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1984/05/31 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第15号
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1984/05/31 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第15号

#1
第102回国会 地方行政委員会 第15号
昭和六十年五月三十一日(金曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 高鳥  修君
   理事 愛知 和男君 理事 糸山英太郎君
   理事 臼井日出男君 理事 平林 鴻三君
   理事 加藤 万吉君 理事 安田 修三君
   理事 柴田  弘君 理事 岡田 正勝君
      伊藤 公介君    大村 襄治君
      工藤  巖君    小杉  隆君
      中川 昭一君    細田 吉藏君
      松田 九郎君    五十嵐広三君
      小川 省吾君    細谷 治嘉君
      山下八洲夫君    小谷 輝二君
      宮崎 角治君    吉井 光照君
      藤原哲太郎君    経塚 幸夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     古屋  亨君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      前田 正道君
        警察庁長官官房
        長       鈴木 良一君
        警察庁刑事局長 金澤 昭雄君
        警察庁刑事局保
        安部長     中山 好雄君
        警察庁警備局長 柴田 善憲君
        自治政務次官  小澤  潔君
        自治大臣官房長 津田  正君
        自治大臣官房審
        議官      石山  努君
        自治省行政局長 大林 勝臣君
        自治省行政局公
        務員部長    中島 忠能君
        自治省行政局選
        挙部長     小笠原臣也君
        自治省財政局長 花岡 圭三君
        消防庁長官   関根 則之君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        職員局福祉課長 高野 正義君
        大蔵省主計局主
        計官      竹内 克伸君
        文部省初等中等
        教育局高等学校
        課長      阿部 憲司君
        郵政省電気通信
        局電波部陸上課
        長       佐藤  進君
        労働省労働基準
        局安全衛生部労
        働衛生課長   福渡  靖君
        地方行政委員会
        調査室長    島村 幸雄君
    ―――――――――――――
五月三十一日
 町村の下水道事業に対する地方財源の充実に関
 する請願(足立篤郎君紹介)(第五〇三九号)
 同(小渕恵三君紹介)(第五〇四〇号)
 同(平沼赳夫君紹介)(第五〇四一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件
     ――――◇―――――
#2
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松田九郎君。
#3
○松田委員 限られた時間でありますから、所要の意見をかいつまんで本員は申し上げますから、したがって大臣を初めそれぞれの所管においては、適切に手短にひとつ御答弁をお願いします。
 まず第一、基本的にこれは大臣にお尋ねをしたいのですが、国民の間にある意味において定着化しておる言葉として、二十一世紀こそ地方の時代である、こういうことをよく言っておるし、大臣もたしかそういうことを言っておられるのではないかと思うし、私も演説などをするときには時たまそういうことをキャッチフレーズとして言っておりますが、果たして二十一世紀は地方の時代なのかどうかということについて、最近特に私は疑念を持ってまいりました。むしろ二十一世紀というのは地方の時代じゃなくて、いよいよ中央集権化していくどうにもならない時代になってくるのじゃないか、私はそういう気がしてなりません。特に私が顕著なるそういう心配感を持つゆえんのものは、ごく最近の例に見るまでもなく補助金等の補助率一括引き下げ、交付金減額、補助金減額、そういう一連の地方自治に対する対策というものが逆行しておる、いわゆる地方の時代ではない、中央集権の時代に実は大きく後退をしておるるような気がしてならない。
 そこで大臣に、それらの経緯を踏まえた中で、大臣自身が真に二十一世紀は地方の時代であるというそういう信念をお持ちになっておるかどうか、まずその基本的な大臣の理念についてお伺いをしたいのであります。
#4
○古屋国務大臣 松田委員から御質問の点、私もそうあるべきであると結論的には考えております。地方の時代と言われながら、現実にはお話のように、中央の要求といいますか中央集権的なことが相当行われておるし、また今後の方向として地方の時代ということを行いますためには、地方におきまして活性ある心豊かな地域社会をつくることが、地方の自律性あるいは自主性に基づいて一番大切であると考えております。
 そういう意味で、先般の補助率の一律カットにつきましても、今年度限りのやむを得ない措置としてこれを認めざるを得なかったということでございますが、何としても地方から言いますれば地方の自主性、自律性、それに対して国がいろいろの関与、必置規制あるいは権限の委任ということを大幅にやるべきものであり、またやらせるように私どもも努力をしなければならぬと思っております。
 そういう意味におきまして、松田先生は長崎県における県会の議長もされまして、そういう点は身をもって体験された地方行政のエキスパートのうちのエキスパートであると私は信じておりまして、私も先生と同じように、二十一世紀は地方の時代と名実ともに言われるように、二十一世紀に至るこの十五年間におきまして、そういうような状況に持っていくように一層研さんを積みまして、そして地方の自律性を基礎のもとに、地方の行財政制度につきましても改革すべき点は改革をいたしまして、本当に自他ともに地方の自主性というものが確保できますように努力してまいりたいと思います。
 補助金の問題につきましては、自治省も昨年の九月から十一月の終わりまで大蔵省といろいろ折衝したときに、補助金の整理合理化は必要である、もう定着したものは地方に任せるというような意見は私も同じように考えておるのでありまして、そういうことを踏まえ、地方の自治というものが、本当に地方の時代と言われるように、私どもも一生懸命で精進していかなければならぬと思っておりますので、よろしく先生にも御指導を賜るようにお願いいたします。
#5
○松田委員 二十一世紀に対する大臣の取り組みの基本的な理念について、大変前向きに決意のほどを表明いただきました。私は大変ありがたいと思います。
 そこで、これらに関連をして、以下それぞれの所管の局長に掘り下げてお願いをしながら意見を聞いてみたいのですが、いわゆる補助率一割カットないし削減というものは、暫定措置として今年度限りであるという式のことをよく言っておるわけですね。一体この暫定という考え方、日本語というのは非常に微妙であるし、ときには取り扱いやすい、ときには取り扱いにくい、幅があり過ぎるわけですね。とにかく暫定というのは三日間も暫定であれば、一年も暫定であれば、十年も暫定。
 そこで、大蔵省からだれか見えておれば大蔵省にまずお伺いしたいのですが、この補助金等の一括削減の暫定措置というものは、我々が従来から本委員会においてもしばしば大臣を初め所管から報告、説明がなされておるように、一年限りのそれこそ暫定措置であるというふうに考え、解釈をしておるのだが、そのように解釈をしていいものかどうか、大蔵省の責任あるお答えをひとつ聞いておきたいのです。
#6
○竹内政府委員 ただいまの問題につきましては、法律にもございますように、一年間の暫定措置ということでございます。
#7
○松田委員 えらいぴしゃり答えたが、本当にそんなことをやれるのか。これを一つの隠れみのにして、あしたに一城夕べに一城式になし崩しにしておこうという大蔵省の考え方がないことを願っておるけれども、今あなたのおっしゃった答弁、ずばりそのまま受け取ってよろしいわけですね、もう一回念を押しておきたいと思います。
#8
○竹内政府委員 繰り返しになりますが、法律にございますように、一年限りの暫定措置ということでございます。
#9
○松田委員 今度はこの問題について、自治省の関係局長が見えておるはずだから、自治省としては、今大蔵省の答弁を受けて地方の予算編成を考えておるかどうか、財政局長ですか、ひとつ明確に答弁をお願いしたい。
#10
○津田政府委員 財政局長おりませんので、官房長の私からお答えいたします。
 御承知のとおりの経過で、私どもとしましては補助金の整理の問題は国、地方との責任分担、事務配分の問題という観点から整理すべきだというような主張をしてまいったわけでございますが、昨年末の予算折衝の段階におきまして、その議論ができないままいわば緊急避難的とも言うべき措置としてやられたわけでございます。そういう意味におきまして、本来の筋に戻って、この一年間そういうような掘り下げた議論をした上で改めてどうするか、それで昨年末の予算折衝で決まりました今年度の措置はあくまで暫定的、このように考えておるわけでございまして、検討を進めてまいりたい、かように存じます。
#11
○松田委員 財政局長、どこへ行っておるのか。今のあなたの答弁ではちょっとおかしいな。大蔵省が暫定措置は一年限りで来年は旧来のいわゆる慣行、あり方に戻すのだとはっきり言っておるじゃないか。あなたの今の答弁は何を言っているのか。その時点で論議をしてみます、当事者である自治省が論議をしようなんて消極的な発言をしながら、金を持っておる大蔵省が逆に一年限りでございますから、来年は従来のとおりに前向きに予算編成は取り組んでいきますという意味の答弁をしておるのでしょう。自治省が逆に後退したような今の説明はあるのか。もう一度答弁やり直せ。あなたで答弁できなければ局長を連れてこい。この大事なときにどこへ行っておるのか。
#12
○津田政府委員 補助金カットはあくまで暫定的の一年限りの措置でございます。ただし、六十年度中において社会保障を中心といたしまして改めて検討する、こういうことでございます。
#13
○松田委員 全く不愉快だな。当該の自治省関係者、最高責任者が改めて検討する、そういうことでいいの。何を改めて検討するのか、改めて検討するという意味をちょっと説明願いたい。私は頭悪いからわからぬからな。何を検討するんだ。一割削減でいくかいかないかを検討するのか。
#14
○津田政府委員 もう先生御承知と思いますが、昨年予算折衝の大詰めにおきまして、最終結論としまして自治大臣、大蔵大臣、厚生大臣、それから自民党の政調会長が入った上で、暫定的な措置とするということと、社会保障の問題を中心としまして、六十年度中にその責任のあり方ということについての検討を覚書で締結しておるような状況でございます。
#15
○松田委員 まさにこれは禅問答、堂々めぐりだけれども、あなたとここで論議をしても始まらぬ。また別の機会にもっと――今の問題は大臣にお聞きした方がいいと思うのだけれども、大臣から最初に私の言葉に大変お褒めの言葉があったので私も恐縮しておるわけだ。だからそのことは大臣に追及することはひとつ差し控えるが、しかし今のは確かに不愉快だ、そういう答弁には全く満足していない。これは自民党の部会の中でも相当論議してきた。だから、これは保留しておいて別の問題に移ります。
 次に大臣にお尋ねをしたいのですが、過密対策、過疎対策なんというものが実はよく言われているわけですけれども、私は過密対策をおろそかにしろという本質的な論議に立って今から意見を申し上げようとする意思は全くありません。しかし、本員が言わんとするところは、過疎対策というものを今日自治省はどのような基本的な理念の中で対応しようとされておるのか。
 俗に言う太平洋ベルト地帯には、どんどん行財政すべてに日が当たるような今の流れになってきておる。一方、言うなれば過疎ブロック地域である北海道、東北、あるいは北陸、九州、中国、四国というようなところには、人口流出などという問題も加わってどんどん過疎というものが拍車をかけていっておる。過密対策を政治の重点的基本とすれば、必然的に人間のいわゆる動向としては便利なところに、環境のいいところにどんどん人口流出をすることは間違いないわけであります。したがって、過密はいよいよもって過密になり、過疎はまたもっていよいよ過疎化していくという言うなれば今の日本列島の流れになっておることは、何人といえども否定をし得ないところです。
 だから、私が言わんとするところは、過密対策即過疎対策に重点を置けば、人口の流入というものもかなり防げるのではないか。過疎対策をおろそかにしておるところに今日の政治の誤り、ひずみがあるというふうにすら私は思っておるのだけれども、そこら辺について大臣としては日本列島を眺めてみて、現状の流れの中で一体どういう認識を持っていらっしゃるのか、簡略でいいですからひとつ御答弁いただきたいと思います。
#16
○古屋国務大臣 お話のように人口が急増しております地域、あるいは今の反対に人口が非常に減っておる過疎地域、こういうものに対しましての政府の考え方でございますが、実は私も先生御承知のように、昭和四十何年でございますか、国会へ出していただいたときに、過疎法を議員立法で提案いたしまして、たしか山中貞則先生が委員長で、私どもその提案の検討をいろいろいたしましてこれを通過させることができたのであります。人口急増地域についていろいろの措置を講じておりますが、やはり日本の国土でありますから、国土の均衡ある発展のためには、私は過疎対策、辺地対策にも十全を尽くしていかなければならぬと思っております。
 基本的な考えはそうでございますが、この問題の直接の主管は国土庁でございますけれども、自治省といたしましては、過疎対策あるいは辺地対策といたしまして、起債の点におきまして通常の過疎対策、過疎債、辺地債というものを活用いたしまして、本来の国土庁の施策を補完する意味においてそういうような過疎債、辺地債をつくっておりますが、それはこういう厳しい状況におきましても、ことしも前年度と変わらない数字を計上いたしております。
 そのほか、御承知のように山村振興法とかあるいは離島振興法とかいろいろの問題で、対策がとられております。しかし、依然としてこういうような過疎地域に対しては、いろいろな国の補助等を三分の一を三分の二にしているというような点もありますが、やはり交通事情、道路関係、そういうのを見ますと、そういうような過疎地域に対しては、大変残念でございますが現状はまだ社会資本が乏しいというように私は考えております。最初に申し上げました国土の均衡ある発展という点からいたしまして、今後とも過疎、辺地につきましては、人口急増地域に対して努力しております以上のことをぜひ施策として反映をしてまいり、これらの方々が活性ある地域として住まわれるよう、私はあらゆる面から努力してまいりたいと思っております。
#17
○松田委員 財政当局者にちょっと聞きたいのですが、私はこれまた不勉強で適切な質問になるかどうかわかりませんけれども、補助金とかあるいは交付金、交付税、そういうものの算定の基礎は、とにかく人口であるとか、あるいはまた特にその地域における突発的な事態発生、要するに病気とかあるいはまた災害とか公害、風害、いろいろあると思いますが、そういうこと。またそれぞれの地域、自治体における財政的な問題の兼ね合い、そういうものが定着した基本的な算定の基礎になっておると思うのだが、私のそういう受けとめ方に間違いがあるかどうか、まずその点を最初にお聞きしたいのであります。
#18
○津田政府委員 過疎地域あるいは辺地におきます財政対策の考え方でございますが、御承知のとおり交付税などはかなりの分で人口を使っております。しかし、過疎地域あるいは辺地地域の実情にかんがみましてそれだけでは財政措置として不十分だ、こういうような考え方で、財政力の弱いそういうような地域に対して例えば補助率のかさ上げあるいは過疎債、辺地債に対する交付税での元利償還金の算入というような措置をとっておりますし、補正関係でも、過疎地域などは高齢化が進んでいるというような実態もございますので、そういうような経費については、高齢化の進みぐあいというようなもので数値を補正して算入しておるというような状況でございます。
#19
○松田委員 今の官房長のお話を聞くと、本員が解釈しておるように、その地域、その自治体における人口というものが主要なそういう税財源の基礎をなしておるというように解釈したのですが、そうですか。それでいいですか。
#20
○津田政府委員 交付税の算定の基礎というのはやはり人口という要素がかなり多いわけですが、しかし、人口密度が低い過疎地域あるいは辺地地域に対しては、人口数に応ずる以上に、例えば公共施設の整備であるとか老人福祉対策が必要というようなことを考えて、いろいろな特例措置を講じておるという状況でございます。
#21
○松田委員 今の答弁でもわかりますように、まず大きな基礎的条件は交付税等については人口だ、しかし、それでも足らぬから、補うためにはその地域の過疎の現象、そういうものを加味しながら交付税等は配分しておる、私は全くそうでなければならぬし、そうだと思うのだが、そういうことを受けて、冒頭に大臣に質問しておりますように、いかに過疎地域というものが今日人口流出によって過疎化現象に拍車がかかっておるかということを申し上げたいし、それを言わんがために私はさような質問をしておるわけであります。
 でありますから、とにかく今後、自治省としては過疎対策というものを積極的にやらない限りは、日本列島は、俗に言う太平洋ベルト地帯の人口の流入が極度にふえ、甚だしい地域偏在をしていく。いよいよもって北海道も九州も四国、中国もあるいは東北、北陸もどんどんなおざりにされて、言うならばあと十年もたたぬうちに日本全人口の大多数がそういう地域に集中をしてくる、そういう懸念なしとしないのだけれども、このことについて大臣はいかように御判断になっておるか、ひとつ御所見を伺いたいのであります。
#22
○古屋国務大臣 今官房長がお答えしましたように、人口と町村の財政力指数というものを基本にいたしまして、一定の条件になりますと自然に過疎になってくるわけでございます。それから辺地につきましては、またそれより若干――過疎というのは地域によりましてはたくさんあるわけでありますが、こういう地域において人口がどんどん流出しておる、どうしたら若い者が帰ってくるか、老人ばかりになっておる、こういうような現象に対しまして地域の活性化を図っていく村興しというものを相当やっていかないと、私はこういう地域の活性化は望めないと思うのであります。
 いろいろの過疎対策を講じますと同時に、生きがいのある暮らしができますような活性化ということを、自治省としても活性化地域の指定をいたしまして努力をしておるところでございますので、そういう方向に向かいまして村興しあるいは町づくりというものを、社会資本の充実とともにどうしても積極的に推進していかなければならない、こういう施策を一層強力に進めていくことが広い意味の社会福祉対策にもなりますし、国民の暮らしの安定にもなっておると思いますので、今の先生のお話は私も全く同感でございます。
#23
○松田委員 大臣がいらっしゃる時間が限られておると思いますから、ちょっと順序を変えてかいつまんで大臣の御所見を聞いておかなければならぬ問題があるので、質問を続けてします。
 読売新聞五月二十七日の朝刊に大々的にこういう記事が載せられておる。「勇気の大学生、無念の死 「路上強盗だ」―追跡二百メートル」、しかも派出所前で刺されて一人は亡くなった。そして一人は重傷である。四人の学生が協力した。派出所はしかも不在であった。そういうことについて、これは刑事局長が見えておれば刑事局長から事件の概要と、その後これについて現在どう取り組んでおるかということをお聞かせ願える範囲内で、捜査上のことについては適当じゃないから私も聞こうとは思いませんが、そういう具体的な行政上の措置あるいはこの事件についての概要、そして既に承るところ、警察協力章というものを交付なさっておる、交付金が出ておる、こういうことをあわせ考えて所要の質問をしておるのですが、よろしくお願いいたします。
#24
○金澤政府委員 事件の概要について、それと捜査の状況について答弁申し上げます。
 まずこの事件は、五月二十六日の午前零時四十分ごろの発生でございます。場所が横浜市の南区の高根町付近ということでございますが、死亡されました平野さんら四名が路上強盗の現場を目撃いたしまして、友人四人でこの現場へ参りました。被害者が今金を取られたということでございますので、その犯人たちが逃げた方向を示すということで、四人が手分けをして逃げた犯人を追いかけたわけです。
 この平野さんともう一人重傷を負った西幹さん、この二人が一人の犯人を捕まえまして、あと追いかけた二人の方は、もう一人逃げた方は見失ったわけですが、この友人二人のうちの一人が交番に駆け込みまして、今強盗を捕まえたということで交番の電話で警察の方に連絡をいたしました。その間に路上で平野さんと西幹さんの二人が犯人に刺されました。これは果物ナイフ様の刃物で刺されまして、平野さんは心臓を刺されて後で死亡、それから西幹さんの方は上腹部、肝臓を刺されまして、これは二カ月の重傷でございます。その通報によりまして警察官が駆けつけたわけですが、犯人は既に逃げた後ということでございます。
 神奈川県警が現在捜査をやっておりますが、刑事部長を長といたしまして二百十六名の体制、これは一つの事件としては異例に大量の警察官を動員しておりますが、この体制で現在現場の地取りの捜査を中心といたしまして鋭意捜査中でございますが、まだ今現在では犯人に到達をしていないという状況でございます。
 状況は以上でございます。
#25
○鈴木(良)政府委員 この事件で犠牲になりました勇敢な大学生に対します補償の問題でございますけれども、神奈川県警察本部では、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律を適用することといたしまして、御遺族に対しまして遺族給付一時金五百九十万、葬祭給付三十八万二千円、合わせまして六百二十八万二千円の支給をいたす予定になっております。
 なお、神奈川県では、実はまだ条例改正ができておりませんで、この六月に一部改正案を提出されることになっておりまして、実は、改正後は、その遺族給付一時金が五百九十万が六百十万、葬祭給付が三十八万二千円が三十八万八千円となることになっておりまして、したがいまして、条例改正後は六百四十八万八千円支給されるということになっておるわけでございます。
 なお、この事件、大変御協力をいただき、また大変痛ましい事故だということで、早速警察協力章を差し上げたわけでございます。そのほか、警察協会におきまして弔慰金、あるいは神奈川県の方におきましても知事の弔慰金というものが検討されておると承っております。
#26
○松田委員 大臣の時間がたしかそうないと私は思いますから、あと補足して、別の質問はそれぞれの関係者にお尋ねするとして、大臣に一件申し上げて善処方を特にお願いしたいと思うのです。
 この種の問題というのは、警察協力章、この制度ができてから、私の調査するところではたしか二十一人前後、今度で二十二人目じゃないかというように記憶するわけですね。しかし、従来のこれに対する政府というかあるいは警察当局の対応、特に弔慰金、一時金などについても全く話にならない。今のお話を聞きましても五百九十万である。これは事務当局としては、法律がある、規則、規定がある以上はどうしてもそれ以上に大幅にやることはできないと私は思う。しかし、少なくともこれだけ勇気のある、新聞に書いてあるように「勇気の大学生、無念の死」なんて、これだけのとらえ方をするというのは、一般の国民、市井人がこれに重大なる関心と同時に義憤を感じておる、その結果、こういう取り上げ方になっておると私は思う。
 私は、選挙区でもないしあるいは当事者と面識もないし、電話一本ちょうだいした覚えもない。私もある意味では国民の一人としてあるいは政治家として、これはどういうふうな対応をやっておるかということに非常な疑問を持ったからそれぞれに調査をしてみたのですが、今御答弁のように現在の規定ではそれしかない。私が言いたいのは、この際大臣は閣議で――いわゆるこの災害というものの法律ができたゆえんは、これはたしか議員立法でできたというように私は記憶しておるのだが、そうなのかどうか、ちょっとかいつまんで答弁を願いたい。
#27
○鈴木(良)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#28
○松田委員 議員立法でできたということ等あわせ考えて、現在のいわゆる経済的な時流の中で二十二歳になるまで両親や親族一統、みんなが楽しみにして育ててきた子供が、事もあろうに社会悪追放のために、警察行政協力のために、しかもここに出ておるように、二百メートルも警察官がおらぬのに追いかけていって格闘の末に命を果てたということに対しての代償が、たった六百万円そこそこで一体どうなるものかということなんです。
 総理は、最近いろいろ新しい言葉をおっしゃっておる。農政などは聖域ではないとか外国製品を買いなさいとか、そんなことを言っておるが、そういうことよりももっと大事なことが政治にはあるじゃないですか。自治大臣は中曽根総理にもちゃんと進言してもらって、こういう勇気ある、警察行政に協力をするという者については思い切った新しい法律案というものを提案して、政府が出さなければいかぬ、改定をしなければいかぬ。こんなのは時流に合わない。大臣、御承知ですか。五百万という金は今の時代は墓石にもならぬ。ましてや、二十二年も育てて大学に上げて、警察がおらぬところで警察官の役目に協力したのに、たった五百万前後もらったって、それこそ親としても国民としても泣くに泣けない思いだと私は思うのです。
 だから、この際大臣はひとつ閣議に出してもらって、一体どうするか、法改正を急ぐべきである。そして、私は何千万とは言わぬけれども、少なくともこの金額はこの種の問題については不適当な額である。スライドでやってきたと言うだろうけれども、スライドがこの時流に合わないんだよ。だから、中曽根総理はきれいごとが、あるいはまた新しいアイデアが非常に好きな方ですから、こういうアイデアもひとつ出してもらってやってもらうように、大臣に所要の決意のほどをこの際伺っておきたいと思います。
#29
○古屋国務大臣 平野さんの死亡、全く私どもは心から弔意を表するものでございますが、今お話しになりました警察に協力する、こういうことは、この事件等を見ましても、私は本当にとうといことであると思います。このために命を失われた、そういうことに対しましては、警察協力章あるいは災害の給付等に関する法律がございますが、お話しのとおり五百何万では、それはもう亡くなった人も浮かばれないし、私どももこれから協力を求めていく上においてはとてもこんなことではだめだと考えておりますので、この問題は早急に適切な方法によりまして、とにかく一般の方々が納得されるような、そういう方向に進めたいと思いますし、また、そういう点につきましては有力な先生の御支援をお願いしたいと思います。
 ともあれ、こういうものにつきましては、私も今の御趣旨を体しまして一生懸命に努力をいたしまして、遺族の方が、うちの子供は亡くなったが、警察に協力してこういうことになった、本当に慰めのできますような措置をとるようにいろいろな意味において万全の措置を講じ、また、この問題は総理あるいは大蔵省とも話し合いまして、解決といいますか増額方につきまして積極的に進めてまいりたいと思っております。
#30
○松田委員 大臣、大変感謝します。大臣の前向きな温情あるあるいは勇気ある答弁をいただいて、私どもも驥尾に付してこの問題についての本質的な今後の前進のために協力あるいは努力してまいりますが、大臣の今の決断のほどを、ぜひ具体的にそのときどきに応じて今後発揮をしていただくことを特にお願いをしておきたいと思います。
 そこで、私はこの問題でさらに突っ込んで聞いておきたいのですが、官房長、今の重傷を負った人についての警察協力章は出たでしょうけれども、今後のこの種の見舞い金というのですか傷病資金というのですか、そういうものについては今のところどういう手当てをなさっているのでしょうか。
#31
○鈴木(良)政府委員 療養されておられます方に対しましては、当然のことながら療養給付が出るわけでございます。一応、障害がある、固定したという段階につきましては、障害給付の一時金なり年金なりというものが支給されるという形になっております。
#32
○松田委員 死亡された過去の事例の二十一件について、それぞれ所要の取り組みがなされてきておることは私も具体的に詳細を承知しておるのですが、亡くなった以外の皆さん方がたくさんいらっしゃるわけですね。たたかれて後遺症として目が見えなくなったとか、足がなくなったとか手がもぎ取られたとか、あるいは頭がおかしくなったとかいう人がいらっしゃるのですが、現在、そういう後遺症的なものに対する事案としてはどういう対応、あるいは引き続いてどの程度のものがそういう該当者になって世話をされておるか、その点明らかであればお聞かせを願いたい。
#33
○鈴木(良)政府委員 ただいま申しましたように、障害の関係で障害給付の年金、一時金を出しておるわけでございますけれども、ちょっと手元に現在どういうふうな形で支給をしているかということがございませんので、また後刻御報告をさせていただきたいと思います。
#34
○松田委員 私がなぜこの問題をこのように掘り下げて申し上げておるかというと、次のような考えを持っておるからであります。というのは、私は自民党員ですからいつも自民党本部前を出入りするわけです。自民党の放火事件、あれ以降というのは、あそこは交通渋滞の場所ですが、今もって交通渋滞はエスカレートしておるわけです。なぜか。警察機動隊が玄関口に頑張っておるからですね。日本の警察行政は世界一で全きである、そして捜査能力は万全である、治安はどの先進国に比べても優秀である、そういう評価を我々してきたし、現在もそれは疑っていない。しかし、現状において見る限り、果たして日本列島の治安というものが全きを期しておるかどうかについては、いささか疑問を生ずる面もなしとはしません。
 一億二千万の首都であるこの東京のど真ん中、国会の一番最短距離にあるところの責任政党である自民党の本部が、装甲車で日常茶飯なぜ守られなければいけないかということについての問題、グリコ・森永事件の問題あるいは成田事件の問題、そういうものの中で常に浮かび上がってくるのは、極端なるいわゆるストライキ至上主義的な過激派の若い学生を中心とする一部の連中の不心得に原因があると思う。
 そういう中で今回のように、大学生が四人たまたま話をしておった、そこで物音がして、そういう状態が発生したからということで、積極果敢に我を忘れて社会悪追放のために、しかも二百メートルも追いかけていって格闘の末に刺されておる。私は、そういう傍若無人きわまりなき一連の最近の若い者の風潮の中にあっても、なおこういうすばらしい青年もおるんだということを国民に認識徹底をさせるためには、やはり善は善としての表彰なり報いる方法があると思う。逆に不逞のやからについては厳罰で臨まなければいかぬ。甘やかすから思い上がって森永・グリコ事件みたいに、さあここまでいらっしゃい、警察何しておるか、おれを捕まえ切らぬじゃないかというふうにおいでおいでごっこになって、警察当局はあざ笑われておる。自民党本部も装甲車で守らなければいかぬということになってくる。私はこの問題は掘り下げてずっと考えてみたが、要は罰則規定が甘いからだ、こう思う。
 この間の自民党本部の放火事件で、内容はどうなっておるかということは聞かぬけれども、一つ聞きたい。一人捕まえたそうだけれども、この捕まえた者はどういう罪名で起訴したか、その起訴した罪名。その起訴した罪名によって、たった二カ月や三カ月で出てくるようなものは皆だめだ。昔から放火事件なんというのは、江戸幕府時代から御承知のとおり市中引き回しの上首をちょん切ったんだ。一体罪名は何で起訴したのか。
#35
○金澤政府委員 現住建造物放火と道路運送車両法違反というふうに承知しております。また、現住建造物放火は、死刑までの法定刑がございます。
#36
○松田委員 それは現住建造物放火と言うのですか、放火が入るから死刑までできると言うんだな。それはいいでしょう。
 そこで、それぐらいの腹構えで今度はひっ捕まえてもらわなければ困る、一年や二年したらひょろっと出てきてまたやるようなことがないように。私は、個人的に恨みもつらみもないけれども、国民の偽らざる感情としてそうあってしかるべきだと思うから、あえて付言をしておきます。
 そこで、今の問題について大臣に所要のことをお聞きしたんだけれども、私どもが単なる民間の交通事犯等を仲裁する場合でも、家族がまず言うことは、我々の言うことは心情として当然ですよ、先生、お金で買うというのですか、私の子供のことが、私のお父さんのことが金でどうして解決しますかというのが全部遺族の偽らざる心境。私も自分の子供を失えばそう言いますよ。何だ、おれの子供をひきやがって金で解決しようと言うのかということは、私も人間である以上、そういう事態が起これば言うと思う。しかし、そういう中にあってもだんだん仲裁をしていけば、とどのつまり、実際問題としては金銭的な解決以外にないのですよ。そして、それも多寡によってある意味において相手を慰めることもできるわけですよ。
 そういうことからすると、平野君の御遺族に対して失礼な言い方になるかわからぬけれども、現在の警察協力章という勲章だけでは、それに伴う協力金、見舞い金だけではどうにもならない。これは何としても国が前向きに取り組んで、そういう勇敢な者に対しては国家はこういう手厚い対応策をやりますよ、やりましたよ、そういう事例をここでつくらなければ、そのことが平野君に対する慰霊でもあり、国民に対する今後の指導性ある指標になると私は思う。
 これをおろそかにしておったら、今後この種の問題にはだれも協力せぬよ。警察で勝手にやれ、そんな危険なことには我々加わらぬ、やったって見てみい、この間の横浜事件、たった五百万でちょん切ったじゃないか、ばかげておる、かかわり合うな、車中暴力なんて何を言っておるんだ、女がどうされようと知ったことじゃない、おれの彼女じゃない、これはそんなことになるのですよ。この問題を中心に国民世論感情がどちらに分かれるかという重大なる岐路に立っておると思うが、あなたは一体その受けとめ方をどう考えていらっしゃるか。もうこれでいいんだ、規則があるからいいと思っておるのかどうか、あなたの願望を含めて、あなたは事務当局者だから言える限度はあろうと私は思うけれども、これは大臣に聞かなければいかぬと思ったが、大臣は時間がないというんだよ。政務次官が見えたけれども、政務次官には聞かぬ。官房長、あなたに聞く。
#37
○鈴木(良)政府委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。大臣もお答えいたしましたように、現在の給付の仕方は法律で決まっておりますからそういう形にならざるを得ないわけでございますが、今後あらゆる方面から検討して何とか前向きに善処してまいりたい、かように考えております。
#38
○松田委員 以上の問題にばかり時間を費やすわけにはいきませんから、次は別の問題をひとつ提起して所見を伺いたいのです。
 定数是正というのがよく言われてきましたね。そこで、法制局ないし当事者がおられれば聞いておって答弁を願いたいのですが、この定数是正を自民党の中のある派、いわゆる河本派などというものが反対をしておる、こういうことがよく言われるわけですね。私は河本派だけれども、余り極端な反対論者じゃない。これは断っておきたい。そういう意味を前提にして、私は以下質問をしてみるわけです。
 定数というものは、国会議員、県会議員を通じて一体どこから出てきておるかというと、これは全くのいわゆる人口なんだな。そして、人口によらなければならぬという法律はまたないんだな。これは不思議なものだ。国勢調査を対象あるいは目安としなさいという慣習例はあるけれども、法制化はしていないと私は思う。そういう認識に間違いないかどうか。だれか来ておりますか。
#39
○小笠原政府委員 お答えを申し上げます。
 国会議員の定数配分につきましては人口によるという規定を本文では設けておりませんけれども、御案内のように、選挙区及び定数配分を定めております公職選挙法の別表第一の最終の末尾に「本表は、この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」という規定がございます。
 それから、衆議院議員選挙法以来、定数配分を行うに当たりましては国勢調査を基礎にしてきたという経緯がございます。
#40
○松田委員 あなたの今言ったようなことは、おれもここで質問する以上は大体調べておるよ。何も無手勝でここに登場しておるわけではない。だから、初めから言ったろう。そういうように、今のあなたの答弁のように、とにかく法律的な制約はないということははっきりしておるわけです。別表云々とあなたは言っておるが、そのとおりだよ。国勢調査の結果に十分留意、加味しながら定数を考えていくべきだということがうたってある。
 ところで、国、県会議員を通じて言えることは、そういう人口だけを主にした定数配分になってくると、先ほどの補助金等の問題に見るまでもなく、過疎地域はさらに過疎現象になってくる。議会制民主主義の今日、議員のあるところに政策が行われ、予算が増加していくことは否定し得ない。人口が密集しておる県会ならそうだよ。私のところの例をちょっと言ってみると、私の本陣である北松浦郡というところは十三カ町あるのだけれども、それはとても広いぞ。佐賀県の端から東シナ海に至るまで点在しておる。人家が十軒や二十軒しかないような小さい島々が四十もある。そういうところで、これを心配しなければならぬ県会議員の定数はたった三名である。長崎のような人口が密集して、一谷しかないところに人口は山ほどおるものだから、県会議員の数は十八人おる。その例を見るまでもなく国会議員もまたしかり。北海道のように広いところで、一っ走り二百キロ走っていかなければ次の村に行けないというところと、それこそ二秒か三秒車を走らせたらゴーストップのかかるところと、国会議員の数を人口だけで割り振りされればそういうところは過密対策でどんどんよくなってくるし、人口流出の激しいそういう過疎地域、過疎ブロックはさらに政治は行われない。
 だからどうすればいいかというと、今の人口的な頭だけじゃなくて、本員が考えることは、地域の面積、広さだな、その地域内における独立した行政官庁がどの程度あるかということを勘案比較しながら、基本はそれは人口でよかろうが、人口オンリーが絶対的なものだという現在の考え方に誤りはありはしないか、行き過ぎはありはしないかと思うのだが、それについて、あなたの答弁ではちょっと心もとないけれども、一応あなたしかおらぬのだから、これは政務次官にちょっと聞いておきましょう。
#41
○小澤政府委員 お答えをいたしたいと思います。
 衆議院議員の選挙区別定数配分を決めるに当たりましては、その最も重要かつ基本的な基準は人口であると考えられますが、人口が唯一絶対の基準ではなく、それ以外にも選挙区としてのまとまりぐあい、面積の大小、人口密度、地理的状況、交通事情というような諸要素をしんしゃくして選挙区別定数を定めることも許されると考えられます。
 ただ、以上のような事情を考慮してそれを定数配分に反映させるといたしましてもおのずから限界があると考えられており、その結果、到底合理性を有するものとは考えられないような大きな格差が生じることは憲法上許されないという点も踏まえて検討しなければならないと考えております。
 以上です。
#42
○松田委員 政務次官の御答弁、一応承っておきますが、私は、先刻来申し上げておるような趣旨で、今後の国会議員の定数是正などというものについては十分かつ慎重に対応していかなければいかぬと思います。
 そこで、この問題に少し関連があるのですが、自治省の関係者にお尋ねします。
 今、日本の自治体、特に市町村会議員の中で、いわゆる法で定められあるいは許されておる範囲内を、財政的な問題もあってさらに自主的に削減をしておる方向にある。このことについては望ましいという考え方を自治省は持っておるのか、あるいはどうでもいいからやりなさいよと自主的判断に任せておるということなのか。私が見るところ、既に末端の自治体においては定員削減というものが九〇%に近く進行しておる、今も進捗の状況にある、こういう判断をしておるのです。率直に私の考えから言えば、ある意味においてそういう傾向は適当であるというふうに判断しておるが、自治省はただこれを傍観しておるというのか、我関せずという態度なのか、そういうことは好ましいことであるという所要の行政指導をしておるか、ひとつそれをお聞きしたい。
#43
○大林政府委員 地方団体の議会の議員の定数につきましては、地方自治法の上で法定数がそれぞれ人口段階別に決まってはおりますけれども、あわせまして、御案内のように、「条例で特にこれを減少することができる。」こういう規定がございます。これに基づきまして各地域がそれぞれの地域の実情に応じて自主的に、現在全国的に言いますと法定数よりも約一八%程度条例で減少しておるという実情でございます。
 こういった地域の実情に応じた各地域の自主的な御努力というのは私ども評価をしておるわけであります。
#44
○松田委員 評価をしておるということだけでは困るんだな。したいところはしろ、せぬところはせぬでいい、こういうことになってくると、私は、これらの問題点についての今後の進みぐあいは鈍化してくると思う。適切な指導という面からして、行財政確立の面からしてこれは非常に難しい問題だな。民意を反映するという旗印が一方にはあるわけですけれども、現在は、そこまでいかなければ地方自治体の財政逼迫は救いようがないというジレンマの中にあると私は思う。そういう面から、指導は非常に難しいと思うけれども、今の局長の答弁のようなことではいかぬと私は思う。したいものはしろよ、せぬものはせぬでいい、困ったものは金をやるぞという式のやり方では今後はこの問題は全く停滞をする。極端に言えば、やる気のあるものとないものが同じように扱われるという結果にもなる、むしろやらぬものの方が貧乏人だから金をやらなければならぬということに、さっきのようになってくるわけでしょう。もう少し前進した答弁をお願いしたい。
#45
○大林政府委員 各地域において自主的にどういう定数で今後運営すべきかといういろいろの御判断をされます場合に、やはり議会というのが住民全体の代表である、住民の意思を行政に反映するという極めて重要な使命を片方で持っております。したがいまして、その地域におきます議員の定数を考えます場合にも、それぞれの地域の実情で、議会の機能、議会の内部の運営がどの程度で十分可能なのかという問題、これを十分に判断した上で決めるべきものであろうと思います。
#46
○松田委員 時間が来まして大変残念ですが、今のところちょっと聞きたかったのだけれども、私の持ち時間が参りましたので以上で終わります。
 大変ありがとうございました。
#47
○高鳥委員長 山下八洲夫君。
#48
○山下(八)委員 最近、高等学校の先生の体罰による若干の事件がございましたので、それに関連をしながら体罰あるいは暴力の問題、それについて若干の質問をさせていただきたいと思います。
 今自治大臣がいらっしゃいませんので、ちょっと横の方から入っていきたいと思いますが、特に私も教育は素人でございますし、同時に教育ほど難しいものはないと思うわけです。体罰にいたしましても、愛のむちということで少々いいではないか、あるいは一〇〇%体罰は否定をされている、そういう考えの父母もみえますし先生もみえるわけです。またもう一方では、学区制の問題にしましても、今法律で学区制がしかれております。その学区制にしたって、同じ都道府県内に住んでいれば自分の好きな学校へ行った方がいい、あるいはそうじゃなくて、もう高等学校も九四%からの入学率になっているんだから、準義務教育化されているんだから、できれば小学区制に見直した方がいい、いろいろな議論があることも承知しております。
 私も今二人の中学生の父親でもございます。私の長男が小学校へ入学しましたときに、本当に教育は難しい、本当に底が深いなということを先生に教えられました。先生というより、逆に子供に教えられたということが正しいと思うわけです。
 それは何かといいますと、私の子供が、二階の窓から給食時間に牛乳のふたを捨てたというわけです。そして、担任の先生が捨てたから拾ってきなさいと幾らしかっても拾ってこなかった。そこで先生が罰として、拾ってくるまで給食を食べささぬと言って取り上げたそうです。そして、子供は給食をしないで帰ってきた。そうしましたら担任の先生から、こういう状況で給食を食べさせませんでしたからという連絡が入ったわけでございます。それはそうかということで思うわけですが、帰って子供にただしてみますと、僕は牛乳瓶のふたを捨てたのではないと言う。そう頑張るのです。じゃ、何を捨てたんだと聞きましたら、その上にかかっていたビニールを捨てた、こう言うわけです。子供の目から見るとそれほど正確に見ているのか、そういうことを感じたわけです。
 そういう中で、きょう一連の体罰事件の問題を質問させていただきたいと思いながら、文部省に何点かの資料要求をいたしました。きょうのこの質問のデータあるいは参考に使わせていただきたいと思ったわけでございます。細かく言いますと八点の資料要求をしたわけです。そして大きく分けますと、裏表ですから四点の資料要求をしました。
 文部省というのは青少年の育成のため、また文部行政ですから、日本の未来を担う立派な青少年をつくり上げる行政府であると私は理解をしていたわけです。そうしましたら、特に私は委員長、各理事さんにもお願いしたいわけでございますが、資料要求した中で、欲しいものに対して、興味本位に扱うから出せませんと言うわけですね。私が質問のための参考資料にしようと思いましたら、興味本位のために使われるから出しません。興味本位とは何だと言いましたら、きょうマスコミがたくさん見えていますけれども、今度はマスコミが興味本位で使うから出せませんと言うわけです。マスコミが要求したのならいいですよ。私が要求して、何で私が興味本位に扱うのか理解に苦しむわけです。そういう方が文部行政をやるからいろいろの大きな問題が出てくるのだなと一つは感じました。
 そういう意味でぜひ理事の皆さんにもお願いしたいわけでございますが、私がしました資料要求を重ねてここでしておきたいと思います。
 一つは、都道府県別の高等学校の入学者数です。これはけさ慌てて持ってきました。これは今もらいました。それの裏返しの退学者数です。過去五年間、いずれも要求しています。それから、岐阜県の学校別の入学者数と退学者数を要求しているわけです。それを要求しましたら今のような答弁でございますので、ぜひまた理事会その他でも相談いただきたいと思いますが、要求すると同時に、そのことについてまず文部省に明確な御答弁をいただきたいと思います。なぜ出せないのか。私はそういう理由で断わられましたから、はっきりとお答えをいただきたいと思います。
#49
○阿部説明員 資料要求に関しましていろいろ行き違いがあったというようなこともございまして、先生に若干御迷惑をおかけした点があることにつきましては、まずおわび申し上げたいというふうに思います。
 それで、先生から資料要求のございました点につきまして、一般に公表して差し支えないものにつきましては先生のところにお届けしたところでございます。ただ一つ、中退者につきましては、数年前から文部省として各県にお願いしてデータを取り寄せておるわけでございますけれども、これは全国的な傾向を知るためのデータでございまして、各県別には文部省として公表しないということで各県から資料提出をお願いしたところでございます。そういうことでございまして、もし外に出すということになりますと、一応各県について了解を得なければいけないというようなこともございまして、一応先生の御趣旨に合うような形での資料は作成しておりますけれども、またいずれ先生と御相談させていただきまして、御要望にこたえるような形で対処いたしたいというふうに思っております。
#50
○山下(八)委員 例えば五十九年度で申し上げますと、北海道は八万八百十人から入学しているのですよ。そして仮に退学者が三千人出たとしますよ、そういう数字が何で出せぬのですか。東京にしたって、十六万二千七百七十五名ですか、それだけ入学しているのですよ。そして何人退学者が出たか、そういう数字、なぜ出して差しさわりがあるのですか。私はそこが理解できないのです。どうしても理解できないのです。
 最初に申し上げたとおり、興味本位に扱うから出せないとはっきりとおっしゃったのです。私が何で興味本位に扱うのだ、質問の参考にしたいのだと言いましたら、今度は、マスコミが興味本位に扱うとおっしゃった。私はマスコミの人間じゃないですよ。そういう方が文部行政を進めているのですよ。だから各都道府県の教育委員会もおかしくなるでしょうし、あるいは校長もおかしくなるでしょうし、先生もおかしくなるでしょうし、そこからまた生徒もおかしくなってくるのじゃないですか。その逆のことをやることが文部省じゃないですか。出せない理由がさっぱりわからないのです。大した資料じゃないですよ。ただ、こうこうこういう制限をつければ出せます、これならまだ教育的な配慮もありますよ。私は教育は素人です。素人だけれども、ここまでの制限で使ってくださいと言うのであればまだ教育的配慮がありますよ。興味本位だとか、そういう拒否の仕方がございますか、もう一度答弁をお願いします。
#51
○阿部説明員 先ほど申し上げましたように、各都道府県別のデータを公表することにつきましてはマスコミからも要求がございましたけれども、マスコミに対してもその趣旨を御説明申し上げまして御理解いただいたところでございます。そういうことでございまして、先生の御趣旨等につきまして意思疎通という面で若干問題がございましたので、今後十分先生と御相談して、先生の御趣旨に沿うように努力をしてまいりたいと思っております。
#52
○山下(八)委員 この問題ばかりつついていますと時間がなくなりますので先に進みたいと思いますけれども、ぜひこれは理事会で決めて出させていただきたいと思います。そのことを強く要求しておきたいと思うのです。
#53
○高鳥委員長 山下君に申し上げますが、本問題は第一義的には文教委員会の所管事項でございますので、文教委員会でどのように扱っておられるかという問題もあると思います。ただ、今の文部省側からの御答弁については委員長としてもいささか納得しかねる点もございますので、理事会において協議いたします。
#54
○山下(八)委員 では、そういうことでお願いしたいと思います。
 続きまして、私は体罰、暴力の底辺にこのような問題があるのではないかなと思いますので、そのことについて若干触れてみたいと思うわけです。
 一つは、冒頭申し上げましたとおり、学区制がない方がいいという父母もみえるし先生もみえることは百も承知しています。あるいは学区制があって、それもなるべく小さい小学区制の方がいいという考えの先生もいらっしゃれば父母もいらっしゃるわけです。また、暴力についても同じように、少しくらいの体罰は愛のむちでいいと容認される方、あるいは体罰、暴力は学校教育法十一条にもきちっと規定されているとおり全くいけないという考え方、それぞれありますから教育は難しいなと思うわけです。
 そういう中で、学区制度につきましては法律でちゃんと定められているわけです。地行法の五十条の学区制度でございますが、都道府県は必ず学区制をしくと決められております。ここに昭和五十八年度十一月文部省調査「公立高等学校入学者選抜実施状況に関する実施報告書」というのがあるわけでございますが、四十七都道府県でいろいろな学区制をしいております。小学区制、小学区といいますと一つの学区に一つの高等学校しかないということでございますが、こういう県もあります。あるいはまた中学区、中学区といいますと一つの学区に二校から六校、そして大学区は七校以上、こういう学区制がしかれているわけです。特にこの大学区と言われる学区制がしかれたのが大変多く、今日でも行われておるわけです。
 そこで一つは、幾ら学区制がしいてあっても今九四%からの高校入学率になっていて、学区の中で進学校あるいは何とか校と言って、一番から例えば十番なら十番までのランクが自然についてきている、そういう状況がそれぞれ各県においても生まれておるのではないかと思うわけです。そしてBという高等学校へ行ったからあいつ頭が悪いんだ。また中学校の先生は、自分の生徒を一人でもたくさん高等学校に入学させてやりたいという気持ちで、偏差値という何かけものみたいな、怪物みたいな、私はよくわかりませんけれども、この偏差値というものを基礎にして輪切りして学校に押し込んでいるのではないか、そのように思うわけです。一つは、そういう中から体罰の不幸な事件が生まれてくる可能性があるのではないか。
 もう一つは、おれは普通高校に行きたいけれども、輪切りで普通高校にはまらないから、失礼な言い方ですが職業高校に行かされてしまった。そういう形での輪切りとか、それぞれ高等学校に入学する生徒が不満を持ちながら行くから、逆に言いますと、行きたくない学校に行くと、一年行く、二年行く、そのうちに中途で退学してしまうという生徒もふえてくるのではないかと私は思うわけです。全国統計で見ますと、五十八年で百七十二万六千四百二十名入学され、十一万一千五百三十一名もの退学者を出しておるわけです。十一万一千というのは大変な数であるわけです。そういうところから一つは出てきているのではないかと私は思うわけです。
 それと同時にもう一つ、私は学区制をきちっと見直していく必要があるのではないかと思います。いろいろな学区制がしかれているわけですが、同じ資料の中身に「普通科(全日制課程)の通学区域の定めの状況」というのがございます。これも文部省の資料の一部です。文部省からもらった資料ではありませんけれども、文部省の資料です。
 これを見ていきますと、高知県は全日制の普通科で二十二の高等学校があるわけです。県内一円から出願できる学校数、要するに高知県に住んでいれば願書の出せる学校が二十二あるわけです。学区制をしいていて二十二の好きな学校に願書を出せるのですから、学区制が本当にしかれているのだろうかという感じがするわけです。そういう例でいきますと、私の郷土でもございます岐阜県は、七十三の普通高校に対して三十二、県内一円からの受験ができるようになっております。岡山県が四十七のうち十九。あと、県内から受けられるのが一校というのが三つばかりありますが、それ以外は受けられないようになっているわけです。
 だから、冒頭申し上げましたように、大変大きな学区制になっておりますので、その学区制自身にもランクがついている。そこで大きな問題が発生する要素を持っている。同時に、このような学区制がしかれているということについては文部省はどのように考えているのか、また、これは五十八年十一月に調査された資料でございますから、その後今日までどのような指導をなさったのか、その辺をまず最初にお聞かせいただきたいと思います。
#55
○阿部説明員 学区制、いわゆる通学区域につきましては法律で定められておりまして、各県が高等学校の通学区域を定めなければいけないことになっております。しかしながら、どのような規模の学区を定めるかということは、各県の実態がそれぞれ異なりますので、各県がその実情に応じて適切に定めるものということになっております。学区が余り大きくて広くなりますと、進学競争が非常に激しくなって学校格差も生じる、しかし、学区が余り狭いと今度は学校選択の自由が狭まって学校が非常に画一化してしまう、特色ある高等学校ができにくいという問題もございます。そうしたいろいろな要素を勘案しながら、各県が実情に応じて適切に定めるべきものであろうというふうに基本的には考えております。
 そこで、先生が御指摘になりましたように、現在の学区の状況は、五十八年度について見ますと、一番多く定めているのは中学区ないし大学区の併置で二十一県でございます。今お話ございましたように、中学区というのは一学区の中に二校から六校までの学校があるもの、七校以上あるものを大学区というふうに便宜上分けて称しておりますが、中学区及び大学区を併置するのが二十一県で、全国的には最も多くなっております。次に大学区のみが九県ございまして、そのほか小学区及び中学区を併置するのが七県となっておるところでございまして、各県といたしましてはそれぞれの県にふさわしい学区を定めているというふうに考えております。
#56
○山下(八)委員 小学区、一学区に一つという小学区をしいておりますのが京都だけです。完全小学区ではないのですが、沖縄県がそれにやや近い状況でなされているわけです。私は小学区制にすることが大変いいのではないかと思うのです。と申しますのは、やはり大部分の方はそこで生まれ、そこで育ち、小学校、中学校へ行く、高等学校も行く。また、父母の皆さんもそこで育つ。そうしますと、教師と生徒と同時に地域社会と申しますか、三位一体で開かれた教育ができるのではないか、そのことによって校則等はそんなに厳しいものをつくらなくても、ゆったりとした自由な学園生活が送れるような校則でも、学校管理、また生徒の教育というのは大変うまくいくのではないか、そのように思うわけです。それでも部分的には難しい面はあろうかと思いますが、今の学区制より小学区制に移行することの方が本当に健全な教育が生まれてきて、健全な人間の育成ができると私は思いますので、ぜひその方向で学区制については各都道府県の教育委員会に対して指針といいますか、文部省の方針というのを出してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#57
○阿部説明員 文部省としては基本的にどの学区がいいということは言っておりませんけれども、考え方としてあえて求められれば、一学区に数校程度の学校があった方が望ましいという考え方をとっております。
 御承知のように高等学校はいろいろな高等学校がございます。職業高校も、工業から商業、農業といった高校がございます。これらはその学校の特殊性にかんがみまして特に県として学区は定めていないというようなことがございまして、できるだけ生徒の能力、適性等に応じた高等学校教育を提供するようにするためには、やはり学校選択もある程度自由度があった方がいいという考え方に立っておるわけでございます。
 京都も、五十八年度現在は一校一学区の小学区制をとっておりましたけれども、この六十年度からはそれを改めて中学区制に移行したということも聞いておるところでございまして、基本的には各都道府県がその実情に応じて適切に定めるべきものであるという考え方に立っております。
#58
○山下(八)委員 京都は知事がかわったからそうなったのかもわかりませんが、次へ移らせていただきたいと思います。
 広辞苑でちょっと調べてみたのですが、「暴力―乱暴な力。無法な力。」「体罰―身体に直接に苦痛を与える罰。」「しごく―きびしく訓練する。」「指導―目的に向かって教えみちびくこと。」体罰の種類にはまたいろいろとあろうかと思うのです。例えば殴るとかけるとか、あるいは正座させるとか教室の外へ立たせるとか外へ出すとか、いろいろとあろうと思うのです。また、部活その他のスポーツの選手なんかであれば、しごきという名のもとに特別にグラウンドを余分に走らせてしまうとか、本当に必要以上に苦痛を与えて練習をさせていく、また毎日毎日一日の部活の反省文を書け、そのようなものも体罰に入るのではないかなと私は思ったりするわけです。
 それで、学校教育法の十一条によりますと、全部読みませんけれども、校長先生及び教員は児童に懲戒を加えることができる、ただし、体罰を加えることはできないと規定されておりますから、はっきりと体罰は否定しておると思うわけです。同時に、昭和二十三年十二月二十二日「児童懲戒権の限界について」ということで、当時の法務庁法務調査意見長官回答としまして、「「体罰」とは、懲戒の内容が身体的性質のものをいい、たとえば、なぐる、けるのような身体に対する直接の侵害を内容とするのはもちろん、端坐、直立、居残りをさせることも、疲労、空腹その他肉体的苦痛を与えるような懲戒はこれに当たる。」というふうに回答しているわけです。ですから、さっき申し上げましたことも体罰に当たると私は思うわけですが、それで間違いないかどうか御答弁いただきたいと思います。
#59
○阿部説明員 体罰とはどのようなものであるかという御質問でございますが、御指摘のように学校教育法によりまして禁止されております体罰とは、懲戒のうちで殴る、けるなどの身体的性質のものや、長時間正座させるなど肉体的苦痛を与えるものであるというふうにされております。教師の特定の行為が体罰に該当するかどうかは、その行為の内容とともに生徒の年齢や健康状態、場所、時間など、その場の条件を勘案して個々具体的に判断されるべきものというふうに考えております。
#60
○山下(八)委員 自治大臣、同時に国家公安委員長でございますし、関連してお答えをいただきたいと思うわけですが、私の郷里岐阜県で不幸な事件が起きました。同時に国家公安委員長の郷里でもあるわけでございます。中津商業高校の女生徒が自殺をされ、あるいは岐陽高校の男子生徒が先生の体罰で不幸にも死んでしまった、このような事件があるわけです。
 具体的に申し上げますと、三月二十二日、岐阜県立中津商業高校二年生の竹内恵美さんという方が顧問教諭の暴力的しごきを苦にしまして、とうとう自殺をなさったわけでございます。この方のお父さんは恵那のバイパスの入口のところでタイヤ販売業をやっておる方でございます。
 また、五月九日には、県立岐陽高校二年生の高橋利尚君が修学旅行中の宿舎で教師の体罰によってショック死をしてしまった。私は、ここまで育て上げられました御両親を初めとする御遺族の悲しみを思うと、何と申していいか、正直言って言葉がございません。今、臨教審で教育論議が盛んにいろいろな形でされておりますが、いずれにいたしましても、今後このような悲惨な事件を絶対に起こしてはいけない、そのように強く私は訴えたいわけでございます。教師やあるいは父母、先ほど申しました学区制を小さくして、地域社会が三位一体になって取り組まなければならないようなことにだんだんなってくるのではないか、そのような心配も私は一方ではしております。
 竹内恵美さんという人はどういう人だったか、簡単に言います。陸上競技の女子のやり投げで県下でナンバーワンで、五十八年の秋の県大会では新人戦で優勝し、五十九年の県大会でもやはり四十二メートル二十投げて一位になっている。そうして奈良国体へも出場し十六位の成績を上げた。将来を大変嘱望されたホープだといって騒がれていた女性であるわけです。その方の遺書がカバンの中からわら半紙に書かれて出てきたわけです。
  お父さん――お母さん――私はつかれました。もうこれ以上に逃げ道はありません。なんで他の子は楽しいクラブなのに私はこんなに苦しまなくちゃいけないの たたかれるのももうイヤ 泣くのももうイヤ――私どうしたらいいのかナ
 だから もうこの世にいたくないの
 ゴメンネ お父さん お母さん――
 私――本当につかれたの――
 もう――ダメなの
 もうイヤなの
 私――そんなに強くないの
 ゴメンネ
と言って、三月二十三日朝五時半ごろ、母親が起こしに行ったら自殺をなさっていたという事件でございます。
 もう一方では、岐陽高校におきましては、五月九日の午前七時三十分ごろでございますが、岐陽高校の高橋利尚さんという方が修学旅行に行っていて、つくばインエキスポの十二号室で体罰によって亡くなってしまったという事件であるわけです。この方は何で体罰をされたか。ヘアカーラー等を持ってきてはいけない、校則でなっていたのか修学旅行用の規則でなっていたか、そこまで細かいことは知りませんが、要するに修学旅行にドライヤーを持ってきてはいけない。それをほかの先生に現認され、そして担任教師に呼ばれ、おまえはおれを裏切った、そう言ってついかっとされたのかわかりません、体罰がとうとうショック死につながったわけです。
 このような痛ましいことは二度と繰り返してはなりませんし、同時にこのことは、今の学校の管理教育のところに大きな原因が一つあると私は思うわけです。後ほどその問題について若干質問したいわけでございますが、このことについてまず自治大臣と文部省の方からなるべく簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
#61
○古屋国務大臣 山下先生のお話でございます。まことに若い高校二年生の方があたら亡くなったということは私も大変残念で、お話のとおりであります。
 こういうような事態になりました原因等につきましては、やはり学校の問題あるいはまた教育の問題、いろいろあると思っておりますが、とにかく極めて残念である。あたらこういう若い方を失ったということでございます。私は、学校教育の上におきましても文部省としてもいろいろ努力をされておると思いますが、具体的にその先生の状況あるいは今のお話の遺書というものを知りませんが、性格が平生どういう方であったかということはわかりませんが、ともあれこういう結果になりましたことは、あたら若い命を失ったことはまことに残念で仕方がありません。教育の問題につきましては、文部省におきまして臨教審の方針等を検討して、今盛んに教育のあり方について努力されておると聞いております。
 この高橋さんの事件につきましては、もう事件で起訴になっておるということを昨晩私もお伺いいたしました。この体罰と懲戒との関係ということにつきまして、やはり世間の常識というものがございます。私も中学校時代を考えますと、ランニング部に入りまして、少しサボったときに殴られたことを今でも覚えております。私は、そういう意味で、体罰と懲戒との関係においては、個々のケースにおいて極めて慎重でなければならぬということを考えておりますが、とにかく私の気持ちの上では、若い方を失ったことはまことに残念であり、今後教育界においても二度とこういうことがないように十分注意をしていかなければならないということを、自分もこの事件を聞きながら強く反省をしておるところでありまして、私どもの考え方も十分文部省の方に連絡いたしまして、今後の対処の大きな資料にいたしたいと思っております。
#62
○阿部説明員 中津商業高校の陸上部生徒の自殺の問題、また岐陽高校生徒の修学旅行中の死亡につきましては、いずれも教師の指導の行き過ぎあるいは体罰が大きく絡んでいるということでございまして、まことに残念な事件であり、大変遺憾に存じておるところでございます。
 先ほど申し上げましたように、体罰は学校教育法で厳に禁止されているところでもありますし、また教育に当たりまして、やはり教師というものは日常から生徒との人格的な接触を深め、その意識や行動を十分理解して望ましい人間関係を育成して、その基盤に立って生徒の指導に当たることが肝要であることは言うまでもないところでございます。
 体罰を行うということは、通常は教師が感情的になり、また生徒も反発して、生徒と教師間の信頼関係を損なうことにもなりまして、教育効果も期待されないと一般的には考えられるわけでございます。このような事件が起きまして、岐阜県の教育委員会におきましては、生徒理解の徹底を図るために教育長の通知を出したということでもございます。重ねて岐阜県におきましてこうした事故が起こったことは大変遺憾でございまして、今後文部省としても、このような事件が起きないよう、あらゆる機会におきまして指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#63
○山下(八)委員 私は、最初に資料要求でなぜあのような厳しいことを申し上げたか、ちょっと踏み込んでいきたいと思うわけです。
 竹内さんにしましても高橋さんにしましても、県の教育委員会を通じまして、その死亡事件にかかわる報告が当然来ていると思うわけです。そして私たち社会党の調査団で調査した。同時にまた、社会党が県の教育委員会からいただいた報告書、それと文部省からいただいた報告書は随分違うわけです。五月二十八日に文部省から報告書をもらいました。特に高橋君の死亡事件のところで、全部は読みませんけれども、読んでいきたいと思うわけです。
 文部省からもらったのは「その際カッとなった雨森は、高橋君の頭を撲るとともに」と書いてあるわけです。もう少し読みますけれども、「肩あたりを蹴り上げた。フトンの上に倒れた高橋君が起き上ろうとした」云々と書いてあるわけです。
 もう一つの、社会党の調査団がちょうだいしました報告書には、「カッとなった」ということは全然書いてないわけです。これも長くなりますから全部は読みませんけれども、なるべく匿名を使わしてもらいたいと思いますが、「A教諭から、ただちに生徒を集合させるよう指示されたB教諭が部屋にもどると、雨森教諭は、高橋君の頭を殴り肩あたりを蹴り上げ、布団に倒れた高橋君が起き上がろうとしたところを更に横腹あたりを蹴り上げるなどの暴行を働いた。この間、B教諭は呆然として、これを見ていたようである。」このような報告書です。まだいろいろなことが書いてありますが、全然違うわけなんですよ。
 だから私は冒頭の資料の問題も厳しく申し上げたわけでございますが、もしこれが事実であれば、このA教諭、B教諭、そういう人は呆然と見ていたわけですが、本来ならとめないといけないわけです。だから私は、この高橋君事件にいたしましても、雨森教諭一人の問題ではなくて、学校全体が体罰を是とする、こういう校風にあるいはなっているのではないかと思うのです。例えばAという教諭を頂点にして体のごつい腕っ節の強い人が、体罰は指導なりという感覚で指導しているのではないか、そのような校風があるのではないか。
 それと同時に、先ほど申し上げました懲戒権を背景にしていろいろな規則をどんどんつくっていく、その規則を破ればいつでも退学をさせるぞ、その規則を破れば指導の名のもとにしごきをやる、体罰を行う、こういう現象が出てきていたのではないか。また中津商業にいたしましても、県大会でいい記録を出したいということで、指導の名目の必要以上の体罰がなされていたのではないか。あの竹内恵美さんにいたしましても、二十二日は四時間から直立したまま。朝十一時から十二時半まで、今度は昼の十二時過ぎから一時間ぐらい担任の先生とまたいろいろと、話し合いという言葉を使わせていただきますけれども、話し合いをし、また三時から五時半まで、部活の指導の先生からいろいろと一日、直立して指導されているわけです。
 そういうことを考えていきますと、本当に私は、一つは、冒頭申し上げましたとおり、逆に文部省にも疑義を感じたわけです。資料を要求すれば、いかにごまかした資料をよこそうかと。私は県の教育委員会を信用していますよ。だからこそこういう問題は、その前はそう思わなかったのですけれども、いろいろと文部省にお願いするたびに、文部省はいかに相手に対して、うそということは言いません、クイズ番組的な資料を提供してその場を何とかくぐり抜ければいい、そういう意味で行政指導をなさっているのではないですか。その辺もあわせて、この体罰の背景というのはこの岐陽高校、中津商業だけじゃなくて、こういうのが日常茶飯事、四十七都道府県中いろいろなところで行われていると私は考えているわけです。その原因をやはり文部省として的確に把握をして、そして的確に、全国にこのようなことがないように指導していく、そういうことをしないといけないと思うわけです。だけれども、文部省からちょうだいした報告書から見ますと、私はそのことが感じられぬのです。ぜひその辺の答弁をいただきたいと思います。
#64
○阿部説明員 体罰による死亡事件につきましては、司直の手にゆだねられておる段階でございまして、岐阜県教育委員会としても必ずしもまだ正確な状況を把握していないというふうにも考えられます。したがいまして、岐阜県が事実関係についてまだ十分でないという前提でやはり考えていく必要があるだろうというふうに思っております。
 それから、このような事件につきましては、いずれにしても極めて残念で、ある意味では特異な事件とも言っていいわけでございます。このような行為はやはり教師としてあるまじき行為でございまして、今後こうしたことが起こらないよう、文部省としても十分指導してまいりたいというふうに考えております。
 この学校につきまして、そもそも学校の中に体罰を容認する体制があったのではないかということにつきましては、県教委としては、決してそのようなことはないということを聞いておるわけでございます。いずれにいたしましても、今後こうした体罰につきましては、十分指導を徹底して遺憾なきように努めてまいりたいというふうに考えております。
#65
○山下(八)委員 今大変無責任な、体罰がないと聞いておりますと。私たちは社会党の調査団を出して具体的に調査しているんですよ。体罰はいっぱいあるんですよ。大変きれいごとをおっしゃったって、それはだめですよ。だからさっき言いましたでしょう。文部省からもらった事実関係、「その際カッとなった雨森は、高橋君の頭を撲る、ける」と書いてあるのです。文部省、持ってきておりますか。これはおたくからもらったものですよ。私たち調査団がもらったのは、「カッとなった」と一言も書いてないです。長々と書いてありますよ。だから私は、この質問をするに当たって、当初とだんだん変わってきて、逆に文部省の方に私は疑いを持つようになってきたんですよ。
 それじゃ、ちょっとこれを読んであげますよ。新聞記事「土下座し謝れ!!生徒らの怒り爆発」、これは体罰死いたしました岐陽高校の生徒の葬儀のときの新聞記事です。高橋利尚君の葬儀が、十一日午後一時から自宅近くの下鵜飼公民館で行われているわけです。
  葬儀には両親、妹ら遺族、同級生、同校関係者ら約八百人が利尚君との最期の別れに詰めかけた。利尚君の死の原因が教師の暴行≠ニいう異常さに、葬儀は怒りをあらわにした男子生徒の怒号と、母親ら遺族や女子生徒のしぼり出すような泣き声に包まれた。「利尚にあやまれ!あやまれ!」と男子生徒らに詰め寄られた同校の田中正行校長が、地面に土下座して謝罪するという事態も起こり、この事件によって生じた教師と生徒の心のミゾの深さ、今後の学校運営の難しさを浮き彫りにした。
この記事の中に
 息子を亡くした母親美智子さんは葬儀場に向かう途中、「どんなひどいことをされたか、体を見てやってほしい」と涙をこらえて訴えたが、葬儀では「利尚がかわいそう…」と体を震わせて泣き続け、周囲の涙を誘った。
 焼香が終わり、別れを悲しむ同級生たちが棺の中にラグビーボールのジャージ、スパイクを収め出棺した。
 利尚君の棺は泣きじゃくる男子生徒たちの手で霊きゅう車に運ばれた。
云々と書いてありまして、途中で生徒が「あやまれ」と言って、
 「どんなにみんなが(体罰を)がまんしてきたか。それでも教育者か」と大声で校長らに詰め寄った。
だから土下座しているんですよ。今まで我慢していたんですよ。ただ、死に至らなかった。常に抑えられていた。この利尚君自身も、その前に一週間、体罰で病院に通った経験も持っているんですよ。それを、なかった、そんな簡単なことをおっしゃらないでくださいよ。同時に、この事実関係の報告書、こんな簡単なことで、そんなまじめくさった、一番知っているような答弁をしないでください。もう一度答弁してください。
#66
○阿部説明員 岐阜県も、この事件につきましては、岐阜県としての調査を恐らく続行中であるというふうに考えております。それと同時に、このような事件が起きないよう厳に学校を指導しているということでございまして、文部省といたしましても、岐阜県のそうした施策を見守りながら適切な指導を今後一層強めてまいりたいというふうに考えております。
#67
○山下(八)委員 それでは、ひとつ強く要求しておきたいと思います。
 続いて中津商業の問題にも若干触れたいわけでございますが、中津商業と岐陽高校を、文部省としてもぜひ一度現地調査をしていただきたいと思います。答弁をお願いします。
#68
○阿部説明員 県立高校の問題でございますから、まず第一次的にはその管理機関でございます都道府県の教育委員会の調査にまつべきものであろうというふうに考えます。文部省といたしましては、岐阜県の教育委員会と十分な連絡をとりながら、もしそうした必要が生ずるならば、文部省としても適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#69
○山下(八)委員 なかなか前へ進まないのですけれども、ちょっと話題を変えたいと思います。
 部活というのは、あれはカリキュラムに組み込まれた学校教育なのか、それとも社会教育なのか、どちらですか。
#70
○阿部説明員 カリキュラムに組み込まれたという意味におきましては、週一時間のクラブ活動という時間がございます。これはカリキュラムの中の教育活動でございます。そのほかにカリキュラム外の学校教育活動がございまして、部活動は正規のカリキュラム外の学校教育活動であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、学校の行う教育活動でございますから、社会教育ということでなくて学校教育の一環であると考えております。
#71
○山下(八)委員 そうしますと、週一時間以外の部活は社会教育と理解してよろしいのですね。
#72
○阿部説明員 社会教育じゃなくて、学校教育の一環であると御理解をいただきたいと思います。
#73
○山下(八)委員 公立の高等学校でも最近、岐阜県だけでなくて全国的に同じ状況だと思うわけです。例えばそこの高等学校へ入れば、必ず卒業するまで何かの部活へ入らないといけない。入ると毎日五時、六時まで練習がある、このような公立高校はいっぱいあるわけですね。そして一度入ると、やめたいと思ってもなかなかやめられない。例えば野球部へ入っていて、野球部が嫌になってバスケット部へかわる、こういうこともなかなか認めてくれない。また、六・三制の中学校の義務教育ですら、今必ず部活に入らないといけない、しかもスポーツ部に入らないといけない、そういう中学校すらあるわけです。このようなことについてどのようにお考えでしょうか。
#74
○阿部説明員 一般的に学校教育は、知徳体、調和のとれた教育を行う必要がございます。単に勉強だけではなくて、スポーツとかいろいろなものを行うということが人間形成上好ましいという基本的な考え方に立っております。しかしながら、どのような部活動を生徒に与えていくかということは学校が判断して決めるべきものであろうと考えております。
#75
○山下(八)委員 学校が判断して――そうしますと、部活に入るのが嫌だと言えば、結局退学しろということと一緒なのですけれども、どうなんです、その辺。校則違反になるでしょう。
#76
○阿部説明員 ですから、どのような部活動を設けるか、あるいはどのような形で部活動に生徒を参加させるかということは、学校が教育的配慮のもとに適切に措置すべきものであるということでございます。
#77
○山下(八)委員 なかなか答弁してくれないのですけれども、部活で毎日毎日、日曜日は別にして月曜から土曜日、夏は六時まで、冬は日が沈むのが早いから五時まで、そういうふうに部活で毎日管理されるのはどうなのですかと聞いているのですよ。そういうのが今いっぱいあるのですよ。
#78
○阿部説明員 一般論として申し上げますと、教育というのは子供の健全な成長を願って行うわけでございます。したがいまして、子供の教育上適切であるかどうかという判断のもとに部活動を行うよう指導していくべきものと考えます。
#79
○山下(八)委員 ちょっと時間が来ていますが、加藤委員に了解を得まして時間をもらいましたのでよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、二つの例を出してきましたので、もっと突っ込んでいきたいと思います。
 中津商業にいたしましても、これはスポーツ部だけじゃないのです。そろばんとかいろいろあるそうですから、要するに何かの部活に入っていないと入学すらできないのですよ。入学したって退学せざるを得ないのですよ。部活というのはカリキュラムに組み込まれていないでしょう。部活をやめれば学校を退学せざるを得ないのですよ。そういう学校がここだけでなくてあっちこっちにたくさんあるのです。私もよく知っていますよ。
 今義務教育の中学校、もっと具体的に言いましょうか。私の息子の行っている中学校、公立中学校ですよ。そこだってとにかく部活に、そこはスポーツの部活に入らないといけないのですよ。入らないと生徒がしかられるのですよ。部活へ入らなかったら、私はその学区から引っ越さないと学校へ出せないのですよ。そういうのがたくさんあるのですよ。そのこと自身が異常でしょう。だから、そういう学校を中心に退学者がふえるのじゃないですか。退学者、退学者で数字が、迷惑をかけるとおっしゃっていますから私も言いませんよ。言いませんけれども、中津商業だけ言います。五十九年度十人。例の岐陽高校、五十九年度二十人退学をされているのですよ。やはり退学率は高いですよ。岐阜県ではこれ以上たくさんやめているところがまだあります。ここが一番高いのじゃないのです。これ以上退学しているところがまだたくさんあります。退学者が多いのですよ。やはり生徒が学校へ行きにくい環境になっているのですよ。それがここだけでなくて、日本じゅういっぱいあると言うのです。だから、そういう立場で答弁していただきたいと思うのです。
 中津商業でもっと具体的に言いましょうか。この三月二十二日に、亡くなられた一日前の日ですよ。朝七時半に起きて、私はずっと行動を調べていますよ。もっと悲惨なことを申し上げますと、二十四日日曜日、葬式があったのですよ。通夜の日に、両親が、生徒からでもあるいは学校の先生からでもいいからぜひ弔辞をお願いしたいと言いましたら、このようなことは過去に例がないからできません。過去に例があれば困りますよ、これは。そうでしょう。同時に、何ですか、生徒には葬儀に行くな。たまたま日曜日だったから八百人ぐらい来てくださったのですよ。私は教育というのは、たとえどういういきさつの死であろうと例があっては困るけれども、やはり愛情を持って教える、このことが一番大切だと思うのです。
 ここの学校には登校拒否を起こしているA子さんという女の子がいます。その方は何で登校拒否を起こしたか。部活じゃないですよ。体操の授業が原因ですよ。その人はひざに一つの病気を持っていたのですよ。それで病院に一週間ぐらい入院して手術をしないで、ひざのところに水がたまる病気じゃないのですけれども、要するに何か皮がつぶれて痛くなってはれ上がる。それで入院をして、とにかく手術をしないで治して、診断書を出して体育の先生に体操を休ませてくれとお願いした。そうしたら、同じ体操の先生でも、その次の週違った先生になった。やる気があれば片足でも走れると言ってグラウンド二周走ってこいと言われて走ったのですよ。そうしたら再発して、今度は手術をした。出てきたらまた同じことをやらされて、そしてとうとう怖くなって登校拒否を起こしている人すらいる。
 これは体罰でしょう。体罰は学校教育法で禁止されているのですよ。いっぱいあるのですよ。だから、私が言っているのは、現地調査もしてほしいし、たまたまこの二校については、学校にしても教育委員会にしても本当に不幸にして死に追いやってしまった。その瀬戸際のところがいっぱいあるということですよ。だから、せっかくこういう実例があるのですから、これをしっかりと文部省としても調査して、そして日本全体の学校教育行政というものをつくり上げてもらいたい、そう思うのですよ。一〇〇%体罰、もちろん暴力を否定したそのようなものをつくり上げてもらいたい、そう思うわけです。もう一度答弁をお願いします。
#80
○阿部説明員 高等学校の中退につきましてはさまざまな原因があろうかというふうに思われます。進学率が九四%にもなりまして、青少年のほとんどの者が高等学校に進学するという事態になりますと、中には勉学意欲が全くなく、何となく高等学校に行くような生徒もございます。また中学校側の問題として見ますと、単なる偏差値のみの進学指導ということになりますと、必ずしも本人の希望する学校に入学できなかったという不満を持って入学する生徒もございます。また、高等学校の教育のサイドから見ますと、本当に生徒の能力、適性あるいは興味、関心等に応じた教育を行っているかというような点にも中退の原因があろうかというふうに考えられまして、いろいろ中退の要因につきまして、文部省としても今後その実態を十分見きわめまして適切な対策を考えていきたいと考えております。
 ただ、部活動の強制が原因で中退者が多いのではないかという御指摘につきましては、これはさらに実態を調べなければわからないということもございますが、一般的に部活動といいますのは大変高い教育活動として評価を得ております。部活動が非行防止にもつながるというような点もございますので、問題は部活動をどのような形で適切に実施していくかということになろうかと思います。部活動それ自身は大変好ましい教育活動でございますけれども、その部活動の指導に当たって行き過ぎがあるようになりますとせっかくの教育的効果が減殺されるということもございますので、学校が教育的配慮のもとに適切な部活動を実施するように心がけていく必要があろうというふうに考えております。
#81
○山下(八)委員 部活が退学をふやしている、そこへ決めつけてお話ししておるわけではないのです。部活も行き過ぎればその一つの原因であろう。校則もどんどん行き過ぎればその一つになるだろう。また偏差値、そういう中でランクづけされた学区制によっての、偏差値輪切りでの退学もあるだろう。いろいろな要素があると思うのです。その中でこの二つの事件は、一つは部活の問題から発生してきておる、一つは学校の校則から発生をしてきているということだろうと思うのです。そこが原因だろうと思います。同時に、先ほども申し上げましたとおり、学校によれば学校全体が少々の体罰はいいと是認の方向で教育指導をしている学校も日本じゅう探せばたくさんあると思うのです。そういういろいろな要素があると思うわけです。そういう中で今はっきりわかったこういう二つの要素については早急に取り除く、このことが大切だと思うのです。そういう意味で申し上げているわけです。
 だから私はそこへ向いていろいろと言っているわけでございますが、今なぜ体罰あるいは暴力が教育現場からなくならないか。今申し上げたような理由があろうかと思いますが、現実路線と称して学歴主義あるいは能力主義、大学受験あるいは技能試験に、あるいは部活で県の記録、日本の記録をつくりたい、その成績主義、そのためについついやり過ぎ、後ろに懲戒権という看板を持っていますから、体罰が自然に――本人は体罰じゃないと思っておるかわからぬですよ。だからこの二つの芽を、せっかく起きたのですから、全国的に摘んでもらいたい、ぜひ御答弁をお願いします。
#82
○阿部説明員 最近体罰による事件がかなり学校で、新聞等にも見られるわけでございます。もとより体罰につきましては厳に禁止すべきものでございまして、これを容認する風潮があるとすれば極めて好ましくない事態でございます。文部省といたしましては、体罰が各学校において行われないよう今後とも指導の徹底に努めてまいる所存でございます。
#83
○山下(八)委員 社会党の国会、県議団を中心に岐阜県の教育長に申し入れをいたしました。その一つは、管理教育と詰め込み教育の是正と体罰の絶対禁止、二つ目に教師と生徒の信頼関係は愛情と話し合いによって確立せよ、教師と保護者との連携、コミュニケーションの強化で生徒の非行防止、次代を担う青少年教育の万全を図る、この三点を県の教育長に申し入れをさせていただきました。文部省にも私はこのことを要求をしたいわけです。そして先生、父母、生徒三位一体になった教育づくり、これが大切だと思います。
 今はどう見ても文部省、教育委員会、校長、主任、そして現場の先生、こういう画一管理主義で、先生も自由に校長先生にも物が言えない、生徒も先生に自由に発言ができない、もちろん父母も発言ができない、私はここに大きな間違いがあると思います。これを正していく、そのような教育環境をつくる、そういう意味で今申し上げましたこの三点を強く要求したいと思います。御答弁をお願いします。
#84
○阿部説明員 今先生がおっしゃった内容につきましては、文部省としてもその意を踏まえて今後指導に当たってまいりたいと考えます。
#85
○山下(八)委員 もう時間が過ぎましたのでこれでおきたいと思いますが、私も教育につきましては大変難しさもわかりますし、同時に底の深さもわかります。ぜひきょうの質問に対しましても御尽力を心からお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#86
○高鳥委員長 加藤万吉君。
#87
○加藤(万)委員 先ほど自民党の先生から横浜で起きました強盗殺人事件について御質問がありました。経過その他は承知をいたしておりますから、この際我が国家警察を代表して、今この死亡されました平野さんに対して最大のはなむけは何だと思いますか。まず御意見を聞かしてください。
#88
○金澤政府委員 犯人を一日も早く逮捕することだと思います。
#89
○加藤(万)委員 大臣、国家公安委員長として、私はこの際当委員会を通して、今刑事局長がおっしゃいましたように、最大のはなむけは犯人逮捕だと思うのです。犯人逮捕のために当面の処理に当たっているのは神奈川県警でありますが、全力を尽くすというお約束をしていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。
#90
○古屋国務大臣 警察に協力されましたこういう痛ましい事件につきまして、何としましても警察活動は、国民の信頼を受けなければ警察の治安の維持はできないことは当然でございます。したがいまして、今のこの被疑者の検挙につきましては、神奈川県警を挙げて、そしてまた全警察を挙げまして逮捕に十分力を入れますよう、私といたしましても警察庁長官を通じまして強く要請を――要請といいますか命といいますか、指導してまいりたいと思っております。
#91
○加藤(万)委員 刑事局長、国家公安委員長から、最大のはなむけは犯人検挙で全力を尽くす、こういうお話でございました。
 これは刑事局長の答弁がよろしいのでしょうか、犯人を逮捕するために今最大の必要な条件は何だと思いますか。
#92
○金澤政府委員 全力を挙げての警察側の捜査と、国民からの積極的な協力だと思います。
#93
○加藤(万)委員 私は捜査の技術論だと思いますから申し上げているのですが、一番捜査に力を入れるところは被害者の選定じゃないですか。どうですか。
#94
○金澤政府委員 おっしゃる点もそのとおりだと思います。
#95
○加藤(万)委員 おっしゃる点もじゃないでしょう。犯人と一番接触し、現場でおどかされ、顔を知り、動機があるのは被害者でしょう。きのう、二人の人が新聞記者会見をしておりました。その前に、御遺族の方が新聞記者会見をされておりますが、それは、警察に対する協力章をいただいたのも結構です、しかし今自分の息子の最大の願いは、その協力章をもらうことよりも犯人逮捕です。そして、その犯人逮捕に至るときにその二人の友人も見ていましたけれども、最も知っているのは被害者です。被害者の割り出しに全力を注ぐべきだと思うのですよ。抽象論でなくて、どうですか。
#96
○金澤政府委員 今お話しのところを踏まえまして、第一現場といいますか、最初の路上強盗の被害者の割り出し、これに全力を尽くしておりますし、それにあわせまして現場活動、現場鑑識を含めての現場のいろいろな活動、これも全力を尽くしてやっておるところでございます。
#97
○加藤(万)委員 さて、不思議なことにこの被害者出てきませんね。どうしてでしょうかね。私は、もしも。この事件が、先ほどの松田委員の指摘じゃございませんけれども、犯人検挙に至らずして迷宮入りするようなことがあったならば、一般市民は協力しませんよ。被害者ですら今日この場に出てこないのです。いろいろあると思うのです。今までの幾つかの事件にもございましたですね。被害者がなぜ出てこないのだろうか。
 例えば、グリコ・森永事件でも、例のアベックの彼女、彼氏の問題も実はこの委員会でも論議されました。その後出てまいりましたけれども、なぜ被害者が出てこないのだろうか。もしその被害者が出ないまま、しかも犯人が逮捕できないということになりますと、警察の捜査、もっと広く言えば国家の治安、我々の治安を維持していただく警察公権というものに対する国民の不信感の増大につながりますよ。私は、本当のところを言って、この被害者がどういう状況の人かというのはわかりません。抱きつかれて財布をとられたという条件、しかも今度は、学生が追いかけて犯人を逮捕したというか取り押さえた。その場から立ち去っているというのは、何か立ち去る状況があったのかもしれません。
 しかも新聞では、マスコミを通しましてこれだけの勇気ある行動を一方でたたえ、もしそこの現場で、そのたたえた平野さんが刺殺をされているということを知らずに立ち去ったとするならば、これだけの新聞に翌日は出ているわけですから、私が一番よく知っていますよ、犯人の像はこうですよ、私はこういう状況で被害に遭いましたよという状況説明があり、恐らく犯人逮捕に物すごい物証、状況の把握ができるのではないかと思うのですね。私は、そこが今度のこの事件で一番大事なところだと思っているのです。一つは、犯人を逮捕するにはまずその人を挙げること、挙げるという言葉はいけませんね、捜し出すこと、同時に、その人を通して行われている、国民の中にある公権力に対する不信感を払拭すること、このことが勇気ある行動をさらに国民的視野に広げる大きな条件だと思うのですね。どうですか、刑事局長、そう思いませんか。
#98
○金澤政府委員 私も、お話しのとおりだと思います。なぜこの最初の被害者が出てこないのかということについては、これはなかなか難しい点、わかりにくい点もあるわけでございますが、この前、某新聞に評論家の方が書いておりましたが、自分がもとになった事件、それで大学生が殺されたということで、その結果の重大さにびっくりして、やはり怖くなったというようなことで出てこないのじゃないか、これも社会の中にそういう心理があるのじゃないかというような評論家の話がありましたけれども、私ども警察といたしましては、何せ、この最初の被害者にぜひ協力してもらいたい、勇気を持ってというなら、この被害者にまず勇気を持って警察に協力をしてもらいたい、こういうふうに切に希望しておるわけでございます。それをもとにして、今後鋭意捜査を進めていきたいというふうに考えております。
#99
○加藤(万)委員 大臣、これは大臣にぜひひとつ聞いていただきたいのです、国家公安委員長として。加害者で出ない場合はしばしばあるのですね。例えば人をひき逃げしてそのまましばらく出てこないという。しかし、被害者で出てこないという例は最近まれです。時にはありますけれどもね。
 そこで、どうして出てこないかという原因、これはいろいろあります。あるいは個人の状況もあるかもしれません。しかし問題は、社会正義を実現するのが国家の公権力だという警察の気負いというものに、市民が、いやそうじゃない、治安を全体で守ること、ないしは公的権力というものは市民が全体で培っていくものだ、したがってという、そういう土壌といいましょうか、あるいはそういう警察の日常のあり方というものが一つ問われているのじゃないか。私はたくさんの要素はあるかと思いますよ。一つ問われているのじゃなかろうか。社会正義の実現者はおれだ。確かに、直接社会正義を維持してもらうのは警察の力だと思うのですね。しかし、それを補っていくものが多くあればあるほど、警察はより有効的にその公的権力というものを国民のために行使ができるのじゃないか。警察の本来あるべき姿、あるべきそういう状況というものを、グリコ事件からずっと一貫してそうなんですが、もう一遍見直すべきではないか。
 例えばグリコ・森永事件の、あの野球帽をかぶった、テレビに映った人の一般公開をしなさいというのは、当委員会で私、その後に公開になったわけですけれども、公開しなさいということをこの席でも述べたのです。そういう形で、本来持っている治安を守るための公権の行使の幅を拡大するという、警察庁に対する国家公安委員会としての本事件を通しての問題提起といいましょうかあるいは助言といいましょうか、そういうことは必要じゃないか。大臣どうでしょうか、私とその点では意見の一致ができるでしょうか。
#100
○古屋国務大臣 私も今加藤先生と大体意見は一致しておるのでございまして、つまり警察の執行務の確保ということは、その前提として国民の協力というものが必要であります。やはり警察がこれだけ仕事をしておる、頑張っておるから、我々もこういう問題には協力しようということがあってこそ警察の執行務というのは万全を期せられるという意味におきまして、私は、国民の信頼というものが警察の執行務を適正にやっていく一番基本だと考えております。
 この被害者がどうして出てこられないか。警察を本当に信用しておれば、出ていけばいろいろなことを聞かれる、面倒くさいとかそういうこともあるかもしれませんけれども、やはり自分で出ていくという気持ちになってくれるんじゃないかと私は思うのでありますが、そういう点におきましては警察に対する国民の信頼、一般的な問題としてはこれをどうしてもしっかり確保していくために、時世がこういう時世でありますので、なおさらこういう問題につきましては、国家公安委員会といたしましても、ひとつ警察庁に対して厳重にこういう問題の対処の仕方につきまして要請をいたしたいと思っております。
#101
○加藤(万)委員 大体意見の一致ですけれども、大臣、警察が頑張っているから市民も協力という発想では私はないのです。いわゆる警察の正義の実現はおれなんだという過度の気負いというものが、一方では市民協力の軽視という方向にどうしてもいかざるを得ないものを持っているのですよ。したがって私は、そうじゃないんだ、新しい警察官についてこれから警察学校でいろいろ教育されるのでしょうけれども、社会正義の実現というのは、やはり市民の協力の中に我々の公権力というものがあるんだ、そういう発想をぜひ持っていただきたい。こういう指導あるいは助言をこの機会を通して出してほしい、こう思っているのです。
 いま一つ問題がある。それは、一般市民が捜査に協力したときの正当防衛論です。これまた大変難しいですね。刑事局長一番御存じでしょうけれども、せんだって外国人でございましたよね。警察に協力しました、協力はしましたけれども、結果的にあなたのやったことは過剰防衛であって正当防衛ではない。したがって、正当防衛を証明する手段が一般市民としては大変難しいのです。
 私はこの学生の諸君がよくやってくれたと思って、それはもう大変感謝しているのです。相手のナイフが胸に刺さって死んだわけですが、もし仮に相手のナイフを取り上げて犯人をやった場合には、時によっては過剰防衛ではないかなんということがしばしば口にされるのですね。同時に、その場合の警察の方の正当防衛を行った人に対するいろいろな意味の調査あるいはその過程、警察署に呼ばれる、調書をとられる、そして物証しなさいと言われる。そしてようやくなってみたら今度は相手方から、正当防衛だと言った自分の立場から見れば、相手は加害者だという側から何らかのまた告訴、告発などということがあり得ることも想定をされる。
 私は、先ほど言いましたように捜査に対する市民協力というものと、いま一つは正当防衛論、市民がこういうものに対する、協力に対する正当防衛というものをもう少しこの事件を通して考えてみたらどうか。市民が捜査に協力するその条件をしっかり見て、その本人に対する取り調べ、調書の作成その他という技術論も含めて、私はいま一遍検討すべきではないかと思うのです。意見ですからぜひひとつ参考にしていただきたいと思います。
 さて今度の事件で、新聞あるいは市民として、私も同じ県民ですから大変遺憾に思いますのは、せっかく派出所に駆け込みましたけれども派出所に警官がいなかったということです。
 私はよく友人には話をするのです。もし危険な犯人がそこにいたときに君はどうする、おれはタックルして捕らえるよ、しかし相手はけん銃を持っているかもしれないぞ、けん銃や凶器を持っている犯人を民間人が逮捕する場合には、やはりけん銃、凶器を防衛する措置を持っている者に頼まなければだめだ。これは警察官以外にないのですよ。私は、派出所というのは本来そういう任務を持っていると思うのです。ですから、常時いろとは言いません。今日の警察官の配備の中で常時いろということはなかなか難しいでしょう。しかし、少なくともそのいる時間が全体としては常に長いという状況をつくり上げなければだめですよ。今度の一件はどうですか。
 二人派出所ですけれども、私、聞きましたら南署管内に十八の派出所があるようですね。そして二人の勤務のところはこのうちで十三、それから三人が五カ所。そしてこの派出所におられた警察官は、たまたま駿河橋派出所の検問に応援に行かれたのですね。二十五日午後五時から二十六日夜明けまで行かれたわけです。私は一人はおられたのじゃないかと思うのですけれども、いずれにしても新聞の報道するところでは、二十五日五時から二十六日の夜明けまで。
 たまたま事件が起きちゃったからと言えばそれまでの話ですけれども、こういう事件はいつどこで起きるかわからないわけですよ。しかもこの時間帯に派出所に警官がいないということは、そこの市民にとってみれば、先ほども話したような捜査に協力するために、まず第一に駆け込むのは何といったって派出所ですよ。犯人を追っかけろ、おれは派出所に行くからというのは当たり前じゃないですか。そうして犯人が持っている凶器に対応できるものは警察官しかいません。その警察官ですら、御案内のように昨年の七月の墨田区の事件では刺殺されているわけです、その過程で。いわんや武器を持たない一般人が犯人を追いかけることの危険性、それだけに派出所というのは市民にとっては治安のとりでですよ。この発想がしっかりしていないから今度のような事件が起きて、一方では彼の勇気ある英雄的な行動をたたえると同時に、一方では派出所になぜ警察官がいなかったのだという非難になっているのじゃないですか。
 私はこの際、神奈川県警を含めて全国の派出所のこの条件を点検をされて、パトロール中の時間帯が多いというのは一般的な認識です。私は、神奈川県警に対する警察官の配置が、昨年非常に多く人員を配置していただいたということも承知していますから、神奈川県警といいましょうか、あるいは横浜市内の全体の警察官の員数が少ないということは言いませんけれども、派出所の勤務体系を含めて一遍検討あるいは調査をされる必要があるのではないか。先ほども言いましたように限られた勤務員でありますから、その運用を巧みに組み合わせることによって、できる限り市民のとりでの派出所が空間にならない状況をつくるべきじゃないか、こう思うのですが、どうでしょう。警察庁から御意見を聞きましょう。
#102
○中山政府委員 先生御指摘のように、派出所に常に警察官がいるということは、おっしゃるような警察組織の最先端であり、市民の最も身近な警察活動の拠点であるということで望ましいことではございますが、現実にはいない場合がある。これはどういうわけかといいますと、御承知と思いますけれども、管内のいろいろな事件、事故を勘案して派出所への配置を決めるということでございます。管内の人口とか面積、あるいは刑法犯の発生状況等を勘案してどこには幾らを決めよう、こういうことをして、それは常に見直しを図りつつやっていることでございます。
 しかしながら先生の御指摘がありましたし、それからマスコミの論調等もあります。派出所の重要性ということについて、もう少し考慮に入れた適正な配置を今後とも考えていかなければならないと存じております。
#103
○加藤(万)委員 先ほどお話しをいたしましたように、市民の協力というものは、大臣がおっしゃるように、警察が一生懸命やっておるからというよりも日常のそういう体制ですよ。日常の体制をつくり、同時に一般的なPRですね。いわゆる市民の協力なしには、今日の公的権力というものは皆さんの市民活動も守れませんよというその並行だと思うのですよ。その最も身近なところで空虚さを市民が感じれば、残念ながらもう警察へ行ったって、派出所へ行ったって言わないし、たまたま言っていけば派出所で油を搾られて、その搾られている間は別に給料くれるわけじゃないしということになりますよ。私はぜひ体制を整備してほしいと思う。
 なぜか今までは大阪、兵庫、京都が事件が多くて、関東の警察官あるいは警察機能は立派だと自負をしておったのですが、最近なぜかしりませんが関東でも、なかんずく神奈川県に事件が多くなりまして、元警察官の強盗事件がありました。せんだっては押捺事件がありました。きょうはもう御質問する時間がありませんから言いませんが、自民党放火事件で今手配中の一人は、私の選挙区である藤沢の在住だと新聞は報道しております。そして今度の事件ですね。市民の側から見て好ましくない事件、あるいは今度のようにすばらしい勇気ある事件等がありますけれども、ぜひそういう体制、そして目の前に見えるものが充実されて初めて警察官に協力ができる、こう思いますので、ぜひひとつ来年度の予算関係については大臣、警察庁、遠慮しているのではないかと思うのですよ、あと消防庁もいますけれども。去年もことしもゼロですよ。
 私は、警察庁、消防庁の予算のヒアリングを受けましたときに、なぜ今日増額要求をしないのですか、いや、警察庁は去年はグリコ・森永事件の犯人の関係で電話はデジタルになりました、三十何億ですか、予算をつけていただきましたという報告がありました。それは結構ですね、どこでやるのですか、大都市です、こう言うものですから、ああそうですか、ありがとうございましたと私は頭を下げた。神奈川県何もないんですってね、そのデジタル化される電話の予算が。そういう話を私は聞きまして、神奈川県の方は事件がないし関西の方が多いからこの配分をして、当面三カ年計画でやるわけですから初年度の予算ではそうなったのか、こう思っておりましたけれども、いずれにしましてもそういう状況を大臣、ぜひきめ細かに予算のヒアリングの過程で見てくださいよ。
 私は、公安関係の予算の拡大には率直に言って余り賛成ではありません。しかし、一般市民の治安関係がこんなところで、しかもたまたま派出所にいないという状況が起こるようなことを予算で縛ってはいけませんよ。私は、最も基本になるところですから、今度の事件を通してぜひお願いしたいと思う。
 同時に、先ほど出ましたいわゆる公務に対する協力の災害規定ですね。それは私は次のような霊前にささげるものだと思うのです。犯人の逮捕、そしてその犯人の逮捕にはまず被害に遭った人が、私でした、そしてこうこうこういう犯人です、同時にあなたのおかげで私は命拾いをしたのかもしれぬのですからということで、一遍霊前でお礼のごあいさつをされる、同時にそこに国としてもうこれ以上やるものはございません、したがって協力章と今言った災害見舞い金を含めて、まさに今の世上言われる金額的なものを含めまして弔意を表するのが最も重要である、こう思いますので、ぜひひとつ大臣、肝に銘じて来年度予算をやっていただきたいと思います。
#104
○古屋国務大臣 今の加藤先生のお話は、全部そのとおりだと私は思います。そういうような方向へ向けまして警察の運営をしてまいるように、また予算の折衝等につきましても、市民警察の重要性ということを考えながら今後もしっかり対処してまいります。
#105
○加藤(万)委員 消防庁、五月六日の目黒の環七通りで起きたガソリン、軽油のトラックの横転事件、同時にそれから起きた火災事件ですね。まさに都市型の火災が起きたわけですね。しかも私が記録を読んでおりますと、扱った警察は、前の電電公社の地下ケーブル事件が起きた世田谷署でこれは扱っているんですね。あれもたしか警察の方は世田谷署でしょう。環七、環八と言えば、外から入ってくる東京のいわゆる環状線道路、しかももう最近では御案内のような過密の地域ですから、都市型のこういう火災が起きますと大変な事態になることは例の世田谷の地下ケーブルの事件でも今度の事件でも明らかです。特に私が心配いたしましたのは、ガソリンが下水道を通ってさらに誘発爆発する、もしそうなったら大変なことだったな、事によったら十五年前の大阪の天六の爆発と同じような状況が起きるのではないか、新聞を見ましてそう思いましたよ、片っ方はガス爆発ですから爆発の状況は違いますけれども。せんだって大阪の天六の火災事故については一審の判決がおりましたよね。
 さて、こうなってまいりますと、新しい都市型火災に対して、特に今度の場合は道路上で起きた、主原因はそこから起きているわけですから、いわゆる危険物輸送に対する取り締まり法規の再点検をすべきではないか、私はこう思うのです。例えば今度の場合、新聞の報道その他、もしも私の理解が間違いならば指摘をしていただきたいのですけれども、大体ガソリンタンクローリーの一番弱い部分はガソリンを出す口、したがって従来は側面の枠、防護枠、そういうものを強化しろ、そこに重点を置いたタンク車に対する危険物取り締まりといいましょうかあるいは輸送、運送法上といいましょうか、そういう条件整備をされておったようです。
 今度の場合はタンクそのものの亀裂ですね。従来の車体の安全基準によって鋼鉄製の厚みが三・二ミリになるのでしょうか、これが間に合わなかったわけですね。横転をする、そこで起きる摩擦、同時に、それから起きるタンクの外壁の安全度の基準の弱さ、結果的にそこから漏えいしたガソリンが引火をして、片方はアルミ製ですから燃焼して、今度はそこから流出物を拡大した、したがってあれだけの大きな事故になった。どうでしょう、危険物輸送に対する安全規則というものを、消防庁、いま一遍ここで点検される必要があるんじゃないか、あるいは改正をされる必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
#106
○関根政府委員 御指摘がございました五月六日に起きました柿の木坂でのタンクローリーの横転事故、それに伴う火災につきましては、危険物につきまして安全確保について責任を持っております消防庁としても、非常に重大な問題として受けとめているところでございます。
 従来のいろいろな実験結果等から見ましても、通常の状態におきましては、現在の基準に基づいてつくりましたタンクそのものは、まあまあ横転した場合におきましてもタンク本体から漏えいをしてくることはまずあり得ないという考え方でおったわけでございますけれども、現実の問題としてこういう火災が起こったわけでございますので、今御指摘がありましたように、私どもも今までの基準そのものがどうなのかということまで含めまして、問題点の洗い出しのために庁内に早速消防関係者が集まりまして、現地の消防まで含めまして検討委員会をこしらえまして、そこで既にもう会合を重ねて議論をしているところでございます。
 これは非常に技術的な問題も絡むものですから、今直ちにこことここをこういうふうに直せばいいんだという答えはとても出てくる問題ではございません。まず問題点の洗い出しをし、それに対する対策として有効なものが見つかり得るのか難しいのか、その辺の見きわめもし、かつ難しい問題につきましては日本の一流の学者の方々にも集まっていただきまして、そういうところで突っ込んだ議論もしなければいけないという問題もあるんじゃないかと思います。そういうことも含めまして、私ども早速に検討にかかっておるところでございますし、その検討の進みぐあいに応じて的確な対応策、必要があれば基準等の見直しもしていかなければいけないものというふうに考えております。
#107
○加藤(万)委員 危険物の規制に関する政令の基準では、自治省令で定める危険物の移送、これについて、運転要員の確保についての除外例がありますね。今度の場合、搭乗者、運転手は一人ですね。その後新聞に投書がありまして、川崎の浮島に一遍来てください、あそこにはLPG、ガソリン、その他を含め、いわゆる石油コンビナートですから大変運転要員がいます、朝五時から晩は九時までです、この勤務体制の中であの大きなタンクローリーを運転するのですから、大変私どもは危険だと思っておりました、できれば二人乗員が必要じゃないかと思います。タンクローリーというのは、御案内のように前側はいわゆる普通の引っ張る自動車です、後ろ側はローリーがついているわけです。急停車、急カーブをした場合には、後ろのローリー車が前に追突するわけです。前でブレーキをかけますから、後ろはブレーキはかかりませんから、そのままどんと、どんとといいますか押し出すような形になるわけです。したがって、危険物についてはタンクローリーを使うべきではないのじゃないか、いわゆるボディーと運転席が一体化したものを使うべきではないか、その人の意見は、どうもそういう意見のようなんです。
 いずれにしましても、最近の都市火災というものがそういうさまざまな新しい合理的、技術的な改良の中から生まれてくることが要因となる以上は、当然見直しをされるべきだと私は思っているのです。私がかつてここで、消防庁長官がまだなる前ですけれども、御質問したのは、台湾からカーバイドを輸入します。ところが、台湾から入ってくるカーバイドはドラム缶が大変悪いのです、何回も何回も使いますから。そのために塩分をカーバイドが吸い込むわけです。そのドラム缶が輸送されるわけです。そうしますと、中に塩分が入ってきますからガスがたまるわけです。ガスは引火する状況を持っているわけですね。アセチレンガスが何かの衝撃で爆発する可能性があるから、台湾から来る、当時は韓国もあったのですけれども、カーバイドについては安全係数をもっと変えるべきではないかという提言をしたことがあるのです。
 これも当時のことですから、産業構造の変化に伴う原料供給の姿勢が日本では変わったからなんです。本来は富山から出るものが、台湾からの方が安い。ドラム缶も古いものを何回も使うものですから、トン当たりの単価で一万五千円か二万円くらい安かった。したがって、そういう状況の変化に伴う安全係数と安全の方向を規則上も改定をすべきではないかという提言をしたのです。今度のことは、私はそういうさまざまな要因を持っておると思うのです、地下ケーブルの火災状況といい、今度のタンクローリーの横転事故といい。私は、この際ですから、思い切って新しいそういう技術論を含めた点検をされ、同時に、来国会あたりには危険物の輸送に対する法改正くらい消防庁が用意される、ついでですから言っておきますけれども、原子力発電所における廃棄物の輸送などについても、最近私どもが新聞や報道で知る限りでありますけれども、それらについても着目していただきたいと思うのです。
 いずれにしても、そういう状況をしっかりと今度の事件を通して把握されて、法改正に至るまで検討されるということが必要だろうと思うのですが、いかがでしょうか。
#108
○関根政府委員 御指摘のように、昨年の暮れに世田谷で洞道火災が起こりまして大変大きな社会問題になったわけでございます。その後またこういうタンクローリーの火災というような問題が起こりまして、新しいタイプの災害というものが、人間の社会の進展に応じて危険サイドもだんだん新しいものが出てくるということを私ども痛感をいたしておりまして、そういう災害の対策なり火災の対策の責任を持っておる私どもは、常に的確に対応をし、どういう新しい事態が出てきても災害をできるだけ起こさないように、また起きた場合にも被害を大きくしないようにする責任があるものというふうに考えております。
 そういった基本的な考え方から、今度の地下ケーブルの問題につきましては、一たん火が出たときに作業が非常に難しい、そういう観点から、できれば燃えないようなものを地下ケーブルに使っていただきたい、難燃材ないしは不燃材を使うという方向で、今具体的な基準等についても作業を進めて、大体基準等につきましてはめどができつつあるところまで来たところでございます。
 また今度のタンクローリーの問題につきましても、問題は先ほどから申し上げておりますように非常に深刻に私ども受けとめておりますから、基本的に見直しをもちろん行うという観点から、今技術屋さんたちに一生懸命頑張って勉強していただいておるところでございます。
 ただ、今の時点ですぐにこのタンクローリーに関連いたしまして法律改正まで行くかどうかということにつきましてはまだ見通しが立っておりません。先生も御指摘ありましたように、具体的な規制は現在主として省令でやっておりますので、あるいは場合によると省令改正等で相当思い切ったやり方の変更が可能ではないかということも考えられますので、その辺につきましてはさらにこれから検討を続けさせていただきたいと思います。いずれにしろ、真剣に対応してまいりたいと考えております。
#109
○加藤(万)委員 ちょうど区切りのいいところですからここで質問を終わりますが、大臣、きょうは警察問題と消防問題、今起きている象徴的な事例を二つ挙げまして、基本的な対応をも含めて来国会までには、一方では法律改正、あるいは先ほど松田先生から御意見があった災害に対する援護姿勢なんかも、法律改正を提起をされるぐらいのことをされた方がいいと私は思うのです。私の両面にわたる提案に対する大臣の最後の御意見をお聞きして終わりたいと思います。
#110
○古屋国務大臣 日本は非常に災害の多い国だと言っておりますが、このごろは人災的な災害が非常にふえておりますことはお話のとおりだと思っております。時代の進展によって、いろいろのOAの進展その他によりまして、対策もそういう点から考えていかなければならぬじゃないかと私も考えております。タンクローリーの問題につきましても、構造の点についてお話がございましたが、運転手が一人、あるいは勤務体制ということを考えましても、こういうのはそういう対策をとれば防げるということを考えておりまして、大体役所というのは、私も役所の一員でございますが、事後、事後というふうになっておりがちでございます。そういう点で、これからの災害に対しましては、いろいろの面を考えながら必要な法的な改正措置ということにつきましても十分検討いたしまして、被害者は市民でございますので、そういうことのないように十分努力をしてまいりたいと思っております。
 実はここでひとつ先生に、私の体験から見て、私は炭鉱災害で、三池の爆発、夕張の爆発、あるいは北海道のあの山の炭鉱、いろいろ参りまして、もう二度とそういうことは繰り返しません、いたしませんという誓いをしておるのでありますが、そのことが依然としていまだにそういうふうに行われておるということは、私も大変自分の胸の痛む感じになっておるのであります。夕張のこの前の事故だって、もう少し、まあ原因調査中でございますから余りそういうことを言うのはどうかと思いますけれども、やはり遺族の方その他のことを考えますと、私は、こういう自然災害あるいは人災に対しまして思い切った措置を講じても講じ過ぎることはないというふうに考えておりますので、そういう点で十分検討を進めてまいりますので、ひとつ先生方の御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。
#111
○加藤(万)委員 終わります。
#112
○高鳥委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十七分開講
#113
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。宮崎角治君。
#114
○宮崎(角)委員 横浜での強盗殺人事件につきましては、日本国内津々浦々まで、そしてまた各党が関心を持ち、本当に日本の犯罪史上大変な一ページを画したわけでありますが、事件の概要は、五月二十六日の午前一時半に横浜市内におきまして、中年の男子が男三人におどされて財布を奪われたのを目撃した四人の大学生が犯人を追いかけまして、一たんは犯人の一人を捕まえた、そして犯人逮捕を通報するために近くのポリスボックスに駆け込んだのですけれども警察官が不在だった、そのうちに犯人は自分を押さえていた学生のうち一人を刃物で死亡させ、一人にけがをさせて逃走しておるというあらましでありますが、死亡したのは平野英司さん二十二歳、重傷を負ったのは西幹健さん二十二歳でございます。
 こういう事案からいたしまして、最近、車内暴力が話題になったことなどに見られるように、暴力に見て見ぬふりをする無関心な人間もふえている昨今だと私は散見するわけであります。今度の事件の平野英司君たちの行動は、正義感に満ちた立派な行動であった。このように平野君を立派な青年としてお育てになってこられた御両親の教育とお人柄がしのばれます。敬意を表するとともに、不慮の事故で大切な御子息を亡くされた御両親、悲しみはいかばかりかとまことに胸を痛めます。心から哀悼を申し上げたいと存じます。今回のような事件が二度と起きないように、警察庁として万全の措置を講じることを強く要望するとともに、この事件で浮き彫りにされました幾つかの問題点を質問したいと思うわけでございます。
 常日ごろ警察は市民の協力をと訴えておられるわけでありますが、市民の協力を受け入れる態勢が警察制度の中に本当にできているのかどうか、いろいろと猛省をする点があるのではないか、今回の事件に対する警察庁の御見解をまずお伺いしたいのであります。
    〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕
#115
○中山政府委員 犯人の逮捕に自発的に協力された勇気ある市民の方が死傷されたということは、まことに痛ましいことでございます。神奈川県警察においても、この事件を早期に解決すべく全力を尽くしているところでございます。
 私どもにとって市民の協力を得ることはまことに大事でありまして、外勤警察官、パトロールをしたり交番に勤務したり、あるいはパトカーに乗って勤務したりする警察官が市民との接触に当たって言動に十分留意するように、また制度的に市民の協力を得やすいように、管内の実態によく合ったように派出所あるいはパトカー等の運用をなすよう常に見直していくようにしているところでございますが、今回の事件を契機にさらにその点について努力してまいるようにいたしたいと存じます。
#116
○宮崎(角)委員 今回の事件で警察に協力援助して死亡した学生に対する補償というのが、遺族給付一時金と申しますか、五百九十万円と伺っております。前途ある若者の死亡に対する給付金としては余りにも低額ではないかと私は思うわけであります。遺族給付金の給付基礎額の定め方に問題があるのではないか、その算定の基礎はいかなるものか、ひとつ具体的に本日伺っておきたいと思うわけであります。
 なお、五千九百円と最高一万円、その根拠について私もいろいろと調べておりますが、この辺の算定の基礎についてひとつ定かに答弁を求めたいのでございます。
#117
○鈴木(良)政府委員 警察官の職務に協力援助し災害を受けられた方の遺族に対する給付は、給付基礎額を計算の基礎として行っているところでございます。
 協力援助者の災害給付制度におきましては、警察官がその場におったならば当然行ったであろうことを一般の国民の方々がかわって行われるという事情にあるということから、警察官が公務上の災害を受けた場合の補償額と均衡を失しないように、警察官の給与を基準として算出しておるわけでございまして、それが給付基礎額となっておるわけでございます。
 最低額は公安職俸給表(一)の七等級の十六号俸、これは巡査の俸給の中位号俸でございまして、この号俸の俸給月額の三十分の一の額、これが五千九百円で、今度改定していただきまして六千百円になる、こういうことでございます。
 最高の方の額は、公安職俸給表(一)の特三等級十号俸、これまた中位号俸でございますが、これは警部の号俸でございます。この号俸の俸給月額のやはり三十分の一に当たる額、これが今回一万三百円ということになる。こういう形の基礎額を基準に算出をしているというところでございます。
#118
○宮崎(角)委員 今言われた巡査と警部、こういったところを基礎額にして均衡を失しないようにというわけでありますが、私はこの辺の算定の基礎に今後一考を要する問題があるのじゃないかと申し上げたいわけであります。
 さて、今回平野青年に授与した警察協力章でございますが、これはいつ制定されたのか。今回の事件を含めまして、今日まで数多い国民の協力者が出たと思うのでございますけれども、これについての定かな答弁を求めたいのでございます。
#119
○鈴木(良)政府委員 その前に、恐縮でございますが、先ほど最高額の関係は警部の俸給と申しましたけれども、警視の俸給の中位号俸を基準といたしておりますので、ちょっと訂正させていただきます。
 今お尋ねの警察協力章ができましたのは昭和二十九年八月でございまして、これは犯罪の予防なり捜査、犯人の逮捕等に特に顕著な功労があったと認められます警察部外の方々に対しまして授与しているものでございます。
#120
○宮崎(角)委員 警察表彰規則によりますと、今官房長言われたように、警察協力章というのは特に顕著な功労があると認められる警察部外の者に対する授与ということになるわけですね。警察官の場合を見ますと、警察功績章というのが特に顕著な功労があると認められる者に対しての授与ということで、どちらも「特に顕著な功労が認められる者」とある。このように条文を見ていきますと、警察協力章というのは、警察官における警察功績章に対応するものと考えるわけでございます。
 そこで、続けてお尋ねしたいのは、警察官が殉職なさった場合、警察表彰規則によりますと、表彰の程度に応じて賞じゅつ金が支給されることになっておる。そのほか、警察官等に対する特別ほう賞実施要領というのがある。これは内閣総理大臣から特別ほう賞金が授与されることになる。これらは二本立ての併給ということになっていくのじゃないかと本員は思うわけであります。警察官の場合は勲功章、功労章、功績章、賞詞等、その中の三番目が特に顕著な功労ということです。民間の場合は警察協力章ということで特に顕著な功労。平野君の場合は五百九十万、警察官の場合は最高一千三百万、こうなる。理論的に、またこういった方々の協力という場面からいたしまして、この辺で本当にもう少し見直していかねばならぬと本員は思うわけでありますけれども、私が今申し上げたことに対する見解はいかがなものでしょうか。
#121
○鈴木(良)政府委員 おっしゃるとおり、警察官の場合に顕著な功労等がありますと、長官の賞じゅつ金あるいは総理大臣のほう賞金というものがあるわけでございます。一方、こういう民間の方々の御協力に対しまして、見舞い金の制度は県等が持っておりますけれども、こういう賞じゅつ金の制度がございません。やはり今後こういう点につきましては検討していかなければならない、かように考えております。
#122
○宮崎(角)委員 もう少し詳しく申し上げたいと思うわけでありますが、功績章を授与された警察官の殉職の場合でございますけれども、この殉職者の賞じゅつ金の金額を見てみると、今回の改定で大幅に上がっている、六百万から九百万に上がっている。さらに、先ほど述べました総理大臣から授与される特別ほう賞金は二百万から四百万に上がっている。これを足しますと、少ない場合でも八百万、最大で一千三百万になる。今回の五百九十万と比べて差があり過ぎはしないか。この辺でもう少し法律を改正して、妥当な、国民の合意が形成されるようなそういう方向ヘアップをせねばならぬと私は強く思うわけでございますけれども、この辺について、大臣として、国家公安委員長としてどう思われますか。
 さらに、このような事件が起きて一番恐れることは、午前中もあったかと思いますが、警察に協力しても、悪い言葉で言えばちょっと頭をかしげるような問題があるし、余計なこと、自分と関係ないことだから見て見ぬふりをするのがおれには一番いいんだというような風潮が市民の中に出てくることが一番怖いわけであります。ここであえて言わずともわかっていることでありますけれども、警察への風当たりが強い昨今、あらゆる問題点を洗い直して、市民が安心して住める町をつくっていくために万全の措置をとっていただきたいということを私は心底から強くお訴え申し上げたいと思うわけであります。
 最後に、大臣に明快な御決意と、ただいまある数字をもって申し上げました問題についての御決意をお伺いしておきたいと思います。
#123
○古屋国務大臣 ただいまの宮崎先生のお話、私も結論としては同じように考えております。
 何と申しましても、警察が治安を維持するということは、国民の側の協力というものが絶対の必要条件でございます。お話しのように、ややもすれば見て見ぬふりをされる方が多い中で、率先してこういうような事故に遣われた方に対しては厚い、心のこもった褒賞あるいはそういう制度を考えるべきではないか。今の警察官と協力者の違いにつきましては、一般的にそういうような考え方もあるかと思いますが、やはりこういう協力があってこそ警察が治安を維持する上において非常に大きな助けとなっておるのでありまして、この事故につきましては、今の給付に関する法律の点を何とかして今後改める、あるいは特別なことを考える、行政措置あるいは立法措置を合わせまして御期待に沿うように私も努力をいたす決意でございます。
#124
○宮崎(角)委員 それでは、第二項の災害時の情報通信体制についてお伺いいたします。
 第百二国会に提出されました「昭和五十八年度において防災に関してとった措置の概況」というものがございます。膨大な措置の概況が出ているわけでございます。このいわゆる防災白書を見てみますと、昨年九月十四日に発生し、死者二十九名、罹災者三百二名を出した「長野県西部地震の残した教訓」と題しまして九十ページにるる述べてございます。これからとるべき震災対策のあり方について種々の面から分析がなされているようでございます。その一番初めに、「的確な情報の収集・伝達」という項目でございますが、通信面で数々の問題があったことが指摘されているわけであります。
 私、これからまとめてみますと、一つには、行政用の移動系無線の基地局の停電及び非常用電源の未設置による使用不能、二つ目には、都道府県防災無線のふくそうによる利用困難、三つ目には、加入電話への通話殺到のための利用困難、四つ目に、村役場職員、消防、警察及び報道関係者によって多くの無線機が持ち込まれたための混信による利用困難、五つ目に、同報無線が未設置で住民への情報伝達ができず、流言が広がったり、対策本部の命令が正確に伝えられず困難に輪をかけた、最後には、有線放送も停電やケーブルの断線によって使用不能に陥った等々、以上考えられないような混乱に陥ったことが見てとれるのでございます。
 これらの点について、何点かにわたって改善状況やまた改善方向なりをお聞きし、今後幾つか、また忘れられたときにやってくるという災害の問題、ことしの気象庁の長期予報によりますと、今年は梅雨末期にまた集中豪雨のおそれがあるというのでありますが、災害に対する万全の対策をとっていただくことを要望するわけでございます。
 初めに、都道府県の防災無線のふくそうについてお伺いしたいと思いますが、この原因については、県の出先機関と王滝村を含む四町村間で同一の周波数を割り当てられていたことに起因するのだ、これについて非常に具体的に、どのような状況だったのか、ひとつ定かにしたいと思います。そして、これについての対策をどうしていくのか、この辺についてひとつ長官の答弁を求めたいのでございます。
#125
○関根政府委員 県と市町村を結びます防災無線につきましては、長野県は比較的早く整備ができておったわけでございます。したがって、今回の王滝村の長野県西部地震におきましてもこれが使われたわけでございますが、いかんせん末端の市町村にまで届きます回線の数は、電波の割り当てその他設備面の問題もあるのでしょうが、一定の限度がございますので、県庁から木曽地域を管轄いたしております木曽地方事務所までは回線の割り当てが相当あるわけでございますが、県の木曽事務所からその下の市町村への連絡につきましては、四カ町村で一回線しか割り当てられていないということでございます。
 具体的には、王滝村のほかに三岳村でありますとか開田村でありますとか、その他の全部で四つの町村が一つの回線にぶら下がっておったものですから、王滝村から情報を例えば県庁へ連絡しようと思いましても、隣の三岳村で既にその無線を使っておるということになりますと、王滝村からの通信ができない、こういう状況になったわけでございます。しかし、これは午前中くらいでそういう混乱は一応回避することができまして、お昼ごろに統制台をきちんと設けまして、統制のために職員を配置いたしまして、最も優先する通話から順番に通話をさせたということによりまして一通り整理がついて、重要な無線連絡につきましては大体通じたというようなことになっているわけでございます。
 しかし、こういう事態というのは、同じような仕組みがほかのところでもとられておりますと、同じような状態が起こったときにはやはり混乱するおそれがあるわけでございまして、災害等が起こりまして緊急連絡がふくそうするような場所、災害というのはしょっちゅうどこででも起こっているわけではありませんから、ほかに、隣近所、近くの役場等で余っている回線等があればそれをそこに集中的に投入してくるというような方法も技術的にはできるのだそうでございます。マルチアクセス方式というような言葉で呼んでおられるようでございますけれども、そういったような方法も県によっては既に取り入れつつあるところもございますので、郵政省とも技術的な問題等については十分相談しなければなりませんが、そういった関係省の御協力を得ながら、ぜひそういった形で集中的に回線を投入して混乱の起こらないようにしていく、そういうシステムにつきましても今後導入を図っていきたいと考えておるところでございます。
#126
○宮崎(角)委員 長官の御説明でよくわかりましたが、混乱を回避するために集中的な管理ということでございますけれども、郵政省のお考えを伺いたい。
#127
○佐藤説明員 ただいま御質問の防災行政用無線のことでございますが、県防災行政無線網に対する電波の割り当ての方針は、御指摘のとおり、幾つかの市町村にまとめて一回線分、つまり一つの周波数の電波を割り当てているということでございます。これは、何分にも電波を使用したいという方々がたくさんいらっしゃるわけでございまして、その一方で割り当て可能な周波数が極めて少ないという現状に起因しているわけでございますので、何とぞその辺は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 ただ、今御指摘のマルチチャンネルアクセス方式、こういう方式が最近開発されてございまして、これはある幾つかの周波数をたくさんの市町村で共用するという技術方式でございますが、これを導入いたしますと、例えば一市町村で使用している場合には他の市町村が使用できないといった状態が回避されるということで、そういった場合に大変有力ではないかと考えているわけでございます。現在東京都あるいは京都市といったところでこの方式を導入しているほかに、今年度神奈川県にも導入されると伺ってございまして、今後も各県で設備交換の機会等をとらえましてこの方式が導入されるように積極的に指導してまいりたい、そういうふうに考えております。
#128
○宮崎(角)委員 役所とか警察関係など重要加入電話の通話が物すごく殺到して、通信不能状態の問題があると思うのです。この問題は、三年前二百九十九人も亡くし、今なお四名まだ地底に冷たく救出ができません大長崎水害でございますが、私の地元の長崎の五十七年七月二十三日の集中豪雨による大災害のときにも経験したばかりであります。何かあったと聞けばすぐ直接連絡をとろうとするのが、行政側や報道関係ばかりではありません、身内の安否を気遣う一般の人たちの心理であるわけでありますので、今仰せになった交通整理の問題については真剣にお考え願いたいと思うわけでございます。
 次に、村役場の職員とか消防、警察、報道関係者などの無線機の持ち込みによる混線についてお伺いしたいのですが、これらの技術的な解決方法はないのですか、また重要度に応じて無線使用の優先順位を決めるとか使用の規制をするなどの方策がとれないのか、これについての解明を求めたいのですが、これはどちらですか。
#129
○関根政府委員 災害の現場におきまして、消防、警察それぞれ無線を持って災害対策に当たるわけでございます。ただ、残念ながらそれほど強力な、物すごく強い電波というものではございません。電波そのものが大変強い電波であれば、ほかの細かい無線が多少入ってまいりましてもそういうものを排除して使えるのですけれども、それほど強くない場合には、その地元へいろいろな電波の無線が入ってまいりますと、消防の電話が聞き取りにくくなるというような場合が現実に起こっているわけでございます。電波割り当てがなかなか難しい話は郵政省からも聞いておりますし、また移動できる無線でございますので、例えば長野県の中では混信は起こらないような割り当てがなされておりましても、東京で免許を受けた移動できるような無線が長野県に入っていってしまいますと、似通った電波が同じ地域で使われるということが多分あり得るのではなかろうかと思います。
 そういうようなことで、現実の問題として私ども現場の消防からこの問題を何とかしてくれという話を聞いておりますし、現に長野県西部地震の場合にはそういう問題が起こったわけでございます。消防庁だけでなかなか片がつく問題ではございませんので、電波割り当てその他につきまして責任をお持ちの郵政省にもこの問題につきましてはできるだけ御協力をいただいて、何とか解決策を見出していただくようお願いをしていきたいと思います。
#130
○宮崎(角)委員 次に問題になるのが、王滝村には村役場から集落等の住民に対しまして一斉に情報を伝える、いわゆる同報無線通信施設が設置されていなかったという点に被害の甚大さを見たと思うわけであります。このために消防車のスピーカーやハンドマイク、そしてまた口頭による伝達に頼らざるを得なかった、滝越地区のような孤立地区への情報伝達ができなかった。さらに、災害対策本部の避難準備命令を避難命令ととらえたという、避難騒ぎが起こったという、山が崩れるという流言飛語が広がった、災害情報の不足、そのための二次災害への不安が交錯してパニックを起こした、そういう混乱に輪をかけたと私は思料するわけであります。
 この同報無線について、昭和五十八年五月のいわゆる日本海中部地震、七月の山陰地方の豪雨災害、十月の三宅島噴火災害等におきまして、その有効性が非常に実証されてまいりました。気象予報、警報、避難の勧告、指示等の伝達手段としては極めて有効である。その同報無線の有効性については、災害情報の研究を進めている東京大学の新聞研究所でも、現在同報無線が災害情報メディアとして最も有効としているのですが、この同報無線についての評価あるいはまた問題点について、関根長官の見解をお伺いしたい。
#131
○関根政府委員 同報無線につきましては、私どもはこれは大変重要なものだという考え方を持っております。そのことは、今先生御指摘がありましたように、三宅島の噴火のときにあれだけの災害が起こりましたにもかかわらず人命には全然被害が出ていなかった、こういう事実をもって証明されているのではないかと思いますし、また島根県の豪雨災害、日本海中部地震等におきましても大変な威力を発揮したということを私どもは痛感しているわけでございます。したがって、同報無線の必要性、重要性、有効性という問題については、議論の余地がないと私どもは思っております。したがって、できるだけ早くすべての市町村にこの施設をつくっていただきたいということでお願いをしているところでございますが、残念ながら現在その整備率というのは非常に低いわけでございまして、全国三千三百ほどある市町村のうちで、既に整備が終わっておりますのは九百三十四市町村、率にいたしまして二八・五%にしかすぎないということでございます。
 財政的に非常に厳しい状況ではありますけれども、私どもは実は、昭和六十年度の予算編成に当たりまして概算要求基準等がございまして、できるだけ経常経費については節減をするという枠がはめられましたが、同報無線、少なくとも防災無線につきましての整備の必要性というのは大変重要であるということから、対前年度二億ほどの増額で予算を編成することができたわけでございます。ただしかし、これだけではまだまだ足りないと思いますので、今後とも財源面におきましても関係当局とよく相談をして、その増強を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、災害による被害を最小限に食いとめますとともに、住民の安定といいますか、民心の安定を図るために、どうしても情報というものを的確に把握し、住民と役場の間あるいは役場から県の間、県と国との間、そういう関係で情報を確保するということも絶対に必要でございますので、そういう情報網の整備につきまして最大限の努力を傾注していきたいと考えております。
#132
○宮崎(角)委員 議論の余地のない、必要不可欠だということを長官から言っていただいて大変心強いわけでございます。各市町村もうれしい、三分の一ですか補助があって、大変いいことでございまして、あと足らない分は起債ということになると思いますけれども、その補助金の交付要綱を見てみますと、第三条には何か地域を指定しているんですね。これは全市町村に関係する問題ですから、そんな市町村を限定しないで、例えば台風の常襲地域にはどうのとか、特別豪雪地域はどうのとか、地震観測強化地域、活動火山周辺地域、沖縄県の地域とか、こういうことでございますので、この枠をひとつ外して、同報無線の整備について、今言われたように早急に推進を図っていただきたいと思うわけでございます。
 次に、さきに郵政省が公表しました統合防災無線システム網の確立の調査報告がございます。既存の防災無線通信体制との関連でお伺いするわけでありますが、この報告書を読むと、統合防災無線システム網は既設の無線システムの補完をするものである、そういう位置づけがなされているようでございます。この構想のそもそもの発端は何なのか、どういう理由からその構想が出てきたのか、郵政省にまずお伺いするのであります。
 あわせまして、「統合」と書いてあるのですが、「統合」とつくと、今までのシステムを全部合体し統合するというふうに聞こえるのでありますが、この「統合」という字はまずいですね。どういう意味なのですか、その意図するものをひとつ定かに求めたいのであります。
#133
○佐藤説明員 ただいま先生から御指摘の点につきましてお答えいたします。
 まず、統合防災無線システム網、この構想がどのようにして生まれたのかということでございますが、近年の防災意識の高まりの中で、直接住民の組織とそれから防災関係機関、これらの間を結ぶいわゆる双方向の通信手段を望む声が大変強くなってきている、こういう状況にあるわけでございますが、郵政省では消防庁と関係省庁、関係団体の協力を得まして、防災無線に関する調査研究会を設けまして、この問題について調査研究を行ってきたわけでございます。
 統合防災無線システム網は、これにこたえるものとして市町村を中心にし、警察、消防等の防災関係機関、これに金融機関、医療施設等の生活関連機関及び自治会、自主防災組織等、住民組織までを包含した相互の通信を可能とする防災無線システムとして取りまとめた、調査研究会ではこのようになっているわけでございます。
 それから二点目でございますが、統合防災無線システム網といわゆる既存の無線網との関係はいかがなものであるかということでございますが、統合防災無線システム網といいますのは、ただいま申し上げましたように、既存の防災関係無線網に対しましてはこれを補完するものとして位置づけているわけでございます。既存の防災関係無線綱としましては、防災関係機関の機関内連絡用としてそれぞれお持ちの無線網があるわけでございまして、それに市町村から住民への情報伝達のための市町村防災行政無線、こういったものがあるわけでございますが、しかし現在では、住民や生活関連機関等からの情報収集手段としての無線網がありません。この部分を埋めるものとして、今先生御指摘の統合防災無線システム網を位置づけているわけでございます。
 それから第三点目でございますが、統合防災システムの「統合」というのはどういうことであろうかということでございますが、現在、非常災害時における市町村レベルでの通信系は防災関係機関、生活関連機関、住民組織等それぞれで連携がとれたネットワークが構成された状態とはなっていない、ただいま申し上げたとおりでございます。調査報告書では、これらを非常災害時において市町村を中心に通信網として結びつけるという意味で「統合」という言葉を使用したものでございます。
#134
○宮崎(角)委員 今までの既存のシステムとの関係がどうなのかというのがまだ少し解明できていない。あなたの方で企画したのです。あなたの方で御計画があるのです。これは郵政省電気通信局と書いてあるのです。
 そうすると今度は、受け入れる方はどうなっているのですか。そこのところの交通整理がよくわからないが、これは所轄官庁は消防庁となるのではないのですか。本当になるのですか。そしてまた、郵政省は今後どのようなプロセスで実用化への道をつくっていくのですか。実用化のめどはいつごろなのですか。その辺についてしっかりしておかないと、大変市町村は不安です。この辺をひとつしっかりと明快に答えていただきたい。
#135
○佐藤説明員 この統合防災無線システム網の研究でございますけれども、これはただいま申し上げましたように、消防庁と関係機関の協力を得ました研究会の中でつくり上げたものでございます。
 それで、この統合防災無線システム網の実用化ということについてでございますが、実は、この調査研究の段階でいろいろ市町村等にアンケートなどをした経緯がございまして、そういったようなものを見てみますと、統合防災無線システム網に対します要望がかなりあるのではないかというふうに考えまして、もしそういった御要望があるのでしたならば、できるだけ早くこういったシステム網が実用化できますように電波法令の面でその道を開きたいということでございます。
#136
○宮崎(角)委員 ですから、需要があるからというのですけれども、そのめどについては大体いつごろなのかと今聞いているのです。ことしの末なのか来年なのか、それをはっきり、一言だけ言えばいいのですよ。
#137
○佐藤説明員 大変失礼を申し上げました。
 実用化のめどでございますが、郵政省内の検討としましては、約一年間を見ますと、例えば電波法令上の省令その他の準備に十分の時間かと考えております。
#138
○宮崎(角)委員 では郵政省は、今後このシステムの実用化について消防庁あるいはまた警察庁等関係機関と協力していくことでございましょうが、消防庁はこのシステムについてどういう見解を持っていらっしゃるのですか。
#139
○関根政府委員 これはまだ確定したシステムができ上がっておるというふうには私ども理解しておりません。一応の試案といいますか、考え方が研究会報告という形で出されたということでございます。その研究会には消防庁の職員も参加しておりますので、一通り我が方の考え方なり意向なり希望というものは入っておるのではなかろうかというふうに理解をいたしております。
 ただ問題は、多分先生も御心配をいただいているのではないかと思いますが、せっかくつくっております市町村の防災無線がかえって制約を受けてしまうとか、本来自分たちで意図した効用が果たせないようになってしまうとか、そういうことになってしまっては全く意味がないことでございまして、むしろ今までやってまいりました防災関係あるいは消防の無線というものが、より幅広く有効にほかのチャンネルとも連絡をつけながら活用できる、そういうことをねらったものというふうに私は理解をいたしております。実際これから具体化してくるシステムがそういうものに反するようなものでありますれば、その時点で消防の立場の意見も十分申し上げまして、今申し上げましたような趣旨に沿ったいいものをつくるように持っていっていただくよう、消防としては最大限の努力を尽くしたいと思っております。
#140
○宮崎(角)委員 各省庁間の縦割り、横割りという問題は別にしまして、消防庁と郵政省が相提携しているような姿の美しい場面が今の答弁の中でわかったわけでありますが、現在防災無線の整備に補助金が出ている。消防庁として出していただいているわけでありますが、この統合防災無線システムの整備は今アイ・エヌ・ジーでございますけれども、新たに補助金を出されるおつもりかどうか。郵政省が走り出して、あとは消防庁任せということになった場合、補助金の問題についてはいかがでございましょうか。
#141
○関根政府委員 まだ統合防災無線という形で、そのものにぽんと補助金を出すという制度は考えていないわけです。私どもの方としては、あくまでも今市町村役場、市役所と住民の間、役場と住民の間の防災無線というものを早急につくり上げていく、これをやるために補助金を出しているわけですから、仮に将来そういうものも含めた形で統合的なもっと幅広い無線網ができるということになれば、その時点でどうするかということを考えていかざるを得ない。今の時点では私どもは、先ほどから申し上げておりますように、まだまだ設備の水準が低い、普及をしていない、その無線を早急につくり上げるために補助金を必要な額を確保していく、それに全力をつぎ込みたいと考えておるところでございます。
#142
○宮崎(角)委員 企画ができ、そしてそれをより理解をし、そして全国の市町村にある程度広がっていき、市町村としてはそのどちらを選ぶのかという問題に非常に迷いといいますか憂色の気持ちも出てくるんではないかと思いまして、非常に速いペースでひとつこの問題については両省の方で進めてもらいたい。
 最後に、間もなく来年度予算の概算要求の時期になるわけでありますが、防災に関する予算というのはシーリングの枠から外すべきではないか、それぐらいの決意で消防庁も臨んでもらいたいと私は思うわけであります。自然災害が起こることは防ぎようがないかもしれませんけれども、防災対策によって少しでもその被害を軽くすることができるはずであろうと思うのです。被害が一たび起これば、物的損害だけを見ても結局何億、何十億という国民の財産が失われるのでありまして、さらに人的損害を考えれば、金銭には換算できないものがあるということは言うまでもないと私は思います。防災システムというのは改良されてより有効なシステムとしていかねばならないものであることは当然でございますけれども、その意味においてこのような新しい防災システムを開発して整備していくのはまことに結構でございます。むだを廃し、関係各省庁の間でよく協議をしていただいて、より効率的な、より有効なものとしていかねばならぬと考えるものでございます。
 最後に、長官、そして古屋自治大臣の防災に関する今後の方向なり決意なりをお伺いして、私の質問を終わりたいと思うわけであります。
#143
○関根政府委員 御指摘がありましたように、防災という行政は私は極めて重要な行政分野であるというふうに考えております。特にそれの対応策を間違えますと直ちに人命の損失の問題に直結するわけでございますので、そういう意味で私どもの責任の重大性というものを日ごろから痛感をしているところでございます。
 そういう行政をやっていきますためには、当然財政が裏打ちとして必要になってくるわけでございます。大変厳しい国の財政、地方財政の中ではございますけれども、私どもは人命にかかわるような防災上の問題というのは最も優先した支出項目として御考慮をいただきたいと考えておりますし、防災上必要な施策を遂行するための財源というものは、私どもとしては最善を尽くして確保していきたい、またそういう決意で関係各省庁とも折衝を続けていきたいと考えております。
#144
○古屋国務大臣 今宮崎委員のお話しの、防災に関して私はどう考えておるか、これは災害というのはいつ来るかわからぬものでございます。また、人災あるいは自然災ともにその形態というものは非常に変わってまいっておるような現状でございます。したがいまして、何よりも人命尊重、暮らしの充実ということから考えまして、災害に対する防災措置というもの、災害を未然に防ぐ、あるいはできた災害に対しましては即刻これを克服するような措置をとらねばならないことはお話しのとおりでございます。
 特に今予算の点についてもお話がございましたが、私はいつも消防の方に、補助金というといつもいろいろの補助金とごちゃごちゃにされて一割カットとかいうような場合が多いので、警察とか消防というのは何とかこの補助金の一括カットの対象にならぬような、補助金にしても補助金でないような形を何とか考えるように今事務当局に検討してもらいたいというお願いをしているところでございますが、こういうような人命の尊重という見地から考えまして、災害に対する対策あるいは事前予防という点につきましては、私自身もこの問題につきまして最善の努力をいたすつもりでございます。
#145
○宮崎(角)委員 終わります。ありがとうございました。
#146
○臼井委員長代理 岡田正勝君。
#147
○岡田(正)委員 けさほど来各党から漏れなく質問をされております問題があります。それは二十六日未明に、横浜市南区の路上で通行人から金をおどし取った三人組の男を捕らえようとした大学生四名のうち二人が犯人に刺されて、一人は死亡、一人は重傷という事件が起こっております。この両君に対します国の措置はどうなのかということをめぐって各党それぞれに御意見があったのでありますが、ここで官房長に承っておきたいと思いますのは、今までの質問の中で出ていなかったと思うのでありますが、例えば現職の警官が壮烈な殉職を遂げたというような場合に、一体どのような措置がなされておるのでありましょうか。
#148
○鈴木(良)政府委員 お答えいたします。
 警察官が殉職をいたしましたときには、いわゆる公務災害補償という形でその補償金が出るわけでございますが、その補償金のほかに、犯人逮捕等で今お話しのように壮烈な殉職であるという場合には、内閣総理大臣の特別ほう賞金、警察庁長官の賞じゅつ金等が支給されることになるわけでございます。
 なお、警察官の壮烈な殉職の場合には、先ほど申しました遺族補償の額が五割増しになるという運用もなされておるところでございます。
#149
○岡田(正)委員 私がいろいろと承りましたところでは、現職の警官の方がその職務に殉じて壮烈な殉職を遂げた場合には、いろいろ取りまぜて大体二千五百万から三千万円くらいのお金を支給されると聞いております。間違っておったらどこが違う、こういうふうに今度は各項目を挙げて指摘をしてください。二千五百万から三千万ぐらい支給をされるはずであります。
 そこで、けさほど来のいろいろな質疑応答を聞いておりますと、亡くなりました大学生に対する国からの給付金というものは二つ道があって、一つは行きずり犯罪被害者等給付金、これは犯人が逃げてしまっているのですからまさにだれかさっぱりわからぬ、そういう者に刺し殺されたわけでありますから、これも当てはめようと思えば当てはめられる。しかしながら六百四十万という最高額に至ることはない。なぜならば、家族がない、独身者である、そして職業を持っていないというようなことをいろいろ考えると、せいぜい見積もっても二百五十万ぐらいしかならない。
    〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕
 さすればというので、協力援助者災害給付金という一時金の支給にすればどうなるかというので、先ほど来お話がありましたように一日五千九百円、これは巡査の方の日割りの計算でありますが、それの千倍、五百九十万が相当ではなかろうかと考えておる。最高は警視の身分の方で特三等の人がおおむね一日一万円、したがって千倍にいたしますと一千万、こういうことになるのでありますが、この場合二十二歳の大学生でありますし、独身でもありますし家族はないし稼ぎがないということを考えると、巡査としての五千九百円の一日の計算は決して不当なものでもないというような意味でお話がずっと続けられたわけでありますが、私が考えるのに、これが金の多寡によって物が決まるとは言いません、そんなやぼったいことは言いませんけれども、しかしながらいかに言うてもこれは五百九十万というのは安過ぎるではないか。何らかの措置を講じてこの額を引き上げてやることはできないものだろうか。
 この子のためにというので将来を託してきました親の気持ちというのは、もうまさにはらわたがちぎれるような思いがしておるのじゃないでしょうか。大事な大事な宝を失ったという気分が大きいと思うのです。しかもただ単に学校でけんかしたとか、あるいは町でやくざとけんかして刺されて殺されたというのではありません。警察のいわゆる治安維持に協力をして戦った結果が死という報いであったわけでありますから、私はこれはもう十分過ぎるくらいの褒賞を認めるべきではないかと思うのです。
 大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、聞くところによりますと、先ほど官房長のお話にありましたように、特にその業績が顕著なる人につきましては総理大臣より特別ほう賞金が出るという制度があるそうであります。ところがこれも、内容を読んでみますると警察官に限られております。他の者には出すようになっておりません。
 それでは資格がないから、しようがないからそのままほっておけということになるかといったら、それは私は知恵のないやり方だと思うのであります。なぜなら、今経済大国世界第二位というところになりました我が日本で、一番嘆かわしいと思っておることは何でしょうか。これはちょっと言い過ぎかもわかりませんけれども、我さえよければいい、人はどうなろうと構わないということです。
 例えば電車に乗っておって、隣の席で妙齢の娘さんが酒に酔っぱらった人に絡まれて乱暴至極なことをされておっても、父親が見ておったら絶対に許すはずがないけれども、赤の他人であればさわらぬ神にたたりなしとみんな逃げていく風潮。たまにそれをとめに入れば、年齢が大きいものですから、力が足らないで逆に殴り返されて大けがをしてしまうというような事件。あるいは暴走族がやかましくてかなわぬからといって注意をすれば、外国の人でも引っ張り出されて袋たたきに遭って本当に半身不随になるくらいやっつけられる。あるいは乗用車で走っておって、自動車の前をバイクで妨害をして、それを注意したら車をとめて扉をあけて中から引きずり出して、今度は単車で何台ででもその体をひいてひき殺していく、こういうことが平然として行われております。
 とにかく自分の身に直接火の粉がかかりさえせねば、まあいいじゃないか、おれには関係ない、こういう風潮があるということは、私は経済大国日本の一番重大な汚点ではないかと思っておるのです。言うならば、今や日本民族にとって大事なものは、正義感を取り戻さなければいかぬということだと思うのです。
 それでは政府はどうしたらいいのだろうか。私はお金の問題だけではないと思います。今の五百九十万、考えられるものならもう一つ配慮をしていただきたいという希望と、さらにいま一つは、現職の警官の人が殉職をなさいましたときには、特別の功績があれば総理大臣のほう賞金が特別に出るのですから、そういう制度があるのですから、警察官に成りかわって国民的な英雄行為を行ったこのとうとい犠牲者に対して、あれほど世論を気にしておる中曽根総理大臣が黙っておくという手があるでしょうか。ほかに規則もない、法律もない、どうにもならぬものだったらポケットマネーだってあるはずだ。
 私は少なくとも内閣総理大臣中曽根康弘という名前をもって、貴君の行為はまさに国民的英雄行為であるということを褒めたたえた感謝状の一枚と、金一封ぐらい持っていつだって罰は当たらぬと思います。そういうことを、国家公安委員長である古屋さんからじかに総理大臣に直言をしていただきたい。そのことが国民に対して、ああやっぱり見てくれてるのかという一つの現象になるのじゃないでしょうか。それを中曽根さんが聞かぬというのなら、これはいい政治的な材料になりますから後で教えてください。とうとう聞かなんだわい中曽根はとおっしゃってくだされば、この次の選挙で私は大変有利な戦いをすることができます。
 そこで、総理大臣がやらなかった場合のことを言ってはいけませんが、もし応じないというようなことがあったら古屋さん、あなたは普通の大臣じゃないのですね、国家公安委員長ですね。日本の治安を守る最高の立場に立っている人ですね。だから、日本のトップが表彰することが嫌だというのなら、日本の治安を預かる古屋が出す、そのぐらいのことをやってください。これをお願いしたいと思いますが、決意のほどを承りたいと思います。
#150
○古屋国務大臣 御意見ありがとうございました。ありがたく拝受しております。
 先ほどから実はこの問題につきまして、金額の点はもとより、どういう措置が適当であろうかと、私も諸先生のお話を聞きまして、こういう民間の方の協力に対して、今先生から褒章という話がありました。私は勲章か褒章かそういうことを考えて、今ちょっと調べさせておるところでございますが、前例としては、昭和四十九年九月十一日、埼玉県において強盗殺人の凶刃により死亡した故日色氏に対し木杯四号を出した例があることがわかりました。これは諸先生方の御激励のたまものでございます。私は早速、きょう委員会が済みましたら、こういう点につきましても賞勲局長と打ち合わせをいたしますし、それからまた、今お話しになりました点、まさか総理が嫌と言うことはないと思います。私も話しますが、もしできない場合には、私の名前でよければ私の名前でも感謝状を出したいということでございます。
 本当にいろいろの御意見を諸先生から承りまして私も感激しております。社会風潮は、お話しのように自分にかかわり合いのないことは傍観しているというような車中の事故その他の事例もありますが、とにかくこの方は幾ら学生でありましても警察に協力して亡くなったわけであります。警察官がたまたまその派出所にいなかったことも一つのあれでございますが、私は本当にとうとい犠牲と思いまして、警察官と同じような、あるいはそれ以上の行為であるということを考えまして、御意見の趣旨は十分私わかりましたので、早速そういうような措置をとらせていただくように努力をいたします。
#151
○岡田(正)委員 今の御回答、私は拍手をしたくなりました。大臣、本当に御立派な答弁です。私は、大臣といえども人間ですから、一人間として考えたら今の大臣が言われたような答弁は当たり前だと思います。できればそういうことをできるだけ早く、迅速に、もうあしたは月を越えるのですね。
 よく世の中で、きょうも国会の中で笑い話になっておりましたが、なぞのようなものですが、二日で二カ月で二年目というようなものにひっかかっているのは何か、こういうなぞ解きがあったのですね。大抵の人が三月三十一日だろうと言うのですよ、新学期が始まりますからね。ところが、本当の答えは十二月三十一日だそうです。やはり新年ですから二年、それから月末と初めにひっかかりますから二カ月、そして三十一日と一日ですから二日。二日目で二カ月目で二年目という日があるかと言うたら、十二月三十一日と答えれば大学を通るそうであります。
 余談でありましたが、ともかく古屋さんの正義感あふれる御回答をいただきまして本当にありがとうございました。この質問をさせていただいてよかったと思っております。どうぞ遺族の皆さんや、そしてさらにいま一人、重傷の身に苦しんでいらっしゃる方が、後々、おまえはあほやな、つまらぬことをしたな、そんなことをするのがおせっかいというのだ、要らぬことをするな、こういうやじ馬の連中につぶされてしまうことがないように、こういういい芽を伸ばしてやってください。恐らく十年たって一人出るか出ないかだと思います。先ほどの話を聞いても昭和四十九年ですから、考えてみたらちょうど十一年たっているわけですね。ですから、思い切ってひとつ適当な措置をおとりいただくよう、重ねてお願いを申し上げまして本論に入らせていただきます。
 まず、きょうは収益事業の問題をお尋ねしたいと思うのでありますが、公営競馬あるいは公営競艇など、地方自治体が行っている収益事業の実施状況と最近の財政状況はどうなっているか、ひとつ教えてください。
#152
○花岡政府委員 公営競技を施行しております地方公共団体の数は、昭和六十年度におきまして、純計ベースでは都道府県が二十一団体、市町村が四百十七団体、合計四百三十八団体でございます。なお、二種目以上の公営競技を行っている団体がございますので、延べ団体数では都道府県で三十団体、市町村で四百五十二団体、合わせて四百八十二団体となっております。また主催者の数は、昭和六十年度におきましては百七十団体でございます。
 地方公営競技の売上額及び収益金は、ともに昭和五十五年度をピークといたしまして減少の傾向にございます。昭和五十八年度は、売上額につきましては前年度に比べて二千三百四億円、六・二%減少しておりますし、また収益金、これにつきましては前年度に比べて二百四十五億円、九・七%の減少となっている状況でございます。
#153
○岡田(正)委員 地方自治体が行う収益事業の収益金を、地方交付税算定の基礎となる基準財政収入額に含めないという理由は何でありましょうか。
#154
○花岡政府委員 御承知のように地方交付税の基準財政収入額は、全国の地方団体が普遍的に課税しております法定普通税を中心といたしまして、これに地方譲与税等を加えたもの、これを算定の対象としておりまして、地方団体の普遍的、標準的な財政力を算定しようとするものでございます。
 この公営競技収益金につきましては、かねてから今御指摘のような御議論がございましたけれども、このような普遍性の観点から見てどうも適当ではないではないかという問題、それから、公営競技の収益金の実態は、そのときどきの社会経済情勢その他の条件によりましてかなり変動するというふうなことでございますので、必ずしも各団体にとっても安定的な収入ではあり得ないといった問題がございます。そういった理由から、現在公営競技収益金を基準財政収入額に算入しないこととしておるわけでございます。
#155
○岡田(正)委員 収益事業の収益金を基準財政収入額に含めないという御回答でありますが、とするならば、収益事業を行う団体と行わない団体との間で、御承知のように財政上のアンバランスを生じることになりませんか。
#156
○花岡政府委員 御指摘のとおり、公営競技の収益金が多額な施行団体と一般の地方団体との間では、財政上かなりの格差を生じております。したがいまして私ども、従来から公営企業金融公庫納付金制度を設けるとともに、特別交付税の算定に当たりましてこれを減額項目にするとか、あるいは地方債の配分に当たりましても調整措置を講ずるというふうなことをいたしまして、この公営競技収益金の均てん化等の措置を行ってきておるところでございます。
#157
○岡田(正)委員 それでは、これは具体的な話になりますけれども、例えば埼玉県の戸田市のように、市の財政規模に相当する規模の公営競艇事業による収入があり、このため国民健康保険の本人負担三割、これは全国一緒でありますけれども、ところがこの戸田市におきましては本人負担なしであります。全市民十割給付であります。
 御承知のように、全国の一般の団体は三割本人負担、つい最近、昨年十月から始まりました健康保険の一部改正によりまして、サラリーマンの皆さんでも本人負担一割ということが実施されておりますのに、埼玉県の戸田市は国民健康保険はただであります。(「けしからぬ」と呼ぶ者あり)けしからぬとは言いませんが、しかしながら、余りにも大きな不公平というのはどうかと私は思うのです。それでこのことを、単独事業としてそういう本人負担ゼロの事業を行っておるのでありますが、このような医療給付という国民生活の基本にかかわり、全国民に均一の処遇が求められるような問題について、財政力が豊かであるという理由で地方自治体が付加給付を行うということは認められるのですかね、いかがですか。
#158
○花岡政府委員 国民健康保険法の第四十三条というのにこの規定がございますが、「保険者は、政令の定めるところにより、条例又は規約で、第四十二条第一項に規定する一部負担金」、これがいわゆる三割分でございますが、「一部負担金の割合を減ずることができる。」国民健康保険法施行令第二十八条では「保険者は、一部負担金の割合を減ずることによって国民健康保険の財政の健全性をそこなうおそれがないと認められる場合に限り、一部負担金の割合を減ずることができる。」こういう規定があるわけでございます。そういう意味におきまして、厚生省におきましても給付水準の引き上げを行うことができないとの解釈はとっておらないわけでございます。
#159
○岡田(正)委員 それでは、これは戸田市が単独事業で国保健康保険の給付という事業をやっているわけですね、地方単独事業でやるというのならいかなる事業をやってもいいのか。現行の制度では一体どうなっているのですか、
#160
○花岡政府委員 各地方団体が地域の実情に応じて実施いたします単独事業につきましては、一般的に申しますと、地方団体が住民の意向を的確に把握するように努めまして、その施策の必要性とかあるいは行政効果とか財政の状況、あるいは後年度におきます財政負担と財源確保の見通し、また国の施策の動向等を総合的に勘案いたしまして施策の選択を行っていかなければならないというふうに考えております。この場合におきましても、国の政策に反するとかあるいは他の団体の財政に累を及ぼすことのないようにしなければならないわけでございますが、施策の施行に当たりましては、最小経費で最大の効果が上がるような方法を採用して実施に当たるべきものであるというふうに考えております。
#161
○岡田(正)委員 そこの、終わりから三行目ぐらいをもう一遍言うてくれませんか、他の団体に何とかかんとかというのを。
#162
○花岡政府委員 これは地方財政法にある規定でございますけれども、地方団体の施策というものは国の施策に違背してはならない、同時に他の地方公共団体の財政に累を及ぼすようなことをしてはならないという規定がございます。
#163
○岡田(正)委員 また後で――。
 全国民共通の問題としてナショナルミニマムの確保が要求されているものでありますが、地域の独自性にゆだねられるものと区分する必要があるのではないのでしょうか。例えば今のように本人の負担割合は、全国民は大体法律で三割負担しなければならないということになっていますが、ここにおいては完全に三割、もう全額を市が受け持っておる、こういうようなことが、今おっしゃった国の施策に沿った単独事業であること、そして他の団体に影響を及ぼさざるよう配慮することというようなことを考えたら、これは完全にぴたんとはまりませんか。
#164
○花岡政府委員 地方団体は、やはり単独事業を執行いたします場合には、その地域の実情に応じまして自主的にみずからの責任において地域住民の福祉の向上を図る必要があるわけでございまして、おのずからこの施策の内容というのは地域によって異なってくるわけでございます。しかし、全体として見た場合には、この行政水準というものは全国的に見て合理的かつ妥当なものでなければならないというふうに考えておりますし、先ほど申し上げましたように、国の施策の動向等とも整合性のとれたものでなければならないというふうにも考えておるところでございます。
 こういうことから、自治省といたしましても、地方財政計画の上に、地方団体が必要とします財源を確保し、また、交付税の配分に当たりましても、個々の団体の財政運営に支障のないようにいたしておるところでございます。
 ただ、先ほど御指摘のございました国民健康保険に関しましては、法律の規定によってそのようなことが認められておるわけでございますので、私どもが申しております地方財政法の一般的な財政の基本と申しますか、これに抵触するものではないということと思いますけれども、ただ、やはり現在厳しい財政状況のもとでございますし、各地方団体は皆さん御苦労願っておるわけでございますので、現在の財政運営におきましては節度のある財政運営をしていただきたいというふうに考えております。
#165
○岡田(正)委員 今のようなアンバランスな公営競技の収益金は、地方団体の間で財政上の均てん化を図れという声が周辺の市町村から出ておりますね。いわゆる公営賭博というのですか、そこに行くのはその町の人だけなら構わないですね。だけれども、みんなよその町からどんどん入ってくるわけですから、各地方自治団体の間で均てん化を図るという必要があるのじゃないのか、そのために自治省ではどのような方針を考えていらっしゃいますか。
#166
○花岡政府委員 公営競技の経営といいますものは、最近悪化の傾向にあるとは申しましても、やはり依然として巨額の収益金を得ている団体があるわけでございまして、厳しい地方財政事情のもとで、この公営競技収益金は一部施行団体に偏在しておるというふうな状況になっておるわけでございます。
 御指摘のように、多額の公営競技収益金を得ている施行団体とその周辺とではかなりの格差を生じてきておるということから、現在公営競技を施行しておる団体におきましても、その一部には、近隣市町村との話し合いによりまして地域ごとに均てん化を行っておるという事例も見られるわけでございます。また、従来から自治省といたしましても、この公営競技の施行につきまして一部事務組合化を進めるというふうなことで、施行権の均てん化も推進しておるところでございます。
 さらに、先ほど申しましたように、全国的な均てん化措置といたしまして最も有効な仕組みであると考えております公営企業金融公庫納付金制度につきまして、この六十一年度以降の延長拡充を内容といたします地方財政法の改正の御審議をお願いしたところでございます。
#167
○岡田(正)委員 今回の地方交付税法の一部改正におきまして、公営企業金融公庫納付金制度を当分の間延長し、かつギャンブル収入から公庫へ納付する率を一%から一・二%に上げる措置を講じましたが、納付率を一・二%じゃなくてもっともっと引き上げていくという考えはないのでありますか。
#168
○花岡政府委員 この公営競技納付金の納付率につきましては、最近の公営競技の経営が悪化しているという事情もございまして、関係各省庁とこの問題で折衝いたしました。私どもはもっと引き上げたいということで提案し、説明をしたわけでございますけれども、大変困難な折衝であったわけでございます。
 これは十年前におきましてもやはり引き上げをいたしましたけれども、このときも大変難航した経緯がございます。それぞれ各省庁の所管されております競技でもございますので、この辺、協議が非常に難しいということで一・二%にとどまったわけでございます。そういったことで、ここ当分はこれでいかざるを得ないのではないかと考えております。
#169
○岡田(正)委員 公営競技を持っている自治体の中で、公営競技の永久開催権を持っている自治体とそうでない自治体の数は一体どうなっていますか。
#170
○花岡政府委員 昭和六十年度に公営競技の開催権を持っております団体は、延べ数で四百八十二団体でございます。このうち指定期限のある団体が延べ二百八十九団体、法定のものあるいは大臣指定を合わせまして、期限のない団体が延べ行九十三団体ございます。この施行期限のない延べ百九十三団体のうち、法律上永久開催権が認められております団体が道府県で延べ三十団体、オートレース施行市町村が六団体の延べ三十六団体、指定の際期限を付されていない団体が延べ百五十七団体となっております。
#171
○岡田(正)委員 この公営競技の永久開催権の問題についてどのように考えておられますか。将来これを廃止する方針なんですか。いかがですか。
#172
○花岡政府委員 先ほど申し上げましたとおり、都道府県及びオートレースを施行する市町村につきましては法定されておりまして、将来これを廃止するということにつきましては、基本的にはその施行団体の判断によらなければならないというふうに考えております。
 期限のない大臣指定を受けております市町村につきましては、小型自動車競走法以外の各競技法とも、これは制定の当初におきましてこの期限に関する規定がなかったわけでございます。それで期限を付することなしに指定を行っていたわけでありますが、その後期限に関する規定が明文上定められたわけでございますので、それ以降期限を付して指定することとなったわけでございます。なお、競馬につきましては、施行市町村にはすべて期限が付せられております。
 大臣指定の期限のない団体につきましては、永久開催権が法律上保証されているようなものではございません。指定の理由がなくなったと認めるときあるいは指定後一年以上引き続き公営競技を開催しなかったときには、この大臣指定の取り消しが行われるまでは継続して開催することができるというものでございます。
 ただ、実際問題といたしまして、この指定理由消滅の判断というのは極めて難しい問題がございます。今後指定期限のない団体につきましても、ケースによりましてはその取り扱いを検討しなければならないのではないかというふうに考えているところでございます。
#173
○岡田(正)委員 これは私の勉強の範囲が狭いのかもわかりませんが、大体この公営ギャンブルをやっておる町というのは、戦災の復興資金を得るためというのがたしか目的じゃなかったかと思うのですね。それ以外に理由はなかったはずだと思うのですよ。政府がギャンブルを公にやれ、ばくちをやれと言うてそんなこと推奨するはずがないと常識的に思っておりますが、間違っておりますか。
#174
○花岡政府委員 各競技法の目的によりますと、例えば自転車におきましては、自転車の改良、増産、輸出の増加、国内需要の充足に寄与するとともに、地方財政の増収を図るため、この法律により自転車競走を行うことができるというふうなことでございまして、特に戦災復興には限っていないような表現になっておるわけでございます。
#175
○岡田(正)委員 それは一体何年にできましたか。
#176
○花岡政府委員 この自転車競技法は昭和二十三年でございます。
#177
○岡田(正)委員 それは、いやしくもお上がばくちをお許しになるのでございますから、何か名目をつけなければいかぬのでありまして、自転車の関係だったら、自転車の普及、発達、振興、産業の発展、ひいては地元への奉仕というようなことなんかがないと格好がつかぬからそういうものを書いておるだけであって、実際に私どもが受け取っておるのは、戦災復興をするために金がない、そんなものを税金で特別に、戦災を受けた、人数も少なくなった町でどかんとした税金を取ることができぬので、やむを得ずギャンブルをやるならやってもよろしいというのでそれをゆだねたということを聞いております。
 ところが、目的はもう終わりにしまして次に進ませてもらいますが、実は、公営ギャンブルをやっていらっしゃる町があるために、随分付近の市町村というのはひどい目に遭っているのですよ。被害が大きいですよ。他の団体への影響というのは大変大きい。
 それは例えばどういうことにあるのかといいますと、給与がそうでしょう。何を言うんだ、うちの町には市税収入と同じ金額の収入がギャンブルであるじゃないか、お金がないのなら給与を上げてくれと言ったってそれは無理だけれども、金はあるんだから給与を上げてくれ、ボーナスを上げてくれ、手当を出してくれと言って、どんどんつくっていった。調べてごらんなさい、今の地方公共団体のあのラスパイレス指数が平均一〇六・七になった理由。そして諸手当が何十もあるという、甚だしいものになると、窓口で市民に接触する立場にありながら不快手当を出すという、市民にお目にかかるのが不愉快である、したがって手当を出す。私ども、それはほんまかいなと言って耳を疑いたくなるようなまことに紛らわしい手当が、出さぬでもいいようなものがもう何十と出ております。そういうものも付近へ及んでいく。人員も、ゆとりがあるからどんどん人を雇うというようなことで、いわゆる市町村財政が硬直化に向かっていった一番大きな原因というのは、すべてとは言いませんが、そこら辺にも一つはあるのではないかと私は見ているのですが、どう思われますか。
#178
○花岡政府委員 確かに御指摘のように、私どもも、公営競技の団体の収益状況とラスパイレスと全部比較して見たこともございます。こういったことなり、あるいは最近テレビでもよく出ておりますが、庁舎の問題があるわけでございますけれども、こういうふうな事情もありまして、私ども、今回の納付金の引き上げにつきましては各省庁に御理解を願ったわけでございますけれども、各省庁におきましてそれぞれ納付金を各施行団体から得ておるわけでございまして、これとの関連におきまして非常に均てん化が難しい。各省の主張によりますと、各競技の収益によりましてこれを地方団体、いわゆる競技をやっていないところに還元をしておる、したがって均てん化はやっておるではないかというふうな反論もあるわけでございまして、納付金率の引き上げには非常に抵抗があったわけでございます。
 例えば広島県の宮島町あたり、これは基準財政需要額の四〇〇%というふうな収益のあるところもございます。こういうふうな団体がございますと、確かに県の行政そのものを市町村に浸透させるにも非常に難しい点があろうということは十分承知しておるわけでございまして、こういったことの均てん化につきましてはできるだけ進めてまいりたい、いろいろな方法を講じまして、各団体の納得を得ながら進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#179
○岡田(正)委員 これは局長さんもよく御存じのことでありますから、こういう席ですから私は名前は言いません。名前は言いませんが、今おっしゃられたように、とにかくその町の四倍の収入が別途にある、ギャンブルで入ってくるような町とか、その町の財政と全く同じだけの金額が毎年入ってくるようなでっかい町が、均てん化してもらいたいということに対して一体どのくらいの協力をしておるだろうかということを考えると、それはいろいろな理屈もあるのでしょうけれども、とにかく今私が言った、名前を言わないその○○団体二つの年間収入だけでもまず六十億は下らない。六十億は下らないのに一億五千万です。その一億五千万のうち一億円はいまだ入ってきておるのかどうかよく知りません、確認しておりません、というような状態でありまして、付近の市町村、特に県の立場に立った知事さんなんかの悩みというのはもう大変なものでございます。他の団体に大変な影響を及ぼしておる。
 ですから、ぜひともひとつそういうことを念頭に置いて、今の行革問題でしきりに取り上げられておるのはこういう給与の問題、ボーナスの問題、手当の問題、人員の問題じゃないでしょうか。諸悪の根源とまでは言いませんが、そういうものがここにあるということを考えたら、私はもっと真剣にこの問題に取り組んでいただきたいと思っておるのであります。
 それから、なぜそれを言うかといいますと、ちょっと日にちは忘れましたが、たしか昭和三十年ごろじゃないでしょうか、全国の市町村団体が税金を取るのに随分段差があるというのか、落差があるというのか、ここの町に住んでおって、道路一本隔てたら同じ収入、同じ家族で一年間に背広が二着違う市民税というようなことはもうざらにございましたね。
 それで一番顕著なのは東海村でしたね。あれは顕著だったからいまだに覚えているのですよ、ばかの一つ覚えで。あの東海村というのは、原子力研究所、あれができたものですからごってりと金が入るようになった。ですから学校はたちまちのうちに全部鉄筋コンクリート、全国に先駆けて立派なものになり、さらに、村民の皆さんから税金を取ったんじゃ使いようがないわけですね。その固定資産税だけで余ってしまうわけですよ。何ぼ村だといったって橋の道路のというのは限られておるわけですから、道路改良やっても、学校建てても、公民館建てても、もう金の使い場がない、そこで税金を取らぬことにしようということが全国紙に載ったことがありますね。それでとうとう一年間に均等割の百円だけいただきます、あとの税金すべてただ、これは日本一だったですね。それで自治省が慌てて現地に飛んで、そんなこと言わんとほかの関係の団体への影響があるから何とか少し取ってくれ、全然取らぬということはいかぬと言うて一生懸命口説いた。こういううれしいぜいたくな話があるのですね。
 こういうようなことはめったにある話じゃありませんけれども、公営ギャンブルというのは、今おっしゃるように開催団体からいいますと全部で約四百くらい団体があるのでございますから、やっているところとやっていないところというのはひどいものですよ。それはもうお隣の町は金があるからねえ、うちはしようがないねという、住む町が違うことによって情けない思いをしておる町は随分あると思うのです。そういうのを全国的な立場に立って処理をしていただくというのが自治省の役目じゃないでしょうか。ひとつ大いに頑張っていただきたいと思う次第であります。
 次に地方行革大綱の問題についてお尋ねをいたします。
 各自治体の行政改革推進本部、行政改革推進委員会の設置状況は一体どうなっておりますか。まだ未設置の自治体があるのでしょうか。あればその数を教えてください。
#180
○大林政府委員 先般各地方団体にお願いをしました体制づくりにつきまして、現在各県別にお話を伺っておる最中でありまして、まだ全部まとまっておりません。
#181
○岡田(正)委員 各地方自治体はことしの八月末で三カ年計画の行革大綱案をまとめて、住民への公表と知事や自治大臣にこれを報告することになっております。行革大綱案をまとめない自治体が出てきた場合これにどう対応するのか、その前には公表するということもあり得るのか、決意のほどをお聞かせいただきたいのであります。
#182
○大林政府委員 要は、できるだけ速やかに体制なり大綱をつくっていただいて、地方団体が全体として行革に取り組むという姿勢を示していただくことを願っておるわけでありまして、八月末にそれまでの取りまとめた状況というものを、県は大臣へ、市町村長は知事の方へと報告をお願いをすることになっております。その結果につきましては適当な時期に、取りまとめができました暁に公表をいたしたいと考えております。
#183
○岡田(正)委員 各自治体から出されました行革大綱案について、自治省はそれをどう取り扱っていかれるのですか。単にああ来たかと報告を受けるにとどまるのでありますか。
#184
○大林政府委員 本来行革の内容そのものは、各地方団体がその地域の実情に応じて自律性を発揮して行うべき性格のものでありますけれども、その行革大綱について報告をいただくというのは、今後の行革指導の一つの材料として報告をいただくことであります。
#185
○岡田(正)委員 三カ年計画に基づく行革大綱案の実施状況をどのようにしてフォローしていかれるおつもりですか。
#186
○大林政府委員 行革大綱をお願いした際の次官通知にも、三カ年間の行革計画の進捗状況につきまして定期的に報告をいただく、こういうことでフォローしていきたいと考えております。
#187
○岡田(正)委員 これは三年まとめてどんと報告せいということではよもやないのでしょうね。一年ごとだと思いますが、いかがですか。
#188
○大林政府委員 私どもも、定期的と申しますのは、現実の問題といたしますれば、必要の都度御報告をいただくということもございます。
#189
○岡田(正)委員 行革大綱案において、行革に真剣に取り組む自治体とそうではない自治体とがあった場合、自治省はこれにどう対応していかれるおつもりですか。地方交付税の配分、地方債の発行などの点で配慮することがあり得るのでしょうか。
#190
○大林政府委員 行革大綱そのものが一つの行政指導としてお願いをしておるわけでありますので、行革大綱に直接関連して財政上の措置その他のことは考えておりません。
#191
○岡田(正)委員 自治省は地方行革大綱において、会館など公共施設の管理運営の民間委託を求めておられますね。この場合、地方自治法第二百四十四条の二の第三項の規定に反するということになりませんか。
#192
○大林政府委員 公の施設というものは本来住民の福祉増進のため、利用に供するために設置をするというものでございますので、いわゆる一般の普通財産と違いまして利用の公平というものが非常に重要視される、こういう趣旨から、現在御案内のように、委託をする場合には公共団体あるいは公共的団体というものに委託の範囲が限定をされております。したがいまして、そういう団体でない純然たる民間団体に委託するということは現行制度上許されません。
#193
○岡田(正)委員 公共団体または公共的団体以外の純然たる民間団体への委託は、今の御答弁では本当に可能でしょうか。
#194
○大林政府委員 民間活力というものを進めるための一つとしまして、民間に公の施設を委託する場合にも、今の委託先の範囲をどう考えるかというのが今後の問題であろうと思います。純然たる民間団体に委託することが適当なのかどうか今後の一つの検討課題であるとは思いますけれども、現在の段階の私どもの感じといたしましては、公共的団体というものは現行制度でも委託ができるわけであります。公共的団体というのは極めて範囲が広いわけでありまして、現実の問題としては、現在の公共的団体に委託をしておる団体において、それ以外に純然たる民間団体に委託する必要性というものがどういうものについてあるのか、余り具体的な問題としては上がってきておりません。一つの今後の検討課題ではございます。
#195
○岡田(正)委員 これで最後の質問にさせていただきますが、公共施設の管理運営の民間委託を本当に進めていくとするならば、地方自治法第二百四十四条の二の三項の改正が必要となってくるのじゃないかと私は今から心配をしておるのでありますが、必要ございませんか。
#196
○大林政府委員 つまり委託先の範囲をどうするかという問題でございますけれども、先ほどお答え申し上げましたとおり、仮に委託先に純然たる民間団体というものを考える場合には、どういう場合にどういう理由でそういう必要があるのかというところから勉強していくことになろうかと思いますが、現在の段階でそういった必要性があるという声は地方の方からは出ていないわけであります。今後の勉強課題と存じます。
#197
○岡田(正)委員 大変ありがとうございました。
#198
○高鳥委員長 経塚幸夫君。
#199
○経塚委員 私は、今いろいろと問題になっておりますVDTの導入問題について絞ってお尋ねをいたしたいと思います。
 地方行革大綱の中でも、OA化の問題については自治省の方は積極的に推進をする、こういう姿勢をとっております。VDTの機器の国内生産高、これは日本電子工業会の調べによりますと、一九七九年が十万台、八三年が実に百三十五万台、四年間で十二・五倍に上っております。同じく日本電子工業会の推測としては、一九九〇年には労働者一人に一台の時代が来るであろう、こういう予測もされております。
 そこで、まず最初にお尋ねをしたいのですが、全国の地方公共団体でこのOA機器の利用状況、VDTの導入状況でありますが、これはどういうふうになっておりますか。
#200
○石山(努)政府委員 自治省といたしましては、地方公共団体におきます電算機の利用の概要を明らかにいたしますために、毎年電算機の利用状況調査を実施いたしておりますが、御指摘のVDTにつきましては、いわばその機器の一部を構成するものでもございますので、VDTを取り上げてその導入について調査をこれまでいたしたことはないわけであります。
 なお、地方自治情報センターという団体がございますが、この団体が昨年度、コンピューター利用団体を対象に、抽出でございますけれども調査をいたしまして、「コンピュータ関連機器の使用に係る労働環境等について」という報告が出されております。調査の依頼団体数五百二十三に対しまして回答団体は三百九十四、回収率は七五・三%でございますが、これによりますと、利用台数が九千九百八十七台、一団体平均にいたしますと約二十五台、それからVDT作業に従事する職員の数は四万八千四百八十人、一台当たりにいたしますと、職員の数が五人弱というような状況になっております。
#201
○経塚委員 これは自治省の情報管理官室、五十九年十月、これはパソコンが五十八年と比較すると五十九年が団体数で約二二倍になっています。台数で約二・一倍ですね。ワープロは団体数にしますと三・九倍、台数にすると五・二倍になっておりますね。いずれにしても、今の御回答にもございましたように、作業従事者が四万八千四百八十人、特にここ二、三年内かなり急増していると思うのですね。
 そこで、自治省の行革大綱の中にも、十分な検討の上この導入を図ることということになっておりますが、どうですか、全国の自治体の中でVDTの導入あるいはこの作業従事による健康障害は出ておりますか、出ておりませんか。
#202
○中島(忠)政府委員 先生が御心配されますように、VDTの導入に伴いまして労働者に健康障害が出てはならない、それを予防するためにいろいろな施策をしなければならないということは、我々もかねがね気を使っているところでございますが、現在のところ、その健康障害というものが地方団体の当局に対して申し立てられたという事例は聞いておりません。
#203
○経塚委員 申し立てられたという状況は聞いておらぬということでありますが、健康への影響調査はしておりますか。
#204
○中島(忠)政府委員 先ほど石山審議官の方から御答弁申し上げた中で、自治省の関連団体でございます地方自治情報センターというのがございます。そこで調べました労働環境についてというのがございますが、それを読みますと、「目が痛い」とかその他「肩がこる」とかいうことで異常を訴えておるという事例は報告されております。
#205
○経塚委員 報告されておるということですが、各自治体が実態調査をされているのですか。
#206
○中島(忠)政府委員 VDTの導入状況というのが全国の地方団体の中では非常にばらつきがございますし、また、その利用をしておる職員というのも専任もおれば非専任もおるという状況でございますので、全国調査というのはいたしておりませんが、私たちは、先ほど申し上げましたような趣旨から、自治省の関連団体である地方自治情報センターに抽出調査をしていただいて、その抽出調査の結果、おおよその傾向というものは把握できたと考えております。
#207
○経塚委員 情報センターに内治省が調査を委託されたのですか。
#208
○中島(忠)政府委員 委託をしたわけではございませんが、情報センターと連絡をとりながら情報センターでやっていただいたということでございます。
#209
○経塚委員 これは委託しておらぬわけでしょう。あたかも委託したかのような答弁をされたら困りますね。
 作業時間については調査されましたか。日平均連続でどれくらいの作業時間になっておりますか。
#210
○中島(忠)政府委員 先ほど申し上げましたように、全国の調査というのはいたしておりませんが、その地方自治情報センターの抽出調査では作業時間というのが出てきておると記憶しております。
#211
○経塚委員 自治省がどうされたかということを聞いているのですから、情報センターの情報を聞いておるのじゃございません。
 環境については調査されましたか。
#212
○中島(忠)政府委員 先ほど申し上げましたような趣旨で、そういう機器の導入に関する労働環境について、一切地方自治情報センターの方で調査をしていただいておるということでございます。
#213
○経塚委員 だから聞いているのですよ。情報センターに自治省が依頼されたのですか。自治省の主導権で本来やるべきところを情報センターに自治省が公式に依頼されて、依頼される以上はどういう調査をしてくれということを項目を決めなければなりませんが、情報センターがやっていることをあなたの方で聞かれたのですか、依頼されたのですか、それはどうですか。
#214
○中島(忠)政府委員 自治省が直接調査をするかしないかということはさほど重要なことじゃないというふうに考えております。要は、地方団体における実態が把握できればいいという認識でございます。
#215
○経塚委員 これは極めて重大な部長の答弁だと私は思うのですよ。自治省が調査するかしないかはさほど重大な問題でないという認識にあなたは立っているのですか。今の答弁ではそう受け取れますよ。私は、自治省が今改めて調査しなければならないほどの重大な問題が起きておるのじゃないかと判断をするから、自治省の責任で調査をやっているのかやっていないのかということを聞いておるわけでありますが、自治省が調査をするかしないかはさほど重大な問題ではないというこの認識は承っておきましょう、これは極めて重大な問題でありますから。
 それでは、もう一点お尋ねいたしますが、導入に当たって安全衛生委員会あるいは職員団体との事前協議をされた団体の数は、VDTを導入しておる地方自治体の中でどれくらいのパーセントを占めておりますか。
#216
○中島(忠)政府委員 導入に当たりましてというか、導入するかしないかということを安全委員会あるいは衛生委員会あるいは職員団体というところと協議したかどうかということを調査いたしておりませんが、導入するかどうかということは、事務の処理について最終責任を持っておる地方団体の長が諸要件を考慮しながら最終的に判断すべき問題だと考えております。導入に伴いまして労働者の労働条件が変わってくる、その変わってくる労働条件のあり方について、職員団体の意見を聞きながら適正な労働環境を確保するために努力しなければならないということは当然だと考えております。
#217
○経塚委員 これも事前に協議をしておるかそうでないかということについて、自治省は調査もしておらなければもちろん把握もしておらない。
 ちょっと大臣にお伺いをいたします。
 今、公務員部長の答弁は極めて重大な答弁で、VDTを導入しておる各自治体がこのことを聞いたら、あるいは職員がこのことを聞きましたら、自治省というのは一体どんな姿勢で行革大綱でVDTの導入、OA化の促進を推進しておるのか疑わざるを得ないと思いますので、以下の質問を進めるに当たっては極めて重大な問題でございますので、大臣の所見をお伺いしておきたいと思うのです。
 といいますのは、明らかに健康障害がいろいろと出てきておる。労働省もお見えになっておりますが、昭和五十七年はVDT導入による労災の申請あるいは認定等はなかったわけでありますが、五十八年は、これは労働省の調査によりますと、請求が五件、五十九年度は請求が四件、改めて労働災害問題としてVDTの問題が今出始めてきております。しかし、その背景には潜在的なそういう状況が随所に出ておるのですね。
 これは「日経コンピュータ」、VDTの専門誌でありますが、一九八三年、二年前に五千人の読者を対象にアンケートをとった。これは三人に二人が目について、十人に四人が首の筋肉の問題について、長時間画面を見ていると、終業時に見えるものがピンク色になる、こういうことも報道されて問題になりました。それから労働安全衛生研修所の調査によりますと、同じくそういう健康障害、自律神経症との間には相関関係があるという判断が出ております。
 さらに、これは大阪府下の守口市、ここは住民基本台帳だけではなく印鑑登録についてもVDTの機器を導入して始めるということで、これは関西でトップなんです。この市民課の方ではもう約五〇%がVDTの作業に従事するという状況がありまして、ここで健康の実態調査を急いでやらなければならぬ、いろいろ障害が出てきた、こういうことで京都府大に委託をして調査をいたしました結果、機器を使用しておる者と使用しておらない者との差が歴然と出てきた。例えば目の問題については、使用していない者で四三%、しておる者で六五%。肩、首の問題については、同じく三五%に対して六〇%。これは一市だけの問題じゃございません。
 労働省、既に調査しているのですね。労働省の調査によりますと、目の場合でありますが、機器を使用しておらない者は三六・五%、使用しておる者は五八・五%、こういう数字も出てきております。これは以下、肩だとか腕などに対する影響も、いろいろと数字の違いが出てきておりますね。
 だから、VDTの導入に伴う健康障害というものは、もう民間の企業であれ労働省の調査であれあるいは自治体の調査であれ、これは歴然なんですよ。こういう実態を自治省が掌握もせずにおいて、それで行革大綱でもってOA化の積極的推進、これのみを打ち出すというのは、私はちょっと無責任だと思うのです。最初に申し上げましたが、この進展の推移から見れば、いわゆる九〇年代には労働者一人に一台のVDTが導入されるであろうとさえ言われておる時代なんですから、やはり転ばぬ先のつえなんです。芽のうちに自治省も実態をよく掌握して、それに対してどういう対策をとるかということにつきましては、これは確かに暗中模索の面もあろうかとは思いますけれども、何はさておいて、職員の協力のもとに円満なOA化を推進しようと思えば、前提条件としてやはり自治省が先頭を切って推進を促進される以上は、実態調査についてもその責任をとるべきだと思うのですよ。情報センターでやっておりますから、そこの情報を聞きましたから――しかも重大なことには、自治省がその指導をするかどうかについては、調査をさせるかどうかについてはさほど重大な問題でないというのはどういうことですか。まことにこれは姿勢としてはけしからぬ話だと思うのですよ。これは大臣の答弁を求めます。
#218
○古屋国務大臣 恐らく、今の公務員部長の話はちょっと一行抜けておったかもしれませんが、行革でOAを推進しております。VDTの導入についても、地方自治体では相当使っておりまして、普及すればするほど健康状態というものが一番大切な、関心を持っている問題だと考えております。したがいまして、そういう問題につきましては、地方団体のそういうような状況を、直接いたしますかあるいは関連団体に調査させますか、そういうふうにして十分に把握していく必要があると私は考えております
#219
○経塚委員 今、大臣の方から、十分把握するようにあるいは調査もするように、こういうことでございました。私は、これは当然だと思うのです。各省庁、VDTがたくさん導入されておりますが、これは人事院だってやっているのですよ。自治省は一体何を考えているのかと言いたくなるわけですね。
 労働省は、まあこれは不十分とは言いながら一つのガイドラインも出して、ここに健康問題も入っているわけでしょう。労働省のガイドラインの「導入」という項目にこう書いてありますね。「事業者は、VDT作業を新たに職場に導入しようとするときには、衛生委員会等を中心として、それが導入された場合の作業態様、作業編成、作業環境等が作業者の健康に及ぼす影響について予測、評価し、それを、環境管理、作業管理又は健康管理に関する具体的対策に反映させるとともに、」云々とあるわけですね。こういういわゆる指示も出しているんでしょう。公務員部長、これは読んでいるのですか、疑わざるを得ませんよ。
 そこで、以下お尋ねをしておきますが、大臣は掌握をするようにということでございますので、まず、健康問題の掌握と同時に、大事な問題は、特別健診をやらせるべきだと私は思うのです。一般健診だけでは実態の掌握には極めて不十分です。
 私、目黒区へ参りました。ここは全国的にも導入も先行しておりますけれども、対策も、いわゆる区の側と受け入れる職員の側と安全衛生委員会を中心にしていろいろと煮詰めた協議をやっておるということで、大変模範的なところだと言われておる。これも行ってびっくりしたのですが、自治省が来ておらぬのですね。労働省などは現場の視察に行っておるのですね。それで、自治省は何かひょっとしたら電話くらいで問い合わせあったのと違いますかというようなことを言うておりましたけれども、全国三千余の自治体を抱えて、ここでどんどん導入されておる、しかも自治省がそれを推進しておる立場にあって、全国的に視察が絶えないという目黒区はおひざ元でしょう、すぐ飛んで行けばわかることなんです。
 ここへ行っておらぬということでありますが、ここでは特別健診の項目をつくりまして健診を進めております。これにつきましても、これは一般健診じゃ不十分でありますから、特診をやらせる必要があると思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#220
○中島(忠)政府委員 言葉が足りなかったのでもう一度一言申し上げさせていただきますけれども、私たちの方では、地方自治情報センターで調べました結果というものを把握いたしますと、これから地方団体を指導するに当たって重要な参考資料が得られたという意味で申し上げたのでございまして、その点は御了解いただきたいと思います。
 なお、先生が今お話しになりました特別健診というのは、これから地方団体がVDTを導入するに当たりまして、関係労働者にそういうような労働障害が起こらないように、私たちの方ではそういう特別な健康調査をするように地方団体の方を指導してまいりたいというふうに思います。
#221
○経塚委員 私は自治体も幾つか調べたのですが、特別健診の場合でもいろいろありますので、目黒区の場合、項目を見ましても、他の自治体でやっておる健診とは比較にならぬほどの健診をやっております。項目にいたしますと、大きな項目で約八項目ですね。これはぜひひとつ資料を取り寄せて、自治体のこれからの特別健診のサンプルにするように指導していただきたい。
    〔委員長退席、平林委員長代理着席〕
 環境問題についてお尋ねをしたいと思いますが、先ほどの御回答では、これも余り掌握をされておらないようであります。参考までにこの資料について申し上げておきたいと思うのです。
 大阪府の守口で調査した際に、部屋が暗すぎるというのが約二九%、それからほこりっぽいというのが四八・七%、大変仕事がしにくい環境だというのが合わせまして五四%。目黒の場合は、部屋が狭過ぎるが四八%、暗すぎるが三三%、専門家が調査をいたしましたところ、照明度の不足が約八割に達するだろう、これは導入前の調査なんですね。八割に達しておる。VDTの機器そのものについても、文字が小さいが三六%とか、ちらつくが三五%等々出ております。
 特に重要だと思いましたのは、今国の各省庁、自治省はどんな机やいすを使っておるのか私、一回見せてもらいにいこうと思っていて、時間がなくて大変残念ですが、この後でもまた一回現場を見せてもらいたいと思っているのですが、固定した机の上へ置いているんじゃないですか。機器とセットの五脚のいすを置いているところはいい方ですな。石炭箱の上へ――このごろ石炭箱という言葉は余り使わぬかもわかりませんが、そういう木箱の上に置いてやっていたところもあったわけでありますが、まあ、もっといいのを使っておりますか、自治省は。部長は笑っているから、いいのを使っているのか、悪いのを使っているから笑っているのかちょっとわかりませんけれども、これは、専用机といすを使った場合とそうでない場合との異常の差を、一日じゅうビデオで専門家が撮って後で統計を出しているのですね。専用の机といすを使った場合は異常が三割でありますが、固定机の場合は四八・六%、こういう差が出ておるわけですね。
 したがいまして、この環境、どういう作業環境なのか、改善の余地があるのかないのか、このこと自体が健康問題に直結をするわけでありますから、導入に当たっては、既に導入されておるところもそうでありますが、これはやはり調査をする必要があるんじゃないかと思うのですよ。この調査の結果でも、ほこりっぽいとか作業がしにくいとかいうのが四割から五割出ておるわけですからね。どう改善をするかということは、いろいろ予算も伴うことでありますから対策は検討しなければならぬとは思いますけれども、これも少なくとも調査をする必要があると思うのですが、その点はどうですか。
    〔平林委員長代理退席、委員長着席〕
#222
○中島(忠)政府委員 先生が今お話しになりました作業環境といいますか、VDTを使用するときの周囲の条件というものが労働障害に非常に大きな影響を持っておるというのは、先ほど私が申し上げました情報センターの分析によりましても出ております。照明のぐあいとか、あるいはまた机とかいすが調節可能なものかどうか、あるいはまたVDTの画面上のフィルターをつけるとかつけないとか、そういうことが労働障害の結果に大きな影響を与えておるということが出ておりますので、私たちはそういうデータに基づきまして、導入するに当たりましては、今先生が御心配になられましたそういう点に十分留意するように指導してまいりたいというふうに考えます。
#223
○経塚委員 作業時間、これは最も重要な問題でありますが、これも自治省としては直接実態を掌握されておらないようであります。私が調査いたしましたところ、これはある市でありますが、三時間以上の使用が五七・五%という随分高い数値が出ておるのですね。専門家の調査によれば、作業に従事する時間と健康障害が出てくるのはやはり並行しているわけですね。一時間よりも二時間、二時間よりも三時間ということでありますが、三時間を超えると急激に健康の障害がふえていく、こういう結果も出ております。
 それですから目黒の安全衛生委員会の申し合わせ、さらに職員団体との協定では、作業時間については四時間と限定しながら、当分はその影響を調査することを含めて三時間にとどめる、こういう協定になって今作業が進められておるわけですね。労働安全衛生研修所の調査によりましても、一日四時間以上の常時作業従事者は常時疲れておる、疲れがとれるいとまがないと回答したのが五〇%、連続二時間以上の場合は四〇%、こういうふうに二時間と四時間との差が明白であります。
 こういう状況から見ますと、作業従事時間をどうするかということは大変重大な問題でありますが、この問題につきましても各自治体に対して、一体状況がどうなっておるのか、三時間を超えることのないようにというような一つのガイドラインを設ける必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるのですが、自治省としての見解はどうですか。
#224
○中島(忠)政府委員 一日のVDTの使用時間といいますか、その使用時間のいかんが障害に大きな影響をもたらすというのは、先ほども申し上げました情報センターの調査でも出てきております。今先生が一日四時間という話をされましたし、総評がそういう基準をつくろうとしているというか、つくったというようなことも先日新聞に出ておりましたが、一日四時間という線で見てみますと、地方団体の方を私たちの方で抽出的に聞きましたところ、九〇%以上のところが大体非専任の職員でやっておるようでございますけれども、その非専任の職員というものが一日に四時間以上VDTを使用したというのは、六・一%と出ております。したがいまして、そういうことでできるだけ非専任という方向でVDTを使用していかなければならないというふうに考えます。
 いずれにいたしましても、先生の御指摘のようにそういう時間というのが重要でございますので、VDTというものを導入したときには一日の作業時間についても十分にとにかく配慮して、労働者がそういう面において障害を受けないように留意していくように指導していかなければならないということを考えております。
#225
○経塚委員 部長、できるだけ非専任という方向でとあなたはお考えのようですが、これからは、できるだけ非専任ではなしに、多くの人が半ば専任的な形になる傾向なんです。今の状況だと導入している台数がまだ非常に少ない。先ほど私が申し上げました一つの課でもって五〇%というところは随所に出てきております。目黒の場合を例にとって言いますと、六十二年度OA化を目指しておるわけですね。最初四台から五台入れていた。そして五十九年度は一挙に百台導入、そしてこれを二百台にする。この段階でもまだ全課の中でパーセンテージは非常に低いわけです。作業従事員もまだ二割から三割ということです。しかし、六十二年度OA化、完全にオフィスオートメーション化を目指しておりますが、これになりますと、もうこれは課長であろうとだれであろうと全部VDTの作業に従事をする、こういう状況が生まれてくるわけです。
 だから、一日三時間、四時間といういわば連続的に従事をする人はする人としての一定の比率はありますが、今までは全く使っておらなかった人も従事するようになる。そして、一日一時間程度しか使っておらなかった人も、やがては二時間とか二時間半とか使用するような状況になるということで、これも全部がオフィスオートメーション化する。だれかれなしに、どの係か関係なしにVDTの作業に従事しないことには事務処理ができない、管理職も務まらない、こういう体制にいくのですよ。
 自治省の台数は、今各省庁の中で比較的少ない方ですわな、手書き作業が非常に多いというようなことで。いや、そこまでのことは考えておらぬと言うのであれば結構ですよ。しかし、行革大綱で推進しようとしている方向はそういう方向なんでしょう。九十年代には労働者一人に一台が入るだろうというようなことを電子工業会が推測をしておるという状況なんですから。だから、そういう前提を想定しながら対策を考えなければならぬと思うのですよ。
 それはそれとして、教育の問題です。教育訓練は導入に当たっては非常に重要な問題だと思うのです。全く新しい機器の作業に従事するわけでありますから、技術的な能力もさることながら、予備知識というものが非常に必要だと思う。だから、この教育問題については随分と関係方面から強調されております。
 ところが、市の名前を挙げるのはちょっと差し控えたいと思いますが、最も進んだと言われておるところで、教育を受けておらないという調査結果の回答が三八・五%であります。現に作業に従事している人ですよ。約四割近いのですね。労働省が調査しました五十八年度のオフィスオートメーション実態調査によりますと、導入に際してどんなことが重要な関心事ですかという設問に対して、教育と答えたのがトップなんですね。五三・六%でしょう。健康だとか他の労働条件もさることながら、教育というのはトップで、異常に高いのですね。これはだれしもそうだと思うのですよ。私だってそうですし、部長だってそうでしょう。あしたからVDTの前に座って作業なさいと言われたら戸惑うでしょう。教育も受けとらぬのにと言って。どこをどうたたいたらどんな格好になっていくのか、さっぱりわからぬのですからね。子供がおもちゃを使うようなわけにはいかぬわけでありますから。
 ところが先ほど言いましたように、進んだところでも教育の比重が回答の結果としては非常に低い。これは事前教育は義務づけるべきだと思うのですな。その点はどうですか。
#226
○中島(忠)政府委員 私から詳しく御答弁申し上げるまでもなく、先生がその必要性をいろいろ今お話しになられました、それと私も同感でございます。
#227
○経塚委員 この点は各自治体にぜひ義務づけるようにしていただきたいと思うのです。
 それから、これもいろいろ調査の結果が出ておりますが、中高年と婦人の問題です。四十、五十になってこういう時代の先端を行く機械を遅かれ早かれみんな使わなければならぬという状況になってきております。特に婦人の問題につきましては、総評の調査でございますが、VDT作業従事者の中で、異常妊娠が百二十三名の調査対象の中で三十人、それから異常出産が二十七名でありますから、妊産婦の中で実に四六%の異常が出てきております。この調査が事実といたしますと、これは大変な問題だと私は思うのですね。目黒でも調査しました結果、これは放置できないということになりまして、目黒区の場合は安全衛生委員会と労働団体との協定の中で、妊産婦のVDTの作業従事については特別扱いをする、こういうことで大幅な制限を設けることにしたようであります。
 それから、中高年の場合でありますが、これは労働省の調査ですね。五十歳以上で仕事について自信がない、これが男で三三%、三十歳未満の場合ですと一二%ですね。女子の五十歳以上の場合は四三%ですね。これが三十歳未満は二二%ですね。だから、女子の場合は倍ですね。男子の場合は二・八倍ぐらいになりますか、これも大変ですね。地方団体にいろいろ聞いてみますと、新規採用などもうんと控えてきているようでありますからだんだん年齢が高くなっていく、そこへもってきて、さっき言いましたように管理職も作業に従事しなければならぬということで、いろいろ不安がつきまとってきております。したがって、中高年あるいは婦人、とりわけ妊産婦の対策については、本人の健康状況あるいは希望なども入れて特別の配慮を払う必要があると考えるのですが、その点はいかがですか。
#228
○中島(忠)政府委員 このVDT作業に伴う労働障害につきましては、私も今まで若干の調査報告書に目を通してみましたけれども、その中で妊産婦に対する障害というのが報告されているのは、今先生がお挙げになりました総評の調査だけだったと記憶しております。
 そこで、妊産婦に対してどういう影響があるかということが医学的に証明されておるかどうかということが議論になっておるようでございますけれども、例えていいますと、私の記憶では、アメリカにおいてもまだそれが医学的に解明されていないという報告を読んだことがございます。なかなかそれは難しい問題でございますけれども、いずれにいたしましても、そういうような報告があるということを念頭に置いて地方団体の方では妊産婦に係る取り扱いといいますか、それを考えていかなければならないだろうと思います。
#229
○経塚委員 この妊産婦への影響は、当初は機器からの放射線の影響じゃないかということも言われておったわけですね。これはまだ定かではございませんが、目黒の調査ではその心配はない、こういう結論が出ておるようであります。しかし、一行政区の調査だけでその結論どおり受け取っていいのかどうなのか、いろいろ疑問があると思います。これは作業に従事する姿勢の問題だとかあるいは精神的な影響の問題だとか、そういうようなものが総合的に絡んでくる問題だろうと思うのです。
 これは通産省のせんだって出されました人間諸特性とVDTという章の中で、「人間の視覚機能と特徴についての検討に加え、生理的負担に対する考慮、さらに心理的機能の考慮、疲労現象についての検討、環境諸条件の適正化など各方面からの検討が必要となる。」こういうふうに言われておるわけですね。だから、そういう総合的な環境での調査検討というものが、この通産省の一定の結論からもさらに重要になってきておるというように考えられますが、いずれにしましても、部長の答弁のように一応特別の配慮、検討が必要だろうと思います。
 それから事前協議の問題でありますが、この事前協議がむしろ決定的に重要な問題だと私は思うのです。これは目黒の例を聞きますと、五十八年六月に安全衛生委員会で最初に議題にしておるのですね。それから五十八年十月にいわゆる研究会が設置されまして、そうして五十九年二月にVDT作業に関する労働衛生学・人間工学的調査案をつくる。こうして五十九年八月にガイドラインがつくられたわけでありますが、この間、実に十六回、一年三カ月余の期間をかけているのです。
 私は行ってお尋ねしたのです。これは随分手間暇をかけた準備を経られたのですな、こう聞きますと、今事前に調査をして、事前調査の上に立って環境問題、作業問題等々について職員の協力を得るための事前協議をやっておかないと、将来にわたって何か事故が起きる、あるいはいろいろな問題が起きたときではもう手おくれだ、またそういう事態にどう対処すべきか判断したのではいたずらに紛争を拡大するだけになる、だから事前にきっちりした調査をやっておる、そうして導入に当たって協力を得るためにも事前の協議を十分尽くしておく、これが極めて重要だということを聞きまして、私は大変感銘を受けたわけであります。
 これも労働省の調査によりますと、これは民間の企業の調査でありますが、導入に当たって事前に説明したというのはたった一四%です。意見を聞いたというのは五・八%。協議したがたった七・五%です。同意とったというのはたった三・五%です。しかも事前に協議、同意ということの中身を見ましても、内容としては、例えば安全性の問題はたった一三%。労働時間の問題は二四%にすぎないですね。これは民間の一つの資料でありますが、民間はさておいて役所でこういう状況であってはならぬと思うのです。役所の導入に当たっては、やはり法を守ることを先行すべき役所で行うことでありますから、事前協議をきっちりする、そうしてその前提として事前調査をきっちりやる、こういうことが必要だと思いますが、その点について各自治体に対して指導する必要があると思うのですが、その点はいかがですか。
#230
○中島(忠)政府委員 先ほどからいろいろ御指摘いただいておりますように、VDTの導入というものに関連していろいろ健康障害が起こらないように配慮しなければならないということは、地方団体の長としても十分心がけていかなければならないと思います。ただ、VDTを導入するかどうかということは、御答弁申し上げましたように地方団体の長がいろいろな条件というものを考慮して、責任を持って決定すべきことだと考えますけれども、その導入に伴ってどのような健康障害があるのか、あるいはまた労働環境はどうあるべきなのか、作業環境はどうあるべきなのかということは、これまた関係労働者の意見を十分に聞いて、適正な条件が保持されなければならないというふうに考えております。また、そういうようなことは地方団体に十分その趣旨を徹底してまいりたいというふうに考えます。
#231
○経塚委員 労使が円満にVDTの作業が推進できるよう事前協議を義務づけるようにぜひひとつ指導していただきたい。
 それから、管理体制の問題についてお尋ねをいたします。
 労働省のガイドラインの中にも、冒頭に労働衛生管理体制の問題を取り上げております。「事業者は、まずは労働衛生管理体制の見直しとその活動の活性化を図らなければならない。」ということで、産業医の設置の問題、衛生委員会の設置の問題等々、一体化された運用が図られなければならぬ。私は、百一国会で浦和の清掃作業現場における死亡事故の問題を取り上げた際に、法律において設置を義務づけられております安全委員会等の設置状況についてお尋ねをいたしました。法律どおり設置をされておらない団体もかなりあったので、早速自治省の方では指導の文書を出されたようでございますが、特にVDT導入に当たって健康問題などと非常に関連のある衛生委員会と産業医の設置状況は、法で定められた設置の義務を負わされておる地方団体の中でどれくらいの率になっておりますか。
#232
○中島(忠)政府委員 五十九年三月三十一日現在で申し上げますと、衛生委員会の設置率は、全地方公共団体で三四%でございます。産業医の選任率は、全地方公共団体平均で四四・八%という状況でございます。ちょうどこういう数字をもとにして昨年先生から御指摘がございまして、私たちもその議論というものを踏まえまして地方団体の方に指導する、また昨年の秋には各地方団体の方に対して、個別にそのことについての趣旨の徹底を図るようにいたしました。地方団体の方もなかなか努力してくれておるようでございますけれども、そういうような個別の努力をもう少し続けさせていただいて、地方団体の方にその趣旨をさらに徹底してまいらなければならないというふうに考えております。
 なお、私たちが具体的なヒアリングの際に感じたことでございますけれども、教育関係のように、主として事務屋さんばかりが仕事をしておる事務所というのが非常に設置率が低いようでございます。私たちの方では、今申し上げました設置率をなお高めていかなければならないというふうに考えておりますので、そういう方向でこれからも努力を積み重ねていきたいというふうに考えます。
#233
○経塚委員 低いですね。まだそんな状況ですか。民間企業の場合は、これは五十五年という随分古い資料ですが、製造業で七六・六%でしょう。製造業を除いた場合は七七%でしょう。地方公共団体の場合は、衛生委員会三四%、これはどないなっておりまんねや。産業医も四四・八%ですか。自治省が文書を出して指導してこんな状況ですか。こんなことではどうもなりまへんな。
 しかも、さっき言ったように、VDTをどんどん導入してきて、この問題の労使間の協定、調査ももちろんそうでありますが、どこで決めるかといえば衛生委員会でしょう。衛生委員会でいろいろな条件について協議せななりまへんのやろ。また導入した後もいろいろな点検、調査についても衛生委員会でやらなければいけまへんのやろ。それで、その際に知恵をかりなければならぬ、また対策を講じなければならぬ場合は産業医でしょう。これは三〇%台、四〇%台ではどうにもならぬですね。幾ら調査をさせますとか事前協議をさせますとか、いろいろお約束をいただきましても、肝心の体制がこれでは、これはもういけませんな、絵にかいたもちになりますよ。だから、これはぜひ厳しく指導をしていただかなければならぬというふうに考えております。
 時間もあとわずかになってきましたので、人事院どうですか、導入台数が四万八千六百五十三台、毎日従事、随時従事を含めまして一万二千七百三十五人というような数字をいただいておるわけですが、毎日三時間以上の作業者数は毎日従事者の中でも二割近くに上っておりますね。今私が自治省に対していろいろお尋ねいたしましたので、どんなことを聞かれるかはもう御推測がついたと思いますが、その実態調査をされましたか。それから、安全衛生委員会などで導入に当たっての協議をされましたか。また、ガイドラインをつくっておられますか、どうですか。
#234
○高野説明員 お答えいたします。
 VDTの使用についての実態調査は、人事院におきましては昨年九月一日時点で全省庁に対して、VDTの台数が何台あるか、それから従事者についてはおおむね六分の一ぐらいの抽出で調べております。台数につきましては先ほど先生がおっしゃいましたように四万八千六百五十三台でありまして、本省庁がそのうちの千七百台、地方支分部局、いわゆる出先機関が七千五百台、残りの三万九千台の大部分は大学であるとか施設、研究機関等となっております。
 それから、導入に当たっての委員会等の問題でございますが、それぞれの省庁には職員の意見を聞く組織というのがつくられるようになっております。健康、安全に関しましての委員会でございますが、それらで恐らくお話し合いがなされているとは思うのですが、今回の実態調査ではどの程度が話し合いをされたかについては調査しておりません。
 それから、ガイドラインのことでございますが、人事院としては、従事職員の健康管理の観点からガイドラインを作成いたしまして、昨年の段階で各省に配付し、それに基づきまして具体的な指導を行っているところでございます。
 以上でございます。
#235
○経塚委員 健康の調査の問題は御答弁がなかったわけであります。それから職員団体との事前協議も調査しておらないということでありますが、これはちょっとずさんだと思いますね。
 これは国公労連の調査、対象は千二百名でありますが、作業環境、やかましくてしようがないというのが五九・九%です。健康、作業後も疲れが残るというのが六六・八%、目が七六・六%、肩が五五・九%、やめたいと思った人が三三・二%。にもかかわらず特殊健診がたった一三・八%ですね、こういう結果が出ております。これは組合の調査であります。しかし、これは人事院としても今言いました各省庁の健康、環境等と、全般にわたって調査をする必要があると思います。
 それから、最後に、せっかく労働省にお見えになっていただきましたので簡単にお尋ねをしたいと思いますが、一九八四年二月二十七日、「VDT作業における労働衛生管理のあり方」、一応のガイドライン的なものが出されたわけでありますが、これは単なる企業努力にゆだねるという文書で、通達でもなければ拘束力もない、こういうふうに聞いておりますし、労働団体の意見も果たして聞いたのかどうなのか、この構成から見ますと極めて疑問であります。それから、この指針の中にも、先ほど指摘いたしましたように作業時間の制限も入っておらない。一般環境の管理問題につきましても、私が指摘いたしましたような観点からの環境管理ではない。それから健康管理につきましても、特殊の健康診断の義務づけというようなものも余り明確にされておらない等々、幾つかの問題がございます。
 したがいまして、当然これは労働省も、本格的な成案を得る準備のための暫定的な指針である、こう言われておりますが、お尋ねいたしたいのは二点、一点は、本格的な成案はいつ出される予定なのか。二つ目の問題はその内容でありますが、通産省からもいろいろ問題が指摘をされておりますし、学会、研究者、専門家からもいろいろ指摘されておりますが、環境それから作業、健康問題について、目黒区の例なども申し上げましたが、総合的、全般的な内容にすべきではないか、かように考えておるのですが、その点についていかがですか。
#236
○福渡説明員 お答えをいたします。
 OA化に伴う作業環境あるいは労働態様等の変化が労働者の健康に及ぼす影響につきましては、労働省として、昭和五十八年度から六十年度までの三カ年計画で現在調査研究を進めております。この調査研究の成果は今年度末で一応まとまる予定でございますけれども、その研究の成果等を踏まえまして、VDT作業に関する指導指針を作成して行政指導を強化してまいりたい、このように考えております。
 それから内容につきましては、三カ年の計画ですべての問題点を解決するというわけには多分いかないだろうと思います。我々としても、できるだけ必要な項目についての問題解明をお願いしておりますが、これについては、三カ年でまとまったものを主体にして指導指針を作成していくつもりでございますが、作業環境それから健康管理、そういう各分野にわたる項目をできるだけ必要なものは拾ってまいりたい、このように考えております。
#237
○経塚委員 今年度中にまとめて指導指針としたいということでありますが、この指導指針の性格はどんなものになるのですか。通達ですか、法令ですか。例えばじん肺法ですね、それから鉛中毒予防、有機溶剤中毒、これは規則ですね。だから拘束力あるものでなければならぬと思うんですね。でき得れば、これはやはり法令で定めるべき性格のものだと思うのですが、今の段階で労働省として考えておりますのは、どういう性格のものと考えておるのですか。
#238
○福渡説明員 調査結果がどのようにまとまるかによって判断をしたいと思っておりますので、今の時点でどのような性格にするかということは明確にお答えすることはできませんけれども、私どもは、当面は行政指導を強化してまいりたい、そういう中で適切な対処、方針を確立していきたい、このように考えております。
#239
○経塚委員 ぜひひとつ内容の立派なものをまとめていただいて、拘束力あるような法令または規則等々で制定をされるということを希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#240
○高鳥委員長 次回は、来る六月四日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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