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1984/02/09 第102回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第102回国会 本会議 第9号
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1984/02/09 第102回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第102回国会 本会議 第9号

#1
第102回国会 本会議 第9号
昭和六十年二月九日(土曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第九号
  昭和六十年二月九日
    午後一時開議
 第一 昭和五十九年度分として交付すべき地方
    交付税の総額の特例に関する法律案(内
    閣提出)
 第二 昭和五十九年度の水田利用再編奨励補助
    金についての所得税及び法人税の臨時特
    例に関する法律案(大蔵委員長提出)
 第三 昭和五十九年度における道路整備費の財
    源の特例等に関する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 昭和五十九年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和五十九年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和五十九年度政府関係機関補正予算(機第1
  号)
 日程第一 昭和五十九年度分として交付すべき
  地方交付税の総額の特例に関する法律案(内
  閣提出)
 日程第二 昭和五十九年度の水田利用再編奨励
  補助金についての所得税及び法人税の臨時特
  例に関する法律案(大蔵委員長提出)
 日程第三 昭和五十九年度における道路整備費
  の財源の特例等に関する法律案(内閣提出)
    午後一時三分開議
#2
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○長野祐也君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、昭和五十九年度一般会計補正予算(第1号)、昭和五十九年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和五十九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(坂田道太君) 長野祐也君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 昭和五十九年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和五十九年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和五十九年度政府関係機関補正予算(機第1号)
#6
○議長(坂田道太君) 昭和五十九年度一般会計補正予算(第1号)、昭和五十九年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和五十九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。予算委員長天野光晴君。
    ―――――――――――――
 昭和五十九年度一般会計補正予算(第1号)及び同報告書
 昭和五十九年度特別会計補正予算(特第1号)及び同報告書      、
 昭和五十九年度政府関係機関補正予算(機第1号)及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔天野光晴君登壇〕
#7
○天野光晴君 ただいま議題となりました昭和五十九年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきまして、予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この補正予算三案は、去る一月二十五日本委員会に付託され、同月三十日に竹下大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、昨二月八日及び本九日の両日質疑を行い、本日質疑終了後、討論、採決をいたしたものであります。
 まず、補正予算の概要について申し上げます。
 一般会計につきましては、歳出において、災害復旧費の追加、給与改善費及び義務的経費の追加など合計一兆一千九百六十三億円を計上いたしておりますが、他方、既定経費の節減及び予備費の減額により、合計三千百二億円の修正減少を行うことといたしております。
 歳入においては、租税及び印紙収入の増加、税外収入の増加、前年度剰余金受け入れなどで合計七千十一億円を計上するほか、建設公債一千八百五十億円を追加発行することといたしております。
 この結果、昭和五十九年度補正後予算の総額は、歳入歳出とも、当初予算に対し八千八百六十一億円増加して、五十一兆五千百三十四億円となります。
 特別会計につきましては、一般会計予算の補正等に関連して、交付税及び譲与税配付金特別会計、国立学校特別会計など十四特別会計について所要の補正を行うことといたしております。
 また、政府関係機関につきましては、国民金融公庫について所要の補正を行うことといたしております。
 なお、一般会計及び特別会計において、景気の持続的拡大に資するため、一般公共事業に係る国庫債務負担行為二四十六億円を追加計上することといたしております。
 次に、質疑のうち、主なものについてその概要を申し上げます。
 まず、五十九年度の税収の見通しについて、「五十九年十二月末の累計税収の実績は前年同月に比べ六・七%の伸びであり、補正後の税収確保に必要な伸び七・七%を一ポイント下回っているが、政府は今後の税収についてどのように見ているのか。また、酒税が特に不振で補正で減額しているが、補正後の税収を確保できるのか」との趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「五十九年十二月末の進捗割合は、補正後予算額に対して五六・五%で、前年同月末の五七・〇%を〇・五ポイント下回っている。しかし、年度を通した税収については、三月期決算法人申告などに好調が見込まれるので、補正後の税収見込み額の達成は可能である。また、酒税収入については、今後は高い伸び率を示すものと見込まれているので、今回減額した補正後予算額の達成も可能であると考えている」旨の答弁がありました。
 次に、「政府は、今回の補正予算に、硫黄島、北硫黄島の強制疎開させられた旧島民に対し、一人当たり四十五万円の見舞い金を支給することとして、五億六千二百万円を計上しているが、見舞い金を出すというのはどういう趣旨なのか。また、帰島したい人を帰さないのは、火山活動のため危険であると言っているが、そうではなくて、シーレーン防衛や作戦基地化のため帰島させたくないのではないか」との趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「今回の見舞い金は、小笠原諸島振興審議会の意見書のうち、旧島民に報いるための措置の具体化として行うもので、硫黄島と北硫黄島の旧島民が父島、母島と異なった取り扱いを受け、現在に至るまで帰島できなかったこと、及び今後とも定住が困難であること等に伴う旧島民の特別の心情に報いようとするものである。硫黄島が有事におけるシーレーン防衛上重要な地理的位置にあることは認識しているが、今回の措置は、あくまでも科学的な調査を行い、定住不可能との結論を得て行うものである」旨の答弁がありました。
 以上のほか、最近の中東政策、アフリカ難民援助等の外交問題、極東の範囲とシーレーン防衛との関係、アメリカの核戦略のための通信システムと日本の非核三原則との関係、在日外国人の教員採用取り消し問題及び外国人登録法の指紋押捺問題、年金積立金の一部自主運用等財投のあり方、臨教審、教育の自由化等の教育問題、脳死と臓器移植問題、林業の育成策、米の需給問題、日ソ漁業交渉とソ連船の寄港問題、労働時間の短縮、公務員給与の改善等労働問題、その他国政の各般にわたって熱心な質疑応答が行われましたが、詳細は会議録により御承知願いたいと思います。
 かくて、本日質疑終了後、三案を一括して討論に付しましたところ、政府原案に対し、自由民主党・新自由国民連合を代表して原田昇左右君から賛成、日本社会党・護憲共同を代表して松浦利尚君から反対、公明党・国民会議を代表して近江巳記夫君から反対、民社党・国民連合を代表して木下敬之助君から反対、日本共産党・革新共同を代表して瀬崎博義君から反対の意見が述べられました。
 討論終局後、引き続き採決を行いました結果、昭和五十九年度補正予算三案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(坂田道太君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。松浦利尚君。
    〔松浦利尚君登壇〕
#9
○松浦利尚君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました昭和五十九年度補正予算三案に反対の討論を行います。(拍手)
 第一は、余りにも見え透いた黒字隠しが行われているからであります。
 政府は、租税二千三百九十億円プラス補正としていますが、しかし、五十八年度はマイナス四千百三十億円の補正であったにもかかわらず、決算は四千五百六十億円の黒字になったこと、さらには、五十九年度は五十八年度より景気回復が進んでいることを考え合わせますと、酒税の減収を埋めてもなお低過ぎる数字と言わなければなりません。景気は、五十八年二月を底として三月以降は順調に回復し、今日依然として拡大基調が続いているのであります。租税弾性値を見ますと、五十八年度は、政府が固定化し絶対化している一・一を超えて一・四となっています。明らかに経済の様相が変わってきているのであります。法人企業統計を見ましても、五十七年度までは前年同月比がマイナスという状態が見られましたが、五十八年度は営業利益で一〇%、経常利益で二〇%の伸びを示しています。
 こうした景気を反映して、大蔵省が今年一月に発表した昨年四月から十一月までの法人税収の伸びは、順調に推移しています。多くの企業が決算期を迎える三月には、かなり好成績が予想されております。法人税収の伸びは二けたを持続するというのが常識的な見方ではないでしょうか。本補正予算の数字は過小評価と言わざるを得ません。私の試算によりますと、補正後の五十九年度決算で黒字幅は四千億から五千億近く出るだろうと想定いたします。政府は、財政赤字を軽減することにのみ集中いたしまして、我が国経済の現況を見る目を失っているのではないでしょうか。木を見て森を見ざる誤りを犯しているのではないでしょうか。
 反対理由の第二は、ダイナミックな内需振興策、拡大政策を著しく欠いているということであります。
 我が党は、内需に依存する建設業、消費関連企業等を中心に、企業倒産が年間二万件にも上っているという事態を深く憂慮いたしております。全般的な景気の回復と、これら内需関係の特に中小企業の不況現象は、単に経済の光と影の関係として見過ごすことはできません。政府の血の通わない経済政策の痛ましい犠牲であります。公共事業への投資が経済に与える効果として、冬目公共投資を一兆円追加をしますと、乗数効果が一年目で一・二七、二年目で二・二五、三年目には二・七二になることが明らかにされています。税の自然増収も、一年目は二千億円弱、三年目には七千六百億円になります。このことを明らかにしているのは経済企画庁の経済研究所であります。なぜこの研究成果を政策に取り入れようとはしないのでしょうか。
 反対理由の第三は、貿易摩擦に対して政策的対応がなきに等しいという点であります。
 昨年一年間の米国から見た対日貿易赤字は、実に三百六十八億ドルに達したということであります。これは前年の一・七倍にもなります。日米間を中心とする貿易摩擦が解消の方向になく増大の方向にあることは、日本政府が内需拡大に積極的に取り組もうとしなかった結果であります。内需が動かないため、貯蓄超過、長期資本の海外流出現象をも生んでおるのであります。また、いわゆる民間活力を生かしたいと政府は盛んに主張いたしておりますが、資本の運用益が保証されていないところに民間活力が動くはずはありません。その意味でも、本補正予算案は策のないものと言わざるを得ません。
 反対理由の第四は、人事院勧告を不当に値切ったという点であります。
 人勧は、単に国家公務員の給与をふやすという意味だけのものではありません。民間企業の賃金決定に明らかに影響を与え、ひいては勤労者世帯がより多く可処分所得を得て、これまた内需拡大にも結びつくと思われることは言うをまちません。
 以上、反対の理由を幾つか述べましたが、補正後の五十九年度決算で大幅な黒字が出たとき、政府は、倒産、失業、生活苦などに懸命に耐えながら必死で働き必死に生き続けておる国民に対して、何と説明をするのでしょうか。我が党は、その説明なり釈明なりを聞きただす権利を留保いたしまして、反対討論を終わります。(拍手)
#10
○議長(坂田道太君) 原田昇左右君。
    〔原田昇左右君登壇〕
#11
○原田昇左右君 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表して、ただいま議題となっております昭和五十九年度補正予算三案について、賛成の討論を行います。(拍手)
 我が国経済は、一昨年初めから米国を初めとする先進諸国の景気が回復に転じたことを契機として、物価の安定と相まって着実な上昇を続けております。その中でも、ハイテク関連産業を中心とした民間設備投資が活発化し、次第に内需、外需のバランスのとれた順調な景気拡大過程をたどっており、個人消費や住宅投資の伸びも緩やかながら期待の持てる展開となってきております。我が国が、このように比較的良好な経済状態にあることは、経済各部門においで官民それぞれの不断の努力に負うところ大でありますが、特に、政府・自民党が、自由な経済体制を堅持して民間活力の助長に努めてきたこととともに、公共事業の執行に際し機動的、弾力的な決定を行う等、経済の変化に応じ、きめ細かな経済運営を行ってきたからにほかなりません。
 今回の補正予算は、当初予算における財政改革のための厳しい緊縮姿勢を堅持しつつも、予算成立後に生じたやむを得ざる事由に基づき特に緊要となった事項について所要の措置を講じようとするもので、その規模は八千八百六十一億円となっております。
 以下、本補正予算に賛成する理由を申し上げます。
 賛成の第一は、災害復旧費の追加と国庫債務負担行為の追加による公共事業の拡大措置が講じられていることであります。
 昭和五十九年は比較的災害が少ない年でありましたが、不幸にして融雪、豪雨等の災害に遭われた方々は、まことにお気の毒なことであります。今回の補正予算では、災害復旧につきまして、初年度の復旧進度を前年より高め、早期復旧を図ることにいたしております。これは被災地の方々の強い期待にこたえたものでありまして、高く評価いたします。また、これとは別に、一般会計及び特別会計において、一般公共事業に係る国庫債務負担行為二千四十六億円を計上し、これにより事業費として約三千億を確保することとしております。これは社会資本の整備を一層進め、景気の持続的拡大をスムーズに六十年度につなげ、国民生活安定に資するものでありまして、一日も早い補正予算の成立が望まれるところであります。
 第二は、公務員の給与改善に必要な経費を計上していることであります。
 政府は、昭和五十九年八月に行われた人事院勧告を受けて、官民給与の較差是正を図るため、公務員給与の平均三・三七%引き上げを決定し、これに伴う給与法の改正が既に行われております。今回の措置は、財政事情等が極めて厳しい情勢にもかかわらず、公務員の生活確保のためなし得る最大限の努力をした結果であり、人事院勧告の完全実施を目指して確実に第一歩を踏み出したものと高く評価いたします。
 第三は、義務的経費の追加のうち、特に改正健康保険法の施行期日がおくれたこと等に伴って生じた補助金予算の不足を補てんするための経費についてであります。
 健康保険法の改正は前国会で行われましたが、その成立のおくれにより、施行期日が三カ月遅延いたしました。このおくれなどのため、約一千八百億の不足補てんをせざるを得なくなりましたことは、まことにやむを得ない措置であります。
 理由の第四は、歳出の追加を賄うための特例公債の発行は行わず、財政の健全化に努めていることであります。
 すなわち、財源については、租税の増収、既定経費の節減、予備費の減額をもってこれに充てるほか、特例公債の増額を避けるため、やむを得ず前年度の純剰余金の二分の一を財源として受け入れております。その結果、赤字公債の追加発行が避けられ、同時に建設公債の追加発行についても災害復旧に要する経費の範囲内にとどめることができましたことは、財政健全化を図ろうとする政府の強い姿勢を示すものとして高く評価するところであります。
 以上、私は本補正予算三案に賛成する理由を申しましたが、最後に、この際特に申し上げたいことは、今後の急速な高齢化社会の到来に備え、政府におかれましては、引き続き行財政改革を断行し国民の期待にこたえるとともに、近年の技術革新に即応し民間の創造的活力をフルに発揮させて国民生活の一層の向上安定を図るために全力を尽くされることを強く要望して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#12
○議長(坂田道太君) 近江巳記夫君。
    〔近江巳記夫君登壇〕
#13
○近江巳記夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております昭和五十九年度補正予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 今日の我が国経済は、国内需要の伸び悩みとその結果もたらされた著しい対外不均衡への対応が迫られ、また財政は危機状態が続き、「増税なき財政再建」の着実な推進が最大の政治課題となっていることは御存じのとおりであります。我々は、五十九年度当初予算の審議に当たって、内需拡大に背を向け所得税減税を上回る大衆増税を強行し、さらに財政再建の名のもとに国民に負担と犠牲を押しつける財政運営を厳しく追及し、その転換を強く求めたのであります。しかしながら、中曽根内閣は我々の要求を謙虚に受けとめず、今日のように事態をますます悪化させたのであります。六十年度予算審議における中曽根総理の大型間接税の導入を示唆する発言こそ、中曽根内閣成立以来の財政運営の破綻をみずから認めたものと断ぜざるを得ません。
 以下、本補正予算案に反対する主な理由を申し述べます。
 第一は、依然として内需が伸び悩んでおるにもかかわらず、内需拡大のための具体策が欠如していることであります。
 内需の伸び悩みは、特に個人消費の低迷が大きく影響を及ぼしておることは言うまでもありません。個人消費の低迷は、賃上げが抑制されたことと加えて、五十九年度当初予算における酒税、物品税の大幅引き上げ、公共料金の軒並み値上げなどによる国民生活への負担の増大がその原因の多くを占めていることは明らかであります。国民生活を守るとともに内需拡大のために我々が要求した減税の上乗せを拒否し、さらに公共事業の追加にも耳を傾けようとしなかったことが、内需の伸び悩みをもたらし、失業、倒産を高水準のままに推移させ、また内外不均衡を拡大させていると言っても決して過言ではありません。現在の我が国経済の課題は、内需主導の成長パターンヘ転換し、我が国経済を安定成長軌道に乗せることであります。その意味で、これまでの財政運営を厳しく反省し、本補正予算案に内需拡大のための具体策を盛り込むべきであると考えるものであります。
 反対する第二の理由は、「増税なき財政再建」に取り組む姿勢が極めてあいまいであるということであります。
 政府は、五十九年度当初予算において、所得税減税の見返りに、それを上回る酒税、物品税等の大衆増税を強行し、今また大型間接税導入を画策し、事実上「増税なき財政再建」を棚上げしようとしているのであります。中曽根総理は「増税なき財政再建」を掲げ、その実現のためと称し、国民生活に多くの負担と犠牲を押しつけてきたのであります。それにもかかわらず、「増税なき財政再建」の実現に欠くことのできない行政改革は極めて不徹底であり、事実、本補正予算案における既定経費の節減額は、五十七、八年度を大幅に下回っているのであります。私は、この際、政府に対し、大型間接税導入の画策をやめ、行政改革を徹底し、あくまでも「増税なき財政再建」を貫くよう強く要求するものであります。
 反対理由の第三は、人事院勧告を無視し、国家公務員の給与引き上げを大幅に抑制していることであります。
 本補正予算案では、六・四%の給与引き上げ勧告を三・四%に抑制しているのでありますが、人事院勧告の抑制は、国家公務員の労働基本権を制約する代償措置である人事院勧告制度の形骸化にも通ずるものと言わざるを得ません。五十七年度以来、人事院勧告の凍結もしくは大幅抑制が既成事実化され、公務員の生活水準の低下、勤労意欲を減退させ、しかも人事院勧告の抑制が、国家公務員の給与の抑制にとどまらず、地方公務員、年金・恩給生活者等にも悪影響を及ぼしている事実も重大であります。我が党は、かねてから、国家公務員の純減数の拡大を図る一方で、人事院勧告の完全実施を要求してきましたが、人事院勧告を踏みにじる本補正予算案を認めることはできないのであります。
 以上、補正予算三案に反対する主な理由を申し上げ、討論を終わります。(拍手)
#14
○議長(坂田道太君) 菅原喜重郎君。
    〔菅原喜重郎君登壇〕
#15
○菅原喜重郎君 私は、民社党・国民連合を代表し、ただいま議題となっております昭和五十九年度補正予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 今日、我が国が、国際国家の指導的一員として二十一世紀に向け活力ある福祉社会の基盤を築くためには、庶民経済の救援をも兼ねた「増税なき財政再建」の達成と内需主導の適正な経済成長の確立が必須であり、この解決こそ、当面する政治の緊急課題であります。しかしてこの「増税なき財政再建」を実現するためには、我が党が主張している行政改革の断行による構造的赤字の解消と内需喚起の積極的経済政策による自然増収の大幅財源確保にまつほかないのであります。
 しかるに、中曽根内閣における財政運営と行政改革は、口頭の強がりに反し不徹底であり、いまだ惰性的であります。外需の僥幸に支えられた昭和五十九年度経済成長実質五・三%を口にするも、反面、中小企業倒産件数は前年比約千七百件も多い二万八百四十一件を数え、その負債総額も一兆円上回る約三兆六千五百億円の最高に達しました。勤労者の生活水準は停滞を余儀なくされています。このことは、群れの小さな一員をも損なわじと使命する民主政治の本旨から見て極めて遺憾であり、富の分配の偏向を危惧させるものでもあります。
 行政改革の柱である公務員の定数削減も、五十九年度は三千九百五十三人の実質減で、わずか全体の〇・四%にすぎません。地方行革もしかりであります。民間への過度の行政介入を改めさせるために必要な許認可事項と補助金の整理は、その対象となる事務事業の抜本的見直しを行うべきにあるにもかかわらず、殊に約十四兆円もの補助金には根本的メスが入れられていないままになっております。このままでは構造的改革は不可能であり、政府が公言する赤字脱却も夢物語にあります。
 税制改正において政府は、五十九年度一兆千八百億円の所得減税の実施と裏腹に、法人税、物品税、酒税、自動車関係諸税から、減税規模の大増税を強行しました。パート減税を不十分なものにとどめ、教育費減税を無視するなど、健保においても政府の単純一律削減方式による財政の帳じり合わせは本人給付率の低減となる改悪であり、このことは我が国経済の現況と庶民生活の実態に対する無理解と言わねばなりません。また、我が党が要求する中小企業に対する思い切った投資減税の実施は、景気回復に不可欠の施策であるにもかかわらず、政府はこれを見送ったのであります。さらに、減税と並んで積極経済政策のもとである公共事業費も五十九年度に二%の削減を見ました。また、国際的競争力の付与と先進型知識集約産業であるべき農林漁業の振興に関する根本的対策も欠如しているため、地方ほど景気のまだら模様を形成し、一部は危機的状況にあることも看過し得ません。
 私たちは、既に予想される六十年度末国債残高百三十三兆円の重圧が民間活力に宿る景気の自律回復を阻害しかねないと憂えているとき、このたび提案された補正予算は、従来の圧縮均衡型経済運営をなおも踏襲せんとするものであり、我々の主張からして受け入れられないのであります。
 第一に、強く要求されている一兆円規模の公共事業費などの追加が見送られていること、第二に、自動車重量税からの道路整備事業に本来充当されるべき本年度一般会計繰り入れ分が補正予算に計上されていないこと、第三に、労働基本権制約の代償としての人事院勧告を一方的に抑制していること、これらは政府がなせばなし得ることであり、我々は容認できません。
 再度、日本経済の潜在成長力と自己調整力に信頼を置く我が党提唱の路線に政策の転換を強く求め、補正予算三案に対する私の反対討論を終わりますで(拍手)
#16
○議長(坂田道太君) 梅田勝君。
    〔梅田勝君登壇〕
#17
○梅田勝君 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、補正予算三案に対し、反対の討論を行います。(拍手)
 現在国民が求めておりますものは平和と暮らしを守る政治であり、今政府が進めている軍備拡大と大企業奉仕、国民犠牲の臨調行革路線を転換させることであります。ところが、本補正予算案は、その声に耳をかさないばかりか、今戦後最悪の中小企業倒産、失業の増大となってあらわれている五十九年度予算の反国民的性格を助長し、より一層の軍拡、福祉総破壊の来年度予算につなぐものとなっており、我が党は断じて容認できないものであります。
 具体的な反対理由の第一は、この補正予算案が軍拡のスピードをますます加速させ、史上最高の利益を満喫している大企業にはより一層の手厚い助成を行うなど、大企業奉仕を特徴づけるものとなっているからであります。
 軍事費は二百六十九億円上積みされ、対GNP比〇・九九八%と一%枠ぎりぎりに迫り、六十年度における一%突破は確実視されております。これは中曽根内閣の軍拡政策を露骨に示したものであります。また、国土庁の追加予算で、硫黄島への帰島を断念させるため五億六千二百万円の見舞い金を計上しております。これは、いわゆるシーレーン防衛のための作戦基地づくりがねらいであり、旧島民追い出し費ともいえるものであります。我が党は、硫黄島を日本列島不沈空母化の一環とすることに反対し、旧島民が安心して暮らせる十分な対策をとるよう要求するものであります。エネルギー対策費の上積みは、我が国大企業の海外石油開発事業への投融資をふやすためのものであります。石油を掘り当てることができなかったときには返済しなくてもよろしいという、いわゆる成功払いを条件とした貸し付けは、大企業に巨額の国費をつかみ金的に提供するものだとして大きな批判が寄せられ、同制度の撤廃が求められていたものであります。
 反対理由の第二は、国民の暮らしを守る予算をより一層削減、厳しくするものだからであります。
 公務員給与は、人事院が六・四四%の引き上げを勧告したにもかかわらず三・三七%に抑えています。これは、政府が不当にも国家公務員の労働基本権を制限し、その代償としてつくった人事院勧告制度すら否定するものであります。これは、公務員労働者の労働基本権と生活権を破壊するだけでなく、全労働者に低賃金、全国民に低生活水準を押しつけるものであり、断じて許せません。また、国内需要を拡大させるためにも中小企業対策や農林漁業予算の増額が必要であるにもかかわらず、中小企業対策費は三十三億円、農林漁業金融費は十億円も減額されています。大学や高校等私学に対する助成は十一億円の削減、身体障害者保護費は四十三億円の減額とするなど生活破壊は著しいものとなっております。
 反対理由の第三は、健康保険法等の改悪に伴うものであります。
 国民健康保険助成費の追加がありますが、もともとこれは、労働者本人の一部負担の導入、国保への補助率削減など国庫補助の減額を図った健保法改悪を前提として、当初予算では三千二百八億円が減額されていたものであります。しかし、国民の総反撃によって健保法改悪案の成立が大幅におくれたために、今回の補正となったものであります。我々は、このような健保改悪を断じて認めるものではありません。
 最後に、この補正予算案は、さらに借金を重ね、サラ金財政を一層悪化させるものであり、政府の言う財政再建への道を最悪の事態に導くものであります。
 すなわち、国債による資金調達は当初予算よりも千八百五十億円増額し、五十九年度の国債による歳入は、赤字国債を含めて十二兆八千六百五十億円、国債依存率二五%、国債残高は年度末には約百二十二兆円を突破する重大な事態に至るのであります。
 以上が反対の理由であります。
 私は、軍拡、大企業奉仕、国民犠牲の中曽根内閣と対決し、今こそ平和を守り、軍事費を削って暮らしと福祉、教育の充実をという新しい政治の実現を目指して全力を尽くす日本共産党・革新共同の決意を改めて表明し、反対討論を終わります。(拍手)
#18
○議長(坂田道太君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#19
○議長(坂田道太君) 三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一 昭和五十九年度分として交付すべき地方交付理の総額の特例に関する法律案(内閣提出)
#21
○議長(坂田道太君) 日程第一、昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長高鳥修君。
    ―――――――――――――
 昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔高鳥修君登壇〕
#22
○高鳥修君 ただいま議題となりました昭和五十九年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、ただいま可決されました補正予算により増額されました昭和五十九年度分の地方交付税千四百九十七億円について、本年度においては、このうち普通交付税の調整額の復活に要する額二百二十五億円を交付することとし、残余の額千二百七十二億円は、本年度内に交付しないで、昭和六十年度分として交付すべき地方交付税に加算して交付することができることとしようとするものであります。
 本案は、一月二十九日当委員会に付託され、昨八日古屋自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、今回の補正予算で増額された地方交付税の一部を昭和六十年度に繰り越す理由、地方交付税の年度間調整のあり方、本年度の災害等の特別財政需要と特別交付税の現計額による対応の見通し、その他地方財政の現状認識等について質疑応答が行われましたが、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#24
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#25
○議長(坂田道太君) 日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。
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 日程第二 昭和五十九年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案(大蔵委員長提出)
#27
○議長(坂田道太君) 日程第二、昭和五十九年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。大蔵委員長越智伊平君。
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 昭和五十九年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔越智伊平君登壇〕
#28
○越智伊平君 ただいま議題となりました昭和五十九年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要の御説明を申し上げます。
 この法律案は、昨八日大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出いたしたものでありまして、昭和五十九年度の水田利用再編奨励補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、同補助金のうち、個人が交付を受けるものについては、これを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮記帳の特例を認めようとするものであります。
 なお、本案による国税の減収額は、昭和五十九年度において約九億円と見積もられますので、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。
 以上がこの法律案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ、速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#29
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
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 日程第三 昭和五十九年度における道路整備費の財源の特例等に関する法律案(内閣提出)
#31
○議長(坂田道太君) 日程第三、昭和五十九年度における道路整備費の財源の特例等に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長保岡興治君。
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 昭和五十九年度における道路整備費の財源の特例等に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔保岡興治君登壇〕
#32
○保岡興治君 ただいま議題となりました昭和五十九年度における道路整備費の財源の特例等に風する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近の経済情勢等にかんがみ、道路整備事業の実施の一層の促進を図るため、昭和六十年度の道路整備費の財源に充てることとされている昭和五十八年度の揮発油税等の決算調整額約二百六十九億円を昭和五十九年度の道路整備費の財源に充てることとし、そのため、道路整備緊急措置法第三条第一項の特例を設けようとするものであります。
 本案は、去る一月二十九日本委員会に付託され、昨八日本部建設大臣より提案理由の説明を聴取し、同日質疑を終了、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
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#33
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#34
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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#35
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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