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1984/04/15 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第10号
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1984/04/15 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第10号

#1
第102回国会 地方行政委員会 第10号
昭和六十年四月十五日(月曜日)
    午後二時四分開議
出席委員
  委員長 高鳥  修君
   理事 愛知 和男君 理事 糸山英太郎君
   理事 臼井日出男君 理事 平林 鴻三君
   理事 加藤 万吉君 理事 安田 修三君
   理事 柴田  弘君 理事 岡田 正勝君
      大村 襄治君    工藤  巖君
      小杉  隆君    坂本三十次君
      中川 昭一君    野呂 昭彦君
      細田 吉藏君    小川 省吾君
      佐藤 敬治君    細谷 治嘉君
      山下八洲夫君    宮崎 角治君
      吉井 光照君    藤原哲太郎君
      経塚 幸夫君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        自 治 大 臣 古屋  亨君
 出席政府委員
        大蔵大臣官房総
        務審議官    北村 恭二君
        大蔵大臣官房審
        議官      角谷 正彦君
        大蔵省主計局次
        長       平澤 貞昭君
        大蔵省関税局長 矢澤富太郎君
        大蔵省国際金融
        局長      行天 豊雄君
        国税庁間税部長 山本 昭市君
        自治大臣官房長 津田  正君
        自治大臣官房審
        議官      土田 栄作君
        自治省財政局長 花岡 圭三君
        自治省税務局長 矢野浩一郎君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    島村 幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十五日
 辞任        補欠選任
  松田 九郎君    野呂 昭彦君
同日
 辞任        補欠選任
  野呂 昭彦君    松田 九郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案。(内
 閣提出第二四号)
     ――――◇―――――
#2
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、大蔵大臣に対する質疑を中心に議事を進めることといたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤敬治君。
#3
○佐藤(敬)委員 最近私どものところに再三再四、この補助金の一括削減の法案が通らないと公共事業がおくれるし、生活保護には金を払えないし、一体どうしてくれるのだ、早く通せ、通せといってわんわん陳情が来ます。私だけじゃなくて、ほかの議員さんを見たらみんなそれに音を上げている、こういうような状況です。
 私は、この間の連合審査のときに竹下大蔵大臣に、あなた方が地方をけしかけているのじゃないか、そう言って質問いたしましたら、いや、私も議員の一人でありますので、絶対にそういうことはありません、こういうような話でありました。あのときも申し上げましたけれども、私も小さい自治体の長をやっておりましたので、交付税法が通るころになると、自治省からわんわん電報やら電話がかかってきて、早く通せと言って地元のあれを締めつけろ、こう言ってきまして、私も電報を打ったり締めつけたりしたことがあるのですが、全くそれと同じようなことを大蔵省が今度やっているのじゃないか、私はこう思っています。ないというお話でしたけれども、本当にないのですか、もう一遍念を押して聞きたいのです。
#4
○竹下国務大臣 先般も申し上げましたように、そういう事実はないと私も確信しております。私どもの方で申しますならば、これは予算関連法案として全く不可分な法律だからというので、平素の場合は、予算提出が一月二十日ごろになったといたしましても、関連法案は二月二十日過ぎぐらいの火曜日とか金曜日とかをいわば提出期限としまして、各省を督励して出さすわけでありますが、この法律ばかりは、これは大事な法律で、全く不可分だからというので、国会へ予算書と一緒に提出申し上げた、こういう事情があるわけであります。
 しかし、国会の審議がどうなるかなどということを論評するほど私は愚か者ではない、こういうことも申したわけでありますが、それは、国会でお決めになることは、私も国会議員として、行政府がそれに対してとやかく口を出すほど愚かであってはならぬというのは、絶えず私はみずからにも言い聞かし、私の組織にも言い聞かしておる、こういうことであります。したがって、せいぜい言えば、これは佐藤さん百も承知のお話でございますが、請願権とか陳情権とかいうものは国民一人一人の立場に立てはあるのかな、こういう気もしますけれども、それを強要するようなことであってはならない、こう思っております。
#5
○佐藤(敬)委員 審議促進を人質にとって、政府が弱い自治体にそういうふうなことをやらせる、これは国会の審議権を大変抑制することになるのです。新聞なんかにも出ている。これは某新聞ですが、「自治体音を上げる」、大蔵省が審議促進を人質にしているのじゃないかと新聞に書いてあるのです。「頭抱える自治体」、大蔵省が支出停止を命じたとも書いてある。これはだれが見ても大蔵省がやらせていると、私どももそう思っているのですが、新聞もそう思って、各新聞みんな書いている。これを人質にとって審議権を無視するように地方自治体を唆している。
 今回のあれは地方にとっては大変迷惑な法案なんです。連合審査でも各委員口をそろえて言っているように、これは無謀なとんでもない法律だ、撤回しろと言って迫っている、自民党は言いませんけれども。自民党の方々でも、行革だ、行革だと言っているけれども、これは行革でも何でもない、乱暴な法律だと思っている人はたくさんいると思いますよ。いわば加害者が大蔵関係のあれなんです。ところが、新聞を見たり陳情したりしている人のことを聞くと、何か善玉が大蔵省で悪玉が議会みたいなことで、悪玉と善玉をすりかえているような状況になっているのです。
 我々も議員ですから、地元から来てわんわん言われると、何となく通さなければいけないような気になる。ここのところにあなた方がこれを人質にとって審議促進をねらっている一つのあれがあるのかもしれません。単に陳情団が大蔵省の意を体さないで、自分だけの陳情の気持ちで来ているのはどうだと言うのは、私は大変疑問だと思っております。
 それは別にしまして、大臣も今お話しになっておられますけれども、法律をここにかけて、どんなに緊急かもしれないけれども、通るか通らないかというのは、通ってみないとわからぬのですよ。特にこういうようないわば乱暴な法律が出てきて、通るか通らないかということは、野党なりが地方自治体なりの意を受けて徹底的に抗議をすれば延びるのは当然のいきさつだと私は思うのです。
 そうすると、一方では金を払わなければいけない時期が来ます。これに対して何かしら地方に迷惑をかけないように暫定的にやる方法があるのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、なかなかそこのところ、大蔵省としてはない、ないと言って、法案を早く通すしか方法がないのだと言って頑張っていますが、何か地方に迷惑をかけないような方法を大蔵省として考える必要があると思うのですが、いかがですか。
#6
○竹下国務大臣 とことん議論していけば、恐らく地方の金繰りの問題になるのじゃないかな、こういうこともございます。私どもが当然のりを越えてはいけませんのは、いわば自治体、その相談相手であります自治省の仕事の範疇に属することであろうと思うのでありますが、そういう問題について私どものサイドでできることは十分お手伝いをしなきゃならぬ課題だという問題意識は持っております。
#7
○佐藤(敬)委員 問題意識だけ持ってもらっても困るので、実際に自治省なり厚生省なりは、あるいは建設省でもいいのですけれども、何とか迷惑かけないようにやりたい、こう思っているけれども、どうもいろいろ聞いてみますと、大蔵省の方がそういう支出は一切まかりならぬ、法案が通らないうちはだめだというふうに聞こえるのですが、そうなると、大蔵省がこういうような便法があるじゃないか、便法というとあれですが、こういうような方法があるじゃないか、例えば概算払いをして後から精算するような方法もあるじゃないか、そういうことを大蔵省がいいじゃないかということになれば、各省とも地方に迷惑をかけたくないからやると思うのですが、いかがですか。
#8
○竹下国務大臣 個々の問題にわたる具体的なことになりますので、私で正確にお答えするだけの知識もございませんが、金繰り問題ということになりますと、私どもがそれなりのお手伝いをすることもあるのではなかろうかというふうに思っております。
 ただ、補助率そのものに関連することになりますと、やはり国会の審議権ののりを越して執行するという議論もあるいは起きてくるのではないかな。もう少し具体的な問題については平澤次長の方からお答えをさすのが適当かと思います。
#9
○平澤政府委員 今大臣の御答弁にございましたように、一つは資金繰りの問題がございます。これにつきましては自治省においてもいろいろお考え、あるいは御苦心しておられるところだと我々も伺っておるわけでございます。例えば交付税等の支払いが四月にございますけれども、その辺についても配慮をしておられるのではないかというふうに考えられるわけであります。
 もう一つの問題は、それでは交付決定を例えば現行法の補助率でやってはどうかということがございます。しかし、これにつきましては、既に決定されました予算において国会の御意思が一つ出ているわけでございます。したがいまして、予算で考えているのと違った従来の補助率で交付決定を行うのはやはり問題があるわけでございます。
 他方、それでは予算で考えておられる補助率で概算交付したらどうかというお考えもあり得るかと思いますけれども、片方で法案を御審議願っておりまして、その法案について国会としてのお考えがまだ確定しておりませんのを先取りして交付決定を行うのはどうかという問題がございますとともに、その他法案の成立時期の前後である程度の問題も生ずる可能性もございますので、これにつきましてもそのような交付決定を行うのは適当でないと考えているわけでございます。
 したがいまして、やはり先ほど大臣からもお話がございましたように、行政当局といたしましては、法案の十分な御審議を経た上ではございますけれども、できるだけ早い成立をひたすら期待しているということでございます。
#10
○佐藤(敬)委員 ひたすらだか何だか、国会で早く決めろ、決めないから地方に要らない迷惑かけるのだ、あなたが今一番最後に捨てぜりふを言ったそこのところが一番大きな問題で、これは要するに、国会に出せば国会が決める問題で、それを通すか通さないかということはあなた方の責任なんですよ。それを国会が通さないから悪いのだというような言い方は、我々にとっては審議権を抑制するものでまことに我慢できない問題だ。
 今、金繰りだと言うけれども、金繰りはどういうふうに考えればいいのですか。例えば、法律が通らなければ四月分が出せないとあなた方が言うならば、生活保護をやりますと、生活保護というのは奨励的な補助金じゃないのですよ。法律に基づいて負担しなければいけない政府の義務的な負担金なんです。だから、現行法がきちっとあるのだからそれを払えば一番いいと思うけれども、しかし金繰りで済ませるとすれば一時借り入れをする、そうすると元金がかなりな額だから地方は利息を払わなければいかぬのですよ。利子を国が負担するということですか。
#11
○平澤政府委員 今委員おっしゃいましたように、地方公共団体が金繰りをつけます場合には、積立金等の中から支給する場合もございますし、先ほど申し上げましたように四月に交付税が支払われますので、その交付税の中から支払うということもあるわけでございます。しかし、それでもなお足りない場合にはやはり一時借入金等の措置をとって行うということも予想されるわけでございます。そういたしますと、当然のことながら、おっしゃるようにその利息をどうするかという問題も生じてくると思います。
 それにつきましては、地方財政全体の収支の中でどう考えるかという問題が一つございますが、その点では約四千億円、そういうものに充てるものを地方財政計画上予想しておる部分もございます。しかし、それ以外に国の方から何らかの措置をとるべきではないかということにつきましては、そういうものをとる制度的な仕組みがございません。したがいまして、国がその部分を一般会計から財源措置するのは困難ではないかというふうに考えているわけでございます。
#12
○佐藤(敬)委員 国はそういう仕組みがないと言うけれども、今までいろいろあるのですよ。例えば交付税の問題だって、金が足りなくなればわざわざ特例のあれまで一般会計から出しているじゃないですか。やろうと思えば方法は幾らでもあると思うのです。法律が通らないから払わない、こういうのじゃなくて、法律が通らなければ現行の法律があるでしょう。やはりそれでやっておくべきだ。それで我慢せいと言うのなら、これは政府の責任でもって一時借り入れしたところには利息を払うのが当然でしょう。仕組みがないといったってそれは法律で決めればできることなんだ。できないはずはないですよ、ほかのものはみんなやっているのだから。これだけできないということはないでしょう。どうですか。
#13
○平澤政府委員 今委員がおっしゃいました中で、先ほどの私の答弁とダブるわけでございますけれども、現行の仕組みでとりあえず補助金を支払っておいたらどうかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、既にその予算で示されております国会の御意思と食い違ってまいるわけでございますので、そういう意味での交付決定はやはりできないというふうに考えているわけでございます。
 そこで、それではその資金繰りを行った場合に、その金利その他をどう負担するかということでございますが、その部分につきましてはやはり地方団体で負担していただくということになろうかと考えているわけでございます。
#14
○佐藤(敬)委員 あなたの話、何を言っているのかさっぱりわからないけれども、公共事業なら、もし仕事を延ばせば金も要らぬからいいのですよ。しかしこれは、例えば生活保護なんというのは四月からぴしぴしとやらなければいかぬのだ、義務的に。しかもそれを政府が負担金としてちゃんと義務づけられているのですよ。それを法律が通らないからだといってそれをやらないという、こんなむちゃな話はないでしょう。やる人はもらわれない、やれば地方団体がえらい損害をこうむる。
 あなたさっきから法律が通った、通ったと言っているけれども、衆議院が通ったので、まだ参議院にかかっているでしょう。まだ審議も始まっていないような状態だ。参議院でいつ通るかわからないですよ。いつまで待てばいいのかわからない。あなた方三十日とれば予算は成立するかもしれないけれども、法案はいつ通るかまだわからないのですよ。これは何カ月迷惑かけるかわからないのですよ。それを法案通さなければおまえらの責任だといって議会を責められたってまことに迷惑な話で、これはどうしてもやはり地方で一般借り入れしてその利息を払う、こういうことはだめですか。それならば地方は納得するでしょう。
#15
○平澤政府委員 その場合、地方団体の全体の資金繰りの中のお話でございます。したがいまして、実際上は四月は交付税が多額に交付されますので、その意味で資金繰り上は問題がないんじゃないかと大数においてはそういうふうに考えられるわけでございます。
 しかし、それ以外に先ほど申し上げましたように、どうしてもお金がない場合には一時借入金をする地方団体が出てくると思いますけれども、その金利相当分をどうするかという問題につきましては、国としてはそのものずばりについての配慮を行うのはなかなか困難ではないかというふうに考えるわけでございます。
#16
○佐藤(敬)委員 交付税、交付税と言うけれども、この問題がなくても交付税で足りなくて、いつも逆に交付税早く通してくれといって陳情をうんとされているのですよ。それの中にこんな四千八百億かの金が出てきて、困っているのは当然なんです。あるいは一時何とかかんとかできるところもあるかもしれませんよ。しかし小さいところへいくと皆困っちゃうのです。あなたそのものずばりはないと言うけれども、そうするとずばりでないものはあるのですか。
#17
○平澤政府委員 今自治省等とあれしておりますのは、その交付税の四月分について対前年たしか十何%かの、ちょっと今数字は調べておりますが、金を地方団体に交付するということで何とか資金繰り面でできるだけ支障を少なくしようというふうには考えておりますが、金利そのものをということにつきましては、くどいようでございますけれども、政府としては直接見るのは困難ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#18
○佐藤(敬)委員 だから聞いているのですよ。資金そのものずばりはない、そう言うけれども、今花岡財政局長と話しして何かありそうな話もあるが、それではずばりでない何の方法があるのですか。
#19
○平澤政府委員 先ほど申し上げました地方交付税の交付につきましては、国の資金需要は非常に苦しいわけですから、国がその資金を調達するには政府短期証券で金利を払って調達するわけでありますけれども、そういう資金需要のもとで早期交付に努めているわけでございます。例えば四月分の交付税の交付についてですが、市町村分については四月八日、それから都道府県分については四月十二日に交付しておりまして、合わせまして総額二兆一千九百五十八億円、対前年度で一二・五%増という金額を交付しております。したがいまして、この中で資金繰りをしていただくということになろうかと考えているわけでございます。
#20
○佐藤(敬)委員 それは地方団体の方が少し弱いものだから、あなた方に言われると自治省も余り文句言えないのです。地方財政は金持ちだ金持ちだと言っているけれども、金持ちでないのはこの前連合のときも私言ったのですが、こんなもの来たってまだ足りないのですよ。こんな大きな金が、何千億という金が支給されない。一番大きな生活保護ですからね。これが来ないということはちょっとやそっとの苦痛じゃないのですよ。だからあなた方は言わなくても、あるいは本当に地方自治体が早く通してくれと言ってきているのかもしれませんよ。私は、やれば方法はあると思うのですよ。概算交付した後で精算する方法はなぜだめなんですか、どうもだめだ、だめだと言っているようですけれども。
#21
○平澤政府委員 概算交付という場合に、恐らく委員がおっしゃっておりますのは、現在御審議願っております補助金の一括法に決めております例えば生活保護につきましては、十分の七ということで交付してはどうかというふうに考えますと、十分の七で交付すること自身が、既にその法案を御審議願っておるわけでございますから、まだ国会での御意思が法案成立ということではっきりしてないときに、その部分を先取りしてそういう交付を行うということが妥当かどうかという問題があるわけでございます。
 政府といたしましては、その点につきましては適当でないと考えておりますので、現在まだ交付決定を行ってないということになるわけでございます。
#22
○佐藤(敬)委員 あなたの話を聞いていると、片方では十分の七を議会にかけているからやられないと言うし、片方では、それじゃ十分の七でやれと言うとまた終わってないからやられないと言うし、何もできないじゃないの。両方の綱引きみたいなので動きがとれないということでしょう。だから、動きがとれないから金繰りであれするとか、あるいは今みたいに概算交付の方法がないか。
 そうすると、あなたはほかのやつでやると言うんだけれども、やるかやらないかさっぱり見当がつかない幻の金つかませて満足させようとしているけれども、こんなものじゃ何にもならぬのですよ。現実にやる方法は、私は概算交付して後から精算する方法があるだろう、なぜこれができないかと、そう聞いているのですよ。できないはずはないと私は思うけれども、なぜできないのですか。そのできない根拠をひとつ教えてください。
#23
○平澤政府委員 今申し上げましたように、国会の御意思が予算と法律とで現在まだ一致した状況になってないわけでございます。そういうもとにおきまして、何らかの率でもって交付することは、政府としては適当でないと考えておるわけでございます。その意味で概算交付も現在行ってない、こういうことでございます。
#24
○佐藤(敬)委員 あなたは一致してないから概算交付ができないと言うけれども、一致してないから概算交付しなければいけないのですよ。一致したらきちっと払えばいいのですよ。一致しないから概算交付するとか、一時借り入れしてその利息をどうするとかという問題が出てきているのですよ。一致していればきちっとやりますよ。一致しないから概算交付という方法でやられないか、こう言っているのです。それじゃ全然話がかみ合わないじゃないですか。一致しないから概算交付するのですよ。あなたは一致しないから概算交付できないと言っている。おかしいじゃないか、そんなのは。概算交付というのはきちっと払えということじゃないのですよ。概算で払えということなんです。どうですか。
#25
○平澤政府委員 概算交付という点につきましては、今申し上げましたように十分の七という率で交付するのか、十分の八で交付するのかという点の二つがございます。十分の七につきましては先ほどお話し申し上げましたが、片方、それでは十分の八で交付するということになりまして、交付いたしました後に現在の法律が成立して十分の七ということになりました場合に、その部分について、既に交付を受けた地方団体に十分の七で遡及いたしまして既交付分を返せというふうにお願いすることは、不利益なことを遡及させるということで、これはできないということがございます。そういたしますと、予算上は十分の七でしか組んでおりませんので、結局予算上その分資金が足りなくなるという問題も起こってくるわけでございます。そういう意味からも、政府としては概算交付については問題があるということでございます。
#26
○佐藤(敬)委員 不遡及の原則がこの場合通ずるか通じないかということは大変疑問があると思いますけれども、これはあなたにお聞きするよりも大臣の方がいいかもしれないが、この法律がもし通らないとなるとどうなるのですか。
#27
○平澤政府委員 法律が通らないということになりますと、現行法と予算とが食い違うわけでございます。したがいまして、予算で示されました国会の意思と現行法とが食い違うわけでございます。したがいまして、政府としてはまた改めて法案を出してお願いするか、もしくは、最終的には現行法でいくという場合には予算の金額が足りなくなりますので、それにつきまして予算上何らかの手当てをするか、私が申し上げたような道をとることになろうかと考えております。
#28
○佐藤(敬)委員 あなたが申し上げたということは、もう一遍法案を出すという意味ですか。あなたが今そうでないと私が申し上げたような措置をとることになるだろうというのは、どういう意味ですか。
#29
○平澤政府委員 もう一度法案を出してお願い申し上げるか、もしくは予算の方を現行法に合わせる措置をとるか、その二つしか方法はないかと考えているわけでございます。
#30
○佐藤(敬)委員 あなたが今話したことでも、やろうと思えば方法はあるのですよ。今これはいつ通るかわからない。延長になれば、何カ月延長するつもりかわからないが、私どもは延長させたくないと思っているけれども、強引に延長して二カ月でも延長すれば二カ月先に延びるかもしれないのですよ。その間待っているわけにはいかない。
 そうすると、例えば現行法で払っておいて、途中でできれば後からそれを精算する、五月になるか六月になるかわからないけれども、例えば五月でこれが成立したとしますと、そのときに六月分から七〇%払って、その前は八〇%でいくしかないでしょう。だってあなたのように不遡及の原則で先に払ったものは取られませんと、そういうふうにいくならば。毎月払わないわけにいきませんからね。現行法があるんだから、成立しないときは現行法で払っておけばいい。法律が成立すれば、五月にやったら六月分から七〇%に切りかえていくしかないじゃないですか。やればそういう方法はあるでしょう。それはだめですか。
#31
○平澤政府委員 生活保護を受けている方と、それからそれを支給する地方団体との関係につきましては義務的になっているわけでございます。しかし、その資金の負担についての問題につきましては、明確にいつまでに資金を負担するという問題が法律上規定がございませんので、先ほど来申し上げておりますように、政府としては現在交付決定の措置をとらない状態が続いているということになるわけでございます。したがいまして、法律的に明確な状況になったときに交付決定を行うということになるわけでございます。
#32
○佐藤(敬)委員 あなたはとんでもないことを話していると思うよ、僕は。国とこれを払う市町村との間には、そうするといつ払ってもいいということなの。期日が明確でないとすれば、年度内ならいつ払ってもいいということなの。とんでもない話ですよ、これは。払う方が決まっているんだからそれに間に合うように払っていけと、これは昭和五十九年三月九日、衆議院の本会議で、決算委員会からの決議事項として出ているやつがあって、この中の第八番目のところにこう書いてある。「現在の財政制度の下では、地方公共団体は国の財政運営の影響を強く受けている。 政府は、地方公共団体の財政の円滑な運営、特に資金繰りについて十分な配慮をすべきである。」と与野党一致で議決してきているのですよ。それで本会議で報告して了承されている。
 あなたの言うことは、期日が明確でなければいつ払ってもいいという、一体そんなばかな話ありますか。そんなばかな話はないですよ。向こうは払わなければいかぬのにこっちはいつ払ってもいいという、そんなばかな話はないでしょう。
#33
○平澤政府委員 今の点、若干私の説明の不十分の点があろうかと思いますが、補助金の交付決定をいつ行うべきかについては、当該補助金の実体法等において特段の規定がない限り、仮に交付決定の時期が従来のそれよりおくれるとしても直ちに違法ではないというふうに考えられるわけでございます。しかし、委員がおっしゃいますように、それでは年度末ぎりぎりまでこの生活保護の国から地方団体への支給を延ばすことができるかという点につきましてはやはりいろいろ問題があろうかと思いますので、政府といたしましてはできるだけ早急にこれが交付できる状態が来ることを望んでいるわけでございます。
#34
○佐藤(敬)委員 いろいろ問題があるどころじゃない。とんでもない問題ですよ、あなた。年度末ぎりぎりに払えばいろいろな問題が出てくるなんて、あなた、とんでもない話だ。いろいろな問題じゃない。地方自治体ぶっつぶれてしまうよ。何を言っているのですか。あなたは一体生活保護がどういうふうにして末端にまで支払われているかわかりますか。ちょっと説明してください。
#35
○平澤政府委員 具体的な個々の手続については詳細には私は存じませんが、通例の場合には予算が成立した直後、それは年度を越した場合でございます。それから年度に入る前に予算が成立した場合には、四月一日に国から地方団体に資金が交付されるというのが通例でございます。それからそれ以外の場合ですと、次の月の交付必要額をその前月末に国から資金交付しているというのが定まりになっていると理解いたしております。その資金をもちまして、通例の場合毎月の五日までに、ほぼ九八%でございますかが、地方団体から生活保護者等に交付されているということと理解いたしております。
#36
○佐藤(敬)委員 こういうふうになっているのですよ。例えば厚生省から市町村に金が行くには、七十五条と政令の十条に基づいて一年単位で補助する、こういうふうにあるのです。しかし金額が非常に大きいので、政令第九条というので、四月分については今あなたが言ったように予算成立後なるべく早い時期に交付する、こういうふうになっている。概算で交付するのですよ、概算で。五月以降については前月の二十日ごろまでに概算交付する、こういうあれでもってやっているのです。
 だから本当は年度単位できちっとやらなければいけないけれども、金額が非常に大きいし、はっきりした金額がわからないので、四月分については予算が成立したらなるべく早い時期、五月以降については前月の二十日ごろまでに次のやつを概算交付する、概算ですよ、概算で交付する、こういうふうにして今現在交付しているのです。だから概算ができないということはない。現在もう概算で交付しているのですよ。だから今さらできないということはないでしょう。既に概算交付の方法をとっているのです。
#37
○平澤政府委員 今委員がおっしゃいました事例は通例の場合でございまして、今年度の場合は、先ほど来御説明申し上げておりますように、交付する場合の補助率が現在まだ国会の御決定を得ていない事態でございますので、通例の場合とはやはりその点で事情が異なっているというふうに理解しているわけでございます。
#38
○佐藤(敬)委員 概算交付というのはあくまでも便法なんですよ。法律からいうと、今とっている方法だって、あなたの言うように厳密にあれすればおかしいかもしれませんよ。わからないから概算でやって、後で精算するという方法なんです。概算というのは常にたくさんやって、そして余った分を引き揚げるとは限りませんよ。少なくやって後から足してやる分もあるのですよ。そんな場合だってあるでしょう、概算だから。
 今の場合、あなたが言うように八〇%やってしまって取り上げることはできない、こう言うけれども、八〇%やって取り上げなくて、今かかっているこれが成立する可能性があるとするならば、それを考慮して七〇%やっておけばいい。法律が通らないときにはもう一〇%追加してやればいい。通ったならばそのままでいいじゃないですか。精算する方法は幾らでもあると思う。あなたの方にやる気がないから、概算交付なんてだめだ、だめだと言って各省締めつけておる。厚生省だって自治省だってやりたくてしようがない。しかし、あなた方大蔵省が、こんなことをやっちゃだめだ、これをやってしまえば審議に対する促進の熱意をみんな失ってしまって、ほったらかしてしまうかもしれない、与党も一生懸命にならないかもしれないと新聞に書いてある。その便法をやれば与党もこれを通すことに一生懸命にならないかもしれない、そういう危険性があるからとにかくやらないでおいて、緊張感を、インパクトをこれに与えておかなければならぬ、こういって新聞に書いてあるけれども、まさにそのとおりだ。やろうと思えば幾らでもある。しかし、それをやらせないように各省にあなた方が力を加えているのじゃないの。やればあると思うのですよ。大臣、どうですか。
#39
○竹下国務大臣 これは四月の八日が市町村分、十二日が都道府県分でございましたか、交付税を交付いたしまして、それが去年に比べればおおむね一二%増し。そうすると、それなりの資金繰りというのは、その中で二兆一千億ぐらいになりますか、でございますから、一応の資金繰りはつくのかな、素人の私なりにもこういう感じは持っております。ただ、ぎりぎり議論しますと、佐藤さんがおっしゃいますように、これがまだずっと将来に延びた場合、それこそそのときにはやはりもう一遍議論してみなければならぬ問題が出てくるなということは私にもわかりますが、今の時点で、確かに実定法上は違法じゃないかもしれませんが、八割で交付することに対しても七割で交付することに対しても、その概算の率そのものは、国会で審議されておる間にアバウトで決めるというのはあるいは難しい問題かなという感じが私もしないわけではございません。
 したがって、そういうことを議論すると、これは今社会保障の点について佐藤さん、焦点を合わせて御議論いただいておりますが、本当は公共事業にしましても、仮に早期発注、そして景気刺激という環境であったならば、これはやはり別の意味において、実定法上の問題は別として、私はやはり問題があると思うのであります。
 その辺を考えまして、私が心配しておりましたのは、まず一つは、一体予算が本当に暫定になった場合どうするかという問題も考えてみました、その時点で。幸いに暫定にはならなかった。そのときどきの給与等の支払いには影響ないかもしれぬが、実態として予算が動いていないものがあるわけでございますから、それはまさに今まで余り経験のない異例の状態であるなどいう事実認識がありますだけに、本当に私どもの立場からいえば、可能な限り早く通してもらいたいという物すごい期待感を持ちながら審議に協力していかなければならないということでございます。
 ずっと延びた場合、いろいろな問題が出るでしょう。そして、法律が延びた場合、今までの措置として、五十九年度で言いますならば、例の給付と負担と両方にかかわりました健康保険法の問題も結局は延びましたので、補正でこれは後から措置したわけでございますけれども、なかなか厄介な問題があるなどいう感じは私もしておりますので、ひたすらまさに物すごく期待をしておる、こういうことであります。
#40
○佐藤(敬)委員 今も大臣からお話がありました。やればできると思うのです。これは四月分だけの問題じゃないのですよ、例えば生活保護費を見ますと。初めから年間の単位で払うことになっているのです。その中の四月だけの問題なんです。だから、四月で多少そごがあっても、年間としてこれを精算すれば私は何の差し支えもないと思いますよ。
 今の議会の審議の過程を見なさい。今ようやくあそこへ行っているでしょう。国会の延長の問題で、実際いくとしばらくがたがたして、もう会期末になってくるとかなり混乱が起きると思いますよ。そして、連休が終わって五月に入ってしまう。五月に入ってどのぐらいかかるか。これは衆議院だってこのとおりですから、参議院だってかなりこれはごたごたすると思うのです。これは地方にとっては大変な問題で、いまだかつてないような不利益処分なんだ。だから、かなりもめることも確かなんです。そうしているうちに五月分も今の四月分と同じようで、今度六月分も同じような状態になりかねない。いつまでも次から次とつるしておいて何の手当てもやらない。こんなばかげた話はないと思うのです。やるべきだと思うのです。
 特に問題は、この一括削減法案というものは、地方自治団体がいまだかつてないような総力を挙げて、保守革新も問わず大反対している、なぜ反対するか、これはこの間も申し上げたとおりです。地方にとってはこんなばかげた法律はない。仕事を残しておいてピンはねすれば、その分だけ経費がかかるに決まっているんだ。金を召し上げるならば仕事もやめてくれ、そうすればこれは何とかやれる。しかし、仕事を残しておいて、やれといっておいて、そしてピンはねだけするというのは何事だ。こんなばかばかしい法律があるかということで大反対しているのだ。地方に対しては大変な不利益な問題です。あなた方は地方に大損をかけているのですよ。国が地方より貧乏だから我慢してくれと、力の関係で泣き寝入りしているだけなんだ。それを、なおかつこれが通らないから自分たちが勝手にやれ、これは地方にとっては泣き面にハチ、暴力団が善良な市民をぶん殴るようなものだ。こんな情け容赦のないことってないですよ。これは必ず何とかしてやるべきだ。やればできる。それをあなた方、これを人質にとって審議を促進しようとするからやらないだけだ。
 厚生省にも聞いてみたり、いろいろなことであちこち聞いてみた。厚生省からもあなた方に、何とか七割の方法でもいいから支給する方法がないかといって現実に働きかけがある。しかし、あなた方はやらない。さっきも言ったとおり、地方は踏んだりけったり、泣き面にハチなんだ。多少一割カットしてあれするならば、金繰りの面か何かかにかでやってやるというそのぐらいのことがなければ、不信感がますます出てくるじゃないか。
 あなた方がこれをなぜ通さないかと言ったら、これを何とかすれば地方と国の不信感がますます大きくなるからやられませんというのです。冗談じゃないですよ。これを切ったことの方が、もっと大きな地方に不信感を醸成させたことなんですよ。やればできるのです。人質にとらないで、そのぐらいのことをやってやらなければかわいそうじゃないか。どうです。大臣でもいいし、事務当局でもいいし、やればできるでしょう。
#41
○平澤政府委員 その点につきましては、我々といたしましても、現行法の中でできるだけ方法がないかということを検討したわけでございますが、先ほど申し上げたようなことで、いろいろ政府としても苦慮しているわけでございます。
 それから、先ほどの私の説明の中で十分でない点が一つございますので申し上げますと、委員がおっしゃいますように、七割なりあるいは八割なりで概算でも交付いたしますと、そのときには現行法の八割の法律が生きておりますので、八割で概算で交付したお金が交付されたというふうになるわけでございます。したがいまして、その段階で概算で八割で交付したというふうに法律上はなってしまいますので、その後で現在御審議いただいております法案が通ったといたしますと、先ほど申し上げましたような遡及する問題が生じてくるというふうになるわけでございます。その場合は、将来、国の財源に年度といたしまして穴があくという問題も合わせて生じてくるということでございます。
#42
○佐藤(敬)委員 いや、しかし随分頭がかたいですね。
 概算というのは、これは概算であってきっちりしたものじゃないのですよ。わけがわからない、わけがわからないと言ったらおかしいが、どういうふうにしたらいいかわからないから、概算をやるのですよ。今七割やるか八割かわからない、しかし、現行法で八割だから八割やるけれども、あるいは七割になるかもしれない。今現にあるのですよ。全然ないのなら、法律がなくて今この法律ができれば初めて支給するというのならば、それはできませんよ。しかし、既に現行法があるのですよ、八割で。ところが、それを七割に法律を出しておいて、衆議院は通ったけれども参議院は通らぬ、いつ通るかこれもはっきりわからぬ、そういうときであれば、わからぬからこそ概算交付するのじゃないですか。
 それをあなたの言うように、概算というのは必ず八割でやらなくたって、七割になるかもしれないから、そのときはあとの一割やりませんよと言っておけばいいじゃないか、そんなことは。そんなのはつけておけば地方は納得しますよ、だれだって。今のあれで概算すれば必ず八割で、概算でも八割で精算しなければいかぬということになるのか。そんなのは石頭もいいところだ。これ、生きているのですよ。
#43
○平澤政府委員 今委員がおっしゃいましたように、現段階では八割の法案が現行法でございますから、現段階で交付いたしました場合には、当然その八割の法律のもとで概算交付したということになるわけでございます。したがいまして、おっしゃいますように、後で、地方団体と約束して、では一割返してもらうというふうに措置すればいいじゃないかという御意見もあるわけでございますけれども、その点につきましては、法律的に詰めてまいりますと、結果的に不利益の法律、後ほど七割の法案が成立した場合に遡及して返してもらうことは法律上極めて問題があるということでございます。
#44
○佐藤(敬)委員 あなたがそれほどそれにこだわるならば、法律どおりやれば、今もう払わなければいかぬのだから法律が通るまで現行法どおり払って、法律が通ったらその時点から今度改正のとおり七割払えばいいじゃないですか。あなたの言うようにするならば、便法というのは一つもない、絶対動きようがないと言うならば、法律が通らない段階で払わなければ、既に支払いが発生しているんだから、そのときは国の義務として、今は四月分になるか五月分になるか六月分までかわからぬけれども、現行法で払う、そして法律が通ったらその次から改正法で七割で払っていく、それしか方法がないじゃないか。救う道はそれしかないですよ。あなた、これを払わなければ法律の違反ですよ。もう既に発生しているんだもの、払わなければいかぬのだ。どうですか。
#45
○平澤政府委員 この生活保護費の交付決定の時期につきましては、実体法に何月までにということが明確にないわけでございます。したがいまして、その意味での法律上の縛りは現在ないわけでございます。しかし、先ほど来御議論しておられますように、それでは地方団体が非常に困るわけでございますので、できるだけ早期に交付するということが実質上極めて重要なことであるという点は我々も十分認識しているわけでございます。
 そこで、そういうもとにおきまして、現在の法律である八割の補助率というもとで予算を概算交付いたしますと、結局、その部分につきましては、既に成立いたしました予算上一割分については措置してないわけでございますので、当然のことながら国の予算にその分不足が生じてくるということになるわけでございます。したがいまして、そういうようなことが予想されます現段階において、国会の御意思が、予算で示されたものと現在審議中であります法案との間でまだ一致を見てないわけでございますから、そういう状況のもとにおいて交付決定を行うのは適当ではないということで、現段階では決定をしてないということでございます。先ほどの説明とダブリますが、そういう考え方に基づいているということでございます。
#46
○佐藤(敬)委員 八割で交付すると予算措置をしていない、さっきもちょっとお聞きしましたけれども、これが通らないということになると補正予算か何かでやらなければいかぬでしょう。これは補正か何かで後から予算を補充してやらなければいかぬでしょう、法的にだけきちっと考えるならば。それと同じように考えてもいいじゃないの。
 それじゃ、あなたの言うようにやると、予算委員会に一括法案も皆かけて一緒にやってもらわなければ困るでしょう。なぜばらばらでやるのです。我々の地方行政委員会あるいは大蔵か何かにかかれば、そこのところは予算委員会とは違った独自の動きをするんですよ。当たり前の話ですよ。参議院もあれば皆あるんですよ。ばらばらに分離してかけられてくるから一致しないのは当たり前ですよ。一致しないからこそ何かしらそこのところに、概算要求して一致しないところを埋めるという方策がないかと言っている。それをあなたが絶対ないと言うならば、法律どおりやるしか手がないではないですか。現行法があるからそれでやりなさい、法律が通ったときは新しい改正法でやりなさい、それしか方法がないじゃないですか。
 あなたも、僕がさっきから随分言っているつもりだけれども、何度やっても同じ答弁ばかりしているね。不足が出るのは当たり前ですよ。だからそれを、年間で調整すればいいとちゃんと厚生省はこうして年間で交付することになっているのだから、四月だけの問題ではない。四月か五月になれば決まるのだから、そのときまで概算しておいて――八割やって引き揚げるというのは問題ですよ。七割やってもう一割継ぎ足してやったら大喜びじゃないですか。だから、概算というのは必ずしも多くやって引き揚げるのが概算じゃない。少なくやって、足りなかったら足してやるのも概算でしょう。それをなぜやれないのだ。絶対やれない、法律で何だかんだと、こんな便法もできないようで一体どうするのですか。
 車だってハンドルに多少の遊びがないと衝突するのだ。それを運用と言うのですよ。その運用さえもできない。あなた方大蔵省のかたくなな意思がどこにあるかというのは、これを人質に取って早く通そうという意思だ、そう言っているのだけれども、そうでないと、そうでないならば運用でこれを助ける方法はあると思いますよ、どうです。
#47
○平澤政府委員 現段階では、我々といたしましては、先ほど来御説明申し上げているような趣旨のもとに交付決定をしてないということに尽きるわけでございます。
#48
○佐藤(敬)委員 交付決定をしてないから、それができるようにならないかとあなたに言っているのだよ。参ったね。
 どうですか大臣、ここのところを何とかしてやる意思はありませんか。
#49
○竹下国務大臣 先ほど来申し上げますように、八日と十二日の交付税で、まずまず常識的に考えれば、いわば資金繰りというのはそれなりにつくな、こういうふうに思われるわけであります。そうすると、私は、現段階で概算交付ということをしなくても行政そのものは回っていくんじゃないか。したがって、今日の時点ではひたすら早期成立を期待をしておるということに尽きるのかな、問答を聞きながらそういう感じを持っております。
#50
○佐藤(敬)委員 あなたは、この間もちょっとお話しましたが、地方財政というのは国よりも裕福だ、だから交付税ぐらい今に行くんだから、そんなこと少し我慢すればいいじゃないか、国はもっと貧乏なんだ、こういうふうなことを考えているからそういうことを言うのかもしれませんが、こういう問題がなくても交付税の問題では大変なんですよ。一日おくれると六千万ぐらいだか一億だか利息がかかる。そういうような形でもって、そうでなくても貧乏な自治体が大変な困りようなのです。それに今この大きなカットの負担がかかってくると、特に生活保護なんかたくさん持っている九州の産炭地あたりになればこれがもう大変な問題なんです。
 それを、今ちょうど交付税やったからいいじゃないか、こういうような論法だけでやるというのは、カットする方の側としても余りにも悪代官みたいな感じじゃないですか。地方は決して金持ちじゃないですよ。この前、連合審査で大臣に、竹下大臣じゃないけれども話したけれども、二億借金している人と一億借金している人と比べて、一億借金している人が金持ちだとだれが言えますか。百兆円の借金している人と六十兆円の借金している人と、六十兆円の方が金持ちだなんてだれも言いませんよ。地方は金持ちなんだからこのくらい我慢せい、こういう形で押しつけることは、にこやかな、温情あふれているような顔をしている竹下大臣としてはまことにとるべき手段ではない、こう思います。ましてやこれから一国の宰相になろうなんて大きな心を持った人が、こんなこと悠々としてやってやるべきだと私は思います。
 何とかひとつこれに対するかたくなな姿勢じゃなくて、国も貧乏だし、どっちも貧乏なんです。国が貧乏で地方が金持ちだなんて論議をしていたってまさに不毛の論議だと思うのですよ。切っても地方は泣き寝入りした、しかし、泣き寝入りしたのに多少のあめをなめさせてやるぐらいの温情があってもいいじゃないですか。かたくなに、できない、できない、それ一本じゃ、まことに政治としては滑らかにいかないと思います。大臣、どうですか。
#51
○竹下国務大臣 大蔵省として、アバウト二兆二千億ですかの交付税ということになりますと、年初でございますから、我々の方は蔵券を発行してそれに充当する、地方団体ももとより年初でございますので、いわゆる議決に基づく借入限度枠の中での資金繰りは、確かに現状は個々の町村によって、生活保護等の多い町村もございますけれども、年初であるだけに、あるいは資金繰り等の問題についてはそれぞれの自治体もこの法律のあるなしにかかわらず一応なさらなければならぬわけでございますから、それの方は大体転がっていくのではないかな、私はこんな感じで見ておるところでございます。
 それで、それぞれの自治体によって大変な問題が起きた場合は、恐らく例のその他の事項というので、これは私の守備範囲の外に出ますが、特別交付税とかいうようなこともあるいは考えられるところもあるかもしらぬ。しかし私どもの方は、地財計画のいわばマクロでだけ計算をしてまいりますので、その中で、そういう措置まで我々が口を挟む立場にもありませんし、四千億円のこの問題の中で、地財計画全体では消化し得るのではないかな、個々の町村ということになりますと、私どもの守備範囲をちょっと出ますので、佐藤さんは市長さん、私も地方議会の議員でしたが、大体そんなようなことで始末がつくのかなという想像はつかぬわけじゃございませんけれども、守備範囲以外のところへ余り言及するわけにもいかぬな、ただ、資金繰りの関係で見ると、大筋この問題は転がっていくのじゃないかな、こんな感じがしておるところであります。
#52
○佐藤(敬)委員 自治大臣にお伺いしますが、転がりそうですか。
#53
○古屋国務大臣 やはりこれはその町村の財政状況でありまして、私は、一時しのぎで借入金をできるところはいいと思いますが、できないときは大変な状況になってきますので、私としてはいろいろな立場がありましたが、法案の成立というものを、これは国会のお決めになることでございますが、早く成立することを期待すると言うよりほかに私の言い方はないのでありまして、交付税で見るところは見ておるというようなことで、大変困ったことでございます。
#54
○佐藤(敬)委員 自治大臣、大蔵大臣がいなければもっと別のことを言うのでしょうが、大分困っておるようだから、余り責め上げても、連合審査で大分御苦労されて、体も酷使されたようであるからここらでやめます。
 最後に申し上げますけれども、これはやはり自治体にとってみれば大変な問題なんですよ。そればかりじゃなくて、こういうような一律カットするというような乱暴な法律をやられた、お金に困っても何もやってくれないじゃないか、そういう不満もあると思いますよ。だからそういうことをひとつよく考えて、ただ交付税やったから、転がるのだから勝手に転がればいいじゃないか、こういうような考えじゃなくて、そこに多少色をつけてやれば、喜んで、ああいい大臣だと言って竹下さんを応援する人が出てくるでしょうから、やはりそういうことを考えるべきだと思いますよ。
 私は、自治省だとか厚生省の人を呼んで、できるかできないかといって聞こうと思ったけれども、そんなこと、意地悪したってしようがないから、きょうは呼ばないで、あなたに私の方の意見を一方的に述べたわけで、あなたの方はかたくなにできない、できないで終わってしまったけれども、ぜひひとつその点を考えていただきたいと思います。ほかに三つばかり持ってきたけれども、時間がなくなってしまいましたから、これで終わります。
#55
○高鳥委員長 次に、柴田弘君。
#56
○柴田(弘)委員 きょうは、せっかく大蔵大臣に御出席をいただいておりますので、まず税制改革の問題からお話をさせていただきたいと思います。
 大臣も御承知のように、さきの予算修正問題決着の際の与野党合意でありますが、一つは、所得税減税については鋭意かつ誠意を持って引き続き検討する、二つ目には、寝たきり老人介護減税、教育減税、単身赴任減税、こういった三つの政策減税については今年じゅうに結論を得て実施をする、こういうことでございます。予算委員会等々で、誠意を持って尊重する、こういうような御発言でございますが、これは国民生活を守る上においてぎりぎりの要求であると私は思いますし、決して実行不可能なことではない、こんなふうに考えております。政府においても大蔵大臣においても誠意を持って実行していただきたい、こんなふうに思うわけでありますが、まずこの点、いかがでありましょうか。
#57
○竹下国務大臣 与野党合意、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、社会民主連合の幹事長・書記長会談、その結論は当然尊重すべきであるという大前提にまず立ちます。
 そこで、今お尋ねのいわゆる政策減税、これは教育費、寝たきり老人、単身赴任等々でございますが、これらも政調・政審会談において検討するということになっておりますので、その結論は尊重をしなければならぬということでございます。
 政府がどう対応するか、こういうことになりますと、やはりこの問題につきましては与野党のプロのお方が、こういう資料を持ってこいとか、こういう考え方に対してどういう意見があるのかとか、そういうことに対しては忠実に最大限の協力をしなければならぬという立場は今も、また将来にわたっても持たなければならぬ、持っておるべきだというふうに考えておりますが、現在の段階ではまだそこまで進んでおりませんので、折々資料等の要求が求められるのは、政策減税に対しては一体今までの税調の論議はどうなっているか、こういうようなことにつきましては非常にネガティブな議論が多いのでございますけれども、それもそれなりにやはり正確に御提出申し上げておるというのが現段階であります。
#58
○柴田(弘)委員 そこで、中曽根総理にしばしば御発言いただいておりますように、税制改正については公平、公正、簡素、選択、活力、こういった基本原則を踏まえて、特に財政再建とか増収というのが目的でなくて、やはり活力ということを特に最近は強調してみえるわけでありますが、やはり減税ということを最近おっしゃっている。所得税、法人税の減税というのは今後の税制改革の目的である、こんなような思い切った御発言もあるわけであります。
 恐らく竹下大蔵大臣も同じだと思いますが、昭和五十二年から六十年度までのこの八年間を見てまいりましても、サラリーマンの給与引き上げ率は六十年度見込みで四三%であるにかかわらず、一人当たりの税額の伸びは六十年度予算見積もりベースで八八%強であり、二倍以上でありますね。それから課税最低限の引き上げ幅は一七%で、物価上昇率三三・四%の二分の一であるわけであります。給与の伸びに比べて二倍以上のスピードで税金が増加をしている、こういうことでありまして、後でお聞きしますが、貿易摩擦の解消という観点、諸外国から内需拡大ということを相当要請されつつあるわけでありますけれども、こういった観点から、私は、今後税制改正というのは減税を中心とした税制改正でなければならない、減税が一つの大きな柱となるのじゃないか、こんなような考えを持っているわけでございます。その辺は中曽根総理と考えが同じであろう、こう思いますが、それはいかがですか。
#59
○竹下国務大臣 まず、今度の税制改正というのは、今おっしゃいましたとおり公平、公正、簡素、選択そして活力ということを前提に置いて、いわばまず増税ありきとか、あるいはまず減税ありきとかということで議論していただくのではなくて、従来のシャウプ以来のいろいろなゆがみ、ひずみが生じたものを基本的に土台として審議をしてください。しかし、総理が申しておりますのは、私も所得減税したい、こういう願望を持っておる、しかし、それはあくまでも赤字公債をもってその財源に充ててはならぬ、したがって、そういう願望をも含めて税制調査会で審議していただこう、こういうことを言っているわけであります。したがって、税制調査会でいろいろな議論が出ますと、その増とか減とかという問題はそれをどのように扱うかというその後の政策選択の問題として決まっていく課題ではないかというふうに考えます。
#60
○柴田(弘)委員 ちょっとここで貿易摩擦問題に触れさせていただきたいわけですが、去る九日に四分野の市場開放を中心とした市場開放策が打ち出された。アメリカ政府の方は一定の評価をしているわけでありますが、まだ議会の方がそうでないわけでございます。先日のOECDの閣僚理事会においても、やはり日本の貿易黒字というものが大きな非難の対象になった。それで昨日でしたか、シュルツ国務長官の方から、いわゆる貯蓄と投資の不均衡、こういうことで内需拡大策は今後とっていかなければいけないじゃないか、そういった話も出たようでありますし、あるいはまたさきには、アメリカのボルカー議長が、日本は経済の刺激策をとるべきである、こんなようなことで、私は、恐らくサミットの一つの大きな主題は、日本の貿易黒字の解消ということとあわせて日本に内需拡大というものを迫ってくるのではないか、こんなふうな感想を持っているわけでありますが、こういったアメリカを中心とした諸外国からの内需拡大策というものについての感じというのは、大蔵大臣としてどういうふうにお考えでしょうか。
 要するに今まではそれだけの財政もないわけだし、あくまでも自然体でいく、こういうふうにずっと大蔵大臣はおっしゃっていると思いますが、果たしてこのままでいいのかどうか。自然体でいって、こういったアメリカを初めとするいわゆる内需拡大への要請に対してこたえていけるのかどうか。この辺のところが肝心だと私は思いますが、ひとつ御答弁を賜りたい。
#61
○竹下国務大臣 この問題、ちょっとこの場をかりまして私が考えていますことを申し上げてみますと、ウィリアムズバーグ・サミットそしてロンドン・サミットと通じましての先進七カ国の基調というものはどこにあるかというと、お互いがインフレのない持続的成長にそれぞれ努めようじゃないか、できるだけコンバージェンスとか言っておりましたが、調和のある、余り各国が違ったような政策をしないという意味でございましょう。それを今度IMFでサーベーランスと言っておりますが、要するに監視をしながら、できるだけ各国が同じようなスタンスの経済政策をとることによってインフレのない持続的成長ということを念がけていこう、こういう申し合わせになって、それで一月の五カ国蔵相会議でもその基調はまだ変わっていない。
 その背景にあるものは何かと申しますと、日本の暦年で言えば五十二年、五十三年、いわば日本が機関車論というものをサミットで話をした。そして日本は機関車の役を果たそうとして国債発行をうんとしてやった。ところが、それが結局、日本の財政の方でも五十四年公債依存度が三九%にまでなるというような状態で、日本自身もその後財政再建、財政改革をしなければならぬようになった。それにつられて、つられたという表現はちょっと適切でないかもしれませんが、イギリスであれフランスであれかつての宗主国である。いわば英領何々とか仏領何々とかいっぱいある。日本さえあれだけやるんだから元本国はやはりどんどん機関車論をやるべきだ。それで残ったものは何かと言えば高金利だけであった。したがって、開発途上国みんな困った。日本だけがそう高金利にならなくて済んだ、これは日本の貯蓄率が高いからでありますが。
 したがって、あの機関車論に対する反省というものがインフレなき持続的成長ということで、ここのところ、厳密に言えば三年ぐらい続いたサミットの結論でございますから、急激にこれが、今度は日本だけにいわば機関車論的な内需拡大を求めるということは、今までのいきさつから言うとなかなか起こりにくい背景にあるんじゃないかな。ただ、この間もアメリカから帰ってきた人が、竹下さん、あなたが一月に行きなさったときの状態とさま変わりですよ、こういうことを言っておりました。したがって、私どもは、その辺はやはり今の合意はインフレなき持続的成長というのが合意でございますから、財政が出動するところの内需というものに対しては非常に消極的な物の考え方を持っております。
 それは例えばの例でございますが、所得税減税を五兆円やりますと輸入が大体七億ドルふえます。それから三兆円公共事業をやりますと十三億ドル輸入がふえるというのが普通の相場でございますので、したがって、考えようによればそれによって仮に改善される貿易収支のバランス問題というのは非常に小さいものだな。しかし、内需中心の経済運営をしていかなければならぬわけですから、幸い設備投資を見ますと、高度経済成長のときに近いような設備投資というものが今起こってここのところ継続しておる。だからもう少しこの上半期の経済情勢を見きわめなければ、荒っぽく財政が出動することによる内需拡大というのには慎重にならざるを得ないのではないか。私の論理ではございませんが、日本のそうした論理というのがサミットでいきなり覆された論理になるという環境には、私もここのところ三年続けてサミットへ出ておりますとないんじゃないかな。
 ただ、ボルカーさんはいつも、どちらかといえばそういう物の考え方の人です。それからシュルツさんのきのうの文を詳しく読んでみますと、日本は貯蓄が高いからということでだんだん詰めていくと、もっとぜいたくせいというふうな議論にも展開していきかねませんので、やはり勤倹貯蓄の思想というのは我々の祖先が教えてくれて私の肉体の中にもしみ込んでおるから、もっとぜいたくせいというのには、ちょっと表現は悪いのですけれども、くみしにくいんじゃないかな。
 ただ、貯蓄超過じゃなく、とにかく日本はアメリカの三倍貯蓄するのですから、その貯蓄率というものをどういうふうに国内のいわば内需振興のてこ入れに使っていくかというのは、もちろんこれは検討しなければならぬ課題だな。だからそれを、例えば財政が出動して公債で借り上げてこれをばらまくというのが、現実問題として、せっかくここのところ五十八年、五十九年、六十年かかりまして二兆数千億公債を減額させてもらったのを、一遍にまたそれを返すということになると相当な抵抗を感ずるなというのが偽らざる今日の心境であります。
#62
○柴田(弘)委員 大蔵大臣おっしゃいますように、今日の財政状況の中においては、確かに財政が出動できる内需拡大、これは慎重にならざるを得ないと私は思います。
 総論的に申しまして、貿易摩擦の解消というのは、先日の連合審査のときにも申しましたが、一つは思い切った市場開放策というものをきちっと打ち立てる。そして今の円安・ドル高、アメリカの高金利、こういった問題に対しての為替対策をアメリカ側にもきちっと要求すべきは要求し、日本側にも貯蓄過剰という点があると私は思う。経済学者の中にも、これはアメリカだけの責任じゃないぞ、こういった議論もあるわけでありまして、その辺のところも日本として冷静に考えて、円安・ドル高の修正へ向けての為替対策をきちっとやっていかなければならない。
 それからいま一つは、先ほど来議論しておりますようないわゆる内需拡大が果たしてこのままの情勢で、確かにサミットの議論では今までの経過を踏まえてそんなに議論にならないだろうという大蔵大臣の予想であるわけでありますが、現実は、貿易摩擦の解消をやりますよ、思い切った市場開放策をやりますよと言っても、日本の貿易黒字が縮小していかなければこれは諸外国の理解を得られないと思いますね。そういった点で今の貿易黒字の非難が日本の内需拡大の要請をする、そういった声がますます今後強くなると私は考えております。
 現実に、閣内においても河本国務大臣等は、大幅減税による思い切った内需拡大をやっていかなければならない、こういうようなお話でありますし、与野党を通してまたこういった要求も強まってくる、内需拡大の議論は深まってくると私は思います。今大蔵大臣がおっしゃっていたようなことで、今までのようなことで、自然体ということでありますが、お茶を濁してはいかれないだろう。確かに財政のみが出動できる内需拡大策は無理かもしれないが、やはりきちっとしたいろいろな方法を駆使してその対策を真剣にこれから議論をして樹立をしていく、そういったときに来ている、こういうふうに私は思いますが、これはいかがでしょうか。
#63
○竹下国務大臣 内需拡大ということに私も賛成でございます。そこのところで財政が出動しない、財政が出動できる環境にないということになると、勢い民活、しかし民活というのは、言葉は大変いい言葉だけれども、一体どういうふうにして実績があらわれるかというと、各種規制の解除、こういうことになりますが、これらが数字にあらわれてくるというのはかなり時間がかかる問題じゃないかという気が私はしております。したがって、ありとあらゆる知恵を絞っていかなければならぬということには私も賛成でございます。ただ、財政が直ちに出動する環境にないということを申し上げておるわけであります。
 それから、いわゆる為替レート、すなわちドルの独歩高からいいますと、これは柴田さんのおっしゃるとおりです。アメリカでもフェルドシュタインさんが、大部分の責任はアメリカにあるのだというようなことで諮問委員会の報告が出るくらいでございますから、それも事あるごとに主張することによって向こうにもそのことをちゃんと理解してもらわなければいかぬ。
 今ちょっととってみますと、きょうは前場が引けたのが二百五十二円ですか、もう間もなく本日の終値が出るわけでございますけれども。そうしますと、ついこの間まで二百五十六円とかいいますと、三円、四円というのは、一%あるいは二%くらいが絶えず動いておる。ひどく言えば一〇%、二〇%動いておる。そうしますと、僕は関税というのはある意味においてはアクセサリーみたいなものじゃないか。関税が高い安いは象徴的なものです。しかし、考えようによると関税の一%、この間御審議いただきました関税暫定措置法でも一%とか一・五%下げるというようなので議論いただいて下げてみて、実際の中身は為替レートの方がうんと影響するわけでございますから、したがって為替対策というのは大事だ。これは大事でございます。
 ところが今の場合、短期的に為替レートというのは高金利の方へ、金利の高い方の、今で言えばドルの独歩高みたいな方向に行きますし、中長期的に見ると各種経済の諸条件によって決まってまいりますから、私はなお円高になることを猛烈に期待しておるという状態でございますが、本当に為替レートを考えますと、関税率なんかが何かアクセサリーみたいな気がするぐらいでございますので、ドルの独歩高というものに対する主張は絶えず繰り返していかなければならぬ課題だという問題意識は同じくしておるところであります。
#64
○柴田(弘)委員 この問題はやはりこれでは済まないとも私は思いますし、また今後とも議論を継続してまいりたいというふうに思います。
 そこで、高率補助金の一律削減の問題で、確認でまず自治大臣に聞いておきますが、この一律カットは一年限りですね。
#65
○古屋国務大臣 一年限り、そしてそれはその間に六十一年度をどうするかということを検討しますという約束がしてあります。だから一律カットは、ことしは一律カットであります。来年の分、六十一年の分はこれからどうするか検討いたします、こういうことでございます。
#66
○柴田(弘)委員 そうすれば、やはり覚書にあるように、一律カットはこうなんだけど、ことしはおおむね一割だったんですね、そうすれば、来年は、その間の検討の期間において、これはカット率がまだ足らぬから、こっちの経費は一割五分にしましょう、こっちは二割にしましょう、これはもとへ戻しましょう、こういうふうにそれぞれの経費別において差がついてくるわけですな、そういう解釈でいいですな。
#67
○古屋国務大臣 そのように私は解釈しております。
#68
○柴田(弘)委員 そこで大臣、これは大蔵省、大蔵大臣にも後で聞きますが、その辺のところが大事でありまして、私も、補助金の削減というのは、行政改革の点からいって大賛成なんです。問題は、中身の問題です。
 そこで、先日もおっしゃっておりましたが、これは三大臣合意ということで大蔵大臣、自治大臣、厚生大臣、閣僚会議が一つ設置されますね、今後。やはり地方自治体関係者だとか地方制度調査会の学識経験者等々を含めた一つの会議というのか検討機関をぜひひとつつくって、そういった自治体関係者や有識者の意見を聞いて、三大臣だけの、政府だけではやらないようにしていただきたいと思いますよ。その辺のお考えはありますか。
#69
○古屋国務大臣 またほかの大臣と話しておりません。おりませんが、私の考え方は、大体三人の閣僚会議、官房長官が入るかもしれませんが、その会議のもとというかその会議の基礎となることを十分討論するために、地方の六団体があるいは地方制度調査会の主なるメンバーとかあるいはそういう者を、その閣僚会議と上下というとおかしいのですが、閣僚会議でいろいろの協議をするその前提のことを検討するために民間の、地方の意見を十分反映できる方を、その協議会というか何々会といいますか、本当に地方の状況を反映するような人をその懇談会といいますか機構に入れていく必要があるのではないか、これは私は入れることは当然だろうと思います。
 機構の点はまだこれから決めなければいけませんが、私の個人的な感じは閣僚会議のもとにそういうものがあればいいなというのが私の感じでございます。
#70
○柴田(弘)委員 意見は私と大体一致していますので、ぜひひとつそういうふうにお願いをして、どんどんそういった方たちの御意見を吸収してやっていただきたい。
 そこで、大蔵大臣、先日もあなたが答弁していらっしゃった財政改革という観念からこれは賛成だと思うのですが、やはり今後六十一年度の予算編成ということになってくるわけでありますが、今回の高率補助金というのは一律カットというところに大問題があると私は思う。役割分担、費用負担を見直さないで、ただ便宜的に一律カットをしたというところに問題がある。補助金の削減についても、行政改革の目的の趣旨に沿って、地方団体といたしましても、事務事業の縮減とか補助対象事業の見直しあるいは補助金の統合メニュー化、こういったようなことについては賛成であると私は思うのですね。
 意見を聞けというのは実はそこにあるわけでありまして、国の財政問題ということもあるわけでありますが、それならばなおさら地方自治体の合意、コンセンサスを得られるためにもそういった方向での補助金削減政策というものをきちっとまとめて、これは当然国会の場においても議論をしていかなければならない、こう思うわけであります。やはりそういった本当に行革の目的に沿った、そして地方自治体も納得をしている、有識者もそうだと、こういった削減政策というものを、三大臣合意もありますが、自治省等々ともよく相談をした、そういった方向での対応をしていくべきではないか。これは私は率直に思うのです。大蔵省としても反対するところはないと思うのですが、どうですか。
#71
○竹下国務大臣 まず、今度見直し、検討の一年間どういうふうにしてやるか、こういうことになりますと、今自治大臣からお答えがありました一つの物の考え方、それからもう一つは、今国会でいろいろな議論をいただきましたこともまずは土台に置くべきであろうというところから、どういう形で進めていくかということを今、もう決まっているわけじゃございませんが、そういう考え方は私も持っておるところであります。
 補助金の問題につきましては、予算の一般歳出の約四割が補助金でございますから、歳出削減ということになりますとどうしても眼がそこに注がれるわけです。それでずっと今日までやってきていますのは、今柴田さんおっしゃった、いわばもうその目的、奨励的意味を失ったもの、あるいはまた新たに起こさなければならぬ場合はスクラップ・アンド・ビルドでなければいけませんよ。あるいは終期を設定する、あるいは今おっしゃったようにメニュー化するというような形で今日ずっとやってきておるわけでありますから、いわゆる三大臣合意の社会保障の国と地方とのいわば費用負担のあり方はもとよりでございますが、補助金全体としての削減をするための削減合理化問題というのは、単年度主義ではございますものの、毎年毎年の予算編成で絶えず念頭に置いて対応すべき問題であるということは私も同感であります。
#72
○柴田(弘)委員 そこで大臣、これは私、重ねて言っておきますが、この一律カットはおかしい、こういった予算編成というのはおかしい、国が当然負担しなければならない経費、あるいはまた政策的な経費も一律に各省横並びでシーリングをかけてカットしていくという予算編成のやり方は、非常に安易だと私は指摘したいわけであります。でありますから、シーリングという、今概算要求基準という言葉を言っておるわけでありますが、そういった大義名分のもとで本来合理化されなければならない分野のむだが温存をされて、資源の最適配分という財政の目的が忘れられている、これが今日までの予算編成のやり方であった、こういうふうに私は思います。こういった点はやはり一工夫二工夫あっていいじゃないか。そういった中で本当に各界の意見を聞いて、行政改革の目的に沿う補助金の削減政策とあわせた予算編成というものをぜひひとつ今後とも進めていただきたい、こういうふうに要望したいわけでありますが、どうでしょうか。
#73
○竹下国務大臣 それはおっしゃるとおりでございまして、臨調の第一次答申を見ますと、言ってみれば補助金というのは十四兆数千億あって、法律補助とそうでないものが八対二、地方自治体を通して交付するものとそうでないものでくくってみれば、またこれが八対二。それから公共事業と文教と社会保障と他のものとがまたちょうど八対二。その八対二でくくってみますと、本当に薄いものが残ってくる。
 そういうことになると、優先順位を決めてもらうのは各省でございますから、各省の中で一律に額で一割、ひとつ勉強してみてください、こういうやり方をずっととって、それで今度は率の問題に今入っておるわけでございます。したがって、そういう経過を通ってきたことを勘案しながら、一つの便法という言葉でおっしゃいましたが、一つの手法ではあるんです。優先順位は大蔵省よりも各省が一番詳しゅうございますから、そこで、おおむねこの中で政策選択の優先順位はあなた方でやってくださいというのも一つの手法ではあると私も思いますが、もっと広い範囲から補助金を見直していくというのは、これは当然のこととして私どもも絶えず考えて対応しなければならぬ課題だというふうに思っております。
#74
○柴田(弘)委員 時間がありませんからもうこれ以上この問題を突っ込んでやりませんが、また機会があればやります。
 それから最後に、これはどうしても一つ言っておかなければならないわけでありますが、地方交付税率の問題であります。
 連合審査で私も質問いたしましたが、中曽根総理は、今上げるとか下げるとか言うべきじゃない。大蔵大臣は、国と地方の税源配分の問題は、それぞれの権限や負担のあり方を総合的に勘案して、幅広い角度から検討すべきものである、こうおっしゃった。
 そうすると、これは実際どうなんだろう。地方財政が好転をしているから、地方と国との負担のあり方、権限のあり方、こういった中でやはりこれから引き下げることもあるのかな、こういうふうに感じてしまう。地方交付税法第一条の目的からいって、地方自治体の独立性というのを強化する、しかも地方自治の本旨に資する、あるいは地方行政の計画的な運営を保障する、こういうことからいえば、今後地方行革をどんどん進められていく、権限移譲、事務事業をどんどん移譲されていくわけですから、引き下げるというような議論でなくて、むしろそれに伴う財源というものをどうしても付与していかなければならない。むしろ対象税目の拡大と交付税率の引き上げを検討すべきではないかというふうに私は思うのです。まかり間違ってもこれを引き下げるなんというようなのはもってのほかだ。
 こんな議論はまだ出てこないかもしれませんが、この補助金一律カットの後はやはり地方財政好転論というのがどうしても大蔵省の中に、政府部内に出てくると私は思うのです。自治省が一人だけ守っているというだけの話で、今後これは大問題になってくると私は思うのです。やはり自治大臣として、むしろ引き上げていくんだ、こういった理論的な武装をしての、これからの大臣の職を賭してというか、体を張っての健闘を私どもは期待をしておるわけでありますから、この地方への権限移譲の問題、事務事業の移譲の問題と絡めて、交付税というのは一体どうしたらいいのか、どういうふうにされるつもりか、ひとつ決意をここでお聞かせいただきたい。
#75
○古屋国務大臣 地方交付税の性格は、もう御説明するまでもなく、その調整的役割、そういうことは先生のお話しになったとおりでございます。特に今の地方行財政がどういうふうになっておるかという現状からやはり具体的に考えていかなければならぬと思いますが、私は、今のこの借金五十七兆、あるいはまた、個々の団体においては、三千三百を見ていくというような立場からいいますと、今引き下げられたら、これは地方はとてもやっていけないというような感触を持っております。あくまでこれは地方も行財政、政府にうんと協力し、そうして地方税源の充実、交付税の安定的確保を図るということが絶対に必要だ。これは何で必要かというのは、今申し上げましたような今の地方財政の厳しい現状からいたしまして、私はどうしても必要だ、そういうふうに考えております。
#76
○柴田(弘)委員 大蔵大臣、あなたはよもや地方財政好転論ということはないと思います。
 先日、連合審査のときに、中曽根総理の頭の中にあるのは、私は非常に気になったのですが、地方は借金が国の半分だ。ところが、今自治大臣がおっしゃったように、これは五十六兆何ぼあるわけだ。しかも償還の条件が違う、これはよく御承知だと思う。やっぱりそこら辺のところで地方財政好転論というのは否定されていくべきである。それから、起債制限を受けている団体も、五十九年度には三十二もある。財政力指数の一〇〇以下のところが大半である。
 それからもう一つ中曽根総理がおっしゃったのは、いわゆるラスパイレスの問題、一〇〇以上のところが地方自治体にある。これはもう本当に大都市周辺のごく一部に限られた自治体だ。市町村というのは、もう大半が一〇〇以下である。こういった点からいっても地方財政好転論というのは否定されてしかるべきである。そんなようなことは大蔵大臣はお考えになっておみえにならぬと思いますが、やはり地方交付税というのは、先ほど申しましたように財源の均衡化を図り、地方財政の計画的な運営を保障することによって地方自治の本旨に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする、こういうことであります。
 しかも、権限移譲は今後どんどん行われていく。私は、一律カットの後は地方交付税率の問題だというふうに警戒をしておるわけでありますが、どうかひとつこの場ではっきりと、地方交付税の本旨に照らして、この問題については自治省の言うとおりにやっていく、そして交付税の引き下げというのはあり得ないということを明言していただいて私の質問を終わりたいと思いますが、どうですか。
#77
○竹下国務大臣 地方財政富裕論というのは、私もそれにくみするものじゃございません。
 これは先ほど佐藤さんの御議論でありましたが、二億円借金している者と二億円借金している者とどっちが金持ちかという議論でございましょう。よくこの議論が出ますのは、これは私は必然性があるのかなと思いますのは、租税弾性値全体でありますと一・一になるし、たまたまいわゆる国税三税だけを見ますと、それは一・二ぐらいになるかもしれません。したがって、その伸びの相違というのは、若干の伸びの差というものは、これは必然的に出てくるのじゃないか。しかし、いつまでそうであるものでも必ずしもない。
 もう一つは、言ってみれば赤字公債はないじゃないか。いわば地方債はあるが、国が持っているような赤字公債はないじゃないか、こういう議論があります。それからもう一つは公債依存度の問題、それから、公債費そのものが社会保障全般をもう超してしまっている。だから、いろいろなものを見ましても、地方も国もそれぞれ財政状態は苦しいが、国はまさに危機的な状態にあるというのが今まで書いてあるものの大体共通の認識がな。だから、富裕論というのは私はこれは持つべきでない。双方が今おっしゃいましたように行財政改革を行うことによって、車の両輪でございますから、受益者は国民ですし、負担するのもまた国民でございますから、したがって、それに対して健全なサービスが行われるような努力を引き続き続けていかなきゃならぬ。
 交付税の問題というのは、そのあり方というものは、平衡交付金から交付税に変わって私はよかったと思っております。それで、今度その率ということになりますと、それこそ地方の税源配分から国庫補助のあり方から皆関係してまいりますから、それはそういう中で幅広く検討されるべきものであって、安易にこれさえ上げればいいとかというような扱いで対応すべきものじゃない。上げればいいとか下げればいいとかというような安易な考えで対応すべきものじゃないというように私も思っております。
#78
○柴田(弘)委員 終わります。
#79
○高鳥委員長 次に、岡田正勝君。
#80
○岡田(正)委員 大蔵大臣、予定以外の問題に少し触れさせていただきますが、人間というのは、ああ見詰められているな、注目されているな、期待をされているなというときには、どんな人でも緊張するものだそうであります。
 去る土曜日ですか日曜日かに、神奈川県の方で桜の見物をしておるときに、「奥飛騨慕情」というカラオケを歌っている最中に、二番の途中でひっくり返って亡くなられたという実に気の毒な話が新聞に載っておりました。これも余りに人に期待をされて見詰められているので興奮が異常に高まったんではないか、こういうふうに推察をされておりますが、これに似たようなもので、地方議会におきましても――これは日本の地方議会とは言いません、名誉を守るために。あるところの地方議会におきまして本会議が行われました。大勢の人に期待をかけられて出てきたある新人議員が本会議の演壇に、晴れの舞台に立ったのでありますが、一言半句もしゃべらぬうちに見る見る顔面蒼白となってついに失神して倒れ、権利を喪失した、こういうことも実話として残っております。かく申す私も、なれておるようではありますが、やっぱり今この質問席に立ちますと、ああ見られている、こう思いますと、足ががたがたと震えてくるのであります。
 そこでお尋ねをするのでありますが、何と私も昨日知ったのでありますが、見られているというのは何も我々議員だけじゃないのでありまして、ごく一般普通の人であっても、一生のうち三回は注目を集める、こう言っているのでありますが、どんなときか大体見当がつきますか。
#81
○竹下国務大臣 一生のうち三回注目を集めると言えば、七五三も一つかな、それからやっぱり結婚したときというのが入るんじゃないかな、一つはやっぱり葬式じゃないかな、そんな感じがします。
#82
○岡田(正)委員 いやさすが大蔵大臣ですね。これはもう大したものであります。私が読んだのは、そのうちの二つが当たっておるのでありますが、ごく一般の人でも一生に三回は注目を集めるというのは、おぎゃあと産まれてきたときみんなに注目されておる。期待をされておる。それから結婚をしたときみんなに祝福をされておる。それから残念なことでありますが死亡したとき、こういう例を挙げておったのでありますが、その一般の人でさえも三回は経験するというのであります。
 竹下さんなんかになりますと、これは大変なものですね。県会議員が二期、それから内閣官房長官が二回、建設大臣が一回、それから大蔵大臣が今三回目ですか――四回目ですか、失礼しました。それほど多いんですよね。それだけやっておられまして、しかもその上に世間の注目を集め、しかもあっと言わせた創政会結成事件というものがありまして、まさに時の人であり、寝る間もないほど緊張の連続であろうと思いますが、これほど注目を集めっ放しで何十年もやってきますと、負担を感じるというようなことは全然ないものでありますか。
#83
○竹下国務大臣 負担を感ずるからこそ、いつも我と我が身に平常心たれ、平常心だれと南無阿弥陀仏というように唱えております。
#84
○岡田(正)委員 本当にそつのない御答弁で痛み入りました。
 そこで、そういうふうに注目をされている、期待をされているという問題の中に、本日の論議をしております中で、地方自治団体の諸君が、先ほど来佐藤議員の御質問の中にありましたように、この法案が通らぬと地方自治体の負担が大変なことになる、何とかしてくれと本当に火がついたような催促なのであります。私ども、この審議をしておる立場の者からいうと、何か変な陳情だなというふうに思うのですよ。
 議員の発言というものは、これは議会共通の、共有の財産であるともまた言われております。そこで、予定をいたしました質問以外にわたってまことに恐縮でありますが、平澤次長さん、いらっしゃいますね。先ほどの答弁でちょっと確認をさしていただきたいと思いますが、生活保護費ですね、生活保護費の一カ月分が、国庫負担が七割の場合、八割の場合、それぞれの金額はどのくらいになるのか、そしてそれを一カ月借りたとしたらどのくらいの利子がつくかということを、概算で結構ですからお答えいただきたいと思います。正確でなくていいですよ。
#85
○平澤政府委員 大まかな数字で申し上げることになりますが、年間約一兆円でございます。したがいまして、これを十二で割りますと千億弱、大まかに言いまして八百億強くらいになるかと思います。したがいまして、それをどういう金利でお借りになるか、その金利を何分で借りるか、例えば六%で借りるとすれば、一月分ですと〇・五%になるわけでございます。ですから、八百億の〇・五程度の金利というのが一月分の金利になるというふうに思います。
#86
○岡田(正)委員 いずれにしてもこまくはない利子がつくということは今のお答えでわかるわけであります。
 さて、先ほどの問答の中で、この法律が通らなければ、予算は通っておるのであるから、現行の八割という国の負担で概算払いをするというわけにもいかぬ、それからこの七割という今の法律が通ってないのですから七割で払うというわけにもいかぬ、したがって概算払いは難しい、言うなれば、簡単に言ったらできない、だから、地方自治団体が立てかえて払ってもらう以外には方法が今のところないと思われるというふうなお話でございましたね。間違いありませんか。
#87
○平澤政府委員 おおよそそのようなことを申し上げたと思います。
 ただその場合、現在払いますと現行法が八割でございますから、どんな概算で払いましても、払う前提にはその八割というのを前提に払うことになりますので、後で七割の法案が成立したときに、先に払った概算は八割を前提に払っていますから、それを返せというのは法律上疑義があるということもあわせて申し上げたわけでございます。
#88
○岡田(正)委員 そこで、現行法律で今概算払いをせいということになれば、現行法律でやる以外にはないから八割で払う、そして七割の法律が通っちゃった、だから余分な払い過ぎの一割を返せということは今さらできないということになるから難しい、こういうことでありますが、そういうことになりますと、大蔵省というのは何といっても金の元締めでありますから、一般的なことでお尋ねをいたしますが、さすれば国が言う概算払いというのは、実際に要った費用よりも多く金を支給しておった場合にはもう出し損、一切戻せとは言わないという方法をずっと貫いていらっしゃると見ていいんですか。
#89
○平澤政府委員 今おっしゃいますものの意味は、例えば七割で払った場合とかそれから八割で払った場合とか、さらに場合によっては八割五分で払った場合ということでございますが、そういう場合に後で、その払った段階で八割という制度を前提に払っておる場合は、八割五分払ってしまったというときはその五分は後ほど精算できるということになります。
 しかし、今回の場合は八割という制度を前提にお金を払っておりますから、その払った段階でその一月分は八割という前提で払われている、それは確定するわけでございます。したがって、後で七割になるんだよという法案が通りましても、八割の分を一割後で減らせ、返してくださいということは言えない。したがいまして、その概算というのと制度というのがちょっと二重にダブっておりますので、お考えになる場合、少し込み入ることがあるかと思います。
#90
○岡田(正)委員 それでは再度お尋ねいたしますが、内払い制度というのは国には全然ないのでありますね。
#91
○平澤政府委員 今ちょっと財政法あるいは会計法の規定を手元に持っておりませんので、制度としてはあろうかと思います。
#92
○岡田(正)委員 そうですね。私は内払い制度というのは必ずある、存在しているというふうに思っております。ですから、現行法が八割で改正法が七割というようなこの微妙な段階におきましては、概算払いといいましても、内払い制度を採用してやれば、七割を超えない程度にやれば、私はそこに何ら問題は出ないというふうに確信をしておりますので、今までの質疑の応答については納得ができないのです。
 それから第二の問題でありますが、先ほどの答弁の続きで、国はしたがって概算払いをしない、そこで自治体が生活保護費をほっておくわけにいきませんから立てかえ払いをする。その立てかえ払いをしたときの一時借入金というものをしなければならない団体の場合、その一時借入金をした場合には当然利子が要ります。その利子については支払う意思は持っていないというふうに聞いたと思うのでありますが、間違いありませんか。
#93
○平澤政府委員 正確を期すためにその前半の部分をもう一度御説明いたしますが、私が申し上げておりますのは、現在国会の御意思として予算で示されておりますのは、七割ということで予算を通していただいたわけでございます。片方法律案を七割でお願いしているわけですが、まだ御審議していただいているという段階でございます。その段階で概算払いをいたしますと、先ほど申し上げましたように八割ということで払うということになるわけでございます。そうしますと、予算でお示しいただいた国会の御意思と既に御審議願っております法律案の七割という二つのものと、この八割で払ったという事実とが食い違いますので、そこは問題ではないかというふうに申し上げているわけでございます。
#94
○岡田(正)委員 そうすると、先ほど来伺っておったのよりも大分やわらかくなってまいりまして、払えないことはない。だから、概算払いでやるとすれば現行法律の八割で払うというやり方しかないんではないかとおっしゃいますが、私は、そんなに無理をしなくたって、内払い制度があるんだから、七割が通るんだというふうに期待をしていらっしゃるのなら七割で内払いしておけばいいじゃないかというふうに考えておるのでありまして、その問題はもう時間がありませんから、一応切らしていただきます。
 さて、そこで大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。(平澤政府委員「ちょっとよろしゅうございますか。もう一つ御説明したいと思いますので」と呼ぶ)補足がある、どうぞ。
#95
○平澤政府委員 今調べてもらいましたら、概算払い、前金払いは会計法上規定があるわけでございますが、ただ補助金については、交付決定を行うことが手続上の前提になっているわけでございます。したがいまして、問題は交付決定ができるかどうかというところに戻ってくる。そうしますと、先ほど来申し上げておりますように、国会の御意思がまだ明確ではないじゃないか、そういうときに交付決定をすること自身が問題なんだから、交付決定をすれば概算払いができますが、それができないということであるわけでございます。
#96
○岡田(正)委員 大蔵大臣にお尋ねしますが、原因者負担の原則というのはお認めになりますか。
#97
○竹下国務大臣 これは物によりけりだと思いますが、原則は私もわかります。
#98
○岡田(正)委員 しからばこの生活保護費というのは、一体地方自治体の責任でありますか、あるいは国の責任でありますか、だれの責任でもないんでありますか。
#99
○土田政府委員 便宜私から説明させていただきますけれども、生活保護法の第一条は、生活保護の実施を国の責務と定めておりますけれども、現実に金を支弁いたします者、支払う者は都道府県と市、こういうことになっております。それから、都道府県と市が支払いましたものに対しまして十分の八国が負担する、こういう法制でございます。
#100
○岡田(正)委員 ということは、生活保護費の支給というものは国の責任である。国から依頼をされて県あるいは市というものが支払い責任を持っておるというだけのことでありまして、この生活保護という、生活保護費を払わなければならないというその全体の責任というものは国の責任ということになるわけであります。
 しからば、その責任者である国が、今まで八割負担しておったものを七割しか負担をしませんよ、あとの残りの一割は地方自治体において負担をしてもらいたいということの法律を出したのも、これは国の責任でありますから国がやったんですね。国が法律を提案しておるわけですね。ということになりますと、予算は通ったんでありますが、その法律が通らないからといって概算払いもしない、内払いもしない、支払い責任者の県と市が責任を持って支払いなさい、こんなことはいいんですか。原因者負担の原則をまるっきり踏みにじってはおりませんか。大臣、いかがです。
#101
○竹下国務大臣 間違ったお答えをしてはいけぬなと思いながら聞いておりましたが、憲法二十五条からして生活保護は国の責任、支払い義務は確かに地方団体にあろうかというように私も思います。したがって、それを円滑ならしむるために四月分の交付税を、いわばTBを発行しますから国の責任で金利を払って対前年比一二・五%というものを交付しておる、こういうこと、法律的に直接結びつくかどうか私もよくわかりませんが、実態としてそういうことを行っておるということではないかと思います。
#102
○岡田(正)委員 そこで、再度念を押しておきたいのでありますが、生活保護というものは国の責任であることを認める、支払いの責任は県と市にある、けれども法律の改正は国が出した。そのいわゆる生活保護に対して責任を持たなければならぬ国が自分の都合で、地方自治団体の都合じゃありません、支払い団体の都合じゃなくて、国の都合によって八割を七割に減らそうとしておるのに、その法律が通らぬからといっていわゆる概算払いをしない、内払いをしない、そして一時借入金で自治団体が借りた利子も補給しない、おまえたちが勝手に段取りせい、こういうやり方というのは全く無責任きわまる話であって、今までの答弁というのは撤回をなさるべきではないかと私は思うのでありますが、いかがでありますか。
#103
○平澤政府委員 国といたしましては生活保護費の資金を交付する義務があるわけでございます。しかし、現在の事態のもとにおきましては、先ほどからるる御説明いたしましたように、今、交付決定をするのが適当でない事態でございますので、結果的に交付決定ができない。その結果として、これも御説明申し上げましたように、資金が地方団体に行き渡らないという事態が今発生いたしておるわけでございます。
 しかし、そういたしますと、おっしゃいますようにその資金繰りが非常に苦しくなる地方団体も出てくるだろうということ等もございまして、自治省等がその資金繰りを円滑にする意味で、四月の交付税に当たっては例年になく対前年、先ほど一二・何%でございますか、というのを交付することによってその辺をできるだけ治癒していきたいということで処理しているというのが現実の姿でございます。
#104
○岡田(正)委員 時間がありませんのでこの問題はこれを最後にいたしたいと思いますが、ということになりますと、交付税の支給について、四月分を前年比一二・五%増しで支給をするということにしてあるので大概そういう問題では心配は起こらぬはずである、こういうことで額面どおり受け取ってよろしいのなら、私どもが地方自治体の団体から質問を受けましたとき、早く法律案を通してくれないと一時借入金で大変なことになるんだ、早くやってくれという陳情に対して、私どもは、あなた方の利益になることではないのになぜそんなに法律を早く通せ通せと言わなきゃいかぬのか、ただ単に一時借入金の利子だけであなた方そんなことを言っているのか、それが果たして住民のためになるのかと言って逆襲をしておるのでありますが、今度そのときにはもう一つつけ加えていいですね。大蔵省の方が、皆さん方が、国が交付する金、生活保護費なら生活保護費の交付する金を一時借入金で地方が肩がわりをしなくてもいいように措置してあるのだから、大船に乗った気で、そんなことをばたばた慌てて陳情なんかに来なさんな、こう言ってよろしいですな。
#105
○平澤政府委員 行政当局といたしましては、現在の客観的な条件下においてできる限りのことをいたしております。しかし、個々の団体において資金繰り上問題があるかどうか、これにつきましては個々にまた話を聞きまして、いろいろの相談に応じていくということになろうかと思います。その場合には、一時借入金といたしまして、資金運用部の短期資金の貸し付けとかその他のことも考慮していくということもあり得るかと思います。
#106
○岡田(正)委員 おかげでよくわかりました。地方自治団体の諸君にも初めから今の問答を聞かしておけば、あんなにまでばたばた慌てるんじゃなかったんだと思うのでありますが、要するに結論といたしましては、どうしても一時借入金をもって手当てをしなければならないという団体があった場合、個々にその相談には乗る、心配はさせないというふうに大蔵省は責任を持ってこの委員会で答弁があったということは公表してよろしいですな。
#107
○平澤政府委員 大蔵省としてはできる範囲のことはやりたい、そういうことでございます。
#108
○岡田(正)委員 ゼロ分になったんですが、大蔵大臣、最後に、頭を振っておられるようですけれども、もうちょっと味のある答弁してくれませんか。
#109
○竹下国務大臣 大蔵省としては、私も資金運用部の短期資金の話が出るだろうなと思っておりましたけれども、そうすると今度は岡田さんが、短期資金とて金利がつくじゃないか、こういう議論が出てくる。そうすると、さればそういう実態をどこで把握しておられるかというと、自治省あるいは県庁でございますね。そうすると、その金利負担のところまでこちらが踏み込んだ答えはできないなと思いながら聞いておりました。可能な限りの措置はいたします、こういうことにしておきます。
#110
○岡田(正)委員 了解。終わります。
#111
○高鳥委員長 経塚幸夫君。
#112
○経塚委員 私は、税制の問題と、それから地方への負担転嫁の問題、二点についてお伺いをしたいと思います。
 まず最初に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、これは今国会でもいろいろ問題になりましたが、外国税額控除の問題であります。
 これは理由としては、海外で得た利益に二重課税にならないように外国で払った税を日本の国内で控除する、こういうことのようでありますが、五十八年分の控除額が国会の御答弁では四千五百五十三億、このうち実に八七・二%、三千九百七十二億が資本金百億以上の大企業、こういうことでありますが、この中には三菱商事のように年商売り上げが十五兆円、そこへ経常利益が四百六十五億円、こういう企業も実に四年間にわたって税額控除の結果、国内の税額がゼロになっておる、こういう事態が生じております。これは交付税にも重大な影響を及ぼしてきております。三二%と計算をいたしますと、実に千四百五十七億円がいわゆる減ったという計算になるわけですね。
 先ほど来から、国も厳しいが地方も厳しい、こういう御認識を大蔵大臣もお持ちのようでございますが、税制の検討に当たりまして、私はこういう不公正こそ当然見直さなければならぬ、こういうように考えておるわけですが、その点いかがですか。
#113
○竹下国務大臣 外国税額控除、これはやはり各国おおむね共通しておりますところのいわゆる二重課税の防止という土台に立った論理をすれば、それはそれなりに存在しておる問題でございます。したがって、これの整備をしていこうということで、五十八年度に実態調査を踏まえ所要の整備をしたわけでございます。それは、国外所得の計算についての措置等について所要の整備をしたわけです。
 今おっしゃいますのは、これは法人税というのはそういう税制の問題があって、いずれにしても所得が生じなければ税金がかからぬわけでございますから、したがって、地方税においていわば応能負担でなく応分の応益負担をすべきだ、こういう議論は存在をしておることは私どもも承知をいたしておるところでございます。だから、税制上それはゼロになりましても、いわば二重課税防止の適用でゼロになったとしましても、そのゼロは、これが控除されていなかったら三税の三二プロの対象になるからふえたはずだ、こういう議論は、税制の基本の二重課税防止のところからくれば出てこない議論じゃないかなというふうに思います。
#114
○経塚委員 これは後で地方の減収分についてもお尋ねをしていきたいと思っておるのですが、もともと外国への企業の進出の便を図るということで、二重課税を防止するという趣旨でありますけれども、企業の規模あるいは企業の上げておる利益あるいは企業活動、こういうものを総体として見た場合に、結果として国内で課税がゼロになる、こういう状況が、しかも単年度だけじゃなしに二年、三年、四年にもわたって続いておる、こういう状況は、やはり大蔵大臣、公正、公平を主張される限りは、これは極めて不公平なそしりを免れ得ないだろうと思うのですよ。
 しかも、これは調査しました一つの資料でございますが、例えば三菱商事は四年間国内課税がゼロでありますが、この間の政治献金が二億六千三百十六万円、三井物産が二億一千万円、丸紅が一億九千万円、伊藤忠が一億九千万円、日商岩井が一億二千万、トーメンが六千六百九十万、兼松江商が五千五百万等々、七社で合計いたしますと十一億余に上っておるわけですね。
 今総務庁の調査の結果によりましても、国民の世論の反映としては、一時期はトップに上がっておったのが、要求としては物価だったのですが、今減税がトップに上がっておるわけですね。しかもこの中で税制に対する不公平感というのは強まってきておるわけです。その中にこうした問題も重要な要素として含まれておるのじゃないかと私は思うのです。したがいまして、私は制度そのものの抜本的な見直しをやるべき段階ではないかと思うのですが、その点は、大臣、いかがなものでしょうか。
#115
○角谷政府委員 外国税額控除制度につきましては、ただいま委員御指摘のように、我が国の法人税というのが、国内所得あるいは国外所得を合わせました全部の所得について課税するというわけでございますが、一方、国外で得られたところの所得につきましては、通常その源泉地である外国におきまして課税されておる。したがって、国外から得た所得につきましてさらにまた国内で課税いたしますといわば二重課税になるということで、国外所得に対します外国と我が国との間のいわば二重課税を排除するための措置といたしまして、一定の限度で外国の課税を控除する、こういう制度でございます。
 ただいまいろいろ御指摘ございましたが、個別の企業の問題についてはここで申し上げる立場にはございませんけれども、一般に国内の事業が例えば赤字である、しかし、外国における日本の当該企業の海外事業から得られる収益が黒字であるとか、あるいは海外からの受け取り、配当が非常にたくさんある、しかし一方、国内の事業分は区分経理としては赤字であった、こういったケースにつきましては、外国税額控除における結果といたしまして国内の法人税を払わなくて済むということはあり得るわけでございます。
 こういう税制は、国際取引に関しまして二重課税を排除する、あるいはそういうことに対する税制の中立性を守るということから各国とも共通に、おおむねこの二重課税の排除措置はとっているということでございまして、こういう税制の基本につきまして、個別のいろいろな運用面での調整その他につきましては、今大臣からお答え申し上げましたように、五十八年度にいろいろ制度改正等を行いまして整備を図ったところでございますが、この税制の基本というものについて、これを調整するというわけにはなかなかまいらないというふうに思います。
#116
○経塚委員 税制そのものを抜本的にこれは廃止をしてしまう、そういうことはできないという御答弁でございますが、その内容の調整については先進諸国でもいろいろやっているわけですよ、時間の関係がございますので例は差し控えたいと思いますが。したがいまして、そういう調整は、これは当然やるべきだというふうに考えております。
 それからさらに地方税との関係でございますが、これは自治省にまずお尋ねをいたしたいわけでありますが、そもそも法人の地方税を課税するその趣旨、根拠、これはどういうところから来ておるわけですか。
#117
○矢野政府委員 現行の地方税体系におきましては、地方公共団体に配分をされておりますところの事務事業、これに見合って地方団体が適切に事業執行できるように、地方税源、特にその安定性あるいは伸長性あるいは応益性その他の事情にかんがみてつくられておるところでございますが、特に法人課税につきましては、一つの面では法人住民税でございますが、法人税割はいわば法人所得課税としての税制として設けられておるものでございます。
 またもう一つ法人事業税がございますが、これは法人税割とは若干性格を異にしておりまして、いわば応益的な性格を重んじておる。ただ、大方のものは所得を課税標準としておる、こういう性格のものでございます。
#118
○経塚委員 ちょっと数字をお尋ねしたいと思うのでありますが、このいわゆる外国税額控除による地方税への影響、これは五十三年度幾らか、五十八年度幾らになっておりますか。両年度についてお答えをいただきたいと思います。
#119
○矢野政府委員 現在、道府県分についての法人住民税の外国税額控除については調査がされております。それによりますと、昭和五十三年度における法人の道府県民税でおよそ八十三億円、昭和五十八年度の数字はおよそ百八十億円でございます。なお市町村民税につきましては、全体として調査をいたしておりません。
#120
○経塚委員 道府県民税関係で五十三年が八十三億、五十八年が百八十億、これは五年間で随分ふえておりますね。市町村民税分はこれから除外ということでありますが、これは至急に調査をしていただきたいと思います。
 東京都の場合は、部分と二十三区分でお尋ねをしますと、四百四十二億円の、いわゆる減収という言葉を使うならばそういうことになると思うのですが、大阪市の場合ですと十億ですね。大阪府分だけで二十二億、これに市町村分が加わってくるわけですね。
 どうなんです、税務局長。先ほどの御答弁では、いわゆる法人住民税というのは、企業での所得と同時に、その地方公共団体から受けるいわゆる受益、これのいわば対価といいますか、そういう性格も一面では持っているということになれば、私は、これはいわゆる国税とは――また一面では地方公共団体に対応する一種の特有の性格もあると思うのですね。したがって、地方税にまでこれがはね返ってくるということは、これは遮断すべきだと思うのですが、その点はいかがですか。
#121
○矢野政府委員 法人住民税の法人税割につきましては、先ほど申し上げたような趣旨でございますが、これは御承知のように、法人税を基本的には課税標準にしておるということから、やはり国、地方を通ずる法人所得課税の一環として設けられておるというところでございます。
 私ども、地方税の独立性を保つために国税との間の影響遮断ということをいろいろ制度面で仕組んでおるところでございますが、お尋ねのような地方税の独立性あるいは地方税源の確保という観点からの御指摘の趣旨は、お気持ちはわからないでもございませんが、やはり先ほど大蔵省の方からもお答えがございましたように、所得に対する二重課税を防止するために設けられておる措置でございますので、地方税においても相応の調整を図ることが必要かと考えるところでございます。
#122
○経塚委員 自治省がそんな答弁をしておったらこれはぐあい悪いですが、これは地方財源充実のために、地方は地方としての特別にあるべき姿を強調すべきだと思うのです。
 続いて大蔵大臣にお尋ねしたいと思うのですが、欠損法人に対する課税問題です。何か検討するやにも承られるような御答弁もあったわけでありますが、これは、どうなんでしょうね。大阪府の一つの例でありますが、大阪府下で、資本金十億以上の企業で欠損のために課税されておらないのが全体の二三%に上っているのです。特に百億以上の大企業で、均等割の七十五万円しか納税をしておらないというのが四十五社にも達しておるのですね。これは川崎重工六百六十一億の資本金、あるいは住友セメント、資本金百十二億等々もそうでありますが、欠損中小法人はともかくとして、道路、港湾等々、地方公共団体から受けるサービスも非常に大きいものがあるわけであります。これはやはり検討すべき段階だと思うのですが、その点いかがでしょうか。
#123
○竹下国務大臣 これは議論として今の議論は存在しております。すなわち赤字法人、まあこれは大阪には大きなものがございますが、全般的に言えば半分以上、五五%が赤字申告でございます。しかし、赤字法人といえども租税によって賄われる公共サービスの恩恵を受けていること、したがって応能主義より応益的な考え方からいわば負担を求めるべきだ、この議論はずっとある議論でございます。
 だが、今の法人税法そのものからいいますと、やはりこれは法人税の基本にかかわる問題になっていく。したがって、今回の五年間の臨時的措置として利子配当に係る所得税額の控除等の特例措置というのをやりましたけれども、それを五年間としましたのも、言ってみれば、この措置は赤字法人課税のあり方についての結論を得るにはある程度の検討期間が必要だなというので五年と、こうしたわけでございます。だから、赤字法人の課税のあり方は、今後とも所得課税である法人税の性格、それから企業に対する他の租税との関係等から、幅広い観点から検討はしてまいりたいと思っておりますが、今回の措置も五年としたのは、相当時間がかかるなということを覚悟の上でそういう措置をやったということでございます。可能な限りこの問題は早く俎上に上せなければいかぬ課題であるということは、事実認識をいたしております。
#124
○経塚委員 時間が参りましたので、最後に一点だけお尋ねをしておきたいと思うのですが、国と地方の機能分担、それから費用負担の割合、改めて検討に入られるわけであります。
 そこで、これも大蔵大臣にお尋ねをしておきたいのですが、率直に申し上げまして、地方はこれ以上負担転嫁を受け入れる状況にもないし、また強めるべきでもないという見解を私は持っております。例えば、国と地方の租税収入の実質配分でありますが、昭和五十年度は租税収入の実質配分、国が二三・四%、地方が七六・六%だったのですね。これが五十八年度は、国がふえまして二九・七%、地方は減って七〇・三%なんですよ、実質配分が。地方税のふえているのが、あたかも地方が裕福である論拠の一つであるかのように言われておりますが、これは道なんですね。いわゆる地方に配分される国からの分が年々歳々減っていっておるために、地方としては地方税の増収と使用料、手数料等の増加で賄わなければならぬ、こういう結果が年度をずっと見ていくと数字の上でははっきり出てきておるわけですね。例えば地方税は、五十二年度比較で六十年度、実に三一・八%増でしょう。使用料、手数料が二五%増でしょう。これに比べて交付税はわずかに八%増、国庫支出金に至ってはマイナス四・五%なんですね。
 だから私は、今機能分担と費用負担の割合を検討するとするならば、最初に申し上げましたように、地方としては負担転嫁を受け入れる状況にもなければ、またすべきではない、こういう大前提の上に立って機能分担あるいは費用負担の問題を検討の出発点にすべきだ、かように考えるのです。ましてや今回のような補助金カット、国庫負担金の地方への転嫁は許されるべきではないと考えておるのですが、その点どういう認識をお持ちですか。
#125
○竹下国務大臣 公経済を支える車の両輪である、こういう事実認識の上に立って見ますと、今までいろいろなことをやってまいりましたが、やはり制度、施策の根源にさかのぼって、これは企業なり個人なりの問題、これはまさに地方自治の問題、これは国の問題という仕分けをこれからもしていかなければならぬ。そうなると、それの役割分担に基づいて費用負担のあり方というのもやはり議論の対象になっていくべきものであろう、そういう考え方の上に立って、例えば社会保障で申しますならば、ことし一年――去年の十二月から一年という意味でありますが、そういうあり方について基本的な検討をしようじゃないか、こういうことになっておるわけでございます。これが実態であります。
#126
○経塚委員 私のお尋ねしたことの御答弁にはなっておりませんけれども、時間ですので、これで終わらせていただきます。
#127
○高鳥委員長 これにて大蔵大臣に対する質疑は終了いたしました。
 次回は、明十六日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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