三控除の引き上げのお尋ねがございましたが、昨年、五十九年の減税に際しましては、こういった基礎的な三控除の引き上げとあわせまして、御指摘のような寝たきり老人といったような方々に対する控除の額も大幅に引き上げたところでございます。先ほど数字をお示しになられましたが、特別障害者に該当する場合には、同居特別障害者扶養控除、それから特別障害者控除合わせまして五十六万円、これはそれまでの金額の四十八万円を八万円引き上げる措置をとったところでございまして、いろいろな御事情はよくわかるわけでございますが、住民税全体の体系からいって、さらに引き続きこれを引き上げるという状況にはないということを御理解いただきたいと存ずる次第でございます。
#127
○小谷委員 大蔵省の濱本課長もお見えになったようでございますので、きょうは各委員会とも出席を要求されておられるようで忙しいようですから先に質問を続けたいと思います。
 所得税におきまして源泉分離課税、要するに利子配当所得に対する源泉分離課税は選択制をとられておるわけでございますが、税の負担の公平という観点からこれは極めて問題がある、このようにされております。そこで、住民税に非常にかかわりの深い非課税貯蓄制度につきましてお尋ねをしたいと思います。
 この非課税貯蓄制度につきましては、不公平税制の問題が、かなり制度の中で悪用されている点があるということで問題になっておるわけでございまして、また地方の自治体におきましても、長年望んでまいりました利子所得に対する住民税の課税問題もグリーンカード制度によって一挙に解決できる、このように期待も大きかったわけでございますが、今回このグリーンカード制度は廃止するということのようでございます。したがって、この経緯について御説明いただきたいと思います。
#128
○濱本説明員 お答え申し上げます。
 グリーンカード制度が廃止になった経緯でございますけれども、グリーンカード制度というのは、申し上げるまでもなく課税貯蓄、非課税貯蓄双方を通じまして課税の適正化を確保するための有効な方策として、昭和五十五年度の税制改正において導入された制度でございます。
 その後諸般の事情からその実施を延期するのやむなきに至っておったわけでございますが、六十年度の税制改正の機に、政府の税制調査会の答申に指摘されております。
  その後今日に至るまでの経緯に照らしてみると、この制度について各層の理解と受入れ体制が十分に整っているとは必ずしも言い難い。
 また、法的安定性や税制に対する国民の信頼感を確保する見地からすれば、本制度の実施を再び延期することは適当でないと判断せざるを得ない。
 このような指摘がなされたところでございます。こうした観点から、今回この制度を一たん廃止することとしたものでございます。答申でも、廃止するという措置を講ずることはやむを得ないとされておるところでございます。
#129
○小谷委員 これは現在非常に問題があるということなのですが、この廃止に伴って現在の名寄せとか、二重また他人名義とか架空とか、このように悪用されている分については、どのような体制でどのように限度額を管理していこうとされるのか、この点いかがですか。
#130
○濱本説明員 今回の改正は、非課税貯蓄制度の適正化を図る観点に主眼を置きまして、本人確認制度の厳正化を中心といたしまして種々の措置を講ずることといたしておるものでございます。
 具体的に申し上げますと、本人確認をいたします場合に住所、氏名、生年月日、この三つの要素の記載があります公的な書類、例えば住民票の写しとか健康保険証、そういった書類の提示を求めまして本人確認を行う。それから、本人確認制度を実効あらしめますために、本人確認制度の履行されていないものにつきましては一律にこれを課税の領域に取り込む、郵便貯金につきまして、課税対象を、本人確認の証印のないもの、それから預入限度を超えているものといたしまして、それらにつきまして通知制度を設けるといった内容になっております。
 今回のこういった適正化の措置は、現在実際に機能しております制度に比べますと、本人確認制度の厳正化を中心にかなり思い切ったものとなっておりまして、そういった措置が円滑に実施されることに伴いまして、郵貯やマル優の限度管理の適正化は図られる、現在の状況は改善されると考えております。
#131
○小谷委員 実際に金融機関の窓口で住民票とかまた保険証とかそういうものを提示して、そしてマル優制度、非課税制度を利用するといたしまして、普通の標準家庭でどのくらいのこの制度の利用が可能なのですか。
#132
○濱本説明員 お尋ねの点でございますけれども、今回の改善措置と申しますものは、金融機関を利用いただきます際の本人確認手続そのものを適正化するということを主眼とするものでございまして、ただいま申し上げましたようないろいろな帳票書類というものを持参いただくということはございますけれども、それだけの手続きを経ていただきます上は、今までどおりに金融機関を利用いただくということであってしかるべきだと考えております。そのような意味からは、本人確認手続はきちんとやらなければいけないということは確かでございますけれども、そのことが過大な負担にならないように簡便化の心配りといったようなものも必要だと考えております。
#133
○小谷委員 質問をしておりますのは、普通の家庭、夫婦と子供二人、標準家庭といたしまして、その場合にその一家でこの非課税を利用できるのは金額にして幾らになるのですか。
#134
○濱本説明員 失礼いたしました。
 非課税貯蓄の利用限度額ということでございますれば、現在ございますマル優の三百万円、あるいは郵便貯金の三百万円といったような利用限度額につきまして今回は変更いたすものではございません。したがいまして、例えばマル優制度の場合に一人三百万円までは非課税の利便を受けられるわけでございますけれども、一家四人といたしまして、これを四倍していただきました額まではマル優制度だけで非課税貯蓄を御利用いただける。郵便貯金につきましてもまた同様に一人三百万円でございますから、四人で計算いたしますとその四倍の枠は世帯として御利用いただける。またそのほかにも特別マル優の制度もございます。この特別マル優の制度につきましても、一人三百万円利用できるというこれまでの考え方に変更はございません。
#135
○小谷委員 そうすれば、所得のない子供でも一応住所、氏名、生年月日を明らかにして利用することができるということですか。
#136
○濱本説明員 所得のない子供あるいは所得のない人たちがこの制度を利用できるかどうかというお尋ねでございますけれども、その人たちがしかるべき方法によりまして所得を得た上でその所得を貯蓄するという意味で御指摘をいただいておるということでございますれば、それはもちろん所得のある人と同様に利用することは可能でございます。所得をいかなる手段というか方法によって取得するかということと、この制度の利用の可否ということとは直接関係はございません。
#137
○小谷委員 実際に国民が、この制度を六十一年の一月から実施されるとしまして、銀行の窓口で提示したときに果たしてそれが可能かどうか、このことをお尋ねしておるわけです。所得がある云々ということではなしに、私が今お尋ねしたのは、所得のない子供でも住所と氏名と生年月日をきちっと添えてすれば、まず一人としての、預金者としてマル優制度を利用できるのかどうか、こういうことです。
#138
○濱本説明員 失礼いたしました。
 子供が例えばお年玉で五万円をもらった、その五万円を、銀行に行って今お話がございましたような手続をとって預けるということはもちろん可能でございます。
#139
○小谷委員 贈与税とかいろいろな角度からの問題もあろうかと思いますけれども、今御説明があった形では、一応家族全員、住民票があり住所があり生年月日が明らかであるならばこれは可能である、このように判断していいわけですね。
 そこで問題は、この限度額強化によりまして、マル優制度を悪用しておると言われております架空名義また重複、他人名義、これがことごとく洗い出されるのではなかろうかと思うわけでございますが、その額は想定してどのくらいなのか。また、そのような預金が今後銀行の、金融機関の定期預金等になって、それは課税対象の預金ということになろうかと思うのですが、その見通し、その額は大体どのくらい想定されておるわけですか。
#140
○竹内説明員 ただいまの御質問、現在トータルしてどのくらいの規模の金額がそういう預金外であるかというようなことを実態的にはつかんでおらないわけでありまして、そういう意味では、今先生の御質問に明確な御回答を申し上げる資料を持ち合わせておりません。
 ただ、私どもの調査の経験で申しますと、五十八年度でいわゆる刑事事件として取り上げるような査察事件等で見てみますと、百九十件ほどの処理をしておりますが、いわゆる公表帳簿に載せていない、これは我々別口預金と呼んでおりますけれども、百六十六億円あります。このうちいわゆる仮名になっておりますのが百二十八億円というデータがありますので、別口預金の大体七七%、そのうちいわゆるマル優を利用しておったというものが四十二億円ということですから、いわゆる別口になっておりましたものの二五%、四分の一ほど、こんなような数字のデータを持っております。
 ただ、これは先ほど来申し上げましたように刑事訴追を目的として特別に処理をした事案のトータルでございますので、それをもって全体的な額を推しはかるというわけにもまいらないと考えております。したがって、御質問のような意味で、この制度が切りかわることによって、従来あったであろうものがどれくらいの規模で脱税のものとして把握できるかということについては、見込みがはっきりしておらないという状況であります。
#141
○小谷委員 課税対象になる銀行の定期預金は問題なわけでございまして、本人の選択によりまして総合課税にする場合、これは住民税の課税対象になる。ただし、源泉分離課税の場合は住民税は非課税。これは五十七年度の資料によりますと、この非課税分だけでも一兆三千億の金額になる。これは地方税制改善研究委員会が出しておりますけれども、数字としてあらわれております。
 そこで、税負担の公平という観点から、当然なこととして、住民税を現在の非課税分にも課税すべきではないか、総合して現在非課税分が地方税として、住民税として課税された場合、これはどのような税収が想定されるのですか。これをお答えください。
#142
○矢野政府委員 現在源泉分離課税が選択されておりまして住民税が課税されていない分、これに仮に課税を行うとしたならばどれくらいの収入になるかということでございますが、これは計算の仕方がなかなか難しいわけでございますが、従来から一定の推計によりまして、昭和五十九年度の場合には千四百八十九億円という数字でございます。昭和六十年度の場合には、貯蓄額がもう少しふえておりますので、この金額をもって推計いたしますと大体千六百億円くらいが非課税になっておるもの、したがいましてそれを課税すればそれだけの増収になる、こういうことになろうかと存じます。
#143
○小谷委員 これも大蔵省お忙しいようですから先に質問を続けますけれども、これが本人の選択制ではなくして総合課税一本になれば、全部地方税の対象となるわけでございまして、現在千四百億とか一千六百億近いものがここに地方税として財源になるわけでございますが、本人の選択制にした理由はどういう理由なんですか。
#144
○濱本説明員 御指摘がございましたように、所得税というのは本来担税力に応じた公平な負担を求めることを旨とする税でございます。利子配当所得につきましても、従来から包括的な総合累進課税の対象とすることが望ましいというふうに広く考えられてきたと存じます。税制調査会の最近の議論でも、こうした方向が望ましいという考え方は基本的には今後とも維持されてよいという意見が多く述べられております。
 さはさりながら、税制というのは一つの尺度で律しがたい、し切れない面がございまして、一方で税制の簡素効率化でございますとか今後の金利自由化の展望などを踏まえましたときに、すべての利子に対して中立的である一律の分離課税方式というものも中期的な選択肢として検討に値するという考え方が、少なからぬ税制調査会の委員から表明されております。
 議論がこのような推移をたどってまいっております背景といたしまして、一つは利子というものの持っております特殊性、特異性というものがあるのではないかというふうに思います。と申します意味は、何といいましても所得の発生源が大量にある、しかも預金でも債券でも株式でも極めて多様な金融商品から発生してくる、そういった大量性、多様性あるいは浮動性といったような利子所得の持っておる他の所得に見られない特異性があるということが一つ。
 それから最近特にそうでございますけれども、いろいろな種類の新しい金融資産が登場してまいっております。また、金融の国際化でございますとか自由化でございますとか、そういったことも加速的に進んでおるというふうに判断いたされるわけでございまして、そういった背景がこうした新しいいろいろな意見に結びついてきておるのではないかというふうにも考えるわけでございますけれども、結局このような諸論議を踏まえまして、六十年度の税制改正の答申におきましては、ただいまお話しがございましたように「源泉分離選択課税制度を併置することは、利子・配当所得の特異性等を考慮すれば、実質的な公平を確保する見地から十分評価されてよい、あるいはやむを得ない」とされたところでございます。しかして、源泉分離選択課税制度を存置することといたしたわけでございます。
 いずれにしましても、こういったことでございますので、御質問の点につきましては今後利子配当所得の持っております特異性でございますとか、あるいはそれを包んでおります金融の国際化、自由化、そういった背後にございます事情の進展と状況を踏まえまして、それらに最もうまく適合した税制を求め続けていくということではないか、この点についてはそのように考えております。
#145
○小谷委員 大蔵省にこの際、今回の限度額管理制度をさらに強化するという点について、実施の時期、いつから先ほど言われた住所、氏名、生年月日の確認をなされるのか、現在架空とか重複とかに対しての措置はその時点でどうするのか、それ以後にどのような措置をしようとするのか、この二点お答えいただきたい。
#146
○濱本説明員 実施の時期は六十一年一月一日を予定いたしておりまして、現在法案を御審議いただいておるところでございます。
 新しい制度が実施されますと、新しく預入されます預貯金は本人確認が改められていくことは当然でございますけれども、現在さらに考えておりますのは、既存の預貯金につきましても新しく銀行を訪れる際に、あるいは新しく郵便貯金に来られる際に随時本人確認を改めていく、見直していくことが考えられないかということで一そういう方向でこれを進めていくといたしました場合に少し時間的な経過を要するかと存じますけれども、全体として次第に洗いかえが行われていく、かように考えております。その過程におきましてただいま御指摘ございましたように、たまたまこれまでまじっておりましたそういう適当でない預貯金も油然に整理をされていく、それを期待したいと考えております。
#147
○小谷委員 それで、悪用されているものについて、これが発覚した時点ではどうするのですか。
#148
○竹内説明員 今までマル優扱いということでお預かりになっておられたのが、新しい制度切りかえ時点で発覚してきたということになりますと、当然マル優の不適正な適用の預金ということになりますので、源泉徴収義務者を通じてしかるべき税額をちょうだいすることになろうかと存じます。
#149
○小谷委員 大蔵省、御苦労さんでした。結構です。
 局長にお尋ねしますけれども、今話がありましたように給与所得者、サラリーマン、また中小零細企業の事業所得者、これはすべて所得に応じて住民税をそれぞれ負担しておるわけでございまして、利子配当所得に対して住民税が一部負担されていない、この点について住民税負担の公平という観点から極めて問題があると思うわけでございます。
 なおかつ、今問題になっておりますのは、先ほどの御説明のように、標準家庭で非課税預金がおおむね四千万前後利用ができる、それ以外に預金のある人は普通定期預金として課税の対象になる。いわば現在の普通の日本国民の生活水準、また預金高から見ましてもかなり金持ちであり裕福である、こういう人がこの対象になるわけでございますけれども、特に最近の一般サラリーマンの生活から見ましても、中年から子供の養育、教育費、やっとその半ばで家を求めるということで精いっぱいで、とてもそれ以上の高額な預金は望めないというのが現状ではなかろうかと思います。
 そのような状況の中で、非課税預金を利用して、なおかつ余分の銀行定期預金の利子所得に対して、当然地方税は負担してもらうべきではなかろうか、基本的な考え方としてこのように思うわけですけれども、大臣、どうですか。
#150
○古屋国務大臣 お話のように銀行預金の利子には源泉と総合とございましたけれども、総合は二〇%源泉は三五%、その源泉に対して地方税を、住民税を課そうといってもなかなか調書その他の問題がありまして技術的に難しい点があります。不公正を排除するという見地からは取るべきだと考えておりますが、ただ、銀行の支払い調書の手続とかそういうことでなかなか難しい問題がありますので、その点を検討しないと、私どもは今のところ、残念でございますが住民税は取れないという考え方でございます。
#151
○小谷委員 これは長年の懸案のようでございますから、自治省の方で何とか地方税の負担も、非課税分野についても課税の対象になるような方法手段を考えてもらわなければならぬではなかろうかと思うわけでございますが、課税するとすればどんな方法が一番ベターなのか、これは局長、どうですか。
#152
○矢野政府委員 先ほどからの御意見、地域住民における税負担の公平の観点から、こういった源泉分離選択された利子所得について当然に課税すべきものであるということにつきましては御指摘のとおりでございます。しかも、これも御指摘になりましたように、グリーンカード制による総合課税制度によって確かに一たん決着がついた、地方公共団体はこれによって長年の懸案が解決された、このようにして希望が満たされたとして喜んだわけでございますが、御承知のような事情からグリーンカード制が廃止になり、引き続き源泉分離選択制度が存置されるということになったわけでございます。
 したがいまして、そういった源泉分離選択課税分につきまして住民税をどういうぐあいにして課税するかということにつきましては、さらに新たな観点からもう一度練り直さなければならぬわけでございますが、税制調査会の審議におきましては実はいろいろ議論が出ておるところでございます。住民税を、課税の簡便性の見地からそこまでやらなければいかぬのかどうか、あるいは所得税と完全に同じにしなくてもいいのではないかという議論、それから、一方ではそれはやはりおかしい、当然に公平の見地から課税すべきであるという議論、いろいろあったわけでございますけれども、基本的には、税調答申におきましては、税負担公平の観点からやはり住民税は課税すべきである、ただそのやり方が非常に難しい、いろいろ問題がある、したがって国税、地方税を通ずる税負担の簡素効率化の観点も踏まえながら引き続き検討をすべきである、こういうふうな御答申をいただいておるわけでございますが、その審議の過程におきましてもいろいろ出た考え方がございます。
 総合課税というものができないとするならば、例えば課税事務の簡便性ということも考えるならば府県段階において課税をして、一定の基準でこれを市町村に配分すると申しますか、そういったような手法などが考えられないだろうか。こういたしますと、各市町村ごとに銀行の窓口で分けるわけではございませんから、少なくとも手間暇は相当の簡素化になるという方法もあろうかと思います。
 ただ、この場合におきましてもいろいろ議論が出ますのは、住民税というものの性格から考えてみて、住民税は御承知のように住所地主義でございます。住所地ごとに果たして分けられるのかどうか。もし金融機関の窓口でこれを分けたとすると、預け入れた金融機関とその預け入れた本人の住所地が必ずしも一致しない場合がある。例えば千葉に住んでいる者が東京の銀行で預けるという場合には、東京の金融機関で都税として徴収いたしますならば、本来住民は千葉県の住民でございますが千葉県に行かない、そういった問題などもあるのではないかなというような疑問なども提起されております。こういった点を踏まえて、どうすれば最も適切な方策が得られるかということについては、今後鋭意検討をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
#153
○小谷委員 市町村民税、住民税というのは、中小零細企業の五人くらいの従業員を雇った事業主であっても、源泉としてきちっと支払いをしてやっておる企業が随分多いわけであります。金融機関で事務煩雑で大変なことであろうということは想像はつくわけでありますけれども、少なくとも府県単位くらいならそんなに大変なことでもなかろうかとも考えるわけです。ここらの方向も将来考えて、何とかここらに地方財源、自主財源の確保といいますか、固定し、安定した、しかも千六百億近い財源となろうかと思われるようなところに今後自治省も鋭意努力をしていただきたい、このように思うわけでございますが、大臣、お考えいかがでございましょうか。
    〔委員長退席、愛知委員長代理着席〕
#154
○古屋国務大臣 御趣旨は全く賛成でございます。ただ、そのやり方でございまして、これは金融機関がどういう調書を出すかという問題、それから預入者とその地域が違っておるというような場合にどうするかというお話しのような問題が多々あると思いますので、そういう点はひとつ十分に検討しながら、私どもの意見も税制調査会その他に提示をいたしまして、できるだけ御要望が実現するように努力をしてまいりたいと思います。
#155
○小谷委員 利子配当課税のことにつきましては以上にしておきまして、先ほどの地方税の問題に続いて二、三質問したいと思います。
 単身赴任減税、これはここであわせて問題になっておるところでございますが、特に地方税でこの問題はもっと本気になって検討すべきではなかろうか、このように思うわけです。
 矢野さんも花岡さんも単身赴任の経験はよく御存じであると思いますし、自治省の幹部の皆さん方もそれぞれ御経験あろうと思いますけれども、これは大変なことでもございますし、現在の企業本位といいますか使用者ベースに乗った社会情勢の中で、せめて人間味のある、人間性のある税制措置として単身赴任減税を創設したらどうか、こういう意見がかなり強く予算委員会でも、また各政党間の予算の修正問題についても論議されたようでございますが、この点についてはいかがですか。
#156
○矢野政府委員 政策減税として、今御指摘の単身赴任者減税等の創設の御要請があることは承知しておるところでございます。
 基本的に申しますと、これらにつきましては税制調査会の答申におきましても「様々な国民の生活態様の中から特定の条件や特定の家計支出を抜き出して、税制上しん酌するには限界があり、」とされておりますので、新たに特別な控除を設ける制度をつくることについては多くの問題があると考えられます。ただ、予算審議をめぐりまして与野党間のお話し合い、合意もあることはよく承知をしておるところでございます。そういった点につきましては今後検討が進められるということでございますが、しかるべき結論が出ました場合にはこれを尊重してまいるべきものと考えております。
#157
○小谷委員 新聞、出版、一般放送事業等によるところの事業税の非課税措置が講ぜられておったわけでございますが、今回それを撤廃するということで法案を出されておるわけですけれども、非課税措置をとってきたという経緯、その理由、これはどういうことだったのですか。
#158
○矢野政府委員 今回、新聞業、出版業、放送業等の七事業に対する非課税措置の撤廃につきまして、経過措置をつけ加えた上で改正案といたしまして御審議をお願い申し上げておるところでございますが、これらの非課税措置につきましては、いずれも昭和二十年代後半に国会の御修正によって設けられたものでございます。これらの点については、これは若干推察も入りますが、恐らく当時の社会経済情勢とこれらの事業の持つ公益的な性格といったようなものを勘案して設けられたものと考えておるところでございます。
#159
○小谷委員 えらい明確でない。確かに二十年か三十年代ごろ、昔にこの非課税措置がとられたということのようですけれども、しかし、現在まだ非課税としてこの制度が残っているのですからね、この制度がつくられたときは別として。今まで非課税措置としてきたその理由です。それが当然だとしてやってきたわけでしょう。その理由です。
#160
○矢野政府委員 これらの事業が非課税とされたのは約三十年前でございまして、それがその当時そういうぐあいにされたのは先ほど申し上げたような理由であろうと考えておるところでございます。
 ただ、創設後既に丸三十年を経過いたしまして、社会保険診療報酬もそうでございますけれども、当時と社会経済情勢が大幅に変わってきた。しかも一方におきましては、税制調査会、臨時行政調査会等におきまして、非課税措置は社会経済情勢の変化に応じて見直すべきであるという方向が極めて強く示されてきておるところでございます。そういう観点から、かねがねこういった事業税における非課税措置についてはやはり社会経済情勢の変化ということから整理合理化を図るべきだという観点に私どもとしては既に立っておったわけでございまして、従来より見直しを検討してきておったところでございますが、今回の法改正におきまして非課税措置の廃止を御提案申し上げ、御審議をお願い申し上げる、こういう経緯になったわけでございます。
#161
○小谷委員 わからぬでもないのですが、社会経済情勢の推移によっていろいろ変わってきた、また公益性ですか、これもそういう点は当時の状況とは今変わってきた、これだけじゃちょっと説得力が弱いと思うのですよ。だから納得のいく、これはこういう理由で廃止したんだということでないと、ただ昔につくったものであって、現在も非課税だけれども、社会経済情勢も三十年前から見て今変わってきたんだ。では、どのように変わってこういう点が必要でなくなったとか、この点で公益性はとれてきたとか、そういうふうな何か根拠がなかったら、ただ社会経済情勢が三十年たったら変わったから撤廃するんだ、これではちょっと説得性がない、このように思うのですが、どうですか。
#162
○矢野政府委員 この事業税という税の性格でございますが、本来事業税につきましては、事業活動を営む人なりあるいは組織が、その事業活動と地方団体が提供しておりますところの行政サービスとのいわば受益関係に着眼をして課される税でございます。本来、事業活動を行っている以上はやはり負担していただくべきものと考えておるところでございます。
 これらの事業が非課税とされました昭和二十年代後半の時期というのは、まだ国民経済全体が今日のようなレベルとは甚だしく格差のある状態である、国民の生産活動そのものも今日のようなレベルに達してなかったことは御承知のとおりでございますが、その後におきまして国民の経済活動のレベルは非常に大きく上がってまいったわけでございます。新聞業等につきましても、当時は極めて資材の乏しい中で国民に必要な情報を提供するというような苦労を重ねておった時代でございますが、今日では社会経済の進展とともに、一つの大きな情報産業としての地位を全体の中で占めておるわけでございます。
 あるいは一つの例でございますが、民間放送事業といったようなものは、この非課税措置が設けられましたころは、いわゆる公共放送のほかには、民間放送としてはラジオ放送が一社か二社ある程度でございました。当時におきましては、民間放送というものが果たして成り立つのかどうかというようなことがまだ皆目見当もついていなかった時代。しかし、今日におきましては、その後の民間放送の発展ぶりというのはまことに当時の予想をはるかに超えるものがあるわけでございます。そういった点を総合的に考慮いたしますと、事業税が現在、かなり零細な事業も含めてさまざまな事業について御負担をしていただいておるということとのバランスから考えるならば、これはやはり整理合理化すべきものであろうと考えたわけでございます。
 公益性が変わったのかどうか、こういう点についての御質問でございますが、公益性というのは実はなかなか難しいものだと思います。私どもはこういった事業がそれなりに社会的に一定の公益性を持っているということを決して否定するものではございません。ただ、公益性と申しますと、世の中のさまざまな事業の多くはそれなりに公益性を持っているとも言える面もあろうかと思います。したがって、公益性の観点だけで判断をするということは非常に難しいことでございまして、事業税はそういう観点から、原則としてすべての事業について応分の御負担をいただくということになっておるところでございます。この点を御理解いただきたいと存ずる次第でございます。
#163
○小谷委員 時間が参りましたので終わります。
#164
○愛知委員長代理 岡田正勝君。
#165
○岡田(正)委員 昭和六十年度の地方税制改正は、昨年の改正が住民税の大幅減税、いわゆる本格減税というものがありまして、その減収補てん措置等々が加わって大改正があったわけでありますが、それに比べますと、本年は私どもの言います所得税あるいは住民税あるいは教育、在宅老人、単身赴任等の大幅減税の要求を入れておりませんかげんでございましょう、まことに全体的には小ちんまりとした改正でございます。
 しかし、中身をよくよく見てみますと、すべて悪いのではないのでありまして、新聞事業等の事業税の非課税措置の廃止の問題、非常に興味深い改正を含んでおりますし、さらに中小企業減税とも言えるでありましょう事業主の控除額の引き上げとか、あるいは住宅建設促進のためという名目のもとに新築住宅の控除額の引き上げというようなものを盛り込んだりいたしまして、減税という面もあらわれてきております。しかしながら、住民税の均等割のアップというような増税も含んでおるというので、これはお褒めしていいのかけなしていいのか、まことにややこしいまぜ飯のような今回の改正となっておるのであります。
    〔愛知委員長代理退席、委員長着席〕
 さてそこで、このまぜ飯税法につきましてまず最初に大臣に、今回の地方税制の改正に当たりましてどのような基本方針で対処なされたのか、お伺いをいたします。
#166
○古屋国務大臣 お答えいたします。
 私どもは、今回の地方税制の改正におきましては、税制調査会の答申等を踏まえまして、地方税負担の現状あるいは地方財政の実情ということを中心に見まして、まず第一には税負担の公平適正化の推進、第二に住民負担の軽減合理化にも配意する、第三に地方税源の充実を図るという方針のもとに改正案を御提出申し上げたのでございまして、負担の公正適正化につきましては、例えば個人住民税均等割の税率の見直し、お話のございましたような事業税におきます新聞事業等七事業に対する非課税措置の廃止など、地方税における特別措置の整理合理化を図る。第二番目の住民負担の軽減合理化につきましては、これもお話になりました個人事業税の事業主控除額の引き上げ、あるいは不動産取得税の新築住宅に係る課税標準の特例控除額の引き上げ、固定資産税及び都市計画税における土地の評価がえに伴う負担の調整等の措置を講ずることといたしました。なお、地方道路目的財源の充実確保につきましても、自動車取得税、軽油引取税等の特例税率の期限を延長するというような改正でございます。
 私どもは税制調査会の答申等を踏まえまして、今言ったような方針のもとに地方税源の充実を図っていくという見地でやったのでございますが、ただ、先ほどからのいろいろの御質問にございましたように、事業税における例えば診療報酬、お医者さんの問題だとか、あるいは利子配当所得に住民税を課す問題だとかそういう問題につきましては、私どもの主張といいますか、私どもの考え方がまだ実現を見るに至らなかったことは残念でございますが、ひとつそういう点につきましては、一層今後関係当局との連絡を密にいたしながらぜひ進めてまいりたいと考えております。
#167
○岡田(正)委員 今回のこの税制改正の中では、減税の項目も割と数多く見受けられます。国民にとってはそのことは大変ありがたいことでありますが、さて、片や地方税源の充実という観点から見まして問題はないのでありましょうか。
#168
○矢野政府委員 御指摘のように、ことしの税制改正は昨年の税制改正と比べますとある意味では小ぢんまりとしておる、しかし中身にいろいろ要素があるという点は、まさに私も御指摘をいただきましてそのとおりかな、こういう感じを持っておるところでございます。
 御指摘のように、今回の税制改正におきまして均等割の定額課税の見直しもございますが、一方では中小企業に対する負担の軽減等幾つかのいわば減税と呼ばれる項目を含んでおるわけでございます。事業主控除の引き上げにいたしましても、過去八年間据え置いてまいりました。もうこれにつきましては相応の見直しは逆にやはり図るべきだろう、こういうような観点、あるいは住宅政策の観点からの不動産取得税の特例控除額の引き上げ、こういった点を含んでおりますので、地方税プロパー、いわゆる独自の改正としては初年度は逆に減になり、平年度で若干増になるという形になっておるわけでございます。
 ただこれは、事業税の非課税措置等の整理に伴う増収効果は翌年度、平年度にならないと入ってこないというような点もございますので、初年度は逆に減になっておるわけでございますが、ただ、国税改正に伴うものとしての法人住民税、法人事業税増収がございます。これはやはり現行租税体系の中の地方税でございます。これを含めますと、初年度で三百億円余、平年度で九百億円弱の増収になっておるところでございます。
 また、自然増収等を含めました全体の地方税の六十年度の見込みの姿を見ましても、国税も含めました租税総額に占める地方税の比率は、五十九年度よりわずかに上昇をしておる。五十九年度が、地方税は租税総額の三六・八%でございます。国税が六三・二%でございますが、六十年度は国税六三・〇、地方税三七・〇、〇・二ポイントの上昇、若干でございますが、地方税全体としては税源の充実は逐次図られつつあろうと考えるところでございます。
#169
○岡田(正)委員 重複する点がありますので、これは重複をしておらぬと自信がありますからお尋ねをいたしますが、さて、私どもがふだんから非常に不思議に思っておりますのは、国で税金を取っている、地方でも税金を取っている。しかし、中身を見たら同じものを基礎にしてそれに税率を掛けておるだけ、ただ税率が違うだけ、あるいは控除額が違うだけというようなものがあります。その顕著なものは何かと言えば、住民税と所得税ではないかと思うのであります。
 そこで、この住民税というのは、所得税をかけるときの所得を基礎に置いて徴税をしておるのでありますが、所得税は当年度徴収、住民税は翌年度徴収でございますから、これはもう大変住民の不満を買っておるのであります。特に不満室言っておる人たちの中でその層が多いのは、会社を定年でおやめになった、あるいは何かの都合で失業したというようなときは、その翌年地方税ががばっと来る。翌年というのは収入がないんです。収入がないときに税金が、忘れておったやつが来るのですからこれはひどいですね。私もその被害者の一人でありました。これはもう大変な目に遭ったのであります。恨みは深しというわけではございませんけれども、しかしながら、私の言うことには共感を覚える人は国民の中に随分おると思うのであります。
 だから、同じような税金を取るのに、何も片や国の事務、片や地方の事務というように分けて取ることはありゃせんじゃないか。縄張り根性なんか捨ててしまって、全部一緒にして、そしてそれを今度は交付税で配分すればいいじゃないかというふうに考えておるのでありまして、その中で質問を二つに分けて申し上げますが、一体徴税のコストというのは国ではどのくらい、地方ではどのくらいかかっておるのか、まずお尋ねをいたします。
#170
○吉住政府委員 徴税コストの国、地方の比較でございますが、国税の場合には、百円の国税を徴収するのに一円三十一銭、つまり一・三%を要しておる。これに対応する地方税は、地方税全体といたしましては二・九五%でございます。内訳でございますが、都道府県にありましては二・三二%、市町村では三・三七%、以上のような数字でございます。
#171
○岡田(正)委員 よくわかりました。国の徴税コストに比べまして地方が、都道府県も市町村も非常に大きい、倍以上も大きい。これはまことにむだな話ではないか。こういうところから行政改革をやるべきではないかという意見を持っておりますが、さて次の質問であります。
 第二の質問は、先ほど冒頭に申し上げましたように、同じ所得に対して税金をかけていく、まことにむだなことをやっておるわけでありまして、一年おくれで徴収をされるために大変苦しんでおる人たちが多いので、この際、その徴税事務を所得税と地方住民税というのは一本にして、一元化したらどんなものでしょうか。そうしたら非常にわかりやすい。しかも国民からは大変喜んでいただける。しかもそれが行政改革に通ずる。もう一石三鳥という感じがするのでありますが、いかがでございましょうか。
#172
○矢野政府委員 御質問でございますが、私どももたびたびそういう御意見をいろいろなところで伺っております。ただ、やはり基本的には地方税というものの性格を地方自治の理念に立脚して考える必要がある。納税の便宜ということはよくわかりますけれども、しかし一つには地方自治の確立、これは地方税というものをそれぞれの地域住民がみずから負担をしている、それからまた、当該地方公共団体がみずからいろいろ努力をして課税をし、徴収をするというところから基本的には生まれてくるというぐあいに考えられるわけでございます。そういった地方自治の確立というものが、国全体の活力ある発展に基本的にはつながるものではなかろうかと考えるわけでございます。
 お尋ねの点の徴収あるいは課税も含めてという意味に理解をいたしますと、ただいま申し上げましたような地方自治の観点から、地方税、府県民税なり市町村民税というものが当然必要なものという前提に立って考えますと、御指摘のように一本化するという格好になりますと、所得税と同じように住民税も現年課税にしていかなければならない。現在はそういった課税事務のむしろ簡素化の見地から、住民税につきましては、所得税で、大部分は確定申告で決まったものについて翌年度これを十二分の一ずつに割って徴収する、企業はその際に特別徴収義務者として市町村にそれぞれ通知をし徴収することになっておるわけでございますが、もし所得税と一本化ということになりますと、住民税も現年課税ということに相なりますので、これは所得税と同様にやはり源泉徴収をしなければならぬ、あるいは年末調整をしなければならない。
 そういたしますと、国税の場合には所轄税務署に納めれば済むだけでございますが、企業によりましては、多数の市町村の住民が納税者でその企業に勤めておるというケースがあるわけでございます。それを全部振り分けていかなければならない。逆に、それをやらない場合には一括徴収機関が今度は市町村ごとにやはり振り分けていかなければならない。これは市町村民税を前提とする以上は当然出てくる事務でございます。
 したがいまして、その仕事は結局どこかにかかっていくことになるわけでございます。そういう意味から考えまして、国民経済的に全体から考えますと、必ずしもそのことが直ちに簡素効率化につながるということにはならないのではないか。また企業にしてみますと、毎月の源泉徴収事務あるいは年末調整事務その他を全部、所得税のほかに住民税の分も引き受けていかなければならないというようなことになるわけでございます。
 あるいは給与所得者などでない普通徴収分につきましては、現在住民税の申告が不要とされております所得税を納める者、これは住民税の申告をしないでも所得税の申告をすればよろしいわけでございます。これは住民税が賦課課税主義をとっているからでございます。ところが一元化いたしますと、所得税と同じように申告課税にしなければならない、それでもう一つ住民税の申告を出さなければならない、こういった問題も生じてくるわけでございます。現年課税というものに伴う非常に難しい問題があろうかと思うのであります。
 極端な議論として、それならむしろ住民税を所得税の付加税化してしまうというような考え方もございますが、これは先ほど申し上げました地方自治の基本という観点から問題があろうかと思います。あるいは現在住民税と所得税、税率構造が違うわけでございます。所得税はかなり累進率が高い、住民税はそうでもない、こういうものを一本化する場合、一体どうその辺を考えるのかという問題などもあろうかと思いますが、基本的には私ども、今のような地方自治の基本という観点から、こういった問題についてはそれを損なうようなやり方はやはりできない。
 それからもう一つ、効率性の面から考えますと、先ほど申し上げたような新たな事務といいますか、これがどこかに生じてくることになって、全体から見て、必ずしも考えるほどの効率性は果たされないのじゃなかろうかな、こういう疑問を持っており、問題意識を持っておるというところでございます。
#173
○岡田(正)委員 その答弁はあちらこちらでちょこちょこ聞いているのですけれども、私がどうも納得いきませんのは、住民税も所得税もかけるもともとは所得なんだ。その所得に対して税率が、国は累進税率でこうなっている。地方は段階が少ない、特に都道府県になると二つしかないですわ。いわゆる税率の段階が違うから困るとか、あるいは徴収する団体が違うから困る、ひいては根本を言えば地方自治の確立を脅かすものである、地方団体の固有の事務であるというようなところに大変力点を置いておっしゃっておるようでありますが、私はそれが縄張り根性じゃないかと言うのです。
 地方の住民にとりまして、これは地方固有の事務であるから、市役所とか県庁が直接住民から取らないと、何か知らぬ、そこの市役所が消えてなくなるような感じがするなんて、それは市長が思うかあるいは助役が思うか知らぬけれども、取られる住民というのは、国へ取られようと地方へ取られようとそんなことは意識ないですよ。ただ、わあ、ごっついなというだけの話ですわ。どっちにしても税金は税金としか考えていません。例えば酒を一杯飲む、あるいは法人が法人税を納める、あるいは所得税を我々が国へ納めておる。その所得税の中から三二%は、酒の中から三二%は、法人税の中から三二%は地方へ行っているのだよ、そんなことも恐らく知らぬのじゃないですか。そんなことはここでごちゃごちゃしよる人だけが知っているだけなんですよ。直接税金を納める国民はそんな理屈は考えておりません。
 要するに住民は税金が安くて、税金の仕組みがわかりやすくて、そして納めるのにも簡単に納められるという方法をとってもらいたい。政治をやらなきゃいかぬことはわかっているのです。国の政治も都道府県の政治も市町村の政治も、それは当然必要である、我々が住んでいくためには必要である。だから税金を取られるのである。その税金はどこが取ろうと、税金は安い方がいい、簡単な方がいい、わかりやすい方がいい、納めやすい方がいい、決まっているじゃないですか。それを難しく難しくしているのはだれがやっているのでしょう。お互いにこういう法律をつくり、手続を複雑につくって事務をふやしているだけじゃないですか。私は地方自治の確立なんてこんな安っぽいものじゃないと思うのです。
 だから、私は乱暴な意見を言うようでありますが、この六十年そのものには間に合いませんが、税制改革をやらなければ、見直しをしなければならぬということは臨調からも言われておることでありますから、当然もう近いうちにその見直しがある。ということになればその時期を好機として、チャンスとして、所得税と住民税とは一体化したものにした方がいいじゃないか。税率も一本の表にして、それでいわゆる扶養控除とか基礎控除、それももう一本のものにするのです。そうすればまた議論が生まれるかわかりませんが、地方税は大減税、こうなるのですから住民は拍手喝采で喜びますよ。
 大臣、国民が喜ぶことを何でやろうとせぬのですか。今おっしゃることを聞いていると、縄張りばっかりじゃないですか。ずっと書いていますよ、私、一々反論してもいいが。私はそういうのを国民は好んでいないと思いますね。いかがでありますか。
#174
○矢野政府委員 納税者の立場からそういうお声のあることは私もわからないわけではございませんし、また事実地域住民の中に、そういった自分の住んでおる地方自治体なりの行う行政に対しての意識というものがほとんどないというような方、これもおられると思います。ただ、基本的には、これは言葉を返すようでございますが、やはり地方自治というものが一つの国家、社会、民族というものを支えるエネルギーの源泉になっておると私は考えておりますが、そういう観点から地方自治というのを守っていく場合には、やはり住民税を負担することによって、逆にその地方公共団体の行政サービスに関心を持ち、時にはこれを批判し、そういうことを積極的におやりになる立場の方もこれまた少なからずおられると思います。
 しばしば言われることでございますが、住民税が高いな、ところでうちの市役所はどういう仕事をやっておるか、これはおかしいじゃないか、こういうことを批判されるというようなこと、これはまさに地方自治の一つの意識というものを育てるゆえんだろうと思います。そういった観点を考えて、やはり地方税というものの性格をその原点において維持するということは、私としてはやはり必要であろうと考える次第でございます。
#175
○岡田(正)委員 これはどうも平行線をたどりそうでありますから、時間がかかってしまいますので、私の意見だけを申し上げて次の質問に移りますが、私はそう思っておるのです。だから、例えば地方住民税を所得税と一緒にして徴税事務を一元化したら住民が税金を納めるという感覚がなくなる、おれは市役所へ納めたという感覚がなくなるから、いわゆる郷土を愛する気持ちも失うし、政治に対する批判力も失ってくるということをおっしゃいますが、地方の税金というのは住民税だけじゃございませんで、随分たくさんあるのですよ。
 もういろんなことに名目をつけて、今や税金という名前がついておらぬのはここにある空気くらいじゃないですか。もう全部税金がかかっているでしょう。橋を渡るのまで今金が要るのですからね。道路を走るのにも金が要るのですよ。昔の徳川幕府と同じみたいなもので、とにかく関所がみんなあって、全部その関所で一たんとまってお金を払わなければ通られぬようになっている。それほど厳しくやっているのですから、税金取られているなという意識というものは、一元化したからといってなくなることはない、しかも住民税一つだけじゃない、ほかにも固定資産税その他たくさんありますということを申し上げておきます。
 さらに一元化にもし成功したならば、これはまたそちらで反論があるかもわかりませんが、いわゆる国の徴税事務にあずかっておる人が五万一千百名ほどいらっしゃいますね。それから、地方で徴税事務にあずかっておるのが八万六千七百名と聞いております。そうすると、合わせまして約十三万くらいの人のうち、もしこの所得税と住民税との一元化に成功したら、三万人からの余剰人員が出てくると私は信じております。三万人出るということは地方自治体にとりましては、一年間に千五百億円から二千億円の節減ですよ。私は、要らざるところで縄張り根性をお出しにならぬ方がいいのではないかという忠告を申し上げまして、次の質問に入らせていただきます。
 次は、固定資産税の評価の問題でありますが、これは地方税法に決まっておりまして、三年度ごとにこの評価がえをすることに相なっております。六十年度がその基準年度となるわけでございますが、この評価がえの手法というのは、地方税法に書いてあるんだから仕方がないと言えばそれまでですけれども、私は天下の悪法だと思っているのですよ。こんなものは取っ払ってしまえ、私はその条文を削るべきだという意見を持ちながら申し上げるのであります。
 さて、三年前の評価がえのときには、たしか宅地にいたしまして平均二四%ぐらい上がりましたね。それから今回の評価がえでは全国平均をいたしまして宅地で一九・九%、約二〇%、二割分上がる、こういうわけでございます。そこでこれら評価がえが打ち出されますと、三年かかって、一年に一割以上アップするものは三年がかりで上げていくわけでございますけれども、しかし平均をして大体二割は上がるわけです。
 きょうもここへ来る前に私の方の国対の事務所で話をしておりましたら、埼玉県の方に家を持った人が、固定資産税が六年前と比べたら五割アップしておると言うのですね。六年間に五割固定資産税という税金が上がってきた、何で上がるのでしょうかね、こう言っているのです。それは今からおれが質問に行くのだが、評価がえというのが三年ごとにあるので、その評価がえでぽっこぽっこ上がっていくから、これはもうほっておいても固定資産税は上がっていくのだ。だから国会で大討論なんか、大議論なんかせぬうちにすっすと上がっていくのが固定資産税なんですよ。もう議員の目には触れないで行ってしまう。これが悪法だという根拠なのであります。
 さて、来年度、六十年度は固定資産税の評価がえの年でありますが、現段階の評価がえの状況はいかがでありますか。また、評価がえによって固定資産税の負担はどのようになっていくのでありましょうか。
#176
○矢野政府委員 現在、各市町村におきまして評価がえの作業が大詰めの段階に来ておるところでございますが、評価がえの指針となります各市町村の基準地の上昇率が、田が一・〇九五倍、九・五%アップ、畑が一・〇九四倍、山林が一・〇二四倍、そして宅地が一・一九九倍ということでございます。特に宅地につきましては、数字をお挙げになられましたが、前回の一・二四一倍に比べると低くなっておるわけでございます。今回の評価がえはいずれも基準地の価格でございますから、これを基準として市町村が評価がえをしておるわけでございますが、その結果によるところの地目別の評価上昇割合は、前回の五十七年度の評価がえと比べまして一田畑につきましてはおおむね同程度ないし若干下回る程度、山林については前回の上昇割合をかなり下回るものになろうと見込んでおります。それから宅地についても、前回の上昇割合をある程度下回った結果になるものと考えておるところでございます。
 なお、評価がえに伴う税負担の増でございますけれども、これは御提案申し上げておりますように、税負担の増加を緩和する趣旨から、前年度の税負担を基礎とした段階的な負担調整措置を講ずることとしておりますので、評価上昇が平均的な土地、宅地の場合であれば、二割前後というような土地であるならば、昭和六十年度の固定資産税は宅地にあっては一〇%ぐらいの負担増、田んぼや畑の場合には五%ぐらい、山林にあっては二ないし三%程度の増加になろうかと思っております。
 なお、土地以外の家屋でございますけれども、家屋につきましては、最近建築費がもう安定をいたしております。したがって、全面的な評価がえを行いませんで、従来のものに、新築については木造三%、非木造が、鉄骨や軽量鉄骨については四%アップ、それからそれ以外の本格的な非木造が七%アップという低い上昇率を掛けることにしております。
 ただ、これはいずれも新築分でございまして、在来分家屋につきましては、評価がえの結果、五十九年度の評価額を上回るということになります場合には原則としてこれを据え置く、したがって既存の家屋は原則として据え置く、こういう評価の結果ないし税負担ということになる見通してございます。
#177
○岡田(正)委員 そこにも私は大変矛盾を感ずるのですね。例えば土地を営業用にお使いになる方であるならば、いわゆる基準地が二割なら二割上がるからというので評価がえをなさって固定資産税が上がっていくというのもわかります。わかりますけれども、人間がこの世に住んでいくのには、最低のいわゆる生活空間というのは要るわけですね。そのための土地とかそのための建物とかいうものに対してまでも同じように、基準地が二割上がっていくのだから、まあこれは平均の話ですけれども、二割上がるんだからというので二割上がっていく、そういうやり方というのは、例えて言えば、自分の生活空間の固定資産税が高くなったからといって別にそこでお金が入ってくるんじゃないですね。評価が上がったからといって入ってくるんじゃない。結局はそれを物にしようと思ったら、自分がそれを売りに出す以外に手がないわけでしょう。売りに出さなければ実際に金が入らない。自分が住んでおれば金にはならないというものの、そこへ住んでおればどんどん税金が上がっていく。
 土地はどんどん上がっていくが、建物は逆に価値が下がっていくはずなんですね。価値が下がっていくはずの建物については、新築のときに評価してかけた税金が据え置きになっておりまして、そして古くなったって一つも減らさない。土地の方だけはどんどんふやしていく。こんなやり方というのは当たり前ですか。今新築の家を建てましても、不動産業者が売買取引をしますとき、上に建っている上物が十年を超えておりましたら一銭にも評価しませんよ。一円にも評価しませんよ。土地の値段だけですよ。むしろ不動産業者は、例えばこの土地の評価は一千万円でございますが、あなたがここに立派な家を建てているもので、今度買おうという人はこの家は欲しくないと言っているので、これをあなたの費用で壊してのけてくれ、こう言うのです。売れた一千万円の中から撤去費用を差っ引くと言うんですよ。それほど世の中厳しいのですよ。
 ところが、住民が住んでおる建物は全然減価をしないでおいて、そのまま新築の分で据え置いておいて、土地の方だけはどんどん上げていくというやり方、これこそ不公平極まるじゃないか。中曽根総理は、公平、公正、簡素、選択というのが税の問題を論議するときの私の基本だということをおっしゃったが、どうも違いますな。どう思いますか。
#178
○矢野政府委員 固定資産税という税目が、市町村の基幹税目として、これまでの内政において市町村が受け持っておりますさまざまな役割、これを果たすための財政需要を支えてきておるわけでございます。その財政需要を支えるための負担を広く地域の住民に御負担をいただくということから、その所有されるところの固定資産の価値に着目をいたしまして、いわば応益の観点からの御負担をいただいておるところでございますが、おっしゃられますように、事業用の場合と住宅用の場合は違うじゃないか、こういう御議論がございます。固定資産税は、その資産が有するところのあるべき収益、あるいは便益の程度というものを価額によってはかるわけでございますけれども、そういう意味では、基本的には事業用も住宅用も変わるところはないという理屈はあるわけでございます。
 ただ、おっしゃるように、事業用に使っている場合と住宅用に使っている場合は確かに実態としては違うわけでございます。そういう観点から、住宅部分の宅地、いわゆる住宅の用に供される宅地につきましては、現在、生活に一般的に必要な程度の広さ、二百平方メートルまでは四分の一、それを超えます場合にも、家屋の床面積の十倍までは二分の一、こういういわば特例的な課税標準の減額を行っておるところでございます。住宅についてはそれなりの配慮をしておるということでございます。
 もとより、既に四分の一になっておるものを評価がえすればやはり同じような割合で上がるではないか、こういう御反論があるいはおありなのかもしれませんけれども、基本的なところで住宅にはそういう配慮をしておるということを御理解賜りたいと思っている次第でございます。
#179
○岡田(正)委員 大臣、大臣はすばらしい生活をしていらっしゃるから余り大した感じがないのかもわかりませんが、この固定資産の評価がえをしますと、先ほど来申し上げておりますように、建物の方は、新築でない、もう既に古い分ですよ、そういう建物の方の評価額は上がりませんけれども、しかしながら住んでおる土地は上がるのです。それがどのくらいのスピードで上がっていくかと言えば、大体六年間で五割くらいの調子で上がっていくわけですね。だから、一年で約一割ずつぐらい上がっていくような感じなのですよ。そういうふうに税金が上がっていく。今回もまた、宅地の場合ですけれども、平均二〇%基準地で上がっていくということになるわけでして、これが、ただ単にそこに住んでおる人のいわゆる土地の固定資産税が上がるというだけにとどまらないのです。影響するところ実に大きいのです。
 実は、この評価がえをいたしますと、まず第一に固定資産税が上がります。これはおわかりのとおり。それで、固定資産を基準にしてかけておる税金に都市計画税というのがありますね。これが上がります。
 それから今一つは、工場や何かに行っている方は別といたしまして、国民健康保険に入っていらっしゃる方、これは御承知のとおり、国民健康保険税の取り方というのは三通りありますが、ほとんど九〇%までが取っておる方法というのは、いわゆる所得割、資産割、均等割、そして一人一人に掛ける平等割という四つを組み合わして国民健康保険税というものを出しているわけなんです。固定資産の評価が上がっていくわけですから、国民健康保険も非常に上げやすくなっていく。だから、評価がえがありますと、国民健康保険税はその年にほとんど例外なく右へ倣えで上がっておりますよ。というふうに、税金だけでも三つの税金が上がっていくという影響があります。
 それ以外に地代が上がります。地代が上がれば駐車料が上がる、家賃が上がる、部屋代が上がる、そしてビルなんかの管理料が上がっていくというふうに、及ぼすところ非常に大きいです。町の中における小さな飲食店とか小売店というのは、ほとんど床面積何ぼで借りて商売しておりますね。そういうところは当然地代が上がってきますから、そうすると、やはり小売店にしても飲食店にいたしましても、それをどこかへかぶせなければいけないわけですね、そうしないともちませんから。というふうに上がっていくのです。
 極端に言いますと、固定資産の評価がえがあるとふろ屋の代金が上がるのですよ。それから、大臣は遊びにおいでにならぬと思うが、マージャン屋が上がりますよ。こういうふうに影響するところ実に大なるものがあるのでありまして、私は、今の日本の固定資産税の仕組みというものは、これはなるほど地方の大変大きな財源には違いありません、だけれども、これは根本的に見直すべきときがきておるのではないかというふうに考えておりますが、大臣はどのように思われますか。
#180
○古屋国務大臣 今岡田先生のお話、私も普通の生活をさせていただいておりますけれども、賞与はほとんど全部税金に出さざるを得ない。率直に言いまして、このごろはそれでも足らぬようになっているのが実情であります。ですから、地方の固有の有力な財源でございますけれども、将来、直接税、間接税の問題、今のような御意見のあることはよく知っております。私も体験をして知っておりますので、そういう点につきましては御意見のあるところを判断しまして、そういう大きな制度改正の際にひとつ十分考えてまいりたいと思っております。
#181
○岡田(正)委員 ありがとうございました。
 この際、参考のために聞いておきたいと思いますが、イギリスでは最近、地方団体の唯一の税金でありますレートと呼ばれる財産税の課税を制限するという法律が成立をしたようでございますが、我が国の固定資産税負担は、主要な諸外国と比較をいたしましてどの程度の水準にあるのかお教えいただきたいと思います。
#182
○矢野政府委員 主要諸外国におきまして、我が国の固定資産税と全く同じ制度があるわけではございません。お尋ねのイギリスのレートの場合も、御承知のように我が国の固定資産税とは若干制度が違っております。また、全体の税制の仕組みなり地方税制の仕組みも異っておりますから、単純にこれだけを比較してどうこうということは言えないかと思うのでございますが、欧米四カ国の我が国の固定資産税に類似する税、財産税とか不動産税とか、今御指摘のレートとかいったものを比較の基準といたしまして国民所得に対する割合で比較をしてみますと、アメリカとイギリスでは、我が国の約二倍ないし三倍程度の割合になっておるところでございます。フランスはやや低く、西ドイツはかなり低くなっております。
 また、国税、地方税を全部入れました租税総額に占める割合を見ましても、アメリカ、イギリスにおいては我が国の二倍弱という高い比率になっておるのに対して、フランス、西ドイツではかなり低くなっておる。英米系の国では一般に日本よりも高くなっているということが言えようかと思うわけでございます。国民所得に対する比率なり租税全体の中で、そういう不動産関係税がどれだけのウエートを占めておるかという観点から見ますと、そういう結果が出ておるということでございます。
#183
○岡田(正)委員 時間が来ましたから終わりにさせていただきますが、今諸外国の例を引かれましたけれども、本当ならこれはもっと時間をかけて詰めさせてもらいたい問題なんです。
 一つだけ余分なことを申し上げておきますが、我が国は貿易でなくては生きていけない国でありますが、昭和五十九年度におきまして三百五十億ドルをもうけた。それじゃドルが日本にたまっておるかといったら、ドルの方は四百七十億ドルも流出をしたということでありまして、もうけたはずの国にはドルがないのです。何でやろかということを調べてみると、金利の高いところへどんどん持っていくのは当たり前なことでありますが、投資に使っておる。そういう証券とか株券とか、投資に使っておる以外の非常に顕著なものとしましては、例えばアメリカの南西部、そういう方面に企業がどんどん進出しております。
 なぜそこに企業が行くかと言えば、まず先ほど来問題になっておりました法人税の関係です。法人税は日本では約五〇%を超えますね、国と地方を合わせますと。五〇%を超えるものがもうけの中からばんと取られるけれども、アメリカでは大体二割ぐらいでおさまる。それから土地代というものが話にならない。日本で言う坪で言うならば、大体千円ぐらいで手に入る。我が日本で今ごろ一万円で買えるような工場用地があるだろうか。これはありません。
 私の町において、工場用地の整地をして買ってちょうだい、買ってちょうだいと言ってカタログを出して、今売りに歩いているのでありますが、私もそのセールスマンの一人ですけれども、残念なるかな坪八万円ですよ。八万円対千円では勝負にならないですよ。一生懸命働いて企業がもうけを出しても、そのもうけのうち、およそ六割はばかっと持っていかれる。片方では二割で済む。これほど違ってきては、やはり税金はトラより怖いという話は本当ですね。税金の高いところに住みたいと思う者はおらぬと思うのです。
 だからそういう点もよく御勘案をいただきまして、やがて近い時期に税制改革の問題が出てくると思いますが、大幅減税を忘れぬようにしてもらうことと、そして大型の消費税的なものをもって国民をさらに苦しめるということがないように、税金を減らして国民を喜ばす道を選んでいただくようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
#184
○高鳥委員長 経塚幸夫君。
#185
○経塚委員 まず最初に、固定資産の評価がえに伴います問題についてお尋ねをしておきます。
 評価がえが行われるわけでありますが、毎回のように地代や家賃の便乗値上げが相次ぐわけであります。民営借家は、全国的に見ましても二四・三%でありまして、特に東京、大阪などは三〇%台、四〇%近いわけであります。従前、建設省あるいは自治省は便乗値上げを抑制する通達を出しておりますが、今回の評価がえではこの点についてはどういう取り計らいになるのですか。大臣、ひとつ。
#186
○古屋国務大臣 評価がえにつきましては、地代あるいは家賃の不当引き上げが行われるということは大変でございますので、従来も建設省と協議の上でそういう点について通牒を出しておるところでございますが、不当な値上げを抑制するための適切な措置を講ずるよう、地方団体を指導してまいります。
#187
○経塚委員 ぜひひとつ各地方団体に対しまして便乗値上げを抑制するような指導をしていただきたい、かように考えております。
 それから次に、料飲税の問題についてお尋ねをいたします。
 これは、運輸省、厚生省、農水省、それからさらに全国中小企業団体連合会から免税点の引き上げが要望されておりますね。これは今回検討されましたか、どうですか。
#188
○矢野政府委員 免税点につきましてはいろいろ御要請がございますが、今回の税制改正におきましては、免税点の引き上げにつきましては最近行ったばかりという点も考慮いたしまして、引き上げ措置は講じなかったところでございます。
#189
○経塚委員 これはもう検討する段階に入っているのじゃないですか、特に一人二千五百円の分については。そちらからいただいた資料ですと、飲食店関係、昭和三十二年の課税店が二三・七%、これは五十八年度は五四・一%にふえておりますね。かなり飲食店関係が課税店として対象にされておるわけですね。きょうび外へ出て二千五百円ぐらいじきですよ。ちょっとビフテキ食べて、ビールぐっと一杯飲んだらじきいきよりますよ。もともとは家庭の延長程度のものには税金取りませんということでできた制度でしょう。ですから二千五百円程度まで、それを一円でも超えたら税金取るというのはもう見直しの時期ですよ、どうです。
#190
○矢野政府委員 料飲税の免税点が家庭生活の延長的なものではないか、そういう観点から、従来に比較して適用の率が高くなっておるから、当然もっと大幅な見直しをしてもいいんじゃないかという御指摘でございます。
 免税点そのものは、もちろん国民生活の水準の推移等に応じて、こういった消費税の場合適時適切に見直すべきかと考えるわけでございますが、先ほども申し上げましたように大変厳しい財政事情の中におきまして、最近では五十八年一月から免税点の引き上げを行ったところでございますので、今回の税制改正に当たってはその時期でないと考えたところでございます。
 なお、前回免税点を引き上げた結果によるのかどうか、これは正確に推測はできませんけれども、料飲税そのものが伸び悩みと申しますか、むしろ逆に五十八年度若干減になっておるというような状況もございます。料飲税の税収額の確保の観点も含めて考えなければならないところでございまして、そういう意味から免税点の引き上げについては今回御容赦をいただいたというところでございます。
#191
○経塚委員 これはぜひ再検討しておいてください。
 それから、今ちょっと料飲税の収入が頭打ちだという話もございましたが、今度の風営法の改正とも相まって、いわゆるオール課税店への業態変更、課税者の側から迫るという事態があっちこっちで起きているわけですね。それで免税点適用の店なのかそれともオール課税店なのか、その区分けをどこで線を引くのか、これは非常にややこしい話になってきているのです、府県それぞれによって。そこでちょっと尋ねておきたいのですが、例えばその店にボックスがある、音楽がかかっておる、ピアノの生演奏をしておる、これはオール課税店になりますか、どないですか。
#192
○矢野政府委員 全体の形態がどういうことかわかりませんが、お示しのようなことだけであるとするならば、それはオール課税とはならないのではないかと考えられます。
#193
○経塚委員 ボックスがある、音楽がかかっておる、ピアノの生演奏をやっておる、こんなのはオール課税店にはなりませんね。そうすると決め手は何になりますか。法令上の解釈からいったら、オール課税店か免税店かの分かれ道の決め手は何になりますか。
#194
○矢野政府委員 料飲税の免税点の適用のある場所は、飲食店、喫茶店、その他これらに類する場所及び旅館、こういうことになっておるわけでございますが、特定の場所がこの免税点の適用を受けることができる場所であるかどうかは、その場所において遊興を伴う利用行為が通常行われるか否かにかかっておるわけでございまして、問題はその認定でございますが、認定に当たりましては各県におきましていろいろな基準を使っておるわけでございます。例えば風俗営業の許可の有無、設備の状況、従業員、婦女の数等の事情を総合的に勘案をしながら行っておるところでございます。一般的に申せばそういうお答えになろうかと存じます。
#195
○経塚委員 そうしますと、遊興を行っておるかどうか、この行為要件が決め手ですね。そういうことになりますね、どうですか。
#196
○矢野政府委員 通常そういう場所における行為が遊興ということでございます。料飲税における「遊興」というものは、通達の例で書いてあるところでは「通常婦女の接待を伴う行為をいうものである」ということでございまして、「接待」というのは「酒間のあっせん、歌舞音曲、その他方法のいかんを問わず興趣を添える仕方で客にサービスを行うことをいい」云々、というような通達の表現になっておるところでございます。
#197
○経塚委員 そうすると、金額は二千五百円を超えれば課税される、これははっきりしております。場所は、さっき言いましたようにボックスがあるとか、状況としては生演奏があるとかいうことだけではオール課税店にはならない、これもはっきりしております。そうすると何が決め手だといったら接待、遊興という行為要件、こういう行為が伴うか伴わぬかが免税店かオール課税店かの分かれ道、こういうふうになると解釈されるわけであります。
 そこでお尋ねしますが、これは私全国から取り寄せてみたのですが、免税店かオール課税店かの判断基準として判定調査書というのを各県つくっているのですが、これは自治省の指導でつくられているのですか、どうです。
#198
○矢野政府委員 御指摘のようにいろいろな認定の基準をつくって行っている県が多くございますが、これについて直接自治省が指導しているわけではございません。各県で自主的にそれぞれ認定の基準として設け、運用をしておるところでございます。
#199
○経塚委員 そうしますと、それは各府県が勝手に判定基準をつくっておるということになりますよ、自治省が指導、関与しておらぬということになりますと。それで各府県勝手につくってよろしいということを自治省が見過ごしにしておるという結果どんなことになってきておるかというと、各府県いろいろ違うのです。
 比較してみますと、例えば、点数制をそれぞれとっておりますけれども、接客態度、女子従業員が常時同席した場合、これは長野県五十点です。埼玉県へ行くと百点とられます。岡山八十点です。それから音楽などの点数も違いますな。ステレオ、カラオケを置いておると、長野県では十点ですが、埼玉県に行ったら二十点、兵庫県はたった五点だ。それから客席の構造ですが、ボックス席が主体、これは長野県は十五点です。ところが何と埼玉四十点、岡山五十点ですな。料金の比較も、テーブルチャージ料金、これを取っておったら長野県は十点ですが、埼玉は四十点です。みんな違いますね。これでいいんですか。一つの法律で免税店の条件として定められておるのに、その条件が整わなければオール課税店、こういうふうに一つの法律で基準が決まっておりますのに、各府県に行ったらいろいろ違う。県境を越えなかったらここは免税店の店だけれども、越えていったら税金がかかる。わざわざ旅費を払って税金のかからぬところへ行きまひょかというわけにもいけしまへんな。どうなんですか、自治省。それは各府県勝手にやっておりますということで済まされしまへんで、租税法律主義でいくなら。
#200
○矢野政府委員 その免税点の適用対象になるかどうかの認定の基準、これは先ほど申し上げましたように、各県がこの法律の適用の運用に当たって工夫をしてそれぞれ設けておるわけでございますが、私どもの方でもいろいろ調べてみますと、おっしゃるように確かに点数の配分の仕方などは違う点があろうかと思います。ただ、こういった基準の作成につきましては、地域によって営業の態様あるいは施設の状況が細かい点でかなり異なることもございます。あるいはまた、最近の世の中の進歩が大変激しいためにそういうものがしょっちゅう変わっていくというようなところもございまして、全国的に細かな統一基準をつくることは現実問題としてはなかなか難しいことだと考えております。
 さりとて抽象的な基準をつくりましても、具体的な運用に当たっては余り役に立たないということになりますので、これは私どもとしては各県にゆだねておるところでございますが、各県でもまだこのつくり方がまちまちでございます。お示しのように、例えばちょっと隣の県に行ったらもうがらりと基準が違うというようなことでは困りますし、またそういうことは、常識を外れた格好にならないような府県ごとの、例えばブロック単位のいろいろな協議会などでの協議は進められておると考えられるわけでございます。この点につきましてはそういった観点から、全国的統一基準というのはなかなかつくりにくいと考えておりますので、基本的には府県の自主性に任せざるを得ないと思うのでございます。
 ただ、できる限りその内容についてはそう大きくかけ離れたものでないことが望ましいということで、そういう点に関しましては、府県に対してまた必要な指導をしてまいりたいと考えるところでございます。
#201
○経塚委員 そうしますと、風俗営業法に基づく許可店は印オール課税店になるのですか。それはどうです。
#202
○矢野政府委員 風俗営業の許可があったかないかということは、その認定をするに当たっていろいろ判断をする材料の一つにはなろうかと思いますが、風俗営業の許可があった者即免点非適用ということではないと考えます。
#203
○経塚委員 全国的な基準をつくるのは難しいとおっしゃいますけれども、例えば今私が聞きました風俗営業の許可店が、即オール課税店なのかどうなのかということについても判断の違いがあるのですよ。
 例えば、北海道はさっき言ったような判定基準をつくっておらしまへん。それで何をオール課税店がそうでないかの基準にしておるかというと、風俗営業の許可店であるかないかだけ基準にしておりまんねん。そういうのが全国で七県おまんねん。風俗営業の許可店即オール課税店ではない、これは自治省の見解。ところが、府県へ行くとそれをオール課税店の基準にしておりまんねん。こんな違いが出てきておるのですよ。自治省の方では全国各府県のこの基準表を照合してみましたか、どうです。
#204
○矢野政府委員 全国の基準を調査いたしたわけでございますが、縦横斜めから十分に照合しておるところではございません。まだその辺は検討が不十分でございます。
#205
○経塚委員 私は詳細な基準表をつくれと言っておるのと違います。もう基準はおまんねん、法律でちゃんと。いわゆる遊興でしょう、接待でしょう。そういう行為が伴った場合にはこれはもうオール課税店になりますよ、免税店の対象から外れまっせと。金額は二千五百円、それから飲食店、喫茶店等に類する場所、それから行為の要件としては遊興と。この遊興というのが決め手なんですよね。だからそれだけでいいのと違いますか。
 それだけを基準にしておけばこんな違いは出てきやしまへん。遊興、接待行為があるのかないのか、ある場合は家庭の延長とは認めがたいと。それは家庭だって女房のサービスがありますから似たようなものだと言えばそれまでになりますが、そこまでのことは言いやしまへん。きょうび家庭でもカラオケはどんどん普及しておりますから、晩酌をやるのにカラオケをかけながらやっている人はよけいおりますからそういうやぼったいことは言いやしまへんが、しかし遊興、接待、ここだけを基準にしておけば、全国まちまちの基準だというようなことは出てこないのですよ。
 だからあくまでも私は租税法律主義でやりなはれと、各府県によって境界一つ隔てて違うというようなこんなややこしいものはつくりなさんな、そういう指導を自治省がすべきなのじゃないか、こう言っておるのですよ。その点どうなんですか。
#206
○矢野政府委員 いろいろ最近は世の中も変化が激しゅうございまして、人間の嗜好や好みもいろいろ変わってまいります。そういう意味で、こういった遊興というものに対してどう考えるかという点については各県の料飲税担当者もいろいろ苦心をしておるところでございましょうが、ある意味では余りにも複雑過ぎるとかえって違いが起きてくるのじゃないか。もっとその辺を明確にすべきではないのかというような御意見、これは私どもとしてもよくわかるわけでございます。
 いずれにいたしましても、従来からこういった基準表をつくってやっておるところが相当数に上っておりますので、私どもとしてはそういった基準表によって行うことについては府県の任意に任せておるわけでございますが、調査もいたしましたので、問題点等がどこにあるのか、なおよく検討してみたいと存じます。
#207
○経塚委員 この問題、私がきょうくどくどと取り上げておりますのは、新風営法の施行問題、それから特に深夜営業可能だというような状況になりまして、各都道府県が判定基準をつくってどんどん、場合によってはおとり調査などというけしからぬこともやっておる。そうしてできるだけ税収を上げようというようなことであちらこちらで問題が起きていますから、今改めて自治省が統一した指導をやらないことにはいろいろと不平不満が出てまいりますよ。
 それからもう一点、これは経営者は特別徴収義務者ということなんですが、特別徴収義務者は、府県が取るべき税金をかわって課税客体を見出し、そして税額を決め、徴税をし、その税金を納めるということをやるのが特別徴収義務者のはずでありますが、この特別徴収義務者、店の経営者にこういう判定基準が知らされておらない。それ見せておくんなはれと言っても、見せる必要おまへん、こう言って、おとり調査で入ってきて、点数表片手にだあっと点数つけていって、そして呼び出しかけて、オール課税店だ、何で税金を納めぬのだというようなことをやっておるわけですよ。けしからぬですよ。特別徴収義務者はかわって課税し、徴税し、納めるわけですから、当然その人にはこういうものがあるのならあるで、私はこれはいいものとは思いませんけれども、あるならあるで見せるべきだと思うのですよ。その点の指導、どうですか。
#208
○矢野政府委員 調査をいたしましたところによりますと、認定基準をつくっておるところは数多くあるわけでございますが、その中で公開といいますか、相手にもちゃんと見せておるのは四県程度であったと記憶いたしております。それ以外のところは御指摘のように課税当局がそういう認定基準を持っておって、相手方、店の方にはそれを見せないで自分で点数をつけて判定をする、こういう仕組みをとっておるわけでございますけれども、問題は適正な課税、適正な認定が行われるかということにあるので、その辺につきましていろいろ課税当局と店の方との意見の違いというようなものもあり得るわけでございます。
 公開されておりますものについては、その辺が十分相互の理解が得られているというようなものが公開されている状態に至っているのだと思いますが、問題は、やはり認定の対象となる店が理解と納得がいくような形での適正な認定が行われるかどうかにあるのであって、そういう点につきましては、私どもといたしましても課税の適正化の見地から今後ともよく調べまして、府県も指導してまいりたいと考えておるところでございます。
#209
○経塚委員 これは常識で考えてもおかしいですね。おまえ税金取りなさい、取ったのを納めなさい、こう言って特別徴収義務者にしておきながら、その店がオール課税店なのかあるいは免税店なのか、その判定基準を示さずにやるというのはちょっとおかしいと思いますよ。だから、当然協力を得るというならこれは見せるべきですよ。何も新聞に広告して見せると言っておるわけではない。特別徴収義務者にそれを見せたらどうなんだといって特別徴収義務者にされそうな人が要請しているのに、今ちょっと局長がおっしゃったように、判定基準をつくっているのは全国で二十六、このうちで公開しているのはたった五つです。あとは何ぼ言ったってポケットにしまってしまって見せません。それで根性悪しておるわけです。こんなもの、ちゃんと指導してあげなさい。協力を得るためにはちゃんと見せなさい。そして協力を仰ぎなさい。どうです、見せるように指導しますか。
#210
○矢野政府委員 私もこの運用の実態に関する認識、必ずしも十分でございません。御指摘の点十分念頭におきまして、府県をまた指導してまいりたいと存じます。
#211
○経塚委員 次に、これは朝方来いろいろ論議をされておったところでもございますが、五十九年度の税制問題の論議に当たりまして私も申し上げ、各党からもいろいろ意見が出たところでもございますし、また参議院ではありますけれども、附帯決議もついております。低所得者層へ過重な負担にならないように、附帯決議の趣旨もそういうことでありますが、この六十年度の地方税の改正に当たりましてその点は配慮されたのですか、どうですか。
#212
○矢野政府委員 住民税の減税を五十九年度に行ったところでございます。初年度ベース三千百億という本格的な減税でございました。六十年度において引き続きそういった減税を行う状況にはない、税制調査会の答申も踏まえまして、六十年度においては住民税に関する減税は行っていないところでございます。
 ただ、若干所得税との関連において住民税で一年おくれで実施されるもの、例えば控除対象配偶者等の要件などにつきましては今回の税制に含まれておるところでございますが、一般に低所得者という観点からの住民税への減税は、今回の税制改正には含まれていないところでございます。
#213
○経塚委員 これは減税をやらなかったというだけにとどまらないわけですね。ちょっと数字を申し上げてみましょうか。例えば五十八年度に年収二百三十万の人があったとしますね。このときには税が二万五百円です。これが五十九年度に仮に五%賃上げが行われた、収入がふえたとしましょうか、そうすると二百四十一万五千円になります。確かに五十九年度は減税です。二万五百円が一万六千円で済みます。
 ところが、今提案をされております税制改正と称するものが通ったとするとどうなるかというと、仮に六十年度五%の収入増があったとしますと、二百四十一万五千円が二百五十三万六千円になる。そして税はどうなるかというと五十八年二万五百円、五十九年一万六千円、六十年度は二万一千八百円、こうなります。五十九年に比べて三六二二%税負担が伸びることになります。これで五十九年度の減税はもう飛びましたな。だから減税をやらなかったというだけではありません。何と一年間だけで三六・三%の税負担の伸びになってきます。
 私は今五十八年度二百三十万の年収の人を挙げたわけですが、今度は五十八年度二千万円の人を挙げてみましょう。これはどうなるかというと、税が五十八年二百十四万一千円、六十年度は五十九年に比べて税負担の伸び率が六・六%です。だから、低所得者に減税を配慮するだけの余地はなかったというにとどまってはおりません。マル金、マルビでいったら、下に重く上に軽いという結果が六十年度は極端に出てくることになるのです。四百万の場合は一五%の伸びです。一千万の場合は八・七%の伸びということになります。
 それから、これは単純に比較できはしませんが、個人と法人の割合を比べてみますと、地財計画によれば、地方税全体が五十五年度と比べると四九・四%ですが、個人が六〇・六%、法人が四四・七%です。構成比で見れば個人が二六・八%が三八・八%になります。法人関係は二九・一%が二八・一%、逆転します。これはやはり考えなければいけません。単に状況が厳しいので減税対策が低所得者にとれなかったということだけでは済みはしません。どうお考えですか。
#214
○矢野政府委員 数字を挙げてのお尋ねでございますが、五十九年度の減税は、もっと具体的に申しますと、五十九年度において所得税の年内減税分に見合うものも含めまして三控除等を引き上げたわけでございます。六十年度におきましては、国税における給与所得控除のはね返りが住民税の方に適用されてくる、しかし一方では税率調整で最低税率が上がるという点を含めての、いわば五十九、六十両年度にわたっての減税と申しますか、改正によって行われた減税でございます。
 先ほど二百三十万の所得の場合を引き合いに出してお尋ねでございますが、所得が五%上がってまいりますれば、累進構造という点もございまして所得が上がった分は税がふえるわけでございましょうが、一般的には五十八年度に比較して最終的に六十年度がどうなるかといいますと、所得が上がらなければほとんどの階層が結果的には減税になるということで、五十八、六十両年度を比較して御理解を賜りたいと思うわけでございます。所得の上昇があれば、上昇に見合う分は税負担の増加は別にあることになるわけでございます。
#215
○経塚委員 所得収入の増加があるのは当然のことだし、私は二百万台と二千万と比較いたしまして、こういう不公正が拡大をされる結果になっておるじゃないかという点もあわせて指摘しておるわけです。
 そこでちょっとお尋ねしますが、昭和五十五年度の場合は、生活保護基準額が百五十万五千円でしょう。課税最低限が百五十八万四千円ですね。五十五年度は課税最低限が生活保護基準額を上回っておったわけです。したがいまして、いわゆる非課税限度額をとる必要がなかったわけでありますが、仮に五十五年度の生活保護基準額と課税最低限の割合で六十年度課税最低限を引き上げるということにすれば、一体幾らになるんですか。
#216
○吉住政府委員 ただいま御指摘になりました五十五年度の生活保護基準と課税最低限は、保護基準を一〇〇といたしますと課税最低限はおおむね一〇五に相当いたします。したがいまして、これを現在の生活保護基準に一〇五、つまり一・〇五を乗ずるという計算をいたしますと、結果としてこ百九万五千円程度に相なります。
#217
○経塚委員 二百十万円近いわけでありますが、それで計算しますと減収はどれぐらいの額になるのですか。
#218
○吉住政府委員 おおむね二千四百億程度になろうかと存じます。
#219
○経塚委員 三千億前後の住民税の減税を要求するのはそれなりの根拠があるということになってくると私は思うわけであります。
 先ほど局長は答弁の中で、いわゆる生活保護基準額と課税最低限とは制度も違う、したがってこれは必ずしも同一でなければならぬものではない、何かそういう趣旨の答弁をされたと思いますが、これは今後地方税制を考える場合に根幹にかかわる極めて重大な問題ではなかろうかと私は思うのですよ。これは地方税の性格から見ても、地方税制度から見ても、何も生活保護基準額を一定の根拠にしなければならない理由はないんだという論が成り立っていくとすれば、生活保護受給者には最低限度の生活を保障するという観点に立って課税されないにもかかわらず、生活保護基準以下の人の場合は生活保護を受けておらなければ課税したっていいじゃないか、いやむしろ当然じゃないかということになりますと、これは生活費に食い込む税金は地方税の場合は取ってもいいんだ、こういう論にも発展をしかねないわけです。したがって、今後地方税制を考える上では極めて重要な根幹にかかわる問題だと思いますので、改めて見解をお聞きしておきたいのですが、どうなんですか。
#220
○矢野政府委員 先ほど御指摘のように、いわゆる生活保護基準を課税最低限が上回っておる状態が従来から続いておったわけでございます。生活保護基準と課税最低限を比較いたしました場合に、ある時点、昭和五十年代半ばにおきまして、生活保護基準の方が逆に上回るという事態が出た、そのときから実は議論になったわけでございますが、そのときの議論として、税制の面と社会保障制度という面は、直接これは同じものではないんだという議論があったわけでございます。
 ただ、そういたしますと、おっしゃるような現象がやはり出てくる。被生活保護者は住民税がかからないわけでございますが、それより年収が下の方で生活保護の適用を受けてない者はかかる、この事態はやはり問題であるということから昭和五十五年には課税最低限も引き上げた。しかし、地方財政の事情もございますから、その後非課税限度額ということで対応してきたわけでございますので、私どもの現在持っておる意識といたしましては、生活保護基準に対して住民税の非課税限度額というものは、常にクリアをしておく必要があると考えておるところでございます。
 先ほど答弁の中で申し上げましたのは、もともとそういう問題が発生したときのいきさつの議論としてあったという意味で申し上げているのでございまして、現在の考え方では、常にそのような考え方でこのところずっと対応をしてきておる次第でございます。
#221
○経塚委員 この論はまた次回のときにぜひお尋ねをしたいと思っておりますけれども、この前もちょっと大臣にも申し上げましたが、生活保護法第一条には、憲法二十五条の理念に基づきというまくら言葉があるわけです。二十五条の理念といえば、すべて国民は、健康にして文化的な生活を営む権利がある、国はこれを守る義務がある、この権利と義務の相関関係、生活保護法はこれに基づいて最低限生活が保障されておる。これは社会保障制度の理念にとどまらず、国民の最低生活を保障する理念でありますから、課税に当たりましても当然この憲法二十五条は生かされなければならないものだ。いや、あれは社会保障制度に関する理念であって、それ以外のものには適用しないのだという論は、これは全く暴論であります。だから、課税に当たってもこの二十五条の理念は生かされなければならぬと私は思うのですよ。
 現に、過去における答弁を見ますと、生活保護基準以下の人に課税をするということは好ましくない。さらに、いわゆる非課税限度額がつくられましたときに、けしからぬじゃないかという論に対しましても、ゆとりを持たせるためにということで非課税限度額が生活保護基準額を上回る範囲で定められたわけでしょう。ところがこれは六十年度はもうちょぼちょぼになってしまったわけです。そうすると、生活保護者にはいわば固定資産税も免除される、そうでない場合には課税される、総合的に判断をしてみますと生活保護者よりもゆとりを持つところか、逆に生活費に食い込む課税をされる、こうなってくると、これはやはり憲法二十五条の理念に反することになりますよ。
 したがいまして、私は、それは法体系は違いますけれども、最も一致した法体系の最大の基準は憲法二十五条の理念の観点に立つべきだ、この観点に立って課税も配慮されなければならぬというふうに考えるのですが、その点はいかがですか。
#222
○矢野政府委員 そういった御指摘のような観点を踏まえまして非課税限度額というものをつくって、生活保護基準以上に達しない方で生活保護の適用を受けてないという者も非課税となるような措置をしてまいってきたわけでございます。
 確かに六十年度の場合、非課税限度額の改正をすることとなっておりませんので、かなり接近をするわけでございますが、しかしこれは、どの程度のゆとりを持つかということについてはいろいろ御議論はあろうかと思います。私どもといたしましては、今回は改正を行わないとしても生活保護基準をクリアできる、こういう考え方のもとで、税制調査会の御意見などもいろいろ伺いましたが、今回の制度改正に当たってはそこの改定は行わなかったところでございます。なお、今後とも生活保護、非課税限度額の取り扱いについては十分配慮してまいりたいと考えておるところでございます。
#223
○経塚委員 改正しなくても生活保護基準をクリアできると言いますけれども、できやしませんがな。実際これはできやしません。もう差はほとんどないのです。それでさっき言ったようないろいろな負担を考えできますと、これはクリアできやしませんよ。だから、本来は六十年度に手を入れるべきだったのです。いわば六十年度は、非課税限度額というのは、ややこしいことはやめてもうすっきりしたものにやるべき年度でしょう。こうなってきますと憲法二十五条の理念を踏み外すことになりますよ。だからそれは何と弁解しようとも、今度の六十年度の税制改正の中身なるものは、これは重大な内容を含んでおると言わざるを得ない。
 そこで、最後にちょっと資料関係でお尋ねをしておきますが、電気税の非課税措置の問題であります。
 これは資料をいただきましたが、「産業用非課税品目別主要企業名調」、全部の企業名ではなしに主要企業名で、企業ごとの非課税額も記されておりません。それから、かつては業種別に非課税額が資料として提出されておったわけでありますが、聞くところによりますと最近はそれも出さなくなってきた、こういうことであります。こんなことじゃますます疑惑を生み出さざるを得ないということになりますよ。
 これは一つの資料でありますけれども、この名簿から見ましても、新日鉄だとか日本鋼管だとか住友金属などが入っておりますが、内部留保額を九月期決算と比較をしてみますと、新日鉄の場合は二百三十億ふえておるのですね。それから日本鋼管が十七億、住金が百七億、鉄鋼大手十社でもって八百六十億ふえておるわけですね。鉄鋼十社でもって内部留保額が一兆九千億円ですよ。しかも国民協会に対する政治献金が、日本鋼管が六千三百万、住金が六千万ですよ。非課税対象の企業、セメントあるいは鉄鋼関係などを取り上げてみましても、献金だけで総額四億六千万に上っておりますね。税の公平、公正をうたうなら、やはり疑惑を招くようなことはしてはならぬと思うのですよ。公正にやるべきだと思うのですよ。
 国民経済に与える影響が重大だということだけを理由にして、個々の企業の非課税額も公表しない、業種別の公表もしない、これじゃますます疑惑が募るばかりですよ。ぜひひとつこの資料は次の委員会までにお示しをいただきたい。その資料に基づきまして、次回改めて御質問を申し上げたいと思います。どうですか、その点は。
#224
○矢野政府委員 関係省庁の方と協議をして資料を手に入れるわけでございますが、業種別の資料は従来お出し申し上げていないというぐあいに承っております。なお、それ以外の点で御要請の点は御提出を申し上げたいと存じます。
 今回御提出申し上げましたのは、品目ごとの主要企業の名称、これの御要請がございましたのでそれを提出したわけでございますが、可能なものにつきましては提出をいたしたいということでございます。
#225
○経塚委員 業種別の資料も過去においては出した例があるやに聞いておりますので、その点もひとつよく御協議をしていただきたいと思います。
 終わります。
#226
○高鳥委員長 次回は、来る十五日正午理事会、十九日理事会、委員会を開会することといたします。
 なお、十九日の理事会、委員会の開会時刻につきましては、公報をもってお知らせいたしますので、御了承を願います。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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