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1984/06/04 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第16号
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1984/06/04 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 地方行政委員会 第16号

#1
第102回国会 地方行政委員会 第16号
昭和六十年六月四日(火曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 高鳥  修君
   理事 愛知 和男君 理事 糸山英太郎君
   理事 臼井日出男君 理事 平林 鴻三君
   理事 加藤 万吉君 理事 安田 修三君
   理事 柴田  弘君 理事 岡田 正勝君
      伊藤 公介君    瓦   力君
      工藤  厳君    小杉  隆君
      坂本三十次君    中川 昭一君
      長谷川 峻君    細田 吉藏君
      松田 九郎君    山岡 謙蔵君
      小川 省吾君    佐藤 敬治君
      浜西 鉄雄君    細谷 治嘉君
      山下八洲夫君    小谷 輝二君
      宮崎 角治君    吉井 光照君
      藤原哲太郎君    経塚 幸夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     古屋  亨君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        長       鈴木 良一君
        自治大臣官房長 津田  正君
        自治省行政局公
        務員部長    中島 忠能君
        自治省財政局長 花岡 圭三君
        自治省税務局長 矢野浩一郎君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局給与第一
        課長      丹羽清之助君
        総務庁恩給局恩
        給問題審議室長 鳥山 郁男君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   濱本 英輔君
        文部大臣官房福
        利課長     岡林  隆君
        文部省初等中等
        教育局特殊教育
        課長      山田 勝兵君
        文部省教育助成
        局財務課長   菴谷 利夫君
        文部省体育局学
        校保健課長   下宮  進君
        厚生大臣官房政
        策課長     末次  彬君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 近藤純五郎君
        厚生省年金局年
        金課長     山口 剛彦君
        自治省行政局公
        務員部福利課長 松本 英昭君
        地方行政委員会
        調査室長    島村 幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月四日
 辞任         補欠選任
  大村 襄治君     瓦   力君
  五十嵐広三君     浜西 鉄雄君
同日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     大村 襄治君
  浜西 鉄雄君     五十嵐広三君
    ―――――――――――――
六月三日
 重度障害者の固定資産税非課税に関する請願(奥田敬和君紹介)(第五〇六八号)
 同(草野威君紹介)(第五〇六九号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第五〇七〇号)
 同(小平忠君紹介)(第五一八六号)
 同(横手文雄君紹介)(第五一八七号)
 重度障害者の電動車いすの速度制限に関する請願(奥田敬和君紹介)(第五〇七一号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第五〇七二号)
 同(小平忠君紹介)(第五一八八号)
 同(横手文雄君紹介)(第五一八九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第六九号)
 地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七一号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山下八洲夫君。
#3
○山下(八)委員 ただいま提案のございましたスライド法案につきまして、数点の確認をとりながらの質問をさせていただきたいと思います。特に、何か近い将来、共済年金を初めとします年金の大改正の法案が政府から提出されるようでございますが、提出されておりませんので、その辺に踏み込まないような質問で確認をとらさせていただきたいと思います。
 まず最初に、地公共済の年金財政について簡潔に一、二点お尋ねしたいと思います。
 昭和五十九年十二月に財政再計算が行われ、掛金等の財源率が大幅に引き上げられ、組合員の負担が大変増大されたが、この最大の原因は何なのか。まだ、組合員の負担が急激に過重にならないようにするために、現行の五年ごとの再計算を、例えば四年とか三年とか、そのように短縮して見直しをすることの方がいいのではないか、また、そのような時期にも来ているのではないか、そのように思うわけです。
 特に引き上げの要因等にっきまして、例えば平均余命が延びて年金費用が増大したとか、あるいはまた将来年金給付に必要な積立金の不足、例えば給与改定、年金改定、修正率等に生じた不足財源等々いろいろな引き上げの要因が言われております。特に私なんかは、平均余命が確かに延びて今日高齢化社会になりつつあることは認めますけれども、もっともっと大きなサイクルで考えたり、また、私が体験的、科学的な判断をしますと、私は田舎に住んでおりますので、田舎に住んでおりますと、百メートル先、近所へ行きますのも歩くのではなく自動車で行ったりしますから、本当に平均余命がどんどん将来は延びていくのかということを考えますと、必ずしも今厚生省で一生懸命推計をしてやっているような余命の延び方はしないのではないか。それら等々を考えていきますと、今申し上げましたこの要因はすべてそのようなことに当たらないのではないか。ですから、私は、この掛金等の引き上げについての理由を若干お聞かせいただきたいと思うわけです。
#4
○中島(忠)政府委員 財源率の再計算によりまして、組合員の掛金というのが昨年の十二月から相当上がりました。その上がった理由は何かというお尋ねでございますが、先生先ほどお話しになりましたように、その原因は二つあるだろうというふうに思います。
 一つは、平均余命が長くなる。そのことに伴って年金に要する費用というのが従来より増大しつつあるというのが現在の状況だろうというふうに思います。それが第一点でございます。
 もう一つは何かと申しますと、給与改定が毎年行われる。給与改定が行われるということは現在の公務員の給与が上がる。そのことは、その人たちがやめたときに年金額がそれだけ高くなるということを意味するとともに、現在年金を受けておる方もそれだけ年金が改定されることになりますから、やはり年金に要する経費がふえてまいります。
 それともう一つは、先生今少しお話しになりましたけれども、財源率再計算というのを行います場合に平準保険料方式というもので計算をいたしますけれども、その結果出てきた保険料というものに対して今まで八〇%の修正率を掛けております。そのことは何を意味するかといいますと、積立金がそれだけ不足しておるということでございますから、昨年の十二月の財源率再計算におきましても、その不足いたします積立金というものを補てんする財源率というものを加味して財源率を再計算しなければならない、そういう結果になっております。
 したがいまして、いろいろな見方というのが先生のおっしゃるようにこれから将来のことについてはあるだろうと思いますし、いずれが当たるかということもまた確たることを申し上げにくいわけでございますけれども、少なくとも、昨年の十二月の財源率再計算の結果財源率が相当上がった、そのことの原因は何かというふうに先生がお尋ねになられましたことに対しましては、今申し上げた理由で私たちは御答弁申し上げる以外にないというふうに思います。
 それから、五年に一回の財源率再計算というのを、三年とか四年というふうに刻んでやったら上げ幅も少なくなるのじゃないかというお話でございます。そういう考え方もあろうかと思いますが、現在法律で五年に一回ということになっておりますのでそういうことをさせていただいておるわけでございますけれども、先生の今のお話は、一つの御提言として私たちも承らしていただきたいというふうに思います。
#5
○山下(八)委員 今修正率を掛けているというようなお話があったわけでございますが、確かに今回も、本来必要とされる保険料率を修正率を掛けまして八〇%に落とし財源率を制定しているわけでございますが、その不足分が結局は後代負担の増大をだんだん招いていく結果になるのではないか。この危険性を避けるためにどのように対処をすればいいのか。私は、せめて公的負担金の引き上げの処置が必要ではないかと思うわけです。厚生年金から比べますと、特にこの共済につきましては、公的負担を引き上げてもバランス的に考えてもいいのではないか、そのように考えるわけでございますが、その辺はいかがでしょうか。
#6
○中島(忠)政府委員 公的負担の割合につきましては、従来からいろいろな議論もございましたし、私たちもその都度御説明をさせていただいております。地方公務員の場合といいますか公務員に係る共済年金の場合には公的負担が一五・八五%だ、厚生年金の場合には二〇%だということで差があるではないかというお話は従来から承っておりますけれども、そういう見方に基づきまして公的負担を引き上げるべきであるという議論もございます。
 ただ、先生もよく御存じのように、公務員の共済年金の額と厚生年金の額というのは、現在のところ一人当たりにいたしますと、若干まだ公務員の方が高うございます。現実に年金を受けておる人に対して公的負担が一人当たり幾らになっているかというサイドから計算いたしますと、現在でもなお地方公務員共済の場合の方が厚生年金の場合よりも公的負担の額は多うございます。したがいまして、一五・八五と二〇というサイドからの議論と、現実に年金を受けている人たちが現在どれだけの公的負担を享受しているかというサイドの議論と二つございまして、それぞれのサイドから違った議論があり得るわけでございます。
 私たちは、公務員共済というものの性格から、現在の公的負担というものが今までも認められてきたし、それで御了解いただけるのではないかというふうに思いますけれども、ただ、触れたらいけないのかもわかりませんけれども、先生が最初にお話しになりましたように、現在私たちの方から国会に提案しておりますもう一つの制度改革法案におきましては、公的負担につきましては厚生年金といいますか、すべての公的年金制度を通じて統一しようという考え方でございます。
#7
○山下(八)委員 次へ移っていきたいと思いますが、今回も年金スライドがかなり抑制されているのではないかと思うわけです。その中で、人事院勧告を無視した政府の公務員給与の改定によりまして、例えば凍結とか抑制とかは、現役の公務員労働者だけでなく共済年金受給者に関連するわけでございます。厚生年金あるいは国民年金受給者のスライドも、公務員賃金引き上げ率に連動されておりますから同様な結果になるわけでございますが、特に共済年金受給者に影響を与えていますが、年金受給者の生活をどのように考えられていらっしゃるのか。
 また、共済年金は、ほかの年金も当然そうでございますが、退職後の所得を保障する制度でありますし、五十八年度末現在におきます地公共済年金の一人当たりの平均年金額は百七十七万九千八百八十二円であるわけでございます。五十八年度の生活扶助基準、標準世帯一級地の金額が百七十八万三千七百八十八円になっているわけです。これより下回っているのが今の地公共済年金額でもあるわけです。生活保護基準と年金の水準とはどのように考えられていらっしゃるのか。また、このような現状から、共済年金の最低保障額をもっと充実を図っていくべきではないか、そのように考えるわけでございますが、この辺につきましてはいかがでしょうか。
    〔委員長退席、平林委員長代理着席〕
#8
○中島(忠)政府委員 人事院勧告というのが、非常に残念なことでございますけれども完全実施されていない、その完全実施されていないことに伴いまして共済年金の引き上げ率というのも抑制されておる、そのことに伴いまして年金受給者がしわ寄せを受けているじゃないかというお話は非常にごもっともな話でございまして、私たちもそれを担当する立場といたしまして本当に心を痛めておるわけでございます。
 ただ、年金受給者というのは現役の労働者の掛金によって維持されておるわけでございますので、非常に残念なことに、現役の労働者が人事院勧告の抑制によって我慢をしてきておる、その我慢をしてきておる人たちの掛金によって年金が支給されておるならば、年金を受ける方たちもひとつ申しわけないけれども我慢をしていただけないだろうかというのが本音のところでございます。これは立場によってなかなか御了解いただけないかもわかりませんけれども、私たちといたしましてはそのようにお願いせざるを得ないわけでございます。先生の方からいろいろ厳しい御批判もあろうかと思いますけれども、そういうことで御了解いただきたいと思います。
 なお、五十八年度末の地方公務員全体の一人当たりの平均年金額は現在二百五万円になっております。これは地方公務員全体の現役の平均給料に対しまして八〇%の比率になっておりますので、いろいろな御批判はあろうかと思いますけれども、年金を受ける方には二百五万円くらいの年金ならば税金がかからないとか、長期給付のための掛金がないとかということを考えますと、現役の平均給与に対して八〇%という現在の比率はそんなに低くないのじゃないかという感じがいたします。これは立場によりましてまた別の御意見もちょうだいしなければなりませんけれども、平均的に申し上げますとそういうことになるのじゃないだろうかと思います。ただ、これはあくまでも平均の数字でございますので、今先生がお話しになりましたように、年金を受ける方の中には生活保護の基準にも達しない方がおありでございますけれども、現在の年金の仕組み、おやめになったときの給料の額と在職年数をもとにする計算方式からいたしますと、まことに残念でございますけれどもやむを得ない一面もまたそこにあるわけでございます。
 ただ、年金によってすべての生活需要が満たされなければならないかといいますと、これはいろいろな審議会においてもいろいろ議論されておりますけれども、必ずしも年金だけが生活の一つの柱ではない、非常に大きな主たる柱であることには間違いないわけでございますが、それ以外の収入の道もこれまた期待できるわけでございますので、そういうものを合わせながら生活をしていただかなければならないのじゃないかというふうに思います。
 最後に、先生から最低保障のお話がございました。これはおやめになったときの給料が非常に低いとか、あるいはまた在職年数が非常に短いというような方が最低保障の適用を受けておるわけでございますけれども、この最低保障の額につきましても、私たちは今まで恩給とか厚生年金とかそういう関連を見ながら毎年引き上げさせていただいておるわけでございます。その引き上げ幅が小さいじゃないかという御批判もあろうかと思いますけれども、他の年金制度との関連において今後も検討させていただきたいと思います。
#9
○山下(八)委員 深く追及はいたしませんけれども、今も答弁の中で、年金以外の収入で生活をエンジョイしろというような御答弁もありましたが、そのような職場環境があれば高齢者の皆さんも幸せだと思うわけです。大臣が一番御存じだと思うわけですが、大臣の選挙区で高齢者になって職場を探そうと思っても並み大抵ではないと思うのです。この辺につきましてはそれ以上入っていきませんので構いませんが、現実には今年金で生活をする方が職場がなくて、働きたくても働けないという環境がどんどんふえているということだけは十分に御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 仮に人事院勧告が完全実施されたとするならば、昭和五十八年度以降の共済年金のスライド率はそれぞれ何%になるのか、その辺を具体的に教えていただきたいと思います。
#10
○中島(忠)政府委員 五十七年度の人事院勧告が四・五%でございましたので、五十八年度のスライド率は四・五%になるということでございます。
 五十八年度の人事院勧告が六・四七でございましたが、今先生のおっしゃいました完全実施されたという前提に立ちますと、これは粗い計算でございますが、六・四七から四・五を引きますとおおむね一・九が残りますが、その一・九が五十九年度のスライド率ということになろうかと思います。
 それから、五十九年度の人事院勧告が六・四四でございますが、五十七年度、五十八年度が完全実施されたといたしますと、そこにおおむね二・〇が残りますので、六十年度のスライド率は二・〇という数字になるのだと一応計算はできます。若干大ざっぱに申し上げましたけれども、コンマ以下二けたぐらいはちょっと省略させていただきました。
#11
○山下(八)委員 人事院勧告完全実施がなされないところで、また年金の方もかなり圧縮されているのは今の数字からも明らかであろうと思うわけです。人事院勧告の凍結及びこの抑制によって、昭和五十八年度以降の完全実施によります年金スライド率の人勧並みの場合と比較して、地公共済年金全体で幾らくらい削減されたのか。金額でございますが、各年度ごとにできましたら御報告いただきたいと思います。
#12
○中島(忠)政府委員 五十八年度は、先ほど御答弁申し上げましたように五十七年の勧告が四・五でございまして、五十八年度四・五のスライドを行うべきところゼロでございましたので、ここで削減された総額は六百十四億という額でございます。
 五十九年度のスライド率というのは、本来五十七年度の人事院勧告が完全実施されたといたしましたら五十九年度の採用すべきスライド率は一・九ということでございますが、現実には五十八年度二・〇の人勧が行われて二・〇のスライドが行われましたので、単年度に限って五十九年度を申し上げますと、これは反対に十六億七千万ほどの吐き出しになっておる。削減じゃなしに、その反対の十六億七千万の余分の支出になっておるということでございます。
 それから六十年度でございますが、やはり以前の人事院勧告が完全実施されたといたしましたら二・〇のスライド率になっておるわけでございますけれども、現実には三・四ということで御提案申し上げておりますので、ここでも反対に、単年度だけで申し上げますと二百四十二億の余分の持ち出しになっておるということでございます。ただ、最初の五十八年度の六百十四億という額が余りにも大きいので、累計いたしますと三百五十五億ばかりの共済年金の削減になっておる、こういうことが計算として出てまいります。
#13
○山下(八)委員 標準的共済年金受給者の受給額は昭和五十八年度以降幾らになっているのか、同じように各年度ごとに明らかにしてほしいと思うわけです。人勧完全実施が行われたとするならば同じようにそれぞれ幾らになってくるのか、御報告いただきたいと思います。
#14
○中島(忠)政府委員 五十八年度を基準にして申し上げますと、五十八年度の改定の適用者というのは五十六年度末における地方公務員のOBの方の年金を受けている方ということになりますが、その方たちの平均退職年金というのを申し上げますと、百八十八万八千五百六十四円ということになります。この百八十八万八千五百六十四円を基準にいたしまして、先ほど御説明申し上げましたものを基準にして計算いたしますと、五十八年度の場合には実際の改定は行わなかった、しかし人事院勧告は四・五というものであったということにいたしますと、平均的な今の百八十八万八千五百六十四円の年金受給者を基準にいたしますと、五十八年度の場合、一人当たり八万四千九百八十五円の削減、これは年間の額でございます。
 それから、同じように計算いたしますと、五十九年度の場合に八万四千七百十一円ということでございます。それから六十年度、仮に三・四%の現在の提案が御議決いただいたという前提で計算させていただきますと、六十年度の場合には五万九千四百二十七円という削減額になるわけでございます。
#15
○山下(八)委員 今スライド問題につきまして四点ばかりお尋ねさせていただいたわけでございますが、厚生省の方にこの年金スライド抑制関係につきまして二点ばかりお伺いしておきたいと思います。
 今自治省に質問いたしましたとおり、厚生省の方も厚生年金あるいは国民年金について当然同じような影響を受けているのですから、その辺はどうなっているのか。
 もう一つは、人事院勧告凍結及び抑制が年金の国庫負担額についでどのような影響を与えているのか、その辺につきまして簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#16
○山口説明員 先生御承知のとおり、厚生年金、国民年金につきましては、物価指数が五%を超えて変動がありました場合に、その率で年金額を改定するということが法律上義務づけられております。いわゆる自動物価スライド制がとられているわけでございますが、四十八年にそういうことになりまして、以後大体それでやってきておるわけですけれども、先ほどから話題になっておりますように、五十八年度から若干変則的な特例スライドが行われておりますのでちょっと御説明させていただきますと、五十八年度につきましては、先ほど御説明ございましたように大変厳しい財政状況のもとで人勧凍結ということがございましたので、五十七年の物価上昇率が二・四%ということで、私どもといたしましてもその法的な義務はないということで、政策判断の問題になったわけですけれども、現役も恩給、共済もスライドはしないということでございますので、厚生年金、国民年金についても横並びで年金額についてもスライドしないという判断が妥当ではないかという判断をいたしたわけでございます。
 五十九年度におきましては、その五十七年の二・四%、それから五十八年の物価上昇率が一・九%ということで、累積をいたしましてもこれまた五%以下、四・三%ということでございましたので、これも政策判断の問題になったわけですが、公務員給与、恩給、共済等も二%ということで抑制をするということでございましたので、これも横並びのスライドが妥当である、こう判断をいたしたわけでございます。
 六十年度におきましては、この五十九年度におきまして実際の物価上昇率とスライド率の差が二・三%ほどございましたが、その二・三%と、五十九年度の物価上昇率、最近判明をいたしましたけれども、二・二%でございます。これも合わせますと四・五%ということで、五%以下という状況でございますので、六十年度におきましてもこれまた政策判断の問題になるわけですけれども、先ほど来お話がございますような事情で人勧等も三・四%のアップということでございますので、私どももこれに合わせまして三・四%の特例のスライドをするという判断をいたしておりまして、今法案を国会に提出をいたしておるわけですが、いろいろな事情を考えますと、私どもといたしましては、そういう政策判断をとるというのは均衡のとれた妥当なところではないかという判断をいたしております。
 二番目の御質問ですけれども、そういたしました場合に、いわゆる物価スライドどおりにやってきた場合と国庫負担でどれくらい違っているかということでございますけれども、仮定の御質問でなかなか綿密に計算するのは難しいわけですけれども、大ざっぱなところで五十八、五十九、六十、合計いたしまして国庫負担で大体一千億程度の差があろうかというふうに推定をいたしております。
#17
○山下(八)委員 では、次に移らせていただきますが、行革一括法案によります国庫負担四分の一カット問題について一、二点お尋ねしておきたいと思います。
 さきに行革関連法の一部の延長によって、公的年金に対します公経済負担分、地共済の場合は先ほどもお話ございましたが、全体の一五・八五%、なお組合員の掛金が四二・〇七五%、地方団体の負担が四二・〇七五%、これですべてで一〇〇になるわけでございますが、この四分の一カットの処置がさらに一年延長されたわけでございます。
 これによりますカット類は、五十七年度が四百三十四億円、五十八年度が四百三十五億円、五十九年度、六十年度は推計になりますが五百十一億円と六百三十億円ぐらいになるのではないか、合計二千億円プラス利子になるというふうに思われるわけでございます。そういう中で、各年度内の国庫負担削減額について、今ちょっと申し上げましたが、それぞれ幾らになるのか、また、昭和六十年度末の国庫負担削減実績総額は幾らになるのか、もし利子もおよそどれくらいになるのかわかればその辺を御答弁いただきたいと思います。
#18
○中島(忠)政府委員 先生が今お挙げになりました数字でほぼ間違いがないわけでございますが、繰り返させていただきますと、五十七年度が四百二十四億円、五十八年度が四百三十七億円、五十九年度が五百十一億円、六十年度は六百三十三億円、合計いたしますと約二千五億円という数字になります。その額にそれぞれ、運用利息年五・五%ということが一応基準でございますが、それで計算いたしますと、六十年度末の元利合計額は二千二百十五億円ということで計算いたしております。
#19
○山下(八)委員 大臣にお尋ねしたいと思いますが、今約二千二百十五億円ということであるようでございますが、この国庫負担削減額は、元利とも将来返還する旨過去にも政府答弁がなされているわけでございます。いつ、どのように返還をしてくださるのか、具体的に、例えば何年度から何カ年計画でそれぞれ幾らずつ返還するとか、明確な御答弁をいただきたいと思います。
#20
○古屋国務大臣 今のお尋ねの点ですけれども、大体国家公務員共済を見ながら、私どもは、将来にわたる地方公務員共済給付の長期給付に関する事業の財政安定が損なわれることがないようにということを基本にいたしまして、国家公務員共済組合に対する国の措置を見ながら適切に対処してまいりたいということでございまして、何年度にどれだけということは今ちょっとなかなか申し上げにくいと思いますが、私どもとしては、これだけ減っているものはとにかく返す、返す方法につきましては、国家公務員の場合を十分考えながら返してまいりたい、こういう考えでございます。利子の点も、今申し上げたようにやはりそれに含まれておると考えております。
#21
○山下(八)委員 今大臣の答弁をお聞きしておりましたら、いつ返していただけるのか、返しますよということだけで、中身的にはさっぱりわからないわけでございますが、きょうは以上をもちまして私の質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#22
○平林委員長代理 小川省吾君。
#23
○小川(省)委員 この法律案を見させていただきました。余り問題になるところがないわけでございまして、きょうは、過去の共済組合法の審議の中で取り上げられた問題点を復習する意味でお尋ねをしてまいりたい、このように思っております。
 まず初めに、この際ただしておきたいのですが、地方公務員等共済組合法と国家公務員等共済組合法との関係であります。
 地方公務員等のそれは、国家公務員等のそれを母法といたすわけであります。従来から、地方公務員等共済組合法の先行審議を要求してまいりますと、大蔵委員会で国家公務員等共済組合法がまだ上がっていないからだめだというようなことで拒否をされてきたいきさつがあるわけでございます。今回は国家公務員等共済組合法のスライド法案が上がっていて問題ないわけでありますが、地方公務員等共済組合法の審議は、常に国家公務員等共済組合法の審議が優先をするという理解でよろしゅうございますか、念のために伺っておきたいと思います。
#24
○中島(忠)政府委員 もう先生の方がよく御存じだと思いますが、地方公務員共済制度というのは、地方公務員法に基づきまして、国家公務員に係る共済年金制度と権衡が保たれるように配慮しなければならないということになっておりますので、制度のつくり方といたしましては、両者の間に権衡が保たれるようにしていかなければならないということでございます。
 ただ、その制度に係る改正法案というのを今まで政府から提案申し上げておるわけでございますが、それを御審議いただく国会の方で国家公務員共済の審議との関係をいろいろ御議論いただいてお決めになっていただいておるのだと思います。したがいまして、私たちといたしましては、国会の方でいろいろ御議論いただいてお決めになっていただく、そのお決めになっていただいた審議日程に合わせまして私たちの方もいろいろ準備をさせていただくということでございますので、その国会における審議のあり方につきましては国会の方でお決めいただくということになろうかと思います。
#25
○小川(省)委員 国会の中における審議のあり方を伺っているわけではないのであります。実際問題として、国家公務員等の共済組合法が上がらなければ、地方公務員等共済組合法が審議が終了して上がっていくというのは、これはいわゆる審議権の建前からいってもまずいのかということをお尋ねしているのであります。
#26
○中島(忠)政府委員 大変失礼いたしました。国家公務員共済法の審議が終わらなければ地方公務員共済法の審議を終えたらまずいのかというお尋ねでございましたら、両制度の間から申しまして、いずれにいたしましても同一国会で成立するという前提でございましたら、両者の成立の時期というのは少しぐらいの差があっても差し支えないのじゃないか。これは法案の内容によりますけれども、今回の法案に関して申し上げますと、この国会で両音成立するという前提で申し上げますと、その間の成立の少しの時間的なずれというのは、どちらが先行してもそんなに差し支えのないことだというふうに思います。
#27
○小川(省)委員 まあ結構でしょう。
 次に、地方公務員法の四十二条の職員の厚生という項があるわけでありますが、これについてお伺いをいたしたいと思うのであります。
 職員の厚生というのは共済組合法と互助会にほとんどが任せっ放しで、一般的に職員の厚生で予算を計上して職員厚生についての対策が進められているということを聞いていないような気がするわけでありますが、職員の厚生についてどのように考え、厚生対策について今後どのように進めていこうとしているのか、お伺いをしたいと思います。
#28
○中島(忠)政府委員 職員に係る福利厚生制度というのはもう申し上げるまでもございませんが、職員の元気回復といいますか、本当に職員が気持ちよく働いていただくためにはぜひとも力を入れなければならない事項だというふうに考えます。私も、地方におるときにはいろいろその面には力を注いで職員から喜ばれた経験もございますけれども、そういうことはそれぞれの任命権者がそれぞれ力を入れなければならない事項だというふうに思います。
 今までの全国のいろいろな地域の実態というのを私たち見ておりますと、今先生がお話しになりましたように、共済組合でやっておるとか、あるいはまた互助会でやっておるとか、あるいは地方公共団体が直接やっておるということで、それぞれの地域の実情といいますか、今までの経過というものも含めましてそれぞれの地域の実態に応じて非常にばらつきがあるというのが本当の姿だろうと思います。その事業の内容とか事業の実施方法につきましても、それぞれの地域の今までの伝統といいますか歴史というものを踏まえてやっていただいておるわけでございますけれども、この福利厚生事業の重要性というのは私たちもよく認識しておりますし、私たちも機会あるたびにそういうことを趣旨徹底しております。
 その結果、地方団体におきましても最近は相当力を入れておるというふうに私感じておりますけれども、先生の重ねての御指摘でございますし、昨年も同じように御質問いただいたときにこの御指摘があったというふうに記憶しておりますが、そういうことを私もよく知っておりますので、これからもまた機会を見て地方団体の方にその趣旨を徹底してまいりたいというふうに思います。
#29
○小川(省)委員 互助会やあるいはまた共済組合に頼るのではなくして、一般的に重要な職員の福利厚生を進めていくように常に指導しておられるということでありますが、大変結構だと思いますから、ぜひひとつそういうことで地方に職員の福利厚生について意を用いるように今後とも指導をしていっていただきたい、このようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、官民格差論がいっとき派手に論議をされ、取り上げられた時期があったわけであります。私は当委員会においてもいろいろこれに対して反論をしてまいったわけでありますが、仮にあるとすれば、支給開始年齢と併給の問題ぐらいのはずだと思います。地方公務員等共済組合法では、共済組合法と厚生年金方式で計算をしていずれか高い方を支給するということになっておるわけであります。今、厚生年金方式による計算方法で支給を受けている職員は全受給者の何%ぐらいになっておるわけでありますか。
#30
○中島(忠)政府委員 先生がお話しになりました厚生年金方式、いわゆる私たちの言葉で申し上げますと通年ルールと言うわけでございますが、その通年ルールで計算され、その年金を選択しておる人の数はおおむね二十四万人、率で申し上げますと三四・八%ということでございます。
#31
○小川(省)委員 二十四万人、三四・八%というかなり高い率の人たちが、厚生年金で計算をした方が共済組合法よりも有利であるということで通年ルールで支給を受けておるわけであります。私は、私どもの仲間が非常に低額の年金をもらっていることをよく承知をしているわけでありますから、決して官民格差があるなどとは思っておりません。一部の高級官僚を除いてはそう高いものなどないはずであります。最近の退職者こそ少しは上がってまいっておりますが、一般的には年金額は大変低いのです。自治省としても、勤続年数が厚生年金より長いという点等を含めて、今の通年ルールで計算をした者がこのようにいるんだというふうな実態をもっとPRをすべきだと思いますが、いかがでございますか。
#32
○中島(忠)政府委員 官民格差の議論でございますが、これにつきましては先生がお話しになりましたように、数年前、非常に議論されました。そのときの議論を思い起こしてみますと、官民格差として言われたことは、一つはやはり年金の計算方式について言われた。先生が今お話しになりましたように、公務員の場合には基本ルールと通年ルール、このうちの有利な方を選択できるという計算方式の有利さというのが一つ言われました。
 第二番目に何が言われたかといいますと、算定基礎のとり方について差があるじゃないか、民間の場合には平均標準報酬ということで全期間の報酬を平均してそれをもとに年金を計算する、公務員の場合には退職前一年間の給料じゃないかということで、算定基礎の話が二番目にございました。
 三番目には、先生がお話しになりましたように、支給開始年齢の話、民間の場合には六十歳だが公務員の場合には五十五歳だ。しかし制度改正いたしまして現在六十歳に到達すべく経過期間中でございますが、その話が三番目にございました。
 四番目は、先生が今お話しになりましたように、併給調整の話がございました。
 そして五番目に何があったかといいますと、公務員が民間に就職した場合には年金を受けながら民間でまた給料をもらっているじゃないか、そういういろいろな指摘が実はありました。
 そのありましたいろいろな指摘というものをそれぞれもう少しかみくだいて詳細に検討してみますと、民間サイドの誤解というものもこれまたあっただろうというふうに思います。これから年金制度というものの改正をしなければならない時期に来ておりますので、この際共済年金というものの性格をよくわきまえて、公務員としての特殊性からやはり差があってもいいことについては、こういう理由でその差というのは是認されるべきであるということを勇気を持って言わなければならない時期に来ておると思います。ただ、そうは言いましても、この官民格差につきましては世論から厳しい批判もございますし、その批判の相当な部分もまた心を謙虚にして聞かなければならないというものを含んでおりますので、そういうものについてはこれまた勇気を持って是正していかなければならないということで、共済年金のあり方については現在非常に重大な岐路に来ているだろうと思います。
 そういう意味におきまして、いずれにいたしましても、それぞれの制度のあり方というものの基本をわきまえながら現在の制度を厳しく見直して、そして是正すべきものは是正し、主張すべきものは主張していくということでなければならないだろうというふうに考えております。
#33
○小川(省)委員 今おっしゃられたようないろいろな相違が民間との間にあるわけでございますが、とにかく平均標準報酬を民間はとっていまして、すべての収入を基礎にしているわけで、公務員は本俸だけというような差もあるわけでありますから、今言われたように聞くべきところは聞くけれども、言うべきことは言う、主張すべきところは主張する、こういう点で対処をしていっていただきたい、このように思います。
 恩給局においでをいただいておりますので、恩給の扶助料について若干お伺いをいたしたいと思うのであります。
 今、遺族に対する扶助料は寡婦加算がついておるわけでありますが、原型は恩給額の二分の一でございますか。
#34
○鳥山説明員 原則は、普通恩給の二分の一でございます。
#35
○小川(省)委員 二分の一の根拠は何ですか。
#36
○鳥山説明員 二分の一という数字自体に理論的な根拠があるとは考えておりません。この二分の一という数字は、むしろ沿革的に、すなわち大正十二年に現在の恩給法が制定されました際に、このときの大きな目的は、ばらばらであった制度を整理統合するというのが一番大きな目的であったわけですが、もう一つ目的としまして、第一次世界大戦後の物価高騰によりまして恩給受給者が非常に困窮しておったので給付水準を引き上げようということで、それまでは普通恩給の三分の一でありました普通扶助料の給付水準を二分の一に増額した、こういう沿革的な理由によるものだと考えております。
#37
○小川(省)委員 今、御説明があったように、格別な理由はないわけですね。
    〔平林委員長代理退席、臼井委員長代理着席〕
 そこで現在、恩給が二分の一なので年金もそれを受けて二分の一になっているのだと思いますが、恩給受給者が死んで遺族はその二分の一で生活を維持できると考えている方が私はおかしいと思うのです。在職中は、奥さんの協力、内助によって勤務に精励ができたわけであります。亡くなったらすぐ二分の一というのは少しおかしな話だと思います。寡婦加算をやめて恩給年額の八〇%ぐらいを支給すべきだと思いますが、この考えについていかがですか。
#38
○鳥山説明員 御指摘の問題は、従来から公的年金共通の課題といたしましていろいろ議論があったところでございまして、恩給制度におきましてもいろいろ検討いたしましたが、ただいま先生御提唱のように、普通扶助料の給付割合を引き上げるということも一つの方法ではあろうかと思います。しかしながら、この方法によりますと、どうしても高額受給者の方に有利な結果になってしまうという問題点がございます。したがいまして、率ではなくて本当に給付改善が必要な階層、例えば老齢の寡婦であるとか、幼い子供を持った寡婦といった人々により改善の効果が大きくあらわれる方法としまして定額加算制度を公的年金横並びの制度としてとったわけでございます。
 その結果、現在、恩給の場合で申しますと、定額受給者の場合普通恩給のほぼ八割を上回る水準まで到達いたしているところでございまして、今後ともそのような意味における実質的な給付改善ということにつきましては努力を続けてまいりたいと思っております。
#39
○小川(省)委員 一応御答弁、よくわかりましたでそういうことで遺族年金の改善に努力をしてまいったことはよく承知しておるわけでありますが、ぜひひとつさらに寡婦加算を引き上げるなどしてもう少し遺族年金を充実していただくことを要望して、恩給局に対する質問は終わります。
 そこで、自治省に伺うわけでありますが、退職年次の古い者ほど低い年金は何とかしてほしいと私は審議のたびに主張してまいったわけであります。私の記憶では、四十八年度に七十歳以上の人たちに対する四号俸のアップという引き上げをやり、昭和五十二年に昭和二十二年六月以前の退職者に二号俸のアップ、昭和三十二年三月以前の者に一号俸のアップという是正を実施したきり古い退職年次の者に対する是正はほとんどやっておらないのだと思います。年次の古い者の是正の実施をぜひしてほしいと思っていますが、私が今言ったような是正をやったきりだと思いますがそのとおりでございますか。近いうちにこの是正をぜひやっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#40
○中島(忠)政府委員 私も詳細はちょっと記憶しておりませんが、いずれにいたしましても先生が今お話しになられましたように、かつて二回そういう是正を行ったように記憶しております。
 退職年金の話でございますけれども、これはもうよく御存じのように退職した当時の給料と在職年数によって年金を計算することになっておりますが、同一ポストで同一在職年で退職した人であっても、後で退職したほど年金面で有利だということはよく一般に言われます。それはなぜそういうふうになっておるのだろうかということを考えてみますと、ベースアップに伴う年金の改定というのは等しくすべての年金受給者に、退職年次が古かろうが新しかろうが同じように均てんしてもらっておるわけでございますけれども、そのベースアップ以外の給与の制度、運用上の改善というのが実は長い歴史の中では行われてきております。それが反映いたしまして退職年次の新しい人ほど年金面で有利じゃないか、こういうことになるわけでございますけれども、その給与制度、運用面の改善というものをよく加味いたしまして、今先生が御指摘になりましたような改善が過去に行われたわけでございます。
 この給与制度、運用面の改善がどのように行われておるかということは、最近はさして大きな改善はございませんけれども、国家公務員とかそういう他の年金制度との均衡といいますか、そういうものとのバランスを考えながら、今先生がお話しになられましたようなものをよく検討してみる必要があるのだと思いますけれども、これは地方公務員共済組合だけの問題ではございませんので、国家公務員共済とのあり方もよく考えながらひとつ私たちの念頭に置かせていただきたいというふうに思います。
#41
○小川(省)委員 さて、恩給、年金の最低保障額の引き上げの問題でありますが、これまた毎年のように私が取り上げている問題であります。低い額に低いパーセンテージを乗じていくわけでありますから、いつも低く低く据え置かれていくのでありますが、いいかげんに一回大幅に引き上げをしないと、受給者の要望には到底こたえられないというふうに私は思っております。今、最低保障額の受給者というのは全受給者の何%ぐらいになるわけですか。
#42
○中島(忠)政府委員 五十八年度末で申し上げますと、いわゆる新法年金につきましては、退職年金の受給者六十九万九千三百四十六人のおおむね一%に当たる七千百六十七人が最低保障の適用者ということになっております。旧法年金の方は、数はこの七千百六十七人の三分の一弱の二千三百八十五人ということでございますが、割合は五二・二%ということでございます。
#43
○小川(省)委員 新しいあれでいくと七千百六十七人もいるわけですね。この最低保障額の引き上げをしてくれという要望が特に在職中低かった現業職員等の間に大変強いわけなんでありますが、こういう要望についてどう扱っていただけるでしようか。
#44
○中島(忠)政府委員 そういう要望それ自身は私たちも痛いほどよくわかります。年金についての仕事をしている人間としては、そういう要望をよく念頭に置いて仕事をしなければならないということでございます。ただ、年金制度というのは、もう先生の方がよく御存じでございますけれども、退職したときの給料と在職年数によって計算するというこの仕組みそのものは基本的に今も昔も変わっておりませんので、最低保障の適用者というのは、今のように二十年で年金がつくという時代のその以前の時代の方が非常に多うございますので、在職年が短いとか在職当時の給料が低いとかいうことでこういう最低保障の適用者ということになっておるわけでございます。
 これは、地方公務員共済特有の問題というよりもすべての公的年金に特有の問題でございますので、そういう省庁と連絡をとりながら毎年改定はさせていただいておるわけでございますけれども、今後も関係省庁と相談しながらその改善に努めてまいりたいというふうに思います。
#45
○小川(省)委員 ぜひ改善に努めていただいて、最低保障額の受給の人員が減るか、あるいは最低保障額の大幅な引き上げを実施していただくことを要望いたしておきたいと思います。
 次に、国庫負担の関係について若干お伺いをしていきたいと思います。
 昭和五十四年、共済年金の支給を五十五歳から六十歳に時間をかけて切りかえをするというときに、当時、当分の間ということで、一七%にとどめるのではなくて一%ずつ上げていくということがございました。先ほどの山下委員の質問を聞いても一五・八五%に相変わらずなっておるようでありますが、私は一七%ぐらいになったのかなというふうに思っていたのであります。国庫負担を引き上げるという要望は私も大変強く主張してまいったわけでありますけれども、これは相変わらず一五・八五%のままで、今後引き上げられるという要素はないわけですか。
#46
○中島(忠)政府委員 先ほど山下先生の御質問にも答弁させていただきましたが、この一五・八五というのは厚生年金の二〇%に対して低いじゃないかという話が率の面からはございます。ございますが、現実に年金受給者のサイドに立ってこれを見てみますと、一人当たりの年金受給額の中にどれだけ公的負担が含まれておるかということを計算してみますと、なお地方公務員共済の方が厚生年金よりも多くなっておるという現状でございます。そういうサイドからの見方というのもやはりしてみる必要があるだろうし、そういうサイドからの議論というものも我々としてはよく聞いてみる必要があるだろうというふうに思います。そういうことで、関係省庁の間では集まるとその議論がいつも出るわけでありますけれども、私たちの方では先生の今のお話もよくよく承知しておりますし、できるだけ公務員の掛金が低くなるように、低くて済むように努力しなければならないと思います。
 いずれにいたしましても、公的年金制度全体の中でどういうふうにバランスを保っていくかということを考えつつ、公的負担そのものが、立場を変えて言うと住民の税金による負担だということもございますので、公的負担を動かす場合には住民に対する理解というものもまた得なければならないといういろいろなサイドからの検討が必要でございます。そういうことで現在一五・八五というパーセントのままでございますけれども、先ほど山下先生から触れてはいけないという話がございましたが、制度改正の法案を別途出しておりまして、その法案を仮に成立させていただきますと、公的負担というのはすべての公的年金を通じて基礎年金に係る拠出金が三分の一ということで統一をされる、こういうことを考えておるわけでございます。
#47
○小川(省)委員 昭和五十四年の論議を思い起こしていただきたいのですが、当時私もこの公費負担の問題について取り上げたわけでありますけれども、中島さんは一%ずつ引き上げていきたいんだというふうな答弁をたしかされたはずであります。ですから、私は二年ごとなり三年ごとなりに一%ずつ公費負担をふやしていくのだという理解をしておったわけでありますが、そうではなかったのですか。
    〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕
#48
○中島(忠)政府委員 もう一度昭和五十四年ごろの速記録をとりましてよく読んでみたいと思いますが、中島さんはそういうふうに答弁したというお話でございましたが、私は当時公務員関係に携わっておりませんでしたので、そういう御答弁を申し上げだという記憶もございません。いずれにいたしましても、先生の重ねての御指摘でございますので、もう一度速記録をよく読まさせていただきたいというふうに思います。
#49
○小川(省)委員 いいでしょう。
 昭和五十九年十二月の長期給付財源率の再計算で、地方公務員の共済組合連合会に加入をしておる組合員の掛金率は千分の六十九まで引き上げられたわけであります。現行制度においては将来的にどのような推移をたどっていくのか大変危惧をしておるところでありますが、連合会や公立学校共済、警察共済、それぞれの将来の見通しを示してほしいと思いますが、いかがですか。
#50
○中島(忠)政府委員 若干の前提を置いて御説明させていただきたいと思います。
 まず、組合員数でございますけれども、五十七年度末の組合員数で固定する、その組合員数を一定とするということが一つ、二番目に、給与改定率と年金改定率は毎年五%だということ、三つ目は、積立金の運用利回りを年六・五%ということで考えさせていただく、四番目は、財源率につきましては、現行財源率で据え置きまして、積立金がなくなった後は賦課保険料率で運営させていただくということ、その他五十九年十二月における財源率再計算のときに用いた基礎率というものを用いていきたいということでございます。
 そういう前提で計算いたしますと、連合会関係につきましては、単年度収支がマイナスになる最初の年度は七十五年度でございます。それから、積立金がゼロとなる年度は八十四年度でございます。そうして、この積立金がゼロとなった年度以降につきましては、先ほど前提で御説明させていただきましたが、賦課保険料というものでいくといたしますと、この賦課保険料率が最も高くなるのは昭和九十三年度、千分の五百六十四ということになるわけでございます。
 公立学校共済にづきまして申し上げますと、単年度収支がマイナスになるのは七十二年度でございます。そして、積立金がゼロとなるのは八十三年度、最も賦課保険料率が高くなるのは昭和百年度で、五百三十三・五でございます。
 警察共済につきましては、単年度収支がマイナスになるのは七十八年度、積立金がゼロになるのは八十六年度、そして、ゼロになった後の賦課保険料率でピークになるのは昭和九十五年度の六百七十・七、こういうような見通しを一応立てております。
 これはいろいろな要素が絡んでまいりますので、非常に粗い計算といいますか、私たちの方で皆様方に聞かれたときに一応御説明する資料として持っておるものでございます。
#51
○小川(省)委員 私もこれ以上論議をするとちょっと複雑でよくわかりませんので、御答弁を聞いておくだけにいたしたいと思います。
 また、政府は共済組合員の掛金負担の限界を何パーミルぐらいと考えているのですか。千分の幾つぐらいが適当であるというふうに掛金負担の限界を考えておられるわけですか。
#52
○中島(忠)政府委員 長期給付に係る掛金率の限界をどういうふうに考えるかという問題は非常に難しい問題といいますか、いろいろな要素が絡んできて判断しなければならない問題だと思います。所得水準というのが第一番目にございますし、それ以外にも租税負担がどうなるとか、あるいはそれ以外の、この長期給付の掛金率以外の社会保障負担がどうなるとかということが絡んできて判断しなければならない問題だと思いますけれども、今から数年前、ちょうど臨時行政調査会が御審議をされる過程の議論というものを思い浮かべてみますと、国民所得に対しましてヨーロッパ諸国は五〇%ぐらいに来ておる。フランスは五〇%を超えましてもう六〇%に近いところまで来ておるわけでございますが、アメリカは五〇%を割ってまだ四〇%台だというような数字を私は聞いたことがございます。
 そこで、そのときの議論といたしまして、ヨーロッパ諸国の五〇%というのは少し高過ぎる、行政改革を進めることによってできるだけその率というものを低くして、労働者の相変わらず高い労働意欲を維持していかなければならないという議論がございました。
 そういう中で、ひとつ租税負担率との関係で社会保障の関係の負担率をどう考えるかということが議論されなければならないわけでございますけれども、これからの趨勢といたしまして、年金に関する掛金率というのはやはり徐々に上がっていかざるを得ないだろうと思います。先ほど、先生が連合会と警察共済と公立共済のそれぞれの見通しをとにかく説明しろというお話で御説明申し上げましたけれども、いずれにいたしましても、そういう御説明から若干おわかりいただけたかもわかりませんが、やはり長期給付に掛ける掛金というのはこれから相当上がっていかざるを得ないのではないかという漠たる見通しといいますか、限界ということを、今政府として責任を持って御答弁申し上げるわけにいきませんけれども、相当高い掛金というものをこれから覚悟しなければならないのではないかというふうに思います。
#53
○小川(省)委員 さて、公的負担でございますけれども、追加費用財源の交付の問題なんですが、各共済組合ごとに実額を交付をしてもらいたい、こういう要求があるわけですが、これについてはいかがですか。
#54
○中島(忠)政府委員 追加費用の負担方式につきましては、現在翌年度の精算方式といいますか、翌年度に実額負担方式ということで追加費用というものを支給しておるわけでございますけれども、この方式ともう一つは、今度年金制度を改正いたしますと改正しなければならないという議論もございますが、いずれにいたしましても、この追加費用というものをどのように支給していくかということは、共済年金制度の長期給付に係る積立金にも影響してまいりますので、地方公務員の場合にはいろいろな単位に分かれておりますので、それぞれの影響というものをよく見ながら考えていかなければならないというふうに思います。
#55
○小川(省)委員 また、長期給付に係る公的負担については各自治体へ実額交付をすることとして、不交付団体や公営企業等についても必要額を交付されたいと思いますが、いかがですか。
#56
○中島(忠)政府委員 先生が心配されておりますのは恐らく公的負担の話ではないかと思います。
 公的負担の場合には、不交付団体とか公営企業の場合にどうなっておるのかということは時々議論として出てまいりますけれども、公的負担のあり方につきましては、現在、地方財政計画あるいは地方交付税を通じましてそれぞれ調整する仕組みになっておりますので、私たちの方では現在の大きな地方財政制度の中で、不交付団体についても歳出項目としてそれを挙げ、そして地方財政全体としてといいますか、当該地方団体の財政支出収入全体として調整することによりまして、相当額が確保される仕組みになっておるというふうに御理解いただいて間違いないと思います。
#57
○小川(省)委員 そうなんです、公的負担の話なんです。はい、よろしゅうございます。
 次に、懲戒処分等による共済年金の給付の制限の実態について伺いたいわけですが、削減率別の人員、給付削減額をお示しをいただきたいと思います。
#58
○中島(忠)政府委員 懲戒処分を受けた者に対しましては、あるいはまた禁錮以上の刑に処せられた者に対しましては給付制限というものを行っておりますが、その数でございますけれども、退職年金受給者について申し上げますと、地方職員共済につきましては二百九十五人、〇・三%、公立学校共済組合につきましては三百四十五人、〇・一%、警察共済組合は二十四人、〇・〇三%ということでございます。
 なお、先生が今お話しになりました削減率別の人員というものは、非常に残念でございますけれども、現在、把握いたしておりません。
#59
○小川(省)委員 後で資料で出してくれますか。
#60
○中島(忠)政府委員 はい、承知いたしました。
#61
○小川(省)委員 本来、厚生年金では支給制限などということはやっておらないわけであります。このような給付制限を付すること自体がいわゆる天皇の官吏時代の遺物であって、撤廃すべきだろうと思いますが、いかがですか。
#62
○中島(忠)政府委員 共済年金というのは、よく御存じのように公的年金制度の一つとしての性格を持っておりますとともに、公務員制度の一環をなす側面も強く持っております。この公務員制度の一環をなすという面におきまして、先ほど先生がお話しになりました、世に言われる官民格差の中でも是認していいものがあるのじゃないかという理論につながってくるわけでございますけれども、この公務員制度の一環としての性格を持っておることによりまして、やはり厳しい服務規律のもとにおいて公務員は働いておる、その服務規律に違反した者についてはいろいろな制限がある、その制限の一つとして、現在年金に対する給付制限というものも行われておるわけでございますので、そういう大きな一環の中の一つとして御理解いただいて、この給付制限というものの存続をお認めいただきたいと思います。
 ただ、このことにつきましては、かつて国会で議論がございまして、その議論を踏まえまして、給付制限を行うべき期間を六十カ月というふうに緩和をしたわけでございます。私たちの現在の感じでは、この制度というものを公務員共済の性格を考えながら結論いたしますと、そこらがいいところじゃないかという感じを持っております。
#63
○小川(省)委員 私も五年を限ってやっておるということを承知いたしておりますが、いわゆる公務員制度の一環だという表現の中には、何か天皇の官吏時代の遺物があるような感じをどうしても実は払拭できないわけでございます。こういう意味で、厚生年金では全然支給制限がないのだけれども、共済組合法の中ではこういう支給制限をつけておるのは私はまずいと思いますので、一日も早くこれをなくすように努力をしていただきたいと思いますが、これについては大臣、いかがでございますか。
#64
○古屋国務大臣 お話のように、公的年金制度というものの性格からいたしまして、五年間で懲戒とかそういう場合の制限を設けておるのでありますが、旧官吏とか昔の陛下の役人ということは、もう私ども考えるべきではないと思います。御趣旨の点もありますので、将来の問題として慎重に検討させていただきたいと思っております。
#65
○小川(省)委員 ぜひひとつ、慎重な検討というか前向きの積極的な検討をお願いいたしておきたいと思います。
 さて、標準的な公務員にあっては、共済の長期の掛金、短期の掛金、所得税、住民税等の負担がそれぞれ、給料の何%を占めているのかお答えをいただきたいと思います。
#66
○中島(忠)政府委員 標準的な公務員というふうに一言で申しましても、実はその方の家族の状況とか、住んでおる地域の状況によりまして、扶養手当がどうなるとか、あるいは調整手当がどうなるとかということで変わってまいります。
 そこで、標準的な職員というのをなかなか想定しにくいわけでございますけれども、五十九年の地方公務員の給与実態調査における全地方公共団体の一般職の平均給料月額、二十万八千七百三十三円でございますけれども、それをもとにいたしまして、四人家族、そして東京に勤務しておるという前提で計算いたしますと、共済の長期掛金というのは七・六五%、短期の方は五・一〇%、所得税は二・七六%、住民税が五・〇三%という計算が一応できます。以上を差し引きますと、可処分所得の名目賃金に対する割合というのはおおむね八五%ぐらいじゃないかというふうに思います。昨晩慌てて計算したわけでございますので、ひょっとしたら計算間違いがあったらまた後ほど御説明さしていただきますけれども、昨晩慌てて計算いたしますと、そういうことを申し上げることができると思います。
#67
○小川(省)委員 ありがとうございました。
 共済の長期と短期で合わせて一二・七五%ですか、一二%ぐらいの掛金があるわけですよね。私は少し高いのではないかというふうにも思っておるのですが、いずれにしても掛金率の限界を、千分の七十あたりを限界として設定をすべきではないかと思っています。これを上回る財源の確保ですが、公的負担の増額によってこの財源を賄うようにしていくべきだというふうに考えておりますが、この考えについてはいかがですか。
#68
○中島(忠)政府委員 掛金率の限界というのを七%に置け、それをオーバーする分は公的負担で賄え、こういう御主張だと承りました。
 公的負担というものをどのように持っていくかということにつきましては、いろいろな年金制度との関連において考えなければなりませんけれども、いずれにいたしましても、公的負担と申しましてもしょせんは国民ないし住民の税金というものがそういうところの負担になって出てくるわけでございますので、厚生年金とか、あるいはまたその他の年金制度との絡みで公的負担のあり方というものも考えなければなりませんので、先生の千分の七十で据え置けという御主張というものも、それなりの先生の合理的なお考えだと思いますけれども、私たちといたしましては、将来のことを考えますとなかなか難しい仰せだなというふうに思います。ただ、せっかくの仰せでございますので、私たちとしては、この際、かしこまって承っておきたいと思います。
#69
○小川(省)委員 かしこまって承っていただけるのは大変ありがたいのですが、千分の七十ぐらいにとどめるのが、私はいわゆる公務員の特殊性を生かしたやり方だというふうに考えておりますので、ぜひひとつかしこまって承っていただきたい、このように思います。
 次に、高額所得者に対する年金の支給制限の問題について聞きたいわけですが、高額の所得を持っている者に対する年金の支給制限は今どうなっておりますか。
#70
○中島(忠)政府委員 これにつきましても、かねてからいろいろな議論がございまして、昭和五十四年に制度改正を一度行いました。そして、五十五年の一月一日以後に退職する公務員につきまして年金の制限を行ったわけでございますけれども、所得控除を行った後の給与、年金以外の給与でございますが、それが六百万円を超える人につきまして、年金が百二十万円以上ある場合には、百二十万円を超える年金の二分の一を支給停止していこうということで、五十四年の制度改正をさしていただいたわけでございます。その後、また昭和五十六年に制度改正をいたしまして、毎年毎年年金が改定されますけれども、その改定して増額する額を限度といたしまして、これまた支給制限していこうという制度を行ってきたわけでございます。
 そういうことで、現在高額所得者に対する年金の支給制限というものを行っておりますけれども、現在私たちの方で別途法案を提出さしていただいておりますけれども、その法案では、もう少し厳しい所得制限というものも考えていかなければならないということを考えております。
#71
○小川(省)委員 公的年金制度のもとでは、保険集団からの離脱で年金を支給する建前になっておると言われておるわけでありますが、退職年金は、老齢で稼得能力を喪失した者に対する所得保障を目的として構成されている要素もあるわけでありますから、保険集団を離脱した場合でも高額の稼得能力を保持している者に対しては、無条件に退職年金を支給することは退職年金支給の本来の趣旨にもそぐわないのではないかというふうに思いますけれども、いかがですか。
#72
○中島(忠)政府委員 高額所得者に対する年金の支給制限につきましては、先生が今お話しになりましたような意見というのが強く出されております。ただ、この問題について考えます場合に、若干私たち事務的に頭を悩ませますのは、高額所得者も過去三十年とか三十五年、長い間、年金をいただこうということで掛金を納めてきた、その掛金に対する配慮というものも、この支給制限のときにはやはり考えていかなければならないということもこれまた一つの事実でございますし、配慮しなければならない一つの指摘だというふうに思います。
 ただ、この問題につきましては、私たちも世論の動向等、国会の審議というものがどういうようなところにあるのかということを見きわめながら考えさしていただきたいというふうに思います。
#73
○小川(省)委員 私がこれを取り上げたのは、特に官民格差論の延長線上で論議されておって、特に公社、公団に対する高級官僚の天下りで大変大きな所得を得ている者に対する年金の支給という問題が取り上げられてくるわけでありますから、ぜひひとつ、こういうぐあいに実は支給制限もやっているのだというふうなPRをしないと、これは誤解を受けるおそれが多分にありますし、特に公社、公団では年額八百万以上とかというふうな所得者が多いわけでありますから、私はむしろ打ち切ってもいいぐらいに思っているわけであります。支給制限がやられているわけでありますから、こういう点に対するPR等もひとつおさおさ怠りなくやっていかなければならぬというふうに思っていますが、いかがですか。
#74
○中島(忠)政府委員 年金制度をめぐりまして国民の理解をよく得なければならない点というのが、先生が最初にお話しになりました官民格差についての考え方を含めまして種々ございます。そういういろいろな問題というものを正しく国民に理解していただくためのPRといいますか、私たちの方の広報活動というものを進める場合の一つの先生の御提言だということで承っておきたいと思います。
#75
○小川(省)委員 次に、昭和五十二年、五十三年、五十四年当時の共済組合法の審議では、特に特定事務の従事者の救済という問題が論議の中心になっておりました。私もちょくちょく取り上げたのを覚えておりますが、現時点では、この種の問題はすべて解決をして問題はないのですか。また、あるいは年金を支給されないような職種の人員は現在ではもう残っていないのですか、いかがですか。
#76
○松本説明員 お答え申し上げます。
 先生がただいま御指摘のように、学校給食に従事いたしておりました者とか、あるいはまた家庭奉仕員、また母子相談員等で地方公共団体と非常に密接に関連した仕事をいたしておりますけれども、組合員という立場になかった者につきましては、御指摘のように特定事務従事者等ということで救済措置を講じまして、四十歳以上で十五年以上の組合員期間があって、そしてそれらの期間を合わせまして二十年を超えることとなります者には退職年金を支給するという制度を創設いたしたわけでございます。そういうことで、かなりの部分がこの特定事務従事者等の救済措置によりまして救済をされているということは言えると思います。
 今回、先ほど部長の方からもお話し申し上げましたように、別途国会に提出いたしております年金の改革法案は、国民共通の基礎年金を導入する、そういうことで、この国民共通の基礎年金を通じて従来の通算措置に相応するものが解決されるということでございますので、この点についてより一層の改善が図られるのではないかと考えておる次第でございます。
#77
○小川(省)委員 私もあえて触れたくないから黙っているのだけれども、別途提案されている云々は結構ですから。
 そこで、当時、特定事務従事者では東京都に勤務をしておる職員の問題が特に論議の中心になってきたわけです。マンモス都市東京ではいろいろな形でいろいろな人たちを雇い上げていたわけでありますから問題が多かったわけでありますが、東京都の職員の中のそういう職種といいますか、そういう人たちはほとんど救済をされたという理解でよろしいわけですか。
#78
○松本説明員 ただいま東京都職だけでどの程度という数字は持ち合わせておりませんけれども、ただいま申し上げましたように相当な解決を見ているものと確信いたしております。
#79
○小川(省)委員 安心をいたしました。また問題があれば取り上げますが、ほとんど救済をされたのではないかというふうに私も思っておりますので、実は安心をいたしたわけでございます。
 次に、長期経理の資産運用の問題について若干お伺いをいたしたいと思います。
 積立資産の運用の問題であります。一号から三号まであるようでありますが、この区分は何でやっておるかという問題なんです。一号は資金運用部に対する預託や地方債に対する貸し出し等をやっておるようでありまして、二号資産というのは、いわゆる施設等の不動産の取得等に使っておうようですし、三号は組合員に対する住宅資金の貸し付けの会計のようでありますが、一号から三号までの区分というのはどういうことで分けていますか。それで割合はどうなっておりますか。また、地方債に対する資金需要といいますか、恐らく大変激増しているのではないかと思っておりますが、いかがでございますか。
#80
○松本説明員 お答え申し上げます。
 共済組合に対します資金運用の実態の問題でございますが、先生今御指摘のように、一号、二号、三号という区分をいたしております。一号資産と申しますのは預金とか有価証券のたぐいでございまして、純粋な運用資産的なものでございます。二号資産と申しますのは不動産に直接投資する部分としているもの、あるいはまた不動産投資のために加入組合に貸し付けているものでございます。それから三号資産と申しますのは、加入組合に対しまして貸付金を行いまして、その貸付金がさらに組合員に貸し付けられるもの等でございます。ただいまの資産区分で申しますと、一号資産で約五六・五%、二号資産で四・八%、三号資産で三八・七%となっておるわけでございます。
 ただいま先生御指摘の地方債の運用の割合がふえていくのではないかというお話でございますが、御案内のようにいわゆる義務運用と称しまして、地方債の取得または公営企業金融公庫の債券の取得という部分につきましては現実積立額の三〇%という限度額がございまして、その範囲内で運用いたしております。残りのものにつきましてはそれぞれの任意運用でございますので、一般の資産運用と同様にお考えいただいていいのではないかと思っております。
#81
○小川(省)委員 地方債については限度額があるのですね。私は限度額がないものと思ったものですからちょっと伺ったわけであります。
 それから、二号の不動産でありますが、四・八%というふうに余り多くないわけであります。これは共済組合の何とか荘とかいわゆる組合員が利用する施設の不動産の取得だけなんだろうと思いましたが、一般に対する不動産の貸し付けも含んでおるとするならば、こんな時期でございますからむしろ取りやめたらどうなのかと私は思いますけれども、これはいわゆる共済組合が利用する施設の不動産の運用とは違うのですか。
#82
○松本説明員 二号資産の不動産の取得の大宗を占めますのは職員住宅でございまして、地方公共団体がその元利償還をいたすたぐいのものが多うございますので、これは職員のための福祉施設と同等に見ていただいていいのではないかと考えております。
#83
○小川(省)委員 わかりました。
 次に短期についてちょっとお伺いをいたしたいと思っております。
 市町村職員のうち三十三万余が健康保険の適用、八十五万が共済組合法適用の職員と言われております。恐らく現在でもそんなぐあいになっているんだと思っておりますけれども、これに手をつけるといいますか、何とか指導をしていく必要があるんじゃないかと思っておりますが、いかがでございますか。
#84
○中島(忠)政府委員 いわゆる都市健保の問題だと思います。共済組合制度がスタートいたしましたときに、従来からの経緯を尊重いたしまして相当な都市につきましては健康保険組合という制度が別途スタートしたわけでございますけれども、考えてみますと、共済組合制度というのは、長期と短期と福祉事業が一体になりまして職員に係る福利厚生が十全を期し得るのだと思います。したがいまして、これは私たちの将来の希望かもわかりませんが、やはり都市健保というのも共済の短期の方にお入りになった方がいいのじゃないかと思いますけれども、ただ、この都市健保につきましては現在厚生省の方の所管になっておりまして、厚生省の方で現実に指導しておられますので、私たちも厚生省の現実の指導を見守りながら将来のあり方についてもまた考えさせていただきたいと思います。
#85
○小川(省)委員 掛金の負担率で見てみますと、健康保険の場合千六百組合で四三対五七、都市健保では四十七組合で平均が三一対六九になっておるようでございます。共済は御案内のようにフィフティー・フィフティーになっておるわけでありますが、この職員負担の不均衡をどうするか。何とかするつもりはありませんか。
#86
○中島(忠)政府委員 非常に難しいといいますか、一つの基本的な問題がそこにあるような気がいたします。
 短期の給付につきまして今までいろいろな審議会とか調査会で議論されましたけれども、その議論というものを現在よく振り返って考えてみますと、労使折半原則というのが言われております。したがいまして、現在共済組合で行っております短期給付に係る労使折半原則というのは正しい方向だと思いますし、いろいろな客観的な審議会における議論においても了承されておるところだというふうに思います。
 ただ都市健保で、今先生がお話しになりましたようにおおむね三〇対七〇という比率で負担が行われておるということにつきましては、厚生省の中におきましても若干疑問を抱いておる向きがあるというふうに聞いておりますけれども、私たちの方では、今共済の短期というものを都市健保に合わせるという方向につきましては非常に大きな疑問を感じますし、そういうふうに公的負担を多くするということは、やはり住民の税金というものがそういう方向に使われておる、その住民の税金を負担しておる方たちというのは、大体健康保険法に基づきまして五割の負担をしておるという人が多いということを考えますと、やはりどうしても都市健保の方に合わせることにつきましては慎重にならざるを得ないというのが今の考え方でございます。
#87
○小川(省)委員 この点は私はやはり共済のフィフティー・フィフティーを都市健保のようにむしろ持っていくべきだというふうに思っておるのですが、今部長が言われたように大変難しい問題でもありますから、要望しても無理だとは思いますが、ひとつ検討を進めてみていただきたい、こういうことをお願いしておきます。これは単なる私の要望であります。
 以上、私は、特につい最近まで共済組合法の審議の中で問題になっていた点を幾つか取り上げてまいったわけでありますが、大体この法案に対する質疑の点はありません。問題がないというふうに理解をいたしておるわけであります。幾つか取り上げた問題は、古い時期から問題になった点ばかりを取り上げてきたわけでありますから、大臣もお聞きになっておられたというふうに思いますので、ぜひひとつ検討すべき点は検討して、前向きに全共済組合員のために対処をしていただくように最後にお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#88
○高鳥委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十二分開議
#89
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。吉井光照君。
#90
○吉井委員 まず最初に、財源の再計算と将来の収支見通しについてお尋ねをしたいと思います。
 昨年の十二月に行われました財源再計算の結果、地方公務員共済組合連合会の財源率は千分の百六十五・五となったわけですが、前回の五十四年十二月では道府県職員の場合これが千分の百二十四・五、したがって昨年十二月には四十一の大幅引き上げ、このようになったわけでございます。これは前回の財源の再計算の引き上げ幅に比較をして非常に大きいわけですが、まずこの理由についてお尋ねをしたいと思います。
#91
○中島(忠)政府委員 今お話しになりましたように昨年の十二月に財源率の再計算を行いまして、連合会の分につきましては千分の百六十五・五というところまで引き上げたわけですが、その理由は、一つはここ数年来いろいろ言われておりますように平均余命というものが延びてきておりまして、それによりまして年金に関する費用が非常に増加してきておるというのが第一番目の理由として挙げられます。
 それから第二番目の理由として、将来の年金給付に必要な積立金に不足金が生じているということが挙げられると思います。なぜ不足金が生じているかですが、一つは、給与改定が毎年行われており、給与改定が行われますと、現在公務員である者につきましても将来の年金額が増加する、そしてまた現在年金を受けておる方はそれだけ年金がベースアップされますから年金額がふえるということがあろうかと思います。もう一つは、五年ごとに財源率の再計算を行いました場合に、平準保険料に対して八〇%の修正率を掛けまして現実の実行保険料率というのを算出しております。その二%が積み重なって不足金を生じておる。それらが相重なりまして千分の百六十五・五というところまで引き上がったというふうに御理解いただきたいと思います。
#92
○吉井委員 また、組合員の掛金率ですが、道府県職員の場合は、前回の千分の五十二に対して今回は千分の六十九、千分の十七の引き上げ幅となっているわけでございます。これは三三%の大幅増加率で、給与改定も抑えられている組合員の負担能力をはるかに超えている、このように思われるわけですが、現行法では長期給付の公的負担の割合が一五・八五%、これは厚生年金の公的負担二〇%に比較をして非常に低いわけです。そこで、この公的負担分を増加させて再計算による組合員の掛金率の大幅増加を抑えるべきではないのか、このように思うわけですが、いかがですか。
#93
○中島(忠)政府委員 財源率が引き上げられたことに伴いまして組合員の掛金も、先生が今お話しになりましたように引き上げられることになりました。この引き上げ幅を抑えるために公的負担をふやしたもどうかというお話でございます。
 このことにつきましては、私たちは厚生年金の場合には二〇%だ、公務員共済の場合には一五・八五%だということで、そこに差があるからという理由でお話をよく聞くわけでございますけれども、そういうサイドからの議論と、もう一つは、現実に年金を受けておる人たちが一体一人当たり幾ら公的負担を支給されておるかということのサイドから見ますと、地方公務員共済の年金額が厚生年金額よりも額が高うございますので、現実の年金受給者という立場に立って考えますと、率は二〇%と一五・八五%というふうに差がございますけれども、実際の額になりますとほんの少しですが公務員共済の年金受給者の方がより多くの公的負担を受けておるという指摘もございます。
 そういうような指摘もございまして、私たちの方では、現在の一五・八五はあながち不当ではないのではないかと考えまして、現在の率をなお採用させていただいておるわけでございますけれども、この公的負担をふやすということは、回り回りまして国民の税金とか住民の税金というところにはね返ってまいりますので、これをふやすことについては慎重な検討といいますか国民の合意が必要になると考えますので、先生のお話については若干慎重に構えておるところで、ございます。
#94
○吉井委員 今回の再計算によって地共済の将来収支はどう見込まれてくるのか、すなわち長期給付の支出が掛金と負担金の収入を上回ってくるのはいつごろになるのか。また、積立金がなくなってくるのは一体いつか。この点についてお尋ねしておきたいと思います。
#95
○中島(忠)政府委員 若干の前提を置いて御説明させていただきます。一つは、組合員数を五十七年度末で固定させていただきたいと思います。第二番目に、給与改定率と年金改定率を毎年五%ということで見たいと思います。第三番目は、積立金の運用利回りを年六・五%とし、第四番目に、財源率を現行の財源率で据え置くということ。その他といたしましては、昨年十二月の財源率再計算の際に用いました資料を用いさせていただきます。
 そういう前提でお話を申し上げますと、地方公務員共済組合連合会について御説明いたしますと、単年度収支が赤字になるのは昭和七十五年でございます。それから、積立金がなくなってしまうのが昭和八十四年というふうに計算しております。
#96
○吉井委員 ついでですが、文部省と警察庁の方にお尋ねいたします。
 今回の財源再計算が別個に行われたところの学校共済、警察共済それぞれの財源率はどうなっているのか、また、その将来の収支見込みはどうなっておるのか、お尋ねしておきたいと思います。
#97
○岡林説明員 公立学校共済の長期給付の財源率につきましては、先ほど御説明がありましたとおり、昨年十二月に再計算を行いまして、実行財源率を千分の百二十四・五から千分の百七十三に引き上げたところでございます。十二月一日から実施いたしております。
 今後の収支の見通しにつきましては、この財源率を将来にわたって固定し、組合員数を昭和五十八年度以降一定といたしまして、給与改定率、年金増額改定率を年五%、積立金の運用利回りを六・五%、先ほど公務員部長の方から説明がありましたとおり一応前提を置きまして計算いたしますと、昭和七十二年度には当該年度の支出が赤字になり、八十三年度に積立金がゼロになる、そういうようなことに相なっております。
#98
○鈴木(良)政府委員 警察の場合も同じように、組合員数が五十八年度以降変わらないという前提、それから給与の改定率及び年金の改定率はそれぞれ年五%とするという前提、積立金の運用利回りを年六・五%といたしまして、さらに財源率を据え置いていくという前提にいたしまして五十九年十二月の再計算によりますと、警察の場合には二つ組合員の区分がございまして、一つは警部以下の階級にある警察官、これは特定警察組合員というふうに言っておりますが、この財源率が千分の百八十九となります。それからその他の者、これは警視以上の警察官と一般職員ということになりますが、この一般組合員の関係が千分の百七十五ということになります。
 その収支見通しでございますが、昭和七十七年度までは収支のバランスが確保されますけれども、七十八年度以降は支出が収入を上回ることとなります。そうして、積立金の取り崩しは八十六年ということになるわけでございます。
#99
○吉井委員 そこで、五十九年十二月の財源率再計算は、今回別途提案されようとしておるところの共済大改革を前提としたものではないわけですね。もしこの共済大改革を仮に実施したとするならば、将来の地共済の収支はどうなっていくのか。なお、その資料はまだ作成されてない、このようにも聞いておるわけですが、この資料というものは今回の共済大改革の国会審議の重要な資料となると思うのです。その資料がなければ国会審議も非常に難しい、このようにも思われるわけでございます。したがって、作成していないのなら早急にこういった資料を作成すべきだと思うのですが、その見通し、それから国会審議に間に合うのかどうか、この点いかがですか。
#100
○中島(忠)政府委員 この三・四%の額の改定法とは別に制度改正法案というものを国会に提出させていただいておるわけでございますけれども、その法案が成立いたしましたならば、私たちの方では長期給付の見通しというのをもう一度把握し直さなければならないなと考えておりますが、現在、先生がお話しになりましたように、今の制度改革法案が成立したならばどういうふうに財源率が変わるのかというところまでは、関係資料の収集を正直なところまだ終わっておりません。この財源率の再計算のためには大変な作業が必要でございますので、そう簡単にできる問題ではございませんけれども、今先生からお話がございましたことを、私たちは今の時点では念頭に置かせていただきたいと思います。
#101
○吉井委員 次に、公的年金の一元化についてお尋ねしておきたいと思います。
 公的年金につきましては、「昭和七十年を目途に公的年金制度全体の一元化を完了させる。」このように五十九年二月二十四日の閣議決定があります。地共済につきましては、五十八年の財政単位の一元化の改正、その後に今回の基礎年金の導入等の大改正が予定されているわけでございますが、しかし、その閣議決定でも、今回の大改正以後七十年度までに共済をどう改正しようとするのか全く不明であります。すなわち、七十年度の一元化とは一体どんな形態を考えていらっしゃるのか、またそれまでの間にどんな手順、方法で、いつ改正をするのか、これらの点が不明でありますと、一元化の経過の中で今回の共済大改正がどんな位置づけがなされ、またどんな性格を持っているのかがわからないわけです。これでは大改正の内容について十分な検討ができなくなるわけでございまして、したがって、まずその一元化の形態とそれまでの間の手順、方法、時期等がどうなっているのか明らかにしていただきたいと思います。これは大臣にひとつお願いしたいと思います。
#102
○古屋国務大臣 お話しの点につきましては、公的年金制度につきまして全体の長期的安定と整合性ある発展を図るべく見直しを行うこととしておりまして、その一環としてさきに国民年金、厚生年金保険及び船員保険につきまして基礎年金導入を図るという改正が行われておることは御承知のとおりでありまして、今回共済年金につきましても、これと同じような趣旨に沿いました制度改正を行うための法案の審議をお願いしておるところであります。これによって制度の一元化に向けて大きな前進が図られるのではないかというふうに考えております。
 手順の問題でございますが、一元化に向けて具体的な内容、手順につきましては、昭和六十一年度までの措置を踏まえまして検討されることになるのでありますが、いずれにしても考え方といたしましては、公的年金制度全体としての長期的な安定と整合性のある発展を図るという見地からいたしまして、各制度を通じまして給付と負担の公平化が確保されるよう必要な調整を進めまして昭和七十年を目途としてその実現を図っていきたい、一般的にはそういう考え方であります。
#103
○吉井委員 今回の共済大改革の下敷きとなっております昨年十月の共済年金制度改革検討委員会の報告では、国家公務員共済による国鉄共済の救済は昭和六十四年度までが限度だから、それ以降の救済のあり方については昭和六十二年度末までに結論を出すべし、このようになっております。この検討委員会には自治省も当然参加していらっしゃるわけですが、果たして地共済が国鉄共済の救済に参加することになるのかどうか、このような方針があるのかないのか、せめてこのぐらいひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#104
○古屋国務大臣 国鉄共済の救済につきましては、国家公務員の方の共済では一応救済に当たっておりますけれども、地共済がこれに参加する考えがあるか、あるいは国共済と地共済で救済する考えはあるかというような点について申し上げますと、地方公務員共済組合審議会からは「国鉄共済組合に対する救済は、国の責任分担を明確にすることが先決である」という御承知のような、六十年四月八日付の答申をいただいておりますので、この趣旨に沿ったように私どもは対処してまいりたい、一般的にはさような考え方でございます。
#105
○吉井委員 一説によりますと、地共済は国共済に合併した上で国鉄共済の救済参加が六十五年度から、そしてさらにその五年後の七十年度からは一元化の上で厚生年金にも参加させる、そのために今回共済の大改革を行って、強引に共済年金の体系や給付と負担の水準を厚生年金にそろえる必要があったのだ、このようにも言われているわけですが、事実はどうなんですか。
#106
○中島(忠)政府委員 今先生がお話しになりましたような議論も行われたことがございます。しかし、今回の制度改正のための議論を地方公務員共済組合審議会で行っていただいたときには、国鉄共済に対する態度、姿勢のあり方についてもいろいろ議論がされました。その議論がされた結果、今大臣から御答弁申し上げましたように、「国の責任分担を明確にすることが先決である」という審議会の答申になっております。私たちは地方公務員の共済制度について企画立案するときには常にこの審議会に諮問いたしまして、審議会のその答申というものをできるだけ尊重する方向で事務を処理いたしておりますので、今先生がお話しになりましたような議論も知っておりますけれども、ここ当分の間は審議会の答申に従って事務を処理していきたいというふうに私たちは考えております。
#107
○吉井委員 地共済については五十八年度に財政単位の一元化のために大改革を行って、従来の十六の財政単位を一本化するため連合会を設けたわけです。しかし、学校共済と警察共済についてはこれに参加していないために財源の再計算も三本立てであったわけですね。せっかく一元化によって地共済の中での制度間の不均衡をなくそうとしているのに、なぜ学校共済と警察共済だけがいまだに参加していないのか、この点いかがですか。
#108
○中島(忠)政府委員 地方公務員全体の共済組合の連合会をつくるということで連合会を発足させていただきました。
 ただ、学校と警察につきましては、特定の職域に属する職員ということ、かつまたそれ相当の職員数もいるということで現在別になっておるわけでございます。さしあたって地方公務員共済につきましては弱小な組合もございましたので、急がさせていただいて先に連合会を発足させていただいたわけでございますけれども、その後警察庁及び文部省の方に対しまして、今回の制度改正のときにもそうでございますが、ひとつ連合会に加入して地方公務員関係の共済組合は一本の連合会にしようじゃないかという話をいたしましたところ、警察庁の方からは前向きな返事をいただいておりますが、文部省の方は関係方面との調整がまだ残っておるということで、しばらくの間待ってほしいということでございましたので、今回は見送ることにしたわけでございます。文部省の方も相当努力しておられますので、しばらくその努力というものを見守っていきたいというふうに考えております。
#109
○吉井委員 今御答弁がございましたように、自治省としては学校共済等の一日も早い参加を表明していらっしゃるわけです。
 ところで、今回の財源再計算によりますと、連合会の財政パンクは、財源率千分の百六十五・五で八十四年、それから学校共済が、千分の百七十三と連合会の財源率より高いのにより早い八十三年に財政はパンクする、こういうことになっているわけです。ただ、再計算の方法が若干違うという点があるのかもしれませんが、この数字だけから判断いたしますと、参加がおくれればおくれるほど地共済連合会の方が学校共済等より有利になると思われるわけですが、反面では、どうせいつか参加することになるのなら、学校共済の財政がこれ以上悪化する前に参加してもらった方がよいという意見も聞かれるわけでございます。したがって、国鉄共済の二の舞にならないように学校共済と警察共済の連合会参加について一刻も早く手を打つべきだ、このように思うわけですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#110
○古屋国務大臣 今お話し申しましたように、警察共済の方は近く加入するというような方針を伺っておりますし、私もそれができると思いますが、学校共済の方につきましては若干のいきさつがありますので、いずれ統合しなければならぬが、警察のように今すぐに入り得る状況ではないようでございます。しかし、いずれ早くこれを統合しなければならぬということはお話しのとおりでございますので、私ども文部省とよく話し合いまして、できるだけ早く一本になるように努力してまいりたいと思っております。
#111
○吉井委員 では次に、今回の地共済の年金改定率平均三・四%について人事院にお尋ねをしたいと思います。
 今回の地共済の年金改定率は平均三・四%、これは五十九年度の国家公務員の給与改定率平均三・三七%に倣ったものだ、このように思うわけですが、国家公務員の給与改定率自体が三・三七%というのは五十九年度の人勧六・四四%を大幅に下回ったものです。人勧は五十七年度四・五八%、五十八年度六・四七%なのに、給与改定はそれぞれ〇%、二・〇三%、このように三年連続の大幅切り下げでございます。最高裁の判決によって公務員の労働基本権制約の代償措置とされている人事院の存在が無視されて、人勧が三年も連続して値切られているのが現状でございます。こうした事態につきまして人事院はどう判断をしていらっしゃるのか。勧告さえすれば後は政府任せというのでは人事院のかなえの軽量が問われることにならないのか。この点について人事院の御意見はいかがですか。
#112
○丹羽説明員 お答え申し上げます。
 人事院勧告制度は、先生おっしゃいますように、公務員につきまして憲法に保障されております労働基本権を制約されておることに対します代償措置として設けられております重要な制度でございます。またこれが公務員の生活を支える給与のほとんど唯一の改善の機会となっているものでございます。この勧告制度が維持、尊重されることが公務員の士気の保持あるいは労使関係の安定、ひいては公正かつ能率的な公務の運営等に欠くことのできないものであるということでございまして、そのような理由を御理解いただきまして、ぜひとも勧告を完全実施していただくのが筋であると私どもは考えておるわけでございます。
 ただいま先生御指摘のように、ここ数年勧告の見送りあるいは抑制という事態が続いてございますが、人事院といたしましては、勧告の完全実施につきまして引き続いて強く要請していくとともに、国民及びその他の関係者に対しまして勧告制度の意義につきまして御理解いただくよう一層努力してまいりたいと思っております。
#113
○吉井委員 こういういろいろな事態が考えられて、極端には人事院廃止論まで唱えられているような昨今でございます。ひとつしっかり頑張っていただきたいと思います。
 五十九年度の国家公務員の給与改定率三・三七%は、地方公務員の場合、財源再計算による五十九年十二月からの年金の掛金率の引き上げ幅は一・七%で、既にその半分が失われているわけでございます。国家公務員の場合は、年金の掛金率が再計算で一・九%、国鉄救済分で〇・五三%、合計二・四三%引き上げられているわけです。これは給与改定の七割が共済掛金の引き上げだけで消えてしまっていることになるわけですね。この上、税負担や公共料金の引き上げ、こういったことを考慮するならば、給与改定は完全に消えてしまっているのではないか、このようにも思うわけでございます。人事院は、五十九年度の給与改定率三・三七%でやむを得ない、このように考えていらっしゃるのかどうか、この点いかがですか。
#114
○丹羽説明員 先ほども申し上げましたように、人事院の給与勧告制度というものは、憲法に保障されております労働基本権制約に対する代償措置という大変重要な機能を有しておるものでございます。したがいまして、勧告はぜひ完全実施していただくのが筋である、このように思っております。
#115
○吉井委員 人事院の計算では、人事院勧告どおりの給与改定がないことによる国家公務員の給与の減収総額は、五十六年度から五十八年度までで六千三百億、一人当たり平均四十二万七千円、このように計算をされているわけですが、これに五十九年度の不完全実施分を含めるとどのくらいになるのですか。
#116
○丹羽説明員 勧告が完全実施された場合と五十六年以降の見送り、抑制実施による差額を五十九年度の分まで含めまして役職段階別に試算してみますと、本省勤務の係員の場合でございますが、これは具体的に申し上げますと、行(一)の七等級の五号俸で、妻がいるという仮定で計算いたしますと、約四十万円でございます。それから五等級の七号俸の係長クラス、妻、子が二人ということで仮定して計算してみますと、約六十一万円。それから課長補佐クラス、四等級の十一号俸で、妻、子二人の場合には約七十三万円。それから行政職俸給表適用職員の平均で計算してみますと、約五十五万円の減収ということになっております。
#117
○吉井委員 同様に、人勧どおりに改定されなかったことによる地共済の五十八年から六十年度までの年金生活者の年金減収総額は一体どのぐらいになるのですか。
#118
○中島(忠)政府委員 三百五十五億円というのが年金の削減額の総額でございます。
#119
○吉井委員 そこで、自治省は昨年八月に年金生活者の実態調査を行われたわけですが、その結果がどうなっているのか。まだ結果が出ていないのであるならば、先ほども申し上げましたように、こういった資料というものは共済大改革のための重要な資料となるわけですから、早急に取りまとめて国会審議に入る前に国会に提出していただきたいと思いますが、この点はどうなっていますか。
#120
○松本説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように昨年年金受給者の実態調査というのを実施いたしまして、ただいまその数値の精査をいたしております。改革法の審議までには取りそろえて御提出いたしたいと思っております。
#121
○吉井委員 それでは厚生省にちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
 自治省の調査結果がまだ発表されていないわけです。そこで厚生省の国民生活実態調査の結果を使ったならば、五十八年の高齢者世帯の平均所得金額は二百十万八千円。前年度の二百十八万四千円に対する伸び率は、五十八年度の年金改定ゼロの影響でマイナス三・五%であるのに対して、高齢者世帯以外の世帯では対前年度伸び率が三・四%と、たとえわずかでも伸びているのに比較して、著しい対照を見せているわけでございます。しかもその所得の内訳を見ますと、年金、恩給が五〇・四%と初めて五割を超えた、このようにされております。このように、高齢者世帯の所得でウエートの大きい年金の改定が五十八年度ゼロ、五十九年度二%、そして今回三・四%の、まあ予定でしかないわけですが、三年間でわずか五・五%の引き上げということでございます。
 一方、六十年度だけでも所得税、住民税の減税は見送られ、三年に一度の土地の評価がえで全国平均二〇%の評価がえがあった土地では、六十年度と六十一年度に土地の固定資産税の負担が対前年度比一〇%ずつ引き上げられている。また国鉄運賃は二年連続引き上げ、消費者米価の引き上げ、また医療費の引き上げ等、いわゆる公共料金の引き上げも非常に大きいわけでございます。三・四%の改定程度では到底追いつかないのではないか。厚生年金も同率三・四%ですが、老人福祉所管省たる厚生省はこういう現実を、また実態をどういうふうに見ていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。
#122
○末次説明員 お答え申し上げます。
 国民生活実態調査におきまして、五十七年に比べまして五十八年の所得が下がっておりますのは事実でございますが、これは中身といたしまして五十八年度に稼働所得がかなり落ちたということが主たる原因であろうかというふうに考えておりまして、年金、恩給等の額につきましてはそれ相応の伸びは一応は示しておるというふうに考えております。
 先生の御質問でございますが、総体的に申し上げまして、厚生省としましては、本格的な高齢化社会の到来を迎えるわけでございますので、その中で健康で生きがいのある生活を不安なく送るということが必要であるというふうに考えておりまして、いろいろな施策を総合的に推進していく必要がある。その基本といたしまして、やはり制度が長期的に安定し、国民にとって信頼できる制度にしていくということが必要であろう、このような観点で年金あるいは医療保障につきまして抜本的な改正をいたしまして、また健康の問題につきましても、壮年期からの健康づくり、これを柱にしました高齢者の健康対策あるいは生きがい対策を含む老人福祉対策、こういうものを総合的に推進していきたいというふうに考えております。
#123
○吉井委員 そこで、老人福祉はここ数年だんだん後退を重ねているという感が非常に強いわけですが、例えば医療については五十八年二月から七十歳以上無料が廃止されて定額負担を導入された。年金については厚生年金、国民年金に続いて今回の共済年金の大改革。その他の福祉サービスも、六十年度には老人ホームの入所者から原則月一万円の食費を徴収し、また入所者の負担限度も養護老人ホームで月五万から六万、これは当然食費を含んでおりますが、特別養護老人ホームで月六万円から八万円とそれぞれ引き上げられているわけです。そして六十一年にはさらに、老人医療への定率制の導入、それから老人病院と特別養護老人ホームとの中間施設をつくって、このこと自体は非常に結構なことですが、国の措置費負担をやめて、かわりに医療費に定率を、また介護費に自己負担を導入して、不足分は国、地方自治体、被用者保険等で持つという老人の負担強化が検討されている、このようにも聞くわけでございます。
 現在寝たきり老人が全国で四十八万人、特養ホームの空きベッド待ちが一万五千人もいらっしゃる。潜在者はもっともっといらっしゃるのではないか、このようにも思われます。そのため、特養ホームづくりや専門家の養成、それから短期預かり、それからヘルパーの増強、こうしたことが必要とされている現状なのに、国の財政再建のために新規施策は抑えられて、既存制度は後退をしておる。老人が増加すれば医療、年金等がふえるのは当然のことであります。にもかかわらず、果たしてこれで本当に老人福祉と言えるのかどうか、非常に疑問を持たざるを得ないわけでございますが、厚生省の考えをお伺いしたいと思います。
#124
○末次説明員 お答えいたします。
 高齢者が増加いたしますとともに医療、年金といったコストがかかるわけでございますが、それを国民全体がどういうふうに負担していくかということが一つの基本的な立場として考えなければならぬところだろうというふうに考えております。一番基本として制度の仕組みを考える場合に考えなければならないことは、制度が長期的に安定し、信頼のできるものにしていくということであろうかというふうに考えておりまして、これは、医療であろうと年金であろうと、また福祉であろうと同様ではないかというふうに考えておるわけでございます。国民にとりまして、制度をそれぞれ支えていくという立場からいきますと、その制度が公平でかつ信頼ができるというような観点を重視しなければならないわけでございます。そういう意味で負担する国民の側、それから利用する国民の側、いろいろあるわけでございますが、その間の調和をどういうふうに図っていくかというところが一番大事なところかと考えております。
 そういう観点からいきまして、ただいま御指摘のございました点につきましても、その間のバランスを図りながら応分の負担をお願いしていくということは、これからの高齢化社会を迎えるに当たりましてある程度やむを得ないことではないかというふうに考えております。
#125
○吉井委員 では、大蔵省にちょっとお尋ねをしておきたいのです。
 大蔵省は現在、年金収入について認められている老年者年金控除や給与所得控除の廃止または引き下げを実施したいとしていらっしゃるようですが、これは事実ですか。もし事実であるならば、このよううに医療、年金、福祉サービスのほか税制面でも老人をねらい撃ちにして福祉を後退させなければならない理由は一体何なのか、大蔵省の御見解を伺いたいと思います。
#126
○濱本説明員 お答え申し上げます。
 先ほどから御論議に出ております高齢化社会を迎えるに当たりましては、公的年金制度、さらに私的年金制度を含めました全体としての年金制度につきまして整合的な税制というものを整備してまいる必要がある、この問題が非常に重要な問題であるということにつきましては十分認識いたしておるつもりでございます。ちょうどただいまいろいろ論議の進んでおります公的年金諸制度の改正の方向を見きわめました上で、今後遅滞なく検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#127
○吉井委員 ところで、去る三月六日の与野党幹事長・書記長会談で、寝たきり老人の減税については政策減税として政調それから政審会長会談で検討すること、このようになっているわけですが、であるならば、現行のこうした寝たきり老人の税制控除七十二万円をむしろ百万円に引き上げたらどうか。これに要する経費は、わずかと言っては語弊がありますが、三十億円程度でしかありません。早急にこれをひとつ実施すべきではないか、このように思うわけですが、大蔵省、厚生省、いかがですか。
#128
○濱本説明員 控除制度につきましては、全体的なバランスの問題その他いろいろ考えなければならない多くの問題があろうかと存じておりますけれども、ただいま御指摘がございました寝たきり老人に対します減税の問題など政策減税の問題につきましては、先般五月九日の幹事長・書記長会談を踏まえた与野党の政調・政審会長会談でお話し合いが進んでおりますので、その推移を私どもとしましては見守ってまいりたい、そう考えております。
#129
○吉井委員 戦後四十年、日本の経済がこれまでになったのは今の高齢者の働きによるものである、これはもう衆目の認めるところであります。しかも、国の財政再建を必要とする事態を招いたのもこうした高齢者の方々には責任がないわけでして、そのしわ寄せを高齢者に押しつけるのは本当にどうかと思うわけでございます。年金改定のスライド基準に給与を持ってくることは仕方ないとしても、それは値切られた後の数値ではなくして人勧の率そのものを用いることにすべきではないか、これに対して大臣はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#130
○古屋国務大臣 先ほどのお話の寝たきり老人の問題は、大蔵省から話しましたように、党の方で今やり方を決められるということでございますので、それに従ってまいります。
 それから、年金額の改定に当たって人事院勧告率を用いることはできないかという先生の御質問だったと考えておりますが、地方公務員の共済年金につきましては、国家公務員の共済年金と同じように、恩給の増額措置に倣いまして現職の国家公務員の給与の改定率を基準としてその額を改定してまいったところでありますが、年金額の改定についてだけ人事院の勧告率を用いる場合につきましては、現職公務員の給与改定に比較いたしまして退職公務員の年金の給与額が高くなる、あるいは低率の給与改定を受けてやめた人と人事院勧告率によって年金額の改定を受けた人の間に格差が生ずるというような問題があります。したがいまして、年金額の改定に当たりましては、人事院勧告率をそのまま用いることはそういうような見地から適当ではないのではないかというふうに考えております。
#131
○吉井委員 こうして年金改正のいろいろな答弁を聞いておりますというと、自治省は人勧どおりにできないその理由として、しばしば国共済との横並びを引用されるように聞こえるわけです。しかし、地方公務員の三百二十万人は国家公務員八十万人の四倍という数になるわけですから、国がやらないから地方はできないと言わずに、やはり共済の改正には地方がひとつ積極的なイニシアチブをとって真剣に検討をしていただきたい、このように強く要望をしておきたいと思います。
 次に、地共済と退職者医療制度についてでございすが、昨年十月から地共済でも医療費の本人一割負担が導入されたわけでございまして、これについては、自治省の指導で一世帯月三千円を限度として付加給付で組合が負担できることになっておりますが、各組合の実施状況はどうなっているでしょうか、お尋ねをします。
#132
○中島(忠)政府委員 家族療養費に係る付加給付あるいは本人の一部負担に対して払い戻しがあるというようなことが行われますけれども、まず本人の一部負担というのが昨年の十月から行われるようになりました。それに対しまして払い戻しがございますけれども、やはりそういう制度が設けられた趣旨とかあるいは健康保険組合に対する厚生省の指導、あるいは国家公務員共済組合に対する国の指導というものを考え合わせまして私たちの方も指導しておるわけでございます。
 現実の足切り額というのを見てみますと、地方職員共済組合、これは県庁の職員で組織している共済組合でございますけれども、本人の場合も家族の場合も二千円、学校共済、警察共済も本人の場合も家族の場合もそれぞれ二千円でございますが、市町村職員共済組合になりますとそれより高いところが実はございます。平均いたしますと、家族療養費の付加給付というのは足切り額は大体三千八百円ぐらい、本人の付加給付につきましての足切り額は大体三千円ぐらいというようなところかというふうに存じております。
#133
○吉井委員 いろいろ状況を調べてみますと、各組合の財政状況によって、よい組合では付加給付を十分やることができるから、一割負担に実質的な差が生じることになるわけですが、これはちょっと問題があるのではないか。確かに医療給付まで一元化されてはおりませんが、しかし組合間の均衡というものを図るという意味では調整が必要と考えられるわけですが、いかがですか。
#134
○中島(忠)政府委員 短期給付につきましては、私たちの方で、高額医療費の給付につきまして、あるいはまた短期給付の財源率が余り高くなるところにつきましても調整というのを市町村共済組合を中心にして行っておりますが、今先生がお話しになりました足切りにつきましては、特段、調整というのは行っておりません。
 ただ、先生がお話しになりましたように、それぞれの共済組合でそれぞれの財政状況を見ながら、というのは、付加給付というものは、付加給付をいただく本人にとっては非常にありがたいことでございますけれども、個々の組合にとりましては、あるいは地方公共団体にとりましては、それだけ財政負担が重くなるという面もございますので、それぞれの組合の財政状況というものを見ながら、それぞれの共済組合の実態に応じたような運営をしていただくというのが私たちの今の考え方でございます。私たちの方もこの状況の推移というのを注意深くこれからも見守ってまいりたいというふうに思います。
#135
○吉井委員 では、ちょっと厚生省にお尋ねをしておきたいのですが、厚生省は昨年の四月二十七日に衆議院の社労委員会に「今後の医療政策の基本的方向(厚生省試案)」として提出をされたわけですが、その中で「昭和六十年代後半に、医療保険の給付率を八割程度で統一する。」また「全医療保険制度を通ずる負担の公平化を図るため、昭和六十年代後半に、」財源調整などについて制度化を図る、このようになっているわけでございます。そこで、厚生省のその後の検討経過と、今後の具体的な見通しについてお伺いをしたいと思います。
#136
○近藤説明員 医療保険制度の一元化問題につきましてお答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、厚生省といたしましては、六十年代後半のできるだけ早い機会に、全医療保険制度を通じます給付と負担の公平化、いわゆる一元化措置を講ずるということを目的として検討を行っているところでございまして、具体的な方策につきましては、医療保険制度の基本にかかわる問題でございますし、また、関係者の間でいろいろ御意見があるところでございます。厚生省といたしましても、先般の医療保険制度改正後の状況をよく見きわめながら、事務局内部で給付の平等と負担の公平というものを保つ観点から幅広く検討する必要があると考えておりますが、現段階では事務的な、基礎的な検討を始めたばかりという段階でございます。
#137
○吉井委員 退職者医療制度につきましては、加入者の見込み違いによって被用者保険組合からの国保に対する拠出金が予想より減少した、このようにされているわけでございますが、六十年度の場合は、拠出金は、当初は標準報酬に対して千分の五・七であったのが千分の四・〇一に引き下げたとされております。
 ところで、地共済の五十九年度と六十年度のそれぞれの拠出金は幾らになりますか。
#138
○中島(忠)政府委員 五十九年度は二百五十七億円でございます。六十年度は四百七億円というふうに見込んでおります。
#139
○吉井委員 学校共済は六十年度に短期給付の掛金を引き上げておりますが、これは退職者医療制度の拠出金のためのものか。もしそうだとするならば、六十年度は拠出金率が下がっているのにちょっと矛盾を感ずるわけですが、いかがですか。
#140
○岡林説明員 公立学校共済組合の短期給付の掛金率につきましては、五十三年四月以来、千分の三十四・九五というぐあいにやってきたわけでございますが、今回、六十年五月から千分の三十八・一に引き上げたところでございます。
 それで、今回これを引き上げた主な理由は、老人保険拠出金に伴う支出増、それからただいまお話のございました退職者医療拠出金に伴う支出増、六十年度収支におきまして、当期不足金を約二百九十億計上する、そういう見通しになりましたので引き上げた次第でございます。この退職者医療拠出金の拠出率につきましては、実は掛金の改定を見込んだ六十年度の事業計画、それに予算、これが確定の後引き下げる、そういうような連絡が参りましたために、新たに示されました拠出金によりまして掛金を改めるということは、ちょっと物理的にできなかったという次第でございます。
 公立学校共済組合といたしましては、掛金率を引き上げて六十年度の事業計画及び予算が確定をして既に走り出しているということ、それから今回は、可能な限り掛金率の引き上げを抑えて、剰余金のすべてを取り崩したものにしているということ、それから今後の拠出率の見通し、あるいはその他の不測の事態なども考慮する必要があるということ、それから事務的な混乱等も避ける必要がある、そういうようなことで今年度は現行の掛金率で運営してまいりたいというぐあいに考えているところでございます。ただ、今後、これらの状況等を踏まえまして、公立共済の財政状況等を見ながら、掛金率について慎重に検討してまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
#141
○吉井委員 時間がなくなりましたが、最後に、退職者医療制度と国保財政の件に関連しまして、自治省は、国保財政の悪化に伴いまして大幅な保険料水準の引き上げを余儀なくされることのないようにしたい、このようにせんだって、四月十六日に答弁されているわけですが、全国町村会調査によりますと、二百四十八町村の抽出調査で全体の三一・五%の町村が六十年度に二〇%以上の保険税、保険料の値上げを予定しておるわけでございます。特に全体の七・三%の十八町村では三五%以上の大幅引き上げを予定している、このように聞いておりますが、ここに大型間接税の代替手法というものが見事に見られるわけですが、自治省はこのような事態をいつまで放置しておくおつもりなのか、この点、いかがですか。
#142
○古屋国務大臣 退職者医療制度の適用者数の見込み違いによります国民健康保険に及ぼす影響は非常に大きいものがありまして、お話しのように全国町村会を初め指定都市、地方団体から、自治省として特にこういう問題について厚生省方面に強く呼びかけてもらいたいというような話があるわけでございます。この一月の終わりごろからそういう話が出ておるのでありまして、自治省といたしましては、元来この退職者医療制度の創設という制度改正によりまして市町村国保が全体として大幅な保険料の引き上げを余儀なくされるようなことがないように、市町村の国保の実態を踏まえまして所要の財政措置を講ぜられるように所管省、つまり厚生省に対して随時要請したところであります。
 厚生省におきましては、現在実態調査が行われておるということを聞いておりまして、これを踏まえまして国保の健全な運営を確保するため適切な方策がとられると考えておりますが、自治省といたしましては、国庫補助制度の変更に伴いまして市町村国保の財政運営に支障が生じないように、所要の額が確保されるよう厚生省並びに大蔵省に対して強く要請してまいりたいと思っております。
#143
○吉井委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#144
○高鳥委員長 経塚幸夫君。
#145
○経塚委員 最初にお尋ねしますが、部長、先ほど年金生活者の実態調査はまだ集計中だという御答弁があったのですが、そうしますと今度の額の改定、さらに制度改正に当たってはこの調査の実情は反映をされておらぬわけですな、その点はどうですか。
#146
○中島(忠)政府委員 今回の御審議願っております三・四%のベアに係る法案の作成に当たりましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げておりますように、国家公務員の給与が五十九年度におおむね三・四%引き上げられた、それを基準にいたしまして恩給も共済年金もとにかく改正させていただくということでございますし、この考え方は従来ともそういう考え方でやらせていただいておるわけでございます。
 なお、年金生活者の実態調査につきましては現在精査中でございまして、その内容は随時私たちの方でも見ておるわけでございますけれども、私たちの方ではいろいろな共済年金制度につきまして企画、立案するときにはその都度参考にしておるわけであります。
#147
○経塚委員 そうすると、額の改定に当たっては国家公務員の給与改定横並び、それからまだ本格的な審議に入っておりませんが、制度改正については実態調査の結果も反映をした、こう承ってよろしいわけですね。
#148
○中島(忠)政府委員 随時参考にしておるということでございます。
#149
○経塚委員 制度改正の問題はまたいずれ論議をいたしますが、そうすると、今回の年金の額の改定問題でありますが、国家公務員の給与改定横並び、これは一体何の法令のどこにそういうことが定められておるのですか。
#150
○中島(忠)政府委員 先ほどいろいろ御説明させていただきましたけれども、私たちが年金制度を考える場合に、年金制度というのはどういうようなことで成立しておるのかといいますと、現役の労働者の掛金によって成立しておるという柱を忘れるわけにはいかないと思います。その現役の公務員が五十九年度三・三七%、おおむね三・四%の引き上げをされましたので、それをもとにいたしまして今回私たちの方では額の改定法案を出させていただいたということでございます。
#151
○経塚委員 私、お尋ねしましたのは、額の改定に当たっては給与の改定額に横並びというようなことは何の法律のどこにお決めになっておるのですか、法令上の解釈をお尋ねしておるのです。
#152
○中島(忠)政府委員 そういうことをきちっと法律で決めてあるわけではございませんが、考え方の基本として私が申し上げたような考え方の基本で対応してきておるということでございます。
#153
○経塚委員 法令の改正を論議しておるのでありますから、法令にきちっとされておらぬことを、考え方の基本に基づいて、見解に基づいて提案されるということになりますと、これは邪道じゃないですか。法令の第何条何項にこういうふうに決まっておって、それに基づいて今回はこういうふうに改正をする、額の改定をやるということであるならば審議に値しますけれども、そんなことは法令できちっと決まっておりません、見解に基づいてということになりますと、法令を横に置いての論議になりますよ。どうもこれは解せぬですな。いかがですか。
#154
○中島(忠)政府委員 きちっと法令で公務員の給与改定を基準にして決めるということが書いてあるわけではございませんけれども、これは共済組合法の七十四条の二でございますけれども「年金である給付の額については、国民の生活水準、地方公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずる」という規定が宣言規定として置かれておる、その宣言規定に基づく今回の改定でございます。
#155
○経塚委員 そうしますと、この七十四条の二、これは三つでしょう。「国民の生活水準、地方公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合」、地方公務員の給与の問題は、この三つの項目の中の一つの項目にしかすぎないわけでしょう。これを唯一無二のものとして改定の額を定めるというのは、七十四条の二の精神にも反するのじゃないですか。反するでしょう。これだけで横並びでしょう。あとはどうなっておりますか。「国民の生活水準」と三つ目の「物価その他の諸事情」、これは棚上げですか。そうなりますよ。
 五十八年度は据え置き、五十九年度は二%、六十年度三・四%、最低保障額五十七年七十九万二百円、六十年八十三万五千円、これでアップ率は五・六六%でしょう。この間消費者物価六・九%の伸びでしょう。七十四条の二の「物価」というのは考慮に入れておらぬわけですか。そうなりますよ。どうなっておるのですか。
#156
○中島(忠)政府委員 そういう諸事情というものを総合勘案して改定するわけでございますけれども、その総合勘案する場合に政策判断といたしまして、公務員の給与改定の率を基準にして決めるという政策判断をさせていただいておるわけでございますが、先生がお挙げになりました三つのほかにその他の事情というのもございますし、そういうものも総合勘案して私たちとしては政策判断をしておるわけでございます。
#157
○経塚委員 いや、その三つ目の物価の状況を判断するのなら、物価上昇分だけでも六・九%上げなければならぬのですよ。その差が一・三%あるわけですからね。その他の諸状況を総合的に勘案をして上げるならよろしいが、これは総合的に勘案をして引き下げているじゃありませんか。勘案するというのは、改定をするための勘案なんでしょう。物価が六・九%上がっておるのならそのことも考慮に入れて、六・九%の消費者物価の上昇率を下回らぬように、最低六・九%に合うような改定をやらなきゃいけません。そうでしょう。それで、地方公務員の給与に倣った、こう言いますけれども、今度は地方公務員は国家公務員の給与に横並びになっていく。こういうことで、地方公務員の給与も地公法によれば五つの基準があるわけですからね。国家公務員の給与問題はその一つにすぎないわけでありますから。
 だから、地方公務員の給与に倣う、物価上昇率は横へ置いてしまう、国民の生活水準も横へ置いてしまう、そして地方公務員の給与の条項だけ取り上げる、これは国家公務員の給与横並び、それは地公法の給与条項の五つの項目の中の一項目だけ取り上げて地方公務員の給与問題が決められていく、こういうことで何も総合的勘案はしてはいません。総合的勘案というのは言葉だけであって、しかも引き下げる理由として使っておるだけであって、実際に横に並んできておるのは公務員の給与の改定率だけでしょう。そうじゃないですか、どうですか。
#158
○中島(忠)政府委員 年金の改定というか、年金の改善を図るための要素というのが、そこに書いてありますようにいろいろございます。先生がお話しになりますように六・九%という改定をするということになると、今度は地方公務員の給与の改定というのを考慮していないということになるわけですけれども、地方公務員の給与の改定とかあるいは物価の情勢、国民の生活水準、その他の事情というものをいろいろ考えまして、この際政府といたしましては、公務員の給与改善率というものをもとにして改定するのが一番妥当である、国民的な合意を得やすいという判断をしたわけでございます。
#159
○経塚委員 くどいようですが、部長の答弁には矛盾がありますから私は改めてお尋ねをしておるわけでありますが、物価の上昇率を考慮に入れたら地方公務員の給与という条項があるのにそれを無視しておるじゃないか、こう言われるとあなたはおっしゃる。しかし、地方公務員の給与だけを取り上げたら、物価の上昇率を無視していることになります。地方公務員の給与の改定も考慮に入れなさい、そして物価の上昇率も考慮に入れなさい、国民生活の水準も考慮に入れなさい、法令上はそうなっておるのでしょう。だから三つ組み合わせしなければいけません。しかし、けさほど来からの答弁は、基準として入れているのはずっと一つの条項だけですよ。だからそれは矛盾しているじゃないですかと言っているのです。おまけに、何のためにこれは法律として一本で独立しているのですか、地方公務員の共済組合法ということで。
 これが法律一本ならよろしいですわ。そして法律の中に、国家公務員あるいは国公共済のこれに右へ倣えという条項があるならよろしいわ。そこまで縛りはかけておらぬ。それでしかも一本の独立法、ここに至るには至るなりの経緯があったわけでしょう。またこれは一元化されておらぬわけでありますから、その経緯を踏まえてその特異性というものを生かさないことには、何のための一本の独立した法律なのか法制定の意味もなくなるじゃないですか。地方自治の存在の意味もなくなってくるんですよ。だからこれをお尋ねをしておるのです。
 これは論議をしておりましても平行線になると思いますが、しかしこの程度のことでは、今度の年金の改定に当たっては実態調査を反映しておらぬとおっしゃいますから、それはあえて私はこだわりませんけれども、これでは期待にこたえておらぬでしょう。期待にこたえておると部長はお考えなんですか。
#160
○中島(忠)政府委員 期待と申しますのは、年金受給者の期待だというふうに考えますけれども、年金受給者の期待にこたえるとともに、年金の収入を支えておる現在の公務員の状況というものもまた考えなければなりませんので、総合勘案してこういう案を提出させていただいておるということでございます。
#161
○経塚委員 これは、物価上昇率も面倒見てやらぬようなことでは到底年金生活者の要望にこたえるものとはなっておりません。
 次の問題をお尋ねをしますが、公務災害の問題です。
 養護学校関係の公務災害でありますが、東京の基金支部に申請をした人の中で八人が検討中ということでありますが、このうち七人は昭和五十六年の六月から十二月に申請を受理されておるわけであります。長い人はもう四年もかかっておるのですね。何でこんなにかかるんですか。これは前もってお知らせをしてありますのでもう調査になったと思いますが、個々のケースの説明はよろしいです。これはどうして四年もかかるという状況になっておるのか、一般的な御回答として見解をお伺いしたいのです。
    〔委員長退席、愛知委員長代理着席〕
#162
○中島(忠)政府委員 昨晩、質問の通告を受けまして東京都の方に連絡したわけですが、東京都の方は既に帰宅しておりました。ただ、本日の午前中にかけていろいろ聞いたわけでございますけれども、七件といいますか、七件の中で西村広美さんと三上円蔵さんの二件については、東京都の支部の方の話ではもう片づいておるのじゃないかというふうに私たちは理解をしておりますが、あとの五件はまだ検討中だという話を東京都の支部から聞いております。
 いろいろ難しい事情もあるようでございますけれども、いずれにいたしましても、申請を受理いたしましてから年数がこれは少し経過し過ぎている。したがって私たちの方では、できるだけ速やかに公務上か公務外の認定をするように指導していかなければならないと思います。
#163
○経塚委員 ちょっとぐらいおくれている程度ならこれは了解できますよ。普通の労災の場合は半年とか一年。それが、一年三カ月ぐらいかかっておるとか八カ月ぐらいかかっておるとかいうのなら了解できますよ。四年たってまだ審査中だというのはどういうことなんですか。東京都の教育委員会の福祉課ですか、ここも首をかしげているんですね。それで何か基金の方へ問い合わせをしてみますと、人がかわったから一からやり直さなければいかぬと言っているというのです。そんなあほな話がありますか。申請した方はたまったものじゃありません。四年たってまだ検討中、そして人がかわったから一から――。
 これはちょっと大臣にお尋ねしますが、大臣の方も基金の運営につきましては随分責任があるわけですね。第一条には、「迅速かつ公正な実施を確保する」こうなっているのです。そして二十条では「自治大臣の権限」として、「自治大臣は、基金の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、基金に対して、業務若しくは財産の状況に関して報告」を求める、あるいは二十一条では、命令権もあるわけなんですね。これは、大臣としての基金に対する迅速かつ公正な運営についての指導の責任は大変重大だと思うのです。四年というのはちょっとむちゃくちゃですよ。申請した人にとってはこれはたまったものじゃないですね。
 公務で、時には腰痛症あるいは頸肩腕等で治療を受けながら、二年たっても三年たっても結論が出ない。満四年たっても出ておらぬ。一体自分のことを補償の責任を負う基金がどう考えておるのか。しかもこの基金は、御承知のように補償は地方公共団体にかわって行う、こうなっているのですね。自分を雇用しておる地方公共団体にかわって行う。ここがこんなずさんな、考えようによってはこんな無責任な態度で我々を見ておるのか。これは耐えられたものじゃないですよ、肉体的な苦痛もさることながら、その精神的な苦痛も。どうですかいこの点については。これは迅速に結論を出すように指導すべきだと思うのですがね。
#164
○古屋国務大臣 お話しの具体的ケースについては私も知りませんが、ただお話のようにそんなに長くかかるということはどういうわけかと言われますと私もわからないわけでございますが、わからなくてもとにかくこの問題は基金を通じましてできるだけ速やかに処理するように、その調査を早くして早く結論を出すように私どもも督励をいたしまして、適切な指導をしてまいりたいと思っております。
#165
○経塚委員 これは資料ございますか。障害児教育関係、公務災害についての申請が何件。過去五年間なら五年間でよろしい。それでその申請に基づくいわゆる認定件数がどうなっておるのか、公務外、公務、この資料ございますか。
#166
○中島(忠)政府委員 障害児教育に関するという観点からの調査はいたしておりませんし、そういうところまで分析はございません。
#167
○経塚委員 私は、三年も四年も審査にかかっておる一番大きな原因は、公務とそれから疾病との因果関係の問題についての基本的な姿勢をどういうふうに立てておられるのか、ここに最大の問題があると思うのです。職員が何年かごとに交代をするとかあるいは審査に当たる常勤、しかも専門職的な人がおらないとか、いろいろな体制上の問題もあります。これは改善をしなければならぬ問題だと思いますが、同時に公務と起こった疾病との因果関係について、障害児教育の現場でのこういう疾病関係についてどういう見解を持っておるのか、私はここに重大な姿勢の弱点、立ちおくれがあると思うのですよ。それで今公務員部長に過去五年なら五年でよろしいから障害児教育関係の公務災害について申請が何件あったのか、このうち公務と認定をされたのが何件あったのか、こうお尋ねしたのです。
 これは資料とっておらないとおっしゃるのですが、とって一定の判断をしてもらわないと、依然としてこれから申請が出てきても、三年たっても結審が出ないとか五年たっても出ないとかいう状況が続くと思うのです。
 そこで、これは若干の資料で全国的な資料ではございませんが、東京と神奈川とそれから埼玉の例をちょっと申し上げておきたいと思うのです。
 養護学校、疲れが慢性的な状態だと調査の結果答えた人が東京都の場合は二九・六%、約三〇%です。神奈川の場合は異常と考えられる、こういうふうに自覚症状を訴えたのが、これは高いですね、五一%です。それから首、肩、背中、これは障害児教育の現場の病状の特徴でありますが、東京の場合は四七・九%です。埼玉が五七%ですよ。大体数値が類似していますね。それから腰痛症、東京が三七・三%、神奈川が三八%、埼玉が三八%、これは県が違いますが結果としてはほぼ共通していますね。
 それから、これも重要な資料でありますが、この一年間に治療を受けた経験があるか。神奈川が五五%です。埼玉に至っては何と八四・五%、八割がこの一年間に治療を受けた経験を持っておるという結果が出ておるのですね。現在なお通院中というのが埼玉の場合で二八・七%出ておるのです。一般的な傾向なんですよ、東京、神奈川、埼玉、三つの県だけでありますけれども。
 したがって、この障害児教育の現場においては、今申し上げましたように自覚症状あるいは疲れが慢性的であるとかあるいは肩、腕あるいは腰痛症、しかも治療を受けておる、こういう率が非常に似通っておるわけでありますが、これは明らかに職業に基づく発生症状だと推定ができるわけでありますが、その点はいかがですか。
    〔愛知委員長代理退席、委員長着席〕
#168
○中島(忠)政府委員 公務災害の認定に当たりましては、これは労災の場合も国公災の場合も同じでございますが、公務と災害との間、公務と疾病との間に相当因果関係というものが認められるかどうかということによって判断しておるところでございます。この公務と疾病とかあるいはまた公務と災害との間に相当因果関係があるということを言うためには、災害、疾病そういうものの発生に不可欠な条件となった一切の事情というものを基礎といたしまして、公務と疾病との関係が経験法則上相当な因果関係にあるというふうに認められなければ現在労災においても国公災においても災害補償制度においては公務上のものとして認められない、相当因果関係があれば必然に認められておるということでございます。
#169
○経塚委員 私は今三県の学校全体の一般症状について症例を挙げたわけですが、健康障害は特に婦人に多いんですね。長野県の障害児童生徒の寄宿舎の寮母さんの場合ですが、腰痛が何と七八%、通常の約倍ですね。現在通院中が二九%、三割です。大阪の養護学校の婦人の教職員について二年間にわたって調査をした結果が出ておりますけれども、健康がよくないというのが四十代では五八%です。医者にかかったことがある、特に腰痛あるいは肩、腕等々、七一%です。
 大阪府立の八尾の養護学校の婦人関係も調査しておりますが、健康状態がよいと答えたのが三十九人の中でたった一人だけです。腰痛が五一%、それから半慢性的症状を含めて慢性的とみなされるのが六九%、七割出ておるのです。特に婦人の場合、これは重大な問題でありますが、流産、切迫流産など妊娠障害、神奈川が実に二五%、長野の場合は流産、切迫流産、これを含めまして妊娠障害の経験者が五三%です。二人に一人が流産とか切迫流産、妊娠障害です。これは大変な数字だと思います。
 大阪、先ほど申し上げました百七十四人の妊婦の調査、十七校に及んでおりますが、これが一九八三年度では流産、切迫流産だけで四〇・三%です。八四年、昨年は三三・四%です。全国で最大のマンモス校と言われておりますのが寝屋川養護学校でありますが、実に異常が六九%なんですね。これはちょっとひどいと思うのですよ。こういう状況から推測するならば、職業と疾病との因果関係というのは明々白々だと思うのです。
 文部省、来ておられますか。――今私は症例を申し上げましたけれども、全国の養護学校の職員の健康障害の実態調査をされたことがありますか。
#170
○下宮説明員 お答え申し上げます。
 特殊教育諸学校の教職員の健康の実態について、文部省としては毎年調査は行っていませんが、昭和五十四年度に公立の養護学校教職員の腰痛等の疾病異常について調査したところによりますと、腰痛症四・七%、頸肩腕症候群一・〇%となっております。
#171
○経塚委員 五十四年の調査でしょう。これは公務員部長の方で資料はないですか。養護学校の頸肩腕、それから腰痛症の公務災害申請は一番最初に何年度ごろから出始めたか、それは資料ありますか。
#172
○中島(忠)政府委員 災害補償基金の方では現在そういう資料は持っていないようでございます。
#173
○経塚委員 今の文部省の答弁を確定づけるような何の資料もないわけでありますが、これは資料をとってごらんなさい。逆の結果が出ますよ。障害児教育の関係で公務災害としての申請が相次いで出てきたのは、私今若干の数字を挙げましたけれども、五十五年、五十六年、この年に初めてたくさん出てきたんです。文部省の調査はそれ以前なんです。確かに中等部、高等部が過密状況になってきたのは五十四年以降じゃないのですか。どうなのですか。
#174
○山田説明員 お答えいたします。
 御承知のように、養護学校教育の義務化を行いましたのは五十四年でございます。それ以後障害の重複した子供がたくさん盲聾養護学校などに入ってきたという事実はございます。数値的に見ましても、手元にある数値でございますが、昭和四十七年当時は重複障害児童生徒数が小中学部で見ますと八・三%ぐらいでございまして、五十四年から義務制をやりましたが、五十三年で一八・九%、それから五十四年には二四・九%、それから昨年でございますが、その時点では三六・二%、これは重複障害ということでとらえておりますが、やはり養護学校教育の義務制実施以後非常に重複障害の子供が教育を受けるようになった実情があろうかと思います。
#175
○経塚委員 今御答弁がありましたように、確かに五十五年に、義務化されて急増しているんですね。
 これも大阪の例でありますが、寝屋川養護学校は五十年には児童数が小学校の場合三十三人ですが、これが五十九年は百八人、三・二七倍にふえているんですよ。教師の数は五十年と五十九年を対比いたしますと二倍しかふえておらないわけですね。だから、教師対児童数は、五十九年度ですと、実に三・六倍なんですね。これは数だけじゃございません。持ち時間も、五十年は十九ないし二十一時間だったのが、二十六ないし二十七時間ですから、三割ふえているのですよ。中学校に至りましては、五十年は生徒数十二人が、五十九年は百十八人ですから九・八倍ですね、九・八倍に急増しているのですよ。これに対する教師の数は四・五七倍しかふえておらないわけですね。こういう実態を見たってこれは明白でしょう。
 これも同じく調査でありますけれども、休めるか、休暇がとれるかという質問に対しまして、とれないと答えたのが七九・八%、八割ですね。生理休暇はひどいですね。八尾養護学校の場合は、生理休暇がとれないと答えたのが六九%、七割近くが生理休暇は全くとれない、こういう状況ですから、流産あるいは切迫流産、妊娠障害等々が出てくるわけでしょう。
 建物の面積にいたしましても、八尾養護学校の場合は、高等部でありますが、必要面積四千七百八十九平米、これに対して現有面積が三千百三十一平米。文部省の基準から見ますと、基準に対して六五%ですね。だから、特別教室をつぶして普通教室にしていくあるいはプレハブで建て増しをしていく、階を上へ積んでいくというようなことで労働条件が大変過密な状況、これが五十五年から五十六年以降にかけまして例を挙げましたようないろいろな疾病が急増してきた最大の背景になっておる。
 それですから、何の資料もなくして、この公務災害と、それから公務との因果関係があるのかないのか、個々のケースを見ておっただけではもう時間がかかって時間がかかって、そうして一定の定かな基準は個々のケースを追っていかないことには出ないわけでありますから、似たようなケースでも公務として認定されれば、似たようなケースでも公務外としてしか認められないというような差も出てきたり、ある人については一年で結審するけれども、ある人については三年も四年もかかるという状況が出てくるのです。だから、私はこれは一回洗い直しをしてみる必要があるのじゃないかと思うのですよ。
 そこで、まず文部省にお尋ねをしたいのですが、これは文部省の調査、教育委員会の調査じゃございませんので、改めて地方の教育委員会を文部省が指導して、健康障害が出ておるのか出ておらないのか実態調査をやる必要があると思うのですが、その点いかがですか。
#176
○下宮説明員 お答えします。
 実態調査をすることにつきまして検討してまいりたいと存じます。
#177
○経塚委員 それはもう直ちにやってください。
 それから、この文部省の基準に基づく各学校の面積あるいは教員の配置状況など、こういう教育環境の問題についてもあわせて調査をする必要があるのじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。
#178
○菴谷説明員 お答え申し上げます。
 二点ございましたが、まず教員配置につきましては、御承知のように標準法というのがございまして、現在、五十五年から十二カ年計画で順次進めようということで、行革特例法期間中でございましたが、この点については優先的に厳しい中でも少しずつやってまいりました。
 それで、先ほどおっしゃいました、子供が三倍、四倍になったのに教員が二倍ちょっとであるというようなお話もございまして、当時重度重複という子供たちがふえるという予測がございましたので、先生の子供を持つ時間といいますか人数についても、例えば五人持っていたものを三人くらいに減らそうとか、そういったいろいろな改善の要素を組み入れているわけでございます。したがって、現有と基準との職員の配置ということについては、大体現在進めている基準に対してはその例に近いものがいっていると思いますので、これは特別に細かく調査する必要は必ずしもないと思いますが、施設については、先ほどおっしゃいました現有の率が六〇とかいろいろございまして、その点は基準対現有ということで把握ができるかと思っております。
#179
○経塚委員 最後にちょっと大臣にお尋ねをしたいのですが、これも養護学校の関係者が、仕事の実情について教職員にアンケートをとった資料があるのですよ。一昨年の十一月でありますから、若干資料が古いかと思うのですが、随分深刻な状況が出ております。
 これは、知恵おくれの養護学校の例でありますが、「七十五キログラムの女生徒が時々動かずに座りこむ。時程に追われるので移動が大変である。」高等部ですね、「七十キログラムぐらいの子がざらにいる。クラス七人のうち五人は立ったりすわったりする際、両手をもってかなり力をこめてひっぱらねばならない。」こういう状況がしょっちゅう起きておるわけですね。
 重複、これは肢体不自由と病弱の養護学校の例でありますが、「肢体不自由とちえおくれをあわせもつ重障児にも思春期がやってくる。感情の起伏がはげしくなり自己主張がはっきりしてくる。自分がいやな時は強固に動かない。移動のたびに声をかけ、体をもちあげるようにして動かす。体重は五十キログラム近い。子どもにお腹をかまれたり腕をかまれたりしたこともある。」「一日何回かわからない位、子どもを床からかかえあげるとき、うなる程足の膝が痛い。重障児学級十人いるが、十人とも全介助」おしめも取りかえなければならぬわけですね、「五人の担当だが、欠席者や妊娠中の人もあるので大変。」
 いずれも休暇がとれない最大の理由は、自分が休めばほかの先生にその重荷がかかってくる。とりわけ、この障害児学校に勤めておられる先生方は、やはり自分の体を犠牲にしてでも障害児のためにという献身的な考え方が非常に強い人たちが、みずから進んでこういう職場に働いておられると思うのです。しかし、自分の命がこうしてむしばまれていって、治療も休養もとれないという状況は放置できないと思うのですね。
 そこで、審査を速やかにするためにも、そしてまたそういう病に侵された場合には気軽に申請ができるという状況を、道を開くためにも、一番大事なことは、公務、自分が行っておる職務と、起きてくる肩や腕の痛み、腰痛症などの病気との因果関係があるのかないのか、これを明確にすることがとりあえず重要だと思うのですよ。そのためには、今文部省が実態調査をされるというわけでありますから、この資料も参考にしていただき、従来の申請認定の件数、内容等も参考にしていただいて、早急に因果関係の結論を出すように検討を進めていただきたい、かように思うのですが、その点最後にお尋ねをしておきたいと思います。
#180
○中島(忠)政府委員 大臣からお答えいただく前に、少し事務的な説明をさしていただきます。
 先生が今いろいろお話しになられましたような勤務状況といいますか、そういう状況というものも、公務災害認定のときにはできるだけ詳細にとりまして、言い方をかえれば、公務災害の認定に当たりまして、できるだけ本人の有利になるような状況というものを資料として集めまして公務災害の認定に当たっていく、そして相当因果関係のあるなしというものを判断していく、そういうような姿勢で臨まなければならないのじゃないかというふうに考えております。
#181
○古屋国務大臣 今、公務員部長からお話ししましたように、この問題は大変気の毒な状況でございますので、私どもも適切な措置をとるよう努力してまいります。
#182
○経塚委員 終わります。
#183
○高鳥委員長 岡田正勝君。
#184
○岡田(正)委員 私の勝手で時間を変更さしていただきまして、申しわけありませんでした。
 質問に入らしていただきます。まず第一点は、地方公務員共済組合も成熟度が相当急速に進んでいると思っているのでありますが、その状況と平均受給年金額は現在どのようになっておりますか。
#185
○中島(忠)政府委員 お答え申し上げます。
 成熟度につきましては、少し年を追って申し上げますと、昭和四十年度は三・七%でございましたが、五十年度になりますと一二・五%、五十八年度になりますと二二%という状況でございます。
 地方公務員共済組合全体の平均退職年金額は、五十八年度末で二百五万円でございます。
#186
○岡田(正)委員 現行制度のままで、将来の年金財政の見通しはどのようになっていくのでありましようか。
#187
○中島(忠)政府委員 一定の条件を置かせていただいて御説明させていただきますが、一つは、組合員数が五十七年度末で一定さしていただきたいと思います。二番目は、給与改定率と年金改定率が毎年五%あるという前提でお願いしたいと思います。第三番目は、積立金の運用利回りを年六・五%。そして第四番目は、財源率というのは現行の財源率で据え置かしていただいて、積立金がなくなった後は賦課保険料率で計算さしていただく。そして、その他といたしまして、昨年の十二月に財源率の再計算を行いましたけれども、そのときの基礎率というものを用いさせていただきます。
 そのようにして計算いたしますと、地方公務員共済組合連合会で申し上げますと、単年度収支がマイナスになる最初の年度は昭和七十五年度でございます。積立金がゼロとなる年度は八十四年度でございます。そして積立金がゼロとなった後は、先ほど前提でお話し申し上げましたように賦課保険料で行きますけれども、そのピークとなる年度は昭和九十三年度の、千分の五百六十四でございます。
 公立学校、警察につきましてもそれぞれ数字が出ておりますが、先生の方からお話がございましたら、御説明もまた申し上げたいと思います。
#188
○岡田(正)委員 年金額の改定は、賃金の変動を基準とするのと物価の変動を基準にするのと、その特質について、どちらによるべきとお考えでございますか。
#189
○中島(忠)政府委員 これにつきましてはいろいろな考え方があるかと思いますが、厚生年金の場合には物価の変動によって改定しておるというのが基本的な立場でございます。公務員共済の場合には、基本は公務員賃金によっておりますけれども、一部、物価の変動による厚生年金の例に倣いまして改定しておるということでございます。
 このいずれが有利というか、いいかということにつきましては非常に難しいのですけれども、そのときどきの経済情勢の変動によりまして異なっておりますけれども、仮に昭和五十一年度以降物価の変動率と公務員給与のアップ率というのを並べてみますと、物価の変動率が公務員給与のアップ率をオーバーした年が四回、その反対の年が五回ということでございますので、ほぼ同じような状況ではないかというふうに思います。
#190
○岡田(正)委員 最低保障の適用を受ける人の数ですね。それはどのくらいですか。
#191
○中島(忠)政府委員 新法年金、現在の共済組合法になりましてからの年金でございますが、新法年金の受給者について申し上げますと、退職年金の受給者が六十九万九千三百四十六人でございますが、最低保障の適用を受けておる方はそのおおむね一%に当たる七千百六十七人ということでございます。旧法年金の場合には、その該当者が二千三百八十五人という数字でございます。
#192
○岡田(正)委員 今回の公務員の共済年金の額の改定と、それから厚生年金の額の改定とはバランスが保たれておりますか。
#193
○中島(忠)政府委員 厚生年金の場合も三・四%のアップをなさるという話を聞いておりますので、バランスはとれております。
#194
○岡田(正)委員 この法律が通ったといたしまして、改定額はいつ支給できますか。
#195
○中島(忠)政府委員 共済年金の支給は年に四回に分けて行っておりますが、三月、六月、九月、十二月ということでございます。現在御審議願っておる共済法が今国会で成立させていただくといたしますと、九月支給ということになろうかと思います。
#196
○岡田(正)委員 公立学校共済組合及び警察共済組合の地方公務員共済組合連合会への加入のめどは、現在とのような状況にあるのですか。
#197
○中島(忠)政府委員 昨年の四月一日から一般の地方公務員の共済組合を一緒にいたしまして連合会を発足させていただいたわけでございますが、この一般の地方公務員の共済組合の中には財政単位として非常に小さいものがございまして、早急にこれについての財政の一元化をする必要があるということで急がせていただいたわけでございますが、警察と学校につきましては、それぞれ特定の職域に属する公務員であり、若干一般の地方公務員の小さな共済組合よりもより多くの組合員を抱えておりますので、当時は独立して現在に至っておるわけでございます。
 そこで考え方といたしましては、連合会に一緒になるのがいいというのは先生のお話のとおりでございますし、私たちもそれぞれの共済組合を監督しております文部省と警察庁の方に今回もお話しいたしまして、今回の制度改正のときにひとつ一緒にしようじゃないかという話をいたしましたら、警察庁の方からは前向きな返事が返ってまいりましたが、文部省の方も努力をしていただいておるようでございますけれども、なお関係方面との調整に時間を要するので、今回は待ってほしいという話がございました。文部省の方もその必要性は基本的に認識されておるというふうに私たちは思いますので、これからも文部省の方の御努力をお願いしていきたいというふうに思います。
#198
○岡田(正)委員 そこで関連をして質問をいたしますが、今お尋ねいたしますと、公立学校共済組合及び警察共済組合はいずれもこれはずうたいの大きなものですね。これが連合会への加入がまだ決まっていない。それから制度改正が、まだこれはつるしになっていますから、いつ決まるのかということは今ここで予断は許しませんけれども、しかし、その審議が始まったとした場合に一体これにどう対応するのでございますか。
#199
○中島(忠)政府委員 制度改正の方の改正法案を御審議いただくときにまた詳しく御説明を申し上げ、いろいろ御意見もちょうだいしなければならないと思いますが、制度改正の法案の内容というのは、一言で申し上げますと、連合会に所属する共済組合も、警察共済も学校共済の方も共通して基礎年金というものを導入するということが一点と、そしてもう一つは、やはり給付と負担についての適正化を図っていくという点がございます。
 この二つの大きな改正を行う場合に、警察共済と学校共済が連合会に加入していなければ制度改正ができないかというと、必ずしもそういうことではございませんので、現在の制度のままでも御審議をいただいて支障ございませんので、現在の制度のままで一応御審議いただくという前提で法案は出させていただいております。
#200
○岡田(正)委員 わかりました。
 いわゆる行革特例法が一年延長されまして、共済組合に対する公的負担のカットもさらに一年延長されましたが、それによってどの程度の影響を受けるのでありますか。
#201
○中島(忠)政府委員 当初五十九年度までという予定で公的負担の四分の一というものを削減して納めてきたわけでございますけれども、お話しのように、六十年度も行革特例法によりましてそれが継続されることになったということでございますが、六十年度の削減額というのは、金額にいたしますと六百三十三億円ということでございます。五十七年度から六十年度までの額を合計いたしますと、二千五億円という金額になります。
#202
○岡田(正)委員 さて、その負担のカット分が二千五億円、約二千億円になるわけでありますが、これに利子を含めていきますと、約二千二百億円近くになりますね。来年度利子つきで返済がこれは可能でございましょうかね。
#203
○中島(忠)政府委員 行革特例法の御審議をお願いして、そのときにも政府の方から答弁申し上げたと思いますけれども、その法律の中には、国が国家公務員共済組合に対して講ずる措置に準じて地方公務員共済に対しても講じていくということが書いてございます。したがいまして、国の方は国家公務員共済に対していつからどういう方法によってそれを返還されるのかということを見きわめなければなりませんけれども、基本的な姿勢といたしましては、各共済組合の長期給付の財政に少しでも影響があるようなことであってはならない、影響がないようなことでその返済というものを考えていかなければならない、そういうふうに考えておりますし、そういう方向でこれからも対処していかなければならないというふうに思います。
#204
○岡田(正)委員 いわゆる年金の官民格差ということを言われておりますが、この官民格差として指摘をされている事項は何でございますか。
#205
○中島(忠)政府委員 一つは年金の算定方式について言われておるのだと思います。これはもう先生の方がよく御存じかもわかりませんが、公務員共済につきましては、基本ルールと通年ルールという二つがございまして、その二つの方法で計算いたしまして額の多い方を選択できるということが公務員共済について行われておりますが、厚生年金の場合には、公務員共済で言う通年ルール一本であるということによって一つございます。
 もう一つは、算定基礎にとらえる額でございますけれども、厚生年金の場合には平均標準報酬と申しまして、勤務期間中の報酬額の平均をとるということが行われておりますが、公務員の場合には退職前一年間の給料というものをもとにして計算していくというのがあろうかと思います。
 三番目は、支給開始年齢について言われるものでございますが、民間の場合には六十歳支給だ、公務員の場合にも六十歳支給ということで現在法案はできておりますけれども、経過期間中でございます。その他併給調整の話とか、あるいはまた高額な所得を得る方がやはり年金をもらっておるというような話もございますが、いろいろそういう話が官民格差として指摘されておるのだというふうに理解しております。
#206
○岡田(正)委員 自治省といたしましては、このような官民格差論についてどのように考えていらっしゃるか。またその是正の方針はいかがでございますか。
#207
○中島(忠)政府委員 ただいまいろいろ申し上げましたけれども、それを議論いたします場合に、公務員共済の性格というものをよく考えておかなければならないのじゃないかというふうに思います。
 一つは、やはり民間の厚生年金制度と並びまして公的年金制度の一つとしての性格を持っておる、共通した性格を持っておるということがあろうかと思いますが、他に公務員制度の一環としての性格を持っておるということも忘れることができないと思います。したがって、官民格差と言われておる事項の中でも公務員制度の一環として認めなければならないものもあろうかと思いますが、これからの年金制度の改革に当たりましては、何が公務員制度の一環として国民の合意を得るべき事項であるか、何が官民格差として是正さるべき事項であるかということを十分議論して是正していく必要があるんじゃないか。公務員共済としては一つの大きな分かれ道に来ているような気がいたしております。
#208
○岡田(正)委員 大臣、これは質問してもいいですか。嫌なら合図してください。
 今お答えがありましたが、それぞれの年金制度で今までやってきた歴史もあるし、それから官民格差と言うけれども、中には公務員制度の一環として認めなければならぬものもあると考えておる。それは一体何であろうかということも大いによく突き詰めて考えていって、国民の納得のいくものにしなければならぬと考えておる。まことに教科書どおり、実に御立派な御返事でございますが、大臣にお伺いしたらもうちょっと違うのが出ますか。
#209
○古屋国務大臣 今申し上げましたように厚生年金と公務員共済との差でございますが、公的年金制度であるという色彩を持っておる、それから経過的には恩給というような戦前のものからの制度を継いだものであるということを考慮すれば、直ちに不適切であるというふうにはならぬと思います。
 ただ、制度の総合性とか公平性を確保する観点から、官民格差として指摘されている事項は十分検討いたしまして、制度改正を要する事項については所要の措置を講ずる必要があると思います。こういう考えに立ちまして、国会に提出されております、今度これから御審議を願う制度改正案におきましては所要の改正措置を講じておるところでございます。
#210
○岡田(正)委員 地方公務員共済年金の受給者で、年金額の計算上基本方式で算定している者の数、通年方式で算定している者の数、その割合はどのようになっていますか。
#211
○中島(忠)政府委員 五十八年度末の数字を申し上げますと、退職年金の受給者のうちで基本方式によっている者が四十五万一千三百八十七人、六五・二%でございます。通年方式によっている者が二十四万七百九十二人、三四・八%でございます。
#212
○岡田(正)委員 といたしますと、基本方式を採用している者の数が圧倒的に多いと言ってもいいと思うのですね。その多い理由というのは一体何でしょうか。それは有利な方をおとりなさいというのですから、有利なんです、こう言えば答弁になるのかもしれませんが、余りそう簡単なことは言わぬように。
#213
○中島(忠)政府委員 先生よく御存じのように、通年ルールと申しますのは定額部分が基礎にございまして、その上に報酬比例部分が乗っておりますので、どちらかというと勤務年数の短い方あるいはまた退職するときの給料の低い方はこの通年ルールを採用された方が、定額部分が占めるウエートが高いという意味においてやはり有利ではないかというふうに思います。
 今先生がお話しになりましたように基本ルールを選択しておる人間が多いじゃないかということは、現在地方公務員につきましても年を経るごとに勤務年数が長くなってきております。勤務年数が長くなるに従って給料が高くなるということになりますと、通年方式じゃなくて基本ルールを選択された方が年金額が高くなる、そういう傾向がやはり数字にあらわれてきているんだと思います。
#214
○岡田(正)委員 年金額改定の費用に関連をいたしまして、共済年金の平準保険料率と拠出保険料率は一体どうなっているのでしょうか。
#215
○中島(忠)政府委員 昨年の十二月に財源率の再計算を行いました。そのときに平準保険料というのを算出いたします。この平準保険料というのは数理的保険料率に、積立金の不足というのがございますが、その積立金の不足に係る財源率というものをプラスいたしまして出したものを平準保険料というわけでございますが、その平準保険料をそのまま採用して掛金を出すのではなくして、それに修正率の八〇%を掛けまして、今先生がお話しになりました拠出保険料率というものを算出いたしております。この拠出保険料率というのを一名実行保険料率と呼んでおりますが、八〇%の修正を掛けたものが拠出保険料率だというふうに御理解いただきたいと思います。
#216
○岡田(正)委員 平準保険料率と実際の拠出保険料との差を、今後どのような方針のもとに是正をしていくのでありますか。
#217
○中島(忠)政府委員 五十九年の十二月に財源率の再計算をいたしまして、その次にまた財源率の再計算を行わなければなりませんが、そのときには今の修正率八〇%を掛けたことによりまして、積立金の不足というのが出てきておりますが、その分を次の財源率の再計算のときに、先ほど平準保険料率を出すときに数理的保険料率プラス積立金の不足を加味した財源率と申し上げましたが、その積立金の不足に係る財源率というものを出すときに今の修正率八〇%による分を考慮するということでございます。
#218
○岡田(正)委員 公務災害を受けた場合における共済組合法による障害年金、遺族年金と公務員災害補償法による傷病補償年金、それから遺族補償年金との併給の調整はどうなっておるのですか。
#219
○中島(忠)政府委員 公務による障害年金というのは、先生よく御存じのように、その性格からいたしまして公務によらない障害年金の額よりも高い水準の給付が行われております。そして地方公務員災害補償法からも公務員災害補償としての傷病補償年金等が支給されておるわけでございまして、重複する部分が生じますので、災害補償法による補償が行われるときには、公務による障害年金の額のうち給料年額に、一級の場合には百分の三十、二級の場合は百分の二十、三級の場合は百分の十を乗じた額の支給を停止することにいたしております。
 また遺族年金につきましても、災害補償法から遺族補償年金等が支給されますが、その間は公務による遺族年金の額のうち、給料年額に百分の二十を乗じた額の支給を停止することによりまして両者の調整を図るようにいたしております。
#220
○岡田(正)委員 今回の年金額の改定によりまして増加する費用はどの程度でありますか。また組合員の掛金等に対する影響はどの程度でありますか。
#221
○中島(忠)政府委員 今回の改定によりまして増加する費用は、初年度でございます昭和六十年度は五百四十億円、平年度で五百八十九億円という額になります。このうち、いわゆる新法期間に係る分については三者負担とされておりますが、その増加額二百四十一億円ばかりでございますが、それが掛金率に与える影響は一千分の〇・六六ということでございます。
#222
○岡田(正)委員 最後に、先般質問いたしました、国民の、まことに社会正義の花ともいうべき学生に対する補償の問題で特別に大臣にお願いを申し上げたところでありますが、日にちが余りたっておらぬので、きょう御回答を求めることはちょっと無理かとも思いますけれども、いや、そんなことはない、早速手を打った、こうなったぞというお答えがあれば、私はきょうの委員会はすばらしい委員会として終わると期待をしておるのでありますが、いかがでありますか。
#223
○古屋国務大臣 先般の委員会において諸先生から横浜の事件につきましていろいろの御支援をいただきまして、私も土曜日の朝官房長官に会いまして、要望したメモを出しました。
 一つは、「今回の事件にかんがみ、現在警察官等に対して授与されている内閣総理大臣特別ほう賞を、一般人に対しても適用できるように検討願いたい。」つまり、警察官とか海上保安官とかそういう人が公務で傷害を受けて亡くなったという場合には総理大臣の特別のほう賞が出ることが閣議で決定をされておりますが、これを一般人に適用できるようにひとつ改めてもらいたい、そういう要望が一つ。それからもう一つは、「今回の殉難者に対し、総理府賞勲局に対し、警察庁から叙勲の上申を早急に行うこととしているので、善処方賜りたい。」という要望をいたしております。
 近く回答を得られると思っておりますが、今日の時点ではまだその回答は得ていないのでございますが、できるだけ早くその問題について回答をいただくようにいたしたいと思っております。
 なお、負傷者に対しましては、私の名前をもちまして感謝状を出すことにいたしております。
#224
○岡田(正)委員 ありがとうございました。
 最後の、負傷者に対しては古屋自治大臣、いや国家公安委員長から感謝あるいは表彰のさたに及びたいということでありまして、直ちにその行為を行われることを非常に喜んでおるものであります。
 ただ、総理大臣の問題でありますが、官房長官ヘメモを出された、これは土曜ですよね。土曜に出されて、日曜があって月曜があって、きょうは火曜ですね。もう既に四日たっていますね。もしアメリカのレーガンから中曽根さんに電話が入っておったとしたら、中曽根さんは火曜の晩に至るも返事をしないでしょうか。私は、偉い人と偉くない人と差別をしてはいかぬと思う。全国民からひとしく、ばかなことをしたなという投書なんかないですよ、本当によくやったなと。自分のこと以外だったら、自分の身に火の粉がかからぬものならみんなが逃げて回るような風潮のときによくぞやったとみんなが言っているのに、何でこんなことすぐ答えが出ないのでしょうかね。それは土曜に言って日曜では無理でしょう。少なくとも月曜ぐらいには、これは古屋さん、こうするよ、安心してくれというぐらいの特別の電話が総理から国家公安委員長にあったって罰は当たらぬじゃないですか。
 もう一つ欲を言わしてもらうならば、これはそんなことをしたら自民党の株が上がるばかりだから本当はそういうことを言いたくないのですけれども、いわゆる総理大臣の公務員の人の特別の殉職に対する賞じゅつですね、そのこと以外に、本来ならば総理あるいは国家公安委員長が、全国民がこれだけ褒めたたえているのだから、今あなた、野球の選手でも国民栄誉賞をお出しになる時代でございましょう。それは官邸へ招くなんて失礼なことをしないで、わざわざ足を運んで遺族にあいさつをし、お墓にも参らしてくれと言ってどうして罰が当たりますか。私は、国民が待ってました、これこそ日本人の国民感情に最高に訴えるものがあるんじゃないかと思うのです。ぜひひとつ実行方をお願いをいたしまして、私の質問は終わらせていただきます。
#225
○高鳥委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#226
○高鳥委員長 この際、本案に対し、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して、愛知和男君外三名より修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。愛知和男君。
    ―――――――――――――
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
  組合法の年金の額の改定等に関する法律等の
  一部を改正する法律案に対する修正案
    〔六号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#227
○愛知委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、その提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本修正案は委員各位に配付されているとおりでありますが、その要点を申し上げますと、政府原案では「昭和六十年四月一日」と定められております施行期日につきまして、既にその日が経過しておりますので、これを「公布の日」に改めるとともに、これに伴いまして所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 以上が修正案の提案の趣旨及びその内容であります。
 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#228
○高鳥委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#229
○高鳥委員長 これより討論に入ります。
 原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、これを許します。経塚幸夫君。
#230
○経塚委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、昭四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案並びに同修正案に反対の討論を行います。
 言うまでもなく、地方公務員共済制度は、かつての恩恵的に与えられていた退職年金制度を改め、使用者たる地方公共団体と被使用者たる職員がそれぞれ必要な経費を分担し合い、退職後の生活の安定と福祉の向上を目的とした相互救済の制度であります。この点から見るならば、在職中に必要な経費を負担した組合員が、退職後、みずからの生活に必要な額の年金の支給を期待することは当然のことであります。
 ところが、昭和五十八年度は年金額の引き上げを凍結し、五十九年度は前年の人事院勧告が六・四七%にもかかわらず引き上げ率はわずか二%であります。そして六十年度もまた、前年度人事院勧告が六・四%にもかかわらず三・四%と、不当にも半分に圧縮しているのであります。しかも、年金額の引き上げが凍結あるいは圧縮されているこの間の物価の上昇率は六・九%であるにもかかわらず、年金額の引き上げ率は五・七%と、物価上昇にも満たないものであります。物価スライド、人勧スライド制は、退職後の生活の安定、福祉向上を図る上で絶対の必要条件であり、昭和五十七年度まではそうした措置がとられてきたのであります。
 今回の改正案は、年金生活者の暮らしを守れないばかりか、人勧制度をも形骸化するものであり、認めることはできません。改めて人勧どおり六・四%の引き上げを求めまして、討論を終わります。
#231
○高鳥委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#232
○高鳥委員長 これより採決に入ります。
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、愛知和男君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#233
○高鳥委員長 起立多数。よって、愛知和男君外三名提出の修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#234
○高鳥委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#235
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#236
○高鳥委員長 内閣提出、参議院送付、地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を求めます。古屋自治大臣。
    ―――――――――――――
 地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律
  案
    〔六号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#237
○古屋国務大臣 ただいま議題となりました地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 政府は、既に、国家公務員の災害補償制度につきまして、人事院の意見の申し出に基づき、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしておりますが、地方公務員の災害補償制度につきましても、それと同様の措置を講ずる必要があります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、遺族補償年金の受給資格年齢の引き上げであります。
 遺族補償年金の受給資格年齢を、夫、父母及び祖父母については六十歳以上、兄弟姉妹については十八歳未満または六十歳以上に引き上げるものであります。ただし、当分の間の措置として、職員の死亡の当時、その収入によって生計を維持し、かつ、五十五歳以上六十歳未満であった夫、父母、祖父母及び兄弟姉妹は、遺族補償年金を受けることができる遺族とする特例措置を講ずることとしております。
 第二に、福祉施設に関する規定の整備であります。
 福祉施設の趣旨及び内容を明確化するため、福祉施設に関する規定の整備を行うこととしております。
 第三に、年金たる補償の額の改定規定の整備であります。
 年金たる補償の額については、国家公務員災害補償制度における年金たる補償の額の改定の例により、当該年金額を改定するものとしております。
 第四に、役員の任期の改正及び補償の支給事務の簡素化を図るほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決賜りますようお願い申し上げます。
#238
○高鳥委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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