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1984/03/07 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 内閣委員会 第5号
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1984/03/07 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 内閣委員会 第5号

#1
第102回国会 内閣委員会 第5号
昭和六十年三月七日(木曜日)
    午前十時三十四分開議
出席委員
  委員長 中島源太郎君
   理事 石川 要三君 理事 戸塚 進也君
   理事 深谷 隆司君 理事 宮下 創平君
   理事 小川 仁一君 理事 元信  堯君
   理事 市川 雄一君 理事 和田 一仁君
      池田 行彦君    石原健太郎君
      鍵田忠三郎君    菊池福治郎君
      塩川正十郎君    月原 茂皓君
      中村喜四郎君    二階 俊博君
      堀内 光雄君    山本 幸雄君
      上原 康助君    角屋堅次郎君
      沢田  広君    山本 政弘君
      鈴切 康雄君    日笠 勝之君
      田中 慶秋君    柴田 睦夫君
      三浦  久君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 後藤田正晴君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 加藤 紘一君
 出席政府委員
        内閣法制局第二
        部長      関   守君
        人事院総裁   内海  倫君
        人事院事務総局
        管理課長    網谷 重男君
        人事院事務総局
        任用局長    仙田 明雄君
        人事院事務総局
        給与局長    鹿兒島重治君
        総務庁長官官房
        長       門田 英郎君
        総務庁人事局長 藤井 良二君
        総務庁行政管理
        局長      古橋源六郎君
        防衛庁参事官  古川 武温君
        防衛庁長官官房
        長       西廣 整輝君
        防衛庁教育訓練
        局長      大高 時男君
        防衛庁人事局長 友藤 一隆君
        防衛庁経理局長 宍倉 宗夫君
        防衛施設庁総務
        部長      梅岡  弘君
 委員外の出席者
        防衛施設庁施設
        部施設企画課長 箭内慶次郎君
        防衛施設庁建設
        部建設企画課長 黒目 元雄君
        防衛施設庁労務
        部労務厚生課長 會田 正一君
        科学技術庁研究
        調整局調整課長 須田 忠義君
        環境庁大気保全
        局大気規制課長 片山  徹君
        国土庁防災局震
        災対策課長   定道 成美君
        大蔵大臣官房企
        画官      北村 歳治君
        大蔵省主計局給
        与課長     竹島 一彦君
        文部省学術国際
        局学術課長   重藤 学二君
        気象庁総務部長 新谷 智人君
        気象庁地震火山
        部長      河村まこと君
        気象庁地震火山
        部地震津波監視
        課長      渡部  貢君
        労働省労働基準
        局安全衛生部労
        働衛生課長   福渡  靖君
        労働省労働基準
        局賃金福祉部賃
        金課長     伊藤 庄平君
        自治省行政局公
        務員部給与課長 池之内祐司君
        自治省財政局財
        政課長     小林  実君
        日本国有鉄道常
        務理事     太田 知行君
        内閣委員会調査
        室長      石川 健一君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月七日
 辞任          補欠選任
  新村 勝雄君      沢田  広君
  正木 良明君      日笠 勝之君
同日
 辞任          補欠選任
  沢田  広君      新村 勝雄君
  日笠 勝之君      正木 良明君
    ―――――――――――――
三月六日
 総務庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四四号)
同日
 軍事費削減等に関する請願(浅井美幸君紹介)
 (第一七八六号)
 米空母艦載機の下総基地使用反対に関する請願
 (森田景一君紹介)(第一七八七号)
 同(森田景一君紹介)(第一八〇一号)
 同(森田景一君紹介)(第一八二八号)
 同(森田景一君紹介)(第一八四五号)
 同(森田景一君紹介)(第一八五九号)
 同(森田景一君紹介)(第一八八二号)
 同(森田景一君紹介)(第一八九九号)
 同(森田景一君紹介)(第一九一五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二五号)
     ――――◇―――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中慶秋君。
#3
○田中(慶)委員 退職手当法改正についての質問をさせていただきます。
 今回提案されておりますこの法案の中で、一つにはこの基準となる数値の問題、すなわち、官民比較の中で今回の改正法律の提案がされるわけであります。そういう点では、一つの方向としてそれぞれの取り組みは理解できますけれども、官民比較の問題について、少なくとも今は公務員の退職手当は世間的に高いという世評があるわけでありますけれども、こういう中で具体的な官民比較の方法としてどのような形をとられているのか。御説明の中ではそれぞれの数値が挙げられました。百人以上からの企業を算出してということでございますし、あるいはまた事務職、技術職という形の中での比較でございました。しかし、それぞれの内容を分析をさせていただきますと、そこには改めて大きな問題と矛盾を生じているのが実態ではなかろうか、こんなふうに私は考えるわけであります。そういう中で、今、一つ一つの問題を、皆さん方のこの官民比較の問題について質問をさせていただきたいと存じます。
 一つには、今申し上げたような事務職、技術職という形の中で調査、対比をされているようでありますけれども、これで本当に官民比較ができているでしょうか。やはり日本の産業構造とかいろいろなことを考慮に入れた中で、それぞれの比較をしなければいけないと私は思います。例えば産業別、職種別あるいはまたそれぞれの労働者別、こういう中で比較をされて、初めてそれぞれの内容が、官民比較の中においての誤差というものができるだけ正確にされてくるのではないか、こんなふうに思うのですけれども、これらについてのお考えをまず冒頭に聞かしていただきたいと思います。
    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕
#4
○藤井(良)政府委員 退職手当の官民比較の問題についてお答え申し上げます。
 前回の昭和五十六年の際の官民比較は、行政職俸給表の適用を受ける職員が勧奨により退職した場合に支給される退職手当と、民間における高校卒の事務・技術職員が定年、会社都合により退職した場合に支給される退職手当とを、勤続年数に応じて対比いたしました。
 退職手当の給付水準の官民比較の考え方につきましては、退職手当再検討の規定、参議院内閣委員会における附帯決議等にかんがみまして、退職手当制度基本問題研究会におきましてもいろいろと議論していただき、また政府におきましてもいろいろと検討してきたところでございます。
 その結果、私どもといたしましては、国家公務員等の最も標準的な一般行政事務を担当する職員に対応する民間企業の事務・技術系職員について、退職手当の水準を決める重要な要素である勤続年数、退職理由等を基準として比較することとし、これらを総合的に勘案することが適当であるとの結論を得まして、前回と同様の勤続年数別の対比を行うほか、前回は高校卒だけでございましたけれども、今回は大学卒につきましても同様の対比を行い、大卒を含めまして勤続二十年以上の勧奨または定年による退職者の一人当たりの平均退職手当の額を対比し、官民の支給状況を総合的に把握するように配慮しております。少なくとも、前回やりました対比よりも今回の対比の方がより精確に行われているのではないかというふうに考えております。
#5
○田中(慶)委員 今、国家公務員退職手当制度基本問題研究会の一つの例をとられておりましたけれども、ここの中でも明確に「民間企業における退職金制度、考え方等は様々であり、国家公務員等のそれらとは必ずしも合致しない」、こういうことを明確に提起をしております。例えば、退職手当の基本的な考え方をぜひ考えていただきたいと思います。
 一つには民間の場合、五十五歳定年で年金が六十歳、こういう中で、そのつなぎとしての制度のスタートでもあったわけであります。ところが、公務員の皆さんは六十歳定年、しかし現実にこの年金等を考えてまいりますと、五十五歳から現実には支給されております。こういうハンディキャップがあるわけでありますので、そういう点での性格づけとかそういう問題についても、果たして民間と公務員との考え方が一致するかどうかを考えたときに、私は疑問を抱かざるを得ないわけであります。
 こういう問題について、まず退職手当の基本的な考え方についてどうお考えになるのか、その辺に、ついてお考えを述べていただきたいと思います。
#6
○藤井(良)政府委員 退職手当の基本的な考え方でございますが、これはいろいろな学説がございます。功績報償説あるいは生活保障説あるいは賃金後払い説と、いろいろな考え方がございます。
 御承知のように、退職手当というものは、民間におきましても非常に長い歴史を持って推移してきているものでございます。民間におきましては、戦前、年金がなかった時代から、退職手当というような形で、のれん分けあるいは支店をつくってやるというような形で、随分長い伝統と歴史を持って推移してきております。この退職手当というものは、そのころから性格が変わっているか、変わっていないかというのは、これはいろいろ議論があるところでございますけれども、私どもとしては、現在民間で行われております退職手当並びに国家公務員退職手当法で支払われる退職手当につきましては、一応、長年の勤続に対する報償という考え方で理論的にまとめてみたらどうかというふうに考えております。
#7
○田中(慶)委員 それぞれ退職手当の生い立ちにはいろいろあるにしても、基本的には公務員と民間との考えの相違は相当隔たりがあろうと思います。そういう中で官民比較の扱いをされているわけでありますけれども、先ほど、前回よりは精度が上回った、こういう形で述べられておりますけれども、素朴な感じとして、皆さんのそれぞれ考え方を理解しないわけではないわけですけれども、真の官民比較であるならば、それぞれ日本は今どういう立場に置かれているか、日本は少なくとも資源がない、そういう中で加工を中心として、あるいはまた海外に輸出を中心として日本の産業を支えているわけであります。そうする中で、生産業に従事している人たちを全然配慮に入れてここには考えていない。こういうことを比較しますと、行。で高卒だといっても、今、生産業の現場というのは、大体高卒の人たちが主体的にそれぞれの仕事に従事をされているわけであります。そんなことを考えてまいりますと、この生産の業に携わっている人たちの配慮というものが全然されていない。しかし、日本の総労働者の中で、大体この生産業に携わっている人たちは四〇%以上を超えているわけであります。産業別にしてみると一番大きいウエートを占めているものがそこには配慮されていないということは、少なくとも大きな矛盾を生じるのではないか。これで真の官民比較なり、あるいは精度が高いということが言えるかどうか、その辺を明確にお答えをいただきたいと思います。
#8
○藤井(良)政府委員 退職手当の官民を比較する場合に、先生が今言われたようにいろいろな問題があるわけです。特に、製造業が入ってないじゃないかという点の御指摘でございますけれども、これは我々、公務員給与を比較する場合におきましても、要するに曲家公務員と同じ職種というのを大体対象にしてやっているわけでございます。したがいまして、これは人事院の方からお聞きいただきたいと思いますけれども、一応私どもの方といたしましては、人事院勧告の基礎となっている民間の職種なり人員なりを対象にして今回も調査しているということでございます。
#9
○田中(慶)委員 それは人事院の勧告もそういうことであろうかと思いますけれども、今申し上げたような基本的な対象の問題、例えば具体的に今百人以上の企業とかをそれぞれ指定をされて、それぞれの業種別の中で、管理職の問題とか具体的な調査対象の問題とかが明らかになっておりますけれども、しかし例えば百人以上の企業の人の中で、そこに高卒で二十五年、三十年勤続をされているかどうかというと、現実にはそこにおける対象者はほとんど少なくなってまいります。そうするとこのデータは、どちらかというと大企業を中心とした、あるいは他の企業と比較して、あるいはまた他の職種と比較して、その中身が比較的いいところが抽出されているんじゃないか、こんな気がしてならないわけであります。こういう点についてどうお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。
#10
○藤井(良)政府委員 今、勤続の年数の問題を御指摘になったわけでございますけれども、国家公務員の場合には勤続年数が比較的長うございます。民間に比べまして労働の市場性がそれほど開放されておりませんので、余り渡り歩くというようなことがないわけでございます。したがって勤続期間が比較的長いわけでございます。したがって、実際問題としては、我々の方といたしましても、民間と比較する場合には同じ勤続年数の方双方を比較しなければなりませんので、どうしても勤続年数の長い方がおられる企業をとらざるを得ないというのが現実だろうと思います。
 そこで、今回の調査におきましては、特に勤続年数二十年以上というのをピックアップしていただきまして、その辺を中心にして調査しているということでございます。
#11
○田中(慶)委員 ですから、そこに大きな問題が出てきていると思うのです。勤続二十年以上ということになってまいりますと、例えばここに百人以上の企業であってもその対象者が少なくなってきている、こういうことですから、そういうところに大きな問題が出てきていることは事実です。ですから、今言われているように、今回の改定案は民間の二十年以上の平均が一千八百四十三万と言われておりますけれども、現実には、どう比較をしても、それぞれのその金額に当てはまる人たちは本当に少ない、こういうことでございます。あるいはまた、労働省が出しているデータを比較させていただいても、それらに対するこのデータはどこを見ても余り見当たらない。こういう形の中で、労働省のデータはそれとは逆に、その労働省のデータが一般的には調査対象の基礎資料として使われるわけでありますけれども、現実には労働省のそのデータには一千八百四十三万という数字は出てこないわけであります。これらについて、労働省のデータが間違っているのかどうか、労働省の答弁をいただきたいと思います。
#12
○伊藤説明員 お答えいたします。
 ただいまの一千八百四十三万という数字でございますが、これは、私どもの調査の中では確かにその数字はございませんけれども、私ども退職金関係の調査といたしまして、労働省が実施しております退職金の制度調査と、それから中央労働委員会の方で毎年調査しているものとがあるわけでございますが、この労働省の実施しています最初の方の退職金の支給実態調査、これらの方では、規模も三十人以上をとっておりますし、生産労働者等も含めて調査を実施しているところでございます。
#13
○田中(慶)委員 今、労働省の調査というのは、明らかに三十人以上の規模とかあるいは生産労働者等も含めてそれぞれのデータを挙げられております。そこにはやはりそういうものを含めたデータがあるから、逆に今言ったような一千八百四十三万というふうな金額は出てこないのだ。しかし、官民比較をするのであれば、むしろ労働省のそのデータの方がより公平なデータではないか、こんな気が私はするわけですけれども、これについて御答弁をいただきたいと思います。
#14
○鹿兒島政府委員 民間調査につきまして、私どもが総務庁の委託を受けまして実施をいたしましたので、お答えを申し上げたいと思います。
 今、お話がございました労働省の調査は、五十六年一年間につきまして退職者の調査をしたものというぐあいに私どもは理解いたしております。その場合の調査対象の企業規模は、お話しのとおり三十人以上の企業ということで生産労働者も対象とし、退職者につきましても二十年未満の退職者を含むという形で調査をしたものというぐあいに承知しております。
 これに対しまして私どもが調査いたしましたのは、企業規模は百人以上の企業ということでございまして、職種は事務・技術職、これにつきましては先ほど人事局長の方から御答弁があったとおりでございますが、勤続年数につきましては二十年以上の長期勤続者ということを対象といたしました。このように調査の対象にそれぞれ違いがございます。
 違いがあることにつきましてはこれまでも御説明があったわけでございますが、その結果を私どもなりに理解したところで申し上げますと、高卒の退職者につきまして私どもが調査しました結果では、勤続年数二十年から二十四年の者につきましては八百三十七万円ということになっておりますのに対しまして、労働省調査では、生産労働者を含めまして七百二十七万円という数字でございます。二十五年から二十九年につきましては、私どもの調査が千二百七十二万円になるのに対しまして、労働省の調査は千百九十三万円ということになっております。また、三十年から三十四年につきましては、私どもの調査は千七百十七万円でございますが、労働省の調査は千五百六万円ということでございまして、私どもは、この違いは生産労働者を含めるか含めないかというところに大きな違いがあるというぐあいに理解しております。
#15
○田中(慶)委員 総務長官に答弁を求めるわけでありますけれども、今、それぞれ官民比較の対象の中で、人事院あるいはまた総務庁の答弁をちょうだいしました。私は、少なくともできるだけ公平ということを考え、できるだけ基礎数字というものはシビアにとっていかなければいけないと思います。そういう点で、今の労働省の調査あるいはまた人事院の調査、三十人規模なり百人規模、あるいは生産労働者をそこには入れてないんだ、こんなことを考えてまいりますと、それぞれ退職金問題というのが大きな社会的な関心を持たれているわけでありますから、そういう中でこの問題が、今言ったような公平感なり差別感なり、こんなことを考えたときに素朴な疑問を持たざるを得ませんけれども、総務長官は、今行っているやり方についてどのようにお考えになっているでしょうか、答弁を願いたいと思います。
#16
○後藤田国務大臣 民間側から見れば、公務員の処遇は民間に比べてよ過ぎるんじゃないか、こういう一般の空気があることは承知をしております。また、公務員の側から見れば、どうも公務員の方が最近は民間に比べて処遇が悪い、こういう不平があることもこれまた事実でございます。
 ただ、公務員の給与といいますか処遇を決める場合には、官民較差ということが一般のおおよその皆さん方の合意をしていらっしゃる点ではなかろうか。こういうことで、政府としては、やはり俸給は俸給、年金は年金、退職金は退職金と、それぞれ違いますから、それぞれについてできる限り精細な調査を行って、そして均衡をとるという基本方針でやっておるのはこれはもう事実でございます。退職金につきましても、人事院御当局にお願いをしまして、そして今回の改正案を御提案申し上げた、こういうことで、私どもとしては均衡がとれておるのではなかろうか。
 ただ、公務員の方は割合制度がきちんとしております。民間の場合は企業によっていろいろなやり方をやっていらっしゃる。したがって、実際問題として均衡をとるといってもやはりそこにおのずからなる限界はあろう、こう思います。しかし、人事院としては、これは人事院御当局からお答えすべきことだろうと思いますが、やはり比較できるものについてお互いの比較考量をして均衡をとっておる。だから、今度の退職金につきましても、私も詳細な資料の説明を受けましたけれども、やはり均衡がとれておるんだ、こう御理解を願った方がいいのじゃなかろうか。
 ただ、労働省の調査と人事院の調査が違うという御質問でございますが、これはやはり民間は比較的短くやめる人がおるとか生産労働者の数がどうとか、あるいはまた人事院そのものの調査についても、私はあえて批判がましいことを言うわけじゃありませんけれども、公務員と民間を比べる場合に、本当に百人以上で、あるいは事業所なら五十人、それ以上でいいのか悪いのか、これは考え方によれば、もう少し五百人以上でいいのじゃないかという議論もありましょうし、いや、そうじゃない、三十人以上でいいんじゃないか、いろいろの比べ方がありますから、現在は事業所五十人、企業としては百人以上、こういうことでやっておりますから、それらの中においてお互いの職種、事務・技術、それらを比べて精細な調査をしておりますから、私は均衡はとれておるのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
#17
○田中(慶)委員 いずれにしても総務長官は均衡がとれているというようなお話でありますけれども、今産業別に全体の日本の産業実態の分布で生産に従事されている労働者がその対象にならないということ自体は、はっきり申し上げて、素朴な疑問だけではなく、官尊民卑のこんな形で現実に受け取られる、こういうことは明確に指摘をしておきたいと思いますし、人事院におかれましても、これらの問題を含めて、これからそれぞれの官民比較をする基礎数字を出すときには、それぞれの産業の分布や職種、さらにはまた、人員等についてももっときめの細かい御配慮をぜひしていただきたい、これだけは要望しておきます。
 時間の関係がございますので、次に、それでは実際に支給されている制度の面で質問させていただきたいと思います。
 例えば、民間の場合の制度というのは、基準内賃金に関する退職金の基礎算出割合は平均の七〇から八〇が一番多いわけであります。しかし、平均値でいきますと基準内賃金の六〇%をベースにしているわけであります。公務員は一〇〇%をベースにしているわけでありますけれども、これらについてどのようにお考えになるのか。
    〔宮下委員長代理退席、戸塚委員長代理着席〕
#18
○鹿兒島政府委員 お答えいたします。
 お話がございましたとおり、民間におきます基準内賃金に対する退職金算定の基礎給の割合でございますが、高卒で五九・三%、大卒で五四・二%ということになっております。一方、公務員の場合には、所定内給与の月額に対します退職手当の算定基礎になります俸給の月額の割合は八四・七%であります。
 しかしながら、この退職金の算定の基礎給に対します退職金の支給割合を見ますと、民間は基礎給に対しまして七十五・七カ月分、平均勤続年数三十一年の場合でございますが、こうなっておりますのに対しまして、公務員の場合の三十一年の支給率は五十六・二六五月分ということでございまして、それぞれ基準内賃金という形で比較をいたしますと、民間の方が支給月数が高いという形になっております。
#19
○田中(慶)委員 それはそれぞれの算出のとらえ方であって、現実問題として、そのような実感としては少なくとも感じられないと思います。例えば賃金の改定、ベースアップのときでも、この退職金の昇給の算定というのは少なくとも一〇〇%入れられるかどうか。こんなことを考えたときにも、民間の場合はそれぞれ三分の一とかあるいは二分の一とかこんな形で算定をされておりますし、もう一つは、公務員の場合は支給率でやっておりますけれども、民間の場合は支給率じゃなく支給額の頭打ちでいっているわけであります。こんなことを考えたときに、やはり大きな問題点がここにも指摘をされようかと思います。さらに、賃金のアップ率を比較しても、公務員は今回の場合五十八歳頭打ち、そして民間の場合は平均して五十五歳頭打ち、これが実態であります。
 こんなことを考えてまいりますと、まさしくここにも官民の較差がある、私はそんな感じがしますけれども、この辺についてどのようにお考えになるでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#20
○鹿兒島政府委員 いろいろお話がございましたが、まず、民間で賃金改定あるいは昇給というものが退職金の算定に繰り入れられます割合が少ないかどうかということでございますけれども、これは私どもの調査でも正確なところはわかりません。ただ、五十二年度の調査によりますと、退職金の算定基礎給の全体の給与に対する割合というものが六〇・三%でございましたし、また五十七年度の調査におきましても五九・三%ということでございまして、ほぼ六〇%の前後で推移をしているということを考えてみますと、民間におきましても、昇給なりあるいはペース改定というものはほぼ同じような割合で繰り入れられて推移しているんではなかろうかというぐあいに推測されます。
 また、民間の場合には、御承知のように、こういう月数で出しましたり、あるいは算定の基礎額というものが一定の割合になっておりましても、そのほか加算金でございますとかあるいは年金部分でございますとかいうものの付加給付もございます。そういうことで、単純に月数でありますとかあるいは算定基礎額というものだけで比較するのは大変困難でございます。そういうこともございまして、今回の調査におきましては実額によってそれぞれの額を比較したということでございます。
#21
○田中(慶)委員 今、御答弁をいただきましたけれども、実額の算定によってということでありますが、少なくとも、私の調査及びここに中央労働委員会の事務局が出されている月額調査等、あるいは支給月額を見ても、今人事院が言われているそれぞれの額とは大分違いがあるように思います。そういう点で、私は、むしろ、この数値とか基礎ベースとか方程式というものは、ちゃんと明確にしておかなければいけないような気がするわけであります。
 先ほど来、それぞれの比較の対象のとらえ方という形の中で、あなたの方は製造業を入れてないとかあるいはまた五十人以下、三十人以下の対象のところを入れてないとか、そういうことを比較してまいりますと、そこには何らかのファクターで私はやらなければいけないような気がするわけです。例えば、今言ったように事務職、技術職だけでベースをとらえると、そこには大きな問題点が出てきようかと思います。
 今後の問題として、こういう問題を含めて、産業別なファクターをとるとか、何らかの形の方程式を明確にしておく必要があろうと思いますけれども、人事院総裁、この辺についてはどう思いますか。
#22
○鹿兒島政府委員 いろいろ御指摘もございましたが、私どもの考え方を一応御理解いただきたいということで、御説明をさせていただきたいと思います。
 私どもが今回調査を行いましたのは、一定規模以上の企業でございますが、その規模を選定するに当たりましては、退職手当制度というものが安定的に実施されているかどうかということを一つの基準に置いたということがまず一点ございます。
 次に、それぞれの実額の調査につきましても、先ほどちょっと触れましたように、退職一時金のほか、退職加算金でございますとかあるいは年金の原価計算でございますとか、そういうものを加えて計算をしているわけでございます。
 また、従来から、給与と同様でございますけれども、こういう給付の比較につきましては、同一職種の給与を比較するという必要があろうかと思います。そういう意味で、総務庁からの依頼もございまして、事務・技術系の職員相互を比較するという形をとった次第でございます。おっしゃるような生産労働者に相当する職種といいますのは、公務員の場合は御承知のとおり行政職の(二)表適用の職員でございますが、行政職(二)表の適用の職員につきましては、給料表自体におきましてそれぞれの職種の差異というものがあらわれており、それが当然に退職手当にも反映するものというぐあいに理解いたしております。
#23
○田中(慶)委員 それでは総務庁に質問させていただきますけれども、今言われた問題で、同じように将来的な問題として、この精度を高めるために、そして官民較差をできるだけ精確といいますか、データを精確にするために、今申し上げたように、人事院にはある程度の条件をつけてこういう形で調査対象にしていただきたい。こういうことであるから結果的にはこういうデータが出てくると思うのです。これからの問題として、それぞれ私が先ほど申し上げたように、産業別の分布や全体のファクターというものを何らかの形でそれをとらえて、できるだけ精度の高いもの、こういうことが望まれると思いますけれども、その辺についてはどのようにお考えになりますか。
#24
○藤井(良)政府委員 官民比較の方法につきましては、いろいろな比較の仕方があり得ると思います。退職手当制度と申しますのは、先生も御承知のように民間では非常にさまざまな制度を持っております。ただ、一般的に言いますれば、最終俸給に退職理由別の勤続年数を掛け合わせたものというのが、一般的なスタイルではなかろうかというふうに考えられます。したがいまして、本俸というのがそのままじかに退職手当の金額に反映されて出てくるというのが、先ほどから人事院の方から御説明があったとおりでございます。したがいまして、私ども今やっております調査が完全とは考えておりませんけれども、さらに精度を高めるためにいろいろな工夫はしてみたいというふうに考えております。
#25
○田中(慶)委員 この問題だけじゃなく、ほかの問題も通告してありますので、これは最後にしたいと思いますけれども、総務長官に、ぜひこの問題について最後のお言葉をいただきたいわけですけれども、はっきり申し上げて、素朴な感じとして官尊民卑、こんな感じを受けるわけであります。それは私どももいろいろな形で実情を調査しておりますけれども、はっきり申し上げて、一千八百四十三万なんというデータはどこからも出てこない。このデータは間違っているとは言いませんよ、人事院がやったのですから。しかし、その調査対象とかいろいろなことを含めて、先ほど来質問させていただいているように、全体の職種とかいろいろなことを考えて、あるいはまた、それぞれの生産労働者を加えていない、こういう問題もあるわけであります。こんなことを含めて、やはりこれからの退職金の基礎となるそういう問題を含めて、一つの明確なファクターをつくる必要があるのじゃないか、こんなふうに思いますけれども、あなたのお考え方を聞かしていただきたいと思います。
#26
○後藤田国務大臣 官民給与のバランスをとるということは基本の考え方でございますから、問題はそのバランスをどういうふうなやり方でやるか、これは今後とも検討の課題として、できる限り精確な比較ができるようにやっていきたい、こう思います。
#27
○田中(慶)委員 次に、国鉄問題にちょっと触れてみたいと思います。
 御案内のように、国鉄は今まさしく、再建計画を立てながら、三十一万二千五百人のこの現在の職員を十八万八千、六十五年を一つの目標として努力をされております。こういう中で、公務員の退職金制度そのものを、やはり国鉄職員にも本制度を適用した方がいいのではないか、こういうふうに思いますけれども、現時点においては適用されていないわけでありますから、これらの問題についてどういうふうにお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
#28
○太田説明員 制度の仕組みが公務員と違ってまいりまして、先生御承知のとおり、国鉄の場合は、組合との協議によりまして協約を作成して、退職勧奨制度を施行しておるわけでございます。したがって、このたび定年制を導入されました公務員とは基本的に違うものですから、私どもの立場で、今この時点で法律の適用を申し上げる立場ではございませんが、実態が違いますから、当然適用は変わってこざるを得ないというふうに考えられる次第でございます。
#29
○田中(慶)委員 実態が違う、あるいはまた労使のそれぞれの慣行でということでありますけれども、人員の削減計画とかあるいはまた民営の問題とか、いろいろなことをそれぞれ少なくとも今努力をされているわけでありますけれども、それと比較をして、やはりここには素朴に同じ公務員であるという意識があると思うのです。意識があって、そこにそういう差別があっていいかどうか。
 さらに、先ほど申し上げたように、いろいろな形でこれから削減計画やそういうことを含めて考えてまいりますと、当然ここには公務員の退職手当、これに準じるような形の努力をしていいのではないかと思う。その辺についてやはり明快な御回答をいただきたいと思うのです。
#30
○太田説明員 今お示しいただきましたように、国鉄の再建問題の成否を決めるぐらいの大きな問題点として余剰人員の問題がございまして、数字は今おっしゃったとおりでございますが、現時点におきましても二万五千名程度の余剰人員を抱えまして、当面その調整策に苦慮しておるところでございます。
 端的に申し上げまして、五十六歳以上の職員のできるならば全員、その大半がこの年度末において退職を決心されるようにいろいろ勧奨しておるところでございますし、現時点でその七割ぐらいが理解をして意思表示をしてくれている状況でございます。さらに、五十五歳に到達する職員についても、昨年度でございますが、該当者の七一%程度が意思表示をしてやめたのでございます。ことしは既に八〇%を超す者が意思表示をしておるというようなことで、歩みは大変遅々たるものがございますけれども、余剰人員の調整に向けての努力を一方ではしておるわけでございます。
 いろいろな面での調整が促進されるような運用なりやり方を私どもも切望している次第でございます。具体的には今組合とも協議をしておりますし、対策が進行中でございますので、その辺を勘案して総合的に今後検討を進めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
#31
○田中(慶)委員 総合的に検討するということですから。ただ、言えることは、公務員であるという意識を持っている、そしてまたこれから大きな事業をしなければいけない。特に余剰人員の問題を含めて考えたときに、私は少なくともこの事業を推進するためには不公平であってはいけないと思うのです。ある程度今回の公務員の退職手当に準じるような形の中で、より具体的に取り組むことがやはり一つの論法として、これはこれとして、これだけのことはみんなと同じようにやるんだ、しかしこれについては協力していただきたい、こういうことが言えるんではないか、こんなふうに思うわけであります。そういうことを含めながら、私は、この国鉄の職員についても本制度の適用というものは当然あってしかるべきだ、こんなふうに思うし、あるいはまたそれに準じるべきであろう、こんなふうに思うわけでありますので、これからそれぞれの問題はあろうかと思いますけれども、ぜひこの問題については努力をしていただきたい、こんなことを要望しておきたいと思います。
 それから、国家公務員の退職手当等に関連しながら、地方公務員の退職問題について触れてみたいと思います。地方公務員の退職手当は国家公務員よりその率、類ともに高いと言われておりますけれども、この辺について率直な感じを述べていただきたいと思います。
#32
○池之内説明員 ただいま御指摘ございましたように、地方公務員の退職手当につきまして、国と異なった制度並びに運用が行われた結果、多額の退職手当を支給されておる、こういう事実がございますことは御指摘のとおりでございます。
 自治省といたしましては、従来から、地方公務員の退職手当につきましては国家公務員と同様の措置を講ずるようにということで指導してまいったわけではございますけれども、残念なことながら現状におきましては必ずしも十分な措置が行われておらない、こういう状況でございます。
#33
○田中(慶)委員 十分な措置を行われてないということでありますけれども、実はここに保谷市の退職金の一例がございます。これは御案内のように、本人の本給、調整加算掛ける支給率、さらに奥さんについて一万二千円掛ける支給率、両親、子供など扶養者一人につき五千三百円掛ける支給率、こんな形でそれぞれ行われている、こういう実例もあるわけであります。そういう点で、確かに地方の退職手当については人事院の勧告その他の問題はないのかもわかりませんけれども、いずれにしても、現実にこの地方自治体を指導監督をされている自治省はこれらについてどのような考え方をお持ちなのか、述べていただきたいと思います。
#34
○池之内説明員 地方公務員の退職手当の指導の基本的考え方につきましてはただいま申し上げたとおりでございまして、実際の指導といたしましては、自治省として、退職手当条例の準則、これは国家公務員どおりでございますが、準則を策定いたしまして、これを各地方公共団体に提示をいたしまして、準則に従った条例で措置をするように、こういうような指導をしてきておるところでございます。
 なお、ただいま具体的に御指摘がございました保谷市の例でございますけれども、国家公務員におきましてはもちろん退職手当の支給基礎としては俸給でございますけれども、保谷市におきましてはいわゆる扶養手当等をも算定の基礎にしておるということで、今お話しがございましたような結果になっておるわけでございまして、保谷市につきましても是正をするようにということで、現在東京都を通じまして指導しておりますし、当該市におきましても現在是正の努力をしておるところでございます。
#35
○田中(慶)委員 また、この地方公務員の退職手当の問題について自治省としての具体的な個別指導等もされているように伺っておりますけれども、現実にはまだまだ、民間との較差じゃありませんけれども、国家公務員と地方公務員との間に大きな格差があると思います。そういう点で、退職金が国を上回るような理由というものが、現時点では、地方自治体の条例やあるいはまた給与体系にそれぞれ大きな問題があるんではないか、私はそういうふうに仄聞しておりますし、あるいはまた現実に調査の段階でそういうことが明らかになっております。これらについて、やはり何とか是正措置というものをしなければいけないのじゃないか、こんなふうに考えます。
 地方行革とかいろいろなことを言われているわけでありますから、こういうことを含めて明快な、指導的な具体的な例がありましたらお答えをいただきたいと思います。
#36
○池之内説明員 地方公務員の退職手当の適正化にっきましては、先ほど来申し上げておりますようなことで指導をしてまいったわけでございまして、地方団体においてもそれなりの努力をしておるわけでございますけれども、残念なことながら、先ほど申し上げましたような現状にあるわけでございます。そこで、自治省としては、従来から国の支給率を上回る団体については国並みの措置をするようにということで指導してまいったわけでございますけれども、さらにそれにっけ加えまして、来年度から、国の支給率を上回っている団体、計画的に速やかに是正すべき団体について個別指導団体ということで対象団体を指定いたしまして、個別的な助言、指導を強化してまいりたい、かように考えております。
 なお、その具体的内容については今後検討してまいりたい、かように考えております。
#37
○田中(慶)委員 自治省が高額退職金の自治体について個別指導をするということでありますけれども、それは来年度以降ということですから四月一日からであると思いますが、それらについては具体的に公表したりあるいはそういうことは明らかにされる考えがあるのかどうか、その辺が一点。逆に、この条例準則に反している退職金の問題が現実に違法か適法か、こんなことを考えて、その辺についての見解を述べていただきたいと思います。
#38
○池之内説明員 個別指導団体の指定がなされました場合には、当該団体を公表する予定にしております。
 なお、準則の法的効力の問題でございますが、これはあくまでも条例準則でございまして、法的な拘束力はございません。いわゆる指導というふうにお考えいただきまして御理解をいただきたいと思います。
#39
○田中(慶)委員 法的根拠はないということでありますけれども、例えば地方財政法の中で、「地方公共団体は、その財政の健全な運営に努め、いやしくも国の政策に反し、又は国の財政若しくは他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を打ってはならない。」こういうことが明確に規定してありますし、地方交付税の減額の問題も明確になっているわけであります。地方公共団体が法令の規定に違反し、著しく多額の経費を支出し、または確保すべき収入の徴収を怠った場合においては、国は当該地方公共団体に対して、地方交付税の減額をすること、あるいはまた返還を命ずることがある、こういうことがあるわけですから、そういう点ではむしろ法的根拠があるのではないか、こんなふうに私は思いますけれども、その辺はいかがなんでしょう。
#40
○池之内説明員 ただいま私が申し上げましたのは、いわゆる条例準則の拘束力ということでお話し申し上げたわけでございまして、条例準則に違反をしておる、条例準則どおりやっていないということをもって直ちに違法な措置であるというふうには申し上げられない、こういうふうに申し上げたわけであります。
 じゃ、その条例準則の根拠、どういう根拠でやっておるのかということにつきましては、これも御承知のとおりだと思いますが、地方公務員法第五十九条に、いわゆる自治省の技術的な助言をする規定がございます。これに基づきまして、条例準則に基づきまして指導しておる、こういう状況でございます。
#41
○田中(慶)委員 いずれにしても、この退職金問題は、今申し上げたような中で、地方自治体においても大変大きな国との格差があるわけでございまして、これを是正すべき何らかの措置をとっていかなければいけないだろう、こんなふうに思います。
 例えば、この退職金問題と一つの関連はあるわけでありますけれども、今、期末手当の問題が同じような形であろうかと思います。
 これから期末手当の支給時期になってこようと思いますけれども、期末手当についてプラスアルファ的な考え方でそれぞれ国と地方との格差があるかどうか、また地方でプラスアルファをされている団体はどのくらいあるか、その辺あったらお答えいただきたいと思います。
#42
○池之内説明員 いわゆる期末・勤勉手当、三月は期末手当でございますけれども、それの支給につきましても退職手当と同様でございまして、自治省といたしましては国家公務員に準ずるようにということで指導してまいっております。
 しかしながら、今御指摘がございましたように、一部の団体におきましては国の支給率を上回る期末あるいは勤勉手当を支給しておるということでございまして、最近の数字としましては約百二十団体が支給率を上回っておる、こういう状況でございます。
#43
○田中(慶)委員 支給率を上回る、国が示している月数を上回る、それだけではなくて、さらにプラスアルファ、こういう形で、月数だけ上回っている団体が今答えられた団体ですか。プラスアルファという団体はありますか。
#44
○池之内説明員 私どもの理解といたしましては、いわゆる国の支給率、年間で申しますと四・九でございますが、それを上回る支給率、あるいは今御指摘ございました定額ということで上積みするというものを、すべて超過支給額合わせまして、支給率あるいは定額であっても国の支給率を上回るものにつきましては、これをプラスアルファということで理解しております。
#45
○田中(慶)委員 神奈川県では、今行われている議会の中でこれらの問題が大きく議論をされているわけであります。財政が厳しいということで法人超過課税を再々延長されておるわけです。神奈川の実態というのは、人口急増に伴って高校百校計画を、こういう形で四十八年からスタートされました。高校を百校つくるために、それぞれの企業に応分の負担をしていただこうということで、五年という時限立法的な形で超過課税がされました。そして再延長され、昨年の暮れに再々延長が議決されて、四月一日からスタートされるわけであります。こういう中で、一面においては、財源が厳しい折から、ポスト百校計画について、これからは環境整備だと言われているわけであります。そういうやさきに、一律二万五千円、総額で二十億、こういうものが現実に支給されている。これは素朴な感情として、納税者なりそれぞれの法人の人たちが考えたときに、余りにも公務員優先じゃないか、こういうことが私のところにそれぞれ指摘をされ、あるいはまたそういう電話が殺到したわけであります。これらの問題について自治省として、少なくともこの実態を調査しながらどのような指導をするのか、あるいはまた何らかの措置をとるのかどうか、その辺を明確にお答えをいただきたいと思います。
 総務庁長官にお聞きしたいのですけれども、あなたは行管、要するに行政改革の関係でそれぞれいろいろな形で今までも指導されてきたと思いますけれども、これらについて、地方行革とかなんとかいろいろなことを言っております。素朴な感じとして、私は行革に逆行するような気がするわけですけれども、この辺もあなたの私見で結構ですからお答えをいただきたいと思います。
#46
○池之内説明員 神奈川県におきまして、三月支給の期末手当について、今お話しございましたようないわゆるプラスアルファ支給をする方針であるということが決定されたことにつきまして、御指摘のとおりでございます。
 ただいま御指摘ございましたように、行財政改革、特に地方行革、その中でも給与問題に国民が非常に深い関心を寄せられている状況の中で、そのような措置をとられるということは甚だ遺憾であるということでございまして、自治省といたしましても、そのような措置をとらないようにということで現在強く要請をしておるところでございます。
 なお、仮にそのような措置が行われました場合には、現在、特別交付税におきまして超過支給額につきましては相当額を削減する、こういうような法的措置が講ぜられることになっておりますので、そのような措置が講ぜられることになるというふうに考えております。
#47
○後藤田国務大臣 地方公務員の給与その他処遇の面について、国民からの厳しい批判があることは事実でございます。ただ、三千三百の地方団体でございますから一律には言えない、極めてまじめに行政改革をやってくれておる団体もございますから。ただ相当数の団体が乱れておるということは事実ですね。そうなりますと、地方自治体に対する国民の信頼感そのものが揺らいでくるということでございますので、これはやはり、乱れた運営をしているところは私は厳しく反省をしてもらわなければならぬと思います。
 こういった団体は、恐らくや、自治権があるんだからおれたちはやってよろしい、こういうような間違った考え方があると私は思います。しかし、いわゆる自治権というものは何も首長の自治権でもなければ議員の自治権でもありません。これはあくまでも住民といいますか納税者のための自治権であろう。私はそこらを真剣に反省をしてもらわなければならぬと思います。
 昨年は、東京都の知事がしばしば私のところへ参りました。これは不交付団体でございますが、それでもそれはいけないということでございまして、いろいろないきさつがあって、来年は厳しくやりますというお約束があった。ことしは大分反省をしておられるように思いますが、それでも自治省は、やはり起債その他においては厳しい処置をとったわけでございます。
 神奈川県は、私の記憶では不交付団体でなくて交付団体ではなかろうかと思うのです。私は全くああいう措置は認めがたい。これは、自治省当局が厳しい処置をとってもらうことを期待をいたしております。
#48
○田中(慶)委員 そこで自治省に質問させていただきますが、あらかじめこの期末手当の支給のプラスアルファは自治省に相談があったというような話を今漏れ承っているわけですけれども、その真偽のほどを明確にしていただきたいと思います。
#49
○池之内説明員 自治省といたしまして、神奈川県の幹部からそういう動きがあったという話は以前に聞いたことはございますけれども、事前に相談、了解というものは一切ございません。
#50
○田中(慶)委員 以前に聞いたことと事前に相談があったことのこれはどう違うのですか。以前に聞いたというのは、相談をかけられたということの解釈でいいのですか。
#51
○池之内説明員 相談ということではございませんで、そういう状況にあるというふうな動きがあるという話を以前に承知をしておったということでございまして、それについて事前に自治省として、そういうことは一切まかりならぬ、こういうことで話をしております。したがいまして、一部そういうような、今御指摘ございましたように事前に自治省が了解なりあるいはそれでゴーサインを出したとかいうような話を私ども漏れ承っておるわけでございますけれども、そういうことは一切ございません。
#52
○田中(慶)委員 いずれにしても交付団体であり、そしてまた給与その他についてはそれぞれそういう実態ですから、あるいは期末手当の問題も、それはそれでいいでしょうが、しかし、こういう形で現実問題として一律二万五千円、総額二十億、そして片方においては交付団体、さらには超過課税、あらゆるそういうことをしているときに、少なくとも今申し上げたような、後藤田長官を初め自治省からも答弁がありましたが、私はこのような指導というものはやはり明確にしていかないと、一生懸命まじめにやっている自治体と、いいかげんとは言いませんけれども、このようにどちらかというと職員に顔を向けてやっているところと、そこには不公平さがあってはいけないだろう、こんなふうに思うわけでありますので、その辺を含めて再度自治省としての考え方を、整理して答弁をしていただきたいと思います。
#53
○池之内説明員 先ほど来お話し申し上げておりますように、基本的には国家公務員に準ずるように、これは退職手当についても期末・勤勉手当についても同様でございますが、そういうことで従来から指導してきたわけでございます。先ほど申し上げましたように、退職手当につきましては、来年度から、個別指導団体ということで対象団体を指定いたしまして指導を強化してまいりたい、その他の給与問題につきましても、ただいま御指摘ございましたような点を十分配慮いたしまして指導を進めてまいりたいと考えております。
#54
○田中(慶)委員 いずれにしても地方自治体の今の制度そのものにやはり問題があると思います。国においては少なくとも行(一)を中心としてそれぞれの問題がとられているわけでありますけれども、地方の場合においては一本化になっている、給与体系が一本化になっている、こういうことも指摘をされているわけであります。これらの問題について御承知でしょうか。
#55
○池之内説明員 給料表の問題でございますが、今お話がございましたように、国で申しますれば行(一)あるいは行(二)ということで給料表を異にする職員につきまして、いわゆる一本化と申しますか、私どもで申し上げますと行(一)あるいは現業職員の給料表の一本化が行われている例があるのではないかということでございますが、残念ながら、ごく一部ではございますがそういう例があることは御指摘のとおりでございます。
 私どもといたしましては、あくまでも職務に応じた給料表を使用するように、こういうことで現在指導を進めておるところでございます。
#56
○田中(慶)委員 指導を進めていることはよくわかりますけれども、私が申し上げたのは、地方自治体ではそれぞれ退職手当、こういうところの一つの基礎ベースになる問題は、例えば業種を異にしても一本であるということを承っているわけです。ですから、平均してというよりは、むしろだれでもがこれだけの退職金をもらえるということを耳にしているわけですし、現実にそうされております。ですから、その実態をどう掌握してどう指導しているかということを今お聞きしたのであって、今の答弁とちょっと食い違いがあるような気がするのですが、その辺を明確にしていただきたいと思います。
#57
○池之内説明員 退職手当につきましては、先ほど御議論がございましたように、退職時におきます給料月額に支給率を掛ける、それによって退職手当の金額が算定されるということでございまして、今御指摘ございましたいわゆる給料月額の方の基礎額が、退職手当の場合には、給料表の一本化あるいは年齢給と申しますか、最近言われておりますのはいわゆるわたりというようなことで、職務に対応していない給料の格付が行われて、現業であろうが非現業であろうが、あるいは職務のいかんによらず、年齢的に同じ者は同じ給料が支給されておるじゃないか、それをベースにして退職手当が支給されるということでございますから今御指摘のような結果になる、こういうことじゃないかと思います。
 これも、先ほど来申し上げておりますように、給料表につきましてはそれぞれ職務に応じた、分離した給料表を使いなさいということで指導しておりますし、年齢給的なもの、いわゆるわたりにつきましても、これは職務給の原則に反するということで、現在そのわたり制度を廃止するようにということで指導を進めておるところでございます。
#58
○田中(慶)委員 今、それぞれの問題が指摘をされましたけれども、自治省が言っている個別指導というものは、そういう形のものを含めてと理解をし、かつまた、今言ったような形の中でそれに反するようなものはすべて公表する、こんな形で中身を理解してよろしいですか。
#59
○池之内説明員 個別指導につきましては、先ほど申し上げましたように、新たに対象団体を指定いたしまして、それぞれ各団体ごとにいわゆる是正計画を作成していただく、それに基づきまして必要な是正をしていただく、こういうような段取りにしております。したがいまして、今いろいろ御指摘されました点につきましては、その是正計画の中で是正される問題である、かように考えております。
#60
○田中(慶)委員 いずれにしても、地方公務員も国家公務員も、そういう形の中では、先ほど来官民の較差の問題を申し上げましたように、地方公務員が高いベースでありますと国家公務員も高いのではないか、すなわちこういう感覚になるわけであります。私は、適正な退職金制度なり退職金、これはいいと思うのです。しかし、そういう形の基礎ベースというようなことを含めてしっかりとぜひ指導していただきたい、こんなふうに思う次第であります。
 そこで、この退職金絡みでぜひ質問させていただきたいわけであります。
 調べてみますと、特別昇給制度という問題がありますね。各省庁の定員の一五%の範囲内で特別昇給を認める、こういう制度が現在あるわけであります。これは人事院ですか、ここにこういう形で特別昇給制度が明確に打ち出されております。
 そこで、現時点で特別昇給の適用を受けた者は全体の何%ぐらいあるのか。なぜその問題を聞くかといいますと、一五%ですから現実に七年間で一巡しているところがあるのです、はっきり申し上げて。ですからこういう問題を指摘するわけです。労使のお互いの力関係の中でこういう問題が現実に出てきているところもあります。管理職の人たちは少なくとも二年ぐらいの交代になっているものですから、そういう点では明確にこういうことのチェックを――これは長い慣行みたいな形の中でつくられたといっても、この特別昇給制度が一巡する制度であるとは理解できないわけであります。そんなことを含めて、これらに対する考え方を明確にお答えいただきたいと思います。
#61
○鹿兒島政府委員 お話しのように、現在、原則として一五%の枠内で特別昇給制度を実施するという仕組みになっております。五十八年度の実績を申し上げますと、一般職の給与法適用職員の定員は五十一万六千五百三十六名でありましたが、そのうち特別昇給の適用を受けました職員の数が七万六千六百五十六名でございまして、その割合は、欠員その他がございますので、一四・八%ということになっております。
 そこで、この特別昇給制度の運用についての御指摘でございますが、従来からこの運用につきましてはいろいろと御指摘もございまして、私どもといたしましては、五十七年に、勤務成績に基づいて厳重に実施するようにという通達を各省庁に出しております。同時に、現在の一五%のうち三%につきましては、勤務成績の評定によるほか、特に高度の免許あるいは資格を必要とする職務において業績を上げた者でありますとか、あるいは特別の経験等に基づく業績を上げた者、そういう者に別枠として、まさに勤務実績に応じて支給するようにということもあわせて措置をした次第でございます。
    〔戸塚委員長代理退席、委員長着席〕
 現在の実態、これは各省庁の任命権者で実施されておりますので、私どももなかなか正確な事実をつかみかねている点もございますが、例えば四十三年度に採用されました者の特別昇給の実施状況、これは四十三年に採用されまして五十七年までの十五年間にわたる昇給の実態を調べたことがございます。それによりますと、上級甲の試験採用者、いわゆる幹部職員とその他の職員に分けてでございますけれども、そのうち一回も特別昇給の適用を受けないという者も若干おりますし、一回しか受けてないという者も一〇%ほどおります。反対に三回ないし四回受けたという者も二十数%おるという状態でございまして、全体として見ます限りは、やはり勤務実績というものを各省庁が考慮しながら判断をし運用を行っているというぐあいに理解をいたしております。
 なお、御指摘のような点につきましては、私どもも給与の監査を実施しておるわけでございますから、監査の際に十分に注意してまいりたいと考えております。
#62
○田中(慶)委員 五十六年の十月十三日に、私ども民社党の岡田先輩がこの問題を取り上げております。その時点で、一巡方式について政府の答弁は、ごくわずかな分野ではございますが、そういう疑いの持たれているところもありますと、明確に答弁しております。これについてはどのように対処されたのか。その後ちゃんとしますということを答弁しているわけです。しかし、現時点においても、私の調査でもまだ一巡方式をとられているところがあるわけです。この特別昇給制度という法の精神を十二分に生かさないで、こんな形で一巡方式をとっていたのでは、逆に、この制度を将来ともこのまま続けていいかどうか疑問を抱かざるを得ないわけでありますから、そういう点を明確に答弁いただきたいと思います。
#63
○鹿兒島政府委員 五十六年にそういう御指摘がございまして、それに基づきまして、先ほど申し上げましたように五十七年に改めて通達も出し、また三%の枠もつくるということで、勤務実績をよりよく反映するようにということでやってまいっておるわけでございます。
 各省庁ごとの運用の実態ということになりますと、やはり各省庁ごとに若干の違いがございます。しかし、それはやはり各省庁の勤務評定の違い、あるいは任命権者の判断というものが反映されているということでございまして、私どもは、これが持ち回りであるというような確信を抱けるような実態というものは正確に把握しておりません。
#64
○田中(慶)委員 あなたは今把握してないと言っておりますけれども、五十六年の時点でも指摘をされて、そういう疑いを持たれておりますし、そういうところも確かですと明確に答弁されたし、私の今の調査でもあるのです。ですから、そういうことを含めて明確にしていかないと、この特別昇給の制度すら危ぶまれてまいりますし、そういうことをあなたの方がちゃんとしなければいけないのだと思うのです。その指導機関、所管庁が各分野に分かれているからというような、そんなことじゃないと思うのです。分かれていてもそんなことはぴしっとしなければいけないと思うのです。一巡方式なんてとること自体がこの法の精神から外れているわけですから、その辺を明確にしてください。
#65
○鹿兒島政府委員 持ち回りのような運営が行われますと、まさにこれは特別昇給制度の精神あるいはその趣旨に反するということになりますので、今後とも、給与監査を通じまして、そういうことがないように十分指導してまいりたいと思います。
#66
○田中(慶)委員 そこで、実は勤続二十年以上勤務された人が退職日に当たって一号俸アップされる、こういう慣行が行われているわけですけれども、この根拠はどこにあるんでしょうか。
#67
○鹿兒島政府委員 勤続二十年以上の者につきまして退職の日に一号俸アップをするという制度につきましては、私どもの初任給、昇格昇給の基準、人事院規則九−八というものがございますが、その第三十九条第三号に基づいて各省庁が実施しているわけでございます。
 この考え方といたしましては、二十年以上勤続をしたということで、その長期にわたる勤務実績というものを評価いたしまして、これに報いる意味で退職時に一号昇給するということを認めているわけでございます。
#68
○田中(慶)委員 この人事院規則第三十九条の三、二十年以上勤続して退職する場合はという一号アップの問題は、僕は何か法的根拠がないような気がするわけですけれども、その辺を明確にしないと、例えば地方公務員の場合においては一号アップじゃなく、逆にそれが二号、三号アップという、調べてみますとこんな形になっているのですね。ですから、何でもかんでもそういう形の中で、何といいますか、いいところばかりといいますか、そういう点ではまねするところが、悪乗りと言っては大変失礼ですけれども、こういう問題が見受けられるわけであります。
 今、民間との較差の問題とかいろんなことが騒がれている、そういうことを含めて行革も言われている、あらゆる問題が見直しをされている時期ですから、私は、そういう過去の問題は過去の問題としてそれなりに評価があったと思いますけれども、そういうことを含めて総点検をしなければいけないような気がするわけです。そういう点で、この人事院規則が、逆に言えば地方自治体においても二号、三号アップという形で援用されているわけですから、総体的にその根拠を含めて見直しをする時期ではないかと私は思いますが、その辺はいかがでしょう。
#69
○鹿兒島政府委員 私どもが現在、人事院規則九−八の第三十九条第三号に基づきまして退職時の一号アップを認めております考え方は先ほど申し上げたとおりでございまして、こういう制度によりまして長期勤続に報いるということもございますし、後に続く職員の士気を高める効果もあるというぐあいに考えておるわけでございます。
 地方公務員への影響につきましては先ほど来自治省の方からお答えがあったとおりでございますが、私どもといたしましては、この退職時の一号俸アップというものも含めて、国家公務員の退職手当の実支給額というものを頭に置きまして、同様な考え方で、民間の調査におきましても、双方を比較するという形で、現在の実支給の総体的な比較というものができ上がっておるというぐあいに考えております。
#70
○田中(慶)委員 やはり物というのは時代とともに発想の転換が求められているわけでありますから、今までの成果なり効果というものはそれはそれでいいと思うのです。しかし、今改めて、この退職制度の問題等々を比較して、民間との較差の問題やいろいろな問題が明らかになり、かつまた、それが一つの考え方によっては官民較差がよりある、いや、数字のとらえ方によってはこれが正しいんだ、いろいろな根拠があろうと思いますし、またそこには相違点もあろうと思います。しかし、私は、そういう点で、民間との均衡あるいはまた地方公務員等への影響等を考えたときに、こういう問題は今改めて全廃するか見直しをする、こういう時期ではないか、こんなふうに思うわけですけれども、その辺はどうでしょうか。
#71
○鹿兒島政府委員 重ねてのお答えで恐縮でございますが、私どもは、現行制度につきましては、公務員の士気向上という観点からやはり存置したい制度であるというぐあいに考えております。ただ、運用につきましては、御指摘の点も踏まえながら十分注意をして運用するように指導してまいりたい、かように考えております。
#72
○田中(慶)委員 国家公務員等退職手当制度基本問題研究会においても、賃金の問題あるいはまた官民比較の問題等については、国家公務員退職者に対応する民間企業の退職者に、必要かつ十分なサンプリングとか制度の見直しとか、いろいろな形の中でそういう検討をすべきである、こういう問題も、この文章の中ではそんなふうに理解してもいい部分があるわけです。ですから、私が申し上げたいのは、それぞれの制度が十二分に発揮されるよう、あるいはまた今のような形の中でそれぞれの一号アップとか二号、三号アップ、こんなことを考えたときに、感情的にあるいはまたいろいろなことを考えても官民較差という問題がここにも生じるわけでありますから、片方にあらゆる面で官民較差を生じるようなことがあってはいけないだろう。ですから、そういう点で、あなたは十二分だと言っておりますけれども、いずれにしても、時代とともにそういう見直しをすべき点はやはり正していかなければ、公平な形での制度というものは生まれてこないし、これからもそれを維持していくことはできないと思います。過去のものだから、既得権だからということで物の発想をされていたのでは現実問題として対応できていかない、こんなふうに思いますけれども、その辺を明確に答えてください。
#73
○鹿兒島政府委員 昇給制度全般につきまして、私どもはやはり公務能率の向上のためにこれを適正に運用していきたいという基本的な考え方を持っております。したがいまして、今後の検討課題といたしましても、先ほど申し上げました例えば特別の昇給枠、現在一五%のうちの三%というものをこれに充てているわけでございますけれども、これをさらに拡大するというような方向でも現在検討を進めているわけでございます。そういった点で、これからもこの制度が公務能率の向上に一層寄与いたしますように十分研究、検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#74
○田中(慶)委員 いずれにしても、今各般にわたって質疑をさせていただきましたけれども、この地方行革あるいはまた行政改革、さらには制度の見直し、そういうことを含めて、この上方修正をするだけではなく、ときには下方修正があってしかるべきだと私は思うわけであります。ですから、今度の頭打ちの問題だって、私はそういう点で出ているような気がいたします。そういう点で制度のあらゆる総点検をする時期に私は来ていると思いますけれども、その辺について総務庁としての考え方が、退職金に限ってでありますけれども、ございましたら御答弁をいただきたいと思います。
#75
○藤井(良)政府委員 今、先生からいろいろな点の御指摘があったわけでございますけれども、私どもも、今後、社会の変化に応じて民間の退職金がどう変わっていくかというようなことを十分に調査して、それに対応していくようにいたしたいと考えております。
 ただ、先生ちょっと誤解されているのじゃないかと思いますけれども、国家公務員の退職金が非常に高く見えるわけでございますが、実は先ほど出てきました労働省の調査等におきましては一社一モデル方式をとっておるわけですね。この一社一モデル方式をとりますとどうしても低く出るわけです。我々が一般に話します退職金というのは、一社一モデル方式を頭に置いてやっているわけです。そこに問題があるのではないかと思います。これを実額で調査しますと二割ないし三割高いわけでございます。したがって、そういうことも念頭に置きながら今後の調査を進めてまいりたいと考えております。
#76
○田中(慶)委員 労働省あるいはまた中央労働委員会の方から出されている資料でも明らかなように、退職金制度というのは今逆にだんだん年金制度に変わりつつあるわけであります。そういう点では、先ほど来申し上げているように、それぞれの制度の見直しとかという問題を含めて、時代とともにそういう変化をぜひとってほしいし、そうしていかなければいけないだろうと思うわけであります。これらの問題については、行政というものは時代とともにその流れと変化に対応できるような形で敏速かつ公平にやっていただきたい、こういうことを要望して、私の持ち時間が参りましたので終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#77
○中島委員長 小川仁一君。
#78
○小川(仁)委員 最初に、防衛庁長官の方にお伺い申し上げます。
 今回の予算委員会の結末を見ましても、防衛費をGNP一%の枠内におさめる努力を政府・自民党ともやっておられるわけでございますが、具体的執行に当たられるのは長官自身なわけでございます。昨年は、公務員賃金に準ずる自衛官の給料についても、やや綱渡り的ではありましたが一%の枠をお守りになった。これは私たちも一応その努力を評価はいたしますが、今回もまた、いろいろな課題が一%の枠の中に存在するわけでございますから、まず、予算執行あるいは計画等含めて直接その衝に当たる長官の一%の枠に対する努力の方向といいますか決意、そういうものをお伺いしたいと思います。
#79
○加藤国務大臣 防衛費の対GNP比一%に関する閣議決定についての政府の考え方は、累次申し上げているとおりでございまして、GNP一%を超えないようにするという五十一年度の三木内閣の閣議決定の方針を今後も守りたいと考えており、昨日自民党の幹事長が発言されたことは政府として尊重してまいりたい、こう思っております。
 委員御指摘の、実際に予算が成立した暁における執行の問題でございますけれども、その執行の際には適正な執行に努めてまいりたいと考えております。
#80
○小川(仁)委員 予算執行を予算を決定する前にお伺いすることは非常に無理な話だと私自身も思いながら、しかし、一つの方向性があってもいいのではないか。例えば幾つかの内部の問題をどう節約していくか、どう抑えていくか、こういった課題も一つの課題として存在するのではないかと思いますだけに、今後いろいろな部内の経費その他について再度御検討しながらそういう方向をお考えになるという方向性はございましょうか、いかがでございましょうか。
#81
○加藤国務大臣 小川委員もただいま御指摘のとおり、私たちが現在政府原案として審議をお願いしております予算というのは、もちろんすべてがどこから見ても必要な予算ということでお願いいたしておるものでございますので、この段階でどの部分を節約するというようなことを申し上げるべきではないと思っております。
 ただ昨年度、不用額、節約額がそれなりの理由があって出たわけでございますし、それは単に我が国防衛庁だけではなくて、外国とのいろいろな取引のレートの話だとか外的な要因から出てきたものもありますけれども、私たちとしても、妥当な当然しなければならない適正な執行に関する配慮は、当然去年並みのことは、去年やったと同じようなことはやらなければならぬと思っておりますけれども、それを現在との面でどういうようにすると申し上げるべきではないと思っております。
#82
○小川(仁)委員 今の段階では、なかなか私も言いにくいし、長官もお答えしにくいと思いますが、具体的な課題でお聞きいたしますと、例えば人件費、給与費は、今一%の枠内で残っている金額にすき間がある金額に合わせますと、何%ぐらいの増が見込まれますか。
#83
○宍倉政府委員 お答えいたします。
 先生おっしゃいました一%との間に残っている金額が八十九億でございますが、そのほかに予算の中に一%分、百三十三億を積んでございますので、両方足しますと二百二十二億になりますが、この分が百三十三億で割りますと一・六七%ぐらいになろうかと思います。
#84
○小川(仁)委員 局長、いろいろお考えと思いますが、ことしはどの程度の給与の増を当初見込まれておられました。具体的にお聞きしますと、例えば積み残しがございます、それからことしの物価上昇、賃金相場というふうなものを考えますと、あなたの場合、ことしどの程度の予算を見込んでおけば安心だとお考えでございましたでしょうか。
#85
○宍倉政府委員 委員のおっしゃいますことはよくわかるわけでございますが、いずれにいたしましても、人事院勧告が八月に例年出ますが、これがどういう出方をするのか、またそれに対して政府がどう取り扱っていくのかということが全く不明確な段階でございますので、前提を置けば前提に従いまして数字は出てくるとは思いますけれども、ただいまのところ、その前提をある程度限定いたして議論を申し上げるというのには早過ぎるような段階ではなかろうかというふうに思っております。
#86
○小川(仁)委員 それはお逃げになる答弁でして、最低でも昨年度の人勧の積み残し分は存在するわけであります。それから、物価の上昇あるいは経済成長率によっての一定の引き上げもあるはずであります。
 具体的にお聞きしますが、物価の上昇率をどの程度にお考えになっておられたか、同時に、積み残し分をもし完全に実施するとすればどれだけの金額が要るとお考えになっておられたか、お伺いしたいと思います。
#87
○宍倉政府委員 物価につきましては、経済企画庁の見通しによりまして六十年度は消費者物価が二・八%、卸売物価が一・一%、こういうことになっておりますので、そういうことかと思います。
 それから、昨年度までのいわゆる積み残しの分をどうするかにつきましては、なかなか難しい話かと存じまして、私の方でどういうふうにお答え申し上げるのか、それは私から申し上げるのはちょっと筋違いであろうかと思います。
 先生おっしゃいますのは、積み残しの分が何ぼかあるといたしまして、先ほど申し上げましたように、一%に相当する金額は百三十三億円でございますから、いわゆる積み残しの分に百三十三億円を掛けていただきますと答えが出てくる、こういうことであろうかと思います。
#88
○小川(仁)委員 私は、大体一〇%以下になることはないと思っているのです。これは一般論です。なぜかというと、もう新聞等をお読みになっておりましょうけれども、いろんな賃金問題の評論家たちは五%前後の攻防かというふうに書いておられる。積み残しが四・四ぐらいある、こういうことになると最低でも一〇%という問題は用意をしておかなければ、一%の枠を給与を上げるという形で乗り越えるという意図的なものが存在する、こう考えるのです。政策云々という問題は、確かに政府の給与に対する政策はあると思いますけれども、人勧というのは本質的には守ることが前提の日本の国の給与制度でございますから、その分を用意しないでおいたということになると、その分を考えていないということになると、これは防衛庁としては怠慢というか、あるいは意図的なものとして一%を守るためにここのところの用意をしておかなかった、こういう言い方かのいずれかが当たると思います。
 それで、一〇%として幾らかかるかという計算は仮にしなくとも、これぐらいは上がるだろうという可能性を含めて計画をつくっていなかったことについてどうしても納得できませんので、その間のことを御説明願いたいと思います。
#89
○宍倉政府委員 金額的に申し上げれば、先ほど申し上げましたように、例えば先生が今一〇%、こういうことをおっしゃいましたが、一〇%のベースアップがあるということでございますれば、一〇%から、一%分は中に入っておりますから九%でございまして、九%に百三十三億を掛けますと千何がしかという数字になろうかと思いますが、ちょっと今わかりませんが、そのくらいの数字になると思いますが、そういう数字が出てくることになるかと思います。
 防衛関係費につきましては、先生も篤と御案内かと思いますけれども、「防衛計画の大綱」の水準に達するまでできるだけ速やかに防衛力の整備を進めていきたい、その基本的な方向のもとに五六中業というのがございまして、六十年度予算はその三年度目でございます。そういったことで防衛力の整備をしていかなければいけないということがあり、同時に、既に持っております防衛力につきまして、それの運用等、隊員の練度の強化ということも考えなければならない、同時にまた隊員の処遇も考えなければいけない、また日米安保体制というものがあるわけでございますが、これに関連いたしまして基地対策の方も強化していかなければならない、そういった要請がございまして、それぞれの要請と、それから防衛以外の他の国の諸施策との間の調和を図りながら、ぎりぎり最低限度の金額として三兆一千三百七十一億円という予算をお願いしているわけでございまして、それが、先生おっしゃいますようなGNP一%の金額との間の差が八十九億円ということで非常に詰まっておるわけでございますが、両方の要請がございますので、片っ方だけのことでも何ともそこのところはうまくいかない、両方のところをぎりぎりにらみながらできたものでございまして、六十年度の防衛関係費につきましては、GNP一%の中で予算編成をするということも政府の方針でございましたから、これもぎりぎりその枠内でやった、こういうことでございます。
#90
○小川(仁)委員 いろいろの要望があるという話はわかりますよ。ただ、私は、一つの予算を組むときに、当然年度内において一定の必要額があるということがわかり切った問題を抜きにして予算を組むということはあり得ないと思うのです。ですから、賃金を幾ら上がる、俸給を幾ら上がるものとして考えて予算を組んだか、端的な言い方をすればこういう言い方なんです。幾ら上がると思って予算をお組みになりましたか。一%でいいと思ってお組みになったのならそういう御返事をいただいて結構です。
#91
○加藤国務大臣 六十年度における公務員給与べースアップ等、それから各予算、GNPとの関係につきましては私はこう思っております。
 自衛隊、防衛庁の人件費も一般の公務員に準ずる扱いを従来されてきておりましたので、私たちもそれと同じように、ほかの役所が六十年度の予算の編成に際しましてベースアップ分を一%ということでとるということであれば、私たちの防衛庁も百三十三億用意をさせていただいた、こういうことだと思っております。
 将来、本年度のベアがどうなるか、それが政府でどういう取り扱いをされるかは、これは現在不確定な要因であろうと思っております。そこで、私たち防衛庁の場合には、それ以外に、GNP一%との関係というほかの省庁にはない別個の問題があることも委員御指摘のとおりでございますが、その点につきましては政府の見通しのGNPが現在の見通しのとおり進むかということも不確定な要素でございます。現に去年も見通しどおり進まなかったわけでございます。それから、分子といたしまして、先ほど申しましたように、ベアがどういう額になるか、それをどういう政府の取り扱いになるか、これも不確定な要素でございますので、今その点についてはしかとしたことが申し上げられない、こういうふうに考えております。
#92
○小川(仁)委員 給与の場合、ほかの省庁と違って、防衛庁の場合は、総枠一%を初めからお考えになっておやりにならなければならないという状況があるわけであります。他の省庁の場合は補正予算その他で組めますけれども、一%の枠というものを補正予算によって突破することが当然だという考え方で予算を組んではおられないと思うのです。どうなんですか。
#93
○加藤国務大臣 ベースアップ、人件費、それからこのGNPという問題につきましては、繰り返しになりますけれども、分子、分母ともそれぞれまだ不確定な要素がありますので、今ここで明確に申し上げられる段階ではございません。
 いずれにいたしましても、六十年度の予算編成の当初におきましては一%の枠を守りましたし、それから今後につきましてもできるだけ守りたい、こう思っております。
#94
○小川(仁)委員 そういう立場でお話をいただきますというと、私たちとしては、当然ベースアップがある、そのベースアップを口実にして一%の枠を破るんだな、こういう一般的な印象しか今までの体制の中から受けとめられないのです。何かそこに一%枠に対する非常に意図的なものを感じます。それだけにいろいろな角度から今までも予算委員会その他でもお話があったことだろう、これは大臣も同じ御認識だと思います。
 そこで、それでは具体的に人件費あるいは自衛隊全体の給与問題の中で、公務員と比較して一体どういう状況があり得るだろうかということをお聞きしてみたいと思いますが、きょうは退職金の問題ですから給与には余り触れませんけれども、例えば自衛隊の給料表というのは曹の位なんかでは三十二号俸まで積まれております。一般の公務員にはそういう状況は余りありません、どのように適用するかは別として。給料、基本給、退職金、そういう問題を含めてもう一度再検討なさる御意思はございますか。どうですか。
#95
○友藤政府委員 お答えいたします。
 自衛隊員の給与制度につきましては、御案内のとおり、一般的水準としましては、公務員でございますので一般職の職員との均衡をとるということで来ております。ただ、職務の特殊性がございますので、それに類似をいたしております公安職の職員の水準に合わせた体系を組んでおるわけでございまして、現在の制度そのものについて、私どもとしては十分均衡がとれておるというふうに考えております。
#96
○小川(仁)委員 準じてというお話がございましたが、法制局おられると思いますが、準ずるという言い方、表現の仕方、これはどれほどの幅とどれほどの余裕があるものかをちょっとお知らせを願いたい。イコールではないと思いますけれども。
#97
○関(守)政府委員 お答え申し上げます。
 一般に、準ずるとか準じてとかいう言葉はしばしばいろいろな機会に用いられておりますので、その場合場合に応じて判断するのが本当だろうと思いますけれども、法令用語におきましてもいろいろなケースがございます。ただ、それらを総括して言えますことは、法令用語の場合でございますけれども、本来そのものではありませんけれども、性質とか内容、資格要件などが大体同様であるというような、あるいは類似をしているというようなことで、その準じられているものと大体同様あるいは類似の取り扱いをするという場合に、準ずるというような言い方をしているのが一般でございまして、御質問のように、どのくらい離れているかとか、そういうようなことは余り意識はしないで使っているのが普通じゃないかというふうに思います。
#98
○小川(仁)委員 私は、今までの経験の中で、地方公務員の給与等の場合は、準ずるというのはイコールと、こういう形で法廷等の争いの中でも政府側の答弁があったことを知っております。具体的には盛岡地裁の民事問題で私自身が原告になってやったこともあるのですが、地方公務員の場合は準ずるという場合はあれですか、イコールあるいはその地域における一定の条件その他があればこれをその条件に合わせて考えてもいい、こんなふうに御理解しておられるでしょうか、解釈しておられるでしょうか。準ずるという立場の解釈、法制局と人事院からもお聞きしたいと思います。
#99
○関(守)政府委員 地方公務員につきましてどのような規定においてその準ずるという言葉が用いられているのか、私、実はまだ詳細に存じませんので、よく研究してみないとわからないと思いますけれども、先ほど申しましたようなことで、仮にそういう言葉が使われているといたしますと、その性質なり内容なりに応じまして、それそれぞれに応じた取り扱いということになるのであろうというふうに考えております。
#100
○鹿兒島政府委員 私の記憶では、地方公務員法自体に準ずるという言葉はなかったように記憶いたしております。行政指導の問題だろうと思いますので、自治省にお尋ねいただきたいと存じます。
#101
○小川(仁)委員 そのとおりです。法律用語としてありませんけれども、行政的には準ずるというのが非常に大きな形でいろいろ行われているので、一応法解釈の方を聞いたんです。
 それから、法制局についでにお聞きしますが、給与以外に現物給与というものがありますね。現物給与というものは賃金とみなしていいものかどうか、法制局の方でおわかりでしたら。これは人事院でも結構でございます。
#102
○鹿兒島政府委員 給与法の五条の第二項という規定がございまして、「宿舎、食事、制服その他これらに類する有価物が職員に支給され、又は無料で貸与される場合においては、これを給与の一部」とするという規定がございます。
#103
○小川(仁)委員 じゃ法制局、ありがとうございました。
 現物給与に限界というものはございますか。例えば金額的に言ってこの程度までは出してもいいとかこれ以上は無理だとかというふうな限界といいますか、そういうふうなものはございましょうか。それからまた、同時に、現物給与についての対価というのを給与の一部と見るというときには、これは当然課税対象とか、あるいはあらゆる退職金その他を含めた場合の基礎に計算をされるのかされないのか、その辺きっちりした御答弁を願いたいと思います。
#104
○鹿兒島政府委員 先ほど例示いたしました現物給与につきましては、やはりこれは個々それぞれの実態によって判断すべきものだというぐあいに理解いたしております。
 現在の実態を申し上げますと、現在給与法適用職員につきましてはかかる現物給与の実例はないということでございます。
#105
○小川(仁)委員 現物給与の問題は後に回しまして、具体的に防衛庁にお伺いしますが、退職金制度は、自衛隊の独自と、それから場合によっては国家公務員法をも利用するというふうに、両方あわせて御利用になっております。
 それで、先日、高卒行政職(一)で入省した者のモデルの退職手当額と、それから防衛庁の自衛官、士に対する退職手当の標準的な支給額というのをいただきました。これはバランスがとれておると思いますか。
 具体的に言います。まず勤続年数二年、行政職の場合は十一万二千三百二十円。士の場合は第一任期二年、百日で三十八万五千円。この差は約二十七万円。勤続年数三年になりますと、行(一)は十七万三千八百八十円。士の場合は六十万一千円。約四倍近い倍率になっているわけでございます。こういうふうなものが一つの公務員、片っ方は特別職でありますけれども、余りにも開きがあり過ぎると思いますが、これについて防衛庁の見解をお聞きしたいと思います。
#106
○友藤政府委員 お答えいたします。
 初めの方の問題でございますが、退職金につきましては、一般的に私どもは、一般職と同様退職手当法の適用を受けております。ただ、自衛隊員につきましては特殊な事情がいろいろございますので、一部の特例的な事項について、防衛庁職員給与法でもちまして特例を定めておるということでございます。ですから、一般的には計算方法といたしましては一般職の方の退職手当と同様の計算方法になるわけでございますが、先ほど御質問のございました任期制自衛官の退職手当が高いではないかということでございますが、この点につきましては、考え方といたしましては、短任期の二年または三年、三年は海上自衛隊、航空自衛隊でございますが、陸上自衛隊は二年ということでの短任期の任用でございまして、日本の社会におきましては終身雇用制というのが一般的な形態になっておることから考えますと、非常に不利な雇用条件ということでございます。したがいまして、私どもといたしましては、特別な扱いということをお願いいたしまして、一般職の国家公務員の短期の整理退職者並みということで特例を定めております。特に任期制の自衛官につきましては、やはり若い隊員を確保していくということが精強性を旨といたします自衛隊にとってぜひ必要でございますので、こういった需要の多い十八歳ないし二十四歳という年齢層の者を任期制自衛官として採用していきますことを考えますと、私どもとしては妥当な処置であるというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#107
○小川(仁)委員 退職金というものの性格からいいますと、これは勤続報償的な性格を一面持っておるわけであります。長い間勤めて、そして、その後の老後生活を送る際にそれが生活の資になる、こういうふうな性格を一面持っているわけでございます。しかし、確かに自衛官の中に特殊的な任務があろうと思いますけれども、支給日数等、例えば百日、百五十日、二百日なんというのは一体どういう根拠でつくられたか、根拠がありましたら明確にしていただきたい。やはり一定のバランスというものが存在しなければならない、こう考えますと、非常にこのバランスが問題になる。そうでなくても、士の場合は、俸給だって公安職に準じた給料表をお使いになっているけれども、食糧費も、もちろんこれは堂内居住という立場もあって全額支給なさっている。被服費、居住費、こういうものを全部国が持ったほかに、さらに退職金、こうなりますと、どうしても私はバランスがとれないと思うのです。ですから、そういうものを含めて、百日というものを出してきた、あるいは百五十日というものを出してきた根拠を明確にしていただきたい。
#108
○友藤政府委員 お答えいたします。
 ちょっと先に、御質問がございました現物支給とかそういった問題にっきましても、私どもとしては、職務の必要上、やはり営内にずっと閉じ込めておくような結果になる営内居住義務とか特殊な任用形態というようなものを考えまして、一般職にない現物支給等も実施をいたしておるわけでございまして、特にこの面が格段に有利になっておるというような性格のものではない。特別の義務を課しておるわけでございまして、今の若い方の場合、やはり一日の勤務が終わりましてくつろぎのために外へ出でいろいろレクリエーションもやりたいというような年代でございますけれども、私どもの場合は、営内居住義務を課しておる結果、一定数の外出許可はございますけれども、どうしても最終的には幾らかの方はずっと営内にとどまっていただかなければいけない。こういった義務に対応いたしまして食事の支給等も実施をいたしておるわけでございますし、訓練等も非常に厳しゅうございますし、それに必要な衣服としての作業服、制服等も支給をいたしておるということでございまして、これが格段に給与として有利になっているということではございませんので、その辺については御理解を賜りたいと思います。
 それから、御質問のございました特退官手当でございますけれども、これは御案内のとおり、警察予備隊当時、二年任期で六万円、一年任期で三万円という退職金制度がございまして、昭和二十七年に保安庁になりました際に、現在のような任期別の支給日数をとったわけでございます。
 当時は百日ということで、当時の整理退職者の数字をとりまして百日という支給の基準を決めたということのようでございます。それ以降、一般職の退職手当のアップに相応いたしまして改定が行われまして、現在の姿になりましたのは昭和四十九年の七月からでございますが、このときの改定につきましては、任期別に、今までは大体一律であったわけでございますけれども、それを、ある程度熟練隊員を確保していく必要があるということで、三任期にウエートを置いた退職金の率に調整をいたしたものでございまして、基本的には今までの考え方を踏襲をしておるわけでございまして、必要性等あるいは率等につきましては、先ほど来御説明しておりますように、一般職の整理退職の改定の率等を参考にして設定をいたしておるわけでございます。
#109
○小川(仁)委員 整理退職、どこにどう適用するか、答えてください。
#110
○友藤政府委員 今手元に細かい資料がございませんけれども、当時の整理退職、短期の方の整理退職でございますが、その方々の退職の月の計算をいたしました場合を割り返しますと当時の日数になった、こういうような形でございます。
#111
○小川(仁)委員 聞いているのは、考え方を聞いているのじゃなくて、国家公務員の二年の整理退職、どこにこういうふうな適用が存在するかということを聞いているのです。例えば整理退職に適用するというのなら、二年間で仮に公務員が整理退職された、そうすると、その整理退職の方が幾らだから、それを基準にして何倍にしたとかどうとかというふうな、具体的な対応の場所があったら聞かしてくれ、こう言っているのです。
#112
○友藤政府委員 任期制の自衛官の退職手当につきましては、先ほど来申し上げておりますように、一般職の方の退職手当法ではございませんで、私ども独自の特例としての退職手当を防衛庁職員給与法で定めていただいておるわけでございますが、その際の参考といたしました率といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、当時設定しました当時の短期の一般職の方の整理退職の率等を参考にして、我が方で独自で定めたものでございます。
#113
○小川(仁)委員 自衛隊の給与表の退職手当というのは防衛庁職員給与法二十八条でございますね。そこの中に例えば二項、「ただし、その者の退職手当の額が国家公務員等退職手当法第五条の規定の例により計算して得た額に満たないときは、その額をもって退職手当の額とする。」こういうふうに、自衛隊独自性というものだけじゃなくて、国家公務員法の方も適用する、こういうふうに書いてある。都合のいいものをみんな利用するというふうな退職手当法になっているみたいな感じがするのです。それじゃバランスも何もとれないじゃないですか。だから、具体的に今御質問申し上げました二年なら二年でこれだけの倍数になるということを、そして、そのための百日というものはどういう基準でもってつくり上げられたのか、一般的にただこの辺にしておけということで決められたのか、そういうところをはっきりしてください。私は今高いとか安いとか言っているのじゃないのです。バランスの問題を言っているのです。
#114
○友藤政府委員 先ほど来お答えいたしておりますように、随分古い話でございますので、当時の一般職の短期の整理退職の率を割り戻して、それを参考にして私どもで独自につくったということでございます。
 それから、五条適用の話もあるではないかというお話でございますが、やはり先ほど来申し上げておりますように、任期制自衛官につきましては、非常に雇用条件としては不利な条件のもとで来ていただいておるという実態もございますので、できるだけ制度に乗る形としては手厚く処遇をしていく必要があるということで、私どもとしてはそういった規定を入れておるわけでございます。
#115
○小川(仁)委員 結局、科学的な根拠とかあるいはいろいろな公務員同士のバランスとか、そういう問題ではなくて、あなた方の考え方でこの程度ならいいということで決めた、こういう結論になりますか。
#116
○友藤政府委員 ただいまちょっと資料を見ましたところ、先ほどのお尋ねの件につきまして具体的な数字をちょっと申し上げますと、当時百日を設定いたしましたときは、退職手当法の臨時特例の附則の第六項でございますか、行政整理による退職手当の二年分がちょうど六十日に該当いたします。それに二十七年の臨時特例法の加算率一・八を割り掛けますと百八日になりますが、それを丸めまして百日という形で当時計算を一応いたしておるということでございまして、これを参考にして百日というふうに設定をしたように聞いております。
#117
○小川(仁)委員 退職手当法もいろいろ変わっております。やはり給与でございますから、一定の水準、バランス、こういうものがあると思いますから、再検討を要求いたします。いかがですか。
#118
○友藤政府委員 たびたび御答弁申し上げておりますように、私どもとしては、任期制の自衛官の退職手当につきましては、非常に厳しい条件の中で来ていただいておるわけでございますし、本人にとりましては、やはり新規就職する場合に一番有利になる時期を、自衛隊に二年とか四年とかその期間来ていただいている方が大勢いらっしゃるわけでございます。これも皆、自衛隊の任務というものの重要性ということで、はせ参じて来ていただいているわけでございますので、私どもとしては、やはりそれによって不利になる部分についてはできる限りのカバーをする必要があるということを含めまして、現在の制度で乗れる限りの処遇をしていきたいということでございますので、この点につきましては、お言葉ではございますけれども、私どもとしては将来とも有利な扱いをできるだけしていきたいというふうに考えております。
#119
○小川(仁)委員 その考え方はちょっと納得できません。一つの制度として存在し、その制度を志願して入ってくるのです。こういうようなことを言うとおかしいのですが、昔の徴兵制度のときには、人の嫌がる軍隊に志願で出てくるばかもあるという歌があったものでございますが、それは今来られる方はそういうばかな人たちではなくて、国家のそういう自衛隊の一つの意義を認めて入ってこられるのでしょう。しかし、その後そこに置かれる状況というのは、私がさっき言ったように現物給与、食糧費、被服費、居住費、そういうものを含めて非常に優遇されている。それが仮にどうしても給与とは認められない、業務上必要だということだけで給与から外されているという考え方に立ったとしても、その仕事の形態は変わっても国のために同じようにやっておられる公務員その他もございますから、一定のバランスというものがおのずからあると思います。そのバランスというものは、職務の内容を含めて再検討し直されなければならない時期だと思います。
 何か今、自衛隊員を募集しておられる募集員の皆さんのお話を聞きますと、退職金をいっぱいくれるんだと言って退職金で釣っておられる。退職金で釣っておられるような士が存在したところで、それは自衛隊の精強性といいますか任務性を果たすことにはならない。むしろ基本的なものを認識させながら、給与その他ではバランスをとっていくということの方が非常に大事な状況だ、そう考えるだけに、士だけは最大有利にいたしますなんというふうなお答えはどうしても納得できません。長官のお考えを伺いたい。
#120
○加藤国務大臣 私たち、全国各地を歩きますと、地方連絡部の部長とか所長とか、自衛隊員を募集している業務に携わっているいろいろな人間と会いまして、その報告を各地各地で聞くわけでございますけれども、隊員募集につきましては、それぞれ地方連絡部のスタッフは大変な苦労をいたしております。それは委員御指摘のように、自衛隊の隊員の曹・士の処遇が格段にいいというならばもっとやりやすいのではないかな、こう思っております。
 で、今退職手当の問題が出ておりましたけれども、局長が申しましたように青春時代の、そして将来の人生設計に対して一番重要な二十前後、そういうときに二年、四年、ときには六年おる、それから退職する、それからまた別の職に行くということは、大変なハンディキャップであろうと思っております。それは、四十万円の退職金がもらえるから、六十万円、八十万円だから、それで有利だから、したがって自衛隊に行ってそれからまた別の職にかえるというほどの魅力を持つものでないと私は思っております。
 したがって、私は、自衛隊の駐屯地の中にいて、二十前後の青春を一生懸命訓練に励んでいる隊員たちを、もうちょっと温かい目で見て御理解いただけないものかと思う次第でございます。
#121
○小川(仁)委員 私は、高いとか安いとかということを言っているのではないのですよ。一定のバランスというものを存在させるべきだという考え方で物を申し上げておる。このバランス問題は長官お得意のところなんだ。官民較差があったり、それから軍官格差なんという話はあえてやりたくありませんけれども、一つのバランスというものを存在させた方が賃金体系や退職金体系の方からもよろしいのではないか。そのために必要なものがあったら、それはそれで理由があれば付加していただいて結構です。
 ただ、一般的に言われるのは、格差論もそうですけれども、例えば官民較差でも、一定の条件とか要件とかというものを抜きにして、出された数字で物が比較される傾向があるのです。そのために、あるいは皆さんから言われたら職務を低く見られているとかいうふうな印象を持たれるかもしれませんが、そういう立場で申しているつもりもありませんので、今後とも長官、自衛官だけではなしに、公務員についても民間の人についても、やはりその置かれた条件をお考えいただいて、一定のバランスをとって給与あるいは退職金というものはあるべきだ、こうお考えおき願いたいと要望いたしておきます。
 次の問題に入ります。長官、お忙しければ、あと係の人で結構ですからどうぞ。
 防大の学生問題についてちょっとお聞きいたしますが、自衛官の総数の中に学生は含まれておりますか。隊員というものの中にはどういうふうな形で置かれているか、この点からお伺いします。
#122
○友藤政府委員 お答えいたします。
 まず定員に含まれているかどうかでございますが、これは定員外の職員でございます。それから隊員がどうかという点につきましては、自衛隊員ということで、自衛隊法の中で服務についての規定がいろいろございます。
#123
○小川(仁)委員 学生手当というのが支給されております。そのほかに期末手当というのが支給されております。自衛隊の給与法第四条によりますと勤勉手当も支給していいのではないかと思うのですが、勤勉手当は支給されていませんが、その理由をお聞かせ願いたい。
#124
○友藤政府委員 学生には学生手当を支給いたしておりますが、勤勉手当は支給をいたしておりません。
#125
○小川(仁)委員 理由をお聞かせ願いたい。
    〔委員長退席、戸塚委員長代理着席〕
#126
○友藤政府委員 御案内のとおり、防大、防衛医大の学生につきましては、学業に励むのが本来の仕事でございますので、その勤務の特質上、私どもとしては勤勉手当になじまないというふうに考えております。
#127
○小川(仁)委員 これは公務員でしょう。公務員だとすれば公務員法あるいは給与法の対象になるわけでございますが、学生という形で隊員で存在するのなら、その仕事をまじめにやったら勤勉手当をくれたっておかしくないような気がするのですが、そうすると、学生は自衛隊の職務の中に入らない、職務を遂行していない、こういうふうに考えていいわけですね。
#128
○友藤政府委員 先ほども申し上げましたように、自衛隊員という身分には入っておるわけでございますけれども、その勤務態様と申しますのは、先ほど来御説明をいたしておりますように勉学にいそしむということでございます。一方、勤勉手当は、勤務成績に応力で支給される報償的な給与であると言われておりまして、学業に励む学生に対しましては、学生の本分に照らしまして、このような給与を学生に支給するということは適当ではないという考え方に立ちまして、支給をいたしておらないわけでございます。
#129
○小川(仁)委員 それなら期末手当も要らないのではないですか。
#130
○友藤政府委員 期末手当につきましては、御案内のとおり生活補給的要素を持つ給与でございますので、学生が夏季休暇あるいは冬季の休暇で帰省をいたしますための旅費でございますとか、あるいは生活経費の諸雑費等に充てる必要もございますので、支給をいたしておるわけでございます。
#131
○小川(仁)委員 学生手当は行政職(一)八の三を該当しておりましたが、そのほかに学生に対して支給する現物給与並びに一年間の一人当たりの金額を御説明願いたいと思います。
#132
○友藤政府委員 学生手当のほかに支給いたしておりますものとしましては、先ほど申し上げました期末手当、それから食事でございます。それから被服、これは制服等を貸与いたしております。そのほか作業靴を支給いたしております。そのほか療養の給付、公務上の傷病はもちろんでございますが、私傷病についても国が療養の給付を行っております。経費につきましては他の担当からお答えをいたします。
#133
○大高政府委員 防大生の、昭和六十年度の予算案で試算した場合の一人当たりの経費でございますけれども、おおむね四百万というふうに考えております。
#134
○小川(仁)委員 これには授業料といったようなものも、例えば普通の学校へ行けば授業料みたいなものを支払わなければならないものですが、そういうものも含めて四百万ですか、そういう経費分を含めて。
#135
○大高政府委員 お答えいたします。
 先生御案内のように、防大におきましては授業料というのはございませんので、そういうものは入ってございません。申し上げますれば、例えば教職員の給与でございますとかあるいは学生に手当を出しておりますが、こういうものは当然入ってございます。
#136
○小川(仁)委員 ではさらに聞きますが、居住に要する一人当たりの費用、食事に要する一人当たりの費用、医療に要する一人当たりの費用、授業料というものは当然ないわけでありますけれども、普通の大学では授業料があるわけです、国立大学へ行っても何でも。それに該当する費用は一人当たり幾らになりますか、お知らせ願いたいと思います。
#137
○大高政府委員 ただいま先生御質問のような費用についてはちょっと積算をいたしておりませんので、ここでお答え申しかねるわけでございます。
#138
○小川(仁)委員 食事に要する費用ぐらいはわかっているでしょう。
#139
○大高政府委員 食事の経費でございますけれども、これにつきましては月額で二万八千九百一円というものを一応考えております。
#140
○小川(仁)委員 あと、例えば学生がうちへ帰る帰郷旅費みたいなものは支給しておりますか。
#141
○大高政府委員 ございません。
#142
○小川(仁)委員 退職金の通算の場合に在職期間の二分の一を当てるというのですが、なぜ年数を二分の一だけしか退職金に該当させないのか、この点。
#143
○友藤政府委員 お答えいたします。
 先ほど来お話が出ておりますように、学生は修学をすることが任務になってございます。したがいまして、それだけでは本来の自衛隊の業務そのものを実施しておるということには直ちにはならないわけでございますが、やはり引き続いて自衛官となりました者につきましては、学生としての修業期間というものは自衛官として修業するための期間という意義を持ちますことから、一般的には休職等の場合の期間計算で二分の一という考え方がございますので、それとの権衡をとりまして二分の一に相当する期間を退職手当法の勤続期間に通算するということにいたしております。
#144
○小川(仁)委員 かなり自由自在にいろいろなものをお考えのようでございます。いろいろお聞きしたいことは改めて申し上げることにしまして、防大生の中で防衛医大は、かかった費用は、勤務しないときには償還させられます。防衛大学の方は償還規定がございません。なぜそういうふうになるのですか。
#145
○大高政府委員 御承知のように、防衛大学校は将来幹部自衛官となるべき者を採用いたしまして教育訓練を加えていくわけでございます。この学校を卒業しました場合におきましては、防衛医科大学の場合と違いまして、防衛医科大学のように医師試験を受ける公的な資格、こういうものを防衛大学校の場合は別に持つわけでございません。そういう意味におきまして特に償還義務は課していないということでございます。
#146
○小川(仁)委員 かなりの数の方が卒業なさった時点で一般職におつきのようでございます。年間四百万の経費をかけて、四百万以上だろうと思うのです、そういう状況をつくって、国の経費で丸丸教育をしておられながら、やめたらそれっきり、大変都合のいい学校みたいに見えるのですが、そういう傾向が今後高まってくることにはなりませんか。
 それからもう一つは、どうしてお医者さんだけは勤務期間というものが存在して、どうして幹部の方は一定の勤続期間というものが存在しないのか、この辺、理由を聞かせていただきたい。制度がこうなっているという以前の理由をお聞かせ願いたいと思います。
#147
○大高政府委員 最初の御質問でございますが、確かに防衛大学を卒業いたします際に、毎年五%、過去の平均五%程度でございますが、五%程度のいわゆる任官しない者が出るわけでございますけれども、これにつきましては、例えば本人の体の状況が悪いとかあるいはまた家業を継がなければいけないとか、その他いろいろ転進の理由があるわけでございまして、私どもの方では、最初の募集の段階、あるいは入学の段階、あるいはそれぞれ学年が進んでまいりますが、こういった各種の段階におきまして、いわゆる幹部自衛官たるの心得というものをかなり指導いたしまして、徐々に決意を固めていくということによってできるだけそういった事態がないようにと過去努力もいたしておる、あるいはまた学生相談室を設けまして、かなり精神的にも動揺する若いときでございますので、そういうものを加えておるわけでございます。
 先生御案内のように、防大に入ります学生につきまして私どもの方では意識調査をやっておりますけれども、この意識調査の中におきまして、国防の重要性を認識して進んで入った者というのは約一割程度でございまして、その後、ただいま申し上げましたいろんな教育指導を通じまして、最終的には九割以上が出るという形でございます。
 したがって、しかも現在の様子を見ますと、義務教育の課程あるいは高等学校の教育におきまして、必ずしも国防というものについてよく理解がなされるほど十分な教育がないというような状況でございまして、この中でこの程度の成果を上げているわけでございまして、必ずしも多いというふうには私ども考えておりません。また、この数をできるだけ減らすべく今後も努力をしてまいりたいと思うわけでございます。
#148
○小川(仁)委員 御質問にお答えにならないで事情だけお話しになりましたが、後で結構ですから、何で医大の方は償還金があって、同じぐらい国の銭をかけて、何で防衛大の方は償還金がないかという理由を教えてくれ。というのが私の質問でしたが、時間がありませんから次に移らしていただきます。
#149
○大高政府委員 ただいまの点でございますけれども、私、答弁が一つ漏れましてまことに恐縮でございます。
#150
○小川(仁)委員 要りません、後で聞くから要りません。
#151
○戸塚委員長代理 質問者がそう言っておりますから、後にしてください。
#152
○小川(仁)委員 答弁要らないと言ったら、物を言わぬでくださいよ。言うと、また言いたくなっちゃうと、持ち時間がなくなっちゃいますから。
 退職金に関して、特殊法人のことについて、これは大蔵省もお見えになっておると思いますが、問題点を出してお答えをいただきたいと思います。
 私たちの集計によりますと、七十七法人集計をいたしまして、天下りの方、この天下りというのは通称でございますが、四百六十二人中に七八%、三百六十一人が特殊法人の中の天下りの役員でございました。大変なものです。全役員が天下りだという特殊法人も十四法人、公益法人を調査しただけで十四法人あります。
 そこで、どれほどの退職金をこの人たちが取っているかと思って見てみますというと、一昨年の最高の人が三千九百万円、昨年が三千四百万円。二千万円以上の人がそれぞれ七人、十二人と、こういます。こういう形で存在をしますというと、国家公務員の早期退職者の特例俸給の割り増しというものに対して疑問が出てくる。したがって、公務員の方で早くおやめになって、早期退職者に対しての一定の割り増しがあるとすれば、この退職金、いわゆる各法人の退職金、これについてもうちょっと政府全体で考える必要がありはしないか。これは政府の行政補助機構でございます。ほとんど予算その他も押さえているだけに、これはぜひ大蔵省の方の考え方と、総務庁長官、これに対する何か御配慮、お考えがあったらお聞かせを願いたい。
#153
○竹島説明員 お答え申し上げます。
 特殊法人の役員の退職金のあり方につきましては、いろいろな御議論があることは承知しておりますが、私どもの考え方は、基本的にはこれはあくまでも独立した法人である。その場合の役員でございますが、そのあり方はやはり民間準拠という考え方で、具体的には民間企業におきます役員の退職金の実態調査をいたしておりまして、それを見まして、それとのバランスをとって支給率については考えてきております。
    〔戸塚委員長代理退席、委員長着席〕
したがって、具体的には見直しが何回かなされておりますが、現在百分の三十六という支給率にいたしましたのは、五十三年のときに二割下げましてそのようにしてきているということにあらわれておりますように、見直しはしてきております。
 一方、そのベースになります俸給につきましては、これはやはり公務員に準じまして抑制ぎみではございますけれども、逐次見直しをしてきております。ただ、その結果といたしまして、民間企業の役員の給与と比べますと特殊法人の役員の給与は低いということがございまして、私どもの把握する限り、大体六割の水準になっております。支給率についてはそういうことでバランスをとってございますが、掛けられますベースがそういうことで低いということから、現在の退職金の水準になっておるということでございます。
 委員の挙げられました例でございますけれども、一般的には確かに大きな公団、公庫等の場合の総裁から理事までいろいろございますので、一概には申し上げられませんけれども、基本的には今言ったような算定方式に基づいて計算されておりまして、原則は四年の任期ということになっておりますから、私どもが把握しております限りでは、多くの一般的な理事の方、この場合にはそのような多額のものじゃなくて、千万から千五百万ぐらいの間に分布しているというふうに認識をしております。
#154
○後藤田国務大臣 従来から、特殊法人の役員の処遇が高過ぎるといったような批判がございます。ただ、現実の問題は、今大蔵省の事務当局からお答えしたとおりでございます。
 給与の方、俸給ですね。この方は従来から抑制的な措置をずっととってきております。そうしますと、実際は今、政府の扱いは、特殊法人の役員は大体民間が半分、公務員から半分という扱いにしているんです。ところが残念ながら、民間は給与が高いものですから、半分なかなか集まらないんですよ。そういうような状況にあることは御理解をしておいていただきたい。
 それから退職金の方は、これは私も注意をして官民の比較をしましたが、現状はほぼ均衡がとれておるのではないか、さように私は考えておりますが、いずれにせよ、世間にはどうも役人ばかりがいいことをしているんじゃないかといったような批判がございますから、そこらは絶えず政府全体としては見直して、もしそういう事実があれば是正をしていきたい、かように考えております。
#155
○小川(仁)委員 いろいろ申し上げたいことがありますけれども、以上で私の質問を終わらして、関連をよろしくお願いします。
#156
○中島委員長 関連して沢田広君。
#157
○沢田委員 突然の質問でありますので、他の先輩同僚議員の質問と重複する点がありましたらお許しをいただきたいと存じます。極めて限られた時間でありますので、答弁もそのつもりでひとつ短く御回答いただきたいと思います。
 まず第一に、専売とたばこが今回の法律で除外をされました。簡単でいいのでありますが、その理由だけひとつ立案の方から、法律案の提出者の方で一言お答えいただきたいと思います。――じゃこれは後で。
 次へ行きます。
 この法律ができました当時の経緯は、私も当時体験をしている一人でありますが、公企体と、特に占領軍というような状況の中の公務員とが合わされましてこういうふうに措置がされました。でありましたから、当時は団体交渉権とその法律というものが併存する形で推移をしたことであったと思いますが、その後この法律の適用が多くなったというふうに思っております。まず、この点の認識は、これも立案者の方で後でお答えいただくんで結構でありますが、そういう経緯であったと思っておりますが、その点について御回答いただきたい。
 それからもう一つは、私の方の説明でありますが、これも答弁を求めておりますと長くなるので述べるのでありますが、国鉄の場合の職員の傷害率は一番ひどいときに千分の百二十五、民間は千分の六・五から七ぐらいが傷害率の程度であります。それ以上に、片足をとられる、片手をとられるというハンプなどの事故は極めて大きかったという実例の歴史を持っております。その後機械化が進んだりなんかしましたけれども、そういう命をかけての仕事、特に大東亜戦争当時の仕事等が大きくその内容を決めて、退職手当その他も定められた経緯があります。この点の事実についてはこれは当局も知っていると思いますので、まずそういう関係について一つ、これは国鉄当局からお答えをいただきたいと思います。
#158
○太田説明員 いろいろ今御指摘がありましたように、大変特殊な仕事でございます。屋外で、しかも深夜にわたるという業務でございますので、大変傷害も多うございますが、昨今ではこれまた御指摘のように大分改善はされております。なおその面では努力をしております。
 そういう特殊な業務を反映いたしまして、いろいろな制度の面で配慮されているというふうに聞いております。
#159
○沢田委員 そういう経緯の中で、今日財政事情が非常に悪いということから、特別国鉄への指弾というものも強い。我々もその一人として謙虚に受けとめて、これは再建に努力をしなければいけない、こういうことで、我々仲間にもそう問いかけ、またその協力を仰いでいるわけでありますが、特にこういう労働条件関係については、そういう経緯も十分勘案しつつ、今の悪さをもって昔の努力を無にするということのないような配慮が、政治の社会には必要であると思うのであります。
 そこで二、三お伺いをいたしますが、国鉄には定年制はないのでありますが、退職制度はどういうふうになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
#160
○太田説明員 私ども特別退職制度、略して特退制度と呼んでおるのでございますが、労働組合と協議をいたしまして、その制度を整えているわけでございます。
 一口で申し上げますと、五十五歳になりましたら大多数の職員が勧奨を受けて退職をする、こういう制度でございます。長くそういうやり方が慣行として定着していたのでございますが、昨今の全般的な定年延長の傾向を受けまして、多少その選択の幅を広げまして、四十九年、五十二年、五十六年と三度にわたりまして見直し修正をいたしまして、今持っております制度は五十五歳で大多数の職員が勧奨を受けて退職するというところを基軸にしながら、五十六ないしは五十八、その辺で節目を設けまして若干の幅を広げている、こういう次第でございます。
#161
○沢田委員 では、どのくらいの職員が事実上五十五歳でやめているか、その割合を言ってみていただきたいと思います。
#162
○太田説明員 年によって多少の変動がございますが、昨年度、五十八年度は、当該年度五十五歳に達した者の七一%が勧奨退職をしております。以下同じやり方で数字を申し上げますと、五十七年度においては八五、五十六年度が八二、五十五年度が八二、五十四年度が八〇、それぞれパーセントでございます。
#163
○沢田委員 特に今度国鉄再建を控えて、余剰人員を持って、多くの職員を外へ出したりやめてもらったりというような事態を迎えているわけでありますから、もし通常の定年制をしくとして皆が六十まで居残られたら、これは大変困るというようなことにもなるわけであって、言うならば、今までの慣行が継続をする方が国鉄再建にはある意味においては近道になる、こういうふうな解釈もできると思うのですが、極めて限られた時間ですが、その点の見解だけお聞かせいただきたいと思います。
#164
○太田説明員 一言ではなかなか御説明しにくいものですから若干分けて御説明申し上げますと、先ほど申し上げましたように、五十五歳に到達した人の八割前後がやめていくということは、二割前後の者が五十六歳以上になっても残るということでございますが、現在ただいまの時点で、五十六歳以上で在職している者が一万百八十五名でございます。三十三万人のうちの一万百八十五名ということでございます。
 そこで、余剰人員対策としまして私ども最も力を入れておりますのは、この五十六歳以上の約一万名の職員ができることなら全員やめるように決心してもらいたいということでございまして、この点につきましては、先般、五十六歳以上で残っている者の在職条件なり退職条件を来年度から厳しくする、先ほどだんだん幅を広げたと申し上げましたが、それをもとへ戻して、一切そういうプラスアルファの要素をなくする、本年度が最後のチャンスだということでもってその一万何がしの諸君の退職を勧奨しているのでございますが、現在三月一日時点で、そのうち七千百名ちょっと、七千二百名弱の者が本年度末退職をするという意思表示をしております。それが一つでございますが、もちろんそのほかにも、五十五歳でやめる諸君が従来の八割何がしを超えて、まあできれば全員五十五歳でやめるようにしてもらいたいということで勧奨しております。それからまた、それ以下の若年の者についても同様の勧奨をしている。その辺を総合しまして、余剰人員の調整策の実効を上げるべく努力をしている次第でございます。
#165
○沢田委員 後藤田総務庁長官、以上極めて短い時間でありましたけれども、国鉄の特別な今の事情を若干例示しながら、今回の法令の扱いに当たって、わかりやすく言うと冷たくないという言葉になるんでしょうが、だからといって特別な扱いということではなしに、通常の従来の慣行を尊重しつつ今日のこの事態を円満に乗り切っていく、そして国鉄再建を実りあるものにしていくためにそれぞれの分野を通じて協力をしていく、こういう前提で、この法令の取り扱いに当たって十分な配慮が求められるものであろうと考えるわけでありますが、この点について長官の御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
#166
○後藤田国務大臣 今日国鉄が置かれておる状況、そのために受ける職員の皆さん方のお立場、十分理解ができるわけでございますが、何しろ厳しい状況の中にありますから、この厳しいという現状は労使双方ともに十分御認識をしていただかなければなるまい、こう思います。
 退職金等の扱いについては、これは先般公労委の意見書等もございますから、そこらは労使双方とも頭に置きながら、基本的には労使双方で詰めて、そして合理的な解決をしていただくべき筋合いのものであろう、私はかように考えております。
#167
○沢田委員 ありがとうございました。終わります。
#168
○中島委員長 上原康助君。
#169
○上原委員 もう既に、退手法案については同僚議員の方からいろいろお尋ねになったようでありますから、一、二点だけ確かめておきたい点がありますので、まず法案関係からお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今回のこの退手法案を改正する理由は、既に明らかにされておりますように、ことし三月末日から定年制が実施されるということ、あるいは民間企業における退職金の支給等の実情なども勘案をして、法案改正に踏み切ったというのが主な趣旨のようであります。
 しかし、端的に言って、これは公務員の皆さんからすると制度の改悪になっていると言わざるを得ません。その理由として、長期勤続者に対する支給率が引き下げられているということ、あるいは早期退職者に対する優遇措置をそのかわり新たに設けだとはいっても、自己都合退職の場合は引き下げになっているというような点からすると、定年制との絡みで、改正とは言いつつも、やはり制度の改悪にしかなっていないのじゃないかという見解をとらざるを得ません。
 そこで、一点お尋ねしておきたい点は、この定年前早期退職者の退職特例措置を設けた理由は何なのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
#170
○藤井(良)政府委員 定年前の特例措置を導入する理由は何かということでございますけれども、行政組織及び官職の設置、改廃、所掌事務、定員等は、民間企業と異なりまして、すべて法令または予算によって規制されているために、おのずから制約があり、また一方、公務員は、国民の信託にこたえ、能率的かつ効率的な運営が要請されており、そのため、常に組織の活性化を図るとともに、職員の適正な新陳代謝を図っていく必要があるわけでございます。
 したがいまして、このような人事管理の運営を適正にしていくためには、やはりこういうような年齢構成をならしていくというような必要性が多多あるわけでございます。したがいまして、今回こういうような措置を入れたわけでございます。
 ちなみに、人事院の調査によりましても、民間におきましても早期退職優遇制度あるいは選択定年制度など、定年前の早期退職者に対する退職手当について何らかの特例措置を講じておる企業が過半数を超えておるということでございまして、このような観点からこの制度を導入した次第でございます。
#171
○上原委員 理由づけはいろいろできると思うのですが、しからば、この定年前早期退職者はこれまでの実績というか、それでおやめになる方々は年間どのぐらいいるのですか。
#172
○藤井(良)政府委員 五十七年度で調べますと、総員で四万六千二百二十一名やめておりますけれども、このうち勧奨でやめたのは二万一千三百四十五名でございまして、約四六・二%に当たっております。
#173
○上原委員 全体の数字からすると相当やめているということになっているかと思うのですが、いずれにしましてもこれは五十歳代前半でやめていく。そういうところに、新陳代謝あるいは人事の交流というか還流の促進を図る、そういう一面はあるかと思うのです。しかし実際には、先ほどの特殊法人の話もちょこっとあったのですが、五十歳代前半で特殊法人とかそういった他企業に天下っていく、言葉は悪いかもしれませんが、高級官僚に対するお手盛りの改正、改善じゃないのか、こういう厳しい批判があることは私はやはり否めないと思うのです。この点についてはどうお考えなのか。本当に、今人事局長おっしゃるように、人事の若返りを図るとかあるいは新陳代謝を図るとか、そういった建前はそうかもしらぬが、本音の部分が隠されている改正になっていないのか。そこら辺に膨らみを持たすということは、社会一般に誤解を与える影響はなかったのかどうかですね。この点についてもう少しはっきりお答えいただきたいと思いますし、また、このことについては長官の御所見も賜っておきたいと思います。
#174
○藤井(良)政府委員 今回の特例措置に関連するわけでございますけれども、今回の特例措置が、今先生の言われた天下りのような場合に多く適用されるのじゃないかということでございますけれども、これはとの制度をやってみないとわかりませんが、現在の勧奨制度の上におきましても、別に幹部職員だけがこれによってやめていっているわけじゃございませんで、一般職員も多くこの勧奨退職制度を利用して、利用してというのは言葉は悪いですけれども、その勧奨によってやめていっているわけでございます。
 したがいまして、今回こういうような制度ができましても、別に幹部職員だけにその適用が限られるというようなことはないと考えております。
#175
○後藤田国務大臣 もともと、この従来の勧奨制度というのは、こういう割り増しをすることによって組織的な、集団的な、いわば一種の定年制にかわるような役割を一面果たしておったわけでございます。
 そこで、定年制が施行せられる以上はそんなものは要らぬじゃないかという、これは私もその疑問を持ったわけでございます。で、いろいろ検討をいたしましたけれども、やはり従来のような組織的、集団的な退職を勧奨するということは、これは先般もお答えいたしましたが、やりません。しかしながら、人事管理上、やはり役所の組織というのは、相当長く勤務をいたしますとだんだんポストの数が減ってくるわけですね。そうしますと、同期の者が係長になる、課長になる、部長になる、局長になるということになると、どうしてもそこは人間でございますから、ある程度のまざきをしないとしようがないということでございますから、これから先の勧奨というものは、やはり人事管理、そして活性化ということからどうしても残さざるを得ない、こう思います。
 それからもう一つ、どうも幹部職員だけにこの優遇措置があるのじゃないか。これも、私も若干の疑問符を打ちながら詳細に検討をいたしました。もちろん、数は幹部職員の方が少ないわけで、一般の方が多いわけですから、一般の方にも相当おりますと言ったところで、客観性はありません。ならば、幹部の数のうちどれだけが勧奨をやっているんだ、やめるんだ、それから一般の方は全体の数の中で何%勧奨があるんだ、これがバランスがとれていればよろしい、こういうことで調査をいたしましたら、詳細数字は申しませんけれども、いずれもバランスがとれておりますから、御質問の幹部にだけ優遇措置を勧奨でやっておるという事実はないと私は考えております。数は事務当局から御返答いたします。
#176
○上原委員 後でその面の資料は御提示いただきたいと思いますが、要するに、私も、従来の定年制が施行されてない間に勧奨的機能を果たしておったものを丸々取っ払えと言っているわけじゃないのです。それはそれなりに、公務員諸君のいろいろな面で、人生後半の人生設計等々に相当資している面はわかります。ただ、今度の法案改正によってそういう厳しい批判もあるということについては十分気をとめていただいて、運用面でそういうところに比重が向かないようにひとつ御配慮を賜りたい、この点を注文をつけておきたいと存じます。
 そこで、これとの関連もあるわけですが、これも相当同僚委員の方からお尋ねされてきたことなのですが、人事院勧告制度のあり方について改めてお尋ねをしておきたいと思うのです。
 まず、これは総裁にお尋ねしますが、人事院月報の一月号、これの「年頭随想」というところにあなたが奇抜なことをおっしゃっている。「力の限りを尽くして精緻な調査を行い、公務員の給与の現状を明らかにし、真情を吐露して給与の改善を要望した。」それが完全実施できなかったわけで、後段には「残念としか言いようもなく、私の心は今も苦悩にみちている。」拝見すると余り苦悩に満ちているようなお顔もしていらっしゃらないのだが、私の心は苦悩に満ちていると書いている。「しかし、苦悩するだけでは公務員諸君の期待に応える訳には行かない。本年さらに意を新たにして、不退転の決意で努めたいと思っている。」この後も少し問題ですが、おっしゃっていることはなかなか立派なことなんですね。
 しかし、問題は、これは総務庁長官にも御見解を後でお尋ねしますが、人勧制度というのは、要するに公務員の地位というか身分というのは、すべて何でもかんでも民間準拠というわけにはいかぬと私は思うのです。まずスト権が規制をされて大きな制約を受けている。あるいは政治的にも中立でなければいけないという制約がある。また、公務員には国民全体に対する奉仕者という社会的職務権限というか分限、地位というものもそれぞれのプレスティージ、権威があると思うのだ。そういう面からすると、何でもかんでも民間準拠ということで、退手も給与もあるいはそのほかの勤務条件も律していくということには、いささか納得しかねる面がある。
 最近は余り聞こえませんが、四、五年前は、何か公務員攻撃をしないと正常人でないような感じさえ受けた場合があるのです。先ほどの国鉄問題にしてもしかり。そういう社会的風潮をつくっておいて、人勧というものを凍結をし、半分に値切り、ずっと抑え込んできている。そのことが結果的には、民間給与も抑制をしてきたという結果になってきているわけです。
 したがって、今私が申し上げたこと等考えて、人事院総裁、あなたが年頭でこういう御決意をし、本当に苦悩に満ちておるというならば、一昨昨年の五十七年は丸々凍結されて実施見送り、五十八年は六・四七に対して二・〇三、昨年は六・四四に対して三・三七、こういうことに相なったいきさつはいろいろあるにしても、さて六十年度どうするか、これは公務員労働者にとってはまさに死活の問題ですよ。そういう意味で、この「年頭随想」に書かれた決意と今の心境と、六十年度の人勧に対しては人事院総裁としてはどういう御決意でやっていくのか、まず決意というか姿勢というか、お考えを聞かしていただきたいと思うのです。
#177
○内海政府委員 私の今年度の人事院勧告に臨みます決意というものは、年頭に述べておるものでありまして、そのためには勧告そのものを最も精確で正しい、しっかりとしたものにしなければならない。
 御存じのとおり、人事院勧告というものは、長い間の経験を積み重ねて、現代の実態に合う実情をとらえて、公務員の給与はこのように改善さるべきであるということを資料として整え上げるわけでございますから、今までのやり方の上にさらにいい工夫を加え得るものがあるとするならば、それは私は敢然として加えていかなければならない。しかしまた、そういうものを見つけ出し得るかどうかは、これからまたいろいろ努力をしてみなければわかりません。
 次は、そういうふうな勧告をいたしますに際して、我々がいかようにこの勧告を説明し、またいかように報告をするか、これを国会及び内閣に対してするか、その内容に盛り込むべき問題があると思います。これについても我々としては十分に考えなければならない。勧告をいたしました後、これを内閣及び政府において完全実施をしていただくことに対する、言葉は消極的かもしれませんが、あらゆるお願いあるいは事情の解明をできるだけやらなければいけない。
 そしてその結論は、私どもが行う勧告というものは、いわば公務員の生活にかかわる最も大事なものなんでございますから、これを国会もあるいは政府もみんなで実現していく、そして国民の皆さん方にも実態を知ってもらってこれを応援していただく、こうでなければならない。
 そういう線上において、ことしは不退転の決意で当たりたい、私はこう申しておるわけでございます。
#178
○上原委員 不退転の決意というのはよく使われて余り実行されたためしがないので、それはある面では総裁の首をかけても完全実施をさせるという意思かどうか、そういうふうに受けとめていいですか。
#179
○内海政府委員 いかようにお受けとめくだすっても結構でございます。
#180
○上原委員 そのお気持ちで、ひとつ御努力を賜りたいと思います。
 そこで、ことしは経済状況も少し上向きだということで、春闘相場も例年よりよくなっていくのじゃないのか。大体七%以上の要求あるいは一〇%前後の、額にして一万八千円から二万二千円程度の要求になっていると思うのですね。しかし、これはあくまで要求ですから労使の交渉によって決定されていくわけですが、辛く見ても春闘相場が例えば五%ないしそれ以上の平均妥結になったと仮定をしますと、いわゆる積み残し分を含めて勧告はなされていくと思うので、八%以上もしくはその前後の勧告になる可能性があると見ていいと思うのですね。
 そういう意味からも、今までのように半分に値切っておって、値切った分は二、三年で何とか消化していくのだというようなことをやってみても、総務長官、人事院総裁、だんだん景気は上向きになるにつれて民間給与、春闘ベアの妥結額というものが上回れば、それだけ公務員の賃金に比重がかかってくるわけです。そこで、そのやり方は変えないというわけですから、人事院勧告制度は。だからこれは今年はどうするのか。だから一日も早く完全実施をしたい、また不退転のお気持ちでやるということであるならば、やはり今年度は、そういう面についてはもう少し総務庁なり内閣全体として、公務員給与の人事院勧告の完全実施に向けての新たな政策判断というか政治判断というものをやっていただかなければ、また同じ議論を、この夏以降も我々はこの場でやらざるを得ない羽目に陥る心配を私はするわけですね。
 この二点について、今例えで言うなら、しかし私は大体相場はそれ以下にはならぬと思う、五%以下には。民間はどうしても、この八五春闘というのは五%以上。ここいらはどう踏んでいらっしゃるのか。また仮に、今私が申し上げたようなことを仮定をした場合には、一体政府としてはどういう処置をおとりになるのか。この点について御両人からひとつ明確な御答弁を賜りたいと思います。
#181
○後藤田国務大臣 春闘の結果がどうなるのか、それを受けて官民較差の実態調査を人事院がおやりになるわけですから、人事院の勧告がどのようになるのか、これは今何とも申し上げかねるわけでございますが、我々政府としては、かねがね申し上げておるように、人事院勧告は完全実施すべきものである、したがって、完全実施に向けて、やはり国政全般との関連で最大限の努力をする、これは六十年度についても同じでございます。
 しかし、上原さんが御心配になっているように、公務員の給与を取り巻く環境、これには相当厳しいものがあることは想定はできるわけでございます。したがって、私は、去年の秋の、五十九年度の人事院勧告を受けて政府はどう決めるかといったときに、やはりそういったことも頭に置きながら現実的解決を図らなければいけないということで、歯どめをかけようという意味合いから別段不完全実施を宣言するわけでも何でもありません。
 しかしながら、完全実施をするんだと言いながら、いつまでこれが続くんだといった不安感は職員の中にあるじゃないか、ならば、やはり政府としては、六十年度仮に抑制せざるを得なくなったとしても、いわゆる過去の積み残し分を含めて、五十九年度、六十年度、六十一年度までには完全実施をするという政府の基本方針を決めたわけでございますから、政府としてはそういう考え方で処理をしていくつもりでございます。
#182
○上原委員 総裁の先ほどの御決意で、ある程度わかるわけですが、これは後藤田長官もおっしゃるように、私は今仮定の数字で議論をしているわけで、確定的なものじゃないのです。しかし、過去の実績を見ましてもおよその推測はできますよ。そういう前提で、やはり六十一年と言わずに、ことしからは少なくとも完全実施をやるということでないと、確かに一時期は公務員に対する国民世論が厳しい面はあったにしても、五十七年のごときは丸々給与を上げなかったわけですよ、一銭も。こういう前例というのは余りないわけでしょう。ない。その後も半分以下に値切ってきている。これが二、三年、四、五年も続くとなると、私はこれはむしろ逆の反応があると思いますよ。それは、単なる世論だけを我々は眺めて物事をやってはいかないと思うのです。公務員労働者の皆さんの労働意欲の問題、国政全般、行政にかかわるお仕事をやっているわけで、私は何もそこだけを見ようと思わない、それは厳しくやらなければいかない面は厳しくやらなければいかない面もあるでしょう。怠慢性があれば怠慢を正していくことも結構。結構なんだが、やるべきことはやって、義務を要求するということでないといかぬと思うのです。
 しかし、人事院勧告制度という、さっきも言いましたように、スト権の規制とかあるいは政治活動の規制とかいろいろな面の制約を受けている、そういう面からしますと、やはり今年度においては、今長官も少し前向きな御答弁ともとれますけれども、人事院としても本当に、今度こそ完全実施しなければけつをまくるというくらいの腹づもりでないと、これはまたどうのこうのと言って、やれGNPの一%論との兼ね合いもあるしとか、きょうは時間がありませんからその面は後日どこかで議論いたしますけれども、そういう意味で、総裁の新たな決意をぜひ伺っておきたいと思う。
#183
○内海政府委員 たびたび申し上げておるところでございますし、今まで申し上げておるような気持ちでもって入勧の実現に当たりたい、こういうふうに思います。
#184
○上原委員 人事院総裁、余りお元気ないようだからきょうはこの程度でとめておきます。しかし、私が今申し上げたことについては、これは何も私、上原の意見じゃないのだ。そういう気持ちでみんなおられるということを、総務庁長官も人事院総裁も特に御理解いただかなければいかないということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 次は、きょうは余り時間がありませんので進みますが、人事行政の問題について若干お尋ねをしておきたいと思うのです。
 先ほど言いました定年制施行の点、あるいは退手法改正、今の人勧問題、全部直接間接関連しているわけですが、六十年度以降公務員制度の見直しをやるということで作業を進めてきておられると思うのです。これは見直しという場合に改善の諸施策であれば結構なんだが、えてして、何か制度を見直すとかあるいは法律を改正するという場合には、あめとむちが伴うのがこれまでの法案の中身になっている面が多いわけです。
 そこで、この人事行政改善の諸施策の進捗状況は一体どうなっておるかということを、要点だけひとつ御説明をいただきたいと思います。
#185
○網谷政府委員 お尋ねの検討状況でございますが、先生お話しのございましたように、六十年という一つの節目に、定年制も施行される年でございますので、そこを努力目標といたしまして、かねてから検討を続けてまいってきているところでございます。
    〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
 これまでの検討結果に基づいて人事院が検討しております施策の骨格につきましては、昨年度、五十八年の八月でございますが、給与勧告の際の報告の別記の中で明らかにしたとおりでございます。現在は、この骨子に沿いまして、関係各方面の意見を聴取しながら具体案が得られるように検討を進めているところでございます。
 施策のうち、既に採用試験の再編につきましては、I種、U種、V種という試験に再編することで、昨年末人事院規則の改正を行っているところでございます。そして四月には、研修制度の整備にっきまして本格実施する予定でもございます。また夏には、従来の検討の線に沿いまして、俸給制度、それから休暇制度の再編整備について勧告、あるいは意見の申し出を国会及び内閣に対して行う方向で検討しているところでございます。
 なお、そのほかの問題につきましても、引き続きさまざまな観点から多角的に検討を行っておりまして、関係者の御意見を参考にしつつ成案を得るべく、鋭意努力しているところでございます。
 以上でございます。
#186
○上原委員 そこで、きょうは余り細かい議論をするゆとりはありませんし、また私もよく勉強したわけでありませんので、若干の点だけお尋ねしておきたいわけですが、今おっしゃいました任用制度については方針が決まったということに相なっておるようですが、ここで採用試験の体系を再編しておられるようですね。
 問題は、今度新しく新設された国家公務員採用のU種試験の対象となる職種は一体どういうものなのか、あるいは資格要件というか資格条件というのか、そういうのはどうなっているのか。
 もっと私の方から具体的に言いますと、新設されるU種試験は大学卒を原則とするとのことらしいですが、そうなんですか。そこいらについてちょっと説明をしていただきたいと思います。
#187
○仙田政府委員 お答えいたします。
 試験体系の再編のうちで、T種と申しますのは従前行われておりましたいわゆる上級試験でございます。それから、V種というのは初級試験でございます。従前行われておりました上級乙と中級試験の二つを廃止いたしまして、新たに設けましたのがU種試験でございまして、これは試験の区分といたしましては行政、図書館学、物理、電気・電子、機械、土木、建築、化学、資源工学、農学、農業土木、林学、以上の区分試験を行うことにしております。
 それから、受験資格の問題でございますが、原則として二十一歳以上二十九歳未満、こういう年齢で切っておりまして、ただ例外的に高等専門学校及び短期大学、これに準ずると認められる者も含めまして、こういう学校の卒業者、卒業見込み者につきましては、従来の中級試験が行われたことの経緯をも踏まえまして、例外的に受験資格を十九歳以上、こういうことにしておりますが、試験のレベルとしては大学卒業程度、こういうことになっております。
#188
○上原委員 そこが、私みたいに学のないのが学歴の話をしてちょっと変なんですが、ちょっと気になりますのは、今度、今おっしゃった上級甲種試験、それから上級乙種試験――この乙種を廃止したわけですね、さらに中級試験、初級試験と四つに分かれておったのを変える、この背景というのは、高学歴それから高年齢化に社会の人口構造というか、そういうものが変化してきたんで、それから来る矛盾を解消するために、従来四つあったのを三つにして、その中間のU種を設けだというのが、我々がこれまで聞いた人事院の論理づけというか、理論構成だったような感じがするわけですよ。しかし、今の説明からしますと、もう時間があれなんで私から言いますと、従来中級の方に大卒がどんどん入る、あるいはそこでも間に合わず初級の方にも来る。しかし給与の格付の面ではまたいろいろ弊害が出てくるということで、そういう高学歴化で三つに包含をしていくという説明を聞いたわけですが、今のからすると、二十一歳−二十九歳というような、ストレートにいけばこれは大卒ということになりますね。そうすると、その中間の短大卒はどういう位置づけをするのですか。特例として十九歳からということですが、試験科目は、試験内容は別々にするのですか。短大卒の扱いは、一体今度は、新しい三つに分けた試験、T種、U種のどっちに格付するのか、これが一つですね。
 もう一点は、現在の上級甲種の場合はいわゆる初任給というか、最初の等級の格付はどこなのか。また乙の場合はどこなのか。じゃ、今度の新しく国家公務員U種試験として新設されたもののこの等級の格付はどうなるのか。ここをもう少し明確にしていただかないと、どうも今の御答弁では不安を持ちますよ、一般の公務員を目指す方々は。
#189
○仙田政府委員 U種試験の試験内容、出題の仕方の問題でございますが、四年制大学の講義科目とそれから高専、短大にも共通の科目がございますので、そういったものを中心にして出題をしていくということに予定しております。
 それから、二番目にございました給与の格付をどうするかということでございますが、T種試験につきましては、これは採用試験のレベルといたしましては、現在の行政(一)の俸給表で申しますと六等級の採用試験ということにしておりますけれども、給与については当面現在と全く同じく七等級二号俸で採用する、こういう形を考えております。したがってここのところは何もいじらない。それから、U種の採用試験につきましては、これは大学卒程度の試験ということで、七等級の官職の採用試験、七等級一号俸。高専、短大等につきましては、受験資格の面で特例として十九歳以上で受験できるということを申し上げたわけですが、この人々につきましても、同一の試験で合格されれば七等級一号俸という格付をする予定でございます。それから、V種の試験は現行の初級試験を受け継いだ形になっておりますので、現行どおり八等級三号俸、こういうことを予定しております。
#190
○上原委員 まだ釈然としない面がありますが、これはまたおいおいいろいろな機会があると思いますから、さらによく実例なども挙げながら、もう少し整理をする、精査というか、そういう必要があると思いますので、この程度にとどめておきます。
 これとの関連でもう一点お尋ねしておきたいことは、今お尋ねしたのは任用制度の問題ですが、これも入り口ですから大変重要なことなのですが、定年法が施行されて出口まで決まるわけだが、その間というのは何といっても昇進管理制度、給与のあり方が大変公務員にとっては問題、問題というより関心事であることは言うまでもないわけですね。
 そこで、給与制度関係について、専門技術職俸給表、俸給表というのもどうもこれはおかしい、給与表立らいに変えてもいいのじゃないかと思うのだが、まあ給与表ですね。この専門技術職の給与というものを現在の行政職の一般給与のところで設ける、等級の中に挟んでいくということのようですが、これは具体的にどういうことをお考えになっているのですか。
#191
○鹿兒島政府委員 見直しの中で、給与の問題につきましては目下検討中でございまして、これから検討の成果を得次第、関係者にそれぞれ意見を聞きながら、できますれば今年度の人事院勧告の中にこれを盛り込んでいきたいというぐあいに考えておりますので、まだ未定の部分が多々ございますけれども、現在の段階で申し上げますならば、一つは、等級を若干増設いたしまして、職務の段階に適合した等級制度をつくりたいということ。いま一点が、お話がございました新しい俸給表として専門職、これは仮称でございますけれども、そういう俸給表をつくるかどうかということの検討をいたしております。仮称専門職の俸給表につきましては、行政職(一)表の中で極めて高度の知識を持ち、またその道一筋というような職員が若干おります。それは行政職。表の適用ということになりますとやはり問題が出てこようかと思いますので、そういう職種を限定いたしまして新しい俸給表を起こしたらいかがかということで、検討している段階でございます。
#192
○上原委員 これはまだ検討課題のようですから、公務員の職員団体の皆さんやあるいは関係者の御意向を十分お聞き願って、誠意を持ってそれを尊重していただきたいわけですが、問題は、新たな給与表をつくるという場合、等級をつくるという場合に、どうしてもでこぼことか、あるいは専門職といっても、ここの人事局の資料をちょっと見ますと、「動物検疫とか植物防疫、航空管制、その他」、この「その他」に何が入っているか聞きたいわけですが、大体こういうものを対象にしておられるようです。これに位置づけられて、専門職として適当に格付されたという範囲の職員は、非常にいいという面も出てくるわけですね。しかしすれすれの、どこかで線を引かなければいけませんから。これからまた漏れた専門職の方々には不満が出てくる面も私はないとも言えないと思うのですね。それだけ、新しい制度の新しい給与表を設けるという場合には、非常に慎重な配慮をしなければいけない面があると思うので、それはぜひお考えになっていただきたい。――では、このことにつきましては、もう少し人事院の給与局のお考えを後日説明をしていただきたい、その点を要望しておきたいと思うのです。
 それと、この技術専門職とのかかわりで、ここでは今私が申し上げた三つを挙げているようですが、後の質問とも関連しますが、気象庁の職員は専門職がいろいろおられると思うのですね。これはどういうふうに、今度の、皆さんが今検討している面ではお考えになっておられるのか。例えば気象技術専門職というのがいろいろありますね。あるいは地震対策とか災害対策等々に従事をしているようなこういう人々は、一体専門職としてのあれなのかどうなのか。ここいらのこともちょっとだけ、次の質問とも関連しますので、見解を聞かせていただきたいと思うのです。
#193
○鹿兒島政府委員 先ほど申しましたとおり、私どもは、専門職をどういうグルーピングをするかということを現在検討中でございまして、代表的な職種としましては、先ほどお話がございましたように、航空管制官あるいは特許の審判官というようなものが一番代表的なものではなかろうかというぐあいに考えております。
 ただ、そこにどの程度のものを含めるかということにつきましては、その周辺部分につきましてはなお検討中でございまして、お話がございました気象庁の職員につきましては、その採用の時点から気象大学校というところで研修もいたしますし、また高度の知識、学歴を持っているということで、現在でも、俸給表の適用なりあるいは等級の適用につきましてそれぞれ配慮をいたしておりますので、これは今後の検討事項になろうかと思います。
#194
○上原委員 これは人事院の御担当ではあるでしょうが、最終的には総務庁の人事局もこれはいろいろ関連してくると思うのです。そういう面で、特にこの給与制度の見直しというか新しい制度をつくるという場合には、これは直接個々人の給与、生活、地位にかかわる問題ですから、ぜひ十分な御配慮をしていただきたい。
    〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
何でも新しい俸級表をつくればいいということではないと思うので、現在の矛盾点というものがそれなりに解消できるような方途というものを構じていただくことを、これは強く要望を申し上げておきたいと思うのです。そうせぬと、かえって新しい俸級表なり給与表をつくったがゆえに、混乱なり不平不満が増幅するということではいかぬと思いますから、そうならないことを私は期待するわけですが、その点ぜひ御配慮をいただきたいと思うのです。
 次に進みますが、気象庁、来ておられますね。
 直接この法案とかかわり合いになるかどうか若干あれですが、やはり行政関係ですので、この際聞かせていただきたいわけですが、どうも最近の、天気予報にしてもあるいは台風情報にしても、一昨年のチリ地震にかかわる津波警報にしても、気象庁のお仕事というのは、余りにも当てが外れるというかずさんのような感じがしてならないわけですね。後藤田長官は笑っているのだが、政府の経済見通しよりなお悪くなっている、気象庁は。
 ことしの冬は、最初は暖冬だと言って――それはまさしく暖冬ですね。最初の方が長期予報が当たっておったが、後で軌道修正したら当たらない。これは笑い話でなくして、今、一方では、長官、危機管理体制とか、あるいは地震列島で災害国なんで、災害対策というものを重く見ている。私も災害を担当した経験もあるから申し上げるわけですが、国民が日常的に最も関心を持っているのは地震対策であり、災害対策であり、津波であり、台風であり、そういった日常生活とかかわりあることなのです、あしたのお天気どうなのかとか。しかし、このことに対してもう信用しなくなっている。これは一体どこに欠陥があるのか。この際、私は国民生活の立場からただしておかなければいかぬと思うんですね。
 一体陣容の問題なのか。陣容は整っているけれども、失礼な言い方だが居眠りなさっているのか。あるいは予算の問題なのか。さっき申し上げたように、そういった専門職の方々の給与とか格付が適正になされていないから、それに対する御不満があってなのか。この際みんなで解明をして、この種の国民の不安というものを早急に是正をしていただかないと、この間のチリ津波なんか、深夜だから当てが外れたら人ごとだからと言うが、深夜だから余計に、国民や各気象台や各都道府県の災害対策関係者に一応の報告はしてその心構えをさせなければいけないわけでしょう。昭和三十五年、一九六〇年のあのチリ津波のように、あのときは沖縄は復帰していなかったが、御記憶のように屋我地大橋がチリ津波で壊れた。大災害が起きた。経過は、いろいろレポートを聞きましたので、まず私が言ったことに対して気象庁は一体どうお考えなのか、ぜひ聞いておきたいと思うんですね。
#195
○新谷説明員 先ほど、我々気象庁の業務につきましていろいろおしかりを承りまして、我々今後とも肝に命じまして、皆様方の御期待にこたえるような業務を遂行していかなければならないというぐあいに考えております。
 いろいろお話しになりました中で、最近の天気予報が余り当たらないのではないかというような御批判が一つございましたけれども、いろいろな見方もあろうかと思いますけれども、私たちの判断では、少なくとも短期の天気予報につきましては、現在、我々のところでは、大体八割ぐらいの確率でもって当たっておるというぐあいに考えておるわけであります。
 それから長期の予報につきまして、今回の冬の予報につきましても、これは計量的な予報が非常に難しい分野がございまして、短期の予報のように電子計算機を駆使してこれをやるというぐあいにはまいらないわけでございますけれども、いろいろな統計的な手法を使いまして、ことしの冬につきましても、新聞の受け取られ方が若干違う点もございますけれども、我々の考えでは、十月十日に出しました冬の予想、前半は大体寒くて冬の訪れは早い、年末には雪が降るだろうという予報をしておりまして、大体そのとおりになったわけでございますけれども、その後の気候変化を見まして、一月明けましてから、当初、年明けてから寒さは緩んで暖かさが早めに来るというような予報をしておりましたが、多少寒さは長引くと言っておりました点を修正いたしましたが、確かに寒さは少し長引きましたけれども、それは修正したとおりになりまして、現在の段階では大体予報のとおりに推移しているのではないかというぐあいに考えております。しかしながら、長期予報につきましてはなお未開拓の分野がございまして、皆様方の御批判、おしかりを受けながら、今後とも改善に努めていきたいというぐあいに考えております。
 それから、ただいま御指摘がありました先ほどのチリ津波のことに関してでございますけれども、これにつきましても、現在ハワイに津波総合監視センターがございまして、ここでの情報を根拠にして我々最初の情報を流すわけでありますが、この情報をもとにしまして、またもう一つは、当時起きました地震の程度からいたしまして津波は来ないという見方をしておったわけであります。それで、この情報を早めにお流しして、前回のチリ津波の経験もありますから、いたずらな不安が起きないような対応をとったわけでございます。その後新しい情報がいろいろ参りまして、我々の判断では大きな人命の被害をもたらすものはないという確信がございましたから、その処理について十分な対応をとったと我々は考えておる次第でございます。
#196
○上原委員 そういう紋切り型のことを言われると余計おかしいですよ、あなた。人命、大したことなかったと言っても、そんなら何で午前五時に、新しく「津波注意報」といって、早朝みんなをたたき起こすの。今にも大津波が来るようなことをNHKを通して報道したんじゃないですか。相当不安があったからそういうふうに方針変更したわけでしょう。しかも、あなた方の津波についての説明書を見ますと、「十分な時間の余裕を持って注意報の発表を行ったと考えている。」しかし、一時間前にされたんじゃ、もし本当に津波が来たら対応できなかったということを、国民はテレビやラジオを通して盛んに言っていましたね。秋田沖地震のときはどうだった、あなた。今度は不幸中の幸いで、十センチから十七センチ程度の津波だからそういう国民の不安は解消できたわけよね。しかしそうでなかった場合の責任体制は、あなた一体どうするの。課長さんにそこまでお尋ねするのは酷かもしらぬけれどもね。
 だから私が聞きたいのは、陣容も十分である、国際協力機能というか海外とのそういった災害対策を立てる場合の通信網というか、それも万全が期されている、予算上においても支障なくなっているけれども、今の予報や何かは八割程度しかできないということになるわけですか。私は逆に、気象庁のいろいろな面について、国全体としてもう少し、行政面においても人事面においても、あるいは施設とか、いろいろ予算措置がされるべきところがあれば、そういう面で考慮されなければいけない面があるならば、そもそも長官は人事担当だから、そういうことを内閣全体としてやったらどうかという面で、逆に援護射撃をしようとするのに、あなたが言うように、何のことはありません、十分ですと言われたんじゃ、今後天気予報や何かも、じゃ本当に全部当たるのか。冗談じゃないですよ、そんな答弁じゃ。どうですか。
#197
○新谷説明員 先ほどのチリ津波の対応について、個別の問題についてお尋ねがございましたので私どもの考え方を述べさせていただいたわけでございまして、現在我々のやっておりますことが十分な段階にいっていないことは当然でございまして、今後とも施設整備、人員の充実に努めながら皆様の御期待にこたえなければならない、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
#198
○上原委員 それじゃ、なぜ今そういうふうに天気予報とかについて――特に沖縄なんか台風銀座で、最近の台風情報を聞いてもテレビを見ても、どこに台風が行くのかわからないのですよ。東経何度とか北緯何度とか言っても、専門家ならラジオを聞いて、今どこに台風がおってどこに向きそうかわかりますよね、船に乗っている航海専門家とかは。しかし一般の方は、あと何キロ、あと何時間でどこに台風が来て、あと何時間ずれば沖縄本土なり沖縄周辺から台風は去っていくんだ、仕事に行けるんだ、それが一番情報として欲しいわけです、感覚で受ける。そういうものを今の気象台はやっていない。
 なぜそうなったかというと、皆さんは、すべて中央で情報を出せというふうに仕組みを変えている。それは制度に問題、欠陥がある。ほかの地方の気象台なり管区気象台がいろいろな情報を出そうとしても、中央で全部統制しているんですよ。そういう仕組みになっているわけでしょう。それが問題であるということをまず一つ指摘しておきたいと思うのです。
 これとの関連で、例えば沖縄気象台なんかも天気相談所もないわけです。沖縄気象台の地震係を増員して、地震・津波業務体制を強化してもらいたい、西表測候所に地震計を設置してもらいたい。こういうことは、復帰前はそれぞれの気象台でできていたのです。沖縄気象庁だったから。しかし、今は全部その情報を中央の許可がなければ一切出すな、天気予報であろうが天気関係に関することはそういうふうになっている。
 さらに、那覇空港にしましてもあるいは離島の南大東にしても久米島にしても、宮古、石垣、与那国、各空港出張所の航空気象の観測予報体制も全く整備されていないのですよ。あれは本土も大体そうらしいのですが、奄美大島を調べてみますと。
 例えばパイロットが那覇から南大東に行くでしょう。総務庁長官はまあ行かれたことがないと思うが、約三百五十キロぐらいありますよ。行ったら、そのパイロットが南大東におりて、きょうの天気は飛べそうだからと言って連絡をして、飛行機を飛ばしているのですよ。気象の詳しい観測者というのはどこの空港にもいないのですよ。非常に危なっかしい、本当から言うと。私はこの間、多良間に行ったら、多良間というのは宮古と石垣の中間にあって、非常に気象条件の変化の激しいところだと聞いたのですが、行きはよいよい、帰りは命がけですよ。だからパイロットが行って、気の強いパイロットなら、まあ十七分、二十分ぐらいで飛ぶんだからぱっと飛んでこいよとなる。しかしそうでない人は、慎重を期す人は、きょうはだめだから向こうへ泊まれ、こうなるわけですね。それだけ、今は行政改革でいろいろな面で人員の問題もあると思うのだが、そういう危険を冒させながら、気象行政をやっているというのが離島の実態なんですよ。
 だから、そういうことから推しても、どうも気象庁のいろいろな業務においてはどこかに無理があるか、あるいは皆さん自体が改善しなければいけない問題があると私は見ている。この際それを解明して直しなさいと言うのですよ。どうなんですか、今私が指摘したことについて。
#199
○河村説明員 地震・津波について先生の御質問にお答えいたしたいと思います。
 地震の観測の場合には、一点の観測点では震源を決定することはできませんし、したがって、地震の規模を推定することもできないわけでございます。それができませんと津波予報というのはやはりできませんので、現在は地方中枢にデータを集めて、そして津波予報をするという体制がとられておりまして、これが私ども考えております最善の方法であろう、迅速に的確に津波予報をするための最善の方法であろうと考えております。
#200
○新谷説明員 先ほど沖縄のいろいろな気象業務のあり方につきまして御質問ございまして、もちろん我々も、今後も沖縄、特にここは全国の中でも台風常襲地区の非常に気象業務上も重要なところでございますので、いろいろな意味で充実強化に努めていかなければならないというぐあいに考えております。
 先ほどお話の中で、台風の進路その他につきまして予報するその責任と申しますか権限というものを中央で、――現在は大体地方気象台の方が持っておるわけでございますけれども、そちらに握っておって、地方にやらせないので、そういった意味でなかなか本当の意味の実用のある予報ができないではないかという御指摘が一つございましたけれども、これにつきましては、現在の予報のやり方というものが、全体的にいろいろなたくさんのデータを駆使しまして、これを計算機においてやって処理するということで、そういった意味を含めまして、最近精度も上がっておるわけでございます。そういったやり方をとっておるものでありますから、地方気象台の立場でもって予報を実施すれば十分に可能な――十分とはまた言えませんけれども、いろいろな精度の問題、理論上の問題、特に台風の進路の正確な非常に精度の高い予想というようなことについては、まだ解決しなければならない問題がたくさんあろうかとは思いますけれども、一応、地方気象台の方で予報することによって対処できるというぐあいに考えて、今まで実施してまいっております。
 それから、空港の気象観測について御指摘がございましたけれども、空港の気象官署につきまして一部、便数の割と少ない、あるいは基地測候所と申しますか、近くに大きなある程度の陣容のある航空測候所がございまして、そこから管理の行き届く空港につきましては、一部そこの空港管理者の方に委託しまして気象観測をお願いしております。その方たちにつきましては研修も実施いたしまして、十分航空について気象面からの不安のないように努力をしてやっております。
#201
○上原委員 あなたの答弁を聞いておると何でも非常にうまくいっておるようだが、実際はうまくいってないのですよ。またこれは、いずれ気象庁、運輸省の長官なり大臣なりにお尋ねしなければいけない問題なんで、問題点の指摘だけにとめておきますがね。
 それじゃ、私が今言った沖縄気象台をめぐってのいろいろな設備の問題とか、人員の陣容の強化とか、施設の整備等々についての全気象労働組合関係から出されているのを、皆さんわかりますね。これについては御検討してみますね。お答えください。
#202
○新谷説明員 全気象の組合の方から出されておりますいろいろな要望につきましては承知しております。それについて検討もいたしております。
#203
○上原委員 それで総務庁長官、後藤田さん、今気象台のことを若干聞きましたが、やはり災害対策というのは国民生活にとって一番肝心のことなんですよね。いろいろな問題があるわけで、行革絡みの中で大変難しい面はありますが、これは陣容の問題にしましても、増員するにしても、ほかの方もあるでしょうしね。しかし、事災害対策とか津波とか台風とか地震とかそういうことについては、一刻もゆるがせにできない問題なんで、もう少しここいらについては、あなたは実力者ですから、今私が若干の問題点を指摘しましたが、こういうことについて内閣全体として十分御検討をいただきたい。大臣の所見をお伺いしておきたいと思うのです。
#204
○後藤田国務大臣 おっしゃるとおりだと考えております。
 私ども、若いとき長い間軍隊へ行っていましたけれども、その当時、当たらぬものは日本軍の高射砲と天気予報と、こう言われたものなんですよ。しかし、最近は、気象庁の諸君が非常な努力をしまして気象情報というものは相当精度が高くなっていっておる、私はこう考えておるのです。ただ、しかし、おっしゃるような点も私は否定し得ないと思います。
 この気象情報というのは、やはり日常の経済活動、社会生活にも大きな影響があるし、殊におっしゃるように国民の命と財産に至大の影響を与えるものでございますから、こういう面については気象庁でいろいろ御勉強していると思います。施設の状況がどうであろう、人員がどうだ、専門家のレベルがどうであろう、いろいろな角度から検討しておると思うのです。そこらの御検討の結果、こういう点に不備があるから、精度の高い情報を出すためにはこうしてもらいたい、あるいは情報の伝達の方法も非常に重要でございますから、そういう御意見があれば、行政の改革というのは何でもかんでも切って飛ばせばいいというのじゃないんです。これはやはり、必要な部面に必要な物なり人なり金なりを充てていくというのが基本なんでございますから、そこらについては私は政府全体として十分取り組んでいく必要がある、またそういうつもりでおる、こういうようにお答えをしておきたいと思います。
#205
○上原委員 気象庁も、私も何もけしからぬとだけ言っているわけじゃない。そういう今、大臣がおっしゃったとおりなんです。あなた方はもっと努力をして、やらなければいけないところがあれば国会にも要求するし、こういう指摘をしなければ、役人の皆さんはまたやらないですよ。総務庁長官も切るだけしかやらないよ。必要なことを我我が指摘するからなさるんだ。そういう面で、もう少し国民の期待にこたえてもらいたいと強く要望いたしておきたいと思います。
 それともう一点。これまで沖縄というのは地震はないと言われてきた。しかし最近、私もびっくりしたんですが、何か千八百年くらい前に大地震があったという一つの記録があるのですね。また、それ以前にもかなり大きな地震があった。加えて、これは国土庁になるのかな、あるいは文部省、科学技術庁も関係するかもしれませんが、昨年の八月から十一月にかけて、沖縄において海底地震計を十二台設置して観測しているということなんだが、その調査結果について後で教えていただきたいということ。
 科学技術庁が、潜水調査船「しんかい二〇〇〇」を使って昨年九月に地震調査をしているわけです。それとの関連があると思うのですが、琉大の木村助教授らが、沖縄本島周辺に地震の空白部があって、大地震が起きても不思議でないという見解を最近明らかにしているわけですね。しかし、さっき言ったように地震がないとみんな思い込んでいるから、ないといっても震度三くらいのものはありますけれども、その予知対策とかは皆無の状態なんです。これについて政府は一体どうお考えなのか。また、今相当話題になっている、こういうものが明らかになった以上、今後の対策はどうとろうとしておられるのか。この二点について明らかにしていただきたいと思うのです。
#206
○河村説明員 沖縄気象台管内の地震の観測体制について御説明申し上げます。
 気象庁は、沖縄におきまして、那覇を初め七地点においていろいろな倍率の地震計を設置いたしておりまして、地震観測を日夜実施しているわけでございます。さらに将来は、地震資料伝送網によりまして、地震観測データの集中処理の確立、また地震・津波監視体制の一層の強化について検討いたしているところでございます。これらによりまして、沖縄県全域の地震検知能力は向上することになると私どもは考えております。
 それから、地震は過去になかったのかというようなお話でございますが、私ども、過去には大きな地震もございましたし、また大きな津波の災害もあったことも十分よく承知しております。
 それから、海底地震計の調査でございますが、これは気象庁がやりましたものではありませんで、東大の地震研究所その他のところでおやりになった仕事でございます。
 それから木村先生の学説でございますが、木村先生の意見は確かに一部傾聴に値するところがあると考えておりますが、あくまでも個人的な御意見でありまして、地震予知連絡会等の公式の場で認められたものではございません。実用的な地震予知が可能でありますのは、現在は東海地震だけであるというのが学界の定説でございます。
 気象庁では、気象資料伝送網の整備による地震の検知率の向上あるいは地震・津波監視体制の強化等、今後ともできる限りの努力をしていきたい、そのように考えております。
#207
○上原委員 そうしますと、地震予知連絡会でも、沖縄地域というか沖縄近海もそういった地震の起こる可能性のある地域であるというような前提で、沖縄は地震はないんだという一般常識が崩れかかっているわけで、このことの解消を専門的な立場でやってもらいたい。これはおやりになりますね。
#208
○河村説明員 おっしゃるとおり、もし誤解があるとしますと大変問題であると存じますので、そういった面での周知の方にも努力したいと考えております。
#209
○上原委員 ぜひそうしていただきたいと思います。
 最後になりまして、時間がありませんが、もう一点だけお尋ねしておきます。
 いま一つ、最近アスベスト、いわゆる石綿の発がん性物質の問題がまた大きくクローズアップをされてきているわけです。これは大変な特定化学物質のようで、主に復帰前の米軍施設内の建造物にはすべてアスベスト、石綿が利用されてきた。関係者の意向を聞いても九割近くはそうなっている。その取り壊し等が最近出て、あるいはまた米軍も、現に使用している病院であるとか学校であるとかその他の建物でも、最近それを取り除く撤去作業を進めているようですが、時間がありませんので、きのう施設庁、あるいはこの間は環境庁からも聞いたわけですが、問題は基地内で起きているということ、そういう意味でいつも防衛施設庁だ、あるいは環境庁だ、労働省だということになってきているわけです。
 私も資料をいろいろ取り寄せてみましたが、アメリカも非常な規制をしているわけですね。我が国もまた、労働安全衛生法とかそういう面などでもいろいろな規制をしているわけで、特定化学物質等障害に関する法律ですか、これでやっておるわけですが、政府としてはこの問題についてどう対応していかれるのか。これはまとめてお答えいただきたい。基地従業員を含めて本当に今大変な不安を与えているわけです。これはどこが答えるのですか。
#210
○梅岡政府委員 米軍に施設を提供している、現地の事務を担当している防衛施設庁の立場からお答えいたします。
 確かに先生御指摘のように、沖縄の基地内の米軍の施設にアスベスト、石綿がかなり使われているのではないかという現地の報道等ございまして、私どもも強い関心を持っております。
 そこで、まず米軍に対しまして、既存の施設の中に石綿が使われたかどうかの実態を早急に掌握するよう目下要請しております。そして次に、基地の中におきます駐留軍従業員、あるいは基地の中でいろいろな建設工事に従事いたします一般の従業員の方々の労働安全衛生を確保するという見地から、米軍も大変厳しい基準をしいておりますが、私どもも関係省庁と連絡をとりながら入念に対処してまいりたい、このように思っております。
#211
○上原委員 そこで、これは米側の報道を見ましても、このアスベストというのは発がん――石綿撤去作業によって地域において患者が出る可能性がある、その疾病による諸症が起こる可能性があるという報道をしているわけですね。そこで、時間が来ましたから、防衛施設庁、それから労働省、環境庁あるいは場合によっては沖縄開発庁、この三者ないしは四者の連絡会議を持って、この問題の徹底解明とその対策を政府としてとる、それをお約束できますね。
#212
○梅岡政府委員 ただいま御要請のございました件につきまして、関係省庁と協議をいたしたいと思います。
#213
○上原委員 ぜひそうしてください。
 終わります。
#214
○中島委員長 柴田睦夫君。
#215
○柴田(睦)委員 法案そのものにつきましては、我が党では三浦議員が触れましたので、退職手当法の運用に関連してお尋ねしたいと思います。
 第一番目は、特権的高級官僚や政界転出組に対する退職金割り増しのむだという問題であります。
 現行の公務員制度は、任用の入り口から退官の出口に至るまで、徹底してキャリア組優遇ということになっております。いわゆるキャリア組は、超特急のスピードで昇進昇格し、五十五歳にならぬ前から、その前後で本省の局長、次官まで上り詰めて一、二年在籍して、それから関係の企業や業界、特殊法人の役員に天下りしたり、あるいは国会議員として政界へ転出していきます。こうした一部の官僚の優遇制度、これは一般公務員の昇進昇格の障害となっておりまして、さまざまな弊害が指摘されているところであります。
 この問題の抜本的解決、是正、そのことが必要であると私は考えておりますが、人事院総裁のこの点に関する御意見を最初に伺っておきたいと思います。
#216
○内海政府委員 今お話しのございましたような件が、ごく特定の一部の人についてあるいはマスコミ等で報ぜられることもありますが、私は、一般的に考えますと、そういうふうなものではない、それぞれ能力の実証あるいは厳しい競争、試験というものによって昇進をいたしておるのが大部分の実情でございまして、現在行っておる上級試験の合格者だけがエリートの道を歩んでいく、そして最後は天下ったりいろいろするということが言われるわけでございますが、現実はやはり、一つの点は、上級職を受かっている人はどうしても能力もございますし、また競争、試験に耐えてきた人たちでございますから、公務員になりましてもその能力に基づいて昇進していくことは当然あり得ると思いますが、同時に、現在の中級試験あるいは初級試験を受けた人たちも、それぞれ能力を発揮して上級のポストについておることも決してないわけではございません。あるいはまた、そういうふうな中級なり初級の試験で公務員になった人も、人事院あるいは各省における研修制度を確立することによって、より上級の地位につき得るような能力を与え、またそういうふうな与えられた能力を発揮してそういう上級の地位についておる例もあるわけでございます。
 現に私どもは、今、人事院におきましては、いわゆる中級職あるいは初級職の公務員になった人たちの特別な研修制度も設けまして、将来各省の上級幹部になるような見識を身につけてもらうような教習も考えておるわけでございます。
 なお、天下りとかあるいは選挙に出るとかという問題は、確かに公務員である者はそういうことに対しては極めて良心的であり慎重でなければなりませんし、また天下りにつきましては、各省におけることはもとより、人事院におきましてもその要件について厳しく規制をして承認をする、あるいは承認を拒否するというふうな措置をとっております。これを通じまして、ただいまおっしゃったようなことが仮にもあるとするならば、そういうことのないようにできるだけの努力をしていかなければならない、こう思います。
#217
○柴田(睦)委員 この問題はいろいろ議論されたことでありますけれども、現実に例えば、私と一緒に東大を出て役人になった人、私は五十六歳ですけれども、もう恐らく一人か二人が次官で残っているくらいであるわけです。その五十五になる前に退官するというのは、六十歳まで局長、次官のポストにおりますと、人事が停滞して、キャリア組の優遇制度が維持できなくなるからだと私は考えております。
 こうして退官していく人というのは、役所から追い出されるわけではないわけです。関係大企業や業界、あるいは特殊法人の役員、あるいは国会議員として次の出世コースに乗っているというのが非常に多いわけです。天下りではなくてむしろ天上がりだというように考えます。
 こうした高級官僚の退職というのは、一般国民の目からすれば、次の出世のための自己の都合による退職だと言うべきであろうと思います。すなわち、退職は法律上からいえば普通退職と見るべきであるわけです。したがって、これらの高級官僚の退職金は、退職手当法の第三条一項の「普通退職の場合の退職手当」とすべきであると思うのです。ところが、実際にはこうした法運用が行われておりません。この事実は間違いないですか。
#218
○藤井(良)政府委員 先生の御質問は、事務次官だとか局長クラスのような高級官僚が、何か有利な条項が適用されて退職手当をもらっているのじゃないかという御趣旨だと思いますけれども、退職手当につきましては、国家公務員法に基づきまして、その者の退職理由、勤続年数によりまして退職手当法の条項を適用して支給しております。したがって、その今言われるような方々につぎましても、勧奨という事実があれば五条の適用になると思います。
#219
○柴田(睦)委員 私も、幾つかの省庁について、数年間に退官した本省庁の局長、次官の退職金の実態を調べてみました。
 それによりますと、一、二例外はありますけれども、最も増り増し率の高い法第五条第一項の「整理退職等の場合の退職手当」、これが支給されているようであります。こうした法運用というのは、次の出世コースに乗ろうとするいわゆる特権的高級官僚に、国民の税金でせんべつをやるようなものだと思います。三十年勤続の次官の普通退職による退職手当は三千百三十一万円余りですけれども、実際には四千六百九十七万円余りの退職手当が支給されて、ここには千五百六十五万円余りも水増しされているわけであります。三十年勤続の局長の退職手当の水増し額は千二百二万円になります。一昨年から昨年にかけて退官されました加地元行政管理事務次官、あるいは佐倉前行政管理事務次官、中前行政監察局長も、法第五条第一項の水増し退職手当を受け取っていると思うが、この事実はどうですか。結論だけで結構です。
#220
○門田(英)政府委員 ただいま委員の御指摘になりました三名の者でございますが、御指摘のとおりいずれも法第五条適用を行っております。
#221
○柴田(睦)委員 前々回の参議院選挙の際に、自民党の全国区予定候補でありました大河原元農林事務次官、井上元建設事務次官、松浦元自治事務次官、梶原元運輸省自動車局長、こういった人たちが法第五条第一項の水増し退職金を受け取っていたことが明らかになって、これは国会でも議論されました。前回の参議院選挙では、名前は遠慮しますけれども、元通産次官、元文部省体育局長、元運輸省港湾局長、元郵政省人事局長、こういう人たちが自民党の比例代表名簿に登載されましたが、これらの元次官、局長にも法第五条第一項に基づく水増し退職金を支給したというふうに聞いております。
 総務庁長官にお伺いしますが、総務庁長官は、警察庁長官をやめられて、それから官房副長官になられて、それから国会議員の方に転出を志されたわけであります。この警察庁長官をやめられたときの退職金は何条のものをいただかれたのでありましょうか。
#222
○後藤田国務大臣 退職手当というのは、御承知のように退職の事由、それと勤続年数、こういったようなことで計算をしておるわけであります。先ほども申しましたように、やはり役所の活性化ということで、役所の都合でやめてもらうというような場合には勧奨退職ということで処理をしておる。それが幹部職員であろうと一般職員であろうと、先ほど言いましたように比率等から見てもその点はバランスがとれている、こういうふうに私はお答えをしたつもりでございます。
 問題は、国会でしばしば議論になるのは、選挙に出るという人が五条適用というのはおかしいじゃないか、これはなるほど私もそう思います。これは本人の意思で出るわけですからね。しかもそれが、在職中にその意図がはっきりしておるといったような場合は、これは慎重にやらなきゃならぬ、私はそういうふうに考えているのですね。
 ただ、一般的に言って、第二の人生で一般企業に行くのかあるいは特殊法人に行くのか、そういったようなことと、この退職金支給とはおのずからそれは別問題だと私は思いますが、選挙のときは私もちょっとこれは問題がある、かように考えて慎重に扱いたい、こう思います。
 そこで、私のは一体どうなんや、こういうことでございますが、警察庁長官のときには、この資料にないんですよ。ないんだが、私の記憶では二千四百万ぐらいだったと思います。そして、税引き後の手取りは千八百万、こういう退職金をちょうだいしたと思いますが、官房副長官のときは三十万六千円でございます。これはだから普通退職ですね。(「自治大臣のときは」と呼ぶ者あり)自治大臣のときが六十七万八千円、これは普通退職でございます。官房長官になってから今日までが大体二年四カ月ですね。これは当然普通退職ですけれども、どれくらいになるか勘定したことはありません。
#223
○柴田(睦)委員 不規則発言についてまで答弁をいただきましたが、やはり行革担当官庁の次官、局長というのが、お手盛り的に水増ししたせんべつ退職金、これを受け取るというのは私は問題だと思うのです。政界進出組については、長官が、これはちょっと私の考えと合うような答弁をなされております。だからやはり、そういう者に対して割り増し率の高いものを払うというのは、これはむだ遣いだと思うのです。これを放置しておいて行革と言ったって、これはなかなか国民は信用しないと思うのですよ。だから、そういう意味で不明朗な法運用、もう次の天上がり先が決まっているというような場合だって、やっぱり僕は自己の都合だということになると思うのです。だから、こういうものを是正して、せんべつ退職金あるいは政界転出組への水増し退職金を根絶すべきであるというように考えております。
 次に、今度は、この点は先にまた大臣が答弁もされておりますけれども、大臣、政務次官らが選挙用の肩書きをつけてもらった上に、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ここでお土産退職金というおまけがついている問題です。国会議員である内閣総理大臣や国務大臣は、その職を辞した場合、退職手当法に基づく退職金を受け取っているようであります。また政務次官も同じ扱いになっているようであります。内閣総理大臣や国務大臣、政務次官には法第何条何項の退職手当が支給されているのか、この退職金が出ているかどうかの確認と、その根拠法条をお知らせ願いたいと思います。
#224
○後藤田国務大臣 総理大臣も大臣も政務次官もみんな、これは特別職の国家公務員でございますから、これは当然退職手当が出ます。ただ、何せこれは平均一年ですから、退職金の金額として見れば当然少ないし、これはもう普通退職であることは当たり前の話でございます。
 なお、つけ加えて、行政改革担当の総務庁の次官が何か不当なような退職金をもらっているということについては、私はお答えをしておきたい。そんなことはありませんよ。これは先ほど言ったように、どこの役所におろうと、やはり勤務の年限とそれから退職の事由、これによってはじいておるわけですから。そこで人事の刷新、つまり官庁の都合によってやめてもらうんですよ。本当に佐倉君なんか私はやめてもらいましたよ。これは容易でないのです、大臣の立場に立って考えれば。だから、これはやはり官庁の活性化のためにやらなければならないのですよ。そのときに、当然制度として決まっているものをやることは、私は何ら不当なものとは考えておりませんから。
#225
○柴田(睦)委員 行革担当の省庁ということに限って言っているわけじゃないのです。やっぱり全省庁にわたって、内閣にわたって、高級官僚の政界転出組あるいは天上がり先を決めていくというようなこういう場合に、自分がそういうものを希望するそういう場合に、わざわざ水増し、割り増しの退職金、これをやるのは私はむだ遣いだというように考えております。
 大臣も言われましたように、確かに大臣や政務次官に支給される退職金というのは、一人一人を見ますと金額的にはそれほど高くはありません。むしろ国民は、そんなものが出るとは知らないのが普通だと思うのです。それほど高くありませんけれども、これに要する経費をちょっと試算してみますと、現行の給与ベースで言いますと、大臣や政務次官、内閣総理大臣も含めますけれども、十年間に約三億円ぐらいになっているというように推計されます。元大臣とか元政務次官という、場合によっては選挙用の肩書にもなる、こういう人たちに、国民の税金でお土産の退職金とも言うべきおまけをつけてもらうというのはどういうものだろうか。公務員だから仕方がないと言われますけれども、大抵が国会議員ですから、国会議員でない人はまた別がもしれませんが、国民大衆の目から見てどうだろうか。この点、大臣の感想をもう一度お伺いしたいと思います。
#226
○後藤田国務大臣 退職金を出すのと、現職の政務次官なり大臣であれば選挙に有利だからという、これはあなたの議論と私は全く違います。それは賛成しがたい。そんなことを言えば、議員だって現職の方が有利ではないかとかいろいろな議論が出ますから、そこらは一般の社会常識で許される限度のことはきちんとやるのが筋道だろう、私はかように考えます。
#227
○柴田(睦)委員 それでは次に、特殊法人役員の高額退職金による国費のむだ遣い問題についてお尋ねいたします。
 特殊法人役員の高額退職金は、これはまた役人に比べてみても非常に大きなものがあるわけです。国家公務員や法人職員の退職金は、勤続十年の場合一年につき給与月額の一ないし一・五カ月分であるわけです。これに対して特殊法人役員の退職金というのは、勤続一カ月で給与月額の〇・三六カ月分となっております。しかもその基礎となる給与が高額であるために、退職金は大変な金額になっているわけです。
 そこで大蔵省にお伺いしますが、特殊法人の総裁、理事長と理事の給与月額及び役員の退職金支給率を説明していただきたいと思います。
#228
○竹島説明員 まず最初に役員の給与でございますが、これにつきましては、特殊法人の規模等によりましてさまざまでございます。
 まず三公社、それから輸・開銀というところで申し上げますと、役員給与は、総裁百十八万円、副総裁百五万四千円、理事八十四万六千円となっております。次のグループで、大きな公団の場合でございますが、総裁は百九万八千円、副総裁九十万一千円、理事七十万三千円ということでございますが、それ以下のもので申し上げますと、小さいところでの理事長七十五万三千円、理事六十三万五千円というぐあいでございます。
 一方、退職金の算定方法でございますが、これは退職時の給与に一定の支給率を掛けて計算をいたします。その支給率は、民間の企業の場合の役員の退職金の実態調査をいたしまして適宜見直してきておりますが、現在は百分の三十六ということでございまして、これはかって五十三年に二割引き下げて今のような数字になっておりますが、それに在職月数を掛ける、こういうことになっております。
#229
○柴田(睦)委員 今の説明をもとに試算してみますと、国鉄や輸銀、開銀の総裁の場合、勤続年数が五年で二千五百四十八万円の退職金ということになるわけです。一般国民や法人職員が一生働いて手にする退職金額をも上回っているのではないかと思うのです。ここにやはり、親方日の丸と国民から批判をされる根源があると思うわけです。
 こうした特殊法人役員の高額退職金のむだ、これを放置しておいていいのか、この法外な高額退職金をそのままにしておくおつもりであるかどうか、行革担当大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#230
○後藤田国務大臣 特殊法人の役員の退職金は、いつでしたか、自民党内でもいろいろ議論がございまして、そして昭和五十二年か三年かに、二割引き下げたわけでございます。
 この特殊法人の役職員の退職金等あるいは給与についてもですが、これらはやはり、民間の状況と国家公務員、これらを比較考量して、絶えず適切な見直しといいますか、これは私は必要なことだろうと思いますが、現在の退職金あるいは給与というものは、まずまず適切なものであろうと考えているのです。
 といいますのは、先ほどもお答えしたように、特殊法人の役職員のうち、ともかく民間からの登用あるいは内部登用とかいろいろ要求がございまして、役人上がりが半分、民間からが半分、こう決めておるのですけれども、何せこの給与では民間からは来手がないというのが実態でございます。といって、それじゃ民間並みにしたらどうかということになると、役人から特殊法人の役職員になる人についてはこれはよ過ぎるといったような結果になるわけですから、そこらは双方の兼ね合いを考えまして現在の取り扱いになっておる、私はかように考えているわけでございます。
#231
○柴田(睦)委員 民間企業との比較ということを言われますけれども、やはり国民の目から見ると高いというのが実感だと思うのです。
 日銀総裁、理事の退職金、これは勤続一カ月について給与月額の〇・四四カ月分と、特殊法人の役員よりも高率になっております。しかも給与月額が総裁が二百二十四万円と、これは最高裁判所長官、総理大臣、議長の百六十三万円よりも高いわけです。理事が百十二万円、これは国務大臣クラスですね。それから特殊法人役員を上回る高額となっているわけです。こういうもので今の率で退職金を計算すると、大変な金額になるわけです。
 日銀総裁と理事の給与月額と退職金支給率は、今私が指摘したとおり、数字に間違いないかどうか、お伺いします。
#232
○北村説明員 今先生が御指摘になりましたように、日銀の総裁の俸給月額は二百二十四万円、理事が百十二万円でございます。それから、日本銀行の役員の退職金の支給率は俸給年額の百分の四十四というふうになっております。
#233
○柴田(睦)委員 時間がありませんので、最後に一問。
 日銀総裁の退職金を試算いたしますと、勤続年数を十年といたしますと、退職金が一億千八百二十七万円ということになります。日銀総裁が勤続十年で手にする金というのは、給与が十年間で二億六千八百八十万円、一時金が一億五千四百万円、退職金が一億一千八百二十七万円、締めて五億四千百七万円という莫大な数字になります。お札を印刷している日銀ではありますけれども、十年間で五億円を超えるのはちょっと高過ぎはしないかと思うのです。特殊法人は現在九十九法人、総裁、理事長が九十九人。そのほか常勤役員は六百五人。これら役員の退職金に要する経費を、中規模公団の総裁、理事の給与水準で試算しますと、総裁、理事長で四億六百二十九万円余り、それから理事で十九億千三百十五万円余り、計二十三億千九百四十四万円ということになります。これに認可法人約百法人分を加えますと、年間四十億円から五十億円にもなります。財政難ということを理由に、国民や一般公務員にはいろいろと犠牲が強いられております。その前に、こうした高額退職金、こういうものこそ削るべきではないかというふうに思いますが、これについて大臣の所見を伺います。
#234
○後藤田国務大臣 日本銀行の総裁以下の給与がどうなっておるのか、退職金がどうなっておるのか、今初めてお伺いしたのですが、私は率直に言いまして、日本銀行総裁の国内の金融界に占める地位、そしてまた経済全体に対するお立場等から見て、お伺いしている範囲では高過ぎるといったような印象を実は持っておりません。私どもは、退職金は直接触れてないのですが、日本銀行というのは認可法人で特殊法人でないのです。そしてやや独立した立場にございますから、今お尋ねのような金額になっておると思いますけれども、私はむしろ、どっちかというと案外安いな――というのは、民間の大会社等の社長、副社長、こういったものの給与と比べて、日本銀行総裁の処遇がよ過ぎるといったような考え方は持っておりません。
#235
○柴田(睦)委員 長官はみんな否定されておりますけれども、これはやはり重大な問題であるということを私は強く指摘しておきます。
 終わります。
#236
○中島委員長 次回は、来る十二日火曜日午前十一時理事会、正午委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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