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1984/12/18 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 内閣委員会 第3号
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1984/12/18 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 内閣委員会 第3号

#1
第102回国会 内閣委員会 第3号
昭和五十九年十二月十八日(火曜日)
    午前十時三十分開議
出席委員
  委員長 中島源太郎君
   理事 石川 要三君 理事 戸塚 進也君
   理事 深谷 隆司君 理事 宮下 創平君
   理事 小川 仁一君 理事 松浦 利尚君
   理事 元信  堯君 理事 市川 雄一君
   理事 和田 一仁君
      池田 行彦君    石原健太郎君
      内海 英男君    鍵田忠三郎君
      菊池福治郎君    笹山 登生君
      塩川正十郎君    月原 茂皓君
      中村喜四郎君    二階 俊博君
      林  大幹君    堀内 光雄君
      山本 幸雄君    角屋堅次郎君
      山本 政弘君    鈴切 康雄君
      日笠 勝之君    山田 英介君
      田中 慶秋君    柴田 睦夫君
      三浦  久君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 後藤田正晴君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 加藤 紘一君
 出席政府委員
        人事院総裁   内海  倫君
        人事院事務総局
        給与局長    斧 誠之助君
        総務庁人事局長 藤井 良二君
        防衛庁参事官  古川 武温君
        防衛庁参事官  池田 久克君
        防衛庁長官官房
        長       西廣 整輝君
        防衛庁防衛局長 矢崎 新二君
        防衛庁人事局長 友藤 一隆君
        防衛庁経理局長 宍倉 宗夫君
        防衛庁装備局長 山田 勝久君
        防衛施設庁長官 佐々 淳行君
        防衛施設庁総務
        部長      梅岡  弘君
        防衛施設庁労務
        部長      大内 雄二君
 委員外の出席者
        内閣委員会調査
        室長      石川 健一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月十八日
 辞任         補欠選任
  菊池福治郎君     笹山 登生君
  堀内 光雄君     林  大幹君
  松浦 利尚君     新村 勝雄君
  山田 英介君     日笠 勝之君
同日
 辞任         補欠選任
  笹山 登生君     菊池福治郎君
  林  大幹君     堀内 光雄君
同日
 理事松浦利尚君同日理事辞任につき、その補欠
 として元信堯君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
十二月十八日
 人事院勧告の完全実施に関する請願(安倍基雄
 君紹介)(第一五七号)
 同(青山丘君紹介)(第一五八号)
 同(伊藤英成君紹介)(第一五九号)
 同(伊藤昌弘君紹介)(第一六〇号)
 同(稲富稜人君紹介)(第一六一号)
 同(小川泰君紹介)(第一六二号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第一六三号)
 同(大内啓伍君紹介)(第一六四号)
 同(岡田正勝君紹介)(第一六五号)
 同(春日一幸君紹介)(第一六六号)
 同(河村勝君紹介)(第一六七号)
 同(神田厚君紹介)(第一六八号)
 同(木下敬之助君紹介)(第一六九号)
 同(小平忠君紹介)(第一七〇号)
 同(小渕正義君紹介)(第一七一号)
 同(塩田晋君紹介)(第一七二号)
 同(菅原喜重郎君紹介)(第一七三号)
 同(田中慶秋君紹介)(第一七四号)
 同(滝沢幸助君紹介)(第一七五号)
 同(玉置一弥君紹介)(第一七六号)
 同(塚田延充君紹介)(第一七七号)
 同(塚本三郎君紹介)(第一七八号)
 同(中井洽君紹介)(第一七九号)
 同(中野寛成君紹介)(第一八〇号)
 同(中村正雄君紹介)(第一八一号)
 同(永江一仁君紹介)(第一八二号)
 同(永末英一君紹介)(第一八三号)
 同(西田八郎君紹介)(第一八四号)
 同(西村章三君紹介)(第一八五号)
 同(藤原哲太郎君紹介)(第一八六号)
 同(三浦隆君紹介)(第一八七号)
 同(宮田早苗君紹介)(第一八八号)
 同(横手文雄君紹介)(第一八九号)
 同(吉田之久君紹介)(第一九〇号)
 同(米沢隆君紹介)(第一九一号)
 同(和田一仁君紹介)(第一九二号)
 同(渡辺朗君紹介)(第一九三号)
 傷病恩給等の改善に関する請願(石川要三君紹
 介)(第一九四号)
 人事院勧告完全実施に関する請願(柴田睦夫君
 紹介)(第一九五号)
 福岡財務支局の存置に関する請願外二件(石橋
 政嗣君紹介)(第一九六号)
 同外一件(河上民雄君紹介)(第一九七号)
 同外三件(河野正君紹介)(第一九八号)
 同外一件(佐藤観樹君紹介)(第一九九号)
 同外一件(戸田菊雄君紹介)(第二〇〇号)
 同外三件(中村重光君紹介)(第二〇一号)
 同外三件(細谷治嘉君紹介)(第二〇二号)
 同外一件(八木昇君紹介)(第二〇三号)
 同(渡部行雄君紹介)(第二〇四号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第二九〇号)
 同外一件(小川仁一君紹介)(第二九一号)
 同外一件(嶋崎譲君紹介)(第二九二号)
 同外一件(城地豊司君紹介)(第二九三号)
 同外一件(野口幸一君紹介)(第二九四号)
 同外一件(藤田高敏君紹介)(第二九五号)
 同外一件(八木昇君紹介)(第一一九六号)
 元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する
 請願(松野幸泰君紹介)(第二四〇号)
 同(山下元利君紹介)(第二九七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一号)
 特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学
 技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第三号)
     ――――◇―――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。月原茂皓君。
#3
○月原委員 私は、自由民主党を代表いたしまして質問させていただきます。
 今回の公務員の給与改定一連の問題について、国が百二十二兆円の借金を抱えておる、そしてまた効率的な政府を求める国民の要望が強い、非常に厳しい情勢の中で血のにじむような企業努力をしながら生き長らえている企業、新しい展望のために今政府も、また民間も体質改善を行いつつある、こういう厳しい情勢の中で公務員の給与を考えるについては、いろいろ御苦労があったことと思われます。そして、最終的には公務員は生活をしなければならない、そしてまたこれは国民の支持を得なければならない、いろいろ御苦労があったと思われますが、そういう観点に立って質問をさせていただきたい、このように思います。
 まず、人事院総裁にお伺いしたいわけでございますが、現在の我が国の実情をどのようにとらえて勧告をされたのか、そして人事院の勧告の結果について、国民の世論というようなものについてどのように考えられているのか、その点をお答え願いたいと思います。
#4
○内海政府委員 お答え申し上げます。
 私どもが勧告を行うに際しましていろいろと検討をしなければならないものは多いのでございますが、今、その前提になる国の状況というものをどういうふうに考えておるかということでございますが、まず前もって申し上げておかなければならないことは、こういうものを考える場合に、人事院が勧告するに際して国の財政事情というものを頭に置き、あるいはそれを条件にして考えるかということになりますと、遺憾ながら私どもは財政事情を頭に置くということではなくて、客観的に公務員の給与が現在の民間給与等と比較してそれが妥当であるかどうかということを重点に置いて勧告をするという建前をとっております。
 それは、理由といたしまして、もし仮に我々が財政事情を考えるとするならば、大変大げさな言い方ですけれども、財政当局が持っておるような機能を私ども自身が持たなければ、これはなかなか正確に財政事情をとらえることはできない。むしろ我々は、先ほども申しましたように、客観的に公務員の給与が今日の状態においていいのか悪いのか、どういうふうにこれを是正するのかという問題を中心に考えるということが、人事院というものが設置されておる最も大きな意味を果たすわけでございます。
 さりながら、私どもも、現に行政改革も推進中であり、また赤字公債等国の財政事情が必ずしも十分でないということは承知いたしておりますが、なおかつそういうふうな状況下において公務を果たさなければならない公務員というものの士気、あるいは公務員の現実の生活を念頭に置いて適正な給与を考えていくということが最も必要なことでございます。
 そういうふうな観点から、私どもは詳細な資料を整え、詳細な検討を加え、その上で官民較差というものを出し、さらに、そのもとにおいてどういうふうにそういうふうな較差を埋めるか、あるいはそういうものの配分をどうするかというふうなことを考えまして勧告をいたしておるわけであります。したがいまして、国民の皆さん方においても、累次私どもはそういう実情を伝えておるつもりでおりますし、またいろいろと私どものところにはね返ってくる意見におきましても、国民の皆さんも大方において私どもの勧告、要するに公務員の給与の現実というものは御認識をいただいておる、こういうふうに私どもは理解をいたしておるわけでございまして、どうかこの辺の事情を十分に御理解をいただいて、公務員の給与の是正ということに御尽力をいただきたいと思います。
#5
○月原委員 人事院総裁にそのような御質問をしたのは、ほかでもありませんが、公務員法に、生計費、民間賃金というものを考えるほかに「その他人事院の決定する適当な事情」というような規定があるものですから、人事院総裁としてどのようにお考えであったかということをお尋ねしたわけであります。人事院としてはベストを尽くされたことに深く敬意を表するものであります。
 次に、総務庁長官にお尋ねしたいわけであります。
 今回の人事院勧告を受けまして決定するまでの経緯等について、長官から御説明願いたい、このように思います。
#6
○後藤田国務大臣 人事院の方から、八月十日に本年度の給与勧告をちょうだいしたわけでありますが、政府といたしましては、勧告を受けて給与関係閣僚会議を四回開催いたしました。当然のことながら、その間いろいろのお立場もあり、広い範囲にわたっての御議論が交わされたわけでございます。
 政府として一番考えましたことは、やはり今日の公務員の給与決定の方式、つまり人事院勧告というものを最大限に尊重しなければならぬ、これが一つの根本的な立場であったわけでございます。そういった際に、公務員の士気の維持あるいは良好な労使の関係の維持、これは考えなければならぬ。同時にまた、他方、今日厳しい行財政の改革ということを推進しておる。同時にまた、本年度の税収の動向がどのようになるか。いま一つはやはり物価の動向、こういった国政全般の観点からの慎重な検討が行われたわけでございます。
 殊に、その際一番心を砕いた問題は、五十七年度完全見送りということをやっております。五十八年度は二・〇三%のアップということで厳しい抑制措置がとられた。これが人事院勧告の中では当然官民較差としてあらわれてきておるわけでこざいますから、これをどのように扱うべきであるか。従来から政府は、人事院勧告の完全実施に向けて努力する、こう言っておるのですけれども、結果としては抑制がずっと続いておる、これは一体政府としてどう考えるのが公務員の諸君に一応の安心感を与えることができるであろうか。こういったことを慎重に、本当に真剣な議論が重ねられたわけでございますが、その結果として、本毎度三・四%内というアップをする。しかし、これもやはり抑制でございます。従来からのいわゆる積み残し分はこれによって一・四%くらい縮小になっておりますから、そこで、一応六十年度も完全実施に向けて努力することは当然だ、しかし、仮に六十年度完全実施ができなくとも、やはり本年度を含めておおむね三年を目安に完全実施向けてやっていこうという政府の方針がにじみ出るような形で解決をし、官房長官の談話も出していただく、こういうことをやった結果が、今日の給与の改定の法律案として御審議を願うことになった、これが継緯でございます。
#7
○月原委員 今総務庁長官の御答弁でその経緯がわかりましたが、今の答弁と重複されることになるかとも思いますが、非常に多くの人々、公務員が関心を持っている、その点についてもう一度明確に答弁していただきたい。今の答弁の中に十分入っておったのですが……。
 というのは、内閣官房長官の談話に今長宮がおっしゃったとおりのこと、「人事院勧告の完全実施に向けて最大限の努力を尽くしてまいります。」そして、「来年度以降においては、給与改定後の官民較差が、少なくとも本年度程度更に縮小されるよう鋭意努力してまいる所存」だということ。そしてまた総務庁長官御自身も、「完全実施を速やかに実現するよう誠意をもって取り組んでいく考えであることを理解され、」こういうふうに文章になっておるわけでございますが、そこに問題点としては、来年度完全実施しないのかという点が一つ、それから、いろいろな事情があったとしても三年後には完全に追いつくんだということを明確に答弁していただきたい、このように思います。
#8
○後藤田国務大臣 先ほどの私の答弁で申し上げましたように、やはり六十年度も政府としては最大限の努力で完全実施をするようにやっていきたい、こう思いますが、何せ今日の公務員給与をめぐる客観情勢にはまことに厳しいものがございます。そこで、仮にそれができなくとも、少なくとも六十一年には完全実施をやる、こういう方針を明らかにしたつもりでございます。
 そこで、率直に申しまして、官房長官談話の中でおおむね三年を目途にしてという文言を入れるかどうかということが大変な議論であったわけでございます。それを入れますと、文字どおり六十年度には不完全実施を宣言したことになるではないか、これはやはり適当でないということで、ああいった文言によってにじみ出るような形、しかし、政府としては六十一年度は完全実施をいたしますよ、こういう方針を明らかにしたつもりでございます。
#9
○月原委員 それで、さらに総務庁長官にお尋ねしたいわけでございます。
 この公務員の給与というものについてはいろいろな関心があるわけでございますが、他方、人件費が非常に多くなっていっておる、だから抑制すべきであるという意見もあるわけです。これもまた国民の中に非常に強い要望があるわけです。その点から、今まで政府としても定員削減等の御努力をされてきたと思いますが、第六次の定員削減の現状と、それから将来の目標ということを含めまして、人件費抑制のためにどのよりな御努力をされてきたか、そしてこれからどのようにするつもりだということを答弁願いたい、このように思います。
#10
○後藤田国務大臣 第二次の臨時行政調査会からの御答申の中にこういう文言がございます。「人事院勧告等の実施に伴う総経費の膨張は、新規採用の抑制、事務・事業の整理、民間委託、定員削減の励行、定員増加をもたらす施策の抑制、人事管理の適正化等行政の合理化、能率化の積極的推進等により、極力、抑制すべきである。」こういう御答申をちょうだいいたしておるわけでございますが、政府としてはこういった考え方で対処をしておるつもりでございます。
 そこで、お尋ねの第六次の定員削減でございますが、御承知のように、総定員法が昭和四十二年に制定をせられております。自来四十三年から、極力新規増員を抑制すると同時に定員削減を実施をしていくということで、今日まで削減の数が十七万四百五十三名でございます。ただし、増員がございますから、差し引きの純減は一万六千二百九十五名という削減の数になっておるわけでございます。そこで、私どもとしては、第六次の定員の削減計画に従ってやはり厳しい定員管理を続けていきたい、こう考えておるわけでございます。
 私の考えを率直に申しますと、総人件費の抑制ということは、これはやはり私は厳しくやっていきたい、こう考えているのです。しかし、やはり何といいましても、公務員の生活を守るということは政府の大きな責任でございますから、個々の職員の生活を守るという意味合いにおいて、公務員の給与が安ければいいといった考え方は私はとっておりません。やはり公務員が安心をして職務に従事することができるように、給与というものはできる限り政府としては配慮すべきものである。しかし、総人件費というものはやはり抑制しなければ、納税者に対する政府の立場、国民世論にこたえることにはならない、こういう私の基本的な考え方で臨んでいきたい、かように考えているわけでございます。
 そこで、第六次の削減計画が今続いているわけでございますが、たまたま来年の三月三十一日に定年制度が施行をせられるわけでございます。したがって、約九千名前後になると思いますが、定年退職者が通常の年よりはふえて出ますから、こういった際ですから、本年度の純減は三千九百五十三名でございますが、やはりそれを相当に上回った厳しい定員の削減をしたい、かように考えておるわけでございます。もちろん総人件費の抑制は、先ほどお読み申しました第二臨調の答申の中にあるように、定員削減だけではございません、事務事業の整理とかいろいろなことでやりたい、こう思いますけれども、少なくとも定員管理だけは私は厳しくやっていきたい。もちろん、これは国会の議決等もございますから、出血などということは毛頭考えておりませんけれども、そこらを十分配慮しながら総人件費の抑制に全力を挙げていきたい、かように考えております。
#11
○月原委員 非常に厳しい中で人事院勧告の扱いについて苦慮されている長官、そしてまた、国民の信頼を得ながらそれを実行しようとしておる長官の姿勢が非常ににじみ出ていた答弁だと思います。非常に苦しいときではございますが、これからも全力を尽くされんことを希望いたしまして、私の長官に対する質問を終わります。
 それでは、防衛庁の方に質問をしたいと思います。
 まず冒頭に、非常に脚光を浴びて自民党の新しいリーダーとして長官になられた加藤長官に対して、しかも、長官就任後、隊員の処遇等についてはいち早く関心を持たれ、部隊を視察され、そして六十年度予算、これは決着を見ないとわからぬわけですが、多くの課題に取り組んでおられる長官の姿勢に対して、敬意を表するものでございます。
 それでは、防衛庁の職員の給与等についての質問に入りたいと思います。
 まず、防衛庁職員の給与がどのように行われ、そしてまた、いろいろ勤務条件が違うにもかかわらず、なぜ一般公務員に準じて改定が行われているのかということについてお尋ねしたい、このように思います。
#12
○友藤政府委員 お答えいたします。
 防衛庁の職員の給与改定でございますが、特別職に属します防衛庁職員につきましては、一般職の国家公務員の給与改定に準じて行うことにいたしております。なお、若干名一般職に属する職員もおるわけでございますが、これにつきましては一般職の改定そのものが適用されるということになっております。
 それで、特別職の防衛庁職員の給与、俸給でございますが、参事官等に対する俸給、自衛官等に対する俸給、それに事務官等に対する俸給と、大きく分けますと三つに大別されるわけでございます。事務官等の俸給につきましては、一般職の俸給表をそのまま準用いたしております。それから自衛官でございますが、これは先ほどお話にございましたように、国の防衛に当たるということで、非常に厳しい任務も予想されるということでございますし、常時勤務態勢にあるわけでございますので、その職務の特殊性から特別の俸給表をつくっております。また参事官等につきましても、自衛隊の隊務の運営に密接に関係を有するということで、やはりこれも常時勤務態勢にある部隊との関連におきまして特別の俸給表をつくっておりますが、いずれも一般職におきます類似官職の俸給を基準として俸給の改定を行うようにいたしております。
 各種諸手当についても、一般職とおおむね同様の改定を今回も行うことにいたしておるわけでございます。
 どうして一般職の公務員の給与改定に準じて非常に厳しい任務の自衛隊員の給与改定をも同じようにやるのかというお尋ねでございますが、御案内のとおり、自衛隊員も国家公務員といたしまして、特別な職域ではございますけれども、やはり一般職の職員との給与の均衡あるいは類似の職務との給与のバランス、こういったものは当然考慮してまいらなければなりません。それから、まあ私どもは人事院の所管外ということで論理的には独自の俸給の改定ということもあるいは可能であろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたような公平とかバランスといった面も勘案し、あるいは人事院勧告制度のもとにございます一般職の給与改定の公正妥当性、こういったものも勘案をいたしまして、これらに準じた改定を行ってまいるということがやはり現実的であり、公正妥当な方法であろうかということで、従来からこういった方法をとってきておるわけでございます。
 したがいまして、今回も、人事院勧告の取り扱いに関します閣議決定におきまして一般職の職員の給与改定と均衡するように措置をするということで、去る十月三十一日の特別職の国家公務員の給与改定につきましては、閣議決定の中におきまして、特別職の国家公務員についてはおおむね一般職の職員に対する給与改定の趣旨に沿ってその給与改定を行うこととしておるわけでございます。
 なお、特別の厳しい職務であるという実情等につきましては、自衛官の職務に最も類似をしておるということで、類似の職務でございます公安職の俸給表を基準といたしまして自衛官の俸給表を従来から作成しておる、こういうことでございます。
#13
○月原委員 今ので大体わかったのですが、自衛官としての特色ある俸給表というものが当初はでき上がっていたと思うのですが、改定、改定ということが続いているうちに特色そのものが薄れてくるのではないか、私はそのような心配をしているわけでございますが、その点はどうでしょうか。
#14
○友藤政府委員 確かに先生から今御質問がございましたように、私どもの自衛隊員は国防に従事する、あるいは一たん緩急あれば戦闘任務にもつかなければいけない、非常に厳しい職務でございますので、やはりその任務の特殊性に対応した施策というものが私どもは必要であろうということで、防衛庁といたしましても、最も重要な施策の一つとして給与の改善については取り組んでおるところでございます。
 今回は、財政事情等もございましてやむを得ないものがあるということでございますけれども、従前から、給与の中の俸給につきましても、その特殊性を考慮した内容にしていくということで努力をいたしておりますほか、現物支給の面におきましても、営内者の食事代を無料にしてまいるとか、あるいは各種手当につきましても、一般職の手当はもちろんのことでございますけれども、自衛隊固有の非常に厳しい任務あるいは危険な環境下におきます隊員の手当といったものについては、日ごろから改善に努力をいたしておるところでございます。したがいまして、特別な手当といたしましては、航空手当でございますとか乗組手当あるいは落下さん隊員手当等がございますが、こういったものの手当の改定等につきましても時期を失することなく改善されるように、私どもとしても常時努力を続けておるところでございます。特に災害派遣というような非常に厳しい任務につきましては、従前から、その特異な状況下で不眠不休の危険な作業をしておる隊員に対しまして適切な処遇をしたいということで努力を重ねてまいったところでございますけれども、おかげをもちまして五十九年度から念願がかないまして、こういった災害派遣に対応いたします手当も支給していただける、このような形になっておるのでございます。
#15
○月原委員 いろいろ努力をされておるわけですが、一般公務員については人事院という機関があって研究しておる。防衛庁についてもそのような研究をし、今までも研究した結果をできる限り実現されていることだと思いますが、そういうものに取り組むような制度があるのかどうか。そして、今どのような課題に取り組んでおるのかということを質問したいと思います。
#16
○友藤政府委員 お尋ねのとおり、自衛隊の隊員につきましては一般職でございませんので人事院といった独立の機関があるわけではございません。(「団体交渉をやれ」と呼ぶ者あり)したがいまして、私どもとしましては、自衛官の給与問題の基本に係ります諸問題につきましては、部外の学識経験者をメンバーとして構成されます防衛庁職員給与制度研究会、こういったものを設けておりまして部外の方からも公正妥当な意見をいただきますし、私どもとしましても、日ごろから幹部の者どもが部隊を視察する際にも各地の状況をいろいろ伺っておりますし、そういった部内の声をそういう研究会等にも十分お話をいたしまして、適切な施策を講じられるように研究をお願いしておるわけでございます。
 特に近年におきましては、先ほどお話が出ました自衛官の俸給上の格付が若干おくれてきておるのではないか、こういった色もございますので、そういった問題の是正等の事項につきましても、現在研究、検討をお願いしておるわけでございまして、昭和六十年をめどとしまして人事院の方で給与制度全般の見直しをされるというふうなことも伺っておりますので、そういった動きに歩調を合わせまして検討を進めてまいる所存でございます。
#17
○月原委員 今委員の席から、団体交渉をやれという声が出るぐらいでございますので、ひとつ真剣にこの問題を……(発言する者あり)後ろでいろいろ勉強されておるようでございますが、それは後でお聞きするといたしまして、とにかく隊員の皆さんが本当に信頼できる給与体系に向かって研究し、努力していただきたい、このように思います。
 次に、今回の給与について何回となく答弁されていることとは思うのですが、GNP一%を突破するのかどうかということがよく言われておるのですが、その点はいかがでしょうか。
#18
○宍倉政府委員 今回の給与改定に伴いまして必要なお金というのが四百三十八億円と試算されております。当初予算が二兆九千三百四十六億円でございましたが、その中に百二十二億円ベースアップ用の財源として留保されておりますので、これを差っ引きますとネットで三百十六億円要ることになります。三百十六億円を当初予算に足しますと二兆九千六百六十二億円ということになるわけでございますが、これに対しましてGNPが幾らになるかということであります。GNPにつきましては、去る九月、経済企画庁がレビューとしてお出しになりました数字が二百九十六兆四千億でございまして、その一%が二兆九千六百四十億円になりますから、単純計算いたしますと二十二億円突破する、こういうことになるわけでございます。ただ、GNPと防衛関係費との間の対比につきましては予算とそれからGNPとの対比でございまして、予算は目下のところ当初予算しかないわけでございますから、現段階で突破しているということにはならないわけでございます。
 いずれにいたしましても歳出権限は二兆九千三百四十六億しかないわけでございますから、今後、仮にでございますが、補正予算が計上されるというようなことになりますれば、そのときの補正予算の数字が分子になる、その場合には節約額等もあろうかと存じますので、GNP一%を突破するというようなことはない、こういうふうに考えております。
#19
○月原委員 私は、一%の問題については別の機会に議論するといたしまして、これは直接関係があるわけではございませんが、防衛庁の予算の中にもいろいろ工夫をすべき問題点が少しはあるのじゃないか、このように思うわけであります。
 これは金額だけお聞きしておきたいのですが、防衛医科大学校の診療、大蔵省に入ってくる歳入というのはどのくらいあるのでしょうか。
#20
○古川(武)政府委員 防衛医大の経費は約百十億円余りで、医療費として収入する金額は約その二分の一強でございます。
#21
○月原委員 そのようなことを私は細かく言うつもりはありませんが、将来、その仕組み等についてもそろそろ考えていかなければならない時期が来ておる、私はこのように思います。
 次に、同じように駐留軍従業員の給与の改定でございますが、この問題について、今度の公務員の給与改定に伴って防衛施設庁としてどのように考えておられるか。
#22
○佐々政府委員 駐留軍従業員の給与の改定につきましては、従来から国家公務員と同時、同率という原則で実施をしてきておりまして、五十九年度の駐留軍従業員の待遇改善につきましても同じ方針で臨みたいと思っております。今後、本委員会におきまする一般職職員給与法の審議の状況を見まして、この法案が成立いたしました暁には直ちに対米交渉をいたしまして、同時、同率という原則に基づいて待遇改善を行いたいと考えております。
#23
○月原委員 施設庁長官に要望しておきたいのですが、働いておる人、それから家族のことを考えたときに、同時、同率であるとともに支給時期も可能な限り速やかに、前年度より一日でも早くということで努力していただきたい、このように思います。
 次に、定年延長の問題が最近にぎわっておりますが、定年延長で節約できるというか、これは先延ばしになるのだと思うのですが、そういう金額はどのくらいであり、そして後年度に持ち越すことによってどのくらい大きくなってくるのかということについて答弁願いたいと思います。
#24
○宍倉政府委員 定年延長につきましては、昭和六十年度については防衛庁としては一切考えていないわけでございます。したがいまして、モデルみたいな計算でお答えを申し上げるしかないかと存じますが、ごく粗い計算ではございますけれども、例えば千人定年延長を一年やるということにいたしますと、やった年度は百六十億円くらい財源が浮くことになりますが、一年たちますと、一年間に昇給し、また一年分だけ在職年数がふえるわけでございます。それから、一年間だけ新陳代謝がおくれるという要因がございますので、次の年に払う金が二百十億円くらいになりまして、この間、財政的な面から見ますと五十億円ほど損が出る、こういうことになるかと思います。
#25
○月原委員 今、経理局長の答弁の中に、六十年度についてそのことは考えていない、このように言われているわけでございますが、私もそのとおりだと思います。定年延長の問題については、もちろん生活の問題がございますが、ここまで来れば、要するに財政的な事情によって定年を延長するんだというような気持ちが蔓延したら、その人のことを思って改善したことがマイナスになってくるという点を心配するわけであります。
 そのような観点から、もう一度、今度は防衛庁長官に、六十年度定年延長の問題についてどのように考えておるか、答弁願いたいと思います。
#26
○加藤国務大臣 今、月原先生から、防衛庁の予算につきましていろいろ御質問をいただいたわけでございますが、それぞれ重要な問題であろうと思っております。
 特に、防衛庁の予算として現在約三兆円ほど一般会計から確保しているわけですけれども、その四四%は実は人件費でございます。そしてまた、来年度二千五十五億の増をお願いし、これがいわゆる七%の枠でございますが、この中に退職手当がどうしてもふえてしまうという部分が約五百億前後あるということでございますし、また今度のベ−スアップの実施に伴いまして、本年度で四百三十八億ほどのお金が要るということを考えますと、いわゆる防衛予算の中で人件費部分が占める重さというものは、非常に重大な部分だろうと思っております。
 その全般について今、月原先生から御質問を受けたわけでございますが、その中で、特に来年度に問題になりますのは、退職年限の延長、定年延長の問題であろうと思います。これによりまして、来年度特別に定年になる方が多いものですから、一時的に退職金が非常にふえる、したがって、これを平準化するために、何らかの定年延長を考えたりすることによって財政的な側面から突出しないようにできないかという議論が政府部内で行われていることも事実でございます。しかし、私たちは、月原先生が今御指摘いただきましたように、財政上の見地でこれを延長する等を今後もうやってはいかぬのではないかとかたく決心いたしております。五十四年から定年延長をかなりやっておりますけれども、これはそれなりに私たちは、隊員の生活設計等から考えて意味を持った部分がかなりあるという意味でやってまいりましたけれども、現在のような高年者の比率が高くなったときに、単に財政上だけで判断してはいけないことだと考えております。
#27
○月原委員 続いてお尋ねしますが、隊員の処遇の問題でございます。
 自衛隊というのは、練度を高め、実力を磨いておることが戦争の抑止力になっておるという立場に立っておる、これが世界の常識でございます。そうすると、そういう中にあっても毎日毎日の生活が行われておる。夜、帰ったら家族と食事をする、そして子供が入学する、毎日そういう生活が行われておって、自衛隊の生活を全うされて卒業される方もおられる、こういうわけであります。
 そういう観点から、この自衛隊の隊員そのものの処遇、私、先ほど冒頭に長官の姿勢について深く感銘を受けたことを申し上げましたが、いろいろ視察された結果、六十年度の予算について長官も特に重点を置かれていることと思いますが、六十年度予算について、人事の処遇についてどのような姿勢でどのような問題点を強調されようとしておるのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
#28
○加藤国務大臣 月原先生御案内のように、私たちの防衛予算の面では、従来やはり正面の方の整備ということに重点が置かれてまいりました。それはまた当然のことでございますけれども、その結果、従来、ともすれば後方、特にまた隊員の生活環境面の整備というのが若干犠牲になってまいったということも否めない事実でございます。
 九・五坪住宅とよく言われておりますけれども、隊員が家族で九・五坪の住宅に入っていて、木造でかなり老朽しているものが全国でたしかまだ八百戸あると思っております。
 それから、まだ隊内居住の場合には二段ベッドで隊員を生活させておるわけでございまして、このような状況で日夜激しい訓練をしながら士気を高めるといっても、かなり限界に来ているのではないか。来年度の七%の要求枠の中身は、前粟原長官がこういう生活面、後方面にバランスのとれた配慮をしなければならぬということで要求されておるわけでございますが、その予算の獲得に私たちも全力を挙げていかなければならないと考えております。
#29
○月原委員 六十年度予算について、今までになく特にその点、力を入れられておることに敬意を表するとともに、一層の努力をされんことをお願いしたいと思います。
 続いて、最近の新聞等を見て感じたことが一つございます。これはちょっと話が飛ぶわけでございますが、警察が例の犯人を取り逃がしたというようなことで通信関係について大きな改革をされようと、ディジタル通信にするんだというようなことを言っております。自衛隊の場合、これは国をとられるおそれがあるわけでございますから、それよりもっと重要な課題として通信関係については取り組まなければならない。ディジタルの問題、安全性の問題、そういうことについて今どのように取り組んでおるのか、その点についてお尋ねしたいと思います。
#30
○山田(勝)政府委員 自衛隊が使用いたします移動無線通信、この多くは、従来からFMなどのようなアナログ方式を採用しております。したがいまして、ただいま先生御指摘のように、基本的には傍受されたり妨害を受けたりする弱点がございます。
 そのために、秘にわたる通信はなるべく暗号化することができるようにいたしたいと思っておりますけれども、部隊で多く使われております無線電話というものは、この秘匿がなかなかむずかしゅうございます。したがいまして、現在、アナログ方式による無線電話というものをディジタル通信化いたしまして、秘匿化が容易になるように改善を進めていくようにいたしておるわけでございます。
 まさに、ただいま御議論の六十年度の概算要求におきまして、このディジタル方式の新野外無線機というものを新たに装備として要求をいたしておるところでございます。私どもといたしまして、今後、無線電話の秘匿化というものにつきまして、なるべく速やかにこれを達成するように努力してまいりたいと思っておるところでございます。
#31
○月原委員 今いよいよ予算の折衝というか、それが年の暮れにかけて大詰めに向かいつつあるわけでございますが、近年の我が国の防衛努力に対して、自分の国は自分の力で守るんだという前提に立って努力をしているわけでございますが、それとともに、よりパートナーであるアメリカとのいろいろな交渉もあろうかと思われます。
 米国は過去の五十九年度予算、これは前長官がワインバーガー長官とお会いになったわけでございますが、そのときに米国は、日本の問題についてどのように考えておるのか、そしてまた六十年度の予算についてどのように考えておるのか、その点を答弁願いたいと思います。
#32
○加藤国務大臣 米国も、現在の国際情勢は厳しい状況が続いておる、それに対処するために自由主義陣営諸国がそれぞれの地域の防衛につきましてそれなりの努力をして精いっぱいの汗を流してくれることを米国としては期待しておる、こう思っております。
 先日、と申しましても九月、前栗原長官がワインバーガー長官と会いましたときに、ワインバーガー長官が、栗原長官のもとで決定されました六十年度概算要求七%というものにつきましてその努力を大変評価するとともに、その獲得のために日本にできるだけのことをやっていただくことの期待の表明がございました。もちろん、私たちの防衛費というのは自国の自主的な判断で決定するものでございまして、米国の期待によって、それで左右されるものではございませんけれども、しかし私たちは、今世界各国が厳しい財政状況のもとで、世界の平和と安定とそして抑止力の維持のために精いっぱいの汗を流しているときに、私たちも精いっぱいの汗を流すということが重要になっておるだろう、こう思っております。
#33
○月原委員 今、ワインバーガー長官の話、それから日本の防衛予算に取り組む防衛庁長官の姿勢、それをお伺いしたわけでございますが、最後に、新しく非常に重要なポストにつかれた長官として、日米関係を含めまして今後の日本の防衛についての考え方、取り組み方について御答弁願って、私の質問を終わりたいと思います。
#34
○加藤国務大臣 戦後の私たちの国の防衛政策は、ある意味で非常に一貫してまいったと思いますし、その防衛政策が当初の段階ではかなり誤解を受けたり、それからまた批判を受けることもあり、また、現在もいろいろな批判があり、コンセンサスが一〇〇%とはなっておりませんけれども、しかし、戦後の私たちの防衛政策は国民の間に、また諸外国にだんだん理解されるようになり、そして評価は高まってきておるのではないかな、こう思っております。
 その基本ラインは、第一は、諸外国といい関係を保つということ、そして第二番目には、我が国自体が政治的、社会的、経済的に安定すること、そして第三番目に、適切なる防衛力を我が国自身がみずから持つということ、そして第四番目に、それで補い切れない部分は日米安全保障条約によって確保していく、この四つの柱というものは、私は、非常に正しい判断であり、今後とも継続して私たちはその道の上を歩んでいかなければならないものだ、こう考えております。
 そして、我が国自身の防衛力の整備につきましては、大綱の水準をできるだけ早く達成することを一つの旨としていかなければならないと思っておりますし、また、現在日米関係につきましては、相互の間にある信頼性をより強めるように最大の努力をしていかなければならない、こう考えております。日米安全保障条約があることによって我が国が戦禍に巻き込まれるとか、いろいろな議論が過去あったわけでございますが、私は、過去、戦後四十年の間、私たちの国がしっかりとした平和を保ち得てきていること、これはやはり私たちが日米安保体制も含めまして築き上げてまいりました防衛政策が正しかったことを証明するのではないか、その線の上に立って、積み重ねの上に私たちも今後努力してまいりたい、こう考えております。
#35
○月原委員 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきますが、公務員給与についての厳しい情勢の中で速やかなる実現と、それから今後の防衛問題について防衛庁自身が真剣に取り組まれんことを心から希望いたしまして、質問を終わります。
#36
○中島委員長 午後一時より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時二十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四分開講
#37
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事松浦利尚君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○中島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○中島委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に元信堯君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#40
○中島委員長 次に、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 午前中に引き続き質疑を行うのでありますが、他に申し出がありませんので、これにて質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#41
○中島委員長 この際、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、小川仁一君外二名より、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案に係る修正案及び三浦久君外一名より、日本共産党・革新共同提案に係る修正案、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、和田一仁君から、民社党・国民連合提案に係る修正案並びに防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対し、市川雄一君外一名より、公明党・国民会議及び民社党・国民連合共同提案に係る修正案が、それぞれ提出されております。
 提出者から、順次趣旨の説明を求めます。まず、小川仁一君。
    ―――――――――――――
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#42
○小川(仁)委員 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の各派共同提案に係る修正案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。
 本年八月十日、人事院は、国会及び内閣に対し、国家公務員法及び一般職の職員の給与に関する法律の規定に基づき、一般職の職員の給与について、六・四四%、金額にして一万五千五百四十一円の引き上げを行うよう勧告をいたしました。
 しかるに政府は、この勧告を平均三・四%内、金額にして八千百三十八円に圧縮した改定を行う給与法案を国会に提案いたしておりますが、民間における賃金改定、仲裁裁定の実施状況を勘案すると、人事院勧告を完全に実施することが必要であると考えるものであります。
 したがいまして、人事院勧告が国会にもなされたものであるという制度の本旨を踏まえて、ここに、人事院勧告を完全に実施することを内容とする修正案を提案するものであります。
 なお、特別職の国家公務員の給与についても、本修正案に準じた改定が行われることを期待するものであります。
 以上、提案を終わります。
#43
○中島委員長 次に、柴田睦夫君。
    ―――――――――――――
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#44
○柴田(睦)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、本案に対し、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 政府が提出した今回の一般職職員給与法改正案は、本年八月十日行われた人事院勧告による一般職職員の俸給及び諸手当等を、本年四月一日から平均一万五千五百四十一円、六・四四%引き上げるという勧告を大幅に切り下げて、平均三・三七%にしようとするものであります。
 これは、いわゆる公務員労働者の労働基本権の代償という人勧制度の趣旨からも、また俸給表の作成権限などを規定した現行の国家公務員法や一般職職員給与法にも反する不法不当なものであります。そして、何よりも、たび重なる人勧の凍結、抑制で深刻な状況にある公務員労働者とその家族の生活に重大な打撃を与えるものであります。同時に、人勧抑制の影響が恩給、年金受給者や民間労働者にまで及ぶことは既に明らかとなっているところであります。
 本修正案は、政府・自民党の不当な人勧切り下げを許さず、公務員労働者の最低限の願いである給与改善勧告の完全実施と近年の人勧切り下げ分の回復措置をとり、公務員と国民の生活を擁護しようとするものであります。また、本修正案が成立した暁には、政府は速やかに関係給与法の規定に従い、一般職に準じた措置をとるのが当然であります。
 次に、修正案の概要を御説明いたします。
 第一に、全俸給表の全俸給月額を人事院勧告どおり引き上げることとしております。
 第二に、諸手当について、初任給調整手当、扶養手当、住居手当、通勤手当、非常勤の委員等の支給手当限度額などを人勧どおりに引き上げることとしております。
 以上のほか、附則において、昭和五十六年度から五十八年度の期間における人勧凍結、抑制に対し、公務員労働者の実質的損害額の回復措置を政府に求める規定を設けることとしております。
 なお、本修正案に伴う必要経費は、約一千九百九十億円と見込んでおります。
 以上が本修正案を提出する理由と内容の概要であります。
 委員各位の御賛同をいただき、公務員労働者と国民の切なる願いにこたえて、本修正案を可決されんことをお願いして、趣旨の説明を終わります川
#45
○中島委員長 次に、和田一仁君。
    ―――――――――――――
 特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学
  技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置
  法の一部を改正する法律案に対する修正案
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対
  する修正案
   〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#46
○和田(一)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に対する修正案に関し、提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 言うまでもなく、人事院勧告制度は労働基本権制約の代償措置として設けられたものであり、毎年四月時点における官民給与較差を是正させるためのものであります。
 ところが、国家公務員の給与は、ここ三年の間、改定の延期、改定の見送り、勧告の一部実施という措置が繰り返されてまいりました。これらは、法治国家において政府みずからが確立した制度を政府みずからがじゅうりんするものであり、極めて不当な措置であると言わなければなりません。
 しかるに政府は、本年度においてもまた、人事院より勧告された給与改定率六・四四%を大きく下回る内容の改正案を国会に提出してまいりました。政府原案は、公務員の士気の低下を招来し、健全な労使関係を損なうばかりでなく、人事院勧告制度そのものの崩壊につながるものであり、我々はこのような提案を断じて容認することはできません。政府は人事院勧告制度を守り、すべての国家公務員の給与について勧告の早期完全実施を行うべきであります。
 この見地から、本修正案は特別職の職員等の給与について、人事院勧告どおりに完全実施する内容といたしており、本修正に要する経費は、約二億円と見込んでおります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
 引き続いて発言さしていただきます。
 私は、民社党・国民連合及び公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対する修正案に関し、提案理由及びその内容の概要を御説明いたします。
 申し上げるまでもなく、人事院勧告制度は労働基本権制約の代償措置として設けられたものであり、毎年四月時点における官民給与較差を是正させるためのものでございます。
 ところが、国家公務員の給与は、ここ三年の間、改定の延期、改定の見送り、あるいは勧告の一部実施という措置が繰り返されてまいりました。これらは、法治国家において政府みずからが確立した制度を政府みずからがじゅうりんするものであり、極めて不当な措置であると言わなければなりません。
 しかるに政府は、本年度においてもまた、人事院より勧告された給与改定率六・四四%を大きく下回る内容の改正案を国会に提出してまいりました。政府原案は、公務員の士気の低下を招来し、健全な労使関係を損なうばかりでなく、人事院勧告制度そのものの崩壊につながるものであり、我々はこのような提案を断じて容認することはできません。政府は人事院勧告制度を守り、すべての国家公務員の給与について勧告の早期完全実施を行うべきであります。特に、国の防衛のため日夜真摯な努力を重ねている防衛庁職員についても、人事院勧告の趣旨に沿って給与改定を行うべきは言うまでもありません。
 この見地から、本修正案は、防衛庁職員の給与について人事院勧告どおりに完全実施する内容といたしております。本修正に要する経費は、約八百三十億円と見込んでおります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
#47
○中島委員長 これにて各修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 この際、各修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。後藤田総務庁長官。
#48
○後藤田国務大臣 ただいまの一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案並びに特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府といたしましては反対であります。
#49
○中島委員長 加藤防衛庁長官。
#50
○加藤国務大臣 ただいまの防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府といたしましては反対でございます。
    ―――――――――――――
#51
○中島委員長 これより討論に入ります。
 各案及び一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する両修正案、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に対する修正案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対する修正案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。戸塚進也君。
#52
○戸塚委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表して、ただいま議題となりました給与三法律案及びこれらに対する修正案につきまして、簡単に見解を述べて、態度を表明したいと思います。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、去る八月十日の給与についての勧告にかんがみ、本年四月一日から平均三・四%内の改定を行い、その配分については、人事院勧告の趣旨に沿って措置しようとするものであります。
 今回の措置は、労働基本権の制約、良好な労使関係の維持、公務員の士気、生活への影響等に配慮しつつ、現下の経済社会事情、国民世論の動向等を総合的に勘案して決定されたものであります。
 我が党は、人事院設立の趣旨にかんがみ、その勧告は原則として完全に尊重するものとしておりますが、百兆円を超す国債残高に示されるように厳しい財政状況により、政府においても引き続き行財政改革を進めているところでありまして、原案は万々やむを得ざるものと考えるものであります。
 政府におきましても、勧告の完全実施に向けて最後まで誠実に努力を尽くした結果であり、そのあかしに、これまでのいわゆる積み残しについても、本年を含めて三年を目途に解消することを明らかにしておるところであります。
 このような状況のもとにおいて、今回の措置は十分とは言えないまでも、やむを得ないものと認めるものであります。
 以上の理由により、私は原案に賛成、両修正案に賛成いたしかねる次第であります。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の両案は、一般職の職員の給与改定に伴いまして、特別職の職員及び防衛庁職員についてもその給与を改定しようとするものであり、ただいま申し上げました理由により、原案に賛成及びこれらに対する修正案については賛成いたしかねる次第であります。
 なお、この際一言申し上げますが、政府は、人事院勧告についてこれを最大限に尊重することを明らかにしているところでありますが、人事院勧告制度の趣旨が一日も早く十分に実現されるよう今後一層の努力を払われるとともに、今回の人事院勧告に伴う差額分が年内に支給され、関係の方々が少しでも明るい気持ちで新年を迎えられますよう、政府の格段の御努力を要望して、討論を終わります。(拍手)
#53
○中島委員長 松浦利尚君。
#54
○松浦委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、議題となりました給与三法案並びに修正案について討論をいたします。
 まず、一般職公務員の給与法を改正する法律案でありますが、政府は、八月に出された人事院勧告を今日まで放置し、十二月に入ってからようやく実施の方針を決定されましたが、勧告の六・四四%アップを三・三七%にまで値切ってきたことは、到底容認できないものであります。
 人事院勧告の制度が、労働基本権に大きな制約を課せられている国家公務員にとって、唯一、生活権の保障制度であることは、後藤田総務庁長官みずからお認めになっているのであります。この人事院勧告を三年連続して尊重しないのは、根本的な誤りと言わざるを得ません。
 第二に、物価上昇率との関連でありますが、昭和五十七年度を一〇〇としたとき、五十九年度の消費者物価は七・一%のアップとなっております。これに対し、国家公務員の給与は、今年度政府原案を含め五・五%しか上昇しないことになります。この事実は、公務員及びその家族の実質生活がマイナスを強いられていることを意味しております。これでは、国家にとって重要な職務を遂行している公務員の士気、意欲に大きな影響が出るであろうことを指摘せざるを得ません。しかも、人勧凍結、抑制が既に三年連続しようとしております。このような条件を考えますと、給与抑制に対する不満が限界点のぎりぎりにまで達していることと思われるのであります。
 第三に、ILOすらも勧告をしていることでありますが、政府の人勧無視、不完全実施の方針がこのように定着してきますと、凍結、抑制することがノーマルということになり、これでは人勧制度のあり方、公務員制度そのものまでも根幹から揺るがすことになりかねません。このような事態は絶対に避けなければなりません。
 以上申し述べた理由により、政府原案に反対、社公民共同修正案に賛成いたすものであります。
 また、公民両党側提出の防衛庁職員の給与法一部改正修正案につきましては、防衛庁職員といえども公務員であることに変わりはないわけでありますから、一般職公務員と同じように給与が改定されるべきであり、同修正案に賛成するものであります。
 我が党は、自衛隊の存在について他党とは異なる見解を持っておりますが、それと自衛隊員の生活権を守ることは全く別の問題であります。
 ただし、この修正案によって防衛庁費がトータルでGNPの一%枠を突破することは、これを認めるわけではありません。防衛予算をGNP比一%以内とすることは、歴代の自民党内閣でも堅持されてきたところでありますし、本日の新聞にも出ておりますように、国民の七二%が賛成している大きなコンセンサスとなっている政策であります。
 したがって、完全実施によって防衛庁費が一%枠を突出する場合は、装備、隊員費等を削減して給与に充当すべきであります。我が党は、このことを条件として公民共同側提案の修正案に賛成、原案に反対をいたします。
 なお、特別職の給与改正につきましても、一連の改善として一般職に準ずるべきでありますので、民社党修正案に賛成、政府原案に反対をいたします。
 以上です。(拍手)
#55
○中島委員長 市川雄一君。
#56
○市川委員 私は、公明党・国民会議を代表して、給与三法案と修正案に対し、原案に反対し、修正案に賛成する討論を行うものであります。
 我が党は、従来から一貫して、人事院勧告の完全実施を強く主張してきました。ところが政府は、昭和五十六年度以来、勧告の抑制、凍結、大幅抑制を繰り返し、今年度においても、六・四四%の勧告を大幅に下回る三・三七%の給与改定にとどめようとしているのであります。
 人事院勧告制度は、労働基本権制約の代償措置として設けられた経緯から考えるとき、労働基本権を制約したまま人事院勧告を軽視した政府の姿勢は、断じて許せないところであります。根本的には、人事院勧告制度の存在理由自体が改めて問われかねない問題であります。
 政府は、何かというと財政的理由を掲げ、人事院勧告の大幅抑制を実施している。しかし、行財政改革への真剣な取り組みを欠いたまま、そのしわ寄せを公務員給与にすることは筋違いであります。
 我が党は、人件費の削減自体に反対するものではありませんが、その具体的実施方法として、人件費の総額の削減によるべきであると考えます。すなわち、首切りを伴わない公務員定数の大幅削減により人件費総額を削減すべきであり、人事院勧告の不完全実施による人件費の削減は断じて行うべきでないことを強く主張いたします。
 また、防衛庁職員給与の改正に関し、人事院勧告の完全実施とGNP一%問題について、我が党の立場を明確にしておきたいと思います。我が党は、防衛庁職員に対する人勧完全実施については、従来から賛成してきたところであります。一方、防衛予算はGNP一%以内にとどめるべきであるとの方針も一貫して主張してきたところであります。
 人勧の完全実施を行えばGNP一%を突破しかねない今日の状況下でありますが、我が党は、仮に人勧の完全実施によりGNP一%を突破するような事態が起こった際には、防衛予算の中で人件費以外の費用を削減すべきであります。すなわち、防衛予算のGNP一%枠におさめるために人事院勧告自体を抑制するのではなく、人事院勧告の完全実施を確保することを優先し、その上で防衛予算をGNP一%以内に抑制すべきであります。
 いずれにせよ、政府は、人事院勧告制度を尊重し完全実施すべきことを重ねて強く要求し、原案に反対し、社公民修正案に賛成の討論を終わります。(拍手)
#57
○中島委員長 和田一仁君。
#58
○和田(一)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、民社党の提案にかかわる一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案外二修正案に賛成、政府原案に対し反対の立場から討論を行うものであります。
 まず理由の第一は、言うまでもなく政府案は、労働基本権制約の代償として設けられている人事院勧告制度を無視し、公務員給与決定のルールを踏みにじるものであるということであります。しかも、二年も連続して給与表に手を加え勧告の内容を手直しすることは、人事院勧告制度そのものを崩壊させるものであり、許されることではありません。
 理由の第二は、財政事情を理由に公務員給与を抑制することは許されないということであります。国の財政難は、政府が経済政策を誤り、行政改革の本格的な断行を怠った結果であります。この政府の政策失敗のツケを公務員に求めることは、筋違いも甚だしいと言わねばなりません。人事院勧告は完全実施し、それに伴う人件費の膨張は新規採用の抑制等によって抑制すべきであります。
 第三の理由は、民主的労働運動の基本理念にのっとり、法と秩序を守りながら職務遂行に専念し、行政改革に率先してこたえるべく努力してきた公務員に対して、法をじゅうりんすることによってこたえるというのは、甚だしい裏切り行為であるからであります。
 以上の理由を申し述べ、政府が人事院勧告の完全実施を行うことを強く求め、民社党提案の各修正案に賛成、原案反対の討論を終わります。(拍手)
#59
○中島委員長 柴田睦夫君。
#60
○柴田(睦)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、一般職の職員の給与法改正案、特別職の職員給与法改正案及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法改正案、防衛庁職員給与法改正案など給与関係三案、いずれにも反対する立場から討論を行います。
 初めに、一般職職員給与法改正案についてであります。
 本法案は、公務員労働者の最低限の要求である人事院の給与改善勧告完全実施を踏みにじり、勧告を大幅に切り下げて実施しようとするものであります。
 憲法では、労働者の生存権を確保する基本的権利として、すべての労働者に労働基本権を保障しています。それは代償措置などによって代替できるものではないのであります。政府は、公務員労働者の労働基本権剥奪の代償と称して人勧制度を設けておきながら、三年連続の凍結、抑制の上に、さらに今年度も本法案によって大幅な切り下げ実施を図ろうとしています。これは政府流の憲法解釈にさえ反する暴挙であり、断じて容認できないのであります。
 ILOも、こうした事態に対し、人勧制度がもはや労働者の信頼を確保し得ないものとして疑問を表明し、日本政府に対し制度の改善を勧告しているのであります。人勧の切り下げは、国際的にも認められない近代国家として恥ずべき事柄なのです。
 さらに、国民生活にとっては、約五百万に及ぶ国家公務員、地方公務員とその家族の生活を深刻な状況に陥れるだけでなく、年金、恩給あるいは民間労働者の賃金などをも抑制し、広範な国民生活に犠牲を強いる突破口となり、我が国経済の民主的再建の道を阻むものであり、本法案による人勧切り下げ実施は到底容認できるものではありません。
 次に、特別職職員給与法改正案についてであります。
 本改正案は、現在でも国民一般の生活実態から見て高過ぎる国務大臣や政務次官などの給与水準をさらに引き上げようとするものであり、到底賛成できるものではありません。
 防衛庁職員給与法改正案については、憲法違反の軍隊の隊員給与改定でありますが、曹士隊員とその家族の生活を防衛することは必要であります。そうした点から見て、今回の改定は人勧切り下げの一般職に準じた措置であり、反対であります。
 なお、他党提出の修正案については、一般職が近年の人勧凍結等による実損回復措置が盛られていないなど不十分な点もありながら給与改善勧告に基づく修正案であり、あえて反対するものではありません。
 特別職についての修正案は、内閣総理大臣の俸給を例にとれば、現行百五十八万円を政府原案で百六十三万二千円とし、修正ではさらにこれを百六十八万円と、十万円も引き上げようとするものであり、到底賛成できるものではありません。
 防衛庁職員については、人勧完全実施した場合の一般職に準じた引き上げでありますが、憲法違反の自衛隊の隊員給与引き上げであり、直ちに賛成できません。したがって、従来どおり棄権といたします。
 最後に、政府に対し、三案の速やかな撤回と給与改善勧告完全実施及び人勧実損分の回復措置を可及的速やかに講ずることを要求し、反対討論を終わります。(拍手)
#61
○中島委員長 これにて討論は終局いたしました。
#62
○中島委員長 これにより採決に入ります。
    ―――――――――――――
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。
 まず、三浦久君外一名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#63
○中島委員長 起立少数。よって、三浦久君外一名提出の修正案は否決されました。
 次に、小川仁一君外二名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#64
○中島委員長 起立少数。よって、小川仁一君外二名提出の修正案は否決されました。
 次に、原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#65
○中島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、和田一仁君提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#66
○中島委員長 起立少数。よって、和田一仁君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#67
○中島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、市川雄一君外一名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#68
○中島委員長 起立少数。よって、市川雄一君外一名提出の修正案は否決されました。
 次に、原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#69
○中島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○中島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#71
○中島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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